決算委員会 第2号
- 発言数
- 422 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/19
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 昭和五十三年度決算外二件を一括して議題といたします。 ただいまの各件は、第九十一回国会に提出され、第九十三回国会で概要説明を聴取の後、今日まで長時間にわたり、予算がいかに執行されたかを中心として各省庁別審査を行ってまいりました。 本日は、それらの経過に基づき、各件について締めくくり総括質疑を行います。 これより関係大臣に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 フランス共和国のミッテラン大統領が今回わが国を訪問いたされました。今回のミッテラン大統領の訪日をどのようにお受けとめになっていらっしゃるか、まずは外務大臣からお答えをいただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 フランス大統領として初のわが国の訪問ということで大きな意義があったと思います。 また日本に滞在中、総理大臣を初め閣僚協議会も持ちまして、腹蔵のない意見を交換いたし、その間に両国間のいろいろな懸案事項、というよりも、むしろ今後将来に向かって日仏がいかに提携をして世界の政治、経済の上に寄与するかという非常に新しい方向につき、いろいろ示唆に富んだ協議が行われたということに大きな意義を感ずる次第でございます。各閣僚レベルにおける具体的な諸問題につきましても、多くの懸案事項の話し合いの上に両国の理解ができたというところに意義を感じておる次第でございます。
○井上(一)委員 国会での演説をお聞きになっての感想、さらにはわが国外交に与えた影響、その点についてのお考えをお聞かせください。
○櫻内国務大臣 国会における演説につきましては、私いろいろな都合から承りませんでしたが、演説草稿等を拝見いたした次第でございます。恐らくお聞きになられた方は、大統領が率直に御意見を述べられており、これからの世界経済、政治の面に、聞いた私どもからいたしましても、また私のような資料を読んだ者といたしましても、いろいろヒントを与えておると思うのであります。 このミッテラン大統領の意欲というものは、サミットを控えましてヨーロッパの主要国の立場として、またベルサイユ・サミットの議長国としての責務を負われるわけでございまして、従来のサミットとは違った新機軸が出されるのではないか、また現在非常な困難に直面しておる世界の政治、経済の上に、ミッテラン大統領の議長としての采配によりまして、そこに新しい展望の開かれることを期待をする、これが大統領の今回訪日された演説あるいは協議の中で私の感じたところでございます。
○井上(一)委員 ここで私は、アメリカのヘイグ国務長官が御熱心に調停工作を続けていらっしゃるフォークランド紛争について、わが国としてどのようにこの問題をとらえているのか、さらにはどのような立場に立って、どのような考え方を持ち、将来に向けての見通しはどう持っているのか、この点について外務大臣からお聞きをしておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 今回のフォークランド諸島の紛争につきましては、長年の領土問題にかかわることでございまして、そのことにつきましては英国、アルゼンチンそれぞれの主張があるのでございまして、これについて日本として云々することはいかがかと存じますが、しかしながらアルゼンチンにおける武力行使によってこの紛争がこじれておる状況ということについては、われわれもそのことを憂慮しておるわけであります。安保理事会の理事の一国といたしまして、理事会における決議につきましては、この武力行使を非難し、平和的話し合いの解決をするという趣旨でありますので、この安保理事会においては、英国提案の決議ではありますが、率先賛成をいたした次第でございます。 わが国といたしましては、四月十二日に在京アルゼンチン大使を招致いたしまして、ただいま申し上げたようなことを大使に申し上げ、平和的な話し合いが速やかに進められるように、特にヘイグ国務長官の努力に対し謙虚に耳を傾けられることを要望するということを申し上げたわけであります。またコータッツイ・イギリス大使も、この事件後外務省次官を訪問してイギリスの考えを申されておりますが、その間に私から、大使とお会いをいたしまして、この問題に対してすでにヘイグ長官の御努力があるので、この御努力に対し英国も協力をされるようにということを申し上げました。また、サッチャー首相から総理あてに親書が届けられましたが、この親書に対しましては、十二日に返書を出した次第でございます。 いずれにいたしましても、日本といたしましては、この問題が拡大をしないように、そして平和裏に解決されることを期待しておるわけでありますが、英国が十二日から戦争地域の宣言、またアルゼンチンも距岸二百海里を戦争地域の指定をしておる、こういうことであり、イギリスの艦隊が現地に向かいまして、間もなくフォークランド地域に入るのではないかということで非常に心配もし、憂慮もしておるわけでありますが、現在ヘイグ長官の非常な努力によって調停が進められておることでございまして、これが成立を期待しておるような次第でございます。
○井上(一)委員 イギリスは海上封鎖をしたというようなことが言われているわけですけれども、海上封鎖の告知はわが国にあったのでしょうか。
○櫻内国務大臣 四月七日に英国はフォークランド諸島周辺に設定方発表したマリータイム・エクスクルージョン・ゾーン、排他的水域については、これは日本に対してこの発表後に通知がございまして、四月十二日の東京時間午後一時より発効をしておるわけでございます。 ただ、この排他的水域の発動に伴いまして、事態を心配しておりましたが、アルゼンチン艦隊は同水域より退去しておる模様でございまして、当面軍事的衝突は予想されないと、このように見ておる次第でございます。
○井上(一)委員 外務大臣はフォークランド諸島をどこの領土だと認識をしていらっしゃいますか。
○櫻内国務大臣 先ほど冒頭に申し上げましたように、これは長い両国の間の紛争地域でございまして、それぞれの立場で主張がございまして、これに対して日本がとやかく言うことはいかがか、このように思っております。
○井上(一)委員 防衛庁長官はどうお考えですか。
○伊藤国務大臣 外務大臣がお答えになったとおりでございます。
○井上(一)委員 文部大臣はいかがですか。
○小川国務大臣 研究をいたしておりません。
○井上(一)委員 あなたは何を答弁しているのですか。添記をいたしておりませんて、私はまだそこまで尋ねていないのだよ。フォークランド諸島はどこの領土だと文部大臣は認識していますかということを聞いているのですから。そんな答えは私の質問の答えにならないでしょう。
○小川国務大臣 承知をいたしておりません。
○井上(一)委員 何を言っているのですか、文部大臣プォークランド諸島がどこの領土であるかということを全然認識ないのですか。文部省が中学校の社会科の教材に使っているフォークランド諸島については、どこの領土であるかということは添記していない。しかし、いま外務大臣はあえて避けられたわけです。防衛庁長官も避けられたわけです。文部大臣はいかがですかと、たとえば私が中学校でフォークランドはどこの領土なんですかと聞いた場合に、あなたはどのように答えられるのですか、文部大臣。
○小川国務大臣 そのような御質疑があるということをただいま承りましたので、調査をさせておりますから、しばらく時間の御猶予をいただきたい。
○井上(一)委員 これは全くなっておらぬね、委員長。これは文部大臣が少なくともそういう認識で、じゃ調査をいたします。中学校の生徒にフォークランド諸島についての十分な領土の説明もできないというようなわが国の実情である。非常に遺憾であります。この点については後ほど返事をいただきましょう。 それじゃ、竹島はどこの領土ですか、文部大臣。
○小川国務大臣 日本の領土でございます。
○井上(一)委員 外務大臣、同じ質問をいたします。
○櫻内国務大臣 言うまでもなく、竹島は日本の固有の領土であるということは、終始一貫申し上げておるところであります。
○井上(一)委員 竹島の現状はどのような状況にあるか、外務大臣お答えください。
○櫻内国務大臣 韓国がいろいろ施設をいたしており、また韓国の兵隊がそこに駐留しておるというように聞いておりますが、これは海上保安庁の調査などでそのような認識を持っておるわけでありますが、詳しくはいま手元に資料がございませんので、申し上げかねますけれども、施設がある、また軍隊が駐在しておる、このように認識しております。
○井上(一)委員 フォークランド諸島の問題を、日本と地球の裏側のただ単なるイギリスとアルゼンチンの紛争問題だ、そういう認識でとらえられておれば非常にまずいんじゃないか。 わが国も韓国との間に友好を進めながら、いまわが国の領土の竹島にどういう状況が起こっているか、そういう認識の中で、外務大臣はこの問題解決のためにどのような努力をなさるのか、そういう点について外務大臣、やはり新しくなられた外務大臣がきっちりとしたお考えをここで教えていただかなければ、私はぐあいが悪いんじゃないかと思います。
○櫻内国務大臣 国会でもこの問題はしばしば取り上げられておるところでございますが、井上委員もすでに十分御承知であろうと思いますが、両国国交回復当時に、紛争問題については平和的手段によって話し合いをしよう、こう言って文書が交換されておりました。その後何回となくこの竹島の問題について、両国の会議の都度あるいは閣僚の訪問に際して、韓国側に竹島の現状について不当であるということを指摘をしており、国交回復当時の交換文書に伴う話し合いによる解決のために、日本としてはあらゆる努力をしておるという現状でございます。
○井上(一)委員 いま外務大臣が言われたように、竹島の問題については私も何回か委員会で指摘をしているわけです。紛争の解決に関する交換公文によって解決をしていきたい、しかし、あくまでも強い姿勢でそれは問題処理をしていくのだという外務大臣の、当時の園田外務大臣の姿勢が国会の中で明らかにされているわけです。 いままでに具体的にいつどのような形でそういう会談が持たれ、この問題についてどのような論議をし、どういう問題がネックになっているのか。さらには、近々外務大臣は訪韓をされる、私はそういうふうに聞き及んでいるわけです。日時は別として、新しく外務大臣になられて初めて訪韓をされる、あるいはまた日韓経済協力の問題、そういうものも踏まえて訪韓をされる。何はともあれ、一番近い訪韓の期日、機会に竹島問題について、歴代の外務大臣は必ずこの問題は話し合いをされてきているわけですけれども、櫻内外務大臣も、近い将来訪韓される折には必ずこの問題を具体的な議題として提起するというお考えを持っていらっしゃるのか、これも確かめておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 外務大臣の各国の訪問に際しましては、事前に議題はどうする、そして協議の取り運びはどういうふうにするかという打ち合わせがございます。したがって、今度私が訪韓する場合には、世上御観察のとおりに韓国の経済協力要請に伴う問題が主たる問題となります。これはいつということはまだ見通しが立っておらないわけでありますが、それはそれとして話し合いをいたしますが、しかし井上委員のおっしゃるように、両国間のこの重要な懸案事項につきましては、私の訪韓の機会には、いずれかの場でこの話を取り上げて忌憚のない話をするということは間違いございません。
○井上(一)委員 二国間の紛争、とりわけ領土の問題に対しては、友好裏に平和的に、外交手段を通して話し合っていくというのが私は筋だと思うのですね。だから日韓の友好を願うならば、なおさら竹島問題については外務大臣が強く問題解決に取り組まれるという姿勢を持ってもらわなければいけないということであります。 さらに、さっき外務大臣はフォークランド領土の問題について一応わが国の姿勢というものは示されましたけれども、アメリカはこのフォークランド問題を、とりわけ領土権についてどのようにとらえているのか。この点については、これはアメリカの意思なんですけれども、日本はアメリカの意思を、どういう状態であるという、どのように思っていらっしゃるのか、外務大臣、答えてください。
○櫻内国務大臣 英米が過去の経緯からいたしまして非常に関係が深いということは、政治、経済すべてを通じてあると思うのであります。また同時に、アメリカとして中南米地域につきましては、経済的にも政治的にもアメリカ自身が特別な関係があるという認識のもとにあるばかりでなく、中南米諸国もまた、同様の見地に立っておると思うのであります。 そのような関係からいたしまして、アメリカが精力的な調停工作をいたしておるわけでありますが、新聞紙上で伝えられておる以上には、私どもの方に直接に、こういう案でいま調停をしておるんだ、そういう連絡はございません。 また、このような、非常にむずかしい問題の処理に当たっておる際でございますから、きわめてデリケートな立場をヘイグ長官がおとりであるということは察するに余りあるわけでございます。日本としてはイギリス、アルゼンチン両国に対し、先ほど申し上げましたように、在日の大使を通じまして、このヘイグ長官の努力について真剣に考慮をせられ平和的な解決をするように、そういう意思表示にとどまっておるわけであります。
○井上(一)委員 委員長、私の質問に対しての答弁が全く本質を答えてないと思うのです。フォークランド諸島問題については私は後で改めて、私の持っている時間をさらに延ばして質問します。 外務大臣、私の指摘しているのは、アメリカ政府がフォークランド諸島の領有権についてはどのように考えているか、どう認識しているかということを日本政府はどう思っているんだ、こういうことなんですよ。長い時間かけていろいろわけのわからぬことを言ったって、私の質問に答えてくれなければ困るんです。 さらに、竹島と対比したわけなんですね。あえて私は、フォークランド諸島問題はわが国にとっては非常に身近な問題でありますよということを指摘したわけなんです。それに対してのわが国の姿勢というものが明確に答えられてないわけなんです。 一々、たとえば二百海里線引きについては竹島を基点にし、いままでもそういう姿勢を持っていた、これからもそうするんだとか、あるいは海上保安庁なり水産庁の巡視船、指導船、漁船、監視船その他の定期的な海上状況の報告はどういう状況である、そして一年前あるいは二年前と今日とはどういうふうに変わっているんだ。わが国の領土の保全という問題について十分な掌握ができてないという状態では困るじゃないか、こういうことを指摘したいわけなんです。それに対して外務大臣はどうしているんだ、どういう対応をなさっているんだ、こういうことを櫻内外務大臣に私は聞いているので、この点については、十分事務レベルから詳細な報告を受けて外務大臣の考えを最後に改めて聞きます。 さらに、外務大臣は韓国との経済協力の問題で、一月の八日に日米安保協議委員会に出席をされて、対韓経済協力へ積極的姿勢を表明されたわけであります。一定の理由があってそういう意思を表明されたと思うのであります。反面、昨年の十月にアメリカのボルドリッジ国務次官補は「最近韓国は、北東アジアの安全に対するその貢献を踏まえて」云々と、さらに、両国共有の利害関係の認識に基づき、韓国の日本に対する経済援助要請を受けとめなければいけない、そういう両国共有の利害関係の認識に立って解決されるものだと確信している、こういう話があるわけであります。このことは、外務省が出された「海外政経情報」にちゃんときっちり書かれているわけです。あなた方は、アメリカの圧力に屈しないんだ、それは圧力じゃないんだ、自主的に日韓で解決するんだ、こういうふうにお答えになるかもわかりませんが、そういう背景の中で、櫻内外務大臣が一月にわざわざ安保協議委員会に出席をされて、対韓経済援助について触れられたのではないか、こういうふうに思うのですが、大臣のそのような認識についてひとつ聞かしてください。
○櫻内国務大臣 この十月のお話は私が就任前で、そういう日韓の経済協力問題についてはいろいろ背景がある、そういう認識は持っております。 それから一月八日のことをおっしゃるのですが、どの点でそういうふうにおっしゃっておるのか、大変恐縮ですが、後ほど具体的に御指摘をいただきたい。 私は十二月から外務大臣をやっておりまして、そして私就任後の、どういう要請があるかということはこれもしばしば国会で申し上げておるわけで、その時点では、一九八〇年、韓国としては経済成長率も落ち込み、現に非常に苦労をしておるんだ、そういうことから、この民生安定の上に、経済発展の上にひとつ協力してもらいたい、こういうことから始まりまして、その後の、それでは具体的に承ろうということで、実務者レベルの会合をして、十一のプロジェクトのお話あるいは商品借款の希望などを聞いて、そしてそれに対する中間回答をして本日に至っておる、こういう経緯でございます。
○永田委員長 出席各大臣に申し上げます。 時間が限られておりますので、答弁はできるだけ簡単にお願いいたします。
○井上(一)委員 一月の八日の問題については、外務大臣が対韓援助について積極的な姿勢を持っているということが報道されているわけなので、その点いまのお答えでも、積極的に対韓援助については取り組んでいくということは国会でも話されているわけなんです。そういうことの背景には、昨年十月の国務次官補のそういう指摘があるからではないだろうか。それはアメリカの圧力でないとおっしゃるかもわからないけれども、むしろそういうアメリカからの間接的なアプローチもそこに背景にあるのではないだろうか、こういう質問をしているわけですね。 それでは、韓国側が要請をしてきているその中身については、いろいろ額の問題等についてはいままで議論があったわけでありますし、そのこともさることながら、商品借款を再度要請してきているんだというような理解をわれわれはしていいのかどうか、この点については外務大臣、いかがですか。
○櫻内国務大臣 商品借款については日本としては考えられないことを申しましたが、この中間回答の後に、韓国の現在の対外収支の上から商品借款を重ねて考えてもらえないかということを申してきておることは事実でございますが、日本としてはこれは非常にむずかしい問題である、このように受けとめておるわけであります。
○井上(一)委員 わが国としては、対外経済援助の原則は変えないということはお約束できますね。
○櫻内国務大臣 経済協力に対する基本方針あるいは取り進め方、そういうことにつきましては、韓国もその中で考えなければならない。おっしゃるとおり従来の方針でどれだけ考えられるかということでございます。
○井上(一)委員 対韓経済援助については詰めの段階に入っていると理解してよろしいでしょうか。
○櫻内国務大臣 中間回答に対する先方のまた意思表示がございまして、それを検討しておるのでありますから、詰めの段階と言えばそういうふうに言えるかと思います。
○井上(一)委員 大臣は訪韓の時期は現在まで明白にされてないわけでありますけれども、私のとらえ方としては、詰めの段階というよりも、これはもうむしろ政治決着を総理が決断するべき時期に来ている、そういうふうなことで、本当に韓国に対する経済援助に積極的な姿勢で取り組むならば、もう一定のめどを外務大臣としては持っていらっしゃると思うのです。外務大臣としてはそういう意味でいつごろ、五月中旬あるいは下旬なのか、いつごろをめどにお考えでしょうか。
○櫻内国務大臣 しばしば申し上げておるように、連休後にサミットあるいはASEAN外相会議等々一連の外交折衝がございますので、連休ぐらいまででないと時間的余裕がない、できればその時期までに話がつけば非常に結構だ、こう思っておりますが、なかなかそう簡単にはいっておらないのです。
○井上(一)委員 簡単にいかない、そこがむずかしい問題で、だからこそまた政府一流の政治決着、こういうことなので、じゃ連休後そのような問題の処理はなされる、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○櫻内国務大臣 なかなかそういうふうに御理解を願うというわけにもいかない面があると思うのです。それはすでに公表いたしましたが、先方の希望を、この方は基金で扱える、こちらは輸銀である、商品借款だめというのに対して、なかなかそれと歩調の合うように向こうが答えておらない。そうすると、それは日本の方としてなかなか簡単にいかない問題がございまして、なお両国の間でいわゆる折衝が続いておる、こういうことであります。
○井上(一)委員 この問題については午後に改めて質問を続けます。 ここで河本経済企画庁長官にお尋ねをしたいと思います。 いま国内、国際的に見ても景気刺激、景気浮揚という問題が大きな問題であります。七〇年代の貿易摩擦と八〇年代に入っての貿易摩擦、質的な変化がそこにあると私は理解しております。商品、物からいわゆる金に変わって、貿易収支の増大、増額、そういうことに対する一定の摩擦、いわばここ十年の間に貿易摩擦の本質的なもの、質的なものが変化した、こういう認識に立つのでございますが、河本大臣はどういう御認識を持っていらっしゃいますか。
○河本国務大臣 私は、この現在の貿易摩擦の背景は世界不況にある、こう思っております。世界経済全体、昨年の後半から現在にかけて戦後最悪の状態になると言われておりまして、世界各国の購買力が非常に減退をしております。わが国は最近は非常な円安になっておりますけれども、輸出が伸びない、これは相手国の購買力が非常に弱っているからだと思います。こういうときにはややもすると、理屈から見てややおかしいと思われるような議論も出てまいります。 そこで、この問題の抜本的な解決のためには、やはり世界経済の再活性化ということが前提条件になろうかと思います。また、わが国にとりましてこの問題を解決するためにはやはり内需の拡大ということが必要でございまして、内需の拡大がございませんと、市場の開放体制はもちろんとらなければなりませんが、なかなかこの外国からの輸入がふえない、こういうこともございます。 また円安という問題のために貿易の障害になっておる分野も相当ございますが、これはやはりアメリカの高金利が一番大きな背景になっておりますので、アメリカの金融政策、こういうことも議論しなければならぬと思います。そこで、この貿易摩擦問題は、市場の開放体制ももちろん大事でありますが、そういう幾つかの総合的な角度からいろいろ検討していくことが必要だと思っております。
○井上(一)委員 今日の世界的不況の中での問題であり、さらには世界経済の再活性化のための政策を打ち立てていかなければならない、そういうお考えの中で、わが国の経済政策の転換というものはやはり当然考えられるわけでしょうね。
○河本国務大臣 現在のわが国の経済を分析してみますと、過去二年余りは輸出の拡大が中心になりまして日本経済はずっと発展してきたと思うのです。もちろん内需もある程度は伸びておりますけれども、外需中心の経済成長であった、こう思います。昨年の秋以降その様子が変わりまして、輸出が伸びない、そういうことで、現在はむしろ外需の方が足を引っ張っておる、内需の方は幾らか伸びておる、こういう感じだと思います。 そこで、景気が非常に低迷しておるわけでございますが、いま政府の方で考えております基本的な経済政策は、外需の方は世界経済の再活性化を通じまして拡大均衡の方に持っていかなければなりませんが、さしあたって内需の拡大が必要である、こういう観点に立ちましていまいろいろ政策を進めておりますけれども、それとてもなかなか有効な決め手というものがございません。そこで、引き続いて金融政策を機動的に運営する、それから五十七年度の公共事業並びに公的住宅、これを上半期にできるだけ繰り上げてひとつやってみよう、こういうことを中心にさしあたっての内需拡大政策をいま進めようとしておるところでございます。
○井上(一)委員 そのことは、鈴木総理が最優先している財政再建との絡みで、実際問題としてかみ合っていくのでしょうか。
○河本国務大臣 いま内閣の最大の課題は行政改革を進めるということ、それから財政再建を成功させるということ、これは内閣の大きな課題になっております。私どもといたしましては、財政再建を成功させるためにはやはり経済の状態がよくならないとなかなかやりにくい、したがって、行政改革を成功させ、同時に景気の回復を成功させる、その二つを通じて財政再建ができる、このように考えておりますので、景気の回復ということと財政再建は矛盾するものではないと思っております。
○井上(一)委員 OECDに出席されると思うのですが、その折にはやはり一定の経済政策の転換を盛り込んだ考えで大臣は出席をされると思うのです。その点について伺いたいと思います。
○河本国務大臣 OECDの閣僚理事会は来月の十日、十一日とパリで開かれますが、どういう基本的な態度で臨むかということについては、目下政府部内で調整中でございまして、まだ最終の考え方は固まっておりません。しかし、多分この会議での最大の議論はやはり世界経済再活性化の問題だ、こう思うのです。それから第二は、自由貿易体制をどう維持、拡大していくか、こういう問題であろうと思います。それと、やはりその背景にありますエネルギー政策がどのように展開されるべきであるか、こういうことが議題になろうかと考えております。 そういうことが議題になるといたしますならば、政府といたしましてもある程度の対応が必要でございまして、目下そういうことを考えながら政府部内の意見を調整中でございます。
○井上(一)委員 いま調整中だということですけれども、そう長くないわけなのですが、私は、経済政策で国際的な経済力を浮揚していくためにもわが国が一定の役割りを果たさなければいけない、そういうことでの市場開放を迫られたり、いろいろな問題がある中での自由化の問題なんかも出てくるわけなんですね。そこで、行革、財政再建と景気刺激政策、これはよっぽど上手にかじをとらない限りどうも両立しないのじゃないか、こういうふうに思うのです。そういう点は河本大臣が一流の政策を打ち立てていけると思うのですよ。私はそうあるべきだと思うのですけれども、やはり鈴木総理のおっしゃっていること、政府部内の統一見解とすればなかなかむずかしいのじゃないか。そこらの絡み合いというものを、大臣から私はもう少し聞いておきたい。ただうまくいくのだ、何とか両立させたいのだ。僕は、そうはうまくかみ合わないのじゃないでしょうか。
○河本国務大臣 ただいまのスケジュールは、来月の七日に経済対策閣僚会議を開きまして、そこでさしあたっての、当面の幾つかの問題をまとめたい、このように考えておりまして、先週来関係各省の間で精力的に調整中でございます。いまお述べになりましたようなことも当然大きな課題になろうかと思っております。
○井上(一)委員 では、私が触れたことについて、いまはまだ持っているけれども、言えないのか、あるいはここで一定の、こういう考えだ、しかし政府部内でまだこれから練っていくのだ、しかしこういう点については問題があるのだ、そういうことはおっしゃっていただけないのでしょうか。
○河本国務大臣 これは先ほども、OECDで取り上げられて議論される課題、それから引き続いて開かれますサミットでも取り上げられて議論される議題、こういうものは大体見当がついておりますので、それに対しまして日本政府として適切な準備が必要である、その作業中であるということを申し上げましたが、繰り返して申し上げますと、やはり世界経済の再活性化という問題が最大の課題になりますので、その課題を前進させるために、私どもはアメリカの高金利という問題が最大の問題だと思っておりますけれども、しかしそれ以外に、日本としても内需の拡大ということをやらなければなりませんし、それから自由貿易体制を維持、拡大する、そういうことを言いましても、日本として何もしないでそういうスローガンだけを並べておりましても説得力がございませんから、やはりその前提条件としては市場の開放体制というものを日本がある程度まとめ上げなければならぬ、こう思っております。 でありますから、その二つの課題を会議を通じて前進させるために日本として何をすべきか、そういう観点からいま政府部内の調整が行われておる、こういうことでございます。
○井上(一)委員 経済摩擦問題についても午後の私の質問でさらに続けたいと思います。 ここで私は、昨年は国際障害者年ということで障害者の「完全参加と平等」ということがうたわれたわけで、政府も熱心な取り組みをなさったわけでありますけれども、私の承知する範囲内では、政府関係特殊法人の障害者の雇用の問題についてまだまだ不十分である、こういうふうに思うのです。このことについては、昨年の五月に私は当委員会で時の労働大臣に指摘をしたわけでありますけれども、必ず達成をさせる、しばらくの日時をちょうだいしたいということで、非常にりっぱな答弁があったわけです。その後、私が知る範囲内ですら、特殊法人、少なくとも三十を超す多数の法人がいまだに取り組みが十分でない、こういうことであります。 このことについては、建設省もそうでありますし、さらには、通産省関係では中小企業事業団、新エネルギー総合開発機構、金属鉱業事業団、石炭鉱害事業団、日本貿易振興会、もう数限りない。そういうことで、天下り官僚が多いと言えばなんでございますが、そういう法人に限って、いわば政府が一生懸命取り組み、また当然そういうことがきっちりとなされるべき状態でなければいけないのに不十分である、こういうことなんです。 あえて私は、この際、労働大臣の見解、さらには行政管理庁長官としての大臣の見解、それぞれの未達成の所管の大臣の見解を聞きたいわけですけれども、時間がありませんから、雇用率未達成法人に対する指導をどうするのか、いつまでにこの問題について、あるいは今日この問題についてどういう指導をいたそうとしているのか、聞いておきたいと思います。
○初村国務大臣 お答えをいたします。 大体特殊法人というのは全体的に九十七法人あります。その中で達成した法人が四十七、未達成が五十であります。それは全国的ですから。各省庁での法人が六十八、その中で三十が達成して未達成が三十八あるわけです。そういうことで、昨年来、先生方の質問に応じて前の大臣が相当いろいろな手を打ったわけであります。特に大臣名においていろいろと指導した結果、五十六年の六月一日現在で調べました結果からさらに進み、きょう現在で、三十八の中で二十三が達成する見込みだ、こういうふうになっております。 したがって、私どもは、特殊法人というものは一般民間企業に率先して模範を示さなければならない立場でありますから、雇用率未達成である場合には、雇い入れ計画の適正実施勧告をやる、あるいはまた積極的かつ厳正にこういうものを強力に展開しまして改善を図っていきたい、あるいはまた最終的には、未達成の法人を公表するぞというふうな強い姿勢をもって、今後達成に前向きで検討していきたいと思います。
○井上(一)委員 労働大臣から積極的な答弁がありましたから、行管庁長官には答弁していただかなくて結構です。 余り時間がありませんが、私は午後にも伺いますが、ここで一点大蔵大臣に、先日貯蓄国債の制度を検討しているんだというような報道が一部なされておったわけですが、そういう検討の段階に入ったのか、あるいはそれはどういう理由で検討をするのか、午後にも伺いますが、この点について一言だけ答えていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 実は、きのうの新聞を見まして私もびっくりしたわけですよ。具体的なことは何も指示はいたしておりません。そういうのもあるかなと思って、感心したりびっくりしたりというのが真相であります。
○井上(一)委員 今後こういうことについては検討するに全く値しないと言えばなんでございますが、そういうことはもう一切考えもつかない、こういうことは約束していただけますか。
○渡辺国務大臣 常に国債の多様化、消化の円滑化、こういうことを考えていかないと、国債がだぶついてしまってどうしようもないというような時代が来る。これは大変なことであって、どうして国民に消化を持ってもらうか。意外と貯金は持っておるのですけれども国債は持っていない。したがって、今後もいろいろ研究は続けていきますが、目下具体的にどうこうという考えはございません。
○井上(一)委員 大臣は、いやあ、もう及びもつかぬ、全くびっくりしているんだとよく言われるんですが、僕は、火の気のないところに煙は立たぬとか言われて、大蔵部内でこういうことをまあまあどうだろうかということで話があったんだろうと思うのです。だから大臣に、われわれにとってはよろしくないんだけれども、こういういい話がありますよと仮に進言があり、あるいはそういうレクチュアがあった場合には、大蔵大臣人がいいからぱっと飛びついて、ああそうかそうか、それならまたということになると大変だから、渡辺大蔵大臣にいま私が聞きたいのは、こんなことは大変なことですからいたしませんと約束してくれますか、それは財政再建やいろいろな歳入の問題で頭を痛めていらっしゃることはわかりますが。そういうことを聞いているんです。
○渡辺国務大臣 これはメリットもあるし、デメリットもあるでしょう。どういうふうにするかという問題はいろいろ専門技術的な問題でございますから、理財局長から答弁させます。
○井上(一)委員 大臣、私は政治家、大蔵大臣としての意見を聞きたいので、とまれ、大衆国民にメリットがなければ政治としてはメリットではない、私はこういう考えなんですね。大臣はいつも茶の間で非常にわかりやすく言われるわけです。だから、国民にメリットがある、そういう制度でなければわれわれはもう考えがつかないのです、官僚がいかに、その場を切り抜けるためにはいろいろなテクニックがあるから、そういうことを進言しても、あなたはみえを切って、いや、国民から離れません、国民に不利益になるようなことはいたしませんということを言い切れますか、ということを言っているわけです。
○渡辺国務大臣 国のため、国民のためになることは断固やります。そうでないことはやりません。
○井上(一)委員 さらに、私は関西新空港問題についても質疑をする通告を出しておりましたが、余り時間がありませんから、この問題については運輸大臣、午後に質問をいたします。 厚生大臣に一点だけ聞いておきますが、中国残留日本人孤児問題について、厚生省は大変熱心に取り組んでいただいているわけですが、今回の日本への調査受け入れについては、前回は大阪でも民間であるいは協力団体で十分な受け入れ体制を取り組んで、非常に熱心に協力をしてくれたわけでありますが、今回は大阪レベル、大阪への調査というものは省かれたわけです。これは、むしろ多くの機会に、そしてあらゆる協力団体に強く要請をしお願いをして、一人でも多くの方々がその肉親に会えるような機会をつくっていただかなければ、せっかくのあなた方の努力が少し実を結ぶことに足りないと思うのです。今後こういうことのないように私はお願いをしたいのですが、厚生大臣のお考えをここで聞いておきます。
○森下国務大臣 孤児の問題は、戦後処理の問題と同時に、これは人道的な問題でございまして、厚生省としても全力を挙げまして取り組んでおります。 そこで、できるだけ多くの方が肉親に会えるようにという手段、方法の一つとして、大阪でもやったらどうかというお話だろうと思います。これは大阪に限らず、九州であろうと東北であろうと、数多くやることによってお会いできる率を上げるという趣旨だろうと思いますし、われわれもでき得ればそうしたいと思うわけですが、大陸の家を出まして、日本に参ってお帰りになるというのに大体一カ月ぐらいかかっておるようでございます。そういう日程的な都合もございまして、今回は東京だけでやったわけでございます。 昨年は実は機会を大阪に求めたわけでございますが、趣旨がちょっと違っておりまして、今回は東京にした。大阪でやるとなると、たとえばマスコミの方々も東京のそのままのスタッフが行かなければならないとか、いろいろ事情があるようであります。しかしながら、この目的を達成するためにはそういう方法も今後十分に考えてまいりたいということを申し上げたいと思います。
○井上(一)委員 さっき冒頭に私から尋ねました、フォークランド諸島の問題についての一連のお答えを、外務大臣、さらには海上保安庁あるいは防衛庁、文部大臣、私の質問の趣旨を踏まえてここでお答え願いたいと思います。 その上で、さらに質問を必要とすれば質問をいたします。それでなければ、一応午前の質問は、私の持ち時間ですから、これで終えておきます。
○櫻内国務大臣 先ほどから種々御答弁を申し上げましたが、外務省内事務レベルで、なおお答えすべきものがあるかないか、よく精査いたしまして、午後の際、整理したものを担当者から御説明申し上げることでいかがでしょうか。
○井上(一)委員 午後の私の質問時間は限られておりますし、それはそれなりに予定していますから、私は外務省の返事は待ちますから、午後の冒頭にしてもらうとか、それは結構ですが、それは理事会で話してください。
○櫻内国務大臣 アメリカ側のスポークスマン発言というのが、先ほど御答弁申し上げた後で資料が参っておりますが、米国務省スポークスマンが言われておるのは、米国は英国のフォークランド諸島の長年にわたる施政と支配の事実は認めるものの、領有権主張にはいかなる立場もとらない、これがスポークスマンの発表でございます。(井上(一)委員「それだけじゃないだろう、おれの質問は」と呼ぶ)
○永田委員長 よろしいですか、井上さん。
○井上(一)委員 外務大臣、私は竹島の問題も申し上げましたし、フォークランド島、これは全くかけ離れているように受けとめたらいけませんよということを言ったわけですけれども、そのフォークランドの問題では、アメリカがどう思っているか、極端な言い方をすれば、アメリカが決めたら日本はそのとおりに決めるのですということなのか、日本はどっちともつかないようなかっこうで返事をされているけれども、そんなことで——それじゃ文部大臣に波及したわけですけれども、どっちの領土なんだと生徒が尋ねた場合に、いや、これはどっちともわかりませんねということで教育するのか、これは文部大臣の方から。それから外務省は、少なくとも外務大臣がそういうような発言がきちっとできないということ、いままではどうしてきたか。それじゃお聞きしますけれども、いつからそういう状態になったのか。委員長、そういうことをここで私はさきに聞いているわけなんだけれども答えがはね返ってこないから、そういうことを踏まえて、整理をして答弁をしてください。 たとえば七六年の十二月一日に国連でのフォークランド諸島決議というのがなされて、このときにはわが国は棄権に回っているわけなんですよ。こういうときになぜ棄権をした、どういう理由で棄権をしたか。それ以前の教科書において国民に教えてきたのは、どこの領土としてきたのか。そして、今日はどういう状態になっているのか。それは外務大臣としてはどんな受けとめ方をし、どういうような認識に立っているか。文部大臣はどうなんだ。そういうことを一々私が質問をしたことに的確に答えてくれなければ。だから、整理をして、午後の冒頭でも結構でございますから……。
○櫻内国務大臣 私、すでに申し上げておると思うのですが、きょう、目印外相定期会議でその時間がないので。 そこで、先ほど私、申し上げたように、いま日本としては、英国とアルゼンチンがそれぞれ領有権を主張しておるので、日本としてはそれについてはとやかく言えない立場だ。それが明白なんですから、それは何も言わない立場である。だから、そこは御了解していただかないと、いま英国でございます、アルゼンチンでございますと言えないのだから、その点は御了解していただきたい。
○井上(一)委員 外務大臣、それはあなたが冒頭に答えられたわけです。だから、紛争前はどうであったのか、逆に。紛争が起こる前は日本はフォークランド諸島についてはイギリスの領土だ、アルゼンチンの領土、あるいはもう最初から、十年前からどちらにもこうなんだという何なのか。紛争が起こってからの、いまの日本の立場というのはお答えができないということは私は聞きましたよ。それは外務大臣、冒頭に言われたから理解していますよ。 では大臣、紛争前はあなたはどちらの領土だと認識されているのですか。大臣、どうですか。午後あなたがいらっしゃらないことはあらかじめ承知しているから午前中にあなたに対する質問を多く充てたわけでありまして、どうぞおっしゃってください。では、紛争前はどちらの領土であったと思っておるのですか。
○櫻内国務大臣 紛争前の点につきましては、私はアメリカの先ほどのことを引用申し上げましたが、私もこのような見解に立っております。しかし、今度の紛争前におきましても、両国がそれぞれ長い間領土の主権を主張しておるという事実はあるわけでございますから、それはそのとおりに受けとめてまいった、こういうことでございます。
○井上(一)委員 これは一定の約束の時間ですから、委員長、私はここでおきますが、これは答弁になっておらぬわけです。文部大臣の答弁もありますから、文部大臣は午後いらっしゃると聞いていますから、外務大臣に重ねて聞いておきます。 紛争前、あなたはじゃそういう認識、フォークランド諸島については前々からあなたはどっちのものだかわからぬというようなそんな認識なんですね、外務大臣。
○櫻内国務大臣 これは私は紛争前におきましては、正直に申し上げて一般的な感覚でしか見ておりませんでしたから、それだからその点ではこれは紛争地域である。強いて言えば、アメリカのことを先ほど引用申し上げたように、事実は事実として認めれば、施政と支配の事実は認めるよりしようがない。しかし、領有権の主張はいずれもそれを主張しておった、こういうことだと思います。
○井上(一)委員 改めてまた答弁を求めます。
○永田委員長 午後零時四十五分再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ————◇————— 午後零時四十七分開議
○永田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 井上君の先ほどの質疑に関する答弁につきましては、政府で調整の上、本日中に答弁を求めることといたします。 質疑を続行いたします。新村勝雄君。
○新村委員 まず、国鉄さんの御都合があるそうでございますので、最初に国鉄の質問からやりたいと思います。 まず、国鉄の基本方針、特にその中で大都市圏内の大量輸送についてその基本的な方針をお伺いをして、さらに具体的な点を聞きたいと思うのです。 国鉄は、いま大変厳しい状況の中にありますけれども、国鉄の使命、特にその中で大都市圏内の大量輸送に対する需要、これに対する対応は国鉄しかできないわけですね。何かがいかに普及をしましても、とうてい大量輸送という点については国鉄が担当していただかなければならない重要な分野であるわけでありますけれども、この問題についての基本的な方針について、まず伺いたいと思います。
○高木説明員 私どもは最近、いわば独占性を失ったと申しますか、自動車とか飛行機とかの関係で競争的な立場に変わってきたわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、大都市、特に東京、大阪の周辺におきましては依然国鉄依存率が非常に高いわけでございまして、そのことはつまり、そこで大いに輸送のために力を入れていかなければならないと考えておるわけでございます。 これまでも主として東京周辺の地域を中心に、線路を太くするとかあるいは車両編成を長くするとかあるいはスピードを上げるというようなことをいたしてまいりましたが、今後もそのフィールドにおきましては力を入れてまいりたいというふうに考えております。
○新村委員 大都市圏内の輸送についてできる限りの御努力をいただきたいわけであります。 その中で、まず東京圏を申し上げると、東京を中心とする放射線の大動脈が六本あるわけでありますけれども、特に常磐線の輸送力というものあるいはその現在の施設が他の放射線の大幹線に比べて劣っておるとわれわれは見ておる。ところが、この沿線の開発がいま急速に進んでおりまして、将来の輸送需要が急に拡大をする予想がされておるわけです。こういう中で、ローカルの問題のようでありますけれども、常磐線についてどうお考えであるのか伺いたいと思います。
○高木説明員 東京を中心とする通勤圏における輸送力の確保ということは大都市対策の中でも最優先に扱ってきたわけでございますが、その中におきましては、いまお示しの常磐線の問題というのは他の線区に比べて対策がややおくれぎみであるということであったわけでございまして、最近は東海道線あるいは総武線、東北線、中央線といったようなところの整備が、不十分ではございますがだんだん進んでまいりましたのと比べて、それから最近における人口増といったようなこととの対比から見て、ややおくれぎみになっておるわけでございます。 私どもとしましても、しかしこれに対応する対策をとっていかなければならぬという認識を持っておるわけでございまして、多少おくれぎみながらできる範囲内でやっているつもりでございます。
○新村委員 いま総裁はおくれぎみだということを認められたわけでありますけれども、それならばどういうふうな具体的な計画がおありになるのか、それをできるだけ具体的にお示し願いたいわけです。それから、御承知のように六十年には科学博が学園都市で開かれるわけでありますけれども、これに対する輸送の対策がどうなっているのか。約二千万の入場者があると言われておりますけれども、それに対する主たる輸送手段は常磐線になろうかと思います。それといま工事中の常磐自動車道、しかし常磐自動車道はそれほどの大量輸送についての期待ができませんので、やはり常磐線が主たる輸送力になる、こういう問題もありますので、それとあわせてお答えをいただきたいと思います。
○高木説明員 すでに御承知のことと存じますけれども、大分前でございますが、四十六年四月に綾瀬−我孫子間の複々線化をいたしました。さらにその後四十七年十月に快速列車の八両でありましたものを十両編成に直すということをやってまいったわけでございますが、それでは足りませんので、現在十二両でございますけれども、これを十五両に、長い編成にしたい、五十九年度までには常磐線をそこまで持っていきたいと考えております。その前に我孫子と取手の間の複々線化の仕事、これもやや時間がかかったわけでございますが、本年の十一月からこれを運行することにいたしたいと考えております。 また、科学博が開かれるということに関連をいたしまして、約八百万ぐらいの輸送を鉄道の方でお引き受けしなければならぬということでございますので、ただいま科学博関係の方々とお打ち合わせをいたしまして、対策を詰めているところでございまして、最小限の輸送は何とか鉄道の方で引き受けなければいけないと考えております。
○新村委員 大都市圏内の大量輸送はこれからますます量的に増大していくと考えられますが、東京を中心にして考えた場合に、放射線の北の方が一番粗い。これは東京と大阪という政治、経済の二大中心地を結ぶという意味もありましょうけれども、どうしても西側が密になっておって東北が粗であるということは事実が示しておるわけです。そういうわけで東北に対する放射線、これは常磐線一本では足りないということを沿線では、心配しておるわけです。 そこで、第二常磐線、常磐線のほかにもう一本常磐線の方向へ行く線が必要だということは地域の強い要望になっておりまして、機会あるごとにそういう話が出るわけでありますが、これに対する国鉄さんのお考えはどうであるのか。現在大変厳しい状況の中でありますので新規投資はむずかしいと思いますけれども、大都市圏内の大量輸送あるいは大都市圏間の大量輸送ということについては将来ともに鉄道に依存しなければならないという状況の中でどういうお考えであるのか、第二常磐線のお考えについて伺います。
○高木説明員 東京都を中心とする放射線状の交通網について、いま御指摘の第二常磐線という考え方がかなり前から各方面から出されておりますし、内々ではございますが、国鉄でも研究はいたしております。これは、東北線と現在の常磐線との間が非常に距離が離れておるというか、間隔が大きいということが一つ、しかも私鉄網が整備されていないということがありまして、そういう趣旨から今後東京を中心とする通勤圏内の中で非常に残された地域であるという意味もあって、そのことがしばしば言われておることは御指摘のとおりでございます。 ただ、問題は全く新しい線を一つ引かなければならぬということでございますので、投資効率がまだ心配でございます。今日までやってまいりました通勤圏の整備というのは、大部分が昔かちありました線を増強するということでやってまいったわけでございまして、新線を設けるということは、お金の関係もあってなかなかできないで今日まで来ております。 今後の鉄道の整備、特に大都市における線路網の整備に当たりまして第二常磐がきわめて重要なテーマになるという認識は持っておりますけれども、全体の資金量との関係、つくりました後の効率の関係からいって具体化までにはまだもう少し時間がかかるのじゃないかというふうな感じでおるわけでございます。
○新村委員 国鉄総裁、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。 次に、財政の問題でお伺いいたしますが、財政再建が最大の課題になっておりますけれども、最近の情報によりますと、五十六年度の税収が予算に対してかなりの落ち込みになる、こういうことが言われております。これはどの程度になるのか、そしてまたその対策といいますかその処置はどうなさるのか、大蔵大臣お願いいたします。
○渡辺国務大臣 結論的に申しますと、三月の決算が申告がまだ出ておりませんから法人のことがわからないということで、はっきりしたことはわかりません。わかりませんが、現在の経済情勢その他、一月、二月の税収の納付状況をそのまま引き延ばしていくとすれば、数%の高い方くらいの見積もりとの差があるいは出るかということも想像はされます。 そういう場合どうするのだという話がすぐ出てくるわけであります。これも仮定の問題でございますから断定的には申しかねますが、一応考えられることは決算調整資金の使用あるいは国債整理基金から一時借り入れるというようなこと以外には、五十六年度の補正を組むというようなことはできませんので、そういうことで応対をするということも可能性としてはあり得るわけであります。
○新村委員 そうして、さらに現在の趨勢が続けば、五十七年度の税収についてもやはり同じようなあるいは額としてはもっと大きいギャップが出るのではないかということが心配されるわけでありますが、これに対してはどういうお考えですか。
○福田(幸)政府委員 先ほど五十六年度の税収について大臣がお答えしましたように、十二月と一月の税収は二けた台で比較的高かったわけでございますが、特にまた大法人が十一月、十二月、一月税収、ともに二〇%台という高い数字で、予算審議中は楽観的なというか予算どおりの見通しを持っておったわけです。四月八日に発表になりました二月末税収の結果が全体の伸び五・六となっておりまして、累計が一一〇ということです。これは大臣いま申しました二兆を上回るという感じは、この一一〇をそのまま延ばした場合の数字でございます。特に法人税が不振でございまして、一〇〇を割っておるということです。 原因は、予想以上の輸出の鈍化、それが企業の生産に響いておるということもございますが、円安の問題、物価の安定等があるわけであります。残りは所得税の三月の確定申告が今月末にならないとわからない、それから三月期の法人決算が五月の納入でございますので、七月上旬にならないと発表にならない、そういうことで、確定的にどういうふうなマイナスになるかということは申し上げられないということでございます。 五十七年度の予算の税収、これは経済全体がどうなるかにかかっておりますが、経済が内需を中心に回復基調にあるということで考えられておりますし、さらに五十六年の土台減がございましても直ちにこれがどう響くか、これは影響はいたしますけれども、どういうふうな数字で影響するかということは、まだ五十七年度に入ったばかりでございまして、いま五十七年の税収についてどうこうということまで申し上げられる段階にないということでございます。
○新村委員 五十七年度の経済見通しについては、これはいろいろと見方があると思います。しかし、いろいろな情報、特に経済調査機関の見通し等からすれば、民間の設備投資もとても政府が見ておるようなわけにはいかないだろう。住宅にしても百四十万戸はとても大変であろう、百十万戸程度ではないか。さらに内需も、春闘があの程度ではとても実質可処分所得の増加も期待できないではないか。こういうことで、五十七年度の税収あるいは経済の復調ということはちょっと望めない情勢にあるのではないかと思いますが、そういった情勢を踏まえて大臣は五十七年度に対してどういう予想、展望をお持ちであるのか。
○渡辺国務大臣 五十七年度の財政につきましては、すでにもう予算が成立をさせてもらっておるわけですから、その予算の執行が円滑にできるように、限られた範囲ではございますが、いろいろ手当てをしていきたい、そう考えております。
○新村委員 それでは不十分なのでして、いまの情勢では、いまの経済政策をこのまま進めていったのではとても五十七年度の税収が確保できないだろう、こういうことが各方面で言われております。これに対してどうするのか、それでも現在の厳しいといいますか、財政再建を優先にして政策変更をやらないのかどうかということです。
○渡辺国務大臣 五十七年度の問題については、ただいま主税局長からお話があったように、税収が足りなくなるということをいま必ずしも断定的に見るわけにはいかない。景気の動向その他いろいろな事情がございます。それから公共事業の前倒しとかいろいろな手はずをとっていくわけでありますから、必ずしも悪いペースだけでいくとは限らない。世界の経済情勢との絡みもあり、後半においてはアメリカを初め世界の経済情勢は上向くというのが通説になっておるわけであります。 日本の経済は世界の経済と重大な関連がございますから、日本だけで一概にどうだ、こうだと言っても自由にならない点もございます。非常によくなる面もあります。悪くなる面もあります。したがって、現在のところ五十七年度の現行予算をどういうふうに、たとえば補正予算を組んでうんと変更するとかどうとかということは考えておりません。
○新村委員 世界経済が上向くというこれは希望的な観測でしょうけれども、これは希望であって、なかなかそうはいかないでしょう。そこで、現在の政府の経済政策に変更を加える必要はないかということを伺っているわけですよ。それが一つ。 それからもう一つは、いま問題になっておりますグリーンカードの問題、これは大分賛否両論あって論議が重ねられておりますけれども、これについては、大蔵省としてはあくまで実施をするという態度に変わりはございませんか。
○渡辺国務大臣 まず五十七年度の経済政策の変更については、ともかくも半年間様子を見なければ何とも言えないわけでございまして、いろいろな事情がございますから、当面そういうふうな変更を加えるとかどうとかということは考えておらない。経済は生き物でございますから、どういう動きになるか注意深く見守って、適時、適切な処置を講ずるということだと思っております。 それからグリーンカードの件につきましては、これは法律で決まっておるわけでありますから、政府が提案をいたしまして政府がそれを執行する、着々いま準備をやってきておるわけでございますので、政府といたしましては、国会で御承認をいただいたもので、特別にこれがもたらす支障がいっぱいあるというようには私は考えておらぬわけです。ただ、五十九年度総合課税を実施するというときまでには円滑にこれができるように環境整備等はしていく必要があるだろうということは、かねて申し上げておるところでございます。したがいまして、いま政府としてこれを延期するとか廃止するとか、そういうことは毛頭考えていないということであります。
○新村委員 グリーンカード、これは国会の議決によってそういう方針が決まったわけでありますから、これを推進するために御努力を願いたいわけですが、大蔵省さんは何かグリーンカードの意義あるいはその意図するところを国民にPRをする、国民に理解をしてもらうという努力が足りないのではないかと考えるわけです。 これは租税の公平な負担という意味からいっても、そういうところから出発したわけでありますけれども、どうしても必要な措置として国会の中で議決をされたわけでありますから、若干の、それはどんな政策だって一〇〇%プラスばかりの政策というのはないわけでありますから、この方針は確かに、国民の租税負担の公平化を図るという点からして一歩前進した方法であるわけですから、十分国民の理解が得られるように、そういう面での大蔵省の御努力をいただきたいわけであります。 最近、それを心配してゼロクーポンの購買に回ったとかあるいは金の購入に資金が回ったとかいうふうな資金の移動ということがよく言われておりますけれども、この資金移動ということは、大蔵省としてはどの程度に調査をされておるのか、それを伺います。
○福田(幸)政府委員 お答えいたします。 資金の移動というのは、土地とか株とか金とかいま御指摘のゼロクーポン等々であろうと思います。また、金融資産の中でも移動があり得るかと思うのですが、これは実証的にどうなっておるか見ますと、マクロで見ますと預金は二けた、一一・四%、こう伸びておりますので、全体的に国民経済に影響を与えるような変動があっておるとかいうふうには考えられません。土地の方は、御承知のとおりにマンションなんかはなかなかはけないというような状況、それから株の方もそんな活況は呈しておりません。それから金でございますが、一年間に五千億入っておりますが、その半分がと見ましても二千五百億。ゼロクーポン、これは二月にふえましたけれども、一年間に二千五百億でございますから、合わせて五千億というような数字で、全体の個人金融資産は約三百四十兆でございます。そういうことを考えますと、この全体の中で言いますと、個人金融資産の増加の一・四%ぐらいにしか当たらないというウエートでございます。これは資産の選好ですから、利回りがよければそっちに向かうので、別にゼロクーポンの販売が契機になったとは考えられない点があります。海外金利高でございますから、そっちの方に引かれてその買いがあったということも言えます。金も、それに魅力があるという人は買うわけですから、一方においていろいろな危険もございます。そういうことで、ゼロクーポン、金についての移動はそれほど大きな影響があったとは見えませんし、それがグリーンカードから来たということではないと思います。 ただ、問題はいまの非課税貯蓄の枠が守られているかどいう点から、それをオーバーしている分がどういうふうに動くか、それから、分離課税されていますから、それが今度分離課税でなく総合課税になるということをどういうふうに影響するとして考えるか、そういうふうな問題があります。それから、仮名、架空の資金というものは、本来課税されるべきものですから、それがどう移動するということよりも、むしろ的確な課税が行われるということを考えるべきだろう、こう思います。
○新村委員 いまの御答弁によっても資金の逃避あるいは移動はほとんど問題にならないということでありますから、ひとつ自信を持ってこの推進に当たっていただきたいわけであります。 それから、やがて五十八年度の予算の基本的な方針を決める時期になると思いますけれども、この厳しい状況の中で五十八年度予算の編成に当たっての基本的な方針なり決意を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 まだこれは国会中でございまして、五十八年度の予算について内部で具体的な協議をする時間的余裕がございません。したがって、まだ相談してないというのが結論でございます。しかしながら一応考えられることは、やはり臨調答申等を踏まえて発想の転換を図って、高度経済成長時代からの惰性の歳出項目等については徹底的なメスを入れて、まず身軽な、効率的な政府をこしらえるということが基本であろう、そう考えております。
○新村委員 発想の転換を図ることは当然であろうと思いますけれども、その発想の転換、具体的にはこういうことをやりたい、こういうことを考えておるというもう少し具体的な御答弁をいただけますか。
○渡辺国務大臣 それはいまも申し上げましたように、具体的な問題については内部でまだ相談をしておりませんから、国会中でその暇がないものですから、毎日毎日出ておるわけですから、国会が終わり次第会議を開いて具体的問題について検討していきたい、そう思っております。
○新村委員 報道等によりますと、防衛費も例外としない、それからゼロシーリングじゃなくて今度はマイナスのシーリングにすることも考えているというようなことも伝えられておりますけれども、それはいかがですか。
○渡辺国務大臣 これも新聞が書いておるのでありまして、私もできればそれぐらいのことはやりたいという気持ちはありますが、具体的にどうするかまだ相談してないのです。
○新村委員 次に移りまして、行政管理庁及び自治省にお伺いをいたしたいのですが、その前に、これはロッキード事件の反省の上から出発したのだと思うのですけれども、会計検査院法を改正してより一層資金の効率的な使用を期する、それからまた行政の執行体制の再建、粛正を図る、こういう意味から会計検査院法の改正をすべきであるということが大きく世論になったわけでありますけれども、残念ながらまだ実現しておりません。 それと関連をして、地方自治体の監査委員の権限の拡大を図るべきであるということが言われております。その主な点は、地方自治体の監査委員は経理の監査だけで事務監査が現行法ではできない。それから国の機関委任事務及び団体委任事務についてはその執行の監査ができない、こういう制約があるわけでありますけれども、これを一歩進めて、機関委任事務を含めて事務監査をすることができるように地方自治法を改正すべきである、こういう有力な意見があるわけであります。自治省もその方向で努力をされたと思いますが、これが依然として実現をしていないわけであります。さらに、最近地方自治体における民間委託が進んでおりますけれども、この民間委託についても現行法では監査ができないわけであります。こういった問題についてまず自治省から御見解を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 監査委員制度は、戦後、国の地方公共団体に対する封建的な監督制度が廃止されまして、そのかわりに財務事務の適正な処理に大きく寄与するために設けられたものでございます。しかしながら、地方公共団体で行う行政についての公正と能率を確保するために第十八次地方制度調査会におきまして答申が出ました。それは、機関委任事務を含めて一般行政事務についても監督をするべきである、そういう制度改正に関する勧告でございます。 自治省の方としましても、地方行政の公正さと能率確保をすることは非常に重要だという観点に立ちまして、監査委員による監督の対象を拡大すべきものと考えております。今後ともこの面について積極的に取り組んでいくわけでございますが、関係省庁とのいろいろな兼ね合いがありまして、そことの調整がなかなかうまく進みませんので、やる気持ちは十分持っているのでございますが、今国会にちょっと間に合うかどうか、非常にむずかしい場面に達しているところでございます。
○新村委員 この問題については、資金の有効な使用あるいは地方団体の自治権を一層伸長させるという観点からしてもきわめて重要なことであります。しかし、これが機関委任事務の監査ということで国の権限との関係、特に行管との関係もあるかと思うのですけれども、この問題について、行政管理庁の長官から見解をひとつ伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 機関委任事務は各省大臣から委任されて地方自治体が所掌しておることでありますから、委任されたものについては委任した人に対して了解を求めてやるというのが一応の筋であるだろうと思います。しかし、この問題につきましては、いま申されましたように地方自治という問題やらあるいは資金の効率性とか連関性というような問題もあるようでありまして、自治省が各省庁と自治体との調整に当たっておるようでございますので、その成果を見守っていきたいと思っております。
○新村委員 いまのお答えではどうも長官のお考えがはっきり出ていないわけでありまして、もう少し詳しく伺いたいわけであります。 地方自治体が行っております機関委任事務は非常に広範なものでありまして、都道府県の場合には七割から八割になるであろう、また市町村では約半分を占めるであろう、こういうことが言われておるわけであります。しかも、これは基本的な性格は国からの委任でありますけれども、地方自治体の職員が実際に執行し、しかも事務そのものは固有事務とお互いに絡み合っているわけでありまして、はっきりと区分ができないわけです。というよりは、むしろ機関委任事務であっても固有事務と同じ、固有事務化している部分が非常に多い。こういうことで、機関委任事務を別個の、国の委任であるからということで別扱いをされる、あるいはその分については監査ができないというふうな扱いをされることは、地方団体としては非常に困ることですね。特に、効率的な地方行政の執行という点からしても、そういう治外法権的な分野を広く自治体の中に残しておくということは非常に困るのです。 そういうことから自治省においても検討されておるし、それから第十八次の地方制度調査会、これは十八次ばかりではなくてその前にもしばしばこういうことは指摘をされていたと思いますけれども、最近の十八次地方制度調査会においても監査委員の監査対象及び職務権限の拡大、監査委員の職務の専門性及び独立性の確保、監査体制の整備というようなことが改めて強く指摘をされておるわけです。こういうことを踏まえて、長官は、この機関委任事務についても監査の権限を及ぼすことについてひとつはっきりとした御見解を示してもらいたい。
○中曽根国務大臣 おっしゃる筋は私もよく理解しておりますし、また地方自治体の側から見て監査したいという御要望も理解できます。ただ、国の行政全体のバランスあるいは筋というたてまえからいたしまして、地方側の御要求ばかりをうのみにしてイエスと言うわけにはまいらない点もありまして、その縦割り行政、県、市町村に来た場合の横からの眺め、そういうような関係をどういうふうに調整するか、いま臨時行政調査会におきましても国と地方との機能分担という点において議論を進めておりまして、それらの点もよく踏まえまして、また自治省が各省と話し合いをしている情勢もよく見守りながら考えをまとめていきたいというところであります。
○新村委員 現行でいきますと、機関委任事務の監査あるいは指導については制度的には行管がおやりになる、こういうことですか。 そうだとすると、地方自治の尊重とか、あるいは地方の時代とか自治権の尊重とか言われますけれども、そういうふうに都道府県では八割近く、市町村では半分を超える大きな分野が国の機関委任事務だということで地方自治体の権限が及ばないということになりますと、これは自治という観点からしても大変な事態になるのではないか、そういう心配がされるわけであります。それから、日常の事務そのものが、固有事務と機関委任事務との区別がつかない部分が非常に多い。こういう点からしても、どうしても機関委任事務の分野についても自治体の権限の及ぶように、特に監査委員の監査の権限が及ぶようにすべきであると思うわけであります。そういう点で、自治権の拡大という点からもう一回長官の御見解を伺いたいわけであります。
○中曽根国務大臣 私は先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、そういう熾烈な御要望が地方関係からあるということ、並びにいまおっしゃいましたことはよく拝聴いたしまして、よく私の気持ちの中に勉強するようにしていきたいと思っております。
○新村委員 それと関連をしまして、いま国、地方を通じて情報公開ということが一つの課題になっておりますけれども、この問題ともこれは強く関連してくるわけでありまして、仮に国の委任事務は国で監督をする、地方には介入させないという考え方が支配をいたしますと、情報公開についても純粋な固有事務に関する部分だけしか地方団体は扱うことができないということになって、地方団体の情報公開が全く有名無実になるという心配があるわけです。そういう意味で、情報公開あるいは行政の民主化、住民に対してわかりやすい行政をしていく、公開していくという面からしても重大なかかわり合いがあるわけでありますから、そういった点で情報公開という観点からのこの問題についての長官の御意見をもう一回伺います。
○中曽根国務大臣 機関委任事務の中には、お示しのように固有事務と密着して、あるいは固有事務ではないかと思われるぐらいに密着度の深い仕事もあり、常識化しておる問題もあります。大体地方自治の本旨というものは、その地域あるいは住民の身辺に密着していたことは地方が自分でやるあるいは住民が自分でやる、これが地方自治の本旨でありまして、情報公開ということになると監査と多少性格が違ってきて、住民の関心がかなりまた広がりを持って出てきておる問題であると思います。そういう意味におきまして、この情報公開の限度をどの程度やるべきか。金山町におきまして、すでに情報公開条例ができ、埼玉県や神奈川県でも知事がいま試案をつくろうとしておるときでありますから、それらの動向について非常に深い関心を持っておりますが、この問題につきましては、ある原則をつくるように自治省あたりがあっせんして、中央の仕事と地方の仕事、また仕事の中にもいろいろ性格があるでしょうから、固有事務に密着してほとんど変わらないような仕事はどういうふうにするだろうか、住民との利害関係やらそのほかの影響とか、あるいはそのほか知る権利に関係するそういう性格の差等もよく検討いたしまして、そして、ある原則をつくって、公開に踏み切るべきものは踏み切る。ただ、その善後措置につきましてはまだいろいろな配慮をする必要もあるだろう、一応こんなふうに考えて、推移を見守っていきたいと思っております。
○新村委員 そうしますと、長官のお考えとしては、現行法のもとでは機関委任事務に関する情報公開は許されないということですか。
○中曽根国務大臣 これは一応機関委任事務でありますから、委任者の了解が必要であると私は思います。ただ、住民の側から見ますと、情報公開の重要性というものも考えて、時代の潮流にふさわしいようなある調整をする必要はあるのではないか、そう考えておる次第であります。
○新村委員 何回も言うように、地方自治の仕事というのは、機関委任事務であっても固有事務化しておる、固有事務と区別のできない分野が非常に多いわけです。それから、仕事をする職員にしても、これは自治体の職員が固有事務と一緒にやっている場合が多いわけですから、なかなか区別ができないという状況の中で、長官は、現行法のもとで情報公開をやる場合には、こういう場合はいけないとかこういう場合はいいというような基準をお示しになるつもりですか。それとも、実際に地方自治体がやるという場合にどういう方針で臨まれるわけですか。
○中曽根国務大臣 新しく仕事をやる場合は、やはり試行錯誤の中でよりよいものを求めながら進んでいくというやり方であるだろうと思います。この問題に関して考えがまだはっきりまとまったわけでもなし、各省庁間に打ち合わせが済んでおるわけでもないのです。しかし、いまの御質問に対しまして、あるべき方向あるいは輪郭というものはお示しする必要がある、そう思いまして申し上げたので、これらにつきましては自治省、行管庁、各省庁あるいは地方の代表者等でよく話し合ってある準則をつくることが望ましいのだと申し上げている次第です。
○新村委員 そこのところが実は心配というか問題でありまして、そういうことになると、地方自治の分野の中で相当広い部分が実際には自治体の手で行われている事務でありながら、性格的に委任事務であるということのために、自治権がそこでその分野については大きく制約をされる結果になるということですね。これをわれわれは問題にしておるわけですよ。そういった点と監査委員の権限の拡大とはかなり深い関係がありますので、その点についてひとつ十分に御検討願って、自治権の拡大あるいは自治権の尊重という立場から前向きに対処していただきたいということを特にお願いしたいと思います。 それから自治大臣にお伺いしますが、このほかに、民間委託について監査委員の権限が及ぶようにすべきであるとか、あるいはまた委員の独立性の尊重という意味からいって一定の条件を監査委員の前歴に付すべきではないかというようなことがあります。そういう点については問題がないと思いますけれども、これもやはりなるべく早く実現されることが望ましいわけでありますが、それらの点はいかがですか。
○砂子田政府委員 ただいまお話がございました監査委員の独立の問題あるいは民間委託の問題につきましても、お話しのように十八次の答申がなされたわけであります。これらにつきましても、次回の地方自治法の改正をいたしますときに十分に考慮するつもりでございます。
○新村委員 次に文部大臣にお伺いをいたしますが、東京都の足立区に金井康治君という子供がいるわけです。金井君は都立城北養護学校に現在在籍をしておるわけですが、本人及び保護者の強い希望によって一般の学校に就学をしたいという希望を持っておるわけであります。これは父兄及び足立区の教育委員会との間で、金井君が花畑東小学校に転校するということに一たんは話し合いがついたわけでありますけれども、そして教育委員会もそれに理解を示して同意したわけでありますが、依然としてそれが実現できないという実態があるわけです。しかも、金井君の家から城北養護学校へは時間にして二十分かかる。ところが、新しく入ろうとする花畑東小学校へは五分で行かれるわけです。こういう事態があるわけですけれども、それが実現できないというわけでありますが、大臣はそれを御存じですか。
○小川国務大臣 非常に長い経緯を経て今日に至っておる問題と承知しております。
○新村委員 長い経緯でありますけれども、それが一向に解決しない。非常に小さい問題のようでありますけれども、これは身障者の幸せを守るという立場からして、あるいは義務教育の基本的なあり方からして決して小さくないと思います。この問題について大臣としてはどういうふうに解決をされるお考えですか。
○小川国務大臣 この問題につきましては、去る四月四日に足立区の教育委員会、教育長等から花畑東小学校に対しまして週二日の交流教育を行ってほしいという要請がなされたと聞いております。また、本日花畑東小学校、城北養護学校、足立区教育委員会、東京都教育委員会等の関係者が協議することになっておる、このように聞いておるわけでございます。これは改めて申し上げることではございませんが、心身障害児の教育につきましては、障害の種類、程度に応じて適切な教育を行うことが肝要であると考えておるわけでございまして、この考え方に基づいて学校教育法施行令二十二条の二に該当する障害の程度が重い児童生徒については特殊教育諸学校、また障害の程度が軽い児童生徒については小中学校の通常の学級または特殊学級で教育を行うということになっております。この制度に基づきまして、個々の児童生徒の具体的な教育の措置をどうするかということにつきましては、教育委員会がみずからの権限に基づき、またみずからの責任において決定すべき問題だと承知いたしておるわけで、本件につきましても関係教育委員会の適切な対応を期待いたしておるわけでございます。
○新村委員 この問題については足立区の教育委員会では一定の結論を出しておるんですね。そして花畑東小学校に転校することが適当である、こういうような結論を区教委では出しておるはずなんです。ところがそれが依然として実行されないというところに問題があるわけなんですけれども、大臣は実行できないというその情勢、事情については十分御承知ですか。
○小川国務大臣 きわめて細かい経緯につきましては政府委員から答弁を申し上げさせますが、いずれにいたしましても、ただいま当事者が恐らく非常な苦労をして解決のために努力をしているところだと考えております。最終的には教育委員会が決定する問題でございますので、文部省としてこの際意見を申し上げるということは適当でないと存じておるわけでございます。
○新村委員 まず細かいいままでの経緯と、それから現在の文部省の方針、これは文部省が強権的にこうしろと言うことはできないにしても、これは教育の基本的な問題ですから、区教委のことだということでわれ関せずということではないと思います。ですからそういった点も含めてお考えを伺いたいと思います。
○三角政府委員 これはそもそも昭和五十二年八月に御両親が小学校へ転校させてほしい、こういう希望を区の教育委員会に申し出られたことから始まりますが、その後非常に長い経緯で、関係者いろいろな意味で苦慮してこられたことであると聞いております。そして五十二年八月に始まりましたが、五十三年四月からはこの花畑東小学校へ転校を求めまして、支援者とともに、運動を続けてこられました。足立区の教育委員会は五十五年三月十五日に保護者との間に確認書というものを交わしておりまして、第一点は、五十五年度一学期より花畑東小学校で週二日の交流を行う、それから第二点は、今後できるだけ早く花畑東小学校へ転校できるよう双方が努力し話し合う、こういうものでございました。 このいわゆる交流ということの実施につきまして、花畑東小学校、足立区教育委員会、城北養護学校等の関係者が協議を進めたわけでございますが、なかなか合意点ができ上がらなかったために、五十六年四月になりまして区議会の正副議長、それから区の教育委員会、都の教育委員会、金井夫妻、花畑東学校、城北養護学校等の八者の話し合いが行われまして、受け入れ関係者は城北養護学校での一定期間の観察を経た後、花畑東小学校での試験的な学習参加を行ってもらいたいなどを内容とする議長あっせん案というものが了承されたわけでございます。 その結果、五十六年五月二十二日から六月二十日まで花畑東小学校での試験的学習参加というものが実施されました。この試験的学習参加の評価が行われたわけでございますが、これの評価におきましては御本人の筆記能力、それから意思伝達能力、それから移動能力、それから身辺処理能力等が問題とされ検討されまして、花畑東小学校では金井君は養護学校で教育を受けるのが適当である、これ以上の試験的学習参加は必要ない、そういう態度をとられたわけでございます。 同じ五十六年八月に足立区議会議長から、五十六年四月の確認事項をもとに週二日の試験的学習参加をしてほしい旨花畑東小学校に申し入れたのでございます。その後の申し入れに対しても、事態が進みませんために、足立区の教育委員会では校長の責任を問いますとともに、事態を進展させるように、こういうことを決めたわけでございます。ところが五十七年一月には花畑東小学校ではこれを受けまして、週二日の交流教育を段階的に進める、初めは午前中、そして学級を固定せずに巡回させるというような内容のようでございます。ところがこれに対しまして御両親の方は、週二日という点は当面はいいけれども、全日実施すべきであるし、また五十七年四月以降の転校も含めた展望を明らかにせよ、こういうような御主張がありまして、ここで両方が対立と申しますか、合意がなりませんで、その後進展を見ていない、こういう状況でございます。 先ほど新村委員が転校とおっしゃいましたけれども、いまの話は交流教育をやる、こういうことを区で決めたわけでありますが、そのやり方について学校側と御両親の側で合意に至りませんでその後進展をしていない、こういう状況のようでございますが、その後につきましては先ほど大臣から申されましたように、ちょうど本日花畑東小学校、それから城北養護学校、足立区の教育委員会、東京都の教育委員会の関係者が協議をする、こういうふうに聞いておりますので、私どもとしてはこれまでいろいろな、区議会の議長までが出てこられてあっせんなどもされましてやってこられた経緯のあることでございますので、その状況を今後とも見守りながら適切な解決に至りますように期待している、こういうことでございます。
○新村委員 時間ですからこれで終わりますけれども、区教委それから本人、父兄が協議をして出た結論、四月から原則として週二日という学習参加、これが実行されていないわけです。ですからこれからの障害者に対する教育のあり方、あるいは義務教育の基本的な原理に立って、ひとつ本人の幸せを守るために大臣としてもできるだけの御指導と配慮を願いたいということをお願いします。 終わります。
○永田委員長 春田重昭君。
○春田委員 私は、限られた時間内で数多くの質問をしたいと思いますので、質問事項は要点のみ申しますので、その点、意向をよく酌んで御答弁いただきたい、かように思っておるわけでございます。 防衛庁長官に質問いたします。 わが国の外交は日米関係を基軸として展開されているわけでございますが、現在日米間では貿易摩擦という大きな問題が生じているわけでございます。長官、防衛問題につきましては摩擦が生じておるかどうか、生じていないかどうか、この点まずお伺いしたいと思うのです。
○伊藤国務大臣 御案内のように、日米安保条約を結んでいる両国でございますので、この条約の信頼性といいますか、条約というものを、本当に条約の機能が発揮できるように、両国間で不断に、間断なく対話を続ける必要がありますし、それをできるだけやっておるわけでございます。その間にアメリカ側から、私どもがやっております防衛努力につきましてその時点での評価があったり、また、一般的な防衛力整備についての期待の表明が、それぞれの時点であることは事実でございますけれども、わが国はそういうことを念頭に置きながらも、わが国の諸条件を総合的に勘案をいたしまして、自主的に防衛力の整備を進めておるわけでございまして、いわゆる防衛摩擦というものがあるものとは考えておりません。
○春田委員 シーレーンの防衛問題についてお尋ねしますが、日本側のシーレーン防衛につきまして、また米側のシーレーン防衛につきまして、基本的にはそう考え方が変わってない、いわゆる不一致点は見られないと思いますけれども、特に装備論におきまして、わが国の考える装備論、またアメリカ側から要求する装備論、これは大きな乖離といいますか、差異があるように私は感ずるわけでございますけれども、長官は現時点でこの問題をどうお考えになりますか。
○伊藤国務大臣 このこともいま申し上げたことに続く答弁になりますけれども、私どもは従来からわが国周辺数百海里の周辺海域、また航路帯、シーレーンというものを設けるとするならば一千海里程度の航路帯をわが国の防衛力で守るということでやってまいったわけでございますけれども、またやりつつあるわけでございますが、いまのところそういうものを含めた防衛大綱の水準がまだ達成されておりませんので、また達成されたとしてもなかなか完璧なものとは言いがたいというような感じはいま正直言って私どもは持っております。
○春田委員 この一千海里問題につきましては、米側からさまざまな意見が出ているみたいでございますけれども、現時点ではこたえることはできないけれども、いわゆる五六中業が間もなく上がってくると思いますが、この五六中業、いわゆる六十二年までに防衛大綱の水準を達成するのだからその期待にこたえることができるという御自信なのかどうか、この点もひとつお伺いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 ただいまもお答え申し上げましたとおり、いま現時点では達成できてない、それから六十二年に達成することを目途としてただいまも五六中業の作業を進めておる、それから、仮に六十二年で達成しても、それから実際の装備が自衛隊の中に配置をされるまでには四年ないし五年もかかるというようなことでございますし、相当先の段階にもなりますので、その時点で一千海里の防衛というものについての完璧な力を日本の自衛隊なり防衛力が持つということにつきましては、この時点でにわかにお答えはできませんけれども、この時点でその状態を想定するならば、必ずしもいまのような装備では完璧であるということはにわかに申し上げることはできないというような状況でございます。
○春田委員 五六中業が昨年の四月二十八日国防会議で、一年をめどとして作成するということで、防衛庁のいわゆる内案といいますか、防衛庁案というものがほぼまとまった段階じゃないかと思うのです。これから大蔵省や各省といろいろ折衝があると思いますけれども、ほぼ防衛庁案がまとまったと思いますが、この五六中業の中身におきましては一千海里防衛のアメリカ側の要求に完全にこたえることができるかどうか。大体もう防衛庁としてはできておるわけでしょう。その点、見通しはどうですか。
○伊藤国務大臣 五六中業の作業は、先生御指摘のように昨年の国防会議で了承された方針に基づいて、この五六中業の段階において「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準を達成することを基本として、去年からおおむね一年間の作業期間を予定して目下鋭意作業を進めております。防衛庁としてはぜひとも五十八年度の予算概算要求に間に合うように、いま作業の作成に全力を傾けておるところでございますし、この段階で、この大綱の水準を達成できるかどうか、またできたとしてもいわゆる一千海里の問題について本当の意味での完璧な対応ができるかどうかということについては、先ほども若干申し上げましたけれども、この時点では、完璧な力を発揮できるということを断定的に申し上げられる段階ではございません。
○春田委員 長官がおっしゃっているこの時点というのはいまの段階ですか、それとも五六中業期間の六十二年までもはっきりわからない、期待にこたえることができない、こういうことなんですか。どちらなんですか。
○塩田政府委員 先ほど来大臣がお答えいたしておりますように、五六中業で「防衛計画の大綱」の線に到達することをめどとして作業をしております、こういうことでございますが、それは先ほどお答えいたしましたように六十二年に契約ベースで到達することをめどにしてやっておる。それができましたときにシーレーンの防衛ができるか、こういうことでございますが、「防衛計画の大綱」の線に到達すれば、現状に比しまして相当程度に能力がアップするというめどをわれわれは持っております。ただ、それが先ほど来大臣がお答えいたしておりますように、完璧かどうかということになりますと、これは言葉の問題でございますから、私どもとしては相当に能力アップを図るということで現在進めておる、こういうことでございます。
○春田委員 総理が昨年五月アメリカに行かれまして、ナショナル・プレス・センターでこの一千海里防衛につきましては公約である云々という話が、相当今国会でも問題になっておるわけでございますけれども、総理は公約でない、官房長官、外務大臣等は、これは公約に値するんだ、こうおっしゃっておりますけれども、長官はどうお考えになっていますか。
○伊藤国務大臣 総理がお答えになっていることも、また官房長官がお答えになっていることも同趣旨でございまして、また、われわれ防衛庁としてもそのことは同趣旨でございまして、われわれは「防衛計画の大綱」をつくり、また、その水準に一日も早く到達をしたいということでいまやっております防衛力の整備の中に、周辺数百海里、また航路帯を設けるとするならば一千海里、この海上防衛、海上保護をやりたいという考え方のもとに進めておるわけでございまして、そのことを総理が去年の五月に記者クラブで発言をしたということでございます。それをアメリカ側が公約というような形でとっておられるということでございますし、そのことをまた官房長官が、これは政府の方針であるということでございまして、われわれが従来から政府としてとってきております防衛力の整備の進め方、方針を、総理がああいう形でアメリカ側に、あるいはまた対外的に発言をされたというふうにわれわれは受け取っております。
○春田委員 この五六中業の作業というものは、いま鋭意防衛庁でされているわけでございますけれども、新聞では相当いろいろな形で報道されております。大体四月にまとまって、これから国防会議や大蔵省との折衝、そして七月に国防会議付議、八月に概算要求に間に合うように出してくる、こういう形で報道されているわけでございますけれども、五六中業のスケジュールはどうお考えになっていますか。
○塩田政府委員 いまの時点で私どもが考えておりますスケジュール的な概案としましては、先生がいままさにお話しになりましたような八月の概算要求に間に合わせたい。それから逆算いたしましていまスケジュールを考えているわけでございます。
○春田委員 この五六中業は防衛大綱の達成を基本に作成するということになっておりますが、そこで問題は、この大綱の水準を達成するためには相当の予算を食うだろうということが言われておるわけでございます。防衛に関しましては、昭和五十一年に、GNPの一%以内ということが一つの閣議方針になっておるわけでございまして、一つの歯どめになっておるわけでございますが、この五六中業におきましてひょっとすると突破するのではないか、こういう見方もされているわけでございますけれども、防衛庁の御見解をお伺いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 先生の御質問の中にも再三出ておりますとおり、またいま私どもが申し上げておりますとおり、目下作業を進めている段階でございまして、鋭意やっておりますけれども、まだ事業内容も固まっておりませんし、したがって、期間内の防衛関係費というものがどのような形になるかということについてもまだ固まっておりません。ただ、われわれはその際、当面一%を超えないことをめどとするという閣議決定も念頭に置いて、またそれを基本に置いてやっておるわけでございまして、まだ内容も固まっておりませんので、一%についてのお答えについて正確にいまお答えはできませんけれども、片方で防衛力の整備、大綱の水準を達成したいということを図り、また、閣議決定の一%以内を当面超えないことをめどとするということを念頭に置きながら、目下ぎりぎりの努力をしているということでございまして、まだ先生の御質問にそのままお答えできるというような段階ではございません。
○春田委員 一%以内ということを念頭に置き、いま検討している、こういうことで、これは一%以内ということを遵守していくのだ、守っていくのだというのとは相当ニュアンスが違いますし、相当後退する発言だと私は思うわけでございます。これは今後国防との話し合いがされると思いますけれども、防衛庁長官としては、いわゆる防衛庁案は大体まとまっていると思うのですよ。現時点では一%を超えるのではないか。そうすると、そうしたものを含んだ御答弁みたいに私は感ずるわけでございますけれども、これはどうなんですか。必ず一%を守っていくのかどうか。その点の長官の決意等をお伺いしたいと思うのです。
○伊藤国務大臣 「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準を達成するということも、いま進めております計画の五六中業の作業の目標でもございますし、またその場合、当面一%を超えないことをめどとする等の閣議決定との関係も、これは閣議決定でもございますので、当然基本に置かなければならない。したがって、効率的な節度ある整備ということに留意もしなければならない。そういうようなことの決定を踏まえながら大綱水準の達成が図られるようということでございまして、大変むずかしいわけでございますけれども、何度も申し上げておりますとおり、ぎりぎりの努力をしているということでございまして、ぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございます。 また、いろいろ新聞等でも出ております数字がありますけれども、いまのところこれらの数字は、それぞれのお立場での独自の推計等に基づいておるものとしか言いようのない段階にわれわれのいまの作業があるわけでございまして、暫時お時間なり御猶予を賜りたいと思います。
○春田委員 限られた時間でございますので、まだ突っ込んで質問したいわけでございますけれども、この問題につきましては次回に譲りたいと思います。 いずれにいたしましても、わが国の防衛政策というものは憲法の制約、非核三原則、また予算との整合性、いろいろな制約等があるわけでございますし、また国民のコンセンサスが必要であるわけでございますから、決して予算において突出したり、各国に脅威を与えるようなわが国の防衛であってはならない、このことを要望して、この問題につきましては一応終わりたいと思います。 第二点として外務大臣にお伺いいたします。 先ほどから対韓援助の問題につきまして質問がされておるわけでございますが、せんだって前田駐韓大使が一時帰国されまして、外務大臣といろいろ相当打ち合わせをされて、日本側の意向を酌んで韓国の外相ともお会いなされたとか聞いているわけでございますけれども、それに対する韓国側の反応というのはどういう内容だったのか、お答えいただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 前田大使は日本に帰られて、韓国の情勢を私どもに詳細に話されたわけであります。私どもからは、その韓国の言っておる商品借款を考えてくれとか、あるいは日本がこう基金と輸銀に仕分けたのを、もっと基金の方のソフトのものでということについては、非常にむずかしいということをるる説明いたしましたから、帰られて、先方の新聞によると盧外交部長に会ったようでありますが、いまのようなことを伝えたものと思うのであります。ただ、その伝えた結果は、新聞報道以上の、こうだったああだったということは現在まだ私の手元には参っておりません。
○春田委員 この対韓援助の問題につきましては、外務省としては、韓国側が五年間で六十億ドルに対しまして六年間で四十億ドルという案がいま出てきているわけでございます。内容も円借款が十五億ドルで輸銀やその他金融機関等で二十五億ドルということが外務省案として報道されているわけでございますけれども、大蔵省としては、非常に財政が厳しい段階で、またアジア全体の従来の経済援助という整合性の問題からかんがみて、韓国だけそんな円借款をふやすわけにいかない、こういうことらしいのです。そこで大蔵省は四十億ドルに対しては三十五億ドルだ、円借款におきましても外務省は十五億ドルと言っているけれども十億ドルがせいぜいだという報道もされているわけでございますけれども、大蔵省としてはこの対韓援助につきましてはどういうお考えになっているのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 別に外務省とそんなに見解の違いはないと私は思っております。海外経済協力については一つの原則がございますから、その原則にのっとって、総枠で幾らというようなことはやりません。これは積み上げて単年度、その結果がにじみ出てくるという場合はあるでしょうけれども、そういうようなことでございます。したがって、韓国の問題は外務省が窓口でやっておりますので、外務大臣からお聞き願いたいと思います。
○春田委員 対韓援助につきましては昨年からかなりいろいろ検討もされ問題にもされてきまして、いわば大詰めの段階だと私は思っているわけでございますけれども、五月連休の外相の訪韓が、五月中旬、下旬といろいろうわさされているわけでございますが、この問題、国会の会期がいまのところ五月十九日になっているわけでございますけれども、国会会期中に解決するめどがあるのかどうか、外務大臣にお伺いしたいと思います。
○櫻内国務大臣 腹蔵のない話し合いをしておりますから、私どももかたくなに相手の言うことに全然耳をかさないというわけではありませんが、供与を受ける方はなるべくソフトなものを、こういうことなので先方の言うこともわからないわけではありませんが、正直言って押し合いへし合いでなかなか結論ということに短兵急にいきかねておるところがございますが、できればお話のように相当時間もかけておりますので、何とか双方で合意に達したい、しかし大蔵大臣も言われますように、従来の経済協力の方針をたがえるとかいうようなことでなく、いままでの方針の中で何とかまとめたい、こう思っております。それが見通しがつけば、連休とかどうとかそういうことにとらわれずに外相会議を持ちたい、こう思っております。
○春田委員 もう一点外務大臣にお伺いしますけれども、いまの日米貿易摩擦問題で第二弾の市場開放策が検討されているわけでございますが、各省それぞれ御努力なさっているみたいでございます。 通産省はそれぞれ先端技術の問題や自動車の問題、さまざまな問題で前向きの検討をされておりますし、大蔵省でも、たばこの販売店を二万軒をさらに広げようという動きもあるように思いますし、その他関税の前倒しそれから引き下げ、撤廃、各省がいろいろな案を練っているわけでございます。 大体第二弾は、経企庁と外務省が一つの調整役となって五月七日の経済対策閣僚会議でまとまるみたいでございますけれども、この中で最大関心事であります農産物の市場開放、いわゆる自由化という問題、これがいろいろな背景があってむずかしいように思っておるわけであります。農水省はせんだっての日米農産物交渉で、ワシントンでやった場合、第一日目に決裂してアメリカ側がかット二十二条で協議するんだということで話し合いやめ、こうなってきたことによって今回の市場第二弾にはのせないでガットの場で争いたい、こう言っている農水省幹部の発言もあるわけでございますけれども、私は最大関心事であります農産物の市場開放が第二弾で出なかった場合は、画竜点睛、何か欠けているような感じがするわけでございまして、農産物がなくとも市場第二弾開放策があるかどうか、この点、まとめ役としての外務大臣のお答えをいただきたいと思うのです。
○櫻内国務大臣 私、避けて申し上げるわけではないのですが、きょう午前中に河本企画庁長官が御答弁されておりますように、大体経済企画庁の方で取りまとめをしていただいております。従来私どもが申し上げておりましたのは、サミットを念頭に置いてあらゆる努力をいたします、こう言っておるのでありますから、作業部会の結果はただいまの御質問のとおり不調に、物別れに終わって、米側がガットの場で、こうは言っておるわけでありますが、日本側としてはせいぜい努力はいたしたい、やむを得なければガットの場へ移す、こういうことだと思います。
○春田委員 いや、そうじゃないんですよ。これは経企庁長官に聞きますけれども、第二弾の中に農産物の市場開放、いわゆる自由化という問題については当然入れなければ米側としては承知しないのじゃないかと思うのですけれども、どうでしょうか。農水省はのせないという発言もあるわけですね。この点について長官の御感触を。
○河本国務大臣 いま御指摘の問題を政府部内で懸命に調整をしているわけでございまして、結論が出ますのにもう十日くらいかかるのではないか、こう思っております。
○春田委員 長官の個人的見解ではどう思いますか。
○河本国務大臣 私もいろいろな考え方を持っておりますけれども、何しろまだ微妙な段階でございまして、懸命の調整をしておるところでございますからもうしばらくお待ちいただきたいと思います。
○春田委員 この問題につきましては総理質問のときにまた伺いたいと思います。 あと七分しかございませんので大蔵大臣にお伺いしますけれども、グリーンカード問題については先ほども質問がございました。いささかも五十九年一月実施については方針変更する気持ちはない。ただそれには環境整備が必要である、こういうお話でございましたけれども、いま自民党のグリーンカード対策議員連盟からはかなりの反対署名が出ているみたいでございますし、一部野党の皆さんからも反対という意向が出ていますし、財界からも反対という意向が出ているわけでございます。こうした反対の声が非常に大きくなってきているわけでございますが、大臣は環境整備の中身はどうか別として、その環境整備の次第によっては十分抑え込みができる、こうした反対ののろしは抑えて五十九年一月実施、これはいささかも後退することはない、こうお考えになっているのですか、簡単に。
○渡辺国務大臣 政府としては、これは変えるというのは国会が決めることですから、政府よりも。政府は変える気持ちがない、国会で法案が変われば変わるでしょう、それは。私に言うよりもむしろ国会自体の問題ではないか。政府は変える考えはありません。
○春田委員 大臣は税の見直しにつきまして、四月八日の信託大会で所得税の最高税率七五%を五五%、住民税の一八%を一二%と引き下げる、こういう趣旨の演説をなさっておるようでございますが、まだ国会では明確な御答弁がないと私は記憶しておるわけでございますけれども、この発言はあくまでも大臣の個人的な見解なのか、大蔵省全体としての検討している内容なのかどうか、伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 それは総合課税に移行するという場合は、先進諸国が総合課税だから、公正確保のためという以上は先進国がやっていることをやるべきだ、どこの国に行っても限界税率、住民税と所得税で九三%と高い税率の国は世界じゅうありませんから、総合課税にする以上は——アメリカは所得税は五〇%、地方税含めても五五が最高、イギリスが六〇とかフランスが六〇とかドイツが五五か六とか、したがって、世界に例のないことをやるとおかしなことになってしまいますから、やはりそれは世界に例があるようにやらないと、みんなお金は世界じゅうつながっていますから、だから環境整備の一環としてそういうことはやるべきであるということを申し上げたわけでございます。
○春田委員 大臣はこの問題につきましては現在まで国会審議の中でその持論というべきことをお述べになっているわけでございます。私たち野党は所得税減税は高額の見直しも必要かもしれないけれども、むしろ低所得、中所得の税の見直しも必要であるということで、五年間据え置かれた非課税限度額を引き上げるべきである、こう主張しているわけでございますけれども、いわゆる税の見直し、是正につきましては当然下の方もお考えになっておると私は思いますが、この点どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 そのことは衆議院大蔵委員会で御検討をされておりますから、その結果を見守りたいと考えます。
○春田委員 河本長官は五十七年度の税収の見通しにつきまして、いわゆる条件つきでございますけれども、追加政策次第では大蔵省が見積もっている四兆円からさらに二兆円プラスして六兆円くらいの税の増収になっていくんじゃないか、こういうようなことを十五日の社会経済国民会議の講演でなさったやに聞いておるわけでございますけれども、この点の真意をお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 私の言いましたのは五十七年度に税の自然増収がほっておいても六兆ある、そういうことを言ったわけではございませんで、五十五年度の税収は五十四年度の年度当初の税収見積もりに比べますと約五兆円ふえておるわけであります。したがって、その時点における経済の規模は二百四十兆円である、現在の経済の規模は二百八十兆円であるから、五十五年度見当の力を経済とか財政が持つことが可能であるならば税の自然増収を五十七年度において六兆ぐらい期待することも不可能ではない、こういう趣旨のことを言ったわけでございます。
○春田委員 渡辺大蔵大臣は五十六年度が数%の歳入欠損、こうおっしゃっておるわけでございまして、五十七年度もこの基調でいけば何らかの不足を生ずるのを避けられないんじゃないかという御見解をお述べになっていると聞いているわけでございますが、この点、河本長官の御所見と、私たち客観的に見て違うように感ずるわけでございますけれども、五十七年度の税収につきましては大蔵大臣はどうお考えになっていますか。
○渡辺国務大臣 それは、いまいみじくもあなたがおっしゃったように、このままでいけばです。このままでいかないようにいろいろ手当てをしているわけですから、まだ始まったばかりで、世界の経済もわからない、ことしの後半からはアメリカを初め景気は上向くというのが通説でございますので、私も通説をとらざるを得ない。したがって、もう少し状況を見ないとこれは何とも言えないというのが結論でございます。しかしなかなか厳しいということは一応考えられます。
○春田委員 臨調の基本答申が七月に出されると聞いているわけでございますが、いわばシーリングが六月の初めから行われると私は思うわけでございまして、五十八年度の予算要求に反映しようと思ったならばこの七月の上旬か中旬か下旬かによって影響度が相当違うと思うのでございます。臨調答申は当初上旬か中旬と言われたのがその後後退して七月という形になっておるわけでございますけれども、中曽根長官、この点——七月の上旬、中旬、下旬というのは具体的に出ていないわけでございますけれども、いわゆる予算の概算要求への反映というか影響度というものを考えてみても私は前段に出すべきじゃないかと思っております。この辺の絡みとの関係でどうお考えになっていますか。
○中曽根国務大臣 これは財政当局の方はどういう手順でいくか、その点、まだわれわれは情報も相談も受けておりませんので、諸般の資料が整った上でそういう判定は出すべきである、一応七月中にいわゆる基本答申は行われる、こういう考えで進めてもらっております。
○春田委員 総理の公約が行政改革と財政再建ということでございますが、この財政再建は、総理は一つは増税なき財政再建であるとおっしゃっております。二番目には、したがって増税なしの財政再建というのは徹底した歳出削減、合理化でやっていくとおっしゃっているわけでございます。この第二臨調の答申によって徹底した歳出削減ができるのかどうか、合理化ができるのかどうか、第二臨調の基本答申において総理のおっしゃっている財政再建の見通しが明るくなるかどうか、この点、長官の御所見をいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 事態は非常に厳しいように思います。できるかできないかという問題よりも、どうがどうしてもやらなくちゃならぬ、そういう問題だろうと思います。
○春田委員 時間が参りましたから、これで終わります。
○永田委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 私は昨年三月に文教委員会で医学部教官の過剰なアルバイト、そして患者や薬品メーカー、病院などからの謝礼、リベート、そういうようなものをもらっている問題を取り上げて改善を求めました。ところが、今回国税当局の調査によって大阪大学、神戸大学の教授等が所得を隠していたことが摘発され、追徴一億円、こういう事態が発覚をいたしました。この問題は、昭和五十三年から五十五年にかけての三年間にわたる所得のごまかしに関してでありますけれども、私は昨年の指摘以来この問題の経緯を注目しておったわけでありまして、今回の国税当局のこの調査、私はその努力に大変敬意を表したいと思います。 そして、まずお尋ねをいたしますが、税務調査の結果、現在何人くらいが修正申告をされたのか、その額は幾らであったのか、また大阪大学や神戸大学以外にもこのような事例があると思いますが、どのようになっておりますか。
○吉田(哲)政府委員 お答え申し上げます。 計数のお尋ねでございますが、計数は十分つかんでおりませんので、調査の概要を申し上げたいと思います。 いま御指摘ございましたように、国公立大学の医学部の先生等でいろいろ多額の謝礼やリベート、そういったものを受領している者があることはかねがね御指摘いただいたとおりでございます。私どもはそういったものにつきまして非常に強い関心を持っておりまして、可能な限り資料、情報を収集し、課税の充実に努力してきたところでございます。 それで、たまたま大阪国税局の調査結果が新聞等に出ましたけれども、私どものやり方は、現在、医療保健業というのを全国的に重点調査業種として調査を徹底して課税の適正を図ることにしているわけでありますが、そういう税務調査の過程におきまして国公立大学の医学部教授等でそういった医療機関から多額の謝礼あるいはリベート等を受領している者がいろいろ判明してきたわけでございます。そういったことで、そういう該当の先生等につきまして税務調査を実施し、相当多額の申告漏れ所得を把握して所得税を追徴したわけであります。 それで、たまたまこの前新聞に出ましたのは一部でありますけれども、私どもはそれで全部だとは思っておりません。これは国公立、私立共通の問題でございますし、またそれぞれやり方について若干の相違はありますが、全国の国税局でやはりそういった関係の資料を集めまして重点的に調査をすることにしているわけでございます。 ただ、残念ながら、そういった関係の合計が幾らになるか、それだけをまとめた統計というものはございませんので、数字を申し上げるわけにはまいりませんけれども、表に出たのは数ある中の一部であるというふうに私どもは理解しておるところでございます。
○中野(寛)委員 それでは、その教授たちはどんなところから、どのような形で金をもらっておったのか、そしてその金をどういうふうに使っておったのか、またどういうふうに蓄えておったのか、その実態についてお尋ねをいたします。
○吉田(哲)政府委員 そういう謝礼、リベート等の入ってくる方法はいろいろございますけれども、一つは病院とか診療所に頼まれまして応援診察、応援診療というのをやるのがございます。これは相当偉い先生でございますとむずかしい病気を担当いたしますし、それから、簡単なものでございますといわゆるアルバイトの派遣医というようなかっこうで行われているのがございます。 それからもう一つは、製薬会社等から研究費とかといった名目で支払いを受ける金額がございます。 それからまた、別のカテゴリーとしましては、先ほど申しました病院等へ医師を派遣することによりまして、その大学の実力のある先生が謝礼を受けるといったようなものがございます。 そのほかに、偉い先生がたくさんおられるわけでございますので、原稿料とか講演料とかといったもので入ってくるものがございます。 漏れておったもので大きなものは私どもの調査ではそういったところでございますけれども、そのほかにたとえば旅行とか出張の場合にせんべつをもらうというようなケースがございます。 ただ、私どもよくわかりませんのは、患者さんから謝礼をもらうようなケースが散見されるわけでありますけれども、これはお互いに患者の方ももらった方も表に出しませんので、なかなか税務調査になじみがたいところがございます。 いずれにしましても、私どもはそういった別途収入はできるだけ正確に申告していただくようお願いしているわけでございます。 それから、その集まった金をどういうふうにやっておったか、これも千差万別でございますけれども、通常は普通預金とかいった預金の形で留保されているというのが多いわけでございまして、その使い道は研究費に使うとか医局で使うとかあるいは一部個人的な消費に回るとか、さまざまでございます。
○中野(寛)委員 それでは、会計検査院にお伺いいたしますが、これらのお金が、いま御答弁にありましたように、受託研究費等々いわゆる研究費の名目でも出されている、こういうことなのであります。この受託研究費だとか奨学寄附金というふうな性格のものは国庫の歳入に入れて歳出予算で支出するというのでなければならぬはずであります。また、この教授らの話では、受託研究費や奨学寄附金等をルーズに扱って私的に流用しているというふうな疑いも持たれているわけであります。これらのことについて会計検査院としては一体どのように調査をされているか、把握をされているかお伺いをしたいと思います。
○堤会計検査院説明員 受託研究費につきましては五十六年中に三十八大学、金額にしまして約十八億五百三十万、奨学寄附金につきましては四十二大学、金額にしまして約八十一億五百三十九万円程度を検査いたしております。この両方の金につきましては各年度とも各大学に赴いて検査しておりますけれども、いままでの検査結果では特に違法または不当と認められるような事態はございませんでした。しかしながら、国会でも再三疑問がある、疑惑があるというような御指摘を受けておりますので、今後とも私どもも十分検査していきたいと思っております。
○中野(寛)委員 今日までこれだけの件数この受託研究費等を受け取っているケースがあるという御報告がありましたけれども、先ほどの国税庁からの御答弁のように、実際上は実力のある教授等が研究費名目等で受け取っている、またそういう実態が明らかになっている。私どもの聞くところでは、会計検査院が調査に入るというので事前に大学内の帳簿類を改ざんする、そういうふうなケースがあるということまで聞いているわけであります。会計検査院としてもっと厳しく、そしてもっと適確に調査をすべきであるというふうに私は強く要請をしておきたいと思います。 さて、法務大臣にお伺いをいたしますが、こういう国立大学の教授等が一般病院や薬品メーカーなどから多額の金を受け取っているという事実が税務調査や教授自身の口から明らかにされているわけであります。しかもそれはたとえば手術をしてもらったから心からの感謝の気持ちを込めてなどというものではない。むしろ手術をする前に、あの教授に手術をしてほしいという願いを込め、またはそれとない病院からの請求を受けてその支払いが行われるというふうな事実もあるわけであります。このような内容のことは刑法上明らかに問題になると思うわけでありますが、いかがお考えでしょうか。また、これらの事案について調査をされておられますでしょうか。
○前田(宏)政府委員 ただいまお尋ねのようなことがこれまでも新聞等でも報道されておりますし、国会でもいろいろ御論議があったことは承知しておるわけでございますけれども、いろいろな疑惑といいますか問題があるようには聞いておりますけれども、犯罪の成否を明らかに見きわめるほどどうも事実関係がまだはっきりしていない点が少なくないように思うわけでございまして、たとえば一つの問題点としては収賄というようなことも一応は考えられるかもしれませんけれども、その場合に職務権限がどういうことであるか、また金の授受がありました場合にその職務との対価関係というような問題もあるわけでございまして、犯罪の成否につきましてはっきりしたことを申し上げるのはまだその前提がどうもはっきりしないというような感じを持っているわけでございます。
○中野(寛)委員 先ほどの大蔵省からの御答弁でも、たとえば実力のある先生が受け取るというふうに、もう内容的にはその事例があることが明らかにされていると私は思うのであります。また私どももこれまで指摘をしてきたところであります。法務省として実際に立証しにくい問題等、現実の捜査の問題があると思いますけれども、これらの事案については明らかにそれが受託収賄等々になるケースであることはいま示唆されたと思うのであります。 少なくとも現在国民の医療費について十三兆円に達する支出が行われている。そして医療の荒廃というものは、その根底にあるいわゆる学生が育っていく大学においてこういう実態があるということは、そのままその体質をも学生たちは身につけて医師として育っていくということになるわけであります。ゆえに私は、大蔵省としてもより一層これらの問題について、税務の面からとはいえその調査を厳しくしていただきたいと思いますし、あわせて、法務省そしてまた文部省においてもその御決意を持って事に対処していただきたいと思うわけでありますが、大蔵、法務、文部、各大臣からその御所見をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 医療費が十三兆ということで年々ふえていく、これは高齢化社会を迎えますと、年寄りがふえれば病気がふえますから、このこと自体はなかなか抑えられないが、問題は中身であって、中身がルーズになって湯水のごとくむだに、むだと言ってはなんですが、使わぬでいいものまで使われているという実態は放任することはできない。したがって、こういうことについてはまず、もうけたものを課税するというんでは後追いになりますから、そういうぼろもうけのないような仕組みと、それから指導、監査、そういうものを直したり徹底さしてもらいたいと、そう思っております。
○坂田国務大臣 ただいまの問題につきましては、わが検察も関心を持っておるところでございます。法に照らしまして厳正公正に対処いたす所存でございます。
○小川国務大臣 ただいま仰せの昭和五十六年三月二十日の衆議院文教委員会における御審議の趣旨を踏まえまして、文部省といたしましては直ちにその対応を検討いたしたわけでございまして、五十六年四月、各方面の有識者による懇談会を設けまして、問題の検討をお願いし、五月十六日の懇談会において意見を取りまとめていただいたわけでございます。 そこで早速、五月二十七日に開催されました国立大学病院長会議において懇談会の意見の趣旨を踏まえて、第一に医療機関への医師派遣の問題、第二に患者等からの手術等に対する謝礼の収受の問題、第三に民間企業からの寄附金の受け入れ並びにその経理の問題、この三つの点につきまして特に注意を促しますとともに、病院の管理責任者である病院長として管下の全職員に対し、国家公務員としての服務規律の保持と綱紀の粛正について一層の努力を傾注するよう厳しく指導したところでございます。 また、以上のほか国立大学学長会議、同医学部長会議を初め、主要な国立大学関係者会議などあらゆる機会をとらえて指導に努めているところでございますが、今後とも重大な関心を持って指導に当たる所存でございます。 さらにまた、特に国会の御質疑において具体的に名前を指摘されました京都大学、大阪大学及び神戸大学につきましては、事実関係を調査した上、当該大学の医学部長及び病院長の管理責任を厳しくただしますとともに、無許可兼業の教官についても厳重に戒める等関係者に対して所要の措置を講じたところであります。
○中野(寛)委員 私は、これらの問題はまさに現在の医療の体質そのものをあらわしている、こう思います。一朝一夕に改善されるとは思いませんけれども、しかし、国民の命を預かるきわめて重大な問題であります。そのことを肝に銘じてそれぞれの御担当の当局において最善の努力をなされることを強く要請をして、この質問については一応終わりたいと思います。 次に、国鉄の問題についてお尋ねをいたします。 去る三月四日に運輸大臣は、国鉄の職場規律の乱れに対する総点検を国鉄当局に指示されたわけであります。私どもも今日までわが党同僚議員等を中心にして、幾たびとなく現在の国鉄の職場規律の乱れについて具体的事例を挙げて指摘をしたところでございます。もはやその実態についてはすべて国民がこれを知り、そしてその改善策を早急に講ぜられることをいつになるのかと注目をしていると言っても過言ではないと思います。 この総点検についてすでに御報告をお受けになられましたか、もしまだならばいつになるのか、お尋ねをしたいと思います。
○小坂国務大臣 総点検は、職場が約五千ありますので少し手間取っております。ただし、中間報告は一応受けておりますが、それに対応したいろんな施策、対応策等含めての報告は、今月の末までには私のところに提出されると聞いております。
○中野(寛)委員 私ども当初今月中旬と聞いておりましたが、確かに手間取っているようでございます。早ければいいというものではありませんけれども、しかし、緊急を要する内容であることは事実でありますから、国鉄当局としても、その中身の充実と、そしてそれが一日も早く出され、まとめられることを要請をしておきたいと思います。 さて、この総点検でありますけれども、しかし問題は、それがどのように処理されるかということが問題であります。 私どもの長い間にわたっての追及、そして今般、自民党の国鉄再建小委員会も、この職場規律の実態を調べながら労使関係の改善等を含めて提言をなされたようでございます。内容は、私どもも拝見をいたしましたが、一部を除いてそのほとんどについて大変もっともだと思われる点が多々指摘をされていると思うのであります。運輸大臣としてどのようにお受けとめになっておられますか。
○小坂国務大臣 小委員会のレポートはきわめて貴重なものだと考えております。
○中野(寛)委員 さて、それでは国鉄にお伺いいたしますが、この総点検をされているわけでありますけれども、私どもが今日までこれらの国鉄の職場の実態についてお尋ねをいたしますときに一貫してお答えになられたのは、労使関係も職場の規律もよくなりつつあるという御答弁でございました。そして、そうぎくしゃくした状態や対決の状態では物事はよくならないという御答弁もございました。しかし、そのようななまぬるさではどうにもならない事態であることもいまやはっきりさせられている、こう思うのであります。 今日こういう事態を迎えるに至ったその最も大きな原因は、国鉄当局の経営陣がいかに不明であったかを物語ると思うのであります。外から指摘をされなければわからなかった、これでは困るのであります。また、知っておった、指摘されるまでもなく知っておったとするならば、いよいよその責任は重大であります。 さて、これらの点について、今日まであの違法なストに対する処分のことについては若干の処置がなされましたけれども、しかし、今日の事態を迎えた国鉄のこの状態、これに対して、だれ一人として基本的に責任をとろうとした形跡を私どもは見ません。国鉄を立て直すためには、経営陣の一新も含めて、その責任体制をはっきりさせなければならないと思うのであります。 時間の関係で先走って申し上げますが、もし積年の慣例が積み重ねられておったものだとするならば、すでに長年国鉄総裁としてその任に当たられた高木総裁が、今日までの任期の間に、これらの実態について調査をすることも具体的に指示をしない、そして今日こういう事態を迎えた、これは現総裁の責任として看過する事態では決してない。総裁御自身が、もうすでに何年総裁をやっているのだということにならざるを得ない。それらのことを含めて私はお伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高木説明員 国会におきまして、たびたびいろいろな御指摘をいただきますときに、ただいまお尋ねの間にお触れになりましたように、私は、だんだんよくなりつつある、そういう認識で御答弁申し上げておりました。最近、次々いろいろ問題が起こりまして、運輸大臣からの御指摘もあって総点検を始めて、いまいろいろな資料を現場から徴しているわけでございます。そして、それは間もなく運輸大臣に御報告をいたしますけれども、いまその取りまとめ中の過程におきましても、率直に申しまして、私の認識とかなり大きな開きがあるということで、大いに反省をいたしております。 このことにつきましては、私どもが十分把握できなかった事情がどこにあるのかということが非常に問題でございますし、また私どもがそこに十分に手を尽くせなかった点については、挙げて私の責任というふうに感じております。ただ、これにどう対応するかはいま取り組み中でございまして、なるべく速やかにこれを改善する方法を確立いたしたいと考えております。 御指摘のように、私もかなり長い聞いたしておるわけでございますから、私の不明を大変恥ずかしく思っておる次第でございまして、その意味においては、決して他に責任を求めるということでなく、私自身の責任として対処してまいらなければならないと考えております。
○中野(寛)委員 今日までのいろいろな調査で明らかになっていることの中で、ここで私が申し上げておかなければいけないことは、中間管理職、特に助役さんたちのことであります。これらの立場にある方々が何人か自殺をされたケースも、この二月の予算委員会ですでに指摘をされております。ポカ休の埋め合わせをするのも助役さんである、そしてまた、上と下の挟み打ちになって苦労するのも助役さんであるという実態があります。このように乱れた状態の中で、いま申し上げたように、一応運転が守られてきたというのはこの助役さんたちの努力があったからだ、犠牲があったからだ、こう言っても過言ではないと私は思います。もちろん、助役さんたちの中にもいろいろな方がいらっしゃるでしょうけれども、総じて評価ができる状態であったと私は思うのであります。この人たちがスムーズに仕事ができるようにすることが大切なことでありますけれども、このことについては具体的にお考えでしょうか。
○高木説明員 率直に申しまして、助役の諸君が非常に苦労しているということはわれわれも承知はしておりますが、その実態がどの程度かという認識については、私どもの認識に誤りがあったということを考えざるを得ないと思っております。 そこで、これに対する対応としては、本社ないし管理局がもう少し腰を据えて助役諸君の仕事ぶりなり苦しい立場というものについてバックアップをしなければいけないということでありまして、その点が不十分であったのではないかと考えておるわけでございます。 また、同時に、待遇等の問題につきましても、いろいろな配慮が必ずしもいままでのところでは十分ではなかったということで、それらの点も今後の取り組み課題にいたしたいと考えております。
○中野(寛)委員 今後の国鉄の改善に対する当局の姿勢、決意を示すシンボル的な存在として、あの二百二億円損害賠償裁判があります。六月一日、次回の口頭弁論で国鉄当局はどのように対処しようとされているのかをお聞きしたいわけであります。 早期結審を求める立場から、運行可能論についての弁論を打ち切って、同時に、裁判の際に当事者が請求できる権利として、早期結審を求める上申書というのを提出することができるわけであります。意図的な裁判の引き延ばし等に対応するためにそういう方法もあるわけであります。私は、このようなものをもはや提出をする時期に来ている、この裁判についてはもはやその中身は明確なんだという見解を持ちますが、いかがでしょうか。
○高木説明員 これまでも決してゆっくりやってよろしいという考え方を持っていたわけではございませんのですけれども、結果として大変時間が長くなってきております。前回までの法廷での展開によりましてほぼ手続が進んでまいりましたので、いま先生おっしゃったような方向で対処をいたしたいということで、具体的なやり方については専門家の間で研究させておるところでございます。
○中野(寛)委員 具体的なことについては専門家にと言いましたが、これは弁護士等の法務の担当者ということになるのでしょうけれども、総裁が今日段階でまだそのような姿勢では大変心もとない。この問題に対して国鉄当局がどう対応していくかということを国民は注目をし、その姿勢のいかんによって今後の国鉄の改善、改革というものがなされるかどうかを占えるものだとさえ思っている。このことについてもう一度明確にお聞きしたいと思います。
○高木説明員 基本的には、御指摘のとおりで考えております。ただ、法廷でどういうふうな持ち出し方、進め方をしたらいいのかということは、弁護士なり専門家なりに研究してもらうという意味で申し上げたわけでございまして、基本的には、早期に物事を進めるようにさせたいと考えております。
○中野(寛)委員 時間のこともございますから先に進みます。 運輸大臣にお聞きをしたいと思いますが、国鉄が現在進めております経営改善計画、そのうち輸送量、特に貨物が大きく落ち込んでおります。収入面で見ましても、予算に比較をして約千六百億円の収入減となっております。このような事情を見た場合に、経営改善計画そのものがもはや見直しされなければいけないという事態になっているのではないのか。先ほどの貨物の問題も、これは一つの事例でありまして、これだけではないわけです。私は、この見直しがもはや必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 経営改善計画は一応決まったものでありますが、われわれといたしましては、現在の国鉄の状態、あるいはまた日本の財政状態から影響をされるもろもろの問題を考えますときに、やはりこの経営改善計画はなるべく深く、早くやっていかなければいけないというような考え方で、現在いろいろと具体案をつくっておるところであります。 それからまた、貨物問題は大変な落ち込みでありまして、実際の赤字総額が約四千億は軽く突破する可能性もあるわけでありますので、早くこれを改善するということはまず第一着手として非常に必要であると思いまして、この十一月のダイヤ改正の際に具体化いたしますが、貨物輸送についての大幅な見直しを現在進めているところであります。
○中野(寛)委員 国鉄改善計画、いまそういう状態だということなんですけれども、聞くところによりますと、第二臨調の第四部会で、行革の一環として国鉄再建問題が検討されているわけです。聞きますと、予想されます臨調の答申内容というのは、現在の改善計画の内容よりもはるかに厳しいものになるということのようであります。今日まで政府の御見解、お立場は、臨調答申を実施していくんだと強い決意を語ってこられました。いま、なお一層厳しい答申が予想される今日、運輸大臣としてどうお考えでしょうか。その答申どおりに、どのような答申がなされようとも実施をしていくという御決意をお持ちでしょうか。
○小坂国務大臣 臨調答申は尊重してまいります。また、それを実施をしていくということについても、別に私は、それがむずかしいであろうとか困難であろうとかいうことは予測はいたしますけれども、やってみたいと思います。
○中野(寛)委員 国民の重大な関心の中で、しかし同時に、まさに国民の血税をもって今日の国鉄の埋め合わせをしてきた状態を考えるときに、私は、その重大な関心を持っているとか尊重するとかという言葉ではなくて、最後に多分私の思うことをおっしゃられたんだと思いますけれども、臨調の答申の内容に沿ってやっていくという決意を披瀝されたものと思いますが、そう受けとめて、この質問を一たん終わりたいと思います。ありがとうございました。
○永田委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 労働大臣と防衛庁長官いらっしゃいますね。お尋ねいたしますが、鈴木内閣は憲法を尊重する内閣だということを何回も強調されておられます。そうであれば、憲法で保障された基本的な人権、すなわち個人の尊重であるとか、法のもとの平等であるとか、思想、信条の自由であるとか、結社の自由であるとか、またこれらに関係するプライバシーの保護について、積極的に擁護する立場に立っていらっしゃると思うのですが、いかがでしょうか。見解が違うということはないと思いますので、代表してどちらかで結構です。
○初村国務大臣 お答えいたします。 憲法は国家の基本でございますので、内閣が、しかも総理大臣がそのような気持ちであれば、当然私どもも憲法を遵守するということに変わりありません。
○三浦(久)委員 それじゃ、重ねて労働大臣にお尋ねいたしますが、民間の企業が採用や人事異動に際しまして、労働者のプライバシー、すなわち本人の本籍であるとか親、きょうだい、友人、知人の職業、また勤務先、団体加入の有無、また妻の前戸籍、妻の親、きょうだいの職業や収入、妻の交友関係、こういうようなものについて身元調査をすることは、いいことなのか悪いことなのか、お尋ねいたしたいと思います。
○初村国務大臣 一般的に、企業が従業員の採用、選考に当たって、業務の内容とか性格等にかんがみてそれを適正に従業員に対して厳選するいろいろな考え方をするということはいいと思いますけれども、採用とかあるいは能力等を中心にいろいろな身上、本人外のことを取り調べるということは法に違反すると思います。したがって、私どもはそういうことをしないように指導しております。
○三浦(久)委員 本人の能力、適正、それを判定するのに必要な範囲にとどめるべきだというお考えだと思うのですね。 それでは、人事院いらっしゃっていますか。——人事院の方にお尋ねしますが、公務員の採用の場合に、本籍とか親の職業とか団体加入の有無等について調査をしたりしておりますか。試験官に、受験者には聞いてならない事項というものを定めて指導されていると思うのですが、その点をお尋ねいたしたいと思います。
○白戸政府委員 お答えいたします。 国家公務員の採用試験において面接試験を行っておるわけでございますが、その際、試験官は次の事項については質問しないようにということでいたしております。 その内容は、受験者の信条、思想、宗教等もあわせてでございますが、そういうものとか、あるいは支持する政党、尊敬する人物、それからまた、家庭の資産とか住居状況、家族の職業、収入等の状況、こういうものも質問させないということにいたしております。なお、受験者の嫡出、非嫡出の別、本籍地。以上が面接の際に質問しないようにいたしておる事項でございます。
○三浦(久)委員 そうすると、いまのお答えですと、公務員はもちろん、民間企業の場合でも、要するに働く人の基本的人権を擁護するという立場から、そういう社会的な身分であるとか家族の職業、収入の有無とか団体加入の有無というプライバシーにわたる事項については、労働者に申告をさせたり、または積極的にこれを調査をしたりしないということが政府の方針である、そういうように承ってよろしいでしょうか。労働大臣、いかがでしょう。
○初村国務大臣 そういうことでございます。
○三浦(久)委員 ちょっと資料を配付することをお許しいただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○永田委員長 はい
○三浦(久)委員 この資料は、一から五までありますけれども、一は、防衛庁が軍需企業から、防衛生産従事労働者と言うのですがね、その労働者の身上調査書、これを提出させているわけですが、その身上調査書であります。また、資料の二は、労働者の経歴明細書であります。 わが党の調査によりますと、これと同じものがたくさんの軍需企業で使用されているのですね。たとえば一例を挙げますと、三菱重工の相模原製作所、これは七四式戦車をつくっておりますけれども、そのほか三菱重工の名古屋航空機製作所、石川島播磨重工田無工場、同じく石川島播磨重工岐阜工場、東芝電気小向工場、三菱電機鎌倉製作所、日本電気府中工場、こういうように主要な軍需工場のすべてで使用されているということが判明をいたしているわけであります。この調査の内容をごらんいただくと、大変驚くべき内容になうております。 たとえば資料一、これを見ていただきたいのですが、これは会社が書いて、そして防衛庁に提出するようになっている。これには労働者の人格、資産、負債、生活態度等について企業の人事管理者が記入して防衛庁に提出をする、そういう内容です。ごらんいただければわかるとおりです。 資料二、これは本人が記入をして、そして企業のチェックを経た後に防衛庁に提出をされるものであります。五枚にわたる詳細なものでありますけれども、その一枚目を見てください。資料の二の一枚目ですね。そこには、本籍、自分の本籍だけではなくて、旧本籍、これも記載することになっておりますね。そうして住所、この住所も昭和二十年にさかのぼる、そしてそれ以後の住所を漏れなく記入するようになっております。これは五の欄にございますね。 二枚目を見てください。この二枚目も、職歴を詳細に書く。そうすると、いままでいろいろな会社に勤めておったとしますと、その会社の住所、これもビルの名前まで書かせる、これは何か調査するためとしか考えられないのですが、これは一番上にありますね。七の項目です。ここで職歴、これも昭和二十年までさかのぼって職歴を全部書かせるわけですね。そして、以前勤めておった会社の番地、ビル名まで詳細にというふうに書いてある。それから外国人との関係という欄がありますが、ここでは、外国人とつき合う目的とかその内容、こういうものまで申告をさせるようになっています。また、海外旅行、昭和二十年以降どういう海外旅行をしたのか、その国名、期間、目的、こういうものを全部書かせることになっています。それから、交友関係、これも二名以上挙げろ、そしてその友人の年齢、職業、交際の理由、程度、勤務先、こういうものも詳細に書かせるようになっています。 三枚目を見てください。これは配偶者に関する欄でありますけれども、妻の氏名と生年月日くらいなら結構でしょう。しかし、旧姓はどうなっているのかということまで書かせるようになっています。それから、妻の職業、勤務先ですね、それに旧本籍、さらに妻の家族の勤務先、こういうものも全部申告をさせるようになっているのであります。 それから、四枚目を見ていただきたいと思いますが、この四枚目、親族、括弧して、満十八歳以上の二親等以内の血族及び姻族、これを全部名前と生年月日と続柄と勤務先と所在地を書け、こういうことなんですね。これは妻の親、きょうだい、子供、これ全部二親等ですね。一親等、二親等です。そうすると、妻の親や妻のきょうだいの生年月日や勤務先、そういうものまで全部書かせるようになっているわけですね。 それからまた、十六の項を見ていただきたいのですが、一番下の方にありますが、関係諸団体という項がある。ここでは、団体、会、クラブ、連盟、運動等、こういうものに関係をした場合には、加入した理由も、また脱退した理由も、そしてその加盟をしておった期間、こういうものも全部書かせることになっているわけであります。これは戦前の軍需工場でもこういうことはしなかったじゃないかと思うほどひどいものですね。そして、本人のこういった経歴書を出させているだけではなくて、本人の戸籍謄本も提出を命じている。妻の旧戸籍謄本の提出も求めているということがわれわれの調査でわかっております。これらのことは、現在の憲法秩序、基本的人権を尊重するといういまの秩序の中では、私は、どんな理由をつけても許されないことであるというふうに考えているわけであります。 そこで、いまのこの経歴書と身上調査書を見て、防衛庁長官にお尋ねをいたしますが、これは、防衛庁が軍需企業に指示をして提出をさせているものだと私は思いますが、いかがでございましょうか。
○伊藤国務大臣 お答えを申し上げます。 装備品の調達等に当たりまして、民間企業に装備品等に係る秘密を取り扱わせる必要がある場合には、秘密保全に関する訓令第二十七条、これは防衛庁の秘の場合でございます。庁秘の場合。または日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法施行令第六条、これは防衛秘密の場合でございますけれども、それに従いまして、契約条項中に秘密保全に関する規定を設ける等必要な措置を講じることとしております。具体的には、契約において、契約の履行に際し知得した相手方の秘密を相互に第三者に漏らし、または利用してはならない旨の定めを置くほか、必要な場合には、秘密の資料等の保管、返納等の取り扱いに関し、特約条項を設けることとしております。このような契約条項に基づき、企業の責任において保全のための措置がとられることとされておるわけでございまして、防衛庁として特段の要求をしているということではございません。
○三浦(久)委員 私は、それは間違いだと思うのですね。いま確かにおっしゃいました。防衛庁の訓令に秘密保全に関する訓令というのがありますね。それからもう一つは、防衛秘密の保護に関する訓令と、二つあります。庁内用とMSA問題と、二つありますね。そのいずれも、これは秘密保全に関する訓令の方は二十七条を受けて、その秘密保全の規定の条項の基準ですね、これは四号様式によるのだと。四号様式の十条に、会社は秘密保全に関する規則を作成し、防衛庁の確認を受けると、こういうふうにあります。これは、防衛秘密の保護に関する訓令第二十二条を受けた様式第五号、これにおいても全く同じことが書かれているわけです。秘密保護に関する規則を企業が作成をする、この作成をした規則については防衛庁の確認を受けるんだと、こういうふうにこの訓令ではなっているわけですね。これは間違いないですか。
○塩田政府委員 いま御指摘のように、様式四号によりまして、十条に御指摘のような条項が書いてございます。
○三浦(久)委員 そうすると、この契約条項に盛り込むべき基準、その基準をちゃんとつくってあるわけですね。その基準に基づいて企業が秘密保護に関する規則をつくる、それを防衛庁が確認する、こういうことになっているわけですね。 そうすると、防衛庁が確認したこの秘密保護に関する規則にはどういうことが書いてあるか、それは資料三をちょっとお読みいただきたい。——これに「三菱重工業株式会社……製作所」と書いてありますが、製作所の名前まで言いますと出どころがはっきりしますので、これは割愛しています。また、これは原本がありますけれども、原本をそのまま複写して出しますといろいろ支障がありますから、私の方で別なタイプで打っております。それは御了解いただきたいと思います。 この第十三条に「各部長は管理責任者、保全責任者及び取扱者を選任(解任)したときは遅滞なく、別表様式(1)により、役職、氏名、担当業務取扱機種等必要事項を総務部長に届出なければならない。」こうありますね。そして、この資料三の二枚目をごらんいただきたいのですが、これは別表(1)でありますが、そこに、下の方に書いてありますけれども、「……」というのは防衛秘密の内容ですね、「……は経歴明細書、戸籍謄本添付」こうなっている。ですから、秘密を取り扱うそういう従業員をそういう部署につけたときには、こういう経歴明細書と戸籍謄本をつけて、そして、各部長は総務部長に提出しなければならない。これはその後、資料三の三枚目をごらんいただきたいのですが、ここでは「秘密保全体制」というようになっていますが、これはやはりこの規則の一部であります。ここでは「秘密業務担当者の確認、選任、解任の届出」というふうになって、各保管課からそういう届けがなされる、それが総務部に行く、総務部の保安課でチェックされた後防衛庁に行く、そして防衛庁から確認通知が来る、こういうことが図示されているわけですね。そして、そういう確認通知が来てからクリアランスを発行することになっているわけです。 もっとはっきりしたのがあります。資料四をごらんいただきたいと思います。これは防衛秘密に従事する職員に関する任命書であります。この裏に、この資料四では下の方に書いてありますけれども、「防衛庁関係の秘密に指定された秘密事項を取り扱う者は、防衛庁の確認を得たうえで秘密従事者の任命書と適格証の交付をうけた者でなければ従事できない。」こうなっているわけですね。この事実からして、秘密の仕事に携わっておるいわゆる秘密事項取扱者について、防衛庁は一々確認をしていると私は思うのです。これはそういう秘密業務につかせてもよろしい、これはだめだ、そういう確認をしていると思うのですが、防衛庁長官、いかがでしょう。
○塩田政府委員 先ほど申し上げました四号に基づきます会社側でつくっていただく秘密保全規則、十条に書いてございますが、その中にわれわれとしてどういうことを書いてもらいたいかということにつきましては、一項目から十項目ばかりありますけれども、「保管責任者及び取扱者の任命の方法及び責任範囲、秘密区分の標記の表示方法、防衛秘密の保管及び取扱いのため必要な簿冊の整備、社内における立入禁止に関する措置、防衛秘密に属する文書、図画又は物件の複製及び写真撮影に関する手続及び方法、防衛秘密に属する文書、図画又は物件の接受、送達、保管、貸出し、引継ぎ及び返納に関する手続及び取扱方法、防衛秘密に属する物件の下請負先における秘密保護に関する措置、防衛秘密の保護状況の検査に関する事項、非常の場合の措置、防衛秘密の漏えい、紛失、破棄等の事故が発生したときの措置、」こういったようなことにつきまして会社側に秘密保全のための規則をつくってもらうということになっておりまして、それ以外のことにつきまして会社側で独自にいろいろお決めになることはあるかもしれませんけれども、われわれとしては、いま申し上げたようなことを規則事項としてお願いしておるわけであります。
○三浦(久)委員 あなた、いま大事なことを一つ抜かして読んだでしょう。いま(10)まで読みましたね。防衛秘密の方の五号様式の(11)に何と書いてあります。「その他必要な事項」と書いてあるじゃないですか。この項目であなたたちが指示しているのは大体間違いがないです。 会社が勝手にやったとあなたたちはおっしゃるのだけれども、それではお尋ねします。そういう身上調査票とか経歴明細書は、あなたたちが従業員一人一人を従事させてもいいかどうかの確認をする場合に、企業から提出をさせておりますか、させておりませんか。あなたたちが指示したかしないかは別として、企業から提出をさせているかどうか、それをちょっとお尋ねしたいのですが、いかがでしょう。
○塩田政府委員 特定の関係者の範囲を承知する必要がありますので、いただいております。
○三浦(久)委員 そうしますと、結局いま私が指摘したこの経歴の明細書、こういうものが防衛庁に出ているというのは間違いない。すると、この内容から見て、これが企業が自発的につくったものでないということはもう明白ではありませんか。これは明らかに防衛庁が指示してつくらせたものです。たとえば資料の一を見てください。これは会社名ということになっている。もしかこれを全部自分の会社が備えつけのものでつくるなら、何もこんな会社名なんて書く必要はないのです。防衛庁が多くの企業に必要なものとしてこういうものをつくっているから会社名なんという欄があって、その欄の下におのおのの企業が自分の企業名を書き入れる、そういう形式になっているわけです。 私は、これは基本的人権を擁護する、プライバシーを擁護するという点からいって大変重大な問題だと思うのです。防衛庁自身はいま、自分が指示したのじゃないけれども、企業が自発的に出しておる、こうおっしゃっているわけですが、しかし、あなたたち自身はその身上調査票、経歴明細書等に基づいて調査をしているでしょう。それはいかがですか。
○塩田政府委員 民間の企業がその従業員についてどのような基準で採用をしまたは配置し、あるいはそのためにどういう調査を行うかといったことは、当然のことながら個々の企業の問題でございまして、私どもの方から特段指示したわけでもございませんし、その具体的な個々の会社のやり方について承知するわけでもないわけであります。
○三浦(久)委員 ちょっと局長、言葉は悪いけれども、あなたは私どもに対してうそを言っていると思うのですよ。これは企業から届け出があって確認をするまでに大体どのくらい時間がかかっていますか。私どもの調査によりますと、六カ月もかかっているのですよ。そして、自分の妻の実家に防衛庁の職員が調べに来たといって大変迷惑をしている労働者もたくさんいるのですよ。確認通知を出しているわけでしょう。労働者の確認をするまでに大体どのくらい時間かけていますか、ちょっと答えていただけませんか。
○塩田政府委員 防衛庁としていま御指摘のような調査をいたしておるわけではございません。
○三浦(久)委員 それではだれかに依頼してやらしていますか。たとえば警察であるとか、または地方自治体であるとか、または公安調査庁であるとか、そういうところに依頼して調査をさせているのですか。どうですか。そうしたらなお人権侵害でしょう。
○塩田政府委員 私どもとしては承知いたしておりません。どういうところに依頼しておるのか、調査をしておるのかしてないのか、どういうところに依頼してどういう調査をしておるのか、承知いたしておりません。
○三浦(久)委員 それじゃもう一つお尋ねしますが、労働者についてあなたたちは、どういう秘密業務にどういう労働者が従事しているのかは知っておる、こう言いましたね。すると、その労働者の確認はしてないのですか。この資料の第四によれば、いわゆる「秘密事項を取り扱う者は、防衛庁の確認を得たうえで秘密従事者の任命書と適格証の交付をうけた者でなければ従事できない。」こうなっていますけれども、こういう確認はしていないのですか。
○塩田政府委員 防衛庁は個々の企業と契約をいたしておるわけでございますが、その企業が個々の従業員についていま申し上げたようなどういうことをするかということについて承知する立場にありません。いま御指摘の個々の職員の確認の問題でございますが、それは企業から提出されたものを承知しておるというだけでございます。
○三浦(久)委員 ですから、それは確認をしているのでしょう。確認をした後に確認通知というものを出しているじゃありませんか。 それじゃ、もう一つお伺いしましょう、時間がありませんから。そういう秘密取扱者が外国旅行するとき、これは資料五を見てください、これは「防衛秘密関係者が外国旅行する場合等に関する規程」こういうのですが、これも三菱重工業株式会社の〇〇製作所です。この場合、その外国旅行をしようとする防衛秘密関係者、彼は三十五日前に総務部長に届け出る、総務部長は三十日前に防衛庁に通報する、こうなっているのです。これは事実ですか。
○塩田政府委員 いま具体的に御指摘のような外国旅行の場合のことがどうなっておるか私が承知しているわけではございませんけれども、企業が独自の判断で必要と思われる場合にいろんな事項について通報してくるというようなことは考えられるわけでございます。その中の一環としてあるかどうかということでございますが、私いま具体的にそういう事実を承知しているわけではございません。
○三浦(久)委員 それは私は違うと思うのですよ。やはり企業が自発的に、労働者が外国に行く場合に三十日前に防衛庁に届け出るなんて、そんなことないでしょう。防衛庁自身がこれは要求しているから企業がこういう態度をとっているんだというのはもう明白な事実じゃありませんか。何のために三十日も前に、労働者が外国に旅行する場合、特にアメリカは除くとこう書いてある、アメリカ以外の外国に行く場合には、三十日前に防衛庁に届け出ろ、何のためにそんなことをやらせるのですか。尾行でもするのですか。どうですか。
○塩田政府委員 ただいまの点、先ほど申し上げましたように、防衛庁の方から要求しているということではございません。
○三浦(久)委員 もう時間がありませんから結論に入りますが、防衛庁から要求したのでなくても、防衛庁にはそういう届け出がなされているということですね。それからまた、先ほどの経歴明細書、奥さんの二親等以内の人々についてまでその職業やら何やらを全部申告させるというような、こういうことが実際に行われておるということは間違いがないと思うのですね。防衛庁自身は、自分がやらしておきながら、そのことは否定されておるけれども、企業でそういうことが行われているということはまず間違いない事実です。 労働大臣にお尋ねいたします。 労働大臣が先ほど御答弁になりましたけれども、その趣旨と真っ向から相反することがこういう軍需企業の中で行われているわけであります。これをひとつ調査をした上で、即刻こういう事態を改めるような御指導をお願いいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○初村国務大臣 私は先ほど、採用時を中心とした一般の企業に対して私の考え方を申したわけであります。それは御了承願いたいと思う。 いま先生から資料が渡りまして、この資料がどのような種類のものか、これだけでは必ずしも私は明らかでない。いずれにしましても、企業がその業務の必要性から各種の資料を集めることは、これもやはり法に触れなければ私は必要やむを得ないと思いますけれども、法に触れるようなことがあれば、これはまた別途考えざるを得ない。 したがって、防衛庁には防衛庁のまた決まりもあるだろうししますので、私の方から中身を十分検討してみませんとわかりませんので。さよう御了承願いたいと思います。
○三浦(久)委員 大臣、ちょっと恐縮ですが、それでは、御調査いただいて、もしか先ほどの方針と違うような点があれば、是正の御指導をなさる、こういうふうに承ってよろしいでしょうか。
○初村国務大臣 それは一応私の方でよく調査をしまして、その段階でお答えをしたいと思います。
○三浦(久)委員 終わります。
○永田委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は、まず、プロボクシング界で問題になっております金平正紀氏にまつわる問題を最初ただしたいと思います。 金平氏については、さまざまな問題が提起をされておる。たとえば薬物混入の問題、これはもうマスコミが全般的に取り上げておる問題ですから、ここでは触れません。それから、暴力行為、そしてまた恐喝的な言動による不当な金銭の要求、そして巻き上げ、時間が限られておりますから、代表的な点でいままで明らかにされていない点だけをきょうは取り上げてみたいと思います。 まず、暴力行為や恐喝的言動で非常識または不当な金銭を要求、これを取り上げたと思われる事例について、二つ例を挙げます。一つは、代々木鳩の森保育園事件というやつである。 これは、渋谷区の千駄ケ谷。この鳩の森保育園というのは、ちょうど、いわゆる協栄ジムの隣の、隣接したところにいま建築中であります。これは渋谷区立の保育園である。五十四年ごろから計画されたものである。 この建設に絡んで、ちょうど隣接地に協栄ジムがあるから、金平氏は、ジムの宣伝看板が見えなくなるというので、さまざまな形で反対をしてまいった。そして、右翼暴力団日本青年社の社員三名をわざわざこの協栄ジムの事務所の階上に住民登録さして住まわした。そして、その人たちを使って暴力的に工事妨害を行っております。すでに三名が暴行罪で検挙されておる。日本青年社三多摩支部員中村衛、同緒方里次、同田中俊明。中村は罰金三万円、緒方、田中は起訴猶予になっておる。これは事件は五十六年、昨年の四月十五日、送検は五十六年五月十九日、間違いありませんか。原宿署でやられたはずです。
○山田政府委員 ただいまお尋ねの事件が昨年四月十五日にあったことは間違いございません。そうした建設妨害をめぐる口論から暴行事案が十五日に起きたわけでございまして、青年社の三人の者を検察庁に書類送検して、ただいまお話ございましたような、一人について罰金三万円、二人について起訴猶予処分が出ておるわけでございます。
○楢崎委員 これらはわざわざ金平氏がさせておるわけですね。これは法律上どうなるのですか、教唆にならないのですか、共犯までいかないまでも。全然これは金平氏自身は不問にされておる。結局どうなったかというと、自民党の渋谷の区会議員の方が中に入られて、昨年の十一月二十八日正午ごろ、水道橋の協栄事務所内で、保育園側は金平氏に対して六百万円払って話を片づけた。なぜ六百万円というのが出てきたかというと、三百万円が協栄に対する看板料、あとの三百万円は、いま言った暴力団員を自分で住まわしている、それの引っ越し料だという名目です。金平氏は領収書をそれに対して出していないはずである。これが一つ。 二番目に、あの後楽園のサイドビル、これは協栄エンタープライズがあったところです。ここの隣接地にいま大成建設がビルを建てつつあります。同じようにたれ幕が見えなくなるという理由で三百万円を大成に要求中であります。これは現在進行中である。 それから、次に脱税の疑いがある。どういう脱税の仕方をするか。支出の方は改ざんをして多く見せかけて、いかにもたくさん実際の支出をしたようにして、後で払った税金の払い戻しを計画する。これはすでに三月三十日の毎日新聞が、詳しく、その書類までも写してあれしていますから触れません。 もう一つは、収入を少なく申告する。つまり、いわゆる世界タイトルマッチ等でいろいろ金の出し入れがありますけれども、表契約と裏契約があって、表契約は少なくして裏契約でよけい取って、裏金をごっそりふところに入れる。もちろんその分の税の申告はしない。ほとんどの世界タイトルマッチがこう行われておる。たとえば昨年三月八日沖縄での、これは残念ながら具志堅選手が破れた試合です。このときも表金は二千五百万円、裏金が二千五百万円、合計五千万円です。これはいま係争中ですからやがて明らかになるでしょう、訴訟になっているから。 もう一つ代表的なものをここに明らかにしたい。それは昭和五十四年七月二十九日、北九州で行われた具志堅選手とパナマのペドロサ戦であります。これはVナインと言われたもの。これの表の興行主は北九州の三村清正という人である。もう一人は京都在住の空手道場の道場主と言われておりますけれども、鈴木正文という人。実際に金を出したのは鈴木さんの方であります。 ちょっと資料をお渡しします。国税庁長官、おられますか。 その資料にありますとおり、表契約の方はいま言ったとおりです。表契約では興行権料が千五百万円になっております。これはその契約書の(1)を見てみればわかる。そして裏の興行権料は四千万円。その四千万円は鈴木氏が出しておることはこの契約書の(2)の方で明らかであります。(2)の方は三村氏と鈴木氏の契約書であります。そこで三村氏は五項目に一億六千万もうかるんだ、保証する、そう書いてありますね、契約書に。だから、恐らく鈴木氏はその話に乗って四千万円を出したと思われる。契約書の(1)の方の念書を見てごらんなさい。それが証拠に、もしこの契約が崩れたときには金平氏は鈴木氏の方に四千万円返すという念書になっておるから、これは裏金の存在は明白である。一体これはどうなっておるのか。ほとんど全部がそうですよ。税務署はその辺は把握しておるのかどうか。いままでこの種の問題で国税は調査に入ったことがありますか。
○渡部政府委員 お答え申し上げます。 個別の法人にわたる事柄につきましては、従来から詳細な答弁は差し控えさせていただいておるところでございますが、御指摘の法人、これは協栄エンタープライズという会社でございますが、これにつきましては、一番最近では五十五年の七月に調査をいたしております。 なお、この法人につきましては、五十四年十二月期につきまして、当初の申告の公示所得金額六千三十二万円でございますが、調査を行いました結果、五十五年十月に八千九百九十五万円の修正申告が出されまして公示されております。
○楢崎委員 つけ加えますが、いまの裏金の存在をはっきりする点では、五十四年七月の北九州のものは事業計画があって、これにも契約金は四千万円とはっきりなっています。 それからいま一つ、私は無法な、不当と思われる金の請求をした一つの例として、町田市にある協栄町田スイミングクラブ建設に絡む事件を取り上げてみたい。 これは町田市でスイミングプールをつくるために町田市在住の地主である尾作好一氏に土地だけ提供してください、あとのことは全部自分が出しますと金平氏が持ちかけ、結局それを信用して尾作氏は話に乗った。ところが、要った金は全部で三億円ですけれども、金平氏が出したのは一千万円。そこで足らない金を尾作氏はどうしたかというと、自分でつくらざるを得なかった。三億円のうち約半分の一億五千万は自分の建物や土地を売ってつくり、あるいは銀行から借り、あとの一億五千万は中小企業金融公庫から借りた。これは五十五年の十二月二十四日に中小企業金融公庫と契約ができております。実際に金が支払われたのは昨年の一月十三日一億円、三月二十七日四千五百万円、三月三十日五百万円。結局プールの将来に見切りをつけたのかどうか知らないし、また尾作さんの方も金平さんがおったのではどうもぐあいが悪いというので、結局手を引いてもらうことになった。だから金平氏が出したのは一千万だから、まあせいぜい一年間ぐらい一千万円を出しておったわけだから、銀行定期でいっても八%としても八十万円ぐらいプラスすればいいことなのに、何と驚くなかれ一千万円のほかに一千五百万円取り上げておる。その一千五百万円を取り上げた理由の中に、こういうことが言われておる。樫内さん、よく聞いておってください。中小企業金融公庫から一億五千万円を借りるときに櫻内さんに世話してもらった、だからいろいろ金が要ったんだ、こういうことを豪語しておるんです。私は櫻内さんの責任を追及するんじゃないのです。そこは誤解のないようにしてください。また、金融機関から金を借りるようなときに私どももよく世話をしますよ。それを言っているのじゃない。相手があなたを利用しておる点をあなたによく留意をしてもらいたい。恐らくそのときは幹事長であったでしょうから、あなた自身がそういうことをされたんじゃなかろうと思う。私が調べたところでは、あなたの第一秘書がこの中小企業金融公庫に一億五千万円の融資の仲介をされた。そして現実にあなたのところに金平氏の方から高価なすずりがお礼として渡されておるはずである。 したがって、これはあなた自身よく調べてください。世話されたことは事実です、私が中小企業金融公庫に行って調べましたから。そして、金平氏は何と言っておるかというと、その無法な千五百万というものを強奪するその理由づけにあなたを利用しておるという点を私は問題にしたいのです。したがって、これはあなた自身も金平氏に確かめる必要がある。どんどんそういうことを言いふらしているのです。何か金平氏との関係について、櫻内さんはどういう交際のあり方なんでしょうか。
○櫻内国務大臣 全く恐縮でございますが、いま初耳でございますが、私が何か関係があるかということにつきましては、具志堅選手の婚礼のときに出席をしてもらいたい、それで調べましたら、私のごく懇意な方の媒酌でもありましたから私が伺った、そういうことはあります。ただ、いまの融資のことも、それからすずりのことも初耳でございますから、よく調べさせていただきます。
○楢崎委員 なおつけ加えますけれども、ちょっと先ほど落としましたが、これも資料に添えておりますけれども、税務申告の中で五十五年一月から五十五年十二月まで、具志堅選手と上原選手にファイトマネーを渡すときに、源泉徴収は自分で払ってやるというんで、その金から金平氏はピンはねして渡しておるのです。ところが、その源泉徴収分をピンはねしているけれども、その源泉徴収分を納めていない。渋谷署で調べてごらんなさい。幾らかというと、その五十五年度で千百七十六万一千九百六十二円、具志堅さんと上原さんの源泉徴収が納まっていない。それから昨年は、三月に負けたから、この源泉徴収未納の分は三百六十四万三千円、上原選手の分が二百六十七万五千円未納になっているはずです。本来ならば、もう自分が取り上げているのですから納めなければいかぬのに、これは具志堅選手や上原選手は知らないと思うのですよ。これも渋谷税務署で調べておいてください。 そこで私が申し上げたいのは、これほどいろいろな事件がありながら、三月二十四日の法務委員会の質疑を見ても、司法当局は非常に慎重という名のもとにおいて消極的です。なぜか。そこに、自民党の議員の皆さんは御存じなくても、金平氏自身がその自民党のいろいろな方々とのつき合いを吹聴して利用している向きがある。私が調べただけで、現役閣僚を含んで約二十数名の人が交際がある。これは渡辺さんが具志堅選手のあれをされたのはいいのですよ。それはいいのです。いいのですが、その写真を麗々と飾って見せびらかしている。しかもその二十数名の中で、自分の選挙の応援をしてもらった人が、私が調べた範囲で、十名おる。名前を一々言いません。櫻内さんも選挙の応援を受けたはずです。その中に、これは一つだけ言っておきますけれども、亀井静香さん、これはここに名刺があるけれども、警察庁長官官房調査官、警視正の時代です。これですでに会われている、この名刺で。いま議員です。こういう背景があるから、司法当局が消極的ではないかと私は疑わざるを得ない。これほどの問題を起こしておる。だから私はどうしても、この点はひとつ司法当局に、徹底的に解明をしていずれかの機会に報告をいただきたい。これは委員会がこういう適切な機会があるかどうかわからない場合は、理事会にその解明の結果を報告いただきたい。 以上、委員長にお願いを申し上げます。
○永田委員長 理事会に諮って御返事申し上げます。——中平刑事局長。
○中平政府委員 ただいまいろいろ御指摘がございましたが、先ほど私どもの警備局長も答えましたように、具体的な犯罪の容疑があり、証拠があれば、警察はいかなる犯罪に対しても、厳正に対処してまいるわけでございます。ただいまいろいろ御指摘のありました事項につきましても、報道等を通じて警察はそれなりの関心を持って対応はいたしておるわけでございますが、少なくとも私どもが報道等の内容を見る限り、具体的な証拠に基づいて積極的に警察が捜査を開始すべき資料には若干欠けるように私は理解をいたしております。 この種の事件の事柄の本質といたしまして、まず関係者からの告訴あるいは告発あるいは被害者からの積極的な被害の親告、そういうものを待って私どもとしては厳正に対処いたしてまいりたいし、そういうことがなければ立証はきわめて困難でございます。当然のことでございますが、警察といたしましては、証拠に基づき具体的な容疑があれば厳正に対処いたします。 また、私どもは犯罪の捜査をした結果を検挙、送致という形で出す役所でございまして、したがいまして、その中間の報告等をすべき立場にはない、このように考えております。
○楢崎委員 私は、具体的な事実をもって告訴しているはずだ。先ほど言ったとおり、現に暴行罪で検挙されているんでしょう。それを使ったのは金平氏というのははっきりしている。それから恐喝的な言動によって必要以上の金銭を取り上げている。調べればわかることですよ。私はこういう公の場で言っている。週刊誌や新聞が書いていることじゃないのです。脱税の問題も、こういうことがはっきりしないと、決算委員会としての任務が果たせない、だから言っているのです。
○中平政府委員 先生も御案内だと思いますが、金が動いたから直ちにそれが恐喝等になるわけではございませんので、相手方に畏怖心を与え、相手方を威迫して、そして相手方を困惑させて金が出た、そういうことが証拠上明らかになって初めてこれは恐喝罪になるわけでございます。
○楢崎委員 調べればわかることで、相手の人は恐喝として受けとめておるけれども、後がこわいから言わないだけです。だからおたくが積極的にやれば、これははっきりする。
○中平政府委員 ただいまの御論議を踏まえまして、私どもは私どもなりに、ひとつ検討いたしたいと思います。
○楢崎委員 お願いします。
○永田委員長 この際、午前中の井上君の質疑に関して、関係各大臣の答弁を求めます。櫻内外務大臣。
○櫻内国務大臣 午前中の井上委員の御質問のうち、フォークランド諸島問題に関する部分についての私の答弁を補足して、次のとおりお答えいたします。 まず、フォークランド諸島の領有権をめぐる英国及びアルゼンチンの主張の当否につき、判断し得る立場にないとのわが国政府の姿勢は、今般の紛争発生前から一貫したものであることを明確にいたしておきます。たとえば、午前中井上委員より御指摘のあった一九七六年の第三十一総会において、本問題について提出された決議案については、その中に、非植民地化の過程を促進するためのアルゼンチン政府による継続的努力に謝意を表明するとの条項があり、それが同諸島のアルゼンチンへの帰属を明確に前提したもののごとく受け取られるおそれがあるとの判断から、わが国は棄権いたしました。わが国の姿勢について誤解を受けることがないよう細心の注意を払ってきている次第でございます。 次に、この機会に、本問題に関するわが国の立場及び対応ぶりについて包括的に御説明しておきます。 わが国としては、アルゼンチンによる武力行使を遺憾とし、アルゼンチン軍は速やかに撤退すべきであると考えております。また、本件紛争が外交交渉によって平和的に解決されることを希望し、当面、ヘイグ長官の仲介努力に積極的に対応するよう英ア両国に要望しております。また、アルゼンチン側に対しては現在の危機が長引く場合には日ア両国間の関係、特に経済面における円滑な関係の発展が妨げられるおそれがある旨を指摘してきております。 なお、本問題に対する具体的な対応に当たってわが国として考慮すべき要因としては、第一に、四月三日に採択された安保理決議の履行を確保するための手段が第一義的には国連の枠内で求められるべきこと、第二に、国連の枠外におけるわが国の努力は、わが国の既存の国際義務に合致する形で行われるべきこと、これはわが国のガット規約及びアルゼンチンとの通商航海条約に定められている最恵国条項を含むものであります。そして第三に、それらの努力は、自由と民主主義に関しての信条を同じくする西側先進諸国との間の協調及び中南米諸国との問の一貫した友好関係に配慮しつつ、自由民主主義陣営全体の長期的利益に関するわが国なりの判断に基づき行われることであります。政府としては、国連安全保障理事会の決議に従い、アルゼンチン軍の撤退が速やかに実現し、本件紛争が平和的に解決されるよう、以上述べたごとき考慮にのっとって今後とも外交的努力を続ける所存であります。 以上のようなわが国の立場は国連憲章その他の国際法規にのっとった公正なものであり、国際的な理解をも得られるものと確信しております。 なお、四月七日、サッチャー英首相から鈴木総理に親書が届けられていたところ、十二日、在英平原大使を通じサッチャー首相あてに総理の返書を送付いたしましたが、右書簡では、以上のようなわが国の立場を説明するとともに、サッチャー首相の心労を見舞い、英国が難局を乗り切ることを希望している旨述べた内容であります。 以上です。
○小川国務大臣 調べに手間取りまして、まことに恐縮に存じます。 フォークランド諸島の領有関係につきましては争いがありますので、現在、二年前から検定においてはイギリス領またはアルゼンチン領のいずれとも表示しないよう求めております。現在発行されている地図十三種類のうち、十種類まではそのようになっておりますが、三種類においてはイギリス領と表示しておりますので、この点については速やかに訂正するよう指導してまいります。
○小坂国務大臣 先ほどの竹島の現状についての御質問にお答え申し上げます。 竹島は、昭和二十七年一月李承晩韓国大統領がいわゆる李ラインに同島を取り込み、二十九年から灯台等の施設を建設するとともに警備員を常駐させて、不法占拠を続けております。 海上保安庁では、外務省の要請により四十二年から毎年一回現地調査を行っており、最近では五十六年八月二十八日、境海上保安部所属巡視船「おき」を竹島の東島周辺海域に派遣し、施設等の状況を調査したところ、従来から東島で確認されていた灯台一基、見張り所四カ所、兵舎二棟、コンクリート製の建物三棟、鉄製やぐら二基、各種アンテナ、土どめ等のほかに、新たに兵舎一棟及び旧兵舎屋上に太陽電池板三カ所の新設が認められ、東島に韓国の警備員と思われる者が十二名確認されました。西島においては、従来から確認されていた小屋二棟及び資材置き場一カ所に加え、新たに小屋二棟が確認されました。このほか、竹島付近海域において韓国漁船五隻を認めたものであります。
○始関国務大臣 竹島については、国土地理院の基本図である二万五千分の一地形図には記載されております。しかし、竹島について国土地理院において測量を実施したことはございません。
○世耕国務大臣 竹島は、島根県隠岐郡五箇村に属しておる島でございます。したがいまして、交付税の措置は他の村と同じように行われているのでありますが、韓国に不法占拠をされておりますので行政権を行使することはできないでおるわけでございます。 なお、島根、鳥取両県知事から漁業の安全操業確保について陳情が行われております。
○永田委員長 井上一成君。
○井上(一)委員 外務大臣、フォークランド諸島についてはお答えをいただいたのですけれども、竹島諸島についてはお答えがなかったわけです。竹島の問題について、外務大臣からお答えをいただきます。
○櫻内国務大臣 一つは、竹島の不法占拠に対していかなる措置をとってきたかというお尋ねでございました。 昭和五十七年四月現在、合計約六十回の抗議申し入れを行っております。最近の事例といたしましては、一九七八年九月に開催された第十回日韓定期閣僚会議において時の園田外務大臣より、一九八一年三月の全大統領就任式において当時の伊東外務大臣より、また事務レベルでは一九八一年十一月十九日に同年八月二十八日の海上保安庁による巡視結果に基づき口上書をもって抗議し、また一九八二年一月二十日にも事務レベルで口頭による抗議を行っております。 訪韓時期についての御質問の中に、竹島問題だけのためにも訪韓する必要があるのではないかという御趣旨の御質問がございました。 自分が訪韓するとすれば、現在大きな懸案となっている経協問題だけでなく、日韓関係全般につき盧外務部長官と忌憚のない意見交換をしたいと考えており、竹島問題についても適当な機会をとらえて話し合いたいと考えておることは午前中に申し上げたとおりでございます。またその時期につきましては、経協問題については経協の規模、条件等をめぐり日韓間でまだ相当大きな見解の相違がございます。韓国側も相互の立場の調整めどがついてから本大臣が訪韓することを希望しており、目下国内の調整を含め鋭意努力中でございます。したがって訪韓の時期としては五月の連休中の可能性を含めできるだけ早くいたしたいと考えております。
○永田委員長 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 この際、申し上げます。質疑時間につきましては、理事会で協議、決定いたしました時間を厳守されるようお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 まず、昨日まで日本を訪問されたフランスのミッテラン大統領の今回の訪日を、私は総理と同じように心から歓迎をし、その成果に大きな喜びを持っております。 そこで、総理はミッテラン大統領訪日の意義をどのようにお受けとめになっていらっしゃるか、お聞きいたしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 ミッテラン大統領の訪日は、フランスの元首として初めて日本を公式に訪問されたのでございまして、日仏友好親善関係の発展の上に画期的なことであったと思います。またその会談はそれにふさわしい、私は満足すべき成果を上げ得たと信じております。 ミッテラン大統領との会談におきましては、国際情勢全般について、また日仏両国の二国間の関心事項について、隔意のない話し合いをいたしたわけでございます。 それと同時に、この六月にはフランスのベルサイユにおきましてミッテラン大統領がホスト役を務められましてサミットが開かれるのであります。今回のサミットは、世界経済がきわめて困難な事態に当面をしておりますだけに、世界各国の注視を呼んでおるところでございますが、それだけに今回のサミットは、世界経済の再活性化のためにも、また世界の平和と安定のためにもぜひ成功をさせなければならないということで意見の一致を見たところでございます。わが国もまたGNP一〇%国家としての大きな影響力を持つ立場でございますので、今回のベルサイユ・サミットにつきましては全面的に協力をし、その責任を果たしてまいりたい、このように考えております。 また二国間の問題につきましては、両国の友好親善関係を一層発展をいたしますと同時に、科学技術の分野におきましては日仏米ともに最高の水準にあるわけでございますので、日仏は特に今後科学技術の分野におきまして、共同研究開発、これが活用等の面で積極的な協力を行っていくということで、ミッテラン大統領と意見の一致を見たところでございます。 また日仏両国は、国民的なレベルにおきましても一層の友好信頼関係を構築していかなければいけないという観点からいたしまして、文化協力、文化の強化発展というような面につきましても格段の関心を持ちまして、今後の日仏の文化交流を一層強化発展をさせていこう。今回ミッテラン大統領がおいでになりました機会に日仏両国に文化会館の建設をお互いにしようではないか、それを拠点にして今後の文化活動を一層高めていこう、さらに青年の交流計画というものを確立して積極的にこれを行う、こういう分野につきましても合意をいたしたところでございます。 また、国連の第二回の軍縮特別総会につきましていろいろ率直な意見の交換をいたしたところでございますが、この問題につきましては若干フランスの考え方とわが国の立場というのには相違があることを私は発見をしたわけでございます。 ミッテラン大統領は、欧州における東西の非常に厳しい対峙、そういうものを踏まえまして、この軍事力の均衡維持というものを非常に重視いたしております。私の、戦域核その他の核戦力の縮小のことを世界の人々が、そして特に日本は原爆の洗礼を受けた国民としてこれを強く望んでおるという点につきまして、ミッテラン大統領は、やはり今日の厳しい国際軍事情勢は東西の力の均衡の上に保持されておる、したがって、この均衡を崩さない範囲においてこれを低位に抑えていくということについては自分も賛成である、しかし現実はいま直ちにそういう方向に進むわけにはいかない、こういう立場をとっておりまして、原爆の実験等につきましてもきわめて慎重な態度をとっておるということがわかったわけでございます。 私は、わが国の立場、国民的な軍縮への強い願いというものを説明をし、国連総会においては、私自身みずから出席をしてこれを訴えていきたいということを申し上げておいた次第でございます。 しかし総体的におきまして、今回のミッテラン大統領の訪日によりまして日本とフランスの間の距離は非常に縮まった、身近なものになった、私はこのように感じております。 日米の関係がとかくいままで重視され、日欧の関係が希薄であったということを率直に認めざるを得なかったのでありますが、ミッテラン大統領もこのことを、日本をいままで自分たちは余り重視していなかった、しかし今回の訪日によって日本の姿、日本の実力、日本の国民のすぐれた資質というものを高く評価をした、今後世界の平和と安定、特に日本とヨーロッパの協力関係を発展させるためにフランスとしてはこの際全力を尽くして努力をしたい、こういうことを言っておられたわけでございまして、この点が非常に私は大きな成果であった、このように考えております。
○井上(一)委員 総理としては、今回のミッテラン大統領の訪日は、まさに日仏関係において新しい次元での協力関係が形成されなければいけない、そういう認識に立たれた、こういうふうに理解をしたいと思うのです。そのことは、日本外交の厚みを増した、幅をより広げた。非常に私は喜ばしいことであり、そのことがわが国の平和外交推進の大きな力になってほしい。そのことにおいて、ミッテランの訪日はわが国の外交により実り多いものであるということを、私は期待したいわけであります。 いろいろと問題提起があるわけでありますけれども、軍縮総会に総理みずから出席をされて、総理なりの見解を述べてくる。ぜひ軍縮を踏まえて、これは大いにわが国の国民が拍手を送る、そういう場を、ただお願いをするということだけでなく、ぜひわれわれも軍縮に向けては協力をしていきたい。ただ一点、ベルサイユ・サミットで総理自身から軍縮問題について、議題というのでしょうか、問題提起を軍縮問題についてされる用意があるのかどうか。ミッテラン大統領は、日仏が軍縮に向けて問題提起をすべきであるという意思を表明されているわけですが、鈴木総理にこの点についてもひとつ確かめておきたい、こう思います。
○鈴木内閣総理大臣 私はかねてオタワ・サミットにおきましても、またカンクンにおける南北サミットにおきましても、この軍縮ということを第三世界に対する経済技術協力につきましての一つの重要な要素というぐあいに主張してきてまいっております。 今日、世界経済の活性化が強く要請されておる際、これは先進工業国だけではできません。どうしても発展途上国を含めた世界全体を対象として世界経済の発展というものを考えなければいけない。それには、どうしても軍縮というものをベースにして、そして、そこから上がるところの余力をもって経済協力、発展に貢献していくということが必要である、そのことを十分話し合いたいと考えております。
○井上(一)委員 重ねて私は、総理の政治姿勢というものについてここで聞いておきたいと思います。 もともと私自身は、鈴木総理は平和主義に徹し、俗に言うハト派だ、そういう発想の中に立っていらっしゃる、こういうふうに理解をしているのです。しかし昨年来、日米間においても、いろいろなぎくしゃくとした見解の相違が見受けられるわけです。端的な問題としては共同声明がありますね。あるいはシーレーンの問題、いろいろな問題点はあるわけですけれども、総理自身が考えていらっしゃることが素直に表に出ずに、総理を取り巻いている人たちの意見が何か先に出てしまう、結果的には総理の考えと食い違っていく、そういうことを感じるわけなんです。私は、これは政治家として非常に留意しなければいけない問題だと思います。極端な言い方をすれば、千海里シーレーンについて、これは衆参両院でいろいろ議論があるわけです。いつの間にやら、それが何か固定されてしまったような観があるわけなんですね。 総理は先日、幕僚関係の幹部の人と会われて、報道によれば少し戒められたというふうに受けとめているのです。私は、外交にしたって防衛にしたって、官僚がと言うと言葉が悪いですけれども、その人たちが自分たちだけの思いでどんどん先へ進んでしまう、そしてそれが表に乗っかかってくる、これが非常に恐ろしい。そのことは、官僚主導型の政治というものは民意から離れてしまう、ここを私は総理にきっちりときょうは確認しておきたい。どうも私の感ずるところ、大変失礼だけれども総理はそのように見受けられるのです。ここはひとつしっかりときょう約束してほしい。総理の持っていらっしゃる政治理念というものを表面に出して、むしろ行き過ぎたという問題があれば注意を促し、そして改め、本当に国民の幸せ、世界平和の道を歩んでいきたいと——いろいろ申し上げたいのですけれども、まずは総理の政治姿勢について、大変失礼だとは思うのですが、結果的に総理の意図するところとずっと離れたところへ政治の流れが行ってしまう、こういうふうに思うのです。ひとつそういう点についての総理の御所見を、しっかりと聞かしていただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 井上さんから非常に御理解がある、しかし非常に厳しい御叱正があったわけでございますが、これは私の指導の至らざる点も多々あろうかと思うわけでございまして、深く反省をいたすわけでございます。 ただ私は、日本の国政の基本は、やはり世界が平和と安定を確保することによって日本の平和と安全と繁栄が確保できる、こういう基本的な考え方に立ちまして、わが国の平和憲法の精神を貫くことが必要だ、このように基本的に考えておるわけでございます。 そこで、防衛問題につきましていろいろ報道もなされ、議論もあるわけでございますが、私が特に意を用いております点は、日本の防衛というのは、独立国家である日本が自主的にこれを判断をし、日本の意志によって決めていくべきものであって、他から要求されてそれに追従していくようなものであってはいけない、これを私は実は腹に据えておるところでございます。したがいまして、いろいろシーレーンの問題等につきましても御議論がございますけれども、わが国が海上交通路を保護するに当たりまして周辺数百海里、航路帯を設けるとすれば一千海里、これを守れるような防衛力を整備するということを「防衛計画の大綱」の中で考え、それに向かって着実に私どもは努力をいたしておるわけでございまして、これをアメリカに強要されたとか、そういうようなものではないということを私ははっきり申し上げたいのでありますし、また、そういう矜持を持って、そういうはっきりした国民的な考え方でもってこういう問題は見てもらいたいということを切に願っておるものでございます。
○井上(一)委員 防衛論議については、きょうは時間もありませんから、私はいずれかの機会にいたしますが、リムパック82、きょうの時点で総理はどんな報告を聞いておりますか。
○鈴木内閣総理大臣 このリムパックの問題につきましては、リムパック80に日本の海上自衛隊が参加をいたしまして戦術技量の向上に非常に有意義であったという実績があるわけでございますが、リムパック82につきましても同様の観点からこれに参加をするものでございます。 今回の場合は豪州あるいはニュージーランド等も参加をされるようでございますけれども、日本の海上自衛隊がこれに参加をいたしましたのは、主としてアメリカの艦隊との合同訓練を通じて戦術技量を向上させたい、勉強したい、こういう目的によってやるものであるという報告を受けておるところでございます。
○井上(一)委員 総理、主としてアメリカということですけれども、全く二国間、日米安保の中での取り組みであって、協力演習ということでしょう。じゃ、わが国の海上自衛艦、特定の船はきょうどこにいるか総理御存じですか。どんな演習をして、どういう状態であるか、きょう御存じなんですか。総理、これは率直な私の問いかけなんです。
○鈴木内閣総理大臣 前段でお答えをいたしましたような趣旨、目的によって参加をするという基本的なことは報告を受けておりますが、現在の行動につきましては報告を受けておりません。
○井上(一)委員 総理、そこなんです。三軍の指揮官であり、一国の総理であります。私は、作戦あるいはそういう中身までここで聞かしてくださいとは申し上げていないわけなのです。わが国の海上自衛隊がいま何をして、きょうはどこにおって、だれの指揮下にあってどういう状況であるということを、総理が少なくとも承知していない、まるっきり、糸でつながったたこ、子供がたこ揚げします、そのたこをあなたは一生懸命持っているつもりだけれども切れているわけなのです。空白の時間がある。まさにそれが恐ろしいと私は思う。関東軍のあの過去における行動をいま思い起こすべきであると私は総理に強く進言をしたい。すべて掌握のできる、そういう体制でなければ日本の防衛論議もできなければ、すべての政治というものは真っすぐに進まない。大変恐縮だと思います。総理、私のこの質問の趣旨を十分理解して取り組んでいただけますか。そのお考えをひとつしっかりと聞かしてください。
○鈴木内閣総理大臣 井上さんがおっしゃっておる御趣旨、意の存するところは私も十分理解できるところでございまして、今後十分意を用いてまいりたい、こう思っております。
○井上(一)委員 さらに、さっきお聞きになっておったと思いますが、韓国と日本との問題で、いま経済援助の問題もありますけれども、わが国の領土である竹島についての現況が総理がお聞きになっているああいう状態なんですね。私は、午前中、フォークランド諸島と竹島を同じレベルでの位置づけにするのではありませんし、問題の解決の方法は、もとより私は平和外交、平和的手段で根気よく韓国との友好関係の中に話し合いを進めていかなければいけないと考えております。いまお聞きのように、行政権も及ばないし、それはもう大変なことですね。韓国の軍隊が常駐している。私は、これだけででも外務大臣は、問題提起をして韓国側と一日も早く交渉に入るべきであると思う。建設大臣がいまお答えになっていましたが、四十数年も日本の領土の地図をつくる場合に原形すらもつかめない、そんなような状態でこのままじっと耐えて、いや外交レベルでの交渉を何回かやりましたというような答弁だけではいかないので、やはりここは鈴木総理の政治的な決断が必要になっている。この問題ではひとつ経済協力と一緒に、あるいは機会があればというようなことではなく、竹島の問題で韓国にきっちりと話し合いをさせる決意をお持ちかどうか、私はお聞きしておきます。
○鈴木内閣総理大臣 私は、日韓の友好協力関係というのは単なる経済協力とか技術協力とかいうようなことで十分達成されるとは考えておりません。両国の国民同士が真に信頼をし、心からなる友情を持ってつき合うということでなければ日韓の友好は確立できない、このように考えます。 そういう意味で、竹島のような問題があのような姿でいつまでも未解決のままであるということでは真の日韓両国の友好協力関係を揺るぎないものにすることができない、このように考えます。したがいまして、私は、経済協力の問題もございますけれども、こういう問題をぜひ十分努力をし、これが日韓の真の友好のために必要であるという観点に立って取り組んでまいりたい、こう思っております。
○井上(一)委員 いまのお答えは、竹島問題も友好関係を築き上げていく上での一つの大きな必要な議題である、だから経済協力以上、あるいは少なくともこの問題は優先して取り組んでいくというふうに私の方で理解してよろしゅうございますね。——はい。 さらに、私は総理にお尋ねをしたいわけであります。 景気浮揚。いまの行革、財政再建の中で景気刺激をしていかなければいけない。景気浮揚を図る。その一つの大きな目玉とも言うべき関西新空港の問題があるわけです。 関西新空港の問題については、現在までは運輸省案として地元に一定の説明がなされております。がしかし、兵庫、和歌山等については大阪ほど進展しておらないという私の認識であります。いろいろと経緯はあるでしょうけれども、関西新空港について総理はどういう認識に立ち、どのような取り組み方をなさろうとしていらっしゃるのか、この点について聞いておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 関西国際空港の建設の問題は、御承知のように現在の伊丹の国際空港があのような状態にございます。周辺の住民等からもいろいろ告訴されたりあるいはいろいろな要求が出ておることを私は承知をいたしております。と同時に、関西にも、関東に成田国際空港があると同じように、やはり整備された、完全に十分機能が発揮できるような空港が必要である、こういう地元の御要望ということも私はよく承知をいたしておるところでございます。 したがって、政府としては五十七年度におきましても引き続き調査費を計上いたしまして、そしてその調査の結果を見て前向きでこれに取り組んでいこうという方針で現在これに当たっておるところでございます。今後この調査の結果を踏まえまして、地元の各地方団体、その他政府部内の各関係省庁との間でこれに十分な協議を遂げまして前向きの結論が出るように努力いたしたいと考えております。
○井上(一)委員 総理、関西新空港の建設というものは四十九年の八月に、御承知だと思いますけれども航空審の答申があって、現空港の廃止を前提としてのそういう議論がなされてきたわけであります。もちろん、航空審の答申を尊重なさるんでしょうねと言えば、恐らく私はそのとおりですという答えが返ると思うのですけれども、ここで念のために総理にお聞きをしておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 そのとおりでございます。
○井上(一)委員 ということは、現空港の廃止ということが前段であるということに理解してよろしいでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 政府としてはそのように考えておりますが、地元等にもいろいろの御意見がその後においてあることも承知をいたしております。新空港に着手をいたします前におきまして、これらの問題を十分検討し対処しなければいけない、こう考えています。
○井上(一)委員 いまいろいろな意見があるという情勢を十分御認識です。それじゃ、航空審の答申を尊重するという一つの強い御決意がある中で地元のそういう意見を踏まえての見直しということもときにはあり得るということなんですか。
○鈴木内閣総理大臣 いま私が見直しをするということを申し上げるわけにまいりませんが、地元にそういう御意見のあることは、自分たちも全然念頭に置かずにしゃにむに既定方針だからというわけにもまいらない、こう思いますので、その時点におきまして十分そういう点等も慎重に検討するということを申し上げておきたいと思います。
○井上(一)委員 このプロジェクトについての政府案というのでしょうか、政府レベルでの検討にいつ時点で——財政的な問題もあって運輸省と大蔵省との意見はなかなかかみ合わないと思います。しかしこれはもう総理の政治決断だと思うのですよ。この問題について総理はめどを何年度ぐらい、あるいはいつごろをめどにお考えになっていらっしゃるのか、その点もあわせて聞いておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 まず私はこの五十七年度予算に計上しておりますところの実施を目途とした調査、この結果を見たい、こう思っております。そしてわが国の財政事情、またこれが建設についての地元その他の諸般の状況、そういう点を総合勘案をしてその着工及び完成の時期等につきましてもその時点で検討をしなければいけない、こう考えております。
○井上(一)委員 五十七年度実施設計調査費はついたんですか。
○小坂国務大臣 五十七年度は要求しましたがつきませんでした。調査費だけです。
○井上(一)委員 総理、さっきのお答えの中で、五十七年度実施設計調査費はつかなかったわけなんですよね。それで私としては、五十八年度も厳しい財政であろうし、あるいは五十九年度も引き続いてそういう状況になるかもわからないし、財政再建で大変御苦労でしょう、しかし、そういう中での関西新空港の位置づけを示すために、政府の予算というものはどういう形で示されるんでしょうかということでございます。
○鈴木内閣総理大臣 いま私がお答えしたのは、五十七年度の調査費は、これを将来関西空港の建設を実施するという目標を前提の上にそういう意味の調査を行っておる、こういうことでございまして、その実施設計という次のステップ、その問題につきましては先ほども申し上げましたように、今回の調査の結果を見た上で、また各方面の諸般の条件を勘案した上でその段階に入りたい、こう思っております。
○井上(一)委員 総理、担当所管からまだ十分説明を受けていらっしゃらないかもわかりませんが、地元では運輸省からいろいろな協議があるわけなんです。そして大蔵サイドではその財政的裏づけが十分保証されていかないということですね。地元では、そういう中での一定の前進であるのか、あるいは不安をよりつのらせていくのか、どっちなのかこれはわからないわけなんです。 私はきょうは総理に、総理の政治判断として、これはやはり航空審答申を尊重した形の中で実施していくんだ、計画案どおりやっていくんだと言われるのか、あるいはひょっとしたら収拾案が出てくるかもわかりませんね、財政的な、いろいろな意味から。何がどういう形になるかわからないけれども、それは少なくとも何年度までにはきっちりとした政府の姿勢を出します、まだ関係閣僚会議すら開いてないわけなんですよ。そういうことを、いつ開くのだ、もっと極端なことを言えば、いつ政府レベルのプロジェクトに格上げをしていくんだ、こういうことを聞いているわけなんです。
○鈴木内閣総理大臣 これは私丁寧にお答えをしておると思っておりますが、五十七年度の計上いたしました調査費によって調査を行ったその結果を見ながら、井上さんのおっしゃる段階にこれは進むべき問題である、このように考えております。
○井上(一)委員 私に与えられた時間がもう余りありません。 そこでもう一点。このことでことしの一月に私から総理にもお願いをしたわけでありますけれども、南太平洋諸島における残存日本兵の捜索の問題、あるいはそれらの諸島国に対する経済援助、技術援助を踏まえての青年海外協力隊員の派遣、具体的にはベララベラ島のそういう要請を私はお願いをし、総理は大変御熱心に、担当の部局に、外務省に指示をしていただきました。まだその成果は今日では実っておりません。 ここで、民間レベルで五月二十五日から八月二十四日まで、前回の厚生省の捜索だけでは十分でないという認識の中で実はソロモン諸島ベララベラ島に調査団が派遣されるわけです。この方々はやはりそこに、南太平洋諸島での戦時中に深いかかわりを持つ人たち、あるいは熱心な方々ばかりでありまして、年齢的にはもう六十歳を超えた方が大半であるわけであります。民間レベルでこういう取り組みがなされているのに、政府はこの問題についてはもう昨年のあの捜査で十分だという認識に立っているのか、あるいはまだこの問題については取り組む用意があるのか、もしあるとすればどんな形で取り組む決意を持っているのか、この点について担当の厚生大臣から私はお答えをいただきたいと思います。
○森下国務大臣 ソロモン諸島、ベララベラ島の元日本兵捜索については、同島の住民からもたらした情報に基づき、昭和五十一年から昭和五十五年にかけまして政府派遣団または民間団体により七次にわたり捜索を行いましたが、元日本兵が生存、残留しているという資料は残念ながら得られなかったのであります。昭和五十五年末に至りまして、ベララベラ島住民から新しい情報が提供されたので、昭和五十六年八月九日から四十日間、政府派遣団による捜索活動を行いましたが、元日本兵生存、残留に関する資料は全く得られなかったのであります。 以上のようにベララベラ島の捜索については政府としても努力を重ねてきたところでありますが、この問題はとうとい人命にかかわる問題でございます。ソロモン政府に対し、元日本兵に対する情報があれば公式に通報されるよう依頼してありますので、今後はソロモン政府から通報される情報により対応してまいりたい、このように考えておりまして、まことにソロモン諸島ばかりでなしに、南方の島々の方々、すなわちメラネシア、ミクロネシア、ポリネシアというかつて日本が迷惑をかけた地域の方々が非常に御協力をいただいておる、これに何か報いる方法も考えなくてはいけない。これは蛇足でございますけれども、以上申し上げまして御答弁といたします。
○井上(一)委員 厚生大臣、先方の政府からの通報を待っている、私は厚生大臣がじかにこれらの諸国あるいはこれらの関係島々に足を運んで、現地での実態等も踏まえて、ひとつ十分取り組んでいただいたらどうだ、そういうふうに思うのですが、いかがですか。
○森下国務大臣 午前中の質問では大陸での孤児問題がございまして、御答弁申し上げましたが、大陸の広野において、また南冥の孤島においてという言葉は戦時中また戦後にも使われておる言葉でございますが、私も旧軍人の一人といたしまして責任を痛感しております。 ただいま井上委員から御質問になりました、また御示唆いただきました問題につきましては、そういう確度の高い情報等が行われました場合、総理のお許し等がございましたら、私は欣然として現地に参りたい、そうして捜索に加わりたい、そういう決意を持っております。
○井上(一)委員 大臣、私は、現地に足を運ばれるということはいいことだと思うのです。これはいつごろ運ばれるのか。そしてめどがわかれば答えていただきたいし、最後に総理にこの問題について厚生大臣をひとつ激励をしていただいて、総理なりの姿勢を示していただきたい、こういうふうに思います。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま厚生大臣がお答えを申し上げましたように、今日までも数次にわたって捜索隊を派遣して努力をしてまいりましたが、今後におきましても情報に基づいて、人命にかかわる問題でございますから、政府としてもさらに捜査活動を続けてまいりたい、こう考えております。 なお、井上さんからかねてお話がございますソロモン諸島の経済協力、開発の問題につきまして、雇用青年社会開発大臣から井上さんを通じまして私に要請がございました。特に漁業開発の面につきまして、政府としてもできるだけ早く向こうの要請にこたえたいということで、協力隊等の人選、その他準備を進めておる段階でございます。
○森下国務大臣 いま総理からも御答弁いただきましたように、前向きでこの問題についてはやっていきたい。特に、参る以上は、やはりいろいろお世話になっておる関係もございます、これから南太平洋の地域と日本とのつながりをますます強くしていかなければいけないという外交上の問題もあると私は思います。したがって、農林水産関係、また外交関係その他の関係ともよく調整いたしまして、私は国会が終われば、お許しをいただくならばできるだけ早く参りたい。これはベララベラ島だけの問題ではなしに、やはり南太平洋のそれぞれの関係の地域、遺骨収集、また慰霊塔参拝という問題を含めて参りたい。 以上であります。
○井上(一)委員 以上です。
○永田委員長 新村勝雄君。
○新村委員 時間が短いものですから、二点だけ総理からお答えをいただきたいと思います。 その一つは、決算あるいは決算委員会に対する総理のお考え、これを伺いたいと思うわけです。 申し上げるまでもなく、決算審査の意義は、そしてまた決算を正確につくるということは、過去の政治の反省と、そしてそれの上に立って将来に向かってのより一層発展した政治を継続していく、こういう意義がこの決算審査にはあると思うのです。ところが、総理以下と言うと語弊がありますけれども、政府の皆さんを初めとしてこの決算に対する御認識が甘いのじゃないか、決算軽視という傾向があるんではないかというふうに私どもにはどうも考えられるわけです。 御承知のように、きょうの決算の総括は五十三年度の決算の総括であります。もう五十七年度が始まっておる、五十八年度の予算をこれから編成しようという段階であります。こういう時期に五十三年度の決算をやっていたんでは、本当は決算の審査の意義はないのです。ないとは言わないまでも半減するわけであります。なぜこういうふうにおくれたのかということは、これは私どもは決算審査について審議拒否をした覚えもありませんし、これを延ばしたという事実はないわけでありまして、やはりこういうふうにおくれるのは、政府の各大臣諸公あるいはまた議会の仕組みもそうでありましょうけれども、どうも決算軽視という傾向が覆いがたいという事実があると思うのです。それで、ぜひひとつ総理には、これから決算を重視をして、決算の実績の上に立って正しい政策展開を将来に向かって進める、こういう御決意を新たにしていただきたいわけであります。 その一つは、このように決算の審査がおくれるということ、それから、きょう総理にお出ましをいただいておりますけれども、総理の出席の時間が非常に短い。きょうの予定では二時間十五分という御予定でありますけれども、総理は恐らく予算委員会には数十時間の御出席をなさって、そこでもうあらゆる角度から国政の審議をされる、論議をされるということでありますけれども、わずかに二、三時間では、しかも各党がみんなやるわけでありますから、とても国政審議まではいかないわけであります。本当の思いついたところを一、二点をお伺いするだけで終わってしまうということであります。ですから、これから決算を重視をするということをひとつ腹にお据えをいただいてお願いしたいということです。端的なあらわれは、総理の出席時間が二、三時間にすぎないということです。恐らく予算審査の何十分の一であります。予算が入り口であれば決算は出口であって、ある意味では、決算というのは実際に行った成果の評価であり、あるいは分析でありますから、むしろどうなるかわからない予算よりはもっと重視しなければいけないと私は思うのですよ。そういう意味でひとつ総理のお考えを伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 新村さんが御指摘になりましたように、この決算委員会の御審査は、予算の執行が適正に行われておるかどうか、その成果が本当に上がっておるかどうか、また間違いがないかどうか、そこにむだが存在しないかどうか、そういう点を御審査いただくわけでございますから、政府としてはそれをいろいろの政策並びに行政の糧として、参考として今後に向かって活用していくということでございまして、決算委員会の審査というものは国政の上からも非常に大事なものである、このように私は考えております。 いま、予算委員会との比較において時間が短過ぎるのではないかという御指摘がございました。しかし、私ただいま出席しておりまして、短時間ではございますけれども、その中身は非常に濃いものであるということを感じておるところでございます。今後におきましても十分誠意を持ってこの決算委員会の審査には努力をいたしますし、また各省事務当局につきましても、必要とされる御要求の資料等は十分提供いたしまして審査の促進に協力いたしたい、このように考えております。
○新村委員 その御決意でひとつこれからお願いをしたいのですけれども、端的にお願いをし、あるいはお答えをいただきたいのは、やはり総理がこの委員会にどのくらい御出席になるかということにみんなあらわれてくるわけですよ。いかに資料をお出しになるあるいは重視をしますと言っても、お出ましになる時間が一時間や二時間では、これはどう考えても重視をしていらっしゃるというふうには見えない。われわれが理事会等で自民党の先生方に、総理にもっと出席するようにお願いをしてくれと言うと、だめだ、総理はとても出られないと言うのですけれども、どうですか総理、この次はせめて一日ぐらいお出ましできませか。それをひとつ伺いたい。
○鈴木内閣総理大臣 委員会の運営は理事の皆さんで御相談をいただくわけでございます。今回のこの決算委員会につきましても、ミッテラン大統領が日本を離れたその時点でようやく私が出席をさせていただいたということでございまして、私としても、決算委員会の御審査には十分誠意を持っておこたえをするということにいたしております。
○新村委員 ひとつ、理事会の御要請に対してはせめて一日ぐらいはお割きをいただきたいと特にお願いをいたすわけであります。 次に、会計検査院法の改正の問題でありますが、これもすでに長い間の懸案になっております。このことのそもそもの起こりはあのロッキード事件に端を発すると思うのです。そして、この問題の反省の上に立って厳しい姿勢で行政の執行をしなければいけない、また政治倫理の確立もそれを通じてやっていかなければいけないという発想のもとに、その一つの方法として会計検査院法の改正をして、会計検査院の権限の拡大、機能の強化を図るべきである、こういうことでこの議論は始まったと思うのです。 そこで、衆議院におきましては五十二年の五月十九日のこの決算委員会における決議を初めとして、またこの委員会の決議案を本会議で決議をいたしますので本会議における決議、これらすべてを含めますと十数回に上る国会の意思表示があったわけであります。そして歴代の総理、福田総理も大平総理も、また鈴木総理も同じだと思いますけれども、これに対しては前向きに取り組むという御答弁がその都度あるわけであります。福田さん、大平さんのときはまさに前向きで、すぐにもこの改正案を国会に出すというような意味の答弁をされておるわけであります。 ところが現在の状況は残念ながらそこまで行かない、幾ら待っていても提案をなさらないということでありますけれども、この院法の改正は、その後情勢がどう変わりましてもこれが必要ないという日本の情勢にはなっていないはずでありますから、なぜこれがスムーズに進まないのかということをわれわれは疑問に思っているわけであります。私どもの見解からすれば、院法の改正は依然として喫緊の課題であるというふうに考えるわけであります。すでに会計検査院からは、この改正についての要綱が政府の方に示されておるはずであります。そういう点で、まず初めに院長の方からこの問題についてのお考えを伺いたいと思います。
○大村会計検査院長 大変重要な難問題が山積いたしております折から、内閣初め委員会において私どものこの問題につきましてここ数年何回となくお取り上げいただきまして、会計検査院といたしましても大変恐縮に思っておりまするし、このことはまた会計検査の重要性に対する御理解のあらわれと存じまして、大変ありがたく思っておる次第でございます。 私は、長い間財政会計の仕事に関与いたしましたし、産業開発金融の業務にも関与し、かつまた、この六年半、両院の御同意を得まして検査官の重責を汚しておるところでございますが、そういう経験に基づきまして、この際、私の見解を申し上げてみたいと存じます。 経緯につきましてはすでに御承知だと思いますけれども、先ほど御指摘のとおり、五十二年五月の衆議院の決算委の御決議以来総選挙も何回かあり、内閣も何回か交代しております。——ちょっとくどいようでございますが、大変大事な点でございますから、その間の経緯を改めて申し上げます。 五十二年五月以来、特に五十三年、両院の与野党一致のもとに「会計検査院の権限の拡大」ということを御決議いただいております。それを受けられまして当時の内閣総理大臣より、会計検査院が速やかに検討を了して見解をまとめることを期待しているとのお言葉もございました。これを受けまして会計検査院は、その後政府の関係各省と種々折衝を重ねながら、両院の御決議に最小限度こたえるような案を五十四年五月、内閣に提出いたしております。その後内閣におかれましては、各歴代内閣ごとこの問題について私は真剣に御検討いただいたと存じます。 その後、本内閣におきまして昨年七月、立法措置は別といたしまして、肩越し検査に応じない機関が約三機関あるわけでございますが、その他の機関につきましては肩越し検査をやっておるところであります。と申しますのは、私どもの会計検査院法は新憲法に基づきます昭和二十二年の立法でございます。その後、現在見られるような政策金融機関が続々とできた次第でありまして、住宅金融公庫を除きましては融資先に対しての調査権限を持っておりません。それが、各政策金融機関ができる前は政府が特別会計で直接融資でやっておりましたから、これは会計検査院が検査できるわけであります。それが今日のように特別会計ではなくて政策金融機関が融資することとなりまして、権限がございません。しかし、それぞれその資金は国民の貴重な租税資金で出資するとかあるいは補給金を出しておるとか、あるいは国民の零細資金をもととする財政資金をもって低利の政策融資が行われておるわけであります。決してコマーシャルベースの融資が行われておるわけではございません。そういう点から、独立機関である検査院の何らかのチェックが必要である。しかし、事柄は融資に属する事柄でありますから、肩越し検査でもってスムーズにこの二十数年間やってまいった次第でありますが、たまたまロッキード事件に端を発しまして、私どもの肩越し検査が必ずしも十分に機能していないということが国会で指摘を受けまして、五十三年におきましては両院において明確に会計検査院の権限の拡大を要請され、それに対して先ほど申し上げましたような当時の内閣総理大臣からの要請の言明があったわけでございます。 それを受けましての私どもの現在の院法の内閣への提出、それが五十四年五月でございます。その後、昨年の七月に至りまして、現内閣におきまして、私どもの肩越し検査に応じられない若干の機関に対しても、それが合理的な理由があり、かつ、ほかの手段で事実の確認等が行い得ない場合には、肩越し検査に十分協力するようにという指導通達をお出しいただいております。この点が従来と変わった顕著な点でございます。 したがいまして、肩越し検査という手段をもってやる限りは、いまや私どもに十分御協力がいただけるものというふうに私どもは理解しております。しかし、何らかの不当な事態があり、それが十分な御協力を得られない場合は、私どもといたしましてはこれは検査報告その他何らかの形で報告して事柄を明らかにして、また御判断をいただかなければならないと思います。 私どもの立場は、憲法で与えられました独立機関としての大変重要な権能でありますから、ほかの各省に間々見られますような縄張り意識というものはいささかも持ってはならないと考えております。したがいまして、私どもは厳正公正に国民から負託されました独立権能のもとに少数精鋭で有効な検査成果を上げる。したがいまして、検査報告にも明記してございますように、検査個所につきましてわずか八%でございますけれども、そのわずかな指摘のもとに十分に関係各省においてその原因を究明していただいて、私どものただ一点の指摘であっても、自分の所管のそれの何十倍に類する同じような指摘につきまして内部点検をしていただきまして、正すべきは正していただきたい、かように考えているわけであります。 たとえば、ある金融公庫におきましては、私どもの指摘した結果、総裁の厳命のもとに十分に点検された結果、翌年は私どもの検査の結果、何らの指摘事項がなかった、そういうような事例もあるわけでございます。(「簡潔に」「時間がないよ」と呼ぶ者あり)時間がないというお話もございますから……。このたびの、昨年七月の内閣の新しい指導通達に基づいてお認めいただきました肩越し検査の協力通達、したがいまして、私どもが必要と認める、もちろん私どもは厳正公平な立場で必要と認めるわけでございますから、関係機関におかれましても同意されると思いますが、そういう場合は十分に肩越し検査の権能を有効に活用することによりまして、しかし事柄は、いままで十分に肩越し検査に協力していただけなかったところに初めてやるわけでございますから、やはりスムーズに行えるようにしたい、そのためにこれからは、いままで御協力いただけなかった機関に対して新たにやります場合には、肩越し検査といえども検査官会議にかけまして、果たして融資先まで肩越し検査をやる必要があるかどうか十分判断いたしまして、スムーズに肩越し検査を実施し、有効な検査成果を上げ得るように努めてまいりたいと思うわけであります。 それはそれといたしましても、会計検査院の憲法上の独立権能に関する事柄であります。また、従来のこの数年間にわたる経緯もございます……
○永田委員長 ちょっと大村君に申し上げます……(「いや、やらせろ」と呼ぶ者あり)
○大村会計検査院長 国会、内閣において高度の立法政策上の御判断に属する事柄であります。検査院のこれらの新たに肩越し検査を実施いたします機関に対する融資実績に対する肩越し検査の実績をもごらんいただきながら、さらにまた御判断を賜りたい、かように存ずる次第でございます。
○新村委員 あと一分。いまのお話、まことにごもっともだし、これは院長の声ではなくて国民の声です。ですから、ひとつ総理も十分その点を御認識をいただきたいわけであります。 それから、いまだに提案にならない。この中には反対なさっている大臣もたくさんいらっしゃると思うのです。一人一人お伺いすべきなんですけれども、時間もありません。ですから、これはひとつ総理にお願いをいたしますが、ぜひこの議論のよって来るところから、その経過あるいはその重要性を十分御認識をいただいてしかるべく措置をいただきたい、改正案を一日も早く提案を願いたいということをお願いしたいわけです。この問題についてはわが党も会計検査院とほぼ同じ案の提案をいたしておりますが、いまだに審議もされていないという状況でありますから、ぜひ総理の御決断をお願いをいたします。
○鈴木内閣総理大臣 新村さん御発言の御趣旨はよく理解ができますが、政府部内でもせっかく検査院法の改正案をもとにいたしまして検討に検討を重ねております。しかし、いまのところ結論を得ておりません。しかし、会計検査の重要性というものは十分認識をいたしておりますので、昨年の七月に官房長官の通達をもちまして会計検査の円滑な執行につきましては政府としても全面的な御協力を申し上げるということで、運用の面でいま改善措置を講じておるところでございます。しかし、引き続き院法の改正につきましても検討を進めてまいりたい、こう思っております。
○新村委員 きわめて前向きの御答弁であるというふうに理解をいたします。 終わります。
○永田委員長 春田重昭君。
○春田委員 私は、何点か総理に、確認及び質問をしたいと思います。したがって、答弁は簡潔にお願いしたいと思うわけでございます。 第一点の確認の問題でございますが、シーレーンの一千海里防衛の問題でございます。 総理は、昨年五月アメリカへ行かれまして、ナショナル・プレス・センターで、記者団との一問一答の答弁の中でお答えになっているわけでございます。この問題が今回の国会答弁で、公約云々ということでいろいろ議論されたわけでございますが、総理は強い口調で、決して公約じゃない、あれは海上自衛隊の整備目標を説明しただけである、こういうような答弁をなされていると思いますが、それに対しましてアメリカの議会、政府が、非常に大きな不満を表明しているわけでございます。その後国会等でも、防衛庁長官、外務大臣、そして官房長官等は、総理があれだけアメリカで講演なさったんだから、これはいわゆる政策といっても公約に値するだろうという御答弁をなさっているわけでございます。 総理は強い口調で、決して公約じゃない、米国の期待に表明するということでおっしゃっているわけでございまして、トーンが下がっているわけでございますけれども、この問題について、総理の現時点のシーレーン一千海里防衛につきましての御見解をお伺いしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 この海上交通路を保護する問題につきましては、海上自衛隊が防衛力を整備するに当たりまして、周辺数百海里、航路帯を設ける場合には一千海里程度はこれを保護できるような防衛力を整備したい、こういう方針のもとに、基本的防衛計画「防衛計画の大綱」の中におきましても、すでにその方針を持ってこれに取り組んでおるところでございます。そしてこの方針に基づきまして、防衛庁長官からも、私からも、国会におきましてしばしばこのことを申し上げております。 これは、アメリカへ行って私が講演の際に申し上げるよりも、日本国民を代表するこの国会におきまして、はっきりと政府の方針として申し上げておるのでございますから、これが最も権威のあることでございます。でありますから、米側がこの問題に大きな関心をお寄せになることはよくわかりますが、米側の要求によってそういうものをやるのではなしに、日本政府が自分のこととしてこれをやるという方針のもとに進んでおるということでございますから、これは最も権威ある取り扱いである、このように御理解をいただきたい、こう思うのです。
○春田委員 政府側の、外務省や防衛庁長官、また官房長官は、いわゆる公約に値するとおっしゃっているのですね。この点、総理はどうですか。
○鈴木内閣総理大臣 その公約という意味が私にはよくわからない。あえて公約と言うのなら、これは国会を通じて日本国民に私は公約したものでございます。アメリカに要求されてそれをのんだ、そういう意味の公約ではないということを明確に申し上げておきます。
○春田委員 防衛というのは自主路線というのが大事でございますから、当然そうでございます。しかしこの問題につきましては、きょうは時間がございませんので、また後日いろいろな角度から質問してまいりたいと思います。 第二点の確認事項は五六中業でございます。 いま防衛庁内で検討され、やがて七月に国防会議に付議されると聞いているわけでございますが、五三中業は防衛庁内だけの見積もりであるということで終わっていたわけでございますが、五六中業は五三中業と違って国防会議に付されるわけでございますから、相当重みがあるわけでございます。 この五六中業におきましては、いろいろな報道がされているわけでございまして、防衛大綱の水準を達成するということでございますから、相当な正面装備の費用が要る、こういうことで、いわゆるGNPの一%を突破するんじゃないか、こういうことが言われているわけでございます。自民党の各関係部会でも、もういまさら昭和五十一年の閣議決定された一%以内ということは、今日の国際情勢から考えて、また、防衛大綱の水準を達成するためにはちょっと無理じゃないかという意見書が出るやに報道されているわけでございますけれども、総理は、この五六中業をGNPの一%以内の防衛費でおさめるという閣議の方針はいささかも変わっていないと——先ほどの質問の中で防衛庁長官は、ぎりぎりのところで努力をやっているけれどもちょっとわからないような話が出ておりましたので、総理にこの点は御確認をしたい、こう思っておるわけです。
○鈴木内閣総理大臣 御承知のように、「防衛計画の大綱」を国防会議並びに閣議で昭和五十一年の秋に決定をいたします際に、あわせて、この達成に当たっては、GNPの一%以内でこれを進めるように努力をしていく、当面そういう方針でこれに取り組んでいく、こういう趣旨の決定をいたしておるところでございます。今日まで、この当面一%以内という方針を政府は堅持してきたところでございます。 私は、いま五六中業の作業を進めておるのでございますが、防衛庁に対しまして、特定の年度に防衛予算が特別にかさむようなことのないように、できるだけなだらかにこれが行われるようにというようなことを十分配慮してほしい、特に、現在財政再建を重要な課題として取り組んでおる際であるから、その点を十分心得てもらいたい、また、厳しい財政事情下に行うわけであるから、他の政策との整合性、そういう点も考えてやってほしい、こういうことをお願いをいたしておるところでございます。 今後、激動する国際経済情勢の中でGNPがどのような推移をしてまいりますか、五年先までこれをはっきり展望するということは困難な問題でございます。したがって私は当面これにつきまして、GNPを超えてもよろしいとか超えるのはやむを得ないとか、そういうようなことを決める必要はない、いままでの方針、五十一年のGNP一%以内で進めるというこの方針を変える必要はない、こういう考えで、防衛当局にこれを要請しておるところでございます。
○春田委員 当面というこの当面の期間は、五六中業では五十八年から六十二年までの防衛関係費を見積もっているわけですね、昭和六十二年ということで理解していいのですか。
○鈴木内閣総理大臣 これは御承知のように、五十一年当時そういう方針でございました。でありますから、いまの時点でこれを変える考えは私は持っておりません。
○春田委員 何か意味深長な御答弁でございますけれども、時間がございませんから。 第三点は貿易摩擦の問題でございます。 総理は陣頭指揮をとるということで、いま第二弾の市場開放策が経企庁や外務省を中心に種々各省関係部局等が集まって検討され、五月七日に大体成案が出るやに聞いておるわけでございますけれども、通産省や大蔵省やその他各省等においては、ずい分前向きな検討がされていると私は聞いているわけでございますが、米国の最大関心事でございますいわゆる農産物の市場開放の問題、これは相当背景等がありまして、厳しい情勢になっていると聞いているわけでございます。 せんだってワシントンでのいわゆる作業部会では、この農産物につきましてはガットの場で二十二条で協議しようということになりましたので、農水省としては第二弾に入れないのだ、要するにガットの場でやっていくのだ、こうおっしゃっているわけでございますけれども、これで果たして第二弾の市場開放は日本としてこういう姿勢でいくのですということを、農産物の市場開放につきまして織り込んだ案がなくて、米国に自信を持って提示できるかどうかという問題です。この点総理はどのようにお考えになっておりますか。
○鈴木内閣総理大臣 貿易摩擦の解消の努力を続けてきておるわけでございます。 すでに御承知のように、第一弾といたしましては、あのような東京ラウンドの関税の二年分前倒し、それから輸入検査手続等の見直し、千六百五十品目にわたりましてこれをやったわけでございます。この二つの措置というのは、日本が自主的に、よその国がやるやらぬにかかわらず、日本がこれを率先してやったことでございまして、私はきわめて画期的なことである、このように考えております。 なお、その上にOTOを設置いたしまして、関税障壁の問題、市場開放の問題等につきましての御要求があった、疑問がある場合にはひとつOTOに提起してもらいたい、そうすればできるだけ短期間のうちにそれに対する答えを出そう、こういうことまでやっておるわけでございます。外務大臣が訪米をし、またさらに江崎ミッションが訪米の後、さらにECを訪問をいたしまして、これらの措置を説明をし、理解を求めたところでございます。 これに対しまして、なお引き続き日本には市場開放の努力をやってほしい、こういう要請がございますので、わが方といたしましてもさらに努力をするということで、サミット、その前に開かれますOECDの国際会議を念頭に置きながら、第二弾の措置の取りまとめをいま急いでおるところでございます。 〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕 その一環として、アメリカに農水省の佐野経済局長等を派遣いたしまして、そしていろいろ話し合いをいたしたわけでございますが、その結果は、いま春田さんからお話がございましたように、作業部会で論議をしておってもなかなからちが明かない、よってガットの二十二条協議に移そう、こういう米側からの提案があり、わが方もその方針で帰国をいたしたわけでございます。 ところが、今度はまた変わりまして、まあそう言わぬでその前にひとつ、ガットの協議に移す前にもう一遍相談をし直そうではないかという話が出てきておるということでございます。これから米側から係官等の来日を要請をいたしまして、そして協議をするということになるわけでございますが、そういう手違い等もあったようでございまして、いま申し上げたOECD等の前に打ち出されるところの第二弾の措置の中に農産物が入れるかどうか、時間的に物理的に間に合うかどうかという問題がございます。 しかし私どもは、できるだけ日本としてのできるものはこれをやる、できないものはこれはやれないわけでございますが、そういうことで対処していきたい、こう考えております。
○春田委員 農産物、特に牛肉とオレンジにつきましては、八三年の末までの自主的といいますか輸入制限があるわけでございまして、決められた数字があるわけでございますけれども、八四年以降は十月一日から相談になるわけですね。 そこで総理、総理自身のお考えでございますけれども、いろいろな形でアメリカが要求しておりますね。私も外務大臣の前に、日米青年議員交流でアメリカに行きまして、貿易摩擦問題で一週間、議会また政府といろいろな話し合いをしましたけれども、何といってもアメリカ側が言っておるのは牛肉、オレンジの問題ですね。これが最大の関心事なんです。だから、ほかのことをやったとしても、これがなかったら、やはり日本はまだ障壁があるとか、まだ摩擦があると言ってくることは間違いないと思うのです。 そこで総理自身は、この牛肉、オレンジにつきましては、アメリカが要求しておる完全自由化をすべきじゃないかという意見に対してどうかという問題が一点ですね。完全自由化できなくても、季節間のいわゆる自由化はできるのではないかという部分的な自由化ですね。三番目には、自由化はできないけれども、量の拡大で対応していこうという考え方もあると思うのです。四点目には、要するに日本は日本のいろいろな事情があるのだ、こういうことでいわゆる現状維持。この四つに分かれた場合、総理はどうお考えになるかですね。これは時間がございませんから簡単で結構です。
○鈴木内閣総理大臣 簡単にお答えいたします。 十月からその交渉を始めるということでございますから、米側の考えも聞き、わが方の立場も十分説明をして、その時点で判断をすることにいたしたいと思っております。 〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕
○春田委員 第四点目に、財政再建と行政改革と景気浮揚、これは当然同じレベルで存立してこそいいわけでございますが、これは理想であって、現実的には非常にむずかしい問題があると思うのですね。 そこで、総理は財政再建は私の政治生命をかけるのだとおっしゃっておるわけでございますけれども、今日までのいわゆる国会審議からいけば、この財政再建論議につきましては、一つは五十九年赤字国債の脱却に努力する。二番目には、財政再建は増税なき財政再建である。第三点目には、財政再建をやるためには徹底的な歳出の合理化ないしは削減をやっていくのだ、こうおっしゃっておるわけでございますけれども、五十六年度、五十七年度、五十八年度の歳入欠陥が非常に明確になっている今日、この財政再建というのは非常にむずかしいのじゃないかという論議がされているわけでございます。 総理、五十九年赤字国債の脱却ということは、赤字国債がゼロということだと私は思うのですけれども、この財政再建と行政改革と景気の浮揚、この三点をどうお考えになりますか、同じレベルで存立すると考えますか。
○鈴木内閣総理大臣 赤字公債からの五十九年度脱却、これは私がまさに国民の皆さんにお約束を申し上げた公約でございます。これを達成をするに当たりまして、経済の回復が期待されたように進んでいない、そしていろいろな国際経済の状況が非常に厳しくなってきて、輸出も鈍化してきた、さらに物価その他の安定等もございまして、税収の落ち込みというような問題も現実に出てまいりました。そういうようなことから、条件が非常に厳しくなってきたことは御指摘のとおりでございます。 しかし、情勢が厳しければ厳しいほど、私はこの財政再建に当たりましては、思い切った、歳入歳出両面にわたっての見直しというものが要求されておる、このように考えております。したがって、私は五十八年度予算の編成に当たりましては、臨調の答申を踏まえて、そして思い切った歳出の削減合理化というものをやらざるを得ないし、また、国民の皆さんにそのことを訴えて御協力をお願い申し上げたいと考えておるところでございます。 景気の問題につきましては、与えられた条件の中で私どもはいろいろな施策を積み上げて、その相乗的な効果を上げるように努力をいたしたい。公共事業につきましても、御承知のように、上半期に七五%以上の前倒し実施をやる、また、その執行に当たりましても、用地の手配済みのもので波及効果の大きいものに重点を置く、また、公的金融の住宅の促進の問題につきましても、一層力を入れてまいりたい、こう考えております。 物価の安定はもとよりでございまして、いろいろの金融の機動的な運用等も、状況を見ながらこれをやりたいと考えておりますし、そういうことで、与えられた条件の中で景気の回復につきましても全力を尽くしたい、このように考えておるところでございます。
○春田委員 最後に、財政再建の手法として、河本長官は積極経済運営論をお述べになっております。五十七年度には追加政策をとれば、大蔵省が試算した四兆円の自然増収プラス二兆円ぐらいの自然増収があるだろう、そういう積極的な経済運営を河本長官が唱えられているわけですね。一方、渡辺大蔵大臣は、五十七年度はかなり歳入欠陥があると見ている、そういう点では緊縮財政で五十八年はいくべきじゃないかという、際立った、長官と大蔵大臣との差があるように私は思うわけでございますけれども、総理はどちらの方をおとりになるのか。 もう一点、日韓問題につきましては、先ほどの質問でいわゆる金額、技術協力以上に、文化的な交流、民間交流も必要である、重要であるというお話をなさったわけでございますけれども、全斗換大統領が就任されたのが五十五年の八月、もう二年近くなるわけでございますけれども、いまだかつて日韓首脳会談が行われていないわけでございますが、この経済協力問題が解決すれば、総理は首脳会談に応じる意向があるのかどうか。この二点、まとめてお答えいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 河本長官の景気回復についての熱意、そして渡辺大蔵大臣の財政の健全化、再建ということに配慮しての発言、私は、これは両方とも望ましいことでございまして、私どもは与えられた条件の中でその二つの目標を達成するように今後努力を尽くしてまいりたい、このように考えます。 なお、日韓の経済協力の問題につきましては、私は、わが国には基本的な経済協力に対するところの方針がございます。韓国側がまた五カ年計画を掲げ、新しい国づくりに努力をされているという事情もよく理解をいたしておりますが、いまそれに向かっていろいろ日韓の考え方というものを調整をし、何らかの円満な結論を出したいものと努力をいたしておるところでございます。私は、首脳会談につきましては、それらの問題についてもよりよい結論が出た段階においてこれを考えたい、こう思っておるところでございます。
○春田委員 終わります。
○永田委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 通告を申し上げました質問に入ります前に、空港問題で先ほど同僚委員に対するお答えがありましたので、一点、お尋ねをさせていただきたいと思います。 関西新空港の検討に当たって、航空審議会のこの答申の文章の中に、現空港の廃止を前提にしてという言葉が確かにあるのですけれども、この言葉の解釈についてはいろいろあるわけであります。私は、いままで幾たびか運輸省に対してお尋ねをしてまいりましたけれども、この現空港の廃止を前提にしてというのは、航空審議会がいろいろな検討をするその検討の前提にその前提が置かれておったということであって、そのことによって現空港を廃止することが関西新空港の条件だという意味ではないんだ、また同時に、運輸省は関西新空港をつくる場合に現空港を廃止するという約束をしたこともないというふうに答弁をし続けてこられました。このことについて、総理は基本的にどのようにお考えなのか、先ほどの御答弁、若干ニュアンスが違ったように聞きましたので、お尋ねします。
○鈴木内閣総理大臣 私は、関西新空港の建設に当たっての政府の考え方、これは、航空審の答申というものを踏まえてこの検討に当たっておることは間違いないところでございます。この問題につきまして、地元からその後におきまして、伊丹空港はその際においても存続してもらいたいというような御要望、御意見等があることも私、耳にいたしております。こういう点を全然無視してしゃにむに、これはもう約束事だというようなぐあいでいくわけにはまいるまいと思いますが、いずれにいたしましても、この新空港に具体的に着工、建設という段階におきまして、そのときにおける諸般の状況を勘案しながら、伊丹空港に対する対応も決めたい、このように考えております。
○中野(寛)委員 質問の本論に移ります。 財政問題でありますが、私は大蔵大臣と経企庁長官の御意見が違おうがどうしようが、そのことについてお聞きしようとは思いませんが、いずれにせよ、総理の基本的なお考えをお聞きしておきたいと思うわけであります。 先般来総理は、赤字国債五十九年度ゼロにするということについては、十七日に大蔵大臣及び官房長官と協議をされて再確認をされたということでございます。ところが、それと同じところに、たとえば新聞報道では、赤字国債の脱却は事実上無理だとする政府首脳の判断があることも報じているわけであります。そして五十九年度脱却の方針を再確認したことの意味として、五十九年度脱却という看板をおろさないという単純な意味だと政府首脳は答えたと報道されております。その報道が事実かどうかは私は問おうとは思いません。 もう一つ、こういう報道もございました。大幅な歳入欠陥が決定的となり、五十九年度赤字国債脱却がきわめて困難と見られる情勢のもとで、首相周辺では首相の言う赤字国債の減額方針は当初予算編成段階のことだ。年度途中に歳入欠陥が出た場合、穴埋めのために赤字国債を増発しても公約違反にはならない。当初の予算編成段階さえ国債減額の形式さえ整えれば公約は達成したと主張できるというふうな判断をとろうというふうな、いわゆる首相を弁護するためのいろいろな準備としてそのような検討がなされているような報道もあります。 よもやこれらのことを総理がお考えだとは私は思わない。五十九年度赤字国債脱却をわざわざ総理が再確認をされたということはよほどの御決意であるのだ、そして同時に、それはできるし、またやらなければならないということを総理自身が改めて確認をされたことなんだというふうに私どもは信じるわけでありますが、間違いございませんか。
○鈴木内閣総理大臣 大変厳しい状況になってはおりますけれども、私があえて先日大蔵大臣、官房長官を交えて私の決意を述べ、この五十九年特例公債脱却ということは不動の方針であるということを確認をいたしまして、それに向かって五十八年度以降の予算の編成等を進めるということにいたしたわけでございます。したがって、いろいろ報道されておるようなことは私は考えておりません。
○中野(寛)委員 総理がいみじくもおっしゃられましたが、大変厳しい情勢のもとにあることを総理自身が最も認識をされていると思います。同時に大蔵大臣も、このままでいけばこれまた大変取り返しのつかないぐらいの大きな歳入欠陥になることをも指摘をされております。そして先ほど来の審議の過程でも、このままでいけばという言葉を念を押されました。すなわち、これから何らかの対策を打っていくということの意味だと思うのであります。 先般公共事業の前倒し等々、幾つかの手を第一段階として打たれました。これだけで果たして十分だろうか、これからその見通しは経緯を見なければならないかもしれませんけれども、それではどの段階でこの第一段階の対策の効果があったかなかったかを見きわめるのか。第二段階が必要かもしれないという判断、また必要であるとすればどの段階でその第二段階の手を打つという時期的なめどを立てておられるのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 御承知のように、世界経済は大変な激動の時期に当面をいたしております。そして日本もGNPの一割国家であるというようなことから、この世界経済の中で大変な影響を受けます。また日本の経済活動が国際経済にもある程度の影響を持つ、こういう不可分の状況下にございますから、これからの経済動向というものを的確に把握する、判断をするということは非常にむずかしい面がございます。 したがって、私どもは先般あのような、五十七年度予算成立と同時に、当面なすべき施策につきまして、第一弾としての対策を打ち出したわけでございますが、その成果、影響を十分見ながら、また内外の経済情勢を勘案しながら、今後適切に対応してまいりたいと考えております。
○中野(寛)委員 予想どおりの御答弁ではあったのですが、私が聞きたかったのは、たとえば公共事業を前倒しをいたします。昨年度もやりました。しかし、昨年度あれだけの歳入欠陥を生じたり、また十分な景気対策になり得なかったことの理由の一つに、むしろこの前倒しの効果が十分発揮されなかったのだという理由を挙げる傾向さえあるわけであります。 このような事業をやるときには、下期も大丈夫なんです、経済は言うまでもなく国民の心理によって動くものであります。ゆえに、公共事業の前倒し一つするにいたしましても、これをやるにはそれを効果あらしめなければいけない。効果あらしめるためには、後も大丈夫ですよ、そのことの裏づけがなければならない。それがなければ、その公共事業に関連するいろいろな企業体等も、それを食いつぶしながら下期にも結局事業を継続させることによってだらだらと効果を削減してしまうような事態を生ずるおそれもある。 また、国民は昨年可処分所得がここ二年ほど継続して減っているから消費が伸びなかったという理由がよく挙げられますけれども、しかし国民の心理は、先行きなお一層厳しい経済状態になるであろうということを見越して支出を抑えたという心理的な圧迫感というものがむしろより一層働いたというふうに私は見るべきであろうと思うのであります。 そういう意味で、これからの経緯を見ながら適切な対応を講じていくという総理の抽象的な御答弁では国民は納得しない、こう申し上げざるを得ません。そういう意味で、くどいようですがもう一度総理の積極的な御答弁をお聞きしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、経済情勢は内外ともに刻々変わっております。それをいま三カ月後にはこうする、半年後にはこうするというようなことは、私の責任ある立場からは申し上げられないことは御理解をいただきたい、こう思います。 昨年の例を引いてのお話でございましたが、御承知のように内需の方は、いろいろの公共事業の前倒しであるとかあるいは物価の予想以上の安定であるとか、実質所得の増であるとかいうようなことから、これが黒字に転じておる、成長の方向に行っておる。ただ、輸出が停滞をした、あるいは輸出が非常に減ったというようなことから、全体としての経済成長が十−十二月で〇・九のマイナスになった、こういうことでございまして、その後引き続き物価の動向をごらんいただきましても、非常に安定的に推移をいたしております。 それから、先ほども申し上げましたように、予算の執行に当たりまして、あらゆる工夫をこらして努力をいたしておるわけでございますから、そういう成果を踏まえながら、今後私どもは民間のこの需要等を喚起するような努力もさらにいたしまして、景気の一層の回復に努力してまいりたい、こう思っております。
○中野(寛)委員 具体的なお答えをお聞かせいただけませんが、時間の都合もあって次に進みます。しかし、関連してお尋ねをいたします。 貿易が必ずしもうまくいかなかった、国際経済が大変落ち込んでいる、外的な要因に日本の経済の現状の原因をすりかえて論議がされるケースが多いわけでありますけれども、しかしその外的な要因は、果たしてこれからどうなるのか。たとえばOECD諸国の経済成長率の見通しでも、昨年十二月はたとえばアメリカで、一九八一年一・六%、一九八二年〇%。しかし、それからわずか三カ月たっただけで、アメリカの経済成長率については、一九八一年は二・〇%ですが、八二年になるとマイナス〇・八%というふうに、その回復についてはきわめて見通しが暗い状態にあります。こういう状態の中で、結局外的要因に対して受け身に日本が回っているとするならば、日本の経済回復というのはますます望みがないということになってしまいます。 いま、まず国内であらゆる手を打つんだ、公共事業の前倒しもやったんだとおっしゃるが、果たしてそれで効果があるのか。私たちは、今日までの経験から見て、これらのことが十分効果を発揮できるとは思えない。それだけではありません。受け身だった日本の経済政策というものを、逆転させて日本が世界経済の活性化のために何らかの役割りを果たさなければいけない時期に来ているし、それが望まれている。日本は何をなすのか。それは、その具体的な提案を含めて、来るべきサミットにも臨まなければならないでしょう。そのことをむしろミッテラン大統領ともお約束になられたはずであります。これらのことについて、総理はどのようにお考えになっておられるのか。 また、経済の問題を今日のようにしている一つの大きな要因として、アメリカの高金利政策が指摘をされます。そしてそれが現在の円安の一番大きな原因だとも言われているわけであります。しかし、円安から円高へ何とかこれを持っていくことが日本の、ひいては貿易摩擦に関連して諸外国との関係についてもこれを改善する、むしろ極論する人は、それがいま考えられる唯一の特効薬だと言う人さえおります。これら一連の対策について、私は総理御自身が、来るべきサミット等をも含めて、積極的にかつダイナミックにその対策を提示されることがいま必要であり、日本国民はもとより世界じゅうから注目をされていると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 今日の深刻な世界経済の立て直し、これの不況からの脱出、再活性化の道というのは、一国の力だけでよくなし得るところではない、このように考えるものでございます。 そこで、ベルサイユ・サミットにおきましては、各国が一つの目標に向かって、一つの政策努力をそこに出し合って、そしてそれに向かって協調し、また努力をするということが要請をされておると考えるものでございます。その点につきまして、ミッテラン大統領とも完全に意見の一致を見たところでございます。その話し合いの中では、アメリカの高金利の問題、あるいは国際通貨の安定の問題、あるいは開発途上国、第三世界への経済協力の問題、そういう問題も論議がされましたし、そういう点も私は、OECDなりあるいはベルサイユ・サミットで話し合いをすべき重要な課題になろう、こう思っております。 私どもは、先進国の首脳が一堂に会して、この困難な世界経済の打開のためにみんなで知恵を出し、協力し合っていくということにつきまして基本的に認識は一致しておるわけでございますから、今後さらに一層日本としても、日本の国力にふさわしい貢献と責任を果たすように努力をしたい、私はこのように考えております。
○中野(寛)委員 具体的なことをお聞きしたいのでありますが、残念ながら時間がありません。最後に、一点だけお聞きします。 行革に関連して、国鉄のことです。先ほど運輸大臣にもお尋ねいたしましたが、いま経営改善計画に基づいて国鉄は作業を進めています。しかし、臨調第四部会では、国鉄の分割、民営化を柱にして答申がなされるように報道もされております。単なる報道ではないと思います。現実にその方向へ向かってまとめられていると思います。このような状態の中で、国鉄はやはりよほどの大改革、大手術をしなければならないわけでありますが、このような事態の中で、いま申し上げましたような答申がなされた場合にも、総理はこれを守って、実施をしていくというお考えでございましょうか。お尋ねいたします。
○鈴木内閣総理大臣 国鉄の再建問題につきましては、現在政府といたしましては、国会で成立をいたしました再建整備法そして、それに基づくところの国鉄経営改善計画を全力を挙げて、効果あるものにするということに努力をいたしておるところでございます。 しかし、一方において、臨調におきましては、それだけでは国鉄の再建は十分期待できない、そういうような観点から、もっと抜本的な改革が必要であるということでいろいろの論議が闘わされ、また検討が進められておるということを聞いております。 ただ、まだ、分割、民営だとか、そういうようなことについて、具体的な臨調からのお話もございません。私どもは、臨調がそういう思い切った改革案を出す、こういうことでございますが、その答申を踏まえまして、その際におきましては、政府としては誠意を持ってその実現に向かって努力をする、最善の努力をするということをこの機会に申し上げておきたい、こう思います。
○中野(寛)委員 終わります。
○永田委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 まず総理にお尋ねをいたしたいと思います。 いよいよ第二回の国連軍縮特別総会が近づいてきたわけであります。聞くところによると、総理自身も御出席になって、そして演説をされると承っておりますが、当然長崎やまた広島のああいう悲惨な実情というものを訴えられるだろうと思うのですけれども、同時に、私は、その被害状況というものを生々しく皆さんに伝える、そのためにも具体的な資料を会議の参加者全員に配付をする、そして、より効果的なアピールをする必要があるのではないかと考えておるのですが、いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 私ども現在承知をいたしておりますことは、各国の代表は国連総会においては演説等の表現によって各国の軍縮に対する考え方、主張、提案というものをお述べになる、こういうことで準備が進んでおるというぐあいに承っております。私もそのような各国の代表と同じような、できるだけ国民の気持ちを踏まえて、演説を通じて十分徹底を図りたい、こう考えております。 なお、三浦さんからお話がございましたところの長崎、広島のあの悲惨な状態というものを、写真なり映画なり頒布なり、そういうようなもので効果的にこれを世界の人々にアピールしたらどうかという御提案につきましては、今後の課題として、どういう場所でどういう方法でやったらいいかということにつきましては、引き続き研究させていただきます。
○三浦(久)委員 いろいろ工夫をして、原爆の悲惨な実態を一人でも多くの人々に認識をさせていくということが大事だと思う。それができるのは私はやはり唯一の被爆国の日本しかないと思うからなんです。ですから、何も演説だけでしかできないというように、いますっと作業が進んでいるとおっしゃるのですけれども、しかしそれはいまからでも改めようと思えば改められるのじゃないか、日本がどんどん主張していけば主張が受け入れられる余地はあるのではないかと考えます。 それはさておいて、総会の準備状況、これは余り進んでないのですね。ジュネーブの軍縮交渉委員会、ここで作業が行われています。この作業というのは、七つの課題について国連軍縮総会に向けて審議が行われている。ところが、実際には具体的な協定案もできていないし、条約案も全然できていない。もうあした、四月二十日でジュネーブの軍縮交渉委員会は会期が切れてしまいます。日本はこの四月の議長国ですからその責任は大変重いのではないかと私は思うわけなんですけれども、いずれにしてもあしたで会期が切れてしまう。そうすると、このジュネーブの軍縮交渉委員会が国連総会にどういう報告をするのかというと、いままでの審議の経過を報告するだけであって、具体的な条約とか協定案についての報告というのは全然なされないだろうと思うのですね。私そういうふうに承ってよろしいでしょうか。
○門田(省)政府委員 お答え申し上げます。 ジュネーブ軍縮委員会は当初先週末十七日までということで会議を開いていたのでございますが、第二回特総という非常に重要な会議を目前にいたしまして、最後まで努力をいたしたいということで、ただいま御披露のございましたように、二十日まで会期を延長して、最後の追い込みをいたしているのであります。お言葉によりますと、軍縮特総には具体的な報告は盛り込まれないのではないかということでございますが、実は、本日、明日にかけて最後の努力を続けているということでございまして、わが国は今月は特に議長の立場にございます。そういうことで、軍縮大使は最後の力を振りしぼりまして、何とか一歩でも二歩でも前進した形の報告ができるようにということで努力をいたしております。かように御了承賜りたいと思います。
○三浦(久)委員 お聞きのとおりで、せっぱ詰まってきょうあしたという作業にかかっている。しかし作業部会すらできていないような課題がいっぱいあるのですね。ですから、私はそういう意味では、まとまった具体的な軍縮提案というものが各国合意の上で出されるという可能性はもうほとんどないのではないかというふうに危惧しています。そうすると結局、国連軍縮総会に出席する各国政府の核軍縮に対する態度というものが、この国連軍縮総会を成功させるかどうかというキーポイントになるだろうというふうに思うわけであります。 そういう意味で私は総理の演説に注文をつけるわけではありませんけれども、この総理の演説の内容ですね。演説でどういうことを主張すべきか。私はやはり核兵器の使用禁止、同時に核の全面禁止、また核保有国による非核兵器保有国への核の持ち込みの禁止、また核保有国による非核兵器保有国への核使用禁止、これは当然のことだと思うのです。それから非核武装地帯の設置、こういうものについて積極的に主張していかなければならない。そして核軍縮の大きな国際世論をつくり上げる上で一定の貢献をしていかなければならないというふうに考えるのですが、いかがでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 国連における私の演説の内容につきましてはいまいろいろ構想を練っておる段階でございますが、私はあわせて各党の党首の各位からいろいろ御意見も拝聴したい、いま三浦さんがおっしゃったようなことを宮本委員長おっしゃるかもしれませんが、各方面の御意見も十分聞き、また民間の各団体等の御意見も伺いたい。先般は学者の方々の御意見も拝聴いたしました。そして全国民的な立場に立って演説をしたい、このように考えておるところでございます。
○三浦(久)委員 これから十分演説の内容について吟味したい、こういうことでございますね。そうすると総理のいまのお話を承っておりますと昨年十二月の通常の国連総会ですね。ここでたとえば核兵器の使用禁止決議、これにわが国は反対をしているとか、また核を持っていない国に核兵器を配備してはならない、そういう決議にも反対をしている。また中性子爆弾の製造使用、こういうものを禁止する決議にも反対をする、こういうことだったわけですね。そうすると第二回の国連軍縮特別総会を前にして、昨年暮れの国連総会でとったわが国の態度というものが変更される可能性があるというふうに承ってよろしいでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、先ほど申し上げましたように各方面の御意見というものを十分伺いまして、従来の政府としての基本的な方針もございます。その後における国際情勢なりいろいろの変化もございます。そういう点も総合的に勘案いたしまして演説の内容を最終的に固めたい、こう思っています。
○三浦(久)委員 私は昨年暮れの国連総会におけるわが国の態度、そういうものは変更しないまま総理が国連の軍縮総会に出席したとしても、それはむしろ妨害者としての役割りを果たすのであって、国連総会を成功させるということにはならないのではないか。ですからぜひ、総理自身に昨年の暮れの国連総会における核に対するわが国の態度を変更するように訴えたいのです。 たとえば一九六一年に日本政府は国連総会で、核及び熱核兵器の使用禁止に関する宣言に全体として賛成いたしております。このときの採決というのは一項目ずつに分けて個別的に行われたわけでありますけれども、その中の第一項のaには、「核の使用は国連憲章の直接の違反である。」b項には、「核の使用は国際法の諸原則及び人道法に反する。」こういうのがあります。この宣言にわが国は賛成しているのであります。そうすると、私は当然この態度を貫くべきだと思うのですが、総理自身は、こういう決議があり、わが国が賛成したということは御存じでしょうか。
○門田(省)政府委員 お答え申し上げます。 一九六一年の総会決議におきまして、御指摘のございました決議案が上程され、採択されました。その中身は、前文及び宣言部分でございます。主文第一項におきまして、核の惨禍を指摘するとともに、そのような核の惨禍は二度と繰り返されてはならないという趣旨の内容がこもごも披瀝されているのでございます。ただ、戦時核兵器を使用しないというための国際条約を締結するための会議を招集することについて事務総長の意見を求めるという主文第二項につきましては、棄権をいたしておるわけでございます。言いかえますと、わが国の軍縮の基本姿勢は、究極的に核の廃絶を目的とする、そのために核軍縮を中軸とする実効性のある具体的な軍縮措置を追求してまいるということでございます。したがいまして、核の不使用、核が使用されないということはまことに望ましいことでございますが、そのための実効性の点はどうか、また国際情勢との兼ね合いをどういうふうに考えるかということで、国連の決議を総合的に検討しまして態度を決めるということにいたしております。したがいまして、御指摘のございました点につきましても、いろいろな要素を考えて、具体的な内容を見て態度を決めるということに考えておる次第でございます。
○三浦(久)委員 時間がありませんので、余り長々と当然なことを、いままでの答弁を繰り返していただかなくて結構なんです。 実効ある措置をとると言うけれども、あなたたち、一九六一年のこの宣言に賛成した理由を何と言っていますか。「同案が採決されれば、それは核軍縮の分野における現実的かつ具体的進展のために好影響を与えるであろう。軍縮に向けて確実な第一歩を歩むことになるだろう。」と言っているじゃありませんか。そういう態度をとってあなたたちはこの宣言に賛成しているのですよ。ですから、そういう態度はいまの時点で、総理、変わらないのかどうか。先ほど私が言いましたように、核の使用は国連憲章の直接の違反だ、また国際法にも違反している、人道法にも違反している。そして、こういう宣言が採択をされるということは、「核軍縮の分野における現実的かつ具体的進展のために好影響を与えるであろう。」こうわが国が述べているわけです。この態度が変わっているのか変わっていないのか、これを総理にお尋ねしたいのであります。
○鈴木内閣総理大臣 わが国の核軍縮についての基本的な態度は、繰り返しお話を申し上げておりますように、究極において核兵器の廃絶を目指して、そして実行可能な軍縮を着実に進めていくという方針でございまして、私どもは、そういう意味合いから国際情勢もにらみ、また、西側の諸国や核大国と核保有国等の動向、それらも勘案をしながらこれに対応してまいりたい、こう考えています。
○三浦(久)委員 直接にお答えにならないで、いままでの答弁をオウム返しにされているだけですけれども、それではもう時間がありませんので聞きますが、わが国は非核三原則を遵守するのだということを総理はたびたび言われております。これが守られているかどうかということについては、われわれは大変疑いを持っておりますが、総理はそうおっしゃっている。そうであれば、核兵器を持っていない国に対して、核兵器を配備するということに反対するのは当然のことだと思うのですが、そういう核兵器不配備の決議案に対しても、わが国は反対をしているわけですね。わが国は、つくらない、持たない、持ち込ませない、そういう態度をとっておりながら、アメリカやソ連がほかの核兵器を持っていない国にどんどん持ち込むことは賛成だ、こういう態度は、わが国が非核三原則をとっていることと矛盾をするのじゃないかと私は思うのですが、いかがでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 わが国は非核三原則を国是としてこれを堅持をいたしております。 ただ、核不配備の問題につきましては、そこにいろいろの背景があり、また国際情勢等も絡んでおる。たとえばヨーロッパにおきまして、戦域核の配備の問題につきましては、ソ連のSS20等の撤去というようなことがあるならば、これを米側は配備しない、ゼロオプションということを言っておるわけでございます。そういうようなことで、いろいろの背景や問題がそこにあるわけでございますから、ただ、理論だけでそういう点をどうするというわけにはいかない。しかし、わが国はこういう国柄であり、国民の総意でもございますので、わが国に関する限り、非核三原則はあくまで堅持していくということには、これは変わりはございません。
○三浦(久)委員 総理にお尋ねしますけれども、そうすると、わが国のような核兵器を持ち込ませないという非核三原則をとっている国がどんどんふえるということには反対なんですね。そうなんですか。
○鈴木内閣総理大臣 反対を言っているのではありません。一概にそういかない場合があるということを申し上げておる。一方は、現に大きな核戦力を配備しておる。そして一方は、配備できないというようなことでは、私はそれが国際の平和と安定に決してつながらないというような場合があるから、そう一概には言えないということを申し上げておる。
○三浦(久)委員 最後に、もう一問だけお尋ねします。 アメリカのレーガン大統領は、本当の核軍縮を行うためには、核軍拡をやってソ連に優位を保たなければならない、こういうふうにおっしゃっています。私は、こういう考え方は、際限のない核軍拡競争に道を開くものだと思うのですけれども、こういうレーガン大統領の考え方について、総理は賛成なのか反対なのか、最後にひとつお尋ねいたしたい。
○鈴木内閣総理大臣 私は、残念ながら、現在の厳しい国際軍事情勢というのは核兵器を含むバランスの上に成り立っておるということでございまして、このバランスをできるだけ低位に抑えていく、つまり核軍縮の方向に持っていくことを私どもは念願をしておりますし、米ソに対しても、そういうことを強く求めてまいる考えであります。
○三浦(久)委員 結局、お聞きしていますと、核軍縮というのは究極的な目標だ、遠いかなたの問題だ、現実には結局は、軍備の拡大とか核軍拡、こういうものを推し進めていくのだというふうにしか総理の御答弁からは受け取れないのですね。ですから、それは際限のない核軍拡に道を開くのであって、やはり昨年の十二月の国連総会でとったわが国の態度、これを改めない限り第二回軍縮特別総会というのは成功しない。ぜひ改めるように私は強く要望して、質問を終わりたいと思います。
○永田委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 先ほど総理はシーレーンの問題について、国会を通じてこれは言うならば日本の国民に対する公約であるとおっしゃいました。国民の皆さんは、総理はやっぱり日本は貿易国だから輸送路を守ってくれるんだな、そう期待をしていると思います。シーレーンを守るということをおっしゃいますけれども、具体的には、先ほど申し上げたとおり輸送路を確保する、貿易なくしては生きていけない国ですから、国民生活に必要な食糧なり、油なり、あるいは鉄鋼なり、そういったものを輸入するわけですけれども、その全輸送量、たとえば六億トンとしますね、全部は守れないのですよ、いままでの教訓で一〇〇%は。かつての第二次大戦中イギリスは——イギリスもやっぱり島国で貿易立国です。第二次大戦のときにイギリスは三七、八%しか守れなかった。総理は具体的に、一〇〇%守れないことはわかっているのですから、現在平時に輸送している輸送量の大体何%ぐらいを有時の際に確保できれば守るというふうにお考えになっておるのか、その点をお伺いいたします。
○鈴木内閣総理大臣 この海上輸送路の保護につきましては、わが国の「防衛計画の大綱」で、周辺数百海里、航路帯を設けるとすれば千海里、これを守る程度の防衛力はぜひ整備をしたい、こういうことで考えておるわけでございまして、これを国民の皆さんに私は国会を通じて前から申し上げておるところでございます。そこで、大体どういうことを目標にしておるのかというお尋ねでございますが、大体シーレーンを守るという場合におきましては、その範囲内におきましては三分の一程度を目標にぜひしたいものだ、こういうことでございます。
○楢崎委員 アメリカも、例のペルシア湾の輸送路、オイルロード、これは一〇〇%守れないとアメリカの議会で証言しております。いまのアメリカの海軍力をもってしても、うまくいって七五%と言っています。日本の場合は、恐らく総理が想定されておる程度、つまり六億トンであれば約二億トン弱ぐらいはせめて確保したい、それが守るという内容だ、そのための装備を五六中業でいろいろやられるのでしょう。それでやや目標がはっきりしてきた。そこで、いまの五六中業で三分の一程度守れる装備ができましょうかね。どうなんでしょうか、防衛庁長官。
○塩田政府委員 現在の五六中業は、「防衛計画の大綱」の線に到達することを基本として作業する、こういうことでございますので、仮に「防衛計画の大綱」の線に到達したと仮定いたしまして、私どもは現在の防衛力に比しましていまの海上護衛という観点から飛躍的に能力アップするというふうに期待をいたしております。
○楢崎委員 いや、三分の一守るだけできるかと聞いているのです。
○塩田政府委員 具体的に三分の一という数字を、何%守れるかというふうに具体的にお示しすることが大変困難でございますので、私たちは現状に比して相当に能力アップするというふうにお答えしているところでございます。
○楢崎委員 いまの答弁は正直だと思うのですね。目標は三分の一確保したいといっても、五六中業で三分の一確保するまでの装備ができるかどうかというのは大変悲観的だと思います。 それで総理の認識をちょっと喚起したい問題がある。いま二億トンという想定、しかも三分の一守りたいというこの想定、これは防衛庁がいろいろ試算をしたところから出てきておる。昭和五十年に、海上幕僚監部防衛部防衛課分析班、これが、いわゆる有事の際いろいろ輸入物資が削減されたときには国民生活がどうなるか、国民の体位がどうなるか、試算をしています。五十年のものは原油と鉄鉱石、五十一年のものは、これは九月一日ですけれども、食料編で出しております。そこで、防衛庁のこの試算の分析班の出しているのによると、いま三分の一確保と言われておるけれども、もし半分、五〇%でも削減されたら国民生活はどうなるかということをちゃんと明らかにしております。これは防衛庁の分析であります。時間がないから必要なところだけ読んでみます。「いま、原油と輸入食料とが」、これは昭和四十七年度実績で出しております。「五〇%」、つまり半分です。「ずつ同時に削減され、さらに遠洋漁業が全面的に停止せざるを得ないような場合」、もう五〇%削減の状態のときには遠洋漁業なんか一〇〇%だめなんですね。これは当然です。「せざるを得ないような場合の食卓に与える影響を献立で考えると、国民平均一人一日当りの栄養状況は熱量において一、一九九カロリー、」たん白質三十三グラム、脂肪二十五グラム、これは「昭和二一年よりもさらに低い深刻な厳しい状態になる。」「これらの状況は我国に絶えて無かった栄養失調者が国中に隘れ、本土が飢餓列島と化すことを彷佛とさせるものである。」これが国民生活に対する影響です。 今度は国民の体位に対する影響。文部大臣、よく聞いておってください。通産大臣もできれば聞いておっていただきたい。「原油と輸入食料が五〇%削減、さらに遠洋漁業が全面停止した場合、」「男子一一歳の身長は一二九・五センチ相当水準となり、四七年度より一一・六センチも低く、体位的にも敗戦直後よりはるかに厳しい状態であることを示すものである。」こういう分析をしている。 五〇%輸送量が削減されただけでもこんなになる。ましてや七〇%削減されたら一体どうなるか。総理がおっしゃっている守る、守る、国民も、おお、守ってくれるのだなと思っているのだと思いますけれども、実際には目標は三〇%もいま無理だ。じゃ、三〇%の目標にしても、五〇%のときでこのくらいですから、どんな状態か、つまり守るという内容は一体何なのかというのがこれで私ははっきりしたのだと思うのですね。これは念のために私は総理の関心を呼び覚ましておきたい、このように思うわけです。 時間がありません。二十二日にまたお会いすることになると思いますから、きょうそれじゃ一問だけ。 これから行政改革等ありましょう。総理の相当の指導力が要る、リーダーシップが要る。総理がいろいろと指示をされたりするときには閣議できちんと決めたことしかできないのですか。そうでなくても大体の総理のいわゆる権限において指示をしたり、いろいろあろうと思うのですね。このシーレーン一千海里の防衛なんというのはこれは閣議決定じゃないと思うのですね。総理の責任、リーダーシップにおいてなさっておると思うのです。それが実際の運用ではなかろうか。もちろん、そのGNP一%を防衛費は超さないというのは閣議決定ですね。これは一番はっきりしている。これはいいのですけれども、必ずしも閣議決定できちんとしないでも、いろいろ指示したり指導されることは現実の問題としてあろうと思いますが、総理の御認識をお伺いしておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 「防衛計画の大綱」、これは国防会議、そして閣議の決定でございます。先ほども申し上げましたように、その中で海上自衛隊の防衛力の整備は、領海のほかに周辺数百海里、航路帯を設けるとすれば、一千海里程度を防衛できるようにという目標のもとに「防衛計画の大綱」ができておる、こういうことでございますから、その線に沿うて私と防衛庁長官がいろいろ話し合いをするということは私は間違っていない、こう思っております。
○楢崎委員 私は間違いと言っているのではないのです。 それで、真田さん、五十一年八月二十五日の参議院ロッキード特別委員会で、総理の職務権限と関連をして、一番はっきりしているのは内閣法六条によって閣議決定して、それに基づいてやる、これははっきりしていますね。そうでなくて内閣の、こう答弁されている。「内閣の意思と離れて内閣総理大臣がああしなさい、こうしなさいという指揮あるいは指示をすることは」「法制上は行き過ぎかと思いますけれども、」どもが入っている。「内閣の意思に合致する範囲内において指示をするということは私はできるんだろうと思います。」あなたは、こう答弁されている。私はそのとおりだと思う。総理は非常な権限がありますから。たとえば、あなたはその運輸大臣に対して指示できるですね。これはまさに職務権限だ。しかし、あなたは運輸大臣をやめさして自分が兼務することもできる。これは憲法六十八条でしたか。だから、運輸大臣の頭越しにその運輸大臣が行政指導をし得る人に対してもいろいろと指導ができる。これが判例及び学説のおおよそのところでありますが、総理はどう思われますか。
○鈴木内閣総理大臣 ただいまの御質問は憲法や内閣法の法的な解釈の問題にわたるわけでございますから、法制局長官から答弁をさせます。
○角田(礼)政府委員 大変失礼でございますが、真田というのは私の前任者でございます。(楢崎委員「これは失礼しました。余りお会いしませんから、このごろ」と呼ぶ)内閣総理大臣の職務権限につきましては、これは憲法、内閣法、その他の法律に明記されているところであります。 御質問の趣旨は、閣議決定との関連であろうかと思います。それらの条文を一々申し上げませんけれども、内閣総理大臣は内閣の首長としてあくまで「閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」ということになっております。したがいまして、閣議の意思と無関係に指揮監督をするということは許されないと思います。
○楢崎委員 これでやめます。いまの点は二十二日にまたお会いしたとき徹底的に論議をいたしたいと思います。 ありがとうございました。
○永田委員長 これにて昭和五十三年度決算外二件についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○永田委員長 昭和五十三年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、各位のお手元に配付いたしております。 これより議決案を朗読いたします。 議 決 案 昭和五十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につき、左のごとく議決すべきものと議決する。 本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたにもかかわらず、依然として改善の実が上がつていない点があるのはまことに遺憾である。 一 昭和五十三年度決算審査の結果、予算の効率的使用が行われず、所期の成果が十分達成されていない事項が見受けられる。 左の事項がその主なものであるが、政府はこれらについて、特に留意して適切な措置をとり、次の常会のはじめに、本院にその結果を報告すべきである。 1 会計検査院の検査の充実強化は、行財政改革との関連においても重要な課題である。 政府は、会計検査院の検査体制の整備について配慮するとともに、同院の検査の実施に際しては検査目的を十分達成することができるよう、所要の措置を講ずべきである。 なお、政府は、会計検査院の決算検査の結果を予算編成に反映せしめるよう、改善策を講ずべきである。 2 昭和五十三年度の財政投融資には、多額の不用額及び繰越額が生じている。 このような事態を生じないよう、特殊法人の見直しとも対応させ、財政投融資の運用面について引き続き改善を図る必要がある。 3 公共事業の入札にあたり、指名業者間で不当な行為が行われている事例があるが、このような事態は、入札制度の根幹を危うくするものである。政府は、今後かかることのないよう、入札制度の運用の適正化に努めるべきである。 4 日本電信電話公社においては、架空の名目により旅費・会議費を支出して、会食の経費に充当する等の不正経理を行つたが、これはまことに遺憾である。 政府及び公社は、今後再びかかる事態の生じないよう、綱紀の粛正と管理の徹底を図るべきである。 5 豪雪地域におけるなだれによる災害を防止し、この地域の恒久的な民生安定を図るため、所要の対策を検討して、なだれ防災体制の整備に努めるべきである。 6 三公社四現業の直営病院は、いずれも収支に大幅な赤字を生じており、また職員等の利用状況も、総じて逐年減少の傾向にある。 直営病院の運営に関して、一般開放・診療単価の適正化等を含めた経常収支の改善策を早急に検討すべきである。 7 過疎化、疲弊化する山村地域の振興と国産材供給体制の確立を図るため、林道等山村の交通網を自然環境の保全に配慮のうえ整備するとともに、間伐対策等を一層促進すべきである。 8 関西国際空港計画については、地域社会の理解と協力を得ながら調査検討を進めるという従来の方針に基づき、今後とも十分に地元との意思疎通を図り、結論を下すべきである。 また、現大阪国際空港については、周辺住民の生活環境に被害を及ぼす事例が生じているが、これについては適切な対応措置を検討すべきである。 9 日本国有鉄道においては、財政再建が緊急の課題となつているにもかかわらず、人件費その他の経常的経費の支出に不適正な点が多く見受けられるのは、まことに遺憾である。 当局は、この際綱紀を粛正して、経費支出の適正化に努め、財政再建に資すべきである。 二 昭和五十三年度決算検査報告において、会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。 政府は、これらの指摘事項について、それぞれ是正の措置を講ずるとともに、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。 三 決算のうち、前記以外の事項については異議がない。 政府は、今後予算の作成並びに執行に当たっては、本院の決算審議の経過と結果を十分考慮して、財政運営の健全化を図り、もって国民の信託にこたえるべきである。 —————————————
○永田委員長 これより昭和五十三年度決算外二件を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。東家嘉幸君。
○東家委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和五十三年度決算につき、ただいま委員長より御提案の議決案のとおり議決するに賛成の意を表するものであります。 昭和五十三年度の予算がいかに執行されたかを各省各庁別に順次審査を続け、その間、是正改善を要すると思われる事項については、その都度関係当局に注意を喚起してまいりましたが、ただいま委員長御提案の議決案に示されたとおり、予算の効率的使用等所期の成果が十分に達成されていないと思われる事項、並びに会計検査院の昭和五十三年度決算検査報告に不当事項、改善処置要求事項等が指摘されたことは、はなはだ遺憾であります。 これらの指摘事項等につきましては、政府は誠意をもって改善に努力されたいのであります。 わが党は、その改善を期待しつつ本議決案に賛成いたすものでありますが、ただ、この際、予算の執行に関して政府に一言希望を申し上げておきたいと存じます。 政府及び政府関係機関等の予算執行については、当初の予算を年度内に完全に執行することを目途としていると思います。しかし多額の繰越額、不用額を生じています。 すなわち、昭和五十三年度予算のうち、用地の取得難のため年度内にその支出を終わらないで五十四年度に繰り越された金額は、一般会計において二千四百九十一億円、特別会計の合計において一兆九千九十五億円、政府関係機関の合計において五千九百二十一億円であり、また、諸般の事情により不用となった金額は、一般会計において三千二百三十四億円、特別会計の合計において四兆九千七百八十四億円、政府関係機関の合計において四千八百八十七億円になっております。 また、国の財政施策に基づく事業投資が最大限の効果を発揮するよう執行機関が努めるべきは言うまでもないが、公団、事業団等で必ずしも投資効果が上がっていない実例が見受けられます。 このような実情にかんがみ、政府は、予算の執行及び財政投融資等については、国の財政事情の厳しい折からさらに格段の配慮をされ、もって所期の目的を達成し、国民の信託にこたえられることを希望いたしまして私の賛成討論を終わります。(拍手)
○永田委員長 新村勝雄君。
○新村委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま委員長から提案された議決案に対し、反対の討論をするものであります。 議決案は、次の三項目から成っておりますが、その第一は、委員会における決算審査の結果に基づき、政府に対し特に留意して適切な措置をとるべきことを求めた指摘事項が挙げられてあり、この各項についてはわが党も賛成であります。 第二は、会計検査院が指摘した不当事項については、当委員会も不当と認めるものであり、賛成であります。 しかし第三において「前記以外の事項については異議がない。」との、この決算全体を是認することについては、わが党としては賛成いたしかねるものであります。政府に対して警告すべき事項は、前記各項に尽きるものではないからであります。 たとえば、わが党の委員が指摘した事項では、財政投融資資金の運用についてでありますが、財政投融資には、五十三年度において多額の不用額及び繰り越しが生じております。 このような事態を生じないよう、特殊法人の見直しとも対応して、財政投融資の運用の面について引き続き改善を図る必要がある。 あるいはまた、関西国際空港計画については、地域社会の理解と協力を得ながら調査検討を進めるという従来の方針に基づき、今後とも十分に地元との意思疎通を図り、結論を下すべきである。 また、現大阪国際空港については、周辺住民の生活環境に被害を及ぼす事例が生じているが、これについては適切な対応措置を検討すべきであるということ。 あるいはまた、防衛庁物品増減及び現在額報告書記載漏れについては、防衛庁における物品増減及び現在額報告書に、長期にわたり多額の脱漏または誤計上があったのは遺憾である。 右の事例については、是正の処置が講ぜられているが、今後かかる事態が生じないよう厳格な管理が望まれるというようなこと。 あるいはまた、地方自治体の監査委員の職務権限については、自治体の機関委任事務の執行の適正化のため、監査委員の監査の範囲を拡大し、機関委任事務を含めた一般行政事務についても監査し得るよう、制度の改正を検討すべきであるというようなことが指摘をされておるわけであります。 さらに、財政規模が拡大する趨勢に対応するため、また続発する汚職に対する反省からも、会計検査院の権限を拡大する必要があります。これがため、会計検査院法の改正をすべきであると思います。 以上のように、五十三年度の決算につきましても警告に値する事項が多々あることはきわめて遺憾であります。したがって、わが党は、本議決案に反対の立場をとらざるを得ないのであります。 また、決算審査に対する政府の態度には不十分なものがあり、現状では決算に学んで予算や行政執行に反映させるという機能が果たされていません。また、決算審査の過程で問題になった事項については、すべてこれを挙げて政府に反省を求めるという決算委員会の責務を反省し、決議案作成の方法についても検討されるべきであります。 以上を強く警告いたしまして私の反対討論を終わります。(拍手)
○永田委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 私は、公明党・国民会議を代表しまして、ただいま委員長から提案されました議決案件に対し、反対の意を表明するものであります。 議決案第一項におきましては、本委員会での決算審査の際、各委員から政府に対して問題が指摘され、政府の速やかにして厳正な措置が強く望まれた事項が挙げられており、わが党としても賛成するところであります。したがって、政府は、本委員会の意図するところを十分に酌み取り、国民の負託にこたえるべきであります。 第二項におきまして、「会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。」としていることについては、私も同意するにやぶさかではありませんが、会計検査院の実施検査はあくまでも抽出検査であり、これらの不当事項は氷山の一角にすぎません。したがって、政府は、こうした現状を直視して、未検査の分に心を配り、内部監査の強化を図り、みずからの襟を正すべきであります。 第三項におきましては、「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」として、この決算を総体として是認することになっているのは、承服できないものであります。政府に対して警告すべき事項は、前記の各項にとどまらないからであります。 たとえば会計検査院の検査権限の充実強化につきましては、本委員会でも繰り返し議論され、昭和四十九年以降、再三にわたり、議決されてきたところでありますが、いまだ十分な措置がとられていないことは、はなはだ遺憾と言わざるを得ないのであります。現段階における国民世論は、院法改正を望む声が強く、院法改正についての提案については一刻の猶予はなく、もはやちゅうちょしているときではありません。政府は速やかに院法改正を提案すべきであり、あわせて検査体制の整備を図るべきであります。 また、公共事業における入札についてしばしば談合が行われてきた事実は、国民を欺く行為として厳しく指摘されなければなりません。さらに、日本電信電話公社の不正経理等に見られる綱紀の乱れは、国民の行政不信、ひいては政治不信の一因ともなっており、早急に対策を講ずるべきであります。 これらのことを初めとして、審議の中で明らかになった決算の実態からして、幾多の警告すべき事項が指摘されているわけであります。このことを無視して本決算を異議がないとすることは、妥当とは認められないのであります。 以上、私の意見を申し述べましたが、最後に、政府は決算委員会軽視の惰性を改め、これを重視して総理及び各大臣が積極的に出席されて、国民の血税の行方を公明正大に審議して、謙虚に国民の前にすべての事項を明らかにしなければ、国の決算は承認できないことを強く申し述べまして、反対討論を終わります。(拍手)
○永田委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、昭和五十三年度決算につき委員長より御提案の議決案のとおり議決するに反対の意を表するものであります。 ただし、議決案のうち、第一点として特に留意して適切な措置をとるよう政府に求めている点、第二点の会計検査院が指摘した不当事項について本院もこれを不当と認める点については、私どもも賛成でありますが、第三点において「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」とすることについてはどうしても認めることができません。 そもそも、昭和五十三年度会計については、その予算審議の過程において、わが党は、その内容について厳しく批判し、追及をしたところでありました。 その主な要点は、第一に、世界経済の動きに対する認識と対策の甘さ、第二に、日本経済の中期展望が全く示されていないこと、第三に、国民生活を守る諸施策と減税要求にこたえなかったこと等でありました。これらの指摘は、今日の経済と国民生活の実態、そして財政の実態を見るにつけても的を射ておったと思いますし、いまなお同じ指摘と要求を申し上げざるを得ません。ゆえに、予算そのものが間違っておったんだということをまず申し上げておきます。 さらに、予算執行上の問題に触れたいと思います。 たとえば国鉄経営についてであります。違法なスト行為についての処分は若干行われましたものの、今日まで指摘された数々の不当な事案についての是正はもとより、これに対する責任のとり方については全く明確にされていないのであります。 また、私が本日も指摘した医療の荒廃についても、医療の基点とも言うべき大学医学部や医局のあり方を初めとして、その実態はきわめてひどい腐敗構造となっており、いまだにその体質は改められておりません。国鉄も医療も、ともに国民の生命に直接かかわるものであり、財政上においてもきわめて大きい負担となっているのであります。 また、大阪国際空港周辺整備を初め空港対策についても、その作業は遅々として進まず、ひいては各省庁を通じて予算編成時において大蔵省がしぼりにしぼったと言っておったにもかかわらず、多額の不用額が残されていることも事実であります。 そのほか数項目について改善すべき事項を今日まで指摘してまいりましたが、これらのことを考えるについても、とても異議がないとしてこれを認めることは不可能であります。 ゆえに、私は、政府が綱紀を粛正し、国民の怒りを謙虚に受けとめ、今日の財政の危機を乗り切るためにも全力を尽くされんことを強く要求し、昭和五十三年度決算については、これを認めることができないことを申し上げて、私の反対討論といたします。(拍手)
○永田委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 私は、日本共産党を代表し、昭和五十三年度決算に反対、国有財産の増減及び現在額総計算書に反対、国有財産無償貸付状況総計算書に賛成するものであります。 まず、五十三年度決算に反対の理由を述べます。 当時日本経済は、不況とインフレが同時に進行するスタグフレーションに加えて、円高が重なり、年間一万八千件を超える中小企業の倒産、百数十万人の完全失業者を生み出すなど、かつてない危機に見舞われていたのであります。 これに対しわが党は、財政経済の運営について大企業優遇の財政、税制、金融の仕組みを国民本位のものへ転換を図ることこそ、経済危機を打開し、財政の再建を図る道であることを強く主張してまいりました。 ところが政府は、大型公共投資など大企業本位の景気対策を実行するため、多額の赤字国債を発行し、国債依存度は三七%にも達するという、まさにサラ金財政の道を選んだのであります。 その結果、国民には低福祉、公共料金の相次ぐ値上げとインフレが押しつけられ、所得減税なしの実質増税はこの年から始まるなど、国民生活は重大な危機に陥ったのであります。 軍事費について言えば、五十三年十二月に決定された「日米防衛協力指針」、いわゆるガイドラインに従って日米共同作戦体制が確立され、軍備大増強が図られたのであります。特に、P3C対潜哨戒機四十五機、F15百機の導入は、後年度負担額を含め合計一兆五千億円もの巨額に上るきわめて不当なもので、断じて容認できないものであります。 このような内容を持つ昭和五十三年度決算について、第一項、第二項のごく限られた指摘事項のほかは異議がないとする本議決案にはとうてい賛成することができません。 なお、議決案第一項について申し述べますが、今日の国鉄の危機をもたらした原因は、政府・自民党が、国鉄に対して建設資金をすべて借金で行わせ、国鉄財政の限度を無視した巨額な投資を押しつけ、大企業のための市場づくり、景気対策の手段にしてきたことにあります。この借金政策を改め、公共交通機関にふさわしい行財政上の措置をとることこそが、いま求められているのであります。 第一項のその他及び第二項については、不十分な点もありますが、その指摘はわが党も賛成するものです。 国有財産の増減及び現在額総計算書は、予算を国有財産から見た執行の結果であること、船舶、飛行機の大部分は自衛隊のものであること、出資金も大企業本位の融資機関に対し多額にふやされておること等、わが党としてはとうてい是認することができないのであります。 国有財産無償貸付状況総計算書については、その用途が地方公共団体の公園、緑地等であり、その目的の限りにおいて賛成でありますが、その実態を示す資料は提出されておらず、その管理運営のすべてにわたってこれを正当なものと是認するものではないことを申し添えておきます。 以上、討論を終わります。(拍手)
○永田委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○永田委員長 これより順次採決いたします。 昭和五十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十三年度国税収納金整理資金受払計算書及び昭和五十三年度政府関係機関決算書を議決案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永田委員長 起立多数。よって、議決案のとおり決しました。 次に、昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書は、これを是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永田委員長 起立多数。よって、本件は是認すべきものと決しました。 次に、昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書は、これを是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永田委員長 起立多数。よって、本件は是認すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○永田委員長 この際、各国務大臣から順次発言を求めます。渡辺大蔵大臣。
○渡辺国務大臣 ただいまの御決議につきましては、大蔵省といたしましても十分これを尊重し、関係各省とも連絡を密にして、遺憾なきを期してまいりたいと存じます。 まず、会計検査院の検査結果の予算編成への反映につきましては、大蔵省と会計検査院の担当者連絡会議を通じて一層の努力をするなど、今後も工夫を図ってまいりたいと思います。 次に、財政投融資の不用、繰り越しにつきましては、従来から財投機関の事業内容等を見直し、重点的、効率的な資金配分を行うことによってその改善を図ってきたところでありますが、今後とも御決議の趣旨に沿うよう努めてまいりたいと存じます。 また、大蔵省所管の職域病院の経営改善につきましては、これまで診療単価の引き上げ、一部職域病院の一般開放の実施のほか、本年四月には造幣局の二病院の廃止に踏み切るなどの努力を重ねてきたところでありますが、今後も、それぞれの病院の実情に応じ、経営改善に一層努力してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○永田委員長 次に、宮澤内閣官房長官。
○宮澤国務大臣 ただいま御決議のありました会計検査院の検査の充実強化につきましては、政府といたしまして、会計検査の実が上がるよう、今後も協力をしてまいりたいと存じます。
○永田委員長 次に、田澤農林水産大臣。
○田澤国務大臣 ただいま御決議のありました農林水産省所管事項のうち、国有林野事業の直営病院の運営につきましては、かねてより病床利用率の向上等に努めてきたところでありますが、今後さらに御決議の趣旨を体して経常収支の改善に努力してまいる所存であります。 また、林道の整備及び間伐対策等の促進につきましては、御決議の趣旨に沿うて今後ともその整備促進に努力してまいる所存であります。
○永田委員長 次に、小坂運輸大臣。
○小坂国務大臣 ただいま御決議のありました関西国際空港計画の問題につきましては、従来から地元の理解と協力を得ながら調査検討を行ってまいったところでありますが、御趣旨に沿って今後とも十分に地元との意思疎通を図りながら進めてまいる所存であります。 また、大阪国際空港周辺の問題につきましても、発生源対策及び周辺対策を両輪として、今後とも引き続き適切な対応措置を講じてまいる所存であります。 次に、日本国有鉄道の直営病院の問題につきましては、経営改善計画に従い、経営の合理化、効率化、利用の促進等の諸施策を講じてまいる所存であります。 また、日本国有鉄道の経費支出の適正化の問題につきましても、国鉄の再建に当たって職場規律の確立が必須の条件であり、国鉄において全国約五千カ所の職場の総点検と是正措置に取り組んでいるところでありますが、さらに一層厳しく国鉄を指導監督してまいる所存であります。
○永田委員長 次に、箕輪郵政大臣。
○箕輪国務大臣 ただいま御決議のありました日本電信電話公社の不正な予算経理につきましては、まことに遺憾に存じております。日本電信電話公社においては、総裁を委員長とする業務執行改善推進委員会を発足させる等して改善措置の徹底に努めているところでありますが、郵政省といたしましても、御決議の趣旨に沿い適切な指導監督に努めてまいりたいと存じております。 次に、直営病院の収支の改善につきましては、それぞれ診療料金の適正化、一般開放の推進等に努めているところでありますが、今後とも御決議の趣旨に沿ってさらに収支の改善に努めるとともに、適切に指導監督してまいる所存であります。
○永田委員長 次に、始関建設大臣。
○始関国務大臣 ただいま御決議のありました公共事業の入札に関する問題につきましては、すでに建設業者団体に対し、関係法令の遵守について指示し、あわせて中央建設業審議会に対し、入札制度の合理化対策等について調査審議をお願いするとともに、競争参加者の指名数の増加等当面の改善策を講じたところであります。 今後とも公共工事契約関係事務の厳正な執行を図るよう、御趣旨に沿って一層の努力をしてまいる所存であります。
○永田委員長 次に、松野国土庁長官。
○松野国務大臣 ただいま御決議のありましたなだれ防災体制の整備につきましては、御趣旨に沿って関係省庁間の連携を密にして、なだれ防災対策に関する調査研究を進め、施策の充実に努めてまいりたいと存じます。
○永田委員長 以上をもちまして各国務大臣からの発言は終わりました。 次に、大村会計検査院長から発言を求めます。
○大村会計検査院長 ただいま会計検査の重要性、特に行財政改革との重要な関連、またその検査結果の活用等に的確な御決議をいただきまして、厚く御礼申し上げます。 御決議に基づきまして、会計検査院といたしましても検査体制の整備強化に努めますとともに、一層適切な検査機能の充実強化を行い、特に行財政改革との関連において有効な検査成果を上げるように留意し、今後とも国民の負託にこたえるべく努力してまいる所存であります。 ————◇—————
○永田委員長 新村勝雄君外四名提出、会計検査院法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。新村勝雄君。 ————————————— 会計検査院法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○新村議員 ただいま議題となりました会計検査院法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその内容を御説明いたします。 清潔な政治とむだのない行政は、国民がひとしく切望しているところであります。行政改革においてこの目標が達成されなければなりません。 しかるに、航空機疑獄の発覚以来四年を経過し、有罪判決が相次いでおりますが、その後も贈収賄や談合等、政治と行政の腐敗は後を絶ちません。これは、政府が汚職防止の効果的対策を講じてこなかったところに大きな要因があります。 したがって、汚職防止策の一つとして、会計検査院の権限を拡充して、予算の不当使用、むだ遣いをなくすことが重要になっております。このため、本院においても会計検査院の強化拡充についての決議が重ねて行われてきたところであります。会計検査院はこれに基づき同院法一部改正案要綱の成案を用意したのであります。にもかかわらず、政府・与党一部等の反対で同院立案の法律案が提出されておりません。 かかる事態を放置すべきではありません。直ちに汚職防止対策を講ずるべきであります。このため本法律案を提案するものであります。 以下、この法律案の大要を申し上げます。 第一に、会計検査院は、政府出資法人を検査する場合、この法人の融資先等について実地調査等を行うことができることとしております。 第二に、同院は、国または公社が役務の委託等を行った場合の委託先、政府関係機関の工事請負人等について調査等を行うことができることとしております。 第三に、会計検査院の検査及び調査を拒否した者に罰金を課し、同院は、検査の結果、不当と認める事項を公表する等の規定を設けることとしております。 第四に、この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとしております。 以上、提案の理由及びその内容を御説明いたしました会計検査院法の一部を改正する法律案につきまして、何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○永田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、五月十一日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二十分散会 ————◇—————