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96回国会衆議院1982/02/25

石炭対策特別委員会 第5号

発言数
218
登壇者
20
会派数
5
開催日
1982/02/25

会議録

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 これより会議を開きます。  石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久間章生君。

久間章生自由民主党

○久間委員 時間がないようでございますので、基本的な問題数点にしぼりまして質問をいたしたいと思います。  まず、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案についてお尋ねいたしたいと思います。  これまで、石炭鉱業の自立を図るために石炭鉱業合理化臨時措置法に基づきまして各種対策が講じられてきており、五年前のこの法律の改正では、五年間で石炭鉱業の自立へのめどを立てるということで、対策期間の延長がなされたわけであります。しかしながら、石炭企業の経営の現状を見てみますと、たとえば五十五年度の大手五社平均の損益は、先日調査室によってつくられましたこの資料を見てみましても、政策助成の効果を別にいたしますと、トン当たりで千五百六十八円の赤字となっておりまして、これまでの対策の実施にもかかわらず、なお石炭鉱業の自立のめどが立つに至っていないような感じがするのでございます。この辺の理由が何なのか、まずこの点についてお聞かせ願いたいと思います。  続けて、二、三点あわせて質問をいたしますけれども、わが国石炭鉱業の現状を踏まえて、今後わが国石炭鉱業の自立に向けましていかなる対策を講じるべきであるかを考えるに当たりましては、まず今後の石炭企業を取り巻く環境をどのように評価するかが前提になろうかと思います。たとえば国内炭の競合財であります海外炭の輸入価格を見てみますと、一般炭の通関平均価格で昭和五十三年度は三十八ドル、五十四年度は四十二ドル、五十五年度は五十六ドル、最近では七十ドル弱というふうに非常に高騰しているわけでございます。こうした点の将来の見通しも含めまして、政府としては今後の石炭鉱業を取り巻く環境をどのように評価しているのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。  続きまして、もう一点大臣に、第二次石油危機後国内炭を取り巻く環境が好転していること、あるいはまた国内炭は貴重な国産石油代替エネルギーであることを考えますと、従来生産縮小の一途をたどってきましたわが国の国内炭についても、もう少し積極的な活用を図る必要があろうかと思います。政府としては、今後国内炭の生産水準のあり方についてどのように考えておられるのか。貴重な国内資源の活用という観点に加えまして、また地域経済の維持という観点からも、国内炭の現在程度の生産水準の維持は不可欠であろうかと思いますが、以上の諸点につきまして通産大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 まず私からお答えをいたしますが、わが国の石炭鉱業の自立の目途を立てるための今次対策の実施期間を向こう五カ年間といたしましたのは、競合財であるところの海外炭の価格が最近急上昇していることなどから見まして、現行の助成措置を活用して石炭鉱業の近代化を一層進めることによりまして、昭和六十一年度ごろには石炭企業がかなり赤字状態から脱却することが期待されること、次いで、昨年八月の石炭鉱業審議会答申においても、具体的な対策期間は五年程度とすることが適切であると述べられたこと等によるものでございまして、政府としましては、今後五年間で何とか石炭鉱業自立の道が開けるように石炭鉱業労使の自助努力及び需要業界の協力を求めていくとともに、所要の施策を講じてまいりたいと存じております。  なお、今後の国内炭の生産水準のあり方をどのように考えているか、こういう御質問でございますが、最近では第二次石油危機によりまして石油価格が上昇いたしました結果、石炭の見直しというものが世界的な潮流として急速に進行いたしております。また、わが国においても油炭格差は逆転をして、内外炭価格差も縮小基調にあることなどから、石炭需要は海外炭のみならず国内炭についても増大をいたしております。このような情勢変化を踏まえまして、昨年八月には石炭鉱業審議会から答申がございまして、当面現在の年産千八百万トン程度の生産水準の維持を基調としながら、今後の石炭企業の経営体質の改善や需給環境の好転に伴って、将来における年産二千万トン程度の生産の達成を目指すことを、石炭鉱業の自己努力、政府の施策及び需要業界の協力を行うに当たつての基本的な考え方とすべきである、こういうふうになっておるわけでありますが、政府といたしましては、本答申を十分尊重して国内炭対策を今後進めてまいりたい。こうした生産の達成というものは、答申の中で大前提とされておるところの石炭企業の労使の自己努力に加え、それを支援、補完をする政府の施策、さらに需要業界の適切な協力があれば十分可能である、私はこういうふうに考えております。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 補足して御説明させていただきます。  自立のめどが、これまで実施してまいりました第六次政策の過程の中でついていないではないかという御指摘でございます。その点に関しましては、当時想定をいたしました事情よりも、第一に、為替レートが非常に大きく変動をいたした。当時、第六次政策の実施の初めには一ドル三百円程度でございましたが、御高承のとおり二百円程度に円高に推移をしてまいりまして、また国内炭と競合エネルギーの国内におきます引き取り価格が大きく拡大をいたしました。そのような事情がかなり経理に大きく影響を及ぼしたということと、もう一点、第一次石油危機の後、日本の経済調整の過程におきまして需要業界が著しい不況に陥ったという点があったかと思うわけであります。ちょうどいま御指摘のとおりの経常損益ではございましたが、第六次政策の始まりました昭和五十年度では、政府の対策後で千円弱の赤字でございましたが、五十五年度では赤字が百六十七円程度に縮小をいたしてきておるわけでございます。それには最近の石炭に対します内外環境の好転という事情がございます。第二点で御指摘いただきましたように、今後の石炭の需給というのは、海外におきますインフレの整備のおくれ等々もございまして当面ややタイトぎみに推移するということもございまして、今後の石炭をめぐります環境は、企業の努力があれば自立のめどが立ち得る環境が一言で申しますとやや整いつつある方向にあるというふうに理解をいたしております。

久間章生自由民主党

○久間委員 第七次の答申におきましても、石炭鉱業の自立のためにはまず各炭鉱におきまして合理化努力を払うべきであるというふうにされております。しかし、これまで合理化に次ぐ合理化を重ねてきた各炭鉱において、今後さらに生産面で合理化する余地が果たして残っておるのかどうか。これ以上合理化を進めるといろいろな点で無理が出てくるんじゃないかというような気もいたしますけれども、今後さらに合理化を推進するためには、またたくさんの資金負担が必要になってくるのじゃないかというような気がいたします。こういう点についてどのようにお考えになっているのか、この点についてもお聞かせ願いたいと思います。  それから、現在の石炭企業の経営状況を考えますと、石炭企業の生産合理化努力を支援するため、政府としてもやはり積極的な対応が望まれるわけでございますけれども、この点についても、今度の改正に当たってどのような方針を持っておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。  また、生産の合理化を急ぐ余り、それが保安軽視につながるようなことは絶対にあってはいけないわけでございますけれども、第七次の答申にも言うように、保安の確保は石炭鉱業生産のすべての基礎であろうかと私自身も考えております。そのためには、まず各炭鉱におきまして労使一体となって自主保安体制を確立すべきことは言うまでもないわけでありますけれども、政府において監督指導と助成が必要であろうかと思います。昨今、事故が非常に頻発しておるわけでありますけれども、こういう反省に立って、今後どのように保安確保対策の充実を図っていこうとしておられるのか、この点についてもお尋ねしておきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 大変重要な今後の方向についての御指摘でございますが、生産の合理化ということにつきましては、先生も御高承のとおりに、石炭鉱業の採掘条件と申しますのは今後さらに深部化していく、あるいはさらに奥部化していくというような状況でございまして、今後ともコスト上昇を吸収していくということにつきましては、企業にとりましての合理化努力というのが当然要請されるわけでございます。そのような状況におきまして、合理化の方向といたしましては、坑道等を中心にいたしました坑内の骨格構造の若返り工事、あるいは採炭におきます機械化あるいは合理化設備の導入といったようなことを保安を最重点にしながら進めていくということでこれからも十分合理化を吸収し得る余地がある、また企業自身もそのような計画を持っておるということでございます。  このようなことに対応いたしまして、五十七年度の予算におきましては、坑内の骨格構造の補助金につきましては五十六年度の百十四億円から百二十五億円に増額するということで、合理化効果の期待できます骨格構造の改変を進めるということと同時に、さらにまた新区域の開発工事、あるいは本当に若返りに大きく効果がございます構造改善工事につきましての補助率を引き上げるといったような措置を講じておるわけでございます。さらにまた、石炭企業の設備の近代化投資を促進いたしますための近代化融資事業、これにつきましても百七十八億円から百九十八億円というような形でその対策の充実を図っていくという措置を講じておるわけでございます。  私どもといたしましても、今後とも石炭企業の合理化努力を支援、補完するというようなことで、いま申し上げました予算案が通過いたしますればその実施に当たって十全の配慮を払ってまいりたいと考えております。  保安につきましては、担当部局の方からお答えさせていただきます。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 保安の観点につきましては、ただいま御指摘ございましたように自然条件が逐次悪化してまいりますので、自然条件の事前の適切、的確なる把握、これに対応した措置というものを十分講じていくという体制を基本にしてまいりたいと考えております。  昨年の夕張新鉱のガス突出事故発生等にかんがみまして、同事故発生後、十月十九日には直ちに各鉱山に対しましてガス突出を中心とした保安総点検を指示いたしまして、各炭鉱ではこれを受けて所要の改善措置を講じておるところでございます。さらに本年度、ガス突出の科学的予知体制の強化、さらには各種計測器の緊急導入、あるいはすでに開発に成功した携帯用緊急脱出用酸素マスクの試験的配備といったようなものは、緊急的な措置として今年度中に措置することにいたしております。さらに科学技術庁の科学振興調整費約一億円の予算措置を講ずる等、当面の対策につきましても万全を期しておるわけでございますけれども、五十七年度予算におきましても、保安確保事業補助金等につきましては特に重点を置きまして、技術研究開発に重点を置いて、その開発委託費は前年度比約二三%の増額というような点で、ここに重点を置きながら冒頭述べましたような基本的姿勢で保安の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

久間章生自由民主党

○久間委員 労働大臣の時間が余りおありでないようでございますので、通産省の質問は後に回しまして、先に労働大臣に一点だけお尋ねいたしたいと思います。  先ほどから通産省の御答弁にもございましたように、現状程度の生産を今後とも維持していくし、保安体制についても万全を期すということでございますけれども、石炭鉱業審議会の答申を踏まえまして、石炭政策につきましては労働省として基本的に今後どのように考えていかれるのか、その労働省の基本的な考え方につきまして大臣の御所見を承りたいと思います。

初村滝一郎自由民主党労働大臣

○初村国務大臣 石炭鉱業審議会の第七次答申において、今後の石炭政策は石炭鉱業の自立を目指すことを基本とすべきであるというようにされております。このためには石炭鉱業における労働力の確保が重要な課題であるということを指摘されておるのであります。したがって、石炭産業の経営基盤を何よりも確立する一方、保安の確保あるいは労働条件の向上を図るとともに、生活環境の整備を図って、わが国の石炭鉱業を労働者にとって将来展望があり働きがいのある産業とすることが私は最も必要ではなかろうか、かように考えております。  そこで、労働省としては、今後とも若年労働者の確保にも配慮しながら炭鉱離職者が再就職する際にできるだけ前職経験を生かして炭鉱へ就職するよう勧奨するほか、雇用促進法に基づいて住宅をつくる、あるいはまた融資制度の活用を図って住宅をつくる、そして福祉施設の建設等産炭地域の生活環境の整備充実に努めてまいりたいと考えております。  また、炭鉱離職者対策についても、同答申において、引き続き所要の措置を講じていく必要がある旨を指摘されているところでありますので、このたび炭鉱離職者臨時措置法の延長をお願いするとともに、従来から実施してきた施策を今後とも継続実施していく考え方でございます。

久間章生自由民主党

○久間委員 大臣は時間がないようでございますので、部長あるいは局長で結構でございますから、関連いたしまして二、三労働省側にお尋ねいたしておきたいと思います。  まず、今回期間延長されるわけでございますけれども、最近におきます離職者の発生状況を見てみますと、かつてほどの大量の離職者が発生していないような、そういう気もするわけでございますけれども、その状況がどうなっておるのか、またそれに対する措置状況がどういうふうに行われておるのか。それから、今後の離職者はどのように発生してくるのか、その判断につきましてお尋ねしたいと思います。  それと、炭鉱離職者が再就職するわけでございますけれども、再就職状況はどのような状況になっておるのか、いい環境に置かれておるのかどうか、そういう点についてもわかっておればお知らせ願いたいと思います。  それから、炭鉱離職者が再就職いたしましても、なかなか新しい職場になじまないといいますか、新しい職場に長くつかれずにまた離職されるというような話をたびたび聞いております。それがひいては生活保護世帯になっていくというようなことで、生活保護世帯が非常に産炭地域に多いというふうに聞いておりますけれども、再就職後の状況について労働省として把握しておられるのかどうか、この点についてもお尋ねしておきたいと思います。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 まず最初に、最近における離職者の発生状況あるいはその措置状況についてでございますが、昭和五十五年度に北炭の清水沢で全山閉山がありまして、約七百名の大量の離職者が発生したわけでございますが、五十六年度には、現在までのところ大量の離職者の発生は出ておりません。  また、再就職状況について見ますと、前年度から繰り越し求職者を加えまして約六百名の求職者がございますが、再就職の促進に努めまして約百名の就職が決定をいたしまして、現在約五百名の離職者についての就職援助活動をしておる、こんな状況でございます。  今後の発生見込みでございますが、当面、北炭夕張の動向が懸念をされるところでございまして、万一離職者が発生するというようなことになりますれば、従来の離職者対策の経緯からして再就職の促進に努めてまいりたいと考えております。  また、炭鉱離職者の再就職状況でございますが、この離職者につきましては、三年間有効の炭鉱離職者求職手帳を発給いたしまして各種の就職促進措置を講じておる、あるいはまたその離職者を雇い入れる事業主に対しましては、雇用開発助成金というものを支給してその再就職の促進に努めておるわけでございまして、これらの措置によりまして毎年七百名から八百名程度の方の就職を見ておりまして、未就職者の数は、離職者数の減もございまして逐次減少しておりまして、現在先ほど申しましたように約五百名程度が求職中でございまして、その再就職に努力をしておる状況でございます。  また、炭鉱離職者の帰趨状況の関係でございますが、一年以内に自己都合によらないであるいはその方の責めに帰すべき理由によらないで離職をされる、こういうような場合には求職手帳を再発給いたしまして特別の就職促進措置を講じておるところでございまして、確かに再離職の方もございますが、結果的には一応安定した職場で働いておられるのが一般と考えております。しかし、今後とも離職者の帰趨状況につきましては、できるだけ把握に努めまして再相談に応ずるなど努力をしていきたいと考えております。

久間章生自由民主党

○久間委員 それでは改めて通産省の方に、石炭鉱業、石炭政策と非常に関連がございますけれども、鉱害の問題につきまして二、三点お尋ねしておきたいと思います。  三十年近くにわたりましてかなり鉱害復旧には通産省として進めてこられたわけでございましょうが、現在かなりの鉱害がまだそのまま残されておるようでございます。先般も当特別委員会におきまして鉱害地を見てまいりましたときに私も同行させていただいたわけでございますけれども、筑豊地域を初めとするあの地域でも、三十年間やってきたにもかかわらずかなりの量が残っておるようでございますが、現在この調査室の資料では六千六百七十億円という鉱害量がまだあるというふうに聞いております。なぜこれまでこれだけやってきたのにこんなにたくさん残っておるのか、それと同時に、これから先十年間で、特に最近行政改革が叫ばれて財政がかなり逼迫しておる折から、十年間で本当にこの量をこなしていくことができるのかどうか、その点について通産省の御意見を聞いておきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 鉱害問題に関しましては、先生もただいま御指摘のとおりに、これまでも昭和二十七年以来臨時石炭鉱害復旧法を、さらに昭和三十八年から石炭鉱害賠償等臨時措置法をつくりまして、鉱害対策には関係方面の御協力を得ながら精力的に進めてまいったわけでございますが、御指摘のとおりに、昭和五十四年度の初めに実施しました全国鉱害量調査によりますと、まだ六千六百七十億円程度の鉱害が残っておるわけでございます。その後五十四、五十五、五十六と事業を進めておりますので、その金額はさらに減少して五十七年度初めでは、推定ではございますが、約六千億程度の鉱害が残る、こういう状況でございます。  そのように残りました背景は、昭和四十七年度以降この前の十年間、この臨時石炭鉱害復旧法を延長いたしました以後新しい鉱害が発生をいたしました。その当時まだ内陸部でかなり稼働いたしておりました炭鉱がございましたために、その後新しく鉱害が発生したという事情がございます。さらにまた、地域によりましては、全面的に閉山になりましたために当時予想されなかった地下水の変動等がございまして、湧水等の新しい形態の鉱害が出るようになった。さらにまた、この十年前に実施いたしましたとき以後、石油危機に端を発しました物価上昇等によりまして復旧費の大幅な上昇があったという事情があるわけでございます。五十七年度の初めにおきまして大体六千億程度でございます。年間の復旧規模が大体六百数十億円で最近実施をいたしております。したがいまして、今後関係方面の十分な御協力と運用の改善を図れば、今後の十年間にいま残っております累積されました残存鉱害量の処理は可能ではなかろうか。また、ぜひこれまでのつめ跡はこの際すべて最終的に処理をいたしたいということでちょうだいをいたしましたのが、昨年の十二月の石炭鉱業審議会の答申でございまして、私どもこの線に沿いまして、この法律の延長が実現をいたしました暁には鋭意努力をいたしたいと考えております。

久間章生自由民主党

○久間委員 ただいまの御答弁を聞いておりまして、今回の一括上程されました両法案につきましては基本的には賛成するわけでございます。ただ、この際通産省にもお願いしておきたいことは、二千万トン体制を維持しようとする余りに非常に無理な石炭生産がなされますと、これがえてして事故につながるおそれもございますので、その辺につきましてはやはり現状維持を標準としながら、無理のないように政策を進めていっていただきたいことが一点でございます。  もう一点は、先ほどの六千六百七十億円の鉱害復旧の中には、四十七年以降に掘ったために発生した鉱害が一千億あるというふうに聞いております。これから先、山を掘って、また新たな鉱害復旧を要するようなことが出てくるということではイタチごっこになるような気もいたすわけでございますから、これから掘らせるに当たっては、鉱害はもう発生させないのだということでひとつぜひ進めていっていただきたいということを要望して、時間が来たようでございますから、私の質問を終わらせていただきます。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、主として十九日に答申が出されました産炭地域振興問題についてお尋ねしたいと思います。  昨年、法律が十年延長になりまして、関係の各道県で産炭地域の発展計画、こういうものの作成をしておるわけでございます。たとえば福岡県がつくりました発展計画を見ましても、当面の課題として、一つは鉱害復旧、第二番目はボタ山対策、第三番目は炭住整備、第四番目は国鉄地方交通線の役割り、第五番目は離職者対策の積極的活用、第六番目は同和対策事業に係る法的措置、第七番目は市町村の財政援助措置、これが挙げられております。  そこで、関係の両大臣にまずお伺いしておきたいことは、私は、この発展計画のポイントになっておる当面講ずべき重大な課題としてはそのとおりだと思っております。その一つを欠いても産炭地振興計画の発展の実を上げることはできない、こう思っております。これについて、通産大臣なり労働大臣どう考えておるのか、基本的な姿勢をお答えいただきたい。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 通産省としましては、答申が行われました産炭地域振興に関する諸点につきましては、これを誠実に実施していくためにこれからひとつ全力を尽くしてまいりたいと考えております。

逢沢英雄自由民主党労働政務次官

○逢沢政府委員 労働省といたしましては、この答申の趣旨を十二分に尊重いたしまして一生懸命にがんばってまいりたい、かように存じます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、個々の具体の問題について質問をしてまいりますが、最初に、北海道の夕張市の北炭そのものの問題よりも、北炭の災害によって北炭の所在する夕張市が大変な財政危機に追い込まれております。この点を通産省御存じですか、自治省御存じですか、お答えいただきたい。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先生御指摘のとおりに、夕張市が災害によりまして大変財政上苦しい事情に陥っていることは私どもも報告を伺っております。収入で申しますと、五十六年度の夕張市の予算額は大体百十八億円、これに対しまして見込み額では百九億円ということで、十億円弱の歳入欠陥と申しましょうか不足が生ずるということで、財政が非常に厳しい状態に追い込まれておるということは、私どもも北海道庁を通じましてよく承っております。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 北炭夕張炭鉱の事故の発生によりまして、地元夕張市が財政的にも大きな打撃、影響をこうむっておるところでございまして、私どもの方では、事故発生後、夕張市につきまして、私どもの方の担当財務調査官や道庁を通じまして、同市の財政に与える影響を逐次調査しております。現在の段階で炭鉱災害による市財政への影響額は、市税の滞納を中心といたしまして約九億円ほど出るというように承知をいたしておるところでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 通産省のお答えでは約八億円程度の穴があいている、自治省のお答えでは約十億円程度の穴があいている、こういうお答えであります。少し数字が違っておりますけれども、私が承知しておる北炭夕張の事故による夕張市の直接の財政の欠陥といいますか穴は、一つは、災害が起こりましたためにこれに必要な対策、たとえば見舞い金とかあるいは税収の減による利子の負担その他ありまして、これがおおよそ二千七百万円、それから市税の滞納分が大体四億一千四百万円、それから災害等による減免の分が、市民税なり固定資産税も含めて五百七十二万円、それから鉱産税の減収が五千七百八十万円。この税のほかに、公営住宅の使用料が九千六百万円程度完全な未納になっています。一文も入っていない。水道使用料が半分程度しか入っておりませんで、六千四百七十万円程度穴があいておる。それから、厚生年金の転貸資金の元利がありまして、これが半分程度しか入っておりませんから、大体千五百万円程度の穴があいている。それから、北炭に市が融資した分がありまして、これは三億二千四百万円ございますが、この元利が全然入っておりません。保育所の減免とか、あるいは当然予想されておりました道民税の徴収による交付金、これが道民税が入りませんから、入っておらぬ。こういう金を合わせまして、合計十億、正確に申し上げますと、十億七百万円の歳入欠陥が生じておる、こういうふうに私は伺っております。私の数字はちょっと自治省の数字に近いのでありますけれども、通産省の数字とはかなり違いますね。夕張市にとっては二億円の差というのは大きいですよ。私の数字を確認できますか、いかがですか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私、先ほどちょっと申し上げましたのは、収入の予算が百十八億円で、大体いまの見込みで百九億円と申し上げまして、私は大体十億円弱程度の歳入欠陥と申し上げましたつもりでございましたが、私ども大体聞いておりますのは十億円弱、九億円強の不足ということでございます。この点のいま先生の御指摘の数字、十億強の数字を御指摘いただきましたが、その数字につきましては、直接の御所管であります自治省の方で御確認をいただくのが適当かと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 まあ大体に、話を進めていきましたところが、通産省も自治省も十億円程度の穴があいている。  自治省としては、この十億円はそのまま穴になると思うのか、あるいは債権債務の関係で後へ入ってくる、こういうふうに思っておるのか。思っておるとすれば、どの程度なのか。この十億円のうち、どうしても穴になるというものはどの程度と予測しておるのか、これをお答えいただきたい。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 先ほど先生御指摘の市税等の滞納あるいは減収、使用料等の滞納、御指摘になられました数字は、私どもの調査いたしました数字と少し細部において違うところもございますが、ほぼ合致いたしております。なお、水道の使用料の点だけは、実は私が申し上げました数字の中には、これは普通会計ベースで申し上げたものでございますので、九億という数字の中に含んでおりませんでした。それを含めますと、大方十億ということになるわけでございます。  そこで、これらの影響の中で特に大きいものは、市民税のいわゆる特別徴収義務者として市に当然納付しなければならないものが滞納になっておるというようなもの、これが約五千六百万程度と承知をいたしております。それから固定資産税、これは都市計画税を含むわけでございますが、約二億三千三百万円程度、それから電気税が二百万強、鉱産税が一億二千万。これらの滞納分につきましては現実に本年度の歳入として入ってこない可能性が強い、公算が大であるわけでございますが、これは債権としては当然市に確保されておるものでございまして、今後の会社更生の手続を進めていく中でこういったものがどのように確保されるかということになるわけでございます。したがいまして、当面、市の財政に影響が出るわけでございますが、これは市が一時借入金等でしのいでいくというような形に当面はなろうかと思うわけでございます。  これに対しまして、市税の減免分があるわけでございますが、これは御指摘になられましたような数字で、これは市の財政に直接穴があく。約五百七十万程度でございます。  それから鉱産税の減収がございます。約五千七百万程度でございます。これは先生よく御承知のように、鉱産税は、前年の実績を基礎にいたしまして交付税の基準財政収入額に算定いたします。したがいまして、減収になりました場合は、これは翌年度交付税にはね返ってくるという意味で、これは最終的な減にはならないという形になろうかと思います。  そのほか、使用料の問題もございます。九千六百万程度ございますが、これは延納になっておるわけでございまして、これも債権としては確保されておるということになろうかと思います。  それから、いわゆる融資でございますが、この融資につきましても、もとより当然に返していただかなければならない。これも債権でございます。この融資につきましては、これは一種の単年度貸し付けでございますので、単年度の財政の問題としては一たん返す、また必要であるならば引き続いて貸すというような形での処理ができようかと思うのでございます。  そういう意味では、これらの財政の影響額の相当の部分は市の、まあ本年度は直接影響が出るとしても、将来にわたって考えますならば、最終的な歳入欠陥になるものではない。したがって、具体に考えられるのは、そういった税の減免分であるとか、あるいは今度は逆に歳出面の問題、そういった点について、これが市の財政にとって絶対的な影響を及ぼすもの、こういうぐあいに考えておるところでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いま矢野審議官は鉱産税五千六百万と言いましたけれども、私の数字では、調停見込み額一億二千万で、これは全然入っておりませんから、五千六百万じゃなくて一億二千万じゃないですか。これはもう完全に石炭が出てないわけでありますから、市の歳入から外れる。まあ、これは翌年度交付税で精算する、こういうことなんでしょうけれども。  私のお尋ねしたいのは、一体、十億ばかりのうちから完全に歳入欠陥、ただ債権として残るものというのは、おおよそ金額にしてどういうかっこうになっているのか、これをお示しいただきたい、こう申し上げる。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 先ほどお答え申し上げました中で、鉱産税には二通りございます。一つは、滞納になっておるものでございます。つまり、調停をしながら滞納になっておりますもの、これが御指摘の一億二千万でございまして、これは債権としては少なくとも確保されるものでございます。それからいま一つは、これは減収分でございます。交付税の基礎になりましたところの鉱産税の収入がそれだけ本年度入らなかったということになりますので、これは明年度精算になるということでございますから、この点につきましては、年度間を通じてみれば補てんをされていくということになるわけでございます。  そこで、十億円のうちどれだけが最終的に措置されなければならないのかということでございますが、ちょっと細かい計算をいたしておりませんけれども、約十億円の中で、滞納分の約四億一千二百万、これは除かれることになろうかと思います。最終的な歳入欠陥になるということが確定しているわけではないわけでございます。それから使用料約九千六百万、これも延納でございますが、これにつきましても、絶対的な影響ではないわけでございますから、両者合わせますと約五億、これは除かれるということでございます。それから、そのほかに貸付金の償還金があるわけでございますが、これが御指摘のように約三億二千四百万でございます。この三億二千四百万も、先ほど申し上げましたように返していただかなければならないという形になるわけでございますから、これも同じように除かれるわけでございます。  そういたしますと、結局最終的に歳入欠陥として財政に直接影響を及ぼすことになる、絶対的になると考えられるものは、やはり減免分ということになろうかと思います。鉱産税の減収分は翌年度清算をされるということになるわけでございますから、歳入面におきましては、減免分が最終的な影響を受けるということになろうかと思うわけでございます。減免分の金額につきましては五百七十万でございますので、この点については、市の歳入としてはこれは減少する。歳入面ではそのようになろうかと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 五百七十万ですか。五千七百万じゃないですか。五百七十万ですか。——そうしますと、大した穴があいていないということですか。入ってくるのは後になるけれども、中期的に見れば穴はあかぬ、こういうお見通しなんですか。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 最終的に、絶対的に穴があくものとしてもうすでに決まってしまっておるものという意味でお答えを申し上げておるわけでございます。したがいまして、本年度における市の歳入への影響の大部分を占めるところの滞納分、これが後年度においてもちろんそのまま確保されればということでございます。この点につきましては、まだ現在の段階では、本年度はどうも入ってこないだろうということは恐らくこれは可能性は大きいわけでございますけれども、さりとてこれが完全に歳入欠陥になると確定しているわけではございません。そういう意味での数字でございます。ただ、夕張市の本年度の財政に対する影響ないしは今後会社更生法に基づく再建の過程において、このような収入が直ちに市の収入として今後入ってくるのかどうか、この辺によって、やはり市の財政には少なからぬ影響が出てくる、歳入面において少なからぬ影響が出てくる、こう考えます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私も、これから不確定なこともあるものですから、突き詰めたことは申し上げませんけれども、いずれにいたしましても、来年入ってくるとか、今後入ってくると言いましても、ことしの決算がどうにもならないところに夕張市の財政事情がある、これは間違いないことだと思うんですね。そうだとするならば、将来入ってくる見込みのものに対しても、今年度をどう通り越すかという意味において、その穴を地方債等で埋めてやらなければ市は立っていかぬ、こういう実情があると思うのです。これが一つ。  もう一つは、三月には——災害等についてはルールで十二月に特別交付税の中で計入しておりますけれども、三月にやっちゃいかぬということじゃない、雪害等がありますと特別交付税でやっておったわけですから。そういう特別交付税が三月の中旬には交付されるわけでございますから、これはやはり災害と同じように十分な対応をしてやることが当然だ、こう思うのでありますが、そういうお考えかどうか、これをお尋ねしておきたいと思います。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 御指摘のように、夕張市の本年度の財政としては非常に大きな影響を生ずるわけでございます。この点につきましては、先ほど申し上げましたように、その収入面につきましては、大部分が一応市の債権として確保されているものでございますから、将来は入ってくる可能性も残されておるものでございますけれども、当面が非常に苦しいものでございますから、御指摘のように地方債の充当率等を最大限に活用いたしまして、まずこの穴の一部を埋めていく。また、具体的には一般単独事業等につきましての起債充当率の引き上げであるとか、あるいは退職手当債の充当であるといったようなことにつきまして最大限の努力を重ねていきたいと考えております。  それから一方、たとえば税の最終的に減免をいたした部分であるとか、あるいは歳出面で夕張市がこの事故に関しまして支出をいたしました経費、あるいは現在歳入がかなり大きく入ってこない状態になっているわけでございますから、これに対しまして夕張市は一時借入金をもって当面の財政運営を行っておるわけでございますが、こういったものに利子が当然必要になってまいるわけでございます。現にそういった利子の支払い額がございます。こういった面につきましては、これは天災のような一定のルールはございませんけれども、夕張市の方から十分事情聴取いたしまして、この三月に交付される予定の特別交付税の中でできるだけの配慮をしてまいりたい、このように考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この問題はこれ以上申し上げませんけれども、歳入欠陥については、可能な限り特別交付税で対応をし、なお不足の分については、これは地方債等で穴埋めをしてやっていただく、こういうことでひとつ北炭災害に基づいて大きな打撃を受けておる夕張市の財政を支えていただきたい。これを強く要望をしておきたいと思います。  そこで、次に十九日に審議会の答申がございました産炭地域の振興計画に関して質問をいたしたいと思います。  この十九日に答申が出たのでございますけれども、私ども、まだこの答申をさわっておらないのですよ。何か印刷がおくれているというわけでありまして、きょうの質問に間に合わないわけでありますけれども、この答申については、せんだって、こういう答申になるだろう、こういうことで石炭部の方から「産炭地振興対策の新たな展開」というアブストラクトが私どもの手にございます。その十九日に出た答申と、あなたの方から出されたその新たなる展開という要約とは変わりありませんか、いかがですか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先生御指摘のとおりに、去る十九日に産炭地域振興審議会で総合部会を開きまして、その基本計画、実施計画の御討議をいただき、それでおまとめをいただいたわけでございますが、細部の表現につきましては会長に一任ということにいまなっておるわけでございまして、いまその細部の文章の手続等を済ませまして、答申の手続をいま進めておるところでございます。それで、実質的には十九日の審議会で全員の御了解をいただいたということでございまして、まだ手続がおくれておるわけでございますが、これが終わり次第、答申いただきました後、その要旨を官報にも告示をする手続を進めさせていただくということでございます。大要、大筋につきましては、先生のいまお手元にお持ちの資料であろうと思いますが、従来私どもの御説明してまいったものと大筋は変わっていない内容で十九日は終わっておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 十九日に出たのはまだ本答申ではない。きのうあたりの新聞の社説等でこう書いてありますよ。「通産大臣の諮問機関である産炭地域振興審議会は十九日、産炭地域振興の計画改定案を安倍通産相に答申した。」と書いてあります。十九日のはまだ本答申じゃないんですか。その答申をどう政府が受けるかという問題は別ですよ。どうでしょう。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 ちょっと私舌足らずで大変失礼いたした。答申自身は終わって、いまそれを政府として通産大臣が告示いたします表現を詰めておるということでございまして、答申自体は十九日で終わったものでございます。大変失礼いたしました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 答申は十九日にあったものだ、それはこの間おたくの方から出た要点と大体変わりない、こういうことである。  それではお尋ねいたしますが、各県の振興協議会から出たものと答申——こういうものは各県から出たものを受けて審議会が検討したと思うのですが、違いがあるように思うのです。どうですか。たとえば、答申は二十圏域だと、こうなっております。福岡県から出たものは四つの圏域になっているのですよ。ところが、答申ではどうも三つの圏域になるとあなた方は言っているわけですね。四つが三つになっているわけです。ですから、各県から出たものも答申では手直ししている、あるいは答申をそのまま受けていくとなると通産省の方も手直しをする、こういうことになりますか。どうです。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先生御指摘のとおりに、福岡県の経済生活圏をどのように設定するかという点につきましては、福岡県庁を中心にいたしまして関係市町村といろいろ御論議をいただいたわけでございます。いろいろ論議の過程はございましたけれども、確かに先生御指摘のとおりに、経過的に福岡県としては四つの圏域にするのはどうだろうかという御意見があったわけでございます。それは筑豊の中、東を一つにするかあるいは二つに分けるかというところが一つの議論になったわけでございます。北九州市を二つに分けるか分けないかということがその過程でいろいろ議論に相なったわけでございますが、北九州市はこれもまた一つの行政単位でもございますというようなことで、段階的に、実施計画の段階では二つに分けた形にいたしておりますけれども、最終的な基本計画としてはこれは一つの圏域にしていこうということで、県の方でいろいろ御検討を賜りまして、最後、産炭地域振興審議会の地域部会の場では、一応基本計画としては三つ、しかし、その途中の過程の実施段階では、それぞれ二つに分けて実質展開を図っていくということの方が好ましい場合にという前提で、実質的に実施をしてまいります過程では当面それを二つの形に分けるような形で、将来は最終的には融合するという形でいくのが適当であろうということで、最終的に審議会では県の御意見もいろいろ承りまして、いま申し上げましたような扱いにいたしたということでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、この圏域をつくる場合に、広域経済生活圏という基本構想をとっておることについては異議ないのです。しかし、県で検討して、それで福岡県の場合は、協議会で東、中、西、筑後と四つの答申をしてきたわけですね。かなり長い期間やってきたわけです。ところが、こっちで三つになっている。しかし四つということを踏まえてやる。全国でそれが二十一になって、二十一という端数はまずいから福岡県の四つを三つにしぼったのかもしれませんけれども、事実上は四つのつもりでやる、そんななまはんかなことでよろしいのですか。圏域のとり方について私は問題があると思うのですよ。いかがです。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 その点は実は審議会でもいろいろ議論がございまして、いま先生お話しのように、筑豊の東、中、西それから筑後、四つということが経過的には御議論がございましたが、その場合、東、中を一つにするか二つにするかという点がいろいろ議論がございまして、現在までの歴史的な過程からいきますと、北九州市の沿革からいきましてこれを二つに分けるという御意見も経過的にはございましたけれども、これは北九州市という一つの行政単位であるということから、最終的には広域的なねらいをしていこうということでございまして、最終的にはこれは一つの圏域と考えることが適当であろう。しかしすぐそこまで一遍にいくというわけにもいかないので、とりあえず実施計画の段階ではその経過的な実情は踏まえながらつくっていこう、こういうことでございまして、最終的には東、中というのは一つにしていくということにつきまして福岡県の方でも御了解をいただいておると私どもは理解をいたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまの部長の言葉に私は解せないことがあるのですよ。福岡県の方から出てきたものは東と中。ところが東と中という圏域の推進というのは、指定都市であり大都市である北九州市に依存しようとしている。その北九州市は一つだから、県の方から上がってきた東と中を一緒にした。そういうことになりますと、どうもその圏域というのは北九州市が主人公で、実際の六条をたくさん含んでおる筑豊の東と中の地域というのは附属物のような印象を与えるということになりかねないのじゃないかと思うのですが、その辺はまた議論することにして、自治省の地域政策課長も見えておられるようでありますからお尋ねしたい。  こういう圏域のとり方についてあなたの方で進めておる広域市町村圏とは線引きがまた違ってきておりますね。混乱いたしませんか。かつてあなたの方で進めた広域市町村圏と建設省が進めた地方生活圏の問題とか各省から出た問題が混乱いたしまして、これを調整したいきさつがありますよ。今度は真っ向から違いますね。この辺についてどう受け取っておりますか、まずお答えいただきたい。

藤原良一自治大臣官房地域政策課長

○藤原説明員 御指摘のように同じ地域に関しまして複数のそういう計画がある場合には、圏域その他可能な限り相互の整合を図っていくことが望ましいと考えておるわけです。今回の経済生活圏の設定に当たりまして詳細な経緯は承知していないわけですが、地元でつくられました経済生活圏の発展計画を下敷きにしておられるようですし、また広域生活圏にも配慮しながら設定されたというふうに承知しておるわけです。個々の広域生活圏と経済生活圏が一致しておるわけではないようですが、連合体のようなかっこうで包含する、そういう方針で設定されたように承知しております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これから行政をやっていく場合に不都合が起こりませんか、不協和音が起こりませんかということを尋ねているのであって、あなたから経過を聞こうとは思っていないのです。いろいろな圏域をつくるのはいいけれども、縦割りで、通産省の圏域、建設省の圏域、自治省の圏域、国土庁の圏域というかっこうになっては地方はたまったものじゃない、こう思うのですよ。それをお答えいただきたいのです。なかなか答えにくいでしょうね。どうですか。

藤原良一自治大臣官房地域政策課長

○藤原説明員 計画の目的等も異なりますから、常に圏域その他完全に統一性を保つということは困難な点もあろうかと思いますが、可能な限り整合を保つということは、御指摘のとおり、今後計画を実行していく上でも非常に大切なことだ、重要なことだと考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この圏域が今度の振興計画の大きな柱でありますから、議論のあるところです。議論は今後にひとつ保留しておきます。  そこで、今度の答申の中で、十年のうちに卒業式をさせるというわけですね。卒業の資格はどういうことかといいますと、その圏域の中に六条市町村が二分の一以上、二分の一をどうしてとったのかわかりませんが、日本経済新聞の社説あたりでも二分の一とした基準は何だろうかということで議論しておりますけれども、とにかく二分の一。一つの圏域の中の六条市町村の過半数が振興法十一条の三項に規定する財政力指数の全国平均を上回ったときには卒業させる。ただし、その六条市町村の中に半分以上の人口を含む市町村があった場合には、それが卒業する資格を持っておらなければ卒業させない。中心都市を設定したわけですね。私はこれも突き詰めますと、新聞の社説も議論しているように、問題点があると思うのですよ。  まずお尋ねしますが、通産省が言っている財政力指数と自治省が言っている財政力指数というのは違いがありますか、違いがありませんか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私ども、今回御答申をいただきましたものは、自治省で採用になっておられます財政力指数を採用することにいたしておるわけでございまして、違いはないと御理解いただいて結構でございます。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 私どもの方で普通財政力指数として一般的に用いておりますものは、たとえば五十五年度でございますと、五十五、五十四、五十三の三カ年度の平均という方法を使っております。ただ、この産炭の場合におきましては、五十五年度と言う場合に、五十四、五十三、五十二を使っておる、そこは違うわけでございますが、その中身、用いております個々の年度ごとのデータ、これも同じものでございまして、産炭の場合にはそのようなものを使っておるということで、実質的な違いはないわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それでは具体にお尋ねしますか、答申を受けまして、いま考えておる財政力指数というのは全国平均は幾らですか、〇・六三ですか、どういうことですか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 現在では私どもとしては加重平均で〇・六四と考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 自治省にお尋ねいたしますが、過半数が全国平均の〇・六四を超した場合に卒業させる、こういうことであります。ただし、その六条市町村の人口の半分以上を一つの市町村が占めておった場合にはそれが全国平均を上回ることが必要だ、こう言っております。そうなってまいりますと、二十ばかりの圏域の中に不公平が起こりませんか。私もこれの作業をしたわけではありませんからよくわかりませんが、やはりちょっと問題があるんじゃないかという感じがいたします。  そこで、私の感じはただ感じで、そうなりませんということであればいいのですけれども、私が思うのは、たとえば産炭地の六条市町村は、市であっても、ここ数年の財政力指数をずっと見ていきますと、産炭地以外のところの財政力指数というのは一年に〇・一とか〇・二とか上がっていっておりますけれども、産炭地の財政力指数というのは上がっていっていないのですよ。たとえば福岡県の田川市を見てみますと、五十年が〇・三三、五十四年度が〇・三六、余り変わっていないですよ。卒業式をさせる、それも二十のうち十ぐらいは、十以上は卒業させるという通産省のお見込みのようでありますけれども、そういう過去の財政力指数をずっとトレースしていきますと、思うとおり半分以上卒業しますか、また卒業するような裏づけありますか。もし過半数が卒業できないようになったらば、これは振興法をまた延長しますか、どうしますか、お答えいただきたい。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 いま先生御指摘のとおりに、財政力指数が全国の加重平均に達した市町村が過半の場合に卒業ということでございまして、そういたしますことが現在時点で判断できるので一番端的な指標であろうということで審議会から御答申をちょうだいをいたしたわけでございます。もちろんその産炭地域振興の諸施策がどのような効果を上げていくかということによりまして、それが財政力指数に反映をいたしていくわけでございます。したがいまして、今後この財政力指数がどのように展開していくかという点については、もちろん不確定な要因がございますわけでありまして、私どもの方としてもある程度の試算はいたしてはおりますが、将来の展開がどうなるかという点につきましてはなお不確定な要因があるわけでございます。  したがいまして、それではもし仮に卒業できるような経済生活圏、六条市町村が少なかった場合、あとどういうふうにするかというお尋ねでございますが、その点につきましては、私どもとしては、この延長後初年度でございますし、いまいろいろ府県の方で自主性を発揮して御努力を願っております産炭地諸施策が効果を上げて、できるだけ産炭地域振興法の今度の十年の期間内に所期の目的を達するように最大努力するということが現在申し上げられることでございまして、それに向けて努力はするつもりでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 最大努力するということでありますけれども、卒業基準まで掲げた以上はかなりの、確たると言いませんけれども、めどがなければいかぬと思うのですが、たとえば先ほど申し上げました夕張市の財政力指数はどうかといいますと、五十五年は三〇・二ですよ。さっき財政力指数〇・六四と言いました。夕張の場合は〇・三〇二ですよ。五十三年の例は三一・一ですよ。五十三年から五十五年の間に財政力指数は上がっておらぬで下がっておるわけですよ。それで、去年災害がありましたからもっとこれは下がってくると思います。夕張の圏域のほかに、たとえば芦別を見てみますと、芦別は〇・三二ですよ。三笠は〇・二五二ですよ。圏域の中心になるような市をとってみても、おっしゃるような〇・六四の半分以下のところなんですよ。そうしますと、とてもじゃないが、いまのような体制の中で、五十七年度の予算措置でも余り変わっていません。変わってないのでありますから、半分卒業なんというのは絵にかいたモチじゃないでしょうか。通産大臣、確たる見込みはありますか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私どもは、それぞれの生活圏がそれぞれ地域の特性を発揮して、いま申し上げましたような基準に到達する、そのために、道県を初めといたしまして関係市町村あるいは関係諸官庁の御協力を得て、ぜひ所期の目的を達成するような努力をいたしたいと思っておるわけでございます。将来の展開を過去のトレンドから推定していいかどうかはわかりませんけれども、今後の経済変動いかんによりまして将来の予測はかなりむずかしいわけでございます。私どもとしても、半分ぐらいのものは卒業させたいということで、できる限り努力をいたしたいと思っておるわけでございますが、いま客観的に現在としては一応必要だと思われます卒業基準にできるだけ多くのものが到達するように、それぞれの関係方面の御努力を求めながら、私どももできるだけの支援をしながらそのようにいたしたい。  じゃ、いま本当に十出るのかどうかという点につきまして、私どもとしても明確に十出るということをいま申し上げられるわけではございません。もちろんできるだけ多くするということで努力はいたしたいと思っておるわけでございますが、それじゃ、仮に卒業するものが少なかったときに、その時点でどうするかという点につきましては、これはまだ将来の問題として検討させていただくわけでございますが、当面、私どもとしては、所期の目的が達成するように、できるだけ多くの、経済生活圏がねらいました目標を達成し得るように関係方面の努力を促し、私どもも関係省庁ともども努力をしてまいりたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 来年のことを言うと鬼が笑うと言うが、いま計画はこれから発足しようということで、十年先のことを言うのは大変申しわけないわけでありますけれども、私がそういう数字、財政力指数を物差しにしておりまして議論してみますと、どうやら十年のうちには到達はできないじゃないか、こう思うものですから、あえて質問しているわけです。  そこで、お尋ねしたいわけでありますが、私はそう思うものですから、冒頭両大臣に、産炭地振興の実を上げるためには、福岡県が挙げたような七つの緊急の課題を完全に遂行していかなければならぬと思うがどうかということをお尋ねしたわけですよ。そこで部長、いまの言葉で関係者の御協力を得てと、その御協力を得てというのは具体的に何ですか。この問題については、通産省が産炭地の主管省でありますから、御協力いただくについては、三就労問題等労働省の御協力もいただかなければならぬでしょう。あるいは産炭地補正の問題についても御協力いただかなければ、私が挙げた七つの課題の——重要な当面の課題ですから、そう私は思うのですよ。それでも足らぬと私は思っているわけです。いま私が申し上げた七つの課題、大臣にお答えいただいたのですけれども、そういう問題について、積極的な協力をいただくという意味ですか、いかがですか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 七つの課題を冒頭御指摘いただいたわけでございますが、先ほどの鉄道問題、炭住、ボタ山、離職者、鉱害等々の諸問題は、それぞれの実施計画の中にそれの要点が盛り込まれておるわけでございまして、これにつきましては関係省庁とも御相談をいたしまして、また関係省庁の代表の方も審理会のメンバーにお入りいただきまして、このような実施計画をつくっておるわけでございます。したがいまして、この産炭地振興政策というのは非常に多くの省庁にまたがる問題でございますので、関係省庁との連絡体制は、前回法案の審理のときにも当委員会からもいろいろ御指摘いただきましたように、十分連絡を密にするようにということでございまして、私ども連絡体制をいま非常に強化いたして各省庁にお願いをいたしておるわけでございますが、いまいろいろ御指摘いただきましたような実施計画に盛り込まれました諸点につきましては、関係省庁とも十分連絡、協調の体制をとりながら、その実現に向けて関係省庁にもお願いをしていきたいという趣旨でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 余り時間がありませんから。  そこで、卒業の物差しができても猶予期間を設ける、猶予期間の物差しも私は重要だと思うんですよ。いま一番の産炭地の問題は、これからいろいろな借金をして、地方債でやっていきますから、公債費比率というのが、大体財政力指数は六〇に近くなった、あるいは五〇ぐらいに上がったけれども、借金がふえちゃってどうにもならぬということでありますから、その猶予期間の中には公債費比率というものを重要な物差しとして考慮しなければいかぬのであって、簡単に猶予期間、あと二年ぐらいで経過措置にしようという機械的なことでは許されないと思うのです。この点についてお答えいただきたい。これが一つ。  もう一つ、各省の協力をいただかなければいかぬ。いままでのものは当然のこととして実施計画の中に織り込んでいるだろう、こう言っておりますけれども、福岡県から出たものをちょっと申し上げてみたい。福岡県から申し上げた「離職者対策の積極的活用」というところでは「緊急就労事業、開発就労事業は、今後も産炭地域における生活環境整備、産業基盤整備推進の重要なテコとなるであろう。発展計画の具体的な事業の実施に当たっては、特開事業を含めた三就労事業の積極的な活用を図っていくべきである。」こう指摘しております。そういうふうに労働省はお考えかどうか、ひとつぴしゃっとお答えいただきたい。  もう一つ「同和対策事業にかかる法的措置」というのを当面の課題として挙げております。「産炭地域振興対策と同和対策とは並行して進められる必要があるが、このため、同和対策特別措置法延長に伴う付帯決議三項目の早期実現を図るとともに、今後とも同和対策事業を積極的に推進していくため引き続き立法措置が講じられなければならない。」この立法措置につきましては、すでに政府の方から国会に新しい立法措置が講じられておりますから、それに基づいて特に運用に当たって——時間がありませんから、はしょって申し上げますけれども、現行法十条、新しい立法の五条の運用については特段の配慮をしていただかなければならぬ、こう私は思っております。  もう一つの問題点は、「市町村への財政援助措置」でございまして、これについてもこの福岡県から出たあれはかなり書いてあります。ちょっと御紹介いたしますと「昭和五十五年度の県内産炭地域市町村の財政力指数は〇・五四であり、とくに筑豊六条地域のそれは〇・三六と全国平均の二分の一の低水準にある。」こう言っております。特に田川市郡の財政力指数は〇・二六だ、こう言っております。そこで、産炭地は構造的な脆弱性を持っておるわけでありますから「自助努力には限界があるので、国においても産炭地補正の継続など特別の財政措置を講ずることが望まれる。」こう言っております。自治省が交付税措置の中でやっていただいておりました産炭地補正、これは五十六年度で切れますので、新しい延長に際して今後どうするのかという課題でありますが、これについてひとつ基本的なお考えをお答えいただきたい。まとめて質問して恐縮でございますけれども、それぞれお答えいただきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私の方からは冒頭のお尋ねの猶予期間の点についてお答えさせていただきますが、現在、私ども、この猶予期間をどのくらいにするか関係省庁でいま最終的に詰め、検討をいたしておるところでございます。私ども現在検討中でございますので、いまここで確たることは申し上げかねますが、諸事情を検討をいたしましてその猶予期間を決めたいと思いますが、いま先生の御指摘の公債費比率といった事情にも、それからその他の諸事情にも配慮いたしまして、私どもの方としても猶予期間をどのようにするかを関係省庁でなお詰めていきたいと思っております。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 先日の答申のございました中で、緊就、開就事業につきましては、産炭地振興に寄与するよう、必要な間その計画的、合理的実施に努める、こういう指摘が述べられておるわけでございますので、その具体化につきましては、福岡県からの要望等も含めまして検討を進めていきたい、こう考えております。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 二点につきましてお答え申し上げます。  最初に、従来の同和対策事業特別措置法の実質的延長でございます新法、新しい立法におきまして、引き続き従来の十条に相当するところの自治大臣指定の地方債の交付税の元利償還算入、この点についてのお尋ねでございますが、従来の同和対策事業特別措置法十条の場合におきましては、国庫負担あるいは国庫補助を伴うもの、こういう事業に対するものについて指定をし、交付税の算入を行っていくということが国会における審議の経過でも明らかにされておるところでございます。新法におきましても、これと同様の取り扱いにしていきたいと考えておるところでございます。私ども、この事業が国、地方共同の責任で行われるべきものと考えております。したがって、地方団体の共有の財源でございますところの交付税の算入につきましても、その適用範囲拡大についてはやはり国庫補助、負担を伴うものとするということが適当と考えております。なお、特別交付税あるいは良質な資金の確保、こういう点につきましては、今後とも格段の努力を続けてまいりたいと考えております。  それから第二点の、市町村の財政力の支えとなるいわゆる産炭地補正の問題を法延長に当たってどのように考えておるかという点でございますが、この点につきましては、昨年の第九十四通常国会当委員会におきまして、細谷先生からも熱心なお尋ねと御要請がございました。私ども従来から、五十一年から続けておりますこの補正につきましてはいわばつなぎとしての措置であるということで、現行制度上五十六年度をもって切れるということになっておるわけでございますが、昨年の当委員会でも、その延長問題について検討する、このようにお答えをしたところでございます。この点につきましては、新しい計画に基づくところの産炭地の振興整備の状況等を十分考えながら、また、この補正が産炭地域の市町村にとってこれからの振興整備を進めていく上に有力な支えになるという先生の御主張、御要請を十分私ども念頭に置きまして、まだ結論は出しておりませんけれども、よく検討をして、できるだけ早い機会に、五十七年度の普通交付税の算定に先立ちまして決定をしてまいりたい、結論を出してまいりたい、このように考えておるところでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 矢野審議官、いやに歯切れが悪いな。去年はどう言ったかといいますと、産炭地補正については、いま法律の延長問題で議論しておりますから、法律の延長があったところで考えますと言っているんです。五十六年度までの措置ですから、これから五十七年度、新しいわけですから。去年一年たっているんですよ。去年の委員会から今日まで一年。一つも進んでおらぬじゃないですか。前向きでいつまでに結論が出ますか。五、六月と言われるでしょう。法律事項じゃありませんからね。省令事項でしょう。これは具体的に前向きにひとつやっていただきたい、こう思います。内容について申し上げたいのですが、時間がありませんから申し上げません。  それからもう一つ、私が申し上げておる同和対策についての問題。これは新しい立法で五年間という形で三月末までにはこの法律が成立する見込みだそうですが、いずれにいたしましても現行法と新しい法律の十条と五条は同文ですよ。その運営の中で、自治大臣の指定するものというのは同和対策事業のたった二割か二割五分ですよ。あとは対象になってないのです。これはもっと十条の精神、五条の精神を、自治大臣が指定によって枠をはめているわけですから、自治大臣がそう決意すればいいわけですから、ひとつこの運営を法の精神にのっとってやっていただくように要望しておきたいと思います。またいずれ機会がありましたら詳しい内容については質問することにいたしまして、きょうは終わります。その点聞かしていただきたい。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 第一の産炭地補正の点、この点お尋ねでございますのでお答え申し上げますが、昨年、御承知のようなお答えを申し上げまして、その後鋭意検討を進めております。その際にもお答え申し上げたところでございますが、この補正の必要性に関する先生の強い御主張、この点を十分踏まえて鋭意検討を進めております。普通交付税の算定の手続の関係もございますので、おおむね六月ごろをめどに最終的な結論を出す、このように考えておるところございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 終わります。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 中西積介君。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 時間が、後の方が大臣のいらっしゃる時間が短くなりますので、三十分程度になってしまいましたから、はしょって申し上げます。したがって、答弁は簡潔にお願い申し上げたいと思います。  そこで、まず第一点として、国鉄地方ローカル線問題についてお聞きいたしたいと思います。地方交通線対策室長、お見えですか。私、先般から、産炭地域における総合交通体系として重要な位置づけをローカル線が持っておるということでもって何回か質問を申し上げたところでありますけれども、それとのかかわりで、現在進行が中断をいたしております問題について一点と、それから、見切り発車問題について一点、この二点だけ簡単にお答えいただきたいと思うのです。  特定地方交通線対策協議会に現在参加をするに当たっては、すべて当局側の言うままの内容でなければここでは審議は進められないということでもって、いまいろいろ多くの問題が発生しています。そうした中で、たとえば、私筑豊なんですけれども、筑豊横断鉄道のようなビルドにかかわる論議をこの協議会の中でするのでぜひ参加してほしいということが言われておりますけれども、このようなことがあり得るのかどうか、この点が一点です。  それから二点目は、見切り発車についていろいろ意見があるようでありますけれども、見切り発車はその後検討したようでありますけれども、するのかしないのか。この二点について簡単にお答えください。

野間耕二運輸省鉄道監督局国有鉄道部地方交通線対策室長

○野間説明員 特定地方交通線対策協議会の会議におきましては、法律上特定地方交通線を廃止する場合に必要となる輸送の確保に関し必要な協議を行うということにされておるわけでございますけれども、これに関連いたしまして、当該地域の交通体系のあり方について協議が行われるということは十分にあり得ることであろうというふうに考えております。したがいまして、この論議の中で、ただいま先生の言われましたようなビルドに関する論議ということが行われることも十分にあり得るであろうというふうに考えております。  それから、二点目の見切り発車の件でございますが、これは恐らく法律第十条三項に書いておりまする会議を開始した日から二年を経過した日以後において協議が調わないことが明らかであると認められた場合には、国鉄は廃止の許可を申請せいというその二年間のことであろうかというふうに考えるわけでございますが、対策協議会の会議におきまして二年間協議するということでございまして、私どもとしては、その間十分に議論が尽くされまして最善の結論が得られるものと考えておりますけれども、仮に二年たって協議が調わない場合でありましても、私ども協議が調いますように十分努力いたしまして、協議が調う見込みがあるというときには、直ちに当該特定地方交通線の廃止の手続をとるというようなことはしない方針でございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 それでは、特に一点目の場合には、そのようなただ単に廃止に必要な論議だけでなしに、ビルドにかかわる問題まで含めて論議がされるということで確認してよろしいですね。

野間耕二運輸省鉄道監督局国有鉄道部地方交通線対策室長

○野間説明員 議論の対象によりまして議論の内容に濃淡はあると思いますけれども、ただいま先生の言われましたようなビルドの件についても十分議論されるというふうに考えております。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 これらの問題については、私このことを質問を申し上げましたのは、交通線対策協議会を開くに当たっていろいろな誘いがかかっておる、その中身は非常に不純なものまで含んでおると私は考えますので、お聞きをしたわけであります。いずれにいたしましても、お聞きした点についてはわかりましたので、この点はあともうございませんので席を下がっても結構です。  次に、本論に入らしていただきますが、昨年三月、第九十四国会におきまして森山前長官が、五十六年度石炭勘定分については原重油関税収入のうち配分率十二分の十方式、これを定額方式に切りかえて、不足した場合に必要な措置を必ずとるということが答弁され、そして十一月十三日、第九十五国会におきましては小松長官が、不足した分につきましては、特会の総則にあるように石炭勘定を優先するので心配はないんだというこうした答弁がされています。ところが、この原重油関税収入五十六年度分を見ますと千五百八十六億円の予算が立てられておるわけでありますけれども、この見通しがどうなっていっておるのか。いよいよ会計年度も終わりに近づいてきたわけでありますから、この点を明らかにしていただきたいことが一つと、五十六年度石炭勘定歳入はそれとのかかわりで心配がないのかどうか、この点お答えをいただきたいと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 お答え申し上げます。  先生お話がございましたように、昭和五十六年度の石炭関係、原重油関税収入というのは私どもも千五百八十六億円を見込んでおったわけでございますが、その後の状況がかなり変わってまいりまして、特に省エネルギー、それから燃料転換等の進展が進みまして、御指摘のように原油の輸入量というのが当初予想に比べまして相当減っております。こういう状況でございますので、当然原重油関税につきましても減収が予想されるわけでございますけれども、現在まで、十二月ないしは一月までの速報値を見ますと実績が出ておりますけれども、さらに二、三月の状況を見ませんと、最終的にどの程度の減収になるかということをこの段階で申し上げることはむずかしいわけでございます。  私どもといたしましては、今後の情勢いかんにもよりますけれども、改定石油の供給計画で二億三千九百万キロリットルの原油の輸入見通しをしておりますが、大体それに近い線で輸入が行われるのではないかというふうに考えております。そういうことで算定いたしますと、現段階で収入見込みは明確には立ちませんが、二百億円ぐらいは減収になるかもしらぬという心配はいたしております。  ただ、先ほど先生からもお話がございましたように、石炭勘定につきましては定額先入れということで、千五百八十六億円の収入のうち千二百七十三億円を定額先入れすることにいたしておりますので、石炭勘定の立場からは減収は全然影響を受けない、かように考えております。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 この点は従来からの確認どおり、いまなお変わっておらないということが確認できましたので、石炭勘定は五十六年度分については問題がないということを確認します。  そこで、五十七年度原重油関税一千四百五十億円並びに五十七年度予算予定額、この点については大丈夫なのかどうかですね。前回の私の質問に対しましては、大変かたく見積もってあるのでこの点については危惧する余地はないという回答をいただいておりますけれども、いまのように産業構造の転換なり、あるいは省エネが徐々ではあるけれどもさらに進んでいくであろうということを考えた場合に、大変危惧をするわけでありますが、この点についてお答えください。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 お答え申し上げます。  五十七年度の予算を組むに当たりまして、私どもとしては石油の輸入量を四百七十万バレルということで考えております。これは原油輸入量としては二億四千万キロリットルということで、先ほど私が申し上げましたけれども、今年度の石油供給計画二億三千九百万キロリットル、大体今年度これに近い線で輸入が行われるのではないかというふうに思っておりますが、その横ばいということで二億四千万キロリットルを想定いたしまして、さらに来年度は税制面で若干の改正が行われまして増収効果等もございますので、そういうことを勘案して千四百五十億円ということを算定しておるわけでございます。  確かに先生御指摘のように、五十七年度の石油原油輸入量その他を現段階で見通すことはなかなかむずかしいわけでございますけれども、特に異常な状態その他が起こらぬ限りにおきましては、現在石油につきましては相当の在庫調整が進んでおります。ですから、さらに景気の動向につきましても、後半はある程度の上昇が期待されるという面もございますし、今後の原油価格の値段いかんにもよりますけれども、私どもは、現在の在庫状況から見れば、今年度の大体横ばいで見ておるという数字はかなりかた目の数字ではないかというふうに考えておるわけでございます。  ただ、それにいたしましても、減収が起こる場合もあり得ますので、来年度予算につきましても今年度と同様に、石炭勘定につきましては定額先入れということを予算総則にうたいまして、千四百五十億円の見積もりの中でさらに千三百四十七億、ことしはこれが十二分の十一強になりますけれども、こういう形で石炭勘定については定額先入れ方式をとるということで、財源対策には万全を期しておるわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 横ばいで行けば、いま最後に答弁されましたように、定額先入れ方式をとりさえすればこの分については変更はない、こういうことになるわけでありますから、大体確認できると思います。  ただ問題は、需要見通しなどにつきましてどうせ見直し等が行われるようでありますから、そうした中におきましても、そういう時期になりましたならば、必ずまたわれわれに対しても報告いただければと思っております。この点をお願い申し上げておきます。  次に、産炭地域振興問題につきまして入りたいと思います。  石炭勘定の中で、産炭地域振興で筑豊に注ぎ込む予算は大変大きいということが盛んに言われています。しかし、内容をつぶさに検討いたしますと、鉱害対策なりあるいは失業対策費で、産炭地域振興対策費なるものはわずかの額でしかありません。二十年間の対策を考えてみますと、基本計画あるいは実施計画はあったけれども、私たちに言わせると、余り大きな効果はなかったのではないか。今回は初めて、十年間の制限つきの中で、国、地方自治体あるいは住民参加のもとでこうした計画案なるものがつくられておるようでありますけれども、それについても成功させるためには、二十年間の総括が十分なされたかどうかが私は問題だろうと思います。  従来から私はこの点を何回となく申し上げておりますけれども、余り明確な回答がなされておりません。したがって、何が問題であったかをもう一度明らかにしていただき、そして、それをどう補完していくのか、これがこれから後の私たちが立てなければならない基本計画、実施計画であり、地域における発展計画ではなかろうか、こう考えます。私は、むしろ年次計画をつくるべきだということを主張してまいりましたけれども、これは受け入れられておりません。したがって、いま年次計画に至らずとも、いままでの反省に立った上での計画をどうお考えになっておるのか、この点をお答えいただきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 昨年の当委員会におきます産炭地域振興法延長の御審議の際にもいろいろと御指摘をいただきましたが、一昨年の産炭地域振興審議会の答申で指摘しておられますように「従来の対策の進め方の実態をみると、経済生活圏としてのまとまり、発展の目標の設定、圏域内における市町村の位置付けと役割等についての検討が十分ではなく、また、振興事業間の調整と優先度の決定などについても、その計画面で総合性を欠く憾みがあった」という御指摘を答申としていただいておるわけでございます。  私どもとしては、当初の構想としてはありながら、経済生活圏としてそれぞれの特徴を生かしていくということと、それから、またさらに、それぞれの地方のその特性を生かすべく、関係市町村等地方公共団体の自主性、努力を発揮させていく、さらにまた、関係省庁間の連携というようなあたりにいろいろ問題があったかと反省をいたしておるわけでございます。  計画をつくります過程の段階の中で、それぞれ道県でつくります発展計画の作業をする、さらにまた、産炭地域振興審議会の地域部会でいろいろ議論をいただきますときのキャッチボールをするというようなことで、従来に比べますと、基本計画、実施計画の策定の段階でもそれなりの改善が見られたと思っておるわけでございますが、今後の運用に当たりましても、いま申し上げました反省を十分踏まえて、所期の効果を上げるように関係方面ともども努力をしてまいるつもりでおります。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そうした反省はある程度なされておりますけれども、いま、これに対して反論をし、そして討論をする時間がございませんから、きょうは省きます。  そのような反省の上に立ってこの計画は立てられておりますが、特に大臣にお聞きしたいと思います。  いまそうした内容であるだけに、六条地域市町村におきましては、大変な財政困難に陥っています。特に筑豊内陸部などにおける自治体というのは、再建団体転落寸前にあると言っても過言ではありません。こうしたところではほとんど独自の事業はできず、しかも、産炭地域振興対策費はわずかであります。ところが、そのわずかな対策費、かさ上げ分等については、北九州市がほとんど持っていくというような状況です。事業がなければ、こういう地域ではこのかさ上げ分についての補助はありません。  そうなってまいりますと、問題は、他省庁が支出をしておる分が大変大きなものがありますだけに、これから後の問題といたしましても、他省庁との関係が従来より綿密に、計画的に連絡がとられ、そして私は、少なくとも閣僚会議ぐらいは開くべきではないかということを従来から主張してまいりましたけれども、次官会議ぐらいでということで前大臣あたりは言われてきたところであります。そうした点からいたしますと、この連絡あるいはそうした打ち合わせ等につきましては相当密に行われておるということの報告を聞いております。  ただ問題は、これから後そうした問題等につきまして、各省庁との関係の中で、予算の拡大あるいは増大が望めるのかどうか。特に、現在ではゼロあるいは大変低い伸び率に抑えられておる各省庁の予算でありますだけに、この点はどのようにお考えになっておるのか、あるいは対策を考えられておるのか、お答えをいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 産炭地域の振興を図るために、現在各省は、産炭地域において行うところの公共事業につきまして、産炭地域振興臨時措置法に基づいて補助率のかさ上げ措置を実施をいたしておるわけでございます。従来から産炭地域各省庁連絡会というものがございますが、これを通じまして、各省庁に対して、産炭地域への公共事業予算の重点配分を行うように要請をいたしております。今後とも、産炭地域振興対策の円滑な推進に遺漏なきよう、関係各省庁との連絡協調体制を緊密化していかなければならない、こういうふうに考えまして、これから力を尽くしてまいる考えでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そのようにして拡大を図っていくことの努力、そのことはわかりますけれども、そうした増大なり何なりが具体的に望めるだろうかという点ですね。この点、部長、どうなんですか。大臣は新しくなったわけですから、努力はするとは言っていますけれども、その点についての展望なりあれば答えてください。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私どもとしては、ただいま大臣が御答弁申し上げました方針で対処してまいる所存でございます。  もちろん、いろいろな事業を実施してまいりますときに、それぞれの地域の特性を生かして、効率性を発揮し得るようなそれぞれの機能分担を図っていくというようなことで事業の効率を上げる、そして効果を最大限に発揮するために、もちろん金も必要でございますが、同時にそういった計画性と申しましょうか、知恵と申しましょうか、そういったことを十分効果を上げ得るようなかっこうで英知を集めて努力をしてまいりたい。また、特にその意味では地方の自主性ということが尊重されるわけでございますし、関係各省庁が挙げて効率性を発揮し得るような事業の計画をつくり、それに邁進するというようなことでこの効果を発揮してまいりたい。これを十年間でぜひ所期の目的を達成するようなことで、予算面も含めまして努力をしてまいりたいと思っております。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 予算がまだ確定をしませんから、その配分等についてはまだまだ多くの問題が残っておると思いますから、この点については十分対応していただきたいと思います。  そこで、それとのかかわりで他省庁とのかかわり、それぞれございますけれども、きょうは時間がございませんので、建設省、おいでいただいていると思いますから、建設省のみについてきょうはお伺いをしたいと思います。  いま申し上げたような状況の中でありますだけに、十年間制限のこの法律そしてその計画でございますから、基本計画あるいは実施計画、地域発展計画、こうした振興策がそれぞれ明らかになってくるわけでありますが、その中でも特に重要なのは、基幹道路を中心とした交通体系の拡充であります。  筑豊地区で申し上げますならば、二百号あるいは二百一号あるいは三百二十二号などという国道があるわけでありますけれども、域内におけるものはある程度でき上がったといたしましても、いまつくられておる経済生活圏域、これとのかかわりの中での問題が解消されていません。これではどうすることもできないわけでありますから、これらを考えた場合に、発展計画を十分活用し、それで将来の見通しを立たせるためには、何としても道路というものは重点施策として最重要になってくるのではないかと思っています。そうした意味で、私たちが期待をするような重点施策として建設省ではこの問題について取り上げていただけるのかどうか、この点、お答えをいただきたいと思います。

高見昌信建設省道路局国道第二課長

○高見説明員 筑豊地域につきましては、幹線道路としまして一般国道三路線ございます。現在、他圏域との円滑な連絡を図るために、二百号につきましては直方バイパス、二百一号につきましては八木山バイパス、飯塚バイパス、それから三百二十二号につきましては田川バイパス等の事業を現在実施中でございます。今後の三路線の整備の方針でございますが、先日答申が出されました産炭地域振興基本計画あるいは実施計画の改定の趣旨を尊重しまして、また、福岡県で策定される予定でございます当該圏域の発展計画と整合あるいは調整を図りながら、また地元の協力を得ながら路線の整備を進めていきたいと考えております。  それで、公共事業につきましては非常に厳しい情勢にございますが、建設省としましては、現在実施中の事業を早期に完成させたいと考えております。それから、交通の隘路となっています個所の解消に重点を置きまして、今後とも事業の進捗に努めていきたいと思っております。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 具体的にお答えをいただきましたので大体わかりますけれども、私はこの点、先ほど通産大臣の方からお答えがありましたように、それぞれの省庁との関連の中で、そうした点についての重点施策を明確に打ち出す中の一つとしてぜひこれを採用することを期待を申し上げ、きょうはもうこれより以上追及いたしませんから、この点で要望だけ申し上げておきます。  そこで問題は、時間がだんだん迫りましたが、産炭地域経済生活圏、二十に分けてでき上がっておるようでありますけれども、九州の場合におきまして私一つ例を挙げながら申し上げたいと思いますが、筑豊の東・中、北九州市を取り入れるということで、こういう一つの圏域になっておるようであります。前国会でも私討論いたしましたが、北九州市というのはもうすでに牽引車の役割りを果たし得ない状況に陥っていることは申し上げるまでもありません。この十年間延長する中で、前大臣は環境づくりとして自助努力し、活力を与え、資本はそうしたときに定着をするという言い方をしています。企業誘致をその中でしていく場合に、たとえば日産を苅田に誘致をし、そして将来これはどんどん拡大をしていく、そうした中で住宅あるいは道路、こうしたものがつくられ、活況を呈してくるのではないかという言い方をしております。ところが、五十五年の十一月あるいは五十六年の四月のそれぞれの国会におきましての答弁の内容というのは、大臣の答弁の中ではそれぞれ食い違いが明らかになってきています。このことを考えますと、政府にとっては大変自信のないものではないかということを私は指摘をしたいと思うのです。  私はいま申し上げたように、たとえば日産なら日産、そうしたものをこうして筑豊の内陸部に向けて企業誘致できるのかどうか、本当に可能なのかどうかを明らかにしなくてはならぬと思うのです。私は、むしろこれにかわるものを計画をしていくべきではないかということをいままで主張してきたわけです。特に筑豊主体の振興策が必要ではないかということになれば、官公需企業あるいは国家的プロジェクト、こうした政策的誘導がなければ不可能だということと同時に、大学あるいは教育研究機関の誘致しかないのではないかということを考えるわけでありますけれども、いままで大臣が答弁をしてきたこうした誘致中心のものが本当に考えられてよろしいのかどうか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 確かに筑豊地域の企業の進出の実態を見ますと、福岡市、北九州市あるいはその周辺には、さらにはいまおっしゃった苅田町等のその周辺にはある程度見られますが、田川等の筑豊内陸部では必ずしも企業の進出が十分と言えないというのが実情でございます。今回の筑豊の東中の実施計画等におきましても、もちろん今後北九州市あるいは苅田地区などとの連関を含めながら、一般機械工業、食品工業あるいは繊維工業等の育成を図るという方向が示されておるわけでございますが、今後北九州市等の臨海部の工業地帯を中心にいたしまして内陸部への都市化が順次進展していくということが期待されるわけでございまして、その場合でも、主要都市と内陸部を結ぶ幹線道路網の整備ということが進んでまいりますれば、企業の進出が進んでいく可能性はあり得るものと実は私どもとしては考えておるわけでございます。  そのほか、地域特性に応じまして農業の振興とか地場産業の振興、あるいは観光開発、居住地域の形成といったような機能分担も考えられるわけで、そのような有機的な結合ということで圏域の発展を期してまいりたいというふうに考えております。  なお、先生御指摘のいろいろな国家関係機関のプロジェクト等の誘致といったような点がございましたが、こういうものも、もちろん可能性がございますれば一つの効果を十分期待し得るということでございます。この点につきましてはそれぞれどういうことが考え得るのか、私どもも関係方面の御意見を伺いながら、十分研究さしていただきたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 後の田中委員の質問の時間が大変制限されますので、私は時間を残してこれで終えますけれども、あとまだ産炭地問題につきましては多くの質問も残っておりますので次回に譲らしていただくと同時に、消費者対策問題等につきましてもきょう大体やるつもりでおりましたけれども、このように時間を前と後から圧縮をされましたので次回に譲らしていただき、きょうはこれで質問を終わります。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 田中昭二君。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 大臣は、第七次答申を尊重して、将来における二千万トン体制の生産水準の達成を目指す考えである、このように所信表明で言われておりますが、わが国の採炭は、御存じのとおりにますます深部化、奥部化されておりますし、そういう特殊の環境、そして劣悪な条件の中での国内採炭であるわけです。せんだっての夕張の事故等で、北炭関係でも当初のとおりの出炭が可能かどうか大変危ぶまれておりますし、そういう中での現在の千八百万トンも維持が困難と見なければならない、そういうふうに言われております。わが国の特殊事情を考慮いたしますと、将来の達成といえども現在より大きく上回る出炭目標は、いろいろな面もございますが、保安体制等の安全面をどうしても軽視せざるを得ないということになると言われておりますが、この意味からも、このたびの二千万トン体制はどうしてもやらなければならないものかどうか、ひとつ大臣の所信をお聞かせください。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 昨年八月に石炭鉱業審議会から答申があったことは御案内のとおりでございます。この答申によれば、わが国石炭鉱業をめぐる内外の諸条件から見て、当面現在程度の生産水準の維持は可能であり、これを基調としながら、今後の石炭企業の経営体質の改善や需給環境の好転に伴い、将来における年産二千万トン程度の生産の達成を目指すことを、石炭鉱業の自己努力、政府の施策及び需要業界の協力に当たっての基本的な考え方とすべきである、こういう答申が出されたわけでございまして、われわれとしてはこの答申を十分に尊重いたしまして今後の国内炭対策を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。  なお、いま御指摘がございましたように、国内炭の生産に当たりましては保安の確保というのが大前提となっておることは言うまでもないわけでございまして、この点についても第七次答申の中で、保安の確保は石炭鉱業の生産のすべての基盤である、こういうふうにされておるわけでございます。したがって、政府としましては、今後保安の確保に遺漏なきを期しながら、北炭の二の舞を踏むというようなことを何としてでも避けなければなりません。そうした面で保安の確保を図りながら、国内炭の生産の維持を図ってまいりたいと存じております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 言葉で言えば大体そのとおりでございますね。それで、しつこいようでございますが、答申にも二千万トンの生産水準云々ということでございますが、この生産水準も各方面から大体評価をされておるということも私は聞いております。しかし問題の点がないとは言えない。もう少し不安が残る。ということは、一昨日の参考人の意見を聞きましても、いろいろな見方があるわけでございます。これは先ほど言われました保安の問題、保安なくして生産なしという石炭の基本的な問題から考えても、この前の参考人の中でも、——専門家の先生方がこの答申をおつくりになった、りっぱにできておるというふうに私も認識しておりますが、いかにりっぱにできておりましてもそれが実行されなければ意味がないというような感じを強く受けたわけです。そしてまた、実際仕事をやる企業、協会の方の御発言の中にも、多とするところはあるけれども、実際の現状は、国内の貴重な資源を採炭する、その採炭した石炭は再生産のコストが裏づけとしてなければならない、これもしかし問題がある、そして企業はみんな赤字経営である、こういう点が強く言われたわけでございます。また、実際山で働く現場の組合の方々もそれなりの評価をされて、実際の仕事に取り組む、石炭を掘る方たちの意見としましてもいろいろなことが言われておりましたけれども、中には率直に、いろいろな石炭に対する施策がどうも絵にかいたもちに終わる可能性がいままでもあった、その点が心配である。そういうことになりますと、私はやはり本音の立場から言えば、二千万トン体制は、たまたま昨年起こりました夕張の事故等を考えましても、ひとついままでと違った決意で、大臣も通産大臣だけではなくて今後のニューリーダーというお立場にあられるわけでございますから、その確信のほどをもう一回お聞きして、この問題を終わりたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 わが国のエネルギー構造というのは非常に脆弱でございます。そういう中にあって石炭という資源はわが国に残されたただ一つの資源であると言っても過言でないわけでございますが、現在は石炭鉱業をめぐるところの内外の情勢は、わが国にとっては好転をしておると言ってもいいのではないか、こういうふうに思っております。したがって、私どもとしては答申の線を踏まえまして二千万トン体制を何としても実現をしたい。いろいろとむずかしい問題も確かにあることは、これはわれわれもわかっておるわけでございますが、これを乗り越えてやはり達成をしなければならない。  そのためにはまず保安というものが最も大事であることは申すまでもないわけでございますが、いろいろ各方面の御協力、あるいは企業がまず自主努力といいますか熱意を持たなければなりませんが、そういうことを前提といたしまして、政府の施策も大いに進めまして二千万トン体制の確立を図っていきたい。非常な決意を持って取り組んでまいる考えであります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 ひとつぜひしっかり取り組んでもらいたいと思います。  そこで、大事な時間でございますから、ちょっと後の問題を先にやらしてもらいますが、昨年の北炭夕張の事故でございます。これは当委員会でも何遍も取り上げられました。大臣も所信表明の中で、事故の原因究明、そして、二度と起こしてはならない、再発防止ということの教訓になっておるわけです。また山元としては、山の再建そして労働者の方々の犠牲者並びに遺族等の補償を行わなければなりません。その前提として、事故以来四カ月間になりますが、坑底に四十四人の遺体が残されておる。これは大変人道上も許されないことでございますし、一日も早く収容しなければならないということが言われておりますが、通産省として現時点でどういうふうにこの遺体の問題について把握をし、また、大臣の所信に述べられております人命尊重という点について大臣の簡単な再度の決意と、それから、いま何をやらなければならないか、どういうことを会社側と話し合いをしているのか、わかれば教えていただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 北炭夕張社の再建につきましては、同社が会社更生法に基づく申し立てを行ったことによりまして、裁判所の判断にねだねられておるところでございますが、政府としましては、同社が法の定めるところに従って、労使の努力を基礎とし、遺体の収容に万全を期しながら再建の道を見出すことを心から期待をいたしております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 再建のことについてはまた後で聞こうと思っておりましたけれども、問題は、残された遺体に対してどういうことが進められておるのか、やはり通産省としても承知しておかなければならない、こう思うのですが、時間の都合上、これまた後でお聞きすることにしまして、最初の問題と関連した問題に入っていきますが、エネルギー政策という中で、石炭の見直し、そして再評価ということが言われております。石炭政策を推進していく中で、どうしても海外炭に依存しなければならない。海外炭の輸入がふえる一方でございます。しかし、最近の海外炭は、聞くところによりますと価格が大変高騰しておる、そして不安定な要素も多い。そういう中で、国内炭は供給も安定しておる、また価格も安定しておる。そのために海外炭と国内炭との価格の差が縮まってきた。そうしますと、なお一層国内炭が大事な重要な資源という立場に立ちます。そういう中での石炭エネルギーを、海外炭に依存して輸入を第一義に置くべきか、それとも国内炭を優先して保護育成していくか。こういう聞き方はどうかと思いますが、大臣のお気持ちの中にどういうふうにあるのか、お聞かせいただければありがたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 私は、基本的には、海外炭の輸入と国内炭の生産というものを両々相まってやっていかなければならない、こういうふうに考えております。特に代替エネルギー政策を推進するという立場から、石炭の依存度というものは非常に高くなっておるわけでございます。しかし、国内炭につきましては、いまの二千万トン体制を確立するということだけでも容易なことではない。しかしこれは実行しなければならぬわけですが、二千万トンということでありますから、相当な部分はやはり海外炭に依存をしていくということが必要になってくるわけでありまして、そのためのいわゆる安定的な輸入体制というものを確立していくことは、今後の大きな課題であろうと存じております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 そういうことで、大臣、最近アメリカに行かれました。貿易摩擦、いま一番問題になっております貿易の問題で通産省が大変な御苦労をなさっておると思いますが、アメリカに行かれたときに、何かアメリカの石炭のことについていろいろお話もされたと聞いておりますが、この場でもそのときの状況、そのときの模様をひとつできるだけお聞かせ願えればと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 先般アメリカを訪問いたしました際に、エドワーズ・エネルギー庁長官あるいはブロック通商代表等とも会いまして、日米間の貿易問題についていろいろと意見の交換をしたわけでございます。その際に、日米間に非常なインバランスがある、こういうふうな指摘もありました。  これを解消する手段として何があるかということについて、一つは、アラスカ石油の輸入ということもわれわれは考えられるんじゃないだろうか。もう一つは、アメリカに非常に多く埋蔵されておるところの石炭の輸入、まあ輸入しておるわけでございますが、さらに大量の石炭の輸入の道を開いていくことも一つの方法ではないかということを話題に供したわけでございます。これに対しましてアメリカ側も、石油の輸出については考慮するけれども、国会で禁止の法律があるのでこの点に問題があるということ、さらに石炭については、われわれも熱意を持っておるので今後ともひとつ大いに努力をしてもらいたい、日本としても輸入の努力をしてもらいたい、こういうふうな御要望がありました。  私は、石炭はこれからの日米間のインバランスを解決する一つの目玉商品である、こういうふうに考えておるけれども、現在アメリカの石炭の場合は奥地に大半埋蔵されておるわけでございます。そうして、これを日本に輸出しようという場合は、港等のいわゆるインフラ関係がまだ十分整備されていないというふうにも聞いておるし、同時にまた、石炭の炭質にも問題があるというふうに聞いておるわけである、あるいはまた価格の点について問題がある、したがって、これらの点について、われわれとしてもいわゆる中長期的には大きな期待を持っておるし、可能性は十分あると思うので、アメリカ側としてもそういう輸出体制の整備を図っていただきたい、そういうことを注文をいたして帰ってきたような次第でございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 大臣、予算委員会もあるそうでございますので、残念でございますが、どうぞ……。  次に、いまの海外炭の関係で少しお聞かせを願いたいと思いますが、また私の意見等も交えてお話をして、そしてお答えいただきたいと思いますが、海外炭の価格が大変高騰する、いま大臣のお話にもそういうことがございました。これが最近、大変極端な状況のように私も聞いております。そこで、具体的には、オーストラリアの石炭などは一年ちょっとぐらいで五〇%も上がっておるとか、また中国もソ連もこれはいよいよ大幅な値上がりをしておる、こういうふうに聞いております。そのほかも大体同じような値上がりであるというふうに聞いておりますが、いまやこれらの産炭国が、端的に言って第二のOPECとも言われるような情勢下にある。  ここ数年、わが国の状態を見てみますと、わが国の経済も石油に大変振り回された苦い貴重な経験をしたわけでございますが、その中で、石炭はエネルギー総体から見れば石油ほどの影響性はないとしましても、石炭再評価のとき、国際戦略の商品としてそういう脚光を浴びておる現在、海外炭の輸入に当たっては長期計画にのっとって行わなければならない。先ほど大臣もそのようなことに触れられました。特にわが国の関係の企業が、できれば石炭の国際メジャーとしての主導権を握るぐらいの政策を考えることが私は政治の責任ではなかろうかとも思うわけでございます。そういう点、いかがなものでしょうか。またもう一点は、産炭国を第二のOPECとなさないためにどういうことをするのか、何か対策が考えてあるのかどうか、そういう点についてお聞かせを願いたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先生御指摘になられましたように、一般炭に例をとってみますと、その輸入価格はCIFで五十三年度が三十八・四ドルでございましたが、これが五十六年の十二月には六十九・八ドルということで、かなり上昇をいたしました。しかし、内外炭の価格差をとってみますと、まだかなりの価格差がございまして、十二月時点で申しますと、一般炭で申しますと三千円から四千円、それから原料炭で申しますと七、八千円まだ国内炭の方が高くなっておるわけでございます。したがいまして、もちろん私どもとしても、国内炭というものの経済性と安定性——先生御指摘のとおりに国内炭は非常にエネルギー安全保障という機能がございますので、これの安定的な機能を重視してまいりたいということに考えておりますが、そういった経済性、安定性の調和の中で、大臣が先ほど申しましたように国内炭の対策を考えてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  第二点として、先生御指摘のように海外炭も、石油ほどではございませんけれども石油に似た性格もございまして、たとえば最近の経験でいたしますれば、ポーランド情勢が悪化をいたしますとヨーロッパの石炭の需給がタイトになる、それが各方面に買い付けに走るというようなことで国内炭が上がった経緯がございます。さらにまた、特に豪州などでは、ストライキが多発をいたしましてかなり供給が不安定になる、さらに港湾ではストがまたよく起こりまして非常に待船が生ずるというようなことで、もちろん貨物の供給の不安と同時に、コストも上がるといった要因がございます。  したがいまして、大臣が申しましたように今後海外炭を安定的に供給していくということを考えてみますれば、一つには、石油の供給にまつまでもなく、供給地域の分散化を図っていくということが重要であろうというふうに考えております。従来は半分以上を豪州に依存いたしておりましたが、最近では少しずつそれが減少傾向に入っておりまして、特にアメリカそれから中国、さらにはまたカナダといったあたりに供給源を分散をいたしていく、こういうことでございます。さらに、一部では最近アフリカ等からの輸入もふえておるわけでございまして、そういう意味では、私どもとしてはできる限りこの供給源の分散化を図っていくということでございます。  それから、海外炭安定供給の安定システムをつくっていく二番目の柱は、私どもはコールチェーンとよく言っておりますけれども、いわゆる山元から国内炭の引き取りまでをシステム的にやっていく。いま先生御指摘になりましたように、もう少し資金力等も持って山の開発に協力したらどうかということもその一環でございますけれども、できる限り需要とマッチした形で——一言で石炭と申しましても、サルファ、カロリー、水分、灰分、いろいろな要因が絡みますので、できる限り需要者に合った形で山の開発をさせ、さらにインフラの整備をしていく。特に豪州などでは、先ほどから申しておりますように港湾施設が不足いたしておりますために、ニューカッスル港の協力ということも考え、また中国でも円借款でいろいろな協力をしている、こういったことで考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 ちょっと私の質問内容は、経過はわかるわけですけれども、これは事務の方ではお答えにくかったかもしれませんが、いまのお話の中にもありましたように、やはり供給の安定性と安全保障的な機能ということは答申等にも言われておりますから、これは政務次官からで結構でございますから、先ほど私が申し上げた政治の責任としてのこの石炭に対するお考えといいますか、そういうものをもう一遍聞かしていただきたいと思います。

原田昇左右自由民主党通商産業政務次官

○原田(昇)政府委員 田中委員の御指摘、まことにごもっともでございます。私どもは、石炭の安定供給というのを大変重要な問題と考えておるわけでございますけれども、石炭が石油と違う点は、御承知のように、海外の石炭資源というのは石油よりは埋蔵量が非常に多いという点でございます。ただ埋蔵量は多くても、供給する設備なり施設というのが十分開発されていないために思うように持ってこれない、また、港湾ストとか、そういう影響も受けやすい、こういうようなことがございます。  そこで、こういった点を考慮いたしますと、おっしゃるように産炭国の開発プロジェクトに積極的に参加して、港湾まで持ってくる供給力を拡大していく、あるいは供給源を多角化する。いま答弁いたしましたように、豪州に過度に依存しておったのが、アメリカあるいはカナダあるいは中国あるいはソ連とか、こういった方に多角化をしていく。それからまた、利用炭種の問題があります。これを技術開発等を通じて多様化していくということが、きわめて安定確保に必要ではないかと思います。  さらに、産炭国と消費国との意思の疎通ということもきわめて大事でございまして、今後とも、政府レベルあるいは民間レベルにおいて、二国間会議、IEA等の多数国間会議等の場を積極的に活用して、石炭貿易の安定的拡大の重要性についての国際的な共通認識を形成することに努力しなければならぬのじゃないかと思います。  最近の情勢は、確かに石炭価格の一時急速な値上がりというのがあったわけでございますが、御承知のように石油の需給が緩和してまいりまして、石油価格におきましても、スポット価格はバレル三十ドルを切っておるというような情勢が現出してまいりました。また、わが国の電力用炭の需要につきましても、そう急いで手当てをしなくてもいいというような情勢も出てまいりましたので、こういった情勢をバックに、石炭価格の安定、適正な水準というものをわれわれとしても、また民間にも努力してもらうということが必要じゃないかというように考えておる次第でございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 大変いろいろお聞かせ願ったわけですが、そこで、先ほど部長がおっしゃった、いま政務次官もおっしゃった、何か供給の多元化といいますか、その具体的な相手国をもう少しちょっと、いま言われたもの以外に何かあるかどうか、お知らせ願いたい。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 いま申し上げましたのは、従来豪州が中心でございまして、それにアメリカ、カナダ、中国等がいま進んでおりますが、さらに南アが最近では輸入がございます。それからソ連も、先ほど政務次官御答弁申しましたように輸入がございました。そのほか考えられるところといたしましては、たとえばインドネシアでございますとかあるいは南米でございますとか、いろいろ賦存しているところはあると思いますが、いずれにいたしましても、かなり輸送距離が入るということでございますので、どうしても中心は太平洋圏の方ということになろうかと思っておりますが、そのほかいろいろな東南アジア諸国につきましても可能性はあろうかということで、いろいろな探鉱等々の努力、情報収集等に努めておる次第でございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 ありがとうございました。  そこで、先ほど、私、北炭夕張のことにちょっと触れたわけですが、大臣、具体的にはお答えなかったものですから、もう一遍お聞きします。  実際現場に残っております四十四名の遺体について、もちろん会社が、企業が第一義的にやるのは当然でございますが、その辺の状況は何か通産省で把握なさっていますか。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 昨年の十一月五日から本格的な揚水を開始いたしまして、御承知のように私どもの札幌の監督局、現地に本部を設けまして遺体救出作業その他の保安上の監督指導に当たっておりますので、この作業についても常時指導し、監督し、ウォッチをしておるところでございます。  水没をさせました坑道の総延長が千九百メートルございまして、昨日現在でこのうち千三百八十メートルについて揚水及び取り明けが終わっております。この段階で新たに十五遺体が発見されまして、昨日現在では、その後一遺体発見されましたので、死亡確認五十名、行方不明、未収容者四十三名ということになっております。  残っております五百二十メートルの坑道の取り明け作業にこれからかかるわけでございますが、主として事故が発生したと推定される地域周辺、北第五の盤下坑道の取り明けがこれから始まるわけでございます。突出炭が非常にたくさん出ておりまして、水を揚げてありますので、自然発火等のおそれもございますので非常にむずかしい作業でございまして、現在安全を期するための通気の密閉作業等もほぼ終了して、これから本格的に第五盤下の取り明けにかかる、こういう状況でございます。  昨年の十二月の下旬に上部の坑道で取り明け作業中、自然発火の徴候が出ましたので、再度注水を行う等で若干のおくれが見られましたが、その後現在までのところは順調に取り明け作業は進んでおります。しかし、これから非常にむずかしいところに差しかかりますので、坑道の損傷の程度等不確定要素がありますからはっきりしたことは申し上げられませんが、会社の計画では、順調にいけば早ければ三月末から四月上旬にかけて取り明けの大半が終わるのではないか、こういうふうに見ております。  いずれにいたしましても、安全かつ迅速な収容を行うよう指導し、現地の監督局でもその取り明け作業は厳しく監督をいたしておるところでございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 わかりました。  そこで、もう一つ残るのは、やはり遺族の補償関係、これも残るようでございます。報道するところによりますと、何か相当な、十二億七千万ぐらいかかるというように出ております。これはぜひ会社としても対応しなければならないと思うのですが、なかなかいまの苦しい状況の中では資金の目当て等も大変だろうと思いますし、この資金のやりくり等について、何か政府で把握しておられることがございましたら教えていただきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先生申されましたように、遺族の補償につきましてはまだ支払わなければならないのが十三億弱残っておるわけでございます。私どもも、災害を起こしましたときから遺族の補償ということにつきましては、遺体の収容ともども最優先でするようにということでいろいろ指導してまいりましたが、いまだそれだけの金額が未払いで残っておるわけでございます。私どもといたしましては、遺族の補償、遺体の収容といった問題は、これは企業内の災害でございますので、企業が責任を持って、その責任と負担において処理すべきものということで指導をし、常に会社側にもその旨を強く申しておるわけでございます。  一月予定いたしましたのは支払いませんでして、二月、あるいは会社側によりますと、私どもも一応の報告としては、事故関連グループの協力のもとで関係金融機関の支援のもとで三月末までには支払うということを間接的に伺っておるわけでございますが、私どもとしましては、企業の北炭グループとしてその責任を果たすように絶えず督促をいたしておるわけでございますが、現在といたしましては、私どもとしても、会社はそのような方向で努力をするというふうに聞いておるところでございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 もう少し残っておりますのは再建問題でございます。  一昨日ですかの報道によりますと、北炭の更生見通しについて調査委員会が地裁に報告書を出した。これはやはり、この報告書に言われておりますように、国や北炭グループ等の支援、協力が前提となっておるようでございます。その中で、これは新聞報道だけでございますが、更生手続の開始が妥当である、そういうことで再建の可能性を示した報告になっておる。この内容から見てみますと、三月には更生決定の見込みではないか、こういうふうにとれるわけですが、そういう地裁の決定見込みがあるとした場合に、政府としてどのように対応されるか、わかっておれば教えていただきたい。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 二十二日、今週の月曜日に望月調査委員が札幌地方裁判所に対しましてその報告書をお出しになったということを私どもも報道を通じ承知をいたしておるわけでございますが、今回のこの調査報告書と申しますのは、裁判所が更生手続開始の決定の可否を行うに当たつての判断の材料ということで提出されたものでございます。それで、更生手続の開始の決定がございますれば、別途管財人が選任されまして、管財人の手によりまして更生計画が策定されていく、こういう手続を経るわけでございます。私どもも、この調査委員がおつくりになられました報告をまだつぶさに検討する余裕はございませんので、私どもとしては、これは裁判所の手続の一環として行われておりますので、その内容の点については申し差し控えたいというふうに思っておるわけでございます。  今後、管財人が選任をされまして更生手続の開始ということになりますと、直ちに関係更生債権者集会というのが開かれまして、関係債権者の意見を聞きながら管財人が更生が可能かどうか、あるいはもし可能であるとすればどのような更生内容にしていくかということが論議をされて、管財人はその後の実質的な経営者ということになるわけでございますが、その会社の帰趨を決めていく、こういうことでございます。そして、更生債権者の合意が得られますれば、今度は更生計画が最終的に確定をする。それを裁判所の認可決定を得るという形で更生計画に相なるわけでございます。その間にもちろん、将来の企業のあり方、経営に及びますまで、これはケースによってやり方は多々、区々に分かれますけれども、将来の経営のあり方からあるいはいままでの債権の処理の仕方、返済の仕方等々、非常に広範な内容にわたってこの会社が更生できるかどうか、また、するとした場合の内容というのが明らかになってくるわけでございます。  いま先生も御指摘のように、望月調査委員が出されました報告書は、八項目にわたる前提がついて、その前提が成就されれば更生の見込みあり、こういうことのようでございますが、問題はその条件をどのように満たすような形で更生計画がつくり得るかどうかということであろうと思っております。  そういったことで、管財人が選ばれますればそういったことがいろいろ検討されてまいります。いま御指摘のとおりに財政資金もかなりの御期待があるという、制度資金の導入が期待されておるということのようでございます。私どもといたしましては、更生計画が認可決定されるなど更生の見込みが明らかになりました段階では、私どもとしても財政的な支援ということを検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございますが、当面裁判所が管財人を選ばれて更生開始手続の決定をなさる、さらにまた管財人がその更正計画をどのようにしていくかということが当面の焦点でございますが、その過程におきましても、先ほど御指摘になられましたような遺体の救出、弔慰金の処理ということは十分優先的に考えていかなければならない問題であろうと理解をいたしております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 それじゃ、この問題はまた時期を見ましてお尋ねすることにしますが、現状の中では、夕張が再建されて、そして地元もそれを大変希望しておりますし、そういう方向での政府の援助をお願いをしておきます。  そこで、時間も余りございませんので、いろいろ申し上げたいことがございましたけれども、最後にしたいと思いますが、残りました問題は、一つは鉱害対策の問題等でございます。これをひとつ、私も産炭地におりますが、先ほどの中西委員のお話もありましたように、現実はいろいろな対策といいますか、補償といいますか、そういうものが遅々としてなかなか進まないという面もあるわけでございます。また、鉱害そのものが、私たちの認識では、国が歴史の中で富国強兵といいますか、とにかく産業第一でやってきたその当時の産業廃棄物ではないか。ボタ山にしろ、惨めな姿でいま産炭地に残っておりますのを見ましても、そういう産業廃棄物であれば当然、そのほか鉱害等につきましても、政府が責任を持ってこれはやらなければならない問題である、こういうふうに言わざるを得ないわけでございます。  それで、石炭政策の中では事務局の方も大変一生懸命やっていただいておるのはわかるわけですけれども、わが国の資源のない中でのエネルギーということを考えますと、石炭政策はひとつ要求するものはきちっと要求する、やれることはやるという確固たる信念を持たなければいけない。ですから、そういう意味から言えば、石炭政策は本音でやってもらいたい。この問題については、いろいろな鉱害またエネルギー問題については、与野党一致して超党派でこの委員会等でも意見開陳また御意見等を聞いているわけでございますから、ぜひひとつそういう形で政策を進めませんと、いいかげんなことではせっかくやったことが一〇〇%実らない、私はこういう感じを先日の参考人の話を聞いておりましても受けたわけでございます。本当に、最初に申し上げましたように、どんなりっぱな政策でも実行できないようなものを掲げておって、そしてそれで適当にやればいいんだというようなことでは石炭政策は失敗をする。参考人の意見の中にもありましたように、今度の第七次では、そういうことがあってはならない、いままでは生かさず殺さずで来たというようなことまで出ることも、残念ながらうかがえるような気持ちがするわけです。いままでも一生懸命やっていただいたと思いますけれども、今後の政策の進展についてはぜひひとつ確固たる信念を持って、こういう生産についてはもう正味必ずやっていくということの御所見を、そういうことに対する御所見をお聞きして終わりたいと思います。よろしくお願いします。

原田昇左右自由民主党通商産業政務次官

○原田(昇)政府委員 田中委員のおっしゃること、ごもっともでございまして、私ども、いままで長年にわたって産炭地振興あるいは鉱害対策を実施してまいったわけでございますが、今回延長をお願いしておる十年間、これが最後の十年だ、こういうように考えておりまして、不退転の決意で、この十年間に所要の目的を達成するように全力を挙げる覚悟でございます。どうか委員各位におかれましても、ぜひとも御協力、御助言のほどをお願いする次第でございます。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 午後三時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後三時四分開議

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。岡田利春君。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 労働省関係の若干の質問からお伺いをいたしたい、こう思います。  今回の炭鉱離職者臨時措置法がさらに五年間延長されることになっておるわけであります。そこで、私はこの五年間の延長と他の法案との関連を考えてまいりますと、前回すでに産炭地域振興臨時措置法が十年間延長されておるわけです。午前中も議論になりましたけれども、今度の方針の中では、財政力指数が〇・六四に六条指定自治体が達した場合には、これが過半数を超えた場合卒業させるということに実はなっておるわけであります。この〇・六四の財政力指数を超えてそれぞれの県が産炭地振興法から卒業するという意味は、全国平均以上の財政力指数を持ったということに実はなると思うのです。そういたしますと、いま行われております緊就、開就事業、うわさによれば山口県の地域だとかあるいはまた福島県のいわき市などが比較的早く卒業する対象になるのではないか、こう言われておるのであります。しかしこの地域にも緊就、開就の事業があるわけですが、この産炭地域振興臨時措置法によるいわゆる卒業地域、その卒業した場合、緊就、開就の事業は一体どういう関連で考えていくかということが非常に大切な問題だと思うわけです。この点について労働省の考え方を承りたいと思います。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 産振法の十年の延長の中で今後産炭地域の産業の振興を図られていきます中で、雇用失業情勢もこれらの地域でも逐次好転していくということが一般的には期待をされるところでございます。この中におきまして、緊就事業の取り扱いの問題は、緊就事業が、これは炭鉱離職者が多数滞留している産炭地で実施をしておる事業ということでございますが、これは産振法六条に定める指定地域とは直接リンクをしておるわけのものではないわけでございます。また、開就事業につきましては、一つには、炭鉱関連失業者に臨時的に就労の場を提供するという目的と、それからもう一つは、疲弊の著しい産炭地域の開発のため、経済効果あるいは建設効果の高い事業を実施する、こういう二つの目的を持っておるものでございます。そういう意味で、この開就事業につきましては、その実施地域はおおむね産振法六条に定める指定地域となっておるところでございます。  今後、産振法に基づきまして指定地域が解除された地域で緊就、開就が行われておる、こういう場合の取り扱いにつきましては、やはりその地域におけるその時点での雇用失業情勢がどうなっておるのかあるいはまた実施されておる事業の規模がどうなっておるのか等々の事情を考慮しながら、その取り扱いについてはただ機械的にどうこうするというのではなくて、そういう情勢をにらんで慎重に検討していきたい、こんなふうに考えておるところでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 産炭地振興法の場合、それぞれ六条地域指定をしたのは、当初の基準は、第一には財政力指数、第二には失業率、第三には生活保護家庭の状況、その後また変わって、特に炭鉱閉山が行われた地域とか、産炭地振興の場合二度ばかり基準が変わって今日に至っておるという経過があるわけであります。したがって、いま答弁ありましたように、そういう経過から考えますと、六条指定の卒業後即緊就、開就をやめてしまうということには、当初の、出発のいきさつから言えばならないと私は思うのですね。いまの部長の答弁で結構だと私は思うのです。  そういう意味で、通産のこの指定解除、いわゆる卒業と対応して、労働省の方としても、十分ひとつ密接な関連を持ちながらこの問題については当たってほしいということを申し上げておきたいと思います。  第二の問題は、この炭鉱離職者臨時措置法が五年間延長されたという意味は、緊就、開就も原則として——もちろん老齢化してやめる者とかあるいはまた一時金をもらって今回の場合もやめておる方もおるわけでありますけれども、そういう問題は別として、原則としては五年間この緊就、開就の事業は継続されていく、こう判断されていいのかどうか。ここは非常に重要問題でありますので、労働大臣から御答弁願いたいと思います。

初村滝一郎自由民主党労働大臣

○初村国務大臣 お答えいたします。  今後の石炭政策につきましては、昨年の第七次石炭鉱業審議会の答申に基づきまして必要な処置をとるようにしておるわけでありますが、中でも同答申において離職者対策については「従来からの対策の趣旨を尊重し、引き続き実情に即した所要の対策を講じていく必要がある。」こういうふうに指摘をされておるわけであります。  そこで、労働省としてもこの出された答申を尊重しまして、現在離職者法について仰せのとおり五年間の法律延長をお願いしているところでありますが、産炭地において多数の炭鉱離職者が就労しております緊就、開就の両事業につきましても、産炭地域における厳しい雇用失業情勢や就労者の生活実態等にかんがみまして、引き続き事業を実施していく必要がある、こういうように考えておるわけであります。  なお今後の運営につきましては、産炭地域振興審議会の答申もあり、産炭地域振興に効果的に寄与するようにその計画的、合理的運営を図っていく必要がある、こういうふうに考えておる次第であります。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 その場合、緊就、開就、若干この事業の内容には相違があるわけですが、いわゆる老齢化、特に緊就の場合は老齢化しておるわけですね。したがって、ある一定の人員がまとまって残る地区と、非常に数が少なく、極端に言えば三人とか四人とか、そういう場合も想定されるようになりつつある、こう認識するのが私は正しいのではないかと思うのですね。したがって、そのような場合、もちろん自治体の意見も聞かれると思うのですが、一応原則的にはどういう対応をされようとしておられるのか、この機会に承っておきたいと思います。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 これらの就労事業は、基本的には民間企業へ再就職するまでの臨時的な就労の場を提供する、こういうことを目的としておるものでございまして、できれば民間雇用の場へつけていく、こういうことが原則であるわけでございます。就労者が多数まだ残っておる場合にはこれはもちろん続けざるを得ない情勢にあるわけですが、就労者がごく少数になった、こういうようなところにつきましては、地域によりましてはあるいはまたその規模によりましては、公共職業安定所あるいは当該市町村、こういうようなところのいろいろな協力によりまして、就労者を自立あるいは就職をさせることが可能であるというような場面もあり得るわけでございまして、ごく小規模になってもなお従来の惰性で継続実施していくということについては問題もあろうかと思うわけでございます。また、これが請負施工方式の事業でございますので、ごく少数の就労者での請負事業というのは単独で設計積算することがなかなかむずかしくなってくるわけでございます。そういったような事情等もございますので、こういうごく少数に就労者がなったというような場面につきましては、できる限りその就労者の方々の自立、就職等のために関係機関、関係者が努力するということの中で対処をしてまいりたい。強制的にどうこうするということはむずかしいと思いますが、そういう努力をする中で、そういう事業をやらなくて済むような状態に持っていきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 産炭地振興法の制度によってこの公団が出資をしている企業が順調に育てばずいぶん産炭地振興に効果があった、こう私は思うのですね。残念ながら九州のセラミックなどがつぶれて、まだ現在残っているのは羽幌の無菌豚の事業がただ一カ所、こういう現状にあるわけですね。これから十年間で卒業させる場合には、もちろん地元の熱意あるいはまた具体的なプランということが問題でしょうけれども、やはり出資事業等でできるだけこれらの問題について対応していくというのが本来的に言えば望ましいのじゃないかと思うのですね。ところが、なかなかむずかしくて実績が上がらぬということなんですけれども、これから通産の関係、労働の関係で雇用の面を考えていくとすれば、その点を積極的にPRをして、そういう地元の創意性というものを生かして、一方地域振興公団の方では政府の出資をも添加していくということが望ましい、こう思うのです。この点は労働省よりも通産省として、出資事業をこの十年間で卒業するという前提に立って積極的に活用するという姿勢があるのかどうか、承っておきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先生ただいま御指摘のように、地域振興公団の出資、主として新技術を利用していたします立地の場合に出したケースがございますが、不幸にして必ずしも十分な成果を上げ得ない結果に終ったということでございます。私どもとしては、もちろんその企業の立地、これは十分促進を図っていかなければなりませんし、また、できる限り立地のしやすい環境を政府において整備する、企業はそれぞれの条件に応じて責任を持って進出をし、事業を経営していくということが本来好ましいことであるということで、企業の責任において立地をし運営していくということが本来であろうというふうに思うわけであります。しかし、非常にリスクマネーを伴うような場合というようなことになりますと、そこにあるいは出資というような形態でそれを補完するということが必要になるというふうに思うわけで、現在の制度もそのように相なっておるというふうに思うわけでございます。また、今後それが出資という形態上、むしろ積極的に使うのがいいかどうかは、それぞれの企業の立地の条件とその事業いかんによるということでございますが、私どもとしては、定められております制度のもとにおきまして、その実情に合わせまして適切に対応し、必要に応じてこの出資の機能を活用するという道は使っていこうというふうに考えております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 炭鉱の閉山制度、これもずいぶん歴史的に制度が変わっておるわけです。初めの場合には合理化事業団による買い上げ制度というのがあったわけですね。その後、企業ぐるみ閉山等もあり鉱業権を封鎖をする、したがって閉山交付金の制度の内容もそれぞれ変化を遂げてまいったわけであります。特に労務債というものを重要視する、こういう意味で労働者の持つ退職金に対しても、その時点で、制度ができたときに労働省関係に届け出をした退職手当の協定に基づいて積算をする、同時に、その頭打ちは四百万だということが決められて実は今日に至っているわけです。この制度ができてから十年近くもそのままにされておるわけですが、炭鉱労働者自体も、そのころおった人がずいぶんかわっておるわけですね。三分の一もかわっておるというような状況でありますし、あるいはまた、現在の夕張のように閉山された炭鉱からこの六年間に集まってきた、そういう炭鉱もあるわけですね。そういたしますと、私は、やはり退職手当の協定に基づいて、しかも頭打ちがあるのですから、最も実態に合ったような形で処理をすべきではないか。そういう意味では、改めてこの届け出をされている退職手当の協定に基づいて積算をして、しかもこれは頭打ちがあるわけですから、そういう処理をされることが望ましいと思うのですが、これは通産の閉山交付金を交付する場合の制度の問題でありますけれども、この点について見直しをする考えがあるのかどうか承っておきたい、こう思うわけです。また、私は、労働省の立場から言えば、いま私が申し上げたその実態に対応してやることが普通一般の労働政策としては常識ではないか、こう思うのですが、それぞれ御答弁願いたいと思うのです。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 現在の閉山交付金の算定方式は、先生御承知のとおり、いわゆる第五次の答申を受けまして、その翌昭和四十八年から定められたわけでございます。その当時といたしましては、御指摘のとおりに、当時二千七百万トン程度の生産水準がさらに縮小をしていって、昭和五十年度には二千万トン程度にならざるを得ないという見通しのもとで、閉山に伴う影響を緩和して閉山をできるだけなだらかにするという見地で、閉山交付金の算定方式につきまして、現在の鉱業権等を評価する方式を改めるべきであるとの指摘があったわけでございます。それを受けまして法律改正が行われ、退職金等の債務の実額を勘案して閉山交付金の交付金額を算定するという現行の方式に相なったわけでございます。  退職金の債務見合い額は、現行の現在の限度額四百万円につきましては、いまも先生もお話しになりましたように、当時の閉山の退職手当規程等を考慮して、その際に設定されたわけでございます。これをどのようにすべきかという点はいろいろ御指摘があったわけでございますが、第六次の答申におきましては、できる限り退職金というのは企業の負担で処理すべきものであるという原則で今後見直しを行うというようなことが指摘をされておるわけでございまして、第七次の答申におきましても、閉山交付金制度は存続をしようということの御答申に相なっておるわけでございますが、全体として見ますと石炭鉱業の環境も変わってまいっておるわけでございまして、そういう意味から言えば、むしろできる限りこの閉山交付金を縮小、企業の負担に任せる方向で見直しを行うべきであるというのがその御思想であったかと思うわけでございます。いま、そういった原則に立ち返っていろいろな再検討はする必要があろうかとは思いますが、ただいま御指摘の点につきましては、いま申し上げましたような諸事情もございますので、私どもとしては慎重に対応し検討したいと思っております。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 炭鉱が閉山をいたします場合に、退職金とかあるいは賃金といったものが未払いになりまして、そのしわ寄せが労働者の方にくるというようなことは、これはひとつできるだけ避けてほしい、こういう基本的な立場でこういった問題についても対処してまいりたいと思うわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 いまの石炭部長の答弁は、私はその答弁で結構だと思うのですが、ただ、昭和四十八年のころと時間が余りにもたち過ぎて、その当時の雇用者の実態がほとんど変わっておるのですね。半分近くかわっておるわけです。大体平均年齢が四十二、三歳ということでありまして、新しい労働力が入ってくるということですから。私は、ここで頭打ち云々は別に議論しているわけじゃない。実態に合った素直な協定の届け出、やはりこういう方向で考えていかないと、余りにも実態とかけ離れるのではないかと思いますので、この点はぜひ御検討願いたい、こう思います。労働大臣、結構です。  そこで、私は北炭関係の問題について御質問いたしたいと思うのですが、第一点は、改めて会社更生法を適用した北炭新夕張炭鉱の金融債務と一般債務は一体どう把握をされておるのか、御説明願いたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 北炭夕張株式会社の負債総額は、五十六年の九月末現在で七百十七億七千万円となっております。そのうち借入金が五百二十七億六千三百万円、労務費関係が九十一億八千百万円、そのほか買掛金、長期未払い金等々がございまして、総額で七百十七億七千万円というふうに承知をいたしております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 そのうち設備資金、整備資金あるいはまた運転資金、いわゆる金融債務について内訳はおわかりになりますか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 いまの設備資金、運転資金等、ちょっと分けた数字はいま手元にございませんので、調べて後刻御説明させていただきます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 特に新夕張炭鉱の最もメーンバンクである三井銀行からこの会社に貸し付けされている金額の内容についてはいかがでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 市中金融機関からの借り入れでございますが、市中金融機関全体で約百八十億ございますが、そのうち三井銀行からの借入残高は七十一億でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 そのうち、金融債務の中でもちろん政府関係、銀行関係もございますが、肩がわりになっておるいわゆる第三次肩がわり分がこの炭鉱には残っておるわけです。これは昭和五十六年度までの期間だと思いますが、この総額は一体どのくらいになるのか。毎年毎年財政資金で肩がわりしている第三次肩がわりの残高は幾らになっておるのかということと、三井銀行関係の肩がわり残高はどのようになっているのでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 肩がわりの残高は七十七億でございまして、そのうち三井銀行分は約十七億になっております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 特にこの中で注目されるのは、一つ特徴的なのは、ユーザー三社から借りている残高、大体四十億だと私は思うのですが、この数字は間違いありませんか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私どももそのように承知しております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 そこで、同じ系列の炭鉱である北炭幌内、北炭真谷地からそれぞれ融資をされておったのですが、幌内炭鉱の場合にはこれは五十六年度上期で返済をしておりますから、幌内炭鉱の分は残高ゼロと承知をいたしておるわけです。ただ、北炭真谷地炭鉱については、これは確かに短期資金の場合には上期中に返済をいたしておるわけです。二億九千四百万、これは上期中に返済をしておるわけです。ただ長期資金が、真谷地炭鉱からこの炭鉱に貸し付けしておるのが十四億五千六百万、非常に大きな数字なわけですね。この数字に間違いがないかどうかということと同時に、これほどの膨大な金を炭鉱から炭鉱にいわば貸し付ける、これはやはり重大な行為だと私は思うのですね。したがって、経理規制法の立場から言えば、当然それぞれの炭鉱については経理監査をいたしておりますし、またその炭鉱が自主的に、何か運転資金であればほかの企業に金が貸し付け得る制度になっておるのかどうか。この点、現行法の運用との関連についていかがでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 北炭生産三社の相互間におきましてある程度の資金融通が行われておりましたことは御指摘のとおりでございます。本来でございますれば、石炭企業は他に投融資するということは一般的には好ましくないわけでございまして、その点では石炭鉱業経理規制法等に基づきまして、それぞれの管理監督の規定が置かれておるわけでございます。ただ、石炭企業におきましても、資金繰りの過程の中で、そのうち関連のありますある社が一時的に資金的な余裕が生じまして、これを他の資金不足に陥っている企業に融通するということは、これは総合的に見て必ずしも拒否すべきものではなかろうというふうに思うわけでございます。  いま御指摘のとおりに、真谷地炭鉱から夕張に対しまして御指摘の金額が長期に相なったわけでございますが、これは本来真谷地炭鉱が夕張に短期で資金融通をいたしておりましたが、夕張が一昨年の火災事故によりましてその再建に向かわざるを得ないということでございましたために、それが固定化をしたという結果でそのようなことに相なったわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 私は、二億や三億の場合ならまだいいと思うのですけれども、いま申し上げたように、数字は十四億五千六百万という金額になるわけですね。それ以外にも短期融資があって、これは返済されておるということなんでありますけれども、たとえば、これは一〇〇%出資の会社でありますから、真谷地炭鉱が北炭本社に金を貸して、そこから融資をされたというのであれば、これは本社が責任を負えるわけですね。しかし、子会社の炭鉱から炭鉱に十四億も十五億も、運転資金であろうと何であろうと貸し付けすることが現行経理規制法から言って可能かどうかということですね。これは通産省の承認を得ないでやれるはずがないと思うのですね。一億や二億の程度の金ならいざ知らず、十四億を超える——最も小さい炭鉱ですから、北炭四社の中でも。そういうことが通産省の承認なしで行われるということはあり得ないし、もしあり得るとすれば、それはやはり北炭本社を経由して行うことが当然ではないのか。そのことによって、本社がそれぞれ別個の北炭の会社、真谷地の炭鉱会社に対して責任を負う、こういうシステムでなければ、石炭政策の基本論からいって私はおかしいと思うのですね。この点はいかがでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先ほど申しましたような経緯でいま御指摘の金額が短期から固定化されたわけでございますが、私どももそのような事情は会社の資金計画等の過程で承知をいたしております。経理規制法によりますと「石炭鉱業の合理化の円滑な実施又は石炭鉱業の経営の安定に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、」改善の勧告をするということに相なっておるわけでございますが、当時の事情からいたしまして、北炭の災害の後の処理ということからいってやむを得ない処置ということで勧告はしないということで、この融通の処置に対応をいたしてまいったわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 私も、分離しても分離した実態が伴わなかったという経過も承知をいたしておりますから、そういう面でこういう結果になっているんだろうと思うのですけれども、ただ、その場合にも、先ほど言いましたように本社を経由しないと——北炭本社が債務の保証をしているのかどうか。それは勝手にやりなさいというのであれば本社は離れるわけですよ。そうでない限りは、いずれも一〇〇%出資の会社ですから、本社がそれを担保しているあるいはまた保証しているということになると、この資金は他の資金とは若干違いが出てくるわけです。この点はどうなのか。単なる勧告だけじゃなくして、毎年通産省はそれぞれの炭鉱の監査に入るわけですから、これは勧告以前の問題なんですね。ですから、経過から言えば実態はわかるけれども、何か整理をしておかないと後から問題が起きるのじゃないかなという感じがするのですが、いかがでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 もちろん御指摘のとおりに、私どもとしては経理規制法に従って監査の立場にもあり、また毎年監査を行っておるわけでございます。いま御指摘のような形でこの短期の運用がなされたわけでございまして、それが先ほど申しましたような経緯で固定化をいたしたというわけでございます。したがいまして、私ども、必ずしもそういう形で長期の資金を融通するということは、本来固定化するようなものを融資するというのは好ましいことではございませんし、そういうことでありますれば、あるいは北炭の本社を経由するとかいうようなことを考えるべきであったと思いますが、従来、短期で融通いたしておりましたときに災害が起こり、その後、真谷地、夕張等で再建計画をつくる、あわせて幌内、真谷地両社につきましても今後の再建の姿を見直す、そういう経緯で固定化をいたしたものでございましたもので、それをその時点ですぐ直ちに本社経理に切りかえるということもかえって問題を混乱させるということで、全体といたしまして石炭鉱業の安定に支障もないのではないかということで、あえてそれ以上の改善の措置を講じなかったというのが当時の経緯でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 複数以上の山があって、それぞれの炭鉱会社に分離をされているのは北炭だけなんですね。三井は三山あって一本の会社ですし、三菱は二山あって一本の会社なわけですね。北炭に限っては、四山あって、一山は先に分離をして、その後三山が分離をした。やはり各炭鉱会社に比較してもちょっと特異性があるわけです。私がなぜここを言うかというと、もし将来それぞれの炭鉱が全部炭鉱別に分離をした場合、こういう問題が起きてくるのですね。そういう意味でこれは非常に重要な問題だ、こう思いますので質問をいたしているわけですし、そういう点で、私がいま提起している意味というものについてひとつ十分御理解を願って、今後運用について御検討願いたい、こう思います。  次に、北炭のいまの時点ではもちろん会社更生法の申請をいたしたわけですから、いわば裁判所の管轄下にあるということは当然でありますが、しかし、会社更生の場合に大体管財人というのは、私もいろいろな会社更生の会社を知っておりますけれども、その所属している業界から利害関係の伴わない人を管財人に選任をする、あるいはまた市中銀行等から、メーンバンク等からの推薦また派遣等によって管財人が選任をされるというのがまあまあ通例だと思うのです、いろいろなあれがありますけれども。たとえば佐世保重工だって、一応ワイドに考えれば、坪内さんというのはこれは業界ですね。それがやはり常識だと思うのですね。したがって、石炭政策の面からいうと、やはり業界もしくは銀行から管財人を選ぶように協力してもらうか、もしくは推薦を受けて管財人が——最終的には裁判所が選任するのでありますけれども、各業界の、きわめて常識から言えば、私の述べたような形で管財人が選ばれるというのが常識ではないでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 北炭夕張株式会社の更生に当たっての管財人選定でございますが、現在この管財人の選任につきましては、札幌地方裁判所におきまして保全管理人等の意見を聞きながら、裁判所の側において選任作業が進められておるということでございます。したがいまして、私どもとして、どういう方が適当であるかどうかということは、むしろここで御意見を申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。  ただ、一般論として考えてみますれば、いずれにいたしましても管財人と申しますのは、会社の更生を進める上で中心的な役割りを担う、実質的な経営に携わる方でございます。したがいまして、その任に当たる方としては、金融機関を含めまして関係方面に信頼があり、また企業経営のすぐれた手腕を有する方が適当であろうということでございます。従来多くのケースでいま先生の言われたようなことが、従来の一般論で申し上げるとすれば、そういうおっしゃられたようなケースが管財人が選任されることが多いゆえんのものは、いま申し上げましたような関係方面からの信頼があり、また企業経営にすぐれた手腕がある方ということが多いということでそのようなことに相なっておるのではないかと考えます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 この炭鉱会社のメーンバンクは三井銀行でありますけれども、しかし、ある意味で言うと、金融債務の内容から言うと、最もメーンバンクは政府だ。特に新エネルギー開発機構が一番多いのですから、政府は五百億を超えているわけですから、これは政府も無関心ではおられないと思うのですね。相手が勝手に会社更生法を申請したわけでしょう。政府に相談して、おまえやれということでやったわけじゃないというのでありますから、そうすると最大の債権者である政府、特に新エネルギー開発機構、これはもう第一の債権者であるわけですから、自分の財産を保全するためにどういう管財人を選んだらいいかということをメーンバンク以上に、この内容から言えば重大な関心を持たなければならないし、また、そういう意味では意見も積極的に述べる、政府という立場だから。何か部長が答弁したような形でありますけれども、この債務の内容から見れば、いやそれはあっちの方でなんて澄ましておられるような債務の内容じゃないと私は思うのですね。そういう意味で、政府はそういう立場からこの管財人の選任に当たってもう一歩積極的に協力をし、裁判所の方にもそういう人を推薦する。また、できれば政府筋あるいはまた新エネルギー開発機構、そうして三井銀行とか業界から推薦されれば一番いいと思うわけですね。ですから、政府がちょっとよそにいるというのは、今回の場合、普通の民間の会社更生の場合とは違うということを認識すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

原田昇左右自由民主党通商産業政務次官

○原田(昇)政府委員 いま部長がお答えいたしましたように、管財人の選定というのは裁判所に属しておるわけでございまして、われわれとして現段階においていろいろ申し上げる立場にないことは御承知のとおりでございます。  しかしながら、一般的に申しまして、管財人が非常に重要である、経営能力があり各方面から信用が置ける人でなければならぬというのは当然でありますし、裁判所の方からぜひ推薦方を依頼してくれというような話があるのなら、またそういう線でわれわれも協力するにやぶさかではないと思いますけれども、いまはまだ裁判所の方からそういう御依頼もございませんし、もっぱら裁判所の方でりっぱな方を選んでいただけるものとわれわれとしては期待しておる次第でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 いずれにしてもこの北炭新夕張の問題は、どういう管財人が選任をされるかということがきわめてキーポイントだと私は思うのです。したがって、金融債務の約四分の三を持っている政府、政府関係機関は重大な関心を持たなければならないし、また通例からいって、裁判所が選任する管財人の選定に当たっては積極的な協力をする責任があると私は思うのですね。無関心でおられない問題だという点を特にこの機会に強調しておきたいし、この管財人の選任が今後の新夕張炭鉱の方向を決するという意味で、いま政務次官からも答弁がありましたけれども、この点、ひとつ重大な関心と、そして債権者としての立場から、この面についての努力を要請いたしておきたい、こう思います。  次に、更生計画の問題であります。  先般、今回の裁判所に出した更生計画には、財政資金には触れてないという話でありますけれども、更生計画が決定された場合には石炭関係諸法規による政策が全面的に適用されるということは、私はすでに政府との間に確認をいたしておるわけです。そういたしますと、財政資金を含めようが含めまいが、更生計画ができるかどうかという問題なんですから、できた時点では全面的に適用する、こう言うのでありますから、そうなれば更生計画の中に、既存の石炭政策のいわゆる財政資金等の関係を盛り込んで更生計画を立てるのがきわめて当然だと言わざるを得ないと思うのです。この点はそうではないのでしょうか。これは裁判所の管轄で、いずれ管財人が選任されてやるでしょうけれども、その場合に財政資金を含むとか含まないだなんという問題ではなくして、更生計画が決定されれば全面的に石炭関係法規が適用される、その前提に立って更生計画が組まれているのですね。最終的に裁判所で更生計画が決定されなければならぬわけですから、されれば全面的に適用するのですから、財政資金も含めて更生計画を立てることはきわめて当然と言わざるを得ないのですが、いかがでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 更生計画がどのようにつくられるかは、いま先生御指摘のとおりに、管財人が裁判所の監督のもとで作成するわけでございます。その場合、私どもも更生計画の認可決定があると申しますことは、十分再建の見込みがある、将来適確な経営計画であるということの認定が下されることになるわけでございますので、そのような段階になりますれば、現在の既存の石炭関係の諸制度の適用はし得るものというふうに考えておるわけでございます。  それを会社の方でどのように期待していくかということにつきましては、これは更生計画の中身の問題でございまして、どのような形に作成するかということは、今後管財人の方の更生計画の作成の内容にかかわる問題であるというふうに思うわけでございまして、もちろん制度としては適用し得るわけでございますが、それをどの程度、どういうふうに活用していくかということにつきましては、これは管財人の御判断によるところであるというふうに思います。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 理屈から言えば、私のいま言っていることは別に問題はないのでしょう。後は管財人の判断だと部長は言われるけれども、理屈から言えば、私が言っていることは問題ないのでしょう。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 どのようにつくるのが当然であるかどうか、これは財政資金でも制度融資といいましても、いろいろな条件がございます。それをどのように組み合わせて経営計画にしてやっていくのが適切であるかということは経営判断の問題でございまして、その範囲の中でどうつくるかということは、管財人の御判断ではなかろうかということを申し上げたわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 もちろん私も、いまの災害融資制度あるいは補助金制度、あらゆる制度の規定以外のものということを言っているのではなくして、その規定がぴしっと守られれば当然適用されるでしょうということを申し上げたわけです。  そこで、会社更生法の関係で、今回望月調査委員が裁判所に出されたということもいろいろ伺っているわけですが、私は、これほど社会的に注目を浴びておる更生会社の問題でありますし、いままでの石炭政策を進めてきたという観点から言えば、債務の関係の中で、特に政府関係の場合には、それぞれ鉱業財団あるいは担保の内容についてもこれは問題なくおわかりでしょうけれども、最大の債権者である政府関係機関としては、他の金融機関の担保についても無関心ではおられるはずがないと思うし、また経営基調の関係からいっても、そういう財務の内容については承知をしておらなければならない問題だと思うわけですね。そういう意味で、民間金融機関の担保の内容について、これは資料として出せるかどうか。  ということは、先般の北炭遺族補償の十二億円の問題についても、これはそれぞれ担保を出して三井銀行が融資をするということになっているわけですね。したがって、民間機関の場合に、言うなれば漠然とした担保で金を貸すはずがないのであります。第一次肩がわり、第二次肩がわり、第三次肩がわりをわれわれは政策としてやってきた場合においても、民間の肩がわりをやったわけでありますから、その場合に、担保問題と肩がわりの問題ということが常に委員会の中でも議論されてまいったわけであります。そういう意味では、担保の内容というものが、また再建の場合に判断として重要だと私は思うのですが、そういう意味で、いま私が述べた担保の内容について、資料として、あるいはまた資料として出さなければ具体的に別な機会にでも説明ができるかどうか、承っておきたいと思うのです。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私どもとしても、もちろん石炭関係の財政資金の執行を適確に行いますためにその監査等々を行っておるわけでございますが、会社更生法の適用にあっていまどのような処理をなさるかという状況でございます。本来、そういった企業の財産の内容、担保の状況ということは、これは企業に属する秘密でございますので、それはむしろ企業の方がどのように判断するかということでございまして、非常に具体的な担保の内容あるいはそれについての債権の状況ということにつきましては、私どもの方としてはお出しする点につきましては御容赦願いたいと思います。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 私、なぜそれを言うかということは、石炭関係法規の適用を受けている企業が分離をするという場合に、通産、大蔵の認可がなくてできるはずがないわけですね。ですから、そういう面でいきますと、真谷地が第一次肩がわり、幌内が第二次肩がわり、そして夕張新鉱が第三次肩がわり、こういういわば機械的に肩がわりを分けたということもきわめておかしい話なわけですね。発生しているのは違うわけであります、各段にあるはずでありますから。  こういう点も非常におかしいし、そういう面からいって、分離をする場合には、その内容について全部審査をして初めてオーケーが出て分離ができる仕組みになっておるわけでありますから、それと同時に、政府のウエートが非常に高い。五百二十七億にも上っているという面から見れば、担保の面は小さいのでありますから、百七十億程度でありますから、そうすると一体担保がどういう形で入っているか。価値のある担保と価値のない担保があるわけですね。坑道資産なんというのはやめれば価値のないものでありますから、そういう意味で、われわれは国民の立場に立って重大な関心を持っているという意味では、相当これは通産の方でも説明ができる問題ではないかと思うのですね。しかし、委員会でできないということになれば別な機会でもいいのですけれども、全然これは把握していない問題か、把握している問題か。いままでの議論の場合では、肩がわりの場合には、肩がわりが年々進んでいくと、担保余剰が出れば担保解除をさせてそれを使わせるとか、いろいろやってきたわけですよ。そういう過去の経過から見れば、その点についてはそう厳格に固執すべき問題ではないのではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 ただいまの担保の問題等につきましては、実は債権者が非常に複数、錯綜をいたしておるわけでございます。私どもとしてもその会社の資産の状況の点につきましては、それなりに把握はいたしておるつもりでございますけれども、その担保等の状況につきましては、債権者がいろいろ複数、複雑に入り込んでおるということでございまして、それぞれの企業の資産の保全という観点からの関心がおありであろうと思うわけでございますので、その具体的な担保の状況等につきましては、私どもの方としては、ここではできれば御勘弁願えればと思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 北炭の新夕張を再建させたいという気持ちから言えば、たとえば空知炭田という炭田があって、今度法律改正、規則の改正、業務方法書の改正によって、同一炭田内でその炭鉱の安定に資する場合には、小規模炭鉱とかあるいは露頭採掘についても、封鎖鉱区等についても認めていく、こういう新しい第七次の政策の方針になっておるわけです。そうしますと、北炭の所在しているのは空知炭田でありますから、この炭鉱の再建、安定を目的にして、封鎖鉱区等の、あるいは自鉱区もあるかもしれませんけれども、封鎖鉱区等の露頭採掘、あるいは小規模炭鉱、まあ露頭採掘が多いのでしょうけれども、そういう希望があれば優先的に認められる、こう解されるべきではないかと思うのですが、この点どういう姿勢でしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 いまの消滅鉱区の再開発の点につきましては、重複鉱区の場合には法律改正を現在お願いいたしております。  それからまた、第七次政策でも、運用面でのある程度の緩和ということを考え御答申をいただきました点は御指摘のとおりで、私どももそのことでいま対応の準備をいたしておるわけでございます。いま合理的に掘採することができるかどうかということが一つの判断基準ということでございますので、いま御指摘の点が具体的にどのような地点であるか、私どもつまびらかにはいたしませんが、その法律の要件の許す限りにおきまして、私どもも、けさも大臣が御答弁申し上げましたように、できるならば再建させたいという気持ちで取り組んでおりますので、その法令上の運用の許す限りにおきましては、夕張のいまの御指摘の消滅鉱区の再活用の点につきましては、その範囲内で私どもとしてもできる限りのことは考えたいと思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 望月調査委員が裁判所に一応の調査結果を報告いたしたわけですが、その内容というのは私はまだ承知をいたしておりませんけれども、会社が一度通産省に説明をした経緯がある。これと大筋としてはそう大きく変わらない内容だろう、こう私は想定いたしておるわけです。しかし、会社が通産省に計画を出した場合には、通産省としてはこの内容についていろんな意見も述べられたということも承知をいたしておるわけです。もちろんこれから管財人が選任をされて、正式の更生計画をつくり上げて、それが更生計画として承認されるまでの時間もまだあるわけですけれども、私は三つに分けてひとつ御判断を聞きたいと思うのですが、どうやっても全然この山は再建できる可能性がないというのが一つですね。それから第二は、いまの計画を修正すれば何とか再建の計画が立つのではないかという意味なのか。第三には、ある程度思い切って発想を変えて、いろいろな問題があってもそれをやるという体制ができれば再建の可能性があるというのか。一、二、三に分けて、通産省としてはこの三つのうちどこだとお思いでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私ども望月調査委員の報告書を詳細に検討いたしておりませんし、また、会社から私ども当初二月十日に聞きましたときは、昭和六十年度までの計画でございましたが、新聞報道によりますと、望月調査委員の計画は六十八年度までということでございますので、どういう展望においてそのような調査結果があらわれたのか、私どももつまびらかにはいたしませんが、私どもとしましては、できるだけ裁判所あるいは関係者の理解が得られるように、問題のある点はなるべくつぶして解決していくということで、いろいろな更生計画の点につきまして改善すべき点、あるいは保安上問題になる点を十分に見直すということの指摘をいたしたわけでございます。  いま三つ言われまして、そのどれかという大変むずかしい御指摘でございまして、これは実はそういった幾つかの計画をある程度つくってもう少し固めてみないと、一、二、三のいずれであるのかという点で判断が私どもとしては非常につきかねるわけでございます。しかし、私どもとしても、その検討をいたしますのが、いま一が可能性なしというお話でございましたが、一のために検討するのではなくて、できる限り二ないし三の方向が見出し得ることで検討していきたいというのが私どもの気持ちでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 なかなか、恐らく御判断があるのでしょうけれども、すかっと答弁が出ないわけですが、では、もう一つ角度を変えて、二と三とこう言われておるのですが、二と三のうち三に近い方なら何とか可能性はあるように思える、こういう意味でしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私どもとして、修正すればいま再建できるという御趣旨は、多分北炭の現在の企業体を前提として再建できるかという御趣旨かと思いますし、三の場合は、発想を転換すればという意味は、相当経営のあり方も見直し、メスを入れた形での可能性を探る、こういうことであろうかと思うわけでございますが、私どもとしては、この一になるのか二になるのか三になるのかという点は、これから裁判所なりあるいは管財人なりが御判定になることでございますので、いまここでとやかく申し上げることではございませんが、私どもがいろいろ会社に対して、もう少しこういうことを考えてはどうかという助言をし、あるいはまた石炭協会等同業他社の技術的な助言も得るようにというあっせんをいたしておりますのも、これはできれば再建の実現可能性を見出していく方向はないものか、それは二であるのかあるいは三であるのかという点は、いま定かには申し上げかねますが、私どもとしては、いまいろいろ御意見を申し上げております方向は、その一でない二ないし三、これがどういう形でありますか、いまここでこういう方向ならということを具体的に申し上げるところまで気持ちが定まっておるわけではありませんが、二ないし三の方向でどういうやり方があり得るのかという点を検討し、御助言も申し上げておるという実情でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 二であるのは、いまの再建計画はある程度手直しをしてという意味で申し上げたわけですが、しかし、この二である方向——私はやはりある程度全体が気持ちを集中しないとこの山の再建はむずかしい、特に地域社会もあるし、そこには雇用もあるわけでありますから、そういう気持ちを持っておるわけです。したがって、二である方向というのは、大筋としてある程度修正すれば可能であるという意味でありますけれども、私はなかなかそれではむずかしい側面が出つつあるのではないのかという感じも持つわけであります。そうすると、もう一回白紙にして、積み重ねて再建計画を立てるというくらいの気持ちがないとなかなかむずかしいのではないのかという、どちらかというとそういう心配もあるものですからお尋ねをしておるわけです。  ここまで来ると、それぞれ債権者の意向もあるわけですから、経営主体の問題は実質上、これはもう再建計画が決定されて再建が進むとすれば、従来の北炭から離れるというのが常識だと思うのですね。そういう意味では、問題は関係者が再建をやるのだという気持ちが一つになるかどうかということが一番問題なわけですね。私は、そういう意味でこの問題について先ほど来から質問をいたしておるわけです。  私は、そういう意味で、最大の債権者である政府としても、業界と特に銀行筋ですね、これらと離した内容では全然議論になっていないのか、やはり相当発想の転換も図ってやろうじゃないかというようなそういう方向であれば、みんなでひとつ力を合わせてやろうじゃないかという気持ちがあるのか、この点非常に定かでないわけです。だから、委員会に直接呼んでそれぞれ関係者の意見も聞かなければならぬじゃないかということも、実は理事会でも申し上げておるわけです。そういう意味では政府、最大の債権者、関係者の関係では、一体どういう見方をしておるのか、この点はいかがでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 あるいは私、先生の言われた第二のケースあるいは第三のケースをやや取り違えておったかもしれませんが、いま先生が言われたような修正をすればというのが、もしただ若干簡単な手直し程度でできればということでございますれば、これはやはり相当、簡単な修正程度でできるかどうかにつきましては、いろいろ問題があるというふうに思います。これはもちろん保安の観点それから炭量の賦存の確認の観点、そのほかいろいろな多くの問題がございますわけで、そういう意味で言えば、ちょっと簡単な手直しでできるかという御趣旨であるとすれば、私どもは、ちょっとそう簡単なものではなくて、相当基本的な見直しというか基本的に考え直していかなければならない問題をはらんでおるような計画だとは思っておるわけでございます。  いま金融機関等々のお話がございましたが、私どもといたしましては、いまできる限り早く遺体の収容をし、弔慰金の処理をし、そして山を何らかの形で残したい、再建の道を探りたいということで、私どももそういう気持ちでおりますし、そのような趣旨は私どもも折に触れて関係金融機関にも、アヒルの水かきではございますけれども、いろいろ話はいたしておるところでございます。  そういう意味で、先ほどの二であるのか三であるのか、これはまたいろいろ定義の問題がございますので、私どもの御説明は大変不十分であったかもしれませんが、私どもとしてはその一の可能性でない形で、それにつきましては内容、実態等を十分踏まえて相当基本的に見直しをしながらこの再建の可能性を探るということでありたいというふうに思っておりまして、これは裁判所、管財人のこれからの御判断ではございますが、私どもとしてもそういうことで必要に応じて御意見も申し上げ、また働きかけもいたしてまいりたいと思います。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 大臣が来ましたから、大臣が来て質問をやめるというのもおかしいですけれども、質問を終わりたいと思うのですが、一言だけ。  大臣が来る前に、管財人をどう選ぶかということがこれからの問題で非常に重要だ。もっとも管財人が更生計画をいろいろ意見を聞いて定めて、裁判所が認定するかどうかということになるわけですから、その間の作業もずいぶんあるんだと思うのですね。そういう意味で、なかなか政府は——横にこうおるのですけれども、最大の債権者は政府であるわけですね。メーンバンクは三井銀行だというけれども、最大なものは政府であって、そのうち新エネルギー開発機構が一番の債権者であるわけですね。そうすると、会社更生をするという場合に最大の債権者の意向というものはやはり尊重されなければならないし、重みを持つのだと思うのですね。そういう立場から、この管財人の選定という問題について、私は、政府自体としても努力をしてもらわなければならない問題ではないのかということを実は申し上げたわけです。同時に、そういう意味でこの山の再建の方向には、言うときには、いまが適当かどうか私は知りませんけれども、やはりきちっと意見を述べてむしろ議論をするということでなければなかなか船は進まないのではないか、こう思いますので、その点関係者との調整もひとつ政府としても積極的にとってほしいということを申し上げたわけです。そういう意味で通産大臣の所見を承って、質問を終わりたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 この北炭夕張社の管財人につきましては、いま裁判所で人選が進められておるということでございますが、なかなか難航をきわめておるということも承知をいたしております。これに関していま軽々に政府の立場で物を申すことは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、やはり管財人が更生計画案を作成をする上においても、その他会社の更生をそろそろこれから進めていく上においても、中心的な役割りを担っていくわけでございますから、その任に当たる人が信頼感があり、さらに企業経営にすぐれた手腕を有する人物でなければならない、こういうふうに思っております。そういうことで、われわれいま大事なことは管財人を一日も早く選任をしていただくことだということで、非常に重大な関心を持ってこれを見守っておるわけでございます。環境整備等にもひとつ努めてまいって、りっぱな管財人が選ばれるように政府としても期待をしながら今後とも見守ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 見守るというのはどうもちょっとひっかかるのですけれども、見守る、期待すると同時に、やはり最大の債権者の政府もどういう形でやるかということは、民間の会社という関係もありますからやり方はいろいろあると思うのですけれども、そういう意味を含めてせっかくの御努力をお願い申し上げて終わりたいと思います。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 小渕正義君。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 昨年の四月、総合エネルギー対策推進閣僚会議で、五十四年八月の長期エネルギー需給暫定見通しについて見直すということが大体決まり、その作業が現在進められていると思うわけでありますが、その進捗状況は一体どういうふうになっておるのか、大体いつごろをめどに取りまとめができるのかということについて、まず第一点お尋ねいたします。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 現在の長期エネルギー需給暫定見通しは、昭和五十四年八月に報告を受けたものであります。この見通しは、昭和六十五年石油輸入量が六百三十万バレルになるということを前提としておるわけですが、その後のサミットであるとかIEA等の場において、石油の輸入目標値を相当程度下げることに合意をいたしたわけでございます。  わが国のエネルギー需給につきましては、相当構造的な変化の徴候がいま見られているわけで、近年の省エネルギーや燃料転換の急速な進展とか、あるいは昭和五十五年度についてはエネルギー需給、特に石油需要が大幅に低下したとか、そういうふうないろいろな変化があるわけでございますから、こうした情勢を踏まえまして、総合エネルギー政策の指針であるところの長期エネルギー需給暫定見通しを見直すことにしたわけでございます。現在、総合エネルギー調査会の専門委員会で検討をいただいておりますが、少なくとも春ごろには御報告をいただけるように依頼をいたしておるわけであります。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 ただいま大臣からお話しありましたように、いろいろ当時の状況との変化について触れられたわけでありますが、石油の需要供給の状況の変化もありましょうし、エネルギーの需要の変化、特に電力事業の変化等もあるのじゃないかと思うわけであります。特に今回見直す要因の第一に挙げられるのは、そういった石油の需要供給状況の変化なのか、またはエネルギー関係の、主に電力関係における需要供給の状況変化なのか、見直す要因の第一は主に何だったのか、その点についてお尋ねいたします。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 お答え申し上げます。  一番大きいのは、省エネルギー、石油代替エネルギーの開発導入が相当進みましたので、石油全体に対する需要が相当落ち込んでおる、それから、またさらに国際的な約束その他でも石油の長期的な輸入目標を減らすということもございまして、こういう観点から、長期の需給暫定見通しの改定は必要でございますけれども、それ以外にも省エネルギー、特に経済成長とエネルギー弾性値の関係も相当変わってまいりましたし、各エネルギーのコストの関係も従来と比べて関係が非常に変わってきている、こういう問題も踏まえまして、将来の見通しの改定作業をいまいたしているわけでございます。ただ、あくまでも脱石油という基本政策は、今後の石油の供給状況その他を見ますと変えるわけにはまいりませんので、代替エネルギーの開発導入という観点からは従来の路線をできるだけ守っていきたい、こういうことも踏まえまして現在その改定作業をしているわけでございます。  ただ、いずれにいたしましても、省エネルギー、それから最近の経済動向を見ますと、全体のエネルギーに対する需要の数字が現在の需給暫定見通しをつくりました当時と比べて相当変わっている、これが量として一番大きい原因でございまして、さらに石油依存を減らすという基本政策、強いて言えばその二点が今後の見通し改定をする場合の非常に大きな要因になるというふうに思っております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 いま、省エネルギーの推進、それから代替エネルギーがかなり推進されている、その他石油需要の変化等言われたわけでありますが、当初の需給見通しの予定からいきますと、石油エネルギーに対する依存度を少なくとも五〇%までに抑えようということからあれができておったと思いますが、先ほどのお話でいきますと、本年の四月ごろには大体まとまるのではないかということでありましたが、このエネルギーの見通しというものは、これからの石油供給というものの計画を長期的にどのように立てていくか、またエネルギーとの関係では電力の計画をどのように立てていくか、それと密接不可分な関係にあるわけであります。したがって、そういう意味で、暫定見通しの見直しがおくれるということは、結果的にそういった二つの面における非常に重要な問題の展開が非常にしにくくなるという影響があるのじゃないかと思います。したがって、これは意見になりましたが、早くそういった一つのめどを示さないと、特に電力の長期的な施設計画になりますとかなり長いタイムラグの要る中での問題でありますから、そういうものとの兼ね合いが非常に大きな影響を与えてくる、かように考えるわけであります。  そういう意味でお尋ねいたしますが、当時示されました需給暫定見通しの中で推進しようとした石油依存度を五〇%までに下げるということから、たとえば原子力の割合または代替エネルギーとしての新エネルギーの開発その他いろいろありましょうが、そういったものが今日の進捗状況の中で当初の予定どおりの方向に進んでおるのかどうか、そこらあたりの現状についてひとつお示しいただければと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 お答え申し上げます。  暫定見通しができた以後、石油代替エネルギーの開発導入、また省エネルギーというのが非常に順調に進捗いたしておりまして、昭和五十五年度の石油依存度が六六%ということで、十一年ぶりに七割を割ったわけでございまして、そういう意味では昭和六十五年度五〇%に近づけるという目標に向かって着々と進んでおるということが言えるのではないかというふうに思っております。この方向で現在も電力の部門では、原子力ないしは石炭火力の推進それからLNG火力の推進、こういう意味で石油代替エネルギーとしての原子力、LNG、石炭その他の新エネルギーにつきましても従来の路線を走っているというのが実情でございます。  長期目標ということでは、将来の需要見通しは、先ほど申し上げましたように、六十五年度石油換算七億キロリットルというふうに考えておりましたこの需要見通しはかなり下方修正されると思いますが、その中で石油依存を五〇%に抑えて、他の代替エネルギーを開発導入するという目標は、今回の改定作業においてもぜひその方向で見通しがつけられるよういろいろ検討していきたい、かように考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 いまのお話でいきますと、長期的な暫定見通しの中で立てられたあれからいきますと、エネルギー換算、石油で大体七億キロリットルというのが、これは若干変わるのではないかというお話でございますが、これが変わったにいたしましても、石油代替エネルギーの推進という意味では、地熱にしろLNGにしろ新エネルギーの開発にしろ、そういうものは従来どおりの方針でやっていくのだ、こういったお話のようでございますが、過日発表された日本エネルギー研究所ですか、あそこでは、暫定需給見通しで当初立てられた七億キロリットル必要だというものについて、大体四億一千七百万キロリットルくらいじゃないかというような見通しも立てられているわけでありまして、そういうふうに、かなり最終的な需給見通しの総エネルギー量の総体、総量が変われば、それに付随していま申し上げたような新しい脱石油のための諸施策は、そういう大きな目標は変わったとしても、脱石油という方向の中でとられている施策については従来どおり今日までの基本方針の中で推進していく、大体こういうふうに受けとめておっていいかどうか、その点いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 先ほど長官からお答えをいたしましたように、われわれとしては六十五年度までに依存度を五〇%以下に持っていくという基本的な考え方のもとに、脱石油の諸対策を基本方針どおり強力に推進をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 そういう意味では、脱石油という意味での従来の基本方針は変わらないということで強力に推進するということでございますが、計画的にいきますと、まだその暫定需給見通しが立てられてから三年しかたっておりませんけれども、現状について具体的に若干物をお尋ねいたします。  では、現在、脱石油という意味での、新エネルギーという意味での地熱関係についてはどの程度現状は進んでおるのか、LNG関係についてはどの程度なのか、また、新エネルギーとして考えられている石炭液化その他ガス化、そういったものについては現在どの程度なのか。現状の、何か具体的なもので現在進捗されているものがありますならば、ひとつそういう例示の中でお示しいただければ、かように思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 先生からお話のございました石油代替エネルギーの最近の進捗状況でございますけれども、まず最初に御指摘のございました地熱でございますが、これは本来の六十五年度の目標は電力にしまして三百五十万キロワットということを見込んでおるわけでございますが、現在稼働している地熱発電所は七地点で十六・五万キロワット、それからさらに建設中のものが一地点ございまして五万キロワットということでございますが、さらに地熱開発につきましては、開発事業者に対する調査井掘削費の補助それから熱水の有効利用調査、それからさらには地熱資源の賦存状況の全国的な状況を把握するための調査の推進とか、こういうことを進めておりまして、できるだけこの目標に向かって近づけるべく現在努力しているという段階でございます。  次に、LNGでございますが、これは昭和六十五年度の目標といたしましては、輸入LNG四千五百万トン、それから国内天然ガスとして約七百六十万キロリットル、合わせまして原油換算七千百十万キロリットルというのを目標にいたしておるわけでございますが、まず国内の天然ガスにつきましては、五十五年度の実績で二百十五万キロリットルということでございます。それから、さらに今後は、五十五年を初年度といたします第五次石油及び可燃性天然ガスの開発五カ年計画に基づきまして、その施策の充実を図っております。それから輸入のLNGにつきましては、現在すでにアラスカ、ブルネイ、アブダビ、インドネシアなどの四カ国から輸入をいたしておりますが、五十五年度の輸入実績は千六百九十六万トンということでございますけれども、これに加えまして、すでに輸入量とか時期とかユーザーが決まって、相手国と合意ができておりますものがインドネシア、マレーシア、オーストラリア、カナダ、こういうものがございまして、現在のそういう輸入計画中のものを入れますと、大体六十五年度の目標は達成されるというような状況になっております。  それから、代替エネルギーの一番基本的に大きな柱であります原子力につきましては、六十五年度の目標が発電規模で五千百から五千三百万キロワットということでございますが、現在、運転稼働中のものが二十二基の千五百六十九万キロワット、建設中のものが十一基で千十一万キロワット、それから建設準備中のものが六基で六百十一万キロワットということでございまして、目標に向かっては若干おくれぎみでございますけれども、これもぜひその目標を達成すべく、現在立地の促進のための対策、それから、原子力につきましては安全性の確保ないし安全についての国民の理解を求めるPR活動、こういう面で積極的に原子力発電の立地の推進を進めておるわけでございます。  なお石炭につきましては、国内炭はもう御承知のようなことで、昨年の八月の答申に基づきまして、現在の千八百万トンないしは将来さらにそれを拡充するということで施策を進めておるわけでございます。海外炭につきましては、将来の需要増に対する供給増の大部分は海外炭の供給に依存するわけでございますが、これはすでに豪州を初め米国からの輸入が相当進んでおりますし、今後ともカナダ、アメリカの西部その他を含めた海外炭の探鉱開発についてもそのための施策を進めて、昭和六十五年度の目標でございます一億六千三百五十万トン、この数字自身は将来の需要全体との関係で下方修正される可能性もありますけれども、一応この目標に向かって施策は進められ、それからその従来の計画は順調に進んでおる、かように認識をいたしております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 ちょっといま石油、石炭のお話が出ましたが、現在石炭火力では、現状はどの程度なのか。これから将来についての石油にかわるべき石炭火力は推進されるわけでありますが、当面のそういった計画がありますならば、それが能力的にどの程度のものなのか、そこらあたりと、先ほどの中で、まだ目標的な、大した大きなあれはありませんが、新エネルギーの推進ということでは、石炭の液化またはガス化、そういった方向での進捗状況がもし把握されておりましたらお示しいただきたい、かように思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 現在、石油火力はもう新設を全部やめておりまして、今後の火力の増設は石炭と原子力が中心ということになっておりますが、石炭火力の具体的な数字は、現在私ここでちょっと持ち合わせておりませんので、また後ほど先生の方に実情について御報告をさせていただきたいというふうに思います。  それから、石炭液化につきましては、SRCIIは、御存じのようなことで昨年の八月に米国側が非常ににコストが上がっておるということ、それから西独がこれに同調したということもございまして、その計画は中絶いたしましたけれども、これにつきましては、現在までに進められた研究開発の成果について現在その資料が入手されておる途上でございまして、この成果を十分評価し、今後の石炭液化には生かしていくということでございます。それ以外に、サンシャイン計画に基づく石炭の液化計画それから豪州の褐炭液化計画、さらにはEDSプロジェクト、これは国際協力の段階で進められておる研究開発プロジェクトでございますが、これについてはすでに研究プラントとしての成果も出てまいりまして、今後石炭液化については、それを踏まえながら今後の石油価格の動向をにらみ、できるだけコストを引き下げる方向で石炭液化の計画を進めていく、かような状況でございます。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 ただいまお尋ねの石炭火力の計画でございますが、五十六年度の施設計画によりますと、既設のものは三十九基、五百二十六万キロワットでございますが、六十年度までの開発計画には、十基で四百六十六万六千キロワットが加わり、それからまた転換で二百五十七万キロワットが加わる予定でございまして、六十年度末には五十四基に、千二百五十万キロワットになる計画でございます。六十一年度以降の開発計画といたしまして十四基、九百十五万キロワットが加わるということでございますので、いま五十六年度の電力の施設計画によります限りで申しますと、大体二千万キロワットを超える計画になるということになっております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 石炭液化関係で、五十七年度の石油及び石油代替エネルギー勘定の中での数字からちょっと見てみたわけでありますが、サンシャイン石炭液化補助として百六十一億三千六百万円、これが五十七年度の予算として計上されているわけであります。これは、要するにわが国内の石炭液化プロジェクトとして三つの系統が、流れがあっていると思いますが、そういうものに対して、ここに書いているようなものに対する助成費だと思うわけであります。それから次に、これによりますと、EDS液化補助が七億五千六百万。それからSRCII、この前、日米独の共同プロジェクトとしてスタートしたのが中断した分について、資料がだんだん入ってきているというお話でありましたが、とりあえずこれを見ましても、いまこういうふうに石炭液化のプロジェクトについて国内で一つの作業が進められている。それから、国外といいますか国際的なものについても、先ほどの中に日豪の協力による一つのプロジェクト、それから先ほどお話がありましたSRCIIについては、一応中断されたけれども、何かこの前の新聞の報道するところによりますと、五千九百万ばかりお金を五十六年度予算で使って、大体それらのものすべてまとめたい、こういうふうになるわけであります。したがって、現在のこういった国策として石炭液化に対する考え方が、いまのところどこを重点に置くということでなしに、国内技術の開発という点にも置く、それから国際的な共同開発という点にも一つの方向を持つという、二面的な方向でやられているということに受けとめていいのかどうか、そこらあたりの基本的な考え方についてお尋ねいたします。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、現在サンシャインプロジェクトの中では、歴青炭系の三方式、これは国内にそれぞれ一ないし二・四トン・パー・デーの小規模な施設をつくりまして運転研究に入っておるわけでございます。それから、褐炭の液化の問題につきましては、五十トンプラントということで、これは日豪、豪州との関係で褐炭液化の研究が進められておるということでございます。さらに、EDSプロジェクトという国際協力の関係での研究開発事業があるわけでございますが、いずれにしても、石炭液化はまだ研究開発段階が主体でございますので、できるだけ多面的な検討を進めまして、その成果を踏まえながら今後の進め方を検討しようというふうに思っております。  こういう基本的な研究開発の問題はできるだけ多面的に進めまして、その成果を相互に利用しながら、ある段階で将来の可能性のあるものにしぼっていくというのが方針としては一番いいのではないかということで、今後こういうそれぞれのプロジェクトについての成果を踏まえながら今後の進め方を検討していこう、かように考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 これからの新しい技術ですから、そういう意味で多面的な立場から取り組まれることについてとやかく申し上げることはないわけでありますが、とりあえず現在の状況からいきますと、この間の石炭液化の開発状況はパイロットプラントが大体やっと終わったような状況で、これが実証プラントの方向に行くのはまだしばらくかかると私は思いますが、エネルギー庁としては、石炭液化のこれらの流れの中で、実証プラントに行って一つの結論が出せる時期はいつごろというふうにめどを大体見ておられるか。それから、当局としては、いつの段階でこれらの多面的な方向をどちらの方向にまとめていくかということについてのお考えをそういうふうに取りまとめられようとしているのか、将来的にもずっとそういった多面的な方向でやろうとされておるのかどうか、そこらあたりのお考えをひとつお示しいただければと思いますが。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 現在は研究開発段階でございますので、できるだけ多面的に、それからそのための成果もできるだけ多方面からも得るための努力をしているわけでございますが、将来の方向としては、できるだけ国産技術に他の海外のそういうデータも使った形で国産技術を確立していきたいというふうに思っております。ただ、そのためのパイロットプラントの成果その他が出るのはここ一、二年はかかるというふうに思いますし、さらにそれが実証プラントから商業プラントまで行く段階ということになりますと、コストがどこまで下げ得るか、また石油価格の動向がどうなるのか、こういうものを踏まえながら考えていくわけですので、実証。プラントないしは商業段階に至る時期というのは、現段階で明確にお答えするような状況ではございません。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 まだまだそういう意味では実証プラントの段階のめどがつきにくいということでございますので、多くは申し上げません。  いずれにいたしましても、これは新しい開発技術でございますから慎重に取り組むことが非常に必要でありますが、これはすべて国費を投じてやられていることでございますから、いずれかの段階では一つの方向性を持ってやっていかなければいかぬのではないかというふうにも思います。そういう点ではいますぐそこらあたりの判断をするといいますが、物事についていろいろと決断を下していく時期がいつか、まだまだそういうことさえ見通しがつかないということのようでありますのであえてそれ以上申し上げませんが、ひとつそこらあたりは、確かに多面的な立場もより有効な方法でしょうけれども、ぜひとも結果的に国費が変な方向でむだ遣いされたというようなことのないような慎重さをもってやっていただきたいということだけをお願いしておきたいと思います。  それから、労働省に炭鉱離職者関係についてお尋ねいたします。  この予算の中で、炭鉱離職者援護対策の中で炭鉱離職者緊急就労対策事業資金として六十四億が計上されております。私実態を知らぬからでしょうけれども、いまだに炭鉱離職者の緊急就労対策事業というのがどうして要るのかなと思うのでありますが、現在の状況、実態、該当人員はこの前の説明では四百人ぐらいおるという数字が出ておりますが、こういった人たちが求職手帳をもらって、三年間のあれを終わってなお残っている人たちなのかどうかわかりませんが、要するに、現在のこの実態についてひとつ御説明いただければと思います。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 緊就事業は、石炭鉱山の合理化に伴いまして大量の離職者が産炭地域に一時期に集中して発生をいたしまして、それが滞留しておりました状況にかんがみまして、昭和三十四年度に暫定的にこれらの失業者を事業に吸収する、こういうことを目的として発足をしたものでございます。で、制度発足直後、昭和三十五年度には約七千五百名が就労しておったわけでございます。その後三十八年に、こういう事業を起こして失業者を吸収していく方式については、いろいろ滞留等の問題等もございまして、こういう方式は新たにはとらないということで、現在やっておりますような三年間のいわゆるマル炭手帳というものを出しまして、その三年間の間にきめ細かな就職促進の措置を進め、民間企業へ就職を進めていく、こういう対策へ転換をいたしました。そういう意味で、いまおっしゃいましたように、マル炭手帳所有者はここに入っていないというわけでございます。こういう事業吸収方式はもう新たにはやらないということで、三十九年度からこの手帳方式に切りかえていった、こういうような経緯で今日に至っておるわけでございます。  そういう意味で、昭和三十九年度以降は新たな就労者は受け入れていないわけでございまして、この三十五年度七千五百名おりました方々については民間等への就職促進等に努めまして、現在の就労者は約二千五、六百名、こういうようなところに減少をしてきておるわけでございます。これらの方々によりまして、現在福島、山口、福岡、佐賀、熊本、こういった五県四十二の市町村で実施をされておる、こういう状況でございまして、事業としてやっておりますのは道路の新設改良や土地造成あるいは河川整備、こういったような事業をやっておるわけでございます。これらはすべて請負方式でやっておるということでございまして、いわゆる一般失対でやっておりますような市町村の直営でやるのではなくて、請負によって実施をしておる、こういうものでございます。  この緊就事業につきましてはいろいろ御意見もいただいておるわけでございますが、いろいろな論議を経まして産炭地域振興審議会等におきましても、引き続き合理的運営を図っていく、こういうような方針が出されておりますし、また先日の産炭地域振興基本計画についての審議会の答申におきましても、これらが産炭地振興に効果的に寄与するよう必要な間その合理的、計画的な実施を進めていく、こんなような方針をいただいておりますので、そういう線でなお進めていきたい、こう考えておるところでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 ちょっとまだ理解しにくい点があるのです。産炭地関係の一つの事業としてこういう事業が必要であろうということについては理解できると思うわけでありますが、いまのお話でいきますと、要するに昭和三十五、六年ですか、四十年だったですか、それ以後は新しくそういった対象になる人はおらないということでありますから、それまでに炭鉱を離職された人たちがこの事業にいまだに従事している、こういうふうに理解していいわけですか。——ああ、そうですか。じゃ要するに現在昭和五十七年ですから、ざっと二十年近く炭鉱離職者の方たちの特定のこういう事業が行われている、こういうふうにも理解していいわけですね。  じゃ申し上げますが、それぞれの地域の特殊事情もございましょうけれども、こういう見方も実はまた一面あるわけでありまして、たまたま炭鉱離職しなかった人たちは五十五歳で定年でみんなやめられていくわけですね。そういう人たちはその後どういった生活方式になっていくかこれはわかりませんが、そういったことを考えますならば、ああいった閉山という異常事態が出て、緊急的な雇用対策をとることはどなたも異存はないと思いますが、そういった一時の離職者の人たちが長期に、ただそういう名前だからということだけでこういう事業にずっとおれるということが雇用政策上労働行政として果たしてどうなのか。いま現在の労働行政の中ではそれぞれ特定不況業種に対する雇用対策その他いろいろやられておりますが、そういう意味における失業者対策といいますかそういう雇用対策は、労働行政上一貫したものがなければならないのじゃないか、こういう疑念を持たざるを得ないわけであります。そういう点から見ますと、これだけはちょっと異常じゃないかという気もいたします。したがって、そこらあたりは労働行政上何らかのしかるべき一つの考え方でまとめていくということがもはや必要な時期にあるのじゃないかという気がするのでありますが、そこらあたりについての見解があればひとつお示しいただきたいと思います。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 緊就につきましてただいま先生が御指摘になりましたような問題点はいろいろ論議もいただいておるところでございますが、現実に非常に雇用失業情勢が悪い地域で、そしてまた、これらの就労者の生活実態というようなものを考えますと直ちにこれを打ち切ることはなかなかできないというような実情も背景にあるわけでございます。  御指摘の労働省としてのそういう雇用失業情勢に対する対応策、こういう基本的な観点から申しますと、先ほども申し上げましたように、こういう事業で吸収していくという方式はどうしてもそういう事業に滞留しがちである。それが本当に一時的な民間就職までの暫定的な就労の場であるというたてまえではあっても、やはり現実にはそれが定職になってしまうという問題がある、こういうふうなことで、昭和三十九年度からは、そういう事業で吸収していくという方式は新たにはもうしないという方針を明らかにしておるわけでございまして、その後は求職手帳を出しまして、職業訓練であるとかきめ細かい職業指導というようなことを通じまして、一般民間就職へつなげていくという制度にはっきり転換をしておるわけでございます。その点につきましては、こういう緊就事業というようなものを新たに起こすという考え方はもちろん持っておりませんし、さらにまた、こういった事業につきましても、そういう地域の実情等に即しながら、また就労者の実情に即しながら逐次自立、就職へ持っていくという形で減少を図っていく、こういう方針は進めておるわけでございます。  ただ、審議会の答申でも、答申の過程でいろいろ御論議がございまして、そういういろいろな議論はありながらも、やはり引き続きこれの合理的運営を図って存続させていくというようなことも、いろいろな論議を経て出ておる実情もあるわけでございまして、そういう雇用政策上の基本原則とこういう産炭地における雇用失業情勢、それから就労者の生活実態といったようなもの等を関連させながら、実情に即した対応を進めていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 新しいそういったものは考えてないし、ただ、一つの流れの中で残った問題だということでお話しになりましたが、そういう事情は十分理解いたしますが、そうだからといって、これはいつまでもということにはいかぬのじゃないかという気が私はいたします。それならば、やはり特定不況地域という形の中で、何かそういう形の中でこういった問題をもっと考えるか何かしないと、ただいつまでも炭鉱離職者臨時だ何だということだけで考えていくところに、若干いまの全体の雇用政策のそういった方向の中で無理があるのじゃないかという気がするわけでありますから、その点はひとつ、そういった必要性についてあえて否定するものじゃございませんが、ただしかし、もうそこらあたりある程度、特定不況地域か何か名称は別ですが、そういう地域の問題として考えるという中でこの問題の解決を図るということが、労働行政上からも好ましいことではないかという意味で、意見として申し上げておきたいと思います。  それから、最後になりましたが、通産大臣にお尋ねいたします。  わが国の石炭政策で、現在千八百万トンを維持する、でき得れば二千万トン体制にしたいという一つの答申が出ましたが、北炭新夕張のああいった事故が発生しまして、結果的に、わが国の石炭政策は果たしてこれでいいのかどうかという問題を社会的に大きく投げかけたのは事実でございます。そういう状況の中で、これからの石炭政策を推進する場合、行政当局としては、炭鉱というか石炭の出炭ということを考えますならば、保安が何よりもすべてに優先しなければいかぬ。ところが、それはお互いに頭の中で理解し、みんな言葉で言いながらも、結果的には事故の発生は後を絶たない、これが現状でございます。したがって、そういう意味で、石炭政策推進の中でも、現在死亡事故が年間何件か出ており、この前の新夕張は異常な事態でありますが、いずれにいたしましても、炭鉱の災害発生状況を見ますと、ほかの産業に比べると、ああいった坑内の悪条件下の作業環境によるのかもしれませんが、ほとんどの方が入院というような災害であります。  そういった点は、置かれている産業の実態からやむを得ないかもしれませんが、そこらあたりを考えますならば、日常的な炭鉱の中における安全対策、保安対策、このことでもっともっと取り締まりを厳しくやる。取り締まりだけではいけないと思いますが、そういう中でいまの災害発生状況を少なくとも二分の一以下にするぐらいの目標を定めて、それが行えないような場合における出炭については制限する、そういうかたい決意ぐらい持たないと、そういう考え方も一つはとらないと、私は炭鉱の保安、災害防止という道につながらないのじゃないかという感じがするわけであります。  そういう意味で、ただ鉱山保安監督局が監督を強化するということだけではなしに、そういうこととあわせて、労使の努力によって、自分の職場から災害は出させないというかたい決意をどういう形で形にあらわせるか。それはやはり災害発生の年間的な統計だと思いますので、そういう角度からもう少し物事を厳しく見ていただく、そういう意味での石炭政策をぜひひとつ大臣としておとりいただければと思うわけでありますが、その点いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 現在の石炭を取り巻く内外の情勢から見まして、二千万トン体制というものはぜひともつくっていかなければならないと思っておりますが、その大前提となるのは、いま御指摘のありました保安体制をいかにして確保するかということでございます。また、北炭夕張のような事故を二度と起こすようなことがあってはならないということでございます。そのためには、政府といたしましても保安政策を推進し、また保安監督をさらに充実させなければならぬことは当然でございますが、やはり経営者として、保安が最も大事であるという自覚のもとにさらに一層の努力が必要であるし、熱意を持つことは当然のことでありますし、また労使一体となってこの問題に取り組んでいかなければならない、こういうふうに考えておりまして、政府としてもあらゆる立場から保安の体制を強化するために全力を尽くしてまいりたいと考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 終わります。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 きょうは、時間もありませんので、北炭夕張問題についてお尋ねをしたいと思います。答弁の方もひとつ簡潔にお願いをしたいと思うのです。  私は、北炭の再建のためにも遺体の収容と原因の究明が何よりも緊急の問題だと思うのでありますけれども、遺体の収容については、いまだに四十三体も残って非常におくれている。このことについては、先ほども現状、見通しなどについて報告がありましたからあえて質問はしませんけれども、ぜひ全力を挙げて、急いでこのことに当たっていただきたい。  そこで、まず質問の第一は、弔慰金についてお尋ねをしたいと思うのです。せめて弔慰金ぐらいはすぐ支払うというのが誠意のあらわれではないかと私は思うのですけれども、この弔慰金の支払いについても、現地に聞いてみましたところが非常におくれておる。炭労は二千二百万円を要求しているといいますが、いまだにその金額についてもまとまっていないというふうに聞いているけれども、事実かどうか。また支払いは、本鉱員の方については九百万円、下請の方については二百万円というふうに聞いておりますけれども、これも事実かどうか。これは非常におくれているというふうに言わざるを得ないと思うのですが、政府としてはどう指導しているか、お尋ねしたいと思うのです。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 罹災者の遺族に対する補償につきましては、労災保険による支払いのほか、会社側は十二月末までに直轄員、請負の組夫の別なく一人当たり九百万円の支払いを実施いたしております。直轄員、請負組夫については差別はないわけでございます。会社は、残額の支払いについても関連グループの支援等によりこれを行う旨を表明したというふうに承知いたしております。政府といたしましても、必要があれば会社に対し所要の指導を行う考えでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私が現地から聞いている話と若干違うようですから、これはまたさらに事実関係も明らかにしたいと私は思いますけれども、いまのお話からすると、具体的な指導はなされていないようですね。必要があればこれから指導したいということですけれども、事件が起こってからもうずいぶんたっておる。これはやはり指導を要する事態だというふうにはお考えになっていないとすれば、それはずいぶん認識が不十分じゃなかろうかというふうに考えるのです。弔慰金についていま新聞ではいろいろその支払いの内容などについての報道も流れているけれども、政府としても、一刻も早くこれを完全に支払わせるように指導すべきでないのか。この点指導の必要があるのかどうか、その考え方をもう一遍伺いたい。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 私も就任以来この補償金の支払いは最も大事なことである、こういうふうに考えまして、会社の責任者あるいは関連グループの責任者等に対して何度か、補償金についてはきちっと早く払うように要請を続けてまいりました。これに対しましては先方も、会社側としても何とか対処いたしたいということで今日に至っておるわけでございますが、私の当たった感触では、この補償金については支払う、こういうふうに理解をいたしておるわけでございますから、放置しておったわけではなくて、何度か要請を続けてまいっておるわけであります。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 それでは、その支払いについては一刻も早く全額支払いが済むようにさらに努力を強めていただきたいと思うのです。  次にお尋ねをしたいと思いますのは、操業の一部再開の問題であります。  私は、昨年の十一月十三日の石特委員会で、遺体の収容それから原因の究明を徹底的にやるということが先決であって、これを抜きにしてなし崩し的に操業を再開していくというようなことは許されないのではないかという立場から質問をしたのに対しまして、当時の田中大臣は「まず私どもは遺体を完全に収容する、それから原因究明を徹底的にやるということがあくまで先決でございまして、この二つの問題が片づいてそれから再建、再開ということになるわけでございまして、それ以前のこと、手前の橋から十分渡っていくという体制は変わりはございませんし、これからもこのことは堅持していかなければならないと思っております。」こう答弁をしておられるのです。ところが、どちらもまだ進んでいない。先ほども申し上げたように、遺体の収容について言うと四十三体もいまなお残されたままだ、こういう非常におくれた状況の中でどうして再開を認めたのか、この点、私は大臣の答弁と明らかに違っている、違背しているんじゃないかというふうに考えますが、どうでしょう。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 御指摘のように、十一月十三日の委員会で、先生に対しましての田中前大臣の答弁といたしまして、遺体の収容、原因究明があくまで先決であるということをお答えになっておられます。私ども、本件に関しましてはすべてにこの二つが優先するという基本的考え方は当時から今日に至るまで一貫して持っておるところでございまして、これはやはりすべての問題に優先させてこれらの問題を考え、あるいは逆に、これらに障害を与えるような形でその先にある問題を考えることはできないという趣旨と承知をいたしております。  今回の操業再開、一月二十七日の北第三上部区域の操業再開を二十六日に了承いたしておりますし、二月十六日からの西第四区域の再開を二月十五日に了承いたしておりますが、これらの操業再開と申しましても部分的な操業再開でございまして、それに当たりましては、遺体収容の優先的実施、それから原因究明の作業の徹底的推進と、それに対しての障害を与えないという点を十分チェックをし、それを踏まえた上で、操業区域の安全性の確認あるいは保安管理体制の整備等保安対策の強化といったものをチェックした上で、特に問題のない点に限って段階的に承認を与えておる、こういう次第でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そうすると、この部分的な再開につきましては、通産省としては遺体の収容などには絶対に少しの支障もないようにするということと、保安については万全を期するという、この二つの条件を満たしているから認めたのだ、こういうような答弁だったように思うのですけれども、すでに私は前回のときにも申し上げたと思うのですが、会社は取り明け作業中にも、またガスの濃度が上がったということでブザーが鳴ったときにも、退避をさせるのについて非常に不十分さがあったということをこの前も私は指摘した。その後は死亡災害も起こったりもしておる。だから、その後もこういうような事態であるということについて考えてみるならば、通産省としても、この操業の再開に当たってはよほどの万全の措置というものをとっていなければならぬはずだと思うのですが、今度事故が起こったら私は、通産省にも連帯責任を負えと言いたいと思うのですが、この点について十分な保障が果たして得られておるのかどうか。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 御指摘のように、遺体の収容、原因究明に支障を与えないということをまず第一に十分チェックをし、そのための人員の張りつけあるいは通気の確保といったようなものを確認した上で、さらにガスの突出に対する安全性あるいは抗道の維持確保が十分実施されておるかどうか、さらには通気量が余裕を持って確保できるかどうか、保安体制に関して十分な措置が、見直しがなされておるかどうかといった点を確認した上で、操業の一部再開を認めたわけでございます。私どもといたしましては、安全サイドを踏んだ上で、十分のチェックをした上で再開を認め、さらにその後の操業の状況あるいは保安の状況につきましても、現地の本部が常時チェックをしながら進めておる、こういう状況でございます。したがいまして、再開に当たっては、監督局といたしまして十分納得ができる心証が得られた後に、これをその責任において認めた、こういう状況にございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私が聞いているところでも、いま再開をされているところは比較的問題の少ないところが再開されている。だから私も、当面はやはり会社としても慎重を期しもするでしょうから比較的心配ないのかとも思いますけれども、今後だんだんこれが本格的になっていくという中でも、いまあなた方が北炭に対してやらせることにした対策で責任持てるというふうにここで言い切ることができるような体制をつくったわけですね。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 保安の体制につきましては、私どもといたしましては、通常であれば本来口を差し挟まないようなところまで指導、アドバイス等も行なって、ソフト面においても改善を行い、万全を期するよう指導してまいったわけでございます。  しかしながら、いま先生御指摘のように、今後新しい切り羽をさらに開いていくとかあるいは山全体をどう持っていくか、こういう問題につきましては、私ども包括的に何ら承認を与えているわけではございませんので、その段階その段階におきまして全体としてとらえ、かつ遺体収容作業、原因究明作業に及ぼす影響等をその時点その時点で見ながら、要すればイエスと言い、要すればノーと言ってまいりたいと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 では、その点は今後見守っていくことにいたしたいと思います。  次に、資金の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、これまで遺体の収容あるいは弔慰金の支払いのために、政府、道などの自治体、それから三井銀行、三井観光開発それから萩原前北炭会長、こういうようなところがそれぞれどれくらいの資金を出したかということについて、ちょっと数字を挙げて御説明いただきたいと思うのです。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 昨年の十月十六日に災害が起こりまして以降、私どもの方ではいろいろな形で出してまいっておりますが、補助金につきましては、これはすでに交付決定等があったものが中心でございますけれども、四億七千四百万円、それから新エネルギー機構を通じました融資、これは夕張に向けまして幌内の経営改善資金等々間接的なものも入りますけれども、十二億三千五百万円、合計いたしまして十七億九百万円というものの支援をいたしておるわけでございます。なお、いま申し上げました十二億三千五百万円の中には、一月に入りましてから夕張社の電力所を真谷地炭鉱に譲渡をいたしましたときの資金貸し付けも入っておるわけでございます。  それから、道からの資金に関しては、私どもいま正確に資料を持ち合わせておりませんが、私の記憶するところでございますと、北海道庁におきましては、ことしに入りましてから、真谷地炭鉱を経由をいたしました電力所の融資に伴う私どもの協調融資分として、五億円というものを損失補償という形態で関係の金融機関を使って出しておるというふうに聞いております。  それから、三井銀行は、昨年の十二月末に越年資金といたしまして、私どもの記憶によりますと、関係の子会社を通じまして二億円を融資したと記憶をいたしております。  それから三井観光開発の点についてのお尋ねでございますが、三井観光開発の協力に関しましては、先ほど触れました夕張社の持っております電力所を真谷地に譲渡いたしますときに、従来入っておりました担保を解除いたしますときのかわり担保を三井観光に提供してもらうという支援をいただいております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私は三井観光開発が異常に負担の仕方が少ないのじゃなかろうかということを、いまの答弁を聞いて感じるわけです。担保を提供したというお話なんですけれども、これは真谷地が発電所を買うことについて担保に入れるという形で協力をしたのでしょうから、真谷地がきちんとお金を払えばこの担保というのは消滅するわけでしょう。そうすると、真谷地というのはもともと黒字の会社ですから、ずっと返済をしていくめどはある。そうすると、実際にはこれは担保に入れても痛くもかゆくもないというような程度の協力にしかなっておらないのじゃないかというふうにいまの説明を聞いて感ずるわけです。そういう認識でいいのかどうか、この点をお尋ねします。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 あるいは私の説明が舌足らずだったかと思いますが、夕張炭鉱が持っております電力所、これはすでに夕張として関係金融機関に担保に出しておるわけでございまして、それの担保を解除いたしませんと真谷地社に譲渡ができないということでございますので、その夕張の担保を解除いたしますためにかわり担保を提供してもらったということでございまして、したがいまして、三井観光がかわりに出してもらいました担保は夕張社にかかる担保ということになります。したがいまして、いまお話しのように、これは真谷地社がうまくいけば返してもらえるものではないかということにつきましては、そうではございませんで、夕張社に対して担保を提供したということに相なりまして、そして譲渡されました発電所、これは今度真谷地の所有になるわけでございますが、これにつきましてはこの資産をそのまま今度真谷地に貸しました方の担保に、真谷地の資産として担保に一応し得る、こういうことになるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 その説明はわかりましたけれども、三井観光開発は北炭グループの一社であることはもう天下周知の事実ですね。しかも資本金が五十五億を超える大企業で、私が調べてみたら、アーバンホテルというような名前の、これは私の地元の福岡にもあるのですけれども、ホテル関係だけでも全国にずいぶんたくさん持っておる。それから、もともとが北炭の不動産部門から出発した会社ですから、北海道では王子製紙に並ぶほどの土地持ちだというふうにも言われている会社で、そして五十七年三月期の売り上げはおよそ二百四十億、営業利益は三十四億ぐらいになるだろうと言われている会社ですね。だから、こういうような大きな有力な企業が北炭グループの一員にあるとすれば、政府は自分自身もこういうたくさんの融資をしたわけですけれども、それ以上に北炭グループの一員である三井観光開発に対してもっと負担をすべきだという要求をして当然じゃないでしょうか。政府がこの点についてどうしたのかということについてお尋ねをします。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 三井観光開発株式会社の沿革につきましては、北炭の不動産部門から分離をしていった経緯があるという点は先生御指摘のとおりでございます。私どもも、これは災害の起こる前もあるいはその後も、関連グループの自己努力という点は北炭を通じまして十分いろいろ話をいたしてまいったわけでございます。ただ、会社側によりますと、すでに北炭に対しまして相当額の担保を提供しておる、それから相当額の融資もしておるということを理由にいたしまして、北炭夕張に対する支援をいろいろ追加的に行うことについて消極的な御反応ではございましたが、今回災害に当たりまして、先ほどの電力所のかわり担保の提供ということに関しましては、もちろん、私自身も三井観光の幹部の方にもお目にかかりましてお願いもいたしましたが、相当無理してやっていただいたという経緯がございます。もとより私どもといたしましても、夕張社の資金対策等に関しまして、資産処分あるいは関連グループの支援といった自己調達努力ということが基本であるというふうに思っておるわけでございまして、そういう意味で申しますと、私どももこれからさらにそういった点を促してまいりたい。もちろん三井観光は三井観光なりにいろいろ御事情があるようでございます。かなりむずかしい問題がある点は私どもも十分理解をいたしておりますが、大変な窮状でもございますし、できるだけ資産処分、自己努力ということを促しておくというのが基本であると思っております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 三井観光開発に対しては引き続いてそういう要請をしていくというお話だというふうに理解をします。  そこで、先ほど私は、萩原前北炭会長もこういう資金的な協力をしているかということについてお尋ねをしたのですが、この点については具体的な回答がなかったのですが、どうでしょう。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私も直接確かめたわけではございませんが、新聞報道によりますと、萩原さん御自身としてもすでにそれなりの資金供与をしておるということを新聞等に語っておられますが、私が知ります限りでは、災害が発生いたしまして以後、具体的に資金的な面で支援を行われたということは私どもとしては聞いておりません。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 一般の新聞にも、萩原氏はその持ち前の政治力を発揮して国などに対して金を出させるように立ち回っているけれども、自分自身は実際には負担しておらぬのだというようなことは、実は記事としてもいろいろ出てきているわけですね。私がある雑誌を読んだところでは、萩原さん自身もずいぶんお金を持っている、自宅なども時価二十億円にも達するような豪邸に入っておられるというようなことも書いてあるのです。こういう実質的にはいまでも北炭の経営者みたいな立場にある人が、こういう程度の協力の仕方では余りにも不十分ではないかと私は思うのです。  そこで、大臣にお尋ねしたいと思うのです。いま申し上げたように、この萩原氏は政界との交友も非常に深い。今度も政治力を発揮して、自分は負担を免れながら国の資金を引き出すようなことをいろいろやっているなんということが報道されているわけですが、もっとあなた自身もこの萩原氏に対して、資金面も含めて再建に協力をすべきだというような申し入れを大臣の立場からもされる必要があるのではないでしょうか。この点、どうお考えでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 萩原氏がこの問題に直接いろいろと介入をされたということは聞いておりませんが、しかし、北炭グループの実力者であることは間違いないと思っております。そうしたことから、私としてもいろいろな筋を通じまして、北炭問題に対して努力をしていただきたい、協力していただきたいということを要請はいたしておるわけであります。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 それについては、その資金的なことも含めてぜひもっと積極的な姿勢を示してもらいたいという要請をする必要があるのじゃないかということを私は言っているのですが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 いま私が申しましたのは、やはりそうしたことも含めて協力をしていただきたい、こういうことでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 では、次に進みたいと思います。  北炭の再建計画の問題でお尋ねをしたいと思うのですが、北炭が二月十日でしたか、政府に提示をした再建計画については、政府の方も非常に不十分だということで再検討を求めたというふうに報道されているのですが、端的に言って、どういう点が問題だから再検討を要求されたのでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 第一点は、私どもとしては、まず今後の採掘の主力と見られます平安八尺層の炭量の評価と準備の問題、それから二番目に、その平安八尺層の稼働に至りますまでのつなぎの採掘計画の問題、それから三番目に、両方を含めまして、特に途中の段階では多方面同時展開ということになりますが、保安の面で通気量の確保あるいは作業の手順等々に相当に問題がないかどうか、保安の確保の問題といった点が問題であるというふうに思います。そのほか、たとえば人員の配置、能率の見方、さらにはまた関係金融機関の協力体制の問題といったあたりをもう少し十分見直す必要がないかということで、裁判所なり関係者の御理解が得られるように改善をするようにということを御助言も申し上げ、さらに、技術的な面につきましては同業他社の支援、助言も得るようにということで、石炭業界の技術協力も得るようにごあっせん申し上げて、関係者が納得のいく展望計画をおつくりいただくように助言をいたしておるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私は新聞報道程度のことでしか内容はよく知らないわけですけれども、その報道を見ても、南部とそれから中央の残炭を同時に掘っていくような計画になっておる。そうすると、この中央の残炭部分を通らないと南部の方に行けないというような仕組みになっておるそうで、そこを同時に掘ったら、これはわれわれ素人が考えてみても、とんでもない危ない話だなというようなことはすぐわかるような計画だったのじゃないかと思うのです。いま部長もうなずいておられるから私の認識は間違いないと思うのですけれども、先ほどから話が出ておるように、これだけしょっちゅう災害を起こして、そしていま存立の危機に立たされているような会社が、持ってきた再建計画というのがまたこういうようないいかげんなものであるということになると、これはもう本当にこの北炭という会社の体質そのものが、こういう保安を軽視してつじつま合わせのようなことばかりやる体質だと言わざるを得ないのじゃないかと思うのですけれども、私はそういう意味では、この持ってこられた再建計画というのは、発想そのものを改めてもう一度考え直してこいと言わなければならぬほどの重大な欠陥を持っていたというように感ずるのですけれども、そういうことじゃないのでしょうか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私、ただいま端的にということでございましたので簡単に申しましたが、いま御指摘のとおり、南部と中央残炭との採掘の計画は、保安上一つの重要な問題点でございまして、私どもも指摘をした点でございます。  いま会社の体質の問題にお触れになられたわけでございます。私どもといたしましても、この会社の計画がつじつま合わせであってはならないわけでございまして、今後会社更生開始決定になるかどうかは裁判所の御判断でございますが、なりますれば、さらに更生計画を管財人が練っていくということになるわけでございます。その過程で当然いろいろ企業体質、経営体質そのものについてもいろいろな反省が加えられるということになり得ることは、私どもとしても一つの範囲の中に入る問題であるというふうに思っておりますが、いま御指摘のような点、これは私どもとしてもできる限りいまの段階から納得のいく計画をつくるということが非常に重要であるというふうに考えますがゆえにいろいろな助言をし、それからまた関係者の意見も聞くような体制にいたしたわけでございまして、今後さらに会社が再建を図ってまいります場合には、すでに何回か私ども言っておりますように、保安の管理体制あるいはさらに経営体制、経営体質といったようなところで抜本的な改善が行われることを期待いたしておるところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私は、この再建計画についてはそういう根本的な欠陥を持っている、だからもう一遍洗い直さなければいかぬというような内容のものじゃないかと考えるのです。ところが、新聞報道によりますと、北炭はその後「日本石炭協会の協力の下に同計画を練り直し、二十一日に基本的な作業を終えるとともに望月調査委員に対する説明を行った。」こういう報道がなされているのです。そして望月調査委員は、これならば十年程度の弁済期間を大幅に延長しなくて済む、だから更生手続を開始できる、こういうような見解をまとめて報告をした。そして、それに基づいて裁判所も、ではそういうことを決定しようかというような段取りに事が進んでいくというようにこれを読むとなっているわけですね。私は先ほども申し上げたように、平安八尺層を掘る準備を二カ月程度期間をよけいとれば済むといった程度のことじゃない、もっと重大な欠陥をこの再建計画は持っているのじゃなかろうかと考えるのだけれども、こういうように事態が動き出しているとすれば非常に重大だと思うのですが、通産省は、こういうようなちょっと手直しした程度でもう動き出していってもいいというように考えているのですか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私もその新聞報道は見ましたけれども、現在会社におきましては、石炭協会の助言を得ながら生産計画等をいままだ見直し作業中でございまして、これにつきましてはまだ若干の時間がかかる、さらにその後資金計画を見直しをするというふうに私どもは承知をいたしておるわけでございます。その見直し作業中の要点を恐らく聴取されまして、望月調査委員が将来の展望を調査報告という形でおまとめになられたものと思いますが、私どもといたしましては、裁判所が御任命になられた調査委員の御報告でございますので、その点について私どももしさいに検討をいたしておりませんので、いまここでとやかく申し上げるのは差し控えたいと存じます。  いずれにいたしましても、今後管財人が選任され、更生開始決定になり、更生計画が練られていく、こういう段階ではいろいろ関係債権者の意見も聞き、また、十分経営のあり方にも反省が加えられてその計画がさらにより現実的なものになっていく、こういうふうに思うわけでございます。したがいまして、更生開始決定が行われるということ自身は更開が一つ進むということではございますが、それが直ちに更生計画にその結果がなるというわけではございませんで、更生計画は、つくられる段階でいろいろな問題が解明され、また解決され修正され、あるいはまた抜本的な改善が加えられていく、こういうことであるというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 それから、この再建計画で私はもう一つ問題だと思うのは、夕張にとって一番重要な財産だと思われる北部、今度の災害の現場、この地域の採炭については六十年まで断念するということになっている問題じゃないかと思うのです。私たちは、夕張は三池に次ぐ貴重な国内資源だと考えていますけれども、その最大のものはあの地域だと思うのです。ところがそれについてはしばらくたな上げだ。しかし私は、現在言われているようないわゆる縮小再建の構想でいけば、実際上はこの一番貴重な部分というのが半永久的にたな上げされたきりという状態になるおそれがあるのじゃないかということを考えるわけです。この点についてどうお考えですか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 御指摘のとおりに、会社の計画によりますと、前回悲惨な災害を起こしました新北部はしばらく凍結をするということになっております。これには、もちろん今後さらに原因の究明をして、それに対応し得る技術的な対応を整えるということでございますが、まだ原因の究明が定かでないということから、あるいはまたその対応策もまだ明らかでないということから、当面これを凍結をしようというのが会社の考えと聞いておるわけでございます。しかし、いま会社が考えておりますのも、これをいま先生半永久的にとおっしゃいましたけれども、将来そこの採掘はかかっていこうという会社としては内々気持を持っておるようでございまして、まだ原因究明がない段階で、それを具体的な計画に織り込んでいないということでございますが、将来の問題といたしましては、その新北部を全く放置して半永久的に放置してしまおうということを会社が考えていることではないというふうに私どもは聞いております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 もちろん会社はそんな放棄しようなんで考えているはずはないと思うのですけれども、しかし実際にいまのような形での再建のやらせ方をしようとしたのでは、この北部までは手がつかないままの状態にずっとなってしまうのじゃないかということなんです。私がいろいろな方から聞いたところでは、北部まで本当に安心できるような保安状態で安定的に採炭をできるようにしようと思ったら、骨格構造からつくり直すというような相当大型の投資が必要になるのじゃないかというようなことが言われている。そうすると、これはいまのような北炭の状態には望むことはできないのじゃないかと思うのです。だから私は、この三池に次ぐ最も貴重な国内資源を生かしていくためには、いまのような再建の仕方そのものを考え直さなくちゃいけないということもこの問題ははらんでいるのじゃないかと思うのです。だから、遺体の収容などという段階までは北炭にやらせるとしても、それから先の再建については、いまちょうど更生手続をやる、管財人がどうかという話がさっきから出ていますが、ただ管財人というようなことじゃなくて、経営の考え方そのものをこの機会に考え直して、これは国家的なプロジェクトとして掘るというようなことにしていかなければ、あそこには手がつかないのじゃないか。だから私たちは石炭復興公社というようなことも前に提起したことがありますけれども、そういうような経営の主体をつくることも含めて考えないと、この一番貴重な北部については、いつになってもこういうやり方では手がつかないままにいってしまうのじゃなかろうかということを考えますけれども、この点については大臣、どうお考えでしょう。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 私どもといたしましては、もちろん新北部の資源が貴重なものであるという点は十分承知もいたしております。また反面、それを採掘するに当たりましては、特にガスの非常に多い炭層でございますから、そのガスを十分コントロールする技術的能力があって初めて採掘可能になるわけで、その資源の有効活用と同時に、その技術的な面の充実という点が重要なポイントであると思っております。この夕張を再建するという点に関して、私企業体制でこれの再建の道を探る、現在会社更生法という形態の中では、私どもとしてはそれが最善の方法であると考えております。  その場合に、いま先生が御指摘になられましたが、遺体の収容までは北炭だが、その後は、こういうお話がございました。私どもといたしましては、いま私企業体制の中で今後管財人が更生計画をいろいろ考えていかれる場合には、相当経営体質の改善等々にもメスを加えて、将来のあり方を御検討になって方向づけになっていかれると思います。もちろん私どももそれなりに協力をしていくものでございますけれども、そういった今後更生開始決定になりますれば、更生計画がつくられていく過程の中で、いま先生の言われたような経営のあり方についての見直し、検討あるいは修正、改変といったような点が私どもとしては検討の対象にならないとは考えておりませんで、その中で適切な道が見出されるということを期待をいたしておるところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私は、最後にこの再建の問題で一言申し上げておきたいと思うのは、何か再建のためには働く人たちへのしわ寄せがもう避けられない、あたりまえだというような空気になってしまっているような感じがするのですけれども、私はこの北炭の最近数年間の経過をみても、働く人たちは、北炭が苦況にあるというので賃上げはがまんしたり、あるいは一時金も他社の半分というようなことでいままで協力させられてきたと思うのですね。その結果がああいうガス突出、火災でたくさんの人が亡くなるというようなこと、しかも、いまだに遺体も満足に上がらぬというような事態を引き起こしているわけですね。これを再建するためにということでまた人減らしなどが問題になっている。いま百五十四名の人が出向しているというのですが、四月以後、操業計画の中では、この人たちが帰ってくることはもう全然問題になっていないというようなことが言われておりますし、それ以上に下請の人たちは、現在在籍は三百名あるけれども、この下請の人たちは四、五十人しか働くことができないだろうと言われている。あとの人たちはみんな失業してしまうというような再建計画になっているわけですね。こういうふうに、幾ら協力しても最後は首切りだ、災害で命まで落とす、これでは余りにひどい話じゃないかと思うのですね。私たちは、こういうような働く人たちへのしわ寄せをしないような再建の道をもっと真剣に関係者が切り開いていくべきだということを強く要求して、私のきょうの質問は終わりたいと思います。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長 次回は、明二十六日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十四分散会

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