環境委員会 第7号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/04/16
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 先日の当委員会で食品公害を取り上げましたが、時間の都合で一つ残しましたので、最初にお聞きしたいと思うのです。 厚生省にお聞きしますけれども、加工食品の酸化防止剤、BHAというのですか、これが御承知のようにバター、マーガリン、即席ラーメン、魚介の乾燥品あるいは冷凍品、こういうものに使われておりますけれども、この酸化防止剤が、厚生省から委託研究をしておりますところの名古屋市立大学の医学部の伊東教授グループから、発がん性があるというような返事が厚生省に対してあったということですが、この事実についてまずお伺いしたい。
○藤井説明員 BHA、ターシャルブチルヒドロキシアニソールと言われる化学物質について、厚生省のがん研究助成金で発がん実験が行われていることは事実でございます。二月の初めでございますが、この研究班の伊東教授の方から、ラットの胃に対して肉眼的にがんの徴候が認められるという発言がございました。したがって、さらに顕微鏡的に詳細に眺めて発がん性の有無を確かめるという発言があったわけでございます。 私ども、食品添加物でございますので、この発言を重視いたしまして、できる限り早急に結論を出していただくよう先生にお願いいたしまして、四月末には関連する全データを御報告いただくことになっております。五月の初めあたりにも、データをいただき次第、食品衛生調査会等で慎重に審議いたしたいと考えております。
○岡本委員 この前の当委員会でも私は発言したのですけれども、がんの死亡率が非常に多くなっておる。したがって、少しでも発がん性の物質というものをなくしていかなければならない、また、それをするのが厚生省の役目であると私は思うのです。こういった発がん性の研究がはっきりと出てきた場合、これを使用禁止にするのかどうか、これをもう一遍お聞きしたい。
○藤井説明員 現在のBHAの発がん問題については、私どもは純学問的な論争の中にあるのではないかと考えております。しかし、結果といたしまして発がん性が明らかになった場合には、発がん性の強度、またBHAの有用性などいろいろなものを評価して検討しなければならないのじゃないか、そういうふうに考えております。
○岡本委員 この報道を見ますと、二月からもう各業界は発がん性ありということでずいぶん自粛しているのですね。厚生省の方が国民の健康を守るのに対して弱腰ということでは話にならないと私は思うのです。業界の方がすでにもうこれはどうも危ないということで自粛して使わないようにしているのに、厚生省の方が弱腰ということ、厚生省の方が国民の健康を守ることに対して弱腰ということでは話にならないと私は思うのです。業界の方がすでにこれはどうも危ないということで自粛して使わないようにしているのに、厚生省の方はまだどうももう一度調査会にかけてと言われる。その間に国民はどんどん食べるわけでしょう。PCB問題、いままでの状態を見ておりまして、政府の姿勢というのは手の打ち方が非常に遅いですね。ですから、もうちょっと踏み込んで、あなたの方もきちっと、発がん性ということを委託研究をした伊東教授が言っておるわけですから、あなたはそれに対して早く手を打とうという姿勢が大事だと思うのです。もう一遍はっきりしてください。
○藤井説明員 現段階においては、発がん性が認められるか認められないか、きわめて微妙な状況だというように先生から聞いているわけでございます。 一方におきまして、業界がBHAを使わないようにしておりますのは、BHTあるいはビタミンEという代替品があるので、緊急避難というような形で代替品の方にかわっているのではないかと思います。そこで、ビタミンEの方にかわってまいりますと、やはり過剰症の心配が出てまいります。現在の生産量ではそういう心配はございませんが、そういう問題も配慮されねばならないかと思います。また、BHAの国民の摂取量は〇・二ミリグラムというように調査されておりまして、きわめて微量でございます。また、BHAにつきましては、脂肪の酸化による過酸化脂質の有害性というのは非常に明らかになっております。また、BHAは非常に不思議な酸化防止剤でございまして、抗がん作用があるという形でつとに知られている物質でございます。 そういった観点から、この発がん性の疑いという伊東教授の提起に対して、さらに慎重に伊東教授の結論を待つということについて、衛生上の危害というのは直接的には結びつかないと考えております。
○岡本委員 発がん性の疑いがあるということで、あなたの方から委託研究を名古屋市大の伊東教授の方へ出したわけでしょう。そういうことがなければ、こんなところに委託研究費を出すわけがない。そこの方から、まだ口頭ですけれども、発がん性がある、いままでのこの研究ではこうなんだということが出てくれば、それはもう関係ないんだというような言い方は話にならないと私は思うのです。したがって、伊東教授の方からこれがきちっとしたデータをもって発がん性があるということがはっきりすれば、これは使用を禁止するというのが厚生省としてあたりまえではないかと私は思うのですが、その点どうですか。
○藤井説明員 動物発がんが認められた化学物質について、その発がん性の強度という問題が近年科学的に非常に大きな論争になっております。こういった観点から、発がん性の強度とその存在価値とをどのように眺めていくかというようなことの導入も必要かと思います。しかしながら、学問の世界の問題といたしまして、食品衛生調査会に諮問していろいろ種々な立場から検討していただきたいと考えております。
○岡本委員 あなたの言い方は非常に歯切れが悪いですよ。どこに気がねしておるのか知らぬけれども、これだけがんの死亡率が多くなったのですから、それで全部がんになっているとは言えないけれども、たとえ少しでも発がんの疑いがあるものに対しては、国民の健康を守るために規制をかけていかなければならない。それでなければ、国民一人一人はわからぬわけですからね。 これについて、全然関係ないとは言えませんけれども、環境庁長官、お聞きになっておりましてどういうようにお考えになりますか。
○原国務大臣 国民の健康というものを第一に考えなければいけませんし、ことにがんの問題は、最近の死亡率の上でもどんどんとがんによる死亡率が上がっているという観点から、厚生省の方でも発がん性の問題についてはいろいろと検討していると思いますが、私どもも、環境行政というのは国民の健康を守るということがきわめて重要なことでございますので、厚生省とも十分連絡をとりながら、国民の健康を守るために必要な対処ができますように、十分意を払っていきたいと思っております。
○岡本委員 このことだけやっていますと時間があれですから、特に五月ですか、この結果が出るようでありますから、しっかりした対策をとっていただきたい、これを厚生省あるいは環境庁、両方に要望しておきます。 次に、時間が非常に短いものですから、大事な問題から入っていきますけれども、航空局、来ていますね。——大阪国際空港の問題です。これは、先般最高裁判決があったわけですけれども、率直に言いまして、午後九時から翌朝の七時まで一切航空機を使用しないというようにできるのかどうか、これをまずお聞きしておきたいと思うのです。
○米山説明員 大阪国際空港におきます夜間の航空機の発着に関しましては、先生も御承知のように、昭和五十年十一月の大阪高裁の判決を受けまして、五十年十二月から国内線につきまして、また、国際線につきましても五十一年七月から、九時以降のダイヤの設定を認めてまいっておりません。今回の最高裁判決におきまして、午後九時以降における大阪国際空港の航空機の離着陸につきましては、結局行政庁の判断にゆだねられたと私どもは受けとめておるわけでありますが、この問題につきましては、今後国際的、国内的要請等勘案しながら慎重に検討していく問題と考えておりますが、当面、九時台のダイヤを設定するということは考えておりません。
○岡本委員 ということは、九時以降の発着を認めるような、こういう時間帯の設定をするかもわからない、こういう考え方ですか。
○米山説明員 将来どのような事態が発生してくるか、予測がつかないわけでございまして、いまの段階で一切九時以降のダイヤを設定しないということも申し上げられませんし、また、するということも申し上げられないわけでございます。先般、判決後に原告訴訟団の皆さん方とお話し合いをした段階におきましても、事情の変化によりまして必要が生じた場合には地元とも十分相談をし、その意見を尊重して対処するということを申し上げてきております。
○岡本委員 特に伊丹地域あるいは尼崎地域、こういった人たちに対して裁判はすべきでない。裁判は大変なものだからということで、調停委員会ができたときに、その方で調停しなさいというように勧めてやったわけですよ。したがって、その原告団の人たちも、時間がないのでこれも長く話をするといけませんけれども、私もちょうどこの直下におるわけですが、高裁の判決が出たときに、午後九時から午前七時という、これで非常に助かった、こういうように考えて皆喜んでいるわけですね。それが今度最高裁判決によってあとは行政庁の考え方によるんだということになれば、これまた午後九時以降にこういう最初の姿勢と変わるようなことではちょっとぐあいが悪い。いまでもちょいちょい外国便が入ってきておるわけですね。その都度地元の人たちは抗議しておりますけれども、行政庁の強い姿勢で午後九時から午前七時まではダイヤに入れないんだということの約束は、この間小坂運輸大臣もそういう話をしておったのですが、あなたになるとちょっと、環境対策の方ですから、運航じゃないからきょうは答弁しにくいかもわかりませんけれども、この点はひとつはっきりしておいていただきたい、こういうように思うのです。もう一遍それについての答弁をしてください。
○米山説明員 この席で御答弁申し上げておりますことは、先般小坂運輸大臣が原告団の皆様方とお会いをしてお答えを申し上げたところと変わっておりません。 なお、九時以降の遅延便等の防止につきまして、従来から航空会社に対しまして強い指導をいたしてきておりまして、その結果、昨年は十二便というようなことで非常に回数が少なくなってきております。本年に入りましてまだ二便でございまして、そういう意味では大変指導の効果が出てきているというふうに考えておりますし、つい先日、九時以降の遅延便の防止につきまして再度航空会社に対しても指導をいたしているところでございまして、そういう意味で、さらに指導の強化を図ってまいる考えでございます。
○岡本委員 次に、民防工事についてでございますけれども、このたび七十五まで広げましたね。そこで、たとえば一つ例をとりますと、伊丹の荒牧地域、この民防工事について、二種工法ですか、こういうような指示が出ておるというように伺っておるのですけれども、一種と二種とありますね。この工法は簡単な工法ですね。そういうことでは、各家によって違うのですね。鉄筋できちんとできたような家ですと簡単な工法でよろしいけれども、それでないおうち、これはやはり完全な防音工事ができるような道をひとつ開いていっていただきたい。これは整備機構でやるわけですけれども、この点いかがですか。
○米山説明員 民家防音工事の実施につきましては、その地域の騒音の程度に応じまして、また木造であるかコンクリートであるか、さらには一戸建てであるか共同住宅であるか、あるいは農村型の住宅であるかといったような様式に応じまして、それぞれ標準工法というものを設定をいたしまして、その工法に従って実施をいたしているわけでございます。 お尋ねのWECPNL八十から七十五の区域につきましては、私どもこれを内部的にC工法と呼んでおりますが、いま先生おっしゃられますように、確かに従来の壁あるいは天井まで工事をしたのと比べますと簡易にはなっておりますが、サッシを中心にいたしまして十分な遮音効果が出るように標準工法を設定しているつもりでございます。現在、すでにその工法は羽田空港の周辺におきまして実施をされておりまして、遮音効果等につきましても大体十分な遮音効果が発揮できるというふうな実証もございます。そういう意味で、一般的、標準的な家屋というものを想定をいたしました標準工法で十分対応できるというふうに考えております。
○岡本委員 あなた、どんなおうちに住んでいらっしゃるかわかりませんけれども、尼崎地域なんかでも昔の古い家なんですよ。私も芦屋で九十年たった家に住んでいたのですがね。全然違うんですね。古い家というのは、大体日本の家というのは開放的になっておりますから、一軒一軒の家、それを全部標準にならしてやるということは、そういう民家防音をやりましても結局効果がない。だから、やはり整備機構によって一軒一軒に合ったような工法をできるような道を指示しておいてあげることが必要ではないか。この家はこれでいいんだということならば、それ以上、必要以上なことをする必要はないわけですけれども、やはりそうでないところ、そういうところに対してはちゃんとしていくというような道を開いていくことが大事だと思うのです。中央においてただ一軒や二軒あるいは五、六軒やってみて、これでいいのだと言われても、全部家は違うわけですからね。その点は、私も非常に心配しておるのです。また、現地に行って調べましても、ずいぶん違うのですね、それぞれのおうちが。だから、これはやはり整備機構に対して、地域指定だけでなくして、そこの一軒一軒の家に合った工事をするようにひとつ指示をしていただきたい、私はこういうように思うのですが、いかがですか。
○米山説明員 確かに先生おっしゃられますように一軒一軒違うわけでございますが、私どもある程度の余裕を見ながら標準工法を設定をいたしておりますので、その範囲の中で、できる限り各戸の事情といったものもしんしゃくできるところはしてまいりたいと思いますが、標準工法の枠の中で十分対応できるものと考えております。
○岡本委員 どうもあなた、そんな逆らうような話をなさったのじゃ困るじゃないですか。対応できないところ、できるところ、両方あるのです。標準でできるところであればそれでいいと私は思うのです。しかし、できないおうち、それをしたところが効果ないというのであれば——民防をやってもらうのでも大変なんですよ。中の荷物を出して、そうして大変な手間がかかる。これは加害者は何かというと、航空機でしょう。そうでなかったらこんなのする必要ない。だから、私はもっと親切な対応をしなければならぬと思うのですよ。このことについては、また調停委員会で調停のときにいろいろ話があると思いますけれども、調停委員会の方もそれに対して、住民のそういう被害者に対する手厚い対策が必要だというところの調停が出ておるわけですよ、見てみましたら。だから、あなたがいま言うように一律に対応できるのだ、こういう考えでは話にならないと私は思うのです。いまここで答弁というのはなかなかむずかしかろうと思いますので、また実情を直接話しますけれども。 次に、騒音のためにあるいは風圧のために屋根がわらが損傷したりあるいは亀裂、こういうものはそのままになっているのですよ。こういうのはどこから補償が出て直すことができるのか、これをひとつお聞きしておきたい。
○米山説明員 屋根がわらの損傷等につきまして、昨年の例といたしまして豊中地区で五、六件そういった例がございますが、こういったものにつきましては、いわゆる航跡乱流の影響によるのではないかというような推測はなされているわけでございますけれども、はっきり因果関係がつかめておりませんので、昨年、約十日間にわたりまして調査を実施いたしておりましたが、その結果につきましても、はっきりと因果関係づけるような、因果関係を立証できるようなデータはまだそろっておりません。そういう関係で、航空機の影響によるものだということがなかなか特定できないわけでございますけれども、応急的な措置といたしまして必要な措置は講じてきております。先生がおっしゃられます、屋根がわらの亀裂がどういう状況のもとで、何が原因で起こったものかということがはっきりできないわけでございますが、具体的なお話を伺った上でまた検討さしていただきたいと思います。
○岡本委員 これは、この間、公害防止協会の予算でそういう問題に対しては対処するというような意見を私は伺ったのですが、これはまた一軒一軒のあれがありますから、調査をしてちゃんと直してもらいたい。 次に、たとえば川西のむつみ地域、この地域は皆地主が別におりまして、御承知だと思うのですが、この地主が土地を売らない。その上に住んでいる人たちは移転ができない。ということは、借地権といいますか、いままで長い間ここに住んでいるわけですが、地主と運輸省の方でちゃんと話をつけて、そして一地域を適当なところに移転ができるような配慮を早くしてやっていただきたいと私は思うのですよ。この点はいかがですか。
○米山説明員 騒音対策といたしまして行う移転補償につきましては、敷地につきましても国が買い取りまして、これによって当該土地について騒音上支障のある住宅等の建築が行われないことが担保される必要があるわけでございます。したがいまして、土地所有者が土地の買い取りを希望しない場合におきます借地人につきましては、借地人が移転をいたしましても、移転した後の土地に新たな住宅等が建設される可能性があるということから、移転補償の趣旨が全うされないという意味で移転補償には応じてきていないわけでございます。この場合、借地人が移転した後の土地に新たな住宅が立地しないことについてどのような担保措置が現実に考えられるかというようなことにつきまして、従来からいろいろと地方団体等とも御相談をしながら検討を進めているところでございます。 先般、最高裁判決後の原告団の皆様方との話し合いにおきましても、特にこの点は重要事項ということでさらにお話し合いを進めようというようなことにもなっておりまして、現在、地元の川西市あるいは兵庫県とも御相談をしながら、移転希望に沿える道はないかということで鋭意検討を進めている段階でございます。
○岡本委員 あなたの方の心配は、そこを立ち退いた後、またそこに家を建てて、そしてまた同じようなことになるのじゃないかという心配だと思うのですよ。だから、この問題はこればかりではいけませんので、一つの方法としては、早くこの大阪国際空港周辺の特別措置法というようなものをつくって、そして移転した跡に家を建てられないという、若干法的な規制を加えていくというようなことになれば、この地主もまた考えが変わってくるだろうと思うのですよ。私権の制限になるけれども、しかし、そうしないと、あそこにおる約五十世帯ぐらいですか、その人たちが救われないわけです。にっちもさっちもいかないというのが現在の状況ですから、ひとつそういうことで再検討を要望しておきます。 次に、交通公害対策について。 実は、国道四十三号線、ここの交通公害については、三木さんが環境庁長官のころに、当委員会で全国で一つのモデル地区をつくろうというような話から、この国道四十三号線の一車線を削って緑地帯をつくるというような政策までできたわけであります。ところが、一車線を削っても後の交通公害で住民の悩みというものがなかなか解決しないということで、先般も尼崎、西宮あるいは芦屋、この三市から、市長が中心になって環境庁、運輸省、警察庁あるいは建設省、こういうところに陳情に来たわけです。私も立ち会いましたが、そのときの懸案がまだそのままになっておりますので、時間があり許せんから全部言うわけにいきませんが、その中の一つとして、環境保全から見た交通体系、これをひとつ各省で検討をして交通体系を確立してもらいたい、そうして指示をしてもらいたいという要望があったわけですが、これについて、環境庁、運輸省、それから警察庁、この三省からひとつお答えを願いたい。
○原国務大臣 岡本委員から、ただいま国道四十三号線に関連いたしまして、環境保全という観点から見た交通体系の確立についての御質問がございました。 交通公害対策としては、御承知のように、これまで各交通機関別に発生源対策あるいは周辺対策等が講じられてきております。たとえば、いまも問題になりました自動車交通公害につきましては、自動車の単体規制あるいは道路構造の改善、沿道対策、交通規制等でございますが、しかしながら、いまだに必ずしも十分な成果を上げているとは言えないのが現状でございます。 環境庁といたしましては、従来からも諸対策を関係行政機関との連携のもとにさらに推進してまいりたいと思っておりますけれども、一方、交通公害の根本的な解決を図るために、一昨年六月には、中央公害対策審議会に対しまして、今後の交通公害対策のあり方についてという諮問を行っているところでございます。この審議の中で、環境保全という観点から見ました望ましい物流体系、交通体系のあり方などに関する議論も行われております。交通公害問題に関する検討課題は大変複雑多岐にわたっておりますために、なお取りまとめに若干の日時を要するのではないかと思っております。中公審におきましては、交通部会に物流専門委員会及び土地利用専門委員会というのを設置して、何回も委員会を開催されて、いまこの取りまとめに鋭意努力をしておるところでございますが、環境庁といたしましても、できるだけ早期に答申をいただきたいと考えております。そして、中公審における審議経過等も踏まえながら、一方において随時適切に関係機関に対する働きかけも行っていくということを並行してやりながら、総合的な交通公害対策の樹立、推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○岡本委員 まだ中公審からの答申が出てないわけですね。これもずいぶん長い懸案でございますので、一日も早く、むずかしいことはむずかしいことと思いますけれども、毎日毎日四十三号線沿線において、これは各省そうだと思いますけれども、そういった根本的な対策を打ち出してそれによっていろいろなことを行政指導していくということにならないと解決しないと思うのです。 環境庁の大気保全局長であった橋本さんが当時ちょうど芦屋に見えまして、一番困っているところはどこなのだということで、私が連れていったところは芦屋市のある二軒くらいでしたか、そこに座っておりまして、絶えずこうなる。これは夜中ずっとですよ。確かにデータを見ましてもそうなのですが、一番大きいのは地震みたいな振動ですね。ところが、振動規制法、これには環境基準がないわけですね。要請基準といいますか、努めるべきところはこれくらいのところだという指針を出した第一種区域が、昼間六十五デシベル、夜は六十デシベル、第二種が昼間七十デシベル、夜は六十五デシベル、これは非常に弱いわけです。振動基準の見直しあるいはまた実態に即した振動規制法にしなければならないと思うのです。五十一年十月二十二日ですか、政令で出されていますね。施行規則は五十一年十一月十日ですか。この点について、これもこの前要望があったと思うのですけれども、どういう対処をするように考えておるのか、お聞きしておきたい。
○吉崎政府委員 ただいまお話の要請基準についてでございますけれども、概略お話のありましたとおりでございますが、これをどうやって決めたかということでございますけれども、昭和五十一年三月の中央公害対策審議会の答申に基づいておるわけでございます。この要請限度というものの法的性格、最近の科学的知見に照らしまして、振動による生理的影響、睡眠影響などに関する各種の知見を総合的に評価して導き出されたものでございます。今日のところ、そのようなわけでございますから、妥当な値ではないかと考えておるのでございますけれども、お話にもございましたように、道路の交通振動に係る苦情の実態にかんがみまして要請限度を見直すべきではないかという一部の地方公共団体等の意見があることも、私どもとしては承知をいたしております。そのような状況でございますので、私どもとしてはさらに最新の知見の収集に努めるなどいたしまして、適切な措置をとってまいりたいと考えておるところでございます。
○岡本委員 次に、騒音に係る環境基準ですが、地域の類型AA、A、B、こういうようにありまして、たとえばこの騒音の環境基準のAというのは住居の用に供される地域、こういうことで昼間が五十ホン以下、朝夕が四十五ホン以下、それから夜間が四十ホン以下、こういうようになっておるわけです。ところが一方、道路の方はこれまた要請基準となっておりまして、ちょうど同じようなところを見ますと、これもここに出ておりますけれども、たとえばA地域、昼間が六十ホン、朝夕が五十五ホン、夜間が五十ホン、こういうようになっております。 まずお聞きしたいのは、この住居地域のAというところの五十ホン、四十五ホンあるいは四十ホンという環境基準は、快適な住まいといいますか、あるいは健康を害しないような、こういうことで当てはめて基準をつくったのではないかと思うのですが、いかがですか。
○吉崎政府委員 さようでございます。
○岡本委員 そうしますと、この道路沿線の方のは非常に高いわけですから、この方は健康を守らなくてもいい、こういうことですか。要請基準は何で高いのですか。
○吉崎政府委員 この環境基準は、いまも先生のお話にございましたように、そういうことで維持することが望ましい基準なんでございます。ですけれども、万般の事情によりましてこれがなかなか達成できないという場合があるわけでございまして、特に生活環境が著しく損なわれておるというふうなときには、都道府県知事が道路管理者あるいは公安委員会に対して一定の要請をする、こういうのが要請限度でございますので、環境基準よりか緩くなっておる、このようなことでございます。
○岡本委員 いま話がありましたように、人の健康を守り、また、快適な生活ができるようにということで環境基準を決める。この道路に面したところは、要請基準ということで緩くなっている。そっちの沿線の人たちは健康など守らなくてもいい、逆に考えたらこういうようになるわけですね。これはもう一度再検討をしていただきたいと思う。なぜかならば、この三市のデータを見ますと、大体要請基準は満たしておる。ところが、現実にはそこに住んでいて本当に毎日毎日悩んで困っておる。中には、非常にノイローゼになったり病気になったりしておる人がいるわけですね。これについてひとつ再検討を要望しておきたいと思うのです。 そこで、いまいろいろと沿道整備で対策をしておりますけれども、この整備法についてはまだ非常に問題がありますので、これは次の機会にもう一遍かっちりとやらなければならぬと思いますけれども、健康調査、これについて各市では住民からずいぶんやかましく言われているわけですけれども、さてどういうようにしたらいいのか。環境庁では一度アンケートをすっととったくらいで、後そのままになっているということですから、この健康調査の手法について、ひとつどういうふうにやるのか示してもらいたいということなんです。これも要望してあるわけですけれども、この点についていかがですか。
○七野政府委員 いま先生御指摘のように、昭和五十年に、自動車道沿道の環境汚染が健康に及ぼす影響、これを科学的に把握いたしまして、今後の公害防止対策の基礎資料を得るということを目的にいたしまして、国道四十三号線、それからもう一カ所東名自動車道でやったと思いますが、この沿道住民の健康調査を、当時におきます最良の方法ということで実施をいたしたわけでございます。その調査結果は、先生御案内のように五十二年に発表いたしてございます。 その後ほとんど毎年のように、この四十三号線沿線の市長さんの方からこの健康調査につきましての要望が出ております。これにつきまして、沿道周辺での大気汚染などによります健康影響に関しまして、その後も科学的な知見の集積を踏まえまして、健康調査手法の改良を含め、現在いろいろな調査研究を進めているところでございまして、この健康調査手法の新しい方法と申しましょうか、これにつきまして、いまいろいろな角度から鋭意調査研究を行っておりますので、いましばらく時間をかしていただきたい、さように考えております。
○岡本委員 それはひとつ極力早くやってください。もう十六年ぐらい、毎年これをやっている。一日も早く拡充してもらいたいのです。 そこで、もう時間がありませんから最後になりますけれども、たとえ少しでも夜間眠れるようにしてもらいたいという皆さんの要望がありまして、一つの方法としては、四十三号の上に阪神高速があるわけですね。この方に大型車をできるだけ皆上げてしまう。そうすると、振動がずいぶん違う。これを非常に要望しておるわけです。それについて、先般も、誘導するためにはやはり夜間の料金を安くする。建設省では、この前、そんなことをすると阪神高速の経理の方が問題だとか、いろいろなことを言っていましたけれども、今度、阪神高速は値上げしていますよ。道路公団もそうですよ。一定の料金じゃないわけですよね。そういうことを見ますと、料金体系が、ここのところは特にまたモデル地域だということで指定されたわけですから、大型車の料金を安くするというような誘導方式によって、もう本当に地元では土曜日と日曜日だけでもよろしいというところまで来ておるわけですよ。その点について、建設省、きょうは来ておりますか、答弁願いたい。
○萩原説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、現在、阪神高速が昨年の六月に開通して約一年になんなんといたしておりますが、夜間にまだ大体二千六、七百台の大型車の交通量が残っております。かなりのものは上に転換をいたしましたけれども、大体おしなべて二千五、六百台の大型車が残っておりまして、これが、先生いま御指摘の夜間非常に睡眠を妨げるというようなことで、地元からいろいろな対策がないかということを御指摘いただいていること、十分承知をいたしております。 それの対策といたしまして、上の高速道路の料金を何か操作することによって誘導できないだろうかということの御指摘もございますが、いろいろ私どもで試算をいたしましたところ、料金をただにするというようなことにいたしますれば、これはかなりの誘導効果はあろうと存じますけれども、それでない場合には、単なる料金の誘導効果だけではなかなか実が上がらないというようなモデルができております。私どもといたしましては、この交通を何らかの形で環境対策がわりあいできております阪神高速の方に誘導するということについて、総合的な対策として何とかできないかということで検討を進めるべきだというふうに考えておる次第でございます。
○岡本委員 沿道整備によって、阪神高速は各家にいろいろと民防工事なんかのお金を出しておるのですよ。それでもまだなかなか振動は直らない。したがって、振動をなくすためにはどうしても、皆さん方もあなたも一遍あのそばへ行って、あの中で一晩住んでみてごらんなさい。とてもあそこで寝ておれませんよ。だから、本当にささやかな願いというのですかね。ですから、これは兵庫県知事からもまた各市からも、あなたの方にもたびたび要望が来ておった。また、当委員会でも、前の監理官でしたが、ずいぶんやかましく言ったことがありますけれども、モデルケースですから、何とか一度やってみる、そして大型車だけでも夜だけでも上にどんどん誘導していく、こういうようなモデルを一遍やってもらいたいと思うのですよ。そうしないと、毎日毎日被害というのは大変なんです。とても私はあそこではよう寝ておれないですよ。僕のおったのは少し離れたところでしたけれどもね。もう一度はっきりしたお答えを願いたい。
○萩原説明員 国道四十三号の沿道に関します環境問題についての根本の解決策というものについては、たとえば大阪湾岸道路の開通、これは五十七年度に鳴尾から深江までの事業化を図りまして、六十年代の前期には開通することができるではないかというふうに考えております。それと同時に、四十三号沿線の沿道環境整備事業というものを軌道に乗せるということで、現在、兵庫県から各市に対しまして協議をいたしておるところでございます。まだいろいろな状況がございまして、市からは回答が出そろっておりませんが、そういうような根本対策をすると同時に、何とか緊急的対策でこの軽減を図りたいというふうに考えておるものでございます。関係省庁ともいろいろ御協議いたしまして、何とか阪神高速の上に四十三号の夜間の交通だけでも転換できないかということについて、検討を進めてまいりたいと考えております。
○岡本委員 もう時間が参りましたから、これで終わりますけれども、まだ低周波問題やら大型のディーゼルの窒素酸化物問題やら、ずいぶん残っておるのですが、次のときにやりますから、きょう質問しなかった人はまたこの次のときに覚悟しておいてください。 委員長、ありがとうございました。
○八田委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 きょうは、私は、志布志湾の問題についてお伺いをしたいと思います。 先日の委員会の御答弁で、長官は、今回の計画案についても、「形状も変え、また面積も少なくしたと申しましても、確かに景観に影響がなくなったということは言えないわけでございまして、影響はもちろんある」こういうふうにおっしゃり、しかし、影響は最小限に抑えたと言われております。影響はもちろんあるということならば、環境庁としてはできるだけこういうものがない方がいいということだというふうに私は考えていらっしゃるのだなと思うのですが、いかがでしょうか。
○原国務大臣 この前もお答え申し上げましたが、やはり何らかのものがつくられれば何らかの影響があるということはもう免れないことでございまして、影響絶無というわけにはいかないという意味合いにおいてこの前もお答え申し上げたわけでございます。ただ、藤田委員も十分御承知のように、この志布志の海面は自然公園法上は普通地域でございまして、制度的には知事への届け出で足りるというような地域でございます。しかしながら、私どもはやはり国定公園への影響ということを考えまして、昨年九月に出されましたFS案ではその影響が余りにも大き過ぎるじゃないかということで、前長官が代案を持ってこいということで、その代案についての基本的なわれわれの考え方は、国定公園の解除につながらないこと、それから国定公園の景観に与える影響が少ないこと、台なしにするような大きな影響でなく、影響絶無というわけにはいきませんけれども、その影響ができるだけ少ないものであるということ、二点を基本としていろいろと県を指導してまいったわけでございます。 そして、何回もいろいろと検討が続けられたわけでございますが、その結果出されました案につきましては、私どもが言っている二つの事項、一応解除にはつながらないし、影響も最小限に抑えているというようなことでもって、検討に値すると答えたわけでございます。しかしながら、これも前にも申し上げましたが、やはり影響絶無ではございませんので、これがぎりぎりの線である、これ以上のものはもう認められないということもはっきりと言明しておるところでございます。
○藤田(ス)委員 私がお伺いしたのは、長官、本当に腹を割ったところ、こういうものは志布志の美しいところにない方がいいというふうに考えていらっしゃるのかどうかということをお聞きしたのです。私も志布志に参りまして、まあずいぶんきれいなところもあるものだということを改めて思いましたけれども、その点では、ない方がやっぱりいいのじゃないか、そういうふうに考えていらっしゃるのかどうか。これはお気持ちの問題なんですがね、その一言だけ聞きたいわけです。あるよりない方がいいのか、あった方がいいのか、どっちなんです。
○原国務大臣 先ほど来お答え申し上げているように、やはりこれは法律上のいろいろな制約があるわけでございます。しかしながら、あった方がいいというふうに考えるということは、もう常識的に言ってもあり得ないことだと思います。
○藤田(ス)委員 常識的に言ってあった方がいいなんというようなことはあり得ない、つまり、できればこういうものはない方がいいということだと思うのです。しかし、そういうものについて今回の計画案で検討に値するというふうに見解を出されたのは、先ほどもるる御説明があったわけですが、私、よくわからないわけです。影響を最小限にするのだ、これはもうあたりまえの話でありまして、ない方がいい。それを認めざるを得なかったのは、環境庁としてはその権限上抑えることができなかったということなのか、それとも国家的要請である石油備蓄という国策との兼ね合いからそういうことになったのか、それとも両方なのか、この点をはっきりしていただきたいわけです。
○原国務大臣 これもこの前お答えしたかと思いますが、石油国家備蓄基地の立地ということにつきましては、これは環境庁が所管しているところではございません。環境庁としては、この問題につきましてもあくまでも公園法上の観点から考えてきているわけでございまして、公園法上これは国定公園の普通地域でございますので、法律どおりに解釈すれば、これは知事に対する届け出で済むという地域でございます。しかし、やはりこの景観は守っていきたい、あるいは白砂青松、この自然をできるだけ守っていきたいということから、環境庁がいろいろ注文をつけて、その結果、ぎりぎりこれならば検討に値する、ぎりぎりこの位置ならばやむを得ないのじゃないかということの結論に達したわけでございまして、われわれはあくまでも石油国家備蓄基地そのものについての国家的な要請とかなんとかいうことは所管外でございますので、公園法上の観点からこの結論を出したわけでございます。
○藤田(ス)委員 それは少しおかしいと思うのですよ。公園法上の観点から言えば、これは守るべき地域なんですからね。それをあえて受け入れざるを得なかったのは、やっぱり国家的要請のこの石油備蓄という、そういうものがあったからということになるのじゃないですか。そういうことなら、もっと本当にがんばってもらいたいわけですよ。公園法上から言うのだったら、がんばってもらいたいわけです。国定公園の管理というのは県知事の権限であるということは、私もよく知っています。そういう権限であるけれども精いっぱいがんばったつもりだ、そういうふうにおっしゃるわけなんですが、石油備蓄計画をストップさせることはそれじゃ環境庁の権限上無理だということなんですか。私は、環境庁がそういうふうに本当にストップさせる権限が全くないというのだったら、この委員会でいろいろ尋ねる意味もなくなってしまうと思うのですがね。
○正田政府委員 行政の立場から事務的に整理いたしておることを申し上げますが、基本的には、ただいま大臣が申し上げた考え方でございます。自然公園法を行政の面で執行いたしまする場合に、この法律が、御案内とは思いますが、一切の開発行為を禁止いたしておるわけでございません。さらにまた、この公園法が他の環境法規と違いまして地域制を採用している法規でございますので、開発の調整というものを考えなくちゃいかぬということも言っております。さらにまた、開発の許認可の諸規定が整備されておりまして、公園の質の度合いに応じていろんな規制で対処いたしておりますので、そういう公園法上の執行という面からは、最小限度自然公園の景観に影響のない程度において考えることである、これは知事の権限でございますけれども、そういうふうな考えに立っていたわけでございます。
○藤田(ス)委員 私は、長官が本当にこの公園を守っていかなければならない、国定公園だから本当に守っていってやらなければならないというふうに考えるならば、それはストップをすることもできるし、そして今回の、精いっぱい、ぎりぎりの案なんだというような言い逃れはできないというふうに思うのです。一体、環境庁設置法六条三項には何と書いてありますか。
○正田政府委員 環境庁設置法六条第三項「長官は、環境の保全を図るため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し環境の保全に関する重要事項について勧告することができる。」以上です。
○藤田(ス)委員 いま読み上げていただいたように、環境庁の長官は、環境庁設置法によってほかの大臣に対する勧告権が与えられているわけなんです。そして、これまでも航空機だとかあるいは新幹線騒音対策で環境庁長官はこの勧告権を行使してこられたわけです。だから、今回の志布志の問題についても、環境庁はこれをストップさせていかなければいかぬということになれば、この国定公園の管理はたとえ知事の権限であったとしても、そんなものとは違って、この勧告権というものを使う、そういう権限が長官に与えられているというふうに私は思うのです。だから、どうしてもこれをやめさせたいと思えば、国家備蓄の最高責任者である通産大臣にトップ会談を申し入れることもできるはずだというふうに考えます。この問題で、一体、長官は通産大臣とお話し合いになったことがございますか。
○原国務大臣 国定公園というのは、御承知のように日本の国土の中にはたくさんあるわけでございます。国定公園を守るためにそこに何もつくらせないということは、公園法の観点からいってもそういうふうにはなっていないわけでございまして、やはりそれぞれに必要な度合いに応じて、国定公園の中にも特別地域、普通地域等の区別が置かれていることは御承知のとおりでございます。そして、この場合も、環境庁としては、前長官の時代からここに一切つくらせないというようなことでなくて、この公園の解除につながらない、あるいは景観を台なしにするような大変著しい影響を与えるようなことでないものというような観点から、最初の案に代案を持ってこい、こういうことを言っている。これが環境庁の方針でございまして、われわれもずっとこの方針は続けながら今度の結論を出したわけでございます。私は、この問題について、通産大臣といわゆるトップ会談というようなことをしてはおりません。
○藤田(ス)委員 私は、本当に環境庁長官という責任を感じていらっしゃるなら、当然、通産大臣ともっとこの話をしてしかるべきだというふうに思うのです。絶対反対と言うわけにはいかないと言われましたけれども、しかし、日本国じゅう志布志しかないわけじゃないわけですから、ここにつくる必要は一体どこにあるのか。その点については、当然、環境庁として通産省なり石油公団なりともっと詰めをしていかなければならないと思うのです。そして、ほかに適当なところがあれば、志布志は貴重な自然を保護するべきところなんだから、環境庁としてはほかに立地してほしいということも言えるわけなんでして、一体どうしてこの志布志に立地しなければならない理由があるのか。この点について、さっきは何か石油備蓄のことはあっしにかかわりのないことでというような感じで聞いたんですが、しかし、一大臣としても、どうしても志布志を避けられない理由というものについてもっと責任のある御答弁をいただきたいわけです。 それは、自然公園法の第三条に、この法律の適用に当たっては「国土の開発その他の公益との調整に留意しなければならない。」というふうに書いてあるのは知っております。しかし、環境庁としては、他の公益、つまりほかのところではなく、この志布志に立地することの公益について一体どういうふうに考えているのかという点で、私は長官の御見解をお伺いしたいわけです。
○原国務大臣 先ほど来御答弁申し上げておりますように、石油国家備蓄基地を建設する云々という問題につきましては、環境庁は所管しておらないわけでございます。ここにつきましては公園法上国定公園の普通地域でありまして、鹿児島県知事に対する届け出で事が済む地域でございます。しかし、景観上にも大きな影響を与えるということで、届け出で済むという観点から、鹿児島県知事とわれわれの方でもってその位置等について注文もつけ、そして検討もしてきてこの結論に達したわけでございます。
○藤田(ス)委員 長官はちっとも私が聞いていることに答えてくださらないのです。私は、なぜ志布志でなければならないのか、その点について長官はどういう納得をされたのかということを知りたいわけです。具体的には、県知事との折衝とかいろいろあることは知っておりますよ。しかし、いやしくもあの貴重な志布志という国定公園が大きく変わろうとしている中で、一体なぜそこまでやらなければならないのかという認識を、どう思っていらっしゃるのかということを聞きたいわけなんですが、それは自分のところの所管と違うなんというのはちょっと無責任だと思うのですよ。どうなんでしょう。石油備蓄は必要ということで、そういうことを前提にしても、この貴重な自然を破壊してまで志布志に立地することの公益というのは、私は考えられないわけです。そしてまた、仮にこの自然破壊の問題を抜きにして見たとしても、志布志に立地することは国民の損失にはなっても公益は存在しないというふうに考えています。 私はきょうここに資料を持ってまいりましたけれども、委員長、よろしいですか。(資料を示す)それは通産省からもらった資料なんですね。それを見ますと、志布志の用地費はほかのところに比べてずいぶん高いでしょう。倍近い値段になっているんです。むつ小川原と苫小牧東部はともに平米当たり一万三千円でしょう。福井は一万五千円、秋田は一万四千円。志布志は幾らですか。二万四千円なんです。これは、この前ここの委員会で石油公団も答弁していらっしゃいますが、総額五百億円、そして平米当たり二万四千円なんです。ほかのところと比べて倍近い値段でしょう。ほかの基地と異なって志布志は人工島だからそういうふうに高くなるということは考えても、倍近い値段になるようなところにつくっていくというのは一体どういう公益があるのですか。私は、自然破壊の問題を抜きにしても、この志布志に立地すべき公益は、こういう非常に高い用地費の点から見ても何もない。膨大な歳入欠陥が出ているときに、そういう面からも国民から見たら大きなマイナスだというふうに思うわけです。この貴重な自然を破壊してまでここへ立地を認めるという公益、むしろほかのところに比べて高い用地費で国民にとって二重の損失になる。それでも長官は志布志に立地することに公益があるというふうにお考えなのでしょうか。
○原国務大臣 石油国家備蓄基地計画によって、志布志もその一つの候補地の適地として挙げられているということは、私も承知いたしております。しかし、石油国家備蓄基地の、いまいただきました資料でそれに要する経費等がいろいろと書かれておるようでございますが、そのものについては、先ほど来御答弁申し上げておりますように私どもの所管するところではございません。したがって、私どもはあくまでも公園法上の観点からだけこの問題とかかわり合ってきているということを繰り返してお答えいたしておきます。
○藤田(ス)委員 それはおかしいですよ。自然公園法の中にもちゃんと「公益との調整」そういうふうに書かれておりますでしょう。そうしたら、さっきから言っていますが、自然公園法の中の公益との調整というのは一体どういうふうに認識しておられるのか。ほかのところよりも倍近い値段の用地費で非常に高くなるという点から見ても、公益との調整という点で理解をするのは不可能だということを申し上げているわけなんです。一閣僚なんですよ。
○正田政府委員 法三条のお話がございましたので、私からお答え申し上げておきます。 基本的には先ほど大臣が申し上げたとおりでございますが、所管の省庁の責任と権限においてそれぞれの事情を把握し、処置してもらうことになっております。また、石油備蓄基地のことにつきましては、所管の省庁の公益、備蓄基地を設置する公益というのがございます。その国家的な公益と私どもの方の自然公園法が担保いたしまするところの景観的な公益、これとの調整を行っているわけでありまして、ただいま先生が御指摘になられましたいろいろな問題もございますが、それは立地主体としての省庁による調整、この三条に基づかない行政官庁として当然行わなければならない調整というふうに、私どもは他の電源開発につきましてもその他の開発につきましても、一般的に言ってそういう基本に立っているわけでございます。
○藤田(ス)委員 私は、そういうのは納得できないわけです。他の公益との調整と言いながら、その公益は一体何なんですかとさっきから何遍も聞いて、ここは高くつくのですよと言って一生懸命聞いているのに、その公益についてはちっとも話はしないでしょう。それはほかの省庁の所管の問題だ、そんなばかな話はないです。いわんや大臣は一閣僚なんでしょう。そうしたら、それはそれなりの公益との調整で、その公益についてどう認識しているかということをおっしゃれないで、先ほどからも第三条を振りかざして言っていらっしゃるけれども、ちっとも説得力がないじゃないですか。しかも、これはほかの地域と倍近いところですからね。たとえば福井の一万五千円、この埋め立てなら志布志で必要な二百十ヘクタールの土地は三百十五億で済むのです。それが五百億というでしょう。つまり、百八十五億むだ遣いなんです。きょうび、四十人学級だとか児童手当だとかお年寄りの医療費の一部負担だとか、五十億、六十億のお金を始末するのに国民に大きな犠牲を強制しているのですよ。そのときに何でみすみす、みんながここにつくるな、ここは自然として守っておけと言っているのに、大きなむだ遣いを、しかも私が幾ら聞いてもその公益という問題についてはちっともお答えにならないというのは、私、納得できませんが、大臣、いかがですか。大臣に聞いているのです。
○原国務大臣 石油国家備蓄基地計画に基づいて石油国家備蓄基地をつくるということは、これは私は公益だと思います。その公益との調整というのは、公園法上にあるわけでございます。そういうことで、公園法上の公益という点においては、石油国家備蓄基地をつくるのは当然の公益だと私は思います。ただ、それをつくるについての費用等は、これは日本じゅういろいろな地域がありまして、地域によって費用がまちまちであろうかと思いますが、私は、石油国家備蓄基地計画に基づく適地として候補に挙げられているという意味合いにおいては、これはやはり一つの公益がある。しかしながら、それとの調整において、自然公園、国定公園の景観を守るという観点から、私どもといたしましてはいろいろと注文をつけ、ぎりぎりの限度ということで検討に値するという結論をつけたことは、前々から申し上げているとおりでございます。
○藤田(ス)委員 時間がどんどん経過しますので先に進まざるを得ませんが、やっといま石油備蓄基地が公益だとおっしゃった。この議論でいけば、しかし石油備蓄基地は何も志布志に絶対つくらんならぬ、そういう公益じゃないわけですよ。ほかのところだってできるわけですから、日本じゅうここしかないというような話じゃないわけです。もっとよく検討していけば、わざわざ国定公園のところへ持ってこんならぬという理由は何にもないわけです。この志布志につくるということは、いろいろな無理が重なっているのです。そういう無理を重ねてまでここに立地する必要があるという点で、私はなおかつ先ほどからの御答弁は全く納得できません。日本でも非常に貴重な白砂青松の地であること、そして数ある備蓄候補の中でも最も強い住民の反対があるところです。さらに、ほかのところに比べて用地費が非常に高い。百八十五億もむだになる。それでもなぜ立地しようというのか。この点については、私は、環境庁は何も明らかにされていないというふうに思うわけです。 こうした無理の中の一つの問題に、この委員会で視点の問題が出ております。私もこの点で聞いておきますが、環境庁は、公園計画の中で権現山に展望所をつくることになっているが、それはもう二十年も前の話で、現在はほとんど利用者もないのだから、むしろ利用者の多いところを視点として重視して今回の判断をした。先日の委員会で、正田局長は、権現山を含めてあらゆる視点から総合的に検討したが、典型的なところはダグリ崎とくにの松原だというふうに御答弁され、要するに、権現山は典型的な展望地点とは言えないということでありましたけれども、その点、間違いございませんか。
○正田政府委員 権現山の点についてお答え申し上げます。 先般もお答え申し上げておりますとおり、公園の指定とか区域の設定とか、そのような場合におきましては、視点は至るところにございます。それは、先般も申し上げております。視点という点においては、権現山も当然その一つでございます。私が申し上げておりますのは、視点の中で特に展望施設というような点が取り上げられました。展望施設は公園の利用者を対象にしたところでございますので、やはり利用度の非常に高い、たとえばダグリ崎でございますとか、くにの松原でございますとか、これは展望施設ではございませんが、たとえばそういうところは確かに重要な関心を持って取り上げなくちゃいけないな、こういうことでございます。それから権現山につきましても、先ほど申し上げましたとおり、当然視点の一つでございます。 しかしながら、私が申し上げましたのは、計画で展望施設といいます場合には、将来利用する可能性があるということを考えて、展望施設なら展望施設、園地なら園地というものを将来つくったらどうだろうかということで掲げているわけでございます。ところが、その間の経過におきまして、この地域の特殊性と申しますか、そういうような観点で、そういう計画が実施されていないというようなことにかんがみまして、先ほど申し上げたような多数集合する利用度の高い視点ではない、こういうふうに申し上げているわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、今回の判断は、数多くの視点から景観を評価するということは、公園の問題ではあたりまえのことでございますので、そのように評価いたしておりまして、あくまでそういう観点から、本地区の自然景観を保護するという立場から総合的に判断いたした次第でございます。
○藤田(ス)委員 ここに私「環境影響評価に係る技術的事項について」というのを持っているのです。これは、地方自治体が開発をする場合にこういうようにやりなさいよという、そういうものですね。違うのですか。「環境影響評価に係る技術的事項について 環境庁 昭和五十四年二月」御存じないですか。だって、地方自治体がアセスするときはこれに基づいてやるのでしょう。
○清水政府委員 お答えを申し上げます。 それは、当時、自治体に対するいわば参考情報というような立場で、環境庁としてそういうものを流しているということでございます。
○藤田(ス)委員 何かずいぶん妙な言い方だと思うんですがね。これに基づいて忠実に、鹿児島県も四年前のときにはちゃんとアセスしていますよね。三年前ですか、港湾の整備のときに。 この中にこういう文章が書いてあるのです。「主要展望地点の有無及びその位置、利用状況並びに眺望の特徴」を解析すること、こういうふうに書いているのです。そして、主要展望地点とは「不特定多数の人々により風景を観賞する展望地点として位置づけられている公共的な場所」という定義をしております。確かにあの権現山は、施設で言えば展望所として計画したのは二十年前で、現在は一般の観光客の利用も少ないというふうに言われているかもしれない。しかし、「不特定多数の人々により風景を観賞する展望地点として位置づけられている公共的な場所」という点では変わりはないわけですよ。だからこそ、二十年前ではなしに、三年前に志布志の港湾計画の改定のときに、鹿児島県は、この環境庁の方針に忠実に従って権現山を展望地点として設定し、その利用状況並びにその眺望写真を作成して忠実に評価をしているわけです。第一、環境庁もこの公有水面埋立法の手続でそのアセスを審査したことになっているんですよ。にもかかわらず、今回鹿児島県が出してきたこの計画案に対して、環境庁みずから決めたその「環境影響評価に係る技術的事項について」という文書を無視して、そうして、石油基地を含め白砂青松を一望に見渡せるこの権現山は、典型的な展望地点としては、全体として見れば大したことはないんだという評価というのはずいぶん御都合主義だと思うのです。
○正田政府委員 展望のことでございますので私からお答え申し上げますが、先ほど来御説明申し上げておりますとおり、権現山の頂上付近からの視点、展望というものを無視しているわけでは毛頭ございません。それは当然判断の基礎に入っております。ダグリ崎から見ました展望の質と、それからくにの松原から見ました展望の質、それからその他から見た展望の質、さらにまた御指摘の権現山から見た展望の質、これらはそれぞれ質が違っております。しかしながら、景観全体、特に私どもの環境庁の本件の立場は、国定公園の存廃に影響するという立場から考えております。したがいまして、景観全体の立場から、それぞれの総合的な視点から見た景観の質を総合して判断する、こういうことでございまして、それは権現山に限らず、すべての地点において当然でございます。
○藤田(ス)委員 総合的に判断してという言葉は、ずいぶん便利な言葉なんですね。わざわざ鹿児島県は、三年前のときには、権現山、ここから見たら港湾をつくったらどうなるかという御丁寧な写真をつけて、大したことありませんというような評価をしているわけですよ。環境庁も、そういうことならよろしいと。自分が今度許可するときには、それは総合的に見たら、この権現山というのは真下に見えるわけですからね、これは景色が変わることはだれだってわかるわけです。
○正田政府委員 お答えします。 景色が変わることは御指摘のとおりだと思いますが、先生がお示しになりました志布志港の港湾改定計画の場所、その地点の施設整備につきましては、確かに権現山から見ましたら、質的にはほとんど影響ないと思います。しかし、ダグリ崎から見ました場合には若干の影響があるとは思います。それらを総合して勘案したのがそのときの結論だったと私は思っております。
○藤田(ス)委員 そして今度のときは、権現山はよく見える、タンクが何もかもよく見える、つまり志布志の景観は、そこから見ればずいぶん損なわれたものになるというのに、なぜ総合的という言葉で解消されるのですか。しかも、ちゃんと「技術的事項について」と、自分がみずから出した方針によって、結局ここの権現山もその一つの視点として見た。開き直りというのですか。私は全然納得できません。そこから見たら、確かにタンクが見えるんでしょう。
○正田政府委員 御説明申し上げます。 いずこの国立公園にいたしましても、どこの国定公園にいたしましても、たくさんな視点がございます。また、展望所もございます。そこから見まして、発電所その他工作物が一切見えないということはございません。先ほど申し上げましたように、自然公園法は、公益との調整を図りながら、ある程度の開発を規制しながら考えていく制度、人の所有権の上に立つ法律でございますので、そういう制度になっております。したがって、景観の面から見まして全く物が一切ないということは考えていないわけでございまして、本件の場合もどこの国立公園にいたしましても、総合的な観点から、他の地域より景観がすぐれているから公園に指定するとか、これは物すごくすぐれているから国立公園に指定するとか、あるいは水準が低いから県立の公園にするとか、そういうふうに考えているわけでございます。
○藤田(ス)委員 はっきり言ったら、事実上その権現山を展望地点から全く外してしまったわけです。総合的というのはそういうことなのでしょう。時間がありませんので、私はもうこれ以上追及しませんけれども、改めて権現山を展望地点として備蓄計画についてもう一度検討し直すべきだということだけは申し上げておきます。 さらに、この計画が国定公園の区域の変更、いわゆる解除につながるかつながらないかという点についてなのですが、環境庁はFS案だと解除につながるおそれがあるが、今回の代案ならその心配はないし、したがって、自然環境保全審議会に諮らなくてもいいということなのですけれども、これにも重大な矛盾があると言わざるを得ません。 そこで、長官にお伺いいたしますけれども、現在の環境庁の考え方からすれば、本来、このような開発を前提とした公園地域の変更、解除はもともとやらない。したがって、現在の環境庁の方針では、解除をしたくてもできないということになっているのではないでしょうか。
○正田政府委員 事務的なことを私から申し上げます。 ただいまの御指摘の点は、開発を前提にした区域の変更とかいわゆる指定の解除とか、そういうものはいたさないというのが環境庁の方針でございますし、国会の御意思でございます。自然公園法は、先ほど来申し上げておりますとおり、他の公益との調整を図ることが第一点、第二点といたしまして、解除とか区域の変更ではなく許認可、ある工作物なら工作物を地域の特殊性に応じて許認可するということをまず第一義的に考えております。区域の解除というのは、たとえば市街化が公園内で進んで他の市街化とほとんど同じというようなときに、これは公園としての存在価値がない、公園の質が非常に低下しているということで解除する場合はございますが、解除するというような方針は本件についてもともとございません。それは地元も私どもも、この国定公園は解除して公園でなくすという意思は毛頭なかったわけでございます。
○藤田(ス)委員 いま局長がおっしゃった方針は、四十八年十一月二十二日付の「国立公園計画の再検討について」という通達の中にちゃんと書かれているわけですよ。「公園区域については、区域線の明確化をはかるために必要な場合等特別の事情のある場合を除き変更しない。特に地域の開発を目的とする区域の解除は原則として行なわない。」こういうふうに書いております。そして、その特別な地域というのは、いまおっしゃったようにすでに市街化が著しく進行しているような場所であるのだということを添え書きしております。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 私は、解除とまで言っていませんが、区域の変更についても、開発を前提としてはやらない、開発を目的とする区域の変更はやらないということは環境庁の方針になっているわけでしょう。だから、これを見ると、原案だからどうだとか、代案だからどうだとかいうことではなく、そもそも環境庁としては、こういう石油備蓄基地を前提にして地域の解除はできないし、それから自然環境保全審議会に解除を諮問するなどということはやりたくてもできないということじゃないですか。だから、無理やりに解除せずにこの備蓄基地を認めたというのが真相じゃないですか。
○正田政府委員 恐縮でございますが、繰り返して申し上げたい点がございます。 法の執行といたしましては、第一義的にまず許認可を優先しております。それで、もともと、公園区域が汚れた場合、公園として非常にふさわしくないところがふえてきた場合には、削る、これが基本の方針でございます。区域を解除してやるということは、公園法の執行上は本来の形ではないわけでございます。あわせまして、行政の方針としても、過去において幾多のことがありましたので、その当然な考え方にのっとって原則に立ち返って行っているわけでございます。 さらに、解除というものをなぜ始末をするときにだけ行うのかという考え方でございますが、解除をいたしますれば、先生も御洞察のように、自由な地域、公園の区域外になりますので、そこはどんなものでもできるという地域になっております。それを解除しないで、許可とか取り消しとかいう行為によってやらせて、そして公園法の厳しい規制を地種の区分に応じて行為の後もかぶせて保護を図って景観を保持していくというのが私どもの考え方でございますので、解除をしないためにいろいろないまおっしゃったような無理とか、そういうことは私ども行政の立場では基本的には考えておりません。
○藤田(ス)委員 解除しないために云々ということじゃないわけです。解除するにもできないみずから決めた方針があるということからどうしても解除できない、だから審議会にもかけなかったのだということを申し上げているわけです。 それでは聞きますが、今回の案では、二百十ヘクタールのうち七十ヘクタールは、区域変更をしませんから普通地域の中にあくまでも含まれるわけですね。そういうことになりましたら、基地が完成した後、七十ヘクタール、二十万坪、この広大な地域は自然公園法の二十条によって届け出が必要な地域というふうになると考えますけれども、届け出が必要なその行為というのはどういうものなのか、それから届け出を怠った場合にどういう罰則があるのか、お答えください。
○正田政府委員 法律に基づきまして知事に届け出をいたすケースでございます。したがいまして、今回の基地の設定に当たりまして七十ヘクタール部分が御指摘のように普通地域に入っておりますので、届け出を行うケースに相なるわけでございますが、届け出を行う場合といたしまして、この七十ヘクタールは海面で占めておるわけでありますが、自然の資質等を総合的に判断して、この七十ヘクタールは公園に対する影響というものはほとんどない、公園の指定の解除とか、そういったものはほとんどない。さらに、それによって、市街化区域などとの連檐の場合のように景観を保護するために削っておかなければいけない、こういう判断には立っていないわけでございます。
○藤田(ス)委員 おっしゃることがよくわからないのですが、要するに、二十万坪の地域はやはり普通地域ですから届け出をしなければならない。届け出を怠った場合には犯罪になる地域なんでしょう。違うのですか。
○正田政府委員 失礼いたしました。法律上の問題としては法律違反という形になります。届け出しないでつくれば法律違反でございます。
○藤田(ス)委員 そうすると、この地域は国定公園にふさわしくないからということで二十二メートルのタンクが外から見たら全然見えぬようにする、そういうことになりますけれども、しかし、その中のタンクの置かれている地域もやはり普通地域である以上、そういうルールに従って届け出してもらわなければいかぬわけですね。この普通地域のラインの中に、十六、タンクがあります、それから施設もありますが、そういうものは全部届け出の対象になるわけですよ。そうでしょう。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○正田政府委員 埋め立てにつきましてもそのとおりでございますし、各施設は普通地域内の行為として法律に基づく規定どおりに行うということでございます。
○藤田(ス)委員 この法律を見ましたら、届け出をしなければいけないのはずいぶんあるのですよ。ここに関係するので一番多いのは看板と表示ですね。たとえばタンクに何リットル入っているというあの字も届け出しなければいけませんし、それからここは何部屋というような大きなあれとか、火気厳禁とか、そういう看板も全部届け出をしなければいかぬ地域ですね、二十万坪の地域内は。一体どんな意味があるんでしょうかね。その普通地域内とはいえ、高い築堤の中でタンクは見えないと言いながら、そこはライン変更していませんから普通地域として扱わなければならない。そうすると、十六のタンクだけじゃなしに、施設もあるし、そのほかもろもろのものがこの二十万坪の中につくられる場合、一つ一つ届け出をするんでしょう。届け出しなかったら犯罪になるんでしょう。
○正田政府委員 自然公園法に限らず、どの法規でもそうでございますが、一つ一つの行為を届け出するということが義務になっている場合において総合的包括的に行う場合には、包括的な届け出の中に各項目でこういうものをこういうものをと列挙したものが行われるのは、どの法規の執行でも同じでございます。それ自体が、たとえば色にいたしましても、高さにいたしましても、そういったものによって届け出を受ける、そして今後支障がないか、それから法管理上どうなのかということの判断をいたすわけでございます。
○藤田(ス)委員 私は、そういうことにどれだけの意味があるのかということを、本当に納得するまでよく説明してもらいたいと思うのです。そんなことまでしてその区域線を変更しないでがんばって、そしてその中は石油基地の中なのに自然公園法に基づいて一々届け出をしなければならない。一括してと言いますけれども、その中はもはや石油基地なんですから、どういうものがつくられるかというようなことは向こうさんの勝手次第で、それを一々届け出させなければならない、そこにどんな意味があるのか、これはもう全く理解に苦しむのです。
○正田政府委員 できました基地の埋立地の上にいろいろな施設をつくりますが、今回の検討に値するという措置を講じましたときにも、大きさ、それから長さ、面積、築堤、そういったものの基本の項目について判断いたしましたように、でき上がりました上にいろいろな工作物をつくる場合に、それが少しでも全体の景観、基地としての存在に余りの圧迫感、違和感を与えないようなことを考えているわけでございます。そのための届け出制度でございます。 さらに、そういったものが、その面積を削ってしまいますと、どんな基地ができ、基地の上に、埋立地の上にどんな工作物ができるかわかりません。したがいまして、普通地域のままにしておいてそういった規制をかけて、できるだけ当初の方針に沿って少しでも景観に合うような形にするというのが考え方でございます。
○藤田(ス)委員 私は、こんな意味のない届け出をさせてまで区域の変更をやらない、つまり審議会にもかけない、そこのところは全く納得できません。しかも、届け出の目的がこの二十万坪の中は失われてしまっているにもかかわらず、相変わらずそれを届け出させて、しなければ犯罪というような扱いになってくるわけですから、これは法治国家の基本にもかかわる問題だと思わざるを得ないわけです。納得のいく説明を求めていきたいわけですが、時間がございませんので、この点についてはひとつ私の方に納得のできるように文書で回答してくださいませんか。そのことを要望しておきます。 最後に、長官、これも大きな矛盾だと思われないかどうか。わざわざ区域の変更を行わないでやるこの二十万坪の中に、届け出を受けた結果はともかくとして、こういうふうな届け出の義務を課して、そしてそれをしなければ犯罪だということになるまで、そういうふうなごまかしというのでしょうか、もともと環境庁の方針としては区域の変更はできない方針を抱いているので、あえて開発を受けるためにはそういうことまでやらなければならないということに矛盾を感じられないかどうか、お伺いして、私の質問を終わります。
○原国務大臣 たとえば百メートル幅の築堤をつくる、その上に植栽をする、その植栽の仕方などもいろいろあると思いますが、それによって海岸から見た場合のタンクが見えないようにするというようなことも、これは地域外にしてしまったら自由になってしまうわけです。われわれチェックしようにもそれは自由な地域になってしまう。普通地域の中で届け出させて、それをこっちが言うように景観を保つためにいろいろとチェックするということは、私は必要だと思っております。
○藤田(ス)委員 終わります。
○八田委員長 次回は、来る二十三日金曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会