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96回国会衆議院1982/07/30

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号

発言数
205
登壇者
10
会派数
3
開催日
1982/07/30

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩崎潤君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 公選法の一部改正法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、参議院の本会議中にもかかわりませず、御出席いただきました提案者の金丸先生、降矢先生、その他の方々にまず感謝を申し上げたいと思います。  このような国会議員同士の対話が法案の審議に関して行われること、これは本当に国会らしい気がするわけでございます。まずこの議員立法の形によるところの公選法の提案を高く評価申し上げたいところでございます。そして私は、いろいろの理論的な根処もございますけれども、この法案に対しては、私の身近な体験からぜひともこの法案を成立さして、そして全国区をこの法案の企図するような形で一刻も早く実現をさせていただきたいということを、まずお願いしたいと思うわけでございます。  そこで、いま申しましたように、参議院では特にこの制度の憲法上の合憲性、これらの問題をめぐりまして大変精緻な法律論を展開されたところでございます。そしてこの法律は合憲性という基準にかなうものだというふうな結論が出たと思うわけでございます。  そこで私は時間も少ない関係上、いま申しましたように法律論よりも、実は私が体験したことから皆様方がどのようにこの法律案を考えてこられたか、この点を中心として御質問をしたいと思うのでございます。  私の体験は実は二つあるのです。一つはこの委員会でも全く私くらいしか経験したことのないことでございますし、参議院の先生方も私のような経験はないと思うのです。  それは二つあるのですが、第一は、私は四十三年の七月七日の第八回参議院選挙に立候補して、そうして実は落選したわけでございます。しかも落選といっても当選よりもむずかしい、当選は五十一人おったのですからこの方が楽で、私は五十三番目という次点にとどまったわけでございます。それだけならいいのですけれども、その体験というのは大変貴重な体験でございまして、私が次点にとどまったら、いやおまえは当選だ、こう言われた。私は絶対当選はないと思っておりますと、精通者は全部、おまえは心配するな、絶対三月以内に当選する、こういう話があって、私もそうかなと思って心待ちに期待しておった。それはどういうことかというと、全国区の制度というものは大変残酷なもので、とにかく全国を二年間走り回っておったら三月以内に大抵二人は死ぬ。これまでの経験からしますと、確かに二人は死んできた。ですから、おまえはよかった、絶対当選だと言う予言者があらわれまして、私は喜んだのですが、そのときの貴重な体験というものは、そのときに限ってだけだれも死ななかった。その次のときからまた依然として二人ずつくらいは死んでこられて、繰り上げ当選の形が行われた。私はこの経験が大変貴重だと思うわけでございます。これは衆議院議員五百十一人、参議院議員二百五十二人の中で、このような経験をしたのは私しかおらぬ、こういう角度で御質問を申し上げたいわけでございます。  それからもう一つの体験は、実は二年前の第十三回の参議院選挙の際の自民党における総務局長として、自民党の候補者選びに大変苦労をした。ここに幸い松浦先生来られておりますが、私が幾ら勧めても松浦先生は出られなかった。この人くらい有能な人はいないと思うんですね。まだ入られて二年であるのに早速こういう提案者になられるくらいに有能な方でありますから、私がねらってぜひとも出てくれと言ったのですが、なかなかかぶりを振らなかった。かぶりを振るまでに三月くらいかかった経験がありますが、本当に候補者難といいますか、いまの全国区の制度で候補者を見つけるのは本当にラクダが針の穴を通るくらいむずかしい、こんな感じを私はしたわけであります。そこで、この二つの体験から、今度皆様方が組み立てられたこの全国区の改正の構想について御質問したいのです。  その前にちょっと枝葉に入るのでございますが、いまの繰り上げ当選の問題、これが今度は根本的に直った。私も本当に名簿に載っておったらよかったなと思ったのです。今度の制度の九十七条の二という規定を見ますと、次点でもとどまっておれば六年間は有効であって、六年間にだれか死ねば必ず上がっていく、こんないい制度ができ上がった。なるほど個人本位の選挙から政党本位に変わったからこうなったのでしょうが、これはまず間違いございませんか。それなら私は四十四年の何月ごろか、五カ月くらいたってどなたか死んだようでございますが、繰り上げ当選のようなことになるかと思うのですが、このように改正されたことが今度の全国区制度の改正の一つの大きな方向を示すものでございますが、これが事実であるか、枝葉でございますけれども、まずこの点をお確かめしておきたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答えいたします。  そのとおりでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 このような大きな改正が行われていることを私も気がついたわけでございますが、これからいろいろと全体の構成について御質問を数点、時間の許す限りさせていただきたいと思うわけでございます。  質問の第一は、とにかく全国区の改革の理由は何かという問題でございます。金のかかる選挙とかいろいろ理由は言われておりますけれども、要はこれは選挙制度でございます。しかもまたこの選挙制度は、御案内のように二院制度という大変むずかしい制度、その中にあるところの参議院にふさわしい人をどのように選び出すかという問題だと思うのでございます。これも本当に無限に議論しても尽きないくらいのむずかしい問題でございます。皆さん方、いろいろと理由は言われておりますけれども、先般七月二十八日の毎日新聞の「記者席」の中に新緑風会づくりということが全国区の拘束名簿式比例代表制度に関連して言われている。そこで往々にして大変ノスタルジアにつかれた人かもわかりませんけれども、参議院にはやはり前緑風会のような会派があることが望ましい。つまり昭和二十二年に百人のうち五十七人が無所属で当選した、そして緑風会を結成していったのだが、だんだんだんだんと政党化したというのでしょうか、四十年に緑風会がなくなっていった。そこで、緑風会をなつかしまれ、全国区制度と参議院のあり方の話がしょっちゅう出ておるようでございますが、理想的な参議院の姿、衆議院のチェック的な機能を持つと言われる参議院、このようなことが言われておることについて、つまりいかなる構成が参議院にはふさわしいか、どういう構想を頭に描いてこの全同区の問題を考えられたか、この点について選挙制度の世界的な権威でございます金丸先生にぜひとも伺わせていただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 大変むずかしいお尋ねでございますが、参議院の制度を自由に論議いたします場合と現在のように憲法ですでに参議院のあり方が決まっておることを前提にして論議いたします場合とおのずから違ってまいります。  現在は憲法で参議院のあり方は定まっておりますが、その中で参議院の制度につきましては、御承知のように日本と米国側の折衝の過程で、米国側は一院制を主張し、わが国は二院制を主張し、いわばその妥協として全国区制度が生まれてきた。米国側がどうしても直接選挙を譲らなかったということから、全国区の制度は直接に投票するということになってまいっておりまして、これがわが国の参議院の選挙制度の一つの特色と申してもいいかもわかりませんが、ここにまた大変大きな問題があるわけでございます。  したがいまして、ここ数年来いろいろと論議が行われて、たとえば公明党、民社党の方々はブロック制にしたらどうかとか、社会党と私どもは拘束式比例代表制、参議院の共産党のお方々の御意見では、どうも比例代表制ということは私どもと一致するようでございますけれども、拘束式か非拘束式かについてはまだ私どもははっきり承知いたしておりません。いずれにいたしましても、現行の憲法を前提にいたしますと直接選挙でやらざるを得ない。そこにいろいろと御承知のような問題が起こってまいっておるわけでございます。  一般の国民の間には政党に属しないような方が出られることが望ましいのではないかという意見が率直に申しまして多いように思います。しかし、二十一年当時の議会の審議の記録から見ましても、この直接選挙の制度をとれば必ず政党化しますよ、個人としては著名な人しか出てこられませんよ、百万、二百万という金を積むような人が出てきますよ、本会議でも申し上げましたように、大衆作家でございますとか双葉山でございますとか、そういうような人でないと出られなくなる心配がありますよということが実は昭和二十一年から指摘されておるわけでございます。  この指摘がまったく的中いたしまして、一時は緑風会が参議院の良識を代表するお方々の集まりのように言われておりましたが、御指摘のように昭和四十年には緑風会は解散をしてしまわれた。現実に政党化してまいっておりますので、政党化を前提としつつ、できるだけ出たい人よりも出したい良識の人を各政党が責任を持って選んで、そして国民の審判を受けて参議院議員として送り出す、これがやはり望ましいのではないか。現行の憲法を前提にいたしますならば、やはりこのような制度をとって参議院の独自性が発揮できるようにいたしますことがよろしいのではなかろうか、私どもはこういうふうに考えた次第でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 よく理解できたところでございますが、ともかくもいま申しましたように、私も私の体験も考えて、二十二年からの十二回にわたる参議院選挙の結果をいろいろと分析してみたのでございます。確かにもういまの制度は行き詰まってきている。これはどうしても何かの形で考え直さなければ、参議院議員の方々はもちろん、衆議院議員を含めての政治家として大変国民に申しわけないような気が私もするわけでございます。  と申しますのは、二十二年のときの当選者の最低得票数はわずか十二万四千でした。こういうようなときなら、これは地方区の選挙以下ぐらいのところですから、知識人、文化人でも立ってみる。あのときは山本有三さんとか田中耕太郎さんとか、知識人も立たれた。そして、小さな団体を代表する方々も立たれたことを覚えているわけであります。したがって、二百四十六人候補者が出られたわけで、それで百人選ばれた。二・四倍ぐらいでございます。  ところが、その後だんだんと最低得票数が上がってきまして、十二年後の五回にいきますと二十七万六千。四十三年にいきますと四十七万七千。このときに私が出て、わずか八千ぐらいでいま申しました当選よりむずかしい五十二位になったわけでございますが、そのときにもう四十七万七千。こんなことを分析して、私が知っておれば出るはずはなかったのですけれども、何にも知らずに出たために……(「不徳のいたすところだ」と呼ぶ者あり)、不徳のいたすところというお話がありましたが、本当に涙をのんだわけでございます。  それが五十二年の十一回になりますと五十八万三千。それが十二回になりますと六十四万三千。第一回に比べるともう五倍以上の最低当選者の得数を得なければ当選しない。  このままでいくならこの次は恐らく七十万を超すに迷いない。こんなような多数の票をとる自信のある人が果たしているかといったら、私は自信があるという人はほとんどおらぬと思う。さすがの松浦先生も三月も考えられたのは、金がかかるとかいう問題よりも、私はこの最低得票数だと思うのです。どこの衆議院選挙でも、参議院の現行地方区、今度の選挙区選出制の中でも最低得票数が五倍にも上がったような選挙結果というものはないのですね。これをこのまま放てきしておった政治家の責任あるいはむしろ制度を放任しておったところの政治家の責任、それが悪循環を重ねてここまで来て、やっといま改正案を提出するに至った。私はむしろ遅きに失するのじゃないか、こんなふうに思うのですが、このような傾向をどう考えられるか。いまの緑風会論議とも関連いたしますが、ひとつぜひとも金丸先生の御意見を承りたいと思うのでございます。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 先ほども申し上げましたように、全国区を直接選挙といたしておりますことに伴いますいろいろな弊害を是正しなければならない、とにかく全国区の制度は改正しなければならないというふうな意見が非常に高まってまいりましたのは十年ちょっと前、政府では第五次、六次、七次の選挙制度審議会のあたりからではなかろうかと思います。したがいまして、社会党の方でも数年前に拘束式の比例代表制の私案を発表になった方もございますし、また民社党の中にも比例代表制を御主張になった方もあったりいたしました事実もございます。私は全国区の制度を何らかの形で改めなければならないということはほとんど各方面の一致した意見になってきておった、このように思っております。  私どもは、先ほども申し上げましたような各党のお考えもございますし、私どもも自民党としてここ約十年来この問題に取り組んでまいりまして、大方の意見の動向もわかり、どうしてもやはり来年の参議院の全国区の制度には改正が間に合うようにしなければならないということから、五十五年の選挙が終わりました後、また作業を急ぎまして、私どもが提案いたしておりますような案で改革をすることが至当であろう、こういうような結論に達した次第でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いま伺いましたように、十年来検討されて、現在本当に行き詰まった全国区の選挙制度を変えていこう、こういう御意図のように承ったところでございます。  先ほど言い落としましたけれども、この最低当選者の得票数の大きな引き上がりということは、候補者数が本当に減ってきた。当初は二百四十六人も出たんですけれども、だんだん減ってきていま百人。そのうちの四十人ぐらいはいわゆる、何といいますか、むずかしい言葉の泡沫候補。いい人に出ていただく、これは私はどうしても現行制度を改正しなければ、このまま放てきしたら悪循環が続いていって本当に選挙にならなくなってくる。特定の、八十万以上の組織を持つ団体の代表者、しかも政党に関係ある人、あるいはそれに関係あるところの官僚、あるいはわずかな数のタレント、こんなことになってくるんではないか。私はこの行き詰まりを見ておりまして、本当に改正案が遅かったことを思うわけでございますが、ぜひともそういった見地から来年の参議院選挙には間に合うようにひとつ成立を希望したいと思うのでございます。  ともかくも最低当選考得票数の増大、候補者の本当に著しい減少、この悪循環を断ち切る、これが改正の大きな理由になっているんじゃないかと、私はこう思うわけでございますので、この点を主張したいと思うところでございます。  質問の第二は、確かに行き詰まった、改めなければならぬということはわかった、さてそこで、なぜ比例代表制度をとったかというところでございます。いろいろ選挙制度はございますし、これも参議院での御審議の際にも出ましたが、定数問題と関連して、やり方があるじゃないか、あるいは先ほどお話がありましたように、ブロック制度、さらにまた、拘束名簿式じゃなくて単記移譲式とかいろいろの案が考えられるわけでございます。あるいは地方区の定数をふやすことで代替できるというようなことも言われる方もおる。なぜ比例代表制度を選ばれたか、この点についてのお考え、これはもう初歩的なことでございますが、その初歩的なことが大事なことでございますので、ひとつぜひとも金丸先生の御意見を伺わしていただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 私どもが拘束式比例代表制が適当であろう、こういう結論に達しましたのは、何と申しましても非常に広大な選挙区でございまして、参議院の制度が始まりました当時に比較いたしますと有権者の数も約倍、八千二百万を超しております。したがいまして、これらの有権者に対しまして、選挙運動を行いつつ十分に候補者が知ってもらえるということは不可能である、私どもはそのように考えておるわけでございます。やはり参議院の全国区制の持つ特質からいたしまして、有権者の立場から見ましても候補者がわかりにくい、候補者も有権者に本当に理解してもらいにくい、かつ、選挙運動の費用は物すごく要するというような点から考えますと、わが国は長い間個人本位の選挙制度でまいりましたけれども、どうも参議院の全国区という制度は、ただいま先生も御指摘のように、政党の力に頼るか、組織の力に頼るか、あるいはタレント性を持っておるかでなければ出られないというような現実からいたしまして、やはり政党木位の選挙制度に改める以外にはない、これが最も適当であろう、こういうふうな基本の考えでございます。  政党本位の選挙制度に個人本位の選挙制度を切りかえるといたしますと、比例代表ということが当然考えられるわけでございます。  私どもの検討の過程におきましても、非拘束式ではどうかという意見の多かった時代もございます。が、突き詰めて考えますと、非拘束式では結局名簿に載っておる個人個人の競争が残るわけでございますから、やはり個人本位の選挙運動をやるのと同じようなことになってしまう、こういうことで、私どもは、非拘束名簿式を改めて拘束名簿式の比例代表制をとることが妥当であろう、こういうような結論に逃したわけでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 比例代表制度を採用した理由、これまでの沿革を考え、やはり政党に頼る、政党本位の選挙をとる、そういう政党本位の選挙をとれば比例代表制にならざるを得ないというお話でございました。確かに、個人本位の選挙になれたわが国で政党本位の選挙を入れること、大変斬新的な方法でございますが、それなりにいろいろの問題点がある。  そこで、私は、現在の全国区制度、百人の定数、三年ごとに五十人の定数の全国区制度は、これは比例代表制度をこの際採用しても、現在までとにかくいろいろの悪循環があるにしても行われていた選挙結果から見て、これまでの選挙結果と比例代表制度で一応の試算をしてみた結果はそんなに変わらぬ。現在は、御承知のように選挙学上の多数代表制とか少数代表制とかありますが、この全国区制度は少数代表制と考えれば、五十人という定数のために多くの政党の方々が当選されておる。長らくこれを積み重ねてきまして、その選挙結果を見てみますと、一昨年の参議院選挙の全国区の選挙結果を基礎にして適用してみたら現在とそう変わらない。そこに大きな変動もないから比例代表制度にしても差し支えないという御判断があったかどうか。これは市川先生その他の四人の例のタレント候補者の方々を会派をつくったものと見ての計算も入れての話でございますが、そう大きな変動がないように見える。この点も考慮の中に入ったかどうか。不思議なことに、私は、それは若干の党の間に増減はあって深刻に考えられるところもありますけれども、適用してみるとそんなに著しい変更はないということがあったかどうか、この点についてのお考えを承らしていただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 現在の全国区の制度は少数政党も必ず出られるということでございますので、どちらかと申しますと小選挙区制のような、多数代表ではなくて、むしろ少数代表制の制度だ、こういうふうに申してよろしいのではなかろうかと思います。一人一区ですと大政党が勝って、一票差で議席を全部取ってしまうということがございますけれども、全国区制度はそれがないわけでございます。比例代表制は、もちろんこの多数代表でもない、少数代表でもない。有権者の意思が議席の配分にできるだけそのままあらわれてくるというのがねらいでございますので、もちろん少数政党も必ず議席の獲得がおできになる。その過程におきまして、現在の全国区の制度が結果的には比例代表制に酷似した結果になっておるではないかということは、御指摘のとおり私どもも承知して、検討はいたしたのでございます。  結果としてはそうでございますが、主たる目標は、先ほど申し上げましたように、全国区の弊害を是正しつつ、それには個人本位の選挙から政党本位の選挙制度に改めなければならない、こういうのがねらいでやったわけでございますけれども、検討の過程におきましては、御指摘のようなことを私どもも十分に考えた次第でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 そこで、質問の第三は、いま比例代表制度を全国区の選挙制度にかえて採用するということでございますが、提案者として地方区を選挙区選挙制度と改め、全国区を比例代表制度に改めております。これで両者が相まって、個人本位の選挙、そして政党本位の選挙と相合わせて、西ドイツの小選挙区比例代表制度の併用制度のような考え方で、ひとつ参議院にふさわしい人を選ぶのに適当な制度として考えられたのではないか、こんなふうに私は考えるわけでございます。この点について御意見をぜひとも賜りたいのです。  一方、県議院についても比例代表制度を採用したらどうかという御意見がございます。さて、参議院で比例代表制度を全国区という百人の定数の中でしかありませんけれども採用して、また衆議院について比例代表制度、これは大変斬新な、興味のある御提案でございますけれども、大変問題があるような気がしてならないわけでございます。  つまり、まず第一には、何といってもまだまだ個人本位の選挙になれた日本人、なかなか政党本位の選挙にはなじまないというふうに私は思うのですけれども、これは時間がかかるかと思う。第二は、どうも比例代表制度というものは、社会の多数の意思の反映という言葉にあらわれておりますように、少数政党の分立を招くというような傾向があると言われる。小選挙区制度をとれば別でございますが、比例代表制度を単純にやりますと、いまの中選挙区制度、つまり少数代表選挙制度とも選挙学上言っておるようでございますが、それに比べて小党分立の傾向が出てくる。そうすると、政局の不安定ということになりはしないか。したがって、この際、今度金丸先生が考えられたところのこの案は、やはり参議院として考え、またしかしこれを完全に日本の社会に溶け込ませるのには時間がかかる。しかし、参議院として個人本位と政党本位の選挙を合わせたものとして、最も参議院に向いたものとして考えているかという問題でございますが、この点についてひとつ権威のお話をぜひとも承りたいと思うのであります。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 今回の改正案は参議院に向いたものとして考えた、このように申し上げたいと存じます。  衆議院の選挙制度をどのようにするか。これは国政の根本の根本に関する問題でございますので、私どもこれとは全然別個に今後御検討いただきたい、このように考えております。  この制度は地方区はそのままにしてございまして、参議院も二百五十二名の定員のうち百各の全国区だけについて比例代表制を採用するものでございますから、私どもはこれによって参議院自体が小党分立に陥るというような心配は全然ない、かように考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 その次の質問の第四は、確かに比例代表制度が政党本位の選挙として適当であるという御判断をされたわけでございますが、それじゃ比例代表制度にも選挙学上いろいろの仕組みがあることはもう御案内のとおりでございます。非拘束つまり単記移譲式のようなもの、その中にもいろいろの制度があることは御案内のとおりでございますが、なぜ拘束名簿式比例代表制をとられたかという点でございますが、この点について提案者の考え方をひとつ明らかにしていただきたいと思うのでございます。政党のつくる名簿についていろいろ意見が言われる。確かに名簿をつくるのはむずかしいことでございます。その基準が比例代表制度の西ドイツでどのように明らかにされておるかと言って調べてみるのですけれども、文書で関らかにされた点はないように見受けられる。しかしむずかしいことは私どももう想像のつくところでございますが、なぜこの拘束名簿式比例制度というものをとられたかということを伺いたいのです。  ちなみに昭和五十年の三月十九日の毎日新聞を見ますと、「金がかからず文化人や学者が立候補でき、全国区の特性が生きる比例代表制の拘束名簿式を採用すべきだ」というふうに報ぜられておる。これは社会党というふうに出ておるのですけれども、こんなような考え方があってとられたかどうか。大変むずかしい名簿のつくり方の問題が起こってくるだけにこれについてのお考え方を伺わしていただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 なぜ拘束名簿式の比例代表制を採用したか。その理由はどうかというお尋ねでございますが、これは先ほどもちょっと触れましたように、現在の参議院の全国区の持っております弊害を除去いたしますのにはやはり拘束名簿式の比例代表制が最も妥当である、このように考えたからにほかなりません。  それから毎日新聞の記事を引用してのお尋ねでございますが、私どももその指摘と全く同様に考えております。名簿式にすることによりまして参議院に出たいという人よりも出したい人を政党が出し得る。後二回は過去に選挙を戦ってこられた方々がおいででございますが、それ以後は政党が全くフリーハンドで候補者名簿に登載することができるようになってまいります。今回の制度で政党の所属員でない人も名簿に登載できるというふうにいたしておりますのは、各党が党員でなくともあるいは学者であるとか実業家であるとかあるいは労働団体とか福祉団体とか宗教家とか、その面の本当の達識の方を名簿に自由に載せ得るというふうな考え方でございまして、これは参議院にふさわしい人を各党が選ぶことができる道を開いたと私どもは考えておるのでございます。できるだけ各政党がそのように努力をなさることを私は希望もし、また期待もし、またそういう方が多く載っている名簿の方が国民が支持するのではなかろうか、こういうふうにまで思っているわけでござます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 ただいま提案者から、なぜ拘束名簿式を採用したかということについてきわめて明快なお答えをいただきました。私も全く賛成でござます。  そこで、質問の第五は、政党本位の選挙に改めるのだ、全国区の選挙制度についてはでございまするけれども、政党本位の選挙に改めるのだということでございます。そして、その比例代表制度の母国がときどき西ドイツであると言われる。西ドイツには比例代表制度をとるその根拠として政党法があるからとよく言われるのですが、この点につきましては、わが片岡理事が本会議でも御質問されたところでございます。私は、この選挙制度の改正を機会に、政党に関する法制、単に政党法だけではありません、政治資金規正法その他の法制を整備すべきだと思うのです。この点は片岡理事も力説、強調されたところでございますが、まず第一に、政党法、これはすぐにはむずかしいというお話もございましょうけれども、ともかくいまの人格なき社団の法理論で、明治憲法の名残か何か知りませんけれども、政党をまだ認知していないような現行法制、しかもまた法制的に人格社団の理論では、当事者能力あるいはいろいろの政党の経理の公開、こういった問題、それから訴訟能力と申しますか罰則の適用、こういった法律問題には大変問題が出てくるように思うわけでございます。  私は、単にドイツのように得票率に応じて補助金をもらうから、そのために政党をつくれという意味ではありません。しかし、全体として政党の法制的な根拠はきわめて乏しい。ドイツなどは、候補者の推薦方法は秘密投票でするというようなことまで政党法にあることを見て、なるほどと思ったのでございますが、このような法制の整備、これについて今後どのように考えられるか。これはむしろ自治省が、このような金丸先生を初め皆様方の御提案の結果でき上がった全国区制度の政党本位の選挙、これの環境整備として行わなければならない大事な問題だと思いますが、この点についてどう考えられるか、金丸先生の御意見を承りたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 きわめて重要な問題についてのお尋ねでございますが、私どもは今回、政党本位のこのような選挙制度をつくる際におきまして一番むずかしい問題と思いましたのが、当選後の議員の政党を離れられるとかいうような問題でございます。わが国の現実を見ますと、中道連合をつくるとか、あるいは新自由クラブがおできになるとか、そのような失態がございます。だから、わが国の政党の実態からいたしまして、政党法をつくってあらゆる政党を規定いたしますことが適当なのかどうか。各政党に共通の分母とか分子とか、あるいは最小公倍数とかいうようなものがあるのかどうか。現在におきましては、政党は何と申しましても生き物であり、その国の政治を推進し、あるいは政治を改革する政治勢力でございますから、余り法律で縛るということがいいのかどうか、私はその点については若干疑問を持っております。だから、いましばらくは、各政党に通ずる適当な最小公倍数か何らかが見つけられましたら、そこで政党法はつくってよろしいのかもわかりませんけれども、当分の間は、もう少し政党の実態、動き、そういうものを見きわめていく必要があるのではなかろうか、このように考えておる次第でございます。  政治資金規正法の問題とか、確かに政党法は、今日、先進諸国のうち自由な選挙制度をとる国におきましては、最も大事な団体でございますので、これを規制することも、いい意味の規制はいいのかもわかりませんけれども、いいか悪いかの判断がなかなかむずかしゅうございますので、その点はもう少し政党の実態や動きをよく見きわめた上で、政党法をつくるかどうかを考えますことが大事ではなかろうか。これはつくるとしますと、わが国の既成の政党のお方々でございますが、これは皆様方も御一緒に、真剣にお考えをいただきたい。自民党としてもいろいろ研究はいたしておりますけれども、そのような重要な課題である、こういうふうに受けとめております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 きわめて慎重な御意見のように承れるわけでございます。しかし、私は、政党の根拠に関する法制あるいは政党のもろもろの問題に関係する法制は、できる限り早く整備した方がいいという意見で、先生の御意見は全面的に賛成でございますが、この点は少し迷う。やはりここまで来た以上は、政党に関する法制の整備を思い切ってやるべきだ。これはひとつ自治省を含めて、やっていただきたいと思います。  その一つに、政治資金規正法があるのでございます。五十年の政治資金規正法の改正は、とにかく兵馬倥偬の間に企業献金が悪だという観点ばかりから行われてきたことは御案内のとおりです。それもよくわかる点もある。しかし、個人献金を進めるという点も重視されたが、その結果を見るとどうか。私、大変疑問を持つのですけれども、それはともかくとして、このような政党本位の選挙が行われないときにつくられた政治資金規正法なんですね。その後、皆さん方が精力的に全国区の制度を政党本位にする。ところが、政治資金規正法はそんなことを考えていない時代にやっと改正されて規制、規制という観念の出た、政党本位という選挙が頭に全くないような法制になっていると思うのでございます。  それは御案内のように、政治資金規正法をひもといていただきますと、すぐわかると思うのです。それは政治資金規正法の第二十二条を開いていただければ、しかもまた、その附則の第五条を見ていただくと、すぐわかると思うのですね。まず政党のバックには政治資金団体、政党は一つずつ政治資金団体を持っておりますから、政党とそのバックの政治資金団体と、公職の候補者の政治活動に対する寄附の枠を一括している。つまり、個人候補者と政党とが、政治資金を一つの枠の中で取り合いみたいなかっこうになっているのですね。  そしてもう一つ、附則五条の第二項を見ますと、いわゆる派閥とかその他の、政党より――私に言わせたら重要度が落ちるところの団体の、政治資金団体に対する寄附の限度が書いてある。私はここが問題だと思うのです。このような法律ができたら、むしろこの公選法の附則で政治資金規正法の附則の第五条一項ぐらいを改正して、政党と公職候補者を別々に規定する。いまのは取り合いみたいなかっこうになっているものですから、A項――A項と言われておりますが、A項の中で、政治資金規正法で、個人にやる分が余ったから政党に出すとか、このような個人の公職候補者と政党とがお互いにけんかするような体制、これを附則で直していただきたかったぐらいに私は政党本位の選挙を大事にするつもりでございます。こんなことが行われないし、また、いま金丸先生のお話では、これは動きを見てというお話でございますが、こんなような問題はどうでしょうか。これは堂々と分離して、個人と政党とは全く政治資金の使い方は違うのですから、こんなような考え方を一刻も早く整備すべきじゃないでしょうか。いかがでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 御質問の御趣旨には私も全く同感でございます。確かに、個人本位の選挙制度から政党本位の選挙制度に改めるわけでございますので、政党とあるいはその他の政治団体あるいは候補者に対する政治資金のあり方についての現在の制度を検討すべきじゃないかという御意見は私もごもっともと思います。ただ、政治資金に関しましては余りにもいろいろな問題がございますので、これは選挙価度を改正するという趣旨で、かつ、新たな全国区の政党本位の選挙運動につきましては公営を原則とするようなたてまえもとっております関係もございまして、政治資金の改正にまでは私ども手が及ばなかったと申しましょうか、とにかく全国区の制度を改正するということを主眼にしていたしましたので、その点は今後の重要な課題として私どもも研究をさせていただきたいと思う次第でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いま私は、経理局長をまだやっておりませんので、総務局長でございましたので、特に政党本位の選挙が気になるわけです。私はいまのお話を聞いておって、本当にこの全国区の改正案はすばらしいものだと思うのですが、画竜点睛を欠いたのは政治資金規正法の三十三条の改正であったと思うのです。  しかし、幸いなことに、五十年の改正の際の政治資金規正法の附則の八条を見ますと、私は附則五条はよくないと思うのですが、附則八条は非常にいいことが書いてある。「この法律の施行後五年を経過した場合においては、新法の施行状況を勘案し、政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途及び会社、労働組合その他の団体が拠出する政治資金のあり方について、更に検討を加えるものとする。」こういう規定があるのです。「検討を加えるものとする。」というやわらかい表現でございますが、これは、法制局の解釈では、検討しなければならないという義務規定だというふうに言われているわけでございます。金丸先生、どうでしょうか。さっぱり附則の八条が法律として生きていないような気がするわけでございます。私どもが検討しようと言ったら、また企業献金かというような話ぐらいが言われるぐらいで、検討していない。これはぜひとも検討する必要があると思うのですが、いかがでございましょう。五十五年から検討しなければならぬ義務があるのに、その後もう二年もたったのです。これは全国区制度と同じように怠慢に行き詰まるまでほっておくというような、何といいますか、日本の社会のあり方というようなことを言われるのは非常に残念でございますが、この附則八条をどう考えられるか、金丸先生、いかがでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 私は御質問の御趣旨に全く同感でございます。法律の規定もあることでございますので、一日も速やかに改正が行われますように、私どもも勉強し、また、政府にも勉強していただきたいものだ、このように思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 それで最後にいまの八条の問題でお願いしたいのは、金丸先生は提案者でございます、国会議員でございますが、この法律は、国民全体に対する義務であり、それからまた国会議員もこれに従わなければならぬ。それ以上に従うべきは私は主管官庁だと思うのですね。きょうは残念なことに自治大臣がお見えになりませんけれども、ここに行政局長に栄転された大林選挙部長がおられますので、自治省はどのような考え方でこれに取り組んでおられるか、自治省こそ専門家としてこの問題を検討し私どもにいろいろと教えていただかなければならぬと思うのですけれども、最後に、自治省のこの八条に対する考え方。自治省は本当に私ら以上に役務と考えておられるに違いない。その割りにおとなしい静かな自治省であると思って私も心配するわけであります。ひとつ、大林行政局長、栄転された機会に大臣にかわって御意見を賜りたいと思うのです。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 先ほど来塩崎委員の方から政治資金規正法の諸問題について御質疑がございました。現在の法制のもとにおきまして政党本位を目指すとすればいまの枠のとり方がおかしいではないかという御議論もございましたし、これも五、六年前から議論をされたところでありますけれども、確かに私どもの目から見ましても一貫しない気持ちを強く持っております。残念ながら政党本位の選挙制度を目指す過程におけるやむを得ない試練というふうな気持ちを私どもも持っておるわけでありますが、御質問の附則八条の見直しの問題、これも重要な宿題と心得ております。ただ、その附則八条に書いてあります宿題の内容が、一つは個人献金の促進策を講ずるとともに、企業献金、団体献金の見直しをするのだ、こういうふうに書いてあるわけであります。その趣旨は、選挙制度審議会の過去の答中にもございましたように、五年程度たてば各党とも組織、体質を近代化して個人献金でやっていけるような誇りある政党になってほしい、こういう希望をその附則にあらわしているものと考えております。そこで、問題は、五十年の改正で措置されました個人献金の促進策として税制上の措置がされておりますが、過去六、七年間の実績を見てみましても、この個人献金の伸びというものが全く停滞をしております。塩崎委員よく御承知のことと思いますけれども、私どもが所管をしております三千ほどの政治団体全体を見ましても、その収入額に占める個人献金の割合というのはわずか四%程度、こういった数字が毎年並んでおりまして、ほとんど動いておりません。税制上の措置をした上でなおかつなかなか個人献金が集まらない。この個人献金が染まらないというのは何も日本だけではありません。ヨーロッパ諸国におきましても、あるいはアメリカにおきましてもイギリスにおきましても集まらないで困っております。染まらないで困るから結局政党財政がなかなか成り立たない。最近は諸外国におきましても企業献金もだんだん出し渋っておるような状況でありまして、このままでは政党財政が成り立たないというそれだけの理由で大体ヨーロッパ諸国において御承知のような政党補助金制度というのがこの十年来あちこちで生まれてきつつあるわけであります。それほどさようになかなか個人献金の問題と企業献金、団体献金の問題というのはむずかしい問題でありまして、実際問題として政党財政の実態を一番御承知なのは結局各党の責任打の方々であると推察するわけでありまして、私ども政府の立場からしてこうすべきであるとかああすべきであるということがなかなか表に向かって言えないような性質のものであるということもひとつお酌み取りいただきたいわけであります。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 これで質問を終わりたいと思いますが、大変雄大な構想の全国区の改正案は、私はぜひとも早目に成立さしていただいて、来年の六月と言われております参議院選挙の候補者の方々に早く安心、安定を与える、その意味でもひとつ早くこの委員会で成立させていただきたいと思います。  金丸先生を初め、松浦先生、それからまた自治省の大林行政局長から、きわめて明快な御答弁をいただきまして本当にありがとうございました。これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

久野忠治自由民主党

○久野委員長 佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 発議者の皆さん方にはまことに御苦労さまでございます。  参議院の方では、議事録を拝見する限り、参議院のあり方、あるいは参議院と衆議院との違い、あるいは参議院全国区というものの本来の趣旨というのはどんなものだったのだろうか、あるいは拘束名簿式比例代表制というものが憲法に違反をしないのかどうか、あるいはその中に出てまいります政党要件なり選挙運動の問題等々を中心にして理念的な、きわめて底の深い議論がかなりなされてきたように議事録で見る限り拝見をするわけであります。  私は、この点も非常に重要でございますが、国民の皆さん方にまだ一体今度の制度になったらどういう選挙になるのかよくわからないということが多々あるわけでございますので、そのあたりを中心にしながら、許された時間お伺いをしていきたいと思うのでありますけれども、その前に、私も具体的に関与をいたしまして、この参議院全国区というものを何とかしなければならぬ。金がかかり過ぎる、あるいは選挙区の面積が大き過ぎる、有権者から見るとその個人というのは見たこともないというような数々の参議院の全国区制というものの弊害というのを考えた場合に、この制度は何か新しい、よりいい議会制度の中で根づいていくような制度に変えていかなければならぬ、こういう観点から私たちもかなり前からこれは協議をしてまいったわけであります。  もちろん地方区の定数是正の問題とか、たくさんの問題がございましたけれども、その際、参議院の全国区の選挙制度を変える場合には地方区との関係はどうするのか、あるいはそこまでいきますと、一体参議院と衆議院という二院制を設けてあることの意味というのは、日本の政治の中で、議会制度の中でどういう意味を持つのか、その辺のところもいろいろな議論がございました。しかし、その最後のところから議論をしてまいりますと、これは憲法を改正をして一院制にするのか、二院制を残しておくのか、この問題まで触れなければなりません。そうしますと、いろいろな議論が出てくるわけでございますので、ある程度現実の改正の可能性を含めますならば、衆議院の制度はいろいろ議論があっても現行のまま、地方区についても定数の是正の問題はございますけれども制度としてはいまのまま、その枠組みの中で参議院全国区制度というものをどういう方向で考えるべきかという議論をしたわけでございます。  そして、現行制度のままでいいというなら話は別でございますが、改正をしなければならぬということになりますれば、まずその改正の視点は、新しい制度というのは金がかからない制度にしなければならぬ。その意味では、先ほど発議者の答弁にもございましたように、非拘束名簿式のような従来どおり選挙をやるのでは何にもならぬ。むしろ非拘束になりますれば、たくさんとった人の票の当選ライン以上の余った票というのは下位の人に与える。個人の名前を書きながら他の人に移譲するというのは、これはむしろ改正ではなくて改悪ではないか。したがって、現行のような個人本位の選挙ではなくて、金のかからない制度ということになるならば、議会制度の中にあります政党という非常に重要な機能を果たしますここがいわば推薦母体のような形になる、この制度しかないのではないだろうか。改正の視点としては、一つは金がかからない制度であることであります。  それから二番目に、先ほどちょっと触れましたけれども、少なくも憲法改正まで含むような大改正というのは現実無理である。何か自民党の方では別の角度で憲法改正の問題は議論されているようでございますが、その問題は別といたしましても、少なくも参議院全国区制の改革の方向性としては現憲法内で可能であるものではないだろうか。したがいまして推薦制のような、たとえば地方議会が推薦をするとか各種団体が推薦をするというようなそういう制度というのは無理であるということで、現憲法内で改正が可能であるものであることということであります。  三番目に、これは非常に重要な要素であるわけでございますが、全国的により有為な人材を輩出できる制度にしていかなければならぬ。したがって私たちは、ブロック制を言われる方もいらっしゃいましたけれども、ブロックというものが行政の中で根づいていないとか、そのほかのいろいろなことがございますけれども、地方区があって、その幾つかをまとめるブロックということでは、これは結局突き詰めてみれば衆議院の延長になってしまうのではないだろうか。こういうことを思いますと、あくまで私たちは、北海道から沖繩までを含めた全地域に全国的な有為な人材がより輩出をしやすいような、そういう方向に向かった制度の改正を考えるべきではないだろうかということが三番目でございます。  それから四番目は、余り複雑な制度で、一体自分の入れた票が最終どこに到達するのかよくわからぬというような、票の出方と議席数というものが直に結んでないようなわかりにくい制度というのは、国民にとってはマイナスではないだろうか。私たちは、そういう全国区制度の改革の方向性というものを議論をいたしました。  そしてその中で、現在でも言われておりますが、たとえば全国区をすべて地方区にしてしまうということを言われる方もいらっしゃいますが、これは参議院の死滅に当然なるであろう。参議院というのは全国区、地方区という二つの測度から出された議員の方々が構成をして初めて参議院というものが衆議院と違う形で選ばれた方々がいらっしゃる第二院としての意味があるだろうし、とりわけ全国区制というものはそういうものである。したがって、全部地方区にしてしまうということになりますれば、これは衆議院の延長線あるいは衆議院と同じような形の第二院ということになるだろう、それは参議院の存在意義というものをなくしてしまうことに最終的に通ずるであろう、こういうことで全国区をすべて地方区にしてしまうという考え方をとらなかったわけでございます。  それから、全国区をブロック制にしたらどうか。関東地方、関西地方、あるいは数県まとめてやるという制度にしたらどうだろうかという御意見を待たれた方もいらっしゃいますが、これにつきましては、先ほど触れましたように、あくまで全国区というのは全国的な有為な人材ということにすべきでございますし、地方区でもすでに大きなところは、私のところは愛知県でございますが、衆議院の選挙区が六区ございますと、とても二十三日間の選挙日数の中で十分回り切ることもできないというような、地方区ですらかなり過酷になっている上に、それを数県またがるような地方区というのは、ブロックにするということについては、現実からいっても、とるべき方向性からいってこれはそうはならないのではないだろうか。それから全国区を推薦制にするということについては、先ほど触れましたようにこれは憲法上困難である。それから非拘束の名簿式比例代表制にしたらという意見もありましたけれども、これはかなり自民党さんも考えられたようでございますが、これも制度上無理であるし、先ほど触れましたように、むしろ改悪になってくる。こういうことを考えてまいりますれば、具体的なやり方は別といたしましても、考え得る改正案から申しますれば、私たちはこの拘束名簿式比例代表制、政党本位の選挙に移行していくという、八千二百万もの有権者の方々を相手にするという限りは、政党政治の中で責任を持つ政党というものがいわば推薦制のような形をとってやるこの拘束名簿式比例代表制しかないのではないだろうか。もちろん細かいやり方についてはこれから議論させていただきますが、私たちはそういう基本的な理念に立って今日までいろいろ党内でも議論を煮詰めて、自民党案が出された後に、社会党は、基本的には拘束名簿式比例代表制でございますが、その他細部にわたりましてはいろいろ配慮の足りない点が良民党案にはございますので、その点について修正を加えながら社会党の独自案を出したわけでございます。  ただ、政治でございますから、単なる政策論議をすればいい、制度論議をすればいいということではないと思います。過去のいろいろな経緯があるわけであります。それは、御存じのように一九七五年だと思いましたけれども、六月三十七日に当時河野参議院議長が、あのときは国会に大変いろいろな案件がございましてむずかしかったわけでございますけれども、あっせん案を社会党、自民党、民社党に中されたわけでございます。このときはいろいろな事情がございまして、公明党さん、共産党さんはあっせん案を拒否をされておるわけでございますが、そのあっせん案というものは、この選挙制度の歴史を考える上において大変意義のあるものだと思っておるわけであります。それは「参議院地方区の定数については人口の動態の著しい変化にもとづき、これを是正する要あることを認め、次期参議院通常選挙をメドとして実施するよう取り計らう。この場合、公職選挙法改正の過去の事例を参照するものとする。なお全国区制度の改正については別途検討を進める」というあっせん案でございます。中身については多く申し上げる必要ないと思いますが、このあっせん案については、当時参議院の自民党、社会党、民社党の国対委員長が署名、サインをしたものが何か参議院の金庫の中にいまだに入っているそうでございますが、いずれにいたしましても、私たちは、政治でございますから、過去約束をしてきたことは約束として、これはやはり順序立てて一つ一つ果たしていくというのが政治の常道であり、政党間、公党間の約束ではないだろうか、私はそう思うわけであります。  その意味におきまして、ここにございますように、当然参議院の地方区の定数是正というのは、人口を基準にして、昭和二十一年に決めたときのそれがもとでございますから、人口を基準にして定数配分を行うべきである。そしてもうすでにその後三回参議院選挙が行われておりますけれども、とにかくなるべく早く定数是正を行うべきである。そしてそのやり方については過去の公職選挙法の改正の事例を参照するということは、衆議院においては沖繩の復帰のときも含めまして過去三回、増員ということで定数是正をしているわけでございますが、そのときはそういう約束になっていたわけであります。ところが、いまだにこれが実現をされておりません。  このことについては参議院でもかなり議論がなされたわけでございますけれども、そこで発議者の方にお伺いをしたいわけでございますが、過去の経緯から申しまして、全国区改正の前に参議院地方区の定数是正というのは当然行われるべきではなかったのか。これは、衆議院の定数不均衡につきましても恐らく最高裁は違憲の判決を出すであろうと見通されます。参議院についても地方区の問題について同じような結論になるのではないか、当然だと私は思うわけでございますけれども、このことにつきましては参議院の中でも何度か議論をしております。  私はもう少し具体的にお伺いをしたいのでありますが、かなり瞬間が狭まってまいりましたのでこういうお伺いをしたいと思うのでございます。昭和二十一年の四月二十六日に行われました臨時の統計調査、このときの人口が七千三百十一万四千百三十六人であります。このとき衆議院の定数が四百六十六、参議院は二百五十でございます。ところが、一番近くに行われました五十五年の国勢調査ではこの人口が一億一千七百六万三百九十六人。人口はざっと一・六倍になっているわけでございます。衆議院はその後定数是正を行いまして五百十一人、参議院は沖繩の方が加わって二百五十二人ということになっておりますが、いずれにいたしましても、人口で見ましても、あるいは議員一人当たりの人口で見ましても衆議院の場合には一・四六倍、参議院の場合には一・五八倍ということで、人口で言いますれば六割増しになっているわけでございます。  この中で、行政改革という問題も当然ございますけれども、国政を左右する地方区の定数というものが現状のままであっていいことではないと私は思うのであります。もちろん総定数をどうするかということが非常に大きな問題でございまして、自民党さんの方は、私たちから言わせれば大変御都合のいい増減案なるものを出してこられましたし、この前の公明党さんの修正案では減員によって逆転区を解消するという案も出されているわけでございます。しかし、いま申しましたように、参議院地方区といえども、当初決めた定数というのは昭和二十一年でございますから、当時、いまのように過密過疎という状況になっていない、復員された方々がまだ地方にいらっしゃるというそのときの人口をもとに行われて、いまだにその状態であるわけでございますので、その意味から言いますならば、地方区といえどもこれは定数が基礎であり、なおかつ人口が一・六倍にも達している現状から見ますならば、ある程度の増減をもってしても定数是正を図るべきではないだろうか、私はこう考えますが、このことについて現実には何ら答えが出されていない。このことは一体どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、まずお伺いをしたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 参議院の地方区の定数是正の問題は年来の懸案になっておりますことは御指摘のとおりでございまして、本会議でもお答えを申し上げましたように、私どもも緊急を要する重要な課題であると思っておるわけでございます。できるだけ早く結論を出さなければならない課題である、私どももかように認識をいたしております。  ただ、定数の問題でございますが、御承知のように世界各国の上院制度はそれぞれの国で著しく異なっております。どの国の上院制度がこうだからわが国の参考になる、どうもそういうふうに言い切れないように存じます。米国でございますと、わが国の倍近い人口でございますが、上院は御承知のように有名でございます。西ドイツの上院は連邦の閣僚がなるようになっておりましたり、イギリスはまだ貴族院のようなかっこうでございます。フランスは地方議会が選びますとか、それぞれの国々で違っておりますので、衆議院の定数との比較から参議院の定数を増加せよと、一概にやはりそう言い切れないのではなかろうか。わが国の参議院のあり方を考え、地方区の性格等を考えまして、定数をどのようにするか、是正をどのようにするか。私どもは行政改革ということもいわば国民の声だという感じがいたしますので、できるだけ現行の定数の範囲内で地方区の定数の是正を行っていったらどうであろうか、およそそういうような考え方でございますが、できるだけこれは私どもも考えをまとめ、また各党でもお考えをまとめていただいて、一日も早く是正をいたしたい、いたさなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私たちも行政改革が頭にないわけではないのであります。ただ、いま金丸先生言われましたように、各主要国を見てまいりますと、議員一人当たりの人口でわが国よりも多いのはアメリカだけですね。それ以外は、ヨーロッパは議員一人当たりの人口というのは、もちろんさまざまでありますけれども、日本よりもはるかに少ないのであります。議員の数が多いことがすべていいと私は申しません。そのことは申しませんが、先ほど触れましたように、人口も当時決めたときよりも一・六倍にも達し、有権者数でいいますと、第二十二回の戦後第一回の選挙、昭和二十一年四月一日が有権者数三千六百八十七万八千四百二十人、ところが昭和九十五年六月二十二日、ダブル選挙のときが八千九十二万五千三十四人となっているのであります。何と戦後第一回の選挙のときの三・一九四倍、二倍強になっているのですね。三・一九四倍ということでございますから、そのあたりも十分勘案をしていいのではないかと私は思うわけでございます。そのことを申し上げて、次は本法に入らせてもらいたいと思います。  それは、わが党案と自民党案の中で一番違うことの一つは、政党の要件の問題でございます。名簿を提出できる政党の要件でございます。言うまでもなく自民党案の場合には、現職議員五人以上あるいは候補者の場合には十人以上、一番近くに行われました得票率が四%以上、こういうことになっているわけでございますが、社会党の場合には、現職議員三人以上、候補者は五人以上、支持率二%、こういうことにしたわけでございます。それは何も自民党案のただ半分にすればいいということではないわけでございまして、私たちは基本的に、冒頭申し上げましたように拘束名簿式比例代表制、政党本位の選挙、このことについてはもちろん賛意を表するわけでございますけれども、現実に小会派が、参議院の場合には新政クラブなりあるいは一の会なりその他あるわけですね。もちろん会派は政党と違う。法案の賛否につきましてもおのおの違う場合があるというのは政党としては普通の場合ないわけでありますから、その意味では会派と政党とは違うと言うけれども、しかし、私たちは現実の政治の中でそういった方々が立候補できる制度というのは制度上担保すべきではないか。私たちは一人一党というのは認めませんけれども、法制局の方々と詰めたところでは、パーティーと申しますか、一つの団体というのは最も小さい単位は三人である。なぜかといいますと、二人ですと意見が違うと一つの決定が下せない。ですから、一つの団体の最小の単位は三人である、こういうことが法制局の基本的な考え方のようであります。そうなりますれば私たちは最低現職議員三人。いままでは個人で立候補ができた個人本位の選挙でございますけれども、今度は政党という一つの団体が名簿を提出できる要件になるわけでありますから、その意味からいいますならば、立候補権というのはでき得る限り確保することが、現実の政治の中で新しい制度をつくっていく上からいうならば、大変重視をしなければならぬことではないだろうかと私たちは思うのでございます。  その点について発議者の方々は、いや現行法にある確認団体がそうなっているので、それをそのまま援用したということでは、現実政治の中で個人本位で一人でも立てたものが、新しい制度になるからといって――立候補権をなるべく確保するということが民主主義の上からいっても非常に重要なことなのではないか、こう思い、社会党案の方がその意味ではるかにこの件について少数政党に配慮をしておるのでありますが、しかも今後政党の離合集散がどうなっていくかわかりませんが、新しい制度でまたこれから先を見通した場合にどういうことになっていくかわかりませんが、その意味ではいま移行期であり、過渡期であるわけでありますから、これだけの配慮はして当然ではなかったかと私は思うのでございます。その点について配慮が欠けていることにつきましてどういうことなのか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  今回御提案申し上げております拘束名簿式比例代表制度、これは個人本位から政党本位の選挙を目指すものでございます。したがって、この制度の中においては、国民の意思を完全に国会に反映するための媒体としての政党がきわめて重要な地位を占めることは、先生よく御承知のとおりでございます。となりますと、政党という以上は、やはり機能を果たしていただく上においては、政党らしい政党であるべきではなかろうかということを私どもはまず第一に考えたわけでございます。  そこで、この問題に決着をつけます際に、現行法制との関連も十分考えなければおかしい。ということは、政治資金規正法の中で、五人以上の一会議員を有するものは政党であるということを長らく運用してきております。また確認団体というものも政党らしい政党に認めたものだという観念で私どもはこれまでおったわけでございます。そういう現行制度との関連も考えつつ、政党らしい政党というものをどう認定するかということを考えました場合に、結論的に、私どもおしかりを受けているような感じを受けますけれども、国会議員九人あるいは立候補者十人、これに類するものとして直近の選挙における得票数が四%以上、こういう考え方をとったわけでございます。もちろん現実の各会派等の問題を配慮しなかったわけではございませんけれども、これまで政党らしい政党と認めておったものを一挙に変えてしまうということは現行法制との関連ではいかがであろうか。やはり常識的に考えても、私どもが考えている程度が政党らしい政党の最下限ではなかろうか、こういう気持ちでつくったのだというふうに御理解をいただければ幸せだと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこがいままでは個人本位の選挙ということで、政党がそれぞれ公認候補、推薦候補を出し、やっていたという制度の中で、確認団体というのは、御存じのように衆議院の場合には候補者二十五人以上、参議院の場合には十人以上、こういう制度で確かにやっておりました。しかし、それは個人という形で立候補できるという制度の中であったわけですね。そのときに、一体政党あるいは確認団体というものは、参議院議員が十人というものが本当に確認団体としていいかどうかということは、正直言って余り詰めてきたわけではないと思うのであります。それで、今度はこういう制度に変えるわけでありますから、松浦先生、言われるように、確かに政党らしい政党、この要件は私も非常に重要だと思いますけれども、いままでは、確認団体というのは、政党にかわって選挙中自動車なりあるいはポスターなり、その他なりの、いわば選挙運動の面で、個人で立つよりもグループで立った方が有利ですよという便宜供与的な面が確認団体の制度にはあったと私は思うのであります。ところが今度の場合には、がらっとそれが変わるわけでありますから、確かに過去との、法律上の接点というのは私も大事だと思いますけれども、今度は立候補権について団体にしぼるわけでありますから、その際には、私は、でき得る限り、これは少数者のグループについても配慮する必要は当然あったのではないだろうかとあえて申し上げたいわけでございます。しかも、現実にそういう政党なり会派がなければ、また実態は違うと私は思うのでありますが、現実にあるわけでありますから、やはりそういった方々に対する配慮というのは、私は、現実政治の中でまた新しい制度を設ける際には、なお一層配慮する必要があるのではないかと思うのであります。  ちなみに、いろいろ選挙制度は違いますが、たとえば西ドイツの下院の場合には、邦の有権者の千分の一、最高二千人の署名が必要である。もちろんいろいろ違いますよ、これは拘束名簿式の小選挙区制をとっているとか、戸別訪問が自由であるとか、選挙運動がずいぶん違うとか、いろいろなことが違いますが、たとえば名簿提出の要件というのは、西ドイツの場合には、人口は日本の約半分でありますけれども、最高三千人とか、ベルギーの下院の場合には二百人から五百人の有権者の署名が必要である。あるいはイタリアの場合には三百五十人から七百人の有権者の署名が必要である。デンマークが二十五人以上、スイスが五十人以上と、とにかくその意味ではかなり緩やかになっているわけですよね。私は、個人の立候補を政党本位に変える以上、でき得る限り、移行期としてはそういった配慮をより一層すべきではないかと思うのであります。  なお、この問題については、参議院における宮之原質問に対する御答弁との関連で後でもう少しお伺いをいたしますが、その点の配慮についてなお一層ひとつ御検討願いたいと思うのであります。  それで、この問題で私が少し矛盾を自民党案で感じておりますのは、今度の政党要件の場合には、たとえば衆議院議員が五人おりまして、そして参議院には現職議員が一人もおらない、その場合には、名簿提出政党の権限はあるわけでございますから、そうすると参議院に立候補する候補者が一人でも、これは確認団体として名鑑を提出できるということになるわけですね。そうしますと、たとえば五十五年のダブル選挙のような場合には異常でございますから、この場合でなくて、大抵衆議院と参議院は別に行われる。そうしますと、従来ですと十人以上なければ、たとえばポスターの枚数は七万枚プラス幾つとか、あるいは自動車の台数は本部と支部を通して六台プラス何とかになっていくとか、候補者の数によってこれがふえていくわけでございますが、今度は十人以上の確認団体であれ、あるいは現職衆議院議員が五人で参議院の候補君が一人という場合でも、いわば確認団体のポスターの枚数だとか政連カーの台数だとかは得られる。一人でも十人でも同じ確認団体として扱われる、こういう制度になるわけですね。このことについては、一人でも十人でも同じ扱いというのはおかしいのではないか。あるいはもう少し確認団体の刻みをそれならば変える必要がなかったのかどうなのか。この点についてはどういう御検討がなされたのか、ひとつお伺いをしたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答え申し上げます。  社会党案では、候補者五人でよろしい、しかもその団体は、五人では確認団体にはならないわけでございます。非常に細かい配慮をしておられるわけでございまして、私どもも非常に敬意を表しておるわけでございますが、現実の問題として、やはり政党本位の選挙であるということになりました場合に、政党らしい政党で、単に立候補者の数だけによって確認団体にする、しないということを差別することは、制度的に非常にむずかしい問題を生じてまいります。そういう観点から、思い切って割り切って、政党らしい政党については確認団体として参議院議員選手に際しまして、一定の政治活動ができるということにする方がわかりやすいだろう、こういうことで私どもも決断をいたしたという次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その政党らしい政党という言葉ですべてひっくくられて、どうも余り説得力がないように私は思うのでございますが、この政党要件の問題というのは私は非常に大事なことだと思いますので、参議院においても議論されておりますが、わが党の宮之原委員の質問に答えて松浦発議者が、途中は飛ばしますけれども、「したがって、今後社会党案を御検討いただいて、それに対する質疑等を通じて納得できるものがあれば、私どもはそういう形で姿を変えるということについて異議を持っておるわけではございません。十分検討させていただきたい、検討に値する案だと、こう思っております。」私は、リップサービスは入っていないと思うのでありますが、これは非常に重要なことを御答弁いただいているわけでございますが、この御答弁に対して具体的にどういうふうに今後検討していただくのか。これは会期もある程度限られているわけでございますし、あるいは本国会中に社会党は修正を出すことになろうかと思いますけれども、その部分を出せば、自民党の方々も賛意を表して乗るとか、こういうことがあり得るのかどうなのか。今国会中だけはとにかく本体を成立させることが先で、でき得る一番近い臨時国会ならば、ひとつ第一番にこの政党要件の緩和とか、後でお伺いしますが、供託金の問題とか選挙運動とか、こういった社会党の、自民党案にないきわめてりっぱな点についてはひとつ修正をお互いにやりましょう、こういうことになるのか。あるいは、きょうの答弁では、まだ自民党の中がそこまで答えるまでにいっていないので、各党の質疑が終わるぐらいまでの間には自民党の中でひとつ考えていただいて、どういうふうに具体的に修正を実現をさせていくかということについて、それまでに考えますということなのか。ちょっと私も親切過ぎるかなと思っているのですが、いま申しました三つのうちのどれをおとりいただけますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 私どもでとりまとめた案を御審議いただいておるわけでございますが、金丸先生以下われわれは単なる提案者でございます。しかも、そのきわめて重要部分である政党要件の変更について、ここでいま私どもにはイエスだ、ノーだということを申し上げる権限もございません。委員会で十分御審議をいただきまして、私どもも私どもなりの意見を党の幹部に申し上げるということによって党の意見としてはっきりおまとめを願った上で御結論を出していただきたいものだ、こう思っております。今国会中にできるのかあるいは最も近い将来の別の国会においてやるのか、こういう問題も含めてそれらの問題以下同様であるというふうに御理解をいただきたい。  これ以上申し上げるとまた問題を起こしても困りますので、その点お酌み取りいただきまして御容赦願いたい、こう思うのでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いまの御答弁は、私が設問した三つの中に入っていない第四番目の答えを、出されたわけでありますが、本会議の時間も来ましたし、きわめて重要な案件でございますので、なおいろいろな角度から議論をさせていただきたいことを申し添えまして、午前の質疑はこれで終わらせていただきたいと思います。(拍手)

久野忠治自由民主党

○久野委員長 この際、休憩いたします。     午後零時二十一分休憩      ――――◇―――――     午後三時五十三分開議

久野忠治自由民主党

○久野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 午前中に引き続きまして公選法の問題をお伺いしたいのでありますが、その前にちょっと自治省に政治資金の収支報告書の問題について若干お伺いしておきたいと思うのであります。  五十六年度の政治資金の収支報告書はいつ公表になる予定なんですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 政治資金の収支報告は例年七月末あるいは八月の初め、特に選挙などがございますと九月にかかることがございます。ことしの収支報告の対象は昨年五十六年の収支報告を公表することになるわけでありますが、御案内のように政治資金規正法が一昨年改正されまして、昨年からは政治家個人の収支報告が重なってまいることになりました。いろいろ関係の先生方にもお願いをしてまいったわけでありますが、かなり提出がおくれております上に、初めてのことでございますから、内容の形式的なミスがかなり目立っております。こういう形式的なチェックは私どもの方でもせざるを得ませんので、そういうことで手間取っております。できるだけ急いで公表したいと考えておりますが、恐らくは九月にかかるのではないだろうかという見込みでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは個人であろうと三月三十一日までに各選挙管理委員会あるいは中央の選管に提出することになっているわけですね。そこの段階で余り出てこないから公表の時期がおくれるということなのか、それとも自治省の方でその後の処理が大変手間取るので公表の時期がおくれる、こういうことなんでしょうか、どっちなんですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 両方の要素があるわけでありまして、従来の政治団体の中でも期限後に提出されるケースがかなりございます。と同時に、政治団体の収支報告なりあるいは個人報告にいたしましても、私どもの立場として公表をするからにはある程度の割合が集まった上で公表するのが適当であるという方針をとっておりますし、そういう意味でいろいろ督促でお願いをするわけであります。一番手間取りますのが、提出をされましても先ほど出し上げましたような形式的な計算の合わない問題であるとかあるいは年月日が落ちておるとか、これは会計責任者の方も大変お忙しい中で苦労されておるからでありましょうけれども、これを訂正をしていただかないことには形式的なミスのまま公表するというわけにまいりません。  ところで、訂正をすることにつきましても物が物でございますから、私ども役所サイドだけの判断で勝手に計算をして勝手に数字を一致させて直すというわけにはまいりません。一々訂正印というものをその都度押していただくようなお願いをしてきた状況でございます。いろいろな面で手間取るのが実情でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 きょうはその問題が主題でないものですから私もつまびらかに調べてはきておりませんけれども、私のところの事務所でも三月三十一日というのは三月十五日に次ぐ非常に重要な日にちだと思って、これはとにかく三月三十一日までに出さなければいかぬ、大した額が動くわけではありませんけれども、やっているわけですね。確かにいま局長言われたように合わぬのは本来自治省が悪いのじゃなくて出す方が悪いのであって、自治省はそれなりの配慮をしているということだと思うのであります。しかし、いまお伺いしたように三月三十一日という届け出の期間におくれたらおくれたでやはりそれなりの、たしかあれは罰則もあるはずでございますし、私たちは政治資金規正法というのは公表することで政治家の倫理観なりその事務所あるいは政党の金銭面におきます清潔さというものを国民の前に公にするという非常に重要な意義を持ったものだと思うわけであります。これは政治に携わる政党及び政治団体が姿勢を正して、政治家個人も私はやるべきことだと思うのですね。ですからその意味で自治省も余り親切にする必要はないと思います。  あわせてお伺いしておきたいのは、いまの御説明ですと今度は法律が変わって個人の収支報告も出さなければいかぬのでということがございましたけれども、一体いまの段階で個人の収支報告というのは何人分ぐらい出ているのですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 現在、国会の先生関係で七百人ちょっとという段階でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 国会の先生関係で七百人というと、個人関係の収支報告書をほとんど出すということになるわけですね。私が言っているのは、個人として受け取って収支報告を出すという前回の政治資金規正法の改正で出す分ですよ。これはたとえば私を例にとれば、私の場合には個人の政治資金の受け入れというのはないわけです。全部政治団体である後援会で受け取るわけです。これは私は個人として出さなくていいわけですね。いま七百人というのは、全く個人としての収支報告の数字ですか。私が聞いているのは、政治家個人として受け入れるものがこの前の改正によってふえたわけですから、それで手間取っておられるというならば、それは一体何人が個人として出されているのかということを聞きたいわけです。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 ただいま国会の先生関係と申しましたのは、現職の先生とそれからいわゆる候補者となろうとされる方、これを含めて申し上げましたわけで、現職の先生と候補者の数字との区分けはただいまちょっと数字がございませんので、御容赦願います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 わかりました。七百人といいますと、衆議院が約五百、参議院が二百五十ですから、これは現職だけに限ればほとんど出されているということなんで、ちょっとびっくりしたわけであります。  そこで、これは七月一九日の毎日新聞なのでありますけれども、政治資金の収支報告が普通ならばいまお話があったように七月の末から八月の初めに出る。しかし、それが出ないのは、実はいま新聞でたびたび出ますように、国あるいは地方公共団体と請負契約をしている建設会社から政治資金は受け取ってはならない、こういう政治資金規正法上の規定があるにもかかわらず、国や地方公共団体と請負契約をしている建設会社から政治資金を受け取っていることは見ればわかるわけでありますし、丹念に調べればこれは出てくるわけであります。そのことがあるものですから、かなり書きかえをやっている。東京都議会議員もかなり書きかえをやっているということが新聞にも報道されましたけれども、このことがあるので、これは新聞の報道でございますが、自由民主党は八月二十一までの国会の中にこれが出ることはまずい。政治資金の収支報告書が公表されることはまずいので、新聞の報道によれば、自民党が自治省の方におくらせるようにと指示をしたということが報道されているわけでありますが、もしこんなことが本当だとするならば、これは私は大変な問題だと思うのであります。こういう事実はないのですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 先般のそういう報道を私も拝見をしましてびっくりいたしました。この政治資金の報告の問題の期限について、私どもの知る限りで、どの党からそういう話が来るということは絶対にありません。従来もありませんでした。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それならばそれで結構でございます。  次に、私の質問の仕方は、今度の公選法の自民党案で実際に選手をやろうと思ったらどういうことになるかというその順序でずっとこれからお伺いをしていくわけでございますので、午前中には、一体わが党が、おのおのの党が、まずどういう条件のもとならば名簿が出せるかということからお伺いをしたわけでございますが、次に名簿の作成の問題、そして実際に選挙に入る選挙運動の問題、あるいは有権者としての投票の問題、こういったことの順序でお伺いをしてまいります。  次に、名簿の作成の問題でございますけれども、一体名簿にどんな人が登載をできるのか。これは第十条で言うところの被選挙権を有していて、そして十一条で言うところの「選挙権及び被選挙権を有しない者」と書かれております禁治産者以下の部分、それから八十六条の四の「被選挙権のない者の立候補の禁止」という項目に出てまいります選挙犯罪等々の問題、あるいは八十七条の重複立候補の禁止、それから八十八条、選挙事務関係行の立候補の制限、八十九条の公務員の立候補制限のところで許されていない人、この方々以外はどなたでも法律上は名簿には登載されて構わない、こういうように理解してよろしいのですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 いろいろたくさんの条項をお挙げいただきましたが、公職選挙法に定めております個人の立候補の場合と全く同じに考えております。御説のとおりというお答えを申し上げます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、この案が出たときに、拘束名簿式の比例代表制をやると、参議院は失礼ながら養老院化してしまうのではないかとか、あるいはこれは党内問題でありますが、ますます派閥が助長されるのではないかとか、こういうようなことが言われたわけであります。しかし、金丸先生以下発議者の御答弁を聞いておりますと、拘束名簿式の比例代表制にした方が、より全国的に有為な、有能な人材の方が出やすくなるんだということをたびたび御答弁なさっているわけですね。そういうことから申しますと、当然そこに挙がってくる名簿登載者の方々というのは、望ましい方向として、たとえば三期も四期もこのままずっと出る、時間的なことで言えばそういうこととか、そういうように余りここに長くいるということは好ましいことではないんじゃないだろうか、そういうような議論は当然されたと私は思うのでございますが、法律面においてはそういったことは何にも出てきていないわけですね。こういったような養老院化あるいは派闘の代表がますます参議院にふえてくるというような批判に対して、法律面では規制はしておりませんけれども、どういう望ましい名簿登載者像というものを考えられたのか、その点はいかがでございますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お答えを申し上げます。  いろいろと議論はございましたけれども、ただいま御指摘をいただきましたように、養老院になってはいけないから年齢の制限をしたらどうか、あるいはこういう制度であるから余り長い間引き続きこの制度の上に乗って議員であることが好ましいかどうか、こういった議論はいろいろございました。しかし、そのこと自体は法律で決めることでございません。各党で良識によって処理していただく以外に方法はないだろうということでございます。わが党でも、現在、鋭意その問題については慎重な検討が行われておるというふうに聞いております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 今度の名簿を中央選管に出す場合に、政党は政治団体の名称、本部の所在地及び代表者の氏名並びに名簿登載者の氏名、本籍、住所、生年月日、職業並びに政令で定める事項を記載して、代表者が署名押印した文書、こういうことになるわけですね。そうすると、公的に中央選管に出す名簿登載者がどんな人であるかというのは、いわばそこに出てまいります本籍、住所、生年月日、職業ぐらいしか国民にはわからないわけですね。国民から見て、この人がどういう人なんだろうか、もちろん後で公報のことはお伺いを申し上げますけれども、皆さん方の案というのは、名簿登載者にしても、選挙運動の面を通しましても、せっかく出ている登載者の方々が参議院に非常にふさわしいんだということがどんとくるような書式にどうも余りなっていない、そういう感じがするのでございますけれども、少なくとも中央選管に届けるものはそれだけのものということでございますね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 法律要件としてはそういうことになろうかと思いますけれども、法律で規定しておるわけではございませんけれども、たとえばわが党においてこういう人たちを名簿に載せる人として予定をする、そういう段階で、たとえば自由新報、機関紙誌でございますね、こういうものを通じて、わが党としてはこういう者を予定しておるというような報道、こういう形での周知は十分できると思っておりますので、御党におかれても、そういう必要をお認めになられた場合にはそういう手段が使えるものと私どもは考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 選挙運動のあたりについてとダブりますので、そのあたりはもう一回後でお伺いしますが、有権者の方々は投票所に行きますと、これは百七十九条の三の一項で、要するに政党名それから名簿登載者の氏名、これしか書いてないわけですね。そのことはそれでよろしゅうございますね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 投票所に参りました場合には、投票記載台の上という形ではございませんが、一番見やすい場所に、投票すべき、していただきたい政党名、それとその政党の名簿に載っておる方の氏名が順位の順に並べられた形で有権者の皆様に見ていただけるという制度を公営としてとるつもりでおります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 公報の問題は後で選挙運動のところでちょっとお伺いしますけれども、ついでにこの八十六条の二に出てまいります二項の六号でございますが、「名簿登載者の選定及びそれらの者の間における当選人となるべき順位の決定を当該政党その他の政治団体において行う機関の名称、その構成員の選出方法並びに名簿登載者の選定の手続を記載した文書並びに当該名簿登載者の選定を適正に行ったことを当該機関を代表する者が誓う旨の宣誓書」ということが出ているわけでございますけれども、一体、順位の決定をその政党その他の政治団体において行う機関の名称、その構成員の選出方法、それから名簿登載者の選定の手続を記載した文書、これはどういうものを言うのでしょうか。  たとえば、自由民主党は大変大きな党で、大体政策その他いろいろなことが決定していくのは新聞でいろいろな経緯が出てくるわけでございますので、おたくの党の話をしてまことに恐縮でございますが、こういうことになると、恐らくおたくの党には選対本部があって、そこで人名がいろいろとあらわれてくると思うのであります。恐らくその次の決定は総務会になると思うのですね。総務会から、そのうちに三役ということになるのかと思いますが、たとえば、わが党の場合でも選準対策委員会があって、そこである程度煮詰めましたら、その次に執行委員会にかけます。それで執行委員会で決定ということになるわけでありますが、ここで要求している機関の名称というのは、その選挙対策委員会のことを言うのか、あるいはその上の決定機関としての執行委員会ということを言うのか。  それから、その構成員の選出方法というのは、たとえば選挙対策委員会ですと、われわれの場合にはいろいろと各ブロックごとに選出をしたりしますけれども、事実上は、選対委員長が具体的には指名するようなかっこうになっているわけです。そして、執行委員会は御存じのように全国の党大会でやるということになっておるわけであります。そのどちらを言うのか。  それから、名簿登載者の選定の手続ということは、これは何月何日、どこの選挙対策委員会あるいは執行委員会、ここで決定をしましたということを言うのか、ちょっとその辺のところを具体的に御説明いただきたいのです。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 八十六条の二の第二項の第六号、これをお指しの問題だと思います。  機関の名称というのは、最終的に決定する機関を言うのでございまして、私どもとして頭の中に描いているのは、各党でお決めになることでございますからどのようにお決めになっても結構でございますが、自由民主党でたとえば例を一つの事例として挙げてみれば、名簿登載者決定委員会あるいは決定協議会、何かそういうことでも一向に差し支えないわけでございまして、総務会を経てそれからその機関にいくということで、最終の機関を意味しておるというふうに御理解をいただいたら結構かと思うのでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、たとえばおたくの党のことを言って恐縮ですが、その構成員の選出方法ということになると、恐らくおたくは総裁が任命というのでしょうか、指名でございますか、うちの場合にはいま申しました党大会で選出する。そういうことを書き、選定の手続というのは、執行委員会でいついつ決めました、何月何日決めましたということを書けということですね。  次に、ついででございますから、それに関係する二百二十四条の三の名簿登載者の選定に関する罪というところもついでにお伺いしておきたいのでありますが、ここに「名簿登載者の選定につき権限を有する者が、その権限の行使に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、これを三年以下の懲役に処する。」「前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」というようなことが書いてあるわけでありますが、この場合の「名簿登載者の選定につき権限を有する者」というのは、いま申しました最終的に決定をする権限を有する者、こういうふうに理解をしてよろしいですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 最終的には、先ほど申し上げましたような、どういう名称になるかわかりませんが、その機関を決定いたします。その機関で決定していただくわけで、その機関の構成員は当然入ります。それと同時に、その決定機関を拘束するような、事前の段階でそれを拘束するような機関がございますればそれも含むという考え方で理解をいたしております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、これは罰則がつくことでありますから、その松浦先生が言われた後段のあたりというのは一体どの辺の範囲までいま言われることなんですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 結論的には、最終的には名簿決定機関ということに大体なるのじゃないかと思うのでございますが、決め方によっては、たとえば前段階の機関において決めたものに拘束されるような決め方を党でお決めなさっておるということであればそれも含まれるということになると思います。しかし、こういう案をつくって、こういう案でここへかけていいなという程度のものでございましたら、そっちに影響を及ぼさないわけでございますから、そういうものは入らない、こういうふうに御理解を願いたい。  いずれにしても、これは各党でどのように機関をお定めになるかということでございますので、具体的にこういう場合はどうかというふうにお尋ねいただければお答えを申し上げられますけれども、抽象的にはなかなかお答えしにくい問題で、これで御理解いただけたら幸せだ、こう思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 この二百二十四条の三の名簿登載者の選定に関する非というのは、こういうものは全く無関係でなければ本来おかしいのであって、今度の制度の米本というのは、政党というものは議会政治の中できわめて重要であると同時に、それなりのいわば推薦権を持つという位置づけになっているわけでありますから、「名簿登載者の選定に関する罪」という条項をつけなければならぬということは、いまの日本の政治の中で現実は悲しい実態になっているということだと思うのであります。松浦先生が言われますように、各党によっていろいろ決め方が違うのですね。これは具体例にならないと確かにお答えしにくいかなと思います。  次に、選挙運動の問題に移らせていただきます。  こうやって名簿ができたわけであります。それで、私が非常に疑問に思いましたのは、先ほども御答弁の中にちらっとありましたけれども、今度の法律におきましては、できた名簿というのは、選挙の告示あるいは公示を含めて二日間のうちに中央選管に届けるということになっているわけですね。そうしますと、順位のことは別といたしましても、国民の皆さん方には、この政党は一体だれを出すのだろうかということは告示ないし公示にならないと全くわからないのではないか。  先ほど御答弁にありましたように、党内的には、社会党の場合には社会新報なり月刊社会党なりその他いろいろなもので、党内の機関についてはこれは政治活動でございますからできますが、その周りにいらっしゃる有権者の方々には、今度の制度でいきますと、告示の日しか公にできないという法体系になっているのではないかと思いますが、その点はいかがでございますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 名簿に登載される方は中央選管への届け出によって初めて公になるわけでございますから、それ以前には名簿登載者というものは決まっておらないわけでございます。ところが、実際には、名簿登載予定者というものをあらかじめ決めてそれからという動きになるのが常識だと思いますが、名簿登載予定者の決定はあくまで政党の内部行為の問題でございまして、比例代表選挙の準備行為にすぎないということでございます。したがって、どういう予定候補者をわが党が決めているかというようなことについては、あらゆる手段を通じて御公表をいただくことについて何ら問題はないと思うのでございます。  ただ、ここで一言申し上げておかなければならないことは、周囲の状況のいかんによっては、いまのような原則から外れる形になって、これは事前運動だというような認定を受ける場合もあり得るということだけは御理解願っておきたい。たとえば、告示の一週間前に、何百万というような印刷物にどういう予定者がおりますよというようなことをやるということになると、これはあるいは司法の手によって事前運動だという認定がなされる場合もあり得ると思いますが、一般論としては、名簿登載予定者を有権者の前に知らせるという行為は選挙運動ではないというのが基本的な理解でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 確かに、私の言葉は正確さを欠いたのですが、名簿登載者というのは、法律上は告示の日から初めてそうなるのであって、それは名簿登載予定者ということになると思うのですが、一つだけもう一回確認をします。  名簿登載予定者をみずからの政党の機関紙誌に載せたり、あるいは内部的な会合、こういったところで名簿登載予定者がしゃべったり、来るべき六月にはこうなるでしょうというようなことを、少なくも俗に言う党内ですね、党内でやる行為については何ら問題ないですね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 ちょっといまの発言の中で気になる点がございましたが、来る何月のというお話がございましたが、来る何月の投票においては社会党とお書きくださいというようなことは、内部であってもちょっと問題があろうかと思いますけれども、私は立候補予定者でございますと言って顔を見せて、私はこういう政策を持っておりますと言うことは何ら問題の起こることではないと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 しかし党内の――その党内がどこまで党内かがこれまたあるかと思いますが、党内の会合、それが一般的な、党に全く関係ない人が大半だということになるとこれはまた問題になる思いますが、俗に言う党内的な会合で――今度は個人名を書くわけじゃないですから、政党名を書くわけですので、名簿登載者になる予定としてすでに――決定するのは、先ほどのお話しのように、執行委員会で決定するのは告示よりはるかに前に決定しているはずですね、常識的には。そうなりますと、いついつ決定しましたということを、党内の機関紙誌はもちろんのこと、会合等であれしましたと言うことはいいのじゃないでしょうかね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 報道というふうに理解される限りにおいて何ら問題ないと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 つまり、投票依頼でない限りはいいということですね。大抵の場合には、具体的には紹介という形になると思うのですね。だから、日本社会党に、この人を当選させるために一票をと言うと、厳密に言うと問題はありましょう。しかし、それは完全に、党内という言葉がこれは非常にあれがあると思いますが、それは、機関紙誌の報道についても客観的報道の限りであるという従来の解釈ですね。これはよろしいですね。ちょっとお答えをいただきたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 お説のとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それでは、こういうケースはどうなるのでしょうか。  名簿登載予定者が執行委員会なり、あるいは皆さん方のどこかで決定される以前でも以後でもいいのでありますが、その顔写真を入れて、たとえば、私は日本社会党の経済政策、防衛政策、これを支持しますということだけ書いてあるポスターが張ってある。いわばこれは政党の政治活動。今度はそこに名前が出た個人に入れるわけではないのでありますから、しかも、そのポスターには、何々党を支持してください、参議院選挙では入れてくださいと書いてあるわけではないのですね。これは通常の、いわば政党のイメージアップというのでしょうか、あるいは政策を知らしむべくやるこういった政治活動について、名簿登載予定者が、決定以前であれ決定後であれ、そこに顔を出すことについては、政治活動の範囲内と見てよろしいですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 一般論としてはそのとおりだと思いますけれども、これも申しわけございませんが、ただし書きがつくわけでございます。そういうポスターを張り出される時期、数量、そういったもので明らかに何か別の意図があるというふうに認められて問題になるということは、可能性として残っておるということだけは御理解をいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 だけれども、今度の場合にはその人の名前を書くわけではないのですね。投票依頼するのはあくまで政党がするわけですね。確かに告示一週間前に大量に張れば、まあ大量にもよりますけれども、確かに事前運動ということに触れる危険性は持っていると思うのであります。しかし、半年前とかそれ以前とか、通常の形で、将来名簿登載者になるかもしれない予定者を、いわば政党を国民に理解をしてもらうために、私もこの党を支持をしています、あるいは御理解をというような言葉を使って、どこにも投票依頼とかそういったことが書いてないという――もちろん量にもよりますよ、それはわかりますけれども、そういう行為は政治活動の範囲内、こういうふうに理解をしてよろしいのでしょう。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 そのように御理解いただいて差し支えないと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 なぜ私がこれをしつこく聞くかといいますと、どうも今度の法案では、名簿登載者というのも、確かに書いていただくのは政党でございますけれども、なるべく参議院にふさわしい人をより出そうという限りは、国民の皆さん方に名簿登載者という人がある程度わかっていただける手段というのがないと、これはいわば、私は俗に政党は無機物と言っているのですが、政党自体は人の集まりであって、それは本当は有機物なんだけれども、政党というとらえ方は国民から見ると人間がそのまま出てくるわけじゃないわけでありますので、そういった意味では、なるべく有権者の方々が政党というものに具体的なイメージを持つためにはそういった範囲内のことは当然許されてしかるべきだと思うのであります。  もちろん、松浦先年たびたび言われますように事前運動、この事前運動の範囲というのもなかなかむずかしいのでありますが、その危険性に及ぶ場合もなきにしもあらず、このことは私も理解をいたします。  その次に、この名簿登載予定者というのは、選挙に入る前あるいは選挙中どのような活動の規制があるのか。一つは選挙活動上の規制、もう一つは選挙活動に関係ない、たとえばその人が経済学者であって、スピーチをする、講演というものが本業である。この本業のスピーチについては、選挙中は、選挙の依頼存しない限りは当然これは行動の自由はあると思っておるわけでございますが、そう理解をしていいか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 制度が変わりましても、名簿登載予定者あるいは名簿登載者は、いままでの候補者その他の個人の問題と全く同じでございます。何ら変わるところはない。したがって、先生のお説のように、経済学者が経済の演説をする、これは何ら問題はないと理解しております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ただ、その部分では、つまり選挙運動にかかわらない部分については、これは構わないと思うのでありますけれども、名簿登載者はイコール候補者であるという扱いに法律体系はなっているわけですね。したがって、それじゃ名簿登載者の方が地方区の候補者の応援をするということについてはどういうふうになっていろか。その際、地方区の方々の投票は個人の候補者でありますけれども、あわせて自分の党への投票依頼というのはできるのかどうなのか。これは百七十八条の三に「参議院員の選挙においては、比例代表選出議員の選挙に係る選挙運動の制限に関するこの章の規定は、選挙区選出議員の選挙に係る選挙運動が、この法律において許される態様において比例代表選出議員の選挙に係る選挙運動にわたることを妨げるものではない。」と書いてあるので、したがって、比例代表制の候補者は、地方区の応援の場合には、地方区の確率運動でできる態様においては名簿登載者というのは活動できる、こういうふうに理解をしてよろしいですね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 名簿登載者といえども一般の人と全く同じでございますので、選挙区の候補者が許される態様の中にはまり込んだ形で行動されることは全く自由でございます。たとえば標旗のもとで名簿登載になっておる者が選挙区の方の選挙運動をすることは当然許される、こういうふうに御理解願います。  いまの御指摘いただきました百七十八条の規定は逆のことを言っておるわけでございまして、選挙区選挙の候補者が自分の許された選挙運動の態様の中で比例代表選挙にわたる選挙運動をしてもよろしいということを書いてあるわけでございます。具体的に申し上げますならば、私が地方区の候補者でございました場合に、当然松浦功に御投票くださいという演説をいたします。それにつけ加えて、比例代表の選挙においてはわが自民党に御投票くださいということを言っていいんですよということを規定したのが百七十八条だというふうに御理解をいただいたら結構だと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その部分はわかりましたけれども、前の話を聞いておりますと、恐らく国民の皆さん方は、そうか、比例代表制の部分も従来の全国区候補者と同じような選挙運動ができるのかというように誤解をされるのじゃないかと思いますが、今度の法律では、比例代表制選出の候補者、まあめんどうくさいですから名簿登載者というのは、自動車、はがき、ビラ、選挙事務所、選挙事務所の看板、ポスター、経歴放送、演説会の公営施設利用、街頭演説、細かく言えば無料パス、これらは全部禁止になっていますね。そういうことでよろしいですね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政党選挙でございますので、個人がはがきやポスターを使って名簿登載者の氏名を周知する必要はないわけでございます。そういう投票が出てくれば無効になるので、かえって因るわけでございます。政党本位の選挙ということで政党名を書かせる投棄でございますから、そういうものは必要なかろうということで削除をいたしております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、改めてお伺いしますが、名簿登載者というのは皆さん方の法律を見る限りは、選挙公報、新聞広告及びラジオ、テレビ、こういった報道、放送機関を通じて私が名簿登載者であるということで国民に接する、あるいは選挙区選挙の場合のその上に乗っての街頭演説あるいは街頭政談演説、あるいは車に乗る、これ以外には方法はないということで確認をしていいですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政党選挙でございますから、名簿に載った者が私が載っておりますという宣伝をする必要性は私はないと思います。しかし、わが政党にはこういう人が名簿に載せられるのですよということの周知は、これは政治活動を通じて十分できると思うのでございます。それのみならず、先生が御指摘をいただきましたもののほかに、確認団体として認められる態様の中でこういう者が載っておりますということも選挙運動としてできるようになっておりますので、それで足りるのではなかろうか、私どもはこういう理解をいたしておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その確認団体でできる政治活動についてはまた後からお伺いしますが、それでも確認団体が使えるポスターがございます、いわゆる政連ポスター。じゃ、これには名簿登載者の名前というのは書けますか。書けないでしょう。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 これはいままでと同じ解釈でございまして、名簿登載者の名前を書くこともできない、こういうふうに規定をいたしております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 俗に言う、従来の地方区の方々がはがきを出されますね、選挙運動用のはがき、あるいはビラ、この上に乗って、わが党はこういうすばらしい人を比例代表制の候補者に出しておりますから、したがって、私の属する、ということは要するに地方区の方ですね、地方区の方の属するその政党に、ひとつ全国区は投票をお願いをしますという依頼は書けますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 先ほど御指摘をいただきました百八十七条で認められた態様の中で、選挙運動にわたることは妨げないということになっておりますので、ただいま御指摘いただきましたように、選挙区選出議員に割り当てられた無料はがきの中で、わが党に投票してくださいということは当然書けるし、どういう人が載っているということを書いていただくことも一向に差し支えない、こういうことになります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 もう一つ大事なことをお伺いしますが、それは百七十八条の三を読んでみますと、「選挙区選出議員の選挙に係る選挙運動が、この法律において許される態様において比例代表選出議員の選挙に係る選挙運動にわたることを妨げるものではない。」こう書いてありますが、その際に、「比例代表選出議員の選挙」ということは、必ずしもこれは所属政党、主語の「選挙区選出議員の選挙に係る選挙運動」の、つまり同じ政党の選挙運動とは、これには書いてないわけですね。そう理解してよろしゅうございますね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 立法の意思といたしましては、佐藤先生が御堂の社会党の投票をふやすようにという運動を、自分の許された選挙運動の態様の中でやることを考えて立法いたしたわけでございますけれども、結果的には、この条文をながめる限り、異党派に対する応援であってもやむを得ないだろう、こういうふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 具体的に、たとえば比例代表制だけの政党、これはたとえば候補者は十人あればいいし、現職議員は自民党案では五人おれば比例代表制だけの政党というのはできるわけですね。確認団体として認められて名簿も提出できる。そうしますと、今度はもし地方区だけに出している政党があって、それも確認団体がとれる、それだけの要件を備えた政党があるといたします。そうしますと、地方区の戦いはおのおのやる、そして比例代表制についてはひとつその比例代表制だけの政党に入れてもらいたい、こういう異党派の行動あるいは選挙時の連合というのはこの法律の態様では可能であるわけですね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 私どもは、そういう行動がこの法律によって禁止される結果にはならないものというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それは前の答弁でやむを得ないものと思うということで最後を締めくくられたのでありますが、それはあえてこの法律用語で言えば、所属政党のための、みずからの政党のための比例代表選出議員の選挙に係る選挙運動ということをあえて書かなかったというのは、何か積極的理由なのですか。それとも消極的理由なのですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 正直申し上げまして、先生が地方区で立候補されておった場合に、社会党の票をふやしたいという形での行動をするというのがきわめて常識的な行動であろうと、そういう角度から物事を判断いたしたわけでございますけれども、規定をいたしてみました結果、どうもそういう異党派に対する応援が禁止できるという規定にはなっておらない、こう理解をいたしております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 なっておらないというのは、積極的にそこは参議院の特殊性ということを考えて穴をあけておこうということなのか、法律上それを他党に、異党派の選挙運動花むしろ許すべきであるというふうに積極的に考えられたのか、それとも、いや法律上それは異党派に行動することを禁止することはむずかしい、こういう消極的な意味で法律はそうなっているのですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 現実の問題として、選挙協力というような問題もあろうかと存じますので、穴をふさいでしまうことはいかがかと、こういう観点からというふうに御理解を願っていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 どうも先ほどのやむを得ないという言葉とは御答弁が合わないのでありますけれども、まあそれはそういうふうに理解をしておきます。  次に、五十五年のときに公職選挙法を改正をいたしました。このときに、後援会のステッカー、その他のことについての禁止があったわけでありますが、いろいろと議論をしていく末に、政治活動として行う、たとえば平和と生活を守る日本社会党というような政治スローガンと政党名を書いたもの、こういったもののステッカーについては、これは許されているわけであります。しからば、今度は個人本位の選挙から政党本位の選挙になるわけでございますので、通常の政治活動というのが非常に重要な、より大きなウエートを持ってくるわけであります。そうなってまいりますと、選挙以前からずっと張ってある、具体的に言えば政党名入りのステッカーとかあるいは政党の支部の立て札、看板、こういったものは、今度は選挙に入ったらどういうことになるのでしょうか。百四十六条で言うところの「文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限」というのがあります。そしてその次の百四十七条には「文書図画の撤去」ということがあるわけでございますけれども、いま申しましたように、通常の政治活動の延長として行われているものが、今度は政党名を書くわけでありますから、政治活動そのものが、選挙に入りますと選挙運動と非常に似通ってくるわけですね。そうなってまいりますと、具体的に百四十六条、百四十七条の関係で、政党名入りのステッカーが選挙の始まる一年も二年も前からずっと張ってある、これは禁止、撤去はできないと私は思いますが、そういうふうに理解してよろしいですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 今回の法改正に伴いまして、現在御指摘をいただきましたような問題はこれまでと一切変わりがないと、こういうふうに御理解いただくのが一番早道だと思うのでございます。ただいまお話がございましたように三年前、二年前から張ってあったものを一々問題にするのかと、こういうお尋ねでございますが、そういうことはこれまでもなかったはずでございます。  ただ、実際問題としては、警察の方からいろいろ撤去命令その他の問題が出ている事例があるようでございます。原則論として理論的に申し上げれば、いまお答え申し上げたとおりだと思います。  ただ、一カ月前にえらい大量に政党名を書いたものを張りまくるというようなことになった場合には、百四十六条でございますか、これに該当するものだとして百四十七条で撤去命令が出る、こういうようなこともあり得ると思いますので、周囲の条件によって決まってくるけれども、原則的には自由であるというふうに御理解をいただいて結構だと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、確認団体が発行できるビラ、リーフレット、パンフレット、これがございますね。これには当然政党名が入るわけでありますし、中身は大抵政策宣伝ということになりますが、これも従来どおりわが党に一票をとは書けないのですか。政党名だけを書いておくことは構わないけれども、投票依頼はできないということですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 ただいま御指摘のとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いや、御指摘のとおりというのは、要するに政党名を書いて政策宣伝を書くのは構わないけれども、わが党に一票をという投票依頼はできない、こういう従来の延長線上である、こういうことですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 これはなかなか区分けがめんどうくさいのでございまして、ビラで三種類以内の制限がございます。これではやれるということになるようでございます。ところが、パンフレットの方は投票依頼を記載することはできない、こういうことになるようでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 確かに、三百一条の六の六ですね、これでビラの頒布については自治大臣に届け出た三種数以内のもの、こういうことになっているわけでありますけれども、そのこと以外に、ビラとリーフレット、パンフレットの扱いについては、従来私は違いがなかったと思うのですが、自治省どうですか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 ビラは確認団体の用具として規定しておりますが、パンフレットというのはもともと規定をしておりません。それで、リーフレットは、まあビラを折りたたんだものだ、つまり一枚べらなものだということで、ビラに加えて、さらにこれに類するもの、こういう表現をしておりますので、そこでリーフレットをビラと同じように読んでおります。そこで、ビラ及びこれに類するものですから、ビラとかリーフレットは、別の条文で、選挙運動にわたることを妨げない、こう書いてございます。ただし、候補者の名前はだめ、こうなっております。パンフレットについては何も書いておりませんので、パンフレットは選挙運動には使えません。ただし政治活動には使えます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと私が誤解してた点がありますが、そうしますと、ビラ、リーフレットというのは、投票依頼ができるわけでありますから、これはかなり大量に幾らでもできる、こういうことになるわけですね。  その次に、政党が行います、確認団体が行います政策立伝活動でございますが、たとえば新聞広告、雑誌広告それからテレビ、ラジオの広告、これは公営で行うもの以外は、従来、簡単なことを言えば金さえあれば新聞、雑誌の広告とかテレビ、ラジオというのは幾らでもできたわけですね。そうしますと、今度、私の見る限り、その点の法律改正はありませんので、したがいまして、金を持っている政党は、新聞広告、雑誌広告、テレビ、ラジオ、これは政策宣伝はできる。投票依頼はできないが政策宣伝はできる、こういうふうに理解していてよろしいですね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 全く従来どおりでございますので、先生の御指摘のとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その次に、政党、確認団体が行う政治活動で、たとえば、選挙に入って、いま問題になっておりますビラとかリーフレットをひとつ配ってこいということで、まあこの時代、暑いのに配ってくるのも大変だろうからというので日当を出す。今度は確認団体が日当を出す場合も起こってくるわけですね、いままでは個人の選挙事務所だったわけでありますが。その場合に、日当が、いわば百九十七条の二で言うところの実費弁償、それをはるかに超えるような実費弁償を払った場合には、二百三十一条に言うところの買収罪、こういうものは成立するのですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 ただいま御指摘のような問題は、本来、政治活動でございますので、自由であるべきのがたてまえだと思いまするけれども、社会常識を超えた、べらぼうな金額をお払いになれば、これはやはり買収ということになり得る場合が生じてくるかと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、その買収罪というのは、これは政党の出納責任者、経理局長なり何なりという人が被告になるのですか。だれがなるのですか、その罪には。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政党が買収したとは考えておりません。あくまで行為者でございます。渡した方でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 行為者と言ったって、これは要するに政党の政治活動としてやっているわけでありますから、その末端の行為者というのは、一つの、その任務を遂行しただけてあって――その行為者だけがこれは処罰されるのですか。ちょっとおかしいのじゃないですかね、それは。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 これは先生方よく御承知のとおりでございまして、現場で買収金を渡した人がつかまるのは当然でございますけれども、ちゃんと計画的にやって上の方で指示した人もつかまるわけでございます。だから、そこに共謀関係があるかどうか、意思の疎通があるかどうかということによって判定されると思いますけれども、これは社会常識を越えた金額を日当として払ったという場合、こういうふうに御理解をいただいたら、何ら不思議はないものと私どもは思っておるわけでございます。通常の日当を払うことは何ら差し支えない、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 なぜそれをお伺いしたかといいますと、いままでは、個人選挙でありましたから、個人の選挙事務所がそういうことをやる場合もあったわけですね。ところが、今度は、政党名を書いてもらうということで、政党がその行為者になったときに、一体、果たして、その末端の行為者ということだけで済むのかどうなのか。それが組織的だったのかあるいはその個人のポケットマネーで出ていたのか、政党の金だったのか、確かにその形態にはよると思うのですね。これはちょっと私も、必ずしもそれ以上突っ込んでいま勉強しておりませんので、もう少しその点等はまた詰めたいと思います。  次に、名簿登載者について国民が知る非常に重要な手段になってまいりました公報の問題なんでございますが、百六十七条の一項に、公報を出さなきゃいかぬということが書いてあって、その字数というのは、今度は命令で定める字数、それから回数は公報は一回でありますけれども、こういった字数というのは、確認団体の人数に応じて公報の大きさも変わってくる、あるいは新聞広告、これにつきましても人数に応じてあるいは回数もスペースも変わってくる、政見放送についても、百五十条の一でこれも候補者の人数に応じて回数や一回の持ち時間というのは変わってくるということになっているわけでありますけれども、一体これはどういう基準で、たとえば先ほど極端な例を申し上げましたけれども、確認団体で参議院の候補者が一人しかいないというところ、あるいは三十人おるところ、これはスペース、時間とも一対三十、こういう比率になるのか、あるいは一定の、たとえばスペースについては一定の面積があって、それに人数が増すごとに若干ずつふえていくということになるのか、それはどう考えていらっしゃるのですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 これは選挙管理事務上の問題もございますので、法律には搭載者の数に応じてというふうに書いてございます。テレビ、ラジオ等は政令、新聞、公報は命令ということになっております。私どもは、数に応じてというのは、ある程度多寡に応ずる比例という形が理論としては正しいのではなかろうかというふうに考えておりますけれども、管理上の問題もございますので、段階別に区切って差をつけていくというような方法もあり得るのではないかと思っておりますが、これはむしろ私どもより自治省の方で、選挙管理事務上の観点を入れながら、どういうふうにしていくかということをお決め願ったらどうだろうか、こちらで勝手に決めましても管理上問題が起こって困るということでこういう形にいたしております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 名簿登載者を国民の皆さん方に知っていただくのは、確かに書くのは名簿登載者の名前を書くわけではありませんけれども、やはり参議院にふさわしい人をより出しやすくするという制度でこういう制度になっているわけでありますから、したがいまして、やはり名簿登載者の方がどんな方かというのを国民の皆さん方により知っていただく必要があると思うのであります。そのために、私は自民党案というのは大変チャンスが少ない、公報と政見放送と新聞広告しかないという、あるいは選挙区候補の上に乗った活動しかないということでありますからきわめてその意味では――確かに私たちも、政党本位でありますから、従来のように個人本位ではない、そのために金がかからないようになる、政党が自信を持って推薦しましょうということですけれども、国民の皆さん方には名簿登載者の職業、肩書きだけではなくて、もう少しいろんなことを知りたいというのは、また知らしめなければいかぬと思うのであります。そういった意味で今度の自民党案には欠点があると私は思うのでありますが、幸いこの法案は議員立法でありますから、したがって委員長にお願いしたいのでありますが、この公報の字数、これも人数によって変わってくる、新聞広告についてもこれは候補者の数によってスペースと回数が違う、政見放送もしかりということでございますから、これは幸い法律ではなくて政令、命令、こういうことになっておりますので、一番やりやすい方法というのを各党で考える、原案等は自治省につくっていただいて、確認団体の延長でありますから、こういう方式を用いなければならぬだろうということは確かに私もわかりますけれども、これが候補者の数によって天と地ほど違うということもやはり問題だと思うのであります。そういう趣旨も含めまして、理事会の中で本法案が終了するまでにお互いにこの政令の中身を各党の代表者で詰める、こういうことをした方が、せっかくこの法案自体が議員立法であるという特殊性も踏まえても意義のあることではないかと思うのでございますが、委員長いかがでございますか。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 扱いについては、理事会で協議いたしたいと存じます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 では、それはひとつ注文をつけておいて次に移ります。  一つ聞き落としたことがあるのでございますが、名簿登載者は、自分の属する政党の政見放送がございますね、これに出演してやることは、政党がどのような企画を立ててどういうふうにしようとそれは構わない、こういうふうに理解しておいてよろしいですね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 たとえばテレビで申し上げますと、一つの政党に与えられました時間をどのようにお使いになるかは全く政党の自由でございます。そのテレビは選挙運動のためのテレビでございますから、その中に名簿に載った方が出られて演説をなさろうと、そういう方は出ずに党首だけが演説をなさろうと、それは全部政党の御自由、こういうふうに理解をいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと細かいことでまことに恐縮なのですが、それにあわせて、百五十条に政見放送というところがありまして、長々と書いてありますので省きますけれども「日本放送協会及び一般放送事業者は、その政見を録音し又は録画し、これをそのまま放送しなければならない。」こういうふうに書いてあるわけですね。そうしますと、今度は従来のように全国区の方々が、五分でございますか五分三十秒の政見放送をカメラの前でしゃべって、一分過ぎると顔がアップになって一分半になると少し戻ってというようなタイプではないわけですね。これは、いまお話があったように政党が独自に一番いいと思うやり方でやるということになると思うのであります。その場合に、この百五十条というのは、いま読みましたけれども、NHK及び一般放送事業者はその政見を録音しまたは録画し、これをそのまま放送しなければならぬということは、制作は、このビデオをつくるのはNHKまたは民放が全部つくるということなのですか、あるいはこれは政党がつくって、そして放送局へ持っていって放映するということなのですか。この百五十条との関連で、新しいタイプになるものですから、その点についての解釈をお聞かせ願いたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 これはいまのテレビで申しますと、一定の何十分という枠が社会党なら社会党に決まるわけでございます。それを何回かに分けておやりになるか、三十分番組にしてしまうか、そういうことは自由でございますけれども、ただ、テレビにはいろいろ技術上の制約の問題がございます。そういうことを考えて、その前提を除けば自由であるということでございます。ただ、野外で何か劇映画みたいなものを自分のところでおつくりいただいて、それを放映するというようなことは考えておらないわけでございまして、やはりNHKの方とよく連絡をとっていただいてお願いをしたい、こういう基本的な考え方で組み立てたつもりでおります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 なぜそのことをお伺いしたかといいますと、従来の法律でいいますと、この部分は公営の部分なのですね。いま申しましたように、従来と中身は全然迷うわけですね。そうしますと、これは制作費その他もばかにならないものになってくるわけでありますが、したがっていまの御答弁でいきますと、たとえば三十分の間を五分のスポットを六回ということになってまいりますと、その制作その他は公営の部分でNHKなり民放なりがやる、こういうことになるのですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 繰り返しての問題で恐縮でございますが、テレビにはいろいろ制約もございます。NHKあるいは民放、その技術的な問題の許す範囲において、たとえばいままでは五分三十秒ということでわれわれは政見放送を顔をテレビに映してもらいながらしゃべったわけでございますけれども、そういう形でなくて、党首の方々がお出になられて、名簿に載っておられる方一人一人の特色をとうとうとお述べになるというような方法もありましょうし、あるいは技術的に可能であれば名簿登載者が一堂に集まって話をしているというような形の方法もあり得るかと思うのであります。  いずれにしても、これはテレビのテクニックの問題が絡んでおる問題でございますので、その制約には従っていただきたい、それ以外は自由である、自由にお考えいただいて結構だ、これを原則に考えていただいて結構だと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いままでずっと選挙運動の態様について逐一お伺いをしてきたわけでございますけれども、参議院でも指摘しましたように、確かに今度は政党名を書いてもらうということでございますし、この発想の一つには金のかからない選挙を実現しようということでございますから。名簿登載者がそんなに動き回ってあるいは個人を売り込んでという形式をとらない、形をとらないということは私も理解をするわけであります。ただここで、初めてやる制度でございますし、いまの自民党さんの案では余りにもこの名簿登載者と国民との間というのが距離があり過ぎないかと思うのであります。そこで、社会党は、御存じのように従来ございました選挙運動用のはがきだとかあるいは選挙事務所だとか、ある程度声を出せるように、いままで三台ございました全国区の候補者の車をせめて一台とかいうようなことをしながら、やはり可能な限り、余り金のかからない範囲内において国民と名簿登載者の方々の接点をより大きくしたらどうだということを申し上げてきたわけでございます。  いま、私の質問の中で、自民党の後ろの席の方々から、実態を聞いてみると少し選挙運動部分が少な過ぎないかというようにとれる私への激励の声もあったわけでございますけれども、これももう少し考えてみる必要があるのではないか。  参議院においても、わが党の宮之原委員の質問に対して金丸先生の方から、   御指摘の、わが国では何と申しましても個人名を書くという選挙制度になじんでまいっておりますから、国民のサイドからいたしますというと御指摘のような点は確かにあろうと思います。本来の個人水位の選挙制度の弊害を除去しつつ、いかにして国民とのつながりを持てるようにするかという点は大変御示唆に富んだ御意見かと思います。私どもも十分にその点は検討させていただきたいと思います。 という御答弁をいただいているわけでございます。  午前中にもお伺いしたわけでございますけれども、逐一具体的にどういうふうな選挙運動になるのかとお伺いしますと、公報と政見放送と、しかも政見放送だってこれは名簿登載者がどのくらい出るかわかりません。そして新聞広告というだけでは少し接点が少な過ぎないかと思うわけでございます。金丸先生の参議院におきます御答弁も踏まえて、その辺のところもひとつ十二分に考えていただく。これは午前中にもお伺いしましたけれども、前向きの御答弁をいただきたいと思うわけであります。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政党要件の問題について午前中に御質問いただいたわけでございますが、そのときに時期の問題、やり方の問題まで御親切にいろいろお教えをいただいたわけでございます。全く同じ観点からこの問題を慎重に御論議をいただきたいと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それは、いつ、どういう形でするかについては、また与党である、発議者であるところの自民党さんとも詰めていきたいと思っているわけであります。  大変時間が迫ってまいりましたのでその次の問題に移らしていただきたいと思いますが、その次は供託金の問題なのであります。  これは新しく出られる参議院の候補者だけではなく、われわれにも関係してくることなんでございますが、ちょっと自治省にお伺いをします。五十五年の選挙はダブル選挙でございますので必ずしも正確な数字がつかみにくいかと思うのでありますが、この三回ぐらいの衆参の選挙で一体選挙管理の執行経費というのはどのくらいかかっているのか、それから選挙の公営費用というのはどのくらいかかっているのか、総額とそれから議員一人当たりどのくらいになっているのか、供託金の問題を論議するのに前提として必要でございますので、ちょっと数字を明らかにしていただきたいと思います。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 過去三回の衆参両院議員の執行経費総額あるいは公営費用でございますが、衆議院から申しますと、五十一年の総選挙が、百六十七億が執行経費でございます。それから公営費用が百六十七億のうちの五十五億九千万、これを候補者一人当たりに直しますと五百八十八万円。それから五十四年の総選挙で、総執行経費が約三百五億、公営費用がそのうちで七十億八千万、候補者一人当たりが七百四十五万円。これから五十五年の、一昨年の総選挙でございますが、総額が二百十一億、それから公営費用がそのうちの七十六億、候補者一人当たりが約八百四十四万円。  それから参議院について申しますと、これは地方区、全国区を区分するわけにいきませんので両選挙で、四十九年の参議院通常選挙が、総執行経費が百十七億、それから公営費用がそのうちで約三十三億、候補者一人当たりにいたしますと約九百十万。それから五十二年七月の通常選挙でありますが、総額が百七十九億、そのうちの公営費用が五十五億、候補者一人当たりに直しますと約千五百万。それから五十五年の、一昨年の通常選挙でありますが、総額が二百五億、そのうちの公営費用が六十二億、候補者一人当たりに直しますと約千八百万円、これは全国区候補者、地方区候補者、大体千八百万円であります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 佐藤君に出し上げます。  申し合わせの時期を過ぎておりますので、質問の方は間接にお願いをいたします。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 では時間が大分詰まってまいりましたので、いまのこの供託金の問題で終えたいと思います。  参議院でも述べておるように、過去の期間と供託金の伸び率ですね、一番ひどいときは三・三倍にしたときもありますけれども、確かにそういうものから見ますと、この二倍というのは五年間たっているということでわからぬわけではないわけです。ただ、絶対額が大変大きくなってきているわけですので、それでちょっと二倍というのは余りにも率が高過ぎないか。  一体、この供託金というものはどういう性格のものなのか。参議院の方の答弁では、一つには泡沫候補の防止であるということも言っております。泡沫候補といっても、選挙をやってみないと、投票をやってみないとわからぬ話でね。それからもう一つは、役所の管理費用の一部を負担をしてもらうということであります。余り供託金が高くなりますと、これは憲法上の、要するに財産に関係なく法律のもとにおいては平等であるというのと抵触してこないかなという気もします。しかし、いま執行経費の額あるいは公営の負担、国が負担をしている――国というのは税金でありますから、税金で負担している分との見合いを考えますとどういうものだろうかなと思わなくもないわけでありますが、いずれにしても一挙に二倍で四百万ということについては、十人候補者をそろえないと確認団体にならないということになりますと四千万ということでございますから、少しこれは過酷ではないか。いろいろな議論は私の党内でもしましたが、私たちは少数政党あるいは小会派の権利を認めるということならば、まあせめて一・五倍程度が順当ではないかということで、参議院に出しましたわが党案ではそういったことになっているわけでありますが、この点について皆さん方でどういうふうにお考えになって二倍、四百万円ということを出されたのか、御答弁をいただきたいと思います。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 全くこの供託金の問題については他意はございません。過去の例に基づいて、おおむね五年ごとに大体倍に引き上げているという趨勢をながめて、五十年に直したものでございますから五十八年までには八年間たっておる、だから倍でいいだろうということでございます。  また御理解をいただきたいのは、四百万円という金は非常に大きいようでございますけれども、供託金というのは条件さえかなえば取られる金ではないのでございます。これは返ってくるわけでございますから、そういうことも御理解を賜りたいと思いますけれども、佐藤先生が申されていることにも一つの理屈もあり得る、私どもはこういうふうに考えておりますので、この問題もひとつ当委員会において慎重に御検討いただけたら結構だと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 では残余の問題もございますが、時間が参りましたのできょうのところはこれで終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 それでは公選法の改正案に対する質疑をいたしたいと存じます。  まず最初に、この法案が参議院の委員会ではきわめて不正常な形で本会議を通過して衆議院に送られたことに対して、大変私は遺憾に思うわけでございます。まずその意見を申し上げておきたいと任ずるわけでございます。  それから、この法案に入る前に法案の手続上の問題につきまして若干お伺いをしておきたいのでございますが、発議者がこの法案を参議院に提出をされましたときには、当初二十一名の賛成者になっておるわけでございまして、これは御存じのとおり、後に大臣、政務次官になられた方三名の名前が削除をされておるわけでございます。というような状態を見ると、発議者は、当初これは予算を伴う法案というようなお考えで賛成者を求めて二十一名で御提出をされた、こういうような感じがするのでございますけれども、この点についてはいかがでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 お答え申し上げます。  私どもは予算を伴う法律案とは考えておりません。従来のいろいろな例から二十一名の賛成者をもって御提案をいたしたにすぎない、こういう事情でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 それでは次の問題に移りまして、私は昨日の委員会におきまして初めてこの提案理由の説明を正式にお伺いしたわけでございますが、この問題についてまずお伺いをいたしたいと思うのでございます。  「全国区制度の改正については、まず参議院にふさわしい人を、より得やすい制度にすることが必要だ」、このように御説明をちょうだいしたわけでございます。これは当然のことでございまして、これに別に異論があるわけではございません。さらに現在の全国区制度が国全体という広大な地域を選挙区としているし、八千万という有権者を対象としている、しかもそれが個人選挙となっているので「有権者にとって候補者の選択が著しく困難である」ということをまず一つの理由に挙げられておるわけでございます。  そこで、国全体という広大な地域というものが、あるいは八千万の有権者というものが本当に有権者にとって候補者の選択がきわめて困難なのかどうか、これはしかしいままでも選挙をやってきたわけでございまして、いろいろ問題はあろうかとは存じますけれども、果たしてこれが著しいというようなことになっているのかどうかということも十分に検討をしなければならないと思うわけでございます。この著しくというのは、著しく選択が困難であるというように表現をされていることについて、もう少し詳しく御説明をちょうだいいたしたい、まずこの点からお願いをいたしたいと存じます。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 端的に申しますと、八千二、百万の有権者を対象にいたしました、あるいは基礎にした選挙というのは、これは大統領選挙と考えますと、有権者の立場からは比較的にわかりやすいわけでございます。ごく少数でございます。ところが、五十名を選挙いたします。昭和二十年代は二百数十名から、多いときは三百名前後の実は候補者がございました。現在でもまだ官名内外の候補者が立候補なさっていらっしゃいます。有権者は候補者を見たこともなければ話を聞いたこともない。八千二百万の有権者の大部分は、投票はいたしましても直接に候補者に触れないままで選挙をやっている。これがたとえば東京都知事の選挙でございますと、知事の候補者はどういう人かということは有権者には相当程度わかります。東京の地方区の選挙でございましても、数名ぐらいでございますからある程度判断ができます。衆議院の選挙にいたしましても、有権者のサイドから見ますとわかるわけでございます。都道府県の議会の議員あるいは市町村の議会の議員、わが国の公職の選挙の候補者と有権者の関係をよく考えてみますと、ほかの選挙は比較的にわかるわけでございますけれども、全国区の場合は候補者が何と申しましても百名内外もあって多いということと、ほとんど触れられない、個人的な接触ができない。だから組織から流されてくる供補考を選ぶか、あるいは本業にテレビで知っておるとか、新聞等で知っておるとかいうような人を選ばざるを得ない。私の体験から申しましても、私どもは実は東京都の区議会議員の選挙の方が一番わかりにくいのでございます。インテリの方には全国区の方は比較的にわかりやすい。一般の人には東京では区議会議員の選挙が一番わかりやすい。それから区長さんがわかりやすい。あるいは衆議院がわかりやすい。全国区はインテリの人には比較的まだわかりやすいのでございますけれども、大部分の方には非常にわかりにくいのじゃないか。私どもはそのような考え、またずっとそのことも言われてまいっておりまして、やはりこの広大な選挙区で多数の候補者から選ぶという現在の制度では、有権者の立場からいたしますと一番わかりにくい、著しくわかりにくいと私が申しておりますのは、そういうふうな実感からでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 いま申されたこと、それから選挙の実態ということを考えてみたときに、私は必ずしも適切なお答えだというふうには思えないわけでございます。現実に私は衆議院に籍を置きます名古屋のいわゆる大都市選出の議員でございまして、これが選挙中におきますいわゆる有権者の接触というのは、テレビあるいは新聞等の公営選挙の部分あるいはまた演説会、個人演説会等のいわゆる選挙に許された方式でやるわけでございますけれども、私のところは大体七、八万票あれば当選をするわけでございますが、しかし、その選挙の期間中に個人的に接触可能な個々面接といいますか、あるいは演説会といいますか、そういった程度のことでお会いできる人というのは恐らく万人を欠けておるであろう、こういうふうに思うわけでございます。恐らく実態はそれぞれそういうところではないか、こう思うのでございます。  全国区という広大な地域、八千一百万という非常に多数の有権者という問題に対して、候補も多いということでございますが、これは一つ伝達方式を改めることによって克服することができるのではないでしょうか。一つの事例を申し上げますれば、春秋において同校野球が行われておりますけれども、何とこれが十数日にわたってテレビの放映がなされておるわけですね。そういう方法もとれなくはない。しかしこれは見解の相違というようなことになるかもしれないわけで、そう多くのことは申し上げませんけれども、いま提案者の金丸先生がおっしゃったのは、候補者に触れる機会が少ないというわけでしょう。そこにこの全国区制度の欠陥があるというふうにおっしゃっておるわけでございますが、私はそういった意味におきましてはもう少し違った考え方でこの問題が処理できたのではないか、こういうふうに思いますのであえて申し上げるのですが、今度は名簿式になるわけですね。名簿式になって、その個々の候補者のいわゆる名簿を提出された、それで候補になり得たという場合に、今度の改正案が候補に触れる機会ということを理由にされるならば、いままで以上に候補に触れるチャンスというものが少なくなってくるんじゃないでしょうか。そうすると、いま御説明になられた点とは大変矛盾するように私は思うのでございます。なるほど政党本位の選挙だということになりますけれども、しかしながらその人たちがいわゆる議席が確定をすれば議員になるわけでございますので、そことの乖離というものは依然として埋められていないというふうに占わざるを得ないと思います。  また、政党本位の選挙の方が選択しやすいというなら、何も全国区二十一日間選挙をやる必要はないんじゃないでしょうか。政党に投票するんですから、政党活動については毎日のように新聞、テレビ、ラジオ等に報道されているじゃありませんか。そんなら全国区の選挙は政党に投票させるんだから、これは四、五日でもできるんじゃないでしょうかね。これとても恐らく見解の相違ということになりましょうから、著しい困難ということが本当に確たる理由であるかどうかについては、私ははなはだ疑問であるということを申し上げておきたい、このように存ずるわけであります。  それから次に、多くの候補者にとって膨大な経費を要すること、これがいわゆる現在の全国区制度がいかぬのだという、そういうことを挙げていらっしゃるのですが、この三点が軸だと思いますが、その間違いないでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 今回の改正の動機といいましょうか、理由といいましょうか、その理由としては、ただいま仰せの二つのことが大きな理由になっております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そうすると、この膨大な経費というのが主要な改正案の理由なんでございますけれども、一体その膨大な経費というのはどのくらいの経費を指すのでございますか、お答えをいただきたい。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 いろいろと坊間申されておりますが、御自分の御体験に基づいていわば公表せられましたものとしては斎藤栄三郎先生がございます。御承知のように、御自分の土地等を御処分なさいまして、五億前後の経費が必要であった。これはやはり一年、二年の間、全国を駆け側って地方で会合等を持ち、話をし、有権者に接触する、そういうこと、あるいは印刷物等の経費にやはりこれだけの経費を要した。これは新聞とか雑誌等にも公表され、御本でも出ておりますので御承知のことかと思いますけれども、私は、斎藤栄三郎先生の例が非常に好個の事例ではなかろうか。斎藤先生のように全国的に著名なお方でもこうでございますから、そうでなく、初めてお出になるような方々も恐らくはこれに匹敵するような経費をお使いになっておる方が少なくないのではなかろうか、こういうふうに任じております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そういういうことになりますれば、確かに斎藤栄三郎先年が御見識あってこの数字を新聞等に申された、こう思います。しかし、ここにまた一つの問題点があるわけでございまして、これはいわゆる一例でございまして、公の場で、たとえば当委員会等において正式に表明された金額ではないわけでございまして、やはりこの金がかかるという問題について法改正するに当たっては、まずその実態を調査して、その実態を明らかにしつつその誤謬を改めるために行うべきではないかと思うわけでございます。それでなくては私は国民の納得は得られないのではないかというふうに思うのでございます。仮に各政党あるいは候補者個人がそれぞれこの実態を調査をしたときに、ある人は一千万、二千万の範囲で選挙をやったかもしれない。ある人は五億金を使ったことがあったかもしれない。そういうような現象すら出てくる可能性があるわけで、現に私どもの政党は個人的にそんなお金は使っておりませんけれども、まずその実態を明らかにするのが法改正の前提でなければならぬと思うのでございますが、そういった意味におきまして、提案者は、一体前回の立候補者がどれだけのお金がかかっているか、あるいはまた当選をした人だけでも結構でございますから、その実情を明らかにされる責任があるのではないかと思いますが、この点はいかがでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 実際に選挙にどれだけの費用を要したかという調査は、私どもはなかなか至難でございまして、一々調査権に基づいて調査をするということも不可能でございますし、また、当選なさった方、落選なさった方にお聞きいたしましても真実が得られるかどうか、その点も疑問ではなかろうかと思います。  ただ、経費を要するということはもうつとに御承知のように言われておることでございまして、私どもがいろいろ確実な方からお話を伺いましても、一人五億とか六億とか要するということは、保守、革新を問わずいろいろと言われておるようでございます。一々調査はいたしておりませんけれども、私どもは本当に巨額の経費を要する、これは斎藤先生の一例で十分に立証ができるのではなかろうか、こういうふうに私は思っておる次第でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そのお答えでは私は納得できないわけでございまして、しかしこれは金がかかる、金がかかるといいますけれども、それでは一体法定費用との関係はどうなるか。これは選挙費用、選挙期間中だけのことでございますから、決められた金額でございますね。そうすると参議院議員の人が、それ以外にたくさんのお金を候補の人が使っているということになりますと、これは国民の印象としては、事前運動に金を使っているんじゃないかというような印象は免れないわけでございまして、これは重大な問題ですね。そこの判定なしに、その事実関係を明らかにせずして、そして改正をしろというのは大変むちゃではないかと私は思うのですが、いま一度御答弁をいただきたい。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 全国区の選挙も公示がございまして、いわゆる選挙運動が始まりましてからは多くの方はそう一億、二億、三億というようなお金をお使いになることはまずあるまいと私は思います。斎藤先年の御報告にもありますように、経費を要しておられますのは二年くらい前から準備をなさる、そのために北海道においでになる、あるいは沖繩においでになる、会合いたすのにも準備も必要でございますし、人を集めるためにも経費が必要でございますし、まことに細かな経費がたくさんかかるということを述べておいででございます。これが実情でございまして、多くは選挙の準備のための事前行為と申しましょうか、そういうことに膨大な経費がかかっている、こういう事実であると私は思います。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 事前にお金がかかるというのじゃ、それじゃ選挙違反じゃないですか。選挙違反を自民党はなすっている、こういうふうにお認めになるわけですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 これは参議院といわず衆議院といわず地方の選挙におきましても、立候補までのいわば瀬踏み行為、準備行為としていろいろな経費がかかっている、私はこれが実情であると思います。私が申しておりますのも、いわゆる選挙運動費用とか事前運動の費用ではなくて、準備のための行為にすら巨額の経費がかかっている、こういうことを申し上げておるわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 しからばその準備の、いわゆる告示までの準備と事前運動とはどう違うのでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 これは従来わが国の事前運動と選挙運動との区別について一つの考え方が固まってきておりますように、いわゆる立候補の準備行為あるいは瀬踏み行為と申されておる行動でございます。それに必要な経費でございますから、決して事前運動の経費、こういうわけではございません。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そうすれば、先ほど選挙に入ってからも一億、二億かかる人もおるかもしれぬというようなお話ありましたけれども、これは法定費用をオーバーしておるわけですから、この御発言はお取り消しになりますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 それは訂正をいたします。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 私は、その実態をどうしても明らかにする必要があると思うのですね。したがって、斎藤栄三郎先生、大変高い識見のもとにそういうふうになされたわけですが、幸いにしてここに三人発議者がお見えになるわけで、皆さんは、人のことはわからぬけれども御自分のことはわかるはずでございますからね。金丸先生は、一体選挙のときにどのくらいお金がかかるのでございますか。どうぞひとつ明らかにしていただきたいと思います。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 私は地方区でございますので、そのような巨額な経費は要しておりませんけれども、やはり私どもの狭い経験から申しましても、地方に事前にあいさつに参る、夜集まっていただく、そういうことにも準備から後始末まで本当に目につかないような経費はたくさんかかるようでございます。もちろん選挙に入ってから法定費用は厳守いたしているつもりでございますけれども、一年、二年前からの準備のいろいろな雑費等を考えますというと、やはり相当な金額になるのではないだろうか。私の場合は大変多くの島を持っておりますので、そういう点からいたしましても、またこれが北海道でございますとかあるいは長野県とか岩手県とか、非常に地域の広大なところでも事前には相当な経費が必要になっていらっしゃるのではなかろうか、こういうふうに、これは推測でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 どうも寡聞にいたしまして金丸先生が地方区でいらっしゃることを失念をいたしておりまして、どうも……。  降矢先生、松浦先生は同じく地方区の御出身でございますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 三人の中で、全国区は私一人でございます。二年前、私も塩崎先生のお勧めで決意をいたしまして、約八カ月間、選挙違反にわたらない範囲の政治活動、瀬踏み行為、これをいたしました。私の場合、一つの例を申し上げますと、後援会づくりをいたしますために、約二百万を超しまするパンフレットを印刷をして送付をいたしました。そういたしますと、一枚の印刷代が二十数円、上書きの手間賃が十円、そういうことでございますので、合わせますと大体一億に近い金がそれだけでかかるわけでございます。そのほかのことはこれ以上申し上げかねますけれども、大変な瀬踏み行為、準備行為のためにかかるということだけは率直に申し上げたいと思います。  また、先ほど金丸先生にいろいろの御発言がございましたけれども、私大体八カ月の間で自動車、飛行機、汽車、これで歩きました距離を合算してみますと、大体地球二回りぐらいの距離を駆け回っている計算になります。当時七十キロございましたのが、当選のときには六十三キロ、いま一キロ戻って六十四キロでございます。したがって、当時のポスターと現在の私の顔と見比べていただくと、仲間の方がよく言いますが、別人のようだと言われるようでございます。二年たってもこういう状況でございます。そういう点を御理解いただきたい、率直にお願い申し上げておきたいと思うのであります。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 後段のことについてちょっと、反論を申し上げなければなりません。先年も大変御苦労な経験をなされたわけでありますが、われわれ衆議院議員でありましても、都会地に密集をいたしておるわけでございまして、いまはほとんど街頭演説が、街頭遊説が車の混雑のためにできないような状況にございます。したがって、選挙民の人と接触するということになりますと、少なくとも一日三時間から四時間は歩かなければなりません。この苦労というものは大変なものでございまして、衆議院といえども苦労なしということではございません。  いま先生方の御意見を承ったのでございますが、しかし、それはやり方をもう一歩検討することによって克服できるとはお考えになりませんか。仮にいわゆる政党が候補に対してそれだけの費用を見るという方法もありましょう。あるいはまたその候補にならんとする人が党に献金して、その献金をさらに各候補者に配分をしまして、そうしてやる方法もあろうかと存ずるわけですね。先ほど来議論をいたしておりますと、政党は大変金が集まりにくいというような御説明もございましたけれども、一例を挙げればそういうようなことで、あるいは公営選挙を拡大するという方法もあるわけでございまして、全国区が数億かかる金のかかり過ぎについては、ただそれだから政党本位の選挙にしようというのではなくて、個人選挙でも金のかからない方法はこういう方法があるんじゃないかということは御検討されなかったのでしょうか。もし御検討されたとすれば、この点とこの点とこの点は検討してみたというようなことがございますればお聞かせをいただきたいと存じます。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 全国区の選挙の選挙運動に経費がかかるということ、経費がかからないようにするために、たとえば選挙運動の方法を考えるとか、あるいは選挙公営を拡充するとか、私どももいろいろ検討いたしてみたわけでございます。また従来も自民党の内部におきましても検討されたわけでございます。これは選挙制度審議会におきましてもいろいろな論議がございましたことは御承知のとおりでございますけれども、端的に候補者個人の金がかからないようにいたしますためには、やはり選挙公営の拡充であろうかと思います。しかし私どもはそれにも限界があろうと思います。また党から各人に十分な資金を供給できるかと申しますとこれも私どもは、不可能だと思います。やはり立候補する人が相当程度努力をして必要な資金を調達すると申しましょうか、しなければならない、これが実状でございまして、私どもは全国区に現実に必要な金を選挙公営の拡充とか等々の、政党等から補助することによって肩がわりをしてやるとか、そういうことによって候補者が立候補し、選挙運動がしやすいようにするということはとうてい困難であるというような結論から党本位の選挙運動に改め、かつ拘束名簿式の比例代表制にすることが妥当ではなかろうか、こういう結論に達した次第でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 なかなか納得できません。じゃ、金のかからなかった、いままで選挙に金をかけないで努力してきた人たちとの兼ね合いはどういうふうにお考えになりますか。これは大事な問題じゃないでしょうか。片一方において金のかからないように努力をしながら参議院議員に当選をしてきた人たちも現実にあるわけでありまして、それらの人たちの意見を無視して、それであなた方は金がかかる、金がかかるだけで改正するというのは、私は国民の皆さんは納得しないと思いますね。この点についていかなる御所見をお持ちですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 参議院の全国区の当選者の中に、わずか千五百円程度の選挙運動資金しか要らなかったという届け出をなさっていらっしゃる方も現にございます。また市川先生も浄財によって、しかもその浄財が余ったような少ない費用で当選なさった方もあることも、私どもも承知しております。しかし、これは例外中の例外でございます。百名内外の立候補者がございまして、いわゆる無所属でそのような当選をなさった方は三人しかございません。無所属の当選者は前回も前々回も三名ずつでございます。五十名の参議院議員を選ぶわけでございます。だから私どもはそういう特殊な人を基準にして制度は考えられない。百名内外の候補者が平均的な人として全国区の選挙を戦って当選をなさる実情はどうか、これが基本ではなかろうか。  参議院の選挙に非常に経費がかかるということになってまいりましたのは昭和三十年代からのようでございます。三十年代までは、まだ有権者の数が少なかったり、いろいろな事情から得票数が、塩崎先生から御指摘がございましたように、第一回は十二万票でございます。第二回目が十五万票でございます。現存はすでに六十二万票というふうになってまいりまして、非常に金がかかるようになってきた。そして参議院の全国区制度の改革の論議が昭和三十年代から非常に言われ、また緑風会が自然に消滅をしていった、政党の組織の力と政党の資金的な援助も受けなければ全国区の選挙には出られなくなってきた。いつも少数の、おっしゃいますようなりっぱな方はおいででございますけれども、これは例外中の例外でございますから、私どもは平均的な候補者を念頭に置いて制度を考えていくといたしますならば、やはり非常に選挙に金がかかるという現実から、このような政党本位の比例代表制を採用せざるを得ないのではなかろうか、こういうような結論に達した次第でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 しかし金丸先生、私は先生のいまのお話かなり矛盾があると思うのです。先生は先ほど三名の当選者の特例を挙げられて、これを基準に考えることはできないというお話は私はごもっともだと思いますよ。しかし仮に五十名の当選者を全部調べた場合に、本当に何億も金を使っているかどうかということは、私はそうは言えないと思うのです。だから先ほど来改正をする最大の理由である金のかかる選挙についてその実態を明らかにしていただきたいと申し上げておるのです。じゃ自民党以外の政党が本当にそれだけの金を個人がかけているのか、どうか。それは労働組合等が資金援助をしてというような形もあり得るでしょう。しかしそれは現行のシステムの変更ではなくして、そういうようなシステムをつくれば個人の金のかからないやり方もできる可能性を含めた問題点であって、そういう意味におきましては、じゃ社会党さんは一人何億も金をかけておるかどうか、私は社会党さんにこっちに座っていただいて聞きたいくらいですよ。ですから、金丸先生のおっしゃったことは、自民党の先生方についてはそういうことが言えるかもしれないけれども、それ以外の各党の人についてはそんなこと言えないのじゃないですか。だから、ただ個人の例だけをもって改正の理由とするのではなくて、もう少し国民の納得するそういう具体的な根拠というものを明らかにしなければ、これは改正の理由にならぬ、こう申し上げておるわけです。いかがですか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 選挙に金がかかっており、その金を支出しているのは保守党といえども必ずしも個人ではございません。やはり支援団体が組織を挙げて資金カンパをやりますとか、あるいは地方に参ります場合にはいろいろな経費を自発的に支出してバックアップしてくださる。私は、労働団体でございますとかいろいろな団体の支援を受けて全国区に出馬し、運動をなさり、当選をなさっておられるお方につきましても、恐らくは保守の団体と同じではなかろうかと思います。これは、革新団体の方も、個人のポケットマネーから、個人で政治資金等の寄附を受けて集められたお金だけで選挙運動を賄っているのではなくて、それぞれのバックの団体が資金的な援助をなさって当選をしておいでになっておる。その金が非常に莫大であることは保守、革新を問わないというふうに私どもは承知いたしておるのでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 私は、それでもなおかつ納得することはできないわけ、でありまして、要するに金のかからぬ方法をもう少し考えたらどうでしょうかね。現に衆議院の場合は年賀状等のああいうようなものはやらないようにしようじゃないか、これは院の申し合わせがありまして、現実に私出しておりませんよ。そういうようないろいろな条項を設けていったら、いままでよりもはるかに金のかからない選挙はできるのじゃないですか。ですから、私が一番問題にしているのは、金がかかる金がかかると言うけれども、じゃ候補者一人当たりについて、公営選挙は別として、個人が負担なさる費用というものが一体どの程度の金額であれば適正でありそれ以上であれば不適正であるというふうに判断をされているのか。少なくともそこら辺は明らかにしなければ、改正の根拠としては成立しないじゃないですか。この点はいかがでしょうか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 適正、不適正ということの判断とか基準を見つけることは私は大変むずかしいと思います。参議院の全国区の制度に金がかかり過ぎるということは相当に一致した意見ではなかろうか。これは私の主観かもわかりませんけれども、これがやはり全国区の制度を改正せよ――公明党、民社党ではブロック制にせよという御意見でございます、必ずしも経費だけのことではないかもわかりませんけれども。これがやはり一つの理由とは申しませんが、全国区の制度の改正についての主張。それから私どもと社会党は御承知のように拘束名簿式比例代表制。共産党さんはやはり比例代表制がいいのではないかという御主張でございます、これは必ずしも経費ということではないかもわかりませんけれども。現在の全国区の制度につきまして、比例代表制にしたかがいいというほとんどのコンセンサスが行られているのは、やはり候補者をいまの個人本位の制度のもとで選ぶことは困難であることと、それから一面には多額の経費を要し過ぎる、それを是正するいい知恵がなかなか私どもにはないわけでございますので、それを避ける方法としてはどうしても名簿式の比例代表制以外にはなかろう、こういう考えでございます。この点はひとつぜひ御理解をいただきたいと思います。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 全国区を改正しなければならぬというのは世論でも四七%という数字が出ているという話も聞きますし、いろいろなデータが出ているわけでございますが、そういう意味においては私どもも改正をしなければならぬと思います。しかしながら、今回自民党さんが提出されましたこの法案については、もう非常に抜け穴だらけであるというふうに思わざるを得ない。それで反対をいたしておるのであります。  そこで、その手初めとしてお伺いをいたすのでございますけれども、先ほど金丸先生、地方区であるとおっしゃいました。地方区は金がかからないのですから。衆議院は金がかからないのですから。私いろいろお伺いするところによれば、地方区だって数億の金がかかるというふうにおっしゃる人もおる。衆議院だって、この前宇野亨派の第一審の有罪判決がありましたけれども、二億数千万じゃないですか。しかもこれだけじゃないとおっしゃっておる。参議院の地方区も金がかかる。衆議院も金がかかる。それで、なぜ全国区だけ改正なさろうとするのですか。同じことじゃないですか。地方区も改正しなければならぬ。衆議院も改正しなければならぬ。なぜ全国区だけ改正しなければならないのですか。これは確たる御意見を承らなければ私は簡単には引っ込みません。どうぞひとつお願いします。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 地方区の改正につきましては、現在のところ、地方区の制度自体の改正の必要と申しましょうか、仮に金がかかるといたしましても、地方区自体の制度の改正についてなかなか私どもは案がない。また、地方区の制度そのものは現在では改正する必要はないのではなかろうか、定数是正は別でございます。それから衆議院につきましては、これをどのように改正するかということは、単に金がかかるということ以上に、国政の根本の根本の問題でございますので、私は、この制度とは別個に各党におかれましても御研究をいただいたら、かようにかねがね考えておる次第でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 ですから、私が申し上げているのは、金がかからないというようなことがこの改正の二本柱の一つでしょう。それだけ言うなら、当然政治資金規正法の問題を含めてやはり政治活動に金がかからないような努力をするということが第一義であるべきなんですね。そうじゃないのでしょうか。それは制度の問題、地方区の制度の問題もありましょう。定数是正の問題もありましょう。しかし、金がかかるということは共通しておるのじゃないですか。その共通の問題を、制度の問題もあるからといって、さておいてというわけにはいかないわけで、全国区の改正が金がかかるというのが大きな原因であれば、当然衆議院やあるいは地方区の経費のかかり過ぎについてもこの公選法の改正の中に何らかの形で盛り込むべきじゃないかと私は思うのですよ。そうじゃないのですか。これは二つの理由がある。確かに全国区には広大な――私に言わせれは、広大な地域であろうが八千二百万の有権者があろうが、これは伝達の方式を改めれば済むことでしょう。早い話が、いまテレビの時代じゃないですか。百人の候補者ならば高校野球並みにやれば十分何時間もできるわけであって、伝達方式を改めればいい。(「高校野球だから見るんだ」と呼ぶ者あり)高校野球だから見るというお話もございましたけれども、私は、この問題についてはまあお答えになれない問題だろうというふうに思いますが、いずれにしても、しかし金がかかり過ぎるのは、どういう基準かくらいは明らかにしなければ、改正理由の大きな理由にならぬと思うのですよ。もう一度御答弁をいただきたいと存じます。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 繰り返しお答えを申し上げましてもなかなか御満足をいただけないようでございますが、斎藤先生の実例が雄弁に物語っておりますように、参議院の全国区の現行の制度のもとでは多額の経費を要するという現実は、私は、遺憾ながら是認せざるを得ない、かように考えております。  それから、政治資金規正法の改正の問題は、全国区の選挙に金がかかることを少なくて済むようにする問題とは別個の問題であろうと思います。政治資金規正法の改正と参議院の全国区の選挙に金がかかる、この二つは別個の問題として、政治資金規正法は政治資金規正法の問題点に改憲を加え、参議院の全国区の問題は、その弊害をどのようにして除去して、よりいい制度をつくっていくかという問題ではなかろうか、かように考えます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 私は、政治資金規正法の問題は選挙に金のかかる問題と別建てである、法律上のたてまえはそうかもしれませんけれども、関連のある問題だというふうに考えております。そもそも政治活動に金がかかる、そのために金を集める方法についても規制しなければならぬというのがこの規正法の趣旨でありまして、いま金丸先生もおっしゃったように、準備行為に金がかかるんだとおっしゃっているのですから、全く無関係とは私は言えないと思うのです。  これは自治省にひとつお伺いをしますが、この全国区に当選をされました五十人の、政治資金規正法に基づいてどれだけお金を集められているのか、ひとつ年度別に文書で報告書をちょうだいをいたしたいと思います。それは今度改選をされる方々ということを考えますと、四年間ということが妥当かと思いますが、その四年分の、どれだけ政治資金規正法に基づいて届け出をされているのか、資料として御提出をいただきたい。これはやはり個人の収入と、それからそういった政治資金規正法に基づくものと合算をすれば、どの程度資金を持って選挙に臨まれたかというのは見当つくわけでありますし、それ以上にお金を使っているということになりますと、これはまた大変問題であるわけですね。脱税でもありますし、政治資金規正法違犯でもあるわけですからそこら辺の状態、一応金丸先生が五億ぐらいはかかるとおっしゃいますから五億に照らしてみたい、こう存するわけでございまして、自治省に御要求をしたいのでございますが、いかがでしょうか。

大林勝臣自治省行政局長自治省行政局選挙部長事務取扱

○大林政府委員 なかなかむずかしい御要求でございまして、政治家の資金につきましては個人でお扱いになる資金もございましょうし、それから政治団体を中心にしてお扱いになっておるケース、いろいろあるわけでありますが、個人分につきましては個人報告制度というのが昨年からできました。ただ、相当部分は政治団体扱いというのが恐らく一般的になっておると思います。その場合に先生方個々人の政治団体がどれだけ、どういう名前であるかということは、実は私どもの方では把握できないわけでありまして、それは何々後援会というふうにはっきりと、この団体はこの先生の団体であるということがわかるものはまた別でありますけれども、名称が異なるものにつきましては、この団体がどの先生との関連のある団体であるかということが実はわからない。したがいまして、御要求の、全国区の先生方の政治資金を個人ないしあるいはその関係の政治団体を合算して計算するということが非常に困難であると思います。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 困難であることはわかっておるわけで、なかなかむずかしい問題だと私も承知をいたしております。そういうところにもいわゆる政治資金規正法を改正しなければならない一つの視点があろうかと思ってちょっと申し上げてみたわけであります。  それから法務大臣に御出席をいただいておりますので、お伺いをいたしたいわけでございますが、参議院の全国区、大変お金がかかるということでございます。私に言わせれば、地方区においても衆議院においてもお金をかける人はかける。それから買収選挙につながるおそれなしとしないのでございますけれども、先ほど申し上げたように、前回千葉二区でございますか、宇野亨派の一審の有罪判決があったわけでございまして、買収選挙というのはきわめて悪質な犯罪行為であることは申し上げるまでもないわけでございます。金の力で尊重さるべき個人の意思をねじ曲げてしまうわけでございますから、絶対に詐されるべきではない。したがって、今後の買収選挙に対しては厳しい態度で臨むべきだと思うのでございますが、法務大臣の御決意をお伺いいたしたいわけでございます。

坂田道太自由民主党法務大臣

○坂田国務大臣 民主主義社会の健全な発展のためには、国民の総意が明朗、公正な選挙を通じまして的確に国政に反映されるということが何よりも重要であるというふうに考えるのでございます。したがいまして、買収事犯というのは選挙の公正を著しく害する悪質な事犯でございますので、今後これらのことにつきましては厳しく対処してまいりたいと考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 それでは先ほどの佐藤委員の御質問に関連をしましてお伺いをいたすのでございますが、先ほど松浦先生でございましたか、運動員に対して日当を支弁するときに常識的な金額であれば差し支えないというふうに申されました。それでそれが常識的な範囲ということを越えた場合には金をまいた人が罰せられるのだという御答弁がたしかあったと思うのでございますが、松浦先生……。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 ちょっと席を外しておられますので……。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 ああそうですか。  それじゃほかの質問にいたしまして、金丸先生の方にお伺いしますが、今度の名簿式の場合に、この順位を決めることというのは非常に重要な要素になっておるわけですね。それで、金のかかる、かからない問題についてでございますけれども、政党なら政党に恣意的に個人献金した人が有利になるということもあり得るわけですね。そういうこともあり得るわけで、いわゆる名簿の順位争いのためにそういうような不正もしくは不正に近いあるいは批判する人が見れば不正行為ではないかと疑わしきというようなことが発生しやせぬか。要するに順位争いをするために党内で今度は多額な金がかかるというようなことになりはしないか。そういう問題はなぜお考えにならなかったのでございましょうか。そういうおそれは全くございませんか。いかがでございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 名簿の順位の決定の仕方は、私どもは各政党の良識にまつべきものである、こういう基本の考えを持っております。御指摘のようなことがあるのかどうかわかりません。私どもはないものと信じますけれども、ただいろいろと不正が行われることも全然考えられないわけでもございませんので、最小限度の請託の罪は規定をいたしたわけでございます。私どもはやはり名簿の選定がうまく行われるかどうかによりまして、国民の支持が得られるか得られないかが今後は決まってくると思います。これは一括して非常な盛衰を伴いますので、私どもは名政党が良識を持って候補者をお選びになり、順位もお決めになるものと期待をいたしておるわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 この選定機関は個人もなり得ることになっておりますので、私は大変その点がこの法律においては抜け穴になっているんじゃないかというふうに思います。最低限の規制はしてある、請託の罪というようなことをこの法案の中に記載をしてあるとおっしゃるのですけれども、これは自治大臣に伺った方がいいか、法務大臣に伺った方がいいか、あの程度の条文で一体この罪を認定できるのかということについては私は非常に疑問があるのですけれども、たとえば、政治家を志す者がかなり長期間ある特定の権力者や政党に対して政治献金をして、その後、いわゆる参議院の全国区への名簿記載の希望を表明した場合と、いわゆるためにする供与、この区別ができるんだろうか。通常の献金と、候補者になろうとするためのこの利益供与という問題が果たして区別がつけられるのかどうか。したがって、この請託の罪で規制しておるとおっしゃいますけれども、この程度のことで一体その意思が、事実行為が判定できるのかどうか、この点についてはどちらの大臣にお答えをいただけますでしょうか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 お答えいたします。  この罰則二百二十四条の三に記載がございますが、これを御指摘になったと思うのでございますが、これもやはり法務省が厳正にこの条項に準じて取り締まりを行えば不可能ではないのではないか、そのように思います。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 不可能ではないのではないかと言われてもちょっと困るのでありまして、それでは本当にでき出すか。これは法務省、ひとつもう少し見解を聞かせてください。

前田宏法務省刑事局長

○前田(宏)政府委員 この改正法案のただいま御指摘になりました二百二十四条の三の規定のことであろうと思いますが、まだできます前にこの規定が果たしてうまく適用できるかどうかということを申し上げるのもいかがかと思いますけれども、御指摘のような問題は一般の賄賂罪につきましても同様の問題があるわけでございまして、やはりその金の授受がありました場合に、その趣旨につきましていろいろと問題が起こることはこの問題に限らないことであろうと思います。その場合にはやはり従来から関係者の認識なりその他いろいろな状況を勘案いたしまして、この罰則に当たるかどうかということを判定していくという、いわば事実認定の問題であり、証拠の問題であるというふうに考えておりますので、特にこの規定につきまして特有の問題ではないというふうに理解しております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 この法律解釈の上からいけばそういうような御意見が出てくるのであろうと私も予測はいたしておりましたけれども、これは実際問題としては非常にむずかしいのですね。政党の中における授受でございますから、これは私はむずかしいと思いますよ。そういう問題を他の法律に横並びで規制をしておけというようなそういう安易な態度というのは私は非常によくない、こういうふうに思わざるを得ません。  そこで、松浦先生お帰りになりましたので松浦先生にお伺いしますが、先ほどの佐藤委員の選挙法の質問に対して、これは買収選挙との絡みが出てきますのでもう少しはっきりさしていただかなければ困るのでございますが、運動員に対して日当を支弁することが行われておりますね。これはいままでは個人選挙でございますからそういう規定の中で行われておるわけでございますが、今度は政党本位の選挙でございますから、しかもこれがあり得る、こういう前提で議論が展開されていたように思うのでございます。そこで、常識的な範囲であれば差し支えないのではないかというのが先ほどの御答弁であったわけでございまして、その常識的な範囲というのは金額それから人数、こういう問題が入ってくると思うのですね。個人本位の選挙であれば、その人数というものもそう多くはないけれども、政党本位ということになりますと各県一事務所ということになっておるわけでございまして、非常に多くの運動員ということになるわけですね。先ほど来御説明を聞いておりますと、そういう場合は金をまいた人が罰せられるんだという答弁が行われました。しかし、政党それ自体がそういう指示を出した場合には、じゃ一体だれが罰せられるかという問題が一つあると私は思うのです。  それからもう一つは、常識的な範囲とおっしゃいますけれども、それは金額的にはいま大体給与平均から換算すればこのくらいというようなことがあるいはあるかもしれません。しかし、それが大きな人数に拡大をされた場合にはこれは問題がありはしないか、買収選挙につながりやせぬか、こういうふうに思いますけれども、この点いかがですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 先ほどお答え申し上げましたのは、日当を高く払った場合にどうだというお尋ねでございまして、人数の問題には私はお答えを申し上げたつもりはございません。実際に労務者としてお使いになられた人数にお金を払うのはあたりまえでございまして、合法的な政治活動として幾らたくさんの労務者をお雇いになろうとその点は問題はない。ただ、社会常識を超えた高額な日当をお払いになるということになると、買収という問題が起こってくる可能性があるでしょう、こういうお答えを申し上げたわけでございます。たとえば一日五千円が社会の常識だとした場合に三万円払えば、やはりそういう可能性が出てくるだろうということを申し上げたわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 先ほどのお話はそうであったものを私は拡大して申し上げて恐縮でございますけれども、しかしそうしますと、今度の改正案によりますれば政党本位の選挙ですね、各県に一事務所やるわけですな。そうすると、そこの運動員というのはどの程度まで許容されるのでございますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 先ほどのお尋ねはあくまで政治活動のための労務提供者の問題でございますから、何人になろうが政党の政治活動である限り何ら規制はない、こう私は考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そういうことでありますれば、先ほど来お話を承っております参議院に金がかかるということは、選挙の期間中ではなくて、選挙のいわゆる準備行為の中に非常に金がかかるのだというようなために改正をされるわけですね。そういうような松浦先生のお話でございますと、各政党が何ぼ金を使っても構わないのだということになりまして、金がかかるために改正するという趣旨が少し違ってくるのじゃないですか。いかがでございましょう。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 各政党とも、各政党それぞれの財政力に応じておやりになることでございます。そういう意味で政党の活動、すなわち政治活動というものをそういう方面から規制していくということは、これはとても許される問題ではございません。各政党の良識にまつというのが結論であろうかと思っております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 しかし、それは松浦先生、非常に問題なのではないでしょうか。そういうことになれば、いわゆる政党が金を集めて、その金を集める力を持ったところの政党が選挙に有利であるということになってしまうという可能性というのが非常に強いわけですよ。それでは元来の選挙法の精神とは意味が違うのじゃないでしょうか。そういう可能性を残しておくというのはよくないのじゃないでしょうか。そうすれば圧倒的に金を持った政党が常にたくさんの議席を占めるということになって、いわゆる一億金権政治ということになりませんか。そういう方向に走る心配はありませんか。そういう心配があるとすれば、これは歯どめをかけなければいかぬのじゃないでしょうか。政党だから何ぼでも金を使っていいというような、そんなばかな話は改正案に盛るべきじゃないと私は思いますよ。お答えいただけますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 政党の政治活動について今回の選挙法では何ら触れておるところではございません。従来のとおりでございます。私どもはいわゆる選挙費用を節約するということを表に立て、なおかつ、金丸先生からも御指摘がございましたような個人立候補制度に伴いまするいわゆる準備行為、瀬踏み行為、そういったものにかかっている金をできるだけかからなくするにはどうしたらいいかということを、国民の側からながめて非常に選びにくいという最大の欠陥に合わせて金がかかり過ぎないように努力していくということを考えたわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 私はそれでは納得できませんね。これは政党であれ個人であれ、やはり金のかからない方に努力すべきであって、個人は金がかからぬようにしたけれども政党の方は従来どおり全然関係ないのだ、やる気があればどんどん金を集めて、運動員を使って事前行為、いわゆる選挙にあらざる通常の政治活動をしなさいということであっては、そういう方向を助長するがごとき御発言というものについては私は納得できませんね。まあ、意見ですから結構でございます。私は私なりの御意見を申し上げておくわけでございます。  それでは次の問題にいきたいと思いますが、余り時間もなくなってきたわけでございますけれども、衆議院、参議院の両院制の問題についてお伺いをいたすわけでございます。憲法でも規定されているように、国会はこの両院をもって構成をされておるわけでございます。そして憲法が制定されることを検討された時期、そういう時期におきましては、いままで多く言われてきた意見というものは、衆議院はやはり政党政治の方向にならざるを得ないだろう、参議院はこれをチェックし、バランスをとるための良識の府でなければならないと長い間言われてきたわけでございます。そういうような性格から地方区においては地域代表というもの、全国区はできるだけ政党の介在を避けて、地域エゴにとらわれない全国的な有名有為の高度の専門意見を持った人たちを代表させたらどうかというようなことがいろいろと議論をされてきたわけでございまして、そういった意味では、全国区こそが参議院の機能を果たす中心的な役割りであったことは、私はそのとおりではないかと思うのですが、この憲法制定の際に附帯決議が行われておるわけですね。参議院が「衆議院と重複する如き機関となり終ることは、その存在の意義を没却するものである。」と警告をされておるわけでございまして、どうも今度の改正案を見ますとやはり政党本位の、政党のエゴに基づいた改正案ではないかという疑いも強いし、また政党化を助長するような結果になるのではないか、こういうふうに思わざるを得ないのでございますけれども、この憲法制定のときの附帯決議に対してどんな御所感をお持ちなのか、お伺いをいたしたいと存じます。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 現在の憲法の制定に当たりまして、同院制度をとるについてそのような決議がございましたことは、私どももある意味では当然であったろうかと思います。ところが、本会議でも私申し上げましたように、参議院議員の選挙法の審議されました議会におきまして、参議院は地域エゴにとらわれない、地域代表でない、国民の良識を代表し、また各層各界の意見を代表するような全国的なりっぱな人が選ばれ、それで構成されることが望ましいとは言われつつも、現実のこの参議院の全国区の制度を見れば将来必ず政党化するであろう、また双葉山とかあるいは常陸山とかあるいは吉田奈良丸とかいうような当時の知名の人が出やすくなりますよ、百万、二百万という金を積んだ人が当選するようになってきはしませんかということが昭和二十一年の段階で実は指摘されておるのでございます。その後の三十数年の経過を見ますと、もう私から申すまでもございませんが、参議院の全国区の議員の多くは政党に所属をしていらっしゃいます。地方区の方もそうでございます。参議院が政党化してきたことは昭和二十一年にすでに指摘されておったとおりでございまして、私どもはこれが現実であり、また八千万の有権者を対象として直接選挙という制度をとります以上は、自然と申しましょうか、必然と申しましょうか、そういう経過でまいったのだ、このように思うわけでございます。  それで、現在の憲法を前提として、かつ、全国区の制度を残しておいて直接選挙の制度を維持して、できるだけ参議院にいい人を得ようとするならば、私どもは政党が責任を持って候補者を選び、そして出たいという人よりも出したいような人を各党が責任を持って選んでいただいて、そして名簿によって国民の審判を仰ぎますことが参議院にふさわしい人を得やすい、現在よりももっとベターな方法ではなかろうか、私どもはかように考えておるわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 金丸先生のお話を聞きますと、政党化が進んでおる現状やむなし、現状はそうだということをおっしゃって、将来もそれでやむを得ない、こういうようなお考えのようでございますが、そういうことになりますと、いわゆる附帯決議で大変心配をされた衆議院と参議院というのは、この改正案によりますれば非常な大きな重複部分のある両院制度になるであろう、こういう意味合いにとってよろしゅうございますか。

金丸三郎自由民主党

○金丸参議院議員 重複部分があるかないかということの意味は別にいたし決して、私どもは、先ほど来申し上げますように、現在の憲法を前提にいたしまして、そして全国区という制度を存置して、かつ直接選挙の制度を維持いたします限り政党化は必然である、また当然である、その中でいかにしてふさわしい参議院議員を得て、参議院の独自の機能を発揮するようにするかということを考えてまいらなければならない。その参議院の独自性を保持して、かつ、できるだけその機能をよくいたしますのには、選挙制度の改正の面と、それから参議院の制度の改善あるいは運営の改善の両面から努力をしてまいるべきである、このように考えておる次第でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 これはもう議論の範囲でございますから。しかし、得やすいということについて非常に問題があるのですが、法案そのものの中にも非常に私は問題点が多い、きわめてアバウトな法律じゃないかという心配がしてならないわけなんです。  たとえば議席の配分方法でございますけれども、政党間の「得票数を一から当該名簿届出政党等に係る名簿登載者の数に相当する数までの各整数で順次除し」ということになっておりますね。これによりますと、投票数に見合った議席の割り当て数よりも名簿登載者の数が少ない場合、名簿登載者の数が頭切りになってくるということでございますから、これを超える議席は他の政党に配分される結果となってしまう。簡単に言えば、ある政党が地方区にたくさん出しましたけれども、全国区は一名しか出しませんでした、ところが政党選挙でございますから、一名以上、二名分、三名分票が集まった、そういう結果もあり得るわけで、そうすると、投票した人はA党ならA党に投票をしたんだけれども、これは配分方法によって他の政党に行ってしまうわけですね。これは非常に不弁理じゃないでしょうか。それから、それはドント方式の配分方法の趣旨を超えておるのではないか。有権者の意思がどうなるのか、ドント方式の配分の範疇を越えておるのではないか。この二点についてひとつお答えください。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 名簿提出政党におかれては、それぞれの政党の力というものをみずからが推測し、御存じのはずでございますので、そういう結果が起こらないように選挙戦略として当然そのことをお考えいただけるということが問題の前提にあるわけでございます。仮にそれが誤ったために、先年御指摘のように配分されるべき議席より名簿登載者の方が少ないために余りが出てしまう、不足が出てしまう、こういう事態が出てくることは理論的にはあり得ると思います。しかし、定員五十名という形で選挙を行うわけでございますから、そういう理由があったからといって当選者を四十八名にするというのは、これはやはり選挙のテクニックとして問題であろうかと思うのでございます。ある政党の戦略の、見通しの誤りが出てきたということについては、私どもは簡単に割り切りたい、棄権だ、棄権をしている、こういう考え方に立たないと選挙制度としては成り立っていかないのではなかろうか、こういう考え方でおるわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そうすると、投票した人の意思は、これはやむを得ないと……。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 投票した方は当該政党を信用して投票をしておるのでございます。当該政党は選挙戦略についても、こういう法律が定められますれば、当然そういう事態が起こらないように努力、研究をしていただく、こういうことだと思うのでございます。その点はやや言い過ぎの点、言い方が激しい言い方であったかもしれませんけれども、結論的に申し上げますならば、五十人の定員の選挙を行う以上はやはり五十人の当選者を出すというのが選挙制度だろうと思うのでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 松浦先生、しかしそれはおかしいんじゃないですか。法律というのはできるだけ予測し得る問題についてはちゃんとした歯どめをかけてつくるべきなんであって、当然いま松浦先生はそういうこともあるいは選挙戦術が失敗したということであり得るかもしれないということですから、それはそれなりにそういうふうにならぬような歯どめをかけるべきではないですか。それが法律をつくるために最低限必要な問題じゃないですか。だから私は、あっちにもこっちにも穴があいているというふうに申し上げるわけですよ。どうですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 どの政党も定員いっぱいまでは名簿に候補者を登録できるようになっているわけでございます。(「供託金が要る」と呼ぶ者あり)したがって――ただいま供託金というお話がございましたが、供託金の問題もございます。確かに当選者二倍を超える数以上載せた場合には没収という問題がございます。そこいらの点は先ほど来申し上げているようにお考えをいただくべき問題ではなかろうか。二名の欠員について、それを欠員にしておく方が選挙として私どもは問題だと思うわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 それは見解の分かれる問題じゃなくて、法律それ自体が不備であるということを物語っておるんじゃないですか。  さらに、それに似通った問題を申し上げますれば、欠員の場合の繰り上げ補充に関連してお伺いをするわけですが、名簿に登載された者が県知事選や衆議院選など他の選挙に立候補した場合でも、その名簿からその者を除外することがないため、当選をすれば、県知事であっても、あるいは衆議院議員であっても、相変わらず全国区候補という、そういう奇妙な現象が起こるわけですね。これは認めておられるわけですよ。それで他の選挙に当選しても、たとえば衆議院の場合、そろそろ解散になるのじゃないか、そこへ繰り上げ当選ができた、じゃおれはもう衆議院をやめて参議院に行こう、こういうことも可能なんですね、この法律からいきますと。  これは私は、有権者の意思を全く無視した制度だと思うのですよ。こんなばかな話がまかり通るような法律は断じて認められぬという感じがするのですよ。憲法四十八条にも、「何人も、同時に両議院の議員たることはできない。」という規定があるわけでしょう。こういう規定がありますね。それから公選法の八十七条には、「一の選挙において公職の候補者となった者は、同時に、他の選挙における公職の候補者となることができない。」重複立候補の禁止もうたっておるわけですね。そこら辺とこの法律というのは非常に矛盾をしておる。仮に、名簿登載者がその後衆議院に出て当選をした、それでたまたま繰り上げ当選が来たから、じゃおれは参議院へ移ろう、その場合、一体有権者の意思はどこへ行くのですか。衆議院に働いてもらうべくそのために投票した人が、候補者の恣意的な行為によって参議院にくらがえになったなんということは、そんなばかな話が許されていいとは断じて思いませんね。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 この問題は現行制度でも全く同じでございまして、三カ月の繰り上げ補充の期間はいまと同じ問題がちゃんとあるのでございます。それについての法律の解釈は、今後この制度で名簿に登載されまして当選者とならなかった者は、これは選挙が終わりますと公職の候補者ではなくなります、ただの普通の人になってしまうわけでございます。したがって、その人が衆議院議員に立候補されたとしても、これは何ら問題は起こらない。  それからさらに、名簿候補者が他の公職についたといたしましても、ただいま先生から御指摘いただいたように、名簿では落選をして次順位にいる、その人が衆議院議員に立候補して衆議院議員に当選をされた、そうなりました場合に、こちらで繰り上げ補充の事由が起こりますれば、この事由が起こって後五日以内に衆議院議員の方の職を辞した旨の届け出をした場合においては、こちらの方の繰り上げ補充が生きてまいります。しなければこちらの方の繰り上げは死んでしまうわけでございます。それは現行制度でも、法律にそういうことが三カ月の繰り上げ補充の問題に関して規定してあるわけでございます。したがって、制度としては何にも変わっておらない、ただ繰り上げ補充の期間が、いままで三カ月であったものが六年に延びたということでございます。本人の選択によって現行制度でも自由になるということになっております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 なるほど現行法、その話はこの間も私は自治省の方からお伺いをしました。だけれども、そういう誤解を与えるおそれがあるんだから、こういうことは簡単にやめることができるのだから、やめさせたらどうですか。衆議院に立候補した場合、他の選挙に立候補した場合は、参議院の名簿から消すことができるというふうに改めた方が簡単じゃないですか。どうですか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 名簿を提出したときに、当該政党はこういう順番で議員についてもらいますよということを示して国民の審判を受け、定数枠を受けたわけでございますから、その人が勝手に立候補したからといって名簿に載っておる者を消してしまうというよりは、そのまま残しておいて選択の道を選ばした方がいいじゃないか、こういう考え方でございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 それはおかしいと思いますよ。  じゃ、もうちょっと聞きましょうか。  これはしばしば問題になったところだと思うのですけれども、君簿によって当選が確定しますね、その者が他の政党に移籍した場合、この政党へ投票した有権者の意思というものは、全く消滅するとは言わぬけれども、非常に大きく有権者の意思というものが侵害をされますね。そういうふうにはお考えになりませんか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 その選挙の時点で国民の意思は完全に通っているわけでございますから、当選後しばらくたって離党したということになりましても、その選挙の時点においては全国民の代表者たる地位を完全に有しておるわけでございますので、その後の行動まで束縛するというのはいかがかと思います。  現在におきましても、先生に御投票なさる方は、もちろん投票の中身を分析しなければわかりませんけれども、石田先生が好きだから投票するんだという方もおられましょうし、公明党に属されておる先生だから投票しようという方もおられるわけでございまして、その場合に、石田先生が離党された場合をお考えいただくということと全く同じことではなかろうか、このように考えるわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 松浦先生、それは大分意味合いが違うのじゃないでしょうか。政党本位の選挙をやっているのじゃないですか。それはあなた、いわゆるこの拘束名簿式じゃなくて、政党の名前を書いてもよろしい、個人の名前を書いてもよろしいということであれば、いま松浦先生がおっしゃったことについては私は納得しますよ。だけれども、政党に投票しているのですから、その人がどこかへ移籍しちゃった、あるいはどこかへ新しい政治団体をつくったということになれば――たとえば、自民党さんに投票をしたわけですよ、その人が仮に公明党へ来たとしましょう。そうするとその人は、これは公明党に投票したんじゃないのだから、この有権者の権利というものは非常に大きく侵害されているというふうに私は理解をせざるを得ないのですけれどもね。これは、個人選挙であれば私はそこまでは申し上げませんよ。政党に投票させるんでしょう。その政党に所属するということを前提にして投票をするわけですから、その有権者の意思を阻害したという点については全く配慮しないというのは、私は法律体系としてはおかしいと思う。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 この問題は考え方の問題であり、立法政策の問題であろうかと思いますが、やはり選挙という手続を通じて選ばれてまいりました以上、全国民の代表という地位を持っているわけでございますので、離党、除名、そういった単なる党と個人との関係の問題だけで職を失わせる、あるいはどこかへ姿を変えるというようなことは、私は許されないのではなかろうかと思うのでございます。  私どももずいぶんいろいろこの問題については検討いたしてみましたけれども、たとえば、ただいま先生がら御指摘をいただきました、自民党で当選した者が御党公明党に移籍をした、こういう事例、なるほど形式的に見たら、そのように国民の投票した意思が無視されているという形のような感じもないわけではございませんが、もう一歩突き進んで、その方が不幸にもお亡くなりになった、こういたします。その場合には、今度の制度でも、きちんともとの自民党の名簿の方から繰り上がるようにしてあるわけでございます。そういう配慮を十分しながら、国会議員たる地位、その重要さというものに着目をして、離党、除名ということによっては議員の身分に異動がないという考え方を一貫して貫くことにいたしておるわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 私もうそろそろ時間が来ましたから質問をやめたいのでございますけれども、確かに松浦先年、それは選ばれた側の論理ですよ。私が重視しているのは、選ぶ側の権利はどうなるのかということを申し上げているのであって、問題をすりかえないでひとつ。選ぶ側はどうなるんだ、選ぶ側の意思は無視された結果になりませんかということを聞いておるのですけれども、いかがでございますか。

松浦功自由民主党

○松浦参議院議員 この問題は考え方の問題であり、立法政策の問題であろうと思いますけれども、一番基本には、やはり国会議員、これは許可なくして逮捕されないとか院内の発言について責任を負わないとか、非常に重要な権利を持った国会議員の身分を党と個人との関係で動かすということはとてもできる問題ではないという基本がございまして、こういう形をとることにいたしたわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 一向に選ばれる側の論理については御説明がなかったわけでございますが、しかし時間も経過をいたしましたから、これで私の質問は終わりますが、しかしながら、いままで議論をいたしました段階において、提案者の方々もお認めのように、かなり重要な問題がなお検討されなければならない形で残っておることは事実。私に言わせれば、これは法案を作成する上において重要な欠陥が余りにも数多くあるというふうに申し上げざるを行ないわけでありまして、こんな形で今度の選挙をやるということになりますれば、いわゆる個人本位の選挙から政党本位の選挙へ一部だけ切りかえるというようなむちゃもありますし、私は非常に大きな混乱を招くのではないかと思います。  そういった意味で、この法案の是非については、当委員会としても、私ども主張いたしておるわけですが、公聴会等あるいは参考人の意見聴取等を含めて、幅広く国民の皆さん、特に選ぶ側の意見というものを重要視する必要があるということを申し上げておきたいと存じます。  残余の質問につきましては、また日を改めて行うことにいたしたいと存じます。(拍手)     ―――――――――――――

久野忠治自由民主党

○久野委員長 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  ただいま審査中の参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案について、審査の参考に資するため、八月九日、大阪府に委員を派遣いたしたいと存じます。  つきましては、議長に対し、委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る八月三日正午理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて敬会いたします。     午後七時四分散会

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