社会労働委員会高齢者に関する基本問題小委員会 第2号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1982/04/07
会議録
○竹内小委員長 これより社会労働委員会高齢者に関する基本問題小委員会を開会いたします。 本日は、高齢者の雇用及び定年問題を中心として調査を進めたいと存じます。 お手元にこの問題につきましての資料を配付してございますので、まず政府からその説明を聴取いたします。小粥審議官。
○小粥政府委員 お手元に資料といたしまして、一から十三までの十三種類の表を用意いたしておりますが、順次第一表から御説明いたしたいと思います。 第一表は、「年齢階級別労働力人口の推移と見通し」でございまして、これは労働省の雇用政策調査研究会の方で推計をしていただいたものでございます。特に、今後の長期的な労働力需給の展望ということで推計をしていただいたわけでございまして、昭和六十五年、さらに七十五年に労働力の動向がどうなるかということを年齢階層別に見たものでございます。この推計は実は日大の黒田先生の人口の推計をもとにいたしておりまして、その人口の推計をベースにして性別、さらに年齢別に労働力率をそれぞれ推計いたしまして、その労働力率を人口に掛け合わせることによって労働力人口の見通しを出した、こういう推計の仕方をとっております。 ここで一番特徴的なことは、四十五年、五十五年、六十五年、七十五年と出ておりますが、特に五十五歳以上の年齢層の構成比が、昭和五十五年では全体の労働力人口のうちで一六・一%、約六分の一を占めておるわけでございますが、十年後の六十五年には二〇・三%、約五分の一、さらに十年後の七十五年には二三%ですから、おおむね四分の一弱というふうに、五十五歳以上の高齢者の割合が急速にふえていくという見通しになっております。 それから、下の第二表、「年齢階級別労働力率の推移と見通し」でございますが、いま御説明いたしました第一表の推計に使いました性別、年齢別の労働力率がどういう変化を示すと見通されるかということをそれぞれ示したものでございます。 その中で特徴的なことは、全体的に労働力率は年を経るごとに下がっていくということが、これは世界的な傾向でもございます。わが国の場合もそのような傾向を全体としてはたどるというふうに見ているわけでございますが、男女に分けますとそこに一つの非常に特徴的な動きがございまして、特に女子の場合、二十五歳から三十四歳ぐらいの層の労働力率が、昭和五十五年にはそれぞれ四九・二、四八・二というような率でございますが、これが六十五年には五二・九、四九・四、さらに七十五年には五五・七、五〇・四というふうにむしろふえていく傾向にあるというところが、男子の場合あるいはほかの年齢層と比べて逆の動きをしております。これは、いわゆる女子の職場への就業意欲というものが年々高まっておりますと同時に、家事にとられる時間も少なくなるといったような傾向等も加わりまして、今後この年齢層の労働市場への参入がふえてくるということでございます。 それから次をめくりまして、第三表が、労働力率を国際比較したものでございます。 総じて言いますと、日本の労働力率は外国に比べて高い、特に高齢者の労働力率が高いという結果になっております。労働力率といいますのは、人口の中で、現に就業しているかまたは就業の意欲を持ちながら職についていないいわゆる失業者、その就業者プラス失業者を人口で割った率でございますが、その労働力率は、ごらんのように日本の場合は、六十歳ないし六十五歳以上のところが五五・九あるいは二六・三%という率を示しておりますが、同じ年齢層の外国を見ますと、いずれも日本の場合よりも非常に低い数字が出ております。 逆に若年層、十五歳から十九歳層をごらんいただきますと、日本の場合一七・九で、外国に比べて若年層では労働力率が低くなっているという傾向にございます。これは、若年層の場合は特に教育、進学率の関係がございますので、外国に比べて進学率が高いといったことが大きく響いていると言われております。 他方、高齢者の方の労働力率が外国より高いのは、一つには、農家のような自営業世帯の場合には労働力率が非常に高く出るわけでございますけれども、日本の場合は、ここに並んでおります外国に比べますとまだ第一次産業のウエートが高い、農家の割合が高いということもございまして、それが労働力率を高くする一つの原因にもなっておりますが、勤勉さというものも一方であろうかと見られております。 それから第四表が「就業者の産業別年齢構成」でございまして、左に計として、全産業の中で各産業の就業者の占める割合を率として出してございます。つまりこれが平均的な割合になるわけでございますが、それに比べて五十五歳ないし六十五歳以上層の各産業の割合を見てまいりますと、特に農業の場合が、全体では全産業の中で九・七%の割合を占めるにすぎないのが、五十五歳以上になりますと、それぞれ二二・四あるいは三二・九%と、非常に高いウエートで高年齢層の中に高い割合が出てきているというところが一番特徴的なことでございます。それ以外に高齢者の割合が比較的多いと思われますのは、卸売・小売業のところが、たとえば六十五歳以上層ですと二三%ですから、計の方の二二・七を上回っているということでございます。 その辺が業種別に見た一つの特徴であろうかと思っております。 それから第五表が、「産業別雇用者数の推移」でございます。 国勢調査でもって五年ごとに見たものでございますが、特に五十年から五十五年にかけましての増減を一番右の欄「年平均増減率」でごらんいただくとわかりやすいかと思います。 そこで、まず大分類で見てみますと、製造業においては△〇・一%と、この五年間で、わずかでございますがむしろマイナスが立っているわけでございます。それに対して、ふえている産業といたしましては、その下の卸売・小売業の二・五%、それから金融・保険・不動産業の二・八%、それからその三つ下にサービス業の三・五%、この辺が絶対数の上でもまた率の上でも非常に高い増加を示しているわけでございます。 製造業をさらに中分類で見たものがその下にございますが、その中では、いわゆる不況業種と呼ばれる業種については、それぞれ△が立っておりまして、繊維の△四%、木材・木製品の△三・二%あたりが目立つものでございますが、他方ふえている方では、一番下から四番目の電気機械の三・二%、それから精密機械の二・七%といったところは増加の顕著なものでございます。 なお、自動車はその下から三番目の輸送用機械に含まれているわけでございますが、これは〇%と増減ございませんのは、他方で造船がこの輸送用機械のところに同じように含まれておりますので、相殺されてゼロというふうに出ているものと見ております。 それから第六表が、「年齢階級別就業者数及び雇用者の推移」でございます。 上半分に就業者数、それから下半分に雇用者数を表にしてございますので、両方を比べていただきますと特徴がわかるのでございますが、就業者は、雇用者のほかに自営業者、家族従業者を含んだ数字でございます。したがって、上の就業者数の構成比の五十六年のところをごらんいただきますと、十五−十九歳層は二・五、二十−二十九歳層は二〇・六というようにそれぞれ数字が出ております。それに対して、雇用者数の方の一番下の欄の五十六年の構成比をごらんいただきますと、十五−十九歳層が三・二%ということで、就業者の構成比よりも雇用者の構成比の方が高くなっております。それから二十−二十九歳層も、就業者は二〇・六%ですが、雇用者数は二五・二と、いずれも雇用者の割合が就業者の割合よりも高くなっている。 それに対して、高齢者の方になりますと、五十五歳から六十四歳層は、就業者数で一一・四%ですが、雇用者数では八・七%と、就業者の割合よりも低く出ており、六十五歳以上層では、五・一に対して二・六というふうに、いずれも高齢者の方では雇用者の割合が低くあらわれております。これは、それだけ雇用者以外の自営業者あるいは家族従業者といった人たちが高齢者層に多いということを意味するものであろうと思います。 それから第七表が、「年齢階級別完全失業者数及び完全失業率の推移」でございます。 まず(1)の方で実数を出してございます。昭和五十六年の年平均では百二十六万人ということでございまして、それを年齢階層別に数が示してございますが、失業率の方をごらんいただいた方がむしろわかりやすいかと思います。 (2)に失業率の方を表にしてございまして、五十六年で申しますと、平均では二・二%の失業率になっておりますが、年齢階層別に見た場合に、二十四歳未満では四・〇%、それから他方、五十五歳以上では二・八と、平均よりもいずれも高くなっております。むしろ若いところで四・〇という高い失業率が出ている点が意外に思われるわけでございますが、若年者は転職の頻度が高いものですから、転職をする場合に、若干なりともタイムラグがあって、失業としてあらわれるケースが多いということが一つきいておりまして、それで高くあらわれるというふうに言われております。ですから、その場合はちょっと特殊な事情があるわけですが、それ以外は、特に高齢者について高く失業率があらわれているのは、それだけ再就職がむずかしいということをあらわしているものというふうに理解をいたしております。 それから第八表が、「年齢階級別職業紹介状況」でございまして、これは公共職業安定所の窓口に申し込まれました求人求職の状況をあらわしたものでございます。 まず有効求人倍率を年齢階層別に見ましたものが(1)の表でございます。これは年一回ですが、毎年十月時点で年齢階層別に見ております。昭和五十六年の数字で申し上げますと、全部の年齢階層を通じた平均は〇・七二倍の求人倍率でございますが、年齢階層別に見ますと、若年層ほど求人倍率が高くて、高齢者になるほど求人倍率が落ちていく。それだけ高年齢層の求人が少ないということで、再就職のむずかしさをあらわしているわけでございます。 右半分には就職率をあらわしております。就職率といいますのは、有効求職者の中で就職したものの割合ですから、率としては低くあらわれるわけでございますが、やはり就職率も年齢が高くなるほど、どちらかといえば下がる傾向がはっきりと出ております。 それから(2)が百人単位になっておりますのでわかりにくいかと思うのでございますが、上の表で、就職率はたとえば四十五歳以上層が平均三・九%と出ておりますが、それを男女別に見ますと、就職件数は、一番下の右の欄にございますように、男が一万五千六百、女子が八千三百。これはちょっと率を出してございませんけれども、率にいたしますと男子が四・一%、女子が三・五%、若干女子の方が低くあらわれております。 それから次が第九表でございまして、「高年齢者の就業の実態」でございます。これは五十五年に労働省で調査いたしました高年齢者の就業等実態調査の結果でございます。非常に細かい表で見にくいかと存じますが、むしろ下の(2)の表をごらんいただいた方がわかりやすいかと思います。 これは、年齢階層別に五十五歳−五十九歳、それから六十歳−六十四歳、六十五歳−六十九歳まで、そういう三つの年齢階層別に、それぞれの階層の労働者の就業意識、希望というものを調べたわけでございますが、そこで特徴的なことは、年齢階層が高くなるほど就業希望の形が多様化してくるということが出ていようかと思います。 その一つは、たとえば任意就業が、年齢階層が高くなるほどだんだん割合としてふえてまいりますが、この任意就業といいますのは、上の(1)の表の注にございますように、「「近所の人や事務所などに頼まれたりして、随意に行う仕事をした」者をいう。」こういうことになっております。つまり一つの拘束された形でフルタイムの労働をするということじゃなくて、頼まれたらそのときにやるというような比較的自由な形での就業ということでございます。そういう任意就業が年齢階層が高くなるほどふえてくるということ。もう一つは、同じ雇用労働でも短時間勤務、フルタイムではなくてパートタイムのような短時間勤務につきたいという人がふえてくる。それだけ、反面、フルタイムの普通勤務の希望者が減ってくるというような点が、就業希望の形態の特徴であろうかと思います。 それから第十表が、定年制の数字でございまして、(1)の表は一律定年制における定年年齢別の企業数を見たものでございます。これは毎年労働省で雇用管理調査として一月現在での調査をいたしておりまして、ここに注には書いてございませんが、この数字は五十六年一月の数字でございます。括弧内の数字はその一年前の五十五年一月の数字でございます。 まず、調査産業計で見ますと、五十五歳の定年制をしいている企業の割合は三八%ということになります。その一年前の五十五年には三九・五%でしたから、三八%まで割合が低下したということになります。一方、六十歳以上の定年制をしいている企業の割合は四二・六%でございまして、前年が三九・七%ですから、四二・六%まで六十歳以上の企業の割合がふえたということになるわけでございます。 その下の欄に企業の規模別に見た数字が出ております。その中で一つ特徴的なことは、五千人以上は、たとえば五十五歳が三〇%であるというふうに五十五歳が比較的少なくなっているのですが、三百人から九百九十九人、あるいは百人から二百九十九人、この辺のところがまだ五十五歳定年の企業の割合が高く出ております。ただ、百人から二百九十九人の方は六十歳以上の方も三四・九%くらい出ていますが、三百人から九百九十九人の階層では六十歳以上もまだ二八・四%、一番低く出ているというところで、企業の規模別に見ますと、この辺が比較的定年の延長がおくれているグループであるというふうに見られるわけでございます。 産業別に見ました数字がその下の欄にございまして、五十五歳定年の割合の多い産業としては、ここにごらんのように卸売・小売業、あるいは金融・保険業といったところが、特にまだ五十五歳の割合が高いという数字になっております。 同じ雇用管理調査の中で、現在まだ五十五歳定年だけれども、近い将来定年年齢を改定することをすでに決定しているかあるいはまた予定している企業、そうしたものもあわせ調査しておりまして、それを合わせた数字が下の表に載せてございます。 それでいきますと、一番上の合計欄をごらんいただきますと、五十五歳定年の企業の割合は二八・四%となっております。先ほどの上の表では三八%でしたから、それが近い将来の分まで見込んで数字を計上しますと、二八・四というふうに低下するということでございます。それに対して、六十歳以上の企業の割合は五三・七%でございます。上の表では四二・六%ですから、近い将来見込めば約半分ちょっとの企業が六十歳以上の定年を近い将来実施されるということになるわけでございます。 これを企業の規模別に下にそれぞれ欄を設けて示しておりまして、特に顕著なのは、五千人以上のマンモス企業では六十歳以上の割合が七三・五%で、約四分の三が近い将来六十歳以上の定年制を予定する、こういう形になっております。その前の三百人から九百九十九人の層が、六十歳以上の割合を見ましても五〇・九というようなところで、その辺はまだ取り組みが比較的おくれているというふうに見ることができようかと思います。 次の十ページには、「一律定年制の定年年齢の推移」を年別にずっと並べてございます。これはわかりやすく表にしたものでございます。数字そのものはいま御説明したような数字でございます。 その次に第十一表が、定年ではないのですが、定年に達した人を引き続き雇用するとか、あるいは一たん退職して改めて再雇用するという、いわゆる再雇用ないしは勤務延長制度をとっている企業がどのくらいあるかというのを見たものでございます。 一番上の欄をごらんいただきますと、そういう再雇用あるいは勤務延長といったような制度がある企業が八一・六%、ないところが一八・四%。定年制を持っている企業の中で八割方が再雇用あるいは勤務延長制度を持っているわけでございますが、その再雇用と勤務延長の中では、右の欄にございますように、再雇用制度のみ持っているところが六〇・五、勤務延長制度のみのところが二六・四、両制度併用は一三・一。どちらかといえば再雇用制度の方がウエートが相当高い、こういうふうになっております。 業種別数字では、その下の欄に掲げてあるようなことでございまして、その中で金融・保険業あるいは運輸・通信業、サービス業といったようなところが、ほかの業種に比べますと率としては低いということでございます。 それから第十二表が、「高年齢者雇用率の状況」でございます。これは中高年齢者の雇用促進の法律に基づきまして、毎年六月一日現在で各企業から職業安定機関に高齢者の雇用状況を報告いただいたものをまとめたものでございます。 それで、五十六年六月現在の状況を数字にいたしてございますが、法律では六%の努力義務が高齢者の雇用率として規定されております。昨年六月一日現在の雇用率の状況は、その表の真ん中にございますように六・六%ということで、全体としては法定の雇用率六%を上回っているのですが、これは企業によって非常にでこぼこがございまして、雇用率以上に相当雇用している企業と、そうじゃない企業とございます。法定雇用率に達していない企業の割合が、その右の方の欄にございますように、昨年六月一日現在で四九・四%。まだ半分近くが未達成ということになっております。ただ前年が未達成企業の割合五一・八%でございましたので、それから見ますと、わずかながらではございますが、低下傾向にあるということでございます。 で、企業の規模別に雇用率の状況を見たものが第二表でございまして、これは規模が小さくなるほど雇用率が高くなっている、同時に未達成企業の割合も規模が小さいほど低くなっている、こういう傾向にございます。 それから、第三表は産業別に見たものでございまして、雇用率の高いものは農林漁業、それから建設業、それと一番下のサービス業あたりが非常に高くなっておりまして、製造業あるいは卸売・小売業あたりはまだまだ低いという姿になっております。 次の十三ページの(2)の表は、その実雇用率の時系列的な推移をわかりやすく表にしたものでございます。 第十三の表は、これは現在高年齢者の雇用対策として行っております施策をわかりやすくまとめたものでございまして、対策の柱としては、「定年延長の促進」、それから「六十歳台前半層の雇用対策」、それから「高年齢者の再就職の促進」、次のページヘめくっていただきまして、「中高年齢者の職業能力の開発」、こういった四本柱で対策を進めてきているところでございまして、それぞれについて、右の方に書いてございますような対策を従来からとっておりますし、さらに新年度五十七年度からもそうした面の充実を図ってやるということで進めているところでございます。 以上であります。
○竹内小委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○竹内小委員長 引き続き質疑に入りますが、質疑はただいまの資料説明の範囲にとどめたいと存じますので、御了承願います。 なお、議事の整理上、質疑を希望される方は、その都度挙手をして小委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。どうぞ質疑があります方は御自由に挙手を願います。
○金子(み)小委員 十二ページですか、法定雇用率の問題と、それからそれを達成しているかしていないかという問題ですけれども、これは私、質問のときにこれを出してお答えは一応いただきました。さらにもう少しと思っておりましたけれども、時間がないのでやめましたが、法定未達成企業は、規模が大きければ大きいほど未達成率が高くて、要するに雇用してないということなんですね。小さい企業ほど一生懸命雇用しているという数字がここに出ているわけです。その理由は何だということをお尋ねしましたら、きのうの御答弁は、大企業は大卒をすぐそのまま入れることが多いからということだったのです。果たしてそれだけでしょうか。私は、その辺のことをもう少し掘り下げて理由を伺いたいと思うのです。
○小粥政府委員 一つは、大企業はかつての人手不足の時代に、大卒に限りません、高卒なんかも含めまして、学卒をたくさん入れたわけでございます。それに対して中小企業の場合は、新規学卒が採用できないので、言うなれば中途採用という形で、中高年齢者も雇用していたわけでございます。それが雇用率としては高くあらわれている一番大きな一つの原因だろうと思います。 それともう一つは、中小企業の場合には必ずしも定年制をしいていない企業もあるわけですが、大企業の場合は大方定年制をしいておりまして、それが、定年延長を順次進めてはおりますけれども、まだ六十まで届いていないところも相当あるという状況から、定年制をしいている企業の割合が高いというのも、企業の規模別にこうしたはっきりした傾向が出てきている原因であろうと思います。
○金子(み)小委員 続けて、関連ですけれども、それだけじゃ、そうですがと納得しにくいのです。それもあるだろうと思いますけれども、もう少し掘り下げた理由として、たとえば生産率の問題だとか、高齢者を入れると能率が上がらないという問題もあるのじゃないですか。
○小粥政府委員 これは職種によっていろいろ違う面があろうかと思いますけれども、御指摘のような点は、たとえばきつい労働なんかの場合にはあろうかと思います。大企業の場合は、それを定年制で切って、そのかわりに若い人が入ってくるという形でやっていたわけでございますけれども、最近は雇用率、それから定年延長の問題もいろいろ企業で対応を考えております。たとえば高齢者向けの仕事をどういうふうにしつらえたらいいかというようなことも、まだ余り幅広くは行われておりませんけれども、そういう傾向も出ておりますので、そうした面は順次大企業の方でも努力はされていくものと思っておりますけれども、いままでのところは御指摘のような点もあると思います。
○金子(み)小委員 高齢者事業団みたいなものがありますね、高齢者研究事業団ですか、ああいうところに高齢者の人たちを送って、そちらの方で解決していこうとする傾向があるのじゃないですか、企業できちっと採用するのじゃなくて。
○小粥政府委員 高齢者事業団の場合は、これはもう企業から完全に離れてしまった人でございますね。そうじゃなくて、高齢者向けの仕事を行う一つの子会社みたいなものをつくりまして、それに定年に達した人を送っていくというのはございます。
○金子(み)小委員 それは企業側がでしょう。
○小粥政府委員 そうでございます。
○金子(み)小委員 私が言っているのは政府の政策としてですよ。
○加藤(孝)政府委員 政府の政策としましては、そういう人たちをそこへ送り込むということではなくて、先ほどの資料の説明にございましたように、六十歳あるいは六十五歳過ぎてまいりますと、任意就業という希望者も大分ふえてまいります。そういう方たちの就労の場としてシルバー人材センターというのを一昨年から始めておるわけでございまして、そこへ送り込むことを政策にしているのじゃなくて、そういう任意就業の希望者たちに何とか就労の機会をつくりたいということで、地域社会の仕事を集めてそういう任意就業希望者に提供するシステムを開発しておるということでございます。
○金子(み)小委員 私の伺い方が少々ひねくれているのかもしれませんが、任意就業の率が高いというのは、結果的な問題なんじゃないですか。
○加藤(孝)政府委員 これは私どもが、たとえばシルバー人材センターの会員になっておられる方たちのお話をいろいろ伺いましたりなんかします中でも、やはり定年などで会社をやめた後で、これ以上人に使われるというようなことじゃなくて、ある程度自分で任意に仕事を選んで、そしてまた、仕事をしたいときにやるような働き方を選びたいというのは、現実に相当あるわけでございますので、決してそういうふうに追い込んでいるというものではないと思っております。
○金子(み)小委員 ありがとうございました。
○森井小委員 一番最後のページ、高年齢者雇用の四本柱ということなんですが、一番上の「定年延長の促進」というところで、「大臣名による要請」というのがありますけれども、どの程度効果があるのかということを少し疑問に思うわけで、この点、具体的にはどういう形で、いつお出しになるのか。きのうもちょっと答弁出ておったようですけれども、御説明していただきたい。 それから、こういう行政指導もだけれども、六%の雇用率の達成というのは、やはり精神規定ではだめだと思うのです。だからそこで身障者と同じような、つまり納付金等の事実上のペナルティーを科すような方法を考える時期にも来ているんじゃないかということが一つ。 それから、高齢者といっても五十五からですよね。われわれ一番関心の高いのは、むしろ六十歳以上の人を何人雇うか。五十五から六十まではまあまあどうにかなると思うのだけれども、数字の設定に当たって、諸外国の例もよくわかりませんから説明をしてほしいのだけれども、六%という数字ができるのかどうかということと、五十五以上からカウントするということが、現状から見てどうも実態に合わないという感じがするけれども、その点についてはいかがなものか。 以上です。
○小粥政府委員 まず、定年延長について、大臣名による要請書を出すという点、これはすでに三月の中旬に出しております。三百人以上の企業が大体八千近くあるわけでございますが、四千くらいの企業に対して出したところでございます。それぞれの企業に対して、定年延長の取り組みをお願いすると同時に、六十年六十歳定年の一般化を政府としての方針に掲げておりますので、今後三年間の各企業の定年延長に対する取り組みの考え方を、あるいは五月までに、また安定機関の方にひとつ聞かしていただきたいということもあわせてお願いしているわけであります。 それがどれだけの効果があるかという点は、企業によってまたいろいろ受け取り方があろうかと思いますが、そういうようなやり方は行政指導としても行き過ぎじゃないのかという声も、新聞にも一部報道されましたように、動きもございまして、ある意味ではそれだけに効果もあるのではないかというふうに考えておるわけであります。 それから、雇用率を単なる訓示規定じゃなくて義務化すべきじゃないかという御指摘でございますが、これは企業の場合、特に新しい企業などは従業員の年齢構成が若いところがあるわけでございます。そうしたところは、六%なら六%の雇用率を義務化した場合は、いまいる人を整理してかわりに高齢者を雇わなければそれは達成できないというような、ちょっと無理な形もいろいろ出てくる面があるわけであります。むしろ雇用率そのものは定年延長を進めていくための一つの背景づくりといったことが法律改正で規定されたときの趣旨にもあったものでございますから、できるだけ定年延長を進めるための一つの力にもしていくということで、行政的にもいま活用しているところでございます。 同時にもう一つは、義務化をいたしますと、身体障害者の場合には納付金制度その他ございますが、高齢者は、すべからくみんな高齢者になっていくわけでございまして、その場合、年功型の雇用賃金慣行は、日本の場合、特に大きい企業では一般的であるわけでありますから、したがって雇用率を義務化すれば当然その雇用賃金慣行を一体どうしたらいいか、これはむしろ労使の問題としてお話し合いをいただかなければならないわけですけれども、それを法律的に義務づけるかっこうにするのはいろいろな摩擦を生ずるのじゃないかという意味で、私ども義務化というのは必ずしもまだ適当じゃないのじゃないかと考えているわけでございます。 ただ、それは三年前の国会でございますか、定年延長の法制化の問題もありまして、高齢者の雇用率の義務化もある意味では共通する面もございますので、現在雇用審議会でも法制化の問題についての議論を継続していただいておりますので、これはことしの夏ぐらいまでに何らかの方向づけが出てくるのじゃないかと思っております。それを踏まえて対応してまいりたいと思っております。 それから、五十五歳という年齢の切り方が適当かどうかという点は、これは雇用率をつくりましたときには、まだどちらかと言えば五十五歳定年が一般的であったという姿のもとで五十五歳以上とやったわけでございますが、仮にこれが昭和六十年六十歳定年が一般化されるという事態になってまいりますと、その時点でなおかつ五十五歳以上でとらえていくのが雇用率の制度として本当に適当なのかどうかという点は、いろいろ問題も出てまいろうかと思っております。その時点で改めて雇用制度のあり方というものを検討する必要があろうかと思っております。
○米沢小委員 六ページと七ページに関連して少し質問をさせてもらいたい。 昨日も私、質問いたしましたが、第四次の雇用計画というのは、五十五年から六十年の計画期間中に目標を達成しようという努力目標でしょう。そう考えていいですね。そうなりますと、五十五、六年、五十七年も大体似たようなものだという話ですが、全然目標率を達成してないですね。そうでしょう。たとえば失業率一・七%、有効求人倍率一・〇に近い水準、こう言いますけれども、各年度においてこの水準を達成するようにあなた方が努力するということでしょう。 たとえばいま失業率は、これを見ますと二・二%ですね。ですから一・七%が目標であるならば、この差を失業者に換算して約三十万人、三十万人を何とか就職させようという努力をあなた方がするというのが雇用計画じゃないのかな。結果論をただ数字に書いて統計官庁みたいな顔をしておるけれども、これは問題だと思う。計画期間中にこの目標を達成するために、目標に近いところまで皆が行政努力をしてくれるということじゃないかな、計画というのは。結果論を書くだけじゃないはずだ。したがって、たとえば失業率一・七%が目標であるならば、いま二・二%だから、その間の差約三十万人ぐらい、全国で三十万人だよ、それぐらいをどこかで就職させる努力をあなた方がするのが目標、計画というやつじゃないかな。それをしてないで、経済成長がどうだ、こうだと言うのはおかしいと思う。逆に言うたら、経済成長率がいかにあれ、三十万人ぐらいの人間は悪くなったらそれだけふやす、つくってあげるという、そのことに努力しますという宣言をしたのが雇用計画じゃないのかな。
○小粥政府委員 失業率の一・七%という目標は、単に雇用対策基本計画だけじゃなくて経済社会七カ年計画でもうたっているわけでございます。それは、いわゆる失業者をどう減らしていくかというのは、雇用対策として個別に対応する問題もございますが、一方で全体の総需要というものをどう持っていくかによって失業を減らしていくという経済政策としての目標の性格もございますので、両方あわせて何とかその計画年度内に一・七に持っていこうということでやっているわけでございますから、御指摘のように一・七で達成するための努力は、経済政策の面においても、また雇用の面においても、当然やっていかなければならないものと考えております。 ただ、一挙に毎年一・七%にすぐ持っていかなければならないといいますのは、これは全体の経済の情勢その他がございますから、直ちにというのは正直申し上げてなかなかむずかしい面があるわけですけれども、方向としてはそういうことで、御指摘のように一・七%を何とか六十年までに達成するように努力していこう、こういうことで考えております。
○米沢小委員 そういうことを言われると、実質経済成長率を高くするというのはそれは経済官庁が一生懸命努力すること、それでできない部分にあなた方のしなければならない部分があるわけだな。そして相まって一・七%失業率ぐらいのところに到達させよう。計算するならば約三十万人ぐらいですね。経済成長の方にみんな責任をおっかぶせていくのはそれは問題だと思う。経済成長率は経済官庁でやってもらいたい、同時に、もし三十万人の失業者を本当に雇わなければ一・七にならないのだったら、その分だけ雇用創出でもしようというような気持ちでつくってもらわないと、いつまでたっても計画なんか達成できない。 たとえば昭和六十年の時点だけで一・七の失業率、一・〇の有効求人倍率になったときに、第四次計画は成功しましたということにはならないわけでしょう。計画期間中が問題であって、たまたま六十年時点にそうなったから第四次計画がうまくいきましたという議論じゃないでしょう。動いているわけだからね。
○小粥政府委員 考え方としては常に一・七の状態が達成されることが望ましいことはおっしゃるまでもないわけであります。ただ、計画で一・七%掲げましたのは、かつてはもっと低い失業率だったのがオイルショックの後で非常に高くなってきた。それを計画期間中、つまり六十年までには何とか一・七に持っていくようにしよう、こういう政策目標として掲げたわけでございますので、毎年度常に一・七でなければならないというのは正直言って辛い面があるわけでございます。 ただ同時に、もう一つ経済政策の方に全部任せっきりでのほほんとしているのじゃないかというような御指摘かと思いますけれども、実は経済見通しあるいは経済政策、どうあるべきかという政府の毎年の経済運営の基本的な態度をまとめます際にも、労働省の立場では、雇用政策の観点から、たとえば次の年度には全体の雇用情勢を見て高い成長率を少なくとも維持してもらいたいというような働きかけは、いろいろやっているわけでございます。それと相まって、総需要喚起政策でもおのずから限界があるわけでございますから、足らない点は当然雇用対策の面でカバーしていかなければならないという意味で、それぞれ再就職の促進その他、雇用対策としては毎年予算をお願いして充実させていこう、こういうことでやっております。気持ちとしては、何とかこの目標を達成させていくようにしていきたい、こういうつもりでやっております。
○米沢小委員 六十年までには、じゃないんだよ。六十年の時点で瞬間的になったって何にもならぬじゃないか、その次がおかしくなったら。計画というのは、計画期間中にその目標を達成するように毎年努力するということだろう。六十年だけうまくいけばいい、そんな話じゃないよ。間違いだ。 それからもう一つ、定年の話ですが、この九ページを見ますと、「今後改定することが決定又は予定がある企業」まで入れて、たとえば六十歳以上は合計で五三・七%ありますね。いま皆さんが、おおいどうするんだと言ったときに、あと二、三年のうちに定年を六十にするんですと答えますから、実際に彼らがやるときにはほとんど六十年になっていると思いますよ。賃金の関係がある、人事管理の関係がある等々で、二、三年したら六十歳にやります、こう答えるはずですね。それを入れても五三・七%ですからね。ですからあとの四六・三%というものは六十年前後ではほぼ残るということだよ。そう思わないとおかしいな。これで、昭和六十年の時点で六十歳が一般化する、そんな強弁をするのはおかしいと思うのだ。結果論としてやはりだめでしたということではだめなんです。 予想するところ、六十年までに定年六十歳以上にしましょうというのが大体五三%か、ふえてもあと二、三%だな。あと四〇%は必ず残るとぼくは思うのだ。その分は一体どうするのだと言いたい。個別企業に一生懸命頭を下げて何とか頼みますと言うけれども、できないのが四割以上残ると思うのですよ。あなた方は何か促進されるような要因があると考えているのかな。
○小粥政府委員 表にも示してございますように、最近数年間での六十歳定年の割合はだんだんふえてきているわけでございまして、これが同じ傾向でいったからって間に合わないじゃないかという点はあるいは御指摘の点があるかと思いますけれども、私ども個別企業を実際呼んでやりまして、できないところ、考えていないところははっきり考えていないと言います。予定しているというのは、少なくとも、たとえば労使ですでにそういう話をしているとか、あるいは会社の方針として取締役会等でそうしたことを決めて今後組合と詰めていくことにしているとか、そういうものを掲示をしているわけでございます。いまのところ考えていないけれどもあれこれ言われれば考えてみなくちゃいけませんかなというのは、実は余りまだ高年齢者を企業が抱えていないためにそういう切実感の乏しいところがあることは事実でございますけれども、それは四〇%とかなんとかいう大きい数ではないと私どもは見ております。と同時に、毎年春の労使交渉の中でも定年延長の問題が取り上げられる頻度も高くなってきていますから、大体この五三・数%で頭打ちじゃないかということは決してないと私どもは考えております。
○米沢小委員 いまから考えましょうとか労使交渉中でございますといっても、一、二、三でできるものじゃなくて、二、三年かかるのですよ。だから、その分は六十年くらいまでにできるだろうと見込んで五三・七%という数字がもしわかったとしても、その他の部分について六十年ぐらいに一挙に機運が盛り上がって、さあやりましょうということになるのかなと思うのだ。こんなぺースだったら、たとえば昭和七十年くらいだったらまだわかるよ、いまのペースで昭和七十年六十歳定年一般化だったら。しかし六十年に六十歳定年一般化なんていうのは、こんなペースでいったらできるはずがない。 全然考えていないというのは何%ぐらいあるのですか。
○小粥政府委員 私は四十社くらいやりましたけれども、その中で三、四社でした。
○米沢小委員 パーセントだとどのくらいですか。
○小粥政府委員 一割ぐらいの見当だったと思います。
○米沢小委員 問題は、六十年の六十歳一般化というのが達成されても達成されなくても、あなた方は何も責任を感じないということだよ。そうでございましたと言うだけだ。それが問題だと言うのだ。
○小粥政府委員 政府としては、閣議で決定した計画の中で示している政策目標でございますので、当然、その達成に向けて努力する責務をまた負っているわけでございます。そのつもりで取り組んでいくつもりでございます。
○米沢小委員 あなた方は統計官庁じゃないということだけ認識してもらいたい。
○川本小委員 第三表かどこかに出ていましたが、就業人口の国際比較、就業人口というと、先ほどお話しのように、農業人口等が入ってきて、雇用者数ということになると、国際比較はこの表ではわからないわけですね。だから、雇用者数についての国際比較の表、データはないですか。
○小粥政府委員 いま手元には用意してございませんが、雇用者数でも国際比較はできますので、必要でしたら調製いたします。
○川本小委員 その雇用者数の国際比較について、五十五歳以上−五十九歳、六十歳以上−六十四歳、そういうようなところでは、西ドイツとかアメリカとかフランスとかいうところと比較して、現在日本はどうなっておるのですか。
○小粥政府委員 年齢階層別に見た雇用者数の国際比較の表は、実は私どもまだ見たことがないのでございますけれども、それにかわるものとして労働力率の数字がございますね。現に就業している雇用者の実数はこれからは出てまいりませんが、どれぐらいの労働力率かというのはこの国際比較の表にも出ておりますのである程度の見当はつくのでございますが、年齢階層別に実数を国際比較したものは、実は私ども、いままでのところ、手にしておりません。
○川本小委員 そこで、先ほど金子先生も森井先生もおっしゃいましたが、われわれが問題にしなければならぬのはやはり五十五歳以上だ。そこで、五十五歳以上あるいは六十歳以上というような高齢者の雇用という問題についてですけれども、先ほど来いろいろ議論がされていますように、いまの制度のままではなかなか雇用率の達成というのは、特に大企業においてされてない。だから大企業における雇用率の達成をさせるようにどのようにやっていくのかというのがいまの行政指導だけで十分なのかどうかということになると、十一表でも出ています。十一表の「再雇用、勤務延長制度の状況」というので、五千人以上の規模のところでいわゆる再雇用あるいは勤務延長制度がないというのが二八・五、千人から四千九百九十九人で二三・九ですか、これは非常に不満足な数字だと思うのです。こういうところに対してはどのような指導をやっていますか。
○小粥政府委員 指導の考え方としましては、まずは六十までの定年延長をやってくれ、こういうことを第一義にしておりまして、それに届かない場合、すぐにはできない場合に、次善の策として再雇用あるいは勤務延長制度でつないでほしいというふうにやっておりますが、五千人以上の大企業の場合は比較的、先ほどの定年延長の数字にもございましたように、六十歳定年の割合がほかの規模階層に比べますとふえてきておりますので、反射的に、逆に言えば再雇用あるいは勤務延長制度のない企業の割合が多く出る面はあろうかと思います。 それから、ただ、今後、当然六十歳以上層の雇用問題が重要になってまいりますので、六十まで届いたからそれでもいいということじゃなくて、私ども、さらに六十を超える年齢層についても雇用機会をちゃんとつくるように、それは定年延長に限りません、再雇用、勤務延長を含めまして実質的に雇用の場が確保されるように、たとえばことしの一月から高齢者の雇用開発、雇用機会確保助成金といった制度も新設いたしております。そうしたことで、六十歳を超える年齢層についても雇用の場が得られるようにしていこう、こういうことでやっております。
○川本小委員 現在のわが国の高齢者雇用の実態というものをわれわれが末端の現場で見ていましたら、官公庁とか千人以上、五千人以上という大企業を定年でやめた人たちが、今度は三百人以下、百人以下という中小零細企業に再就職をしているわけですが、いろいろなデータを見てもおわかりのように、九十九人以下という零細企業においての高齢者の雇用率というものは非常に高いわけですね。その高いというのは、そういう形で大企業とか官公庁が高齢者をいろいろな制度で切り捨てていく、その人たちを今度は若手がなかなか働きに来てくれない中小零細企業が雇用して仕事をしておるというような形になっておるからで、これは諸外国に比べてわが国の特徴的な面としてあらわれておるのではないかと私は思うのですが、その辺はどうですか。
○小粥政府委員 御指摘の点はあると思います。特に大企業の従来の労務管理は、五十五なら五十五の定年で退職する人を会社のあっせんで系列会社あるいは子会社あるいは下請といったところへ第二の就職の場を用意して回すという形をとっておりましたから、そういう傾向はあると思います。そしてその点は、今後も同じ方式でやれると企業が思っているとすればそれは決してそうはいかないということは私どもも企業に対する個別指導の中で言っているわけでございまして、それなりに理解をしていただいている範囲がふえてきているとは思っております。まだ全体に完全に浸透しているというわけにはまいりませんけれども、徐々にはそういう傾向がはっきり出てきていると思っております。
○川本小委員 そこで、いまおっしゃったけれども、大企業とか官公庁をやめた人が中小零細企業へ行って就労して高齢者の雇用をある程度充足させているわけですが、そういうことがいつまで続くのかということについては大きな問題がある。やはり中規模以上の大企業が高齢者を雇用したり勤務延長をしたりという形をとっていかない限り、最終的には高齢者の雇用というものを達成することはできないのではなかろうかと思うわけです。 そのためにはどうあるべきか。いままでのような形をほうっておいたら、中小零細企業で受け入れられる間はいいですけれども、そこで飽和状態が来たときには全部先ほど御説明のような不安定雇用に回らざるを得ないということになるのじゃないか。だから、高齢者に不安定雇用が多いからそれでいいのだということではなく、それは就労者、労働者の方が希望しているからだと先ほど部長はおっしゃいましたけれども、私はそうとばかりは言えないと思うのです。そういうふうに追いやっていく政策であってはいけない。だから、フルタイムで仕事をしたいという方々についてはその雇用の場が確保できるような施策というものがなければ、先ほど米沢議員が言われるように統計に終わってしまうので、その辺でひとつ前向きの取り組みをあわせてお願いしたい、このように思います。
○小粥政府委員 先ほどもお答えしましたように、いままでの労務管理のやり方では高齢者の雇用問題は解決しないという面がございますので、御指摘のような点も含めて私どもいま取り組んでいるところでございますが、今後ともやっていきたいと思います。
○深谷小委員 失業率は諸外国と比べるときわめて安定した状態にあるし、若い人たちの失業が少ないという点は労働省の御努力だと思います。ただ、問題なのは沖縄ですね。沖縄だけはヨーロッパ並みの非常に高い失業率で、しかも若年層に多い。これの雇用創出促進についてその後どんなふうな動きをやっておりますか。
○小粥政府委員 御指摘のように沖縄は本土全体の二ないし三倍近い高い失業率なのですが、その中できわめて特徴的なことは若年者の失業者が六割近くもいるということでございます。そこで、結局沖縄の雇用失業対策としてまず若年失業者が多いという実態をどうとらえていくかということで、実は今年度は第二次の沖縄振興計画策定の時期でございますが、それをにらんで、雇用対策の面では特に若年者を対象とする職場適応訓練を新しく沖縄について実施をしようということで、すでに予算化もいたしました。 従来職場適応訓練は、どちらかと言えば中高年の失業者の人が新しい職場につくためにはそれなりの適応訓練が要るということでやったわけでございますが、沖縄の場合は一たん本土へ就職してもすぐ沖縄へ戻るというような傾向もございますので、職場定着の面でいろいろ問題がありはしないか、それを事前に職場適応訓練という形で実際に企業の中で働く形で定着を図っていくということで、五十七年度からやるようにいたしております。
○深谷小委員 各省庁の関連の代表者を集めて第一回の連絡会議をやりましたが、あの後はどうなんですか。というのは、沖縄の雇用創出の中で一番重要な部分は沖縄産業の振興なんですよ。これは労働省だけでなくて通産省が一番大事な所管庁ですから、よほど連絡調整をしていかないと幾ら啓蒙活動をやっても成果は上がってこないのですね。そこでその連絡会議の動きがその後どうなっているか。
○小粥政府委員 第一回を東京でやりました後、第二回を現地でやりまして、さらに第三回を先月東京の方でやりました。まあ、一つの議論の場でございますので、それでは具体的にこういうことをすぐやろうという形にまでまだまとまってはおりませんが、その中での議論は、沖縄で消費するいろいろな消費財その他が沖縄で生産されないで外から相当入ってきている、観光のおみやげその他にしても沖縄名産といいながら外から入ってきている、こういうようなことがありますので、沖縄で産業を興すとすればまずは近代的な企業を誘致するというようなことも一方にはございましょうけれども、立地条件等の面からなかなかむずかしいとすれば、さしあたってそうした外から移入している品々を沖縄自体でつくれないのかということに焦点を当てていま議論が進められているというところが一つの傾向でございます。
○深谷小委員 私は別に沖縄じゃないのですが、沖縄に非常に関心を持っていますのは、失業率が非常に高い。いまでも六%以上でしょう。そして若年層である。この辺が解決されないために、先ほど米沢議員が言われたような労働省に対する不信感というのが具体的に数字であらわれてしまっているのですね。この間の週刊新潮には労働省不要論まで出ている。若林さんがちゃんと答えていましたけれども、そういうふうな傾向でいくと、たとえば雇用創出などは通産省にやってもらえばいいじゃないかということになるので、そうなるとこよなく労働省を愛する者としては非常に残念ですから、具体的な成果を上げるように努力を続けていただきたいということを特に注文しておきたいと思います。
○小粥政府委員 ありがたいお励ましをいただきましてありがとうございました。がんばるつもりでおります。 特に沖縄については、先ほど言いました若年者の職場適応訓練のほかに、今度全国的に試験的にやることにしております地域雇用開発推進事業の対象に沖縄も取り上げまして、そうしたところからも手をつけていこう、現実的にやっていこうというふうに考えております。
○浦井小委員 議論も大分出ていますから重複した部分は避けますけれども、委員長、追加資料として、いま国際比較の問題なども出ていましたが、たとえばこの資料に応ずる失業者数、失業率それから定年制とか、そういうものがどうなっているかという資料をひとつわかりやすいかっこうで出していただきたいと思うのです。それが一つ。 それから、最も単純に言えば、雇用による所得がなくなれば次は所得保障というかっこうで年金に移るわけですね。ところが日本では厚生省と労働省に所管が分かれておって、そのコンジャンクションのところがなかなかうまいこといかぬわけなんですが、こんな機会ですから、労働省でも厚生省でもいいのですが、諸外国でそういう定年制の問題と、それから所得保障、年金の問題とがどういうふうにつながっているかというようなことを少しシェーマみたいなかっこうとか、文章が入っても結構なんですけれども、お話を聞いて、そういう資料をつくっていただきたいなという感じを持ったわけです。 それで、それに関連して、いつからですか、労働省と厚生省で高齢化対策ということで懇談会を持たれているのですかね。その後それがどういう議論をされて、そして何かここへ出せるような資料があるなら出していただきたいということです。
○小粥政府委員 まず、厚生省との懇談会は、たとえば厚生省の人口問題研究所で新しい人口推計をしたものが出ましたけれども、そうしたものについてどう見ていったらいいかとか、そうした基礎資料の検討も含めてやっております。ですから、特にそこに新しい資料としてどういうものを出しているということはございません。いままでのところですと、人口問題研究所の資料なんかが新しいものかと思います。 それ以外に国際比較でございますけれども、一つの表でわかりやすくというのは、実は外国の定年制のあり方がそれぞれ違うものですから、同じように表現することはむずかしいのでございますが、コメントつきで、たとえばある国はどうなっているというようなことでよろしければ、それは調製できると思います。
○浦井小委員 そういう資料で、文章の入ったもので結構ですから、われわれの頭の中に入るようなかっこうで、図表も交えてつくっていただきたいと思います。 それから、その懇談会はやっていないわけですか。
○小粥政府委員 最初に資料の方ですが、たとえば労働協約でやられているケースが外国の場合非常に多いものですから、全部を尽くして調製するというのは、資料をつくるのはなかなかむずかしいのでございまして、わかる範囲でということでよろしければ、それはやれると思います。ただ、ちょっと時間をかしていただきたいと思います。 それから、厚生省との懇談会は継続してやっております。
○浦井小委員 そこでどんなことが議題になって、そこでどういう中間的な取りまとめが行われているのか。そんなことはどうですか。
○小粥政府委員 先ほど申し上げましたように、何か中間的な取りまとめというような形のものをやっているわけじゃございませんので、そのときどきの問題について意見交換をするという形でやっておりますから、特に結果は、こういうものが決まったという形で資料として出すとかいう形のものは別にございません。
○浦井小委員 そういうことで、接合部分が、縦割り行政でなかなかうまいこといっておらぬということを強く感ずるわけです。具体的にいまも問題になっておりますように、法定雇用率六%を上げることであるとか、それを、努力規定でなしに、ペナルティーを科するぐらいのことをやはりやらなければいかぬと私も思いますので、これはひとつ、いまの答弁では夏ごろですか、何か動きが出るとか、そんなことでありますから、ひとつ努力していただきたいと思います。 以上です。
○小粥政府委員 夏ごろと申しましたのは、雇用審議会でのいわゆる定年延長、実効ある方策について、法制化問題を含む諮問に対する答申が夏ぐらいまでに出る、こういうことでございますので、それを踏まえて私ども対応していきたいと思います。
○竹内小委員長 ほかに質疑御希望の方はございませんか。 それでは、次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十四分散会