建設委員会 第13号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/05/14
会議録
○村田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として水資源開発公団総裁望月邦夫君及び同理事永岡乙哉君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○村田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上泉君。
○井上(泉)委員 私は、当委員会でもすでに論議をされたことだと思うわけでありますが、大渡ダムという約六百億以上かけたダムが、竣工式をことしの秋に予定をしておって、試験湛水を始めた途端にダム周辺の山が崩壊の状態を示したということで、地元住民を初めとして関係機関が大騒ぎをしておる、そのことは建設省の方も篤と御承知のことだと思うわけでありますが、ダムというものをつくって、そのダムをつくることによって受けるべき利益というものと、その受けるべき被害というものを考えてみますというと、流域の住民にとって、ダムができて本当によかったと拍手喝采をして、ダムが建設されたことに対する感謝の気持ちをあらわす声というものを寡聞にして私はほとんど聞かないわけでありますが、これは何百億もの巨費を投じたダムであるから、そのダムができたことによって流域住民がこれだけの恩恵を受けるんだというようなことについて、建設当局においてもその辺のPRといいましょうか、そういうふうな実際的な効果について流域の住民に示したことがあるかどうか、そういう点をまず第一番に、大臣がおりませんので、河川局長から御答弁願いたいと思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 ただいま先生おっしゃいましたように、建設省で施工しておりますダムは、洪水調節あるいは水道用水、工業用水あるいは農業用水あるいは電力開発、そういったもろもろの目的に資することがダムの使命としてあるわけでございますが、そういった点につきましては、確かにダムの設置されます地点の下流に対する影響といったものが多いわけでございまして、ダムが設置されますその地域、いわゆる水没地域に対しまして、それはやはり一つの大きな犠牲を強いるというかっこうになっておることは事実でございます。しかし、私どももダムを計画し、また施工するに際しましては、やはりその水没地域の方々の生活再建といいますか、そういったものをまず第一の重点に考えておるところでございます。 またさらに、ダムが完成しまして、りっぱな貯水池ができた後の地元、いわゆるダムの直接の地元に対しますメリット、そういったものがあるように、たとえばダムそのものを含めてその周辺全体を一つの大きな観光資源として活用するとか、あるいは魚類その他の水産資源での活用を図るとか、いろいろな面でそういった地元にできるだけメリットが落ちるようなことを考えてやっておるところでございまして、今後ともそういった、それぞれのいろいろな問題点を抱えております全国のダムにつきまして、そういった観点から努力してまいりたいと思っております。
○井上(泉)委員 ダムをつくることによって、これは自然を変えるわけですから、いわゆる川の流れというものの様相を一変をするわけであるし、そしてその地域の環境も一変をするわけでございますので、ダム建設に当たっては、その辺のことについては万全の準備をされて着手をされておると思うわけでありますけれども、今度のような湛水を始めて、その試験を始める途端にこういう状態が起こり得るということは、事前の調査というものがいかに粗漏であったかということの証明ではないか、こういうように思うわけでありますが、私は、そういうことが起こったことに対して、それをどうこう言うわけではありませんけれども、その事前の調査というものが粗漏であったがためにこういう崩壊が生じてきた、湛水を始めた途端に崩壊が生じてきた、こういうことであると いうことだけは建設省もお認めになるでしょうか。
○川本政府委員 御指摘の大渡ダムの今回の地すべり事故に関しましては、試験湛水を始めてからの事故でございますが、その試験湛水そのものはダムの貯水池の安全性を確認するために五十五年の十一月から開始しているわけでございまして、いろいろと水位を上昇、低下させまして、今回貯水池の常時満水位まで水位を上昇させた、そういった前後に地すべりが発生した、そういうふうなことでございます。 大渡ダムの周辺の地質その他から考えまして、地すべりが発生する危険性があるということは以前から十分検討対象として調査をしてきておるところでございまして、たとえば大渡ダムの貯水池の検討委員会というものも昭和五十三年からつくりまして、そこで大学の先生方あるいは土木研究所の地すべり関係の専門家その他を委員といたしまして、大渡ダム周辺の地質状況、それから地すべりの危険性、そういったものに関して調査研究を進めてまいりまして、また、その結果に応じまして、それなりに必要な個所と考えておりました個所につきましては、対策工事、そういったものも実施してきておったところでございます。今回の地すべりを起こしましたところは、やはり十分監視を続けていかなければいけないというふうなことで注意をしておったところでございまして、そういった地すべりが発生いたしましたことはまことに残念なことではございますけれども、今後の対策、そういったものには万全を期してまいりたいと思っております。
○井上(泉)委員 いろいろ調査をされて万全を期してやったつもりであったけれども、現在のこの地すべり崩壊地点については、前々から心配しておったところに起こったということであって、非常に残念だ。結局、そのことは前々から注意をされておったことであったけれども、ここの地域に対する対策がなされてなかったという結果であるということは、これはもう当然のことだと思うわけですが、その当時、私も現地の調査に行って、時々刻々の崩壊の亀裂の状態等を調査をされておったのでありますが、私が調査に行ってから一週間経過するわけでありますが、その後の調査の結果、依然として亀裂が拡大をしておるのか、あるいは停止をしておるのかどうか、その辺の状況はどうですか。
○川本政府委員 貯水池の水位を現在徐々に下げてきておるところでございますが、ただいまおっしゃいました地すべりの発生いたしました個所につきましては、たとえばボーリングをするとかあるいは排土工事をするとか、そういったことも対策工事として早速実施しておるところでございますが、地すべりの挙動そのものにつきましてはその後落ちついておって、それ以上の変化は認められておらないというふうに報告を受けております。
○井上(泉)委員 それは、格別変化がないということは、結局地すべりが最初十センチぐらいの亀裂があったのが、これが発生をしてからもう二週間近くなるわけだけれども、その後その亀裂が拡大をされてないということは、一応落ちついておるという判断がされるのでありますか。それとも、もっと水を下げることになってさらに亀裂が増大をしていくという予想をされておるのか、その辺ひとつ技術屋として御見解を承っておきたいと思います。
○川本政府委員 現在までの調査によりますと、先生おっしゃいましたように、たとえば十センチの亀裂がそれ以上拡大するというような傾向はございませんので、落ちついておると判断しております。ただ、これから水位を徐々に下げてまいりますが、その後どういう動きがあるかということについては慎重に監視を続けていかなければならないと、そういうふうな態勢で現在動いておるところでございます。
○井上(泉)委員 慎重に調査をしていくというのは当然であろうと思うわけですが、結局、そういうふうな状態からダムの水をずっと下げていく中で、全部ダムは一遍空にしますか、それとも一定のところで打ちどめるというつもりですか、それはどっちですか。
○川本政府委員 現在常時満水面近くまで水位が上がっておるところでございますけれども、それを徐々に下げておる最中でございますが、予備放流水位が百七十七メートル五十という標高でございまして、その辺まで下げていく、そう思っておるところでございます。
○井上(泉)委員 それだけ水位を下げるということでこういう崩壊の原因とかいうようなものについては十分究明のできる自信があるのですか。私は、もっと思い切ってダムの水位を下げなければいかぬのじゃないか、こういうように思うわけですけれども、その点どうでしょう。
○川本政府委員 先ほど申し上げましたように、五十五年の十一月に試験湛水を開始いたしまして、それからの挙動をずっと監視を続けてきておったところでございますが、その経緯から考えますと、先ほど申し上げました予備放流水位である百七十七メートル五十までの水をためる過程におきましては地すべりのような現象は起きておりませんので、私どもといたしましては、いま水位を先ほど申し上げた予備放流水位まで徐々に下げることによって、ほとんどそういった調査は完全にできるのじゃないか、そう思っております。ただ、その時点になりまして、下げてみてまたいろいろな現象が生ずる、あるいはその危険性があるということが考えられますれば、必要に応じてさらにそれより下げるということは当然考えていかなければならないと思っております。
○井上(泉)委員 これはわれわれ素人が意見を申し上げるべきことではないと思うわけですけれども、いま建設省の方としては、そういう百七十七メートルまで下げて、それまで上げた時点までは全然異常がなかったから、これまで下げてみればどうかということもわかるということ、それで異常があるとするならばもっと下げてやる、こういうことでありますが、この地域についてはダム建設に当たってはいろいろ委員会をつくってやられたということでありますけれども、やはり地元の、何百年もそこに居住してきた地域住民の人たちの意見というものはほとんど反映する機会がなかったではないか。この辺は地すべり地帯で非常に危険な個所だからといって故老の人たちが警告をした、こういう話も聞くわけでありますし、その点については十分この原因調査ということについては、いままで危険区域でない、安全だと思っておったところで起こったと言えば、これはまた問題のとらえ方が違うわけですけれども、危険だと心配であった地域で起こった、こういうことですから、これに対する対策というものは、従前のやってきた防災対策より以上に念入りな防災対策を講ぜねばならないと思うわけですけれども、その点については万全の対策を講じる用意があるのかどうか、その点。
○川本政府委員 先生からも地元のいわゆる故老の方々の昔からの山の崩壊、そういったものに対します知識、そういったものも当然聞くべきであるじゃないかという御指摘もあったわけでございますが、建設省といたしましても、地すべりの今回の挙動を観測しながら先ほど申し上げたような貯水位の低下ということを慎重にやりまして、その間に各種の調査を行って地すべりの全貌を把握しなければならない、そういうことにしておるところでございます。その調査の結果を踏まえまして、先ほど来申し上げているような学識経験者の意見ももちろん参考にいたしますし、また、地元の関係機関等と連絡を密にした上で、貯水池周辺の安全に支障のある個所については十分な予算措置も講じて適切な対策を実施してまいりたい、そう思っておるところでございます。
○井上(泉)委員 この水位まで下げるのにはこれからまだどのくらい日数がかかるのですか。
○川本政府委員 徐々に下げていかなければなりませんが、順調にまいりますれば約六十日くらいになると思います。
○井上(泉)委員 六十日ということは、ちょうど梅雨季を控えて、いわゆるダムが大変な効用を発揮せねばならない大事な時期にダムの効用が発揮できない状態になるわけで、私はその点も大変なことだと思うわけです。六十日なにして、そこで原因究明して、そこで仮にもうそれ以上水を下げる必要がないというようなことになって、本格的なこの崩壊を食いとめる防災工事をやる、そういう段取りができ上がるというのは、年末ですか、来年ですか。
○川本政府委員 ただいま実施しております調査を含めまして、今後の水位低下に伴います調査の継続、そういったものの結果を待って判断しなければなりませんが、相当の対策が必要であろうかと思っておりますので、そういった調査の結果から、いつごろまでにということはこれから推定してまいりたいと思っております。
○井上(泉)委員 私は前段申し上げましたように、ダムができたことによって関係住民が恩恵を受けるというよりか、むしろ被害を受ける方が多いという印象、それはもっともなことだと思うわけです。ダムをつくることによって何千年と続いてきた川の流れを変化さすことですから、大自然の破壊につながることですからこれは大変なことだと思うし、そういう自然破壊に対応するだけの対策が講ぜられて、初めてダムの効用というものが完全に発揮されるわけです。 同じ高知県で早明浦ダムという、これは水資源公団の管理下にあるということでありますが、これが数年前にダムの水が山を通って、樺山というダムのそばの山肌を抜いて水が吹き出てきておる、こういうことで地元が大騒ぎをして、そして地元の人たちは一週間も退避をし、そして建設省も大騒ぎをして調査をしたことがあるわけですが、その結果はダムによる吹き出しの水ではない、いわゆる地下水が逆流した、地下水が反対に上へ上がってきたという素人ではわからぬ理屈をつけて、それに対する措置を講じてこれがおさまった、こういうことになっておるわけです。ところが、このときにも非常に問題になって、たまたまいまのこの法案を審議するとき、五年前ですが、そのときに私もダム周辺の治山というものについて万全を期すべきであるということをずいぶん主張したわけでありますし、そのときにはやりますやりますという話であったわけであります。ところが、その後の状態を見ると見るべきものが何もないわけで、早明浦のダムをつくったことによって、きのうも同僚の井上普方君に吉野はどうかと言うと、吉野はこうこうで大変なことだ、それなら結局ダムをつくってもうけたのはどこか、こう言うと、香川県がもうけたのう、こういう話をしたわけです。香川県も日本国のうちですからそれはそれとして結構でありますけれども、しかしそのダムによってもたらされるあるいは予想される被害というものに対して防災措置を講じ、治山工事をやるということはやはり先決的なことではないか。きのうも土佐町の町長がやってきて、この早明浦ダムの周辺に非常に危険な地域がある、その地域に対して防災の工事をよく言うけれどもなかなかやってくれない。古味地区とか南川地区とかというようなところは、特に南川地区なんかは人家もあるし学校もあるし、非常に崩壊をする危険性もあるということを再三訴えておるし、そして当局も認めておるけれども、これに対する防災工事というものは、遅々として進まないのではない、やろうとしない、こういう話であるわけですが、これは一体どうでしょう。
○川本政府委員 ただいま御指摘の南川とか古味とかいう地域につきまして、防災対策は水資源開発公団の方で実施することとしておりますので、公団の方から御説明をさせていただきます。
○永岡参考人 お答えいたします。 いま先生お話しがあった南川地区あるいは古味地区につきましては、当公団が建設中からもいろいろ注意をしてまいったところでございまして、ダムの完成いたしましてから後も、つまり五十年以降もいろいろ対策あるいは周辺のさらに危険なところの予防的な処置ということで、民家の移転などを行ったのでございます。 御指摘の南川地区につきましては、瀬戸川筋の川井地区で、公団におきましては河川浸食防止のための布団かごによります護岸工を五十一年から五十三年まで施行いたしまして、河床の変化に対してなじみのよい布団かごによる施行を行ってまいっております。この件については地元の方にもいろいろ御説明して行ったものでございます。 それから古味の地区でございますが、ここは実は貯水池の水面から約五十メートル高い部分のお話かと存じますが、その下に県道などがあるわけでございますが、現在のところ直接いろいろの地すべり等の影響が出ているということは見受けられません。したがいまして、以上の地域につきましては、特に地すべりについて私どもの方もその動きあるいは徴候などの監視をいままでもやっておりますが、今後もさらに続けていきたいと考えております。 以上であります。
○井上(泉)委員 その監視、調査、これはもう結構でありますけれども、現実にここは地すべり地域であるということで、防災工事が必要であるということは指摘をされておるところであるし、それがあの問題が起こってからもう六年になるわけですけれども、現在まだ何もやらないと、いうことは、調査調査のうちにこの災害が起こったらどうするのか、こういうことを言わざるを得ないわけで、あのときには吉野川は全部水が汚れてなかなか戻らない。そうすると、ダム管理について、ダムの水の操作については、ダムの水によってこの吉野川というきれいな川が汚されておることに対して、これはダムの放流状態を改良するとかいろいろやって吉野川の水をきれいに戻します、こういう話でもあったわけでありますが、そういうふうな現実の姿に対して何も対応してきてないというのが水資源公団の管理である早明浦ダムの実態ではないか、こう思うわけです。 そこで、新総裁が来ておる。巷間いろいろうわさをされて評判になった総裁でありますが、かなり意欲的に取り組んでおるじゃないか、こう私は思うわけで、その意欲的に取り組んでおるという姿勢を示すためにも、この早明浦ダムによって吉野川が汚され、さらにダムの周辺の防災工事がこんなに立ちおくれておることに対して、公団総裁としてはどうお考えになってこれに対応されようとしておるのか、公団総裁のひとつ所信表明を承りたいと思います。
○望月参考人 私五月一日付で水資源開発公団総裁を仰せつかりました望月でございます。今後ともひとつどうか御指導のほどをお願いしたいと思います。 早明浦ダムは、御存じのとおり私も昔から関係しておるわけでございますが、四国におきます水資源開発の根幹的施設であるというふうに認識しておるわけでございます。もしこれがうまくいかなかったならば四国全体の水資源開発に欠陥が生ずる、こういうふうなことを感じておる次第でございますので、今後一生懸命に、管理につきましては万全の措置をとっていかなければならないと深く考えておる次第でございます。
○井上(泉)委員 そのお考えがあれば、実際のいわゆる行動にあらわれてこそ初めてそのお考えが真実であるということが実証されるわけですから、私はそういう点について事態の推移をしばらく眺めながら、この防災工事をいつどういうふうにしてやるのか、そういう計画というものをやはりお示しになっていただくことができるのはいつごろであるのか、これは担当の永岡理事からお答え願いたい。
○永岡参考人 先生の御指摘のいまのお話でございますが、いつごろかということでございますけれども、私ども地すべりその他のダム周辺の問題というのは、先ほど申し上げましたように非常に慎重に、いろいろ技術的な問題等について調査結果などから判断していかなければなりませんので、関係機関ともよく御相談しましてできるだけ早く先生の御趣旨に沿うよう努力したい、かように考えます。
○井上(泉)委員 そこで、ダムは水資源の管理のダムもあるし、建設省の管理のダムもあるし、また、高知県には電発管理のダムもあるわけで、これも非常に問題があるわけです。このダムの安全管理ということについて、これは与えられた時間がないので私はここで一つ一つの具体的な事例をとらえて問題を明らかにし、対策を迫るというわけにはまいらないわけですが、大渡ダムについてはいまの河川局長の答弁を信頼して、どういうふうな対策が講ぜられるのか、それで速やかにこの地域住民を安心させ、ダムの効用が一日も早く発揮されるような段階になることを期待するわけでありますが、こういう大渡ダムにしても早明浦ダムにしても、地域住民にとっては非常に危険感というものがあるわけです。だから、私はこの際水資源のダムであろうが電発のダムであろうが建設省の直轄ダムであろうが、日本国じゅう至るところにこういうものがあろうと思う。そういう点について、建設省はこの際ダムの総点検をやられて、ダムの安全性とダムの効用が十二分に発揮できるような、ひとつそういうダム白書のような調査をされたらどうかと思うわけですが、これは政務次官、大臣にかわってはっきりと御答弁願いたいと思います。
○村岡政府委員 井上先生にお答えを申し上げます。 ダムの安全性につきましては、その構造物の重要性と効用の大きさにかんがみまして、河川管理者としてこれまでも十分に留意してまいったところであります。今後とも安全性の確保を図る施策の検討等、一層努力をしてまいるという考えでございます。
○井上(泉)委員 最後に河川局長、大渡のダムをごらんになったことがあるかないかということは御無礼に当たるかもしれませんけれども、大渡ダムの現在の状況というものを実地に承知をしておるのですか。
○川本政府委員 残念ながら、まだ大渡ダムの現場は見たことはございません。ただ、四国地建あるいは大渡ダムの工事事務所を通じまして、日々の情報は詳細に承知しておるつもりでございます。
○井上(泉)委員 何も事大主義ではないけれども、これは前の治水課長の地建の井上局長も非常に熱心に取り組んで対応していただいておるわけでありますが、一回河川局長として大渡ダムと早明浦ダムの周辺のそういう状況というものを、点検の意味で、一遍も見てないと言うたら、六百億も七百億もかけたダムの工事のなにですから、これは早急に調査をされて現地の担当者に鼓舞激励を与えていただきたい、かように思うわけですが、どうでしょう。
○川本政府委員 ただいまの御意見非常に身にしみたわけでございますが、調査の経過あるいはその内容につきましては現地におきましても十分な技術力を持った技術者が対応しておりますので、それを信頼しておりますけれども、現地のそういった実情をつぶさに見せていただくというチャンスは、今後国会が終了いたしましたならばできてくるのではないかと思いますし、また、そういうチャンスをつくるように努力したいと思っております。
○井上(泉)委員 国会が終了といえばもうすぐですけれども、会期延長という話があると二月も先になる。そうすると、ダムの百七十七メートルまで下げた時点というにはまだ二月あるわけですから、そういうダムのこうした崩壊の原因究明の決め手になる水を下げた時点までには、これは国会の会期いかんにかかわらず、土曜日に行って日曜もできるわけだから、これはあなたひとつ若いから活動力を発揮してもらいたいと思いますが、どうでしょう。
○川本政府委員 先生の御趣旨に沿うように努力いたします。
○井上(泉)委員 時間が参りましたので、終わります。
○村田委員長 これにて井上泉君の質疑は終了いたしました。 次に、小野信一君。
○小野委員 大臣の所見を伺うつもりでおったのですけれども、欠席でございますので政務次官にかわって所見をお伺いいたします。 文部省検定の光村図書出版株式会社、中学一年国語に「日本を考える」という項が出ております。その中に「川と人間」という項目がありまして、伊藤和明さんという人がこういうものを書いております。いろいろ書いた後で、結論として「大昔から人間は、一方では川を利用するとともに、他方では川を治める努力を怠らなかった。しかし、現代の人間は、目先の利益にとらわれて、川本来の性質を無視してきたのではないだろうか。その結果、予想もしなかったような災害が人間自身に降りかかってきている。人間が水害の種をまいているといってもいいだろう。人間にとって、川とは何か、自然とは何か、ということを、わたしたちは、今改めて考え直してみる必要があるのではないだろうか。自然の中で人間が生き続けていけるかどうかは、自然と人間とのつり合いをどのようにとらえ、どこに調和点を見いだすか、ということにかかっているのである。」こういう結論を出しております。私はこの文を読みまして、現在の国土建設計画あるいは治水事業に大きな問題提起をしておるのじゃないか、あるいは鋭い批判をしておるのではないだろうか、こういう気がいたします。 そこで、こういう人が考える自然と人間の調和点、あるいは実際国土建設の現場に当たっておる建設省を中心とした人々の考える自然と人間の調和点というのは違うのではないのだろうか、差があるのではないのだろうか、こういう気がしてならないわけです。改めて、具体的に治水事業を進める際に人間と自然との調和点とは、理論上はどういうことが調和というのか、具体的に仕事をする場合にはどういう配慮をして仕事にかかるのか、その辺の考え方をまずお聞きしたいと思います。
○村岡政府委員 小野先生にお答え申し上げます。 理念の上で大変重要な課題であろうかと思います。人間と自然との調和ということは非常に大切なことであります。特にわが国のように狭い国土に非常な高密度な人口を抱えております、また資産の集積が進んでいる国においては、その重要性は特に大きなものがあると考えております。また、わが国は地形的には大変急峻でありまして、また梅雨、台風により洪水が生じやすいというような自然的諸条件にあることは御承知のとおりでございます。それに加えまして河川がはんらんする地域、これは国土のほんの一割程度の面積にすぎないのでございますが、この平野部に全人口の五割あるいはまた全資産の七割が集中いたしまして、なおこの地域にふえる傾向にあることを考えますと、自然の脅威から人と国土を守るための治水事業の重要性はきわめて大きなものがありまして、そういう考え方でまたいろいろやってまいりたい。 また、歴史的に見てまいりますと、河川の周りに文明は栄えておりまして、また水を治める者は国を治めるとも言われております。まさに河川そのものは自然と人間との接点とも言うべき存在でありまして、自然の脅威、自然の恵みを含めて、いかにうまく自然との調和を図るかが治水の課題であろう。建設省といたしましても、いまの意を体しまして、そういう考え方で治水をやってまいりたい、こう考えております。
○小野委員 局長にお尋ねしますけれども、治水事業を通して自然と人間が調和するというのはどういうことを言うのでしょう。たとえば水の生態系を崩してはならない、こういうことを前提にして自然と人間の調和と言うならば、日本の治水事業というのは非常にむずかしいことになるだろう。生態系を一切崩してはならないとするならば、防災工事というものは非常に進めにくくなる。しかし、生態系を崩してしまうと思わぬところに大災害が発生する、こういう悪循環というか、人間と自然とのイタチごっこが始まる。そういう場合に、具体的に治水工事をする場合にどの程度まで自然を破壊することを許されると考えるのか、またはどんな条件のもとでもどういうことはこれは破ってはならない、崩してはならない、こう考えておるのか、その辺局長いかが御意見をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○川本政府委員 わが国の宿命的な自然条件といいますか、あるいは社会的条件、そういったことから治水の重要性というものは、ただいま政務次官がお述べになったとおりだと私も思っております。そういうことからいきますと、水というものは人間に恵みをもたらしますと同時に、逆に言いますと、あるときは洪水や土石流となって人間に襲いかかって大変な災害を起こすということでございまして、わが国のようにもともと昔から特に水と深いかかわりを持って発展してきた国におきましては、やはり水を治めることは国家としてのきわめて重要な根幹的な課題であるというふうに私は考えております。河川といいますものは、そういった意味では水というものを通じましてまさに自然と人間との接点に当たる存在でございまして、河川の機能を十分に生かした整備が必要と考えております。 ただいま水の生態系云々というお話もございましたけれども、そういったことから考えますと、河川の機能には三つの点があると私は考えております。一つは、先ほど来申し上げておりますように、何と言いましても国土を災害から守らなければいけません。そういったことができて初めて国の繁栄、発展が出てくるわけでございますので、そういう洪水を安全に流下させるという治水機能がまずございます。二番目には、水の恩恵を生かすということでございまして、やはり人間生活に一番根幹的に必要であるのはもちろん飲み水でございますし、そういった命の水のほかにも、工業用水なり農業用水なり、そういう産業のための水を供給する利水の機能がございます。三番目に、人間と水との接点に、一番人間に心の安らぎ、潤いを与えます環境保全の機能があるわけだと思っております。われわれといたしましても自然に対して謙虚な姿勢は保ちつつも、この三つの機能の調和を図るということが最も肝要なことだと思っておりまして、そういった観点から河川の整備あるいは管理、そういったものを進めていかなければならない、そう思っておるところでございます。
○小野委員 理論的に自然と人間の調和点、こういうものに対する合意点といいますか、国民とあるいは皆さんとの合意点が煮詰まっていないように私はいまの答弁から聞きました。 そこで、具体的にお尋ねしますけれども、国土建設の現状を資料から見ますと、昭和二十一年から五十四年までで水害被害総額が約十八兆円、明治十一年から五十四年までで二十二兆円ぐらいになるのじゃないか、こう書かれております。その水害、治水対策を中心とした国の政策として、昭和三十五年から前期五カ年計画、後期五カ年計画、第五次まで六回の計画が立てられております。したがって、莫大な予算も投下され、治水事業も実行されておるのですけれども、国民が考えたようには治水が整備されない、思わぬところで大災害が生まれる、どこかに問題点があるんじゃないだろうか、こういう不安を持っております。 そこで、第五次までの六回の計画を反省し、総括する中で第六次をつくる際にどのような集約がなされて、その欠点なり問題点がどんな形で六次計画の中に反映されておるのか、その集約といいますか総括というものが行われておるとすれば、その点の御説明を願いたい、こう思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 治水事業を計画的に推進してまいりましたのは、昭和三十五年に制定されました治山治水緊急措置法と、それに基づいて、先生おっしゃいました第一次から第五次までの五カ年計画の実施といったところによるところが大きいと考えておるわけでございます。治水事業は、その一次から五次までの五カ年計画に基づいて進めてきたところでございますが、第六次の五カ年計画の策定を控えた今日でもなお多くの課題を抱えておると思っております。 一つは、昭和三十年代後半から、わが国の高度成長に伴いまして都市化が進展してまいりました。そういったことによりまして、都市河川問題が顕在化してきたということでございます。昭和四十年に策定されました第二次の五カ年計画におきましても、急速に発展する市街地及びその周辺地域における河川、こういったものにつきましても重点的に事業を促進する河川としてすでに位置づけをしております。以来、都市河川対策を重点的に実施してまいりましたけれども、いまなお都市水害が頻発しておりまして、昭和五十六年度末の都市河川の整備率は、時間雨量五十ミリ対応という暫定目標に対しても三八%となお低い水準にございます。このために、今回の新五カ年におきましても、総合治水対策を初めといたしました、その重点的実施を図ってまいりたい。 それから第二番目に、都市河川以外の中小河川についても水害が頻発しておりまして、その対策が必要でございますが、都市河川以外の一般の中小河川の整備率ということを申し上げますとわずか一五%でございます。第三次の五カ年計画以降におきまして、補助事業の事業費が直轄事業のそれを上回ってまいりました。そういったことからおわかりいただけますように、いわゆる補助事業といいますか、中小河川対策を重点的に実施してきたところでございまして、今回の第六次におきましても、そういった重点執行、効率的執行を図ってまいりたいと思います。 それから第三番目には、昨年も長野県の須坂市で土石流が発生いたしまして、一挙に十名の方が亡くなるというような悲惨な災害がございました。こういう土石流の発生する危険渓流が全国で約六万二千三百渓流という膨大な数あるわけでございますが、その整備水準もやはり一四%程度でございました。新五カ年計画におきましては、こういった整備水準の低さから、土石流の危険渓流の公表あるいはその警戒、避難体制の整備、そういった面をも含めまして、重点的に実施を図っていきたい。 それから四番目は、昨年、北海道の石狩川という日本でも有数の大河川が水害を受けました。そういった大河川のはんらんもいまだ頻発しておりまして、大河川につきましても、整備率を申し上げますと、戦後最大洪水に対応するための整備率というものが五八%である、こういったことからいきますと、全国的にも重要な河川、たとえば利根川とか淀川、そういった流域に膨大な人口、資産を抱えております河川の整備、これが大事であると思います。 それから第五番目には、水資源の開発ということでございますけれども、都市への人口の集中に伴いまして都市用水の需要の増大ということがございます。昭和五十三年には福岡の大渇水という事件がございました。そういったことから考えられますように、需要と供給のギャップがまだある。こういったことから、新五カ年においても水資源開発も重点的に考えていかなければならない。 治水事業は、そういったいろいろな観点がございますけれども、いずれも長期的な視野に立ちまして計画的に推進していかなければならない事業であるということでございまして、現在までもその推進には大変努力をしてきたつもりでございますけれども、第六次五カ年計画を策定させていただきまして、これをまた一つの契機といたしまして、今後それを一層強力に進めるための努力を払ってまいりたい、そう思っております。
○小野委員 第五次五カ年計画まで約十五、六兆円の投資がなされております。 そこで、何が問題点なのかということ、これらの莫大な投資を行ってなおかつ何が問題になったのかということをざっと拾ってみますと、一つは、水循環システムが機能変化したのではないだろうか。それは山地の崩壊で具体的に示されております。それから土砂の流出が出てまいりました。それから下流の水質汚濁が出ております。第三には、中小河川の洪水被害が以前に増して大きくなりました。それから水需要が非常に逼迫してまいりました。五つ目に、川が直線化されることによっていろいろな問題が派生しているのじゃないだろうか。私はこういう問題点が第五次五カ年計画の中で指摘をされておると思います。したがって、五次計画までに発生した、現在持っておるこれらの問題点の要因なり欠点を六次計画の中で是正する方向が示されなければならないのじゃないだろうか、こういう気がして質問しているのですけれども、そういう反省というものが六次計画の中に盛り込まれておるのかどうか、いかがなものですか。
○川本政府委員 ただいま先生から数々の御指摘がございましたけれども、そのいずれもが治水施設整備水準がまだ低いということがやはり根本的な原因であろうかと私は思います。先ほど申し上げたような大河川あるいは中小河川、都市河川あるいは砂防施設、そういったものの整備水準がまだそれぞれ低い数字で終始してきているところでございますので、できるだけ第六次の五カ年計画ではそういった整備水準を上げるという努力をしていかなければいけない。また、重要河川あるいは中小河川、土石流あるいは水資源開発、御指摘のありましたそういった各点の重要対策といったものを第六次の重点として私どもといたしましては考えてやっていくところでございまして、いま先生のおっしゃったそういう問題点をさらに重点の柱として考えてまいりたいと思っております。
○小野委員 昭和二十一年から五十五年までの水害被害状況を見ますと、死者、行方不明、建物全壊、流失、半壊、床上浸水、床下浸水、田畑の流失、埋没、浸水、これらはいずれも治水計画の進捗とともに減少いたしております。問題は、被害総額が昭和二十一年から比較いたしましてもそれほど変化がない。私は、ここにいままでの治水計画の一つの問題点がありはしないだろうかという気がいたします。もちろん流域に人口が密集する、資産が増加する、こういう形から被害総額が減少しないということになっておるとすれば、それに対する対策が十分立てられなければならないのだろう、こう考えるわけですけれども、その点はいかがなものだろうか。局長の考えをお聞きしておきます。
○川本政府委員 戦後の昭和二十一年から昭和五十五年までの水害被害額、先ほども先生おっしゃいましたが、五十年価格で申し上げますと、十八兆九千億円という膨大な額に上っておりますが、その間の治水の投資額というものを拾ってみますと、それをやや下回る十七兆九千億円というふうな低い水準で終わっておるわけでございます。ただ、昭和三十五年からスタートいたしましたこの五カ年計画、第一次から第五次まで、こういったものの推移によりますと、昭和三十五年以降の水害被害額と治水投資額を比較いたしますと、同じ五十年価格におきまして、水害被害額は八兆五千億円、それに対しまして、治水投資額は十六兆一千億円と、約倍ぐらいの治水投資ができておるというかっこうでございまして、やはり三十五年以降のいわゆる五カ年計画がスタートして以後の計画的な治水整備の向上というものは相当のものがあるのではないか、そういうふうに考えております。第六次の五カ年計画におきましても、十一兆二千億円という総投資規模、これの達成というものに対して、私どもが一番の努力をすべきであるし、また、私自身といたしましてもそれに向かって邁進してまいりたい、そう思っておるところでございます。
○小野委員 莫大な投資を行って堤防を建設する。治水事業を進展させる。しかし、これだけの莫大な予算を投下して、なおかつ、回数はもちろん少なくなっておりますけれども、大水害が何年かに一遍は起こっている。それを永久に、千年単位の豪雨にも一万年単位の豪雨に対しても被害がないようにつくるということは不可能に近い事業だ。したがって、予算からくる計画ではなくて、建設省は、いまどういう程度の治水事業を行うか、具体的には堤防をどういう年数の豪雨に耐えられるようなものにつくる、こういう技術的な水準が私は示される必要があるのじゃないだろうか。そういう技術的な建設省の考える治水事業の水準とはどんなものなのか、それに対して、その水準が完成するのは何年度を目途として計画を立てておるのか。もちろん現在の予算からしますと、新経済社会七カ年計画から、公共投資百九十兆円を七カ年で、七で割ってそれが投資される、こういう形で事業が規制されるのは十分わかりますけれども、私は、建設省の立場からいけば、そういう計画だけではなくて、これの水準に対してこれを何年間で計画するという技術的な裏づけがそれに伴わない限り意味がないのじゃないのか。これは永久に堤防を高くするわけにはいかないものですから、その辺の二つの計画の調整といいますか、整合性というものは当然行われておるものだろうと考えます。 そこで、現在建設省が考えておる河川治水事業の最高レベルとはどういう水準を指しておるのか、その点を説明願いたいと思います。
○川本政府委員 私ども、いわゆる河川の治水水準、そういったものの超長期の目標というものはまず持っておりまして、これは、たとえば直轄河川で申し上げますと、一級水系で申し上げますと、河川法の第十六条に規定しております工事実施の基本計画、こういったものを定めておりまして、そういった大河川について申し上げますと、おおむね百年に一回ないしは二百年に一回、こういった程度の確率で生じます洪水に対して安全なようにというふうに考えております。 それから、中小河川につきましては、一般的には時間雨量六十五ミリの雨に対応できるということを一つの目標にしておりますが、その中でも都市河川は、先ほど来お話ございましたように、やはり最近都市河川の水害が頻発しておりまして、都市河川の流域にやはり人口、資産が集中しており、一たん水が出ますと被害が大きいということからややランクを上げまして、時間雨量八十ミリ、こういったものに対して安全なような目標というものを掲げております。 ただ、これにつきまして、こういった目標に対してはなかなか大変なお金がかかるわけでございますので、暫定目標といたしまして、大河川については昭和二十年以降、いわゆる戦後に起こりました最大の洪水を対象といたしまして、また、中小河川につきましては時間雨量五十ミリといった規模の降雨に安全なようにということを対象にいたしまして整備を進めたい、そう思っておるところでございまして、そういった大河川の戦後最大洪水、これに対しましては昭和七十年ぐらいには概成を図りたい。また、中小河川の五十ミリの降雨対象の改修につきましては、都市河川においては昭和七十年で概成をしたい。一般河川はやはりややそれよりはおくれまして、昭和七十年時点では約三〇%ぐらいの完成を目標にしてまいりたい。そういったことをまず頭に置きまして、今回の第六次の五カ年計画を十一兆二千億円という総投資規模を策定さしていただいたところでございます。
○小野委員 戦後最大の大洪水あるいは雨量といいますと、多分私が中学の二年ごろのキャサリン、アイオン台風じゃないかと思います。それから、五十ミリといいますとこれまた莫大な雨量でありますけれども、それを昭和七十年までに概成させる、こういう答弁でありました。 そこで現在の予算額、これは御存じのように新経済社会七カ年計画の中で二百四十兆円が公共投資として予定されておったものが、百九十兆円に圧縮されました。今後この経済計画もますます縮小されるのではないか、こういう心配が出ております。そこで、経済社会七カ年計画の長期計画と治水計画としての五カ年計画と単年度のことしの治水予算と、三者はどんな形になっておるのか、バランスがどのような割合になっておるのか。七カ年計画は確かにりっぱにでき、五カ年計画もできるけれども、単年度の予算がそれらの中長期予算計画とは全然別個な数字で予算化されておるとすれば、これらの計画は絵にかいたもちになります。したがって、それらの実態を説明願いたいと思いますし、昭和七十年までに百年ないし二百年の水害に対応できるような治水事業が実現される見通しがあるのかどうか、御説明願いたいと思います。
○川本政府委員 今回の第六次治水事業の五カ年計画の親計画といたしまして新経済社会七カ年計画というのがあるわけでございまして、新経済社会七カ年計画は昭和六十年度までに公共投資額二百四十兆円を投資するということでスタートしたわけでございますが、五十五年の暮れ並びに五十六年の暮れにフォローアップが行われまして、五十四年から六十二年の前半まで、八年半の間にその二百四十兆円を投資するということになりました。これに対応いたします治水部分の投資額が十四兆二千億円であったわけでございますが、これを八年半の間に投資する、そういうことで、五十七年度以降は一定の年平均伸び率で達成する場合の六十一年までの投資額が十一兆二千億であるというかっこうで、いわゆる新経済社会七カ年計画のフォローアップとの整合を図って設定したわけでございます。新五カ年計画につきましては、昭和七十年度までに、先ほど申し上げたような大河川を戦後最大洪水におおむね対応する、あるいは都市河川については時間雨量五十ミリの降雨に対応するとか、そういったことを長期目標といたしましてその実施を図ってまいりたいと思っておるわけでございますが、単年度の予算の関係という御指摘がございましたが、前年の予算につきましても、中期目標でございますこの五カ年計画を達成するために必要な予算を確保することが不可欠でございますし、財政事情はきわめて厳しいところでございますが、治水事業の重要性、緊急性にかんがみまして、あらゆる機会を通じてその確保に全力をふるってまいらなければならないと思っております。 しかし、五十七年度の治水事業予算の伸びが一%でございました。五カ年計画の年平均伸び率は、五十六年度ベースでいきますと九・四%になっております。それに比べますとことしの予算は確かに伸びが低うございますが、しかし、治水事業が非常に基本的な根幹的事業である、緊急性があり、また重要性の高い事業であるということから考えまして、今年はすでに事業の前倒し発注も行われておるところでございますけれども、下半期云々の議論もございますが、そういったことも、あらゆる機会をつかまえまして、その達成に対して努力していかなければいけないと思っております。
○小野委員 これから残された三年間の増加率も一三%以上なければ達成できない、こういう背景が明らかになっておりますので、局長とすればその辺の答弁しかできないと思いますし、私の方も一層の努力を願いたいと要望する以外に言葉がありませんので、一層の御奮闘をお願いしておきます。 問題は長期計画ですけれども、長期計画を見ますと、わが国の経済計画は、最初は昭和三十一年、鳩山内閣のときの経済自立五カ年計画から大平内閣の新経済社会七カ年計画まで九回つくられておるようです。しかし、一つとして満了した計画がない。したがって、いつでも五カ年計画は縮小した形で仕事をさせられるという形になっているように私には思われるのです。 そこで、長期計画というのは果たして必要があるのだろうか。むしろいま建設省の河川局が持っておるように、昭和七十年代に戦後最大の水害、台風被害に対処するような治水事業を何年間で行う、これに対して年次割りした予算をいただく方がよほど実質的ではないかと私は思うし、国民の方もその方を信ずるのではないのか。いつ長期計画を立てましても期間が縮小され、予算は縮小されるという形にしかならないわけです。長期計画に対する、経済計画に対する不信が国民の中に非常に大きくあるのですけれども、実際に担当しておる皆さんとすれば、やはり経済計画がなければ皆さんの事業というのは進展しないのかどうか。むしろ国民の方を混乱させるだけじゃないのかという要素も非常に多いのじゃないかと私は感ずるのですけれども、その辺、現場におってどうお考えになり、どう感じておられますか。
○川本政府委員 長期計画あるいは経済計画はいままでに何度か改定がされておりますが、これは国全体の中での公共投資の配分が決定されておるところでございまして、私ども治水事業につきましては、その中ででき得るだけ大きいシェアを確保するようにいままでも努力してきたところでございます。二百四十兆円の中で十四兆二千億円ということになりますと、五・九二%ぐらいになろうかと思いますけれども、そういった中で、たとえば交通問題あるいは農業基盤整備、いろいろな各種の公共投資の中で、治水はどの程度の位置づけがなされるべきかということを決めておるのが経済計画であろうかと思っております。 そういったことから治水五カ年計画が、毎次の五カ年計画が策定されてきておるところでございまして、第五次の五カ年計画におきましても、そういった観点から策定されておったわけでございまして、七兆六千三百億円の第五次の五カ年計画の中で治水事業の本体が五兆八千億円余でございますけれども、そういったものの達成率は第五次の五カ年計画につきましては名目では一〇〇%達成できておるというところでございますが、第六次の五カ年計画におきましてもそういったことになるように努力していかなければならないと思いますし、また、経済計画あるいは長期計画、今度国全体としてのそういった計画がいろいろとこれからも議論されることもあろうかと思いますけれども、その中での治水投資といったものは十分な額を確保するように努力していきたいと思っております。
○小野委員 建設白書の中でこういう書き方をしております。「治水施設の整備を図り、河川の安全度を高めることが急務となっているが、市街地における河道の拡幅、堤防の嵩上げ等の実施については、用地取得上の困難があり、さらに多大の予算と時間を必要とするため、流域の開発の速度に対応させて遅滞なく治水施設を整備することは困難な状況にある。」したがって、水害なり災害に対しては緊急対策を早急に立てておく必要がある、こういう指摘がありますけれども、七十年までに戦後最大の水害に対応する治水事業が完成しない間、どのような緊急対策を建設省としてはお持ちなのか、その点の説明を願いたいと思います。
○川本政府委員 確かに治水の整備目標を定めて、それに対して水準を上げるように年々努力をしておるところでございますけれども、特に都市部におきましては、資産の集中、あるいは人口の集中といったことから、年々都市河川による被害というものが発生しておるところでございまして、そういった都市河川対策の緊急的な対応ということも必要でございまして、当然のことながら治水整備、河川改修、そういったものを進めなければいけないことは当然でございますけれども、都市河川の対策といたしまして、やはりその中で住民の方々に治水の整備の現況を十分認識していただくということもまず必要かと…うことで、特に都市化の進展の著しい河川につきましては、総合治水対策ということも現在実施しているところでございます。そういった総合治水対策と申し上げるものは、片方でわれわれのサイドから申し上げますと、いわゆる治水事業費を十分確保いたしまして、できるだけその促進を図っていく、それをおおむね十年ぐらいを目標にいたしまして計画的に推進を図っていく、集中的に投資をしていくということが一つございますし、また、流域の持っております保水機能、遊水機能、そういったものをできるだけ確保しておきたい、そういった対策といたしまして、もちろん治水事業の中でも遊水地、雨水貯留池、そういったもののいわゆる流域貯留といったものに重点を置いた改修計画を立ててやりますし、また、それ以外に流域の中でたとえば公園を遊水地に一時使うとかというふうなことも含めまして、一つの例でございますが、そういったものも含めまして流域の貯留を確保していきたいということをその総合治水対策の中で実施しておるところでございまして、また、あるいはその流域のはんらんの実績、そういったものを公表いたしまして、住民の方々にそういった過去の実績を知っていただいて、いわゆる治水に対する認識を深めていただくということをやっておるというふうなことを含めまして、流域の河川のサイドの担当者だけではなくて、その流域の土地の利用者、開発者、そういった立場の方々も含めた、市町村全体を含めました流域の協議会というものをつくって、その中でコンセンサスを得ながらそういった総合的な対策を進めていくということを現在実施しておるところでございます。
○小野委員 昭和二十二年の戦後最大の台風の水準、これに対応した治水工事ということになっておりますけれども、昭和二十年以降の河川工事あるいは水かさが増す条件を考えてみますと、道路が舗装されておる、それから遊水地が非常に少なくなっておる、それから減反政策が大幅に実行されておる。資料を見ますと、少なくても一ヘクタール一千トンの保水能力を田が持っておった、これが百万ヘクタール、二百万ヘクタールと減反政策によって消滅することによって、河川に一気にそれらが出てくる。そういう河川に集中する、少なくても遊水機能が消滅することによって出てくる条件が重なっておるわけですから、同じ雨量が降ったとしても、戦後最大の水害よりもまたより水かさが増すだろうと考えるのですけれども、それらは十分建設省の考える治水対策の中には加味されて計画されておるのですか。もしないとすればやはりそれらは十分配慮していただかなければならないと考えるのですが、どうです。
○川本政府委員 お答えいたします。 流域のそういった浸透作用といいますか、あるいは貯留作用、そういったものが都市化の進展あるいは流域の開発とともにだんだんと失われていっておるということも事実でございますが、ただいまその一つの例として減反による遊水機能といいますか、保水機能、そういったものの減少ということを御指摘になりましたけれども、従来、水田であればその水田の有しておりましたそういった機能が失われまして、洪水の流出量が増大してくるということが確かに現象としてあらわれてきたわけでございます。このような川につきましては、その実態が明らかな河川につきましては、当然のことではございますが河川改修計画の中にそういった流域の変化といったものを予測いたしまして、それに対応する計画を立てておるというのが実態でございますが、緊急的には河川の整備が進むまでの間というふうなことで、たとえば農地からのポンプ排水を河川の洪水のピークのときにはとめていただくとか、川の中へポンプで水を入れる、そういったものの対応を臨機的に考えていただくといったようなこともやっておるところでございまして、基本的には先生御指摘のようなことにつきましては、河川改修計画の中に取り入れて、現在、治水整備を進めておるというところでございます。
○小野委員 次に、水需要対策についてお尋ねしますけれども、政府の長期計画の水需要を見ますと、昭和六十年度の必要量は、工業用水三百四十二億トン、生活用水二百四億トン、計五百四十六億トンとなっております。ところが、五十年−五十四年の水需要量を比較してみますと横ばい状態だ。六十年度の水需要目標量と比較すると非常に大きな乖離が出てまいりまして、もちろん水需要が減るわけじゃありませんから多目につくっておくことは必要だとしても、六十年の計画に対応した水計画が、それに見合った投資を行う緊急性がいまあるのかどうか、より大きな緊急性のある方に投資する方がいいのじゃないかという議論は当然出てまいりますけれども、いま国土庁の方は、六十年の水需要予想量、これをどのように計算、把握しており、それに対応する計画を改める考えがあるのか、いや改める必要がなく最初のとおり実行する、こういう計画なのか、現状と将来に対する計画をお尋ねいたします。
○高秀政府委員 お答えいたします。 まず初めに水需要の現状について御説明を申し上げます。私ども手元に現在、昭和五十四年までの確定値を持っておりますので、最近ということで五十年から五十四年までの実情を申し上げますと、家庭用水と都市活動用水を足して生活用水というふうに言っておりますが、この分につきましては、給水人口が年平均伸び率でこの五カ年に約一・八八%伸びております。水の方は年総量において三・五%、五十年から五十四年までふえておりまして、五十四年現在で年間百十億トンということになっております。 それから工業用水につきましては、工業出荷額が同じ五十年から五十四年の年平均で七・一%増加いたしておりまして、工業用水の淡水の使用水量としては年平均伸び率が三・六%、五十四年の年間で五百五十九億トンということになっておりますが、淡水の補給水量で見てまいりますと、回収率の向上であるとか水使用の合理化の進展、産業構造の変化というようなものを反映いたしまして、年平均伸び率で二・二%の減少ということになっております。 これらによりまして、都市用水全体としては先生いまお話しのように、年総量において五十年以降はほぼ横ばいの傾向にあります。しかし、東京都であるとか大阪府、大阪市等、主要な水道事業体のその日最大給水量というようなもので、五十六年は五十五年に比べますと五%ないし七%の伸びを示しておりまして、水の使用形態が変わってきたのか、現在検討をいたしておりますけれども、だんだん夏の最大の使用水量がふえてきているということが実態でございます。 それから、今後の私どもの考え方ですが、生活用水については水使用の合理化の進展が見込まれますけれども、総人口の増加であるとか水道普及率の向上、生活水準の向上、水需要の増加が見込まれるのではなかろうか。さらには、いま申し上げましたような夏の最大の給水量がふえるのではなかろうか。工業用水につきましては、回収率の向上など水使用の合理化については限界傾向が見られます。今後の産業発展等に伴って水需要の増加が見込まれるのではなかろうか。また、農業用水につきましても、いまお話も出たような水田面積の減少であるとか、農業用水合理化事業の実施等による需要の減少が見込まれますけれども、反面、畑地灌漑施設の整備であるとか畜産用水の増加によって全体的にはふえていくのではなかろうかというふうに考えております。 〔委員長退席、住委員長代理着席〕 しかしながら、先生お話しのように、私ども昭和五十三年に長期水需給計画を立てまして、昭和六十年あるいは六十五年度のバランスを見ておりますけれども、その後のいろいろな社会情勢の変化がございますので、私どもといたしましては、この長期水需給計画は第三次全国総合開発計画をベースにいたしておりまして、この三全総につきまして国土庁はいま御承知のようにフォローアップをやっておりますので、水につきましてもその検討をいたしております。したがいまして、この計画の改定につきましては、三全総のフォローアップ作業の結果を見ながら検討をしたいというふうに考えております。
○小野委員 次に、最初政務次官によく聞いておっていただきたいと思うのですけれども、北上川の清流化事業、中和対策事業、これが非常におくれております。というのは、御存じのように北上川は流域が東北で第一の大きな川であり、全国でも第四位の非常に地域に密着した、産業発展、経済文化に大きく貢献する川であります。ところが、明治の初期に松尾というところに硫黄鉱山が開発されまして、戦争中のあるいは戦後の食糧対策などで非常に乱伐、乱開発されました。回収硫黄が出てまいりまして採算割れして昭和四十七年に閉山いたしました。要するに、鉱害発生源である会社がなくなったわけです。坑廃水から出てまいります汚水は、北上川を御存じのように赤くしてしまいました。それを緊急に中和しなければならないということで工場が建てられました。その工場の管理主体はどこが行うべきかということで、政府の五省庁が集まって検討しましたけれども意見の一致を見ることができず、とりあえず昭和五十二年に岩手県はこの事業に着手いたしました。そのときの条件としては、国が責任を持って管理を行うという附帯条件をつけまして、緊急性にかんがみ着工いたしたのですけれども、その後非常に、管理主体が決まらず長い間混乱をいたしました。現状はどうなっておるのか、その現状報告を最初に求めます。
○前川説明員 お尋ねの北上川の中和処理施設の維持管理の問題でございますが、具体的な点はこれは通産省の方でむしろ所管をいたしておるわけで、先生もその点御承知いただいておるとおりでございますが、私ども承知しております点、先ほど御指摘の中にもございましたように、昭和五十二年、施設の建設にかかります際に、維持管理の体制については引き続き検討するということで、関係五省庁及び県を含めましていろいろ協議検討がなされてきたわけでございますが、いよいよ施設の完成を間近に控えまして、昨年暮れ、関係者が相寄りまして一つの結論に到達いたしたわけでございます。その結果、ことし一月一日から金属鉱業事業団に総合試運転を県から委託をいたしまして、それが三カ月間実施されました後、引き続き四月一日からは県からの依頼によりまして同じく金属鉱業事業団が維持管理をいたしまして、本格運転を開始している、そういう状況にあるわけでございます。
○小野委員 この中和工場の管理主体はどこになる予定ですか。すでにもう管理主体が決定しておるとすればその経過、どういう法的根拠で岩手県が行わなければならなくなったのか、自治省側から見た説明を求めます。
○前川説明員 管理主体のあり方につきましては、これはいろいろ議論があるわけでございますが、昨年末の結論に到達いたしました状況といたしまして、北上川の水質汚濁防止対策につきましては、その重要性、緊急性が非常に高いということでありまして、これをいっときもゆるがせにできないという見地から、国と岩手県が協調してこれに当たるということを基本とすることに相なったわけでございまして、新しい中和処理施設の維持管理は、そういうことで県からの依頼によって金属鉱業事業団が実施する。これは言ってみますれば、私どもといたしましては当面の現実的な処理としてこういう形、つまり国、県それぞれが協調してその事業を進める、こういうやり方も一つのやむを得ない現実的な対応の方法であるというふうに理解をいたしたわけでございます。
○小野委員 大臣、鉱山の許可権は一切国が持っておりまして、水質汚濁に対する検査、差しとめその他も一切国が持っております。にもかかわらず、中和工場の管理主体は地方自治体が行うことになりました。鉱山の許可権も水質に対する許可権もすべて国が持っておるのに、地方自治体がその後始末をしなければならないということはまことに不合理だ。私はここに大きな問題があると思います。そこで、これから万一大きな事故があった場合、国が責任を持つべきものなのか県が持つべきものなのか、その点をひとつ説明願いたいと思いますし、設備の更新期になった場合にこの費用はどちらが持つべきものなのか、この二つをまず答弁願いたいと思います。
○前川説明員 お尋ねの、万一事故が発生した場合にどう対応するのかということでございますが、私どもが承知いたしております県と事業団との委託契約によりますれば、緊急を要するものについては事業団が対応することになっておりますが、その他の問題につきましては、これはやはり関係省庁の協議の場でその対応策についても検討いたしていくということになっているわけでございます。 それから施設の更新の問題でございますが、これも通産省の補助制度のあり方とのかかわりにもなるわけでございますが、現在の制度のもとにおきましては施設の更新も補助対象になるというふうに私ども承知をいたしております。
○小野委員 ランニングコストは年に十億かかります。現在四分の三の国の補助がありますけれども、この法的根拠は何もありません。要するに行政改革が進んでおって補助事業の大幅な削減が出てまいりますと、当然法的根拠のない補助費は削減の対象になることは明らかであります。そこに一つの大きな不安があります。したがって、自治省にお尋ねしますけれども、この四分の三の補助というものは、自治省とすれば絶対に地方自治体を守るという立場から削減させない、なくさせないという強い立場をずっとこれから維持できるかどうか、ひとつ決意のほどをお伺いします。
○前川説明員 維持管理費の問題は、私どもも非常に大きな関心を持っております。特にこの施設の維持管理に要する負担は財政面でも大きな負担でございます。私ども現行の四分の三の補助制度が維持されることを強く期待をいたしておりますし、また、毎年度の予算要求の査定等におきましても、この趣旨が実現されるように関係省庁の動向には関心を持って、関係省庁に要請をしてまいりたいと考えております。
○小野委員 環境庁にお尋ねしますけれども、坑廃水の鎮静化の可能性というのですか、これは技術的に見ていかがなものでしょう。年に十億の中和費用が今後永久に続くとするならば、相当の費用をかけても恒久対策を立てた方が結局は安上がりになるのではないのか、私はそういう気がいたします。そこで、いままだ研究段階だとは思いますけれども、この坑廃水の中性化の見通しあるいは技術的な対策、これに対する今後の見通しをもしお持ちであるならばお聞かせ願いたいと思います。
○長谷川説明員 先生いま御指摘のとおり、その点につきましては関係省庁で検討、研究を行っているところでございまして、現状としてその成果がどう出るかということについてははっきりいたしておりません。
○小野委員 政務次官、お聞きのように、北上川の管理者、責任者は建設省であります。しかし水質については建設省の方は発言権がないということでほっぽり出されております。したがって、中和対策事業が以上のような観点から不安な予算関係にある。国の方は大丈夫だと言ったとしても、法的根拠が、裏づけがありませんので、岩手県民、岩手県は心配いたしております。したがって、どんな情勢の変化があったとしても、四分の三の補助、設備更新、万一の事故の場合には国が責任を持ってこれを処理する、こういう裏づけを政府の方針としてしっかりしていただくことがいまわれわれにとって最大の要望である、こう私は考えておるのですけれども、改めて次官として、いままでの質問の中から決意のほどをお伺いしておきます。
○村岡政府委員 小野先生からいろいろ北上川の問題で御指摘がございました。私も隣の県でございまして、私どもの方でも玉川毒水という問題がございます。いま自治省の御答弁がございましたが、いま初めてで、ございますので、自分の県にとりましても、また、私も草津のダムを視察したこともかつてございます。この毒水の中和の問題、小野先生の意を受けまして、建設省としてはどう対応するべきかということを今後よく検討してまいりたい、こう思っております。
○小野委員 自治省に一言言っておきますけれども、地方自治体に責任のないものを地方自治体の責任で処理しなければならなくなった、前例になったと思います。この前例は、今後いろいろな問題が派生した場合に、非常に地方自治体の財政負担となってあらわれてまいります。岩手県のような地方自治体に責任を負わせた処理の仕方は、少なくとも今後一切しないというような決意を内部で十分固めておいていただきたい、こう思います。 以上で終わります。
○住委員長代理 木間章君。
○木間委員 法案の審議に参加をするものでありますが、開会直前に国会運営等の関係から若干時間が詰まっておりますので、中身を選択しながら順次ただしていきたいと思うのであります。 わが国は南北に長い山岳地形から成り立っておりますし、加えて降雨量が大変多いことから森林を生み出してきたのであります。そして、その森林は南から北へと気温の変化に応じまして、暖帯林あるいは温帯林、そして亜寒帯林と分布をさせてまいりましたし、国土総面積三千七百七十万ヘクタールの中でも約三分の二に当たる二千四百七十万ヘクタールが森林で覆われておるのであります。したがいまして、こうした自然の生態系は、国土保全、水資源の涵養あるいは保健休養の場の提供など国民生活に大きくかかわってきましたし、またその役割りも大であった、このように私は考えるものでありまして、したがいまして、その自然は私たちの生活に、住居あるいは道具、燃料、そういったものについて木材を使うことを教えてくれたと思うのであります。当然のことながら私たちの先人は林業をわが国の産業、経済、文化すべての中心に据えてきましたし、そのための森林保護の政策を進めてきたのでありました。しかし、私たちの世代になりまして高度経済成長政策を生み出した結果、林業の経済性を失わしめたと申しましょうか、山を疎んずる思想が広まってまいりました。同時に、開発の波もまた山を荒廃させることに拍車をかけてきたと思いますし、そういった点では今日森林の持つ社会的あるいは公益的機能は危機に瀕しておる、こう言わざるを得ないのであります。そうはさせじと農水省、建設省はそれなりに治山治水の事業に計画を立てながら取り組まれてはおりますものの、見方によっては、災害の対応についてはなされておるけれども、本来の自然の生態系を守るということについてはむしろ私どもの期待とは違っておるのじゃなかろうか、このように私は見ておるわけでありますが、今日、治山治水のための仕事をやっておいでる建設省あるいは農林水産省の所見をまずただしておきたいのであります。
○川本政府委員 お答えいたします。 国土の開発、それから治水事業、こういったものの関係につきましては二つの側面があるというふうに私ども考えておりますが、一つは、河川流域が開発されることによりまして洪水の流出量が増大する、また、それとともに洪水の下流への流達時間が速くなりまして、したがって洪水のピーク流量が増大するという側面があります。また他の一つは、洪水がはんらんしておりました地域にも人家が集中する、そういったことによりまして被災対象そのものが増大いたしまして、水害被害が増大するという側面がございました。また一方では、本格的な治水事業を進めることによりまして、洪水に対して安全な国土がふえました。それが限りある平地の高度利用を促進いたしまして、わが国の発展を支える一翼を担ってきたということも事実であろうと思っております。 今後わが国の安定的な成長を図りますためには、国土の開発に対応することはもとよりでございますが、これに先行した治水対策を実施することが必要なことであるというふうに考えておりまして、そういったことのためにも今回策定いたしております第六次の五カ年計画の計画的推進を図ることが一番緊要なことだろうと思っております。そういった観点で、今後一層努力してまいりたいと思っておるところでございます。
○秋山政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、わが国は急峻な山地が非常に多うございますし、そこに人口が稠密であるということでありまして、国土の約七割が森林でございますので、この森林の持っております国土保全機能というのはきわめて重要であると私ども認識しております。 そこで、森林には、国土保全機能はもちろんでありますけれども、さらに水資源涵養もございますし、木材生産機能もございますし、森林レクリエーション機能その他いろいろの機能を持っておりますので、私ども今後こういうふうな各種の機能を総合的に高度に発揮して、国民の皆さんの要請にこたえていくということが私たちの使命であるというふうに考えております。 そこで、農山村の安全な林業活動を確保するに当たりましては、そのベースになります林地の基盤を確保するということが重要でございますので、これは申すまでもなく治山事業であるというふうに理解をいたしまして、これまでもそういう基本方向でやってまいったわけであります。一方、高度経済成長下におきましては、先生も御指摘ございましたが、一部の森林の乱開発の懸念が出てまいりまして、四十九年に森林法を改正いたしまして、普通の林地につきましても林地の開発許可制度というので対応してまいっておるところであります。 私ども今後におきましてもただいま申し上げましたような各種の森林の持っております機能を整備するために、まず一番基礎になります治山事業でございますが、これを第六次の治山五カ年計画におきまして計画的に実施していくことが大前提でございます。それをベースにいたしまして、さらに造林とか林道とか林業構造改善、さらには林業の担い手というような面の対策を十分講じまして、森林が活力ある状態で整備され、その機能を発揮できるようにしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○木間委員 開発と保全の問題については後ほどまたお尋ねを申し上げたいと思うのでありますが、まず林野庁の担当に国有林野の問題があります。この問題について若干ただしておきたいのであります。 治山事業は、いま長官もおっしゃられたように、荒廃地の復旧とか災害等の予防あるいは水資源の涵養等々の任務があるわけでありますが、国有林野はそういった山地の中でも約三割を占めておるのであります。まずこの国有林野の役割りといいましょうか、使命は一体何なのか、お尋ねをしたいのであります。
○秋山政府委員 国有林野は、先生御指摘のとおりわが国の森林面積の約三割を占めておりまして、これは国民共通の財産でございます。 国有林野事業は、この国有林を管理、経営いたしまして、国民経済並びに国民生活のそれぞれの時代の要請にこたえていくように鋭意努力してまいっておるわけでありますが、特に使命として私ども三点考えております。 その第一点は、林産物の計画的な持続的供給でございます。第二は、先ほどもちょっと触れましたが、脊梁山脈地帯が多い関係もございまして、特に国土の保全、水資源涵養、自然環境保全、形成さらには保健休養の場の提供というふうないわゆる公益的機能の発揮という使命でございます。第三点は、国有林と地域に所在する市町村の産業との関係でございますが、私ども国有林野事業の活用あるいは国有林野事業のいろいろな活動を通じまして地域の産業活動に寄与し、山村振興に寄与してまいりたいということで、三点を特に重点といたしまして現在管理、経営活動をしておるところでございます。
○木間委員 確かに国民生活に深いかかわりを持つ森林のことでありますから、林産物の生活への提供とか山村地の振興等に大きな任務があろうと思いますが、私は何といっても、森林と私どもの社会生活全体を考えたときに、林産物の提供の面はあるといたしましてもやはり限界があるのじゃなかろうか、このように考えられて仕方がないわけです。かつて国有林は大面積皆伐といいましょうか、全山まる坊主にされた時期がありました。当時ははげ山を見たら国有林だと思え、こういうお話も聞いたのでありますが、その後どのように対応されてきておるのか、そういった反省等がなされておるとは思いますが、いまの状況についてお示しをいただきたいのであります。
○秋山政府委員 先生お話しのとおり、最近国有林野事業をめぐる諸情勢が変化してまいっております。私ども、国有林野の森林の施業取り扱いをするに当たりましては、昭和四十八年に国有林野における新しい森林施業を定めまして、森林の持っておりますところの公益的機能あるいは木材生産機能という各種の機能を高度に、また総合的に発揮し得るように森林の取り扱い方を実は決めたわけでございます。 具体的に二、三申し上げますと、先生いま御指摘ありましたが、かつては確かに私ども皆伐の面積を相当広くやった経緯もございますが、皆伐する個所につきましてもできるだけ分散をする、それから一伐区ごとの伐採面積も縮小する、さらには自然景観、土砂の流出防備という面から保護樹帯をできるだけ設けていくとか、また、亜高山帯地帯につきましては国土保全、自然景観の維持というふうな面が特に強うございますので、天然力を大いに活用いたしました天然林資源の択伐作業というようなことで、皆伐から択伐に相当切りかえをしてまいっております。もちろん貴重な動植物の保護だとか、学術研究または国民の自然休養の場に提供するというところにつきましては保護林あるいはそれに準ずる取り扱いをいたしまして、特に公益的機能をさらに重視した形で現在森林施業を取り扱ってまいっておるところであります。
○木間委員 しかし私は、今日の運営の中には大きな矛盾を持っておると思うのです。先ほど長官がおっしゃられたように、林産資源の国民生活への提供という任務は確かにありますが、しかしその要請が強いからといってどんどん切り倒していくことについてはいかがなものでしょうか。 〔住委員長代理退席、委員長着席〕 また、その証左に林野会計が特別会計の仕組みになっておるのであります。戦後間もなく特別会計の制度が発足をしたのでありますが、当時は資源をもっともっと活用したい、あるいは戦争のために焼け野原になった、その中で国が再建されなければならない、いろいろな要素があったと思います。また、当時の経済状況からいっても、林野事業は十分採算に合った時代でもあったろうと思います。しかし高度成長の時代を過ぎて、今日では森林事業というのは独立採算的にはなかなか時代に合っていない、こう思うものであります。 まず、今日特別会計事業で運営されておりますが、その特別会計制度としたゆえんのものをお尋ねしたいと思うのであります。
○秋山政府委員 国有林野事業を進めるに当たりましては、私ども施業計画を立てて計画的に伐採し、計画的に造林するということで現在実行してきているわけでございます。 そこで、国有林野事業特別会計といたしましたのは先生御承知のとおり林政統一以降でございまして、これは管理、経営から上がります収入を森林造成に計画的に投入していくということももちろんありますし、また国有林野の管理、経営を企業経営の経理原則に基づきまして、経営成果を正確に把握して効率的に運営するという趣旨でこれが決められたものでございます。
○木間委員 資料によりますと、国有林野の中でも人工林と天然林に分けておるのでありますが、特に人工林は大変樹齢が若い、まだ二十年そこそこだということにもなっておるのであります。したがいまして、いま林産物提供のために伐採をされておるのは主に天然林じゃないだろうか、このように私は見受けるわけであります。そういった中で、国有林野の特別会計の予算書を見ておりましても大変大幅な伐採を見込んでおります。たとえば天然林野の中での蓄積は六億三千四百七十万立方、このように資料も出しておりますが、いま事業会計で見込んでおります販売量等々を比較いたしますと、四十年前後で全体を切り倒してしまう計算になるわけであります。 したがいまして、この特別会計の今日的な中身は、国有林野を伐採をして利益を求めることに終始されておるのではなかろうか。もっとも、それは一般的な資源と同じようにとらえればそれなりに意味はあろうと思いますが、先ほどからも言っておりますように、わが国が成り立ってきた、この地球丸が存在をしてきたゆえんのものは、やはり自然をそのまま残すことが使命じゃないだろうか。特に国有林野の使命はそこにあるのじゃなかろうか。ですから、切ることが目的ではなくて、水資源の涵養やあるいは生活そのものを守っていくのだ、こういう立場に立たなければいけないのじゃなかろうか、私はこのように考えられて仕方がないのです。しかし、長官もいみじくも言っておいででありますが、どうも切ることが一つの使命のように予算書を見る限りは考えられて仕方がないのです。そういった点では、やはり特別会計にしておることが今日的な中では無理じゃないだろうか、私はこのように指摘をせざるを得ないのでありますが、長官のお考えをお尋ねしたいと思います。
○秋山政府委員 まず私、第一点申し上げたいのは、森林を適切な状態に管理し、活力のある状態で維持することが森林の各種の機能を最高度に発揮し得る状態になるとしますと、適切な管理が必要である。そうしまして農山村に人が定住し、土地生産業に従事しながらこれを管理事業にしていくということが、長い目で見ますと森林を適切な状態で管理するのにきわめて重要なことであると私は思います。そうしますと、林産物に、農山村の皆さんの多くが従事しているわけでございますので、その地域の農山村の産業振興に寄与するというのが国有林としてはきわめて重要だろうと思っております。それも重要な仕事の一つであるというふうに考えておるわけでございます。 そこで、昭和三十年代におきましては外貨も非常に少のうございまして、外材もなかなか入ってこない。一方におきまして、わが国の木材需要が相当急激に増加いたしましたので、国有林もそれに対応するべく事業活動をやってきたことは事実でございます。そこで、要員等につきましても当時増加いたしましてやってまいったのですが、当時は収支はおおむね均衡していたわけでございますが、先生もさっき御指摘ございましたように、国有林は天然林が確かに多うございます。しかしながら、一方におきまして明治三十二年以来特別経営事業というふうな大事業で原野に一大造林事業をいたしまして、これが特に西日本に多うございますが、造林されまして、それが伐期に到達している森林もございますので、そういう人工林の伐期到達林分を伐採し、また天然林の更新緩和地域も伐採し、活力ある森林に更改するというような事業をしてまいっておるわけでございますが、最近は確かに資源の構成上からの問題あるいは公益的機能をより充実するというふうな側面ももちろんございます。そういうふうな考え方から森林の取り扱い方を改善いたしましたので、伐採量も縮減いたしまして、現在国有林野事業の財務事情は赤字で推移してまいっております。 そこで、五十三年に国有林野事業改善特別措置法の法律を制定いたしまして、収入の確保、要員の適正化、事業運営の能率化というふうな実績努力をいま鋭意しているわけでございますが、それと財政援助措置と相まちまして、経営改善に現在鋭意努力しているところでございます。したがいまして、現段階におきましては、当分の間はやはり外部資金に依存せざるを得ない情勢もございますけれども、経営改善努力と、さらには戦後植えられました造林地等が伐採対象になる伐期に到達いたしますと、収入も逐次増加してまいりますので、収支の均衡もこの改善特別措置法でチェックしながら、これをできるだけ早く実現するように現在努力しているところでございます。
○木間委員 国の各省庁は税によって今日運営されておりますが、そういった中で林野庁の会計だけが特別会計として自助努力、内部努力が求められておるのであります。したがいまして、無理やりに木を切るなどして自主財源を求めるというのが強くあらわれておると私は思います。 そういった中で、昭和五十三年にも、あるいは今年春にも林野庁の統廃合もなされてきましたし、また、人員の縮減も行われてきたのでありますが、私は、本来国有林の持つ使命というのは、自然環境を保護することが大きな任務だ、こう信じて疑わないわけです。もっとも、その中で山の再生という任務もありますが、しかし四十年周期で自然林を伐採をしていくなどは、私は断じて認めるわけにはいかぬわけです。また、国有林野の中に皇居前の松並木等も含まれておると思いますから、ああいったものも含めて四十年に一遍伐採をするなどということはゆゆしきことだろう、こう私は思っておりますので、他の会計からの投入などについても今後より一層の努力をして、国有林野の持つ自然環境を守っていくという面での任務をぜひ果たしていただきたいと思うのであります。 次に、森林問題でいま少しお尋ねをしておきたいのでありますが、四十七、八年ごろの土地ブームのときに林地の取得もどんどん行われていきました。そういった点では開発を夢見ていると申しましょうか、投機の対象にと、林業に直接携わる以外の皆さんが林地へ土地所有者としてなだれ込んだ時期があったわけです。それが今日の山の荒廃の一つの問題を醸し出しておるんではなかろうか、こう実は指摘せざるを得ないのです。たとえば四十八年前後のこういった土地ブームは、特に企業を中心に不在地主がふえてきておるのであります。不在地主が所有している森林面積は私有面積の一九%にも及んでおります。また、そういった中で直接企業が林業を主業としている人たちもいないわけではありませんが、しかし、それらの数は大変少ない比率でありまして、特に多いのは金融あるいは不動産業、こういった方々が二二%、サービス業が一七%、一般製造業が一七%・となっておるのであります。しかし、これらは大規模開発がだんだん困難になってきた、こういったことからほとんど今日手つかずの状況になっております。それは一面評価すべき面もありますが、しかし逆に手入れがなされないという大変残念な問題にもなっていくわけであります。こういった不在地主の対応がさらに山を破壊させないようにぜひ手だてをやっていかなければならないと思いますが、そういった点についての今後のお考えをお尋ねしておきたいと思います。
○秋山政府委員 森林の持っています各種の機能を確保するために、従来から保安林の制度でやってまいりましたが、先生いまお話しのありましたように、昭和四十年後半から非常に開発ブームに乗りまして林地の開発の懸念が出てまいりまして、先ほどもちょっと触れましたが、昭和四十九年に森林法を改正いたしまして林地開発許可制度を創設しまして、開発等の規制を行ってまいっておるところでございます。 そこで、この開発許可の実績を見てまいりますと、昭和五十年に一万二千ヘクタールございましたが、五十五年に七千ヘクタールと非常に減ってまいっております。また、売買取引の実績も見てまいりますと、昭和四十年代の後半がピークでございますが、その後だんだんと鎮静化してまいりまして、現在では大体当時の三分の一程度に実は下がってまいっております。 そこで、やはりこの不在村の森林所有者、特に昭和四十五年から五十五年の十年間に約五十万ヘクタールくらい移動した部分があるようであります。この部分につきましては、やはり適正な森林の取り扱いをいたしまして、管理を適正にして、森林の持っておりますところの各種の機能を整備充実するということはきわめて重要でございます。また、活力のある山村を振興するという面からも、これはきわめて重要なことでございまして、私ども、まずはこういう森林につきましては、森林組合等によるところの施業の受託ということを積極的に進め、また、その森林組合が施業受託するに当たりましては、それがやりやすいような助成措置を、特にここ数年積極的に取り組んできておりますので、そういう措置をこれからも積極的に活用いたしまして、この森林がいい状態に持っていけるように努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○木間委員 長官は、最近の林地の移動状況は比較をすると過去よりも減ってきた、こうおっしゃっておいでるわけでありますが、私はそのことを言っているわけではありません。また、四十七、八年のペースで進んでおったら大変なことになるわけです。やはりあの土地ブームのときに入手された方々がそのまま残って、今日、山の荒廃にもつながっておる、このことを申し上げておるわけでありますから、最近減ってきたからいいわいということでは決してありませんから、現在不在地主がそのまま残っておるわけでありますから、ぜひそういった点の対応をきちっとやっていただきたいのであります。 次に、この森林問題で、今後の育成のために大変重要な任務に間伐、つまり間引きという作業が出てくるわけであります。しかし、近年の林業あるいはそれにかかわるいろいろの事業関係が非常に悪化をしてきておると申しましょうか、高度経済成長の中では、五十年、六十年、長期の事業でありますから、ついていけないといいましょうか、そういった点では山村の過疎化が大変進んでまいっておるのも一つの証明だろうと思います。また、現実がんばっておいでになる皆さんでも、どんどん労働力が少なくなってきておる、あるいはさらに高齢化をしておるという大変残念な環境になっておるわけです。しかし、せっかく森林を育成させていくわけでありますから、下刈りの作業だとか間引きの作業は怠ってはいけないわけです。そういった大変重要な作業でありますが、また、戦後はげ山が一斉に造林をされたわけでありますが、ちょうど間伐しなければならない時期にも差しかかっております。しかし、そういった経済環境が大変悪化をしてきておるというようなことから、間伐をする場合にも経費が大変割り高になっていく、あるいは過去には建築現場等々にもその間伐された丸太がどんどん使用された時期がありますが、今日は別の製品があてがわれておりまして、一たん山から引き出してもそれらは商品価値がどんどん下がっておる、こういう点も見受けられるわけでありまして、勢い間伐作業というのは緩慢にならざるを得ない環境になっておるわけです。したがいまして、これらの間伐の仕事に対する林野庁の今後の対応と申しましょうか、あるいはまた建設省等との協力もそういった中には求められていいんじゃなかろうか、こう思いますが、それらの関係についてのお考えをただしておきたいのであります。
○秋山政府委員 わが国におきましては、人工林の面積が一千万ヘクタールになんなんとしまして、いわばこれは世界にも相当類例のない人工造林の成果がございますが、先生いまお話にございましたが、緊急に間伐をしなければならない面積がやはり百九十万ヘクタールくらい現在ございます。 そこで、五十六年度からこの間伐促進総合対策という事業を創設いたしまして、伐採の搬出の道路であるとか、機具機材であるとか技術であるとか、そういうふうなことを考えると同時に、また利用の面がきわめて重要でございますので、この間伐材等の小径木の有効利用、これは需要拡大の方法というようなものをめどにいたしまして、総合加工施設の設置とか、あるいは小径木でつくりました住宅等を展示いたしまして、またセブンバイセブンというような家もつくりまして、鋭意努力をしているわけでございますが、さらに五十七年度に入りまして、この総合対策の中で、やはり間伐材が計画的に一定量供給できるという態勢が必要であるわけでございますし、需要側の情報もキャッチしなければならぬということで、この間伐材の情報銀行というのを設置しまして、需要情報、生産情報をリンクさせて、供給の円滑化を図っていこうというようなことをことしから始めております。それから、木材販売店の店頭等に間伐材でできましたところの各種の製品等も展示し、理解を深めると同時に、やはり間伐材を出すに当たりましてのコストダウンという面がきわめて重要でございますので、これは作業道、それから林道等をもちろん積極的に進めるわけでございますが、と同時に、間伐促進のための低利の資金をことしから創設いたしまして、積極的に対応しているわけでございます。それから紙パルプ業界等におきましても、間伐材の用材にならぬ部分の活用がございますので、業界につきましてこの利用促進等も要請しております。 それからもちろん先生御指摘のとおり、建設省ともこの間伐材による小径木の建築材への有効活用につきましては連絡をお願いしながら、また、利用開発の面では、木材技術センター等で集成材その他の方法でさらに需要開発をするというようなことで、これは私ども林野庁の重要政策の一つとして今後取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
○木間委員 いま一つこの林野事業で見逃していけない問題に、自給率の問題があるわけです。今日、木材の供給状況を見ておりますと、国内産で賄っている割合が約三分の一、三分の二は国外、輸入によって賄われておる現状であります。したがいまして、それらの結果は林業をだめにする、あるいはそれに関係のあるいろいろの産業にも悪影響を及ぼしております。製材業しかりでしょう。あるいは家具その他の木工がそうでしょうし、また、紙パルプ産業全体にもそういった影響が出ておりまして、大変深刻なことは御案内のとおりであります。また、それらの城下町といいましょうか、パルプの集中している地域あるいは山村地などにおいてもどんどん締め出されまして、過疎化の要因にもなっておるところでありまして、雇用の問題あるいは地域経済の停滞の問題、輸入材によって大変圧迫を受けておるというのが現状でありましょう。したがいまして、林業を伸ばしていくという施策は、先ほどからも述べられておるのでありますが、需給面の関係も整備されていかなければならぬわけですが、これらの国内産の需給見通しといいましょうか、逆に言いますと、輸入に対するこれからの対応についての展望等をお持ちであればこの機会に尋ねておきたいのであります。
○秋山政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますとおり、現在、わが国の森林資源の構造から見てまいりますと、まだ当分の間は外材に依存せざるを得ない部分が相当程度ございます。一方、一千万ヘクタールに及ぶ人工林がすでにできまして、これが活力ある状態で成長いたしますと、逐次国産材のシェアは高まってくるものと考えております。当面は需要に見合った国産材の生産と同時に、外材の安定輸入ということもしていかなければならぬわけでございます。 そこで、今後の需給の見通しの問題でございますが、昭和五十五年の五月に閣議決定されました重要な林産物の需要及び供給に関する長期見通しというのがございます。これによりますと、先ほども申し上げましたとおり、戦後植えられました造林地が伐期に到達して、これが利用に移るわけでございまして、供給可能量が逐次増加してまいります。 そこで、一方におきまして、外材関係でございますが、最近の新聞紙上等でもおわかりのとおり、産地事情が変わってまいっております。したがいまして、私どもは国産材の自給率を鋭意高めていくことに今後努力を進めておるところでございます。私どもの見通しによりますと、五十五年に三一・七%の自給率でございまして、五十六年は三四%まで上がってまいっておりますが、さらに昭和六十一年には三九%程度、七十一年には四三%程度までに向上していくということでございます。こういう計画に沿うように、国産材産業振興資金あるいは工場に対しましての国産材振興の助成をいたしまして、鋭意努力してまいりたい、かように考えておるところであります。
○木間委員 次に、治水の問題について一、二お尋ねをしておきたいと思います。特に私どもの地元の問題でありますが、お許しいただきたいと思うのです。 小矢部川水系の一級河川で頭川川という川の改修が今年度からいよいよ着手されたのです。この河川は、主要地方道高岡−氷見線沿いに流れ、あるいは交差をして、頭川集落を蛇行しながら流れておる河川であります。その奥地は、従来林地あるいは田であったわけでありますが、最近の減反政策等々により、あるいはまた地方道もどんどん整備されてまいっておりますし、また、御多分に漏れず松くい虫も発生をしてきておりますから、総じて保水力が大変低下してきております。 そういったことから、近年、この頭川川は降雨のたびにはんらんをし、人家の床下浸水あるいは床上浸水等でこの集落はその都度悩まされて、市や県にも働きかけをしてまいったところです。建設省でもそれらの対応を今年度からいよいよ行っていかれるわけでありますが、かといって全体を一気におやりになるわけではありません。結局細切れ状況にならざるを得ないという現状もあるようでありますが、そうしてまいりますと、そのはんらん地域が下流域へ移動するだけにとどまるのじゃなかろうか、また新しい災害がそこで起こるのじゃなかろうか、こう危惧をするものでありまして、事業として取りかかった限りはぜひ短期間にそれらの改修を行っていただきたいのでありますが、その点についてのお考えをただしておきたいと思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 頭川川は小矢部川の支川でございますが、その流域面積が二・七平方キロメートルくらいの小さな支川でございまして、先生おっしゃいますような荒廃した現状でございます。そのために、砂防の工事といたしまして、流路工を整備したいということで調査検討を進めてまいりましたけれども、五十七年度から新規に着手することにしたものでございまして、流路工の延長は約一・二キロメートルばかりを計画しておりますが、五十七年度は早速用地買収にかかると同時に、一部工事にもかかりたい、そう思っておるところでございます。 お話がございましたように、一般県道と並行して流れておる川でございまして、その道路改良事業とあわせまして実施することが望ましいわけでございますので、すでに道路と砂防の事業双方の緊密な調整を図っておりまして、今後極力御趣旨に沿って早期に完成するように努力してまいりたい。用地の問題等も、順調にまいりますれば第六次の五カ年計画内ぐらいに何とかかっこうをつけたいと考えておるところでございます。
○木間委員 いま一点、新湊市内の内川の浄化事業のことについてお尋ねをしておきたいのであります。と申し上げますのは、建設省の方では今年度からさらに富山市内を貫流します松川の浄化事業を発表されたのです。この松川は、近年富山市の努力によりまして、大変汚れておったのでありますが、清流を取り戻そう、こういったことでコイなどの魚を放す努力、あるいはまた、この周辺は桜の名所地でもありますが、この松川の水質を改良するために神通川からの取水計画がなされたわけであります。 そこで、新湊市の内川の浄化状況を見ておりますと、昨年春に完了されまして、庄川河口からの取水方式で、ポンプアップでなされておるのです。この一年間の稼働状況を見ておりますと、昨年四月から六月までは一日四時間作動しております。七月から九月までは一日六時間作動しております。また、十月から本年三月までは一日三時間と、大変細切れの状況であります。市内を縦横に走っておる内川にせっかく清流を取り戻そう、こういったことでやられた浄化事業であったわけですが、細切れになっておって、目標であった清流が本当に戻ったと御判断されておるのかどうか。また、その結果、富山市の松川に新しい事業としてやられるわけでありますが、懸念をされるわけです。そういった点で、新湊市の内川浄化事業がこれで万全と言えるかどうか、お尋ねをしておきたいのであります。
○川本政府委員 御指摘の新湊市内を流れております内川でございますが、これの浄化対策ということで、庄川の本川から毎秒二トンの浄化用水を導入するという事業を昭和五十二年度から着手いたしまして、五十五年度に完成したわけでございますが、その浄化施設の稼働計画は、いまお話がございましたように毎日三時間から六時間という稼働で計画しておりまして、毎秒二トンの導水をいたしますと、それによりましてこの内川の環境基準を達成できるぐらい浄化ができるということで、現実に導水をいたしました実績からいきますと、その環境基準を達成しているという実績になっております。 ただ、供用開始以後、庄川本川の取水口付近におきまして風浪等によって砂が堆積するといったようなことから取水ができないという事故もございました。そういったことに対しましても、応急的な措置を講じました結果、最近では取水障害も次第になくなりつつございまして、そういったことから今後も種々の対策を講じなければならないと思いますけれども、いわゆる取水障害がないように、これは土木研究所等の応援も得ましていろいろと調査をし、対策を考えているところでございます。
○木間委員 最後に、開発と保全の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。時間も参っておりますので幾つか申し上げますが、特に環境庁の方から簡単に回答をお願いをしておきたいのです。 と申し上げますのは、政府は、不況から脱出をしようということで公共事業の前倒しをいま計画されております。特に大臣は七七%程度前期でやりたい、そうなってまいりますと勢い下期に穴があくわけでありますから、その下期の対策についてもお考えがあるやに承るわけです。そのよしあしは別にいたしましても、そうしてまいりますと再び開発の時代に入ると私は言わざるを得ないのです。住民の間には不況からの脱出策、にしきの御旗がそこにあるということで言われてはおりますものの、そうかといって開発がまたまた環境破壊をもたらすのじゃなかろうか、こういう危惧が大変されておるのです。したがいまして、開発を行う場合に、過去の開発行為が十分であったかどうか、その環境アセスの進め方がよかったのかどうか、こう私は問われなければならないと思うのです。時あたかも国連のナイロビ環境会議が始まりました。かけがえのない地球の環境を国際協力で守ろうじゃないか、こういうことで日本政府を代表して原環境庁長官が出席をされまして、格調の高い、そして当を得た演説もされました。私どもは国の将来にとって大変大きな期待を持つものであります。 そこで、環境庁の方から今国会に環境影響評価の法案が提示をされておりますが、しかし、この中身を私なりに調べてみましても、開発行為について狭義な判断がなされておるのです。私は、開発行為の一定規模以上のものは全体を対象事業として見るべきじゃないだろうか、こう考えるものであります。 また、その中に、法律で一気に縛っておりまして、地方の自主性がなかなか見出せられません。もともと環境庁が発足をされた経緯を見ておりましても、四十年代前半に公害が続発、何とかこれを行政の場で、政治の場で解決をしていただこうと住民運動が始まりまして、市町村や都道府県で公害防止条例が進んでまいりました。そして国も四十五年から四十六年にかけまして公害国会を開かれ、そして環境庁の発足という歴史的な経緯もあるわけです。したがいまして、この法律の中身にいたしましても、法律で画一的に縛るのではなくて、もっと地方の自主性が認められてしかるべきだと私は考えるわけです。というのは、住民の生活というのは地方にあるわけでありますし、その度合いなりあるいは開発行為そのものの希望というのは千差万別、地方に根差しておるわけでありますから、地方にそういった法の権限を与えられてしかるべきじゃないだろうか、こう考えるものでありますが、環境庁のお考えをただしておきたいと思います。
○清水説明員 開発と環境保全をめぐる御議論をいろいろと承ったわけでございますけれども、御指摘のように、本日ただいま環境委員会におきまして、環境影響評価法案の御審議を賜っているところでございます。御質問の具体的な中身は、その対象事業が非常に限定をされておるのではないだろうかという点にあると思いますので、環境影響評価法案に即しまして、若干の御説明を申し上げたいと思います。 対象事業といたしましては、この法案の中で二条一項各号というところに事業の種類が掲げられておりまして、規模が大きくかつその実施により著しい影響を及ぼすおそれがあるものとして政令で定める事業を取り上げることにいたしております。いわばこの法案では、国家的な見地から全国的に環境影響評価を行わせる必要の高いと認められる事業を対象にしているわけでございますが、さらに御指摘のような地域の環境保全を図りますために、こうした事業以外の事業につきまして環境影響評価が必要と認められるような場合におきましては、その地方公共団体におきまして、この法律の趣旨を尊重いたしまして、条例等で環境影響評価制度を設けて対象とすることができるということになっておりまして、いわば国と地方と、全体として整合のとれた制度を通じて適切な環境保全が図られるというふうに考えているところでございます。
○木間委員 ただいまの御答弁にも反論をしたいのでありますし、さらに幾つかの点について指摘をしたかったのでありますが、時間も参りましたので、残余の点はまた次の機会にさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○村田委員長 午後三時より委員会を再開することとし、この際休憩いたします。 午後一時五十八分休憩 ————◇————— 午後三時九分開議
○村田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。林保夫君。
○林(保)委員 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして質問いたしたいと思います。 言うまでもなく、昔から治山治水は政治の要諦と言われるほど大事な問題で、鋭意第五期までの計画をもって進められたことは、それはそれといたしまして、今日新たな時代を迎えまして周りを顧みてみますと、これだけやってなおまだいってないという問題がやはりいっぱいあろうかと私は思います。そういった意味で、本来なら大臣に最後に承るべきでございますけれども、従来からいろいろな問題を、地方の時代という言葉にこだわるわけじゃありませんけれども、全国的な視野で見て、特定の県には大変大きな投資をやっている、一方の県にはそれが少ない、こういうことのないようにしていただきたいという御注文をまずつけまして、ひとつこの法律にかけます大臣の御決意をまず承りたいと思います。
○始関国務大臣 公共事業費の地域別の配分の問題につきましては、それぞれの公共事業の分野に応じまして五年計画というものが策定されておるわけでございますが、長期の視野に立ちまして見通しをつけて配分をいたしておるわけでございます。そういう際におきまして、特に最近のように非常に経済が不況であります場合におきましては、いま御指摘のような意味での地域の配分ということも大きな意味を持つと思いますので、そういう方面も十分に配慮いたしながら今後やってまいりたい、かように存じております。
○林(保)委員 この種事業は、もう大臣に申し上げるまでもなく、この法律の場合は建設省と農林水産省が生殺与奪の権を握っておって、地方の方はそういうところの意向がなければ動けないという補助金の制度上の問題もございますだけに、よけいそういうことをお願いしたわけでございます。きょうはまたこれから具体的に質問してまいりますが、一番わかりやすいのは私の周りでございますので、地元の岡山の問題をまた出すと思いますが、御理解いただきたいと思います。 そういうふうに見てまいりますと、どの事業費目に該当するかわからないような、たとえば人畜に害はない、しかしなお年一回は湛水する、これはまた私ども岡山県の特性なんでございます。後でまた事務局から御答弁いただきたいと思いますけれども、大きな台風が来るとか大きな河川が大はんらんして家が流れてしまうということはないけれども、標準的に申しまして主要県道あるいは国道の高さくらいまで水が来る、それが毎年同じような繰り返しになってきていて、災害救助法を発動するまでもいかない、しかしなお湛水常襲地帯がいっぱいできておるというようなところもございます。そこらあたりを今度の五カ年計画の出発に当たって、重点は四つほど出ておりますけれども、ぜひひとつ改めて見直していただきたいということも御要望したいと思うのでございます。 と同時に、私なりにいろいろと建設省の皆さんそのほかから御意見を承ったり、どうやっているのだという話を聞かせていただきまして、たとえば一つの河川で何年かに区切ってだんだんと川上へ工事をしていくといいますか、整備をしていくというようなことをやっておられます。しかし、中小河川にとりましては、そういうことをやっているときに上から水や砂が流れてきてやられてしまうというような例も実はございます。そういう点になりますと、公平にやっておられるのでございましょうけれども、五年十年かけて一歩一歩進むよりも、何か一挙にこの川だけやる、利根川や私どもの旭川みたいな大きなところをそうやれという意味ではございませんが、小さい川にはそういう手法も取り入れられているのだろうとは思いますけれども、なお配慮していただいて、きっちりと国費のむだのないようなやり方をとっていただきたいものだ、このような要望を持っております。 大臣、この二点につきまして、人畜の害はない、しかしなおそういう状態で、隣の家へは行けないというところが秋になるといっぱい出てきて、排水がしっかりしてないという状況がございます。と同時に、いま申し上げたような河川については、せっかく直したらまた上からやってきてだめになってしまうというのなら、隣の川を犠牲にしようというのじゃございませんけれども、なお集中的にやるという御配慮ができないものだろうか、そういう点二つを強くきょうは御要望申し上げたいと思っておりますので、最後に聞くべき問題ではありますけれども、大臣、参議院の方へお出かけだそうでございますので、ひとつ冒頭承っておきたいと思います。
○始関国務大臣 ただいまから林委員の詳細お話があるのだろうと思いますが、実害のようなものはないけれども、とにかく毎年一種の被害が起こるということですね。それからもう一つは、順序を追ってやっていくと、上の方からまた溢水がしてきてせっかくの工事が無になる、こういったような御指摘でございますが、その点につきましては、事情を詳細伺いまして、また役所の中でよく相談いたしまして、御期待に沿うような結論を出してまいりたい、かように存じております。
○林(保)委員 そういう希望を持っておりますが、どうかひとつ新計画の発足に当たりましては、改めて見直すという形で全国のバランスをごらんになられましたり、そういう効果的な投資というような視点でぜひ見ていただきたい、このことを御要望いたします。 続きまして、事務局の方へお尋ねを次々とさせていただきたいのでございますが、今度の第六次治水事業五カ年計画で特徴となっております諸点、これは閣議決定でなくて了解が出ておりますけれども、この点について事業費及び重点項目について詳しく御説明をお願いしたいと思います。
○川本政府委員 治水事業はただいま先生お話しのように、国土の保全と開発を図りまして国民生活の安定と向上に資するという大変重要な役割りを担っておるわけでございまして、そのために第六次の治水事業五カ年計画を策定いたしまして、それに基づいて治水事業、水資源開発の事業を積極的に推進していくことにしておるわけでございますが、その計画の内容におきましては、昨年の北海道、東日本を中心にいたしまして全国各地で頻発いたしました災害、そういったような実態と深刻化しつつあります水不足の状況などにかんがみまして、四つの重点項目を立てて事業の推進を図ってまいりたいと思っております。 その第一点は、大変整備の立ちおくれております中小河川がまず第一でございます。その中でも、最近水害の頻発しております都市河川の治水対策でございます。それから第二点目は、悲惨な人命災害を起こします土石流の危険渓流に対する治水対策でございます。第三点目は大河川対策といいますか、その河川はんらん区域内に膨大な人口、資産の集積が生じておりますような重要河川の整備ということでございます。第四点は、生活用水等の需要の増大に対処するための水資源開発と高度利用の推進ということでございまして、この四点に重点を置いて事業の計画的、また強力な推進を図ってまいりたいと思うわけでございます。 事業総投資規模でございますが、総額十一兆二千億円という総投資規模を策定することにしておりまして、その中で治水事業に関連いたします投資規模は、八兆二千五百億円ということを考えております。
○林(保)委員 さて、この事業の一、二、三、四の重点の中で、わかりやすく岡山ではどことどこの河川が、どのプロジェクトがこれに当たるだろうか、一部推測で結構でございますから、ひとつ具体的に出していただきたいと思います。
○川本政府委員 五カ年計画の内容につきましては、この法案を成立させていただきましたならば引き続いて作業をいたしまして、個々の県といいますか、各地区の事業の内容を詰めていくということでございますので、現在まだその作業中といった段階ではございますけれども、先ほどの四点の重点に基づきまして、こういった川あるいはプロジェクトに重点を置いて岡山県の場合はいけるであろうということを御紹介させていただきたいと思います。 まず第一点の中小河川対策でございますが、これは岡山県でいきますと、吉井川の上流部分とか、小田川、備中川あるいは領家川、新本川、こういった川に重点を置いてまいりたいと思います。中小河川改修事業で八河川、小規模河川改修事業で十九河川、局部改良事業で二十八河川というものを現在、五十七年度実施しておりますけれども、それぞれいま代表的なものを申し上げますと、そういう河川でございます。その中でも特に都市河川に重点を置いてまいりますが、都市河川の対象といたしましては、足守川、吉岡川、中川あるいは砂川、こういった河川が中心になろうかと思います。中小河川改修事業で五河川、小規模河川改修事業で二河川、局部改良で四河川というふうな河川についてやってまいる予定でございます。 それから、次の土砂害対策でございますが、岡山県内におきましては第六次の五カ年計画で約二百六十の渓流に新規に着手してまいりたい、そう思っております。代表的なものをまた申し上げますと、総社市の滝山川、大谷川、有漢町の佐山川、飯ノ山川、北房町の新田川、賀陽町の二重坂川、竹谷川、このあたりが重点になっていくのではないかと思っております。 三番目の重点項目は、いわゆる重要河川対策でございます。これはいまさら申し上げるまでもございませんが、岡山県内の直轄河川、大河川、吉井川、旭川、高梁川、それぞれについて重点を置いてまいりたい。 それから、最後の水資源開発対策でございますが、岡山県内では現在直轄のダム事業といたしまして苫田ダムの建設に着手しておりますが、引き続き用地折衝を進めまして、できるだけ早く工事にかかれるように努力をしていきたいと思っております。また、補助の多目的ダムといたしまして五ダムございまして、高梁川の千屋ダム、旭川の旭川ダム、八塔寺川の八塔寺ダム、津川の津川ダム、佐伏川の佐伏川ダム、それぞれにつきまして現在実調中のものもございますし、工事の最盛期に当たるものもございますが、それぞれの現地の実情に応じまして促進を図っていくということを考えております。 こういったところが、先生がおっしゃいました四つの重点項目に対応するプロジェクトになるのではないかと思っております。
○林(保)委員 さっきのお話に、一の項目で吉井川ほか八つと、都市河川の足守川、吉岡川、中川、砂川のほかに小規模のが二とか四とかいう数字がありましたが、どういうところでございますか。ちょっとついでに御説明いただきたいと思います。
○川本政府委員 先ほど代表的な河川名を申し上げたわけでございまして、現在、五十七年度に岡山県内で工事をしております河川の数を申し上げたわけでございます。一般の河川で申し上げますと、中小河川が八河川、小規模河川が十九河川、局部改良事業が二十八河川でございます。それから都市河川でまいりますと、中小河川が五河川、小規模河川が二河川、局部改良が四河川、そういうことでございます。
○林(保)委員 ありがとうございました。大体私どもが考えておりますところ以上にいろいろと御配慮いただいているような感じもいたしまして、ほとんど網羅されているのだろうと思いますが、問題は内容でございますので、その点は後でちょっと質問させていただきたいと思いますが、まずこの五カ年計画で次々とやってこられまして、第五次の五カ年計画で名目と実質の達成率が一〇〇と八一でございますか、食い違っておりますね。あれはどういう理由なのか。物価などの問題とかいろいろあるのだろうと思いますが、どういうことなのか、率直に御説明願いたい。
○川本政府委員 第五次の五カ年計画につきましては、名目の達成率につきましては治水事業費の計画額が五兆八千百億円でございましたが、それに対しまして実績額が五兆八千百六十四億円でございますので、まあ一〇〇%となっておるわけでございます。この実績額の五兆八千百六十四億円を、計画額と同じ時期の昭和五十一年度の価格に直しますと四兆七千億円余になりまして、そういう意味で実績の達成率を出しますと八一%である、そういう意味でございます。
○林(保)委員 ことしはまた今度の第六次五カ年計画の初年度に当たるわけですけれども、約一千億円くらいの計画のずれがあると思います。来年度も、財政事情が厳しゅうございますので、ここらあたり大臣にどうやるのだということを聞きたいのでございますが、事務的にはどのように御判断なさっておられますか。
○川本政府委員 ただいま御指摘のように、新五カ年計画の初年度に当たります五十七年度予算が、厳しい昨今の財政事情を反映いたしまして、対前年度比一%増にとどまっておるわけでございます。そういったことから、新五カ年計画のいわゆる平均伸び率から考えました計画額といいますか、想定額に比べますと相当のずれが生じておるわけでございます。そういった実情から考えますと、第六次の五カ年計画の達成は、今後大変厳しい環境にある、容易なことではないというふうに感じております。 そういうことではございますけれども、治水事業は、先ほど先生おっしゃいましたように、国土の保全、開発を図るための根幹的事業でございまして、昨年の各地の大水害、そういった激甚な災害の実態を見ましても、重要性、緊急性はきわめて高いということでございます。そういったことからいきまして、私どもといたしましても、第六次五カ年計画の計画的かつ積極的な推進を図っていかなければならない、そう思っているわけでございます。厳しい財政環境の中ではございますけれども、今後そういったことを踏まえまして最大限の努力を払ってまいりたい、そう思っておるところでございます。
○林(保)委員 毎度申し上げておりますように、国土の開発あるいは発展のためにも、やはりどうしてもこういう事業を推進していただかなければならぬ。これは行革とは全く関係のない話でございまして、むしろ行革というのはこういうもののためにやるのだということで、ぜひひとつこれからもがんばっていただきたいと思います。 なお、地元の問題に返りまして、現在高梁川の支川の小田川の改修、かなり進んでおると思いますが、その状況をもう少し詳しく御説明いただきたいのと、それから高梁川流域の清音地区の内水対策、おかげで進んでいるのだろうと思いますが、その辺の現況を御説明いただきたいと思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 まず、高梁川の支川の小田川の改修状況でございますが、この小田川につきましては、直轄河川改修の部分につきましては五十一年に十七号台風で大変災害を受けまして、特に漏水が顕著であったということにかんがみまして、その後漏水対策に重点を置いて改修を促進をしてきておるところでございまして、五十七年度におきましても、高梁川の改修事業費が五億二千万円でございますが、そのうち小田川の河川改修事業には約二億九千万円を投入することにしております。その内容といたしましては、左岸堤防につきましては本川の合流点から八高橋までの約五・五キロ、また右岸堤防につきましては宮田橋から八高橋までの約一・五キロ、これを五十七年度末で概成する予定でございます。 それから直轄区間の上流部につきましては、国の補助事業として五十一年度から中小河川改修事業に着手しておるわけでございまして、狭窄部の拡幅、弱い堤防の強化、そういったものの促進を図ってきたところでございまして、五十七年度の内容を申し上げますと、改修事業費が約三億三千六百万円でございます。芳水橋とか田鶴橋のかけかえを完了させたいと思っておりますし、また築堤護岸等の改修事業を促進したいということを考えております。 それから、同じく高梁川流域の清音地区のお話がございましたが、この区域につきましては、確かに先ほどお話がございましたような内水の被害が頻発しているところでございまして、五十一年の台風十七号の被害状況が大変大きかったわけでございますが、それにつきまして調査、解析を進めまして、その結果毎秒三トンの軽部川排水機場を新設したいということに決定いたしました。五十五年度には用地買収に着手したわけでございますが、五十六年度から排水機場の工事に着手したわけでございます。それで、五十七年度はいよいよ本格的な排水機場の工事、いわゆる上屋とポンプ、そういったものに着手いたしまして、五十八年度には工事を完了する予定で進めてまいりたいと思っております。
○林(保)委員 このほかに高梁川では例の柳井原堰の問題もございますが、あれはいまどういう段階で建設省が調整され、御決意されておられますでしょうか。
○川本政府委員 柳井原堰の改修といいますか、これにつきましては直轄のダム事業として現在実施計画調査中でございまして、県の方と共同でいろいろと委員会をつくりまして、その実施計画調査を鋭意進めておるところでございまして、できるだけ早く建設に入れるように段取りを進めてまいりたい、そう思っております。
○林(保)委員 できるだけ早くという意味は、今年度の上期ぐらいにはもう結論を出せるのでございますか、それとも年度内ぐらいまでかかるのでしょうか。
○川本政府委員 現在鋭意その調査委員会で検討し、内容を分析しているところでございますので、特にボーリングの調査とかいろいろの実地的な調査もこれから必要でございますので、今年度中というわけにはちょっとまいらないかと思っております。
○林(保)委員 もう一本、足守川の問題について聞きたいのでございますが、かなり下の方では水が出たりして、これは足守川そのものではなくて、よそからの水もあるのだと思いますが、水害が出ておるというような感じの状況が出ております。その中で特に前川の治水対策でございますけれども、地元も長年やいのやいのと言いながらなかなか進まぬということで、毎年湛水の憂き目に遭っておるというような状況がございます。これについては農林水産省との関係もございますが、とりあえず建設省ではどういうふうなお考えで進めておられますか。県としてもこの点は重視してやっておるはずでもございますけれども、なお長年決着がついておりませんので、地元でやるべき問題を含めて問題を出していただけましたらありがたいと思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 足守川の支川の前川の区域でございますが、これも先ほど先生からお話のありましたような湛水常襲地帯の一つであろうかと思っております。砂川に合流いたします地点までの一キロメートルの区間につきましては、四十八年ごろに灌漑排水事業の申請工事といたしまして築堤工事を実施しておるところでございます。その上流については未改修の状況でございまして、そういうふうに県から報告を受けておりますが、その当時もいろいろと地元での問題があって、その灌漑排水事業の申請工事の方もそれで打ち切られたというふうにも聞いております。 前川の根本的な改修につきましては、現在河川管理者が岡山県知事さんでございますが、その岡山県の方において検討が進められておりまして、建設省におきましても、岡山県のその検討の結果が出てまいりますれば十分に協議いたしまして、補助事業として対応していくということを今後検討してまいりたいと思います。
○林(保)委員 実際に地元に住んでいる人の要望が強うございますので、県が意思決定いたしましたら、ぜひこの点、御要望申し上げておきたいと思うのでございます。 それらと関連いたしまして、大臣にも先ほど申し上げましたように、私どもがきょろきょろっと百八十号線の前後を見ましても、そういうような常襲湛水、まあしょっちゅうではございませんが、年一回必ず来るというところがいっぱいございます。いま申し上げましたような総社の服部地区の前川の周辺、それから西の方へ行きますと玉島の上成附近が大抵毎年県道まで、稲の頭が見えるか見えないかぐらい水が来ておる。真備町もそうでございます。それから清音もそうでございましたが、ただいま内水対策としてやっていただくようなことで、これまた早くやっていただきたい問題だろうと思います。それから、足守川の東側でまいりますと、高松から庭瀬、吉備津、その辺も年一回は必ず国道百八十号線沿いぐらいまで水が来ておる。それから早島にも同じようなところがあるのでございますが、これは昔の人の話を聞きますと、そういうことはなかったのにやはり来ているというので、何が原因だろうかとよく議論になって、児島湾のせきとめをやったことが一つ原因じゃないだろうかという問題とか、山を乱伐したから水の負荷がかかってくるからだろうかとか、私が聞きましても諸説あるように思います。建設省はそういうようなのをどのように御判断されておるのでありましょうか。 もし児島湾の問題だといたしますと、川を通して溝をたくさんつくりましても、多少はよくなっても抜本的な解決にはならぬという場合もございましょうし、それが先ほど申し上げましたように人畜の被害にまでは至らない、しかし隣の家には確実に行けないという状態が出てきますので、やはり訴えが多うございますが、その辺をどういうふうに御判断になって、どういう手を打てばうまくいくのか、また、これを今度の計画の中で取り上げてやっていただけるものかどうか、その辺の御判断を……。
○川本政府委員 足守川周辺といいますか、その区域のいろいろな地点で内水はんらんといいますか、内水による浸水といったものが頻発する地点が多くなっておるというふうな御指摘であろうかと思います。 児島湾の影響があるのではないかとおっしゃるわけでございますが、私どもとしては、児島湾の干拓そのものは足守川の洪水の疎通といったものに影響がないようなことでやられておるわけでございますので、そういった影響はないかと思います。ただ、足守川の周辺は、先ほども申し上げましたように都市河川としてやっておるほど都市化の傾向のひどいところでございます。そういったことからいま御指摘のような浸水の実態というものがあるのではなかろうか、そういうふうに推察をしております。そのためには、やはり足守川の改修をまず促進しなければいけません。それにつきましては、先ほど申し上げましたように、今回の第六次の五カ年計画の中でも一つの重点として中小河川、特に都市河川対策、その中でも岡山県では足守川というふうに申し上げたわけでございますが、そういうものに重点を置いてまいりたいと思っております。また、そういった河川改修が進行いたしますれば、それに応じて今度は内水対策に重点を移していこうというような考えを持っておりまして、今後できるだけそういったものが実現いたしますように促進を図ってまいりたいと思うところでございます。
○林(保)委員 そこで、県や市は一生懸命やると思いますが、なお地元として何かやることがありますでしょうか。陳情さえすればいいというだけのものでもないと思うのですが、建設省がやる以上はこういう協力はしろということを、あえてひとつ何かあれば率直に言うていただきませんと、よくなることですから協力すると思います。建設省として条件というわけでもございませんけれども、なおひとつ注文があればつけていただきたいと思います。
○川本政府委員 足守川周辺につきましては地元の皆さん方も大変御熱心でございまして、改修事業の促進についてもさして支障があるといいますか、問題があるようなことは聞いておりませんけれども、今後の事業の促進のためには、何といいましてもその改修事業に、たとえば用地の問題であるとかそういった御協力をいただくということがまず第一でございましょうし、また、今後都市化がどんどん進むときに、いままでしょっちゅう水につかっておったところに家をどんどん無差別といいますか、そういうふうにお建てになるということは、自分で水害地域に入っていくというふうなことでもございますので、そういったものは特に管理しております県、それから地元市町村、そういったものから情報をいろいろと流させるようにいたさなければいかぬと思いますけれども、そういうことによりまして住民の皆さんみずからも御判断いただいて、できるだけそういうことがないようにお願いできれば、そういうふうに思うわけでございます。
○林(保)委員 続きまして、治山の方の五カ年計画について一先ほどと同じように今度の重点と予算規模、これについてひとつ長官から御説明をお願いいたします。
○秋山政府委員 お答えいたします。 第六次の治山事業五カ年計画を立てるに当たりましては、最近の災害の実態あるいは水需給が大変逼迫しておる状態等を踏まえまして、重点を三つにしております。 第一点は、国土の安全性の向上を図りまして、山地災害に対する安全基準を向上させるということでございまして、荒廃した山地の復旧促進とか、あるいは災害にならぬよう予防治山を拡充していくとか、そういうようなことによりまして山地治山対策を積極的に進めてまいるというのが第一点でございます。第二点といたしましては、水源涵養関係の問題でございますが、これからの水需給の逼迫に対応しまして、奥地の水源林の機能の拡充強化をしなければならぬわけでございますので、水源山地の水資源対策、それから総合的に山地全体の治山事業を行いまして、その地域の保全を確保し、水源涵養機能を強化するというのが第二点であります。第三点は、都市周辺にも関連いたしますが、生活環境の保全、形成という問題が最近非常に高うなっております。そこで、安全で潤いのある地域社会を実現するという見地から、災害を防ぐ、防備するという面と、健康、保健と申しますか、保健休養というふうな面をあわせた森林を整備してまいることを考えておるわけでございまして、これらの三点を重点といたしまして事業を計画的かつ強力に推進するわけでございますが、総投資規模は一兆七千六百億円でありまして、治山事業としましては一兆四千七百億円でございます。
○林(保)委員 あと、同じようにこの三つの重点の中でわかりやすく、岡山の場合はどういう事業を取り上げているのか、また、これから取り上げていくのかという点をひとつ御説明いただきたいと思います。
○秋山政府委員 いまの重点を踏まえまして、特に岡山の場合には先生御承知のとおり花崗岩の風化地帯でございまして、この地質的な面からの災害という問題が出ますので、特に山地災害の危険地対策を重点に、現在鋭意検討中でございます。 代表的なところを二、三申し上げますと、まず国土安全性の向上という面から申しますと、復旧治山、予防治山等につきましては、高梁川流域を重点にやってまいりたいと思っております。それから、重点的に保全地域を指定しまして総合的な治山事業を進める個所といたしましては、玉野市とか総社市等を対象にまず考えております。それから、水源涵養機能の拡充強化という面でまいりますと、特に重要水源地域におきましては、森林を二段林につくりながら機能を増加するという方法が非常に有効的でございますので、そういう重要水源山地整備治山事業として加茂町とか和気町をまず当面考えております。それから生活環境の保全、形成といたしましては、生活環境保全林を整備するという仕事が出てまいりますが、津山市とか井原市をまず現在代表的に考えておりますが、さらに今後詳細にわたりましてはこれから検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○林(保)委員 いまおっしゃった一の場合の総合的な治山対策で、玉野と総社が挙がる理由というのはどういう理由からこれはきているのでございますか。
○秋山政府委員 やはりこれからの地域の定住条件を整備するということになりますと、二百ヘクタールぐらいの広がりにおきまして災害のおそれのあるところは荒廃地を復旧いたしますが、また、予防治山をすべきところはしていく、そういうようなことと同時に、災害を防止するための林を必要なところにつくりて、全体的に定住条件を整備する、基盤を整備するというような形の治山事業がこれからは非常に高うございますので、危険地帯その他の調査の結果に基づきまして、そういう地域においてまず進める必要がある、かように考えておるところでございます。
○林(保)委員 ちょっと細かいことを伺いますが、これらは地元からの要望か何かはもうすでに出ておりますか、まだ出ておりませんか。
○秋山政府委員 地元からも強い要望が出ております。
○林(保)委員 二、三関連いたしまして、具体的な問題をもう少し聞かしていただきたいと思うのでございますが、河川上流の森林整備及び治山事業はやはりどうしてもやらなければならぬ。高梁川の場合、いまおっしゃったようにはんらん常襲地帯の解消のためにやるということでございますが、これはどういう構想でどの辺をおやりになるのか、もう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
○秋山政府委員 水害等のもとを断つためには、やはり奥地の森林を造成していく必要がございまして、これまでも上流の水源地帯の森林整備につきましては、一般の造林事業で進めるのももちろんありますし、また、水源林造成につきましては公団造林で実施もしております。こういうことで進めているわけですが、同時に現在の保安林で機能の若干低下している部分につきましては、保安林改良事業によりまして補植あるいは手入れをしながら苗木を整備していこうと考えております。特に水源山地につきましては、先ほど触れましたようにやはり利水の調整あるいは洪水を低減させるというようなことになりますと、林地のスポンジのような吸収力を高めるということが非常に重要でございますので、そういう面で林を二段林につくって、いつも山を被覆する状態で森林を造成し、それを維持していくというような形で進めることが重要だと思いますので、そういう形でこの高梁川の上流をやってまいりたいと考えておるところであります。
○林(保)委員 次にまいりまして、山地災害危険地調査を詳細に実施されたと聞いております。その結果、先ほどもおっしゃったように岡山は風化花山岡岩が多うございますが、一体調査の結果として岡山ではどういう結論が出ておりますか、御説明願いたいと思います。
○鈴木説明員 五十三、五十四年両年にわたりましてただいま先生お話しの山地災害危険地の総点検をいたしまして、岡山県では二千百六十九カ所の危険地が判明いたしております。
○林(保)委員 具体的に言いますと、三つ四つでいいですが、どの辺なんでございましょうか。お手元にあれば大きいところ、小さいところでもいいですが、具体的に御説明いただきたいと思います。あるいは河川の中でどの辺のところが危ないか。
○鈴木説明員 個所別には後ほど先生に御報告させていただきます。
○林(保)委員 じゃ後で資料を出していただきたいと思います。 これに関します対策として、全部早くやっていただきたいのですが、大体いつごろをめどにいたしまして、今度の五カ年計画もこれを目標にしておやりになるんだと思いますが、今度の五カ年計画では改修はどのぐらいいけるようにお考えでございましょうか。
○鈴木説明員 ただいまで三百五十一カ所改修をいたしましたが、この五カ年間につきましては、特に風化花山岡岩地帯でございますので山腹緑化工を主体にいたしましてやってまいりたいと思いますが、具体的にはただいま検討中でございます。
○林(保)委員 じゃしっかりお願いいたします。 それからまた、山地の荒廃で目に見えてどうしても、やはりこれは「国民・住民の心の問題」とも関連するかもしれませんけれども、松くい虫の被害がやはり治山、これは治水にも影響するんだと思いますが、岡山の場合は特に全国一の実績を過去かなり連ねてきておりましたが、いまはどういう状況になっておりますでしょうか。統計をひとつ……。
○秋山政府委員 松くい虫の被害が最近非常に多くなっている。特に五十三年の夏の異常気象と申しますか、高温少雨というようなことがありまして大変増加いたしまして、全国で二百万立米を超える被害が出てまいりました。そこでこれまで松くい虫の防除特別措置法で五十七年までやってまいりましたが、従来の空中防除を中心としました防除方式では不十分でございまして、今回法律を改正いたしまして、松くい虫被害対策特別措置法として今度の国会で成立を見さしていただいたわけでございます。これによりまして特別防除で空中散布をいたします。さらに地上で伐倒し、保安林等の重要なところにつきましてはチップ化するところまで特別伐倒駆除でいたしまして、実施する。またこの被害がひどいところにつきましては林種転換をし、森林の機能を、いままで松が植わっておるところを松じゃいけないところには別の木を植栽していくというような方法をとるとか、また抵抗性の強い松を植えでいくとか、そんな方法をとると同時に、従来どちらかと申しますと国、県が中心の防除体系でございましたので、森林組合、森林所有者が一体になりまして進めるような体系を今度実施いたしまして、万全を期してまいりたいと考えておるわけでございます。 岡山県につきましては、従来確かに全国一というようなこともありましたが、最近では、余りよくありませんが、六番程度に下がっておりますが、まだ被害が相当多うございます。それから特に深層風化地帯と申しますか、地域の問題といたしましては被害木を伐採した後の治山の問題が出てまいりまして、それにつきましては松くい虫被害の緊急対策治山事業というのを積極的に進めてまいるということで計画しておりまして、予算も対前年比一一二・五%の十四億円を計上いたしまして、現地の実態を調査しながらできるだけ早く進めてまいりたい、かように考えておるところであります。
○林(保)委員 その事業の中に、岡山が六番目で九万五千立方メートルですか、となっておりまして、一番がたしか茨城だったと思います。これは岡山が減ったというのではなくて、よそがふえたというだけであって、松くい虫の状況は見る目からは余り変わっていないと思います。今度やられる治山事業の中で松くい虫対策をお考えになるという。どういう点を重点にされてもう今年度からでも事業に入るのでございますか、調査が第一でございましょうか、その辺のところを……。
○秋山政府委員 岡山県はかつては十七万立米ございましたが、最近は皆さんの御協力をいただきまして九万五千立米まで下がってまいったわけでございますが、やはり私ども一番心配するのは、被害木を切った跡が災害の危険にさらされるということがあるといかぬと思いまして、そういう地域を各県の担当者と十分連絡をとりながら進めてまいるわけでございます。これは五十五年からやっておりました事業でございますが、今回の法律改正を契機に、より一層これを重視してまいりたい、かように考えておるところでございます。また、これを、大体いま推定と申しますか、見込みでいきますと六千五百ヘクタールぐらいございますので、事業費といたしましても八十億円ぐらいかかるのではないかと思いまして、やはり治山五カ年計画の中に具体的に組み込んでまいりたいということで現在検討しているところであります。
○林(保)委員 この点は何も岡山だけということではなくて、ぜひひとつ積極的に推進されるよう、特に要望しておきたいと思います。 いま何かほかの木を植えるというような話もいろいろあるように聞きますけれども、なお風化花山岡岩の中で冬も緑を確保できるのは松以外にございませんし、それは当然わかることでございましょうけれども、そういった意味でやはり緑を回復するということは大事でございますので、ひとつぜひ強く推進されるようお願いしておきたいと思います。 それから続きまして、そういう治山事業で荒廃山地の緑の回復がかなり進んできた、こういうことかもしれません。しかしなお見る目では、赤い松をいっぱい植えているというようなこともございました。いろいろあるかと思いますが、その一方で山火事が大分多うございます。これは岡山県の方も余りいい状況ではございませず、データをもらってみますと出火件数が五十五年で全国で四千百二十、岡山が百五十七件でございますか、比率にいたしますと三・八%、全国平均が二・五だからちょっと多いですなということでございますけれども、ちょっとではなくて私はかなり多いと思います。乾燥地帯で出火があり得るということを踏まえましても、これは少なければ少ない方がいいのでございますが、全国的に山火事がどういう傾向になっておりますのか。それからその後の問題として、治山事業にどのようにこの焼け跡を重点的にやっていかれておるのか。特に今度の新五カ年計画と関連して概況をひとつ御説明いただきたいと思います。
○秋山政府委員 最近五カ年間で見てまいりますと、林野火災年平均で全国五千六百ヘクタール、被害額で二十八億円に及んでおります。残念ながらその原因を見てまいりますと、ほとんどがたき火、たばこ、火遊び等、七〇%がこういう山に入る人たちの不始末によるものでございまして、人為的なものであります。私どもこれまでもそのおそれのある時期になりますと、山火警防のための啓蒙運動やら都道府県、市町村にも協力いただきまして、特に山火事の多発の危険がある地域につきましては森林巡視員を配置して進めておるわけでございますが、なかなか一般の、特に都市の方から見える方がたばこ等の不注意で燃やすという面がございますので、さらにこういう面につきましては徹底を期したいと思っております。 また一方治山事業におきましては、山火事の多い地域等におきましては、非常に火事に強いサンゴジュとかシイの木とか、その他そういうものがございます。そういうのを防火樹帯としてつくっていくことがこれから重要だろうと思いますので、そういう防火林の造成も一方で進めながら、またその被害予防のPRも進めながら、万全を期してまいりたいと思っております。特に山火事等によりまして保安林が焼けた場合におきましては、これは早期に保安林改良事業等でこれを植えまして、特にまた周縁等につきましては、いま申しましたような燃えにくい木を植えるとかいうようなことを考えながら対処してまいります。 いずれにしましても、これは地域の皆さんの御理解、御協力と一般の方に対する理解を求めないとなかなかむずかしい問題でございます。一朝にして灰じんに帰すという話はやはり非常に問題でございますし、災害その他の誘発に対しまして重要でございますので、今後さらに一層この問題につきまして積極的に取り組んでまいりたい、かように考えております。
○林(保)委員 先ほども申し上げましたように、まさに松も心の問題だし、火事なんかよけい心の問題でありまして、先ほど来同僚委員の皆さんも森林資源の大事なことを言っておられました。その辺を踏まえてしっかりやってもらわなければいけませんが、なおもう一つ、例のマツタケでございますが、これもまただんだん減っていく。松はもう割りばしにしか使えないということになると山の値打ちが下がってしまうというようなことを実は大人が言うのですね。それではいかぬと思います。やはり大人が緑を大事にしなければいかぬ、松は大事なんだ、また、マツタケもあり、ときには鉄砲撃ちにも行けるというような、やはりそういうものが何かなければならぬと思うのでございます。 マツタケについてデータをちょっととらせていただきますと、補助金を出しておられて、いままでに京都府が五十五年度が六十八ヘクタール、五十六年度が五十九ヘクタール、広島県が五十五年がなくて五十六年が四十四、それから香川県が五十五年が二十、五十六年が二十というのが出ております。私の方も岡山でございますので、マツタケが本場だと昔は言われておったものでありますが、収量も落ちております。こういう制度がありながらどうしてこういうちぐはぐが出てきておるのか、それからまた、これを実施した効果は一体どうなのか、これもやはり治山の問題と密接に関連いたしますので、簡単で結構ですからひとつ具体的に御説明いただきます。
○秋山政府委員 燃料革命以前におきましては、松の下草あるいは雑草等もきれいに取って燃料にしたという関係もございまして、マツタケの発生にもよかったわけでございますが、燃料革命後はそういう山が放置されておる面もございます。 そこで、やはり今後マツタケの発生を促進するためには、松林の中の灌木とか草等を整理する、それからそれによって適度の明るさを保つということと、もう一つは下に落ちました葉が腐って腐植層というのをつくりますが、これを取り除くということが非常に重要でございまして、これを私どもマツタケ発生環境整備事業ということで、いま先生お話がございましたようにやっておるわけでございますが、京都の林業試験場におきましてやった結果を見てまいりますと、かつてマツタケが生えていましてなくなったところにそういうふうな手入れをいたしますと、大体一、二年でまた相当出てくるというデータがあります。それからマツタケというのは大体二十年生以降になって出てくるわけでございますが、これまで出ておらなかった未発生林につきましてそういう環境整備をしてまいりますと、調査結果によりますと三年ないし四年で発生を見ているというデータもございますので、私はこの整備の施業というのは非常に効果があると思いますので、地域について積極的に進めてまいりたいと思います。 特にことしから特用林産村づくり事業ということで村づくりを、定住条件を整備するための特用林産、これはキノコ類が相当大きなウエートを占めておりますが、その中でこの環境を整備する仕事も進めてまいりたいと思っておりますので、今後はマツタケ生産地域につきましては、そういう事業を積極的に導入しながら進めてまいりたいと思っております。それから同時に、松林の保全にもこれは有効な効果がございますので、そういう面も含めまして積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
○林(保)委員 それで去年が三千八百万ですか、五十六年度の事業費の見込みです。それで、ことしがどれくらいの事業費を見込んでおられるのか、それからそういうのを事業としてやる場合に、林野庁では最低どれくらいの規模から見ておられるのか、半額補助と聞きましたがそうなのかどうか、その辺のところを御説明してください。
○秋山政府委員 これまでは特用林産振興対策事業ということでマツタケの発生環境整備につきましてやってまいりまして、五十六年におきましてはこれは三千八百万円でございましたが、ことしは先ほど触れましたように、特用林産で村づくりをしていこうという総額を二十億にしています。これはメニュー方式でございまして、地域がシイタケをつくる場合にはシイタケと林業関係、それからマツタケならマツタケと林業関係というふうに、各種のその地域地域の特性に応じまして、この特用林産を振興させていこうというふうに考えておりますので、それを使っていただくわけでございますが、その場合のやり方といたしましては、一地域で一千万円の地域と約四千万円の地域と二つに分けて進めることにしております。
○林(保)委員 一千万円と約四千万円というのは、その事業の規模で決めるのですか。どのくらいの面積になるのでございましょうか。
○秋山政府委員 一つの集落になりますが、この約四千万、一千万の中には、やはり山の場合におきましては林道、作業道をつくるということも必要でございますし、シイタケの場合ですと、それを乾燥するフレームも必要でございます。そういう施設、さらにはその地域で皆さんがどういう形でその村を振興していこうかというふうな話し合いをするソフトの金もこれに入れてございます。それを含めましたメニュー方式でこれを進めてまいろうというものでございますので、非常に弾力的な使い方もできる面を持っているわけでございます。
○林(保)委員 当然これらは何らかの形で、農協便りとか森林組合便りで十分あれされているのでございましょうが、どういうところでPRをされているのでしょうか。私はこの話を聞いてからずいぶん調べましたけれども、余り聞いたことがないというか、全然聞いたことがないというところが多いのでございます。
○秋山政府委員 これは予算を作成する段階から、各都道府県並びに森林組合の皆さんとも話し合いをしながら進めてまいっておりますし、予算の成立を見ました四月以降におきましては、篤と各県の特用林産担当に話してございますので、不十分の面はさらに私どもは徹底をしたいと思っております。
○林(保)委員 ぜひ山を大事にする、緑を大事にする、川を大事にするということでやっていかなければならぬと思いますが、過去の治水事業五カ年計画、それから治山事業五カ年計画を見ますと、進捗率において治山事業の方が大きい。しかし事業費に対する達成率というのは建設省の治水事業が有利といいますか、大きいように思いますが、これは何か特別な事情があるのでございますか。
○秋山政府委員 第五次の治山事業五カ年計画におきましては、治山事業一兆三百億円に対しまして九八%の進捗率でございます。しかしながら、物価上昇を考慮しますと七七%ということでございますが、私ども過去の、先ほど指導部長が説明申し上げましたような、危険地域の調査を踏まえまして投資規模を決めているわけでございますが、今回は一・四七倍の治水と同じ伸び率で枠を認めていただいておりますので、その中で鋭意治山事業について進めてまいりたい、かように考えておるところであります。
○林(保)委員 大事な仕事ですので、ぜひがんばっていただきたいと思います。 最後になりましたが、政務次官にひとつ。新五カ年計画で中小河川、都市河川、四つの重点を置いてやっておられるわけでございますが、これを前五カ年計画の達成率、進捗率、そういうものと比べまして、この五カ年計画が十二兆の規模でございましたか、治水だけですと十一兆幾らになると思いますが、それで仕上がった場合に結果的にどれぐらいの整備状況になるのか、その辺を御説明願います。
○川本政府委員 お答えいたします。 第六次の治水事業五カ年計画は総投資規模が十一兆二千億円でございますが、その中で治水事業本体が八兆二千五百億円でございます。ただいまお尋ねございました整備率の問題でございますが、たとえば大河川で申し上げますと、五十六年度末の整備率が五八%でございますが、それを六三%まで上げたいというふうに思っております。
○林(保)委員 中小河川など整備率が悪うございますので、よほどがんばらなければならぬと思います。そういうことで、冒頭大臣にもお願いしておきましたけれども、何か人畜の害もなくて、はしにも棒にもかからぬということであったのかもしれませんが、なおそういう問題が常襲的に出ておりますので、その点をしっかりやっていただきたいということと、もう一つは、先ほど申しましたように、ある程度、一つのところであれば国費がむだにならないように重点的な投資もひとつお考え置きいただきたい。全国的なバランスもなおとっていただきたい。むずかしい注文になるかと思いますけれども、大臣並びに事務当局にこの点を重々お願い申し上げまして、ちょうど時間でございますので質問を終わりたいと思います。
○村田委員長 これにて林保夫君の質疑は終了いたしました。 次に、薮仲義彦君。
○薮仲委員 私は、ただいま議題になっております治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に ついて何点か質問をさせていただきます。 大臣も御承知のように、治山治水が古来から政治の要諦であることは論をまちません。このような事柄の重要性にかんがみまして、私は大臣の管理責任がある一級河川、上流から下流まで、地元の一級河川の大井川を視察させていただきました。その中で私は、何点か具体的な問題を通じてこの法案の縮図とも言うべき問題点を具体的に質問させていただき、大臣の見解をお伺いしたいと思うのです。 この大井川には、大臣も御承知のように、いま建設省が計画しております有効貯水量約六千八百万トン、相当大きな多目的ダムの長島ダムの計画があるわけでございます。さらにはこの水系全域で十数カ所のいわゆる発電ダムがあるわけでございます。この河川をずっと見てまいりますと、いろいろな問題があるわけでございますが、まず冒頭に、先ほど来当委員会でダムの安全が論議されておりますが、私は冒頭に河川局長に、いま建設省が計画しておるダムは安全かと単純にお伺いしたいと思うのです。これは海外におけるいろいろなダムの事故の例を挙げるまでもなく、日本の国にも、私の手元にあります資料でも幾つかございます。先ほど来問題になっております地すべりだけではなく、いわゆる漏水あるいはゲート破壊等のダムの事故があるわけでございますが、やはり地元としては建設省のつくるダムは安全であるということを前提に、皆が期待しておるわけでございますが、絶対安全ですかという質問に対してどうお答えになりますか。
○川本政府委員 ただいま先生お話ございましたダムの事故でございますが、これは確かに過去におきまして、アメリカでもあるいはフランスでもダムが破壊する、一番近いのはティートンダムというのが破壊しております。また、ゲートの破壊ということでは、わが国におきましても利水ダムでそういった事例もございます。 わが国の直轄でやっておりますダム、建設省が関係しておりますダムといいますものは、その技術基準の内容をしっかり固めておりまして、また十分な事前の調査、ダム本体に関しましてはそういったことを十分行いまして、万全の措置をしてやっておるところでございます。ただ、先生おっしゃいましたように、絶対という言葉はわれわれの技術社会にはちょっとあり得ないことでございますので、そういった面での表現は差し控えさせていただかざるを得ないということを御了解いただきたいと思います。
○薮仲委員 どうか、静岡県は地震強化地帯でもありますので、その点はいままでの私がいろいろ伺っている範囲内では安全を十分とっていらっしゃるようでございますが、さらに技術的にも不安のない多目的ダム、期待にこたえられるダムをつくっていただきたい、これはまずお願いしておきます。 次に、大臣にまず大井川の現況について正確に御理解いただきたいと思いますので、委員長、ちょっと大臣に後ほど資料をお渡ししたいので、よろしゅうございますか。
○村田委員長 結構です。
○薮仲委員 その前に、大井川といいますと大臣も御承知のように、東海道五十三次の広重の絵を見てまいりますと、あの島田にはれん台ごしで旅人を渡しておった、あるいはお役人がいたような川会所、これは島田市が文化財として保存しております。そのように、昔から言われておりますように、越すに越されぬ大井川、こういう言葉もありますように、大井川には昔から豊水、平水、渇水、年間を問わず水があった。これは地元のわれわれがよく知っておるところでございます。特にこの大井川水系の中には、静岡県ではお茶で有名な川根、中川根、本川根、三町があるわけです。川根のお茶と言えば有名です。特に大井川の霧によっておいしいお茶ができたわけです。中川根町に行きますと、役場の町長室には大井川を遡航している帆かけ船の写真が飾ってあります。昔はこんなに水がありました。これが前提なんです。それを前提にして、ちょっといま委員長にお断りしましたので、この資料をちょっとお渡しします。大臣、これは写真ですからごらんください。大臣にいまお渡しした写真からちょっとごらんいただきたいのです。ナンバーワン。これは現在の大井川の中流、中川根町一帯の写真でございます。これは私が撮ったのでございますから余り上手じゃない素人写真でございますが、歴然と水がないなとおわかりだと思うのです。全面砂漠のような状態です。これは私が五十二年にこの問題を指摘したとき、当時の河川局長も死の川というような表現を委員会の答弁でなさっているわけです。確かに砂漠のようです。ところが、その中川根の一番の写真、ちょっと大臣もう一回見てください。その中川根の砂漠のような写真の下に、一点洪水で溢水している写真があると思うのですね。このようにふだん水がないのですが、洪水になりますと一遍で枯渇している川が水がどっと出てくるわけです。これがいま現在の大井川の現況なんです。そこには三種類の写真がありますけれども、大臣、この三というのをちょっと見ていただけますか。私は見なくてもわかるのですけれども、そこにやはり中川根の高郷の地区の写真が出ております。左側には学校の写真があると思うのです。平常のときの学校はそのように土手の上に建っております。それが台風時にははるかに見えるように、川の中におぼれそうな状態に同じ学校があるわけです。これが、いま水のない大井川が一たん台風のときには一挙にこのように水が出てくる。これは何も建設省が雨を降らしたなんて、そんな無謀なことを言っているわけじゃありません。そういうことではなくして、水がないけれども、一たん台風になると非常に危険をはらんでいる川だなということを大臣に御認識いただきたい。 それから大臣、ちょっとお手元の表を見ていただけますか。これは中部地建でつくられた表です。建設省の流況調査表です。一番左側に自然流況、上に豊水、平水、低水、渇水とございます。これは昔大井川にこのような水がありましたよという一つの例でございますけれども、たとえば豊水期には百三十トン、いわゆる百トンを超す水があるわけです。真ん中は現況です。現況をごらんいただきますとゼロがずらっと続いております。これは表流水がございませんという、ほとんど水がゼロなんです。三番目は建設省がこの水のない川に何とか水をつくろうといって、いま長島ダムをつくって表流水を流してみせようという苦心の表でございますけれども、これが大臣、昔越すに越されぬ大井川と歌に歌われた大井川なんです。砂漠のような状態になっているのがこの現状なんです。大臣にまずこれをしかと御認識いただいて、これから私が質問するところを深く御理解いただいて、今後の建設行政の中でどうあるべきかをお考えいただきたい。 〔委員長退席、住委員長代理着席〕 では、なぜ大井川にこのように砂漠のような状態になるほど水がなくなってしまったか。私は、通産省が悪いとか電力事業者が悪いとか、そんな考えは持っておりません。これは、日本にとってたった一つの貴重なエネルギー源である水を何とか有効に使おうという考えであったでしょうし、当時日本の国が敗戦から立ち上がろうというときに、何のエネルギーもない、この水を最大限有効に使おうと思って、国全体がこの水をエネルギー源と求めておつくりになったという背景を私は理解しております。昭和十一年に大井川発電所をつくって、三十年代に六カ所の発電所をつくって、大井川水系には計十カ所の発電所があるのです。しかも、この発電所は、大臣に御理解いただくためにちょっと言わせていただきますと、上流から下流まで導水管で発電所から発電所へ水を引っ張っています。中間の河川の上はほとんど水を流しておりません。ですから、島田市までそのような水のない状態が続いているわけでございますけれども、これは、当時の時代的な背景といいますか、国全体の施策として行われたのであろう、私も、いまの立場でこれがどうのこうのと言う気持ちは毛頭ございません。しかし、果たしてこのままでいいのかという疑問は現在私も持っております。その点をこれから具体的にお話をさせていただきたいのです。 なぜ私がこの問題を提起するかといいますと、私が大井川筋を上っていろいろな方に会います。そのときに出てくる村人といいますか、その町の方の言葉の中に、このダムができれば、一つは水没の心配はございませんという説得の仕方、あるいは大水の被害が軽減されますというようなことで、みんなはああ住みよくなるのかなと感じていらっしゃる。ところが現実はそうじゃないわけですね。そうじゃない。なぜそのようになってしまったかといいますと、ここで私は、こういう現状の中から一番問題だと思うのは、こうやって全然水がないところへどっと出てくる、これは発電ダムをつくったから悪いのだ、あるいは建設省がどうのということではなくして、いまもし私がこれから申し上げることに本気になって取り組んでいただければ被害を出さなくてもいいのじゃないか、あるいは最小限に食いとめられるのじゃないかという考えを私はずっと持っております。そのことを具体的にこれから大臣に申し上げたいと思うわけです。 私は政府の資料で質問をずっと続けます。政府が持っていらっしゃる資料にこういうものがございます、「全国氾濫区域内、土地面積、人口、総資産額概括表」。これは建設省がおつくりになった五十五年度の調査でございますが、ここにこういうことが書いてございます。洪水はんらん区域内の人口、資産等について、昭和五十五年の調査によると、全人口に占めるはんらん区域内の人口の割合は、昭和四十五年の四六・三から五十五年は四八・二、六十年には五〇・三、人口の半分が河川のはんらん区域内にいますよ。しかも、その資産が昭和四十五年は百九十六兆円に対して五十五年には四百二十七兆円、約二倍です。六十年代は五百六十六兆円、これだけの資産が河川のはんらん区域内に存在するわけです。そうしますと、いよいよ治水という観点がこれから河川の行政の中では大事じゃないか。いままでは利水にウエートが置いてあった。しかし、人口の半分、資産がこんなにふえてくる状態にありますと、河川管理というものが利水だけではだめなのじゃないか、利水だけでなく、やはり治水にウエートをこれから移していかなければならないのではないかなといま私は考えているのです。 そこで、通産省来ていらっしゃいますね。——きょうは通産大臣、こう言いたいところですけれども、公益事業部長もちょっと事柄が大変ですからお答えしにくいでしょう、専門の水力課長がお見えだと思うのですが、通産省は私の問いに簡潔に具体的にお答えください。大体くどいことは私は求めません。 通産省にお伺いしたいのは、大井川水系に私が申し上げる十カ所の発電所がありますね。この十カ所の発電所で発電総量は何キロワットアワーになるか、それから年間にするとどのくらいの発電を大井川水系ではやっているか、さらにこれを金額に直すと大井川水系はどれほどの金額を生み出しているか、さらにはこれによる受益世帯数は何世帯くらいあるのか、この四点をお答えください。
○高木説明員 お答え申し上げます。 まず、大井川水系にあります十発電所の最大出力でございますけれども、これは五十七万六百キロワットということになっています。それから年間発電電力量でございますが、これは二十二億九千万キロワットアワーございます。それから、先ほどの料金でございますけれども、これについてはどれだけここに設定するか微妙でございますが、仮にたとえば十五円程度といたしますと、二十三億に十五円掛けたということになりますから、後ほど計算させていただいてもよろしゅうございます。それからこの受益者でございますけれども、これは送配電線網が中部電力管内くまなく行き渡っておりますので、この発電所の受益者がどうかということは特定できないかと思います。
○薮仲委員 私の手元にあるのですけれども、いま大至急計算してください。年間大体三百億を超えると思うのですけれども、いかがですか。
○高木説明員 仮に十五円程度としますと三百五十億弱くらいになります。
○薮仲委員 これを時間にしますと大体五十七万、年間三百五十億弱、これは大井川水系でいわゆる地域住民の協力のもとに発電している発電量の金額です。相当の金額ここでエネルギーに貢献しているわけです。 それでは、ここで通産省にお伺いしますけれども、簡単に答えてください。 発電ダムは本来治水に責任を持たなければならないダムなのかどうか、治水に責任があるかないかお答えください。
○高木説明員 本来洪水調整の機能を持つダムではございません。 〔住委員長代理退席、委員長着席〕
○薮仲委員 ということは、発電ダムには洪水調整、いわゆるわれわれが言うところの治水についての多目的ダムが持つような機能は何ら持たなくていい、水を好きなだけ流しなさい、治水の責任は発電ダムはゼロです、法律によってそうなっていますということだと思うのです。年間三百四十四億、これだけのエネルギーを生んで、幾多の被害がありながらここで治水には責任がございません。発電ダムには責任がないのです。これはどこが悪いのではなくて、法のたてまえからない。 それでは通産にもう一回伺いますけれども、大井川水系に現在建設省が六百億を上回る投資をしてつくろうとする長島ダム程度のダムは何個ありますか。
○高木説明員 私、長島ダムの正確な諸元はよく存じませんが、ただ、この大井川水系で最も大きいダムが井川ダムでございまして、高さは百四メートルくらいのダムでございます。それからもう一つは、最上流にあります畑薙第一ダムでございまして、これは百二十五メートルくらいのダムでございますが、この二つのダムがずば抜けて大きいというような状態になっております。
○薮仲委員 いま通産からお答えがあったように、確かに畑薙第一と井川ダムはずば抜けて大きい。特に井川ダムの有効貯水量は、現在建設省がつくろうとするダムのほぼ二倍に近いと思いますけれども、違いますか。
○高木説明員 お答え申し上げます。 有効が長島ダムで六千八百万トンだそうでございますが、それに対して井川ダムの貯水量は五十五年度末現在で一億八百万トンになっていますから、倍にはいきませんけれども、倍弱ということだと思います。
○薮仲委員 それでは通産にもう少しお伺いします。同じエネルギーでございますけれども、次は原子力発電についてお伺いをしたいわけでございます。 電源三法による電源立地に対する促進対策交付金があるわけですね。現在浜岡は三号炉の準備が着々進んでいるわけであります。一号炉、二号炉は現在稼働しております。簡単にお答えください。周辺市町村に対しての交付額、金額で一号炉は幾ら、二号炉は幾ら、それで結構です。どうぞ。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 浜岡一号炉、出力が五十四万キロワット、二号炉が八十四万キロワットでございますが、合わせました百三十万キロワットに対しまして、所在でございます浜岡町に対しまして十六億四千八百万円の交付金が交付され、その周辺市町村に対して同額の交付金、合計いたしまして三十二億九千六百万円が交付決定されております。
○薮仲委員 予定されております三号炉、出力百十万キロワットです。これでは浜岡町周辺で大体何億になると予想されますか。
○渡辺説明員 浜岡三号炉は百十万キロワットの計画でございますが、まだ最終的な事業計画が出されておりませんが、現在の制度で試算いたしますと、所在でございます浜岡町に四十六億円程度、周辺市町村に対しても同額の交付金が交付されることになると予想されます。
○薮仲委員 ということは、合計で浜岡周辺に百二十四億円余りが交付されているわけです。 次に、通産省に重ねてお伺いしましょう。 これも単純にお答えをいただきたいのですが、大井川水系、十の発電所があるわけでございますけれども、一番早くは先ほど申し上げたように昭和の初年、十年ごろから発電を開始しておるわけでございますが、十五年以上経過しているダムがほとんどでございます。じゃ、ずばり言って、昭和五十五年度まで何らかの形で長年協力してきた川根三町並びに周辺市町村に通産省として交付金のようなものを交付したことがございますか、ありませんか。
○高木説明員 五十五年度までは十五年以上経過したような古い発電所について交付金を交付したことはございません。
○薮仲委員 通産省が今度新しく法律をつくられました。電源立地促進対策で水力発電施設周辺地域交付金、五十六年度から交付されていますけれども、この川根三町に対して五十六年度どの程度の金額を交付されていますか。
○高木説明員 お答えいたします。 川根三町に対しましては、昭和五十六年度に四千七百九十六万円が支出されております。町別に申し上げますと、川根町におきましては九百三十六万一千円、中川根町につきましては八百六十万円、本川根町につきましては三千万円、こういうことになっております。
○薮仲委員 大臣、いまお聞きになったようなことなのですけれども、もう少し私お伺いします。 仮に、推論ですが、いま大井川水系に十個の発電所、五十七万キロワットアワーの容量の水力発電所をつくるとしたら、川根三町には交付金が概算でどの程度交付されますか。
○高木説明員 ちょっと三町という定義ではいま出ませんけれども、先ほど申し上げました大井川全体で五十七万キロワットということにかんがみますと、全部で工事期間中五億円ぐらいの交付金がいまつくれば出ることになるかと思います。
○薮仲委員 それではもう少しお伺いしますけれども、この通産省からいただきました「電源立地促進対策交付金の交付限度額算定単価及び係数」でいきますと、原子力は四百五十円、水力が二百円になっていますよ。いまの十発電所で五十七万キロワットアワーでしょう。単純に二掛けて五掛けるとどうなりますか。やはりそんなものですか。五億円。わかりました。 大臣、いまずっと一連のやりとりをお聞きになっておわかりいただいたと思うのですが、いまダムをつくりますとぽんと五億円。浜岡には百二十億。今度多目的ダムで水をつくったのが大井川をずっと行きまして浜岡までいくわけですけれども、この同じ流れの中に住んでいる住民としますとちょっと不本意なのですね。それは、当時は法律がなかったから、いまこういう時代だということで私はわかるのですけれども、こうやって考えますと、いまつくれば五億円程度。ところが先ほど通産省が御答弁になりましたように、本川根町で三千万、中川根で八百六十万、川根町で九百三十六万。この水力発電の方に交付される交付金は最低額が三百万、最高が三千万です。頭打ちなのです。単年度でそれ以上出ないのですよ。それで七年間だけは出しましょう、その次は電源開発に協力するならばさらに延長します、こう言うのです。これは地元の方にとっては非常に腹立たしいといいますか、われわれは長年協力してきていますよ、被害も受けていますよ、なのに協力していないからとは言わないでしょう。協力したら出すなんて、そんな恫喝とは言いませんけれども、そういう姿勢は誤りだ。長年お世話になって、本当に御苦労をかけて、いろいろな御迷惑をおかけし、御協力をいただいているのだ、黙っていて延長するのがあたりまえだと私は思うのですけれども、またその時点になったらきちっと私は言います。 大臣にこれから御答弁いただきますけれども、その前にちょっと通産省に二つお聞きします。 この電源立地の交付金で、原子力に四百五十円、水力には二百円と半分以下に差をつけた理由は何なのか。それから、昨年からわざわざ、わざわざというより私はこれは非常によかったと思っているのですけれども、水力発電施設周辺地域交付金を遅まきでもおやりになったのはなぜですか、明確に。
○渡辺説明員 最初に先生の第一点についてお答えさせていただきたいと思います。 現在電源立地地帯に対します促進の交付金といたしましては、新設の発電所に限りまして交付する、こういう制度になっておるわけでございます。その交付の金額につきましては、発電所の種類と申しますか、原子力であるかとかあるいは火力か水力かによって若干差がございます。基本的には発電所の出力に私どもが定めました単価と係数というものを乗じて算出するという仕組みになっております。 まず単価につきましては、先生御指摘のありましたように、原子力につきましては四百五十円が基本単価でございますが、水力は二百円ということで半分以下という水準になっておるわけでございます。この単価を定めます基本的な考え方といたしましては、電気を発生する量の違いというものを一つは見ております。具体的に申しますと、原子力発電所の場合でございますと、大体出力に対しまして年間のならして見た稼働率がいま六割を超えておる、こういう状況になっております。これに対しまして水力発電所の場合にはキロワットに対する年間の稼働の割合で見ますと三割弱というようなことで、半分以下の水準になっておる、こういう実情がございますので、こういう点を考慮している点がございます。 それから二番目には、いま私どものエネルギー政策の中で、確実に増大していく電力需要を賄うためにできるだけ多くの電力をつくりたい、こういうことを考えているわけでございますが、その中で立地に当たりまして、できるだけ多くの供給可能性のある電力に対してより多くの資源の配分をしていくということで、政策的にどうしてもある程度順位をつけざるを得ない、こういう実情にございます。そういうことから、結果的に先生の御指摘にございましたような単価の差になってきておる、こういうことでございます。 それからもう一つの係数と私どもが言っております数字でございますが、これは原子力発電の場合が七という数字でございますのに対して、水力発電所の場合は五ということで、これも低目に設定されております。この係数という考え方は、基本的にはその発電所の建設期間というものをしんしゃくして定めておるわけでございます。それで、最近の実態で申し上げますと、原子力発電所の場合には着工いたしましてから運転開始するまでに六年近くかかっておるわけでございますが、一方、水力発電所の例で申しますと三年もかかっておらない、こういう状況でございますので、こういう面でも原子力と水力の場合に差が出てくる、こういうことから御指摘のような差になっておるわけでございます。
○高木説明員 既設の水力発電所に対する交付金について御説明申し上げます。 先ほどの電源三法の交付金制度が四十九年にできたわけでございますけれども、水力は、たとえば火力、原子力と比較しまして非常に昔からつくられ、運転されておりますから、そういう意味では大変古い発電所が多いということが一つございます。それからもう一点は、水力は火力などに比較しましてきわめて耐用年数が長い。ということはどういうことかといいますと、火力は相対的に短期間でスクラップ・アンド・ビルドされることになり、そしてビルドされますとそこで新たな投資が行われて、したがって地元への固定資産税等の寄与も復元して大きくなる。片方、それに対して水力は、一度つくるとずっと減少する一方である、そういった水力の特殊性に対する不満の声が非常に高くなってきたことにかんがみまして、それでわれわれとしては、そういった火力と比較しまして、地元への寄与を補てんする、そういう観点からこの交付金制度をつくったわけでございます。
○薮仲委員 きょうはそのことをやっていると時間がないのであれですけれども、いまの通産のあれには私は全然反対なんですよ。というのは、一つだけ言っておきますと、いわゆる水力発電というのはいま申し上げたように、長い年月毎年のように被害に遭って、そしてたとえば、発電所にどうしてくれると言えばこれは通産省ですよ、通産省に行けばこれは建設省ですよというような堂々めぐり。弱い住民は、発電ダムができて水害がなくなるだろう、あるいは水没の危険はなくなるだろうと期待をして協力してきたが、毎年、たとえば床へ水が上がってくる。全部自分でその補修はしていかなければならない。何にも得るところはない。特に川根三町は財政力の弱い町です。しかもここは直轄区域ではありません。県の管理区間です。何かやろうとすれば負担が出てきます。弱い財政力ではできない、やり切れないのが水力発電を抱えた町村だと思うのです。しかも先ほど言ったように、治水については責任がありませんという。この私のやりとりを読んだ全国の水力発電ダムを抱えた町村の人がどう思うか。これは一体どうなんだ、われわれは長年苦労して協力したけれども、災害などは通産省は一切責任がないんだな、これじゃ水力ダムについては考え直さなければいかぬぞと、大変な問題になりますよ。そんな考えでいつまでも通る時代じゃないと思うのです、先ほど私が申し上げたように。そんなことを言っているから事柄は円満に進まなくなってくる。確かに当時は国策であったかもしれない。しかしいま公共事業ですよといって住民の前を踏みつぶして歩ける時代じゃないのです。やはり住民の生活、権利、そういうものを守りながら、協調して、地域で共存共栄していかなければ企業だって公共事業だって存在できないはずです。それをいまずっと申し上げたように、御答弁では、これを読んだ方々は全国的に発電ダムに対しては非常に不本意なお気持ちになろうと思うのです。これは私また時間を改めて、先ほどの御答弁に対しては一つ一つ具体的な例で問題を提起してまいりたいと思います。きょうはこれをやっていますと、もっと大事な大臣にお願いしなければならないことができなくなっちゃうので……。 大臣、ここからが大事なんですよ。ここからがきょう大臣に聞いてもらいたいところなんです。 いま申し上げたように、この川根三町というのは財政力の弱い、どこにでもあると言っては申しわけないですけれども、普通の小さな町です。こういうところは、いま申し上げたように年間三百億を超すような発電に協力をして今日があるわけでございますが、被害は毎年出るのです。いま河川局長に大井川水系は過去十年ぐらい、どのぐらいの被害が出ていますかと急に聞いたら、恐らく資料がありませんとお答えになろうかと思います、やめておきましょう。私のところに県だけがやった被害の額があるのですが、ざっと十億近い被害が出るのです、県の工事だけで。これは建設省や町単独の事業等を含めますと相当な金額になってくるのです。年々こうやって被害に遭っているわけでございまして、こういう被害を前提にして、私はこの解決策はないのかという点で大臣にきょうお話をしたいのですよ。 一つはこの河川、いわゆる発電所が十カ所もあるような、これほど国に貢献しているような河川は国が積極的に大臣の責任で管理する、いわゆる補修もやるような、そういう姿勢になっていただかなければ、さっきの写真のようなところは直らないのです。そこは大臣の管理区間じゃないのです、県の管理区間なんです。一つは直轄河川として全域を大臣が治水、河川改修に責任を持っていただく。これほど住民に負担をかけている、被害は少なくしましょう。交付金も出ませんというのです。五十六年度からは出ますよ、それまでは出なかった。こういう状態だったら、一つは大臣が責任を持ってこの河川は抱きかかえてくださることです。 もう一つは、これは大臣に言うのはちょっと申しわけないのですが、大井川全体のいわゆる高水をどういう形で見て、それを治水計画の中に入れていくかといいますと、これは河川局長の御専門でございます。これは昭和二十九年九月の台風十四号をもとにして、いわゆる大井川の下流の神座という地点で計画高水流量六千トンとして治水計画をずっとやっていったのです。しかしその後、四十年九月の台風二十四号、それから四十四年八月の台風七号、これを基準にしましてこの計画高水流量等を改定いたしました。現在大井川では基本高水が神座で一万一千五百、計画高水流量が九千五百。当面の実施計画が六千トン程度で進んでいると思うのでございますけれども、ここで大臣に聞く前に河川局長にちょっとお伺いしたいのでございますが、基本高水あるいは計画高水流量は作成されております、一万一千五百。あるいは長島ダムは九千五百とかなっておりますけれども、現在大井川流域全域を見て、直轄も県の管理区間も見て、ずばり言って神座の流量に換算したときに何トンの水まで大井川は耐えられるような河道改修の状況か、こう言ったら何トンとお答えになりますか。
○川本政府委員 ただいま先生お話しございました神座から下流が直轄区域になっている区間でございますけれども、その地点ではおおむね六千トンの疎通能力があろうかと思います。ただ、知事管理区間の方におきましては地区地区によって違いますけれども、概して言いますと三千トンないし四千トンぐらいの能力ではなかろうかと思っております。
○薮仲委員 もう時間が余りないので、これは大事な点なのでちょっと大臣にこちらから幾つか申し上げたいと思うのでございますけれども、いま河川局長が中間で三千ないし四千トンと言ったのです。 じゃ、これは通産省にお伺いしますが、長々と答弁しないで数だけ言ってください。例を言います。ここに、私の方にあるのですが、昭和五十年八月の台風六号、ちょうどこれに近い数字があるのですけれども、塩郷の堰堤のところ、塩郷の堰堤というのはちょうど中間区域になるわけでございますが、塩郷の堰堤のところと井川ダムの堰堤での放流量は何トンか、簡単に言ってください。最大放流量でいいですよ。
○高木説明員 このダムは洪水調整をやりませんので、最大放流量というものは直接その河川の流量でございますから出てこないと思いますが、たとえば操作規程にございます……(薮仲委員「資料が私の方にあるんだから言っちゃった方がいいですよ」と呼ぶ)洪水時の操作を開始しますときの流量を申し上げますと、井川ダムでは八百四十トン・パー・セック、それから塩郷ダムでは千八百トン・パー・セックでございます。
○薮仲委員 もう少ししっかり勉強してくださいよ。私は素人だってこの資料をちゃんと読んでいるんだから。八百四十トンというのは井川の洪水時操作流量です。私の聞いているのは、昭和五十年八月二十四日、六号台風の最終資料がここにある。これで井川の堰堤から放流されている最大の放流量は二十三日の十四時、千五百五十六トン・パー・セックですよ。そうでしょう。それからこのときの塩郷の堰堤は四千二百トン。この資料はこのときのダムの操作規程からいただいた資料ですから間違いございません。もっと正確な数字を言っていただきたい。時間がないのです。 大臣、いまなぜ私がこの数字を申し上げるかといいますと、一番奥にある井川ダムから千五百トン出しますと、ちょうど中川根で四千トン近くになるのです。さっきの写真で洪水になっている状態が四千トンなんです。ということは、井川ダムから千五百トン放流しますと、下流はあれだけ洪水になるわけです。 そこで河川局長にちょっとお伺いしたいのですが、いまの大井川の河川の状態で、井川ダムから無害といいますか、下流で被害が起きない安全な放流量は何トンぐらいとお考えですか。
○川本政府委員 井川ダムでの下流に対する無害放流量ということになりますと、私ども計画しております長島ダム地点と大体同じであろうかと思いますが、そういったことから考えますと、私どもの推察では毎秒千二百トンぐらいではなかろうかと思っております。
○薮仲委員 千二百トン。大臣、そこに三百トンの差があるわけですね。千二百トンを超えると下流では危ない状態がいま大井川なんです。しかし、これは現在の基本高水とか計画高水よりずっと下回っている数字でございますけれども、現況でいえば井川ダムでは千二百トンを超えますと危ないのじゃないかというのが川根三町の状態なわけです。 そこで通産省、また長々とは結構ですから簡単に言ってください。井川ダムの水位を一メーター下げると何トンの水が該当するか、そしてその水を発電量に換算すると大体何千万ぐらいか、ぽんぽんと答えてください。
○高木説明員 おおむね水位一メーターの容量は三百八十万立方メーターでございます。そこで、仮にそれを急速にゲートにより下げまして発電損失を換算いたしますと、大体一回の水位の低下で四百四十六万キロワットアワーでございまして、仮にそれが年五回あったといたしますと二千二百万キロワットアワーでございます。(薮仲委員「金額、一回」と呼ぶ)先ほどのキロワットアワー大体十五円ということを仮定いたしますと、約六千七百万円程度かと思います。
○薮仲委員 大臣、井川という大きなダムの水位をちょっと下げますと三百八十万トン水が影響するわけです。それがいま六千七百万と言いましたか、その程度のオーダーなんです。六千万円台のオーダーで、金額的にはそうなんです。一億いってないのです、一回一メーター下げるごとに。よろしいでしょうか。 河川局長お答えいただけますか。いわゆる制限水位といいますか、無害放流のレベルを一メーター下げますと、いまの建設省のダム操作規程で無害放流八百四十トンが流入してから放流していきますね、そうするとピーク時といいますか、大体毎秒何百トンぐらいカットできるか。これはいますぐ言って無理ならば、私の方に大体あるんですけれども、大体百万トン強、二百万トン弱カットできるんです。この数字間違っていますか。
○川本政府委員 貯水池の容量、たとえば百万トンあたり洪水が何トンカットできるかというお尋ねでございますが、これはもう各地域、地点によりまして雨の降り方、それから流れの波形といいますか、洪水の波形、こういったものがワンプロジェクトごとに異なっておりますので、一概に百万トンあたりでおおむね何トンカットできるであろうということは言えない。もう一つ一つ詳細に検討しませんとそれは出てこないはずでございます。
○薮仲委員 これは河川局長、後でゆっくり計算してください。私が申し上げたのは百万トンじゃないのです。建設省がダム操作規程でいわゆる二山の例を引かれて洪水調整のダム操作規程をおつくりになっている、承認していらっしゃいます。私の方にあります。それでいって、いま井川を例に、井川のダム操作規程で言っているんですよ、二山でやっているんですから。一メーター水位を下げると三百八十万トン水量で減るわけです。これが、放流すると放流量で大体毎秒何トンぐらいカットされるかといいますと、これは後で河川局長にゆっくり計算していただきますけれども、百万トンから二百万トンの間なんです。これはグラフを解析すれば河川局長は一発で出るんですけれども、いま御答弁いただけないのです。ということは、井川の水位を一メーター下げますと五十年八月台風六号、大臣さっき写真見せましたね、あの程度の水害が起きないで済むのですよ。井川の水位を一メーター下げ、あるいは極端にもう一メーター、二メ一夕ー下げますと大丈夫なんです。ところが、通産省は無効放流はいやですよ、こうおっしゃるのですけれども、発電で計算すれば約六千万円台のオーダーで済むことなんです。下流の被害あるいは下流の協力等を考えたときに、私はこれから大臣に何を申し上げたいかというと、きょうは駆け足で恐縮なんですが、発電ダムでも容量の大きなダムは治水能力を持っているんです。いま通産省にこれを言えば、建設省のダム操作規程どおり操作したら振りかえ水は何トンのカットをしておりまして、こういう答弁が返ってくるのはわかり切っているのです。そうじゃないのです。いま私の資料の中には、多目的ダムの中で予備放流水位を下げてダムの治水能力を上げたり、いろんなケースがあるわけです。多目的ダムではそういうことはできるのですけれども、発電ダムは利水に重点を置いておりますから、治水には一切責任がないのです、さっきのとおり。しかし私はこの前の委員会でも、これは建設省に言ってあります。建設省は、今後このような大型のダムについては、あるいは一級河川等の場合は、利水だけでなく治水にも協力するように大臣が通産省と御協議いただいて、水位を一メーターか二メーター下げる。単位で言えば億、二億までいかないですね、一億数千万で下流の被害がぐっと軽減されるわけです。 こういうことを考えて、私の言いたいのは、一つは直轄にしろと言ったってなかなかできない問題。水位をもう少し協力してくれないかということは、大臣が今後河川の安全の上から通産省とどうしても御協議いただいて、いまこのように財政窮迫の折から、住民の不安を解消するために利水ダムにも治水の責任を多少は持たせてほしい、私はこう願っておる一人なんです。大臣、いかがでしょう。
○始関国務大臣 お答えを申し上げます。 ただいまは薮仲委員から、越すに越されぬ大井川と言われた大井川の昔の話から、昭和十年代から、戦争の前期でございますね、ダムが十もできた。ところがふだんは水が全然なくなっている。川に水がないというのは殺風景な話ですね。しかし一遍台風とかなんとかということになりますと洪水、出水がひどい。ただいま御自分でお撮りになった写真も拝見したわけでございます。その原因はいろいろあるのでしょうけれども、発電ダムというものは治水には責任がないというたてまえなんだけれども、大きなダムになりますと関係や責任があるとかないとかいっても、実際上は治水の上に大きな影響があるわけでございますね。ですから、つまり発電会社から言えば水は金なんですけれども、雨が降りそうなときと限定するとまたいかぬのでしょうが、少し水位を下げておけば洪水の発生がうんと減るというようなことを考えてやったらいいじゃないか、その点について通産省と話をしろということでございます。 ここにございますのは河川局長から私のところに来たメモなんでございますけれども、これは薮仲先生もおっしゃいましたように、発電ダムは発電ダムで水を一滴もむだにしないというようなことでやってきたのが当時の事情等からやむを得ない側面があったと思われるのであるが、河川としてのあるべき姿及び河川環境に対する地域住民の方々の要望等を考え合わせると、大井川の水は回復する、これはふだんでもという意味だろうと思いますけれども、生み出す必要を痛感し、努力しておる、努力しておるということは通産省と話をしているということかどうか、余り細かいところまでまだ聞いていないのですが、水利権の問題につきましては、何と申しましても建設省の方が大もとを握っておるわけでございますし、合理的なお話であれば、発電会社といえどもそう一方的に自分の利益ばかりを主張するわけにまいらないと思います。電力事業だっていまそう窮屈なわけでもないようでございますから、御趣旨に沿って研究し、検討し、また必要があれば交渉するということを申し上げてお答えにかえたいと思います。
○薮仲委員 どうか大臣、私時間がないので駆け足の質問で意を尽くせなかった点大変恐縮でございますけれども、私は別に通産省が憎いわけでも発電が悪いなんという立場に毛頭ございません。何とかいま可能な限り建設省と通産の英知をかき集めれば、必ず私はいま持っておる社会資本の中で十分に住民の不安を解消するに足る結果が得られるのではないか、こう思っておりますので、通産省の方、いろいろ申し上げて大変恐縮なんでございますけれども、通産省の方もこういう建設委員会になんか出てきていろいろ御答弁しにくかったと思うのでございますが、いかがでございますか、通産省も御協力いただけるかどうか、最後に一言お答えいただけますか。大臣があれだけ言っているのですから協力してください、どうでしょう。
○高木説明員 発電専用ダムの維持運営につきましては、建設省と緊密な連絡をとって今後とも進めてまいる所存でございます。
○薮仲委員 大変無理なことを私はたくさん申し上げていると思いますので、その点十分お含み置きいただいて、改善の努力をここでお願いしたいと思います。 それでは次に、私地元のいろいろな問題をたくさん聞いてきたのですけれども、できなくなったので駆け足で何点かやりますから、恐縮でございますが、御答弁をお願いしたいと思うのでございます。 私は五十二年の委員会でもお願いをしたことがございます。これは長島ダムの建設に伴いまして、現在の井川線をつけかえなければならない、水没するのでつけかえてほしいという要望が地元で出たわけでございます。 この流れを詳しく申し上げますと、当時は水没という空気がございまして、地元で井川線存続期成同盟会、会長には亡くなられた鈴木治平さん、事務局長に望月恒一さん、三千名の署名を持って建設省や中部電力、静岡県、役場へ陳情に行かれた。ここからスタートしてどうやら水没は免れたわけです。しかし、その後やはり地元では何とかこれを地元の大きな観光のといいますか、本当に山村でございますので、このダムと同時に、少なくとも町がより明るく希望の持てる町づくりをしたいということで、今度新しく五十年代に入りまして井川線アプト式化存続期成同盟というふうに名前を変えまして、この運動が井川はもちろんのこと静岡まで輪が広がりまして、六千名ほどの署名が集まりました。この一番上の本川根町では町民の九七・五%が署名に参加しました。そしてこれを先ほどの建設省や中部電力、静岡県や町へ何とかつくってほしいという陳情をした。やはり会長は鈴木治平さん、事務局長は望月雅彦さんで、こういう運動が粘り強く今日まで続いてまいりました。私はこのお話を何回か伺って、委員会で建設省の見解をただしたわけでございますが、建設省はやはり地元の要望を十分満たしていこうというようなことでございました。しかし、これがだんだん具体的な段階に入りましたので、きょうは、建設省のこういうことをやりますよということを明確に局長からお伺いをしたいと思います。 それから、この長島ダムがこういうことになりまして、やはり一番問題は、水没なさる方への補償の問題や生活再建の対応がいろいろと問題になっているわけでございます。私は、この水没なさる方が新しい生活設計をなさるのには、当然いろいろな御苦労を持って新しい人生に立ち向かわれるわけで、それを支える意味で十分な御配慮を当然建設省は考えていただいていると思うのでございますが、この辺の見解をお伺いしたいと思うのでございます。 三番目には、やはりこの長島ダムができて本当によくなったなという、これは国土庁所管だと思うのでございますが、水源地域対策特別措置法に基づいていろいろと住みよい町づくり等が計画されていることだと思うのでございますが、やはりこういう大事業を、地元ではどうなるのかということで不安と期待と入りまじった思いに駆られておるわけでございまして、そういう点、地元も建設省には協力しようという体制にございますので、両局長の御答弁が非常に期待されるところでございますので、どのような計画か御答弁をいただきたいと思うのでございます。
○川本政府委員 まず第一点のおただしの井川線のつけかえの問題でございます。大井川鉄道の井川線につきましては、長島ダム周辺地域にとりましては重要な交通機関でございますし、そういった役割りを果たしておりますが、水没区間が一部ございます。そういった区間のつけかえを行う必要があると考えております。そのために従来から関係当局と協議を重ねてまいっておりまして、つけかえ区間の地形であるとかあるいは地質あるいは交通の実態、そういったものなどについて調査検討を重ねてまいりまして、昨年十二月には大井川鉄道に対しまして、いまお申し出がありましたアプト式の鉄道を重点といたしました技術検討を委託しておりまして、この検討結果がことしの秋ごろには出てくるかと思っておりますが、その検討結果の提出を待ちまして、早急に具体的なつけかえ案を確定したい。アプト式ということで現在検討を進めておるところでございます。 それから、水没者の方々に対する生活再建措置の今後の対応でございますが、長島ダムにかかわります補償につきましては、先生御承知のように、地元関係者の方々の大変な御協力を得まして、今年の三月十七日に一般補償基準の調印を見たところでございまして、その点は大変厚く地元の方々に感謝しておるところでございます。今後はこれに基づきまして水没関係者に対します補償金の支払いを鋭意進めてまいりたい、まずそれを思っております。 また、生活再建措置につきましては、水没者の方々の生活再建の中心となります代替地、これは静岡市の堤町というところにも現在予定しておりますが、そのほかそういったところの対策などが考えられておりまして、水没関係者に対します生活相談あるいは職業の紹介のあっせん、こういったものはもうすでにかねてから実施しているところでございますが、そういったいろいろな面での対策とあわせまして十分対応してまいりたいと思っております。
○高秀政府委員 国土庁の方から、いま先生お話しの水源地域対策特別措置法に基づく整備計画について概略御説明を申し上げます。 先生いまお話しのように、ダムについていろいろな地元の方々の御理解、御協力を得るために水源地域整備計画をやっているわけでございますが、長島ダムにつきましては住居が約三十九戸、農地が十五ヘクタール水没するということでございますので、水源地域対策特別措置法に基づくダム指定をやっております。五十四年の四月十七日に行いました。 その後水源地域の指定を五十六年三月六日付で行いまして、五十六年三月三十日に水源地域対策特別措置法に基づく整備計画を策定して、この計画に基づいて五十六年度から事業を実施しております。 この整備計画の中身を若干時間をいただいて御説明を申し上げます。 整備計画の事業の内容といたしましては、災害防止と生活基盤の整備を図るための谷どめ工等の治山事業、護岸を施工する治水事業及びダムの下流と上流の水源地域を接続するために、ダム事業と合併で施工する県道等の道路事業が合計約十二億二千万円、産業基盤整備として水源地域の基幹産業である茶園の整備等を行う土地改良事業、水源地域の林業経営の近代化を促進するために行う林道開設事業等林道事業及び茶園経営の合理化を促進するための共同製茶工場建設事業が合計約九億四千万円、その他生活環境整備として水源地域のコミュニケーションを増進し、集落社会の維持を図る有線放送電話施設、ダムにより水没する歴史、民俗資料の保存、展示を行う資料保存館、生活用水の確保と整備を行う簡易水道施設の建設事業、水源地域の子供たちが使用するプールの建設事業、水源地域を中心とした救急医療体制の整備を行う事業、水没者の移住用住宅用地の造成事業、水没者用の町営住宅建設事業、バレーコート等水没地域住民の体力の向上を目指すスポーツ、レクリエーション施設、水源関係地域の幼児のための保育園改築事業、水源地域集落の消防施設整備、屎尿処理施設整備事業及びごみ処理施設整備事業が合計約六億三千万円で、総計二十七億九千万円でございます。 先ほど申し上げましたように、こういう整備計画に基づきまして、各事業所管省庁及び静岡県等の協力を得て実施をいたしております。 なお、整備事業の実施に当たりまして、地元本川根町には一時的に多額の財政負担を強いることになるため、静岡県等の御努力によりまして、昨年の十二月二十六日、本川根町の負担する金のうち約九割を、下流の静岡県大井川広域水道企業団であるとか、島田市、掛川市等二市七町の受益者が負担するという協定を結んでおります。 以上でございます。
○薮仲委員 いろいろお願い申し上げました。地元の不安を解消するには、大臣にも大変むずかしいお願いをしたわけでございますが、治水の観点からの今後の対応、御努力を重ねてお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○村田委員長 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。 次に、中島武敏君。
○中島(武)委員 私は、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 まず治山治水六次五計について質問をしたいのですが、最初に、六次五計の第一の重点事項である中小河川、都市河川対策についてお尋ねをしたい。 大都市における水害が依然として大きな問題になっていますが、この水害の原因をどのように見ているか、この点をまず質問いたします。
○川本政府委員 お答えいたします。 近年になりまして、特に都内で言いますと神田川、目黒川あるいは埼玉県で言いますと綾瀬川、こういった都市河川について水害が頻発してきておりますけれども、その原因は、大きく分けますと、まず第一に治水施設につきましては、われわれの方でその整備を鋭意努力してきているところではございますけれども、いまだに立ちおくれているといいますか、整備水準は低いというのが現状でございまして、時間雨量五十ミリメートルの降雨に対応するというのを当面の暫定目標として中小河川の改修を進めているわけでございますが、その当面の目標に対してすら整備率が現在、五十六年度末で三八%という低い水準にあるということでございます。 それから第二番目に考えられますのは、河川流域が開発されるといいますか、都市化するということによりまして洪水の流出量が増大する、それとともに下流への洪水の到達時間が早くなります。したがって、結果的に洪水のピーク流量が増大いたしまして、治水の整備が進みませんと安全度が相対的に低下している、そういう傾向があるわけでございます。 それから第三の原因と考えられますのは、常時洪水が、従来ははんらんしておったような地域に、都市化の進展ということで人家がどんどん張り出してまいりまして、そういったことで、水害常襲地帯であるところに被害対象そのものがふえてまいる、したがって水害被害額が増大する、そういうようなことが都市水害の頻発する原因となっているのではなかろうかと思っております。
○中島(武)委員 いま局長から答弁のあったようなことが原因で水害が大都市においても頻発をするということになりますと、この対策をどうしても強めなければならない。その対策をどういうふうに強めようとしているのか、この点もあわせてお尋ねしたいと思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 都市水害につきましての対策ということも幾つか考えられるわけでございますが、まず第一には、何と申しましても、先ほど第一に申し上げたような河川の整備水準が低いということから考えまして、河川改修などの治水事業そのものを強力に進めていかなければならない、そう思います。このために、第六次の治水事業五カ年計画におきましても、都市河川対策というものを重点事項の一つとして促進してまいりたいと思っているところでございます。 それから第二番目の対策といたしましては、流域の保水機能あるいは遊水機能、こういったものをできるだけ維持する、洪水流出量を抑制するということが必要でございます。そのためには、遊水地とかあるいは防災調節池、そういったいわゆる洪水調節ができる貯留池を数多く建設することによりまして、さらに公園とかあるいは校庭、そういったところなどにおきましても可能な限り雨水の貯留を図るような、そういうことに努力しているところでございます。 それから第三番目の対策といたしましては、洪水がはんらんする可能性のある土地に住んでおられる方々に対しまして、浸水に対して安全な土地利用を呼びかける、心がけていただく、そういうことが必要であるということも考えております。また、過去の浸水実績、そういったものを公表いたしまして、そういった実態を地域の住民の方々に周知していただきまして、そういうことで治水に対する、水害に対する認識を深めていただく、そういう呼びかけを行っているところでございます。 このような都市水害対策は、鶴見川とかあるいは新河岸川、そういった流域の市街化の進展が特に著しい都市河川を中心といたしまして、総合治水対策ということで実施しているところでございますが、その総合治水対策の趣旨は、他の都市河川あるいは全国の河川にも適用することが必要であろうか、そういうふうに考えております。その観点に立ちまして、今後とも都市河川対策を重点的に促進してまいりたい、そう思っているわけでございます。
○中島(武)委員 この総合治水対策特定河川の指定は、東京では新河岸川だけですか。
○川本政府委員 東京に関連いたします河川ということになりますと、鶴見川がございます。それから中川、綾瀬川という水系がございます。それから多摩川の残堀川という川もございまして、全体で十四河川現在総合治水対策の指定河川としておりますが、そのうち、いま申し上げた河川が東京に関連をするところでございます。
○中島(武)委員 それは間違いないですか。東京で新河岸以外にそれ全部指定しているのですか。間違いないですね。
○川本政府委員 間違いございません。
○中島(武)委員 先ほど局長が言われた神田川だとか目黒川だとか、特にはんらんをする、問題になるここが指定をされておりませんですね。私は、集中豪雨だとかあるいは台風のたびに水害を引き起こすいま言ったような河川、こういうところも総合治水対策特定河川に指定するべきじゃないか、そして対策を強めるべきじゃないかと思っているのですけれども、この点はどうですか。
○川本政府委員 ただいま御指摘がございました神田川とかあるいは目黒川とか、そういった河川をどうして総合治水対策に指定しないのかというお尋ねでございますが、総合治水対策の指定河川といいますものは、先ほども申し上げましたように、現在その流域において都市化が著しく進行している川、これに対しまして流域の遊水機能あるいは保水機能をできるだけ維持していこうということを含めて、流域の市町村をメンバーといたします協議会をつくって、そこでいろいろな整備計画をつくり、コンセンサスを得ていこう、あるいは土地利用の誘導までしていこうというふうなことを考えているわけでございまして、目黒川とか神田川は、残念ではございますけれども、流域がすでに市街化し尽くされた河川でございます。そういった川につきましてはいま申し上げたような総合治水対策というよりは、むしろ河川改修、治水対策そのものをできるだけ進めていかなければいけないという点に尽きるわけでございます。そういうことでございますので、目黒川とか神田川につきましては、いろいろな手法を用いまして都市河川改修を鋭意促進しているところでございまして、総合治水対策に指定しないからといって、治水対策をおろそかにしているということではなくて、逆にほかの川よりはよほど促進を図っていると言える川であると思います。
○中島(武)委員 いまの局長の答弁ですが、これは、都市化が完了しているところを総合治水対策に適しない川として否定をするのは、私は正しくないと思うのです。もちろん神田川とかそれから目黒川のようにしょっちゅうはんらんを引き起こして大問題になっている、こういうところは一刻も早く改修を進めるということは、これはそのとおりです。しかし、現在進めている改修を進めればそれじゃもうはんらんしないのかという問題なんです。これは必ずしもそういうふうには言い切ることはできない。私は、都市化が完了したところにおいても、やはり総合治水対策という措置をとるべきじゃないかというふうに考えているのです。なぜかといいますと、こういう都市化の完了したところであっても、雨水の河川に対する流出量を抑える、また時間を抑えるということというのは非常に大事だと思うのです。それで貯留施設をつくるとか、あるいは地下に浸透する施設をつくるとか、そういう対策が非常に大事だと思うのです。それをつくる場所がないのかということになりますと、これまた私はあるというふうに断言をしたいと思うのです。都市化してしまっているから無理だというんじゃなくて、つくる場所がある。どこにあるか。結局私どもが思いますのはやはり公共施設ですね。ここを考えるのが当然じゃないかというふうに考えます。たとえばですけれども、神田川の全流域面積は百五平方キロメートルあります。ところが、同じその地域に公共施設の面積は二十二平方キロメートルあるんです。ざっと全体の二一%あるんです。それから道路、公園、小中学校、公団、公社、都営住宅、こういったものがあるわけなんです。だから、やる気になればこれはできるという問題だと私は思っています。たとえば浸透性の下水道をつくるとかあるいは浸透性の雨水ますをつくるとか、あるいは浸透性の舗装にするとかあるいはトレンチ方式を採用するとか、こういう浸透性をもっと向上させる、それからまた保水機能を向上させるという点でも、もっと植樹を行うとか各種の貯留施設をつくるとか、そういうことをやって、改修だけでは恐らくもたないであろう面を、総合治水という観点から、大都市、しかも都市化の完了している地域においてもやるべきじゃないか。そうやりませんと、やはりはんらんが起きてくるということを防ぐことはできないんじゃないかというように思うのです。そういう点からいって、やはり特定河川に指定することを検討するべきじゃないかということを思うのですけれども、局長の見解を聞きたいのです。
○川本政府委員 既成市街地を流れております、またそれを流域といたします河川について、総合治水対策と指定しない、これはおかしいという御指摘でございますが、私ども先ほども申し上げたかと思いますけれども、総合治水対策は、これはその特定河川だけに総合治水対策をしたらいい、それで事成れりということではございませんで、そのほかの都市河川もすべてそういった思想でやはりやっていくべきであるという考えでおりました。目黒川とか神田川につきましては、先ほど来申し上げておりますように、河川改修を特定河川にしなくてもやっておるわけでございますけれども、いま御指摘のような流域においていろんなきめ細かい貯留方策あるいは浸透方策、そういったものは当然大事なことでございまして、私どももそれにいろんな点で関心を持ち、また指示もしているところでございまして、特に東京都の方におきまして、たとえば練馬方式とかいうようなことでいろんな方策を考えてやっておられます。そういった研究的、実験的成果、こういったものがどういうふうになってくるか、私ども非常に大きな関心を持っておるところでござ、いまして、そういった既成市街地の密集地の流域の河川におきましてもいろんな貯留効果、浸透効果、そういったものを確保するということは一番大事なことである、そういうふうに考えております。
○中島(武)委員 私は一般論じゃなくて、やはり総合治水対策、特定河川に指定をしてもっと力を入れるべきじゃないかということを言っておるのです。一般論じゃないのです。それで、これはなぜこういうことを強調するかといいますと、東京都の都市化が進行しているものですから、たとえばこれは下水道に流れ込む雨水の流出係数、これが実は変更を余儀なくされている。現在使われている流出係数は戦前につくられた係数もあるのです。それから戦争直後のものもあるのです。それで見直しをやっているのですけれども、見直しはごく一部なんです。そうすると、河川改修でも何でも流出係数をもとにしてやりますから、そういう古い戦前の、しかも戦争直後とか、こんなときの東京といま変わっちゃっているのですよ。御存じのとおりでしょう。だから私は、そういう点では、一般論というだけじゃなくて、こういう点を特にやはり特定河川として指定をして対策を強化するということが必要じゃないかというように考えるのです。 それで、公共施設をということを私言いました。ところが、公共施設をそういうふうに使う、貯留施設に使うとかということをやりますと、お金がかかりますね。それで、こういうのに対してもやはりちゃんと特定河川に指定をして、お金の面からも見るというような検討があってしかるべきじゃないかということなんですけれども、どうなんですかね。局長の答弁を聞きましょう。
○川本政府委員 先ほど来申し上げておりますように、総合治水対策に特定しようとすまいと、その流域の治水整備というものは当然やっていかなければいかぬわけでございまして、従来から総合治水対策特定という名をつけておる川は、その流域の市街化がどんどん進行する。たとえば鶴見川で言いますと、昭和五十年代には六〇%ぐらいの市街化区域ということになっておりましたけれども、それが将来は八〇%ぐらいまで上がってしまうだろうというふうな、まだまだこれから市街化がどんどん進むような区域の河川、こういったものについてそういった制度ということをたまたまやっておるわけでございまして、いまおっしゃいましたような総合治水対策的ないろいろの細かい施策、流域の貯留あるいは浸透といったそういった施策につきましては、目黒川、神田川等にいたしましても、それは河川改修といいますか、河川の方の治水の計画に対しましてもしも寄与するようなものでございますれば、それは当然河川改修ということの計画の中に取り込んでやっていってもいいわけでございますが、いろいろと都の方で研究なりあるいは実際にもおやりになっておるような事例は、いわゆる下水関係というふうなことでの対応というふうなこともやっておられるように聞いておりまして、いろいろな面で東京都と今後とも協調をとりながら事業の実現化といいますか、そういった貯留効果あるいはそういったものの発揮のための施策、これの推進に努めてまいりたいと思うところでございます。
○中島(武)委員 もうちょっと積極的な答弁をしてくれるとよかったんですけれども、しかし、よく東京都とも連携をしながら力を強めていくということですから、それじゃもっと具体的な問題について聞きます。 新河岸川の関係ですけれども、この新河岸川の流域整備計画の策定はいつごろになりますか。私がいままで聞いておったのでは、ことしの三月いっぱいには何とか完成したいということをかねて聞いておりましたが、どうもまだできてないようなんですけれども、いつごろになりますか。
○川本政府委員 現在、新河岸川の流域整備計画の策定作業というものは、流域の協議会によりまして鋭意作業を進めておるところでございまして、その内容といたしましては、他の河川のすでに策定されました流域整備計画と同様に、流域整備の基本方針あるいは河川の整備計画、保水地域、遊水地域あるいは低地地域、この三地域区分ごとの流域対策、こんなものから構成される予定でございますけれども、現在この新河岸川の流域整備計画がややおくれておるという御指摘でございますが、それは、鶴見川なんかに比べますと流域が二都県にまたがって、しかも関係市区町が非常に数が多い、二十六市区町にも上るわけでございまして、そういったことでやや手間取っておったことは事実でございますけれども、現在も埼玉部会と東京部会、二つの部会で作業を進めておりまして、一部におきましては計画案を了承していただいたところもございますし、今年の夏ごろまでには決定できるような運びになろうかという段取りで現在のところ進んでおります。
○中島(武)委員 同じく新河岸川についてですけれども、五十ミリ対応の整備率というのは六%なんですね。それで、たとえば板橋の部分で言いましても、右岸が六・三キロ、左岸が四・七キロ。この五十ミリ対応の工事は現在年間五百メートルくらいの進捗状況なんです。そうすると、これは二十年以上かかる、そういうことになってしまうのです。しかも洪水の流出率は、局長がよく御存じのように、四十年には一割くらいだったのが五十年には三割に急激にふえている。いわばこれはいつ新河岸川がやられても不思議はないという状態なんです。そういう点から言うと、相当な勢いで河川改修を急がなければならぬのです。二十年なんという時間をかけておるのでは、その間にどんな事故が起きるかわからない。この点もっと力を入れるべきだと考えるけれども、局長、どう考えておられるか。
○川本政府委員 新河岸川につきましては、先ほども総合治水の問題でお話しいたしましたが、昭和五十四年度に特定河川に指定しておりまして、その総合治水におきます新河岸川の改修計画は、流域対策を行うことを前提にいたしまして、ただいまおっしゃったような、おおむね時間雨量五十ミリ対応ということを目標といたしまして、現在鋭意改修工事を進めておるところでございます。 主要な工事の内容といたしましては、本川、支川の築堤とか護岸とか掘削、そういったものは当然でございますが、朝霞とか南畑の排水機場あるいはびん沼とか朝霞の調節池、そういったいろいろな事業を含めまして、そういったものの建設を含めまして、今後早期に目標達成に邁進したいと思っております。工事の完成時期といたしましては、総合治水の特定河川、これはすべてでございますが、おおむね十年を目途にしてそういった暫定的な整備計画目標を達成するように努力してまいりたいと思っておるところでございます。
○中島(武)委員 じゃ改修の方も二十年はかけないで、十年をめどに完成をするということですね。 もう一つ関連して伺いますが、昨年の七月二十二日に集中豪雨がありました。それから同じく十月二十二日に長雨がありました。これで北区、板橋区内の洪水個所が幾らあるか、そしてまた、その原因というものを私はいろいろと調査してみました。そうしますと、いろいろなことがわかってきた。それは、新河岸川の水位との関係で下水道がのみ切れない、そのために浸水をしているという地域があります。それからまた、新河岸川の支流である白子川の改修が進まないために下水道の整備ができないでいるという地域がある。さらに、これは新河岸川ではありませんが、石神井川の流域で飛鳥山のトンネルをもう一本、第二隧道をつくって二メートルほどまた掘削をするということをやれば、下水をのみ切れる地域もあります。それから新河岸川、石神井川とも排水施設をつけないと問題が解決できない地域もあるのですけれども、排水施設をつけるわけにはいかない、何でいかないか、それは河川の改修をやらないとあふれてしまうわけであります。どんどん排水するためにはもっと河川改修を早く進めないとそれもできない。要するに、改修を大いに急がなければならない地域があるということが非常にはっきりしてきたのです。六次五計の予算規模で果たしてできるのかということも心配なんですけれども、先ほどの局長の答弁では十年をめどにこれらの問題は解決をつけるということを言っておられるから、それはそうなのかなとも思うのですけれども、この点はもう一度しっかり答弁を願いたいと思います。
○川本政府委員 新河岸川の総合治水対策ということで、暫定目標といたしまして、時間雨量五十ミリといった降雨に対して安全なようにということで改修を進めておるわけでございまして、そういった目標に対しまして、先ほど申し上げたように、おおむね十年で何とかかっこうをつけるように努力したいというところでございまして、ただいまの浸水被害の実態、河川の改修云々というふうな御指摘につきましては、いろいろと水位、地盤との関係もございます。一概に河川の方の改修がおくれておるからということだけではないように私は聞いてはおりますけれども、十分実態を調査いたしまして対応を考えてまいりたいと思います。
○中島(武)委員 それでは、もう一つ新河岸川の問題についてお尋ねしたい。 それは、局長もよく御存じのように、新河岸川というのは都市の河川なんです。いま都市では河川は失われてしまっていると言ってもいいでしょう、小さい河川は。そのために、水と親しむ機会というのが東京都民などは非常になくなってきているのです。そこで、新河岸川をもっと水と親しめる川にするべきではないかというように私は考えます。私いろいろ話を聞いているのですけれども、大体昭和二十五年くらいまでだったらシラウオが新河岸川に泳いでおる、それから昭和二十七、八年ごろまではコイとかフナはもちろんのこと、北区の浮間橋あたりではハゼを釣ることができた。要するに水遊びだとか、水泳ぎだとか、釣りだとか、舟遊びだとかいうものをもっと取り戻したいと私は考えるわけです。ところが、新河岸川というのはどういう川になっているかといいますと、流水機能を重視するものですから、かみそり堤防なんですよ。その辺を歩いてみたって、川はどうなっているかもわかりゃしない。そういうふうになっているのです。それで、これを緩傾斜型の堤防に変えて、そして水際に出て直接手で水にさわることができたり、あるいは魚礁だとか水草なんかが繁茂できるような場所をつくったり、あるいはまた魚釣りができるような構造に堤防を変えていくことが必要じゃないかと私は思うのです。特定河川に指定したり、総合治水対策を十年かけてやるというところにいま力を入れておられるようだけれども、しかし水のはんらんを防ぐというだけではなくて、もうちょっと都民に潤いのある川、こういうところへ進まなければいかぬと思っているのですけれども、これも見解を聞きたいと思います。
○川本政府委員 河川といいますものは三つ機能を持っておりまして、一つは治水、二つ目は利水、それから三つ目が河川環境の確保といいますか、河川環境というふうなこと、そういう面があろうかと思います。特に治水、利水に引き続きまして、都市化が激しいこういった近代の社会におきましては、川あるいは水といったものが人間の心に安らぎを与えるといいますか、水と親しむ、そういった面での要請は日に日に強まっておりまして、そういった第三番目の河川の機能を大いに重視をして、その三つの機能ができるだけバランスのとれるように、河川を総合的に管理をしていかなければいかぬ、そういうふうに思っております。ただ、やはり災害が起きては元も子もないというのが現実でございまして、まずは災害を防ぐという方策で進まざるを得なかったということもあろうかと思います。また、新河岸川のように本当の住宅密集地内を流れる川になりますと、用地の問題もございます。緩傾斜堤にしたいと思ってもできなかったいきさつもあろうかと思いますし、やはり治水がまず最初ということで、そういった傾向で進んできたということは現実の姿としてあるわけでございますが、今後もそういう緩傾斜堤ということが河川環境の問題で非常にいいという点がございます地区につきましては、他の事業との合併とかいろいろなことが考えられると思いますし、あるいは地震対策といったものでの必要性もあろうかと思いますけれども、そういった点でできる部分はやっていきたい、こういうふうに考えております。
○中島(武)委員 できる部分はやっていきたいという答弁と伺いましたが、私も新河岸川のあたりはいろいろよく知っていますし、それから調査もやっております。それで私は、この辺をやったらいいなというふうに考えるところがあるのです。浮間、赤羽北、志茂、この辺。それから荒川の岩淵水門の周辺。さらに隅田川では豊島五丁目団地周辺。それから板橋で言いますと、小豆沢、東坂下、さらにその上流。いま改修を進めるに当たって、いろいろとせっかくのこの考えを具体化しながら改修を進めていくことができるという地域がかなりあるのですね。そういう点をぜひひとつ検討してもらいたいというふうに思いますが、いかがですか。
○川本政府委員 御指摘のあった場所は、いずれも東京都が管理しておる区域であろうかと存じますが、東京都におきましては隅田川あるいは中川などの東部の低地帯にかかわる河川につきまして、先ほど申し上げたように、主として地震に対する安全度を高める施策ということで、いわゆるゼロメートル地帯について緩傾斜型の堤防の計画を進めておるというふうに聞いております。御指摘の、お話がございました隅田川の豊島五丁目団地周辺ですとか、あるいは岩淵水門の下流区域といったものについてはただいまの計画に入っておるというふうに聞いております。新河岸川にかかわる個所、それより上流の区間だろうと思いますが、それについてはその計画には含まれていないというのが現在の姿でございます。 この緩傾斜型の堤防は、確かに先生おっしゃるような環境問題あるいは親水性の面といったことからも評価できるものでございますから、緊急性の高いところから、あるいは他の事業との合併でやれるようなところ、そういったものについて逐次進められていくものと思われます。
○中島(武)委員 ぜひひとつさらに広げて、この新河岸川上流の方も検討願いたいと思うのです。 それから、ついでに一つ聞いておきますが、岩淵水門の改築ですね。それから築堤工事に伴って、これまで以上に北区民、都民の憩いの場となるように、細かい要望を繰り返してきたところですが、この改築、築堤工事は予定どおり進行していますか。
○川本政府委員 岩淵水門の改築、それと関連します地区の改修事業、これは昭和四十九年度から実施しているところでございますが、五十六年度の末におきまして、岩淵水門の本体については、一番右側の一スパンのゲートを残しまして概成をしております。今年、昭和五十七年度におきましては、残る一スパンのゲートの据えつけを実施いたしまして、水門本体を完成させますと同時に、護床工及び右岸の低水護岸を施工いたしますが、五十八年度以降におきまして、残りの護床工とか低水護岸を実施いたしまして、それに関連いたします築堤工事並びに周辺整備、そういったものを促進してまいりたいと思っております。
○中島(武)委員 河川改修との問題で、高速道路王子線の問題について聞きたいと思います。 これは王子線のピアとの関係で、石神井川が飛鳥山のトンネルから出たところから隅田川まで数百メートルを、大工事の末に、五十ミリ対応工事が四十二年の三月に基本的に終わっています。ところが、その後鎗溝橋の持ち上げ工事を行い、五十五年からは飛鳥山の第二隧道との絡みで護岸の補強工事が行われました。そのたびに住民は不便を感じて犠牲を受けてきましたけれども、水害から堀船を守るためということでしんぼうしてきたわけであります。 ところが今度、いま言いましたように、高速道路王子線をつくるということで、せっかく完成をしていたこの五十ミリ対応の石神井川、これをつけかえるという話が持ち上がってきました。それで四十二年の三月に基本的に完成をしたときには、これで百年の計は終わったというふうに言っていたんです。ですから、それに応じて家を建てかえた人もいるんですが、いままたこの石神井川をつけかえるという話になってきて、住民は非常に納得できないものを感じて怒っているんです。これは一体幾ら費用をかけてこのつけかえをやろうとしているのか、これは道路局でしょうか、お尋ねします。
○加瀬政府委員 石神井川につきましては、首都高速道路の王子線の計画に伴いまして、鎗溝橋上流付近から溝田橋下流付近までの間、約六百メートルのつけかえを計画しているわけでございます。この首都高速道路の路線選定に当たりましては、公共用地あるいは公共空間を極力利用しまして、民地買収をできるだけ少なくするよう配慮しているわけでございまして、王子線のこの区間につきましても、大蔵省印刷局王子工場の敷地を可能な限り利用する一方、、民地買収を極力少なくするように計画しておるわけでございます。しかし、一部水路のつけかえはやむを得ないという結果になっているわけでございます。 この費用でございますが、王子線につきましての首都高速道路公団五十七年度予算として計上されております額は、十二……(中島(武)委員「違う、私の聞いていることは」と呼ぶ)当該区間の工事費でございますか。(中島(武)委員「そうです。三十億と聞いているが、それでよろしいか」と呼ぶ)当該区間のつけかえにかかります工事費は、約三十億円というふうに承知しております。
○中島(武)委員 これは率直に言って全くむだなことじゃないか、二重投資じゃないか。せっかく五十ミリ対応ができ上がったと思ったら、今度は道路をつくる。道路をつくるために河川をもう一度三十億かけてつけかえるということですから、全くむだな投資じゃないかというふうに私は思うのです。 それで、いま局長がちょっと言っておられた王子線の測量試験費と用地買収費、これは五十七年度の予算で十三億つけましたね。ところが、北区、板橋区の住民は環境権、営業権、生活権を守るためにこぞっていま反対しているんです。それで、王子線について言いますと、都市計画決定はおろか、板橋では説明会も開かれないという状況なんです。そういう状況であるにもかかわらず予算の方だけはつけた。私は、一言で言いますと、はなはだ住民無視の考えじゃないかというふうに考える。 それで、ここではっきり聞いておきたいんですけれども、五十七年度の予算でつけられたこの十三億円の予算、これは都市計画決定がなされて、事業決定が行われて、そして工事実施基本計画がつくられて、大臣の認可を得て初めて使えるお金ではないかというように思っているんです。それがやられなければこれはいわば死に金になってしまうというものだと思うのですけれども、加瀬局長のはっきりした答弁を聞きたいと思うのです。
○加瀬政府委員 おっしゃいますように都市計画決定あるいは道路法に基づきます自動車専用道路の指定、それから道路整備特別措置法に基づきます基本計画の指示、こういった手続を経まして初めて使用することができる経費でございます。
○中島(武)委員 私は、さっきから言っているんですけれども、やはり二重投資だと思うのですね。しかも住民が、いろいろあるけれどもやはりだめだ、こういうふうに言っている計画なんですから、これを再検討するとか撤回するとかいうことを真剣に考えるべきじゃないかというふうに考えます。そのことを言って、私次の問題について質問したいんです。 植樹保険についてお聞きしたい。公共植栽工事に係る植樹保険、この制度が昨年創設されました。この制度を創設した理由とその概要をごく簡潔に伺いたいと思います。
○加瀬政府委員 公共工事におきます植栽工事の植栽樹木等は、工事完成引き渡し後一年以内に枯損または形姿不良となった場合、一般的には各工事の仕様書等によります枯れ補償規定によりまして、全額請負者の負担で植えかえることとされておるわけでございます。 昭和五十三年に西日本を中心としました渇水がございまして、植栽樹木等の枯損が多発いたしまして、枯れ補償規定の完全な実施をめぐって非常に混乱が生じたという事実がございます。このときに、関連業界を初め各方面から救済策の実施が強く要望されまして、国会におきましても対応策の樹立につきまして強く要請されたわけでございます。以来建設省では、枯損の実態調査を行うとともに対策を検討してまいりましたが、その結果、植樹保険制度を創設することとしたわけでございます。 この制度の概要について申し上げますと、干害、風水害、病虫害等によりまして枯損が多発した場合、発注者が枯れ補償規定に基づき有している植えかえ請求権の保全を図るとともに、零細企業の多い造園業者に対する過大な負担を軽減し、植えかえ工事の円滑化を期することを目的としたものでございまして、本保険は、枯れ補償期間、工事完了引き渡し後一年内に発見された枯損樹木等の損害が、保険金額の一五%を超える場合にはその超過部分について保険する。また、火災、落雷による樹木等の損害の場合には、すべてについて保険会社が原則として受注者に植えかえを依頼することによりまして発注者に現物をてん補する、こういう制度でございます。
○中島(武)委員 この枯損損害の発生率、これは植栽工事件数比でどの程度になりますか。
○加瀬政府委員 昭和五十五年度に当省で行った調査によりますと、平常年と考えられる五十一年度、五十二年度、五十四年度の平均では、一五%以上枯損が発生した工事の件数は四・八%、それから渇水等の理由で枯損が多発した、先ほど申し上げました五十三年度には一一・九%となっております。
○中島(武)委員 いまもう一五%を超える場合についてもお答えをいただいた。私聞いたんじゃないんだけれどもお答えがあったから、次、聞きます。 保険料率は幾らですか。
○加瀬政府委員 工事費の〇・八五%と承知しております。
○中島(武)委員 この保険料は公共植栽工事額に含まれているのではありませんか。
○加瀬政府委員 一部積算上含まれております。
○中島(武)委員 公共工事は約二十兆円ぐらい年間あるとしまして、公共植栽工事額は幾らになりますか。
○加瀬政府委員 植栽だけについての推計というのはかなりむずかしいのでございますが、建設省所管の一般公共事業に係る緑化事業は、都市公園の整備あるいは道路、河川等の緑化事業、こういった緑化関係事業費で年間二千三百億円程度と考えられます。こういった事業には、植栽工事費のほかに用地買収費、敷地造成費、構造物の整備費等が含まれているわけでございます。緑化の中心となります都市公園の場合でございますが、五十七年度予算一千九百五十一億円の事業費が計上されておりますが、このうち用地買収費が約五〇%、それから工事費の一五%が植栽工事費と推定されるわけでございます。したがいまして、こういった関係から、都市公園事業費に係ります植栽工事の額は約百四十億円程度かと思います。それに、ほかの事業のうちの植栽工事を同じような推計をいたしますと、これが二十億円ぐらいで、全体で約百六十億円程度と想定しております。
○中島(武)委員 それは、いま建設省の緑化何とかと言いましたな、それだけの額ですね。ところが実際にはこの植栽の公共工事、これは広く行われているんです。私が日本造園建設業協会に直接尋ねました。そうしましたら三千億円という答えが返ってきました。それぐらいはあるだろうと思う、私も思うんです。そうなりますと、保険料額は約二十五億円ということになりますね。 それからもう一つ、損害金額が一五%を超えた分の金額というのは植栽工事金額の何%になるか、これをちょっと伺いたい。
○加瀬政府委員 先ほどの三千億の数字でございますが、これは統計上緑化関係事業費というのを推計している資料があるわけでございますが、この中で、先ほど申し上げました用地費からほかの工事費まで全部含めました緑化関係の事業費でカウントしますと二千二百九十億程度が五十七年の数字になるかと思いますが、このほかに恐らく民間の工事等もありますので三千億という数字があったのかもしれませんが、いずれにしましても、このうちで私どもの都市公園事業の場合でも植栽関係の工事は七%くらいでございます。したがいまして、仮に三千億としても三千億の七%くらいが植栽工事と御理解いただきたいと思います。 それから、一五%以上枯れる場合でございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、平常年で一五%以上の枯損が発生した工事の件数が四・八%、それから異常渇水の年で一一・九%という数字がございます。(中島(武)委員「件数ではなくて金額でお尋ねしているのです」と呼ぶ)計算して後ほど……。
○中島(武)委員 いま緑化関係の事業費というふうに都市局長は答えられるのですけれども、私の方は日本造園建設業協会によく念を入れて、一体植栽の工事は幾らなのかということを尋ねているのです。そうしましたら、あなたの言う用地買収費とかそういうのじゃなくて、一切そういうものは省いて、直接植栽をやるのに大体三千億というふうに、非常にはっきり答えが返ってきているわけであります。ですから、都市局長の言っているのは違うと思うね。 それから、いまもう一つお尋ねしました、損害金額が一五%を超える分の金額は植栽工事金額の何%かということについて、皆さんの方の抽出検査の結果をもらっておりますが、これは〇・〇八四%から〇・九四一%までばらつきがあります。都市局長、そうでしょう。それでこの点は仮に〇・五%だというふうに計算すれば十五億ということになるのです。わかりますか。そうすると、保険会社は大変もうける可能性が大いにあるということを示しているのです。 それで、質問をさらに続けますけれども、「公共植栽工事に係る植樹保険の手引き」というものが出されております。これです。これを読んでみますと、この保険は財団法人都市緑化基金と損保会社二十社との間の契約というふうになっています。それで、この中に書いてあります植樹保険特約書を見ると、都市緑化基金は建栄サービス株式会社を保険契約の幹事代理店とし、幹事代理店の取り扱い分担割合を七一%と定めています。この中に書いてあるのです。この七一%と定めるのはちょっと異例じゃないかと考える。この点についてどう考えるかということが一つ。 それからもう一つは、この建栄サービスというのは一体何なのだろうと思って調べてみました。委員長、資料を配っていただきたいのですが、これによりますと、建栄サービス株式会社というのは、業務目的は損害保険の代理業務、自賠責保険、生命保険などの業務となっておりまして、役員は十一名です。それで代表取締役社長植田俊雄氏、これは元建設省住宅局長。以下、役員は全員建設省を退職された方によって構成されております。つまり、これは非常にはっきりとした天下り会社だということが言えるわけであります。それで、私の秘書がここに電話をして尋ねてみました。まず最初に、保険の幹事会社である安田火災の本店営業七部公務二課というところに電話をかけたのです。そうしましたら、建設省関係の代理店です。でも名目だけですよ。何かあるのなら緑化基金に電話してください。こう言っているのです。それで、大体一般的に言って手数料は五%入るのです。そうしますと、先ほどから都市局長言っておられる数字と食い違っているけれども、私が業者の協会で調べたところによれば三千億円、三千億円で計算しますと手数料だけでも一億近く入るのです。ところが、この建栄サービスは一体何人いるのだということになると、幾人もいはしないのです。二、三人の事務員が机を置いて仕事をしている、そういう会社なのですね。それで手数料だけはどんどん入ってくる、こういうふうになっている。これは、そういう手数料が入る仕組みでつくった会社じゃないのかということであります。 それから三つ目に、時間がないから言いますけれども、私はさらに問題だと思ったのは政治家との関係なのです。これは業界で言われていることを私は率直に言いますが、この植樹保険をつくるために田中派の政治家が動いたというのは、いわば業界の公然の秘密になっております。事実、昭和五十四年に緑化政策懇話会といういわば造園業者の政治団体ができまして、五十五年度に田中派の政治家に零細な業者団体としては多額である三千六百万円、それから五十四年度に二千四百万円、そういう政治献金が出されているのです。 そこで、私は、自治省来ていらっしゃると思うのですけれども、自治省に伺いますけれども、昭和五十五年にこの緑化政策懇話会から現自民党幹事長である二階堂進氏の政治団体、グループ21に対して三百万円の寄附がなされておりますが、二階堂氏はこの寄附を政治資金規正法に基づいて届け出をしておられますか、伺います。
○横田説明員 緑化政策懇話会の昭和五十五年分の収支報告書によりますと、グループ21に対しまして三百万円の寄附金の支出が計上されておりますけれども、グループ21の昭和五十五年分の収支報告書には、その寄附の受領に相当する記載は見当りません。
○中島(武)委員 私は非常に不明朗な感じがしてならないのです。結局この緑樹保険というのは零細業者にとっては何のメリットもない。喜んでいるのは天下り会社の建栄サービスと、それから造園業者の要望を受けて政治活動をしているかのように見える自民党の政治家じゃないかというふうに思うのです。私は、この保険がなくなればよいなんというふうには思っているのじゃないのです。言っておきますけれども、一年の掛け捨てで、しかも多額に国費が使われるというものではなくて、同じ保険にしても、国費を使うのだったら共済制度にするとかあるいは基金制度にするとか、そういうふうにして、実際に国費が正しく使われるということが必要だと思うのです。結局国費で保険会社はぼろもうけするとか、あるいは天下り会社もぼろもうけするとか、そして自民党に献金されるとか、これは、私は率直に言いますけれども、大臣、政界や財界や官界や業界の醜い結びつきの典型じゃないかというように思うのです。それで私は、この制度についても再検討をしてみる必要があるのではないかというふうに考えるのですけれども、どうですか。
○加瀬政府委員 先ほどからお答え申し上げていますように、この保険は私どもの建設省の緑化関係の事業だけに現状適用されているわけでございます。したがいまして、三千億仮に造園の仕事があるとしましても、それ全部が対象になるわけじゃございません。 それから日造協がどうお答えになったか知りませんが、中には民間の数字もございましょうし、造園の中には植栽以外のものもございましょうし、あるいは元請、下請のダブりもあるのではないかと思います。 それから建栄サービスが幹事会社である保険の代理店をつくったのはなぜか、こういうことでございますが、この植樹保険は創設したばかりのものでございます。普及活動が必要でありますほかに、初期のリスクを伴うおそれがありますので、御指摘があったようでございますが、この保険の制度というものにつきましては、先生も保険自体の必要性はお認めになっておるように、公益性もございます。そこで代理店になっていただける方というのは、私どもそれはもう一生懸命お願いして初めて建栄サービスにやっていただけるというのが実情でございまして、現に五十六年度全体を通じまして保険代理店に払った金が、私どもの聞いておりますところでは総額で三百万円程度と聞いております。その程度でございますので、これは私ども公益性をねらいとしてやっておりまして、決して建栄サービスがもうけるとか、そういった考え方でやっているのではないということだけははっきり申し上げておきます。
○中島(武)委員 時間だから終わりますが、大体いまの局長の答弁はだめですよ。三千億円というお金は公共植栽工事にかかったお金だけということでありまして、これは見解が違うのだけれども、民間を含んでいるものではないのです。念を入れて確かめている問題であります。したがって、先ほどの政治献金の問題といい、私はもっと明朗にしなければいけないということを重ねて申し上げたいと思うのです。大臣、答弁があったら言ってください、これで終わりますから。
○始関国務大臣 ただいま都市局長から答弁を申し上げましたとおりに私も理解をいたしております。もし何らかの問題がございますればまた調べてみたい、かように存じます。
○村田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○村田委員長 これより討論に入るのであります。が、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○村田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○村田委員長 この際、始関建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。始関建設大臣。
○始関国務大臣 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案の審議につきましては、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、全会一致をもって議決されました。厚く御礼申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、その趣旨を生かすよう努め、今後の運用に万全を期してまいる所存であります。 本法案の審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝申し上げます。まことにどうもありがとうございました。(拍手)
○村田委員長 次回は、来る十九日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十六分散会