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96回国会衆議院1982/08/09

社会労働委員会 第12号

発言数
122
登壇者
13
会派数
5
開催日
1982/08/09

会議録

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 これより会議を開きます。  この際、請願取下げの件についてお諮りいたします。  本委員会に付託になっております療術の制度化促進に関する請願(第三〇八一号)につきまして、去る六月八日、紹介議員から取り下げ願が提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 内閣提出、参議院送付、老人保健法案を議題といたします。  本案は、第九十四回国会、本院に提出されまして、第九十五回国会において修正議決の上参議院に送付したものを、参議院において継続審査に付し、このほど修正議決の上、本院に送付されたものであります。  したがいまして、参議院の修正部分を除いてその趣旨の説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、参議院における修正部分につきまして趣旨の説明を聴取いたします。参議院社会労働委員会における修正案の提出者、参議院議員遠藤政夫君。     —————————————

遠藤政夫自由民主党

○遠藤(政)参議院議員 ただいま議題となりました老人保健法案に対する参議院の修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。  修正の要旨は、  第一に、この法律による老人保健制度の実施に伴う保険者の負担増が著しく大きなものとならないよう次年度以降の保険者拠出金の加入者按分率は、老人人口の増加率を限度として二分の一以下の範囲内で毎年度政令で定める率とし、この法律施行後三年以内を目途として見直すものとすることであります。  なお、この加入者按分率を政令で定めるに当たっては、厚生大臣は、あらかじめ老人保健審議会の意見を聞くものとすることであります。  第二に、被用者保険本人の入院時一部負担金については、健康保険法による負担額(一万五千円)を限度とすることであります。  その他、保険者の拠出金等について所要の修正を行うこととしております。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口委員 この老人保健法案の問題については、御存じのように継続案件、相当時間をかけて、言うならば、いままた衆議院に戻ってきたわけでございます。  私どもは、この老人保健法案が今日問題になった背景を考えた場合に、ずばり政府側に言わせれば、高騰する医療費をどう抑えていくか、高齢化社会に入って年金、医療問題が重要な課題になってくることを考えて、やはり老人保健法をつくらなければならぬ、こうであったろうと思うのですけれども、そうであればあるだけ、老人保健法だけの提出によっては、政府が考えておる所期の目的は達成できないのじゃないか。医療問題の周辺を整備しなければならぬ。そういう意味合いで、たしか、日時は忘れましたけれども、老人保健法案を社会保障制度審議会に諮問した際に、同時並行的に医療法の改正についても社会保障制度審議会に諮問をされたと記憶しております。そういったことで、参議院の方でも、この老人保健法案の細部の審議に当たって、一体医療法の改正案をいつ出すのか、しばしば大臣は、今国会に、ということはこの九十六国会ですけれども、出したいと言われておったようでありますけれども、出されていない。もちろん、大幅会期延長をしましたから出てくるのだろうとは期待をしておりますが、現時点では出ていない。一体出すのかどうなのか、まずお聞きをしたいと思います。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 医療問題の周辺の整備について、老人保健法だけではだめだ、医療法の改正についてもいままでの約束どおりやれというような御指摘でございますが、医療法の改正問題につきましては、昨年来検討しております要綱案に基づきまして、これまで関係方面との意見調整に努めてきたところでございます。  この改正案に対しましては、医療関係団体において反対の意向が非常に強く表明されたり、また与党の社会部会におきましても、国会提出についてはなお内容を煮詰める必要があるとの意見が出されておるなど、種々調整すべき問題がまだ残されておりまして、まことに残念でございますけれども、今回の国会に提出することが困難と判断せざるを得なかったところでございまして、今後、医療制度全般との関連も考慮しつつ、さらに検討、調整を進めてまいりたい、このように考えておるわけであります。

田口一男日本社会党

○田口委員 大臣の出身は四国だと聞いておるのですが、大臣、こういうたとえを知っておりますか。紺屋のあさってというたとえですが、どうもいままでの参議院における御答弁、それから予算委員会、政府招集の各府県衛生部長会議などの大臣の御発言を聞いておると、私は医療法の今国会提出ということについて言えば、まさしく大臣の御発言は紺屋のあさってに当たると思うのですね。出す出すと言って、あさってあさって。一体、紺屋のあさってでないめどとしては、いつ出されるのですか。そこのところをひとつ。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 決して紺屋のあさってで引き延ばしておるわけじゃございませんので、この改正問題については、さらに検討、調整を進めて、よりよき内容にいたすべく私どもは努力しておるわけでございますが、次期通常国会には提出いたしたい所存でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 じゃ、いたしたいということで私は私なりに解釈しますが、提出するという約束ととってもいいですね。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 結構でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 じゃ、医療法の改正案については次期通常国会に出すということで、きょう議題になっておるのですけれども、私ども社会党単独で医療法の改正案を提出をしております。これも十分政府側で内容を検討いただきまして、実のある審議になるように、ひとつ厚生省側としても努力をしていただきたい、これをまず要望いたします。  それから次に、参議院の修正事項にもかかわってくるのですが、衆議院で老人保健法案の審議に当たって、与野党いろいろな具体的な問題について詰めてまいりました。その一つとして、外来一部負担、個人開業医の場合と総合病院、いろいろと診療機関があると思うのですけれども、医師の指示ということが参議院段階で言葉が入ってきたわけです。これは法律の改正じゃありませんが、扱いとして、総合病院は門は一つでありますから、総合病院に入った場合には一回四百円で済む。内科から耳鼻科、耳鼻科から眼科というふうに、まあ御本人によっていろいろあると思うのですけれども、どうも今度の参議院での詰めの話を聞きますと、全部それらは医師の指示によらなければならぬ、こういう話になっておるようですが、なぜ医師の指示ということが必要になってくるのか。衆議院での詰めの話を思い起こしますと、医師の指示というのは言わずもがなという気が私はするのですけれども、なぜ必要なのか、どうでしょうか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 総合病院における外来一部負担金の取り扱いでございますけれども、健康保険の初診科、初診の際の一部負担も総合病院におきましては診療科ごとにいただくということになっておりまして、それにならいまして老人保健法におけるそれも原則として診療科ごとに負担をしていただくということにしていたわけでございます。これは衆議院の御審議の段階でも申し上げましたように、総合病院におけるカルテの管理でありますとかあるいはレセプトの作成、それから会計処理というものがすべて診療科ごとに行われておりますので、そういった実務面から申し上げまして、なかなか総合病院を一つに取り扱うことができないということがあったわけでございます。  しかしながら、老人には一人で多くの病気を持うているというようなことがございますので、できるだけ各診療科ごとに一々すべての場合に負担をするということのないようにできないかという宿題があったわけでございますけれども、私ども参議院の段階におきましていろいろ研究をいたしましたけれども、診療科の単位というものを全く外すということは、実務面からいいましてもなかなかむずかしい問題がございますし、総合病院以外の病院、診療機関nそういった病院しかない地域の方々とのバランスもございますので、やはり原則的には診療科ごとということでございますけれども、医師の指示によって、同じ病気あるいは関連した病気によってほかの診療科で診察を受けた場合には、その都度いただかないということにしたわけでございます。  この医師の指示、健保では同一疾病に限られているわけでございますけれども、健保とは違いましてかなり弾力的、もう少し実際に即した運用というものを考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そうすると、健康保険法の扱いでいけば、総合病院たりとも一診療科目単位ですね。ですからざっくばらんに言えば、外科にかかって初診料を払う、それから耳鼻科へ行ってまた初診料を払う、これが健康保険法のたてまえなんです。老人保健法は若干そこが違うからということなんですが、私ども衆議院での詰めの話を思い起こしますと、むしろ医師の指示ということが入ったことによって、老人にとって現状より悪くなるのじゃないかという気がするわけですね。そこはどうですか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 健保法と比べまして老人保健法の扱いが厳しくなるとか、あるいは現状より悪くなるということはございません。もともとその一部負担の考え方は、健康保険法の場合におきましては一つの疾病ごとに初診料をいただくというようなことになっておりますけれども、老人保健法におきましては必ずしも一つの疾病ごとということではございませんで、月単位に一つの医療機関ごとにいただく。その一つの医療機関というのを、総合病院においては一つの診療科目として取り扱うということになっておりまして、もともと根っこにおいて健保法よりも一部負担金の考え方が広くなっているわけでございます。  そして、健康保険法における一部負担というのは、同一の病気によって発生するいろいろな症状、たとえば具体的に申し上げますと、腹痛の場合、それが盲腸が原因で手術が必要だという場合には、健康保険法の場合によっても初診料は一回、初診時の負担は一回ということになっておりますし、また昏睡等の症状があって内科の診察を受けた、内科のお医者さんでそれが脳内出血、脳内の腫瘍が原因であるというようなことがわかりました場合には、外科で手術を受けるということになるわけですけれども、そういった場合にも初診時の一部負担は一回ということになっているわけでございます。老人の場合には、当然こういった場合にも一部負担金は一回でいいということになるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 これも前の話と比べると後退した感を持ちますので、総合病院でいろいろ問題はあるでしょうが、ひとつ老人にとって混乱のないようにやってもらいたい。  次に、同様に参議院修正に絡んででありますけれども、参議院で相当時間をかけていただきまして、いわゆる入院の一部負担について、健康保険被保険者本人ですか、については一万五千円というふうに再修正になったようでありますけれども、これは、事の是非は別として敬意を表します。  ただ問題は、健康保険被用者本人が一万五千円となりますと、国民健康保険と健康保険を比較した場合に、確かに現状は一方では七割給付であり、一方では本人十割、家族八割というふうに差がありますが、この一つの例として申し上げます。私は一万五千円取るとか四百円取るということについても基本的には反対ですが、一つの例として申し上げます。  御存じのように、大工さんとか左官屋さんといったような方々でつくっておる国民健康保険組合というのがございます。この国保組合の場合になぜ健康保険被保険者本人という扱いができないのか。これはいまさらに申し上げなくても御理解いただいておると思うのですが、この国保組合の場合にはそもそもといういわく因縁があるわけですね。ずっと前は日雇健保、それが外されまして擬制適用、そういったことがあって、組織的な問題もこれあり国保組合という特別組合をつくった、こういういわく因縁を考えますと、この国保組合をつくっておる、いま言いました建設国保なんかの場合には、健康保険の被保険者本人と見ても何ら不思議はないのじゃないか、同一にすべきじゃないのか、こう思うのですが、どうでしょうか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 健康保険本人の方についての一部負担の取り扱いに係る修正でございますけれども、健康保険の本人の方々というのは六十九歳までは一日五百円、一月限りの入院時一部負担ということになっておるわけでございます。その方々が医療の面、給付の面では新しい老人保健法の適用を受けられることになるわけですけれども、七十歳になって入院時の一部負担金が一日三百円二月間、合計一万八千円ということになるのはいかがなものだろうかというようなことから、健保本人、これは共済も入りますけれども、被用者保険の本人の方に限って入院時の一部負担金が健保法の本人の扱い、つまり一万五千円を最高限度にするという取り扱いがされたものと理解をしているわけでございます。  これを一体どこで制度的に線を引くか、いろいろ御議論のあるところだろうと思いますけれども、被用者保険の本人の方で法律制度的に一万五千円が最高限度と決められている方に限ってこういった取り扱いがされたものというふうに思うわけでございまして、いま御質問のございました国保組合の場合には、国保は原則として先生御案内のように給付率七割、原則三割一部負担があるということになっておりまして、その健保本人と制度的な扱いが全く違うわけでございます。たまたま全建総連、土建関係の国保組合につきましてはいわば任意的な給付として十割給付のかっこうになっているということでございまして、法律制度上一万五千円ときちんとかちっと決められている健保本人の場合とは違うわけでございます。  そういった違いがあるということと、それから、もしそういった国保組合を対象にするならば、ほかにも、たとえば医師国保というようなものも十割給付になっておりますし、市町村がやっております国保の中にも十割の給付を上積みしてやっているところが実はあるわけでございます。そういったことから、この特例措置というのは法律制度上健保本人に限定されたものと考えているわけでございます。  なお、かつて全建総連、土建国保等は日雇健康保険の適用を受けていたというお話もございましたけれども、これは日雇健康保険のいわば擬制適用、本来日雇健康保険の適用をするのはなかなかむずかしいけれども擬制的に日雇健康保険の適用の取り扱いにしていた、それがおかしいということで、昭和四十五年であったかと思いますけれどもその擬制適用というものが廃止になりまして、国保組合になったというふうな経緯もあるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 いま審議官お話がありましたように、具体的な数字はちょっと把握しておりませんが、いま言うそういったような国保組合−国保組合といっても国民健康保険ですから、本来的には給付率は七割ですね。ところが組合員本人については十割の給付を実施しておるところが相当、七割、八割ではなくてもう九割ちょっと超える実態だと聞いておるのです。その実態からもわかるように、日雇健保の擬制適用が何だかんだということでいまのようになってしまった、こういう沿革を考えただけでも、この一方五千円の一部負担についてはここまでは拡大すべきだ。もちろん本来的には、国民健康保険と健康保険との差が前々から言われておるのですから、これでよけい差ができるというそしりは免れぬでしょうが、私は多々ますます弁ずるじゃないが、健保の被用者本人をそういう扱いをするのならば、かつてそれと同じ扱いを受けておった国保組合、一つの例で言えば全建総連ですね、そこまでは同一扱いをすべきではないのか。  もちろんこれは法律改正事項ですから、参議院で修正をしまた衆議院に持ってきた、ここで国保組合も一万五千円にしましょうというならまた改正で、また参議院に持っていかねばならぬ、こういう問題が起こりますからその辺のところは十分理解をしておるのですが、どうですか、私がいまこうして質問をした中身について、実態からいっても十分に理解を願えると思うのですが、いずれか近い機会にこういう問題について検討課題とする——改正するとまではここでは言えぬでしょうけれども、検討課題として鋭意詰めていきたい、こういうお気持ちはありませんかどうかということをお聞きしたいと思います。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 そういった国保組合を対象にいたしますと、ほかの国保組合はどうだ、あるいは市町村がやっている国保はどうだ、こういう議論に発展していきかねませんので、なかなかむずかしい問題だとは思いますけれども、せっかくの御指摘でございますので、今後さらにいろいろ研究はさせていただきたいと思います。

田口一男日本社会党

○田口委員 あとちょっと金目の問題で、具体的な数字は後ほどまた刷り物にしていただきたいと思うのですが、参議院の修正によってこの制度の実施、施行が来年二月ということになりましたけれども、その場合に前々衆議院で審議をした際に出た数字、たとえば健保組合が七百八十億であるとかいういろいろな負担、それはどのように変わってくるのか、数字の問題、これが一つです。  それから、これも法律改正で拠出金の歯どめということが明確になりました。この歯どめによって、五十八年二月一日から実施、五十八年の負担がどのようになるのか。たとえば五十八年度の健康保険組合の七百八十億とよく言われておりましたけれども、そういった負担がどのように変わっていくのか、この点数字でありますけれども、概略お答え願いたいと思います。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 まず、老人保健法の実施時期が二月になったことによって、各保険者、特に健保組合の負担がどうなるのかということでございますけれども、五十七年度の二月実施ということになりますと、予算の関係といいますか、医療費の関係では五十七年度は一カ月分が新しい法律で適用されるということになるわけでございます。五十七年度の二月分一カ月分が現行制度で運用された場合と、それから新しい法律、新制度で運用された場合とを比較をしてみますと、健保組合について申し上げますと、現行制度による負担額が二百五十億円でございますが、新制度による負担額、拠出額は三百二十億円ということになりまして、差し引きで健保組合につきましては約七十億円の増ということになるわけでございます。  それから、保険者の拠出金負担増について老人人口程度の増加率にとどめるという歯どめをかけた場合に、七百八十億という健保組合の負担が五十八年度以降どういうことになるのかという御質問でございますけれども、当初私ども考えておりましたのは、その七百八十億が大体老人医療費全体の伸び率に比例をしてふえていく、五十八年度で申し上げますと大体八百八十億になる、健保組合の負担増率が五十八年度ですと八百八十億、つまり五十七年度に比べまして満年度計算で約百億程度ふえるという試算、予想をしていたわけですけれども、その負担増を老齢人口並み、つまり三%程度に抑えた場合の負担増は約八百億ということになりまして、七百八十億に対しまして二十億程度の負担増にとどまるということになるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 次に、これも数字の問題といいますか、財政負担の問題になるのですが、参議院でいろいろと詰めていただいた結果、胃がんとか子宮がんの健康診査、これの負担が現状アンバラがある。たとえば保健所で健康診査を受ける場合と一般開業医で受ける場合とで差がある。そういうところに着目をされましてアンバランスを是正するということになったそうでありますけれども、どういう方法で行うのか。  私はこれは健康診査を受ける受診者から見れば大変結構なことだ、いいことだと思うのですけれども、今度は立場を変えて、一つの例として数字を挙げますと、ある胃がんなら胃がんの健康診査を受けに行った、保健所ならば五百円、ところが一般病院といいますか開業医で診査を受けたら二千五百円としますね。それをいま言ったようにアンバランスをなくする、負担を公平にするということで、仮に保健所並みの五百円にした場合に、開業医二千円をどこが持つかということですね。二千五百円かかっておったものが五百円になったのですから、とにかく財政負担といいますか、その受診者の負担額を軽減することはいいけれども、その軽減された分をどこが持つか、こういう心配が、そこまで心配する必要があるかどうかは別として、どういう仕組みになりますか。

三浦大助厚生省公衆衛生局長

○三浦政府委員 健康診査の受診者負担につきましては、受診機関によりまして受診者負担のアンバランスが生じないように、医療機関で受診する場合の負担額を軽減する措置を講じたいというふうに考えておるわけでございますが、この結果、御指摘のように、必要になります財源につきましては、検診単価を合理化する余地があるかないか、こういうことを再検討することも一つの方法でございますし、実施主体でございます市町村の事業の実施にとにかく支障の生ずることがないように適切に処置していきたいというふうに考えておりまして、現在検討中でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そこで、だめを押したいのですけれども、私が先ほどから申し上げておりますように、受診者の負担のアンバラがなくなるということは大変結構、いいことですね。そのことによって実施主体である市町村にその分だけ財政負担がはね返ってくるということでは、昨今の地方財政の状況からいってもあんまり好ましいことではないのじゃないか。そこのところは十分留意をしてもらいたい。その辺どうでしょう。

三浦大助厚生省公衆衛生局長

○三浦政府委員 現在内部で検討中でございますので、まだ数字が固まったわけではございませんが、医療機関における単価の積算方法と申しますのは、私ども、この検診はなるべく集団検診なり保健所の方の検診で受けていただきたい、こういうことを大前提にしておるわけでございますが、いろいろ都合が悪くてどうしても行けなかった、その場合に医療機関に一人で行くようなことがございますので、その場合の医療機関の検診単価と申しますのは診療報酬請求の単価を使っておるわけでございます。  したがいまして、たとえば、これは検診でございますから、月水金、今回胃がんの検診をいたします、子宮がんの検診をいたします、ある程度まとまりますと、それは市区町村と病院との契約である程度集団検診的な性格になってくるのではないだろうかということもございまして、そうした場合に、その検診単価の合理化という問題が出てまいります。そういうことも含めまして、いまいろんな方法を内部で考えておるわけでございまして、とにかく市町村の方にいろいろ支障がないようにしたいというふうに考えておるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 これでそろそろ終わりたいのですが、私は、そもそも老人保健法が、こういった特別の制度をつくるべきであるということを言っておりましたけれども、やっぱり健やかに老いる、しかもお年寄りが安心して何の気がねもなくお医者さんに診てもらえる、そして長生きをしてもらう、こういう態勢をこの老人保健法が推進をしていくように、ひとつこれから実行段階でもがんばって、また、気を配っていただきたい、このことを申し上げて、えらいきょうは早々の間に委員会になりましたけれども、私の質問を終わります。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 ただいま田口委員からいろいろ御意見、御質問ございましたが、要は健やかに老いて、高齢化社会における保健、健康はいかにあるべきかというような内容の質問でございまして、私どもも、答弁さしていただきましたように、この問題には全力を挙げますけれども、画期的な法案でございますし、いろいろとまだまだ補完すべき問題等もこれから出てくると思います。  いままでは医療中心の保健、いわゆる健康を守る制度でございましたのを、予防プラス医療、それからリハビリというようなことで、老後の健康、健やかに老いていただこうということでございますので、いろいろ御注意等もございましたので、よく参考にさせていただきまして、全力を挙げて老人保健法の精神が生かされるようにやっていきたいということを申し上げたいと思います。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 平石磨作太郎君。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 私は、公明党・国民会議、民社党・国民連合を代表いたしまして、若干の質問をさせていただきます。  今回老人保健法が、参議院において再修正がなされて衆議院に帰ってきたところでございますが、特に衆議院の審議の際にも問題になっておりましたが、診療報酬について中医協において審議をなされる、こういうことに相なったわけでございます。  ところで、その際も申し上げましたように、老人はやはり老人のいわゆる心身の特性を踏まえた診療報酬といったものが必要ではないかという論議がなされたわけでございますが、そういったこと等を踏まえて、やはり参議院段階におきましても審議がなされておったわけですが、特に専門委員等を任命すること等によってそういった面の配慮炉必要ではないか、こういうように考えるわけでございます。  そしてさらに、従来の中医協の運営等、いろいろと開会できなかったといったようなことがしばしば見受けられたこともございます。そういったこと等を考えますと、やはり老人保健診療報酬の審議に当たっては、この運営その他についても相当考えていかねばならない、あるいは中医協におけるところの議事規則等、いろいろ検討せねばならないような問題がございますが、これらについてひとつどのようにお考えいただくものか、お伺いをいたしたいと思うわけです。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 御指摘の趣旨に沿いまして、老人医療に関する学識経験者を専門委員に任命すること等によりまして、中医協において円滑、適切な審議が行われ、老人の心身の特性に応じた診療報酬が定められるよう努力いたしたいと考えております。  議事規則の改正につきましては、国会における御審議の経過、御意見等を中医協に十分お伝えいたしまして、中医協の円滑な審議を確保するための措置について御相談を願うことにしております。  幾ら制度をりっぱにいたしましても、問題はいかにこれを運営していくかということでございまして、この点十分ただいまの平石議員の御意見を尊重させていただきまして、スムーズに円滑な審議が確保できるように全力を挙げたいと思います。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この老人保健のレセプトについてでございますが、従来のレセプトにつきましては大体二カ月後に支払いが、社会保険基金ですか、あそこで行われておるわけですが、この老人保健が実施されることによりまして、従来のこの時間単位からいいますと非常に長くなる。これは保険者として非常に困るのだということが衆議院段階における審査におきましても論議がなされたわけでございますが、これが早くならないものか、そして保険者においてみずからチェックをする、こういうことが早くできないものかという要請が非常に強いわけでございますが、この取り扱いにつきましてはどのような方法を考えられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 老人保健におけるレセプトのチェックの仕方、いろいろ御議論があったわけでございますけれども、最終的な私どもの結論として考えておりますのが、保険者のレセプトチェックというものをできるだけ速やかにやるようにしたいという基本的な考え方に立ちまして、医療機関から支払基金にレセプトが参りますと、支払基金での審査を終えたものを、市町村よりも先に保険者の方に回しまして保険者としてのチェックをしていただく、その後でまた支払基金を通じて市町村の方にレセプトを送るというようなレセプトの流れを考えておりまして、従来以上に保険者の段階におけるレセプトチェックというものがきちんと行われるようにしたいというふうに思っておるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 このレセプトの審査につきましては、一概に老人保健に限ることはないのですけれども、この支払基金の審査に当たっての権限の強化といったようなことが常に叫ばれておるわけですが、特にコンピューター等そういった新しい機器等をも使用して審査機能の強化を図るべきではないか。少なくとも四億ないし五億といったようなたくさんのレセプトの処理については、こういった機能強化が必要ではないかというように思うわけでございますが、その点につきましてもあわせお答えをいただきたい。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 支払基金におきます審査の充実を図りますために、おっしゃいましたように、審査委員あるいは職員の増員を図りますとともに、その任務と役割りの明確化につきまして検討いたしたいというふうに考えます。特に昭和五十七年度、今年度じゅうにはコンピューター等を導入いたしまして、重点審査に活用するための資料作成を行うということにしておるわけでございまして、来年の一月から本格的に実施することにしておるわけでありますが、さらにコンピューターを利用した重点審査をより一層充実するために努力をしていく所存でございます。今後とも支払基金の審査機能の充実には十分意を用いてまいる所存でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この保健法に言うております拠出金でございますが、この拠出金の算定に用いる老人の加入率、このことについて衆議院段階でもいろいろと論議はございましたが、参議院の審議におきまして上下限を設けて極端な負担の増減を避ける、あるいは緩和するといった措置が修正案においてなされておるようでございますが、この措置の対象となる保険者は一体どのくらいあるものか、お知らせをいただきたいと思う。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 保険者の拠出金の負担の激増、それから激減を緩和する措置として、拠出金の計算上の老人加入率の範囲を一%から二〇%の範囲で行うということにしたわけでございますけれども、老人加入率が一%に満たない保険者の数は約四十程度ございますし、老人加入率が二〇%を超える保険者の数は約三十ほどございます。合わせまして約七十程度の保険者が老人加入率の上下限の対象になるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま七十というお話でございました。そこで拠出金の納付が非常に困難なと認められる保険者、これはどういうことで困難なと認められるのかわかりませんけれども、そういった保険者についてはこの納付を翌年度に回すことができる処置、ここにもそういったいわゆる困難な保険者についての緩和といいますか、翌年度に回して分割で入れてもらう、こういう再修正の処置がなされておるわけでありますが、これは具体的にどのようなケースがあるのか、そして拠出金に充てる保険料の徴収が適正に行われない保険者、これはそういうことはないとは思いますけれども、保険者の中にそういったことがありとするなら、これは保険会計に大変な影響が出てくるわけでございますので、こういったことが適正に行われるようこの処置がどのような形になされるか、その運用についてはどのように適用していくのか、こういったことをひとつお示しいただきたいと思うわけでございます。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 老人保健法による拠出金というのは、たとえ保険者の財政状態が大変苦しい場合にも、決められた一定のルールに従って計算された拠出金というものは必ず納付をしていただかなければならないわけでございます。そういった意味におきまして、財政上の理由によって納付ができないというようなことはいわば認めないという基本的な考え方に立っているわけですけれども、ただその年度においてどうしても納付することが困難、来年なら何とかしたいというような保険者も中にはあるかということが予想されるわけでございます。そういった場合におきまして特例的に、原則としてその年度においてその年度の拠出金を出していただくわけですけれども、一部を翌年度に回す道を開いた、こういうことでございます。  それから、小さな保険者の場合におきましてたまたま非常に高額な医療費というものが出てきたために、拠出金もしたがって前年度に比べて相当高額になるという場合があるわけでございます。そういった場合にも、その年度において直ちに料率を上げて拠出金を納付することが非常にむずかしい、来年度には何とかそれが可能だというような場合には、その一部を翌年度に回すことができる、そういった道を開くことによりまして、拠出金を基本的なルール、原則はきちんと守っていただきながら全部の保険者からきちんと納めていただく、円滑に納めていただく、そういった道を開いたものだというふうに御理解いただきたいと思います。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 ここの点は非常に保険会計にも影響のあることですから、保険者に無理がいかないように、しかもそういった保険者が出ないようにひとつ御努力を願いたいと思うわけです。  それから今度の保健法案が成立いたしますと、老人保険料、こういったものが別途行われるということが原案にありましたけれども、今回このことは取りやめて、老人保険料と一般保険料の区別といったものがなくなっておるわけですが、これは政管健保、現在千分の八十五、これへ影響が出てきやしないか、そして、これを引き上げるといったことが出ても保険者は困るわけでございますが、引き上げなくてもいいのかどうか、ここらあたりもお知らせをいただきたい。

入江慧社会保険庁医療保険部長

○入江政府委員 政府管掌健康保険の保険料率でございますけれども、老人保健への拠出金を含めまして、当面現行の料率で対処できるというふうに考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 これは対処できる、こういう見込みのようですが、社会保険料等の増高といったようなことが非常にやかましく言われておるときですから、ひとつ厳に守っていただいて運営をしてもらいたい、こう強く要望をいたしておきます。  次に、医療費のむだや乱診乱療をなくして老人に対して適切な医療や看護を行うという観点から、いまの老人を扱っておる病院のあり方あるいは老人の医療についてのガイドラインの作成、そして中間施設がしばしば要望されておりますが、特に病院に入っておるほどのこともないしそれかといって家庭にいるのもおかしい、こういったような中間的な施設の創設といったようなこともしばしば要望があるわけでございますが、こういうことについて厚生省は真剣に対処していく時期が来たのではなかろうか、私はこういうふうに考えるわけですが、その点についてのお考えをいただきたいと思う。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 御指摘の点につきましては関係方面や専門家の御意見を十分伺いつつ真剣に検討を進めていきたいと考えております。特に御老人については、医療でやるか福祉でやるかという境目が非常に判断に苦しむ場合もございまして、そういう意味で中間的な施設、また特に在宅医療にするか福祉にするか、ここらをきちっと整理する必要が当然出てくる、このように思っておるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 今回の老人保健制度はまさに予防と治療を法制の中において一体的に実施しよう、こういういわば画期的な制度でございますが、これからの老人医療費等を考えてみますと、また老人の健やかな老後を期待するためにも、この中に示されております保健事業はまさに制度におけるメーンだと私は理解をしておるわけでございます。したがって、このヘルス事業について充実強化がなければ新しい制度創設の意義がない、こう言っても過言ではない、このように思うわけでございます。  いまの財政事情その他を考えてみますと、このヘルス事業の推進に当たってはいろいろと厳しい状況である、そういうところから考えたときに、保健事業に取り組んで本当に実効あらしめるためには相当な決意を持って大臣は臨まなければならない、予算の確保の面から考えてもそのように思うわけですが、大臣の決意をひとつ披瀝いただきたい、こう思うわけです。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 御指摘のとおりに老人保健法は、これからの高齢化社会の到来を控えまして国民のすべてが健康で豊かな老後を送れるように壮年期からの総合的な保健事業を実施することを最大のねらいとするものでございます。この保健事業につきましては、厚生省といたしましてもおおむね五カ年を目途にマンパワーとか施設等の整備を年次計画的に行いまして、全市町村で本格的な事業が実施されるように行財政両面において全力を尽くしてまいる所存でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この保健事業につきましては従来も各市町村は積極的にこれに取り組んでまいりました。また中でも特に保健文化賞等をもらった市町村、高知県で言えば野市町あるいは岩手県の沢内村といったようなところは顕著な成果を上げておるわけです。したがって、市町村長がいわゆるヘルス事業に努力をすればするほど市町村の負担金、それから市町村が運営しております国保事業、この国保事業のいわゆる保険者の拠出金、これはその当該市町村の老人の医療費が、保健事業を強化し実施したためにだんだんと少なくなってくる。こういった場合に、これを全国一律とかあるいは地域一律といったような形のプールで拠出金の計算なりあるいは一般会計からの負担金なりを課しますと、ヘルス事業をやってもばからしいというようなことに相なってくる。したがって、これは衆議院の審議のときにも私申し上げたわけでございますが、今回の保健法において、その市町村長の努力が、いわゆるそういった負担にメリットとしてあらわれるようになっておるのかどうか、この点お知らせをいただきたい。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 この点は保健事業に取り組む市町村長の考え方、また意欲によってかなり効果の大小があるように思います。御指摘のように岩手県の沢内村とか長野県の佐久、それから高知県の野市、こういうところはまさに為政者と病院長が一体となりまして効果を上げておるということでございますし、ちょうど労災保険でかつてとりましたようなメリットシステム、努力すればそれだけの報われがあるということは、今回の法案の中にはまだ出ておりませんけれども、将来の検討課題として考えるべきであるというようなことで今後ひとつ勉強させていただきたい、このように思っておるわけであります。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 当該市町村がそういったヘルス事業に全力を挙げた、そしてよその市町村に比べますと老人医療費ががくっと落ちておるわけですよ。これを将来の検討課題といま大臣おっしゃったのですが、医療費が小さくなれば、それに率を掛けての計算になるんだから必然的に当該市町村の負担は少なくなる、このように私は理解をするわけですが、どうですか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 そのとおりでございます。それ以上に私は、そういうことをすればあらゆる面において保健に対する、また健康に対する本当の行政があるんだという意味のことを全国の市町村単位にわかっていただくための前向きの検討課題としてやっていきたい、こういう意味であったわけでございます。まさにそういうふうにすれば当然現実的にも報われるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 それからちょっと私、歯科について一言お聞きしておきたいのですが、日本の医療は医科と歯科、この二つによって行われておるわけでございまして、いままでどちらかというと医科を中心とするといいますか、医科が重点的な一つの施策あるいは医療行政が行われたといった嫌いがなきにしもあらずというような状況でございます。したがって、今回この老人保健法が出てまいりますと、やはり保健事業、ヘルス、健診等、特に高齢化に向かって歯が痛くなってくるあるいは歯が悪くなってくるというような患者さんが非常に多くなってくるわけです。そういう観点から見たときに、やはり歯科についても医科と同じような一つの取り扱いを今後してほしい、こういったような要請もあるわけでございますが、ひとつその点お聞かせをいただきたい。  そしてまた、この老人保健法に言ういわゆるヘルス、保健健診、こういったことにつきましても、歯に関係をしたいわゆる歯周病、歯槽膿漏といったようなことも出てくるし、あるいは年がいくに従ってかみ合わせが悪いというようなことから咬合障害が出てくる、こういった面につきましても特別の改善、配慮をしてほしい、こういうような要請がございますが、ひとつまとめてお答えをいただきたいと思います。

三浦大助厚生省公衆衛生局長

○三浦政府委員 歯科の保健事業につきましては、私ども健康教育の面でまず一生懸命やってまいりたいと思っておりますけれども、健診につきましてはさしあたりモデル事業として実施いたしまして、基礎的な数字をつかんだ上で将来の計画を立ててやってまいりたいと思っておりますが、いずれにいたしましても老人の歯科は歯周疾患を中心に非常に大きな問題であるという認識は私ども持っておりますので、まずモデル事業としてひとつテスト的にやってみたいと考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 最後に医療法についてちょっとお伺いをいたします。  この医療法につきましては、従来厚生省はこれを早く提出する、しかも今期国会においてといったようなこともございました。社会保障制度審議会等にも諮問をし、その答申ももらっておるわけですが、いまだにこれが提出がないということでございますが、これからの医療の問題はこの医療法が適正な立場において施行されることが必要だ、私はこのように認識をし、いままで要請をしてまいりました。したがって、この医療法が今回提案がなされないわけですが、どのように取り扱われるのか。聞くところによると、次の国会にはといったようなこともお聞きするわけですが、それをいつ提出をするか明らかにしていただきたい、こう思うわけでございますので、大臣の所信をお伺いいたします。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 医療法改正につきましては実は前々からたびたび早く出すお約束をした経緯もございます。残念ながらこの国会に出せなかったのは遺憾でございますし、御指摘のとおりでございます。老人保健法と医療法はやはり一体であるべきである、このように思っております。ただ、いろいろと御意見等がその方面からございますし、また与党の部会でもよりよくするための論議等が行われているが、まだ煮詰まっておらないという事情もございましてこの国会に出せなかったわけでございますが、さらに検討を進めまして次の通常国会には提出をいたしたい所存でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 以上で終わります。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 浦井洋君。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 まず最初に委員長に申し上げておきたいのです。  定例口外というよりも、水曜日とか金曜日にやったことはあるけれども月曜日にこういうことをやるというのは異例中の異例、ハプニングだ。そういう点で私は委員長に、こういうことはやるべきでないということを強く注意を喚起しておきたいと思うのです。  そこで質問でありますけれども、まず修正部分についてお聞きをしたいと思うのです。  いまの田口理事の質問の中で出てきたわけでございますけれども、この修正案の最後にも書かれておるように、これに要する費用、具体的には施行年度の翌年度において約八十八億である、こういうことでありますが、その計算の根拠というのは、まず前提になる数字はこういうことでよいのかどうか。老人医療費の伸び率を二二・五%、老人人口増を三%、そういう中で加入者按分率が〇・四八であるというふうに私は聞いておるのでありますが、そういうことで計算をされて八十八億になったのかということをお聞きしたいと思うのです。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 そういうことでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そういう中で、先ほどもお答えになられたように、五十七年度を満年度として健保連、組合健康保険が七百八十億から八百八十億になる、それをいまの数字で調整をされて八十億減らしたんだ、こういうことですね。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 そういうことでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そういうことであるならば、逆に国保の方にはどれだけ負担増になったのか、ひとつ数字をお示しを願いたい。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 国保の負担増は全体といたしまして約六十億になります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 きのうのお話では五十七億であったということなんですが、端数計算などによって五十七億から六十億というふうに理解をして、そこで大臣にこの数字をよく見ていただきたいと思う。  今度の修正によって、比較的大企業の多い健保組合では八十億の負担減になっておる。ところが、老人保健ができたならば国保の方は財政が非常に助かるというふうに思っていたのが、逆にこれは約六十億の負担増になっておるわけですね。そうですね。吉原さん、どうですか、そういうことですね。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 健保組合の負担減が約七十億、国民健康保険の負担増が約六十億、こういうことでございます。これは修正前の原案に対してそういう結果になるということでございまして、現状に対してそういうことになるということではないということは十分御理解をいただきたい。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 私はその前者の方を指摘をしておるわけなんです。だから、大臣、老人保健法であなた方が一つの目玉とされておるのは、国保の財政が非常に厳しいので比較的楽な健保の方からも回していただいて、いわば財政調整を図るということが、実務的には財政問題としては第一の目玉であったわけですね。それが今度の修正でその効果が著しく減弱をされた、こういうことは言えませんか、大臣。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 調整の効果が著しく減ったというふうには思っておりません。全体の増加、当初の原案に比べましても、健保組合の負担減の額あるいは国民健康保険の負担増の額、総体に対しましてそう大きな額にはなっておりませんで、いまおっしゃいましたように原案と比べて著しく制度のねらいというものがゆがめられたというふうには理解をいたしておりません。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 減弱はされたことは確かでしょう。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 それは確かでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そういうことなんですね、大臣。国保の当事者が待ち望んでおった財政効果というか財政調整機能というものが減弱をされた、こういうことになるわけです。ここを大臣はよく押さえておっていただきたいと思うのです。  だから私は、まず、いま吉原さん言われたように、国保の五十七億ないし六十億というのは、これは国で持つべきではないかと思うのです、あえてやるならば。私はそういうふうに要求したいと思うのです。  しかも今度の修正の方式からいきますと、老人医療費の伸びとそれから老人人口の伸びと、こういうものがファクターに入っておって、賃金上昇率というのは入ってないわけでしょう。そうしますと、これは健保組合にとったら、料率はなかなか上がらない、むしろ減る、そういうメリットもあるわけですよ。これは吉原さん、十分御承知だと思う。そういうことをなぜあえてやるのかということを、私は、これは答えは要りませんけれども、あえて大臣に申し上げておきたいと思う。逆行なんです。この修正でさえも逆行なんだ、こういうことを申し上げておきたいと思う。  それから、質問としてはこういうことなんです。  その次の問題でありますけれども、たとえば、最初にお聞きしたいのですけれども、大ざっぱに言って社会保険料の労使の、企業負担というものは、このパーセンテージはそこの企業の給与費に大体比例すると見てよいわけですね。これは吉原さんかあるいは大和田さんですかね。どうですか。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 非常に大ざっぱに言いますとそういうように考えてよろしいと思います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そこで、私は一つの試算を大臣その他にお見せしたいと思うのです。ちょっとこれを見てください。  時間がないのであわてないといかぬのですが、これでいきますと、私はこれは大蔵省の法人企業統計年報からとったわけです。その年報に資本金別の給与費がずっと出ているわけですが、その中の保険料率、年金と医療保険とを両方合計いたしまして、そしてそれぞれの企業における社会保険料の負担割合の推移を見たものであります。これは私が試算したわけです。そういたしますと、そこでごらんになるように、資本金五百万円以下の企業というのは、昭和四十七年では保険料負担割合というのは〇・五六%であった。それが昭和五十五年には〇・八一、だからほぼ八年くらいの間に保険の負担率、売上高に対する比率が一・四五倍になっておるわけです。そこに括弧して書いてありますけれども……。ところが今度は飛んで資本金百億円以上の大企業になりますと、四十七年当時売上高に対する社会保険料は〇・三六多であった。それが五十五年では〇・四〇ということで余り上がっておらぬ。比較しますと一・一一倍になっておる。これが現状であるわけなんですよ。  そこへ持ってきて、先ほど私が申し上げたように、今度の修正は大企業を含むところの健保組合にはさらに負担を軽くしてやる、あるいは財政で困っておる国保は、一たんは軽うしてやると言うたけれども、実際にはまた六十億ほどふやす、まさにつつもたせみたいなものじゃないですか。大臣、こういう乙とをやっていいのですかね。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 社会保険料というものが給与、賃金に対する一定の割合として課されることになっておりますから、いわば人件費の比率が高い企業ほど社会保険料の負担が多くなる、これは当然そういうことにならざるを得ないと思います。  それでいま、修正に絡みまして、大企業、健保組合の負担を修正によってさらに減らすことになったではないかということでございますけれども、恐らく御質問は大企業と中小企業の関係のことだろうと思います。むしろ国保というよりか、じゃ中小企業はどうなんだ、どうなるのだということかと思いますけれども、中小企業が多く加入しております政府管掌健康保険、これも今度の新しい老人保健制度によって若干の負担増があるわけでございますけれども、今度の修正は健保組合についてだけ老人人口増加率程度という歯どめをかけたわけでございませんで、政府管掌健康保険の分も当然健保組合に準じた形で実は歯どめがかかってくるわけでございます。そういった意味におきまして、大企業だけを優遇して中小企業をそのままにしておいたということではないのであります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 問題をすりかえたらいかぬわけですね。私たちが試算したところでは、確かに吉原さん言ゆれるように、これによって組合健保は七十億負担減になる、政管健保は四十七億余り負担減になる。これは私らも計算してわかっておるわけなんですよ。その上でなお、先ほど申し上げたように、大企業と中小企業の社会保険料の負担割合が非常に違うのだ。しかも合理化、人減らしが進んで、そしてロボットなんかも導入をするという中ではますますこういう傾向が強くなるではないか、そういうことが果たして許されてよいのかということを私は大臣に対して問いかけておるし、強くこれを糾弾しておるわけですよ。  だから、そういう点で大臣どうですか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 社会保険制度の基本である負担の公平から浦井委員はいろいろ言われておることだと思います。社会保障制度全般につきましては、給付と負担の割合につきまして、高齢化社会に対処して私どもも実は非常に心配をしておるわけでございます。その中で特に組合健保、また政府管掌の二つの面においてもかなり差があるというような御指摘でございますが、こういう点におきまして中小企業等の負担能力も勘案しながら、今後適正な負担が図られるようにしてもらいたい、そのように思っております。厚生省といたしましては、今後給付と負担の水準について国民の合意を得ながら、高齢化社会を支える有効で安定した社会保障の確立に努めてまいりたいと思っております。  いろいろ御指摘の点は私も内容においては認識する点もございますけれども、とにかく老人保健というものを通じまして将来の日本の社会保障の画期的な一つの面を打ち出したわけでございます。したがって、多少試行錯誤的な面もあるかもわかりませんけれども、基本的な考え方は先ほど申しましたような負担の公平、そして給付、サービスはできるだけ多くしていこうという長期展望も踏まえましての今回の制度でございます。そういう矛盾点とか不公平な点が出ました場合には将来において率直に訂正もしていきたい、このように思っておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大臣、そういうお答えなんですが、先ほど臨調の基本答申が出された。そういう中で、これからは税金よりも社会保険料を引き上げていこうということがはっきり書かれているわけです。しかも先ほどから申し上げておるように、産業構造も雇用構造も大きく変わってきておるわけです。だからメスを入れるのならいまのうちにきちんとしたメスを入れでおかなければ、私が先ほど指摘したようなあらきというものがますますひどくなる、収拾がつかなくなる、こういうことでございます。ですから私はこういうような逆行するような修正には賛成しかねる、これはだめだということを指摘しておきたいと思うのであります。  そこで次の質問でありますが、参議院の確認質問の中で、一部負担の問題で例の総合病院のわたりの問題でありますが、医師の指示により各科にまたがって診察を受けた場合、診療科ごとに一部負担を取らない取り扱いといたします、こういう答えが返ってきておるわけでございますが、ここで問題になるのは、医師の指示の範囲ということです。どういうところで医師の指示をするわけですか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 具体的にどういう場合かと一つの例として考えられるようなケースを申し上げてみますと、たとえば内科で糖尿病の診察を受けた。その方が目もぐあいが悪いというようなときに、糖尿病性の網膜症の疑いがあるということで眼科へも行かれたらどうですか、行ってごらんなさいと言われたときに、医師の指示によって眼科に行って診察を受けた、そういった場合には別々に一部負担金を取るようなことはしない、こういうことでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そうすると、多少専門的になりますけれども、現行の健康保険で取り扱いが認められておりますね、初診時一部負担の問題は。先ほど吉原さんが言われた糖尿病と糖尿病性の白内障とは、後の場合は初診時一部負担免除ですね。そうでしょう。これは大和田さんですかね。それと変わらぬわけでしょう。そうすると、現行の健康保険で認められておる初診時一部負担の総合病院における免除というのとほぼ同じことを医師の指示というかっこうで書きかえられただけですか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 確かにおっしゃいますように、現行の健康保険でも同一疾病に限ってそういう取り扱いがされているわけでございます。健康保険の場合には初診料そのものが一つの病気単位ということになっておりまして、先ほども申し上げましたようにその点が老人保健の場合と違いまして、老人保健は仮に病気が違いましても同じ内科なら内科でその月内に診察を受けるときにはその都度は取らないということになっているわけでございまして、根っこが健保の場合と全然違うわけでございます。ただ、ほかの診療科目との関係は、おっしゃいますように糖尿病と糖尿病性の網膜症、それは健保法の場合でも一回ということになりますし、老人の場合にも一回ということになるわけでございますが、根っこが病気単位でございませんので、実際の運用は老人の場合の方が相当程度広くなるのじゃないかと思っているわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 初診時一部負担と老人保健法の一部負担が性格が異なるという点はわかるのですよ。しかし、いまの持って回った言い方で、相当範囲が広くなると言うが、具体的にどう範囲を広げるんだ。たとえば、いま糖尿病と白内障が出ましたね。それなら、たとえば神経痛と白内障があった場合、同じ総合病院でかかった場合に片っ方は外科にかかるし、片っ方は眼科にかかる、これは一部負担は取らぬわけですか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 その辺になりますと、私も専門的な知識がございませんのでお答えができないわけでございますが、具体的にそういった場合にどうするかというのは実施までに医療機関関係者と十分詰めさせていただきたい、それで具体的に妥当な範囲内でうまく一部負担の徴収が円滑にできるようなことにしたいということでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 取り扱いは医療の関係者と協議をしてやると言うが、私もいろいろ考えてみました。しかし、同一疾患では総合病院では最初のときだけ取るんだという範囲以上に一体どう出るんだ。相当広く範囲をとりたいと言うけれども、現実に健康保険の取り扱いと具体的に一体どう違ってくるのか、どうもイメージがわかぬわけですよ。  だから知恵のある吉原さんにもう一遍、しつこいようだけれども、一体どういった方法で相談をして具体的にどう初診料、わたりの問題を解決するのか、お尋ねいたします。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 いま基本的に考えておりますのは、申し上げましたように、健保で同一の取り扱いにしているものは当然老人保健でも同じ一本の扱いになるかと思いますが、それ以上どういうことになるんだということにつきましては、個々のケースごとに判断をしなくてはいけない。その個々のケースというのはあくまでも医師の指示というものが治療上必要であるというようなことが要件になると思いますし、同時にやはりその医療機関で事務的に処理が十分可能であるというようなことも考えなくてはならないと思います。そういったことも考えながら、いま申し上げましたように実施までに医療機関関係者等と十分詰めさしていただきたいというふうに思っています。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 何ぼ考えても吉原さんが言われるような形で何か範囲を広くとる方法はないのですよね。結局は健康保険の初診時一部負担のようなかっこうで同一疾患というような形でくくるより仕方がないという感じがするのですが、それではせっかく各党が質問で取り上げて、確認質問でも前向きで検討しますという趣旨のことを言われても一向に変わらぬわけですよ。ややオーバーに言えば国会軽視もはなはだしい、これはどないするのですか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 同じことの繰り返しになりますが、健保法の場合と範囲が全く同一しかない、考えられないというふうには私は思っておりませんで、具体的な取り扱いにつきましてはこれから医療機関側と十分協議をしてまいりたいというふうに思っているわけでございまして、それが無理だからといって診療科目の枠を全部外せ、こうおっしゃいましてもこれは実務上も無理でありますし、ほかにいろいろ問題も出てまいることが予想されますので、そういったことはできないということは御理解いただきたいと思います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 同一疾患よりは広げたい、しかしこっちの方も枠がある、その幅は非常に狭いですよ。確認質問までやって変わった結果が一体本当に出るのかどうか非常に疑わしい、私はこのことを指摘しておきたい。  大臣、少しわかりにくいかもわかりませんが、その点はよく注意をしておっていただきたいと思うのです。  それから一部負担の問題で最も大きな問題は、いま田口理事が指摘をされたように国保組合の分ですね、全健総連の建設国保など。これがいままでは七割給付で三割自己負担で、その三割についてはほとんどのところで、これは付加給付といいますか組合独自でやっておって無料であった。それが今度は一万八千円になるわけですね、健保の方は一万五千円ではあるけれども。だからこれは余りにもむご過ぎるのではないか。せっかく参議院で修正をされたならば、何でこの点にも手をつけなんだのかということをまず第一に指摘をしておきたいと思う。  それからもう一つ、本源的にたとえば日雇健康保険の問題があります。御承知のように日雇健康保険というのは、現在そちらからの数字の連絡によりますと、被保険者本人が二十九万四千人、七十歳以上の本人というのは約八%であって二万四千人もおられる。これは確かに被用者保険でありますから、今度の参議院修正で一万八千円が一万五千円になった。なったけれども、しかしいままでは初診時一部負担百円で入院時一部負担ゼロなのです。七十歳になったら一万五千円になるわけですよ。  大体この人たちの平均月収は、吉原さん御存じですか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 いま手元に数字を持ち合わせておりません。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大体私どもの聞いたところでは、月収が八万円くらいなのですよ。しかも全日自労だけではございません。日雇健康保険の被保険者本人というのは、七十歳以上の方が二万四千人もおられる。これを一体ほっておくのか、大臣どうでしょうか。日雇い失対の労働者、二万四千人の方が七十歳以上でおられる。老人保健が成立をすれば、いままで無料であった入院が、最長ですか五十日間一万五千円になるわけですね。これはほっておくわけですか。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 いままで無料であった方に一部負担をお願いするという結果になるのは実は大部分の老人の方々にそういったことをお願いすることになるわけでございます。単に日雇いの方だけがそうなるということではございませんで、大部分の老人の方々はいままでは無料であったのですけれども、今度の法律によってこれだけの一部負担をお願いしようというわけでございます。日雇いの方についての問題で御質問でございますけれども、日雇いの方々だけが現在一部負担が本人についてもない、入院時一部負担はゼロでございますが、日雇健康保険の一部負担のあり方、現在のあり方に問題があるわけでございまして、その点を御指摘もございますので、日雇健康保険のあり方については、私はこれから基本的に考え直さなければならないというふうに思います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大臣、聞かれたでしょう。吉原さんは日雇健康保険はいままで優遇されているから一万五千円はあたりまえだ、むしろこういう健康保険はかなり手を入れてなくしてしまわなければ、まあそうは言わぬけれども、そういうようなことを言われておる。しかし現実に二万四千人の方がいままで無料であった、しかも七十歳以上です。長年都市環境の整備のために失対事業なんかで働いてこられた。徳島にもおられるでしょう。そういう人が入院すれば今度は一万五千円になるわけです。どうですか、大臣、どないします。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 御説はよくわかりますが、全体の保険制度の中で考えて言っているわけでございまして、一万八千円が一万五千円になったという点につきましても、将来の問題として、いま吉原審議官が話されましたように、日雇健保の中において将来考えていこう、こういうことでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 国保組合については返事がなかったのですが、国保組合について一言。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 国保組合の扱いにつきましては、先ほども田口先生の御質問にお答えしたとおりでございまして、土建関係の国保組合だけを一万五千円の特例対象に入れるということは、同じ国保の中でまた新しいもっと大きなアンバランスの問題を生じてくるという結果になりますので、私はおかしいのではないかと思います。やはり線を引くとすれば被用者保険本人、あくまでも被用者保険本人だけについてああいった特例を認めざるを得なかったということではないかと思います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 私は吉原さんと全然別で、あえて被用者保険本人だけに限ったことによって、国保あるいはほかの面でも新しい矛盾が出てきた、こういうふうに私は受け取っているわけです。  そこで私は、時間も大方終わりに近づきましたので、私の意見を述べたいと思うのです。  この前の衆議院での審議のときあるいは参議院での審議のとき、きょうにしても、たとえば一部負担の問題についてこうだと、恐れておるお年寄りが納得できるような説明はなかったと思う。また一部負担を課するとしたら一体額はどれくらいが適正なのかという合理的な根拠も全く見当たらぬというふうに私は思う。その典型的なのがいまの日雇健康保険、六十九歳までは入院ただであったのが七十歳になれば一万五千円になるというようなことば不公平さもきわまったものだ、絶対にこういう法律案は成立させるわけにはいかぬというふうに私は思うわけであります。  確かに病院が老人のサロン化しておるということはあるけれども、それは先ほど問題になっておったように、ホスピスだとかナーシングホームだとか特養ホームだとかそういう中間施設、あるいは在宅看護の方法、こういうようなものが施策的に欠けておるからそういう形になっておると私は思うわけです。私も、老人医療費などの医療費がいま以上にどんどん無制限に高くなるというようなことは好ましいことであるとは決して思いません。しかし、それを抑えるにはどうするかということになると、参議院でも参考人に呼ばれたように沢内村であるとか、八千穂村であるとかあるいは野市町、こういうようなところで予防と医療とリハビリ、こういうものを結合をしてちゃんと実績を上げておられるわけなのです。そういうところに学んでこそ本当の政治であって、これを一部負担を課したり受診抑制をやったりというようなことは、これはもうお年寄りの願いを逆なでするものだというふうに言わざるを得ないと私は思うわけであります。  確かにお年寄りは、中には経済的に余裕のある方もおられるかもわからぬけれども、この間大臣もNHKの老人病院のテレビを見られたと思うのですけれども、ある程度経済的に恵まれておっても、医療費に関してはお年寄りは無料であるということがお年寄りに対してどれだけ心の安らぎを与えておるかわからぬわけなのですね。そこを十分に考えていただきたい。お年寄りを粗末にする政治というのはだめであります。だから、ぜひともこういう老人保健法案というような本末転倒もはなはだしいものは成立をさせない、そのことを私は主張したいと思う。  しかもこれが基本答申でもあるいは去年出た一次答申でも臨調の先取りだ、臨調が成立させい、こういうふうに言うておるわけでしょう。これをもし一部負担ができると、あなた方はもうすぐに一部負担の額をふやす法改正をお願いしますというようなかっこうになることを私は非常に恐れておるわけなのです。そんなことするなら軍備の拡張をやめなさい、こういうことになるわけなのです。  だから、そういう点で絶対にこの法律案、一部負担を突きつけたままでの老人保健法の成立というのは好ましくないし、断固として私は阻止をしたい、このことを主張して私の質問を終わりたいと思います。  以上であります。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 次に、菅直人君。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 老人保健法案の質疑の最後になりましたけれども、衆議院の段階で私もかなりいろいろな質問をさせていただきまして、今回参議院に回って修正の結果、戻ってきたわけです。私としてはこの老人保健法案というものがその趣旨のような形で本当にうまく機能するのかどうか、また医療費が大変に伸びているときにこういう制度をつくって、いろいろな努力をすることがむだになるような制度にならないのだろうかということでいろいろと心配をしてきたわけでありますけれども、参議院の幾つかの修正を見ておりますと、そういった点についてある程度改善が加えられたのではないかというふうに私も見ております。しかし、いまなお幾つかの問題点がありますので、これを機会に幾つかの質問をしたいと思います。  まず第一に、レセプトの流れについて以前からいろいろと質問をしていたわけでありますけれども、予算委員会の分科会の質問で、実施主体である市町村よりも保険者に先にレセプトを回すようなやり方を努力したいということを審議官の方から返答をいただいたわけですけれども、今回の修正案を見ますと保険者がその市町村にレセプトの提出を求めることができるというふうな根拠条文も加えられているようで、そういった点では整備がなされたのではないかと見ております。  この点に関連して一つだけお聞きしたいのは、たとえば過誤調整、現在行われている過誤調整は基金との間で保険者が直接やりとりをやっているわけですが、老人保健制度ができた場合にもいろいろな過誤調整を直接基金との間でやれるのかどうか、この点をひとつ問いたいと思います。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 過誤調整は保険者と連絡をとりながら市町村がやるということを考えておりますけれども、厳密にというか正式に申しますとそういうことにならざるを得ないわけですが、実際の取り扱いはできるだけ手続等を省略いたしまして、保険者と基金との間でストレートに直接的にできるような方法も運用面で考えてみたいというふうに思っております。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 実際上私もそういうやり方の方がいいのではないかと思うので、ぜひそういった方向で検討いただきたいと思います。  また、いま医療費の通知運動というのが各保険者によって行われているわけですが、今回の場合、これがどういう形になっていくのか、保険者がやはり同じようにやれるのか、その点についてまだ決まってなければ、いままでと同様に保険者がやれるようにぜひ努力をいただきたいということを申し添えておきたいと思います。  それからもう一つ、第二点、お聞きしたいのは、今回加入者の按分率を二分の一以下で政令によって定めるということが五十八年度以降について行われるということでありますけれども、これを老人保健審議会にかけるということですが、大体の時間的なというかスケジュール的なめどはどのように考えられているのか。  あわせて、条文の中では、老人人口の増加率を勘案してとありますけれども、ある程度加入者按分率を厚生省の方で提示をして、そうしてそれを適切かどうかを聞かれるのか、それともこの老人人口の増加率を勘案してということだけでもって意見を聞かれるおつもりなのか、そのスケジュールとその取り扱いについての見解を伺いたいと思います。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 加入者按分率を老人保健審議会にかけて政令で決める時期でございますけれども、これは五十八年度で申しますと、五十八年度の予算が決まりまして、大体五十八年度の老人医療費の総額がどのくらいになるか、それが五十七年度に対してどのくらいな伸びになるか、それが決まるということが前提条件でございまして、その後、老人人口の増加率が毎年大体三%あるいは平均して三・六%程度でございますので、その両者の関係の中で按分率を決めていくということになるわけでございます。したがって、時期的には、五十八年度について申し上げますと、五十八年の一月から三月の間に審議会に諮問をして、政令で決める、五十八年度の拠出金の分からそれが動くようにする、こういうことでございます。  それから諮問の仕方でございますけれども、これは漠然とした諮問ではなかなか審議会での御審議ができにくい、むずかしかろうと思っておりますので、いま申し上げましたように、トータルの老人医療費の伸びと、それから五十八年度に予想される老人人口の伸び、その両者の関係で加入者按分率を算出をいたしまして、その結果について老人保健審議会でいろいろ御議論をいただく、こういうことを考えております。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 この点について大体の方向はわかりましたので、もう一つ次の問題に移りたいと思います。  今回の修正の中で附則の四条の中に「検討」という項目が入りまして、三年以内をめどにして制度といいましょうか拠出金の問題についていろいろと検討するということでありますけれども、今回のこの老人保健制度の拠出金の方式を見ておりますと大変に複雑だ。これは大臣も認識をされていると思いますけれども、非常に複雑になった上に、さらにそれを毎年毎年加入者按分率を修正する。その修正もいろいろな要素をさらに勘案して修正するということで、大変複雑な形になっているわけです。  そういった意味が一つと、もう一つ私が以前から特に申し上げているのは、今回の制度で非常に気をつけなければならないのは、保険料を徴収する保険者とその保険料を受け取ってといいましょうか、拠出金として受け取って医療機関に支払う市町村が分離をしているという問題があって、運用を間違うと責任体制が不明確になるのではないかということを思うわけですけれども、この三年以内を目途に制度といいましょうか拠出金の見直しというのは、こういった制度の根本的な問題も含めての見直し、制度の根本といいましょうか拠出金を中心とした意味での制度全体の見直しになろうかと思いますけれども、その点について大体どういうふうなことになりそうか、いまの段階で答えられる範囲で結構ですから、見通しを教えていただきたいと思います。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 附則第四条の見直し規定は参議院の修正でついせんだって入ったばかりでございますので、見直しをどういう方向で行うのかという御質問につきましては、現在の時点では申しわけございませんがまだ考えておりませんし、お答えできる時期ではありませんが、そこの法律の条文にもございますように、拠出金の算定の仕方、あり方につきまして、この法律自体、御審議の段階でいろいろ御意見がございましたし、また実際にこの法律を施行いたしました場合にいろいろ予想しなかったような問題点などが出てくるかもしれません。  したがいまして、この三年後の見直しのときにおきましては、そういった国会の御審議でのいろいろな御意見、それから法律施行後の新たに出てきた問題点、そういったものを十分踏まえまして見直しをしたい、しなければならない、こう思っておるわけでございます。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 見直しのときにはぜひもう少しすっきりとしたという言い方も変ですけれども、だれもが説明をされてもわからないような制度というのは必ずしも望ましくないと思いますので、もうちょっと何とか国民にわかりやすい制度に見直していただきたいということを述べておきたいと思います。  もう一つだけ、大きな問題でありますけれども、この老人保健法案のもともとの政府原案の中では、老人医療費の支払い方式などを含めて老人保健審議会で審議をするということになっていたわけですけれども、それが衆議院段階で中医協によってこの問題は扱われるということに修正されたわけであります。この問題で私たちとしては中医協で果たしてそういった支払い方式を含めての検討が本当にちゃんと進むのだろうかということを若干心配をしているわけですけれども、まず一つ、この中医協において老人保健法に基づく診療報酬の新しい点数表をつくられるのかどうか、つくられるとしたらその時間的なめどはどの程度であるかということをお聞きしたいと思います。

吉原健二厚生大臣官房審議官

○吉原政府委員 老人の診療報酬というものが新しい点数表の設定ということになるのか、あるいは現在の点数表の部分的な改定、手直しということになるのか、これは中医協で十分御審議、御検討いただいた上で結論を出していただきたいと思っているわけでございます。  それから、時期的な問題でございますけれども、法案の成立をお認めいただきました場合にはできるだけ早く中医協に検討をお願いして、制度の実施が二月でございますので、できれば本年暮れぐらいまでには結論を出していただきたいというふうに思っておるわけでございます。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 最後に、この問題に関連してできれば大臣に答弁をいただきたいのですが、この老人保健制度の審議は衆参合わせて相当長い時間を費やしたわけでありますけれども、医療費の支払い方式をどのようにするかという問題での議論がその中の相当大きな部分を占めてきたと思うわけです。いまの審議官の答弁にもありましたけれども、結局中医協の中での部分的手直しないしは多少は新しい点数表というような、トータルとしてもかなり部分的なものになってしまったようでありますけれども、これは老人の医療制度に限らないで、支払い方式を含めて、一体いまのやり方がいいのかどうか、この中医協でぜひ検討をさせていただきたいと思うわけです。  たとえば現在の出来高払いのいろいろな疑問点が言われておりますし、臨調の答申の中にも医療費総額の抑制の問題が出ておりますし、また最近の通知運動なんかの効果を見ておりますと、たとえば一割だけの償還制みたいな、たとえば一万円かかった場合は千円分だけ一たん自分で払っておいて、そして請求書をもらってそれを保険組合から個人が受け取るというふうな、そういった一割のみの償還制なども含めて、支払い方式の見直しということを中医協において積極的に取り組んでいただきたいと思うわけですけれども、この点についての大臣の決意を最後に伺わせていただきたいと思います。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 この老人保健法につきましてはすでにもう五年前から懇談会を通じて話題になり、また検討が始まったわけでございまして、やっと今日に至った。その間に、高齢化社会に対応して、年金もそうでございますけれども、健康をいかに守っていくか、またこれに対する負担はどうあるべきか、また給付、サービスはどうあるべきか、いろいろな諮問とか、また調査会における結論が出てまいりまして、これはかなり社会問題であるし、また高齢化社会という新しい時代に入った一つの政治的な課題である、このように実は思っておりまして、臨調でも、私の方の社会保障長期展望懇談会でも実は先般出されております。  そういうことで、御老人に健やかに長生きをしていただくというためには、いわゆる壮齢期から十分保健衛生、いわゆる予防でございますけれども、そういうものを通じて健やかな老後を送ってもらいたいということに尽きるわけでございますけれども、問題は、いまいろいろお話がございました。負担の割合をどうするんだ、またこの診療報酬を決める中医協のあり方はいかにあるべきかというようなことも踏まえまして、今後学識経験を有する専門委員を加えてこの御審議をできるだけ早くやっていただいて結論を出したい。いま吉原審議官からも申し上げましたように、年内に結論を一応出したいということでございます。  ただ問題は、始まったばかりでございまして、いろいろ試行錯誤的な面も出てくるかもわかりません。これはただ老人保健法だけの問題ではなしに、健康に対する問題、高齢化社会に対する問題、すべての中で老人保健法による保健をどうしていくか、また診療をどうしていくか、また保険財政をどうしていくかという非常に多角的な面にわたる重要問題でございますので、私どもは慎重の中にもできるだけ早く対処を機動的に弾力的にやっていきたい、こういう強い決意でやっていきたいと思うわけであります。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 質問を終わります。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 日本共産党から討論の申し出がありますが、理事会の申し合わせにより討論は行わないことといたしておりますので、さよう御了承願うこととし、直ちに採決に入ります。  老人保健法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 この際、大石千八君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ・民主連合及び柿澤弘治君共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。大石千八君。

大石千八自由民主党

○大石委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ・民主連合及び柿澤弘治君を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     老人保健法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、速やかに適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。  一 老人医療についての診療方針及び診療報酬は、老人の心身の特性を踏まえて改善を図るものとすること。  二 医療を受ける老人の負担を軽減するため、差額ベッド、付添看護等の保険外負担を早急に解消するよう、所要財源の確保と行政指導の一層の徹底を図ること。特に、私立大学附属病院における保険外負担の解消について格段の努力をすること。  三 薬価基準の適正化、医療機関に対する指導、監査の徹底、医療費通知制度の普及、高額医療機器の共同利用等の施策を積極的に推進することにより、医療費の無駄を排除し、その適正化を図ること。  四 レセプト審査の改善充実を図り、特にレセプトが迅速に保険者に送付されるよう努めること。  五 社会保険診療報酬支払基金における老人保健業務の実施に伴い、要員の確保その他業務体制の充実強化と審査体制の整備を推進すること。  六 医療機関等の適正配置を含め地域医療の推進を図るため、必要な法制の整備に努めること。  七 医療以外の各種の保健事業が効果的に実施されるよう、保健婦その他の医療関係者の質量両面にわたる養成確保及び保健所等必要な施設設備の整備充実に格段の努力を払うとともに必要な予算措置を講ずるよう努めること。  八 老人保健事業の円滑な実施を図るため、市町村に地域の関係者からなる連絡協議組織を設けるよう指導すること。  九 老人医療のうち、歯科における加齢による咬合障害を伴う欠損補綴(ほてつ)の取扱いに対しては、特に改善を図るとともに歯科保健事業の確立と歯周病等に対する歯科健診の導入に努めること。  十 老人医療におけるはり、きゆう、マッサージの取扱いについては、その需要にこたえられるよう特段の配慮をすること。  十一 痴呆を主とした老人の精神障害に対応するため、精神病床その他の施設の整備を行うとともに、老人精神障害対策に関する専門的な調査研究を進める等総合的な対策を講ずること。  十二 多数の原爆被爆者を抱えているため新たに相当の医療費負担が発生する地方公共団体については、政府はその負担について従前の実績を踏まえ、今後とも別途適切かつ十分な財政措置を講ずると。  十三 退職者医療制度についての検討を急ぐこと。  十四 老人の保健医療と密接な関連を有する年金、福祉サービス、雇用、住宅等に係る老人福祉対策の一層の充実を図ること。  十五 本格的な高齢化社会の到来に対応し、老人問題に関する総合的な研究体制の整備について検討すること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  大石千八君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。     —————————————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 お諮りいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森下厚生大臣。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○森下国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきまして、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存であります。      ————◇—————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。  その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。  本案は、最近におけるシンナー等の乱用者の増加、悪質化が国民の保健衛生上きわめて憂慮すべき問題を提起している現状にかんがみ、現行のシンナー等の摂取、吸入等の乱用者に対する法定刑の引き上げを行うことにより、これら乱用者の規制を強化し、シンナー等による危害の防止を図ろうとするもので、その内容は、シンナー等をみだりに摂取しもしくは吸入し、またはこれらの目的で所持する行為の禁止規定に違反した者は、現在三万円以下の罰金に処することになっておりますが、新たに、これらの違反者に対し一年以下の懲役等に処することができることとするものであります。  以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。     —————————————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 採決いたします。  お手元に配付してあります草案を毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  委員長において所要の提出手続をとることといたします。      ————◇—————

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 この際、森井忠良君外二名提出、医療法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。金子みつ君。     —————————————  医療法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

金子みつ日本社会党

○金子(み)議員 私は、日本社会党を代表し、医療法の一部を改正する法律案の提案理由及び概要を御説明いたします。  老人保健制度の創設に当たり、わが党は三つの基本目標を立てました。第一は、成人病・慢性病の予防と治療に確実な効力を持つ制度ということであり、言いかえますと、薬剤依存をやめて生活療法を確立し普及する方向であります。第二は、いつ、どこでも経済的な不安なく医療を受けられるようにということであり、言いかえれば付き添いや差額室料等保険外負担及び無医地区の解消が急務であるということです。そして第三は、お年寄りの健康を支える施設及びマンパワーの整備について、この際行政責任の所在を明確にするとともに、都道府県並びに市町村の権限と実行力を強化、拡大することであります。  全国に病院及び診療所を配置し整備するとともに、その適正な運営を確保することは、医療法の改正を抜きにして考えられないことは御承知のとおりであります。つまり、老人保健制度創設に当たっての諸目標は、いずれもこの医療法の改正を必要不可欠なものとしていると言わねばなりません。厚生大臣が、昨年三月、社会保障制度審議会に医療法改正案要綱を諮問したのも、また、今国会中に成案を得て提案すると再三言われたのも、ひとえにこのためなのであります。  ここに提案いたしましたわが党の医療法改正案は、国民の医療の確保を図るため、国及び都道府県医療計画の策定、地域中核病院の整備及び医療法人の指導監督規定等の整備その他について、所要の改正を行おうとするものでありますが、昨年の政府諮問案と比べて、およそ三つの大きな違いがございます。その一つは、国の医療計画について明確にしたこと、二つは、地域中核病院の整備に関する方針を具体化したこと、三つは、医療法人の指導監督規定をより一層強めたことであります。  国の医療計画につきましては、次の事項について定めるものとしております。すなわち、医療の確保の基本方針に関する事項、都道府県医療計画の指針に関する事項、国の開設する医療機関及び公的医療機関の整備に関する事項、がん専門病院、循環器疾患専門病院、精神神経専門病院、小児専門病院等の専門病院及び医学的リハビリテーション施設の整備に関する事項、医療従事者の養成及び確保に関する事項であります。  都道府県の医療計画は、次の事項について定めるものとしております。すなわち、医療の確保の基本方針に関する事項、医療圏の設定に関する事項、医療圏ごとの必要病床数の設定その他医療圏ごとの医療機関の整備の目標に関する事項、医療機関相互の機能連携に関する事項、医療従事者の確保に関する事項、無医地区の医療、休日及び夜間診療並びに救急医療の確保に関する事項、地域中核病院の整備に関する事項であります。  地域中核病院については、およそ次の趣旨の規定を設けております。すなわち、一つには、都道府県知事は都道府県医療計画に基づき、地域における医療に関し中核的機能を有する医療機関として、総合病院である公的医療機関のうちから地域中核病院を指定するものとすること。二つには地域中核病院は、医療機関相互の機能連携において中核としての役割りを果たすとともに、無医地区の医療、休日及び夜間診療並びに救急医療の確保を推進する責務を有するものとすること。三つには、地域中核病院は、医学的リハビリテーション及び精神科・神経科医療の機能を備えるようにしなければならないものとすること。四つには、地域中核病院は、その業務に差し支えない限り、その建物の一部、設備、器械及び器具を、当該病院に勤務しない医師または歯科医師の診療または研究のために利用させるようにしなければならないものとすること、以上であります。  右のような医療計画を推進する必要な施策としては、次の諸点を明記することにいたしました。  すなわち、国は、国の医療計画を達成するため必要な措置を講ずるようにしなければならないものとすること。都道府県は、診療用器機等の共同利用の推進、医療情報処理の体制の整備、地域中核病院の整備等都道府県医療計画を達成するため必要な措置を講ずるようにしなければならないものとすること。市町村及び医療機関は、都道府県医療計画の達成に関し、協力しなければならないものとすること。国は、政令で定めるところにより、地域中核病院を開設する者に対し、その整備及び運営に要する費用の一部を補助するものとすること。国は、前項に定めるもののほか、都道府県医療計画の達成のため必要な措置を講ずるようにしなければならないものとすること。都道府県知事は、都道府県医療計画を達成するため必要がある場合には、医療機関を開設しようとする者等に対し、都道府県医療審議会の意見を聞いて、都道府県医療計画に定める事項の実施に関して勧告をすることができるものとすること。そして、現行法第七条の二に定める公的医療機関の病床規制は、廃止するものとすること、以上であります。  最後に、医療法人の指導監督規定に関しては、次の事項を整備することとしております。すなわち、医療法人には、役人として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならないものとし、病院または診療所の管理者はすべて理事とすること。役員の任期は、二年を超えることはできないものとすること。ただし、再任を妨げないものとすること。役員のうちには、各役員について、その配偶者及び三親等以内の親族が役員の総数の二分の一を超えて含まれることとなってはならないものとすること。次のいずれかに該当する者は、医療法人の役員になることはできないものとすること。1この法律、医師法、歯科医師法その他政令で定める医事に関する法律の規定に違反して刑に処せられた者、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなるまでのもの、2設立の認可を取り消す処分を受けた医療法人の当該処分を受けた当時の役員。都道府県知事は、医療法人に対してその業務もしくは会計の状況に関し報告もしくは資料の提出を命じ、または、当該吏員に、医療法人の事務所に立ち入り、その業務及び財産の状況を検査させることができるものとすること。都道府県知事は、医療法人の運営が、法令、法令に基づいてする都道府県知事の処分、定款もしくは寄附行為に違反し、または適正を欠くと認めるときは、当該医療法人に対して、業務の停止、役員の解任または定款もしくは寄附行為の変更その他必要な措置をとるべき旨を命ずることができるものとすること。都道府県知事は、医療法人が前項の規定による命令に従わなかったときは、当該医療法人の役員を解任し、または設立の認可を取り消すことができるものとすること。ただし、設立の認可の取り消しは、他の方法により監督の目的を達することができないときに限り、行うことができるものとすること、以上であります。  これらが、本案の概要でございます。委員各位におかれましては、十分に御検討の上、委員会として慎重に御審議いただき、できるだけ速やかに成立を期せられんことを心からお願いし、私の提案理由説明を終わります。(拍手)

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時十七分散会      ————◇—————

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