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96回国会衆議院1982/06/16

外務委員会 第18号

発言数
173
登壇者
10
会派数
3
開催日
1982/06/16

会議録

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事稲垣実男君、理事高沢寅男君、理事土井たか子君及び理事林保夫君から、それぞれ理事辞任の申し出があります。これをいずれも許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山正暉自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山正暉自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。  それでは、委員長は理事に       北村 義和君    井上 普方君       小林  進君 及び 渡辺  朗君 を指名いたします。      ————◇—————

中山正暉自由民主党

○中山委員長 次に、第六次国際すず協定の締結について承認を求めるの件及びアジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。  まず、政府より順次提案理由の説明を聴取いたします。外務政務次官辻英雄君。     —————————————  第六次国際すず協定の締結について承認を求めるの件  アジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 ただいま議題となりました第六次国際すず協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この協定は、本年六月三十日に終了する第五次国際すず協定にかわるものとして、昭和五十六年六月にジュネーブで開催された国際連合すず会議において採択されたものであります。  この協定の内容は、累次の国際すず協定同様、緩衝在庫の操作と輸出統制によって国際市場におけるすずの市場価格の変動を防止し、もってすず生産国の輸出収入の安定及び消費国への十分なすずの供給を図ることを目的としております。  第二次国際すず協定以来、累次のすず協定の締約国であるわが国がこの協定に加盟することは、すず貿易に関し消費国としてのわが国の立場を反映させる上で、また、東南アジアを中心とするすず生産国の経済発展に引き続き協力するとの観点から有意義であると考えられます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、アジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この条約は、万国郵便連合憲章に基づく限定連合の一つであるアジア=太平洋郵便連合の基本文書でありまして、昭和五十六年三月二十七日に、ジョグジャカルタで開催されました第四回大会議において現行の条約にかわるものとして作成されたものであります。  この条約は、アジア・太平洋地域における郵便業務に関する協力を促進すること等を主たる目的とするもので、連合の組織、加盟国間の通常郵便業務等について規定しております。  この条約は、昭和五十七年七月一日に効力を生ずることになっております。  わが国がこの条約を締結することにより引き続き連合の活動に参加することは、この地域の諸国との国際協力を促進する見地からも有意義であると考えられます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願い申し上げる次第であります。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 辻さん、あなたは外務政務次官ですかね。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 そのとおりでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 どうもあなたとは古いなじみで、きのうやきょうの仲じゃない。思い起こせばもう三十年にもなるけれども、あの労働省の薄暗い部屋の中でのこのこしているときからの友人だが、まさか外務省の政務次官とは、いまのいままで私は気がつかなかった。あなたに外交問題を質問するというのはどうも何か木に竹を接ぐようで、これは質問する方も板につかない、まことに残念ながら。そういうわけで、櫻内さんがASEANの方に行っておられるということも承知だけれども、外務大臣はかわりに宮澤君が大臣に任命されたというものだから、きょうは宮澤君と一戦を交えることを楽しみに来たわけだけれども、どうもあなたを相手に問題の質問をするということも、いささか私も乗り気にならない。  ということは、きょうはすずや郵便の法案審議の日だから、それもひとつやろうということで来ましたけれども、しかし、いまは外交問題で緊急の事態が幾つも起きているのです。わが日本を中心にして重大な問題が起きている。そこでいみじくも委員会が開かれた。その国際的な大きな変動をそのままに黙認して、きょうは理事会の申し合わせだからといって、すずや郵便をてんずけからやったら、これは世間の物笑いですよ。私はその緊急性の問題についてどうしてもここで触れておかなければ、速記録を残して笑われるから言っておくのですけれども、二つありますよ。  第一番目は、いまイスラエルがベイルートに入ってしまった。ベイルートにはわが日本の大使館もあるでしょう。あのベイルートの中に入って、いま市街戦をやっているね。地図の上で見ると、その中のPLOの一つの集団の地域だけはまだイスラエル軍は包囲していないけれども、それ以外はもう入っておるのだ。日本の大使館のあるところを見れば、その周辺まで行っているのだが、一体わが大使館はどうなっている、われわれ国民としては心配でたまりません。大使館は逃げましたか、大使館は緊急避難いたしましたか、われわれが国会を開いておきながらそんなことにも触れないでほおかむりして進んだら、これは物笑いになりますよ。どうです。これは一つの緊急性の問題だ。あるいは負傷しなかったか、けがしなかったか、大使館は閉鎖したのか、あるいはまだ公館を開いて、パレスチナにおける業務をちゃんととっておるのかどうか、ひとつまずお教えいただきたい。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 ただいまお話のありましたようなベイルートの情勢の中で、日本大使館のあります位置についても戦闘行為が行われかけておりますので、日本大使館は緊急避難をしまして、場所を移転しまして、現実に外交活動は続けております。具体的な内容につきましては、必要があれば後ほど政府委員からお答え申し上げます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 後ほどか、いまやるというのじゃない、後ほどに調べてやるというのだな。それならばひとつ後ほど詳しく承って、特に私どもはやはり人命、そういう問題を非常に心配しておる。  同時に、それはパレスチナ問題でも、いわゆるイスラエルの問題でも、これは国際法上の重大問題ですよ。こういうような事態が起きているにもかかわらず、一体外務省はこれに対して何を言うのでもない、何一つ意見の発表もないのだ。外務省というのはつまらないことだけは一生懸命に、しゃべらぬでいいことをしゃべったり、やらぬでいいことをやったりしているけれども、こういう重大な問題について何一つ国民にアピールするでもなければ意見も出さない、何をしているのかとわれわれは実に不思議にたえない。この問題も含めて、ひとつ後から何か詳しい報告があるそうですから、それをひとつ承りたいと思います。これは緊急性の問題の第一ですよ。いいですか。  それからいま一つの二番目の問題だ。これはいみじくも僕は朝テレビを見ていた。年寄りになるとすぐ目が覚めて困る。朝からテレビを見ていた。そうすると、国連の軍縮特別総会でソ連のグロムイコが演説をやっている。その中にブレジネフのメッセージというのを、これは淡々として言ったのだが、そのときに何を言っておるか。いわゆる当初に核兵器を用いません、核兵器不使用の宣言をしておる。これは歴史的な重大問題ですぞ。一昨年あたりもソ連の外務省が、日本を初めいわゆる核兵器を持たない国に対してはソ連は核兵器は使用いたしませんということを言った。私はあれを聞いているときから、こういうような重大な発言に対して、日本の政府はこれを受けてイエスとかノーとか、何とか自分の立場を言うべきじゃないかと思って、実に気をいら立てて聞いているけれども、半年たっても一年たってもソ連の言いっ放しにしておいて日本の外務省はこれを受けようとしない。  ことしに入っても、四月か五月か、東京か何かでいわゆる実務者協議が日ソの間で行われたときにも、ソ連を代表して来た何とかというのが、ソ連は核兵器はいわゆる核を持たない国に対しては使用いたしませんということを正々堂々と日本の外務省に言っているのだ。にもかかわらず、そのときの外務省の門田という国連局長、きょうは来ているかい。きょうは来ていないか。あれなんかも、そういう正式な実務協定の中に話を受けながらも、それに対してイエスでもなければノーでもない、柳に風と聞き流している。そして、おまえの国はシベリアかどこかにSS20の中距離ミサイルを置くから、あれは日本の方に向けておくのはやめて、あれをどこかに撤去してくれ、そういう話に移している。あれはいいですよ。ああいう要求はりっぱだ。そういうのをわれわれの目のつくところから撤去してくれという要求はいいけれども、その前の、ソ連のこういうように用いませんということ、これに対して何の反応も示さない。われわれ外務委員や国政に参与している者は、一体外務省は何をやっているのかという感じを受けたが、今度は国連という公式の場だ。いいですか。公式の場で、ソ連のいわゆる最高責任者、ブレジネフのメッセージをグロムイコが読み上げたわけだけれども、これはもう核兵器を持つ国と持たざる国とを問わず、当初に核兵器は用いませんと不使用の宣言をしたのですね。これは私は驚いた。さすがに国連における会場はあふれるような拍手で迎えられたな。  ところが、中には少数の意見としては、どうもソ連は、あれは自己宣伝ではないか、国連における世界の核軍縮運動に先駆けして、自己宣伝のためにやったのだということで言っているのでありますが、恐らく日本の外務省あたりもそういうお考えじゃないかと思うのだな。こういう問題を、いまこの歴史的なこういう発言を黙ってわれわれは見て、すずだの郵便だのという話に入るわけにいかない。  なおあわせて、今度はあさってこれを受けて、レーガンがニューヨークの軍縮総会で、また核に対する大演説をおやりになる。これがどんな演説になるかわかりませんけれども、この問題についてひとつ外務省の見解を承っておきたいのであります。いいですか、これはあなた、ひとつ政府を代表するつもりできちっとした意見を出しておいてください。

小宅庸夫外務大臣官房審議官

○小宅説明員 ただいま門田国連局長は国連軍縮特別総会出張中でございますので、私がかわりをしておりますが、ただいま小林委員から御質問のありましたことは、私もけさの新聞でその発言のことは承知いたしたわけでございますが、従来からソ連は国連総会等の場におきまして、核の先制不使用ということを主張しております。したがって、今回のソ連の代表の発言も、従来からソ連が主張しているところに沿ったものと理解しております。  これに対する政府の考え方は、これまでもたびたび政府委員からお答えしたとおりでございますが、実効性のない約束をするということは必ずしも安全保障には役立たない、現在の世界の安全保障というのは遺憾ながら力のバランスというものでもって保たれている、この力といいますのは通常兵力と核兵力を合わせたものである、したがってそのうちの核だけを取り出して、かつそれの先制不使用だけを取り決めるということは、必ずしも安全保障には役立たないという考え方から、従来この種のソ連提出決議案に対しましては、日本は反対をしてきているわけでございます。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 ただいまお話の出ました核兵器の軍縮ということにつきましては、政府は、日本自身につきましてはかねて非核三原則を堅持しておりますばかりでなくて、国際社会に強く核兵器の廃絶を訴えたいという基本姿勢をもって対処をいたしておりますことは御存じのとおりであります。  今度の軍縮総会につきましても、その直前におきます衆参両院の御決議の趣旨も体しまして、御承知のように本月の九日の国連総会におきまして、鈴木総理大臣からその点についての基本的な意見の表明をいたしております。  内容は、大筋御存じのとおりのことでありますが、関係の部分について申し上げますと、恒久平和への道のうちの三つの側面のうちの第一といたしまして、軍備の縮小でありますけれども、特に人類の生存にとって最大の脅威である核兵器の軍縮が重要であるということを申し述べました上に、具体的な段階におきまして、米ソ両国間において戦略核兵器の制限、削減交渉が六月の二十九日から開始されることについて、心から日本としてはこれを歓迎し、米ソ両国が戦略核兵器の大幅な削減を目指して真剣に交渉に臨み、その実質的な進展を図るように強く鈴木総理大臣から総会において訴えておる次第でございます。  御指摘のありました部分のブレジネフの演説の詳細につきましては、私も存じておりませんけれども、いま申し上げたような意味で、ソ連としてもそういう対応をするという基本精神を述べたものであるとして、そのことに関しましては、私は大いに歓迎すべきことであると考える次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いま何だかコヤケだかオオヤケだか、つまらないのが出てきて、こっちも要望もしないのに、物を知ったげな答弁をしているが、これは委員長、将来の委員会の運営上ひとつあなたも注意してもらいたい。政府委員かもしらぬ。まあ政府委員であることだけは認めましょう。審議官だとか何だかって、説明員じゃないんだろう。若干それはあるだろうけれども、われわれが要求したときに、かわってしゃべらせればいい、そんなものは。われわれ立法府の権限というものは、政治を背負っている、国の行政を背負っている大臣を主体にしてわれわれ委員というものは質疑するのが原則なんです。やむを得ない、大臣が来ないときには、かわりに副大臣の政務次官が——これなんか、実際私はきょうやりたくないんだけれども、うちの理事が非公式にも認めたような認めないような話だから一歩こっちは譲ったんだけれども、外務省がのこのこと、局長、審議官が出てきて、要望しないのに当然のような答弁をしている。これはわれわれに対する軽べつですよ。実に侮辱もはなはだしい。こんな者と話すなら、私どもの部屋へ呼ぶなり、こっちが外務省へ行くなり、個人的に話しすればいいことなんです。速記録をつけて、国民の金を使って、大きな声を出してやるには、こういう者と話すために来たんじゃないのです、私どもは。それを、要望もしないのにのこのこ出てきて、物を知ったげな、小生意気に出てくる。生意気千万です、こんなことは。しかも、言っていることは何ですか。いわゆる核の均衡論だとか、軍事力の均衡論だとか、私は実に失敬千万だと思う。それが、もしああだこうだ言ったら、私もまた言わなくちゃいけない。  今度は鈴木さんが軍縮へ行って、四十五分、五十分しゃべったと言うけれども、速記録みんなありますよ、その中でどんな誤解を受けているか。いいですか。二つの大きな誤解を受けている。だから、ニューヨーク・タイムズだって言っているじゃないですか。あれは、鈴木の演説は軍縮の演説じゃない、軍拡の演説だと言っているじゃないか。ここに速記録ある。アメリカ自体が、鈴木総理の言っている演説を軍拡の演説だと言われるぐらいの大きな——これはみんな外務官僚の仕事です。  なお、いま一点。ようやくこのごますり文書の中でも核の不使用を、回りくどく言っているけれども、この鈴木の演説の中でも、核の不使用をしゃべらせることはあくまでも外務官僚が抵抗して、それを入れないためにやったということは、全部新聞が報道している。鈴木の演説に二つのいちゃもんをつけているのが、全部外務官僚です。そして、わが日本が、国民のこの燃えるような軍縮、核廃絶の気持ちをおかしく国際の場で恥をかかせたのが外務官僚じゃないか。こういう諸君を徹底的にやらなければならぬのに、まだそれが正しいかのように、不肖小林進の前に来て、核の均衡論だなどと言って、そしてああいうような思い上がった答弁をしている。一体、けしからぬですよ。もし昔なら、一刀両断でやってやりたいところだけれども、まあ、いま民主主義の世の中で、いわゆる武力は禁じられているからやるわけにいかぬけれども、そこへくると、確かに外務政務次官、ブレジネフが言おうとグロムイコが言おうと、核を使用しないということは好ましいことだという、やはりあなた、それは政治家らしい、大局を見ておりますよ。意図がどんなであろうと、真っ黒であろうと、いいことはいいことなんだ。どんなに腹の中がどっちへひん曲がっていようと、行動が正しければ、それは正しいことなんです。外務官僚なんというのはばか者だ。同じ核の廃絶でも、ソ連が言えば全部悪い、アメリカのレーガンが言えば、核の拡大均衡でもこれは正しいという、こういう小汚い根性で物を見ているから、われわれ国会議員に対する、立法府に対する、ああいう軽べつ的な思い上がった結論が出てくるのですよ。  いまわれわれが一番大事なことは、ソ連が言おうと、西ドイツが言おうと、中国が言おうと、いいことはいいことなんです。悪いことは悪いことなんです。それを国によって差別をしようとしている。いま言ったように核の均衡論なんというのは、これはアメリカが——ここにありますよ、読み上げようか。  「鈴木首相の国連総会での軍縮演説が、米有力紙に」これはニューヨーク・タイムズ紙です。「「軍拡演説」ととられて、思わぬ波紋を広げている。」みんな速記録がありますよ。これはしかし、ニューヨーク・タイムズだけじゃありません。私自身が、あの演説を聞いていて、ああ、これは軍拡の演説じゃないかと感じたんだから。なぜかならば、いまレーガンは一生懸命に、ソ連の方の核の力がついているから、アメリカの方がソ連を追い越すために核を大きくして、ソ連に優位に立った上で初めて核軍縮の会議に入るというのがレーガンの原則でしょう。これはいわゆる核の拡大均衡じゃないか。このレーガンの拡大均衡をそのまま日本の外務官僚が用いて、アメリカに迎合主義だ、レーガン迎合主義です。そうしてその考え方を、レーガンの言う核拡大のその思想をここへ持ってきて、言っていることは、少しずつ均衡を持ちながら、それは順次縮小していくのが現実的だなどという、こんなばかな文章を書いて、女学生の色文みたいな、恋文みたいなばかなことをここに書いているじゃないか。これが一体現実主義だというのか。こんな少女の作文みたいなことを書いて、これが現実的な政策だ、何をぬかすか。だから、アメリカにおいても、このレーガンの均衡政策はだめだ、核軍拡に通ずるじゃないかといって、この前もくどく私が言っているように、マクナマラでもあるいはケネディでも、いわゆる現状のままでまず凍結することから核の軍縮へ入ろうじゃないか、こんなに現実的な主張が一体どこにある。同じアメリカでも、しかもマクナマラはいわゆる不使用だ、ケネディはいわゆる核の凍結だ。この凍結論、不使用論には、アメリカの世論はああやって沸き立っているじゃないか。ケネディの主張、いわゆる核を凍結するところからひとつ軍縮へ入ろう、米ソの二大国がまず現状で抑えるところから入ろう、こんなに現実的な主張がどこにある。そういうことを君たちは一笑に付して、そうしてそれを鈴木さんが言おうとしたら——マクナマラは核の不使用でいこう、まず核の不使用の宣言からいこうという、あのマクナマラ以下、高名なる人たちが六人も手を携えて叫んでいることを、君たちは鈴木さんの足を引っ張って、そんなことを言うなと言ったじゃないか。そんなことを言うと、レーガン政権の主張に対して日本政府が、日米安保条約に影響するからそんなことを言うな、みんな作業を進めたのは外務官僚だ。そういう小ばかなことをやっておきながら、何をおれの前にずうずうしく出てきて、求めもしない答弁をして、これは均衡論でもっていかなくちゃならぬ。人を子供と思うな、外交の素人と思うな。冗談じゃない。おれだってこの道で飯を食っているのだ。人をなめやがって。均衡論なんと言うのなら、SALTの交渉を一体何年やっている。あのSALTでいわゆる戦略兵器の核軍縮をやると言いながら、軍縮に成功したか。米ソの間におけるあのSALT交渉は全部軍拡だ。片一方は、質的におまえの方はおれのところより強いからおれらの方は質を大きくしなくてはならぬと言ったら、今度はおまえの方は量が多いからおれの方も負けないように量を大きくしなくてはならぬ。まさにSALTは軍縮交渉ではなくて軍拡交渉である。しかも全部均衡論だ。米ソの均衡論、均衡を保つためにおれは質を伸ばす、均衡のためにおれは量を伸ばすといって十年間軍拡の競争をしているこの米ソの均衡論、何だ一体。これほど大きく被害を受けているわれわれの前に、そういう現実を無視して人を子供のようにだますような議論を持ってくる。失敬千万だ。おれが外務大臣ならおまえなんかいまでもすぐ首だ、こんなものは。残念ながら外務大臣じゃないし、野党だから何もできないけれども、おれは腹の底から怒っているのだ、こんなものは。けしからぬ。このニューヨークにおける日本の総理大臣の主張が核軍縮じゃなくて核の軍拡じゃないかという世論に対して、何か外務省はあわてふためいて、日本の真意が疑われているから、そんなことはない、何でも「鈴木首相は軍縮を説く一方で、国際社会の平和と安全は力の均衡により保たれるという軍事均衡論の立場をとった。英文テキストの事前説明にあたって外務省広報官は、このくだりを「軍縮と西側の防衛力増強は車の両輪。それにより低いレベルの均衡をはかるべきで、日本も西側の一員としての防衛努力を行う」と、かみくだいて」説明をして、なおかつこのニューヨーク・タイムズに、あの主張、論文は日本に対する誤解だから、何か使いを出してその誤解を解きにやらせるというようなことも報道せられているが、その内容はどうなっているのです。外務政務次官、ひとつ教えてもらいたい。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 先生御存じのように、今回の鈴木総理演説というのは両院におきますところの軍縮に関する各党一致の御決議を踏まえたものでありまして、その内容は御存じのとおりでありまして、私一部だけを申し上げましたけれども、基本的に軍縮に対する日本の強い熱意を表明したものだと考えております。一部アメリカの新聞がどのように理解をしたのかは、私その真意は存じませんけれども、そういう誤解を与えるようなことがありますれば、あらゆる機会を通じて日本の軍縮に対する熱意と真意を十分伝えるようにこれからも努力をしていかなければならぬと考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そういう抽象論を私は聞いているのじゃないのです。「ニューヨーク・タイムス紙が「日本、国連で再軍備策を説明」と報じたことから、話は妙なことになってきた。「これではせっかくの軍縮演説が台無し」と、びっくり仰天した外務省はいま、同紙への“真意説明”の投書を検討している。」こう報じているから、このことを説明してくれと、私はこう質問している。どういう検討をしているのか、その説明書ができ上がったらこっちにもひとつ一部そのコピーをちょうだいしたいということを私は申し上げているのだ。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 ただいま先生の御指摘になりました細目は、外務省の担当官が新聞記者に聞かれまして行いました質疑応答の内容であるように承っておりますが、その内容はいまだ具体的な中身が入っておりませんので、詳細に至急に取り寄せる手順をやっておりますので、手に入りましたならば早速先生の方に御持参をいたしまして真意をお互いに理解してみたい、かように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それはでき上がりましたらということで承知をするといたしまして、これはきょうは鈴木さんの演説の質問をする場合じゃないから、私も緊急性あればやりますけれども、誤解じゃないということを私は言っておきたい。鈴木さんの演説、ここに全部あるじゃないですか。全部あるけれども、あなたは国会の決議に基づいてこの演説をされたというけれども、この中で国会がやった決議の中にも濃淡があります。  われわれは第一に核の不使用の問題を入れて、この決議の中に入っております。それからともかく米ソ二超大国がこの核の危険を相乗している根本のもとなんだから、この二つの国の軍縮を即時進めるようにやってくれということが第二番目。それから、核の実験を停止してくれ。非核地帯、地域をつくってくれという、この非核地域の問題はほんの言いわけ的にくるまっている。核実験の問題だけは、地下実験も含めて鈴木さん、しかも詳しく説明をされているが、その一番の中心の、ここで鈴木さんが行かれる前に声を大きくして私が言ったその不使用の問題だとか核の凍結の問題だとか、そういうレーガンのベースに乗せられたというようなことで、ちっともこの演説の中に生きていない。だれが見たって、これを見ているとみんな潜在的にはレーガン様々ですよ。レーガン従属です。これは先ごろ言われた六月二十九日のジュネーブ会議でひとつ両国がこの軍縮の問題で成功することを祈るという人ごとのような演説をくどくど書いているけれども、潜在的な気持ちの中には、悪意ではないけれども、レーガンに迎合し、レーガンにお世辞を使って、レーガンのお気持ちを損じたら大変だというこの外務官僚のこそくな小汚い、人類の核に対する恐怖、日本国民が核に対して祈るようなつらさを持って要望している、そういう国民や人類の願いなんというものは官僚の根性から出てこないのがちゃんとここに明確に出ている。残念にたえない。だからあの演説の中で私がいま期待するのは、あしたレーガンの演説ですか。中国は中国で黄華も言っておる、米ソ両国とも五割の核兵器を削減をするという主張、ならば中国も全廃をいたします、だれが聞いてもわかるじゃないですか。明確だ。今度はソ連のグロムイコもそのとおりだ、使いませんよ、最初に使いません、だれが聞いてもいいじゃないか。そこへくると、鈴木さんの演説は、かろうじて鈴木さんが外務官僚の主張を少しキャンセルしたところだけがこの中には生きている。あとはみんなだめだ。君たちは終わったらやれだれが来て鈴木さんに握手を求めた、だれがりっぱな演説だと言った。何だ手前みそだ、手前たちの書いた原稿を手前たちで称揚するというふうな、こんな報告書恥ずかしくて読めないよ、君こんなのは。「第二回国連軍縮特別総会の動き(速報)」六月七日から九日。恥ずかしくて読めない、手前みそだ。そういう外務官僚の小汚い気持ちでやられるから、これという大事な場合にはいつでも日本という国は一歩も二歩も世界の誤解を招くような形になる。残念にたえません。  いよいよ二十一日にひとつ本会議場で鈴木演説に対する質問があるそうですから、これはわが党の国対の理事もおりますから、こっちの方もひとつもっとりっぱな質問をしてもらってわが党の権威をあらしめるように国対で議論をして、恥をかかないようにりっぱにやってもらいましょう。  それでは、中近東の問題についてお答え願いたい。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○英説明員 小林先生の御質問、二点というふうに伺っておりますが、最初の、現在、在レバノンの大使館はどういうふうになっているかということであったかと思いますが、ちょうど今度のイスラエルの攻撃が始まった前後にベイルートを中心に四十名の邦人がおったわけでございますが、累次避難を勧告するということで、安全な地帯に移動いたしました。それに当たりましては、大使館の大使が使っております防弾車を使いまして、何回もピストン輸送をして、安全なところにお送りしたわけです。それを見定めた上で、ただ報道関係者の方は、こういう事態でございますので、現地で取材を続けられたいという御希望が三人ほどございました、それからレバノン人と結婚しておられる日本婦人がお二人、この五人の方はそういう理由で残留されるということを確認いたしまして、十二日に、ベイルートの北約二十キロの港町でございますが、ジュニエというところのホテルに移りまして、そこで執務を行っております。ただ、テレックス、電話等非常に連絡が悪いものですから、必ずしも大使館と同様の連絡がとれないのが非常に遺憾でございますけれども、現状では仕方がないと思っておりますが、活動は続けております。あえて申し上げますれば、かなり生命の危険があった中を、大使以下館員四名でございますけれども、大変よくやってくれたと思っております。  第二の御質問は、今度のイスラエルのレバノン爆撃について日本政府はどういう立場をとったか、どういうことをしたかという御質問であったかと思いますけれども、御案内のように、三日から爆撃が始まったわけでございますけれども、六日に陸上侵攻が行われたわけでございますが、五日の段階で国連の安全保障理事会の会合が開かれまして、日本が、単独提案でございますけれども、停戦の提案をいたしまして、満場一致で可決されております。  それから六日に、事態がさらに悪化しているということで、日曜日ではございましたけれども、在京の関係国の大使、イスラエルの大使、シリアの大使、レバノンの大使、それからPLOの代表を順次招致いたしまして、それぞれ内容は若干違うわけでございますけれども、イスラエルには強く遺憾の意を表し、撤退を求める、それから自制を求める。シリア、レバノンにも自制を求める。それからレバノンの大使には同情の意を表すという措置をとりました。  その日の夕方に外務大臣の臨時代理でいらっしゃる宮澤官房長官から「イスラエルのレバノン爆撃について」というかなり長文の談話を公式に発表いたしました。ちょっと長文でございますが、申し上げます。  一、本月四日及び五日の両日、イスラエルはレバノンの各地に対し、大規模な爆撃及び砲撃を加えたが、かかる攻撃は、六日に至っても停止されていない。我が国は、イスラエルのこれまでの攻撃の結果、パレスチナ人を含むレバノン住民に多数の死傷者が出たことを深く遺憾とし、イスラエルが今回かかる重大な結果を生じる行動をとったことを非難するとともに、この種の攻撃は、レバノンの主権・領土保全及び政治的独立に対する重大な侵害であり、直ちに停止されるべきであるとの立場を表明する。  二、このイスラエルの攻撃及びこれに対する反撃の結果、レバノンにおいては昨年七月関係当事者の努力により成立した停戦合意は今や崩壊の危険にさらされ、レバノン情勢は極度に緊張している。我が国は、今後レバノン国内乃至レバノン・イスラエル国境をめぐる各種の軍事行動が中東全体の平和を脅かす重大な武力紛争に拡大する危険を深く憂慮するものである。従って我が国は、六月五日我が国の提出した決議案が安全保障理事会の全会一致をもって決議五〇八として採択されたことを評価するとともに、すべての関係当事者が、同決議の要請に従い、即時軍事活動を停止するよう強く求めるものである。また、我が国は、今後ともこれら関係当事者が最高度の自制を行うよう重ねて強く要請する。  三、我が国は、かかるイスラエルの行為により、中東和平問題の平和的解決へ至るべき第一歩としてのシナイ半島完全返還の意義が損われ、中東和平問題をめぐる雰囲気が更に悪化することを懸念する。  四、また、我が国は去る六月三日の在英イスラエル大使に対する襲撃のごときテロ行為は、いかなる理由をもつてしても容認できないものと考えており、かかる行為を厳しく非難する。イスラエルがかかる行為への報復を理由としてレバノンに大規模の攻撃を加えることは正当化されるものではないが、我が国としては、今後、いずれの場所を問わず、この種のテロ行為、特に外交使節に対する攻撃は、国際平和に対する挑戦であり根絶される必要があるとの我が国の立場をこの際改めて宣言する。  それで、六日に今度アイルランドが提案いたしまして、安全保障理事会で、停戦それからイスラエル軍の即時無条件撤退を要請する決議、決議五〇九が成立しております。しかし、それにもかかわらず、六日には地上軍の侵攻が行われたわけでございます。  そこで、八日の火曜日でございますけれども、須之部外務次官が在京のイスラエル大使を招致いたしまして、この二つの決議に違反していることに対して強い遺憾の意を表し、直ちにその決議が守られるべきであるという強い日本政府の立場を伝えるとともに、このような行動が継続される場合には、日本としてはイスラエルに対する従来どおり同様の政策を維持することが困難になるということを恐れるものであるという懸念を伝達いたしました。これは、政府としてイスラエルに対する強い警告を発した、そういうことでございます。  大体以上がこの事件に関しまして政府としてとった措置でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 緊急質問ですから、いよいよ本論の方にひとつ移ろうと思いますが、ただ、まあ、しかしいまのイスラエルの侵略に対する外務省の声明は、いま耳で聞いただけですけれども、文章を見なければわかりませんけれども、聞いて、さっと入った感じでは、私は全く同感です。外務省もたまにはうまいこと、うまいことといいますか、正当なこともやるわいという感じを受けまして、ややほのぼのとした気持ちになりました。そうすると、やはりいまのレバノンにおけるイスラエル侵略に相拮抗して考えられるのがいわゆる英国とアルゼンチン両国のフォークランドにおける闘争です。その問題になると、外務省が何かまたアメリカのレーガンにしっぽを振って、何かアルゼンチンに対してわかったようなわからないようなああいう不可解な態度に出たということで、これも実際私どもが不愉快にたえない問題なんです。しかしきょうはこの質問はもうやめましょう、これをやっていると切りがありませんから。そういう英国やアルゼンチンに対する外務省のわけのわからぬような行動から見れば、このたびのイスラエルの侵略に対するただいまの声明は私は全く同感でございまして、これはまあ全部見なければ結論が出てきませんから、中間的な意思表明でございまして、おまえ、あのとき同感と言ったじゃないかと言われたんでは困りますから、これは中間的にひとつ同意を表しておきます。こういうさわやかな方向でやってもらいたいと思います。  そこで、これはそばにいる井上普方先生の御要望ですから、私はあえて彼に成りかわって質問いたしますけれども、いまのイスラエル侵略に対して、いわゆるレバノンといいますか、ベイルートにいる日本人が四十名救出をされたというのでありまするが、この四十名で、邦人滞在者がこれで全部なのか。まだそのほかに行方不明者が一体いるのかいないのか。あるいはまたその中には旅行者でちょっと滞在をして——私も経験がある。かつてレバノンとイスラエルがばちばちやっておるときに、私ども、亡くなられた江田三郎を団長にして、上田哲やら私や河上民雄君なんかと一緒にレバノンに入ってアラファト議長に会うために行ったのでありますが、そのときに、レバノンにいられた大使の、とてもとても危険だから入らないでもらいたいというたっての忠告でエジプトのカイロに滞在した。そのとき、カイロの大使は和田君でした。それからイランなんかへ行って、いまはとうとうOBになられたようでありますが、和田君がエジプトの大使をやっておるときであります。一週間くらいカイロに滞在をして事態を眺めた、そういう経験もある。しようがないものだから、そうそうピラミッドばかり見ているわけにもいかないので、江田君を相手に碁ばかり打っていたけれども、一日碁を打っているのも並み大抵のことじゃなくて、早くベイルートに入れないかと思って非常に焦ったという経験もある。ついにそのときには入れなかった。そのときにはNHKがやはりベイルートにいて、NHKの仲間である上田哲君だけならばNHKの責任で迎え入れるからどうかと言うので、それじゃ上田哲君、君はわれわれを代表して決死隊として入れと言って上田哲君だけをベイルートに入れたという経験を持っている。そのNHKなどという放送局も現在どうなっておるのか、それが一つです。いいですか、滞在者のこととか、NHKとかそういう民間の機関がどうなっておるか、これが一つ。  それから、これも報道ですけれども、イスラエル側によって捕虜になった人の中にアジア人がおるということが何か言われておる。そのアジア人という中に一体日本人が含まれているのかどうか。特にその問題も含めてお伺いしたのは、あそこで例の飛行機を何とかやったり、いわゆるゲバ組といいますか赤軍派といいますか革共同というのか何か知らぬけれども、そういう反体制側の日本の戦士といいますか人たちが数名ベイルートのPLOの中にいるとも言われているのだから、そういう人たちの消息が一体どうなっておるのか。  以上、まとめて御答弁をいただきたいと思います。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○英説明員 お答え申し上げます。  レバノンの情勢がこのところずっと険悪でございまして、率直に申し上げて、イスラエルが攻撃するという可能性はしばしば伝えられておりました。そういうこともございまして、実は昨年の五月から、旅行される方には、特別必要の用向きでない場合には自粛してほしいということを措置しておりました。これは国会の先生方にも同じようなことを御連絡申し上げたというふうに記憶しておりますけれども、そういうことで、四十名おりました者には短期旅行者のような人はほとんど含まれておりませんで、用向きのある人で大使館の館員とその家族、報道関係者とその家族、現地で工事をされておられる日本企業の方、それから現地の方と結婚された邦人の方、日本婦人の方というような者ばかりでございます。したがってそれ以外に、少なくとも大使館で捕捉しておりました限りでは旅行者がいるという報告には接しておりません。報道関係者、NHK等につきましては、朝日、共同、時事、読売、NHKと特派員がおったわけでございますが、そのうち時事とNHKの方は安全な地域に退避されたというふうに承知しております。  それから二つ目の御質問でございますが、パレスチナ・ゲリラに日本人の方がいるという話はよく聞くわけでございますけれども、遺憾ながらそういうものの確証をいままではつかんでおりません。したがいまして、今回イスラエルが捕虜にしたと伝えられております人たちの中にアジア系の人がいてその中に日本人がいるかどうかということもいまだ確認されておりませんが、これは少し落ちつきました場合には当然確認するという措置をとろうと考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 まだ問題が残っておりますが、これはまた改めて一般質問のところでお伺いすることにいたします。  そこで、委員長、予告をやっておきましょう。私は外務委員としてどうしてもこの委員会で明らかにしてもらわなければならぬという問題を三つ持っているのです。  一つは、前の外務大臣の園田直さんが五月二十六日にやられたお話で、「追随外交か自主外交か、全方位外交の重要性」ということで、このタイトルはほかの人がつけたのでしょうけれども、日韓問題について非常に重要な発言をしておられるから、これはどうしても委員長のお力で園田先生を参考人として委員会にお呼びいただきたい。私どもは先輩として敬意を表してお話を承りたい、そういう意味での参考人でございますから、これはひとつ実現をしていただきたい。  いま一つは、やはり国政に関する重大問題で、井上理事が例の外務省の顧問問題に対して言われましたが、法眼さん、私は個人的には彼がまだソビエト公使をやっておったころからの古いつき合いですが、そのつき合いは別にして、この人も大変重大な発言をしておられますから、この問題についてどうしても外務委員会で一回質問させていただかなければならぬ。この法眼発言については、「タカ派OBに困惑の外務省」などという、ちょっとやじったような新聞報道もありますが、いずれにしてもこういう問題は、私どもが外務委員をやっておる限りは黙って見逃しのできぬ重大な問題を含んでおりますので、できれば法眼さんもここに参考人としておいでいただくということを御考慮いただきたい。  あと一つはその場に譲りますけれども、それだけをひとつお願いいたしておきます。  それではいよいよ本論に入りまして、第六次のすず協定の締結についてお伺いをいたしておきたいのでございます。  このすず協定に関連をいたしまして、これは一体南北サミットと関連がありますか、ここら辺から質問していきたいと思いますが、いかがでございましょう。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。  直接の関係はございません。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 どうも、のこのこ出てきて何だかわかったようなわからないような話をされると、質問する方でもいやになってしまってね。  外務政務次官、きょうはあなたがメーンだから、あなたが出て答弁してくださいよ。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 はい。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 次に、六〇年代以降南北間の経済格差是正を目指して発展途上国はこういうふうな商品協定に大きな期待をかけていることは事実でございましょう。この第六次すず協定の前文でも「新たな国際経済秩序の確立のために果たすことのできる役割を考慮し、」こういうふうに明記をされているのでございますが、この商品協定は新たなる国際経済秩序維持確立のために一体どのような役割りを演ずることになるか、まずこれをひとつお聞かせをいただきたいと思うのでございます。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 第六次のすず協定の前文には先生お話がありますように、国際すず協定が新しい国際経済秩序の確立のために役割りが重要であるということを御指摘のとおりうたっておるわけであります。これはいまお話がありましたような世界経済の変化なり、あるいはその中における南北の格差の拡大等の観点から、いかにして開発途上国の民生、経済を安定させ、あるいは発展させるかという角度からいろいろな商品に関する世界における流通秩序というものの確立ということを目指していこうという新経済秩序の考え方でありますから、そういう意味の中の一環のすずという重要な商品につきましてその一環を担うものであると考えております。  なお、お話しのサミット自体ですず協定の議論をするわけでございませんので、事務当局は事務的に理解をして御答弁を申し上げましたけれども、サミットにおける南北問題の一歩前進ということも同じような考え方に立つものでございますから、関係がないという言い方はやや誤解を招きますので、私から訂正をさせていただきます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、その問題に関連いたしましてお尋ねをしたい。  今度の国連の軍縮総会でも総理大臣は三つの原則の中の第二番目に、そういう膨大な軍事費はできれば南北の発展途上国の方の平和の方にその金を使ったらどうかという提言をされている。私はそれには賛成なんですよ。五千億ドルと言うけれども、いまは六千億ドルぐらい軍事費に使われておるのじゃないかと思うのだが、それはそれにいたしまして、それほど熱心にやっておられるんだから、昨年かことしか時期は忘れたが、例のカンクン南北サミット、そういうところに行かれた日本の役割りというものは非常に重要視している。そういうところに熱を入れている総理のあり方に対しても全く同感なんです。だから、帰ってこられたらあのカンクン会議の結論をこの外務委員会なり、あるいは本会議なりにまず報告を願って、われわれはもっと聞きたいことを聞きたい、質問したいと思ったけれども、あれはあのまま今日まで報告がないんだよ。総理の帰朝報告が外務委員会にないのです。何でこれをやらせないのですか。すず協定もそういう一つの南北の格差を是正する、発展途上国の資源を彼らが損しないように守ってやる、消費国の利益も守るけれども。そういう一つの観点があるとするならば、その根底には南北の格差を是正する南北サミットの問題等が流れなくちゃいけない。なぜそれをやらないのですか。国会軽視だよ。日本の国会にそれを報告する必要はなかったのですか。あなたはどういうふうに思いますか。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 昨年のカンクンの南北サミットは、私の記憶では昨年の七月か八月に開催されたものだと記憶しております。当時私は外務政務次官ではございませんのでその当時の詳しい事情は存じ上げませんけれども、重要な問題でありますので必要がある段階が来ればいつでも喜んで当時の事情を御説明することができると考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 ともかくこれは外務委員長、あなたの問題なんですよ。そういう重大なことを行政府でやってきたなら、これは立法府としては間髪を入れずここへ呼んでその報告を受けるとか、その報告に対してわれわれの多くの抱いている質問をやらせるというのが、これは立法府における委員長としての重大な使命ですよ。どうも立法府を眺めていると、何か行政府を中心にした行政府の意向だけを聞きながら委員会、理事会を運営せられているやにとれるのですよ。あなたはなかなか実力者でいいところもあるから全部政府のしり馬に乗っているとは思わないのですけれども、ともかくカンクンに関する限りは立法府に対する正式な報告がないのです。特にこういうすず協定等は南北の問題に関連しますから、私はあえて要望しておきます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 わかりました。御指摘により討議いたします。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 私も記憶が薄れましたが、正確に申し上げますと南北サミット、いわゆるカンクン・サミットは十月二十二、二十三の両日メキシコのカンクンで行われまして、先進国八カ国と途上国十四カ国の首脳が参加したということが正確でございまして、私うろ覚えで七月か八月と申し上げましたのは間違いでございますので、訂正させていただきます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 わかりました。そこまで詰めておけばよろしゅうございます。南北問題は重要ですから、長く尾を引く問題ですから、この問題は次に改めてまた一つ一つきめの細かい議論をすることにして、きょうは問題だけ提起しておきます。  次に、発展途上国が強く求めている新しい国際秩序というのは一体どういう内容の秩序を意味するのか、わが外務省の御理解の程度をひとつ承っておきたいと思います。

小宅庸夫外務大臣官房審議官

○小宅説明員 お答えいたします。  新国際経済秩序と申しますのは昭和四十九年、オイルショックのすぐ後でございますが、第六回国連特別総会の決議におきまして、資源ナショナリズムというものを背景といたしまして、南北間の格差を是正するためにその既成の秩序の変更ということをねらいとして開発途上国側から打ち出されたものでございます。その後国連特別総会の決議を踏まえまして一貫して南側が主張してきている考え方、概念でございます。  この国連特別総会決議に盛られています主な内容を申し上げますと、たとえば天然資源に対する恒久主権、資源保有国がその資源に対する主権を永久に有するとか、あるいは生産者同盟が南北格差是正の方式として非常に好ましいとか、あるいは先進国のインフレにスライドした価格インデクセーション、この考え方であるとか、あるいは多国籍企業に対するある種の規制を課するということとか、あるいは国際通貨制度というものを改革していかなければならないということとか、あるいは技術移転の促進とか、あるいは援助の拡大、こういったいろいろな内容が盛られております。この国連特別総会の決議は当時全会一致で採択をされました。わが国もそのコンセンサスに参加したわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いろいろ細かくありましたが、これを詰めて言えば、発展途上国が主張している新たな国際経済の秩序というのは、戦後の貿易体制の変更、いわゆる北といいますか、先進国といいますか、超大国といいますか、大国といいますか、そういう人たちを中心にする自由貿易主義からの転換を意味しているのではないかということが一つ、それから具体的には発展途上国は一次産品の問題について、市場への介入、それから市場の統制、市場の組織化をどうも志向していると思われる。一次産品総合計画等でその点が具体的に示されていると思うのでありまするが、これに対して一体わが国はどのように対処をしていく考えであるか、これをいま少し具体的に承っておきたい。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。  一次産品総合計画というのは一九七六年の第四回UNCTADで採択されておりますが、これに開発途上国の一次産品に対する考え方が総合的に盛られているわけでございますが、その主要点といたしましてただいま先生は市場介入、統制、組織化という形でおっしゃいましたが、まとめて言えばそういう言い方もあるかと思いますが、具体的な案といたしましては、共通基金を設立することと十八の主要関心品目について緩衝在庫その他の価格対策、多角的な長期供給買い付け約束と生産面での多様化、加工度向上、保証融資スキーム等の国際的な措置を単一にあるいはその幾つかを組み合わせるという形で適用するということを目指しているわけでございます。それについて日本がどういう態度をとっているかということでございますが、基本的に一次産品貿易の安定化ということは、開発途上国とわが国との関係から申しましても、またわが国が一次産品の主要輸入国であるということからいたしましても、世界経済にとってもわが国の経済にとっても非常に重要であるということで非常に積極的な姿勢をもって対処してきているわけでございます。そういうことから、共通基金の設立につきましてもわが国は非常に積極的な態度でその設立を推進してきたということは小林委員御承知のとおりでございます。が、同時にございますのは、一次産品というものは品目によってその実態、問題も違いますので、個々の品目ごとにどういう対策をとるのが適当かということを考えていく必要がある。それから一次産品問題は開発途上国の問題であると同時に先進国の問題でもございます。わが国と言えばわが国の問題でもございます。多くの一次産品についてはわが国は輸入国、消費国でございますので、開発途上国が生産国、輸出国であるというのの対比においてわが国は輸入国、消費国である。そういう点からいたしますと、一次産品問題は南北問題の角度とあわせて生産国と消費国、輸出国と輸入国の間の利益のバランスも考えて対処していかなければいけない、これもわが国の基本的な一次産品問題に対する考え方の一つであると考えておりまして、全体として建設的でありかつバランスのとれた政策をとっていると考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 先ほども外務次官訂正された昨年の十月のカンクンの南北サミットにおけるいわゆる共同議長の総括というものがある。それによれば、「新たな商品協定の交渉の進捗がはかばかしくないことに留意し、参加者は、」——参加国でもいい。「参加者は、共通基金を発足させるための手続を完結させることが必要であるとの点で合意した。」という旨が明示をされておるわけです。いいですか。ちょっと横道になるけれども、南北サミットの問題になると、これには例のアメリカはだんだん消極的ですね。レーガン政権になってからもっぱら核軍拡だ。核軍拡だけ一生懸命やって、こういう発展途上国や南のような貧しい国々に対して率先してそれをやろうなどという意欲がだんだんなくなっている。僕は実にけしからぬと思っているんだ。そういう点なんかもいま少し日本は言うべきときは言えばいいんだ。やはり僕も興味を持っているから今度のサミットの問題もずいぶん詳しく研究してみたんだけれども、これに対してアメリカ等は、これは二国間で話をすればいいんだ、南北サミットなんというのは余り重視する必要ないような牽強付会な言をなしている。それに対して何にも日本の政府は批判はできない。あわせていま一つの超大国、ソ連。ソ連なんというのは南北サミットには参加もしてないわけだ。あの国はともかく軍事拡大だけは一生懸命にやって、何とかという自分の守備範囲、NATOに対立するソ連の衛星圏、ワルシャワ関係の範囲だけは補助金を出したりくれたり、それを高い利息をつけてふんだくったりしているけれども、国際的な平和事業だとかそういう問題にはあれは一つも協力をしない。けしからぬ。その点においては理屈なしだ。ソ連なんというものはこじきみたいなものだ、本当に軍事だけ大きくしておいて。こういう点はやはりあらゆる機会に日本は勇敢に批判をするだけの——これが独立国の権威ある日本ですよ。何もないじゃないか、そんなもの。  そこで、そういうふうな、ちゃんと明示されているにもかかわらず、いま一次産品の共通基金の発効目途である本年の三月三十一日までその発効要件を満たすに至っていないじゃないか、単なる決意しただけの話であって。これは一体どういう理由なんですか。日本はそれに対して一体何をしたのだ。時間がないから、その理由を聞くと同時に、それに加えて一次産品の共通基金の設立協定に関してわが国は昨年の六月受諾書を寄託して、日本は第五番目の協定の批准国にはなっている。その後わが国は協定発効促進のためにどのような具体的の処置をとったか、これを聞いているのです。

小宅庸夫外務大臣官房審議官

○小宅説明員 お答えいたします。  一次産品共通基金を設立する協定につきましては、現在のところ批准国数が二十九、これらの国による直接拠出資本総額割合は二四%ということでありまして、この協定の発効要件であります九十カ国、三分の二以上という条件をいまだに満たしておりません。このことは、共通基金の設立といいますことがUNCTADを中心として従来議論されております南北問題解決への一つの具体的な成果とわれわれは考えておりますので、非常に残念なことでございます。したがいまして、小林先生御承知のとおり、昨年の南北サミットあるいはつい先ほどのベルサイユ・サミットの機会におきまして鈴木総理の方から、この共通基金設立協定の早期発効が南北問題解決前進に必要であるということで、未批准国に対する呼びかけを行ったわけでございます。  それからまた、昨年の国連総会におきましては、第二委員会でございますが、批准促進、早期発効を要請する決議案をわが国が中心となって作成いたしまして、これは多数の賛成を得て採択をされております。  先生御承知のとおり、この一次産品共通基金といいますのは、個々の国際商品協定に対するいわば財政的なバックアップをなすものでありまして、これがひいては一次産品問題の解決に非常に有益と考えております。したがいまして、私どもといたしましては、今後ともあらゆる機会をつかまえましてこの協定の早期発効のために努力してまいりたいと考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いまお話のありましたとおり、国連の第二委員会で一次産品共通基金の設立早期発効促進の決議を日本が中心になっておやりになったということは、これは非常に結構です。同時に、それが全会一致で採択されたことも私は知っております。いまおっしゃったとおりなんです。じゃ、今後の見通しはどうなんだ。一体これは成立する見通しがあるかどうか。あわせて、共通基金の設立について非常に消極的なアメリカの態度は今日変わったのかどうか。それが一つ。もう時間が来ましたから。  なお、その問題とあわせて、南北対話の大きな成果が一次産品共通基金の設立協定です。南北サミット等を具体的にやっていく一つの一里塚として、この協定は非常に価値があると私は見ているわけです。先ほど経済協力だかどこか、だれだか関係ありませんなんて、何か言っていたんだ。何だ、どこへ行った、君か、関係ありませんなんというつまらない答弁したのは。ともかく、私どもはそういう南北サミット、もちろん日本は消費国ですから、そんなこと聞かなくたっていい。生産国のいわゆる利益を守るとともに、消費国のわれわれの利益を守らなければならぬ。相身互いだぐらいのことは、そんなことは聞かなくたってわかっておる。しかし根本は、あらゆる機会を通じて南北サミットの格差をなくするという基本的な姿勢に立って日本の姿勢をあまねく知らしめるという、これが外交であり、国際的な仕事なんです。だから、いまのようなこういう問題も単なる話し合いのままにして、決議や協定をしたことが何にも実行されない、批准されない、進捗しないということになれば、これがひいては南北問題に大きく悪影響を及ぼしていくのではないかということを懸念をするわけですが、この点は一体どう考えられておるか。副大臣、あなたの問題だろうが。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 共通基金の問題につきましての日本のとりました態度につきましては、ただいま政府委員から御説明したとおりでございます。お話しのようにその問題につきましても、先般のベルサイユ・サミットにおきまして鈴木総理大臣から、共通基金が早期に発足できるように努力すべきであるということを主張もいたしておるわけでございます。各国のいろいろな事情がありまして一遍に進まないことはまことに遺憾でございますので、私どもとしましては、このことは南北問題自体に非常に関係のある、あるいは世界の開発途上国の発展向上に非常に関係のあることでございますので、今後とも積極的な努力をしてまいりたい、かように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 アメリカの態度について……。

小宅庸夫外務大臣官房審議官

○小宅説明員 お答えいたします。  この共通基金協定がいつ発効するかということは、残念ながら私どもといたしましても確たる見通しを立てることができないというのが現状でございます。ことしの三月三十一日まででした期限は、その後関係国間で合意いたしまして来年の九月三十日までというふうに一応延期されております。  アメリカの態度でございますが、アメリカは従来から、まず十分な数の適切に構成された国際商品協定をつくることが必要だ、その国際商品協定ができましてそれが共通基金と連係し得る、つまり共通基金の本当のヘルプが必要であるというような状況をつくり出すことが先決であって、そういう状況においてアメリカとしては協定締結の手続を進めたい、そういうことでありまして、私どもといたしましても、アメリカとしては共通基金協定に参加するという、その基本方針においては変わりないというふうに理解しております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いずれにいたしましても、こういう平和的な問題だとか発展途上国に対するものとかそういう政策になると、二つの超大国がいつでも消極的であり協力体制が少ないということは、私どもはまことに残念にたえないです。アメリカの側になって一生懸命に弁明してくださるのもいいだろうが、少し態度を決めて、アメリカにもソ連にも言うことは言う、反省せしめるところは反省せしめるという堂々たる姿勢をひとつ日本の外務省は持ってもらいたいと思いますな。よろしゅうございますか。  もう時間も来ましたから、これは郵便協定を何も聞かないと質問したことにならぬから、郵便協定をひとつやっていくか。  次は郵便協定、アジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件だ。そこへ行きますが、こういうブロック別の協定が世界に一体幾つあるのか。  それから第二番目には、連合国内において話し合いをするというわけだ。日本はアジア・太平洋郵便条約の中に一応入っているんだが、入ることによって一体どういうメリットがあるのか。これが第二番目だ。  それから、郵便協定に加入した国々の技術の向上のために郵便学校ですか、学校がタイのバンコクにあるというのですが、どういうシステムで行われておるのか。また、この学校には日本が一体どの程度に関係をしておるのか。いいですか、これが三番目ですよ。もう時間が来ていますからね。  第四番目には、同じくアジア・太平洋条約に加入してない国がたくさんある。この加入しない国国を、これは自由意思ですから入らぬと言えばそれっきりだけれども、将来、加入せしめないことによって連合体のAPPU、その間で何か不都合なことがないかどうか。やはり全部を加入せしめるという形の方がいいのではないかと思われるが、こういう点についてもひとつ御説明をいただきたいと思うのであります。

小宅庸夫外務大臣官房審議官

○小宅説明員 お答えいたします。  初めの三点につきまして逐次お答えいたします。  初めに、この種の地域連合のことでございますが、現在万国郵便連合憲章第八条の規定に基づきます限定連合といたしましては、アジア・太平洋郵便連合のほかに七つ、合計八個ございます。このうちアフリカ地域に三つ、そのほかヨーロッパ、中南米、北欧等々にございます。  それから二番目に、アジア・太平洋郵便連合に加盟することによるメリットでございますが、わが国といたしましては昭和四十三年にこの連合に加盟して、この連合の目的に沿いまして、アジア・太平洋諸国との郵便物の交換、その他郵便の分野における国際協力の促進に努めているわけでありまして、こういう事情にかんがみ、わが国といたしましては引き続きこの連合の加盟国として郵便業務の資質の向上であるとかあるいは技術協力その他この地域に特有の問題の解決のために積極的に取り組んでいきたい。また低減料金というものがこのアジア・太平洋郵便連合のもとで設けられておりますが、こういうものも適用することによりましてこの地域の利用者の利便を図っていきたい、こういうことが大きく申し上げましてこの連合に加盟することのメリットであると思います。  次に、三番目の御質問はアジア・太平洋郵便研修センターのことであると思いますが、この研修センターは昭和四十五年にタイのバンコクで設立されております。白来昭和五十六年末までには域内の累計二十七カ国から八百三十九名の研修生を受け入れております。セミナーを開催すること等によりまして、アジア・太平洋地域における中堅郵政職員の業務知識の向上であるとかあるいは郵便業務の改善等に大きな貢献を行っていると私どもは考えております。このセンターに対しまして日本政府といたしましては、一つには職員あるいは教官の派遣という形で、それからもう一つは奨学資金を一年に二万ドル従来拠出しておりますが、この奨学資金を拠出するという形でわが国はこのセンターの行う技術協力活動に対して協力をしております。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 先生御質問の第四の点につきまして、私の方からお答えさせていただきたいと思います。  今回の条約におきまして加盟の方式は若干変わっておりまして、先生御指摘のように確かにこの地域におきます諸国の中でまだこの連合に入ってない国がございますので、従来、現行の協定におきましてはそのような国につきまして、これが加盟申請をして三分の二の国がこの加盟を承認したときに加盟国になることができるというやや厳しい手続をとっていたわけでございます。それを今回の協定の第三条におきまして、加盟国の要件といたしまして主権国であって、その全領域がアジア・太平洋地域に存在しなお万国郵便連合の加盟国である国、このようなものが一方的に加入の正式の宣言を行うことによって加入ができるというように加入の条件を緩和したわけでございます。  これはまさに先生御指摘のように、できるだけこの地域におけるこのような国が多く参加してこの連合の構成員になることによってその協力の実を挙げることが必要であるという観点からの改正でございまして、この点は新しい条約の中ですでに反映されておりまして、この結果つい最近ネパールが新しい加盟国として参加したという実績がございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 まだ私の質問は終わったわけじゃございませんけれども、約束の時間が参りましたので、本日のところはこれでひとつ終わることにいたします。どうもありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四分休憩      ————◇—————     午後一時九分開議

中山正暉自由民主党

○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 少しく質問をいたしたいと思います。  アジア・太平洋郵便条約というのが今度かかっておるわけでございますが、これに加盟しておる国は、こうやって一覧表をいただいたのですが、加盟しておらぬ国は一体どこどこあるのですか。——私は、きょう質問するに当たりまして、先ほど小林進議員からも申されましたが、われわれに対する答弁は政府委員をもってやっていただきたい。説明員では私は了解できない。でございますので、政府委員をもって答弁していただきたい。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 現行条約の締結国は十七カ国でございます。先ほど、午前中に申し上げましたように、ネパールが四月に入ったということでございます。そのほかに加入資格がある国がアフガニスタン、ブータン、ビルマ、フィジー、イラン、民主カンボジア、モルジブ、ナウル、朝鮮民主主義人民共和国、トンガ、ベトナム、ツバル、モンゴルの十三カ国でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうすると、それらの国々との間の郵便はどのようになっておりますか。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 お答え申し上げます。  ざっと申しますと、たとえば一例を申し上げますと、朝鮮民主主義人民共和国に対する日本からの郵便は北京が中継ぎをしてくれまして、北京から朝鮮民主主義人民共和国に回って配達ができる、そういうことをやろうということが条約の中に入っておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それはどっちの条約に入っておるのですか。万国郵便条約に入っているのですか、あるいは総括的なこの条約に入っているのですか、どっちなんです。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 先生御案内のところでございますが、郵便というのは、国がある、あるいはまた国としての形態がなくても、そこにコミュニケーションの必要があるという場合には、送達の方法がある限りにおいてはすべて送達をするという大原則が、UPU条約を初めとして郵便の理念だと思うわけでございます。したがいまして、いま先生お尋ねのAPPUに加盟している、していない、あるいはさらにUPUに加盟しているの有無にかかわらず、私どもとしては送達のルートがある限りにおいて、あらゆる方法を講じて郵便の送達、受け入れをやっているところでございます。たとえばいま外務政務次官が例示的におっしゃったことでございます。さらに敷衍して申しますと、モンゴルの例をとりますと、航空は中国経由で送達する、船便はソ連を経由して送達をしている。あるいはベトナムの場合は航空はタイ国経由で、船便はソ連経由というようなことで、私ども現在把握しているところで、これは質問から外れるお答えになるかもしれませんが、関連したという意味で申し上げますが、レバノンとチャドを除いて、すべて郵便の送達、受け入れをやっているのが現状でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうすると、世界各国、現在ではレバノンとチャド、レバノンはいま戦争が始まっておるからこれは送れぬだろうと思いますが、チャド以外はどこでも受け付ける、こう考えてよろしゅうございますな。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 そのとおりでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そこで、この前の五十一年の議事録を見てみますと、それらの国々との間に条約が結ばれてないけれども、早くこれをやりたい、加盟させてやりたいというようなことを答弁されておる。その後、いま見ますと、余りどうも成果が上がってない。特にパプア・ニューギニアについてはオーストラリアから独立したからこれはできると旨うけれども、ほかの国々についてはどうも加盟させてないというのは一体どういうわけなんですか。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 先生御指摘のようにアジア・太平洋地域における加盟資格のある国ができるだけ多くこの条約に参加してアジア地域における郵便制度の中において協力をしていくということが望ましいわけでございまして、従来いままでの協定では三条におきまして申請があった場合に三分の二の加盟国の承認が必要であるということになっておりましたので、そういう意味で手続がやや煩瑣であったということがございました。そういうこともございまして、まだ加盟してない国が多かったという反省のもとに立ちまして、今回の条約におきまして、今回の協定での第三条に規定されました一定の資格を有する国は一方的に宣言をすることによって入ることができるということにいたしましたものですから、従来の経緯は経緯といたしまして、今後はこういう国々も簡単な手続で入ってこれるのではないかというふうに考えております。そういう意味でいままでの経緯で加盟国は必ずしもふえなかったというのはやはり三分の二という要件が課されたからではないかというふうに思っております。  私が昔担当いたしましたのにブータンの加盟問題というのがございましたけれども、たとえば三分の二の承認ということがありますと、やはりその国が果たして資格があるだろうかということについていろいろな考えを持つ国があったりして三分の二の要件が必ずしも簡単に成立しないとか、事務手続上煩瑣であるとか、そのような障害がございまして従来加盟国がふえなかったという実情があるというふうに考えるわけであります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 しかし都甲君、先ほども言われましたが、郵便というものの性格からしてどこへでも配達するのがあたりまえの事柄なんだという理念をおっしゃられた。そうすると、三分の二であろうがどこであろうが承認すべきものは大体どこの国でも承認されるのじゃないですか。これの努力を怠っておったのじゃなかろうか、こう思うのです。しかもアジア・太平洋地域における日本はかなりリーダーと言ったらなんでございますけれども、国連の安保理事国の代表国にもなっておるのだが、そういう努力が日本の外交上やられておらぬじゃないかという感じがするのですが、いかがですか。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 先生仰せのとおり、アジア・太平洋の郵便条約の中で日本は郵便の理念と国際協調という当然の大原則で議事を進めるに当たって重要な役割りを果たしておるということは現状だろうと思います。しかしながら、いろいろの事情でいままでの規約で先ほど外務省から御答弁されましたようにルール上は三分の二という、郵便の理念そのものからすると他の障害というものがあってなかなか加盟というものはできなかった。しかしながら、幸いに今度のジョグジャカルタで締結をいたしました条約ではそういう障害というものがなくなりましたので、今後とも一層その加盟国をふやすという成り行きは当然期待できるし、私どもとしてはいろいろの事情があるにしても基本的にはそういう方向で進むべきことだろう、こういうふうに考えております。事実また、マレーシアとかパプア・ニューギニア、パキスタン、スリランカ、シンガポールというものが、先回の場合に比較しまして加盟をしてまいりまして増加をしたところでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それは私は理念からしてあなたと同感なんだ。しかし、どうしていま初めて、今度この太平洋条約になって、マレーシアであるとかスリランカであるとかシンガポールであるとか、こういう国がなぜいまごろ加盟するのであろうか。そしてまた、先ほどもお伺いすると、まだまだたくさんの国々が加盟してない。その理由は一体何なんだろうか。三分の二が今度外されたからできるでしょうと言いますけれども、そのほかいろいろな理由があって加盟してないんだという、そのいろいろな理由をひとつお伺いしたいのです。どんな理由なんです。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 このアジア・オセアニア郵便条約がUPUのもとにおきます地域連合として始まりましたのは二十年余前でございますけれども、そのときは韓国、フィリピン、台湾等四カ国が加盟国で発足をしたものでございます。そういうことで、かなり狭い国の間で始まったものに対して徐々に理解ができ、日本も第二次から参加したわけでございますけれども、そのように段階的にこのような地域協力というものが非常に有効であるという理解が増進した結果、現在の十六カ国まで各第二次、第三次、第四次というふうに協定が回を重ねるたびにふえてきたわけでございますので、そういう意味ではやはりその地域協力の実態に対する理解が必ずしもなかったということもあるいは背後にあるのではないかと思いますし、やはりこういう協定というものは、できましてから徐々にその理解が増進され、特に現在におきましては、アジア・太平洋地域におきます独立国もかなりふえたわけでございますから、今後この新しい体制をもとに、この協力の実態が有益であるということを十分に周知徹底することによって加盟国はふえてくると思いますけれども、先生の御指摘のように、いままでなぜそれが入ってなかったかということについては、そのような歴史的な経緯と段階的な発展の歴史が反映されているのではないかと私は考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうすると、いままでの理由とちょっと違う。いままではいろいろな理由があって入らなかったんだ、こうおっしゃる。今度はこういう地域協力とか理解とかいうものができてきたので入るであろうというんだな。答弁違うよ。そこらあたりに、外務省の役人どもの答弁にわれわれは不信感を抱く。その場で逃れればそれでいいという考え方、それが多いんじゃないか。私はこのように素朴な質問をしておる、素朴な質問をしておるんだけれども、いろいろな理由があってできなかったんだとさっきは言う、そのいろいろな理由は何だと言えば、いや今度は地域協力とかあるいは理解があるので今後はできましょう、こう言う。どこに原因があってそんな——私らはその理念のとおりなんだ、さっきおっしゃったとおり。にもかかわらず、そこらあたりをどういう理由があってこういうようにおくれてたんだということを言っていただかなきゃ話にならないですよ。そしてまた、外務省のそれ自体の答弁がわれわれは不信感を抱かざるを得ないようになる。ここらあたりは言葉を十分注意してやっていただきたいと思います。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 私が一番初めにお答え申し上げましたときに、条約の形式的な面を強調し過ぎてお答え申し上げたものですから、全体的な背景等について十分な御説明ができなかったことを申しわけないと思っておりますけれども、実態的に、今回の改正におきまして、この加盟条項がこのように改正された直接の契機は、やはり三分の二の承認を要するということが手続的にはやや煩瑣で加盟国の増大を妨げたという実態があったものでございますから、それを中心にお答えを申し上げたわけでございますけれども、確かに、実態的に、歴史的にこれをたどってみますと、私がその後で申し上げましたとおりの、段階的に理解の増進が進んできたというようなことは、あわせて御説明を初めから申し上げるべきだったと思っております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 しかし私はどうも納得ができない。三分の二の同意がなければ加盟できないということ自体に私は、それであるならば、この条約の大きな欠陥があったのじゃないか。理念は先ほどおっしゃられたとおり。万国どこへでも郵便が通ずるという、何といいますか人類の英知を、これをいかに普及さすかということは必要なことだ。その三分の二というようなことをなぜ決めたのか。それがまた、そういう理念にどの国も、少なくとも郵便事業をやっておる国でありましたならば、これはそういう理解に立つべきだ、こう私は思う。しかし、それが、なぜ立たなかったのか。政治的な理由なのかあるいは経済的理由なのか、あるいは宗教的な理由なのか。そこらあたりは、どういうように理解されておるのか、ひとつお伺いしたいのです。

小宅庸夫外務大臣官房審議官

○小宅説明員 お答えいたします。  アジア・太平洋郵便連合で最初三分の二の条項が導入されました背景といたしまして、私ども考えておりますのは、その母体でありますUPUにおきまして……(井上(普)委員「UPUって何だい」と呼ぶ)万国郵便連合でございますが、それの国連非加盟国の加入につきましては、三分の二の加盟国の支持が要るという、そういう条項がございます。これと一致させたものではないかと考えられます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 まことに郵便の理念と違ったことを平気でそれではいままで通用させておったということだな。日本政府としては何らこれに対して異議を申し出なかったということでいままで推移してきた。事実この五十一年の会議録を読みましても、郵便事業の理念というものがぴしゃっと書いてある。そのとおり日本の外交をやってなかったという証拠じゃなかろうかと私は思う。  人類がこういう郵便という便利な方法を用いる以上、これはどの人類でもその恩恵を受けさせるように努力をしなければ日本という国はだめなんでしょう。理解できないんでしょう。それの努力が私は、少なくともアジアにおいてあるいはオセアニアにおいて、リーダーとしての日本の使命が達成できなかった。そのためでしょう、日本が国連の安保理事会に立候補しても、選挙をすればバングラデシュに負けるというようなことが起こってきている。ここらにも一つの理由がある。  私は、この前、予算委員会においてこのことを質問した。そうしたら、今度は、この間うち、去年、おととしでしたか、今度は安保理事会におきまして日本は当選いたしました、私に得々と言った局長がいる。何のことはない、アジアから立候補さすやつをともかく押さえてしまった。われわれの選挙法でも、立候補の意思あるやつを押さえつけるというのが、これが選挙法においては罪は一番重い。その罪が一番重い方法を用いて、アジアにおいて日本だけしか立候補しなかったから日本が当選したのだ。得々として言う。こういう外交態度が果たしていいのだろうかと私ら思う。バングラデシュが立候補したら、そうしたら、選挙すればバングラデシュに安保理事会は取られる。今度どうしてもやりたいと思えば、あるいは、言いたくはないけれども、経済援助なんというのを振りまいて、利益誘導をやって安保理事会に当選したんじゃないだろうか、情けないものだなという感じは私はそのときに持ったのです。こういうような、すなわち日本は本当の人類の幸福のために、あるいは人類が持っておる文明をいかにして普及させていくかという真摯な努力がアジアにおいても行われていなかった日本の外交の姿が、あの安保理事会においてバングラデシュに負けた理由ではなかろうか。  もう一つあります。それは、非同盟という国々がかたまっているというような理由もありましょう。しかし、基本の日本の外交姿勢に問題があったのじゃなかろうかと私は思うのです。  ただいまの条約にいたしましても、どうも日本外交としては努力が足らなかったのではないか。だから、アジアにおきましてはこれほどたくさんの国々にまだ未加盟国がある。また、そこに郵便事業が人類の恩恵を一つ与えていくのだ、文明の一つの成果なのだという理由に立つならば、日本が率先して各国に対し郵便事業の理解を深め、同時に、理解を深めるというよりは加盟を促進させるような努力をやるべきではないか。こういうじみちな努力が日本をして世界の大国として自他ともに許す道ではないかと私は思うのですが、この点、いかがお考えですか。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 ただいまお話がありましたように、アジア地域における各国間のあらゆる意味における、あるいは経済的、文化的交流ということは、今後のアジアにとって非常に重要なことであると私どもも考えております。特にこのアジア・太平洋郵便条約自体も、郵便に関しまして「加盟国間の郵便関係を拡大し、円滑にし及び改善すること並びに郵便業務の分野における協力」が重要であるということを一条にうたっておるわけでございますから、先生のおっしゃいますような考え方によってできるだけ加盟国の範囲を広げるように、アジアの一部であります日本が最大の努力をすべきであるということはお話しのとおりだと考えます。  ただ、いま事務当局からの御答弁がまことにあいまいでありまして、私も実は不勉強で、どの国がどういう事情で加盟をしなかったのかという経緯がつまびらかでございません。これはあるいは経済的な負担あるいは政治的ないろいろな関係等があるかもしれませんが、理解できませんけれども、これは日本も、どの国がどういう事情で郵便連合に加入しないのかということをまず十分詳細に調査しまして、できる限りこれが加入するように努力すべきであるというふうに私どもも考えますので、そういう御趣旨に従ってこれからもやってまいりたいと考える次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私、再三にわたって申し上げるようでございますが、この文明の利器を人類全般に及ぼしていくというのがわが国の、しかもこういうような経済力を持った国でございますし、アジアの、言葉は悪いのでございますけれども、リーダーとしての日本の責任じゃなかろうか、このように思うのです。せっかくのひとつ御努力を今後お続けになっていただきまして、あと五年してまだ未加入国があるというような不細工なことはやらさぬようにひとつお願いいたしたいと思います。  続いてお伺いするのですが、外国郵便というのは基本料金というのがあるようですが、基本料金の定め方というのはどうなっているのですか。ひとつお伺いしたいのです。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 外国郵便料金の基本の定めというのは、万国郵便連合条約、UPU条約と称しておりますが、そこで基本にかかわるものが定められております。それをただいまのアジア・太平洋連合のように地域的な取り決めで調整をする、こういう仕組みが郵便料金にかかわる原則でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 基本料金というのを条約で決められておるらしいけれども、それはどういうようにして決めるのだということをお伺いしているのです。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 UPU条約の条文の中で具体的に書状——手紙は二十グラムまで幾ら、あるいはその二十グラムを超えれば幾らということを具体的に定めをしているわけでございます。そういったことで、同様にはがきは幾ら、そういったことの定めが具体的になされているわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 具体的にそういうように二十グラムまでは幾ら、それ以上は幾らというのを決められておるのだが、その料金の基本は円建てで決めているのですか、あるいはまたドル建てで決めているのですか。どうなんです。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 金フランを単位として定めております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 金フランといいますと、大分金フランも動揺があるようなんだが、そのたびに料金は変わらぬのはどういうわけなんですか。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 金フランは変わらないわけでございます。現在、一金フランは百円ということで、日本は具体的な料金の定めということになっているわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 金フランは変わらないのだ、それが百円と決めているのだというのはどこで決めているのですか。そこのところが私はわからぬのでお伺いするのです、まことに素人じみた質問かもしれませんが。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 これは万国郵便条約の第八条に「基準貨幣及び相当額」ということで具体的に金フランの決め方を書いてあるわけでございますけれども、その第一項におきまして、ここで用いられる貨幣単位というのは、国際通貨基金の計算単位、特別引き出し権というものがいま使われておりますけれども、これに換算可能な金フランとするということになっております。国際通貨基金の計算単位、特別引き出し権というものがございますが、これに換算可能な金フランということになっておりまして、「加盟国は、計算書の作成及び勘定の決済のため、合意により、1に規定する貨幣単位以外の貨幣単位又は加盟国の通貨の一を選択する権利を有する。」ということになっておりまして、ですから、一応金フランに相当する特別引き出し権を基準といたしまして、それに相当する円で郵便料金を定め、そして、第八条の六項におきまして、「郵政庁は、この条の規定に従って料金を設定するに当たり用いた特別引出権に相当する自国の通貨の額が変動した場合において、設定された料金の金フラン相当額がその変動に伴いこの条約により認められた最高又は最低の限度額を十五パーセントを超えて上回り又は下回ることとならないときに限り、この条約及び約定に定める料金の自国の通貨による相当額並びに国際返信切手券の売りさばき価格を改正する義務を負わない。」ということを決めておりますので、一定の変動額の中でこの国際的な通貨の額が変動する場合には、国内料金に自国が定めた料金を改正する義務は負わないということが、この条約の中で決められているわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 いままでのお話とちょっと違ってくる。先ほどは金フランでの約定によってこれは動かないのだ、こうおっしゃる。しかし、国際変動によって一五%以上でありましたら——いま都甲君が言われたように、そうであったならばこれは動く、こう言う。日本は一五%以上動いておるじゃないですか。あるいは金フランと言えば、ともかく金の価格なんというのはおととしあたりは三倍にもなった。ところが一向に国際郵便料金が安くならない。理由は一体どこにあるのです。私はわからないから聞いておる。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 この万国郵便条約の第十九条におきまして具体的に、先ほど御指摘のあった基本料金のサンチームというのを決めておるわけでございます。たとえば二十グラムまで七十五サンチーム、二十グラムを超えて百グラムまで幾らというふうに基本料金を決めてございまして、各国はその基本料金を基本といたしまして、その以後最高限度額はその一〇〇%までを引き上げてもいい、最低限度額はその七〇%までを引き下げてもいいということになっておるわけでございます。  先ほど申し上げましたのは、この最高または最低の限度額を一五%上下しない限りは、その範囲内にある限りにおいてはこの郵便料金を改正する義務を負わないということになっておりますので、かなり幅を与えられているというふうに御理解いただければと思うのでございますが……。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 サンチームとかなんとかいう私のわからぬ言葉を使われたけれども、金価格があれだけ変動し、かつまた日本の円価格もかなり上下しているにもかかわらず外国郵便料金は変わらない、どうしたんだろうかというのは国民の素朴な疑問なんです。それにいまのお答えではどうも納得できかねるのですが、これはどうなんですか。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 金フランにつきましては、UPU、万国郵便連合憲章の第七条にその定義がございます。これは先ほども外務省の方から御説明がありましたけれども、「重量三十一分の十グラムであつて品位千分の九百である百サンチーム」これが一金フランでございまして、これは全く架空の貨幣単位でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 架空のものだ。しかしさっき変動があると言ったでしょう。一五%以内の変動であったらこれは変えなくていいという話があったでしょう。架空のものであったら、幾らということを決めておるけれどもそれは未来永劫変わらないのですか、外国郵便料金は未来永劫変わらないのかいな。たとえて言うなれば日本の円が一ドル二百円以下になる、あるいはまた金一グラムがいまの価格の五倍にもなった、そういうときにでもこの郵便料金は変わらぬのですか。私、わからぬから聞いているんだ。これは国民の素朴な疑問、日本の国がこれだけ力が強くなって円が強くなったんだ、にもかかわらず外国郵便の料金は全然変わらない、おかしいじゃないかということを盛んに言われる。これは一体どういう理由のためになっているのか、そこらあたりを明確にしてもらいたいのです。——どうも御答弁が直ちにできない。郵便料金決めているんでしょう。私は最も基本的なことを聞いているんだ。それの御答弁ができないというのは、どうも私には納得できかねる。  委員長、ちょっと休憩していただきたいのですが、これはなにしおると時間もたちますので、休憩して、頭冷やして答弁させてくださいよ。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 一金フランというのは、先ほど申し上げましたとおり重量三十一分の十グラムであって品位千分の九百である百サンチームでございますけれども、これをたとえばそのある国の通貨に換算する場合、まず過去一年間以上のSDRの平均に直します。それで計算した値が一金フラン、それぞれの国の通貨の単位に変わってきます。日本の場合にはこの一金フランというのが百円というふうになっております。  それから万国郵便条約でそれぞれ基本料金、それから最高最低の枠が決まっております。これは金フランで決まっておりまして、これ自体は変化がないわけでございます。ただ、SDRに換算をいたしましてその国の通貨にかえる際に、一年以上の期間をとりましてその平均で換算をすることになっておりますので、場合によりましてはその換算の結果一金フランが百円というのが百十円になったりあるいは九十円になったりということはございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうすると、さっきの答弁とこれまた違ってくるんだよ。架空のもので動きませんとおっしゃった。こういうことははっきりおっしゃっていただかなければ困る。しかも先ほどのSDR、世界銀行の引き出し権のことでしょう、これだって変わるでしょう。事実変わっているでしょう、日本ではもうすでに。どうなんです、変わっているでしょうが。一五%以内であれば変わらぬ、こうおっしゃるけれども、五十一年から今日までを比べてみたところで一五%以上変わっているのではないですか。年平均のとおっしゃいますけれども、年平均とっても私は違ってきておると思う。どうなんです。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 先ほど外務省の方から御説明がありました一五%を超えるというのは、条約の第十九条に決まっております最高限度額をさらに一五%上回って変わった場合、その場合だけでございます。そういう事態にはいまだ至っておりません。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私は、特にこういうことを申すのは、日本の円が強くなったにもかかわらず郵便料金変わらぬじゃないかあるいはまたがってKDDのようなあんな計算方法が起こって、日本からアメリカに一通話電話するのにアメリカから日本に電話する場合と倍も違うということが再三起こる。国民は非常に不審に思っているのです。国内での郵便料金が変わらぬというのでありましたら、これは法律事項だからやむを得ない。しかし、円がこれだけ強くなったり弱くなったりするのになぜ変わらぬのか、三百六十円のときといまと変わってないでしょう。一ドル三百六十円のときと現在、いまは二百五十円になったかとかと言っておりますが、そのときとの間では、全然外国郵便は変わらぬでしょう。変わっているのですか。その点を国民は素朴な疑問を持っている。だから、これは一体どういうような仕組みになっているんだということを聞いているわけなんです。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 日本の円の換算率が一ドル三百六十円の当時のものに比べますと、現在の換算率は変わってきております。ただ、SDRを介しておるものですから、SDR自体の、たとえばドルに対する変化というのはきわめて少ないものになっておりまして、そういうことから、いまのところ一金フランが百円という換算率を変えないで済むような状況になっております。SDRはいわゆるバスケット方式をとっておりますので、各国の通貨がそれほど大きくは変動しないようなシステムになっておりますので、たとえばドルと円の換算率というのが大変変わっても、SDRとドルとの関係というのは余り変わらないという状況から、比較的安定的な換算が保たれているわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうすると、ともかく三百六十円の時代といまとでは大分違うと言いますが、どれくらい違っているのです。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 以前は、以前と申しますのはこの前の郵便条約の適用の期間でございます。したがいまして、昨年の七月一日までは一金フランが百二十円でございました。それがその後の新しい条約では一金フラン百円ということになっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうすると、これは二割違ってきているのだな。航空外国郵便はこれだけ値を下げたんですか、どうなんですか。下がっていませんか、下がっていますか。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 新しい条約を契機にいたしまして、若干値上げをしております。平均で申し上げますと二割強でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 どうもそこのところがわからない。料金を上げたというのは、いままで一金フランが百二十円であったのがいまでは百円になったのでしょう。そうすると、それだけ円というのは強くなったということ。にもかかわらず料金を二割上げたというのはどういうことなんですか。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 この前の料金改定というのが昭和五十一年でございました。その後、諸物価の値上がり等から各国が外国郵便の料金というのをもう少し値上げする必要があるということから、条約に決まっております基本料金というのが上がったわけでございます。その範囲内で、私どもは外国郵便料金というものを決めさせていただいたわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それは法律は何によって決めたのですか。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 基本料金の設定の仕方につきましては、先ほど郵務局長から説明のあったとおりでございまして、UPUの条約の中に基本料金が決まり、その上限それから下限が設定されます。その範囲内において、郵便法によりまして、「外国郵便に関する料金及び損害賠償金額は、条約にその範囲が定められている場合にあってはその範囲内において、」「郵政大臣が、省令でこれを定める。」というふうになっておりまして、この規定に基づきまして郵政大臣が決定をいたしました。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そのときに国際的には何%上がったのですか。昨年に、国際的には幾らになったのですか。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 国際的にはUPUの条約の中で基本料金が五割上がっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 その数字についても私は疑問に思うのだが、そうするとこの郵便料金については、いまのお話によると郵政大臣の専決事項になっている、こう考えてよろしいですな。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 条約の御承認をいただいた上で、その範囲内で郵政大臣が決めるということになっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 持って回った言い方をするな。持って回った、わざわざわからないような言い方をするな。専決事項だなと言って聞いているのだ。条約に基づいて大臣が専決事項で決めているのでしょう。はっきりそういうことは言ってほしい。  そこで、諸物価が上がったから上げるのだというけれども、どうも私どもには理解に苦しむ。先ほども申しましたように、この金フランについての価格が百二十円から百円になっておる。にもかかわらず、円がそれだけ強くなっているのにもかかわらず、料金を下げるのならともかくも二割も上げる。理解に苦しむ。  そこでもう一つお伺いしたい。それでは外国郵便の取り扱いのプラス・マイナス、赤字か、黒字か。この点はどうなんです。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 外国郵便の収支だけをとってみますと、いまのところは黒字でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 黒字であるにもかかわらず国内の郵便料金は赤字だ、赤字だと言う。これは黒字であるにもかかわらず値上げするというのは、われわれには理解できない。これは大臣の専決事項にしておくからにほかならぬと思う。私には理解できないし、この点は猛反省をひとつ——外務省もこの条約にかかわるのだから、外国料金についてはやはりくちばしを入れていただかなければいかぬ。強くこのことを私は要求いたしたいと存ずるのであります。委員長においても善処方をお願いいたしたい。  そこで続いては、この条約によると、船積み料金が今度は基本料金から一五%引くことになっている。ところが過去を見てみますと、いままでは二五%、基本料金から引くことであった、アジア・オセアニア条約のときには。今度は名前だけ変わった、こう言う。アジア・太平洋地域と名前だけ変わったら、今度は二五%から一五%に引く率を下げた。すなわち、これだけ値上げする。一体どういうわけなんです。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 先生御指摘の新協定第二十三条におきます郵便料金につきましては、船便の書状及びはがきにつきまして低減料金を適用することができるということで、これは万国郵便条約に定めております料金の特則として、この地域連合の間ではより安い料金を適用することができる法的根拠をここに定めているわけでございます。そしてこの低い郵便料金の額は「内国料金の額と国際料金の八十五パーセントに相当する額との間の額とする。」ということになっておりますので、直接に八五%にしろということではないわけでございます。  その経緯を若干御説明申し上げますと、従来は内国料金の額と国際料金の額の七五%の額との間の額にしろということになっていたのが、今回御指摘のように八五%ということになったわけでございますけれども、このアジア地域におきまして国際的に認められた料金より低い額の料金を課すということは、国によってはこれを負担と感じる国もあるようでございまして、たとえば今回の協定におきましても、その最終議定書を見ていただきますと、第二条で、マレーシア、シンガポール、スリランカの郵政庁が第二十三条の規定を適用する義務を負わないということで、この八五%までの低減料金を利用するということについても留保をしているわけでございます。そのようなことがございまして、これは前条約の七五%という低減料金をそれ以上だめだということにしますと、国によってはそれを負担に感じる国ができるだろう。そうなるとまたますます留保をする国がふえてくるということで、これはこのような少ない加盟国でつくっている連合の中で余り好ましい傾向ではないのではないかということもございまして、若干、一〇%その上限を上げることによって留保をしないでも済む国が多くなることを期待してニュージーランドの提案でこれは七五%から八五%までその低減率を上げたという状況がございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 外国のことはいいわ。日本はどうするのです。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 先ほど来、この外国郵便料金の決定の仕組みについて御説明したところでございますが、今度いま承認をお願いいたしております条約によりますと八五%ということになるわけでございます。先生も御案内かと存じますが、現在は私ども、さきのメルボルンの条約のときは七五になっていたわけでございますが、従来から私ども八五という上限の料金を採用はしていなくて、当初から、四十三年に加盟してから六〇%ということで抑えているわけでございます。したがいまして、今後ともこの条約の承認を理由にして直ちに上げるということは私ども考えていないわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それじゃ、この条約が通ったからという理由のもとには値上げはしない、こう考えてよろしいな。それをほかの理由ではまた上げることもあり得るのですか、どうなんです。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 私どもそういったことをいま具体的に想定するものはないわけでございますが、観念的に申しますと、郵便のコストというのは非常に人件費的な要素が多いわけでございます。したがいまして、仮の問題として人件費、その前提となる賃金が大幅に上がるというような場合には、六〇からあるいは七〇とかあるいは現在の協約のリミットとしての八五ということはあり得るかもしれませんが、いまのところはそういったことは想定していないところでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうすると、いま外国郵便のみをとって考えるならば、これは黒字であるというお話なんです。売上高のうちで何%くらい黒字なんです。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 これは五十五年度で見てみますと、はっきり数字は私この場で覚えていないのですが、三割か四割ぐらいではないかと思います。ただ、この黒字というのは年を追って少なくなります。一応前の条約が適用になりましたときに私どもは五年間料金はそのままにしておいたわけですが、仮に五年間据え置くというようなことにしますと、これはもちろん五年後あるいはもう少し前に赤字になることになっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣の専決事項にすると、どうも理由のない値上げが行われてしようがない。特に海外にいる人たちはふるさとの事情というものについては飢えておる。そういう観点からするならば、外国郵便料金というのはなるべく低く抑えるという趣旨でなければならないし、それが先ほどの郵便の理念というものにも合致するものだと私は思う。五十六年には二割黒字であるにもかかわらず二割も上げる。円の実勢が上がったにもかかわらず——実勢といいますか、金フランについての換算率が上がったにもかかわらず値上げをする。外国のどこからでもどんどんむしり取ればいいやというような考え方で左右されたんではたまったものではない。いま聞けば売上高の三割も利益があるということになりますならば、少なくともこの条約が五年続く間にはこれは値上げすべきじゃない、このように私は考えるのだ。郵政大臣がここにおらぬもので困ったものだと思うのだけれども、当然郵政大臣もここへ来て、二人で顔を並べてこの審議をされるのが本当なんだ。外務省当局としては、こういうような郵便の使命からして、しかも黒字が売上高の三割ある、とするならば値上げすべきじゃないというお考え方を郵政当局に対して強く要求するお気持ちがあるかどうか、この点ひとつお伺いしたいのです。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 ただいま郵政当局の答弁を伺っておりましたら、郵政当局自体もただいまの現状におきまして値上げをするという考えがないということを申し上げているように私は理解をいたしたわけでございます。もし事情がうんと変わった場合にどうなるかということを想定してお答えしたように理解をいたしておりますけれども、郵便の本来の事情から申しましてもあるいは在外邦人に対する配慮あるいはアジア地域における相互の連帯と申しますか通信と申しますか、諸外国との関係を考えましても、できるだけ外国郵便料金は上げない方向で努力をすべきだと私どもも考えておりますので、必要があります段階におきましては郵政当局との意見の交換等もいたしたい、さように考えます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 特に外国郵便につきましては外務当局も料金算定に携われるような、あなた方条約だけは外務委員会でやれ、値上げはわしら勝手にやるんだというんじゃ外務省もたまったものじゃないでしょう。ですから、こういうような点はひとつお考え願って、外務省が国内問題にくちばしを出すのは余りいいことではないけれども、そのくらいのことは意見を開陳するように御努力願いたいと思います。  そこで、いま事務局がマニラにあるそうですけれども、これは大会議で決定するようでございますが、将来マニラからほかの国に、あるいは東京にあるいはシンガポールにかわるというような考え方があるんですか、ないんですか、この点ひとつお伺いしておきたい。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 AOPUの設立以来事務局はずっとマニラにございます。しかしながら、先般の条約改定に当たりまして、国をどこということを指定しないで今後移せる可能性を残しておこうということで、先生御案内のような規定が入ったわけでございます。ただ、そうだからといって、いま直ちにマニラ以外の土地に事務局を移すという考えはございません。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それからもう一つお伺いしておかなければならない。小包郵便約定というのがあるんです。これは私の聞いたところによると、カナダ、アメリカ、オーストラリアというような国々としかまだ約定が結ばれておらないようです。私はそう聞いているんだが、これはいま現在はどういうようになっておるか、そしてまたこの約定がなければどういうようなデメリットがあるのか、この点ひとつお伺いしたいと思います。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 小包に関しましては万国郵便条約と同じようなレベルで小包約定というのがございます。これは世界のほとんどの国が加盟しております。そのほかにこの約定に入ってない国があるわけでございます。その国の中で、先生先ほど申されましたとおり、アメリカそれからカナダ、南ア、フィリピン、これらの国との間ではバイで協定を結んで小包の発受をやっておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 いま挙げられたアメリカ、カナダあるいは南ア連邦というのはバイで結んでおるだけですね。そうすると、国際的な条約にはほかの国も入ってないのですか。ほとんど入っていると言うが、少なくとも今度の条約に加盟しておる国はほとんど全部入っておるのですか、そしてまたアジア地域においてはどことどこの国々が入ってないのか、ひとつお伺いしたいと思います。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 世界のほとんどの国は郵便の約定の方に入っております。これは多数国間条約でございまして、アジアの国はほとんどこれに入っております。例外的なのがフィリピンということになっております。もちろん日本もこの多数国条約の方に入っております。入ってない国の中でフィリピン、カナダ、アメリカ、南ア、この四カ国とは別途協定を結んで小包の交換をやっておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 なぜアジア・太平洋郵便条約の元締めのフィリピンが入ってないのです、アメリカ、カナダが入ってないのですか。理由は何なんです。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 フィリピンが多数国間の約定に入っておりませんのは、多数国間約定の方には損害賠償の規定がございます。この規定を受け入れることができないということからフィリピンが入ってないと聞いております。なお、アメリカも同様の理由で入ってないというふうに聞いております。フィリピンもアメリカももともとは同じような郵便の、特に小包についての業務をやっておりますので、その辺の影響もあってフィリピンは多数国間の約定の方に入ってないのではないかと考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 損害賠償について不満だから入ってない、こういうことを聞いておる、こう言うのだが、先般も国会で問題になりましたが、郵便でフィリピンに対して武器の部品を送っておったというような事例がある。あるいは、フィリピンから武器に類するようなものが日本に送られてきたというような事例も承っておる。これは小包郵便約定との関係ではどうなるのです。その場合の損害賠償とかというのは一体どういうことになるのですか。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 銃砲刀剣等は輸入の許可がない場合には小包でも発送はできないことになっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 なっているのはわかっているのです。わかっているけれども、小包で入ってきて、事件が起こったという場合の損害賠償は、約定に入ってないというのだからどうなるんだと聞いておる。というのは、御存じのように過激派分子によってイギリス王室に爆発物が郵便で届いたという事例もある、外国郵便を使ってですよ。それから、国内においては土田総監事件は有名な話だ。こういう場合に、ともかくイギリスの王室に爆弾が送られたことは事実なんですから、これがもし爆発しておったら責任は一体どこにあるんだ、賠償はどういうふうになるんだ、国際郵便物と国内郵便物の扱いについてそれぞれどういうような賠償責任があるのか、ここらあたり承りたいのです。どうなんです。知らなければ知らないでいいですよ、ごまかさずに、知らない方がいいから。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 そういう事例の際にいまだかつて損害賠償を郵政省が負ったということはございません。そういう事象があっても損害賠償はしなかったという事実はございますけれども、そういう場合にそれでは省としてどういう責任が負えるのかということについては、私も関係法令等を調べませんといまここですぐにはお答えができかねる問題でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 わからぬと言えばわからぬで私は結構なんです。これは先ほども小林議員が、ベイルートで日本赤軍というような過激派の連中がPLOの兵士になってつかまっておるのじゃないかなんということも論議になったところなんです。あるいは今後も爆発物が郵便で送られる可能性、しかも外国郵便で送られる可能性はかなりある。起こり得る可能性がある。でございますので、そこらあたりは十分に御注意になっていただきたい、同時に御研究もしていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。  それからもう一つ、麻薬なんか郵便で送られてくるというような場合に、その処置は一体どうしておるのか、お伺いしたい。といいますのは、私自身がこういう経験を持っている。私がロンドンから物を送った。幾らしても着かない。私は当時衆議院の赤坂宿舎におったのだけれども、二月もつかない。どうして着かぬのかいな、おかしいなと思って郵便局に問い合わせしたところが、いや、赤坂宿舎の赤坂二丁目何番地の番地までは書いてあるのだが、何番地の何ということを書いてなかったがために配達してくれなかった。ほう、そこまで書いてなかったらいかぬのかいなと不思議に思った。局長さん自身も、いやこれは何番地の何々と書いてないからあきません、こう言って知らぬ顔された経験がある。これほどまでに郵政省というのはなかなかむずかしいところらしい。しかし、麻薬等違反物質が託送せられた場合、発見せられた場合には一体どういうような処置をとられるのか、ひとつその点をお伺いいたしておきたいのです。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 先生お申し出の爆発物につきましては、これは禁制品ということで絶対に送れないことになっております。それから麻薬につきましては、通常郵便物ではこれは禁制品でございまして送れません。ただ、小包郵便の方では許可があれば送れることになっております。したがって、密輸というような形で小包で、あるいは通常郵便物に入って送付されてきますと、税関の検査の際に発見され、没収されるということになっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私が何ぼ物を知らぬと言ったって、それぐらいのこと知っていますよ。いいかげんにしてくれというのだよ。禁制品であるということはわかり切った問題、送れないということもわかり切った問題、しかし、それが発見せられたら一体どういう処置をとるのだ、郵便局で。これは麻薬である、あるいは爆発物であるというようなものが見つかった場合、あるいは小包の間から漏れた場合、一体どういう処置をとるのだということをお伺いしているのだ。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 麻薬等の禁制品が発見された場合、これは通常は通関の際に発見されます。したがいまして、先ほど申し上げましたとおり没収されることになっております。また、爆発物等の危険物が入ってきている、これにつきましては郵便法の四十二条に規定がございまして、ちょっと読み上げます。「郵政省は、その取扱中に係る郵便物が第十四条第一号乃至第三号に掲げる物を内容とするときは、危険の発生を避けるため棄却その他必要な処置をすることができる。」この場合におきましては、直ちに差出人の方にその旨を通知するということになっております。この規定に従いまして適切な措置をとることにしております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうするとあなたの方は、麻薬の場合通関で見つける以外道はないのですね。そうすると、麻薬であることがわかっておっても、禁制品であってもこれは届けなければならないのですか。あなたのいまの論理だったらそうなるのだよ。ここらあたりは送ってはいけないものだけれども、知らぬ顔して送れるもの。あなた方はともかく通関の際に見つかるんだ、こうおっしゃるのか。郵便を扱っておるうちに見つかる場合もあるのではないですか。そういう場合にはどうするんだ、それは棄却するんだ。簡単に申されるが、どうするのです。もとのところに送るのか、そこらあたりを聞いているのですよ。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 麻薬等の禁制品が発見されるのは、通例は通関の検査の際でございます。それ以外に、たまたま通関はそのままだったけれども、封被等が破れて麻薬が入っているということが郵政職員にわかったというときは、その郵便物を税関の方に引き渡すことにしております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 この程度でやめますけれども、郵政省の答弁は、ともかくまことにわかり切ったことを平気で長々と言う。そういう場合には、もう少しさっさとおっしゃればいいのです。税関に送るのだと言えばいいのだよ。聞き方も悪いかもしらぬ、それは私も率直に認める。私も四国の片田舎から出てきたから日本語が十分にしゃべれぬかもしらぬ。しかし、あなた方の日本語よりは私の方がどうも通じているらしい。私は親切な答弁は要らぬ、的確な答弁をしろということを強く要求いたしておきたいと思います。  いろいろとまだまだ質問したいことがあるんだが、この程度においておきます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 野間友一君。

野間友一日本共産党

○野間委員 まず第六次のすず協定から質問をしたいと思います。  最初にお伺いしたいのは、アメリカの備蓄の放出とすずの生産国との関係についてでありますが、もともとこのすず協定というものはマレーシアあるいはインドネシア、タイ、いわゆるASEAN三国を初めとする発展途上国、この生産国の経済安定とすず価格の安定、これが目的としてあると思うのですね。  そこで、生産国の経済安定という点からでありますが、新聞報道等によりますと、ゴムとかすず、繊維、こういう一次産品が赤字を記録しておるということが載っておりますが、外務省はこういう事実についてどういうふうにつかんでおるかということであります。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。  開発途上国にとっての一次産品の重要性、それから一次産品価格の動向、不安定性、それについての対策の必要性ということは、私ども外務省におきまして南北問題あるいは個々の開発途上国との関係を進めていく上で非常に重要な問題と考えておりまして、それぞれについてこういうことを研究すべきである、こういう施策を講じていくべきであるということにつきまして、それぞれの作業をやっておると考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 ちょっとよく聞いておいてくださいよ。私が聞いておるのは、すず、ゴムあるいは繊維、こういう一次産品が赤字を記録しておるという報道がずいぶんあるわけですね、こういう事実をつかんでおるかどうかということを聞いておるだけです。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。  赤字ということの意味でございますが、価格が低下しているということでございましたら、価格の傾向の問題というのはもちろん私どもでも把握しております。赤字とおっしゃるのが生産価格から見てどうかという御趣旨でございましたら、それは非常に判断がつきにくい問題でございますが、一番わかりやすいのは価格の変動ということでございます。その点はもちろん大体のところはつかんでいるつもりでございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 私の聞いているのもそういうことで、価格の低迷です。それから輸出入の関係で、貿易の面で言いますと第一次産品の生産国、ここでは貿易赤字が相当ふえておるということも含めてお聞きしておるわけで、恐らくそういう事実は認められると思うのです。  それとの関係で私がお聞きしたいのは、経済安定あるいは価格安定、この双方に重要な影響を与えるのがいわゆるアメリカの戦略備蓄の放出ですね。これは参議院のときでも多少の論議がされておるわけですが、第五次の協定でASEAN三国はアメリカの備蓄放出に不満を表明し、すずの国際理事会に対策を要求しておる。この点について外務省から説明を聞きますと、すず協定の四十三条の協議ですか、これで行ったということのようです。ところが今度の第六次の協定では、先ほどからも言われておりますように、アメリカはすでに不参加を表明しておる。そうなりますと、四十三条の協議も実はできないのではないか、こういう心配をするわけですが、この点で言いましてアメリカの備蓄規制、これは第六次の協定ではどのようにやれるのか、この点についてはいかがでしょうか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおり第六次協定、アメリカが入らなくなりますと、四十三条に基づく協議というのはできなくなるわけでございますが、この点につきましてアメリカが言っておりますのは、アメリカの戦略備蓄の売却についてはそういう協定上の義務という形での協議は行わないけれども、すずの生産国、消費国の共通の問題については今後とも緊密に協力していく考えである、そしてこの戦略備蓄のすずの売却につきましては今後とも過度の市場の混乱を起こさないように実施していくつもりであるということを、アメリカが第六次協定に入らないということを決めたときに言っているわけでございまして、私どもといたしましては、アメリカがこういう形で戦略備蓄の放出を行う際は、すず理事会とよく相談して、すずの一般市場に与える影響を最小限にとどめるように配慮してくれることを期待しているわけでございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 ただ、申し上げておるのは第六次の協定にもしアメリカが不参加ということになりますと、根拠となる四十三条そのものが適用できないことになるわけですね。あなたはいま理事会で云々と言われたけれども、そういう根拠はあるのか、あるいは見通しはあるのか、その点についてはどうなんですか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、これは協定の加盟国ということになりませんので、協定の義務としてアメリカにそれを求めるということにはならないわけでございまして、アメリカが主要な一次産品、この場合すずの産消国の一つといたしまして、一次産品価格安定化の観点から協力してくれることを期待するということでございます。それ以上、知恵はないのかという御趣旨かとも思いますが、現在のところはそれしかないのじゃないかと思います。もちろんアメリカが加盟してくれれば一番いいわけでございまして、そういう観点からアメリカが加盟しないという話が出ましたときに、いろんな形で私どもといたしましては、アメリカ側の加盟を慫慂したわけでございますが、アメリカの意向が強くて、そういう結果を得ることができなかったということでございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 昨年の十月九日付、これはアメリカの貿易代表部の声明、いわゆる六次の国際すず協定に加盟しないことを決定というタイトルなんですね、文書を持っております。こういうふうに「不適当な市場破壊を生じさせない方法で放出する」ということは、この中にも実は書いてあるわけなんですけれども、ただ、いまあなたも言いましたように、協議をする場と申しますか、そういう法律上の根拠がないということになりますと、大変この点で今後の問題が生ずると思うのです。  そこで、次にお伺いしたいのは、この代表部の声明を見ましても、アメリカはなぜこの協定に参加しないのか、この理由が不明であります。その理由は一体何なのか、どういうふうに把握しているのかということと、それからやはり最大の消費国はアメリカでありますから、この不参加について日本は、いま慫慂云々の話がありましたけれども、不参加についてどう考えておるのか。これについて私は、最大の消費国でありますから、日本政府としてはこれに抗議をしてどうしても協定の中に引っ張り込むということが日本としても大変必要な措置ではないかと思います。どうでしょうか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。  アメリカの不参加の理由が第一点かと存じます。  アメリカの不参加の理由といたしまして、表向き言っておりますことは、生産国と消費国との間の利益が均衡していない、それが達成されていないというのが六次協定不参加の理由ということでございますが、実際それでは具体的にどういうことが問題であったのかということを交渉の経緯等から推測いたしますと、最近のアメリカの一次産品問題、それから商品協定のつくり方についての哲学みたいなものが非常にはっきりしているものがあると思うのでございますが、それは商品の市場安定策を講じるに当たって、あるいは商品協定をつくるに当たって市場機能をできるだけ阻害しないようにすべきであるということでございまして、そういう点から基本的に輸出統制のような形をとらず、かつ大きなバッファーストック、緩衝在庫で対処するというのがアメリカの考え方のここ数年の傾向じゃないかと思います。  これはゴム協定の場合に非常にはっきり出ていたわけでございまして、このときは結果において緩衝在庫だけになりまして、一部の国が主張していた輸出統制との併用という形は実現しなかったわけでございます。そのかわりアメリカもメンバーになったということでございますが、すずの場合もアメリカは大きな緩衝在庫ということを言っておりまして、交渉の過程で七万トンの在庫を主張している。結果においては、御承知のとおり三万トンの通常在庫と二万トンの追加在庫ということで、全部で最大限集まって五万トンということになるわけでございますが、アメリカはそういうふうに大きな緩衝在庫を主張した。  それからもう一つは、輸出統制に反対ということでございまして、結局緩衝在庫だけで市場安定機能を果たそうというふうに考えていたというふうに見られるわけでございまして、結果においてそれが実現しなかったこと、つまり緩衝在庫の規模が、アメリカが望んでいた完全な市場、期待する市場安定機能を発揮するに足るだけの規模とならなかった。それから輸出統制という制度が併用されたということが、交渉の経緯からしてアメリカとして不本意な結果ではなかったかと判断される非常に大きな点なわけでございます。  そのほか、アメリカはさらに、いまの協定の規定の仕方で本当に三万トンの通常在庫というものが調達できるのか。つまりいまの計算の仕方でいきますと、最低価格で各国で拠出額を計算していますので、実際の買いが最低価格よりか高いところ、最低価格とそれからその中間帯の間で買いがずっと進む場合、もっと高いところで買わなければならないことがあり得る。そうすると、最低価格をベースにした拠出額の割り当てでは、三万トンという通常在庫はきちっと調達できない可能性があるのじゃないか、そういうことも問題にしていたわけでございます。それ以外にどういう理由があり得るか、あるいはほかにも理由があったかもしれませんが、私ども従来の経緯からしまして最初に思いつくことはそういうことでございます。  それから、そういう状態を日本としてどう考えるかということでございます。  おっしゃるとおり、アメリカはすずの消費量が全体の四分の一強、二七%ちょっとだったと思います。四分の一強でございますから、アメリカが協定の加盟国でなくなるというのは、もちろん協定の運用に影響するということは考えられるわけでございまして、入っていればそれにこしたことはないということは、御指摘のとおりと思います。  ただこれは、そういうことで私どもとしましてはできるだけアメリカに加盟するように慫慂してきたけれども、アメリカはアメリカで、結果がアメリカとして不満足なものだということで入らないと言えば、どうも強制するわけにもまいりませんで、これはたとえば砂糖協定にECが交渉の最後までいろいろなことを言いながら、結果においては入ってこないというようなのも同じような大きな問題がございます。  ほかの商品協定でも大口が入っていないというのがあるわけでございまして、すず協定だけとってみますと、アメリカがすず協定の加盟国であったのは、実は第五次協定だけだったということがございます。第五次協定までのものと第六次協定は、目指すところがかなり違うところがあるとは思いますが、そういうことからすると、アメリカがいないというのは残念ではございますが、いま申し上げましたようなことで、これはいかんともしがたいわけでございます。もちろんアメリカが考え方を変えて入ってくるということになれば、それは非常に歓迎すべきことだろうと思いますし、そのために今後日本として果たし得る役割りがあるかどうかということは、当然のことながら私どもとしても考えていかなければいけない問題であろうかと思います。  その間、御指摘の市場の不完全性といいますか、協定の不完全性という点につきましては、先ほど申し上げましたように、商品協定というのは、ほかの商品協定においてもそれから過去のすず協定においても、加盟国という点で必ずしも満足のいく形で運用されているとは限らず、大部分の国が入って全体としてそれなりの価格安定効果があれば、その目的に資することができるというものではないかと考えられるわけでして、一〇〇%の理想ではないかもしれませんが、それなりの目的には資することができるのじゃないかと考えるわけでございます。  しかも今度の六次協定は緩衝在庫の規模、運用の仕方等におきまして、第五次協定よりは市場機能が発揮しやすい形になっておりますので、アメリカは抜けても、その目的に資するという意味では、それなりの役割りを果たし得ると考えられるわけでございますし、だからこそ私どもといたしましても、この協定に日本が参加することをお認めいただくようお願い申し上げているということでございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 不参加の理由についていまお話がありましたけれども、どうもいまのお話の中でも私感ずるのは、いわゆる市場原理と申しますか、それを非常にアクセントを強くしている。例のカンクンのサミットでも包括交渉、GNの面においても非常に消極的、否定的な態度をとった。新国際経済秩序に対するアメリカの対応、そういうものを考えてみますと、アメリカの途上国に対するいわば敵視政策と申しますか、そういうところがどうも払拭できない。それが大きな原因というか理由じゃないかと言わざるを得ないと私は思うのですね。この点について、アメリカが入ってくるように日本政府としてももっと強く要請すべしということを私は要求をしておきたいと思います。  それからなお、いま若干触れましたけれども、代表部の声明の中にあります「不適当な市場破壊を生じさせない方法で放出」というところなんですけれども、これは「市場破壊を生じさせない最大限の適当な規模」そういうきわめて抽象的な文言になっておるわけです。しかも協定上の理事会での協議という場に引っ張り出すことの権利義務はないということのようですけれども、私は、参加しなくても、緊急の問題としては少なくとも国際すず理事会と協議するということをアメリカに約束させるべきじゃないかと思うのですけれども、これは次官、いかがですか。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 アメリカが第六次すず協定に入らないことは残念なことだ、ソ連もまた入っておりませんで、これもまた残念なことだと思っております。お話しのように、アメリカはすずの放出に際しまして、先生から先ほどお話のありましたような言いわけと申しましょうか、放出が国際すず市場を混乱させないようにするということは言っておりまして、条約上の義務ではないけれども、すずの放出については関係国とは話をしたいと言っております。それは、関係国というのは理事会という形ではないと思いますけれども、事実上理事会の構成国とも話をするような意味であると私は理解しております。そういう方向で、関係国という趣旨が、すず理事国と重複するようなといいますか、関係が深いような形で話し合いができるようにわれわれとしては努力をしていきたいと考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 生産国との個別的なそういうものでなくて、私が申し上げたのは、少なくとも第五次にありましたこういう理事会で協議をすることをアメリカに約束させるということぐらいはやってしかるべきじゃないかと思うのですが、重ねて……。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 これに入らないという立場をとっておりますので、アメリカとしては理事会とという表現は恐らく非常にしにくいのではなかろうか。私どもは、実態的に同じような相手国と話ができればいいという意味で先ほど御答弁申し上げた趣旨でありますけれども、事実上、実質的にはすず理事国の意見が十分反映するようにやりたい、そのように考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 私は言うたって損はないと思うし、また一次産品の生産国の利益とか新しい国際経済秩序、そういうものを考えた場合に私は言うべきだと思うのですね。だから、そんな言いもせぬ前に何やらアメリカの弁護、弁解をするようなことを日本の政府が言うべきじゃないと私は思うのですがね。言ったらいいんじゃないですか。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 先ほど先生が御引用になりました第一次産品のファンド、この問題についてもサミットの席で鈴木総理から早くあれがうまくいくように協力してもらいたいということは言っております。また今度のサミットも、先生御存じだと思いますけれども、長らく南北の包括交渉が中断しておるといいますか、軌道に乗らなかったことに対しまして日本側も主張して、今度のサミットの結論としては一定の条件を前提にして包括交渉を始めようということが決められておるわけであります。そういう意味で申し上げまして、日本政府がアメリカに遠慮をして、そういうことについて物を言っているとは決して私は考えておりません。いま申し上げたのは、条約との関連の立場上そうであろうということを申し上げましたので、おっしゃるように、理事国と話をしようということは悪いことではありませんので、遠慮して言わないという意味じゃありません。条約というものの性格上そういうことになるであろうと申し上げたのでありまして、おっしゃるように、他の理事国が賛成するならば理事国とアメリカと話をしようではないかということもちっとも悪いことではないと考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 そうですよ。だから、そういうようにお答えいただいたらいいわけです。だから、四十三条で、アメリカが不参加である以上、そこで協議をする義務はないとしても、やはり理事会で十分協議をして、要するに実質的に生産国に対して損害なり打撃を与えないようなかっこうで放出させるということが大事だということを申し上げておるわけです。その点について言いますと、声明の中では非常に抽象的な文言しか使っていないということに関しても、途上国、生産国の非常な不安があるという点から申し上げているわけです。  次に、暫定発効についてお伺いしたいと思うのですけれども、これは六次協定が発効する以前から暫定協定にならざるを得ないという状況にあります。そうなりますと、このすず協定はどういう影響が出てくるのだろうか、また日本政府の分担金などの負担はどのくらいふえるのか、この点について私はいわばアメリカの肩がわり的な分担が強いられるんじゃないかという懸念を持つわけですので、答弁を求めたいと思います。

都甲岳洋外務大臣官房外務参事官

○都甲政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、暫定発効ということにならざるを得ない状況になろうと思いますけれども、暫定発効の場合とそれから確定的効力発生の場合とで協定の拘束力という観点からは特に差異はございません。ただ、具体的に運営費に対する日本の拠出金等については当然差が出てくるわけでございますけれども、現時点でどのような加盟国の構成で暫定発効が行われるかということがまだ十分確定しておりませんので、この点は協定が暫定発効してから決まる問題になってくるだろうと思います。  それから緩衝在庫につきましては、この二十二条の七項におきまして、暫定的効力発生の場合におきまして各加盟国の通常緩衝在庫への拠出というものは、現在の状態の案文の附属書A及びBに掲げられた百分率を基礎とした生産国及び消費国への拠出の割り当ての一二五%を超えないということが決められておりますので、それを超える拠出を求められることはないということになるわけでございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 いや、そこがよくわかりませんのでお聞きしたいと思うわけです。結局アメリカ側は参加しないわけでしょう。それによって分担金がいままで以上にかなりふえるんじゃないかというように思うわけです。不参加ということはいま決まっておるわけで、そうなりますとやはり従前に比べて負担金は相当ふえるんじゃないかということです。どのくらい外務省は考えておるのか、その点についてお聞きしたいわけです。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。  日本の負担ということで考えますと、緩衝在庫への拠出の問題とそれから行政経費の方と両方あるんだろうと思いますが、行政経費の方はアメリカがいなくなる分だけ残りの消費国で分担するということになりますから、それだけ余分に持たなければならないということになると思います。ただ、これはわりと小さな事務局を、しかも既存の事務局を運用していくということでございますから、正確な数字、過去の数字等は手元に持っておりませんけれども、金額的に見てそう大きな影響があるということはないかと思います。  問題は緩衝在庫の日本の負担でございますが、これは協定の規定上そうでない、つまり産消、それぞれが全部入っていた場合の日本の負担額よりか二五%多いというのが上限だということになっておりますので、それがアメリカ以外に主要な消費国で入らない国が出てまいります場合も、影響は四分の一ふえるということになろうかと思います。その結果は、結果として緩衝在庫が少し規模が小さくなるということになるわけでございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 時間に制約がありますので、できるだけ簡潔に答弁をいただきたいと思います。  この暫定発効という異常な事態の中で、これまた報道等によりますと、生産国側にも一定の動揺が起きている。たとえばマレーシア、この国などは慎重な対応をしておりまして、ASEAN三国ではOPECのような生産国機構づくりの動きも出ておる、こういうことのようですけれども、こういう点、外務省はどういうふうに把握して、こういう動きについてどういう見解を持っておるのか、お聞かせいただきたいと思います。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 生産国側の対応の中で、いまお話がありましたマレーシアが、暫定発効の先般の協議の中で態度を決めなかったということは事実のようであります。ただ、反対であるということを言ったわけではないというふうに伺っておりまして、最近のたしか二十三日の日にもう一度関係国の会議が行われて決めるという手順になっております。そういう真意がどこにあるのかということは、いま先生お話がありましたように、一種の生産者同盟というようなものをつくるというようなことを考えておるんだといううわさもありますけれども、的確でございません。そういう意味でできるだけ円滑に、暫定適用で残念ではありますけれども、やはり本来のこの六次すず協定の趣旨なり、東南アジア諸国に対する配慮なり、すずの市場の安定等を考えますと、できるだけ速やかに発足する方向で外務省としては努力をしたいというように考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 いま次官が単なるうわさという答弁があったと思うのですが、外務省、実際そうなんですか。マレーシアとかタイを中心に、アメリカのこういう不参加の状況等を中心として、いま生産国の機構結成の動きが現にあるわけですけれども、そういう実態を把握してないんですか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。  そういう動きについてはいろいろな情報を入手しておりますが、先ほど政務次官から御答弁申し上げましたようなことでございまして、はっきりとこういうことであるというふうには理解していないわけでございます。むしろタイ、インドネシアなどでは、この第六次協定をそのまま発効させたいということを強く希望しているというふうに私どもは理解しております。

野間友一日本共産党

○野間委員 それはそれでいまの時点で、発効についてはそのとおりだと思います。ただ、いま申し上げたように、やはりマレーシア、タイ等ではこういう新しい動きがあるということを恐らく知っておるわけだと思いますけれども、こういう動きも正確につかむ必要がある。これはやはり今後ずっと継続して南北問題について、これからの生産国との協議なり協力が行われるわけですから、これはやはり、アメリカでは備蓄の放出、いままでの態度等からしまして、将来南北問題での話し合いの中でのかなり大きな影響が出てくるということを踏まえて、日本政府としては適切な対応なり対処をすべきだと思いますが、この点簡潔にひとつ。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 日本政府としましては、六次協定が有効に動くように、速やかに発足するように希望して努力しております。

野間友一日本共産党

○野間委員 いや、それと同時に、いま申し上げたさまざまな新しいアメリカの動きとか、それに対応するOPEC的なものをつくるという動きもありますから、そういうものを正確に把握した上で適切に対応していただきたい、こういうことであります。

辻英雄自由民主党外務政務次官

○辻政府委員 お話しのように先般の加盟国の会合が行われましたのはつい最近でございまして、お話は伺っておりますけれども、的確にマレーシアがどう出てくるのか、どういう結論を出しておるのかということはまだ不確かでございますので、そういうことについては十分情報等キャッチして対応を誤まらないようにしたいと思いますけれども、現状においてこんなふうだというふうに申し上げるよりも、むしろ先ほど申し上げましたように六次協定が速やかに有効に発足することの努力が大事だと考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 午前中からも国連での総理の演説等についての厳しい批判があったわけですけれども、結局アメリカのすることはそのままうのみにするとか批判しないという態度では私はいけない。今度のすず協定について私は申し上げておるわけですけれども、その点からしても、やはり言うべきことはきちっと言うということ、これはやはり途上国の立場も十分考えて、日本政府は日本政府の立場をとるのは当然としても、アメリカに対して正しいことはきちっと言って、全体の世界的な観点からの途上国の期待に沿えるようなそういう方向で日本政府としても努力してほしいということを重ねてお伺いしておるわけです。  時間の関係がありますので、その点についての要請をさらにお願いして、今度は郵便条約について二、三お伺いしたいと思います。もうあと時間がありませんので、簡潔にお答えいただきたいと思います。この点については、同僚の井上委員の方からもいま非常に詳細に質疑がありました。残念ながら郵政省等の答弁を聞いておっても、大変な不勉強と申しますか、答弁が不足しておりまして、遺憾に思います。  私は、重複を避けて二、三聞きたい点は、いわゆる万国郵便連合、ここでは改定交渉の中で国際郵便物は毎回値上げされておるが、この船便での書状あるいははがき、これについて言いますと、これは郵便条約と直接の関係があるわけですが、その万国郵便連合での船便での書状とはがきについて、その値上げの推移はどうなっておるのか、まずお答えいただきたいと思います。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 四十四年一月一日以後についてちょっと申し上げますと、書状の方では二十グラムまで五十円、それからはがきが三十円でございます。その後は、五十一年一月で書状二十グラムまでが九十円、それからはがきの方が六十円になっております。それから昨年の七月一日で書状が二十グラムまで百十円、それからはがきが八十円になっております。

野間友一日本共産党

○野間委員 このアジア・太平洋郵便条約では、この国際料金よりも低減措置が講じられておるわけですが、しかしこれは国際料金の何%という比率で決められておりますので、その万国郵便連合の値上げがあれば低減料率を上げなくても自動的に料金が上がるという仕組みになっていると思うのですが、これはそうですね。イエスかノーだけで結構です。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 先生御指摘のとおりUPUの方の国際料金が変わりますと、低減の料率はそのままでもAOPUの方の料金は変わるということになっております。

野間友一日本共産党

○野間委員 そうですね。日本の場合に例をとりますと、このアジア・太平洋郵便条約での低減料率は六〇%にずっと据え置いたままで推移しておるわけですね。料率としては確かに上がっておりませんが、UPUの料金が上がった結果、このアジア・太平洋郵便関係は、先ほどのお答えにもありましたけれども、この推移を見ますとそれに即してずっと上がっている、こういうことでしょう。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 そのとおりでございます。UPUの方の国際料金が上がるたびにAOPUの方はレートを据え置いても上がっているということになっております。

野間友一日本共産党

○野間委員 そうしますと、低減措置である料率をそのまま据え置いても、実際の値上げ効果は実はいままでずっとお答えのとおりあったわけですね。そうしますと、ことさら料率の引き上げをする必要はない。なぜこれを上げるのかということですね。  それからもう一つ、時間の関係で最後の質問にあわせてお答えをいただきたいと思いますが、日本はこれまで六〇%の維持ということですが、今回の改定を契機として値上げするようなことはすべきでない。先ほども井上委員の方からも強い要求があったわけですけれども、この点について値上げをすべきでない、そういう立場からの質問ですが、それについての答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。

梶谷陽一郵政省郵務局国際業務課長

○梶谷説明員 今回の条約の改正で引き上げの率というのが七五%から八五%に変わっております。これは先ほどの説明がありましたとおり、AOPUの加盟国の中では七五%という低減料金でもなかなか適用することがむずかしいというような国があるものですから、なるべく加盟国を多くする、かっこの低減料金の適用を義務的にするという観点から、若干低減の率を緩和したわけでございます。  それから、今般この低減の率が七五%から八五%になりましたけれども、この条約の受諾を機に本邦初のAOPUあて料金というものを引き上げるということはいま考えておりません。

野間友一日本共産党

○野間委員 あなたは課長ですけれども、郵務局長、値上げについての方針はどうなんです。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 ただいま国際業務課長が答弁したとおりでございまして、要するに、七五%の低減料金の率が八五になった、そのことを理由にして上げる考えはいささかも持っておりませんということでございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 まだまだ聞きたいわけですけれども、いまの点は私はひっかかるのですけれども、またの機会にしたいと思います。  終わります。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 次回は、来る二十三日水曜日午前十一時三十分理事会、正午委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四分散会      ————◇—————

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