P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
96回国会衆議院1982/08/04

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号

発言数
319
登壇者
13
会派数
4
開催日
1982/08/04

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井弘一君。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 提案されております拘束名簿式比例代表制の問題点につきまして、お尋ねをしてまいりたいと思います。  今回の案を見まして、地方区と全国区、この二つで構成されます参議院の制度が、全国区が独走してしまった。そこで、選挙制度全体をながめますと、小選挙区制あり中選挙区制あり大選挙区制あり、かつ個人選挙、そして政党選挙、こういう混在しておるといいますか、きわめてでたらめな制度になってしまった、私は一言で申しましてそう言わざるを得ないわけでございます。  加えて、公職選挙法自体が個人選挙を本位にして今日まで運用されてまいりましたし、また公選法の仕組みが個人本位、個人選挙本位になっておる。そこで、個人本位と政党本位、この二つの選挙の調整というものが公選法上なされなければならない。しかし、これが未調整のままで提案をされてきておる。その組み立てが、そういう意味でも前段申しましたとおりきわめてでたらめな感じになっておる。これは感じだけではありませんで、実は憲法上きわめて容認しがたい問題が具体的にございます。したがって、私はその所在につきましてここで明らかにしてまいりたい、こう思います。  そこで、その前提としてお伺いしたいわけでございますが、一体政党とは何ぞや、政党の定義につきましてここで改めてひとつお示しをいただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 政党の定義というお尋ねでございますが、先生方もよく御承知のように、政党と申しますものは、一定の政策、政治綱領を掲げ、その実現を期する政治家の集団である、このように申してよろしいのではなかろうかと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それでは、今回政党要件として三つお挙げになりました。衆議院議員、参議院議員五人以上所属しているもの、これが政党要件の第一でございます。この規定を設けました根拠になったものは何でしょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  政党法のない現在におきまして、私どもは政党本位の選挙というものを考えます際に政党らしい政党というものがどうしても要件となるのではなかろうか、こういう考え方で現行法との対比を考えまして、政治資金規正法の規定におきまする所属国会議員五人、これを要件として引っ張ってきた、こういうことでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 さらに念を押してお尋ねしたいと思います。確認をいたしたいと思いますが、政治資金規正法第三条二項三号、ここで言いますところの政党、これを引用いたしまして、衆議院議員、参議院議員五人以上所属、つまり今回の改正案によりますと、第八十六条の二、一項、「当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」この条項は政治資金規正法第三条二項三号を引用した、こういうことでございましょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 現行法規との関連を考えて、ただいま御指摘のような部分を引用した、こういうふうにお答え申し上げます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それで、私の問題提起の前提としてお尋ねをいたします。  現行政治資金規正法上で言う、つまりいま申しました第三条二項三号に示されております衆議院議員、参議院議員五人以上、この衆議院、参議院五人以上の衆議院が解散されまして、衆議院議員としての資格のない人が含まれました場合、政治資金規正法上で言う衆議院議員、参議院議員五人以上所属している政党ということになりますか、それとも政党ではないということになりますか。いかがでしょう。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 現在、政治資金規正法では仰せのような三つの要件を政党の資格としてつくっておるわけでありますが、御質問の五人以上の国会議員が所属するという一つの要件について、たとえば解散ということがございますとその時点で身分を失う。身分を失えば五人未満になりますから、その時点から政治資金規正法上は政党ではないではないか、こういう御趣旨であろうと思いますが、政治資金規正法の趣旨から申しますと、要するに政党の定義というものはなかなかつけがたい。つけがたいわけではありますけれども、結局本来の政党というものは、やはり少なくとも国会の選挙に参加するあるいは国会活動に参加する、これが一番大きな要素であろうと私ども考えております。そのほか真剣さであるとか継続性であるとか、いろいろな要件はありましょうけれども、いろいろ諸外国の政党要件を見ましても、最終的には国会の選挙に参加するあるいは国会活動に参加するというのが政党の要素としては一番ウエートの高い要素であると思います。そういう趣旨から五人という腰だめをつくってはおりますけれども、少なくとも五人ぐらいの国会活動を示す団体というのは政党として認定すべきであろう。ただその場合に、御質問のように急に解散というような思いもかけない事態が出ましたときには、結局五人未満になりましてもそれは何も政党のせいではございません。したがって、制度的な激変ということによってその瞬間に政党資格を持っておったものが急に政党資格がなくなるというのもいかがか。したがって、政治資金規正法の取り扱いの上では、選挙期間中五人未満になっておりましても、要するに政治資金の総量規制の問題については、次の選挙でどうなるかわかりませんけれども、少なくとも選挙期間中については五人未満ということになっておりましても政党資格は認定する解釈、取り扱いをいたしております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 私はこの問題で実は突っ込んだ議論をするつもりはないのですが、ただいま大林選挙部長まあ五人ぐらいということでのお話しでございます。これまた、ぐらいということでも公選法上はずいぶん問題になってくると思うのですが、それはそれといたしましても、いまのような御見解は、政治資金規正法が制定されまして今日までずっといろいろな過程、変遷があるわけでございますけれども、いまお示しになりました見解は、最初の時点から一貫した御見解ですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 最初制定をされまして以来、そういう事態が出たらどう考えるべきかという勉強はしておりまして、結局現在の段階ではそういう結論を持っております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 要するに、これは委員長、お聞きしておいていただきたい。私が公選法上問題提起、これから指摘をいたしますが、こういうことがありますよということで、先ほど言いました公選法八十六条の二の一項一号、衆議院議員、参議院議員あわせて五人以上を有するというのが政党要件の第一である。これの出発点、引用はどこかといいますと、政治資金規正法の第三条二項三号、ここから引用したのだということですね。実は解散になった場合一体どういうことに見るのか。衆議院議員という資格、身分をすでに失ったそういう段階でどういうことになるのだろうかというところで、引用されました政治資金規正法上の政党、衆参国会議員五名、これは衆議院が解散の時点では衆議院議員の身分ありと見るのか、あるいはなしとするのかという点についてお尋ねをいたしてまいりましたところ、いまの段階で、いま大林選挙部長がお答えいただいたような見解がなされた、こういうことである。これは実は政令においてもこの辺のところは全くきちんといたしておりません。したがって、そういう詰めのない、詰めのないと申しますか、その身分をどう見るかということについてはっきりした判断、見解、そういうものがないままに今回の公選法上の政党要件に引用されてきておる。ここに実は大きな問題が所在するわけでございます。その問題点とは何かということにつきましてお尋ねを進めてまいりたいと思います。  その前に、改正法第八十六条の三で「政党その他の政治団体は、参議院議員の任期満了の日前九十日に当たる日から七日を経過する日までの間に、」「政党その他の政治団体の名称及び」略称を中央選挙管理会に届け出する、こういうことになっております。政党要件である国会議員が五人おりまして、実はその中に衆議院議員が含まれておる。参議院議員三名、衆議院議員二名と仮に仮定いたしましょう。衆議院が解散されました。解散によりまして憲法四十五条によりまして衆議院議員の任期は終了いたしまして、議員の身分がなくなる。つまり衆議院議員でなくなる。これは憲法上自明のことでございます。つまり、この時点におきましては参議院議員三名しかいない。こういう段階で、すでに九十日前の届けの時点では参議院議員に三名、現職の衆議院議員二名、政党要件を満足いたしまして政党の名称及び略称の届け出を済ませておりました。その後におきまして衆議院が解散になった。衆議院議員はなくなりました。参議院議員三名であります。この場合、届け出されました政党の名称及び略称は有効ということに見るのでしょうね、これは念のために。もし有効とするならば、それを有効とする根拠は政令等にゆだねるということになるのでしょうか。

降矢敬義自由民主党

○降矢(敬義)参議院議員 ただいまの衆議院の解散の場合に五人の衆議院の数の計算はどうするか、そういうことを私たちも議論いたしまして、八十六条の二の第十二項にそれに関する規定を置いたわけでありまして、いま御指摘の五人に関する「衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」まさに先生が御指摘のような解散の事態になったときに衆議院議員でなくなりますので、そこでそういう事態を予想して、数の算定についての「必要な事項は、政令で定める。」こういう規定を置いたわけであります。したがいまして、いまの五人というときの解散の衆議院議員の数の算定は、この政令でいわば特例を考えるという根拠をわざわざ置いたわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 さて、問題は、今回の参議院比例代表選出議員の選挙で、名簿による立候補の届け出の際に、政党要件であります国会議員が五人、これは先ほどの例を引用いたしまして参議院議員三名、衆議院議員二名、あわせて五人といたしましょう。ところが衆議院が解散をされました。したがって、衆議院議員としての資格がなくなった。言うなれば前衆議院議員であります。そういう人を含めて、参議院議員三名、あわせて五名であるということで名簿による立候補の届け出はできますか、できませんか。解散した、そこで衆議院議員の資格はございません。そういう人を含めて五名として立候補届け出することは私はできないと思う。要件を満たしていないと思いますけれども、いかがでしょうか。

降矢敬義自由民主党

○降矢(敬義)参議院議員 いまの政令でその点を明確にするために十二項という規定を設けたわけでございまして、数の算定に関しその他必要な事項ということでありますので、いま御指摘のような点は、衆議院が解散になって衆議院議員はいない、そういう事態の中で政党を数える場合の根拠をわざわざ、そういう問題があるとわれわれは議論して考えましたので、政令でその点を明確にさせていただきたい、こういうことで十二項を置いたわけであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 要するに、八十六条の二の一項一号で「当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」これは明らかに現職の参議院議員であり衆議院議員である。参議院議員、衆議院議員の身分、資格、これを有する人五名をもって政党とする。しかるに、もし解散というような事態に相なったならば、衆議院議員はその資格を失ってしまう。そういう人が加わった五名というのは、これははなはだ困る。しかしながら、それでもなおかつ有効にしようというわけで、八十六条の二の第十二項におきまして、「第一項第一号に規定する衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」つまり政令にゆだねた、こういうことでございますか。念のために。

降矢敬義自由民主党

○降矢(敬義)参議院議員 そのとおりでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 なぜ法律で書かないのですか。なぜ公選法という法律の中で条項を起こしてそのことをきちんと書かないのですか。いいですか。少なくとも参議院の選挙制度の根幹にかかわる重要な政党要件ですよ。その政党要件は、衆議院議員、参議院議員、それぞれあわせて五名をもって政党とするという要件、一つ枠がはめられた。このことについても実は議論があるのですが、そういう一つの枠。明らかに現在衆議院議員であり参議院議員である、現職国会議員であるという立場において第一号は書かれているはずなんですね。しかし、解散等の事態を想定いたしますと、とりわけ前回のダブル選挙、このようなことを想定いたしますと、衆議院の解散ということになった場合には、せっかく届け出の段階では衆議院議員であったけれども、その後解散になった、そしていよいよ公示になった、名簿を届け出る、その段階ではもう衆議院議員ではない、そういう人をそれであってもなおかつ衆議院議員とみなすのだ、言うなればみなし規定を十二のこの「政令で定める。」政令というところに置いた、こういうことでしょう。そこのところをもう一回はっきりとお答えをいただきたい。

降矢敬義自由民主党

○降矢(敬義)参議院議員 われわれは、何回も御説明しておりますとおり、政党らしい政党というものを考えて、その根拠に政治資金規正法にある政党のところを引用させていただきました。原則は法律できちっと書いたわけでありますけれども、いま御指摘のような事態については、衆議院議員の数の算定ということをきちっと政令の各事項の中に書きまして、そしてそのところは特別の例外の場合でありますので政令に委任したわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 さて、そこのところなんですよ。いま言いました改正案八十六条の二の十二項では、「第一項第一号に規定する衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」数の算定をしましょう。「その他同項の規定の適用について必要な事項」、その他の必要な事項として、「その他」の解釈の中に、解散によって衆議院議員でなくなった人、それも衆議院議員にみなそうという規定を政令にゆだねてしまう。こんな粗っぽい話がありますか。そうであればなぜここに法律でそう書かないのですか。解散の時点においても、仮に衆議院議員の身分を失っておったとしても、それはここでいう政党要件五名の中の資格のある人とみなすという条項をどうして法律で書けないのですか。これは法律で書けないのでしょう。つまり、金丸先生しばしば引用されますとおり、憲法四十七条で、選挙の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める、こう明定されております。本来ならば法律で書かなければいかぬ。それははっきりここに法律で書くべき事項なんですよ。書くべき事項であるにもかかわらずなぜ書けないのか。これは理由があるのです。憲法上また書けないのでしょう。別の憲法から。それはもし後で議論あれば私に……。  この問題については、私は私なりに徹底して調査研究いたしました。したがって申し上げてまいりますけれども、つまりいま申し上げますことは当然法律として書くべきことである。それは何か。憲法四十七条におきましても、選挙の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定めるとはっきり書かれております。はっきり書かれておるとするならば、公選法、この法律の中にきちんと書くべきです。政令にゆだねる、政令で定める。選挙のそういう方法ですよ。少なくとも選挙に関して、政党要件五名を満足させる資格のある人であるのかないのか。現職の衆議院議員であれば、これはもう何ら文句の言うことはございません。ただ解散になったときに、憲法四十五条で身分を失ってしまう。それでは困る、それを何とか救おう、数の中に数えようということで、これを政令にゆだねようとするのでしょう。制度の根幹にかかわる重要な政党要件を法律で書きなさいと憲法四十七条では言われながら、あえて法律で書かないで、どうしてそんな大事なことを政令にゆだねるのですか。お答えください。

降矢敬義自由民主党

○降矢(敬義)参議院議員 先ほど申し上げましたとおり、原則は法律で書きましたけれども、具体的な事項について例外という事態を想定して政令で書いたのでありまして、決して私たちはそれが法律に違反するというようなことは考えておりません。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 もっと端的な例を申しましょう。八十六条の二の一項一号、何回も繰り返しますが、いわゆる政党要件、「当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」となっておりますから、衆議院議員五人、これで満足ですな。解散になりました。国会議員ゼロです。一人もおりません。そうしたらこの条項は一体どうなるんですか。一人もいなくなりますよ。衆議院議員五人でいいでしょう。解散になりましたよ。解散になれば憲法に従って衆議院議員の身分はなくなりますよ。前は衆議院議員だったんですよ。いまは国会議員でないんです。ゼロですよ。一人もいない。一人もいないんだったらならば、何も第一号に、ここに書かれている「衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」何の意味もなくなるじゃありませんか。明らかにここで想定したのは、これは現職の衆議院議員であり参議院議員でしょう。理の当然ですよ。しかしあなた方おっしゃるように、それでは解散したときに困るからというわけで、それを政令にゆだねようとするんですよ。政令でゆだねるというようなことはしなさんな。ちゃんと憲法で、法律で書きなさいと書いてあるんですから、どうしてここに法律で書かないんですかと言うんです。これは修正してくださいよ。法律で書いてくださいよ。大事な議員の身分に関することであります。資格に関することであります。  同時に、そのことはまた立場を変えて言うならば、これは選挙する側からしても重要なかかわりあいのある問題であります。国民の権利、利益、これにかかわる事項だと思います。重大な参政権ということを考えますと、国民のそうした権利あるいは利益にかかわる事項を安易に政令にゆだねるというようなことは、断じて私は容認できない。憲法におきましても明確に法律で書きなさいと書いてある。これはきちんと書いてもらいたい。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  ただいま先生がおっしゃいましたのは解散についてでございますけれども、参議院議員についても、参議院議員の通常選挙が例外的には参議院議員の任期満了の後に行われる場合がございます。そういう場合は、この五人の、要件と申しますのは、名簿を選挙長に提出いたします時点においてでございますので、その時点では参議院議員はやはりゼロだということになります。  そういうように、先生のおっしゃいます解散のような場合、それから参議院議員の任期満了後に通常選挙が行われますような場合のような例外的な場合でございますので、これを一々法律に書かないで政令に委任することは、普通こういう例外的な事項は政令に委任する、これは差し支えないものかと思います。憲法四十七条で選挙に関する事項は法律で定めると書いてございますけれども、こういう例外的な事項については政令に委任することは憲法の容認するところである、このように考えるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 せっかく法制局御答弁だけれども、それはきわめて勝手な解釈ですよ。立法府として私はそのような解釈にはとうてい立てませんね。そんなばかな話がありますか。政党本位の選挙にしようとして、これはまさに今度の制度の根幹にかかわる問題ですよ。要するに、政党要件として衆参国会議員五人を有するのだということは、五人ぐらいとかなんとかという話じゃないんです。これは各政党にとりましても団体にとりましてもきわめて大事な、選挙に参加することができるのかできないのか、候補者を立てることができるのかできないのか、有権者の方からしますと、参政権としてそれを行使することができるのかできないのか、国民の権利とか利益とかいうことにもかかわるきわめて重要な問題ですよ。制度の根幹をなす問題なんですね。それを、いまおっしゃるように政令にゆだねることは何ら問題ございませんという御答弁に私は同意をするわけにはいかない。法律で書くべきだと思います。どうして書けないのですか。そんな政令にゆだねるような片々たる問題ですか。そんな認識で法制局、作業されたのですか。私はとうていそうは思わない。仮にそういう認識で法制局が作業をしたのだ、決してこれは憲法上問題はないのだとおっしゃられても、私はそれを素直にああそうですかと言って引き下がるわけには断じていかない。国会議員の身分に関すること、あるいは参議院の選挙制度の根幹をなすべき重要な政党要件、その政党要件について法律で書かなければならないことを政令にゆだねるのだ、それでも問題ございませんというような答弁に対して、さようでございますか、わかりましたと言うわけには断じていきません。納得ができない。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  八十六条の二の十二項、御指摘の条文は、「第一項第一号に規定する衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」こう書いてあるわけでございまして、この具体的な算定の問題は一般的なものじゃなくてきわめて例外的なものでございますので、このような例外的な事項につきましては政令で定めることは許される、このように憲法上何も問題はないと考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 きわめて例外的と言うが、そんな例外じゃないんですよ。容易に想定される、現実にあり得べきことなんです、解散というようなことは。そうでしょう。そんなことは例外だ、解散によって議員の資格がなくなった、それは例外的なことだから、政令でその場合資格がなくなっても議員とみなすんだということを書けばいい、そんな粗っぽい法制局の見解に対しては私は納得はできない。法律で書いてもらいたい。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  この問題は、政党要件の五人の議員にどういう人を、たとえば解散して現に身分を失っている人をカウントするかどうかという問題でございます。政党要件の議員のカウントの問題でございまして、議員の身分を失わせるとか議員の身分に変動を生ぜしめるとかいうことではございませんので、この程度の特定した、ある意味では技術的な事項は政令で書くことは差し支えない、このように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そんなに軽々に考えないでくださいよ、国会議員の身分を、資格を。そんなこと政令で定めていいのですか。内閣の職務、憲法七十三条六号「但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。」これを受けて内閣法第十一条、国家行政組織法第十二条四項、これが設けられておりまして、内閣法第十一条、政令の限界「政令には、法律の委任がなければ、義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない。」ということでもって政令にゆだねましょう、こう言うのでしょうけれども、そんな簡単な問題ですか。政党要件として衆参国会議員五名と決めたことが、解散になって身分を失ってもそれは国会議員とみなすんだというようなことを政令にゆだねるほどに軽々な簡単な問題ですか。いまのお答えはとうてい納得できません。重ねて申しますけれども、法律できちんと書いてください。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  これは特に議員の身分を失わせるとかそういう問題ではなくて、政党要件を考えます場合に、選挙長に名簿を届け出ます時点におきまして、すでに解散しておりますので衆議院議員としての身分は持ってはおりません。あるいは参議院議員の場合、通常選挙が任期満了後に行われる場合は参議院議員としての身分は持ってはおりませんけれども、参議院議員の身分を、政党要件を設けました趣旨からいいまして、そういうものを除くことは不自然でございますから、政党要件の取り扱い上参議院議員、衆議院議員として取り扱うということでございますから、こういう事項を政令で書くことについては何ら問題ない、このように考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 関連。いまのお話でございますと、解散時におきましては衆参ともにその議席を失うということでございますが、それをあえて政令で書くということになれば、しかし形式的にはやはり衆議院議員扱い、参議院議員扱いということになるのでしょう。そうしたら身分にかかわる問題じゃないですか。おかしいじゃないですか。身分を確定するような要件ではないとおっしゃるけれども、しかし、あなたはいまうなずかれたように、明らかに形式的には参議院議員であり、衆議院議員であるということをお認めじゃないですか。形式的にもせよ、憲法四十四条、四十五条、四十六条、四十七条で明確に「法律でこれを定める。」というものを、そのように書かれているものを、何で政令で、形式的ではあろうとも衆議院議員、参議院議員とみなすことができるのですか。それじゃ政令の方が憲法よりも優先するということになるのじゃないですか。これはとても容認できるような議論ではありませんね。いま一度御答弁ください。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  政令が憲法に優先するわけではございません。政党要件として衆議院議員あるいは参議院議員五人をカウントいたします場合に、すでに議員の身分を失っております元の衆議院議員の方あるいは参議院議員の方を政党要件の五人の中にカウントするわけでございます。名簿を届け出ます時点におきましては、解散しておりますから衆議院議員ではないわけでございます。それから任期満了後に選挙を行いますれば参議院議員ではないわけでございまして、そのような議員でない方も一応五人の議員として取り扱う。これは立法趣旨から申しまして、こういうふうに書かなければ立法趣旨と合わないからでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 元議員や前議員をカウントすることはできるというけれども、一体法律の中に元議員、前議員というそういうような確定されたものがあるのですか。ありはしないじゃないですか。おかしいじゃないですか。元議員や前議員をカウントできる、それは一般の社会人と一緒じゃないですか。それじゃだれだってできるということ、だれだって五人いればできるということと意味は同じじゃないですか。元議員とか前議員の何らかの法律上の身分があるのですか。その点をまずお答えください。まずいまの点をお答えいただきたい。元議員とか前議員が法律上出てくるなんということは絶対ないですよ。そういう身分があるなら承りたいですな。  議事進行について委員長にお願いがございますけれども、いまの参議院法制局の三宅さんですかのお答えはきわめてゆゆしき問題であって、元議員、前議員がカウントできる、そういうものは法律上認められる制度なんというのは拝見したことがありませんね。いまのいろいろな答弁をお伺いいたしておりましても、この議論が明確な答弁として成立するかしないか、あるいはまたいま坂井委員が御質問になったことに対して明確なお答えがないのならば、ひとつ答弁者等におきまして見解をまとめていただきたい。その間委員会を休憩しまして、ひとつその取り扱いについても理事会で御相談をいただきたいと思いますが、いかがですか。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 議事進行について石田さんより御要請がございましたが、ただいま三宅部長から発言を求められておりますので、三宅部長の発言を許します。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  政令でございますけれども、政令にもいろいろございまして、単なる法律の執行に当たる執行命令のような政令と法律の委任に基づく政令がございます。これは明らかに法律の委任に基づく政令でございまして、効力としては法律と同じ効力を持つものでございます。そういう意味におきまして、この政令では法律と同様の効力を持ちますので、書けるという点が第一点でございます。  それから、先ほど元議員と申しましたのはちょっと訂正させていただきまして、解散時において衆議院議員であった者、あるいは任期の満了の時点で参議院議員の身分を有していた者、こういうことでございまして、先ほど元議員と申しましたのは訂正させていただきたいと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 政党要件を満たすか満たさないか、これはきわめて重要な問題ですね。そのことを、制度のそうした根幹にかかわる重要な問題を今度政令にゆだねるというようなことはやるべきではない。いまあなたの御答弁を伺いますと、それを政令で書いても何ら法律上は問題ないんだ、同じなんだ、それは法律で書いたも一緒なんだ、こうおっしゃる。法制局はそういうお立場をとられるのでしょう。そのことについて、私は、あえてそれがどうだこうだという批判をするつもりはない。しかし、われわれは立法府なのです。国会なのです。われわれの立場から言うなれば、選挙をする立場から言うなれば、あるいは公選法を審議する国会の立場から言うなれば、政党要件を満足させるかさせないのかというきわめて重要な問題を、解散時においてその身分をみなすかみなさないかという重要な問題を、その他の事項として、言うなれば白紙委任で政令にゆだねるというようなことは断じてとるべきではない、こういう見解を申し上げているわけです。法制局は、法律的な立場から言えば、そういうお立場をとられる。それはそれなりにそういう立場は認めます。しかし、必ずしもあなたがいまおっしゃった見解が、すべて法制局部内でも一致した見解とは私は思っていない。  あえてここでそれ以上のことを申し上げることははばかりますけれども、政府部内におきましても、私のいま言っていることに対しまして、まことに筋論である、国会としては正論である、この議論を避けて、これに対する結論をそのままにして避けておいて、そしてこれを審議することは、国会としてはきわめて不見識でしょうねとおっしゃる方まである。あるいは昨夜来、ある憲法学者が、この問題提起に対しまして、私も実は同じような見解を持っておりましたと言って、わざわざいろいろな形の資料を私の手元まで、きょうの朝届けられたというようなこともある。決して私がためにせんがために申し上げていることではないということを、ひとつしっかりと腹に置いていただきたい。これは委員長もひとつ御了解いただきたい。  申し上げましたことは、繰り返し申しますけれども、そういうわれわれの国会の立場から申しまして、制度の根幹にかかわるきわめて重要な事項を政令等にゆだねるべきではない。政令において、それがどうなるかこうなるか、だから法制局はいまのような、元とか前とかというような、きわめて漠然とした、あいまいな、混沌とした、ある意味では無責任な、おしかりを受けるかもしれませんけれども、そんなような答弁すら返ってくるんですよ。  衆議院を解散された、そんな事態は容易に想定されるわけですよ、次の選挙でも。もうダブル選挙なんということまで言われているんですからね。そんな例外中の例外の話じゃないんです。きわめて重要なことです。解散されて、議員の身分、資格を失った者もこの衆参国会議員五名の中にカウントするかしないかというのは、まさに法律として、われわれの立場から言うなれば、きちんと書くべき事項であって、政令等にゆだねるべき片々たる事項ではないということを国会の立場上、それははっきりすべきだということを私は申し上げているわけです。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 答弁を求めます。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  法律論でございますので、いろいろな考え方があることは存じておりますけれども、われわれの考え方といたしましては、このような特定な事項でございますので、政令に委任することは一向差し支えないと、われわれ部内では統一してそのような見解に達して、このような立案を確信を持ってした次第でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 関連、どうも答弁になっておらぬ。特定事項だから政令にゆだねることができると言うのですけれども、身分を失ったその人の資格というのは一般の人と一体どう違うのですか。どういう資格があるか、いわゆる前議員とか、参議院、衆議院の解散時において議員であった人というのは、特別な身分を保障されるというような規定はどの法律にあるのですか。一般の人と変わらぬじゃないですか、候補だもの。  この前、テレビ討論会があったときに、いわゆるダブル選挙のときに、ある衆議院議員がバッジをつけておって、そこへじゃんじゃんじゃんじゃん一般の聴視者から電話が入って、あの人は議員をやめたはずなんだから議員バッジは外すべきじゃないか、われわれと変わらぬじゃないかというような注文があって、その議員はテレビ討論会の最中にあわててバッジを外したという事例すらある。どこか法律に、前議員と一般社会人との区別が規定されているのですか、それをまずお答えください。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 ちょっと委員長からお諮りをいたすことがございますが、三宅部長の補足答弁として、播磨課長が出席をしておられます。その課長が答弁することについて、質疑者が了解をしていただきますならば、委員長がそれを認めたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 御答弁されましても同じことじゃないでしょうか。さっきからおっしゃるようなことでしょう、あるいは補足的に法律論としておっしゃるということで。私はあえて、そういう法律上の解釈というものは、参議院法制局においては、法律上問題なしとされたのでしょうということは認めているわけです。しかしながら、先ほど前段申しますように、このことは制度の根幹にかかわる重要な事項でありまして、政令にゆだねないで法律で書くべきだということを国会という立場で私は言っているわけなんですね。  そのことに対して、あなた、そうおっしゃるが、そんなことを言うのはおかしいのだ、それは国会の立場であったとしても。これは法律上一致された見解でありまして、もっと平たく言いますと、内閣法制局へ行っても衆議院法制局へ行っても、いま局長がお答えになった法律論、これがたった一つの見解でございまして、これ以外にあなたのような立場で議論をされるということは、法制局部内には全くございません、とざいませんから、そういう議論はもうおやめなさい、だからわれわれの言っているように、素直にそれに従ったらどうですかという自信を持ってお答えされるならば答えてください。もしそうでなければ、すでに問題提起としては石田理事も私も申し上げておるとおりでございますから、そのことにつきましてはなぜできないのか。できるのか、できないのかということについては、委員会を一応終えて、理事会等で協議をいただくというようにしていただいて結構だと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 播磨課長から答弁について要請がございますので、発言を認めます。播磨課長。

播磨益夫参議院法制局第二部第一課長

○播磨参議院法制局参事 たまたま解散がございまして、それで衆議院議員の身分が確かに仰せのようになくなったというのではございますが、政党らしい政党としての実体は、たまたま民意を問うという点で解散しただけでございまして、実体においては、政党らしい政党としては同じでございます。これが実体論。それから法律論でございますが、法律論といたしましては、いわゆる政令には委任政令と執行政令というのがございまして、委任政令の場合には中身的には法律と同等の効力を持ちます。それで、先ほど坂井先生から仰せがございました内閣法とか国家行政組織法のああいう条文もございまして、ああいう場合はその政令は法律と内容的に同一の効力を持つということでございます。  そういう意味でございまして、今度の十二項は「第一項第一号」というふうに具体的にその中身を特定いたしまして、一般抽象的に執行政令でさせているわけじゃございませんでして、具体的には一項一号というふうに中身を特定いたしまして、ここでそういう解散ということを十分に認識して予定して、具体的に特定して政令にゆだねているわけでございますので、中身的には、法律で書いたと同等の効力を持っております。だから、そういう意味で法律で書け、それも一つのお考えかとは存じますが、そういう意味では特殊例外的な事例でございますので、それでこれを中身的には法律と同一の効力を有する政令で書かせていただいた、こういうわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 ですから法律で書いてください。書くべきです。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 関連で質問しますが、先ほどお伺いをしました、解散によって身分を失ったその議員の資格というものは一般の人と違うのか違わないのか、これはひとつ明確にお答えください。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 ただいまのお尋ねは、たとえば解散によって身分を失った衆議院議員は一般の人と同じか違うかということでございますが、同じか違うか、どういう観点から言いますか、国会議員としての身分はもちろん失っておるわけでございます。ただ、こういう政党要件としてカウントをいたします場合には、一般の人とは全然違いまして、同じ政党、A政党ならA政党の党員でございます。政党要件としてカウントいたします場合には、一般の人とは違って五人の国会議員と同じ扱いにするのは適当であろう、そういう意味に考えるわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そんなの答えになっておらぬ。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 速記を始めてください。  午後一時より再開することとし、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     午後一時十三分開議

久野忠治自由民主党

○久野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。坂井弘一君。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 法律で書こうと思えば書けないことはありませんか。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  法律で書こうと思えば、と申しますのは、先ほどの解散時における衆議院議員の件だと思いますが、法律で書こうと思えば書くことは可能でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 結論から申し上げまして、法律で書いていただきたいということでございます。政党の資格の問題なんですよ。私は、この問題は、実は一口で言いまして、いわゆる政治資金規正法上そこに書かれております言うなれば政党の基準を、公選法上の政党要件の政党資格にイコールさせた、ここに非常に大きな無理があったということだと思います。つまりこのような選挙の制度、その根幹をなす政党の資格要件、これを決めるためには、その前提として政党法なる法律がきちんと整備をされておる、この政党法をつくる、つくらない、この論議は別ですよ、別といたしまして、前提として政党法がきちんとあるということでありますれば、政党の資格要件というものは公選法においてきちんとできたんであろうと私は思う。  問題は、きょう午前中冒頭の質問において申し上げましたように、いま政治資金規正法上言われる三つの政党定義がございますが、その三番目、衆参国会議員五名、これは、解散した場合にその資格を失った、その場合は一体どう見るのかということについて大林選挙部長に御質問を申し上げました。その解釈につきましては、従来そのような事態を政治資金規正法上では想定していなかったと申しますか、議論が実はなかったわけでございます。したがって、政令等においてもそれに対する裏づけする規定等は全くございません。今回、政党要件として、政党の資格、それをどう見るかということから、公選法上これを明足したい、その根拠を政治資金規正法に求めた。ところが、いま申しましたように、政治資金規正法上定義づけられております政党は、衆議院議員、参議院議員五名、こう書かれているだけでございまして、解散時においてはその身分をどうする、こうする等については全く考えていなかった。それを恐らくきのうからきょうにかけて考えて出した結論だろう、私はこう見ておるわけでございます。  いずれにいたしましても、重要な政党の資格を法律で書かないで政令にゆだねるということは、言うなれば政府の手に政党の資格をすべてお任せをいたします、その裁量権、政党の資格がありや否やの裁量権、それを判断する権限はすべて政府にお任せしましょうというのが政令ということに相なろうかと思います。  したがって、私はるる申し上げておりますように、政党の資格を決める以上は法律においてきちんと書くべきでありましょう。ましていわんや今回の法案は議員立法であります。何回も繰り返し参議院においても議論されてまいりましたとおり、まさに憲法に次ぐ重要な法規でありますことは論をまちません。同時に、これはまた、各政党の共通の基盤、土俵づくりというきわめて重要な民主主義のルールの根幹にかかわる公職選挙法、この大改正、大改革、それに当たって政党要件を明定しましょうという場合に、そうした立法機関がその立法権に基づいて立法する法律において、政党の資格を政令にお任せしましょう、政府の手にゆだねましょう、そんなまことに政党として無責任な、国会としてまさにみずからの権限も放棄するような、そんな立場は断じてとるわけにはいかないというのが国会議員、国会という立場に立った私の主張でございます。  それに対しまして法制局は、繰り返し御答弁がございましたが、法制上は問題はございません、ここに書かれた法律は次に政令にゆだねる、この政令も全く法律と同じ効果を有するものでございます。法律論争としてはそういう法律解釈も成り立つことは私は認めるにやぶさかではない。しかし、なぜ私がるる何回も繰り返し申し上げておりますかといいますならば、いま申しましたように、立法するわれわれ立法機関の立場から、この大事な選挙の制度の根幹にかかわるべき政党の資格要件というものを政令という政府の手にゆだねてしまう、その裁量権に任せてしまう、そんなばかなことがどうしてできましょうかというのが私の主張でございます。  したがって、いまお伺いいたしますと、法律で書こうと思えば書けないことはありませんということでございますから、国会の立場から申し上げまして、立法機関の立場から申しまして、法律で書くべきである、どうかこの事項につきましては法律でしっかり書いていただきたいということでございます。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  先生の御趣旨もよくわかるわけでございますけれども、本来政党要件の規定は政党らしい政党を一つの外形的な基準でとらえたものでございまして、五人の国会議員とか、四%とか、十人とかいう、いわゆる政党の定義の問題でございます。政党らしい政党をどういう外形的な基準でとらえるか、こういう問題でございますので、特に議員の身分に変動を及ぼすとか、そういうことは一切ございません。  そういうことでございまして、ただいまのように、解散してその後に参議院議員の通常選挙があるというようなことはきわめて例外的な場合で、この前五十五年の衆参同日選挙ですか、ございましたけれども、きわめて例外的なことでございます。そういう例外的な場合でございますから、しかも政党らしい政党の概念で、中にそういうものが入るということは当然のことでございますので、これを政令で書くということの方がむしろ自然ではなかろうか。政令と申しましてもこれは委任政令でございますので、法律と同じ効力を持つものでございます。したがって、このような事項はむしろ政令で書く方が自然ではなかろうかとわれわれはそう思うのでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 政令で書くということは、先ほど旧しましたように、政府の手にゆだねるという、裁量権を政府に全部お任せをしましょうということです。つまり、政府の恣意的な判断によって政令は変えられるべきものですね。どうですか、政府の判断によって政令は変えることができるのでしょう。変えることができないということはないですよ、政令は。あなた方はさっきから、法律論争のたてまえ上、今度の政令は法律と同じ重みを持つんだということをおっしゃる。それはそうでしょう。そうでしょうが、しかし、政令そのものは、これは時の政府によりまして変えることはできないことはないはずなんであります。恣意的な判断によって、政府の裁量権の範囲内であるということをもって、恣意的に政令は変えることはできるものでしょう。法律と一緒ですか、国会に一々諮りますか、そんなことしないでしょう。新しい政党選挙をする、その選挙の根幹にかかわるきわめて重要な政党要件を、そういう恣意的な判断のできる政府の手にゆだねることは私はできませんということをるる申し上げているわけであります。  たとえば例を引きまして、まあわが党なんかの場合ならば、これは衆議院が解散しても参議院議員が二十七名おりますから、これはまあ問題ないでしょう。政党名を申し上げますと失礼になりますけれども、解散時点において政党要件を満たさない政党が現に出るんじゃありませんか。そのときには、法律を見ますと、この中には衆議院議員、参議院議員とこう書いてある。書いてあるけれども、実際問題、解散になって政党要件を満たすことができない、それを政令で政党要件を満たす資格のあるものとしてみなしましょう、解散して議員の身分、資格はないけれども、政党資格のあるものとしてカウントいたしましょうというのを政令にゆだねる、政党の資格を政令にゆだねるというようなばかなことはできませんというのが私の主張なんです、繰り返し繰り返し何回も申し上げておりますけれども。  法律で書けないのかと言ったら、書けないことはありませんとおっしゃるのでしょう。書いてくださいよ。ダブル選挙なんていうようなことはきわめて例外的なことだと言うが、そんなことはないと思いますよ。これからだって何回あるかわからぬ。解散だっていつあるかわからぬ。そのときにはすでに国会議員ではなくなってしまう。しかし、それを政党要件、政党の資格としての五人の中に数えるのだというのであれば、それはそれで法律できちんと書いてもらいたい。政党の資格を政令によって政府の手にゆだねて、それを判断して決めてくださいなんていうような無責任なことは、私はそんな立場はとれませんということを何回も何回も申し上げているわけです。法律上、法制局が言われる解釈というものは、それなりにそういう解釈が成り立つのだとおっしゃることについては、あえてそれは否定するものではありません。しかし国会の立場、立法機関、しかも今回の法案がまさに立法機関の手によってつくられる法案である、議員立法である、こういうことから考えましても、その大事な選挙の根幹をなす重要な政党資格というものを政令にゆだねるということは断じてできない。何回も繰り返し申し上げるとおりでございます。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  どうもお言葉を返すようで申しわけございませんけれども、この政党要件の立法の趣旨から申しまして、解散時における衆議院議員は当然カウントすべきではなかろうか。そういうことで、政府が政令をお定めになるときにもこれはもう当然書かれるもの、こうわれわれは理解しておるわけでございます。  どうもお言葉を返して恐縮でございますけれども、一応そのように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 政党の資格を法律の中にきちんと書いてください、こう申し上げているわけです。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  政党の実体がある、政党の実体をそのまま政令で書くということでございますので、解散時における衆議院議員の人も当然カウントして書く、このように理解しておるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 政令で政党であるかどうか、解散されまして議員の資格がない、その人を議員の資格のある人とみなすというようなことを政令で決めるべきではない。そんなことを政令で決めれば、今度はまたその政令の中で、つまり政府の恣意的な判断によって、いや、もう今度はみなさないようにしましょう、そういうことにならないという保証は一体どこにあるのでしょうか。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  この制度の趣旨から言いまして、これは政党らしい政党、いわゆる政党選挙に参加できる資格のある政党、別の言葉で言えば、真に国民の政治的意思の形成に協力できる政党、まあ政党らしい政党を外形的にとらえたものでございます。そういう意味で一号は五人の国会議員というものをとらえておるわけでございまして、この前の五十五年の同日選挙の場合のように、衆議院が解散してそれから選挙が行われます場合に、たとえばAという政党が、五人以上国会議員がおりました政党が、解散して五十五年の同日選挙を行う場合に、そのAという政党の実体はそのまま同じなんでございますから、たまたま解散で衆議院議員としての身分はなくなる、衆議院議員はゼロになっちゃいますけれども、その政党がこの一号要件で同日選挙の場合に名簿が出せないということはいかにも不合理でございますから、政府が仮にこの政令を書きます場合にも、そういう政党要件の趣旨から言いまして、これは必ず書くということをわれわれは考えておるわけでございまして、もしもそういうものを入れませんと法の趣旨にむしろ反するので、法律を誠実に執行する義務のある政府といたしましては当然政令には書くものである、われわれはそのように考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 私は、くどいようでございますが繰り返し申し上げておりますことは、これは決して私の独断的な法律解釈ではございません。このような見解を法制局部内にも持つきわめて強い意見のあることを、あえて申し上げておきたいと思います。そういう意見のある中で、いまこの公選法を審議している最中に、先ほどから何回も申し上げておりますように、立法機関としてこの事態を一体どう見るか。これは法律で書くべきである、書こうと思えば書けないことはない、私は書くべきだ、こう言っているのです。  だから、委員長にお願いいたしたい。これは理事会等においてひとつよく御検討いただきまして、私の言う意見というもの、法律解釈というもの、それに基づくいま申し上げましたような主張、意見、そういうことにすべきであるという見解、このことについてどうか理事会で御協議いただきまして、理事会の決定をいただきたいと私は思います。私自身、いまの立場におきましてはとうていこれは納得ができませんので、この問題につきましては留保させていただきたい。理事会においてよく御協議、御決定をいただきたい。お願いいたしたいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 坂井委員に申し上げます。  ただいまの御論議を聞いておりまして、平行線であるように委員長としては感じますが、しかし、各党の理事の皆さんと理事会でよく協議をいたしまして、ただいまの御提案については論議をして結論を出したい、かように存じます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 では、留保させていただきまして、次に進みたいと思います。  その前に、せっかくいま政治資金規正法上の政党ということで議論されておりますのでお尋ねをしたいわけでありますが、この政党の定義を限定することとした理由は二つございまして、一つは、政党本位の資金体制を確立することがその一つの骨子である。それからいま一つは、政党とその他の政治団体の区別を明確にする必要があった。この二つの理由から政党の定義を限定した、こういうことかと思いますけれども、このとおり理解してよろしゅうございましょうか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 そのとおりであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そういたしますと、ここで念を押しておきたいと思いますが、寄附の量的制限がございます。政党及び政治資金団体と、一方その他の政治団体、二つに区分されまして、寄附の量的制限につきましては、同一のものから受領可能の年間限度額は、政党、政治資金団体につきましては、個人からの寄附が年間二千万円、法人その他の団体からの寄附につきましては、資本金等団体の規模に応じまして一定額、年間一億円が限度である、一方その他の政治団体の場合には、個人及び法人その他の団体合わせて寄附総額は年間百五十万円以内、この規定に相違ございませんか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 そのとおりであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 冒頭申し上げました、その場合、衆参国会議員五名をもって構成した政党はまさに政党、政治資金団体であります。それが解散になった、五名のうち数名欠けた、その場合においてもやはり五名の政党、こうみなす、こういうことですね。したがって、その場合は個人には年間二千万、法人等からは年間一億円までの限度で寄附を受けることができる、そういうことですね。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 選挙の結果、五名がどうなるかわかるわけでありますが、その時点まではおっしゃるとおりであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それでは細かくお尋ねしたいと思いますが、解散になりまして衆参、まあ参議院三名にしましょうか、衆議院二名、解散になりました、二名のうち一名が立候補を断念いたしました、この場合はどうなりますか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 要するに選挙の結果、つまり国民の信託が五名を欠けたというような時点におきましては、政治資金規正法上の政党資格がそこで欠けた、こう解釈するわけでありまして、それまでの間において立候補を辞退するということがございましても、選挙期間中は従来どおりの政党扱い、こういうことにいたしております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 いまお答えいただきましたその御見解は、いつお決めになった見解でございましょうか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 法律を制定いたしました時点、衆参両院合わせまして五名の団体というものがあるわけでありますが、その後選挙の洗礼を受けるたびにその政党要件というものが恐らく変動してまいるであろう、また現実にそういう事例が以前にあったようでありまして、その時点においてそう解釈を決めたわけであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 いまの解釈が厳格に守られてきておりますか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 選挙の結果、五名を割った段階において総量制限の割り当てが変わってまいります。その変わったとおりに資金集めをしていただいておるものと存じます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 きょうはそれは本論でございませんから、わき道にそれる心配がありますのでこの辺でとどめておきますけれども、大変問題があるようですね。機会を改めて議論をしたいと思います。  私は、選挙部長はいまそういうふうにおっしゃいますが、あえて申し上げまして失礼なんだけれども、つまりいまの解釈も、今回の公選法上、やはり五名というこの政党要件を、解散時点においてその資格をどう見るかということとの絡みにおきましてずいぶん苦労されまして、政規法上で言う政党の定義、この五名を一体どう扱うかという、大変な御苦労が自治省部内にもおありであったようでございますね。このことは私はわからぬことはないのです。これもあえて揚げ足拾いで申し上げておるわけでは決してございませんで、ただ言いたいことは、これも次へ留保された機会での議論になろうかと思いますけれども、つまりわが国には政党法がないんですよ。したがって、かなり共通的な政党の概念、これを裏づけする根拠のあるものはというようなことになりますと、これはありません、こうなるんですな。それから、一体政党とは何ですかということになりますと、政規法上にこう書かれておりますので、これがいわゆる政党らしい政党でございます。決して五名というのが、これが政党だといって縛りつけたかんかんのものではないですよ。つまり、政党法等によって規定される政党たるべき厳然たる資格要件ではないんですね。政治資金規正法上で言うところのいわゆる政党らしい政党ということで、年間法人から一億までもらってよろしかろう、個人からは年間二千万までよろしかろうという政党、政治資金団体という資格を与えるためには五名くらいが適当であろう、ほぼそんなところをにらんだような感じの中でつくられた政党の定義なんですね。ですから、そこのところを引用してくるところにかなりむずかしい解釈もしなければなりませんし、また、ときには現実に即したきわめて柔軟性のある解釈、判断もしなければならないというような、ぎくしゃくといいますか、無理といいますか、これのあることは現実に否定し切れないところだろうと私は思うんですね。したがって、あえてそのことについてきょうはぎゅうぎゅうと議論をするつもりはございません。これはまた別の機会に、今回の公選法の改革案、これをにらみながら、果たしていまの政治資金規正法、これでよろしいかどうかということの議論は追ってやらなければならぬ、きちんとその辺を詰めていかなければならぬ、このように実は考えているわけでございまして、先般来金丸先生も、たしかお答えの中に、公選法の今回の改正案と政治資金規正法というのはいきなりイコールの問題じゃない、それはイコールの問題じゃないことはよくわかるのです。言うなれば、この両者は別々の問題だと言われるような趣旨、あるいは松浦先生だったか、御答弁があったかのように私は記憶するのですけれども、確かにたてまえはそうだと思うんですね。しかし必ずしも、実態の上から見ますと、政治資金規正法もやはり個人本位といいますか、選挙そのものが個人本位の選挙でありますし、したがって、そういう中で組み立てられてきた政治資金規正法である。確かに政治資金規正団体という一つの団体を構成すればということもあるわけですけれども、そういう個人と団体、基本はやはり個人に置かれておるというようなところから、むしろ、公選法の改正を試みようとするならば、政治資金規正法もあわせて検討しなければならない事項も、項目をずっと見てまいりますと私には幾つもあるように思えますし、同時に、そういう議論を推し進めてまいりますと、どう考えても、行き着くところは政党法というようなところに実は帰着せざるを得ないような感じを私は非常に強く受けるわけなのであります。ただ、政党法を制定することがいいのかどうなのかということについては、これまたまことに議論の分かれるところでございまして、今日までのわが国の議会制民主主義、それを形づくる基礎にある政党、私はそれが一つの政党の要素であろうと思うのです。したがって、決して政党を否定するものではありません。要素であると思う。そういう意味では否定するものではありません。しかしながら、同時にまた、多数の主権者であるべき国民の参政権、そういうものが憲法上その出発点になりまして、今日、議会制民主主義の発展に寄与してきたと申しましょうか、形づくってきたと申しましょうか、でありますから、申し上げたいことは、今回の公選法、参議院全国区選挙制度、これを改革、改正しようとするならば、政治資金規正法もあわせて検討すべきでありましょうし、同時に、大変発展いたしますけれども参議院地方区の問題、あわせて衆議院の定数是正の問題、ここらも一括してあわせて考えませんとどうしても無理が生ずる、実はこんなことであろうかと感触的にそのように思うわけでございます。したがって、そういう観点から、政治資金規正法につきましても私は十分見直してみる必要が、そういう意味から、そういう観点からあるであろうと思うのですけれども、これはどなたにお答えいただくのでしょうか、自治大臣にお答えをいただけるのでしょうか、どなたでしょうか。そういう私が申しましたような観点から、政治資金規正法につきましては、なおいま一度この時点で見直してみる必要があるという私の主張に対しまして、御見解を賜りたいと思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 お答えいたします。  政治資金規正法は、この前の改正したもので、附則第八条に、五年後に個人献金の方向を目標にして見直し云々という指示項目があるのでございますが、実際にわれわれの方も公表されている資料をもとにやりますと、各六つの政党の収入状況のうち、寄附金の中の個人献金を見てまいりますと、大体この個人献金の率が一番低いのが新自由クラブでございまして、これが〇・六%、それから公明党さんの場合は、これはどういうわけか、個人の寄附の分がないことになっております。それから社会党さんが四・三%、それから自民党が一・三%、共産党が一・八%、これは昭和五十五年の分の統計でございます。全体から見ますと、政党全体のパーセントからいきますとやや上がりまして、五十五年度は個人の寄附が四%になっております。こういうふうに、せっかく見直しの項目が出ているのでございますが、実際問題として個人の寄附が意外に非常に少ない。これは五年間を通じましてほとんど横ばいでございます。  そうすると、私どもが考えますのには、政党への寄附、これの個人の分をどうしたらふやしていくことができるか、これが一つの大きな問題でございまして、現実問題としては、各政党の台所を賄うに足るだけの個人の献金の分というのは、現在のところ絶望に近いような状態でございます。  こういうことでございますから、勢い政治活動に各党とも影響してまいりますので、これはぜひとも各党で十分にお話し合いいただきまして、コンセンサスを得た上で、それをもとにしてわれわれの方も十二分に対応してまいろうと思っている所存でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 企業献金から個人献金に移行することがきわめて望ましいであろうということで、従来から何回もわが党も提案をしてまいりました。いま自治大臣からお答えいただきましたが、きわめて零細なといいますか、少額の個人献金、こういうものはわが党におきましても相当量ある。私の個人的な経験から申し上げましても、私の後援団体等、やはり個人献金ということでもってかなりな広い範囲の方々に御協力をお願いをしておる、実はこれが実情でございます。ただ、しかし、それでもってすべて全部満足に、模範的に、理想的に行われておるかというようなことに相なりますと、これはいろいろ議論があろうと実は私は思います。確かに附則八条におきまして、個人献金を志向するという方向、あるいはこれは努力目標かもしれない。しかし、少なくとも現状におきまして、ロッキードのあの事件以来、あるいは先般の判決以来、とかく政治にまつわる金、陳情、献金、この日常的に行われておる陳情と献金との結びつきの中で、やはり企業献金というものはこの辺で少し考え直してといいますか、もう一度見詰め直しまして、できれば個人献金に移行した方がいいのではないかという率直な気持ちを私は持ちながらも、なお個人献金そのものがすべて善であるという立場には、私自身、個人的に、これもはっきり言ってどうしても立てません。個人献金がすべてイコール善で、企業献金がすべからく全部悪である、こういう図式は当たらぬと私は思います。しかしながら、個人献金が少ないからといって個人献金をすべて否定して、企業献金でやむを得ないのだということで企業献金謳歌、企業献金奨励、こういう方向に仮に向かおうとするものならば、これは前回の政治資金規正法で言われた方向と全く逆の方向に行ってしまう。だから、この辺をどうするのかということが大変議論のあるところであろうと思いますし、率直な議論の展開の中で、これは各政党あるいは議員の個人の重大な政治活動の基盤をなす政治資金のことでございますから、十分コンセンサスを得られる方向にお互いに努力をしていかなければならぬであろう、このように思います。  ただ、その場合、あえて大胆に御提言申し上げますならば、いわゆる政治資金は、そうした政治献金というものが一つ、党費収入というものが一つ、それから公費の支出というのが一つ、私はこの三つから成り立っていると思います。こうした大衆デモクラシー化と申しましょうか、こういう現代におきまして、民主政治を進めるという上にはどうしても一定額の資金を必要とする。これは政党あるいは議員、個人に限らず、かなり大きな金を必要とする。これは否めない事実です。しかし、国民の方から見れば、金を必要としない、金の要らない政治を要求する。こういう二つの全く相反するといいますか、ここに一体どういう橋をかけたらいいのかということだろうと思うのです。そういうことで、政治資金規正法の見直しと同時に、やはりそこにはもう一方、党費収入、さらには公費の支出、この三本柱、こんなことをにらみながらそのバランスの問題だろうと私は思うのですけれども、自治大臣、どういうふうにお考えでございましょうか、御感想等を承りたい。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 確かに、非常に傾聴すべき御意見だと思います。  そこで、個人寄附の問題で、この五、六年来その推移を見ながら、課された宿題についていろいろ勉強もしてまいったわけでありますが、大臣が先ほど御答弁申し上げましたように、実際問題として集まっておらないのが現状であります。租税特別措置法上の優遇措置をしながらもなお集まらない。これは必ずしも国民性ということではなしに、人間として、文化活動とか、何かかわいそうな募金であるとか、あるいは同窓会であるとか、非常に身近な問題については献金というのはわりあい集まるのが風習でありますけれども、政党に対して個人が寄附をするということがなかなかはやらない。これは日本だけではありません、諸外国においても実はさっぱり集まらない。アメリカにおきましても、ドイツにおきましても、いままでいろいろな具体策を考えてその奨励をしてまいったのでありますが、なかなか集まらない。そこでヨーロッパ諸国にまいりまして、もうすでに十カ国以上の国が何らかの公費支出というものを制度的に設けております。イギリスにおきましても、そのヨーロッパの情勢を見ながら何とか公費支出を考えようと言いながらも、相当激論がございましてこれがまとまらない。アメリカにおきまして大統領選挙の補助を十年ほど前に設けましたけれども、大統領選挙に補助するのであれば国会の選挙にも補助しろ、こういう声が非常に大きくなっております。特にアメリカにおきましては、共和党、民主党の二大政党でやっておりますけれども、共和党というのはいわゆるリッチマンパーティーと申しまして非常にお金持ちである、民主党というのは非常にお金がない。ところが、国会議員の構成としては民主党の方が多い。そこで公費支出をしろという声が非常に多いのでありますけれども、なかなかこれがまとまらない。公費支出の問題になりますと、結局本筋が政党のあるべき姿という哲学論に返りますから、確かに政党というのは民主政治の原動力であるとか、生命力であるとか、世論の伝声管であるとか言われながらも、なおかつ、法律の上では法律上の無人島であるべきだというような、非常に古典的な考え方がいまなお各国に根強いという状況でもございます。  日本におきましても、政党を公費支出と関連させて議論されたことがこの十数年来ございますが、なかなかコンセンサスに至るまでの議論の発展がない。そういう意味におきまして、公費支出の問題を含めて政党のあり方ないし政党の財政のあり方あるいはその資金の集め方、こういった問題については、各党各党それぞれの基盤というものがありますので、その面で御議論をいただかないことには、私どもの考え方だけで推し進めてまいるというわけにはなかなかいかない点をひとつ御了承いただきたいと思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 ただいま大林選挙部長が申されたとおりでございますが、議員の御指摘の点は確かに御見識だと思います。私が先ほど最後に申し上げたのは、各政治家の個人後援会の献金、寄附金のうちの個人の分が四%でございます。こういうふうに訂正させていただきます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 私がなぜこの政治資金のことについて申し上げておるかといいますと、あるいはいま私見だとしながらあえて御提言をさせていただいておりますのは、実は経緯を追ってみますと、個人献金への移行問題につきましては、「ロッキード事件再発防止のための対策として今後検討すべき事項について」ということで、五十一年十一月にロッキード問題閣僚連絡協議会で、「一、政治・資金の規制のあり方」、「(一)政治献金について個人献金中心の方向での改善(二)政治家個人の収支の明確化」、この二項目を決めたわけですね。それで、「政治家個人の収支の明確化」はその後でき上がったわけです。ところが、「個人献金中心の方向での改善」は、こういうふうにうたいながらなかなか進まない。そこで、実は鈴木総理に、一昨年十一月のこの公選法の特別委員会で私は質問いたしました。その際に総理がおっしゃったことは、「できるだけ個人献金の方向を志向する、そういう方向に努力をする」、こういう答弁があったわけでございます。  ところが、その後衆議院、参議院における議論の経緯をずっと見てまいりますと、どうも、個人献金移行だと言ったのが、今度は逆戻りのような感じの答弁がしばしば出てまいっております。このことは長くなりますから省略させていただきたいと思いますが、いずれにしても、先ほどのような、個人献金への方向が望ましいのだ、努力をしましょう、こんな答弁では最近少なくともなくなってきた。企業献金は必ずしも悪ではないのだということ、それは先ほど申しましたように、私もそういう立場はとりません。すべてが悪だ、そんな立場はとらない。しかし、少なくともここで考えなければならぬのは、先般のロッキード判決を見まして、二人の政治家だけの問題ではなくて、これは政治家全体といいますか、政界全体の問題ではないかという点がある向きから指摘された。まことにそういう指摘に謙虚に耳を傾けるとするならば、たとえば国会議員がその職務に関する対価として金を受け取ったときは、これは明らかに収賄罪なのです。だからそういう金、賄賂は受け取らない。しかし、日ごろの陳情活動で国会議員が何かの陳情を受けて、職務権限の及ばない陳情を受けてその対価として献金を受ける、この行為は許されておるわけですな。  ところが、世耕自治大臣、これは大臣のお立場でお考えいただきたい。大臣だとか、政務次官の場合には、職務権限が働くそういう献金を受け取ったら賄賂だと認定されて、これはたちまち有罪判決というようなことになるわけですね。これはきわめて重要なことですよ。つまり、大臣とか政務次官でない、言うならば手っ取り早く言えば平の国会議員、それが受け取る献金は、これは政治献金でございますといって容認されるのです。ところが大臣だとか政務次官が受け取ったら、おまえ職務に関係する行為に関する金だからそれは賄賂だ、こういう認定がされるということもあり得るのですね。さあ一体その辺をどう考えたらいいのだろうかという、実はこれはかなりまじめに検討しなければならぬ問題があろうと私は率直に思うわけなんです。だから、極端な言い方をしますと、何ともないと思って善意の金を受け取った、ところが後でその金がいかがわしい金であったと認定される危険性といいますか、心配、これは全くないかといったら、ないではないのですよ。まして大臣とか政務次官だった場合には、これはおちおちと献金は受け取っておれないというようなことだろうと思うのです、法律的に厳密に突き詰めていきますと。だから、そういうことだから私はあからさまに申し上げているのです。これは党利党略の話じゃない。これは与党、野党の問題じゃない。国会議員という共通の土俵、立場に立って、一体これから受け取っていい政治献金とはどういう献金なんだろうか、そういう実に素朴な率直な疑問に到達をせざるを得ない。  そこで私があえて申し上げたいのは、だから企業献金というものは、ある種の見返りを期待するようなものであるというようなことがうかがわれるというようなことであれば、これはできるだけ御遠慮をして、個人献金の方が好ましかろう、こうなるわけです。しかし、それでどうしても個人献金が集まらないとした場合には一体どうするのか。それは先ほど言いましたように公費支出というようなところでカバーできないものか、政党の党費収入というところでカバーできないものか。この三つのバランスをどう考えるのかということであろう。この三つのバランスの問題を考えないで、ただ単に政治献金だけを引っ張り出して個人献金は善だ、企業献金は悪だ、こういう図式で議論をすることは、これは決して実りのある議論ではなかろう、こういうことで私は実は御提案をと申しますか、私見としてあえて申し上げておる。したがって私は、このことについてはもっとガラス張りに勇気を持って議論すべきであろう、少なくともたてまえ論で、きれいごとで政治資金の問題について議論すべきときではない、こう思います。  そういうことに対しまして、私の意見に対しまして重ねてひとつ自治大臣から御見解をいただければと思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 確かに御指摘の点は一番肝心なところをおっしゃって、大変な御見識というふうに私どもは解釈しております。  実際問題として、先ほど数字で申し上げましたように、政党への献金でも、寄附金のうちの個人の寄附というのはきわめてわずかなものである、これは各党を通じて言えることでございます。それから個人献金の場合も、全体を合わせて寄附金の中の約四%でございますから、これもたかが知れております。ですから、そういう面で政党に仮にもっと政治資金を個人の人からいただく、そういうことを期待しても、この個人献金に関する限りは現在のところはほとんどあてにできないというのが現状であろうかと思います。したがって、この公的な支出の問題、これも将来にわたってこれから十分に検討していくべき十分の価値のある問題だと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 政治資金問題につきましてはこの辺でとどめておきたいと思います。  金丸先生にお尋ねをしたいと思うのですが、参政権が基本的人権であるかどうかにつきましては、参議院でずいぶん議論があったようでございますね。わが党の峯山委員が何回も繰り返しこの問題を議論する中で、金丸先生はその審議の過程におきまして、参政権は基本的人権であるということをお認めになったように議事録を見ます限り私は思うのですが、その点お認めいただけるでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 そのようにお答えを申しております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 ただ、金丸先生の基本的人権論をお伺いいたしますと——基本的人権という以上憲法概念の中における基本的人権、私はやはりこう解すべきであると考えるわけでございますが、金丸先生の御説明は何か形容詞をつけた基本的人権というようなことで、かなりあいまいなような実は感じがいたしてなりません。一体どういう基本的人権なのか、この辺をひとつわかりやすくお答えをいただければと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 この点は参議院の方でほかの委員の方々からも大変御質問がございましてお答えを申し上げた点でございますが、懸法の十五条の第一項との関係、憲法の前文でございますとかほかの十三条でございますとか、そういうことから総体的に考えて、選挙権というのは天賦人権的な人権ではないか、こういうような御趣旨の御質問がございました。私どもは国民主権の原理に立ってはおりますけれども、憲法第十五条の第一項は国民の基本的な参政権を規定しておる、その参政権の内容と申しますと、選挙権とかあるいは被選挙権とかあるいは立候補の自由とか、こういうことになってまいるわけでございますけれども、第十五条の第一項は自然権的なあるいは超国家的な人権を規定したものではございませんので、国民主権のもとにおきます国民のきわめて重要な基本的な権利として宣言したものである、私どもは、学者等の著書等を拝見いたしましてもそれが通説と思っております。私どもの解釈は、憲法第十五条の第一項は基本的な人権を規定したものではございますけれども、その具体的な選挙権とか被選挙権は憲法の四十四条に基づいて具体的に規定されるものである、こういうふうに申し上げたのでございますが、どうしても一方に、やはり天賦人権的な基本権じゃないか、こういう御主張が非常に強くございまして、その点が私どもの主張と実は食い違ってずっと今日まで至っておる次第でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 よくわかります。  そこで、憲法前文を見ますと、わが国は国民主権主義を明らかにし、国政は国民の信託により国政上の権力は国民の代表者がこれを行使する、こういうようにございますね。そこで、その参政権というのは主権者である国民が国を成り立たせる基本にかかわるものである、これは基本的人権そのものではないか。そういたしますと、参政権は法律によって具体化はされますけれども、そもそも法律によって、いま先生おっしゃる四十四条によって与えられたといいますかあるいは創設されたといいますか、そういう権利ではない、つまり立法政策上の判断によって左右される通常の法的権利とその存在の根拠においては次元は全く違う、それは違うと私は考えますけれども、金丸先生もう一度そこのところを御答弁いただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 その点でございます。憲法第十五条の第一項には選挙権ということは書いておらないのでございます。公務員を選定するとかそういうことは国民の基本的な権利である、抽象的に国民の基本的な人権をいわば宣言した規定でございまして、憲法四十四条は選挙の資格とか被選挙の資格とか、ただし書きはございますけれども規定をいたしておりますので、私どもは国民主権の現行憲法のもとにおきまして参政権というのはきわめて重要な国民の権利でございますけれども、選挙権の具体的な内容というものは憲法の第四十四条に基づきまして具体化されてくるんだ。創設されるとまでは私も言えないかと思います。抽象的な十五条の規定を受けて、二十歳になったら選挙権を与えるとか刑に処せられましたら選挙権がないとか、そういうような具体的な内容が定まってくるものでございまして、創設されるものではございませんが、具体的には十五条の第一項を受けて四十四条で規定されるものだ、私が申し上げているのはそういう趣旨でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、憲法十五条を受けてその十五条においては、公務員を選定することは「國民固有の権利である。」こう規定をしているわけでございますが、「固有の権利」というのは金丸先生はどういう意義を持つと解されておりますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 第十五条の第一項が、国民の基本的な権利の章にございますように、私も国民のきわめて重要な基本権であると考えておりますけれども、たとえば身体の自由でございますとか言論の自由でございますとかそういうものと、この政治的な選挙権とは、全国家的とか自然権的な権利ではない、政治的な権利としてやはりその国の政治の制度とかいろいろな要素を私どもは考えまして、国が、あるいは国家が国会におきまして法律に基づいて具体的な内容を定めるものだ、またそれがやはり適当ではなかろうか、世界の国々を見ましても、私は、それが真実ではなかろうか、こういうふうに考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それでは議論を一歩進めまして、主権者たる国民が日本国憲法を制定する、その主権者と国との関係において「固有の權利」、こう規定しているのであって、これこそまさに参政権は基本的人権である、こう考えるに問題がないのではないか、これは私の見解です。金丸先生の御見解と異にするかもしれません。というのは、昭和四十三年十二月の最高裁判例におきましても基本的人権と言っておりますね。これは何回も御議論がございました。  そこでお伺いいたしますが、金丸先生は参議院における御答弁で「基本的な参政権」ということを言っておられるようでございます。参政権は基本的人権であるということとこれは同じ意義なんですか、どうなんでしょうか。この辺をひとつ明らかにしていただきたい。「基本的な参政権」ということは、参政権は基本的人権である、こういう意味でお使いになったんでしょうか、意義として。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 そのようでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 参政権が基本的人権である、その場合、憲法十一条によりまして「侵すことのできない永久の權利」である、こう規定しているわけでございますけれども、参政権の不可優性ということについては、金丸先生お認めいただけましょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 私どもは「國民固有の権利」というのは、先生も御指摘になりますように、国の方から与えられた、そういうような恩恵的に与えられた権利ではなくて、国民として持っておる権利だ、こういうふうに考えますけれども、憲法の四十四条にございますように法律で定める、ただしいろいろな事項に違反してはならないと申しましょうか、そういうただし書きもついておるわけでございますが、国の選挙の制度、これはまた国の基本の政治の問題でございます。その選挙なり政治を行っていきます上でと申しましょうか、選挙権の行使についていろいろな制約もあり得る、私どもはそのように考えます。ただ、それにはあくまでも合理的な理由がなければならないことは当然でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 まさにそこのところを合理的理由によって制限することもあり得るというお立場で、基本的人権といえども公共の福祉から制限されることもあるんだ、こういう点、合理的理由があって公共の福祉から制限される、これは私は理解するにやぶさかではございません。ここで言う、金丸先生がお考えになる合理的理由、公共の福祉とは具体的にどういうことなんですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 具体的にはただいま御提案申し上げております拘束名簿式比例代表制を全国区の選挙の制度として導入いたそうとしているわけでございますが、本会議におきましても、また当委員会におきましても提案理由の趣旨説明の中で私が申し上げましたように、一つには現在の参議院の全国区の選挙制度におきましていろいろな弊害が生じております。この点は各党も私はお認めになっておるところだろうと思います。この弊害を除去しつつどのような選挙制度を採用するかということを考えてみました場合に、私どもは政党本位の選挙制度に改めまして、政党が政策を掲げ責任を持って候補者を選び、そして有権者の批判を仰ぎます選挙制度が合理的なのではなかろうか、これが公共の福祉に合致すると申しましょうか、選挙権をいわば制約いたすのに十分な合理的な理由と言えるのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 いまお述べになられましたことが合理的な理由に当たるかどうかについては後ほど議論をさしていただくといたしまして、憲法学者であります宮沢俊義先生の「憲法II」によりますと、こう書いてあるわけです。「日本国憲法にいう公共の福祉とは人権相互の間の矛盾、衝突を調整する原理としての実質的公平の原理を意味する。」さらに「すべて個人の基本的人権は、他の個人の基本的人権と衝突する可能性がある。自由国家では各人を平等に尊重する立場から、各人の基本的人権相互の衝突の可能性を調整することが公共の福祉の要請するところと見るべきであるというのが公共の福祉の意味である。」こう書いてありますけれども、この考え方に対しまして先生のお考えを承りたい。お認めになられましょうか、どうでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 宮沢先生の学説は私ども承知いたしておりますけれども、宮沢先生がお述べになっておりますのはいわゆる自由権的な権利の制約をいたします場合、権利と権利の衝突の調整が公共の福祉だ、こういう考え方のように私は承知いたしております。現在私どもが提案をいたしておりますのはいわば参政権に関する法律案でございまして、選挙という制度を改めてまいります場合、先ほど申し上げましたような理由で合理的な理由がある、だから公共の福祉という概念と申しましょうか、私どもはいわゆる自由権と参政権とでは違うという基本的な考えに立っておると先ほど申し上げました。やはり参政権につきましては、制度として合理性があるならばいわば参政権の制約が生じても憲法上認められる、こういうような基本的な考え方でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そこがちょっと議論の分かれるところじゃないかと思うのですけれども、参政権が基本的人権であるということをお認めいただいておるわけですが、基本的人権である参政権を制約するためには、他の人権と衝突している何らかの事実があって、その調整として最小限に制約されるという条件がここに存在しなければならぬのじゃないか。そうであるとしますと、今回の法案で個人の立候補が認められないということは一体どういうことになるのか。つまり、立候補の自由という人権が制約されるとするならば、その一方ではそれを制約することによって救済されるべき現に衝突している人権がなければならぬのではないか、これは宮沢見解に立ちますとね。そこのところが今度は金丸見解によれば、現在は選挙制度が不合理に抑圧されているといいますか、いろいろな弊害がある、候補者の選択がやりにくいとか過大な費用あるいは肉体的労働が避けられない、余りよい候補者が得られないということをいろいろ参議院においてもお述べになっているようでございますけれども、そういうことが果たして基本的人権を制約し得る公共の福祉に該当すると言えるのかどうか、実は私はここのところを大変疑問に感ずるわけでございます。ひとつその辺につきまして先生の御見解を明らかにしていただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 その点は参議院の委員会におきましても、いろいろな委員の方から先生と同じような御趣旨の御質問あるいは御意見が出たところでございます。私どもは先ほど申し述べましたように、いわゆる自然権的な基本権と参政的な基本的人権、このように分けて考えておりまして、選挙制度は国の政治上の一つの制度でございます。今度は政党本位の選挙制度に改めかつ比例代表ということによりまして、有権者のいわば政治的な意思が正確に国政に反映されてくるということになるわけでございますので、国民の参政権が尊重されると申しましょうか、そういう合理性がございますので、このような比例代表制によりましてある自由が制約されることになってまいりましても憲法上容認されるものである、こういうふうに考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 では、いまのお答えを受けましてさらに進めたいと思います。  現行の個人本位の選挙制度を政党本位の選挙制度に変える必要があるとする理由としていまもお述べになったわけでございますが、それらはすべて制度の必要性、妥当性の理由でありまして、その実現のために基本的人権である参政権の内容、つまり被選挙権及び選挙権、この内容は立法政策としてどのようにでも変えることができるのだ。そのためには私はやはり限界があろうと思います。その一つとして、憲法十五条の「公務員」、それから憲法四十三条の「全國民を代表する選擧された議員」、ここで言う「公務員」「議員」というのはすべて自然人ですね。法人その他の抽象的な存在では決してないわけであります。議員たるべき人を投票する、こういうことですね。ところが今度は政党名を投票させようとしておるわけだ。政党は議員ではありません。投票は議員となる人についてすべきでありまして、政党本位の選挙制度を組み立てようとする意識が先走ってしまいまして、政党名投票というところまで踏み外しているんじゃないか、こう私には思えてならぬわけであります。つまり政党の名簿に記載された人々を候補者とみなすという法律上の擬制をしなければならない。議員を選ぶ以上、選挙された議員であるためには投票は人を選ぶという方式をとらざるを得ない、これが一つの限界だと思います。  政党名を投票することは、選挙人にとっては名簿上のこの人をということと直結する形で結びついていない。また、名簿に記載されて議員になったとして、その人が選挙された議員と覆い得るのかどうか、私にははなはだ疑問に思えるわけでございます。この点、金丸先生はいまの私の心配、疑問に対して憲法上どうお考えでしょうか、お考えを承りたい。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 お答えを申し上げます。  わが国は個人本位の選挙制度を長い間とってまいりましたし、投票用紙には被選挙人いわゆる自然人の名前を書くということでなれてまいりましたので、私どもも、政党名を書くことには国民に当座戸惑いがあるであろうという懸念は持っております。しかし、最高裁判所の判決等にも示されておりますように、わが国の憲法は政党が前提になっておる、政党の存在というものは憲法が当然予想しておるというような判決もございまするし、また、現に国政も地方政治も政党によって運営されておる、私どもはそういうふうに考えるわけでございます。何も政党本位ということが先走ってということではございませんで、前からるる申し上げておりますように、現在の全国区制度は何らかの方法で改めなければならない。その方法としてブロック制もあれば比例代表の案もあるわけでございます。私どもは解決策として政党本位の拘束名簿式の比例代表制を採用した。当分戸惑いはあろうかと思いますけれども、そのような理由から私どもは合理的な制度としてこれを採用しても、憲法に違反することもないのではなかろうか、かように考えるわけでございます。  政党名に投票することによりまして選ばれてこられる方が、憲法の四十三条に申します「選擧された議員」と言えるかというお尋ねでございます。その点につきまして御異論がいろいろあることは私ども承知いたしておりますけれども、政党が責任を持って候補者を選び、その名前を届け出、それを公表し、それを見て有権者が投票なさるわけでございますので、個人の名前を書くかわりに政党の名称を書き、それによって名簿に書かれた候補者が議員としての身分を取得されるということになってまいるわけでございます。     〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 そういうようないわば法律上の仕組みにいたしておるわけでございますので、私どもは憲法四十三条に言う「選擧された議員」というのに何ら支障はない、かように考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 金丸見解という憲法解釈は承っておきますけれども、要するに憲法上どういうふうにこれを先生お考えでしょうかということで承っていまのお答えでございますが、憲法上のその解釈というのは、正直率直に申しましてかなり無理な解釈じゃないかなという気が素朴に私はするわけでございます。そのことは拘束名簿式比例代表制、完全に拘束するという今度の改革案、これが具体的に実行段階でかなりいろいろ問題が出てくる。後ほど触れてまいりたいと思いますけれども、憲法解釈上も相当無理な解釈をせざるを得ないところに、実際的にこの制度で運用された場合に起こり得るであろうさまざまな混乱というものが頭の中でも想定されるわけでございます。現実にこの制度で選挙をやった場合に、果たして予期せざるいろいろな事態というものが起こってくるのではなかろうかなという危惧を実は私は強く持つわけでございます。  その点につきましては後ほど触れてまいるといたしまして、いまのお答えを承りましてなおお尋ねしたいと思いますが、個人の立候補につきましても同様ですね。立候補の自由というのは、たとえば被選挙資格の制限が年齢等仮にあったといたしましても、しかし個人として直接立候補するということはできる、ここに一つのポイントがあったと思います。  ところが今回の案によりますと、政党の名簿にまず登載されていなければ立候補できない、あるいは午前中議論いたしましたように、その政党要件にも制限がある、これらの要件を満たして初めて候補者と称する者になり得る、国民はだれでもこの名簿に登載され得るのであるから立候補の自由は制限していないではないか、こういうお答えをされるのでありましょうけれども、私はこれはちょっと詭弁だと思います。立候補の自由というのは、やはり個人の意思で立候補ができるということだろうと思いますが、憲法上このような制約は非常に私疑問があるわけですが、先生はどうお考えでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 その点も参議院の委員会におきまして非常に御議論のございました点でございます。私どももまた一番この点はいろいろと考慮をめぐらした点でございますが、先ほど申し上げましたように、現在の全国区の選挙制度のいろいろな問題が生じておりますよって来るゆえんと申しましょうか、それはこの広大なる選挙区に個人本位で立候補して選挙を行うというところにあるのだ、私どもはこのように考えておるのでございます。  そのような弊害を除去いたしますために、憲法の容認をしている政党本位の拘束名簿式の比例代表制を設けることによって、国民の政治的な意思を国政によりよく反映させ、また参議院にふさわしい人をより得やすくしたいというような考えでございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、この制度が合理的な制度であるといたしますならば、私どもはそれに伴いまして国民の基本的な参政権でございます立候補の自由とか、そういうことが制約を受けましても、これは憲法の容認するところである、かように私どもは考えておる次第でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それじゃ具体的にお尋ねをしてまいりたいと思いますが、改正案第八十六条の二で一、二、三と決めております名簿提出につけられる資格要件ですね、一つは衆議院議員、参議院議員合わせて五人以上、二つ目には直近選挙四%、それから三つ目には候補者十人以上、この三つの資格要件をお決めになりました目的というものは何でしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 政党本位の選挙制度をとるということを基本にして考えます場合、その政党とはいわば何ぞやということに相なります。私どもは日本の現状に即して政党らしい政党を考えなければならない、これが基本の発想でございます。ところが、どういうふうにいたしますかということはいろいろ議論はございますけれども、午前中大変詳しい御議論がございましたが、やはりわが国におきましては政治資金規正法その他にも政党という規定はいろいろとございます。ございますが、政治資金規正法の国会議員五名というのが非常にわかりやすい一つのメルクマールになっておりますし、また、わが国の政治に最も関係の深い規定でございますことと、公職選挙法の確認団体の国会議員の候補者十名以上を有するものを確認団体、政治団体とするということ、松浦先生からお答え申し上げましたように、この二つとの兼ね合いから、直近の通常選挙、総選挙における得票数四%というようなことで、どうしてもやはり政党の定義づけをいたしませんと制度が組み立ってまいりませんので、それらを勘案して政党の要件、私、これはやはり実質的にはわが国におきます政党的な非常に基本的な規定になるものだと思っておりますが、そのようにして政党の上要件を定めたわけでございます。  目的はどうかというようなお尋ねでございましたが、目的というお尋ねの御趣旨をあるいは私が的確に捕捉しないでお答え申しておるのかもわかりませんけれども、政党本位の選挙制度をとります以上、やはり選挙法の中に政党的な規定を設けなければならない、これはやはり基本だ。その政党とは何ぞやというと、三つの要素を考えまして、それで政党の規定をいたした、そういうようなことでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、資格要件三つを決めた目的は、政党選挙をするために設けたわけでありまして、結果として、そのために少数政党や個人、無所属の候補者が排除されるということはやむを得ない。政党選挙の目的のために少数政党、個人の排除、これはやむを得ないということですか。少数政党や個人を排除する目的のためにこの規定、政党要件を決めた、まさかそんなことはないでしょうね。政党選挙をしなければならないんだ、だからこの三つの政党要件を決めました、そのことによって結果的に少数政党や個人、無所属が排除されることはやむを得ません、こういうことでございましょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 結論的に申し上げますならば、御説のとおりでございます。  過去におきまして、わが党におきましても非拘束名簿式の比例代表制を考えたこともございますけれども、その方式では現在の弊害を是正できませんので、拘束名簿式の比例代表制を採用するということに意見の一致を見たわけでございます。私どもは、できるだけ少数政党にも配慮したつもりでございますが、無所属につきましては、あるいは地方区と全国区と分けて、地方区は個人本位の選挙制度、全国区の方は政党本位の選挙制度、参議院の選挙制度としてはそういうふうに考えてもよろしいのではなかろうか。無所属の方々が立候補しにくくなられますことは、この制度の結果やむを得ず生じてきたものでございまして、私どもは、これらを当初から制約しようというような考えであったわけでは決してございません。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 先ほどの、参政権が基本的人権であるかどうか、これは基本的人権であるということをお認めになりました。  それで、その議論を踏まえた上でお尋ねをしたいと思いますが、いま、お答えによりますと、今度の参議院比例代表区選挙、この限りにおいては少数政党や個人というのは、これは立候補できなくなる。これは配慮したのだけれどもやむを得ないのだとおっしゃる。そうしますと、こういう少数政党や無所属候補に被選挙権を与えることは、端的な言い方をしますと公共の福祉に反するから与えられないのだというようなことになりますか。合理的なとかなんとかいうことも先ほど金丸先生はおっしゃった。言葉をかえれば、これは公共の福祉という問題であろうと思うのですね。私は、いま端的に伺っているのは、少数政党、無所属候補、これらに被選挙権を与えることは公共の福祉に反するから与えられないのだ、こういうことに相なりますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 決してそうではございませんで、私どもは、現在の全国区の個人本位の選挙制度を政党本位の選挙制度に改める案を採用いたします結果として、そのような制約が起こってまいるのである。個人の立候補や少数政党が存在いたしますことが公共の福祉を害しておるというようなことは、これは現実の問題としてちっともないわけでございますが、私どもは新しい選挙制度を採用するに伴いましてそのような制約が不可避的に起こってくるのだ、こういうことでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 じゃもう一遍この辺で、公共の福祉というのは何なのかということ、ここで今回言う公共の福祉というのは、具体的にこの中身はどういうことなんですか。この選挙制度を変えることに際しましての公共の福祉と言われる内容というか、これは何ですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 先ほどお答え申し上げましたように、全国区の現在の弊害を除去しながら、国民の政治的な意思をできるだけ国政により正確に反映しつつ、よりふさわしい参議院議員を得る、これが今回の私どもの提案の根本の理由でございまして、それは憲法の容認する合理的な理由があると言ってよろしいのではないか。その合理的な理由というのが、いわば公共の福祉と申しましょうか、私どもはそのように考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、個々人の意思を適正に反映をさせるということの必要性があるのだ。その前に、いろいろ弊害がある。そこで、その結果として、少数政党あるいは無所属候補が立候補できなくなるということも、これはやむを御ないのだ。合理的理由としては、先ほど言いました国民の適正な意思の反映、これらがそれに出たりまして、またそのことが公共の福祉に該当するのだ。そういうことで、個々人の意思というものを適正に反映をさせるための政党選挙に今回は改革をしたい。しかし、そのことのために政党要件を設ける中で、少数政党とか無所属候補が立候補できなくなってしまうこと、これはやむを得ないんだ。これはどうしようもないんだ。何とかしたい、救いたいと思うけれどもどうしようもないのだ、こういうことですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 御説明のとおりでございます。私どもも、本当にやむを得ない制約である、このように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、念を押してお尋ねをしておきますが、少数政党や個人、無所属候補が立候補できないのは、いまお答えになりましたような、まことにやむを得ないことなんである。そのことは基本的人権の制約ということではないというお立場をおとりになるのですか。基本的人権の制約ではない、少数政党、無所属候補、これが立候補できない、まことにやむを得ないことなんだ、気の毒だけれどもやむを得ないのだ。そこまではわかりました。そのことは無所属候補や少数政党の基本的人権を制約したことには相ならない、こういう御判断でしょうか。それとも、基本的人権はかなり制約される、それもやむを得ないのだ、こういう御判断のもとでのいまのようなお答えなのでしょうか。どちらでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 基本的な参政権の制約になる面はあろうかと存じますけれども、先ほど来お答えを申し上げておりますように、合理的な選挙制度を採用しようとする結果でございますので、憲法の容認するところであり、やむを得ないものだ、私どもはかように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 もう一つ、くどいようでございますが重ねて伺います。  これは憲法の容認するところではあるけれども、基本的人権の幾らかの制約はされておるのだ、こういうことですか。基本的人権は一切制約されていない、完全に憲法の容認するところだ、こういうお立場ですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 制約はあると思っております。が、それは合理的な理由がございますので、憲法の容認するところである、このように考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 その点、まさに大変議論の分かれるところだと思いますね。大変残念ながら、金丸先生の御見解、お立場に私は立つわけにはいかない。これはまことに基本的人権の侵害であるということを申し上げざるを得ない。ただ、このことの議論は、ここでいたしましても恐らく詰まる議論じゃございませんね、従来の経緯をずっと伺ってまいりますと。したがって、余り深みに入った議論は私は避けたいと思います。ただ、このことは参政権という基本的人権にかかわるきわめて重要な問題でございまして、私どもの立場は、基本的人権の侵害ではないか、憲法上きわめてゆゆしき疑義ある事項である、違憲ないし違憲の疑い濃厚なり、こういう立場、見解をとるということだけは明確に申し上げておきたい。  そこで、最後にこの問題に念を押しておきたいと思うのですけれども、参議院で、法制局の浅野局長が「民意の正確な反映のためにその立候補の自由をしばらく御遠慮願いたいということでございます。」こういう答弁をされているのです。これは議事録ですから間違いない。この御答弁を踏まえまして——この御答弁はこのとおりですか。訂正されますか、されませんか。なお、このとおりであるとするならば、これに対して補足的に説明があれば御説明を法制局からいただきたい。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。  そのような答弁があったものと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 だから、民意を正確に反映させるためには、少数政党や個人、無所属は立候補を遠慮してください、民意の正確な反映のためにあなた方が犠牲になっても、そこのところは目をつぶってしんぼうしなさい、こう言っている。いまの選挙法では民意が正確に反映されていないから、今度は政党選挙にいたします。それから、さっきも議論しましたように、今度は少数政党や無所属候補、あなた方は政党要件には該当いたしません。そのことは、イコール、その人たちからすれば被選挙権が奪われるということですね。基本的人権である参政権が侵害されるということですね。しかし、先ほど金丸先生がるるお述べになりましたように、それも現行制度による弊害等を考えてみますと、今回政党本位の選挙に改めまして、その結果、少数政党、個人の方々が立候補できなくなるということについてはごしんぼうしてもらうしかないということでありまして、憲法の容認するところである。つまり、そういう合理的な理由というものが別途存在するから、言いかえれば、そのことは公共の福祉に当たります、したがって、これはもうやむを得ないのですと、こうおっしゃるのだが、「民意の正確な反映のためにその立候補の自由をしばらく御遠慮願いたいということでございます。」ということについて私があえて説明してくださいと申し上げたのは、いまの選挙制度によりますと、民意の正確な反映は参議院全国区に限っては行われていない。民意の正確な反映をするためにこれを政党本位の選挙に改める。その民意の正確な反映がなされない理由の一つに少数政党や個人があるのです、あなた方はもうこれから立候補はおやめください、立候補の自由をしばらく御遠慮してください、その辺、しばらくと言うのだけれども、いつまで待ったらいいのですか。

三宅将夫参議院法制局第二部長

○三宅参議院法制局参事 お答えをいたします。  政党本位の選挙制度は、御案内のように、国民の政治的意思を適正にかつ合理的に国政に反映するものでございます。したがいまして、民主政治は、民意が国会の議席に、国政に反映することが真の民主政治でございます。民意が適正に反映するということは、真の意味で国民の参政権が実現する、こういうことでございます。国民全体の参政権が実現するために、反面といたしまして、ある程度参政権、すなわち被選挙権の制約があってもこれはやむを得ない、合理的な制約ではなかろうかという考え方でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 政党三要件にもう一遍戻りますけれども、この三要件は、私は、大政党が恣意的に政党のあり方あるいは基準を決めるべき問題ではないと元来思っておるのです。むしろ届け出のあった政党はすべて選挙に参加させる、これが本当の意味の政党本位の選挙ではないか。こういう基準のものが政党で、これ以下のものは少数政党、それは選挙に参加する資格はないのですよなんというようなことを政権政党、大政党と言ってはあるいは失敬に当たるかもしらぬけれども、そんな政党が決めるべき問題ではないですね。これは大変迷惑な話。本当の意味の政党本位の選挙ということであれば、どれが政党に当たるか当たらぬかというようなことはむしろ国民の取捨選択にゆだねる、任せるということが正確だろうと私は思うのです。政党ということになりますと、憲法二十一条の一項が認めておる結社の一種であると私は思いますが、いかがでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 もちろん、二十一条の言う結社の一つでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そういたしますと、憲法二十一条一項で言う結社の自由、その一つとして、政党の自由を憲法二十一条は容認をしておる。その政党のあり方につきましては、国民の自由な判断にゆだねるべきであるというのが憲法の精神、憲法の立場であろう、私はこういう解釈をいたします。ところが、申し上げておりますように、あえて大政党が恣意的に、政党はこういう基準のものを政党と言うのですと——憲法二十一条で言う結社の自由、政党の自由、政党のあり方につきましては大政党が恣意的に決めるのではなくて、むしろ国民の自由な判断にゆだねるべきだ。だから、冒頭申しましたように、届け出のあった政党はすべて政党だ、取捨選択は国民に任せる、姿勢としてはそうあるべきであったんだろうと思うのですね。そんなことを考えていきますとまた政党法ということにどうも頭がいってしまうのですけれども、しかし、そういう政党法をつくるということになると非常に批判が多い。それは何か。要するに、政党法をつくれば政党の自由、これが侵害される、そのおそれが多分にある、だから政党法はだめなんだという、今日までそういう議論の推移だったと思うのですね。その辺から考えましても、憲法二十一条一項で言う結社の自由の精神というものは政党の自由、政党というきわめて結社の中で重要な結社がその自由を侵害されるような政党要件、つまり先ほどから繰り返し申し上げますように、少数政党や無所属、個人が排除される、これはどう考えても憲法二十一条一項、この規定に反する決め方ではないかと私は思いますけれども、提案者はどうお考えでございましょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 御質問をお伺いいたしまして、私は二つの問題があるように思います。  政党要件を決めますことは結社の自由の制約とは関係のない問題でございまして、名簿を提出するための政党要件を決めますものが政党要件に関する規定でございます。それと、個人の立候補ができにくいとか、あるいはきわめて少数の政党が名簿を提出できない、いわば選挙ができない、それが結社の自由を侵すのではないか、この二つの問題があるように思うわけでございます。  後の方の問題がただいま先生が一番御質問になっておいでの点ではなかろうかと思うわけでございます。私どもは、政党の要件は結社の自由を抑制するわけではございませんで、名簿提出を認める政党らしい政党としての要件はこういうものが必要であろうということでございます。その結果として、小さい政党が名簿が提出できない、こういう点は出てまいることは出てまいります。個人の立候補の問題とあわせて結社の問題にお答え申し上げますというと、私どもは、結社の自由も基本的な人権ではございますけれども、やはりこれは政治的な自由権であって、合理的な選挙制度を採用いたします結果、そこにある程度の制約が出てまいりましても、私どもは、憲法に違反することはない、こういう考え方からでございます。社会党案も私どもと同じ基本的な見解にお立ちになっておるのではなかろうかと。またほかの政党におきましても、これは拘束名簿式の比例代表制で、若干違った点はあるようでございますが、私どもは、やはり拘束名簿式という考え方が相当にわが国の政界にもございまして、詳細な点に至るまで私ども御意見を承知いたしておるわけではございませんけれども、少なくとも社会党におきましても、基本的には結社の自由の問題も私どもと同じような見解をお持ちになって法律案をお出しになったように承知をいたしております。そういう意味で、自民党だけが独善的にこのような憲法的な見解をとっておるものではないということが申せるのではなかろうか、かように考える次第でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 憲法論の上でいろいろ意見しますと、一方は違憲なり、一方は合憲なりという、全く相対する立場での論争、これはいつまでたっても切りがつきませんが、ただ私は、事実関係としてはっきり言えることは、提案者もお認めいただいておりますように、この結果少数政党や個人、無所属の締め出しになってしまっておるということは否むべくもない事実なんですね、少なくとも参議院全国区、比例代表区選挙に関する限りは。したがって、そういう立場で参議院におきましても、直接的に今回の改革案によりまして立候補できなくなる、あるいは制約を受ける、そういう方々がきわめて真剣、深刻な議論を展開されたというように私は承知をいたしておるわけでございまして、したがって、なおそうした具体的な内容等につきまして議論を進めてまいりたいと思います。  公職選挙法は、選挙の公正を確保するという見地から選挙運動の規制を行っておる。他方、政党の政治活動というものを、これは選挙運動の枠の外に置いてありまして、これは原則としては自由ですね。いわゆる確認団体の制度というものがその接点になっておる。つまり、政談演説会、街頭政談演説、政治活動用自動車、ポスター、立て札、看板、ビラ等につきましては、選挙期間中は確認団体だけが一定の範囲で許されておりますことは御案内のとおりでございます。従来政党のその選挙活動と政治活動は、理論的には区別されてはいますけれども、事の性質上、実態的には非常に紛らわしいものとならざるを得ないということでございまして、このことにつきましては先般来当委員会におきましてもしばしば議論になったところでございます。今回これに政党自身のための選挙運動というものが入ってきたということですね、政党本位の選挙ですから。政党自身のための選挙運動、こういうものが入ってきた。したがって、ますますわかりにくくなる。混乱を生ぜしめる。私は大変な事態になるんじゃなかろうかと思うのですけれども、まず最初に、ただいま私が申し上げましたようなことにつきましてどのように提案者の方で御勉強をされましたか。具体的に政治活動か選挙運動かというようなことを中心に、選挙の公示の前後においてどのようなことになるのか等も含めまして、十分御検討、御勉強されたと思いますので、その辺のところをひとつ御説明をいただきたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  私どももいろいろこの問題について検討いたしました。政党の選挙運動というものが出てくるということは当然のことでございます。しかも、政党の通常の活動の中において、各党の政策なり、あるいはどういう考え方を持っておるか、あるいはその考え方をどのように実行しているかということは、国民の各位にわかっていただいているはずでございます。そういうことを前提にいたしまして、テレビ・ラジオ政見放送、あるいは新聞広告、こういった手段によって国民の皆様に各党の政策、考え方、あるいは実行度合い等をお知らせをいただく。それに基づいて有権者に御判断を願う、こういうたてまえをとりました。そのほかの部分について、考え方は原則として変えておらないのでございます。  そこで、最後にお尋ねがございました選挙の公示日前と後、こういった関連の問題についてどういう角度から眺めたかというお尋ねでございますが、本来政治活動は選挙期日前までは全く自由でございます。党の御判断によって、各般の選挙運動にわたらない限りは、もちろん政治活動ですからわたるはずはございませんけれども、わたらない限りは問題はないわけでございます。ところが、選挙の期日が近づいてまいりまして、政治活動を意図しておりながら政治活動に名をかりるような行動が展開されるおそれはあるだろう、ないとは言い切れない。まあ各政党の良識を期待しておりますからあり得ないと思っておりますけれども、もしそういう事態があり得れば、やはりこれは科罰対象の事案ということになり得る場合もあるだろう。しかし、それは個々の、その当時の状況によって判断すべき問題であって、私どもは、できるだけ政治活動という形を、確認団体の規制はございますけれども、その範囲を含めていままでのように自由に考えていくということが本来のたてまえではなかろうか、こういうことを基本に考えて立案をいたしております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 今度自治大臣にも御答弁いただきたいと思いますが、いまのことに関してでございます。いろいろ御説明いただいたのですが、私先ほど申しましたように、今回の改正法案のもとで選挙運動が行われる。その場合に、一体フェアプレーの精神に立って正々堂々の選挙戦が整々と展開されるであろうかと考えますと、どうもそうではなくて、かなり混乱が起こる。たとえば、違反事項等については一体厳正な処罰というものが可能だろうか。逆に言いますと、政治活動の自由というものが不当に侵害されるような取り締まり等が行われる危険性は果たしてないのか。まあ法の抜け穴といいますか、そんなキリのところを考えまして、思わぬおもしろい戦術等があらわれまして、それらがまた対抗戦術となって不当な取り締まりあるいは正当な取り締まり入り乱れる、そんな混乱が生ずるおそれは全くないのか。私は、やはりそういう点では不安、疑念というものがぬぐい去れないわけでございます。いま松浦先生お答えでございますけれども、これは実際問題この改正案で選挙をやる、政党本位の選挙ということになった場合に、いま私申し上げましたようなそんな心配は全くないか。いや、むしろそういう心配が大ありだと思うのですけれども、申し上げました点につきまして、重ねて提案者及び自治大臣から御答弁を賜りたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  先生が心配しておられるのは、政党本位の選挙ということになると、政党の政治活動と選挙運動との関連が非常にあいまいになってくる、その点からあらぬ誤解を受けるような問題が起こってこやしないだろうかというお尋ねだと思います。  その点は、確かにいままでの個人本位の選挙と違って、ややそういう感じが出てくるかと思います。しかし、理論的には政治活動はあくまで政治活動であり、選挙運動はあくまで選挙運動であろうかと思います。  ただ、その境が非常にぼけてくるという可能性があるということは、私どもも否定はいたしません。しかし、その場合においては、政治活動の自由をできるだけ侵さないようにということを基本に考えていかなければならないのではなかろうかなということを考えつつ立法した、そういう気持ちであったということを御理解をいただきたいと思っております。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 私もただいま松浦さんがおっしゃられたのと同じ見解でございますが、これは政党活動をするときには従来からもそうですが、政党で情宣活動の非常に上手な政党がございます。こういう情宣活動でいろいろな機会をとらえて情宣していく非常に能力のある政党と、さらに選挙中の運動の仕方、こういうことによって当選者とか選挙の結果というのがかなり個人そのものの選挙よりも左右されてくる可能性はあるであろう、このように考えるものでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 政党本位の選挙ということになるわけですけれども、そうなりますと、もう政党は本来的に日夜、常時不断に政治活動する団体ですね。個人でありましたならば、選挙時において立候補いたしましたということが、政党そのものでは政治活動になる。これがもう政党の使命でありますし、政党であるならば、政治活動を常時不断にしない政党は元来ないわけでございまして、したがってそういう意味では、政党は大変多様な国民のニーズというものを受けながら、勘案しながら、見ながら、それをいかにこうした政党を媒体として政治に反映をさせていくかというようなことを常に考えながら、政治活動をやっておる。これがいわゆる政党政治ということであろうと私は思いますし、また、こういう政党政治というものが議会制民主主義を維持発展せしめてきた、これも否定することはできないと思います。そういう意味では、政党の存在というものは非常に大きな今日的民主主義社会、国家形成への要素であったということ、あるいはそれを発展せしめてきた政党の存在価値というもの、これはやはり認めるにはやぶさかではないわけでございます。したがって、それだけにそうした政党が常時不断に政策活動を展開する、わが党はこういう政策を掲げて、国民の皆さん、有権者の皆さん、国政に反映をさせます、これは政党としてのある意味で言うなれば国民に対する崇高なる義務でもあると思いますね。そういう中で政策の宣伝を行う、政党のPRを行う、そしてその政党への支持要請、わが党はかくかくしかじかの政策を掲げ、政治理念を掲げて、それを国政に反映させます、どうか皆さん、わが党をひとつ御支持、御支援を賜りたい、これは政党として大いにやらなければならぬことです。少しもたゆんではいけないことである。元来、政党はそうあるべきだと思いますけれども、私のいまの考え方に対して同感である、こういう御見解をいただけますかどうでしょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  選挙が特定されるという事態になりますると、いろいろもやもやした問題も出てまいるかと思いますが、本来政党というのは先生の御指摘のとおりあるべきものだと私も考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 本来はそうあるべきである、原則的、基本的にはそうだ、そこまでわかりました。  それでは、この問題を詰める意味におきましてお伺いいたしますけれども、今度は政党が選挙活動の主体になるわけですな。政党選挙ですから政党が選挙活動の主体になる、こういうことでございますから、一体それならば政党の選挙活動の概念、それから一方、政党の政治活動の概念、この二つをひとつ分けてわかりやすく教えてください。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  政治活動というのは、先ほど先生から御指摘ございましたように、わが党はこういう考え方でこういう政策を掲げて、それを実行することによって国民の皆様を幸せにします、国民の皆様の御要望にこたえます、こういう一つの結社の、結社という形の政党の考え方、主張というものを常時展開していく、これが政治活動であろうかと思います。  選挙運動というのは、特定された選挙において、今度は政党中心の選挙でございますから、わが党に御投票ください、こういう主張を繰り返す、これが選挙運動だと思います。そこはおのずから明確に観念的には分け得ると思うのでございます。  要するに、選挙が特定をして、その選挙において御投票ください、先生の場合でしたら公明党に御投票ください、私どもの場合でしたら自民党に御投票ください、これが選挙運動だ、こう理解をいたしております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 御投票ください、御支援ください、言葉の使い方というのは、松浦先生、そこで区分できるんだとおっしゃる意味わからぬではありませんよ。ただ、従来の経緯ずっと追ってみますと、政党政治というものがだんだんだんだん発展してきましたね。その過程で、この政党の選挙活動と同じく政党の政治活動と一体これをどこでどう区分するんだろうかということは非常に紛らわしくなってきたという事実経緯がありますね。そういう中で確認団体制度を設けましたね。それでなくても紛らわしいのです。そこにいままでの個人本位の選挙が政党本位になる、政党が選挙活動の主体者になるということになると、ますますもってその辺の区分というのは実態的にはむずかしくなる。したがって、言葉の上で政党が、投票してくださいと寄ったからいけない、御支援くださいと言ったからいい、こんな分け方できますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 端的にそういうふうにお尋ねをいただいても非常に困るのでございますが、周囲の客観的な状況をそのときに踏まえてということだと思うのでございます。御支持くださいということならば、これはどっちかわからないもやもやしたという形になりますけれども、同月何日に行われる選挙においてはわが党に投票してください、こういうことになれば、やはり選挙運動だと言わないと、少なくとも選挙運動と政治活動とは法律で使い分けているわけでございますから、おのずからどこかに違いがあるはずだと思うのでございます。  そういう意味では、選挙の特定ということが非常に具体的に重要な、選挙運動か政治活動かの分かれ目になってくるんじゃなかろうか。ただ、最初にもお答え申し上げましたように、政党本位の選挙ということになりますと、その政党の政治活動と選挙運動との境が非常に不分明にだんだんなってくるということは私ども率直に理解をいたしております。そういう意味では、できるだけ政治活動の自由というものを阻害しないような方向で配慮していくべきだろうという気持ちでおりますことは、率直につけ加えさせておいていただきたいと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 もう言うまでもございませんが、繰り返すようでございますけれども、政党の場合は、常に、政党を宣伝いたしまして、そして政党の党勢拡大を図らなきゃならぬ、得票もふやさなきゃいかぬ、地方選挙、中央選挙、いずれにおきましても、得票もどんどんどんどんふやして、党勢を拡大をし、そしてやがて政権を展望する、これはもう政党の当然の使命であり、政党の存在意義はまさにそこにあるわけですね。  そういう前提に立ちますと、いま松浦先生、何月幾日行われます選挙に対しましてわが党を御支援ください、これはいけませんと。それなら日にち言わんとわが党を御支援くださいというのは、これはいいんですか。  これは実は、ふまじめな話でございませんでして、深刻なんですよ。公明党が、仮にもこの改正法案か改悪法案かは知りませんが通りまして、政党本位のこんな選挙制度になった場合に、さあ公明党として、いままでわれわれは、ずいぶん、公明党を御支援ください、こう言ってきました。公明党によろしくお願いしたいと言ってきました。公明党はかくかくの政策を掲げてがんばります、どうか皆さんよろしく公明党に対する御支援を、こう言って一生懸命呼びかけてまいりました。この公明党が、今度はそのまま選挙の主体者になる。その場合に、意図的に、投票を意図した、そういう呼びかけは、御支援くださいという言葉の言い方であったとしても、それは投票依頼行為であって選挙違反であるということになるのですか。その意図というのはどこで図るのですか。  私は、もう政党というのは、さっき言いましたように、とにかく得票もふやさなきゃいかぬ、党勢拡大を早く図らなきゃいかぬ、政権展望してなおがんばらなきゃいかぬ。そのためには多くの国民、有権者の理解、支持の拡大、これを求める行動をする、これは政党としての当然の務めでしょう。そこのところと、その政党に今度は投票するという選挙制度に変わるわけですから、この辺の接点というものを一体どこに求めるのか、区分というものをどこではっきりするのか、すべてそれは取り締まり当局の手にゆだねてしまうということであれば、前段申しましたように、全国各地でえらい混乱が起こるのではありませんかと、こう申し上げているわけです。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政党が中心になった選挙運動が出てまいりますために、政党の政治活動と選挙運動が、ややいままでより不分明になるという感じはいたしまするけれども、原則的に考え方が変わるわけではないわけでございます。  ただいま先生から御指摘をいただきました、わが党はこういう政策を持っております、よろしく御支持ください。それも周囲の状況で、投票くださいというふうに受け取れる客観的な情勢の場合と、われわれのいましゃべっておる政策を支持してくださいというふうに受け取れる場合と、これはそれぞれ先生でもやっぱり御認定ができるんじゃないかと思うのでございます。私は自分でできるような気がするのでございます。客観的な情勢、人の集め方、やっている場所、それから選挙との時期の関係、そういった問題があると思います。だから、一つ一つを、条件を設定をしないで、支持してくださいということはこれは政治活動です、投票してくださいということは選挙運動だということを一概に私が申し上げるわけにはなかなかまいらないのではなかろうか。あらゆる周囲の状況を判断をしながら、選挙運動にわたっておるか、わたっておらないか、本来の政治活動であるかどうかということ、これはこれまででも同じように取り締まり当局が非常に苦しんでおられたところ、だと思います。  そういうふうに御理解願います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 松浦先生、せっかくお言葉でございますが、これまででもとおっしゃいますよね。そうでしょう、それは。しかし、今度は、もう繰り返し繰り返しで恐縮ですが、政党本位の主体の選挙になるのですよ。だから、大改革でしょう。いままでは個人だったのですよ。いままでは個人選挙、個人の立候補者を支援する意味において政党がある。その政党が、一定の政党たるべき政治活動、それから政党としてそういう個人の候補者、これを擁立をして、当選をせしめなきゃいけないという場合の政党の選挙に臨む立場と、今度は政党そのものが選挙をする、これはもう大変大きな違いですね。ということになると、いままでもそうであったからうまくやるであろうとはおっしゃいますけれども、これはまたそういう大変な大改革ですから、そこで混乱が生じないのかということでお尋ねをしているわけでございまして、たとえば政策のPR等を通じまして、そして政党に対して投票を意図して、得票を意図して支援を訴える、これは問題ありませんか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政党活動がやはり自分の推薦する者を当選させることは一つの目的であるわけでございますから、政策の周知を通じて、意図は当選させる意図があったとしても、政策の周知をなさることは何ら問題ない、これは全くりっぱな政治活動、こう思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 これは現実にどういう事態になるのか、いまから軽々に予断できませんけれども、何しろ仮にこうした政党本位の選挙になるといたしますと、それぞれの届け出政党、立候補いたしました政党は、この政党本位の選挙に命運を賭して闘わなければいけないということになりますと、いま松浦先生のお答えで、意図は投票依頼、得票を得るということであったとしても、政策を通してやることは、これは結構だ、こういうお答えですね。これはどういうことになりますかね。ずいぶん華やかな念の入った大々的な活動というものが起こってくる心配といいますか、心配と言っていいかどうかわかりませんが、そんな可能性というのはありませんか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 どの政党も、やはり候補者を当選させる目的は常に持っておるわけでございますから、わが党はこういう政策を持っています、その結果皆様方はこういう形になって非常に幸せになります、何ぼおやりいただいても、繰り返して申し上げます、これは政治活動だと思います。しかし、あとは、その意図をお持ちになると同時に、選挙運動だと思われるような客観的な行動がとられた場合には問題になりますよということを申し上げておるのでございます。  ですから、具体的に申し上げますならば、政策をおしゃべりになられて、その後で、今度あと一週間後に行われる、公示になりまする選挙には、必ず公明党とお書きくださいということまで不特定多数の大ぜい集まっているところでやられますと、これは形式的にはやはり事前運動だというふうに認定される場合があるだろう、その辺のところは区分をしておいていただかないと、それでは政治活動と選挙運動は全部ごちゃごちやになってしまうわけでございます。その辺は賢明な坂井先生に十分御理解いただけると思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 松浦先生、せっかくのお答えですが、だから混乱しないかと私は頭で考えますのは、これは今度政党選挙になるのです。そうしますと、いままでとがらりと変わった選挙になるのですね。各政党もそのことの意識はずいぶんお持ちになりながら、今度こういう制度になった場合に、たとえばわが党であれば公明党と書いてもらいませんと無効なんですよ。そうすると、従来は個人選挙でずっと来たわけです。その個人候補者の名前を書かれたらば、これは無効ですから、やはり公明党と書いてもらわなければいかぬ、そうですね。  そうすると、仮にこれが通ったということに仮定いたしますと、恐らく、私はどの政党もそうだろうと思いますけれども、今度の改正案によりますと、公明党と書かなければ無効になるのですよ、これは全党員、支持者、有権者にこの制度の今度こういうことになったのだということを大いに知らしめて、間違いのないようにしてもらわなければいけませんね。そうすると、いま松浦先生おっしゃる、後で一言加えて公明党にと言われるのは困る、それはよくないのだ、政策のPRをやって、その後で、だから今度は公明党と書け、これはぐあい悪いですよと言われると非常に困る。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 私はそういうことを申し上げておりません。私も当然自民党の一員として、選挙制度が変わりました、今度は私の支持者に対して松浦功と書いてもらっては絶対困るのですよ、今度は自民党と書かないと一票が生きてまいりませんよということは、それは選挙の前でも私はどんどん言おうと思っておりますし、また言うことは一向に差し支えないと思っております。  問題は、要するにこういうことになったからこういうふうに書いてもらわなければ困りますよと言うことは結構だけれども、選挙を特定して、要するに来年選挙が近づいてきて、公示の十日前、二十日前になって、あの選挙には公明党と書いてくださいよという形をやると、これはやはり事前運動に引っかかる可能性がありますよと言っているのです。そこのところはおわかりいただいておるはずだ。  しかも、私は繰り返して申し上げておりますように、今度の制度改正に伴って政党の政治活動というものにできるだけ規制が加わらないようにという考え方で立案をいたしておりますということを繰り返して申し上げているのです。しかしゼロにはできない。それは選挙運動という観念と政治活動という観念が違うのですから、これは全く一緒になってしまうという言い方をすることは無理だ、私はそういうふうに申し上げている。最も典型的な選挙の特定、それに対する投票依頼ということにならないような範囲でお願いをしたい、こう申し上げておるのでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そこのところが実は私は頭が悪いのかわからないのですよ。つまり理論……(発言する者多し)済みません。ちょっと静かにお願いします。  理論的、観念的にはわかるのですよ、頭の中では。だけれども、松浦先生がいまおっしゃいますけれども、特定の選挙を意識して、それではまずい、だめなんだ、こうおっしゃるが、特定の選挙を指して——特定の選挙を指さなくたって参議院選挙は来年の六月あるのじゃないですか。そんなことはしょっちゅうあなたも言っておるわけです。来年になったら参議院選挙は政治決戦です、皆さんしっかりがんばりましょう、こういう話はしょっちゅうやっているのです。だから、そんな特定の選挙を指すも指さぬもないのです。もう来年は参議院の選挙なんです。そのことを想定しながら、指しながら、今度は公明党に頼む、公明党と書いてください、公明党と書いてくれなかったら無効になるのです、これは大変な選挙戦になりました、こういうことを言ったらこれは選挙違反だと言われたらたまったものではないですな。いいですか。来年の選挙を特定して……。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 私が申し上げているのは、来年の参議院議員選挙にはぜひ公明党と投票用紙にお書きくださいというような形にまではっきりしてくると問題が起こり得る可能性がありますよと申し上げているのです。選挙制度が変わったから、今度は松浦功と書いてもだめですよ、自民党と書かなければ投票の効力はないのですよ、それは単なる解説であって、制度の説明であって、そんなことは全然問題にならない、最初から問題にならないということをはっきり申し上げておきたいと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 何でこんなことを聞いているかというと、本当にこんなことで取り締まられたらたまったものではないから聞いているのです。来年参議院選挙があるのはわかっているのですよ。それじゃ松浦先生、来年は参議院選挙がございます、こう言って一たんここで区切りまして、区切り点を置きます、こう言っておいて、それで、選挙制度が変わりました、今度は私の名前とか個人の名前を書きますと無効になりますので、公明党と響いてください、公明党と書いて投票してください、これならいいのですか。来年参議院選挙がございます、その選挙に臨みまして、公明党とお書きください、個人名を書かれたら無効でございますと言ったら選挙違反、こういうことですか。今度は言葉の使い方がむずかしいのです。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 いまの前段は私どもも選挙違反にはならないと思います。  具体的に、先ほど来申し上げておりますように、明確に選挙を特定しての投票依頼と認められるような行動になるかならないかということだと思うのでございます。それ以上のことは、客観的な情勢がすべての条件が明示されての上でないと、私どもは右左のお答えはできかねます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 まあここのところは幾ら議論しても本当に僕はわからぬですね。これはむずかしいですな。このむずかしさを果たして、取り締まり当局と言ったらいいのでしょうか、何と言ったらいいのか、どういうふうに混乱のないように統一できるのか、これはずいぶん不安ですね。  それで、先ほどお答えいただきましたが、重ねて御確認いただきたいと思いますが、政治活動の自由をできるだけ侵さないような立場で立法をした、こういう松浦先生のお答えでございました。ということは、政党の政治活動に対しては少なくとも規制を強化すべきではない。一歩進めて、政党の政治活動は原則的にはもっと自由にすべきだと私は思いますけれども、いかがでございましょう。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 この法案によって政党の政治活動の規制を強化するという点は毛頭ございません。私自身も確認団体制度のあるものに昔携わってきたことがございますけれども、一体こういうことをすることがいいんだろうかという疑問を持った時期も一時ございます。そういう意味では、できるだけ政党の政治活動というものは自由にしていくべきだという考え方を持った一人でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 いまのお考えの方向で世耕自治大臣に重ねて御答弁をちょうだいしたいと思いますが、その前に、参議院におきまして坂田法務大臣が次のようにお答えになっております。政党本位の選挙が今日的意義を持ってきたといたしますならば、やはり政党活動に対してはそれなりの、より以上の活動ができるようにするのは当然ではなかろうかと考えます。こういう坂田法務大臣の御答弁、御見解でございました。より以上に政党が活動できるようにすべきではないか、こういうことでございます。基本的に私はこの方向は結構だと思います。世耕自治大臣の御見解を賜りたいと存じます。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 お答えいたします。  私も法務大臣と同じ意見で、政党活動というのは、まあ奔放と言っていいかどうかわかりませんけれども、自由で、党の宣伝を行うべきである。また政策を一これは私の個人的な見解ですが、日本の政党で党全体としての情宣活動が上手なのは、やはり共産党さんと公明党さんがお上手じゃないか、社会党さんと自民党さんの方はさほどではないと思うのです。音楽とか演劇とか、それから雑誌とかは、共産党は「前衛」を持っておられるし、公明党さんは「潮」を持っておられる。ああいういろいろな方法、手段を使って政党の宣伝、政策の宣伝、これは常時行うのが私は本来の政党のあり方だと思う。これを縮小しますと今度は昔壮士劇をやっていた川上音二郎とか貞奴が一座を組んで、これは明らかに政治を意図とした情宣活動であります。これは小なりといえども一つの政治活動だ。それから石田一松さんの時事小うた、これも小なりといえども一つの政治活動で、あらゆるいろいろな方法を通じて時の政局を風刺したり皮肉を言ったりして情宣活動に努めておった。これは本来、政党というのはそういう自由であるべきである。それを侵害したり侵したりするような方向が出てくるとなると、これはあるいは正しくないのではないか、そのように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 さて、選挙運動で戸別訪問の禁止の問題でございますけれども、何回もこの議論ございましたようでありますが、言論の自由の手段として戸別訪問というのはきわめて重要な役割りを持っておる。これを禁止することはある意味では言論の自由に対する重大な制限である。これは私は最高裁判例の精神だろうと思うのですが、このとおり理解して間違いないでしょうか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 戸別訪問の禁止が言論の制約であることはそのとおりであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、戸別訪問禁止をしました理由というのは三つございまして、一つは、買収の機会に利用される、二つ目には、候補者間の無用あるいは不当な競争を激化させてしまう、それから三つ目には、有権者といいますか国民が大変煩わしい、迷惑である、以上のようなことかと思いますが、今度個人本位から政党本位ということに変わりますと戸別訪問を禁止した意味はほとんどなくなると私は思いますが、ほとんどなくなると思う私の判断に対して、その部分で御見解を賜りたいと思います。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 現在の戸別訪問の禁止は、個人本位の選挙運動というものを前提としていろいろな弊害が考えられて今日まで禁止されておるわけでありまして、国民を代表し得るような政党活動におきまして個人本位の戸別訪問と同じような弊害が行われるとは考えられません。  ただ、戸別訪問禁止の理由のうちの先ほど指摘された三番目、要するに有権者がどう感ずるか、こういう問題についてはかって長い間選挙制度審議会でも論議をされまして、やはり当面はある程度秩序のあるかっこうで考えざるを得ないという意味で、人数であるとか時間であるとかそういった制限をもって考えるべしというような報告をいたしたこともございます。したがいまして、政党本位の選挙におきましては個人本位の選挙におけるほど戸別訪問の問題というのは騒がなくてもいいだろうと思いますけれども、何さま、現在個人本位の地方区とそれから今度政党本位になる全国区というものが重複して行われます場合に、なおかつ地方区における選挙運動の秩序というものをやはり崩すわけにはまいらないという点はあろうかと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 選挙部長が後段におっしゃいましたように、確かに私も最初に指摘いたしました個人選挙、政党選挙が混在する。ここに、まあ取り締まる側ということは余り言いたくありませんけれども、それもまた混乱があるだろうし、実際選挙する政党の側からしましても、候補者を抱えまして、個人選挙と政党選挙というものが混在した公選法の中でその立て分け、仕組みというものがなかなか組み立てられないといいますか、大変苦労されておる。そこらにもう大きな仕組み上、制度上の問題に起因をいたしまして、個別訪問の問題にいたしましても、ほとんどその意味はなくなったとしても、これの禁止を解除するという方向には制度的にもなかなかいかないという一つの制約があろうかと思うのですね。したがって、そういうようなこと等も考えますと、選挙制度そのものを、地方区も衆議院も定数是正等も含めまして、どうしてもこれは全体的に見直してみるというところまで発展せしめませんと、どうも一つ一つのことに対してつじつまが合わないといいますか、苦しい解釈をしなければならないというようなことだろうかなと私は思うのです。ただ、だからといって、それじゃなし崩し的に他の選挙制度もそれで右へならえというような式で改革していくということになりますと、これはまさに改悪でございまして、私なんか特に心配、危惧をいたしますことは、この制度が直ちに衆議院小選挙区比例代表制というところに転がり込んでしまわないかというきわめて重要な関心を持つわけでございます。  それはそれといたしまして、いまの問題等を通じまして、むしろ政党本位の選挙ということになりますならば、選挙運動そのものも大幅に自由化する。先ほども松浦先生ああいう議論がありましたが、大幅に自由化する。そして、政党と政党との間で正々堂々の政策論争が展開をされる。そういう中で有権者、国民が選択基準をはっきり持つことができるというように、政党の選挙運動というものは、選挙運動そのものも規制の方向ではなくて、むしろ原則的には自由にする、そういう方向が好ましいのではないかと思いますが、御見解をいただきたい。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 私も基本的にはそのように考えておりますが、現行制度の中には規制を緩めることによって各種の弊害が起こる可能性のある問題もございますので、なお時間をかけて慎重にわが党においても研究をさせていただきたい、こう思っております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 だんだん時間が迫ってまいりまして、実は盛りだくさんに用意をいたしてございまして、ちょっとあわせてお尋ねをいたしますが、政党の名称の届け出の問題でございますが、任期満了の日前九十日に当たる日から七日を経過する日までの間に名称を中央選挙管理会に届け出る、こうなっていますね。任期満了前九十日から七日間、そこで名称の届け出がされる。これは実際問題早過ぎて、先ほどから心配のような事前運動というものが起こってくるというようなことにならないかというような、危惧するような意見もあるようでございますが、その点に対する御見解と、それから任期満了の日前九十日から七日間に届け出ました政党名、それから略称、それがその後その政党が分裂してしまったという場合にはどういう扱いになりましょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 選挙の日というのは特定しておりませんので法律上書けませんので、任期満了の日前九十日といたしました。任期満了前の選挙が普通でございますから、九十日も余裕は出てこないと思います。それから、こういう名称が届け出られたということが党の機関紙あるいはマスコミ等の手段を通じてできるだけ国民に周知される機会があった方がいいだろうという判断、ただ余り前でございますとよくないだろうということで、九十日あたりがよかろうということで設定をいたしました。  届け出をしてから政党が分裂をいたしましたという場合には、名称保護を届け出た政党がなくなればその政党に撤回をしていただく、そして新しい政党が届け出るという……     〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕 どうも申しわけございませんでした。九十日から七日間でございますから、その間に二日目に届け出ていただければ新たな政党の名称保護の届け出はできますけれども、七日を経過してしまうとそれは届け出をするということができなくなります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 わかりました。  じゃ今度、公示または告示後二日間で名簿を添えて届け出ますね。そのときに、駆け込んでくるといってはえらい失敬ですけれども、三つの政党要件をなかなか満足させることができない、しかし公示、告示と同時にやっとこさ十名そろえたということでもって届け出られますね、名簿を添えて。その場合二日間ですね。もう二日の締め切りぎりぎりに飛び込んできた。それはどうしますか。つまり類似名称があるとかないとかいうようなことの判断、これはつきませんね。全部受け付けますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 二日目の五時までが選挙管理事務の受け付け時間でございますから、それまでに持ってきていただければよろしい。ただし、前もって届け出てございまする名称保護を受ける団体の政党名あるいはその略称、これと同一のものであったりきわめて紛らわしいものであったりした場合には受理されないということに当然相なります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それは一緒のものはわかりますね。紛わしいかどうか、紛わしくないのかということは、そんなことあるのかないのかわかりませんけれども、たとえば民主とか自由とか社会とかというのは政党名には非常に多いわけですね。その辺をうまく組み合わせまして、それで会とか党とか連盟とかクラブとかなんとかうまくまたひっつけまして、類似だと言えば類似だけれども、ないと言えばそうかなというような、きわめて巧妙なといいますか、そんな名前の政党が二日のぎりぎり間際に飛び込んできた。これは却下するか受け付けるか。どうするのですか、そのときの判断は。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 類似かどうかの判断は、これは選挙長が判断をするものでございます。これまでもいろいろそういった問題がありまして経験を持っておりますから、常識に合う判断をしてくれるものと思います。  後段のお尋ねの、五時ぎりぎりに持ってきた。ところが法律を知らないで自由民主党という名前で持ってきた。これはけられます。そうすると、次に新しく名前を変えて持ってきたときには五応を過ぎます。これはもうだめだということです。それよりはむしろ、恐らく自治省の方でそういう周知をしていただけるものと思いますが、あらかじめ相談をしておく、九十日前にもう保護する名称は出ておるわけでございますから、こういうものなら類似名称になりませんなというような相談をしていただく、そういうことによって問題が起きないという解決の道もあるのではなかろうか、こんなふうに思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それから、念のためですけれども、四十六条二項に言う「同項の届出に係る名称又は略称を自書して」という名称及び略称、名称は当然一つですけれども、略称も一つだけですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  略称も一つだけ届け出ていただくことになっております。一つのみ保護するという意味でございます。たとえばわが党でございましたら、これはまだ決めておりませんけれども、自由民主党というのが名称でございます。恐らく略称は自民党というふうになるのではないかと思います。そういう形でお届けを願うということでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それから、名簿登載者の選定、順位の決定、またそれに伴います選定機関の問題、どんな人を名簿に登載するのか、また、その人の順位を何番にするのか、それは全くその政党、政治団体の自由、任意に任せておる、こういうことですね。そうでありながら、それを決定する選定機関を設けなさい、こう書いてあります。  一番民主的な選定の方法は、党大会なんかで選定する、これが一番民主的だと思うのです。党大会で決めるというのも一つの方法ですよぐらいのことを書くのが一番民主的じゃないかなという気が実は私はするわけです。大変失敬だけれども、新聞紙上等で拝見いたしますと、自由民主党さんにおいてもこの選定基準づくりで大変なようでございますね。そういう御議論、御意見が出てくることはまことにごもっともなことでございまして、いま言ったように、だれを登載するのか、順位をどう決めるのかというようなことはその政党、団体の全くの任意でございますよ、自由にお決めください、こう言いながら、選定機関を一方に設けなさい、そしてここで買収とかなんとかが行われましたならば罰則をかけますよ、こう言っているわけです。この辺も問題がある。つまり、政党の自主的な機関決定の場に公権力が介入してくるというようなことは決して好ましいことではない。これは法律上そう書かざるを得なかったということなのでしょう。これを発動させようという意図でもって書かれたのでは決してないと思いますよ。私は善意に理解しているのです。しかしながら、名簿登載者の選定につきまして、順位の決定につきましてこれを任意の形にゆだねるということを言いながら選定機関で決めなさい、こんなことを言わないで、それは理想的には党大会あたりで民主的に決めた方がむしろトラブルもなくきわめて民主的、公正、厳正にいくのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 選定機関と書いてありますためにそういう御発想もあるかと思いますが、党大会で決めるというふうにしていただいた場合は党大会が選定機関になると思います。何人かの委員で決める場合にはこれも選定機関だと思います。そうじゃなくて、全くトップが一人で決めるというのもこれも選定機関だと思います。これはそれぞれ各党のこれまでの経緯がおありでございますので、どのような形でお決めになるかは各党でお決めいただいて結構です、選定機関というものはそういうものだ、こういうふうに理解をいたしております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 なるほど。そうしますと、党大会で決めてもよろしいということだけれども、仮に党大会でえらい買収が行われた場合、その責任者といいますか、それは一体だれになるのでしょう。大会を構成する人といったらどういうことになりますか、大会の委員長ですか、その党の党首ですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 党大会は投票で決めるというふうになっておりますれば投票権を持っている人全員ということだと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 なるほど。買収等行われますと公権力が介入すると書いてありますけれども、さっきちょっとお尋ねいたしましたが、これは介入させようという意図で書かれたのではなくて、事件といいますか、問題の所在が客観的に見てばっと浮かび上がってきた、公権力の介入というのはそういう場合ですか、介入といいますか公権力が働くのは。強いてこちらから、おかしいぞとどこかから言ってきた、どこかの政党か団体があの党の決め方はおかしいからと言ってきたから、じゃ一遍調査してみましょうというようなことはあり得ますか、あり得ませんか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 大変むずかしい問題でございますが、選定罪というものをつくりました趣旨は、私どもは政党の良識を信用しておりますから、本来こういうものがあるべきだとは思っておりません。しかし、国民の信託を受けて政党が国民の意思を国会に正当に反映する媒体となるわけでございますから、その政党がみずから襟を正すために、こういうことはあり得ないのですよということを有権者の前に明示しておくことの方が望ましかろう、こういう考え方で、むしろ政党の自律、そういう意味の規定というふうに御理解をいただければ結構かと思います。  具体的に捜査の端緒となるのはどうかというようなことになりますと私ども専門家ではございませんのでよくわかりませんが、内部告発で、たとえば名簿の下の順位になった者が、ある人が選定機関の一人にえらい金をたくさんやったためにおれより上になった、おかしいじゃないか、こういうようなことから表へ出ることもありましょうし、あるいは他党の方からそういうことが出てくるというようなこともあるかもしれません。私どもはこういう事犯が起きないことを心から念じつつ、政党の良識というものを信頼しておる、その前提でなおかつ書きたかった、この気持ちを御理解いただけたら幸せでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 供託金の問題でございますが、供託金につきましては四百万円掛ける名簿登載者の数、こういうことですね。そうすると、供託金を出す人は政党ですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お説のとおりでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 不幸にして名簿に登載された方が選挙公示前に、投票日前に死亡した場合、供託金は返還されますかされませんか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 現行法では、死亡いたしますと戻るようになっております。今度の制度では没収点という考え方ではございませんで、当選者の二倍に相当する数を超えたものは取られるわけでございますから、死亡、死亡でないにかかわらずその計算によって処理される、こういうことでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、五十名の名簿を添えて出しまして選挙をやって、一名当選して四十九名落選。四十九名の落選者の中には——まあ、これは個人個人の供託金ではございませんからいまの御答弁でよくわかるのですけれども、しかし、これは非常に極端な例かもしれませんが、一名が当選して四十九名落選、それが六年の期間中に繰り上げ、繰り上げ、繰り上げで四十九名、五十名全員参議院議員の資格をお取りになる。そうしますと供託金は全く返還されない。そういうことはもう割り切っていらっしゃるということですな。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お説のとおり、五十人名簿に載りまして一人当選された、そうすると二人分の供託金はお返しをいたしますが四十八人分は没収をされる。しかし、六年の間に一人一人順々に亡くなっていかれて五十人全部がなられたということになりましても供託金の返還はございません。  と申しますのは、政党選挙であるのにかかわらずなぜ供託金制度を設けたかというと、いまの供託金制度の設けられた趣旨の中に泡沫候補の制限という目的が一つあるわけでございます。それと同様に、各政党らしい政党におかれては自分の政党の力量というものをある程度御推測をいただいて、選挙戦略なり選挙戦術なりという観点から当選できそうな方の二倍程度を名簿に載せていただくということをおやりいただけるものだと私どもは期待をいたしております。逆に言いますと、一人しか当選する力量がないのに五十名も名簿に出していただくということになりますと選挙が混乱をしてまいります。そういう意味がございますのと、あわせてもう一つは、公営費用の一部を分担していただくという精神がそこに入っているわけでございます。そういう意味から、制度的にはどうしてもそういうふうに割り切らざるを得ないということになりました。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 他党のことを申し上げますと失敬に当たりますのでわが党のことを申します。御答弁を受けまして、控え目に公明党が十名の名簿登載者ということで出しましたところ、結果として比例配分で十二名の当選枠が獲得できた。そうすると、十名しか名簿を出しておりませんのであとの二名はよそさんの党に回ってしまうのですね。これはずいぶん奇妙なことで、それなら最初から遠慮しないでもっとたくさん者簿を出しておけばよかったということで、その政党の不明ということも一方にはあるでしょう。あるでしょうが、しかし選挙というのはやってみなければわかりませんし、結果的に十名出したものが十二名の枠を獲得できた。そうしたらよその党へ回さないで欠員にしておいたらどうですか。投票者の意思は公明党に投票したのですね、決して他の党さんに入れたわけではないのです。ここのところは選挙民の意思を尊重しませんか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 全く御指摘のとおりでございます。先生のお考え方は一つの制度をつくる上のりっぱな考え方の一つだと思います。しかし私どもは、定員五十名でございます場合に四十八名しか当選者が出ないというような選挙はやはりよくないだろうということで、ドント式で計算をいたしますると結果的には他党に回るという形になります。しかしその点については、口幅ったい言い方になりますけれども、ひとつどうぞ慎重に御考慮をいただきまして、そういう事態が起こらないようにお願いをいたしたい、こう思っております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 残念ながら時間が参ったようでございます。実は盛りだくさんに用意いたしてございましたが、きょうは二つぐらいしか消化できなかったようでございます。残余の問題は次回に譲りまして、本日はこれで終わりたいと思います。(拍手)

久野忠治自由民主党

○久野委員長 岡田正勝君。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 私は実はこの法案に対しましては反対の意思を持っておるのであります。なぜならば、参議院においても十分に審議を尽くされたはずでありますが、肝心の憲法問題におきましても、十四条一項、さらに十五条、二十一条の一項、四十三条、四十四条と数多くの点におきまして憲法学者の間においてすら賛否両論に分かれましてなかなか決着がつかない。中には、十四条一項のごときは大方の学者が限りなくクロに近いという判断を示しておるのにかかわりませず、参議院におきましては参考人を含めてわずか四十時間の審議をもって委員会を強行採決なさいました。このことについていまでも私は憤激をしておるのでありますが、議長裁定によりまして参議院の本会議が招集されたからには、議会制民主主義の政党として本会議に臨んで正々堂々と反対意見を申し述べて採決に加わるべしという態度をとったのが私ども民社党の姿でございます。  したがいまして、衆議院におきましても私どもはこの委員会の審議にまじめに参画をしておるのでありますが、冒頭申し上げたような限りなくクロに近い憲法の解釈の問題を残し、そして少数派を切り捨て御免という、五十五年の選挙におきましても一七・一%を占めたような無党派層を切り捨てるというまことに乱暴な荒療治をやってのけるようなこの法案に対して、私は多くの疑問を感じておるのであります。多少言葉が過ぎるかわかりませんが、自社両党のあうんの呼吸をもっていまようやくここまで法案の審議は進んでまいりました。私はこの段階におきまして、反対ではありますけれども、この法案の中におけるいろいろな疑問点をたださなければならない立場にあります。そこで冒頭にたとえ話を一つ申し上げておきますが、これは実話であります。  私が市会議員をやっておりますときに、ある日こういう議案が出ました。十万人の市民の汚水を処理する汚水処理場をつくろうではないか。結構なことであります。だがしかし、御承知のとおり汚水処理場というのは膨大な水を必要とするのであります。人口十万人ということになりますと日量四千トンの水がなくては処理できません。ということから、まさか上水道の水を使うわけにもまいりませんので地下水のあるところを探さなければなりません。ところが、当時私は野党におりましたが、三十六名の議会の中で二十四名が与党でありました。この議会制民主主義の時代におきましては多数で物が通るのですからやむを得ないとは申しながら、その汚水処理場の位置を設定するに当たりまして、特定の地域を、ここを買おう、その土地買収を決める、いわゆる土地を買い占める議案でありましたが、そこはボーリングをして取水試験をしてみたのか、水が幾ら出るかということを試験をしたか、全然していないと言うのであります。水が出るか出ないかわからないところへ膨大な何万坪という土地を買いまして、十万人の汚水処理場をつくったが、肝心な水は出ないということになったら、その損害は一体だれが責任を持つのであるか、そんなむちゃなことはないではないか、まず候補予定地のボーリングをして水の試験をしてみるべきではないかという、だれから聞かれてもあたりまえの、決してやぼでもごろでもない意見を私どもは主張をしたのでありますが、どういうことか多数の力におごりました与党は、ええい問答無用である、水が出るか出ぬかは採決で決めよう、こうなったのであります。本当にこれは議事録に残っておりますが、採決で決めてしまったのです。  こういう乱暴な話がありますが、いまだから笑い話で言えるのでありますけれども、この法案の審議が、少なくとも憲法に抵触するのではないかという重大な問題をはらみながら、一七・一%の無党派層の皆さんを締め出しにしてしまう。よく言いますね、あれは少数派だからほっておけということを言いますが、少数派決して少数ではありません。少数派には多数の支持者がおるのであります。そのことを忘れて、切り捨て御免というような乱暴なことがいままかり通ろうとしておるのであります。私は、その点の憂えをまず冒頭に申し上げまして、発議者の皆さん方の真摯な応対を期待をする次第でございます。  まずお尋ねをいたしまするが、この改正の理由として三点挙げられました。第一が、余りにも全国区は広過ぎる、これはだれも納得します。第三の理由は、八千二百万の有権者がわずか百名そこそこの候補者を選択するにしては選択が困難である、これもある程度うなずけます。第三の理由は、金が余りにもかかり過ぎて困ってしまう、だから金を使わない選挙をやりたい、これが三つの提案でございます。一番と二番はよくわかりますが、第三番目、私は全国区の参議院に残念なるかな出たことがありません。したがいまして、金がかかり過ぎるということを承りますが、どのくらい金がかかったのか、お答えをいただきたいと思います。特段に指定をいたしませんから、どなたからでも関係者から御答弁願います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 私も全国区に出ておるわけではございませんけれども、いろいろ私どもも話を聞かされるわけでございます。また第六次、七次の選挙制度審議会におきましても、金がかかり過ぎるということは言われておりましたし、昭和三十年代から相当にそういう声が強くなってまいったように思います。  選挙にどれだけの金がかかったかということは調査することもなかなか困難でございますが、幸いに私どもの斎藤栄三郎先生が勇気をふるって御自分の体験を公表しておいででございます。たしか四億か五億ほど自分の財産を売却なさって、いろいろな経費に充てて、そして選挙に臨んだという、これは偽らざる体験でございます。私は、そのような事例は恐らくは少なくない、斎藤先生のように御自分でお金を調達なさって、御自分でお使いをなさったような場合と、いろいろな支援団体の方々がそれぞれの地域ごとに、支援団体が御自分で多額の経費を調達し、それを使って選挙応援をしてくださる、こういう事例も多々あるのではなかろうかと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ただいまの御答弁で、斎藤先生の実例が出されたわけでございますが、私どもの感覚からいいますと、お互いにきれいな選挙をやろう、金を使わないようにしよう、みんなりっぱに堂々とやろうではないか、その結果使いました費用というものは選管へ報告をなさるはずでございますね。この選管に報告をされました金額というのは、五十五年の選挙の全国区の方で結構でございますけれども、最高はどのくらい、最低はどのくらい使ったか、そしてそのときの法定選挙費用は幾らであったのかということをお答えいただきたいと思います。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 法定選挙運動費用が三千八百万円でございます。それからその選挙後、選挙運動費用として報告がございました最高が三千四百九十二万八千円、約三千五百万でございます。それから最低が千五百四十円となっております。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 金がかかる金がかかるとどこからともなく、みんながそうだろうなという感覚だけで物を言っておるのでありまして、実際にこれを証明できるものは何かといえば、選管に御報告になりました、先ほど報告のありました三千四百九十二万八千円が最高でありまして、法で決められました枠内、いわゆる三千八百万円よりも下回っておるのでありまして、一番少ない人なんかは千五百四十円、実にたまげるのでありますね。だから、使う人は自分が勝手に使っているわけですね。選挙民が使えと言っているのではありません。本人の意思によるのではないでしょうか。ということになれば、この報告がもしうそなら話は別です。しかし、われわれ国会議員が出るところへ出て論議をする場合、金がかかったのかかからぬのかということを論議する場合には、この法定選挙費用の三千八百万円が高過ぎる、かかり過ぎるから、これをもっと下げようという話なら大いにまじめに論じてよろしいと思いますが、しかしながら、この届け出では最高でも三千五百万円を切っておりますのに、なぜ金がかかると御説明になるのでありましょうか。重要なる提案理由の中の一つでございます。お答え願います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 選挙に金がかかると言われておりますのは、全国区の選挙の公示がございましてからよりも、むしろ立候補の準備と申しましょうか、いわゆる瀬踏み行為と申しましょうかのために、北海道から沖縄に至る地域までずっと講演会をなさるとか、あるいは座談会をなさるとか、あるいは支援団体の幹部との会合をなさるとかいうようなことで一種の運動をなさる、それに大変な経費がかかるわけでございます。斎藤先生からは私も直接にお聞きいたしましたけれども、準備の一年ないし二年の間に大変な経費がやはりかかるのだ、私はこれはやはり実態ではなかろうかと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 推察をしておっしゃるのでございますが、私どもはいやしくも衆議院の公選特の委員会において審議をしておるのであります。金がかかり過ぎるからという理論的な根拠を実態をもってお示し願うのがあたりまえじゃないんでしょうか。国民が聞いたってわかりませんですよ。かかるだろうなというのは、みんながかかるだろうなと大合唱するからそうかなと思うだけでありまして、それじゃ、だれがどのくらい使ったのかということが明確になりませんと、これは審議の対象にならぬじゃありませんか。提案理由の三つの中からそれを削られるのなら話は別ですけれども、それを引っ込めないなら、金がかかり過ぎるという実態はかくかくしかじかのとおりでありますということを、特定した人間でも結構であります、ぜひともひとつ実例を一つだけでもいいから御披露いただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 ごもっともな御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、参議院の選挙にせよ、あるいは衆議院の選挙にいたしましても、そのほかのいろいろな選挙にいたしましても、現実にどのくらい選挙のため、あるいは準備のために金がかかったということの実態というのはなかなか調査がむずかしゅうございます。私は、先生もその辺はよくおのみ込みをいただけるんじゃないかと思うわけでございます。  三十年来全国区の制度が非常に困る、そしてその一つの理由として金がかかり過ぎるということは、私は、もうほとんど一致した意見ではなかろうか、このように思います。  唯一の例として私どもが持っておりますのは斎藤栄三郎先生の例でございまして、これは、御自分の御体験を新聞にも公表なさいましたり、雑誌にも公表なさいましたり、また一冊の本にもまとめておいででございますので、これはぜひ、後ほど手に入れて差し上げますので、ごらんをいただきたいと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ここで私がにこにこ笑っちゃいかぬところでありますが、どうもここらが言わず語らずというところなんでしょうが、しかし私は公選特の実は委員でございますので、ここでやはり怒らなければいかぬですね。これは笑っちゃおれぬのであります。やはり金がかかり過ぎますということが三つの理由の中で一番のウエートを置いてありますね。広過ぎるというのは、あの終戦直後からの全国区を戦ってきた人から言えば、今日ぐらい便利で、ありがたいときはありませんね。新幹線は走っているし、ほとんどの鉄道も便利がよくなったし、飛行機はどんどん飛んでいるし、まあそうあんまり苦労するということはない。そして、その運動に体が疲労するからというが、そんな体が疲労してつぶれるような人なら頭から出なければいいのであって、それを無理して出るからいかぬので、それは本人の不注意じゃないでしょうか。ということになれば、一番大きな理由である金がかかり過ぎるという問題について、また後ほどその本でも取り寄せまして私に進呈しようなんというのでは、私はその斎藤先生の自叙伝が欲しいのではないのであります。私は、ここに出ておる法案のまじめな提案理由の中の一つである金がかかり過ぎるというのは、一体実態はどうなのであるかということを国民の前に明らかにすることが発議者としての私は最大の責任ではないかと思いますが、いま一度お答え願います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 昭和二十年代は、立候補者も多うございましたりいたしまして、第一回の参議院選挙の最低得票は十二万でございます。第二回目が約十五万票でございます。今日は、御承知のように、六十二万票に上がってまいりました。そして交通は便利になりましたけれども、それだけに六十万票以上の得票を得ますための御苦労は、私は、それぞれ並み大抵ではなかったように思います。私も親しくさせていただいておりましたが、向井長年先生もあのようなことがございました。やはり私は、参議院の全国区については大変な肉体的、精神的、財政的な御苦労が非常に多い選挙制度で、五十名の人を八千二百万の有権者が選挙するというのは大変無理で、これは大統領選挙ならば有権者にもわかりますけれども、非常に根本に無理がある。したがいまして、るるいろいろと申し上げましたが、地域が広大でございましたり、たくさんの得票を得なければならないということから、一年二年前から準備におかかりになりますので、その間日に見えないお金も大変にかかっておる、これが実情でございまして、私が的確な資料を持っていないことは大変申しわけございませんけれども、これはなかなか調査がしにくいということで、どうぞ御理解をいただきたいと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 まことに不満でありますが、金がかかり過ぎるという、三つの提案理由の中の最大の理由の説明がはなはだあいまいもことしておったという事実を残しまして、不満のまま次の質問に進んでまいりたいと思います。  それでは次にお尋ねいたしますが、金がかかる金がかかるということをしきりにおっしゃるのでありますけれども、今度の改正案に基づきまして確認団体の方におきましては全国で一団体について七万枚のポスター、そして三種類の政策ビラ、これは大きさも規格も数も制限がないというふうに承っておりますが、間違いありませんか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 ビラにつきましては種類制限だけでございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 いまお答えがありましたように、七万枚のポスター、これはそれ以上ふえれば五千枚ずつという規定がありますけれども、大型のポスターは一応その数が決まっております。ところが、この三種類の政策宣伝ビラにおきましては全然規格も、そして発行する量も無制限であります。何億枚刷ろうと勝手であります。そしてしかもそのポスターを張り、三種類の政策宣伝ビラを全国にまき散らして歩く人たちの人件費あるいは費用あるいは自動車あるいは食事、そういうものについても何ら制限がありません。そして一切の報告をする必要もありません。ということになれば、莫大な金がかかるんじゃありませんか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政治団体として、確認団体、これの行動については、いまおっしゃられたような制限は設けておりません。無制限にとおっしゃいますけれども、結果的には政党が使う金でございますから、政党の支出の部に政治資金が載ってくる、こういう形になりますから、極端なことはなかなかできかねる、こういうことだろうと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 そこで、いま無制限に出されるものではあるけれども、しかし結果的にはその金は政党が支出をするのであるから、おのずからそこには節度が保たれるであろうという希望的な御観測であります。だがしかし、それはいまこの場における観測でありまして、実際には幾ら使ってもいいわけですね。これはもう天井がないわけであります。こういう野放しの制度を、金がかかり過ぎるからという理由で改正をする法案の中に野放しの制度があっていいのでありましょうかね。非常な疑問を私は抱いておりますが、再度お答え願います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 ただいま確認団体のお尋ねがございましたが、本来政党の政治活動というものは全く自由でございます。どれだけお金を使うか、何ら制限はないわけでございます。そういう意味合いとの関連から、これだけを抑え込むということは制度的な関連からいってもいかがかということでございますし、また私は、政党の良識というものを最後まで期待いたしたい、こう思っております。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 それでは次に移らしていただきます。これは質問が単発的になりますが、お許しをいただきたいと思います。  わが国がそもそも二院制度をとりましたのは一体いかなる理由でありましょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 御承知のように、新憲法の制定の際、米国側は一院制を主張し、わが国が二院制を主張し、米国側は、日本の面積からいいまして州程度のものだから一院でいいじゃないかという考えであったようでございますが、わが国は明治以来二院制でございましたので、やはり衆議院に対するチェックの機能、良識と申しましょうか、理性の府としての機能を期待して、政治的な調整と申しましょうか、というような機能を果たすような第二院を設けた方がいいという日本側の主張が通りまして二院制度になったと、かように承知いたしております。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 世界で一院制をとっておる国と二院制をとっておる国がありますね。現在、国連に加盟していない国も入れて百六十六カ国ほどあるはずでございますが、その数がわかりましたらお知らせください。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 その正確な数は現有資料を持っておりません。昭和四十年代は二院制の数が多かったと記憶しておりますが、現在では一院制の数が相当上回っておると承知いたしております。これは小さな独立国がその後非常にふえましたから、こういう理由だと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 私が調べたところでは、世界では一院制をとっておる国が、後からの独立国がふえておりますので、その関係上百六カ国、そして対する二院制をとっておる国の数は四十六カ国ということを聞いております。  さてそこで、わが国と切っても切れない関係にありますアメリカ、ここの上院と下院の議員の数、そして国民の現在の数は幾らでしょうか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 人口が三億ちょっとと記憶しておりますが、上院は百名と承知しております。下院が四百三十五名。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 次にお尋ねいたしますが、いま私どもは日本における参議院の全国区制度を審議いたしております。さて、世界の国で全国区制度を採用しておる国は幾つありますか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 先進国でわが国のような全国区制度を設けておるところはございません。ただ、オランダが結果的には全国区制度と言えるようなシステムをとっておると承知しております。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 私の調べておるところでは、世界で日本の参議院のように全国区制度を採用しておる国は一つしかありません。これは中米にありますところのグアテマラという国だけでありまして、その国の人口は二百九十三万人でありますから、東京都の人口の四分の一であります。いまわが日本の人口は世界第六番目になっておりますね。人口の一番少ない方から勘定したらいいようなグアテマラと同じような制度をとっておる。いまここで私が言うのは、いままであります全国区の制度というものを変えようとなさるから、改めてそのことを申し出ておるのであります。なぜそこまで全国区制度にしがみつかなければならぬのかなという疑問がそこで一つ起きてくるわけであります。先進国におきましても全国区というのはございません。  次に、長い間二院制度をとってきましたにかかわらず、近年に至りまして一院制をとることに変えた国、御存じでありましたらお知らせいただきたいと思います。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 存じておりません。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 私の調べましたところでは、約一世紀にわたって二院例をとっておりました国が、一九五〇年代に一院制に変えたのがニュージーランド、そしてデンマーク、それから一九七〇年代に入りましてスウェーデン、こういうふうになってきつつあるわけです。  先般来の質疑応容の御意見を聞いておりますと、わが国におきましては二院制度を廃止して一院制というのはまだ時期が早いと思いますというようなお答えもありましたから、このことについては質問を申し上げません。だがしかし、参議院の全国区あるいは二院制度というものがいま世界でどの程度、どういう状態にあるかということについては、私の質疑を通して明らかになったと思うのであります。  さてそこで、わが国のことでありますが、総理府がことしの四月に発表いたしました社会意識の世論調査というのがございましたね。その中で、あなたにとって最も大切な選挙は何でありますかという問いがあるんです。その問いに対しまして答えておりますのは、これはさすがにトップは、地元で非常に密接な関係のある市町村会議員選挙でありまして、これは三七%が最も大切だという答えをいたしております。その次は、衆議院が二番目であります。大いにがんばっております。二一%であります。  さてそこで、三人の先生に、これは総理府が出したんですから、まことに申しわけないのでありますが、わが国の参議院議員は一番最低の一%です。一%しかありません。私はこのアンケート調査を拝見をいたしまして愕然としたのでありますが、こういう厳しい国民の目の中にあって、この全国区の改正制度をいま私どもは手がけておるわけであります。あなたにとって最も大切な選挙は何ですかというこの一%の現実を踏まえて、三人の先生方、どのような感想をお持ちでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 参議院がその本来の役割りを果たすように、法案の審議でございますとかあるいは長期的な視野に立ちました調査とか、そういう働きをいたしまして、国民に存在の意義と申しましょうか価値と申しましょうかがあるような現実の働きをいたしますことがやはり一審大事なんだということを私も痛感をいたしておる次第でございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 しばらくの間ちょっと耳の痛いことばかり言いますから、お許しをいただきたいと思います。いま先生の非常にまじめな御答弁がございました。うん、なるほど、参議院の存在理由を踏まえて、その役割りをよくわきまえてよく活動しておるわい、働いておるわいということを示さなければこの一%は上に上がらぬだろう、非常に謙虚なお答えでございまして、私、非常に喜んでおるのであります。ただ、現実はどういうことであるかといいますと、決して私がそう思っておるのではありません。日本国内における大方の国民がこう言っておりますね。参議院は衆議院の、大変失礼ですが、カーボンコピーではないかと陰口をたたいておりますよ。大新聞でさえも明らかに活字にして出しております。私は非常に残念なことだと思います。こうやって陰口をたたかれておることについて、参議院の先生方二百五十二名は心から憤りを感じ、あるいは反省もしていらっしゃると思うのであります。  そこで、前河野議長の時代に、このままではいかぬ、参議院の独自性を発揮しなければならないというので、自主性の確保のために党議の拘束を受けないように緩和を目指してがんばろうではないかということで一生懸命努力をされてきた。そして、参議院の独自性を発揮しようと思って今日も皆さん一生懸命努力をしていらっしゃいます。だがしかし、肝心なことは、参議院が衆議院のカーボンコピーではないかと陰口をたたかれるその原因は何かということを考えれば、あの緑風会の時代は遠くに去って、いまはだんだんと政党化されつつあるその参議院の姿に国民は愛想を尽かして一%という数字が出たのではないでしょうか。そこへもっていって、それだけの国民の意識があるのにかかわらず、このたび全国区制度を大幅に変えて、あろうことか政党による選挙、全くの政党化してしまう、そういう選挙をここで行うというこの法案が通ってしまったら、どこに参議院の存在理由があるのでありますか。衆議院の数の力、力の政治に対して、参議院はそれを抑制し、良識を持って理性的に国民の利益を図っていこうとするその存在理由というものは全くなくなってしまって、衆議院と参議院とは選挙の日にちが違うだけであって、全く同じことになってしまうのではないでしょうか。完全なる党議の拘束を受けますよ。  今度の法案では一つだけしり抜けがありまして、名簿で推薦をされて当選をしたが、その当選さしてくれた政党が余りむちゃくちゃなことを言って、党議に従え従えと余りうるさいことを言うから、よし、この際おれは飛び出て無所属になってやろう、なっても何ということはない、議員の資格は変わらぬのだから、その籍を失うことはないんだからという一つだけ救済の策がありますね。しかしながら、政党のおかげで当選をいたしました議員がそんな乱暴なことができるでしょうか。気に入らぬからといって党をすぐ脱党するようなことができるでしょうか。私は、恐らく理論的にはあっても、実際にはそうざらにはあることではないと思うのです。この国民がいま一番心配をしておる衆議院と参議院はどこが違うのだ、何にも違いはせぬじゃないか、まさにカーボンコピーではないかと陰口を言っておることが、今度は正々堂々と、参議院も衆議院と同じく政党化いたしました、党議の拘束を受けるのでありますという実態をこの法案で示したら、国民はどれほどか仰天をするであろうと思うのであります。その点について御意見を伺いたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 参議院の政党化の問題も、参議院の本会議、委員会を通じまして最も熱心に論議された点でございます。政党化の問題は、私は前にも申し上げましたように、参議院の全国区の改革ということはわが国の現在の各党を通じて一致した意見になっておる、私はかように見ております。私どもそれから社会党案は、拘束式の比例代表制、恐らく共産党もそれに近いお考えではなかろうかと思います。民社党、公明党の皆様方の方ではブロック制というお考えのようでございますが、ブロック制にいたしましても、政党化を防げるのかということについてはやはり同じではなかろうか。実は二十一年の初めて参議院議員の選挙法が国会で審議されました際に、この制度では将来政党化されますよという指摘がございます。堀切善次郎さんが、名簿式の比例代表制を採用したらどうかということを昭和二十七年の時点で指摘されておることがございます。私は、現在の全国区という制度を存置して直接選挙の制度をとります以上政党化はやむを得ない、ここに国民の期待と現実の選挙の実際とがあると思います。私どもは、この政党化の流れというものは不可抗力である、ある意味では自然である、その中で参議院をどういうふうにしていかなければならないか。拘束式によりましていわゆる出たい人よりも出したい人が出し得る。各党が広く——私参議院で申しましたのは、集票能力よりもその人物、識見ということをもっと考えた候補者をお選びになるような傾向が出てくるのではなかろうか、それによりまして参議院にふさわしい人がより得やすくなりはしないかということが一つでございます。  おっしゃいますように、カーボンコピーという批判は私どももよく耳にし、承知いたしております。これが以前から言われておりましたので、御承知のように、参議院では議長の一種の諮問機関として参議院の議院制度の改革協議会がございまして、先般は予算の審議をすべての常任委員会が分担してやった、このようなこともございます。なかなか一朝一夕にはまいりませんけれども、私どもは、選挙制度の改革の面からと参議院の組織並びに運営の改善の面、それから党議の拘束の緩和ということは言うべくしてなかなかそう容易に行われることではないと私も重々承知いたしておりますけれども、やはりそれらの面につきまして、参議院の各政党、同時にまた、衆議院を通ずる各政党におかれましても、参議院のあり方についてよくお考えいただきまして、参議院の国民の期待するような機能が発揮できるような方向の運営や組織の面の改善もぜひ行ってまいらなければならない、このように考えておる次第でございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ただいま民社党がかねて提案をいたしておりましたブロック制度のことについても言及をされましたので、一言申し上げておきたいと思います。  私ども民社党が提案をしておりましたブロック制度というものは、地方区も全国区もなくして、そして日本を九つぐらいのブロックに分けて、そこで少数派の人も出馬することが可能なように、拘束名簿式ではない、オープンの選挙を堂々と戦っていただこう、こういうことによって広過ぎるという弊害、有権者になかなか知られにくいという弊害、そして金がかかり過ぎるという弊害が防がれるであろう。さらにいま一つ、かねてから懸案でありました政治資金規正法などと並びまして、金をかけてはならぬとか、そういう問題をしきりに皆さん方から言われておったのでありますが、そういうものに対しても弊害が防げる。それからいま一つの問題は、少数派の締め出しということがあり得ない。十分に出馬されるところの余地を与えることになる。こういう問題を含みますから。それから地方区の定数の是正、これもいままで東京高裁から二回も指摘を受けておる。しかも、参議院においてもやらなければいかぬ、中西さんの案まで出ておったにかかわらず、そういう問題をほったらかしにしておいて、今回全国区の拘束名簿式だけが出てきた。こういうことから考えてみても、私どもが言うブロック制度をとりましたならば、地方区の定数是正も一遍に解決する案なのであります。  こういうことを私どもは言っておったのでありますが、今度の皆さん方が発議せられましたこの案によりますと、少数者というものは全くの締め出し。それは、締め出しと言ったって立候補できぬことはないじゃないか、結社の自由があるから十人ほど束ねて名簿を出せばいいじゃないかということをおっしゃいますけれども、現在でも、先ほど御説明がありましたように、全国区の法定選挙費用が三千八百万円ですよ。その三千八百万円に対して、実際に一番使った人は三千五百万と言っておる。ところが少数派の人が十名の人を集めて立候補しようとすれば、名簿を提出しようとすれば、四千万の金が要るじゃありませんか。そしてもし一人しか当選できなかったら、いわゆる二倍を引いた残りの八つ、三千二百万というものは完全に没収をされてしまうじゃありませんか。いままでの、全国区の法定選挙費用を使った一番最高に近いほどの金が、何にもすることなく没収されるわけであります。金がかからぬどころではない、金がかかるようになる。こういうことを考えてみますと、私は非常に残念であると思うのです。  いま一つ、耳にさわることを申し上げますが、いま私は選挙区に土帰月来で往復をいたしておりますが、わずかな数でありますけれども、お会いいたします選挙民の方々が、その職業のいろいろな方がいらっしゃいます。会社の社長さんもおれば、工員さんもいらっしゃいます。そして御婦人の方もいらっしゃいます。家庭の主婦もおる。そういう人たちの意見が恐しいほど一致しているのはこういうことです。岡田さん、今度参議院の全国区というのは、聞くところによったら何か名簿で選挙するんだそうですな、地方区のときに投票するという話であるが、何もしないで五十名、五十名、裏表百名、二百五十二名の参議院議員の中で百名もの人が選挙運動をすることなく、自分の政策も訴えることなく、国民の声を吸収することもなく、参議院議員としてバッジをつけるというのはいかにもむだである。それほど人材が欲しい、それほど良識のある、識見のある人が欲しいというのなら、政府の中に設けてある二百有余の審議会の中に幾らでも入っていただく余地はあるではないか。それをわざわざ六年間もバッジをつけていただいて、参議院議員としておっていただかなければならぬ理由がどこにあるのだろうか。先ほど私が何のためにお尋ねをしたかといいますと、アメリカの上院の数は百名、下院の数は四百三十五名ということであります。それに比べまして日本は二百五十二名、そして五百十一名、人口の数はアメリカが二億一千万、日本は一億一千七百万、約半分であります。人口は半分であるのに、上院に相当する参議院の数は百対二百五十二であります。国民はこのことを言うのです。いま世を挙げて行政改革をやれ、国民の声であります。その行政改革は国会からやったらどうかということを平然と言いますよ。それほど選挙が嫌なら、名簿で当選しようなんということを考えるのなら、何も百名の全国区の議員を参議院に置いておく必要はないではないか。そんなものはひとつ国会から行革を率先してやってもらいたい。百名の議員がおらぬようになったらどれだけ違うのだ。まず国民に、あなた方へのサービスも低下しますよ、そのかわりみんなで痛みを分かち合いましょうという、いよいよこれから痛さが直接わかってくる行革国会が迫ってまいります。国民には多大の犠牲を強いなければならぬ時代がやってまいります。そのときに、参議院の全国区が広いから、えらいから、しんどいから、金がかかるからというので、名簿だけで百名の議員が誕生するということを知ったら、国民がどうして行政改革に協力をしてくれるでしょうか。議員にとって選挙というのは一つの洗礼ではないか、私はそう思っておるのであります。そして候補者はその選挙を通じまして自分の政治信条を国民に訴えて、そしてその負託を受けたということになったら、その負託にこたえるべく専心国民の幸せのために精進をする、これが議員の務めじゃないでしょうか。議員が国民に接触をしないようになってどうやって国民の声を吸収することができるのですか。参議院は学者の座るところではありません。学問をするところではありません。政治をするところであります。その国民の素朴な声を一体発議者の皆さんはどうお考えですか。私は返事に困りました。私の仲間も参議院の全国区にもおります。地方区にもおります。先輩も全国区におります。みんなりっぱな人です。だがしかし、そのりっぱな全国区の議員の人たちが、いまこの法案を審議することによって国民にだんだんと知られていくことによって、何だ、こんなことなら行政改革を国会からやれと言われて、先生方はどうお答えになりますか。感想をお伺いしたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 生の、国民の真実の声をお述べをいただきまして、私どもも大変考えなければならない点である、そのように感じた次第でございます。私は、行政改革は確かに国民の声だと思っております。同時に、国会におきましても、このような趨勢の中で私どももそれに応じた改革とか姿勢をとってまいらなければならない、個人的にはそのように感じておるのでございます。  今回の参議院制度の改革は、私どもの検討いたしましたところから結論的に申し上げますと、やはり全国区は存置せざるを得ないと申しましょうか、現状から全国区を廃止することは至難である、そういたしますと、存置を前提としてベターな案を考えてまいらなければならないということから、拘束名簿式の比例代表制の案をとったわけでございます。私どもの自民党の中におきましても、実際におっしゃいますように、政治家として選挙民にじかに触れ、苦労をして選挙の洗礼を受けてこないようではいけないじゃないか、こういう強い意見があったことも事実でございます。しかしまた、現状でまいりますと、それに伴います弊害が多うございますので、私どもは、私どものような案によりましてりっぱな人を参議院に得る。確かに参議院議員は学者ではございません。政治家として活動、活躍してもらわなければならないわけでございますけれども、参議院の機能を考えますというと、衆議院のように政治いちずということよりも、参議院はやはりまた別の角度から国政に取り組んでいただく人もおられてよろしいのではなかろうか、私どもはかように考えております。  また、私どもは、これは法律案が成立いたしたと仮定いたしましての話でございますけれども、名簿の候補者がただじっとしておるだけのようなふうには考えておりません。現実にやはり全国を駆け回り、もし名簿議員として当選されました暁には、ほかの方と同じように、党のためにも国民のためにも働いていただかなければならない、そうでなければ、次にまた名簿に載せて、いわば推薦されて議員になれるという可能性はなくなっていく。確かに選挙によって苦労なさって出てこられる方と名簿によって出てこられる方の区別は生じてまいりますけれども、そこはやはり名簿によって当選なさる方々の良識、党の中のいろいろな機能と申しましょうか、によりまして、そういう方々が所属の国会議員として、あるいはまた参議院議員としてふさわしい活躍をなさるように、各政党でもお考えになっていただけるのではなかろうか、こういうふうに思っております。  私どもも、国民の間に参議院の実情に対する理解がどうも得られていない、政党化を望まないという声が圧倒的に強いわけでございますけれども、現実は決してそうなっていない。それはまた自然の流れで防げないと私どもは思っておりますが、どうも参議院の実情に対する私どもの国民に対して理解を得る努力が足りないせいか、よくその点はわかりませんけれども、それの実情もよく国民に訴えまして、参議院として国民の期待にこたえられるような活動を今後やってまいらなければならない、こういうふうに御質問を伺いまして強く感じた次第でございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 大変言いにくいことを申し上げましたが、私はこのことを発言するに当たりまして私の党のある先輩にも相談をいたしました。私は公選特の委員会において質問するに当たってこういうことを言ってみたい、これは真実の声であると言いましたら、その先輩は私に対して、おまえさん、わざわざ憎まれるようなことを言わぬでもいいぞ、そんなことを言ったら今度から参議院に足を入れることができぬぞ、こう言って注意をしてくれました。下手をすると選挙の応援もしてくれないかもわからない、そういう危険性があっても、しかし、私どもは真実をこの場でお互いが腹を割って語り合わなければならぬと思うのです。したがって、要らぬことを申し上げましたけれども、ぜひともひとつ御勘考をいただきたいと思います。  もっと厳しい意見を言う人は、アメリカと日本との人口比例からいったら、日本の参議院はアメリカの百名の半分、五十名でいいではないか、そして衆議院の方はアメリカの四百三十五名の半分、二百十八名でいいではないか。それが何で二百五十二であり、何で五百十一でなければならぬのか、こんな厳しい声があります。  そして、参議院におきまして公募されました、参議院にあなたは何を望みますかというその論文の中に、御承知のようにまず一番最初に出たのは、参議院の非政党化、政党化しないことを望みますと一番に出ております。第二番目は、第二院としての独自の機能と役割りを果たしてもらいたいと出ております。そのことに対して私は何かしら逆行もはなはだしいという感じがしました。先般片がつきました米価値上げの問題にしても一・一%。言うならば米俵九十俵持っていって一俵値段が上がったのであります。九十俵で一俵の値段が上がった。それだけのことでも上を下への大騒ぎです。これは下がったのじゃない、上がったのであります。しかしこれからは、これから始まる国会というのは国民に犠牲を強いなければならない。お互いが痛みを分かち合わなければならない厳しい厳しい国会と時代がやってまいります。そのときにひとり国会だけがわれ関せずというような態度でおれるものかどうか、私は先行きに大変不気味なものを感じておるのであります。  さらに、新聞の報道でありますけれども、大変失礼でありますが、この発議者になられました自民党の皆さん方の中から早くも、何の苦労もしないで名簿で当選する議員と血みどろの戦いをしてきた地方区の議員が同じ色のバッジをつけるのかい、バッジの色を変えてくれ、総裁選の投票権なんか与えるな、それを約束せい、こういうような声も出ておると聞きます。西ドイツの例を見ましても、そういう立場にある議員さんというものはなかなか物が言いにくいようであります。ほとんど沈黙しておるような状態であります。果たしてこれが国会の権威の向上につながるのか、国民の幸せにつながるのか、私は多大の疑問を持っておるのであります。  せっかくの時間がなくなりますから、警察庁の方がお見えいただいておりますので、以下、先ほど坂井先生からも若干の御質問がありましたけれども、一つ一つ具体的にわかりませんところを質問を申し上げていきたいと思います。  まず第一に、各県に一カ所ずつ確認団体は事務所を配置してもよろしいということを言っておられます。この事務所において何をするのかという質問が先般ありましたね。それに対しましてのお答えというのは、電話もかけなければいかぬ、本部への情報も流さなければいかぬ、そして地元への情報も流さなければいかぬ、個々面接もある、いろいろやることはいっぱいあります、だから各県に一カ所の事務所は必要であります、こういうお答えでありますから、この点についてはもうお伺いをいたしません。  ただ、今度は船とかあるいは車、これは確認団体として十人で六台、五人増すごとに一台ふやしましょうということにしてあるようでありますが、現在全国区の候補者が一人立ちましたら一人で三台持てるようになっておりますね。ということになれば、全国区だけと一応考えまして、最低十人の候補者と考えたら、三十台の自動車が本当は走れるはずなんですね。これは選挙運動に欠かせないですね、確認団体の運動としては。ですからむしろ公平に、事務所と同じように各県に一台ずつの政連カー、いわゆる確認団体の広報宣伝車というものを置いてもいいんではないかというふうに思うのでありますが、その点についてはいかがでありますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  政党本位の選挙活動あるいは確認団体の政治活動、そういった中でどれだけの運動量を許容していくかということについてはいろいろ議論のあるところだと思います。私どもが、選挙事務所一カ所、あるいは選挙活動の方法としては、選挙公報、テレビ、ラジオ、そのほかいままでどおりの確認団体における政治活動、さらにそれから選挙運動にわたる許容、こういったことに限定をいたしましたのは、政党本位の選挙でございますから、各政党の政見あるいはその約束した政見の実行度合い、そういったことにつきましては、国民はすでにマスコミ等を通じて十分御承知のはずだし、今後も一層そういう活動が活発になっていくだろう。そういうことになれば、あえて選挙期間中の運動あるいは活動というものを大幅に認める必要はないんではなかろうか。金のかからないようにという趣旨もあわせ加えて、いま御提案申し上げているような制度を考えた、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。  しかし、決して先生御指摘のような考え方が間違っていると私は申し上げるつもりはございません。一つの考え方だと思います。どこで線を引くかの問題だと思っております。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 そこで、警察庁の方にお尋ねをしたいのでありますが、いま私は、確認団体の政連カーというものは、いま十人の候補者なら六台、五人増すごとに一台をふやしていくという分については、まあいろいろ考え方もあるとして、各県に一台ずつの配置というのも考えられる話ではあるというような意味に受け取ったのでありますが、それほど私どもがいま希望しております確認団体の運動と、それから政党の運動、これについてどこがどう違うのか、まず発議者の皆さんの方から先にお答えをいただきまして、その見解について今度は警察庁の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答えいたします。  選挙運動は、先ほど申し上げましたように、選挙公報、ラジオ、テレビ、新聞広告、それと選挙事務所に立てる看板、まあ選挙事務所一カ所でございますけれども、そういったものにごく限定をいたしております。選挙運動期間中に入りました場合の確認団体としての政治活動、これは改めておりません。これまで同様に認める。その認められる態様の中において当該政党への投票を依頼する。いわゆる選挙活動をしてよろしいということになっておるわけでございまして、そういう意味では、確認団体としてできる活動と選挙運動というものが、態様は違いますけれども、中身としては一緒になってくる、選挙活動ということで一緒になってくる、こういうことだろうと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ですから、これは言わずもがなの質問かもわかりませんが、選挙期間中においては、その団体に許された、確認団体に許された政連カー以外は、政党の車その他による一切の宣伝はまかりならぬということですね。だがしかし、選挙に及ばない政策の説明だけなら、その確認団体の車以外は出してもいいということですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 選挙の期間中は非常に紛らわしい行動が行われるということで、選挙の公正が害されるおそれがある、こういう判断で、定められました政治活動は確認団体以外はできないということになっております。しかし、政治活動の中でも確認団体に認められるこれこれの行為はできません、確認団体はできますと書いてあるわけで、これこれの行為以外の政治活動は、これは全く自由であることは、念のためでありますが、当然でございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 これこれ以外のいわゆる政党の政治活動というものの中には、本部が発行いたします、たとえば機関紙あるいは紙誌、そういうものの通常の頒布、それから販売、それから勧誘、読んでくださいという勧誘、こういうことは一切制限がないと考えてよろしいですね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 先ほど申し上げましたように、確認団体に認められた態様の政治活動以外は全く自由でございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 そこで、警察庁にお尋ねをいたしますが、先ほど坂井先生と発議者との間で取り交わされました問題の中で、確認団体の政連カーを使いまして、唯一の許された政連カーを使って、そして一生懸命お願いをするわけですね。これが特定の選挙を指定をして、日時を指定をして、何月何日に行われる参議院の選挙におきましては全国区は民社党と書いてくださいと言ったら、それは違法でありましょう、こういう言い方をされたのであります。だが、いま御説明のあったことを聞いておりますと、確認団体の政連カーは、ほかの選挙に関する政治運動を禁止しておるかわりに、それを与えておるのでありますから、依頼に及んでも別にだんない、こうおっしゃる。それで、その点では、民社党にぜひ入れてください、こういう頼み方を政連カーからしても、これは構いませんね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 いま事務の方からも話がございました。私は、原則として自由である、できるという考えでございます。ただ、車上連呼と申しますか、そういうものについてはいけないそうでございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 警察庁、ちょっと答弁を……。

森広英一警察庁刑事局捜査第二課長

○森広説明員 お答えをいたします。  公職選挙法の二百一条の十一におきまして、確認団体の届け出を受けた正規の自動電、政治活動用自動車のそばで行う政談演説会におきましては、政策宣伝のほかに、その党の候補者の選挙運動にわたる演説をしていいということに規定されておりますので、お説のとおりだと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 確認団体は、政談演説会は無制限でございますか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 各選挙ごとに回数制限がございますが、参議院の場合について申しますと、衆議院議員の一選挙区ごとに二回という政談演説会の開催回数の制限がございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 一選挙区に二回。街頭も含めていかがですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 街頭は態様だけの制限でございまして、いわゆる確認団体が使うことのできる政連カー、政連カーで停止しているものの車上あるいはその周囲であれば、つまり街頭政談演説については回数制限はございません。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 次にお尋ねいたしますが、図画の頒布につきましては、従来は一人につきましてはがきが十二万枚、ビラが二種類で三十五万枚、こういうふうになっておりましたね。ということになりますと、これは最低の要件である全国区だけに集めたといたしまして、十人と考えてもはがきが百二十万枚、これが節約できます。それからビラの関係で三百五十万枚、これが節約できますね。この関係で個人は一切だめ、団体でいまさっき申し上げました三種類、無制限に規格も何もありません、どんどん出してください、こういうことになるのでありますが、これは金が幾らかかっておっても、そして配る態様がどうあっても——一つの例を言いますと、おまえさんきょうビラ配りに行ってくれ、これは選挙の費用の報告をする必要はないのであんたはきょう日当一万円で雇う、だからそれで行ってくれ、それで汽車賃が要ればそれは別、自動車のガソリンが要ればそれも別ということでまるまる一万円あんたに差し上げるから、入れられるだけ入れてくれ、こうやってビラを入れる人を頼む。いわゆる無制限に出せるビラがあるわけですからそれを頼む。これを無数の人に頼んでいくわけでありますが、これは一切自由でございますね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 そのとおりと思いますが、念のためにつけ加えておきますが、たとえば日当常識が五千円であったという場合に五万円差し上げるというようなことになりますと、別の角度から問題が起こってくるかと思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 というようなことがありますので警察庁の御見解を承っておきたいのです。どのくらい払ったらそれは違反にならぬのか。大体収支決算をせぬのですからね、収支報告は必要がないのでございますから。政党の収支報告には出てきますが、それははるか後のことでございまして、その選挙が行われたときにおいては容易にこれは把握できないですね。ですからそのときに、たとえばいまの時代なら五千円までよというようなことがほかの選挙のときのように決まっていませんね。日当何ぼ、旅費が何ぼ、弁当代何ぼ、何人分なんということが決まっておりませんから。そうすると警察庁の方としては、ビラを配って歩いておる人間をちょいと取っつかまえて、おっさん、おまえうまいことやってるな、何ぼもらったんや、こうやって言ったら、はい実は二万円もらったんですと言ったら、ちょっと来い、こうなるんですか。そこら辺が、どのくらいまでならああそうねということで放すんですか。

森広英一警察庁刑事局捜査第二課長

○森広説明員 いまの御質問は政党の政治活動のビラというふうにお聞きしたんですけれども……(岡田(正)委員「確認団体」と呼ぶ)確認団体であっても政治活動に従事する場合に日当を受けた場合、これは選挙運動とは認められませんので、仮に日当を受けても選挙運動のいわゆる御趣旨とされる買収の問題、こういうものは生じないかと思います。選挙運動に関して金銭を受け取ったという場合の問題が買収の問題でございますので、政治活動についての金銭の授受は買収の問題は生じない、かように思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ここらは非常に重大なことですからもう一遍重ねてお伺いしておきますが、先生の方のお答えは、常識的に考えまして大体いまのところ五千円が日当としては正常な姿ではないだろうかと思うときに一万円も払ったら、それはちょっと来いということになりかねませんよというような意味をお答えになりました。片や警察庁の御意見を伺ってみますると、確認団体が発行いたします三種類の無制限に出すビラについては、これはそれを配って歩くのは政治活動でありますから、それは幾ら払おうと、日当が幾らであろうと関係はありません、政党の行う政治活動ですから関係ないとおっしゃいますが、いよいよ選挙になってから、おっとどっこい、そうは言ったがつかまえるぞと言われたんじゃ困るんでね。そこのところをはっきりしておいてもらいたいのです。どっちが本当なんですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申します。  原則論としては警察庁のおっしゃるとおりだと思いますけれども、日当が仮にいま常識が五千円だといたしました場合に十万円日当を渡したといたしますと、何の目的があるんだろうか、こういうことになると思います。そこから何か問題が出てくる可能性がないとは申せませんということを念のために申し上げておるわけでございまして、五千円が常識だから七千円出したからすぐ来い、そんな問題ではないと私は思っております。原則としては自由だと思っております。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ちょっと警察庁。

森広英一警察庁刑事局捜査第二課長

○森広説明員 その運動に従事した運動の内容が選挙運動にもわたっておるというようなこととか、いまの御説明にありましたようなことを総合的に見まして、その行為が表向きはともかくとして、実態、中身においていわゆる運動買収を行ったと認められるような実態があれば、それは先生のおっしゃるように私どもも捜査をしなければならないと思いますが、それが真実政治活動のための行為であって、それに報酬が払われておるというにすぎないものであれば、いわゆる運動買収、要するに買収罪の問題は生じない、かように思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ここらにも私は非常に不安を感じるのでありまして、いま先生のお答えになったようなごく常識的な考え方でいくのかなと思ったら、案外警察庁の方はおおらかでありまして、これが純粋な政治活動、したがって三種類つくったこのビラを三種類持って、とにかく民社党お願いします、自民党お願いしますというような選挙運動にわたる言葉を吐かないで、ただ黙々と汗を流しながら突っ込んで歩くのに金をもらったら、それは幾らもらったって政治活動であるから関係ないよということですね。これだったら金を持っておる者が勝つんじゃないですか。これはもう紙爆弾が莫大に出ますよ。かねて自民党の皆さんが大変恐れていた紙爆弾というのが自分の手から今度はやるようになるんじゃありませんか。私は金のかからない選挙をするために今度の改正を目指しておるのでありますという提案の趣旨に比べてみたら、何と底抜けに金が要るじゃありませんか。金を持っておる者が勝負に勝つじゃないか、勝負ありじゃないですか。金のないやつなんかもう全然話になりませんね。全然宣伝力が違いますよ。これは一体どうなんですかね。この点はやっぱり私は、先ほどの政連カーと同じようにいま一度お考え直しをいただきたいと思うのでありますが、いかがでありましょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政治活動に関しましては現行制度を何らいじっているわけではございません。したがって、私どもは常識のある政党ばかりだと思いますので、そういう極端な行為がなされるという前提でこの問題を考えてはおりません。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 いま具体的な質問に私はまじめに入っておるわけでありますが、どうもお答えを聞きよりますと、ちょっと不安になってまいりましたので、ここでちょっともとへ戻らしていただきます。  これは発議者の皆さんが非常な御苦心をなさって御提案になったこの法律案でございますけれども、この法律案が唯一無二のものであって、一〇〇%完全無欠であって、おまえさんらが何と言おうと、理屈が通っておろうとおるまいと修正なんかに応じるものかという腹なんでしょうか。なるほどと思ったら、先ほどの坂井先生のようにああいうまことにりっぱな質問が出て、法制局の方ですら、それは法律案に書き込んでいいことだと思います、書き込んで書けないことはありません、政令に委任するばかりが能じゃない、法律で書いても結構です、変えられぬことはありません、こういうような答弁も出ておりますが、そういうことどもを含めて、これからも以下たくさんの質問があるでしょうが、なるほどと思う質問がありましたら、それに対して修正することにやぶさかではありませんというお答えなんでしょうか。いかがでしょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 各先生方の御質問に対して何遍も繰り返して申し上げておりますが、私どもは私どもなりにベストを尽くしてつくった案だという気持ちは強く持っております。しかし、これがベストの案でほかにそういうものが絶対にあり得ない、それよりいいものはあり得ないなどという考え方は持っておりません。したがって、当委員会において慎重に御審議をいただきたいということを繰り返して申し上げておるところでございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 先生は非常にごりっぱな人格者でありますが、最後のところになるとちょっとぼやけるところがあるのです。それで、私どもはベストだと思ってベストを尽くしてやったけれども、必ずしも一〇〇%ベストとは思っていない、思っていないのであるからして慎重に御審議願いたい。だからいま審議しているのです。私どもは決して逃げておりません、そして審議拒否もしておりません。まじめに審議に加わって、これはどうですか、これは考えなければいかぬでしょう。うんそうだなというような問題が出てきても、ああ慎重に審議は尽くした、すなわち地方公聴会もやった、中央公聴会も済んだ、参考人も呼んだ、もうやることはない、採決よ、文句言うな、これが審議を尽くしたになるのですか。手順だけは尽くしたからそれで審議を尽くしたということですか、それともなるほどと思う意見があったら修正に応ずる用意があるのかないのか。この答弁は発議者以外には返事はできませんよ。だから、慎重に審議してくださいということをおっしゃらないで、もっとはっきりおっしゃっていただけませんか。修正なんかする腹は持っておらぬということか、修正すべきところは修正する用意がある、こういうことなのですか。簡単な日本語で言ってください。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 率直に申し上げますが、提案者として私どもはこの法案をつくるのに参画をしてまいりましたけれども、最後は党としてこの案でいいかどうかということを決定したわけでございます。私ども平議員にはこれを右にする左にするという権能はございません。したがって、慎重に御審議を願いたいという言い回しをしておるわけでございまして、当委員会で各党の理事さん方に御相談をいただいてその上でどうこうした方がいいということであれば、私どもはそれに異議を差し挟むという気持ちはございません。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 よくわかりました。いまやこの問題は党に移っております。したがって、修正しようというような問題になってくると発議者だけの考えではそうはいかない、おっしゃるとおりだと思います。党が決定することと思いますが、ということになれば党の最高責任者は後藤田さんですか、それとも鈴木さんですか。「鈴木さん」と呼ぶ者あり)鈴木さん。やはり鈴木さんだそうです。ということになれば、委員長、理事会において総理をお招きすることも協議をされておることであろうと思いますが、こういう問題が出てきますのでやはり審議を促進するためには総理の一日も早い委員会への御出席というものを私はこの際強く要望しておきたいと思います。  次に質問を進めてまいりたいと思います。  この選挙の期間中におきまして、たとえば民社党が入党の勧誘あるいは政策の宣伝、そういうものを、確認団体の宣伝カーではなくて戸別訪問をいたしまして、戸別に訪問をしては民社党に入ってくださいといういわゆる純粋な政治活動ですよ、いわゆる一票入れてくれ、民社党に入れてくれなんということはお願いをせぬのです。それで、減税を進める民社党なんてなことを言って、政策宣伝を戸別訪問をしてやることはいいですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 現在の確認団体制度におきましては、政党が特定の用具、手段、そういうものを使って行います場合にその種類ごとの制限を書いておりまして、その種類ごとの制限に挙がっていないものについては政治活動としては自由に行うことができます。  そこで、たとえば先ほど来おっしゃっております自動車の問題、この自動車につきましても選挙期間中は一定台数の確認団体に与えられた車が政策の普及宣伝に使えるわけであります。したがって、それ以外に政策の普及宣伝のために車を使うことはできないというシステムになっております。したがいまして、党員獲得運動、これは本来自由であります。自由でありますが、どういう手段でその党員獲得運動をするかについてそれぞれの用具の制限がある、こういうことでございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 戸別訪問は。政策普及。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 これは選挙運動にわたらない限りは制限ございません。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 委員長、警察庁の意見も聞いてください。

森広英一警察庁刑事局捜査第二課長

○森広説明員 ただいま御答弁があったとおりでございまして、第百三十八条に「選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。」とかあるいは第二項で、いろいろな規定がございますが、選挙運動のために政治団体の名称を言い歩く行為を禁止するとか、いわば投票を得る目的あるいは選挙運動のためそういう目的を持った行為を規制しておるのでございまして、いま先生が御発言になりましたような純粋に政治活動のためになす戸別訪問であるとするならば、それは違反にはならない、かように思います。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 たとえば民社党〇〇支部あるいは〇〇班あるいは民社党相談室というような看板をかけておるところが随所にあるわけですね。これは県連の事務所、支部その他にいっぱいあるわけでありますが、そういう表示の、看板というのは、選挙期間中と選挙期間外に分けまして、期間外は答弁の必要ないと思いますが、期間中におきまして一体どういう扱いになりますか。それで、これは大きいものを言いましたけれども、ちょっと紛らわしいものでステッカーがありますね。民社党の家とか、そういうステッカーがあります。それから民社党のシンボルマークがあります。いわゆるマークですね。そういうものを張っておりますが、そういうものは選挙期間中はどう考えますか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 ステッカーについての御質問でございましたが、確認団体が選挙期間中頒布することができるものについての制限といたしましては、ビラあるいはこれに類する文書図画を含む、こういうことになっております。それからもう一つは、掲示の問題につきましてはポスターの掲示、こういうふうになっておりまして、ステッカーというのは従来ポスターとは別扱いということになっております。そこで、先生も御承知のように、個人の選挙運動の際に後援会活動といたしましていろいろステッカーが問題になりました。そこで、その際にステッカーの禁止ということで先般改正をいたしましたけれども、それは政党の、確認団体の関係には及んでおりません。あれは後援会のステッカーということでございまして、あの後援会の中には政党は含んでおりません、確認団体は含んでおりませんから。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 そこで、確認をするのでありますが、今度の改正案が通ったといたしますと、政党そのものが候補者になるわけですね。いわゆる名簿の登載者というのはありますけれども、政党そのものが候補者になるわけですね。政党が立候補するわけでしょう。そうすると、政党の看板、ステッカー、ポスター、そういうふうなものは、いわゆる選挙期間中は、許された文書図画の頒布、看板の掲示、いわゆる七万枚以外のポスターの掲示というものに相当するということでこれは取り締まるというようなことはないのでしょうな。政治活動として自由なのでしょうね。はっきりしておいてください。今度は個人じゃないですよ、政党が立候補しておる。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 選挙の期間に入りましてたとえば看板の類がどうなるかということでありますが、選挙の期間に入りました場合には立て札とか看板、これは政党その他の政治団体の本部または支部の事務所において掲示するものは制限の外になっております。それから、ポスターなどにつきましては、その規格でありますとかあるいは枚数制限はございます。それから、ビラについては従来どおり種類制限もございます。そういった選挙期間中の政党の政治活動あるいは選挙活動につきましては、現行の確認団体制度のシステムと全く同じというふうに了解しております。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ステッカーはどうですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 ステッカーは先ほど申し上げたとおりでございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 オーケーですね。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 はい。(発言する者あり)ポスター、立て札もしくは看板の類ということで、ステッカーはポスターの類というところに該当してまいりますので、結局ポスター並みに扱われるということでございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 それでは再度確認をしておきますが、〇〇党〇〇支部というようなあるいは相談室というような表示の看板、立て札等は一切関係はない、しかしながらステッカー、シンボルマークあるいはポスターなどというものは、これは七万枚の範囲内において——いや、プラス五千枚というのがありますけれども、七万枚の範囲以外はだめですよと、こう確認していいのですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 そのとおりであります。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 ということになりますと、たとえば自民党の家あるいは社会党の家あるいは民社党の家というようなのを選挙に入るずいぶん前から、もう半年もその上も前から張っておったということになったら、それは全部外せという意味ですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 いわゆる滑り込みのポスターとよく言われておる関係についての御質問であろうと思います。まあ、常時ふだんに張ってありました政党ポスター、これが選挙期間中に入りますと確認団体の枚数制限の中に入るので、それはおかしいではないかという意味の御質問を含めてのお話であろうと思います。ただ、問題は、確認団体制度のもとにおきましては選挙期間中に掲示するポスターの枚数制限ということになっておりまして、直接には事前に張りましたポスターが流れ込んでまいりましてもいきなりそれが違反であるかどうかという問題にはならないと思います。ただ、選挙運動の関係でいわゆる百四十六条という条文がございまして、要するに紛らわしいポスター、こういうものにつきましては撤去命令の制度がございます。したがいまして、意図的に選挙前に集中的に張りまして、これが流れ込むであろうというような意図的なポスターについては撤去をお願いしておる。具体的なそのときそのときの認定に基づいて管理させていただいておるわけでございます。

岡田正勝民社党・国民連合

○岡田(正)委員 時間が参りましたので、後の方に迷惑をかけたくありませんから、大変中途半端な質問になりましたが、次回に譲らしていただきます。どうも大変ありがとうございました。(拍手)

久野忠治自由民主党

○久野委員長 安藤巖君。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 まず最初に発議者の先生方にこの委員会への出席の問題についてお尋ねをしたいのですが、きょうは御承知のように十一時まで参議院の本会議が開かれておりました。ところが発議者の方々は十時半からもうすでにこの委員会に出かけておられましたね。そうしますと、参議院の本会議の方は、言葉は悪いですが、サボってここへ出ておられた、こういうことになるのですか。私はそのことを委員長に、いま参議院の本会議開会中だ、十一時までだということを番いましたら、委員長は、発議者の方々は、参議院の議運の了解だったか承諾だったか忘れましたが、を得てきておられる、こういう話だったのです。ところが、私の方で調べてみますと、そういう了解なり承諾なりを参議院の議運でしたことはないということなんですが、一体どちらなんでしょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 担当の国対の方へお話をいたしまして、十時半からございますのでということで、十時から本会議に出席をして、十時十七分に向こうを出てこちらへ伺いました。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、自民党の内部での担当の国対の方の承諾を得てきたということですね。  それじゃ委員長違うじゃないですか。議運の承諾を得てきたというふうに委員長さんはおっしゃった。それは発議者の方から聞いた話だ、こういうふうにおっしゃったですね。だからこれは違うのですよ、議運の承諾じゃないですよ、議運ではそういう話は出ていないというのですから。これは一体どうなっておるのですか。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 安藤委員に申し上げますが、私が発議者の方からお話を伺いましたのは前回のときでございます。前回、幾日でしたか、いま期日は記憶いたしておりませんが、前回のときに発議者の方にお尋ねをいたしましたら、国対の方の御了解を得て出席しております、そういうことでございました。本日のことではございません。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 委員長は私が本日のことを申し上げましたらそういうことをおっしゃったので、本日のことかと私が思うのは当然だと思うのですが、そうしますと、やはりそういう議運の承諾も得られないで、いわゆる本会議をサボって、言葉は悪いですが、端的に言いますと……。そうしてこの委員会に出てこられたということは、そういうことまでして審議の促進を図ろうとしておられる、そういう魂胆だというふうに思わざるを得ぬと思うのですね。これは一遍私の方もきちっと問題にしたいと思うのですが……(「思い過ぎだ」と呼ぶ者あり)思い過ぎって、いまのお話はちゃんと自民党の中の国対の了承だというお話ですから、議運じゃないのです。いいですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 議運とか国対とか申し上げておりますのは、全体の議運とか国対とかということでございません。わが党の国対でございます。  それから私どもは公式に法律に基づいて提案者でございますので、これは議員としての最大の任務だと思っております。かち合った場合にはどちらを選ぶかは、私は党の幹部の御指示に従っておるわけでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしましたら、参議院の議運の承諾もしくは了承というようなことではなかった、そしていま御答弁をいただいたような趣旨でここへ出てこられた、そういうことですね。そういうように伺っておきます。  そこで発議者の方々は、これまでもいろいろ話が出てきておるのですが、衆議院もしくは参議院地方区の定数是正の問題ですね、これはやはり相当緊急を要することで、是正しなければならぬと思っておられると思うのですが、その点いかがですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 先般からお答え申し上げておりますように、私どもも緊急を要する問題だと存じておりますので、できるだけ早く党内の意見をまとめ、また各党の御意見もお伺いして、政府提案にいたしますか議員立法にいたしますか今後の問題でございますけれども、できるだけ早く定数の是正は図りたい、かように考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そういうふうに考えておられる。それで、金丸先生がタッチされる前の話ですが、昨日もずっとその経過をいろいろお尋ねして、私の方からも申し上げたのですが、いわゆる中西案と町村金五さんがプロジェクトチームの座長をしておられたときにおまとめになった報告、この中には定数是正が盛り込まれておったのですね。それが、一票制と二票制が出されてきた。そうしたら、その段階からこの定数是正というのが抜けてしまっておるわけなんです。そういう緊急な課題の一つだというふうにお考えになっておるなら、かつては載っておったその定数是正が、あれでいいということは私は申し上げませんが、いい悪いは別にして、あるいは十分、不十分は別にして、せっかく載っておったのをなぜ落としてしまったのか。これはどうしてもお聞きしたいと思うのですが、どうです。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 全国区制、地方区の定数是正、私ども両方並行して検討いたしておったのでございますけれども、地方区につきましては最終的な結論を得られませんで、それで全国区の方を、実は五十五年の選挙には、地方区の定数是正もできたらあわせてやりたいという考えでございましたが、それもまた間に合いませんでしたので、地方区の方につきましては結論を得ませんでしたので、参議院の全国区の改正の方だけをまとめて法律案として提案をいたした、こういうような経緯でございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 定数是正の方も緊急の課題の一つだというふうにおっしゃっておられるのですが、この問題についていま自民党の内部で、あるいはいまも金丸先生はプロジェクトチームの座長ですかね、そういうようなところで、自民党の内部で、いろいろ検討あるいは作業をしておられるのでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 党に選挙調査会がございまして、三つの委員会に分かれ、その一つの委員会の委員長といたしまして参議院の地方区の定数是正と、小選挙区制というわけじゃ決してございませんが、衆議院の定数是正も、憲法の問題がございますので、両方並行していま論議をいたしておる最中でございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いつからそれがなされておられるのかちょっとようわかりませんが、きのうも御登場いただいた後藤田先生、お見えですね。選挙制度調査会長として昨年の二月二日に国民政治研究会でお話をなさって、その「月曜レポート」にちゃんと出ておるのです。定数の是正はやるべきだと思っておる、まあいいことを言ってみえておるのですね。ところが、同じ発言の中で、「抜本的な定数是正という問題は、やはり、大きな制度改正の際にでもなければ、話はまとまらんと思います。」これは後藤田先生のいつもの持論ですな。「じゃ、自由民主党はあの判決」これは恐らく一昨年の東京高裁での一対二を超えたら違憲というこの判決を指しておられるというのは前からのつなぎでわかるのですが、「を受けてどういう作業をしているかというと、作業はしておりません。私がいうのだから間違いない。」こう言っておられるのです。すると、いま金丸先生がおっしゃった作業をしている、これはちょっと時間的にずれがありますよ。ありますけれども、作業をしておられないんじゃないかという気がするのですが、どうですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 後藤田調査会長が就任されました後、委員会を三つに分けましてそれぞれ分担をいたしまして、私の第一委員会におきまして、違憲判決も出ておるわけでございますし、世論もございますので、参議院の地方区の定数是正とあわせて衆議院の定数是正について目下鋭意検討いたしておるところでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 時間的な差異がある、その間に時間があるということで、作業しておるというふうにおっしゃるのですが、権威ある後藤田先生のこの発言からするとどうも怪しいというふうに思わざるを得ないわけです。そういうことになりますと、緊急課題だと言っておきながら定数是正の方は欠落させてしまう、そして本改正案だけ急いでおられるというのは、きのういろいろお尋ねしましたように党利党略があるのではないかという重大な疑いを持たざるを得ない。これはすれ違いになりますけれども、ここで次の問題に移ります。  そこで、先ほどからもいろいろ金のかかる問題の話がありましたが、選挙に金がかかるという問題、一遍はっきりさしておきたいと思うのですが、私どもは選挙に金がかかるのではなくて、選挙に金をかけているんだ、かけるんだというふうに思っております。そこが問題だと思うのです。そういうような批判も出ております。  金がかかる選挙をなくするということのためには、これはいろいろな批判が出ておりますからその批判に基づいて言うのですが、自民党の金権体質という批判がありますね。先日、古井喜實先生が二十五年永年在職議員の表彰を受けられたときに本会議場でおっしゃったのは、金が物を言う政治云々というような批判もなさったのですが、そういうような体質をなくしていくということの方が一番の先決じゃないかというふうに私は思うのですが、その点はどういうふうに考えておられますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 国民の信頼を確立いたしますためにも私は政治家として政治倫理が大切であると思っておりますけれども、現実に、金をかけるのではなくてやむを得ず金がかかっておる全国区の制度の改正は急がなければならない、かように考え、党内もそのように一致してまいりましたので、このような法律案を提案いたしたわけでございますが、政治倫理の確立ということはわが国の現下の政治家として共通のきわめて大事な課題である、私はかように考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 これまでの議論を伺っておりますと、結局、金がかかるというのは準備行為あるいは瀬踏み行為、これに金がかかるんだというお話のようですね。本当に選挙運動に金がかかるといったって、それは先ほどから話があります三千八百万円何がしという法定選挙費用の枠がありますから、それ以上かかったなんということは言えないはずですから、そうなると、五億円とか六億円とかいう話が出ておりますが、これも準備行為、瀬踏み行為だ、こういうことになろうかと思うのですね。  そこで自治省にお尋ねをしたいのですが、この準備行為とか瀬踏み行為、これは一体どういうような行為のことをいうのですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 準備行為とか瀬踏み行為と総称しておりますのは、大正十四年以来事前運動を禁止する、こういう非常にむずかしい立法技術を使ってまいりましたので、要するに政治活動と選挙運動を区別する必要がある。そこで、選挙運動と政治活動を区別する一つの基準としまして、投票依頼行為には及ばないけれども、要するに、選挙が近くなりましていろいろ準備をされますものもありましょう。たとえば選挙公報の原稿をつくられることもありましょうし、あるいは選挙事務所の借り上げの内交渉をされることもありましょう。こういったものも準備行為の中に広く入ってまいります。それから瀬踏み行為と申しますのは、次の選挙に立候補したいのだけれども果たしてどの程度の手ごたえが周囲にあるだろうかというような内部的な相談事、こういうこともありましょう。要するに、一般の第三者に対して投票依頼で働きかけるということを選挙運動というふうに観念しておりますから、それに至るまでの準備的な行動はすべて準備行為という言葉で言いあらわしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 松浦先生はそのいわゆる瀬踏み行為、準備行為に約一億円お使いになったということをこの前当委員会でお話しになったですね。パンフなんかを後援の団体に送ったり印刷費とかかかったんだ、それはお聞きしたのですが、そのほかには具体的にどういうような行動をなさったのでしょうか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 あとは、あの当時では後援会づくりということでステッカーの作成もございましたし、それから公認をいただいた後は、一体その地方でどれだけの応援が得られるだろうかということで各県単位に情勢の判断をして回った、こういうことでございます。ほとんど私個人はその各県回りの情勢判断ということに体を使っておったというのが実情であったように記憶をいたしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いまおっしゃった活動の中で情勢判断をなさるについては、松浦先生は、私はこういう識見を持っております、こういうことをやりたいと考えているんだ、いまの日本の政治の状況はどうだ、こうだというようなお話もなさったんじゃないかと思うのですが、どうですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 もちろん当然そういうことだと思います。それが政治活動であろうと思います。私自身が自治省出身で三十年間自治行政に携わっておりました。したがって、その方面を中心に私の抱負を述べ、それに対して共感をいただけるのかどうか、こういう判断をして回ったということでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますともちろん、自治省に長年おられて、どこからが事前運動になっていかぬとかどうとかいうような判断もしっかりお持ちになっておられたと思いますから——いや実際は知りませんよ、実際は知りませんが、まあ事前運動ではないと思っていろいろおやりになっておられたんだと思うのですね。そうしますと、これから候補者になろうとする者として、あるいは参議院に籍を置いて政治活動をやろうという立場にあられたわけですね。そうなりますと、これはそういう立場にある者としての日常の政治活動じゃないかと私は思うのですね。そういうように思えてならないのです。政策も言うし、識見も言うし、日本の政治がどうこうと言うわけですから。だからそういうような認識もおありになったのじゃないですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 準備行為あるいは瀬踏み行為ということを金丸先生もおっしゃられましたけれども、実質的には個人の政治活動ということが当然かんでくるのはあたりまえのことだと思います。ただ私は、自分自身でもそのつもりでおりましたけれども、特に自治省出身者として誤った事前運動にわたらないようにということは関係者についても徹底的に言っておったつもりでございますし、自分でもそういうつもりで行動したように記憶をいたしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そこで自治省にお尋ねしたいのですが、その日常の政治活動ですね、それと公職選挙法とどういう関係にありますか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 そこがまさに政治活動と選挙運動の限界をどう考えるかということでありまして、直接に投票依頼にわたらなくとも、周囲の状況あるいは時期、そういったものを総合して、政治活動であっても選挙運動であると認定される場合も間々ございます。これは安藤委員の方がよく御存じかもしれませんが、選挙運動であるか政治活動であるかという問題は、個々の事例について、非常に具体的なケースごとに裁判所で何十人、何百人の証人まで呼んで長年月かけて限界を認定しておる、それほどむずかしいものではございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そういう細かい話はいままでいろいろなされておりますから私ははしょりますが、日常の政治活動だ。そして、それがいわゆる公選法上の事前運動でもないというようなことになってくると、その準備活動なり瀬踏み行為なり日常の政治的な活動ですね、これに金がかかるからといって、それを公職選衆法のせいにして、そして公職選挙法を変えようというのはちょっと趣旨が違うんじゃないかと思うのです。公職選挙法と関係のない日常の政治活動、準備活動、瀬踏み行為、こちらにお金がたくさんかかるからといって、何で公職選挙法をなぶる必要があるのですか。どうしても私はそこがわからぬ。それはおかしいじゃないですか。その辺はどう思われますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  選挙運動に要する費用は、先生御指摘のように法定費用があるわけでございますから、当然その中でおさめるようにしておるわけでございます。ただ、それだけでは、金丸先生がいつもおっしゃるように八千二百万の有権者の方に百人以上の中から一人選んでいただくわけでございますから、よほど知名度の高い方かあるいは強力な団体の支持を得ておられる方以外には個人の名前を知ってもらうということはできないわけでございます。そういう意味で、投票依頼という行為にはわたらない範囲において、松浦功という人間はこういう政策を持って、今後の地方自治強化のために努力する覚悟を持っておる人間ですよということを知っていただく、これが政治活動だと思うわけでございます。そういうふうに御理解をいただければ幸せだと思っております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 ですから、そういうことはよくわかっておりますよ。わかっておるけれども、選挙に金がかかる金がかかると言いますけれども、選挙運動や選挙活動には金がかかってないのですよ、いままでの話からすると。日常の政治活動ですよ。日常の政治活動に金がかかるからといって、何で公選法のせいにして公選法を変えるのですか。どうしてもこれがよくわからぬ。  それからもう一つ、政党にもやはり日常の政治活動はありますよ。政党の日常の政治活動にはそれ相応のお金がかかりますよ。しかし、これは日常の政党としての政治活動であって、公選法と何の関係もないじゃないですか。(「そんなのへ理屈だよ」と呼ぶ者あり)へ理屈じゃないですよ。これが一番の筋ですよ。何がなんだかわけがわからぬで、とにかく選挙に金がかかる、選挙に金がかかると、国民に対して、ああそうかな、かかるんかなというふうに思わせて何の関係もない公選法をなぶることは全然ない。その辺はどうです。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 現行制度のもとでは、いま申し上げたような瀬踏み行為なり日常の政治活動なり準備行為がなければ、絶対に知名度の高い者とか大きな団体の支持を得ている方以外には当選の可能性がない。だから、どうしてもそういう結果になる。そこで、そういう結果にならないような選挙制度にすればそういうお金も要らなくなるだろう、こういう考え方でございます。     〔委員長退席、塩崎委員長代理着席〕

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いや、この関係はどうしても私はわからぬ。何も公職選挙法が悪いから選挙に金がかかるわけじゃないのですよ。公選法と関係ないところで金をかけているのですよ。それがどうしてあれですか。  それから、これは自治省にもお尋ねしておきたいのですが、先ほどもちょっとお答えいただいたのですが、政党の政治活動、日常の政治活動、準備活動とか瀬踏み行為も含めて日常の政策宣伝の政治活動、これは選挙活動じゃないですね。どうですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 そのとおりであります。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それで、もう一つ、やはりそれが事前運動になるということなら、さっきもちょっと議論がありましたけれども、これは公選法の関係ですよ、しかしこれは公職選挙法で違反行為だ。これは犯罪行為です。犯罪行為にお金がかかったということでもって公選法がけしからぬというわけにはいかぬでしょう。あるいは選挙の期間中あるいは選挙の前に買収するために荘億円、六億円とお金を使った。あの宇野亨さんの話もあります。あれはまさに買収行為で、とんでもない違法行為です。犯罪行為ですよ。そういう犯罪行為にお金がかかるからといって公職選挙法を変えるわけにはいかぬでしょう。そういう趣旨ではないと思うのですね。そうすると、どうしてももう一回、犯罪行為に金がかかるからといって公選法をなぶるわけじゃないんだ、だったらなぜ、どこでお金がかかるからといって公職選挙法のせいにするんだ。もうこの趣旨からすでに間違っておると私は思うのです。どうですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 繰り返して申し上げておりますように、現行制度のもとではそういう行為をとらない限りは絶対に当選の可能性が一般の人にはない。だから、制度を改めさえすればそういう余分な支出はなくなるだろうということでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 全国区にお金がかかる、かかるというお話ですが、これは自由民主党「参議院全国区制改正へ「拘束名簿式比例代表制」早わかり」去年の七月初版ですね、この中に、十八ページ、「限界にきた全国区制 改革のチャンスは今しかない」こういう題のところで、「前回の選挙を機に政界を引退した有田一寿氏(参議院クラブ)は「六年前の選挙のとき私は六億円使った」と新聞で語っています。」ということになっておるんです。それで、この人は全国区でしたか。有田一寿さん。(松浦参議院議員「存じません」と呼ぶ)知らない。これは参議院要覧、ここに「有田一寿福岡県選出 新自由クラブ」こうなっております。私は何も党派のことをあれこれ言うておるつもりじゃないですよ。福岡県地方区ですよ。福岡県地方区で、自民党のこの文書によると六億円使ったというんです。  そうすると、これは全国区に金がかかる、全国区に金がかかるとおっしゃるのですが、今度地方区は「選挙区」というふうに名前を変える案なんですが、実態は一緒だということになれば、地方区だって同じように金がかかるんじゃないですか。どうして全国区のせいばかりにするんですか。それはどうなんです。(「かかったじゃない、かけたんだ」と呼ぶ者あり)だから全国区ばかりじゃないでしょう。どうなんですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 地方区に非常に金のかかるところもあるように私も聞いております。これは大都会でございまして人口、有権者が多いとか人件費、物件費が高いとか、そういうところも確かにあるようでございます。地方区の改正の問題は、先般の御質問でもお答え申し上げましたように、地方区の独自の問題として、これは別に検討しなければならないと考えますので、この際は地方区と参議院の全国区とは切り離して、全国区の弊害を除きますために比例代表制の案をつくったわけでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 全国区の方を金がかかるとおっしゃってこういう改正案を出してきたというお話ですが、この改正案は地方区と全国区と全部一体となっているのですよ。「選挙区」というふうに名前を変えて、後は全然知らぬというわけじゃないですよ。だから地方区の——地方区と言いますが、地方区の候補者は、わが党に入れてくださいといって全国区の選挙もすることができるということにもなっているでしょう。だからこの改正案は全国区、地方区一体となっておるのですよ。それを全国区だけ金がかかる、金がかかるとしきりにおっしゃるけれども、地方区でも金がかかるということを自民党さんちゃんと自分のところの文書で認めておるじゃないですか。これはおかしいですよ。  それからさらにこれは前にも参議院でもちょっと議論があったんですけれども、先ほど言いましたように、地方区の候補者が全国区の政党への投票依頼行為をすることができる、そして全国区の選挙では、これまでもいろいろ議論がありましたように、選挙活動というのが相当制限をされる、公営の道というのはありますけれどもね。そうなると、どうしても各政党が地方区へ、いままでは地方区へ候補者を出さなかった政党も、全部の政党がやはり地方区へ候補者を立てる、そしてそれぞれがわが党の宣伝をする、こういうことにならざるを得ぬと思うのです。そうしますと、いままで四十七の地方区の中でたとえば十しか出していなかった政党が全部出さなければならぬということになったら、それだけ選挙費用はかかるんじゃないですか。これはお金がかかりますよ。  それからさらにこれはいろいろな党利党略の話もあるんですが、(「個利個略」と呼ぶ者あり)個利個略かもわからないですが、一人区はほとんど自民党が独占しておる。今度は二人区でも——二人区でいま自民党が候補者を二人出しておられるところは二つか三つです。ところが今度は、自民党も二人区は各野党の選挙協力とかなんとかもうなくなってしまう、全部立てて競争するから、自民党が二議席確実にとれるという魂胆がある、これはもう公然の秘密と言われている話ですよ。となると、自民党自身も、いままで、二人区が十六ありますね、二人区で二、三区しか二人ずつ出していなかったのを、今度は全部の二人区でも候補者を立てる、こういうことになってきますよ。そうなると、やはり自民党も金がかかるじゃないですか。そして先ほどのように、地方区で新人を出すとすれば、こけらほど金がかかるんですよ。これは一体どうなるんですか。どうして金がかからぬということになるのですか。かえって金がかかるじゃないですか。この点はどう思われますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 地方区の方は従来の例によるということになっておりまして、今回の改正案は全国区を中心として、必要と認めます限りにおいて地方区につきましても改正をいたしたものでございます。今後地方区に力を入れる、金がかかるじゃないかという御質問でございます。私どもは現在全国区につきまして金がかかるというのは、個人本位になっておりますから個人に金がかかる、あるいは個人を推すために団体が巨額の経費を必要とする、そこにいろいろな問題がございますので改正をしなければならない、これがもうここ十数年の一致した意見だ、私はこういうふうに申してまいりました。私は現実にはそのように言われておると思います。  個人が金を使う問題と党が金を使う問題は、私は一応別だと思います。今後は政党が、自分たちのいわば党勢拡張でもございましょうが、党として選挙運動をおやりになりますので、それは従来よりも多くなる面はあろうかと私は思います。そこは私どもは、そこに政治資金の規制とも関連が出てまいりましょうが、公党として選挙運動をなさるわけでございますので、私どもはどのような金をかけてどのような選挙運動をやっておいでになるか。いままでは個人本位でございますから、いろいろな組織、団体が個人との結びつきでございました。今後はそれが政党との結びつきに変わっていくであろう、変わっていかなければならない、私は実はそういうふうに思っておるのでございます。そういう面で、各党を通じて新しい全国区の選挙運動の方法が編み出されてまいるのではないか。また、確かに地方区との関連がございますので、地方区の立候補者をどのようになさるか、これは各党で真剣にお考えになることと思いますけれども、候補者がふえればあるいはそれだけ各政党のお金は必要がふえるかもわかりません。あるいはふえると言ってよろしいかもわかりません。そこにはそう政治的な弊害というものはないのじゃないか。公党として今後の新しい選挙制度で地方区をどう戦うか、全国区の運動をどうやるか、これは新しく各党でお考えになっていただきたい問題だ、私はこのように思っておるわけでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 私が先ほど申し上げたように、全国区での選挙のあり方が、選挙運動の大幅規制によって政党の選挙活動というのが十分できない。だから、先ほど言いましたように、地方区が勝負だというようなことになってすべての政党がすべての選挙区でそれぞれ候補者を全部立てる、こういうようなことになるだろうかということはお考えになったことはありませんか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 地方区の方におきましても相当な選挙戦が戦われるわけでございますので、そのような傾向が出てくるのは当然であろうと私は思います。ある意味では当然であろうと思います。しかし、これは国全体の選挙でございまして、私はそれだからといって比例代表制の選挙が地方区の選挙だけで左右されるとは決して思いません。組織を個人が動かしておりましたのが、今度は各政党がどのように工夫して動かしていくかということと、そういう意味で新しい選挙運動の方法が各党でお考えになるようになっていくであろうということ、それから名簿のつくり方とか政策の訴え方とか、いままでは政党選挙ではございますけれども、表向きは個人選挙でございます。地方区でもやはりそうでございます。バックには各政党がついていただいておりますけれども、表向きはそうでございます。今度の新しい全国区の制度は政党が正面に出て政策を掲げて責任を持って候補者を推薦して戦うという新しい選挙戦になってまいるんだ。それだからすぐに金がかかるとかいうようなことよりも、新しい選挙戦が今後生まれていくんだ、そしてそれは政党が今度は国民に本当に訴えていくんだ、こういう全く正面に出てきた選挙戦に変わっていくんだ、こういうふうに思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうすると、いまの御答弁によりますと、私が言いましたようなこともあり得るだろう。となると、選挙に金がかかるというお話は、選挙運動に金がかかるのではなくていわゆる選挙に金がかかるんだ。事前運動は一応抜きにしますよ、違法行為だから。準備行為、日常の政治活動、こういうものにも金がかかるんだ、こういうふうにくるっと丸めておみえになるわけですね。とにかく選挙に金がかかるんだ。だから国民に対してうまいことおっしゃるわけです。選挙に金がかかっておるから、これだけかかっておる、五億、六億という話だ、だからこれはなくさなければいかぬ。いまのお話だと、地方区にすべての政党がすべての選挙区に全部立てるということになると、個人の負担は少なくなるのかもしれません。しかし、政党がやはりお金を使う。供託金も立てかえるというのか、政党が出す。それだけ候補者をたくさん立てれば、供託金、自民党案では倍額ですから、これは大変金がかかりますよ。そして先ほど言いましたようなことも、地方区でお金がかかるというようなことも含めるとすると、やはり選挙に金はかかることになってしまうんじゃないですか、ひっくるめて言えば、地方区、全国区ひっくるめると。とにかく選挙に金がかかるんだという概念で包めば、結局地方区にいままで以上に金がかかる。候補者をよけい出さなくちゃなりませんから、これは当然のことです。供託金ばかりじゃないです。それぞれ選挙区で活動しなければいかぬですから。だから、結局選挙に金がかかるということになるのじゃないですか。そう思われませんかね。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 今回の案に基づきまして、全国区の比例代表制の選挙運動をいたします場合の地方区との関係だと思います。  地方区の各政党の得票数は、地方区の選挙それから衆議院の総選挙、都道府県の議会の議員の選挙によりまして、およその見当が各党ともおつきになっていらっしゃると私は思います。それで、全くの比例代表制の支援として地方区にもずっとお立てになりますものかですね。その点は相当各政党で慎重に考慮なさるのではなかろうか。各政党のお考えでございますから、私が申し上げるのは実は私の推測にすぎませんけれども、どの県にも全部地方区候補者を立てて比例代表制の応援をやるんだ、こういう選挙戦をおやりになりますのか。やはりそれぞれの府県の実情をお考えになってどの程度の得票が地方区で得られるか、それを立てることが比例代表制にどの程度のいい影響を持ち得るか、そこのところは相当厳密な御検討になるのではなかろうか、だから全部の都道府県にすべての政党が候補者をお立てになるようなことはないのではなかろうか、私はこう思っておるわけでございます。だから、金が個人の金から政党の金に変わることは事実でございます。これは事実でございます。この金が本当にどのようなふうにふえてまいりますか、ふえましてもそれが不当なのかですね、いけないことなのかあるいは日本の政党の今後の発展のためにはいいのか。御質問をお伺いして言っておるわけでございますので、私も確信があるわけではございませんけれども、そこらをやはり政党とされて真剣にお考えをいただいてみたらどうであろうか。少なくとも数億という金を個人が集めて、あるいは非常に無理に組織、団体にお願いをしてやる選挙よりも、政党が公党として金を集めてそして選挙をやる方がいいのではないか、そのためには従来よりも党が直接にお使いになる金はふえるかもわかりませんけれども、日本の選挙の浄化と政治のためにはそれでもいいのじゃなかろうか、私はこういう感じがいたします。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、個人の出すお金、個人がいわゆる選挙に使うお金は減る、ぐっと少なくなる、そういうことをお考えになっておられる。しかし、一面、政党が選挙活動も含めていわゆる選挙に使う金はふえるかもしれないというふうにも考えておられるわけですね。  それからもう一つ、(「それはどっちみちそうなる。何も聞かなくたってわかるじゃないか」と呼ぶ者あり)それだったら、金がかからないようにすると言ったって、個人はかからぬかもしらぬけれども、選挙全体としては、政党に金がかかるのですから、いわゆる選挙に金がかかることになるのじゃないのかということを私は言いたいのです。それとすべての選挙区に全政党がお立てになることはなかろうというふうにおっしゃるのですが、それは確認団体として認められた活動がありますよ、それから、公営の三つのやつがありますね、一応全国まんべんなくというのがあるかもしれません。しかし、たとえば私は愛知県、これは六人で三人、三人ですから、二人区のところと違いますけれども、愛知県で地方区の候補者を出さなかった政党は、その県内においてはわが党に入れてくださいよという声を直接選挙民に訴えることができないのですよ。完全に空白ですよ。そうでしょう。そんなことを自民党さんだって考えないと思いますよ。考えられますか、そんなことが。だからどうしてもこれはすべての選挙区にお立てになるに違いないという前提で、お金がどのくらいかかるのか、ふえるのかということを考えていただかないといかぬと思いますよ、どうですかね。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 現在百名内外の全国区の候補者がございます。有力政党に所属をなさる方はその何割かでございますけれども、これらの方々がお使いになっておられる金は、極端に申しますと一銭も要らなくなるわけであります。今度はかわりまして政党が表に出て選挙運動をなさる。地方区にある程度の候補者をたくさんお立てになるといたしましても、従来個人の候補者が全国区の選挙に投じておりました経費よりもはるかに少ないのではなかろうか。そういう意味では金がかからなくなることは間違いがない。党の金と個人の金との別はございますけれども、私はその点はそう言えると思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 党の金と個人の金は別だから、ふところは別だからとおっしゃるのですが、最初から言っておりますように、とにかく準備行為、瀬踏み行為、これは選挙活動じゃないのですよ。しかしとにかく選挙に金がかかるんだという概念で包めば、個人のふところだろうが政党のふところだろうが、お金がかかるということに関してはちっとも変わりないじゃないですか、ぼくはそのことを言っておるのです。  それで、いまいろいろおっしゃったのですが、時間の関係がありますから次へ進みます。  きのうのNHKのテレビニュースだったと思うのですが、自民党の中で今月の三日に比例代表制問題研究会というのを発足なさいましたね。これは新聞にも出ておりますが、これはNHKのニュースですよ、その研究会で、順位が上の人は動かないおそれがある、だからそうなると拘束名簿式の順位の上にランクされた人は、わしは寝ておっても大丈夫だということになってはいかぬので、活発な集票活動を要求することになろう、こういうようなのが報道されておったのです。うそのことを言うわけないと思うのですが、こうなると活発な集票活動を上位にランクされた人もやる、上位にランクされなかった人はもっと一生懸命やらなければいかぬと思うのですが、この集票活動というものは選挙活動だけのものではなくて、先ほどからお話ししております準備行為、瀬踏み行為、こういうようなこともやって、私が名簿に載ります、だから私の名簿を発表した何々党にぜひとも入れてください、これをやらなければ集票活動にならぬじゃないですか。そういう活動はやはり要請されるのじゃないですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 私はそれは今後当然のことになってまいると思います。ただ、それに要する経費を個人がお持ちになるか党が全部賄っていくかという問題はございましょう。私は党が賄うことが筋だろうと思いますけれども、恐らく候補となる方は全部党まかせにしないで、自分から進んでそのぐらいの経費は賄って党のためにお働きになるのじゃなかろうか、こういうふうに推測をいたしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 これは東京タイムズの七月三十日に載っておったのですが、だから八月三日の研究会発足をおさせになるもう一つ前の話ですが、これによりますと、「自民党の名簿作成基準案が二十九日、明らかになった。」そして議長をトップにするとかどうとかいう話が出てくるのですが、支持団体の支持を失った者も名簿に載せないことにしたというようなことも載っておるのです。恐らくこういうことも出てくるのじゃないかと思うのです。だから名簿に載せないことにしたということは、名簿に載せる、まず公示になる前の話ですね、その準備作業のころの話ですよ。となると、名簿に載せてもらおうとすれば、その予定の人はやはり自分の支持団体へ行って、支持してくれ、名簿に載せてもらうようにしてくれ、こういうことを、全国津々浦々かどうかは知りませんが、やはりいままでと同じような行動をしないと載せてもらえないことにもなりかねないということになってしまうのじゃないのでしょうか。その辺のところはどうお考えになりますか。     〔塩崎委員長代理退席、委員長着席〕

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 そのようなことは今後も私はあると思います。あると思いますが、現在は個人を団体が支援するという形の全国区の運動でございます。今後はその個人の名前を支持団体を通じて有権者に書いてもらうというふうな選挙運動は不必要になってまいりますから、先ほど申し上げましたように従来の支持団体、支持組織と個人との関係が党との関係に変わっていく、私はこういうふうに思います。そういう面から従来のような経費を要するということは、私は、全然とまでは申し切れないかもわかりませんけれども、ほとんどそういうふうなことは不必要になってまいるのではなかろうかと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 どうもその辺が金丸先生お考えが甘いのか、もう知っておいでの上でなおかつそういうことをおっしゃるのかわかりませんが、いま言いましたように支持団体の支持を失ったら名簿に載せないことにする、こういうこともあり得るとおっしゃったですね。それから三日に発足された自民党の比例代表制問題研究会、ここで、幾つかあるのです、五つほどありますが、その中で本人及び支持組織の党への貢献度を考慮する、こういうのもあるのですね。となると、本人あるいはそれを支持している組織の貢献度というと、これはどういうことが出てくるというふうにいまお考えになっておられますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 その研究会には私ども出席もいたしておりませんし、案もまだいろいろとうわさとして実は党内でも言われておるような状況でございます。担当の方はいろいろと案を練っていらっしゃるようでございますけれども、その具体案を見ませんければ、私もただいまお答えのしようもございませんのでお許しをいただきたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いや私がお尋ねしておる趣旨は、拘束名簿式比例代表制案でしょう、だから順位をつけなければいかぬ、その前に名簿をつくらなきゃいかぬというときにやはりいろいろなことをお考えになってしかるべきだと思うし、お考えになってこられたと思うのです、金がかからない公明正大な選挙が行われるように。じゃその拘束名鑑式名簿をつくるときにどういうようなことが考えられるだろうかということは当然お考えになったと思うのですよ。その一つの具体的な事例がこういうふうになってあらわれてきているのじゃないかと私は思うのです。だから、こうなるとやはりその人の集票能力、得票能力あるいは支持団体からの力の入れ力、いろいろあると思うのです。行動力、識見、そういうのを勘案するのですが、やはり党への貢献度、これは当然出てくる話だと思うのです。そうすると、得票能力というのも一つあろうかと思いますが、自分を支持してくださっているその組織に対して、ネジをわが党に巻いてもらいたいということにもなってくるのは、これは当然の行きつくところだろうと思うのです。ネジを巻いてくれ、よしネジを巻こう、何でネジを巻くのですか。結局どうしてもこれは、先ほどからお話を伺っておりますように党としての活動費はふえるだろうということになると、そのふえるだろうという活動費を賄うためにより多く献金という形になろうかと思うのですが、あるいは寄付とか、そういうのを出した方が貢献度が高い、こういうことになってくるんじゃないのですか、そういうようなことはお考えになったことはないのでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 そういう点については考え方はございません。やはり百万内外の得票を得て当選させるような支持団体もございますから、そういう支持団体が従来と同じようにフルに支援していただくというような方法をいろいろ考える、そういう意味が支持基盤との関係というような考慮になっているのではなかろうかと思いますが、これは各党でいろいろお考えになっていらっしゃると思いますけれども、新聞の御指摘のものは自民党内部の問題でございまして、自民党の内部でいませっかくいわばたたき台と申しましょうか素案ができて、それを中心に論議していこうという段階のようでございますので、私いまここで何とも申し上げかねますし、これは自民党の全く内部の問題でございます。名簿の作成について、資金の多寡によって、載せるとか順位をつけるとか、私はそういうことは絶対にないと確信いたします。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 全くそういうことがないと確信をなさっておるのであれば、名簿に登載する際における罰則がついていますね。あのようなことも本当はなしにした方が、確信をしておられる筋が一番通るのじゃないかと思うのですよ。ところが、ああいうような罰則はちゃんとつけておられるということは、やはりあり得るのではないかと懸念しておられる証拠だと思うのですよ。だから、私は何もいま自民党の中でいろいろやっておられることがどうのこうのということを申し上げるつもりは毛頭ありません。やはりお考えいただいてきておるうちのこれは一つではないか。また、この法案をおつくりになる過程で当然お考えになってしかるべき問題じゃないか。それがやはり、先ほども申し上げましたが、こういう形で一つの例として出てきているのではないか。だから、この辺のところはきれい事を言っていらっしゃるけれども、それだったらあんな罰則なんかなしでいいのですよ。それを罰則をつけておられるということは、やはりその辺のところを懸念しておられるのじゃないかと思うのです。  時間が来ましたから、それを最後にお尋ねして、私の質問を終わります。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 やはりお互い人間でございますので、どういうようなことがあるかもわかりません。名簿の作成はこの制度の非常に重要な点でございますから、国民の信頼を担保するという意味で、念のために罰則の規定まで設けて公正に行われるようにしたい、こういう考えからでございますので、御了承いただきたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 さっぱりわかりませんが、とにかく終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次回は、来る六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗