商工委員会 第14号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/27
会議録
○梶山委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。 内閣提出、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、明二十八日午前十時三十分、参考人として商品取引所審議会委員久保田晃君、悪徳商法被害者対策委員会会長堺次夫君及び全国商品取引員協会連合会会長多々良義成君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○梶山委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○梶山委員長代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。泰道三八君。
○泰道委員 商品取引所は、現在商品取引所法に基づき金など八商品について十九カ所開設されております。その機能は遺憾なく発揮されている、こういうふうに申し上げてよろしいと思いますが、近年、こうした商品取引所法に基づく先物取引の枠外におきまして、一般大衆に被害を与える悪質行為が多発しております。中でも海外の商品取引所の取引を利用した悪質行為については、目に余るものがあるようでございます。こうした状況を放置すれば、今後とも国民に甚大な被害を与えるおそれがあり、また一方において、商品取引全体に対する社会的信用を著しく損い、健全な商品取引の育成のためにもゆゆしき問題となりかねません。そこで、本日はこの問題について政府から御提案がありました法律案について質問を申し上げたいと思います。 まず、本法律案は当初の提出予定が大幅におくれたようでございますが、おくれた理由についてお伺いをいたしたいと思います。
○植田政府委員 ただいま御指摘がございましたように、五十四年ごろからいろいろと海外における商品取引についてのトラブルが出てきております。それで当委員会等でもいろいろと御指摘がございましたので、私どももどういうふうに対処するか、いろいろ検討をしてきたところでございます。研究会を持ちましたりあるいは商品取引所審議会に諮問をいたしまして検討をいただいたわけでございますが、何せこれは外国における取引を対象とするものでございますので、いろいろとこの規制の仕方あるいは対応の仕方等につきまして審議なり検討に手間取りまして、提案が大変おくれてしまったというのが実情でございます。そういった点いろいろ議論した末に、提案申しましたような法案にまとめまして、いま御審議をこれからお願いしたい、こういうことでございます。
○泰道委員 よくわかりました。 それでは、ちょっと本題に入ってまいりますが、最近香港の商品取引所を初めとする海外商品取引所における先物取引について、国内の悪質業者が一般大衆に対して参加するように働きかけ、詐欺同然の行為によって一般大衆を食い物にしておる。いろいろ新聞でも報道されておるところでございますが、この問題の発生した背景と被害の大きさについて簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
○植田政府委員 近年、海外取引所を踏まえてのいろいろなトラブルが起こっているわけでございますが、その背景といたしましては、幾つかの点が考えられると思います。 一つは、一般的な動きといたしまして、外為法の規制の緩和等によりまして国際化の動きが急速に進んだことが挙げられると思います。たとえて申しますと、四十八年四月には金の輸入の自由化が行われましたし、また五十三年には金の輸出の自由化が行われております。 それから第二番目には、香港におきまして、香港取引所に金とか大豆が上場されたというのが一つの引き金になっているんではないかと思われます。五十四年十一月に香港では大豆が上場されましたし、また五十五年八月には金が上場されたという状況でございます。 三つ目には、私どもが昨年の九月、商品取引所法に基づきまして金を政令指定いたしました。御承知のように、それまで国内におきまして金をめぐるいろいろなトラブルがございまして、そういったものに対応することも含めまして、そのほかもちろん金の流通が非常に増加したことに伴う金の価格形成とかあるいはヘッジの必要ということがあったわけでございますが、同時にブラックマーケットを退治するという効果もねらいまして、昨年九月に金を政令指定いたしました。それによりまして、私設市場が禁止されるのに伴いまして、そういったものが海外へ流出するようになった、こういった面も否定できないところでございます。 そういうふうなことで、被害は昨年の秋から急速に増加しておりまして、被害額といたしましては、おおむね一件当たり五百万円くらいというのが平均的な数字でございます。
○泰道委員 被害額のトータルは大体どれくらいと推測されますでしょうか。
○植田政府委員 トータルは、正確には必ずしも十分つかみがたい点があるのでございますが、通産省あるいは農水省へ相談のあった件数を見ますと、たとえば五十五年の年央から五十六年の十二月にかけての一年ちょっとの間で相談件数が四百四件になっております。この中で三百四十件は香港関係でございます。 なお、月別に見ますと、五十五年から五十六年にかけては月十件前後であったわけでございますが、次第にふえておりまして、昨年の十月には百十四件という三けたに乗せております。 この間、金額もおおむね十五億程度というのがこの両省へ相談のあったケースの合計でございます。
○泰道委員 そうしますと、両省に相談のあった件数から推測して、これはなかなかむずかしいとは思うのですが、いままで日本全国で実際に被害を受けた金額というのはどれくらいのものになると現在考えていらっしゃいますでしょうか。
○植田政府委員 ただいま申しました数字は、農水省と通産省に対するものでございまして約十五億、こういったものが表面に出るのは一割であるとかあるいは二割であるとかいうふうな言葉もよく聞かれるのでございますが、これは何せ正確にはなかなかわかりませんが、表面に出ていないものがかなりあるだろうということは一般的には推測されるところでございます。
○泰道委員 正確な数字はなかなか推測の域を出ないと思いますので、出しづらいと思いますが、とにかく相当の被害であるという御認識は現在なされているわけでございますか。
○植田政府委員 おっしゃいますように、相当の被害が出ているのではないかというふうに考えているわけでございます。
○泰道委員 それでは、悪質な業者の実態あるいはそれらの手口についてお聞かせをいただきたいと思うのですが、それと同時に、またそれらに対する取り締まりの実態についてどのようになっているか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○植田政府委員 先ほど申しましたように、われわれの把握しているところで申し上げますと、現在、海外の商品取引所における取引を受託している業者数は、私どもが承知しているだけでおおむね百五十程度ではないかというふうにつかんでおります。そのほとんどは目下のところは香港の商品取引所に関係しているものでございます。 こういった悪質業者の手口といたしましては、たとえば、必ずもうかるというふうな勧誘をいたしまして、もうかるかのごとく勧誘する、あるいは初めのうちは利益が生ずるように仕組みまして、ある程度までいきますと取引を拡大させる、そうして最終的には相当な損害を与えるというふうなこともよくあることでございますし、あるいはまたよく言われますように、いわゆるのみ行為をしてしまう、実際に香港なら香港取引所へつながないでのんでしまうというふうなのもございますし、そういうふうないろいろな手口が行われておりまして、そういうことがトラブルのもとになっているわけでございます。 これにつきましては、私どもは警察当局とも連絡をとりながらいろいろとやっているわけでございますが、たとえば詐欺罪等でつかまえるというのはなかなかむずかしい点もございまして、今回はそういう点も踏まえまして、特別法で立法いたしまして、そういったことができるだけやりやすいように、あるいはまた被害者を最終的に救う道はないかというふうな観点から考えまして、本法案を考えたということでございます。
○泰道委員 さて、ここでちょっと日本国内の商品取引のあり方について概略お聞かせいただきたいのですが、まず日本における商品取引員というのはどのようなものを指すのでございましょうか。
○植田政府委員 国内の商品取引所の関係の商品取引員は、現在おおむね百九十社前後だと思います。これは商品取引所法に基づきまして、通産大臣あるいは農水大臣の許可を受けまして商品取引員になっているわけでございます。 この商品取引員につきましては、受託につきましてのいろいろな規制がございますと同時に、いろいろと取引所に対しましても主務大臣は規制いたしまして指導しているわけでございます。 なお、いわゆる勧誘におきまして大きな役割りを果たします外務員に対しましては、これを登録制にするとかいうふうなことを通じまして現在監督しているわけでございます。 こういった商品取引員は、通産省関係の物資及び農水省関係の物資、両方にまたがって業務を持っている業者もおりますし、一方通産省物資専管あるいは農水省物資専管というのもございますので、形態はいろいろでございますが、おおむね百九十ぐらいの取引員が現在受託業務に従事しているのが現状でございます。
○泰道委員 ただいま植田審議官から断片的に触れられたわけなんですが、いまお話にもありましたように、商品取引員はお客様、すなわち委託者の保護という観点から非常に多くの規制を受けておる、同時にいろいろな義務を課せられておる。たとえば外務員の登録制、そのほかに取引額の何割かをいわゆる業務保証金として取引所に積み立てる、あるいは証拠金の一割をやはり保証金として積み立てる、あるいは店の数に応じてその他保証金を積む、あるいは紛争が起こったときの積立金として責任準備金といったものを積む、あるいは営業でも八十キロ制限というような制限が与えられている。いろいろあると思うのですが、受託債務補償基金協会はどういう協会でございましょうか。
○植田政府委員 受託業務保証金を半分程度そこに積み立てておきまして、被害等に対処するようにしておくというのがその目的でございます。
○泰道委員 そうしてみますと、日本国内の商品取引員は非常に多くのそういった枠をはめられて、委託者の保護のためにかなり大きな負担を強いられている、そういうふうに常識的に考えてよろしいでしょうか。
○植田政府委員 委託者が被害を受ける態様といたしましては、先ほどちょっと海外について申しました、必ずもうかるとか、あるいはのみ行為で損をさせられるとか、そういう行為による損失があるわけでございますが、同時に、特に国内の取引所関係で申しますと、商品取引員が倒産してしまう、預けた金が全部そのままでは取れなくなってしまう、こういった被害もあるわけでございます。商品取引員が倒産してしまったような場合にどうするかということがあって、そのために預かった金の何がしかは一定のところにプールしておくとか、そういう形にして倒産したときに全く何も返らないというふうなことがないような仕組みも考えているわけでございまして、御指摘のとおり、いろいろな点で義務を課す、あるいは積み立てを命ずることで、たとえば倒産した場合にできるだけそれが返るようにするとかということも含めてやっているわけでございます。
○泰道委員 さて、話がまたちょっと香港の方へ向きますが、香港の商品取引所の会員には、いわゆる正会員、その正会員とコネをつけた日本の準会員、こういう種類があるようなんですが、それらについては当法律案の説明書にもいろいろ書いてございますが、正会員については、だれでも正会員の資格を得ることができるというものではない、そういうふうに私にも理解できるわけです。しかし準会員については、資本金が五千万円以上の会社であって、正会員を通して香港の取引所に一商品銘柄について香港ドルで約五千ドル、日本円にしてわずか二十万円程度保証金を積めばよいということになる。そういうことですから、現在の日本の商法上、五千万円のお金がなくても五千万円の資本金の会社をつくることはいとも簡単なことでございます。そういうことになりますと、準会員については、正会員との何らかのコネクションがあればだれでもなれる、どんな人でもなりたいと思えば、正会員とのコネクションが若干でもあればなれる、こういうことになるんじゃなかろうか。それからまた先ほど、日本の商品取引員の場合には、倒産した場合に困るからいろいろと手かせ足かせをはめてあるのだというお話でございましたが、準会員については、たとえば会社を倒産させても、また別の名義で新しい五千万円の会社をつくって、香港の正会員との関係を持って、全く同一の人間が形を変えて別の準会員ということで生まれ変わってくる、こういうことが現実に可能なのではないかと思うのですが、その辺の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
○植田政府委員 確かにきわめて流動的なこういう業界におきましては、いろいろと会社が変わるというふうなことも一般のいわばでき上がった産業界と比べれば多いということはあろうかと思います。ただ、香港等におきましても、たとえば準会員についても、一年ごとに切りかえる方式を新たに採用するとか、あるいは正会員のいわば業務保証的なことを求めるとかいうことでときどき制度の改善等も図っているようでございまして、そういった意味で準会員のあり方も事態の推移に応じました改正等は行われているようでございますが、ただいま御指摘のように、それほど多額の金額が必要でない、あるいは香港ドルで五千ドル程度の払い込みということからしますと、比較的簡単にできるのではないか、そういう要素も確かにあろうかと思います。そういった面は、一面においては、先ほど申しましたように、香港の取引所の方で若干の改善というふうなことも見られるようでございますが、一方また、それによって被害が多発しているという現実を見て、私どもといたしましては、そういった現実の中でどういうふうにしたら少しでも被害が防止できるかということからいろいろ知恵を出していかなければならぬだろうと考えてきたわけでございます。
○泰道委員 それと、たとえば、だれというわけではないのですが、香港の正会員の一社につき、その傘下に十八社も準会員を抱えている、そんな例もあると聞くのです。それからまた、準会員の下に大変多くの代理店あるいは特約店と称するものがある、こういう情報もいろいろ入ってくるわけでございますが、そういったことが実際にあるのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○植田政府委員 先ほど私どもが把握している数が大体百四、五十と申し上げましたが、その中で約半分あるいは半分ちょっとは準会員が多いようでございます。そのほかに正会員は二十数社というオーダーかと思いますが、残り何十社かにつきまして、御指摘のような準会員の代理店と申しますか特約店と申しますか、そういう形で業務に携わっているという者があるというふうに私どもは聞いており、把握しておるわけでございます。
○泰道委員 そうしますと、いままでいろいろお尋ねしたわけでございますが、そういうお話をお聞きしておりますと、国内の商品取引員と、特に今回は香港の問題が一番大きな問題になっているわけですが、海外のそれとは取り扱いが本質的に全く違う、こういうことになると思うのです。 そこで、今回の法律が仮に施行されたという程度のことで果たして被害の発生を防止できるのかどうか。私、個人的な意見でございますが、若干疑問が残るわけであります。このいわゆる消費者保護というか委託者保護というか、一部ではこういった悪質業者にひっかかる素人さんが悪いのだというようなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。素人さんが悪い、ひっかかる方が悪いのだと言えば一理あるような感じに聞こえるのですが、香港の商品取引所というのは日本の商品取引所と比べて非常に規模も小さい。日本はいまや世界のGNPの一割を占めるような経済大国であります。その日本の商品取引所と香港の商品取引所を比べてみた場合、その規模は何十分の一である。そういうことになりますと、玄人筋はそんな香港の商品取引所なんかに手を出すというようなことはない。現在問題になっているのはみんな素人さんでございます。一般の商売でたとえば不渡り手形をつかまされた、あるいは手形で不渡りを出したという場合には、これはビジネスですから、不渡りを出す方も悪いですが、つかまされる方も悪いということで事は済んでしまうと思うのですが、今回の場合は、素人だから悪いというだけの理屈ではちょっと問題が解決しないと思うのですが、その辺の御認識について御意見を伺いたいと思います。
○植田政府委員 御指摘のように、だまされる方が悪いのではないか、あるいはだます方が悪いのではないか、この種の対策につきましてはよく議論になるところでございます。そしてこのことは恐らく商品取引の問題のみならず、広く消費者行政のあり方ということの基本的な問題ではなかろうかと思います。私どももこういった問題につきましては、いわゆる行政なり法律なりが過保護に陥るのではないかというふうな議論もあるわけでございまして、その辺はどこで接点を求めるか大変むずかしい問題であることは、私もそういうふうに感じております。 今回の問題につきましては、おっしゃいますように、私どもが被害の相談を受けるケースから見ますと、元教員でございますとかあるいはサラリーマン、あるいはまた主婦というふうな、一般的ないわゆる素人の方がかなり多いというのは事実でございます。こういったものにつきまして余り保護することは甘えがあるのではないかという見方もあり得るわけでございますが、一方また、通常の一般の庶民がどうも結果的に被害を受けてしまう。それはいわゆる欲の皮が突っ張っているから本人に責任があるのだという見方もあろうかと思いますが、しかし、これだけ社会問題化するような事態というのは、やはりそれなりに問題があるのではないかというふうなことから、私どもといたしましては、庶民としての通常の注意を払う、それにもかかわらずいろいろなトラブルが起こるというふうなことは、やはり防がなければならぬじゃないかというふうな考え方で来ているわけでございます。 なお、香港等につなぐのは、いわゆる素人さんであって玄人ではないというふうなことも、確かに現時点ではそういう傾向が強いのかもしれません。 ただ、今後いわゆる国際化が進みまして、たとえば金の先物取引で申しますと、私どもが今回金の東京市場を発足させましたが、四月にはロンドンにおきましても、御承知のように金の先物市場が発足したわけでございます。これによりまして、いわゆる時差から申しますと、一日のうちでまず日本の金取引所が最初に開かれまして、一時間おくれで香港、あるいはその他世界を駆けめぐりまして、ロンドンなりニューヨークなりシカゴなりというようなことになりますと、単に素人のみでなく、いわゆる玄人も含めまして、たとえば総合商社等も今回の金市場に入っているわけでございますが、こういう国際化への道も出てくるという問題もあろうかと思います。御指摘のように、現在香港等におけるトラブルは、いわゆる普通の庶民が多いわけでございますが、先ほど申しましたように、通常の注意力をもってしても、なおかつ大量に問題が発生するというのは、われわれとしても何とかそれに対して対応したいというのが今回の提案ということになっているわけでございます。
○泰道委員 商品取引所審議会の中でも「海外商品取引所における取引の勧誘問題への対応のあり方」ということで相当の議論がされたようでございます。それと関連してということになるのですが、海外商品市場における先物取引を全部禁止してしまう、これはしょせん無理な相談である。あるいはそれが無理であるなら、それにかかわる会員等の許可制をとるということは、これは現実的には不可能なものでしょうかどうか。
○植田政府委員 先ほど申しましたように、現在の国内の商品取引所法におきましては、商品取引員の許可制がとられております。今度私どももいろいろな角度から法案を検討したわけでございますが、現在の商品取引所法はいわゆる経済法でございまして、その目的にもございますように、当該商品の公正な価格形成を行う、あるいはまたリスクのヘッジをするというふうな経済行為を十分に達成させるための法律でございます。今回御提案しております法律は、その性格がちょっと違いまして、これはもっぱら取り締まりのための法律でございます。この法律によりまして一定の経済効果をねらうというのが主目的になっている法律ではないわけでございます。こういった取り締まり法規になりますと、法律の性質上、仮に許可制にいたしましても、取引そのものがアプリオリに悪である、したがって、全部禁止してしまえということではございませんで、取引の中で特に悪質なものを防止する、あるいは抑圧していくということになりまして、その許可の基準はいわゆる形式的なものになる。たとえば禁錮刑何年以上に処せられた者は許可してはいかぬとか、あるいは当該法律で最近何年以内に罰せられた者はいかぬとか、そういうネガティブな規定といいますか、きわめて一律的な基準にならざるを得ないということでございます。そういったことでございますと、許可制とか登録制とかいいましても、大部分のものが許可されてしまうということになりまして、かえってこれはお墨つきを与えるということにもなりかねないということがあるわけでございます。 それからまた、実態論といたしましては、この商品取引所が海外にあるわけでございますから、許可するに際しましても、いろいろと許可の審査といいますか、そういった面における技術的な問題等もあることも事実でございまして、いろいろな観点から、立法論的にあるいは実態論的に検討いたしまして、今回はやはりこういった形で、いわゆる行為規制が適当であるというふうな結論に達しまして、御提案申し上げたわけでございます。
○泰道委員 いままで悪質な業者にひっかかって一家離散あるいは海に身投げをして自殺をしたというようなケースも多々あるようでございますが、今回の法律案がむしろ警察法的な性格を持っていらっしゃるというようなお話がいまあったわけですが、それにしても事件が起こってからいろいろやるんだということで、果たしてこの法律が当初の目的というか所期の目的を果たすことができるのかどうか、ちょっと私は不安に思うわけでございます。 そこで、許可制、登録制、これも余り意味がないんだといういまのお話ではございますが、せめて業者に届け出制あるいは申告制のようなそういったことをやらせないと、なかなか業者の実態をつかむということが現実的にはむずかしいのではなかろうかな、その辺の業者の実態を把握する方法を何かほかに考えていらっしゃるのか、あるいは現在のままでよしとしていらっしゃるのか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○植田政府委員 先ほどもちょっと申しましたようなことから、今回は許可制とか登録制あるいは届け出制というものはとっておらないわけでございますが、いわゆる実態把握という点からは、今後とも、たとえば私どもにおける相談窓口というものが各所に設けられておりますし、先ほどの数字もそこへ持ち込まれたものでございますが、そういったことを一層充実させていくことのほかに、今回の法律にも立入検査等々の規定もございますし、それからまたこういった特別法ができることによりまして、この特別立法の規定を背景といたしまして、一層警察当局とのタイアップ等もやりやすくなりますので、私どもとしては、そういうものを通じまして実態を把握し、あるいは必要に応じて立入検査等も行いまして、この法律を運用し、効果をできる限り上げていきたいというふうに考えております。 ただ、こういったきわめて流動的な経済に対する規制でございますから、あるいはまた外国における行為の規制でございますから、これで一〇〇%すべてオーケーかということになりますと、いろいろとそれだけでは十分ではないと私は思います。それはやはり消費者と申しますか、国民に対します啓発と申しますかPR、そういったことが車の両輪といたしまして一層重視されなければいけないだろう、そういうことによりまして、いわゆる国民の意識を高めていく。先ほどから議論が出ておりますが、いわゆる何でもかんでも過保護にするということでない、一面における国民に対する義務なり責任なり啓発なりということを通じまして、この問題は解決していくより仕方がないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○泰道委員 それではまた、その問題は後ほど触れたいと思うのです。 次に、これは大変議論がなされたところであると思いますが、商品取引所法第八条の解釈について若干お尋ねをいたしたいと思います。これにつきましては商工委員会でも、私が当選するずっと以前の話だと思いますが、議題になったことだと思います。 まず、八条解釈について、これは本当に簡略で結構です。いままでのいきさつをごく簡単に御説明いただきたいのですが、法制局の方でよろしいですか。
○味村政府委員 商品取引所法八条の解釈につきましては、昭和二十六年の二月、当時の法務府の法制意見第一局長が、商品取引所法第八条につきまして、いわゆる政令で指定する商品以外の商品に関します市場に類似する施設、これについても商品取引所法八条の規定の適用があるという回答をしていたところでございますが、昭和五十二年ごろからだんだん金取引が盛んになりまして、果たしてこの回答どおりでよろしいのかという照会が通産省からございまして、昭和五十五年の四月に、法制局の意見をもちまして、この商品取引所法八条の解釈については、商品取引所法第一条に定める商品取引所法の目的というところから解釈しなければならない、その目的というのは、要するに指定商品についての価格の形成、政令で指定いたしました商品についての価格の形成の公正を図ることにあるのだという趣旨から、指定商品以外の商品を取り扱っております市場類似施設につきましては、取引所法八条の規定の適用はないのだというふうに、前の回答を変更いたした次第でございます。
○泰道委員 業界の方でも、その法制局の解釈、これは現実的には非常に困るのだが、法制局がそういう解釈をしたので仕方ないというような状況で、現実には物事が進んでいると私は思うのです。 さてそこで、昭和五十六年六月二十五日に、高知地方裁判所、そのときの裁判官の方が山口茂一さんという方でございます。事件の名前が昭和五十五年(ワ)第二百七十五号損害賠償請求事件、こういう事件があったわけでございますが、これでこの山口裁判長はある判決を下していらっしゃる。 この事件の背景は、長患いの病人であるIさんという人が、精薄の長男を抱えていらっしゃって非常に苦しい生活をしておった。悪質な業者に、金の先物取引をやらぬかということで九百四十一万円をだまし取られた。退職金と年金で生活していたこのIさんにとっては、これは死活問題であったわけでございますが、この原告であるIさんが訴えたこの裁判に対して、この山口茂一裁判官は、はっきりと、この金の先物取引については商品取引所法第八条違反であるという判決を下しているわけでございます。 〔梶山委員長代理退席、渡辺(秀)委員長代理着席〕 ちょっと読ましていただきますと、 商品取引所法八条は、「何人も先物取引をする商品市場に類似する施設を開設してはならない。何人も前項の施設において売買してはならない。」と定めている。先物取引とは、同法二条四項によると、「売買の当事者が商品取引所が定める基準及び方法に従い、将来の一定の時期において、当該売買の目的物となっている商品及びその対価を現に授受するように制約される取引であって、現に当該商品の転売又は買戻をしたときは、差金の授受によつて決済をすることができるものをいう。」と定義している。被告会社の取引の実体は先物取引であり、前記条項に違反する違法なものである。 こういう判決を出しているわけでございます。 その後、昭和五十六年十月三十日に、大津地方裁判所彦根支部というところで、やはり同じような事件が扱われて判決が出ております。このときの裁判官が梶田英雄裁判官、この事件の名前は、昭和五十四年(ワ)第五十三号預託金返還等請求事件、それともう一つは、昭和五十四年(ワ)第六十三号清算金等請求事件、こういう事件名でございますが、これに対してやはり判決が出されているわけなのです。 その事件の背景は、学校の先生をやっていたある人が、金の先物取引で悪質業者に乗っけられて百八十万円をだまし取られた、こういうことでございます。 これについて、この裁判所は、ちょっと長くなって恐縮ですが、読ましていただきますと、 本件延べ取引が商品取引所法八条に違反するものであるか否かが問題となる。同条は「何人も、先物取引をする商品市場に類似する施設を開設してはならない。」「何人も、前項の施設において売買してはならない。」と規定し、その違反者に対する罰則をも定めているが、原、被告の主張の対立にあらわれているとおり、本条に違反する商品とは、同法二条二項に定義されている商品すなわち商品取引所に上場されている、いわゆる指定商品に限られるのか、それともそれ以外の商品をも含むと解すべきかの争いがあり、いずれをとるかによって同法八条違反につき結論がわかれるのでこの点につき判断する。 裁判所が判断する、こういうことですね。さて、その判断はどうであったかと言いますと、 差金決済を目的とする先物取引は、射倖契約的構造をもつから、これが組織的、継続的に行なわれれば、過当な投機や不健全な取引が生じる危険性が大きく、とくに当業者とはちがって商品先物取引の仕組や相場に無知な大衆が顧客として取引に参加する場合、その無知に乗じて顧客(委託者)の利益を無視した勧誘や取引が行なわれるおそれがあり、その結果投機に適さない薄資大衆を過当投機に巻きこんで破滅的な損害を与えるなどの社会的混乱をも招きかねない。したがってこのような先物取引の弊害や危険を防止、制御する法の後見的規制が必要である。ところが、その制度としては現在のところ商品取引所法しか存在しないのであるから、指定商品に限らず、あらゆる商品の組織的継続的先物取引が同法八条の規制下にあるとする立法以来の通説的解釈に妥当性を認めざるをえない。「先物取引をする商品市場に類似する施設」のなかから有価証券市場だけを除外した同条一項の規定の仕方も右解釈の根拠となりうる。以上の理由により、本件延べ取引は同条に違反すると解するのが相当である。 こういう判決を出しておるわけでございます。 これについて法制局の御所見を賜りたいと思います。
○味村政府委員 ただいま御引用になりました判決は、いずれも司法部の行った判決でございますので、行政府の一員たる私がコメントをすることは差し控えさせていただきたいと存じます。 ただ、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、昭和二十六年の法制意見を変更するという時点におきまして種々の検討を慎重に行いまして、その結果、先ほど申し上げましたような結論に達したものであるということを申し上げさせていただきたいと思います。
○泰道委員 司法と行政の違いは私もよくわかるのですが、ただ、地方裁判所といえどもこういう判決を出しておる。しかも、そのほかに、この第八条についての判例がないということから、この二つの判例は非常に重要な意義を持つ判例ではないか、こんなふうに思うわけでございまして、しかも、実際に、現在の商品取引業界が法制局のそういった解釈によって大変困惑しているという面も否定し得ないのではないか、私はこのように思うわけでございます。そういった意味で、どうか今後もこの第八条についてはひとつ慎重な検討を加えていただきまして、その辺の御努力をお願いしたい次第でございます。 さて、以上の問題等を踏まえまして、通産大臣に、せっかくいらっしゃっていただいておりますので、お聞きしたいと思うのです。 わが国における商品取引の健全な発展、そういったことを考えて、現在の商品取引所の制度全般について見直していこうあるいは改善していこう、そういう必要があると私は思うのですが、大臣としては、その点について、将来どのような姿勢でお取り組みになられるか、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。
○植田政府委員 大臣の前に、ちょっと事務的なこともございますので私から答弁させていただきますが、商品取引所を全体としてどう持っていくか、これは大変大きな問題でございます。いろいろと問題が出ておりますので、そういった発想は常に持たなければいけないと思っておりますが、当面私どもといたしましても、いま御質問のございました八条の問題、これをどうするか。八条の問題は、主として国内の問題でございますが、今回は、あわせて海外の問題が非常に緊急であるということで、まず海外の問題を提案させていただいたわけでございますが、残った八条問題をどうするか。現在、通産大臣から商品取引所審議会に対しまして、八条にかかわるいろいろな問題で諮問もされております。その問題の検討を今後とも続けていかなければなりませんし、それからまた、行政的には、たとえば商品取引所を将来の問題としては合併させていくとかいうふうなことで、取引所の強化充実を図っていくとか、いろいろな面から取引所の問題は腰を据えて考えていかなければならない問題があるというふうに認識しております。こういった点も、われわれが行政の運用でできることあるいは事務的に改善できることも含めまして、この商品取引所の問題につきましては、今後ともいろいろと検討もし、勉強もしていきたいと思っております。
○安倍国務大臣 いま政府委員から答弁をいたしましたように、わが国の商品取引につきましては、これが健全化を進めていくために、商品取引所のあり方あるいはその運営等についていろいろと検討しなければならない課題もあるかと思います。審議会等でいろいろと勉強していただいておりますが、問題点を的確にとらえて、場合によっては、これが改善措置も講ずる必要が出たときは積極的に講じていく、こういう姿勢で取り組んでまいりたいと思います。
○泰道委員 もう時間があと大してございませんので、ほんの一、二点だけお聞きしたいと思うのですが、この法律は、公布の日から六カ月後に施行される。その六カ月間の空白期間、これについて何らかの手を打たれないと、またいろいろ悲劇が発生するということになると思いますが、その辺についての対策をお聞かせいただきたいと思います。
○植田政府委員 法律を御審議いただきまして、成立させていただきますと、その後いろいろ政省令その他準備がございます。一方また、こういった緊急を要するものでございますから、できるだけ早く私どもは準備をして施行に移したいと考えております。しかしいずれにしましても、しばらくの間はまだ法律が発効しないわけでございますので、その間につきましてはPR、啓発事業等々に一層力を入れまして、できるだけその間におきましても問題がふえていかないようにしたいというふうに思っております。そういったことを一方でやりながら、できるだけ早くこの施行に移したいというふうに考えております。
○泰道委員 以上で大体私の質問を終わらしていただきたいと思いますが、せっかくつくった法律がざる法になるというようなことにならぬように、ひとつ行政当局の十分なる御配慮、御努力をくれぐれもお願いを申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。 どうも大変御苦労さまでございました。
○渡辺(秀)委員長代理 上坂昇君。
○上坂委員 海外商品市場における先物取引のこの法案ですが、ゆっくり出してきて、早く審議をして早く上げろというふうに言われているんだけれども、なかなかそういうわけにはいかない。これは金のブラックマーケットができて、八条解釈が逆転をされて、そこでどんどん金の被害が起きた時点で、もうすでに一緒になって、この海外商品についてのトラブルというのは起きていたんです。だからもっともっと早く出さなければならない。大体対応が遅いのですが、どうしていまごろ出してきたのか、こんなに遅くなったのか、その理由をまずお聞かせをいただきたいと思うのです。
○植田政府委員 この海外取引の問題につきましては、いわゆる八条の解釈変更に伴う非上場商品に対する対応の問題、それからまた一、二年前から大変トラブルがふえております海外取引所の問題、この二つを合わせまして、従来からいろいろ検討もし、特に昨年には通産大臣から商品取引所審議会に諮問をいたしまして、検討を重ねてきたわけでございます。その間に、許可制にした場合にはどうであるかとかあるいは禁止というのはどうなるのかとか、いろいろ多角的に検討もいたしますと同時に、実態論的には海外における商品取引所にかかわる問題でございますから、観念的に何か法律をつくりましても、それが実際に運用できなければいけないわけでございますから、そういった立法論の問題と、それから現実的な実態の側からの詰めといったものを行いまして、その間にいろいろと試行錯誤的な勉強のあったことも事実でございまして、いろいろと実態的な海外の問題であるという特殊性等もありまして、検討が非常におくれてしまった。私どもといたしましても、もっと早く提案いたしまして、御審議いただきたいと思っていたわけでございますが、そういったことがございまして、提案が大変おくれてしまったという次第でございます。
○上坂委員 五十六年の三月二十五日、海外及び私設市場の対応策という形で商品等の取引問題研究会の中間報告が出ているわけですね。これは通産省の方で出してきて、この中にはかなり厳しいいわゆる取り締まりの方法が出ているわけです。こういうものがすでに昨年出ているんだから、実際問題としては、もっと早くこれの結論に応じてやればできたのではないかと私は思っておるわけです。今度の法律で根本的に撲滅できるのかどうかということになると、非常に大きな問題を残していると思いますが、いまいろいろな検討を加えてきたということでありますが、検討はいつも審議会の方に任して、そして大体審議会の結論が出れば、それにのっとってやるというのが政府の方針なんではないのですか。答申の方が、中間報告だとは言われているけれども、ある一定の結論が出てきている、それに基づいて法律をつくればよかったのに、こうした法律ができてきたということ。これはいま出されておる法律と現在の商品取引所法との整合性をどういうふうに考えていくのがということについてひとつ説明をいただきたいと思うのです。
○植田政府委員 現在の商品取引所法は、法律の目的なり趣旨がいわゆる経済法でございます。その目的は、商品の価格形成を公正に行うあるいはリスクをヘッジするという経済目的が中心となっているいわゆる経済立法であるわけでございます。そういった経済立法に対しまして、今回お願いしております法律は、いわゆる規制法でございまして、この法律が直ちに経済的効果をねらっているといったたぐいの法律ではないわけでございます。その目的は、いわゆる悪質な取引に対してこれを除去する、防止するというところに、まさに取り締まりそのものにポイントを置いた法律でございまして、そういった性格の違いがこの両法の間にはあるわけでございます。 そういった性格の違いと、それからもう一つは、対象が国内にかかわるものであるか、海外にかかわるものであるかというふうな実態の差もあるわけでございますが、その差からくる規定におきましての若干の違いはあり得るわけでございますが、法律の性格といたしましては、そういった際立った相違があるというのが今回提案した法律でございます。
○上坂委員 具体的に各条文に入っていきますが、まず最初に二条の定義であります。 この二条の定義のうちの二項、三項について、海外の商品市場の指定を行うということは、これは外国の市場だと思いますが、どこの市場をまず対象として考えておられるのか、それからこれはどんなふうな形で指定をしていくのか。 それから二つ目は、商品の指定という形になりますが、この商品の指定は、一遍に幾つかぼんと指定してしまうのか、それとも一種類ずつ指定するのか。これは一つ一つするという形でありますが、被害が起きたら指定していくのか。被害が起きなくても、これは問題があるなと思ったら指定していくのか、どういうふうな形でやるのか御説明をいただきたい。
○植田政府委員 先ほど申しましたように、この法律の目的にかんがみまして、一般委託者に被害が生じたり規制が必要な状況にあるかどうかということを判断いたしまして、政令指定したいというふうに考えているわけでございます。 具体的に申しますと、当面、私どもは、香港の商品取引所を指定し、かつ、商品といたしましては、金あるいは輸入大豆、砂糖等を考えておるわけでございまして、これらの商品は、最近の私どもの把握しているところによりますと、被害の大部分がこれらによっていま起きているわけでございます。したがいまして、現在被害が多発し、規制が特に必要であるというものを具体的に選びまして指定していく、こういう形を考えておるわけでございます。
○上坂委員 そうすると、当面、香港を考えて、市場としては、指定の対象に入れる。それから商品としては金、大豆、砂糖、これは一遍に三つともやってしまう、こういうことですね。
○植田政府委員 いま挙げましたものにつきましては、一度に指定したいと考えております。
○上坂委員 それから、二条の五項の問題でありますが、海外商品取引業者というのは、商品取引所法における商品取引員というものとどんなふうな関連で考えたらいいのか、同じものなのか、違うものなのか、その点の御説明をいただきたい。
○植田政府委員 商品取引所法におきましては、先ほど申しましたように、経済目的から許可制をとっておりまして、その許可の基準は、社会的信用とか財産上の基盤ということで、約百九十社になりますが、許可制を採用した商品取引員がいるわけでございます。今回考えておりますのは、そういった許可の対象ということにはしておりませんが、海外の商品取引所に勧誘をし、受託行為等をするという業者をとらえまして、これに対しましていわゆる行為規制としての立法を考えたわけでございまして、そういった点、商品取引所法による許可を受けたものとしての商品取引員、今回は行為規制の対象としての商品取引員ということで、そこには性格といいますか、若干の違いがあるということでございます。
○上坂委員 受託あるいは勧誘、そういうものができるという形の中では、いわゆる商取法におけるところの商品取引員と同様の性格を持つ、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
○植田政府委員 受託等の業務を行うというそこだけをとらえてみれば、同じような業務を行うということでございます。
○上坂委員 いま審議官言われたように、商取員の場合には、これは主務大臣の許可を得て、それで資格要件が必須条件になっているわけでありますが、なぜ、海外の取引員、同じような形の取引員をそういうかっこうに持っていくことができないのかというところに私は疑問を持つのですが、どうしてできないのかということを御説明いただきたい。
○植田政府委員 先ほどもちょっとお答えしたわけでございますが、今回は、御指摘のような許可制という形をとっておりません。私どもといたしましては、もちろん検討の段階では事実上幅広くいろいろなことを検討したわけでございますが、この法律がいわゆる経済立法でなくて取り締まり法規である、規制法であるというふうな法律の性格からいたしまして、許可制にした場合の許可基準のあり方が、経済法における許可基準とはかなり変わったものにならざるを得ない。一言で言いますと、非常に一律的といいますか、形式的要件と申しますか、そういったもので処理されることになるわけでございまして、そういった場合の許可基準はかなり幅広いもの、つまり登録制にしても、許可制にしてもそうでございますが、そういった性格の許可制というのは、許可基準が非常に形式要件になるという性格を持っているわけでございまして、そういうことでございますと、所期の目的からいいまして決して十分な効果をむしろ上げ切れないのではないかということを考えたわけでございます。と同時に、実態論的には、海外の問題でもございますので、いわゆる経済法にいたしましても、許可の基準なり実態というものの把握は非常にむずかしいわけでございますが、この法案は取り締まり法規でございますので、そういった形式的要件による許可制というのがこの法律の目的達成のためには必ずしも適当でないというふうに判断いたしまして、提案さしていただきましたように行為規制法というところになったわけでございます。
○上坂委員 二項の、商品の規定の中から除外をする、政令で定めるものを除外するとありますが、これは、その除外した商品について、いわゆる受託というような問題については、これはどんなふうな規制を行おうとするのか、またどうしてここは除いたのか、その辺のところの御説明をいただきたい。
○植田政府委員 通常法令用語といたしまして、「商品」と言った場合にはいわゆる「物品」を意味するわけでございまして、本法案におきましても、そういった通常の法令用語に従ったわけでございます。つまり物品でございまして、有価証券とか通貨等は含まないというのが法令用語上の通常の商品の定義でございます。今回それを括弧書きで規定いたしましたのは、確認的な意味の規定でございまして、従来の商品の定義を変えたわけではないのでございます。 〔渡辺(秀)委員長代理退席、梶山委員長 代理着席〕 そこで、具体的には、有価証券等と申しますと、たとえば外為法に規定がございます支払指図でございますとかあるいは証書、証券等があるわけでございますが、そういったものを政令で除こうというのがこの規定の中身でございます。 なお、こういったものにつきましては、現在の商品取引所の方の商品の定義と全く同じなのでございますが、それでは有価証券等についてはどうするのかということにつきましては、目下のところでは有価証券につきましては、いわゆるこういった形での被害は多発しておりません。したがいまして、仮にこういった問題が起こってくれば、証券取引法でございますとか外為法でございますとかを所管しております大蔵省におきまして対策がとられるということになろうと思いますが、その根拠法は恐らく証券取引法における規定、これは海外の証券の受託等につきましての免許制がしかれているというふうに記憶しておりますが、大蔵省におきましてこれらの点については対処することになろうと思います。目下のところでは、しかしこの香港における金とか砂糖のような形での被害が多発しているというふうには聞いておりません。
○上坂委員 商品については、これは徐々に指定していくわけですね。この法律では、被害が起きたら指定するというかっこうだろうと思うのですが、とにかくアメリカあたりでは有価証券全部、現実に商品として入っているのですね。そうしますと、いまお話があったように、大蔵省等では免許制とかなんとかで完全に禁止するだろう、こういうことを審議官は言われておるわけです。大蔵省でそれが免許制なら免許制でできるものが、なぜ通産省ができないのか、どうもここら辺がわからぬのです。通産省でも、免許制でも許可制でも登録制でもやったらいいのじゃないか。そこはやれないで、そっちの有価証券とかなんとかはできるのだけれども、通産省が扱う商品についてはできないのだ、大豆とか金とかについてはできないのだ、これはどういうわけですか。
○植田政府委員 有価証券につきましては、先ほど申し上げましたように、いま今回法案を提出しているような形での被害の多発というものは起こっておりません。したがいまして、証券取引法といいますものは取り締まり法規ではございませんで、いわゆる業法と申しますか経済法でございまして、そういった観点から免許制がとられておりますのは、私どもの商品取引所法による免許制と同じ観点に立つわけでございます。 今回のこの提案しております法案は、いわゆる取り締まり法、悪質取引を取り締まるという形での法律でございまして、いま現在、経済法としての国際的な問題というのを経済法として立法するのが適当かどうかということであろうかと思いますが、私どもといたしましては、現在要求されているこの海外取引の問題に着目いたしますと、やはり取り締まり法規として立法していくのが適当ではないかというふうに考えているわけでございます。
○上坂委員 前へ進みますが、第三条で、海外商品取引業者は顧客と先物契約を結ぶわけでありますが、そのときしか海外商品取引業者というのはあらわれてこない。そこで今度は、その当該先物契約の概要を記載した書面を交付する場合、内容や履行事項について通産省令で定めることができる、こうなっているわけですが、海外商品取引業者がやらなければならない書面の記載であるとか交付であるとか、いろいろなことをやらせるということをこの法律で一応規定し義務づけているのに、業者をつかむのは一体どうやってつかむのですか。業者はどんな業者であろうと構わないのだ、ただ紙に書いて政令で発表しておけば、業者の方がそれを見て何とかするだろうという考え方なんですか。
○植田政府委員 先ほど申しましたように、今回のこの法案におきましては、いわゆる登録制とか許可制とかいう形はとっていないわけでございます。したがいまして、許可の対象としての業者というふうな形にはならないわけでございますが、業者の行為を規制するといういわゆる行為規制でございます。そういった意味では、たとえば訪問販売とかいうふうな形と同じでございまして、この勧誘を行う場合においては、必ず書面交付義務を行為として規制するということを行っているわけでございます。そういう意味で、許可をして百社なら百社、だれとだれが許可業者であるというふうな形での把握はいたしません。いたしませんが、今回はこういった規定を設け、それからまた問題が起これば立入検査等の規定もございまして立ち入れるわけでございますので、そういう形で業者を把握することは可能でございます。あくまでも行為規制をするために義務づけを行うものでございまして、許可制とか登録制とかいう形での把握はしていないというのは御指摘のとおりでございますが、先ほどから申しておりますように、許可制とか登録制とかいう形によるものにつきましては、また別の問題がございまして、私どもはこういう形にしたというわけでございます。
○上坂委員 いまの第四条の二号のロ、イ、ロのどっちにもありますが、「通産省令で定める事項」、これについては、それぞれ具体的にちょっと説明をしていただきたいのです。
○植田政府委員 二号の「省令で定める事項」といたしましては、具体的にはたとえば次のようなものを考えております。売りつけまたは買いつけの別とか、価格あるいは数量、あるいは売りつけ、買いつけをなすべき時期、海外商品市場の名称あるいは決済期限というふうなことをこの省令で定めることを考えております。
○上坂委員 これらは通産省令で定めて、それは、業者はこれをどういうふうにしておけというのか。要するに、海外取引業者は、これはどんなふうにすればいいのですか。このことを具体的に……。
○植田政府委員 先ほどから申しましたように、行為規制としてこういう形の書面を交付する義務を課しているわけでございます。したがいまして、いま申しましたような事項につきまして、書面ではっきりとしたものを顧客に交付するという行為の規制を行うわけでございます。これは後にトラブルが起こった場合等におきましては、いわゆる証拠書類にもなるわけでございまして、そういった形で顧客、一般大衆を保護しようという趣旨のものでございます。
○上坂委員 業者を全然つかんでないで、その業者が書類も何にもなしにとにかく勧誘をやってお客を引き込んで、損害を与えたまま逃げていってしまうというのが、いままでの状況を見ると、実際問題として実態なんです。 たとえば、池袋のサンシャインというところの十三階かなんかには、このくらいの部屋があって、その部屋に百ぐらいの机が置いてあるわけです。そこに、恐らくアルバイトだと思うのですが、一人ずつ女の人がいるわけです。それが無差別にひっきりなしに電話をかけているわけです。そしてその中で多少とも引っかかって話を聞いてみたいという者があれば、そこへどこから行くのか知らないけれども勧誘員が行くのです。そしてそこで話を聞いてもらえればもう構わないのです。翌日は建て玉しましたとやってしまうのです。それだけのお金を払いなさい、こうなるから、やらなければ大変なけんまくでおどかされるのです。あるいはそこへ勧誘に行った勧誘員というのは、ひどいのになると七時間ぐらい粘るのです。粘られた方はとうとうしびれを切らして、そしてではやってください、こうなっちゃうのです。そう言ったら、次の日はもうすでに取引は全部開始されている、こういう形なんです。そして決まってしまって、損害を与えて、三カ月後にはもう別なところへ行っちゃって、別なものに移っているというのが実態なんです。だから、この法律は結局は被害が起きてからでないと役に立ってこないわけです。そして被害が起きて問題が起きたときに、それでは役に立つかというと、それすら保証ができないという法律ではないかと私は思うのです。 ところで、先ほど商品の指定をどうするのかと言ったら、三つ挙げましたね。大豆と金と砂糖ですね。これらはみんな日本の商品取引所で扱っている品物、そうすると、何で日本の一般の人たちが海外のそういうのに打を出す必要があるのか。勧誘されなければ絶対そんなところへ行くはずがない。自分でやりたければ日本の取引所でやればいい。それは勧誘があるから手を出してしまうということになる。当業者の方が香港の取引所に委託をして、そして取引をするということについては、これは当然当業者はやるだろうと思うのです。だけれども、一般の消費者といいますか一般大衆が、日本で現実に取引所があって、そこに扱われている商品についてわざわざこれをみずから手を出すということは考えられないことなんですね。そうなりますと、これはまさに悪質な勧誘によってしか商品取引に手を出すことはないと私は思うのです。そういうことになれば、何も被害を待ってから取り締まるなんということじゃなくて、最初からそういうことはやらせないというふうに持っていかなければ役に立たないじゃないですか、法律なんか幾らつくったって。結局通産省の行政として被害者が出るまで待っている。だから日本の政治というのは、どうも事故が起きなければ絶対やらないのだから。たとえばため池がある。ため池に子供が落っこって死ぬと、その付近にずっと塀をめぐらしたりさくをめぐらしたりする、人間がぶつかってはね飛ばされると初めて踏切をつくる、こういうやり方、発想がこれと全く同じだ。これじゃ国民は全く浮かばれないのですね。これは経済犯罪だと私は思うのですよ。そういう犯罪を助長するような形で法律をつくったのではだめだと思うんだ。だから、行為規制法だ行為規制法だとさっきから言うのだけれども、海外でむずかしいむずかしいって何がむずかしいのですか。貿易摩擦なんというのは、あれほどむずかしい問題だって、いや輸入はしませんよ、しませんよとがんばっているじゃないですか。それと同じことで、国内の国民を保護することだったらばできるじゃないですか。しかも犯罪を防止するということなんだから。品物が入ってくることを防いで、自由経済に多少のいろいろな問題が生ずるというような問題じゃないんだ、もっとひどいはずなんだ。何でそれができないのですか。答弁を願います。
○植田政府委員 いろいろと悪質な取引に伴うトラブルが起こっていることは事実でございまして、それに対しまして全面禁止せよというふうなお言葉の出ることも理解できないわけではないのでございますが、やはり立法論のいろいろな点も踏まえまして、およそ商取引というものがすべて悪である、したがって全面的に禁止してしまうということがなかなかむずかしい面も立法的にはあるわけでございます。今後また、現在の段階では御指摘のように、非常にトラブルを起こす取引が多いわけでございますが、いわゆる国際化の時代ということもございまして、国際的な取引をすべて禁止してしまっていいかどうかという問題もあろうかと思いますし、また立法論的にも一〇〇%すべてを禁止するというのはなかなかむずかしい点もあるというふうに考えられますし、そういった点から、この問題は、現在のいろいろな考え方の上に立ちまして、私どもといたしましては、それなりにいろいろと知恵を出したというふうに考えているわけでございます。 それから、先ほど幾つかの事例の中で、電話戦術をするとか、いろいろと悪質なものがあるというふうな例示をなさっての御指摘がございましたけれども、私どもといたしましては、やはりこういった書面の交付義務というのは一つの守られるべきルールでございますから、ルールというものを法律でぴしっとする。しかも警察当局とこれからいろいろタイアップしていくにつきましても、こういった特別法で特別の規定を設けることがやはり後ろ盾となりまして、いろいろと協力もしやすくなるということも考えております。 同時にまた、こういった法律ができれば、すべて法律によってあるいは国の力によってすべての犯罪がなくなるということは私は期待できないと思います。こういった法律ができ、またわれわれが行政の立場からこれをPRし、それからまた先生方からもいろいろと御協力といいますか御指導願いまして、そういった中に国民の意識も徐々に高めていく。これは法律さえできれば、国民はそのまま座っておっても問題がなくなるという問題ではないと思います。私どもは、こういった法律が審議され、御審議の上でつくられ、そしてまたわれわれができるだけ御指摘に従いまして効果あるようにこの法律を運用しあるいはPR、啓発をすることによって、国民の側にも、だまされやすい体質というものはやはりみずから直していただかないといけないわけでございまして、こういった書面の交付義務を特別立法をすることによって、国民の書面を受け取って契約する慣行を助長していくという、そういった面もあり得るわけでございまして、私どもは、そういったまあ車の両輪と申しますか、両方の面から、こういった被害をできるだけ直していきたい、こういう気持ちであるわけでございまして、決してこの法律ですべてのものが一挙になくなるということを私どもも考えているわけではないのでございますが、いままでのいろいろな検討の上で、やはりこの形が妥当であり、かつまたこれによって、今後別の対策、PRその他も含めて、事態を改善していきたいというふうに考えているわけでございます。
○上坂委員 いろいろ知恵を出したと言っているけれども、あんまり知恵を出したような感じは受けないのだけれども……。 四条ですが、いまおっしゃったことで、たとえば取引業者がお客に対して書類を交付するのですね。ところがしまいの方へいくと、その書類は、一体、保管義務もなければ、写しをとっておいてちゃんと保管をしておけというような規定もなければ、これはお客に出しっ放しなんですね。そうしますと、取引業者の方の実体がなくなっちゃうと私は思うのです。そういうところにどうもいま言ったように、いっぱい知恵を出したようなことを言うけれども、あんまり知恵が出てないという感じがしてならないわけでありますね。 ところで、第八条に不当な行為の禁止条項というのが一から八号まで実際あるのです。これはずっと列挙されておりますね。これの不当行為というものを、これは立証するのは一体だれがやるのか。立証できるのか、それはどうしてできるのか、ここのところを詳しく教えてもらいたいのです。
○植田政府委員 これらの規定につきましての取り締まりに当たりましては、取り締まり当局と十分連絡をとり合って、できるだけ機動的に対処するということでいくことになるわけでございます。 流動する経済行為でございますから、そのすべてについて現行犯的にとらえるというのにむずかしい点があることは、よく御指摘の点があることはわかりますが、私どもといたしましては、こういったむずかしい問題にもかかわらず、やはりこういった特別法で特別立法することによりまして、警察当局との連携も従来以上にやりやすくなるというふうに考えているわけでございまして、それからまた同時に、こういった法案を国民の間にPRし啓発活動をすることによりまして、国民の側にも、こういったものに対する態度といいますか、だまされやすい体質というものは次第になくしていただくという方向へ持っていくということで、ここに書いてありますいろいろな規定は、常識的に見ても悪い不当な行為であることはわかっているわけでございますが、やはりこれを特別立法として規定することにより警察当局との機動的な対応もよりやりやすくなるということで、この問題に対処していくということになるわけでございます。 また、十一条につきましては、ただいま触れられなかったかもしれませんが、三条、八条、十一条というふうに規定がございますが、このときには推定をすることによりまして、一般委託者を保護するという、いわば最後のとりでも設けたわけでございます。 そういったことによりまして、重ねて申し上げるわけでございますが、一般国民の意識の向上と相まって効果を上げていきたいというふうに考えるわけでございます。
○上坂委員 いままでいろいろなトラブルが起きているわけですが、この不当な行為については、現実問題としては日本の中ですら立証が困難になっていて、警察が全く手が入らないわけですね。だから、いままで悪徳商法が後を絶たないのでありますが、一つ例をとってみますと、金はいま上場商品になったので、これは日本で取引してはいけない。ところが香港島あるいは何かとつないだり何かしている限りにおいては、いわゆる現物まがい商法というのが現実にまかり通っているわけですね。こういうものをこの法律で一体取り締まることができるのか。その辺はいかがですか。
○植田政府委員 この法律によりまして、そういったたぐいのものがすべてカバーされるというものではございません。これにつきましては二条、三条等々に規定してございますように、海外の商品取引所とのつなぎの問題を対象としているわけでございまして、あらゆることがこの法律で万般にカバーされるというものではないことは事実でございます。 ただ、その点につきましては、重ねて申し上げますけれども、私どもといたしましては、この商品の海外先物市場への受託あるいは委託につきましては、これをルール化することによりまして、それからまた国民の皆様にも賢明になっていただくことによりまして、この問題を少しずつ減らしていきたいということでございまして、一方における消費者も、やはりこういった私どものPRも十分しなければいけないわけでございますが、消費者の方でも、こういった点をわきまえていただきまして、常識的に見て、たとえばこういった場合には書面をこういうふうに交付することがあるのだ、規定されているのだということを知っていただきまして、そういう慣行に習熟していただく、そういうことを通じて、おのずから妙な取引と申しますか、そういうものが排除されていくということになるのだろうと思うのです。 そういうことで、この法律が百点満点にすべてをカバーするというものではないということは御指摘のとおりでございますが、私、繰り返し申しますように、他の啓発事業とあわせて、そしてかつまた消費者にも契約というものについての認識を一層高めていただきまして、こういったトラブルを徐々になくしていきたいというふうに考えるわけでございます。
○上坂委員 審議官は気が長いからそんなことを言っているけれども、僕は気が短いから、そんなまどろっこしいことをやっていられない。いま何百件も出て何十億も被害が出ている、自殺者があちこちに出ているというときに、そんな悠長なことを言っていたのじゃ困るのだ。 いいですか。現実に立証ができないわけでしょう。立証するためには被害届が出て、それも何回か出て、そして通産省が、はてな、これはなるほど大変な被害だなと思ってから、立入検査をやるとか、業務停止命令をするとか、あるいは調査に乗り出すとかということになるわけでしょう、実際問題としては。だけれども、私の方はやっていませんよということになったら、その次に、じゃ書類を見せてくれと言う。その交付した書類は、いまだってちゃんと相手に対して交付しているのですよ。ただ、相手が読まないように交付しているのです。いまだって交付はちゃんとしているのだ。こんな通産省令で決めなくたって業者はちゃんと証書でも何でも出して、裏にはちゃんと取引契約が書いてある。そういうものはちゃんと出しているのです。だけれども、書類が出ているから、その書類は後の証拠になると言ったって、それをとっておく保管義務もなければ、何にもこれは書いてないのです。そうしたら出しっ放しだということになる。だれからもらったのですかと言ったら、もらったのだと言うだけ。そうしたら、名前を変えて——先ほど泰道さんの質問にも出てきたが、もうすぐに名前を変えて、別な会社をつくっていたらわからなくなってしまうじゃないですか。そういうことは、ここに一連のあれとして私は出ていないと思っていますが、出ていますか、これは。 それからもう一つ挙げますよ。第九条で、海外取引業者に対する業務停止命令ができる、こうなっている。海外商品市場に日本の業者が参加することについても、何らの規制を設けることができない状況になっている。なぜできないのか。こういうことも私は非常に疑問なんですね。 それから、業務停止命令をしても、相手の実態がなければ業務停止命令が功を奏さない。またその実態があったとしても、業務停止命令ができるような法律であるならば、これは業者をちゃんと把握して、登録制度にするということがなぜできないのか。その辺がどうも私にはわからないのです。だからこの法律を何度読んでも、ちっとも何だかよくわからないのです。通産省は業務停止命令ができるのだ。それほどの権限を持つならば、業者を全部把握するなり、許可制にしなくてもいいから、少なくとも登録制ぐらいにはして、そして実態を押さえておく。あるいは帳簿でも何でも全部そろえさせて、そのそろってあるものは三年間なら三年間は保管義務がある、こういうことでなければ立入検査をやったって、何にもないところへ行って立入検査をやったってしょうがないでしょう。その辺はどうなんですか。
○植田政府委員 先ほどからもいろいろ申し上げているわけでございますが、登録制というふうな御意見もあるわけでございますが、私どもといたしましては、登録制のメリット、デメリットも勘案した上で、登録制と申しますと、ほとんど出てきたものは無条件で登録ということになろうかと思うわけでございますが、そういった緩い登録制をとらざるを得ないとした場合に、そのことがどういう——メリットもあろうかと思いますが、デメリットの面も無視できないのではないか。いわゆるお墨つきということになるわけでございまして、かえってそのことが問題を深くするおそれがあるわけでございます。 繰り返して申しますが、この立法の目的がいわゆる規制法でございまして、経済目的を達成するための法律でもございませんので、そういった別の見地からの規制はむずかしいわけでございまして、そういう点を考慮いたしまして、私どもは今回こういう法体系にしたわけでございまして、このことによる効果ということをおっしゃられるわけでございますが、私どもといたしましては、やはりこの行為規制によりまして、他の消費者立法が幾つかございますけれども、そういったものと同様に、特別立法がなされることによって、警察当局とのタイアップ、協力関係も一層よくできることになるわけでございますから、こういったことで相当の効果を上げ得る、そしてまたこれが翻って反射的に国民の意識の向上にもつながるわけでございまして、またつなげなければいけないというふうに考えているわけでございます。
○上坂委員 何を言っているのだかさっぱりわからないのですがね。質問は、私はときどき間違った質問をすることがあるけれども、答えの方はやはり正確にしてもらわないと困るのです。 登録制のデメリットというのは何を言うのですか。 それから、経済法なら登録制度だとか許可制はできるけれども、行為規制法では登録制とかなんとかはできないというのはどうしてなんですか。これは法律論的に御説明いただきたい。
○植田政府委員 経済法の場合には、経済目的の達成という目的がございまして、それによりましていろいろな規制があるわけでございます。たとえば現在の商品取引所法におきましても、商品取引員は一定の財産を持たなければいけない、たとえば純資産が何億円以上でなければいけないとかあるいは知識、経験を有しなければいけないとか、いろいろな基準があるわけでございます。しかし、こういったたぐいのいわゆる規制法におきましては、商取引そのものがアプリオリに悪であるということではございませんで、その中の悪質なものを排除しようということでございまして、そういった場合の一般的な立法を見ますと、そのときの許可基準は、法律に書いてありますのは、たとえば過去三年間なら三年間に禁錮刑に処せられた者でないこととかあるいはこの法律、つまり当該法律によりまして処罰されてから一年以上経過してない者は許可してはいけないとか、そういうたぐいの許可基準になっているわけでございます。こういうふうな取り締まり立法的な考え方による許可制というものが、私どもとしてはかえってこの問題の解決にはよろしくないのではないかということを考えたわけでございまして、それがこういった他の消費者立法と同じような形で行為規制になったわけでございます。
○上坂委員 どうも余りよくわからないな。第八条で不当な行為、これは立証できたとしますね。そうすると、業務停止命令を出せるわけでしょう。それから報告を求めることもできるわけでしょう。それで立入検査もできるのですね、この十条では。やっている業者が何かどうも少し悪いことしているな、こういうふうに思った、疑いがある場合、そういう場合には十条の適用ができると私は思うのです。これは先ほど言ったように、いずれも不当な行為というものが立証できた段階でやられるというのがまず普通だと思うのです。ところがその次に、書類も帳簿も備えつける義務というのがここにはちょっと見当たらないわけですね。何を調査して何を立ち入りしてどこで疑いのあるところが立証できるのですか。取引業者がお客に対して渡した書面しかないじゃないですか。そうすると、その書面はちゃんとコピーをとっておかなければだめなんだ。何年かとっておかなければだめですね。いま問題になっているトラブル、私のところにもずいぶん来ていますが、もう三年も前のとか四年も前のがあるわけですよ。そうすると、少なくとも三年くらい帳簿、書類については全部とっておく義務を課さなければ、どこで立入検査やって何を見つけることができるのかということになってしまうのじゃないかと思うのですよ。そういうことについてはさっぱりできてないですね。そんなことならば最初から、許可制とまでいかなくても、とにかくこういう業務をやりたい者については登録をさせる。しかも海外の取引業者というのは、あなたが先ほど言ったように、香港だということになれば、香港における会員あるいは準会員、そして今度はそれとつながりのある日本における支店であるとか出張所であるとかという形になるわけですね。そうでしょう。これはきちんと把握できるじゃないですか。これらのものではないのだ、どこにつながっているか、どこの市場とやっているんだかわからないのだ、そういう業者がもっとたくさんあって、それについてはつかめないのだということになるならば、とにかくこういう取引業務をやるということであるならば、どんな業者でもみんな通産省に登録しろ、登録しないのはもうだめだ、やらせない、こういうふうにやったら一番簡単じゃないですか。そうしたらこんなややこしいのをつくらなくてもできるのです。どうですか。
○植田政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、これからいわゆる経済の国際化の時代に入りますと、経済行為としての対外取引というものも徐々にはふえてくるかと思います。しかしながら、いま問題になっております砂糖なり大豆なりについての、たとえば香港の問題につきましては、残念ながらまだ経済目的追求のための経済行為という面が非常に希薄でございまして、たとえばのみ行為でございますとか、そういった遺憾ながら悪質取引、悪徳業者によるものが非常に多いわけでございます。そういう意味では、もちろんすべてのものがそうということは言い切れないわけでございますが、現状におきましては、そういったものが非常に多いということは事実でございます。そういったことから、この業界が、たとえて申しますと、経済団体と申しますかあるいは経済グループといたしまして、これを認知して育てるという段階ではいまないと思うわけでございます。私どもも審議会等でもいろいろ議論したわけでございますが、やはり通産大臣への登録とか許可制はもちろんでございますが、そういったことがいわゆる国家認定済みとかあるいは通産大臣承認済みとかというふうな形で行われる面、そういったデメリットの方がどうしても多くなるということ、それから先ほど申しましたように、そういった登録なり許可なりによりまして、これを一つの産業グループなり産業界として振興していくとかまとめていくとかという段階にはいまのところまだない。将来の問題は別途あろうかと思います。 たとえば、先ほどもちょっと触れましたが、金などは取引所がロンドンにもでき、東京にもできまして、次第にそういった面が出てくるかと思いますし、また私どももそういったものとして育てなければならないとは思っておりますけれども、いまのところ残念ながら、この法律の対象としておりますものにつきましては、いわゆる悪徳的なものが非常に多い。したがいまして、これをいま登録とか許可とかいいましてまとめて一つの業界あるいはグループとして認知するといいますか、そういったことはかえって問題があるのではないかというふうなことを考えまして、今回こういった登録制等はとらなかったというのが現状でございます。 そういうことで、この行為規制は、他の行為規制法と同様の仕組みを考えたわけでございます。
○上坂委員 いま申し上げました「帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。」こう第十条にありますが、これは保管義務もないし、そろえておかなければならないとかいうことは全部省令で決めるわけですか。
○植田政府委員 こういった業界でございますから、御指摘のような点、つまり企業がくるくる変わる場合もありますから、そういった意味ではとらえるのがむずかしい点があることは事実かと思います。しかしながら、こういった問題がかなり多発してくるあるいはまた私どものところへ相談等もかなり来るという場合には、取り締まり当局と十分連絡をとって、立入検査なり調査なりをするということを機動的に行うことによりまして、そこの企業の実態なり問題点を把握するということは可能であろうと思います。 ただ、たくさんある企業の中には、もちろんごく短期間のうちに倒産してしまうとかいうのもあろうかと思います。またそういった業界であることも、私否定するわけではございませんけれども、しかし、やはりトラブルが続発したり、そういった場合にはわれわれが取り締まり当局とも機動的な連携をとることによって踏み込むということは、やはり可能である。しかもそれを公表するなどいたしまして、言うなれば、一罰百戒ということもあるわけでございまして、私はいわゆる泡沫企業も含めてすべてのものがこれで完全に把握できるということを一〇〇%自信を持って言うというのは言い過ぎかと思いますので、それだけのことは申し上げかねますが、いま申しましたように、やはりおのずからトラブルが多発する、目に余るものというものはあるわけでございまして、それはやはり取り締まり当局との十分な対応によりまして、それをとらえ、かつ一罰百戒的なことも効果もあり、しかもそれがまた国民に対する教育的効果も持つわけでございます。失われたものがすべてそれで返るとは私も申し上げませんが、これによって、気が長いと申されるかもしれませんけれども、やはりわれわれはこれで相当の効果を上げられるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○上坂委員 そうすると、いまの書類とか何かは、義務づけることはやらないということですか。
○植田政府委員 この法案におきましては、義務づけの規定はございません。
○上坂委員 それで立入検査なり何なりが効果が上がれば、これはすばらしいことだと私は思いますが、どうも効果が上がるとは思われないわけであります。 ところで、いま新しく今度はプラチナとか何かが、ブラックじゃないですね、これはホワイトマーケットなんですが、八条逆転解釈以来ホワイトマーケットになってしまったのですが、いまトラブルがやはり起きているわけですね。今度は金のブラック市場のような形で起きているのが事実なんです。そうしますと、こういうのに対しては、これがたとえば香港等で今度はプラチナが上場品目になって、日本でプラチナが上場品目になっていないというときに、向こうとつながってきてこちらでプラチナの方をやるというような例が、私はこれからなきにしもあらずだと思うのです。そういうときには、またそのプラチナの市場をつくらなければならなくなってしまうということはないのですか、そういうおそれはないのですか。
○植田政府委員 ただいまの御質問、ちょっと十分理解できなかった面があるのでございますが、香港におきまして、たとえばプラチナというものがどの程度大々的な先物取引になじむのかどうか、私よくわかりませんが、仮に香港においてプラチナが上場され、そしてそれが相当の取引量に達し、またわが国との関係でトラブルが多発してくるということになれば、それを政令指定するということになろうかと思います。 一方、国内における問題も御指摘があったかと思うのでございますが、国内における問題といたしましては、先ほど法制局からも答弁がございましたが、いわゆる八条の解釈の変更の問題がございまして、一つ残された問題としてあるわけでございます。今回は二つの問題のうちこの海外問題がいま一層喫緊の課題だということで、まず提案さしていただいたわけでございますが、国内の八条問題が残っていることは事実でございますが、プラチナ等につきましては、その推移も見まして、かつ今後の八条問題への対応をどうするかということは残された問題として検討を続けていく必要があるというふうに考えております。
○上坂委員 何年か前に訪問販売法あるいはマルチ商法対策のときにマルチ業者の公表をやったのですね。それで非常に効果があったのです。それからもう一つは、いろいろな問題が起きたときに、いわゆるマルチ一一〇番の設置というのが通産省で行われたわけですよ。これは画期的だったと思うのです。特に担当課と直接通ずるように電話連絡ができるようにした、こういうことがあったわけです。そういうものが今度はないと、たくさん起こってくるのがなかなか把握できないので、それから国民の方はどこへ持ち出したらいいかわからない。特に商品取引所のように、紛議を処理するいわゆる機関があれば、そこへ持ち出すことができるけれども、この場合は持ち出すところがないわけです。いままで実際問題としては警察署に行っても取り上げてもらえなかったわけですね、現実問題として。詐欺行為の実証ができないからということで警察の手が入らなかったわけです。そうなりますと、なかなか被害が大きくなってもいわゆる立証することもできないし、苦情処理をすることもできないということになりますと、これはどうしても通産省にそういうものを設けなくてはならないのではないかと思うのです。そういうものを設ける用意はあるのかどうか。 それから、そこで出てきた業者に対しては、これは確実に公表していくという覚悟がないと、やはり国民に一般的な徹底ができない、啓蒙にもならないと思うのです。そういう用意があるかどうか、これについてお答えいただきたいのです。
○植田政府委員 トラブルが起きたときにどこへ持ち込むかということは、確かに行政の窓口と申しますか、整理される必要があるわけでございまして、これは私どもこの数年来いわゆる消費者行政といたしまして、たとえば通産省あるいは通産局に相談所も設置いたしまして、これがかなり軌道に乗ってきているというふうに理解しております。特に顧問弁護士等も置くこともいたしまして充実に努めておりますし、またかなり知名度、と申しますとおかしいのですが、通産省にこういった相談所があるということも知れわたってきておりますから、先ほど来、たとえば海外市場でも四百何件かの問い合わせ等々があったというのも、そういったネットワークを通じて吸い上げているわけでございますが、そういう意味で、私は年々この苦情窓口というものは、私どもでも強化、充実されていると思いますので、この点の一層の充実ということで、その一一〇番問題は対処していきたいというふうに考えております。 それから、この公表の問題でございますが、先ほども御指摘がありましたように、業務停止命令をかけたときには公表の規定があるわけでございます。あと一般的に、たとえばある企業について苦情があったというのをそのまま公表するかどうかということは、これはよく問題になることでございまして、たとえば私の記憶によれば、新聞等におきましても「A社」とか「B社」とかいうふうな発表の仕方をすることが非常に多いのでございますが、やはり被害者と申しますか、国民の皆さんから何か相談があったらそれを公表するというのも、それだけでやるというのもちょっと問題が残るわけでございまして、どういったところに線を引くのかというむずかしい問題があるということは承知しております。ただ、何らかのかっこうで、やはり問題が教育的効果を持つようなことにできれば、それはいいわけでございますが、それを固有名詞で一々発表していくかどうかということにつきましては、私ども率直に申しまして、従来からのいろいろの行政のあり方等からいたしまして、いま直ちにそれを完全にオープンにして実行するというところまではなかなかむずかしいかと思うわけでございますが、何らかのかっこうでそういったものが、たとえばケーススタディー的に教育的効果を持つような形にするとかいう工夫ができればいいと思うのでございます。公表につきましては、そういうことで相談があったら直ちに公表するということはいろんな観点がございますのでむずかしいかと思いますが、国民に対する啓発的効果をねらうにはどうしたらいいかという観点も含めまして、どういうふうにしたらいいかということは検討に値することではないかというふうに思っております。 ただし、直ちに公表するということをいまここで申し上げる段階にはないということは申し上げておきたいと思います。
○上坂委員 少し前へ進みますが、ここに一つ資料がありまして、大阪朝日の新聞で四月二十二日ですが、「断られ主人殴る金セールスマンを逮捕」これが実態なんです。電話をかけて会いましょうと言って行ったのです。そしたら、私は買いません、投資しませんと言って断られたから殴っちゃった、そしてつかまっちゃったのです。そういうのが出ているわけですね。「堺北署は二十一日午後、訪問先で暴力をふるった大阪市天王寺区勝山通二丁目、金先物取引業「大阪豊田商事会社堺支店」のセールスマン高広志を傷害現行犯で逮捕した。」こういう例がほとんどなんですよ。だから、私は思うのですが、こういう業者を含めて、そしてお墨つきを与えるとかなんとかということではなくて、現実にいま香港なら香港とつながっている業者をまず取り締まろうとするならば、その業者は香港の市場に会員なりあるいは準会員なりの指定がされているわけだから、それは確実な把握ができるだろう、そういうものは登録をさせたらいいんじゃないか、そういうふうに思うのですよ。そのことがその業界に対してお墨つきを与えるというデメリットにはならないのじゃないかというのが私の一つの意見なんです。 それから、現物まがい商法をやっている業者については、行為を取り締まるという形でこの法律によっていろいろやるにしても、これでは、本当のことを言うと、確実に把握することが困難なのではないか、もっと工夫をする必要があるのではないかというのが私のこの法律案に対する考え方なんです。 そこで、損害が起きた場合のことについては、通産省の方としては第十一条の「先物取引の成立価格の推定」という条項で非常に効果があるだろう、こういうふうに思われているようでありますが、実際問題としては、本当は被害をできるだけ未然に防いでいくという観点が必要じゃないかと思うのです。被害が起きた後で何か救ってやるということの前に、被害の起きないようにしていくということも前提になって、そして被害が起きたときにはまた救ってやる、こういうかっこうにしていかなければならぬと思うのです。そこでわれわれの方としては、訪問販売法なんかで設けられているクーリングオフの規定をぜひ挿入する必要があるのではないか、こういう観点を持っているわけであります。このことについてどういうふうにお考えになっているか、お答えをいただきたいと思うのです。
○植田政府委員 現実の受託の形を見ますと、いわゆる基本契約的なものとそれから個々の売買注文というものを、一本の契約書で行う場合と二本に分けて行う場合があるようでございます。ただ、二本に分けるにいたしましても、時間的にはほぼ同時に行うあるいは相前後して行うというのが通常のケースのようでございます。 そういたしますと、いわゆるクーリングオフ、一遍契約をいたしまして、一週間なら一週間のうちにまた気が変わったら断るという方式であるわけでございますが、今回の規制対象が相場取引、商品相場という特殊な分野でありますので、相場の上下が非常に激しい場合が多いわけでございまして、そういたしますと、一たん契約をいたしましてから値段が非常に下がった場合に契約を解除するとかいうことになりますと、取引の安定性を非常に害するわけでございます。そういった意味で、私どもといたしましては、クーリングオフはこういった相場商品についてはなかなかなじみがたいというふうなことから、クーリングオフはとれないという結論になりまして、今回の法案には載ってないわけでございます。 そのかわりというのはおかしいのでございますが、御指摘の十一条のような推定規定で最終的に救う。もちろんこれはそのままかわりになるという意味ではございませんが、クーリングオフは、いま申しましたようなことから本法案には取り入れなかったわけでございます。
○上坂委員 クーリングオフ制度がとれないということになれば、それにかわるものとして、いまの推定規定で補おうというようなお答えのようでありますが、私はそれは非常にむずかしいと思うのですね。 そこで、クーリングオフが大体なじまないとかなじむというのがどうも私には納得がいかないのです。なじもうとなじむまいと、とにかく国民の生活を助けるためには、これはやる気があるならばやれるんだ。国会が法律をちゃんと認めればいいんだから、私はそれはできると思うのです。それをなじまないとかなじむとか勝手に判断をして、必要なところをつくらないという考え方にはどうも賛成ができない。だから私は、そこのところはこれから十分検討してつくるように努力をしてもらいたいと思うのです。そこが法律上どうしてもむずかしいというならば、それにかわるものとして、契約をしたけれども、売買に入るのには一週間とか二週間とか十日とか置くというような規制をつくるべきではないかと私は思うのです。このことについてひとつお考えをお聞かせ願いたい。
○植田政府委員 クーリングオフがなじむかなじまないか勝手に決めても困るという御指摘でございますが、私どもといたしましても、この問題につきましては、法務省あるいは法制局等々とも検討いたしまして、今回の法案には無理ではないかというふうなことで入れなかったわけでございます。 それから、契約してもしばらくの間は売買取引をさせないようなことはできないかということでございますが、これにつきましては、私もいまここで直ちに純法律的な見地からお答えする用意が十分できておりませんが、あらゆる場合について、ある一定の期間契約を認めない、売買を認めない、たとえばクーリングオフでございますと、一たん契約いたしまして、自分は契約したいんだという人はそのまま置いておけば効力が発生するわけでございまして、いろいろ考えたけれども、一週間のうちにやめようという人だけがやめられる、やりたいという人はできるわけでございますが、御指摘のようなことでございますと、あらゆる人が一週間から一週間、二週間なら二週間は契約できないことになるわけでございますので、仮に自分がいま相場が非常に高くなったからやりたいといっても、二週間はだめあるいは一週間はだめというふうに、すべての人にそれを禁止することが、契約の考え方からしてどのように考えたらいいんだろうかというかなり基本的な問題があろうかと思います。大変むずかしい問題でございまして、私もいまここで自信を持ってお答えするだけの準備ができておりませんので、そこはちょっと差し控えたいと思いますが、そういうふうな問題はあるのではないかというふうにお答えしておきたいと思います。
○上坂委員 最後の質問になりますが、商品取引所審議会の答申が通産大臣、農林水産大臣に出されておるわけであります。「海外商品取引所における取引の勧誘問題への対応のあり方について」というのがこの答申でありますが、ここに「現行商品取引所制度との関連にも十分配慮しつつ、広く、商品先物取引一般及びこれに対する規制のあり方という見地から、基本的、総合的な検討を進めていく必要がある」こう指摘をしております。「しかしながら、上記状況への対応が喫緊の課題となっていることを考えると、現時点において、とりあえず、一般委託者保護の観点から、次のような規制等を行うべく所要の立法措置を講ずることが適当である。」ということで今度の法律が出てきた。したがって、あくまでもこの法律は喫緊のものであるという解釈を私は一歩譲ってしておるわけですが、それはそれでいいわけですね。 それから、実際問題としては、この法律によって悪徳商法と言われるこうした不当な取引行為をどの程度まで抑えることができるのか、ここのところをお答えいただきたいと思います。これが第一点です。 もう一つは、いま私が読み上げました前半の商品取引全般に対する規制の問題という形で、これについて基本的に、片っ方に流通経済法があって、こちらに行為規制法があって、行為規制法ではなかなか取り締まれない問題がある、それから取引所の方の流通経済法についても、八条の逆転解釈以来非常にむずかしい問題があちこちに生じている、こういうことになりますと、これらに整合性を持たせて本当に一本化した新しい立法措置が私はどうしても必要になってくると思うのです。そのことについて通産省としてはどのような取り組みをなさる決意を持っておられるのか、御説明をいただきたいのです。
○植田政府委員 初めに、この法律の効果いかんということでございますが、いままでいろいろと御質問にお答えしたことに尽きるわけでございます。この法律では、行為規制といたしまして書類の交付義務とか行政処分あるいは罰則を設け、最後の救済措置として推定規定を設けたということになっているわけでございます。私どもは先ほど来御答弁申しましたように、これですべてのものが確実になくなるというふうには残念ながら思いませんけれども、ただ、これが一つの起爆剤となりまして、国民の間に、契約の際における書類の意味なりでもうひとつ賢くなっていただく面も期待できますし、同時にまた、この法律の施行とあわせまして啓発事業あるいはPRは十分行われなければいけないと思っております。そういった二本の柱あるいは両輪を動かすことによりまして、かつまたこの特別法を設けることによりまして、取り締まり当局との機動的な対応もよりやりやすくなるわけでございますから、そういった総合的な策を並び行うことによりまして相当の効果を上げていきたいと思っておるわけでございます。 それから第二の点の、総合的な商品取引の問題をどうするのかというお尋ねでございます。率直に申しまして、全体をどう持っていくかというのは大変むずかしい問題でございます。ただ、御指摘にもございましたように、八条の解釈の変更に伴いまして、問題が残っておるということはわれわれも承知しておりますし、今回は喫緊の問題として、この海外問題を先に取り上げた、まだ八条問題が残っている、これをどうするか。これは通産大臣から取引所審議会に諮問されておりまして、いまいろいろ検討中でございますから、その検討を待って私ども対応を決めたいと思っております。お尋ねのように、海外、国内を含めてすべてを一本の法律で集大成すべきなのかどうか、あるいは取り締まり問題と経済法的な問題とを別にするのかどうかとか、いろいろむずかしい問題があると思いますので、その辺は引き続き検討課題として検討させていただきたい、こういうふうに思っております。
○上坂委員 私のいま申し上げた見解について、農林省の方がいらしたら農林省の方からもお答えをいただきたいと思うのです。 それからもう一つは、農林水産省の担当者としては、この法律全体についてどういうふうな感想、考え方を持っているのか、これもあわせてお答えをいただきたい。
○伊藤説明員 後の方の御質問から申し上げますと、農林水産省といたしましても、いま通産省の植田審議官が御答弁になりましたのと同様の感想を持ちまして、この法律を手がかりに一歩前進していくことがまず第一であるというふうに考えております。 また、最初の方の御質問につきましては、現行の商品取引所制度を基礎といたしまして、国内、海外、上場商品、非上場商品、これらを問わず商品先物取引全体につきましての総合的基本的な検討が必要であるということは、審議会の答申にも言われているとおりでございますから、審議会等の場を通じまして、さらに一層深めていく必要があると考えております。
○上坂委員 最後に、大臣にちょっと希望しておきますが、この行為取り締まりをやるにいたしましても、国民に対する啓蒙というものが非常に重要になってくると思うのです。ところが啓蒙をするにしても、いままでの啓蒙のやり方というものが余り功を奏していないわけです。そういう点で私たちも、地方自治体の広報を利用するとかいろいろなアイデア、考え方を具申しているわけなんですが、これは予算の関係もかなりあると思うのです。それから総理府の方とエネルギー庁の方の宣伝、そういうものも含まれてくると思うのです。そこで、これに対する予算措置、そうした面も十分とっていただいて、国民の啓蒙ということについて十分力を入れていただきたいと私は思うのです。そのことについて大臣のお考えをお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
○安倍国務大臣 御指摘のように、本法律案につきましては、他の消費者保護立法と同様に、一般大衆にこれを周知徹底せしめるということが非常に大事であります。そのためには、お話しのようにPRをいかに考えるかということでございますが、予算の関係ももちろんありますけれども、関係の省庁等とも十分に連絡をとりまして、PR等につきましては、これを積極的に行っていきたい、こういうふうに考えております。
○上坂委員 ありがとうございました。
○梶山委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開議
○梶山委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 午前中に商取法の八条の逆転解釈の問題について同僚委員から質疑が行われているわけですが、私はどうも理解できないのです。当時は金のブラックの問題で大きな社会問題化していたことは法制局も御承知のとおりだと思います。長い間類似のそうした行為というものは容認されていなかった。にもかかわらず、これが差し支えないといいますか、そういうような従来の考え方を、また法制局がとってきた考え方を逆転させた解釈というものはどういうところにあったのであろうか。従来の解釈が間違いであったという判断の上に立っているとするならば、その点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのが一点。 それからもう一つは、今後どう対処していこうとしておられるのか、これは通産省あるいは農林省の法運営の関係と関連してくるのであろうと思うのでありますけれども、それらの点をそれぞれひとつお答えをいただきたいと思います。
○味村政府委員 商品取引所法の第八条の解釈につきましては、昭和二十六年当時の法務府の法制意見第一局長の法制意見でもちまして、政令で定める指定商品以外の商品につきまして、先物取引をする商品市場に類似する施設を開設することを禁止している、こうしていたわけでございますが、一昨年の四月、これを変更いたしまして、この規定は、指定商品以外の商品につきまして、先物取引をする市場の開設を禁止していないと回答したわけでございまして、これによりまして昭和二十六年の法制意見を変更いたしましたことは、ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。 こういう変更をするに至りましたきっかけと申しますのは、金取引が盛んになりまして、各地で問題になりまして、その結果、果たして従前の昭和二十六年の法制意見が維持されるのかどうかということについて疑問が生じました結果、通産省からの御照会もありまして、それに対してお答えを申し上げたということでございます。昭和五十五年に私どもこの先例を変更いたします際にいろいろ検討いたしたわけでございますが、昭和二十六年の前の法制意見は何分にも三十年近い以前の意見でございまして、資料等もございませんで、結局文面で判断するよりいたし方がなかったわけでございます。再検討におきまして問題とされましたところは、先ほど申し上げましたように、指定商品以外の商品につきまして、取引所法八条の規定の適用があるのかどうかということで、結局これは商品取引所法八条の立法趣旨の問題に帰するということに考えたわけでございます。ところで、立法趣旨と申しますのは、商品取引所法全体といたしまして商品取引所法の第一条に規定がしてあるわけでございます。それで第一条では「商品の価格の形成及び売買その他の取引を公正にするとともに、商品の生産及び流通を円滑にし、もって国民経済の適切な運営に資することを目的とする。」こういうふうに定めております。この第一条に言っております「商品」というのは、第二条に定義がございまして、その「商品」というのは、政令で指定いたしました商品である、こういうふうに理解せざるを得ないわけでございます。そういたしますと、指定商品以外の商品につきまして投機の弊害を防止するということは、商品取引所法の目的には含まれない、こういうふうに解さざるを得ないというふうに考えたわけでございます。こういう目的からいたしまして、商品取引所法の八条の第一項は、政令で指定いたしました指定商品について、厳格な規制のもとにある商品市場での価格の形成等が適正、公正に行われることを保証しようとするものであって、それ以外の物品の先物取引をする市場を禁止して、取引の弊害を防止することは同項の適用の範囲外である、こういう結論に達した次第でございます。
○中村(重)委員 私は当委員会においても流通小委員会におきましても、金を投機の対象とするということは適当ではないという考え方の上に立って実は反対をしてまいりました。ところが、いまの法制局の解釈ということから、いわゆるブラックがホワイト化してくるという形になってきたわけですが、警察庁は法制局の逆転解釈によって、取り締まりの面においてどのような影響を受けられたのであろうか、その点をひとつお聞かせをいただきたい。
○本多説明員 かつて金の先物取引を仮装した事件がございまして、それで商取法八条の適用を考慮いたしましたけれども、適用されないということがございまして、詐欺で検挙した事例がございます。
○中村(重)委員 私も金の問題その他商取の問題につきましては、警察庁に対して厳しい取り締まりを要請してまいったわけでありますし、そうした点について警察庁が取り締まりに積極的な対応をしてこられた事実は承知をいたしておるわけでございます。今後ともいろいろと外国商品先物取引の規制法ができたといたしましても、あるいはまた金が上場商品として認められたということになったとしましても、あるいは国内の商品取引の面におきましても、法律違反ということだけじゃなくて、刑法の違反といったことは後を絶たないというように思います。したがって、厳しい監視、取り締まりというものが続けられなければならないと考えますが、警察庁としてはどのように対応していこうとお考えになっておられますか。
○本多説明員 警察といたしましては、この種の事犯につきまして、現行法令を活用いたしまして取り締まりに当たってまいったところでございまして、先ほども申し上げましたように、金の先物取引を仮装して、証拠金の名におきまして多額の金銭をだまし取っておった事件がございました。それにつきまして、二十四業者を詐欺罪などで検挙をしてまいったところでございます。 今後とも各種の情報を収集いたしまして、実態を把握し、現行法令を適用し、違反し、あるいは犯罪に該当するものがございましたら厳正に対処してまいりたい、そのように考えております。
○中村(重)委員 通産省は、この金の取引所を開設をするということに対しましては、私の考え方と同じでありまして、時期尚早であるということで慎重な態度をとってこられたわけでありますが、金を指定商品に追加をする、金取引市場を開設をするということに踏み切られたのは、法制局の八条の逆転解釈ということによって、そうすること以外に違法行為、違反行為、社会問題化しているこの行為というものを取り締まること、いわゆる規制することはできないのだという考え方の上に立って態度をお変えになったのかどうか、その点をお聞かせをいただきたい。
○植田政府委員 最近におきまして、金の需要あるいは流通が非常に急増いたしまして、金についての価格の公正な形成とかあるいはリスクのヘッジというものを行い得る場をつくる必要があるのではないか、そういうふうな要請といいますか、考え方が一方において次第に出てきた。 そのことによりまして、上場をして、そういった要請に即応するような金市場をつくるということが、同時にまた、当時から非常に問題になってきておりましたいわゆる金のブラックマーケット、これを防遏するためにも非常に有効な手だてであるということで、金につきましては、政令で指定いたしまして、金の取引所を開設するということに立ち至ったわけでございます。
○中村(重)委員 そこで、金の取引を行うに当たっては、指定業者というのか、指定取引員というのが三十社、その他含めて四十社ということになったわけですが、この先物取引員の選定に当たっては、どのような基準と手続をもってお決めになったのか。
○植田政府委員 金の取引所につきましては、会員と、それから会員の中からの商品取引員と、この二つの種類のメンバーがあるわけでございますが、会員につきましては、取引所の資格審査委員会で審査いたしまして、その上で理事会の議を経て取引所が会員を選定するという仕組みになっております。 一方、商品取引員につきましては、今回の金の取引所について言いますと、定款で定員が四十名ということに定められておりまして、手続的には、まず取引所の資格審査委員会、そして理事会を通りまして、それが理事長から通産大臣にスルーして申請されてくるわけでございまして、最終的には通産大臣が許可する、こういう仕組みになっております。その場合の許可基準といたしましては、商品取引員は会員であること。まず第一義的には、取引所の会員でなければならない。第二には、純資産額を、金の場合、五億一千万円以上有すること、そういうことで財産的基礎が十分であることというのがございます。第三には、受託業務の収支の見込みが良好であるということ。それから第四に、受託業務を公正かつ的確に遂行することができる知識とか経験とか社会的信用を有すること。こういったような観点から選びまして、先ほど申し上げましたような手続を経て許可を行った、こういうことでございます。
○中村(重)委員 たとえばブラックあるいはその他金の取り扱いをさせる取引員としてはふさわしくないというようなことについて定款に定められている。その定款に反するような、いわゆる基準をはみ出すような業者を指定したという事実はありませんか。
○植田政府委員 取引所の定款に審査の場合の基準が設けられておりますが、それに即しまして、先ほど言いました取引所内の手続と、それからまた、それをスルーした上で通産大臣も先ほど申しましたような基準に即して選んだわけでございます。
○中村(重)委員 純資産ということが条件の一つになっているようですが、ペーパーの純資産——実際の純資産があるかどうか。ペーパーではそうなっておっても、実際は純資産というものが満たされていなかったということもあり得るのではないかと思うのですが、それらの点はどのような調査をなさいましたか。
○植田政府委員 資産につきましては、先ほどのような手順を踏みまして内容をチェックいたしまして、たとえば不良資産等は除くとかいうふうなことで、審査した上で決めているわけでございます。
○中村(重)委員 審査委員会をおつくりになったわけですが、審査委員会の構成というものはどういうことであったのか、好ましくないというように考えられる者を審査委員にされたという事実はないのかどうか、いかがですか。
○植田政府委員 取引所の資格審査委員会は、会員の中から代表的な方たちが集まったわけでございます。その中には、いわゆる金に関する山屋さんとかあるいは総合商社の方、あるいはまた従来から商品取引員として業務に携わっている人等がメンバーとして入っているわけでございまして、その人たちで先ほどのような基準と手続によりまして審査がまず行われたというわけでございます。 〔梶山委員長代理退席、森(清)委員長代 理着席〕
○中村(重)委員 この審査委員会の構成員の中に、ブラック行為をされた者、あるいはみずから国際先物取引の業者たらんとする者、そういう業者を構成員にしたというようにも伝えられているわけですが、だとすると、みずからをみずからが審査をするということになるのではないかというように思うのです。余り好ましい構成ではなかったというようにも考えられますが、その点は専門家がいなければなかなかむずかしいというような考え方もあったかもしれませんけれども、専門家がいなくともいろんなデータができるわけでありますから、過去はどうであったか、それから純資産の問題、いろんなことはデータによって明らかにされるであろうと思う。だとするならば、専門家を入れることが、みずからをみずからが審査をするという、何か疑惑を持たれるようなことを避けられたのではないかというように思うのですけれども、その点いかがですか。
○植田政府委員 会員資格審査委員会に商品取引業界代表が中に入っているわけでございますが、その委員の選任に当たりましては、全国商品取引員協会連合会会長のほかに、関東地区とか名古屋地区とか関西地区という地区別の代表的な商品取引員を選任しているわけでございます。したがいまして、何か特別なバイアスのかかったメンバーとか、そういうことはないというふうに考えております。
○中村(重)委員 みずからをみずからが裁くといったような形において、どういうようなことが起こったのか、その事実は私はつまびらかではありません。ただ、そういった業者、いわゆる代表者を選んだのだ、こう言われるのだけれども、もう少し慎重であるべきではなかったのかというように思うことが一点であります。 もう一つは、そうした関係業者を入れておったということから生じたのであるかもしれませんけれども、指定業者を決定をした後ではなくて、その審査の途中において情報が外へ漏れる、そして無用の混乱を引き起こす、感情的対立というものが生ずる。そういうことによって犠牲を受けられるような面もなきにしもあらずではなかったのかというように思うのです。だから、今後もあることでございますから、あえて御注意を申し上げるわけでありますけれども、審査は厳正でなければならないし、また審査の途中において情報が外へ漏れるといったようなことは、厳に注意をしなければならないことであったのだと私は思います。しかし、そういうことで情報が漏れる、それで混乱をする、そして感情的対立というものが起こり、それが尾を引いてくるというような形になったという事実は否定できないのではないかというように思うわけですが、今後の問題を含めて、私がいま指摘をしたようなことについて、どうあるべきかということについて、通産大臣から御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 いま審議官から答弁いたしましたように、審査等につきましては厳正に行ってきたもの、こういうふうに考えております。
○中村(重)委員 私は申し上げたように、厳正でなかったとは言ってないのです。そう言っているのではなくて、業界の代表者であるといったような、そういう代表者を選ばれた。この種の審査というものには、やはり専門家というものがいなければなかなかむずかしい、実態をつかみにくいといったような配慮というものがあったのだろう、こう理解をしてはいるのです。ですけれども、申し上げたように、そういうことに対する疑問、疑惑というものが起こってくるということもまた否定できない。それらのことは、情報が外へ漏れてぐる、そうして混乱を起こす、感情的対立というものが起こってくるというようなことはあり得るのではないでしょうか。だから、今後はどうあるべきかということを、今回の審査委員会のあり方の経験から実は申し上げているわけでございまして、審査が厳正でなかったということを、私は事実をつかんでいなくてこの委員会において断定的に申し上げることは適当でありませんから、物わかりよく質問しているつもりですけれども、質問に対して適切にお答えをいただければ結構ですが、いかがですか。
○安倍国務大臣 今回の審査については厳正に行ったと存じますが、非常に問題の多い業界でございますから、今後とも、いま御指摘のような点を踏まえて、いろいろと疑惑その他が出ないように、十分慎重に対処してまいらなければならないと考えます。
○中村(重)委員 それじゃ、法制局は結構でございます。 海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案要綱、これを見ながら順次お尋ねをするわけですが、当初、許可制にしなければならないということで、そういう方針を持って関係各省と折衝をされたというように思っているわけですが、国内ではなくて、外国の商品であるということから壁にぶつかられたのだろうと思うわけですが、規制法ということではどこまで実効が上がるのか私も疑わしい。非常に疑問に考えているわけですが、登録制になぜしなかったのかという午前中の同僚の質問に対しまして、登録制にするということは、そういう業者を育成することにつながるという意味の御答弁もされたようでありますけれども、確かにその一面もあるかもしれないですね。あるかもしれないですが、ただ単に、規制法ということだけでは、外務員もいるわけですから、外務員の登録証も持ち得ないという形になるのではないかというように思うのです。のみ行為なんかも事実あると私は思っていますから、社会に害毒を流す、善良な消費者を本当に自殺に追い込んだり、一家心中であるとかいろいろ不幸な出来事が起こっているわけです。犯罪行為というものまでこれと関連をして起こっているという事実も承知をいたしているわけでありますから、これはいつまでも野放しにしないで、早く規制の措置、厳しい取り締まりをやっていくということにしなければならないということによって通産省が対処したことはわかるのですけれども、かといって、拙速でもって、実効の上がらないものをつくってみたってしようがないということになると私は思う。だから、許可制とか登録制というのは当然検討される、そういう方向へ本当に効果のある法律を制定をするということでなければならなかったと思うのですけれども、その点いかがですか。
○植田政府委員 先ほども御答弁申し上げたわけでございますが、許可制というものも検討の過程におきましてはいろいろ考えたわけでございますが、いま対象となっている業界につきましての規制法という形で考えました場合には、許可制というものが、現在の国内法である商品取引所法のような形での許可制はなかなかむずかしいということでございます。いわゆる形式的、画一的な許可基準にならざるを得ないということ等も検討いたしまして、今回のような形にしたわけでございます。 法律の性格に経済法的な法律と規制法的な法律とがあり得るわけでございますし、一方また、当該産業界の置かれている位置と申しますか発展段階といいますか、そういったものによりましても、それに対応すべき立法のあり方がおのずから規定されてくるのだろうと思います。現在のこの海外の商品取引という点につきましては、いまの段階では遺憾ながら規制の対象としての意味合いがきわめて強いわけでございまして、私どもといたしましても、立法の趣旨をそういったところにしぼったわけでございます。そういう法律の性格等からいたしまして、あるいは先ほど御指摘がございましたように、海外の市場にかかわる取り締まりということもございますが、そういったようなことの判断の上に、今回のこの法律は、他の消費者立法に類似なものがございますように、行為規制という形でまとめたわけでございまして、その点は国内の経済法である商品取引所法とは違った性格と内容になっているわけでございます。
○中村(重)委員 いまのお答えの中からも、また午前中の同僚委員の質問に対するお答えを伺ってみましても、やはり許可制であるとか登録制であるということは、余り好ましくないような業者を育成することにもつながっていくであろうという配慮もなかったとは言えないし、また相手が外国の市場に上場する商品取引であるということで、なかなか国内のようにはいかないというような、立法されるに当たって相当苦労されたというようには私は思いはするのです。しかし、好ましくないという考え方の上に立っておられる。いわゆる規制法的なものにしたということは、好ましくない、だから何とかしなければならぬということだと思うのです。しかし、いずれにしても、規制法であっても法をつくった、そういう業務行為をやったものを取り締まる道を開いたということは、一面から見ると、これを認知したということだけは間違いないと思うのです。ならば、私は、そういう業者、俗に言ういわゆる悪徳業者と言われる者もある、あるいは悪徳でなかったにしても、外国の市場に上場するそういう商品を国内で受託することを禁止する方法はなかったのであろうか。たとえばニューヨークの取引市場の上場銘柄を日本で勧誘できるのかどうか。また日本の取引市場の上場銘柄の勧誘を外国でそれではできるのか。できないでしょう。いかがですか。
○植田政府委員 わが国の国内の商品取引所へ海外から受託がされるということはあり得ることだと思います。従来そういったケースは恐らく少なかったろうと思いますが、たとえば今回上場されました金などにおきましては、非常に国際的な性格も強くなっておりますので、それはあり得ることでございまして、実際にどうなるかというのは、今後のそういった業界の発展の模様によるのであろうと思います。
○中村(重)委員 この種の立法をされるということについては、十分な調査がなされなければならなかったと思う。だからこういう法律案を出して、私どもに審議を求めておられるわけだから。そして好ましくない、だから規制法にした、そういう商行為をやることは非常に好ましくないという考え方がある、害毒が非常に流されてきている、犠牲者が出ている、ほっておけない、だから規制しなければならぬ、そういうことでやったと善意に私は解釈しているのです。ならば、私が申し上げましたように、ニューヨークの市場に、取引所に上場している銘柄が日本で勧誘できるのかということに対しては、できると思いますという言い方ではなくて、現実にやっているのかやっていないのか、その事実の上に立って、今回のこういう外国商品の先物取引の問題についても、ニューヨーク市場におけるところのその上場銘柄で日本で現実に勧誘してないのであったならば、あるいは逆に日本の取引市場の上場銘柄の勧誘を外国で現にやっているのかやっていないのか、そういうものを調べて、やっていないのだったらば、それに対応するところの扱いというものが当然できたと思う。そこらの調査ができないまま現象だけにとらわれて、外国の先物取引をやっているこれを認知をする道を開いたということになりかねないと思う。慎重さが足りなかったというように思いますが、いかがですが。
○植田政府委員 ニューヨークの取引所につきましても、国内で勧誘をしているという事実はあるわけでございます。被害相談等も出ておりますが、現在、海外の取引所にかかわる被害といたしましては、大部分が香港の関係であるというのも事実でございます。したがいまして、香港がすべてではございませんが、現在のところ、いわゆる被害として非常に多発しているのは香港であるということから、私どもは当面の政令の指定におきましては、目下のところは香港を考えているわけでございますが、そのことは、ほかの国の商品取引所が将来とも全然この対象にならないというわけではございません。
○中村(重)委員 私は私なりに調査をしたわけです。ニューヨークの上場銘柄を日本で勧誘している事実はないと思う。また逆のことを私は申し上げましたから、何回も同じことを繰り返しませんが、外国でも日本の上場商品の銘柄を勧誘しておるという事実があるとは思いません。だから、あるであろうというような、そういう不確定な、この重要な法律案の審議に的確を欠くようなお答えであってはならないというように思いますが、しかし、おっしゃるように、香港が非常に問題だということは、私もそのとおりに思います。香港の取引業者の九割以上は日本の取引員であるという事実の上に立って、これはまず規制をしなければならぬ。九割以上日本の取引員であるということは、それだけ受託をしているわけですから。こういうものは損をする人がほとんどでしょう、どこからも金はこないんだから。あんなたくさんの業者が、たくさんの人たちを雇用して人件費を支払っている。そしてもうかっている。そのことは、それだけ多くの委託者が大変損をしている、被害を受けておる。この事実は否定できない。さらにまた、日本のお金が委託証拠金であるとか、あるいはその他市場に対する、取引所に対する資金の納入というものをしなければならぬわけですから、日本の資本というものが流出をしていくのです。だから、何とかしてこの種のものをやらせないような、そういう取り締まりといったことが私は十分研究されてなさるべきではなかったのだろうかという感じがしてならないのです。私もこの日本の国において野放しになっておる現実に目を覆っておるわけにはまいらない。だから積極的にこれを取り締まりをしなさいということを、当委員会においても小委員会においても、主張してきたわけですから、通産省がこれに手をつけたということについてそれなりの理解をしているわけですが、どうも出されておる法律案というのが不十分である、実効がなかなか上がらないのではなかろうかという感じがするということから、もっと何らかの方法というものが考えられなければいけなかったのではなかろうかというようなことで、このように声を大にして実は申し上げているわけなんです。 時間の関係もありますから、これからの運用というものがありますから十分ひとつ——今回の法律案が仮に通ったといたしましても、不備な点は補っていかなければならない。そしてさらに研究をして、実効が上がるところの法律の改正というものがなされなければならないと私は考えるわけでありますから、それらについての用意があるのかどうかということもお答えをいただきましょうし、さらにまた、いま外国商品の取引業者というのが、二十九社は協会とかなんとかというものをつくっているようでございますけれども、約二百社というように言われていますから、この二百社というのをどうして捕捉するのか。登録制という形になってまいりますと捕捉がしやすいと思いますけれども、そういうことにならなかったということになるわけでありますから、これを捕捉しないとだめなんです。だから、どういう方法で二百社というものを捕捉していこうとお考えになっていらっしゃるのか、それらの取り組みについての考え方もあわせてお聞かせをいただきたい。
○植田政府委員 登録制等につきましては、先ほど申しましたような関係から今回はとらなかったわけでございますが、私どものいわゆる消費者相談窓口へも、最近この窓口が方々に大分知られるようになってきまして、苦情とかいろいろな消費者相談がふえております。こういったものは、今後とも一層充実していきたいと考えておりまして、たとえば弁護士を依頼いたしまして、消費者相談に応ずるシステムを含めまして、次第にこれが充実されてきております。そういった相談窓口への苦情相談は、今後とも一層充実していくわけでございます。これによりました把握が先ほど来申し上げている把握でございまして、かなり従来このルートを通じて把握してきたわけでございますが、今後はこの法律の成立を契機といたしまして、警察庁でございますとか農林水産省等の行政機関とも一層連絡を密にいたしまして、実態の把握に努めたいというふうに考えております。 なお、法律には報告徴収とか立入検査の規定もございますので、そういったことを踏まえまして、この法律をバックとして従来以上に機動的な対応をしていきたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 この違反者の摘発はだれがどういう方法でやるのでしょう。いまもいろいろ警察その他と連絡をとって、この二百社の捕捉をするとおっしゃったんだけれども、私は規制法をつくりましても違反は絶えないと思う。あんなに厳しくやっている国内の商品でさえも、政省令によって相当きめ細かく取り締まりの方法を講じているのです。しかし、絶えず違反行為がある、そして紛議が絶えない、こういうことなんですが、これは当然違反者が出る、そして紛議も起こるだろう、これはだれがどういう方法でおやりになるのですか。
○植田政府委員 確かに、この法律ができればたちどころにトラブルが消えてなくなるということはないかと思います。いろいろとこの種の取引におきましては、トラブルがなかなかなくならないのでございますが、その場合に、相談所においての通告もかなりふえてきておりますし、あるいはまた取り締まり当局との連携、それからまたたび重なる被害者の相談等につきましては、もちろん重点的に立入検査なりあるいは取り締まり当局とタイアップして、これに対応していくというふうないろいろな手を通じまして、一挙に全部を撲滅するということはむずかしいかもしれませんが、おのずから違反なりトラブルの件数の多いものとか、そういうふうなものに重点がまずは行くことになろうと思いますけれども、取り締まり当局と十分タイアップいたしまして、こういった特別法ができるわけでございますから、従来よりは一層とらえやすくなる、対応しやすくなるということは言えるだろうと思います。そういった点で、関係当局と十分連絡をとりながら、それからまたわれわれの苦情窓口相談あるいは弁護士による相談等々も含めまして機動的に対応していきたい、こういうふうに考えます。 〔森(清)委員長代理退席、梶山委員長代理 着席〕
○中村(重)委員 法の運用よろしきを得るならば、一歩前進であるという評価は私はいたします。いたしますが、取り締まり当局との連携によって、いわゆる規制の面はそういう形でできるだけ可能な限りやるといたしましても、今度委託者との紛議が、違反行為をやるといったような場合には被害者が出ているわけだから、国内法の場合の紛議というものは、取引所がやっているわけですね。そしてまた通産、農林両省とも処分等を行うときには、規制に基づいての措置をおやりになっていらっしゃる。国際取引の場合、海外取引の場合においては、そういう紛議が生じた場合、だれがどうして扱うのですか。被害者をどういう方法で救済をしますか。それを罰するということだけ——悪いことをした者は罰してもらわなければいけませんが、被害者は何らかの形で救済されなければならぬ。被害者を救済するということ、これが私は大前提だと思うのです。日本の取引所で現にやっているようなことをどこでどういう方法でやるのかということです。規制法でこれができますか、いかがですか。
○植田政府委員 この法律におきましては、一つには書面の交付義務ということで契約に係るルールを確立する。それからまた、後にできるだけあいまいさを残さないようにしようというのが一つ。それからもう一つは、不当な行為を禁ずる、あるいは業務停止命令をかける、罰則をかける等によりまして業者に対する規制をする。それから最終的には推定規定を設けまして、委託者に有利なように推定することによって、委託者の被害をできるだけ少なくするように働かせるという規定もあるわけでございます。この推定規定の働く場合は、最終的には裁判といった場合になると思うのでございますが、こういった規定が反射的にのみ行為等をすることの防止にできるだけ役立てていきたいということも考えておりますし、それからこの法律だけですべてが片づくわけではないわけでございまして、いま申しました一連の規制を盛り込んだこの法律ができることによりまして、委託者あるいは一般の国民がこういった契約観念につきまして一層前進してもらうという予防的効果も十分これから考えなければいかぬと思います。 御指摘のように、現在国内で行っておりますような、商品取引所が中へ入って被害者との間に立つというふうな仕組みは、今回の法律の中にはございません。これは、被害を受けた場合にそれを直ちに救済するという仕組みがあることが、あるいは一つの考え方としてはあろうかと思いますけれども、一方におきましては、どこまで被害者に対して法律なり行政なりがバックアップするかという問題、つまり被害者自身の自己責任の問題もあるわけでございまして、そういった意味では、先ほどから申しておりますように、一般の国民におきましても、こういった契約につきまして一歩でも二歩でも賢くなっていただくということから、私どもはこの法律の施行とともに、啓発事業と申しますかPRといいますか、そういったものも一層強力に行いまして、いわば車の両輪によって問題の解決を図っていく、そういうふうなことを考えているわけでございます。
○中村(重)委員 規制という形においては、おっしゃることはわかるのだけれども、この違反者をいろいろ罰していく。こういう業者は、五十万、三十万、十万といったような罰金を考えているようですけれども、そんな罰金なんて痛くないのですよ。だから、ともかく被害者を救済をする、善良な委託者、これが受けた被害を何らかの形で救済をしてやらなければいけない。なるほど推定規定ということによって、これは最高であるとか最低であるとかという、委託者をできるだけ守るような非常に苦心の跡というものは評価をいたします。いたしますけれども、やはり日本の取引所がいま果たしておるような役割りをやってもらうのでないと、これはそういう損害をこうむった委託者は救われないのだから、それを何とか考えなければいけなかった。そこに許可制であるとかなんとかといったようなことであればできるということになったのかどうか、いろいろな検討をされたのだろうと思うのですけれども、どうもそこらあたりが不十分であるということなんです。 そこで、私は、いま二十九社が入っている国際商品取引業協会、こういうものを認知しろなんということはいまさら考えていないのですけれども、日本の取引所にかわるような何か権威のある財団法人等公益法人をつくって、そうしていま日本の国内商品取引の取引所がやっているような役割りを果たし得るような機関というものが当然検討されなければならなかったのだと思うのですけれども、いかがですか。
○植田政府委員 業界に公益法人による自主的な組織をつくって、いろいろと業界内の指導とかそういったものをすることはよくある例でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたが、やはりその産業の発展段階なり発展の様相に応じた対応という観点からいいますと、こういった公益法人を設けて自主的な業界の振興を図っていくというにつきましては、いまこの業界はまだちょっと発展段階がそこまでいってないのではないかというふうにも思われるわけでございます。 当面は、特に香港あたりを中心といたしまして、すべてが悪ということではないにいたしましても、大変な悪質取引が多いというのも事実でございますので、私どもといたしましては、規制にポイントを置いた行政が目下の段階ではやはり必要なのではないかというふうに考えているわけでございます。公益法人による自主規制という形も一般の業界でよく考えられている、あるいは存在している例ではございますが、この海外商品取引のあり方の推移の中で、今後そういう問題も起こってくることは当然あり得るわけだと思いますし、現在任意団体で協会がつくられておるということも聞いておりますので、そういったものが今後どう発展していくかということは、われわれもその推移を見る必要があると思いますが、いま直ちにこの段階でそういった公益法人をつくるというふうな状況にはないのではないかというふうに思うわけでございます。
○中村(重)委員 申し上げたように、私はいまある国際商品取引業協会、それは、この規制を実効あらしめるために活用できるものがあれば活用するということは当然あるべきだというように思いますよ。またこれの長というのも、相当役所の局長なんかをやられた人が就任をしておるということでございますから、それだけまじめにやってくれるだろうというふうには思います。そういうものは、この提案されている法律を大いに有効に活用していくために、実効あらしめるために、ありとあらゆる方法を講じていかれるということは必要であると思います。その点はそれなりに理解いたしますけれども、私が言っているこの財団法人等公益法人というようなものをこの際考えて、何か日本の取引所がやっているような役割りをやらせるようなことを検討される必要があるのではないか、権限のある機関が必要なんだということでお尋ねもし、積極的な対応を期待をいたしたいというように思うのです。 それから、もう時間がなくなってきたわけですが、いまも相当香港にたくさんの業者が行ってやっているのでしょうが、のみ行為というものが私はあると思う。だから、こののみ行為というのは、この法律が成立をいたしましても、刑法によって処断されなければいけないというように考えるわけなんですが、警察庁としては、この点はどうお考えになっておられるのか、お聞かせをいただきます。
○本多説明員 のみ行為そのものがすべて詐欺罪に当たるかどうかという問題はいかがかと思うのでございますけれども、一般的に申しまして、証拠金という名前で、金銭をだまし取る目的をもちまして、勧誘や契約という方法を使って金銭をだまし取ったという場合には詐欺罪が成立すると思います。その詐欺罪が成立するかどうかという問題は、やはり個々具体的に判断してまいりませんと即断いたしかねる点もございますので、いずれにしましても、実態をよく把握いたしまして、犯罪になるものにつきましては、厳正に取り締まりをしてまいる所存でございます。
○中村(重)委員 それから、この規制ですが、支店とか営業所というのが当然つくられるでありましょうし、つくられておるように聞くわけですが、この支店、営業所は規制できますか。
○植田政府委員 支店も当然中に入るわけでございます。
○中村(重)委員 この外務員は、国内商品取引の場合は六カ月なら六カ月というような、そういう講習等もしなければならない。それから登録証というものが渡されるのですが、外国商品の場合はそういうことにならないんじゃないかというように思うのですけれども、この点はどうなのかということが一点。 もう一つは、国内商品の場合はきめ細かい規制措置が講じられている。受託の場所であるとか、受託の方法であるとか、あるいは二十枚以上はだめであるとか、あるいは店から何十メートルのところは勧誘してはいけないとか、いろいろなことがあるんだけれども、この場合はそういうようなことができないのではないかと思うのですが、何かやる方法はありませんか。 それから、国内商品取引の場合は、法律の補完としていわゆる自主規制といったような道も開かれているわけですが、この場合、そういったようなことをやっていく、指導する、そういうことをおやりになりますか。 それから、何回も立っていただくと時間がなくなって、委員長からしかられるかち、大事なところですけれどもやむを得ないのですが、午前中も公表のことについて指摘があったようですが、この場合の公表はただ停止命令が出たときだけしか公表することになっていないのです。公表は一番痛い。体刑が伴っているのは、この条文の中に二つあるわけです。一年間の懲役とかなんとかという体刑が科せられるような、そういう違反行為をやったという場合、その種の違反行為に対しては公表というものが当然なさるべきだと考えます。その点についてはどうお考えになりますか。
○植田政府委員 いわゆるセールスマンが問題を起こした場合のことでございますが、外務員につきましては、この法律の中では登録制度とかそういうものはございません。外務員がいろいろな問題を起こしたときには、それは両罰規定がかかりますので、会社の方にも罰則規定がかかるということは、そういうふうになっております。 それから、自主的な規制と申しますか、協会的なものが自主規制していくというふうなことにつきましては、現在任意団体であります団体がそういった方向に業界を振興していくということ自体は結構なことだと私も思っておりますが、現在の段階におきましては、先ほど申しましたように、対外取引の問題は非常に問題が多いということから規制をする、そうして消費者を保護するという点に主たる重点が置かれる必要がある。そしてまた、法律によります規制は、そういった規制面に着目して今回の提案をしているわけでございます。とりあえずそれだけお答えいたします。
○中村(重)委員 これで終わります。 八条の問題の答申が近くなされるのだろうと私は思っているわけです。午前中に同僚委員から指摘もありましたように、また私がただいま申し上げましたように、多くの不備な点を指摘をいたしました。したがって、八条の答申がありましたならば、もっと本当に実効ある法律の改正法案というものがなされなければならないというように考えますが、この点、通産大臣の御見解を伺いたいことと、それから申し上げたように、規制法であるけれども、やはり認知されたというようなことから、商魂たくましい業者のことでございますから、いわゆる誇大広告と言われるような広告というものが相当出されるであろうことも考えられます。したがって、被害を受けないように、PRというものは積極的になされるべきであるけれども、取引業者が誇大広告というものをもってどんどんお客を勧誘していくといったようなことは、規制法をお出しになったという趣旨からいっても、十分取り締まりをしていくということでなければならないというように考えます。この点はどのように今後対処していこうとされるのかという点は、審議官からお答えをいただきまして、重要な問題点ですから、最初に通産大臣から、八条の答申もあるわけですから、不備の点をどう補っていこうとお考えになるのか、重ねてお伺い申し上げます。
○安倍国務大臣 審議会の答申を受けまして、法的な措置等も含めて今後は十分検討してまいりたいと考えます。
○植田政府委員 PRその他によります行政も、車の両輪として大変重要でございますので、今後一層強力に推進していきたいと思います。 ただ、八条につきましては、大臣が申されましたように、いま審議会で審議していただいておりますが、その結果も見まして、今後検討していきたいというふうに考えます。 業者の誇大広告等につきましては、この法律の趣旨もまさにそういったことによって消費者を惑わすといいますか、引き入れるということを防止するのが目的でございますので、そういったようなことにつきましては、十分それが防止できるようにチェックしていきたいというふうに考えます。
○梶山委員長代理 北側義一君。
○北側委員 まず最初に、本法律案を作成されて国会へ上程になっておるわけでありますが、通産省の資料によりますと、外国為替管理の自由化、香港商品取引所における大豆及び金の上場等を背景として、昭和五十四年秋ごろから国内で一般投資家に対し、海外商品取引所での売買取引を勧誘する動きが発生した、このように書いてあるわけです。そこで法規制の必要性が出てきたのではないか、こう考えるのですが、昭和五十四年秋ごろから、現行の商品取引所法の規制対象外の海外商品取引が起こってまいりまして、そうして先ほど来話が出ておりますとおり、悪徳業者による被害が一般投資家の間で数多く発生しておるわけです。 資料によりますと、昭和五十五年八月から五十六年十二月までに四百四件、十四億五千九百九十八万円、こうなっておるわけです。このままの状況で放置しておきますと、国民の一般投資家に多大な被害を与える、そういうことでこの法案がつくられたと思うのですが、海外先物取引をめぐる状況と、本法案を策定された背景を、確認の意味でお答えいただきたいと思うのです。
○植田政府委員 ただいま御指摘もございましたように、外為の自由化と国際化の動きとか、あるいは香港の商品取引所に大豆とか金が上場されてきた、あるいはまた国内では金をめぐりましていろいろのトラブルがあったのでございますが、これらにつきましては、金の取引所の設置というふうなことから、それが海外への流出につながったというふうなこともございまして、海外取引でいろいろとトラブルが発生してきたわけでございます。こういったことで、それを何か規制しなければいけないということから今回の法案を準備させていただいたわけでございまして、そういった背景の中から起こったのが今回の提案でございます。
○北側委員 現行の商品取引所法の規制を受けないいわゆる海外先物取引で、通産省または農林水産省へ被害の届け出があったのが五十四年の秋ごろ、こう聞いておるわけです。一般投資家からの相談が出たのが五十五年八月ですか、その対策としてこの法案を国会に提出されたのが五十七年四月二十日、年月的にこう見てみますと、非常に対応が遅いのではないかというふうに、この法律案が出たときに私は率直に思ったのです。その間に御承知のとおり被害は非常にふえてきておるわけです。それは資料を見てもわかるとおりです。なぜこの法律案をつくるために、このように非常に時間がかかったのか、そこらはどうなんですか。
○植田政府委員 こういった問題が多発するようになりまして、先ほども申しましたように、商品取引所審議会に通産大臣から諮問したわけでございます。それは幾つかの問題が絡んでくるわけでございますが、一つは、先ほどから御議論もございました、いわゆる八条の変更解釈に対してどう対応していくかという問題。それからもう一つは、折からの金の流通量の増大に伴います金の流通の整備ないしはまたそのうらはらとしての金をめぐるブラックマーケットの防止策、こういった金をめぐる問題というのが出てきたわけでございます。 そういう中で、私どもといたしましては、片や審議会に審議をお願いしながら、一つは、金の取引所の設置ということもずっと懸案として抱えてきまして、先ごろそれを準備したわけでございます。金の取引所につきましては、重要な目的として、価格形成とかヘッジの問題とかいう経済的なものがあるわけでございますが、同時にまた、あわせてブラックマーケットの対策ということで、ここに相当の力を注いできたわけでございます。 この金市場の開設と並行いたしまして、一方、海外の取引問題を検討してきたわけでございますが、海外の問題につきましては、実情の把握とか海外の問題にかかわるものを規制するということで、いろいろとやり方等につきましての検討に日時を費やしたということもございまして、その提案がおくれたというのが実情でございます。
○北側委員 実は、昨年の三月二十五日に衆議院の大蔵委員会で、わが党の渡部委員がこの問題を取り上げておるわけです。三月二十五日と申しますと、通産省の産業政策局長の諮問機関である商品等の取引問題研究会が五十五年七月から九回にわたって検討されてきた問題の中間報告を取りまとめた日である、このように記憶しておるわけです。 そこで、この大蔵委員会の議事録を読んでみますと、中間報告を受けて、農林省と協議した上で、商品取引所審議会の場で結論を得て、必要があれが法律改正等行政としての措置を講じていく、その審議会の結論は五十六年の夏ごろをめどとしたい、このように答弁なさっておるのですね。ところが、法的措置として出されてきたのはこの四月二十日。八条の解釈問題、また金の取引所の設置の問題等いろいろあるのでおくれた、こういう理由でありますが、事実、農水省や通産省に、被害の実態は数字で私も拝見させていただいたとおりあるわけですね。そういう点から率直に申し上げまして、この対応の仕方がどう見たって遅いのじゃないかという気持ちは私はどうしても変わらないのです。その点、どうですか。
○植田政府委員 先ほども申しましたように、国外におけるあるいは国外の問題とかかわりのある行為の規制でございますから、それだけにいろいろと多角的な検討と申しますか、いろいろ検討に日時を費やしたということでございまして、確かにおっしゃいますように、もっと早く御提案すべきであったわけでございますが、そういうふうなことで大変おくれたということでございます。
○北側委員 いまここでその論議をしても始まらぬのでやめます。 次に、通産省と農林水産省にお伺いしたいのですが、去る四月十三日に商品取引所審議会から「海外商品取引所における取引の勧誘問題への対応のあり方に係る答申について」が安倍通産大臣と田澤農林水産大臣に提出されたわけです。この答申に沿ってまず聞いていきたいと思うのです。 「施策の基本的方向」として次のように言っておられるわけです。「以上の問題に対処するためには、」これは先ほども触れましたが、五十四年秋ごろから現行商品取引所法の規制外の商品取引が行われ、その中で悪質業者が野放しになり、一般投資家の被害が多発するようになった、このまま放置しておくと国民に多大な被害を与えるし、現に社会問題にもなっている、簡単に申し上げれば、このような状況に対処するためにはという意見が書いてあるのじゃないかと思うのですが、「本審議会に併せて諮問がなされている「非上場商品に係る先物市場の開設及び先物取引等の勧誘問題」に対する対応のあり方とともに、現行商品取引所制度との関連にも十分配慮しつつ、広く、商品先物取引一般及びこれに対する規制のあり方という見地から、基本的、総合的な検討を進めていく必要があると考える。しかしながら、上記状況への対応が喫緊の課題となっていることを考えると、現時点において、とりあえず、一般委託者保護の観点から、次のような規制等を行うべく所要の立法措置を講ずることが適当である。」このようにあるのですね。以下は時間の関係で省略しますが、この商品取引所審議会の答申を受けて本法案を提出になったわけでありますが、いま申し上げました答申からすると、この法案は喫緊の課題となっている現在の状況下で、とりあえず一般委託者保護の観点から規制等を行うことが必要なのだということがわかるわけです。そうしますと、この法案はとりあえずの措置であって、次の措置、対策は近いうちに立てられるのかどうか、そういう用意があるのかどうか、その点はどうなんですか。これは農水省と通産省の両方答えてください。 〔梶山委員長代理退席、野田委員長代理 着席〕
○植田政府委員 現在、商品取引所審議会に対しましては、国内の問題、つまり八条の変更解釈に伴いまして、国内の非上場商品についてどうするかという問題、それからもう一つが、今回のこの海外の問題をどうするかということを諮問してきたわけでございますが、海外の問題の方が先を急ぐということから今回提案したわけでございます。 一方、もう一つの問題につきましては、引き続き審議会の場で御検討願っているわけでございまして、その結果を見まして、今後どういうふうにそれを持っていくかということを検討していかなければならないというふうに考えております。
○伊藤説明員 農林水産省といたしましても、国内、海外を通じ、上場商品、非上場商品を問わず、商品先物取引一般あるいはこれに対する規制のあり方というものを基本的、総合的に検討しなければいけない。審議会の答申をまともに受けて考えたいと思っております。通商産業省とよく御相談いたしまして、引き続き検討を行っていくことにしたいと思います。
○北側委員 また、五十六年三月の商品等の取引問題研究会中間報告、これを見ますと、「海外取引所における取引の勧誘問題への対応」について、A案、B案、この二とおりあるわけです。A案というのは、「海外取引所における取引の一般投資家を対象とする勧誘又は受託の禁止」、このようになっておるわけです。結局、一般投資家を対象とする海外先物取引、これは一切禁止するということですね。B案は、「海外取引所における取引を国内で受託する者についての許可制及び取引内容、勧誘行為等についての規制」、こういう内容になっておるわけです。A案に比べますと、大体B案というのは規制が比較的緩やかになっておるわけです。すなわち、一般投資家の海外取引所における取引を認めた上で、受託業者の資格要件、勧誘方法、取引内容等について許可制によって規制をかける考え、これがB案だと思うのですね。このB案について、研究会の内部においては大体B案がいいのではないかという多数意見があった、こう聞いておるわけです。ところが、現在提出されております法律案で許可制が外されておるわけですね。行為規制になっておるわけです。先ほど来いろいろ質疑応答の中で言われておりますとおり、悪徳業者を排除することが果たしてできるんだろうか、こういう疑問が出てくるわけです。その点どうでしょうか。
○植田政府委員 検討の過程におきまして、許可制の問題も検討されたことは事実でございます。ただいま申されました検討段階におきましては、一応考えられる案として、禁止の案とかあるいは許可制の案等をまとめたわけでございますが、その後、法律論の検討を経まして、内閣法制局ともいろいろと検討いたしました結果、今回のような案にまとまったわけでございます。 先ほどからその点につきましてはいろいろとお答えしたわけでございますが、いわゆる経済目的を内容とする経済法の体系と規制を行う規制法の体系というものの差異がございまして、立法論的ないろいろな検討の末、許可制が必ずしも適当ではないという結論になったわけでございまして、いまお示しになられました中間報告でございますか、あの段階におきましては、まだいわゆる立法論的な検討は経ていない段階でございまして、その後、法制的な検討を経た上で、今回のような案になったというのが実情でございます。
○北側委員 じゃ、立法をやる段階において許可制を外した、こうおっしゃるのですが、同じ研究会の中間報告、これによりますと、「問題と考えられる事項」と三つ目にあるわけです。そこにこうあるのですね。「海外取引所における取引を国内で受託する者についての許可制及び取引内容、勧誘行為等についての規制」、それでは、「海外との取引について、受託活動について規制をしても、一般投資家を十分保護できないのではないか。」という項があるのですね。許可制にしても、なかなか一般投資家を十分保護できないのではないか、こう言っておるわけですよ。許可制を外して、果たして一般投資家を保護できるのかどうか。そこらがどうも私自身が疑問に思っておるわけです。再度この問題についてお答えいただきたいと思います。
○植田政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、許可制にもいわゆる経済法体系における許可制、これは現在の商品取引所法がそうでございますが、それと規制法体系における許可制というものはかなり様相が異なってくるということでございます。そういうことからこういう行為規制にしたわけでございますが、この行為規制におきまして、取引のルール化と申しますか、書面の交付等を初めとする取引のルール化を図り、また証拠をちゃんと残させるあるいはまた消費者にもそういうことに賢くなっていただくということで取引を進め、かつ業者の不当な行為については、業務停止命令その他罰則で規制するとともに、最終的には推定規定によりまして、裁判において委託者に有利な推定をするというふうな体系を考えたわけでございます。これにつきましては、たとえば裁判にかけなければ結果が出ない。何かもうちょっと簡単にどこかで被害が救済されないかというような御意見もあろうかと思いますし、そういうこともわからないわけではないのでございますけれども、しかし、これは消費者も賢くなるということを前提として防いでいくより仕方がないのではないかというふうに考えるわけでございまして、安直に被害がカバーされる。あるいはどこかで補てんされるというのは、ある意味では大変いい制度かもしれないと思いますが、それに払うための犠牲なり制度づくりという問題もいろいろございますし、それからまた国民なり消費者を保護する一つの接点といいますか、そういった面からいいまして、今回問題にしております、この海外取引の問題につきましては、いま申しましたようないろいろな角度から議論もし、しかも、先ほどから御指摘ございましたように、提案が大変おくれてしまったわけでございますが、いろいろな角度から議論しまして、今回のような策が総合的に見て最も妥当であるということで結論を出したというわけでございます。
○北側委員 警察庁の方がお越し願っておりますが、この法案を作成されるまでにいろいろと通産省と協議なさったと思うのです。そこでこの法律案が成立、施行された場合、現在いわゆる野放しになっております悪質業者の摘発、これが確実にできるのかどうか、そこらを私は実は心配しておるのですが、その点どのような御見解でしょうか。
○本多説明員 この法案は、業者に対しまして勧誘の段階からいろいろな書面交付とか、そういう義務づけがございまして、そのほか各種の規定が設けてございます。御存じのとおりでございます。規制は従来よりも前進したものと考えられます。法律が成立しましたら、警察は法の精神にのっとりまして厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
○北側委員 私も一歩は前進しておると思うのですが、ただ、この場合は、後でずっと質問してまいりたいと思うのですが、書面を幾らつくっても、一般投資家が、悪質な業者ですから、いままでやっぱり被害が出ておるということはだまされておるわけですよね。だから、裁判の段階にならないとどうしようもないのじゃないかと思うのですよ。これはだれが一体そういうチェックをしていくのか。そのためにこれから事前の運用面でいろいろな問題をやらなければいけないのじゃないかという考えを私は持っておるわけです。それはずっと後で聞いていきますので、そのとき聞かせていただきます。 それでは、法案の中身に入ってまいります。法案の目的は先物取引の委託者保護が趣旨であります。そのため、海外商品市場における先物取引の受託等を公正にして、先物取引の委託者が受ける損害の防止を図る、このようになっておるわけです。その先物取引についての定義、これが第二条に規定されております。現在まで被害が数多く発生している金の海外商品市場を舞台にした金の現物取引まがい商法というのがあるわけです。たとえば具体的な事例を紹介しますと、株式会社N金属というのがあります。これは本社が大阪にあり、支社、支店が東京、福岡、千葉、横浜、京都、姫路にあるわけです。どういう手口でやってくるかといいますと、まず女性が電話をしてくる。女性が電話してくるというのは、大体どこの業者も同じ手口らしいのです。電話の内容は、金を買いませんか、金は絶対的価値があり、インフレに強く目減りしない、また税金がかからない、いまが底値で買いどきだ、これから銀行、証券会社でも金を販売するようになれば、価格が急騰する、一年間で一・五倍になります、話だけでもどうでしょうかと、こうくるらしいのですね。もしここで興味を示すと、これはもう被害者になってしまう。興味はないと断りますと、たとえば神奈川県の主婦、これも実例です。仮名でAさんとしておきますが、電話で断ったにもかかわらず、セールスマンが押しかけてきて、奥さん、これはめったにないチャンスですよ、テレビ見たでしょう、いま金は売れているのです、いま買って二週間後に売れば、百万円が手数料を引いて百五十万円になりますよと言って、印刷された利益表を見せるらしいのです。金は会社が倉庫に入れておきます、短期間ですから御主人に話すこともないでしょう、御主人をびっくりさせてあげたらどうですか、こういうことを言うらしいのです。Aさんはこの話を聞いて、非常にうま過ぎる話だなと初めは思っておった。本当は三百万円なければ取引できないが、百万円でもいいからと言われて、そのまま、相手の話術のうまさと言いましょうか、ふとその気になって書類にサインをしたというのです。その書類は五枚ほどあったけれども、内容は相手の言うままに読まなかった、またなかなか読ませるような空気ではなかったというのです。その契約書は小さい字で書いてあって、内容は客にとってきわめて不利な内容になっておる。まず金を買った市場は香港の現物市場である、そして金を売買したことに同意し、またAさんは自分が支払った分の金を買ったと思っているが、実は総代金はその約四倍、四百万円の取引になっておるというのです。しかも、会社はいつでも好きなときにAさんが支払った百万円の中から倉庫料、運賃、保険料等を取ってよいことになっているというのです。二週間後に買っておいたはずの金を売ったときには、これらの料金や手数料がごそっと取られるというのですね。結局Aさんが支払った百万円はほぼそれで消えてしまうというのです。このように、私らが見ますと、なるほどかかる人も悪いでしょう。悪いですが、やはり相手は商売人ですから、片方は主婦です、やっぱり乗っていくということも考えられると思うのです。全く僕らが考えますと、詐欺ではないかという手口なんです。しかも、それが主婦とか退職金を持った人たち。これはもう統計でも出ているとおりです。実態はこのような実態なんです。この問題については、通産大臣ももう御承知と思いますが、これについて、通産大臣、どのようにお考えでしょうか。
○安倍国務大臣 法律的にどういうことになりますか、専門家でないのでわかりませんが、やはり商法としては非常に悪質なやり方じゃないかと思います。
○北側委員 まだ具体例を二、三持っていますので、それもやりますから。 その前に警察庁にお伺いしたいのですが、いまの神奈川県のAさんの事例は、現行の法体系で摘発することは可能なのかどうか。構成要件の問題で非常に困難な点もあることはわかりますが、御見解はどうなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○本多説明員 御指摘の事案につきまして詳細に私ども把握いたしておりませんので、一般的に犯罪になるかどうかにつきましては、先生御指摘のように、構成要件の該当性について微妙な問題がございます。御指摘の事案について犯罪になるかどうかということにつきましては、いま直ちにここで判断いたしかねる次第でございます。
○北側委員 いまお答えのように、構成要件の問題、これは立件する場合非常にむずかしくなってくると思うのですね。たとえば、いまお話し申し上げました株式会社N貴金属の手口、これは新法では規制できますか。
○植田政府委員 日本貴金属の件かと思いますが、これは今回の法律で政令指定することは可能でございます。
○北側委員 では、もう一つ事例を紹介します。これはプラチナの国内現物取引まがい、被害に遭った人からの手紙、ここにあります。実に、これは長文なんです。時間の関係がありますので、全部これは読めないわけですが、仮にこの人をBさんとしておきます。男性で六十七歳です。奥さんと長男の三人家族。文面からしますと、長男の人は結婚年齢に達しておる、こういう状況です。具体的な手口は、やはり先ほどのAさんと同じようなやり方なんですね。最初は女性から電話がかかってくる。金を買わないか、こう言ってくるわけです。そのときは興味がないと断ったが、次の日にまた女性の声で、セールスマンがおたくの方面へ行っておるから立ち寄ると思うので話だけでも聞いてもらえませんか、このように言ってきたというのです。しばらくすると、セールスマンが来て、金を買わないか、このようにまた誘うわけですね。初めは、頭を使ったり神経を使ったりすることはいやだし、この年になって金がたまろうとふやそうとも思わないからと断ったというのです。ところが、セールスマンは、お金を持っていても子供さんに上げるときは税金がかかるというのです。年間六十万円しか上げられませんよ、こう言うらしいですよ。金を買っておけば税金はかからないし、銀行の貸し金庫に預けておけばよい、お金がないという人でも生命保険を担保にして借りられるのだから、これでもうけて家を買った人もありますよ、こういう言い方をするらしいのです。うちは世界で一番大きなスイス銀行と取引しておる、損をするようなことはさせませんから等々、非常に言葉が巧みらしいんですね。とうとうこのBさんは根負けして郵便局の簡易保険の通帳を出したというんです。そうしますと、セールスマンは、少しでも早くスイス銀行に申し込まないと値段がすぐ変わりますから、電話して申し込みますと言って、このBさんの家の電話で、とりあえず五キログラムと勝手に申し込んだというんです。その後で契約書を出して、早くしろ、早くしろと印鑑を押させたというんです。それからこのセールスマンが、一遍うちの会社を見てくださいとタクシーへ乗せて、会社へ連れていって、会社の上司と昼食をともにしながらいろいろと話し合って、そうしてお送りしましょうということで、その自宅までまた送ってくれたというんです。その上司とセールスマンが一緒に戻ってきて、あった預金通帳を出させて、これを持っていったというんです。そこで結局、生命保険、簡易保険、退職金から合計一千八十万円を持っていかれたとこの人はここで言っております。 このBさんの奥さんからの手紙、ここにありますが、「老い先短い私たちに、郵便局の保険は解約し、退職金は借り出し、生命保険は借りた分を払わなければいけないし、どん底に突き落とされてしまった」というんです。また「それからというものは、眠れません」とここに書いてあります。また「あのセールスマンさえあらわれなかったらと思います。本当にわら人形でもつくってくぎ打ってやろうと思います。その後で、そんなことをして、次に自分に災いが来るかもしれない、そんなことは考えないようにしようと思い直しています。当時は心の痛手を歌を口ずさむことで紛らわしていました。「人を恨めばやがてまたわれに報いのあるものを」」こういう歌を口ずさんでおったというんです。 この手紙を私見まして、何とこれはひどいものだな。もちろんひっかかる方もそれは悪いかわかりません。悪いかわからないが、この手紙を読みますと、やり方が非常に巧妙なんです。これはI貴金属という。プラチナ現物取引まがいは新法で規制できるかどうか、これはどうですか。
○植田政府委員 ただいまお尋ねの件は、いわゆる非上場商品であるプラチナにかかわるものでございまして、これは八条の解釈変更の問題にかかわる問題として今後検討していくべき問題の一つだろうと思います。 今回の海外の取引、たとえば香港の取引所との関係における今回の規制法には対象にならないものでございます。したがいまして、いまのプラチナの問題は、また別の角度からの問題になるわけでございますが、当面は、そういった実態把握に努めていくということで対処するというのが現状でございます。
○北側委員 いま言われたとおりだと思うのですね。いま言われたとおり別な対応をしなければならない、そうではないかと思うのです。たとえば昭和五十五年二月の衆議院予算委員会でわが党の西中委員が現物業者の登録業法を制定すべきだという指摘をしておるのです。当時、森山資源エネルギー庁長官は、新しい対策として登録業法を制定することを示唆されております。いまのような事例ですと、新法をもっても規制できない、こうなっておるわけです。そうすると、やはり森山資源エネルギー庁長官がおっしゃったような登録業法をつくる必要があるんではないか、こう私は思うのですが、その点どうでしょうか。
○植田政府委員 一般の投資家を対象といたしましたそういった悪質取引に対する問題でございますが、そういった現物取引ができるだけ正常に行われるようにということで、私どもの資源エネルギー庁の方が所管となりまして五十四年の末に社団法人で日本金地金流通協会という協会の設立を許可しております。この協会におきましては、登録店制度というものを実施いたしまして、登録店で金の正常な販売をせしめるということを打ち出しているわけでございます。現在、この登録店数は全国で三百三十五店という数に達しているわけでございます。 登録業法という業法につきましては、現在なお検討はされておりませんが、いま申し上げました社団法人日本金地金流通協会の登録店制度は、いわゆる強制力のある登録ではございませんけれども、一般の投資家が安心して金を買えるというそういった店舗選択の一つの目安として機能するということで始めているものでございます。今後ともこの公益法人である協会の指導を通じまして、この登録店制度の拡充に努めていく、そういうことを通じまして、金を買うにはこういった信用のある登録店で買うということが必要であるということをPRしながら、この成果を発揮していきたいというふうに考えているわけでございます。
○北側委員 では、次に第二条第二項及び第三項の海外商品市場の指定ですが、政令で指定されるわけでありますが、先物取引の目的物となっている一種の商品ごとに行えることになっておるわけです。現在、被害が多く発生している香港商品取引所の金、大豆、砂糖などの物以外でどのような商品を予定しておられるのか、また追加指定についてはどういう基準をもってなさるのか、これを伺いたいと思います。
○植田政府委員 この二条三項の指定につきましては、現在、当面考えておりますのは、香港の商品取引所の金、砂糖、大豆、こういったものを考えております。 その後につきましては、外国の商品取引所でいろいろとトラブルが発生し、規制を行わなければならないという状況になり次第指定することになりますが、目下のところでは、いま申し上げたものがトラブルの大部分でございますので、こういった実際に問題の起こっているものを指定いたしまして、それに対して全力投球するという形で実施に移していきたいというふうに考えております。
○北側委員 では、次の第三条の海外先物契約の締結前における書面の交付についてですが、条文では、交付を義務づけられた書面の内容について「海外先物契約の内容及びその履行に関する事項であって通商産業省令で定めるものについて当該海外先物契約に係る概要を記載した書面」とあるわけです。この「通商産業省令で定めるもの」とはどのような事項を予定しておられるのか。
○植田政府委員 そこの省令で定めるものといたしましては、たとえば海外の商品取引業者名でございますとか、あるいは海外の商品市場を設置するものの名称あるいはそこで行われる先物取引の期限とか商品の種類、あるいはまた顧客が個別の売買指示の際に指示をすべき事項とか、その他手数料徴収の方法とか料率とか等々につきまして、この省令で定めるということを予定しております。
○北側委員 海外先物契約締結前の書面交付ですね。悪質取引業者から一般投資家を保護する目的から、被害発生の予防策とともに、先物取引に関する知識の乏しい一般大衆へ、先物取引とはこのような取引であって、もうけることもあるけれども損をすることもある、委託保証金が返ってこないこともありますよ、さらに追加保証金をいただくこともありますよという、いわゆる先物取引にかかわる危険性も契約締結前の書面に明確に、たとえば赤枠で囲うとか、また大きな活字であらわすとか、このようなものが必要ではないかと思うのですが、この点、一般委託者を保護するという見地からどのようにお考えでしょうか。
○植田政府委員 三条の書面につきましては、幾つかの事項を予定しておりますが、その中で、いま御指摘のありましたように、この海外の先物取引というものは得することもございますけれども、損することもあるというふうな趣旨のことは書き込むことを予定しております。 なお、活字のポイント、大きさ等につきましても、規制と申しますか、余り小さいものだとわかりにくいわけでございますから、そういったものにつきましても省令で定めることとしておりまして、一般の人が見てわかりやすいようにするということを考えております。
○北側委員 文面なども一般の消費者が読んでわかるような文面、こういうぐあいにしてもらいたいと思うのです。 それと次に、危険回避に関連して第七条、勧誘等の際の重要事項告知義務について伺ってまいりたいのですが、この条文の内容は、悪質業者の手口を調べますと、大事な規定であろうと思うのです。ただ、「顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるものにつき、」となっておるわけです。政令でどのくらいの網をかぶせることができるのか。また余り狭い範囲になったりしますと、問題が出てくるでしょうし、また一般の投資家が判断に迷うような政令内容、こういう問題もあるのじゃないかと思うのです。また悪質業者を摘発する段階で困った問題が起きてくる可能性、こういう問題も考えて、どのようなお考えでなさるのか、それについても伺っておきたいと思います。
○植田政府委員 この七条の規定は、一般の委託者が誤った情報とか不正確な情報を与えられることがとかくトラブルのもとになるわけでございまして、そういったものを防ごうという趣旨でございます。この条文は刑法で言いますと、詐欺罪と同様の保護法益を持っているわけでございますが、刑法と違いますのは、この特別規定によりまして、構成要件を簡略化して適用できるようにしてあるということで、刑法の詐欺罪よりもっと簡単な構成要件にしてあるということでございます。 それで、ただいま御質問のございました「重要なものとして政令で定めるものにつき、」というのは、たとえば海外の商品相場の変動というふうなこと、これは先物取引につきましては大変重要な問題なのでございますが、これにつきまして、故意に事実を告げず、またはうそのことを告げるというふうなことは、この七条違反になるということを考えているわけでございます。たとえば具体的にどうかということでございますが、本当は事件がないのに、何かが起こったから金がこれから暴騰しますよというふうなこと、これはまさに不実であろうと思います。余りいい具体的ではないかもしれませんが、そういった商品相場における変動等につきまして、こういったことが起こりましたときに、これが詐欺罪として構成要件を簡略化して適用できるようにしてあるというのがこの七条でございます。
○北側委員 時間が来たようですので、一応これで打ち切りまして、またあした第八条その他聞いてまいりたい、こう考えております。
○野田委員長代理 宮田早苗君。
○宮田委員 私は、まず最初に金の取引の問題について少しばかり質問をいたします。 先物取引で必ず問題になるのが金取引、こう言われておるわけでございます。そこで、最近の金ブームに乗じて、現物取引の契約を結びながら現物を渡さなかったり、それから解約にもなかなか応じない商法が横行をしております。特に家庭の主婦を中心に詐欺まがいの商法がはやって、善良な国民を泣かせておるわけであります。このことは当商工委員会の場などで再三問題になったところでございます。昨年九月から金は国内の私設市場での先物取引を禁止しておりますが、一向にその被害は減っておらないようでございます。かえってその裏をかいて、それまでのブラック市場業者が現物まがいの取引を装った新手の商法に切りかえている横様でございます。 悪徳商法被害者対策委員会の調べによりましても、昨年の一月から九月までに被害に遭った件数は百九十五名、秋以降の被害者だけでも百三十八名、うち女性の被害者が八十八名にも上っております。被害総額が六億九千四百万円で、一件当たりが実に平均五百万円ということになっております。政府は従来から、五十四年の十二月に民間としての日本金地金流通協会を設け、登録店制度を設けたから被害は少なくなるとか、また本年の三月二十三日には通産大臣の認可によります法人、東京金取引所を新設するから悪徳金取引問題は解決すると言っておられたようでございますが、まず、最近におきます金取引の被害状況と通産省としての見解、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○植田政府委員 いわゆる現物まがいの取引といいものがときどき問題になるわけでございますが、最近の被害といたしましては、金におきまして、一月が二十五件あるいは十二月が三十八件というふうな被害が通産省に寄せられたものとして記録されているわけでございます。 これらのいわゆる現物取引と申しますかあるいは現物まがいの取引と申しますか、こういったものにつきましては、非常に取り締まりのむずかしい点もあるわけでございますが、私どもといたしましては、適切な店で正しい売買が行われるようにということで、先ほどもちょっと申し上げましたが、流通協会を設立いたしまして、そこにおきまして登録店制度というものを設けまして、登録店へ行けば間違いのないものが買えるということを通じて、この流通組織を適正化していくということをやってきているわけでございます。何分にも金ブームというものがこの両三年出ておりまして、そういった意味では金に対する国民の志向が非常に高まっている。それに応じてまた被害も並行してふえているということになるわけでございますが、できるだけそういった現物の流通組織を整備することによりまして、悪い商慣習がなくなるということに努めているわけでございます。今回の法律はこういったものを直接対象とするものではございませんが、今後ともこれについての指導なり監視の目を強めていきたいというふうに思います。
○宮田委員 今後、私設金市場などの悪質金取引問題を解決するために設けられ、また期待がかけられております東京金取引所のパンフレットを見ますと、真っ先に金の「不滅の輝きと不変の価値」という、金ブームを助長させるような、しかも内容を見てみますと、皆読みますと長くなりますので申し上げませんが、「黄金の輝きを放ち」とか「人類を魅惑し」とか、こうきれいな言葉でばっと羅列してございまして、さも女性に関心を引き立たせるような言葉がばっと使ってあるわけでございます。通産大臣の認可法人のパンフレットに載せていることが、ちょっといかがか、こういうふうに思いますが、これについて何か御見解がありましたら聞かしていただきたいと思います。
○植田政府委員 私はそのパンフレットをよく見ておりませんのですが、今回の金の取引所の発足に際しましては、たとえば委託証拠金なども二〇%程度という、従来の取引所にいたしましては、大変飛び抜けて高い委託証拠金を設けたわけでございますが、その他いわゆる危険の開示を義務づけるなど、委託者保護には大変気を使っているわけでございます。発足いたしましてまだ日が浅いのでございますが、必ずしもそう商売が、商売といいますのは、東京金取引所の商売が非常に活発というわけではなくて、むしろ少し不活発ではないかというふうな御指摘もあるようでございますが、私どもといたしましては、いきなりダッシュして走り出すというのは必ずしもよくないということで、徐々にりっぱな取引所をつくっていきたいと考えているわけでございますが、いずれにしましても、御指摘のような点で、何かせっかく金の取引所をつくりまして、それがかえってまたトラブルのもとになるということでは、全く何をしているのかわからないということにもなりますので、今後ともできるだけそういった点は注意いたしまして、トラブルが多発しないように十分監督していきたい、こういうふうに思います。
○宮田委員 まだ日が浅いものですから、状況もはっきりはつかめないと思いますが、いまの東京金取引所は、会員数は、一般会員で百四名ですか、商品取引員は四十名、計百四十四名となっておりますが、現在の状況、またその諮問機関として総務あるいは会員資格審査、市場管理、紛議調停、品質、この五つの委員会で構成されておるようでございますが、それらの各委員会の現在までの審査経過、これについてあわせてお伺いをいたします。
○植田政府委員 先ほども申しましたように、金取引所はまだ発足間もないわけでございまして、必ずしも非常に活発に動いているというわけではございませんが、いま御指摘のございました五つの委員会について申し上げますと、総務委員会というのが八名から成っておりまして、これは商社あるいはマイニングの会社、商品取引員から構成としては成っております。これはいままで開催実績がないようでございますが、次の会員資格審査委員会、これにつきましては九名で構成されておりまして、いままでに五回ほど実績がございます。なお、市場管理委員会、紛議調停委員会等につきましては、まだその開会の必要がないわけでございますが、品質委員会につきまして、受け渡しの方法等について検討を行った実績が過去に二度ほどございます。 これがいま申されましたいわゆる五つの委員会の活動状況でございますが、これから金の取引そのものが軌道に乗れば、この辺の委員会もまたそれなりに開かれていくということになろうと思います。
○宮田委員 その委員会の中の、五回開かれたとおっしゃいました会員資格審査委員会、これは問題の一つだと言われておりますが、ことしの二月の予算委員会での政府の答弁を見ますと、こういう答弁をされております。会員については、現在取引所の会員資格審査委員会において厳正に審査をし、金の当業者であることはもちろん、従来の私設の金市場において「一般の投資家に被害を与えていた等々の者でないこと、さらにはまた純資産額が最低二千万円を有することというふうな要件を踏まえまして、理事会で決定する」、こういう答弁をされておるわけでございますが、事実、このようになされておられるのか。また、通産省でも、厳正に審査したい、こう言っておられますので、通産省として、会員について東京取引所に対して注文をおつけになったことがあるかどうか、この点もお伺いをいたします。
○植田政府委員 取引所の会員の選任につきましては、ただいま申されましたような定款に規定がございまして、従来、一般投資家との間で紛議を多発させる等の取引は行っていないというふうなこと、いわゆる金のブラックマーケットとかそういったものに関係していないというふうなことがございまして、それを、手続的には資格審査委員会が設けられまして、そこでそういった観点から十分審査いたしまして、それを経て取引所の理事会にかけられて理事長が決定する、こういうことになっております。これが会員の資格審査でございます。 それから、会員の中から商品取引員というのがまた選ばれるわけでございますが、商品取引員は定数が決まっておりまして、この定款で四十名ということになっております。この四十名の選定につきましては、ただいま申しました取引所の資格審査委員会あるいは理事会で十分審議いたしまして、それをスルーして通産大臣のところに申請が出てきまして、最終的には通産大臣が許可する、こういう仕組みになっております。これは四十名がすでに許可済みでございます。
○宮田委員 金取引の悪徳商社の中で、かつて、通産省が発行されております「通産ジャーナル」ですか、これに広告を載せて問題になったことがあったようですが、最近でも、あえて会社名は差し控えますけれども、悪徳金取引業者が日刊紙に社員募集やアルバイト募集などで広告を載せておりますが、これについて通産省はどのような対策を考えておられるか、この点もお伺いいたします。
○植田政府委員 広告につきましては、私どもの立場からいたしますと、政府なり取引所あるいは取引所の連合会が一般投資家に向けて危険なことにならないようにと、そういった啓蒙的な広告は私どもの立場からするわけでございますが、ただいまの御指摘は企業の広告かと思いますが、これにつきましては、広告業界というある意味で特別の業界があるわけでございます。新聞とか雑誌とかのいわば選定基準と申しますか、広告を載せる場合の一つの目安があるのだろうと思いますが、そういったことで決まってきますので、私どもとしては、直接にはマスコミに対して広告について特別に口を出すということはやっておりませんけれども、もし取引所の会員が常識的に見ても非常におかしいような広告があるようでございましたら、それはやはり取引所なり取引員の協会なりを通じまして指導するということはすべきではないかと思いますが、これは個々の例を見まして、そういったものがあれば、私どもといたしましても検討してみたいと思います。
○宮田委員 先物取引の危険性と現物取引との違い、これを一般に周知させることが被害を防ぐための第一の方法だと思います。 政府は、たびたび、現段階では消費者自身が注意をする以外は対策はないのじゃないかとおっしゃっておられますが、それならなおさらPRを徹底することが必要と思います。被害の六〇%以上を占めておりますのが御婦人方ということです。そこで、婦人雑誌とか市町村の回覧板や、一般の人には全国紙とか地方紙等によってPRを積極的に行ったり、あるいはまた市民大学とか学校教育の場などにおいても、先物取引の危険性について指導すべきだと思いますけれども、通産省としてこれらのPR活動についてどう対処しようとされておるのか、この点もお伺いいたします。
○植田政府委員 非常にトラブルの絶えないこの分野におきましては、単に法律で規制すればそれですべてがおさまるというものでないことは、先ほど申し上げたとおりでございまして、仰せのとおりPRが非常に重要だと思っております。従来からわれわれ自身も啓蒙、PRしてきましたし、業界も指導しまして、新聞とか雑誌、週刊誌あるいは女性週刊誌等に載せたこともございますが、私ども、今後一層そういった点に注意いたしまして、たとえばわれわれの予算で行うテレビでございますとかいろいろな雑誌、それからただいま御指摘もございました地方の何かそういった文書に載せるというのも一つの御示唆ではないかと思うのでございます。いろいろな機会をとらえまして、あらゆる方法をとらえましてPRをしていくということが非常に重要だというふうにわれわれも認識しているわけでございます。 〔野田委員長代理退席、梶山委員長代理 着席〕
○宮田委員 委託証拠金率については、他の上場されております商品については四%から七%が普通であるわけであります。金についても、いまも答弁がございましたように二〇%で十分、まあ十分というのじゃありません、高いというふうに言われておったわけでございますが、物が物だけに、また金は国民の関心が非常に強いものだけに、一般消費者の保護という観点から委託証拠金率の引き上げをさらに図るべきだと思うのですけれども、これについてはどういうお考えをお持ちですか。
○植田政府委員 ただいま御指摘のように、一般的には四%ないし七%ぐらいの証拠金率であろうかと思いますが、金につきましては、特別に二〇%ということで始めたわけでございます。証拠金につきましては、委託者保護という観点からはある程度高くすることが必要ですし一また一方におきまして、流通の活発化という点では別の要請もあるわけでございますが、私どもといたしましては、特に金の場合、委託者保護に徹して、問題のないあるいはトラブルの少ない、しかも金の性格上、これは将来国際的な取引の場になる可能性もございますので、国際的に見ましても十分信頼性を保ち得るようなものにしたいということで、慎重な発足を行ったわけでございまして、二〇%と申しますのは、この種の取引におきましては、国内的にも高いですし、恐らく国際的にも非常に高い率だと思っております。当分の間これでいきまして、なお推移を見たいと思いますが、御指摘のように、いろいろ問題が出てきますと、そのときにおきましてまた弾力的、機動的に対応していきたいというふうに思います。
○宮田委員 通産省としては、一般的に先物取引は商取引だから、政府は介入しないで自主的にいくことが望ましいというふうに言っておられるわけですが、今回東京金取引所が設立されることになったので、自主規制に任せて政府は介入しないということになるのか。その自主規制が問題だと思うのです。私は、国民に危険な商取引である以上、監督、指導をより強化していかなければ被害は少なくならないのじゃないかと思いますが、今後の監督、指導について通産省の御見解を承りたいと思います。
○植田政府委員 一般に商業取引につきましては、できればそれが自主的に、政府や行政の介入なしに行われるのが理想だと私も思います。ただ、現実問題といたしまして、商品取引につきましてはいろいろなトラブルあるいは被害が発生しているのが歴史的に以前からの事実でございまして、これにつきましては、法律の整備も必要でございますけれども、同時に行政といたしましてもよく監視し、また指導していくことが必要だと思っております。そういう意味で、よく事態を見詰めまして、問題があるときには機動的に指導もし、監視もしていくということは、仰せのとおり今後とも実行していきたいと思います。
○宮田委員 去る四月二十三日に、住友金属鉱山の鹿児島菱刈鉱山において百二十トンの金の埋蔵量が確認され、二、三年後には年産四トンから六トンの金が採掘されるという明るい報道があったわけでございます。こういう明るい報道の一方で、これは週刊新潮でございますから信憑性は薄いかもしれませんが、四月二十九日号に、東亜鉱業という会社が金鉱証券なるものを発行して、一口百万円で金鉱の持ち主になれるということで会員を募っておるという記事が載っていたわけです。その中身は、日光の東照金山には三千三百万トンの埋蔵量があるとか、本当にこれだけあれば、住友金属鉱山が今回発見したものと比べると膨大なものですが、さらにまた、北見の砂金山にはトン当たり二十グラムの砂金含有があるとして金を集めて、開発が成功すればもうけ分は持ち分に応じて配分をするという非常にうまい話が出ておりまして、会員を募っておるわけでございます。先物取引とは違いますけれども、これもまた言うならば幻の金にまつわる一つの商法というふうに考えられるわけでありまして、成功すればこれほどいいことはないわけで問題はないと思いますが、大手の鉱山の担当者あたりに話を聞いてみますと、こういうものはとうてい成功しやしないのだというようなことを言っております。そこで、東亜鉱業の内容と、このようなものに対する商法上の規制、罰則、これはあるのかどうか、お伺いしたい。法務省の方にも来ていただいておりますので、法務省の見解、通産省の見解、両方ございましたらおっしゃっていただきたい、こう思います。
○筧説明員 ただいま御指摘を受けました東亜鉱業株式会社という会社のようでございますが、この会社は私どもが所管しております商業登記簿を調べましたところ、確かにそのような商号の会社が存在しております。これは資本金が一億六千万円の会社でございます。この会社がいま御指摘のようなことを行うということが法に違反するかどうかということでございますけれども、先ほどちょっと言われました、商法に記載しておりますところのさまざまな規制というのは、他の法律に規制がないいわば会社関係あるいは商人に関して特有なさまざまな規制を設けているものでございまして、この御指摘のことが、ここに書いてあるようなことがインチキであるということになりますと、これは必ずしも会社特有の問題ではなしに、一般の不法行為、すなわち犯罪として成立するかどうかという形で法的な規制を受けるべき問題であろうというように思います。したがって、これが法に触れるかどうかということになりますと、端的には刑法に定めておりますところの詐欺罪に該当するかどうかということが問題にされる、こういう事案のように思われるわけでございます。
○小松政府委員 いま先生からお話のございました東亜鉱業という会社の金についてのお話でございますけれども、東亜鉱業という会社自身について、私ども詳細は承知いたしておりませんけれども、会社が出しております概要によりますと、ただいま法務省の方からも説明がございましたけれども、本社は東京都港区赤坂三丁目九番一号、創立は昭和二十八年十月二十四日、資本金は一億六千万円、取締役社長が渡辺清治、業務内容として石油業それから鉱業というようなことになっております。ただ、この詳細については、私どもまだ確認をいたしておりません。 こういう会社が金について証券を発行するということでございますが、金を実際に掘るということになりますと、これは鉱業法上の鉱業権の設定の許可ないしは試掘権、採掘権の設定の許可が要るわけでございますけれども、そういう状況に現在、いまお話のございました北海道北見の砂金山、また日光東照金山がそうなっているかどうか、また鉱業法上の権利がどうなっているかということについては、さらに詳細に調査をいたしてみたいというふうに思っております。
○宮田委員 この問題に関係してもう一問、せっかく法務省の方がお見えでございますからお聞きします。 一口百万円で買ったといたします。そしてそれが成功しなかった。そこで百万円の被害を受けたということになりますと、いまおっしゃったように詐欺罪だけで取り締まりの対象と考えるか。そのほかに別の罰則の方法はないのかどうか。しかも事は金にかかわる問題でございまして、この法律は海外取引ということが対象になっておるようですが、たとえばこれで被害を受けた場合に、金との関連でどういうふうな取り締まるものがあるかどうか。この点、法務省の考え方、通産省の考え方、ありますか。
○筧説明員 先ほど御説明いたした事柄でございますけれども、これが仮に本当のことであるといたしますと、これはなかなか犯罪として成立しにくいということになるわけでございまして、それがうそである、虚偽のことを言って金を募っておるということになりますと、これは端的に刑事法の最も代表的なものである刑法典によって取り締まるということになりますので、特にそのほかの特別な取り締まり規定というものはないというように思っております。
○宮田委員 通産省としての取り締まる方法はあるのですか、この問題でもし被害を受けたら。
○小松政府委員 これから調査してみますが、一つは、もし共同鉱業権者にならないと、実際に金鉱についての権利が得られないということになりますと、もし仮に東亜鉱業が試掘権その他鉱業権、採掘権の権利者であるということになりますと、その鉱業権について共同鉱業権者ということで鉱業登録面での変更申請が当然出てくるわけでございます。ただ、その前に、大体正式な鉱業権者であるかどうかということの調査をまずいたしてみなければなりません。そうなった上で、さらに関係の人を募って共同鉱業権者ということにするということにいたしますと、そういう意味で鉱業権についての変更登録申請が出てくるということになって、そこで初めて共同鉱業権者ということで、その採掘権に伴う金鉱の採掘について一定の権利を持ち得るということになるわけでございますが、今回の金証券の発行がそういう手続になっておるのかどうか、そういう点私どもわかりませんし、そういうことで、まさにその辺の実態、それから鉱業法上の諸権利関係、これは調査してみないと、現段階で取り締まる規定があるかどうか、お答えできる段階でございません。
○宮田委員 法務省の方、結構です。ありがとうございました。 次に、商品取引所審議会の答申について二、三お伺いをいたします。 まず最初に、商品取引所審議会として答申をしておるわけでございますが、その中の「施策の基本的方向」の(1)に「現時点において、とりあえず、一般委託者保護の観点から、次のような規制等を行うべく所要の立法措置を講ずることが適当である。」、こういう字句があるわけでありまして、問題は「とりあえず」ということになりますと、これは当面ということにもつながるわけでございますが、この法律の後、何か別なこの種の関係でのことをお考えになっておいでになるかどうかというふうに思いますが、その点はどういう解釈をしたらよろしいですか。
○植田政府委員 商品取引をめぐる問題といたしましては、先ほどちょっと議論になっておりましたが、取引所法の八条の解釈が変更になったことに伴う問題というのが一つございます。これは従来、上場商品であると否とを問わず、取引所類似の施設の設置は何人もしてはならないというふうな解釈になっていたわけでございますが、法制局の解釈の変更がございまして、上場商品と非上場商品を分けて考えるようになっておりますので、その場合、法律の対象とならない非上場商品をどうするかという問題が課題として残っているわけでございます。 もう一つは、金の流通量の増大に伴いまして金をめぐるトラブルが非常に起こってきた、しかも金の取引所を設置したことに伴いまして、いわゆる私設市場が認められなくなりましたので、それが海外に出ていくという問題が出てきまして、それが今回の法律案になっているわけでございます。したがいまして、金のみならず商品取引をめぐる問題というのはいろいろとあるわけでございます。しかも、そういった国内、海外両方の問題があるほかに、経済的な問題と規制的な問題もございまして、そういう意味では非常にいろいろな角度からの問題があるわけでございまして、これらに今後どう総合的に対応していくかという非常にむずかしい問題を抱えているわけでございます。その中で、今回の海外の取引の問題は一番緊急の課題であるということで、これから一遍に全部をやることもできませんので、まずこれを当面の施策として最初に実施すべきである、これがこの答申の言おうとしている趣旨であろう、そういうふうに思うわけでございます。
○宮田委員 同じくこの答申の中の(2)の中に「委託者の自覚と政府の啓蒙活動が極めて重要な意義を持つものと考えられる。」事は法案が成立した後の運用の問題と思いますが、この啓蒙活動はどういうことをお考えになっておるかということと、もう一つは、(3)にこういうことが書いてございます。「海外商品市場における先物取引の受託等の事業活動を流通経済の観点から位置づけた体系を検討することが望ましい。」この体系はどういう体系をお考えになっておるか、この二つを私はお伺いしたいと思います。
○植田政府委員 この商品取引をめぐるトラブルにつきましては、単に法律で規制をするのみでなく、消費者に対するPRあるいは知識なり自覚なりをもっと高めていくということが非常に重要な点でございます。そういった意味で、私どもといたしましては、いろいろな機会をとらえまして、たとえば活字によりあるいはまたテレビによりましてPRをする、あるいはまた業界を督励いたしまして、新聞とか雑誌あるいは婦人雑誌等にPRするとかいうふうなことをしてきたわけでございますが、今後ともこのPR事業は非常に重要でありますので、さらにいろいろ工夫いたしまして効果的な方法を考えていきたい、こういうふうに思います。 それから第二番目の、「流通経済の観点から」云々という問題でございます。この商品取引につきましては、本来は商業流通、経済流通の問題でございます。しかしながら、先物取引という特殊な性格もありまして、遺憾ながらトラブルが非常に多発いたしまして、ややもすればトラブルの規制、委託者保護が非常に前面に出まして、経済システムとしての、流通システムとしての取引所問題というのが場合によっては後ろに隠れてしまうことがあるわけでございますが、本来は、これは法律の目的からいいましても、流通経済論の一環としてとらえられるべき問題だと思うわけでございます。そういう観点から見ますと、特に国際化が進んできまして、代表的な金に見られますように、国際的な取引も含めまして商品取引所のあり方というものが、今後将来の問題として問われてくるわけでございまして、そういった点、どういうふうに流通経済の機構として位置づけていくかという問題があろうと思います。 一方、また商品取引所はかなりの数ございますが、その中には昔と比べて必ずしも活発でないところもございますし、それからまた経済がこういうふうに大きくなりますと、数多くあるものを少し合併して強化したらどうかというふうな組織論的な発想もあるわけでございます。そういうふうないろいろなことを考えますと、流通経済の機構としての商品取引のあり方、国内的、国際的を踏まえましてそういった問題が、むずかしい問題でございますけれども、非常に重要な問題としてあるわけでございます。答申はそういった点を指摘しておられるものというふうに理解しているわけでございます。
○宮田委員 いま審議をしております法律と関係のあります商品取引所法との関係について、現在の商品取引所法をこの法律は補強するというお考えかどうか。商品取引所法を補強するために、この法律というものがこれから存在するというふうに考えてよろしいかどうか、こういうことです。
○植田政府委員 同じ商品取引でございますから、全く関係がないと言ったらちょっと間違いかもしれませんが、直接的には海外の規制法としての法律と国内の商品取引の経済法としての法律、こういったものでございますので、直接補強関係にあるとは考えておりません。ただ、経済取引の問題でございますから、国内から締め出されたものが外へ出るとかいうふうな意味での関係はないことはございませんので、全くないとは言えませんが、直接的には法律の性格も違いますし、また対象も違うものでございます。
○宮田委員 この種の取引——この種というのはおかしいのですけれども、割賦販売法とかあるいは訪問販売法というものとか、いま言いました商品取引所法というものがあるわけでございますが、いま申し上げましたような法律によって今度の問題が適用されたことがあるかどうか、あるいは適用されるような法律じゃないならない、また法律としてやったことがあるならあるということ、実績ですね。といいますのは、この種の問題が起きて、結果としては泣き寝入り、こういうことにいまのところなっておるのじゃないかと思うのです。しかし、いままでいろいろな法律がございましたので、何かの法律で悪徳業者の摘発とかあるいはいろいろな規制とかがされてしかるべきじゃなかったかというふうに私どもは考えるわけですから、その辺はどういうことであったかということをお聞きしたいと思います。
○植田政府委員 いままでの法律といいますのは、既存の消費者立法のことかと思いますが、いま詳しいことを私もフォローしておりませんが、たとえば訪問販売でございますとかあるいはマルチでございますとかいうものにつきましては、ときどき新聞等にも出ますように、取り締まり当局の手も入りまして摘発するというふうなことが行われているわけでございます。今回の法律は規制法でございますから、できるだけ取り締まり当局と協力いたしまして機動的な対応をしていきたいというふうに考えております。
○宮田委員 最後にもう一つだけお伺いしておきますが、定義の問題の中に、商品という定義から括弧書きで除かれているものがございます。それから業者の定義の中にも定義から除かれておるものがあるわけでございますが、これはどういう解釈で除いたのかということをお伺いをいたします。
○植田政府委員 商品の方の括弧書きでございますが、これは法令用語上は一般に商品というのは物品を意味しておりまして、金融的なものは意味していないというのが通常の例でございます。したがいまして、この括弧書きは確認的な規定でございます。従来の商品の概念を変えたものではございません。それから業者についての括弧書きは、ある業種に属するものが海外の商品市場におきまする受託等を業として行うときに、その当該業種を監督、規制する法律におきまして、いま提案しておる法案と同様の規定がある場合、あるいはまたその適用によりまして同じような保護が確保される場合には、本法律による規制をあわせて行う必要がないということから、当該法律、つまりその業種の規制する法律で行っていこう、こういう趣旨で除いたものでございます。具体的には銀行とか証券等がこれに当てはまる場合が出てこようかと思いますが、そういったものが今後当該法律の運用によりまして、委託者保護が確保されることになった場合には、政令でそれを外す、こういう趣旨でございます。
○宮田委員 ありがとうございました。
○梶山委員長代理 渡辺貢君。
○渡辺(貢)委員 ただいま議題となっております海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律案でございますけれども、特にこの二、三年来商品取引をめぐっての紛議、トラブルが大変増加をいたしております。国内における商品取引所を中心にした中でもそういう傾向が目立っておりますし、とりわけ海外商品取引においてはまさに多発という状況でありまして、善良な国民の皆さんが大変この問題で苦しんでいらっしゃるわけであります。 そこで、まず第一番目にお尋ねをいたしたいと思いますのは、この法律案の一条に規定されている「目的」について端的に御見解を述べていただきたいと思います。
○植田政府委員 端的に申しまして、この法律は規制法でございます。いわゆる経済目的を持った法律ではございません。中身は、法律の「目的」にございますように、海外の商品市場における先物取引の受託等を書面の交付等によりその公正を図る、そしてその取引の委託者が受ける損害の防止を図る。これは、たとえば推定規定等を設けているわけでございますが、そういったことによりまして委託者の利益の保護を図るのが目的でございます。
○渡辺(貢)委員 この目的規定の中に「当該先物取引の委託者の利益の保護を図ることを目的とする。」、明確にそういう性格の法律案であるということが規定されているわけであります。 〔梶山委員長代理退席、森(清)委員長代理着席〕 この規定からすると、まず考えなければならないのが委託者の保護という問題ですね。ですから、法律全体としては、この目的の立場に立って、どうしたら善良な委託者を保護することができるか、これが中心的な命題になってくると考えるわけでありますが、国内の商品取引でもトラブルが多いわけでありますけれども、海外商品の取引、しかも先物取引ということになりますと、一般のお客さん方はなかなか理解できないと思うのです。しかも、理解できないだけではなくて、海外の商品でありますから、自分がそこに行って見るわけにいかないという意味でも、十分な予備知識がありません。とりわけ為替等の変動、これも一般の方々はなかなか理解しにくいと思うのですが、そういう一般のお客さん、委託者の方々がこうした海外の先物商品取引についてどんなふうな理解、認識を持っているかという点についての通産省の見方をまず述べていただきたいと思うのです。
○植田政府委員 率直に申しまして、海外との取引の問題、御指摘のように、先物取引そのものが普通の取引ではないということに加えまして、海外との取引でございますから、一般の人になかなか十分な知識なり認識がないのが普通であろうと思います。にもかかわらず、こういったものが非常に盛んになる事態があるわけでございますが、恐らく背景といたしましては、十分な知識はないけれども、何かしら国際化の動きといったもの、たとえば海外に旅行する人が非常にふえているとかいうこともそのあらわれでございますが、そういった国際化的な動きというものが触発している一つの要素にはなっているかと思います。しかし、そのことは海外取引に対して非常に知識ができているということとは別問題でございまして、ムードはかなり国際化しておりますけれども、こういった専門的なことについての知識が十分であるとはとても考えられないのが普通のケースではなかろうかと思います。
○渡辺(貢)委員 いま御答弁がありましたように、海外ブームということもございましょうけれども、しかし、こういう複雑な取引、なかなか理解しにくいと思うのですね。 そこで、一昨年から昨年にかけてかなり重大な問題になりましたけれども、香港日商岩井の、これは先物の商品取引であったのか、あるいは為替の投機であったのか、いろいろ報道されていたわけであります。これはプロ中のプロでありますが、最終的に日商岩井の株主総会において決着を見たと言われております。どういう性格のものであったか、お答えいただきたいと思います。
○植田政府委員 私どもが承知しておりますところで申し上げますと、日商岩井の香港法人、日商岩井香港会社におきまして、昭和五十五年四月から五十六年三月までの一年間に約五百件の為替の清算取引を香港の銀行との間で行った。そしてその結果、約百六十億円の損失を出したというのがこの問題の概要というふうに聞いております。
○渡辺(貢)委員 これは大変な額でありまして、なかなか一般のお客さんと同列に置くわけにはいかないと思うのですが、しかし、現実にはプロの方が投機をして、なおかつこれだけの大損を出されるというくらいに海外商品取引、為替の先物というのはむずかしい取引であるということの一つの端的な例だと私は思うわけであります。そういう立場から見ますと、果たして今度の法律案によって委託者の保護が十分に図れるのかということになると、大変問題が残されているというふうに思います。 最近の具体的な事例を見ましても、家庭の主婦であるとかあるいは年金生活者が多い。そして四月二十日の北海道新聞などによると、第二の犠牲者が出た。学校の先生ですね。自殺者が出た。あるいはそれ以前に一家心中、こういう深刻な事態があるわけであります。つまり法律ができて、莫大な損害が生じる、その損害が生じたから何かしようというのではなくて、それ以前にそうした問題が起こらないようにしなければならない。予防的な措置といいますか、そういうものが法第一条の目的からすると必要だというふうに私は考えるわけなんですが、そういう点についてはどんなふうにお考えでございましょうか。
○植田政府委員 午前中からもいろいろ御議論が出ているわけでございますが、海外における先物取引の規制ということで、私どもも正直いろいろな点を検討したわけでございます。すべて禁止という考え方もあろうかと思いますが、なかなか立法論的にはむずかしい点もございまして、結論としてこういう形になったわけでございます。 この法律におきましては、書面の交付の義務づけ等によりまして、取引のルール化を図るということから始まりまして、最終的には推定規定で委託者をできるだけ救済するという形になっております。一方、こういった法律を施行すると同時に、この法律をてこにいたしまして、一方における啓発運動とかPR等によりまして委託者、消費者にもより一層賢くなってもらうという点も含めまして効果を上げていきたい。それからまた、一般に刑法の詐欺罪等で従来対処されてきたわけでございますが、今回は、たとえば七条等におきましては、詐欺罪の構成要件を簡略化するというふうな規定にもなっておりますので、取り締まり当局との協力関係も従来以上に密にいたしまして、機動的な対応をしていく。そういったいろいろな面での対応を総合的に重ねまして、また消費者にも賢くなってもらいまして、今後の問題をできるだけ防いでいくというふうにしたいというふうに考えております。
○渡辺(貢)委員 そういう期待を込められていらっしゃるということでありますけれども、たとえば三条からずっと「書面の交付」という規定が六条にかけてあるのですね。現在でもそういうものが業者によって委託者に交付をされております。ですから、果たして書面を交付するということによって被害を未然に防ぐことができるのかということになると、大変大きな疑問があろうかと思うのです。 これは私の浦和の事務所にすでに二件相談が来ているのですけれども、取引委託契約準則ということで、二十八条ぐらいにわたるかなり詳細な準則が書かれておりまして、取引委託契約書というのを取り交わして、そして数日後にこの準則が委託者に持ってこられるわけです。そして準則を受け取ったという判こを押すわけです。つまり何か事があれば、ちゃんとこの準則によって委託者は十分に理解をしているのだ、そのために準則を渡し、判こを受け取るわけです。ところが、この中身を私たち読んでも、専門家が読んでもなかなか理解しにくい。たとえば裁判の問題なんかでも「合意管轄」というのが第二十八条にありまして、つまり「乙の本店所在地の管轄裁判所を第一審の管轄裁判所とすることに合意する。」これは福岡県ですから、これが埼玉県で、東京の支店から外交員が来て勧誘をしていくということですから、とてもなかなか理解することができないわけです。そして通産省では、一定の形式を整えてということで省令で決められるということでありますけれども、実際上こういうものが十分に検討されて、そういう省令を決められるような作業をされていらっしゃるのか。書面といってもいろいろありますけれども、そういう書面の内容についての御見解はどうでしょうか。
○植田政府委員 書面の記載事項につきましては、省令で定めることになっておりますが、それにつきましては、従来からいろいろなものが出されているものを十分参考にいたしまして定めていきたい、こういうふうに思っております。
○渡辺(貢)委員 そうしますと、ほとんどいままで出ているものと変わりがないんじゃないかと思うのです。これはニューヨークの商品取引所の関係でやっている企業から出されているリスク開示告知書というのですが、これにはこういうふうに書いてあります。第五項目に「少額の保証金による、高度なテコの法則を応用した先物取引においては、時に有益に、また不利益に働き、この作用により大きな益金あるいは損金を生じます。」損金を生じるという話を余りするのではなくて、大きな益金、つまり少額の保証金がてこになって大きな益金を生み出していく、こういう勧誘をするわけでして、これは書面には残らないのですね。 具体的に相談に来られた方がずっと事実経過を話されているわけでありますけれども、ことしの一月二十日にパブリック社というところからKさんに、三十歳ぐらいの奥さんですが、電話があって、断ったのですけれども、夕方営業の方が来られる。そしてこれから夏に入るのだから清涼飲料水が出回り、砂糖の需要期に入る、絶対にもうかると。そして十日か二十日ぐらいで相当の利益があって手元に戻ってくるんだ、こういう話を持ちかけるわけですね。それでKさんは、取引委託契約書、これ一枚ですけれども、これに判を押すわけです。そしてこれには準則受領印も一緒に押されるわけですが、数日後に至ってこの準則書が来て、その際に証拠金として六十万を支払うわけです。ところが今度は二月上旬になると、六十万だけでは損をしてしまう、だから両建てで取引をしなければならないからさらに五十万必要だ、こう言うのですね。いままでの奥さんとの会話は全部テープにとってある。だから、もし履行しなければあなたは犯罪人になる。この奥さん、だんなさんに相談しなかったのですけれども、だんなさんに示したらどういうことになるかというふうに言われて、二月二十五日にさらに五十万円渡すわけです。さらにこれが三月十日になると、今度は両建てをやめて、そしてもう少しうまくやるからさらに四十万出してくれというふうに言ってくるわけですね。それでたまらなくなって、私の事務所に相談に来た、こういう経過なんですね。 ですから、こういう経過を見ますと、書面を交付する、書面上では一応の体裁は整っているけれども、実際の取引というのは口頭で、電話で、あるいは対でやって、ときにはそういうおどしもかげながら取引をしていくということでありますから、表の上では、いかにも書面で整えば担保されているように見えますけれども、実際の取引はそういうふうになっていかない、こういう危惧は十分にあると思うのですね。むしろ通産省の省令で決まったそういう書式ですよというふうになれば、その書式が相手に対しては何か通産省のお墨つきである、公認だというふうな形で、取引が業者の側にとってみれば容易になっていく、こういう性格を持っているのではないかということで、私は、書面によって担保するということが現実には実効性がないのではないか、効果がないのではないか、むしろ逆に業者のそういう不当な行為を助長させるような役割りを果たしていくというふうに考えるわけでありますけれども、その点についての御見解はどうでしょうか。
○植田政府委員 だます方が悪いかだまされる方が悪いかということが、この種の問題では常によく問題になるわけでございますが、私どもといたしましては、まずルールをはっきりしておくということで、この書面の交付というものは、これはこの種の取引についてはABCである、イロハであるということで、まず徹底を図るということが必要だろうと思います。 その場合に、通産省の省令で決められた書式を用いることがかえってお墨つきになるという御指摘、これも午前中から何度も議論いたしまして、許可制、登録制、届け出制、これにつきまして、そうすべきであるという御議論に対して、われわれは、それがお墨つき効果を持ちかねないということで、むしろ今回やめたわけでございますが、この書式そのものもお墨つきになるという議論、これは考えてみますと、役所がやったもの、あるいは通産大臣が定める省令でございますから、そういうふうな役所のつくったものはすべてお墨つきになって、かえって悪効果を及ぼすという考え方も確かにあり得るわけでございまして、私どもが許可制や登録制をとらなかった同じ論理になるのかもしれません。しかし、私は、やはり書式ははっきりしておきまして、それはとにかくルールとして守らせるということがイロハではないか。その上で、もちろんそれを決めたからといってすべてのトラブルがそれで終わる、なくなるということではないと思います。なかなか現実には守られないのではないかという御指摘もございますし、そういったむずかしい問題もあろうかと思いますが、そこはやはり委託者の方にも賢くなっていただくということも含めまして、この問題を運用していく。法律をつくったら、それでもうすべてが終われりという考えではなしに、私、午前中から何回も申し上げているのでございますが、啓蒙活動あるいは認識を高めてもらうということを含めて防いでいくより仕方がないのではないか。決して法律をつくっただけで、それが万能であるというふうには私も思いません。しかし、こういった特別法ができることによりまして、社会の関心が一層高まることによりまして、一般の方々もやはり書面ではっきり物を見るように少しでもなっていく。先ほど気が長いというおしかりを受けたわけでございますが、こういった問題はかなり忍耐強くやっていくより仕方がないのではないかというふうに思うわけでございます。
○渡辺(貢)委員 これは書式といいましても、たとえば商品取引所法によりますと、ちゃんと法律によって業者が認可をされる、登録もされる、信用度もきちっとある程度は担保される、あるいは外務員についても登録をされる、全体がそういうふうに整って、そして契約における書式というものがあるのですね。つまり書式だけがどこかに先に歩いていって、そして認可なんかは別だというのではないと思うのです。 訪問販売等に関する法律でも書面の交付義務というのがありますが、これは通産省の方が「法と政策」八二年一月号に書かれているのですけれども、こういうふうに言っているのですね。「「書面の交付」が義務付けられていても、いわゆる契約書に目を通さない消費者が絶えない現実をみるとき、今後ますます行政の果たすべき役割が重要となるであろうことを付言しておく。」 これは専門家がそのものを読んで理解するということと、一般の素人の方が読んでどういうふうに解釈するか、これは相当の違いがあります。ですから、書式をつくって、そしてそれを委託者に渡す場合に、つまり業者、外務員などがその立場で解釈をしながら渡すわけですから、結局そういうふうな性格のものになってしまうのですね。だから、一方では、ここでも書かれているように、実際上は十分に理解されていない。とりわけ冒頭にも若干論議いたしましたけれども、海外商品取引、先物取引ということになるともっとわからない。そして何か金やなんかやればもうかるのだというふうな印象を与えていくわけでありますから、そういう点で、この第三条から六条に至る書式の問題についても、現実には善良なお客の皆さんをそれだけでは十分に保護することができないのではないかということを指摘をしておきたいというふうに思います。 そこで、次に第八条の関係の不当な行為の問題でありますけれども、かなり不当な行為の規制ということで詳細な規定がございます。 しかし、この不当行為という問題では二つあると思うのです。一つは、どうやって立証するか、なかなかこの立証がむずかしいのではないかという点が一点であります。それから二番目は、立証されたけれども、その不当行為によって生じたお客さんの被害ですね。この被害の救済はどうやったら最も効果的にできるか、この問題があろうと思うのですけれども、この八条に関係して、この二点について御見解を承りたいと思います。
○植田政府委員 八条の不当行為はいろいろな行為が書いてありまして、それの行為を規制しようというものでございます。 確かにこういった流動的な経済行為の規制でございますから、そう簡単ではないというふうに私も思いますけれども、しかしながら、紛議が多発したりあるいはまた委託者から同じ企業についていろいろと申し出等が出てきますと、私どもも取り締まり当局と機動的にタイアップいたしまして、そういったところの立入検査等を行いますから、そういう形でこれをできるだけ活用しとらえていくということになろうかと思います。そういう意味で、全国にある数多くの企業を、すべてを一網打尽に一挙にとらえるということはなかなかむずかしいかもしれませんが、やはり紛議の多発している、特に被害をたくさん及ぼしているというふうなところは、取り締まり当局との十分な連携によりまして機動的に対応する。その場合に、やはりこういった特別法のあることが相当役立ってくるとではないかというふうに思っているわけでございます。 それから、被害を救済する道でございますが、これはたとえば何か基金のようなものがあるとか、被害に遭ったらそれを何割か補てんしてやるとか、そういった仕組みがあれば、それはある意味では安直なと申しますか、手っ取り早い被害の救済機構であろうかと思いますが、私どもは、ここにはそういったものは考えておりません。それは、そこまで被害者をそういった形で保護することが果たしていいのかどうかというまた別の議論があろうかと思いまして、この法律体系の中におきましては、最終的救済は裁判に訴えて、この推定規定が働くというところにあるわけでございまして、なかなか裁判などには持っていけないという考え方もあろうかと思いますが、そこはやはり消費者も、いざとなったら裁判に訴えてでも闘うという姿勢なり考え方というものが必要ではなかろうかと思うわけでございます。すべての主婦がすべて裁判に訴えるということは現実問題としてむずかしいと思います。しかしながら、被害が非常に多発した場合とか高額な被害を受けたような場合には、そういった訴えは当然あり得るわけでございまして、こういったトラブルをなくすためには、法律の規制とともに、消費者側においてもやはりその相応の対応に向かっていく、それからまた、われわれ行政もそういったことでPRしていくということが必要ですし、そういったことを通じて、世に言うところの一罰百戒とかいう効果もございます。 私は、繰り返して申し上げるのですが、この法律をつくったためにすべての企業のあれが簡単になくなるというものではなしに、これに対してどう立ち向かっていくかということを通じて被害を次第になくしていく、こういうふうなことでいくべきではないかと思うわけでございます。
○渡辺(貢)委員 お客の皆さんに立ち向かっていけというふうなお話がございましたけれども、通産省がこの実態についてもっと正確にとらえて、せっかく法律を出しているのでありますから、本当に一条の目的規定にかなうような内容、性格にしなければならないと思うのです。 この不当行為による被害の救済の問題で、裁判所だというお話でありますけれども、現在、東京、大阪、名古屋を初めとして、全国十一の地方裁判所で提訴をされているわけであります。その実被害額の総額は十二億九千万円なのですね。最近、判決が四つ出ているわけです。大阪地裁が二つ、それから高知、新潟でありますけれども、ところが、この判決では、被告欠席のまま原告である被害者の勝訴に終わっているわけなのです。この四つの案件を見ると、勝訴したけれども、いずれも業者は倒産、関係者は行方不明なのです。莫大な損失をしている上に、お金をかけて裁判をやって勝訴する。そのときには、被告は倒産して支払い能力はない、あるいは重役だとか当事者は行方不明である、これが裁判の過程で明らかになった業界の実態なのです。つまりこれらの業者というのは、どういう資格、要件が必要なのかということで、法的にも何ら担保されていないわけでありますから、やっている行為というのはほとんど詐欺に等しい行為で、長時間かかって裁判をやれば、判決が出るときにはもう倒産であり、あるいは責任者はいなくなってしまう、こういう実態でありますから、この八条で不当行為を規定して、そして十条で立ち入りができる、また九条で取り消しもできるのだ。しかし、そのことはほとんど後追いであって、救済にはならないという結果が現実の裁判の過程でもあらわれているわけでありますから、そういう点でも八条は、植田さんがおっしゃっているような実態的な効果を上げるというのは非常にむずかしいと私は思いますが、もう一度その点について御見解はいかがでしょうか。
○植田政府委員 先ほども申しましたように、こういった営業行為の規制、とらまえ方というのはそう簡単でないことは私もそう思うわけでございます。しかし、従来、いわゆる刑法の詐欺罪を武器といたしまして、取り締まり当局と私どもで連絡し合いながらできるだけのことをしてきたわけでございますけれども、今回は、たとえば七条で、詐欺罪の構成要件を簡略化するとか、それから八条のいろいろな対応につきまして、そう簡単ではないとは申しますものの、こういった特別法による特別規定を設けることによりまして、取り締まり当局とよく連絡をとりながら、被害の多発している企業につきましては機動的に立ち入りするなりして抑えていく、そういうことがよりやりやすくなるということは十分考えられることだと私は思うわけでございます。 こういう業界でございますから、確かに御指摘のように、企業が倒産したりなくなってしまったりということがよくあることも承知しております。そういう意味で、一〇〇%万全かと申されれば、私も、この業界そのものにいろいろと問題があるということを考えざるを得ないと思います。またそういった業界であるからこそ、このような段階におきまして、私どもは、いわゆる振興法と申しますか、経済法的な法律として構成いたさないで、規制法という形で構成いたしたわけでございまして、そこからこの業界の性格とこの法律の性格が出てくるわけでございます。 いずれにしましても、御指摘のような点は十分踏まえながら行政的にも取り締まり当局とのできるだけの連携をいたしまして対処していきたい、こういうふうに考えます。
○渡辺(貢)委員 それと、実際上矛盾があるということを認めていらっしゃるわけでありますけれども、同僚委員の質問に対して、たとえば挙証責任の転換の問題でも、裁判をやっていく場合には、委託者にとっては有利な条文であるというようなお話もあったと思うのですけれども、これもいま指摘をしたと同様な内容になってしまうと思うのです。 〔森(清)委員長代理退席、梶山委員長代理着席〕 さらに、第十条の関係で、報告及び立入検査ができるわけでありますけれども、現在、国内の商品取引所で現実に、たとえば期末に証拠金がどのくらい積まれているのか、また海外商品取引の先物の問題でどの程度の証拠金が積まれているのか、ほぼ推計だと思うのですけれども、ちょっと御説明していただきたいと思います。
○植田政府委員 国内の商品取引所の委託証拠金は、五十四年度末で千三百六十三億円ということになっております。海外のことにつきましては、現在十分把握されておりませんので、その金額については不明でございます。
○渡辺(貢)委員 国内で千三百億円前後、五十四年ですと千五百億とも言われておりますし、海外の方も推定ですね。いろいろ報道されている内容では一千億円ぐらいだと言われているわけでありますから、一千億掛ける十倍になりますか二十倍になりますか、相当な金額が最終的に決算段階では動いていくだろうというふうに思うわけでありますけれども、この十条で報告を求めるあるいは立入検査をするということでありますけれども、実際上実態としての境界も明確ではない。あるいはこういうふうな国際商品取引業協会などということでいろいろ宣伝が出ておりますけれども、こういうものに対する系統的な通産省としての行政権限が、果たしてこの十条によって十分に担保されるのかということになると、疑問があると思うのですね。 同時に、時間がありませんからこの問題だけ最後に指摘をしたいと思うのですけれども、今回の法案というのはいわゆる規制法だ、経済法ではないということのお話がたびたびございました。確かに商品取引所法の第一条の「目的」では「商品の生産及び流通を円滑にし、もって国民経済の適切な運営に資することを目的とする。」というふうに、公正な売買とあわせてそういう規定がございますし、訪問販売等に関する法律についても「購入者等の利益を保護し、あわせて商品の流通を適正かつ円滑にし、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」と、つまり商品取引所法もあるいは訪問販売等に関する法律も経済法であって、両方とも消費者保護あるいは委託者保護をきちっと掲げながら、商品取引の流通市場の健全化や、全体として日本経済の発展に寄与するという目的があるわけなんです。ところが今回の法律はないわけなんですね。 ですから、非常に狭い意味での規制法であって、その規制法も本当に実態としては十分の効果を上げることができない、こういうふうに断定せざるを得ないと思うのですね。つまり経済法にならないというのは、こういう海外商品取引というのが、わが国の経済の発展について十分に寄与するというふうな認識に立つことができないだろうし、あるいは健全な商品の取引、流通を発展させるというふうに大上段から、たとえば第一条の目的規定を行うことができないから、こういう取り締まりの規制の法規にならざるを得ない。そうであるならば、もっと明確に、一般顧客についての勧誘はやめて、当業者間の取引にすべきであるとか、そういう規制法であれば、もっと単純明快にすることが、現状からいって、紛議の状況からいっても必要ではないかというふうに考えるわけであります。そういう点で、最後にこの点についての審議官並びに大臣の見解を承って、質問を終わりたいと思います。
○植田政府委員 ホワイトとブラックの間にグレーがいろいろございますから、規制法といい経済法といい、一〇〇%規制法、一〇〇%経済法の間にかなりいろいろな段階があり得ると思います。私は、しかしながら、この産業のいわば発展段階と申しますか、少なくともいま問題にしております香港を中心とする海外取引につきましては、やはり規制の面が非常に強い段階ではなかろうかと思います。そういう意味で、今回は規制法ということでやったわけでございますが、将来とも永遠にこの海外取引が日本経済の発達のためにならないかといいますと、そういうことはまた別でございまして、将来はそういう面からとらえなければならない段階もあり得るのではないか。そういった場合には、やはりまた経済の一環としての海外商品取引という問題が問題になるわけでございまして、この辺は商品取引を全体として総合的にどう持っていくかという次のまた大きな問題として残されているのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○安倍国務大臣 今回の新法は、悪質な商行為を防止する、あるいはまた悪質な行為を規制をするという意味においてはある程度前進ではありますが、しかし、一〇〇%とはもちろん思っておりません。いまおっしゃるように、商品取引全体のあり方につきまして、いま審議会でもいろいろと論議をしていただいておりますので、やはり審議会の答申を受けた後に、全体的に見直す必要があれば見直さなければならない、こういうふうに考えております。
○梶山委員長代理 次回は、明二十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十五分散会