外務委員会 第21号
- 発言数
- 232 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/07/07
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
○高沢委員 大臣、また日韓の経済協力の問題がいまいろいろ動いている過程でございますが、動いている過程だけにまたきょうこの段階で大臣からしっかりお尋ねしたい、こういうことがございますので、ひとつよろしくお願いします。 それで、少し戻るようですが、四月二十九日、外務省の柳谷審議官がソウルを訪問されて、そして韓国側に対して経済協力は総額四十億ドル、その内訳は十五億ドル円借款、それから輸銀融資などで二十五億ドル、こういうふうなものを提示された。その段階で相手側の方はそれに対して非常に不満であるというようなことでまとまるに至らなかった、こういうような経過があるわけですが、わが方から提示された四十億ドルというものは、私たちはこれはいずれも報道を通じていままで聞いてきているわけでありまして、国会というような場において政府の正式な御説明として四十億ドルというものを提示しておるというふうなことをまだ確認されていないように思うわけです。しかしこの点は、それに対する今度は韓国のいろいろな反対の提案が出ておるとかいうように、現に動いておる問題を審議するためにはその出発点としてここのところをまず押さえて、その前提で今度はいろいろあれこれというような論議になると思いますので、四十億ドルという線はそういうことで間違いない、こういうふうに確認をいただきたいと思うわけでありますが、この点は大臣、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 かねて申し上げておりますように、今度の対韓経済協力については事務レベルの二回の会合を通じまして韓国側が十一のプロジェクトにつきまして本年一月から始まる新五カ年計画の中で日本に協力をしてもらいたい、こういうことで、そのプロジェクトをいろいろ検討の結果、柳谷外務審議官がソウルを訪問した折には、あるものは政府借款で考えられる、あるものについては輸銀で考えたい、こういうことを申したわけでありますが、その申し上げたプロジェクトから推定していきますとおおよそ五年か六年でただいまお示しになったような数字の見当が出る。そこで自然に、いま言ったような説明をするよりも日本からは四十億ドルだというふうに推定が簡単に表現されてずっとひとり歩きしておる、こういうことで、御承知のように日本が対韓経済協力をやるといってもそれは単年度ごとの問題でありますから、だからおおよその見当がついたところで、現在の段階で言えば、五十七年にはこれこれのプロジェクトに対してODAで幾ら輸銀で幾らというようなことが話がまとまれば、それが表面に出される結論であると思うのです。だから四十億ドルというのはあくまでも推定に立って言われておること。ただ、これは韓国側が単純に当初来ひとつ六十億ドルの経済援助をしてくれということであったので、向こうの言い方に合わせていくと四十億ドル、四十億ドルということが言われた、これが真相だと思うのです。
○高沢委員 ずいぶんこの委員会でも日韓のそういう経済協力は総枠方式か積み上げか、こういう議論をやりまして、総枠方式というものはとらぬ、これは積み上げでなければいかぬというふうなことでやって、いま大臣の御説明のようなことになっておる、こう思うわけであります。しかし、いま大臣も言われたように、韓国の側は六十か四十かというような受けとめ方で、四十では不満だということであったのが、最近は何か、これも報道によるわけですが、四十という線に一応向こうも立ってきて、ただし今度はその中にODAは二十三欲しいとか、あるいはまたそれに商品借款が欲しいとか、こういうふうなことに韓国側の要望がなってきておる、こういうふうにお聞きするわけであります。 前回の本外務委員会においてもそういうことが論議されまして、その際大臣に対して、この商品借款というものは一体認めるのかどうか、こういう質問がありました。わが党の土井委員がそういう質問をした。大臣は、商品借款というものはありませんとお答えになった。また、同じ委員会で共産党の野間委員からの御質問について、やはり大臣は商品借款はないというお答えであったわけですが、ただ、アジア局長の御答弁ではそこのところが、商品借款ということではないが、ややそういう性格のものを弾力的に考える幅も検討してみたいというようなお答えが出て、この辺は一体どうなのかということがわれわれも十分受けとめかねる面があるわけです。その後、韓国の李範錫外相も見えて、大臣とのお話し合いでここのところをずっと詰められている経過があるわけですが、現段階において、大臣と局長がどうこうということではなくて、大臣のお立場、政府のお立場でこの問題はいまこういうふうに考えておるというところをひとつお示しいただきたいと思うのです。
○櫻内国務大臣 四月の段階におきましても、韓国側はできるだけよけい政府借款を考えてもらいたいということを言っておりました。今回の李新外務長官の訪日に当たりましては、隣国の外務大臣がお互いに就任されても行き来もないというのは不合理ではないか、したがって、李長官には訪米をされるということで、帰途できたら両国のいろいろな問題について話し合う機会を持ちたい、こういうことで李新長官もそれを受けて訪日をされた。いまのような趣旨でありますから、したがって、ただこの経済協力問題を話しに来た、こういうわけではないのですね。両国の間に国民的基盤に立っての相互の交流の必要があるのではないか。特に文化面あるいは青少年の交流、こういうことは必要であるし、また、現在両国の間に漁業問題とか共同開発問題とかあるいは麻薬の取り締まりとかいろいろあるじゃないかということで、そういうことも腹蔵なく話し合って、そして経済協力についてはどうかということで先方は日本側の考えに沿っていろいろ検討したが、やはりODAをもっとよけい考えるように、また、できれば商品借款をお願いしたい、こういうことでございました。 だんだん話し合ってみますと、韓国側はある程度の内資の必要性があるようにうかがえるわけでありますが、従来の経済協力で何かプロジェクトが決まるという場合、その内容として内資分を見るという場合もございます。それから、輸銀を通じた場合でもそういう配慮の余地は過去の例から考えられるというようなことから、商品借款というのは、いまの日本の経済協力の方針からすると、韓国のようないわば中進国にこれを考えるということはきわめて困難なことである、しかし、内資の問題であるとすると、日本側としてもある程度の検討の余地があるというようなことで、両国の間の話がそういうふうに進んでおる。こういうことで、そういう点については政治的というよりも事務的に実際上どうなるのか、事務レベルでよく検討してみたらどうか、これが現在の話し合いの中で出ておることでございます。
○高沢委員 商品借款がないんだというその前提はわかりました。しかし、向こうは内資の性格の資金を非常に望んでおるというところから、商品借款と輸銀融資というふうなもののちょうど間のような何かはできるんじゃないのかというふうなことで詰めていくとわれわれも報道で承っておるわけです。その辺が、商品借款ではない、しかし輸銀融資なるものが先方の韓国側からすればある程度自由に運用できる内資の性格になるというのは具体的にどんなふうなものがあり得るのか、そこら辺のところをひとつケースとしてお聞きしたいと思うのです。
○藤井(宏)政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおり、韓国側の要望の一つは、プロジェクトの内資分が不足しておるのでこれの手当てを何とかしたいということでございます。 一般論でございますけれども、これはすでに国会において木内局長が答弁したとおりでございますけれども、通常の円借款におきましても、通常一割あるいは最大限三割程度でございますが、プロジェクトに直接かかわる内資分についてはこれを円借款の中でめんどうを見るという場合があるわけでございます。もちろんこれは直接かかわるものでございまして、自由に使えるというようなものではございませんので、たとえば労務費であるとか建設費であるとか、プロジェクトの遂行に直接かかわるということで、きわめて限定的なものでございます。具体的に韓国が提起しておりますプロジェクトの中で果たしてどの程度こういうものが見られるのかということは、個々のプロジェクトを当たってみないとわからないわけでございまして、この辺なども今後詰めていく必要がある点でございます。 さらに、先生御指摘の輸銀につきましては、通常、大宗は延べ払い金融でございますけれども、それ以外にいろいろな形態があり得るわけでございまして、この辺につきましても同様な考えから、つかみ金、そういうものではなくて、プロジェクトの内資分ということで何かできるのかどうか、この点につきまして、韓国側の意向も踏まえまして今後各省と検討していくという状況でございます。
○高沢委員 こう言ってはあるいは韓国に対してある程度失礼かもしれませんが、韓国にそういう自由裁量できる資金というものをこちらから提供しますと、率直に言ってどんなふうに使うかわけがわからぬ、そこから何が起きてくるかわからぬというたぐいの実は私自身は疑惑や不安を持っているわけです。したがって、いまの藤井審議官の御説明で円借款の場合でもあるいは輸銀融資の場合でも向こうの具体的なプロジェクト、そのプロジェクトの内資分に当たる分としてこれだけのものというふうな形でもしわが方から出していくとすれば、これはそれなりにいずれもある意味においてはひもつきになる、イヤマークされておるということになるわけですから、そういうふうなものならば自由裁量ということにはならぬ、こういうふうに理解できると思うのですが、そういうふうに理解していいわけですか、もう一度説明をお願いします。
○藤井(宏)政府委員 ただいま申し述べましたようにプロジェクトの内資分ということにつきましては、これに直接かかわる経費をどういうふうに出していくかということが問題の意識でございます。これをどういうふうに個々のプロジェクトに関連して詰めていくかということになりますと、これはいままでの経済協力、いろいろな例がございまして、現在先ほど申しましたようにこれから関係各省含めまして韓国側の要望を踏まえて検討を始めるところでございますので、一概に現在のところ余り断定的にこうであるということを申し上げることは遺憾ながら言えないかと思いますけれども、考え方としては内資分を見ていくという考え方であることは間違いないと思います。
○高沢委員 それでは今後そういうことを詰めるに当たって、まさにいま言われたとおりその具体的な個々のプロジェクトの内資分としてこういう部分にじゃこれだけ見てやろう、それにはこれだけの金額というふうなきちんと明確になる形で今後の取り扱いはぜひやっていただきたいということを要望として局長また大臣にもそういうことを申し上げて、それでいまの点に関連して若干次の問題をお尋ねしたいと思います。 食糧庁見えていますか。——昨年、食糧庁から韓国の調達庁に対して米の売り渡しをされた。その売り渡しをされた米の数量あるいはまたその米の単価、それの今度は返済の条件ということについて一わたりまず御説明をお願いしたいと思うのです。
○大神説明員 お答えいたします。 五十六年度におきまして韓国向けにわが国の過剰米を延べ払い輸出したわけでございますが、まずその数量は全体で五十二万五千トンでございます。うち精米が十万トンでございまして、したがいまして残り四十二万五千トンは玄米の形で輸出をしております。 価格でございますが、玄米につきましてはトン当たり九万八千三百円、精米につきましてはトン当たり十一万一千二百円でございます。 これの支払い、返済の条件でございますが、元本の返済につきましては据え置き期間を五年置いております。その後支払い期間十年間にわたりまして元本を返済していただく。ただ利息につきましては、据え置き期間、支払い期間いずれもいただくわけで、据え置き期間につきましては年二%、その後十年間については年三%で返済をしていただく、こういう条件でお売りしております。
○高沢委員 いまの御説明によって計算してみますと、そういたしますと四十二万五千トンの玄米は、掛けるトン当たり九万八千三百円で計四百十七億七千七百五十万、それから精米の十万トンは、掛けるトン当たり十一万一千二百円、そうしますと総額百十一億二千万円で、合計五百二十八億九千七百五十万、切り上げて五百二十九億、こういうふうに総額を見ていいわけですね。その点は間違いございませんか。
○大神説明員 ただいま先生が申し述べられた数字のとおりでございます。
○高沢委員 それから、これは食糧庁にお尋ねしたいのですが、じゃあその米を受けた韓国側はその米を今度国内に売り渡す、その場合に玄米、精米、一体幾らで韓国側は国内に売り渡すようになっておるのか、そういうことを食糧庁としてもきちんと掌握されあるいは先方と話をつけておられるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○大神説明員 ただいまの御質問に直ちにお答えする前にちょっと説明をさせていただきたいと思います。私ども昨年韓国にお米を売りました際には韓国の通常の米の生産が大体五、六百万トンでございましたが、おととしその生産が約三分の一減りまして、すなわち三百五十万トンくらいに減りまして、したがいまして輸入が急に二百数十万トン必要になる、こういう情勢に基づきまして私ども延べ払い輸出したわけでございます。日本以外からも輸出をされたというふうに承知しております。したがいまして私どもは、これが韓国内の食糧事情の緩和に役立ったと考えておりますが、それが国内でどういう価格で売られたか等については把握はしておりません。
○高沢委員 計算上わが方の金額で言えば五百二十九億ですね。なお、ここで念のために、この輸出のために日本の食管会計として受けた損失額はどのくらいになるか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。
○大神説明員 わが国の過剰米の延べ払い輸出につきましては韓国のみならず全体的な計画としてやっております。そのために御指摘のように食管会計に赤字が生じておりますが、ケース・バイ・ケースで、どの国に売ったものについて幾らという計算はやっておりませんが、五十六年度の過剰米輸出に伴う平均の損失額を計算いたしてみますと、平均トン当たり十三万円の損失が食管会計に生じております。したがいまして先ほどの数字を掛け算いたしますと、概数でございますが、約六百八十億の損失が食糧管理特別会計に生じておる計算になるわけでございます。
○高沢委員 大変大きな食管会計の損失をその上に乗せながら先方へ出したお米である、こう思うわけですが、さてそこで、いまの食糧庁の御説明を受けて、私、外務大臣に実は見解をお尋ねしたいと思うわけです。 外務大臣は農政にも非常にお詳しいわけでありますが、返済されるべきこの売り渡した米の金額、元本は五百二十九億、これは五カ年の据え置き、据え置きの期間は金利二%、こういういまの食糧庁の御説明であったわけです。そういたしますと、これは食糧の援助という性格の輸出であるけれども、実際上いま問題になっておる商品借款の性格をどうしても持ってくる、こう実は私自身は思うわけであります。米という商品を日本は韓国へ売り渡した。もちろんただではない。これは価格をつけたものであるわけですが、しかし日本としては六百八十億という損失を出しながら売り渡した、非常に安く売った米である。その米の代金の返済については五カ年間据え置き、この五カ年間というものは韓国の当局にしてみれば、この五百二十九億という金はいかようにも活用できる、運用できるというようなことになってくるわけであります。そしてその金が韓国の国内のいろいろな仕事に当然回るということになると、これ自体が一つの商品借款の性格を持つのじゃないのか、こう私思いますが、この点、大臣の見解いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 開発途上国に対して米の延べ払い輸出をする、これはどこにも自由にやるわけではないですね。開発途上国で食糧不足の困難に直面しておる、こういうことによってある種の条件でこれを売る。しかも、一方におきまして日本では過剰米を抱えておった、そういう中で行われておることでございますから、それはそれなりの意義を持つ、こういうことですね。ただ、高沢委員のおっしゃるように、それじゃ過剰米を日本からまた食糧不足に対する理解のもとに輸入した、そうするとその輸入したものが消費者の手に渡る、ある返済条件はあるが、その間韓国の資金の足しになり得る、そういう性格があるじゃないか、そういう御指摘については現実にはそういう作用をいたすと思いますが、これは第一義的のことではない。一義的には開発途上国であり食糧不足の困難を生じておる、それに対処した、こういうことで、しかし御指摘のようなそういう作用の起こることは否定はできないと思いますね。
○高沢委員 そういう金の動きとして、経済の論理としてそういう作用があるということは大臣もお認めになったわけです。そういたしますと、いまの商品借款が欲しい、こう言ってきておる韓国に対して、一つはそういう金があるじゃないかということをわが方として当然言える立場にあるわけだということになろうかと思うわけです。ただ、そういう金があるじゃないかと言う場合に、どのぐらいの金額になるかというときに、日本への返済額は五百二十九億、だけれども、実際は韓国としては韓国の国内にその米を売り渡す価格によってこの金額がもっと大きな金額に当然なっておるわけで、したがってその関係において先ほど食糧庁からは、日本の出した米、それからほかの国からも韓国は米を入れているから日本の米の消費者価格は幾らということは言えない、こういう御説明があったわけです。それならば、韓国の食糧庁というものがあるのかどうか知りませんが、日本から入れた韓国の機関は調達庁であるわけですから、その韓国調達庁がこの日本から入れた米を韓国の食糧流通業者に売り渡す価格というものは一体トン当たり幾らになっておるのか、日本以外の国から入れた米も含めても結構ですが、少なくも韓国の国内における米の消費者価格、その消費者価格の前提になる政府売り渡し価格というものは一体幾らになっておるのか、これについてちょっと食糧庁からお尋ねしたいと思います。
○大神説明員 私ども韓国の国内におきます米の流通政策につきまして必ずしも十分な調査はいたしておりませんが、私どもの理解では、米につきまして一定量の部分管理と申しますか、そのような政策がとられているやに聞いております。市中の消費者米価が高騰した場合には国内で買い上げた米を輸入米と合わせて市中価格より低い価格で放出するというかっこうでの消費者米価の安定を図る政策をとっていると承知しております。 日本から輸出された米等がどの程度の価格で売却されているかにつきましては、先ほど申し上げましたように調査いたしておりませんが、ただ、私ども韓国側の資料でちょっと拝見したところでは、一九八〇米穀年度の放出価格といたしまして精米が八十キログラム当たり二万六千五百ウォンという数字で放出されているというふうに聞いております。ウォンをどういうふうに円に換算するかというと、いろいろ御議論があるわけでございますが、仮に当時のあれで推定いたしまして百ウォンが日本円にいたしまして三十二円ぐらいというふうにして換算いたしますと、この放出価格はトン当たり十万六千円となるかと思います。それ以上の調査は私どもいたしておりません。
○高沢委員 きょうの段階ではその御説明で結構ですが、これは食糧庁にお願いですが、韓国のそういう米の売り渡し価格を日本の円に換算すれば幾らになるかということで、さらに正確な資料がわかりましたら後ほど御連絡いただきたいということをお願いいたします。きょうの段階ではそれで結構でございます。 大臣、そういたしますと、このトン当たり大体十万円ということであれば、日本から出した価格とほぼ同じ程度の価格で国内に売却されておる。韓国政府に入る見返り資金というものはほぼ五百億前後、こういう金額だと見ていいかと思いますが、先ほど言いましたそれが実際上商品借款の性格を持つ、実際上その金が韓国の内資の働きをするということになると、いま問題の韓国側の商品借款要求、内資の要求というものについて、そういうものがあるじゃないかという答えができるのじゃないかと先ほど申しましたが、この点は大臣、御見解はいかがですか。
○藤田説明員 先ほど大臣から御答弁ございましたように商品借款と延べ払い輸出というのは目的においては非常に違っている、ただし実際上、委員がただいま御指摘のような作用があるという御説明がございました。この米の延べ払い輸出で韓国側が輸入いたしました米を韓国国内で売却いたします代金は韓国側の糧穀管理基金、まあわが国の食管に当たるかと思いますが、糧穀管理基金と申します特別会計に繰り入れられまして、ここで食糧の安定確保という目的に沿って運用される。したがいまして、支出、すなわち、たとえば現金で輸入する場合、国内から買い上げる場合にもそこから支出され、収入もそこに入るということで運用されているというふうに理解いたしております。
○高沢委員 私もかつて農林政策に若干タッチしたことがございますけれども、韓国のこの糧穀管理基金——米が暴落してその暴落した米の価格支持のために買い上げに向けなければならぬというふうな事態は恐らく考えられないと思うのです。やはり不足して米の値が上がる、上がるところにその特別会計で保管しておる米を放出するということですから、その金は大体入ってくる一方というふうに考えていいかと思います。したがって、この特別会計は資金のプールを非常にたくさん持っておるものと考えて大体間違いない。その金が先ほど言いました国内の、向こうが非常に言っておる内資に活用できるじゃないかということになろうかと思うのですが、そのことをいまの交渉の中で、そういう金があるじゃないかということを大臣、韓国側に対してあなたは言える立場にあるのじゃないか、こうさっきから繰り返してお尋ねしているわけですが、この点は大臣いかがですか。これは大臣の政策の問題ですから、あなたじゃなくて大臣からお聞きしたいと思います。
○櫻内国務大臣 先ほど政府委員の方から御説明申し上げましたように、今度の経済協力でどういうプロジェクトが取り上げられるのか、そしてそのプロジェクトの計画を遂行する上においてある程度の内資が必要である、その分を見る、こういうことであります。いまの延べ払い輸出の米の関係からの資金というものは特別会計で運用されておる。それから、今度経済協力が話し合いがつけば、それはそれでプロジェクト遂行上のものとして考えるのでありますから、その辺は混同しない方がいいのではないか、別の性格を持っておる、こういうふうに思います。
○高沢委員 延べ払いで五カ年間据え置き、これは食糧庁としてされた米の輸出の問題であるわけですが、しかし私はこの場をかりて、これは今度はお答えは必要ありません。私の見解として申し上げて十分御留意願いたいと思うことは、先般全斗煥大統領の近親者が韓国の私債市場において手形詐欺によって日本の金にして八百億円を超えるような大きな事件を起こしたということも伝えられたわけであります。われわれのお聞きするところでは、いまの韓国経済では通常の銀行その他の金融機関による金融というものが韓国経済の中で占める比重はまだまだ小さい。いわゆる私債、やみ金融とでも申しますか、いろいろな個人から高利で金を集めて、それを金融業者がまた高利で貸し付ける、こういうふうな私債市場というものが韓国の経済の中で金融の中に非常に大きな部分を占めておる、こう聞いております。そうであるから先ほど指摘したような詐欺事件ということもその基盤の上で起きてきた、こう思うわけでありますが、わが国から米を売り渡した、五百二十九億、据え置き期間五年、その間の金利二%というふうなときに、もし仮にこの金がそういう私債市場に運用されまして、これを運用すると恐らく年二割、三割という高利に回るはずであります。そういうふうなことで、わが国での金利は二%、しかし韓国の国内の私債市場では二割、三割の高利で回るというふうなことを考えると、そこにこういう金がおかしな動きをすることがもし万一にもあってはならぬ。そういうところに生ずる金が韓国の政界なり日韓に関連するそういうスキャンダルのもとになるというふうなことになってはいかぬ、こう思うわけでありまして、私としては若干そんなことがあっては大変だなという気持ちがあるもので、ここでは問題点を指摘して、ひとつそういうことが万々ないような方向で、これは外務省当局、外務大臣にも今後も十分御注意、御留意をいただきたい。これは要望として申し上げるわけであります。何か手を挙げかかっていますから、御答弁ありますか。ありましたならお聞きしたいと思います。
○藤井(宏)政府委員 事実関係について一言申し述べさせていただきたいと思います。 高沢先生のせっかくの御指摘でございますが、この糧穀管理基金は米の価格支持をやっておりまして、もちろんおととしのように一挙に四割米の生産ダウンというようなときはちょっと状況は違うかもしれませんが、価格支持をやっておりまして、お金がだぶついておるのではございませんで、累積で一兆二百九十七億ウォンほどの赤字を出しております。その点でこの基金にお金がだぶついておるという状況は存在しておりません。その点だけ申し述べたいと思います。
○高沢委員 それでは別な問題へ進みたいと思います。 大臣御承知のとおり、つい最近アメリカのスペースシャトル、コロンビア号が四回目の宇宙飛行をして帰ってきた、それをレーガン大統領がエドワーズ空軍基地へ出迎えて、そこでアメリカの今後の宇宙開発政策についての基本的な方向を明らかにした、こう報道されているわけですが、その方向はいわゆる国家安全保障、こういう立場を今後の宇宙開発政策の中心にしていくということをレーガン大統領は言明されているわけですが、これは明らかに宇宙政策に軍事的な利用というものを大きく持ち込んでいくことになろう、こう思うわけですが、この点についての大臣の御見解はいかがでしょうか。 〔委員長退席、愛知委員長代理着席〕
○櫻内国務大臣 レーガン大統領が発表されました国家宇宙政策は、今後十年間にわたる方向を設定するもので、その内容の第一は宇宙輸送体系、第二が民間宇宙計画、第三が国家安全保障宇宙計画、こういう三つから成り立っておると思うのであります。 その政策全体を私が詳細に検討したわけでございませんが、何項目かの目的がございまして、一つが宇宙分野での指導力の維持、また宇宙探査による経済的、科学的利益の確保、それから御指摘の安全保障の強化、宇宙分野における民間投資の促進、国際協力の促進、宇宙の自由といったような、そういう各項目を目的としておるようでございます。
○高沢委員 私がいま申し上げたレーガン大統領の宇宙政策の見解発表は七月四日ですね。 その前の六月二十一日には、アメリカの空軍参謀総長は宇宙司令部を設置する、こういうことも発表しているわけです。宇宙司令部というのは、われわれの素人の考えで受けとめると、宇宙船がある、その宇宙船を指揮する司令部というふうなことになるのじゃないかと思うのですが、そういいうものを設置すると空軍参謀総長は発表しておるというふうなこともこれに重なってくるわけです。 そういたしますと、アメリカの宇宙開発政策というものは軍事的な側面が中心になってきておる、こう見ざるを得ないと思いますし、そういうことになりますと今度は相手のソ連です。こちらの方もいま盛んに宇宙開発を進めている。スペースシャトルと同じようなものをいまソ連もつくっておるということが伝えられるわけですが、こちらの方も当然それではわが方も軍事的な対応ということになってくると思いますが、そういう宇宙開発政策が軍事的な側面にどんどん傾斜していくというような心配がいまある。このことについての大臣の御所見、御見解をひとつお聞きしたいと思います。
○櫻内国務大臣 先ほど申し上げたように、この宇宙政策の正しい性格あるいは詳細な評価をするについては今後分析の必要があると思うのです。 〔愛知委員長代理退席、委員長着席〕 とりあえずの感じを申し上げると、宇宙という新しい分野に取り組む上において、アメリカが平和利用と安全保障上の考慮の双方の間に均衡を図ろう、こういう意味合いが、先ほど申し上げました三つの柱と申しますかあるいはその目的とする各項目からしますと、そういう均衡を図る意味合いで打ち出されておる。したがって、私としては、いま高沢委員はどちらかというと軍事面の方にウエートを置いての受けとめ方をおっしゃっておるわけでありますが、そういうことではないんじゃないか。スペースシャトルの実用化の段階を迎えて、そして打ち出された新たなアメリカの宇宙政策ということで、その辺はバランスのとれた宇宙政策ではないか、こう思うのですが、しかし、これはそれぞれの方々の受けとめ方でありますから、私の感じをそのまま押しつけるわけではございませんが、私としてはとりあえずそんなような見方をしております。
○高沢委員 いま大臣はやや、何といいますか、その人その人による受けとめ方の問題という意味のお答えがございましたが、私は、そういうことではなくて、いまのようなとにかくこの地球上、もう本当に軍拡軍拡でどうなるかというこういう状態のときに、それをどうやって歯どめをかけるかということがいま一番われわれの大事な課題であり使命である、こう思います。 この五月二十七日、本委員会で国連の軍縮特別総会に向けての軍縮の決議を委員長の発議で決めていただいたわけですが、その決議の中でも第五項目のところでは「化学兵器等の」そういうものの禁止を一刻も早く実現するように国際的にアピールするようにということを決議をしているわけですが、この「等」の中にはこうした宇宙兵器というふうなことも当然含まれているわけです。 私は、いまのような国際情勢の中では、大臣、たとえば南極、これは絶対軍事利用を持ち込んじゃいかぬ、南極は絶対平和利用でなければいかぬ。あるいは宇宙、これは絶対軍事利用を持ち込んじゃいかぬ、平和利用一本でなければいかぬ。あるいは深海底ですね、深い海の底というふうなわれわれの科学技術の発達で新しく開発の手が伸びていくその先々を、いずれもその軍事利用はオフリミット、軍事利用はいけません、こういうことを、幾つかそうやって聖域をつくっていくという中から、逆に今度は押し戻してきて、核兵器をなくしていくとかというような平和に向かっての全人類的なそういう平和戦略をつくらなければいかぬ、こう思いますが、そういう立場に立つと、宇宙利用もこの平和利用と軍事利用のバランスをとっているんじゃないかという程度の御認識では私若干不満です。むしろアメリカに対して、あるいはまたそのカウンターパートとしてソ連に対して、宇宙に関しては一切軍事的な利用というものはやめてもらいたい、そういうことはやるべきではないということを日本の立場で強く対アメリカ、対ソ連あるいは国連というような場においてアピールしていくということがいまは一番必要じゃないのか、こう思うわけですが、そういう立場でひとつ大臣の御見解、御決意をお聞きしたい、こう思うわけです。いかがでしょう。
○櫻内国務大臣 宇宙開発の現状を考えますと、世界のすべての国民がこの開発によって大きな利益を得ておる。それは通信面である、あるいは気象観測である、いろいろなことが考えられるわけでありまして、現状において私は懸念を持つものではございませんが、高沢委員のおっしゃるように、科学技術の進歩によって新しい分野が開拓されていく、その開拓されていく面については、軍事面での利用というものを、これを、まあ高沢委員としてはそういう利用をさせないような聖域にせよ、こういう御所見であったわけでございます。 私は、いまこの段階においては、アメリカが新しい宇宙政策を打ち出した直後でございまして、これに対しての所見を述べるについては、なお詳細の検討の必要がある、こういうことを先ほど申し上げ、ただ、感触としては、この平和利用、軍事利用をバランスをとっておるような感じがするということの所見を述べたわけでありますが、いま高沢委員のおっしゃっていることにつきましては、これからよくアメリカの政策を分析、検討をし、また、おっしゃっていることを念頭に置きまして研究をさしていただきたいと思います。
○高沢委員 ぜひひとつ御検討いただきまして、私がお願い申し上げたような方向でひとつ結論を出していただきたい、このように申し上げたいと思います。 それから、これもまた次の問題になるわけですが、サハリンの石油・天然ガスの開発、これを日ソ共同事業でやってきた。最近レーガン政権の対ソ制裁措置の関係でこれが困難になっておる、こういうことがいま大変重大な問題として出ているわけでありますが、私は、この対ソ制裁措置、ソ連を援助するようなことはしちゃいかぬ、こういうアメリカの政府の立場だと思うのですが、このサハリンの石油・天然ガス開発というのは、一体ソ連を援助することになるのか、あるいはその中から、日本がエネルギー資源の確保という点で日本にとって必要だ、こういう側面を見たときに、私は、ソ連のためというよりはむしろ日本のために必要である、こういう側面が非常に大きいと思うのでありますが、この点は大臣、御認識はいかがでしょう。
○櫻内国務大臣 サハリンの石油開発によりまして、その開発の成功の暁、生産量の半分を日本が取得をする、特に日本として石油、エネルギー資源というものはほとんどを海外に仰いでおる現状からいたしますと、この共同開発はそれなりにきわめて重要な要素があるわけでございます。 今回の石油あるいは天然ガスなどに対する規制として、サハリンの石油プロジェクトに対しましても、アメリカに依存をする二百万ドル程度の資機材、これがライセンスが出ないというために使用できない、こういうことから、わが国の必要とする将来の石油確保、それに重大な支障を与えておるということは、高沢委員のおっしゃるとおりに、対ソ制裁というよりもむしろ日本に対する制裁的な性格を持っておるということは同感でございます。 したがって、そういうことについてはあらかじめ予想のできるところでありましたから、昨年以来この問題が表面化して本日に至る問、しばしばアメリカに対しての考慮を要請してまいったのでありますが、残念ながら終局的には対ソ制裁の一環として今回はヤンブルグの石油パイプライン及び日本のサハリン石油開発というものが同時に抑えられた、こういうことできわめて残念なことであります。
○高沢委員 何かその事態に対して、サハリンの開発を日ソでひとつやろうじゃないかと暫定合意の話し合いが進められておるというように聞いておりますが、その点は現状いかがでしょうか。
○加藤(吉)政府委員 サハリンの探鉱は二台のリグ、掘削機を使ってやっております。そのうちの一台は日本が所有しているものでございますが、これには米国製の機器、特に電気検層機器と申しておりますが、これが据えつけられるわけでございます。今回の決定により、この日本所有のリグは使用不可能という事態になったこと、まことに残念に思っております。ただ、ソ連側所有のリグの方は活動できるということでございますので、これを使って今年は何とか探鉱事業の継続を図りたいということで、現在当事者同士で話し合っているわけでございます。そのソ連側の機器を使ってどういうふうにやるか、そのためのいろいろな条件について、現在話し合いを続行している段階でございます。
○高沢委員 ひとついまのお話の線でこの事業を進めながら、できるだけ早くアメリカの制裁措置をやめさせるという方向で、ぜひ御努力をお願いしたいと思います。 なお、ここで念のためにお尋ねしておきたいと思いますが、もしその結果として、日本側とソ連とのいままでの共同開発の約束をしてきたことが、日本側のやるべきことができなくなったという場合に、契約違反というようなことになりはせぬかと一時大変心配されたことがありましたが、もし契約違反ということになったときには、そこから生ずる結果は一体どういうことになるのかということを、この際念のためにお聞きしておきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○加藤(吉)政府委員 当面私どもの主目的はこの継続案件でありますサハリンの探鉱開発事業を何とかして継続させるということにあるというふうに考えております。契約上万一実現できなくなったときにどうなるか、その場合の補償いかんというような点については、現段階ではまだ検討は進めておりません。
○高沢委員 時間が参りました。いずれにせよ、このことが前向きに事業が前進して、そして日本の必要なエネルギー資源が十分確保できるという方向で、ひとつ政府としても全力を挙げていただきたい。その方向で、対ソ連、同時にまた対アメリカ、こういう外交努力を最大限に発揮していただきたいということを御要望申し上げたいと思います。 以上で、私終わりたいと思います。
○中山委員長 玉城栄一君。
○玉城委員 外務大臣も今回第二回国連軍縮総会に鈴木総理と御一緒に御出席をされまして、わが国の立場をお訴えになったわけでありますが、わが国を含めて世界的に反核・軍縮の世論の大きな高まりと申しますか、そういう中で、被爆国であり、また第二次大戦の敗戦国の一人といいますか、そういう立場で訴えられたことにつきましては、これは政府の立場です。私たちそれを全面的に肯定するわけではありませんが、その労を多といたします。 そこで、きょうお伺いしたいことは、私の地元の沖縄におきましても、わが国唯一の地上戦闘が行われ、現在なおかつ米軍の五三%の基地を抱えているという中で、非常に反核・軍縮という県民世論は大きく盛り上がっておるわけですね。ところが、こういう世界的な世論の盛り上がりと逆に、特にレーガン大統領は最近どんどん核軍拡と申しますか、非常に憂慮にたえないわけです。それで大臣、沖縄の米軍基地というものはやはり縮小の方向にいくのが望ましいと私は思いますし、大臣もそのようにお考えになっていらっしゃると私は思いますが、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 玉城委員のおっしゃるとおりに私どももできるならば基地の縮小、返還というものが行われることを要望しておるわけでございまして、沖縄の現状、基地の五三%を占めておるということは、沖縄県民の皆さんにとってはそれなりに大きな影響のあることだと痛感しております。従来、日米安保協議会の席上で、この目的がなくなった、また必要性のない基地についての返還については逐次それを求めておる、こういう現状にあるわけでございます。
○玉城委員 そこでお伺いしたいのは、実は沖縄が返還されましてちょうど十年になるわけですが、そういうことで大臣も御案内のとおり沖縄には二つの大きな新聞がございます、琉球新報、沖縄タイムスですね。その琉球新報が当時の関係者の証言を取材しておられるわけですが、その中で実は先月の上旬、元駐日大使のライシャワー氏、アメリカで会見して取材の記事が先日載っておるわけです。そのライシャワー氏の発言で大きく私たちとしては気になることがございますので大臣のお考えも承っておきたいわけでありますが、その一つは基地の縮小に関する問題なんですが、韓国にいる米軍というものは将来後方に引き揚げなくてはならない。したがって、日本は非常に重要であるので、沖縄の米軍基地が縮小される見通しはないというような趣旨のことをおっしゃっているわけですが、それについて大臣としてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○淺尾政府委員 玉城委員がいま提案されました点についてライシャワーさんがどういう文脈の中で言っておられるかということを必ずしもつまびからにしておりませんけれども、カーター時代には御承知のとおり韓国から米軍を撤退するという方針がございました。しかしカーター政権の末期、それから現在のレーガン政権のもとでは韓国における地上軍の撤退の計画はないということでございますので、ライシャワーさんが仮にそういうことを言われたとしても、沖縄の基地が韓国の在韓米軍のためにのみ強化されるということはわれわれは考えてないのであります。
○玉城委員 そこで、大臣もう一点は、ライシャワーさんのおっしゃっておることは、琉球新報の取材に対して、沖縄が返還されるときに核抜き本土並みだということであったけれども、現実には沖縄の県民としてはいまなお沖縄に核が貯蔵されておるのではないかという疑いがあるけれども、どうですかというような質問に対してライシャワーさんいわく、そうではないだろう、グアムには飛行機で数時間しかかからない、ただしかし米軍艦船が核を積載して寄港する、それをもし正式に事前協議制に基づいて日本政府に提起した場合、日本政府としてはノーとは言わないと思う。こう言っておるのですが、大臣いかがですか。
○淺尾政府委員 この点については昨年来非常に御議論のあったところでございます。あるいはライシャワーさんがそういうように思っていられるかもしれませんけれども、日本政府の態度は一貫して、一時通過であれ寄港であれ事前協議の対象になって日本政府としてはそれに対してイエスということはないということでございます。そのことはラロック証言あるいはライシャワー証言等の何回かの証言の後で、アメリカの国務省がわが国の大使あるいはわが方の政府に対してアメリカは安全保障上の事前協議の事項を厳粛に守るということを言っておりますので、ライシャワーさんが言われたということがあったとしても、われわれとしてはアメリカ政府との間では非常に明確なその点については理解というものがあるというふうに考えております。
○玉城委員 大臣にいまのお答えを確認しておきたいわけですが、いま申し上げました米艦船が核を積載して寄港する、そのときに日本政府はノーとは言わないと思うということ、いま局長のお答えがありました。それはさらに大臣のお答えをいただきたいわけです。 それで、先日の予算委員会で取り上げられましたロストウ発言、いわゆる日本政府としてはアメリカの核抑止力に依存するということをはっきりおっしゃっておられますね。ですから、いまおっしゃったような答弁、事前協議についてはイエスもノーもある、しかし核の持ち込みについてはノーしかないんだ、イエスはないんだという考え方、それは変更ないし、そのとおりであるということを大臣ひとつお答えいただきたいのですが。
○櫻内国務大臣 日本政府は一貫して非核三原則を厳守しておるのでございまして、核搭載の艦船の寄港あるいは通過、こういう場合に、それは常にノーと言うということを明白に申し上げておるわけであります。
○玉城委員 毅然としてこれは政府として貫いていただくのは当然だと思います。 そこで、この委員会でも私何回もお聞きしたのですが、これは淺尾さんの方に伺ってきたわけですが、外務省、外の役目のお役所として当然だと思うのですが、やはり内、足元もきちっと見ていただきたいという意味も込めて……。 米軍用機のOV10ブロンコという飛行機が、沖縄の宮古島の民間空港に緊急という名でたびたび着陸をしてきておるわけですね。当時淺尾さん、これは積み荷の関係とか風向きの関係でやむを得ずおりざるを得なかったんだ、そういうことは頻繁にないんだという意味のこともおっしゃっておられたわけです。これはたしか昨年の四月だったと思うのですが、この飛行機は現在まで何回、何機宮古の民間空港におりていますか。
○淺尾政府委員 昭和五十年からでございますけれども、現在まで合計十一回、延べ二十一機ということでございます。
○玉城委員 そこで、これは前にも指摘しましたとおり、風向きだとか積み荷とかそういうことで、緊急着陸にしては十一回も同じ空港におりているわけですね。ですから、私もあのとき、この米軍用機はこの飛行場におりなければならない必然性があるのじゃないか、いわゆる沖縄の嘉手納飛行場からフィリピン間の中継基地としてこの飛行場を使用せざるを得ないのではないかというようなことも指摘したわけですが、いかがでしょうか。このように緊急着陸で何回もおりていますね。
○淺尾政府委員 玉城委員御承知のとおり、日米間の地位協定において、米軍機はアメリカに提供した施設、区域以外の日本の民間空港にも入れるわけでございます。そこで、宮古に入ってくる米軍は、その風向きあるいは給油、緊急着陸ということで入ってきているわけでございまして、これは地位協定上何ら問題はないことでございます。
○玉城委員 そのことも何回も伺ってきています。地位協定上、米軍が民間空港に着陸する権利もあるということもよく知っています。しかし、無原則に米軍に使用させるのは——提供することがあるわけでしょう。完全な民間空港にそのようにたびたび、十一回も二十一機もおりてきているということは、緊急ということの趣旨から大きく外れていると思うのですね。これは時間がありませんので……。 実はそのときに指摘したのはもう一点あるわけです。米軍機が宮古の民間空港におりますね。米軍の真のねらいは、隣接している下地島パイロット訓練飛行場、ここを将来は使用したいという意図があるのではないかという点も指摘したわけです。先月この飛行場に米軍機がおりてきています。この事実関係を簡単に説明してください。
○淺尾政府委員 まず、下地についてお答えする前に、地位協定上、民間の空港に入れるわけでございます。しかし、玉城委員御指摘のように、常時、一定の飛行場を使用するのであれば、それは施設、区域として提供するのが妥当であろうということで、われわれも、アメリカ側に対して、この宮古の利用というものはできる限りやむを得ない場合にとどめてほしいということを、再三申し入れていることが第一点でございます。 それから第二点、いまの御質問でございますが、私たちの承知している限りでは次のとおりでございます。 六月十日午前十時ごろに、アメリカの海軍機C2、これが宮古の上空でナンバーワンのエンジンがオーバーヒートを起こしました。そのために下地の飛行場に緊急着陸いたしました。十一日の午前十時三十分ごろ、嘉手納から救援機のC2一機が修理部品を持って飛行場に参りまして、修理の上、故障機はその日の午後一時ごろ嘉手納に向けて離陸したというふうに承知しております。 そういうことが事実関係でございますが、わが方としては、あわせてアメリカ側に対して、安全管理については十分配慮するようにということの注意喚起を行っております。
○玉城委員 時間がございませんので、地位協定上どうとか、これは次の機会に譲りたいと思います。 ただ大臣、ここで大臣にお答えをいただきたいのは、いま申し上げましたこの下地島パイロット訓練飛行場、この飛行場をつくるのにいろいろないきさつがございまして、その飛行場に米軍機がエンジントラブルで着陸しているわけですが、実はこの飛行場が開港する前に、五十四年四月十八日に決算委員会でこの問題を取り上げました。といいますのは、この空港の開港に当たって——これは第三種空港です、沖縄県が設置管理者ですね、地元の県議会の、この飛行場は将来ともに軍事的な利用はさせないという附帯決議があるわけですね。それが非常に論議になりまして、この空港にはいろいろな問題があったわけですが、いまでさえ基地が非常にたくさんあるのに、これ以上こういう基地に使用されることは困るという県民の願いも込めての決議なんですね、そのことを当時の森山運輸大臣に申し上げました。この地元の附帯決議は大臣としてどのように考えますかと言いますと、これは当然尊重いたしますというお答えであったわけですが、大臣、当然、森山大臣と同様に、これは沖縄県が設置管理の飛行場であるわけです、その地元の県議会の附帯決議というものは当然尊重されるべきだと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 この下地島の飛行場について、設置当時に民間との間、恐らく議会との関係で軍事利用についての制約をするようなお話し合いをされたものと思いますが、また、そのことについてはわれわれとして尊重していかなければならないと思います。ただ、先ほどから北米局長の御説明のとおり、条約または条約に基づいての日米間の関係からいたしますと、緊急の場合に利用をするということについて、これをいけないということはできないのではないか。お話の中で、緊急ということについて御疑問を持たれたようにも受けとめられましたが、しかし、これも最近の事例で御説明申し上げたような、客観的に見て、緊急やむを得ないものと認められる着陸である、こういうことでありますので、この点は地元においても御理解をいただかなければならないと思います。
○玉城委員 時間がございませんので。 私も、条約、地位協定上こういう緊急ということは、人道的ないろいろな問題、トラブルもあるわけで、そこでおりるななんてそんなことを言っているわけじゃないわけですね。ただ、必ずここを使用しなくちゃならないという必然性があって緊急ということはこれはちょっとおかしい、そういう形で実質的に恒常的に民間空港が米軍機の使用化されていくことをわれわれは警戒をしているわけですね。そういう意味で、先ほど大臣もパイロット訓練飛行場についてのそういう地元の決議については尊重されるというお話がありましたので、それをきちっと尊重していただきたい、このように思います。 それで、もう一点お伺いしておきたいのは、これは淺尾局長さんで結構ですが、沖縄が復帰、返還される四十七年五月十五日に、沖縄の米軍基地を使用するいわゆる五・一五メモというのがありますね。いろいろ基地をどう使用するとか書いてあると思うのですが、この原文は公表されない。その概要は公表された。しかし、その概要といったら、この基地は二4(b)であるとか二4(a)であるとかそんなものであって、どういうふうに米軍は使用していいかどうかわからない。実際沖縄側には知らされていないのです。したがって、そこで生活する地域住民は非常に不安が当然伴いますね。ですから、いわゆる五・一五メモというものを全文公表してもらいたいという要望が非常に前からあるわけですが、いかがでしょうか。
○淺尾政府委員 いま玉城委員御指摘のとおり、合同委員会のメモというものは両国政府によって全文は公表できないわけでございます。しかし、日本政府としては地元の方の安全その他御関心のある点についてできる限りその要旨というものを公表するように努力しているわけでございまして、今後とも同じような姿勢で臨みたいわけでございますが、全文については玉城委員の御承知のとおりぜひこれが不公表であるということについて御理解を願いたいと思うわけであります。
○玉城委員 そこで、一つの問題としまして、これは沖縄県側から正式に文書で外務省アメリカ局の方にも要請があったようでありますが、いわゆる北部訓練場の上空空域の米軍の使用が発表されておる概要と米軍側の使用の状況とちょっと食い違う。一体どうなっているのだ。米軍側に問い合わせますと、これは原文のただし書きによって二千フィート以上も使うことができるとなっているのだ。実際そうなっておるのかどうかということを県が正式に皆さん方に問い合わせして、皆さんとしては検討してみましょうということになっているようですが、その辺のいきさつはどうなんですか。 もう一つ重ねて。二千フィート、そして米軍は九千フィート。二千フィートはどういう意味で二千フィートなのか、どういう意味で九千フィートなのか。たとえば九千フィートなら民間航空機の進入とダブるからそれはできないのだとか、条件が合えばそれが使えるとか、われわれは原文を見ていない、知らされていないので全然わからないのですが、その辺はどうなんですか。
○淺尾政府委員 いまの御指摘の北部訓練場の上空使用については、すでに公表されております合同委員会のメモの要旨の中でも、「本施設及び区域の上空については、二千フィートまでは合衆国軍による使用が認められる。」こういうふうに明記されているわけでございます。それではそれ以上アメリカ軍が使っているではないかという御指摘でございます。この二千フィートというふうに限っているのは、二千フィートについてはアメリカ軍が排他的に使うということで決定しているわけでございます。それ以上の空域については米軍のみならず日本の航空機の進入というものも妨げない、そのためには地位協定に基づいて民間機と軍用機とが安全に運航するということでございます。そこに排他的かそうでないかということに差があるというふうに私は理解しております。
○玉城委員 そういうことも皆さん方がはっきり説明がされていないためにいろいろ食い違いもあり誤解もあり不安もあるわけですね。ですから、重ねてお伺いしますが、いわゆる五・一五メモなるものは当然地元に知らしておくべき筋合いのものだと思います。いかがですか。
○淺尾政府委員 先ほども申し上げましたように、住民の方に関係ある分については、単に地名のみならず使用の目的その他も書いてございまして、その中にはいま申し上げたような上空二千フィートということも書いてあるわけでございます。しかし、それ以上の使用について依然として地元の方々に御不満があるということであれば、私たちとしてはいま申し上げたようなラインで十分地元の方にも御説明したいと思っております。
○玉城委員 この件で大臣にお伺いをいたしたいわけであります。 いま局長さんもちょっと前向きの御説明がありましたけれども、これを肯定するしないは別にしましても、地域住民の方々の理解と協力と支持というものが非常に大事だと思うのですね。それが何も知らされないままに、県民生活としてどう対応していいかわからないわけです。ですから、当然、先ほども申し上げましたとおり、県も思い余って、一体これはどうなっているのですかということを文書で正式に問い合わせしているわけです。ですから、やはり県民の生活を掌握、指導する立場にあるせめて県については、県はもう御存じのとおり考え方も大臣と大体似ているわけですから、いまの北部訓練場に限らず、当然県民生活上どう対応するか指導する立場にある県については、五・一五メモなるものの全部とは言わなくても、全部はできないというお話ですから、大事なものについてはどんどんどんどん知らせていくということは必要だと私も思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 日米合同委員会で五・一五メモが不公表扱いとされておるためにその全文の発表はできない。しかし、国民の生活と密接な関連がある事項については必要に応じて米側の了解を取りつけ公表をしてまいったと思うのですね。そこで五・一五メモの見直しについての御意見でございますが、個々のケースについて実際上問題があれば、そしてまた改善する必要があれば、これは具体的に個別的に検討をさせていただきたい、こう思います。
○玉城委員 ぜひ、これは前々からの強い要望がありますので、そういうことを知らされないままに、どういう危険な状態で使用されているのかもわからないままに現地で地域住民というのは生活しなくちゃならぬという立場をよくお考えいただいて、必要なものについてはどんどんやはり知らしていただきたい、そのことを強く要望いたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。
○中山委員長 林保夫君。
○林(保)委員 第二回国連軍縮総会を初めとして六月の大変大きな外交日程をこなされまして、本当に、大臣、御苦労さまでございました。 先般お出かけになる前にも鈴木総理並びに大臣に対しまして、国民が非常に心配している、こういうことで、まず国連につきまして敵国条項の問題から、それからまた、現実の厳しい、きな臭いというよりも戦火噴くような国際情勢に、調査、監視、あるいはまた調停の機能を発揮できるようにどのようにしたらいいだろうか。署名八千万でございますか、持っていくだけが能じゃない、専門家、プロの立場からどういう対応があるのだろうか、こういう視点で御質問を申し上げた次第でございます。 きょうは、報道によりますと、総理の演説も大変高く評価された、こういうことにもなっておりますが、なお今日いろいろな報道を見ますと、九日の閉会を前に東西の対立、あるいは南北の対立、必ずしもきれいな幕切れでないような感じすらいたします。その辺につきまして、事務当局の方からも実際どうなっているのかということを承りたいと思うのでございますが、大臣、第一回の軍縮総会と今度の第二回の軍縮総会のおおよその成果についてどのような違いと評価を日本政府とされましてなさいますか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○門田(省)政府委員 大臣からは後ほど御説明があろうと存じますが、事務的な観点から御説明申し上げたいと思います。 お尋ねの点は、第一回の特総に比べて第二回特総をどのように見るかということと拝察いたしております。まず第二特総につきましては、あと数日でございますが、最後の努力というものがただいま行われておりますので、予断をいたす限りではございません。ただ、そういう前提のもとで申し上げますと、第一回特総の場合は、このような試みとして文字どおり最初の試みであったわけでございます。そこで、軍縮がいかにあるべきかということに関する参加国のいろいろな抱負を集大成した形で最終文書というものができ上がったわけでございます。この最終文書がその後におきます軍縮分野における国際協力のいわば基礎的な文書ということになっておりまして、これは第一回特別総会の大きな成果であったと評価されております。 その後、四年間の経過がございまして、この最終文書に基づく努力、作業というものが取り進められてまいったわけでございまして、その結果が第二回特総に出ておりまして、ただいまたとえば包括的軍縮計画あるいはレビューの問題、機構をどうするか、あるいは軍縮の世界的なキャンペーンをどういうふうに進めるかといったようなことが作業部会において取り進められておるのでございますが、こういった具体的な成果をどのようにこなしていくかというところにこの第二回特総の性格があるのではないか、かように判断いたしております。 そのような具体的な問題を取り上げることになりますと、委員まさに御指摘になられましたように、それぞれの国の立場、考え方というものが表面に出てくる関係上、審議というものが容易でなくなってきた、やはり機微な問題というものが折に触れて表面に出てくる、そういう現象が見られるわけでございます。にもかかわらず、どういうふうに最終的に問題をまとめていくか、これを私ども注意深く見守っている、かように状況を観察いたしております。
○林(保)委員 いま局長がおっしゃいましたように、いろいろな細部の問題はあろうかと思います。しかし、なお、日本の訴えがどのような手ごたえがあったのか、そしてまたそれにどのように国際的に取り組んでいくか、こういった点で前回と今回と、大臣、どのようなお感じの御成果を得られておりますか。その点、一言承りたいと思うのでございます。
○櫻内国務大臣 ただいま国連局長が御説明申し上げたように、この最後の土壇場の取りまとめが非常に難航しておるわけで、どのような最終的な結論になるか、こういう面を見ませんと、なかなかまだ経過中でありますから、それに対して結論を言うことは少しむずかしさがあるわけでありますが、しかし今回の状況を顧みまして、第一回を受けての第二回は非常な国際世論の盛り上がりがあったということは明らかであると思うのです。それからまた、鈴木総理も特に訴えられましたけれども、完全軍縮に向かっての効果ある措置を一つずつやっていこう、こういうことについては各国とも非常な理解を示しておるのではないか。この軍縮特別総会に並行して最も軍縮について真剣に考えなければならない米ソ超大国が御承知のような中距離核戦力削減あるいは戦域兵器の削減について交渉に入っておるというようなことは、やはりこの軍縮総会の空気を反映して行われておるものではないか、こんなふうに見るわけでございます。 また、各国代表のあいさつを一つずつ検討してみますと、わりあいに具体的な提言をしておるのではないか。先制不使用のことであるとか、あるいは軍事費の公開であるとか、いろいろあったと思いますが、ただいまの国連局長のお話のように具体的な措置をとっていこうということから各国の利害がなかなか調和しないという面もございますけれども、しかしまた他面、軍縮へ向かってのいろんな方途をお互いに示しながら、そして最後の段階で包括的軍縮をどうするかというようなところへいませっかく作業が続けられておる。こういうことで、第一回から第二回へとだんだん軍縮問題に対する国際的な理解、世論が高まった、こういうふうに判断をいたします。
○林(保)委員 あと少し事務的に承りたいのでございますが、大臣がおっしゃいましたように、本当にむずかしい条件はいろいろあると私は思います。そして新聞報道によりますと、例の前回も非常に大きな期待を持たれました包括的軍縮計画、CPDですか、あの合意についていろいろな形で東西のグループが非難の応酬、こういったようなことも報道されております。今回はまたこれがしっかりでき上がる、そしてそれが履行されるということが私どもの期待の骨になろうかと思いますが、この合意書は何としても通されるのか、通るのか、また日本政府はどういう態度をとられておるのか、その辺をきっちりひとつお答えいただきたい。事務的で結構でございますから。
○門田(省)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘がございましたように、包括軍縮計画は軍縮努力のいわばかなめとも申すべきものでございまして、これは軍縮のために考えられるおよそあらゆる知恵をしぼって考え抜いたいろいろな方法、措置というものが網羅されると申してよろしいかと思います。 御質問のございました、果たしてこの包括軍縮計画が今回の特別総会で実を結ぶのかどうかという点でございますが、これはすでに御案内いただいているとおりにジュネーブの軍縮委員会で報告案がまとめられたのでございますが、その報告案の中にはおびただしい数の括弧が入っております。つまり違った異なる意見を併記したという形で出てまいっておるのでございます。それらの内容というものは、それぞれの国にとっての安全保障の問題に深くかかわり合いを持つということもございまして、そのために合意を見出す、つまり両論併記を捨てて一つのまとまった意見に持ち込むということ、いろいろむずかしい内容がございます。ただわが国といたしましては、この包括軍縮計画のようなものができ上がるということがやはり国際的な協力の大きな前進を意味するものであるということから、総合的な観点から何とかしてまとまりやすいようにする。より具体的に申し上げれば、ここに規定する内容の性格をどういうふうに位置づけるか、つまり義務的な側面をどういうふうに考えていくか、またタイムテーブル、時限の問題がございますが、これもどの程度厳格なものにするのかどうか。つまり、義務とか時限の問題が厳しくなればなるほどそれに反比例いたしまして受け入れるということがむずかしくなってまいるということもございますので、何とか妥協点が見出されるようにということで努力はいたしておるのでございます。しかしながら、御指摘がございましたように、現時点での推移を勘案いたします場合には、果たしてあと残る数日間で完全にまとまった合意としての計画を打ち出すことができるかどうか、これは全く予断の限りでない、かように考えております。
○林(保)委員 御指摘のような問題がいろいろあってむずかしいだろうとそれは思います。しかし、なお、八千万の署名を持って、あれだけのエネルギーを使って皆さんが平和を願い、核軍縮を願い、言っておる立場からいいますと、何だ、こんな総会であったのかと言われかねないような情勢が今日心配される、こういうことじゃないかと思います。 なお、新聞報道によりますと、これは私が言っておるのではないのですが、今総会は事実上の失敗を意味する、このため今総会の成果は、残り少ない会期中にどこまでやれるか、こういうことをいま局長と同じような思いで新聞報道も出ていると思います。そういった意味で、「成果なき軍縮総会」というこういう見出しの出ないようなものにぜひひとつ仕上げていただきたい、この外交努力を事務的にも政治的にもぜひお願いしたい、この点を要望したいわけでございます。 と同時に、現在までの成果は奨学生制度の拡大だけだ、このような報道も実はございます。それ以外にどんな成果があるのかという点を、ひとつ簡単で結構ですが、時間がありませんので。
○門田(省)政府委員 ただいま奨学制度という点を御引用になりました。これは特にわが国が提案いたしまして、ただいまございます奨学制度の中に広島及び長崎の訪問、あるいは機会があれば適当なシンポジウムあるいはセミナー、これをあわせ日本において行うということでございます。そのほか、わが国が提案いたしておりますのは、平和維持機能に関する研究を行うための専門家グループを招集して検討をしてもらうというふうなこと、さらには広島あるいは長崎の経験にかかわる貴重な資料がわが国にあるわけでございますが、これを国連に備えつけるというふうなこと、これらも提案しておるわけでございます。これらは、私どもといたしましては、具体的な形でぜひとも実現したいということで今後の課題の一つと考えておるところでございます。
○林(保)委員 総理は国連軍縮総会の演説の中で三つの軍縮のための平和原則というようなものを御提起なさっておられます。この中で、いわゆる軍事面についての問題提起の中で一番大きかったのは、ソ連が最初提案したからこれについていろいろなお考えがこの委員会でも出ておったやに伺いますが、先ほども大臣が核の先制不使用の点について触れられました。そして昨日でございますか、参議院でも総理が国会での決議の趣旨を踏まえて検討してほしいと外務省に指示している、こういうことでございますが、外務省は指示を受けましてどういう結論が出ましたか、あるいは中間的な段階での御意向なのか。そしてまた、時間がございませんのでもう一点、これをわが国が率先して提案、実現に向かっていく、こういうことをなさる御決意かどうか。はっきりと伺いたいと思います。
○門田(省)政府委員 昨日の参議院外務委員会でも総理から、国会決議を十分踏まえた上で日本として何ができるかということを検討するように関係省庁に指示をしてあるというふうにおっしゃられたと記憶いたすのでございますが、私どもといたしましても、この総理の御意向を十分体しまして何ができるかということをこれまでも十分考えてまいっているところでございます。 ただ、具体的にどういうふうに事を起こすかという点につきましては、この会議の情勢がどういうふうに動くかということ、これもつぶさに見きわめてまいっていく必要もございます。ということで、ただいまもどういうふうにするのが一番いいのかということを検討させていただいているところでございます。
○林(保)委員 これは大臣にお伺いしたいのでございますが、これまで国連総会に行かれる前に、そのほかの議論を通じまして核の先制不使用については批判的な御意向を、総理と言ったらいいんですか大臣と言ったらいいんですか、しておられたと思います。その理由として、日本は核の傘で安全を守っておる、先制不使用で手を縛られては何かもうその傘の威力がなくなるのだ、私の誤解かもしれませんけれどもこういうような印象の御答弁があったと記憶いたします。それなのになぜいまとなって改めて先制不使用決議を総理が外務省に御指示なされる、こういうことをやられたのか。その発想の転換の理由はどういうところにあるのか、これは政治的な問題でございますのでひとつ大臣から明確にお聞きしたいと思います。
○門田(省)政府委員 その前にちょっと事実関係を、私の言葉が足りませんでしたので補足させていただきたいと思います。 総理がおっしゃられましたのは核の先制不使用の問題というふうには私ども理解しておりませんし、総理もそういうふうにはおっしゃっていないと存じております。核の使用が行われないという点、核の不使用というような問題について、国会決議の御意向というものを十分酌んだ上で、踏まえた上で日本として何かできるのかできないのか、これを考えるように、こういうことでございまして、特に先制不使用という問題ではございません、というふうに解しております。
○林(保)委員 それはちょっとおかしいんじゃないでしょうかね。さっき大臣も先制不使用という言葉を現に使われました。それで私はこれをあえて新しい言葉だ、新聞にも出ておる、こういうことでやりましたので、事務局はやはり大臣の意向を酌まれてその辺のところをきっちりととらえて対処していただきませんと、国際的にもこれが電報で打ち返されますと大変大きな誤解を生むと私は思います。大臣いかがでございましょうか、私はそんなものにこだわる必要ないと思うのです。こういうものをきっちりと先に使っちゃいかぬことはわかり切っています。それをなぜためらいこだわるのかというのを、私は政治姿勢としてかねてここで質問申し上げて、大臣じゃございませんでしたけれども、ほかの人のやりとりでおかしいなおかしいなと思っておったから、大臣が言われたからわざわざ私はこれを聞いておるわけでございますので、大臣、その辺の政治的な御判断をしっかり聞かしていただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 これは私は第一回軍縮特別総会から今度の第二回とどういう発展をしたかというところで、第二回の軍縮特別総会を挟んでソ連が先制不使用のことを言ってみたり、あるいはまたアメリカは各国が軍事費を公開するがいいと言ったり、そういう具体的な話が出るようになった、私はそのことがいい悪いということを言っておるわけじゃないのです。抽象的でない具体的な話が私の耳に残っておる。さらに日本として具体的提言はどうか、これについては先ほど国連局長が二、三申し上げたところでございますが、そういうふうに抽象論でない進歩があるということを申し上げました。 ただ先制不使用の問題は、ただいま林委員が御質問で触れられましたように、日本は核の抑止力ということを非常に重視しておるわけでございまして、この委員会の席上におきましても、たとえばヨーロッパの状況を考える場合に通常兵力においてソ連がまさっておる。そういうことからフランスにしてもイギリスにしても核の保有というものの必要性をそういう面から考えておられることをこれも軍縮総会を挾んでそういう所見がそれぞれの責任者から言われておるわけでございます。だからどうしてもその核の抑止力というものを否定することはできない、こういうことになっていくと核の先制使用はしないという約束ということをすることができるかということについてはなかなかむずかしい問題があると思うのであります。 それから、鈴木総理が核の不使用の決議、これについて、これは委員の方々の御質問に応じた答弁でございますが、従来日本が昨年、一昨年とこの不使用決議に対して反対した、よもや国会の決議からしてもそういうことはあるまいという御質問がございました。そこで、この不使用について日本としてどう考えるか、そういう問題を検討したらどうか、こういうことではなかったと思うのでありまして、国会における決議は、核の廃絶を目指して生産とか実験とかそういうようなことをやめる、また二度と核の使用のないように有効、適切な措置を考えるように、こういう趣旨の決議になっておると思うのでありまして、そういうことを考えますときにどういう措置をとっていくべきであるか、これは総理としては一つずつ実効の上がることをやっていこうではないかということを申しておるわけでございまして、それらの考え方を総合して今度特総におきまして不使用決議にどう対応していくか、これは国会の決議も念頭に置きながら日本自身が何か考えを示したらばどうか、こういう総理の御意向がうかがえるわけでありまして、現在それらの点について外務省としても検討をいたしておるところでございます。
○林(保)委員 完全にすっきりはいたしませんけれども、大臣の政治的な御意思はよくわかりました。また、局長がああいう事務的なお話をなさいます背景も私も実はよくわかるのでございます。そこらをきっちり詰められまして、目的は決して言葉ではなくて実際どうするか、こういうことでございますので、ひとつ国連総会ありましたのですからがんばって、きっちりまとめるような努力を日本側もぜひやっていただきたいと思います。 昨年も私日米共同声明の問題で、行かれる前に、外務大臣行かれてかえって政治情勢おかしくなりやしませんかということを御質問申し上げたと思うのです。行くのはいいことなのです。ところが、行ってみますと、今度のサミット、実は時間がなくて質問がどうにもならなくなったのでございますが、明らかに今度の場合は西欧間の分裂がはっきり出ておりますね。なぜああいうふうにサミットでわざわざ項目を設けて対ソ制裁をしっかり、きっちりやりましょうと言いながら、ある日突然横っ面を殴られるような実害の出るようなことを強制されなければならぬか、この点を実は聞きたかったのでございますが、会議の成果はやはり前進することでなければならないのに逆になってくるという場合がしばしばございますので、大変勝手な質問をいたしましたけれども、なおその辺を踏まえられましてしっかりした対応をしていただきたいと思います。 ことにきょう質問できませんでした国連の機構の問題、憲章の問題と言ってもいいかと思いますね、その辺を大臣しっかり、今回を機会に私どもも軍縮、核廃絶に向かっての努力は続けていかなければならぬ立場もございますので、ひとつぜひお願い申し上げたいと思います。どうかそういう意味でこの上ともよろしくお願い申し上げたいと思います。 これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○中山委員長 野間友一君。
○野間委員 きょうは、亡命者によります反ベトナムの三派連合の政府、これが旗上げをする日ということのようですが、これに関連をしてインドシナ問題についてまず若干の質問をいたしたいと思います。 いまインドシナとりわけカンボジアにおきましては、ヘン・サムリン政権がそのほとんどの実効支配をしており、生活も大変安定化の方向へ進んでおる、こういう状況にあります。ところが、御承知のとおりの三派、つまりポル・ポト派、シアヌークそれからソン・サン、この三派の連合政府ができたわけでありますが、これについてまずお伺いしたいのは、日本政府はこの三派連合、これをどう考え、どういう位置づけ、とりわけポル・ポト派の民主カンボジア、これとの関係をどのように理解されるのか、この点からお伺いしたいと思います。
○木内政府委員 政府といたしましては、民主カンボジア政府と外交関係を従来から維持し、かつ継続しておるわけでございます。カンボジア問題につきましては、このカンボジアの政府というものがより広い支持基盤の上に成り立つことが望ましいという考え方が国連の場においても表明されておるわけでございまして、そのような観点からカンボジアの最近の動き、三派連合政府の結成の動きを歓迎いたしておるわけでございます。
○野間委員 私は、そういう認識でなくて、要するにポル・ポトの一瞬にして世界に戦慄を走らせたあの虐殺に対して一つの警鐘を鳴らすと申しますか、そういう性格のものだというふうに考えるわけであります。 この連合政府樹立の宣言なるもの、これは新聞報道等を通じてしかわからないわけでありますが、まずお伺いしたいのは、この三派の支配する人民の数はどのように理解され、そして政府は一体どこにあるというふうにお考えなのか。何でもタイ領からきょうはカンボジア領へ入って旗上げするやの報道がありますけれども、この点はどうなんでしょうか。
○木内政府委員 カンボジアの中では御承知のように乾季と雨季とでそれぞれ状況は違いますが、乾季の場合はとりわけかなり激しい戦が展開されておるわけでございまして、その実態の把握はきわめてむずかしいわけでございます。このカンボジアのどの程度の人民を掌握しておるかという数字は的確に申し上げられないわけでございまして、民主カンボジアが三万ないし四万の兵力を擁しておるとか、あるいはソン・サン派が数千人の兵力を擁しておるという数字はございますが、掌握しておる人間の数はつまびらかにしておらないわけでございます。 この三派それぞれの所在地でございますが、これはプノンペンから追い出されましてタイ国境の方へ追い上げられておりまして、国境地帯のジャングルの中にあるというふうに考えられておるわけでございます。
○野間委員 考えられておるわけでございます、こういう状態ですね。しかもこの三派連合が望ましいという日本政府の評価のようですね。この政府樹立の宣言要旨を見ますと、これは政府の体をなしていない、こう言わざるを得ないと思うのです。「参加した各派は、それぞれ与えられる国際的援助を受ける権利を含めて、それぞれの組織、政治的独自性、行動の自由を堅持する。」こういうしろものですね。まさに野合以外の何物でもない。政府のありかもわからない。しかもどれだけの人民を支配しておるかといいますと、いま所属している軍隊の数、四万前後あるいは数千という話がありましたけれども、新聞報道等でもほぼその程度のものしかわからない。恐らくこれが支配している人民の数と匹敵すると考えてもいいわけです。ですから、いま申し上げたように、それぞれが別個の政治的な独自性を持ち、組織を持ち、別個の行動をする、これは一体政府と言えるのかどうか、この点どうなんでしょうか。
○木内政府委員 ただいま野間委員御指摘のとおり、政府ということになりますと民主カンボジア政府ということに相なるわけでございます。先般の三派の会合におきまして採択されました宣言に打ち出されております連合体というものは、いまだにきわめてルースなつながりのもとに存在しておる連合体でございまして、したがいまして、それぞれに独自の判断を持たせるような仕組みになっており、かつ、すべて合意はコンセンサス方式ということでございます。したがいまして、この連合政府がどのようにまとまっていくかということは今後の問題でございまして、三派それぞれの努力にまつほかはないと考えられるわけでございます。
○野間委員 まだ全くわけのわからぬ組織のようであります。しかもこれができた目的、これも新聞報道等で大統領になるというシアヌーク、彼の発言等によりますと、われわれはベトナムに対し、軍事的抗争をしなければならなくなったことをベトナムに告知をしなければならない。つまりベトナムに対する宣戦布告ですね。この政府樹立の宣言の中でも「祖国再建を目指して、ベトナム侵略者からカンボジアを解放する共通の戦いに、」云々、こういうことになっていますね。つまり、ヘン・サムリンの政権に対置して三派が野合している。しかも彼らの目的がベトナムに対する宣戦布告であり、祖国からベトナムの侵略者を追い出す。これは私たちは全く見解を異にしておりますけれども、それはそれとしてこういうしろものですね。 私が質問をしたいのは、外務大臣がASEANの拡大外相会議に行かれたときに、こういう性格の三派連合政府に対して何か経済援助をするやせぬやのことを言われた。いま木内局長の話もありますように、まだ全くえたいの知れぬ段階でこういう経済援助の言質を与えられる。しかもいま申し上げた彼らの目的なりあるいは形態というものはこういうものなんですね。私はもしこういうことを言われたとするならば、外務大臣の言質はどうも適切でないというふうに言わざるを得ないと思うのですが、いかがでしょう。
○櫻内国務大臣 いま御質問の点は、何か誤解ではないかと思います。カンボジアの難民の方々が国境の周辺におられる。そこで、これらの方々に対する救済の必要性を国際的にも認めておりますから、日本としても国際機関を通じての救済はこれを引き続きやっていく、こういうことを申し上げておるわけでございまして、ASEAN外相会議の当時、三派の連合ができるということはただ単にうわさの範囲でございまして、そういう際に新政権に援助をするというようなことを言うはずがないわけでございまして、それは誤解でございます。
○野間委員 誤解ならいいのですけれども、人道的あるいは民生の安定という観点からの国際機関を通じてのものはいままでもやっておられたし、それはしかるべく適正にやられるのがいままでの方針かと思いますが、しかしそういう報道がたくさんなされております。 特に申し上げたいのは、これはやはり紛争当事者の片方ということになると思うのですね。しかも、ベトナムに対する宣戦布告、こういうことを公然と主張し、そのために連合を組むという片方にもし援助をやるとするならば、これは紛争を助長していく、これは話し合いあるいは平和共存という観点からももとることになるという点からの質問を私は申し上げているわけであります。 なお、きょうの新聞報道、これは読売新聞ですけれども、インドシナの外相会議がきのう開かれて、ここではASEANとの和解あるいは平和共存ということがベトナムの外相によって呼びかけが行われた、こういう報道があります。これはことしの二月の第五回の外相会議での討議を踏まえた上での発言のようですけれども。と同時に「カンボジアのベトナム軍 一部撤退きょうにも発表か」というような見出しもございまして、ASEAN諸国との間についても、ベトナムあるいはインドシナ三国は和解と平和共存、これは呼びかけているように思いますし、また、ASEANの外相会議の中でも、ことさら敵対的なことをつくるとかいうのじゃなくて、あくまで門戸を広げておる、こういうようなことのようでもありますし、こういう東南アジアの平和と安定、これに対するいま申し上げたような一連のインドシナ三国の対応、これは歓迎すべきじゃないかというように私は思いますが、これらの一連の問題について外務大臣はどのように御所見をお持ちでしょうか。
○櫻内国務大臣 ベトナムがカンボジアに対して大量の兵を向けておる、これは二十万と言われておるのですが、そのことによってヘン・サムリン政権が維持されておるというのが現状ではないかと思うのです。しかし、そういうことについては国連もまた非難をしておるわけでございまして、したがって、国連ではこの民主カンボジアの立場というものが認められておる実情にあるわけですね。でございますから、われわれはカンボジアにおけるベトナムの撤兵ということはやはり最優先されなければならないと思うのですね。これはフォークランドにおけるアルゼンチンが兵力を使った、イスラエルがレバノンに対して兵力を使ったと同一の意味合いにおきまして、軍事力をもって他国を支配する、そういうことについては批判すべきところではないか、私はこう思うのであります。 そこで、いまお尋ねは、インドシナ三国が協力をして、またASEANへも呼びかけておるということから御所見があったわけでございますが、一体、インドシナの現状というものがこのままでいいかどうかということから考えていかなければならない問題でございまして、ベトナム、またその背後にあるソ連、そういうものによって圧力を加えられた姿を私は是認していくわけにはいかないと思うのであります。したがって、この民主カンボジア政府が今度三派連合によって基盤を固める、そしてこの三派がそれぞれの組織、政治活動を通じてそしてカンボジアにおける不当な姿というものを解決していこう、これについては、現在までも民主カンボジアの政権というものを日本政府としては認めてまいったのでありますから、その基盤の拡大されておる、また拡大されようとするこの状況については支持を与えていきたい。ですから、いま野間委員の言われるような御所見によることにつきましては、われわれとしては批判を持っておるということを申し上げたいと思います。
○野間委員 時間がありませんのでこれについての反論が十分できないわけですけれども、しかし、われわれは全くそれと見解を異にしております。ポル・ポトの大虐殺に対する中でのカンボジアの人民の蜂起、この中での政権の樹立と、そしてこの要請に基づいてベトナムが援助に入っておるという関係にあるというふうに私たちは認識しておりますけれども、いま外務大臣の御見解からすれば、全くその実体のない、そういう外でできた三派に対する非常に思いやりと申しますか、そういうものがあっても、中に対する、いまのヘン・サムリン政権に対するいろんな偏見とか異なった見解を持たれた上での措置の仕方については、私は納得できないわけであります。 これはまた別の機会にいたしまして、時間がありませんので、あと一問、と申しますか一つのテーマ、端的にお聞きしたいと思いますが、この八月の下旬にハワイにおきまして安保の事務レベルの協議が行われる予定のようですが、昨今、この中で非常に大きな問題となってきたのは、いわゆる思いやり分担ですね。いま、労務経費あるいは施設の経費をトータルしますと五百十五億円、大変ふくれ上がっておるわけですね。しかもその上に、政府筋の発表というところで、新聞の報道によりますと、レーガン政権がさらにいま以上のいわゆる分担、地位協定の解釈を柔軟に、これを変えてもいま以上の分担、こういうことを要求しておるようであります。特に問題は、基地での従業員の福利厚生費、あるいは国家公務員の給与水準以上の部分の経費の負担、これはすでに支出しておるようですが、このほかに、基地従業員の給与の本体部分を日本側に負担をというふうに求めておるやに報道しておりますけれども、こういう要求が現にいまあるのかないのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○淺尾政府委員 野間委員は、六月三十日の読売新聞の報道を恐らく引用されているかと思いますが、そういう要求はございません。
○野間委員 もしあった場合に、いま申し上げたように従業員の給与の本体部分についての負担について日本側が負担をするということ、こういうことはあり得ないと思いますが、この点についてはいかがですか、いままでの答弁はずっとありますけれども。
○淺尾政府委員 お答え申し上げます。 かねてから当委員会その他の委員会でお答えしておりますが、労務費の負担については、現在日本側が負担しているのが地位協定上解釈のぎりぎりいっぱいでございます。したがって、地位協定の解釈の上でこれ以上負担することはできないということでございます。
○野間委員 それじゃ、将来とも負担ができないということをいまの答弁から確認したいと思いますが、ただ、いろんないまの構成の中で考えられますのは、思いやり分担なるものがどんどんふくれ上がってきた、いまの局長の答弁にありましたように、恐らく、いまの地位協定の解釈からすればぎりぎりのところまで来ておるということのようだと思います。ところが、昨年五月の日米共同声明、その四項を受けて、そして八項というようなことの中で、この枠をひとつ破って何とかしてというのが向こうの要求のようでありますが、そうしますと、給与本体については、いま答弁がありました。諸手当とかあるいは退職金、こういうものからなし崩し的に日本側が負担をするというような方向でやられる、そういう危険性もないのかどうか、この点も、ないとするなら、はっきり明確にお答えいただきたいと思います。
○淺尾政府委員 共同声明との関連で申し上げれば、むしろアメリカ軍が日本側に対して期待しているのは、施設経費の増額でございます。これは、御承知のとおり、大体年間二五ないし二九%という増加をしております。それから光熱費についても、アメリカ側が日本に負担してほしいという話が、一般的な期待の表明がございました。しかし、われわれとしては、これは地位協定上できないということを明確に話しております。
○野間委員 この共同声明の四項と八項の関係ですが、四項では、中東情勢についての共通した認識、その上に立って、アメリカの努力が日本に大変裨益しているということについての意見の一致も四項の中にあるわけですね。それから八項では、「在日米軍の財政的負担をさらに軽減するため、なお一層の努力」と。この二つからして、在日米軍の財政的な負担の軽減、これは四項を盾にして、そしてその軽減を迫ってくる、これもいま指摘された読売新聞の報道の中で、現にアメリカがこういう要求をしておるやに書かれております。この点について、それでは四項が在日米軍の財政負担の軽減、これらの根拠になり得ないというふうに解していいのかどうか、言い切れるのかどうか、この点についてはいかがですか。
○淺尾政府委員 御承知のとおり、昨年五月に出しました共同声明については、アジア、アフリカ、中近東、中米その他の情勢について言及しております。その中で、中近東については、いま野間委員が御引用になりましたように、中東地域、なかんずく湾岸地域でアメリカの確固たる努力、それは日本に対して裨益しているということでございます。これは、いわゆるアメリカ側が湾岸諸国の安定に払っている努力が、日本の一番の石油の動脈でございますペルシャ湾、インド洋等の安定に資しているということでございます。 他方、八項は、ここで明確に述べてありますように、日本側、アメリカ側が言っておりますことは、日本及び極東における平和と安全のために、わが方として、日本としては、「自主的にかつその憲法」の範囲内「及び基本的な防衛政策に従って、日本の領域及び周辺海・空域における防衛力を改善し、並びに在日米軍の財政的負担をさらに軽減するため、なお一層の努力を」するということでございまして、ここで言っているのは、あくまでもわが方としては自主的に、しかも極東の安全と平和のためにやるんだということでございます。
○野間委員 そうしますと、この財政的負担の軽減について、これは四項からは出てこない、四項は全く根拠になり得ない、こういうふうに解していいかどうかですね。この点について明確に答えてください。
○淺尾政府委員 アメリカの議会筋でそういう意見のあるのは事実でございます。しかし、この共同声明については、日米間で長い間の話し合いでできたわけでございまして、いまの八項における日米の負担については、極東及び日本の安全と平和、こういうことに限られているわけでございます。
○野間委員 時間が参りましたのでやめますけれども、その点、さらに確認なのですが、ちょっと聞き落したと思いますが、そうすると、根拠になり得ないというふうに解していいのかどうかですね。
○淺尾政府委員 わが方が財政的負担をするのは、あくまでも八項からしか読めない、こういうことでございます。
○野間委員 時間が参りましたので、きょうはこの程度で終わります。
○中山委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 ————◇————— 午後一時四十五分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 千九百八十年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件及び千九百八十一年九月二十五日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百七十六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件の両件を議題といたします。 外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣櫻内義雄君。
○櫻内国務大臣 本日、当委員会において御審議いただく千九百八十一年九月二十五日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百七十六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長について、一言御説明いたします。 現行の一九七六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長を決定した際の国際コーヒー理事会決議(第三一八号)は、その1において一九八三年十月以降の新協定に関する提案につき本年六月三十日までに決定する旨定めておりますところ、本年三月より行われた国際コーヒー理事会の精力的な交渉にもかかわらず、同日までに新協定について完全な合意を見ることができなかったため、同理事会は、残った作業を九月に行われる会合において完了することとし、理事会による決定の期限たる六月三十日を九月十六日と改める決議(第三一九号)を採択いたしました。 右御報告申し上げます。 —————————————
○中山委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。土井たか子君。
○土井委員 私は、コーヒーとココアをきょうは一括して審議させていただきたいと思うのですが、いずれも嗜好品でありまして、私自身も愛好者の一人でありますから、この中身には関心を持ってひとつ臨みたいと思っております。 ただいまコーヒー協定の問題につきまして外務大臣から御発言がございましたので、まずその点についてお尋ねを始めてみたいと思うのです。 現行協定はことしの九月三十日に失効することとなるので延長が今回問題になっていると思われるのですが、延長のための要件が満たされないということになるとこれは失効するということに相なるのですか、どうなんですか。
○都甲政府委員 お答え申し上げます。 この協定は、第六十八条の(1)におきまして有効期間を一九八二年九月三十日まで六年間ということに明確に定めております。ただし、有効期間が延長される場合はこの限りでないと書いてございますけれども、延長されない限りこの協定に従いまして一九八二年の九月三十日において効力を終了することになっております。その意味で先生仰せのとおりでございます。
○土井委員 そういうことがこのいただいた文書の中には、決議三一八号とは書いてございませんけれども、一九八一年九月二十五日の国際コーヒー理事会決議によって承認をされて、一九七六年の国際コーヒー協定の有効期間を一九八三年九月三十日まで延長するということをまず決めて、「ただし、」とただし書きがここにございます。「国際コーヒー理事会が、同協定の有効期間が同年十月一日以後の日まで延長されることとなる場合において適用されることとなる同協定の修正に関し加盟国の行う提案であって千九百八十二年一月三十一日までに受領するものにつき、同年六月三十日までに決定を行うことを条件とする。」と明確に書いてあるのですが、このただし書きの部分で問題になるのは、つまり八三年十月一日以後ですね、さらに延長していくということについて適用されることとなるこの協定の修正についてこの六月三十日までに決定がまず行われなければならない、行われない場合には、これはただし書きですから、これは一九八三年九月三十日までの延長もできませんよというかっこうになるのだろうと思うのですが、いかがですか。
○都甲政府委員 この決議の案文の第一項を見ます限りにおいては一九八三年九月三十日まで延長されるということが書いてございまして、そのただし書きとして条件を書いてあるわけでございますから、この第一項の立て方を字句どおりに読む限りそのように解されます。
○土井委員 そうすると、事は大変重大だと思うのですね。今回この審議をいたしております有効期間の延長についてだけが非常に中身として問題になっているこの協定について、協定自身がこれはすでに六月三十日までに決定を条件とした問題を満たしていないというかっこうで、ただいまこれを受けて衆議院では審議するというかっこうになるわけですから、すでに失効したものについて審議をしているようなかっこうにならざるを得ないのですが、この点、どうですか。
○都甲政府委員 この点につきましては、確かにこの決議をいたしました際に、理事国の一致した意思といたしまして、新しい協定が作成されるまでに一年間延長する以上は、特定の期限を付して、そのときまでに新しい協定の内容についてある程度めどを立てよう、新しい協定についての合意を達しようという一致した意思がございましたので、その意思を表明するためにこのように延長するための条件として六月三十日という期限を付したというふうに承知しております。
○土井委員 という御説明で、にもかかわらず六月三十日にはできなかったのですから、そうなってくると、この延長の問題は基本からもう失効しているというかっこうに法文上、純法理的に考えていくとなるのです。したがって、いま当外務委員会、衆議院におきましては、参議院のときは六月三十日以前ですからその問題はいざ知らず、ただいまは六月三十日を経過いたしておりまして、六月三十日までにできなかったという事実を踏んまえての審議に相なりますから、純法理的に言えば失効したものに対して審議をするというかっこうになっていくので、これはいまの御説明からしてもそのことをさらにはっきりと認めることになるわけですが、どうですか。
○都甲政府委員 このコーヒー理事会におきましては、条約の六十八条の第三項によりまして延長につきまして決定をすることができるということで、理事会の権限に、いわば現行協定の六十八条の三項においてこの延長につきましては理事会の決定でこれを行うことができることになっておるわけでございます。それで、先ほど御説明申し上げましたように、当時理事会の一致した意思として六月三十日までに新しい協定の修正案について決定を行うという意思があったわけでございまして、それで新協定につきましては三月、五月、六月と三回の審議を行いまして、何らか妥協に達しようということで審議を行ってきたわけでございます。特に、第三回目につきましては六月十四日から審議を行いまして鋭意交渉をいたしましたけれども、特に輸出割り当ての枠の振り当て方につきまして、旧来の伝統的な産出国と新興産出国の間、あるいは伝統的な産出国の間同士でもその枠の振り当て方につきましてかなりの意見の対立があったということで、六月三十日近くになりましてこの条件を満たせない事態が起こりそうだということになったわけでございます。その際にわが国としては消費国のグループの中におきまして、やはりここに三十日までという条件が付されているのであるから、これは何としても三十日までにまとめる必要があるということで、消費国グループの中では日本はその立場を強く主張いたしました。それで各国ともその考えにはそれなりに理解を示したわけですけれども、しかし、アメリカ、EC、北欧等の消費国の大勢は、やはりこの条件が満たされないからといってこの協定を終了させてしまうには余りにも影響が大きいということ、それからこの協定がなくなるということになりますとコーヒーの市場価格に非常に悪い影響を与えるということ、この二つの観点から、やはりこれは何としても期限の延長ということもやむを得ないのではないかという大勢になったわけでございます。 それで、そういうことがございましたので、三十日の日には現実に理事会といたしましては物理的に時計をとめまして、その夜何とかしてこの協定の交渉をまとめようということで最大限の努力をしたわけでございますけれども、どうしてもまとまらなかったわけでございます。その際に、それでは理事会が決めたこの期限に従って協定をやめてしまう方が合目的的であるか、それともやはりこの際は理事会の権限に与えられているこの決定を新たな決定に置きかえることによって協定を存続させるということの方が合目的的であるかという判断を理事国としていたしまして、結局最終的には、先ほどの御説明にございましたように、新しい決議によりましてこの六月三十日という期限を九月の十六日というふうに改めたわけでございますけれども、この経緯に徴しまするに、この協定を存続させるという理事国の一致した意思によってこれを変えたということはやはりそれなりに経緯的には理解ができる事情があるのではないかと思いますので、条文解釈的にこの決議の第一項を厳格に解しますれば先生御承知のとおりでございますけれども、そこに至る背景、これを変えざるを得なかった背景にはいま御説明がありましたような事情がありますし、また、理事会に与えられた権限を行使しての理事会の新たな決定の採択ということ自体についてはわが国としても基本的に異論を唱えることはむずかしいのではないかと考えますので、そのように御理解いただければと思います。
○土井委員 いまの御説明を聞いていると、どうもその日のうちに十分に討議を重ねて結論を得られることがむずかしいとなると、時計の針をとめるのは日本の国会だけかと思っておったらそうでもなさそうなんですね。国際会議の場所でもそういう、これは不正常な、不穏当な、いわば非常識なやり方というのがやはりあるというのを確認をしているわけです。ただ、いま御説明になったのは理事会の中でどういうことがあったかという御説明であり、それからやはりコーヒーを産出する産出国、輸出国の立場ということに対しても理解をしなければならないという姿勢についての御説明は賜ったのです。ただ、私はそんなことを言っているのじゃないので、ここに出されてこられたことについて純法理的に言えばもうすでに失効しているものをこの衆議院では審議をしているかっこうになりますねと、これは純法理的に言えばそのとおりだとさっき認められた。 そこで、外務大臣に一言あってしかるべきだと思っているのですが、外務大臣、いかがですか。これは純法理的に考えたらそのとおりなんですよ。これはもう失効してしまっているものについてわれわれは審議をしているかっこうになる、純法理的に言えば。先ほどの外務大臣の御説明は受けました。受けましたけれども、その御説明の中身はいま私が言っているようなことが純法理的に結果として出てくる御説明なんです。よろしゅうございますか。したがって、その御説明に対して一言あってしかるべきだと思います。いかがです。
○櫻内国務大臣 ただし書きがついておることで問題が起きておるわけでございまして、土井委員が法理論的におっしゃっておることはこれをどうこう申し上げることはできないと思うのでありますが、これは私の観点で申し上げますと、「国際コーヒー理事会決議によって承認された」云々と、そしてこの決議の本旨は一年間の延長、こういうことであって、そこで理事会においては九月十六日に改めたいという決議をされたことを通告してきておりますので、私はそのままを本委員会に御報告申し上げておるわけでございまして、私の御報告をどのようにお受けとめいただくかは本委員会の御決定だ、こう思うのであります。
○土井委員 外務大臣、少なくとも外務省としては、本来失効している条約、協定について国会で承認を求めるということはあり得ないのですよ。ところが、純法理的に言いますと、これは決められているただし書きの点について六月三十日までに決定をすることを条件とする、その条件が実は履行できなかったのです。そうすると、これは中身としたら八三年九月三十日まで延長されるという点も消えてなくなるのです。つまり、本体としていま一番大切な一年延長ということを問題にしているその意味が、純法理的に言えば消えてなくなりますよ。つまり、その点が失効してしまっている条約、協定について審議をお願いするというかっこうになるのですから、純法理的に言えば本体が消えてなくなっている協定に対して審議をお願いするというかっこうになるのです。きょうは、そういうことを踏まえた上で、国際コーヒー理事会の方がただし書きでは六月三十日までに決定を行うことを条件としていたけれども、事情があってこれを九月の十六日まで延ばすというふうなことを言ってきたという御説明をいただいたのです。しかし、それに対して外務省としては国会に承認をお願いするということについて、意のあるところは私は一つも聞かされていないのです。事実についての説明だけは聞かされました。しかし、外務省としてそれに対してどう考えるから、どうぞ国会の審議よろしくにはなっていないのです。外務大臣、よろしゅうございますか。私の言うことがおわかりになるかしらん。外務大臣、もう一度そういうところをお考えいただいて、ひとつ大臣として、外務省として国会に承認を求めるの案件として、この条約には適格性があるというところを御披瀝いただきたいと思うのです。いかがですか。
○都甲政府委員 先ほどの先生御指摘になった失効しているかどうかという観点でございますけれども、この点について一言だけ付言させていただきたいと思います。 御承知のように、六十八条の三項によりましてこのコーヒー協定の延長について理事会が決定することができるというふうに書いてございまして、ですから、ここで理事会はこの延長をこの決議によって決定したわけでございます。そのときに理事会自身は、この「六月三十日までに決定を行うことを条件とする。」という条件をみずからに課したわけでございますけれども、それは理事会がみずから審議を行った結果これが成就できないということで理事会の権限でその決定をさらに延ばしたということでございますので、これはむしろ理事会に任せられている事項について理事会が新たな意思決定をしたということであります。それから直ちに理事会として第一項の第一文にあります延長をするということについて、これが無効になったという判断を下したというふうには解せないわけではないかと思うわけでございます。 そういう意味で、先生がおっしゃいました失効ということをどういうふうにとらえるかでございますけれども、現協定はことしの九月三十日まで有効でございますし、この協定の六十八条三項に基づきます延長についての決定は、各国がこれを受諾したときに発効するという形になっておりますけれども、その前の決定自体は理事会の裁量で行えるというふうになっておりますので、これを延長されるという条件が成就しなかったから直ちに無効になるというふうには理事会自体としても解していないし、私が申し上げましたのは、通常の解釈においてこれを読みますと、条文上条件が課されていてその条件が成就しないときには延長されるということまで無効になるというのが通常の解釈かもしれませんけれども、理事会の運用としてはそのように取り扱わなかったということでございますので、その点を御理解いただきたいというのが私の先ほどの御答弁の趣旨でございます。
○土井委員 理事会の運用としてはそのように取り扱わなかった。そうすると、理事会の運用と日本の解釈、理解とは違うのですよ、いまの御答弁からすれば。理事会に対して日本として一言あってしかるべきじゃありませんか。理事会が何を決めようと日本は全部意のままに従いますという立場ですか。そういう立場でこれに加盟国として入っているのですか。私はそうは思わない。それに対して日本としてどういう理解を持ち、どういう解釈をして、この理事会の「六月三十日までに決定を行うことを条件とする。」ということをいままで確かめてきたのですか。
○都甲政府委員 先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、私どももこの六月三十日という条件が付されているということを非常に重要視いたしまして、特に消費国グループの中におきまして、三十日の条件を守るために何とかしてこの期限に交渉をまとめるべく主張は強くいたしました。それをいたしましたのは、国会にこの文書を御提出しており、ここに「条件とする。」ということが書いてあるわけでございますので、厳格に解釈すればそういうことになるので、六月三十日までに何とか交渉はまとめるべきだという強い主張はいたしましたし、そのように日本政府としての態度を明らかにしたわけでございます。 ただ、このような商品協定の交渉におきましては、各国のいろいろな利害もございますし、消費国全体としてこの際は新たな決定で延長もやむを得ざるものありという決定を下しましたので、日本国といたしましても、それに従うということはこの際いたし方ないと考えた次第でございます。
○土井委員 都甲さん、少し矛盾したことをおっしゃいますね。日本としては六月三十日までに決定するようにということを要請し続けた、こうおっしゃるのですが、六月三十日にそれが決定できなくて先に延ばすことに対しては何も言わないで、理事会決定だから仕方がないと思っていらっしゃるのですか。それはおかしいじゃありませんか。六月三十日に決定するようにと言い続けた日本としては、六月三十日に決定できなかったことに対してどういう措置をおとりになっていらっしゃいますか。それ自身が問題ですよ。
○都甲政府委員 六月三十日までにという条件を付した理事会の決定は、一九七六年の現行の協定によってあくまでも理事会の権限にゆだねられている判断でございますので、その判断につきまして理事会が全体として新たな決定を行ったことによってこの六月三十日という条件が新たな条件に取ってかわられたということは、わが国としては全体の意思に従うことが順当であったということでございますので、日本政府としては六月三十日という条件が書かれていたこと自体は非常に重く見ましたけれども、理事会の権限に与えられている決定事項については全体の意思に従うことがしかるべきであるということで、最後はコンセンサスで採択されたこの決議に賛成した次第でございます。
○土井委員 そうすると、これはただし書きの重みなんというのは何もないのですね。六月三十日に決定することを条件とするということは、理事会の言うことだから、何をどうしようと、条件が守られようが条件が守られまいが日本としては理事会の決めたことだから仕方がない、こうなんですか。それじゃ、こんな条約審議の意味がないです。
○都甲政府委員 その点は一番最初にも御説明申し上げたところでございますけれども、この決議を採択したときの理事国の一致した意思は、六月三十日までにこの延長された後の新しい協定について何らかのめどをつけるというのが一致した意思であったものでありますから六月三十日までという条件を付したわけでございますけれども、実際に審議をしてみてその六月三十日までに新しい協定ができなかったという際に、理事会としてその条件が満たされなかったからそれでは延長をするという決定を無効にするかという判断に迫られたときに、一年間の延長までも無効にするというのは全体の意思ではないということで、新たな条件を付してこの延長を有効にしようということに決めたわけでございますから、これはこの協定によって与えられている理事会の権限の行使としては日本国政府としてもこれを無視するあるいはこれに反対するということはできかねたわけでございます。また、六月三十日までに新協定についての合意が成立しなかったときに、それではこのコーヒー協定を字句どおりに解釈して無効にすることが果たしてコーヒーにつきましての世界的な秩序を維持する上から好ましいかどうかという観点からしましても、やはりこれはこの際、理事会の新しい決定によって、六月三十日という条件を延ばすことによって協定を延長するということの方が利益があるというふうに判断したわけでございますので、この判断はそれなりに理由があるものと考えております。
○土井委員 延長させることについてそれなりの利益があるという判断、それは後で聞きますが、その判断はそれで結構です。しかし、それはそれとして、理事会決定が六月三十日をめどとして、条件としているということが守れなかったことに対しては、日本は賛成する立場であっても理事会に対して一言あってしかるべきだと思うのです。その一言はあったのですかなかったのですか。日本としてはこれに対してはやはり一言あるべきですよ、条件とするとちゃんと決めたことに対して日本も確認しているんですから。どうです。
○都甲政府委員 経過的には先ほども御説明申し上げましたように消費国会議の中で日本は主張したわけでございますけれども、最終的な採択がコンセンサスということで行われましたので投票するという事態が起こらなかったわけでございます。ですから、投票の場合には投票理由の説明ということで日本としてしかるべき見解を表明する機会があったかと思いますけれども、コンセンサスということで採択されましたものですから消費国グループの中での発言以上のことは行う機会がなかったわけでございます。先生御指摘のように、国際的な機関におきましてもこういう決議案の表現等についてもう少し慎重であるべきであるという見地からは御指摘のような指摘をしかるべき場でする機会を持つことが望ましかったということは考えられる、御指摘のとおりだと思います。
○土井委員 こういう例はそう再々あるわけではありませんで、外務委員会の場所におきましても条約審議をする中でこういう例が出てきたのはこれが初めてであります。したがいまして、すでに参議院先議でこの条約が参議院では可決されて承認されて衆議院でただいまこれを審議するという、その間の出来事ですから、どういうふうに議事運営の上で取り扱っていくかということは先例となるという意味において非常に大事なので、外務省が国会承認を求めるの案件として出されている条約について余り安易な考えで臨まれるということは今後慎んでいただきたい。これを機会に外務省としてはよほど慎重に事を運ぶということに対して新たに考えていただく機会にしていただきたいと思うのです。 さあそこで聞きますが、なぜ六月三十日に条件となっている決定が行われないで延ばされるかっこうになったのですか。結局、九月十六日までにするということを決めたのも六月三十日じゃなくて、これは時計をとめたのでしょう、七月の二日、実質的には三日というかっこうだと思いますが、なぜなんです。
○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。 特に問題になりましたことは輸出国の間での輸出割り当ての配分の問題、それから小輸出国の取り扱い等でございます。これらの問題につきましては、主として生産国同士で意見が一致しないで合意に達していないということでございます。
○土井委員 そうすると、事は基本的な問題であって、これはなかなかむずかしいと思うのですよ、非常にむずかしいと思うのです。 一つは、これは六月三十日までに決定することができなくて——むしろ六月三十日という日を九月十六日まで延長するんだったら延長することだけでも六月三十日までに決定できたことですね。六月三十日にできなくて七月の二日にまで延ばしたわけでしょう。そうして、七月二日にまで延ばして何をやったかといったら、六月三十日を九月十六日まで延長するということだけが要は中身として決められたというかっこうなんですね。だから、問題からするとこれは二つあるのです。 一つは、六月三十日から七月の二日までの間、事実上この理事会で討議をした中身は全部無効のうちに討議されたというかっこうになっているということが一つですね。あと一つは、果たして、九月の十六日まで延期をされたけれども、その中でいま言われたような基本的な問題が解決されるのだろうか。六月の三十日という期限を限って、だれでもが承知をして、これを条件としてやるという前提で臨んでだめだった問題、これをさらに期間を延長して大丈夫と言えますか。これまたむずかしいですよ。九月十六日まで延長してもしそれができなかった場合どうなるのですか。これはいま申し上げた二つの問題について答えていただきたいと思います。
○都甲政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の第一の点につきまして、六月三十日から二日までの間についてどうかということでございますけれども、理事会として明確なやり方としては、確かに御指摘のように六月三十日に暫定的に延ばしておいてさらに新たに決定をするというやり方もあったと思いますけれども、この点は理事会がどのような解釈のもとにこの二日にこの決定を行ったかという詳細については承知しておりませんので、これはむしろ理事会としての意思を確かめるべきだと思います。ただ、理事会としては三十日まで交渉を行うべきであるということを意識しながら交渉をしてまとまらなかったもので、交渉継続中に七月二日になってやっと合意が成立したという状況があったということで、これはその事実からしんしゃくする以外に私どもとしてはないという気がいたします。 それから、第二の点でございますけれども、では九月の十六日にできなかった場合にどうなるかということでございますけれども、その際に理事会としてどういうふうな決定を迫られるかはそのときの理事会の判断になると思いますけれども、選択としては新しい協定の成立の見込みがないので延長をやめるという選択もございましょうし、あるいはあと一週間交渉を延ばせばさらに協定の成立の見込みがあるということであればそういう決定もございましょうし、これはそのときの理事会の判断にまつことにまたなるのではないかと考えております。
○土井委員 これは理事会の問題は万事理事会預けであって、理事会の決定に日本は従うということを一から十までおっしゃるんだったらここまで問題にならないんだと思いますが、しかし日本も締約国として、この理事会の中身、理事会の決議、理事会のやりよう、これが万事を左右していく問題ですから、日本も断じて無関係じゃないのですね。そうなってくると、六月三十日から七月の二日までの間はどんなことがあったのかよくわからないけれども、事実によって勘案する以外にない。それはまだよく確かめておりません程度では困るのです。すでにわれわれは手元に決議第三一九号というのをいただいておりますから、決議をいただく前に、どういう経緯があったかというのは承知の上で決議というものについていただいているものとわれわれは理解しておりますよ。したがいまして、理事会を尊重するとおっしゃる御答弁が相次ぎますから、理事会の席で六月三十日までになぜ期間を延長させるということすら決議できなかったのか。そのことがひいては六月三十日から七月二日までの間は無効のありさまのままで理事会は種々協議しているわけですから、そこで協議されたことは一切意味がないとすら純法理的に言ったら言えるのですよ。
○櫻内国務大臣 だんだんお話を承っておって、私は現行の協定は一九八二年九月三十日まで有効だと思うのですね。それを一年延長する決議をした。だから、六月三十日から七月の間はどうかというと、現行協定の九月三十日まで有効だという問題は、これはこれで別だと私は思うのですね。ただ、この八二年九月が来てから先に一年を延ばすについては、さらにもうひとつ先のことも決めてかかれよというのがただし書きであった。しかし、そのただし書きは六月三十日までに結論が出なかったので改めて理事会は九月十六日までにしたい、そういう決議をしたわけでありますから、そこで、おしかりでございましたけれども、その事実を申し上げて、そしてこの協定の御承認を求めたい。この協定の本旨はあくまでも本年の九月三十日以降をどうするかの問題である、こういうふうに私は見るわけでございます。
○土井委員 そうすると、いまの大臣の御発言からすると、九月三十日以降の問題について改めて問題にしましょうとおっしゃる御趣旨ですか。どうなんですか。
○櫻内国務大臣 この御承認を求めようとしておるのは、ここにはっきり書いてあるように、現行協定が「八十三年九月三十日まで延長される。」しかし、延長されることについて、これはちょっと表現は悪いけれども、ただし書きがついたのは、少し欲張って、これを延長するについてさらにもうひとつ先までを六月三十日までにやることを条件とする、こうしたものですね。しかし、六月三十日までにできなかったからその権限のある理事会が九月十六日までにしたということで、そこでこの理事会は理事会による決定期限たる六月三十日を九月十六日と改める決議を採択いたしました、こういうことを言ってきておるので、この改めたことをここに御報告申し上げておる。 まあ私らのように頭の余りよくない方は、この六月三十日が九月十六日ということだと、これは間違って、いまこの段階では六月三十日というのはだめなんだから九月十六日に直してくれと、こういう意味合いですね。
○土井委員 直してくれ、こういう意味合いですねとおっしゃるのですけれども、外務省のわれわれがいただいている文書には九月十六日とは書いてないです。「六月三十日までに決定を行うことを条件とする。」ときっぱりと言い切られておる。したがって、その後に出てまいりました問題点の取り扱いについてどうあるべきことが最も望ましいか、正しいかということをいま討議しているわけなのであります。 外務大臣、先ほど頭が悪いなどとおっしゃいますが、頭の問題ではないので、これはやはり取り扱いの問題について、適正に行うことのためにはいま外務省としてどうあるべきかということをひとつお考えいただきたいということで、私はげたを預けたかっこうで質問しているわけですから、そういうこともお含みおきの上で聞いていただきたいなと思うわけです。 そうなりますと、これは外務省として、再度確認のような聞き方をしますけれども、一九八三年九月三十日まで本協定は延長されることが日本としては好ましいというふうに大前提として考えていらっしゃるのですね。そうあってほしいという立場でこの問題に対処しようということをあくまで考えていらっしゃるのですね。この点はどうです。
○妹尾(正)政府委員 仰せのとおりでございます。御支援をお願いいたします。
○土井委員 そうなってくると、いまの問題の対処のしようもいろいろあるのです。国会に対して後でこうなりましたという事情説明結構、これはしていただかなきゃ困ります。ただ、そのときにつじつま合わせのための言いわけがましいことは、これは害はあってもよろしくないのです。その問題に対処するのに日本の外務省としてはどうあるべきかということを、すでに国会に出された責任ある、この「六月三十日までに決定を行うことを条件とする。」という文書に従ってどう考えるかということを終始一貫考えてもらいたい。これは問題の対処のABCですよ。先ほどいろいろ理事会ではこうだったああだった、それからいろいろと産出国の立場はこうだったああだったというふうなことをおっしゃいますけれども、それは事情説明でありまして、外務省としてそういう問題に対してどうお取り扱いをなさるかということについてはまだ聞かせていただいていない。 そこで、繰り返しになりますけれども再度申し上げたいのは、六月三十日までに理事会は決定しなければならなかったことができなかった。しかも、理事会は九月十六日まで六月三十日を延長することすらも六月三十日までに決定できなかった。九月十六日まで延長することを決定したのは七月二日である。そうなると、理事会の七月二日決定というのは、本来この文書からすれば無効である。六月三十日から七月二日の間になされたいろいろな討議は意味のない討議であるとすら言える。このことに対してどのようにお取り扱いをなさるかということが一つ。 それから、九月十六日というのは理事会で決められているのですから、六月三十日までの間にいろいろすったもんだやって、これは一番基本的な産出国の割り振りの問題でしょう、これぐらい紛糾を呼ぶ問題はほかにないと思うのですが、九月十六日までにそれは今度やりますと言って、またそれも延ばされる可能性もあるのです。これに対しての対処の仕方、これはやはり日本としては理事会に対して言うべきことはあろうと思うのですが、いかがですか。
○都甲政府委員 お答え申し上げます。 第一点につきましては、六月三十日から二日までの間は、先ほどもちょっと御説明いたしましたけれども、理事会の議場の時計をとめまして生産国間で調整に鋭意努めたわけでございますけれども、結局生産国間の調整ができなかったので、理事会としては新たな決定というふうに方針を変更せざるを得なかったという事情でございます。 それから、九月十六日までの期限が新たに付されているわけでございますから、政府としましても、これはこのコーヒー協定の新たな協定の作成を前提としての延長ということにつきまして、やはり国際的なコーヒーにつきましての秩序維持の見地からこれは非常に重要な事項であると思いますので、そのときまでに産出国同士の協議が調うことが一番望ましいわけでございますので、その方向に向かってできることはしていくということが政府のとるべき道であろうと考えております。
○土井委員 できる限りのことをしていくのがとるべき道、それではできる限りのことをひとつ申し上げたいと思いますが、すでに出された文書は、八三年九月三十日まで延長されるということを前提にただし書きで書かれた分が全部条件が変わったのです。よろしゅうございますか。事情変更の原則ですよ。そうすると、出されたこれ自身の事情が全部変わったということであって、つまり一九八三年九月三十日まで延長されるという部分もいまは消えてなくなっている、こういうことをわれわれは確認しておいてよろしゅうございますか。その上で審議をいたします。
○都甲政府委員 この点は先ほどから何回か御説明したつもりでございますけれども、意を尽くしておらない点は申しわけないと思っておりますけれども、九月三十日までの延長という理事会の決定につきまして条件が付されたわけでございますけれども、この条件につきましては、実態的にこれが実行不可能だということで、理事会がその権限を行使して新たな決定を行って、九月十六日まで新たな条件のもとに延長を決定したわけでございますから、これは来年の九月三十日まで延長をするという理事会の決定はなお有効に存続しているというふうに考えるのが適当だろうと考えます。
○土井委員 理事会の時計はとまったかもしれませんが、日本の時計はとまってない。したがいまして、とまってない時計を持っている国の立場があろうと思うのですよ。よろしゅうございますか。したがいまして、産出国の立場を尊重するということはあくまで尊重していいですよ。それとこれとはわけが違うのです。一たん決められたことが守れなかったということに対して、日本はさようでございますか、結構ですという立場にないのです。やはり一たん決めたことに対しては、これは少なくとも条件とすると言われている条件は守るということが至上命題ではないかということに対して、先ほども都甲さん少しはおっしゃいましたけれども、はっきり、日本としてはそういう機会がいままでなかったからということではなくて、言うべき問題だろうと思うのです。理事会に対して、これははっきりおっしゃっていただけますね。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。 これからまだ協議が残っているわけでございまして、夏から秋にかけて新協定を、今回合意した期間、九月十六日までの間に成立させることができるかどうかということをこれからやっていく段階でございますので、いろんなことがこれからもあると思いますから、すべてこうであるというふうに断言的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、これまでも外務省側から繰り返し御説明しておりますとおり、私どもとしてはこの理事会の決定、前回の決定の意味というものを非常に重視し、そういう立場から六月三十日の時点で合意が成立しなかったということについても対処してまいったわけでございます。 今回九月十六日ということを決めまして、九月十六日になってまたすべては御破算だということになりますと、理事会の決定というのは重みを持たないことになるわけでございますので、できるだけそういうことにならないように最大限の努力をすべきだと考えております。もちろんこれは第五位の消費国として日本ができる限りの努力をするということでございますから、生産国の間で合意が成立しない場合、あるいは消費国のほとんどの国が全然違う考え方をとる場合、それは九月十六日になっても新協定は成立し得ないということはあり得るわけでございますが、日本としてはそういうことにならないように最大限の努力をするということを申し上げるしかないと存じます。 ただ、その決定が決定どおりにならなかったことということで申しますと、従来も商品協定の交渉などで当初予定していたことが予定どおりにいかないというケースはたくさんございます。これは弁解で申し上げているように響くかもしれませんけれども、もっと基本的な、たとえばUNCTADで採択いたしました一次産品総合開発計画にしましても、その計画どおりに共通基金の協定交渉も成立いたしませんでしたし、いまだに発足を見ていないという状態でございますし、十八品目についての交渉も予定のスケジュールを越えておりまして、二回にわたってその目標期間を延長するというふうなことをやっているわけでございます。 それが、このコーヒー協定について一度決めたことがそのとおりならなかったという十分な弁解にはなり得ないと私も存じますが、多数国会議ですとこういうことがどうしても起こることがあるわけでございます。私どもといたしましては、コーヒー協定というものがコーヒーの価格の安定、それから生産国、消費国にとってもたらすべき利益、そしてできてくる新協定がどういうものが期待されるかというそういう利益と、それからその予定どおりに物事をできるだけ運んでいくべきであるということと総合的に判断しながら、現時点ではとにかく九月十六日までに最大限の努力をすると申し上げるべきだと存じます。
○土井委員 六月三十日までに出された外務省の文書というのは正式文書でありまして、「千九百八十一年九月二十五日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百七十六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長」という、ちゃんとこういう小冊子が審議資料としてわれわれに配付をされたのです。 ところが、今回このただし書きの点で事情が全く変わってまいりまして、この八三年九月三十日までの延長分についてもいま危ぶまれるようなことにすらなりつつある中身については、今度は仮訳しか出ていないのです。仮訳しか出てない。これは審議からいいますと、正式に言うならば、衆議院ではこういう資料に従って審議すること自身私はおかしいと思うのです。委員長どうお思いになりますか。
○中山委員長 委員長に判断を求められて大変——外務省の先ほどからの説明、土井議員との食い違いを感じるわけでございますので、何ならば休憩にして協議するようにいたしますか。それとも、外務省がひたすらお願いをしておりますから、事実上延長したことをお認め願って審議していただきたいという趣旨と、こう解釈をしております。実質的なもので消費国の利益になるので、その辺を御理解いただきたいというその苦しい気持ちのほどを察してやっていただいて審議していただけたらと、委員長からもお願いをしたいと思います。
○土井委員 これはなぜそういうことを私が言うかと言いますと、先ほどから都甲さんは理事会の決定、理事会の決定と言われますね。理事会の運営の問題であり、理事会の審議事項であり、理事会の決定の問題だと言われるのですけれども、それによってこの条約自身が変わるんですよ。よろしゅうございますか。その結果、それによって条約自身が変わることになるのです。条約が修正され、条約が変わるということになるんじゃないですか。事は、だから条約自身の問題なんですよ。いかがです。
○都甲政府委員 今回国会に御承認を求めておりますものは、現行協定の六十八条の三項に従って理事会で一年間と限ったこの現行コーヒー協定の延長でございます。したがいまして、この決議そのものが新しい協定としての意味を持つということではなくて、あくまでも御承認をいただきたいのは、この現行のコーヒー協定を一年間延ばすということでございますし、現在御審議いただいております一項の後段のくだりにつきましては、現在のコーヒー協定そのものの効力につきましては何ら影響を及ぼすものではないというふうに私どもは考えます。
○土井委員 現行はことしの九月三十日まで有効ですから、この問題をいま論議しているんじゃないでしょう。それから後、ことしから来年に向けて一年間延長されるということについて問題にして、ただしその後に、ただし書きがついて、来年の十月一日以降にこの条約の中身で修正する部分、加盟国の行う提案であってことしの一月三十一日までに受領したものについて討議をして、理事会で六月三十日までにそれを決定しなければならないということになっていたのですね。いま問題にしているのはその部分でしょう。いま無効か有効かというのは、ことしの九月三十日まではいやでもこれは有効なんです。そんなことは決まり決まっていて、それを問題にしているんじゃないでしょう。それから後の問題なんです。
○都甲政府委員 ただいま審議の対象としていただいておりますものは、今年の九月三十日で現行の協定が切れますものですから、その後一年間、すなわち一九八二年十月一日から一九八三年九月三十日まで延長する問題につきまして、このように延長してよろしいかどうかということについて国会の御承認をいただいているわけでございます。それで、この延長の方式につきましてはもちろんいろいろあるわけでございますけれども、自動延長というような形あるいは理事会の決定だけで延長するという方式もあるわけでございますけれども、現行のコーヒー協定は理事会が延長の決定をしたときにはその決定について各国の受諾を条件とするということになっておりますので、その現行の協定の規定に従いまして、現行の協定を一年間、ことしの十月一日から来年の九月三十日まで延長するという件につきまして御承認をいただくために御審議をお願いしているわけでございます。
○土井委員 それはもうはっきりわかっているのです。そのことによって参議院は審議したのです。参議院のところでは問題がなかった点が、新たに基本的問題というところで出てきたのです。だからいまやっているのですが、委員長、先ほど言ったのは、したがって理事会の単なる取り扱い上の問題ではなくて、この協定自身にかかわる問題なんです。したがって、外務省がこれを国会審議の場所に臨むときに出してこられている出し方というものがこれでよろしゅうございますかと、仮訳でいま問題にしているのですよ。
○中山委員長 国会審議の事情で参議院先議にしたわけで、それがいろいろな国会の他の審議案件の関係で延長の中での審議になりましたものですからいろいろ矛盾する部分を私も感じますし、形式的には土井委員のおっしゃるとおりであると思います。しかし、消費国としての立場から承認を与えるべきではないかということで理事会でこの審議をお願いし、議論を進めていきたいと思っておりますので、矛盾点は明確にした上で内容の御審議に入っていただくわけにいけないか、委員長からもお願いをしたいと思います。
○土井委員 それじゃ、いま先ほどから言うとおりそれは条約そのものにかかわる問題でもありますから、この部分について仮訳というわけにはいかないので、外務省が時間的な都合もあったんでしょう。お出しになるのに非常に急いでこういうかっこうをおとりになったのだろうと思いますけれども、別に会期延長後のただいまの国会はきょうがあすにも急いでどうのこうのということではなく時間的余裕が大分あるのです。したがいまして、そう無理に無理を重ねて、これはいままでにない例ですから、ただいまの取り扱いが前例になるということでもございますので、ありきたりのその場しのぎの取り扱いをするということはちょっと差し控えるべきではなかろうかと私は思ったりいたします。したがいまして、恐縮ですが、理事会でちょっと取り扱い方をもう一度協議をしていただくことを私は提案したいと思いますが、いかがでございますか。
○中山委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○中山委員長 速記を起こしてください。 都甲外務参事官。
○都甲政府委員 先ほど以来の土井委員の御質問に対しまして、政府の考え方をまとめてこの際御答弁申し上げたいと思います。 第一点といたしましては、御提出済みのこの文書の中で、この決議の中で六月三十日までに決定を行うということが決められておりましたので、これにつきまして、わが国としましても会議の場で鋭意努力いたしましたけれども、この六月三十日までに決定を行うということが実現できなかったことについては、これを深く遺憾と考えております。 〔委員長退席、愛知委員長代理着席〕 それから、理事会といたしましても、その決議の中で六月三十日までに決定を行うということを条件とすると一たん定めたわけでございますから、これについては、当然理事会としても、この会議の場でそのことが実現するようにすべきであったと考えますので、このことが実現できなかったことに対しては、日本政府としても、理事会に対してしかるべき形で遺憾の意を表明するということにいたしたいと思います。 それからさらに、理事会が新たに九月十六日までに行うことを条件とするということに決めたわけでございますので、この際は、理事会がこの新たな条件については是が非でもこれを守るように努力するよう、日本政府としてもこれを強く理事会に対して申し入れる考えでございます。
○土井委員 これはいままでにない例が新たに審議の過程で出てきたということでありまして、これの取り扱いは、先ほど申し上げたとおり、後、先例となるんです。それで外務大臣、一言外務大臣から、この問題について御発言をいただいておく必要がどうしてもあるように私は思います。 やはりこの協定についての修正をする手続の中身が、決められたとおりになされていないということに相なるわけでありますから、したがって、事はその国際コーヒー理事会の取り扱いが不適当か不適当でないかという問題にとどまるわけではありません。やはり日本の国として、加盟国として、さらにこの協定の修正に対して、やはり修正を認めていくという大前提で臨むということを先ほど言われているわけですから、修正をしていくのについての手続を、やはり決められたとおりに、これは踏んでもらわないとならないということは、どこまでもはっきりさせるべき立場がございます。したがいまして、すでに決められたその手続に従って行われなかったということがもう既成の事実としてあるわけですから、その点について外務大臣、これを、後々いろいろな場合がまた当外務委員会においては出てこないとは限りませんので、前例となるということをお含みおきの上で一応御発言をお願いをして、先に進みます。
○櫻内国務大臣 今回の、私から国際コーヒー理事会の決議を御報告申し上げた、すなわち理事会による決定の期限たる六月三十日を九月十六日と改める決議を採択したということの御報告を申し上げたことによりまして、その手続が妥当であるかどうか大変問題になった次第でございますが、ただいま政府委員から三項目について御説明を申し上げた次第でございまして、これは全くの異例のことであって、このようなことが再び起こるということではいけない。だから、私としては、こういうことは前例にならない。今回の場合は参議院を通過し、衆議院に送付されておる間の特殊の事情にございますので、したがって、私から理事会の決議をそのまま御報告申し上げ、この御審議を続けていただくようお願いしておる次第でございますが、これは全く異例なことであるということを外務省としても認め、先例とすることのないようにいたします。
○土井委員 わかりました。それでは、これは異例中の異例であって、これを例として後取り上げるということは許されない、これだけは全く異例中の異例としてぜひお願いを申し上げたい、こう大臣はおっしゃるわけですね。外務省としても、やはりこれは遺憾なことだというかっこうに相なると思うのです。 さて、いままで六八年協定は二回延長の後現行の七六年協定になっているのですが、その二回の延長について国会の承認を求めていないのですね。今回は承認を求めておられるわけですが、そのわけはどういうことに相なりますか。
○都甲政府委員 お答え申し上げます。 前回の協定は一九六八年の協定でございますけれども、この協定を作成した際には、輸出制限であるとか、本協定に盛り込まれているようないわゆる経済条項が全く入っていない協定としてのみ成立したものでございますから、経済条項の入っていないものにつきましては、行政府限りでこれを施行できるという判断に立ちまして、一九六八年の協定自体につきましても、これは国会の御承認を求める手続をとらなかったわけでございます。そういうことでございますので、これを延長する際にも同様な考えに立ちまして、国会の御承認を求めるという手続をとらなかった経緯がございます。
○土井委員 六八年協定を見ると、二十三条で分担金についての定めがあるのですね。日本もこれに加盟するのに当たって分担金を拠出して、予算をそれに計上しているのですが、これはいかがなんですか。
○都甲政府委員 失礼いたしました。六八年協定の延長の際に経済条項が落ちたわけでございます。それで、その延長の際に分担金の問題がございましたけれども、その分担金の処理につきましては、予算によってその分担金が認められるということを見越した上でその延長の手続を政府としてはとったわけでございますので、別途予算によってその分担金につきましては国会の御承認を求めた上で、他の問題につきましては、全く経済条項がない延長の手続につきまして、政府として、行政府限りでこれを処理させていただいた、こういう経緯がございます。
○土井委員 おかしい御答弁なんですね。 なぜかというと、小麦協定も、食糧援助の問題も分担金の問題がございまして、これについてはいまのコーヒー協定と同じ中身でありながら、小麦や食糧援助の問題は審議をお願いするといって国会承認を得ておられるのです。コーヒーについては、それが割愛されたというのはどういうわけでありますか。
○都甲政府委員 六八年協定は二年延長されたわけでございますけれども、一年目につきましては、日本政府としては、予算について国会の御承認をいただいた上で手続をとったわけでございますけれども、二年目につきましては、国会において予算についての御承認が得られることを条件として留保を付しております。そういうことで、ですから、もし、この国会におきまして、分担金について御承認をいただけなければ、日本政府としてはこの分担金を支払う義務がないという形にして、この延長の手続を行政府限りでとったということでございます。
○土井委員 予算に計上する、しないというのは、いま御説明を承っている限りでは、なぜ国会の承認を求められなかったかという理由にはなり得ないのです。それを理由にして言われたのでは、私たちとしては聞けないのです。それは承認案件として国会に提出なさらなかったという理由にはならないですよ。ほかの案件との兼ね合いから考えてもおかしいし、国会で予算をもうすでにつけてしまっているから、国会承認を得る必要がないとか、これから予算について恐らく国会で認めてもらえるであろうから、承認を得る必要はないとか、先ほど来の御説明を賜っていると非常に苦しい御答弁なので、ある意味ではお気の毒至極と申し上げなければならないのですが、これは国会承認を求めなかった理由にはしょせんなり得ません。それはならない。積極的な理由を求めます。どういうところに国会承認をお求めにならなかった理由があるのですか。
○都甲政府委員 基本的には、先ほどもちょっと触れましたけれども、延長の際に各国間の協議が調わずに経済条項というものがすべて落ちたわけでございますので、そういう意味でたとえばコーヒー貿易に関する数量規制であるとか賦課金の徴収等の国内規制をとるという必要がなかったということでございますので、そういう意味で経済条項がないものについては政府限りでこれを運営できるという判断に立って国会の御承認を求める手続をとらなかったというのが主たる理由でございます。
○土井委員 そうではなくて、六八年協定の場合にはすでに予算が国会の承認を得ていたという理由によってこれは承認を得ておられないようでございます。財政問題は条約の中にちゃんとあるのです。財政問題があたかもないような御答弁をいまされておりますけれども、そうじゃないのです。財政に関係するところはちゃんとあるのですよ。しかし、それは予算をすでに計上されてしまっているからいいじゃないかということではなかったかと思います、前後の事情を調べてみると。どうもそういうときには外務委員会に提案をして承認を得るというのはなかなか大変だ、承認を得るまでにいろいろめんどうくさい、国会から質問に名をかりていろいろととやかく言われる、できる限りそういう機会を持ちたくない、幸いにして予算も通ってしまっているから、あと予算がこれからだったらそれだけのめんどうくさい嫌な目も見なければならないかもしらぬけれども、もう通ってしまっているからいいじゃないか、それで政府レベル、行政レベルで片づけたというかっこうじゃないですか。本音を言ってくださいよ。しょっちゅういつでも何だか言いわけがましいことばかりおっしゃるのだけれども、本音はそうでしょう、要は。
○都甲政府委員 当時の本音はちょっと私は承知しないわけでございますけれども、経済条項と申しますのは、先ほど先生が御指摘になりました予算等につきましての財政条項とは異なる、むしろコーヒー協定の実態的な規制の内容そのものが国内的な法的な後ろ盾を伴うたとえば数量規制であるとか賦課金の徴収等の条項が入っている場合のことを私どもは経済条項と言っておりまして、こういう経済条項が含まれていなかった協定でございましたので、そういうことを主たる判断の根拠といたしまして行政府限りでこれを処理させていただいたという経緯がございます。
○土井委員 じゃないようです。これはもう水かけ論のようなことになりますから、ひとつ五十一年十月十九日の参議院でのこの問題に触れて討議をされておる議事録を持ってまいりましたが、村田さんが御答弁になっている部分を見ますと、「六八年協定が延長されました時点におきまして、その初年度、すなわち七三年の十月から七四年の九月までの分担金に関しましては、すでに昭和四十八年度」、つまり一九七三年ですね、「の予算に計上されておった次第でございます。したがいまして、わが国が延長をされた六八年協定を受諾しました時点におきましては、すでに予算が国会の御承認を得ておったということでございます。」とはっきりおっしゃっておるのですよ。だから、これについてはわざわざ承認を得るという手間暇をかける必要はない、もう行政レベルでやってしまえばそれでいいではないかということだというのです。いかがです。
○都甲政府委員 当時の実態的な内容といたしましては経済条項がないということが主たる判断になったわけでございますけれども、その際にも財政条項があるではないかという点が問題になりまして、財政条項につきましては、分担金の支払いということでそれについての予算的手当てを別途できるようにするということとそれから留保するという両建てで当時これを国会承認手続を求めない方法で行政府限りで処理するというふうに決めたわけでございます。先生御指摘の点は、その後段の財政条項についてどのように処理したかということを当時の政府委員から御答弁申し上げたものだというふうに私は考えております。
○土井委員 したがって、それは、先ほどから私が言っているとおりに、財政問題に対して関係があるのです。関係があるという案件については必ず国会に提案するということをかねてより当委員会においても問題にしております。条約について必ず国会の承認を求めるの条件の一つに入っているのです。国民の権利義務に直接関係しますからね。それが国会に提案をされて承認を求めず政府レベルでいままでお取り扱いをお進めになったということが事実関係としてあるのですよ。これはお取り扱いとしては間違っていやしませんか。
○都甲政府委員 分担金を負担するという形で財政条項が入っている取り決めというのはかなりたくさんあるわけでございますけれども、これにつきましては、行政権の範囲内であるいは予算で認められることを条件としてというような条件を付しまして行政府限りでこれを処理できるようにしている例がございます。それで、分担金というものにつきましては別途予算で御審議いただくことになっているわけでございますから、そういう意味で、分担金の入っている協定をすべて国会にお願いするということになりますとその数もふえますので、むしろそういう形で経済条項等が入っていて実態的な面で国会の御審議をいただく必要があるというものについて従来国会の御審議をいただいているわけでございまして、もちろん分担金におきましても長年にわたってこれを約束するというような形のものにつきましては当然そういうことは出てまいりますけれども、従来政府が分担金につきましてこれを行政府限りで処理する場合には、一年度のものであるとかあるいは予算の範囲内においてとかあるいは法律、予算の範囲内においてとかというような条件を付すことによってこれを行政府限りの取り決めとして十分に手続が完了し得るような形で処理をしてきているのが通例でございます。そういう観点から、先ほどの一九六八年の協定の延長につきましては、一年目につきましては、予算の成立を十分に見届けた上で、二年目については、予算によってこの分担金の支払いが認められることを条件としてという留保を付すことによってこれを処理したということがございます。
○土井委員 いま都甲さんおっしゃっているのは事情説明だけなんです。コーヒー協定というのは延長に延長を重ねていくということに対して日本は反対なさらないのですよね。さらにこのコーヒー協定は延長させることのために、先ほど来一時間も時間をかけて、今回の無理な理事会の取り扱いについても日本は承認をしてよろしいと賛成されているというお立場があるわけでしょう。だから年次別に今年限りという分担金じゃないということぐらいはおわかりの上だろうと思う。だから行政レベルだけで事を済ましていっていいというはずのない協定だという認識はまずは外務省としてお持ちになって至当だと私は思うのです、そういう理屈から言えば。いままで延長のときにかけてこなかったことを今回わざわざ承認を求めるということにされている理由としてはどの辺にあるかというので、逆に言うと、そういうことから言えば、いままでなぜおかけにならなかったかと私は問いたい。先ほど来の御説明は事情に対して何だか言いわけめいて聞こえてまいりますけれども、やっぱりこれは本来承認を求めるということでお臨みになることが私は至当だったのじゃないかと思いますよ。もう済んだことでありますけれども、外務大臣、どのようにお考えになりますか。
○櫻内国務大臣 過去の扱いについて私つまびらかにいたしませんが、今回は国会の承認を求めるための手続をとっておる次第でございまして、原則的な認識としては、国民の権利義務に関係あるものはこれはもう当然国会に付議しなければならないものだと思っております。
○土井委員 それで、少し私はコーヒーの問題について遅くなりましたけれども質問をさせていただきたい点があるのです。 コーヒーはいろいろ国内でいただく場合に非常に高いのですが、大体コーヒー豆の国際的価格というのはこのところ上昇しているのですか。いかがなんです。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。 コーヒー豆の単価は、七五年ブラジルで霜でコーヒーがやられたときに急上昇いたしましたけれども、それからは大体下がりぎみで来ております。その間、七八年から七九年にかけて一たん値上がりをしておりますが、傾向といたしましては下降ぎみでございまして、最近これは先月末の数字でございますが、一ポンド米ドルで一ドル二十セントということで非常な安値になってきております。
○土井委員 国際的な価格というのがそう安くなっていても国内的にはもうさっぱり変わらないのです。むしろ高くなることがあっても安くなることはないのですが、一体それはどういう関係でそうなるのでありますか。
○慶田説明員 お答えをいたします。 いまおっしゃっておられるのは多分小売価格だろうと思いますが、たとえばインスタントコーヒーの例をとりますと、昭和五十三年の平均価格が百五十グラムの瓶入りで千百八十円でございますが、五十七年二月の価格は千十八円ということでやや下がっておりますし、また喫茶店でお飲みになるコーヒーの価格でございますが、いま大体平均二百五十円のところもあれば三百円のところもございますが、最近の一杯のコーヒーの価格は、これは東京都区部の総理府統計局の調査でございますが、二百六十三円ということになっておりまして、昭和五十三年、五十四年に比べて、それほど上がっているということにはなっておりません。
○土井委員 国際価格が下がっていれば上がっていることになりませんというのは当然で、むしろ下がらなければならぬというのが一般的に考えられる常識なんです。 日本はコーヒーの輸入量というのはどんどんふえていっているのですが、一人当たりのコーヒーの消費量はむしろ減っているのです。一人当たりの消費量というのが減っているにもかかわらず輸入量がふえているという、この関係は一体どういうことに相なりましょうか。
○慶田説明員 お答えをいたします。 一人当たりの消費量は一九七七年に一・二四キログラムでございまして、一九八〇年一・七三キログラムというふうに少しずつふえてまいっております。
○土井委員 そうじゃなくて、いま私の手元にあるこれは少し古い資料ですが、いただいているのは、一九七四年から七八年までの年間一人当たり消費量というのを見ていきますと、七四年に比べて七五年は少しふえ、七六年は横ばいで、七七年は横ばいで、七八年になるとぐっと減っていますよ。
○慶田説明員 七八年は若干減りましたが、七九年にふえまして、八〇年にまたふえております。
○土井委員 それは消費者に対していろいろ振興対策というのをなすった効果がそのようなかっこうで出ているというふうに考えられているのかどうか。どうなんです。
○慶田説明員 お答えをいたします。 全日本コーヒー協会を中心にいたしましてコーヒー全般についての消費振興事業というのを行っておりまして、その効果は、食料消費全体が停滞する中でコーヒーの消費が長期的に見ると伸びている、一人当たりの消費量も伸びているし日本全体の消費量も伸びているということは、やはり振興事業の効果があったものだというふうに考えております。
○土井委員 やっぱりそれは効果が上がるものなんですかね。いまおっしゃったコーヒー協会というのは社団法人全日本コーヒー協会を指しておっしゃっているのではないかと思いますが、そのコーヒー協会がそうとするなら、この社団法人の所管省庁はどこになるのですか。 それと、このコーヒー機関の消費振興基金からの資金提供の中身ですが、それはどういうことになっておりますか。設立以降どれくらいがそこに拠出されていますか。
○慶田説明員 お答えをいたします。 社団法人全日本コーヒー協会の主管官庁は農林水産省でございます。 第二番目の御質問の、消費振興事業に対する国際コーヒー機関つまりICOからの助成は、ただいま実行しております事業、つまり昨年の十月からことしの九月まで実行しております事業について一億三千五百万の資金が助成されておりまして、国内で同額の資金を集めまして二億七千万の規模でコーヒー振興事業を実施しております。
○土井委員 ちょっと私わからないのですが、ただいま実行している事業とかコーヒー振興事業とか言われますけれども、どんなことをなすっているのですか。どういうことによって消費者に対してコーヒーを勧める、コーヒー事業を振興するということになるのですか、私はよくわからないのですけど。
○慶田説明員 お答えをいたします。 たとえばマスメディアの広告といたしましては、いろいろ二十代、三十代を中心といたしまして、ヤングを対象とする雑誌に対して広告を一年を通じて出しております。これはコーヒーの飲用に関するいろいろな情報を出しております。それからテレビの番組、これは主として若い女性を中心にいたしまして、十時半からの帯番組で年間十週間実施をいたしておりますし、その他新聞広告も実施をいたしております。そのほかにイベントといたしまして、コーヒーパーティーの習慣づくりを行うということで家庭内でのコーヒー飲用の機会の拡大を図るというふうなことで、全国各地で二十回ほどいろいろな講習会等を実施している。そのほかポスター、パンフレット、リーフレットのたぐいを作成しております。それで普及、消費振興事業を行っておるということでございます。
○土井委員 そういう宣伝費にかけられるお金を何とかコーヒーを安くする方向に振り向けられた方がよっぽど需要がふえるのじゃないかと私思ったりするのですが、単価にしてみると一杯のコーヒーというのはどれくらいなんですか。五十円かかるかかからないかでしょう。それがいま新幹線に乗りまして、紙コップで、それに余りおいしくもないコーヒーなんですが、一杯二百五十円するのです。これは上がる一方で、安くなることはないのです。一つでも二百五十円のコーヒーが二百円になったといったら、みんなええっと言って騒ぐ。百万言費やして口で宣伝したりいろいろなパンフをお出しになるよりもよっぽど宣伝になると思うのですけれども、どうして安くならないのですかね。国際的な市場というのは価格はコーヒー豆について安くなっていっているのに、いかがですか。
○慶田説明員 お答えをいたします。 はっきりした一杯のコーヒーの原材料費が何円ということは、ちょっといま正確な資料を持ち合わせておりませんが、大体二〇%か二〇%強ぐらいが原料費だというふうに考えておりまして、残りの八〇%が人件費でございますとか、あるいはコーヒー以外のお砂糖でありますとかミルクでありますとか、いろいろコーヒー以外の原材料費、それから容器代あるいはサービス的な経費だというふうに考えておりまして、人件費その他の値上がりによって、名目的には先ほど申し上げましたように一杯のコーヒーの価格というのはそれほど変わっておらないわけでございますけれども、余りサービス的な経費のウエートを下げることがむずかしいというふうに考えております。
○土井委員 しかし、公共交通機関の中でそうそうサービスがあるとは私は思わない。喫茶店に行きますと、いろいろ人件費とか、それから一般表現で言うとムード費といいますか、そこでいろいろ醸し出される雰囲気にみんなそれなりの意義を感じていらっしゃる方が納得をしてその代価をお払いになるというかっこうにもなっておりますから、それを一概に何円というのはけしからぬとは言えないと思いますが、しかし公共機関なんかで出されるそういうコーヒーのたぐいについていうならば、そうサービスというものがあるとは私は思わないのですが、これはいま先ほどおっしゃったような単価からいろいろ考えていくとちょっと高いように思うのですよ。 そこで、ちょっと申し上げますが、このコーヒー協会に定款がありますが、この定款に寄附行為といいますか政治献金の定めというのがないように思いますが、このコーヒー協会は寄附行為ができるのですかできないのですか。献金というものをしようとすればできるのですかできないのですか、いかがですか。
○慶田説明員 お答えをいたします。 先生おっしゃるように、定款の中には政治活動であるとかあるいは政治献金の規定は全くございません。したがって、恐らく現在もそういうことは一切しておらないというふうに考えております。
○土井委員 それは、考えていらっしゃると言うことは御自由ですが、大抵は、こういう場所でそういう問題を取り上げますと、というふうに考えておりますとか、というふうに理解しておりますという表現の御答弁が出てくるのですが、協会と名のつくところは、大抵これは政治献金と無関係なものはないという先入観がおよそわれわれの間にあるのです。したがいまして、昨年度のは、まだ八月にならないといろいろ政治献金の実態、自治省の方で集約されたのが出てまいりませんからわかりませんけれども、この協会においてはそういうことはない、これからもないというふうに断言なさいますか、いかがですか。
○慶田説明員 お答えをいたします。 全日本コーヒー協会は社団法人でございまして、公益性をもって農林水産省の認可した団体でございまして、いろいろ品質の向上の問題であるとかあるいは流通の合理化の問題であるとかあるいは消費振興事業でございますとか、事業を行っておりますが、政治献金につきましては現在もやっておらないし、恐らく将来もそういうふうなことはしないだろうというふうに私は考えております。
○土井委員 ちょっと終わりの方は自信がないような表現に変わられたのですが、政治献金なんかが幅をきかせるようになってきますと、所期の、つくられたときの目的というのが大分に色合いが違ってまいりますために、協会自身の存在というものがあたりから見るとずいぶん批判の対象になるような場合もあったりいたしますから、コーヒー協会というのがコーヒー事業の振興ということで持たれ、そして消費者に対してのいろいろな振興を問題にしたサービス部門でさらにサービスをしていくということでおありになるということならば、その点の機能を十二分に発揮していただきたいと私自身は思うのです。先ほど申し上げた価格について適正なものにしていくということの努力をどのようにやっていらっしゃるかというのがもう一つはっきりしないので、その点を、非常にくどいようですけれども、もう一言承って先に進みます。
○慶田説明員 お答えいたします。 価格の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、原材料費のほかに設備費でございますとかあるいは容器代でございますとか、そのほか人件費でございますとかあるいは提供する場所の土地柄でございますとか、いろいろな点がございますので、一概に一律な指導はできないと思いますが、なるべく国民の皆さんに安くておいしいコーヒーを飲んでいただくように業界を通じて指導してまいりたいというふうに考えております。
○土井委員 提案理由説明を読んでいきますと、そこでいろいろ産出国についての問題が出るのですが、生産国は大抵開発途上国であるわけなんですね。経済発展に協力するということから有意義だということがこの提案理由説明の中に書かれているのですが、経済協力は二国間援助、相互依存に基づいた立場で考えると言われていることからいたしましても、特に中南米諸国というのは政変が多うございます、この中南米諸国に対しての援助というのはどういうふうにお考えになるのでしょう。その点が少し提案理由説明の中でも触れて書いておられますから、ちょっとお尋ねをしたいと思うのですが。
○藤田説明員 お答え申し上げます。 中南米諸国は一般論として申しますと、先生御指摘のように従来までの関係から申しますと、ODA全体で申しますとわが国のODAの一〇%を切るくらい、まあ八%、六%、年によって違いますが、そういう姿になっております。主として中進国ないし高所得国が多いという理由によりまして技術協力がかなりの程度進んでおります。また一般論として申しますと、民間ベースでの協力というものが中南米諸国はたしか二〇%以上全世界でとっているかと思いましたけれども、全体としてはそういう姿になっております。
○土井委員 大枠だけについての御説明なんですが、これはまた別の機会に経済援助についてお尋ねをするときに具体的なことについて触れる機会があろうかと思いますから、時間の関係もありますので、ココアの方に歩を移します。 前例にしないと言われた今回のコーヒー協定の取り扱いの問題とも似たようなことがココア協定を見るとあるんです。それと申しますのは、昭和五十六年四月一日またはその後二カ月以内のいずれかの日で所定の発効要件が満たされた日に効力を生ずることになっているという中身でございますね。実は、そのいずれの期日にも発効要件が満たされなかったので、協定の条文でいいますと六十六条の3の規定によりまして、昨年の六月に開かれた協定受諾国会議において昨年の八月一日から受諾国の間で暫定的に発効させた、こういう関係にあると思うのです。 そこでお尋ねをしますが、協定六十六条3を見ますと、協定受諾国の会議でこの協定を暫定的にまたは確定的に発効させることができることになっている旨が記載されておりますが、確定的に発効させずに暫定的に発効させたという理由はどの辺にあるのですか。
○都甲政府委員 先生御指摘のように、この協定は効力発生の要件に従いまして確定発効の要件が成就しなかったものでございますから、関係国が集まりましてこの会議の中で暫定発効を決めたわけでございますけれども、その理由といたしましては、この手続をとった国の中に多くの暫定適用を行った国があったということ、それから当然のことながら確定発効の要件を満たしていないという、その両方の要件を考慮いたしまして、関係国の間でこれは暫定発効にしようという意思決定を行った経緯がございます。
○土井委員 この暫定発効というのと確定的な発効というのは違うと思うのですが、どのように違うのですか。
○都甲政府委員 暫定発効と確定発効につきまして、法的な効果につきましては特に差はないと思います。ただ、確定発効の場合には、この協定の有効期間でありますとか、そういうような有効期間の関係が確定いたしますので、協定そのものが非常に安定するということがございますけれども、暫定発効の場合には、その点がいまだ、将来別な決定を行うことができるということを留保しつつ効力を発生させるという意味で、効力期間の点において不安定性が残るというところが暫定発効の主たる効果であろうと思います。
○土井委員 アメリカはいま加入していないんですね。この協定に加入する意思がアメリカにあるのかどうかというのは大変問題だと思うのですが、加入する意思がないということであれば、そのわけというのはどの辺にあるのかというのが少し気にかかるのですが、いかがですか。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。 アメリカの一次産品価格安定についての基本的な考え方は、輸出規制を排してできる限り緩衝在庫だけで行うことにより、商品協定の機構による市場価格への影響といいますか人為的な価格への影響というものを避けたいというのが基本的な考え方にございます。 今回参加しなかった理由の一番大きな理由は、恐らくココア協定で合意された二十五万トンという緩衝在庫の規模が非常に小さい——アメリカは三十五万トンと言っていたわけでございます。規模が小さくて十分に機能しないんじゃないかということ、それから輸出統制との組み合わせを予想しているということが一番大きな理由であったと思います。それから価格帯が旧協定から引き上げられましたけれども、この引き上げたのが市場の実勢から見て高過ぎるという批判もあったと承知しております。それから緩衝在庫の運用に当たりまして、介入価格について半ば自動的な調整規定を設けて市場の傾向に価格ができるだけ一致するようにという規定を新協定で設けたわけでございますが、これもアメリカは、基本的にはそういう市場の方向に沿った運用というのは賛成なわけでございますけれども、それが中途半端であるということ、要するに不十分であったということで、主としてこの三つの点が大きな理由であったと考えております。
○土井委員 そうすると、それぞれ基本的なことらしいですから、加入する意思というのは当面ないというふうに考えていいんですね。
○妹尾(正)政府委員 ないと断定できるかどうか、必ずしも断定はできませんけれども、非常にむずかしいと見通すべきだろうと存じます。
○土井委員 ココアの方はそうなんですが、一方、先ほどのコーヒーの方でも、アメリカは輸入量がずんずん減っていっているのですね。ところが、これは票の配分からいうと、輸入量に従ってこれは考えるという票の配分でしょうから、従来どおりアメリカはもう一位で、三百という票の配分を受けています。ドイツ連邦共和国が百十七、フランスが八十七、イタリアが五十七、日本が四十六という順序なんですね、ずっと見ていくと。これはやはり、輸入量が減ればこの票の配分ということに対しても適正を期して再検討すべきということが問題になりはしませんか。いかがでございますか。 〔愛知委員長代理退席、委員長着席〕
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。 投票権は、一定の基準に従いまして、大体その時点における生産国、消費国ないし輸出国、輸入国の生産、消費量ないし輸出入量によって決めるということでございまして、その数値が年によって変わるという意味では、土井委員御指摘の問題が起こることはそのとおりでございますが、ココア協定には、その点について投票権を年ごとに見直すというような規定はないわけでございますので、いまのままですと、そういう事態は予想されないということでございます。
○土井委員 先ほどの、アメリカ側がそれは立場として主張されている緩衝在庫だけでやるという問題にもかかってくるのですが、すでに暫定発効しているこのココア協定で、ココア価格が下落していったために緩衝在庫操作を行っているということを聞いているのですが、その中身について少し御説明を受けたいのです。 一つは、ココア価格がどういうふうに動いていっているか。なぜココア価格が下落したか。それから介入をした時期ですね、価格の買い支えの数量、資金、それから介入したその結果について効果がどのようであったか等々を含めて御説明をいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。 現在のこのココア協定では、下方介入価格が一ポンド百十セントということになっておりますが、それ以下に価格が下がれば買い支えを行うということになるわけでございますが、こういう事態が起こりましてから、昨年の九月以来緩衝在庫管理官の買い操作が行われております。ことしの一月の時点で八万八千トンの在庫を購入しております。さらに、これではまだ価格の下落傾向が阻止できないということで、まず三月十九日の時点で価格帯の改定をやったわけでございますが、その後在庫がふえまして十万トンを超えた、十万トンを超えると価格帯の下方への改定を原則として行うということになっているその規定に沿いまして四セントの引き下げを行ったということでございます。 それから価格の方でございますが、下落傾向が続きまして、六月の初めの時点で七十二・三九セントと協定価格帯を大幅に下回る水準に下落するに至っております。それで、買い操作の方でございますが、これは緩衝在庫資金が前協定から引き継ぎましたものが二億二千百万ドルございました。二億二千百万ドルの積み立てがございまして、それを使って買い支えをやりました。これに二億八百万ドルを使ったわけでございますが、これでも下げがとまらないということで、先ほど申し上げましたような状態になっております。それで、ココア理事会の方といたしましては幾つかの対策を考えておるわけでございまして、一つは市中銀行からの借り入れができるという規定に基づきまして、ブラジルの三つの銀行から七千五百万ドルの借り入れを行う、これで約三万二千トン分ぐらいになるということになっておりますが、それでさらに買い支えを行う。それからさらに、サウジアラビアの銀行が融資を申し出ているということで、それとの借り入れ交渉を進めるということになっております。他方、この緩衝在庫の本来の原資は輸出課徴金でございます。これがポンド当たり一セントということで従来きているわけでございますが、なかなかたまらないということでこれを二セントに上げるという決定をしておりまして、そうすることによって緩衝在庫の原資がふえるということを期待しているわけでございます。さらには、もっといまの拠金の率を上げるべきではないかという議論もございますが、いまのところはそういうことでございまして、借り入れを進めると同時に、いまの拠金の率を上げることによってできる限りの資金を調達したいと考えているということでございます。 それで、もう一つ御質問ございましたのは、なぜそういうような事態が起こっているかということでございますが、ココアは一九七〇年代を通じまして全体に品薄といいますか需要が非常に多くて、商品協定をつくっても大体上限価格帯の上を推移するというような状態が続きまして、その間理事会などにおきましては消費国側から生産国側に生産増大を求める要求なども行われまして、生産国側でもそういう事態に対処するため、かつ需要がふえるわけでございますから増産を行ったということでございます。その結果、一方において増産効果が出てくると同時に、消費国側におきましてはアメリカを中心にココアに対する需要がむしろ減退ぎみになってきたということで、需要と供給のバランスが従来と逆転するようなかっこうになってきて、そのためにいまのような状態が起こってきている、一言で言えば供給不足から供給過剰に事態が変わったということだと考えております。
○土井委員 これはいろいろ御説明を聞けば聞くほど非常に深刻でございまして、ココアについては現に国際価格というのが条約に決められている最低価格をはるかに下回るという中身になってしまっているし、しかもこの在庫に対していろいろ介入するための資金はすでにゼロということで、五十六年の十一月段階から国際ココア機構が緊急会議を開いて資金繰りについでどうするかというのをさんざん苦労に苦労を重ねて今日まで考えられてきておりますけれども、ココアの過剰在庫というのは六十万から七十万トンあるというふうに言われている中で、どうも焼け石に水みたいなかっこうで買い支えにも限界があるのじゃないかということも非常に憂慮される問題として出てきております。しかも過剰在庫はこの協定で規定をいたしております相当量をすでにはるかにオーバーする中身でもありますから、一体こういう解決をどのように求めていくかということを考えたら、この協定自身で今後うまく機能していくのかどうか、この協定で事に処していこうとするためにはすでに協定自身が機能を失っているのではないかということが現状を見れば見るほど考え方として出てきていると思うのですが、この点に対して、政府としてはどういうふうに読んでいらっしゃるのですか。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。 事態が非常にむずかしい状態にあることは土井委員御指摘のとおりでございます。協定というか理事会としてできることは、先ほど申し上げましたようにできるだけ原資をふやすということ、それから調達可能なところでの市中からの調達を進めるということ、それからそれ以外にどういう方法があり得るか検討するということでございます。 一つ考えられますのは、現在のところまだ具体的討議に至っておりませんけれども、たとえば生産調整という道も閉ざされてはいないわけでございます。生産調整というものが実効性を持つかどうかということを議論するあるいは検討する余地はあり得るかと思います。それから、IMFが商品価格が下落した場合に商品協定に貸し付けるという制度もございまして、これも従来理事会で全然議論もされておりませんけれども、理論的にはそういう方法が活用できないか、検討する価値はあろうかと存じます。もちろん共通基金が発足して、それとの間に協定ができて共通基金を活用できるということになればさらに大幅に原資がふえる、ふやすことができるということもあるわけでございまして、こちらの方は早く共通基金ができてくれれば現在の苦しい状態を早く切り抜けることができるということになるわけでございます。そういうことで、なまぬるいのではないかという御指摘かと思いますが、可能な限りのあらゆる方法を通じて、できるだけ商品協定の機能を維持できるように努力していくしかないと考えておるわけでございます。 そういう点からすると、日本が入れば日本の入る分だけ理事会の活動規模はふえるわけでございますし、あわせて現在入ってない国にもできることならば積極的に参加を慫慂する。たとえばアメリカの場合非常にむずかしいということは先ほどの御質問でお答え申し上げたとおりでございますが、そういうことも含めまして加盟国の範囲もできるだけふやしながら、そうすることによって原資もふえるわけでございますので、できるだけの努力をやってみるということだろうと考えます。
○土井委員 大体一般論として協定を問題にする際は、協定の目的自身に対して、それを十分に実現さすべく協定の存在意義とか協定に対して重要性ということをわれわれは認識するのですが、いまの御発言を承っていても、このココア協定の場合は協定そのものを追っかけて協定を何とか長引かせよう、命をつなげさせていこうというようなことが考えられているような感じがしてならないのです。何を目的にしてこの協定がそもそも考えられ、そして今日まであったかということからすると、もう少し実態面について機能性を発揮できるような内容に協定自身を変えていかざるを得ない、そういう時期に来ているのじゃないか、協定自身についての改定というものがいま問題にされているのじゃなかろうかと私自身は思うわけなんですが、いまおっしゃったような商品協定の資金が不足する場合には緩衝在庫に融資するために共通基金協定というのができているはずなんですが、ただ、これは発効してないのですね。発効の見通しというのはあるのですか、ないのですか、そして発効してないという理由はどこら辺にあるのですか、これは資金繰りの点からいうと重要な問題でもありますから聞かせておいていただきたいと思います。
○小宅説明員 ただいま一次産品共通基金を設立する協定の締約国は二十九カ国でございます。この二十九カ国の義務的出資総額を合わせますと全体の二四%ということでございます。先生御案内のとおりこの一次産品共通基金が発効いたしますためには九十以上の国がこの協定を締結し、かつこの締結国の直接拠出資本総額が全体の三分の二以上、四億七千万ドルというのが直接拠出資本でございますが、その三分の二以上に相当する国がその九十の中に含まれていなければならない、そういう条件があるわけでございます。いまのところまだその必要条件を満たすに至っていないということでございます。 その理由でございますが、これはいろいろあるかと思いますけれども、やはり一番大きな理由は先進国、開発途上国おしなべまして署名、批准への動きが遅いということでございます。日本側といたしましてはこれは一次産品問題を解決するための非常に大きな重要な機関だと思いますので、これまで国連の場あるいはベルサイユ・サミットとか南北サミットとか、そういう機会のあるごとに共通基金に対する早期加入を呼びかけている次第でございます。私どもとしましては、できるだけ早くいま申し上げたような条件が満たされることを期待しているわけでございますが、いつかと言われますと残念ながら現在その見通しは立っていない、そういう現状でございます。
○土井委員 先の見通しもちょっとはっきりしないのですね。そうすると共通基金の手続規則であるとか、第一勘定、第二勘定の運用に関する諸規定というのは検討はされつつあるけれども、一体いつごろこの作業が終わって基金が機能を発揮するのかというのはさっぱりやみの中だと考えていいのですか。
○小宅説明員 これは実はむずかしい問題でございまして、一次産品共通基金設立準備委員会というものがもうすでに発足しておりまして、その会合はすでに四回ほど開かれております。その設立準備委員会でやっております仕事の一つとして、いま先生が御指摘になりました将来共通基金が個別商品の国際商品機関と提携協定を結ぶ場合に、どういうふうなやり方で共通基金の方から緩衝在庫の操作に必要なお金を貸すか、そういう融資手続等についての検討も始めております。しかし、肝心の共通基金がまだ発足していない現状でございますので、その話し合いも全くプレリミナリーといいますか本当の出発点にあるということで、十分詳細を尽くした案に基づいてそういう話が進んでいるということではございません。
○土井委員 そうすると、この見通しが余りいいとは言えないので、一次産品共通基金がたとえいまのような見通しの暗い中で幸いにして発効したという場合でも、第一勘定、つまり商品協定に融資する資金規模というのは恐らく四億ドルくらいでしょう。そうするとココア協定の場合、すでに二億ドル以上買い支えをずっとやってきているわけですから、価格は最低価格を下回っている、買い支えていくのにも限界がある、一次産品の価格の安定について共通基金に対してそれは余り望みがかけられないというかっこうであると思いますが、どういうふうに日本としたら活路を開くことに期待を求めていらっしゃるのですか。この協定に入る以上は、そういうことに対しての読みとか先の見通しとか期待とかがなければならないと思いますが、どうですか。
○小宅説明員 初めに一次産品共通基金の関係から御説明いたしますが、第一勘定に対する直接拠出資本の回りぐあいは先生の御指摘のとおり四億ドルでございます。しかしこの共通基金の基本的な考え方は、各国から拠出する四億ドル、こういうものは共通基金の信用度を高めるとか、あるいは流動性に対する短期の需要を満たすとか、あるいは基金の管理運用費に充てるということが協定上明らかとなっておりまして、先生御指摘の個別商品の緩衝在庫の運用に必要な資金といいますのは、その提携協定を結ぶ個別の商品協定から提供されます預託の現金、あるいはその個別の商品協定の加盟国が保証いたします保証資本、あるいは現物にかわる倉荷証券、こういうものをいわば財源といたしましてそれで貸し出しをする、そういうことになっております。 したがって、考え方としては、できるだけ多くの、かつ財政力のある個別商品、国際商品協定が成立をして、かつ成立をした商品協定が共通基金と提携協定を結ぶ、そういうことになりますと、共通基金を通ずるいわば補足的な援助といいますか融資、こういう機能が発揮される、こういうことになっております。基本的な考え方は、個別商品についての最高資金必要額というのがございますが、この最高資金必要額の三分の一を商品協定から共通基金に預けますとそれの三倍に当たる額までが共通基金から借りられる。その間は商品協定の参加国が保証する。そういう基本的なメカニズムになっております。したがって、繰り返しになりますが、仮に共通基金が今後円滑に発足するといたしますと、そのためにはやはりココア協定というようなものも含めまして健全な商品協定が存在していることがあくまでも前提になるわけでございます。したがって、私どもの立場からいたしましても、そういういい商品協定が発足し、円滑に活動するということは、一次産品問題のためにも望ましいということが言えるかと思います。
○土井委員 いまの御答弁を聞いていると、この協定を有効に機能させていくことのための基盤と申しますか、まず基礎に置いて考えておかなければならない部分というのがまだ十二分じゃないし、先の見通しも明るくないということですから、このココア協定それ自身が効力を十二分に発揮をしていくということにもどうも私たちは疑問視せざるを得ないし、果たしてこういう協定のままでいいのだろうかという気持ちもいたします。大臣のお時間もあるようですから、あと一つ大臣にお尋ねをして御出発をいただいて、その後一問で私はやめます。 それはどういうことかというと、いまお尋ねをしているうちに政府の開発援助の問題が非常に気にかかり始めたのです。いま五カ年計画を実施していますね。五カ年計画の初年度で八一年度の政府開発援助を見てまいりますと三十一億七千万ドル。八〇年の三十三億四百万ドルに比べまして四・一%減っているのです。ふえていかなければならないはずのところが実は減っているのです。GNP比で計算いたしましても八〇年の場合の〇・三二%に対して〇・二八%と減っていっているのです。かつて、この五カ年間の倍増計画というのは、日本は軍事協力は一切できません、しかし日本は西側の一員として応分の役割りを果たす、という立場で昨年の南北サミットなどでも鈴木総理が強調されてきたところでございます。そういう点からいたしますと、ほかの国はどうあれわが国は積極的に払い込んでいかなければならない、開発途上国の開発、民生安定のために貢献していかなければならないという立場にあると思われるのですが、これはいま数字を挙げた限りでも、このような状況で五カ年間の倍増計画が達成できるかどうか。 聞くところによりますと、昨日も参議院の方では、それは達成目標だというようなことをおっしゃいまして、これに対しては努力目標であるがごときに言われておるようでありますけれども、やはり一たん内外ともに言われた総理演説の重みというのは、具体的な態度で示していただかなければならぬと思うのです。そういうことからすると、努力したけれどもそうならなかったということは一般世上よくございますけれども、初めから、努力目標だから守らなくていいとか、やってみたってできないことだろうからこの点は少し取りかえようという姿勢があってはならないと思うのです。 そこでまず一つは、いま申し上げたとおり、五年間の倍増計画というのは達成できるのかどうかということを第一問目として外務大臣にお尋ねいたします。 それと続けざまに聞きますが、外務省から出ております資料の中に「一九八一年わが国のODA実績」というのがございますが、それを見てみますと、政府開発援助実績の低下についてなぜそうなったかという理由として、「世界銀行、アジア開発銀行等の国際開発金融機関向けの出資・拠出の払込みに当たり、他の諸国の払込み状況を勘案し、一部の機関に対する払込みの延期を行ったこと等によるためである。」という説明があるのです。他の諸国の払い込み状況というのがここで書かれていることについて私はいろいろ考えまして、日本はアメリカを重視する国ですから、外交面においてもアメリカは無視できない、中心に考えている国ですから、恐らくアメリカのことを念頭に置いてこういうことになっているんじゃないかと思うのです。 そこで外務大臣、ちょっとお尋ねしますが、通常、どこの国でもほかの諸国の払い込み状況を見た上で出すか出さないかということを決めるものなんですか、どうなんですか。私はそんなことじゃないと思うのですが。ほかの国が払い込まなければ日本も払い込まないというふうな態度で日本はしょっちゅうこういう問題に接してこられているのですか。そうなれば問題は別ですよ。アメリカが払い込まないから日本も手控えました、万事こういうことでいらっしゃるわけですか。そうであるならば私は間違いだと思っていますから、外務省が出された文書を見ておりまして、私はこの辺も非常に気にかかるので、外務大臣にお尋ねをいたします。以上、二問。
○櫻内国務大臣 新中期目標が達成できるかできないか、これは達成させなければならない、こう思うのでありますが、一九八〇年、八一年の実績からいたしますと、八一年は対前年比四・一%のマイナス、こういうことでございますから、土井委員が御心配になられることも当然だと思うのであります。目標というようなことではいけない、しっかりやれ、こういうことで、二国間のODAを見ると一五・二%と順調に伸びておりますから、いま二問の方でお尋ねのような国際機関向けが問題になっておることは事実でございます。御承知だろうと思いますが、これが三二・三%のマイナス、こういうことになっておるので、これはそれなりに原因はここで明白だ、こう思います。 そこで、一体国際開発金融機関に対する出資についてどうだということになりますと、遺憾ながら国際間の合意ということを考えていかなきゃならないのですね。そういう点に欠けるところがございますので、いま土井委員はアメリカが云々ということを言われました。確かにアメリカの出資が減っておることも事実でございます。しかし、わが国といたしまして、国際間で日本として協力し得ることはこういう経済協力である。言うまでもなく軍事面とかいうようなことを考えられない国でありますから、したがって、せっかく立てた目標を順調にこなすという必要があろうと思うのであります。 そこでお答えとしては、よく単年度で見ずに五年を目標にしておるのでよろしくということでございますが、現状からすれば御懸念されることはごもっともな状況にございますので、この後大いにがんばっていかなければならない、こういうことでございます。
○土井委員 そうすると、外務省から出ている文書の「他の諸国の払込み状況を勘案し、一部の機関に対する払込みの延期を行ったこと等によるためである。」これは反省してもらわなければならぬですよ。アメリカが出せば日本も出す。アメリカが出さないから日本は出さない。端的に言うとこういうことになるのです。アメリカが出さないのがずっと続く限りは日本も出さない。そうなれば、いまの数字を見た限りで、懸念もあるから後、大いに努力しなければならないという点についての努力の中身にもこういう物の考え方とかやり方というのはひっかかっていくわけでありまして、この点は大丈夫でしょうね、大臣。これは外務省が書いて出していらっしゃる文書ですからね。
○藤田説明員 若干技術的でございますので説明させていただきます。 土井委員御指摘の他の国の状況等も勘案しという一文は、国際開発金融機関の増資のうちで一番大口でございました俗に第二世銀と申しております国際開発協会に対する増資の払い込みということについてのものなのでございますが、その国際開発協会、すなわち第二世銀の増資につきましては、そもそも予定されておりました発効の時期というのが一年おくれてしまいまして、本来八〇年の中葉には発効すべきだったのが実際に発効いたしましたのは翌年、八一年、すなわち昭和五十六年八月発効ということになりました。したがいまして、わが国は当初五十五年度予算及び五十六年度予算の両方の予算で増資決議に決められておりますわが国のシェア分という手当てをしておりましたので、五十五年及び五十六年の二回に分けまして、昨年末現在ではすでに六一%ということで、加盟国中では実は最大の増資を行っている次第でございます。しかしながら、八一年の実績にあらわれました数字はすでに八〇暦年中に三分の一近く増資分を拠出してしまっていたものですから、八一暦年の実績にあらわれましたものが減った、こういう結果になったわけでございます。 それから、ただいま大臣がおっしゃられました一般的な国際的な合意ができなかったという部分でございますが、これはこの第二世銀もそうでございますし、そのほか先ほど土井委員御質問のございました共通基金も予算の手当てを行っていたわけでございますが、発効しなかったためにこれを拠出することができなかった。そのほかアフリカ開発銀行、これは実はアフリカ諸国がむしろ若干難色を示したために拠出に至ってなかった。それから国際農業開発基金、これも若干国際間の合意がおくれまして八一暦年中には拠出を終わることができずに、数カ月おくれで、八一年の予算でございますけれども、八二年になってから拠出したというようないろんな要因が重なりまして、実績で申しますと、八〇年の円貨では二千四百億円程度の実績に対しまして、昨年は一千四百億円、すなわち約一千億円の減となってしまった、こういう結果に終わっている次第でございます。
○土井委員 いろいろな事情説明はもう結構です。技術的なことはまた別の機会に少し私自身も研究して質問させていただきたいと思いますからいいのですが、先ほどの質問に対して外務大臣の御答弁をいただいてココア協定についての質疑を終了させていただきたいと思うのですが、大臣、いかがですか。これは外務省が出していらっしゃる文書ですからね。
○櫻内国務大臣 これはもう今後しっかり目標に沿ってやっていかなければならない、こう申し上げる以外に方法がないのでございますから、がんばっていきます。
○土井委員 外務省が書いていらっしゃる文書というのは、事実に即応して書いていらっしゃるということは疑いの余地がないわけで、そうすると他国が振り込めば日本も振り込む、他国が出さなきゃ日本も出さないという姿勢ということになってくると、これが問題だと先ほどから言っているので、その辺は改めてお考えになりますね。大臣、どうなんですか。
○櫻内国務大臣 そのようにやりたいと思います。 ただ、先ほどお答えしたような、国際間の合意が成立しないときに日本だけが預けておくということにもならないのじゃないかと私は思うので、しかしながら日本が率先やっていく、そういうことで経済協力の実を上げたいと思います。
○土井委員 最後に、このココア協定というのは、これは実態に即応して見れば見るほど何だか情けない気がしてくるのですね。心細い感じがするのですが、これはせっかくいまこの協定に対して審議をして国会承認を求めるということで外務省が意欲のあるところをお示しになっているはずだと思いますから、ひとつココア協定に向けての外務省なりの意欲のあるところを最後に見せていただいて終わりにしたいと思いますが、先の見通しに対して先ほどからもるる御説明賜りましたが、現状に対してこれからの努力をどういう方向で払いたいと思っていらっしゃいますか。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。 一つは、状況をどの程度悪いと見るかということでございますが、これは私が先ほどから申し上げておりますとおり、よくないということは事実でございますが、他方、とはいえ、たとえば過剰在庫の規模につきましても、私どもといたしましてはそんな六十万トン、七十万トンというふうな、一部の新聞などはそういう分析をやっておりましたけれども、大きな過剰在庫があるというふうにはいまのところは考えていないわけでございまして、それよりかずっと小さな規模のものであろうというふうに考えております。しかし、いずれにしましても、問題がございますことは土井委員御指摘のとおりでございます。私どもも申し上げたとおりでございますので、日本が参加するということになりましたら、このココア協定をどういうふうにして本来の目的に十分沿うことができるかいまでも検討しているわけでございますが、そういう観点から一層の検討と努力を重ねまして、日本がココア協定に入ってよかったというように努力したいと考えております。
○土井委員 それでは、幾ら聞いてもそれは努力についての決意だけをお聞かせいただくかっこうになりそうですから、これでココア協定に対しての質疑は終了させていただきたいと思います。 あと農林水産省、林野庁からも御出席をいただいておりまして聞く予定にしておりました案件が残りましたが、時間の都合で、せっかく御出席いただいたことに申しわけなかったというおわびを申し上げて、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。 次回は、来る九日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十八分散会