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96回国会衆議院1982/04/28

商工委員会 第15号

発言数
195
登壇者
20
会派数
6
開催日
1982/04/28

会議録

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案を議題といたします。  本日は、参考人として商品取引所審議会委員久保田晃君、悪徳商法被害者対策委員会会長堺次夫君及び全国商品取引員協会連合会会長多々良義成君の三名の方々の御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会におきましては、目下、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案について審査を行っておりますが、参考人各位におかれましては、本案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じます。  なお、議事の順序でございますが、最初に御意見をそれぞれ十分程度お述べいただき、次に委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。  それでは、まず久保田参考人にお願いいたします。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 商品取引所審議会委員で日本経済新聞の久保田でございます。  まず、この法律案の必要性についてから述べさせていただきます。  現在、国内の悪質業者と言われる連中が、一般大衆に対しまして、海外商品先物市場に参加するように勧誘をしております。これは詐欺同然の行為でございまして、大衆を食い物にしている、かように評せざるを得ないわけでございます。  現在、国際化時代でございますので、海外商品先物市場に対する一般の関心は高いわけでございます。国内にございません、国内では上場しておりません、いろいろシカゴの取引所の商品であるとか珍しい商品もございますし、海外商品に対する関心は高いわけでございます。ところが、一般大衆が海外商品市場に参加するということは、危険きわまりない行為であるわけでございます。  なぜ危険きわまりないかと申しますと、海外商品取引所の仕組みであるとかあるいはもろもろの約束事というものがよくわからないわけでございます。それから価格形成であるとか価格変動につきましてもよくわかっていない。加えて、為替相場の変動があるわけでございます。先物の価格が変動しているだけではなくて、為替相場も変動しておる。この二重のリスクを冒して、なおかつ利益をおさめるということは、これは玄人ならやれるかもわかりませんが、一般素人にはできない相談でございます。このできない相談に対しまして、悪質業者が勧誘しておるわけでございまして、まさに赤子の手をひねるがごとく被害を与えておると評せざるを得ないわけでございます。海外国際化時代と申しますが、情報不足は疑いを入れないところなのでございまして、一般大衆は情報を与えられないままに取引に参加する、これを強要されているということなのでございますから、危険きわまりないと申しておるわけでございます。  もちろん、わが国でも事業活動をやっております法人であるとかあるいは業者は、これは海外商品市場を積極的に利用しております。しかし、このような業者の人は経験も知識も豊富でございますから、これは結構なことでございます。  したがいまして、この悪質業者を締め出すための対策として、全面的に禁止するという考え方もあり得るわけでございますが、一般の正常な商いをやっておられる業者の方を考えますと、これはなかなか踏み切れない措置であるということなのでございます。とは申しますものの、非常に被害が出ておりますので、ここに緊急的に措置を講じる必要があるというわけで、法律の制定をお願いしているわけでございます。  商品取引所の法律に関しましては、現在商品取引所法というものがあるわけでございますが、この商品取引所法に基づく規制というのは相当厳しいわけでございます。片方で海外取引は野放しになっておるということはバランスを失しているわけでございますから、したがって、国際取引をやる連中についても規制をすることが必要である、かように私どもは考えたわけでございます。  以上がこの法律制定をお願いしている事情でございます。  次に、法案の問題点と申しましょうか、私なりの感想を述べさせていただきます。  この法律は、御案内のとおり、業者の行為を規制する法律でございます。これは海外商品市場における先物取引の受託をやっておるという業務をとらえて、これを規制するということでございます。これに対しまして、業規制と考えておるわけでございますけれども、業務として規制するという考え方もあるわけでございまして、届け出制であるとか登録制の考え方でございます。もちろん届け出制であるとか登録制につきましてはメリットもあるわけでございますが、反面になかなか厄介な問題もあるわけでございます。特に、業者が登録制である、届け出制であるということを乱用いたしますと、彼らに対して、政府の名においてお墨つきを与えるということになるわけでございますから、これはなかなかやりにくいことであるということでございます。あるいは届け出制、登録制をやりますと、これはお役人の数がふえるわけでございます。今日、行政改革の推進ということが大きなスローガンになっておるわけでございますが、その中でお役人の数がふえるというのも問題ではなかろうかということでございまして、したがって、届け出制、登録制に代表されますような業規制は見送ったわけでございます。それにかえまして行為規制として現在の法案の体系をつくり上げた、かような次第でございます。  その次の問題といたしまして、商品取引所法における規制とそれから今回の法案の規制とどのように考えるかということでございます。  商品取引所法における規制、これは非常にシステム化されております。申し上げるまでもなく、これまでたびたび改正をしてきておりますから、かなり完結した形できちんと規制を加えているわけでございます。これに対しまして、今回お願いしております法案の規制というのは、かなり重点的な規制でございます。つまり総括的かつ完結的な形に比べますと、やや形式が異なっているということなのでございます。しかしながら、これは商品取引所法における規制と比べまして必ずしも劣っているとは考えられないわけでございます。特に価格の形成につきまして、十一条と記憶しておりますが、推定規定を設けているわけでございまして、こうした規定をかなり有効に活用いたしますと、相当な力になると私は考えておるわけでございます。しかし、そうは申しますものの、本格的な問題といたしまして、やはりいずれの日かは、近い将来商品取引所法の全面的な見直しが必要なのではなかろうか、かように考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、この法律が仮に公布されるといたしますと、悪質業者の悪質行為に対しましては、相当厳しい規制が行われると判断しておるわけでございますが、片方では、一般大衆に対する啓蒙活動が非常に重要であると考えているわけでございます。これは答申の中でも述べているとおりでございます。特に私どもの新聞社にもいろいろ電話がかかってくるわけでございます。たとえばだまされたから救済してほしいとかあるいは勧誘を受けているけれども、どうしようかといったたぐいの電話でございまして、はなはだたわいのない電話でございます。特に勧誘を受けたからどうしようかなんというのは、全くたわいのない電話なのでございます。しかしながら、こうしたことが行われているということは、いかに一般大衆の方が先物取引のことについて理解していないかということなのでございますから、これについては相当PRをなさる必要があるということでございます。  結論といたしまして、悪質業者は、社会的なムードを利用して悪質行為をいかようにでも行うわけでございます。特に国際取引と申しますのは、ムードに乗りやすい取引なのでございますので、この悪質業者を排除するためにも、この法案はぜひお願いしたいというのが私の結論でございます。     〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕

森清自由民主党

○森(清)委員長代理 次に、堺参考人にお願いいたします。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 悪徳商法被害者対策委員会会長の堺でございます。庶民を食い物にする悪徳商法の摘発、撲滅、被害者の被害回復の指導等の市民活動をやっております。  海外商品取引の被害の訴えが始まりましたのは、私どもには五十五年八月香港商品取引所に金が上場されて以来のことでございまして、現在までに金は百二十三人、七億五千四百万円、その他の商品につきましては六十六人、二億二千七百万円の訴えが来ております。最近、目立っておりますのは砂糖、大豆といった商品でございますが、金もいまだもって後を絶っておりません。特に金の被害につきましては、主婦とお年寄りの被害がふえておりまして、この四月になりまして北海道で二件、三人の自殺事件が発生するなど大変深刻な事態になっております。一般にこういう被害者は欲深だと思われがちでございますが、そんなことはございません。ごく普通の平均的一般人でございます。特に主婦、お年寄りといった方々が言葉巧みに詐欺同然の手口で、このような悪質取引のえじきになっているわけでございまして、この悪質業者を摘発し、撲滅できるといった立法は、われわれ待ち望んでいたものでございます。  しかし、この法案を見ますと、これで果たして悪質業者を摘発、撲滅でき、そしてまた一般消費者を保護できるかどうかということになると、疑問を持たざるを得ないわけであります。  もともと通産省が考えていた対応は、昨年三月に商品等の取引問題研究会の中間報告として発表されておりますが、第一は全面禁止であり、第二が許可制でございます。今回の法案は単なる行為規制法となっておりますが、これは私どもから見ますと、後退したのではないかというように考えられるわけであります。行為規制法といいますと、これは原則的にその存在を認めたことになるわけでございまして、そこに私たちは大変危惧の念を持つわけでございます。     〔森(清)委員長代理退席、委員長着席〕 悪質業者の実態は、海外商品取引所に実際に客の注文を取り次いでいるとは思われないのみ行為でありまして、こののみ行為そのものを詐欺ということで摘発するという考え方に立つならば、それは特に一般大衆を守るという点からすれば、当業者ならいざ知らず、一般大衆の勧誘及び受託を禁止するのは当然であろうかと思うわけであります。むしろ全面禁止が一番望ましいわけであります。  そうしてまた、許可制ということにつきましても、たとえば国内の商品取引業は許可制のもと不当な勧誘が禁止され、そしてまた業界では勧誘行為の細目について自主規制が行われておりながら、なおかつ不法勧誘、過当勧誘で被害が後を絶っていないという実態から考えますと、その許可制さえもならなかったということは、これは被害がますます助長されるのではないかということを危惧せざるを得ないわけであります。そしてまた、海外商品取引を一応形の上では原則的に認めるという形になってしまいますから、これは、現在商品取引所審議会で審議されております問題で、非上場商品に係る先物市場の開設及び先物取引等の勧誘問題、通称商品取引所法第八条問題でございますが、この問題につきましても、通産省は、私設市場の開設は原則禁止に持って返る、つまり立法趣旨に持って返るのが多数意見であったということを言いながら、この法案の体系からしますと、海外が原則自由になれば、国内だって原則自由になってしまうのではないかといったことを考えております。  そしてまた、行為規制法の内容につきましても不十分な点がございまして、たとえば不当勧誘行為の禁止といったことがありますけれども、この中に国内商品取引業界の自主規制の細目といったものが配慮されておりませんし、それからまた不当勧誘行為の禁止が果たして実効が上がるものかどうかといったことを考えるわけであります。業者にとっては、実は罰金刑など全然こわくないわけでありまして、やはり一番効果があるのは業者名の公表であり、そしてまた実際に業者の幹部あるいはセールスマンを含めてそういう人たちが刑務所に送られるといったことにならないと、これは完全に撲滅できないのではないかということを考えます。  ただ、現在緊急事態となっておりますので、現実的対応としまして、先ほど久保田参考人からもお話がありましたが、あくまでも緊急的措置ということであるならば、条件をつけてかろうじて賛成できるといったことが言えるかと思います。その条件につきましては、たとえば今回の行為規制法でございますが、これは五十一年に制定された訪問販売法の体系と同じでございまして、マルチ商法を同じ体系で規制したことがございます。そのときに通産省は、この法律が施行された場合は悪質な取引業者は残存する余地がなくなる、これは悪質業者を実質的に禁止するものであるといったことをはっきりとうたい、そして運用姿勢でそれをカバーして実効を上げた経緯がございます。まず、今回通産省が、この海外商品取引業者に対しまして同じことが言えるのかどうか、これを確認していただきたいものであります。  次に、もしそれで実効が上がらなかった場合、私どもは実効が上がらないと思っているわけでありますが、速やかに全面禁止を含めて新しい法律の手当てができるものかどうか。これはすぐやってもらわなければ困ります。  そしてまた、三番目としまして、商品取引所法第八条問題の手当てを含め、海外、国内を問わず消費者保護の観点から、これは新しい消費者保護法が必要なのではないかということを考える次第であります。  そしてまた、今回の法案には、当初検討されていたと聞いておりますが、クーリングオフ規定というものが考慮されておりません。マルチ商法の規制をする訪販法の中にはクーリングオフ規定がございました。民法上の特例ではございますが、一般消費者保護という観点からつけてもらったものでありますが、今回はそれはなぜ入っていないのでしょうか。実態を見ますと、無断売買あるいは威迫的な言動を用いまして注文と契約を同時にやってしまう、あるいは先に注文をやったぞと言って、後で契約書にサインを求めてくる事例が大半でございますので、少なくとも基本契約と注文売買との間に客がゆっくり熟慮して考える時間というものが必要ではないか、それがクーリングオフ制度にかわるものであろうというように考えます。  いずれにしましても、緊急的段階になっておりますので、立法は欲しい、立法は欲しいけれども、いまのままではちょっと賛成できない、こういった私どもの考えでございます。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 ありがとうございます。  次に、多々良参考人にお願いいたします。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 全国商品取引員協会連合会の会長を務めさせていただいております多々良義成でございます。意見を申し述べさせていただきます。  近年わが国におきまして海外商品取引所に係る先物取引が横行し、その取引に関しまして、多くの紛議が発生しておりますが、これらの取引は、去る昭和五十三年四月一日、外国為替管理並びに金輸出の自由化が実施されて以来、その兆しが見られたのでございます。  その後、翌昭和五十四年十一月に至りまして、香港商品取引所に東京穀物商品取引所の輸入大豆の取引と全く同様の取引方法によります輸入大豆の取引、これはたとえて申しますと、受け渡しの指定倉庫はわが国の京浜地区に所在しております倉庫で、かつ東京穀物商品取引所が指定しております指定倉庫となぜか全く同一の倉庫というふうになっておる、そういったぐあいでございますけれども、東京穀物商品取引所の大豆取引と全く同様な取引が開始されるに及びまして、香港商品取引所関係業者の日本上陸の動きが始まり、私ども国内の正規の商品取引所業界といたしましても、国内の公設市場における価格の形成でありますとかあるいは市場管理対策等への影響並びに商品取引所及び商品取引員の業務運営に対する影響等を憂慮いたしまして、急遽これへの対応に取り組むべく、五十五年二月に私どもの全業界的な組織といたしまして、全国商品取引所連合会及び全国商品取引員協会連合会が合同して商品先物取引国際化対策協議会を発足させたのでございます。  自来、関係当局に対する陳情、折衝を重ね、わが国の先物市場の秩序の維持と国内の既存秩序とのバランス保持並びに、特にこの点を強調したいのでございますけれども、一般委託者の保護という立場から、証券業界における外国市場関係業者についての規制措置に準じまして、免許制もしくは許認可制的な制度の確立を強く要望してまいったのでございます。  しかしながら、当時はいわゆるブラックマーケットに対する対策が焦眉の急でございまして、現実問題として海外商品取引関係業者の日本国内における活動もいまだ少数で、行政当局におかれましても、まずブラック対策、特にその跳梁のはなはだしかった金のブラック対策を優先措置されてこられたのでございます。しかし、昭和五十五年八月、香港商品取引所に金が上場されるや、従来、金の私設市場に関与していたブラック筋と言われる金の私設市場関係業者が、ある種のステータスを求めてか、香港商品取引所の金関係業者として衣がえを始め、さらには翌五十六年のわが国における金の政令指定と同時に、国内における金の取引に見切りをつけて、私設市場筋、いわゆるブラック筋が一斉に香港等海外商品取引所の関係業者として、看板のかけかえを始めたのであります。  この間、昭和五十五年四月のいわゆる商品取引所法第八条の逆転解釈に伴い、その間隙を縫って、海外商品取引所関係を自称する無資格の業者が、わが国における政令指定商品以外の商品で、しかも外国の商品取引所に上場されている物件、たとえば、石油でありますとかコーヒー、銀、プラチナ等々の先物取引の勧誘を始め、今日の混乱を惹起しているのであります。この点につきましては、先ほど久保田さん並びに堺さんからも詳しく御説明がございましたけれども、そういった混乱を惹起しているのでございます。  一方、話は全く異なりますけれども、世界の潮流といたしましては、先物市場に対する設置要請が各国に高まってきておりまして、わが国におきましても、経済環境の変化に伴って幾つかの産業界では先物市場の必要性が認識され、関係商品の上場について検討が進められておる段階でございます。  こういったときに当たりまして、巷間に伝えられているようなあくどい手法による無秩序な海外商品取引所上場商品の取引を混乱のままに野放しにしておくということは、わが国の商品取引所制度にも無用の誤解と偏見を招来するおそれがあるばかりか、国内商品先物市場の機能とその健全なる成長をも阻害し、加えて商品取引所法に基づいて受託業務を実施している私ども商品取引員が、これらの業者と混同視されることも危惧されるのであります。  この点につきましては、先生方も十分御高承のこととは存じますが、現在先物取引を業とする業者には、国内の現行商品取引所法に基づき許可を受けて、法のもとで受託業務を行っておりますところの私ども商品取引員と、それから本日審議の対象となっております海外の商品取引所に関係している業者と、もう一つさらに、商品取引所法第八条の逆転解釈以来何らの拘束もなく勝手に活動している私設市場業者との三種類があるということでございます。どうか、私どもとこれらの海外関係業者ないしは私設市場業者とを混同して同一視なさらないよう峻別していただきたい、この機会をかりてお願い申し上げる次第でございます。こういった海外関係業者ないしは私設市場業者によって一番迷惑をこうむっておりますのは一般委託者でございますが、それと同様に、一番迷惑をこうむっておるのは、私ども正規の商品取引員なのでございます。  私どもは、今回の海外商品市場に係る先物取引の国内における勧誘、受託につきまして、一日も早く法的規制が行われ、一般委託者が保護されることを強く望むものでございますが、さらに加えまして、今後、国内、国外、公設、私設のいかんを問わず、本邦内における商品先物取引全般について準拠すべき基本法規、先物取引法といったような基本法規を整備していただくことが必要と考えられますので、今回の海外規制法に引き続き、現行の商品取引所法そのものを抜本的に見直ししていただきまして、万全なる法的整備をこの際ぜひともお願いしたいのでございます。  どうもありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 ありがとうございます。  以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これより参考人に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。泰道三八君。

泰道三八自由民主党

○泰道委員 堺参考人にちょっとお伺いしたいのですが、大分被害が続出しているということなんですが、そういった被害に遭った人たちの後の処理、具体的にはどんな処理がなされているのか、ちょっと具体例を挙げてお聞かせいただきたいのです。たとえば裁判にかける例、あるいは示談にする例、いろいろあると思うのですが。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 私どもの方に被害の訴えが参った方々につきましては、まず被害の実態を詳しく事情聴取いたしまして、それに伴い弁護士をつけまして示談交渉に入る、らちが明かないものは訴訟に持っていく、そして刑事事件として告訴、告発もやるといった状態でございます。  ちなみに、私ども現在進めております全国での民事訴訟の数でございますが、金のブラックマーケット時代から海外商品取引まで全部含めまして、全国十三地方裁判所で原告百四十名、十四億円の訴訟を提起しております。刑事告訴によりまして、実際に詐欺罪として摘発された事例もございます。

泰道三八自由民主党

○泰道委員 何か裁判までは持っていかないで、いわゆる積んだ証拠金の二〇%ぐらいを戻してやるから、それで手を打ちましょう、こういうケースはたくさんあるのですか。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 どの時点をもって被害かということでございますが、私どもの見るところ、もうお金を出した時点が被害です。取られてしまいますとほとんど返ってこないといった状態でして、計算上返ってくるべきお金、つまり清算金でございますが、これさえもなかなか返してこない。もう本当にやらずぶったくりでございまして、とうてい許すことができない存在でございます。

泰道三八自由民主党

○泰道委員 皆さんのお話で大体言い尽くされておるのですが、久保田参考人にちょっとお尋ねをいたします。  いままでの経緯で若干やむを得ない面もあるんだが、というようなニュアンスがあったのですが、ずばり、この法律で委託者保護ができるかどうか、どのようにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 この法律は幾つかの強力な規定を持っておるわけでございます。一つがこの十一条の規定でございまして、これは取引をした場合に、業者の方で明確な答えを出さない限り顧客にとって有利な価格で取引が行われたと推定するという規定でございまして、これに基づいて私法上の訴えができる仕組みを盛り込んでいるわけでございまして、私、こうしたものを顧客の方でうまく活用なさいますと、かなり前進した救済ができるのではないかと期待しているわけでございます。  ほかにもいろいろあるわけでございますが、一番大事なのは、幾つかの規定をうまく組み合わせれば、かなり強力な救済ができるということに尽きようかと思うわけでございます。

泰道三八自由民主党

○泰道委員 同じ質問なんですが、多々良参考人にお願いします。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 十一条につきましてのみなし規定につきましては、いま久保田参考人から御意見の開陳がございましたので差し控えますが、私はことに六条について評価をいたしております。これは現在の理論的なことはともかくといたしまして、実態論としましてほとんどがのみ行為でございますので、これを押さえるのが最も委託者保護の近道だろうと思われます。この六条というのは、商いが成立した後の報告書等の発送のやり方、これは通産省令で定めることになっておりますけれども、その内容によって、運用の仕方によってはきわめて有効なのみ行為の阻止ができますので、委託者保護につながるのではないか、実態的にはそのように考えております。

泰道三八自由民主党

○泰道委員 ほとんどお聞かせいただきましたので、これ以上余り質問することもないのですが、それぞれの参考人の方にもう一度、確認の意味で、今後行政当局に特に強く要望すること、これを一言ずつお聞かせいただければありがたいと思いますが、まず久保田参考人からお願いいたします。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 これはいろいろ条件があるわけでございます。たとえば行政面でもう少しスタッフが充実できるならばという仮定のもとでやりますと、もう少し強力な行政もできようかと思うわけでございますが、現在の行革のもとでは、それはなかなかむずかしいということでございますね。しかし、そうしたもとで、もう少し積極的に行政を展開するにはどのような条件が考えられるかということでございますが、これはやはり行政当局、つまり通産省であるとか農林水産省だけでは不十分でございますので、警察庁あるいは各都道府県県警本部、こういった点をうまく組み合わせまして、有効におやりになる必要があると私は考えております。     〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 まず私どもは、現法案では賛成できないのでございますが、これにまずクーリングオフ規定を設けていただく、その上で積極的な消費者啓発をやっていただく。そして基本姿勢として、この法律が施行されたら悪質業者が残存する余地はなくなるといったような姿勢から業者の公表をやっていただきたく思います。  それから、そのためには声が集まってくるような体制にしなければいけませんから、通産省の担当課内に、それこそ海外商品取引一一〇番といったものの設置が必要ではないかとも思いますし、いろいろ施策もありますが、いまでも実は悪徳業者は書面を交付しておるわけです。ところが、その書面の交付の仕方とその内容に問題がございまして、主婦、お年寄りが読んでよくわかる内容でなければなりません。それから、それを読ませる時間を与えなければいけません。理解する時間を与えなければいけません。それから、その書面の中に、先物取引というものは一般大衆にとってはギャンブル、ばくちの場に参加することであり、危険を伴うものであるという危険開示の項を入れていただきたい、そのように考えます。  個々ございますが、大まかなところはそういうところでございます。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 現在商品取引所法で律されておりますのは、国内で法律によって認められている十九の取引所にかかることだけでございます。したがいまして、私設市場でありますとか、今回問題になっております海外取引の業者であるとかは、この法律には一切無縁ということになっております。そのために、ちょっと表現がおかしいかもわかりませんけれども、ちょうどモグラたたきみたいな状況になっておりまして、国際的な海外屋だと称する人々が悪いことをする。だから、この法律をつくってたたきますとブラックに出てくる。ブラックをたたきますと、たとえば金のブラックで言えば、金をたたきますと、銀に出るとかプラチナに出るとかいうような感じでございますので、商品取引所法そのものを、先ほど久保田参考人もおっしゃっておられましたけれども、抜本的に改正していただきまして、先物取引にかかる全般がこれで規制できるような、処理できるような法体系に一日も早く進んでいただければ、こういうふうに個別な手当てでなしに包括的な対応ができるようになるのではないか、そのように私個人は考えております。

泰道三八自由民主党

○泰道委員 ありがとうございました。終わります。

森清自由民主党

○森(清)委員長代理 上坂昇君。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 きょうは参考人の皆さん御苦労さまです。いろいろ貴重な御意見を伺いましてありがとうございます。少し御意見を承りたいと思います。  先に久保田参考人にお伺いいたしますが、いろいろ審議会等でも登録制や許可制あるいは届け出制というものについて検討をされたようでありますが、それよりも行為規制をする方がいいだろうというような結論になって、緊急的にこの法律の上程というものを希望した、こういうお話だったと思いますが、今度のいわゆる法規制の対象になっているものは、香港の市場が主体になると思うのです。しかも、上場品目は日本の取引所にある上場品目と同じ商品である。したがって、同じ品物について二つの取り締まり規制、片方では行為規制で片方は流通経済法でありますけれども、現在の取引所法に厳しい規制の方法があるわけでございますから、両方で同じ品物について取り扱うわけであります。  そこで、同じ品物であるならば、それを望むのは、当然一般大衆というのは取引というものについて知らないのでありますから、せめて日本の取引所を通じて委託をすべきである、何にも海外に出ていく必要はない、海外に出ていくということ自体が勧誘というものがあって初めて行くのである、こういうように考えるわけであります。したがって、これは全面的に禁止をして何ら差し支えないものではないか、こういうように一つは考えております。  それからもう一つは、海外市場の香港市場の場合、会員、準会員というものがございまして、日本の取引所の会員そして取引員、そういうものに該当するのではないかと私は思います。したがって、その数は無制限ではありません。必ず数は限られております。しかも、その限られている中に外国の商社として日本の商社が入っていれば、それもつかめないことはないと思うのです。そうすれば、届け出制なり登録制をしても何ら差し支えのないものであると私は考えるわけであります。そういうように持っていくことの方が業態を把握できるのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 まず最初の全面禁止の是非論でございますが、確かに全面禁止という考え方はございます。ところが、お話しの中で御指摘のありましたように、同じものが二つ以上ある。つまり国内で調達できる分と海外でわざわざ調達する分、同じ金なら金で二つある。これはまさにおっしゃるとおりであります。ところが、海外取引を扱っている業者というのは、委託者の注文を本当に海外市場につないでいるのでありましょうかという深い疑問があるわけであります。つまり彼らは詐欺同然の行為をやっているわけでありまして、本当に海外取引所から品物をつないでいるならまだましなのでございますが、それすら行っていない。でありますから、国内で調達できる金をわざわざ海外に行って買うことはない、それは確かにそのとおりなんでございますが、それを実はやっていないところに問題があるということなんでございます。  それならば、全面禁止をやったって実害ないではないかということになるわけでございます。確かに全面禁止ということも考えないわけではなかったわけでございますが、実は当業者と呼ばれる業者、つまり実際に生産を行い実際に販売を行う、要するに業務として行っている、実務をやっている連中でございますが、それは海外商品先物取引所を積極的に利用しておる。たとえば住友金属鉱山、これはロンドンのLMEを利用しておりますし、食品業取引業者でありますと、シカゴの取引所を積極的に利用しておられる。全面禁止と申しましたのは、もちろん素人衆の全面禁止なんでございますけれども、玄人衆の行っている業務に便乗した場合、どのように規制できるかということになりますと、抜け穴は幾らでもあると申し上げざるを得ないわけでございます。したがって、全面禁止は見送りまして、いまのような形になったということでございます。これは最初の御質問に対する答えでございます。  それから、二番目の問題でございますが、この業態把握のために登録させるというのも一つの考え方でございますが、これをやりますと、確かに情報が入ってまいります。行政としては、やりやすい面も考えられないわけではないわけでございますが、これをやりますと、お墨つきを与えるという危険があるわけでございまして、通産省、農林水産省公認の業者であるということになるわけでございます。そうなりますと、今度商品取引所法の上で規制を受けている業者とのバランスをかなり失するという危険性もあるわけでございますので、これは行為規制でやりましょう、こういうことになったわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 もう一点お伺いしますが、お墨つきを出しても、たとえばその業者が正常な営業行為をしているならば、当然お墨つきをやるべきなんで、一向差し支えないと思うのです。したがって、お墨つきをやるというようなことに名をかりて野放しにするということは、ますます業態が把握できなくなるし、ブラックを跳梁させるものになってしまうのじゃないかというように思うのですね。実際はちゃんと登録、届け出をさせておいて、その中でりっぱな営業をやっているものはりっぱに通産省がもう認めているんですよということで、営業をやって外国の市場とつなげばいいんです。つながないものは直ちにこれを把握することができるということになります。いまのような状態の法律の中では、当然これができないのではないか、こういうように思っているわけですね。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 これは参考人としての陳述の中でも御説明したわけでございますが、もう一つあったわけでございまして、それは届け出制、登録制をやりますと、お役人の数が非常にふえるわけでございます。いまのような行政改革が叫ばれている中で、お役人の数がふえるような提案はやりかねたということ、それも一つの理由でございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 堺さんと多々良さんにお伺いしますが、この法律はいわゆる行為を規制すべき業者がなかなか把握できないのですね。問題が発生をして、いわゆる事件が起こってからでないとだめなんです。ところが、マルチ商法等においては多くの人たちを対象にして勧誘をしたりなんかするものですから、証明する人がたくさんいるわけです。ところが、商品取引においては一対一なんです。したがって、だれも証明してくれる者がいないのです。書面しかないのです。その書面が実際はどうなるかというとなかなかむずかしいのです。この法案には、書類を交付する、いわゆる書面を交付する、しかし書面なりそれを証明する帳簿なり何なりを備えつけの義務もなければ保管の義務も課されていないのです。それでは一体どこで不当商法というものを指摘ができるのかということを私は非常に疑問に思うわけであります。なかなかできないだろう。それから帳簿も何もなければ、立入検査をやっても実態がつかめない、したがって業務停止命令もできなくなる、したがって十一条の推定規定があるからお金は取れるだろうと思っても、結局は前段のところで取れないような結果になってしまうというのが私のこの法律に対する感想なんですが、この辺についてはどんなふうにお考えになっているかということが第一点です。  もう一つは、もしいまのような状態で実効が上がらないとなると困りますから、法律をつくる以上は実効を上げるようにしていかなければなりません。不安がたくさんあります。したがって、その不安を解消して、実効を上げるようにするには、この法律を補うものとして具体的にどういう措置が必要であるかということについて、それぞれお二人から御意見をいただきたいと思います。     〔森(清)委員長代理退席、委員長着席〕

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 上坂先生の御指摘は、私どもがこの法案が不備だと申し上げているところと全く同一でございます。たとえば不当な行為の禁止がございますが、立入調査を行われますときに、帳簿の保管義務がございませんので、果たしてチェックできるかなと思いますし、行政処分をかけようとするときに、たとえばAという看板でやっていた、しかしその後行政処分をやろうと思ったらBという看板に変えてしまった場合、これはなすすべがございません。唯一の刑事罰導入がなされている重要事項の告知義務の書類の交付でございますが、これについても大変言葉巧みな外務員です。とにかく書面等を読ませない、あるいはまたこれまで縁がなかった人々を対象に勧誘をしておりますものですから、本当に効果が上がるのかという点についてはちょっと疑問があるわけであります。  それでは一体、それにかわるものとしてどうすればいいのかということになりますと、あくまでもこれは緊急的措置という大前提の上でならばという条件がつきますけれども、その上で法案が法律として通ってしまうのであれば、行政当局、通産省もさることながら、警察当局の方も問題になってくると思いますが、その姿勢にかかってくると思います。とにかく行政運用面で法律の不備をカバーするようでなければならないと思います。  そして、実効が上がらぬ場合は、先ほど先生御指摘になりましたように、少なくとも一般投資家が海外の取引所の実態をうかがい知ることはできないわけですから、これはもう即座に一般投資家の勧誘及び受託を禁止するといったことも踏まえて、新しい立法の手当てをやってもらわなければいかぬ、このように考えます。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 登録制についてないしは許可制について私の考え方を申し上げますと、香港商品取引所の例は、わが国の商品取引所のやり方とちょっと違いまして、正会員は取引所の許可を得て会員になるわけですけれども、準会員ないしは取次業、代理店といったようなたぐいのものは、恣意に取引員との間で契約が結ばれて幾らでもつくれるというシステムになっております。したがいまして、登録制を仮に採用いたしましても、これは順次だれでもつくれるわけでございますから際限がない。また、そこで問題が起こったら、他の看板にかけかえればいいということになりますので、登録制の実効がなくて、むしろ先ほど久保田参考人が御指摘になりましたように、通産省ないしは農水省のお墨つきをもらったのだ、たからいいのだというようなきわめて悪質な勧誘の原因になりかねないことだと思います。  それから次に、書類等を完備しておくのがいいのではないかという御指摘で、私どもも同様に考えますが、第六条ないしはほかにもそういうのがございますけれども、「通商産業省令で定める事項」というような規定がございます。要するに、省令によって相当カバーできるようなものがございますので、こういったものを整備されることによってある程度カバーができるのではないか、このように思うわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いま多々良参考人から本当に参考になるいい話を承りました。ありがとうございました。  私は、この法律全体を眺めてみて、やはりどうしてもトラブルが起きてから後の対策になってしまう、したがって、そういうものは未然に取り締まれるような状態になっていかなくちゃならない。そういう意味で参考人の皆さんそれぞれ、抜本的な改正を必要とする、いわゆる国内業者であろうと海外業者であろうと、整合性をもってすべてに適用され、あるいはまた一般消費者を保護することのできるものを含めて商品取引における抜本的な立法というものが必要だ、こういうふうにおっしゃっておられると思います。これは現在の金を初めとするいろいろなトラブルあるいは海外の商品等につながっているいろいろな問題、そういう問題から見て、私は緊急に、もちろん現在討議されているこの法律も緊急ではありますけれども、そういう緊急な措置という意味ではなくて、抜本的な改正が一日も早く立法されることが必要である。これについてすぐに取りかかるべきではないか、こういうふうに思うのですが、久保田参考人から順次お答えをいただければありがたいと思います。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 それは御指摘のとおりでございまして、現在の第八条の解釈が宙ぶらりんになっておる。逆転解釈をして、その後また大津地裁彦根支部の判決など出ておりまして、そういう意味で宙ぶらりんと申し上げているわけでございますが、そういう状態を一日も早く解消するためにも、抜本的改正は必要である、これは御指摘のとおりでございます。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 私どももあくまでも消費者保護の観点から、現在国内商品取引業者の間で取り交わされております自主規定、新規委託者保護管理規則であるとか、事細かな勧誘行為の規制等がございますが、これを明文化し、危険開示書類の交付等を明文化したものが必要であろうと思います。  そして八条問題につきましては、私どもはあくまでも、この立法趣旨は、従来の政府の解釈は正しいと考えておりますし、現在もその立場で全国の民事訴訟で訴訟を進めております。現に久保田参考人からお話がありましたように、昨年十月には大津地裁彦根支部で、従来の政府解釈の方が妥当であるという判断が下されておりますので、なぜ解釈をそのまま持ってこれないのか疑問に思います。そして今国会の場で八条問題も無論これは手当てがされるべきだったと考えます。プラチナ・ブラックマーケット、解釈的にはホワイトになっているわけですが、この被害による訴えもいま相次いでおります。とにかく事は緊急を要します。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 何度も同じことの繰り返しを言うような感じで恐縮でございますけれども、現在の商品取引所法そのものが取引所の設置法というたてまえになっております。したがいまして、これに対しまして海外であるとかブラックだとかいうことは、これの対象外ということでございます。したがいまして、抜本的にはこの法律そのものですべてが包括的に対応できるような見直しないしは改正が必要ではないかというふうに個人的に思っております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 どうも皆さんありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 北側義一君。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 参考人の皆さんには、非常に貴重な御意見をいただきまして心から感謝いたしております。  まず最初に、久保田参考人にお尋ねしたいのですが、先ほどおっしゃっておられますとおり、海外商品の先物取引につきましては、全く言われるとおり危険きわまりない、そういう状況でございまして、むしろ全面禁止にしたい。しかし、正常な取引をやっておられる方があるのでそういうわけにもいかない、こういうお話であるわけでありますが、そういうところから先般、海外商品取引に関する商品取引所審議会の答申が出てきたわけであろう、こう思うわけです。その中で「緊急の課題となっている」ため「現時点において、とりあえず、」云々、こう書いてあるわけですね。「とりあえず」ということはとりあえずやっていこうということであろう、私はこのように理解をいたしておるわけです。  そこで、今後商品取引所法第八条の逆転解釈に伴う非上場商品の法的措置とあわせて総合的な対策が必要だと私は思うわけです。あなたも、そのような商品取引の全面見直しが必要であろう、このようにおっしゃっておられるわけですが、今日まで久保田参考人がこの問題についていろいろ御苦労なさったということはよく承知いたしておりますが、この点についてどのようにお考えになっておられるのか、率直に御意見を伺いたいと思うのです。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 確かに御指摘のとおりなんでございまして、非上場商品の規制問題は残っているわけでございます。ただし、この問題は、昨年の五月と記憶しておりますが、通産大臣から金の上場問題、それから農林水産相と通産相の両相から海外取引と非上場、この二つのテーマを審議せよということを諮問いただいているわけでございます。これまでに金の問題が片づきまして、今日皆様方の御審議を仰いでいるわけでございますが、残されておりますのは、海外取引と非上場問題、これをまず片づけねばならない、こういうことなんでございます。  しかしながら、この問題を片づける場合にどうしてもこの八条問題に触れざるを得ないだろうと私は見ております。しかし、これは今後の私どもの審議がどのように進むかということは、まだ私どもはしかとお答えいたしかねますが、この非上場問題を考える場合には、どうしても八条に触れざるを得ない。したがって、御指摘のように、あるいはそれが導火線となって全面見直しをやらなくちゃいかぬのかなという事態も考えられないわけではございません。かような状態でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 では、時間がないので、次に堺さんにお尋ねしたいのですが、堺さんが今日まで被害者の方々の相談相手になられて、非常に御苦労なさっておられることについてはよく承知いたしておるわけであります。私、具体的に被害者が出てこられて、その対応策は非常にむずかしいのではないか、こう思うわけですが、どのような対応をなさっておられるのか、まず、それをお伺いしたいと思うのです。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 まず、被害者が訴えてくるのはほんの氷山の一角であるということです。現実に金・ブラックマーケット時代に愛知県警が摘発した一業者の被害訴えが私どもに三十人ございました。ところが警察の調べで、その後その会社と取引をしていた人は千五百名いたことがわかりました。四十倍も背後にあったわけです。ですから、これは私どもの方に訴えてくる人は、ある意味でまだ精神的に救われる、あるいは経済的にも救われることができる数少ない人々でございます。ただしかし、当方へ訴えていただいたからといっても、すぐさま被害回復につながるわけではございません。とにかく相手は詐欺師でございまして、一たびお金を取ったら返さないというのが大前提でやっている連中でございます。ですから、私どもとしましても苦慮しておるわけでございますが、一応民事的には、弁護士を立てまして示談交渉に入ったり、民事訴訟の展開に持っていったり、それからまた被害の声を集めて、とにかくこの後被害が出ないようにということで、各マスコミにも御協力を願ってキャンペーンを打っている状況でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 実は、いま氷山の一角であると、私もそう思うわけです。  そこで、私は非常に心配なのは、たとえばこの法律案が成立しましても、附則で御承知のとおり六カ月以内に施行になるわけですね。その間の駆け込みとか、いまの間にやってしまえというようなことがうんと出てくるんじゃないか、そういう心配をしておるわけです。それに対するいわゆる啓蒙、そうさせないための啓蒙とか、被害者のいろいろなめんどうを見られてやっておられるあなたの立場から、こうやった方が一番被害が少なくなるんじゃないかというような啓蒙の方法とか何かあったらお考えを述べていただきたいと思うのです。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 とにかく政府広報という小さな啓発の記事がありますけれども、問題は、政府広報を見るような人あるいは政府提供の番組を見るような人は被害に遭わない。それに余り縁がないような人々が被害に遭っているといった状態でございますので、きめ細かなPR、被害が集中している地域へのPR、それからあるいは被害が集中している被害者層に対するPRといったものを考えていっていただかなければいけないと思います。単にお金だけばらまいて政府広報を打っても、それこそ広告代理店が喜ぶばかりでございまして、これといった一番的確なPRというのは、これは私どもがキャンペーンを何回も社会面記事で打っていただいても限界があると考えておりますので、なかなかむずかしかろうとは思いますけれども、何回も何回も打つ、とにかく回数だろうと思います。  それから、NHKのテレビ番組の中で、政府提供番組で身体障害者年だとか、そういうような番組があります。ああいうようなもの、新聞よりも雑誌よりも、映像の方が効果があることもございます。いまちょっと考えてみたところはそういうところでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 では、最後に多々良参考人にお尋ねしたいのですが、現在審議をしている新法によって規制の対象となります海外商品市場、これを舞台にした悪質業者についても先ほどからるる述べられておるわけでありますが、私の聞くところによりますと、国内の商品取引員と海外の悪質商品取引業者との間に資金的、人的なつながりがある、こういう声を聞いておるわけです。この実態をもし御承知だったらお教えいただきたいのです。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 残念ながら余り詳しくはございませんけれども、資金的にも人的にももちろんつながりのある会社もございます。しかしながら、私どもの知り得ております直接にかかわり合いのあるそういった会社におきましては、まじめにやっておられるというふうに承知いたしております。それよりもむしろ、そういった直接のかかわりのない、私どもの業界からドロップアウトしたような人たちによって構成されております方々の中で、たとえば準会員でありますとかあるいは代理店でありますとか、そういった中で被害が続出しておるというふうに聞いております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 実は、この商品取引所法が昭和五十年に改正されたわけです。そこで、当時の審議を振り返ってみますと、その際、改正点は、商品取引所制度における弊害を防止し、健全な運営を確保するために、主なものとして三つ挙げられておるわけです。それは、商品取引員の受託業務の許可を四年ごとに再更新する、二つ目は、委託者債権の保全措置を強化する、三つ目は、商品市場における売買取引についての監督を強化する、このようになっておるわけです。また、附帯決議を見てみますと「許可の更新に当たっては、営業姿勢等について厳格に審査し、委託者の保護に万全を期すること。」という一項目が改めてつけられておるわけです。しかし、先ほどどなたか、たしか堺さんだと思うのですが、言っておられたように、私ちょっと数字を資料で見ますと、この改正後、やはり相当事件が起きておるわけです。それについて、健全な経営をやっていただくために、どのようにこういう紛議事件を少なくしていくか、もしお考えがあったらお聞かせいただきたいと思うのです。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 先生御指摘のとおり、四年ごとの許可更新ということで、紛議の件数等は、私どもの国内業者におきましては著しく激減しているというふうに考えております。  この際、ちょっと申し上げさせていただきますれば、せんだって日弁連の方から金取引所の上場はまだ早いという御提案がなされました折に、その附属資料についておりました紛議の実態数が相当数ございました。それなども克明に見せていただいたわけでございますが、実は国内の業者の関与している紛議は一件もございませんで、全部がブラックさんであるとかあるいは海外屋さんであるといったような状況にございました。ちょっと先ほど私が申し上げましたように、そういった方々の紛議が、実は関係のない私どもと同一視されまして、非常に困惑しておる状況でございまして、私ども本体の方から申しますれば、先生の御指摘のような四年ごとの許可更新であるとか、あるいは両省、監督官庁のきめ細かな行政指導等によりまして、紛議は激減しておる状況にございます。どうぞその点、よろしく御理解をお願いしたいと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 時間が参りましたので、終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 宮田早苗君。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 まず、多々良参考人にお聞きをいたします。  非常にむずかしい、答えにくい質問かもしれませんが、悪質な業者、たとえば香港を中心にいたしました取引所の会員、準会員等々、わかってはおりますものの、これ以外のこの種の商売をして歩く人々、国内でいろいろ業者がおると思うのですよ。大体どのくらいおるものと推定ができるか、おたくの方でわかっておりますならばおっしゃっていただきたいと思います。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 正確な数はつかみかねますけれども、海外関係、香港関係の正会員とか準会員とかその他代理店、そういったものが約百四十社くらい、それから国内のブラック業者と称されますのが百七十社くらいというふうに推定されております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 次に、堺参考人にお聞きをいたしますが、御説明によりますと、ただいま十三の地方裁判所で係争中ということでございますが、係争中以前のこの種の問題で解決した事例があるかどうか。ありますれば、その経過をちょっと説明していただきたいと思います。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 私どもの集団訴訟は全国で行っておるわけでございますが、すでに判決が出たところも多々ございます。ところが、判決が出たところは、相手の業者がもう逃げてしまっているといったところが多くて、実際の被害回復につながっていないことが多いのです。何とか訴訟を起こして、裁判所の職権あっせん、職権和解で成立をした事例ということになりますと、これは全額はとうてい無理でして、せいぜい返ってきて半分、お金を出した被害金額の半分といったものが多うございます。  それから、訴訟の前に示談で話がつくこともありますが、これも業者側が大変ガードがかたくて、そして被害者の足元を見まして、おまえたち、訴訟を起こしても、おれたちはどうせ逃げていくから、低い金額で応じよと言っておどかしてくることもよくあります。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 お三方にお聞きをするわけでございますが、何しろ先物取引なんというのは一般的には余り関心はないと思う。わからぬわけでございまして、問題は、この法律をつくりましても、知らないということになりますと、また同じようなことの繰り返しということになるわけでございます。問題は、いかに利用しようとなさる方々にこの点を知らしめるか、あるいはまたその他一般の識者の方々にも、この法律自体をどう宣伝、啓蒙していくか。言うならばPRの問題ですね。幸いなことに久保田参考人、新聞の方でございますので非常に詳しいとは思いますけれども、このPRの仕方について久保田参考人初めお三方、それぞれお考えがございましたら、ひとつおっしゃっていただきたい、こう思います。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 被害に遭われた方の像、姿から推定いたしますと、たとえば小金を持っている方、この方たちには、たとえば商工会議所あるいは商工会などを利用して啓蒙活動をやるというのも一つ考えられようかと思うわけでございます。でありますから、たとえば中小商工業者の小金を持っている方にはそういうルートがございます。  それから、あるいは教員で被害に遭われる方が多いわけでございます。大津地裁彦根支部の場合は、たしか教員の方であったと記憶しております。二人の息子さん方に金塊を一つずつ上げたいというのがその動機であったと言われております。それがたまたまブローカーにつけ込まれた。一つしか買えないのだけれども二つやりたいのだ。そうしますと、無理をしてどうしても一つつくらなければいけない。それは先物取引のこういうものがよろしいなんというような口車にうまく乗せられまして、結局身ぐるみはがれたということになっておるわけでございますが、こういう教員の方には、これは文部省を通してきちんとした、あなた方、退職なさる場合には注意なさいということを申し上げないと、全く教員の方というのは聖職でございますから、何と申しましょうか、非常に純粋な方でございます。要するに、世間の荒波にさらされていない。でありますから、こういう悪徳セールスマンにかかりますと、いとも簡単にころりとまいるわけでございますから、私、文部省なりあるいは地方の自治体などを通じまして、きちんと、退職されるあるいは退職が近づいた教員の方に対しては、注意なさいということを積極的にPRなさる必要があるという感じがいたします。  ほんの思いつきでございますが、それから女性の方がわりとやられているわけでございますから、たとえば町内会の組織がどの程度利用できるか存じませんけれども、ああいった組織をうまく利用なさるのも一つの手だと思います。つまり被害に遭われた像に応じて、それぞれ具体的にルートをきちんと確立されて、かなりシステム的にPRなさいますと、相当効果が出るのではなかろうかと私は考えておるわけでございます。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 久保田さんからお話がございました点と私も同様でございますが、東京消防庁が欠陥ホテルを公表いたしました。あのような形で、とにかく悪徳業者にとって一番こわいのは自分たちの名前が公表されることでございますので、業者名の公表、これが何とかできないかということを一番に考えます。  それから、摘発にまさる啓蒙なしでございまして、現在行われている悪質取引、これはだれが見ても詐欺横領罪に該当するものだと思いますので、それがなぜ警察当局によって摘発されないのか、疑問でございます。警察当局に動いていただくこと、これが一番でございます。  そしてまた、私どもがキャンペーン記事を打ちますと、悪徳業者はそれより頭が一段進んでおりまして、わざわざ新聞記事を持ってまいりまして、こういう悪がいるのでわれわれは迷惑しているのですよと言ってPRするといった事例がございますので、とにかくきめ細かい、繰り返し繰り返しのキャンペーンということになろうかと思います。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 私は、業者の立場から申し上げますと、この法律がいっときも早く制定されることが一番のPRだと思います。と申しますのは、これによりまして、現在百四十社強と推定されております海外業者がまず一番困るはずです。したがいまして、業者が、こういう法律ができた以上、こういった商売をもはや継続できないというような気持ちになるはずでございますので、いっときも早い制定をお願いしたいと思います。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 ありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 小林政子君。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 皆さん、きょうは本当に御苦労さまでございます。  私は、最初に、久保田参考人にお伺いをいたしたいと思います。  四月十三日の商取審の答申を見てみますと、「今後、商品先物取引の国際化が進展をした場合には、海外商品市場における先物取引の受託等の事業活動を流通経済の観点から位置づけた体系を検討することが望ましい。」という意味のことが書かれておりますが、これは具体的にどのようなことを期待されて書かれたものなのでございましょうか。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 御案内のとおり、現在、国際化時代ということで、海外との交流がかなり活発でございます。それからいま一つは、貿易摩擦の問題が非常に大きな問題になっているわけでございまして、海外との修好を重ねることが非常に大事な問題である、かような認識に立って、しからば、この外国との国際取引をどのように理解するかということになるわけでございます。  この場合、これはまじめな業者でございます。先ほどちょっと申し上げたのでございますが、非鉄金属の会社であるとか食料を扱う会社が、現在、シカゴの取引所なりLME、ロンドン金属取引所などを利用して現実にどんどん商売をやっていらっしゃる。これはそれ自体、歓迎というのは変ですけれども、肯定されてもいいことだと思います。ところが、これに紛れ込んで悪質行為が行われているということが非常に問題でございまして、これの規制が大事な問題になるということでございますが、これをどのように調整をとるかということがポイントでございます。  それで、いま読み上げられました文言でございますが、今後、国際的な流通経済が正常化して、あるいはもっと活発になろうかと思います。そういう中で、悪質業者を紛れ込まさないで、なおかつ正常な商い、たとえば素人の方でもできるような商いがその中にビルトインされた場合は非常に結構なことではなかろうか、大体こういう趣旨なのでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 再度お尋ねをいたしたいと思いますけれども、その場合には、たとえば八条の逆転解釈の問題をも含めてということになるのでございましょうか。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 そのとおりでございまして、八条を含めまして商取法の全面見直しをやらないと、いま申し上げたようなことはできないと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 堺参考人にお伺いをいたします。  被害を根絶する上で今回の法案は果たして実効性があるのかどうなのか。私はこの点期待ができないと思っているのです。しかし、被害者の会として、従来から多くの大衆の方々と一緒になって受託の禁止を要求されてこられて、被害者の実態を一番よくつかんでいらっしゃるその立場から、一般大衆の勧誘や受託の禁止ということがやられなければ本当に実効のある法律にはならないのではないか、私はこのように考えておりますけれども、御見解をお伺いいたしたいと思います。

堺次夫悪徳商法被害者対策委員会会長

○堺参考人 冒頭に私が申し上げましたように、先生御指摘のとおりでございまして、実効が果たして上がるかどうか、われわれサイドから見ますと、やはり上がらないのではないかというように考えます。むしろ、行為規制法にすることによって、法律的にはその存在を原則的に認めたことになってしまいますので、悪のことですから、登録制と同じように、通産省のお墨つきをもらったという形で当然PRをするに決まっております。むしろ助長をすることになりかねません。  それから、われわれから見ますと、とにかく当業者ならばいざ知らず、一般の投資家にとって海外の先物取引に参加するというニーズがあるのかどうか、私はないと考えます。ですから、全面禁止といっても、われわれが求めているのは、一般投資家の勧誘、受託の禁止であって、これはできないというのがおかしいのではないかと考えるのです。特に政府当局からは、内閣法制局と詰めだ結果、できない、できないということをよく聞かされるわけですが、たとえば、かつてネズミ講問題で、政府提案はできない、できないということが何回もございました。しかし、実際議員立法ででき上がってしまいますと、いまやむしろその法律で摘発を望んでいる、法務省当局の方が熱心になっているといったこともあるわけで、本当に政府の提案といいますか、政府ができない、できないと言っているのが本当なのかどうかということを感じます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 多々良参考人にお伺いをいたします。  海外商品取引については、国内の公設の商品取引を行っている全協連の御意見を私はぜひ伺いたいと思っておりました。海外商品の取引は、果たして商品の公正な価格形成の上で、わが国の農業、あるいはまた金などの価格を決める上でどうしても必要なんでしょうか。また一般大衆を巻き込んだ海外商品取引をやらせるということがどういう結果になるかということは、先ほど来お述べになりましたとおりですけれども、私もそう思います。しかし、海外商品取引に一般大衆を勧誘して巻き込む、素人がそれに手を出していくというようなことは、非常に大きな危険が伴うと私は考えますけれども、こういった点を踏まえて御意見をお聞かせいただきたいと思います。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 まず、香港に上場されております大豆ないしは砂糖について申し上げますと、実は、わが国にある大豆の値決めを香港でやっているわけでございまして、果たしてそういったことが有効なものかどうか、これは私自身も疑問に思います。  ただ、その他金でございますとか、何も取引所は香港だけに限りませんで、ロンドンにもあるいはニューヨーク、シカゴにもございますけれども、この狭い世界の中で、海外の取引所を利用しようという一般の方もいらっしゃるのではないか。こういう観点からしますれば、全面否定ということは果たしてどういうものだろうかというふうには思っております。  ただ、私どもの立場から申し上げますと、この商品取引業というものは、一方では受託しておる、委託者から大切なお金をお預かりいたしまして、これを受託しておりますので、受託するにふさわしい体制ということは当然に要請されるのではないかと思います。と申しますのは、たとえば紛議が起こりましたときの対応の処理機関ないしは当該取引員が倒産しましたときのそういった預託を受けている金銭の返還の問題、要するに、一般委託者がお預けになられたものが回復できるかどうかといった問題、そういった総合的な対応措置がとられて、初めて受託するにふさわしい業容ということができるのではないか、このように思います。  何か我田引水的な言い方になって恐縮でございますが、現在国内の商品取引所法によって許可されております私どもの業界におきましては、そういった受託用のための紛議の解決機関であるとか、ないしは業者が倒産した場合の保全機関であるとかいったようなものが完備されております。そういうのに対しまして、全くそういった対応がなされていない海外の業者については、速やかなる措置がいずれは必要ではないかというふうには思っております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 どうもありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 石原健太郎君。

石原健太郎新自由クラブ・民主連合

○石原(健)委員 久保田参考人にお尋ねしたいのでありますけれども、海外商品市場での先物取引を一般の家庭に訪問して勧誘したり受託したりすることはできないようにする方向で検討していったらどうかなというような感じもするのですけれども、その辺はどういうふうにお考えになっておりましょうか。まあ禁止ということもあれかと思いますので、そういう先物取引を家庭訪問、個別訪問のようなことをやって勧誘したりまた電話で本当の素人の人に勧誘したりするようなことがなるべくやりにくいような何か方策を講ずるというような方向で、こういう被害者が出ないようにするという考えは……。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 現在は商品のマーケティングということで非常に販売競争というのが激烈なんでございます。その一環として家庭訪問販売が登場しているわけでございますが、私が思いますに、多分これは効果のあるやり方だから、訪問販売制度というのがわりと広く行われているのじゃないかと思います。  本論に戻りまして、そういう上に立ちまして、この海外先物取引に関しては禁止してみたらどうだろうという御提案なんでございますが、私、多分こういうことになりはしないかと思います。最初に何らかの形でアプローチいたしまして、それでは家庭に参上いたしまして御説明いたします、こういうことになりますと、その禁止ができなくなるわけでございますね。幾つかの抜け穴があろうかと思います。あなたが御所望になったから、したがって、私はあなたの家庭に訪問したんだ、こういう抜け穴を多分用意するのじゃないかと思いまして、これは禁止するとかしにくくするということは非常にむずかしいというのが私の感じでございます。  それで、家庭に来るなと申しますと、じゃ職場に押しかけましょうというわけで職場にやってまいります。このように、いまのマーケティングが非常に過当競争の体質の中に置かれているというところが実は問題でございまして、これを抑えるということは、余りいい案は実は私持ち合わせておりません。

石原健太郎新自由クラブ・民主連合

○石原(健)委員 久保田参考人と多々良参考人にお尋ねいたしますが、いま自動車の定期点検をうっかり忘れても十万円の罰金なんという過料なんですけれども、今回のこの法律の罰則というのは、五十万円から十万円まであるわけで、この辺の十万円なんというようなことはどういうふうにお感じになりますでしょうか。まあ高いとか安いとか、もっと重くするべきだとかあると思うのですけれども。

多々良義成全国商品取引員協会連合会会長

○多々良参考人 端的に申しまして、先生の御指摘のように、安いなというふうな第一印象は持ちましたけれども、恐らく他の法律との権衡をとるということでお決めになったんだろうと思いまして、その辺私ども素人でございますので、そんなものかなというような印象にすぎなくてまことに申しわけございません。

久保田晃商品取引所審議会委員(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

○久保田参考人 私も、罰則の規定については余りよく勉強しておりませんので、はっきりしたお答えはしかねるわけでございますが、私自身もいささか安いという印象は持っております。

石原健太郎新自由クラブ・民主連合

○石原(健)委員 どうもありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 以上で参考人に対する質疑は終わりました。  参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただき、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。(拍手)     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 引き続き、政府に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それでは、引き続いて質問をさせていただきます。  この法案につきましては、昨日から審議に入ったわけでありますけれども、大分問題点が詰められてまいったように思います。さらに、ただいままで参考人の貴重な意見を聞かしていただきまして、一層この問題の焦点が明らかになってきておると思うのですが、これまでの質疑の中でもはっきりしておりますように、ことしの四月十三日、商品取引所審議会の答申が出された中で、現時点におけるとりあえずの措置として今回の法案が出されていると思いますけれども、しかし、それにもかかわらず、わが国の商品先物取引法制の根幹にかかわる問題がやはり今度の法案の中で考えられる、この点は非常に重大な問題として考えておかなければならない第一点だと思います。さらに、今回の法案による規制の方法、内容、これを見てまいりましても、一般投資家保護という立場からいえば、この法案の条文に見られる限りにおいては、まだまだ不十分な点がある、このような指摘をせざるを得ないと思うのです。さらにまた、悪徳業者の考えようとしている立場からいえば、いまも参考人の意見の中でもあるいは質疑の中でもありましたように、これを合法性という口実のもとに、そういうふうな立場を新たに与える結果になりやしないかという危険さえも感ぜられるのではないか、私はそういうふうに思います。  したがって、以下そういうふうな立場に立ちながら具体的に質問をさせていただきたいと思いますが、とりわけ第八条の逆転解釈、この問題については、これまでも長い間議論の対象になってまいりました。本委員会においてもしばしばこの問題は取り上げられました。そして今度の法制化の中で、いわゆる法案の中でこの問題は素通りされてきたわけであります。今後の課題としてきわめて重大な問題でありますし、そのことと今回の法案というものは、本質的に重大なかかわりを持つ、私はこういうふうに指摘せざるを得ません。この問題は後で質問をさせていただきたいと思いますけれども、当面は、この法案の規制の内容について、いろいろお伺いをしてまいりたいと思っております。  まず最初に、規制の問題について申し上げてまいりたいと思いますけれども、書面交付がいろいろ書かれておるわけでありますけれども、これは昨日も質疑の中でも指摘をされておりましたが、書面交付それ自体は、悪徳業者と言われている諸君も形式的にはやっておるわけです。しかし、しばしば指摘されておりますように、その内容がきわめて難解である。さらに、片務的な内容になっている場合が多い。ですから、それを双務的、合理的なものに、しかも一般投資家にとっては非常にわかりやすいように、その書面交付の内容というものを規制をしていく必要はあるだろう、こういうふうに考えておるわけです。その点が一体どのように考えられているか、これは後でお答えをいただきたいと思うのであります。  それから、不当勧誘行為の禁止の問題につきましても、商品取引業界では協定して禁止事項というものが相当厳密に行われておるわけでありますけれども、この点は、今回の法案の場合には顧慮されない、そういうふうな形にならざるを得ないのではないか、こういうふうに思うわけであります。  それから、とれもまたいろいろ議論がなされ、質疑応答が繰り返されたわけでありますけれども、危険開示の義務が明確化されておらないと思うわけであります。これは当然はっきりさせなければならぬ、このように思うのであります。  さらにまた、委託証拠金の分離保管、こういった一般委託者の債権の保全措置が必ずしも明確でない、こういうふうに思います。これは私から申し上げるまでもございませんけれども、五十年の法改正の際、この問題については相当細かに改正になりました。しかし、私は五十年改正でも必ずしも十分であるとは考えてないわけであります。ましていわんや、今回の海外取引、先物取引の場合には、この点がどうもはっきりしない。  それからもう一つ。これはもうすべての人々から強く指摘をされたわけでありますけれども、クーリングオフの条項も明文化されていない。  いま、幾つか申し上げましたが、こういう欠陥がいかに緊急な必要性に基づいての法案提出であったとしても、最低限整備されなければならないこれらの条項が、いずれも欠落しておるというふうに考えざるを得ないわけであります。こういう点について、まず最初に審議官から総括的にお答えをいただきたいと思うわけであります。以下、私から各条ごとに細かに御質問申し上げたいと思いますから。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 今回のこの法案を出すことにおいて、むしろそれが合法化されて、ある意味でのお墨つきになるおそれもあるのではないかというふうな御指摘もまずありましたが、私どもは、昨日来お答え申し上げておりますように、現在のこの業界の発展段階と申しますか、そういったものに応じた法規制のあり方というものが、やはり考えられざるを得ないのではないかというふうな感じを持っているわけでございます。いわゆる流通経済法として、規制なり、あるいはその場合には規制のみでなく、経済が効果的に行われるべく、ある場合においては振興的な面もあり得るわけでございますが、振興というのは言葉がちょっと適当でないかもしれませんが、そういった経済法的な形で当該業界に対応すべきである、そういったような発展段階にある業界、それからまた、本法案が対象にしております業界につきましては、残念ながらその段階がまだ非常に初期的、原始的段階にあるというふうな感じがするわけでございます。     〔委員長退席、渡辺(秀)委員長代理着席〕 したがいまして、どうしても規制の側面が非常に強調されるわけでございまして、今回も規制法としての法律をお願いしておるわけでございます。そういう性格論がまずございまして、それからくるいろいろと立法上の特殊性もございまして、今回の法案の規定が、従来からございます経済法としての商品取引所法というものとは違う、国内法にはあるけれども、今回の法律にはないというふうな相違があることは、御指摘のとおりでございます。  それで、ただいま具体的な点につきまして二、三御指摘がございましたが、たとえば書面について、これは省令でいろいろなことを定めることになっておりますが、これは、おっしゃいますとおりできるだけわかりやすく書くとか、あるいは活字などもどのくらいの大きさのものにするようにとかいうふうなことも指定いたしまして、とかく小さい活字でわからないようにぎっしり書くというふうなことも避けさせるとかいうふうなことで、できるだけ現在行われている問題が少しでも前進するように、省令の中で十分工夫したいというふうに考えております。  それからまた、いわゆる危険開示と申しますか、これは法律には規定はございませんけれども、やはり省令の書面のあり方の中で、この種相場取引というものは非常に損害をこうむることがあり得るものであるということは、明確に示させるということを考えております。  それからまた、クーリングオフの規定につきましては、昨日も申し上げましたように、相場の上下が非常に激しいこの問題につきまして、通常の意味でのクーリングオフはなかなかなじみにくいというふうなことがございまして、本法案から抜いてあるわけでございます。  その他いろいろ御指摘があろうかと思いますが、この法案の性格上、必ずしも商品取引所法と同様の規定にはなってないということは御指摘のとおりでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまの答弁の中で、一つだけこの際お聞きしておいた方がいいと思うのですが、書面交付の際のいわゆる危険開示は、どの時点で、この法律によれば第何条の書面交付の段階で指示をされるのですか、省令で。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 その点につきましては、第三条の「契約の締結前における書面の交付」、この中で行う予定でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それから、海外における商品取引所、特に香港関係についてちょっとお聞きをしておきたいわけでありますけれども、通産省がお出しになった資料によりますと、これは五十七年三月末現在の取引所の受託業者の数が書いてあります。正会員(日系)では二十一社、それから準会員(日系)では七十八社、こういうふうになっておるわけであります。この実態はどの程度把握されておりますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 この業界は心ずしも十分把握できない点もございますが、私どもといたしましては、全国の通産局、あるいは本省にもございますが、いわゆる消費者相談室、これが年々われわれは充実されてきているというふうに思っておりますが、ここへの問い合わせ等がかなりございます。それから農水省にもございます。それからまた、取り締まり当局との連携等もとっておりますので、そういった中から、被害者の訴え等を通じまして把握しているのがこの数字でございまして、もちろんこれですべてということではございませんが、いま申し上げましたようなルートを通じまして把握しているわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 参考のため申し上げますと、香港の商品取引所で金が扱われるようになる前、この調べでは五十五年三月、つまり三年前になりますか、この五十五年三月現在では、香港商品取引所における日系の受託業者の数は正会員が全体の大体一五%、準会員が二九%、この程度であったわけです。ところが通産省がお示しになっております五十七年三月、つまり去年の段階になりますと、正会員はほとんど変わっておりません。全体の一五%程度であります。ところが準会員は、あなた方がお出しになった資料によっても七五%強になります。べらぼうにふえているわけですね。つまり準会員なり取引業というものは、香港のそういう市場に取り次ぐというふうな形をとりながら悪徳業者がものすごくばっこした、こういうことがいま申し上げた簡単な数字からも類推できるのじゃないかと私は思っております。したがって、そういう点で俗に言われるブラックマーケットの非常な活躍、それに伴い一般の良民が非常に被害をこうむった、こういう状況になるのだと思うのです。  ところで、先ほどの参考人に対する各同僚委員からのいろいろな御質問の中でも、それに関連することが若干出ておりましたが、はっきりしておりませんから、この際、通産省にお聞きをしておきたいと私が思いますのは、通産省に持ち込まれた、あるいは把握されておるいわゆる悪徳商法に伴う被害者、このトラブルの中で一般の投資家が店頭に行って取引の契約をされたという被害はどのくらいのパーセンテージになりますか、それはありますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 ただいま具体的に数字を持ち合わせておりませんが、私どもの理解するところでは、ほとんど大部分は訪問といいますかセールスマンによるものというふうに承知しております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 まさにそのとおりだと私は思うのですね。  それから、通産省に直接持ち込まれない、あるいは把握した以外の被害者の問題を全国的にいろいろ聞いてみますと、みずから積極的に行って取引をする投資家の場合は別ですが、逆に、まさに無知につけこんで生活上非常に弱い立場の人々が勧誘の対象になって、そして悪どい商法のための被害を受けておるという状態であります。これは通産省で後でお調べになっても、みずからの意思で店頭に行って取引をした結果が何か変だったというようなことで持ち込まれた例は恐らくはとんどないだろうと私は思うのですね。ですから、俗にこの問題について余り関心を持っておられない方々は、あいつらはみずから進んでばくちをやってぼろもうけをしようとたくらんだ欲の深い連中だから仕方がないという誤った認識があるようでありますが、少なくともこの被害を受けて問題にしておる方々は、そうではなくて、強引な勧誘あるいは表面にえさをぶら下げたような勧誘によって非常に被害をこうむった、こういう立場の人々の保護を目的とした行為規制法であり法案だと私は考えるわけでありますから、そういう観点に立って、その目的が十分に生かされるような法律にしていかなければならないだろうというふうに思っておるわけです。  きのうの質疑の中で、繰り返すことになりますけれども、たとえば業者の登録なり許可というものがなぜできなかったのだろうか、こういうことがしばしば繰り返されました。通産省の商品等の取引問題研究会の中間報告でも、言うまでもありませんが、A案やB案があったりして、その中では、この登録なり許可あるいは届け出、そういうものが相当突っこんで検討されたように思います。それが結局は、今回はそういう形でない行為規制法という形で出てきたわけでありますけれども、その場合に、登録その他についてはデメリットがあるということを審議官はきのうの答弁の中でおっしゃっておりましたが、どうもその点が私は質疑を聞いておってまだはっきりわからないわけです。それで、デメリットというのは具体的に何と何と何ですか、はっきりお答えいただけませんか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 実は、先ほどの参考人との質疑応答の中で、今回のこの法律ですらもある意味でこういった悪徳業者の行為を合法化するものではないか、お墨つき効果を持つのではないかという発言があったわけでございます。  この登録制度あるいは許可制にした場合にどうなるかということでございますが、私は昨日から、経済法と規制法との場合でどうしても許可基準が変わってこざるを得ないということを申し上げたわけでございますが、そのことにつきまして、いま詳しく入ることは避けるといたしましても、たとえば登録の場合あるいは許可の場合、どういう許可基準になるんだろうか、どういう登録基準になるんだろうかということを考えてみる必要があると思うのです。  先ほど私は、余り適当な言葉ではないのですが、この業界の発展段階という言葉を申し上げたのですが、登録なり許可制なりにする場合には、ある種の基準が必要だと思います。基準を設けまして、いわゆるいい業者を許可し悪い業者をはねるというのがこの基準になるわけでございますが、残念ながら、いま問題にしようとしておりますこの業界の発展段階は、その中からいい業者を許可するといった場合に、先ほど来の参考人のお言葉にもございましたが、非常に悪徳者が多い、それが非常に多いというところにこの問題がございまして、その中からどういう基準をもっていい人だけを選ぶかというのは、恐らく実際問題として相当むずかしい問題になろうと思います。それからまた、外国にかかわることでございますから、実態論といたしましてなかなか基準の適用がむずかしいという点もまたあろうかと思いますが、この業界の発展段階からいたしまして、基準のつくり方が非常にむずかしいのではないか、どういうふうにしていい業者を選び、悪い業者をはねるか。  それから、いま私は実態論で申し上げているわけでございますが、その前に、私ども法制当局とも相談をいたしますと、いわゆる立法論的に見ますと、この種規制法における許可基準というものは、非常に形式的な要件にならざる得ないということでございます。そうなりますと、申請があった場合に許可される者の範囲が非常に広くなるわけでございまして、これはいま対象にしようとしているこの業界の状況から見ますと、はなはだおかしなことになりかねないというふうなことがございまして、私は前から、なかなか説明がうまくいかないのでございますが、この業界の発展段階と、それからまた、それに応じまして経済法でなくて規制法にせざるを得ない状況、それからまた規制法にした場合の許可基準なり登録基準なりがどうなるかというふうなことを総合的に考えました場合に、御指摘ではございますけれども、許可制なり登録制にすることはなかなかむずかしい。  また、デメリットとしては、にもかかわらず多くの人が許可を受けた場合、登録を受けた場合には、通産大臣登録済みとか通産大臣許可業者というふうな面がむしろプレーアップされまして、それがかえって非常にお墨つき効果を持つということになりかねないというのがこの問題のむずかしさではないか。重ねて申し上げるようでございますが、経済に貢献するものとしての業法にまだなし得ない段階であるというところに今回の問題のむずかしさといいますか、そういう問題があるのではないか。  したがいまして、逆に言いますと、将来的な問題といたしまして、この国際取引が流通経済の観点からとらえられなければならないという時点が来れば、これはまた違った観点の問題が出てくるわけでございまして、それが恐らく、先ほどからも問題になっておりました商品取引所法の中で総合的に海外問題も国内問題も含めての検討という中には、そういった経済的側面からの法規制という問題が当然出てくるわけでございまして、その点は、いま香港を対象として行われているこの業界の問題が、そういった観点からとらえられる段階に来ていないのではないかというところにこの問題のむずかしさ、それからまた現在と将来と今度は変わってくるかもしれない、非常にある意味では説明がむずかしいのでございますけれども、そういったような問題が根本的にあるのではないかというふうに思うわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで、これも先ほどちょっと言われておったようでありますけれども、この質問の冒頭で私も申し上げましたが、いま行為規制法としてこの法案をどうしても緊急に制定しなくちゃならないというところのものが、特に香港市場を中心にした海外に先物取引をつなぐ、こういう立場で被害が起きておる。そういうふうな場合に、しかもなおかつ、みずからの意思によってその先物の投資をやるというふうな形ではなくて、無知につけ込んでだまして金を巻き上げるというような悪徳商法、そうなりますと、一般の投資家といいますかあるいは委託者、こういうふうな方々を訪問して、外務勧誘して、そして海外市場につなぐというふうなやり方、私が言っているのはその面だけですよ。いわゆる一般の営業行為としてやっている方々に対する規制ではなくして、そういう人々に対しては禁止をするとか、あるいは外務勧誘はさせないようにするとか、そういうことはできないのですか。法律的にできませんか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 この点が先ほど申し上げましたこの業界の現時点における姿と、それからまた国際取引の今後の変わっていくであろう姿というもの、これは、恐らく、こういった国際取引は現在の姿がそのまま将来も続くというわけではな歩と思います。将来はまた国際化への道を歩むということも十分考えられるわけでございまして、したがいまして、常にそういった流動的な局面を持っているという前提で考えなければならないものですから、ある時点で問題をぴしっとフィックスしてしまって、すべての穴を押さえてしまうということもできない。そういった流動性を念頭に置きながら考えなければいけないという問題がまず一つあろうかと思います。     〔渡辺(秀)委員長代理退席、委員長着席〕  それで、ただいま御指摘の件でございますが、そういった面で見ますと、将来との展望の中で見ますと、たとえば金などはロンドンでも先物取引所ができまして、世界的にできておりますから、こういったものは、総合商社等も今度東京の金取引所にも入っておりますが、恐らく国際取引というものが将来的には出てくる可能性が十分あると思います。そういった問題も含めますと、全面的に禁止するということが果たしてどうかという問題が一つございます。  もう一つは、これは実態に即してよく検討してみませんと、私もいまここで軽々には判断しがたいのですが、いわゆる一般大衆だけは禁止するといいまして、それが脱法その他でどういうふうにエンフォースできるかどうか。つまり実際にやってみてそれがうまくいくかどうか。つまり法律の文言上は書くのは簡単でございますが、実際にどうなるかというふうなことも十分検討しなければいけないと思いますが、それやこれや考えまして、やはりいま立法論的にはこういった形にせざるを得ないというのが、私どもいろいろ検討しました結果でございまして、大変説明のむずかしい点があるのでございますが、そういうふうに理解しているわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 法文の内容を二、三聞きたいと思います。  そこで、前後するかもしれませんが、第七条関係、ここで「海外商品市場における先物取引に関する重要な事項につき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。」という趣旨で出されておりますが、この「重要な事項」、これについてはどのような具体的な内容を考えておられるわけですか。重要なものについて「政令で定める」こういうふうになっておるわけですけれども、その点できるだけ具体的に……。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 この第七条は、一般委託者に業者が誤った情報や不正確な情報を伝えることが非常にしばしばトラブルの原因になっていることにかんがみまして、刑法の詐欺罪と同様の法益につきまして、簡略化された構成要件で対処しようというものでございます。つまり一般刑法の構成要件よりもいわば簡単に対処できるようにこの特別条項を設けたわけでございますが、御指摘の、「顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるもの」ということにつきましては、現在、たとえば海外商品相場における相場の変動というふうなことを考えておりまして、こういった海外商品相場における相場の変動につきまして、実際にはないことを、うまいことを言って、今後必ず相場は上がりますよ、たとえば外国でこういう事件が起きましたとか、そういった起きてもいないことをそうであるかのごとく言って、相場が上がりますよというようなことを言うとか、あるいは金で言えば、アメリカが金の放出をすることが決まりました、ですからここで下がりますとか、あるいは逆の場合には、上がりますとかいうふうな、言葉巧みに、真実でないことを告げるということがあるわけでございますが、そういった重要な事項につきましては政令で定めよう、こういうことでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまの七条の問題、政令の問題に関連をして、この法律ができることによって、いわゆるそういう悪徳商法というのはまかり通らない、もう完全に一掃できるんだ、そういうふうな確信を持って行政に当たってもらわなければならないとは思っておりますけれども、これはまた後で少し詰めますが、この七条関係で警察庁の方の御見解を承りたいと思います。つまりこの法律ができたことによって、いろいろ文書の交付であるとかその他やってならないことが出てまいりますけれども、これに関連して、特に七条の政令の問題と関連して、警察庁の見解を承りたいと思う。

本多義光警察庁刑事局保安部経済調査官

○本多説明員 先ほど御答弁のございましたように、政令につきましては、効果的なものをつくるように御検討のようでございますので、取り締まりの面につきましても、その趣旨にのっとりまして厳格に対処してまいりたいと思っております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それから、これも何回も言われましたが、どうもこの点、答弁が私どもとしては了解するわけにはまいらないのは、第十条「帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。」というふうな、立入検査の場合でありますけれども、帳簿等の備えつけは義務化されてないわけですね。現実にこの悪質な業者の場合などは、そういうものを完備していない、こういう場合が多い。これは帳簿や書類その他の物件を検査するというのですけれども、検査して、なかったら一体どうなるのですかね。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 国内の商品取引所法におきましては、備えつけ義務があるわけでございますが、この法律にはそれがございません。基本的にはやはり経済法と取り締まり法との違いというふうなところからいろいろと違いが出てきておるわけでございます。特に国内法の場合には、証拠金を受託いたしまして、業者が倒産等をいたしますと、委託者がそこで非常に損害を受けるという場合がございます。そのために、また国内法の場合には、もともとが許可制になっておりまして、許可の場合には、一定水準以上の純資産を持っていなければ許可されないということで、財産的基礎を確認した上で許可しているわけでございまして、にもかかわらず途中で倒産してしまうというふうなことがございますと、それによる被害を防ぐために財産の管理を義務づけるとか、あるいは帳簿を区分経理させるとか、あるいは財産をどうやって保全しろとかいうふうな規定があるわけでございますが、今回のこの法益におきましては、いわゆる業者が財産上倒産したから被害を受けるとかいうことの以前に、勧誘の仕方が悪い、悪徳的である、そこのところに着目しているわけでございまして、そういった点から規定が方々の点で少しずつ変わっているということは事実でございます。  帳簿と立入検査につきましては、御指摘のように、立入検査いたしまして必ずしも十分にとらえられない場合もあり得るかと思います。特にこの業界の場合には、企業の形態が必ずしもしっかりしていないものがあるわけでございますので、そういった点はないとは言い切れないのでございますが、しかし、私どもはやはり被害の実態がいろいろたくさん出てくる、多発してくるとかいうふうなものにつきましては、警察当局と十分機動的な連携を保ちまして立ち入りするということで、一〇〇%必ず常にパーフェクトとは言えないかもしれませんけれども、そういった取り締まり当局との連携を密にし、かつ機動的に対応することによって相当の効果を上げ得るということで、この規定を置いているわけでございます。  御指摘のように、備えつけの義務は、先ほど申しましたような理由もございまして、本法案にはございませんけれども、その範囲内で運用に十分気をつけまして、効果を上げていきたいというふうに考えているわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 問題は、被害が起きてからどうするかというふうな、たとえば罰則規定もありますけれども、さっきも指摘されておりましたように、十万から五十万というふうな罰金、これはいままで行われたような悪徳商法、この悪徳業者に対しては、十万、二十万の金というのはめじゃないですね。こんなものは問題にならないのですよ。一人平均で四百万も五百万も全部やられているわけですから、だから十万や二十万、三十万というものは余り問題にならない。問題は、この業者はこういう悪いことをしているのですよ、したのですよというふうな公表を、天下にあまねく知らせる、これが致命的だ、私はそう思います。ですから、いろいろなそういう点の罰則の問題についてもずっと書かれてはおるけれども、果たしてこれで抑止の力になるのだろうかというふうな点では非常に疑問があるわけです。  そこで、被害の未然防止の問題について重ねてお伺いをしたいわけですが、たとえば国内商品取引の場合は五十三年九月から業界が自主規制を結んだわけですね。たとえば未成年者を対象にしてはならないとか、それから年金生活者、退職金での生活維持者、あるいは身体障害者、主婦、こういう方々を勧誘しない、こういう人々からは受託をしない、こういうふうな規制があるわけでありますけれども、こういうことを、これは行政指導の面で、国内法と今度出された法案の性格は違うということは再三言われておるわけではありますけれども、しかし問題は、そういうふうに悪徳商法がばっこしておる、そこから良民を救う、保護するという立場なんですから、いま申し上げたような行政措置の面で強力にやれますか、どうですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 業界が自主規制でいろいろとやっていくということは、一般論としてこれは非常に重要なことでございますし、私どもも行政指導することをしばしばいろいろな業界でやっているわけでございますが、問題は、自主規制をするにつきましては、そのメンバーがやはりそれに値するメンバーの集団になっていることが前提になるわけでございます。私は、先ほどからしばしばその業界の発展段階というふうな、余り適当でない言葉かもしれませんが、申し上げてきたのでございますが、この業界が段階としてまだある一定のレベルまで達していないという段階におきまして、そういった点に自主規制させるというところで、どういうメンバーが集まって、どういう自主規制をするかというところに、率直に申しまして、かなりむずかしい点は現状ではあろうかと思います。しかしながら、そういうふうな状況に持っていく、あるいはその後そういう状況になっていくということは大変好ましいことでございますし、現在、任意団体で協会というものがあると聞いておりますが、そういった中での努力がだんだんと実っていきまして、この業界のメンバーが集まるという場合には、恐らく悪徳者は排除して、そうでない人たちが集まって、自主的にりっぱなビヘービアを持とうではないかということになるのだろうと思いますが、そういうふうな業界になっていくことが大変期待されることでございますし、結構なことでございますから、そういう方向での指導といいますか、ウォッチといいますか、そういうことはしていきたいと思いますが、最初に申し上げましたように、その業界の置かれている状況によりまして、自主規制というものがそもそも成り立ち得るかどうかという問題があり得るわけでございまして、その点がいま問題になっているこの業界の、まだ悪徳者が非常に多いというところには、相当の問題があろうかと思っているわけでございます。しかしながら、御趣旨はよくわかりますので、そういった方向というものは常に念頭に置いた行政をしたいというふうに思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまの問題と同じく、国内商品取引の場合には、五十三年九月から、商品取引員の受託業務に関する取引所指示事項、こういうものがありますね。これによると、無差別に電話で勧誘をするとか、あるいは見込み客の訪問あるいはころがし、それから不当な増し建て玉、さらに両建て玉、それから外務員、担当者等の交代。これはしょっちゅう交代が行われているわけですね。しかもきわめて計画的に交代が行われている。こういうふうなものを禁止するというふうな指示事項が行われております。これも、御承知のとおりだと思うのですが、私はこれがきわめて厳格に、厳正に行われているとは思いません。思いませんけれども、こういう指示事項を出して、そしてこういう一般の投資者に対して大変な被害を結果的に与えるようなやり方を未然に防止をする、こういうふうな配慮が行われている。ところが、いま審議官もおっしゃるように、特に香港市場を舞台にした業者の中には、金を中心にしてブラックマーケットで大変な悪徳商法をやった連中が少なからず蝟集しているわけでありますから、つかみにくいだけに、なおさらその被害というものは、これからも拡大するかもしれないという危険性を私ども感じておるわけであります。そういう意味では、いま国内商品取引の場合の自主的な規制であるとかあるいは指示事項であるとか、これに盛られたやり方をやはり通産が中心になって強力に行政指導力を発揮してもらわなければ、実際、こういう法律をつくったって余り効果がないという結果になりはしませんか。  さらにまた、この業界の発展段階と言われた意味、これは私は言葉じりはとらえません、それは気持ちとしてわかります。しかし、自主的にそうなっていくことが望ましいという願望だけではどうにもならないわけですよ。やはりそれを強力に誘導するようないわば通産の行政指導というものがこの際発揮されなければならない、こういうふうに私は考えますので、いまの指示事項の問題とも関連しながら、お答えをいただきたいと思うのです。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 法律をつくっただけで物事が解決する問題ではございませんので、私どももこの法律を成立させていただきました場合には、この運用におきまして、御指摘のような御意見も踏まえまして十分強力なる運用をしていきたいというふうに考えているわけでございます。問題は、法律ができましても、その運用次第でございますから、運用におきましてはできるだけいろいろの点を工夫いたしまして、効果が出るような形で運用したい、そういうふうに努めていきたいと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それから、先ほど私も申し上げましたし、またしばしばこの法案審議の過程で出ましたクーリングオフの規定の問題、これはいわゆる商品相場でありますから、激しい変動がある、これは必ずしもマルチの場合のようなわけにはいかないというふうな説明が繰り返し行われたと思うのでありますけれども、しかし、この思想を本法案に入れなければ大変危険なものになりはしないか、こういうふうに私は思うわけであります。現状、この注文の取り消しがどうしても無理だということであれば、せめて第四条一項の書面交付をして、そして基本契約を結んだ段階で、二項のいわゆる注文指示までの間、最低限猶予期間を置く、そして十分に委託者が判断をし、物を考える時間を置かなければ、まあ審議官も被害の実態は御承知だと思いますけれども、もう言葉巧みに座り込んじゃって、そして場合によったらいいかげんなことをべらべらやって考える暇を与えない、強引に後は取引やっちゃう、しかもその取引もきわめて不明確なまま、頼んだ人は暗中模索というような状況の中で勝手にやられているというのが実態でありますから、そういう意味では、仮に人のいい人がおって、あるいは気持ちの弱い人がおって、畳みかけられて、そういうふうなものを結んだとしても、冷静にひとりになって考えたりあるいは識者と相談をしたり、こういうふうな期間というものは最低限必要だと私は思うのですね。そのこと自体は、相場の変動があるから一たん成約したものを取り消すのとはまたちょっと違っている。その猶予期間という問題。これは最低限どうしても入れなければ問題にならぬと私は思うのですけれども、その辺のお考えはどうでしょうか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 何せいろいろとトラブルの多い業界でございますし、御指摘のように、勧誘におきましてもあの手この手が使われるという状況でございますから、そこにできるだけ弱い消費者がカバーされるような規定、しかもそれが効果的なものであるという規定が設けられることはもちろん望ましいことでございますし、われわれもできるだけのことは考えてきたつもりでございますが、ただいまのような御指摘の点も大変御示唆に富む御提言ではないかと考えます。本法案ができるだけ効果を発するように、今後私どもも運用していかなければならないと思いますが、ただいまの御提言も大変御示唆に富む御提言だというふうにお聞きいたしたいと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 問題は、今回の法律を提案なさった趣旨から申し上げまして、一つは悪質な取引を摘発をして、そしてそういう悪いやり方はなくする、これが一つの目的だと思うのですね。  それからもう一つは、消費者といいますか、一般投資者をこの法律によって十分保護していく、そういう趣旨だと思うのですけれども、先ほどから答弁なさったようないろいろな行政指導面を強化をするとかあるいは書面交付についても十分に中身のあるような書面交付にさせるとかあるいは政令についても明確にこの趣旨が生かされるような内容のものにしていくとか、そういういろいろなことを法の運用として考えていかれて、そしてちょっと回りくどくなりましたが、そういう悪徳商法を撲滅する、これはもう絶対にさせないんだよ、それから万が一起こり得ると予想されるそういう被害を十分未然に防止をして、そして投資家を保護するんだよ、こういうふうな点に、今回の法案提案に当たって完全に自信をお持ちですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 この法律によりまして、いろいろなトラブルが一挙に一〇〇%なくなるという自信は正直言ってございません。しかしながら、私どもも先ほど来のいろいろな御指摘も踏まえまして、かつ関係取り締まり当局とも十分連絡をとりまして、機動的に強力に運用することによりまして、相当の効果が上がるというふうに思っております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで警察当局にお聞きをしたいのですけれども、いま審議官はそういう決意をお述べになったわけでありますが、この法律の制定に伴って警察側でもいろいろな各地方地方、ことに被害の訴えとか相談とか持ち込まれるのではないか、こういうふうに私は考えるわけであります。特に、各都道府県なんかにおけるこれに対する警察側の対応は一体どうなるのでしょうか。

本多義光警察庁刑事局保安部経済調査官

○本多説明員 警察の方では、各都道府県に困り事相談の受理をする窓口がございます。この窓口では、各種の御相談事をお受けしているわけでございまして、この種の事案の相談につきましても、そういう窓口で一元的にまずお受けしましょう、それから事案の内容によりまして、それぞれの担当の部門と申しますか、そちらの方で対応してまいります。そういう形になっておりまして、今後ともこの問題につきましては、そのように処理してまいります。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで、もう一つお伺いをしますが、私、冒頭申し上げました四月十三日の商品取引所審議会の答申の中で、「施策の基本的方向」として「現行商品取引所制度との関連にも十分配慮しつつ、広く、商品先物取引一般及びこれに対する規制のあり方という見地から、基本的、総合的な検討を進めていく必要がある」、これは後でちょっとまだ時間がありますから、八条の逆転解釈の問題はお聞きをしますけれども、総合的な、国内外を問わず商品取引所法を抜本的に見直す、こういう必要性がどうしても出てきたというふうに私は考えるわけであります。  そこで、先ほど久保田参考人、堺参考人あるいは多々良参考人、異口同音にその必要性というものは認めておったように思いますけれども、これに対しましてひとつ審議官から見解を賜りたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 現在商品取引をめぐります問題は、簡単にスケッチいたしますと、次のような問題があろうかと思います。  一つは、国内の商品取引に関しましては、いわゆる八条の解釈の変更もございまして、非上場商品の問題をどうするかという問題がございます。それからまた、海外の問題につきましては、今回御提案しておりますようないわゆる悪徳業者に対してどう対応するかという問題がございます。それからまた、今後の問題といたしましては、海外の流通経済の一環としての商品取引の問題という側面も出てこようかと思います。  こういうふうに考えますと、商品取引をめぐりましては国内の問題あるいは海外の問題、両面あるわけでございまして、しかも、それも経済の一環としての取引問題と、もう一つは被害の防止という規制的な側面と両面があるわけでございます。こういった国内、国際両面にわたり、かつ経済的な問題、取り締まり的な問題、両面にわたった問題があるわけでございますので、問題を総合的にとらえますとかなりむずかしい、かつ複雑な問題になるわけでございます。  そういった残された問題がございますので、そういった問題を今後どういうふうに対処していくか、検討すべき問題として引き続き検討していく必要がある、こういうことではないかと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 特に今度の問題で香港が対象になり、そして上場商品としては金あるいは砂糖、輸入大豆、こういうふうなものが考えられておるわけでありますけれども、この砂糖や大豆の問題については、これは直接的には農林省もかかわりを持つわけです。ただ、行為規制法としての今度の法案については、所管官庁はこれは通産省であり、所管大臣は通産大臣である、このことは明確だと思うのです。  しかし、いま先ほど私が御質問を申し上げましたような、今後の法体系の見直しといいますか、あるいは一層の整備といいますか、そういう点に関連をして、特に四月十三日に出された答申、こういうものとの関係で、農水省、お見えになっておれば、この答申にかかわって、いまの問題についての御見解を賜りたいと思うのです。

伊藤礼史農林水産省食品流通局商業課長

○伊藤説明員 ただいま植田審議官が整理されましたとおり、この問題は幾つかの側面がございまして、海外、国内、上場、非上場あるいは現行商品取引所法体系、それらを総合的に検討しなければいかぬ時期に来ているという指摘が審議会でもなされたのは、私どもよく承知しております。農林水産省としても、これらの点を今後商品取引所審議会等の場を通じまして通産省と御一緒に検討を進めてまいりたい、こう思っております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで八条の問題について改めてお伺いをしたいと思うわけであります。  この八条の俗に言われる逆転解釈、これはなぜそういうふうになったのか。私はいままで長い期間いろいろお伺いをしました。あるいは本委員会の流通小委員会で、金の先物取引の問題だけでも二回小委員会を開いていろいろ検討さしていただいたわけでございます。その際にも、この八条の逆転解釈というものがいろいろ問題になり、話題になり、議論されましたが、どうも私は理解できません。そこで、きょう内閣法制局からおいでになっていると思いますが、ひとつ明確にわかりやすいように、なぜそのように解釈がなったのか、お伺いをしたいと思うのです。

味村治内閣法制局第一部長

○味村政府委員 昭和二十六年の当時の法務府法制意見の見解では、商品取引所法八条の一項の規定は、政令で定めますいわゆる指定商品以外の商品につきましても、先物取引をする商品市場に類似する施設の開設を禁止しているのだ、こういう意見であったわけでございます。その理由といたしましては、結局そういうふうに解釈しないと、指定商品以外の商品の需給事情いかんによりましては、思惑的、かつ大規模な投機が行われるに至ることは自然の勢いで、その結果、いたずらに国民経済に不安動揺を与え、その適切な運営を阻害するに至るおそれのあることは否定し得ない、そういうような弊害を防止するために、こういう解釈をするのである、こういう理由になっているわけでございます。  ところが、金取引が盛んになりましたところからこの問題がまた蒸し返されまして、昭和五十五年通商産業省からの御照会に対しまして、内閣法制局といたしまして再検討をいたしましたわけでありますが、その結果、先生の御指摘のように、前の法制意見を変更したということに相なったわけでございます。その理由は、昨日も申し上げたわけでございますが、昭和二十六年の法制意見は、先ほど申し上げましたように、指定商品以外の商品についても商品取引所法の八条一項の規定の適用があると解釈しないと、国民経済に不安動揺を与えて適切な運営を阻害するに至るという結果を生ずるような思惑的、かつ大規模な投機が行われるに至るのではないか、そういうことが理由になっていたわけでございます。そこで、そのようなことが果たして商品取引所法の目的になっているかどうかということについて検討を加えたわけでございますが、商品取引所法の目的は、同法の第一条に書いてございますように、「商品取引所の組織、商品市場における売買取引の管理等について定め、その健全な運営を確保することにより、商品の価格の形成及び売買その他の取引を公正にするとともに、商品の生産及び流通を円滑にし、もって国民経済の適切な運営に資することを目的とする。」、こう書いてございまして、この第一条の「商品」と申しますのは、指定商品であるということは、これは同法の第二条の定義からも明らかでございます。そういたしますと、どうも商品取引所の目的の中には、指定商品以外の物品につきまして、価格の形成の公正等を図るということは含まれていない、指定商品以外の商品につきまして、投機を防止するという趣旨は含まれていないと解せざるを得ないというふうに考えられますので、前の法制意見を変更せざるを得なかったという事情でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 八条の解釈を、いま言ったように変えた。こういうことによって一体逆に混乱が起きないのか、あるいは重大な支障を来すような結果にならないのかという点については、八条の解釈を変えたことによって、また新たな問題がずいぶん出てきたし、今後この問題を含めて法の見直しを行わなければならないような重大な事態が今日出てきているのではないか、こういうふうに考えざるを得ないわけです。  第一に、一体どういうことが考えられるか。従来はブラックと言われておった金その他の私設の市場というものがブラックでなくなる、公然たるものになっていく、こういうふうなことが当然出てくるわけです。したがって、特に金などを中心にした被害が、悪徳商法がまかり通る、白昼堂々と横行する、こういうふうな状態が当然考えられるし、また現実に五十五年の逆転解釈以降急速にふえてきた、こういうふうに考えるわけであります。さらに、このような関係筋が、金だけでなくてあらゆる商品市場に触手を伸ばしてくる、こういうふうなことも逆転解釈の結果として当然生まれてくる。それから、新規の上場の努力というものが徒労に帰する。     〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕 極端に言えば、八条の解釈の変更によって、そんな努力をしなくてもいい、そういうふうな状態だって当然行われてくるわけでありますし、現行の商品取引所法の当業者主義というものが根本から崩れてくる、このような事態をだれでもがあの当時当然予想しておったのではないか、現にその一部がきわめて端的にあらわれてきたのではないか、こういうふうに私は考えるわけですね。  時間の関係もありますから、逆転解釈の法律的な論議をいましょうとは思いませんけれども、実態としては、そういうふうなものになってきた、これは否定すべくもない、このように思うのであります。したがって、この八条の始末といいますか、表現は悪いのですが、そういう問題を含めて重ねてお聞きをしますけれども、今後国内外を問わず商品取引についての法の体系の整備といいますか、見直しといいますか、そういうものは当然やらなければならないのではないか、こういうふうに思います。  だめを押すようでありますけれども、この八条の問題も含めて、今後そういう法制化について見直しをお考えになるのかどうか。大臣も間もなく参議院の本会議があるそうでありますから、最後に、その問題を含めて今後の法制の見直しの問題についての見通しなりお考えなりをきちんとお聞きを申し上げたい、こういうふうに思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 八条問題は、いま御答弁がございましたように、解釈の変更があったわけでございますが、それを踏まえまして、私どもとしてどう対応するかということを従来から考えておりまして、すでに商品取引所審議会にも通産大臣からその検討方を依頼してあるところでございます。  どういう結果になるかは、目下のところではまだ予測できないのでございますが、商品取引所審議会では、その問題の検討も行っておりますけれども、さらに緊急的な問題として、今回提案しました海外の問題をまず何とかすべきだ、こういう答申をとりあえずいただきまして、この法案を出したわけでございます。もう一つの八条問題につきましても、商品取引所審議会に御検討いただいておりますので、その検討結果を待ちまして、私どももどういうように対処するかということを決めていきたいというふうに考えております。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 いま御審議いただいております本法につきましては、海外商品取引所における先物取引の勧誘、受託等をめぐる問題への対応が喫緊の課題となっている、こういうことから一般委託者保護の観点から立法措置を講じたわけでございますが、商品取引所審議会答申におきましても指摘をされておりますように、基本的には非上場商品に係る先物市場の開設及び先物取引等の勧誘問題に対する対応のあり方とともに、現行商品取引所制度のあり方とも関連をいたしまして、十分配慮しながら、広く商品先物取引一般及びこれに対する規制のあり方という見地から基本的、総合的な検討を進めていく必要があると考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それじゃ、大臣は何か参議院の方がおありだそうですから、結構でございます。  まだ若干時間がありますので、二、三の問題についてさらにお伺いをしていきたいと思います。  先ほどは答弁も一般的な精神といいますかあるいは姿勢といいますか、考え方に流れた嫌いがありまして、具体的に詰めておりません一、二の問題を最初お聞きをしますけれども、いわゆる海外商品市場における先物取引にかかわって悪質な業者が仮に出た、こういうふうな場合に間髪を入れずこれらに対する当該業者の公表というものをおやりになりますか、どうですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 法案におきましては、御承知のように、業務停止命令をかけた場合には公表するという規定がございますが、それ以外につきましてどういうふうにするかということでございます。いわゆる被害者から相談があったという場合に、それのみをもってすべて固有名詞を発表するということが一般的消費者行政として見た場合に適当であるかどうかということについては、十分検討しなければいけないと思っております。多発した場合とか、そういったいわゆる悪徳業者といいましてもいろいろとその程度というものもあろうかと思います。私どもが相談所である企業について消費者から相談があったといった場合に、それのみをもって直ちに発表するということはいろいろと考えなければならない点があろうかと思います。公表につきましては、他の消費者行政との兼ね合いも考えなければいけませんので、いまここで具体的にどういう場合にはどうとお答えできないのでございますが、いずれにしましても、今後、消費者行政のあり方を含めまして、どういうふうに持っていくかということはよく検討してみたいと思います。要は、この法案が運用におきまして、できるだけ効果を発揮するようにするということでございますので、そういう観点から検討さしていただきたいと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 だめ押しみたいに言うわけですけれども、先ほど私も申し上げましたが、数十万円の罰金で事済むということであれば、普通の感覚の人であればそういうことはやりませんけれども、先物取引に暗躍しておるいわゆる悪徳業者というものは、数十万円の罰金なんというものは物の数じゃない。致命的なのは、あそこの業者はこういうことをやっているんだよというような公表が一番痛いわけですよ。そういう点をきちっと押さえなければ、悪徳商法の撲滅にはならないと私は思いますから、重ねて申し上げるわけでありますけれども、ぜひともそういう点は今後の運用として、もちろん一方的な申告だけであいつは悪者だというふうにきめつける軽率なやり方は私はやれないと思います。それは慎重を期さなければいかぬと思います。ただ、被害者がそちこちに多発してしまって、後の祭りだというときに公表したって意味ないわけですから、その辺はひとつ十分に知恵をしぼって強力な対策を立てていただきたい、こういうふうに考えるわけです。  それから、もう一つお伺いしたいと思いますのは、きのうもこの問題で質疑されておりましたが、金の現物取引まがい商法、これは非常に問題になるわけでありまして、これについては五十五年の春先、二月でしたか、当時の森山エネ庁長官が商工委員会で立法化といいますか、そういう方向での答弁がなされておるはずです。一体これについて現在どういうお考えをお持ちなのか、あるいは具体的に検討を進めておられるのか、ひとつその辺をお伺いします。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 この数年来、金の現物につきましても大変需要が高まりまして売買がふえてきているわけでございますが、現物取引に伴う取引のトラブルにどう対処するかということで、資源エネルギー庁の方でもいろいろ検討をいたしまして、金地金流通協会という公益法人を指導してつくり、その協会において登録店制度というものを設けたわけでございます。たしか現に三百三、四十店登録店があると記憶しておりますが、この制度を設けまして、登録店でお買いになれば事故にかかることはないということでPRもし、そして現物取引における事故をなくそうという指導をしているわけでございます。資源エネルギー庁の方では、こういった制度を設けまして、お客さんが登録店以外のいわゆるいかがわしい商法にひっかからないようにPR等も含めて指導しているというのが現状でございます。今後ともこの点につきましては、強力な指導をエネルギー庁の方にもお願いしたいと思っております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 八条の問題とも関連をして、プラチナの私設市場の問題が現実にいろいろ問題になっているようでありますけれども、これらの対策は具体的にはいかがなさいますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 いわゆる八条問題に対する対応は、先ほど申しましたように、今後の検討課題としてまだ残っているわけでございますが、御指摘のプラチナ等の問題につきましては、私どもとしては、まず実態の把握が必要ではないか、また同時に取り締まり当局ともよく連携をいたしまして対処していくことが必要ではないかと考えております。先ほど来議論になっておりますように、現在のところ、八条の解釈問題では、これを違法であるというふうなことにはなりませんので、そういった八条問題としての対応は、なお今後の検討に任せざるを得ないということでございますが、行政的には取り締まり当局との連携あるいは実態の把握等に努めていきたいと考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 最後に、PRの問題、啓発の問題をお聞きしたいと思います。  この法案の運用の中で、政府としても一般の市民がこういう被害に遭わないように十分な啓発、PRをやらなければならないというお気持ちを固めておられると思うのですが、私は率直に言って、これは予算が伴うのじゃないかと思うのですよ。広範な大衆にできるだけ周知徹底をさせるというかっこうになれば、それぞれの都道府県の協力もいただかなければなりませんでしょうし、あるいは司法当局といいますか、警察側でも啓蒙の範囲での一般的なPRもあるいは行われるかもしれません。そういういろいろな手段を通じて行われることになるのだろうと思います。これについて、通産は予算関係で考えておられますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 御指摘のように、この問題につきましては、PRとか啓発ということが非常に重要な問題だと思っております。従来からそういうことで、私ども行政としてのPRのほかに、たとえば業界にも指導いたしまして、週刊誌でございますとか、あるいは特に女性の委託者が多いことにもかんがみまして、女性週刊誌等にも出すとか、新聞に出すとか、その他いろいろやってきているわけでございますが、今後この点はなお十分強化していかなければならないと思っております。  お尋ねの予算につきましては、率直に申しましていま非常に予算の厳しいときでございまして、私どももいろいろと努力はするつもりでございますが、予算的に一挙に増額の方向に行くかどうかにつきましては、相当困難な点もあろうかと思います。ただ、私どもといたしましては、既存の予算、たとえば広報予算というものが政府の内部にもございますし、そういった点を活用するとか、あるいは関係の業界にも指導してPRさせるとか、先ほどの流通協会等のPR等々いろいろな点を含めまして、俗に言えば金のかからない方法も含めまして、何とかPR問題は強力に実行していきたいと考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 金のかからない方法で効果的なPR、啓発ができれば私もそれにこしたことはないと思うのですよ。だけれども、具体的に考えてみますと、どうしても金を伴うわけですよ。だから、財政多端の折からというのはすべての問題でまくら言葉で出てきますけれども、こんな金は数十億、数百億かかる金じゃないですし、必要なところは、やはり重点的に金をつけなければいかぬと思うのですね。これだけの被害が出ておるのですから、既決の予算でできれば、私は別に形式的に金をつけなければいかぬということは申し上げません、けれども必要な場合には、予算を取ってもこれをやらなければ、本当の意味でこの法律の趣旨というものは生かせないと私は考えますから、ぜひともこれは今後引き続き御努力をお願いしたいと思います。さらに何カ月かたって機会があれば、私は本委員会でこの予算の関係、PRの実態について御質問を申し上げたい、あるいは実態をお聞かせいただきたい、こういうふうに思っております。  そろそろ時間が参りましたから、あと三分ぐらいありますけれども、以上をもって終わります。

森清自由民主党

○森(清)委員長代理 午後三時に委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時二十九分休憩      ————◇—————     午後三時一分開議

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。北側義一君。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 昨日に引き続きまして、数点の問題につきましてお伺いしてまいりたい、こう考えております。  先ほどの理事会でクーリングオフ等いろいろ問題が取り上げられまして、そういう点で修正案が出されるようでありますので、その問題につきましては、質問の範囲から全部外して質問してまいりたい、こう考えております。  実は、先ほど参考人審議におきまして、全協連の多々良会長さんに御出席いただきまして、質問さしていただいたわけであります。その中で、私が先般通産省及び農林水産省から提出していただきました資料の中の商品取引紛議件数、五十一年から五十六年までをもとに紛議の発生の状況、これの御意見をお伺いしたわけです。ところが、多々良さんの質問の取り違えか私の聞き違いかわかりませんが、この資料の中に書いてある紛議事件の件数等、そのようにないような御意見があったように私、聞いたわけです。減少しているのならわかるのですが、むしろゼロに等しいというようなお言葉があったように考えておるわけでございます。  そこで、通産省及び農林水産省の方にお尋ねしたいのですが、この紛議件数はどのようにしてまとめたのか、また全協連加盟業者以外の業者が起こした紛議なのかそうでないのか、そこら辺はこの資料についてはどうなっているのでしょうか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 私どもが通産省あるいは農林水産省所管の取引所に申し出のあった件数といたしまして集計したものがございます。その数字を、たとえば通産省所管の六取引所に申し出のあった件数で申し上げますと、五十一年に三十九件、以下、五十二年が六十四件、五十三年が七十四件、それから五十四年が三十六件、五十五年が三十四件、五十六年が二十件。こういうふうに見ますと、五十三年の七十四件をピークに五十六年が二十件ということで、この四年ほどは次第に減少の傾向が見られるわけでございます。  なお、農林水産省の十二取引所に申し出のあった件数を申し上げますと、五十一年が五十四件、五十二年が七十五件、五十三年が百八十九件、五十四年が九十三件、次が百十四件、五十六年が八十九件となっておりまして、これで見ましても、五十三年の百八十九件をピークといたしまして、五十六年は八十九件でございますので、やはり傾向としては減少している、こういうことでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 大体いまの説明でわかりました。  そこで、いま申されたとおり減少はしてきているわけでありますが、やはり商品取引に対する紛議が事実上このようにあるわけです。その被害発生の一つの原因として、商品取引所法第八条のいわゆる運用と解釈の変更の誤り、これがあるのではないか、こういう説もあるわけです。また、中でも八条の逆転解釈、これが法運用上そういう悪徳業者を増大させておるのではないか、こういうこともあるわけですが、それについてはどのようにお考えなのか、またそれに対する対応はどうなさるのか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 いわゆる八条の解釈変更がございまして、上場商品以外の商品については、八条は抵触しないということになったわけでございますが、その後の様子を見ておりますと、金の流通が非常にふえてくるのと軌を等しくしているわけでございますが、確かに金をめぐる私設市場のトラブルはふえたわけでございます。そういったこともございまして、御承知のように、今回金を上場いたしまして金の取引所を発足させたわけでございますが、それ以来、金につきましては、私設市場のトラブルは減ってきているという状況でございます。したがいまして、八条との直接の関係というのは、解釈といいますか、見方の相違はあるかもしれませんが、金につきましては、一時非常にふえたという状況でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 この問題につきましては、きょうの附帯決議の第三番目にも述べられておるとおりですので、その点、よろしくお願い申し上げたいと思うのです。  なお、この新法が成立した場合に、先ほど参考人にもお聞きしたのですが、附則第一条で六カ月以内に施行する、こうなっておるわけですね。先ほど私非常に心配しましたのは、堺参考人から、実際表にあらわれておるものの四十倍近い被害がある、このような発言があったわけです。  そこで、駆け込み勧誘とか駆け込み契約、これが起こる心配があるのではないか、こういう心配をしておるわけです。いろいろな省令、政令をつくるために施行までにある程度の日数がかかる、これはわかります。わかりますが、こういう悲惨な被害がいろいろ出ておる現状からして、やはり何とか早く施行されるようにしなければならないのじゃないか、こういう考えを持っておるわけです。  それともう一点は、施行前、現状と同じであるわけですが、被害の未然防止策または被害者の救済策についてどういう対策を考えておられるのか、具体的に考えておられる点だけで結構ですから、お述べいただきたいと思うのです。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 法律の施行につきましては、仰せのとおりできるだけ早くいたすべく鋭意準備を進めたいと思います。  それから、それまでの間の対処策でございますが、一つは、やはりPR等啓発を進めることがあるわけでございますけれども、非常に目につくような事態が出てくる場合には、取り締まり当局ともよく連絡をとりまして、行政的にできるだけのことは対応したい、こういうふうに思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 そこで、取り締まり当局と行政でいろいろ打ち合わせ、それは当然やっていただかなければならないわけですが、たとえばこの新法施行後、その運用面について、訪問販売法施行後、御承知のとおり消費者保護という立場で、当時マルチ商法等の悪徳業者の名前を随時公表なされたわけですね。きょうの参考人の意見を聞いておりましても、お金なんかよりむしろ悪徳業者の名前を公表する、これが非常に手厳しい、彼らにとっては一番痛手になってくる方法ではないかと思うのです。このときは通産省も相当勇断をもってやられたと思うのですが、やはりそういう問題がなければ、この法律自体が、たとえばクーリングオフを仮につけたとしても、いろいろな問題が生じてくる可能性があるんではないか、私自身はこういう考えを持っておるのですが、そこらについてはどのように対処なさるのか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 公表につきましては、御承知のように、この法案では業務停止命令のかかった場合には公表するというのは明定してあるわけでございますが、いま御指摘のような点につきましては、たとえば被害者が相談室へ訴えてきた、あるいは相談に来た、相談に来たことのみをもって、これを直ちに公表するということにつきましては、消費者行政という観点から、直ちにそうすることにつきましてはいろいろ問題があろうかと思います。どういう場合に公表するのかといういろいろとむずかしい問題もあるわけでございますが、いずれにしましても、この法案をどう運用していくか、できるだけ効果ある運用をする必要があると思いますので、そういった運用のあり方の一環の中で、今後どうしていくか検討させていただきたいと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 これはなるほどおっしゃるとおりだと思うのです。ただ相談があったからその企業名を公表する、実態はどうなのか調べなければいけないと思うのです。しかし、先ほどの参考人の意見もありましたとおり、恥ずかしくて相談にも行けないという人も中にはあるんじゃないかと思うのですよ、そういうのにひっかかったことについて。そういう人もずいぶんおられるんじゃないか、こう私は思うのです。そういう点から、海外商品取引一一〇番、これを省内に設置して、受付の窓口をできるだけ広くしておく、こういうことが非常に大事ではないか、こう私は思うわけです。それについてはどうなんでしょうか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 一一〇番というお話でございますが、私どもは消費者行政の強化につきましてかねてから力を注いでいるわけでございますが、その一環といたしまして、通産省本省並びに地方におきましても苦情相談室が設けられております。これにつきましては、年々充実してきておりまして、世の中にも大分知れ渡ってきまして、いろいろな相談が入ってきているわけでございますが、今後ともこれを一層充実する、これをフルに活用することによりまして、従来もいろいろと被害の届け出があったわけでございますが、今後もこれを、一一〇番という名称ではございませんけれども、十分活用していきまして、それによってこの法案の運用の強化を図っていきたい、こういうふうに思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 この法案が成立しました以後もPR、啓蒙、啓発が非常に大事であろうと思いますので、その点よろしくお願いしておきます。  終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 小林政子君。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 海外商品市場における先物取引の受託等に関する法案の質疑につきましては、昨日来わが党の渡辺議員が具体的に質疑を行い、そして海外先物取引について、悪徳業者が公然と活動をし、その被害が後を絶たないという今日、こうした現状に対して、政府はこれを委託者を保護するための悪徳業者の行為規制法であると言っておりますが、しかし、一般投資家保護の問題やあるいはまた被害防止に実効の伴うものではないという実態も明らかになってまいりました。まして素人を巻き込むためのこうした——当業者主義というような点にしぼるべきではないか、このようなことも明らかにし、わが党の態度を鮮明に主張をしできたところでございます。  そこで私は、まず法案をちょっと離れまして、三月二十三日にオープンをいたしました東京金取引所の設立に当たり、通産省は金のブラックマーケットに参加していた者や国際商品取引をやっていた者は入れないと国会でも再三答えてまいりました。通産省は、今回東京金取引所の設立を指導してきたわけですが、その会員資格あるいは基準、審査、これらについて、その点はどうなっていたのでしょうか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 会員につきましては、取引所の中に会員資格審査委員会を設けまして、そこでまず審査いたしまして、それを経た後に理事会で会員を決定することになっております。  その基準と申しますか、につきましては、たとえば純資産額が一定以上であるとかあるいは商品取引所から除名処分を受けた者を除くとか、そういうふうな一般的な基準がありますほかに、今回の金の取引所の定款におきまして、たとえば金の先物取引のいわゆる私設市場で一般投資家を対象として勧誘等を行いまして、紛議を多発してきたというふうな者を除くとかいうふうな項目も入っているわけでございます。そういった基準に照らし合わせまして、審査委員会で十分審議し、そこをパスした者が理事会の議を経て会員として決定される。そしてこの会員の中から、今度は商品取引員になろうとする者につきましては、そういった審査を経た上で、さらに通産大臣に申請いたしまして、通産大臣の許可を得て商品取引員になる、こういう手続が踏まれるわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 そうしますと、金のブラック業者や国際取引をやっていたというような者は入れないということが明らかにされましたけれども、ここで西興通商という株式会社、これは東京金取引所の会員になっております。これは受託業務がやれる商品取引員ではございませんけれども、会員でございます。この会社が会員であるということはお認めになりますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 私どもが承知しているところでは、そういった欠格要件はないというふうに理解しております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 会員であるかどうかということをお尋ねいたしたわけでございます。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 失礼いたしました。会員でございまして、取引所の審査委員会を経て会員になっております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 結局会員は、確かにおっしゃるとおり取引所の資格審査委員会、そこで選ばれるわけですけれども、しかし、通産省が認可を必要としないからといって通産省の指導監督責任というものは免れるわけではないものだと思います。政府はりっぱな金取引所をつくるんだということを再三言ってまいりましたし、西興通商というこの株式会社が会員になるかどうかということを、通産省は特に問題にしたことはありませんか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 この企業につきましては、私ども特にいままで問題にしたということは、私は聞いておりません。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 ユニバース貿易という国際商品取引を行っている会社がございますけれども、この会社は五十六年二月十七日に設立をされたと記されております。銀座四丁目八番八号、国際会館の八階に事務所を持っていると言われておりますけれども、この会社はやはり国際商品の取引をやっていたということが認められますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 ただいま資料を持ち合わせておりませんし、それについてはいまお答えできない状態でございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 これは結局、私の方で調べた資料でございますけれども、「国際商品取引業協会」というごらんのようなパンフレットと申しますか、ペーパーがございますけれども、この中に、ユニバース貿易株式会社と住所も全く同じで、国際商品を取り扱っている業界だ、それに加盟をしているということが——ここで赤マルがついてございますけれども、そこから見えるかどうかわかりませんが、はっきりとここに明記をされているわけでございます。  そこで、この国際商品取引業協会に加盟しておりますユニバース貿易の相原洋という代表取締役は、西興通商の代表取締役でもございました。西興通商の取締役であった相原氏が、五十六年の二月十七日にユニバース貿易が設立をされますと、その代表取締役になったわけです。つまり私の考えでは恐らくこれは出向というような関係ではないかと思われます。さらにユニバース貿易の取締役にいる西山忠成という方は、西興通商のオーナーと言われる人でもございます。西興通商株式会社が国際商品取引に関係していたというこのようなつながり、こういった問題についてどのように通産省はお考えになっているのか、この点を明確にしていただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 この件につきましては、ただいま伺ったところでございますが、調べてみませんとわかりませんので、事実を調べてみたいと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 これは私は、いま申し上げたのは人的なつながりという点を主に申し上げたわけでございますけれども、やはりこういうことは十分調べてもらわないといけないというふうに思います。  それで、ユニバース貿易というのは五十六年の二月二日に明裕不動産と明裕国際会館貸室賃貸契約を結んで、敷金一千万円で国際会館に入っております。この契約書には西興通商が保証人になっているわけです。その後、四月十五日付のユニバース貿易と明裕不動産との間の質権設定契約証書にも西興通商株式会社が債務保証を六千万円もやっている、こういう事実が私どもの調査で明らかになっております。私はここに資料を持っておりますけれども、この中にしっかりと書かれているわけです。つまりその西興通商というのはユニバース貿易に国際商品取引をやらせていた疑いが強い、このように思わなければならないと思いますが、通産省の見解をもう一度お伺いをいたしておきます。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 本件につきましては、私どもも調べてきておりませんので、いまここでお答えできない状況にございますので、別途調べてみたいと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 ぜひひとつきちっと実態を調べて、こういったとかく国内でも、あるいはまた海外でいろいろと紛議を起こしている、こういうところについては、やはり厳重な指導監督をやっていただかなければならないだろう、このように思います。  このユニバース貿易というのが、実は札幌市の豊平区で——ここでも何回か問題になりましたけれども、札幌北高校の教諭の疋田裕さんという方、私もお電話をいたしましたけれども、この方がこの四月十九日に自殺しているのです。ユニバース貿易株式会社札幌支店は四月初めに電話で、もうかりますよということで勧誘をして、砂糖三枚で三百万円を投資して、二週間で二百万円以上の損をしてしまった、こういうことで、奥さんは、これではまるで詐欺に遭ったようなものだけれども、実際にはどこへしりを持っていっていいのかわからない、こういうようなことで嘆いておられました。私はユニバース貿易の札幌支店長の話も聞いてみました。結局自殺の責任というのは当社ではなくて、いまそれなりの話し合いが持たれているんだ、こういうようなことでございましたけれども、しかし、こういう一般の投資家を海外市場の投資に巻き込んで、そしてわずか二週間で二百万円以上の損害を出させるというようなこともやっている特に許せない業者ではないか、私はこのように思いますので、ユニバース貿易についてもきちっと調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 調査いたしたいと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 東京金市場の問題につきまして、取引所の取引員が一応四十社と言われておりますけれども、取引員四十社の中に東京あるいは全国で紛議が絶えないと言われていたエース交易が入っています。同社の榊原秀雄会長は、同社の海外事業本部内に無認可の国際商品取引業協会——当初これは二十社で結成されたそうでございますけれども、現在は四十一社で設立しておりまして、そこの理事長に就任をいたしてまいりました。昨年はそのポストを元労働基準局長の岡部実夫氏に譲りましたけれども、エース交易は国際商品取引と関係していた事実というものは、私はいろいろと調べてみて否定できないのではないか。通産省はなぜこういう業者を認可したのですか。この点についていろいろと私自身調べてみたところが、エース交易は紛議の件数でも非常に多いですね。五十一年から五十五年の間に商品取引被害者の会に寄せられたものだけでも四十五件にもなります。被害総額は四十数億円となっています。通産省はこういった事実を知りながら、会員資格及び取引員の認可について、これを認めたということは納得できません。見直す必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 先ほど申しましたように、取引所の中におきます資格審査委員会での審議等を経まして通産大臣が認可したものでございます。私どもといたしましては、先ほど申しました定款、同基準等に照らしましても調べて行ったわけでございまして、その定款の欠格事由には該当しないというふうに考えております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 どういう点が該当をしないとおっしゃるのですか。いわゆる取引員ということに該当しないというのですか。紛議の調停委員会でいろいろと取り上げたというようなものしか一般には数えられていないと言われていますけれども、しかし、エース交易の被害の実例については、四十五件ほどの件数が全国に出ていて、被害総額は四十数億円と言われていますし、東京地裁の民事八部で裁判にかかっている事件がございまして、その関係資料として地裁に四十五件の被害例を出されているということも言われています。何をもって該当しないとおっしゃるのでしょう。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 定款におきましても、先ほど申しましたような紛議を多発させている云々あるいは私設市場の問題等があるわけでございますが、それらの点に関しまして資格審査委員会でもよく検討いたしましたし、私どもも検討いたしまして許可したわけでございまして、この四十社の中に入れることについて不適当でないという判断をしたわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 これは民事八部で裁判にかかっている事件があって、その資料として東京地裁に担保されておりますので、あなたは、いわゆる紛議調停委員会で取り上げられていないということだけを証拠にしてそういうことをおっしゃっていらっしゃるのだろうと思いますけれども、通産省、国会の場でこれだけ問題になった以上、やはり事実関係を明らかにするよう調べていただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 私どももいろいろ調べました結果でございまして、そういった紛議の件数等、最近の傾向等も調べまして結論を出したわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私はこの点については納得をすることができません。したがって、こうした問題のある会社を金取引所の会員にするという、私は、本当に悪質なブラック業者や国際商品の取引業者に対して厳しく対処をするということを望んだものですけれども、このような通産省の姿勢でいま出されている法案を運用しても、本当に大きな被害を受けた人、一般委託者の保護という角度でこういう問題が確立できるのかどうなのか、非常に疑問だと思います。  先般の商工委員会でも、他の委員からもエース交易の問題については取り上げられておりますので、その点も踏まえて調査をしていただきたい、このことを再度お願いいたしたいと思いますが、いかがですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 先ほど申しましたように、これにつきましては、審査委員会におきましてもよく調べた結果、結論を出したものでございまして、私どもといたしましては、これが欠格事由に当たるというふうには考えていないわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 そういう姿勢をおとりになるということであれば、私は、やはり今後一層いろいろな問題が出てくるということだけをはっきり断言をしておきたいと思います。  次に、法文の定義をめぐってですけれども、今回の法案を見てみますと、抜け穴が大分あるようでございます。香港市場を政令指定すれば大方の被害はなくなると通産省は言っていますが、業者が、これは先物取引ではなく現物取引のようなものだと言えば、この法律では規制できないことになりませんか。これまでも通産省は、金のブラックが問題になったときも、これは先物取引ではなくて現物まがい取引だと言ってまいりましたけれども、同じように、今回の法律も、現物まがいのもの、いわゆる類似行為というようなことで規制の対象に入らないというようなことが出てくるのではありませんか。その点について明確にお答えをいただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 今回の法案におきましては、被害が多発している市場から政令指定していくという形をとっております。現在のところで見ますと、紛議の大多数は香港の取引所で起こっておりまして、それも商品といたしましては、金あるいは大豆、砂糖というふうなものがその大部分を占めているわけでございます。したがいまして、当面、私どもといたしましては、政令指定はその香港取引所の金あるいは砂糖、大豆というものを行うわけでございまして、それによりまして最近の紛議は大多数をカバーしておりますので、そこから手をつけたいというふうに考えているわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 これは大阪豊田商事の定款なんですけれども、この前いろいろと皆さんの御協力もあって解決をすることができた件です。この大阪豊田商事という会社は、外国市場と何か関係があるというような宣伝をして金の先物取引をやっていた会社でございますが、これは被害者が相当出ています。いま純金ファミリー契約証券ということで、これは各地で被害者を出しております。形の上では賃貸借契約を装っておりますけれども、スイス、ロンドン、ニューヨーク及び香港、シンガポール金市場の取引価格でとうたって、一年から三年の契約で、満期時には現物ではなく金銭で支払うことができるようになっている。この場合、そのときの契約価格ということになっておりますけれども、この会社は中途解約というのを絶対認めないのです。逆に違約金を二五%ぐらい取られたという事例も出ております。現物まがいの商法であり、何らかの規制がこういったものには必要ではないかと思いますけれども、具体的に今回の法律でこういったものが規制できるのかできないのか、そういう点についてお答えをいただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 今回の法律は、いま一番問題になっております先物取引を対象とするものでございますので、現物取引につきましては対象になっておりません。  それで、いま申されましたような現物もしくは現物まがいの問題というのが起こっているというふうな御指摘を私どもも受けるわけでございますが、これにつきましては、資源エネルギー庁の方でもいろいろと対応策を考えまして、去る五十四年に、金地金流通協会という、これは公益法人でございますが、公益法人を指導してつくらせまして、その協会の中で登録店制度というものを設けております。これは全国で約三百三、四十すでに登録されておりますが、この登録店制度において現物の売買をしていただくようにPR等を通じて指導しているわけでございます。こういうことを通じまして、信用のある店で買っていただく、逆に言いますと、にせものその他をつかませられないようにするために、いま申しました金地金流通協会を認可いたしまして指導しているわけでございまして、今後はこういった協会の指導並びに取り締まり当局との機動的なタイアップを通じまして一層その点の防止に努力していく、こういうことを考えているわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いろいろとお話がございましたけれども、端的に言えば、これはやはり野放しということですね。規制の対象にならないですね、ブラックですから。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 先物取引を対象とする法律につきましては、現物は対象になりません。しかしながら、いろいろな角度から問題が起こっておりますので、行政運用並びに法規制、いろいろな点であらゆる角度から私どもも努力いたしまして、少しでも問題の解決に当たりたい、こういうふうに考えているわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 今回の法律で、先物取引といっても、実際には海外で具体的にやられている場合には実態がわからないというようなこともございますし、いろいろと先般来から論議されておりますように、書類の交付をやるといっても、それは結局いまでも業界がやっていたものを、ただそれをやるだけにすぎないとか、ずいぶんたくさんの指摘がされておりましたけれども、こういう問題についても、これが野放しにされているというようなことは、やはり何らかの形で規制の対象とするとか、あるいは何らかの措置をとる必要があるのではないかというように思います。  時間の関係で次へ移りますけれども、五十六年の三月に商品等の取引問題研究会の中間報告が出されております。この中に、海外取引について一般投資家保護の観点からA案というのがございまして、「海外取引所における取引の一般投資家を対象とする勧誘又は受託の禁止」ということが一つの案でありまして、もう一つは許可制というB案、二つが出されているわけでございます。これは御承知だと思います。結局A案については、「問題と考えられる事項」として「一般投資家にとって投資機会が減少することになるが、取引に習熟していない大多数の一般投資家を保護するためには、厳しい規制が必要である。」というふうにも述べられているのです。私は、なぜ政府がこうした五十六年三月の中間報告の立場に立って、この法案というものを急いでつくるということをされなかったのだろうかと依然として大変残念に思っておりますけれども、こういった問題についてどのような見方をされているのか、お伺いをいたしたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 考え方といたしましては、禁止の考え方とか許可制の考え方とかいうものがいろいろ多角的に検討されたことは事実でございます。そういったものを、その後いろいろ立法論的な角度からの検討も経まして、結論的に今回のようなものになったわけでございます。たとえば禁止につきましては、午前中の参考人の御意見にもあったかと思いますが、やはり今後の国際化を踏まえまして国際取引というものも出てくる、そういった面もございます。したがいまして、全面的に禁止ということも必ずしもとるべきではないという意見もございまして、それはそういった方向をとらなかったわけでございます。また、許可制につきましては、これも先ほども申し上げましたが、御承知のように、現在の商品取引所法、国内の取引所法は許可制になっているわけでございますが、これはいわゆる経済法でございます。今回の海外のこの問題につきましても、許可制をとるべきだという御意見もあるわけでございますが、いまの段階でのこの海外の取引業界、この発展段階におきましては、たとえば許可制をしいた場合に、どういう許可基準でどういう業者を許可するかということを考えますと、遺憾ながらなかなか許可制になじまない状況にあるわけでございます。しかも、経済法でなく取締法という形での法律になりますと、許可基準はどうしても形式的な一律的な許可基準にならざるを得ないわけでございまして、そういったことで許可をいたしまして、大ぜいの方を許可いたしますと、かえってそれはいまのこの業界の段階から見ますと、政府の公認のお墨つきを与えるデメリットの方が大きくなるわけでございまして、そういったこと等をいろいろ検討いたしました結果、今回のような法案が、現段階におけるこの業界に対する規制法としては最も適当であるというふうな結論に達したわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 それもちょっと納得できない面がございますけれども、時間がございませんので、最後に商取法八条問題についてお伺いをいたしたいと思います。  商取法八条については、上場商品以外について現状では野放しになっているという。各地で銀やプラチナの被害がいま出ていますけれども、政府は昨年三月の商品等の取引問題研究会の中間報告でも、商取法八条問題についての対応を三つの案としてまとめたはずでございます。その中で、多数意見として、一般的に非上場商品について禁止するという案が最も多かったと国会でも報告をされていますが、これが実施されれば、国内のブラックもなくなるのではないだろうか。あるいは立法当時の考え方、昭和二十六年以来三十年間にわたって政府がとってきた立場というものに再びこの解釈を戻すことが非常にいま求められているのではないか、このようにも思います。昨年五月十二日の当委員会で神谷審議官は、商品取引所審議会に図った上で法律の改正をしたいとお答えになりましたけれども、現在どこまでこの問題が進んでいるのか、この点について、まずお伺いをいたしたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 昨年の春、通産大臣から商品取引所審議会に諮問がなされまして、中身といたしましては、いま御指摘のございましたいわゆる国内の非上場商品にかかわる問題。それからもう一つは海外の商品取引のトラブルの防止。この二つについて諮問が出されているわけでございますが、今回はその中で緊急を要するものとして、海外の問題につきましての答申をいただき、かつその線に沿って法案を提出したわけでございます。  もう一つの残りの問題につきましては、今後さらに検討していただく、こういう手はずになっております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 最後に大臣にお伺いをいたしたいと思いますけれども、商品取引所法八条のこの解釈問題については、五十五年の四月に政府が逆転解釈をいたしました。従来取引所に上場されている商品はもちろんのこと、それ以外の商品も勝手に私設先物市場を開くことができないと解釈をされてまいりましたけれども、それが現状では、その都度その都度、この指定商品というものを、上場商品を指定してやっていく、こういう状況が出てまいりまして、結局これは、やはり今日のブラックが野放しにされてきたその根本的なところにこれがつながっていくのではないか、このように私は思います。被害を続出させるというようなことは全く許されないことだというふうにも思いますので、政府の責任で八条問題で至急きちんとした措置をとっていただきたい、解決を図ってもらいたい、通産省の行政責任としてもこの点は責任をお感じになってやってもらいたい、このように思いますけれども、いかがでございますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 ただいま申しましたように、事務的には大臣から審議会の方に諮問が出されておりまして、そこで検討いただいておりますので、私どもとしましては、その検討結果を待って善処したいと考えております。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 商品取引所法第八条の解釈につきましては、昭和二十六年の法務府の意見によりまして、非上場商品の取引所類似施設の開設をも禁止しているとされてきたわけでございますが、その後三十年を経過した昭和五十五年二月に、第八条の解釈につきまして質問主意書が提出されたことを契機にいたしまして、その後の経済状況、取引実態が大きく変化していることを踏まえ、再検討を行ったところでございます。その結果として、同法の目的、趣旨に照らしつつ同条の文理に即して解釈し、同条は第二条第二項に言う「商品」についてのみ取引所類似施設を禁止していると解するほかはないとの結論に達したわけでございます。  今回の商品取引所審議会の答申に当たりましては、事態の切迫度にかんがみまして、とりあえず緊急を要する海外商品取引所における取引の勧誘問題につきましての答申をいただいて、その結果として法案を提出したわけでございますが、この問題につきましては、引き続き検討を行っておるところでもございますし、その結果を踏まえて対処してまいりたいと考えております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 海外商品市場における先物取引の受託に関する今回の法律につきましては、私どもとしては、これは一般の言葉で言うとざる法だということで、こうした問題について昨日渡辺議員も明らかにいたしてきたところでございますけれども、やはり第八条問題しかり、それからまた、いままでのそこに根源があるさまざまな動きの中で、当業者主義というようなことも入らないというような中で、これはしょせん私どもは効果の上がる法律とは言えないのではないか、このように思えてなりません。この点について、最後に大臣のこの問題についての見解をお伺いして、私の質問を終わります。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 今回のこの法的な措置によりまして、一〇〇%の効果が上がることばなかなか困難であると思いますが、しかし大きく前進をしたのではないか。悪徳業者の発生を防止する、あるいはまたこれに対して制裁を加えるという措置が講ぜられるわけでございますから、それなりの前進をしたわけでございますが、取引所あるいは商品取引全体につきましてはいろいろと問題があるわけでございますので、その点につきましては、審議会等でも検討していただいておりまして、その成果あるいは答申を踏まえまして、場合によっては全面的に再検討する、こういうことが必要になるかもしれないと思いますし、答申を得た上で、その場合は検討して法的な措置等も考えなければならないと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 この際、本法律案に対し、野田毅君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合の五派共同提案による修正案が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。清水勇君。     —————————————  海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕

清水勇日本社会党

○清水委員 ただいま議題になりました修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  修正案は、お手元に配付してあるとおりであります。  修正の第一点は、海外先物契約の定義を改め、海外先物契約とは、海外商品市場における先物取引の受託等を内容とする契約であって、海外商品取引業者が、別に顧客の指示を受けて売買の注文をする旨の定めがあるものを言うものとすることであります。  修正の第二点は、新たに顧客の売買指示についての制限に関する規定を設け、海外商品取引業者は、海外先物契約締結の日から十四日を経過した日以後でなければ、顧客の売買の指示を受けてはならないものとすることであります。ただし、海外商品取引業者の事業所において、顧客がした売買の指示については、この限りでないとしております。  また、この規定に違反して顧客の売買の指示を受け、注文をした場合は、海外商品取引業者の計算によってしたものとみなすこととしております。  修正の第三点は、海外先物契約の定義に該当しない海外先物取引の受託等の契約は、無効とすることであります。  その他、関係条文の整備を行っておりますが、修正案の要点は、海外先物契約は、いわゆる基本契約と売買の指示が別になっているものに限り認めることとし、基本契約と売買の指示との間に一定期間を置くこと等によって、一般委託者の利益保護を図ろうとするものであります。  以上が修正案の趣旨であります。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。北側義一君。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 ただいま議題となりました原案及び修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合を代表いたしまして、賛成の討論を行います。  近年、海外商品市場における先物取引の勧誘、受託等の行為を行う業者が急増しておりますことは御承知のとおりであります。こうした業者の中には悪質な業者も多く、一般委託者の間に多くの被害が発生しております。  こうした現状にかんがみまして、政府は、これらの被害を防止するとともに、海外商品市場における先物取引の受託等を公正にし、一般委託者の利益の保護を図るため、本法律案を提出したのであります。  本法律案の審議の過程においても明らかなように、悪質業者の手口は執拗かつ巧妙なもので、一般委託者は拒否する気持ちがあっても、絶対に逃さない手口であります。また、被害者は多数に上っており、表面にあらわれたものは氷山の一角であります。  こうした状況を見ますとき、一般国民をこうした悪質業者の手口による被害から早急に守らねばなりません。  こうした緊急課題に対処するため、政府は、法律制定のため、実情調査を進めながら、商品取引所審議会への諮問とその答申、さらに政府部内の調整等、限られた時間を利用し、多少のおくれはあったものの今国会に急ぎ法律案を提出してきました。  その内容につきましては、まず目的を悪質な先物取引に焦点を当て、早急に委託者を保護するものとして、警察的な法文となっており、現状から見て適正な目的と言えます。  また、悪質な勧誘行為に対する書面の交付義務、不当な行為の禁止、業務停止命令等、まさに時宜に適したものと言えます。  次に、本修正案につきましても、その要点が、契約の締結がトラブルの大きな要因となっていることから、先物契約と売買契約の間に一定の期間を設け、委託者の保護を図ることは、今後の法運用に大きな意義があると思います。  以上で私の賛成討論を終わります。(拍手)

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 渡辺貢君。

渡辺貢日本共産党

○渡辺(貢)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案について、反対の討論を行います。  本法案に反対する第一の理由は、本法案の目的を委託者の利益の保護としていながら、実際に規制の対象となるのは政令で定める外国市場であって、かつ政令で定める商品に限られております。その結果、ブラック市場については何らの規制もされないばかりか、逆に容認することともなり、これでは、本法案の目的である一般委託者の保護、救済を図ることはできないのであります。  第二の理由は、本法案は、業者に契約書の提示、売買指示の書面交付などを義務づけていますが、実効性には疑義がある点です。  それは、悪質な海外取引業者ですら現にやっているものであり、これの追認でしかありません。  さらに、不当な行為について禁止事項を設けておりますが、厳しい罰則規定もなく、業者の悪質な行為を有効に規制できるとは思われません。さらに、この条項について不当行為の立証は一般委託者に課せられている点から見て、一般委託者の救済にはほど遠いものであります。  第三の理由は、委託者保護という前提に立てば、素人の一般大衆を対象とするのではなく、当業者に限定すべきであるというわが党の主張の点からであります。  本法案は、国内の商品取引所法に基づく国内業者に対する規制よりも大きく後退したもので、詐欺的商法を一般的特質とするこの業界の性格から見て、一般委託者保護の上で欠陥を持った本法案は、むしろ悪質業者を容認し、逆用されるおそれさえあります。  なお、五会派の本法案に対する修正は、一般委託者保護の立場で若干の改善はあると言えますが、本法案の本質的欠陥を補うものではなく、賛成することはできません。  以上の点から本法案及びその修正案に対するわが党の態度を表明して、反対の討論といたします。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これより採決に入ります。  まず、野田毅君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 起立多数。よって、本案は、野田毅君外四名提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 この際、本案に対し、渡辺秀央君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺秀央君。

渡辺秀央自由民主党

○渡辺(秀)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 海外商品市場における先物取引の勧誘・受託等の公正化を図るため、海外商品取引業者に対する指導・監督体制を強化し、本法の趣旨を周知徹底するとともに、今後とも勧誘・受託等の実態把握に努め、本法の運用に遺憾なきを期すること。  二 海外商品市場における先物取引の一般委託者の被害を未然に防止するため、海外先物契約に関する一般委託者の理解を深めるよう、あらゆる機会を通じ、必要な情報を提供し、有効な啓発活動の推進を図ること。  三 商品取引所法第八条の解釈変更により、商品市場類似施設開設の規制に問題を生じている状況にかんがみ、早急にその対策を講ずるよう検討するとともに、商品取引の健全な発展に資するため、引き続き商品取引所制度全般について見直しを行うこと。 以上でございます。  附帯決議案の各項目の内容につきましては、審議の過程及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  本動議について採決いたします。  渡辺秀央君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍通商産業大臣。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしまして、その御趣旨を尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 お諮りいたします。  ただいま修正議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 次回は、来る五月七日午前十時理事会、午後一時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時八分散会      ————◇—————

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