P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
96回国会衆議院1982/04/21

建設委員会 第11号

発言数
213
登壇者
15
会派数
4
開催日
1982/04/21

会議録

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、土地区画整理法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本道路公団理事森田松仁君及び水資源開発公団理事島崎晴夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。薮仲義彦君。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 私は、土地区画整理法の一部を改正する法律案の質問をするに当たりまして、市街地の良好な建設といいますか、そういう意味合いから、都市計画法の基本的な考えについて冒頭に大臣に何点かお伺いしたいわけでございます。     〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕 大臣にお伺いする前に、局長に何点か具体的なことでお伺いしてから大臣にお伺いします。  この都市計画法は昭和四十三年に施行されまして十三年経過しているわけでございます。この都市計画法の第一条の目的にありますように、「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」ここで、市街化区域を決定するに当たりまして、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。」こうなっておりまして、簡単に言えばおおむね十年をめどに市街化を達成するということがうたわれているわけでございます。ここで局長にお伺いしたいのは、この都市計画法で言っているおおむね十年で市街化するというこの市街化というのは、どのような状態を市街化とお考えなのか、その基本的なところをちょっとお伺いしたいと思うのです。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 市街化という言葉の定義でございますが、定義するのは大変むずかしいわけでございますが、おっしゃいますように、都市計画法では、市街化区域につきまして、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と言っているわけでございます。新市街地につきましては、将来の良好な町の形成に向けまして必要な公共公益施設、宅地等の整備が行われるように運用をして将来の市街化に備えよう、こういうわけでございます。したがいまして、望ましい市街化といいますのは、都市としての建築物が立ち並びまして、必要な都市施設が整備されている町に全体がなる、こういうことをいうのではないかと考えているわけでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 余りよくわからないのですけれども、それではこの法律で、おおむね十年で市街化を形成するということになっているわけでございますけれども、この法律が施行されて十年はおろか十三年たっているわけでございます。そうすると、日本全国、都市計画法で市街化区域と線引きされた地域はおおむね市街化になっているのかどうか、進捗率のパーセントでいったら大体一〇〇%達成したのか、あるいはまだ五〇%なのかそれとも八〇%なのか、局長の判断、いわゆる建設省の判断として、おおむねこの程度は進捗しておるという判断をちょっとお聞かせをいただきたいのです。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 大変厳しいお尋ねでございますが、おおむね十年以内に市街化をするという目標で都市計画法はスタートしたわけでございます。線引き後すでに十数年経過しているわけでございますが、先生御指摘のように何%程度の市街化が達成されていると考えるかということにつきまして、あいにく市街化区域内の都市基盤整備の指標というものが正確にはないわけでございますが、たとえば街路で言いますと、計画決定された街路の整備がまだ三分の一程度しかされてないという状況でございまして、法制定後十数年を経て、その間石油ショック等の経済上の激変があったわけでございますが、それにいたしましても必ずしも市街化が十分に進んでないということは事実でございます。残念ながら数字で何%ということにつきましては、数字がございませんので、お許しいただきたいと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 いわゆる今後の日本の国を形成する上で非常に重要なのは、国土利用計画法、国土利用計画が出てくるわけでございますが、それと並んで必要なのは、この都市計画法というのはその骨格をなすような部分ではなかろうかと思うわけでございますが、まだ基本的な部分での概念、どの程度を目途にするかという具体的な問題になりますと、お答えがいただけないというようなことでおるわけでございます。やはり根幹となる基本的な法律でございますので、市街化というのはおおむねこういう状態だというようなことをわれわれはやはり検討する必要があるのじゃないかな、こう考えて、きょうはその点、指摘だけしておきます。  そこで、今度は大臣にお伺いしたいわけでございます。  いま局長の御答弁ですと、いわゆる市街化の概念とか進捗率というのははなはだあいまいであって、この法律ができて十三年たって一体どうなんだというと、必ずしも明確ではなかった。私はここで大臣にお伺いしたいのは、おおむね十年というのが十三年たったわけでございますけれども、私は都市計画法というのは一定の評価をしております。一つは、当時乱開発、市街化で、その周辺部分がスプロール化してしまう、それは非常によろしくない、あるいは市街化を形成するのに、計画的な市街化といいますか、市街地の形成が大事だ、あるいはまた、資本投下するときに効率のよい公共投資、そしてまた効率のよい社会資本の充実というのをやるためにはどうしても都市計画法というものが必要だということは、私、一定の評価をしております。しかし、ここで大臣にお伺いしたいのは、昔からいわゆる人口動態といいますか、都市形成というのは、たとえば昔は川の流れに沿って人が住みついて集落ができ、村落ができというような形、あるいは街道に沿って人が住みついた、あるいは海岸に、肥沃な土地に行って、自然に即応した、順応した、生活しやすい形で集落や町が形成されたわけです。しかし建設省は、そういう自然の流れに法律でかちっと一つのたがをはめたのですね。市街化はこの法律によって形成しました、ぱちんと。ある意味では自然の人口動態に逆らう部分もあったかもしれません。私は、十三年たった今日、やはり建設省の持っておる基本的な都市計画法がこれからの日本の都市形成に大きな影響性を持っていると思うのです。私が申し上げたいのは、ここでやはり都市計画法のよかった点あるいは問題とするような点が幾つか出てくるのじゃないか。基本的な部分でもう一度この都市計画法そのものを見直す考えは建設大臣にないかどうか。特に最近指摘されます宅地の供給、地価の問題等含めましていろいろなことが言われております。宅地の供給という点から見ると、果たして現在の都市計画法そのものがどうなのかということを含めまして、線引きをどうするかというようなことも含めまして、やはり建設省の一番基本的な法律でございますので、大臣は今後都市計画法を見直す考えがあるかないか、あるいは見直すとすればどういう点が問題点と認識されておるか、その辺をまずお伺いしたいのです。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 お答えをいたします。  線引き制度につきましては、すでに御指摘がございましたように、市街化調整区域というものを決定いたしておりますので、乱開発、スプロール化の防止という点におきましては当時予想をいたしましたとおりの成果を上げておるのだろうと思います。一方におきまして市街化区域内の整備につきましては、先ほどうちの局長からもお答え申し上げましたが、必ずしも当初予期したほどにはまいっておらぬ、全然効果がなかったわけではございませんで、ある程度効果は上げておると思いますけれども、効果の上がり方が不十分である、こういうことも否定できないことであろうと思います。こういう点と、ただいま薮仲委員が御指摘になりましたが、都市の形成というものは、ある程度自然の条件にのっとって自然発生的に形成されてきたのが昔からの都市形成であるというような意味からいいまして、建設省が元締めになりまして全国の都道府県知事にやらしておるわけでございますが、線引きによる都市計画、市街化区域の決定などにつきまして、不自然な点があったのではないかという疑念もないとはしないと私は思っております。これは一つには国の財政力あるいは地方の財政力等の不足によりまして、市街化区域内の整備が十分に進んでないということもございますけれども、また一方におきましては、そういったような初めから決定に無理があったということも言えるのではないか。あるいは一定の公共投資をするわけでございますから、余り区域が広過ぎますと十分にいかぬという点も言わざるを得ないと思うのでございます。  そういうような意味合いを含めまして、ただいまお尋ねがございましたが、都市計画法そのものを見直すことはいま考えておりませんけれども、線引きの見直しにつきましては、これはいま御指摘がございましたけれども、調整区域の中で市街化するのに適当な土地である、また、市街化のための一番有力な手法であります区画整理事業なども行われる可能性があるというところにつきましては、これを市街化区域にするように見直してもらいたいということを、都道府県知事につとに通達を出しましてやっておるところでございます。どうも効果は必ずしも十全ではないと思いますけれども、指導方針といたしましてはそうやっております。逆にまた、市街化区域として一遍指定いたしましたところでも、農地が多い、そこで続けて農業を長い間やっていこうとする農民の方が多い、そういう場所は逆線引きというようなことも考えまして、それらの作業を都道府県知事に督励してやってまいるつもりでおるのでございますが、要するに御指摘のようにいろいろな問題がございますので、現在都市計画中央審議会に対しまして線引き制度の運用のあり方について諮問をいたしております。御審議をいただいておるところでございますが、そういったような結論を得まして、可及的速やかに実効ある措置を講じてまいりたい、かように存じております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 この問題は、大臣がおっしゃったように非常にむずかしい問題を多々抱えておりますけれども、これはいまおっしゃられたように見直す必要が何点か出てきていると私も考えておりますので、どうか答申を得て適切な対応をお願いをいたしておきます。  大臣にもう一点お伺いしたいのでございますが、土地区画整理の問題でございますが、この法律ができて二十八年、さらにまた一部改正ということになるわけでございますけれども、土地区画整理事業の実施に当たって、大臣は基本的にこの法律でどうしていこうとなさっているのか、基本的な大臣のお考えをまずお伺いしておきたい。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 土地区画整理事業を根本的にどうするのかというお尋ねでございますが、これは改めて申し上げるまでもなく、土地区画整理事業は公共施設の整備と宅地の造成とを一体的に行うものでございまして、良好な市街地の整備並びに宅地供給の促進を図る上できわめて有効な事業手法であると考えております。  実績といたしましては、昭和五十五年度末までに全国で約二十八万一千ヘクタールについて着工しておりまして、そのうちで二十万ヘクタールがすでに完了いたしておるわけでございます。この二十八万ヘクタールというのはかなり大きな面積でございまして、わが国における既成の市街地八十三万ヘクタールの約三分の一に当たるものでございまして、最近では、これを宅地供給量という方の観点から見ますと、約四五%が区画整理事業によって供給されるということでございますので、今後とも土地区画整理事業は市街地整備及び宅地供給において指導的役割りを果たすものと期待いたしております。  いろいろ問題があるわけでございまして、現下の宅地需給の逼迫の状況、市街地における都市基盤施設整備の立ちおくれの状況等に対処するため、本事業の一層の推進を図る必要があると考えておりまして、根本の土地区画整理法改正を初めといたしまして、今後とも諸制度の改善に努めてまいりたい、かように存じております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 いま大臣の御答弁のように、これからの宅地供給、そして好ましい市街地の形成の上にこの土地区画整理事業は非常に枢要な部分を占めているというお話がございました。私もそう認識しております。その上に立って、今度は具体的に何点か質問させていただきます。  この土地区画整理事業は、御承知のように旧の都市計画法、大正八年に制定された法律、また、特別都市計画法、昭和二十一年制定、これはいずれも廃止になっておりまして、それにかわって二十九年からこの土地区画整理事業の法律によって進められてきておるわけでございますけれども、この事業の実績は、いま大臣がおっしゃったように数の上では非常に広範にわたっておるわけでございます。私が手元にいただいた資料で具体的に申しますと、たとえば昭和四十五年は一万一千ヘクタールというオーダー、四十六、四十七、四十八、四十九、この辺までは大体一万というオーダーで土地区画整理が進んでおりました。これは当時の高度経済成長の波に乗ったということもあろうかと思いますが、それ以来、五十年からは半分にダウンをして、現在六千ヘクタールというオーダーになっておるわけでございます。このように急激にダウンしてきたのはいろいろな問題点があろうかと思うのですが、一体どういうわけで一万というオーダーから約六千、さらには四千というオーダーまで落ち込んでしまったのか、この辺の原因はどういうわけでございましょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 急激に数字が落ち込んでいる最大の理由は、やはり石油ショックによる経済的な問題、環境が激変したということによるのではないかと私どもは認識しております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 オイルショックで落ち込んだということだそうでございますが、もう少し具体的にお伺いします。     〔竹中委員長代理退席、委員長着席〕  今後、昭和七十五年までに建設省は都市人口の増加で市街地を百七十万ヘクタールと想定していらっしゃるんですね。そこでいわゆるDID地区、既成市街地、これが八十三万ヘクタール、そうしますと、差し引き八十七万ヘクタールの新市街地を形成しなければならない。ということは、区画整理によって大宗が行われているわけでございますけれども、この八十七万ヘクタールのうちの約半分の四十一万ヘクタールを区画整理事業が担当するというのが建設省の計画でございます。そうしますと、五十六年から七十五年の約二十年間で四十一万ヘクタールの区画整理事業を進捗させなければならない。といいますと、単純に割りますと年平均二万ヘクタールのペースで進まないと、建設省の計画の四十一万ヘクタールを区画整理事業で七十五年までに達成するという目標にはいかないわけです。現在回復の基調にあると言っても六千ヘクタールですね。ということは、二万ということは三倍ぐらいの区画整理事業を単年度にやっていかなければならない。本年度も来年度も再来年度も三倍のペースで進めないと、建設省の言う市街地の百七十万ヘクタールというのは達成できない。三倍強のペースで本当におできになれるのかどうか、その辺はいかがですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 昭和七十五年の市街地面積は私どもとしては百七十万ヘクタールと見込んでおるわけでございまして、五十二年から七十五年までの間に新たに面整備が必要なものは七十二万ヘクタールと考えております。このうち、先生おっしゃいますように、土地区画整理事業によりまして面的整備を図るべきものを四十一万四千ヘクタールというふうに見込んでおるわけでございます。御指摘にございましたように、近年の着手面積から見ますと目標達成ということは非常にむずかしい、必ずしも容易でないという認識は十分持っております。  そこで、今般の土地区画整理法の一部改正によります地方住宅供給公社への施行権能の付与とか、換地計画に関する専門的技術者の養成確保を図るための技術検定制度の創設、こういったものは今後の土地区画整理事業の事業量の拡大に大きな効果をもたらすものと私どもは期待しているわけでございます。  さらに、昭和五十七年度から段階土地区画整理事業を創設することとしておりますが、これによりまして当面の農業的土地利用との調和を図りながら、土地区画整理事業の円滑な実施が期待されるということも考えられます。  いずれにしましても、法改正あるいは制度の改善等に今後とも努めることによりまして、七十五年までの目標の達成に向けて、私どもとしては懸命の努力をしなければいけないものと考えておるわけでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 いま実績が六千、三倍の二万ということは非常に困難であろうということは、私も十分予測をしながらお伺いしているわけでございますけれども、努力する、また、制度の改善を図るというお話でございますから、それに大いに期待しながら、現在行われている土地区画整理の中でどういう点がよく問題になるか、その問題点を何点か、それでは具体的に指摘をさせていただきながらお考えを聞きたいと思うのでございます。  われわれは何カ所か現場で聞いてまいりましたが、現場で一番問題になりますのは、トラブルという表現はよくないのですけれども、一番むずかしい問題は換地処分、それから清算金の徴収、交付という、建設省の紹介の中にも出てまいりますけれども、最終段階ですね、ここのところがトラブルといいますか、非常に問題が多い部分であります。御承知のように一番問題は何かと言うと、区画整理した後に評価が出てくるわけです。全体の評価は区画整理する以前よりも何%評価が上がったかあるいは下がったか、下がる場合はないでしょうけれども、大体評価が上がってまいります。そうするとこの清算金の処理で、もらうときはいいのですけれども、出してくださいと言われることで非常にトラブルがあるわけでございます。私も何カ所か自治体の区画整理について担当者に聞いてみました。そうするとやはり具体的な例として、換地、清算という部分で非常にむずかしいというケースが多々あるわけでございますが、建設省としてはこの具体的な事例を正確に掌握していらっしゃるか。また、そういうケースの中から、今後の換地、清算をスムーズにするために何らかのルールづくりが必要だと私は思うのですけれども、実態掌握とルールづくりをおやりになったか。また、その実態の上から建設省は何が一番問題だったとお考えなのか、この三つをお答えいただきたいのです。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 御指摘にございました清算金でございますが、常々事業を行いながらその事業の実施の経過を踏まえて実態の把握には努力しているわけでございます。おっしゃいますように、清算金につきましては、換地相互間に不均衡が生じた場合において、不均衡是正のために、施行者が宅地の利用価値の増進につきまして、その平均増進率以上である者から金銭によって差額を徴収するということをする一方、下回る者に対しましてはその清算金の中で差額を交付するというような措置でございます。  それで、実態の把握については事業の推移を見ながらやっておるところでございますが、制度そのものにつきましてはいろいろ問題が多かろうと思いますが、清算金による換地相互間の不均衡の是正というものは必要だと考えております。ただ、それが非常に事業実施の上でトラブルのもとになるというようなことにつきましては私ども十分認識しておりますので、問題があればその都度それを踏まえて、どういう方向で改善したらいいかということも検討してみたいと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 私がなぜこれをこう言いますかというと、区画整理を実際行っている地方自治体、組合等でも、私のところに持ち込んでこられるトラブルは、この換地処分と清算金のところで非常に意見がかみ合わない部分がございます。いまこれ以上局長をどうだどうだで具体的にやることもいかがかと思いますので、私は局長に指摘しておきます。  今度建設省は土地区画整理士というような、名前はどうなれ、整理士になっているわけでございますけれども、それをつくろうとするのですが、具体的なケースを掌握して、換地処分、清算金の徴収、交付ということが非常に大事な部分でございますから、トラブルが起きているいろいろなケースを建設省は聴取して、そこの中から何が問題点で、どういうルールづくりをしなければならないか。たとえば一番問題になっているのは、二〇%、三〇%と極端に評価額が上がって、一億数千万出しなさいと言われているのがいま裁判までなっているでしょう。これは有名な事件です。こんな極端な例は挙げませんけれども、換地の仕方や清算の仕方によって一億数千万とか、一億のオーダーになっているのを、出しなさいと言うと出せませんという問題が出てくるわけです。そうすると、換地のあり方とか清算のあり方で十分考えないとこういう事件が起きますよということを事前に建設省が適切な指導をして、ルールづくりを教えて、換地あるいは清算金の処分がスムーズにいくようなマニュアルをある程度建設省が、プロなんですから、きちんとしたものを持っていなくて、ただ区画整理士という認定を与えますということではなくて、いろいろな問題を恐れないで全部聞いてみて、この問題にはこうしなさいこうしなさいということをきちんと確立すべきだ。実態の掌握と、どうすればそれを事前に防げるか、これをやらないと区画整理事業というのはうまく進まない。ここにうわさが広まっているのです、区画整理やると損する、得する、いやだ。こういう問題を避けて通っていたのでは決して私は三倍いかないと思うのです。きょうはほかにもっとたくさん指摘したいからこれだけにしておきますけれども、どうかきょうの指摘をただ指摘にとどめないで、プロジェクトなり何なりつくって積極的にこの対策は進めるように私は御検討、研究していただきたいということをお願いしておきます。  それから、次の問題ですけれども、区画整理事業と同じような事業で都市再開発事業がございます。ちゃんと法律を読んだ方がいいと思いますので、都市再開発法の七十七条「施設建築物の一部等」というところの一番最後、簡単にそこだけ読みますと、ここでいわゆる借家権というものを設定しているわけですね。あなたには借家権がございます。ですから今度再開発で新しいところを建てたときには、あなたの区分所有についてはその権利はそのまま移行して、新しいところへお住まいください。ここで借家権ということをはっきりうたっておるわけでございますけれども、都市再開発法の中で借家権というものを設定した理由は一体何なんだ。同じように、区画整理事業の中には借家なんということは一行も出てこないわけですね。借家権すら全然。借家なんというのは区画整理事業の中では権利者としては認められていないわけです。片っ方の法制では借家権が設定され、この区画整理事業の中では借家権なんというのは全然問題にしませんよ。  なぜ私がこれを言うかと言えば、建設省には言い分があると思うのです。ただ、私がそこに住んでおって事業を施行される側になりますと、都市再開発事業で事業を行われようと、区画整理事業で事業を行われようと、どっちの法制で来たか住んでいる借家人にとってはわからないわけですよ。たまたま都市再開発事業で来れば私には借家権がそこで発生するわけです。ところが区画整理事業で来ると、借家権なんというのは全然、一行も出てこない。私もこの法律を読んでみた。借家人の権利の存在は一行も認められてないのです。発言の場所がないのです。単なる、移転させましょうあるいは公営住宅を提供、あっせんしましょう、そんな程度です。一体なぜ同じ建設省の法制の中で同じような事業をやるときに、片っ方は都市再開発だ。区画整理は街路や基盤の整備だから、上物なんか知りませんよというようなことがまかり通るのかどうか。この点私は非常に疑問でございますので、この基本的な借家権を設定した理由と、区画整理事業の中になぜ設置しないのか、その理由をお聞かせください。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 市街地再開発事業といいますのは、原則として従前建築物はすべて除却するという事業でございます。都市区画整理事業はそれと異なりまして、一応従前地にあった建物を換地上に移転するというのを原則としております。したがいまして、再開発の場合には借家権そのものを一応権利の対象としてとらえて、新しくできました建築物の中にその権利が移行するという考え方をとっておるわけでございます。一方、土地区画整理事業につきましては、新しく移転して換地上に建ちました建物についての借家権というものが、民事上の権利として当然新しい換地上の建物に移行する、こういう前提で考えているわけでございまして、したがいまして法律の立て方が違っているということになっておるわけでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 ではお伺いしますけれども、局長も一つの区画整理事業をやっている場所へ行ってごらんなさい。いまおっしゃったように移築なんというのはできないのですよ。大体区画整理事業が始まりますとそこに住んでいらっしゃる人はこの際だから新しく建てます。一〇〇%新しく建てます。古い建物をそのまま引っ張るなんという人はございません。それは四、五年前に建てたのは引っ張っています。また、建てさせません。四、五年前にもうここは区画整理事業該当地域だからといって、ひどいのは十年、二十年前からそのままです。ですから、区画整理事業が行われるときにはどうしても建てかえなければならないように老朽化しているわけです。私はいつも借地、借家法の問題を建設省に聞くのですけれども、なぜ私が言うかというと、それが実態にそぐわないのです。私は局長の御答弁はわかるのです。区画整理事業という中で借家権というのは、いま住んでいる家が、地上にある建物が壊されると借家権は消滅してしまうのですよ。?体構造部分が残っていれば私の借家権はずっと残っています。しかし?体構造にかかるような部分が変わってしまうと私の借家権は消滅してしまうのです。区画整理で移築されたときには私の借家権は消えてしまうのです、仮に私が借家権を持っておれば。ということは、実態から見ますと、ここでいわゆる区画整理事業の権利者というのは一体だれなんだというと地主ですね。それから借地権を譲渡されておる借地権者、それから家を持っておる人ですね。こういう人は家主は確かに権利はありますけれども、借家の場合は全然問答無用でやられてしまう。  そこで区画整理事業で一番問題は、たとえば建設省に私がお伺いすれば、借家の方は公営住宅をあっせんするとか、家主さんとのあっせんをします、こうおっしゃいますけれども、私が、たとえばいま住んでおるところが駅に近いとか、通学に便利だとか、商店街に近くて居住環境が非常に快適だ、こういう条件を持っておるわけです。公営住宅にぽんとやられて、学校は遠くなる、生活がしにくいという環境にやられれば、私の持っておる既得権益は非常にプラスの部分は失われるわけです。区画整理事業の中でも建設省としては避けて通りたい問題かもしれませんけれども、借家の中にきのう入った人、おととい入った人ならどうのこうのということは私は申しませんけれども、少なくとも十年、二十年とそこへ長く住んで、借家にお住まいしていらっしゃる方のある程度の権利というものについては全然無視ということは、同じ横並びの都市再開発事業、家をぶっ壊して建て直すから、区画整理事業だってぶっ壊されて建て直されるのですから、そういう意味から将来の問題点としてこの借家人の権利といいますか、ある年数だけそこに住んでいた人については何らか一定の配慮があってもいいんじゃないかと私は思うのですが、その辺いかがでしょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 法律上のたてまえとしましては、先ほどお答え申し上げましたように片っ方は建物がなくなってしまう。片っ方は移転することが前提だということで制度ができておるわけでございますが、実態は先生おっしゃいますようにほとんど新しい建物に建てかえるのが現状でございます。その場合、借家権者と家主さんとの間で、土地区画整理事業の前に当該建物につきましての賃貸借契約が継続するようなことが望ましいわけでございますが、一方、借家権者の方では建物が仮に変わった場合に、あるいはよそに行けというようなことを言われますと、生活環境が変わって非常に困るというような声も聞くわけでございます。私どもとしてできることといたしましては、そういう借家関係の継続の指導とか、あるいはそれがどうしてもだめな場合には、借家関係の継続はもちろん円満に話し合いで行われることが望ましいのですが、それがだめな場合にはもとの位置に近接した住宅のあっせん、これも無責任じゃないかという御指摘もあるかと思いますが、公営住宅等のあっせんに努めるというように土地区画整理事業の施行者を指導するということで、なるべく借家権者のお気持ちをそんたくした事業の運営がなされるように、私どもとしても十分努力したいと考えております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 この問題は、事業遂行の上で非常にむずかしい問題だと私も認識しておりますので、くどくは申しませんけれども、われわれが持ち込まれるトラブルの中の大宗は、やはり借家人の方のお話が多いわけでございますから、いま局長のお話のように、いわゆる借家人の方の生活設計が破壊されてしまうということは万々が一もないように、そういう点で施行に当たってどうか十分な配慮をいただきたい。これはくれぐれもお願いを重ね重ねしておきますので、この辺よろしくお願いいたしたいと思います。  次の問題でございますけれども、じゃ具体的にお伺いしますが、区画整理をやるときの法律、いわゆる区画整理法上の清算金とか換地処分といろいろ出てまいりますが、このときの権利者ですね、一体だれとだれとだれが権利者としてあるか、簡単にお答えいただきたいのです。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地の所有者と借地権者になるかと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 借地の上に家を建てているその家も権利としてありますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 建物を建てる場合には恐らく借地権等の権利を持って建てておると思いますので、その権利はあるというふうに考えております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 いまの二番目の借地権者というのは、地上権というものを設定した場合、底地権者には区画整理上何か権利がございますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 底地権者は土地の所有者になるかと思いますので、所有権があるわけでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 たとえば清算金の中で、あなたの評価額は上がりました、清算金を徴収いたします、このとき当然徴収されるのは地主、借地権者、これは当然だと思います。評価が上がったのですから。底地権者はどうなります。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 底地権者に対しましては、評価が上がれば清算金を徴収されますし、下がれば清算金を交付されるという関係になるかと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 いま局長の御答弁になった点が非常にまたトラブルの原因の一つです。なぜかといいますと、底地を持っていらっしゃいますね。地上権を設定されますね。そうすると、底地権者というのはほとんど通常の土地の不動産売買では権利が生じてないわけです。地上権としてどんどんどんどんそれが売られていくわけですね。市場にいくわけです。底地権者は地上の利用権が全然ありませんから何らそこに権利が生じてこないわけです。いざ区画整理をやりました。賃貸料というのは非常に低いですね。地上権設定と同時に賃貸料があるわけです。賃貸料、地代というのは非常にいま安いです。ところが、一挙に清算したところが、どんと清算金の徴収が底地権者にかかってくる。たとえば、極端な話を言いますと、地代よりも高いとか、あるいは地代相当分が全部吹っ飛んでしまうとか、とてもこれは一文だって払えませんというような意見が間々私の方へ聞かれるわけです。やはり底地権者の実態というのを調べて、底地権者が不当にこれによって経済的にマイナスにならないような配慮が必要だと思うのですが、その辺はいかがでしょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 いま申し上げましたように、評価が上がった場合に清算金を徴収するというのは制度のたてまえからいたし方ないかと思いますが、おっしゃいましたような事例は、あるいは土地の評価について問題がある、あるいは地上権等の売買の実態が私どもの考えております評価以上になされるというような場合にあるのではないかと思いますが、いずれにしましても、たてまえといたしましては、やはり土地の評価が上がれば借地料もたてまえとしては上がるわけでございます。そういったことで、土地の持っている価値からそういう収益が行われまして、それは償われるはずではあるわけでございますが、仮に土地区画整理事業によりまして従前の地代、賃貸料等が不相当となるような事態には、将来に向かっては増減請求ができるわけでございますが、いずれにしましてもその評価のあり方に一番問題があるかと思いますので、その辺私どもとしましても十分に問題意識を持ちまして検討させていただきたいと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 いま私が申し上げたのも非常に問題として出てくるわけでございまして、整理して申し上げますと、たとえばいま申し上げたように区画整理で従前より事後に評価額が上がりました、それで、全体の評価はたとえば何%上がりました、あなたの全体の評価がえで、減歩が三〇%ですけれども、清算として幾ら幾ら、たとえば何千万というオーダーでいただきますよというときに、もらう分にはいいのですけれども、トラブルが起こるのは出す部分なんですね。これを整理して申し上げますと、地主、この人は自分の土地ですから問題がないと思うのです。ただ、地上権を設定したときに、地上権を設定した人と地主さんの間で何対何で請求されるか。これは通常世間で行われるように地主は何割、地上権設定者は何割という世間通常のことでやりますよという話になっているわけでございますけれども、ここで非常に利害が整わない。これが非常に問題で、ケース・バイ・ケースでは非常に困難なケースかもしれませんけれども、やはりこれも先ほど指摘したと同じようにトラブルケースでございます。具体的な例はきょう私一つや二つ言うのもいかがかと思って避けているのですが、全国的な例の中から、清算金の処理の中で、地主、借地権者、そして底地権者の利害の関係のトラブルが非常に多いといいますか、指摘されておりますので、この点はどうかまた実態をよく検討してしかるべき好ましい対応をお願いをいたしておきます。  それから、これは基本的な問題できょうは簡単に聞いておきますけれども、さっき出ましたので借地の問題だけ基本的に建設省にどうするかということをお伺いしておきたいのです。  いわゆる借地、借家法、それから区分所有法、これはこれから建設省がいろんな事業をやるに当たって避けて通れない、また大事な課題であろうかと思うのです。きょうは基本的な考え方だけちょっとお伺いさせていただけば結構でございますが、たとえばさきの法案のときに、借地方式による宅地開発にも融資しますよという、借地ということが導入されてきました。また、住宅・都市整備公団の事業の中に、借地方式による分譲といいますか、そういう住宅の供給ということが検討されております。出てくるのはやっぱり借地という問題、あるいは借家法という問題というのはいつも建設省が事業をやるときにぶつかる問題だと思うのです。当事者同士の話し合いによって円満に済めばいいと言いますけれども、仮に住宅・都市整備公団が借地方式というのを、七十年というような形になっておりますが、では七十年先にまた土地の問題をどう考えるかということは絶えずつきまとってくる。また、土地のないところでは借地という問題は非常に必要な事業ですね。こういう点から、借地、借家法に対して建設省は今後これを住宅供給、宅地供給の立場からどういう形で対処していくのか、基本的な考え、方向だけで結構ですからお伺いしたいのです。

吉田公二建設省計画局長

○吉田(公)政府委員 お答え申し上げます。  現在の借地法は、戦前戦後長い歴史を持って数度の改正を経て今日に至っているわけでございますが、先生御指摘のように、私ども宅地あるいは住宅の供給という立場から見た場合に、いわゆる社会的弱者というような立場の借地人についての保護という点について非常に厚いという印象がないわけではございません。こういう観点から、どちらかといえば新たに土地の所有者が借地関係をするということをためらうという空気があるのではないかという感じがいたします。ただしかし、現在の借地法、借家法、こういった規定は長年にわたります借地人と、あるいは借家人と地主との間の権利関係の長い歴史の経過として整備されてきたものでございまして、また、多くの判例に支えられているという面もございますので、これを直ちに改正するということは非常にむずかしい問題であるというふうに思っております。私ども、基本的に借地方式というものを今回の金融公庫法の改正の中でお願いいたしましてこの前御審議いただいたわけでございますが、この場合でも、私ども立ち上がりのときに注意をしなければいけないということを申し上げましたけれども、基本的なそのあとの点は借地法の関係にゆだねているというような関係でございます。ただ、先生がおっしゃっていられる、現在の時点において住宅宅地を新たに供給していく上において、この円滑を期する上において研究する気持ちはないかという点について、私どもはいろいろな意味で検討をいたすテーマであると思っておりますけれども、ただ早急にこれを改めるということは大変むずかしい問題であるという印象でございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 いまおっしゃったように社会的に弱者を守るという配慮は非常に大事なことで、私も賛成で、当然そうあってほしいと思っております。と同時に、この辺のところを何か好ましい形で相手の権利、相手の利益を損なわない形で借地というものがスムーズに行われるということが、このような三大都市圏における宅地供給の困難さの中では非常に大事な、また、ある意味では非常に好ましい結果を生みますので、借地方式について、弱者を守りつつ、なおかつ事柄が進むような方向を十分検討していただきたい。この問題はまた別の機会にじっくりとお伺いさせていただきたいと思っております。  それから、これから簡単に聞いてまいりますので、建設省のお考えをお伺いしたいのですが、先ほど、区画整理事業の中でほとんど建てかえるということがあるわけでございますが、平家の場合を二階、三階にしようというケースが大体多いわけで、中でも東京都などは、そういう場合に貸付金制度といいますか、生活再建のための貸付金を制度化しているわけでございます。こういうのは区画整理を円滑にする上に非常に好ましいケースだと思うのです。東京都だけはやっておるわけでございますけれども、この区画整理をさらに円滑にするために、建てかえのときにその事柄がスムーズに進み、そしてその事業に該当する方々が過剰な負担にならないような国の補助といいますか、適切な施策を望む声が各地方自治体に多いわけですけれども、この点についてはどうお考えですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地区画整理事業の施行に伴いまして建築物の移転を行う際に、施行者から支払われる移転補償金に自己資金等を上積みしまして建物の改善を行うという例が通常でございます。東京都ではこのために二千万円を限度とする貸付制度を設けておるわけでございますが、このほか幾つかの地方公共団体で移転資金に対する独自の融資制度を実施していると聞いております。  政府系の金融機関による融資制度としても、従来から住宅金融公庫融資におきましては、土地区画整理事業の施行による移転者に対して特別貸し付けとして、土地の取得費を含めた融資を行っておるわけでございます。このほか、五十七年度からは、区画整理事業の施行に伴いまして、建築物の移転を行う中小企業者に対しまして、中小企業金融公庫等が融資を行う制度として市街地等整備貸付制度、こういったものが新たに設けられるなど、融資制度の拡充に努めているところでございます。今後とも御指摘の趣旨を踏まえまして、さらに制度の改善に努めてまいりたいと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 それからもう一つ、現行の区画整理事業を遂行する上で何とかしてくれという一番大きい問題は、都市計画街路、いわゆる十二メーターの幹線道路があるのを、買い取り方式、買収方式で買収したとしてそれを補助金として交付しますよというやり方になっているわけでございます。ところが地方自治体が一番要求するのは、十二メーターというのを基準を緩和してほしい。たとえば八メーターではだめなの、六メーターくらいはどうなのという意見が恐らく建設省に相当来ていると思うのです。われわれもいろいろなところからその要望を聞いておるわけです。いわゆる関係するような大都市法の中で、国の貸付金制度として八メーターや六メーターには地方自治体へ国がお金を貸し付けますよとあるわけでございますが、その趣旨は、八メーターや六メーターの道路というものが大都市法の中では必要だなという認識があるわけです。区画整理事業の中でも十二メーターだけを買収方式の対象にしないで、八メーターとか六メーターも買収方式にして補助金交付の対象にできるように条件を緩和してほしいという要望がございますが、緩和するお考えはございませんか。明快に御答弁いただきたい。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 補助の拡充につきましては、既成市街地における都市改造型土地区画整理事業につきまして、補助対象となる道路の要件緩和につきまして今後とも予算要求をする等、御指摘の趣旨を踏まえまして制度の拡充に努めてまいりたいと思っております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 これは非常に大事な問題です。きょうはたくさん聞きたいので駆け足でやっておりますけれども、十二メーターを緩和してくれというのは非常に大事な点ですから、これは十分配慮して、区画整理事業を進めようとすれば十二メーターにかたくなに固執してはだめです。八メーター、六メーターというところまでやることが進捗率を上げますから、この点もしっかと心にとどめておいていただきたい。  それからもう一つは、私の静岡県などは大規模地震特別措置法、いわゆる地震防災の強化地域になっておるわけでございますが、それはそれとして、こういう区画整理事業が行われるときに、耐火構造とかあるいは防災上の問題とか、いろいろな国の施策の中で一緒にあわせて行えば一挙に済むような事業がたくさんあると思うのです。区画整理事業を行いました、後で防災地域に指定されてまた耐火構造にしますというような二重手間にしないで、この際、区画整理を行うときにいろいろな関連する事業の中で一緒にできるものは一緒にやって、一挙に快適な良好な市街地をつくるようになさってはいかがか。そういう点も今度の区画整理士等のそういう資格を与えるときに十分検討して、一挙にできるような形を検討されてはいかがかと思いますが、いかがですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 都市問題の深刻化の中でも、居住環境の改善とか都市の防災構造等の観点から公共施設の整備改善あるいは宅地の利用の増進を図り、健全な市街地を形成することは強く求められているわけでございまして、このために防災上枢要な避難地、避難路周辺の区域におきましては、区画整理事業による公共施設の整備改善を図る際に、たとえば都市防災不燃化促進事業等の活用によります建築物の不燃化の促進等の事業もあわせて行う、こういうことによりまして災害に強い町をつくるような方策をとりたい、今年度からこのようなことを実施することも考えておるわけでございます。さらにその他必要に応じましてあわせて行うことが適当な事業につきましては、御指摘のような方向で努力してまいりたいと思っております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 時間が参りましたので、最後にまとめて質問しますのでお答えください。  区画整理した中でいわゆる保留地があるわけですね。保留地をたとえば私なら私が購入しますと、区画整理事業が完了するまでは土地の登記はできません。これはたとえば私が事業をやっておるような場合は、土地が登記できないということは事業上非常に不便を来す場合があるわけですね。区画整理事業の期間が短期間ならいいですけれども、おおむね十年とか、それ以上かかっているのもあるわけです。そうすると、その間自分が購入した土地が保存登記できないということは非常に問題ですので、こういう問題を解消するためにこの点何らかのかわるべき、土地登記に準ずるような措置を講ずるということがあってほしいと思うのですが、この点がいかがかという点が一つ。  それから、これも駆け足で恐縮でございますが、今度法制上いわゆる土地区画整理士というものができるわけです。技術認定をするわけです。ここで、いろいろございますが、簡単にこれだけ聞いておきます。  建設省関係でも士とつくのが二十七あるわけでございますけれども、他のそういう士と競合する面はないのかどうか。また、特に司法書士等の土地の登記等に関して、あるいは不動産を鑑定する場合の不動産鑑定士とか、いろいろその中で出てくるわけでございますけれども、他の既存の業界に対して権益を損なうことは一切ないのかどうかという点。特に明確にお伺いしたいのは、今度できる区画整理士というのは、現在区画整理を行っているそのエリアの中では権能は有します。でもその区画整理事業を行っているところから一歩外にはみ出すとその人はただの人です。権能は全然ございません。いわゆる司法書士のやる仕事、不動産鑑定士やなんかのおやりになること、土地改良のためにおやりになるような仕事等についてはただの素人であって、区画整理事業を行っているエリアから一歩出れば何ら権能を有さないのかどうか。その点が明確になればこの点は他の業界に関して非常にはっきりしますので、その辺をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 第一点の保留地の関係でございますが、保留地につきましては換地処分後でないと確定的な登記ができないわけでございまして、そのために保留地の購入者がたとえば抵当権の設定登記ができないとか、金融機関から融資を受けるに当たって支障があるとか、いろいろな問題があるわけでございます。これに対しましては、私どもとしては、保留地の処分の場合に、たとえば地元の金融機関との協定を結ぶ等、購入者が安心して保留地を購入できるような指導等もすることが必要かと思っているわけでございますが、一方で、たとえば保留地につきましての台帳というようなものを公の位置づけをするようなことも考えられないわけではないわけでございます。これにつきましては、たとえば民法あるいは不動産登記法の特例規定になるというような問題もございますので、今後とも慎重な検討は必要かと思っておりますが、引き続き検討課題と考えております。  それから区画整理士の関係でございますが、区画整理士につきましては、換地に関する専門的な技術を有する者の養成確保を図りながら、土地区画整理事業が円滑に行われるというねらいで、大臣の行う技術検定制度というものを法律に盛り込んで御審議をお願いしているわけでございまして、この合格者がたとえば排他独占的に仕事をするとか、あるいは土地区画整理事業の外に出て、おっしゃいますような不動産鑑定士とか司法書士とかもろもろの方の仕事をやるというようなことは毛頭考えてはおりませんので、その辺は私どもとしても十分他の業務との関連というものの調整を踏まえながら、運用に注意していきたいと考えております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 私は、時間の関係で問題点の指摘だけで、掘り下げたことは次回に譲りたいと思いますけれども、どうか指摘させていただいた点十分検討いただいて、区画整理事業が進むよう御努力をお願いして、質問を終わります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。  次に、林保夫君。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 ただいま議題となっております土地区画整理法の一部を改正する法律案について御質問申し上げるとともに、建設行政の中のいま大変関心を持たれております景気対策と、それから土地に対するこれからの方針を、最後に短時間で結構ですが、お時間を与えていただきたいと思います。  まず、今回の土地区画整理法の一部を改正する法律案の全貌についてお伺いしたいのでございますが、その中の第一は、申し上げるまでもなく、何よりも地方住宅供給公社に対する事業執行権能の付与、こういうことにあると思いますが、そういうことになりましたいきさつ及びどういうことをやるのか、御説明願います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 居住環境の改善、持ち家志向の高まり等による新規あるいは住みかえ住宅の需要が根強いものと考えられ、既成市街地の再開発、高度利用等によります住宅宅地供給とあわせて新市街地で新たな宅地を造成し、住宅供給を推進する必要がございます。地方住宅供給公社は、地方におきます宅地供給の実施機関の一つとして重要な役割りを果たしているわけでございますが、近年の宅地供給の停滞に対処して、事業の一層の推進を図る必要があると存じております。特に近年、相当規模以上のまとまった土地の取得が必ずしも容易でなくなってきております。このような事態に対処して、居住環境の良好な住宅地の供給を強力に推進するために、公社所有地と公社以外の者の所有地とを一体的に開発整備していく必要がある、こういった理由から土地区画整理事業の施行権能を公社に付与しまして、良好な宅地供給を強力に推進することとしたいと考えておるわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 いま地方住宅供給公社は全国どれくらい数がございますか。どんなところがやっておりますでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 各県と五十万以上の市で五十六公社がございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 お答えが重複するかと思いますけれども、私も知らないところがたくさんございますので率直に伺いたいのですが、なぜ五十万以下のところは供給公社は認めないのですか。

吉田公二建設省計画局長

○吉田(公)政府委員 市におきます公社というのは、大体指定市で設けております。私の記憶で申しますと、指定市外で申しますと堺市に公社がございますが、それ以外の市で置いているところはないというふうに思っております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 そういたしますと、全都道府県プラス九市で五十六社、こういうことでございますね。  続きまして、今回の場合、これに伴って地方住宅供給公社の施行する土地区画整理事業に関して所要の規定の整備を行う、この中で特徴的なもの、新しく取り入れたものは何かございますですか。従来の都道府県あるいは国の関係の事業以外に何か新しく取り入れた点がございますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 地方住宅供給公社は、従来個人施行あるいは組合の一員としての区画整理事業はできたわけでございますが、公団あるいは地方公共団体並みにみずから区画整理事業を行う権能が付与されたということと、補助対象事業者になるということかと思います。     〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 続いて第二番目の問題としまして、換地計画に関する専門的技術を有する者の養成、こういうことが一つの今回の柱になっていると思います。これについて先ほど来も質問がいろいろ出ていたと思うのでございますが、いわゆる区画整理士という名前でもう大体お考えは固めておられるのでございましょうか、実施は五十八年度からとも聞いておりますが。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 法令上の名称としての土地区画整理士というのは考えてはおりませんですが、技能検定の試験を行う際にやはりしかるべき名前が必要であろうと考えますので、技術検定の名称を区画整理士の技術検定ということにする必要があるのではないかと考えております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 確かに専門的な知識が必要でございましょうし、換地計画そのほかいろいろと整理事業を実施するに当たりまして、円滑にやるためにはこういうものが必要だろう、こういう感じもいたしますが、従来どういう点がネックになっておったのでございましょうか。つまり、やる人がおらぬかった、こういうことで行政面の指導そのほかで何とかうまくいくようになっていたのだろうかと思いますが、その辺で、なぜこれが必要かという説得理由をもう少しお聞きしたいと思います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地区画整理事業というのは、換地という非常にむずかしい手法を用いて実施していく必要があるわけでございますが、換地計画に関する専門的技術者という者が必ずしも十分に充足されていないというのが実情でございます。したがいまして、こういった専門的技術者の養成確保が図られることによりまして、私どもとしては三つほどの効用があろうかと考えております。  その一つ目は、組合等事業の指導、助言を行っている地方公共団体の負担を軽減することができるのじゃないかということでございます。二番目は、紛争の未然防止、それから事業の円滑化によります施行期間の短縮あるいは事業費の節減ということが図られるのではないかと期待しております。三番目は、組合事業等、民間エネルギーによる土地区画整理事業の推進、たとえばいままで公共団体施行でなければできないものが、民間活力を利用しまして、組合事業が掘り起こされるというような効果もあろうかと考えております。  そういった効果を期待しておりまして、それによりまして区画整理事業によります市街地の整備が一層推進されるのではないかというふうに期待しておるわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 これはどういう畑から応募してくるというのでございましょうか。区画整理士になりたいという希望が出てくるのでございましょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 これは、私どもの考え方といたしましては、学歴あるいは土地区画整理事業に関する実務経験年数を考えながら受験資格を考えるわけでございますが、地方団体の職員、あるいは区画整理組合に所属しておられる方、あるいは民間のコンサルタント、そういったところにおられる方が主として受験されるのではないかというふうに考えております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 先ほど経験年数とおっしゃいましたが、大体どのくらい以上を適当といまお考えでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 いまの段階で私ども考えておりますのは、大学卒業者にありましては実務経験三年程度、短大卒業者にありましては五年程度、高校卒業者にありましては七年程度、その他の方の場合は実務経験十年程度、これを一つの目安と考えておるわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 それでこれらの人たちは、やはりこういうふうにいわゆる士の資格を得ると、やはり生業として世間に認められる、職業としても安定するということにならなければならぬと思いますが、まず第一点、大体どのぐらいの人数が要る、あるいは出てくる、このようにお考えになっておりますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 技術検定合格者につきましては、事業を施行中の地区、あるいは準備中の地区につきまして、各地区最低一名以上は必要であると考えておるわけでございます。また、今後事業量の一層の拡大を図るということを考えますと、当面、昭和六十五年ぐらいまでに八千人程度の合格者が必要ではなかろうかと考えておるわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 いま昭和五十六年と言われましたか、六十年ですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 六十五年でございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 これは、バックグラウンドを聞きたいのでございますが、なりたいという人がかなり大ぜいおるわけでございますか。それとも、やはりかなり無理して、仕事をよくするために、あるいは事業促進、円滑にやるためにということでおやりになるのでございましょうか、背景をちょっとお聞きしたいと思います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 現在、土地区画整理事業の実務を担当している方々が三万人ぐらいおられますので、その中から試験を受けていただけば、この程度の人数が確保できるのではないかと考えております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 そこで、先ほどもちょっと出ておったと思いますが、建設省が持っておる大ぜいの士の資格がございますが、それらとの調整の中でどういう位置づけが考えられるのでございましょうか、三十近く、二十幾つぐらいあると思いますが。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 あるいは御質問に的確にお答えしているかどうかわかりませんが、士の制度にはいろいろ法律に基づくもの、あるいは基づかないで名称だけを用いているもの等ございますが、少なくも大臣の行います技術検定を受けるという意味で、一つの法律的な位置づけは与えられているかと思います。  それから、私ども、その活用につきましては、土地区画整理事業の中で、主として換地計画あるいは換地を中心とする業務を担当していただくことを期待しているわけでございますが、他の士との関係では、土地区画整理事業という分野で、しかも非常に技術的な、専門的な業務でございますので、ほかの士制度と重複するといったような面はなかろうかと考えているわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 大体五十八年度から、こういうことでございますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 準備期間が必要でございますので、五十八年度から実施したいと考えているわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 続きまして、第三番目の督促手数料に関する規定の整備がございますが、賦課金、清算金などに関する督促手数料に関しまして、まあ時代が変わったから、こういう御説明を聞いてはおりますが、具体的にどのような決め方をこれからなさるのでございましょうか。     〔竹中委員長代理退席、委員長着席〕

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 現在の土地区画整理法では、督促手数料が法律で十円という金額で明定されておるわけでございます。したがいまして、現在郵便切手が六十円でございましたか、六十円の切手を張りまして十円の手数料をちょうだいしているのが現状でございますので、少なくもこの郵便料金と同じような額の督促手数料をちょうだいしてしかるべきかと考えているわけでございまして、これは郵便料金とリンクさせ、連動させていきたいということから、省令の規定にゆだねていきたいというふうに考えているわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 これは建設省令で出されるわけですね。それは金額明示でなくて、上限をこう、こういうことでおやりになるのでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 省令で上限額を、先ほど申し上げましたように、郵便料金六十円というものと同じ額を書きたいと考えております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 第四に、こういう三つの柱のほかに、要綱によりますと、「以上のほか、所要の規定の整備を行う」ということになっておりますが、その「以上のほか」というのはどういうものがあり、どういう点が重要でございましょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 これは、法律の改正をいたしました場合の字句の整理等でございまして、内容はございません。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 次いで、いわゆる土地区画整理事業に対する助成制度の概要について、現状をお聞きしておきたいと思います。いろいろ税制上の問題、補助金の問題などありますが、いまどうなっているかということを正確にひとつお答えいただきたいと思います。  まず、国庫補助についていまどうなっているか御説明いただきたいと思います。そう申しましても、これがいかぬというのじゃございません。一生懸命これを読んでみたのですけれども、どうもそういう補助とかなんとかという恩典が一つも出ていない。こういうことで、自分なりにやっていいかどうかということを考えましたので、ひとつこの機会に詳細にその辺を、きょうの主眼はそこでございますので、順番にお願いしたいと思います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 まず国庫補助の関係でございますが、土地区画整理事業に対します助成制度の第一番として国庫補助について申し上げますと、道路整備特別会計から土地区画整理事業費補助というものがございます。これは、施行地区の規模等所定の採択要件に該当します土地区画整理事業に対しまして、施行地区内で整備することとなる一定規模以上の都市計画道路、先ほどの御質問にもございました十二メーター幅員というような一定規模以上の都市計画道路を用地買収方式で整備すると仮定した場合に必要となる経費、これは用地費、補償費、築造費、舗装費あるいは事務費、これを限度といたしまして、道路整備特別会計からその三分の二または二分の一を補助することとしております。  二番目に、公共施設管理者負担金というのがございます。これは、都市計画で定められた重要な公共施設の用に供する土地の造成を主たる目的とする土地区画整理事業を行う場合に、施行者は当該公共施設の管理者に対しまして、当該公共施設用地の取得費用の範囲内において土地区画整理事業に要する費用の全部または一部を負担金として求めることができるわけでございます。この場合、所定の要件に該当する公共施設管理者負担金に対しましては、所管事業ごとに国が所定の補助を行うこととしております。  国庫補助の三番目でございますが、土地区画整理事業調査費補助というのが道路整備特別会計から出ております。これは、地方公共団体が土地区画整理事業を実施する必要のある区域で測量及び土地利用、建築物等の現況調査を行い、土地区画整理事業の事業化のプログラムを作成する等の調査を実施する場合、道路整備特別会計から街路交通調査費補助として三分の一の補助を行っております。  次に貸付金でございますが、施行地区の規模等所定の採択要件に該当する土地区画整理事業を実施する土地区画整理組合に対しまして、都道府県が、これは指定市を含むわけでございますが、当該事業に要する資金を貸し付ける場合に、これは抱き合わせで、半分ずつの金額を無利子で当該都道府県に貸し付けるという無利子貸し付けの制度でございます。  三番目は地方債でございますが、地方債につきましては、補助対象事業に係る地方負担額について、一般会計債が許可されることとなっております。  それから、地方公共団体の施行する土地区画整理事業のうち、宅地造成を目的とし、保留地処分金が事業費の相当部分を占めるものにつきましては、保留地処分金の額の範囲内で準公営企業債が許可されることとなっております。また、宅地規模適正化のため必要となる土地を取得する場合にも、当該取得資金についても準公営企業債が許可される制度がございます。  それから、土地区画整理事業の施行地区内の市街化の促進を図るために、地方公共団体が施行地区内で生活利便施設の用に供するための土地を取得する場合に、当該取得資金につきまして、五十七年度から準公営企業債が許可されることとなっていると聞いております。  さらに、政策金融につきましての助成がございます。  政策金融の助成といたしましては三つほどございまして、住宅金融公庫による宅地造成資金融資がまず第一でございます。区画整理事業によります宅地供給を促進するため、特定土地区画整理事業に加えまして、宅地供給に資する一般の土地区画整理事業に対しまして、事業費に対する融資が五十七年度から新たに行われることとなっております。  それから政策金融の二番目としまして、住宅金融公庫による一般住宅特別貸し付けというのがございまして、土地区画整理事業施行地区内の土地を譲り受けた者が住宅の建設を行う場合、住宅建設資金とともに土地購入資金についても貸し付けを受けることができることとされております。  三番目は、中小企業金融公庫等によります移転改造資金融資でございます。これは土地区画整理事業等の円滑な実施を促進するために、中小企業金融公庫、国民金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫が、土地区画整理事業等の施行に伴いまして建築物の移転改造を行う中小企業者に対しまして貸し付けを行う制度が、五十七年度から新たに設けられることとなっております。  最後に税制でございます。  税制につきましては、まず第一点は、一定の土地区画整理事業のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得等の軽減、これは所得税二千万円控除がございます。それから、減価補償金を交付すべきこととなる場合で、土地区画整理事業によって整備される公共施設充当用地のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得等の軽減、これは三千万円控除でございます。さらに、仮換地指定後三年以内に住宅地として譲渡した場合で、一定の要件を満たすものについての優良住宅地等のための譲渡所得の特例、これは所得税率の軽減措置でございます。こういったものがございます。  二番目に、換地処分に伴う登記に係る登録免許税の非課税措置がございます。  三番目に、換地の取得についての不動産取得税の非課税の特例がございます。  以上でございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 五十七年度から改めて加えられた助成措置もあるようでございますが、この法律とは特に関係なしに、これは既定方針どおりずっとやったということでございましょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 法律はそもそも土地区画整理事業の一層の推進を目的としておるものでございまして、前々から検討を重ねていたわけでございます。形式的には法律とは別に行われたものでございますが、実質は土地区画整理事業の一層の推進ということを目的としておりますので、同じような目標を考えながら制度の改善が図られたものと承知しております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 先ほど挙げられました国庫補助は、大体どのくらい使われておるのでございましょうか。施行主体が個人から公団に至るまでいろいろあるわけですから、この制度を利用しているかしていないかということになってまいりますと見方が分かれると思いますが、その辺のところを局長ひとつ率直に、どうなっておるか、実情を御説明願います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 国庫補助につきましては全体の事業、これは補助対象事業と補助対象でない事業とございますが、総じて事業費の二〇%ぐらいが国庫補助になっております。  それから、五十七年度の土地区画整理事業費の予算について申し上げますと、道路整備特別会計から事業費で千六百二十二億九千万円、国費で千八十一億三千八百万円でございまして、このうち公共団体等の区画整理事業に対しましては、事業費で千三百三十億一千七百万円、国費で八百九十三億四千二百万円、組合等の区画整理事業につきましては、事業費で二百九十二億七千三百万円、国費で百八十七億九千六百万円。それから区画整理の貸付金でございますが、組合に対しまして三十四億円の貸し付けがなされておりまして、これは半額ずつの抱き合わせでございますので、国費で十七億円という数字になっております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 私が聞きたかったのはそれでいいのでしょうかということでございましたが、局長は、実際に担当しておられる立場として、もっと多い方がいいと言うのですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 事業を推進する立場から申し上げますと、補助制度の拡充というのは望ましいわけでございますので、たとえば都市改造型の区画整理事業の街路の幅員要件の緩和とかいうようなことも含めまして、さらに補助制度の拡充、改善というものに努めてまいる必要があろうかと考えております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 そこで、問題点の方に移りまして、旧都市計画法時代を含めて、これまでに着手され、完成された区画整理事業の個所数と面積はそれぞれ幾らでございましょうか。また、現在施行中のものは幾らでございましょうか。こういう資料も一応ちょうだいしておりますが、局長の手元に正確な資料がありましたら御答弁いただきたいと思います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地区画整理事業は、昭和五十五年度末までに全国で約七千地区、面積にしまして約二十八万一千ヘクタールにおいて実施されてきております。このうち約五千五百地区、面積約十九万九千ヘクタールがすでに完了しておりまして、現在施行中の地区は約千五百地区、面積約八万二千ヘクタールでございます。それから土地区画整理事業の近年の新規の着手量は年間六千ないし七千ヘクタールで推移しておりますが、先ほども薮仲先生御指摘のように、さらに一層の拡大を図る必要があると考えておるわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 これもまた背景説明をちょっとしていただきたいのですが、石油ショックのときですか、かなり激減したデータが出ておりますね。そしてまたいまふえてきているという。どういう背景があるのでございましょうか。やはりきっちりと市街化をしていくためには事業がふえた方がいい、こういうことでございましょうか。どのようにお考えでございましょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 石油ショックを契機といたしまして、やはり経済の激変ということが影響いたしまして、区画整理事業の新規着手量というものがかなり落ち込んだわけでございます。私どもとしましては、良好な市街地の整備あるいは良好な宅地の供給のための一番好ましい手法は土地区画整理事業によるものであろうかと考えておりますので、そういった観点からさらに事業の一層の推進を図る必要があるものと考えておる次第でございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 これらの施行主体はどういうふうになっておるのですか。その個所別、面積の仕分けがありましたら……。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 施行主体には共同施行を含めます個人施行、それから組合施行、公共団体、行政庁施行、公団施行というものがございます。着工ベースで地区数、面積を申し上げますと、個人、共同施行が八百六十六地区、面積にいたしまして一万六千三百二ヘクタール、それから組合施行が二千八百四十五地区、七万七百五十ヘクタール、公共団体、行政庁施行が二千六十三地区、十三万四百八十ヘクタール、それから公団施行が八十八地区、一万四千百七十五ヘクタールという数字になっております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 今回の改正で供給公社が施行者に加えられましたが、ここではどの程度の個所と面積を当面期待しておられるのでございましょうか。また、現在事業に着手できるところがありますかどうか。あるとすればどういうところでございましょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 地方住宅供給公社施行の土地区画整理事業の事業量につきましては、各公社からの聴取を行っておるわけでございますが、当面六十年度までに全国でおおむね四十地区、面積にいたしまして千二百ヘクタール程度の着手が期待できるというふうに聞いております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 先ほどからも質問があり、私もまたそうだと思って期待しているわけでございますが、近年六千ないし七千ヘクタール程度が毎年新しく着手されている。これからは建設省の姿勢あるいは地方の実情あるいはいろいろな条件が加わると思いますが、どのくらいのところまでいく、あるいはいける、このようにお考えになっておられましょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 区画整理事業の既往の年間の着手量が一万一千ヘクタール程度でございますので、少なくもそれを上回る事業量は確保したいと考えておるわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 細かいようですけれども、その場合に施行者別に、いまおっしゃったところからいきますと、どこを一番期待されるということでございますか。あるいは建設省はどれが望ましいと考えておられるのでございましょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 民間活力によります事業が一番望ましいと思っておりますので、やはり組合施行というものの掘り起こしを一番期待しているわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 ちょっと逆になるかもしれませんけれども、いままでは住宅供給公社の場合はどういう方式でこれらに入っておった、組合で一緒にやっておったのでございますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 個人施行ないしは組合の一員としての事業を行っていたわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 また、くどいようですけれども、われわれあちこち見ておりまして、いわゆる公社事業が大変順調に、依然引き続いて事業規模を大きくしていっているというところもありますが、何か一つの限界に来ているというような問題があります。したがって、こういう新しい事業をつけ加えることによって公社事業の行き詰まりを打開するといいますか、そういうねらいも一つはあったのでございましょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 地方住宅供給公社につきましては、従前から区画整理事業の施行権能の付与あるいは補助金の交付対象となるというような御要望がございまして、そういう観点から言いますとやや遅きに失した感があるかと思いますが、そういう御要望もございましたので、さらにいま申し上げたような権能の付与、補助対象とする等のことによりまして一層の事業が図られるような措置を講じたいと考えておるわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 それから、区画整理事業でございますが、われわれ一般的によく聞きますのは、時間が余り長くかかり過ぎるという問題がございますが、大体どれくらいの時間をかけているのが多うございましょうか。平均値で結構でございます。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地区画整理事業は、減歩、換地という複雑な手法を用いまして地権者の権利を大きく変換させるという事業でございますために、換地計画に係る権利者間の調整等から、事業期間は相当の期間を必要としているわけでございます。平均的に申し上げますと六ないし八年程度というのが実態でございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 それらを短縮するには何か特別な手法がこれから考えられるのでございましょうか。やはり事業が複雑だからこれはやむを得ない、このようにお考えでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 やはり先ほど御指摘がございましたような補助の拡充とか、あるいは区画整理事業にとかく伴いがちな換地計画に伴うトラブルの未然解消とか、あるいは地権者の方々にあらかじめ十分な御了解を得やすいような換地計画の樹立とか、そういったことが行われることによりまして事業の促進が図られるのではないかと考えておりますので、そういった意味からは、区画整理事業についての専門的な技術を持つ者の養成確保ということによって、期間の短縮というようなものも図られるのではないかと考えております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 やはり減歩率が高過ぎるという苦情がどこにもございますね。これは平均してどのくらいの減歩率になっておるのでございますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 減歩率について平均減歩率を申し上げますと、たとえば最近三年くらいの数字を申し上げますと、五十三年度で二九・九%、五十四年度で三〇・〇%、五十五年度で三一・七%というような減歩が行われているのが実情でございます。  なお、これが多過ぎるのではないかということでございますが、減歩には公共減歩と事業費を生み出すための保留地減歩の二種類ございますが、土地区画整理事業を行うことによりまして、公共施設が改善されるあるいは宅地の利用増進が図られるということでございますので、その範囲内の減歩というのは地権者に損失を与えることにはならないわけでございまして、現在の平均的な減歩率三〇%というものは、私どもといたしましては土地区画整理事業による土地の利用増進の範囲内にあるものと考えておりまして、一概に高過ぎるとは言えないのではないかと考えております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 そうすると、無理のない減歩率というと大体三〇%だ、こういうことでございますね。事業がだんだんとむずかしいところへ進んでいけばいくほど減歩率は高くなると思いますが、そのように理解してよろしゅうございましょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 必ずしも事業がむずかしくなるほど減歩率が高くなるというふうにはならないかと思います。場合によっては事業がむずかしくなり減歩率が低くなるという場合もあるのではないかと思います。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 区画整理が完了したらすぐ宅地化ができたり、いろいろな施設ができるという期待が大きいわけですが、なかなかそれがいってないところがかなりございますね。大体全国的に見て未利用地の状況あるいはまたそういうところに対して何か、強制するわけにもいかぬでございましょうけれども、どういう手を建設省は打たれておるのかあるいは打とうとしているのか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 未利用地の状況でございますが、土地区画整理事業の施行を完了した地区におきます未利用地は全国で約一万八千四百ヘクタール、三大都市圏で八千九百ヘクタールほど存在している現状でございます。その未利用地の有効利用の促進につきましては、保留地の処分に当たりまして、建築計画の提示など可及的速やかに建築が行われるような措置あるいは住宅を供給するような公共的な機関に優先的に分譲するような配慮が必要であり、さらに施行地区内の権利者や保留地購入者に対しまして、住宅を建設するための金融、税制等についての必要な情報の提供というものも必要かと思います。また、地区内で学校、病院、店舗等の公益施設、利便施設の誘致をいたすことが全体の市街化の促進に有効かと思っております。  こういった観点から従来から指導を行っておるわけでございまして、五十七年度からこのうちの市街化の核となる公益、利便施設用地に充てる土地を地方団体が先買いするに当たりまして、地方債の対象とする等の市街化促進のための措置も講じているわけでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 時間がございませんので、局長、ありがとうございました。  関連質問に移さしてもらいます。  改めて大臣あるいは官房長にもお答えいただきたいのでございますが、今回の再開通常国会の冒頭になされました大臣の所信表明を読みまして、やはりねらっておられるのは景気回復といいますか、行財政改革の中でむずかしい課題を負っておられる公共投資についてしっかりやろう、一般会計における予算規模は前年度と同じだけれども、財政投融資の活用などにより前年度と同規模と書いてありますが、国民の期待はもっとそれ以上かもしらぬと思いますが、今日まで官房長、どういうような手がとられましたでしょうか。事業費の前倒し実施を含めまして、概要御説明いただきたい。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 いまお話しのございましたように、本年度の予算編成に当たりましては、ゼロシーリングというもとにおきまして何とか実質事業量を確保いたしたいということから、一つは財投の増、もう一つは地方単独事業を増してもらう、こういう措置をとったわけでございます。その結果、建設省の予算現額といたしましては、建設省分だけで本年度は六兆三千五十六億ということになっておりまして、昨年度に比べまして約三千億落ち込んでおりますが、これは昨年度の下期に災害の補正が組まれた関係でございまして、それを除きますと大体同様の額になっております。  そこで問題は、今後の執行の問題でございますけれども、これは去る四月九日の閣議におきまして国全体の契約率を上半期七五%以上にするということが決められまして、それに基づきまして現在関係各省庁間で調整を行っているところでございますが、でき得べくんば七七%台に乗せたい、建設省の事業につきましてもその程度は行いたいということで、公共団体あるいは地方建設局あるいは公団等々、どうやったらそれが確保できるか、事業の実施が円滑にできるかということを鋭意詰めているところでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 大臣、官房長はああいうふうに言っておられますが、七七%については、従来の実績の最高七五%でございましたか、最高の上をまだ乗せるわけですが、大臣の御決意がなければこういうものはなかなかできないと思いますが、大臣、これについてどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 少なくとも七五%以上でございますね。できれば七七%ということでただいまいろいろ協議をしておることは官房長申したとおりでございます。いろいろな条件があると思いますけれども、建設業者の工事能力につきましては余り問題はない。それから鉄鋼とかセメントとかいう建設資材につきましても問題はない。要は発注側が、設計もつくらなければいけませんし、また、工事の個所も具体的に決めなければなりませんし、準備がうまくいくかどうかということでございますが、従前は七三%、せいぜい七五%でございますが、時節柄われわれのサイドの地方公共事業体、それから公団、それから建設省傘下の地建、工事事務所等ございますが、それらを督励いたしましてできるだけそこにまで持っていくように、ただいま全力を尽くして準備を進めておる、こういう段階でございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 いま建設業ばかりでなしによその企業も大変苦しい、それから世界的にもまた同じような状況が出ておりますが、建設業のいまの景気の実態を建設省はどのように御認識になっていらっしゃいますでしょうか。

吉田公二建設省計画局長

○吉田(公)政府委員 建設投資につきましては大体若干増加で、ほぼ横ばいの程度できております。建設業者の数も最近では余り増加しておりませんので、横ばいできておりますが、事業の実態は従来の成長の過程もございますので、ある意味で不況感というものをかなり強く感じておるようでございます。これは末端に行くほど強いようでございますが、ただ倒産数等につきましては比較的、いま二八%程度できておりまして、ことしに入りまして若干倒産の状況は減少しておりますので、そういった意味で現状に対応するような経営ということをかなり考えているのではないかと理解しております。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 確かに、台風が来たときは背をかがめるなどの工夫を皆さんやっておられるので、倒産件数もそれほど多くなっていないということなんでございましょうが、現実の営業活動がうまくいかないから困るんだということを、一人や二人でなくて大変大ぜいの方々から私ども陳情を受け、あるいはこうしてもらいたいということで注文を受けておるということは御存じだろうと思います。したがって、実は横ばいでない、私はこのように見ているわけでございますが、それは見解の相違といたしまして、これからそういうものに対してどうこたえていってやるのか。上期にそういうふうに集中発注するのも一つの手だと思いますが、その辺のところをどういうふうにしていったら建設業者として建設省に登録されている皆さんが生きていけるかという問題、政府としてひとつお考えになっている点を……。

吉田公二建設省計画局長

○吉田(公)政府委員 これは大変むずかしい御質問でございまして、ある意味では私の周りに並んでおる方に陳情するような形かもしれませんが、建設業界だけの立場で申しますと、上期に前倒しで仕事を出してもらう、これは非常に歓迎している空気がございますが、その結果といたしまして下期に息切れするということについての心配はしているということは事実でございまして、こういった問題についての配慮というものについて、私どもとしてもいろいろ業界の方の御希望等については伺っているところでございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 そういった意味で、民間活力も出してこなきゃなりませんし、大臣もその中枢におられていろいろとお心を悩ましておられることであろうと拝察いたしますけれども、いま一番われわれが問題にしておりますのは、減税をやれと言ったけれども、これもなかなか約束されないで大蔵委員会の小委員会にかかってくる、これは一体どうなるのだということで私どもは大変心配いたしております。と同時に、最近報道されますように、補正予算で二兆円の建設国債を組む、こういう問題も出てきており、すでに合意されている、このようにも理解されるような報道もございますが、これは大臣が決められたのでございましょうか、それともどなたがどういうふうにおやりになっておられますか、その辺のところをひとつお示しいただきたいと思います。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 建設省は建設業の所管官庁でございますから、建設業界の経営の安定、また全体を見渡せばかなりおくれておると思われますような近代化、合理化の促進、こういうことに努めてまいりたいと思っておりますが、しかし建設業界のために公共事業をどうこうするという発想ではございませんで、公共事業を進める上において非常に大事な協力者だと思っておりますが、公共事業を拡大してやるという必要が先行いたしまして、それによって建設業というものは間接的にと申しますか、反射的にいろいろといい影響を受ける、こういう考え方でございますが、ただいまお話がありますように、上期に七五%以上の前倒しをするということは、そういう意味で申しまして、建設業界にとりましても非常ないい条件がここに備わってきたというふうに存じております。問題は下期でございまして、七七%をとりますとあとは二三%、建設省関係だけで昨年に比べまして約五千億ぐらいの公共事業の減になるというような数字もございまして、このままでうっちゃっておくのはどうも適当でないだろう。  今日まで公共事業の前倒しに関する会議が二回ございました。一回は三月十六日だったと思いますが、このときはまだ予算の審議中でもございましたので、そういう問題の提起がございまして、予算審議が済んだら相談しようということになっておったわけでございますが、私といたしましては、補正予算という言葉は使いませんでしたが、下期において事業量の確保をするための措置を、しかるべき時期に機動的にぜひひとつ講じてもらいたいということを申しておきました。さらに、四月九日にただいま申しました前倒しの決定をいたしたわけでございますが、その際には、今度はもうはっきりと補正予算という言葉を使いまして、ぜひ考えてまいりたい。閣議の席では経企庁長官も繰り返してこれはそのとおりと思うという発言がございました。近いうちにいろいろその問題について具体的な相談が始まると思いますけれども、二兆円がどうとかいうことをここで申し上げる段階ではないと思いますけれども、そういう問題について私どもの立場も考えまして、今後極力善処してまいるということを申し上げて、お答えにかえていきたいと思います。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 こういうときでございますので、大臣のそういう手がたいお話もそれはそれで結構といたしまして、事務ベースでAケース、Bケース、Cケース、Dケースと恐らくやっておられると思います。二兆円出しますと何か成長率は一%アップぐらいいけるのだという報道もございますが、局長か官房長、官房長の方がいいのでしょうか、どういうそろばんをはじいていられるのか。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 いま大臣から、建設省所管分については、上半期七七%やった場合に下半期は五千億ぐらい減になるということを申し上げたわけでございますが、国全体で申しますと、もし上半期七七%ということになりますと下半期は一兆一千億ぐらいの減になります。ただし、去年もこれは七〇・五%ということで促進をやったわけでございますから、大体六五%程度が通年度であるということになりますと、一兆六千億ぐらい下期に穴があく、こういう形になっているわけでございます。  そういう観点から申しますと、景気刺激ということを考えるからには、二兆以上の補正予算なり何なりを組むべきではないかと建設省の事務当局としては考えておりますけれども、これはどこまでも建設省の希望でありまして、国全体の予算は政府が決めるわけでございますから、建設省といたしましてはそういうような観点に立って今後とも財政当局に要望してまいりたい、こういう態度でございます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 官房長、もう一つ、さっき質問しましたように、成長率といいますか、GNPに対する波及効果といいますか、あれはどのように見ておられますでしょうか。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 これは建設省の事務当局が勉強のためにやったものでございまして、必ずしも正確だということは受け合えないわけでございますが、たとえば公共投資を二兆円追加した場合におきましてはGNP、経済成長率を約一%引き上げることができる、あるいは税収効果といたしましては国税、地方税を含めまして三カ年で八千三百億程度、初年度で三千九百億程度の税収が見込まれる、このような試算はございますが、これはどこまでも試算でございまして、政府の統一見解にはなっておりません。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 大臣、そういう結果だそうでございまして、すでに御存じだと思いますが、勉強結果をどういうふうにこれから生かしていこうとされるのか。いま実際に地方あるいは業者そのものを当たってみますと、これは建設業ばかりでなくて大変な状況になっております。大臣の景気観を含めまして、下期の対策をどのようにやっていかれるか、もう一度ひとつお答えいただきたいと思います。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 この問題は、従前からの財政再建とか行政改革とかいうことを考えますと大変大きな方針の転換でございまして、政府全体が慎重に、また果断に判断をしてまいらなければならない問題だと思っておりますが、建設省といたしましても建設業を直接所管する立場から、この問題についての責任を感じております。私どもといたしましては各省と折衝し、また、党の方ともよく御相談いたしましてこの問題について誤りのないように、また、時期におくれないように、適切な措置を果断に講じてまいるように一層努力するということを申し上げて、お答えにかえます。

林保夫民社党・国民連合

○林(保)委員 土地政策問題が残りましたが、時間が来てしまいましたのでこれで終わりたいと思います。どうかひとつ機動的に、機能的に御努力されるよう希望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これにて林保夫君の質疑は終了いたしました。  次に、瀬崎博義君。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 都市計画法では、市街地開発事業については、市街地開発事業の種類、名称及び施行区域を都市計画に定めることとしておりますね。その際、「都道府県知事は、関係市町村の意見をきき、かつ、都市計画地方審議会の議を経て、都市計画を決定するもの」、こうされているわけですが、区画整理事業の施行区域を定めるに当たって、法律的には都市計画の決定前には施行区域内の土地の権利者の同意を得ることにはなっていませんね。  そこで、建設省として都道府県知事等に対して、区画整理事業の施行区域を決定する際、事前に関係権利者の同意を得て行うような文書による行政指導、通達といいますか、そういうことを行ったことがあるかどうか、伺ってみたいと思います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地区画整理事業に関する都市計画決定は、小規模なもの、二十ヘクタール以下は市町村が、それ以外のものは都道府県知事が行うこととされておるわけでございます。都道府県知事が決定する場合を例にとりますと、手続としては関係市町村の意見聴取をした上での原案の作成あるいは案の公告あるいは公衆への縦覧、それから地方審議会への付議、三大都市圏等一定地域内におけるものにあっては大臣認可、さらに決定告示という手続があるわけでございます。この場合における関係住民の意見の反映方法としては、縦覧に供された案に対しまして関係住民が意見書を提出することができることとされているわけでございます。さらに、必要に応じまして説明会の開催等を行うようにしておりまして、関係住民の意見が十分反映されるよう常々指導しているところでございます。(瀬崎委員「僕の聞いたことだけ、同意をとる通達を出してあるのかないのか」と呼ぶ)いま申し上げましたように、一般的にそういう指導をしているわけでございまして、特にそのことについて通達は出しておりません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 今回、地方住宅供給公社に対して先買い方式とでも言いましょうか、そういう区画整理事業の権能を与えるに至った理由なんですが、これまで公社が行ってきた全面買収型の区画整理事業では土地の入手が困難になってきて事業が進めにくい、こういうことが根本的な理由になっているんじゃないですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 住宅需要が非常に根強いわけでございますが、既成市街地の再開発あるいは高度利用等によります住宅宅地供給とあわせて、新市街地で宅地を造成して住宅供給を推進しなければならないという必要があるわけでございます。住宅供給公社は地方で宅地供給の実施機関の一つとしていままでも重要な役割りを果たして……(瀬崎委員「書いてあることを答えるんじゃなくて、私の質問に答えなさい」と呼ぶ)近年、宅地の供給が非常に望ましい方向にばかりいってないわけでございます。そこで、土地のまとまった取得というものが容易でなくなってきているという事態に対処しまして、公社所有地と公社以外の所有地とを一体的に開発整備する必要というものを私ども考えておりますので、今回の法改正によるような施行権能の付与というものが必要かと考えているわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 まとまった土地の入手がむずかしくなってきたからという事情をいまおっしゃったわけですね。だから、結局は住宅供給公社が区画整理事業を行いたい地域の土地の、手に入りやすい部分を先行取得して、その取得した土地の数倍といいますか、二倍、三倍に上る区域を区画整理事業の施行区域に決定するよう知事あるいは市長に申請することができる。結果として手法はそういう形になっていくんじゃないですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 今回、公社が施行することとしております区画整理事業は、私ども都市計画法の手続で、都市計画決定された施行区域内で行われるものでございます。  それから具体の土地区画整理事業を行う場合には、施行地区の決定は事業計画を縦覧したりあるいは関係者の意見を聴取する等の手続を経た上で行うものでございまして、施行者が任意に地区を設定するというわけではございませんので、十分に関係者の御意向に沿った良好な市街化ができるものと考えております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 しかし少なくとも全面買収ではなくて、手に入る部分だけを取得しておいて、その施行区域については区画整理事業に入れる、こういうことにはなっていくわけでしょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 おっしゃりようによるのだろうと思いますけれども、先生のおっしゃることは、そのこと自体はそのとおりでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 結局、だから区域内の公社以外の土地の権利者にしてみますと、事前に自分はその区画整理に参加する意思があるのかないのか、そういうことが聞かれないまま区画整理事業に結果としては組み込まれていくことになって、その人たちの権利が侵害された上に、土地が権利者の意に反してあるいは公社に追加買収されていく等々の可能性も起こってくるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 そのようにならないように、関係住民と意見を十分に調整しながら事業を実施していけばいいのではないかと思います。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 だから、ならないように気はつけるが、可能性としてはそういうことが起こってくるでしょう。こう言っておるのです。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 そういうことが起こらないように事業は実施すべきであると考えております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 そういうことが起こらないように実施すべきだということは、そういう可能性があるということを裏に含んでおると思うのです。一方、言われている区画整理の事業計画の決定手続なんですが、これは二週間前に公衆の縦覧に供する。それから利害関係者は、縦覧に付された事業計画について、縦覧満了の日から二週間以内に意見書を出すことができる。意見書が提出された場合に知事は都市計画地方審議会に付議する。審議会は意見書を採択すべきであると議決した場合のみ事業計画の修正を命ずる、こういうことになっておるわけですね。だからあくまで、どこまでも事業計画の原案をつくっていくのは施行者側であって、住民の側は受け身で、意見があったら言えよ、そのうち採用できるものは受け取りますよ、こういう形にしかなってないと思うのですよ。この事業計画の作成段階で地権者の同意を得ることに現行法ではなってない。この点だけ確認しておきたいのです。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 法律的にはおっしゃるとおりでございますが、こういう事業を行う場合にはかなりの懐妊期間がございまして、その間説明会を開く等、十分関係住民の御意向を聴取するような努力はいずれの場合でも行っておるところでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それは実際の運用では当然のことだし、そうしなければ事業は進められないのですが、じゃそれが原則だというなら、今回のこういう改正の機会に法律の内容もそういうふうにしていけばいいと思うのだけれども、それはしないわけでしょう。こういう点に、区画整理の手法全部がわれわれ悪いと言うのじゃないけれども、非民主的な側面が残されておる。この危険は指摘しておきたいのです。だから、もし局長の言われるのが一般原則だというのなら、私ははっきりそういうふうに法律を改正すればいいと思います。結局仮換地の段階に至らなければ権利者の同意という問題が前面に出てこない、現在はこういう体系だ、こういうことなんですね。  そこで、加瀬都市局長御自身がことしの一月発行の「月刊政策」で「二十一世紀を展望する都市政策」、こういう論文を出していらっしゃいますね。それによりますと、「今世紀末までには全市街地の約四〇%を土地区画整理事業により整備」する、そのためには、「今後約二十年の間に約三十六万ヘクタールの土地について新たに着手しなければならないことを意味しており、その総投資額は三十兆円以上にも達する」ことになる、こう述べていらっしゃるのです。今日までの区画整理事業の年間実績を見ますと、先ほども言われておりますように、昭和三十五年代の少ないときで三千ヘクタール、高度成長の頂点だった四十五年から四十八年で大体年間一万一千ヘクタール、第一次石油ショックの後の五十年から五十五年までは大体六千ヘクタール前後、これも認可ベースですね。そうしますと、加瀬局長がはじかれた二十年三十六万ヘクタールということになりますと、これは年間一万八千ヘクタールということになるわけでしょう。過去六年間の平均の大体三倍という数字になるのですね。これは一体どういう地域、土地を対象にしてどんな方法を講すればあなたのおっしゃる二十年三十六万ヘクタールというのができる、こういうことなんでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 御指摘の数字は私どもの長期目標によります数字でございますが、おっしゃるように、最近は、ことに石油ショック後かなり土地区画整理事業の年間の着手量が落ちております。したがいまして、かなりの努力をしないと計画は達成できないわけでございますが、既往の最高値が一万一千ヘクタールやった時期もございますし、今後制度の拡充とかあるいは技術者の養成確保に努めることによりまして、政策努力をいたしますことによりまして、既往の実績をさらに上回るような数字を確保していけば、非常に容易ではないということは十分承知しておりますが、必ずしも完全に不可能な数字ではないというふうに考えておるわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 列島改造時代、先ほど言った高度成長時代の頂点をも上回るような目標を挙げていらっしゃるわけでしょう。それを不可能ではない、こう言われますと、先ほど来われわれが現行法の欠陥を指摘してきました、つまり住民の意思が十分くみ上げられないまま事業強行ということにならないか、まさにその悪い面がこういう高い目標と結びつく危険があるのではないか、こういう点も指摘をせざるを得ないと思うのですよ。  この間の実績が約七千地区、二十八万ヘクタールであることは先ほど来言われていますね。そのうち換地を終わっているものが十九万八千ヘクタール、約二十万ヘクタール、昭和三十七年から五十一年度までのうちに認可された事業で完了したものが二千三百七十七地区、六万六千百四十一ヘクタールとなっているのですが、このうちに未利用地が一万八千三百八十五ヘクタール、約二八%、三割弱入っているわけです。こういう大量の未利用地を伴ってきた主な理由は何ですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地区画整理事業は全面買収する事業とは異なりまして、地権者の全員の協力のもとに事業を実施するたてまえになっております。したがいまして、事業実施済みの土地の市街化につきましては、一番根っこには所有者等の宅地化の意欲があるわけでございまして、その宅地化の意欲いかんに係るところが大きいわけでございます。さらに小中学校等の公益施設あるいは店舗等の日常利便施設、こういったものが整備されますれば市街化が容易になるという面もございます。それから、区画整理事業そのものは先ほども申し上げましたように平均六—八年の事業期間をするものでございますし、事業の性質上非常に市街化のテンポは遅い側面があるのは否めないわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 そういう事情でこういう未利用地ができるのは否めないとしますと、こういう過去の実績に照らして、もし局長が示された目標を遂行したとした場合どういうことになるわけですか。つまり、三十六万ヘクタールのうち宅地化されていくのがその約七割の二十六万ヘクタールで、それから約三割の十万ヘクタールは未利用地として残っていく、こういう推測が成り立つわけですね。いまお話のあったように、土地区画整理事業の性格から、個人の土地がある程度未利用地として残ってくるのはやむを得ない、土地整備がおくれる場合だってあるのだ、こういう事情が当然伴ってくると思うのですよ。それだけに、規模や量的な区画整理事業の拡大だけをどんどん追求することによって、必然的にこういう未利用地を大量に抱き込んでいくというふうなことになるとするならば、現在のようなこういう経済情勢、社会情勢のときに、投資効果の面からいって、あるいはいろいろと新たな制度を盛り込まれますが、行政面でも手数がかかるわけです。こういうことの相当部分が寝ていくわけですね。こういうことは必ずしも合理的ではない。もっともっときめ細かく効率の高い区画整理事業などを目指すべきではないか、そういうふうな感じを受けるのですが、いかがでしょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 御指摘のような側面は確かにございます。ただ、仮に区画整理事業によらずに、事業を進めないで放置しておくとどうなるかと申しますと、やはり市街地のスプロール化、虫食い的な整備というものが進んでいく可能性は十分あるわけです。どちらがいいかということになるかと思いますが、やはり先生の御指摘のような要因を排除しながら、良好な市街化を土地区画整理事業によって図っていく、そして良好な市街地の整備、宅地の供給につなげていくということが土地整備の方向としては正しいのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それと同時に、この区画整理事業を促進しようと思ったら、国の一定の補助、援助が必要なことは局長も認められているし、現行にも制度があるのですね。いまもさらに充実を図りたい、こうおっしゃる。そうしますと、さあ、現在の国の財政を考えたとき、二十年間三十兆円、こう言われるわけなのですが、この投資に伴う国及び地方自治体、こういうものの財政負担は果たして現実的に可能なのかどうか、そっちの面からもこういう目標は十分検討してみる必要があるのじゃないでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 事業費は三十兆円でございますが、平均しまして国費にしますと二〇%程度が現在助成されておるわけです。さらに、その助成によりまして区画整理地区内には良好な幹線街路が整備され、公園等も整備されていくという都市基盤施設の整備が伴うわけでございます。そういうことを考えますと、やはり一概に金額の多寡のみをもっては言えないし、さらに、ことに土地区画整理事業で良好な市街地を整備する場合の大部分の費用負担は減歩による保留地の処分金によるものでございますので、やはり費用の負担のあり方としても正しい方向ではないかというふうに考えております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それは国が地方自治体を大いに援助するのは正しい方向なんですよ。問題は三十兆円という事業遂行を掲げたときに、一定の国の補助とか地方自治体の補助を伴わなければできないわけですから、国の財政事情から考えて空論になってはいけませんよ。われわれは土地区画整理事業を否定しているのじゃないんですね。そういう点での検討のし直しは当然するべきじゃないでしょうか。  その論文の中にこういうこともおっしゃっていますね。「マスタープランである都市再開発方針等に沿って市街地再開発事業、土地区画整理事業等、その地区にふさわしい手法によって対処していくことが重要である。この場合にできるだけ民間エネルギーの活用に努めていくべきである。」こういうことを述べていられる。具体的にはどういうことを考えていらっしゃるのですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○加瀬政府委員 土地区画整理事業の場合には組合施行によります民間活力の活用といいますか、そういうことを考えておるわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 確かにわれわれも民間の活力は活用したらいいと思うのですが、特にこういう土地区画整理事業などは国民生活に非常に関係が深いですね。だからそういう民間の活力が社会全体のために発揮されるのなら大いに歓迎なんだけれども、企業の利益のためにばかり発揮されたのでは、国民にとってはかえってマイナスということが出てくると思うのです。そういう意味で土地区画整理とか都市再開発などで施行者となる場合の、あるいは大手不動産会社、デベロッパー、あるいは工事は実際民間会社が請け負うことになるんですが、そういう大手建設会社と政界、財界との癒着は一掃して、こうした公共事業の促進を図る明朗な前提をどうしてもつくらなければいかぬと思うのです。そういう意味で私は、三井建設の内部文書に基づいて指摘をした幾つかの疑惑について、こういうあらゆる公共事業の前提を整えるという意味で質問をしたいと思うのです。  それで、われわれが明らかにした資料によって三井建設と政界、財界の癒着の疑惑が出てきているのですが、まさかないとは思うのだけれども、こういう文書が明らかにされて以後三井に対する公共工事の発注状況が一体どうなっているのか、まずこの点を伺いたいのであります。  防衛庁、見えてますね。防衛庁の場合はややおくれて三月十六日、参議院で上田参議院議員が質問したことによって明らかになったんです。そこで、防衛施設庁がそれ以降三井建設を指名した工事、また三井建設に発注した工事があればそれをお答えいただきたいし、同時に、多分Aクラスになると思いますが、三井が受注対象になる工事の総件数、三月十六日に指摘した以後です、それもあわせて答えていただきたいと思います。

西原一防衛施設庁建設部建設企画課長

○西原説明員 お答え申し上げます。  先生御質問の件に関しましては、本年三月十七日以降三井建設株式会社を指名しておりません。同社を指名しておりませんのは、本年の三月十六日、先ほど先生御指摘のように、参議院予算委員会で上田議員から質問されたいわゆる三井建設の営業報告書の事実関係につきまして、翌十七日に調査委員会を設置いたしまして現在調査中でありますので、この間は同社の指名を差し控えている、こういうことでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 では続いて日本道路公団に伺います。  日本道路公団に対する疑惑は私が二月二十二日に指摘をしたわけであります。それ以降においてただいまと同じように三井建設を指名した工事、三井建設に発注した工事、あればそれを答えてもらいたい。また、道路公団の場合数が少ないと思います。わかっていると思うのですが、三井クラスを受注対象にする工事の総件数がその二月二十二日以降何件出ているのか、お答えをいただきたいと思います。

森田松仁日本道路公団理事

○森田参考人 日本道路公団におきまして、ただいま御質問の二月二十二日以降に新たに発注した工事はAクラスの工事で二十件ございます。その中に三井建設について指名あるいは受注したという工事はございません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それについては、われわれの指摘した事項との関係で特別に公団は一定の方針を持っておられるのですか。

森田松仁日本道路公団理事

○森田参考人 先ほど申し上げましたように、現在までの発注工事につきましては該当はございませんと申し上げました。御承知のように、本来指名につきましては具体の工事が出てまいってから指名委員会等で決定してまいります。そこで、三井建設の指名につきましては、現在関係省庁において調査が行われておると聞いておりますので、その動向などを注目しながら慎重に判断してまいりたい、かように考えております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それでは農水省来ておりますね。——農水省に対する指摘は同じく二月二十二日に行っております。したがって、それ以後の三井クラスを対象にした工事発注件数並びに指名、発注、その事実についてお答えをいただきたいと思います。

須藤良太郎農林水産省構造改善局建設部設計課長

○須藤説明員 農林水産省の直轄事業におきまして、いわゆる三井建設が参加資格のあるAランクの発注件数は二月二十二日以降三件でございます。三井建設の指名件数はありません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 これについて農林水産省として、現在のいろいろ疑惑調査との関係とかあるいは今後の工事発注等にどういう考えを持っているか。

須藤良太郎農林水産省構造改善局建設部設計課長

○須藤説明員 現在調査中でありまして、指名につきましては一応従来どおり各地方農政局でやっておりまして、特にこれという配慮は現在しておりません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それから水資源公団の場合も二月二十二日に私が指摘しておりますね。それ以後の三井対象の工事発注件数並びに指名、発注の事実関係、それから公団のとっておる方針等について説明をいただきたいと思います。

島崎晴夫水資源開発公団理事

○島崎参考人 二月二十二日以降の発注件数は二件でございます。三井につきましては指名もございません。したがいまして落札もございません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 特に何か方針を持っていますか。

島崎晴夫水資源開発公団理事

○島崎参考人 三井につきまして特段の措置を講じているわけではございません。通常に扱っております。ほかの業者と同じに扱っております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 水資源公団についてのみは、特別な扱いをしていないが事実においては指名も発注もない、こういうお話ですね。あとの防衛庁、日本道路公団、農水省、特に防衛施設庁の方は非常に明確な方針を出していらっしゃるのだが、あとの二つの場合も、現在調査中の動向を注目しながら配慮している、こういうことですね。  ところが建設省なんですよ。建設省の場合は二月二十二日事態が明らかになって以後現在まで、三井を指名した工事が二件あるわけですね、落札はありませんが。こういう点について、これだけ世論の厳しい批判を受けている、しかも繰り返し建設省は調査中である、こう言ってきたんでしょう。しかも工事件数が最も多く、しかもこういうことが起こらないように行政指導なり監督なりを行う中心官庁であるのに三井を指名に入れている。こういうこと自身が建設省のこの問題に対する姿勢を示しているのじゃないかと思うのですね。私どもとして非常に無神経な態度だと思うのですが、いかがですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 いまお話しのように、建設省といたしましては、二月二十二日の御指摘を受けてから二件の指名をいたしております。ただし落札はございません。その考え方といたしましては、御指摘のあった直後から直ちに調査を開始いたしまして、現在三井建設についてはあらゆる角度から調査をしているわけでございますが、まだその結論が出ておりません。  建設省が指名停止を行う場合には、次官通達をもって地方支分部局所掌の工事請負に係る指名停止等の措置要領というものが決められておりまして、どういう場合に指名停止をするかということが明確に定められているわけでございます。今回の事件はまだ調査中でございますからそれに該当しないわけでございまして、したがって指名停止の措置はとっていないわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 私が言っているのは、指名停止の措置をとらなくても、先ほど言いました三つの省庁、公団においては、こういう事態だからというので現実指名選考委員会等で指名していないという事実があるわけです。それと比べれば建設省の態度はきわめて後ろ向きだ、こういうことを私は言っているわけなんですよ。しかも、あなたは三月三十日の参議院建設委員会でわが党の上田耕一郎参議院議員の質問に答えて、三井文書の内容について「三回おいでいただいた調査の結果では、」と言って、「営業マンでございますからやはり自分の点数を上げるために相当の誇張がある、こういうことはいまの調査の段階で推定される」、こういう推定を述べているのですよ。「相当の誇張」とは一体どういう部分を指して言っているのか、答えていただきたいと思います。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 先ほども申しましたように、現在三井建設については調査中でございますから、その結果を御報告できる段階には至っておりません。しかしながら、現在までに調査担当者から聞いたところによりますと、必ずしもあのメモと実態は一致していないという報告を受けているわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 たとえば建設省の天下り重役である井田氏の報告書による裏ジョイント指示の問題ですね。これはすでに私が明らかにした部分ですが、仲間トンネルとそれから総山トンネルについて、仲間トンネルについては当時の地建の木谷局長が表を鹿島、裏を三井の決定的宣言を下した、こうあるわけだし、総山トンネルについては当局の内意により小松を裏ジョイントにする、こうなっていて、報告書どおりに仲間トンネルは五十四年九月鹿島に六億四千九百万円で落札し、総山トンネルは同じ時期に三井に三億八千五百万円で落札。ここら辺はあなた方もちゃんと調べているはずのこと。しかもそれぞれの報告書には、ごらんのように三井の宮下専務とか西山常務までがそれぞれ決裁印を押しているわけです。まさに当事者三井自身が裏ジョイントの存在を告白しているのですね。こういうものがある以上、三井に対して建設業法上の処分を行うのは、むしろこれ以上の証拠として一体何が必要なんだ、こう私たちは言いたいわけです。だから全貌の解明は解明として進めるとしても、こういう明確なものについて、大臣も建設業法上の処分は必要ならすると言っているのだから、やればいいじゃないかと思うのです。なぜやらないのですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 いま御指摘の二件につきましては、三井建設のみならず鹿島建設あるいは小松建設等の責任者においでいただきまして、事情を聴取しているわけでございます。しかしながら、まだ処分に至る結論には達していないということを申し上げたいと存じます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 ちょっと委員長の御了解を得て、簡単なものですが、資料を渡しておきたいと思います。補強材料として若干新たな資料を見ていただきたいと思います。  それは総山トンネルの方なんです。総山トンネルについては、その井田至春氏の営業報告書に出ているだけではないのです。いま配った資料の、上はすでに明らかにされている井田報告書の総山トンネル部分であります。もう一つ、座光寺純氏の営業報告書にも明記されているのです。これを新しく補強資料として提出いたしますよ。そこをごらんになったらおわかりのように、五十四年五月九日、井田氏のものは六月一日ですから、ほぼ同じ時期ですね。その五十四年五月九日付で「五十四年度総山トンネルについて本日ご当局よりOKが出た。ただし小松建設とJV(六対四)とのこと」と、JV比率まで、しかも裏ジョイントのJV比率まで出ているわけなんですよ。こういう井田氏、座光寺氏、二人の、しかも専務や常務の決裁した文書に裏ジョイントの存在が証明されているわけでしょう。これだけの証拠があって一体建設省は何をためらうのか。小松などは知りませんが、少なくとも事三井に関して、三井自身がこういう証拠を出しておきながら、処分されて文句が言えるような筋合いじゃないと思うんですね。どうでしょう。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 先ほどもお答え申しましたように、小松と三井との裏ジョイントの問題につきましては、関係者から現在事情を聴取しているところでございまして、まだその事実が明確になっておらないわけでございます。この営業報告書は確かに事実だとは思いますけれども、営業報告書だけをもってすべてが律せられるとはわれわれは考えておりません。あらゆる人の事情聴取を行った上で結論を出すべきものだと考えております。やはり営業停止あるいは指名停止というのは相当の処分でございますから、厳正な調査の上に立って行うべきものだと考えているわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 ただ、こういうふうに違った営業担当の責任者がそれぞれ一つの工事について同じ内容をはっきりと告白している、こういう場合は特に有力な資料たり得ると思うのですが、その点だけ伺っておきたいと思います。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 両者の報告書があるわけでございますから、その点につきましては、その点を十分配慮した上で厳正な調査をいたしたいと考えております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 しかもこの地建の裏ジョイント指示というのは、新たな座光寺報告でもわかりますように、一般的な指示じゃないんですね。サゼスチョンを出すというようなものじゃないですよ。裏ジョイントのいわゆるJV比率までちゃんと発注者側から指示していることでしょう。中身に達したというんですね。単なる願望とか誇張で書けるような問題じゃないということですね。こういう事実は発注官庁自身が事実上受注調整機関になっている、このことを私は物語っていると思うのです。  だからこの点で大臣に伺いたいのですが、大臣もこの間答弁で、いや、建設省の権限の範囲内でできないことだってたくさんあるのだ、こんなことを言っておったのだけれども、こういう事実が出てくれば十分建設省の権限だけで処置できることはあると思うのですよ。厳正にやるとおっしゃったのですから、少なくとも大臣の権限の範囲内でできることはどんどんおやりになったらいいと思うのです。大臣の答弁を求めたいと思います。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 御指摘のような問題について、建設業法の規定に基づきまして措置すべき事項につきましては、まさに建設省が権限を持っております。しかし、いま官房長も申しましたように、かなり重要な処分になるわけでございまして、ここにございますような一つの資料、情報と申しますか、それだけをもちましていまのような判断決定の資料にしていいかどうかということは非常に疑問だと思うのでございまして、これはつまり調査、司法機関で言えば捜査を始めるための一つのきっかけである、そういうふうに私どもは理解いたしておるのでございまして、それに基づきましていま調査をしておるということは官房長が申したとおりであります。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 参考までに言っておきますが、括弧して植山部長と書いてあるのは、当時の三井建設の大阪支店の土木営業第一部長と思われますし、念のため、私が言うまでもないことですが、当時の近畿地建の局長はただいま水資源公団の理事のはずなんです。だから非常に調べやすい関係にあるはずですよ。そういうこともつけ加えておきます。  もう一つ、いまの資料の二枚目をごらんいただきたいのですが、これは三井建設が大成建設の副社長にあてて工事希望願い書というものを出しておった。それに順番も付しているんですね。当時私は、発注者あてに願い書を出すなら話はわかるけれども、競争状態にある同業者に願い書を出すのは一体どういう理由だというふうな質問をして、まともに公団は答えてなかったのです。実はその三井の願い書に六件の工事があるわけですね。その六件の工事について指名業者はどうなっておったかというのがその表なんですよ。  このうち、三井の希望順位一番の権現山トンネル、これはちゃんと三井と不動のJVに落ち、それから希望順位第二位の初石工事、これが三井とアイサワのJVに落ちる、こういうぴったりした一致があった。この点はすでに明らかになっているのですが、実はこの六つの工事の指名業者の内容を見ますと、六件ともいわゆる共同企業体というのは三ないし二しかないんですよ。あとは全部単体企業なんですね。この単体企業を指名に入れるのは、企業側から指名願が出て入れるのではなくて、有資格企業の中から公団本社の指名審査委員会が一方的に指名して入れているんじゃないですか。

森田松仁日本道路公団理事

○森田参考人 道路公団の大型工事におきましては、御承知のように工事の始まります前、一カ月半ぐらい前に予告いたしまして、ジョイントベンチャーを公募いたしております。ただ、本来道路公団では指名競争入札で工事の入札を執行いたしております。したがって、指名競争である以上は受注機会の均等を図るという意味におきまして、ある一定数の業者以上という規定を持っております。ただ、大型工事におきましては、中小業者になるべく受注の機会を確保するという意味におきまして、JV方式で公募いたしまして、あるいはA、BあるいはA、Cといった組み合わせを採用いたしまして、それを含めまして、一定数の単体企業を含めまして指名競争入札を執行いたしておる、かようなことでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 結局業者側の意思で入札に加わっているのが二つか三つなのです。あとは数を合わすために公団側から指名した業者が六つないし五つ絡んでいる、こういうふうな状態なんですね。そして、五十六年度一年間の六億円以上の発注工事、つまり総裁指名に係る工事ですね、これは全部で百一件あったわけですが、事前にいろいろと聞いたところでは、それぞれがいまの共同企業体と単体企業体の組み合わせ指名になっているけれども、単体、単一の会社に落ちた工事は一件もない。全部共同企業体に落ちているわけでしょう。時間がありませんから私の方で全部説明します。  いま言われたように、JVを組んで入札に参加する企業は、入札の一月ないし二月前に行われる工事発注予告によって、工事を実施しようという意思のもとに共同企業体願い書というものを公団に出すわけですね。だから一応それなりの準備は持っていると言えると思うのです。そういう企業はもっと前から準備しているかもしれません。しかしこの単体、単一会社で指名されるのは、自分のところは全然知らないのに公団の方から一方的に指名してくるんですね。その時期が入札の十五日前だというんでしょう。こんな何十億という工事の見積もりその他はできっこないわけなのです。この点からも、本当にこれは形だけ員数合わせをしている、こういうことが証明できると私は思うのです。  それから、そういうことになってくるのは、結局共同企業体願が二つか三つしか出てこない。少なくともこの三井の願い書に出ている六つの工事については、業者側からは共同企業体願が二ないし三しか出てこなかった。こういうところから残りを単体指名でいかざるを得ない、こういう事実は間違いないですね。それだけ確認しておきたいと思います。

森田松仁日本道路公団理事

○森田参考人 先ほどお答え申し上げましたように、道路公団におきましては指名競争入札方式を採用いたしております。したがいまして、Aランク業者の中で単体企業といえども登録されました有資格業者、つまり道路公団の仕事の発注を希望する業者をあらかじめランク別に分けておりまして登録いたしております。そういった中から、先ほどの目的を持ったJVの申し込みを受け付けた者を含めまして指名いたしておる。  なおまた、JVの申し込みでございますけれども、これは各企業の自由意思によりましてJVを結成されて公団に申し込まれる、こういう実情でございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 たとえば、これは三井に落札されたのではないが、永井川橋下部工工事をごらんなさいよ。これはJVを組んでいるのは前田建設、銭高、それから西松、東急、それから間、大豊でしょう。まさに最大手クラスのJVが三つあるのです。ところが一方、単体企業、単一企業の方を見ますと大本組、決して大本組が力がないとかそんなことを言うのじゃないのですが、いま言いましたまさに最大手クラスの、しかもこれがJVで入札参加しているのに比べると、大本組は資本金が六億円弱ですよ。これが単一会社で入札に参加でしょう。これはだれが見たってこんなものはおかしいですよ。万が一、これが大本組に落ちたとしたらどうなります。工事は四十一億五千万の工事ですよ。ということは、こんな組み合わせになるということは、絶対に大本組などには落ちないという前提があるからこれはできた話でしょう。こういう事実がここに示されている。そうして、業界側が一工事について、二、三件しかジョイントを組んでこない。自由意思だからとおっしゃるけれども、二、三しか出ていないことは事実なのです。だとするとどうなるか。  実は、先ほど言った三月三十日の参議院建設委員会で丸山官房長はこういう答弁をされている。「道路公団のいわゆるお願い書でございますが、」「落札者を決めるためのお願い書ではなくてジョイントを組むための調整を前田さんなり岡田さんにお願いしたと、こういうことでございまして、落札者を決めたという疑惑についてはこれを確認することはできませんでした」、こうおっしゃっているでしょう。そもそもジョイントを組んで指名願を出してくるのが二つか三つしかないんですよ。そして、そのジョイントを組んだところしか仕事は取らないんですよ。あなたが少なくとも認めた、このジョイントを組むという調整そのものがまさに受注調整なんですね。そういうことを示しているのじゃないかと思うのです。だから、そういう視点で問題をもう一遍洗い直す必要がある。でなければ、簡単にあなたの言うような結論を出すべきではないと思うのです。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 いま先生がお挙げになりましたとおり私は答弁申し上げておりますが、それは前田さんなり岡田さんに直接おいで願いまして事情を聴取して、お二人がそのように申していたことを国会で御答弁申し上げたわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それこそ一方の当事者の言ったことだけ報告して、あなた方自身の客観的な判断が入っていないわけですね。むしろわれわれのように分析していけば、そういうジョイントの組み合わせ調整そのものがまさに受注調整なんですよ。普通ならこれが八社全部そろってJVで出てくるべきなのに、出てこないんですよ。だから、これは当然やり直しをやってもらいたいと思いますね。  時間の関係でもう一つ、公共工事とか建設工事をりっぱに完成していくために必要なこととして、建設業の健全な発展が必要だと思うのです。そのことについて若干伺っておきたいと思います。  いま建設省は、建設業許可基準の見直しを中建審に諮問しているわけなんですが、そのいきさつ、簡単に言いますと、昭和五十五年の二月の当委員会で、当時の渡辺栄一建設大臣から許可基準見直しを示唆する答弁があった。その年の十一月十三、十四日両日に、建設省において全国都道府県建設業関係主管課長会議が開かれた。ここでいろいろ出された意見がまとめられている。私が建設省から聞いたのでは、一般建設業者の許可基準については、資本金または財産的基礎を現行二百万から五百万円程度に引き上げるとか、あるいは赤字決算業者の許可更新の規制とか、預託金制度の導入とか、経営管理責任者の規定の明確化あるいは専任技術者の要件の改正、そして無許可でできる工事施工範囲の拡大、特定の方はちょっと省略しますが、こういうことが地方自治体側から出てきた。続いて昨年の三月ごろから、各都道府県の建設協会、建設業協会あるいは土工協の都道府県支部から、現在工事量が減っているにもかかわらず建設業者が多いので、このままでは過当競争で倒産がふえるなどの理由で許可基準の強化、われわれから見れば改悪になるのですが、こういう要望がどんどん出てきたのだ。そういうふうな経緯で、去年、十一月の初めだったと思いますが、一応中建審に許可基準見直し問題の諮問をすることにした。ただし、その内容については二つで、いま言った資本金または財産的基礎の引き上げと無許可でできる工事の範囲を拡大する。つまり、政令以下の事項に限って、しかし建設省側で結論を出すのではなく、白紙で中建審の御意見を伺いたい、そういうことにしたいということだったと思うのですね。こういう経緯に間違いないですか。

吉田公二建設省計画局長

○吉田(公)政府委員 建設業務の許可制度につきましては、昭和四十七年四月にこういう制度が発足したわけでございまして、ちょうど十年になるわけでございます。その間に、約二十九万であった業者が現在五十万を超えておるというような状態がございまして、その間にいろいろの御意見が各方面から出ているわけでございます。  先ほどおっしゃいました五十五年に当時の渡辺建設大臣が当委員会において御答弁されたとかいうようなことも、われわれ事務当局としての一つの検討の契機でございまして、事務過程においていろいろの考え方をしてきたということは確かにあるわけでございますが、現在、去る三月三十日に中央建設業審議会に調査、審議を御依頼したわけでございます。御依頼いたしました趣旨は、許可基準の見直しでございますとか許可業種の追加等につきましての、建設業の健全な発展を図る上からの総合的な立場に立った検討ということでございまして、先生が先ほどいろいろ挙げられました事項それぞれが一つの契機でございますが、そういうものを踏まえまして、さらにもう一つは、最近行政管理庁からの御意見等もいただいておりますので、そういうものも踏まえまして、広い範囲で検討していただこうということで御依頼したわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それは、現在の諮問がそうであるという説明だと思うのです。  建設省が去年の初めの段階で聞いたのは、どちらかと言えば、大手ばかりとは言いませんが、中堅以上の業者団体の意見が中心ではなかったか。ところが、今回の許可基準見直しで直接影響を受けるのは零細業者の方なのだ。そういうところの意見を聞かないままどんどん事を進めるのはどうか。では、そういう団体から出されればその意見書はちゃんと中建審にも送付しますという約束があって、幾つかのそういう零細業者の団体から現に意見書が出ているでしょう。その意見書を見れば一目瞭然、触れているのは二点なのです。いわゆる資本金とか財産的基礎の引き上げについての見解と、無許可でできる工事の拡大についての見解ということになっていると思うのです。この事実についてイエスかノーかだけ答えてください。

吉田公二建設省計画局長

○吉田(公)政府委員 現在までにいろいろの方から御意見はいただいております。そういうものを踏まえまして、中央建設業審議会がそういう御意見も広く承った上で判断されるものと思っております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 あなたは中途経過を上手にはぐらかしておるわけだけれども、これは間違いなく、去年の十一月段階までの建設省の考えは、政令以下の事項について、主として先ほどの二点について見直しの諮問をしたいということであった。これはいろいろ業者側からの意見にも反映している。ところが、今回、いま言われたように、行管庁が報告というのか、建設業許可制度問題について意見を出してきましたね。「建設業に係る現行の規制方法について、建設業の規模等を考慮して見直しを行い、許可制によるものと登録制によるものとに区分して規制すること等につき検討するとともに、当面、許可の適用を除外されている軽微な建設工事のみを請け負うことを営業する者の範囲を拡大する。」こういう意見が出てきておるわけです。  そこで行管庁に伺いたいのですが、無許可になっても、一方で無許可でできる工事の範囲を広げれば支障はないはずという建設省の意見が過去にあったのです。実際に建設業が許可制に移行して十年たっているのです。一般の世間常識として、建設業者と言えば許可を持っている者、これが定着している今日、無許可で営業できる範囲を法律的に広げたからといって、現実の問題として無許可で営業している者に果たしてお施主さんの方が、建築主の方が信用して発注してくれるか、この不安について考えたことがあるかどうか伺っておきたいと思うのです。

塩路耕次行政管理庁行政監察局監察官

○塩路説明員 お答え申し上げます。  いま先生からお話がございましたように、私どもで本年の三月に、規制行政の簡素合理化に関する総合調査の一環といたしまして、建設業の関係につきまして建設省の方に通知を差し上げております。先生がおっしゃいましたように、確かに零細業者の問題は非常に重要だと思います。私どもの調査取りまとめの段階でもむしろそういった趣旨の配慮はいたしたつもりでございますけれども、率直に申し上げまして、私どもの今回の調査のねらいは、どちらかといいますと行政改革の計画に基づきます簡素化という観点がございますので、私どもの検討自体が先生のおっしゃったまでの十分なものであったかどうかという点につきましては、もちろん私どもなりの努力はいたしたということでございます。さらに、中央建設業審議会におきます建設省のやられる関係の御審議においても、その点十分御配慮がなされるというふうに私は聞いております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 いまの答弁は、確かに行管庁の意見書の中にも出ていますね。「事務処理に追われ、許可等の審査に十分時間をとれず、」という理由を挙げていらっしゃるわけでしょう。  そこで、もう時間が参っておりますのでかためて行管庁に伺いたいと思うのです。  まず第一は、今回は許可、登録、無許可と三本立てでできたわけですが、登録制度が行政側の手間を省くということからの発想だとしますと、このこと自体、登録は一般許可よりも一ランク下げているということを意味すると思うのです、簡素な手続で取れる資格ということになりますと。そうすると、お施主さん、発注者を保護するという立場も後退してくるし、小さな業者の方は許可業者に比べてやはり信用上一ランク低い地位に置かれるという点で、発注者、お施主さんの信用もとりにくい。こういう点では先ほどの無許可とまではいかないまでも、現在許可になっている業者が登録に格下げという印象を与えるので、これは業者にとっては非常に痛手になるのではないか。この点に対する行管の考え方が第一点。  第二点は、政府が登録制を廃止して許可制に変えたときの理由はどうだったのか。あれはわれわれは強く反対したのですよ。にもかかわらずあなた方は、もう時間がないので当時の理由は改めて読み上げはしませんが、登録制のままでは業者が乱立してきていいかげんな工事が起こるんだ、だから断固としてこれを許可制に変えるんだ、こういうふうにおっしゃったわけですよ。つまり、十年前に欠陥体制だと言ったところへもう一遍戻れというわけでしょう。こんな矛盾した行政はないと思うのですよ。政府がみずからだめだと言った制度にもう一遍戻れというのですから、こういう点を何と説明するのか、あのときはこうでこのときはこうなんだというのはいささか身勝手過ぎやしないか、こういう点も行管庁として考えた上のことかどうか、これが第二点。  それから第三点は、これは建設省側に伺うことなんですが、しばしば業者は多くなる、仕事は少なくなる、だから数を減らさなければいかぬ、こう言われるけれども、ふえたのはどういうときにふえたのかということを見ると、大体政府が景気対策だといって公共事業を二〇%から三〇%ふやしたとき、あるいは高度成長期、こういうときにふえるのですね。政府の政策で事業をふやして、これができたのは下請業者がどんどんふえたからなんですよ。いま政府の政策で仕事を減らしておいて、その責任を業者が多過ぎるからだというのは、これもちょっと政府側の勝手が過ぎやしないか。しかも現在業者はほとんどふえなくなっている。昭和五十年、対前年比一五・八%、五十一年、一三・二%、五十二年、七・九、五十三年、七・六、五十四年、三、五十五年、二・九、五十六年は一・六、こういうふうに伸び率はずっと減ってきているわけでしょう。むしろ僕は現在の零細業者の苦境をあらわしていると思う。だから、そういう許可制度をいじくって仕事をしにくくすることよりも、逆にこういうときにこそ零細業者にうんと保護を与える、こういうふうな精神で取り組むのが建設業界に対する建設省の責任ある行政というものじゃないかと思うのです。これは大臣に御答弁をいただくことにしたいと思うのですが、まず行管庁の方の答弁をいただき、最後に大臣の御答弁をいただいて終わりたいと思います。

塩路耕次行政管理庁行政監察局監察官

○塩路説明員 私どもの調査の観点が行政事務の簡素化ということ、したがいまして、現地段階における事務処理に追われておるそういった実態にどちらかというと着眼していることは、先ほど申し上げたとおりでございます。先生おっしゃいましたように、私どもの一つの提案でございますが、その反面としてそういう側面があることはおっしゃるとおりであろうと思います。こういった点につきましては、やはり今後における検討において十分配慮されるべきであろう。ただ、私どもの提案といたしましては、むしろ第二の御質問になるわけでございますが、こういった仕分けをすることによって従来の許可制に登録制から変わったときのねらいがさらにまた生きるのではないか、指導監督が十分になし得る、ある意味で目が行き届くといいましょうか、そういった観点を私ども持った次第でございます。

吉田公二建設省計画局長

○吉田(公)政府委員 許可業者と申しますか、建設業者の数が非常に大きくふえましたのは、四十六年から四十七年にかけての登録制から許可制に移る直前のときに五〇%以上ふえた、これが一番大きいわけでございます。でございますが、経過のことはここではおきまして、現在、建設業者の数が多くなり過ぎたということは、公共事業に幅が、フラクシュエーションが大きいという御指摘でございますが、確かに建設業者の立場から申しますれば、なだらかな事業の伸びということの中で体質が強化されていくということが私も望ましいと思います。ただ、こういった前提を踏まえまして、中建審におきましてはできるだけ広い範囲の御意見を徴されまして、許可基準の見直しでございますとかあるいは許可の業種の問題でございますとか、幅広く議論をいただきまして、総合的に効果のある内容の方向をお示しいただくということを現在期待しているわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 最後に大臣に私の一番聞きたいところをお願いしたいのですが、苦況にある零細業者に対して許可制度をいじくっていろいろ心配を与えるよりも、苦況にある零細業者を保護する、助ける、こういうことに建設省としては全力を注いでほしい。こういう点についての大臣の見解を伺っておきたいのです。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 全国的に申しますと職種別の工事業者を含めまして五十万軒以上もあるという建設業者、そういうものについて、許可制にしても登録制にしても、これをやるということについてはいろいろな疑問があると私は個人的には思っております。しかしながら、白紙の状態でこれから制度を始めるかどうかということで議論する場合と、すでにある制度がある、それを変更しようという場合とで考え方をある程度変えなければいかぬという点のございますことは私も同感の点がございます。ただいま御指摘の点は、せっかく中建審に審議を頼んでおるところでございますから、審議の際に十分参考にしてもらうように審議会の方にも伝えたい、かように存じます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。瀬崎博義君。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 私は、日本共産党を代表して、土地区画整理法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行うものであります。  反対理由の第一は、現行法が宅地供給を促進する反面、施行区域内の土地の権利者を含む関係住民の権利を著しく侵害する側面を持っており、これが今回の改正によってもそのまま引き継がれたことであります。  現行の土地区画整理法においては、組合施行の場合においても地権者の三分の二の同意または施行区域内の地積の三分の二を所有する組合員の同意によって当該事業の推進ができ、全地権者の同意を基本としていないこと、借家人、借間人の権利は初めから無視されているなど、きわめて重大な問題点を持っているのであります。しかも公共施行において、零細地権者等の権利の擁護という点では組合施行の場合と比べてもきわめて不十分なものであります。当該事業の中には、零細な土地所有者に対しては過大な減歩率を課し、多額の清算金を取るなど生活と権利を脅かす一方で、道路整備を中心とする計画など、開発優先を貫いているケースも数多くあります。  反対理由の第二は、今回の改正が行政側の一方的方針により、上から土地区画整理事業を押しつけるもので、地権者の権利侵害を多発させる危険を持っていることであります。  地方住宅供給公社が行ってきた用地の全面買収方式による土地区画整理事業が困難になってきたことを理由に、公社が種地をばらばらに先行取得し、その二ないし三倍に相当する区域を施行区域として都道府県知事等に申請し、施行区域決定を待って、地権者の同意を得ることなく換地手法により一団の宅地を生み出すことを目的としているのであります。これは公社に行政側の都合から一方的に土地区画整理事業を行わせ、地権者の権利を著しく侵害する危険を持っていることは明らかであります。  最後に、私は、土地区画整理事業の施行はあくまで地元住民の生活と営業条件の向上、住みよい町づくりを基本とし、関係住民の参加と同意のもとに進めるべきであり、都市計画法を初め、本法の手法上、手続上のルールが民主的に確立されなければならないと考えるものであります。  以上の点を強調して、私の反対討論を終わります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これより採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、大塚雄司君外五名より、六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。大塚雄司君。

大塚雄司自由民主党

○大塚委員 ただいま議題となりました土地区画整理法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。     土地区画整理法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たつては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、宅地の確保と地価の安定に努めるとともに、土地区画整理事業(以下「事業」という。)によつて、国民に良質低廉な住宅、宅地が速やかに供給されるよう、地権者の意志を尊重しつつ事業終了後の未利用地の有効利用の促進を図り、併せて、保留地予定地の譲渡の円滑化を図るため、その担保措置について検討すること。  二、地方住宅供給公社は、地域の実情に即した住宅、宅地の供給の促進に努めるとともに、国及び地方公共団体はこれらの家賃及び譲渡価格の抑制に資するための援助に努めること。  三、事業の公正かつ適正な実施を図るための指導を十分に行うとともに、事業にともなう道路、公園等の整備に係る減歩の軽減を図るため、補助の拡大等に努めること。  四、換地計画にかかわる技術検定の実施に当たつては、公正確保に努めるとともに、技術検定合格者に対し、排他的、独占的権限を与えるような指導を行わないこと。    また、地方公共団体は、関係職員の資質の向上を図り、技術援助の要請等に応じるよう努めること。  五、既成市街地の事業に当たつては、安全・快適な都市構造を確立するため、防災・不燃化等、他の施策を併せ講ずるよう努めること。   右決議する。 以上であります。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 起立総員。よって、大塚雄司君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、始関建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。始関建設大臣。

始関伊平自由民主党建設大臣

○始関国務大臣 土地区画整理法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力してまいる所存でございます。  ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 この際、離島振興法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来理事会におきまして御協議が続けられておりましたが、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。  まず、草案の内容につきまして、委員長より御説明申し上げます。  離島振興法は、本土より隔絶せる離島の特殊事情からくる後進性を除去するための基礎条件の改善並びに産業振興に関する対策を樹立し、これに基づく事業を迅速かつ強力に実施することを目的として、議員提案により、昭和二十八年七月、十カ年の時限法として制定、公布されたものであります。  自来、本法は、離島振興のために少なからず寄与してまいりましたが、離島の特殊事情からくる本土との格差は依然として除去されない実情にかんがみ、昭和三十七年第四十回国会及び昭和四十七年第六十八回国会において、本法の適用期限をそれぞれ十カ年間延長して、諸施策が強力に実施されてきたのであります。  しかしながら、離島をめぐる自然的、社会的諸条件は厳しく、本土の著しい経済成長に追随し得ず、いまだその後進性は解消されるに至っていないのであります。加えて離島関係市町村の財政力は脆弱であり、関係施策を推進するためには、今後とも引き続き本法による特別の助成措置が必要と考えられるのであります。  以上の観点から、この際、昭和五十八年三月三十一日が時限となっている本法の有効期限をさらに十カ年間延長することとし、関係島民が安んじて定住し得る地域社会の建設を図り、あわせて国民経済の発展に寄与せしめたいと存ずるものであります。  以上が本法草案の趣旨の説明であります。     —————————————  離島振興法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 この際、本草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があればお述べ願いたいと存じます。松野国土庁長官。

松野幸泰自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○松野国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の払われた御努力に深く敬意を表するものであります。  本法律案については、離島の現状にかんがみ、政府としてはやむを得ないものと考えるところであります。この法律案が御可決をされた暁には、その趣旨に沿い適正な運用に努め、離島振興対策を一層推進してまいる所存であります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 お諮りいたします。  お手元に配付してあります離島振興法の一部を改正する法律案の草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時十六分散会      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗