環境委員会 第5号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/04/06
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 きょうは、主として土壌汚染防止対策について質問をいたしますけれども、その前に、大気汚染によるところの健康被害についてお聞きしたい。 五十六年の環境白書によりますと、公害の認定患者が八万一千二百二十二名、そのうち大気汚染によるいわゆる非特異的疾患の被害者が七万九千百六十六名、こういうようになっております。恐らく今度五十七年の白書が出ると思うのですが、大気汚染によるところの被害者が八万一千三百七十一名になっておるように伺っておりますけれども、こういうことで大気汚染によるところの患者が次々にどんどんふえてきておるという事態のときにおきまして、わが国のエネルギーの供給構造も脱石油時代ということから石炭依存に変わってきた。石炭の専焼あるいはまた混焼と、石炭によるところの発電所が非常にたくさんできる。いま着工準備中が八基、計画中が十一基、しかも非常に大きな発電所になっておるわけでございまして、小さいので五十万、大きいのが百万ということでありますから、石炭公害に対するところの対策をきちっとしておかなければならぬと考えるわけであります。この前の委員会でも私はこのことを申し上げたわけでありますけれども、少し詰めができなかったので、もう一度質問するわけであります。この環境基準を目指すための排出基準は、石炭の発電所が石油のばいじんの四倍から八倍、あるいはまたNOxが二倍から三倍、こういう緩い基準になっておるわけでありますが、米国や西ドイツがいまどのようになっておるのか、ひとつお聞きしたいと思うのです。
○吉崎政府委員 米国と西ドイツの状況でございますけれども、米国におきましては、昭和五十五年六月にばいじんの排出基準の改定強化を行っております。これは、わが国と決め方が違っておりまして、直接には比較ができないのでございますが、わが国よりかなり厳しい基準になっております。西ドイツにおきましては、近くばいじんの排出基準の決定強化を実施するというふうに聞いておるところでございます。
○岡本委員 そうしますと、わが国においても、現在の排出基準をこのままにしておきますと大気汚染が非常に進むのではないかということで、この間見直しをしようという話でありましたけれども、いつごろどういうような基準でやるのか、これをひとつ詰めておきたいと思うのです。
○吉崎政府委員 お説のように、エネルギーの需給構造の変化に伴います大気汚染への影響は非常に重大であると考えておりまして、まずこのばいじんの排出基準の強化を行いたい。目下、鋭意作業を進めておるところでございます。できるだけ早く案を得たいと思いまして、一生懸命にやっておる段階でございます。したがって、いつごろ、こういうお話でございましたけれども、なかなかはっきりとは申し上げられない段階でございますが、あえて申し上げますならば、今月中をめどに実施案を固めまして、できるだけ早く実施に移したいと考えておるところでございます。
○岡本委員 実は、いまもうすでに着工しておるところ、あるいは計画しておるところ、あるいはまた重油から石炭に転換する、そういう作業をしている、そのときに現在の緩い基準で計画をし、設備をしまして、そしてまた排出基準が変わってくるということになりますと、二重投資になるのです。私は、この委員会でもたびたびこういうことを申し上げたことがあるのですけれども、この段階ではここまでする、その次はこうすると言うけれども、ここまで一遍やったものが、また次の排出基準に変わると二重投資になるのです。これは非常にむだ遣いといいますか、したがって思い切ってきちっと早くしっかりした基準を、できれば石油と同じ、要するに重油と同じ基準にするのがあたりまえだと私は思うのです。重油と同じ基準でなければ、いままでの石油と同じ基準でなければ、それで満たすのであればいままでの石油あるいは重油の基準がきつ過ぎるということになるわけです。したがって、この前、石炭特別委員会のときにも私このことについてエネルギー庁長官にも質問したわけですけれども、非常に技術が進んでおるから大丈夫だというような話があったわけですから、どうも環境庁は腰が弱いというような基準にしますとそれに見合った設備をする、そして大気汚染は進む、そして出てきた患者に対してまた企業からお金を取ってそれに対する手当てをする、こんなことでは経済的にも、あるいはまたそういう患者が出るというのもぐあいが悪いわけですから、やはり本当に環境基準を守れるようなきちっとした排出基準を決めなければならないと私は思うのです。これについて、ひとつ長官の決意を承りたいと思います。
○原国務大臣 石炭利用の拡大等による大気汚染の問題は、岡本委員御指摘のとおりでございまして、いま大気保全局長の方から御答弁申し上げましたように、できるだけ早く基準を設定したい。もちろん石炭の利用が非常にふえていくわけですから、石炭の利用の少ないときに決めたような基準ではとてもいけないわけでございまして、より厳しい基準を決めることは当然のことでございます。四月いっぱいというようなことをめどにしておりますが、いずれにいたしましても、御指摘のような点われわれも十分考慮しながら、できるだけ早い機会に基準を設定いたしたいということをはっきり申し上げたいと思います。
○岡本委員 大気保全局長にもう一遍念を押しておきますけれども、ばいじんだけではなしに窒素酸化物も、きちっと両方とも決めておいてもらわぬと、どうもいまの答弁を聞いているとばいじんだけのような答えのように感じたわけですが、その点、もう一遍お聞きしておきたい。
○吉崎政府委員 エネルギー需給構造の変化に伴います問題といたしましては、確かにお説のように窒素酸化物もあるわけでございます。私どもでばとりあえずばいじんの規制を急いでおるところでございますけれども、窒素酸化物につきましても手おくれにならないように昭和五十五年から調査を開始しておりまして、それにあわせまして石炭利用と大気環境保全対策検討会を設置いたしまして、鋭意検討を進めているところでございます。五十五年、五十六年、たしか前回も申し上げたかと思いますが、実態調査等を行いましたので、本年度から本格的な解析に入りまして、窒素酸化物につきましてもその結果を待ちましてから対処いたしたいと考えておるところでございます。
○岡本委員 とにかく余りのんきなことを言うていると、先ほど申し上げたような、一度設備をしてまた設備をやり直さなければならない、したがって緩いものでは困る、特に強力に要請をいたしておきます。 そこで、本論に入りまして、土壌汚染対策について、私は昭和四十三年ごろからイタイイタイ病問題を取り上げました。私がイタイイタイ病問題を取り上げると、委員長は、イタイイタイ病は公害じゃないということなんですが、いずれにいたしましても全国の土壌汚染の総点検を要求した。そして、この対策について当委員会でたびたび要求してまいりまして、もう十年以上経過しておるわけでありますけれども、先般安中の公害訴訟裁判があったわけでありますが、これは土壌汚染対策が非常におくれておる。 時間が余りありませんから、そのうちの一つだけ取り上げてお聞きしておきますけれども、富山県の神通川の流域、これが千五百ヘクタールを指定して、それで対策決定したのが百八ヘクタール、実際には九十一・二ヘクタール。しかも、そのうちの三〇%ぐらいしかできてないわけです。厳密に言えば二九%。これを五十九年までに完成すると言っておりますけれども、残り千四百ヘクタールについてはほとんど手つかず、こういうような状態でありますが、なぜこういうようにおくれておるのか、これは実施するのは農林省ですから、ひとつ農林省にお聞きしておきたい。
○芦澤説明員 土壌汚染対策についてでございますけれども、御案内のとおり、土壌汚染対策につきましては、土壌汚染防止法に基づいて対策地域を指定して、対策計画が策定され、その上で排土、客土等の汚染の防止やら汚染の除去の事業が実施されるわけでございます。 先生から御指摘の神通川の問題でございますけれども、地域指定をした後一番問題になっているのがその地域の土地利用を今後どうしていくのかということ、この点について地元側でいろいろな意見をお持ちの方たちがいろいろ議論をされておるわけでございまして、ここの土地利用についての計画がなかなかまとまらない、そんなことで千五百ヘクタール一まとめにしての工事ができなくて、ともかくできるところから事業を進めようということで、第一次の計画をおおむね百ヘクタールについて進めておるわけでございますけれども、引き続き第二次の計画を進めるように私どもも富山県に対して指導を続けているところでございまして、第一次の事業の実績等をまた地元の人たちに十分ごらんいただいた上で、残っている地域の対策計画が速やかに進められるように都道府県を指導し、関係各省とも連絡をとりながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○岡本委員 この間ちょっと実際の状態を調べてみましたら、テレビでも放映しておりましたけれども、とにかく農民の皆さんはなかなか待てない。といって、そこからまた汚染米ができる。〇・四ppmから一ppm未満の分は買い上げてくれるけれども、一ppm以上の分についてはほったらかしだというようなことで、何としても農業を続けるためには早く客土の転換をしなければならぬということで、川の砂を売却してそのかわりに客土をするというような状態も出ておりました。実際に僕も見てきましたけれども、農家の皆さんはこれが非常におくれておるというのが不満なんですね。 そこで、まだ未指定地域がずいぶんあるわけなんです。これは資料をもらいましたけれども、余り時間もありませんから、なぜ指定がおくれておるか、あるいはまた対策がおくれておるか。いま話があったように、発生源の企業の費用負担の問題や関係都道府県の復元対策、この計画づくり、あるいは関係者との間の調整に手間取るというのもわかりますけれども、土壌中のカドミウムの濃度についての環境基準ができていないのです。こういうことで、結局とれた玄米の中から〇・四ppmのものが何ぼできるかということです。これは、気象状況やあるいはまたその土地の土壌の状態によって相当変化するわけですね。したがって、私は、土壌中のカドミウムの環境基準というものをやはり設定をして、そしてそこはどんどん対策を立てるようにしていくというような説得力のある対策をしなければならない、こういうふうに考えるわけなんですが、これについて環境庁からひとつお答えを願いたい。
○小野(重)政府委員 重金属汚染に対する対策として、環境基準を設定し、それに基づいていろいろ対策を立てるという考え方も当然あり得ると思いますが、ただ、非常にむずかしい問題でございまして、問題は、その農地から、特に米でございますが、カドミウムに汚染された米ができるかどうかというところが一番問題でございまして、これはいろいろ気象条件、雨がどのくらい降るとか、いろいろな要素によって変わってまいります。したがいまして、私ども土壌中のカドミウムの濃度、つまり土壌の環境基準でございますが、これを一律になかなか決められないという問題がございます。したがいまして、現在の土壌汚染防止法の考え方はそうでございますが、そこで汚染されたカドミウム米が出るか出ないかというところをベースにして、そういう土地の土壌中のカドミウム濃度はどうかというような考え方から対策を立てている、こういうことでございます。
○岡本委員 毎年とれる米の中から〇・四以上が何ぼ出るか、そういうような、何といいますか、説得力のない、毎年変わるというような、こんなことではやはり農民の皆さんも非常に不安なんですよ。ですから、廃棄物処理法なんかのようにちゃんとした土壌中の基準というものを、一応、なかなかむずかしかろうと思いますけれども、もう十何年間経験あるわけですから、それを決めてしまう、その中からどんどん対策を立てていく、やはりそういった説得力のあるところのやり方をしなければ、これはいつまでたっても解決しないのではないか。細かいことを数字的に言ってもあれですけれども、このままいったら十年たってもまだ無理じゃないか、こういうような考え方があるわけですし、また、実際に一つずつ調べていくと、十年たってもまだこんな状態です。 そこで、食糧庁にお聞きしますけれども、五十二年からのカドミ米の買い入れした数量、それから売却した数量、これをひとつお聞きしたいと思います。
○武田説明員 五十二年からのいわゆるカドミ含有米の政府買い入れ量でございますけれども、五十二年から五カ年間、五十六年産は見込みということになりますが、合計五万六千トンでございます。 他方、これの売却数量につきましては、同じく五十六会計年度につきましては見込みでございますけれども、五十二年から五カ年間で十一万四千トンということに相なっております。
○岡本委員 あなたの資料をもらったのですが、カドミウムを含有したものが、五十二年では一万五千トン、それから五十三年が一万三千トン、五十四年が一万一千トン、五十五年が八千トン、五十六年の見込みは九千トン、これは間違いありませんか。
○武田説明員 ただいま五カ年間の合計で私御答弁申し上げましたので、各年別につきましては、いま先生の御指摘のとおりでございます。
○岡本委員 ところが、売却している数量が、五十二年が二万三千トン、五十三年が二万九千トン、五十四年が二万四千トン、五十五年が二万トン、五十六年の見込みが一万八千トン、これは間違いありませんか。
○武田説明員 売却の方は五十二年度で二万三千トン、五十三年二万九千トン、五十四年二万四千トン、五十五年二万トン、五十六年、見込みでございますが一万八千トンでございます。 年産と売却実績との数字に御指摘のようにずれがあるわけでございますけれども、これは、それ以前に政府が買い入れておりましたカドミ汚染米がございますので、それの処理がいわば年度がずれてきているということでございます。
○岡本委員 そうすると、あなたからもらった資料を見ると、五十二年が買い入れが一万五千トンで二万三千トン売っているとか、五十三年が一万三千トン買い入れて二万九千トン売っている、五十四年が一万一千トンのうち売っているのが二万四千トン、こうずっと見ていくと、買っているよりも売っている方が多いからどうなっているのかなということで、一遍また五十二年までの資料を要求いたします。買っているより売っている方が多いなんておかしいなということで、どうも納得がいかなかったわけですけれども、これはもう一度この前の資料をいただきます。 そこで、御承知のようにいま毎年〇・四から〇・九ppmまでの米をこうしてどんどん買い入れて安く売っているわけですね。食管会計が赤字になるのは無理ないということなのですが、こういうところにお金を出すわけですから、そういうものを対策の方につぎ込んで、こういった汚染米をつくらないようにやらなければ、国費だってもうたまったものじゃないと思うのですよ。いまのような復元工事は、私はいままでの汚染されたところを大体ずっと回ったのですけれども、当委員会でもやかましく言ったところだけは大体済んでいる、余り言わなかったところはおくれるというようなことで、対策のおくれを取り戻すようにがんばっていただきたいと思うわけですが、環境庁と農林省の決意を承っておきます。
○小野(重)政府委員 全国の汚染農用地のうちすでに事業を完了している農地の割合が約三〇%ということで、七割が残されている状態でございます。おくれの原因はいろいろございますが、まず、予算の確保が第一でございますし、神通川に見られますように土地利用といいますか、対策計画がおくれているというのもございます。いずれにしましても、今後農林水産省とも協議して、予算の確保、対策計画の策定の促進などに最大限の努力をしてまいりたいと存じております。
○芦澤説明員 土壌汚染防止法に基づいて対策地域として指定されておる四十八地域の中で、まだ対策計画が樹立されてない地域が七地域、それからさっきの神通川のようにごく一部しか対策計画が樹立されてない、まだ対策計画が残っているものが三地域、合わせて十地域の対策計画をこれから樹立しなければならないところがあるわけでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、計画工法をどういうふうにしていったら一番安心して経済的にできるか、また周辺の関係者に対する影響も少なくて済むかという計画工法の問題だとか、土地利用の問題だとか、いろいろむずかしい問題があるのは事実でございますけれども、そういうふうな点について地元の理解と協力を得つつ、一刻も早く対策計画が策定されて対策事業が実施できるように、引き続き関係省庁とも連絡をとりつつ都道府県を指導して努力をしてまいりたいと思っております。
○岡本委員 この資料を見ると、未指定地域がまだ三十七地域あるのですよ。これは指定しなければ結局対策もできないわけですから、これもひとつ早急に調査して、指定できるようにやっていただきたい。 そこで、土壌汚染防止法というと非常に聞こえはいいのですけれども、農用地だけの土壌汚染防止法になっているのです。市街地、こういうところの土壌汚染の防止はこの法律ではできないわけです。四十五年のときに、当委員会では、公害対策基本法とか、各委員会に皆分けてしまったものですから、もっとしっかりした論議ができなかったわけです。したがって、市街地の土壌汚染の防止をやらなければならぬと思うのですが、環境庁の方の考え方はいかがですか。
○小野(重)政府委員 市街地の土壌汚染問題でございますが、非常に具体的な問題としては、たとえば東京都などで起こりました六価クロム問題などがございます。こういう工場から出てきました廃棄物というか、それが原因となって起こる土壌汚染があるわけでございますが、こういう問題については、六価クロムもそうですが、個別具体的に対処しているということでございます。 ただ、この種の問題は、四十五年に廃棄物の処理及び清掃に関する法律が制定されまして、この廃掃法に基づいて最終処分場の基準その他が設けられておりますので、今後新たに発生することは考えられないと思うわけでございます。したがいまして、個別具体的に対処していくということだと思うのでありますが、ただ、先生お尋ねの、一般的に市街地についても環境基準を設定しその土壌汚染防止を図るべきではないかという問題は確かにあるわけでございます。ただ、この土壌中のそういう汚染物質によるいろいろな人の健康に対する被害というのは、市街地については判定が非常にむずかしいという問題もございますし、また、発生源対策としては、結局水ないし空気が原因となって汚染されるわけでございまして、そちらの方の発生源を抑えるということが必要ではないかというような、いろいろな議論がございます。 いずれにしても、公害対策基本法では土壌についての環境基準設定をすべきこととされておるわけでございまして、私ども従来から環境基準設定についていろいろと検討はいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたようななかなかむずかしい問題があるわけでございますが、なおさらに科学的知見を広げまして環境基準設定についての調査検討をこれからもいたしたい、かように存じております。
○岡本委員 産廃法ではどういうところに矛盾が来ているかと申しますと、たとえばニッケルの土壌中の基準というものを各府県で決めているわけですね。神奈川県では〇・三から一ppm、静岡あるいは京都府では二ppm、福島県では二から四ppm、愛媛県では五ppm、これは排出基準ですけれども、これが土壌の中に入りますからね。各県で、各地域で違うわけですね。こういうばらばらなことではやはり対策ができない、これが一点。 それから、産廃法では自分の工場の敷地の中に保存をする、外へ出しちゃいかぬ。それで、敷地内で穴を掘ってそこへ入れておく。ところが、その工場がつぶれて、六価クロムの場合もそうでしたが、よそに売却された。そのままいっているわけですね。だから、日本化工の問題も、結局あれは地下鉄の工事ですか、そういうもので東京都が掘って初めてわかったわけでしょう。ですから、市街地の土壌汚染の対策については、やはり一つのきちっとした基準を決めておかなければならない。同時に、農用地だけでなくして市街地の土壌汚染防止法、こういうところにこれから移行していかなければならぬのではないか、範囲を広げなければならぬじゃないかという考え方をしておるわけです。したがって、都道府県からも早く市街地の土壌汚染防止の法律をつくってくれ、そうでないと立ち入りもできない、あるいはまた協定を結んでからしかできない、手当てが非常に遅くなるというような意見も、環境庁の方に陳情が来ておるはずなんです。 これについては水質局長ではなかなか無理だと思うので、大臣、どういうお考えか、ひとつ決意を承りたい。きょうすぐにはできないと思いますけれどもね。
○原国務大臣 水質保全局長から御答弁申し上げましたとおり、岡本委員のおっしゃることごもっともなんですが、なかなかむずかしい点がいろいろとございます。そういう点につきまして、われわれも鋭意検討を進めまして対処してまいりたい、こういうふうに思っております。
○岡本委員 これについては、あなたは東京ですからよくおわかりだと思うが、東京都からも「市街地の土壌汚染について環境基準の設定、これを担保するための立入調査権、原因者の負担による原状回復、被害者救済等の法制化を要請しています。」こういうふうに私どもの方にも言っているわけですね。したがって、むずかしいからできないなんて言っておったんじゃ話にならないと思うのですよ。これに鋭意取り組むという決意をもう一遍お聞きしたいと思うのです。
○原国務大臣 私ども、大変むずかしい点はあるわけでございますけれども、鋭意検討を進めまして適切に対処してまいりたいというふうに思っております。どうぞ御理解いただきたいと思います。
○岡本委員 これは、特に要求をいたしておきます。 次に、時間がありませんから、やはり土壌汚染の、これは私たちの口に入る野菜類の問題について質問をしたいと思います。 厚生省にお聞きしますけれども、野菜の中の硝酸あるいは亜硝酸、こういうものが私たちの体内に入って、そうして、これは国立衛生試験所の食品添加物部長の谷村さんの文献によりますと、血中の亜硝酸イオンが血液に乗って胃袋に行き、魚肉中の二級アミンと胃酸で、普通の化学反応でナイトロサミン、こういうような状態になるんだ。また、硝酸あるいはまた亜硝酸が一原因となってニトロソアミンになるんだ。このニトロソアミンはがんの原因になるんだというような文献があるわけですが、これに対してひとつ厚生省に確認をいたしたいと思います。
○寺松説明員 お答えいたします。 いま先生がおっしゃいましたように、ニトロソアミンの毒性に関しましてはいろいろ報告があるわけでございますが、ちょっと古いのでございますけれども、二、三有名なものを御紹介してみたいと思います。 一つは、一九五四年でございますか、イギリスにおきまして、研究所でニトロソアミンを実験に使用しておりました研究者四名が肝硬変ということでございましたが、その中の一人が肝がんで死亡したというふうに言われております。これは、一九五六年に研究報告が出てございます。 それからもう一つは、一九五七年でございますけれども、ノルウェーにおきまして、ミンクでございますとか、羊、牛、そういうふうな家畜が大量に急性肝臓障害で死亡するというようなことがございました。これは、飼料に使いましたニシンの魚粉でございますが、その中の硝酸塩等から二級アミン等あれしまして、ジメチルニトロソアミンというものができたようでございまして、それが原因だ、こういうふうに言われております。 そのように、ニトロソ化合物では非常に発がん性と申しますか、そういうような物質が多うございます。 以上でございます。
○岡本委員 いま牧草の話がありましたけれども、なぜこういった牧草やあるいはまた野菜、これに硝酸や亜硝酸が非常に多いかということを調べますと、化学肥料の使い過ぎ、化学肥料が非常によけい使われた。そのためにこういうようになって野菜に硝酸やあるいはまた亜硝酸が非常に多いんだというような文献を発表しておるわけでありますが、農林省にひとつ見解をお聞きしたいのです。
○栗田説明員 ただいま御指摘の野菜等作物中に含まれる硝酸塩の含有量のことでございますが、いろいろな実験例がございます。その実験例を総合的にいろいろと判断いたしますと、無機質肥料であろうとそれから堆厩肥等の有機質肥料であろうと、それには限りませんで、速効性の窒素肥料を作物に対しまして一時に多量に施しますと、作物中の硝酸塩の含量が一時的に上昇するということが認められております。これは、一般的に申しますと、通気性のよい土壌におきましては、植物に利用される窒素の大部分は硝酸イオンという形になっているわけでございます。肥料といたしまして堆厩肥やアンモニウム塩などを施しましても、これらは土壌中におきまして硝酸化成菌という菌の作用を受けて硝酸態に変化いたします。そして、植物体内に入る場合の窒素の形態は、硝酸イオンという形であることが普通でございます。したがいまして、畑土壌で野菜など作物は大部分がこの硝酸イオンの形で吸収されるということでございますので、それが化学肥料あるいは堆厩肥等の有機質肥料ということには、どうも一概に関係あるということは言えないというような実験例でございます。 なお、硝酸塩の含有量が多くなるという要因には、作物の種類とか、それから生育段階とか、窒素の量は先ほど申しましたように関係が非常に深いわけでございますが、そのほか気温とか日照とか土壌水分、そういうものが非常に多く複雑に関係していると言われております。
○岡本委員 これは京大の小林先生の論文といいますか、無機肥料すなわち化学性の肥料が戦後よけい使われた、そのために硝酸あるいは亜硝酸が野菜の中に非常に多い、こういうデータを出しておるわけであります。 ここで、実は昭和五十二年四月十三日、農林水産委員会で同僚の武田委員の質問に対してどういうふうに言っているかといいますと、これは堀川さんというあなたのところの局長だと思うのですが、「先生の御所論は、お聞きをしておりますと、化学肥料特に窒素系の肥料を多くやることによって野菜の中に主として硝酸塩が多く含有されて、それが健康に非常に影響するとの前提に立っての御所論だと思うわけでございます。しかし、私ども肥料の施用の状況、これを窒素系の肥料について見ますと、十アール当たりでどのくらいやっておるか」といいますと、FAOのデータを持って話をされておるわけですけれども、「FAOの統計もございます。営農形態が若干似ているということで比較をしてみますと、オランダなんか日本よりもはるかに多い、ベルギーも多い、西独もかなり多い」こういう状況でございますという答弁をされておるわけです。 それで、私はこのFAOのデータをとってみた。そうしますと、どうもこの答弁は納得がいかない。と申しますのは、これは五十二年ですから一九七七年ですね。その前のデータだろうと思うのですが、FAOの資料を見ましたところが、無機肥料の化学肥料のトータルですね、十ヘクタール当たり、一九七二年のデータを見ますと、ベルギーが三十一・一三キログラム、それから西ドイツは二十四・〇三キログラム、オランダが二十八・六二キログラム、それに対して日本は三十六・二八キログラムある。窒素糸というように出ておりますから、私は窒素系でちょっと調べてみますと、同じく一九七二年のデータで、ベルギーが十・五一キログラム、西ドイツが八・八二キログラム、オランダは十七・八〇、日本は十二・九〇、オランダがちょっと多いですけれども、西ドイツやベルギーも非常に多いなんという、日本より多いという答弁があるわけですが、これはどうも納得いかないわけですけれども、ひとつ農林省、お答えをしていただけますか。
○芦澤説明員 昭和五十二年四月の堀川局長の御答弁は、多分FAOの統計資料を使って、その国で出荷された肥料の成分をその国の耕地面積で割って、十アール当たり幾らになるかということで御答弁申し上げたのではなかろうかと思います。そういうデータでございますと、大体堀川局長が御答弁申し上げましたような数字と同じような数字で、その後、一九七八年の数字を見ましても、窒素質肥料成分量で、日本では十アール当たり十四・六キログラムに対しまして、西ドイツでは十六・九キログラム、ベルギーでは二十三・〇キログラム、それからオランダでは五十一・六キログラムというふうなデータが出てきておりまして、その国で消費された肥料をその国の耕地面積十アール当たりで割った数字としては、そういうことではなかろうかというふうに思っております。
○岡本委員 どういうように計算をしたのか知らぬけれども、十ヘクタール当たりのトータルがFAOの資料できちっと出ているのですよね。十ヘクタールで日本の方がよけい使っておるのに、十アールになったら少なくなったというのはどうも納得がいかない。これについて、もう一度後でどういう計算をしたのかまたお聞きいたしますけれども、この堀川局長の考え方は、化学肥料でもあるいは普通の無機肥料でも有機肥料でも同じだという考え方で物を処理しようとしておるのではないか。 最近は非常にがんによる死亡率が多いわけですよ。これ一つが特効薬とは言えませんけれども、日本はいまがんで死亡する人が脳溢血で亡くなる人に追いついてきたというくらい、非常にがんによる死亡率が多い。したがって、国民の健康を守るためには、何か一つずつ手を打っていかなければならぬということでこの一つを取り上げておるわけでありますが、この京大の小林講師の話によりますと、無機肥料、すなわち化学肥料ですね、これを全面的に禁止せよというのではなく、やり過ぎないようにしなければならぬ。そこで、無機肥料八に対して有機肥料二という割合でやれば硝酸あるいはまた亜硝酸の量が少なくなってくるんだというようなことを発表して、この人も相当研究をしたわけであります。したがって、化学肥料万能を少し変えていかなければならない、日本の農家をそういうように督励をし、またそういう対策をやっていかなければならない時代に来ているのではないか、こういうように思うのですが、ひとつ農林省の見解をもう一度お聞きしたい。
○芦澤説明員 化学肥料とがんの発生という点については、恐らくその間に介在するものが多いものですから、私も専門家でないので何とも申し上げられませんが、ただ一つだけお断り申し上げておきたいのは、畑でそういう化学肥料、有機肥料、いずれにしても施用した場合に、その中にある窒素成分が作物に吸われていく場合には、これは硝酸態窒素となって吸われていくわけでございまして、その点は化学肥料であれ有機肥料であれ、吸収の形態といたしましては変わりはないわけでございます。 先生御指摘の、日本の農業にとって有機肥料の使い方が少なくて、化学肥料に頼り過ぎているのは問題であるということでございますが、これは、私ども農業経営という立場から、あるいは土づくりというふうな立場から見まして、先生の御指摘の点はまさに傾聴に値するものと考えておる次第でございます。何しろ、先祖からいただきました大事な土壌をいかに守って、いかに子孫に伝えていくかというのは、これは自然を伝えていくと同じような重要な使命を持っておると私どもは考えておるわけでございます。 ただ、残念ながら、農村における労力の不足だとか、あるいはまた有機質の確保ができにくいとか、そういうふうなもろもろの面が片方でございますし、片方では工業の進歩等によりまして化学肥料が比較的低廉に供給できるというふうな点等もございまして、生産力を増強していく上に、また生産性を向上していく上で、化学肥料への依存度が高まっているのも事実でございまして、私どもは地力対策を進めて有機質肥料をもっと投与していかなければならないという観点に立ちまして、昭和五十年以来土づくり運動ということを、農林水産省、関係都道府県、関係農業団体、それに学識経験者等の御協力を得ながら進めまして、地域の実情に即した地力培養対策を実施したり、有機質を土壌に有効に還元利用するような運動、対策を進めてまいっておるわけでございまして、これからも引き続きそういうふうな対策を進めて、有機質肥料と無機質肥料と両々相まって生産力の増強に努めるように、土壌の地力の培養に努めるように、努力いたしてまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 あなたはいま化学肥料もまた有機肥料も硝酸あるいは亜硝酸が同じ量に出るのだというような答弁がありましたけれども、これは調べますと、あちらこちらで、東京都農業試験場でもそうですけれども、こういったデータが出ておるわけです。したがって、それはそうじゃないのだという一点張りでけ飛ばさずに、やはりこういった試験データというものをよくひとつ検討し、そしてもう一度農林省農業試験場においてでも、これは農作物ですから、やってすぐに一年でその結果は出ないかもわかりませんけれども、やはり何年間かのそういったデータをつくって、国民の健康を守っていくという態度が私は必要だと思うのです。ただ化学肥料の方が簡単で、安いと言うとおかしいけれども、手間がかからぬというので、非常に日本の農地がそうなっている。それを有機肥料農法に少しでも変えていこうと努力するためには、そういったたとえ少しでもがんの原因になるというものに対しては手を打っていかなければならぬ、私はこう考えるわけですが、もう一度決意を伺いたい。
○芦澤説明員 私、先ほどの御説明の中で、有機質肥料を土壌に投入した場合でも、また化学肥料を土壌に投入した場合でも、いずれの場合でも土壌の中でそれが硝酸態の窒素という形に硝酸化成菌で変えられて、それが作物に吸われていくと申し上げましたが、これは、水田土壌でなくて畑土壌の場合でございます。水田の土壌の場合ですとアンモニア態窒素に変えられて吸収されるわけですが、それは試験研究のデータの方からも十分出ているものでございますし、その点を申し上げたわけでございます。 ただ、私ども、先生御指摘のように化学肥料だけ過度に施用することによるマイナス、これは作物の栄養生理上もそうでございますし、それからまた土地を守るという点においてもそうでございますので、化学肥料の過度の施用ということに陥らず、有機質肥料と化学肥料とバランスをとって施用していくような努力をこれからも続けていきたいと思っておりますし、そういう信念のもとにいままでも土づくり運動ということを五十年以来続けてきたわけでございますので、これからも引き続きそのように努力してまいりたいと思っております。
○岡本委員 東京都が群馬県の嬬恋村とキャベツの契約栽培なんかやっているのですが、根こぶ病で非常に苦しんでおった。これは化学肥料のやり過ぎだということで、有機肥料の栽培に変えたところが、そういったものがなくなってきたというようなデータも出ておるわけです。したがって、そういう化学肥料と有機肥料との関係の問題で、硝酸、亜硝酸が少しでも多いということでそういうデータが出たら、もっと真摯に問題点を考えて農業の指導をしていただきたい、これを要求して、きょうは時間ですから終わります。
○八田委員長 藤田スミ君。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○藤田(ス)委員 先月の三十日に判決のありました安中公害についてお伺いをしたいと思います。 判決の中身について改めて詳しく述べる必要もないと思いますが、この判決は、公害裁判史上初めて企業の故意責任を認定したという点では、きわめて画期的な判決だというふうに私は考えます。長官も、この判決についての談話で、判決を真剣に受けとめたいということを言っていらっしゃるわけなんですけれども、故意責任というのは、要するに深刻な被害を発生させることがわかっていて汚染物質をたれ流し続けたということで、これは行政の側から言えば、そうした汚染物質のたれ流しを全く規制しなかった、容認したということになるのではないでしょうか。そういう点で言えば、これまでの公害裁判で言われてきた過失責任とは全く質的にも異なったものであって、行政側もこの点については深刻に受けとめるべき判決内容だというふうに思います。別に言葉じりにこだわるわけじゃありませんが、真剣に受けとめるというよりも深刻に受けとめるべき判決だと思うのですが、環境行政の責任者として、原長官、そしてきょうは直接監督責任を持つ通産省も来ていただいておりますので、御見解を最初にお伺いしたいと思います。
○原国務大臣 私の談話で真剣に受けとめるという談話を申しましたが、深刻に受けとめると言っても同じかと思いますけれども、私どもやはり故意責任がはっきりと判決で出されたということ、これは大変重大なことだと思います。被害を与えることを知りながら漫然と操業を継続したということにつきましては、私は重大な問題であるというふうに受けとめているわけでございまして、直接の監督責任は御承知のように鉱山保安法に基づきまして通産省にございますけれども、私どもも公害を防止するという環境庁としての使命があるわけでございますので、今後とも関係機関、通産省等とも緊密な連携のもとに、事業者が公害を出さないように、公害を防止するための必要な措置を講ずるように、厳重に指導してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○平河政府委員 通産省といたしましても、金属製錬所の公害防止に従来鋭意努力してきたつもりでございますけれども、先生御指摘のような今回のような事態に立ち至りましたことにつきましては、まことに遺憾に存ずる所存でございます。この判決の結果を真剣に受けとめまして、今後の公害防止に最大の努力をしてまいる所存でございます。
○藤田(ス)委員 私がとりわけ言いたいのは、直接の責任という点では、当時まだ法律も整備されていない時期でありましたが、だけれども、政府に全く責任がないというふうにはとても言えないと思うのですね。その点で、やはり行政として適切な規制を行わなかったという責任を、それこそ深刻に受けとめてほしいというふうに考えるわけなんです。もう一度、長官、どうでしょうか。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○原国務大臣 先ほども申し上げましたように、故意責任ありとこの裁判において判断されたことは、これはきわめて重要なことでございます。したがいまして、私どもは直接の所管官庁である通産省等に対しましても十分また連絡を密にいたしまして、二度とこういうことの起きないように、企業に対しても公害防止に必要な措置を講ずるように厳重に指導してまいりたいということを重ねて申し上げたいと思います。
○藤田(ス)委員 私が聞きたかったのは、みずからの責任という点について聞きたかったわけです。そういう言葉が含まれているものというふうに解釈をして、土壌復元問題についてお伺いをしたいと思います。 先ほども詳しく触れられておりましたので、私は基本的な問題だけ取り上げていきたいと思いますが、前回の委員会で、長官が自民党の環境部会長であったときに出していた自民党の報告書との関連でも若干質問をいたしましたけれども、一日も早く残っているこの部分の復元工事が着手されるように努力していきたいということはきわめて当然なことだと思うのです。しかし、今度のこの判決との関係で見ると、単に努力するなどということで済まされるものなんだろうか。第一に、この土壌復元では四分の一が公費負担になっているわけなんですが、企業が故意に汚染したものを四分の一も公費で負担するというのは道理に合わないことだと思いますけれども、この点はあえて答弁を求めるものではありませんが、数ある汚染指定地域の中でも、汚染原因者がはっきりした上でその汚染が故意によるものであることがはっきり認められたのはこの安中が初めてなわけです。そうした意味で、富山と並んで安中の土壌復元については、今回の判決によってほかの汚染指定地域とは異なる特別な努力が求められるべきだというふうに考えるわけですが、長官、どうでしょうか。
○小野(重)政府委員 安中地域の問題でございますが、全部で汚染された農用地が百三十六ヘクタールあるわけでございますが、そのうち大部分が実は終わっておりまして、残っているのが二十二ヘクタールでございます。 そこで、その二十二ヘクタールがなぜ残っているかということでございますが、これは畑地でございますけれども、これをどういうふうに復元するかという問題、対策計画の中身の問題で地元で意見が統一されてないという問題があるわけでございます。この点につきましては、この判決を機会にさらに私どもも県あるいは市、さらに地元と一体となって早く意見を統一して、一刻も早く工事ができますように努力したい、かように存じておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 地元の意見がまとまっていない、こういうふうにその原因についても御認識のようなんですが、要するに企業が妨害しているわけなんですよ。このことはもう十分環境庁御承知だと思いますが、農民側にしてみたら、別に土地がそれで減るわけでもありませんし、それから事業実施中には休耕補償というものもあるわけですから、本来反対する理由がないわけです。ところが反対をしているのは、東邦亜鉛が農民に対して県や市の事業計画に反対したらその費用を地元の皆さんに差し上げるなんというようなことを言って、農民をだますというようなこともやったわけです。この点は、群馬県の議会でも大変問題になりまして、県当局は軽率なことはするなと会社側に申し入れをしたということなんですが、こういう事業を実施するのはもちろん群馬県であり、直接監督をしているのは農林大臣なんですが、環境庁長官としても、事業が停滞している以上、これを推進する責任は当然あると思うのです。だから、環境庁としては、故意責任を問われている企業がこのような妨害行為を行うということについてどう考えられるのか。さらに、長官は努力をしていきたいということをおっしゃっていられるわけなんですが、一体どういうふうに新たな決意で取り組んでいかれるおつもりなのか、その具体的な努力のほどを聞かせていただきたいわけです。
○原国務大臣 いまの残っている地域につきまして、計画についての同意がまとまっていないという点について、いま藤田委員がおっしゃるような企業側のいろいろな工作があったというような話も、私、聞いたりもしておりますが、そういうような点も含めまして、速やかに土壌回復ができるように極力厳重な指導をしていきたい、環境庁としてできる厳重な指導をしていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 厳重な指導ということをおっしゃいましたが、今回の判決を踏まえて、ぜひとも東邦亜鉛に対してはこのような復元事業の妨害行為は今後厳に慎むように、絶対にやらない、その姿勢でやれということを、この際、環境庁からも申し入れをしていただきたいと思いますし、それから農水省と群馬県に対しても、事業を推進するように長官からやはり厳重に申し入れをしていただきたい。そして、少なくとも今年度中には事業に着手できるように、ひとつ長官の方から十分対処していただきたいということを最後に言いたいわけですが、いかがでしょうか。
○小野(重)政府委員 御案内かとも思いますが、三月三十日に、畑地復元事業につきまして、原告側に対する東邦亜鉛の社長の確認書がございまして、この事業については、今後、県、市の御意向に従い協力しますというのがあるわけでございます。私どもも、こういうのがありますから、今後、言われるような会社側の態度というものは改められる、こう期待しておりますけれども、私どもも、農林省あるいは県、市と協力しまして、今後一刻も早く工事ができますように努力をしたいと思います。
○藤田(ス)委員 最善の努力と監視を環境庁に再度申し上げて、次の問題に移りたいと思います。 次の問題は行政改革の問題なんですが、この行政改革と環境公害行政との関係について、私は昨年も質問をいたしました。財界が民間の活力の阻害の一つの要因として環境行政の骨抜きを要求しており、そして政府も水俣病患者の切り捨てを行政改革の一環だという位置づけで行ってきたことを指摘したわけです。そして、経団連は、その後、私が指摘したとおり、昨年の十二月に実に二十ページにわたる環境行政に関する要望書というのを提出しております。環境庁もこの要望書の中身については第二臨調から意見を求められているというふうに考えますが、まず、長官はこの要望書に対してどういうふうに受けとめていらっしゃるか、御見解をお伺いしたいわけです。
○原国務大臣 第二臨調の事務局から環境庁に意見照会がありました。この照会は、許認可等の改善を含め、規制監督行政に関して各界から提出された意見、要望のうち、経団連のものについて環境庁の見解を求めてきたものでございます。このうち、許認可等にかかわる事項につきましては、行財政改革の基本的考え方を踏まえながら、部内において検討の上回答をいたしました。 また、公害健康被害補償制度の見直しとかあるいは環境影響評価法案の取り扱い等、環境行政施策そのものに関する要望については、これは、従来からの当庁としての見解を第二臨調の事務局に参考までに添付をしたわけでございます。環境行政の施策に関する要望は、これは経団連は従来からもたびたび言ってきているところでございますが、私どもは、環境影響評価法案の問題等につきましては現に国会の審議にゆだねられておるわけでございまして、一日も早くこの環境影響評価法が成立するように今後も努力をし、また、先生方にもお願いを申し上げたいと思っておるところでございます。 私どもは、経団連がいろいろ意見を言っていることは知っておりますけれども、環境行政としてやはり守っていかなければならないことは当然守っていくわけでございまして、そういうことに左右されるものでは決してございません。環境行政が主体的に必要な施策を講じていく、こういうことでございますので、その点、御理解いただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 先ほど具体的に長官挙げられましたけれども、行政改革という点で非合理的なものを合理化するとか、そういう簡素化すべきものは簡素化するということは私も別に否定するわけじゃありませんが、先ほど長官が挙げられたように、公害健康被害補償制度の見直しだとか、NO2総量規制の合理化だとか、あるいはアセス法の問題だとか、イタイイタイ病などの見直しだとか、自治体の上乗せ条例の見直しだとか、私いま大まかに五点まとめましたけれども、そういうようなものは、まさにこれは行革に便乗した性質のものだというふうに思うわけです。長官も先ほどそういう御見解であるというふうに解釈いたしましたけれども、もう一度、この問題についてはどういうふうにお考えですか。
○山崎(圭)政府委員 おっしゃるとおりに、直接的な経団連の要望あるいは意見というものにつきましては、許認可に直接かかわるもの、届け出の問題でございますとかそういうものと、環境施策そのものにかかわるものと、そういう二つに大別できるわけでございまして、そういう意味では、先生御例示に挙げましたようなことは後者に入るものと考えております。そういう意味で、これは私どもも許認可の規制の考えの見直しとか、そういう簡素合理化の趣旨に必ずしも沿わないのではないか、こういうふうに考えております。
○藤田(ス)委員 簡素合理化の趣旨に沿わないものということは、これは臨調で論議するに値しないものだというふうにはっきり言うべきだと私は思うのですがね。どうでしょうか。
○山崎(圭)政府委員 部内でもいろいろな意見がございましたが、直接的に許認可行政そのものにかかわるものについては、きっちりと私どもも回答いたしました。その余の部分、つまり環境施策にかかわるものにつきましては、私ども参考までの意見として回答をしたところでございます。
○藤田(ス)委員 長官は、五十一年規制の審議の際にも、公害対策というのは冷静に、科学的に進めなければならないんだ、こういう御発言をされていらっしゃいます。私もまさにそのとおりだと思うのですね。少なくとも第二臨調のようなところで行革フィーバーに乗っかって審議する性質のものではない。だから、公害健康被害補償制度の問題あるいはNOx、イタイイタイ病、こういう問題は、あくまでも、いずれも医学や法律の専門家の皆さんが中公審で審議をされて、そして国会に諮っていままでずっと進められてきたものでありますので、原長官、もう一度、こういうものについては決して受け入れない姿勢ということで、御決意のほどを聞かせていただきたい。
○原国務大臣 先ほども申し上げましたが、私どもは、環境行政という主体的な立場に立ちまして、いま藤田委員もおっしゃいましたが、科学的に冷静にこれをいつも研究し検討しながら、この環境行政というものが正しく行われる、主体的な立場に立ってそういうことをやっていくわけでございまして、いわゆるためにするような意見があっても、そういうものにとらわれないことはもう当然でございます。
○藤田(ス)委員 財界のこういう行政改革に便乗した要求の中で、特に焦点となっておりますのが公害健康被害補償制度の問題なのです。財界がこの点でどういう主張をしているかということは環境庁も十分御承知のことだと思いますが、要するに、中心的な中身は、大気汚染は改善されている、したがって、新規に公害患者を認定し続けるのは矛盾だし、早く指定地域の解除を行うべきである、こういうことだと思うのですね。 そこで、まずお伺いしたいのですが、現在もこの新規の公害病患者の認定が続けられているということに対しては、環境庁はおかしいと思っていらっしゃいますか、どういう御見解ですか。
○七野政府委員 いま先生御指摘のように、この健康被害補償制度は制度が発足してちょうど七年余たったわけでございまして、意見がいろいろ出ていることも事実でございます。経団連からも先ほど先生が御指摘になった意見がございますし、反面、地域指定をさらに拡充してほしいというような意見も出ておることもまた事実でございます。私たちは、この制度を円滑に運営していくべく努力しておるわけでございまして、現在の新規の患者がふえていることにつきまして、特段おかしいとかそういうことをコメントする立場にはない。 なお、現在の状況をお知らせいたしますと、最近この制度が非常に安定してきたというふうに私たち考えておりまして、ことにここ二、三年の大気系の患者さんの認定状況を見てみますと、かつてのように非常に大きな増加率というものはございません。現在は増加率は非常に鈍化してきておりまして、これはひとえに制度が安定化してきているというふうに私たちは考えております。
○藤田(ス)委員 現在、硫黄酸化物だけが地域指定の指標になって、確かに硫黄酸化物による汚染は一定改善されていると思うのです。ただ、私が前に委員会で申し上げたように、SO2の測定器へのアンモニアによるマイナスの影響ということについては、この改善がどの程度のものであるかという点でまだ調査もし、検討もする余地がありますけれども、数字的には確かに改善されている。だから、一見財界の主張に道理がある、その意見に道理があるというふうに聞こえる場合もあると思うのですね。しかし、硫黄酸化物が地域指定の指標になっているのは、単に硫黄酸化物のみの汚染ではなく、その他窒素酸化物とかあるいはばいじんの汚染物質を含め汚染物質の代表として指標になっている、こういうふうに私は認識しています。そういうことで中公審の答申も指摘をしていたはずですし、その後の国会の答弁を見てもそういう御見解だというふうに認識しているのですが、いかがでしょうか。
○七野政府委員 ただいま先生御指摘のように、この制度発足のときに、四十九年十一月二十五日の中公審の答申の中にも述べられておりますように、当時は硫黄酸化物を指標として取り上げてございまして、窒素酸化物につきましては、健康被害に対する寄与度を定量的に把握することは困難であるということで、当時の中公審の答申には具体的な数値を示されてはございません。ただ、窒素酸化物の健康影響に関することにつきましては、環境庁といたしましてその後鋭意調査研究を進めておるという状況でございます。
○藤田(ス)委員 そうですね。窒素酸化物については鋭意研究を進めていらっしゃる。結局、硫黄酸化物による汚染は一定改善されているわけですけれども、ほかの汚染物質の状況は全く別の問題でして、これはまだ改善されていないわけですから、硫黄酸化物の改善のみを根拠にして財界が新規の認定はおかしいと主張するのは全く筋が通らないというふうに私は考えるわけですが、環境庁の見解はいかがなものでしょうか。
○七野政府委員 先ほどから申し上げておりますように、大気汚染の状況を評価するのに、硫黄酸化物は四十九年の中公審の答申のときにも具体的な指標として示されておりますが、窒素酸化物その他につきましてはその後調査研究を進めておるわけでございまして、現在、窒素酸化物についての評価と申しましょうか、それはまだ調査研究の段階でございます。そういう途中段階にございますので、いま先生のお尋ねは、窒素酸化物に関する考え方はどうかという御指摘かと思いますが、私たちはあくまでも現在の法の制度に基づいて健康被害補償法を施行しているということでございます。
○藤田(ス)委員 私が聞いているのは、だから筋が通らないということですねということなんですが、そういうことをはっきりおっしゃらないわけです。しかし、御答弁の中ではそういうことだというふうに理解していいと思うのですが、違いますか。窒素酸化物やばいじんが少しも改善されていないのに、硫黄酸化物の改善だけを取り上げて、指定地域を変えるとか新規の患者が出てきたらおかしいと言うのは筋が通らないですねということを言っているわけです。ちっともむずかしいことはないと思うのですがね。
○七野政府委員 どうも私あれなんですが、いま現在私たちのこの制度の運用は、何回も申し上げておりますように、硫黄酸化物を指定要件の指標として行っておりますし、さらにこの認定の要件は、地域指定、地域を指定いたしまして、さらに指定疾病、四疾病でございますが、この疾病を指定いたしまして、さらに暴露要件を設定いたしまして、この三要件に合致した人を公害病患者と認めましょうという、いわゆる制度的な取り決めといいましょうか、よく割り切りなどと言われておりますが、そういう制度的な割り切りのもとにこの制度を運用しておりますので、私たちは、現段階では、先ほどから申し上げておりますように、この制度の制度上の取り決めと申しましょうか、指定疾病、地域指定、暴露要件、これに合った方は公害病患者と認定していきましょうという、この考え方には変わりないということを申し上げておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 それではお聞きしますが、三年前、すなわち昭和五十四年、環境庁は通産省に対して地域指定の解除要件を中公審に諮問することをお約束していらっしゃいませんか。
○七野政府委員 通産省に約束したということは、私は寡聞にして聞いておりません。
○藤田(ス)委員 約束したということは確認をしていない。約束しているかもしれないということですか。
○七野政府委員 この約束した、約束したかもしれないということは、私は寡聞にして聞いてはおりませんが、ただ、私たちはこの補償制度、補償法を主管する立場から申しまして、この制度についていろいろな角度から検討をしていることはまた事実でございます。
○藤田(ス)委員 はっきりと約束しているということをおっしゃらないわけで、検討しているというのは、それは常時いろいろな角度から検討するのは当然だと思うのですが、確かな筋から私はこのことを聞いているわけなんです。そうした約束をしたということを聞いたのですが、していないというふうに否定されていらっしゃいますので、これ以上お伺いしないことにします。 それでは聞きますが、環境庁は昭和五十二年から三年間指定地域の追跡調査をやっていらっしゃると思うのですが、この調査の目的は何なのでしょうか。
○七野政府委員 御指摘のこの追跡調査は五十二年からやっております。この目的は、端的に言いますと、大気の汚染の程度に差のある地域、これをいろいろ選定いたしまして、汚染の程度、それから疾病の発生状況、さらにはそこの住民の受療状況、医療機関にかかる状況でございますが、それを調査いたしまして、大気汚染と健康被害発生との関係の解明に役立てようという調査を実施しております。具体的には、いわゆる国民健康保険のレセプトを使いました調査でございます。
○藤田(ス)委員 この調査をやられた後、五十五年、五十六年で調査の解析をやっているというふうに聞いているわけですが、その見通しはどうなんでしょうか。この解析調査をもとに、地域指定解除要件について中公審に諮問するということではないのでしょうか。
○七野政府委員 いま申し上げましたように、この調査は国民健康保険のレセプトを使いました調査でございまして、五十二年からやっております。五十五年、六年で、現在、解析中でございます。現在、総合的に解析評価を行っておりまして、私たちはできるだけ早く結論を得たいなと、かように考えております。ただ、この調査は、いま申し上げましたように、公害健康被害補償制度、これの円滑な運営実施を図ろうということで、いろいろの調査をやっておりますが、その一環の調査でございます。 解除の問題を先ほどから盛んに先生おっしゃいますが、解除の問題につきましては、先ほどから私も申し上げておりますように、NOxなどの評価、この問題など、いろいろの観点から検討する必要がある、かように考えておりまして、この追跡調査のみによりましてどうこうするということは全く考えておりません。
○藤田(ス)委員 この調査のみで中公審に諮問するというようなことはない、こういうふうに理解していいのでしょうか。
○七野政府委員 先ほどから申し上げておりますように、この調査は制度を円滑に運営しようという趣旨で行っておる調査でございまして、解除のための調査というふうに私たちは考えておりません。
○藤田(ス)委員 先ほども言いましたように、まさに指定要件についての結論というのはまだ出ていないわけですよね。だから、解除の要件について検討するということは理論上も成り立たないというふうに私は考えるわけです。そうですね。したがって、少なくとも窒素酸化物だとかばいじんとかが、もっと汚染が改善されてくればこれはまた別でしょうけれども、そういう状態じゃないし、そこのところの結論についてもまだ出ていない。こういう中で、この追跡調査の解析だけで解除要件の諮問をするというようなことはもう絶対にやるべきじゃない。先ほどからそういう目的じゃないのだということをおっしゃっていらっしゃいますけれども、ひとつ長官、はっきり約束していただけますか。
○七野政府委員 解除の要件、これは中公審でも示されておりますが、非常に具体的な示し方ではございませんので、もう先生御存じのとおりでございまして、この解除の要件を明確化することにはまだ検討することが多々あろうかと思います。先ほども申し上げておりますように、このレセプト調査の結果だけで解除の要件、解除の検討が済むというふうに私たちは考えてはおりません。いずれにしても、いろいろな角度からいろいろな調査研究の結果を総合的に判断して考えていかなければならない非常に重要な問題である、かように考えております。
○藤田(ス)委員 私、神経質なのかしれませんけれども、そういうふうに言われると、何かその一つとしてそういうものも活用されていくのかなという心配がまたすぐ出てくるわけなんですが、素直に受けとめて話を進めていきたいと思うのです。 この指定地域追跡調査の解析結果が終わりましたら、それは当然公表されるべきものだと思うのです。さらに、五十四年度で、まだ解析は終わっておりませんけれども、追跡調査そのものはもうすでに終わっているわけですね。解析はまだですね。現在、まだ解析中ということです。したがって、追跡調査そのものはもう終わっているわけですから、これは公表して、資料として要求したら出していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○七野政府委員 先ほどから話しておりますように、現在、総合的な解析、検討を進めておる最中で、できるだけ早くその結論、結果を出したい、さように考えております。 ただ、先生の御指摘の追跡調査のデータをというお話でございますが、これは中公審でも言われておりますように、レセプトによる調査、これは医療機関の配置状況であるとか社会的な要因、そういうものがありまして、この評価をするのは慎重に検討する必要があるという御指摘も四十九年当時にいただいていると思います。そういうことでございますので、私たちといたしましても、この解析が済んだ段階で何らかの形で公表したい、さように考えております。
○藤田(ス)委員 解析が済んだ段階で公表していきたいということなのですね。そうしたら、いまはだれにも公表されていないというふうに理解していいですか。
○七野政府委員 現在のところ、公表いたしておりません。
○藤田(ス)委員 私たちが要求しても、資料としては出していただけないのですか。
○七野政府委員 先ほどから申し上げておりますように、総合的な検討、評価が済んでからということでお願いしたい、かように考えております。
○藤田(ス)委員 この調査結果が漏れているというようなことはありませんか。
○七野政府委員 私は、その点につきまして全く関知しておりません。
○藤田(ス)委員 私、ここに「産業と環境」という雑誌の切り抜きを持っているのです。この雑誌の昨年の十二月号で座談会をやっているのです。橋本前大気保全局長も参加した座談会で、「創刊十周年記念座談会」という座談会をやっています。ここで経団連の内田産業部長という方が発言していらっしゃいます。こういうふうに言っているのです。「三、四年前ですか、環境庁も指定地域の解除問題を含めて、あの制度の見直しをやろうかなということになって、いろいろ調査したことがあるんですね。その調査結果を環境庁ば発表しませんので、我々は何とか努力して入手したんですが、」「努力して入手したんですが、」こう言っているのです。どうなのでしょうか。そして、この後、この発言では得々と自分たちの主張に合致するように結論づけていろいろ発言しているのですがね。
○七野政府委員 先ほどから申し上げておりますように、環境庁といたしましてこの追跡調査のデータは一切まだ公表してございませんし、いま先生御指摘の件につきまして、私は一切関知いたしてございません。
○藤田(ス)委員 私は、関知しているとかしてないとかちっとも聞いてないのですよ。私、さっきからしつこく、追跡調査はもう終わっているのだから、解析はともかくとしても資料として出してもらえませんかと言ったら全部否定された。そして、それは漏れていることはないと言われたのです。「産業と環境」という雑誌は、別にちっとも珍しい雑誌でも何でもなくて、しかも、前の橋本大気保全局長が参加していらっしゃる座談会で得得と言っているわけですからね。こんなふうに何とか努力をして入手できるのだったら、われわれも入手できるように努力すべきで、入手できないのは努力が足りないということかなと思ってしまうのですがね。だから、関知するとかしないとかいうことではないわけです。 自動車の排ガス規制の問題のときでも、NO2の環境基準緩和のときも、環境庁の資料が企業側に筒抜けになっていたということが過去でも大きな問題になってきましたよね。今回、この地域指定解除の問題と絡めて発言しているのですが、こういうふうに経団連が資料を使って、受診率が汚染地域でも非汚染地域でも変わらないという、都合のいい、ものすごい便利な解釈をして、そしてどんどん宣伝をしているわけです。何でこんなものが経団連の手に渡ったのかということは、私は調査をすべきだと思いますし、その結果を報告してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○七野政府委員 どこから漏れたとか公表したとか、努力をしたら手に入るのかということを盛んにおっしゃいますが、私たちといたしましては、先ほどから申し上げておりますように、まだ一切公表したことのない資料でございますので、どうも返答に窮するわけでございます。ただ、いま先生の御指摘になった資料について、その雑誌に載っているということでございますので、それを私たちとしてもよく調べてみたい、さように考えております。
○藤田(ス)委員 私も、こんな大事な資料が経団連の手に渡っていたということは非常に遺憾だと思います。同時に、得々と言っているわけですから、こう漏れてしまった以上は、この際、調査結果は公表したらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○七野政府委員 先ほどから何回も言っておりますように、このレセプトによります調査は中公審の四十九年の答申の中にも触れてございます。医療機関の配置状況あるいは社会的要因、そういうものの関連もあるので、これの評価は非常に慎重に行うべきであるということが指摘されておりますし、私たちも現実にそうであろうと考えておりますので、このレセプト調査の結果は総合的に評価した段階で公表するのが一番いいのではなかろうか、さように私は考えております。何回も繰り返すようですが、現段階でデータを出す考えはございません。
○藤田(ス)委員 とても納得できないのです。堂堂と大気保全局長の前でこんな発言をしていて、この場でもう環境庁は、あっ、財界は知っているんだな、経団連は知っているんだなということがわかったはずでしょう。それなのに知らなかったと言って、ずっと経団連に勝手にひとり歩きさしているわけですよ。われわれが資料要求したら出せないと言う。こんなことは納得できないわけです。どこにも漏れないで、いろいろ分析をしてから結論をまとめて出していくんだとかなんとかいうのだったらまだ話はわかるのですが、片方でぱあっと漏れてひとり歩きしていて、それでいろいろ言っていて、われわれが資料を要求しても全然見せてもらえないというのが納得できないわけです。納得できるように言ってください。
○原国務大臣 藤田委員の御質問、実は私、初耳でございまして、その雑誌も読んでおりませんが、漏れているのかいないのか、そのこともまたわからないのじゃないかと思います。一体本当に漏れているのか漏れていないのか、その座談会の人がそういうふうに言っていても、それは本当にそうなのかどうかというような点につきましても、調査をしてみたいと思います。
○藤田(ス)委員 漏れているのかいないのかと言われますが、この「産業と環境」というのは、いかがわしい雑誌とか、そういう手合いのものじゃないのです。環境庁のお役人もちゃんと出席している座談会を載せるぐらいの雑誌ですから、私は「産業と環境」というのはその筋ではずいぶん権威のある雑誌だと思うのです。しかも、ちゃんと言っているのですよ。「たとえば昭和五十二年五月の国民健康保険の受診率調査では、」云々というふうに、そうして横浜ではこうやって、たとえば青森市ではどうやったとか、こういうふうなことをずっと言っているわけです。だから、私はいいかげんなことを言っているわけではないのです。もしかそれがいいかげんだったら、その次の発言に、ちょっと待ってくれ、いまの発言やけども、それはどこからそんなん聞いたんか知らぬけども、ちょっとそれはおかしい、うちは公表していませんよというような発言が座談会だったら続いてあたりまえなんです。
○原国務大臣 藤田委員がいいかげんなことをおっしゃっているなんて毛頭思っているわけじゃございません。ただ、その座談会に出ているメンバー等も私は実は知りません。それを読んでいませんからわかりませんが、どういう方がどういうふうに言ったか、それが本当にそういうデータを基礎にして言っているのか、それは漏れていたのかどうかというような点も含めまして、調査してみたいと思います。
○藤田(ス)委員 これ以上お尋ねをしても前へ進みませんので、これで終わりたいと思いますが、さっきも言いましたように、環境問題をめぐってたびたび政府と財界の癒着というのが問題になってきました。今回も同じようなことになっているというふうに考えるわけです。したがって、十分調査をするということをお約束くださいましたので、ぜひそれを実行していただき、御報告もいただきたいと思いますし、窒素酸化物等ばいじんの扱いについて結論が出ないままゆめゆめ地域指定の解除要件の検討に入るというようなことはないように要求をし、長官の御見解を最後にお伺いして、終わりたいと思います。
○原国務大臣 先ほど来環境保健部長がお答えしていますように、窒素酸化物等につきましていまいろいろと検討しているところでございまして、そういうような検討をして総合的に考えるべきものでございまして、ただ一つの物質だけで考えるべきものだというふうには私どもも思っておりません。
○藤田(ス)委員 終わります。
○八田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十四分散会