建設委員会 第9号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/09
会議録
○村田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は、去る七日終了いたしております。 この際、本案に対し、木間章君外五名から、日本社会党提案による修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。木間章君。 ————————————— 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進 法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○木間委員 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その趣旨と概要を御説明いたします。 わが党は、本改正案につきまして本会議趣旨説明を求めるとともに、慎重審議を尽くしてまいりましたが、本案は、昨秋の臨時国会においてわが党の強い反対を押し切り、政府自民党が成立させた行革特例法と同様の性格を持つ、軍備増強、福祉切り捨ての財界主導、国民不在の鈴木行革路線から打ち出されている一連の国民の生活制度の改悪の一環であります。 鈴木行革による住宅政策の改悪は、第二臨調の第一次答申あるいは五十七年度住宅予算に如実に示されておりますが、第一には、公庫金利の政令加算制度の導入、第二に、公団住宅の空き家割り増し家賃の大幅値上げ、第三に、公営、公団住宅の戸数と予算の削減、第四に、公団の業務及び組織の縮少策動、そして、第五が今回の公庫法改悪など、公共住宅を切り捨て、公共住宅入居者を敵視し、持ち家傾斜政策を強めるとともに、財政の効率化を名目にした自助努力の拡大、国民負担の強化を図るものであり、政府は、住宅基本法の制定すら行革にげたを預けようとしております。 政府改正案は、当然行うべき若干の制度改善をあめにして、より大きな、より本質的な制度の改悪を実現しようとするものであり、防衛費の大幅増額、談合入札による税金のむだ遣い、不公平税制を差しおい三勤労者の住宅金利と家賃の引き上げを図ろうとする姿勢は許すことができません。日本社会党は、公庫法の改悪を認めず、勤労者の生活と権利を守るために、修正案を提案する次第であります。 次に、修正案の概要を御説明いたします。 第一に、規模別金利制につきましては削除することとしております。本制度における住宅の規模は政令に委任されており、しかも政府は現行の百二十平方メートル以下五・五%という条件を百十平方メートル以下に後退させようとしています。これは、所得のより低い者の金利を引き上げる結果となるとともに、政府案では畳約八畳刻みで金利が上昇することとなり、住宅規模の改善に水を差すおそれもあります。 第二に、段階金利制の導入につきましても削除することとしております。 政府は、過去の返済例を引き合いに出し、インフレによって十年後の返済金は勤労者にとってその負担感がきわめて軽微となり、財政の効率的運用にとってもきわめて有効な措置としておりますが、これは狂乱的な地価上昇や高インフレを前提とした無責任な考え方であり、住宅ローン地獄の実情を考えれば認められる措置ではありません。段階金利制は規模別金利と合わせ、勤労者に大きな負担増をもたらすものであり、防衛費、談合、不公平税制にこそ財政の効率化を求めるべきであります。 第三に、既存住宅資金の貸付金利でありますが、年五・五%以内で政令で定める率といたしました。利用者にとっては中古住宅も新設住宅も同じものであり、また、住宅価格の高騰のもとで、中古住宅取得層はより資金的な助成を必要とする階層であると考えます。 第四に、最近の住宅ローンの返済にかかわる事故の激増を勘案し、新たに貸付金返済猶予制度を創設することとしております。 これは、離職、休業その他やむを得ない理由により償還が困難となった場合、その償還を猶予することができることとしております。詳細は政令に委任してありますが、三年程度償還の据え置き、償還期間の延長をおのおのの貸付利息を適用して認めてはいかがかと考えます。 第五に、家賃限度額の規定の整備については、削除するとともに、関連して地方住宅供給公社法を改正することとしております。 その内容は、第一に、昨年の住宅審答申を忠実に実施するため、家賃変更についての「適切な手続きに基づく必要なルール作り」を行うため、賃貸住宅運営協議会を公社に置くこととしています。政府は法律によって家賃変更を入居者に押しつけようとしておりますが、家賃の変更はあくまで入居者の納得と合意に基づいて行うべきものであります。なお、協議会の委員は、入居者及び公社及び学識経験者の三者構成といたしましたが、公社委員の中には労働組合代表も含まれます。第二に、公社家賃及び価格の高騰にかんがみ、その抑制による入居者の住居費負担の軽減を図るため、出資団体である地方公共団体の公社への利子補給の規定を設けました。これは、国が住宅対策費として地方公共団体に補助を拡充することも当然と考えます。 第六に、改正案中の特別損失の規定でありますが、今後このような特例的措置をとる必要がないよう、政府の公庫に対する利子補給規定を新たに公庫法に設けました。なお、政府改正案中の附則については特例として認めることとしております。 第七に、本改正案同様、行革特例法による金利の政令加算は勤労者の公庫利用を妨げ、住宅改善を遅滞させるものであります。したがって、この公庫法改正案と一体である行革特例法についても改正し、第十七条の適用から住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法を除外することとし、別表からも削除することといたしました。 以上が、修正案の提案理由及びその内容であります。なお、本修正案の実施に伴う必要な予算は、初年度約二億二千万円と見込まれます。本修正案は、国民の住生活の向上と福祉の増進に重要な意義あるものと考えますので、各委員の御理解のもとに、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。 提案を終わります。(拍手)
○村田委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案につきまして、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べ願いたいと存じます。始関建設大臣。
○始関国務大臣 ただいま御提案のありました修正案につきましては、政府といたしまして反対であります。 —————————————
○村田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。鴨田利太郎君。
○鴨田委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に賛成、同法律案に対する日本社会党提出の修正案につきまして反対の意向を表明するものであります。 本法律案は、住宅金融公庫の業務に係る貸付制度の改善等を図るため、所要の改正を行い、宅地造成資金貸し付けの対象事業の拡大、一定規模の個人住宅に係る貸付金の利率の特例、個人住宅資金貸し付け及び賃貸住宅資金貸し付けに係る段階金利制の導入、既存住宅資金貸し付けに係る貸付金の貸付条件の法定化、住宅金融公庫住宅宅地債券制度の創設等の措置を講じようとするものであります。 委員各位の御承知のごとく、わが国の住宅事情は量的には一応充足し、質的にもかなり改善されてきておりますが、住生活等の向上に対する国民の要望は依然として強く、今後とも住宅の質や住環境等に関する国民の需要動向を十分に見きわめつつ、健康で文化的な生活を営むに足りる良質な住宅等の確保を図る必要があります。また、公庫融資に係る住宅は、住宅施策の中で特に重要な位置を占めていることは、第三期住宅建設五カ年計画における公庫住宅の計画戸数百九十万戸に対し、建設戸数二百五十五万戸、達成率は一三四%に達し、実に同計画期間中に建設されました住宅建設戸数七百七十万戸の三分の一にも及んでいることによっても明らかであります。 以上の住生活等の向上に対する国民の要望、公庫の業務の実績等の見地からいたしますと、本法律案の内容は、今般さらに国民に良質な住宅の取得をより容易にし、かつ良好な居住環境の確保を図るための措置であり、時宜に適したものとして賛意を表するものであります。 日本社会党提出による修正案は、個人住宅資金の規模別貸付制の削除、個人住宅建設資金の段階金利制導入の削除、既存住宅購入資金の貸付利率の一層の引き下げ、住宅ローンの返済の事故防止のための貸付金返済猶予制度の創設、家賃限度額の規定の整備の削除、政府の公庫に対する利子補給規定の整備、行革特例法中にある公庫部分の削除をするものとしております。 右の修正案の内容につきましては、当委員会の質疑で種々論ぜられてきたところでありますが、本法律案にあります貸付制度等の改正は、さきに述べましたように国民の住宅に対する要望にこたえて、良質な住宅等の取得を容易にするため、最近における国の財政事情、経済の実情、公庫の財政の健全確保の必要等に照らし、可能な限り、最大限の改善を図った措置であり、これにつきましては、審査の過程で明らかになったところであります。 以上の次第から、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に賛成、同法律案に対する日本社会党提出の修正案に反対するものであります。 これをもって討論を終わります。(拍手)
○村田委員長 山花貞夫君。
○山花委員 私は、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきまして、政府原案反対、日本社会党提案の修正案賛成の討論を行います。 政府原案は、軍備増強、福祉切り捨ての財界主導、国民無視の第二臨調をよりどころとした鈴木行革路線の最たるものであります。 本改正案によって、政府は勤労者のせめてもの希望である住宅金融公庫の貸付金利を引き上げ、公営住宅、公団住宅同様に公社住宅の家賃を強引に値上げしようとしております。しかし、インフレと諸物価の高騰、勤労者に重い所得税、住民税、そして政府及び財界が一体となった賃上げの抑制によって、国民生活は崩壊寸前であり、いま以上の負担増は家計の破産宣告をするに等しいものと言わなければなりません。 今日のわが国の住宅事情は、わが国の経済力、つまるところ勤労者の労働密度、生産性に比べると、諸外国に対し説明がむずかしいほど劣悪なものであり、政府は、ECのウサギ小屋というわが国の住宅事情に対する評価について、統計数値等をもってその否定に躍起となっておりますが、現実に建設省の調査によっても、国民の住宅に対する困窮感は年々増大する一方であります。 社会党の修正案の提案理由にありましたように、金利の引き上げをやめ、家賃の値上げをやめるのに必要なお金は、わずかに二億円強であります。また、家賃を変更するに際して、大家と入居者が十分に話し合う、あるいは住宅の修繕について相談することはあたりまえのことであり、賃貸住宅運営協議会の設置には一銭のお金も必要といたしません。 五十七年度政府予算において、防衛費は五十六年度に比べ千八百六十一億円も増額されています。公共社事業費は、国費だけでも六兆六千五百五十四億円でありますけれども、談合入札をやめれば少なく見積もっても五%の予算節約になると報告されています。大企業に対する優遇税制は、わが党の試算では二兆円に達しています。私には、政府が、そして自民党がなぜ今回改正案を提出したのか理解できません。防衛費、談合、不公正税制、この三つの例を引いただけでも、政府・自民党が年間約二億円しか必要としない、金利を上げない、家賃を上げないという社会党の修正案を受け入れないのか、勤労者、公社住宅入居者はとうてい理解できないものと考えます。 私は、修正案こそ勤労者の住宅事情が、そして生活が後退するのを抑えるものであり、その上で住宅保障法を制定し、国の住宅政策を公共住宅中心に転換していくことが、わが国の勤労者の生活向上と福祉の増進につながるものであると考えます。 私は、以上の理由で本修正案の成立を心から望むものであり、政府・自民党はもちろんでありますが、私どもと基本的な部分で一致をする他の革新政党が日本社会党の修正案に賛同していただくことを希望し、また、そうした姿勢転換について大歓迎するものでありますことを表明して、討論を終わります。(拍手)
○村田委員長 薮仲義彦君。
○薮仲委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について反対の意向を表明するものであります。 本来、かけがえのない人間が住まうのみならず、家族とのコミュニティー形成の場であり、あすへの活力と英気を養う場である住宅は、国民生活の安定、向上のために欠かすことのできない基本的なものであります。ところが政府の住宅対策は、民間依存に終始して、しかも効果的な宅地供給対策を実施しなかったため、地価は依然として宅地需給事情の逼迫を背景に高騰し続けています。このような状況のもとで、ことに都市勤労者は、快適でゆとりのあるマイホームを確保することは大変困難になってきています。 しかるに本法律案は、中古住宅購入資金貸し付けの金利の引き下げや、住宅宅地債券制度の創設など、一部の改正部分につきましては評価すべき点もあります。しかし、一方では、個人住宅建設資金貸し付け及び賃貸住宅資金貸し付けの貸付金について、貸し付け後十一年目から金利を引き上げる段階金利制を導入しています。低額所得者にはある程度配慮されるとはいえ、一般的に所得の伸びが必ずしも従来のように期待できない経済状態のもとでは、この十一年目からの償還額の増額は、公庫利用者に対し、経済的、心理的に過重な負担をかけることになり、容認するわけにはいきません。 さきに指摘したとおり、適切な宅地供給対策を行わなかったことによる土地の高騰により、国民の土地取得の困難さを緩和するための、土地の取得に対する土地費の貸付限度額の改善が見られず、さらに当然考慮されるべき戸建て中古住宅取得を貸付対象にすべきであるにもかかわらず、対象にしておりません。また、公庫貸し付けに係る賃貸住宅の家賃限度額に関する規定の改正で家賃を引き上げることが容易にできるようになっていますが、これでは公庫貸し付けによる賃貸住宅の家賃が安易に引き上げられ、入居者の家計を不当に圧迫することになりかねません。すでに入居者側からはその不安を訴えてきています。 わが党は、大要以上のような理由により、本法律案に反対し、討論を終わらせていただきます。(拍手)
○村田委員長 渡辺武三君。
○渡辺(武)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 わが国の住宅は、欧米諸国等と比べ依然として低い水準にあり、公的施策住宅を中心としてその質的向上を図っていくことは政府の重要な使命であります。その際、公的住宅の中心となるのは公庫住宅であり、それは五十七年度予算を見ても明らかであります。政府は、今年度百三十万戸の住宅を建設するとしていますが、住宅建設の低迷が続く中で、その達成はきわめて困難であると言われております。住宅の建設を促進するには、まず何よりも購入者の負担を軽減させる政策が必要であり、その意味からも、公庫の低利融資は重要な役割りを果たしてまいりました。 しかるに本改正案では、個人住宅等の貸付金利を十一年目から財投金利にするという、いわゆる二段階金利制度の導入が図られており、長期低利の公的融資という住宅金融公庫本来の役割りを後退させる内容となっております。この結果、利用者の負担を増加させ、今後の住宅建設に悪影響を及ぼすというだけでなく、公的住宅の八〇%を占める公庫住宅に対する国の補助は、事実上十年間のみとなり、政府の住宅政策全体の後退をもたらすことになるのであります。 また、昨年の行革特別委員会において、わが党を初めとする中道四党の行革特例法に対する共同要求で、住宅金融公庫の五・五%の金利は据え置くこととの要求をし、総理みずから誠意を持って誠実に実行していくことを約束しております。しかるに半年もたたないいま、公庫金利の引き上げを図ることは、実質的な約束違反となるものであります。 なお、政府は公庫の補給金を抑制すべきことを強調されますが、それはたとえば利用者に対する所得制限の強化等によって対処するという方法も十分考えられるのでありますが、そもそも、国の年間の住宅予算が、国鉄の助成費とほぼ同額であるということ自体が問題なのであります。 この際、政府が、安くて良質な住宅の建設を促進すべく、住宅政策及び住宅予算に対する従来の発想を思い切って転換されるよう強く要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○村田委員長 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 私は、日本共産党を代表して、政府提案の住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。 政府提出の改正案に対する反対理由の第一は、段階制金利の導入によって、低利融資を本旨としてきた住宅金融公庫の性格を変え、高金利政策への道を切り開く大改悪となっていることであります。 今回、新たに導入されようとしている段階制金利は、貸し付け後十一年目から七・五%に引き上げることを法定化するもので、これによってたとえば公庫から六百二十万円借りて二十五年で償還する場合、約八十万円、一六%もの金利負担の増加となり、国民にとって住宅取得がますます困難になることは明らかであります。 政府は、これまで、標準金利五・五%は社会的経済的事情に左右されない長期的視点に立って設定された利率であり、特に住宅建設を促進する必要のある場合には、公庫の貸付金利をさらに下げる方針をとってきました。四十八年、五十三年には実際に五・五%以下に引き下げられているのであります。今回の改正案は、こうした従来の政府方針に真っ向から反するものであり、公庫本来の性格を根本的に変える改悪であって、断じて認められません。 反対理由の第二は、規模別金利の導入によって、大型住宅の貸付金利の若干の引き下げと抱き合わせで、勤労国民にとって比較的必要度が高く、現実に利用度の高い、中規模の個人住宅の貸付金利が引き上げられていることであります。 反対理由の第三は一一般会計からの利子補給金の不足分を特別損失として三年間繰り延べ、昭和六十年度から国の交付金で補てんする措置によって、将来さらに貸付金利引き上げの危険が強まったことであります。 私の試算によれば、この措置によってたとえば六十年度には利子補給金繰り延べ措置の打ち切り、特別損失に対する交付金、本来必要となる利子補給金の増加で、国の住宅金融公庫に対する予算は、五十九年度に比べ一挙に九百七十億円、二六%増になることが予想され、政府も答弁で認めているところであります。特別損失の名のもとに、当然国が公庫に支出すべき利子補給金を繰り延べることは、自民党政府の責任で引き起こされた国の財政破綻を、公庫から国が借金した形で後年度にしわ寄せすることにすぎないのであります。しかも、六十年度から赤字国債の本格的な償還が始まることを考え合わせると、利子補給金の繰り延べ分が返されるどころか、逆に増加する可能性が強く、将来、それが貸付金利の一層の引き上げに転嫁される危険が大きいのであります。財政破綻の責任を国民に転嫁させることは絶対に許せません。 反対理由の第四は、公社住宅の家賃値上げ自由化によって、これまで公営、公団住宅の高家賃に比べ、比較的抑制されてきた公社家賃が大幅に引き上げられようとしていることであります。 しかもこの値上げが、さらに公営、公団住宅を初め、わが国の公的、民間の全住宅の家賃引き上げの悪循環をもたらす危険が大きいのであります。国民の実質所得が低下し続けている今日、家賃を初めとする公共料金の抑制こそ政府の最も重要な責務であるにもかかわらず、家賃値上げ自由化に道を開こうとする政府の態度に断固反対するものであります。 反対理由の第五は、政府が公的賃貸住宅の建設を大きく減少させていることに加えて、持ち家に対する援助縮小を図り、住宅政策を決定的に後退させる道をとっていることであります。 公庫融資に関して政府が強調する貸付限度額引き上げ等の改善措置は、ほとんどが政令改正や予算措置で可能なものであり、他方、法改正提案部分は、すでに明らかにしたように、公庫融資の仕組みを根本的に変える改悪が中心となっているのであります。これまで政府は、公共賃貸住宅軽視、持ち家重視の住宅政策をとってきましたが、ここへ来て住宅はすべて国民が自分で確保するものという国民の住宅確保に対する国の責務の全面放棄の方向を打ち出してきたのであります。これは軍拡、大企業優遇、国民犠牲の臨調路線の具体化をさらに大きく進めるものにほかなりません。国民の健康で文化的な生活を守るためにも、現在の消費不況を打開するためにも、軍事費の削減、大規模プロジェクト抑制、公共事業のむだの排除で公共住宅建設を促進し、国民の住宅建設に積極的な援助を行うことこそ、本来政府のとるべき道なのであります。 ここで、社会党の修正案に対するわが党の見解を述べておきます。 わが党は、理事会において、第一に段階制金利、第二に規模別金利による貸出金利引き上げ、第三に利子補給金の繰り延べ措置、第四に公社住宅家賃の値上げ自由化措置の四点の削除を主要な内容とする、独自の修正案を提示したのであります。理事会に提示したわが党の修正案は、政府改正案の改悪部分を修正するという点で現実性を持った最善のものと確信しております。社会党の修正案は、わが党が理事会に提示した修正案の内容をすべて含むものであるので、わが党案をあえて提出せず、同党案に賛成します。 しかし、社会党修正案は、政府の改正案に含まれていない現行法の修正にも触れています。もし、現行法に立ち入って見直すというのなら、もっと多面的に検討を要する部分も数多くあり、その点、社会党案はきわめて不十分なものと言わざるを得ません。その内容自体は改善であるとはいえ、こうした問題点を含んでいることを率直に指摘するものであります。 最後に、政府改正案に重ねて強く反対の意を表明して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○村田委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○村田委員長 これより採決に入ります。 まず、木間章君外五名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○村田委員長 起立少数。よって、木間章君外五名提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○村田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○村田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、大塚雄司君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。大塚雄司君。
○大塚委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 第四期住宅建設五箇年計画の的確な実施を図るため、三大都市圏及び地方中核都市における公共賃貸住宅の供給の促進に努めるとともに、住宅政策の拡充を図るため住宅基本法の制定促進に努めること。 二 個人住宅に対する貸付限度額の引上げ等貸付条件の改善に努めるほか、個人住宅建設資金と併せて貸し付ける土地費について貸付限度額の引上げに努めること。 三 中古住宅に対する貸付限度額の引上げ等を図るどともに、戸建て中古住宅も貸付対象とするよう努めること。 四 国及び地方公共団体は、公社住宅の家賃及び譲渡価格の抑制に資するための援助に努めるとともに、賃貸住宅の家賃の変更については適切な手続きに基づく必要なルール作りを行い、家賃の変更が公正かつ円滑に行われ、入居者に過重な負担をかけることのないよう指導すること。 五 借地権の取得に対する融資を行うに当たつては、借地契約、当該権利の譲渡契約等について、統一的な契約款約例を作成する等所要の措置を講ずること。 六 大規模な開発事業に伴い増加する地方負担の軽減を図るため、関連公共・公益施設の整備に対する助成等の改善に努めること。 七 住宅ローン返済に関する事故の増加にかんがみ、その防止と返済猶予について的確な運用を図るよう住宅金融公庫等を適切に指導すること。 八 国は、住宅金融公庫の財政の健全確保と公庫金利の長期的安定を図るため、利子補給等の財政援助について特に配慮すること。 右決議する。 以上であります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○村田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○村田委員長 起立総員。よって、大塚雄司君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、始関建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。始関建設大臣。
○始関国務大臣 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力してまいる所存でございます。 ここに、本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手) —————————————
○村田委員長 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○村田委員長 次に、内閣提出、土地区画整理法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。始関建設大臣。 ————————————— 土地区画整理法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○始関国務大臣 ただいま議題となりました土地区画整理法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 市街地における都市基盤施設整備の立ちおくれ、住宅地供給の停滞等の状況に対処するためには、土地区画整理事業の円滑な施行を確保しつつ、その一層の推進を図ることがきわめて重要であります。 このため、地方住宅供給公社を土地区画整理事業の施行者に加えるとともに、土地区画整理事業の換地計画に関し、専門的技術を有する者の養成確保等を行う必要があります。 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、地方住宅供給公社は、住宅の用に供する宅地の造成と一体的に土地区画整理事業を施行しなければ、当該宅地を居住環境の良好な集団住宅の用に供する宅地として造成することが著しく困難である場合に、土地区画整理事業を施行することができることとしております。 第二に、建設大臣は、土地区画整理事業の円滑な施行が進められるよう、当該事業に関する専門的知識の維持向上に努めるものとし、換地計画に関する専門的技術を有する者の養成確保を図るため、必要な技術検定を行うことができることとしております。 その他賦課金、清算金等に係る督促手数料に関する規定の整備等、所要の改正を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
○村田委員長 以上で趣旨の説明聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、来る十六日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時九分散会 ————◇—————