石炭対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1982/02/10
会議録
○枝村委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 石炭対策の基本施策について、安倍通商産業大臣及び初村労働大臣から、それぞれ発言を求められております。順次これを許します。通商産業大臣安倍晋太郎君。
○安倍国務大臣 第九十六回国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭政策につきまして、私の所信の一端を申し述べさせていただきます。 エネルギー供給における石油依存度が主要先進国中最も高いわが国にとりまして、石油代替エネルギーの開発及び導入の推進を図ることは、きわめて重要な課題であります。 特に、石炭は、脱石油化の担い手として大きな期待が寄せられており、一昨年十一月政府が策定いたしました「石油代替エネルギーの供給目標」においても、代替エネルギーの最大の供給源として位置づけております。 政府といたしましては、この供給目標を踏まえ、総合エネルギー政策の柱の一つとして石炭の安定的な供給の確保とその利用拡大を進めるべく、引き続き施策の推進を図りたいと考えております。 まず、貴重な国産エネルギーである国内炭につきましては、昨年八月の石炭鉱業審議会の第七次答申の趣旨を尊重して、わが国石炭鉱業の自立を目指して石炭政策を推進してまいる所存であります。 その実施に当たりましては、私企業体制のもとに、石炭鉱業の自助努力、政府の指導と助成及び需要業界の協力により、現在程度の生産を安定的に維持することを基調としつつ、需給環境等の好転に伴い、将来における二千万トン程度の生産水準の達成を目指すことを基本的な考え方として、所要の施策の展開を図ってまいる考えであります。その一環といたしまして、今国会におきましては、石炭鉱業合理化臨時措置法等の関連法律の有効期間を五年間延長すること等を内容とする石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を提出いたしております。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ところで、昨年十月、北炭夕張炭鉱におきまして痛ましい事故が発生いたしました。まことに遺憾であります。政府といたしましては、従来から人命尊重を第一として、保安の確保を最優先に考えてまいりましたが、今後の石炭政策の展開に当たりましても、今回の事故原因を究明し、その教訓を十二分に生かして二度とこのような事故が生ずることのないよう万全を期してまいる決意であります。北炭夕張社の再建問題につきましては、現在、更生手続開始の申し立てに伴い、裁判所の判断にゆだねられております。政府といたしましては、同社が遺体の早期収容等事後処理を適切に進め、法の定めるところに従い、再建の道を見出すことを期待しているところであります。 今後の石炭需要の増大に対応し、海外における炭鉱開発から輸送手段の確保、コールセンター等の国内の受け入れ施設の整備に至る一連の海外炭安定供給システムを早急に確立する必要があります。このため、政府といたしましては、新エネルギー総合開発機構による融資等所要の措置を講じてまいる所存であります。また、石炭利用技術の研究開発につきましても、引き続き積極的に推進してまいる考えであります。 鉱害対策及び産炭地域振興対策につきましては、今後とも、その実態に即しつつ各般の施策の推進に努めてまいる所存であります。 鉱害対策につきましては、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申を踏まえ、今後十年間に累積鉱害の最終的解消を図るため、臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案を提出いたしております。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 また、産炭地域振興対策につきましても、昨年、十年間延長の措置が講ぜられた産炭地域振興臨時措置法に基づき、広域的な地域発展を目指して、総合的かつ効率的な対策の実施に努めてまいる方針であります。 政府といたしましては、ただいま申し上げました一連の施策の実施につきまして、昭和五十七年度の石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計、電源開発促進対策特別会計の予算案において所要の財政措置を講じております。 衆議院石炭対策特別委員会の委員各位におかれましては、以上のような政府の方針を御理解の上、今後とも石炭対策に御支援、御努力をいただきますようお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。(拍手)
○枝村委員長 労働大臣初村滝一郎君。
○初村国務大臣 石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭鉱業における当面の労働問題について、一言、所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を得たいと思います。 今後におけるわが国経済の安定的な発展と国民生活の向上を図っていくためには、エネルギーの安定供給を確保することが不可欠の前提条件でありますが、近年、資源・エネルギーをめぐる諸問題が国際的にも厳しさを増しつつある中で、わが国石炭産業の重要性が一層高まってきております。 このため、政府におきましては、昨年八月の石炭鉱業審議会の答申を踏まえて今後の石炭政策を強力に推進していくことといたしております。 また、今後の石炭政策を円滑に推進していくためには、各企業が経営基盤の安定を図るとともに、保安の確保と労働環境や生活環境の整備等により、炭鉱労働者の就業の安全と雇用の安定、福祉の向上を図ることが肝要であると考えております。 このため、労働省といたしましては、じん肺等に関する健康診断の徹底、労災保険制度の適正な運用等を通じて労働者の保護に努めてまいりたいと考えております。 また、労働環境や生活環境の改善につきましては、雇用促進事業団の融資制度を活用しつつ、労働者住宅や福祉施設の整備拡充等について援助を進めるとともに、これらにより石炭産業における労働力の確保対策にも寄与していきたいと考えております。 さらに、離職者対策の基本となる炭鉱離職者臨時措置法を、さらに五年延長するための法案を今国会に提案しているところであり、この法律案の速やかなる御審議、御採択を得て、この法律に基づく各般の援護措置を積極的に活用し、かつ、過去の離職者対策の経験を十分に生かしつつ、今後とも炭鉱離職者の方々の再就職の促進に万全を期してまいる所存であります。 なお、当面問題となっております北炭夕張炭鉱の問題につきましては、関係省庁と密接に連携を図りながら、関連下請企業からの失業者の発生を予防するため、これら企業を雇用調整助成金の支給対象とするよう所要の措置を講じるとともに、すでに発生した関連下請企業からの離職者についてはその再就職の促進に努めつつ、事態の推移を慎重に見守っているところであります。 以上、石炭鉱業における当面の労働問題について所信の一端を申し上げました。 今後とも委員各位の御意見を十分拝聴いたしまして行政の推進に努めてまいりたいと思いますので、格別の御指導、御援助をいただきますようお願い申し上げます。ありがとうございました。 (拍手)
○枝村委員長 次に、昭和五十七年度通商産業省所管及び労働省所管の石炭関係予算の概要について、それぞれ説明を聴取いたします。資源エネルギー庁福川石炭部長。
○福川政府委員 お手元にお配りしてあります資料に基づきまして、昭和五十七年度石炭関係予算について御説明申し上げます。 まず、縦長二枚紙の「昭和五十七年度石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石炭対策関係予算予定額」の資料に即しまして、石炭勘定を中心に御説明申し上げます。 第一は、石炭鉱業合理化安定対策でございます。 今国会に石炭鉱業合理化臨時措置法等の延長を提案しておりますが、これに基づき各般の施策を引き続き推進していくこととし、約四百八十一億円の予算を計上しております。 現存の炭鉱におきましては、今後とも深部化、奥部化が進み、それに伴う入昇坑時間、運搬距離、必要通気量の増大等によるコストアップの吸収に努める必要がございます。そのため、坑内骨格構造整備拡充補助金を百二十四億円に増額いたしますとともに、新区域及び構造改善工事に対する補助率をアップすることといたしております。 加えて、新エネルギー総合開発機構の近代化資金等融資事業規模を百九十八億円に拡大し、合理化設備の導入を促進いたす考えであります。その原資を確保するため、従来の政府出資にかえて、新たに市中借り入れを行うこととし、これに政府保証を行うとともに、同機構に対する利子補給を行うことといたしております。 また、自然条件等の差異に基づく現存炭鉱における損益格差を是正するため、石炭鉱業安定補給金の単価を改定し、急傾斜炭鉱に対して重点的に配分を行うこととしております。 さらに、保安確保対策につきましては、その重要性にかんがみ、鉱山保安確保事業費補助金を八十五億円に増額するとともに、コアボーリング等に対する補助限度額のアップ等を行うこととしております。 第二は、鉱害対策でございます。 鉱害関係二法についてもその延長を提案いたしておりますが、これに基づき鉱害対策を推進していくこととして、昭和五十七年度においては約五百八十億円の予算を計上しております。 すなわち、五十七年度の鉱害復旧事業規模については、これを六百八十四億円とし、鉱害復旧事業資金補助金を五百二億円に増額しております。 また、有資力鉱害の復旧を促進するために、石炭鉱害事業団による鉱害賠償資金等の貸し付け規模を約六十四億円に拡大するとともに、融資比率アップ及び償還期間の延長を行うこととし、このため約十三億円を政府出資することといたしております。 第三に、産炭地域振興対策については、昨年十年間延長されました産炭地域振興臨時措置法の運用を基礎として、五十七年度予算においては約八十六億円を計上しております。 このうち、広域的な地域発展を図るために昨年度創設されました産炭地域振興臨時交付金の特定事業促進調整額を増額し、十二億五千万円を計上しております。 また、地域振興整備公団の土地等造成事業及び融資事業の規模を拡大し、産炭地域における産業基盤の整備及び企業誘致の促進を図ることとしております。 第四に、炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費でございますが、これらにつきましては後ほど労働省から御説明があると存じます。 以上が石炭勘定に計上されている予算でございますが、そのほか国内炭対策として石油及び石油代替エネルギー勘定に約二十億円を計上しております。 まず、内外炭の相対価格の変化などから将来新鉱開発の条件が成熟してくる時期に備え、国内の有望地域について石炭の賦存状況を調査するため、新エネルギー総合開発機構に対し、新たに石炭資源開発基礎調査費補助金を十八億円交付することとしております。 また、石炭生産技術のうち海外炭にも活用し得る汎用性のあるものについては、従来の石炭勘定にかえて五十七年度より当勘定に計上することとしております。 ただいま申し述べました石炭勘定に計上しております約千三百六十三億円、石油及び石油代替エネルギー勘定に国内炭対策として計上しております約二十億円及び新エネルギー総合開発機構の市中借り入れ分約六十八億円を合計いたしますと、昭和五十七年度の石炭対策関係予算は、実質的には四・五%の伸びとなっております。 次に、一枚紙の「昭和五十七年度海外炭・石炭利用促進関係予算予定額」の資料に即しまして、その主要な項目について御説明いたします。 まず、海外炭探鉱開発を促進するための予算を約六十九億円に増額し、コールチェーン関係調査及び産炭国インフラ整備促進調査を新たに行うこととしております。 また、石炭の利用拡大を図るため、セメント等の一般産業における石炭転換及びコールセンターの建設に必要な資金を日本開発銀行が低利で融資する設備転換等促進事業につきまして、五十七年度特別会計により約五十九億円の貸し付けを行い、融資枠として百九十五億円を確保いたしました。 さらに、COM、流動床等短・中期的な石炭利用技術の開発を促進するため約三十六億円を計上するとともに、石炭液化技術の開発及びガス化技術の開発を引き続き推進するため、所要の資金を確保しております。 以上で御説明を終わらせていただきます。
○枝村委員長 労働省加藤失業対策部長。
○加藤(孝)政府委員 お手元にお配りしてございます昭和五十七年度予算案の労働省所管分について御説明申し上げます。 昭和五十七年度労働省所管分の合計額は、一番下の欄にございます百八十七億円でございます。石炭特別会計の厳しい財政事情から、前年度に比べて五億七千万円の減となっております。 次に予算額の主要な内容について御説明申し上げます。 炭鉱離職者の再就職対策関係の経費につきましては、いずれも軒並み減額となっておりますが、これらはいずれも離職者の発生見込み数の減少に伴うものでございます。 また、就労事業関係の経費につきましては、2の「炭鉱離職者緊急就労対策事業費等補助金」が六十四億円で枠は三百五十人の減としておりますが、これに伴いまして、高齢者を中心に四百人の自立、引退を図ることといたしております。 また、下から二行目にございます2の「産炭地域開発就労事業費補助金」は百四億円で、百人の吸収人員減といたしております。 以上、簡単でございますが、労働省関係の予算案の概要でございます。
○枝村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十分散会