建設委員会 第14号
- 発言数
- 215 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1982/07/28
会議録
○村田委員長 これより会議を開きます。 今回の長崎県等を中心とする集中豪雨による被害を受け、亡くなられた方々に対し、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。 御起立を願います。——黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○村田委員長 黙祷を終わります。御着席を願います。 ————◇—————
○村田委員長 この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。 本委員会に付託になっております請願中、第九五八号、建設業経理士の検定試験反対に関する請願につきまして、紹介議員であります勝間田清一君から取り下げ願が提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○村田委員長 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、松野国土庁長官及び始関建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。松野国土庁長官。
○松野国務大臣 昭和五十七年七月豪雨による被害の状況と今後の対策について報告いたします。 七月十日からの豪雨による被害は、七月二十七日十七時現在、長崎市を中心として死者二百八十一名、行方不明八十九名、負傷者三百三十九名、建物の全半壊千百六十棟、床上浸水約一万四千棟となっております。 政府におきましては、強力な応急対策を講ずるため、二十四日に私を本部長とする非常災害対策本部を設置いたしました。 また、二十五日には、私は、政府調査団の団長として被災地の状況をつぶさに調査してまいりました。 長崎市においては、五百ミリを超す豪雨により各所でがけ崩れが発生し、多くの死者のほか、多数の方が生き埋めになるという痛ましい被害となりました。現地におきましては、行方不明者の捜索、救出に全力が傾注されておりました。 この現地調査を踏まえて二十六日、第二回の非常災害対策本部会議を開催し、政府として当面講ずべき措置を決定いたしました。 その主な点は、第一に捜索、救出作業に全力を挙げること、第二に被災地の防疫、被災者の住宅、飲料水、生活物資の確保等を図ること、第三に電気、ガス、水道、電話等の早期復旧を図ること、第四に主要幹線道路、生活道路等の早期復旧を図ること、第五に緊急砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業等の防災関係事業の推進を図ること、第六に河川の被害に対して再度災害を防止するための激特事業を含む改修を検討すること、第七に中小企業被害に対する激甚災害指定等の救済措置を急ぐことなどを取り決めたところであります。 政府といたしましては、今後とも一層応急対策及び復旧事業の推進に全力を尽くすことといたしておりますので、今後とも委員各位の御協力、御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
○村田委員長 次に、始関建設大臣。
○始関国務大臣 西日本における梅雨前線豪雨による被害状況について報告申し上げます。 本年七月上旬以降、梅雨前線の活発な活動によって九州、四国、中国、近畿などの各地方で激甚な災害が発生しました。特に七月二十四日の長崎市を中心とした被害は甚大なものとなりました。 この災害による公共土木施設等の被害は、現在判明しているところでは、直轄災害百七十一億円、補助災害千三百十一億円、都市施設等十三億円、合計千四百九十五億円となっております。 このうち、二十四日以降の長崎市を中心とした被害状況は、七月二十六日十七時現在の通行どめの状況は、九州を中心とする西日本において一般国道指定区間内二路線十カ所、一般国道指定区間外四十一路線七十二カ所、県道二百六十八路線三百三十九カ所となっております。 河川は九州全域で増水し、特に長崎市内を流れる中島川、浦上川等では甚大な災害をこうむっております。 現在までに判明したがけ崩れは、全体で百カ所、土石流は十三カ所であります。このうち大半は長崎市に集中し、がけ崩れは長崎県全体では五十八カ所でありますが、そのうち長崎市内が三十七カ所、土石流は十一カ所に上っております。 以上のような災害に対処するために、建設省といたしましては二十四日十三時、建設省非常災害対策本部を設置し、係官を現地に派遣するなどして情報の収集と対策の検討を行い、全力を挙げて早期復旧に努めているところであります。 具体的に講じました措置といたしましては、一般有料道路である長崎バイパスについては、災害復旧に努め、二十四日中に緊急車両用として一車線を確保し、緊急車両の通行を確保しているところであります。また、二十九日午前中にはおおむね二車線を確保できる見通しであります。さらに、災害時の緊急対策といたしまして、一般国道三十四号、長崎市平間町から同市本河内町までの区間の一般車両の通行が可能となるまで、こういう期間をつけまして一時無料化することとしております。 河川の被害個所に対しましては、復旧に努めておりますが、被害の激甚な中島川、浦上川等については、再度災害を防止するため、改良復旧及び激特事業を含む改修を検討することとしております。 土砂災害を受けた地域については、採択基準に従いまして緊急砂防事業及び緊急急傾斜地崩壊対策事業を実施することとしております。 家屋の被害を受けた者に対しては、災害復興住宅資金の貸し付けを住宅金融公庫を通じて行うこととしております。 以上、御報告申し上げます。 —————————————
○村田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鴨田利太郎君。
○鴨田委員 ただいま国土庁長官並びに建設大臣から、今回の九州災害につきましての現状の報告をしていただきました。このたびの長崎県を中心とする九州災害を顧みて、私たちは、日本の国土の特殊性、すなわち急峻な山地七〇%を背骨のように持つ日本列島は、そのために雨には非常にもろい、洪水、がけ崩れの発生が避けがたい体質であることがわかりました。しかも、そのような体質の日本列島の中で戦後高度経済成長が行われ、そのため第一次産業から第二次産業、第三次産業へと人口の大移動が起こったのであります。そのために急速に都市化、人口集中の過密化が進展してきた結果、元来が平地が少ないために、どうしても山の斜面を削っての宅地造成がどんどん行われていきました。そこで、元来遊水地的な役割りを果たしてまいりました農地や森林が、宅地化のために保水能力がなくなってしまい、流域降雨が短時間で排水路、下水路等を通して都市河川に流入する結果となってしまったわけであります。と同時に、あっという間の集中豪雨のために予想以上の地すべり、がけ崩れの被害を多発させ、同時に満潮時が重なり合いまして、今度の長崎県の場合には、すり鉢の底のような長崎市は相乗的に被害が大きくなってしまったということが推定されるわけでございます。 そこで、改修、しゅんせつの進んだ河川については被害が少なかったようでございますが、今回の教訓に基づき、より一層の河川整備事業を進めるべきであると私は考えますが、建設省の意見はいかがでしょうか。
○川本政府委員 お答えいたします。 今回の九州地方の集中豪雨によります災害、これはただいま先生御指摘のとおり、私どもも治水事業の重要性というものを改めて痛感させられておるところでございまして、九州地方の豪雨災害を見てみますと、当然のことながら降雨量の大きいところほど災害が大きいということの傾向がございますが、同じ降雨量のような地域で見てみますと、先生御指摘のとおりに、河川改修の進んでおるところに対しまして、河川改修の進みが遅い、そういったところの被害が相対的に多いということではっきりしております。したがいまして、私ども建設省といたしましては、昭和五十七年度を初年度といたしまして、ちょうど第六次の治水事業五カ年計画を作成したばかりでございますが、これを計画的に推進いたし、そしておくれております治水事業の一層の整備を図るということが私どもの使命である、そういうふうに思っております。
○鴨田委員 おくれている河川の改修、これが現在のところ三八%きり中小河川には参っておりません。そういうような状態の中で急傾斜の危険個所が六万四千二百八十四カ所もあるんだ。この中小河川の改修をあと六二%持っていくにはどうしてもお金が必要でございます。新聞報道なんかによっても十五兆円ほどかかる、そういうふうに言われております。建設省は都市河川について一時間五十ミリ程度の雨が降ってもたえられる川づくりというのを行っておりますけれども、五十ミリでさえ、これでいきますと中小河川の改修に七十五年かかる、こんなことでもってこれは防ぐことができるかどうかということに対しましてひとつ御質問するわけでございます。
○川本政府委員 お答えいたします。 現在、先生のおっしゃいました中小河川の中でも特に都市河川対策は私どもも河川改修の中で最も重点を置いて進めているところでございます。しかし、現時点におきます都市河川の全体の整備率が先生御指摘のとおり三八%であるわけでございます。第六次の治水事業五カ年計画におきましては、都市河川の問題に一番重点を置きまして、それを五カ年間で五三%まで上げるということで考えてやっております。先生のお話しのような全体の事業につきまして、時間雨量五十ミリ対応というのは当面の暫定目標といいますか、シビルミニマムというような最低限の目標ということで、全国平均的にいいまして五十ミリ対応ということでやっておりますけれども、こういった対策については最も重点を置いてやることにいたしまして、昭和七十年ごろには概成をしたい、そういう目標でやっておりまして、中小河川の中のほかの一般河川に比べて特段の促進を図ってまいりたい、そう思っておるところでございます。
○鴨田委員 急傾斜地、がけ地の崩壊による住宅倒壊が今度の長崎の場合非常に多かったわけであります。それは、長崎市において無理な宅地造成が行われていたのではないか。この点につきまして長崎市長が、一時条例で制限しようとした、しかし個人の財産を法で規制することはむずかしくて手を打てないうちに、あっという間に今日の災害になってしまったと言っておりますけれども、 この点において無理な宅地造成が行われていたのではないか、と同時に、建設省は日ごろこのような宅地造成に対してどのような指導をしておったのであるかということについて質問したいと思います。
○永田政府委員 お答えいたします。 長崎市で無理な宅地造成が行われていたのではないかというお話でございますが、御承知のとおり建設省では宅地造成等規制法という法律によりまして、宅地造成をやることによって住宅その他周辺に被害を与えないように技術基準をもって規制する措置をとっております。 長崎は御承知のとおり大変がけが多いところでございまして、現在長崎県で宅地造成規制区域というのが大体四千ヘクタールばかり指定されておりまして、知事の許可によって適正な宅地造成が行われるようにされております。現在まで私どもが調査したところによりますと、今回のがけ崩れの大半は自然がけの崩壊がかなり多くて、造成された宅地のがけ等の崩壊は大変少ないように思っております。したがいまして、私どもがやっておりました宅地造成規制の行政は的確に働いておった、かように考えておるわけでございます。ただ、これはまだ現在の時点でございますので、今後実態調査を進めまして適切な対処をしてまいりたい、かように思っております。
○鴨田委員 天災の面があった、宅地造成等規制法令に基づいて行われておるところは被害が少なかった、自然にいままで建てられていたところが土砂崩れがあり、それが押し流されて惨事に至ったのだ、いまこういうような説明を受けたわけでございますけれども、そのような説明のとおりいくかどうかは今後の進展状況によって判明してくるわけであります。宅地造成規制区域を指定し、的確な擁壁を設置したものの開発を許可しても、広域的に開発がどんどん行われていきますと安全性にも限界があると思います。特に長崎市で言いますと、まるで山の上の方まで家が建っておる、これが今度の災害を招いているとも考えられぬこともないと思います。 土地利用の面から、すなわち市街化区域の指定または市街地の高度利用の面から、もっと災害との関係で対策を今後講ずるべきであると考えますが、建設省はこの点についてはいかがお考えでしょう。加瀬政府委員 お答えいたします。 市街化区域に定める土地の区域につきましては、都市計画法によりまして、すでに市街地を形成している既成市街地、それから今後十年以内に計画的に市街化を図るべき新市街地とすることとされておりまして、この新市街地を市街化区域に包含する際には、溢水、湛水等による災害の発生のおそれのある土地についてはこれを含ましめないという方針で運用しているわけでございます。このように、新たに市街化を図るべき区域につきましては、土地利用の面から災害防止の対策が講じられなければならないというわけでございますが、長い時間の経過を経て形成された既成市街地につきましては、河川等治山治水事業を推進すること、安全な宅造工事を行うことが災害防止対策上肝要であると考えております。 長崎市の場合、市街化区域のうちの大部分が既成市街地であるわけでございますが、宅地開発の適地が量的に限られている都市におきましては市街地の高度利用を図りまして、市街地住宅の建設の増大を図ることが災害対策の面からも重要であると考えております。今後、再開発事業等の実施によりまして、市街地の高度利用ということも必要ではないかというふうに考えているわけでございます。
○鴨田委員 今回のように一時間に雨が百五十ミリを超えるような記録的な集中豪雨に対して、それに対応する土砂流、がけ崩れ対策工事を行うことは本当に困難なことであると思いますけれども、これはどうしても徹底してしなければならないと思います。と同時に、気象観測体制の確立だとか市民の防災意識の徹底だとか、そういういろいろな警戒、避難体制もあわせて確立していかなければこれはできないものであると思います。そういう点から、先ほど急傾斜地崩壊危険区域の指定状況については大体聞きましたけれども、これからはなかったところに対してもやはり危険区域の指定をして防止工事をしていかなくちゃならないと思いますけれども、それに対しては進捗状況はどのようになっておりますか。
○川本政府委員 ただいまお話がございましたように、急傾斜地の近辺にあります住宅、家屋、そういったものの崩壊事故が非常に多いわけでございまして、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律というものが昭和四十四年に制定されておりますけれども、その中で急傾斜地の崩壊危険区域の指定ということが掲げられておりまして、それに基づきまして私どもの方も各府県に対してその危険区域の指定の促進を指導しているところでございまして、過去におきましても何回か通達を出しましてその指定の促進に努めてきておるところでございます。今回の災害にかんがみましても、今後さらにそういった指定の促進を図ってまいりたいと思っております。
○鴨田委員 そうしますと、いろいろいままで聞いておりまして、いろいろ法律に沿って、急傾斜地の崩壊による災害の防止等に関する法律にも沿っておるし、また宅地造成等規制法施行令にも沿って指導し、それが守られてきたということでございますね。そういうふうに聞いていいわけですね。法令を守られてきて、ちゃんと手当てしてあった、だから今度の場合は天災なんだ、こういうことですな。
○川本政府委員 今回の事故につきましては、時間雨量百五十ミリ以上の雨が降った。長崎市におきましても百十五ミリ、これを最高にいたしまして三時間で三百ミリ以上の雨が降った。観測史上最高の雨が降ったわけでございまして、こういった未曽有の降雨ということが一つの原因と考えられますし、また、長崎市のようなすり鉢形の地形の底に市街地が発展しておった、そうならざるを得なかった地形的な宿命といったものも一つの原因であろうかと思います。 そういうことでございますが、崩壊危険区域の指定といったことも、先ほど来申し上げておりますように従来から促進を図ってきておるところではございますけれども、いろいろと問題がありまして、なかなか思うようにははかどっていなかったということ事実でございまして、従来から強力に指導しておるところを、さらに府県に対しまして今後強力にやってまいりたいと思っておるところでございます。
○鴨田委員 天災である、人災ではないのだ、こういうふうになってもらいたいと思うわけであります。今後ともいろいろ強い指導をひとつ心からお願いする次第でございます。 次に移ります。 現在、被害地長崎で一番困っているのは水であると思います。聞くところによりますと、佐賀県の方から給水車が十台ほど、また、自衛隊の方からも出ておるのですが、どんどん水が来ておるわけで、大体よくなってきておるというふうな状態でございますけれども、現在のところどのくらいまで水の方は安心して市民が飲めるようになっておりますか。
○田中説明員 長崎市におきまして、災害がございましたときに、全戸数十五万戸のうち三分の二の十万戸が断水いたしました。その後応急復旧を行っておりまして、現在は十万戸の断水が二万戸まで減少しております。現在なお応急復旧が続けられておりまして、一両日のうちに回復する見込みで作業を続けております。断水をいたしております地域につきましては、給水車によりまして応急給水を行っておりますが、給水車の数は長崎市内におきましては当初七十台持ってございましたが、一番ピークのときは自衛隊の給水車、佐世保市、福岡市等から応援がございまして、全体で百十九台の給水車によって断水地区に給水しておりました。また、茂木町につきましては、道路の事情によって車によらずに給水船による給水を行っておりまして、応急給水に対しましてはそのように万全の措置をとっておるわけでございます。
○鴨田委員 人間は一日に一升、一・八リッター大体水を必要とします。私たち、断食をする場合には大体一・五リッターでいいのでございますけれども、水がなければ死んでしまいます。火の方は、これはおこせば幾らでもおきますけれども、水だけは、これはもう泥水になってしまいますからどうにもすることができません。 これも同僚議員から聞いたわけでございますけれども、佐賀県でも、橋が流されてしまったために都市から寸断されて十七軒の部落が離れ島のようになってしまい、その中に赤ん坊がいる、水がなければ死んでしまうんだ、こういうことでもってビニール管でどうにか通して命を長らえておるというふうなことでございます。そういうようなことを考えますと、これからも水対策ということが一番必要ではないかと思います。インドに行きましても水がめがございます。中国にも水がめがございます。 これに関連をいたしまして、日本の場合、東京都の場合のことについてちょっと聞きたいと思うのですけれども、被害に遭ったときに十分水が確保されていることが望まれるということでございますので、東京都の場合、断水時のためにどのくらいの水が常備されておるのか、それからまた、何人が何日生活できるか、こういうところをお聞かせいただければありがたいと思います。
○田中説明員 災害の規模あるいは地震の規模によりましていろいろ対応が異なってくると思います。 東京都の水道局におきましては、東京都の水道局災害対策というものが作成されております。かつての大震災のような地震を想定いたしまして、それに備えた貯水施設その他の施設を備えているわけでございますが、基本的には現在持っております施設につきましては、パイプを除きましては致命的な被害はないのではないかと想定いたしまして、パイプが破損いたしました場合に応急給水対策を考えているわけでございます。現在避難場所は百三十四カ所ございますが、その百三十四カ所に給水槽を建設することを進めております。また、避難場所の近くにあります浄水場あるいは配水池等も合わせまして、緊急の場合の水源にするような計画がございます。そのほか、最寄りのビルの受水槽あるいは既存の井戸というものも緊急給水の計画の中に入れ込んで対策をしているところでございます。緊急時には給水車等を確保して、十分な緊急給水ができるように計画を立てている次第でございます。
○鴨田委員 東京都の水の場合、ひとつよろしくもっともっと早く準備を進めてください。 次に移ります。 なお、給水車が幾らあっても道路がとだえてしまっていれば水が供給できないわけであります。住民にとって道路は本当に生命線であるということが今回よくわかりました。被災地における国道、県道の復旧見通しはどうであるか、特に生活道路の確保が緊急課題であります。この面の確保は十分であるかどうか、これについて御説明をお願いいたします。
○沓掛政府委員 昭和五十七年七月豪雨により特に被災の著しい長崎市への交通につきましては、佐世保方面からの一般国道二百六号で確保いたしておりますが、佐賀方面からは一般有料道路長崎バイパスで緊急車両のみ用の一車線を翌日から確保するようにいたしております。佐賀方面からの幹線道路であります一般国道三十四号につきましては、長崎市芒塚付近で大きなのり面崩壊が発生し、被害の甚大なこともありまして、通行できるようになるまでにはなお相当の期間を要すると考えております。このため、一般国道三十四号のバイパスであります一般有料道路の長崎バイパスの復旧に努めているところであります。七月二十九日午前中にはおおむねこの長崎バイパスの二車線を確保できる見通しであります。 その他の県道等の道路につきましても、現在鋭意復旧に努めているところであり、先生御指摘のように、国道、県道それから生活道路である市町村道の防災対策については、従来からも鋭意進めておるところでありますが、今後もなお一層進めてまいりたいというふうに考えております。
○鴨田委員 今度の災害におきまして、バイパスが非常に役に立ったようであります。来年度のシーリングによりますと、国の道路の予算、これをよそに流す。これは特別財源だと思いますけれども、この点について、道路をどんどんつくることが生命線の確保につながってくる、私はこういう意味から、建設大臣、予算を取られないようにぜひひとつお願いしたいと思うのですけれども、その点、来年度の道路の予算につきまして御答弁をお願いしたいと思います。
○始関国務大臣 道路の建設は、あらゆる意味で非常に重要でございます。いま第九次の道路計画、来年度はシーリング等いろいろ問題がございますが、道路の重要性にかんがみまして、ただいま御指摘のございましたような方針で万全の努力をしてまいりたい、かように存じております。
○鴨田委員 ひとつしっかりお願いいたします。 第六次治水事業五カ年計画の初年度において大規模な災害が発生いたしましたが、こうした災害に対しまして、安全な国土の保全を図るためには、第六次治水事業五カ年計画を強力に推進する必要があると思われます。このため、また、事業費の確保が必要となりますが、その点の対策につきまして、またひとつ御返答をお願い申し上げます。
○始関国務大臣 治水事業の問題はどうも非常に重要でございますが、第六次治水事業五カ年計画の初年度におきましてこのたびのような大規模な災害が発生したわけでございますが、こうした災害に対しまして安全な国土の保全を図るためには、第六次治水事業五カ年計画を強力に推進する必要があるということは、ただいま御指摘のとおりでございます。 五十七年度事業費の伸びがこれは一・〇一、低いのでございまして、そのために五カ年計画の残っております伸び率は、五十七年度事業費を初頭といたしまして一三・四%になっております。しかし、このたびの長崎県を初めとする激甚な災害の実態にかんがみまして、国土の保全と開発を図り、国民生活の安全と向上に資するための治水事業を強力に推進する必要があると痛感しております。そのために、昭和五十八年度の公共事業関係予算は、いまゼロシーリングというような厳しい状況にございますけれども、なおこれはシーリングの問題とは別に、最終的に予算の額を決定いたしますときには、そのときの景気の動向等も考えまして、そのときに慎重に対応していこう、こういうふうな大蔵大臣との申し合わせもございますので、いろいろな御支援をいただきまして、この大事な治水関係予算の確保につきましても極力努力してまいりたい、かように存じております。
○鴨田委員 不可能を可能にするというところに政治家の使命があると思います。ひとつそういう意味からぜひとも、大臣の力強いいまの御発言、これを私は受けまして、ひとつしっかりお願いしたいと思う次第でございます。 では、これで一応災害の方は終わりまして、次に公共事業に対する建設大臣の所見についてからまたひとつ御質問申し上げます。 まず最初に公共事業関係についてお聞きいたします。 最近の経済情勢はどうも余りよくありません。このままで進みますと、経済はどんどん落ち込んでいって、どこへ行ってもこれは困った、不景気だというふうな声が入ってまいります。世界的な不況の中にあって、わが国の経済は今後さらに重要な役割りを果たさなければならないと考えております。 さて、わが国の国民総生産において公共事業等のいわゆる公的固定資本形成は約十分の一の額に及び、重要な寄与をしておりますが、公共事業費は昭和五十五年度以降ゼロシーリングにより横ばいとなっております。公共事業は、地方公共団体の単独事業を伸ばすとしても限界があります。また、物価の上昇を考えれば実質的には減少しているわけでありまして、これでは困るのでございます。経済の現状における公共事業の意義及び役割りについて、建設大臣から力強い御意見、所見をひとつお願いします。
○始関国務大臣 いわゆる財政再建下におきまして公共事業がいかにあるべきかということは、ただいま御指摘のように、国民経済に及ぼす影響から申しましても大変重要な意味を持つ問題であると存じております。 それで、本来申しますと、公共事業は基本的には立ちおくれておりますわが国の社会資本の整備水準を向上させるということでございまして、長期的な観点に立って着実にかつ計画的に、それぞれ五カ年計画というものもございますので実施を図ってまいるわけでございますが、ただいまお話のございましたように、経済の安定成長、内需の拡大、景気の維持というような点からいたしまして、ときどきの景気動向に配慮することもまた必要である、御指摘のとおりだと存じております。そして、景気が悪いというようなことになりますと、公共事業は景気対策としては政府のとり得る手段の中で最も効果の大きいものの一つと考えられますので、かかる観点から、すでに御承知のとおり現下の厳しい経済情勢にかんがみまして、上半期契約目標を七七・三%とするという前倒し執行を進めているところでございます。この前倒し執行は、契約率に関する限りでは大体予期どおりに進捗しておるものと存じております。しかしながら、大幅な前倒し執行に伴い、下半期事業量が相当の減少となりますことは、これは前倒し執行の効果が相当あるにいたしましてもやむを得ない、避けられないところでございますので、下半期の公共事業につきましては、これまたかねてからお話を申し上げ、各方面の御協力を得ておりますように、適切に対処していくべきものであるし、またそうしなければならない、かように存じております。 また、来年度以降の問題につきましても、先ほど申し上げたとおりでございまして、財政再建下において大変いろいろ問題もございますが、全力を挙げてこの問題を皆様の御支援のもとに善処してまいりたい、かように存じております。
○鴨田委員 どうも公共事業と景気ということを考えますと、ケインズがすぐ見え隠れするなんということが言われますけれども、公共事業を大いに政府にやってもらわないと景気はなかなかよくならないのじゃないかということは、国民の声で出てきております。そういう点から、いま大臣おっしゃいました七七・三%の前倒し、これによって下期に波及する経済の活力がどういうふうになるのか。それと、また今後の前倒しの執行の見込みはどうかということに対してもっと具体的にお聞きしたいと思うのです。
○豊蔵政府委員 お答えいたします。 今年度の公共事業につきましては、現在、上半期の契約率の目標を国全体といたしまして七七・三%とする前倒し執行を行っているところでございまして、これを建設省の所管事業について見ますと、六月末までの契約率は対前年の同期比二・八ポイント増の五〇・四%、六月末までの契約額について見ますと、対前年同期比四・二%増の三兆一千七百七十一億円となっております。また、前払い金の保証事業統計によってこれを見ますと、本年の四月以降六月末までの公共事業関連の請負工事費は、対前年同期比八・一%の伸びを示しておりまして、公共事業の執行は順調であると考えております。 これらの公共事業の執行が経済に刺激を与えますにはある程度の期間を要するわけでございますが、このような前倒し執行が目標どおりに実施されてまいります場合には、経済につきましても相当の効果があるものと私ども考えているところでございます。
○鴨田委員 参考のために大蔵省にお聞きします。 例年、上半期の公共事業費の契約率はおおむね六五%程度と聞いております。今年度七七…三%の契約をすると、下半期は例年に比べどの程度減ってしまうのか、教えていただきたいと思います。
○石坂説明員 お答えいたします。 五十七年度の公共事業の施行対象になっております予算現額は十三兆七千六百五十四億円でございます。上半期の契約率を七七・三%というふうに目標を定めてございますので、このとおりまいるということになりますと、下半期の残りは二二・七%でございますから三兆一千二百二十一億円、こういう計算になるわけでございます。いまの御指摘は、六五%とすれば幾らになるかという御指摘でございますが、もし六五%ということで計算いたしますれば、下半期の残りは三五%でございますから、四兆八千百七十八億円というふうなことになるわけでございます。 ちなみに、いま申し上げました二二・七%、三兆一千二百二十一億円という水準は、五十一年から五十三年の下半期の契約額はおおむね三兆一、二千億円という数字でございました。また、昨年の下半期は約四兆でございます。
○鴨田委員 最近の経済情勢を見るのに、個人消費支出の面でも、民間住宅建設の面でも、また民間設備投資の面でも余り伸びは期待できません。この現状では、本年度の経済成長は相当困難と思われます。現在の景気の動向について、経済企画庁はどのように認識しておりますか。また、今後の経済の見通しについてお伺いしたいと思います。
○宮島説明員 お答えを申し上げます。 現在の景気の状況でございますけれども、国内需要につきましては、個人消費は好調でございまして、これを中心に、緩やかではありますが増加しております。ただ、住宅等につきましては、御指摘のとおり、私どもが当初考えていたよりも低い水準であろうかと思います。他方、外需につきましては、輸出が減少を続けておりまして、そのため、全体といたしましては景気は足踏み状態ではないか、このように考えております。 五十七年度の経済成長率はどうかという点でございますけれども、五十六年度の経済成長率が実質で二・七%ということで、私ども実績見込みをしておりました四・一%に比べましてかなり落ちました。それに伴いまして、五十七年度の経済成長について、五・二%を達成することにつきましてはかなり厳しい状況にあるということは否定できないことでございまして、先生御指摘のとおりだと思います。 しかし、わが国を取り巻く環境を考えてみますと、国際的には、年度後半から多くの先進工業国におきましてインフレの収束と景気の回復が、当初考えていたよりもかなりずれ込んでおりますけれども、これは見込まれるというのが大体の見方でございますし、国内的には大変物価が安定しております。そうしたところから、個人消費を中心に、急激な上昇というわけではございませんけれども、明るさも見込まれておりまして、五十六年度は第二次石油危機の影響を大変強く受けたわけでございますが、環境を見る限り、五十七年度につきましては五十六年度よりもいい環境にあるということは言えるのではないかと思います。ただ、五十七年度の経済成長がどの程度になるかという点につきましては、五十七年四月以降の経済動向に関する統計がまだ出そろっておりませんので、現段階においては明確にすることができないのでございまして、この点、御了解をいただきたいと思います。ただ、先生がおっしゃるように、五・二%は非常に厳しい状況にあるということは御指摘のとおりだと思います。
○鴨田委員 五・二%が厳しいということはもうわかっているのでありまして、そのうちの国内需要四・一%を達成しなければならない。そこへ持ってきて仲裁裁定は見込みなしというふうなことを政府は言っておるようでありまして、個人のふところぐあいも悪いし、物価が安定しているということは、景気が悪いから物価が安定しているのだというふうにも考えられます。そういう点を考えまして、公共事業というのは社会資本整備のためだけでなくて、景気対策の道具のみに使われるべきものではないと考えられますが、しかし、国民経済全体への波及効果という点では、公共投資は、たとえば減税とか福祉に比べてもその乗数効果は高いと思われます。 建設省の建設投資見通しによれば、昭和五十七年度の建設投資は、公共部門は、五十六年度の一・〇%増、二十兆七千億円としておりまして、民間は前年度の九・五%増の三十三兆一千億円、合計五十三兆八千億円としております。民間の九・五%はこれほど期待できるのかどうか、非常に困難であろうけれども、公共事業も五十五年度からゼロ・シーリングにより実質的には抑えられております。私は、こういう経済情勢のときこそ公共事業を大幅に拡大して社会資本の整備を図るべきだと考えております。先ほども言いましたように、今後このままだと経済の活力がなくなってしまう。それで、今年度の公共投資の追加を、執行体制にはまだ余力が十分あると思われますので、まあ河本長官が二兆円追加とか言ったということが新聞に書かれておりましたけれども、これを二兆円と言わず、三兆円から五兆円ぐらいかかるぞ、このくらいの気持ちでやらないと景気は浮揚できないじゃないかと思います。 経済企画庁にお聞きしますが、今後の景気対策をどのようにやるのか。公共投資は大いにやるべきだと考えますが、公共事業についてどう考えているのか。下半期の公共事業を含め、景気対策全般についてもう一遍お伺いいたします。
○宮島説明員 お答え申し上げます。 政府といたしましては、先ほど建設大臣からも御答弁がありましたように、国内民間需要を中心とした景気の着実な回復を促進するために、今年四月、公共事業等について、上半期における契約済み額の割合の目途を七七・三%とすることを決定し、適切な経済運営を図ってきたところでございますが、今後の景気判断につきましては、米国の高金利あるいは円安の進行、それから国債市況の悪化等、制約要因が非常に多くございます。そういった意味で、今後とも景気判断に遺憾なきを期して、機敏かつ適切な経済運営を図っていかなければいけないということは、御指摘のとおりでございます。 公共事業につきましては、現在のところ上期前倒しの効果を見守ろう、そして下期における取り扱いにつきましては、私ども経済企画庁といたしましては、今後の推移を見つつ適切な対応を図ってまいりたい、現時点においてはそういう答弁をすることで御了承いただきたい、このように思います。
○鴨田委員 次に、歳入欠陥問題について質問いたします。 昭和五十六年度の補正後の予算に占める税収見込み額三十一兆八千億円に対し、現在税収不足は二兆九千億円と言われております。これは当初予算の約九%も占めるものでございまして、さらに新聞報道等によれば、今年度の税収不足は三兆八千億円になると言われております。五十六、五十七年度で税収不足は六兆円を超えてしまうことにこれではなってしまいます。ただし、これは五十七年度の成長率を五・二%として推定しているわけですが、私はこのままでは五・二%は期待できないのではないかと考えます。そうしますと、税収不足は六兆円ではなくて八兆円となってくるような気がしてなりません。これだけ経済が落ち込んでしまって、強力な対策を打たない限り税収の伸びは期待できない。大蔵省は「財政の中期展望」により、昭和五十九年度には赤字国債の発行から脱却するとしておりますが、果たして可能であるかどうか、今後の財政再建の見通しについてまずお伺いしてみたいと思います。
○石坂説明員 ただいま先生から、歳入欠陥についての数字を挙げての御指摘がございました。五十六年度に約二兆九千億の歳入の欠陥が生じたわけでございまして、御指摘のように、このような税収の伸びの急激な鈍化の結果、財政再建の目標に向かって前進するのに障害が生じたということはそのとおりだろうと存じます。きわめて残念なことであると存じますが、しかし一方、財政再建は緊急な国民的な課題でもございます。したがいまして、五十九年度特例公債脱却を目指しまして今後とも努力をしてまいらなければならないというふうに考えてございます。 その場合、何よりも歳出の節減合理化に努力をするということがまず第一であろうというふうに考え、五十八年度の予算要求段階におきまして可能な限り、ぎりぎりの努力を行うべく、原則マイナス五%のシーリングを各省にお願いをしているところでございます。今後の予算編成過程におきまして、あらゆる分野につきまして歳出の見直しを行うと同時に、また、税外収入等につきまして幅広く検討して努力を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○鴨田委員 財政再建は確かに国の命題でございまして、これは完成しなければならぬと思いますけれども、五十九年度までに赤字国債を脱却していくということのために、もうどうしてもそちらをどんどん締めていく、と同時に、もちろんそういうことでございますのでゼロシーリングになる、景気はだんだんと落ち込んでいく、そうするとまたここでもって赤字国債を出さなければならぬという羽目に陥ってしまうのではないか、こういうふうに思われて仕方ありません。これは民間の調査によっても、大体五十七年度は五兆六千五百億円ぐらいの要調整額が出てくるのじゃないか、五十八年度では七兆四千億円ぐらい出てくるのじゃないか、このようなことも言われております。こういう点につきまして、景気をよくするために、まあよく総理は整合性と言いますけれども、どういうふうにしていったらいいのか、ひとつ大臣、御所見を伺えませんか。
○始関国務大臣 私どもといたしましては、財政再建という要請が一方にあるわけでございますが、公共事業に対する投資と申しますか、社会資本投資の関係は、これは財源から申しましても特定財源と、もう一つは建設公債でございまして、いろいろ赤字国債をなくすることを目的といたします財政再建とは一応直接の関係はないとも言えるわけでございます。それから一方におきまして内需拡大、景気の浮揚と申しましてもなかなか手がない。その証拠には、去年十二月に、三年間続いて公共事業もゼロシーリングということでやったのでございますが、十月から十二月の貿易がちょっとマイナスになったということで、まあ私から申すのはおかしいのですが、大あわてにあわてて、予算がまだ決まらぬうちにひとつ前倒しをやろうということを中でお話をいたしまして、それから予算の決まりました直後、四月の九日でございますか、さっきから申しておりますような七五%、でき得れば七七%ということを、これは大蔵大臣が申したのであります。そのときに私は、それは結構だが、そうなれば下期が足りなくなる。まあいろいろ申しておりますが、前倒しの効果を見るなんということを申しておる。効果を見るというのは、ぱっと火を燃やすようなことになりますから、それがよそへ移って設備投資がどうなるかというようなことも考えるのだと言っておりますが、そこまでの効果は期待できないと見るのが私は常識じゃないかと思うのでございます。先ほど企画庁から申しましたのが政府の公式答弁でございますが、私どもはできるだけ早く臨時国会を開いて予算の補正をやってもらいたい、来年度以降もいま申しましたような考え方を取り入れていただいてやってもらいたい、かように申し上げるのが建設大臣の立場であるということを申し上げまして、お答えといたします。
○鴨田委員 まあ、赤字国債も建設国債も同じ借金だという理論もあります。建設国債の意義についてまたもう一度お尋ねしたいと思うのですけれども、わが国の経済はまだまだ潜在的な活力があります。GNPが伸びず、税収不足になったのは本当に残念でございますが、しかし、こういう時期にこそ適切な経済財政運営を行わなければ取り返しがつかなくなってしまう。赤字国債の解消も健全な財政運営を図るため必要であると考えております。ただし、建設国債は違う性格のものでございまして、というのは、公共事業、すなわち社会資本の整備は先ほども大臣がおっしゃいましたように、将来のためのストックを残すものでありますから、長い間便益に供せられるものでありまして、建設国債によって整備することは世代間の負担の公平ということも考えられますし、適正な制度であると私は考えます。特にわが国の社会資本の整備は、西欧先進諸国に比べたら、数字を述べるまでもなくまだまだおくれております。住宅、都市公園、公共下水道、生活道路、中小河川等を初め都市の基盤整備も悪く、やるべきことがたくさんございます。 このように、公共事業は潤いのある生活の場を確保するほかに、経済社会の活力を維持することができ、さらに内需を拡大することにより、経常収支の黒字幅を減少させながら貿易摩擦を解消することができます。公共事業に依存する地方経済の活性化、中小企業の育成にも役立つものでございます。最近のように経済の落ち込んでいるときこそ公共事業は先導的な役割りを果たし、民間に活力を与えなければなりません。このためにも公共投資が重要であり、まさに建設国債が重要な役割りを果たすことと考えられます。今年度下半期に公共事業をふやすべきだと考えますが、経済の現況下において、建設国債の意義及び役割りについて大蔵省にお聞きしたいと思います。
○石坂説明員 建設国債につきまして、建設国債はその見合いの資産が残るというふうな御主張はそのとおりであろうと存じます。ただ、建設国債といえども、言うまでもないことでございますが、国債でございます。したがいまして、利払い並びに償還の将来の負担というものが当然生じてまいります。この点は特例赤字国債であれ建設国債であれ同じ問題があるわけでございます。また、国債を追加発行するということになりますれば、それに伴う消化面の困難さという問題がございます。また、金利に与える影響という問題もございます。あるいはそれが民間資金を圧迫してしまうというおそれもあるわけでございまして、そういった点に留意しながら建設国債というふうなものも考えていかなければならないのではないか。長期的に考えますれば、ただいま公共事業は建設国債でほとんど賄っているという状態にあるわけでございますけれども、景気への対応という意味からいきましても、建設国債の公共事業に占めるウエートを漸次減らしていく、そしていわば財政の弾力性を回復するということがきわめて重要な問題ではなかろうか、かように考えております。
○鴨田委員 第九次道路整備五カ年計画について、時間がないのでもう一つ質問します。 公共事業費は、かつてのようにただ増額すればよいということではないでしょうが、景気対策としても効果が期待され、適正な規模のものでなければならないと思います。したがって、これからは特に公共事業の中身が問題となってまいります。公共事業の量とともに質が問題でございます。社会資本の整備の立ちおくれは前述したとおりでございますけれども、特に生活に直接関連するものにおいては著しい。道路について見ると、確かに国土の幹線的な道路の整備はかなり進んできておりますが、都市内、都市周辺の道路、特に大都会圏の近郊の道路はきわめて悪くなっております。ところが、昭和五十七年度予算において、これらの整備のための重要な財源である自動車重量税の一部が他に転用されております。これでは非常に困るのでございまして、道路整備の緊急性はまだまだ変わりがございません。道路整備において、これは都市問題にもかかわることでございますが、自動車のすれ違いはもちろん、消防自動車すら入れない道路が街の中にはまだまだたくさんございます。防災上大変危険でございます。これら生活道路の効率的かつ総合的な整備が望まれるところでございますが、建設省は来年から第九次道路整備五カ年計画を発足させることになりますが、この計画を作成するに当たって、基本的な考え方をひとつお願いしたいと思います。
○沓掛政府委員 御説明いたします。 わが国の近代的道路整備は、昭和二十九年以来、わずか四半世紀の歴史を持つにすぎません。その整備水準は目標のおおむね二分の一にすぎません。したがって、来るべき高齢化社会にも備え、効率的な経済基盤及び均衡ある地域社会の形成を図るために、今後とも緊急かつ計画的に道路整備を進めていく必要があり、第八次道路整備五カ年計画に引き続き、昭和五十八年度を初年度とする新たな五カ年計画を策定することといたしております。 計画の策定に当たりましては、先生いまおっしゃられましたことはもちろん、さらに道路交通の安全確保、生活基盤の整備、生活環境の改善、国土の発展基盤の整備、維持管理の充実の諸施策を基本的な柱として重点的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○鴨田委員 いまの説明でよくわかりました。五十八年度の予算につきましては、自動車重量税の一部が他に転用されないように、大臣ぜひともひとつハッスルしてもらってお願いしたいと思うわけでございます。 以上をもって終わります。
○村田委員長 これにて鴨田利太郎君の質疑は終了いたしました。 次に、木間章君。
○木間委員 最初に、長崎県を中心にいたしまして九州一円を襲った集中豪雨の災害対策問題について質問を申し上げたいと思います。 その先に、亡くなられた多くの方々に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、けがをされた方々にはお見舞いを申し上げ、一日も早い全快をお祈り申し上げます。 また、いま被災者の皆さんは立ち直りに一生懸命日夜を分かたずがんばっておいでますし、また、復旧活動の作業に従事されておる皆さんに、その御労苦にねぎらいを申し上げたいと思うのであります。 そこで、今度の災害に対しまして国土庁あるいは建設省はいち早くその対応策をとっていただいたことは、大変私どもも胸をなでおろしておるのでありますが、文字どおりその対策の先頭に立ってがんばっておいでる国土庁長官、本部長に、現地を見られたわけでありますが、まず長崎を訪れられた御感想を、そしてまた何をなすべきか、御決意をされたと思いますが、一言お伺いをしたいと思うのです。
○松野国務大臣 御承知のように大変な災害でございまして、早速私が調査団の団長になりまして現地へお伺いいたしましたが、その中で痛切に感じましたことは、土砂に生き埋めになり、現在まだ遺体の捜索が完了していないという惨状を見まして、そしてお亡くなりになった方、それからいま申し上げました行方不明の方、そして家を流失されて帰る家もないという方々、そして街の中を、あの繁華街でございますが、一番低いところでございます。そこをずっと歩いて皆さんと慰問を兼ねて調査をさせていただきましたが、繁華街がああいうようなすり鉢底で、想像を絶する豪雨のために二メーター近くの洪水が一挙にやってきたというようなことで、お中元前で商品を大量に仕入れて商戦に備えておられた方々が、その商品が甚大な被害を受けながら一生懸命清掃に努力をしておられるお姿、水道、ガス、電気などの不便の中に努力しておられることを痛切に感じたわけでございますが、それと同時に、私はもう一つ考えさせられましたのは、もちろん異常な豪雨ではありましたけれども、長崎市というところは、もちろんいまは造船ブームも去りましたけれども、急速に、景気のよかった時代にそこに来た方々が、適当な住宅を得るために相当山の上にたくさんの家が建ってしまった。したがって、あの長崎市の中に二つの都市河川がありますが、この二つの都市河川が、従来の山に木が生えておった当時、相当の雨量にもたえ得るという計画ではあったけれども、住宅がたくさんできまして、社会情勢、周囲の情勢が変わってきた。それにも問題がずいぶんあるのではなかろうか。したがって、私はこの都市河川の激特の指定をいたしまして、改修を県、市、もちろん国が中心でございますが、一体となって対処していかなければならない、こういう考えでございます。 それからもう一つは、中小企業の方々の緊急融資、これは法に基づいて最善を尽くしてまいりますが、これも十分とは言えませんので、県、市、それから国、三者一体となってやっていきたい。 それから、お亡くなりになられた方々への弔慰金、それから負傷された方々は、いま参議院で審議中でございますが、何とか法案がお認めいただければさかのぼって負傷された方々に対するお見舞いができるようにというようなことも考えております。 以上、また御質問があればお答えさせていただきます。 〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕
○木間委員 いま長官の御感想、そして決意をお聞きしたわけであります。ぜひ一日も早く民生が安定するように、万全の体制をとっていただいてお計らいをお願いしたいと思います。 以下、幾つかの問題で御質問を申し上げたいのでありますが、衆議院では本日から現地へ調査に入られました。また、この種の問題は政府挙げての取り組みがなされなければなりませんし、そういった限りでは各省庁にまたがる中身にもなるわけでありますが、本部長は、国土庁はその先頭に立って陣頭指揮をされておりますので、まさにこの対応は国土庁が任務でありますから、国土庁で今日対応されておる中身について御答弁をそれぞれの方からお伺いをしたいと思うのであります。 いま、長官の御発言にも関係をするわけでありますが、行方不明者はまだまだ大変多いのであります。一日も早くその発見と収容に万全を期されたいのでありますし、また、傷を負われて今日療養されておる皆さんについても、その介護等に適当な処置をお願いしたいのでありますが、関係者からいま一度御決意をお願いしたいと思います。
○宮繁政府委員 お答えいたします。 二十五日に政府の調査団を組織いたしまして、松野大臣が団長になりまして早速被災の現地に赴いたわけでございます。二十五日の夕刻調査団が帰ってまいりまして、私は長官から直接いろいろお話を伺いました。土砂崩れの現場におきまして、自衛隊、警察、消防等の方々が泥だらけの中で懸命の捜索救援活動を続けておった、本当に頭の下がる思いで激励をしてきたのだというお話を直接聞きまして、私も感銘を深くいたしました。政府といたしましても、捜索救出作業に全力を挙げることを本部で申し合わせたわけでございます。不幸にして亡くなられました方々の遺体の発見、収容作業につきましては、今後とも本部といたしましても全力を尽くす所存でございます。
○木間委員 被災地に対する医療だとか生鮮食料品、生活物資等の確保についても万全を期してもらいたいと思いますし、ニュース報道等を見ておりますと、たとえば野菜の入荷量の不足、あるいはそういった不足にかこつけてか値上がりも起こっておると、大変危惧すべき状態があるわけであります。こういったものについても、不足をするからという足元を見たようなそういう便乗型の値上がりについては、私は断腸の思いで日々聞いておるのでありまして、そういったことのないように一つは手だてをする必要があるのじゃなかろうか、こう思いますが、御決意をお伺いしたいと思います。
○宮繁政府委員 医療等の問題につきましては、厚生省が中心になりまして万全の対策を進めております。それから生鮮食料品につきましては、野菜市場、鮮魚の市場はすでにもう日常の業務を始めておるようでございます。入荷量につきましては、野菜につきましては大体九割程度確保しております。魚類につきましては、この災害前の量が入荷をいたしておるようでございます。ただ、魚類の場合は火で煮なければいけませんので、水道の復旧、それからガスの復旧が待たれるところでございます。 なお、値上がりにつきましては、いままでのところ中央市場におきます価格は余り変動がないと聞いておりますけれども、末端の小売店におきましては一部の野菜が少し値上がりしておるように聞いております。そういう意味で、農林省が中心になりまして、近県からのそういった生鮮食料品の入荷また販売等につきましても、強力な指導をいたしておるような状況でございます。
○木間委員 全国からの救援活動も非常に活発に行われておるわけでありまして、心から敬意を申し上げるところでありますが、そういった輸送体制についても大変危惧すべきことがあるわけであります。たとえば、せっかくの救援活動でありますから、国鉄を利用するとかトラック輸送をするとか、そういう手だてがあるわけでありますが、この輸送経費についてもできれば無料の、あるいは無賃の体制をつくるべきだと私は考えておるところであります。特に有料道路等の使用も頻繁になされるわけでありますから、そういったことについても配慮をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○宮繁政府委員 道路、国鉄等の交通網を復旧することは、この災害の応急対策あるいは復旧事業を進める上でかなめになるものだということで、特に本部長からも各省庁に全力を挙げて復旧作業に当たるように要請をしたところでございます。 それから道路につきましては、先ほどもお話がございましたけれども長崎バイパスが、一車線の通行が二十四日から可能のようでございます。近く二車線の通行も可能となるということでございます。 国鉄につきましても、長崎本線の新線がきのう開通いたしました。引き続き全面復旧に向けて努力が続けられております。 それから、運賃、有料道路料金等の問題につきましては、国鉄、郵政省につきましても、救援物資等を公共団体あてあるいは日赤あてに一般の方方がお送りするような場合は、無料の扱いになっております。それから、有料道路のこの長崎バイパスの通行料につきましても、特別の考慮を払うということを建設省で決定いたしました。 以上でございます。
○木間委員 輸送網を確保することもきわめて大切でありますが、あの悲惨な災害で輸送網もずたずたになってしまったのは御案内のとおりであります。そこで、一日も早くその復旧が待たれるわけでありますが、たとえば道路とか橋梁とか、そういった決壊あるいは不通個所の復旧をやるわけでありますが、中央及び隣県の機械等の動員あるいは人員を充てる、そういった点の対策も待たれるわけであります。そういった点についての現状あるいはこれからの方向についてお尋ねをしておきたいと思います。
○宮繁政府委員 現在生き埋めになりました方々の救援作業等進めておりますけれども、やはり機械力を用いることが必要でございまして、近県にも応援を求めておりますし、また、一部海上輸送で自衛隊にお願いして機械類を現場に搬入もいたしております。今後、復旧事業につきましては建設業の方にお願いするわけでございますけれども、近県等の応援体制その他につきましても、建設省とも御相談して万全の措置をとってまいりたいと考えております。
○木間委員 亡くなられた方々には弔慰金の配慮も考えたいと長官が先ほどからおっしゃられたわけでありますが、この弔慰金の法案の処理につきましては、五六豪雪の経験と結果から現状に合っていない、見直そうじゃないか、こういった形で論議を呼びまして、衆議院では先般可決したのであります。ところが、いま参議院で鋭意努力中との長官のお話もあったわけでありますが、私は速やかに成立をすべきだ、このように考えております。 同時に、そうはいっても、現行の内容ではたとえば弔慰金なり見舞い金なりあるいは貸付金等についてはまだまだ低いのが私の実感であります。ぜひこの機会にそれらの値上げについて大幅改定をお願いしたいこと、あわせて今度の豪雨被災地にも適用すること、同時に五六豪雪にも遡及して適用すべきだと思いますが、お考えをお尋ねしたいと思います。
○宮繁政府委員 災害の弔慰金あるいはお見舞いの金額の問題でございますけれども、現在のところ衆議院の災害対策委員長の御提案になります法案の改正が参議院で審議が行われております。ここでは、金額の改定はいまのところ法案の内容になっておりませんで、新しく災害によりまして負傷された方々、そういう方々で身体に著しい障害が後まで残るというような方に対しまして、最高限百五十万円の枠で国が二分の一を負担し、県が四分の一を負担し、市町村が四分の一を負担するという制度が今回新しく盛り込まれようとしているわけでございます。私どもも、こういった弔慰金並びにお見舞い金がかなりの金額であることがまことに望ましいとは思いますけれども、財政事情等もいろいろございまして、今回の改正が妥当なものであろうかなということを考えております。しかし、これはまた今後審議が続けられることかと思います。 それから、遡及適用の問題につきましては、先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、私どもも何とかこの長崎の今回の災害から適用がされるように法案が改正されますことを期待しておるわけでございます。ただ、豪雪にまでさかのぼってやるかどうかということになりますと、大変な問題がございまして、当面この長崎の災害について何とかさかのぼって適用されるように、強く期待をいたしておるような状況でございます。
○木間委員 ただいまの御答弁では私はなかなか納得ができかねるわけであります。特に役所は、最近の状況を見ておりますと、閣法については大変積極的に取り組まれる習性がありますが、議員提案については冷たいようであります。官房長も、その弔慰金等の金額については現状に照らして云々という御発言もあったわけでありますが、私は、国家財政多端なことはよくわかりますけれども、一日も早く民生が安定されるように、また、亡くなられた方やそういった方々に安んじていただくようにすることが私どもの任務だろうと思います。ですから、これから参議院の場で論議をしていただくところでありますが、そういう考え方で私どもも臨みますし、また、政府省庁においても御決意を新たにしていただきたいと思うのであります。 次に、住宅の問題について状況をお尋ねしたいと思いますが、ニュース報道等を見ておりますと、もちろん家を失った方あるいはまた家は建っておるけれども付近のがけ地の亀裂その他で家へ帰れない方、たくさんあるわけでありますが、そういった方々のために災害公営住宅という制度があるわけであります。ぜひこれらの建設について早急に手を打っていただきたいのでありますし、同時に、住金の貸し付けを強力に行われたいと思うのです。また、これら新興住宅所有者については、莫大な返済ローンをお持ちであります。これらについての返済猶予等の措置を行うべきだと思いますが、お考えを明らかにしていただきたいのであります。
○松谷政府委員 お答え申し上げます。 このたびの災害に伴いまして、公営住宅の建設等の対策につきましては、ただいま建設省より住宅関係の係官を現地に派遣をいたしまして調査をいたしております。災害公営住宅の建設につきまして、地元長崎市及び長崎県の方におきまして、住宅の建設の希望状況については現在折衝中でございますが、その要請があれば、私どもといたしましては直ちに公営住宅の建設を積極的に検討をしてまいりたい、かように考えております。 また、住宅金融公庫の融資につきましても、七月二十四日の土曜日に、九州全域につきまして災害復旧住宅融資につきましての窓口の開設を住宅金融公庫に建設省より指示をいたしまして、そのとおり取り計らったところでございます。また、ただいまの御質問にございますローンの返済についての猶予につきましては、いろいろとむずかしい問題があろうかと思います。これにつきましては、検討をさせていただきたいと思います。
○木間委員 災害救助法が発動されまして、それぞれ救助活動、救援活動を的確にやっていただいておるようでありますが、激甚法の適用について、先ほど長官からぜひ適用したい旨の御発言もあったやに伺うわけでありますが、いま一度その御決意と、そして、できればいまどういう作業状態になっておるか、明らかにしていただきたいと思います。
○松野国務大臣 いろいろな観点からそれぞれの担当官がいま調査しておりますが、大体におきましては、当初申し上げましたように長崎市の中に都市河川が二つありますが、これは激特法の指定をして早急に根本的な改修を行いたいということで、資料が整い次第指定をして作業を進めていくつもりでおります。 それからもう一つの激甚災の方は、資料も整いつつありますので、中小企業の方の融資などについては間もなく結論が出ることになっておりますので、これも御期待していただいて間違いないと思っております。
○木間委員 今度の災害は自然災害だという分析もされておるようであります。確かに長崎市をめぐる地形はすり鉢状になっておるところでありまして、そういった点では先ほどもお話がありましたように、大変急傾斜地が多くてがけ崩れが心配だ、こういうこともあったでしょうし、そういう中から集中的に豪雨に見舞われて惨事になったものだろう、こうも思うわけでありますが、かといって事前に手だてがなかったわけではありません。 いま建設省では鋭意急傾斜地の保全事業を進められておるところでありますが、今日役所の事業進行状況を見ておりますと、それぞれの分野で五カ年計画等の中期あるいは長期の計画事業を進められておるのであります。ところが、この急傾斜地崩壊対策については、残念ながらそういった特別立法措置がありません。いま全国的にも、ちょっと資料が古いのでありますが、五十四年三月末では六万四千二百八十四地区がある、こういう事実も明らかになっておるのでありまして、そういったなだれから人命、財産を守るのがこれまた国の重要な事業、任務の一つでもありますが、この急傾斜地崩壊対策についてそうした年次計画がない。一体どういう理由なのか、お尋ねしておきたいと思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 先生ただいまお話しの急傾斜地の崩壊対策の事業につきましては、昭和四十二年七月にがけ崩れ災害が多発いたしました。そういったことを契機にいたしまして、予算補助制度で事業がスタートしたわけでございました。さらに四十四年に至りまして急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律を制定いたしまして、それに基づいて実施しているものでございますが、建設省といたしましては昭和五十二年時点で全国的な調査をいたしました。その調査結果をもとにいたしまして長期計画を策定しておりまして、危険度が高くてあるいは保全対象人家が多いという危険個所、そういったものから優先的に順次計画的に事業を実施しておるというところでございます。ですけれども、この事業につきましては歴史が浅いこと、また、災害発生に即応して対処しなければならない事業であるという性格でございますし、また危険個所につきましても現在再点検中でもございます。そういうことで、五カ年計画は策定しておらないというのが実態でございます。
○木間委員 危険個所は、全国的には先ほども言いましたように、五十四年三月末では六万四千二百八十四カ所、ところが建設省での指定状況を見ておりますと、これも五十四年三月末でございますが、七千三百二十九カ所、約一〇%程度にしかすぎないわけであります。危険個所がたくさんあるのになぜそうした地域指定がなされないのか。私は、先ほどもありましたように、日本列島はまさに災害列島だと言っても過言ではないと思いますが、人命、財産を守るために一日も早く手を打たなければなりません。そういった指定できない理由、あるいは今後の見通し等についてお尋ねをしておきたいと思います。
○川本政府委員 急傾斜の崩壊の危険個所でございますが、その総数は、先ほど先生おっしゃいましたように、昭和五十二年時点での調査というものが現在全国的に集計をされておりまして、六万四千二百八十四カ所でございます。その中で五十六年度末での危険個所の指定数が一万百九十七カ所になっておりまして、先ほど先生のおっしゃいました時点よりは多少ふえているということが実態ではございますが、この指定につきましては、先ほども申し上げましたが、従来から各都道府県を督励いたしまして指定の促進に努めてきておるつもりでございます。過去三度にわたりまして通達を出しまして、また、それに対して三カ年計画とかいうような計画もその時点時点で立てまして、促進を図ってきておるところではございますけれども、指定をしようといたしますと、いろいろと指定される側の方々の御意見もございます。これは法律の規定に基づきまして都道府県知事が指定するわけでございますが、その場合に市町村長の意見を聞くということになっておりますが、市町村長はそのそれぞれの人家の方々の意見も聞いて、それを府県の方へ回答されるというシステムになっておるわけでございますが、その際にも、たとえばうちの民宿が経営が不振になるからやめておいてほしいとか、あるいは相続の関係でトラブルになるからやめておいてほしいとかいうような個々の点ではいろいろと意見も出てきておりまして、そういったことも障害になって指定がなかなかはかどっていないということも一つの原因ではなかろうかと思っております。そういったものについて、私どもも従来からやはり啓蒙をやらなければいけない、こういったことで放置しておってはいけないということで、六月に一日から七日まではがけ崩れの防止週間というものを設定いたしまして、そういうもののPRの一つの契機にもしておりますし、また、一つの例で申し上げますと、そういった週間をも利用いたしまして、個々の民家に府県の職員が参りまして、過去の他の地域での災害の記録映画を見せるとか、そういったことをやって、その関心といいますか、理解を深めるというふうな努力も個々にはしておるところではございますが、今後こういった実際の災害の実態というものも一つの大きな促進剤ということにもなりますし、全国的に都道府県をこれから強力に指導してまいりたいと思っております。
○木間委員 今度の災害、被災地の状況を見ておりましても、先ほどお話がありましたように、人工がけについては見られなかった、あるいはそのような保全の手だてがされたところはなかったというニュース報道もあるわけであります。私どもは、残念でありますが貴重な経験をさせていただきました。ぜひ二度と再び悲劇を繰り返さないためにも、いま局長がおっしゃられたように、誠意を持って教育宣伝といいましょうか、当たっていただきたいのであります。お願いをしておきます。 次に、政治姿勢の問題についてお尋ねをしたいと思いますが、緊急な問題でありますので、一つば国土庁長官に苦言を呈しておきたいのであります。 それば、御承知のとおり、いま教科書検定問題で内政の範囲にとどまらず、外交上もゆゆしきところまで来ておるのであります。中国大陸や朝鮮半島への日本軍の行動の表現の書きかえと申しましょうか、こういった問題であるわけですが、これは今後あるいは文教委員会、該当委員会等で直接取り上げられていくと思いますが、この機会に長官に一言申し上げておきたいのであります。 松野長官は、あくまで国内的問題なのだ、このようにおっしゃっておいでるようでありますが、この問題は近代史に対するわが国の認識の問題でありましょう。侵略戦争は二度と繰り返すべきでない、繰り返さない、そういうためにも真実を述べる必要がある。これは当然のことです。あなたの発想は戦争を遂行した側の考え方ではないでしょうか。大変危険な考えだと私は申し上げたいのです。いまあなたの任務は安定した国土の建設を担当されておりますし、当然今次このような災害が発生いたしますと、どのようにして一日も早く立ち直るか、そのための国土保全の任務があるはずでありますから、むしろ私はそういった当初の御決意のように、この集中豪雨にいかにして対応していくかということで頭がいっぱいであろう、こう思っておったのでありますが、きのう、きょうのニュース報道等を見て、本当にあなたにこの仕事をお任せしていいのかどうか大変危惧をしておる一人であります。ぜひそういった本来の業務に万全を期していただきたいと思うのであります。もっとも国務大臣でありますから、それぞれ国政全体についての任務を負っておいでるのも一面当然だろうと思いますが、いまときがときだけにぜひそういった本来の任務に集中をお願いをしておきたいと思います。これはあくまで私の考え方を申し上げまして、苦言でありますので御答弁は要りません。 次に始関建設大臣にお尋ねをしたいと思います。 大臣は、六月二十五日の記者会見での御発言があったわけであります。先ほど鴨田議員の質問の中とも若干関連するわけでありますが、来年度の予算概算要求の問題の中で、公共事業の扱いに関連いたしまして、「経常経費と公共事業のような投資的経費は本来違う性質のもの。財政再建は経常経費を削減し、赤字国債をなくすのが目的なのだから、いっしょくたにするのはおかしい。財源がないというなら福祉とか教育とかを切って、それを景気浮揚のために回すというのが本来の姿だ」、このように述べられたと報道されておるのでありますが、これは本当だったのかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。
○始関国務大臣 私の発言はこういうことでございます。 いま木間委員がおっしゃいましたように、公共投資というのは将来の経済活動や国民生活の基盤となる国民の財産をつくりまして、経済の活力を支える投資的支出でありまして、この財源は建設国債等特定財源でございまして、一般経費というものはほとんど使っていない。一方、財政再建とかなんとか申しますのは、さっきも申し上げましたが、経常的な経費でありまして、これは税収その他一般財源を充てるべきものである。この経常経費を極力節約いたしまして赤字国債の発行をなくするのが財政再建のねらいとするところでありますから、この両者はどうも元来余り関係がない。さような次第でございますから、財政再建下でありましても五十八年度の予算のシーリング枠の設定に当たっては何らかの特別の配慮を払ってほしいということを申したのであります。 そこまではいま木間委員のおっしゃったのと同じでございますが、そこで文教とか社会福祉等を切っても云々ということでございます。これはどうもちょっと誤解と申しますか、そういうところに私の真意があったのではないのでございまして、私の立場から言いましても、個人の政治家といたしましても、文教や社会福祉などの施策の重要性をいささかも否定するつもりはございません。ただ、繰り返して申しますと、こちらの方は、公共投資の財源は建設国債等特定財源でございますし、それから文教、社会福祉は経常経費でございますから財源的にも全く別なんですね。片方をふやすために片方を減らすというような相関関係はない。ですから、全体の趣旨から申しまして、福祉とか教育は切ってもいいんだということを申したことのないことは御理解いただけると思うのでございます。 以上、御答弁申し上げます。
○木間委員 大臣、そうでしょう。そうでなければ本当は政治家としての、また大臣としての資格が問われるわけであります。ただ、私どもの耳に入ってくるのは、最近の臨調の方向だとかあるいは与党自民党の皆さんの一部にそういったお考えがあるやにも耳に入ってくるわけでありまして、いよいよ大臣もそこまで行き着かれたかと私は大変残念でならなかったわけでありますが、いまの大臣の御発言ではそういったことはあいまいさがあったのじゃなかろうかとも思いますが、はっきり表現されたものと私は受けとめたいと思います。私は、五十五年六月の大臣の選挙公約をここに持っております。ここには毫もそういったことが書いてないわけでありまして、教育もやるぞ、福祉も任せておけ、このようになっておるわけでありまして、よもや選挙民を愚弄する、あるいは国民の期待を裏切るようなことがないように、今後閣議でおっしゃられてもいいわけでありますが、その中身についてはぜひ責任をとっていただく、毅然として公約を守っていただく、そういう姿勢で望んでいただきたいのであります。 次に、臨調の部会報告に関連をいたしまして若干お尋ねしておきたいことがあるわけです。 第二部会の報告の中に公務員問題について触れられておるのでありますが、その中で公共の事務や事業の整理あるいは民間委託について言及をしておるのであります。読んでみますと、「国家公務員の中には、例えば単純労務職員のように、民間と同様の業務を行う者が含まれているが、特別の必要がある場合を除き、当該業務について事務・事業の整理、民間委託等を積極的に推進する。」大臣の所管の関係から申し上げますと、たとえば下水道の事業あるいは公園の事業、そして道路等の事業があるわけでありますが、この中間報告を手にされて、いま大臣の心中を伺っておきたいと思います。
○始関国務大臣 ただいまお話がございましたように、道路、公園、下水道のメンテナンスなどに関する現業職員の問題につきまして、中間報告という形でいまのようなことが出されておるということは承知をいたしております。国家公務員の範囲につきましては臨調自体の答申を待ちまして、建設省として検討する事項があれば、関係省庁とも協議いたしながら慎重に対処してまいりたい、かように存じております。
○木間委員 同時に、そのことは知事や市町村長の業務にも大きくかかわるわけでありまして、この部会報告では地方公共団体についても国に準じたような処置を講じなさい、こう言っておるわけでありますから、ぜひ慎重に国についてもやっていただきたいと思います。そうしなかったら先ほど大臣がおっしゃられたように、住民のための下水道や公園やあるいは道路の維持管理についても大変なそごを来すことになるわけでありますから、せっかく国や都道府県、市町村がおやりになっておる事業にそういったことのないように、万全の対応をしていただきたいと思うのであります。 次に、建設省所管のそれぞれの事業に関連いたしまして、この建設白書の中で感じたようなことなどについて若干お尋ねをしておきたいと思うのです。 私も一読させていただいたのでありますが、もちろん斜め読みでありますが、この白書は役所べースといいましょうか、相変わらず自画自賛が目立つようであります。都合の悪いことは余り触れられていないのです。たとえば昨年秋から毎日のように報道もされましたし、また本委員会でも論議を呼んだ例の談合入札の問題でありますが、私は、この談合問題については一つの章を起こして反省と改善策が示されていいのではなかろうか、このように思っておるのであります。また、白書そのものはそういった使命の上に立ってのものでありましょうから。たとえば三百四十六ページに十五行で済ませております。白書そのものは約三百九十ページから成っておりますし、行数は一万一千百九十四行、わずかに談合は〇・一%を割いているにすぎません。一方、昨年のこの時期にマスコミにのったあの量は所管事項で五〇%以上のったのじゃなかろうか、このように私は見てきたわけであります。国民の関心の離れたときに作成された白書でもありましょうが、そうした臭い物にふたをしていくのじゃなくて、やはり私どもはもっと襟を正すためにも、そしてこれから前向きの事業を施行するためにも、国民の皆さんに信頼される行政、政治をやっていく任務があるはずでありますが、こういったことについての反省を含めてお考えを述べていただきたいと思います。
○永田政府委員 建設白書に談合の件が十五行しかないから反省の色がないのではないか、こういうおしかりでございます。 確かに御指摘のように昨年暮れ以来建設業界をめぐっての疑惑がいろいろ出されたことは事実でございます。私どもはこれを大変重大なことと受けとめ、直ちに中央建設業審議会にその対処のあり方をお願いし、一部その実行も行っておるわけでございます。今後とも鋭意その中建審の場で対応策等について検討していくわけでございますので、そこら辺は反省がないというわけではございませんので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。要は、私どもは実行をやっておりますのでそれを見守っていただきたい、こういうことでございます。
○木間委員 永田局長、それはやはり言い逃れにすぎないと私は思うのです。確かにこの問題が惹起したときに皆さん方も調査をされましたし、また、建設省方針に基づきまして襟を正そうといったことで、地建を初め地方にも指示、通達されたことも私は知っております。しかし、この白書はそれ以降に編さんをされたものだろうと思いますし、どだいこの白書の意味というものは、やはり今後に向けて二度とそういった指摘を受けるようなことはやらないぞ、そういう目的でされておるのでありまして、いかに指示、通達があったとしても、やはりこれが一番基本だろうと私は思うのであります。ですから、いまの答弁を聞いておりましても、あいまいもことして、あるいは反省のかけらもないと言っては後々またおしかりを受けるかもしれませんけれども、私はそうした皆さんの態度が残念でならないわけであります。本印刷にもかかっておいでますから、いま直ちにこれの追録を発行しなさい、そうは言いませんけれども、これからのこと等もありますから、まず毅然とした態度で臨んでいただく、当然のことでありますが、次回以降のこの種の扱いについても万全を期していただきたいと思うのです。ですから率直に、こうしたあいまいな表現をとるよりも、どだい談合という言葉が一百一句載っておらぬわけですね。国民の皆さん、私どもを含めてみんな談合だということを、それは話し合いだと言えばそれまででありますけれども、そういった認識を持っておりますから、国民の認識と離れないようにひとつしっかりとお願いをしたいと思います。この程度にしておきます。 次に、建設省所管の官公事業につきまして、中小企業の対策等について若干お尋ねをしておきたいと思います。 先般建設省から機関別官公需実績あるいは五十七年度の目標についての資料もいただいたのでありますが、これを見ますと、端的に言って五十六年度中小企業対策の実績よりも五十七年度は率において下がっておるのであります。五十六年度実績は、建設省所管事項の中で中小企業に振り向けられた部分は三三・九%であった。ところが五十七年度目標は三三・一%であります。わずか〇・八じゃないか、こうおっしゃるかもしれませんが、私は現状はそうではないと思うのです。 たとえば、この白書の中に建設業の動向が載っております。そしてこの一年間で許可業者数が一万二千増加をしたとも言われておるわけでありますが、特にいわゆる資本金一億円未満の中小企業者の数は全体の九九・四%にも達しておる、このように皆さん方も把握をされておるわけであります。したがいまして、今日中小企業の育成はきわめて重要な課題でもありますし、そういった点での今年度の目標、あくまで目標でありますから、これからさらなる決意で臨むぞというような御決意をひとつお伺いしたいのであります。
○豊蔵政府委員 ただいま先生から御指摘がありましたように、昭和五十六年度の中小企業向けの発注件数及びその発注の契約額、それらは契約額について見ますと、目標が三三・二%でありましたものが、実績の上では三三・九%と相なっております。五十七年度の中小企業向けの契約の目標額につきましては、その率で見まして三三・一%と相なっております。これは御案内のとおり、公団等につきまして、特に本州四国連絡橋公団のように中小企業向けの官公需の契約率が低いといいますか、大規模な工事が大部分を占めておりますような公団におきまして予算が大幅に伸びた、そういったようなことのために、それぞれの事業主体ごとには昨年度を上回るあるいはまた同程度の目標を設定しておりますが、加重平均をいたしますと率が若干下がるといったような結果になっていることから生じたものでございます。 なお、この実施に当たりましては、五十六年度におきまして目標を数ポイント上回る実績を示しておりますように、私どもも今後なお一層努力いたしまして、中小企業向けの発注の額をふやしてまいりたいというふうに考えております。
○木間委員 この白書の中では、たとえば受注機会の確保のためには発注標準の遵守あるいは分割発注の推進、共同請負制度の適正な活用により、今年度も徹底を図るようにがんばっていく、このように述べられておるのでありますが、ただ、私の危惧する点がないでもありません。分割発注をすればその分だけ事務量がふえていくという悩みもあるでしょうし、あるいはまた最大の効果を上げるという公共事業の一つの目的からいってもわからないわけではありませんが、しかし、圧倒的に中小企業者の多い業界のことでありますので、いまおっしゃられたように、ぜひ中小企業の受注拡大の機会を持っていただきたいと思うのであります。 いま一つお尋ねしておきたいと思います。いままで衆参建設委員会で、零細業者の仕事の確保のためにも随意契約の問題について論議がされたところでありますが、金額の引き上げについて検討するというような答弁がなされております。その後そのように対応されておるかどうか、ひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、去る四月十五日の参議院の建設委員会におきまして、国が発注する場合におきます予決令、あるいはまた地方公共団体が発注する場合におきます地方自治法施行令等に定められております金額の引き上げにつきましては、大蔵省及び自治省と十分御相談申し上げまして引き上げるよう努力したいとお答えをいたしておるところでございます。 建設省といたしましては従来からそのようなことで折衝しておりましたが、さらにその後におきましても両省に対しまして引き上げにつきまして引き続き要望し、いま検討をしていただいているところでございます。
○木間委員 次に、道路問題について若干お尋ねをしておきたいと思います。 七月八日の報道は「新五か年計画の事業規模については、新経済社会七か年計画の公共投資額が二百四十兆円、うち道路部門として四十六兆円を見込んでいるところから、これに見合った四十五兆円(五十七年度換算)とした。」このように建設省の態度が報道されておるのでありますが、これは事実かどうかお尋ねをしておきたい。 いま一つは、四十五兆円のうち国費を十五兆円としております。五カ年間で十五兆円としますと、単純年度平均は三兆円でありますが、この財源をどうするのかという心配があるわけです。たとえば昭和五十七年度の特定財源は一兆六千八百十二億、一般財源から二千百十六億、剰余金六十三億、合計一兆八千九百九十二億円が国費ですが、これをベースにいたしますととても足りないわけであります。ひとつお考えをお尋ねしておきたいと思います。
○沓掛政府委員 御説明いたします。 新道路整備五カ年計画の事業規模につきましては現在鋭意検討中でございます。先生御指摘のように、新しい五カ年計画の規模が幾らになるかはいまも検討中ではございますが、いずれにしろ相当の国費が必要になりますので、特定財源であります揮発油税等につきましては、わが国の近代的な道路整備は昭和二十九年以来わずか四半世紀の歴史を持つにすぎず、その整備水準は目標のおおむね二分の一程度でありますので、早急な整備が必要である状態にありますことにかんがみ、引き続きこの特定財源の堅持を図っていきたいというふうに考えております。
○木間委員 国費は三分の一程度、残り三分の二は地方単独に期待をする、こう言われておるわけでありますが、そうなりますと結果的に地方財政に大きな重圧を加えることになるのです。白書では、昭和五十六年度の公共投資の中で、単独事業は県で一四・五%増、政令都市で八・七%増と評価をしております。しかし、これは地方財政を窮地に陥れるのは必定でありましょうが、なぜ事業量を拡大するために国の比率を落としてくるのか、あるいはまた、地方への財源配分を別途何かふやす手だてを考えておるのか、そういったことを私はお尋ねしておきたいと思います。
○沓掛政府委員 道路整備は一般道路事業、有料道路事業と地方単独事業により実施されております。第八次道路整備五カ年計画はまだ終わっていないわけでございますが、当初予算等で見てみますと、これら事業を行うに当たっての国費、地方費、それから財投等の借入金がございますが、これらの比率は国費が三四%、財投等の借入金が二一%、地方費が約四五%というふうになっております。その地方単独事業のこの第八次道路整備五カ年計画での達成率は一一六%と、先生おっしゃったような順調な伸びを示しております。その結果、第八次五カ年計画における地方単独費の割合は、計画では二六・三%でありましたが、実績は三〇・八%となる見込みであります。国の予算はここ三年横ばいであり、地方における強い道路整備のニーズに対応するため、地方単独事業のシェアが増大したものと考えております。 新五カ年計画の策定に当たりましては、第八次五カ年計画の実績や今後の財政事情等を勘案し、一般道路事業、有料道路事業、地方単独事業のバランスに配慮しつつ慎重に対処してまいりたいと考えております。
○木間委員 次に、雪寒道路事業について若干お尋ねをしておきたいと思うのであります。 積雪寒冷地帯の道路運送をスムーズに進める、今日まで努力をされてきておるところでありますが、その第一は、豪雪等にたえられる強い構造を持った道路を建設することでしょう。いま一つは、道路交通を途絶させないために、雪が積もれば消す、たまれば排雪をする、そしてそういった事業がスムーズに行われることであると思うのです。 それで、五六豪雪を経験しての私どもでありますが、いま国の計画を見ておりますと、雪寒道路五カ年計画は一般道路五カ年計画よりも一年次、五年間おくれておる、このように見受けるわけでありますが、まず、そのおくれた理由は一体どこにあったのか、お尋ねをしておきたい。 いま一つ、この第七年次計画が明年で終わるわけでありますが、新道路計画と同じように次の年次計画を進められるのかどうか。私は進めてやるべしと、こう申し上げたいのでありますが、お考えをお尋ねしておきたいと思います。
○沓掛政府委員 御説明いたします。 道路整備五カ年計画は、昭和二十八年に制定されました道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基づき、第一次五カ年計画が昭和二十九年度から三十三年度として計画されたのでありますが、積雪寒冷地域における道路交通確保の重要性から、昭和三十一年に積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法が制定されたわけでございます。これに基づきまして、雪寒道路五カ年計画の第一次分が昭和三十二年度から三十七年度として計画されましたので、一次分おくれたことになっております。ただ、第一次の道路整備五カ年計画の中でもこの積雪寒冷地域における道路交通の確保のために相当の配慮はしていたことはもちろんでございます。 さらに、雪寒五カ年計画につきましては、第七次に引き続き、先生御指摘のとおり第八次五カ年計画も策定し、強力に進めていきたいと考えております。
○木間委員 国土の六割が豪雪地域でもありますし、同時に積雪寒冷地帯でもありますから、民生安定のためにも今後ともぜひ取り組んでいただきたいと思うのであります。 次に、同じこの雪寒道路の関係で雪寒機械の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。 建設省発行のいわゆる白パンと申しましょうか、この中では、雪寒機械の進捗率が他の事業よりもきわめて低い目標を立てておるのでありますが、この低い理由は一体何なのか、お尋ねしたいと思います。
○豊蔵政府委員 雪寒の機械に係ります事業の推進につきましては、先生御指摘のような雪寒地域の道路交通確保五カ年計画の中におきまして目標を定めているところでございますが、最近、雪寒機械の性能の向上が著しく、また、管理、使用技術の向上といったようなこともございまして、当初更新を計画しておりました年次よりも若干その機械の更新を延伸するというようなことによりまして、事業費の節約といったようなことを考えてきたところで、若干数字的には進捗率が低いようになっております。しかしながら、保有されております除雪機械につきましては、目標に対しまして五十七年度末では九五%程度の進捗達成を図るというようなことで進めているところでございます。
○木間委員 性能あるいは管理等の技術水準も上がったから長もちするんだ、こういう御答弁もあったかと思いますが、私の選挙区の状況から申し上げて大変恐縮でございますが、五六豪雪の直後に、知事は県内自治体の要望事項をまとめまして建設省官房にも陳情をされたわけです。いま富山県内には三十五市町村がありますが、そのときに要望された総数は三十五台があったわけです。まあ三十五台全体がいま直ちに必要は必要でしょうけれども、関係自治体で負担する能力があるかどうか、そういった問題はないではありませんけれども、私は、やはり建設省は全体的な公共事業費の抑制あるいは落ち込み等々のことから、むしろ割り当て的にされた嫌いがあるんじゃなかろうか、本当に地方の要望、要求に従ってスムーズに出しておいでるのかどうか、そういった点では大変納得できないのです。ぜひいま官房長がおっしゃったように、九五%目標でがんばるんだ、こうおっしゃられますが、私は、やはり市民生活に直結する問題でありますから、九五%と言わず、百数%になるようにこれからも努力をしていただきたいと思うのであります。 それから次に、除雪問題でありますが、特に豪雪地帯では歩道除雪がきわめて今日の課題になっておるのです。もっとも車時代から人命を守ろう。こういうことで別途車歩道の分離事業も進められておるわけでありますから、当然、歩道にも雪が降る現状から照らして、この歩道除雪は緊急な課題であります。富山県の実態では、県の事業としていまやっておるわけでありますが、なぜ国の補助事業としてやられないのか、この機会にただしておきたいと思います。
○沓掛政府委員 お答えいたします。 歩道除雪が一般的に補助対象となっていない主な理由でありますが、歩道除雪につきましては道路幅員が十分でないこともありまして、車道の除雪により歩道にたまる雪の処理、沿道家屋から歩道におろされます屋根雪の処理、小型の除雪機械の開発など多くの問題を抱えておりますことが挙げられます。これらの問題を解決するため、現在直轄国道、補助国道、県道の一部区間におきまして試験的な施行を実施いたしております。その実施区間の延長は、直轄国道で一千キロ、補助国道で二百七十二キロ、県道で七百二十八キロと、計二千キロについて試験的な歩道除雪が行われている状態でございます。
○木間委員 歩道が整備されますと、道路の総延長に匹敵する歩道にもなるわけであります。積雪現地では、小型のと申しましょうか、排気量の小さいロータリー車を単独事業でやっておるわけでありまして、ぜひそういった点についても新五カ年計画発足のときにひとつ見直すべきだと申し上げておきたいと思います。 次の問題で、非連檐地域の消雪事業等についてでございますが、たとえば急坂が随所に見受けられます。また、国鉄等の立体交差もあるわけです。あるいは河川等の橋梁もあるわけでありますが、そういった非連檐の地域であっても、急な坂道とかあるいは橋梁部分についても現地では消雪事業をやっておるわけです。ぜひこの問題についても補助事業としてこれから前向きに取り扱ってもらいたいと思いますが、お考えをお尋ねしておきたいと思います。
○沓掛政府委員 消雪施設、いま先生おっしゃいました消雪パイプでございますが、これにつきましては、積雪量が多い地域の道路で、人家連檐しているところ、または踏切道であってかつ舗装済みの個所に設置することといたしております。このような区間での残事業がまだ相当ありますことから、当面非連檐地区の急坂や橋梁部につきましては、先ほど先生からお話がありました除雪機械により除雪を行うことといたしております。 〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕 なお、先生先ほどおっしゃいました踏切道については、これは人家連檐でなくても、その前後が舗装されておれば消雪パイプの対象とすることといたしております。
○木間委員 直接踏切道ではありませんが、最近は立体交差になりまして、踏切も高架になる場合があるわけですね。そういったところに現地では消雪工の事業が進められておりますから、ぜひそういった面についての、機械による除雪、排雪ということは今日行われておるわけでありますが、現地ではそのように直接消雪工の工事が行われておるという現実がありますから、前向きに検討をさらにお願いしておきたいと思います。 それからもう一つ、雪国の実態でございますが、道路が凍るような場合には、車はすべてチェーンとかスパイクタイヤを装置をするわけであります。ところが、これは御案内のとおり、車輪の回転等に伴って道路を削ることにも通ずるわけであります。積雪寒冷地帯では毎年のように、雪解け等になりますとこの路面の復旧作業がこれまた一大事業の一つになってくるわけです。そこで、この損傷個所の補修事業等について補助事業としてやられてしかるべきじゃないだろうか、こう考える一人でありますが、この機会にお尋ねしておきたいと思います。
○沓掛政府委員 従来より舗装補修につきましては、一般国道、都道府県道について道路交通の安全確保及び道路の保全の観点から、経過年数、それから破損の程度などを勘案いたしまして、補修事業の規模や通過交通量が一定の値になれば補助事業の対象といたしております。特に雪寒地域におきましては、スパイクタイヤなどによる舗装の摩耗が著しいため、現在舗装新設や舗装修繕の際、耐摩耗性のすぐれた舗装材の使用や摩耗層の設置も補助の対象としているところでございます。 なお、スパイクタイヤによる路面の損傷に対処するための方策を、本年度から建設省において調査検討いたしております。
○木間委員 いま一つ雪寒地域の問題についてお尋ねをしておきたいと思いますが、道路附属物との関係であります。ガードレールなどにつきましては公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の直接対象メニューにはなっていないようであります。五六豪雪の経験から、私も災害対策特別委員会でこの点について主張したのでありますが、豪雪地域はこれら道路附属物といえども復旧せざるを得ないのです。たとえば豪雪の時期になりますと短時間に大量の降雪があるわけでありまして、それも一度ならず二度、三度目の除雪、排雪ということになりますと、まさにロータリー車もままなりません。勢いその他の機械、たとえばショベルカーだとかブルドーザー等によって除雪、排雪を行うわけでありますが、残念ながらガードレール等は深く雪にもぐっておりますし、また、短時間に処理をしなければならないという関係から、一回、一回ガードレールを処理してやるというわけにはまいらぬ現状があるわけです。勢い緊急避難的といいましょうか、自然災害に似通ったような、むしろ人工災害だという言い方もあるでしょうけれども、私はこれらの復旧のための国庫負担法の適用をぜひやるべきだ、こう思っておりますし、これはまた積雪地域には例年のように起こる課題でもあるわけでありますから、この負担法の適用について前向きに取り組んでもらいたいと思いますが、お尋ねしておきたいと思います。
○川本政府委員 ただいま先生おっしゃいました国庫負担法の中におきましては、国庫負担の対象となります公共土木施設といたしましての道路の範囲というものは、細かくなりますが、道路法の第二条第一項に規定しております道路ということでございまして、御指摘の道路附属物でありますガードレールであるとかあるいはこまどめ、そういったものにつきましては道路とともに被災した場合に限って適用されているところでありまして、これらの施設だけの被災につきましては、負担法第六条第一項第三号の維持工事にかかるものとして適用除外になっておるわけでございます。昨年の冬季豪雪におきましては、附属物のみのガードレール等について、先生おっしゃいましたように被害が広範囲でかつ激甚であったということもありまして、通常の維持工事の範囲を超えるものということで負担法の対象として認めたものでありまして、昨今、その道路附属物の被災に対しましての負担法の適用についての要望が強いということはかねがね承知しておりまして、今後、被災の実態等を考慮いたしまして検討してまいりたいと思っております。
○木間委員 共通の悩みでもありますので、いま局長から前向きに検討したい旨の御発言もあったわけでありますから、ぜひそういった点での要請をしておきたいと思います。 最後に、住宅問題であります。 先日産構審の住宅・都市産業部会が中間答申を出されたのでありますが、産構審の中身を見ておりますと、どうも産業育成の面が強いと申しましょうか、供給側の視点が目につくわけであります。建設省もこの八月実施ということで、六月に公営住宅の入居基準の見直しを行ったのでありますが、この中にも共通点が見受けられるわけです。特に今日、都市の住宅難あるいは勤労者の名目所得に合致をしないような、低く抑えられていると私は判断をするわけです。 いま一つは、所得の種類によっても開きがあるのは御承知のとおりです。たとえば給与所得者と自営業者の算定基準が全く一緒だ。税法上はそれぞれ必要経費等も見ておるわけでありますが、しかし私は、やはり実態は異なるだろうと申し上げざるを得ないのです。給与所得者の場合は全くのガラス張りが現状である、これは御承知のとおりであります。そういった点で私はこの収入基準の求め方に不満を持つ一人でありますが、お考えを尋ねておきたいと思います。
○松谷政府委員 公営住宅の入居基準につきましては、このたび六月一日付で公営住宅法の施行令を改正いたして、八月一日から施行されるということになるわけでございます。五十四年度に改正して以来据え置きになりました基準を相当大幅に引き上げておりまして、たとえば第二種の公営住宅の場合、従来五万五千円以下でございましたが、これを八万七千円以下、第一種につきましては、五万五千円を超え九万五千円以下を、八万七千円を超え十四万一千円以下ということで、相当の基準の引き上げを行っております。 これにつきまして、さらにただいま先生の御質問にございます収入の算定の仕方でございますが、これは公営住宅法の施行令第一条に基づきまして入居資格の有無を判断する収入につきましては算定をいたしております。ただいまのところ、所得税法の課税標準の算定方法の方式が最も妥当なものと考えておりますので、この方式に従いまして算定をしているところでございます。
○木間委員 もう一点だけ住宅問題でお伺いをしておきたいと思います。 今度の改正で、明け渡し基準についても見直したわけであります。つまり、昭和四十四年六月にこの制度が適用になったわけでありますが、その以前の入居者との区分があったところですが、今回は統一をしております。しかも、金額が据え置かれておるところです。この明け渡し制度を取り入れた、当時のたとえば審議会や国会でも論議が展開されまして、二本立てとなったと私は考えておるわけでありますが、今回一本化された理由、そして金額を低く抑えた理由についてお尋ねをしておきたいと思います。
○松谷政府委員 高額所得者に対します明け渡し請求制度を導入いたしましたのは、昭和四十四年六月十日でございます。その制度が導入されました以前に入居されました入居者につきまして、直ちにこの基準を適用することは過酷であるという判断がございまして、これにつきましては、当分の間緩和措置を講じるということにしたわけでございますが、制度が創設になりました後、すでに十数年の年月を経まして、本制度が定着をするに至りましたので、これらの事情を十分考慮した上、今回、明け渡し収入基準を統合したものでございます。
○木間委員 いや、局長、低く抑えた理由をお尋ねしたのですよ。それは割り増し賃料の問題とか、あるいは明け渡し基準の問題に直接結びつく問題でありますから、この抑えた理由をひとつお尋ねしておきたいと思います。
○松谷政府委員 お答え申し上げます。 明け渡し収入基準につきましては、四十四年六月十一日以降の入居者につきまして、従来は十八万六千円でございましたが、今回、二十二万六千円ということで、以前の入居者の線にまで引き上げております。これにつきましては、この二十二万六千円という収入総額を通常の粗収入で計算をいたしますと、全体の収入のばらつきの中のカバー率が五〇%を超えております。したがいまして、公営住宅の入居者につきましては、五〇%を超えるいわば高額所得者については、この二十二万六千円程度の収入基準をもって明け渡し請求の基準としていいのではなかろうかということで、この額にしたわけでございます。
○木間委員 重ねて申し上げますが、局長は何でも全部知っておいでてそう言っておいでるわけでありますが、この二十二万六千円は、前回までの、四十四年六月十日以前の入居者の金額そのまま横並びであります。そういった点では今度はやはり明け渡しを請求するための策だろうと私は判断をするわけであります。そういった点でいまの答弁に納得できかねます。しかし、時間が参りましたので、このことだけを付言いたしまして、残余の問題はまた次の機会にお尋ねをしたいと思います。どうも御苦労さまでした。
○村田委員長 これにて木間章君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○村田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山花貞夫君。
○山花委員 私は、まず最初に、マンション問題をめぐる幾つかの議論についてお尋ねをいたしたいと思います。 昭和五十三年の住宅統計調査によりますと、マンション等いわゆる集合住宅のストックは七百九十六万戸とされております。全住宅のおよそ四分の一が集合住宅である、東京の場合は五五%、二百十万戸が集合住宅である、これが現状であります。この集合住宅、マンションなどをめぐるさまざまな紛争が社会問題化して久しいのでありまして、われわれは幾度かこの問題について当委員会でも取り上げ、建設省の当局の皆さんにも御努力をいただきました。 若干思い起こしてみましても、すでに五十一年の段階で、十二月一日でありますけれども、計画、住宅局長通達が出され、以来住宅局長の通達など、まず通達で行政指導がなされ始めました。また、この間、五十四年の段階でありますけれども、行政管理庁が大変詳細な実態の調査を行いまして、問題の提起をいたしました。建設省もこれに対応してさまざまな施策を打ち出しました。五十四、五年になりますと、いよいよマンション問題をめぐるいわゆる欠陥マンション問題ということで、社会問題として大変大きな話題となりまして、振り返ってみると、こうした形で一番はっきりした姿をあらわしましたのが、五十五年の八月六日でありますけれども、日本消費者連盟とマンション問題で行動する会などが、建設大臣初め関係官庁にマンション区分所有者の権利の保護についてを中心といたしましてさまざまな要請を展開いたしました。当時の文章を読んでみても、マンション問題が無法地帯となっているという問題提起があるわけでありますが、以来、何十カ所のマンションの欠陥問題について建設省にも御努力をしていただいて今日に至っておりますが、私は、なおその無法状態というものは変わっていないのではないか、こういうように思わざるを得ないのであります。最近では本年一月二十八日、住宅宅地審議会の第二次の答申が出されました。これに対応する建設省の政策が打ち出されております。また最近では五十七年七月に、産業構造審議会の住宅・都市産業部会が中間答申を出しました。 まず、この問題から初めに伺ってまいりたいと思うのですけれども、もちろん、この産業構造審議会の部会の答申というものはマンション問題だけではなくて、住宅対策全般でありますから、建設省、国土庁にかかわる広い問題提起があります。きょうは問題点をしぼってお伺いしたいと思うわけですけれども、その中でも集合住宅問題につきまして、スラム化を心配してさまざまな提案がきわめて具体的になされております。 ただ、私が本日お伺いしたいと思いますことは、こうした各方面からの政策の提案、提言につきまして、建設省としては指導官庁としてどのように受けとめられておられるのであろうかということについてであります。 実は、この産業構造審議会の住宅・都市産業部会の中間答申について見ましても、一方の見方といたしましては、「「土地問題を何とかしなければ」といわれながら、有効な手が何も打たれていない現状に対し、省庁間の縄張り意識を脱してあえて投じられた勇気ある一石として、今後の特別小委での議論が注目される。」というような紹介がなされたりいたします。一方におきましては、たとえば建設省あるいは国土庁の側からの意見の紹介のようでありますけれども、「答申を受ける通産省には提案を実施に移す行政権限がない。」したがって、「建設省や国土庁には答申の作成自体が「税金の無駄遣い」との厳しい批判もあり、提案が絵に描いたモチになる懸念がある。」こういうように言っておるわけであります。 それぞれの省庁がさまざまな提案をいたします。後ほど私は法務省の方から、話題となっております区分所有法の改正の要綱試案についても伺いたいと思うわけですけれども、こうした問題を建設省としてはどのように受けとめられて、全体としての住宅政策、その中における区分所有、マンション問題なりについてこれからの具体的な政策をまとめていかれるのか、こうした観点でお伺いをしたいと思うのであります。 以上、要するに最近提案となりまして大変話題を呼んでおります、産業構造審議会の住宅・都市産業部会の答申につきまして建設省はこれをどう受けとめられるのか、評価されておるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○松谷政府委員 ただいま先生からお話しのありました産業構造審議会の住宅・都市産業部会の中間答申につきましては、去る七月十二日通産大臣に提出されたことは承知をしております。 この中間答申に盛り込まれております各種の提言、対策につきましては、建設省においてもすでに実施中のものもございますし、また、現在検討を進めておるものもございます。全体としては、今後の政策遂行に関しまして貴重な参考とさせていただきたい、かように考えております。 〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕
○山花委員 いまのお話の中に、建設省においてすでに政策として消化しているものもあるけれども、今後の問題として参考にするというお話があったわけですが、後ほど具体的に、法務省の出してきております区分所有関係の提案と関連して、さらにお話を伺いたいと思います。 実は、大臣のお出かけの時間がありますので、継続の質問は後に回しまして、ちょっと問題が別になりますけれども、東京外郭環状線道路につきましてお話をお伺いしたいと思います。 四十一年に計画が発表されまして以来、長い経過がございます。これをめぐって約十六年余、さまざまな住民の運動、自治体の動き、そして東京都を中心とした動きなどがありました。国会の経過を振り返りますと、四十二年の夏の段階でありますけれども、当時の建設大臣から、結論はまだ出ていない、路線変更については苦慮している、工法の検討も含め、慎重に検討しているという答弁がございました。一たんこれをめぐる紛争が続いた後、四十五年段階、これは参議院でありましたけれども、十月九日の建設委員会におきまして当時の根本建設大臣から、さまざまな議論の上に、最終的には大臣の政治的判断といたしまして、「地元と話し得る条件のととのうまでは、これは強行すべきではない、」その間においては凍結せざるを得ないという御発言がありました。これが関係者の間で凍結宣言とされているものでありますけれども、以来今日までそのままの状態で推移してまいりましたけれども、最近若干の動きがありましたことについては御承知のとおりであります。つい先ごろ、五十七年の五月でありますけれども、東京都長期計画懇談会の中間のまとめがなされました。九月に本格答申と伝えられておりますが、この中におきましてこの外郭環状線問題が取り上げられ、いままた地元地域における大きな関心の的となっているわけであります。 まず、この外郭環状線問題につきまして、今日までの推移について建設省の方からお伺いをしておきたいと思います。
○沓掛政府委員 御説明いたします。 東京外郭環状道路は、東京の中心から半径約十五キロメートルの地域を結ぶ延長約八十五キロメートルの幹線道路であり、東京都市圏の都心方向に集中する交通を適切に分散投入するとともに、都心に起終点を持たない交通をバイパスさせるなど、東京都市圏の均衡ある道路網体系の確立にとって必要不可欠な幹線道路であると考えておりますが、このうち、東京都世田谷区から千葉県市川市に至る約六十八キロメートルにつきましては都市計画が決定済みでございます。その標準的な断面は、自動車専用部四車線と一般部四車線の併設区間、または自動車専用部のみ六車線の区間の計画となっております。また、埼玉県和光市から千葉県市川市に至る延長約四十八キロメートルの一般部につきましては、一般国道二百九十八号として事業化しており、現在主として埼玉県下に重点を置いて事業を進めているところであります。
○山花委員 全体計画の工事規模、投資の金額は一体どのくらい予定されておるのでしょうか。また、四十八キロ部分についてはすでに一般国道として工事が進捗していると伺いましたけれども、これまでの投資額がどのくらいになるのでしょうか。この点についてお話を伺いたいと思います。
○沓掛政府委員 外郭環状道路のうち、埼玉県和光市から千葉県市川市の東京湾岸道路までの約四十八キロメートルの区間につきましては、一般国道二百九十八号として直轄で事業を実施いたしております。この区間の全体事業費は約一兆一千億円であります。昭和四十五年度から昭和五十六年度までに投資した事業費は約九百億円でございます。昭和五十七年度は百九十九億円の事業費をもちまして、主に埼玉県内の用地買収並びに工事を実施することにいたしております。昭和五十五年度以降のこの区間の残事業費はおおむね一兆円ということになっております。
○山花委員 和光市以南、二十三区、三多摩地区、川崎に通ずるものにつきましては、きょうは一応その金額などについてはお伺いいたさないつもりでありますけれども、実はいまお話しいただきました市川−和光市間のすでに進んでいる事業につきまして、これからの進捗の見通しと申しますか、最終的には完成年度をどのくらいをめどに置いておられるか、この点についてお伺いしたいと思います。
○沓掛政府委員 御説明いたします。 和光市から市川間の四十八キロ全路線の完成時期につきましては、現段階では明確ではありません。現時点で一応見通しの立っているものを申し上げますと、一般部につきましては東北自動車道、これが昭和六十一年度に開通することになりますが、その際に分散道路として利用できるよう、川口ジャンクションから四号線草加バイパス間の四・七キロの供用と、さらに常磐自動車道は五十九年度に供用開始を予定いたしておりますが、これの三郷インターチェンジから主要地方道である草加−流山線の二・六キロメートルが、いま申しました時点に供用を開始することを見込んでおります。
○山花委員 大臣の時間の都合もおありと伺っておりますので、大臣に一つだけ伺っておきたいと思うのですが、実は、いま御説明ありました現状であります。今後どうなるかということを関係方面が大変心配しているわけですが、先ほど指摘いたしました東京都の中間答申以来、関係自治体で大きな動きが始まっております。たとえば、私の手元に三多摩の各自治体の議会の様子について報告が来ておりますけれども、調布などの市議会ではすでに昭和四十一年、四十二年、四十六年、五十五年と四回にわたって建設大臣にも要請など行ってきたようでありますけれども、請願を受けまして全会一致採択をして、そしてそのことを関係省庁に対して陳情を始めております。三鷹につきましても武蔵野につきましても同様でありまして、都内二十三区につきましても、およそそうした方向で動きが進んでくるのではなかろうかと思っております。 先ほど指摘いたしました四十五年のいわゆる凍結宣言に際しまして、根本建設大臣の方から、地元と話し得る条件の整うまでは凍結する、簡単に申し上げますと、そうした御発言があったわけですけれども、実は以来、私が知っている範囲では、建設省内部におきまして正式にこの凍結宣言を解除したということはないのではないかと思うのですけれども、その点は間違いないかどうかということについて、ひとつお伺いしたいと思います。 もう一つの問題は、そうした地元自治体等関係者の反対の声がこれからさらに強まってくると予想できるわけでありますけれども、大臣といたしましても、こうした関係団体の声につきましてはぜひ十分耳を傾けていただきますことをお願いしたいと思うわけですけれども、この点についてだけ、お立ちの前に大臣にお伺いしておきたいと思います。
○始関国務大臣 東京外郭環状道路は私の住んでおります千葉県にも関係がございますので、建設大臣に就任いたします前からいろいろな意味で関心を持っておったのであります。 すでに御説明申し上げましたように、これは首都圏、特に東京を中心とする地域における交通混雑の緩和と、都市機能の確保を図る上で必要不可欠な道路である、まずかように認識をいたしております。 本道路の整備に当たりましては、いまお話がございましたように、地域が受け入れられる計画を提示することが前提である、過去における経緯等からそのように考えるものでございまして、この点は道路の構造、それから整備の手法、こういう二つの点等を中心といたしまして十分検討を行って、各地方公共団体を初め関係機関と密接な連絡調整を図りながら、地域の意向を十分反映した計画を固めてまいりたい、こういうふうに考えておりますので、ただいま山花委員からお話がございましたが、それぞれの地区市町村、その他の団体がいろいろ御意見があれば、私も謙虚にこれを拝聴いたしたい、かように存じております。ただ、とにかく、やはり道路体系から申しましてどうしてもなければいかぬ道路だということにつきましては、私もそのように感じておりますので、そういう前提に立ちまして、できる限り地方の皆さんの御理解を得ながら、その前提としては御意向を反映しながらやってまいりたい、こんなように考えております。
○山花委員 お時間のようですので、一言だけお願いしておきたいと思うのですけれども、先ほど指摘いたしました四十二年段階の議論、四十五年段階の議論におきましても、いま大臣お話しになりました一般的な必要性の観点から、構造の問題、工法の問題などについて、路線変更の問題なども従来あったようでありますけれども、慎重に内部で検討する、こういうお話がずっと続けられておりました。凍結宣言の前段の建設省側の説明あるいは大臣のお話の中にも、実はそうした問題を含めました最終的な結論として、現在の段階では政治的な判断として凍結であるというようにもおっしゃったわけでして、実はきょうは正式にその後凍結が解除されたのかということについてもお伺いいたしましたけれども、その点については正式に云々ということではないようにお話を伺いました。この関係者の意見について謙虚にお話を聞いていただくということでありますので、今後またさまざまな運動が起こりました中でいろいろ要請をさしていただきたいと思いますので、ぜひ御配慮いただきますようこの際希望しておきまして、大臣に対する質問は終わって次に移りたいと思います。では、継続してもうちょっとお伺いしたいと思うのですけれども、特に問題となりますのは、お話を伺いますと、埼玉などの場合にはかなり積極的であるというお話だったようです。あるいはいま大臣お話しになりました千葉、埼玉関係ですとすでに一般国道としての供用開始部分などもありまして、この点についての住民の概括的な承認があるのかどうかということについて、二十三区内、和光市以南とは状況が若干違っているのじゃなかろうかと私は考えるわけであります。 そこで、和光市以南の問題について伺っておきたいと思うのですが、これはもしわかりましたらお話しいただきたいのですけれども、各行政区内の通過距離、練馬、杉並以下武蔵野、三鷹、調布、狛江、世田谷と通過するようでありますけれども、これがどのくらいかわかりますでしょうか。わかりましたら教えてください。
○沓掛政府委員 東京外郭環状道路の計画延長八十五キロメートルのうち、埼玉、東京都の県境から南側の延長は約三十七キロメートルでありまして、このうち東名道までの約十八キロが都市計画決定されております。その内訳を申し上げますと、練馬区が六キロメートル、杉並区が一・五キロメートル、武蔵野市が一・四キロメートル、三鷹市が三・二キロメートル、調布市が二・二キロメートル、狛江市が〇・四キロメートル、世田谷区が三・五キロメートルとなっております。
○山花委員 それぞれの該当地域における道路の長さというものはそれほど大きくないところもありますけれども、いまお話を伺っただけでも区部、二十三区内の合計が十一キロあります。市部、三多摩の三市の関係が七・二キロあるわけですけれども、この道路全体は幅が六十二メートルを標準の広さとしていると伺っております。そういたしますと、道路でありますから、六十二メートルの道路幅というものと、道路の長さということを計算いたしますと、それに要する用地の面積が出てまいります。いまのお話をもとにして計算いたしますと、区部の合計で六十八万二千平方メートルでありまして、市部の合計で四十四万六千四百平方メートルであります。全体で二十三区内と三多摩地域を通過する十八・二キロということで計算いたしますと、百十二万八千四百平方メートル、大体三十四万一千九百三十九坪、こういう面積になるわけであります。 近隣の施設との関係では比較しにくいのですけれども、かつて四十七年段階で関東村という米軍の基地が返還されましたが、これが六十六万七千平方メートル、大体このあたりを見当にいたしますと、およそ感覚的に所要用地の広さというものがわかるわけでありますけれども、とにかく三十四万坪の土地ということ、しかも二十三区と三多摩、計画が引かれておりますところはまさに商店街あり、住宅街あり、最も良好な住環境が整っている施設でありまして、こういうところに六十二メートルの道路がこれから五年になりますか十年になりますか、あるいは三十年後の計画になりますか、しかし引かれるということになりますと、関係者、六十二メートルの道路真下の人だけでなくて、その周辺の多くの住民を含めて将来の安定した生活が今日の段階から不安に脅かされる、こういうことになってまいります。地元といたしましては、各自治体が満場一致で、これは与野党を含めて一致の見解でありますけれども、白紙撤回を要求しているわけでありまして、きょうはまだ東京都の中間答申が出た後建設省として具体的な動きが出ているということではありませんので、問題だけを提起いたしまして、今後の動きに沿ってさらに質問させていただきたいと思いますけれども、私どもといたしましても、こうした白紙撤回を要求している住民及び各超党派でその意見を採択している議会、そして自治体の長の意見というもの、この点につきましては担当省庁である建設省としても十分検討していただきたい。特に四十五年、大臣が政治判断といたしまして、状況は当時と今日、もっと今日の方が悪くなっておりますけれども、凍結を宣言したという経過もあるわけでありますから、この点について十分今後御配慮いただきますことを要請いたしまして、次の質問に移りたいと思います。 実は途中で、大臣の時間の御都合がありましたものですから、マンション問題から外郭環状線の問題に移りたわけでありますけれども、引き続いて法務省に伺いたいと思うのですけれども、ついせんだって区分所有法の改正の要綱につきまして法務省の方から意見が出てまいりました。法制審議会の民法部会が去る六日に財産法小委員会がまとめたマンション法改正試案を了承いたしまして、法務省がこれを民事局の参事官室案として公表いたしました。九月中旬までに意見をまとめまして次期国会に提出する、こういう御予定のようでありますけれども、区分所有に係る問題でありますから、法務省の登記を中心とした関心とは別に建設省側からの関心もおありになるのではないかと思います。 まず、法務省の側からどういう経過でこの法案ができ上がったか、そしてこの法案のポイントはどうなっているかということにつきまして、時間の関係もありますので要点だけお話しいただきたいと思います。
○濱崎説明員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり今月の八日、私ども法務省民事局参事官室名をもちまして区分所有法改正要綱試案というものを公表いたしまして、これについて関係各界からの意見を聞くということにいたしております。 この試案を公表いたしました経過でございますが、昭和五十四年当初から法制審議会民法部会のその下の小委員会の、財産法小委員会というところで区分所有法改正問題について審議していただいております。 この改正審議が始められるに至りました契機でございますけれども、大きく分けまして二つ問題がございまして、一つはマンションの敷地の登記簿というのは非常に複雑、膨大になっていて、一般に利用しにくいという状況になっておりますので、これを何とか是正する方策を考えなければいけないのではないかということが一点でございます。もう一点は、現在の区分所有法は昭和三十七年にできた法律でございますけれども、その後マンションが大量に供給されるようになりまして、マンションの管理に関しまして現行法では十分に賄い切れない問題があるのではないかということでございまして、その二点について改正審議をしていただいたわけでございます。 先般、その諸問題につきまして小委員会としての一応の審議を終えることができましたので、これから最終的な見直しの審議に入るということになるわけでございますけれども、この段階で各界からの具体的な御意見を伺う必要があるということで、先生御指摘のように民法部会の了承を得まして、これまでの小委員会の検討の方向というものを私ども民事局参事官室の責任において取りまとめまして、具体的な形にして試案を公表した、こういう経過でございます。そういう趣旨でございますので、この試案はあくまでも御意見をいただくためのたたき台という趣旨で、現在までの法制審議会あるいは私ども当局の確定した考え方というものを出しているわけではございません。内容でございますけれども、先ほど申しましたように二つの問題がございますが、一つは、登記の関係では今回の試案におきましては建物の専有部分とそれに対応する敷地利用権というのを原則として別々にばらばらに処分することはできないという制度をとりまして、それに伴ってマンションの敷地の登記簿が複雑、膨大になっている現状を是正するという改正を行いたいというのが一点でございます。 それからもう一つの、管理に関しましてはさまざまな問題を取り上げているわけでございますけれども、時間の関係で一口で申し上げさせていただきますと、マンションの共同管理体制を強化充実するという方向を示していると言うことができるかと思います。たとえば管理のための管理組合の制度を法律上の制度とする。あるいは規約の変更、共用部分の変更というものにつきまして、現行法では原則全員一致ということになっておりますが、それでは機動的な管理ができませんので、それを一定の多数決処理をすることができるようにする。さらに、特に悪質な区分所有者等を一定の手続を経て区分所有関係から排除することができるとか、あるいは客観的に建てかえが相当な状況があって、かつ区分所有者の大多数の者が建てかえをしたいというような意思であるときには、一定の手続を経て建てかえを実現することができるようにするという制度を設ける、そういう点もその方向の一環であるというふうに言うことができるかと思います。 ただ、区分所有法はあくまでも共同管理の枠組を定めるものでございますので、その枠組みの中で具体的にどういう管理をしていくかというのは区分所有者集団の自治にゆだねるという体制は、現行法の基本的な体制を維持しておりますので、御指摘のマンション問題をめぐるさまざまな紛争というのがかなりの部分打開されるというふうに考えておるわけでございますけれども、その全部がこれによって解決されるということではないのではなかろうかと考えております。
○山花委員 一つだけいまのお話の関連でお尋ねしておきたいと思うのですが、先ほども指摘いたしました産業構造審議会の住宅都市産業部会の中間答申の中にも、いまお話しいただきました区分所有法の改正にかかわる提案がなされております。たしか三十七年に法律ができまして以来約二十年間、全く改正がなかったわけでありますから、できた当時は新しく起こってくる共同所有形態に対する区分所有、私的所有権、専用権などにつきまして、大変明確な法務省の提案ということで、その後の問題の処理につきましては非常に役立ったと思うのですけれども、以来二十年たちまして、さまざまな問題が出てまいりました。そのことについて、いまお話しがありましたとおり、団体自治に任せながら多数決原理によって悪質入居者の追い出しとか、あるいは建て直し問題、従来区分所有法で直接的に触れておらなかったものですけれども、そうしたものについて対応するということまで含まれておるようですけれども、いま申し上げましたこの中間答申によりますと、まさに区分所有関係の改正の要求といたしまして、通産側からの要求といたしましては、一つ、規約の問題、二つ、共有部分の変更、改良の問題、三つ、建てかえの問題、四つ、管理組合の問題、五つ、賃借人の位置づけの問題、六つ、躯体の共有化の問題、こういう問題について法務省に区分所有の改正をしてもらいたいという、こういう要求ではないかと私は受けとめたわけであります。 内容を拝見いたしますと、今回要綱として法務省が発表しておりますのとは違った提案もあります。管理組合などにつきまして、法務省の提案によりますと、全部法人化するのではなくて、法人化しない管理組合の存在も認めておる。これは従来どおり権利能力なき社団として機能していくんだ、こういう方向でありますけれども、この中間答申によりますと全部法人化するというかっこうになっておりまして、提案の中身がこの中間答申の方がかなり幅広くて、かつ法務省の提案と中身の違っている点もあります。こういう点についての調整は、後に建設省はどうするかをお伺いするといたしまして、法務省といたしましては、こういう問題についてこの同じ時期にそれぞれの官庁が別の提案をするということでは、大変関心を寄せているマンション区分所有者の立場からいたしますと混乱をいたしますので、この点について法務省としては一体どうお考えになっておるのかということだけについてこの際伺っておきたいと思います。
○濱崎説明員 御指摘の中間答申につきましては、私ども必ずしも十分に承知しておらないわけでございますけれども、拝見いたしましたところ、この中で指摘されているかなりの部分というのは今回の試案の中に盛り込まれているというふうに考えております。 それから御指摘の管理組合の法人化の問題でございますけれども、この中間答申を拝見しました限りでは、これは法律的に管理組合は必ず法人でなければならないとするという趣旨では必ずしもないのであって、試案においては、管理組合は法人化することができるという制度を用意するということになっておるわけでございますけれども、そういう制度の中において、行政的なあるいは管理組合相互間の横の連絡というようなことで、できるだけ法人化の方に持っていくという趣旨をも含んでいるのではなかろうかというふうに理解しているわけでございます。 なお、その試案には取り上げられていない点の指摘も若干あるわけでございますけれども、これにつきましては、さらに各界の意見も聞きながら、今後そういう点も盛り込まなければいけないかどうかということについては、法制審議会でも御審議いただき、私どもとしても考えたいというふうに考えております。
○山花委員 実はいま申し上げましたのとまた別の住宅宅地審議会の第二次の答申の内容、たとえばマンションの管理規約の部分を見ておりますと、私は若干問題点で違っておるのではないかと思うような点がございます。いずれ機会を改めてこの点について伺いたいと思うわけですけれども、そういうことを前提といたしまして、以下残る時間ひとつ具体的な事例についてお伺いをしておきたいと思います。 マンション無法地帯の一つの特徴的な事例だと思うのですけれども、従来から三共建物とか朝日建物という関係での大変ひどい実態がこの委員会でも指摘されたりいたしまして、建設省に指導その他していただいた経過があるようであります。過去にそうした指導の経過があったのか、あるいはそれに対する改善があったのかということについて、ちょっと前の時期で恐縮でございますけれども、もし資料がございましたら御説明いただきたいと思います。
○永田政府委員 お答えいたします。 御指摘の三共マンションと申しますのは、昭和三十九年に三共建物株式会社がつくったマンションでございます。この三共マンションにつきまして、昭和四十九年に同マンションの区分所有者から、受水槽に上ぶたがない、したがってごみが入ったり動物が紛れ込んだりして非常に不潔であるというのが一点、それからもう一点は、給水配管が腐食しているという苦情の申し立てがございました。これにつきまして、建設省といたしましては業者に対し苦情申し立て人との話し合いを勧めました。何回か話し合いが持たれた中で、売り主は、受水槽については上ぶたをすること、それから配水管についても一部改善が見られたことによって最終的に決着がついた、こういう報告がございます。
○山花委員 いまのケースは、私も最近実態調査をしてまいりましたけれども、たくさんの問題がございます。一言で言うならば、建設後十年余でありますけれども、完全にスラム化している。よくマンションは何十年たったら建てかえを将来考えなければならないだろうと言われているわけでありますけれども、このマンションなどは、見た感じ、もう十年たって使えないんじゃないか、こういう気がいたします。 また、その取引の中身というものが非常にひどいわけでありまして、ある入居者の場合、これは四百五十万円という契約書で十五坪九合を専用部分として買ったケースでありますけれども、まず代金の支払いから、五百二十五万円払ったんだけれども契約書には四百五十万というかっこうでごまかしがあるというところから始まりまして、実はこの十五坪九合という専用面積で買いましたところ、実際の面積というものは約六坪少ないわけであります。よくマンションは壁しんからはかると登記の場合違ってくるということはままあることでありますけれども、この場合には十五坪というものが、三十一・〇一平米ということでありまして、約六・六坪以上も多い。十五坪買って六坪も少ないということではこれは取引の常識を外れているんじゃなかろうか、こう言わざるを得ません。さっき指摘いたしました行管庁の行政監察の結果によりましても、マンション業者の宣伝と実際が違っているというのが一八%ある、その中には買ったものとの坪数の違いがある、こういうことが指摘されていますけれども、何%ならともかく、十五坪買ったら六坪足りなかったというのは、これは大変売り方としては非常識過ぎるのではないか。あるいはそれは区分の所有権についていろいろ面積の計算の仕方があるんだという弁解が一部あるかもしれませんけれども、たとえば、では一体同じ業者が、関係者が売った一戸建ての家について見るとどうか。区分所有ですと専用部分、共用部分がありますからいろいろな言い方もあるわけでありますけれども、実は二戸建てのものについて見ましても、たとえばある人が買ったものについて見ると、五十・九八坪という建築面積なわけでありますけれども、一戸建ての問題につきましても、これもかなりの程度坪数が少ないわけであります。最近一体どうなっているのかということで、三つほど同じ関係者が現在売りに出している広告と実態について調べてみました。今年七月末の広告有効期限という売り物でありますけれども、これなどは広告などを見ますと、専用面積だけで申し上げますと三十六・六一平方メートルということでありますけれども、中身を見ると三十三・六四。これは少し少ないですが、これはもうすでに中古でありますから、新築とは違いまして登記されているものについて専用面積を大きくごまかして売っている、こういう例であります。ほかの例を見ても、二つ、三つ例があるわけですけれども、全部面積が違っている。新築だと大体三分の一取られてしまう。新しい一戸建てでもかなり減っている。いま売り出している中古の場合には、いま登記があるわけですけれどもそれさえごまかしている、こういうような業者がいるということであります。 実は、一般的にマンションの場合には、新築の売買ですと壁しん主義、壁のしんからはかりまして広告に出したりする。実際の登記になるとちょっと減るということはありますけれども、ちょっと減るというのは大体どの程度の誤差というのが常識的な範囲というふうに役所の方でお考えになっているのだろうか。とにかく十五・九坪で買ったところが六・五二坪も少なくて九・三八坪しかなかったというのはこれはちょっとひど過ぎるんじゃないだろうか、こういう業者に対する監督は一体どうなっているのかということについてお伺いしたいと思います。
○永田政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、マンションを売る場合に壁しん主義とそれから内のり主義ということで、技術上多少の誤差が出ることがございます。しかし私どもといたしましてはこれすらも適正ではない、したがって、売る場合には買い主にそこら辺の誤差の点についても十分説明して対処するように指導してきております。 いま、その場合に壁しん主義と内のり主義で大体どのくらい違えば適正なのか、こういうお話でございますが、具体的に何%までというふうに一律に言うわけにはまいりません。少なくともきわめて少ないパーセントのものであろう、かように思っております。御指摘のようなことがあるとすれば大変困ったことでございますし、宅地建物取引業法に違反しておりますので、私どもといたしましては断固たる取り締まりでもって対処したい、かように考えております。
○山花委員 実は火事が起こったそうです。そうしたら消火栓が全部使えなかったという陳情がありました。私は行って調べてまいりましたけれども、消防庁いらっしゃいますでしょうか。——このケースについて何か違法があったかどうか、実際の消火作業に支障があったかどうか、その後指導があったかどうか、改善があったかどうかということについてわかる範囲で御説明いただきたいと思います。
○荻野説明員 お尋ねがございましたマンションでございますが、地上七階でございます。共同住宅でございますが、この当時、連結送水管が法令で義務設置されておったわけでございます。その一つの口が不備がございまして、もう一つの口を使いまして消火活動には支障がなかったというふうに東京消防庁から報告をいただいております。
○山花委員 いまの御説明を私も伺ったわけですが、行って現地を調べてみると、二棟あります、七階建てと五階建て。各号棟の消火設備を見ましたら、まず一〇〇%全部使い物になりませんでした。特に三共マンションの方につきましては消火の器具などがあるわけですけれども、まあ大げさに言えばゴキブリが入るのも嫌なぐらいむちゃくちゃになっておりまして、まさに一〇〇%使えないというような設備になっておるわけでして、この点また消防庁にお願いをして、いまの問題について調査をしていただきたいと思っております。 ちょっと時間がなくなりましたが、一つだけいまの関連で申し上げたいと思うのですけれども、いま申し上げましたように、とにかく三割近く坪数がないのはおかしいではないかという異議を申し立てるのは居住者として当然だと思います。ところが悪質な業者になりますと、先ほどの区分所有建て直しの場合の多数決ということも絡んでくるわけでありますけれども、どういう手段を使うかと申しますと、たとえば具体的に言うと、これは三十戸でありますが、三十人、三十戸住んでいるうちの過半数の十六戸につきまして買い戻しをして多数をとるわけであります。だからその十六戸につきましては、会社の持ち物になるか会社の息のかかった方になる。多数をとってしまいまして、もしこの手口でやりますと、その責任を追及するという人に対して、いや、これは建て直しだということを多数決で決めていく、こういうような問題が出てまいります。ごく常識的な多数決原理による修繕あるいは共用部分についての集会の決議、建て直し問題などはこれはわかるわけなんですけれども、こういう悪質マンション業者の手口ということを考えますと、法務省の大変御苦労なさった原案につきましてもちょっと心配があるわけですけれども、こんな問題については、法務省の今度の法案要網をつくるに当たりましてどう考えたらよろしいのかということについてお伺いしておきたいと思います。
○濱崎説明員 お答え申し上げます。 建てかえの問題を検討するに際して、そういう問題までも考慮していたわけではございませんけれども、この試案——試案の段階でございますので、試案の解釈についてどうこう言うのは若干はばかられるわけでございますけれども、現在の試案の内容といたしまして、建てかえするための多数決の要件は区分所有者及び議決権のそれぞれの五分の四あるいは代替案としては十分の九ということになっておりますので、仮にその分譲業者が過半数あるいは五分の四を買い占めましても、それは頭数としては一人でございますので、五分の四あるいは十分の九以上の頭数の多数という要件を満たさないということになろうかと思います。
○山花委員 そうした欠陥マンション問題など、区分所有法だけに期待するわけにはいかないわけでございまして、結局はあくまでも建設省の御指導によって一つ一つ、まあ業法の関係もあるかもしれませんし、基準法の関係もあるかもしれませんが、解決していただくための努力をお願いしなければならないと思います。 時間の関係がありますので、具体的な問題につきまして、特に悪質な事例、モデルケースにつきましては資料をお届けいたしますので、ひとつ御調査と、先ほどお話がありましたとおり厳重な監督をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○大塚委員長代理 これにて山花貞夫君の質疑は終了いたしました。 次に、加藤万吉君。
○加藤(万)委員 前回の当委員会が流れまして、実は当委員会が開催されるという前提できょうの質問を用意したわけです。たまたま二十三日、長崎で大変な集中豪雨がありまして、同僚の木間議員から御質問がありましたから繰り返しはいたしませんが、最近の都市における宅地造成あるいは住宅建設について、若干の質問と具体的な例を申し上げながら建設省の御見解をお承りしたい、こう思います。 都市部、中心部の土地の購入が最近大変むずかしくなってまいりまして、住宅建設がどうしても郊外に郊外にという形で伸びております。特に東京近郊あるいは横浜の中心部等を中心にいたしますと郊外への宅地造成が大変拡大をしておりまして、その結果として地方自治体あるいはそこに住む住民のさまざまな困難な条件が生まれてきております。私の選挙区であります神奈川県の三区といいますと、いわば東京近郊、四十五キロないしは六十キロの近郊でありますから、勢い住宅建設あるいは宅地造成が頻繁に行われているところであります。結果として地方自治体は、一つは人口増加による公的負担の拡大、あるいは都市が持つ都市計画というものが、その押し寄せる宅地造成ないしは人口増加によって阻害をされている。結果として、いま宅地造成法なりあるいは建築基準法というものを物差しにしてすべてを律することができない。そこで当局も御存じのように、それぞれが基準や要綱、指導要綱などをつくりましてこれを制御しているという状況にあるわけであります。 せんだって長崎に調査に参りましたわが調査団の話を聞いてみますと、長崎の今度の集中豪雨で一番多く雨が降った、一時間に百五十三ミリと言われるこの町では実は被災がなかったそうでありますね。一目でわかったことば自然が全然伐採されていない、自然がそのまま残っておった。ここに一番長崎の集中豪雨があったわけですが、実はここでは災害が発生しなかった。これを見てまいりますと、これからの宅地造成というものは自然ないしはその都市が持っている固有の条件をしっかりと確保してやる、その中で造成なり新しい住宅建設を行いませんと、今度の長崎の二の舞になるのではないか、こう推定されるわけであります。 そこで、ちょうど大臣がお見えになって早々でありますが、いま各都市でつくっている建築基準法ないしは宅地造成法を上回る指導要綱ないしは建築基準指導要綱といいましょうか、こういうものを含めて、この建築基準法と宅地造成法、それと地方自治体が持つ固有の制限条項といいましょうか、あるいは指導要綱といいましょうか、これとの関係をどうお考えになっているのだろうか、大臣早々でありますから、もし御答弁がしにくければ当局で結構ですが、御答弁をいただきたい、こう思います。
○松谷政府委員 建築基準法の関連で指導要綱について申し上げますと、指導要綱は、地域の実情に応じまして地方公共団体が行政指導の指針を定めたものと考えております。したがいまして、その内容に特に行き過ぎがない限り、地方公共団体の自主性にゆだねるということが適当である、このように考えております。
○加藤(万)委員 私は所属が常任は地方行政委員会ですから、前の大臣の澁谷大臣に、この際建設省と自治省、広く言えば閣議でございましょうが、閣議の中で、地方団体が持つそういう基準要綱を一つの材料にして、一遍基準法なり宅地造成等規制法を再検討してみてはどうか、実はこう提言を申し上げたことがあるわけです。大臣も、確かにそうでありますのでということで私ども答弁をいただいたのでありますが、最近のニュージャパンの火災などを見ましても、建築基準法をいま一遍見直さなければならぬという条項が幾つかあるわけですね。火災に限らず、きょうは災害の問題一般として申し上げるわけですが、私はこの観点からぜひいま一遍、どうも災害があるときでないと法案の見直しというものはできないものですから、ニュージャパン、今度の長崎の災害、これを機会にいま御答弁いただきました地方自治体が持つ固有の指導要綱というものを俎上に上げて再検討していただきたい、こうお願いをするわけであります。 たとえば、一つ二つ例を申し上げますが、厚木市というところがございます。ここは人口がいま十七、八万というところでしょうか。五十六年にできましたマンション計画、十三件千百五十戸、五十七年度は四十件三千戸なのです。たまりかねまして厚木市では、いままでのようにたとえば五百平米以上の土地開発についてどうするとか、四階以上のマンション建設についてどうするとかという単なるそういう規制だけではなく、たとえば棟続きで六つの、まあ長屋といいましょうか、そういう家をつくる場合にはどういう規制の措置を講ずるのか、あるいは高さ、面積に限らず、人口密度の中からどうしてそれを規制するのか、同時にそれが二十万都市にふさわしい形でどうあるべきかという、いわばミニ開発に至るまでの規制措置を考えているわけです。私は、都市をつくる上においては当然なことではなかろうか、こう思うわけであります。 実は一つ例がございまして、厚木市飯山ハイデンス、これはマンション建設を含めた宅地造成をやったわけですが、この造成を行ったのは長谷川工務店でございますが、住民との間に和解条件ができたのです、土地造成、マンション建設をするために。しかし、市としてはその和解条件ではいかぬ。なぜならば、それは厚木市という都市を形成する上に、その住民と建設業者の間で結ばれた和解条件だけではいけない。たとえば五百ミリ以上の雨水管を百五十メートルもっと延ばさなければいかぬ等々の条件をつけまして、最終的には住民との間でできた和解条件を上回って建設業者にそのことを受諾させたという例があるわけです。私は、そういう地方自治体が独自に自分の町づくりをするために行う行為を建設省が積極的にバックアップすれば、そこまで問題の解決ができる条件が培われていくと思うのです。しかし、これはごくわずかな例でございまして、むしろ全体的にはいまの建築基準法にすべてが合致しているから、したがって地方の要綱があろうが指導基準があろうが、それは無視されて建設が進められているというのが今日的な実態ではないかと私は思うのです。したがって、当然住民の側からそれに対する不服審査請求等が出てまいります。しかし、不服審査請求が出てまいりましても、その審査をしている間にすでに建設が始まっていってしまうという、住民の側から見ればきわめて無念残念やる方なしという状況が現実に生まれているわけです。あれやこれやを考えてまいりますと、いま言いました今日の宅地造成の規制法なり建築基準法を再度見直す時期にどう見ても来ている、私はこう思うわけであります。 横浜などでは、マンションなどができる場合に最近の一番大きな問題は日照権の問題等でありますが、日照権などについても、たとえば建築基準法で決められている高さ、投影図、それだけでは住民の日照権という権利がどうも守られない。したがって、一窓に必ずこれだけの一定の時間がなければその建築は許可をしない、居室の中の一つの窓、そこにはこれだけの一日の日照時間、まあこの場合は四時間ととってありますけれども、そういうのがなければその建築を許可しない、こういう高度利用に対する規制措置を行っているわけでございますね。 どうでしょうね、大臣、これらを考えてまいりますと、長崎の災害を契機にしていま一度関係省が集まりまして、幾つか起きている各都市の指導基準、それらを参考にしながら今日の宅地造成法なりあるいは建築基準法というものをもう一遍検討してみる、こういう時期に来ていると私は思うのですが、いかがでしょうか、大臣、見解をひとつお聞きしたい。
○始関国務大臣 建築基準法は制定以来今日まで実に七回にわたりまして見直し、改正をいたしております。この辺で、時代に適応できなくなったところもあるようだから、なおまた地方でやっております建築の指導要綱でございますか、そういうもの等見直してみたらどうかという御提案でございますが、私どもといたしましては、見直すべき点があれば必要に応じて見直しを行ってまいりたい、見直しを行うにやぶさかでない、かように存じておりますので、今後十分部内におきまして検討さしていただきたい、かように存じます。
○加藤(万)委員 建設する側と住民の側、それからいま一つは都市、地方自治体の意見というものはこの際相当重視していただきたいと私は思うのです。それぞれの都市は、たとえば二十万都市計画とか、あるいは横浜で言いますならば何百万都市計画とかいう二十一世紀に向かっての都市構造というのを持っているわけですね。したがって、その構造が、いま言ったように建築基準法に沿えば、あるいは宅地造成等規制法に沿えばよろしいという中で、波が押し寄せてまいりましたならば、地方自治体は防ぎようがない。先ほど山花代議士から、従来のマンションの建て方についていろいろ法律上の改正を行っているけれども、これ自身にしても、これからは新しい、たとえば防災計画とかいうような問題も含めて検討すべき時期じゃないか、こういう話がございました。この三者の関係をもって、住民の側、いわゆる住む側に立った造成なりあるいは建築の基準というものをぜひひとつ御考慮いただきたい、こう思うわけです。 そこで、一つ具体的な例を申し上げて、この辺に対する見解をお聞きした方がよろしいと思います。 私どもの地域に海老名市という人口七万前後の都市があります。最近東京ないしは横浜の土地の確保がむずかしくなりましたので、神奈川県の北部地域、この海老名も中央部といいますが実は北部に近いわけで、そういう雑種地の山林を開発してマンションをつくるということがしばしば行われているわけです。その都度問題になっていくわけですが、宅地造成を行い、建築を行う場合に、第一に問題になりますのは、その間における住民との話し合いなのですね。どうも話し合いの過程で住民の側が説明を受けたものと、実際に宅造許可ないしは建築許可を受ける条件との間に余りにも差があり過ぎる。その結果として、住民の側としては一度は了承したものの、実際にやってみるとそれは違うじゃないかというようなことで、そこに紛争が起き、結果的には建築基準法に適合しているのだからということで押し切られる例が非常に多いわけですね。 その一番典型的な例でございますが、海老名市にいま建築をされようとしている鐘紡不動産がつくるグリーンマンション計画があります。これは現況敷地が一万一千六百二十五平米、計画規模は六千九百九十八平米、十一階建てといわれる建物でございます。私、現地も見ましたし、現地の人人の意見も聞きました。ここに写真がありますので、見ていただけば一番よくわかるわけでありますが、大臣、これをごらんになって、後でそちらにもお回しください。 その真ん中にある小山の高さが十六メーターでございます。北側斜面に住宅が張りついているわけです。約六十メーターばかり離れたところに学校がございまして、そこに体育館がございます。この十六メーターの山を平らにいたしましていま言ったマンションをつくるという計画でございまして、当初住民に話しましたのは、道路斜面から見て四メーターまで山を削りまして、ですから十六メーターですから十二メーターほど山を削って、その上に十一階建てですから、おおむね三十メーターないしは三十二、三メーターになりましょうか、こういうマンションを建てるという計画でございました。住民はそういう説明を受けたものですから、たとえば土地の所有者も含めて、大体そのくらいなら日照権の問題も含めて合意ができるのではなかろうか、こうして実は合意をしたわけでございます。 ところが、今度は実際に建築という段階になりまして、道路面から四メーター上に削って三十メーターのマンションをつくるというのが、道路から九・五メーターまで上げるということになってしまったわけです。ですから当初の計画から見ますと、四メーターまで削るというものが九メーター五十になるわけですから、この面から三十メーターの家屋が建って投影される、こういうことになりますと、まさに日照権問題が最大の課題になってしまったわけですね。おわかりだろうと思いますが、建築基準法では、建物が建つ地盤面から四メーター上をとってそれの投影がという形になっているわけです。ですから、結果としては五メーター五十かさ上げした上からの投影が北側に張りついている住宅に日照権の問題として大変な課題を生むということなんですね。 私がきょうここで問題にいたしたいのは、第一に、先ほど言いましたように山林、今日では地目上は雑種地になっていますが、雑種地を開発する場合には、自然条件というものに相当留意をしておりませんと長崎と同じような状況が起きる。したがって、雑種地開発に伴う宅地造成の面で、この面の一つの規制といいましょうか、あるいはこれに対する何らかの指導措置というものをなさってしかるべきではないか、こう思うのですが、これについてはどうでしょうか。これは計画局長がいいでしょうか、御答弁いただきたいと思うのです。
○永田政府委員 お答えいたします。 宅地造成をやる場合には、建築基準法だけではなくて、周辺に与える自然的な大きな影響を考えてやったらどうか、こういう御趣旨かと思います。御趣旨は大変結構なわけでございますが、私ども現在は法律の規定に従ってやっております。宅地造成につきましては、御承知のように宅地造成等規制法という法律がございますが、これは主として宅地造成によって周辺ないしはその造成によって家屋を建てたところに被害を与えないようにというかっこうの造成でございます。一方、一般的な災害がないというかっこうの話になりますと、これは砂防指定地とかそういったものの話になるだろう、かように思うわけでございます。
○加藤(万)委員 建築基準法の施行令によりますと、低地に建てるマンションについては制限緩和がございますね。いま言いましたように高いところに建つマンションについては、住民の側から見れば制限強化処置が必要になってくるわけです。質問の趣旨はわかりますね。どうなんでしょう、いま低いところに建つマンションについては高さの制限の緩和などがございますが、今度は高いところに建つ場合にはいま言った投影、日照権の問題を含めて、逆に住民の側にとって制限強化の処置が一方では必要ではないか、こう私は思うのですが、この辺の見解についてはどうでしょう。
○松谷政府委員 いま先生がお話しになりましたように、建物を建設する敷地に対しまして、隣地が高い場合には日影規制を若干、わずかではございますが緩和をしております。その趣旨は、隣地が高い場合は高低差がない場合に比べまして隣地に生ずる建築物の日影時間が短くなるために、それを調整しているわけでございます。 これに対しまして北側の隣地の地盤面が低い場合のお話でございますが、これにつきましては現在の日影規制がそれ自体相当に厳しい。それをさらに厳しくするということはいかがであるかということが一つ。それから、すでに北下りになっておりますと、のり面による日影が相当ございまして、これだけで北側の日照条件が相当悪い状況にあります。したがいまして、それにプラスして規制をするのはいかがかということと、第三には、北側傾斜地につきましては、現在日影規制につきましては建物の高さが十メートルを超える場合にのみ規制をしておりますが、北側傾斜地では日影規制が適用されておりません低層の建築物、すなわち十メートル未満の建築物につきましても日影は相当長期間にわたって北側に及びますので、中高層建築物についてのみ厳しい規制をしても実益がないのではないかということで、北側隣地の地盤面が低い場合の規制の強化については、現時点では規制がされていないということでございます。 なお、先ほどから御説明の海老名のマンションの件につきましては、まだ建築基準法に基づく確認申請が出されておりませんで、事前の調整を特定行政庁である神奈川県におきましてマンション側から聞いておるというような状況であると聞いております。特定行政庁としては、当然そのマンションの建設に当たりましては住民側と十分な折衝をして、相談をした後で、その開発許可なりあるいは建築確認申請を持ってくるようにというような指導をしているというように伺っております。
○加藤(万)委員 わかりました。中高層に対しては日影規制を一応行う。それ以下のものについては、先ほど私が御質問した地方の指導基準ないしは要綱がございますね、これをぜひ参考にして、先ほどの大臣の答弁にもありましたように、そういうものを考えながら北側斜面に対する、北側の家屋に対する日照権の確保をできるようにしていただきたいと思うのです。いま御答弁をいただきましたマンション、確かに開発ないしは建築、それぞれ関係官庁に提出をする前の段階であります。しかし、その段階で問題にしませんと、先ほど横浜の例を申し上げましたが、不服審査を出している段階では実際にはもう間に合わないのですね。 先ほどのマンション計画は、私ちょっと数字を間違えましたが、下が九・五メーター、上に三十メーターですから、路上面から見て三九・五メーター。写真を見てわかりますように、山はずっとこうなだらかになっているのです。そしてその山のすそから買い上げていますから、そこを土盛りをします。土盛りをした擁壁は、九・五メーターの高さに建てるためには一番下が五メーターの擁壁をつくることになるわけです。いわば壁をつくることになるわけです。その五メートルの壁から、見てもわかりますように、民家は一・五メーターないしは二メーターしか離れていないのです。五メーターの壁が建って、ちょうどこの部屋の一・五倍以上になるわけでしょう。そこに壁ができて、二メーターのところに住居があって、この場合にはその壁自身で日照権が阻害されるわけですね。全然一日じゅう入らない、そういう条件が生まれるわけです。ここに第一の問題があるわけです。ですから、住民の側からいけば、できればとにかく山を切り崩すだけ切り崩してくれ、住民の側から言えば、大体地上面ゼロから一メーター前後にしてくれ、こういう要求が折衝の過程に強く出されているわけです。しかし土地を売った方々は、詳しくは申し上げませんが、そばに相模鉄道線というのが走っておりまして、その相模鉄道線に当たるところがちょうど三階部分になる、その説明を受けまして、それならば大体容認できる、あるいはそういう条件ならばということで土地の売買を行ったわけですね。ところが実際は、その相模線に相当するところは三階ではなくて二階になってしまった。三階が線路の面にぶつかるというのが、実は下持ち上げをしましたから、二階目がここに相当してしまった、こういう条件もあるわけですね。 そこで私はひとつお伺いをしたいのですが、会社側が出したいろいろな議事録を私手元に持っております。当初言いましたように、五メーター前後にするということが、だんだん交渉の過程で九・五メーターにします。その前には、この五メーターにするためにはそこにある土を大体一万立米ぐらい搬出をしなければなりません等々の話の経過を経て土地の売買が行われているわけですね。しかし、実際に今度は建設をするという段階になりますと、いま言いましたように九メーター五十、土地を売った地主さんもおれのところは日陰が来ないだろうというつもりでおったところが、どっこいそうはいかなくなった。同時に、私は一番心配しますのは、見てもわかりますように、ちょうどそこに体育館がございます。体育館にいま言った四十メーター近い投影図が入ってくるわけですが、御承知のように、体育館と言えばこれはいわば子供たちの体を鍛えるところでありますから、ここがいま言ったような形で日照が投影の関係で阻害をされるという条件が起きますと、これは公共的なものとしても容認ができない。 さて、私はここで第一に質問をしておきたいと思いますのは、そういう交渉経過でまとまったものに対して、建設省が何らかの指導的な注意を与える必要があるのではなかろうか、こう思うのですが、いかがでしょうか。これは実際にまだ開発計画が出てこなければわからないという答弁になるのでしょうか、それとも、そういう経過というものが本委員会で私どもの口から提起をされた場合に、いままでの宅造計画をいま一遍県なり市に問い合わせをしていただいて、そこに適切な注意を与える、こういう方向がとられないものでしょうか。いかがでしょうか。
○松谷政府委員 いま先生がお話しになりました件につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、現在神奈川県におきまして住民側とマンション側とが十分に話し合いをして、納得のいく形での線をもって、しかる後に開発許可なり建築確認をしょう、こういうような指導をしております。したがいまして、いまのお話のような件についても当然その話し合いの中でいろいろ話し合われることであろうかと思います。これにつきましは、また特定行政庁等を通じまして遺憾のないように指導をしてまいりたいと考えております。
○加藤(万)委員 くどいようですが、ここに会社の議事録、いわゆる住民側に示した議事録がありますから御紹介をしておきたいと思うのです。いま私が話しました経過がそのまま議事録になっているわけですが、「旧地主の植木氏の発言に建物の三階が相鉄線の線路面となる旨説明を受けたとあった」が、そういう約束でこの土地の契約を行ったのかという質問に対しまして、「土地価格の問題があり、残土搬出費用等造成費用の負担を考え、安くしてもらうべく交渉した中でそのような説明をした様子です。それによると相鉄の線路と三階が同じになるという事ですが、当計画」、今度の新しい計画ですね、「当計画は二階の一部となります。要は土地取引の駆引条件に使われた様子です。」これが会社側から出した住民に対する説明の議事録でございます。 私が本当にけしからぬと思うのは、三階部分になると言ったところが実際は二階になってしまった。残土も一万立米ばかり搬出しよう、山を削るわけですから、そういう約束をしましたけれども、結局マンションを建てるのに費用がかさんじゃって、そんなことはできなくなりました。要するにこれは土地を安く買うための駆け引き条件に使ったんです、こういう議事録なんですね。そのほか幾つか議事録がありますが、同じような趣旨のことを会社が言っていますね。私はこれはちょっと許せない行為だと思うのですよ。 当初私が申し上げましたように、私どもの地域におけるさまざまなマンション、さまざまな紛争が起きるわけですが、その紛争の最大の原因はこの不信行為ですよ。当初の計画とその後における開発条件との差、それが住民の側からは大変な不服になってくる。先ほど言いましたように、たとえば開発許可が建築基準法なり宅造規制法によって合法だという立場で申請をしておりますと、不服審査などはどこかに飛んじゃうのですね。それをやっている間に宅地造成は事実上行われて、不服審査の請求が何らかの形で採択されるときにはすでにもう建物が建っている、ないしは宅地造成が終わっている、そういう状況にあるのですね。私はそういう住民との不信関係というものが払拭をされない限り、一方においては景気浮揚策として住宅建設や宅地造成を行うことも必要でしょうし、あるいはわれわれサラリーマンからすれば安い土地と建物というものはこの際必要なんですから、そういう面では私は否定はしませんけれども、少なくとも建設する段階では住民との間の交渉経過をきちっとまじめに守る、誠実に守るという姿勢がなければいけないと思うのです。私は、この議事録を一つの証左にしながら、これから行われるだろうこの開発計画の許可申請あるいは建築の許可申請等については、その条件が、いわゆる住民の側と話された条件が守られない限り、これは宅地建物取引業法、いわば監督官庁である建設省の指導、宅地建物取引業法の四十七条の「重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実を告げる行為」に相当するのではないかと思うのです。したがって、同法の規定をそのまま適用させていただいて、これに対する指示及び業務停止等必要な措置をとられる必要があろうかと思うのです。しかし、現実にはまだ申請が出てないわけですから、もし現実にそういう申請が出た場合にこの業法の四十七条の適用条項になる、こう思いますが、どうでしょうか。この見解を聞きたいと思います。
○永田政府委員 お答えいたします。 マンション建設をめぐってあちこちトラブルが発生しておりますのは大変遺憾なことであると思っております。ただいまそういう土地所有者との約束を破って、あるいは住民との話し合いを全く無視した開発をやる場合は宅地建物取引業法の四十七条で監督処分できないか、こういうお話でございます。 宅地建物取引業法と申しますのは、御承知のように宅地あるいは建物を売る人と買う人との間を規制する法律でございますので、御指摘のような場合は適用されません。実質的に所有者とその買った人との間は、本来的には私法上の問題ではございます。しかし、争いがあるというのは事実でございますし、それは行政上は好ましい状況ではございませんので、私どもといたしましては、必要に応じ許可権者である都道府県あるいは市等に連絡をとって適切な対処をやりたい、かように思っております。
○加藤(万)委員 わかりました。 神奈川県でこういう紛争が昭和五十四年で十五件でございます。このほかまた一つ問題が起きておりますのは、最近の不況状況に関連をいたしまして中小企業が工場閉鎖するわけです。そうしますと、その工場の跡地にマンションができるわけです。これは建設省御承知のように、住工混合地域は制限緩和条項が決められてあるわけです。私は一遍地方行政委員会でも御質問したのですが、工場追い出し条令がございますね。三法があるわけですね。ところが工場が出ていった跡地の管理ないしはこれをどう活用させるかということについては何ら法律がないわけです。結果的には、いま言いましたように住工混合地域ですから、マンションをつくってもそれほど規制条項が悪くない。緩和されている。したがって、勢いそこに押し寄せてくるわけです。土地を買いましてマンションをつくる。さあ、そこで起きてくるのは二つ問題があります。 一つは、まず周辺の工場です。これは従来住工混合地域ですから多少の騒音や臭気を出しても問題はないのではないか、こういうことでつくった工場が、新しいマンション住民からの、住みついた人の苦情が今度は出てくる。工場の中の公害その他の整備はしなければいかぬ、こういうことで新しい資本の投下をせざるを得ないわけです。今日のような不況の状況ですから、とてもじゃないけれどもそんなことはできない。結果的にはそれがてこになって、それがきっかけになって工場を閉鎖してしまうという状況があるわけですね。 いま一つは、先ほどのいわゆる地方行政上の問題です。新しい住宅、マンションができますと排水溝から消火施設から、あらゆるものを公共的な投資としてしなければならぬ等々がありまして、これも神奈川県で実は仮処分の裁判問題にまで発展をいたしました。残念ながら提訴した側が敗訴をしてしまいました。いわゆる建築基準法なりあるいは造成法なりに基づいてやれば、これはきわめて残念なことではあるけれども、合法である、こういう結論でございますね。そこにつくられてしまいますとどうにもならぬわけですね。湾岸道路等をお通りになればわかりますけれども、最近工場の真ん中にマンションが次から次に建っているのですね。私は、新しいそういう立地条件、工場が都市から他に転出をする、その追い出し条令はあっても、今度はその跡を活用する、たとえば公共用地にそれを確保するための財政的な支出というものもありましょうし、あるいは法律上の擁護措置もあるでしょうが、これもひとつぜひ考えていただけないものだろうか、こう思うのです。工場地域のそういうものに対する最近の適切な指導の方向というのは建設省ではお考えになっているでしょうか、いかがでしょう。
○松谷政府委員 いまの先生のお話のように、準工業地域に工場が立ち並んでおりまして、そのうち一つの工場が移転をして跡地が残る、そこへマンションができる、それによって工場とマンションとの関係にトラブルが起こるというような事例がこのところ見られております。 これにつきまして、マンションを排除するという方向はまあむずかしいと思います。マンションが適正な用途地域に建設をされていくことが望ましいわけでございますが、現在マンションが建設できないのは、用途地域におきましては工業専用地域だけでございます。したがいまして、一律的にマンションを禁止するというのは適当ではないと考えております。しかしながら、土地利用の動向等を勘案いたしました上、工業地域に特化されるべきであるという地域であることが認められますと、そこに工業系の特別用途地区を指定するという方法がございます。この工業糸の特別用途地区の指定をいたしますと、住宅はこの部分においては建築禁止をすることができるわけでございます。すでにこの工業系の特別用途地区、すなわち住宅の建築禁止も内容としております特別用途地区につきましては、北海道の釧路市ほか十七市町村において実施をいたしております。したがいまして、いま先生の御指摘のような場合がございましたら、特別用途地区あるいは地区計画制度等を活用していただきまして、これによっていまのようなお話の実効を期していただくということが適当ではないかというように考えております。
○加藤(万)委員 時間が参りましたから、私のきょうの質問、実は三つの点にしぼってあると思うのです。一つは、各地方自治体が持っています指導要綱あるいは建築基準指導方針、そういうものをいま一遍建設省として見ていただいて、現在の基準法その他が適切であるかどうか、再度の御検討をぜひひとつしていただきたい、これが第一点であります。 第二点は、いま言いました工業地域における問題、それと人口増加の問題。まあ確かに指定地域にいたしますればそれなりの排除はできるのでしょうが、実際問題としてなかなかでき得ない状況等を考えてみますると、ここにはやはり建設省の指導的な強さといいましょうか、あるいは地方自治体を指導する、そういう面が非常に強く要求される条項ではなかろうか、こう思いますので、この点が第二点であります。 第三点は、具体的に海老名市における新しいマンション計画について御質問をいたしました。改めて申し上げませんが、写真で見てもわかりますように、十六メーターの山、雑種地ですが、その山のすそにそれぞれ環境を求めて住んだ人が、九メーター五十の上にさらに三十メーターのマンションが建つ。想像していただければわかると思いますが、それによってまず近隣の日照権が阻害をされる。加えて、すぐその地域にある小学校に対する、まあ公的建物に対する投影問題を含めて大きな問題がある。第三には、そのマンション計画の中の住民との契約の過程あるいは話し合いの過程に余りにも不信条項が多過ぎる。したがって、御指摘をいただきましたように、いずれこれは市、県を通して建設省にもその許可申請が回ってくるものと私ども推測をいたします。したがって、県の問い合わせあるいは市の問い合わせ等がありました場合には、いまの諸点をしっかりと頭に入れていただきながら善処方を特に要請をしておきたい、こう思います。 最後に、いまの第三の長谷川工務店の施工によるマンション計画に対して、もし県からないしは市からの問い合わせがあった場合には、私どもの意向を酌んで対処できるかどうか、住宅局長に御答弁をいただきたいと思うのです。
○松谷政府委員 先生のただいまの御意向を十分しんしゃくいたしまして、対処いたしたいと思います。
○加藤(万)委員 どうもありがとうございました。
○大塚委員長代理 これにて加藤万吉君の質疑は終了いたしました。 次に、大橋敏雄君。
○大橋委員 私は、同僚議員に与えられた時間のほとんどをちょうだいいたしまして、このたびの大水害に関しまして若干質問をいたしたいと思うわけでございますが、質問に入る前に、今回の災害のためにとうとい命をなくされた方々あるいはその遺族の方に対して心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、また、負傷されました方々にも心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。 実はその災害でございますが、九州地方を襲った集中豪雨、特に長崎県下に及ぼしたその被害は、想像を絶するといいますか、もう本当に惨たんたる被害の実情でございました。わが党はテレビでこの状況が報道されましたとき、その被害が発生したという状況のもとに、即座に九州地方集中豪雨対策本部を設置いたしまして、参議院議員の原田立氏が本部長になりまして、早速現地に乗り込みました。いろいろな困難な状況のもとではございましたが、やっとその翌日には現地に乗り込むことができたわけでございます。二十四、二十五、二十六日と三日間にわたってつぶさに調査をし、あるいは激励、救済活動を展開してきたわけでございます。私もその副本部長という立場から、二十五日、二十六日とこの両日にわたりまして現地の各所を視察させていただき、また救援活動をしてきたわけでございます。 今回の長崎県下に及ぼした被害は、二十五年前にも同じ長崎の諫早に大水害が起きたわけでございますが、このときも千人以上の死亡者あるいは行方不明者を出したわけでございますが、その大災害に次ぐ死亡、行方不明者を出した大きな災害であったわけでございます。また、数多くの問題を提起をいたしておるように思われます。 これから私は現場の住民の声をもとにいろいろと質問を申し上げたいと思います。 初めに国土庁長官あるいは防衛庁、つまり自衛隊に関する問題でございますので、このお二人にその御見解ないしは対応を聞いてみたいのでございます。 その第一は、長崎市本河内奥山地区の人々の訴えでございますけれども、そこの住民の一人である斉藤さんという方がこう言っておりました。われわれはわれわれの先祖がかつてこの水源地開発事業に協力をして、政府が言うままにこれまで住みなれた住居を離れて、さらに山奥の方に移動させられたのです。現在では七十世帯余りがその地域で居住しているわけでございますが、住民のための水資源を開発するための事業に協力したわれわれは山水を生活用水に使いあるいは井戸水で生活しているんです。 〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、私たちは何の不満も持たず協力してきたわけですが、今回思いがけない山津波に遭った。そして、あっといううちに二十世帯の家屋がもう見る影もなく押し流されたわけですね。そして、二十五名の方が生き埋めになったわけです。ところが、そうした協力的な住民の皆様の大きな被害にもかかわらず、救済の手は非常に緩慢であった、こういうことです。もちろん、そこの部落に入っていく道は一本道で、狭い道でした。車がようやっと通るぐらいの道で、その途中の橋も危険な老朽化した橋でございまして、なかなか救援しようにもしにくい状況があったかもしれません。しかし、私がその現場に着いたのは災害三日目の二十五日の午後五時過ぎでございましたが、いわゆる山津波で押し流されたその地域に自衛隊の方が三、四十名、つぶさに数えたわけではございませんので、多少違いがあろうかと思いますけれども、三、四十名の方、それから県警の方が十数人、消防団の方がやはり十数名、懸命に捜索、救助作業をなさっていたわけでございますが、私が直観したことは、この大災害規模に比べて救済に当たっている人員が余りにも少ないな、これは直観でございました。そして、話を聞けば、三日目に二十五名埋まっている中で六名やっと発見したわけです。私がそこで皆さんから事情を聞いているうちに、また一人幼児の遺体が発掘されてきました。その後ろで父親がもう崩れ落ちんばかりに悲しみにうちひしがれている姿はこの目から離れません。 いずれにしましても申し上げたいことは、そういう地域にもっとどうして多くの自衛隊の皆さんの応援でもなかったのだろうか。自衛隊の皆さんの活動に対してはすごく感謝しておりました。しかし、感謝する反面人数が少ない。私はその夜九時半ころ県庁の対策本部に参りまして、本部長である高田県知事に、皆さんからいろいろ言われた、また他の地域からの要望もあわせまして五点にまとめて要望したわけでございますが、その際に、いまから聞きたいことはここなんですが、自衛隊の出動人員をもっとふやしていただくことはできないんだろうかということと、そこの地域はもう孤立化した状況でございました。先ほど言ったように、そこに通ずる道は非常に危険なあるいは狭い場所でございましたので、もう三日もたって、埋まった人は恐らく全部死んでいるであろうという、絶望視された時期でございましたからだとは思いますけれども、住民の皆さんはここに自衛隊のヘリコプターででもブルドーザーやあるいはクレーン車をおろしてくれぬだろうか。一生懸命捜索あるいは救助作業をするけれども、大きな材木やあるいは大木が流れてきている。それを一つ一つ切ったりロープで引っ張ったりしてみて、あるいはスコップでやってみてもそれは全然話にならないのだというようなことでありましたので、そのことを県知事にもちゃんとお願いしたわけです。その声が果たして自衛隊の方に届いたのだろうか、また、このような要請があった場合に自衛隊としてはどのような対応をなさるのだろうかということですね。 また、国土庁の長官として、いまのような状況の場に立たされた場合どのようにお考えになられるか、あわせてお尋ねしたいと思います。
○萩説明員 ただいまの本河内の件でございますが、先生お話がございましたように災害当初は道路が決壊いたしまして、現場に徒歩でほんのわずかの自衛隊員しかたどり着くことができませんでした。その後県知事、県庁の方とも打ち合わせまして、本日現在は本河内には約二百名ほどの自衛隊員が出ております。 それから、先ほどの車両、ブルドーザーの件でございますが、きのうから自衛隊が自分で川に橋をかけまして、昨日は中型ドーザー二台を入れましたが、先ほど確認いたしましたところ、本日さらにショベルカー、バケットローダー十五台、これを投入して現在発掘作業を鋭意進めておるという状況でございます。先生が御指摘になられました件も、県の方から御要望がございまして、極力それにおこたえする方向で努力をしております。 ただ、御承知いただきたいのは、自衛隊が出ておりますのは長崎県下だけでも数十カ所、それからそのほか熊本とか大分とか非常に各所にまたがっておりまして、九州地区の自衛隊員がほとんど全部出動してがんばっておるわけで、若干人員的、機材的に御要望に全部おこたえすることができない面もあるかもしれませんけれども、最大限の努力はしていきたいというふうに思っております。
○大橋委員 要望は結果としてはずいぶんと満たされたお答えをいただいて、非常にうれしく思うわけでございますが、それはたまたま川に橋をかけ、そうしたブルドーザー等の機器が搬入できたという状況だったのでその道を選ばれたのだと思うのですが、完全にそういうことができない状況のもとでは、いま言うようなヘリコプターででもそういうものを運んでいく態勢といいますか、要望にこたえられるものなのかどうか、それをもう一度お答え願えませんか。
○萩説明員 ヘリコプターでできるところはもちろん極力やるようにいたしております。ただ、ヘリコプターの場合は二つ制約がございます。一つは天候に非常に弱いということでございまして、災害当初なかなかヘリが出せなかったのは天候が不順でヘリコプターが飛べなかったということが一つございます。それから、ヘリコプターというのは重いものがそれほどつり下げられませんで、先ほど言ったようなブルドーザーというようなものは普通のヘリコプターではちょっと持っていくのは無理だということで、天候が回復しましてもヘリで行えますものは二十名ほどの自衛隊員の移動とか、それから真水、薬品、こういうものの輸送でございます。真水、薬品はそれぞれの災害地に現在どんどん送り込むという作業を続けております。
○大橋委員 確かにブルドーザーなどは大変な重量ですから普通のヘリコプターで運べるとは私も思いません。しかし現在の自衛隊の装備の実態からいけば十分それに対応する能力がある、私はこういう判断のもとに要請をしているわけです。今後こういう災害、めったにあってはなりませんけれども、緊急の場合はぜひともそういう対応で臨んでいただきたいことを要望しておきます。 それから、国土庁長官、そうした災害現場における人命救助というものは、ブルドーザーとかそんなものを入れてやるとせっかくまだ息のある人にぐっさりと刺さり込んでいくようなことがあるので、できるだけスコップあるいはロープ等に制限されているようではございますが、やはり状況判断といいますか、一般的に見た場合もうこれ以上は生きておれないだろうという状況のもとでは、そういう判断も切りかえて、そうした機動力を投入しての捜索、救助活動、救出活動といいますか、そういうことで対処される方がいいのではないか。人命救助人命救助で余りにも慎重な態度をとるために、住民の皆さんが逆に、やっていただきながら不満を抱いておるという感じがありました。この点について長官のお考えを聞かせてください。
○松野国務大臣 お答えいたします。 ただいまのお説、私もちょうど日曜の日に現地へ参りましたところ、最初はシャベルなどで、ひょっとお亡くなりになった方にも傷をつけてはいかぬという配慮があってやっておりましたけれども、今度は関係の親族の方々が、もうこんなことをやっておったら仏が姿を失ってしまうようなことになっては困るからということで、自衛隊が相当の装備を持っていって始めたのがちょうど二日目でございます。いまのお説は私は非常に傾聴に値すると思いますが、ああいうようなときには、ひょっと生きておった人がというような期待が家族の人たちにありましたので、一日だけ慎重にやったと聞いております。 そして、先ほど御質問のありました自衛隊に対しては、ちょうど土曜の日に特別委員会を開きまして極力自衛隊、そして警察官、消防団の関係の方々にお願いをいたしまして、最大限の出動をいただいて献身的な御努力をいただいておりましたことも、ちょうど日曜の日に行きまして、現地の皆さんは非常に喜んでおられ、また、私もその御努力しておられる方々にお礼を申し上げ、激励を申し上げてきたような次第でございますが、こういう災害時でございますから十分なことがいたしかねたということに対しては、いろいろ今後考えなければならぬ点が多々あると思っておりますので、よろしくお願いします。
○大橋委員 それでは防衛庁の方にもう一つ御要望したいのです。 いまもお話を伺っておると、ヘリコプターでの補給、あるいは食料とかいろいろなものの補給をなさったということのようでございますが、お天気が悪かったのでその出動がおくれたのかもしれませんが、今回断水地域がかなりあったわけですね。それこそ水がなくて大変な苦しみをしておられたわけでございますが、自衛隊のヘリコプターで食料はどんどん運ばれているように私はお見受けしたのです、報道等から見て。そのときにポリ容器等と水も一緒に持っていってもらいたいな、こういう気持ちでいっぱいでございました。 実は、たまたま私滑石地域というところに行ったわけでございますが、そこの川口さんという方から、私たちはもう三日間も水がないので食事もできないんだ、雨水を沸かして飲んでおります、それもちょろちょろした雨水だったですけれども、それをやっとためてろ過して沸かして飲んでいるのだけれども、夫婦ともにひどい腹痛です、大変ですというようなことだったのです。同市は五万三千戸断水状態だというわけだったものですから、われわれもすぐわれわれの対策本部の方に電話を入れましてポリ容器を大至急集めろ、福岡県の方からもうんと持ってきましたが、そういうのに水を積んでは一生懸命独自の給水活動をさせていただきまして非常に喜ばれたわけでございますが、食料を運ぶときには必ず水も一緒に運んでいただきたい、これを要望したいのですが、いかがですか。
○萩説明員 先生御指摘のように、水というのは災害のときに大変重要な救援物資でございまして、私どもも必ず水を届けるということに努めておるわけでございます。それで、現在のところ給水の量は百七十一トン地元に給水を続けておるわけでございますが、何にいたしましても長崎市本体が相当断水しておりまして、どうしても人口の多い長崎市の繁華街といいますか、市街地といいますか、そちら方面からまず給水を始めたものでございますから、いまおっしゃいました滑石というあたりまで、あるいはまだ先生おいでになられたときに至っていなかったことがあったかもしれませんが、給水支援というものも自衛隊の重要な災害派遣の活動の一つになっておりまして、ヘリコプターそれから船、そういうものでどんどん真水を運び込んでおりますので、届かなかったのはあるいは時間的にまだ市街地の方が中心だったのではないかというふうに思っておりますが、先生の御趣旨も早速現地に伝えて、できる限りのことをいたしたいと思っております。
○大橋委員 今回はもうほとんどその対策の手は行き届いたと思いますので、今後こういう災害の場合、自衛隊に対する期待といいますか信頼といいますか、その感謝というものは大変なものでございました。実際われわれも自衛隊の皆さんの働きぶりを見て頭の下がる思いでした。それだけに期待は今後も大きいと思いますので、よろしくお願いしておきます。 防衛庁、結構です。 ちょっと話は変わりますけれども、気象状況の予知と予報に関してお尋ねしてみたいと思うのです。 今回の異常な集中豪雨というものは、先ほど申しました諌早の大水害のときと同じ湿舌現象といいますか、私は素人でよくわかりませんけれども、物すごい勢いで集中的に降る雲のあり方だそうでございますが、そうした諌早大水害のときと同じ湿舌現象であったのだ。こういう現象というものはもっと早く、的確にレーダー等で掌握することができないのだろうかというのが一つです。 それから、今回の大雨洪水注意報という報道が警報に切りかわるわけでございますけれども、その警報に切りかわったときに、たとえば解説つきといえばおかしいのですが、いまから来る雨は諌早大洪水並みの大雨量ですよ、厳重に注意してくださいというような報道が仮になされていたとすれば、私はその報道で避難の仕方が変わったと思うのですね。被害がもっともっと小さくおさまったのではないかなと思うのでございますが、この二点についてどのようなお考えか、お尋ねしてみたいと思います。
○立平説明員 第一の御質問でございますが、湿舌現象の予知の問題です。 湿舌と申しますのは、赤道方面から非常に湿った水蒸気が舌のような形で日本列島の方に侵入してくることを指しまして、これは集中豪雨の起こる条件の一つでございます。この湿舌があらわれるかどうか、それからその強さにつきましては、数値予報などによりまして半日とか一日前に予測することはある程度可能でございます。今度の場合でもやはり湿舌の予測というのは可能でございまして、これによりまして二十三日、豪雨の日の早朝にもうすでに大雨情報を発表しております。ただ、この湿舌の幅と申しますのは九州全体をすっぽり覆うくらいの非常に幅の広いものでございます。ところが、集中豪雨というのはこの湿舌の中のどこででも起こるというものではございませんで、その中のごく一部限られたところ、幅数十キロくらいの局地的な激しい現象でございます。ということで、こういう湿舌の予測ばかなり可能でございますけれども、集中豪雨がいつどこで起こるかということを的確に予測するということは、半日とか一日とか前というのは、これは技術的な問題でいまのところ非常に困難でございます。そういうことで、気象庁は気象衛星とか気象レーダーあるいは地域気象観測網と申します雨量計のネットを持っておりますが、こういうものを有効に活用いたしまして大雨の実態を少しでも早く把握して、それで少なくとも二、三時間前には警報を発表できるようにということで努力しております。 第二の問題でございますが、警報を発表する場合、気象庁は大雨によって災害のおそれのあるときに警報を発表しておりますが、それは雨量と災害との関係、過去の関係を調査しておきまして、これくらいになると重大な災害が起こるというところに警報の基準値というものを設定しております。その基準値を超える雨が予想された場合に警報を発表する、こういう作業をやっております。さらに警報を発表するに当たりましては、警報を受け取っても避難とかあるいはいろいろな対策に時間がかかることもございますので、少なくとも大雨の二、三時間前に発表するようにということで努力しております。しかし現在の技術では、警報基準は上回るということはわかりましても、警報基準をはるかに上回るのかどうか、諌早級になるのかどうかということにつきましてはまだまだ技術が及んでおりませんで、非常に困難でございます。しかし、気象庁は今後とも予報技術の向上に努めまして、警報の内容につきまして少しでも充実するよう努めてまいりたいというふうに考えております。
○大橋委員 警報に対する住民の認識というものが、字は確かに警報ですけれども案外なれているといいますか、今回も今度の大水害になる前にすでに何回となく警報も出されているやに伺っておりますけれども、それもそれなりにみんな無事に過ぎているものですから、ああまた警報かという程度なんですね。ですから、いまおっしゃったように何ミリ以上は本当に危険なんだということをもっともっと住民に徹底するPRといいますか、それは必要だと思うのです。そうでないとせっかく警報を出しても、ああ警報かという程度だったら、警報が警報にならないと思うのですね。もう少しその辺を指導、PRする必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○立平説明員 気象庁の発表します警報と申しますのは、気象によって災害の起こることを警告する最大級の情報でございます。しかし、この警報の内容につきまして、警報というのはこういう非常に危ないものであるということにつきましては、今後とも各県の防災機関等とよく協議しまして、十分徹底するように努めていきたいというふうに考えております。
○大橋委員 それじゃまた国土庁長官にお尋ねをしたいと思うのですが、激甚災害の指定についてでございますけれども、私も現地を見まして、今回の長崎の大被害の実情から、これはもう当然激甚災害法が適用される、このように直観をしたわけですが、長官も二十五日、長崎を視察なさいましたときに、次のようなことをおっしゃったというのが新聞で出ておりました。「想像を絶する災害だ。激甚災害に指定すべきであり、二十七日の閣議で指定になるだろう。」このようにおっしゃったということが新聞に出ておりました。さらに、記者会見なさいました松野長官は、「想像以上の悲惨さだ。政府は最善の対策を講じなくてはいけない。視察団には関係各省の担当もおり、十分わかった。視察の結果は二十五日夜、鈴木総理に報告、夜を徹してでも二十六日夕までには対策の大筋をまとめたい。激甚災害の指定が一番の問題だが、この際、理屈抜きで指定すべきだ。」ここが大事なところですね。「二十七日の閣議でも強調するし、指定されるだろう。」こうおっしゃっているわけでございますが、この激甚災害指定についての御見解をお尋ねしたいと思います。
○松野国務大臣 いま新聞その他のお話をされましたが、私そのとおり申し上げました。したがって、帰りましてすぐ総理に詳細の報告をいたしまして、そして二十七日の閣議にも詳細の報告をいたしました。そして、当然激甚指定はするべきであるという結論には達しておりますが、御承知のようにお役所というところは一つの事務手続をとらなければならぬということになっておりますので、指定は正式には決まっておりませんけれども、実質はもちろんそのように作業を進めております。 それからもう一つは、激甚災害というのは、激特と二つに説明させていただきますが、いま大橋委員のおっしゃったのはあの商店街など、それからまた罹災をされた方々、お亡くなりになった方方、負傷をされた方々、家をなくされた方々、この問題が中心であったと思いますが、もう一つは、長崎市というところは御承知のようにかつては山に木がたくさん生えておったところですけれども、いまは造船ブームも去りまして事情が変わってきましたけれども、多数の人が造船ブームの時代にあそこにやってきまして、住む家を求めて山に家をつくったということは御承知のとおりでございます。私もヘリコプターでずっと空から見ましたが、もう山の上までも家が建ち並んでおります。したがって、長崎市の繁華街の中に二つの都市河川がありますが、その都市河川はかつて山に木が植わっておったときの状況の都市河川でありまして、たくさんの家屋ができた今日においては、もう都市河川は十分用をなさないというようなことも痛感したわけでございますので、これは地元の皆さんの御了解と、県と市が積極的に地元の皆さんの御協力をいだたくようにお願いをしていただいて、国は激甚特定地域の指定をする予定でおりますから、どうぞひとつ……。ということは、御説明申し上げるまでもなく、二十年、三十年の計画を五年間でやってしまう、五年間でできなかったらまたもとへ戻るということですから、大変地元にも協力していただかなければならない大仕事でありますので、町の状況を見ていだたくと大変な仕事ですけれども、将来永久に安心ができるような郷土づくりをするには、どうしても皆さんにそういう協力をいただかなければなりませんので、そういうような意味のことも含めて新聞記者会見のときに申し上げたのでありまして、いま二つに分けましたけれども、二つとも私はこれは実現ができる、またしなければならぬし、またそれができたと同様にいま作業を進めておりますので、ただ手続上の問題だけでございますから御了承をいただきたいと思います。
○大橋委員 長官のお気持ち、十分了解いたしました。よろしくお願いしておきます。 それじゃ、今度は建設大臣にお尋ねしますのでよろしく。 都市河川改修工事というのは建設省のお仕事だと思うのですけれども、現在、都市河川の改修工事は一時間の雨量が五十ミリ、いわゆる五十ミリ対応の改修がなされている、こういうふうに聞いております。その改修率も市街地ではわずかに三八%程度しかまだできていない、こういうことでございますが、実は先ほどから話がありますように、湿舌現象多発地域といいますか、しょっちゅう大雨が降るようなところ、こういう地域では五十ミリ対応の基準ではもう間に合わぬのじゃないか。中島川、浦上川等も七十ミリとか八十ミリ対応程度に改修されていたとは聞きますけれども、要するに、これは長崎県だけのことじゃなくて、全国的にこうした雨量の多い地域については五十ミリ対応という基準を見直すべきではないか、こう思うのですけれども、いかがなものでしょうか。
○川本政府委員 お答えいたします。 御趣旨は先生おっしゃるとおりだと私どもも思っております。中小河川につきましては、都市河川も含めまして、現在整備目標を、いま先生おっしゃいましたように一時間当たりの雨量が五十ミリというものに対して安全なようにということを当面の暫定目標としております。将来目標といたしましては、やはり三十年に一度とか五十年に一度とかというような程度の雨に対しても持ちこたえられるということでやっておりますけれども、いま申し上げたのは当面の暫定目標でございます。それは便宜上全国をマクロに見て、表現として言っているわけでございまして、技術的には、一時間当たり五十ミリの雨量というのは、確率的に言いますと五年ないし十年に一度起こるような雨という意味でございます。 そういうわけでございますので、実際に個々の河川について改修計画を立てる場合には、それぞれの地域によって雨の降り方が違います、そういうものにつきまして十分に検討いたしまして、雨の降りやすい地域には、五年ないし十年に一回起こる程度の雨といいますと、おっしゃるとおり五十ミリ以上になりますが、たとえば九州地方でございますと六十ミリないし七十ミリ程度になろうかと思います。そういうものを用いることにしておりまして、また、逆に雨の降りにくいといいますか、日本列島は大変南北に長いわけでございますので、降雨量に相当ばらつきがございます。そういった少ない地域については五十ミリ以下の値を用いるということでやっておりまして、実際の改修計画については先生おっしゃるとおりの趣旨でやっているところでございます。
○大橋委員 それじゃ降雨量等の実態を正しく掌握することが先決だと思います。 いまの答弁で、実態に即応した改修をやっていくんだということですから一応安心をいたしました。今回のような大水害が起こるような降雨量はめったにないことだとは思いますけれども、そういうものも念頭に置きながら全国的な対策を施していただきたい。 それから、これは建設大臣にちょっとお尋ねするというよりも、指導してもらいたいと思うのです。これは新聞報道ですから、その真偽は新聞の方にあるのですけれども、ことしの五月に、長崎県は、「新たに策定した水防計画の中で、県下の土石流発生危険地区の場所を明らかにした。それによると、県下で四千四百三十八カ所、対象戸数十五万三千八百八十一戸にのぼり、今回被害が集中した長崎市でも五百六十七カ所、一万三百四十七戸もあった。しかし、それが住民には公表されておらず、」ここなんです。「それが住民には公表されておらず、県では「住民から土地価格の下落につながると反発されるし、公示板を作る金だけでもばかにならない」と事実上、公表を控えていたのが実情だ。」というのが新聞報道で出ているのです。いまのような反論をしたのは河川砂防課の人のようでございますけれども、もしこれだったら、私は行政の大きな責任だと思うのですが、いかがですか。
○川本政府委員 私どもの方といたしましては、全国的にただいまおっしゃいましたがけ崩れの危険個所、こういったものを調査をしておるわけでございますが、長崎県の場合も、五十二年に一度調査をいたしまして、そして全国で約六万四千カ所を集計したわけでございます。先生おっしゃいましたのは、最近、五十六年度に長崎県が詳細な調査のやり直しをしたようでございまして、そういった結果で、五十二年の調査と違ったといいますか、もっとはるかに多くなったわけでございますが、そういったものを集計したばかりの時点だったということでございまして、私どもの方といたしましても、五十六年、五十七年かけましてこういったものを全国的に集計作業中でございまして、そういったものがまとまりますれば、当然のことながら、先ほど先生おっしゃいました市町村の防災計画の方にもできるだけそういったものを入れていくようにということをかねてから指導しておりますので、いまの時点で、現実にはまだ公表されてないとか、水防計画に入ってないとかいうことがあったかもわかりませんが、集計したばかりといったことと、それから全国的にまだ集計最中でございまして、途中段階でございましたのでそういう現象になっておりたのじゃないかと思われます。今後十分指導してまいりたいと思います。
○大橋委員 善意に受け取ればいまの御答弁のような内容でしょうけれども、記事には住民からの土地の価格の下落につながるという反発があるし、公示板をつくる金だけでもばかにならぬから、もしこういう気持ちだったらこれは大変な責任問題だと思いますので、厳重に注意をしていただきたいし、そういう調査の実態は住民には大いに公表すべきであるということをつけ加えておきます。 時間の関係もありますので次に移りますが、長崎市は平地が非常に少ない。山の傾斜地に家がへばりつくように建っているのが多く見受けられるわけでございます。この長崎市内というのは典型的な坂の町とでもいいましょうかね。被爆直後は十四万人の人口がいまや四十五万人にふくれ上がったというわけです。急斜面にへばりつくように住宅が上へ上へと延びながら建てられている。そういうことで今回がけ崩れ現象が多発して被害が増大し、家もろともに生き埋めになったということでございましょうけれども、十分な防災、安全対策のないままに開発、造成を許したということは、私は行政の責任は免れないと思うのですね。やはり安易な都市化が招いた人災と言えるぞというぐらいの思いでございます。今後山を削ってなされる宅地開発については、この際改めて総点検をし、見直す必要があると私は考えるのでございますが、いかがなものでございますか。
○永田政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、大幅な宅地開発が被害を大きくしている事実はございます。私どもといたしましては、宅地造成等規制法という法律を三十七年につくりまして、その規定によりまして宅地造成でがけ崩れ等の危険を生ずるような地域を指定いたしまして、その中の開発については、知事が一定の技術基準に合致しなければ許可しない、こういう規制をやっておるわけでございます。 そこで、今回の被害の状況でございますが、まだ詳細な点はわかりませんが、私どもに入った情報では、造成区域内のがけ崩れ等については、造成によるものというよりは自然がけ等の災害の方が多い、造成によるものと思われるものは非常に少ないというふうに報告を受けております。私どもは、これは宅地造成等規制法による規制の行政の効果があったというふうには考えておるわけでございます。ただ、まだ状況が詳細にわかっておりませんので、詳細な状況がわかりましたならばその状況、実態を踏まえまして適切な対処をいたしていきたい、かように考えております。
○大橋委員 長崎県は、急激に人口がふえてきて住居を建てなければいかぬ、そういう実態もこれあり、確かに規制区域に指定されていても、この程度の技術があるんだからまあいいだろうというようなことで知事さんが許可するんだろうと思うのです。だから、やはりここは人命第一ですから、もっと厳しい指導をぜひともやっていただきたい。 時間がありませんので、最後に二つ続けて質問いたしますのでよろしくお願いします。 一つは被害家屋の補償問題なんですが、私は矢上町というところへ行きましたところが、これも川がはんらんしてもうほとんどの家屋が軒下まで水につかって、そして川の中には乗用車が五十台ぐらい流れ込んでおりました。大型バスがどうしてこんなところへ来たんだろうか、家の中で二台折り重なるようにあったその場所ですけれども、そこにたまたま私の知った人がいまして、幸いにその家にはいなかったので命は助かったのですけれども、がけが崩れ落ちてもう完全にぺしゃんこにつぶされておりました。おれはもうこわくて二度とここに住みたくはない。しかし、つぶされた家を片づけなければいかぬけれども相当お金がかかるだろうと言うんですね。その金もない。また、新しい家を建てようにもその金がないけれどもどうしたものだろうかという質問を受けましたので、これに対するお答えを願いたいのが一つ。 それから最後に、厚生省ですね。今度数多く死亡され、あるいは重傷者も出たわけでございますが、これまで災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律というものに基づいてそれなりに対処されてきたと思うのですけれども、今回の死亡者あるいは被害者に対してどう対処する気なのか。あるいはきょうの参議院の委員会において、これまでは死亡者のみに支給されていた弔慰金が、今度は重傷の方々に対しても見舞い金、援護金を支給するという法律が成立したという情報を受けたわけでございますが、それが事実かどうか、事実ならばその法律を今回の長崎の被災者、長崎だけじゃなくても災害を受けた方々にぜひとも適用していただきたい。これをお願いし、質問して最後にしたいと思います。
○松谷政府委員 お答え申し上げます。 がけ地に近接いたしまして住宅が損傷を受ける、そういった場合に、そういった住宅につきまして除却及び建設の費用を助成する制度がございます。本来は損傷を受ける以前に、がけ地に近接をしております非常に危険な住宅について災害危険区域等の指定をいたしまして、できるだけ堅固な住宅に建てかえるとか、あるいは建築を禁止するというような制度でございますが、その場合、災害危険区域が指定されまして建築が禁止されましたときも、指定前に住宅が建っておりますと、それについては移転費と、それからその後の住宅の建設費を助成するという制度でございますが、このたびのような災害におきまして、がけ崩れ等によりまして損傷した住宅につきましてもそれを適用いたしたい。その場合には、除却費につきましては六十三万円、それから一般地域におきます助成費につきましては二百三十四万円の助成をするということになっております。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 先生御質問がございました今回の災害によってお亡くなりになりました方、またおけがをなさいました方に対する私どもの対応でございますが、お話がございましたように、災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律ということによりまして、従来はお亡くなりになりました方につきまして三百万円の災害弔慰金が支給されるということになっておったわけでございます。これが現在国会で御審議をいただいております改正によりまして、重度の障害が残った方につきましては災害障害見舞金を支給するということで現在御審議が行われておるわけでございますが、本日の参議院の災害対策特別委員会におきまして、この点につきまして法律の修正がございました。施行の時期でございますが、この施行の時期は、本来この改正案が通りました後で政令で定めるということになっておったわけでございますが、政令で定めます日にちにつきまして、「公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、改正後の災害弔慰金の支給等に関する法律の規定は、昭和五十七年七月十日以後に生じた災害に関して適用する」ものとすることという旨の修正が行われたわけでございますので、この形で御採決がいただけるようでございましたならば、その方針に沿いまして私どもの政令を定めまして、しかるべく今回の災害につきましても適用できるような対策をとりたいと思っております。 これの費用につきましては、災害というものの性格上、一応の予算措置を私どもいたしておるわけでございますが、非常に大きな災害でございまして、お亡くなりになりました方も、また当然のことながら後にその障害の残るという方も大変多いのではないかと思いますので、予備費等の措置をとりたいというふうに考えておるわけでございます。
○大橋委員 終わります。
○村田委員長 薮仲義彦君。
○薮仲委員 いま現地対策本部の副本部長として現地をつぶさに視察なさった大橋委員の後に、私は基本的なことで二、三お伺いをさせていただきたいと思うわけでございます。 私もまず最初に、今回の西日本一帯を襲った大雨によりまして、死者、行方不明の方が長崎県を中心に三百七十名を超えるのではないかと言われる非常な大災害に対しまして、亡くなられた方に対して心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、おけがなさった方が一日も早く回復されるよう、そして現地の一日も早い災害の復旧と救援の万全ということをまた心からお願いをしつつ、質問をさせていただきます。 私は冒頭に、やはり両大臣にちょっと御決意を伺いたい。一言で結構です。と申しますのは、きょうこの委員会が開かれて、九州のこの大災害に対して質問すると言うと、現地から特に両大臣にお願いしてほしい。災害対策本部長の国土庁長官、そして中心となる建設大臣の御決意がやはり地域の被害に遭われた方にとっては心の支えであります。いまも災害復旧のために現地の方々は大変な苦労をしていらっしゃる。国土庁長官におかれましては、速やかに現地を視察なさって、大変敬意を表するわけでございます。また、建設大臣も早急に現地に急行なさるということを聞いておりまして、私は、大変適切であり、よろしくお願いしたいと思うわけでございますが、われわれが思いますことは、両大臣の、この災害復旧に万全を期してやるからがんばれという御決意を一言ずつ、冒頭にお伺いしたいわけでございます。いかがでしょう。
○松野国務大臣 大変激励のお言葉をいただきまして、担当責任者として大変ありがたく存じております。先ほど大橋委員にもお答えしましたその決意で、関係省庁と密に連絡をとりながら、最善を尽くして罹災された方々、お亡くなりになった方々、また、その家族の方々の御要望におこたえする決意でございます。
○始関国務大臣 このたびの集中豪雨による災害につきましては、建設省所管の公共施設に大変な影響がございまして、これが道路等救援活動には非常な支障を来しているということでございまして、私どもといたしましては、松野国土庁長官が内閣全体の対策本部長におなりになりましたが、建設省では、建設省限りの緊急対策本部を設けまして、これを去る二十四日の十三時に発足させました。早速担当の局長、課長、建設省のほとんど全部が関係がございますが、集めまして、この際、建設省の全機能を挙げて復旧にがんばりたいという指示をいたしました。 なおまた、単なる復旧だけではございませんで、改良復旧と申しますか、恒久的な対策を含めましてこれを進めるということにいたしました。私もまだ日取りをはっきり決めておりませんが、近いうちに参りまして、現地で復旧のために努力しておる者たちを激励しつつ、また現地の罹災されました皆さんにお見舞いを申し上げたい、かように存じております。
○薮仲委員 どうか両大臣の御決意のとおりよろしく災害復旧、救援に万全を尽くされるよう、重ねてお願いをする次第でございます。よろしくお願いいたします。 そこで、これは基本的なことでございますので、今後のためにということを含めて一つお伺いしておきたいのは、こういう災害が起きますと、いつもこういう災害は予想もしていなかった、行政の範囲を超える降雨量である等々、いろんなことが後になって言われるわけでございます。今回の災害も、先刻来お話ございました三十二年七月の諌早の大水害を超える、時間雨量にして百五十三ミリを超える、三時間あるいは二時間雨量で三百ミリというような大雨量であったわけでございますが、私はいま思いますことは、確かに河川の改修もままならない、いろんなことが言われますけれども、この災害に関して国土庁所管の法律に災害対策基本法があるわけでございます。この第一条には「この法律は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確に」、こうなっております。さらには第二条で、災害は「暴風、豪雨、」となっております。そして第三条「国の責務」になっております。「国は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することにかんがみ、組織及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」いわゆる国の組織を挙げて防災に万全を期しなさいということが法律に定められております。さらに四条には「都道府県の責務」、さらにこれが六十条に参りますと、市町村長は危険のある場合には避難させなさいということまで出ているわけです。 きょう私、これを事細かに申し上げることは時間がございませんからいたしません。しかし私は、四百人近い方が亡くなられたということを聞きますと心が痛みます。私は、都道府県あるいは市町村の対応が適切であった、なかったということをいま論ずるよりも、再びこういう悲しみを起こさないためにどうすべきかという前向きな意味でお話をさせていただくわけでございますけれども、大臣、九月一日は防災の日です。昔から言われますように、災害は忘れたころにやってくるという言葉もございます。そこで、先ほど大橋委員の質問の中でも、気象庁は予報が困難である、現在の予報能力においては無理であるならば、先ほど来の御指摘にもありますように、あの長崎市を流れる中島川あるいは浦上川、これは二級河川で直轄河川ではございませんけれども、いわゆる八十ミリから九十ミリに耐えられるようにはなっているけれども、時間雨量百五十三ミリには耐えられない。完全に溢水するわけです。あるいは十日間も降り続いてさらに二時間三百ミリというような雨量になれば、急傾斜地が崩落することは予想あるいは危険は感ずるわけです。 それはそれとしまして、少なくとも逃げてしまったらどうなのか。私は静岡県です。長官所管の大規模地震対策特別措置法で、われわれ県民は地震を抱えて、生命の危険を感じながら、いつかは来るかもしれない、そのために自主防災組織をつくって対応しています。この防災の日に当たって、みずから生命をなくさないための必要最小限の措置を考えていただけないか。法律の条文はきれいにできております。しかし生命が失われました。これにかんがみて、私はだれが悪いかれが悪いじゃない、これからどうするかということで申し上げたい。もしも中小河川がいま改修が進まない、三十数%というのだったら、もう追いつかないのだったら逃げるしかない。そのために何ミリ以上の雨が降ったら避難したらどうですかということを、災害が起きてからの対策本部長ではなく、国全体の生命、財産を守るという国土庁長官のお立場から、個々の河川あるいは個々の地域について、水害についてあるいはがけ崩れについて危険はないかどうか、国土庁はもう一度全国土の安全を見直していただいて、各地域で、危なかったら生命だけでも守りなさいというようなことを見直すことができないのかどうか。気象庁が気象業務法によって大雨洪水警報を出した、遅い、おくれた、そんなことではなくて、たとえそれがおくれようとも地域の人の身は安全だったというような対応は、河川の改修が進まないんだったらやっていただきたい。急傾斜地の改修が進まないんだったらやる必要がある。生命は守るべきだと私は思う。そういう意味で、きょうここですぐやれとか云々ということは申しませんけれども、私は命だけは守るような防災行政というものを御検討いただけないかな、大臣に即答せよとは申しませんが、官房長で結構でございますからお考えをお聞かせいただきたい。
○宮繁政府委員 今回の災害で多数のとうとい人命を失ったこと、まことに残念でございます。 ただいまお話がございましたように、一応市町村長は、災害のときに必要がある場合には地域の居住者等に避難のための立ち退き命令を出すことができることになっております。そしてその具体のやり方といたしまして、各市町村で地域防災計画というものをつくりまして、災害に関します予報とか警戒の発令、伝達、避難、救助等々につきまして災害の対策が円滑に実施されるように決めることになっております。 それで今回の長崎の場合、私どもが現在までに得ております情報では、十六時五十分に大雨警報を受理いたしまして災害対策本部は設置いたしましたけれども、十九時くらいから逐次大きな被害が出始めまして、この対策に手いっぱいというふうなことで、どうも避難命令は出ていなかったようにいままでのところ聞いております。もちろん現場の消防団員とか警官はそれぞれ必要な立ち退き命令等を出したように聞いておりますけれども、市としての避難命令はどうも出ていなかったようでございます。 そういう意味で、今回の災害の中でいろいろな教訓がございますけれども、ただいま御指摘のようにこれは一番大きな、重要な反省材料ではないかと私は思います。消防庁がこの地域防災計画の策定その他を担当いたしておりますけれども、私どもも全力を挙げましてただいま御指摘のような点につきまして抜本的に考えて、この反省材料の上に立ちまして、少なくともこれからはこんなことのないように努力をいたしたいと考えております。
○薮仲委員 きょうは時間がございませんのでそれだけにしておきますが、要望だけ二、三申し上げます。 一つは、台風シーズンを迎えておりますので、先ほど来大橋委員も指摘したようにがけ地の危険個所の総点検あるいは河川の温水の危険。最近は、都市災害という形で都市開発というものの限界量があるのじゃないか。河川の改修が進まなくて、いわゆる遊水機能を果たせなくなった都市開発は非常に危険である。中小河川等を含みまして都市開発の治水から見た限界量、急傾斜地の限界量というもの、これについては一度この次の委員会等で御見解を承りたいと思いますので検討をいただきたいと思いますし、重ねて国土庁には、台風シーズンでございますから、ただいま官房長お話しのようなことで、ことしの台風シーズンは悲しい思いをしたくはございません。どうか危険個所は総点検をしていただいて安全を期していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 もう一点、私静岡県に住んでおりまして、高速道路とは切っても切れない立場にありますので、これはちょっと質問させていただきます。 高速道路というのは大体中央分離帯がございますが、中央分離帯というのは、分離するのですから、向こうの車がこっちへ来たのでは大変困るわけです。それが最近は反対側から飛び込んでくる。これは私非常に困っておるのです。私、この問題についてきょうはじっくりやろうと思ったのですが、時間がございませんから問題点だけ指摘しておきます。 これも痛ましい事故でございます。七月の二十六日静岡県で、ちょうど榛原郡というところを走っている大型トレーラーが上り線から下り線に飛び込んでまいりました。それで四人の方が亡くなられ、三十六人の方が重軽傷を負うという大変痛ましい事故で、この件に関してもお悔やみを申し上げ、一日も早い回復を祈りつつ質問をいたします。 警察庁おりましたら、時間がございませんから私の言うことで間違っているかどうかだけ言っていただきたいのですが、全国の高速道路の事故を調べてみました。手元の資料によりますと、五十五年は高速道路で一万一千八百六十九件の事故が起きている。そのうち中央分離帯を突破したのが百四十七件。五十六年は一万二千百八十六件の事故が発生して中央分離帯を突破したのが百八十二件。二百件近いのが高速道路上で中央分離帯を突破してくるわけです。警察庁、この数字に間違いございませんか。
○滝沢説明員 お答えします。 先生のお話にありますとおり、件数は間違いございません。
○薮仲委員 建設大臣、このように百件以上、二百件近いのが中央分離帯を越えて飛び込んでくるのです。これは確かに中央分離帯ですからガードレールがあるのですが、ガードというのですからガードしてもらわなければ困るのです。高速道路は後ろから車が来ても前から来ることはないのです。それがこれはみんな前から来るわけですから避けようがない。本当に大変な事故であると思うのです。 きょうは問題点をちょっと言っておきますけれども、いま問題は何かといいますと、ガードレールというのはぶつかったときに車をはじいて安全走行をさせるようになっているのです。ところが、東名高速を走っていただけばわかるとおり、ガードレールの手前にいわゆる縁石というのがあって、中央分離帯に植え込みがあるために一段高くなっています。あの高さでは大型トレーラーの回転トルクからいって簡単に乗り越えてしまうのです。あの縁石に乗りますと、おしりを振って直角に近い角度でガードレールに突っ込んでいきますから、あのガードレールの強度では破れてしまうのです。ではどうすればいいかというと、私は道路構造をもう少し研究していただく必要があると思います。少なくともガードレールに当たったときに車が乗り越えないように、こちら側へはじかれるように縁石の際にガードレールを出すか、これは土木研究所等でいろいろ研究はしていらっしゃると思うのですけれども、道路構造をもう一度考えていただいて、少なくとも中央分離帯を車が飛び越えてこないような道路構造にしていただきたいと私は思いますし、これはどうしてもしなければならない問題でもあろうかと思いますが、しょせんはドライバーの安全運転こそ大事です。しかしこれだけの事故が起きていますと、道路構造を改善していただく、研究していただく必要が絶対あると私は思いますので、この点、警察庁と道路局長の御答弁をいただいて私の質問を終わります。
○沓掛政府委員 御説明いたします。 交通事故は、ドライバー、車両、道路の状況、交通状況、気象状況等の諸要素が複雑に絡み合って発生するものであり、事故の再発を防ぐためには、事故の直接の原因となった要因を分析しながら必要な対策を講じていく必要があると考えておりますが、道路の交通事故と道路構造との関係につきましては、建設省土木研究所におきまして種種の実験施設を用い、実車による衝突実験等により研究を進めているところであり、今後も引き続き基礎的な研究を継続してまいり、さらによい成果が得られれば構造基準面にも反映してまいりたいと考えております。
○滝沢説明員 お答えします。 高速道路国道を走行中の車が、中央分離帯を突破いたしまして反対車線へ飛び出すことは大変大きな結果を招くことでありまして、警察庁といたしましても対策の重点にしております。今後こうした事故を防止するために、警察におきましては、高速道路におけるところの交通の管理を安全なものといたしまして指導、取り締まりを強化するとともに、今後こうした事故の発生する危険性の高いところにつきましては、ガードレールの問題等を含めまして各種の安全対策の充実につきまして、道路管理者と緊密な連携を保ちつつ、この種の事故防止を進めていく所存でございます。
○薮仲委員 きょうはこれだけにしておきますけれども、非常に重要な課題でございますので十分御検討をお願いして、終わります。
○村田委員長 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。 次に、簑輪幸代君。 〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕
○簑輪委員 私は、このたびの大水害で亡くなられたたくさんの方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の方々にお見舞いを申し上げたいと思います。 私は、この大水害発生直前に長崎に入っておりまして、この集中豪雨をみずから体験した議員でもございますけれども、その直後、二十四日に長崎において住民の方々の声を直接聞いてもまいりましたし、被災地の方々が切実に望んでおられるたくさんの要求のほんの一部になるかと思いますけれども、つぶさにお伝えし、対応策をお願いしたいということでお尋ねを申し上げる次第です。 現地では当初から人命救助最優先ということで、昼夜を分かたぬ御努力がなされたわけですけれども、飯盛町というところで山合いの集落が全滅して一十五人の方々が生き埋めになっているということが災害後三日たってやっとわかるというような信じがたい状況もあるわけです。生き埋めというようなことは一刻も早い救助が望まれるわけですけれども、こんなことでは本来助かるべき人が助からなかったのではないかととても心配いたします。私は、たまたま香焼町というところに集中豪雨の真っ最中おりましたけれども、香焼町で一たん犠牲者としてお名前が発表された方が、懸命の救出作業によって翌朝、生存して救出されたということを体験しておりますし、何としてもこういうことはあってはならないことではないかとつくづく思っております。 坂の町というふうに言われる歴史の古い長崎でもございますが、急傾斜地、危険区域、そういうところに現実にたくさんの家が建てられて、家を建てて天に至ると形容されているそうですけれども、周りの山肌を開発して宅地化したものなど、豪雨期には災害が発生しやすいというのは当然のことだろうと思うのですし、そうした場合には一たん事が起こると陸の孤島化してしまう、連絡、通報手段がなくなって極端に救出活動がおくれていく、そういう結果がこういう三日後の発見ということになったのだと思われるわけです。長崎市などのようなこういう地形を持つ特殊な地域にあっては、いざというときの緊急時の連絡体制というのに特別の手だてをあらかじめとっておく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、今回の調査をされた国土庁長官を初め関係者の方々は、この緊急時の連絡体制をあらかじめとるという点についてどのようにお考えか、冒頭にお尋ねしたいと思います。
○宮繁政府委員 お答えいたします。 市町村におきましては地域防災計画というものをつくりまして、この中で災害の場合の伝達あるいは避難命令の出し方、こういったようなものを決めることになっております。しかし、先ほどもお答えいたしましたけれども、今回の災害の場合につきましては、災害対策本部は設置されましたけれども、非常に短時間に豪雨が襲来いたしまして災害が発生し始めましたので、その応対に手をとられまして避難命令が出せなかったというような残念な状況でございます。そういう意味合いでは、今後、この地域防災計画を含めました全体の仕組みを再点検いたしまして、このようなことの二度と起こらないように体制を固めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○簑輪委員 平常時からの防災体制という点で、連絡体制を綿密なものをぜひお願いしておきたいと思います。 この水害についてはもちろんのことですが、人命救助が第一、当然のことですけれども、それと同時に、その人命救助のためにも幹線道路の開通ということが緊急に望まれまして、私も現地でこの強い要求を受けてまいりましたが、その幹線道路の復旧というのは、今回のようにたくさんの個所が寸断されますと大変困難なことは十分承知しておりますけれども、やはり一分一秒も早い開通ということが肝心なことだと思います。そして、いまなお開通していない部分についても早急にこの開通のために、幹線道路だけではなく市町村道、生活道路すべてにわたって完全復旧に至るという、そういう点での現状と見通し、それに関する予算的な点も含めて概略をお答えいただきたいと思います。
○沓掛政府委員 昭和五十七年七月豪雨により、特に被災の著しい長崎市への交通につきましては、佐世保方面からの一般国道二百六号で確保しておりますが、佐賀方面からは、一般有料道路長崎バイパスで災害の起きました翌日の二十四日から緊急車両のみ用の一車線を確保いたしております。佐賀方面からの幹線道路であります一般国道三十四号につきましては、長崎市芒塚付近で大きなのり面崩壊が発生し、被害の甚大なこともありまして、通行できるようになるまでにはなお相当の期間を要すると考えております。このため、一般国道三十四号のバイパスである一般有料道路の長崎バイパスの復旧に努めておるところであり、この道路につきましては、七月二十九日午前中にはおおむね二車線を確保できる見通しであります。また、県道等につきましてもその復旧に全力を挙げているところであります。
○簑輪委員 県道、市町村道に至るまでの完全な復旧を早期に行っていただきたいことを重ねてお願いしておきます。 実はきょう、長崎市本河内町奥山の自治会長さんから直接寄せられた苦情があるので、国土庁長官にぜひ聞いていただきたいのですけれども、県の住宅公社への入居申し込みについてです。被災者がお願いに行きますが、罹災証明を出せとか前渡し金とか敷金とか合わせて四カ月出せとか、あるいは印鑑が必要だとかいうようなことで即受け付けてもらえないという、非常に実情に合わない冷たい扱いだということで苦情を訴えておられるわけです。被災者は着のみ着のままですし、とにかく四カ月の入居料を払えと言われてもとてもできませんし、出せるはずがないわけです。自治会の人たちが非常にひどい仕打ちだということで怒っておられるわけです。こういう場合には臨機応変の措置で、たとえば市の方で戸籍謄本を無料で出すとか、そしてそれを持っていけば即受け付けてもらえる、そこまでいかなくても、あるいは被災者の立場に立って丁寧懇切に相談に乗る、そういう窓口をきちんと設けるというふうな血の通った行政が必要ではないか、その点で被災者の救助対策に、一貫して被災者の立場に立った血の通った行政ということを貫いていただくための格段の御努力を国土庁長官にお願いしたいと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
○松野国務大臣 大変適切な御意見として拝聴いたしました。役所はいろいろなルールがあってめんどうなことを言うかもわかりませんが、私といたしましては、いま簑輪委員のおっしゃることに賛成でございます。 専門的なことはまた関係の者から答えさせます。
○松谷政府委員 ただいまの被災者の方の長崎県の住宅供給公社への申し込みにつきましては、早速公社に連絡をいたしまして、実情を十分調べた上、臨機応変、適正な措置をとりたいと考えております。
○簑輪委員 こういう時期でございますので機敏にお願いをしたい、重ねて御要望申し上げておきたいと思います。 次に、現地ではたくさんの死亡者あるいは生き埋めの方々のほかに、多くの負傷者も出ておられまして、そのための体制として医師や看護婦、医薬品などの確保ということが非常に緊急に必要になっていたわけです。ところが、大変たくさんの負傷者の折で、医師や看護婦等の想像を絶する疲労こんぱいというのも聞いておりますので、そこら辺の対応をどうするのかという問題があろうかと思います。 それから、こういう災害、水害の折に、特に夏でもございますので伝染病という心配も出てくるわけですので、その辺での防疫体制というのが緊急に行われる必要があると思います。特に、水害のときというのはいつもそうですけれども、たくさんのごみが出まして、ことに粗大ごみとか日常用品まで含めたたくさんのごみが山のように積まれているという状況があります。中にはそれらを集めて学校の校庭に積み上げられているというふうなこともあるわけで、このごみの除去、それから飲料水の確保というようなことも含めて、防疫体制というのが非常に心配なわけですけれども、その際、地元の対応というだけではなくて、国が持っているあらゆる技術あるいは資材等を総動員して、全面的なバックアップをする必要があるのじゃないかと思うわけですが、この点での対応についてお聞かせいただきたいと思います。
○宮繁政府委員 負傷者の救出その他の問題につきましては、厚生省におきまして避難所を百四十三カ所設置いたしまして、その収容あるいは食品、被服等の給与、あるいはまた各公的病院に受け入れを要請する、医療品類の確保に努めるというふうな対策を講じております。一方労働省におきましては、長崎労災病院には医師、看護婦等を待機させ、要請があれば直ちに派遣できるような体制も整えております。 それから、いま御指摘のございました防疫の問題は大変重要な問題でございまして、これにつきましては消毒の実施、良質の飲料水の確保あるいはごみ処理の問題等につきましても、厚生省の方におきまして現地と連絡をとりながら万全の措置をとっておるような状況でございます。
○簑輪委員 現地では、たとえばごみ収集車自体が水につかってしまうということでの機能の減退もあるわけですから、必要に応じて近隣市町村などの応援も得ながら、国が全面的にそれを解決するように先頭に立っていただきたいというふうに思います。 それから、私が現地におりましたときにも、ガスが出ないから御飯がつくれないとか、水が出なかったり、あるいは出ても茶色い水が出てくるというようなことで、生活面での困難が非常に著しくなっていたわけです。特にガスの問題というのは切実な状況ですが、一方、これは危険も伴うことでございますので、慎重な対応がされるのは当然だと思います。しかし、生鮮食料品などをいただきましてもその調理等もできないという問題もありますし、どうしてもガスの復旧は一日も早く、安全に行っていただきたいと思います。 そして臨機応変の措置として、応急に簡易のガスコンロといいますか、携帯用のガスコンロなどがあっという間に店頭から品切れになってしまったというようなことも聞いているわけで、こういうときには、たとえば携帯用のガスコンロなどは一国の方でも緊急に手配して住民に行き渡るように、場合によってはこれは救援物資ということで対応するというようなことも考えてみるべきではないかというふうに思いますけれども、その点ではいかがでしょうか。
○石田説明員 御説明させていただきます。 いわゆる都市ガスと申しますのも生活ラインの非常に重要な一つでございますので、何とかして早く復旧させまして、皆さんの生活の不便を取り除きたいものだというふうに思いまして、私どもも鋭意いろいろな手配を続けております。当省におきましても現地に担当官を派遣するなどいたしまして、保安確保に万全を期しながら、早期復旧の指導をいたしておるところでございます。 長崎地区にいわゆる都市ガスを供給しておりますのは西部瓦斯と申しますが、その西部瓦斯の従業員はもちろんのこと、大阪、名古屋あるいは東京あたりからも、災害が起きました次の日から応援体制を編成いたしまして人員を送り込みまして、ただいまでは、人員九百四十人、重機、工作車、広報車など二百四十台というような体制で復旧に当たっておるところでございます。 こういうような努力の結果といたしまして、当初見通しいたしましたよりは若干早く作業が進んでおりまして、実は供給停止いたしましたのは四万戸でございますけれども、その約半分の二万戸につきましては、本日朝七時半から順次ガスの開通の作業に取りかかるという段階に至っております。被害の大きかった残りの二万戸の区域につきましても、順次八月二日ごろまでにはガスの開通が終了できるのではないか、こういう見通しができる段階に至っております。 〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕 もう一点でございますが、生活の不便救済のためのLPGの補給などの問題でございますけれども、実は私どもといたしましては、西部瓦斯株式会社経由でございますけれども、長崎市の御当局とも連携をとりながら、病院でございますとか公民館、老人ホーム、そういったところにプロパンのガスボンベの貸し出しを行うというようなこともやっておりますし、一般の需要家に対しましてもボンベの貸し出しを行う旨の広報をするなどして、御利用をいただくような手配を進めておるところでございます。 いずれにいたしましても、いわゆる都市ガスの早期の供給再開が重要であろうというふうに考えておりまして、その点の全力の指導を続けておるところでございます。御了解賜りたいと思います。
○簑輪委員 現在、全壊とかあるいは流出、半壊などで家をなくされている方々が多いわけです。きょうの御報告いただいた文書だけでも、長崎で八百八十一棟というふうに報告されまして、全体では千百六十棟もそういう被害に遭っているという状況です。被災者の方々は、災害の日から数えて五日間、公民館とか体育館などというところで眠れぬ夜を過ごしておられるわけですけれども、現地は、冷たい床にビニール張りというような状態で、畳とかあるいはお布団とか満足に行き届いていないような状態のように聞いているわけです。そういう中でも、御近所の方々のためあるいは親戚のため、友人のためということで、救出作業に連日出歩いておられるというふうにも報道されておりますし、大変疲労は積み重なっているだろうと思うのですね。 そういう現地の方々のお話では、とりあえずこういう災害に見合った仮設住宅というものを早急に建設していただく必要があるのではないか、政府がそのための手だてを急いで立てていただく必要があるのではないかというふうに、かなり強い要望として伺っているわけです。 そこで、仮設住宅に関するめどと方針についてお尋ねをしたいと思いますし、あわせて、床上浸水などでは、長崎で六千三百五十七棟、全体でも一万三千五百五棟という膨大な浸水になっていまして、畳や布団、毛布など生活に必要なものが十分でない。特に、水洗便所というのが使えなくなってしまっている地域もございまして、婦人の立場から言っても、仮設便所みたいなものを早急につくってほしいという根強い要望がございます。この便所の問題はやはり防疫問題からいいましても大事なことでございますので、ぜひ緊急に手配をいただきたいと思います。畳や布団の手配などとあわせて、要望にこたえられる体制をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○宮繁政府委員 お答えいたします。厚生省の担当官が参っておりませんので、便宜私から……。 長崎市におきまして、現在のところ十三カ所の避難場所に八百五十五人の方々が避難をされまして、ここで不便な生活を送っておられるようでございます。それで逐次公営住宅の方にも収容する予定でございますし、応急の仮設住宅等につきましては、現在のところ四十九世帯の方の申し込みがあるようでございまして、これは土地がございますと一日で住宅がつくられるような状況でございますので、そういう対策を早急に進めてまいりたいと考えております。
○簑輪委員 仮設住宅はそういうことで対応していただきたいわけですけれども、仮設便所などに ついてはいかがでしょうか。
○宮繁政府委員 現地におきましてそれぞれ対応いたしておると思いますけれども、防疫面からも重要な問題でございますので、万全の措置をとってまいりたいと考えております。
○簑輪委員 トイレの問題というのは実に切実でございますので、私の方から重ねてお願いしておきたいことと、それから畳や布団などというのは水害の際は大抵被害に遭うものでございますので、その時期非常に値上がりするということが間間起こるわけです。その点で、価格の面での安定供給でも御尽力をいただきたいというふうに思います。 それから、復旧作業がいま着々と進められているわけですけれども、そういう中で復旧に必要な資材というものが不足している、商店街などいろいろ水をかぶった物を運んだりするスコップや一輪車などを含めて、あるいは応急修理用のいろいろな資材が十分出回ってないということで、それも敏速に手配をしてほしい、そういう声を私どもも聞いているわけです。 そのほか食料問題についても、生鮮野菜類というのは水害直後は大変供給不足ということで、先ほどの御答弁をいろいろ伺っておりますと、卸の段階ではほぼ安定しているというような御答弁がありましたけれども、現地に直接聞いてみますと、そうはいっても末端では大変値上がりしていて手に入りにくいという声があるので、表向きの答弁というのもあると思いますけれども、やはり生の声に直接当たっていただきまして、それに対する対応をしていただきたいと思うのです。もちろん物がどんどん値上がりしているというふうに言えば、これは民心の安定を欠いて、ますます物価騰貴に拍車をかけるという問題もあるかと思いますので、その辺の政策的配慮があるかもしれませんけれども、そうではなくて、やはり現地で生活をし、被災をし、本当に困難に直面している人にこたえられるように十分な対応をしていただきたい。その点で復旧作業の資材問題、それから生鮮食料品の価格を含めての安定供給という点について簡単にお尋ねしたいと思います。
○青木説明員 生鮮食料品の確保対策並びに市況の動向についてのお尋ねでございます。 私ども今回の災害につきましては、生鮮食料品は緊急な生活物資ということでございまして、まず集出荷団体に対する集出荷量の確保督励、さらに他県産地への出荷協力要請等、また、小売店関係の団体等を通じて生鮮食料品の販売量の確保等につきまして特段の協力要請を行っているところでございます。 幸い私ども現地からの情報把握によりますと、生鮮食料品、なかんずく野菜関係につきましては、長崎市の中央卸売市場、非常に道路関係に制約条件があるわけでありますけれども、その中で二十六日の入荷量が野菜関係で百八十七トン、二十七日が百六十六トン、それから本日、二十八日は二百六トンの入荷がございます。この入荷量をどういうふうに見るかということでございますが、長崎市中央卸売市場の通常ベースの野菜の入荷量は約百七十トンベースでございます。したがいまして、いま申したような数字は、私ども通常ベースと比較いたしましても、むしろそれを上回る入荷量が確保できた、こういうふうに存じているわけでございます。今後とも、先ほど来申し上げているような協力要請等を通じまして必要量の確保に万全を期したい、こういうふうに存じております。 それから市況につきましては、二十六日の卸売価格等につきましては、キャベツとかトマト、それからキュウリ、そういったものにつきまして若干高値が出てございました。しかし、レタスとかピーマン等は通常値となってございます。実は本日、私が参る前に一番新しいきょうの市況も把握してまいっておりますが、本日は先ほど申し上げましたように二百六トンというふうに非常に入荷が順調でございます。それを反映いたしまして卸売価格が通常ベース、むしろ災害前を若干下回るぐらいの価格まで落ちてございます。トマトはその中でやや高値という状況でございます。 ただ、いまのは卸売価格でございまして、先生御指摘のとおり、小売価格は災害前に比較いたしましていろいろやはりキュウリ、トマト等を中心に高値の物も見られるわけでございますので、現地の生の声というお話がありましたが、農水省といたしましては、食糧事務所の職員等を通じて、こういう災害等の緊急時には小売店を巡回いたしまして価格動向をきちっと把握するということをやることになっておりまして、今回の災害につきましてもそういうことで現在現地で刻々そういう情報を把握している、また、本省からも担当官を派遣いたしまして現在対応いたしてございます。動向をつぶさに把握いたしまして、的確な対処をしてまいりたい、かように考えております。
○簑輪委員 災害直後というのは物が不足するということで、それを利用する悪質業者というのが間々出るわけでして、今回の場合も県外からも入り込んでいるというようなことも聞いております。飲料水の確保に必要なポリバケツ、通常は九百円というのが、この際は六千円で売る、そういうべらぼうなことで被災者の怒りを買っているような状況もあるわけですので、これに限らずあらゆる物資の安定供給について監視の目を厳しくしていただきたい。その点で国土庁を初め関係省庁に全面的にお願いをしておきたいと思います。 それから、今回中小業者の方々が水につかって営業上も大変損害を受け、また今後の回復のためにも御苦労が多いわけですので、中小業者への特別の低利融資という問題が急がれると思います。激特の問題につきましては、先ほど国土庁長官は激甚災について、激特も含めて、もうほぼ指定されたも同然というような御回答がありましたので、ぜひそれを一日も早く実現の運びにお願いをしたいというふうに思います。営業の面でもあるいは生活の面でも、一日一日が大変貴重な実態だというふうに思いますので、早い解決をお願いしたいと思います。 それから、いろいろなことをあちらこちらにわたって申し上げておりますけれども、現地では直接被害を受けた方々が、いろいろ直面するそのことをその都度要望されるわけでして、その際に私としては、政府として非常災害対策本部を設けられておりますけれども、これを中央に設けると同時に、たとえば現地長崎にもその出先の現地本部というような、全面的に政府が迅速、適切な対処をするという機関を設けるべきではないかというふうに思うわけです。報道によりますと、昭和二十八年の筑後川大水害で福岡県庁に政府の西日本災害対策本部が置かれて、そのとき、国務大臣が被災地救済の陣頭指揮をして救援の効果を上げたというようなことも聞いておりますので、そのことも一度御検討をいただければというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○松野国務大臣 お答えいたします。 まことにいい御意見だと思いますが、県の方がいま積極的にやっておりますので、役所からまた飛び越えていくのもどうかと思いますので、中央と県と密接な連携をとりながら、こちらから直接行った以上の効果の上がるように最善を尽したいと存じます。その点、御了承いただきたいと思います。
○簑輪委員 現地長崎の方からもしそんな要望があれば、またその点も御検討いただきたいと思います。
○松野国務大臣 もちろん要望があればおこたえいたします。
○簑輪委員 今回の災害は未曽有ということで、災害の際にたび重ねて未曽有の災害という言葉が使われるのに本当に心が痛むわけですけれども、本当にこの災害が予測し得ないものであったのか、どうにもならないものであったのかという点について、やはり重大な反省が必要だろうと思います。必ずしもそうとは言えない部分もあるのじゃないかというふうに私は思うわけです。西九州というところは梅雨末期には特異な気象状況、先ほど気象庁の方からもお話がございましたけれども、湿舌という現象がありまして、異常集中豪雨というのがあることは十分予測されたことであるはずです。すでに、これまでにも諌早の水害のみならず、四十二年には佐世保で、四十七年には天草での大水害。この湿舌という現象は、気象学的にも明らかにされているわけですから、その危険は十分あったというふうに言わなければならないわけです。 今回の長崎災害で指摘されなければならない点というのは、急傾斜地の問題だろうというふうに私は思うわけです。急傾斜地崩壊危険区域指定ということがあるわけですけれども、それがきわめて不十分なままで都市開発、宅地開発がされてきたということに大きな原因があろうと思います。急傾斜地法では、災害危険区域指定地では条例で建築規制ができるというふうになっています。いますけれども、長崎では土地の所有者が地価が下がる等を初めとしてのいろいろな懸念から、条例がなかなか適切に運用されていないという実態があるようです。今回の水害の際に、目前でこのがけ崩れなどを見た人たちの話を聞いてみますと、その土地に長いこと、何十年も住んでいる人たちは、そこにどんどん家が建てられていくのを見ながら、あんなところに家を建てて大丈夫だろうかなと思いながら眺めていたということを言っておられます。だから、その点で言えば、この危険な急傾斜地にどういうふうに対応するかというのは非常に重要な問題であったはずです。全国にもこの急傾斜地というのはたくさんあるわけで、その点で人ごとでないという思いをしておられる方がたくさんあると思うのです。 今後の対策として考える場合にも、この急傾斜地に住宅を建てる場合には、まず何はともあれ、ぜひ十分な防災工事というのを完璧に行う必要があり、開発する場合にはそれを完全に義務づけなければならないと思います。場合によっては、それに対する財政的助成の問題も考慮しなければならないかもしれませんが、そういう十分な防災工事というのを行うと同時に、十分な工事ができないというような地域については、人命第一で、そこはもう開発をしないということを国の方が積極的に指導する必要があったのじゃないか、その点で国の方も及び腰ではなかったのか、その点が反省されなければならないと思いますが、どのように考えておられるでしょうか。
○永田政府委員 お答えいたします。 宅造規制法という法律で、危険な地域については一定のかなり厳しい技術基準を設けておりまして、それに従って宅地造成を規制しております。 それからもう一点、危険なところでは、たとえば個人等が建てかえというか、危険防止工事をやらなければいかぬときに金がかかるという話がございますが、これは宅地造成等規制法で勧告をすることになっておりまして、勧告が出ますと、住宅金融公庫から四百十万円だったと思いますが、防災工事に対する低利融資が開かれておりますので、それらの点もあわせて利用していただくように、私ども今後も指導していきたいと思っております。
○簑輪委員 急傾斜地の崩壊危険区域の場合に、政府の資料によっても、全国で六万四千二百八十四カ所ですか、ずいぶんたくさんあるわけですね。それに対して、防災集団移転促進事業とかがけ地近接危険住宅移転事業というのが、予算でいえばわずか十七億円ぐらいしか組んでない。五十七年度は、対前年度比でそれぞれ三十三%、一四%というふうに減らされているわけです。こういう予算措置のあり方自体が非常に問題であり、あわせて全国の危険区域を総点検し、それに見合う予算措置を講じていただかなければならないと思います。 それで、このような大水害、大災害を二度ともたらさないような観点で、建設大臣がどのような決意で取り組まれるか、お伺いしたいと思います。
○始関国務大臣 いわゆる集中豪雨によりまして大変な被害が出た、貴重な人命もたくさん失われたわけでございまして、大変残念に存じております。 それで、こういういまだかつて例のないような、また想像もできないような集中豪雨が長崎の地区を襲ったということであるわけでございますが、どうも十年に一遍か十五年に一遍、また日本全国どこに来るかわからぬというふうなことでございますけれども、しかし、だからといってこれはしようがなかったんだということでは済まされないと思うのでございまして、たとえば御指摘になりました点は、雨が降ってがけ崩れが起こる、そういう危険な地域については防災上の措置をしてから宅地造成などをやるべきである、また、それができない前はむしろ禁止すべきじゃないか、こういうようなお話でございまして、ごもっともだと思います。 すでにもう事務当局からお話を申し上げましたが、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律というのと、それから建築基準法の中にも規定がございます。また宅造の規制法もありということでございまして、いわゆるがけ崩れ法の中におきましては危険な地域の指定をする、指定をされますと、若干の行為が禁止されるわけでございます。また建築基準法の中では、県条例等によりましてある地域においてはこの建築を禁止する、こういう法制上の段取りが一応できているようでございますが、それは全国六万とか七万とか申しまして、非常にたくさんあるものですから、調査が簡単に進まない。したがって、その対策も法的な措置も講ぜられていない。だから——だからと言っていいかどうかわかりませんが、予算もそれほどとれていない、こういうことだと思いますが、全国六万カ所もあるというわけですから、やはり全国の都道府県、それから市町村こういう地方の自治体にも大いに注意してもらいまして、われわれの方も、結局大きい意味では政府、行政の責任になると思いますので、今後調査を進めまして、こういうことのないように適切に対処してまいりたい、かように存じております。
○簑輪委員 法制度ができていても、それを運用する際において、やはり本当に人命優先とか、そういう立場できちんと運用されてないことからこういう事態が起こっているわけですから、今後はぜひその点での厳しい対処をお願いしたいと同時に、やはり点検をするに必要な予算をしっかりと獲得していただいて、それから移転事業の場合の予算もしっかり獲得していただく、それがなければ口だけに終わってしまうということになりますので、この際の水害を肝に銘じて御奮闘をお願いしたいと思います。 最後に弔慰金の問題ですが、共産党もかねてから死亡者だけではなく、負傷者とか家屋被害にも見舞い金をと主張してまいりました。今回の法改正で災害障害見舞金の支給が実現する運びとなるということで、先ほど参議院の経過もお聞きいたしましたけれども、遡及適用について大臣の責任ある答弁を最後にいただいて終わりたいと思います。
○松野国務大臣 お答えいたします。 参議院の方では、七月十日に遡及して支給するということで決議をされるようでございます。したがいまして、その決定を待ちまして迅速に処置一をいたします。
○簑輪委員 これで私の質問を終わります。残りは同僚議員の方に……。
○村田委員長 これにて簑輪幸代君の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会