社会労働委員会 第9号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1982/04/20
会議録
○唐沢委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。森井忠良君。
○森井委員 本日は、これから勤労者財産形成促進法の一部改正案について採決が行われるわけでございますが、それに先立ちまして、この際確認しておきたいことがございますので、幾つかの御質問を申し上げたいと存じます。 その第一は、今回制度改善に当たって、従来から多くの勤労者が活用してまいりました住宅貯蓄控除制度が廃止されたわけでございますが、これに伴って勤労者に実損が生じるようでは制度の後退につながるわけでございます。既契約者に対する措置はもちろんのこと、財形政策全般において、そういったことのないよう十分な措置を講ずべきであると考えるのでございますが、所見を承っておきたいと存じます。
○初村国務大臣 今回、勤労者の財産形成をより効果的に促進するために、財形持ち家個人融資制度において利子補給の導入あるいはまた貸付限度額の引き上げ等を図るとともに、財形年金貯蓄制度を創設することとしたところであります。このような施策の展開に伴いまして住宅貯蓄控除制度を廃止することとしましたが、いまお話がありましたとおり、既契約者については新たな財形持ち家個人融資の積極的活用あるいはまた財形年金貯蓄制度への円滑な移行を進めることによって、今後両制度の活用促進並びにその充実に努めることによって、労働者に実損が生ずることのないように最大限の努力を払ってまいる決意でございます。
○森井委員 次に、財形持ち家融資制度につきましては、従来その活用が低調であったわけでございまして、今回利子補給制度を導入したことについては多としたいと考えますが、まず第一にその活用を積極的に促進して、勤労者の持ち家取得を促進すべきであります。また、今後貸付金利の改善、融資枠の拡大等によりその充実を図る必要があると考えるのでございますが、今後の方針を伺っておきたいと存じます。
○初村国務大臣 この財形持ち家融資制度については従来から活用が十分ではなかったようであります。そこで、生活の安定あるいはまた国民経済の発展のために重要な勤労者の持ち家取得を一層促進する必要がありますので、今回の改善を機会に、関係機関を挙げてその周知徹底に取り組み、活用の促進を図るとともに、御指摘も踏まえて制度の一層の充実に努めてまいる所存でございます。
○森井委員 財形貯蓄や年金貯蓄については勤労者、特に中小企業に働く勤労者はやむを得ない転職もあり得るわけでございまして、その数も多うございますが、転職の場合にこれらの貯蓄が容易に継続できるよう、金融機関間の移しかえ等について検討し、継続措置を拡充すべきであると考えるわけでございます。 また、年金貯蓄は新しく設ける制度でもあり、今後一層活用しやすいものにするよう見直していく必要があると考えているのでございますけれども、所見を承っておきます。
○初村国務大臣 今回、高齢化社会の進展に対応しまして財形年金貯蓄制度を創設することとしたところでありますけれども、一般の財形貯蓄も含め転職をした場合に容易に継続できるようにすることが何よりも必要であると考えます。 そこで、御指摘の方法も含め継続措置を検討し、その拡充に努めるとともに、実施状況を見ながらなお一層活用されやすいものにするように見直しを行っていく所存でございます。
○森井委員 第四番目の質問でございますが、財形制度の運営の実態を見ますと、企業の都合だけで財形貯蓄取扱金融機関が決められ、勤労者の意向が反映されない場合もあるわけでございます。また、日本勤労者住宅協会が財形持ち家分譲融資により建設する住宅を、地方公務員に限って利用できない実態もございます。 さらに、国会議員の秘書は、国家公務員でありながら財形制度が利用できない問題もあるわけでございます。 したがって、これらの問題についてどう対処しようとしておるのか、方針をお伺いしておきたいと存じます。
○初村国務大臣 財形貯蓄の取扱金融機関の選定については、その後の運用が円滑に行われるためにも労使双方で十分協議をしていただいて、勤労者の意思が反映されるようにすることがまず第一に望ましいのであります。そのような方向で配慮してまいる考え方であります。 また、地方公務員の日本勤労者住宅協会の利用については、その実績がないので個別に地方公共団体等に強力に働きかけるなど格段の努力をしてまいる所存でございます。 さらに、いまお話がありました国会議員の秘書の財形制度の適用問題につきましては、前向きの方向で関係機関と十分相談してまいる所存でございます。
○森井委員 最後に、財形政策についてはまだ基本方針も定められていないというところでございまして、基本的なあり方を踏まえ、必要な税制、財政面からの優遇措置を充実する等、今後とも整備充実を図っていくべきであると考えておるわけでございますが、大臣の所見を承っておきたいと思うわけでございます。
○初村国務大臣 財形制度につきましては、その基本的なあり方を勤労者財産形成審議会で引き続き検討していただき、さらにまた財産形成の促進に必要な税制の問題あるいは財政面からの優遇措置を充実するようさらに一層努力し、今後とも財形制度の整備充実を図ってまいる所存でございます。
○森井委員 終わります。 ————◇—————
○唐沢委員長 内閣提出、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、去る十三日、質疑を終局いたしております。 これより討論に入ります。討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○唐沢委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○唐沢委員長 この際、丹羽雄哉君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合、六派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。丹羽雄哉君。
○丹羽(雄)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。 一 勤労者財産形成制度全般については、法の 趣旨に照らし基本的な検討を続け、それに即した制度の整備充実を図ること。 二 勤労者の財産形成促進に必要な税制、財政面からの優遇措置を充実するよう、更に一層努力すること。 三 物価及び地価の安定が勤労者の財産形成の基礎的条件であることにかんがみ、物価政策及び土地対策の推進に遺憾なきを期すること。 四 財形貯蓄及び財形年金貯蓄については、転職の場合における継続措置の拡充等勤労者の生涯設計に即し、一層利用し易いものとするよう努めること。 五 取扱金融機関の選定については、勤労者の意思が反映できるよう配慮すること。 六 勤労者財形持家融資等については、一層の充実と活用促進に努めること。 七 住宅貯蓄控除制度が廃止されることに伴い、財形持家個人融資の積極的活用、財形年金貯蓄への円滑な移行等の措置により、勤労者に実損が生じないよう努めること。 八 財形持家分譲融資により日本勤労者住宅協会が建設する財形住宅については、地方公務員にも分譲できるよう早急に努力すること。 九 勤労者財産形成給付金制度及び基金制度の充実に努め、事業主がこれらを積極的に活用するよう行政指導を行うこと。 十 勤労者財産形成促進制度における各種制度が広く活用されるよう、その周知徹底と手続の簡素化に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○唐沢委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 採決いたします。 丹羽雄哉君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○唐沢委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 —————————————
○唐沢委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○唐沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○唐沢委員長 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。初村労働大臣。
○初村国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に今後とも一層努力いたす所存であります。 ————◇—————
○唐沢委員長 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事森井忠良君から、ただいま理事辞任の申し出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○唐沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 引き続き、理事補欠選任についてお諮りいたします。 森井忠良君の理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○唐沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 それでは、理事に田口一男君を指名いたします。 次回は、明後二十二日木曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十五分散会