公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第12号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1982/08/17
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 先刻来、公明党・国民会議、日本共産党の委員に出席を要請いたしておりますが、いまだ出席がありません。もう一度事務局をして出席を要請いたしますので、お待ちください。——再三にわたり御出席を要請いたしましたが、いまだ御出席がありません。やむを得ず議事を進めます。 参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案並びにこれに対する安藤巖君提出の修正案及び小杉隆君提出の修正案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 大変重要な、私ども議会制民主主義の選挙の根幹にかかわる選挙制度の審議につきまして、私は七月二十七日の本会議において申し述べたように、参議院で不幸にも委員会における強行採決と言われる形が行われ、本会議も正常でなかったことは、この重要な選挙制度の問題としては大変遺憾なことであった、かように考えておりまして、少なくとも衆議院については十分に審議を尽くして、その上で、審議が尽くされた後には整々と採決に応ずる、これは、私は長く大蔵委員会において重要な税その他の国民生活に関する案件を無理な形で審議をすることは本来の議会の民主的な運営にもとるものでありますから、十分ひとつ審議を尽くして、審議を尽くした後は採決を行うということが行われておりますが、その考え方をぜひ当委員会にも行っていただきたいというふうに要請をいたしまして、各委員の皆さんの御協力のもとに実は今日まで十分な審議が尽くされたと考えておるわけでございます。 残念ながら途中から公明党と共産党の方が当委員会に御出席にならないために、当初は最低質疑時間だけで三十五時間、さらに総理に対する質問が別枠ということで一時間半それに加わりますから、三十六時間半というのが当委員会における最低の質疑時間として予定をしたわけでありますが、これは参議院における質疑時間の三十一時間三十五分より五時間近く上回る予定でございました。しかし、残念ながら公明党、共産党の皆さんが持ち時間をお持ちになりながら審議に参加をされないものでありますから、結果的には質疑時間は三十時間五十九分ということになりました。参考人に対する質疑、これも実は公明党の御欠席がありましたために、参議院が四時間一分に対して三時間二十五分、公述人に対する質疑は参議院が二時間四分に対して二時間二分、さらに衆議院では地方公聴会を行いまして二時間、大阪における公述人の意見を伺うことができました。その結果、いま申し上げましたように、公明党、共産党が御欠席でありますけれども、本日の予定質疑時間を終了いたしますと、衆議院は三十八時間二十六分、参議院の三十七時間四十分に比べても衆議院の方が十分な時間をかけて審議をすることができました。さらに大阪における地方公聴会、あるいは参考人に参議院の全国区の御経験のある皆さんに御出席をいただきまして、私ども衆議院議員にとっては十分承知できない参議院全国区の皆さんのいろいろな問題点をここで承ることができまして、本日までの当委員会の運営は、私、昭和三十五年以来公職選挙法の委員を、中で少し抜けたときがありますが、少なくとも一貫してやってまいりまして、この委員会に恥じない審議が行われたということを私は大変うれしく思っておるわけであります。 久野委員長も、大変困難な情勢の中ではありますが、十分手を尽くして慎重審議に徹するというお考えで今日まで委員会を運営していただいたことを私は多とするものでございます。(拍手) そこで、まず最初に、新自連御提出の修正案について御質問をいたします。 修正案を拝見いたしますと、一番目が政党要件の緩和でございます。政党要件の緩和については、公聴会における公述人の皆さん、参考人の皆さん、さらには各党の審議の中で、参議院に提案した私どもの問題を含めて、ずいぶん実はたくさん論議が行われたわけでございまして、その点については私も方向としては全く同感なのでありますが、内容について少しお尋ねをしたいと思うのであります。 私どもは、所属国会議員を原案は五人以上、社会党は三名以上としておりますのを、新自連では二名以上というふうになすっておられます。 〔委員長退席、塩崎委員長代理着席〕 その次に、直近の衆参選挙における有効投票の自民党案は四%、それから私どもは二%、新自由クラブは一%。それかも比例代表選出議員候補者及び選挙区選出議員候補者の数が自民党原案では十人以上、私どもは五人以上、新自由クラブ三人以上、こうなっておるのでありますが、これの根拠は一体どこにあるのか。こういうふうにお出しになった以上は何らかの理由があるわけでございましょうかち、それをちょっとお伺いいたしたいと思います。
○小杉委員 お答えをいたします。 この委員会でも、また参議院でも非常に議論の集中したところがこの政党要件の緩和であることは、堀委員の指摘のとおりでございます。いまの全国区制度というのは無所属でもあるいは少数会派でも、だれでも立候補ができるというところにあるわけですが、今回政党選挙ということで一挙に政党要件を厳しくするということについてはいろいろ憲法論議もありましたし、いまの参議院の全国区のよさというものを損なうのではないかという議論もたくさんございました。私どもは別にバナナのたたき売りで社会党さんの案をさらに緩和したということではなくて、私どもはやはりいまの参議院の先例集を見ますと、一つの会派をつくるのに二人以上というふうな規定もありますし、二人現職の国会議員がいれば政党とみなしていいのではないかということが一つ。 それから二番目の一%といいますのは、有効投票が約五千万票としますと、その一%は約五十万票ということでありまして、前回の参議院の全国区でも約五十万票を超えた次点者が六、七人おられたと思いますが、前回その程度の票をとった人には再挑戦の機会を与えてもいいのではないかというふうに考えましたこと。 それから三番目に、三人以上の所属の比例代表選出候補者というのは、自民党提案の原案ですと十人ということになりますと供託金にしても四千万円をそろえなければいけないというようなことで、私どもは、共産党提案の修正案のように個人立候補も無制限に認めるということになりますと、やはり政党と個人が混在をして、そうなりますと集票能力に自信のある人はどんどん個人で立候補してしまう。そうすると、いまの金のかかり過ぎるという弊害を取り除くことができないというようなことで、三人程度に減らせれば、たとえば市川房枝さんが立候補しようという場合に自分の意思と同じ人をあと二人口説いて立候補するということになれば、事実上個人立候補でも可能になるという考えから、こういう政党要件にしたわけでございます。 基本的な発想は、私どもは将来は政党がもっと成熟をして政党としての選挙ができるという状況になれば政党要件を厳しくしてもいいと思いますが、いま個人選挙に長年なれてきたものを一挙に政党選挙といって最初から厳しい要件を課するということは現実になじまないのではないか、個人選挙から政党選挙へ移行する一つの過渡的な措置としてできるだけ個人立候補が可能になるように近い、そういう形での修正案を考えたのがこの政党要件でございます。
○堀委員 その次に、選挙公報を「参議院比例代表選出議員の選挙について、選挙公報は、選挙ごとに二回発行するものとする」、こうございますね。参議院の選挙期間は二十三日でございますから、二十三日の選挙期間に、私は、選挙公報は多い方がいいと思うのですけれども、二回というのは物理的に少し無理ではないのか。御提案にそういう意味で反対ではないのですが、その確認その他は中央選管その他で御検討いただいたわけでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○小杉委員 実は選挙運動につきましては、私も質問の際に当委員会で申し上げたように、従来は個人選挙で、たとえばポスター一人当たり十万枚、はがき一人当たり十二万枚、そのほか選挙事務所が一人につき十五カ所、あるいは宣伝カーが全国で三台ということで、選挙運動の総量としては、いままで百人程度の立候補者がありますとおのおの百倍ということですから大変なボリュームがあったわけです。ところが今度は個人選挙運動は一切禁止ということで、すべて政党だけの運動に限定をされますと、有権者の方もいままでの全国区の選挙に非常に親近感がなくなってしまうということから、できるだけマスコミを中心とした選挙運動の総量を拡大しようというのが私どもの考え方でありまして、したがってテレビとかラジオあるいは選挙公報にウエートを置いたわけです。御指摘のとおり選挙公報というのは他の媒体と違いまして配布とかその他非常に時間がかかるわけでして、私どももこの辺は非常に慎重に検討したのですが、現在届け出後の事務的な時間的な制約あるいは投票日直前のいろいろな制約を考えますと、現実には十七日間ぐらいしかその期間がないので、二回発行というのは物理的にかなり厳しいことはよくわかるのですが、冒頭申し上げたように選挙運動の総量が非常に制約されますので、実質十七日間ぐらいの選挙期間中その前半と後半に分けまして何とか二回発行に踏み切りたい、そういう考えから二回ということにしたわけでございます。
○堀委員 その次に、これは民社党も御提案になっておる考え方でありますけれども、記号式投票であります。私も原則的に記号式投票に賛成なんですけれども、何さま新しい制度をこれからやるときにどのくらい政党または政治団体が届け出になるのかちょっと予測ができないのですね。もう一つ、いまの皆さんの方の案を見ますと、政党要件が緩和されますとますますたくさん出てくる可能性がある。ちょっと予測しがたい条件で、何回かやっていく過程で大体見当がついてきますから、その時期には記号式投票を採用することが、集票も非常にスピードアップされますし、いろいろな正誤の問題、そういう問題が解決されますので、私は記号投票はきわめて合理的な投票方式だと思うのですが、ちょっと最初の選挙では無理ではないかというのが私の率直な気持ちでございます。そういう意味で、私はこの問題は、供託金の問題といまの政党要件と投票方式というのは相互に関連のある問題だ、こう見ておりまして、ちょっとそういう意味では新自連さん、一番政党要件を緩和されますから、不確定要因の一番多い条件になるところで記号式というのはいかがかと思うのですが、その点についてのお考えをお伺いいたします。
○小杉委員 確かに政党要件が緩和されますと少数政党でも立候補できるということで、立候補の名簿提出政党が非常にふえることは予想されるわけです。しかし、現行の候補者が百名おりまして、私ども現行の候補者から見れば相当減るわけですし、自民党、社会党というのは相当数が一緒に束ねられるわけですから、そんなにべらぼうにふえてしまって記号式投票が不可能だというふうには考えないわけです。 特に記号式投票というものをなぜ今回提案をしたかといいますと、諸外国がすべてこれに従っているということ、そしていわゆる投票の集計が非常に容易であるということ、それから、最近のように新しい政党ができてまだ十分に有権者の間に浸透していないというような政党を考えますと、あるいはまた政党と政党との合併とか連合とか新党というようなことが従来以上に予想されると私は思うのです。いま政治においても非常に激動期でありますので、そういうことから考えますと、既成のなじみの深い政党だけが有利になる自書式というよりも、新しい政党あるいは連合とか新党というようなところにもできるだけ不利にならないような投票方式として提案をしたわけであります。 それともう一つは、いままでわれわれの選挙というのは全部個人名になれてきておりますので、いわゆる選挙区選挙が個人の名前を記入して、そして名簿の比例代表選挙において政党名を書かせるというのですが、個人名を書いて次の投票もまた個人名で記入してしまうというおそれが非常に多いと思うのですね。そういう間違いを正す意味でも、この際比例代表選挙だけは記号式にしてみたらどうかという考えもございます。
○堀委員 その次に、繰り上げ補充の期間の短縮で、原案六年になっておりますのを三年に短縮されております。これは私どもの党の案にはないのでありますけれども、この間からの議論をずっと伺っておりますと、六年というのはいささかどうも長いなという感じが私もいたします。中間で選挙があるわけですから、そうすると、たとえば今度の選挙に比例代表で出られた方が六年、こうなるのですが、名簿に登載されて落ちられた方は恐らくまた次の選挙にも出るというふうになりますと、やはりどうも六年というのは非常に複雑な感じがするということで、この三年というのは私も検討に値する問題提起だな、こう感じておるわけであります。ですから、この部分はお尋ねをする必要はないのですが、その次に、参議院議員の定数の是正ということで比例代表選出議員を百人から八十人に減らす、こういう御提案がございますね。これは結局あとの地方区に回そうという御趣旨なんでしょうか、どうして百人あるのを八十人にするのかちょっとよくわかりませんので、この点をひとつお伺いいたします。
○小杉委員 私どもはかねてから議会改革ということを唱えてまいりまして、特にいま行政改革の必要性が叫ばれているときに国会議員がみずから率先垂範して姿勢を正すべきだということから、国会議員の定数削減を初めもろもろの国会議員の特権を是正すべきだという主張を繰り広げてまいりました。特に定数是正につきましては、たとえばいまの衆議院の定数五百十一名も、公職選挙法では四百七十一名ということが明記されております。ところが昭和三十九年と五十一年の二回の改正のときに、本来ならば人口の減ったところを減らしてふえたところをふやすという方法をとるべきですが、総定数をふやすことによってこの是正を図ってきた。そこで、いま四百七十一名が五百十一名になっているわけですが、この衆議院の定数は、本来法律に定めてある四百七十一名に戻すべきだということを考えたわけです。それで、衆議院が五百十一名の定数を四十名減らす、それに見合った形でいまの二百五十二名の参議院の定数も減らすべきだということから、二十名という線を出したわけですが、問題は、いわゆる選挙区選挙というのに手をつけることになりますと、これはやはり各県代表、地域代表的な性格もございますし、非常にまた格差が広がってしまうという弊害もありますので、参議院の全国区、今度の比例代表選挙の方にこの二十名を振り向けて減らそうということを考えたわけでございます。
○堀委員 ちょっとお言葉を返すようですけれども、行政改革というのは行政を改革するのでありまして、私ども国会というのは行政とは無関係だと私は思うのです、国権の最高機関でございましてね。ですから、行政改革があるから国会議員を減らそうというのはちょっと角度が違うのではないか、こういうふうに私は思います。 それから、私は、国会議員の数というのは少ない方がいいとか多い方がいいとかという数の話ではなくて、中身の話だろうと思うのです。ですから、さっき国会議員の特権というお話がございました。確かに国民の目から見て特権的なものもあるだろうと思いますが、しかし特権があるにもかかわらず、よく議員が勉強をし、国政について責任を果たしておるということになりますれば、それはどうも特権として目に映らないのかもしれない。この前から私がよく申し上げておるように、衆議院は金帰火来などと言って、もっぱら自分の選挙運動に奔走をして、国政をややないがしろにしておるという現状、そういう状態でこういう待遇は特権ではないか。これは相対的な問題だろうと思うのですね。 ですから、私は、何としても議員がしっかり勉強して国民の負託にこたえる、国権の最高機関でありますから、最高機関の議員たるにふさわしい努力をすべての議員がやってくだすったら、多少人数がふえても、国民はそれは十分了承するのではないだろうか。問題は、量の問題よりもはるかに質の問題で、その質の問題をどうするかというのが今度の選挙法の改正問題に連なっておる、こう私は考えます。これは私の意見でありますからあれでございますが、そういうことで、新自連のお出しになった修正案についての真意を伺ったわけでございます。ありがとうございました。
○小杉委員 特に答弁を求められておりませんが、いま堀委員の御指摘の量よりも質の問題だということについては、全面的に賛成でございます。私も少数精鋭主義ということで、アメリカの上院議員などは一人の議員に平均三十人以上のスタッフがついて、外交問題から経済問題からあらゆる分野にわたって情報収集をしたり、議員の立法活動の一つの参考になっている。それに比べると、まだ日本の国会は顧みると非常に不十分な点があるということで、われわれもやはり、立法府は立法府としての機能を十分に備えるという必要があるということは同感であります。 ただし、アメリカの人口が二億四千万、日本の人口の倍あるにもかかわらず、上院議員が百名、下院議員が四百三十五名、合わせて五百三十五名で、日本よりも二百人以上も少ないということで、私は、できれば、数は減らして質を充実するために、議員としての、あるいは政党としての立法活動がもっともっと十二分に行えるような、そういう体質の改善を図るべきだというふうに考えて、今回の提案は、その一つの考えに基づいたものであるということを御理解いただきたいと思います。
○堀委員 ありがとうございました。(拍手) そこで、提案者の方にこれからお尋ねをいたすわけでありますけれども、まず最初に、これまでもいろいろ議論がございましたが、参議院の存在価値というものについて提案者の皆さんはどういうふうにお考えになっておるか。私も、参議院制度が生まれるまでの経緯をいろいろと調べてみまして、確かに戦後の時期における考え方はそれなりにわかっておりますが、今日の時点に立って、参議院の存在価値というものを提案者はどういうふうに御認識になっておるかを承りたいと思います。
○金丸参議院議員 たびたび申し上げたところでございますけれども、やはり参議院としては、チェックと申しましょうかということが一つ、衆議院で決まりましたことがそれで本当によろしいかどうか、いわば試し算すると申しましょうか、そういうような機能が一つあろうかと思います。 もう一つは、参議院は任期もやはり長いわけでございます。衆議院と違いまして解散もございません。やはり私どもは、世界の情勢もこのようでございますし、国内の問題、またいろいろと多岐にわたっておりますいろいろな問題を、長期的な視野からじっくりと研究討議をして、そして、いい政策を練り上げるといいましょうか、また、そのようなものが実現できるような方向に努めるということが一つの役割りではなかろうか、このように考えております。
○堀委員 この件については、かつて河野さんが御意見をお出しになって、「選挙を終って」という文書も拝見をいたしました。その中で、こういうふうに言っておられるのであります。 そうした意見を総合しますと、参議院の政党化はやむを得ないとしても、参議院の現状は、極端にいえば、まるで衆議院のカーボン・コピーに過ぎないのではないか、……そういう耳の痛い批判に加えて、こんどの選挙を機会に、良識の府としての独自性を発揮できるようにしたい、という趣旨のように思われました。 要するに、参議院よ、しっかりしろ、ということですが、さらに例えば読売新聞の「都民意識調査」によりますと「参議院はその役割を果しているか」という設問に対して「果していない」という方の答えが五九%にのぼり、逆に「大いに果している」は僅かに一・九%、「少しは果している」が一九・九%と、きわめてきびしい有権者の見方が出ております。 参議院に議席を持つ一人として、ピシッとムチをあてられた思いがすると同時に、失われた、ないしは失われつつある参議院への信頼を取戻し、参議院本来の使命を果すために、この際、心を新たにして一層の努力と工夫を重ねなければならない、と思うわけです。その時期に河野議長、後に議長になられたわけでありますけれども、この問題を大変真剣に受けとめられておられる姿を私は拝見をしておるわけであります。 そこで、実は、この問題というのは、この前参考人として出席をいただきましたわが党の議員から、選挙制度と参議院の機構改革、運営問題というのは車の両輪のようだと、こういうお話がございました。ところが同時に、あの参考人の方々のお話の中から、これまでの改革のいろいろな運営の会でありますか、それは取りやめたいというようなことになっておる。いろいろと改革意見が出されるけれども、どうも自民党の方の御反対で少しも進捗しない。河野さんがこの「選挙を終って」をお書きになったときは、自由民主党の議員で参議院に当選をなすったときにお書きになっているわけでありますから、私は、この参議院改革についての問題というのは、決して各党の党派の問題ではなくて、参議院全体の問題ではなかろうか。その参議院全体の問題であるはずのものが、党派的にそういうふうになる原因は一体どこなのか。この点をひとつ提案者にお伺いをいたしたいと思うのでございます。
○金丸参議院議員 参議院の改革の問題は、私はやはり基本的には党派的であってはならないと考えます。やはり各党派こぞって、参議院の機能が発揮できるような方向を御一緒に、模索と申しましょうか研究と申しましょうかをやりまして、できるだけ現実的な案をつくって、その実現に向かって協力をしてまいるべきではなかろうかと思います。 今回の改革案は、拘束名簿式ということで、私どもは、従来よりもある意味では、出たい人よりも出したい人を各党がお選びになれる、その意味では参議院にふさわしい方をいままでよりもより得やすくなるという点で、選挙の面と参議院の機構改革、運営の面と、車の両輪のように両面から、参議院の改善を図っていかなければならないと考えるわけでございますが、私どもは、その一面の選挙制度の面から、従来よりも一歩改善できるのではなかろうか、こういうふうに考えて、御提案をいたしておる次第でございます。
○堀委員 選挙制度の方は、われわれも、細かい点は別として、基本的に賛成のあれでありますからいいのですが、主としてこれまで参議院の各会派から提起されておりますのは、一番目は会派の問題、二番目は党議拘束の緩和の問題、三番目は本会議での自由討議制の採用の問題、四番目は人事案件の参議院優先の問題、五番目は参議院から大臣、次官を出す問題、その他というふうに、大ぐくりをすればなるのではないか、こう思っておるのであります。 そこで、後で申し上げますけれども、実は政党要件の問題との関連がありますが、小会派の問題というのは、私は今日の選挙制度では避けられない問題としてあると思います。 私が調べました範囲では、参議院の先例集の中に「院内において議員が会派を結成するには、二人以上の議員をもつてすることを要する。議員が会派を結成したときは、その代表者から所属議員の氏名を記載した会派結成届を議長に提出する。」こういうふうになっておるのでありますから、さっき小杉さんがお答えになったように、参議院における会派の最小単位が二名ということが、新自連の修正案の骨子の一つに入っていると思うのであります。 しかし、ちょっと過去の例をずっと調べさせていただきますと、二人というのは無所属クラブとしては二人というかっこうがあるようでありますが、会派としてはどうも三人以上というのが、ずっと資料を拝見しますと多いように見受けられるわけであります。私はやはり、二人の会派ということになりますと、意見が違いますと会派の意見はまとまらない。三人おれば恐らく、それは三人が三人ともばらばらということもあるかもしれませんが、一般的には二対一ということで会派としての意見がまとまる。ですから、そういう意味で私は、会派というのは、二名からと先例集にありますけれども、実態的にどうも三人というのが基本ではないか。ここが、私どもが最小単位を原則三名としておる基礎でございますけれども、これからは、そういう意味で、この小会派問題というのは制度が変わりますからちょっと変わってくる、こう思うのであります。 党議拘束の緩和の問題というのは、私、ちょっとこの間参考人がおいでになったときに質問いたしました。提案者もお聞きいただいた方もあるかもわかりませんが、やはりこれからは、党員または推薦となっておりまして、私ども、党外の方を推薦するときに、りっぱな方をお願いしなければ意味がない。そういうりっぱな方をお願いしていったときに、ともかく党の方針には全部従っていただきますよなんということを言ったら、すべての方がお断り、あなた方の党員でおやりなさい、われわれのところにくる必要はないでしょうということになると私は思います。これは、自由民主党であろうと社会党であろうと、どの党でも、そういうわれわれが全国民から見てこの方をひとつ参議院にというような方にお願いにいく場合、これは党議拘束だと言って拘束できるような人を出しておるのでは、実は今度の選挙制度の意味は余りない。それは裏返せば、今度の制度改革で党議拘束というものが非常に緩やかになるということ、私は実は、比例代表を最初に考えましたときに、そういう参議院の機能に非常に適応した、一院、二院がおのおのの立場で物が判断できるような、いまは、さっきおっしゃったように、チェック機能とおっしゃいましても、政党本体がいまのように拘束力を強く持っておりますと、本当はチェック機能は働かないのですね。ときどき働きますけれども、それは必ずしも、そのチェック機能の働き方が、国民が見てなるほどということであるかどうかもまた、これはどうも問題がある。それは党議拘束が強過ぎるからじゃないだろうか。だからこの二番目の問題も、今度の制度の改正で実はかなり変わってくる、システムの改善によって、運営やあるいはその他が変わってくる要素になるのではないか、こんなふうに私は判断するのであります。 それから自由討議、こんなのは大したあれじゃありませんし、人事案件もそうです。 一番ひとつ問題になるのは五番目です。この間、私どもの佐藤委員が、総理に、参議院の一つの主体性を守るために、参議院からはひとつ閣僚や政務次官を出さないということにならないものかという質問をされました。総理は、それに対しては違ったお答えがあったのでありますが、提案者はこの問題についてはどういうふうにお考えになっておるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○金丸参議院議員 大変大事な問題でございますが、これはやはり、今後の問題と現在の制度を前提にした場合と、両方あろうかと思います。 私、やはり現在におきましては、参議院議員として出てこられたお方々の個人的な考えも基本にはあろうかと思いますし、どうも現状では、いやしくも選挙によって政治家として出てきたのだから、やはり自分の考えを実現したいというお気持ちの強い方も相当あるようでございます。だから、この前総理がお答えになりましたように、それが私は現実であろうと思います。 今後の運営の問題といたしまして、ただいま党議拘束との関連でお話もございましたが、今後の問題は、また新しい制度で参議院が運営されます段階で、私はもう一遍考え直してみてもいいのではなかろうか。確かにそのような御意見があることも事実、私どもの党内にもまたそういう御意見をお持ちである方もあるように思いますけれども、これはなかなか一律に言い切れません。非常に微妙な問題であろうと思っております。
○堀委員 日本の政治が、国会が国権の最高機関だ、こうなっておりますけれども、どうも行政府優位みたいなかっこうになっております。ですから、いま提案者がお答えになりましたように、自分の考えを実行したい、実行するためにはどうも行政府の長にならないと実行できないというのは、私、いまの日本国憲法の考え方からすると大変おかしいのではないだろうか。それは結局、長い明治憲法以来の、法案を政府が提案するというシステムが定着しているものですから、それとの関連もあって、私はどうも行政府優位という考え方が非常に強いんじゃないか。私ども立法府におります者は、立法府におる者の誇りといいますか、要するに行政府の中に入らなければ政治家としては何か一人前になれていないんだ。閣僚目前の方もおいでになりますから、余りそういうことを強く申し上げるわけにいかぬかもしれませんが、特にわれわれ野党だからという意味でもなくて、やはり立法府にある者が、行政府を指導できるような力と影響力を持つことが大事なんであります。同時に、法律も、議員立法をもって行政府をリードしていくということがあっていいんじゃないか。 ですから、これは、いま提案者がお話しになりましたように、現状の中では、過去からの長い連続の問題としては、おっしゃるようにいろいろな問題があると思います。私は、衆議院の自民党の方からお話を聞きますと、これはまずいんだというお話をなさる方が衆議院側にはかなり多いのです。しかし、それは裏返せば、参議院側にすれば、そんなことはおかしいぞ、両院対等だから参議院から出てもいいじゃないかというお話になるんだろうと思うのでありますけれども、私はやはり、参議院のレーゾンデートルといいますか、そういうものを確立するためには、行政府よりは上位にある院としてのそういう権威というものを、私も期待しておりますし、恐らく国民もそういうふうに期待しておるんじゃないだろうか、こういう感じがいたします。これは、新しい制度になってから、また参議院の皆さんで御検討いただく課題だろうと思いますけれども、さっきちょっと触れました参議院改革の中では、特に私は重要な問題のような感じがいたしておりますので、意見を一つ申し上げておくわけでございます。 〔塩崎委員長代理退席、委員長着席〕 いまの改革問題は以上で終わりまして、今度は少数立候補の問題でございますけれども、自民党案は現職国会議員五名、さっき申し上げましたように、実在する会派として最低単位で三人というのを私どもの党は提起をしておるわけであります。ここはぜひひとつ、これまでの公聴会、参考人の御意見、あるいは質疑の中でも、政党のいまの構成単位の問題というのは非常に重要な問題になっておりますから、御検討を十分いただかなければならないのでありますが、これは三人か五人かということであります。 その次の、直近の選挙の四%の問題は、これは理論的には少し問題があるのではないかという感じがしているのであります。 自治省に伺いますが、パーセントでここを規制しておるのは、下院の選挙法にはあっていいと思うのです。西ドイツの比例代表総選挙区法案も五%条項で規制をしております。大体政権を担当するのは下院における政党の数によって行われるというのが、今日の世界の国のおおむね現状でありますから、そうすると、下院で少数党がたくさん出るということは政権の安定にまずいということで、ワイマール憲法以来の教訓に学んで、西ドイツでも五%条項ができてきた。しかし、これはいやしくも上院の問題でありますから、上院の比例代表の問題については、上院は政党といいますか会派がたくさんできても、それは別に参議院の機能を損なうことはないので、政権を構成するのはあくまで衆議院が主体になっておるということから見ますと、パーセンテージ条項というのは、果たして参議院のこの全国区比例代表制に必要かどうかという気が私はしておるわけであります。 自治省にちょっとお尋ねをいたしますけれども、比例代表をとっておる先進国の中の上院というのは、たしかベルギーとイタリーでありますか、二つくらいしかないと思うのでありますが、そこはそういうようなパーセント条項による政党の規制があるのかないのか、お答えをいただきたいと思います。
○大林政府委員 外国の選挙制度の中で、下院につきましては、堀委員のお尋ねのとおり、相当数チェック条項を設けておりますけれども、上院についてはしかとしたチェック条項を設けられておるのを見受けておりません。
○堀委員 提案者のお答えを聞いておりますと、少なくとも政党らしい政党を単位にしたいんだというお答えでございますね。ですからそのことは、このチェック条項というのは要するにそういう意味で、それより下はだめですよ、四%以上あることが政党の必要条件だ、こういう御認識でこれが設けられておるんだと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○金丸参議院議員 そのとおりでございます。
○堀委員 私どもは実はこれを二%にしております。二%にしておりますのは、私は逆の意味の必要条件として考えておるわけであります。要するに自民党案は四%以上なければだめだということ、そのほかに五名、十名、こういう三つの要件がございますね。ところが、三名、五名というのをわが党が出しておりますが、この三名、五名が出せないところもある、しかし二%をとった経験がある、だから、その二形にひっかかれば三名、五名でなくてもいい。ですから、自民党の考えというのは制限的規定、私どものはある意味で救済規定といいますか、そういう意味で、二%に下げれば、場合によってはいま新自運がおっしゃった一%の方がさらにいいかもわかりませんが、一%というのは、実は前回の参議院選挙では六千万票でございますので、一%は六十万になりますから、さっきの新自連の御説明よりはちょっと違うのでありますが、ちょっとぎりぎりに過ぎる、二%くらいがいいんじゃないかというのが私どもの考えであります。 そこで、言ってみましたら、瓶の中にお酒が半分ある、これをどう認識するか。もう半分しかないと認識する場合と、いや、まだ半分あると認識する場合と、同じ現象に対して認識が二つあるわけです。私が最初にお答えいただいたのは、どうも自民党の方は四%以上でなければ排除する、私どもは二%あれば参加できる、こういうように、瓶の中の酒の量は同じでも認識が違うんですね。これはいかがでございましょうか。
○松浦参議院議員 お答え申し上げます。 わが党で案をつくりました段階でも、五名の国会議員は持っていないけれども、直近の選挙で四%とった場合もあり得るだろうということで、全く社会党案と同じように、どちらかの条件を満たせばいいということで、緩める、救済するという気持ちで書いたつもりでございます。ただ、数字が四%というのは社会党案とは大分食い違っておる、そこに問題はあるかと思いますけれども、考え方は全く同じであるというふうに御理解を賜りたいと思います。
○堀委員 ちょっと、さっきの金丸さんの御答弁は制限条項というふうに伺ったわけです。制限条項ですとおっしゃったので、そこで私の考えを申し上げたわけです。私どものは、それはある意味で制限条項ですけれども、排除じゃなくて救済だという考えであったということを申し上げただけでございます。 時間が参りましたから、自後は午後の質問にさせていただきます。(拍手)
○久野委員長 午後一時より再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時五分開議
○久野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 先刻来、公明党・国民会議、日本共産党の委員に出席を要請いたしておりますが、いまだ出席がありません。もう一度、事務局をして出席を要請いたしますので、お待ちください。——再三にわたり出席を要請いたしましたが、いまだ出席がありません。やむを得ず議事を進めます。 質疑を続行いたします。堀昌雄君。
○堀委員 午前中の質問に引き続いて、提案者にお尋ねをいたします。 新自連の小杉提案者との間にも論議をさしていただいたところでありますけれども、私どもも、この新しい制度への移行過程というのは、できるだけ現実を尊重して、その間、これまでの選挙制度と隔絶するような制度にすることは必ずしも現実の問題として適当でない、こういうふうに実は考えておるわけであります。 そうしますと、さっきも私ちょっと触れましたけれども、過去における会派の状態を調べさせていただきますと、最小単位はおおむね三名というのが過去の参議院における実例でもございますから、そういう意味では、私はさっきもお話を申し上げましたが、三名というのが一つのスタンダードとして必要だろう。その次は、私どもが二%といたしましたのは、いま三名という規定を片方に置き、さらには五名の立候補者というのを置いた上で、さらに救済措置として考えましたのは、もし衆議院または参議院の選挙で二%とるだけの党派であるならば、これは前回の総選挙、参議院選挙、まあ同時選挙でありますから総選挙もそうでありますが、いずれも六千万の投票が行われておりますから、その二%ということは師二十万であります。現状でいいますと、おおむねそれは二名程度の参議院全国区の方が当選するに足る基準、こうなってまいりますので、そうしますと、現実三名でなくても、要するに二名でも実は会派として、政党または政治団体として対応できる名簿提出の範囲に入るではないか。ですから、考え方としては二名、三名、五名ということで、現状の参議院の実情を考えた場合にはどうしてもここまでは条件を緩めないと、今日まで連続してきた制度がここで断絶をしたかっこうで新たな制度になるということは、政治制度の根幹をなす、そして同時に、参議院から当委員会においても行われてまいりました立候補制限に関する問題、私どもは無所属の方を締め出す気持ちは毛頭ありませんけれども、最初から申し上げておりますように、私は一貫して選挙制度審議会あるいは当委員会において、個人本位の選挙から政党本位の選挙へということを私の考えの基礎に置いておりますので、そういたしますと、政党本位の選挙の中でなおかつ無所属の人も立候補できる道を開く限度というものを、私どもはいま申し上げておるような線に置いておる、こういうわけでございます。 ですから、そういう意味で、私は、今度の改正の中の最も重要な部分であります政党単位の緩和の問題というのは、今後引き続き検討をしなければならない重要な課題である、こう考えて、今回のこの改正案の中でのいろいろな、私どもの方では、この問題のほかに供託金、運動方法あるいは比例制の議席配分の方法等、いろいろ問題提起をいたしておりますけれども、これはもう最優先の課題ではないか、こう考えておるわけでございます。 これについてひとつ提案者のお考えを承りたいと思います。
○松浦参議院議員 御提案申し上げましたわが党の案は、政党らしい政党というものをどうつかまえるかということで、特に私ども提案者といたしましては、現行法規との関連も考えなければいけないだろうということで、一応政党らしい政党のメルクマールとして政治資金規正法の五人、確認団体の十人、こういうものをつかまえました。その上にもう一つ、午前中にお答え申し上げましたように、どちらかの要件に該当すればいいということでもうちょっと幅広く拾ってやれないかということで、大体国会議員五人というものは得票数に直したら四%程度じゃなかろうか、裏表でございますから。そういうことで実は御提案申し上げたわけでございまして、社会党で御提案いただいておる案も、全く一つの現実に基づいた見識だと私は思っております。 繰り返して申し上げておりますように、この問題は、私ども提案者がイエスとかノーとか言える問題ではございませんので、各党においてひとつ慎重に御検討いただきまして、適切な結論が得られますならばそういう方法で御修正をいただく、こういうことも当然あり得ることだと考えておりますし、提案者として何ら不服を申し上げる筋合いのものではない、こう考えております。
○堀委員 いま提案者の方でも前向きな御答弁をいただきました。実は今国会ではなかなか時間の制約もありますから、直ちに修正ということは困難かと考えておりますけれども、できるだけ速やかにこれらの問題を含めて新しい対応をする、やはり制度改革の際に十分細心の注意を払って、それによって疎外される方を、もしあるとしても最小限度にとどめなければならないというのが私どもの考えでございますので、その点は十分御配慮の上、今後の検討にゆだねたい、かように考える次第でございます。 その次に、さっき小杉委員との論議の中で触れさせていただいたのでありますが、補充繰り上げの期間の問題でございます。 この法案は六年というふうに大変長い期間を限っておいでになるわけでありますが、しかし、考えてみますと、この参議院通常選挙というのは半数改選、三年ごとに行われる制度でございます。これが六年に一回の選挙でございましたら、私は当然六年で相当かと思うのでありますけれども、真ん中で一遍通常選挙が行われることでもありますし、ちょっとさっき小杉提案者との間で御論議を申し上げましたように、要するに名簿の方が一回限りで全部なくなって、次は全部新しいということになるのならば、またそれなりに私は六年ということに意味があろうかと思いますが、この名簿の方がまた次回にも名簿に登載されることは何ら差し支えない制度になっておるということになりますと、この六年というのがどういう根拠というか理由によって六年になったのかということを、ひとつ提案者の方から御説明をいただきたいと思うのであります。
○松浦参議院議員 お答え申し上げます。 政党本位の比例代表制でございますから、選挙の時点において国民の皆様、有権者の方々からは、政党へ議席配分があることを承知の上で御投票いただいておるわけでございまして、その政党に向こう六年間、それだけの数の議席をゆだねる、こういう国民の意思のあらわれというふうに考えます。あくまで理論を貫くということになりますと、どうしても繰り上げ補充の期間は六年間という結論になるわけでございます。 ただいま先生から三年という御指摘がございました。三年というのも一つの考え方ではあろうかと思いますけれども、理論としてはどうも三年ということに理論が結びつかないわけでございます。もし短くするなら現行制度と同じように三カ月、こういうことになってしまうような気がするのでございます。選挙制度を考えた場合に、せっかく有権者の皆様の意思によって国会議員が生まれているにかかわらず、欠員が生じたままほうっておかれるということは必ずしも好ましいことではない、そういうことを前提に考えますと、先ほど申し上げました論理と欠員を生ぜしめないという理由から、私どもは、少し理論が勝ったかもしれませんけれども、六年がよかろうということにしたわけでございます。 特に、御承知をいただけると思いますが、仮に三年にいたしますと、先生がおっしゃるように、次の名簿に、落選して名簿に戦っておる者が必ず載るとは決まっておらないわけでございます。そうなりますと、三年間は欠員が生じた場合には名簿の次順位に載っている者が上がりますけれども、ここから先の三年の場合には欠員になってしまうわけであります。そういうものは防いだ方がいいのではなかろうか、こういう考え方で六年にいたしたというふうに御理解いただけたら幸せでございます。
○堀委員 現状で参議院選挙で欠員が生じますと、その次の通常選挙でその欠員が補充されるということになっておるんではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○松浦参議院議員 現在の制度ではそのようになっております。
○堀委員 ですから、いまの現状で欠員があれば三年目には補充できる、こういうことでありますから、そうすると三年ごとの通常選挙で補充できるということでありますから、いまの提案者の論理を詰めていきますと、こういうことなら私は納得できるんです。 要するに、たとえば第十三回通常選挙にリストに挙げた人が二十人あるとします。このリストに挙げた人は六年間リストそのままで、新しい第十四回通常選挙にはリストアップできない、そういう規定になるのならば、いまの提案者の御説明の論理が貫徹するわけです。この人たちに対して投票したんだから、その投票した人たちは固定をして六年問いきましょう、そしてその間に欠員が生じたならばそれは六年間補充しますというなら、論理という点に提案者が根拠を置いていただくとするならば、そうしなければ論理は貫徹しない。ところが、こちらに出た人をまた新しいリストに動かす。それは、この政党に投票した国民は、この人たちが六年間生きていくものだという認識でやっているのに、途中から新しくリストに来るということは、そういう選挙民の期待感を裏切ることになると思うのです。ですから、論理でおっしゃるのなら、どっちかの論理にしなければ論理が通らないと思いますが、いかがでございましょうか。
○松浦参議院議員 前段の、新しい選挙になって欠員が生じたら三年後の選挙に合わせればいいんじゃないかというお気持ちがあるいはおありなのかと思いますが、それはちょっとあり得ないわけでございます。三年間の期間に繰り上げ補充三年間認めるということになりますと、欠員は選挙のときにはないわけでございます。欠員が選挙のときはありません。だから、必ず五十になってしまうわけです、三年ごとの選挙に。それで、ここで欠けた場合に今度はこっちの議員の繰り上げ補充三年でございますから、ここで初めて欠員が出て、六年後に今度合わさってくるということになります。欠員を生じないというためには、どうもやはり論理的には六年でないと筋が合わないことになります。 それから後段のお尋ねでございますが、決して先生の御所論に反論を申し上げるつもりではございませんけれども、名簿に二重登載になるということを禁止する、それならば六年で理屈が合うという御主張をいただいたわけでございますが、こちらの名簿では六年間繰り上げ補充は国民の投票の意思を受けてできるんですよ、新しくこの人をもう一回三年後のに載せた場合には、この時点から六年間できるんですよという国民の意思が二回表示されているわけでございますから、私どもは、論理的にはダブっても差し支えないんではないかというふうに考えて、実はそういう立法をしたわけでございます。 この辺については、いろいろ考え方のあるところだと思います。決して頭から先生の所論を否定申し上げるつもりはございませんけれども、私どもは、その方が論理的に通りやすいんではないかというつもりでやったというふうに御理解をいただければと思います。
○堀委員 いまのはちょっと議論になって大変恐縮でありますけれども、現状ですと、第十三回通常選挙で通った方が欠員になる、そうすると次点が繰り上がりますね。これはそれでいいですね。そこで、今度は第十四回選挙が行われる。そうすると、いまの三年であるとすると、十四回選挙の方で繰り上がりが起きない、こういうお話ですが、私は十四回選挙のリストは、リストを変えていないのならいいと申し上げたんですが、リストが変わるわけですね。新しい人が新しく第十四回選挙のリストに何人かが移動をしてくるということになりますと、要するに次点で繰り上げの問題も、次点というか補充繰り上げの問題もありますが、新たに当選する方もできてくる。そうなりますと、私が申し上げているやり方は、その前の十三回選挙の欠員は、今度は第十四回選挙の名簿があるわけですから、その中から繰り上げを持っていったってちっとも構わないんじゃないか。要するにこれは名簿が独立しているわけでして、連続性名簿ならばこういう議論は成り立たないのでありますが、名簿独立という原則で考えれば、補充を新しい名簿の下から、要するに、十三回選挙の欠員を十四回選挙の名簿の中から繰り上げても、これは比例代表の論理からして少しもおかしくない。だから、要するに名簿の重複を認めるか認めないかによって、こういう問題の論理は分かれるのではないのかというふうに実は私は認識をしておるわけであります。 ですから、論理上とすれば、いま提案者の方のお答えは、重複を認めないという形の前提に立って六年というのならば全体としてきわめて整合性があるのです、その限りでは。ところが、重複立候補を認めておいてそうして六年というのは、言うならば名簿独立の原則なんですよ、こうなりますと。だから、これは前と後ろは関係ないわけでして、名簿独立ならば三年、三年で、もしその十三回選挙の欠員は十四回選挙の名簿の補充を繰り上げていって、それは確かに三年になりますよ。現在だって、あと繰り上げれば三年、残存期間だけになりますからね。それはそういう処理でもいいんではないかというふうに私は考えるわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○松浦参議院議員 先生が例にお引きになられた十三回、十四回という言葉を使わしていただきますが、十三回の名簿に載った者は、やはり十三回の選挙の時点において国民から支持を得た。十四回の時点は十四回の時点でございますから、十四回の時点の名簿で落選になった者を十三回の選挙に絡む任期の方の欠員のところで埋めるというのは、少しやっぱり論理が通らないんではなかろうかな。私どもは、あくまでそこを貫くという気持ちでやったというふうに御理解をいただければ結構だと思います。
○堀委員 これは議論にわたりますからこの程度で終わりますけれども、要するに私が一番問題にしておりますのは、重複立候補を認めておきながら六年を認めるということが、非常に国民から見ると矛盾に満ちておるのではないか。少なくとも名簿順位の下の方でとても補充繰り上げにならないという方が、新しい名簿にリストアップされるということはわかります。しかし、要するに当選者以下のところは、繰り上げになるかどうかというのは、裏返して言えば現職の、そのときの当選者の死亡を待っている話ですよね。決して望ましいことではないのですが、それを待っている。それを待つよりは、次のリストにひとつちゃんと出て当選するようにいきたいという選択だってあると思うのですね。ですから、その限りでは、私はいまの重複立候補を認めなければ、それで六年先にまた出てくださいというのなら、いまのこの六年というのは非常にフィットすると思うのですけれども、そこでそういう移動を認めておきながら、依然としてその下の人は六年いけるというのがちょっと論理的にどうかという気がするのですが、これは見解の相違でありますからこれ以上申し上げませんが、一般的な常識論というふうに国民の側から見ますと、一遍選挙をしたら六年も何かそういうあれが続いているというのは、いかにもどうも長期に過ぎる。おまけにその間に選挙がなければですが、選挙があるとするならば、どうもこの問題は検討を必要とする課題ではないか、こういうふうに考えておりますので、意見だけを申し上げて、この問題はここまでにいたしておきます。 その次に、私は本会議の趣旨説明に対する質問でもお伺いをいたしましたけれども、実は参議院の定数問題、これはずっと長い歴史がございまして、すでに参議院において野党共同提案というものがなされて、わが党の片山甚市委員が詳細な質問をしておられる会議録も拝見をしておるわけであります。これまで私どもの党は、参議院選挙制度の改革は定数是正最優先で、制度改革は二の次に置いておったのでありますけれども、今回は諸般の情勢から定数是正はそのままで、制度改革を行うということになりました。私は大変異例なことだと思っておるのであります。 そこで、少し過去を振り返って、参議院の地方区の定数はなぜこういうふうに決まったのかということを、自治省の方から少し詳しく説明をしてもらいたいと思うのであります。
○大林政府委員 参議院の地方区の定数決定の沿革に関する御質問でございますが、総定数、つまり参議院議員の総定数がどういうふうに決まったか、さらにそのうちの地方区の各県別の配分がどういうふうに行われたか、二段に分けて申し上げます。 参議院の定数を幾らにするかということにつきましては、戦後、臨時法制調査会においていろいろな議論がございました。その過程はほとんどが全国区、地方区制度にかかわる問題でございまして、そちらの方に大変な時間を費やしながらも、定数につきましては細かい議論はございませんで、大体当時の四百六十六人の衆議院の定数と比較いたしまして、まあそれよりも少な目に考えようというところで、少な目に考えるのにはどのくらいを考えるかという点で議論はございました。五分の三案というのもございました。四分の三案というのもございました。中をとって結局三分の二程度ということで大体意見が一致したようでございます。四百六十六人の三分の二ということになりますと三百人を少し超えますけれども、丸い数字で三百人でやろう、こう決まったわけであります。その間地方区、全国区制度をめぐる仕組みの問題でいろいろ議論がございましたが、要するに二本立てでいこうということになりまして、どういう形になれ、全国区百五十人、地方区百五十人、これが最終結論であったわけであります。それで立法化をいたしまして、たしか枢密院の段階であったと思いますが、GHQの方から、全国区というのは全国的人物でなければいかぬ、全国的人物ということになると地方区の定数よりもさらに少ない方が好ましいのではないか、こういう文句といいますか、話が出まして、急遽百五十人であった全国区を百人に削減をした経緯がございます。これがその後の全国区百人、地方区百五十人になった経緯でございます。 そこで、百五十人の地方区をどう各都道府県に配分するかということについては、また甲案、乙案といういろいろな議論がございまして、甲案の中にも四種類の案、乙案の中にも三種類の案というのがございましたが、最終的に決まりました計算方法は甲案の第一案と言われるものでありまして、この方法は当時の国勢調査における人口を百五十人で割りまして、つまり地方区の議員一人当たり人口が出ます。この地方区の議員一人当たり人口で当時の各都道府県、四十六県でございますが、四十六県の人口を割りまして配当基数を出します。その配出基数が二という数字に満たない場合、これにはもう無条件に二人を配当します。それから、配当基数が二を超える県につきましては、二台あるいは四台あるいは六台、こういった偶数の台の数字が出ましたところには機械的に二名、四名、六名、まずこう配当いたします。それで、あと残定数が出ますから、残定数をどういうふうに配分いたしたかといいますと、その各都道府県の配当基数に端数が出ておりますから、その端数の大きい順番に二人ずつ機械的に配当していった、これも二人配当における最大剰余法、こういう方法であろうかと思います。そういうふうな配当の経緯がございます。
○堀委員 いまお聞きになりましたように、この参議院の地方区の定数というのは当時の人口が基本になっておるということは、いま自治省の方の御説明のとおりなのであります。ですから、もちろんこの百五十名という人数は総枠として、まずそれがなければ配分はできませんから百五十名という数は固定をしましたが、その中身は当時の人口に基づいて、いまお話がありましたように総人口を百五十人、一人当たりの人口に直して、そうしてその人口をもととして基数を出してそしていまの数を決めてきた。実は、これはあくまで人口がベースになっておるわけですね。ところが、御承知のようにこれは戦後の状態でありますから、当時の戦後の状態として見ますと、昭和二十二年に法律第三号でまず選挙権が実は変わりました。これまで三十五歳の選挙権が二十歳に、被選挙権が三十歳から二十五歳に、そして女子の選挙権が認められましたから、その結果、人口は当時、昭和二十年でありますが、七千三百万人でありますけれども、有権者は三千六百八十万人、人口の半分ぐらいが有権者になるということになりました。これが一九八〇年の先般の同時選挙のときには、有権者が八千九十二万五千人ということでありますから、これを決めたときの実は倍以上に有権者はふえているわけであります。こう考えてみますと、これまで参議院でともかく定数をふやしてはならぬという考えで、もちろん沖繩の問題は別の扱いを受けたわけでありますが、これまで終始一貫してきているのでありますけれども、特にまた自国党の方では定数是正は増減なしでやりたい、こうおっしゃっておるわけでありますが、この参議院地方区というのは、沿革のスタートが人口をもとにして配分をしておるにもかかわらず、現在逆転区と言われるものが生じておることは御承知のとおりでありますが、きわめて矛盾に満ちたかっこうが今日ずっと行われておる。ですから、そういう意味で私は、大いにふやせばいいというふうな気持ちはないのでありますけれども、少なくとも逆転区を是正するぐらいの枠をふやしたところで余り大きな問題になるわけではないので、まず、それは議員一人当たりの有権者数がどうとかこうとかという議論はいろいろありましょうけれども、沿革から見て逆転区だけは正しくするというのは当然ではないのか。そうすると、人口が減っているところがあるのだから、減らす方も減らしたらいいじゃないかという議論が出るかもわかりませんが、さっき小杉提案者の方での議論の中にもありましたけれども、私は、衆議院における定数是正は、二回とも当委員会で私が委員をいたしておりますときに行ってまいりました。 そこでの議論はどういうことかといいますと、衆議院の場合で言いますと、私ども兵庫県の第五区というのが一人当たり議員定数に対する有権者の一番少ない選挙区でありますけれども、しかしこれを現在三名を二名にするとか一名にするとかということは、現実問題としてはなかなかむずかしい問題がございます。ですから、そういう意味では私どもは、まあ多少の問題があろうとも、やはり増員で修正する場合には各党一致した意見が得られてこれまで定数是正が行われてきた経緯もありますので、私はそういう意味では、基本的にはいまのアンバランス是正をやろうと思えば大変な数になります。先回たしか十七名でございましたか、増員の案になっておったわけでございますが、それはちょっとなかなか問題があろうかというふうにも思いますが、せめて逆転区だけを是正するぐらいのことはそう大きな問題ではないのではないかという感じがするのであります。これまでの経緯では、参議院の自民党の皆さんの立場は増減なしという形に固執しておられるような感じがいたしますが、この点について、参議院の提案者でもございますので、ひとつお尋ねをいたしたいと思います。
○金丸参議院議員 御説の点はごもっともと存じますが、参議院の全国区、地方区を合わせました総定数をどのように考えるかということがやはり根本にあるのではなかろうかと私は存じます。参議院で野党からも選挙法の改正の提案がございましたことは先生も御承知のとおりでございますが、どうもいろいろな情勢を考えて、地方区の現在の総定数はふやさないで地方区の定数是正をやったらどうだろうかというお考えのようでございます。先般ここでお答えを申し上げましたように、地方区の定数是正は私どもも緊急を要すると思っております。その是正の仕方として、先生のお考えのように地方区の総定数を若干ふやして是正をしたらどうかという御意見と、現在の百五十二名のいわば枠内で定数是正をしたらどうかという御意見と、それから是正をいたします場合に、東京などの総定数を若干ふやしてやるという案と、東京都のごときはそのままにしておいて、人口の逆転いたしました府県相互間の是正をやったらどうかという御意見とございますので、この点引き続いて私どもも検討をさしていただいて、できるだけ速やかに結論を得たい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○堀委員 これらの問題は確かに参議院の重要課題でありまして、参議院の方でもひとつ御検討をいただきたい、こう思うのでありますが、今回のこの参議院の選挙法改正について、参議院は、やはり当事者の皆さんの御自身のことでありますからなかなか落ちついた論議というのがむずかしい条件があったかと思います。その点では、私は参議院の様子は会議録でしか承知をしていないわけでありますが、私ども衆議院側はやや客観的にこの制度を見ることができるものでございますから、それなりに衆議院における論議というのはやや落ちついた論議ができたのではないか。二院あるということのいい意味はこういうところにも確かにある。私は本会議でもちょっと申したのでありますが、どうも巷間衆議院というのは政党本位で、やや暴走ぎみであるから参議院で良識をもってチェックをする、それはそういうことでいいのでありますが、今度はどうも参議院の方が暴走ぎみでございましたから、これはぜひ衆議院でこれにチェックをかけるということが必要なのではないか、これが二院あることの非常に重要な意味である、こういう認識に立って、当衆議院の審議については、久野委員長がお話しのように慎重審議に徹する形でお願いをしたわけであります。そういう意味では、私は今後当委員会の懇談会その他を通じてそういう問題もひとつわれわれも勉強させていただくが、参議院側でも、これはこの選挙制度が改正になりまして、次に非常に重要な課題でもございますので、ぜひ精力的な取り組みをお願いしておきたいと思うのであります。 それに関連して、実はさっきもちょっとお話を申し上げております参議院の今後の状態といいますか、この間参考人のお話を伺いますと、大変汗をかいて当選する地方区の方と、相対的でありますがやや楽に当選する方たちと、二つできるわけですね。汗をかいた方たちが百五十二人、余り汗をかかない方が百人、どうも違和感が生じて大変まずいというお話が参考人の皆さんからございました。これは、私ども衆議院側としては、私、この制度を考えたときに実はそういうことを余り考えていなかったものですから、ここでお話を伺えて、なるほど現実の問題としては確かにそういうものがあるだろうということを、参考人の御意見を伺って非常に痛切に感じたわけであります。 そこはどうしてそういうことが起こるかというと、裏返せば一つの院の選挙で、政党本位の選挙と個人本位の選挙が並立しているということがこれは矛盾の根本だろうと思うのであります。そうすると、時間はかかるかもしれませんし、方法がどういうことであるかは別としても、やはり将来的には私は衆議院も政党本位の選挙になるべきだと思っておりますが、参議院のいまの残された地方区の問題というのは、これは個人本位のままで置かれておる限り、いまの政党本位の選挙で出られた方との違和感の関係というのはなかなか解決できない基本問題を含んでおるような感じがいたしてなりません。この選挙制度の中での一番重要な、個人本位選挙か政党本位選挙かという根幹にかかわるところがこれから参議院で実は並行して行われる、そうして出てきた方は同じ資格の参議院議員だというのは、私、参考人の皆さんのお話を聞きながら、一つの新しい問題を提起をされたというふうに受けとめておるわけであります。この問題については提案者の皆さんはどういうふうにお考えになるかをひとつ伺いたいと思います。
○金丸参議院議員 この点は当初から私どもが感じておったところでございます。確かにいわゆる地方区の方は御自身が個人本位で選挙を戦って御当選になっていらっしゃるし、名簿の方は党の選挙運動の一環として御自身もお働きにはなるわけでございますが、地方区の方とは違った形で国会に出ていらっしゃる、そういう意味の違和感は確かにこれは免れないと私も思っております。今後これは、党でどのような方を名簿の候補者としてお選びになるか、それによって選挙区選出の議員の方もそういう名簿で当選なさった方を尊敬されるようになり、また、名簿の候補者は選挙区の方に敬意を表されるといたしますというと、おのずから解決もできていくのじゃなかろうか。それから百五十名と百名という相当に大ぜいの人数でございますので、対立よりもお互いに融和をしようというようなお気持ちがだんだんと育ってまいるのではなかろうか。お互いの立場を尊重しつつ、いわば大ざっぱに申しまして二百五十名の中の百五十名と百名でございますので、お互いが融和されるような努力もしておいでになることによって、御心配のような違和感が防いでいかれるような努力がされていくのではなかろうか、実はこういうふうに期待をいたしておる次第でございます。
○堀委員 いま提案者がお答えになりましたことは、六年先からは実現可能ではなかろうか、こんなふうに思いますね。ところが、実はこれから、十三回、十四回通常選挙の名簿登載者は、皆さんを含めてどちらかといいますと個人本位の選挙で出ておいでになった方が、今度はからっと変わるわけですね。ですからどうも、私もそういう違和感がないことを望んでおるわけであります。決して違和感ができればいいなんて思っておりませんが、なかなかこの問題は人間の気持ちの上では整理しきれないものが残るのではないだろうか。それが結果的にはさっき申し上げた個人本位選挙から政党本位選挙への切りかえというシステムの転換に伴って起こってくるものでございますから、お互いの個人個人の問題ということを超えて、この問題は私どもはシステムとして考え直していかなければならない問題ではなかろうか、実はこういう気がしておるわけであります。 それをどういうふうにしていくかということは私どももまだ、今度の参考人のお話を聞いて初めてそういう問題があるだろうな、それは単に汗をかくかかないという問題ではなくて、個人本位の選挙と政党本位の選挙という基本的な問題から生まれてくる重要な課題であるということに実は気がついたわけであります。当然のことなんでありますが、私どももまず全国区という方に非常に比重をかけてこの問題の改正案を、全国区のいろいろな問題点を整理をするために一番望ましい方法は何かということで考えてきたものですから、ついそういう地方区とのバランスとかいろいろな問題については、私自身も参考人のお話を聞くまでは余り感じていなかったのであります。それを伺うにつけても、なるほどそうするとこの制度上の問題というのは、これから私どももう少し真剣に検討しなければならぬ課題を含んでおるということを感じたわけでありまして、その限りでは当委員会で同僚である参議院全国区の皆さんに参考人として来ていただいてお話を承ったことは、私どもにとって大変意味の深い、貴重な御意見を承る機会ができたと大変富んでおるわけであります。 そういう意味では、やはり私どもはこれから衆議院においても何とかひとつ政党本位の選挙にしたい。特にここで誤解があるといけませんが、私はいまのいわゆる金権と言われる問題は、本会議でも、またこの間もちょっと申し上げましたけれども、まさに同じ党の方が競い合うということは、どうしても後援会組織を拡充をして安定した支持バックをつくりたい、これにはどうしてもお金がかかるわけでありまして、この競争となればやはり資金競争ということになるのは、これはシステムとして避けられない、こう見ているわけであります。 そうすると、そういうシステムを変えるということは、政党本位の選挙ならどういう選挙法でもいいというのではないのでありまして、いまから政党本位の選挙で小選挙区に仮に変えるということになりますと、同じ現象が起こると思うのです。小選挙区というのは確かに政党本位の選挙でありますけれども、しかしそこで政党から候補者になる方はやはり一人でありまして、そうするとその政党で公認にならない方は無所属で、何らかのグループをつくるなりして出られる可能性が出てくる。そういう小選挙区のときは、かつて奄美大島で、皆さんの自民党の中で、無所属が当選をして自民党公認が落選をする、無所属で当選した方が今度は自民党になって、その次の選挙にはこの自民党公認が落選をして、前回自民党公認で落ちた方が無所属でまた出てくるという、まことに奇妙な問題が政党本位の選挙でも起こるわけであります。 そこで、そういうことを防ぐためには、やはりいまの選挙民が、個人本位選挙で培われてできておる選挙意識、この個人と政治家を結ぶ政治意識を改革をして、そうしてそういうものがなくなった時点でそういう小選挙区になるのならまた別だろうと私は思うのですが、いまここで連続で小選挙区をやりますと、ますます金権の問題というのは強くなるおそれがある。これでは政党本位の選挙にする意味がないというのが私の考えでございまして、西ドイツ式の、私は提起をしましたが、個人的な見解でありますけれども、せめて十年間比例代表でやりますと、もう選挙民と候補者のつながりがなくなるわけです。そうなるともう後援会もなくなりますし、自然に有権者は政党との関係で政策本位で物を見る、あるいはそれは多少個人も評価の中に入るでありましょうが、それは個人の評価であって、個人のつながりで選挙をするというかっこうは比例代表が行われている限りあり得ないわけでありますので、そういう意味では私は、衆議院に新たな政党本位の選挙を導入する場合には、この前もちょっと申し上げましたが、どこかの国が実際に行っておることによって、初めて制度としてのある程度の安定性をわれわれも確認できるわけでありまして、頭の中で考えて、選挙制度審議会で私もずいぶん長いこと御一緒に審議をしておりまして、いろいろな工夫をなさるのでありますが、これはやってみないとわかりません。ところが、いまの西ドイツのやり方はすでにやっておられるわけで、それで一応の成果がちゃんとできておる。おまけに総枠は比例代表制、ただし拘束名簿に対して有権者が選択権を持つというのが邦における小選挙区でありますから、そこらはきわめて合理的な選挙法だなと私は感じておるのでありまして、それを十年やったらその先は私小選挙区でちっとも構わない。ただ、小選挙区の場合には、イギリスは御承知のように多数当選式であります。フランスは、要するに最初に過半数を超えれば当選、過半数の当選者がなければ二回選挙によって上位の三者で争いますから、必ず過半数の投票を得た者が小選挙区といえども当選者になる。これはフランスは多党化しておりまして、イギリスは大体が二大政党ですからああいうシステムでよかったので、フランスのような多党化の小選挙区は当然、日本の場合もそうでありましょうけれども、やはり三回選挙というのが小選挙区としては合理的な考え方になるだろうと思うのであります。それを十年先からはそういう制度でやられても私はちっとも構わないと思うのでありますが、当面は、いまの個人本位選挙、後援会システム、個人と有権者の個人的つながり、これを遮断することが日本の政治の近代化に非常に重要な問題である、こう私は考えておるわけであります。 ですから、そういう意味では私どもは今後、衆議院、参議院を問わず、いまの個人本位という選挙のシステムを、今回初めて参議院全国区で導入されることになるわけでありますけれども、政党本位の選挙にすることによって、政策による争いによってお互いが切磋琢磨する、そのことが国民に私どもの任務を果たす非常に重要な問題になり、同時に、突然選挙のときだけ政策をというわけにいきませんから、日常の政策活動と選挙の政策活動が一つになって、それは私は、国権の最高機関であるこの国会の権威を高めることの基本的な問題として考えなければならぬことではないのか、こう考えておりますので、その限りでは私ども、いま少し提起さしていただきました問題を含めて、現在の案がベストだと思っておりませんから、この法案には反対の立場でありますけれども、しかし方向としては、日本の将来を左右する重要な国会議員の選挙でありますので、そういう全体の展望の中でこの問題を処理し、さらには参議院の地方区、全国区の問題を含めて、今後も個人本位の選挙で地方区があっていいのかどうかという問題を含めて、これから私どもは新しい選挙制度改革の出発点に立つ、こういう気持ちで私ども勉強してまいりたい、こう考えておりますので、提案者の御感想を承って私の質問を終わりたいと思います。
○金丸参議院議員 堀先生の長い選挙の御体験と、いろいろお考えになりました御結論を承りまして、私も、政党本位の選挙制度にすることによって、政策によって争い、選挙にまつわるいろいろな弊害が除去できるのではないかというお考えには心から敬意を表する次第でございます。 ただ、何分わが国は長いこと中選挙区制で、かつ個人本位の選挙制度でやってまいりましたこと、衆議院はやはり政権の帰趨を決める選挙制度になりますので、その点は貴重な御意見として私どもも十分に勉強させていただきたい、かように存ずる次第でございます。
○堀委員 終わります。
○久野委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 小杉先生、よく似合うじゃないですか。新自連の方々の中で大臣席に座ったというのは先生が初めてじゃないですか、よく似合いますよ。しかも総理大臣席ですからね。いや実にすばらしいです。いぶし銀のような重厚な大臣も結構ですが、あなたのような若い大臣が出てくることも私どもは大変期待をしております。 それでは智頭に小杉先生の方から質問をさせていただきますが、細かい点につきましては先ほどすでに堀先生から御質問がありましたので、その他の大まかな点でお考えをただしておきたいと思うのであります。 全国区採用の国というのは、百六十六カ国あります中で三つだけですね。それで、グアテマラとオランダとイスラエル、いずれも人口が二百万から三百万というような小さな国なんですよ。その三カ国しか全国区というのはありません。人口が一億一千七百万にもなっておりますこの日本で、全国区というものをやはり存続させておくべきだと思いますか、いかがでございましょうか。御意見を伺いたい。
○小杉委員 全国区制度の存在の理由というのは、参議院の地方区あるいは衆議院の選挙区というのは大体その地域地域の代表という側面が非常に強いわけでございまして、そうなりますと、やはり地域の利害にとらわれる、利害だけを念頭に置いて政治活動をするという弊害が起こりがちである、したがって、選挙区の地域の事情とかそういったものに惑わされずに、全国的な視野で長期的な観点から国政を考えるという点で全国区の存在価値というのがあると思いますし、今度この改正によって、堀先生がたびたび指摘されている金帰火来というような本当に選挙だけを念頭に置いて十分な政策の勉強ができないという弊害を除去することによって、選挙運動に煩わされないで国政に専念ができるというようなことも可能になるわけでありまして、しかも、この全国区制度というのが戦後三十数年間私たちの間に定着をしておりますので、これをいま直ちに廃止をするということはやはりどうかということで、いま世界的な例を挙げられましたけれども、日本と世界の各国との間にはそれぞれ歴史的な風土の違い、文化的な違いというものがございますので、私たちは私たち独自の考え方で当面はこの全国区制度は存続すべきものと考えております。
○岡田(正)委員 まことにそつのない答弁でありまして、ごりっぱであります。 三人の提案者の方にいまのことに関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、まさに全国的な視野に立つ人でしかも地域の利害にとらわれないで十分な政策の勉強ができるような立場に置くことが参議院というものにはいいのではないだろうか、これもまた納得のいく一つの答弁であります。 ということになりますと、地方区は一体どうなったんかいな、こういう感じがするのであります。地方区は衆議院の選挙をちょっと幅を広げた程度、こういうことになるのでありまして、地方区の皆さんというのは金帰火来ということで、六年間の地位は保証されておりましても、地域の利害に関係をしてずいぶん走り回っていらっしゃることは事実であります。ということになれば、先ほど堀先生の方からもお話がありましたが、片方は汗を流して片方は楽にというような問題等もあるわけですから、この際、一挙に全国区も地方区もあわせて比例代表制をとるべきではなかったのかなという疑問もあるのでございますが、その点いかがでございますか。
○金丸参議院議員 全国区と地方区をあわせて比例代表制をとるべきでないかという御質問は、地方区を廃止して一本にして比例代表制という意味でございますか。——現在の地方区は非常に定着いたした選挙の制度になっておりますので、いまの地方区を全然やめてしまいまして全国一本の比例代表制にするということは、政治の行方もどういうふうになるか的確に予測もつきかねますし、現在では地方区、全国区の区分は存置して、そして全国区の弊害を是正するという行き方が最も現実的ではなかろうか、こういうふうに考えた次第でございます。
○岡田(正)委員 言葉じりをつかまえるというのが一番悪いのでありますが、ちょっとたちの悪い質問をさせていただきますと、地方区の方は三十七年定着をしておりますのでとおっしゃいます。全国区も途中でちょん切れたことはないのでございます。全国区も三十七年間定着をしておるのでございます。したがいまして、賢明な先生の御答弁にいたしましてはちょっと苦し紛れという感じがするのでありまして、参議院というのは、衆議院や地方区のように選挙に追っかけ回されて金帰火来で、地元の利益を考えなければならぬし、勉強する暇もない、これじゃどうもならぬぞというような弊害が一つあるじゃないか、だから、じっくり腰を落ちつけて、地元の利害等に関係せず、全国的な視野でりっぱな政策を立てられるような機関に参議院をしようではないかと、せっかくそうおっしゃるんなら地方区も全国区も解体をいたしまして一本にして、議員の数を減らすのは別といたしまして、二百五十二名をそのまま比例代表制に持っていった方がすきっとして国民にはわかるのじゃないでしょうかね。もう一度お答えを願いたい。
○金丸参議院議員 地方区が定着しておると申しますのは、地方区を廃止せよというふうの意見は、先生方はお持ちのようでございますけれども、わが党内でもきわめて少数でございまして、地方区についていまの制度をやめてしまえという意見は多くないという意味で定着をしておる、私はこう申したわけでございます。 それから、全国区については戦後三十数年やってきているじゃないか、それはそれなりに定着しているんじゃないか、もちろんそういう御意見もあるわけでございますが、私どもは、三十七年たちましたけれども、当初から心配されておった、あるいは指摘されておった政党化とか、金がかかり過ぎるとか、タレント的な方が出られて本当の人材が出にくいとか、昭和三十一年に指摘されておったようなことが著しくなって、全国区の改正の論議がここ十年来非常に各方面に盛んになってまいったので、その決着をつけるために私どもが提案しておりますような案を提出した、こういう意味で申し上げておる次第でございますので、御理解いただきたいと思います。
○岡田(正)委員 小杉先生、第二問目でありますが、完全拘束をおっしゃっていますね。ところが、ヨーロッパにおきましても、先般来の審議の過程でお答えがありましたように、ポルトガルとイスラエルだけなんですね。ということを考えてみますと、それでもなおかつ拘束がいい、そう思っていらっしゃいますか。まあ提案しておるのにいいと思いませんとは言えぬと思いますが、いかがですか。ヨーロッパでは二カ国しかありません。
○小杉委員 非拘束の場合は、たとえば名簿に載った個人の名前を書いてもよろしい、個人の名前を書いてもその所属する政党の得票に計算される、こういうことでありますが、そうなりますと、いまこの全国区制度の弊害として、金がかかり過ぎるとか肉体的な負担が大きいとか、あるいは選択が非常にむずかしい、こういうことが言われておりますので、もし非拘束で名簿に載った個人名を書かせてもよろしいということになりますと、現行の弊害がそのまま残る、現行制度とそれほど変わらなくなってしまうということから、もしこの比例代表制を導入するとすれば拘束名簿式ということでやるしかないだろうというのがわれわれの考え方です。
○岡田(正)委員 そこで、同様のことで提案者の方にお尋ねするのでありますが、非拘束名簿式にいたしますと、個人の名前を書いた場合でもそれは有効だよということになるわけでございますが、そんなことをしたら個人が広過ぎて非常にしんどい。金がかかり過ぎるという弊害をなくすためにせっかく提案したのに、それじゃまたもとへ逆戻りしてしまうじゃないか。だから、やはり拘束名簿式で政党名一本という方がいいのだ、こういうことで、小杉先生の御意思もそうでございますが。 さてそこで、それならば、拘束名簿式の名簿をそれぞれ新聞広告、公報あるいはテレビ、ラジオ等をもちまして、拘束されました方々のお名前を無理に公表する必要なんか一つもないわけですね。それから、それを公表することによってむしろ選挙民の方では、あああんなりっぱな先生が出ておるのか、たとえば、いま提案者になっていらっしゃるようなりっぱな先生方のお名前があったら、国民は、これはもうその先生方のお名前を、三人の名前を書くかもわかりませんね。せっかく書いたのにそれは無効である、それはちょっとむごいのじゃありませんか。そういう過ちを犯させぬためだったら名簿を発表する必要はないわけでしょう。しかも地方区の方におきましても、社会党さんの御説明でも、また提案者の皆さんの御説明でも、いえ、この全国区の名簿候補者になった者は、何も寝ておって、温泉に入っておって通るというのではありません、それはもう汗水流してあとう限り全国を走り歩くのでありますということは、提案者の方も社会党さん側の方も両方同じことをおっしゃっていますね。だったら、応援に行って一生懸命演説をする、それから政党売り込みのための演説も一生懸命やるということになれば、当然、私は名簿に載っておる何の何がしであります、このたびは〇〇党をぜひひとつよろしくお願いしたいと言って聴衆を寄せる、人寄せの一つの手段にもなり、そして、一音話をすることによって聴衆がしびれちゃうというようなことで得票を稼ぐわけでしょう。それは間違って書くことはあり得るじゃありませんか。だから、少なくともいわゆる無効票を少なくするためにこの法案を考えたのですというのが提案理由の一つにもなっておるわけですから、無効票をできるだけなくす、有権者の意思を生かすという点からいったら非拘束でもいいのじゃありませんか。私は、その点がどうもちょっとあいまいだなと思うのでありますが、提案者側の御意見はいかがでありましょうか。
○金丸参議院議員 私どももいろいろとその点論議いたしたことがございますけれども、有権者の立場から、名簿に載っておる候補者の名前を書いてもいい、書かないでもいいという選択を許しました方がよろしいか、もう政党が責任を持って候補者を選考し名簿を公表し、政策をもって選挙を争うわけでございますので、やはり有権者のサイドから見ますと、端的に政党名で一括して候補者全体に投票するという方式の方が有権者にわかりやすい。また個人名を書きますと、いろいろ書き違えもあり得ます。全国区の候補者についてはそういう嫌いが非常にございますので、私は、無効票をなくする上からいきましても政党名一本にいたしました方が適当であろうと考えて、このような案を採用した次第でございます。
○岡田(正)委員 重ねてお尋ねをいたしますが、いま先生の御説明を聞いておりましても、混乱を防ぐために政党名一本で書かした方がいいということをおっしゃる。そして、紛らわしくない、無効票が少ないであろうとおっしゃるわけであります。物の見方というのはやはり裏表があるわけでありまして、いままで個人本位の選挙がずっと続いてきた今日、金丸先生や松浦先生だったら、ばちっとすぐわかるのですね。わかるのですが、いままで金丸先生や松浦先生に入れておった札にいたしましても、自民党だから入れたとばかりは限っていませんね。自民党はちょっと気に入らぬけどな、まあ金丸先生や松浦先生ならよかんべえというのがあったはずですよ。ほとんどだと思います。ある統計をやっていらっしゃる人の御意見を聞いてみましたら、政党名が気に入ったから入れたという人は十人に一人だろうと言います。十名中九名、もうほとんどの人が、その人の個人的な魅力を慕って入れている、それを信じて入れている。いままでの制度にならされてきておるわけですから、今度はその名簿の中には並べられているわ、そして応援演説はするわ、政党の応援もするわというようなことをやりました場合、自筆でしょう、自分で書くのでしょう、自分で書く場合ついうっかり金丸、松浦と書かぬとは言えないじゃないですか。その方がうんと無効票が多いだろうと私は思いますよ。 ということになれば、私どもが先般来繰り返し主張申し上げておるのでありますが、それはいかぬとおっしゃるなら、非拘束はいかぬ、拘束だと言うなら、記号式にされた方が過ちはまずまずありませんよ。これはだれが考えてみても無効票の出るはずがない。それでも出るというのは、故意に無効票にするだけのことであります。だから、無効票を少なくしようというねらいがあるのなら、提案の趣旨にあるのですから、記号式にされたらいかがなものでございましょうか。
○松浦参議院議員 選挙というものは、無効票が絶対に少ないということだけが目的に合致するものだとは必ずしも考えられないわけでございます。やはりじっくり考えて、今度の場合でございましたら政党の政策をよく考えて、おれはどの政党に支持を与えるのだということを考えて投票していただくということだと思います。どうも記号式でございますと、いとも安易に流れるという嫌いがないとも言い切れません。どの政党かということを自分で書くということになれば、民社党、民社党、民社党というふうに考えながら民社と自分で書かれると思うのでございます。それが一番選挙の本質に合致するものじゃなかろうかという考え方から自書式をとりました。その上に加えて、果たしてこの政党要件でどれだけの政党が出てくるかということもわかりません。たくさんのものが出てまいりますと投票用紙が非常に大きくなってしまって困るというような管理上の問題もございます。そういったことも考え合わせてみて、それは付随的な問題でございますけれども、第一義的にはやはり自分で考えて自分で書くということに日本人はなれているわけでございますから、政党の名前でさほどむずかしい政党があるわけじゃございません。自民、社会、民社、新国連、これだけでございますから、かたかなで書いてもよろしいのでございます。そういうことでございますので、私どもは自書式の方がよかろう。者がもう少し鍛練を積んで、記号式であっても必ず考えてきちっと見直しつつマルをつけるという自信がついた時期において検討すべき問題ではなかろうか、私はこういうふうに思っております。
○岡田(正)委員 それでは次に移らせていただきます。 小杉先生、この間から参考人の方々の貴重な意見を拝聴しましたね。そのときにほとんどの人がおっしゃいましたのは、衆議院に比例代表制を入れるというならよくわかる、だけれども、何で参議院に持ってきたのだろうか、大ぜいの人、少数派の人であろうが、無党派の人であろうが、出やすくなっておる全国区へどうして比例代表制を持ってくるのかわかりませんね、衆議院ならわかるが参議院へ持ってきたのはわからぬですな、こうほとんどの方が口をそろえておっしゃっておりました。先生もお聞きになっていらっしゃったと思うのですが、この点はいかがでございますか。
○小杉委員 おっしゃるとおり参議院の全国区が一番得票率と議席率が比例しているわけですね。いわばいまの全国区制度が一番日本の選挙制度の中では比例代表的な要素を持っているということは御指摘のとおりでありまして、なぜここに先に導入するのかというお話がありました。しかし参議院の地方区は、先ほど申し上げたように地域代表的な要素もあります。衆議院もまさにそのとおりであります。そこで、なるべく得票率と議席数が比例するように、選挙区の定数の是正とかあるいは区割りとかそういうことで得票率と議席数がアンバランスにならないようにする努力はこれからもしていかなければならないと思いますが、いまさしあたって一番弊害が叫ばれておりますこの全国区制度から導入をするというのが順序でありまして、これから衆議院あるいは参議院につきましてはどういう方式をとるべきかということは、われわれもまだまだ検討を深めていかなければいけないと思っておりますし、当面私たちはいまの制度の中で定数の配分を——いまのように一票の重みが参議院の地方区の場合一対五・七三、衆議院の場合も一対五・四、そういうアンバランスは定数の是正によって改めていかなければいけないということから、今回定数是正の修正も出しているわけでございます。 以上、申し上げたところから、参議院の地方区あるいは衆議院についてはこれからの検討課題ということで、当面全国区に導入をするという考えに立つものであります。
○岡田(正)委員 続いて、小杉先生に最後の御質問をさせていただきます。 今度の改正案の中の目玉の一つであります金がかからぬようにしようという提案ですね。なるほどいままで各候補が三台ずつの宣伝カーを持ち、十五カ所の事務所を持ち、十万枚のポスターを張り、十二万枚のはがきを出し、三十五万枚のビラを配る、こういうものも一切なくなってくる。したがって、これはずいぶん金がかからぬようになるであろうと表面では見えます。しかし、政党の確認団体の届けをすることによりまして政連カーの枠がそれぞれ六台あるいは七台というように与えられます。それからポスターが七万枚プラス五千枚、五千枚というように与えられます。なるほどそこまでは一切金はかからぬと言ってもいいくらいですね。それで全国各県に一カ所の事務所、これは大したものではないと思います。ところが、実際の中身はどうなってくるかといいますと、三種類のビラというのは無制限、何億枚であろうが刷って配っても構わない。各都道府県に一カ所ずつあります事務所というのは、もちろん幾ら電話をかけたって差し支えない。そして幾ら事務員がおろうとそれは関係ない、幾ら労務者がおろうと関係がない。七万枚のポスター、あるいは無制限に出る何億枚というビラ、それを配って歩く人、こういう者の労務費も、食費も、旅費も、車代も、ガソリン代も一切合財何にも関係なし、やれるだけ大いにやりなさい。しかもそれは選挙費用として計算はいたしません。党の費用として計上するのであります。こういう仕掛けになっておるわけですね。 時あたかも地方区の選挙も同時に行われておるわけですね。ここですよ、問題は。そういたしますと、全国区の方の金がかからぬようになったということはむしろ詭弁でありまして、各地方区に立候補者をあとう限り立てなければ政党の選挙ができない、全国区の選挙の札は出てこないということになれば地方区は当然激戦となりましょうし、全国区の政党名を売り込むために物すごくはでで激しい事前運動が行われる。選挙に入れば入ったでいまの無制限なビラ、党なんかですさまじい金が動くのではないかと思うのであります。しかもそれはだれにもチェックされません。党の経理に入るだけであります。私はここを非常に心配をしておるのであります。 特に小杉先生になぜこんなことを言うかといいますと、小杉先生の所属しております新自由クラブは、自民党の金権体質を批判をして、こんな党におられるかというので外へ飛び出てできたものでしょう。それで国民は、すばらしい、自民党もなるほどいいところはある、いいところはあるけれども、そや、その金権体質が最も気に入らぬ、いいことを言ったというので、ユニホームをそろえた若手の新自由クラブの候補者に一斉にムードが沸き上がったわけでしょう。そういう中からあなた方は当選したわけでありますから、金を使うどころではない。資金カンパの方が多くて、あるいはひょっとしたら貯金が残ったかもしれぬというようなうらやましい選挙をやってきた人でありますから、本来選挙には銭はかからぬ、金はかからぬものであるという考え方をかちっと持っていらっしゃると思うのです。 さて、今回のこの改正案で果たして全国区は金がかからぬようになると思いますか。
○小杉委員 お互いに選挙をやる身ですからよくわかっていると思うのですが、選挙期間中にかかる金というのは皆さん恐らく法定選挙費用で納めておられる、納めなくちゃいけないことになっているわけですが、実感として感じることは、周知徹底させるための費用が事前に相当かかることだと思うのですね。私たちの今度の改正案でも、選挙運動を余りきつく制限をしますと、むしろ事前の方にウエートがかかって、これは個人名を売るんじゃないのだ、政党名、政策なんだからということで減らしたといいますけれども、余り極端に選挙期間中の運動量を減らしますと、いま岡田委員が御指摘のように、事前にしゃにむに党を売り込む、政策を売り込むということでかえって金がかかるという結果を招きかねないという意味から、本当に金のかからない選挙をやるためには事前にそんなに金をつぎ込まなくてもいいように、でき得る限り選挙期間中の選挙運動、政党のでき得る活動を認めるべきだ。その中でも特にいま新聞、テレビ、ラジオ、あるいは新聞広告、選挙公報、こういった大量媒体、マスメディアというものを思い切ってふやすということで選挙期間中にある程度運動が緩和されれば、そんなにむちゃくちゃに個人の名前を売り込むわけじゃありませんから、事前にそんなに金をつぎ込まなくても済むのじゃないかという点で、いまの原案についてはやはり相当考慮の余地がある。私は、原案の提案者は、最初一票制ということで、全国区の方は投票しないで地方区の選挙の得票に応じて票を配分するということから出発しましたので、恐らく二票制ということが余り念頭になくて法案を提出されたのじゃないかと思うので、そういう点ではやはり私は原案の提案者にも十分その辺はもう一度考慮をしていただく余地があるのじゃないかというふうに思います。私どもはそういう考え方に立って、新聞、テレビ、ラジオあるいは選挙公報というものをほぼ現行の二倍程度にしたらどうかというふうにしたわけです。 それから、さっき堀委員の質問にちょっと答えそびれたんですけれども、選挙公報を二回出す物理的余裕があるかということですが、今度の原案ですと、投票日の十日前までに名簿の差しかえができるわけですね。そうしますと、いまのように現行一回で告示されて一週間程度ぐらいで公報が出ちゃいますと、仮にその後名簿を訂正した場合に全然見たことも聞いたこともないような人が候補者に載っていた、こういう結果になりますので、選挙公報の二回というのは可能であるし、必要である。しかも、私ども、実務を担当する地方の選管の意見も聞いて、あるいは中央選管の意見も聞いて、二回は可能であるというふうな返事をいただいておりますので、ぜひこの公営部分の拡大は実現をさせたいというふうに考えております。
○岡田(正)委員 小杉先生ありがとうございました。実にすばらしいです。(拍手)もう本当につぼを得た答弁でございまして、しかも、ええとか、ああとか、ううなんてことはありませんし、それからメモも一切見ませんし、よどみなく、すばらしいものです。先生の大成を祈ってやみません。ありがとうございました。(拍手) それでは、大臣、どうも大変失礼しました。 いよいよ最後の質問ということになってまいりましたが、大臣にお尋ねをいたしますが、基本的なことばかりでございます。 地方区の定数是正ですね、これをどうしてやらぬのだろうか。いままで論議もずいぶん繰り返されてまいりました。しかし、国民から言えば何でやらぬのかなという実に不満があるのです。そして、先ほども私申し上げてまいりましたが、定数是正が偶数偶数でやらなければどうにもならぬというような事情があることもよくわかります。さりとて、参議院全体の二百五十二名の枠をふやすということ、これもまた容易なことではありません。ということになれば、この際、比例代表制をぜひともとりたいというのなら、これはもう全国区も地方区も解体して一挙に比例代表制に持っていくか、わが民社党が言っておりますようなブロック制に持っていくかというようなことをやって、国民の期待にこたえるべきではないだろうかというふうに思っておるのでありますが、大臣はいかが考えられますか。
○世耕国務大臣 御指摘の定数是正の問題、これは本来は、国会の中で各党お話し合いの上で、それにわれわれの方も加わりましてなさるべきであるのが本来だと思います。しかしながら、もう先生御存じかと思うのでございますが、実際具体化するのにはまだまだかなり時を要するというふうな判断に立ちまして、それで、自民党が御提案になりました今回の比例代表制を先行させて御審議をいただいているというような経過でございます。 さらに、地方区の方も拘束比例代表制にしてはどうかという御意見がございまして、これも一つの御見識だと思うのでございますが、これをまた一緒に全国区と取りまとめて行うということも大変現実としては至難なわざでございまして、この点で、どうしても目下、ことしの最初から議論されております全国区の費用がかかる、それからもう一つは政策がうまく浸透し切れない、それから選挙者の方からいきますとどうも候補者の輪郭がはっきりしない、こういういろいろな弊害が先に立ってまいりまして、それで、こういう現在のような、先生方の御協議によりまして今日に至ったというのが実情でございます。
○岡田(正)委員 大臣、いま一つお答えいただきたいと思いますが、政治資金規正法の改正は、たしかもう五年の期限が来ておりますね。その問題と、それから私どもが常日ごろから言っております政党というものの位置づけを明確にすべき時期が来ておるのじゃないかということで、政党法の制定もやったらどうなんだろうかということを常々唱えておるのでありますが、そのいまの政治資金規正法の改正、それから政党法の制定につきましていかが考えていらっしゃいますか、お答え願いたいと思います。
○世耕国務大臣 まず、政治資金規正法の点でございますが、これはこの前の改正法のときに、将来、個人献金を主体としたものにすべきであるという、そういう一項がございました。ところが、ここ五年間の、昭和五十五年までの統計をとうてみますと、各政党の収入の中の寄附金の項目がございますが、その寄附金の項目の中で個人献金が占める率が、全体の政党を通じまして昭和五十五年で約四%でございます。そうしますと、昭和五十五年は四%でございますが、いろいろ千差万別になっておりまして、各政党ともずっと合計して数値をとってみますと、各年度ともどうも個人献金の率というのは大変少ない。われわれが予想した以上に少ない。この数字で見てまいりますと、今後も多くを望めないのではないか。各政党の台所を賄うに足るだけのものが個人献金を通じてはとても得られない、こういう観点に立つものでございます。 そこで、五十年に指摘されましたその項目について、やや、これから政治資金の方法については一考を要すべき点が多いのではないか、こういう観点に立っておりまして、この点からもう一度見直しをする必要がある、こういう立場でございます。 さらに、政党法の方でございますが、政党法は、ドイツのような特有な民族性と日本人の場合となかなか違っているように思います。日本の場合は、政党法の規制は全くないのでございますが、ただ民衆の中から自然に発生してきたもので、これはこれなりに、今日の社会党さんあるいは自民党さん、それからもちろん民社党さん、公明党さん、いろんなすぐれた一いや、新自由クラブもそうでございます、大変すぐれた政党がたくさんございまして、それぞれ各特徴、個性を発揮しておられるわけでございますが、これは政党の基本的な根本に触れてくる問題になりますので、これも各政党間でよく御審議いただきまして、やはり将来政党に関する考えを伸ばしていくのには一つの分野であろうと思っておる次第でございます。
○岡田(正)委員 大臣、大変お忙しいところどうもありがとうございました。結構でございますから、どうぞ。 それでは、続いて提案者の方に質問をさせていただきますが、自分で書くという自筆式というのは、選挙部のお答えによりましても、世界の中で自慢じゃないけれども日本と韓国だけ、こういうお話であります。私は何も自筆式にこだわる必要はないと思うのですがね。先ほどの質問とちょっとダブるようなことになると思いますが、無効票を少なくするという意味では、私は記号式をとることの方がベターではないかと思うのでありますが、提案者は自筆式の方がベストであるとお思いでございますか。
○松浦参議院議員 記号式投票方法も本当に真剣に検討するに値するりっぱな方法であろうと思います。しかし、この点につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、やはりきちっと本人が考えて、そして自分で書くというところに意味がある。また、日本はそれだけ文盲がいないわけでございまして、そういう意味ではすぐれた素質を持っておる有権者でございますから、その素質を生かした形で自書式がいいであろう、こういう気持ちでおるわけで、記号式を否定するつもりは全然ございません。条件が整えばそれも一つの方法かと思っております。 ただ、日本では御承知のように記号式という投票方法をとった事例がないわけでございます。最高裁の国民審査というのがありますけれども、これはマルをつけるのではなくてバツをつけるわけで、ただ黙ってもらってそのまま投票用紙を突っ込んでくればいい、こういう形になってしまって、本当の意味の効果があるのかどうかということも疑問でございます。それらの問題を含めて将来の問題としては十分検討させていただきたい問題である、こう考えております。
○岡田(正)委員 次に、選挙運動の問題でお尋ねをするのでありますが、今度の全国区の改正案によりますと、確認団体が各県に一カ所の事務所を持つことと、それから確認団体の政連カーといいますか、これが十人で六台、五人増すごとに一台というような形になっておりまして、政党対政党の選挙ということになりますと、私はこれははなはだ不公平だと思うのですよ。名簿に何十人並べるか何人並べるかの別はございましょう。しかし、いわゆる政党要件というものはこれですよということを並べてある限り、政党要件に適合した政党であるならば、土俵の上に出て、そこで堂々と選挙戦を戦うということになったら、やはり両方が対等平等で公正な戦いが行えるようにしてやらないと、片方、名簿がこっちの方は、自民党さんはたとえば五十名なら五十名並べている、たとえば民社党なら民社党は十名しか並べていない、こう極端な話をさせていただきましょうか。そうなると、自民党さんの方とそれから民社党の方とでは自動車の数もポスターの数も全部変わってしまうわけですね。しかも、戦う方法はそれしかないわけでしょう。選挙事務所はみんな一カ所ずつですからこれは公平ですね。だから、選挙事務所の点では公平にしておいて、実際に戦う武器となるべき宣伝カー、いわゆる確認団体の政連カー、これが物すごい差がついている。これは、二人ともこれから剣道の試合をせいということを言って、片方は、自民党は体がでっかいから、おまえに長い刀を持たせてやろう、民社党、おまえは背が低いから短刀でよろしい、こういうことで、いざ尋常に勝負、こうなりますか。なるわけないでしょう。やはりやらすなら同じ長さの竹刀を持たせなければいけませんよ。長いのはいやだから、おれは短い方がいいんだと言うなら話は別ですよ、本人の自由だから。だけれども、一応は同じ長さのもの、同じ重さのものを与えて、それで正々堂々と一騎打ちをやらせる。これが本当の勝負じゃありませんか。それなのに、片方は名簿登載者が多いからといって、体がでっかいからというて大きい武器を持たせて、片方は名簿登載が少ないからというて体がこまいから短刀で行けなんて、それはいけませんよ。それはなぎなたと短刀の勝負みたいなものじゃないですか。やはり勝負は堂々と公正にやらせるようにすることが大事である。先ほど小杉さんのお話の中にもちらちらとその片りんがのぞいておりました。そういう国民というのは多いと思うのですよ。いかがですか。堂々たる勝負ができるように、公正な選挙ができるように、各県一台ずつ事務所と同じように政運カーを置いてはいかがでしょう。
○松浦参議院議員 まことにごもっともな御意見でございます。先生から御指摘いただきましたように、これからいざ尋常に勝負するというときになぎなたと短刀のようなものだ、こうおっしゃられましたが、逆に、おしかりを受けるかもしれませんが、ごく裏返しにお話を申し上げてみますと、体重百キロの者と体重五十キロの者とでは、体を維持していくために食う物の量が違うというようなことだというふうに御理解をいただくのが早道だと思います。
○岡田(正)委員 これはどうも京都のお山に登らなければいかぬようなことになってきました。比叡山の禅問答のようなことになって大変恐縮でありますけれども、しかし、これを現在個人本位でやっておりますところの選挙に考えてみてください。個人本位でやっておる選挙、片方は大政党の自民党の公認候補だから、あるいは小政党の民社党の公認候補だからというので車の台数が制限されるということはありませんね。みんな平等でしょう。一台ずつの車を持って戦うわけでしょう。ポスターの数も一緒でしょう。はがきも一緒でしょう。そういう選挙が個人本位というのですね。政党本位でやる場合だったら、当然、政党対政党、それはどんがらが大きかろうとこまかろうとそんなことは関係ないじゃないですか。この法律に基づいてここから先は政党というのですよと決めておるのでしょう。そんなことを言うのだったら初めから政党要件なしにすればいいじゃないですか。 だから、政党要件を決めてこれだけの者が、いわゆる五人だ十人だ四%だというような政党要件を設けて、いわゆる政党対政党の選挙をやる限りにおいては、それはお互いに平等に対等に戦えるようなことをしなければ、公正な選挙とは言えませんよ。国民は、これは大政党有利の法案で、大分、自民党さんちょっとがめつくなっておるんじゃないかなということをおっしゃいますよ。これは参議院から回ってきたのだから自民党なんて青ってはいかぬのでありますけれども、とにかく国民の大半は、不公平だな、同じ戦うのに武器が違うというのはおかしい。片方にピストルを持たすなら片方にもピストルを持たせなさいよ。片方が大砲なら片方も大砲でやろうじゃないですか。そうやって正々堂々と政策と政見を発露して、国民に聞いてもらって信託を受けるのが本当の選挙じゃないでしょうか。
○松浦参議院議員 個人本位の選挙におきましては、立候補した者が当選するために全く同じスタートに立って競争するわけでございます。これは全く先生の御指摘のとおりでございます。今度の政党本位の比例代表選挙では、名簿に登載される者、すなわちある程度の目標を立てて当該党の力によって当選させたいと思う者の数というものは、それぞれ選挙戦略なり選挙作戦の中に確立をされるわけでございます。そういたしますと、同じ条件のもとで一定要件をかなえていて名簿を提出できる政党であったとしても、たくさんの者を当選させるために要する、先生がお使いになったから使いますが、武器と申しますか、武器と、少ない者を当選させる武器とではやはり違うということになるのじゃございませんでしょうか。そこいらは、お言葉を返すようでございますが、若干見解の食い違いということになるのかもしれませんけれども、私ども、先ほど申し上げました選挙事務所の問題についても、これは五十人載せる党でも五人の党であっても、みんな一カ所にしているのです。できるだけ平等にするということの上で、なおかつ必要な部分についてはある程度の差をつけざるを得ない、こういう考えで書いたというふうに御理解いただけたら幸せでございます。
○岡田(正)委員 これ以上の議論はいたさないことにいたしますが、いずれにいたしましても、全国区を戦うとするならば、全国区で一定のパーセントを上げようとするならば、だれが考えても、戦う方法としては地方区の候補者をあらん限り立てていく以外にないと私どもは見ております。ということになれば、地方区にたくさん立てられるものは地方区で戦いましょう。だけれども、少なくとも全国区の戦いぐらいは平等の戦いをさせてあげたらいかがでしょう。というのは、なぜかといったら、われわれ民社党は地方区に候補者を一人も立てぬようなことはしません。しかし、地方区に一名の候補者も立て得ることのできない政党や団体もあり得るからであります。地方区に一人の候補者もよう立てないような政党は一体どうやって戦うのですか。初めからその人数によって武器の大きさが違ったまま戦わせるなんということは、公正な戦い、対等の戦いとは言えないと私は考えておるのであります。 さて、時間が迫ってまいりましたので、その次に、供託金の問題であります。 私は、供託金のことがどうもよくわからぬのです。なぜわからぬかといいますと、供託金を取るのは二つ理由がありましたね。一つは泡沫候補が出てくれちゃ困るからだということ、一つは公営費用の一部分でもいいから受け持ってもらおうじゃないかということ、この二つが大きな理由でございましたね。 ということになりますと、現在の供託金はどうなっておるかというと、都道府県の知事、そして地方区、これが百万円ですね。衆議院はやはり百万円でございましょう。ということになると、都道府県の知事、それから参議院の地方区、衆議院は、同じ重さと言っては語弊があるのでしょうか、同じように見られておるわけですね。だから、同じ金額でよろしい。町村会の議員になったら、もう供託金なんか要らぬ。泡沫であろうが、迷惑をかけようがそんなことはいい、金は取らぬよ、こうなっておるわけです。 ところが、いままでは、衆議院と参議院の地方区と都道府県の知事は百万円ということに対し、全国区は、それに比べて地域も広く非常に体も使わなければならぬ残酷区である、金もぎょうさん使う、だからこの三つの選挙よりは倍取ろうじゃないかというので二百万になっておったのでしょう。その根拠は簡単に言ったらそういう意味でしょう。都道府県知事や地方区や衆議院と同じ並びよりも、倍のえらさがあると言ってやっておったものを、その二百万をそのまま倍にして、ほかのも倍にするのですが、それで四百万にすると言うのでしょう。私はこれがちょっとおかしいと言うのです。 なぜおかしいかといいますと、今度の全国区の選挙というものは、候補者は一切選挙運動をしちやいかぬのでしょう。候補者たる者は選挙運動はしてはならぬ。応援はいいですよ。応援はいいが、個人本位の選挙運動はできないわけですね。名簿だけですね。口の悪い人から言わせたら、何や、寝ておって通るんやないか、こういう状態でしょう。寝ておるぐらい楽なことはありませんね。一番楽な選挙でしょう。町村会議員よりももっと楽でしょう。そうじゃありませんか。町村会議員だって、バタンコに乗って走っていますよ。ほこりまみれになって走っていますよ。そんなこと全然せぬでいいのでしょう。そうしたら、供託金はなしにするのが本当じゃないですか。いかがですか。
○松浦参議院議員 寝ておるとおっしゃられますけれども、私どもは寝ておるというお答えを申し上げておらないのです。政治活動なりあるいは党の宣伝のために、党の機関として、恐らく党の指示に従って泥まみれ、汗まみれを覚悟せざるを得ないものだと思っておりますし、また、そういう形でやらないと、党の選挙というものはいい結果が得られないものだ、こう思っております。 したがって、供託金の問題から申し上げますならば、何も個人に供託金を納めていただこうというわけではございません。名簿に載せた数に応じて党に供託金を納めていただこう、こういうことでございます。前段と後段との結びつきはございませんけれども、決して個人から供託金を取ろう、こういう考え方でないということだけは御理解をいただきたいと思います。
○岡田(正)委員 いまの御答弁ではちょっと私はわからぬのでありまして、党から供託金を取ろうというので今度は提案していらっしゃるのですから、党から取るのだということはわかっておるのでありますけれども、それでは、ほかの各種選挙の並びと考えまして、いわゆる個人本位の選挙をしておる各種の選挙、それと比べてまいりまして、参議院の地方区、都道府県の知事、そして衆議院議員、これが今度百万から二百万に上がるのに対して、全然選挙運動をやらない選挙、ただポスターを張るだけ。七万枚。それにプラスアルファがあります。そして各都道府県に一カ所ずつ事務所があるだけ。そして政連カーが十人で六台、プラス何台というようにあるだけ。たったそれだけでしょう。それだけで本人はほとんど動かない。そういう状態の選挙で、これが選挙運動と言えますか。選挙運動と言えないじゃないですか。 そうすると、実際に選挙するのは政党でございましょう。だから、政党を信頼して政党本位の選挙をやるのだ、個人本位をやめたのだという限りにおきましては、政党の綱領から、党則から、規約から、政見から政策、そういうものを全部並べて新聞に公表し、そして告示をするわけですから、信頼されたその政党から、事実上は選挙運動をやらないのに、ただ六台の政連カーが動きよるだけであるのに、それに対して、名簿に何人載っておるからということだけで、掛ける四百万円の供託金を取るというのはおかしい。それなら選挙運動をやる人とやらない人、中には、選挙に立候補しておってもどこか外国に行っておられて全然選挙運動をしないまま通った人がおりますね。選挙運動をしておらぬからと言ってその人の供託金が減るわけじゃないでしょう。ということになれば、やはり参議院選挙なら参議院選挙を戦うから取るのでありまして、政党から取るというのは余りにもこじつけではないか、だから、むしろなしにすべきではないかと私は思うのでありますが、再度お答えをいただいておきたいと思います。
○松浦参議院議員 一つの見識ある御提案だと思います。 ただ、先ほど来先生もおっしゃっておられますように、供託金をちょうだいしておる理由は二つあるわけでございます。一つは泡沫候補の制限、一つは、段階が下がるかもしれませんけれども、公営費用の一部を分担していただこう、こういうことでございます。 今回考えましたのは、供託金制度はそのまま存続をいたしたわけでございますが、それは、名簿には定数いっぱいまで候補者を登載することを認めております。ところが、いつも申し上げておりますように、各党におかれては、わが党ではどのぐらいのものがとれそうだということが過去の経験からわかっているはずでございます。それにもかかわらず、むやみやたらに多数の者を名簿にお載せいただくということは、選挙が混乱をいたしますし、公営の費用もよけいかかってくる、そういうこともございますので、供託金を一部の歯どめにしたらどうだろうかという考え方がございます。それから、公営は事実上ほとんど変わらない。現行制度でも千八百万ぐらい一人にかかっているわけでございます。それをばちょうだいしようということで供託金制度を残したと御理解いただきたい。 ただ、知事さん、衆議院議員さん、それから地方区、これらの方々の供託金も倍にして、こちらの全国区の方も倍にしている、こういうお尋ねでございますが、これは今度の制度とは結びつきはないのでございます。たまたま入れましたためにそういうおしかりを受けておるわけでございますが、昭和五十年度に約三・三倍に引き上げております。その後七年もたっておりますので、供託金をそのままにするのはどうだろうかということで、たまたま改正のチャンスであるので突っ込んだということでございまして、この点はひとつ分別をしてお考えをいただけたら幸せだと思います。 いろいろありがとうございました。
○岡田(正)委員 最後に意見だけ供託金のことについて申し述べて、終わらしていただきます。 いま供託金の金額のことについて申し上げましたが、供託金の没収規定、いわゆる当選者の二倍云々という問題についても、提案者の方も確たる理論的根拠はありません。大体二倍とか二分の一とかいうのがわかりやすいというだけの御説明でございますので、新しい制度の発足でもございますから、私は少なくともこれは四倍ぐらいにはすべきではないかという意見を持っております。 なおかつ、なぜそんなことを言うかといったら、これは小政党の保護のためもありますが、いま一つは、供託金をたとえば当選者の二倍なら二倍までは没収しません、それからあとは没収といった、その没収された人たちが名簿に残っておりますね。たとえば、十人おって二人しか当選せぬかったら、四人は取られぬのだけれども、あと六人分については供託金没収になった。供託金没収ということは、これはもうその人の議員になる資格は全然なくなったというのが普通じゃありませんでしょうか。それが、供託金没収になっても名簿に残っておる限り、延々として六年間その名簿は有効であり、欠員ができれば当選していくそのチャンスがあるというのでは、理論的に通らないと私は実は考えております。 以上、いろいろと疑問点もありますので、今後十分に御検討いただくことを要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○久野委員長 この際、いまだ出席されておりません公明党・国民会議、日本共産党の委員に出席を要請いたしております。しばらくお待ちください。——公明党・国民会議、日本共産党の委員の方は出席されないとのことでございます。 これにて本案及び両修正案に対する質疑は終局いたしました。
○久野委員長 これより本案及びこれに対する両修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。粟山明君。
○粟山委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております参議院提出に係る公職選挙法の一部を改正する法律案に対し賛成、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合より提出されました修正案に対し反対の討論を行うものであります。 このたびの公職選挙法の一部を改正する法律案は、参議院全国区制度の改正を行うもので、参議院にふさわしい人をより得やすい制度にすること、さらに、現在の広大な地域を選挙区とし、八千二百万人の有権者から見ての候補者の選択の困難性と候補者から見ての膨大な経費の必要性をも解消することができる制度にすることであります。 また本案は、政党が議会制民主主義を支える不可欠の要素であり、国民の政治的意思形成の媒介として重要な機能を果たしている現状等にかんがみ、現在の個人本位の選挙制度から政党本位の選挙制度に改めようとする趣旨であることは、まことに当を得たものと考えるところであります。 本案は、以上の観点から、現行の参議院議員の選挙制度の仕組みを根本的に改めることとし、都道府県を単位とする選挙区選挙と拘束名簿式比例代表制選挙とから成る新しい参議院議員選挙制度を設けようとするものであります。この比例代表制選挙を導入することにより、従来の全国区制度が個人本位の選挙であったことから生ずる各種の弊害を是正し、さらに、候補者名簿に登載することにより参議院議員にふさわしい人材を得ることがより可能になり、また、有権者の意思を適正に国政に反映することが可能になるものと確信いたすところであります。 まず、その主たる内容について申し上げますと、第一に、一定の要件を備えた政党その他の政治団体に限って候補者名簿を届け出ることができることになっておりますが、この一定の要件とは、五人以上の所属の国会議員を有すること、直近の国政選挙において有効投票の四%以上の得票を得たもの及び十人以上の所属の比例代表選出議員候補者及び選挙区選出議員候補者を有することになっておりまして、以上の三つのいずれかに該当することが政党らしい政党として比例代表制の選挙に参加することができることとしております。 第二に、供託金の引き上げについてでありますが、それは過去の例に基づいておおむね五年ごとに引き上げているという趨勢にかんがみ、供託金の額を名簿登載者一名につき四百万円とし、政党その他の政治団体がこれを供託することといたしております。 第三は、当選人の決定についてであります。これにつきましては、候補者名簿を届け出た政党その他の政治団体の得票数に比例して簡明なドント式により当選人数を決定し、候補者名簿に記載された順位により当選人を定めることにいたしております。 第四は、選挙運動についてであります。比例代表選出議員の選挙における選挙運動は、政党その他の政治団体が主体となって行うものとし、公営によるテレビ及びラジオの放送、新聞広告並びに選挙公報によるものといたしております。 以上、主な内容に言及いたしましたが、参議院全国選出議員の選挙の現状及び政党政治の進展の状況にかんがみ、全国区制度の改革が必要であることはまことに当然でありまして、私は本改正案に対し、全面的に賛成いたすものであります。 なお、拘束名簿式比例代表制をとるが、名簿届け出政党等の資格制限を設けないこととし、また無所属の立候補等をも認める共産党の修正案に対しては、政党本位の選挙の実現という観点からは認めがたいところであり、これに反対するものであります。 また、名簿届け出政党等の要件緩和等を図ろうとする新自由クラブ・民主連合の修正案に対しましては、おおむね同様の趣旨から反対するところであります。 以上をもって私は、参議院提出に係る公職選挙法の一部を改正する法律案に対し賛成、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合提出に係る両修正案に対し反対の意見を申し述べ、討論を終わります。(拍手)
○久野委員長 中村茂君。
○中村(茂)委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案、すなわち参議院議員選挙の全国区制度を拘束名簿式比例代表制に改正するいわゆる自由民主党案について反対し、あわせて、日本共産党提出の修正案並びに新自由クラブ・民主連合提出の修正案に対し反対の討論を行うものであります。 自民党案に対する反対の第一は、少数政党、会派に対する配慮に欠けていることであります。 参議院の審議段階で提出したわが党案は、その点を十分配慮し、特に政党要件について、五人以上の所属の国会議員を三名以上を有することにし、全有効投票の四%以上の得票を得たものを二%以上とし、十人以上の所属の比例代表選出議員候補者及び選挙区選出議員候補者を有するを五人以上としております。また、議席配分方式に修正サン・ラグ方式を導入しました。 このように政党要件に対する緩和措置は、野党各党の一致した要求となっており、公聴会における公述人及び参考人の強い意見でもありました。わが党案の優位性を明らかにしたところであります。 反対の第二は、選挙運動について、自民党案では、名簿登載者である候補者と一般有権者との結びつきを全然考えていないことであります。 わが党案では、名簿登載者である候補者が全く選挙を行わないで議員となることは、有権者との触れ合いや選挙区選出議員いわゆる地方区候補者の選挙運動とのバランスの上からも問題がありますので、名簿登載者の選挙運動を認め、選挙運動の方法を自民党案よりも拡大することにしました。また、このことは、拘束名簿式比例代表制の新しい選挙制度を形骸化させないためにもきわめて重要なことであります。 反対の第三は、自民党案には、検討を深め、合意を求めなければならない点が多く残されていることであります。 供託金について、名簿候補者一人につき四百万円にするとともに、各種選挙についても現行の二倍に引き上げたことであります。わが党は一・五倍を主張しています。 欠員補充に当たり、候補者名簿が六年間有効であることは、他の各種選挙に比較して長過ぎるではないかという疑問、政党本位、政策中心の選挙にもかかわらず、各政党の政策が届け出要件となっていない疑問、名簿登載者の選定権限の行使に関し、刑法上の罰則適用が可能にもかかわらず公選法に罰則を設けた疑問など、多くの疑問点を残しています。 以上、申し上げましたとおり、自民党案には修正を加えなければならない点が多くあるにもかかわらず、修正には一歩も応じないという発議者、自由民主党の独善的な態度を許すことはできないのであります。したがって、委員会で行われる附帯決議が確実に尊重されることを強く期待します。 第四の課題は、拘束名簿式比例代表制を採用した場合、第二院としての参議院本来の機能を発揮するためには、名簿登載者の選定及びその順位の決定を行う各政党の責任はきわめて重要であります。各政党は、参議院議員にふさわしい有能な人材を厳選する責任があります。その上に立って、衆議院のコピー化を排し、第二院としての参議院にふさわしい議会運営の改革に着手することが緊急の課題としなければならないと思うのであります。 次に、個人本位の選挙制度から政党本位の選挙制度に改めることは、政党の果たす役割りが重要であると同時に、政治倫理の確立がきわめて緊急な課題となっています。選挙制度の改革と政界浄化は車の両輪であります。鈴木首相は、去る十三日の本委員会において、公選法と議院証言法とは何らの関係もない、これを結びつけて取引の材料にする方がおかしいと言明したことは、議院証言法の改正と証人喚問を拒否した態度であり、政界浄化、政治倫理の確立を願う国民の声につばするものと言わざるを得ません。これこそおごりの態度であり、まことに残念であります。 日本共産党及び新自運の修正案は、可とするところもありますが、全体において反対であります。 以上、日本社会党の態度を表明して、反対の討論を終わります。(拍手)
○久野委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対しまして、反対の立場から討論を行うものであります。 理由の第一は、この法案は、全国区の選挙を個人本位から政党本位の選挙に変えようとするものでありまして、個人の立候補はだめ、少数派、無所属の締め出し、表現の自由や選ぶ側の権利の制限等々、憲法違反の疑いが限りなくクロに近いからであります。 第二は、いまでさえ衆議院のカーボンコピーと悪口を言われておる今日、この法案は、参議院を完全に政党化してしまうものでありまして、衆議院の数と力の政治に対して、参議院はこれをチェックし調整する和の政治、理の政治を行うためにこそ必要なものという第二院の存在意義を消滅し、参議院無用論に拍車をかける自殺行為となるからであります。 第三は、提案理由の三大根拠であります、金がかかる、広過ぎてしんどい、広過ぎて有権者に知ってもらえないの問題であります。 金がかかるという事実につきましては、審議を尽くしましたが、ついに明らかにされないままに終わりました。しかも、今度の改正で金はかからないという保証はどこにもありません。結果的には地方区の激戦をあおることになり、片や全国区では野放しの費用が党の経理の中に隠れてしまい、不明朗この上もありません。むしろ金がかかるというなら、公営費用の枠を拡大することこそが本筋ではないでありましょうか。 広過ぎてしんどいという第二の理由でありますが、しんどいとおっしゃるのなら、いつ解散があるかもわかりません、金帰火来の衆議院の方が一番しんどいのではないでしょうか。解散もなく、六年間の長期にわたりまして安定して政治活動に専念できる全国区というものは、むしろ幸せだなあと言うべきではないでしょうか。 第三の理由であります、広過ぎて有権者に知ってもらえないと言いますが、それなら、地方区と全国区を一つにいたしましてブロック制にしてはいかがでありましょうか。地方区の定数是正という懸案も一挙に解決をいたしまして、無所属や少数派も当選可能の制度となるではありませんか。 かくのごとく、三大理由はいずれも納得できないものであります。 国も地方も待ったなしと言われる行革に、すべての人たちが、これから大なり小なり痛みを分かち合うことが避けられないという今日、無理をしてまで名簿による議員を百名もなぜつくらなければならないのか。国会みずから範を示せという国民の素朴な声にどうこたえられるのでありましょうか。 第四は、全国区はいままでと違って政党が候補者となるわけでありまして、政治活動と選挙運動の関係があいまいのままに終わってしまいました。政党に投票してもらうためには、日常活動を通して政党を知ってもらうということになりますが、特に政党の入党促進活動や機関紙誌の拡販活動などがそのまま事前運動とみなされるおそれがあり、その当否は取り締まり当局の判断によることになるのであります。本改正案が、政党の自由な日常活動、政治活動を制限しないという根拠はどこにもないからであります。 第五は、参議院の選挙制度に関する最大かつ緊急の課題であります地方区の定数是正や政党の法的位置づけを明確にし、自由な政治活動を保障する政党法の制定を行わずして本改正案だけを提案をしてきたことは、全く本末転倒と言わなければなりません。 以上、わが党が本案に反対する理由を述べてまいりましたが、本案は、自民、社会両党のあうんの呼吸で仲よく二人三脚をしてここまで来たのですから、恐らくや多数をもって可決されるでありましょう。審議の過程を通じて、提案者の皆さんでさえ、ベストのものとは思いませんと再三にわたり言明をされております。願わくば各党御協議の上、次期国会早々にでも適切なる修正をされることを強く希望いたします。 なお、共産党並びに新自連提案の修正案に対しても、同様の趣旨で反対であることを申し添えまして、民社党の反対討論を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○久野委員長 小杉隆君。
○小杉委員 私は、新自由クラブ・民主連合の立場から、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、私どもが提出した修正案に賛成、修正部分を除く原案に対し賛成、共産党提案の修正案に反対の立場で討論をいたします。 私どもは、参議院が第二院としての機能を有効に生かし得ず、二院制度が形骸化しつつある現状にかんがみて、選挙制度の改革も私どもが従来から主張してきた参議院改革の一環として取り組むべき問題であると考えてまいりました。 現行の参議院全国区は、世界各国にその例を見ない大選挙区単記制であり、この選挙での当選には、ごく一部の候補者を除き、金と組織とを動員させ得る力が必須条件となり、その結果、国民から遊離した金権選挙、人気投票の観を呈しておることは周知の事実であります。 私どもは、国政全般に高い見識と専門的知識を持つ有為な人材を議員として国政の場に送り出せる制度こそ、議会制民主主義を充実させ、国民の期待に沿った制度であると考えております。 御承知のとおり、今回自民党より提案されました公職選挙法の一部改正案は、参議院全国区において比例代表制選挙を導入することにより、有権者にとって候補者の選択が困難、候補者にとって膨大な費用を要するという各種の弊害を是正し、参議院にふさわしい人材を得ることが可能な、そして有権者の意思を適正に国政に反映することを目的としており、その趣旨につきましては評価できるものであります。 しかし、審議の過程で明らかなように、自民党案は完全無欠なものではなく、現段階においても多くの問題があります。 その第一は、政党要件が厳し過ぎることであります。すなわち、立候補者名簿を提出することができる政党の要件として、衆参合わせて五人以上の議員がいること、直近の国政選挙で有効投票の四%以上の得票を得たこと、比例代表区選挙、選挙区選挙合わせて十人以上の候補者を有することのいずれか一つに該当することとしておりますが、これは小会派、無所属の締め出しと言うほかありません。政党本位の比例代表制を採用している西欧各国では、一人一党を認めるなど、政党要件は緩やかであります。個人立候補を認めると政党と個人が混在し不都合だと言うならば、できるだけ緩和して実質的に無所属や少数党が立候補し得る道を残すべきであります。 本来、少数意見を反映させやすいというのが比例代表制の特色であります。その特色を政党要件を厳しくすることでなくしてしまうことは、今回の改正案の意義も半減することに通じるものであります。 第二に、選挙運動の規制の問題であります。自民党案では、現行での個人運動が禁止され、政党による選挙運動も十分なものとはなり得ていません。選挙期間中においては金のかからぬ選挙制度がほぼ完全に実現されるでしょうが、有権者にとっては名簿候補者について知る権利があり、言論、表現の自由は選挙運動においてこそ生かされるべきものであります。金のかからない選挙はもとより大事ですが、そのことのみにとらわれて選挙運動を規制し過ぎることは、事前における運動の激化を促す可能性もあり、角を矯めて牛を殺すようなものであります。 第三に、投票方法でありますが、比例代表区の政党選挙と選挙区選挙の個人選挙が同時に施行されることにより、投票時に有権者が比例代表区選挙においてうっかり個人名を書きかねないということであります。 比例代表制の導入の意義の一つは、死票をなくすことであります。有権者に無用な混乱を招くことのないよう、あらかじめ政党名簿を印刷してある投票用紙に丸印を記入するいわゆる記号式投票方法を採用すべきであります。 第四に、比例配分方式について、自民党案ではドント方式を採用しておりますが、わが国のように第一党と第二党以下の政党の得票数に二倍以上の格差がある場合、大政党に有利に作用することを考えたならば、党利党略の配分方式であることは厳然たる事実であります。衆議院の数の政治に対し、参議院の理の政治ということを考えたならば、参議院においては少数意見の尊重が徹底されてしかるべきであります。ドント方式より小会派に有利と言われるサン・ラグ方式に改めるべきであります。 第五に、比例代表区において欠員が生じた場合、繰り上げ補充を行う期間を自民党案では六年としておりますが、国民の意識の変化、候補者の事情の変化を考えるならば、六年という年月は、現代社会においては長過ぎるものであります。半数改選が行われる三年に短縮するようにすべきであります。 第六に、参議院議員の定数是正の問題であります。行政改革との関連においても、まず国会がみずから率先垂範して実行すべきであるという見地から、比例代表区選挙の議員定数を、現行の百人から二十人削減して八十人とするべきであります。 また、選挙区選挙については、現在定数配分に議員一人当たり人口で最大五・七二九倍の格差を生じております。比例代表制度の導入により、有権者の意思を適正に反映させることを真に考えるならば、定数不均衡による一票の重さの違いを、現行定数内で是正することもあわせて実行すべきであります。 私どもは、五月十九日に九十四日間という会期の大幅延長を、政治倫理の確立、歳入欠陥の審議を進める場として賛成いたしました。しかし、公選法の審議のみに終始し、鈴木総理が主張してきた政治倫理の確立、自民党提案である議院証言法改正案については遅々として進みませんでした。 このことは、政治に対する国民の信頼、期待を裏切るものであり、一層の政治離れ、政治不信を広げることになりましょう。 以上のように、私ども自民党案に対し多くの不満を持つものでありますが、しかし、長期的視野に立って考えた場合、議会制民主政治の発展のため、また参議院の現状を考え合わせ、民意を適正に反映させ得る比例代表制の導入には賛成であります。 総理・総裁として鈴木首相は、本委員会の審議の中で、来年度に比例代表制を実施し、現実に弊害が生じたら修正も考えると述べておられますが、国家百年の大計を先導すべき立場からの発言とはとうてい思えません。現段階で明らかに修正すべき点があることは、多くの公述人、参考人を初め、各党審議を通じても動かないところであります。 この際、次期国会を開催でき次第、可及的速やかに修正を行い、制度の充実を図り、国民の期待にこたえるべきことを申し添え、賛成の討論といたします。(拍手)
○久野委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○久野委員長 これより採決に入ります。 参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について順次採決いたします。 まず、小杉隆君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立少数。よって本修正案は否決されました。 次に、安藤巖君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。——起立者なし。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。(拍手) —————————————
○久野委員長 この際、ただいま議決されました本案に対し、附帯決議を付したいと存じます。 まず、その趣旨につきまして私から御説明申し上げます。 本法律案は、わが国選挙制度上の画期的大改正ともいうべきものであります。そのことは審議に当たって種々の問題点が指摘されたことによっても明らかであります。 よって、理事会の申し合わせにより、当委員会の決議をしたいと思います。 本文を朗読いたします。 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 選挙制度の持つ特性にかんがみ、当委員会における審議並びに公述人及び参考人の意見をも反映し、妥当と認められる事項については、速やかに所要の措置をとるものとする。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。 採決いたします。 本附帯決議を付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 —————————————
○久野委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○久野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十二分散会