沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第10号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/08/05
会議録
○吉田委員長 これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 第九十四回国会より継続審査となっております中山正瞳君外十一名提出、北方地域内の村の北海道の区域内の市又は町への編入についての地方自治法の特例に関する法律案について、提出者全員より撤回の申し出があります。 本案の撤回を許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○吉田委員長 近藤元次君外十八名提出、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律案及び島田琢郎君外九名提出、北方領土隣接地域振興等特別措置法案の両案を一括して議題とし、提出者から順次提案理由の説明を聴取いたします。高橋辰夫君。 ————————————— 北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○高橋議員 ただいま議題となりました北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律案につきまして、提案の趣旨とその概要を御説明申し上げます。 わが国固有の領土である北方領土が、昭和二十年八月以来、ソ連により不法に占拠されたままの状態に置かれておりますことは御承知のとおりであります。 このため、北方地域の元居住者は、北方地域に帰島することはもとより、その周辺の漁場において操業を行うこともできないという困難な状況にあります。最近の元居住者の実態調査では、その八〇%の方々は北海道に居住しており、そのうちの半数が北方領土隣接地域に居住しております。 これらの元居住者は、戦後から今日まで北方領土返還運動の先頭に立ってこの運動を推進しておりますが、戦後三十七年を経過した今日におきまして、そのうち三分の一の方々が亡くなられ、返還運動は一つの曲がり角にきていると言われております。 次に、北方領土隣接地域と北方地域とは戦前は行政的にも経済的にも根室市を中心に一体の社会経済圏を形成しておりましたが、北方領土問題が未解決であることにより地域経済はその発展を著しく阻害されております。 このように、北方地域元居住者及び北方領土隣接地域が置かれている特殊な事情にかんがみ、北方領土隣接地域の振興及び住民生活の安定に関する計画の策定及びその実施の推進を図る等のために必要な特別措置を定めることにより、北方領土問題及びこれに関連する諸問題の解決の促進を図り、北方領土の早期返還を実現し、平和条約を締結して日ソ両国の平和友好関係を真に安定した基礎の上に発展させたいというのが本法律案の趣旨であります。 次に、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。 第一に、この法律による特別措置の対象となる北方領土隣接地域とは、根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町の区域であります。 第二に、内閣総理大臣が定める北方領土問題等の解決の促進を図るための基本方針に基づき、国は北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての国民世論の啓発を推進するとともに、北方地域元居住者に対する援護等の措置の一層の充実強化を図るために必要な措置を講ずるものとしております。 第三に、北海道知事は、内閣総理大臣が定める基本方針に基づき北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画を作成し、内閣総理大臣の承認を受け、これを推進することとしております。 第四に、この振興計画に基づき北方領土隣接地域の市町が行う特定の国庫補助事業等については、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の規定の例により、国の負担割合の特例を定めております。ただし、この規定は財政再建期間中は適用しないこととしております。 第五に、国は、北海道または北方領土隣接地域の市町が振興計画に基づいて行う事業について、地方債及び財政上等の特別の配慮を行うこととしております。 第六に、北海道が、北方領土隣接地域の市町及び公共的団体等が行う国庫補助の対象とされていない地域振興等のための事業、世論の啓発に関する事業及び元居住者の援護等に関する事業に対し、助成するため北方領土隣接地域振興等基金を設ける場合には、国は、これに充てるための資金の一部を来年度から五カ年度以内を目途として交付するものとするとともに、基金の額は、国から交付を受けた補助金の額の四分の五に相当する額を下らないこととしております。 なお、この基金の総額についてでありますが、その運用収入から補助すべき対象として見込んでおります事業量等にかんがみ百億円程度を想定しており、したがって、基金に係る国の補助に要する経費としては約八十億円を見込んだ次第であります。 第七に、北方地域に本籍を有する者についての戸籍事務及び北方地域の村の長の権限に属する事務のうち政令で定めるものを北方領土隣接地域の市町の長に行わせるため必要な特例を設けてあります。 なお、この法律は昭和五十八年四月一日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○吉田委員長 次に、島田琢郎君。 —————————————
○島田議員 ただいま議題となりました北方領土隣接地域振興等特別措置法案につきまして、提案者を代表いたしまして、その提案理由並びに主な内容について御説明申し上げます。 御承知のように北方領土は、わが国固有の領土であるにもかかわらず、昭和二十年八月にソ連軍により占領されて以来、事実上同国の支配下にあり、戦後三十七年を経過しようとする今日、なお返還の見通しすら立っていないことはまことに遺憾であります。 このような北方領土問題が未解決であるために、戦前は北方領土と一体の経済圏を構成しておりました北方領土隣接地域の産業、経済は、その発展を著しく阻害されておりますことも周知のとおりであります。 また、北方地域元居住者は、領土問題が未解決であるために、いまだに父祖の墳墓の地であるこれらの諸島に復帰することができず、魚の豊庫と言われるこれら諸島の周辺漁場で漁業を行おうとすれば、しばしば拿捕の危険にさらされ、安全に操業できないという困難な状況にあるのが現状であります。 このように北方領土隣接地域及び北方地域元居住者が置かれている特殊な事情にかんがみ、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に寄与するために所要の計画を策定し、その施策を推進するとともに、北方地域元居住者に対する援護を図るために必要な特別の措置を定めることにより、これらに関連する諸問題の解決促進に資することを目的として、今回この法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。 第一に、この法律におきまして北方地域とは、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島等の千島全地域でありまして、この法律による特別措置の対象となる北方領土隣接地域とは、根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町の区域であります。 第二に、北海道知事は、内閣総理大臣が定める北方領土隣接地域の振興等のための基本方針に基づいて、北方領土隣接地域の振興及び住民生活の安定に関する計画を作成し、内閣総理大臣の承認の申請をすることができるものとしております。 第三に、この振興計画に基づいて北方領土隣接地域の市町が行う特定の国庫補助事業等については、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の規定の例により、国の負担割合の特例を定めております。 第四に、国は、北海道または北方領土隣接地域の市町が振興計画に基づいて行う事業に係る地方債について特別の配慮を行うとともに、北方領土隣接地域の振興等のための財政上等の配慮を行うものとしております。 第五に、国は、基本方針に基づいて、北方地域元居住者に対する援護等の一層の充実強化を図るための措置を講ずるものとしております。 第六に、北海道が、北方領土隣接地域の市町等が行う国庫補助の対象とされていない地域振興等のための事業に対し、助成するため北方領土隣接地域振興等基金を設ける場合には、国は、これに充てるための資金の一部として百億円を昭和五十八年度から三年度以内を目途として交付するものとし、この基金の額は百二十五億円を下らないものとしております。 なお、この法律は昭和五十八年四月一日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由と主な内容であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○吉田委員長 以上で両案に対する提案理由の説明は終わりました。 次回は、明六日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十三分散会 ————◇—————