P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
96回国会衆議院1982/05/13

決算委員会 第4号

発言数
235
登壇者
23
会派数
4
開催日
1982/05/13

会議録

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これより会議を開きます。  昭和五十四年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、総理府所管中総理本府等、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫について審査を行います。  まず、田邉国務大臣から総理本府等及び沖縄開発庁について概要の説明を求めます。田邉国務大臣。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 昭和五十四年度における総理府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府主管の歳入につきまして、歳入予算額は七百七十八億九千七百二十九万円余でありますが、収納済み歳入額は六百八十九億二千七百五十五万円余でありまして、歳入予算額と比較いたしますと八十九億六千九百七十三万円余の減少となっております。  次に、総理府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は四兆六千八百九十二億三千三百四十二万円余でありまして、支出済み歳出額は四兆五千九百九十八億七千二百九十三万円余であります。  この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと八百九十三億六千四十九万円余の差額を生じます。  この差額のうち翌年度繰越額は六百五十六億三千四百九十二万円余であり、不用額は二百三十七億二千五百五十七万円余であります。  総理府所管の歳出決算のうち、警察庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、沖縄開発庁及び国土庁については、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち総理府本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係につき申し上げますと、歳出予算現額は一兆四千二百十五億八千四百六十三万円余でありまして、支出済み歳出額は一兆四千百二十二億七千二百八十二万円余であります。  この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと九十三億一千百八十一万円余の差額を生じます。  この差額のうち翌年度繰越額は七十八億三千百七万円余であり、不用額は十四億八千七十三万円余であります。  翌年度繰越額は、恩給費等でありまして、これは文官等恩給の請求の遅延及び履歴の調査確認に不測の日数を要したため年度内に支出を終わらなかったものであります。  また、不用額は、人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。  以上をもちまして、決算の概要説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。  次に、引き続きまして昭和五十四年度における沖縄開発庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  沖縄開発庁の歳出予算現額は一千百七十九億四千二百七十九万円でありまして、このうち、支出済み歳出額は一千八十九億六千二百二十七万円余、翌年度へ繰り越した額は八十二億七千二百七十八万円余、不用となった額は六億七百七十二万円余であります。  まず、歳出予算現額につきましては、当初予算額二千七十七億八千百五十三万円余、予算補正追加額五億四千八百九十五万円余、予算補正修正減少額一億四千二百五十七万円余、予算移しかえ増加額百三十九万円余、予算移しかえ減少額九百三十九億七千五百二十七万円余、前年度繰越額三十七億二千八百七十六万円余を増減しまして一千百七十九億四千二百七十九万円となったものであります。  支出済み歳出額の主なものは、沖縄の振興開発のための財源として、道路整備特別会計、治水特別会計、国有林野事業特別会計、港湾整備特別会計及び空港整備特別会計へ繰り入れた経費九百三十億八千百六十六万円余であります。  次に翌年度へ繰り越した額八十三億七千二百七十八万円余は、道路整備特別会計において、財政執行の留保措置によって執行時期の調整をしたこと及び計画、設計に関する諸条件により、事業の実施に不測の日数を要したこと等のため、同特別会計への繰り入れが年度内に終わらなかったこと等によるものであります。  また、不用となった六億七百七十二万円余は、沖縄教育振興事業費等の必要額が予定を下回ったことにより生じたものであります。  以上をもちまして昭和五十四年度沖縄開発庁の決算の概要説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。佐藤会計検査院第一局長。

佐藤雅信会計検査院事務総局第一局長

○佐藤会計検査院説明員 昭和五十四年度総理府所管の決算のうち、歳入並びに総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係の歳出につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 次に、坂上会計検査院第三局長。

坂上剛之会計検査院事務総局第三局長

○坂上会計検査院説明員 昭和五十四年度沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 次に、沖縄振興開発金融公庫当局から、資金計画、事業計画等について説明を求めます。田辺沖縄振興開発金融公庫理事長。

田辺博通沖縄振興開発金融公庫理事長

○田辺説明員 沖縄振興開発金融公庫の昭和五十四年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げます。  沖縄振興開発金融公庫は、沖縄における産業の開発を促進するため、長期資金を供給すること等により、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資を補完し、または奨励するとともに、沖縄の国民大衆、住宅を必要とする者、農林漁業者、中小企業者、病院その他の医療施設を開設する者、環境衛生関係の営業者等に対する資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、もって沖縄における経済の振興及び社会の開発に資することを目的とするものであります。  昭和五十四年度の事業計画は、当初、貸し付けとして千三百五十億円、出資として二億円、合計千三百五十二億円を予定しておりました。  この計画に対する実績は、貸付決定額が千二百九十二億一千万円余でありまして、出資が二億円、合計千二百九十四億一千万円余となっております。  次に、貸付残高について御説明申し上げます。  昭和五十三年度末の貸付残高は四千二百八十六億円余でありましたが、昭和五十四年度中に貸し付けを千二百六十一億九千万円余行い、回収が四百六十億二千万円余ありましたので、昭和五十四年度末においては五千八十七億七千万円余となっております。  なお、貸付金の延滞状況につきましては、昭和五十四年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は八十五億九千万円余でありまして、このうち一年以上のものは八十二億二千万円余となっております。  次に、昭和五十四年度の収入支出の決算について御説明申し上げます。  収入済み額は三百三十億五千万円余でありまして、これを収入予算額三百二十四億六千万円余に比較いたしますと五億八千万円余の増加となっております。この増加いたしました主な理由は、貸付金利息収入等が予定より多かったためであります。  支出済み額は三百十八億三千万円余でありまして、これを支出予算額三百三十三億七千万円余に比較いたしますと十五億三千万円余の減少となっております。これは借入金利息等が予定より少なかったためであります。  最後に、昭和五十四年度における損益計算について御説明申し上げます。  貸付金利息等の総利益は三百九十四億円余、借入金利息等の総損失は三百九十四億円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。  以上が昭和五十四年度における沖縄振興開発金融公庫の業務の概況であります。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これにて説明の聴取を終わります。     —————————————

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これより質疑に入ります。  この際、政府当局に申し上げます。  本日は時間の制約がありますので、各委員の質疑に対する答弁は、特に的確かつ簡潔にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 最初に宮内庁にお伺いをいたします。  最近の報道等によりまして、三笠宮寛仁親王が皇籍離脱の申し出をされたということが伝えられておりますけれども、これは事実であるのか、あるいはどういう形で行われたのか伺います。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 三笠宮寛仁親王殿下から皇籍離脱のお申し出があったという新聞報道がなされたのは御存じのとおりでございます。この間の事情につきましては、新聞報道等でも触れられていたところでございますが、殿下は先月の初めごろから非常に体調も崩されて、いろいろと伏せっていらっしゃったというふうな状況がございまして、その間に宮内庁の担当課長に対しましてそういうようなお電話が夜中にあったとか、あるいは伏せっていらっしゃるところに宮内庁長官がお見舞いに行ったときに、いろいろお話があったとかいうような事情があったわけでございますが、いずれにいたしましても、非常に体調を崩されている状況のもとにおけるそういったようなことでございましたので、まず御体調をお治しいただきたいということを申し上げまして、その後殿下は日赤に入院なさって現在まで至っている、こういうような状況で経過をいたしたことでございます。  御案内のとおり、親王の皇籍離脱というものは、皇室典範の規定によりまして御本人の意思に基づいて離脱をするという道は、現行典範制度としてはございませんわけでございますので、よくよくお考えもお聞きし、また御説明もしなければならないことというように承知をいたしているわけでございます。いずれにいたしましても、まず体をお治しいただくということが先決の問題であるというように判断をいたしまして、そちらの方の手当てに御努力をいただくということで現在推移をいたしているわけでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そういたしますと、御意思が伝えられたということはいまのお話で事実ですね。しかし、体調が十分でないというお話ですけれども、そうしますと宮内庁としては、その御意思は正しく真意が伝えられたのではないというようにも受け取れるわけでありますけれども、その点はどうであるのか。そういうお考えがあるということを宮内庁は確認をされているのか、あるいはそういうことはどうもはっきりしないということであるのか、その点をお聞きします。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 ただいま申し上げましたように、そういった御体調のもとにおいてそういうようなお話があったことは事実でございますが、何分制度といたしましての皇室典範には親王についてはさような道は認められていない、そういったような問題点でございますので、これはやはり健康が十分に回復をされた後によくよくお話し合いをする必要がある、かように判断をいたしておるわけでございます。したがいまして、ただいまのところ、いま入院加療中でいらっしゃいますので、詰めた話はしていないというような状況でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、その意思表示があったということ、その事実をどう受け取るかという問題でありますけれども、その事実があったことは事実としてお認めになりますか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 先ほど申し上げましたように、そういう御体調のもとにおいてそういうお話があったことはそのとおりでございますが、しかしそういう御体調のもとにおいてそういうお話があったこと、しかも制度上あり得ないことをどういうぐあいに理解すべきかということは、なお問題でございます。したがって、そういうことは十分御体調が回復されてからよくよくお話し合いをする必要がある、御説明もしなければならないし、御真意も伺わなければならないだろう、こういうように考えているところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、皇室典範の解釈の問題でありますが、十一条の一項、二項、一項の方は「年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」二項においては「親王、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議」を経てとありますけれども、一項と二項との趣旨、その意味するところはどういうことなのであるのか、一項と二項とはどういう相違があるのかですね。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 皇族につきましては、象徴天皇制を維持するという必要性から、一定の身分の関係につきまして制約をこの典範では置いているわけでございます。  その一つといたしまして、皇籍を離れるという場合のやり方につきまして、十一条一項におきましては、その意思に基づき、皇室会議の議により離れる手段というものをまず認めておる。その認める範囲というのは、ただいま御指摘ございましたように、年齢十五年以上の内親王、王及び女王、この三者につきましては、自分の意思をもとにいたしまして、皇室会議の議があれば、皇籍を離れられる、こういう手段を一項で置いたわけであります。  しかし、御案内のとおり、この項には親王というものは入っていないわけであります。親王につきましては、第二項の方に親王——これでも皇太子及び皇太孫は除かれているわけでございますが、「親王、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」こういうことでありまして、親王につきましては、一項のように、その意思に基づき、皇室会議の議により、身分を離れるという制度は、典範上ないわけでございます。その他の内親王、王及び女王については、意思に基づき、議により離れるという手段と、特別のやむを得ない事由の場合に意思にかかわらず離せられるというような二つの手段をこの典範が認めておる、親王については意思に基づきという手段は認められていない、こういうようなことに実定法上の典範としてはなっておるわけであります。  この関係というのは、やはり世襲制度としての象徴天皇制というものを憲法の制度として維持していくためには、ある程度の非常に天皇に近い身位の方々というのはそういった制約を受けてもやむを得ない、象徴天皇制を維持する上において必要な制度であるというような観点から、かかる典範の制度になっておるというように私どもは存じておるわけでございます。皇室典範が成立いたしましたときの国会審議その他の説明を見ましても、さように理解をいたしているわけでございます。  ちなみに申し上げれば、全く皇室会議の議を経ないでも皇族が身分を離れる場合だってあるわけでございまして、これは、たとえば民間から皇族でない女性の方が皇族の妃殿下になっている。それでその殿下の方が亡くなられたというような場合に身分を離れるときは、これは御意思だけで離れられるわけでございまして、皇室会議の議も要らないというようないろいろなランクが典範上は規定されているわけでありますが、その一番皇位継承権者としての地位の高い親王につきましては、御自分の意思に基づいて離れるという手段は、現在の典範は認めていないというように存じております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、一項の方では十五年以上に達して、しかも意思があれば、これは会議の議を経ますけれども、大体原則として認めるという方向の規定である。それから二項については、これは親王を含んでおるし、これは自分の意思いかんにかかわらず、御意思によってだけでは離脱ができないという。一項はむしろ皇籍離脱の方の規定であるし、二項は皇室離脱ができない方の規定である、こういうようなニュアンスでいいですか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 感じといたしましては、いま先生おっしゃいましたようなものに近いような感じがいたします。ただ、一項の方におきましても、御本人の意思に基づきますが、皇室会議の議により決まることでございまして、決定権はあくまで皇室会議の議でございます。御本人の意思をそのまま認めるべきなのかどうかの判定は、まさに皇室会議にかかっておるということでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、二項の場合ですけれども、二項の場合にも、親王、内親王、王及び女王という方々も皇室会議の議を経て離れることはできる、こういう規定があるわけですが、ただし「やむを得ない特別の事由」ということでありますけれども、このやむを得ない特別の理由とはどういう場合を指すのか、これをお教えいただきたい。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 典範案を御審議いただきました際の説明あるいはその後の国会における御質問に対する宮内庁としての答弁等でこの関係で挙げられましたのは、一つには、皇族としての品位を傷つけるとかあるいはその地位を保持することが不適当なような事情があったような場合、これは一つの事情として、典型的なものとして例として挙げられることでございます。  それからもう一つは、たとえば皇族の数が非常に多く、多数になって、皇室制度上そこまで皇族の数を確保しておくことがどうかというようなときに、数を調整する必要があるというようなことが考えられました場合にはこの二項の規定は働くであろう、こういうような説明がなされてきておるところでございます。  いずれにいたしましても、この二項の方は、御本人の意思にかかわらず、御本人が希望されようとされまいと、この二項というものによって、皇室会議の議があれば皇族の皇籍を離れるという規定でございまして、むしろ御本人の意思にかかわらないということが一項と二項との対比によって明らかになるところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 二項については御本人の意思と関係がないということであります。そしてやむを得ない理由というのは、品位を傷つけた場合あるいは多数になったときということでありますが、親王の場合にそんなに多数になるということは、これは普通は考えられないんじゃないでしょうか。ですから、むしろこれは親王の場合といえども、特別の事由ということで皇籍を離れる道を開いてあるということでありますから、それは特に御本人の意思がはっきりしている、そういう場合をもこれは含めないと、今後の長い期間における運営で困るのではないかと思いますが、その点はいかがですか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 いろいろのお考えがあろうかと思いますが、典範成立当時からの考え方として説明されていることあるいは一項と二項との対比というような点から申し上げれば、少なくとも意思に基づく、それが原動力になるという考え方はこの二項には入っていないというように存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、いまおっしゃった品位を傷つけた場合、あるいは多数になったときというふうに言われましたけれども、これはやむを得ない特別の事由の解釈、内容であると思いますが、そういう見解はどこで確立をされたのか。どういう過程を経てこういう考え方が確立——確立というか、一つの解釈として成立をしたのか、それを伺います。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 先ほど申し上げましたように、皇室典範案ができましてその立法の際のいろいろな資料あるいは全体として典範案が広く議会において審議されましたときの事情、それからその後におきます国会において御質問になりました際の答弁といったようないろいろのものを積み重ねてまいりますと、ただいま申し上げましたようなことでございまして、御案内のとおりこの一項と二項というようなことが具体の問題といたしまして適用になったことはまだないわけでございまして、実定法としての皇室典範の一項と二項との読み合わせ、立法の経過といったようなものから、ただいまのところでは私が申し上げましたような考え方をとっているということでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 実定法としての皇室典範があるわけですけれども、それに対する解釈、これはほかの法律と違って判例とかそういったものではないわけですね。いまのお話では、制定の過程の中での政府答弁等からそのような解釈が行われているということにすぎないわけですね。ですから、具体的にこういう事態が発生した場合には、そういう見解が解釈としては確立をしているとは言えないと思うのですね。答弁の中でそういうことが言われているということだけであって、確立されていない。判例も何もないわけですから。それから、前例もないし、行政実例もないわけですから。そういう事態が起こった場合に、仮に寛仁親王のお考えが、先ほどは病気のためだとおっしゃいましたけれども、そういうお考えが病気回復の後で確認をされた場合には、そういう単なる一方的な解釈というよりは、機関に諮るのが至当ではないかと思うのですが、いまのところそういうお考えはありませんか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 ただいまのところ対処いたしておりますことは、先ほども申し上げましたように、まずお体を治していただくことを第一、そしてその上で、よくよくお話し合いもし、御意見も伺い、御真意も確かめ、またわれわれとしての考え方、あるいは典範としての規定がこうなっているはずのものであるという御説明もよくよくしなければならない段階と存じておりますので、最終段階のことにつきまして、ただいまのところ申し上げる段階ではなかろうと存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、病気が治った後で親王と十分お話し合いをして、その上でどうするかを決める、どういう手続をとるかを決める、こういうことですか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 ただいまの段階で申し上げれば、まず典範の考え方というものを御説明して御理解をいただくということを最大の目標にせざるを得ないと存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それで御納得がいただけない場合には、あくまで説得に努められるということ一本ですか。それとも、話し合いがうまくいかないという場合には、皇室会議にかけるということもあり得ますか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 現在は、ただいま先生おっしゃいました前段のところを努力すべくやっているところでございまして、次の段階がどうなるかということはいささか御答弁をいたしかねると存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それでは次の点ですけれども、皇族と憲法に規定されております国民の権利及び義務との関係ですけれども、皇族方は広い意味では国民の中に含まれると思いますけれども、その点はいかがですか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 天皇、皇族といったような方々がいわゆる広い意味での国民に入るかという御議論がときどきございますが、これは、広い意味におきましては御指摘のとおりやはり入るものと存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 憲法には、第一に天皇、その次に国民の権利、義務ということで国民に関する規定があるわけですが、天皇お一人は、これは天皇でありまして、それ以外の方々は皇族といえども国民ということになりますね。  そうしますと、憲法の条項は皇族には適用されるのか、されないのか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 基本的には、本来国民の中に入るものであれば適用されるべきものであるということでございます。ただ、憲法が象徴天皇制という制度をとっており、この象徴天皇制というものが世襲制度であるということは同時に憲法が規定をいたしているところでございます。その同じ憲法のレベルから生ずるところの天皇及びその皇位継承権を持つ非常に近い範囲の皇族というものにつきましての一定の、身分的な意味での制約というものが生ずることもこれまたやむを得ない憲法上の問題であろうと思います。  このことから考えますと、広い意味では国民の中に入ると申し上げましても、天皇制を維持する上において、世襲制度を維持する上において、必要なる範囲におきますところの制約というものはやはり受けざるを得ないというようなことでございまして、一定の特権が皇族についてはありますと同時に、一定の制限も受けているというのが実際であろうと思います。  そういう意味から申し上げますと、国民であればひとしく全部適用になる憲法の各種権利の規定が生のままで、国民と同一レベルですべて皇族に当てはまるというようには申せないのじゃなかろうかと存じます。たとえば選挙権、被選挙権というような問題にいたしましても、皇族にはございません。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、皇室典範は憲法よりも優先するということに理屈の上ではなってしまうわけですけれども、そういうことになるのですか。それとも、そういった法規を超えた一つの解釈論としてそういうことになるのか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 典範が憲法を超えたものでは現在もないことはもう明らかであると思います。一つの法律であるわけであります。  憲法そのものが第二条で世襲制の天皇制というものをとっている限りにおいては、それを維持する上において必要な面におきましては、天皇なり皇族なりにつきまして必要な限度で憲法の他の条章の権利、義務というようなものの制約をある程度受けるのもやむを得ない、こういう考え方を憲法自身がすでにとっていると存ずるわけでございます。したがいまして、典範は、もちろん憲法の中のものでございますが、同時に、憲法がそういう世襲制としての天皇制をとっている限りにおいて、それを維持する上に必要だと考えられている程度の制約はやむを得ないというたてまえをとっていると存じております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、それは憲法及び皇室典範も含めた解釈論としてそういうことになる、こういうふうに受けとっていいわけですか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 皇室典範は、憲法の附属の法令といたしまして、憲法と同時に審議されて成立をいたしているわけでございまして、その際にも、そういうようなことで、やむを得ない制限ということで同時に成立をいたしているというように存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 では、次の問題に入ります。  公務員制度についてですけれども、公務員の給与を初めとする人事管理、これは国政上の基本をなす問題であるし、いま行政改革が推進されている中で、公務員制度の確立、あるいは改正すべき点は改正するということが一つの急務になっていると思いますけれども、公務員制度の一つの問題として、採用についてはすべての国民に平等にそのチャンスを与える、こういう一つの要請があると思います。それから能力本位の運用をしなければいけない、こういう原則がもう一つあると思いますね。それからもう一つは、これに関係するわけですけれども、能力開発をして、常に意欲のある公務員活動ができるような人事管理をしなければいけないということが要請されると思うわけです。  そこで、私は同じことを二年前に、五十五年の三月五日の本委員会で総裁にお尋ねをして、そのときに大変前向きの御答弁をいただいたわけでありますけれども、その後人事院で、あのとき総裁がお答えをしたその趣旨に基づいて、どういうような検討をされ、どういう結論が出て、どういう成果が上がっているか、それをまず伺いたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 お答えをいたします。  五十五年のたしか三月でございましたが、先生から御質問がございまして、これに対してお答えを申し上げたことはそのとおりでございまして、私もはっきり覚えております。その点は、特に昇任制度の問題に関連して、ノンキャリア等についてやはり昇進等についての道を平等に開いていくということのために、制度的にどういう措置を講ずるべきであるかというようなことが中心であったかのように記憶をいたしておるのであります。  これに対しましては、私自身も事柄の重要性は把握いたしておりまして、その方向に向かっての努力を申し上げましたし、その後も引き続いてやっております。実は、この点は同じ五十五年八月のたしか給与に関する勧告の際に報告として取り上げました。取り上げまして、いま先生御指摘になりましたものを含めて、今日におけるいろいろな社会情勢の変化、なかんずく一番重要なものは高齢化の現象と高学歴化の現象というものがあると思いますが、この二つの大きな変化要素というものを踏まえて、人事諸制度全般について総合的な検討を加える必要が出てまいったということをはっきり申しまして、それ以来精力的に人事制度全般について現在検討を加えてまいっております。  現実の姿を申し上げますと、この五十五年の趣旨を受けまして直ちに五十六年から精力的な作業に入りまして、民間の実態調査、また各省庁における人事管理の運営の実態というようなものもつぶさに検討、調査を加えました結果、現在それについて集計、分析等をやっておる次第でございまして、本年度におきましては、さらにその調査をやりましたことの結果に基づいての、必要な補充的な調査があればこれをやっていくということ、それとともに並行して、本題であるこの問題についていろいろ問題点の指摘と対策というものを現在やっておるというような段階でございます。  私といたしましては、事務当局に申しておりますのは、大体本年度中にだんだん素案を固めまして、来年度、五十八年度には大体の素案の骨子というものをはっきりと具体化いたしたい。その結果をもちまして、定年制が六十年から施行されるということになっておりますので、でき得べくんばそれとあわせて、その時期とあわせて、戦後における一応定着をいたしましたこの公務員制度というものを全般的に見直して、総合的な視野のもとに再構築をいたしたい、そういう考え方をいたしておる次第でございまして、その中に、当然いまお挙げになりましたような任用制度、採用制度あるいは昇任制度等につきましても前向きに検討いたしまして、しかるべき改善方策というものを大胆に取り入れてまいるという心組みで現在作業を続けておるということでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 現在の国家公務員法にもその考え方はあるのですね。国家公務員法三十七条には、昇任は試験によることを原則とするという規定があるわけなんです。ところが、これが必ずしも、というよりはほとんど機能していなかったと思うのです。日本の公務員制度の歴史を振り返ってみますと、これは確かに国家の進展に貢献をした面は非常にあると思いますし、古くは高等文官試験、それを継いで各級、特に上級職は前の高文合格者に相当すると思いますけれども、こういういわゆるキャリアと言われる人たちが国の中枢に立って仕事をしてこられたということ、それからその官僚機構が世界でも冠たる優秀なものであると言われておりますけれども、そういう面は確かにあると思います。また、キャリアの皆さんはいずれもすぐれた資質を持っておられるということも、これは国民が認めておるわけでありますし、そういういい面は確かにあったと思いますけれども、同時に、一般の全公務員の中からも、いわゆるキャリア以外の中からもキャリアに抜てきしていく道がなければならないわけですが、それがいままでふさがれていたということですね。せっかく公務員法に明記をされていながら、これが全く機能しなかった、早く言えば空文に近い状態で数十年間推移してきたということ。これにはどういう理由があるのか。特に国家公務員法の運用については人事院が責任を持っておやりになっておるわけでありますから、この条文をお忘れになっているはずはないわけでありまして、公務員法の精神というものは百も御承知なはずでありますけれども、これが機能しなかったというのはどういうことなんでしょうかね。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 公務員の関係で一番大事なことは、先生、先刻御指摘になりましたように、公務を国民に対して平等に公開するということと、それから能力実証主義に基づいて運用していく、これが二つの大きな柱でございます。この趣旨に従って、日本の公務員制度も実は三十年の経過を経て確立をし、十分の成果を今日まで上げてきているというふうに思っております。  ただ、昇任の関係につきましては、昇任試験というものが公式的には、われわれ人事院といたしましてはっきりこれを認識をして、昇任試験というような制度がまだ今日まで取り入れられておらないということも事実でございます。  実は、この昇任試験ということになりますと、対象をどの程度にやっていくのか、それに伴ういろいろな利害得失をどういうふうに考えていくのかというような、いろいろ随伴する問題についての検討をしさいにやらなければならぬということもございます。しかし、能力の実証ということはあくまで貫かなければなりませんし、昇任試験もその一つの方式でございますが、他の方法で能力の実証というものが行われて、それで十分の効果が発揮せられておりますならば、それはそれとして評価をしていいのではないだろうか。日本の場合においては、先生も御承知のように、わりあい職場というものを通じて能力の実証が行われやすい姿に相なっておるという現実のこともございまして、昇任試験というものが従来から取り上げられておらなかったのでございます。  各省庁においては、場合によってはやはり昇任試験に類するような、能力実証のための一つの試験制度に類するようなことをやっておるところもございます。しかし、それはあくまで法文に書いてありますようないわゆる「試験」と言うに値するものではなかったことは事実でございます。ところが、最近の情勢は、たとえば試験の種類等について考えてみましても、現在ございます上級試験は当然のことながら、本来は短大卒を対象として考えられておりました中級試験、これがまずその原則が実際上は壊れてまいりまして、九割以上の者がいわゆる四年制の大学卒業者によって占められてくるというような姿が出てきております。  さらに、高等学校の学力程度を対象にいたしております初級試験についても一割方が大学卒業生が志願してまいるというような現象も出ておりまして、このことの結果は、結局、学歴程度は同じでありながら、その入り口の試験の種類が違いますために、おのずから職場に入った後の処遇がまちまちになる、初めから制約を受ける、そういうようなことになりまして、人事管理上もこれは放置しがたいような現象が出てまいっております。  現実にそういう姿がだんだん出ておりまして、これはすでにほうっておけません。そういうこともございまして、私たちといたしましては、試験の種類等についても検討いたしますと同時に、現実の姿から見て、昇任試験その他のはっきりとした制度化というものもひとつ考えていかなければならぬのじゃないだろうか、そのほかの方法、昇任試験と呼ぶに値しないものでありましても、やはり確認をいたしますための、もう少しはっきりした道筋の通った、公にその方法がわかるようなそういう方途を考えていかなければならぬのではないかというふうに考えておるのであります。  人事管理の全般について責任を持ってやっております人事院といたしましては、それらの問題は十分把握いたしておりまして、それゆえに、現実と合わせて、さらに前進した方策を講ずる必要があるのではないかということで、目下積極的にこれに取り組んでおるというのが現状でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 いま総裁は、チャンスの平等性、それから実証的に能力本位に運用するということをおっしゃったわけですけれども、いままでの日本の公務員制度というのは、確かに採用試験、最初の出発の時点では能力の実証が行われたし、試験に合格した人は能力がある、高等試験に合格した人は能力がある、あるいは上級職の甲に合格した者は能力があるということで、それはそのときに実証されることは、これは事実です。その最初の時点での実証だけであって、生涯を通じての能力の実証というものは全くなかったわけですね。最初の段階で、採用の段階あるいは最初の資格を判定をする段階での能力の実証だけであって、そこで実証されれば、後はどうであってもというと語弊がありますけれども、時間を過ごしていけば局長にも次官にもなれる、こういう人たちと、それからそのときに、能力の実証の関門で、その関門を通過できなかった人たちは、その後いかに努力しても、いわゆるキャリアにはなれない、こういうようなわけで能力の実証が公務員の生涯を通じての実証にはなっていなかった、ある時点での実証にしかなっていなかった、こういう問題があるのではないかと思うのです。  確かに高等試験を通った人あるいは上級職に合格した人は、これは優秀な人だと思います。その中に東京大学の卒業生がたくさんいるということも、これは事実でありますけれども、それは確かに能力の実証に基づいてその段階では行われたわけですから、これは非難すべきことではないし、そういう方々に対しては祝福いたしますけれども、それだけではだめなわけで、生涯を通じての、やっぱり採用後の能力の実証ということも行わなければいけない。その趣旨で国家公務員法三十七条には昇任試験というものが入ってきたというふうに思うのですけれども、せっかくこういう能力の実証をすべきであるということを法律で明記をしながら、それが実際には行われてこなかった、空文に帰してしまったというところに問題があるわけです。  総裁は、いまこれからその具体的な点について検討をなさるということでありまして、大変結構でありますけれども、五十五年にもやはりすぐに検討なさるという御答弁であったわけですけれども、それから二年たちましたけれども余り前進してないようでありますが、ぜひひとつこれは早くやってもらわないと、一年おくれればおくれるだけ国家的な損失ではないか。有為な人材がいるかもしれない。多分いると思います。そういった人たちが本当にしかるべきポストについて手腕を発揮できないわけでありますから、そういう意味では国家的損失であるし、行政改革が叫ばれておりますけれども、そういう面から公務員制度を整備することも行政改革に大いに資する道でありますから、その点をひとつ特にお願いをしたいわけです。  それから、次に国家公務員の給与の問題ですが、六十二条には、給与の根本基準として「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」とありますが、この考え方の内容をなすものはどういう要因があるのか、それを説明してください。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 まず、この問題については、給与水準をどうするかという問題が第一にございます。この点につきましては、長年の確立したやり方に従いまして、官民比較というものが最も妥当なものであろうという確信のもとに、その制度をずっと継続して今日までやってきております。  その給与水準の中でこれをどういうふうに俸給表の上にあらわしていくかということになりますと、これはすなわち、いまお話しになりましたように、官職の種類と責任というものに基づいてやっていく、ただ単に年功序列とか、そういうようなことではないという原則をそこで鮮明にしておるというふうに理解をいたしております。  そのことが結局具体的にどういうような評価のもとで仕組みができ上がっておるかということになりますと、これは先生御専門でありますからすでに御承知でありますように、幾つかの俸給表、また特別の俸給表ということになっておるのでございますし、その俸給表自体の構成において等級というものをつくり、等級の中にそれぞれの実態に即したような号俸というものをつくって俸給表全体の構成をつくっておるわけでございます。  それに対して具体的にどの人をどのように格づけをしていくかということは、一つの方針がございまして、資格基準、標準職務表というものの対応に従って、これを厳密に照応いたしました上で具体的な格づけをやって、ある職員についてはいまの段階では何職俸給表の何等級の何号というものがしかるべきものであるということの格づけができ上がっておるわけでありまして、まさしくその面では、職員についての官職の種類と責任に応じて給与の運用というものがなされておるということはこういう意味であろうというふうに考えておるのであります。  ただ、先刻も申し上げましたように、この俸給表の種類の問題、あるいは等級の設定、号俸の区分の仕方、そういうような問題につきましても、やはり民間の給与の実態とあるいは公務員の実態というものがどんどん変わってまいりますので、そういうものとやはり合わせて、現実に適合するように改善措置というものは絶えずやっていかなければならぬという認識を常に持っておるわけでありまして、今度の中長期の大きな総合的な検討の場面におきましても、いまのような点を含めまして検討したいということで、現在この問題についても精力的に取り組んでおるというのが現状でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 人事院の中に各省庁の代表で構成する検討会議を設置するというようなことも伝えられておりますが、この検討会議というものはどういうものであるか。いままで総裁からいろいろお話がありましたけれども、そういったことを総合的に検討するのかどうか、この検討会議の構成なり意図するところ、検討する内容、この概略を少しお伺いしたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 先刻、長期対策の今後の進めぐあいの大まかな日程について申し上げたところでございますが、実態調査その他は大体終わりまして、いま分析の過程に入っておりますために、各項目、各分野におきます検討種目というものがだんだん出てまいっておる段階でございます。そこでこの際、ほかならず人事諸制度の運用というものは各省庁がやっておるわけでございますので、その実際の運用に当たる責任者の御意向も十分参酌をしていくのは、これは当然でございます。私たちは、これは役所の性格として、最後は人事院の責任において決定をして一般の御判断を仰ぐということになると思いますが、それまでの過程においては、いろいろ情勢というものを把握し、こちらの考え方というものを十分に納得をいただいて、現実に合うような施策を打ち出していかなければならぬと考えておるわけでございます。  そういう意味合いから、大体機が熟してまいりましたので、最近、各省庁の人事担当の課長さんを主体といたしましてそういう連絡会議というものを開いて、今後これを中心に相当頻繁にやっていきたいというふうに思っております。最近もこれらの試みに乗り出して、これからやっていこうということでございますが、そこでこういう点を課題として取り上げていきたい、こういう方向でやっていくのはどうであろうかというようなことをやってまいりますとともに、また、これらの影響を受けるのは公務員自身でございますので、公務員の代表であります組合の方々の御意見等も並行して十分に承りながら、だんだんと具体的に案を固めていくという作業にこれから入ってまいりたい、その意味の一つの段階として各省庁関係の連絡会議というものの設置をいたしたということでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 先般、国家公務員の定年制が実現をした。まだ実施しておりませんけれども実現したわけでございますが、これに伴って公務員の皆さん方のライフサイクルも変わってくるのではないか。いままでは定年がなかったわけですけれども、高級公務員の方は大体五十をちょっと過ぎるといわゆる天下りをなさる、あるいはほかへ転出をされるということが普通であったようですね。そこから天下り問題あるいは官民の癒着というようなことが出まして、これが大きな問題として論議をされてきたわけでありますけれども、一応この定年制が決まって、六十なら六十ということになりますと、やはりそれを基準にして公務員の皆さんに対する福祉政策あるいはそれ以後の、老後というか退職後の生活の保障、あるいは六十歳というものをめどにした昇進あるいは登用というようなことが行われると思うのですね。  ですから、これを契機にして、天下りの問題等も同時に再検討を加えて、いままでのあり方がいいか、悪いかということを検討を加えるべき時期ではないかと思うのです。そして、公務員の方々のライフサイクルを六十なら六十ということを中心にして考えて、生涯の福祉を保障すると同時に、いままでのようなかなり無原則な、特にこれは高級幹部の方に多いわけですが、無原則というか、適当に次々に天下りをしていくというような人事管理の仕方、これはやはりこの際、再検討をすべきではないかと思いますけれども、その点についての総裁のお考えはいかがですか。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 まさしくそのとおりでございまして、定年制施行のねらいの一つもまたそこにあったことは間違いのないところであろうと思います。六十年原則の定年制というものがしかれますと、いまお話しになりましたように、まず第一に計画的な人事管理というものが可能になりまするし、職員の立場から言えば、計画的な人生設計というものがいままでよりもはっきりとできるようになるわけでありまして、したがいまして、人生設計なりあるいは従来の人事管理、なかんずく、たとえば勧奨退職あるいはいわゆる天下り等の実態についても、相当の変革が当然起きてくるのではないだろうかというふうに思っております。  またそのこと自体が、ライフサイクルを計画的に進めるという面からいいまして好ましいことには違いないという受けとめ方をいたしておるのでございまして、したがいまして、いまのような点もあわせまして今後、定年制施行へ向けて各省庁それぞれ準備に入っておりますが、そういうような点も含めて検討いたしますし、またその定年制施行後の処置等についても、あわせて深く検討を加えてまいりたいというふうに思っております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 もう一つの側面として給与の問題、これは公務員としては最大の関心事でありますけれども、これについて最近、民間準拠、民間との均衡についても再検討しなければいけないというようなことも伝えられております。これは、やはり給与は、民間との均衡を絶対に守っていかなければいけないと思いますし、現在でも従来でも、常に民間に対して後追いの形で人勧がなされ、実施をされてきたわけですけれども、これでは本当に公務員の身分を保障することにはならないわけでありまして、そういった後追いではなくて、もう少しこの点についても工夫をされて民間との均衡を保っていく、こういうことでやるべきではないかと思います。  こういうふうに、一方では公務員全体の給与を確保し、そして生活、福祉を確保すると同時に、その人事管理についても一貫した方針を確立をして、言われるような天下りあるいは渡り鳥というような公務員の皆さんにとってもきわめて不名誉なことは制度的な整備を通じて解消していく、こういう方向がぜひ必要ではないかと思います。そしてまた、最近談合問題等に関連をして天下りの問題が再び論議をされておりますけれども、この高級官僚の天下りにいたしましても、公務員制度を確立することによってその面から解決をしていく、こういうことが必要だと思いますが、その点いかがでしょう。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 公務員の給与のあり方、その水準をどうするかということは、根本的には大変むずかしい問題でございます。しかし、法律の趣旨もございまして、従来、長年にわたって官民均衡ということを基本原則にしてやってきております。それはそれなりに十分定着をして、また納得性も得られておるのではないかというふうに考えておりまして、私たち自身といたしましては、官民較差を埋めるという方式は、いま考えられる一番納得性の得られるいい方法ではないかという確信を持っておりますので、今後ともこの方式というものは堅持をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、第二の点といたしましては、御指摘にもございましたように、毎年どうも四月時点でもって実態調査をやって、それから集計をして分析をして勧告を出すということでございますので、時期的に大変おくれるということは遺憾ながら事実でございまして、そういう繰り返しをやってきておるわけでございます。これに対しては、早期実施を可能ならしめる方策がないのかというようなことで、国会でもいろいろ御論議をいただき、御研究もいただいておるわけでございますが、われわれといたしまして、やはり勧告が出た限りはできる限り早期にこれを実施していただくということが最も望ましいこととして、強くそういう方向の実現性というものについて期待を抱いておるような次第でございます。  また、給与制度の運用その他公務員制度自体の運用の問題あるいは構成の問題を通じまして、いま世間にいろいろ取りざたされ、また論議の対象になっておりますような天下りの問題その他につきましても是正措置が講ぜられますならば、これは当然結構なことであり、またそういう努力は当然やっていかなきゃならぬことであるというふうに思っておりますので、その方向からの検討もさらに鋭意進めてまいることが必要であろうというふうに考える次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 いままで総裁前向きの御答弁をいただいたわけでありますけれども、ノンキャリアの問題あるいは公務員制度の抜本的な改善の問題、あるいは公務員のライフサイクルを考えての適正な人事管理、あるいはまた民間との均衡をこれもどこまでも堅持をしていくというようなことで、前向きの御答弁をいただいたわけでありますけれども、そういったもろもろの改善をすべき点については、この次の勧告のときにある程度具体的に出されますか。ぜひ出していただきたいと思いますけれども、その点いかがでしょう。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 給与勧告は例年どおりのペースで進んでおりまして、連休明けから各企業に対して、現場に参りまして詳細な調査を現在進めております。この調査が終わりましたならば、これの集計、分析をいたしました結果、結論が出ましたならば、較差が出てまいりますれば、その較差をお埋め願いたいということで勧告をいたすことになることは例年どおりでございます。  それと、ことしの勧告の場合には、先刻申しました長期対策の方向づけについても、去年よりもさらにもう少し一歩踏み込んだ、具体的な項目等にも触れた報告をいたしたいというふうに考えております。ただ、この結論をはっきり出しますのは、先刻申し上げましたような順序、手だて、目標というものがございますし、六十年実施を目途として現在進めておるということもございますので、この具体的な項目について成案を得ることは、恐らく私のいまの考え方では来年度に持ち越されるのではないかというふうに思っておりますが、それまでにできるだけ切り込んだことで問題点等を具体的にだんだん明らかにしていく、またその解決の方策等についてもある程度一つの試案的なものは考えていく、そういう方向については努力を精力的に現在やっておりますし、また、その成果が出てまいりますれば、これを何らかの方法において明らかにしたいという考え方でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 ぜひ御努力をいただきたいと思います。  時間が参りましたので、あと一問だけ大臣にお伺いをいたしますが、それは、きのうも問題が出たのですけれども、国から支給をする支給金あるいは見舞い金あるいは補償金、そういったものがありますが、それらの間に統一性がないあるいは整合性がないということが指摘をされております。  たとえば、これは大臣の所管でありますけれども、沖縄の人身被害について十数年たってからいま補償するということでありますが、その額が非常に少ない、スライドもされてない、最低を七十四万という常識外れの低額である、これではとても沖縄の方々は納得できないと思いますが、そういった点が一つあります。  それから、最近になりまして、犯罪の被害者、いわゆる通り魔殺人というような場合に、その被害者に国が支給をするという制度が最近できました。これによりますと最高額は八百数十万、約九百万近いですね。ところが、一方、天災によって被害を受けて死亡されたというような方にもこれはやはり見舞い金というような形で出しておりますけれども、これがまた少ない、三百万程度。  そういうふうに、同じ国から出す弔慰金、支出金、これは性質は若干違いますけれども、やはり不可抗力で、場合によっては政府の行為によってそういう結果が招来したということでありますから、これらの点についてはやはりその間に統一性あるいは整合性がなければならないのじゃないか。大臣はその支給金のそれぞれについての所管ではないかもしれませんけれども、総理府を預かる大臣としてあるいは内閣の一員として、こういう点もひとつお心にとめておいていただいて、閣議等でそういう問題が出た場合には、そのお互いに整合性ということも考えるべきだということをひとつ発言をなされあるいは実現をされるようにお願いをいたしたいと思います。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 御指摘の人身被害者特別支出金というものは、昭和二十七年の四月に講和条約が発効をした際、沖縄の本土復帰までの間に発生をした人身被害の関係事案につきましてはこれを対象とするということでございまして、対米請求権事案の処理の先例でございます講和条約の前人身被害者関係あるいは漁業関係事案と同様に、損害賠償のような法律上の補償責任に基づくものではないわけであります。沖縄県民が二十七年間、長期にわたりまして米国の施政権下にあったことに起因をしておる特殊な事情を考慮いたしまして、実は救済の必要が認められる被害者等に対して特別な支出金を支給する、こういうものでございます。  この特別支出金の支給基準というものは、実はその特殊性にかんがみて、前例でございます講和前の人身被害に対する措置との均衡をとったわけでございまして、それに準ずるものでございまして、本件の処理については、いろいろ御意見があろうと思いますが、私どもは、妥当なものではないか、こう考えております。  なお、その他のものにつきましては、私の所管外でもございますので、それぞれの所管大臣あるいは所管庁におきまして、その補償金の制度の目的に合わせた運用がなされるものと考えておるわけでございまして、その点を御理解をしていただきたいと思います。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は、沖縄復帰十年を目前に控えたきょう、沖縄の空の問題について事実を追って質問をいたします。  まず、今日のわが国の航空管制はどのように行われているのか、管制業務の種類はどのようなものがあるのか、この点について尋ねておきます。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 お答えいたします。  管制業務を分類いたしますと、航空路管制、それからターミナルレーダー管制、それから進入管制、着陸誘導管制、飛行場管制、この五つに分類することができます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに管制官は、運輸省が実施をし、自衛隊については運輸大臣が業務を委任する、当然運輸省の資格試験に合格している、こういうことですね。そういう方たちが管制官として業務に携わっている、そうでしょう。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 防衛庁に委任しております管制業務につく防衛庁の管制官の資格につきましては、運輸省航空局が試験を行うことになっております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに私は、空港のいわゆる略号ですね、通常四文字のアルファベットでこれが示されているわけです。成田、羽田、大阪、那覇の略号は何ですか。私の方から申し上げましょう。成田はRJAA、羽田がRJTT、大阪がRJOO、福岡がRJFF、那覇はROAHです。  私がここで御指摘をしたいのは、これは国際的な機関で世界じゅうの空港にそれぞれ略号をつけたわけですけれどもこのRというのは極東地区を示すものであると思うのです。ちなみに台北はRCTP、ソウルはRKSS。いわゆるRは極東地域。さらに二番目のJは国名をあらわし、日本の国名を示している。ただ沖縄については、残念な形の中でアメリカの施政権の中にあったがためにJがつけられていない。返還をなされた今日、私は当然この略号もJを用うるべきだ、RJという考え方に立つわけです。わが国はすべてRJで表示すべきだと思います。ただ、恐らくこれは飛行情報区の分類、東京飛行情報区と沖縄の那覇の飛行情報区に区分してJとOの違いだ、そういうふうに言われると思います。しかし、すでに今日沖縄がわが国に復帰しもう十年の年月がたつわけであります。私はこの点を特に指摘をしておきます。よろしいですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 ただいま先生おっしゃったような状況であることは事実であります。FIR、飛行情報区が東京と那覇に分かれておるということで、分類上そういう状態になっておるわけでございますが、空港の数と地点が非常に多いこともございまして、統一することについての技術的な問題もあろうかと思いますし、また国際固定通信回線、いわゆるAFTN回線の窓口が成田と那覇に分かれておるという事情もございまして、業務の分類上はそういう状態が続いておるということでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 わが国の航空路の保護空域は、現在どういうものがあるのか。より安全な航空路、私の知る範囲ではVOR航空路ですね、これは十分にわが国の空は整備をなされているのかどうか、この点についても聞いておきたいと思います。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 お答えいたします。  航空路を構成いたします保安施設の種類によりまして保護空域の範囲に若干の差がございます。  VOR航空路につきましては、航空路の中心線の片側四マイルの範囲を保護空域といたしますが、VORから中心線に沿って五度の角度で広がる線が幅四マイルに達しますとその五度の角度で広がっていく、こういう規定になっております。  NDBの場合は、NDBを中心といたしまして片側五マイルということで若干保護空域の幅が広くなっております。  それで、保安施設といたしましてはVORの方が精度が高いということもございまして、全国的に日本の航空路をVORに切りかえていくということで、逐次準備の整いましたところから切りかえをやっておる段階でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 沖縄地区の整備は現状はどうですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 沖縄地区につきましては、VOR航空路の整備はまだでき上がっておりません。今後の課題として取り組む所存でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 より安全なVOR航空路は沖縄の空にはまだ設定されていない。私の手元の資料、私が承知する範囲内ではわが国の東北、北海道地域、これは自衛隊機が使用している地域であります。それらの地域も十分とは言えませんけれども、一定の線引きがなされているわけですけれども、沖縄地域については線引きすらもされていない。こういう状態だと私は承知するのです。こういうことではまさに復帰十年の今日、非常に政策的なおくれが空の安全一つをとらえても見られる。こういう状況に対しての認識を、早く整備をする、あるいはいつごろをめどにそれに整備がなされるのか、あるいは整備のできないいろいろな問題がいま横たわっているということなのか、そういう点の認識だけを聞いておきます。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 お答えいたします。  VOR航空路の整備につきましては、全国的なものでございますが、昭和五十三年度から切りかえの作業に着手いたしておりまして、現在のところ東北の一部及び北海道、それから沖縄地区につきましてはまだVOR航空路としては設定をされておりません。しかしながら、ことしの秋、五十七年の秋ごろには北海道方面のVOR航空路の設定ができる段取りに至っております。沖縄地区につきましても、航空局の内部におきまして具体的なVOR航空路の計画がほぼ固まっておりまして、現実には事務的にではございますけれども、関係者間での協議もスタートしておる段階でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 沖縄地区については、米軍のいわゆるウォーニングエリアという、そういうものもこの整備のおくれの一つの要因になっていると私は理解するのですが、そういう認識も妥当だと思われますか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 航空路を、NDBを中心としたものからVOR航空路に切りかえます際には、経路も若干変更になる場合もございますし、あるいは訓練空域等との調整が必要になる場合もございます。これは全国的にどのVOR路線につきましても出てくる問題であります。したがいまして、そういった意味におきましては、沖縄におきましてもそういった訓練空域等との調整が必要になろうかと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 沖縄には自衛隊用の訓練空域がないと私は承知しているのですが、いかがですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 自衛隊の訓練空域として沖縄地区に設定、告示されておるものはございません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 沖縄の自衛隊の飛行訓練はどこで行っているのか、これは防衛庁にお聞きします。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 お答えいたします。  航空自衛隊といたしましては、沖縄近辺におきましては米軍の使用いたします空域を、米軍と調整の上使用いたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 通常、自衛隊の訓練空域はどのような形で設定されるのですか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 これは運輸省と十分に御協議をした上で決まっております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 自衛隊の訓練空域は、航空交通安全緊急対策要綱によって航空路とは完全に分離された訓練空域で実施されている。これは七一年の七月三十日に発生した雫石事故直後からそういうことがとられてきたわけです。沖縄ではいまの答弁でわかったように、アメリカのウォーニングエリアを借りて自衛隊が飛行訓練をしている。当然、本土では公示をされるわけですけれども、沖縄ではそういうことがされていない。これはまことにもってけしからぬ話であります。さらにはそういうなし崩し的に米軍のウォーニングエリアを使いながら自衛隊がそこへ入り込んでいる。このことについては非常に遺憾だと思います。  それでは、自衛隊の訓練空域とウォーニングエリアとの違いをひとつ言ってください。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 お答えいたします。  自衛隊の訓練空域は、いま先生がおっしゃいましたようなことで、緊急対策要綱に基づきまして運輸省と防衛庁で協議した上で設定をいたしましてAIPに公示をするものでございますが、米軍の演習空域につきましては、これは日米合同委員会で決定をされまして、防衛施設庁で告示をされるものと承知をいたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 自衛隊の訓練空域は私が指摘したとおり。ウォーニングエリアは空対空や空対地の実弾射撃、ミサイルの発射訓練、非常に危険空域なんです。そういう片一方は公示であり、ウォーニングエリアは防衛施設庁の告示だけである。おのずから私は通常の民間航空路と完全に分離されなければいけないし、その点について十分な分離がなされているのかどうか、どれくらいの距離を保持しているのか、この点についても聞いておきます。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 お答えいたします。  自衛隊の訓練空域と航空路の保護空域との間には五マイルの余裕を持たせるということを基準に行っておりますが、沖縄におきます米軍の演習空域そのものが現在の航空路の保護空域とは一応分離をされております。五マイルの保護空域については、ない部分もあろうかと存じますが、その点に関しましては緊急対策要綱の精神につきまして米側で十分に理解をしていただき、五マイルの余裕幅をもって演習空域の運用をしていただくということになっております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は運輸省からちょうだいした図面を見ても、これはもう非常に接近をしている、非常に危険であるということをここで強く指摘をしておきますし、今後は十分に分離すべきである、より安全な手段を講じなければいけない、こういうふうに思います。さらに私は、自衛隊訓練空域より、より危険度の高いウォーニングエリアが航空路と完全な形で分離をされないで全く接近した現状は非常に危険である、こういうことは訓練空域の空制第百九十号の趣旨からしても望ましくない、こういうふうに思うわけであります。  沖縄航空交通管制に関する合意というのが日米合同委員会で承認をされています。昭和四十七年の五月十五日、あえて項目を申し上げれば第六条の第二項。そういうことについては好ましくないと思うのですが、いかがですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 訓練空域と航空路との関係につきましては、今後沖縄におけるVOR航空路の設定に際しまして十分にその点についての配慮をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は当然だと思いますし、十分な配慮が必要である。これは撤廃、縮小を含めた抜本的な見直しが必要である。そうでないと、VOR航空路の設定というのはなかなかむずかしいと思うのです。そういうことについて十分な配慮を強く要望しておきます。  さらにウォーニングエリアは全国で何カ所あるのか、あるいは本土ではウォーニングエリアはあるのかないのか、さらにウォーニングエリアと、私の知る範囲内では本土ではレンジという言葉を使っていますが、それはどう違うのか、同じなのか同じでないのか、どうして沖縄のみが別扱い的な状態に置かれているのか、私はこの点について尋ねておきます。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 米軍の演習空域として設定されておりますものは全国で二十五カ所と承知をいたしております。それで先生いまおっしゃいましたレンジあるいはウォーニングエリア、そういう名前のつけ方等につきましては過去からの経緯があろうかと存じますが、正確なと申しますか詳細な点については承知をいたしておりません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 全国で二十五カ所、じゃ沖縄では何カ所ですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 沖縄におきましては十六カ所と承知いたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私の承知するのでは、ウォーニングエリアというものは全国で十六カ所、沖縄だけだ、いわゆる本土はあとはレンジという形で、そういうことだと私は承知しているのですが、どうなんですか。——私の方から指摘しますから、間違っておれば間違い、そのとおりであればそのとおり、これは本土ではレンジという形で空域が設定されて、ウォーニングエリアは、いわゆる施政権返還以前より継続使用しているわけなんですね。十六カ所もそうなんです。私が何を指摘したいかと言えば、沖縄が本土に返ってきた。しかし実際空のそういう問題点、安全上の問題も含めて現実では返還以前の継続使用である、こういうことを指摘をしたいわけなんです。  それで、どうして沖縄だけが別扱いをされていくのか。さっき空港の略号ででも私は申し上げたわけです。これは意識の問題あるいは取り組んでいかなければいけない取り組みの問題だと片づけるのではなく、本当に沖縄がわが国に復帰し、本土に復帰して施政権がわが国に返ってきた、そのことと同時にこれは変えていかなければいけないわけなんです。そういうことを指摘しておきたいと思うのです。ちなみにウォーニングエリアは、アメリカの認識としては公海上に設定された軍用空域だと思うのです。レンジというのはいわゆる領土上空、だからアメリカは当初沖縄を公海上の位置づけにしていたわけです。そのまま引き続いて継続しているというところに問題がある。わが国は、いわゆる施政権が復帰して十年たつ今日、こういうことへの取り組みもお粗末である、こういうことなんです。どうして沖縄だけが別扱いになるんだろうか、こういうことなんです。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 米軍の演習空域につきまして、沖縄の地区においてウォーニングエリアという名称で現在使用されておることは事実でございますし、沖縄返還以前の状態が現在そのまま変わらずにあるということもそのとおりでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに、いわゆる実弾射撃やミサイル発射訓練、戦闘訓練を行っている危険なウォーニングエリア、本土上空ではレンジになるわけですが、そういうところに民間機が入っていったら大変危険きわまりない状況になってしまうということなんです。これは全くそのとおりだとお答えになるだろうと思います。そうすると、民間機が入れないように排他的な措置がとられていると思うのですが、それはどのような法的根拠あるいはどのような裏づけでそのような措置がとられているのか。さっきもウォーニングエリアは防衛施設庁の告示ということで設定をしていくということですけれども、その告示の目的もあわせてここで聞いておきたいと思います。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 沖縄ないしは本土におきます空域につきまして防衛施設庁が告示を行っている根拠というお尋ねでございますが、防衛施設庁は、御承知のように日米地位協定に基づいて米軍に施設、区域というものを提供する義務を負っております。その施設、区域の提供に伴って提供された施設、区域というものを一般的に告示をするというたてまえで、領空及び領海等に属する空域等につきましても同じようにわが庁において告示を行っておるわけでございます。  なお、公海に属する部分について米側に使用を容認している空域につきましても、航空安全上同じように取り扱われるということで、便宜防衛施設庁において告示いたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 民間機の安全性というものを優先すべきだということについては、そういう認識には変わりありませんね。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 わが国はアメリカとの間に日米安保条約を結んでおりますし、それによりまして当然米軍に必要な施設、区域を提供し、米軍の訓練というものが有効適切に行われるように行っております。もちろん軍用の訓練を行うものですから、それと民間航空の安全との間においてはどちらが比重が高いというふうに私ども決して考えておりませんが、事航空路において行われることでございますので、民間航空の安全、それから米軍等の訓練の確保と両立できるように常に配慮してまいりたいと思っております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は防衛庁がそういう答弁、そういう考え方に立つなら、それはそれなりにまた時間をかけて議論をしたい。民間航空路の安全は優先されるべきである。同時に、防衛庁が米軍の軍用訓練も同等な位置づけをするならば、航空路に接近をするのではなくもっと離すべきである、そういうことになるのじゃないですか。いまむしろ軍用優先の実情を私は指摘をして何とかしなければいけないということですが、いかがなんですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 もちろん米軍等の戦闘機等の訓練も安全第一であることは言うをまちませんので、私どもとしましては先ほど申し上げましたように、米軍の訓練も有効に実施できる、しかし民間航空機の安全もこれまた必要なことでございますので、航空路それから空域につきましてはそれぞれ現在の管制等の技術であるとか訓練の態様、航空路の航行状況といったものを考えて関係省庁なり、あるいは米軍等の技術的な判断等も加えて現在それぞれ航空路、訓練空域を設定していると思いますので、安全は確保されていると考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それでは私がさっきから指摘していることについては十分な認識がないわけですね。ちなみに、米軍の訓練でわが国の国民が受けた被害、なくした人命、そういうことをあなたは十分認識しているのですか。どうなんですか。——それは後で聞きましょう。そのことについては僕は質問の最後に施設部長に質問をします。  さらに私は、航空法第八十条の飛行禁止区域とはどういうものなのかをここで尋ねておきます。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 航空法八十条で規定しておりますのは「航空機の飛行に関し危険を生ずるおそれがある区域」ということで定めるものでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それでは現在航空法の第八十条さらには同施行規則の第百七十三条によって指定された区域は、どこが告示で指定されているのか教えてください。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 航空法施行規則百七十三条によりまして定められております飛行の禁止区域は現在までございません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さっき指摘したように、ウォーニングエリア、いわゆる危険区域ですね、航空法の飛行禁止区域になぜならないのかということです。そこには入り込めない、飛行ができない、そういう区域なんです。一方では、軍側が排他的にそういうものをブロックしながらその訓練区域として使用している。これは民間航空の側からすれば飛行禁止区域、そういう設定、告示が私は必要だと思うのです。そういうことをしないのは片手落ちではないだろうか、こういうことなんです。危険な区域は危険な区域だということをきっちりすることにおいて両方の安全性は保障されていく、こういうことなんです。なぜしないのか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 自衛隊、米軍等の軍の航空機の訓練、演習等に使われる区域につきましてはそれぞれ公示をされており、その所在あるいは演習区域の運用の条件等につきましてもAIPにおいて公示しておるわけでございまして、そういったことで航空交通の安全を確保されておると考えておるところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 わが国とアメリカの合同委員会の合意事項として、たとえば航空機の事故調査あるいは捜索救難、航空交通管制に関して覚書が交わされているわけですね。とりわけ民間航空が大きく影響される航空交通管制に関する合意とはどのようなものなのですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 わが国におきます航空交通管制に関する日米間の合意は、日米合同委員会におきまして昭和五十年五月八日に承認されたものがございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 航空交通管制に関する合意、五十年五月八日。それじゃ私は具体的に、航空交通管制に関する合意の第七条で「我国は次の各号に掲げる航空機についてアメリカ政府の要請があったときは航空交通管制承認に関し便宜を図るものとする」とあるそのAで、「防空業務に従事する航空機」ということが挙げられているわけですけれども、この防空業務に従事する航空機とはどのような機を指すのでしょうか。

和久田康雄運輸省航空局首席安全監察官

○和久田説明員 ただいまの御質問につきましては、合同委員会の合意の解釈の問題でございますので、外務省から御答弁いただくのが適切かと思います。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 お尋ねの合同委員会合意文書中の防空任務に従事する航空機という文言についてでございますが、特段の附帯解釈も付しておりません。また、これは昭和二十七年の旧合意以来の受け継ぎの表現でございまして、ごく一般的にエアディフェンス、わが国の国土を守るための防空上の任務一般と御理解いただければよろしいかと存じます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それでは、いま問題のSR71はこの機に入るという理解ですね。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 お答え申し上げます。  私の理解いたしますところでは、この防空とは他国からの空からの侵略またはそれに類似する行為に対処する要撃等の行為でございまして、御指摘の偵察機につきましては、直ちにその範疇に入るものではないかと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それでは、そのほかに何が入るのですか。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 御質問の趣旨が若干私つかみ得ないのでありますが、そのほかに何が入るかというそのほかとは、SR71のほかにということでございましょうか。それでは一般の要撃機、戦闘機等々がエアディフェンスのミッションにつく場合と御理解いただければよろしいかと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ここで便宜を図るということは、どういうふうにすることが便宜を図ることでしょうか。−答弁をもしそちらで打ち合わせをされるのなら、どうぞしてください。それまでに、時間がありませんから、私は順次質問を続けます。  沖縄空域の返還及び嘉手納米空軍が行っている管制業務について、日米間での取り決めがあると思うのです。それはどのようなものなのか、あるいはその取り決めの内容を私はここでお答えをいただきたいと思います。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 お答えいたします。  沖縄における航空交通管制につきましては、昭和四十七年五月十五日付で沖縄航空交通管制に関する合意というものが日米合同委員会で承認をされております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いま沖縄での管制業務は、民間機に対してはすべてが運輸省所管で行われているのでしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 沖縄におきまする民間機に対する管制につきましては、航空路管制、それから飛行場管制、それから那覇空港におきます着陸誘導管制、それから離島の幾つかの空港に対する進入管制、こういったものにつきましては運輸省において行われております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 米軍が、アメリカ側が支配しているというか、行っている業務は何なのですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 現在米軍が行っております管制の業務は、米軍が使用いたしております嘉手納飛行場、普天間飛行場、これらの飛行場管制並びに沖縄本島の三つの飛行場、嘉手納、普天間、それから那覇空港、この三飛行場に対するターミナルレーダー管制、以上でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それは先ほど言われた沖縄航空交通管制に関する合意、四十七年の五月十五日、それに基、ついて、民間機も含めていまだわが国の管制支配下にすべてが戻っていないということなんです。これは沖縄航空交通管制に関する合意の第三条の三項に私は起因している、こういうふうに思うのです。そうでしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 沖縄における航空交通管制に関する合意の中に、嘉手納、普天間、那覇空港、この三つの飛行場のターミナルレーダー管制を日本側が行う準備が整うまでの間米側が行うという内容のものはございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 そこには暫定期間ということがうたわれているわけです。これは「単一の施設が実施すべきであることについて相互に同意をし、日本政府がこれら飛行場に対するレーダー進入管制業務を行うことができるまでの暫定期間、これらの飛行場に対する進入管制業務を実施するものとする。」四十七年、すでに十年たつわけであります。暫定期間は、一般論からしてももう過ぎているし、いまだ暫定期間だというのは当てはまらないし、これはどういう認識に立たれているのか。さらに、ターミナルレーダー管制、進入管制業務の空域がいつごろ日本に返還される見通しを持っているのか、この点についても聞いておきます。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 沖縄の航空管制につきまして、航空路の管制につきましては、沖縄の復帰後二年後に日本側が実施することになったわけでございますが、先生御指摘のターミナルレーダー管制につきましては、複数の飛行場についての広域的なレーダー進入管制でございまして、施設の面あるいは技術の面、さまざまな大きなむずかしい問題がございます。したがいまして、運輸省といたしましては、そういった広域的な複数空港のターミナルレーダー管制の実施につきましては、技術面あるいは施設面で相当慎重な準備、用意が必要であろうということでございます。  たとえて申しますれば、東京地区における成田、羽田等の複数空港につきましても、将来的には広域的なレーダー管制をやらなければならないということで、そういった経験を踏まえながらも、沖縄についても将来的にはわが方においてターミナルレーダー管制を実施しなければならないと考えているわけでございますが、残念ながら、関東地区におきましても諸般の情勢がございまして、まだ実現をしておらないような状況でございます。そういったことで運輸省といたしましては、広域的なレーダー管制に対する準備なりあるいは技術的な問題といったものについてなお引き続き検討をしていかなければならないと考えておるところでございます。  また、そのほか沖縄における航空管制につきましては、那覇管制部の開設あるいは那覇空港そのものの引き継ぎ等で相当な投資なり、あるいは要員の配置のために時日を要したわけでございますが、その間過去十年間を振り返ってみますと、全国的な航空管制部の移転、拡充あるいは全国的な航空路監視レーダー網の充実、そういったことのために過去十年間非常に膨大な事業の消化あるいは要員の確保、訓練等に忙殺をされてきたというような状況もございます。そういった過去の情勢のために、現在のところ那覇空港のターミナルレーダー管制、嘉手納、普天間を含めた広域的なレーダー管制について、いつまでにはっきりとテークオーバーできる、引き継ぐことができるという明確な見通しは残念ながら持ち合わせておらないところでございますけれども、できる限りそういった方向に向けて今後とも努力してまいりたいと考えておるところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さっきの便宜を図るということは、どういうことで便宜を図っているか、お答えできますか。

和久田康雄運輸省航空局首席安全監察官

○和久田説明員 便宜を図ると申しますのは、絶対的な優先権を与えるというほどの強い意味ではないと解釈しておりますけれども、ある程度優先的に取り扱うという趣旨であろうと存じております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 絶対的なとある程度というのは、これは本当に言葉の上手な言い回しだと思うのですけれども、那覇空港はわが国の空港でも非常に交通量の多い、七万九千という大きい数字を持っているわけですけれども、そういうところにSR71が超スピードで行き来するわけです。民間機がひっきりなしに飛ぶそういう空域に、偵察で飛行する場合も含めて、SR71が、さっき私が指摘した第七条A項の範疇に入って、わがもの顔というのでしょうか、そこのけそこのけSRが通るということで、民間機を遮断している、閉鎖している、こういう現状についてどういう、大変危険だという認識に立つと思いますけれども、飛行管制上あるいは航路安全上大変な支障があるという認識を私は持っているのですけれども、この点についてひとつ確認をしておきます。もう聞くに及ばない質問かもわかりませんけれども、当然私と同じ認識を持っていらっしゃると思うのですけれども、念のために聞いておきます。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 先生御指摘のとおり、沖縄におきましては、民間航空の交通の流れのほかに、米軍あるいは自衛隊等の軍目的の航空機も飛んでおるわけでございます。いずれにいたしましても、航空路管制業務は運輸省が責任を持って実施をいたしておるわけでございまして、民間航空あるいは軍航空を問わず、運輸省が行います航空路管制業務の実施に際しましては、安全面に対して万全の配慮を払った上で取り組んでおるのが現状でございますし、将来に向けても安全第一の姿勢で臨みたいと考えておるところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さっき私が指摘をしました昭和五十年五月八日日米合同委員会において承認になった航空交通管制に関する合意書の、今度はさらに第八条、これは空域の一時的留保なんですね。「アメリカ軍用機の行動のため空域の一時的留保の設定を必要とするときは」云々とあるわけですね。これは、空域の一時的留保とは一体具体的にどういう状態を指すのか、お答えをいただきたいと思います。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 お答えいたします。  空域の一時的留保と申しますのは、一定の経路及び高度、高さでございますが、それを定めた特定の飛行の空域を予定いたしまして、一定の時間、その経路及び高度を他の航空機が飛行しないように隔離をする、そういうふうな管制業務上の措置でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 まさに専門用語でアルトラブということですね。特定の高度、経路を米軍のためにブロックして、その空域から民間機等を排除していく。  今日までに具体的に、一年間でどれくらいアルトラブが行われたのか。さっきも言ったように、那覇空港の交通量の非常に激しい中に、どれほどそのような状態、いわゆる空域の一時的留保を何回されたのか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 空域の一時留保の実施の回数につきましては、これは米軍の行動の内容に関するものでございますので、運輸省といたしましてはそれを明らかにする立場にございませんので、御了承いただきたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 異常に多いアルトラブから民間機の安全をどのようにして守っていくのか。あるいはむしろ安全上、経済運航上民間機に大きな支障を及ぼしているのではないだろうか、そういう多発するアルトラブのために。こういう点についてはいかがですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 空域の一時留保が、米軍の行動に関連いたしまして相当数あることは事実でございます。しかしながら航空管制業務の実際の運用上、そのためにきわめて困難な状態がしばしばあらわれるということではないと承知いたしております。もちろん、そういった空域の一時留保がなければないにこしたことはないと思いますけれども、現実問題としていま存在するわけでございますが、そのために非常にむずかしい問題があるとは承知いたしておりません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それらの、そういうアルトラブの件数については後で私の方からさらに尋ねますが、米軍の軍用機の行動、アルトラブをとる、そのための軍用機の行動とは具体的には軍事訓練など、空中給油も含めて私はそういう具体的な行動はこの範疇に入ると思うのですが、それはいかがでございましょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 米軍から空域の一時留保の要請が参ります際には、その一時留保のための飛行の目的については何ら連絡がございませんので、表向き私どもは承知しておらない立場でございますが、空中給油のための空域の一時留保があるであろうということは私どもも承知をいたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ここで私は松田審議官に尋ねたいのです。  SR71はこの一時的留保に当然組み込まれている、そのことがあるからこのアルトラブ、そういう範疇に当然入るべきだ、私は入っているという認識なんです。外務省は、さっきは、いま確かめましたら、基本的には入らないということで、基本的には入らないと言っているのですけれども、どうなんですか。SR71の機能を御承知なんですか。それはどこで空中給油をするかということも御承知ですか。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 お答え申し上げます。  先ほどの井上委員の御質問は、防空任務につく航空機の中にSR71は入るかという御質問だと理解いたしました。したがいまして、それは要撃戦闘機等と直接防空のミッションにつく飛行機であるので、SR71は基本的には入らないと申し上げた次第でございます。  ただいまの御質問の空域の一時留保に関連するものは、軍用機の行動のためと規定されておりまして、米軍機一般を対象としておりますので、SR71は当然にその対象の一つとなり得るものでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 沖縄の空がブロックされている。なぜブロックされているか。アメリカの軍事訓練のためにブロックされている。そういう中で、SR71が空中給油をする、その空域の必要のために民間機が非常に危険な状態にさらされている。私はそういうことを指摘しているのですよ。  外務省は、日米合同委員会の本文は持っているわけでしょう。そして、その合意書の中身というのはあなたは十分承知しているのでしょう。私は、特別の便宜を与える航空機にSR71は入るのかと聞いたのですよ。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 御指摘のとおり、特別の便宜を図る旨定めている対象のものは、防空任務のもの及び特定の訓練を行うものとなっております。したがって、そういった対象のうちの防空任務には入らないと私は申し上げた次第でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それでは、沖縄の空をブロックしているその必要性の中には入るわけですね。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 沖縄の空をブロックという御表現でございましたが、いわゆるウォーニングエリアをとること、それ自身とSR71とが直接に関係するということではなく、先生の御質問は、多分空域の一時留保だと存じますが、それであれば、現在の運用を見ましても、SR71関連の仕事がそこにあるということは実態かと存じております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 あなたは、私の質問の趣旨を理解しながらほかへほかへそらそうとするわけなのです。私は、民間機を一時的にブロックしているアルトラブがなぜ起こるかというのは、SR71の空中給油があるからだということを指摘している。私は、外務省に、航空交通管制に関する合意書というものを本委員会に出してもらいたい。そして、この問題についての外務省の見解を改めて聞きたい、こういうふうに思います。  さらに、さっき、アルトラブの件数については、日米間の問題でここで公表することはできないということでしたが、念のために私の承知する範囲内で申し上げておきますと、一九七九年は五百十五件、さらに一九八〇年は八百七十五件、八一年は八百件。私が指摘をしたいのは、SR71が配備され、あるいは沖縄にそういう戦略機が配備された以後このアルトラブがふえているという現状、やはりこのことに問題をおきたい。     〔委員長退席、近藤(元)委員長代理着席〕 そういうことで沖縄の空がどんどんと軍用空域優先、そして本土復帰と逆な方向に入っていく、こういうことについて私は指摘をするわけであります。  さらにここで、那覇空港で自衛隊のジェット戦闘機のオーバーラン防止のためにBAK−9という防護索が滑走路上に設けられているわけです。滑走路変更時には滑走路を一時閉鎖して離着陸がストップされることがあるのだということを私は聞いているのです。こういうことがあるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 ただいま先生御指摘のことはございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 そういう一時閉鎖ということは、航空交通の流れにやはり支障を来すのではないだろうかと私は思うのですが、いかがですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○武田説明員 滑走路の閉鎖される時間、その分空港として使用できないという意味で、若干の影響があることは事実だろうと存じます。ただ、それほど長時間を要していないようでございますので、飛行場管制業務の中で、空港としての能力処理状況を落とさないような形で行われているのではないかと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 これは防衛庁に聞きたいのですが、ジェット戦闘機が通常射撃訓練を行う場合に、離陸前にミサイルなどのいわゆる火器の安全弁を外して、訓練が終わった後に、着陸してからそれらの安全弁をセットするという作業が行われているということですが、そうでしょうか。あるいは通常、これらの安全弁の取り外し、取りつけはどこで行われるのが常識なんでしょうか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 ただいま御指摘の訓練の詳細につきましては私ただいま承知いたしておりませんので、後刻調べた上でお答えいたしたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いますぐですね。それでは、この件についても後で質問を続けます。  ここで、ACMIについてその間少し聞いておきたいと思います。  このことはもうすでに何回か本院でもそれぞれの委員会で議論がされているわけですが、アメリカから正式に、昨年の八月十八日に開催された五百六回の施設特別委員会で提案があったというふうに聞き及んでおりますし、その提案のあった空域の範囲、あるいはとりわけ使用条件等はどういうものであったのか。  さらに、運輸省では、この提案に対しては、民間航空機の安全の立場から強い反対の意思を明確にされた。むしろそれは日本側が明確に拒否したのかどうかを聞いておきたいと思います。  さらに一点、私の聞きたいことは、その八月の十八日の提案に対しては拒否はしたけれども、新たな、違った考え方で提案をしてくるのではないだろうか、こういうことなんです。先ほどから議論をしてきました沖縄の空がいかに危険な状況であるかという実情を踏まえたならば、いまでさえ危険きわまりない沖縄の空を——さらに民間機締め出し、安全性を否定するようなそういう方向に走ってはいけない、こういうことで、違った考え方で提案してきた場合の対応というのでしょうか、もうそんなことは一切考えられないんだこれはひとつ運輸省の見解と、さらに日米安保の絡みから外務省の見解も念のために聞いておきます。さらに防衛庁には、これは後で私は議論します。安全性優先という、沖縄の空を安全な状態にしたいという私の一つの理念から、防衛庁と後でこの問題については議論をします。とりあえず運輸省の見解と外務省の見解をここで聞いておきます。

松井和治運輸省航空局長

○松井(和)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御質問ございましたACMIにつきまして、運輸省といたしましては、当該提案空域が沖永良部の西方に当たりまして、那覇空港に飛来あるいは那覇空港から出発いたします民間航空機の航空路とは外れておりますけれども、いわば航空路から空港に入るためのレーダーで誘導をするために必要な空域に抵触するという観点から、米軍の提案を受け入れるのは困難であるという回答をいたした次第でございます。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 お答え申し上げます。  本件は、運輸省、防衛施設庁と米軍との間に昨年来御協議が進んでおりまして、その都度私どもも連絡を受けて、協議の進行については承っております。外務省といたしましては、安保条約に準拠してわが国の安全を確保する手だてを米軍に依存している以上、必要な訓練が行われることの意義は認識しておりますが、同時に、運輸省御答弁のとおり、航空交通の安全確保と抵触することがあってはならないとも信じております。したがいまして、その間の十分な調整なしにこれを実施せしめるということはあり得ないことと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は、当然省庁間の調整は行われると思いますけれども、外務省には特に、安保条約の絡みだけをにしきの御旗にして、航空路の安全というものを否定することのないように、運輸省のいまの見解に十分協力をしていくべきだということを要望しておきます。  さらにここで、先ほどから私が指摘をしてきましたように、沖縄の空の危険性、さらには那覇空港の現状、BAK—9の取りつけのために滑走路を閉鎖したり、いろいろと危険な現状の中で、わが国の空の交通量の非常に多い那覇空港、私の調べでは民間機が七〇%で軍用機が約三割程度だと聞いているわけですけれども、何か軍用機優先の傾向が随所に見られるわけで、民間機の安全性あるいは航空運航上大きな支障をこうむっており、非常に問題がある。そこで那覇空港を民間専用空港にしなければいけないのではないだろうか。この際、これだけ危険性が指摘をされてきた中で、私は那覇空港の民間専用空港への切りかえを考えるべきだ、こういうふうに思うのですが、その意思についてひとつ運輸省に聞いておきたいと思います。

松井和治運輸省航空局長

○松井(和)政府委員 那覇空港の軍民分離という考え方につきましては、かねてから地元からの要望も私ども受けておるところでございます。残念ながら、現在の地理的条件その他から申しまして、軍民を直ちに分離するということは現状ではなかなかむずかしい問題がございます。  現在、地元では現行の那覇空港の滑走路の沖合いにさらに一本の滑走路をつくるという構想もお持ちのようでございまして、滑走路を将来分離をするというのも一つの方向かとは考えられますが、なお、この点につきましては、諸般の十分な調査が必要であろうというふうに考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 現状のいわゆる緊急策として分離策というものが論じられているわけですね。それも私は当面の問題解決としては一つの策であろうと思いますが、ここでひとつ尋ねておきたいことがあります。  海側に滑走路を新設をしていく、そのような形の中で軍民区分をしていこう。六十二年には沖縄で国体が開催されるわけで、今日でも民間機の交通需要のスポット等を含めて施設が十分でないのに、さらに施設要求が高まっていくわけです。むしろ海側に民間機専用滑走路をつくって民間機を押しやって、陸地側に軍用専用区域をつくるようなことはしないでしょうね。そういうような発想に立ってもらったら困るから、そういうことはしない。どんどん民間は外へ外へやっていく、そして軍の方がすべてを取り仕切っていくという、そんなことはないでしょうね。これは念のために僕はぜひ聞いておきたいのです。

松井和治運輸省航空局長

○松井(和)政府委員 那覇空港の滑走路の新設という問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、まだ地元での構想段階でございまして、私どもも五カ年計画上これを取り込むというような決定をいたしたものでもございません。ただ、現実に地元でお考えになっておられる沖合いの滑走路新設の計画につきましては、私どもの承知しております限りでは、沖合いに民間用の滑走路をつくるという構想だというふうに承知しております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いや、そこなんですよ。沖合いに民間機を押しやってしまう、陸地側に弾薬庫だとかあるいはナイキ基地のいま海側にあるものを持ってきて、そしてただでさえ危険な那覇空港あるいは沖縄の空を、民家に近いところに軍用専用区域をつくるなんということは、運輸省としても絶対に同意できないと僕は思うのですけれども、いかがですか。私は、そんなことをしてはいけない、それなら暫定的な緊急策といえどもそれは断るべきである、そういうことならむしろ単独の民間専用空港にしていくべきだ、こういうふうに思うのです。その点についてさらに聞いておきます。

松井和治運輸省航空局長

○松井(和)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、まだこの構想につきまして運輸省としてはっきりした考え方を詰めておる段階ではございませんが、先ほど御指摘になりましたように、現在の那覇空港が軍と民との共用なるがゆえにいろいろな問題があるというのは御指摘のとおりでございまして、滑走路を分離するということができますならば、それは一つの非常に大きな解決策になるものではないかというふうに考えておりまして、その際どちらを軍が使い、どちらを民が使うというような問題は確かに重要な問題でございますが、沖側に民間用の滑走路をつくるということも一つの案ではないかというふうに考えております。それが逆になるというのももちろん一つの案でございましょうけれども、まだ私ども残念ながら運輸省としての考え方を取りまとめるという段階には立ち至っておりません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 これは私の見解を強く要望しておきます。  防衛庁はいかがですか、さっきの……。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 まだ調べがついておりません。ただいま聞いております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ここで私は、沖縄の施政権が日本に返還されて十年経過した今日、いろいろと沖縄の抱える問題はたくさんあるわけですけれども、きょうはとりわけ航空の実態、空は相変わらず米軍に占領されているというような現実を具体的な事実をもって指摘してきました。長官はさっきからずっと私の質疑を聞いていただいております。あさってたしか沖縄の現地へ行かれて、復帰十周年の式典に参加されると思います。私は、軍用機の飛行が民間航空の安全を大きく妨げて危険な様相を呈している。沖縄の空の安全を守るためにどういう対策、どういう措置を講じる必要があるのかということもお聞きをしたいし、本当に心から本土復帰を祝福できる状況なのかどうか。こういう状況の中で、むしろわびなければいけないのじゃないか。まだ防衛庁の質疑は残っておりますから、防衛庁の見解もまだ聞きますけれども、これ以上沖縄県民に犠牲を押しつけてはいけないし、さらに航空路全体の安全のために努力する関係、運輸省もその中心的役割りを果たしてくれているわけなんですけれども、そんなことを考えれば、沖縄開発庁長官として出席をされる大臣に、ここでひとつお考えを、そして、知らなかった点も多くあろうと思いますが、そういう点も踏まえて、素直なお考えをまずは聞かせていただきたいと思います。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 本件につきまして、ただいま各、運輸省また防衛庁との意見、説明等の質疑を伺いまして、大変に重要な問題だということを再認識した次第であります。本土と沖縄の間の、あるいはまた沖縄と島々とを結ぶ重要な輸送手段としての航空の持つ重要性というものについては、やはり民間航空路の安全性というもの、こういう問題については、私ども重大な関心を持っておるわけでございまして、この問題は航空管制上の問題でございますので、所管省である運輸省の判断にまたなければなりませんけれども、ただいま申し上げましたように、沖縄にとりましては航空の重要性ということはきわめて大事なことでございます。したがいまして、当庁といたしましても、民間航空機の安全を確保するということは最大な問題である。したがって、関係各省とも十分連絡を密にして対応してまいりたい。幸い十五日にも参りますので、現地の事情も十分私は拝聴して、その問題にも十分対応してまいりたい、こう考えております。

近藤元次自由民主党

○近藤(元)委員長代理 防衛庁準備できたそうです。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 大変お待たせいたしましたが、先ほどの、航空自衛隊のジェット戦闘機が射撃訓練を行う場合、ミサイル等の安全装置、これはいつ外し、いつまたかけ直すのかと、つまり、離陸前に外して訓練を行うか、終了後飛行場に着陸してからかけるのかという御質問でございますが、これは、訓練空域に到達いたしまして射撃を実施する直前に外しまして、また実施後これをかけ直すことにいたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 じゃ、那覇空港ではこれらの作業はどこで行われているのですか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 それは、安全装置のかけ外しはただいま申し上げたようなことでございますが、その準備ということでございますか。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 あなたは十分承知でないのでしょう。いま事務レベルの人からの報告を受けて聞いたわけでしょう。私の承知する範囲では、那覇空港では、これらの作業が滑走路近くの誘導路で行われている。航空機がひっきりなしに離着陸している滑走路のすぐそばでそのような作業を行うということは大変危険だということです。通常は土のうが築かれた防護壁の中で行われていると私は聞いているのですけれども、いまの答弁と少し食い違っているわけですけれども、那覇空港では私が指摘しているように滑走路近くの誘導路で行われているということに間違いがあるのかないのか。     〔近藤(元)委員長代理退席、委員長着席〕

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 ただいまさらに御質問がありました点につきましても、ただいま承知いたしておりませんので、調べた上で、調べがつき次第御連絡さしていただきます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 委員長、これは、特に防衛庁には、私は事前にも一定の、沖縄の空の自衛隊の訓練状況、さらには那覇空港の問題について指摘をしておいたのですけれども、担当でなければ十分答えられないと思います。担当の事務の方から連絡を待ちます。  さらに、私はここで、那覇空港に基地を持つ自衛隊は訓練空域が現在設定されてないと、さっきもウォーニングエリアについて指摘をしましたけれども、アメリカのウォーニングエリアを借りて訓練を行っているというのが実態だと、私はそのように承知しているのです。このことにも問題があるわけですけれども、さらに、先ほど指摘したACMIの設定の申し入れの件ですね、運輸省は空の安全性という意味で拒否した。外務省は、運輸省の意向を十分調整しながらと言う。私は、アメリカがこのACMIを日本に提案してきたというそれは、那覇に基地を持つ自衛隊もそのACMIを利用することに、しょせん結果的にはなってしまうのではないか、ここを聞いておきたいわけです。この点は防衛庁は、いやそれはもう絶対に使わないのだということをここで約束できるのかどうか。常にアメリカの陰に隠れながらなし崩しにわが国の民間航空路帯を危険な空域にしていく。本来は自衛隊の訓練空域を設定するわけでありますけれども、沖縄についてはそういうなし崩し的な戦術で危険な空域にしていくという、こういうふうに私は推察をするわけです。防衛庁の見解を聞いておきます。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○今西説明員 ACMIにつきましては、私ども、パイロットの練度向上に非常に有益なものだ、役に立つものだという認識は持っておりますが、現在、航空自衛隊、防衛庁といたしまして、米側がACMIを設置することになった場合、これを使用するかどうか、そういったことについて具体的な計画はあるわけではございません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いや、いまでもウォーニングエリアを訓練空域にしているわけなんで、ACMIもしょせん自衛隊が使っていくであろう。だから答弁として、まああなたには答えを求めるのは無理だと私は思いますので、委員長、これは防衛庁の統一見解を出してほしいと思います。  このACMIの設定提案を日本側がまだ受けたわけではありません。受けたわけではないけれども、そういう提案があるということは事実であり、この問題は国会で議論されているわけです。だから防衛庁としては、それは自衛隊の訓練空域になし崩し的に借りない、ウォーニングエリアと同じような形での自衛隊の使用はしないのだ、こういうことが約束できるのか、それとも、いやわからぬ——恐らくさっきの答弁では、伊藤施設部長ですか、本当に国民の空の安全を考えているのかどうかわからぬようなまやかしの答弁、このことについては、私はきょう、いまは一定の与えられた時間なのでこれで終えるわけですけれども、防衛庁の見解は納得がいきません。  委員長、ひとついま私が指摘をした問題についての答弁と、それから後で結構ですから、沖縄の空を守るという見地から防衛庁に対する質問は私はさらに続けていきたい、見解をただしていきたい。外務省には航空交通管制に関する合意、さらには沖縄航空交通管制に関する合意、いずれも日米合同委員会において昭和四十七年五月十五日、昭和五十年五月八日承認をした。この合意書を私は本委員会に提出してもらうように委員長にお取り計らいをいただけるように要望して、とりあえずの質問を終えます。

松田慶文外務大臣官房審議官

○松田政府委員 最後に井上委員が外務省にと御注文がございました合同委員会関係文書の提出につきましては、過去国会で累次御説明のとおり、日米間で不公表の扱いとなっておりますもので、要旨については累次御説明しておりますけれども、文書そのものの提出は控えさせていただくこととしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私自身は持っているから、だからさっきから、たとえば三条の三項によっての制約、さらには七条、八条についての問題点を指摘してきたわけです。全文でなくても、あなた方はそういうことをきっちりと国会に説明をしなければいけないと思うのです。要約が出された、どこで出されたか、あるいは私の方は比較をして全く要約じゃありません。肝心なところは皆抜かしておる。そういうことで、これは要約した文を出してもらったなんて言っているけれども、そういうものではないから、私が指摘したところだけでも明らかにして、空の安全、航路帯の十分な支障のない状況をつくるためにもひとつこれは明確にしてもらいたい、こういうことを強くお願いをしておきます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 田中昭二君。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 まず私は総務長官にお尋ねをしていきたいと思います。  総理府の設置法を見ましても、総理府の任務が最初に出ておりまして、その中で、四つぐらいそれぞれの任務がございます。その中で大変重要で困難な問題は、いわゆる「各行政機関の施策及び事務の総合調整」ということがございます。  そこで、最初、この問題についてお尋ねをするわけですが、この問題、言葉では言えましても大変むずかしい問題を抱えている。そこでまず、きょう質問通告をしてない事柄の、行政全般の前提となる総務長官のお考えからお尋ねをしていきたい。ひとつ常識的に、気楽にお答え願いたいと思います。  わが国が近代国家になりまして、明治以来、太政官布告で行政が行われてきたわけですが、太平洋戦争で大変な変わり方をしたわけです。戦後の行政機構は、変わったところもございますけれども、基本的には一部を除いてはその行政機構がそのまま残ってきたという点もございます。たとえば変わった面では、教育行政等については長官も御存じのとおり大変変わった、こう私は認識をしております。  そこで、行政が一貫して生き残ったといいますか、そういう中で、行政府の皆さん方の御努力によりまして、日本の行政で大変すぐれた面がある、こう言われます。それはいろいろな言い方があるかと思いますが、よく俗に言われます言葉では、各省庁が縦割り行政という姿をとっておる。これに対しては、また別な面から批判もございます。しかし、そういう縦割り行政という中で、わが国の行政のすぐれた点はどういうところであっただろうか、また雑な言葉で言えば、その行政のメリットといいますか、行政効果のメリットといいますか、そういうものを長官はどうお考えになっておるか。また逆に、その反面、批判的な言葉で言えば、各省庁のいわゆる縄張り的な弊害がある。それをデメリットと言えば、そういう面について——長官も地方自治体での御経験もあるようですし、またそういう一般的な行政の評価があることが、総合調整ということをやる場合の原点の中で大事な考え方ではないか、私はこう思いますから、これは質問通告にないことで大変恐縮でございますけれども、軽い気持ちで長官のお考えを聞かしていただきたいと思います。先ほど言いましたように、すぐれている点の行政効果のメリット、また反面、縄張りと言われます弊害といいますかデメリット、そういう点に触れてお考えをお聞かせ願いたいと思います。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 お答えをいたします。  私は、日本の行政というものは、他の国に比較いたしまして非常によく整理をされ、そしてまた、非常にエキスパートがそれぞれの部署でベストを尽くして行政をそれぞれ担当をしておる、こう私は判断をいたしております。  ただ、縦割り行政の中で、私どもはやはり横の連携をとらなけりゃならない。そういう意味では横糸の役割りを果たす総理府というものがございまして、そのいわば縦割りの間隙を縫い合わせる、そういう役割りを果たしておると思います。私は、日本の各役所の効率的な仕事というものはかなり評価をされるべきものである、ただ、よく問題になりますのは、役所をやめてからいろいろと関連の公社、そういうところに転出をしていく、そういうところにいろいろの批判はございますけれども、日本の官僚行政というものは世界で最も進んだ、そしてかなり少数精鋭主義でやっておるのではないか、そういう意味ではいまの機構の中にももちろん是正すべきものはいろいろあります、あるけれども、基本的にはかなり近代的な組織としての機能を発揮しておる、こう私は判断をいたしております。  以上です。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 重ねてになりまして恐縮ですが、いまの御判断は私もわからないではないのです。しかし、もう少し具体的に、いいことは伸ばしていけばいいわけですから、いま長官がおっしゃった地方自治体で知事としての御経験の中には、いまおっしゃったことは、大体いいことだというふうな判断だということでございますけれども、こういうとき議論するには、総合調整でございますから、ただ横糸の縦の間隙をつなぐための総合調整だということだけでは少し物足りない。やはり何か世間で言われますように、行政の、そのために縄張り行政的な言葉を聞く、そのことによっていろんな行政が国民のニーズに合わない、国民から批判を買う、こういう点については何か具体的なことをお持ちになりませんか。ちょっともう少し親切に具体的に教えてください。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 国民のニーズに合わせる行政ということになりますと、私は地方自治体の長としての経験を経てきたのですが、よく地方に中央から多くの職員が出向されます、必ず地方では天下り人事という形を唱えられるのですけれども、私はこれは一面において地方自治体というものを勉強する上において非常に効果がある、そしてまた、地方においては、それだけの人材が入ることによってポストをいわば一つ奪われた、こういう一つの非難もありますけれども、私は十二年の経験では、そういう中央からの人事を受け入れることによって新しい血を注入し、新しい地方自治体というものが大きく伸びる素質が出たのではないか。  もう一つは、本省に帰って、地方の時代と言われる、その地方自治体をよく理解をされた職員が、中央において仕事をしているときに、やはり地方の自治体の内容というものをよく理解をしてその対応ができる、こう私は判断をいたしておりまして、いまの中央官庁というものは私は非常によく運営されておると理解をしております。  特に問題点はないかということでございますが、私は、強いて言ったならば、やはりもう少し人材を大事に使ってやったらどうだろうという気持ちがあります。  それは、まあ例をとると大変語弊があるのですが、ある役所については一年ごとに人がかわっていく。そうすると同年配が同時にかわっていくという、非常な優秀な人材が適所に配置され、豊富な経験の中で日本の大事な行政が運営される中で、少しその交代が早過ぎるのではないかということが一つあります。  もう一つは、やはり人員の問題でございますが、この問題も、さらに合理的な運営をしたならば、人員はある程度の削減は可能である、こう私は理解をいたしております。  しかし、こういう問題を一気になたで切るような措置はするべきでない、やはり温情のある、そして理解をして、一般社会に入っていくかまた新たな道を選ぶか、その方法があるのですけれども、私は、いまの公社公団に流れていくということは、余りにも有為な人材が早く交代をするというところにも問題があると思います。そういう意味では、私は、やはりその受け入れる一つの会社、そして民間的な色彩の濃い、そういうものでその人たちの能力を十分発揮する組織というものができないであろうか、こう考えております。  したがって、いま私に、いまの官庁制度の欠点はどこだと問われましても、大変に私も迷うところがあります。その点につきましては、私もさらに検討をして、そしてりっぱな日本の官僚機構というものが、正しい運営と、そして公平な、国民の目から見て大変に期待される公務員であるような方式をとるべきである、こう考えております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 大変現在の官僚機構の礼賛説を聞きまして、それなりに私も感心しているのですが、私は、そういうことはそういうこととしまして、行政が国民との接点においてどうかという問題は、やはりもう少し細かくといいますか、そういうふうに見なければならないという感じがしておるわけです。  そこで、私の方からそれでは一つの問題を提起しまして、総理府はいわゆる総合調整をやるわけですから、そういう点に立って、私も微々たる知識でございますが、ひとつ私がいまから申し上げる行政の中での問題点を、総務長官、どういうふうにお考えになるか、そういう意味でお聞き取りいただきたいと思います。  幾つもございましょうが、大ざっぱに、長い間言われておりますことは、たとえば大蔵省と郵政省、これが郵便貯金をめぐって、一世紀を経る、百年戦争だというふうな言葉がよく言われるのです。そういうことをお聞きになったことはあるようですね、長官うなずいておられますから。こういう問題も、古くて新しい問題、特にこの問題はいまから、この国会が終わります時期ごろから概算要求のときには、必ず問題提起されてくる。ですから、私は、こういう問題も、総合調整という意味では、細かい内容には触れませんけれども、だれが聞いてもそういう同じ省庁が百年もかかって郵便貯金をめぐって戦争をしているというようなことは基本的に問題だな、こういうように思います。  そのほか、長官は厚生省関係のお仕事も自分でなさっておるということでございますが、厚生省の方の問題には直接身に当たることがあるのではないかな。  それからもう一つは農水省関係で、特にいま問題になっております食糧、国民の生存にかかわるような食糧の問題、これがいままで農政の中で、いい面も私ども認めますけれども、私たちが聞いている農政は、とにかく農林省の言ったとおり作物をつくれば損をするんだという、生産者と消費者のいろいろな絡まった問題、それをいわゆる何にもやらないノー政だ、こういうふうにもじられてやっている。そして生産者が農林省のいろいろな政策、施策等を聞いてもいつもくるくる変わるから猫の目農政だ、こういうようなことも言われるわけですが、こういう問題等をどの程度長官が総合調整という立場に立ってのお考えを持っておられるのか、これはやはり一つの前提でございますから、いま私も乏しい知識でございますけれども、ひとつ長官のお考えをお聞きしておきたいと思います。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 大変にお答えしにくい御質問でございます。私は個人的にはいろいろの考え方がございますが、やはり総理府総務長官として発言をしますとこれは重大な発言になるわけでございますから、私見は差し控えますけれども、やはりそれぞれの役所がいろいろと政策を出して、私はいま御指摘の問題とは別に、いま地方自治体が一番戸惑うのは、やはり農林省が農村何とかセンターというようなものを出すと今度は厚生省はまた厚生省何とかセンターというものを出す、労働省はまた勤労何とかセンターを出す、同じ町に同じようなものが二つも出てくる、そういうようなことは何らかの調整を必要とするものではないであろうか。お互いの役所がアイデアを出していくのですけれども、そのアイデアが競争になってそして地方は戸惑いをする、そういう点がやはりある程度総合調整をする必要があるということを感じます。  いま農政の話が出ましたけれども、私も長い間農政をやってまいりました。農政というのはやはり何といっても国の基本でございますので、いま日本の農林省のやっておる行政というものは、一方においては大変な厳しい批判を受けながらも、日本の農業の基本を誤らない対応に専念しておると私は理解をいたしております。  ただ、こうやって各省のいろいろの問題点がありますけれども、それを実は統合しあるいは調整をすること、それが能率的な役所になるんだとは私は考えておりません。やはりそれぞれ非常にこの問題については慎重に取り扱うべきではないであろうか、こう考えております。  以上です。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 いま長官のおっしゃった中で、私も、ああ長官はこういうことをお考えになっているんだなというところをもうちょっと触れてみますと、いま言われましたような各省庁が省庁の施策によっていろいろなセンターをつくる、これはやはり縦割り行政と言われます一つの側面ではないか。私もこの決算委員会で農林水産省の補助金の問題を取り上げました。本省で大体五、六百くらいの係長さん以上がおられるそうですけれども、その係長さん一人一人に補助金があるということを言われる。それはやはり補助金がそういう行政の中での末端での問題点を引き起こしている。補助金行政は農家にとってはもう麻薬みたいなものだ、これをやるから農家が本当の仕事ができない、日本の国土も国民も滅ぼすことになるんだというようなことを言われるということにどうも長官のお考えがあるように私は思いましたから、このことはまたこういうことを通して勉強していくという意味におきましてここまでにとどめておきます。  そこで、それでは総理府の中で総合調整するという文言がある。実際総理府が行っております施策の中でいろいろなことをやって効果が上がっておるかどうか、そういう点についての問題提起をしてみたいと思います。  これは細かい問題かもしれませんが、最近社会問題までなっております覚せい剤の蔓延ですね。それがだんだん青少年に蔓延をしておるということで、総理府の方からいただきました資料を見ましても、大体ここに出ておりますのは五十二年度から覚せい剤事犯の検挙状況の推移ということで、五十二年には件数約二万四千件、検挙件数一万四千七百四十一人、こういう状態が、年を経るごとにどんどんふえました。そして五十六年度では件数では三万件を超しておる、それで検挙件数では二万二千件を超しておる、こういう増加の状況でございます。  特に青少年、青少年の中でも女子ですね、女子の中高の学生の中でこういう問題が多く起こっておる。そこで、これは総理府が主体になってこの対策を進めておられますが、総理府の中に青少年対策本部というのがございますね。これと薬物乱用対策本部というのがこの「総理府のしごと」の中に出ております。そして薬物乱用対策についてもそれなりのいろいろな努力が図られて、閣議決定をし、そしていろいろな会合が行われて実施要綱等も出ておりますけれども、それだけのことに力を入れておりながら、いま言ったような件数に見られる蔓延といいますか、そしてそれぞれそういうことを防止していくために総理府の中に薬物乱用対策本部ですね、それと青少年対策本部というのがまた別にございます。その辺との調整といいますか、それはどういうふうに進んでおるのですか。一つの同じ総理府の中でも本当に行政が総合調整されておるならば、このような覚せい剤等の事件の推移の状況、これに何らかの効果が上がってこなければいけないのではないか、こういうように思うのですが、いかがでしょう。

石川周内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○石川(周)政府委員 御指摘のように、取り締まり当局の調べによりますと昨年一年間の覚せい剤乱用事犯で検挙された者のうち少年の占める割合は一割を超えておりまして、五十二年当時に比べるとそのシェアはほぼ倍増でございます。また女性の乱用者も非常に高い率で増加いたしております。非常な問題であると私ども認識いたしております。ただ、この対策というものは総理府が実施するということではございませんで、全省庁がそれぞれの責任において挙げて全力をふるって取り組まなければいけない問題と考えます。総理府は、そういう各省庁の薬物乱用対策のいわば総元締めといいますか、調整を図り施策の積極的な推進をお願いをし、政府全体として効果的な施策が展開するように調整をする、そういう役割りを果たしているわけでございまして、そのために閣議決定におきまして薬物乱用対策推進本部を総理府に置くということになった次第でございます。本部といたしましては、各省庁の方々をメンバーといたしまして、そのときどきの必要な検討、情報交換をいたしながら所要の対策を合意し、それを各省庁において積極的に推進していただいているわけであります。  最近におきましては、昨年の七月下旬、覚せい剤問題を中心として緊急に実施すべき対策、いわゆる緊急対策でございます、これを取り決めました。また、この四月十六日には、五十七年度の薬物乱用防止対策実施要綱というのを、これは毎年度見直しですが、取り決めさせていただいておりますが、この要綱を決めまして、各省庁が一体となって事犯の検挙、補導、啓発等の諸施策の推進に努めているところでございます。青少年対策本部は、その各省庁の一員といたしまして薬物乱用対策推進本部のメンバーに参加していただいております。したがいまして、各省庁と同じような立場でこの薬物乱用対策推進本部の要綱に従いまして、青少年対策の線に沿って有効な補導、啓発、御指導に当たっていただいているものと理解いたしております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 長官、総理府は総合調整をやる、実際この薬物乱用対策本部でも、仕事は各省庁がやるのですよ。その効果が上がるようにやってもらわなければ、上がるようにやらなければ、エキスパートの人が行政をやっていると言えないのではないですか。日本が世界に誇れるような行政機構を持っている、先ほど長官は大変尊崇されたお言葉でございます。しかし、私はそれなりにやっていないとは言わない。そうやっているのでしょうけれども、それが効果が上がるように、それでは毎年毎年実施要綱をつくって、五十六年も五十七年も、いまやったとおっしゃる。そのやったことがどういう効果をあらわしておるかということをちゃんと見きわめするのが総合調整を預かる総理府長官の立場ではないか。  そこで、同じ総理府の中にこうやって、いま一番青少年対策でいろいろな社会に、青少年にいろいろなことをやらせたとか、そういうことはもうある程度ほっておいても軌道に乗っていくと私は思うのです。いま一番むしばまれているのはこういう青少年が麻薬に犯されているという大事な問題を、総理府の中で二つの管轄でやってもらっていると思うのです。それでは、具体的にそれをどういうふうにやっていますか。一緒になってやらなければいけない、これは当然じゃないか、こういうことも含めて言ったのですが、細かいことについてはようございますから、これについて基本的な長官のお考えを聞いておきたいと思います。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 ただいま石川審議官がお答えをいたしましたように、各関係省庁と緊密な連絡をとりながら、薬物乱用対策推進本部というものを設けまして、私は本部長としてこれに当たっておるわけでございます。ただ、こういう問題について、いま薬物乱用が出たから直ちにこれを法的なものにしようという一つの考えもございますけれども、私どもの考え方としては、やはり各関係省庁とさらに密接な連携をとりまして、現在のところこれを法的な権限のある対策本部にするという考え方はないわけでございます。だからといってこれを軽視しておるということではございませんで、私どもこの問題に対しては関係省庁と緊密な連絡、そしてまたかなり密度の濃い検討を進めておりまして、この薬物乱用の未然防止、いろいろの対応をしておるわけでございますから、その点はぜひ御理解をしていただきたいと思います。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 これは本気になってやらないと、こういうことではいままでの実績が示しておりますとおりやはりゆゆしき問題を引き起こすというふうに私は警告をしておきます。  そこでもう一つ。そういうことですから、総理府の中には、この「総理府のしごと」というパンフレットを見まして、やはり行政というものが国民に理解を得るためにPR等がどう行われているか、こういうことで広報室というのがあるのでございますが、ここを読んでみましてふっと思い出したのは、この広報室がたとえば四十八年から各省庁の広報活動を総合的にやるようになった、こういうふうに書かれておるわけですが、麻薬の問題については広報室としてどういうふうな予算の使い方をしておりますか、お聞かせ願いたい。これは事務局の方からで結構ですから。

小野佐千夫内閣総理大臣官房広報室長兼内閣官房内閣広報室長

○小野(佐)政府委員 お答えいたします。  薬物乱用対策推進の一つの大きな柱といたしまして、国民に対する広報、啓発活動がございます。先ほど先生御指摘のとおりでございます。この点に関連いたしまして、総理府広報室におきましては、各種の媒体を利用いたしまして広報活動を展開しているところでございます。  広報のポイントといたしましては、薬物乱用の使用の実態とかその恐ろしさ、薬物犯罪の実態、覚せい剤等薬物にのめり込む動機とか、取り締まりの危険とか苦労あるいは矯正の実態、それからこの薬物の絶滅への道としまして、国民各人の意識の高揚が必要であるといったようなことをポイントとして、薬物乱用事犯取り締まり強化月間、これは毎年二月と十月でございますが、この月間でございますとか、七月の薬物乱用防止広報強化月間というのを中心に各般の政府広報を実施しているところでございます。昭和五十五年度におきましては約九千万円の予算を投じまして電波媒体、活字媒体を使って広報を実施いたしておりますが、五十六年度につきましては約二億七千五百万の予算を計上いたしまして、同じく放送、活字の両媒体を使ってこれが広報に当たっているところでございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 いま覚せい剤のことについて広報予算を聞いたわけですけれども、広報予算全体としては、総理府で、ここに資料をいただきましたのでは、五十五年度が大体百三十億、五十六年度が百三十一億、こういう数字になっておりますね。そこで、いまおっしゃったように広報室でやっております活字、放送を媒体として百三十億近くの金をかけてやっておる。政府の広報といいますと、私ちょっと思い出すのはこういう話なんです。活字の広報はそれなりに記録も残りますからあれですが、放送の広報活動、行政のいろんなPR、これをある人から私聞きまして、一口で言えば、総理府の放送で行う行政のPRの中で間違った放送をしている。私は、放送は大変重要視しなければいけないと思うのは、いま活字よりも放送の方が周知徹底しますし、放送を多くやってきたことはそれなりに意味があったと思うのですが、放送は一回間違えますと、誤った放送がなされますと、取り返しのつかないことになるということをそのときに感じたのです。たとえばそのことは、高い費用を使ってテレビで間違った放送を、それは一部であるがあったということで、私もその話を聞きましてビデオに撮ってあるのを見ました。確かにこれは完全な間違い、私が見てみてもこれは間違っているな、これは個人の人権にかかわる問題も含まれておる、こういうふうに思ったわけです。ですから、そういう意味では放送しっ放し、そしてそれがどういう効果があったか、そういうことを広報活動の中の一つの施策として私は反省してもらわなければいけないというふうに思いますが、その点は事務局に言えばぐだぐだ言いますから、長官、間違ったことはどういうことかと言えばその人は問題になりますから、これはまた別な機会に私申し上げてもいいのですけれども、そういうことを防止といいますか、慎重にやるためには総務長官としてはどういうお考えをお持ちでしょうか。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 政府広報につきましては、やはり政府の考え方、そしてまた政府の施策というものを忠実に国民の皆様に理解を求めるためのPRでございます。したがいまして、各省にわたるいろいろの広報をいたすわけでございますが、たとえば外務省にいたしましても農林省また運輸省、いろいろの各省から広報としてマスメディアを通じて放送をする場合のその内容というものは、各省で十分打ち合わせをいたしまして、そして間違いないものとして実は報道をしておるつもりでございます。したがいまして、私といたしましては、そういう間違いがあるはずはない、こう考えておるわけでございますが、もしそういう間違いがあるとするならば、後ほど御指摘をいただいて私も参考にさしていただきたい。  ただ、私どもは、やはり政府の広報というものは信頼される広報である、そう信じておりますし、またそうあらねばならぬ、こう考えております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 もう少ししっかりやってもらいたいと思いますね。私これを見ましてちょっと思ったのは、五十六年度の総理府の広報室の広報費はこれには五十六年度約百三十四億と書いてあるのです。ここにいただいた資料は百三十一億になっているんですね。これは何かの間違いだと思いますけれども、こういう間違いもない方がいい、たった二億、三億といっても国民の貴重な税金でございますから。これは事務局の方のあれでございますから、またお聞きするとしまして、次に先ほどの総合調整という問題でもう一つ提起をしておきます。  昨年、実は調査は一昨年になりますが、税金に関する世論調査というのを五十六年の十月に調査をしております。過去四回くらい税金の世論調査は行われておりますが、私はこの世論調査についてことしの二月でしたか予算の分科会で省庁の担当の大蔵大臣に、いわゆる税金の世論調査によると税金が大変苦痛であるとかそういう苦痛感というのが過去ずっとふえておる、それで不公平も増大をしておる、こういう世論調査が出ておるがどうか、こういうふうに言ったわけですが、それに対して大蔵大臣は、税金は公平ですと一言であるんです。せっかくこういう税金の世論調査を過去四、五回行って、その結果が前にやったものと最近やったものでどういう変化をしているということについては、その担当の省庁は、こんなことは知らない者を対象にして世論調査をやったからこうなるんだということしの二月の大蔵大臣の答弁でございました。私、ここに会議録を持ってきております。それを一々言うわけじゃありませんけれども、これも総合調整という上からいって、せっかく総理府が費用をかけて人員を使って世論調査したものに対してどういう扱いをしていくといいますか、それに対する対応といいますか効果といいますか、そういうものについてのお考えがあれば聞かしていただきたいと思います。

小野佐千夫内閣総理大臣官房広報室長兼内閣官房内閣広報室長

○小野(佐)政府委員 私どもの方では各省庁からの御要望に基づきまして、各般の世論調査を実施しているところでございます。  先生御指摘の税金に関する世論調査は、大蔵省からの御要請で昨年の十月に実施したものでございますが、調査の結果につきましては御要請のございました大蔵省はもちろん、関係省庁にも報告書を配付いたしまして施策の参考にしていただいておるというのが実情でございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 それは当然そうなさっておるのですけれども、そこは総務長官、確かに行政のそれぞれのポストにおられる方はそれぞれの努力をし、優秀である、これは私も認めます。しかし問題は、実際の国民が間違った行政を教えられたり、そこでいろいろな不公平が出たり不満が出たり批判が出るというようなことを助長するような広報はやめてもらいたい、一言で言ってしまえば、こういうことです。  もう時間が来たようでございますが、いま行政改革、財政再建という国民的世論の中でこの問題が処理されておりますから申し上げておきますけれども、余りりっぱ過ぎるために、先ほど言ったような行政の中でのいわゆる縄張り根性といいますかそういうものの弊害で、省庁が二つにまたがる場合、共管事項の法律、この法律に違反したことを平気で行政庁がやっておるということもあるのです。国民に対しては行政が法律を守れ、こう言う。ところが行政庁そのものはその法律を適当に解釈して守っていない。簡単に言えばそういうことがございます。ですから、これはまた次の機会にするとしまして、ぜひ担当の総務長官としてお聞きしたいことがございますからそれに入ります。  これは例の沖縄復帰十周年を迎えての問題、いろいろございます。基地の問題、失業者の問題、また今度振興計画が延びたことについての問題等もございますが、その中で、基地があるがために大変な無国籍の児童がおるという実態。現在は無国籍の方々が百人近くいる、そういうふうな調査になっておりますが、こういうことでは私は基本的人権にかかわる問題だと思います。これは法務省等が主管のことであるかと思いますが、簡単に法務省の現在の考え方、総務長官のこの問題についての今後の取り組み方をお聞かせ願いたいと思います。

細川清法務省民事局第五課長

○細川説明員 お答えいたします。  五十六年八月末の段階におきまして法務省で把握いたしました米国系の無国籍児の数は二十六名でございます。この二十六名の方のうち昭和五十六年から本年にかけて七名の方が法務大臣に対して帰化の申請をされまして、現在までに全員許可があり、日本国籍を取得されておられます。  今後の対策でございますが、昨年十二月から法務大臣の諮問機関でございます法制審議会において国籍法の改正について審議中でございますので、この審議会の結論を踏まえて改正が行われ、現在の父系の血統主義の国籍取得が父母両系に改められますと、日本人を母親とする無国籍児の発生は根本的に防止できるものと考えております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 総務長官、最後にいまの問題について、いま法務省の方では申し出たのが二十六人だという報告でございましたが、これも実態はそうじゃないらしいのですね。一人の人間に国籍を与える与えないの問題ですから、本当の実態を知って取り組んでもらいたいと思いますが、最後にそのことについての御見解をお聞かせ願いたい。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 ただいま法務省からお答えをした内容のとおりでございますが、私も沖縄に無国籍の子供がいるということ、まことに残念に存じます。いま国際婦人年の中でも国内法の改正をして、いわば国籍法を改めるということも強く叫ばれております。私どももそういうことを踏まえまして法務省とも十分連絡をとり、この対応を急いでまいりたい、こう考えております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 まず最初に運輸省にお尋ねをいたしたいと思います。  運輸省は先月、モーターボート競走法の施行規則を改正していわゆる場外舟券を発行できるようにいたしましたね。私は、この点は非常に腑に落ちない。特にモーターボート競走の問題については、絶えず笹川良一の意思が非常に強く働いているということを感じているからです。特に笹川良一の一私的公益法人であるBG財団、このBG財団に対する協賛レースというのを八年間もずっと続けてきた。われわれがたびたびこの点指摘し、そして五十六年度でようやく終わりました。五十七年の三月でその協賛レースが終わったのです。ところが四月にはすぐ、今度は施行規則を改正して場外舟券を出せるようにする。これも五月の笹川賞レースに間に合わせるように、急遽、突如として施行規則の改正をやっているのですね。私は、ギャンブルというのはできるだけ抑制をするのが基本でなければならぬというように思っております。そういう意味から、何でこの時期に突如として競艇で場外舟券を発行するようにしたのか、この理由をまず最初にお尋ねをいたしたいと思います。

早川章運輸省船舶局監理課長

○早川説明員 お答え申し上げます。  このたび行いましたモーターボート競走法施行規則の改正についてでございますが、御承知のとおりモーターボート競走は競輪、競馬と違いまして、場外発売というものは従来からいたしておりません。それで、このたびも私どもの理解では、これはいわゆる競馬、競輪等で行っている場外とは異なるものというふうに考えております。  そこで、まず制度の趣旨でございますが、今度行いました内容は、現在モーターボート競走を現に実施している競走場の中で、その競走を実施している施行者の判断でほかの競走場の舟券を売るということを、相手方の施行者がやりたいということであれば認めよう、こういう制度をつくったわけでございます。  この背景でございますが、現在ほかの公営競技が場外というものをやって、かなり一般の方に切符を買ってもらえるという実態が出てきております。それに対しまして、モーターボートの場合には従来からそういうことを認めておりませんし、一種のバランスとの関係で、ファンの中には特に大きなレース、四大レースと申しておりますが、競馬で言えば天皇賞というような切符を、別な地域でやっているときに、たとえば優勝戦というようなものが買えないものかというファンの声がございまして、そこで二月の段階でございますが、五十七年度からでもひとつそういうものを売らせてほしいという全国の施行者協議会等の関係者からの要望がございました。そこで、私どもといたしましては、こういうものがたとえば五十四年に出ましたところの総理府の公営競技問題懇談会の意見書等との関係で、果たしてどういうものかということは種々検討したわけでございますが、何せ御希望の趣旨が、もうすでに競走場に入ってきた方に売るものである、いわば安易に一般大衆に売るようなものではないということでもあり、しかもその売るという判断が、たとえばいまおっしゃいました笹川賞を施行している施行者の方の判断ではなくて、それを受けて別にそういうものを売ってもらいたいというファンがいる方の競走場の施行者、この判断によるものということで理解しております。  以上のようなことでございますので、先生の御趣旨とは少し違うもの、それからまた背景についてもいま御説明したとおりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 時間がないから、余り細かい点について反論していると時間がなくなってしまうので正確に言ってほしいのだ。いまあなたの答弁、幾つかの間違いがあるし、そしてまたちょっとうそもあると私は思うのですよ。というのは、ファンサービスというけれども、通常の行政であれば行政サービスを受けやすいように事務所をたくさんつくるとか、いろいろそういうことをやっていいでしょう。しかしギャンブルの場合、それとは違うのだ。ギャンブルをやりやすいように国民にたくさん機会を与えていくなんて、そんなことは国民の射幸心をあおるだけであって、正しいやり方ではないのです。  それと、いまあなたが普通の場外馬券とか場外車券とかと違う、こう言われたけれども、しかしこれはもっと悪い。あなた、国民サービスでもってこういうことをやろうと決めたと言うけれども、そうじゃないのです。五十六年度はずっと売り上げが落ちておるでしょう、ギャンブル全般が。これは時間がありませんから一々数字を挙げません。しかし、競艇も落ちている。競輪とかそれからオートレースとか競馬とか、軒並み売り上げも入場者数も全部落ち込んでいるのです。ですから、何とかして客を集めよう、ただ開いたのでは客が集まらぬから、人気のあるレースをどこかよそのレース場でやっておる、そうしたらそれを売る。だから、ほかの人気のあるレースも買えるぞ、笹川賞の舟券も買えるぞ、だから来い来いといって、そして集めようという算段じゃありませんか。ファンサービスとかなんとかもっともらしいことを言っておるけれども、結局は客寄せのためにこういうことをあなたたちがやっているということですよ。私は、こういうやり方というのは、ギャンブルというものがどういう性格、本質を持っているのかということをわきまえないやり方だというふうに思うのです。  私は特に総理府総務長官にお尋ねしますけれども、ギャンブルというものをどういうふうにお考えになっているのか、ちょっと基本的な考え方をお尋ねしたいと思うのです。

石川周内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○石川(周)政府委員 公営競技につきましての考え方でございますが、御承知のように吉国答申というものがございまして、「公営競技の適正な運営について」ということの御答申を昭和五十四年六月にいただいている、私どもこれに従っていろいろな公営競技の運営をさせていただいておるいわば柱となる考え方が整理されたものがございます。その中には「公正な運営を確保し、かつ、収益の適正・効率的な使用を図るとともに、弊害の除去と大衆娯楽の場としての明るい環境の整備に努力することが肝要である。」というふうに示されておりまして、私どもこういう方向で、特に法律で認められたものであることにかんがみまして、いま申し上げましたような御答申の考え方に沿って適正に努力をしてまいりたいというのが、一般的な考え方でございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 それは競艇とか公営ギャンブルをやることを前提にしてやる場合にどうするかという話なんです。そうじゃなくて、私が聞いているのは、ギャンブルそのものをどういうふうに見るかということです。公営であろうと公営でなかろうと、ギャンブルという本質には変わりがないのです。  私、ここに昭和二十五年の大法廷の判決を持ってきております。ちょっと古いのですけれども、こう書いているのです。賭博行為というのは「一見各人に任かされた自由行為に属し罪悪と称するに足りないようにも見えるが」こうなっているわけです。「単なる偶然の事情に因り財物の獲得を僥倖せんと相争うがごときは、国民をして怠情浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあるのである。」ですから、こういう賭博行為というのは公益に関する犯罪だ。「公益に関する犯罪中の風俗を害する罪であり、新憲法にいわゆる公共の福祉に反するものといわなければならない。」こうなっているのです。こういう基本的なギャンブルに対する考え方、これについては総務長官はどういうふうにお考えでしょうか。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 いま、ある裁判官の判例を引かれましたが、その考え方は大変にまじめな、そして非常に円満な人格者の行く道の一つの表現のように私は伺います。  私自身も競馬もやりません。競輪もやりません。競艇も見たこともありません。しかし、いろいろのことをやるときには、必ずかけごとを私はやはり何らかの形でやりたいという気持ちがたくさんあります。これは人間の弱点であり、実は本能でもないかとも思います。したがって、公営競技というものがいわばかけごとの面を有するために特に法律でこれを認めたものである。ここに法律で認めたものである以上は、その対応をやはりしていかなければならない。そのためにはいろいろの規制も必要である。そういう意味で、私どもはできるだけその環境の整備というものに配慮をして、公営競技というものが健全な運営がなされるよう今後も努力をしてまいりたい、こう考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 いま確かに公営ギャンブルが行われているのですね。私それを全く否定するわけじゃない。しかし、いま公営ギャンブルの現状がどういう状態にあるのかということを後でまたじっくり御説明いたしますけれども、これを現在より以上にふやすというようなことはすべきではない、私はそういう考え方で申し上げているのですよ。ですから、原則と例外が逆になっているのじゃないか。  いま、たとえば運輸省の担当の審議官が言われましたけれども、あなたたちはギャンブルをやらせる方だから、やらせるのが原則であって、やらないのが例外みたいな話になっている。しかし、逆なんです。これはやってはいけないのです。例外として許されているんだということを頭の中にたたき込んでもらわなければいけない。特にさっき、他の公営ギャンブルとの均衡上、競艇は場外舟券を出すようにしたんだ、こんなことを言われておりますけれども、均衡上から言うと、競艇というのは笹川さんの意思が働いているかどうか知らぬけれども、他のギャンブルに比べて回数が非常に多いのですよ。たとえば今度の場外舟券の問題にしても、四大レースの場外舟券だ、こういうことを言っているけれども、法律上、いわゆる施行規則上は四大レースに限られたものではありませんね。そしてまた開催日、例外としてやられるわけですから、開催日の回数にカウントされない。それだけふえるわけですよ。結局、競輪でも競艇でもそうですけれども、省令でもって回数というものをぴしっと決めているけれども、その例外として認めていく、こういうやり方をとっておるわけなんですよ。それは間違いないでしょう。いま私が二つの問題を言いましたけれども、どうですか。

早川章運輸省船舶局監理課長

○早川説明員 先生の御指摘のございました問題で二つの点、一つは……(三浦(久)委員「四大レースに限定されないということ」と呼ぶ)これは、運輸大臣の承認というものは、それを発売をすることに伴う弊害があるかどうかという議論をいたしておりますので、必ずしも省令上四大レースというものに限られているわけではないということは御指摘のとおりでございます。ただし、私どもがこれについては自動的に制約がかかるものと考えておりますのは、競走場に入場したファンというものが、本来そこの施行者が開催しているレースを買うことと特別発売の方のを買うというのとお金が分かれるわけでございますので、北九州とかあるいは何とかといろいろなそれぞれのやっている施行者側としては、そうたくさんは売らないだろう。その人がやりたいという意思を持って申請してくるわけでございますので、おのずから自動的にセーブがかかる、こういうふうに一応理解をいたしております。したがいまして、本当にファンが、地方の方が中央のレースを買いたい、中央の方が地方でやっているビッグレースを買いたいということに限定されるのではないかというのが、私どもの考え方でございます。  それから第二番目の御指摘の点は、開催回数でございましたでしょうか。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 回数にカウントされないんじゃないか。

早川章運輸省船舶局監理課長

○早川説明員 これは御承知かと思いますが、現在、省令上は、競艇は一日十二回レースができることになっております。その範囲でということになっておりますが、オイルショックのタイミングで、私どもの省エネの指導で十レースに限定いたしております。  そういうような意味で、特別発売というのはそれと別に切符を売れるということは御指摘のとおりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 それから開催日の問題を言いますけれども、これは競馬の場合は都道府県でもって何回と決められていますから、ちょっと競輪とか競艇と違うのですけれども、それでも競馬は、私ちょっと調べてみたのですが、北海道で一番多くやるところはどこだ、岩見沢の競馬場なんですけれども、ここでは年間に七十二日間ですよ。それから競輪も調べてみました。競輪も、これは年間最高で一競技場で七十二日間ですね。それからオートレース、これは年間最高で一競技場で百八日です。ところが、競艇というのは年間最高、一競技場百六十八日です。それにプラスアルファ、協賛レースがいままではついてきていたわけだ。ですから、他のギャンブルに比べますと、競艇というのは大変数がずば抜けて多い、私はそういうふうに思っているのですね。ですから、あなたがさっき、他の競走場とのバランスの問題というようなことを言われるのであれば、私は、まず回数をもっと減らすべきだと思う。それからまた、競艇以外は、場外馬券とか、場外投票券というのですか、いろいろなものを売っていると言う。しかし、それは施行者が売っているのですよ。今度のように施行者以外の人間が売れるなんということにしたというのは、これは競艇だけなんです。そういう意味では、いままでの場外投票券売り場よりももっとひどいものだというふうに私は言いたいわけです。ですから、あなたが先ほど言ったように、他の公営ギャンブルとのバランスというようなことを言うのであれば、まず回数を減らしなさい、回数を減らして、そして健全な、公正な運営をしたらいいと思う。どうですか。

早川章運輸省船舶局監理課長

○早川説明員 先生のお話のございました回数といいますか開催日数、一競走場につきまして見た場合にはそのとおりでございます。  それで、実はこれは種々の経緯がございまして、昭和三十七年、長沼答申が出ましたときに、その当時の状態で凍結をしたためによるものでございますが、そのために、たとえば競走場の数について申し上げますと、競艇は二十四場で現在行っておりますが、競輪については五十場ということで、競輪と競艇のトータルの延べの開催日数については、全体で見ればほぼ同一のレベルにあるというふうに理解いたしております。その状態で昭和三十七年以来ふやしてきていない、こういうことが実態であろうかと思います。  それからもう一つ、先生のいまの御指摘で、売る者を別にしたということでございますが、私どもの具体的な発売所というのを設ける、発売所を設けるという者について現在省令上ほかの競走場の施行者が設置することができるということをいたしておりまして、現時点でどのような形の発売の委託関係が出てくるかということについては、発売をさせる方、発売をする方のそれぞれの施行者間の問題で今後出てくるものと考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 何か余り多くないみたいなことを言っていますが、それじゃ北九州市の例をちょっと挙げてみましょう。  委員長、ちょっと資料を配付させていただきたいと思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 どうぞ。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸省も総務長官もちょっとお読みいただきたいと思いますが、いまお渡しいたしました資料、私どもが調べまして、北九州市のギャンブルの開催状況を記録にしたものであります。  これは八一年十二月と八二年一月にやっております。別に他意はありません。ほかの月がうんと下がっているということはないのです。ほかの月もほぼ同じですけれども、年末年始ということでこれを調査対象にしたわけですが、北九州市は百万都市です。そんなに大きな都市じゃありません。それなのにギャンブル場が幾つあるかというと、四つあるのですね。この若松の競艇場、それから三つ飛んで、小倉の競輪場、門司の競輪場、それから一番最後の小倉の競馬場と、四つあります。  しかしこの北九州市に隣接しているといいますか、十五分か三十分くらいで自動車なら行かれるようなところ、そこにもたくさんありますね。たとえば芦屋の競艇場、下関、こんなのも船で十五分で行ってしまいますけれども、下関の競艇場がある。新幹線で二十三分で福岡に行けますけれども、この福岡にも競艇場があります。そして自動車で三十分くらいで行ける飯塚ですね、ここにはオートレースがありますね。それからまた山陽のオートレースがある。こういうように、ギャンブルがいっぱいです。  開催状況を下にずっと記してありますけれども、これは絶えずやっていますけれども、二カ月間でやっていないのは三日間だけです。六十二日の間にやっていないのは三日間だけなんですね。十二月の二十三日と一月の二十日と一月の二十七日。暮れも正月も毎日のようにやっているわけです。そうしてそれも一カ所じゃないのです。四カ所も五カ所も、同じ北九州の中でやっているわけです。こういう開催状況、これが多くないと言えるのかどうか、私は総務長官と運輸省にちょっとお尋ねしたいと思います。

早川章運輸省船舶局監理課長

○早川説明員 北九州市の周辺の状況について先生の方からの御資料でございますが、このように行われているものということで、私ども具体的に、地方に権限を移しておりますので、必ずしもということでございますけれども、ほぼこのように行われているということであろうかと思います。  以上でございます。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 私はどうもギャンブルをやらないのでよくわかりませんが、これだけ多くの人が行かれるということは、やはり公営競技というものがいかに国民の中に浸透しておるかという感じがいたします。私も、一度見せていただきたいと考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 浸透し過ぎてしまっているわけですよ。浸透し過ぎているのです。これはみんなが好きだから、何かいいことだから行くというのではなくて、やはり働かないで金をもうけることができる、そういう場所をたくさん国が——まあ国でしょう、国がつくっているわけだから行くわけで、そういうチャンスを少なくしてやれば、だれも行きやせぬのです。ですから、さっき、判決にもありましたね。こういうようなギャンブルを奨励するということは、やはり働かないという気風を国民に植えつけてしまう。そうでしょう。勤労の美風というものを失わしてしまう。判例自身も言っているわけですよ。私はこれは正しいと思うのです。なるべくならいまの、現行よりも拡大するのではなくて縮小するという方向で運営をしていかなければならないのじゃないか。それにもかかわらず、競艇についてはどんどん笹川の意思一つで拡大をしていく、そういうギャンブル行政のあり方を私は正してもらいたいということで質問をしているわけなんです。  それで、まず総理府総務長官にお尋ねしますけれども、今度の省令の改正、これについて何か事前に御連絡を受けたことがあるのでしょうか。

石川周内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○石川(周)政府委員 直前に御連絡をちょうだいいたしましたが、詳しいことは理解しないといいますか、形式的な御連絡は直前にいただいております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 総務長官、先ほど総理府の方で吉国意見書、これは五十四年の六月二十一日、この問題に触れられましたけれども、この吉国意見書の一番最後をごらんいただけるとわかると思うのですけれども、「公営競技の運営について、できるだけ統一性を確保するため、関係省庁間の連絡体制を強化すること。」こうあるのですね。こういう関係省庁間の連絡体制というようなものはいまとられておるのでしょうか。

石川周内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○石川(周)政府委員 吉国答申をいただきましたのは五十四年の六月二十一日でございます。いま御指摘の「関係省庁間の連絡体制を強化すること。」という御意見に即しまして、翌月、五十四年七月六日に公営協議問題関係省庁連絡会議というものを設置いたしまして、関係省庁間で密接な連絡をし、意思統一を図るようにいたしているところでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 それは総理府が所管しているのですか。

石川周内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○石川(周)政府委員 連絡会議は、総理府の総務副長官を長といたしまして、事実上私が事務局長といいますか、幹事役となりまして、農林、通産、運輸、自治の関係局長にお集まりをいただき、必要に応じて幹事会を開く、そういう形で運営をさせていただいております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そこでは、ギャンブル全体としてこの地域ではどれくらいが適当だとか、そういうような全般的な議論はないのですか。

石川周内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○石川(周)政府委員 個別の問題につきまして特に問題になりました場合に議論することはございますけれども、必ずそこの議を経て各省庁が措置をするというような画一的なことはいたしておりません。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 実質的にこの回数をふやす。場外舟券の発売の問題についても、直前に受けただけで、詳細については何も聞いていないというようなことでは、いわゆる統一性を確保するための連絡体制を強化することというような状況にはなっていないと私は思うのですね。  ギャンブルというものがどれだけ大きな影響を与えるか。確かに健全娯楽としての一面もあるでしょうけれども、北九州ではギャンブルがこれだけあるということがあれだけ大きな暴力団を温存させている原因になっている。いわゆる温床になっているわけですね。昨年の一月、繁華街でピストルの発射事件があって大変大きな社会問題になりましたけれども、北九州で暴力団の財源というのはのみ行為なのですよ。それからまた、青少年もギャンブル場に行くでしょう。これは余りいい影響を与えないということは判例が指摘しているとおりです。  ですから、ギャンブル行政については、そういう調整機関があるのであれば、もうちょっと実質的に調整の機能を発揮できるような体制をやはりつくってほしいと私は思うのですが、いかがでしょう。

石川周内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○石川(周)政府委員 御指摘のような問題があることは事実でございますし、私どもといたしましては、その会議自身あるいは幹事会の開催回数をできるだけふやし、実質的な議論をしながら意思疎通を図り、公正な、明るい公営競技の運営の維持に努めてまいりたいと思っております。  関係省庁連絡会議それ自身、各省庁の責任者の集まりでございますので、私ども、これ以上かたい、強い組織というものは考えられないのではないかと思います。問題は、運営の方にあろうかと思います。御指摘のような方向に即して、運営について今後とも一層の努力をしてまいりたいと思っております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 それでは次に移ります。  先ほどBG財団の問題を言いましたけれども、このBG財団というのは、競艇施行二十周年記念ということで、昭和四十九年にBG財団の協賛レースというのがやられたわけですね。このBG財団というのはその四十九年にできたわけです。何の実績もないBG財団に対して、それの協賛レースをやらせて、そしていままで四百億円も五百億円も金をBG財団につぎ込んでいるわけです。それはわれわれの指摘で五十六年度で一応やめるようになりました。しかしまた、筑波の科学博覧会の協賛レースを認める。それで同時に、またBG財団に対する協賛レースも泥縄式に認めてしまえ、こういうような動きがあるやに聞いているのです。しかし、私がたびたび指摘しましたように、この協賛レースというのは、吉国意見書でも、国家的事業または準国家的事業に限定すべきだ、そういうふうに言われているわけですね。BG財団というのは一民間の、笹川個人の一公益法人にすぎないわけだ。ですから私は、こんなものに協賛レースを認めてはならないというように考えていますが、運輸省の見解を承りたい。

早川章運輸省船舶局監理課長

○早川説明員 BG財団に対します協賛レース、先生の御指摘のとおり、省令上附則をもって昭和五十七年三月三十一日までということで規定いたしたところでございます。現在すでにもう五十七年度に入りまして期限は経過いたしておりまして、BG財団に対する協賛レースは行われておりません。  なお、その後どうするかというような形のものについては何ら決定は行われておりません。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 このBG財団が「笹川孝子の像」というのを全国につくった海洋センターに設置しようとしているのです。いまこれはどういう状況になっているのか、ちょっと御説明いただきたいと思うのです。

小林哲一運輸大臣官房審議官

○小林説明員 お答え申し上げます。  いわゆる「孝子の像」につきましては、ブロックセンタ一二カ所、それから地域センター五カ所に設置しております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 いや、それだけじゃないでしょう。いま設置されているのはそうだけれども、これから設置しようとしている個所、それからどのくらいBG財団が「笹川孝子の像」を発注しているのか、その予算、そういうものを全部説明してください。

小林哲一運輸大臣官房審議官

○小林説明員 BG財団が発注いたしました「孝子の像」につきましては約六十数体、金額にいたしまして約一億四千万円でございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 「笹川孝子の像」というのはどういうものですか、ちょっと説明してください。

小林哲一運輸大臣官房審議官

○小林説明員 「孝子の像」につきましては、笹川良一氏が母親を背負いまして階段を上っているところをかたどったブロンズ像でございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 このBG財団の金というのは半ば公金ですよ。協賛レースをやって自治体から寄附させているわけでしょう、BG財団、あなたたちが強制的に。その金で、笹川がお母さんをおぶった、それをかたどった「孝子像」を全国の海洋センターにどんどん設置するなんというのは一体どういうことですか。こういうことを運輸省は認めるのですか。

小林哲一運輸大臣官房審議官

○小林説明員 お答えいたします。  特別協賛競走から生じます資金でもってこの「孝子の像」の設置の費用に充てるということにつきましては、ただいま先生から御指摘がございましたような御批判もあろうかと思います。BG財団につきましては、特別協賛競走から生ずる資金以外に、たとえば一般的な寄附金あるいは附帯事業からの収益等もございますので、現在BG財団につきましては決算の作業をしている段階でございますが、よく経理内容を検討いたしまして、適切な経理処理が行われるように指導していきたいというふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 変な言いわけは私はしない方がいいと思うのですよ。BG財団の主な財源というのは、私が何回も指摘していますけれども、これは協賛レースの金じゃありませんか。寄附金とかそんなものはわずかなものでしょう。四百億も五百億もする金を運輸省が自治体から寄附させているんだから。そして、その金を笹川の個人的な名誉心を満足させるために使わせるなんということを、検討じゃなくてやめさせると言いなさい、どうですか。

小林哲一運輸大臣官房審議官

○小林説明員 ただいま申し上げましたように、特別協賛競走から生じます資金以外にいろいろな附帯事業等もやっておりますし、一般的な寄附金等もございます。その内容につきまして十分に検討いたしまして、適切な処理が行われるように指導をしていきたい、かように存じております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 BG財団そのものにも、笹川がこんなものを四十九年につくって、それで運輸省から競艇の金をどんどんつぎ込ませた、こんなやり方自身私は反対です。だけれども、一歩譲って、BG財団の寄附行為を見て、親孝行を奨励するなんて書いてないよ。親孝行なんというのは人に強制されてするものじゃない。そうでしょう。この定款から見て、どうなんですか。  それからまた、海洋センターというのはBG財団の事業としていまつくっていますね。自治体につくっている。これはやはり私たちの指摘によって、三年たてば、申し出があれば自治体の所有物になるわけでしょう。公のそういう所有物になる可能性があるわけです。公共物ですよ。そこに笹川の「孝子の像」を建てるなんて、そんなこと私は絶対に認められないと思う。やめるべきですよ。やめさせてください。どうですか。

小林哲一運輸大臣官房審議官

○小林説明員 現在設置しております地域センターにつきましては、当該市町村からの要望に基づきまして設置をしているというふうに聞いておるところでございます。  この「孝子の像」につきましては、これが押しつけで設置をしたり、あるいはそのために他の事業に支障を及ぼす、全体の事業のバランスが崩れるというようなことがあってはいけないと思っておりますので、その点につきましては厳重に監督したいというふうに存じております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 あなたたちがいつも笹川の事業に協力する場合にはそういう言い分を使うんだね。子供だってわかるでしょう。だれが、笹川が自分のお母さんをおぶった「孝子の像」を欲しい欲しいと言いますかね。それは海洋センターをBG財団につくってもらいたいから、さあおまえ要求を出せと言われればそれは要求を出すでしょう。しかし、そんなものは本当に「笹川孝子の像」を欲しくてやっているのじゃないのです。海洋センターが欲しいから、半ば強制的に要求をさせられているというだけの話でしょう。  たとえば協賛レースの問題についても、いつもあなたたちはそう言ったね、いや自治体からの要求が多いのです、多いのです。これも結局は、笹川がBG財団をつくって、協賛レースをやらせる、そしてまたそれを連続してどんどん延長させる、そのために自治体から自分の力を利用してどんどん要求をあなたたちに上げさせただけの話なんです。それをそういう形式的な面だけ見て、多くの人々が要求している。これは全く実態を見ない詭弁だ。こういうことだから、あなたたちモーターボート問題に関する運輸省の行政というのがゆがむのですね。もう笹川の意のとおりになっておる。私は、日本の官僚としてもっと行政の筋を通すことを強く要求して、この質問を終わりたいと思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後二時五分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗