石炭対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/02/26
会議録
○枝村委員長 これより会議を開きます。 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案、臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案並びに炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の三案を議題といたします。 本日は、参考人として、福岡県知事亀井光君、北海道知事堂垣内尚弘君、大牟田市長・全国鉱業市町村連合会会長黒田穣一君及び夕張市長・全国鉱業市町村連合会副会長中田鉄治君、以上四名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。 参考人各位におかれましては、ただいま議題となっております三法案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、参考人から御意見をそれぞれ十分程度お述べいただいた後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を受けることになっております。 それでは、まず亀井参考人にお願いいたします。
○亀井参考人 私は、福岡県知事の亀井光でございます。 衆議院石炭対策特別委員会の諸先生方には、産炭地域の振興と石炭鉱業の安定対策につきまして、日ごろから格別の御高配を賜っておりますこと、厚く御礼を申し上げます。また、産炭地域振興の基本法であります産炭地域振興臨時措置法の延長問題につきましては、先生方の格段のお力添えをいただきまして、昨年五月に国会で可決成立し、十年間延長されることになったのでありますが、この機会に改めて御礼を申し上げる次第でございます。 さて、本日審議されております石炭鉱業合理化臨時措置法等石炭関係諸法は、いずれも産炭地の振興発展を支える重要な法律でありまして、その改正につきましては、産炭地域を多く抱えております本県にとりましては、重大な関心事でありまして、私に発言の機会をお与えいただきましたことに対し、心から厚く御礼を申し上げます。 本県の産炭地域は、いまなお深刻な閉山後遺症に冒されております筑豊地域と、国内炭二千万トン生産体制の一翼を担う大牟田地域とがあります。その筑豊地域は、かつて、わが国最大のエネルギー基地として、国内石炭産出量の約四〇%を占め、わが国の近代化と戦後の復興に大きく貢献をしてまいったのでありますが、昭和三十年代からの急激なエネルギー政策転換のあらしの中で荒廃を続け、その禍根は想像以上に大きく、関係地方自治体は石炭後遺症対策に大きな財政負担を強いられておるのであります。 ちなみに石炭後遺症の大きさを申し上げますと、通産省が取りまとめました全国鉱害量調査結果によりますと、昭和五十七年度初めの時点でも、残存量は六千億円程度に上るものと聞き及んでおりますが、本県にはその約八〇%近くが存在をしておるのであります。 また、ボタ山は三百十八カ所、面積にいたしまして千三百ヘクタール以上と計算されます。炭住は三万戸以上でありますが、そのうち二万戸の改良を必要とする現状でございます。 生活保護率は依然として高く、筑豊六条地域におきましては、全国平均の約八・五倍に及んでおるのであります。 他方、世界的なエネルギー需給の逼迫によります石油価格の高騰と、石油にかわる重要な代替エネルギーとして石炭が見直される機運の中で、全国出炭量の約三割を占めます大牟田地域の三井三池は、石油から石炭への燃料転換で売れ行きは好調で、順調な出荷が続いております。かつて二百万トンを超えます貯炭を持っておりました三井三池の山は、現在では四十万トンを割っておるような状態でございます。しかしながら、その出炭は坑内採掘条件の悪化によりまして低迷を続け、年産五百万トンの計画達成は非常に困難な実態でございます。 そこで、本県におきましては、産炭地域のこのような窮状を解消し、できるだけ早期に、自立振興を遂げるために、一日も早く産炭地域の経済、雇用、生活、所得等の水準を他地域並みの水準にまで引き上げるための計画、すなわち広域的な観点に立った産炭地域発展計画の策定に精力的に取り組んできたのでありますが、本日御審議をいただいております石炭関係諸法の延長がなければ、県面積の六三%、県人口の八八%を占めます本県産炭地域の振興は不可能に近く、発展計画も絵にかいたもちになると申し上げても過言ではないと思います。特に、鉱害問題につきましては、本県にとって深刻な問題でございまして、ただいまからその現状なり問題点につきまして意見を述べさせていただきたいと存じます。 本県の鉱害の現状につきましては、すでに委員の諸先生方には国政調査等でつぶさに現地の状況をごらんいただいておりますが、わが国の今日の繁栄の基礎となってまいりました本県の産炭地域は、その反面において、石炭採掘による地表の陥落、その他広範な鉱害の発生により、甚大な被害をこうむってまいりました。これは本県の石炭埋蔵地が主として遠賀川流域を中心とする農地の中に広く分布した平坦地であるからでありますし、また、家屋の密集しております地域に当たるこの鉱害地域というものは、他県に類を見ないような膨大な鉱害が集中的に発生してまいっておるのでありまして、臨時石炭鉱害復旧法制定以来三十年にわたり復旧が継続されてまいりましたものの、いまなお膨大な鉱害が残存し、地域住民の日々の生活を圧迫している現状であります。 このようなときに、鉱害二法が期限切れとなりますので、同二法改正案の御審議に当たりましては、特に次の諸点につきまして格別の御配慮をお願い申し上げたいと存じます。 その第一は、鉱害二法の有効期限の延長についてであります。 申し上げるまでもなく、鉱害二法は、鉱害賠償の円滑な実施及び鉱害の計画的復旧を行うことにより、国土の保全並びに民生の安定を図ることを目的として制定されたものでありまして、鉱害がある限り、鉱害二法は存続されるべきものであると考えます。先ほど申し上げましたような膨大な鉱害が残っておりますことを考えますと、石炭鉱業審議会の答申にもありますように、ぜひ十年間の延長を行い、累積鉱害の完全解消を実現していただきたいと存ずるのであります。 第二は、鉱害処理対策の強化についてであります。 赤水湧水対策、金銭賠償済み物件の処理対策、家屋の追加工事、社有地上の個人所有物件の処理対策等、現行制度では対応がむずかしい諸問題が取り残されておりますので、私どもは、機会あるごとに復旧対象の範囲の拡大を御要望申し上げてまいったのでありますが、これらの問題につきましては、石炭鉱業審議会の答申を拝見いたしますと、原則的には現行どおりの考え方を維持していくべきだと判断されております。 しかし、個々の具体的ケースに応じて救済すべきものは、賠償法体系の枠内で実情に即した適切な対応を図るよう求められておりますので、今後の施策に当たりましては、現行制度の許す範囲内で最大限の救済が行われますよう施策の強化をお願い申し上げたいのであります。 第三は、鉱害処理体制の強化についてであります。 現在、原則として有資力鉱害は賠償義務者、無資力鉱害は石炭鉱害事業団で復旧が行われておりまして、施行者が異なるため復旧にそごが生じまして、総合的、計画的復旧の阻害となっておりますので、復旧工事の施行を石炭鉱害事業団に一元化し、事業団の機能強化を図られるよう要望して今日までまいったのでありますが、答申によりますと、今後におきましても現在の施行体制を維持し、関係者が総力を挙げて取り組むことが肝要であり、復旧工事の施行について地方公共団体の一層の協力を期待するとされております。 もとより、地方公共団体が住民の福祉を保持する責務から、鉱害復旧事業に協力することはやぶさかではありませんが、鉱害処理は、第一義的には鉱業の実施に関するすべての権限を有する国において実施されるべきものでありまして、鉱害の計画的復旧を図るために設立された石炭鉱害事業団の機能強化こそがわれわれとして切望されるところであります。 第四は、鉱害復旧に伴う地方公共団体の財政負担の軽減についてであります。 復旧法制定当時三%にすぎなかった無資力鉱害が、石炭鉱業合理化政策に伴う炭鉱の閉山とともに増大し、現在では約九〇%に及んでおります。したがいまして、本来賠償義務者が負担すべき部分の約半分が地方公共団体の負担となるため、鉱害復旧予算に占める地方負担額も増大をしてまいりました。ちなみに、昭和五十六年度復旧計画によりますと、本県の復旧費四百八十四億円に対しまして、純県費負担額のみでも九十八億円というのが現状でありまして、地方負担の軽減について、どうか今後ともよろしく御配慮をお願い申し上げる次第でございます。 次に、石特会計の問題でございますが、石炭鉱業の長期安定対策、産炭地域振興対策、鉱害復旧対策や炭鉱離職者対策を推進していくためには、その財源の確保が重要なことは言うまでもございません。 この財源として、昭和三十五年以降原重油関税を増徴され、石特会計として一般会計と区別して財源の確保を図られてまいりましたが、石炭対策を効率的に推進していただくため、石特会計法の延長につきましても御要望申し上げる次第でございます。 ことに、産炭地域における雇用失業情勢は非常に厳しく、いまだ雇用回復の兆しが見られない中にありまして、石特会計で実施されております緊急就労対策事業、産炭地開発就労事業が、炭鉱の閉山によって発生した炭鉱離職者等に就労の機会を確保し、生活と人心の安定を促し、産炭地域振興と雇用失業対策として重要な役割りを果たしてまいっておりますことは、御承知のとおりであります。 しかるに、昭和五十七年度予算におきましては、財源難を背景として一定の減少を内容とする予算措置が行われているようでありますが、率直に申し上げまして、産炭地の復興いまだしの現段階におきましては、地域経済に及ぼす影響がきわめて大であり、懸念されるところでございます。 財源難というやむを得ない事情があるといたしましても、産炭地域にいまなお滞留する多くの炭鉱離職者対策として、本県で実施されております失業対策諸事業、特に石特会計制度の中で実施されております緊急就労対策事業及び産炭地域開発就労事業の継続実施と、予算の増額を確保することについてお力添えを賜りたいと存じまするし、また、炭鉱離職者に対する就労対策及び職業訓練制度並びに再就職援護措置等を今後とも実施する必要があり、炭鉱離職者臨時措置法の有効期限をさらに五年延長していただきたいのであります。 最後に、産炭地市町村に対する財政援助措置についてでございます。 産炭地域市町村は、鉱害復旧費、離職者対策事業費等の特別な財政需要が増大をしてまいり、市町村財政を圧迫いたしておるのであります。これらの特別な財政需要に対応するため、地方交付税算定における投資補正係数として産炭地補正が行われてまいりましたが、この措置も本年度までとなっておるのであります。本県の産炭地市町村は、特別な財政需要等のため収支のバランスを欠き、財政力指数も極度に低く、八つの六条市町村が赤字団体に転落しているという現状であります。このような現実を御認識いただきまして、地方交付税における産炭地補正を現行どおり継続実施していただきたいのであります。 以上申し上げましたとおり、本県産炭地域の実情を御賢察賜り、今回の石炭関係諸法の期限延長につきまして、格別の御配慮を賜りまするよう心からお願い申し上げまして、私の意見の陳述といたします。ありがとうございました。(拍手)
○枝村委員長 ありがとうございました。 次に、堂垣内参考人にお願いいたします。
○堂垣内参考人 北海道知事の堂垣内尚弘でございます。 衆議院石炭対策特別委員会の委員長初め委員の諸先生方には、平素、石炭鉱業の安定と産炭地域の振興のために特段の御高配をいただいておりまして、また、昨年十月にガス突出事故に見舞われました北炭夕張新炭鉱の復旧、再建のために御支援をいただきました。まずもって厚く御礼を申し上げます。 本日は、石炭鉱業合理化臨時措置法を初めとする石炭関係諸法の改正問題の審議に関連をし、私に参考人としての発言の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。産炭地域を抱える地元知事として意見を申し述べます。 まず、北海道の石炭鉱業の推移と現状について最初に触れたいと存じます。 北海道の石炭鉱業につきましては、古くから地域の基幹産業として発展し、本道の開発に大きく貢献をし、ピーク時、すなわち昭和二十三年には従業員数が十万七千人、直轄鉱員であります。昭和三十二年には、炭鉱数が百四十三、昭和四十一年には石炭生産量が二千三百万トンであったことがございました。 しかしながら、昭和三十年以降のエネルギー革命によりまして、炭鉱の終閉山が相次ぎ、特に昭和四十年代後半には大型閉山が集中して発生したために、わずか十数年の間にこれらが急速に減少し、現在ではわずか十八炭鉱、一万二千二百人の従業員、直轄鉱員でありますが、それで一千百万トン程度の生産をおさめているにすぎない状況となっております。このような状況にもかかわらず、石炭は国産のエネルギー資源としてきわめて重要なものであり、特に道内一般炭は火力発電所でその多くを消費されておりまして、電力の安定供給にも寄与しているのであります。また、道内には、石炭に大きく依存している地域が多く、依然として、石炭鉱業は、北海道にとりまして主要な産業となっております。 一方、北海道の各炭鉱の現状を見てまいりますと、急傾斜炭層が多く、採炭の深部化が進み、最深部がマイナス千メートルに達しているなど、石炭の採掘条件はきわめて厳しいものとなっております。このために、盤圧やガス量の増加、坑内温度の上昇などがありまして、労働環境が次第に悪化する傾向にありまして、これに対応した生産技術や保安技術の確立が重要な課題となっております。 本道の炭鉱は、現在、それぞれ合理化のための努力を重ねておりますが、以上申し上げましたように、悪条件のもとにおいて、これまでの石炭政策にもかかわらず、対策後の大手石炭鉱業の平均収支は、トン当たり七百七十五円の赤字となっております。このようなことから、新石炭政策の強力な推進が大きく期待されておるのであります。 次に、石炭鉱業の安定対策について申し上げたいと存じます。 昨年八月のいわゆる第七次石炭答申におきまして、石炭政策は、「石炭鉱業の自立を目指すことを基本」とするとされておりまして、この考え方に異論を差し挟むものではございませんけれども、道内炭鉱の採炭条件の悪化、経営基盤の弱さ等の現状からすれば、なおしばらくの間は、国の適切な指導と助成を続けていただき、石炭鉱業が自立を目指すことができるようにすべきであると考えております。 したがいまして、今後とも各種助成措置の拡充強化のために石特会計における財源確保を図り、二千万トン生産体制を指向する石炭政策が確立されることを強く望みたいと思います。 以上のような考え方のもとに、具体的な事項について、数点さらに申し上げたいと存じます。 その第一は、基準炭価の問題であります。石炭鉱業の経営収支の改善を図るためには、各企業における経営努力の必要なことはもとよりでありますが、同時に炭価のいかんがこれに深くかかわっているものと考えております。そこで、一般炭の基準炭価の設定に当たりましては、国内炭の生産と供給の安定を図るために、石炭の再生産が維持できる炭価とするように特に御配慮をいただきたいと思います。 また、これと関連しまして、今回の石炭鉱業合理化臨時措置法の改正案では、電力用炭販売制度が廃止されることとなっておりますが、これによって基準炭価からの乖離が生ずるようなことがあっては、石炭鉱業の安定のために大きな問題となりますので、今後国の適切な措置によりまして、基準炭価制度の趣旨が十分生かされるように配慮すべきであると考えます。 第二は、炭鉱間格差の是正についてであります。本道の各炭鉱はそれぞれ条件が異なっており、石炭の生産コストに格差が生じておりますが、このような炭鉱間格差の是正を図りますために、第七次石炭答申の趣旨に沿いまして、安定補給金の交付に際し、十分配慮することが必要であると考えます。 第三は、労働力の確保についてであります。本道の炭鉱労働者の年齢構成を見ますと、三十歳未満が約一三%、四十歳以上が約六七%で、労働力が次第に高齢化しております。特に若年技術者の不足は深刻な問題となっております。 このような状況に対処し、道といたしましても、道立夕張工業高校の専攻科に修学する生徒に奨学資金を助成するほか、北海道鉱山保安センターに対しても助成するなどして、労働力の確保、養成に努めておるのでありますが、国におきましても、鉱山保安センターなどの養成機関を強化拡充していただきたいと存じます。 第四は、新鉱開発についてであります。国においては、従来から調査を進めてきておりますが、国内炭二千万トン体制の確立のため、さらに具体的な調査を進めていく必要があります。 今回の石炭鉱業合理化臨時措置法の改正案では、これまでの私どもの要望を受けられ、消滅鉱区の再開発や周辺鉱区の開発についての規制が緩和されることになっておりますが、石炭資源の有効活用を図るという観点からも、新鉱開発について、国として、さらに積極的に取り組んでいただきたいと存じております。 第五は、保安の確保についてであります。石炭鉱業において、保安技術の確立により、炭鉱災害の絶滅を図ることが何よりも重要なことは、いまさら申し上げるまでもないと存じます。企業の自主保安の徹底と国における保安技術の研究開発によりまして、早期に保安の確保が図られることを強く念願しております。 以上、北海道の石炭鉱業の実情と石炭政策についての所見を申し上げましたが、私は石炭鉱業審議会の委員でもありますので、石鉱審の場でもこのことを主張してまいりました。国会におかれまして、石炭鉱業合理化臨時措置法の強化延長はもとより、石炭関係諸法の延長につきまして特段の御高配を賜りますようお願い申し上げる次第であります なお、最後になりましたが、北炭夕張新炭鉱の復旧、再建について一言申し述べたいと存じます。 北炭夕張新炭鉱は、開鉱してわずか六年目でありますが、一昨年の八月と昨年十月にそれぞれ大きな災害がありまして、現在同鉱は存亡の危機を迎えております。これまで北炭夕張新炭鉱の復旧、再建のため、国会及び政府から種々御支援、御尽力をいただきました。 一方、北海道といたしましても、地域社会への影響を考慮し、関連下請企業や地元商工業者に対する金融対策を初め、夕張新炭鉱に対する支援につきましても地方自治体として限度いっぱいの努力を傾注してまいりました。北炭夕張新炭鉱は、現在会社更生手続の申し立て中でありまして、裁判所の判断とも深いかかわり合いがございますが、しかし、何といっても同鉱の復旧、再建には相当の資金が必要であり、石炭政策を所掌する国の配慮がなければ再建はおぼつかない状況にありますので、今後さらに国の強力な支援につきまして、特段の御配慮をお願い申し上げる次第であります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○枝村委員長 ありがとうございました。 次に、黒田参考人にお願いいたします。
○黒田参考人 全国鉱業市町村連合会の会長をいたしております大牟田市長の黒田穣一でございます。 石特委員会の諸先生方には、今日まで産炭地域の振興あるいは鉱害の復旧、石炭政策の各般にわたりまして、私ども地域の実情を十分御理解、御認識いただきまして、格段の御尽力を賜っておりますことに対しまして、全国の鉱業市町村長を代表いたしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。本日は、提案されております石炭関係諸法につきまして、また、こうして市町村長の立場から意見を申し上げる機会をつくっていただきましたことを厚く御礼を申し上げたいと思います。 最初に、石炭鉱業合理化臨時措置法の関係でございますが、先ほど知事からもお話が出ておりますし北海道知事からもお話が出ておりますが、第五次までの石炭政策につきましては、どちらかと言えば合理化、いわゆる閉山指向の答申が主力であったわけでございますけれども、六次から七次に至りまして、ようやく国内石炭の見直しということを指向しながら、前向きの施策が盛り込まれているということにつきまして、私ども炭鉱を持っております市町村といたしましては、大きな期待をこの七次答申にかけておるわけでございます。 ことに石炭産業は、炭鉱を持っている市町村だけではなくて、きわめて広域的な波及効果を持っておるわけでございまして、その地域の石炭鉱業が伸びるかどうかということについては地域住民は多大の関心を持っております。特に、最近の輸入炭との関係等につきましても、たとえば外貨事情、円の相場が高下することについてすら関心を持たなければならないというほど大きなウエートをわれわれの生活の中に持っているわけでございます。 したがいまして、今回出されました七次答申につきましては、ぜひ地域の基幹産業としての石炭の位置づけを明白にし、そして石炭企業経営についての安定を図るばかりでなくて、地域住民に対しても安心感を与える施策としてぜひ強力に推進していただくようお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 特に、この七次答申につきましては、施策についてはいまも申しましたとおりに、いろいろと前進的な意見が盛り込まれておりますけれども、この成否はやはり資金的な裏づけにあるかと思います。この点につきましては、石特の諸先生方にはぜひ御尽力賜りまして、今後見通しのきく石炭産業というものを樹立していただくよう格別お願いを申し上げたいと思います。したがいまして、今回の石炭鉱業合理化臨時措置法は、提案されておりますとおりに、従来の例にならいまして五年間延長していただくように特にお願いを申し上げたいと思います。 続きまして、炭鉱離職者臨時措置法の関係でございます。 これは、従前ほどの炭鉱の閉山がございません関係上、離職者が出るというわけではございませんけれども、現在稼行している炭鉱の労働者に安定感を与える意味からも、もちろん必要であると思いますし、さらに一面、今日までこの法律に基づきますところの緊急就労対策事業、あるいはこれをもとにしております産炭地域開発就労事業、こういうものが、産炭地域の単に失業者対策という大きな目的ばかりではなくて、産炭地域の振興という目的にも即して社会投資としての大きな効果をなしております。そしてまた、それは反面地域の事業としても定着をしているという実態からいたしましても、ぜひこれを今後も継続をしていただきまして、離職者対策制度が地域に与えている大きなメリットを今後も継続をさせていただきたいということが、私ども地方の行政を預かる者としてぜひお願いしておきたい点でございます。したがいまして、この炭鉱離職者法につきましても、従前どおりに五年間の延長をぜひお願い申し上げたいと思います。 次に、臨時石炭鉱害復旧法並びに賠償法二法の関係でございます。 鉱害の実態につきましては、先ほど亀井知事からもお話が出ておりますとおりに、今日まで三十年の鉱害復旧の実績はありますものの、なお六千億に上る残存鉱害量が残っております。平穏な生活をしていた農民あるいは住民が、ある日自己の責任によらずに突然に農地が陥没をする、あるいは家屋が傾斜するという悲惨な状態があらわれたわけでございまして、この現象こそがいまの産炭地の疲弊を象徴する形でいまも残っておるわけであります。この点につきましては被害者自身は何の責めも負うべきものではないわけでございますので、今後も被害者は救済するという立場に立って、復旧法をぜひ延長していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 鉱害復旧に当たりまして、従来三十年の実績に顧みまして、先ほど御指摘もあっておりましたが、鉱害復旧の対象の問題であるとかあるいは復旧体制の問題であるとか、それぞれにつきまして、私どもの立場から言いますと問題点はなお残っておるわけでございます。しかし、これは直ちに法律事項であるとは考えておりません。したがいまして、先般の石炭鉱業審議会の鉱害部会小委員会の論議の中でも、こういった点については改善すべき問題としての方向性を打ち出される部分もありましたけれども、答申の中に問題指摘がされているにとどまっている点もあるわけであります。 これらにつきましては、この法律が延長されました後、行政運営の中において改善すべきものは、地域課題というものを取り上げてぜひ改善をしていただくようお願いしなければならないと思っております。こういう点につきましても、私ども地方の意見を十分御参酌いただきまして、石特の先生方にもいろいろと御尽力を賜りたいわけでございます。 それから、内容につきましては、ここで特別に申す時間もございませんが、この臨鉱復旧につきまして、今回の延長に当たって特にお願いを申し上げたい点が一つございます。 それは、合理化法と炭鉱離職者法は三月三十一日で期限切れになり、臨鉱法は七月三十一日に期限切れになります。そこで、この臨鉱復旧事業をやっております事業団あるいは地方公共団体等におきましては、すでに来年度予算は計上されておりますけれども、事業は年度一年間あるいは七、八カ月というような長期にわたる事業計画が組まれるわけでございます。その際に、予算はありましても法律が七月に切れるということがわかっております関係上、直ちにそういう契約を結ぶことはむずかしいというような問題があるわけでございます。たとえば、七月三十一日以降にも継続することが明白なものについて、予算があるからといって事業契約をすることは法律上問題があるというわけでございます。 こういう点もありますので、ひとつ今回の御審議に当たりましては、この事業が中断することがないように、継続的に鉱害復旧の事業ができるようにこれを御考慮いただきたいという点を特にお願い申し上げたいと思うわけでございます。したがいまして、できるだけ早くこの法律の成立をお願いしたいということを特にお願い申し上げたいと思います。 なお、いま申しました合理化法なり炭鉱離職者法あるいは臨鉱法それぞれにつきましては、それぞれにりっぱな答申をいただいておりますけれども、先ほども申しましたとおりに、この実現の可否は、すべて予算、資金的な問題にかかっているわけでございます。臨調がらみで、どちらかと言えば抑制がちの中でございますけれども、産炭地自体が疲弊のどん底にあり、私ども自治体といたしましても市町村長といたしましても、残された法律によって今後十年間で復旧するという公共団体としての使命も十分認識し、甘えの精神ではなくて、自助努力によってあえてやっていくという決意でおりますので、この際、全面的に強力に、最後の力を振りしぼる時期でございますので、格段のお力添えをお願い申し上げたいと思うわけでございます。 石炭特会につきましては特別に御配慮いただきまして、今後予算的にこれが抑制されることのないようにひとつ御尽力をいただきますことを特にお願い申し上げまして、私の陳述とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○枝村委員長 ありがとうございました。 次に、中田参考人にお願いいたします。
○中田参考人 夕張市長でございます。夕張市長でございまするので、まず冒頭、昨年の十月十六日に夕張新炭鉱に発生をいたしました災害に当たりまして、衆議院の石炭対策委員会の諸先生、早速お見舞い、御弔問を賜りまして、そして再建に向けての諸問題についていろいろと御配慮いただきましたことを心から感謝、お礼を申し上げたいと思うのでございます。 おかげさまで、一月二十七日に、約百日ぶりくらいにようやく採炭が再開されました。夕張市民にとって一月二十七日までの間は、毎日悲嘆に暮れて不安と動揺の状態でありました。ベルトに黒いエネルギーが載り、そして炭車に積み込まれて運び出される姿を見て、明るい希望に満ちた情勢が出てまいりました。がらっと市民の様子が変わりまして、いまのところ明るいムードが出てきたなという感を深めておるわけであります。しかし、いま、再建計画、会社更生法の成り行き、これからの決定がどうなるかということは非常に不安でおるわけでありまして、今後もこの再建に向けての石特委員会の先生方の特段の御支援を冒頭にお願い申し上げたいと思うのでございます。 きょうは石炭五法に対する参考人としての意見でございますので、いままで知事さんや大牟田市長さんから御意見がありましたから、ダブらないように問題点を二、三申し上げて、終わらせていただきたいと思うのでございます。 おかげさまで、今度の第七次と言われた新石炭政策は、これから一応二千万トン程度の石炭を出さなければならないという前向きの姿勢で答申がなされておりまして、私も石鉱審の委員でありますから、非常に前向きであるというふうに評価をいたしまして、何とかこの五法の延長をお願いしたいものだと思うわけでございます。 しかし、私は産炭地の、石炭を産出している自治体の首長として一番重要に思いますことは、こうした石炭政策が出されまして、産炭地の住民として石炭を出そうとしても、この町は何年間石炭の町として生きていくのだろうか、このことが非常に不安であります。夕張の例を挙げますと、いま非常に安定の出炭をしております三菱南大夕張炭鉱は、新しい炭脈を発見して三十年はもつだろう、そして災害の起きました新炭鉱は、当初は五十年はもつだろう、また、いま真谷地炭鉱は、大体二十年から三十年は大丈夫だと言われておる。自治体はやはり三十年や五十年でその町がなくなってはいけないのであります。したがって、私は、それでは炭脈が尽きたときにその町はどういう産業基盤、経済基盤をつくらなければならないかということをいまから考えていかなければならない使命がある、こう考えておるわけであります。 それにしても、本当に三十年もつのだろうか、五十年もつのだろうか。二十年かもしれない。これを私は自治体の首長として、そこに住んでいる、これから住もうとしている住民に明らかにしてやらなければならない時期にもう来ておる。第一次から第七次まで新政策が出されて今日まで歩みを続けてきたけれども、今度の新鉱の災害で苦しんで、この体験からもうそういうことを市民の前に明らかにして、もしそうなった場合に、炭脈が尽きたときにはどういう町づくりをし、そして産業基盤をつくって、住んでいる人たちがどういう職場で働かなければならないかということの模索をしなければならない時期に来ているのではないだろうか、かように考えます。 しかし、このことは非常にむずかしい。本当に三十年もつか、五十年もつか。そのためには、まず炭鉱の存続している地域の周辺地域のボーリング調査をして、そしてまた消滅炭鉱の再開発も含めて、この町にはこれだけの炭量がある、実収炭量がこれだけある、したがって、これだけ程度はもつだろう、もたなければならないということをやはり決めてやらなければならない。そして町を消滅させるわけにいかないから、それに並行した産業基盤政策というものをやっていかなければならないものだと、私は自治体の首長としてその責任を痛感しておるわけであります。したがって、今度の第七次政策で前向きに取り組まれている二千万トン体制の中で、それぞれの町ぐるみで具体的に国内炭のこれからの計画というものを、積極的な調査に基づいて、そこに働く労働者、住民に対して明らかにしてやる政策をぜひお願いしたいものだと考えるわけであります。そのことはとりもなおさず新鉱の開発であり、周辺地域、消滅地域の再開発に向けての調査をぜひやっていただきたいと思うのでございます。 さらにまた、保安技術の研究開発の問題でありますけれども、この十月十六日の災害の体験、教訓の中から、そして夕張九十年の歴史の中でずいぶん災害はありました、死亡者もありました、約三千人以上の人があそこで殉職をしておるわけです。しかし、その都度何とかなるだろう、まあ会社にも力がありました、会社の力で何とか再建できるだろう、こう思ってこれましたけれども、今度の北炭の経営陣の悪さは当然でありまするけれども、こんなに災害で全市民が苦しんだ経験がないのであります。どうしても日本の石炭産業がますます深部化する、ガス突出の問題、いろいろあるこれらの保安技術の開発、ぜひひとつしていただきたいということを、災害を受けた住民の代表者として特に強力にお願いを申し上げたいと思うのでございます。 五十六年の十月二十三日に日本学術会議が「炭鉱災害防止のための研究体制の確立について」と題してのいろいろな研究、討議の中から決議がされております。日本の炭鉱の保安技術、特に深部採炭化している現在の状況が非常に立ちおくれているという決議がされております。やはり豪州、他の外国並みの研究、私は技術屋でありませんからよくわかりませんけれども、やはり立ちおくれているのだろうか。ぜひひとつ、この開発に向けて国の強力な政策の促進をお願いしたいものだと思うわけでございます。 たとえば夕張には約六千三百人の炭鉱で働く労働者がいる。この労働者は、いつ災害が起きて自分に再びあのような身の危険が起きるのだろうかということで、毎日毎日が不安の連続であります。そして六千三百人に対し、夕張にある保安監督署の職員は一人か二人であります。私は、このことを責めるとかなんとかではなくて、現実にやはり一つの炭鉱には政府の監督者が常時二人や三人あってほしいという願いであります。私企業でありますから、当然会社経営の経済性を無視して会社を運営するわけがありません。あたりまえのことであります。しかし、人命尊重を第一とする保安第一ということは常日ごろ経営者も言っていることでありますが、ああした災害が次から次と起こる、この現実を見るときに、やはり国の徹底した監督が必要であるということをこの機会に重ねてお願い申し上げたいと思うのでございます。 そしてもう一点は、災害発生時における遺体収容、保安、坑道整備の問題であります。かつての何回も繰り返された夕張の災害では、会社には力がありました。遺体は必ず会社の力で収容ができました。災害が起きたら会社の力で必ず収容すると言ってはおりますが、会社の経営内容、ここ数年の北炭の経営内容からいって、本当に会社の力で収容できるのだろうかということが四万市民の毎日の不安の連続でありました。しかし、おかげさまで収容は着々と進み、あと四十四名であります。一日も早く家族に返してやりたい気持ちでいっぱいでございます。 こういうときには、いろいろケースはあります。その炭鉱の経営内容のケースはありますが、せめて人命尊重の立場から、収容そして保安、その整備、取り明け作業、これだけは何とか国の力でやっていただかなければなりません。このことを私は心からこの機会を通じてお願いを申し上げたいと思うのでございます。この延長される法律の政策の中で、法律の改正やそういうことをしなくても、広義な解釈でその方法はないのでしょうか、石炭特別会計の中で援助をしてもらう方法はないのでしょうか、ぜひひとつ、その点についての御留意をお願い申し上げたいと思うのでございます。 最後に、新しい石炭政策が出されて、これから二千万トン程度の石炭を出す、出さなければならない石炭産出市町村の責任があります。そのためには、やはりその炭鉱で働く労働者がきちっとそこに住んでくれなければなりません、確保しなければなりません。いまの北海道の石炭を産出している市町村の生活環境は劣悪であります。そこに若い労働者が本当に住んでくれて、暗い地底で石炭を出そうとしてくれるでしょうか。他に就職することができないからやむを得ず炭鉱に入っている、私はそういうふうに感ぜざるを得ません。特にこうした災害があれば、災害のことは別といたしまして、この二十数年間次から次と閉山してきて、北海道の産炭地はまことに疲弊そのものであります。ゴーストタウンであります。 私の夕張市は、千九百二十四戸の炭住がそのまま放置されて、青少年問題を惹起しております。学校はいまだにあの冬空に木造で、寒空で子供たちが手を凍えさせながら勉強しております。生活環境、文化、教育、レクリエーション、それに十分他市町村並みの生活をさせる、そういう環境を つくってやらなければなりません。 産炭地振興臨時措置法の十年延長で、おかげさまでその計画をつくり、やることができると思います。新しい石炭政策の答申の中に、新しい環境づくりということがうたわれております。これを具体的に計画的に、単なる産振法の十年延長ではなくて、どのようにその生活基盤づくりをしていくかというところに、これからの大きな石炭政策と石炭を掘り出さなければならない使命とのつながりがあるものだ、こう考えておるわけであります。それは、当然自治体の怠慢は許されません。甘えは許されません。みずからその構想を持ち、みずから律すべきものは律して努力をしなければなりません。その決意を持っております。どうかひとつ、そういう意味でこれからの新しい石炭政策の延長をしていただき、そしてそこに働く住民が安心して石炭を掘り出し、生活ができる道を開いていただくことを心からお願いを申し上げて、私の陳述を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
○枝村委員長 ありがとうございました。 —————————————
○枝村委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀誠君。
○古賀委員 古賀誠でございます。本日は、四参考人の方々には大変御多忙の中を当委員会に御出席を賜りまして、大変貴重な陳述をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。時間の制約がございますので、早速参考人の方々にお尋ねをしていきたいと思っております。 まず最初に、亀井参考人にお伺いをいたしたいと思っておりますが、御案内のとおり、福岡県は、ただいまの陳述の中にもありましたように、かつてわが国唯一の資源であります石炭の日本一の産炭県といたしまして、わが国の戦後の復興、そしてまた経済の振興、発展に大きな寄与をしてきたわけであります。しかしながら、エネルギー革命によりまして、かつての石炭の産出地域が大変な失業者を抱える、そしてまた地域経済の冷え込み、また鉱害の発生等によりまして、大変厳しい局面に直面をしてまいったわけであります。 当然、国といたしましても、産炭地域振興臨時措置法並びにその他もろもろの石炭諸法を施行することによりまして、産炭地域の振興と発展に努力をしてきたわけでありますけれども、何を言いましても、その地域の責任者としての知事としての立場、そしてまた市長さんとしての立場の御苦労、また御努力というものは大変なものがあったろうと思っております。心から敬意と感謝を表するわけであります。 そこで、御案内のとおり、産炭地域振興臨時措置法は昨年十年の延長を見たわけでございますけれども、その基本の一つに、こういうことを答申をされております。その一つは、「地元みずからの発意と合意に基づく広域発展計画を策定し、国が定める基本計画、実施計画との有機的連携のもとで合理的な発展を図らせる」としてありますが、お聞きいたしますと、二月十九日には、産炭地域振興審議会の総合部会におきまして、この基本計画、実施計画の案の取りまとめが行われまして、通産大臣に答申が行われたやにお聞きをいたしております。当然、福岡県におきましても産炭地域発展計画が策定されているようでありますし、この計画の実効性の確保と今後の県の産炭地域振興対策をどのように進められようとしてお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。
○亀井参考人 お答えをいたします。 産炭地の発展計画につきましては、地元の市町村長と十分な協議を重ねまして、地元の十年間における発展を十分考えながら、県といたしまして総合的な発展計画を策定をいたしたわけでございます。 問題は、先ほども申し上げましたように、この発展計画が紙にかいたもちにならないようにするには、いろいろな施策がこれに重なってまいらなければなりません。もちろん、地元市町村の自助努力というものがその前提になることは言うまでもございませんが、ただ、自助努力と申し上げましても、疲弊し切った市町村に財源的な負担能力がない場合には、国がいかなる補助事業、りっぱな補助事業を計画をされましても、これを実施するだけの受け皿を持たない、財源負担ができないために、せっかくのいい国の施策というものを地元で受け入れられない、ここに大きな課題があるわけでございます。 したがって、先ほどの陳述の中でも、この産炭地域の市町村の財政をどのように強化をしていくかという課題につきまして、三つの問題点をお願いを申し上げたのでございますが、県といたしましても、このように、国の実施する事業、国の補助事業を受け得るような財源の裏づけを県独自で地元に支援をしたいという考え方のもとに、来年度の予算におきまして、新規事業として、乏しい財源の中ではございまするが、特別の事業を行う場合の交付金の制度を新たに設けまして、五億円の予算を計上をいたしております。これによって国の補助事業を受け入れやすいような財源措置ができる。あるいはまた各市町村独自で行う事業、特に工場団地、住宅団地、商業団地等をつくりまして、今後の発展を促すという場合におきまして、県が市町村振興基金という制度を持っておりますが、これに産炭地域の市町村の特別枠を設定をいたしまして、低利長期の融資によってこれらの事業を推進させる、こういうことでございまして、一応来年度予算では、一般の市町村としての振興基金のほかに、産炭地域の市町村にひもつきの三億円の枠を設定をいたしております。 この事業は初年度でございまするし、また県の財政が非常に乏しい折からでございましたので、総額で八億になりますが、今後この額を、交付金におきましてもあるいは市町村振興基金にいたしましても枠を拡大しながら、十カ年間の最終目標へ向けて十分に地域の発展の基盤となる財政の裏づけに努力してまいる決意でございます。
○古賀委員 どうもありがとうございます。大変厳しい財政の中でございますけれども、ぜひひとつ御努力をいただきまして、疲弊いたしております産炭地域の一日も早い浮揚のためになお一層の御努力をお願いしたいと思っております。 続きまして亀井参考人と、石炭鉱業審議会の委員でもあり、また鉱害部会のメンバーでもあり、逆に取りまとめられた方かと思いますけれども、黒田参考人、お二人に、このたびの鉱害二法の改正案につきまして御質問をさしていただきたいと思います。 御案内のとおり、今日残存鉱害はまだ六千六百七十億とも言われております。ちょうど十年前の四十七年が一千六、七百億だったかとお聞きいたしておりますが、十年延長いたしましてなお残存鉱害というものがふえてきている。そういった現状の中で、これから十年延長することによって本当に鉱害というものが復旧できるのかどうか、そういった面では、私大変心配と同時に疑問を持つわけでございます。 また同時に、今回の石炭鉱業審議会の鉱害部会の中で、この鉱害二法の改正案につきまして答申案をまとめられる中で、いろいろな議論があったようにお聞きいたしておりますけれども、単純延長という形で答申をなされておるわけでございます。 たとえば、私は御案内のとおり大牟田市の出身でございますけれども、鉱害の対象といたしまして海底の陥没の問題なんかも出てまいっております。今日の鉱害復旧というものはすべてが原状復旧という立場からこの施策、措置というものが前提として考えられているわけでございますけれども、何とかこの鉱害復旧というものを地域振興のために前向きとして考えるわけにはいかないだろうか。たとえば公共事業との整合性の問題、そういった意味で有機的にひとつこの問題を図ることができないか、また、そういった可能性はないかということも私なりに考えているわけでございます。 このたびの鉱害二法の改正案は、ただいま申し上げましたように、単純延長ということでございますけれども、そういった問題で亀井参考人並びに黒田参考人の御意見はないか、お伺いしたいと思っております。これが第一点でございます。 第二点は、今度の答申によりますと、鉱害復旧について地方公共団体の協力を大いに期待しておるわけであります。その点につきまして、県及び市の立場からどのようにお考えになっているか、以上二点をお聞きしたいと思います。
○亀井参考人 お答えを申し上げます。 鉱害復旧が原状回復という基本的な路線に従いまして今日まで行われておりますが、その中におきましても、われわれは公共的な事業と有機的な連携をとりながら、その総合的な効果を上げるべきだという考え方のもとに、たとえば農業の基盤整備、圃場整備事業等におきましては、そういう道路あるいは排水等につきましても十分総合的にやっております。ただ、先ほどの意見の中に申し上げましたように、これらの鉱害復旧事業が一元的に鉱害事業団において行われるならばその整合性がなお大きく効果を上げる、こう考えておるのでございまして、私は、ぜひともこの一元的な鉱害復旧事業の実施につきまして、格別の御協力を賜りたいと存じます。 二番目は地方の協力体制の問題でございます。先ほども申し上げましたように、このこと自体が地域の発展の基礎になり、あるいは地域の住民の生活安定につながる問題でございますので、地方公共団体として当然この問題に大きな協力をすべきでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、協力はするという気持ちは十分にありましても、それに対応する財政的な負担能力がないという現実とどのように調和を図っていくか、こういう問題がございまして、本県におきましては、先ほど申し上げましたように、意欲のある市町村につきましては、県で特別の交付金制度をつくり、特別の融資制度をつくりまして、その意欲を現実に生かせるような配慮は今後ともしてまいります。いろいろな角度から、まず関係の市町村の財政力を強化するというところに重点を置いてまいるつもりでございます。
○黒田参考人 御質問に対する答弁は、いまの知事の答弁と同じでございます。 法律が単純延長になったからといってこれで大丈夫なのかという点でございますが、先ほど陳述の中に申し上げましたように、改善さるべき問題はまだたくさん残っていると思います。この点につきましては、今後の運用の中で改善していただくよう、政府側との話し合いによって進めてまいりたいというふうに思っております。 それから、復旧事業を公共的なものとの整合性を持たせるという点につきましては、地域の私どもとしても、かねがねそういった方向で努力を払っているところでございます。特に農業の改良事業との関連を持たせるとか、あるいは道路につきましても公共事業と一体性を持たせる、あるいは農地の復旧におきましても、これはみなす工事と言っておりますけれども、宅地工事に転換さして都市計画に整合性を持たせるとか、そういった配慮をもってやっておりますし、今後もそういう方向でやっていきたいというふうに思います。 それから、地方公共団体の協力という点でございます。自治体としては、もちろんいま申しますような視点に立って、鉱害復旧を円滑にそして効果的にするという努力をし、被害者と施行者との間に立って、それが円滑に推進できるような役割りを地方自治体がなすべきであると思いますし、特にこれからの限られた十年間で成果を期するためには、そういった意味での役割りを今後一層果たすべきものだというふうに私どもも決意しているところでございます。
○古賀委員 ありがとうございました。 続いて堂垣内参考人にお尋ねをしたいと思いますが、その前に、先ほどの御意見の中にもありましたように、さきの北炭夕張新鉱のガス突出の事故によりまして大変多くの被災者を出したわけでありまして、お亡くなりになった方、御家族の皆様方にお悔やみを申し上げますと同時に、そのために大変御心労いただきました知事さんそれから夕張の市長さん、その御苦労に心から御慰労を申し上げる次第であります。 北炭夕張問題につきまして、まず最初に堂垣内参考人にお尋ねをしたいのでございますが、ただいまの陳述の中に、北海道といたしまして、北炭夕張新鉱にできるだけの支援をしていただいたことが種々述べられたのでありますが、その中で、地方自治体として限度いっぱいの努力を払ったというようなお話がありましたけれども、具体的にはどんな対策を講じられたのか、お聞かせを願いたいと思います。
○堂垣内参考人 お答えいたします。 ちょっと項目が多いのでございまして、控えたのを見ながら申し上げたいと思います。 北炭夕張新炭鉱の昨年十月の重大災害の発生に加えまして、さらに十二月の同鉱の会社更生法適用申請によりまして、地域住民と社会経済にきわめて大きな影響を与えましたことから、道といたしましては、早速北炭夕張新炭鉱災害緊急対策本部、札幌の本庁と夕張の現地に事務所を設けまして、職員を常駐させて夕張市との連絡、炭鉱との連絡もさせながら、被災者対策、遺族対策などの応急対策に全庁を挙げて取り組んでまいりました。 また、同鉱の長期にわたる坑内採炭の中止による下請企業対策といたしまして、雇用機会の創出を図りますために公共事業の夕張地域への重点配分、これは四億九千万円程度でありますが、さらに道有施設特別修繕事業、道の施設とか学校でありますが、これらに五千六百万円などを実施いたしました。 また、中小企業の金融対策として、道の制度資金でございます災害資金を昨年十一月九日に適用いたしまして、このための融資枠二十億円を設定いたしますとともに、十二月十五日には倒産関連資金を適用いたしまして、この融資枠も二十億円、これは合わせて四十一億ほどになるわけであります。そうして、現地で臨時金融相談所を開設いたしまして、北海道信用保証協会の弾力的運用と道内の各金融機関の協力を得ながら融資措置を講じてまいりました。このことによりまして、現在まで一件の連鎖倒産もなく推移してきておるのであります。 特に夕張新炭鉱の帰趨は、国のエネルギー政策はもとより、地域の社会経済に及ぼす影響がきわめて重大でありますことから、何としても再建させなければならないと考えておるのでございます。この再建につきましては、当該会社並びに関連グループの自助努力と、国の段階における支援措置が基本であると考えております。しかしながら、道といたしましても、地域住民対策、石炭エネルギーの確保、地元産業の振興という観点から、できるだけの協力はしなければならないと考えておりましたが、同鉱の一月から三月の資金対策として、国からも道の支援協力方について強い要請がございましたので、道といたしましては種々検討いたしました結果、北炭真谷地炭鉱が北炭夕張新炭鉱から買収いたします発電所の購入資金に対して、信用保証協会の保証によって制度資金として二億円の措置を講じましたほか、道議会とも相談を行いまして、異例中の異例の措置といたしまして、金融機関が融資する五億円と据え置き期間に相当する金利相当額八千六百万円、合わせて五億八千六百万円の道の損失補償を知事専決処分、これは議会の了解を得ましたが、この処分によって措置をいたしたものであります。 そのほか、地方行政の長としまして、当然のことながら地元の起債の問題、あるいは先ほどのお話もございましたように、市町村振興補助金あるいは市町村振興基金、これらを今年度分は一応適用しましたが、次の段階でもさらにこれを拡大するようにいま協議中でございましたり、あるいは市の住宅とか炭鉱の廃屋の整理などにつきまして市が行う場合に、道からこれを融資するという道も講じたり、あるいは高校生の授業料の減免、またこれも当然でございますが、弔慰金の支給あるいは離職者就職相談、こういうようなことのほかに、地方自治体としてもいろいろございますので、今後ともさらに努力をしてまいりたい、このように考えております。
○古賀委員 もう時間が来たわけでございますけれども、もう一点だけ堂垣内参考人にお尋ねをしておきたいと思います。 現在、この北炭夕張新鉱は会社更生法の申請によりまして裁判所にその判断をゆだねられているわけでございますけれども、今度の第七次答申にもあるように、二千万トン体制の維持ということを考える場合に、この新炭鉱というものは非常に意義深い炭鉱になろうと私は考えておるわけでございますが、この再建には、しかしながら相当の資金も必要とするわけでございます。同鉱の再建を図るため、北海道知事として今後国にどういった支援を求めようとお考えか、ありましたら、ひとつ簡単で結構でございますので、お聞かせいただきたいと思います。
○堂垣内参考人 ただいま申し上げましたように、今回の措置は異例中の異例でございまして、国ともよく相談し国の要請も強うございまして行ったわけであります。特に私は十二年間知事をやっておりますが、私の代になりましてからは閉山ばかり続いておりまして、われわれの方としましては分担としては中小炭鉱が主力でございます。したがいまして、今後、資金の需要等につきましては、会社あるいはそのグループの自助努力、またどうしても国によりまして強力な資金援助といいますか、助成策の強化といいますか、これを強くお願いいたしたいのであります。
○古賀委員 どうもありがとうございました。終わります。
○枝村委員長 中西積介君。
○中西(績)委員 議会等がある中で、大変多忙な中できょうこうして参考人としておいでいただきましたことに対しまして、心から敬意を表すると同時に、また、大変多くの問題を抱えておりますだけに、私たちもこの点についていろいろお教えを願いたいと思いますので、ぜひ忌憚のない意見を申し述べていただきたいと思います。 そこで、私は福岡県知事と大牟田の市長さん、二名の方に質問を申し上げたいと思いますが、時間の関係ございますので、一括して申し上げたいと思います。 まず知事さんにお聞きしたいと思いますのは、炭鉱離職者の問題でございます。先ほども陳述の中にもございましたが、緊就、開就問題につきましては、特に緊就の場合全国で二千六百人前後いるわけでございますけれども、その大部分が福岡に集中しているという現状であります。これが五十七年度予算の中では、二千四百五十人を二千百人、開就三千二百を三千百人にと、そうした中での予算削減等が出ております。これに対応しまして、大牟田の市長さんも申されておりましたけれども、この両事業は失業者対策のためのみでなくて、産炭地域振興、この十年の延長とのかかわりの中で大変重要な位置づけに福岡県においてはなっておると私も聞き及んでいるところです。 そうしたことからいたしまして、その社会的投資あるいは先ほど大牟田市長さんも申されたように、地域における大きな事業として位置づけをされるならば、地域経済に対する大きな影響がある、メリットは大変大きなものがあるということを言われておりますが、この点について、特に人員削減とあわせましてこれの福岡県における位置づけ、今後特に産炭地振興の問題とあわせましてどう処理をされていくのか。そして政府に対する要求はどういう点にあるかということをお述べいただきたいと思います。 それから二つ目は、鉱害問題でございまして、法は現行どおりということであるようでありますけれども、福岡県鉱害対策連絡協議会として出されました要望書なり、さらに昨年十二月十七日に出されました石炭鉱業審議会からの答申を見ましても、現状残っている問題等につきましては大体一致するところであります。特に、この中におきまして制度の強化あるいは鉱害処理体制の強化など、地方公共団体の財政負担の軽減等を含みまして幾つか挙げられております。特にまた、その中におきましても制度の強化策、赤水湧水、あるいは農地、家屋などの追加工事、あるいは有資力復旧に伴う農地の効用未回復に対する補償金の問題等々とあわせていろいろな問題が出ておりますし、さらにまた人家以外の地域におけるいろいろな問題等たくさん出ておりますけれども、こうした幾つかの問題がございます。 その中で最も重要視しなくてはならない点、この点は何であるのか。特に、法は現行どおりでよろしいというけれども、ぜひこの点は重大であるのでということで御希望がございますれば、この点を申し述べていただきたいと思います。 次に、黒田市長にお伺いをいたしますけれども、その一つは合理化法にかかわる問題でございます。先ほど黒田市長も、さらに夕張の市長も申されましたように、石炭の位置づけを明確にするということ、そして地域住民に対する不安感をなくするような施策として、見通しを明確にしなくてはならぬのではないかという指摘が御両名からなされたわけでありますけれども、こうした中で、皆さんから出されております要望書なり決議書などをずっと拝見をさせていただきましても、幾つかの点がたくさんここに挙げられております。 新鉱開発問題から生産体制の確立、あるいは企業収支改善、あるいは炭鉱保安、労働力などと、挙げるとたくさんございますけれども、そうしたものが希望が持てる方向に向けて何としても確立をしていかなくちゃならぬわけでありますけれども、その際に、いま最も重要だと思われる、大牟田における市政の側から見た場合にこの内容について一、二御意見がございましたら、特に重要な点を挙げていただきたいと思います。 二点目は鉱害二法の問題でございますけれども、先ほどの御意見の中に、いろいろ改善の方向として問題指摘がされておるようでありますけれども、特にこの答申をつくられた一員としても参画をされておるとお聞きしておりますので、その中で特に地方の意見を聞いてほしいということが言われておりましたけれども、この地方の意見というのはどういうものを指しておるのか。そしてさらに、法は現行どおり、法律変更するという意図はないようでありますけれども、そうした中で特にまた重要視しなければならぬ点がございましたならば、短時間でございますから十分ではないと思いますけれども、御意見をお聞きしたいと思います。 以上でございます。
○亀井参考人 お答えを申し上げます。 第一点は炭鉱離職者の就労問題でございます。何ら働く者の責任でもないエネルギーの転換政策の犠牲となりました炭鉱離職者に就労の場を与え、生活の安定を図るということは、国として大きな責任であると私は考えてまいっておるのでございます。したがって、いままでの失業対策事業というもので賄い切れない離職者に対しまして、炭鉱離職者就労事業あるいは開発就労事業、こういうものの事業を次々と政府にお願いをいたしまして実行してまいってきておるのでございます。その方々の中にも、相当の年数の経過の中で老齢化をしてまいり、あるいはまた病弱者が出てまいるという現状の中で、あるいはまた石特会計の財源が減少しているという政府の財政事情の中で、われわれはどういう調整を図るべきか。ただ政府に対して責任を持ってやれと言うだけでは現実問題の解決になりませんので、政府の施策に対応いたします地元の対策として、来年度予算で、たとえば緊急就労事業につきましては、全国で四百人の枠で自立のための予算措置をしております。本県はその中で三百五十人の割り当てを受けておるわけでございます。 この事業は、自立しようとする炭鉱離職者に百万円の自立資金を給付するものでございまして、それについて国は八〇%、県は二〇%の財政負担は受けるのでございますが、本人の希望によって、あるいは自立したいあるいは百万円をもって小さいながらも店を開きたいという希望者も中にはあるかと思います。この制度はあくまでも強制的なものではございません。本人の希望に従って自立資金を交付いたすのでございまして、私らは、これらのことはすべて炭鉱離職者の自主的な判断に従いまして、生活の今後の安定を図る努力に対し必要があれば県の財政援助もしたい、こう考えておるのでございます。 次に、鉱害問題でおまえは一体何を一番重点的に実現したいか、してもらいたいかという御質問でございますが、この問題は、結局国の財源の裏づけがあれば、十カ年間の延長ができまするならば一応できます。六千億の残存鉱害であります。たとえば毎年六百億を超える国の予算が計上されるならば、計算の上では十年後には解消するはずでございます。基本的には、まずそういう財政の裏づけ、国の予算の増額というものが一番大切だと思うのでございます。 次は、復旧事業の実施に当たりましては、先ほども意見を申し述べましたように、国の責任においてすべて事業を実施する、言うならば鉱害事業団の手によってすべての事業を総合的、一元的に行うというのが効率的な運営の基盤であろうかと考えておりますし、市町村の財政能力に応じまして十分財政を強化し得るような国の別途の措置、言うならば、この鉱害対策というものは単に通産省の所管だけではなくて、政府の各省各庁にわたります総合的な対策の上において初めてその効果を上げるものでございますので、こういう面についての政府の総合的な協力と努力を私らとしては要望したいと考えております。 以上でございます。
○黒田参考人 石炭合理化法の関連におきまして、三池地区において石炭政策、なかんずく地元民としてどういったものに一番関心を持ち、要望したい点があるのかということでございますが、この点につきましては、私どもも石炭政策自体について詳しく存じておるわけではございませんが、先ほど申しましたように、需給の安定を図っていただくということがやはり大きな問題であると思っております。 貯炭も相当減っておりますけれども、これは決して安定した要因によるものではないと思いますし、特に今回、基準炭価の問題についても廃止の方向にあるとは言いますが、単に石炭がコマーシャルベースだけの取引では、炭炭格差なり油炭格差の問題から、必ずしも安定しているとは言えない。そこにはやはり政策的な力添えが必要ではないかという意味からしましても、需給安定についてぜひ政策的な考慮をお願いしたいという点がまず第一でございます。 次は、保安上の問題について十分の監督体制をとっていただく、先ほど夕張市長申されたとおりでございまして、一朝にしてどん底に落ちるような危険性をはらんでいるような点もありますので、こういう点については格別の御配慮をお願いしたいと思うわけでございます。 次に、鉱害復旧に関連して地方の意見はどういうものがあるか、先ほど私、説明をしております中であるいは誤解があったのかとも思いますが、これにつきましては鉱害部会の審議の中で地方の意見はそれぞれの団体から陳述をいたしております。この答申の中に目標、その解決策というものが幾分出されておりますけれども、多くは問題指摘にとどめられている点があります。この点は、それぞれの地方のそれぞれの団体から提起されて、そしてまだ結末のついていない問題として残っておりますので、これが地方から提出されたものであり、今後の課題であるというふうに私ども考えております。
○中西(績)委員 時間がございますので、離職者対策について黒田市長にもう一度お伺いをしたいと思います。 緊就、開就についてのいろいろな諸事業を行う場合の財政的な問題等多くの問題を抱えておるわけでありますが、先ほども申されましたように、産炭地振興の十年間の延長の中に、大牟田市政の中でどう位置づけていくのか、特に地域開発とのかかわり等を含めて大変重要な位置づけになっておると思います。 それともう一つは、申されました地域経済に対する影響が大変大きく出てくるのではないかということが言われておるわけでありますけれども、この点、具体的にもしあれば、お聞かせをいただきたいと思います。
○黒田参考人 これは炭鉱離職者の問題でございますけれども、緊就、開就の事業は、先ほど申しましたように、地域の公共的な事業に大きな役割りを果たして今日まで来ております。特に一般財源に乏しい産炭地市町村、私どもの市におきましても、大きな役割りを果たして今日まで来ておるわけでございます。これが万一幾らかでも収束の方向にでも検討されるということになると、それ自体について、労働省なり何なりの考え方について、それをとやかく言うわけではございませんけれども、私どもとしては何としても残してもらいたい。 もしも他との均衡上そういったことが配慮されるとするならば、産炭地域振興あるいは先ほど申しましたとおりに、社会投資としての効果のある制度に前向きにむしろ乗りかえていく、失業者対策と同時に、地域にそういったメリットを与える施策の方向に転換していくということが配慮されなければ、単にいままでの事業を収束するというだけでは、地域としてはなかなか納得し得ないし、そういう点については十分配慮をし、整合性を持たせ、そうして将来の産炭地域の振興にも役立つという前向きの中で、そういったものが解決されるようにお願いをしたいと思うわけでございます。
○中西(績)委員 以上で終わります。
○枝村委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 堂垣内参考人にまずお伺いをしたいと存じます。 先ほど御意見を拝聴いたしておったわけですが、特に北海道の一つの柱の産業として石炭産業があるわけですけれども、その中で特に石炭の果たしている役割りという意味では、北海道の電力料金にも私は大きな貢献を果たしておるのではないかなと思うのです。先般、奈井江の三十五万キロの火力発電所が石狩川のはんらんで水害を受けて、大体半年間休止をしなければならぬということになったわけであります。ちょうどまだ電力料金の認可前でありましたから、通産省は、これを油で代替をする場合の燃料費のマイナスとして五十億円を実はこの認可の場合に含めて認めたわけであります。私はかねて、北海道においては三十五万の油の火力発電所と苫東厚真の三十五万の石炭火力発電所では、今日の油と石炭の価格バランスからいうと、年間燃料費は百億円違うということを指摘をしておるわけです。 また、過去の例を私なりでずっと調査をしてまいりますと、油と石炭の関係では、石炭火力が油よりも高かったという時代でも、円レートが百八十円台に突風的に高くなったわずかの期間を除いては、やはり石炭は北海道においては油に比べて経済性を保ってきた、いわばそれが道民に還元をされてきたのではないか、こう私は判断をいたしておるわけです。この点について、知事の評価をこの機会に承っておきたいと思います。
○堂垣内参考人 お答えいたします。 いま御指摘ございましたように、特に電力におきましては、北海道の豊富な石炭を燃料として今日に至っておるわけであります。いま御指摘もいただきましたが、また別な観点で見ますると、ちょうど昭和二十九年から四十九年までは安定した価格で推移してまいりましたので、即これは道民の側にとりましても便宜があった、私はそう解釈するのであります。したがいまして、今後とも電力会社と産炭地関係の会社、生産の方との調和といいますか、よく共存するように今後とも指導もし、また説得もしていきたい、このように考えております。
○岡田(利)委員 次に、私は、炭鉱間格差ということは第七次政策におけるいわば目玉商品だと申し上げていいのではないかと思うのです。海底炭鉱四炭鉱からそれぞれ安定補給金二百円を他の炭鉱に振り向ける。北海道に限って言いますと、海底炭鉱である太平洋炭鉱、そして空知の急傾斜の炭鉱、そして幌内、あるいはまた南大夕張、今度の災害の新鉱、これらに格差配分しますと、大体太平洋炭鉱二百五十円に比べて、急傾斜炭鉱はプラス九百円、そしてそれ以外の空知の平層の炭鉱についてはプラス四百円が積み重なるという、この点は従来は言葉では言ったけれどもいわば裏づけがなかったのであります。すでに五十七年度の予算案の中にこれらは組み込まれておるわけであります。そういう点から考えて、北海道の場合には非常に炭鉱間の格差が大きいわけでありまして、果たしてこれで安定できるかどうか、私は非常に心配をいたしているわけです。したがって、北海道内の炭鉱の情勢からいって、炭鉱間格差の是正についてはいま少し工夫をしなければならぬではないかなという感じで私どもも国会で議論をいたしておるわけですが、この機会に知事の御意見を承っておきたいと思います。
○堂垣内参考人 いま御指摘いただきましたが、道といたしましても、炭鉱間の格差の是正につきまして国に従来から強く要請をしてきたのであります。国におきましては、急傾斜炭鉱に対しまして五十七年度から安定補給金の増額交付を予定しておりまして、私どもの要請がかなえられましたことはまことに喜ばしいことと考えておるのであります。しかしながら、いま御指摘ございましたように、本道の急傾斜炭鉱は昭和五十五年度の収支におきましても大幅な赤字となっておりまして、今回の国の安定補給金の対策をもってしましてもその赤字が補てんされない、こういう状況でございますので、私といたしましても、今後なお引き続き国の政策的な配慮をお願いいたしたい、このように考えております。
○岡田(利)委員 北海道はすでに新鉱開発の地点についても国で可能性の調査が進められてまいったわけであります。堂垣内知事は、新鉱開発についても国の積極的な取り組みを実は先ほど要望されたわけであります。もちろん、その鉱区の所有者の企業としての積極性、これを支える国の政策の積極的な展開、同時にまたこれからの新鉱の開発は道及びそれぞれの市町村の、自治体の協力がないとなかなか新鉱の開発はむずかしいという局面に入っておるだろうと思うのです。そういう意味で、この新鉱開発について要望された趣旨から判断をいたしまして、道及び自治体としても積極的な協力体制で新鉱の開発を進めてほしい、こういう意味を積極的に含んでおるのではないかなと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○堂垣内参考人 新鉱の開発につきましては、いま黙っておりますとじり貧になっていくようなムードの中で、資源がたくさんまだあるわけでございますので、特に北海道におきましてはたくさんひとつ調べていただいて、そうしてその可能性を早く確かめてもらいたい、こういう意味で、従来四カ所ほど挙がっておりましたうち二ヶ所がいま有望というようなことでやっております。しかし、これらにつきましてはやはり国が主力でやっていただかねばなりませんので、要望も多いのでございますが、道としましても地元の自治体とも協力すべき面がいろいろあるわけです。道路をどうするとかいろいろ関連のあることもありますので、国の調査の熟度を見まして、道としてもできるだけのことはやっていきたい、このように考えております。
○岡田(利)委員 今次夕張災害に基づく夕張新炭鉱の再建問題でありますけれども、非常に重大な局面に差し掛かりつつあると私は思うのです。いずれにしても、会社更生法の適用申請がなされて、受理をされれば、今度は管財人の選任が行われなければならないわけです。どういう管財人が選任をされるか、一番大きい債権者は政府なんだから政府が外にいるのはおかしいではないか、三井銀行とかそれ以外の金融機関よりも政府の債務が一番大きいわけでありますから、国が管財人の選任に当たっては積極的に協力すべきだろうということをきのうも委員会で私は申し上げておいたわけであります。そういう意味で、再建、再建とわれわれも主張いたしておるのでありますけれども、北炭の再建問題について、道は道なりで今日までいろいろ先ほど述べられたような努力をされておるのでありまして、私どもも実は敬意を表しておるわけです。しかし、今日の時点で、特に夕張の再建について道として要望する点があれば、この機会に承っておきたいと思います。
○堂垣内参考人 北炭夕張新炭鉱の復旧、再建につきましては、先ほども申し上げましたように、道といたしまして、道議会とも相談しながら、異例中の異例として七億円の融資の措置を講じたのでございます。道民の意向としましては、いま御指摘もありましたが、石炭政策を所掌する国の支援に大きく期待しておるのでございまして、いま裁判所の更生開始決定とのかかわり合いもございますけれども、今後の同鉱の再建につきまして、その必要とする資金につきましてはぜひ国の特段の御配慮によって措置していただきたい、このことを強く望んでおるのであります。
○岡田(利)委員 中田参考人にこの機会にお伺いいたしますけれども、夕張炭鉱の場合には、災害発生以前も長い間再建計画を組み上げて、それぞれ石炭鉱業審議会の審査も経て、そしてその結果災害に見舞われたということで、それ以前から、市の歳入関係については、歳入の欠陥が生じているとわれわれは承知をいたしているわけです。したがって、今年度、もう三月いっぱいで五十六年度が終わるわけでありますけれども、夕張市の歳入欠陥というものはどういう実態になっているのか、この機会に承っておきたいと思うのです。
○中田参考人 当初、災害発生間もなく、滞納から全部含めまして、それから市から直接お貸ししておりました三億円、これを含めまして約十三億円でございました。この場合、北炭関連会社として真谷地炭鉱の滞納も二億三百万円程度ございまして、これも含めて年度末までは入らないのではないだろうかと考えた十三億円でございました。これについては会社と話し合って、出納閉鎖期までは何とかこれは納入するということになりまして、それで十一億円でございますが、さらに北海道または自治省のいろいろな御援助を賜りまして、起債のかさ上げ等、ことしも御配慮をいただいて、一億円程度は何とか解消ができました。 で、十億円でございますが、この十億円のうち三億円は直貸ししておる金でございますから、これは当面、この金を取れる取れないという判断をいたしかねる問題であります。会社更生法との、債権との関係がございますから、これを一応別勘定といたしまして、帳じりとしては七億円の何らかの帳じり合わせの資金手当てをすれば何とか切り抜けることができる、こう当面お願いをしておるわけでございます。
○岡田(利)委員 きのうも、細谷委員から、自治省に対していろいろ夕張市の財政対策について当委員会で質問が行われておるわけです。なかなかまだ災害の復旧、再建の方向も定かでないという点で、この時点でぴしっと自治省自体も判断することは非常にむずかしいと思うのですけれども、少なくとも、こういうときに夕張の実態を認識をするという点もございますので、そう考えてまいりますと、われわれは当面やはり四十四名の遺体の救出を図ると同時に、この山が一体再建できるのかどうか、ここに問題点があるんだと私は思うのです。 その中で一つ私どもが聞いているのでは、夕張炭鉱の病院問題が非常に社会問題になって、四月一日から、夕張市としては厚生省とも連絡をし、打ち合わせをし、病院の委託経営といいますか、そういうことに踏み切られたという話も聞いているわけですが、この点いかがでしょうか。
○中田参考人 病院問題も大変深刻でありまして、災害発生以来医者や看護婦が、もう三月いっぱいでやめたいという二十数名が出まして、そうなると、一般診療を閉鎖せざるを得ないような情勢が出てまいりました。私は、自治体をつかさどる長として、やはり市民の医療、安全を保つという意味で何とかしなければならない。したがって、将来市立病院にすべく道にもいろいろとアドバイスを受けながら手続をやってまいりますが、時間が多少かかるわけでありますから、その間、四月一日から医者にとどまってもらうために、会社から委託契約を受けて、いわゆる収入支出の管理をするということで、問題は、この医者と看護婦の期末手当が大手並みに支給されるということにしてやらなければ、いまどきお医者さんが年末手当が五万だ十万だではとてもいるはずがありません。 そういうことで何とかしなければならぬと思っていますが、いま自治法上、民間から自治体が委託を受けて経営をするということが可能であるかどうか。それから、厚生省の認可でいま手続を取り進め中でありまして、いずれにしても、四月一日からどうしてもやらなければやはり四万市民の安全は保てないということで、いま取り組んでおる次第でございます。したがって、市立病院の移管問題は、これは別の問題として、できるだけ早い時点とすれば、それは十月一日ごろに市立移管にすべく積極的に取り組みたい、こう考えております。
○岡田(利)委員 きのうも夕張の再建問題で政府との間にいろいろ議論をいたしたわけでありますが、私は、再建の案というものは現実から離れればいろいろな案は描くことができるんだと思うのです。しかし、今日のあらゆる石炭の政策の制度というものを十分踏んまえて、そしてまた会社更生法の適用を申請をした会社である、裁判所の管轄下にあるということも踏んまえて、そしてこの問題について最終的な方向を出さなければならぬのではないかと思うのです。そうしますと、先般望月調査委員がすでに裁判所に報告書を出されておりますけれども、この面では政府としてもなかなか無理がある。だがしかし、更生計画が決定されれば石炭政策は全面的に適用できる、このことは明確に述べられておるわけです。したがって、更生計画の中に財政資金を含めて計画することも別に問題がないわけであります。 そこで、私は、この時点でこの再建を考える場合に、再建をさせるということが最優先でなければならない。とにかくこういう案であとは考えられない。この案でどうなるのか、この案がだめだからやめるということは、やはり私はまずいと思うのですね。やはり再建をさせるということを最優先で、どうしたら一体再建の計画が組み立てられるかということに最終的には結論の方向をしぼっていかなければならない時期に来た、こう私は判断をも実はいたしておるわけです。 そういう意味で、私も中田市長の気持ちも同じじゃないかと思うのですね。できるだけ雇用も多く、出炭規模も多くして再建ができれば一番ベターであります。しかし、それができないからといってもう安易にやめてしまうということは、これはまた下の下だと思うのですね。だから、やはり最大可能性を追求して残すという点にすべての関係者が最終的には結論を下さざるを得ないんではないのか、私はこういう気持ちを持っているのですが、この点、市長の気持ちも率直に承っておきたいと思うのです。
○中田参考人 いま再建計画、会社更生計画の前提となる再建計画が会社で練られて労働組合に提示し、そして通産省にそれをまたいろいろと伺いを立てている段階で、いまの計画は非常にむずかしい、これではとても再建計画にならないということの判断をされているというふうに伺っております。私も中身を見さしていただきました。これはやはりひとえに北炭が今日まで、この数年間、計画が出るたびにその計画どおり実行されていなかった、この不信感が相当大きいのではないか、まず一つは。それから、やはり技術陣のいろいろな計画がエネ庁としてなかなか認められないものが、人員計画も含めましてまだまだあると思うわけであります。 私は、自治体の首長として、何とかやはり夕張市民が一人でも多く夕張に住んでもらって、一人でも多く働いてもらいたい気持ちは万々でありますが、基本となる再建が成り立たないのであれば、いま先生がおっしゃるとおりでありますから、やはり再建計画としてきちっと成り立つものをつくり上げていただいて、それを通されてからまた新しい構想を立てていくということであればいいんですが、いまの段階でやはり技術的にまた経営的に、人員配置的に可能なものを、成り立つものをつくり上げて、ぜひひとつ一日も早く明るい展望を出してもらいたい、私はそう思っています。
○岡田(利)委員 終わります。
○枝村委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 本日は、各参考人におかれましては、遠いところまた御多忙の中をおいでいただきまして、また切実な御意見陳述もいただきまして、心から敬意を表します。 わが国の重大なエネルギー問題についての石炭について、先日から審議会、そして企業の、さらには働く皆さんの代表に来ていただきまして、いろいろ御意見をいただきました。きょうは、また地元で一番御支援をいただかなければならない責任のある方々の御意見でございますし、ひとつ率直に具体的にお教えをいただければありがたい、このように思っております。 また、昨日は、法案の審議に当たりまして、この石炭産業の一番基盤と言われます安全、保安上の問題等についてもいろいろ議論いたしました。夕張のいまの岡田委員の問題等についても、いろいろ貴重な論議がなされたわけでございます。 そこで、きょうは時間も制約されておりますから、私は二、三点簡単にお尋ねをしていきたいと思います。 まず亀井参考人にお尋ねしたいのですが、全国の鉱害の大半が福岡県に集中しておるという実情をお聞きしました。このための鉱害二法の十年延長に対して期待もお持ちになっております。しかし、幾らかの不安も残っておるようにも本音のところでは酌み取れるわけでありますが、どうでしょうか。今度の十年延長は最後の機会だとも言われております。本当に鉱害復旧が十年間でできるのかどうか、いかがなものでございましょうか。率直にひとつお聞かせを願いたいと思います。
○亀井参考人 お答えを申し上げます。 先ほどもお答えを申し上げましたが、鉱害復旧という事業は、結局は予算の裏づけ自体が問題の解決の基本でございます。したがって、六千億の残存鉱害量であるとするならば、毎年六百億円だけ国が予算を計上するならば、算術的には十年間で解消するという性格のものでございます。もちろん単純に私が申し上げただけでございますが、したがって問題は、国の予算がどの程度計上されるかということで、鉱害復旧の実績がはかられるのでございます。もちろんそのほかに、国の予算を有効に活用し、一日も早く鉱害復旧ができるための諸施策、それは通産省だけでなくて、各省庁の協力体制も要りましょうし、あるいは鉱害復旧事業の一元化、言うならば鉱害事業団の手によって一元的に総合的にこれを実施する。いろいろな枝葉の問題はございますが、問題は、国の予算に対して政府がどの程度意気込みを持って計上し得るかということにかかっているかと思います。
○田中(昭)委員 そういう点について先ほどからずっとお聞きしたわけでございまして、いままた力強い知事の御意見を聞いたわけでございますが、やはり何といいましても、どんな施策でも、それが実際実行できるということでないと、地域住民また地域の発展についてもいろいろな問題が起こってくる、私はこのように思いますから、一段の努力をお願いする次第でございます。 次に、地元の問題で大変恐縮でございますけれども、知事も御存じだと思いますが、実は地元に昭和三十九年に廃山いたしました旧国鉄の志免炭鉱というのがございます。ここも鉱害並びに跡地の利用については一部を除いてまだ未解決でございます。志免町を中心としまして関係町は現在福岡市のベッドタウンとして大変有望視されておりますし、跡地の有効利用については強い要望があることは御存じのとおりでございます。 そこで、土地利用についての経過を、御存じと思いますが少し申し上げますと、十四、五年前に、地元の強い要望を受けられまして、何といっても県に窓口をつくるべきであるということで窓口がつくられまして、そして利用の青写真等もできたと聞いております。その後それがそのままになっておりまして、十年ぐらい前ですが、国鉄がまたその利用についてはいろいろな問題を投げかけました。新幹線それから地下鉄の車両基地にするとがなんとか、そういうことで延び延びになっております。昨年はまた知事さんからいろいろな構想が発表になったようでございますが、いずれにしろ、私は鉱害の一例として申し上げておるわけでございますが、できることからぜひひとつ知事さんにこういう問題についてはやっていただきたいということを要望するわけでございます。何かこのことについて知事さんのお考えがあればお聞きしたい。
○亀井参考人 志免町の旧国鉄志免炭鉱の鉱害問題でございますが、この鉱害の基本は、ボタ山をいかに処理して地域の開発、発展を図るかという問題に尽きるのでございまして、国鉄当局といたしましても、このボタ山の処理については地元の意見を十分尊重して考えます、こういう回答を得ております。地元の関係町におきましては、これらのボタ山処理の上に地域発展計画をつくるための総合的な調整機関、協議会を設置いたしました。われわれとしましても、この協議会の活動に対して全面協力をいまいたしておるわけでございます。全部ボタ山を除去するということは、経済性の上からいっても不可能に近いのでございます。ある程度ボタ山の上部をならしまして、そしてそこに新しい住宅団地あるいは緑地帯、こういうものをつくるという計画がいま具体的に練られておるわけであります。 幸いに、福岡市の東平尾公園に、昭和六十五年第四十五回の国民体育大会の誘致が内定をいたしまして、そういう関連において志免町のボタ山の処理とこの国体のメーンスタジアムの建設、こういうものを絡めながら地域の発展というものを考えていきたい、こう考えております。
○田中(昭)委員 先ほどから、産炭地域の町村が大変お困りになっておりますということでございますし、また、その御支援をいただかなければ国の施策も実行できないわけでございますが、この産炭地域の町村は、炭鉱の閉山に伴いまして鉱害復旧等の特別な財政需要が大変ふえております。御案内のとおりでございます。そのために赤字の町村がふえて、大変知事さんもお困りになっておるとお聞きしておりますが、今後どのような処置を具体的にお考えになっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○亀井参考人 産炭地域振興の決め手でございます臨時措置法の十カ年間の延長が先生方の御努力で実現できましたが、これを紙の上に書いたもちとしないように具体的な年次計画の実行ができますためには、何と申しましても地元の市町村の財政力がその基盤になるわけでございます。 したがいまして、今後の地元の市町村の財政力を強化するために、たとえば自治省所管の地方交付税の産炭地補正というふうなもの、あるいは国の制度であります特別交付金制度、こういうもの、あるいはまた本年度から始まりました特別事業交付金制度、こういういろいろな国の制度を十分手厚く活用をさせていただくとともに、県独自としましては、来年度からなけなしの財源ではございましたが、五億円の特別事業交付金制度をもちまして市町村の財源の強化を図りますとともに、市町村振興基金二十七億の中で三億円だけを、産炭地域市町村の特別枠として長期低利の融資をする、こういうふうな努力を積み重ねながら、今後とも市町村の財政力を強化してまいるつもりでございます。 以上でございます。
○田中(昭)委員 堂垣内並びに中田参考人にお尋ねいたしますが、先ほどからお聞きしたことの重複となって、はなはだ恐縮でございますが、北海道の置かれております今後の発展という中での昨年のあの夕張の事故、ということは、結局は地域の住民の皆さんがそういう暗い環境の中で何か新しい希望を見つけ出して、それがきっかけになって地域の発展をというお気持ちがあるように私は受け取りました。 そこで、岡田委員も申し上げましたが、それをもう少し具体的にお教え願えればと思いましてお聞きするわけでございますが、この新鉱の開発、これはまさに明るい方向の一つの問題点であろうと思います。 そこで、このことについては、このたびの法案の中でもそれなりの兆しがあるわけでございます。いままで政府がやってきた、たとえば新鉱開発についての調査等ということでございますが、中田参考人もそのことをおっしゃいましたし、ほかにもう少し具体的な、国がこういうことをやればもうすぐにでも一緒になってやれるというようなことがございますれば、教えていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○堂垣内参考人 先ほども申し上げましたが、特に北海道におきましては、現在全国の六三%程度の出炭をしておるわけでございます。これらの中で、さらに採炭可能な保有量を見ますと、全国の半分以上を持っておる、こういう調査もできておるわけでございます。したがいまして、前にたくさんありました炭鉱、これはいまどんどんなくなっていくということで、現在は大手が五社で五炭鉱、中小が十社で、たしか十炭鉱と思っておりますが、二百何ぼありましたのがここまで参っております。 そこで、国の大きなエネルギー資源でもございますし、私の方では最も大事な基幹産業でもございますし、自治体としましても産炭地が非常に多いのであります。しかもまだ生きておるところも多いわけでございますので、何とかじり貧にならないように国に対してお願いしておりますのは、われわれの方も候補地に相当するようなところは国に要望して今日に至っておりますけれども、この調査を拡充してもらいまして、いま二カ所ほど有望だという点ぐらいまで参りましたが、これをはっきり国でオーソライズしていただきますと、おのずから地方自治体として関連的なこと、誘導的なことの仕事ができるわけでございますので、早く新鉱開発の調査を進めていただきたい、これが結論でございます。
○中田参考人 先ほど私申し上げましたが、新鉱開発、消滅区域の再調査がやはり必要である。特に現存する炭鉱には、それだけの石炭を掘り出す働く人方がいらっしゃるわけですから、やはり引き続いてその地域で石炭が掘り出せるような新鉱の開発が必要だ。 これは語弊がありますけれども、元炭鉱技術者等のいろいろな意見を聞きますと、こうした新炭鉱のような災害が出てきて、経営上やむを得ず閉山に追い込んだというその消滅炭鉱で、まだまだ二十年や三十年もつだけの石炭量はあるはずだというようなお話があります。これは技術者としてのプライドがありますから、いろいろそういう点での論議をこれから呼ぶことになるとは思いますが、この際、日本のエネルギー政策上、石炭の重要性から考えれば、そういうことも乗り越えて、本当の意味の炭量調査をすることによって石炭を産出することもでき、そして産炭地自治体も長延びをすることができるものだ。ぜひその調査を積極的にお取り運びを願いたいものだ、かように考えておる次第であります。
○田中(昭)委員 ありがとうございました。
○枝村委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 参考人の方、大変御苦労さまです。特に産炭地のたくさんのむずかしい問題を抱えられて、その責任者であられる皆さん方のいろいろな御意見、本当にありがたくお聞きしたわけであります。 まず最初にお尋ねいたしますが、鉱害法関係、炭鉱離職者関係、その他これからの問題の処理に当たってのいろいろ要望事項等も出されたわけでありますが、いろいろ御意見が出された中で、石炭鉱業合理化臨時措置法については、法の延長については触れられておりましたが、法の中身について、もっと充実強化するという、何かそういう意味での御意見がなかったような感じがするわけであります。端的にお伺いしますが、そういった点について何かお考えをお持ちであれば、お聞きしたいと思うわけであります。亀井知事と堂垣内知事で結構ですから、もし何かそういう意味でのお考えがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○亀井参考人 石炭対策というものは、総合的な効果を上げなければよい結論は得られないのでございます。そのためには、財政的な問題もございましょう。あるいは事業執行の面もございましょう。あるいは炭鉱離職者の処理の問題もございましょう。あるいはまた地元市町村の財政力を強化する問題等種々あるわけでございます。その中で法律で期限を限られた問題につきまして、われわれは産炭地域臨時措置法の際も、また今回の鉱害二法の問題についても、期限延長という中で政府の手厚い施策を要求をし、またその実現をお願いするという姿でございまして、私らは地元でございますから、自助努力をいたすことは当然な責務であると考えております。 しかし、その自助努力にいたしましても、財源不足の地方公共団体には限界があるわけでございまして、石炭産業の後遺症という問題は何で起こったかということを考えますと、結局は国のエネルギー政策の転換によって生じたものでございますだけに、私は、国の責任においてこの問題が処理されるべきであるという基本的な考え方を持っております。しかし、政府の財政事情等も十分勘案しながら、ただ観念的に政府を攻撃するというのではなくて、具体的な問題として現実的な解決を図る努力をこれからもしてまいりたいと考えております。
○堂垣内参考人 いま亀井知事から申し上げたのと同じでございますが、私は御発言をチェックいたしまして、繰り返すようでございますが、やはり最初に陳述申し上げました五つの意見、このことについてさらにお願いいたしたいということでございまして、第一は基準炭価の問題、これをしっかりやってもらいたいということでございます。第二は炭鉱間格差の是正でございます。それから第三は労働力の確保でございます。それから第四は新鉱開発についてでございます。第五は保安の確保、こういうことでございます。 これらを強く願っておるのでございますが、私の方は閉山で苦しんではおりますが、目下稼働しているところも活発なのもございまして、閉山と稼働の両方の合併みたいなのが多いわけでございますので、強いて申しますと、企業誘致から団地の造成からいろいろなことを要望しておりますが、総合的な地域づくりということについても手をかしていただければ幸甚だ、このように考えております。
○小渕(正)委員 ありがとうございました。 次に、鉱害処理関係で二、三お尋ねいたしますが、残存鉱害が六千億近くあり、数字的にいきますならば年に六百億ずつ政府が支出する。十年間で処理することになるわけであります。今日まで鉱害処理についていろいろなお話を承っておるわけでありますが、そういう意味では、亀井知事が、処理体制をより強化していく、そして復旧工事の一元化ということを強く申されておったわけであります。これは今回の答申では生かされてなかったということで、運営の中でもっと考慮してほしいということのようであります。そういう中で、直接的ではないにいたしましても、地元のそういった九十八億も負担されて鉱害事業をやっておられるという、特に地元福岡県がほとんど鉱害の復旧工事の中心でございますが、処理体制を強化するという意味でもっと機能を強化してほしいということを言われましたが、具体的にはどのようなところを言われておるのか、もしその辺がありますれば、お聞かせいただきたいと思います。 また、黒田市長さんの方からも、鉱害処理についてはかなり改善されなければならない点があるということで、これからの事業を継続される中で改善を図っていくことでひとつ考えてほしいということでございました。ここらあたりも共通するものじゃないかと思いますが、具体的なものでお考えがあれば、お聞かせいただきたい、かように思います。
○亀井参考人 鉱害復旧事業の中身は各地域でいろいろ異なってまいりますが、共通的な問題は、農地の復旧の問題あるいは住宅の復旧の問題が基本でございます。最近は第二次鉱害として赤水問題あるいは湧水問題等、新しい鉱害が発生しております。ところが、いままでの鉱害二法ではこれらの事業をカバーできないのでございます。そこで、意見として申し上げましたように、現行制度の中でできるだけこれらの新しい課題を解決するような幅のある行政運営をお願いをしたいというのが私の念願でございます。
○黒田参考人 今後改善をお願いしたい点多々あるということを申し上げておりますが、いまの処理体制の一元化という問題につきましては、たとえば無資力につきましては事業団が一元的に行っておりますが、有資力炭鉱は鉱業権者が行っております。地域的には隣接しているような場合に、有資力炭鉱は会社の資金事情、経理事情との関係がありますが、事業団はそれにかかわりなく、国の予算でやっていっております。これが時期的に一致をいたしませんと、復旧効果が上がらないというような場合もあるわけでございます。 ところが、会社は会社の事情がある、こういう場合には、事業団あるいは国は指導性を発揮して、事業団事業に整合性を持たせて、有資力炭鉱の復旧を同時に行わせるというような指導をすることも必要でありましょうし、さらに一歩進んで、そういうものについては事業団が一括して有資力の分についてもやるということまでもお願いをしたいというのが私どもの要望でございます。
○小渕(正)委員 次にお尋ねいたしますが、離職者関係の緊就、開就について、物事をもう少し発展的にこれからは考えていただきたいということで、黒田市長の方からお話がありました。私もこの緊就、開就について、特にこれはほとんど福岡県で行われているようでありまして、二、三の事例を見ておるわけでありますが、本当に公共的なものの中でこれが有効に活用されておるのかどうかという点では、若干の疑問なしとしない点もあったわけでありますが、具体的に現在どういう事業がやられているのか、二、三で結構ですから、そういう事例をひとつお知らせいただきたい。 それから堂垣内知事にお尋ねいたしますが、北海道としては、独自に労働力確保対策の一環として、奨学金制度をつくっておられるというお話がございましたが、この奨学金制度の中身を簡単で結構ですからお教えいただければと、かように思います。
○黒田参考人 緊就、開就の事業でございますが、これはそれぞれ目的は違っておりますけれども、緊就につきましては、道路舗装であるとか公園の整備であるとか、そういった事業が主でございます。開発就労事業になりますと、団地造成であるとか道路工事、こういった公共的な事業を主力に行っておるわけでございまして、一般公共事業と同じような性格と目的に即して今日まで大きな効果を上げているわけでございます。
○堂垣内参考人 先ほどの高校生につきましての奨学金でございますが、毎月五千円で年六万円、二カ年で十二万円でございますが、将来炭鉱に就職した場合は返さなくてもよい、こういうことにしております。
○小渕(正)委員 黒田市長にお尋ねいたします。 きょうは全国市町村、そういった立場での参考人として御出席になったから触れられなかったのじゃないかと思うのでありますが、黒田さんは大牟田の方でございますけれども、私も三井三池炭鉱のことについていろいろなお話を承っておるわけであります。特に、これからの三井三池炭鉱の中での大きな一つの問題として、ボタの処理について非常に悩んでいるということがよく言われているわけでありまして、そういう点で、公有水面埋め立ての中身について、もう少し何らかの方向で考慮してほしいというような強い要望が実はよく出されるわけであります。石炭産業のこれからの発展、その発展をしていくためには、三井三池の存続というのがかなり重要な位置づけにあると思います。 そういうところで、こういう問題が将来的に大きな問題だ、この処理が解決されないことが、また結果的には経営の足を引っ張るような大きな負担になっていく、そういうことを言われておりましたが、ここらあたりについて何かお考えがありましたら、市長さんの方からお聞かせいただきたいと思います。
○黒田参考人 御指摘のとおりに、三池炭鉱五百万トン生産のうち、別途百六十万トン程度のボタが出ているわけでございます。このボタ処理につきましては、企業としても大変頭を悩ませておりまして、御承知のとおり、五十数万トンは海洋投棄を行っております。残りの百万トンは内陸部に埋め立てをやっておるわけでございますが、すでに飽和状態でございます。 そこで、今後、長期的に生産を維持していくためにはやはりボタの捨て場の確保が必要であると思っております。その際、私ども地域といたしましても、地域ぐるみで炭鉱を守るという立場から、今度三池港の改修整備を県の方の事業として取り組んでもらっているわけでございますが、その一環として、この三池港の新しい港の周辺部に埋立地をつくりまして、一般産業廃棄物と同時にボタもそこに捨てる、そして長期的にそこに堆積ができるようなものを、まだ試行錯誤の段階ではございますけれども、県、市、企業等が一体となってそこらにボタ捨て場を見つけていくということが必要であろうかと思って、そういった検討を現在いたしております。 この点につきましては、先般、石特の先生方が地元においでになりましたときにも、単に企業とか自治体が取り組むというだけでは問題の解決にはならない、石炭政策の大きな課題であるという点から、ぜひ国においても、いまの公有水面埋め立てにつきましても特段の配慮をしていただくと同時に、この事業につきましても、ひとつ国自身も特別の御支援、御指導をいただきたいということをお願いしてまいりました。今後そういった意味で、地域ぐるみでボタ処理に取り組んでまいりたいと思っております。
○小渕(正)委員 終わります。
○枝村委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 亀井参考人にお尋ねをしたいと思います。 十九日の日に産炭地域振興審議会から答申も出されまして、いよいよ産炭地域振興の最後の十年だということで、この計画がスタートすることになったわけであります。しかし、私は、いまのままでいくと、せっかくりっぱな絵をかいているけれども、先ほどから絵にかいたもちという言葉が何回か出ましたけれども、これがそうなってしま、いやせぬかという危惧の念を感ずるわけであります。それは一番端的には財源問題だと思うのです。先ほど知事は、県としても独自に市町村に対して措置をするような努力をしているというふうに言われました。国もまた特定事業促進調整額というような制度はつくったのですが、この国の制度の場合で言うと、金額的にも十一億とか、今度はたしか十二億五千万ですか、大変小さいのですね。私はこれでは本当に絵にかいたもちに終わりゃせぬかという危惧の念を持っておるのです。この点知事はどういうふうにお考えでしょう。
○亀井参考人 お答えを申し上げます。 産炭地振興発展計画は十年後においてどのような成果を上げて幕が引けるかという課題には、私も非常に心配をいたしております。というのは、国のこの問題に対する取り組み方のエネルギーが、率直に申しまして十分でない。いま御指摘のございました調整基金の問題にしましても、われわれが要望する額よりもはるかに低いわけです。十一億、来年度が十二億五千万円、こういうことで一体産炭地域の振興というものが進むだろうか。しかもその財源の裏づけを地元の市町村あるいは県に要請しているというところでございます。 そこで、県といたしましても、なけなしの財布の底ではございますが、その底をはたいて新規事業でございます県独自の特別事業交付金制度をつくり、あるいは特別融資制度をつくりまして初年度を迎えるわけでございまして、この経過等を踏まえながら、今後十カ年の間に十分発展計画の成果が上がりますよう努力をしてまいり、国に対しましてはさらに力強いエネルギーの発揮を要請してまいりたいと考えております。
○小沢(和)委員 では次に、鉱害の問題でお尋ねをしたいと思うのです。 いま臨鉱法の十年単純延長が提案をされているわけであります。これの運用を改善していくようにすれば、いままで問題にされていたことも相当カバーできるのじゃないかということが言われております。確かに、新しい鉱害現象などもその対象に入れろとか、そういうようなことは運用でカバーできると思うのですが、私特に心配しておるのは、いわゆる有資力鉱害です。こちらの方は何しろ相手があることでありまして、炭鉱の各社が金がないからということで、どこでも非常にこの復旧がおくれておるわけであります。これをどういうふうにしたら積極的にもっともっとテンポを上げて十年間でやり上げていくことができるか、この辺についてもぜひ知事の御意見があれば承りたいと思います。
○亀井参考人 非常に核心に触れた御質問でございますが、先ほども意見の中で申し上げましたように、無資力鉱害の範囲がだんだん広がってまいりまして、現在は八〇%近くが無資力という姿で、有資力鉱害は二〇%というのが本県の事情でございますが、無資力の方は鉱害事業団の手によりまして復旧事業が行われる。ところが有資力はあくまでも企業の責任において行うというたてまえでございます。その企業が十分収益を上げ得る企業であれば格別でございますが、すでに炭鉱が閉鎖されておる、あるいは他に新しい事業への転換がなされていない、こういう有資力企業の場合には非常に大きな問題を抱えておるわけでございます。このことは、私の率直な意見を申し上げれば、産炭地域の振興という大きな旗印のもとにおいて、別な角度から、そういう権利義務の関係を離れて、政府がもっと力を入れていただきたいというのが率直な意見でございます。
○小沢(和)委員 ではその次に、緊就、開就の問題などについて引き続いて亀井参考人にお尋ねをしたいと思います。 先ほどから黒田参考人が、この緊就、開就などは、失業対策として積極的な役割りを果たしているだけでなしに、社会投資としても非常に重要な役割りを果たしてきたということを言っておられるわけであります。もともとこの開就事業というのは、私の記憶では、たしか亀井知事も大いに奮闘をされて、私も県議会におる時期につくられた制度であります。ですから、当然そういう制度でなくちゃならないとは思いますけれども、知事自身が、やはり黒田参考人と同じように、社会的にも非常にこれは積極的な投資としての意義を持ってきた、これまで持った事業であったというように判断をされておられるかどうか、この機会に確認する意味でお尋ねをしておきたいと思います。
○亀井参考人 緊就、開就が持っておりまする地域の発展に対するインパクトというものは変わらないと考えます。黒田参考人の申し上げたとおりでございます。ただ、それ以上に大事なことは、炭鉱離職者の生活の安定という一つの面があるということでございます。ただ、緊就の場合は事業単価が低いために地域の発展への貢献度は少ないのでございますが、開就事業はまさに公共事業と同じ水準でございまするから、地域の発展への大きなインパクトになっておると思うわけでございます。したがって、私らは、この緊就事業についての高齢者対策という労働省が考えてまいりました考え方に対して反対をしてまいったのでございます。 しかしながら、考えてみますと、もう高齢者になって働く労働力も乏しくなるし、あるいは病弱な就労者もおる、こういう方々がここに何がしかの資金があれば小さい店の一軒も持って自分で自立したい、こういう方々もたくさんおるのじゃないだろうか。そう考えてみますると、緊就事業の枠の中だけでこの方々を処理するということは非常にむずかしい問題です。就労の機会をむしろ労働能力がないためにあるいは病弱のために失っていくのでございますから。そこで、今回労働省が考えました自立資金として百万円を交付して自立させていこう、こういう考え方には私は賛成し得るのでございます。これもあくまでも強制する性質のものではございません。御本人の希望で自立したいという場合にこの百万円の資金というものが何がしかの自立のための力になっていくだろう、こう考えておりまして、福岡県におきましては、来年度三百五十人を対象としまして二〇%の県費負担を予算化しているところでございます。
○小沢(和)委員 引き続いてお尋ねをしたいと思うのですが、いま亀井知事は、それなりの役割りを果たしてきたことを認めながら、高齢者や病弱者の引退ということはこれはやむを得ないというお話をされました。私も、こういう年をとられたりあるいは病弱になられたということのために、引き続いて働くのが無理だという方を引きとめておくというようなことは、これはまた問題があると思うのです。しかし、そういう方々にはそれはそれなりの十分な措置をして差し上げながら、同時に、いま申し上げた社会投資としても非常に大きな役割りを果たしてきた事業が、これは人がいて初めてそれに対応して事業をつけるわけですから、三百五十人いま減らしてしまうということになればそれだけ減る。このことについてはやはり別に考えなければならない問題ということになるのじゃないかと思うのです。先ほど黒田参考人は、これについてはもっと前向きの、ということは恐らく事業単価などもうんと上げて、事業効果も上がるような事業として、前向きにむしろこの機会に問題を考えてもらいたいということを言っておられたわけなんですが、亀井知事はその点はいかがお考えでしょうか。
○亀井参考人 両事業には特色がございまして、産炭地緊急就労事業というのは、あくまでも石炭産業から離脱をしました離職者を主体とするものである。開就あるいは特定地域の開発就労事業というものは、あくまでも地域の方々の雇用の安定と地域の経済発展の基盤をつくるということでございます。したがって、炭鉱離職者だけをとりまして、その中の高齢者あるいは病弱な方々の自発的な意思に基づいて自立をしたいという方に対する交付金でございますが、しからば、福岡県の場合は三百五十人の緊急就労対策の労働者が減ることによってそれだけ事業量が減って、地域の発展に大きなかげりを見せるのじゃないかという御質問、私もその点については、今後開発就労事業をさらに拡大をするという中で、もっと単価の高い、しかも賃金の高い所得の得られるような事業の拡大につきまして、さらに労働省と十分相談をしてまいりたいと考えます。
○小沢(和)委員 では次に、堂垣内参考人にお尋ねをしたいと思うのです。 私どもも、北炭夕張のああいう大災害については非常に心を痛めておりまして、一日も早く山の再建が成ることを希望しておるわけであります。しかし私どもは、あの山を再建するということと、それを北炭の手で再建できるかどうか、あるいは再建すべきかということとは別のことじゃなかろうかというふうに考えておるのです。実際いままで北炭が数々の災害を引き起こしてきたという実績、それからまた、これだけ災害を起こしておきながら、先日出されました再建計画などを見ても、保安などの面で見ても大変危なっかしくて、通産省から突き返されるというような状態などを考えてみると、この北炭が中心になって再建をしていくというようなことは、これはきわめて望み薄じゃないだろうかというような感じがするわけです。 ですから、私どもは、今後日本の国内の重要なエネルギー資源である石炭を本格的にもっと復興をさせていくという展望も考えながら、むしろ政府などが中心になって、たとえば石炭復興公社とでもいうべきものをつくって、国がもっとナショナルプロジェクトとして、そういうような炭鉱の復興あるいは新鉱の開発というようなことを進めていったらどうかというようなことを考えているわけですが、北海道の知事として、こういう点はいかがお考えでしょうか。
○堂垣内参考人 経営のことが主体になると思いますけれども、いまの自由主義経済の中でこれを一つにする、別な形態にするということは、私はできないと思うのですけれども、私は、審議会で提案しておりましたことは、いまの体制の中でも経営形態をもっと考える必要があるのじゃないか、こういうような発言もしておるのでございます。したがって、いま第六次のあの案の中でも、新鉱開発だけは第三セクター方式というような、こういうような方向でございますが、あの中でやはり私としては、何か地方自治体にばかり押しつけられるような気もしております、国がもっと前向きで中に入ってくるべきじゃないか、こんな発言もしたこともございます。 ただ、いまは北炭がこれだけ事故を起こしたから信用できないとか、こういう段階では私はないと思いまして、これはあくまでもほかの会社でも協力する、あるいは三井グループも協力する、そして国も協力をする。そうして地方自治体としては地方自治体のやることがございますから、相協力してともかく再建に努力する、こういう考えでございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○枝村委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十五分散会