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96回国会衆議院1982/03/02

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号

発言数
68
登壇者
15
会派数
6
開催日
1982/03/02

会議録

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 これより会議を開きます。  沖縄振興開発特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、参考人として沖縄県経営者協会専務理事宮城豊君、日本労働組合総評議会副事務局長内山達四郎君、沖縄県読谷村長山内徳信君、琉球銀行取締役調査部長比屋根俊男君、民社党沖縄県連委員長・沖縄県議会議員安里政芳君及び弁護士伊志嶺善三君、以上、六名の方々に御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただき、まことにありがとうございました。沖縄振興開発特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、忌憚のない御意見を賜りますようお顧いいたします。  議事の順序について申し上げますが、まず参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと思います。  それでは、最初に宮城参考人から御意見をお述べいただきたいと存じます。

宮城豊沖縄県経営者協会専務理事

○宮城参考人 御意見を申し上げさせていただきます。  国会並びに政府におかれましては、沖縄の振興開発のために、過去十年間にわたり手厚い施策等を講ぜられまして、相当な実績をおさめられたことに対しまして深甚なる敬意と謝意を表したいと存じます。おかげさまで、とりわけ社会資本の面は、復帰時に比べまして見違えるほど整備されてまいりました。  さらに今回は、これらの施策の根拠法でございます沖縄振興開発特別措置法などの一連の法律の期限を延長されまして、行政改革と財政再建の厳しい状況下にもかかわりませず、高率補助制度を初めとする特別措置を引き続き存続し施行される国の御方針に対しまして、これを高く評価するものでございます。  このような国の温かい御援助に報いるためにも、かくして策定されます第二次振興開発計画の期間中におきまして、本県経済の自立化と本土との格差是正という基本目標達成のために、私どもは最善の努力を払わなければならぬことを痛感いたしているのでございます。  さて、この第二次振興開発計画の課題でございますけれども、私は、主として産業経済の振興に集約すべきではないかと考えているものでございます。なぜならば、このことを通じて初めて産業構造が改善されまして、自前の経済成長力が培養されるとともに、所得と雇用の拡大及び財政基盤の充実によって、社会福祉の向上発展も実現するからでございます。  この産業振興でございますけれども、結論的に申し上げますと、それは、その担い手でございます企業の立地振興に尽きるのではないかと私は考えておるのでございます。しかしながら、わが県における企業の立地環境というものは、次のとおりきわめて厳しいものがございます。  その一つは、内外の経済がオイルショックを転機といたしまして低成長期に移行したことに伴いまして、今日企業の行動パターンは、量的拡大から減量経営や質的充実志向に変化してまいりまして、新規立地や拡大投資に非常に消極的になっているからでございます。  次に、本県の離島性等地理的悪条件に起因する市場の狭隘性、流通コストの割り高性及び生産、流通面でのスケールメリットを欠いていることなどが挙げられます。  もう一つの問題点は、戦後から復帰に至るまでの長い間、国政の断絶と国の産業政策の空白にも原因いたしまして、水、電力、用地の問題等を含む立地条件及び関連原材料や部品の供給力、さらに下請関連企業の集積などの企業立地環境の各面において、わが県は他府県に非常に劣っていることであります。  したがいまして、本県において企業の立地振興を促進するには、以上のような環境条件の整備を図ることはもとよりでございますけれども、それでもなおかつ克服できないデメリットを補完して、企業の進出意欲を誘発するに足る新規の需要や、企業機会を創出する大型プロジェクトの有効な展開が最も重要不可欠でございます。  以上の見地から、その実現のため、ぜひとも国の優先的御高配と御援助をいただかなければならないプロジェクト二点にしぼって要請申し上げたいと思います。  その一つは、自由貿易地域制度のメリットを大きくして、企業立地を促進するいわゆる起爆剤のような機能を持たせていただきたいということであります。すなわち、自由貿易地域内の事業活動から生ずる所得に対する所得税、法人税といった課税を所要の期間、たとえば操業を始めてから五年とかいうふうな、少なくともそういうふうな期間に限りましてその課税の免除をするとか、そういう優遇措置、あるいは現在製造業だけしかその自由貿易地域の特典が与えられておりませんけれども、そういう製造業だけじゃなくて、製造業以外の、たとえば倉庫業とかいうふうな業種にも拡大していただきたいとか、さらに保税地域の許可手続等関係制度の弾力的運用を図ることなど、そういう特別措置を少なくとも将来できるだけ早い時期に講じていただきたいということでございます。  もう一つ要請申し上げたい大きなプロジェクトは、大那覇国際空港の早期建設と、これを核とする臨空港型産業の立地振興を促進していただきたいということでございます。すなわち、那覇空港はわが国の南玄関に位置するいわゆるゲートウエーとして絶好の地理的条件を備えております。その大型国際空港化は本県の特性を遺憾なく生かすゆえんであると同時に、過密に悩み、三十数カ国からの乗り入れ要請にも応ぜられない成田、大阪の国際空港を補完するのに最もふさわしいからであります。  このようにいたしまして、大那覇国際空港が建設され、その周辺に臨空港型産業が立地いたしました場合にどのような経済効果をもたらすかということを端的に申し上げますと、空港の機能並びに航空需要の増大に伴いまして創出される直接的雇用拡大効果に、観光を初め関連産業の振興開発により誘発される間接的雇用拡大効果を加えますと、私どもの推計では、本県が当面しております最大の悩みでございます失業者を吸収してなお余りがあるほどの雇用拡大効果が期待されるということでございます。  そのような雇用拡大効果に加えまして、次に、観光産業だとか、国内、国際の貨物流通センターを初め、臨海空港型の新規産業の振興開発に伴いまして創出される新規雇用効果は、その発展の度合いにもよりますけれども、その本格的段階にありましては、少なくともこの空港の直接雇用効果は非常に大きいものがあると期待されております。  なお、建設が望まれております国際、国内の貨物流通センターの場合は、公害問題が絶無であるとか、高度の熟練を要しない業務が多いので、県内失業者の大半を占めますたとえば基地離職者や若年労働者に対しまして、絶好の雇用機会を提供するものとして注目されておるのでございます。  以上、申し上げました二大プロジェクトは、すでに国の事業といたしまして近く具体化の運びとなっております国際センターの設置と相まちまして展開されますならば、本県が名実ともにわが国の国際交流拠点としての役割りを果たすことになるほか、産業の振興と経済の自立化を通じまして、慢性的な国庫依存体質からの脱却という、いわゆる国益にも合致するゆえんであることにも御注目をいただきまして、ぜひとも、これらプロジェクトの早期実現のために、国の優先的御配慮を賜わりますよう要請申し上げます。  次に、本県の産業振興上、ぜひとも改善をしていただきたいその他の条件について申し上げます。  その一つは、沖縄振興開発金融公庫の出資機能をより広範に活用していただきたいということでございます。もともとこの制度は、国が企業立地のリスクを分担することによりましてこれを促進しよう、こういう目的で設けられたものでございますけれども、現実には、現地の出資対象は公共性の強いいわゆる第三セクター方式の企業にのみ限定されているのでございます。そのようにいたしまして、その機能というものが十分に生かされていない、こういううらみがございますので、企業立地が当面の最大の課題であるので、今後はぜひとも、この弾力的運用によりまして、より多くの企業立地に適用されますように要望するものでございます。  なお、開発金融公庫におきまする融資の手続だとか担保条件等は、現在の民間企業にとりましては厳し過ぎる、非常に利用するのも容易でない、こういうふうな意見が多くの経営者から寄せられているのは事実でございますので、この点も、経営者にかわりまして私から、その簡素化と指導金融の体制強化を図ることによりまして、ぜひそのような県内企業が利用しやすいような方向に改善をしていただきたいということを御要望申し上げます。  次に、国の公共事業の執行に当たりまして、県内企業の育成強化と本県経済への波及効果、公共事業の持つ波及効果をできる限り高めていただきまするよう、当局の特段の御配慮を要望申し上げたいと存じます。  と申しますのは、現在、国の公共事業の県内企業発注率は、防衛施設庁とかそういう省庁によって異なりますけれども、大体五〇%を切っているのが実情でございます。  御案内のとおり、本県における公共事業は、観光産業と並びまして本県経済の動向を左右する大黒柱でございます。それだけに、緊縮財政と公共事業の伸び悩みに伴いますマイナス要因をカバーして、県内景気を維持し、できたらこれを浮揚させていく、こういうふうなことをするための手だては、もはや今後は、公共事業の県内企業への発注率を高める、あるいはまた、その公共事業に必要とされまする建設資材等をできるだけ県内生産品を利用してもらう、こういうふうな施策しかございません。そういうふうなこともお含みいただきまして、ぜひこの点の改善につきまして、発注当局の優先的御配慮を要望いたすものでございます。  以上、わが県経済の振興開発上の重点的課題について要望申し上げまして、私の意見開陳を終わります。  御清聴大変ありがとうございました。(拍手)

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 ありがとうございました。  次に、内山参考人にお願いいたします。

内山達四郎日本労働組合総評議会副事務局長

○内山参考人 内山でございます。  きょうの六人の参考人の中で私一人だけが本土の人間なんですが、実は私、一九七六年以来、総評と現地の沖縄県労協でつくっております沖縄対策委員会の事務局長として、そしてまた、総評の雇用対策委員会の責任者として沖縄の雇用問題にかかわってまいりました、そうした立場から、今度の問題についてぜひとも私どもの要望をお聞きいただきたいということで、お伺いした次第です。  昨年の十二月に、私どもは、沖縄における雇用失業問題の特質と改善施策についての研究報告をまとめました。これは私どもだけではなしに、本土やそれから現地の学者、専門家にも協力をいただきましたし、さらにまた、一年近いヒヤリングの中で、沖縄の雇用問題の実情を明らかにするだけではなしに、ぜひとも政府や地方自治体でこういった対策を取り上げていただきたいということで取りまとめました。昨年の十二月には、西銘県知事にもお会いしてお願いをいたしましたし、政府に対してもこの内容を提出をいたしました。  率直に申しまして、第一次振計が沖縄の雇用失業情勢を改善したとは言い切れないと思うのです。詳しく申し上げる必要はないと思いますけれども、いま沖縄の失業率は全国平均の三倍になっております。私どもは、たとえば沖振法第三十八条の後段にあります沖縄における雇用の安定の措置について、再三にわたって労働省にお願いをしたのでありますけれども、残念ながら実効のある措置をとっていただくことはできませんでした。したがって、第二次振計の策定に当たっては、何よりも沖縄における雇用失業問題の抜本的な改善、これをぜひとも念頭に置いていただきたい。もちろん、第一次振計における政府の措置について頭から否定をしたり、けちをつける気持ちは毛頭ありませんし、第一次振計が、いま沖縄の経営者協会の代表が言われたように、さまざまの面で多くの実績を上げていることは私どもは認めるわけですけれども、残念ながら雇用失業問題に関しては十分な改善の実を上げ得なかった、このことを指摘しないわけにはまいりません。  そこで、もう詳しくこれも申し上げる必要はないと思うのですけれども、沖縄における雇用失業問題というのは本土にはない構造的な特質を持っております。本土の雇用失業問題も循環的、一時的なものではなしに、産業構造の転換とかあるいは急速な高齢化社会への移行に伴ってかなり構造的な要因を帯びておりますけれども、沖縄における雇用失業情勢というのは、本土とは違った、ある意味では本土にさらにプラスをされる幾多の要因が含まれております。  たとえば、第一番目には、人口構造的に若年層の割合が非常に高く、進学率も低い、したがって若年層の労働供給圧力が相対的に強い反面、残念ながら、この若年層を吸収する職場が沖縄においては絶対的に不足をしています。あるいはさまざまな慣習の違いがあって、せっかく本土に就職をした沖縄の若者たちがUターンをする、こういう状況も本土には見られない現象であります。  二番目に、沖縄の場合は、本土と違いまして、女子の労働力率は全国に比べますときわめて低いのでありますけれども、そして、そのことが中高年齢層の労働供給圧力を弱めて、失業の発生を抑える一つの要因となってきたのでありますけれども、最近の低成長やあるいは女子職場の増大、婦人の労働意識の変化等もあって、女子の労働力率が上昇傾向にあるという変化が生まれております。  第三に、中高年齢層の失業者の多くが軍事基地より解雇をされた労働者であるということ、あるいはまた、復帰という制度的変化によって生まれた失業者であるということ、そしてこれらの失業者の多くは世帯主、一家の大黒柱でありますけれども、若年層に比べますと移動性がきわめて低いために、しかも雇用条件が不利であるために、就職率がきわめて低いという現実があります。  あるいはまた、いま指摘がありましたけれども、産業構造の面から、第一次振興計画が実施をされたにもかかわらず、産業構造的に見まして、沖縄の場合には雇用を安定的に吸収し得るようなそういう産業構造にはなっていない、第二次産業を中心とした物的生産機能がきわめて弱いという状態等々があります。  したがって、このような沖縄の雇用失業情勢の構造的な要因を解決しようとすれば、従来の第一次振計の延長線上で沖縄の雇用失業対策を考えることはできないのではないかというふうに私どもは考えております。  県当局もこの点は十分に着目をされまして、雇用対策基金制度の設置を決めました。そして、調査会を設置をしまして八〇年八月に報告書を取りまとめたのでありますけれども、これは当初、県予算では昭和五十六年度の予算で実現を考慮していたのでありますが、事実上見送りとなりまして、昭和五十七年度からの第二次振興計画策定との関連にこの問題はゆだねられております。  こうした県当局の雇用基金制度の創設による雇用失業問題の解決について、私どもは全面的に賛成をいたしました。しかし、私どもとしても労働側の立場に立って検討しなければならないということで、先ほども申し上げましたように、いろいろ実態の分析と具体的な施策について検討を重ねてまいりました。  そこで、その具体的なアウトラインを若干申し上げますと、沖縄の雇用失業問題の解決のためには、一時的、緊急避難的な雇用対策ももちろん重要でありますけれども、本当に安定した雇用の確保と拡大を進めていくためには、沖縄の産業構造そのものを変えていくような施策がどうしても必要ではないだろうかというふうに考えております。しかし、このことは、沖縄の企業やあるいは自治体当局だけの努力ではできないというふうに私どもは判断をしています。  そこで、仮称でありますけれども、沖縄県特定経済社会開発事業団、県の特殊法人として開発事業団を設置をしていく。その中で、そこを中心にして幾つかの事業を実施をしていく。  たとえば、中核企業体設立についての直接的な投資、この場合の企業体は第三セクターになりますけれども、直接的な投資を行う。  あるいは、工場団地の造成を進める。造成土地は事業団の直接取得と民間企業への販売に分かれますけれども、民間企業への販売価格は地域社会への寄与を重視した基準を設け弾力的に行う。と同時に、寄与基準の第一順位に安定した雇用創出効果を置く。  三番目に、本土企業はもちろんのことでありますけれども、近隣諸国やアメリカ、西欧などの資本をも対象とする企業誘致活動を積極的に進めていく。特に沖縄出身の経営者であって他県、海外で事業を行っている方々に対する十分な配慮を行っていく。  四番目に、返還跡地の利用計画策定とその実施。各自治体と共同して広域活用を図ること。  五番目に、広域都市再開発、これは本島の中南部などが当たると思いますけれども、広域都市再開発とそれに伴う大規模クリーン・グリーン化事業の実施を進めていく。  六番目に、研究開発組合の設置と運営を強化をしていく。研究開発は、沖縄の現状では民間企業だけに委託をする方式ではなしに、公共と民間の共同組合方式をとることが望ましいのではないか。さらに、研究開発テーマには新製品、新技術にとどまらず産業組織体制、市場開拓まで含める。  七番目に、現在国が雇用保険安定事業を中心にしてさまざまな助成政策を行っていますけれども、しかし、沖縄のように若年失業者が多く企業基盤の弱い現状では、この制度は必ずしも十分に機能しておりません。したがって、国の施策にかかわる離職者を雇用した事業への長期賃金助成制度に、この事業団として取り組んでいくことが必要ではないだろうか。  そして最後に、公共職業訓練機関との連動性を十分に配慮した産業、業種の事業内職業訓練機関の設置と運営を進めていく。  このような形で、産業構造を、単に狭い意味での雇用失業対策ではなしに、雇用失業対策が産業構造の転換なり、産業基盤の強化なり、振興開発計画と有機的に結びつくような対策が講じられませんと、沖縄における雇用失業問題の抜本的な解決は実現をしないのではないかというふうに私どもは考えております。  その意味では、最後になりますけれども、一昨年策定をされました第四次雇用対策基本計画は、昭和六十年までに全国平均の失業率を一・七%に下げることを目標としております。沖縄の失業率は御承知のようにいま五%台であります。こうした実情の中では、国が責任を持って沖縄の雇用安定のための基本計画を策定をする必要があるのではないか。これは第四次雇用対策基本計画が言っております昭和六十年度までに一・七%を沖縄において達成することは困難でありましょうけれども、しかし、少なくとも六〇年度までに一・七%という第四次雇用対策基本計画が目標としています数値を沖縄においてどれだけ近づけていくか、そうした配慮の上に立った沖縄の雇用対策基本計画といいますか、雇用安定計画というものを国の責任において策定をし、これを第二次振興計画の中にぜひとも取り入れていただきたい。このことを最後にお願いをいたしまして、私の陳述を終わります。(拍手)

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 ありがとうございました。  次に、山内参考人にお願いいたします。

山内徳信沖縄県読谷村長

○山内参考人 沖縄の諸問題解決のため、日夜御尽力を賜っております衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の吉田之久委員長を初め議員各位に、心から敬意と感謝の意を表する次第であります。  本日は、復帰十年目を迎え、沖縄振興開発特別措置法の継続のための審査中の沖特委で、参考人として意見を申し上げる機会を与えてくださいましてまことにありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。  さて、私は、沖縄本島中部西海岸に面した読谷村の村長、山内徳信でございます。人口二万七千人を有し、村の総面積の四八%は米軍基地に接収されており、昼夜の別なく基地問題に悩まされ続けているものであります。  いっぱい申し上げたいのですが、時間の制約もありますので、幾つかにしぼって申し上げたいと思います。  戦後、沖縄県民が一貫して求めてまいりました運動は、日本の平和憲法のもとへの復帰でありました。復帰も実現し、すでに十年の歳月がたちました。復帰をめぐる評価はいろいろあります。是もあれば非もあります。  沖縄にいて基地の制約、重圧のもとで地方自治体の仕事をしている者の立場から言わせていただきますならば、復帰によってよくなった面をも帳消しにされるほどの問題があります。それは、御承知のとおり米軍基地をめぐる諸問題と米軍の県民無視の演習であります。  日本政府の消極的な基地行政は、沖縄県民をして、日本政府に対する不信感を深めさせる危険さえあるのであります。まず、国権の最高機関としての国会は、戦中戦後、今日まで、沖縄の置かれた歴史を的確に把握しておく必要があると思います。いわゆる沖縄問題が日本の政治の中で絶えずどのように取り扱われてきたのか、その総括と反省を党派を超えてやる必要があろうかと思います。そのことが日本の平和と国民の幸せに大きく貢献することになろうと思います。  かつて佐藤総理は、沖縄の返還なくして日本の戦後は終わらないと言われました。私は、沖縄の平和なくして日本の平和はあり得ない、日本の平和なくしてアジアの平和、世界の平和はあり得ないと思います。基地の重圧の中で文化村づくりを志向している者として、人間の尊厳さと人類の存続と文化の発展を願う者として、ここに平和の宣言を高らかにする者であります。  皆さん、確かに沖縄は祖国に復帰をし、沖縄は日本に返還されました。それによって日本の戦後は終わったでしょうか。戦後三十七年たちましたが、いまだに戦後処理もなされない事案が沖縄には残っていることを御理解いただきたいと思います。さらに、復帰の際の政府を初め全国民の合い言葉とされました、いわゆる核抜き・本土並みを私たちは忘れてはなりません。ところが、復帰十年目の今日、政府も国会も、日本全国民に対し、極東最大の軍事基地である沖縄は、核抜き・本土並み返還でありましたと自信を持って言える方がおるでありましょうか。  昭和四十六年に復帰特別措置法案が国会に提案されましたとき、政府の提案理由の要旨の中に、次のようなすばらしい文章があります。少し読み上げさせていただきますと、「われわれ日本国民及び政府は、この多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への償いの心をもって事に当たるべきであると考えます。」「このような観点から、沖縄の祖国復帰の円滑な実現と、明るく豊かで平和な沖縄県の建設こそ、沖縄復帰の基本的な目標でなければならないと存じます。このためには、まず第一に、沖縄の復帰に際し、県民の生活に不安、動揺を来たさないよう最大の配慮を加えつつ、」「必要な暫定、特例措置を講ずることが肝要であります。」と説明をしております。  いま申し上げましたとおり、復帰の基本目標は、明るく豊かで平和な沖縄県の建設でありました。ところが、日本全体の五三%の米軍基地は狭い沖縄に押しつけられ、それは沖縄本島の二〇%、沖縄全体の一二%の面積を占めております。沖縄にある米軍基地の実態はその数字をはるかに上回るもので、極東一の発進攻撃基地であり、そのために、戦争に巻き込まれる危機感と不安を県民は絶えず感じているのであります。これが明るく豊かで平和な沖縄県の建設と言えるでありましょうか。基地と雑居を余儀なくされ、日常的に起こる基地被害に、住民も市町村もどれほど犠牲と苦悩を強いられているか、そのことを理解していただき、政府も国会も自分の問題として主体的に受けとめ、対処していただきたいと思います。  沖縄県のまとめた資料によりますと、米軍の演習による事故及び事件の件数は、昭和五十四年は十二件、昭和五十五年は十九件、昭和五十六年も同じく十九件、ことしは一月、二月ですでに五件発生しております。その内容を説明する時間はありませんので割愛いたしますが、米軍の目に余る横着な演習と、それに伴う演習被害、さらに毎日毎日発生する基地被害は、県民感情の許容の限度を超えつつあります。  踏まれた者の痛さは踏んだ者にはわからないという言葉があります。県民感情を悪化させ、最悪事態さえ招きかねない最近の状況であります、予測される最悪事態を回避する、そのために政府があり、政治が存在するのであります。安保条約や地位協定が、沖縄県民の生活権、幸福権、環境権より優先することがあってはいけないということであります。  そこで、私は、悲惨な沖縄戦の体験と平和憲法の理念を踏まえ、次の事項について強く要求し、その実現方を要請するものであります。  一つ、県民の生活を脅かし、生命、財産に不安を与える米軍演習に対し、毅然とした態度をもってその中止を要求するとともに、その演習場の撤去を早急に実現すること。  二つ、国は、米軍基地の整理縮小を図るとともに、返還合意のあった施設については、その早期返還の促進に努めること。  三つ、国は、公用地暫定使用法の期限切れに備えて、駐留軍特措法の適用、または公用地法の再延長等を意図しているが、これは地主や自治体の意思を踏みにじる権力的行為であり、明るく豊かで平和な沖縄県の建設の立場から、強制接収に反対するものであります。  四つ、国は、旧軍接収の読谷飛行場用地等の問題解決のため、戦後処理、復帰処理事項であるという基本認識に立って、旧地主を中心にした地元意向を尊重し、その早期解決に努めること。  五つ、国は、返還跡地の有効利用を図るため、事業の採択基準を緩和し、地方公共団体等が実施する公共事業に係る費用について、必要な財政措置を講ずること。  次に、沖縄振興開発特別措置法の中で、きわめて重要な領域が欠落しているのに気づくのであります。したがって、今回それをぜひ取り上げていただきますようお願い申し上げる次第であります。  沖振法に基づいて策定された沖縄振興開発計画によって、振興開発の方向と基本施策が明らかにされ、経済、社会等各分野で、本土との格差是正をすべく、努力が行われてまいりました。その結果、社会資本の整備、生活環境の整備、生産基盤の整備等々が進められ、その成果も上がってまいりましたが、今後ともなお一層の整備促進が必要でございます。  復帰後十年間は、生産基盤の整備、生活環境の整備、社会資本の整備拡充が当然優先されていてよかったと思います。ところが、これから御審議、決定をしていただく新沖振法の中に、文化に関する施設を高率補助対象事業として加えていただくならば、いままでの十年間とは違った形で、これから先沖縄が生き生きとすることは確実であります。それによって、二十一世紀に向けての県づくりの主要な柱の一つになると信ずるものであります。  経済万能の時代から、ある意味では文化の時代になっていく二十一世紀に向けて、そういう方向に時代は流れております。つまり、人間が人生の喜び、充実感を求めているのです。政治、経済も大事であります。それと並んで、同時に広い意味での文化が、人間生活、社会生活においては第三の大きな要素になりつつあります。文化という面が、戦後日本においてはとかく後ろに押しやられてきたのです。ここにきてようやく文化というものが顔を出してきた、沖振法の上に顔を出させなければいけないのであります。これからは文化の時代になります。  文化施設と申しましても漠然としますので、もう少し具体的に申し上げますと、たとえば県立総合文化センター、文書館、考古民俗資料館、自然史博物館、美術館、芸術センターなどでございます。この種のものを各地域につくって、伝統文化の保存、研究はもとより、積極的に新しい美術、文化の創造、発展に資することが大切であります。その拠点づくりはきわめて重要であります。人間が未来に残すものがあるとすれば、それは文化でなければなりません。  文化施設は、敗戦の焦土の中から立ち上がった県民、現在の殺伐とした基地被害の中で暮らしている県民の心の憩いの場となり、みずからの歴史と伝統文化を学び、郷土を愛する場になります。同時に、新しい文化の創造の場として展開されてまいります。  文化は、民族のあるいは人類の発展してきた姿であり、人間の諸活動の開花現象であります。文化を愛する者は栄え、人間としての主体性、創造性が確立されてまいります。いま、異民族支配下で生きてきた沖縄県民、基地に依存して生きることを余儀なくされた沖縄県民にとって、最も大切なものは人間としての主体性、創造性の確立であり、自立の精神ではなかろうかと思います。  復帰後十年間で経済的に大きく伸びたものは観光であります。それは何を意味するのか。カルチャーの違い、沖縄の自然条件をも含めて文化性の違いを求めてやってきた、いわゆる違う文化圏を経験したい、そこに魅力があるのではないかと考えられます。文化は産業となり、産業は観光資源となり得るのです。観光立県を目指す沖縄にとって、文化づくりはきわめて重要な意味があり、波及効果が大なるものがあります。  以上、申し上げまして、私の意見の開陳といたします。(拍手)

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 ありがとうございました。  次に、比屋根参考人にお願いいたします。

比屋根俊男琉球銀行取締役調査部長

○比屋根参考人 私は比屋根俊男と申します。よろしくお願いいたします。  本日は、参考人として意見を述べる機会を与えていただきまして、心から感謝申し上げます。早速、意見の陳述をさせていただきます。  さて、今国会に提出されました沖縄振興開発特別措置法等の改正法案は、現行法の内容をほぼ継続するものであり、特に現行の高率補助、過疎債に加えまして、辺地債が適用される点については高く評価するものであります。厳しい状況の中でこれまで努力された関係各位に、深く感謝申し上げる次第でございます。  改正法案の可決は、沖縄県にとっては、現段階では率直に申し上げ最低必要な条件かと思われます。  過去十年間振り返ってみまして、これまでの復帰特別措置法、沖縄公庫法、沖振法によって産業の振興、住宅の建設あるいは社会資本の整備に大いに寄与してきたのは事実でありまして、高く評価するものであります。しかし、自立的経済への体質改善という観点からはほんの緒についたばかりでありまして、まだまだ未解決の問題が多く存在しております。  たとえば、過度の財政依存型経済であり、また県財政の自主財源が極端に低いこと、所得乗数効果のきわめて小さいこと、恒常的に高い失業率、対外収支の極端な赤字等々、マクロ的に見ても県経済の体質には余り変化は見られません。今後も、過去十年間と同じ制度上の特別措置による振興策の推進では、二次振興開発計画に多くの期待は持てまいというのが大方の見方であろうかと思います。計画期間中の適当な時期に、思い切った沖振法の内容改正が必要と思われます。  具体的な意見を申し上げる前に、まず共通の認識を持っていただくために、これからの沖縄県の人口の問題を若干取り上げてみたいと思います。  十年前の復帰の時点で九十五万人でありましたが、五十五年国調では百十万七千人となっております。この十年間で約十五万人余り増加していることになります。十年後の昭和六十六年には百二十万八千人に達すると予想されております。したがって、昭和五十五年国調で百十万七千でございますので、約十万人余り増加するということになろうかと思います。  現在の人口構成からしますと、これから十年間は総人口は増加いたしますが、ゼロ歳から十四歳の年齢層は現在よりむしろ二万五千人程度減少することになります。したがいまして、十五歳以上の年齢人口が増加するということになります。十五歳以上の人口がどの程度増加するかと申しますと、約十二万五千人程度となります。したがいまして、働く場を必要とする年齢層がふえるということに注目していただきたいと思います。これは大変重要な意味を持ち、雇用の場の確保がより深刻な問題となり、現在以上に需給バランスは崩れる可能性が強いと申せます。  現在失業者二万三千人台、失業率五%台から全国の平均水準失業率二%台に減少させるには、私の推計では、最低十万人程度の就業者の吸収が必要となってまいります。これは、過去十年間で約六万人余りの就業者が増加しているわけでございますので、今後、各産業部門のこれまでの生産性の成長率を考えた場合、雇用機会の増加はきわめて厳しい課題となるものと思われます。十万人の就業者増加の吸収が不可能なら、労働力の積極的県外流出策をとるか、六十歳以上は積極的に引退するか、女子の家事従事者その他無業者など、いわゆる非労働力人口の増加策をとる以外方法はないかと思われます。もちろん、六十歳以上の引退とか、女子の家事従事者、無業者の増加を過度に期待してみても意味のないことは申し上げるまでもありません。一方、労働力の県外流出策は、現在でも三千人台の純流出でありまして、九州では長崎県に次いで二番目に多く、Uターン者も多いわけですけれども、流出人口もまた多い現状であり、県外流出にも限度があるということが言えます。  したがって、現在われわれが考えている以上に雇用問題、失業問題ははるかに深刻となる可能性がきわめて高くなるという点を十分念頭に置いて論議を尽くされなければ、あいまいな対策に流れる可能性が強いということをまず指摘させていただきたいと思います。  では、このような将来展望を踏まえて、積極的に働く場の確保をいかに図るか。新たに労働市場に参加してくる若者が就業機会を県内に求める傾向が強いだけに、思い切った政策的誘導策が必要となってくるものと考えます。  その基本的問題を二、三提言いたしますと、まず第一に、沖振法の高率補助の問題であります。  現行計画の総点検資料を見ますと、生活、産業基盤としての社会資本の整備の中で、すでに本土水準に達したもの、まだ格差の大きいものがあります。整備のおくれている分野のほとんどは、対象事業の補助率が相対的に低いものが大部分であります。沖縄の県、市町村の財政力が全国最下位グループであるため、補助率の高いものから整備されてきたのは当然であろうかと思います。したがって、高率補助対象事業の見直しを徹底し、おくれている分野の対象事業の補助率の引き上げあるいは新設を思い切って断行することであると考えます。特に、観光施設整備のための事業については高率補助の新設を図るべきであります。現在のところ、観光産業は最も手のつけやすい分野でありまして、県経済を支える有力な分野であろうかと思います。幸い沖縄にASEAN諸国を対象とした国際センターの建設が決定をしておりまして、国際センターの機能充実に伴い、研究並びに研修活動、国際会議のため、諸外国との交流が盛んになるものと思われます。同センター機能と並行いたしまして、都市型海浜リゾート施設、海浜公園、人工ビーチ、あるいはコンベンションホール等々の観光施設整備が必ずや必要になってくると思われます。十年後、観光客三百万人をねらう観光市場の形成を図るには、積極的財政投融資が必要であろうかと思われます。世界に通用する国際的観光地に育てるためには、施設整備に対する高率補助の新設が不可欠と考えます。ただし、高率補助の見直しに当たっては、今後とも当分の間は県経済の成長を支える主力は公共工事でありまして、安定した伸びの事業量の確保に依存せざるを得ないため、県、市町村に過度に負担にならないきめ細かい配慮が必要になることは当然の前提であります。  第二に、沖振法で工業開発地区と自由貿易地域の制度が設けられております。制度上の優遇措置があるわけでございますが、企業にとって魅力に乏しい内容のものであるという評判でございます。  これまで企業誘致が思わしくない理由の一つに、いろいろありましょうが、地価が高いことが挙げられます。狭い沖縄に広大な軍事基地を抱え、御承知のとおり全国の米軍基地の五三%を占め、沖縄本島の二〇%、中部地域では三割を占め、しかも軍用地料が復帰後かなりのスピードで値上げされ、沖縄県の地価上昇の原因となっていることが指摘されております。  わが国の防衛上、米軍基地が不可欠であり、他の都道府県への分散も不可能ならば、それなりの対策は必要であろうかと思われます。県民の努力だけではどうしようもない要因が存在しているからであります。  その一つの解決策といたしまして、現行の工場再配置誘導法の中で沖縄特別誘導地域を設けまして、補助金を他地域より大幅に上げることが考えられます。特に軍用地の跡地が対象地区となる場合は最優先し、相対的に高水準にある地価を補助金によって吸収し、優位な誘因を政策的につくることであるかと思います。  また、さらに一歩進めて、現在適用除外となっております新設あるいは増設についての企業への補助金適用もあわせて検討し、それを現在内容検討の要望の高い工業開発地区、自由貿易地域の制度上の内容充実と並行して実施すれば、きわめて効果的と考えます。  第三の重要な点は、優遇措置適用の対象企業の業種をしぼることであろうかと思われます。誘致した企業によって既存の地元企業と競合し、地元企業がつぶれるのでは意味がないわけであります。また、時間をかけ誘致した企業が、誘致と同時に斜陽化する業種であっては問題であります。八〇年代、九〇年代に間違いなく成長産業として活躍が期待される業種に限定する必要があろうかと思われます。  たとえば、工業開発地区への誘致産業であれば、IC関連産業など先端技術分野があります。地域に定着するよう徹底した条件整備を実行することが必要かと思われます。先端技術分野の立地は、地場産業を刺激し、全体のレベルアップにつながる上に、長期的には同分野に合った人材も育成されると考えるからであります。  以上、振興開発上の今後の問題点と解決上の足がかりについて私見を述べさせていただきましたが、結局沖縄の経済自立化は、明るい兆しが出てきました花卉、野菜などを中心とした第一次産業部門と、比較的好調な観光産業に力を入れ、それぞれの延長線上で考えられる二次加工分野の産業の掘り起こしに努める必要があろうかと思います。たとえば水産業の場合でありますと、その延長線上で魚のすり身工場を建設するなどでございますが、さらには地場企業の育成など、じみちな努力を続けることであります。かなりこういう形で努力したとしても、今後十年間で増加するであろう十万人以上の労働力人口の吸収は困難であるため、抜本的な政策誘導策をとらない限り、きわめて厳しい問題となろうかと思われます。いかに振興開発計画で表面的に計画数字をつくろってみても、時間の経過とともに雇用対策、失業問題は一層表面化してくるのは必至と考えます。  したがいまして、これまで述べましたじみちな努力とあわせて、一つには、高率補助の内容を次の計画期間の適当な時期に、十分検討し、戦略的に真に必要なあるいは立ちおくれた分野の事業は、補助率の引き上げあるいは新設をすること。二つには、国土の均衡発展を図るための工業立地政策と工業再配置政策の中で、思い切って沖縄に対し特別な配慮をし、総合的な振興を図る以外に解決策はないように思われます。過去十年間と同じパターンでなく、民間の活力を導入することであり、企業誘致のための積極的優遇措置を創設し、徹底したインセンティブを与える条件を整えることであると考えます。  昨今の行政改革、財政再建の趣旨から見まして逆行するかに見られましょうが、長期的に見まして、国にとっても県にとっても、沖縄の経済的自立化の強化は決してその趣旨と矛盾するものではないという点を強調いたしまして、私の陳述を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 ありがとうございました。  次に、安里参考人にお顧いいたします。

安里政芳民社党沖縄県連委員長・沖縄県議会議員

○安里参考人 意見を申し述べたいと思います。  沖縄の振興開発につきましては、先生方におかれまして、常日ごろたびたび現地をお訪ねいただき、当委員会におきまして十分に御検討いただいておりますこと、大変ありがたく、復帰十年を迎えました本年、特別措置法の見直しと、一次振計の反省の上に立った二次振計策定について、沖特委のお力添え、県民挙げて感謝を申し上げているところでございます。  御承知のとおり、沖縄は、戦前政府の台湾開発振興の陰に隠れ、また過ぐる大戦で戦場となりすべてが破壊され、引き続き二十七年間も被占領地域として、アメリカ軍の軍事優先の政策のもと、日本の政治の恩恵が及ばず、産業、経済、福祉の面は二の次にしか考えられず立ちおくれ、本土との格差が大きくなったことは言を待ちません。  核抜き・本土並み返還、基地縮小が復帰時に約束されながら、依然として米軍基地は全国の五三%を負担し、しかもその機能は強化され、特に最近は、世界情勢の関係もあるでしょうけれども、演習なども以前より激化し、本土並みになるには制約を受けておりまして、振興開発にブレーキとなり、沖縄振興開発計画の目標である格差是正と自立的発展の基礎条件整備も、いまだ遠しというところでございます。  大洋に囲まれ多くの離島を抱えていること、その点は日本の縮図であろうけれども、唯一の亜熱帯地域であり、東南アジアに最も近接し、国際交流、文化の流れの歴史的事情も、沖縄は特殊なものがあります。したがいまして、その歴史的、地理的条件を生かす諸施策は、単に沖縄のためではなく、日本の交通、産業、経済にも大きく寄与し、日本の安全保障の点のみを重視することなく、沖縄の振興開発が、わが国の平和的発展のために、国策としてその推進を最優先的に十分配慮すべきだと私どもは考えております。  そこで、今国会に提出されております沖振法の一部改正についてであります。  原則として現行法の仕組みを残すということで、振興開発計画の核となる産業振興のための特別措置、自由貿易地域、電気事業、職業の安定対策といった特別措置がそのまま存続されるということになるわけでありまして、従来の高率補助、過疎対策事業債に加えて、辺地法が適用されることは高く評価するものでございます。  そこで、一次振計で計画されながら手つかずのままになったものが何であったかということでございます。それは工業開発であり、自由貿易地域制度であります。一次振計は、その計画期間中に国内外に大きな経済、社会の情勢変化があったことも事実でありましょうけれども、いずれにしましても、現行沖振法では、国における企業誘致あるいは産業振興に関する保護措置の特例を整理しただけのものであり、特別に沖縄に立地したメリットのないものだけに、二次振計でこれを生かすためには思い切った制度の見直しをしなければならず、沖縄が二次振計の中で抱えている中城湾港開発、糸満工業団地等の企業張りつけにつきましても、積極的な政府の配慮がなければ、ペンペン草が生えかねないと思われるのであります。と同時に、受け入れ側にも果たして適切な労使関係が確立されるかという点も反省しなければならないと思います。  特に、失業率が本土の二・六倍を抱える本県の雇用創出のための特別の事業は最も重要な課題で、企業立地のための施策の拡充及び沖縄県振興開発金融公庫の出資の拡大、地場産業振興特別助成など、雇用を促進する事業の助成を図る必要があると思われます。  特に本県失業者には若年者の割合が高く、また、駐留軍離職者等の無技能者か雇用需要に適しない技能者が多く、技能労働者の需要に応じた技術者の訓練を実施する事業などが織り込まれるべきだと思います。  低成長下での沖縄経済を支えてきましたのは、御案内のとおり財政投資と観光産業であります。そして、県は地域特性を生かした国際交流の場を重点施策としているのでございます。いままで述べてまいりましたように、沖振法で盛られました高率補助対象事業はある一定の役割りを果たしておりますが、それ以外のところにひずみが拡大しているのでありまして、現状では観光事業は補助の対象となっておりませんが、県観光公社あるいは市町村等が行うリゾート地域の整備などについて補助制度を設け、県の国際交流の場の形成という施策に資する、学術・文化リゾートと自立を図るため、制度になじまないという問答無用ではなく、そういう政策の転換が必要だと思います。  産業の振興のためには、水資源とエネルギーの安定供給ということは言を待ちません。八カ月に及ぶ断水騒ぎの沖縄にとっては、これが異常な状態であることは先生方も御理解いただいていると思いますが、引き続き国の施策としてダムの建設、地下水開発調査等がなされております。しかし、電力問題につきましては、沖縄電力の五十七年中の民営移行を前提としての当面の方向性を見出したいという考えのようでございます。沖縄の振興開発の基本となる水と電気、少なくとも水に関しては国の施策で整備しておりますけれども、電気は民間でということに不安を感ずるものでございます。少なくとも、沖振法による沖縄の振興が図られる期間、政府の助成措置がなされるべきだと思慮するからでございます。  いま行政改革の中で、特殊法人の見直しの問題に絡めて一律の沖縄電力民営移行は、沖縄電力のできた背景と現状を踏まえるとき、基本的に現特殊法人体制を延長し、一定期間を置いて自立運営の可否を探るべきだと思います。  沖縄電力は、昭和五十五年度までに百六十七億六千三百万の赤字を出して債務超過という現状ではございます。しかし、その背景は、復帰の年の昭和四十七年九月に、通産大臣の諮問機関として沖縄電気事業協議会が発足して三年七カ月、昭和五十一年四月一日に五配電会社を沖縄電力株式会社に吸収合併し、復帰時の急激な物価高騰の中で、離島における需要の増大、昭和五十年七月からの海洋博、さらに本土電気事業法の適用に伴う設備の改善、公害対策に要した設備投資、道路工事に伴う電柱移設、改修、七・三〇交通変更に伴う経費増は、一企業が短期に負ったものとしては大変なものであったろうと想像されるのでございます。  ちなみに、昭和四十七年から昭和五十二年までの六年間の設備投資は年間平均百三十二億、公害対策法令適合工事は六年間で約四十八億円に達しておるのでございます。  ちなみに、この間の国の長期低利の財政資金借り入れの助成や税制面での特恵措置は、沖縄公庫借り入れ五百十三億五千二百万円、四十七年から五十二年の合計でございます。特恵措置二十九億四千二百万円でございます。すなわち、この間の政府の助成は、長期低利の公庫借入資金ができるものの、四十七年から五十二年までの特恵措置は先ほどの二十九億四千二百万円であり、事業収入と借入金等によってこれらの事業がなされてきましたことは、それで十分であったかどうかを分析する必要があると思うのでございます。  石油の高騰問題等もございますが、当然ですので触れませんが、電気料金は原価主義と言われており、原価主義で料金が査定されるのであれば赤字が出るのが不思議であり、そのことの方が問題があろうかと思われるのでございます。  特殊法人だからこそ多くの政策課題が遂行できたわけでございまして、行政改革という中で補助金の見直し、特殊法人の整理統合が最大の課題となっておりますときに、百有余に上る特殊法人を見るときに、その対比で沖縄電力の位置づけも検討されていいのではないかと思うのでございます。  最後に、返還軍用地の跡利用問題でございます。  保革を問わず、基地の整理縮小と返還軍用地の跡地利用は、県政の重要な課題で、振興開発のガンとまで言われていることは御承知のとおりでございます。平良前県政は、この問題を一挙に解決しようと軍用地転用特別措置法案要綱を作成、政府に立法化を要請しましたことは御案内のとおりでございます。県政を引き継ぎました西銘知事は、議会において、沖振法を見直し、二次振計の中でこの問題を位置づけ、必要な特別措置の制度化を求めていくと答弁しております。  沖縄のアメリカ基地が占領によって構築されたいきさつがあるとはいえ、沖縄の振興開発はこれを避けて通るわけにはいかないのでございます。核抜き・本土並みという復帰合意の原点から、基地の整理縮小と返還合意のあった施設について早期返還に努め、返還跡地について地方公共団体等の計画的な利用促進が図られるよう適切な財政措置が講じられるよう、政府の毅然たる姿勢を沖振法に組み込んでいただきたいと思うのでございます。  以上、私見を申し上げながら、御意見を申し上げました。(拍手)

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 ありがとうございました。  次に、伊志嶺参考人にお願いいたします。

伊志嶺善三弁護士

○伊志嶺参考人 初めに、私は、沖振法等の改正は必要であることを強調するとともに、沖縄県民の一人として、改正法が、法の趣旨とする沖縄振興開発につき、沖縄県民の願望と要求に沿って制定されるべく、改正法の中に織り込んでいただきたい二、三の事項について申し上げ、かつ、今後の法の運用あるいは二次振計などの沖縄に対する今後の施策に当たって、特に配慮願いたい幾つかの問題について、意見と要望を申し上げたいと思います。  沖振法等の施行後十年を振り返って最も痛切に感じられることは、沖縄に置かれている広大な軍事基地をこのままにしては、沖縄の振興開発の本格的実施と進展は望むべくもないということであります。  御承知のように、沖縄は、人口において全人口の〇・九%、県主面積において全国土の〇・五九%を占めるにすぎません。この沖縄に全国の米軍基地の五二・七%、専用施設では全国の七四・六%の米軍基地が存在しております。連日の軍事演習など基地機能の面を考慮するならば、恐らく全国の九〇%前後の米軍基地がこの狭い沖縄に置かれていると言っても過言ではないと思います。  昭和五十五年三月三十一日現在、米軍基地面積は二億五千五百八十七万二千平方メートル、自衛隊基地は三百六十七万九千平方メートル、合計二億五千九百五十五万一千平方メートルであり、県土全体の一一・五四%が軍事基地となっております。特に、県内でも人口が最も集中している那覇市でその面積の一六・五三%、中部地域で二七・三七%が軍用地であり、このことが産業構造、都市形成、あるいは交通体系の整備の面でも最大の阻害要因となっております。また本島北部地域でも、陸地面積の二一・三五%が演習場などの軍事基地であり、たび重なる実弾射撃演習による山林火災など、自然環境の保全、特に深刻化している県民の水資源の確保の上でも、きわめて重大な問題になっております。軍事基地の撤去と軍用地の早期返還は、沖縄の振興開発を進める上で避けて通れない県民最大の課題になっております。  この点は、沖縄県が昭和五十五年八月に出した沖縄振興開発計画総点検報告書の中でも次のように指摘されております。「本県における米軍、自衛隊等の施設及び区域、いわゆる軍用地は、大規模かつ高密度に形成され、しかも全県軍用地面積の約三二%が地域開発上重要な本県中南部地域に存在しており、そのことが産業構造や都市形成及び交通体系等に多大な影響を与え、県土の総合的、計画的開発利用に大きなあい路となって」いるとされております。  学校用地を初めとする公共用地や県民の住宅用地などの取得は、県土の重要な部分を占拠している広大な軍事基地のために深刻な困難に直面し、加えて、相次ぐ軍事演習、想像を絶する爆音などによる被害の増大、基地をルートとする麻薬禍の広がり、教育環境の悪化など、基地はまさに諸悪の根源となっております。  この諸悪の根源を解決せずして、沖縄を日米安保条約のかなめとし、軍事的拠点として確保することを最優先するような姿勢に立つ限り、沖縄振興開発の本格的推進はあり得ないということは、沖縄の現状を偏見なしに冷厳に見詰める者にとっては余りにも明白であります。  したがって、沖縄振興開発特別措置法等の改正と今後の沖縄振興開発の推進に当たっては、是が非ともこの基地問題の解決を最優先する立場で臨んでいただくことが、偽らざる全県民の叫びであることを強く訴えるものであります。  しかも、沖縄の米軍基地には紛れもなく核兵器を取り扱う核部隊が駐留し、中性子爆弾も含め核弾頭も使用できるという百五十五ミリりゅう弾砲、八インチりゅう弾砲などの実弾射撃訓練が頻度を増して繰り返されております。沖縄が核攻撃の拠点とされ、あるいは目標とされる危険は大きく、広島、長崎の惨禍を繰り返すまい、あるいは沖縄戦の悲惨を繰り返すまいと願う沖縄県民、日本国民にとってとうてい許すことのできない核戦争の事態が迫りつつあることを指摘しなければなりません。  沖縄県民が祖国復帰の願望にかけたもの、それは核兵器も基地もない平和で豊かな沖縄の実現でありました。しかし、復帰十年を迎えた今日、沖縄の現状はそれとはほど遠いものであることを強調しなければなりません。  しかるに、政府は、沖縄の軍事基地の安定的維持強化を最優先し、沖縄を日米安保条約のかなめとして、アジア、極東だけでなく中東に至るグローバルな攻撃の拠点として確保することに急であっただけではなく、いま、沖縄公用地法の期限切れを迎える五月十五日に向けて、憲法を無視し、沖縄の反戦地主の生活と権利を顧みず、膨大な軍事基地を引き続き確保するために、二十数年間も発動されることのなかった米軍用地収用特措法の発動に踏み切り、反戦地主及び那覇市に対し土地の強制使用の手続を進めております。  この強制使用の対象地域には、日米双方が移設条件つきで返還に合意した那覇港湾施設、牧港住宅地区及び伊江島射爆場などが含まれております。  しかも、政府は、四十人学級の実施や社会、体育、文化、福祉施設の建設など、一層強力な取り組みが求められているにもかかわらず、これらの施策への本格的な予算措置よりも、軍事基地の維持強化を優先し、米軍基地へのいわゆる思いやり予算などに莫大な費用をかけていることは、県民の立場から見て全く理解に苦しむところであり、沖縄の振興開発特別措置法等の趣旨を生かし、今回の改正、延長の効果を全うするためにも、このような矛盾した姿勢は改めていただくべく、強く希望するものであります。  次に、私は、沖縄振興開発特別措置法等の改正について、二、三の具体的な問題について触れたいと思います。  一つは、軍用地の利・転用の問題であります。  沖縄振興開発の最大の阻害要因は軍事基地にあること、沖縄の振興開発が本格的に展開されるためには、軍事基地の解放が必要であることについては前述のとおりであります。しかしながら、軍事基地の撤去、軍用地の返還と跡地の平和的利用は、遅々として進まない実情にあります。基地の返還が実現しない原因の一つは、安保を理由とする沖縄基地の維持強化と、したがって、そのもとでの政府の軍用地返還についての消極姿勢にあります。また、軍用地の跡利用が進展しない要因は、県民の立場を無視した米軍の都合による細切れ返還であること、土地の原状の回復がなされないこと、跡利用事業に多大の資金を要するなどのために、必要な跡利用計画が立てにくいというところにあります。  軍用地の返還面積は、復帰前後を通じて九千八百八十九万八千平方メートルでありますが、復帰後の返還分のうち百七十八万五千平方メートルは、自衛隊基地としてそのまま引き継がれております。これら返還軍用地のうち、公共投資などにより計画的に跡利用がなされているのは一千八十六万四千平方メートルであり、返還面積のわずか一二%にしかすぎません。  このような実情からして、軍用地の返還とその跡地の平和的利用を促進し、沖縄県の振興開発を図るためには、昭和五十三年に沖縄県が提起した「沖縄県における軍用地の転用及び軍用地跡地の利用促進に関する特別措置法案要綱」の趣旨に沿った特別措置が是が非とも必要であると考えます。すなわち、軍用地の返還計画を策定し、軍用地の総合的、計画的な返還を促進すること、軍用地跡利用計画を立て、原則的に国の負担において跡地の有効、平和利用を図ることであります。この措置は、沖縄振興開発特別措置法等において定めることができる事柄であると思いますが、残念ながら、いままでのところ今回の改正案には取り入れられておりません。改正案の中で今後の御検討をお願いするとともに、少なくとも今後別途の立法措置を強く望むものであります。  二つ目に、沖縄県の振興にとって重要な課題である失業問題についてであります。  御承知のように、沖縄県の失業問題は、復帰直前の基地労働者の大量解雇などを背景に、復帰直前から急速に悪化し、昭和五十二年に六・八%の高い失業率を示し、その後は幾分低下したとはいえ、昭和五十五年においてなお失業者数二万三千人、失業率五・一%、全国平均の二倍強というありさまであります。きわめて深刻かつ異常な状況にあると言わなければなりません。  こうした沖縄の実情から、政府も沖縄振興開発特別措置法第三十八条で、就業機会の増大を図るための事業の実施を規定し、三十九条では、公共事業などへの失業者の吸収をうたっております。そして昭和五十一年三月、当時の屋良知事は、第三十八条の規定に基づく就業機会の増大を図るための事業の実施を要望いたしました。しかしながらこの十年間、同三十八条に基づく就業機会増大のための本格的な事業はいまだ実施されておりません。  私は、沖振法等の十年間の延長に際して、沖縄の現状及び同法延長の趣旨と三十八条を盛り込んだ目的にかんがみて、今度こそ本格的な就業機会増大のための事業の実施を強く希望するものであります。沖縄の失業問題が、沖縄戦による極度の破壊と、二十七年間に及び米軍の全面的軍事優先支配が続いたこと、及びその後十年間、広大な軍事基地が存在し続けていることなど、いわば国策の遂行を背景として生じたものであり、この点での国の責任を強く指摘しておきたいと思います。  次に、高率補助を要する問題に移ります。  現在、沖縄の過密校問題はきわめて深刻であり、一千五百人以上の過密校の占める率は、小中学校ともに全国平均の約二倍という状況にあります。そのため、今後十年間の二次振計の期間中に、小学校二十二校、中学校十六校、高校十三校の新設が予定されております。ところが、その学校用地の取得について国庫補助がないために、市町村財政が大きく圧迫されております。予定どおりに新設校を実現し、過密校解消を促進する上で、用地費に高率補助を適用することがきわめて重要であると考えます。  この点は、全国より大きく立ちおくれている児童館などの社会福祉施設、図書館や美術館、伝統芸能劇場などの社会教育、文化施設及び体育館やプール、運動場などの整備についても同様であり、これらの用地費や建設費について思い切った高率補助を適用するよう希望するものであります。  特に、社会体育施設の整備の点では、六十二年沖縄国体を控え一層重要となっておりますが、国体の総予算六百六億四千六百万円のうち、国負担は全体の二九・三%の百七十七億七千三百万円、県負担は一一・六%の七十億六千四百万円、市町村負担は実に五九・一%の三百五十八億八百万円というありさまであります。市町村の財政負担を大幅に減らし、国体を成功させる上でも、国体事業への高率補助が必要であると考えます。  また、市町村の準用河川の改修についても、高率補助を適用することが強く求められております。  最後に、沖縄振興開発金融公庫法の改正とのかかわりで、一言意見を申し上げます。  同法の一部改正により、貸付対象が借地権を取得もしくは譲渡する事業に拡大され、また従来の宅地債券から住宅宅地債券に改められることから、大手企業による土地の占拠、ひいては地価高騰を招くおそれはないかと懸念されている点についてであります。十分検討しておりませんけれども、制度の運用については、この点配慮する必要があろうかと考えております。  終わります。(拍手)

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 ありがとうございました。  以上で、参考人各位の意見開陳は終わりました。  この際、午後一時まで休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ————◇—————     午後一時開議

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  参考人に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。國場幸昌君。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 参考人の各皆様方には、はるばる沖縄から上京されまして貴重なる御意見を賜りまして、まことにありがとうございます。  皆様方の陳述を聞きまして、大まかに分けましてこれは二つに分かれると思うのです。経済開発に対しての主体性とそれから国家制度による問題に触れるわけですが、そこには見解の相違もいろいろあるとは思いつつも、しかし貴重なる御意見に対しまして若干お聞きしたいと思うことは、言うまでもなく、おっしゃるとおり過去十カ年近くにわたる沖縄の振興第一次計画、計画どおりのレベルに達していないということを重々知っております。私は復帰二カ年前に国会に出てきまして思い当たること、皆様方の、与野党を問わずして、失業者に対する対策問題に対しましては、今後の参考にして、お互いに反省することは反省し、改むべきことは改めねばいかないということを自分は感ずるわけでございますが、沖縄の有利な地理的条件を生かし、基地経済から脱皮して沖縄の雇用を拡大すると同時に、本土並みより以上なる、名実ともに豊かなる県づくり、こういうようなキャッチフレーズのもとで、それに対応すべく、私ども復帰二カ年前に国会に出てまいりました。そこに沖特と協特というのが二つに分かれまして、国会においては一番多数なる五十名ずつをもっての構成でありまして、私は、沖縄県出身議員の中で与野党ともからただ一人残りまして、復帰したら国内法の整備が第一であるというようなことで、いま皆様方がおっしゃるような沖縄の立ち遅れたところの格差、断絶の中での二十七カ年の立ち遅れ、かようなものを解決する意味においての諸法の整備にタッチしたわけであります。  そこで、言うまでもなく、第二次産業勃興することなくしてでは沖縄の基地経済から脱皮することはできない、これが基本方針のもとで、沖縄の振興開発計画は、目玉といたしまして、わが本土にたがわぬところの臨海工業を張りつける、これが東海岸に恵まれた条件をというようなことで、中城湾、金武湾をもってこれを総合重要港湾として、その後背地利用といたしましては、あらゆる臨海工業の誘致、こういうことでございました。御承知のとおり、アルミを初めとする造船、あるいはあらゆる組み立て工場とか、あるいは石油コンビナートとか、いろいろありました。ところが、そこに、私が申し上げたいことは、企業は悪なり、企業は公害なり、企業は搾取なりというようなことで、山も青く海も清く、聞きますとなかなか理想な言葉ではありますが、ところが現実は厳しいものがございまして、かようなる線に沿いましてやったでありましょうが、企業というのは御承知のとおり、法はあるといえども、いまさっきの指摘からして、三十八条というようなことも指摘されましたが、その法律をもって満足とはいえないということも重々知っております。ところが、今日に至ってまで、就労の場としての目ぼしい企業は一つも誘致されておりません。  そこで、私は皆様方にお願いしたいことは、いわゆる基地問題を解決すれば沖縄の問題が解決するというわけじゃございません。百万県民が生活をする意味においては、やはりそれに対応するところの現実を無視したところのことじゃできないのでありますので、理想は理想として、現実を踏まえつつ、沖縄問題に対しては今後に至っても取り組むようにいたし、そして名実ともに理想とするところの県づくりのために近寄ることに対しまして、私は御協力あらんことを切望するわけであります。  まあ演説ではありませんので、十分間しかありませんから。そこで、いろいろ考えますとむずかしい問題であるが、まず産業、経済の振興そのものについて、これは宮城豊経営者協会専務理事にお願いしたいのですが、あなたが指摘されました自由貿易、あるいはまた大那覇空港、それから金融公庫、こういうようなことも指摘されたのでありますが、その自由貿易振興に対しまして、御承知のとおりこれはいままで法律もあって、また今度更新するわけなんですが、そこに対しまして、現在までの自由貿易振興に対しての単純なる延長というようなことで、とりあえず全部そのままで延ばしてというようなことで伸ばしていけるという内容に大体なるかどうか。しかし、二次振計でもってその内容がどうなっておるのか、まだ大綱もわれわれは知っておりませんが、一応この点は、県におけるところの振興審議会というのがあるはずなんです、県の諮問するところのですね。そこにおいての、地元においてはいかような調整をされておるか。それから、いまさっき申し上げました金融公庫に対しての、融資の制度に対しての内容問題、あるいはまた、沖縄の景気浮揚をするために、数量としてでも政府として一番関心を持ち、それで住宅難の解消ということで住宅問題の、毎年毎年の割り当てのいわゆる予算がございますね。公営住宅に至っては沖縄が全国的に一番悪いのですね。これは那辺に問題があるのかどうか。よく言われておるところの、ただ住宅団地をつくったにしてでも、あるいは公営住宅の団地をつくったにしてでも、そこにおけるところの附帯設備、各市町村でありますと、そこにはやはり幼稚園だとか、保育園だとか、あるいはまた、道も電気も水もいろいろあるでありましょう。そういう問題に対してはどうなっているかというようなことに対しても、これは沖縄のみならずして本土でも問題の提起されることでありまして、かようなる問題に対しまして、時間が十分ですから、どうも時間がなくて、あと二分ですからひとつ簡単にどうぞ……。

宮城豊沖縄県経営者協会専務理事

○宮城参考人 自由貿易地域はどうあるべきかという、その辺のことは県の審議会あたりでどのように調整されているかという御質問でございますけれども、現行の制度の中で、自由貿易地域の魅力といたしましてはどうも不十分であるということがございます。  これまで長い間制度としてございますけれども、これは具体化していない原因もそこにあるわけでございますが、その中で、特に将来できるだけ早い時期に改定してもらいたいというのが、先ほど申し上げましたように租税面における所得税とか法人税とかを、少なくとも、そこに企業が立地しましてからそれがある程度定着して軌道に乗るまでの間でもいいから、税制上の特別措置が必要ではないか。そうでないと、なかなかメリットというのが、企業がこのように一応投資熱が冷え込んだ現在では、そういうふうな企業を呼び込むというか、そういうふうな誘因としては不十分である、こういうふうなことでいろいろと議論をしておりますけれども、たまたま行財政改革というふうな厳しい環境の中で、これは検討中のところでございます。  それから、住宅建設が沖縄の場合は不振である、それはなぜであるか、こういうふうな御質問でございますけれども、私の理解するところ、二点ほどございます。  その一つは、沖縄における住宅建設は、大体いまいわゆる三十坪単位の住宅建設が普通でございます。坪当たり大体七十万円ぐらいかかりますので、合わせますと二千万を超えるわけでございます。ところが、これに対しまして開発金融公庫の住宅資金の融資枠は八百万円程度でございます。従来はその差額を銀行融資でもって充当しておりましたけれども、その銀行融資も融資の枠が締められたことによって、そのような資金調達の手づるを失ったということ等が一つにはございます。  もう一つは、地価が非常に高くなってきている、それで望ましい土地が容易には手に入らない、こういう事情があるようでございます。  公庫の出資機能につきましては、先ほど申しましたように、沖縄の場合こそ、この公庫の出資機能をもっとフルに発揮させまして、企業立地の促進に役立てていただきたいのでございますけれども、どうもそれが公共性の強い第三セクター方式の企業、第三セクターと申しますと、県とか市町村が資本参加したところの企業、そういうふうな企業でなければ対象にしない、こういうことがございまして、非常に限られております。したがいまして、毎年出資金の予算としましては一億ないし三億というふうに計上しておりますけれども、その消化はなかなか容易でないというふうなことがございます。そういうことで、できるだけ早い将来において、そのような出資機能というものを弾力的に運用していただいて、より有効にわが県の企業立地促進に役立てていただきたい、こういうことをわれわれは要望しているわけでございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 時間がありませんので、終わります。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 小渡三郎君。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 宮城豊参考人にお伺いをいたします。  まず第一点です。那覇空港の沖合い展開について先ほど御意見を拝聴しました。確かにすぐれた御意見と拝聴をいたしております。そこで、那覇空港建設につきまして、自衛隊の基地、すなわち現在那覇空港が運輸省、防衛庁の所管で共管でございます。したがって、大那覇空港を建設した場合、自衛隊の基地についてどう対応するのか、それについてお答えをいただきたい。  それから、次に二番目の点でございますが、まず御意見の中で、公共事業の発注等について、県内企業が発注の機会をこの十年間大変逸して、あくまで下請の段階で甘んじてきているというような御意見がございました。第二次振計に向けて、それでは沖縄の県内企業、公共工事発注の機会を多くしなければならないのですが、どこに問題点がいままであったのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。  三番目の点でございますが、いまも御説明ございました振興開発公庫の出資でございますけれども、従来公共性の高い分野、すなわち第三セクター的な機能、そういうところに出資が行われていった。それは沖縄振興開発計画との関連で波及効果が非常に薄いというような感じを持つわけですけれども、それではその辺をもう少し具体的に、民間の企業へということになりますと、その波及効果は一体どうなんだということをまたひとつお聞かせいただきたい。  次に、やはり産業の振興ということになりますと、どうしても沖縄の陸上交通機関という問題は非常に大事だと思います。それに伴って道路ということがやはり根幹をなすと思うんですね。それで、陸上機関を含めて沖縄の道路は、国道、県道、市町村道はもう本土並みになったと言っておるのでございますけれども、その辺どうお考えなのか、お聞かせをいただきたい。  最後に、やはり復帰して十年たちまして、沖縄の地元経済界ではいろいろな苦悩を抱えていると思うんですよ。総括して、その苦悩についてひとつ明確に御意見を述べていただきたい。  以上です。

宮城豊沖縄県経営者協会専務理事

○宮城参考人 申し上げます。  第一点の、那覇空港の滑走路を沖合い展開することによって、大那覇空港を建設する。その際に、自衛隊との共用ということが支障ないのか、こういうふうな御質問でございますけれども、私ども、当面滑走路を二本にするわけでございますから、その限りでは別にそんなに支障はない、かように思っているわけでございます。その意味では、施設を効率的に使うという意味でもかえって好ましいことであるというふうにも考えられます。ただ、しかしながら、成田、大阪のようなああいう大型の国際空港になりますと、これは国内の場合もそうでございますけれども、海外の場合でも、そういう玄関口にある国際空港の場合、軍事利用と共用している事例がないということがございます。したがいまして、この大那覇空港の沖合い展開としまして、名実ともに日本の国際空港として位置づけ、発展を期するためには、この自衛隊との共用の問題は慎重に検討されなければならないことではないか、かように思っております。  それから、公共事業の県内企業への発注率が低いという問題、その原因は何か、こういう御指摘でございますけれども、建設業がその事業を受注するということは、やはり基本的には地元の企業の営業努力ということが第一でございます。その点で、確かに地元企業のそういう営業活動がおくれていることは事実でございます。しかしながら、地元の企業がそのようにしまして一生懸命営業努力をして何とか公共事業を受注しよう、こういうふうに努力いたしましても、先ほど来私が申し上げております公共事業というのは国の公共事業でございます。県の公共事業は九五%県内企業に発注されておりまして、これは問題ございません。申し上げているのはすべて国の公共事業についてでございますけれども、地元の企業がそのような受注努力をしておりますけれども、もうそのような努力をする以前からすでに本土企業に発注されている、もはや手が届かない、こういうふうな事例が非常に多うございます。そういうことで、もっとそのような地元の企業を育成して、技術的にまずいならまずいで、もっとその辺の育成をするという御配慮がいただきたい。それを、全く企業は競争で、生き残るものは生き残る、さもなければ脱落する、こういうふうないわゆる厳しい原理で押し切らないで、もっと地元企業を育成してほしい。しかも、地元企業育成によって、そのような公共事業の県内への波及効果というのは非常に高くなるわけでありますから、それによって県内景気というものが維持されていく、こういうふうな非常に大きな影響がございますので、そのような配慮をしていただきたい。そうすることによって、だんだん地元企業に力がついていくことによってそのような県内企業への発注率が高まっていく、こういうふうなことでございます。  次に、出資機能の運用についてでございます。問題は先ほど御指摘申し上げたとおりでございますけれども、もっとどのように具体的にそれの範囲を、出資対象を広げるべきかということでございます。私見として申し上げますならば、たとえば自動車産業、これは最もすそ野が広い。自動車企業が一社立地しますというと何千というふうな下請関連企業が周囲に張りつくわけでございます。そういう非常に大きな波及効果がございます。そういった戦略的な産業と申しまするか、そういうふうな企業に対しましては当然出資対象といたしましてそれを育てていく。そうすることによってこれが何千という企業立地につながっていく、こういうふうな効果があるわけでございます。そういう企業に対しては当然対象を広げるべきではないか、かように思うのでございます。  それから陸上交通の問題あるいは道路はどうなっているかということでございますけれども、御案内のように、沖縄は鉄道とかというふうな鉄軌道がございません。そういう大量輸送機関がございません。したがいまして、陸上交通はもっぱら自動車に依存しているわけでございます。そのようなこともございまして、今日まで国の方とされましても道路の整備には大変なお力を入れていただいているのでございますけれども、道路が伸びてもそれ以上に自動車の交通量が伸びるというふうなイタチごっこで、依然として道路は狭いと申しまするか、特に幹線道路の場合にはふくそういたしているわけでございます。したがいまして、具体的には、私どもは、那覇空港から少なくとも中部あたりまで、国道五十八号線のバイパス的な役割りを果たしますところの湾岸道路をぜひ建設してほしいという要望を前から申し上げておるのでございますけれども、いまのところは那覇空港から安謝までぐらいしか計画されておりません。これもぜひ将来の問題としてお考えいただきたい。  もう一つは、沖縄の太平洋側と東シナ海側に南北に大きな国の幹線が整備されておる。これは非常にりっぱでございますけれども、いわゆる肋骨道路と申しまするか、東と西の幹線を結ぶ東西線が非常に少のうございます。今後はそういった肋骨線をぜひ整備していただきたいというのが当面の道路問題の課題でなかろうか、かように思うのでございます。  最後に、地元経済界の復帰以来の苦悩は何かという御質問でございますけれども、そのような経済人の悩みと申しまするものを率直に申し上げまするならば、復帰ということは、経済界にとりましては本土企業との対等な競争関係に入ることを意味するわけでございます。したがいまして、本来ならば、復帰するまでに企業はそれ相当の力をつけて、これで競争関係に入っても大丈夫というふうにして復帰すべきであったのでございますけれども、復帰は経済の問題とは違いましてまさに至上命令、経済人が好むと好まざるとにかかわらず復帰した。その結果は、復帰するや否や案の定県内の産業はますますシェアダウンしました。ただですら県内百万市場は狭いのに、そこへ持ってきて本土製品が入り込んでまいりましてかなりシェアが落ちる、中には倒産した企業もずいぶん出てまいりました。そういうことで、復帰以来県内企業といたしましてはそのような体質強化の努力もしてまいりましたし、確かに復帰時点よりも今日は強くなっていることは間違いないのでございますけれども、依然として企業格差というのは非常に大きいものがございます。  そういうふうなことで、これまでの企業の経営者は、自分の企業経営を守るだけで精いっぱいというのが実情ではなかったかと思うのであります。ましてや、いまの事業のほかに新しい分野に進出するとか、あるいは新製品を開発して経営の多角化を図るとか、そういうふうなゆとりはなかった。これまでまさに守りの経営に終始してきたのがわが県の企業経営者、経済人の実態ではないか。何とかもっと新しい分野に進出もしたいけれども、何しろ企業体質が非常に弱くて自己資本が一〇%足らず、こういうふうな実情でございます。全国平均の場合自己資本率は大体一八%でございます。そうでありますからして、自己資本が少ない分だけいわゆる借金依存度が高い。したがいまして、企業にとりましては金融費用が非常に高くつく。こういう問題がありまして首が回らない、新しい分野に進出することはとてもできないという状況が非常に多うございます。何とかしたいことはやまやまであるが、その実ない袖は振れないで、結局今日のように企業の成長発展がなかなか思うようにいかない、停滞している。そういうことでまた県内の雇用問題がなかなか解決しない。失業率は依然として五%、六%が続いている。県内企業で毎年新卒を採用しているのは五社、六社くらいに限られておる。あとの企業は毎年新卒を採用していません。それほど県内企業の雇用力というものは弱まっているというふうな状況があるのでございます。そういうことも一つの大きな悩みでございます。  しかしながら、これから先、先ほどお願い申し上げましたような国の大型プロジェクトの導入によりまして、いろいろな新しい分野を開拓する、そしてそこに進出する機会も与えられます。その他種々の特別措置のバックアップのもとに、企業の成長を図るというふうなことが可能になってきます。今後第二次振計におきまして、これまでのそういったような停滞から飛躍的な成長の方向に取り組もうではないか、こういうふうな経営者の機運が盛り上がっております。今後その方向で私どもも大いに努力してまいりたい、かように存ずる次第でございます。  以上でございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 ありがとうございました。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原委員 六名の参考人各位には、貴重な御意見を開陳していただきまして心から敬意を表したいと思います。時間があれば各参考人にそれぞれお尋ねしたいのでございますが、国会には一定のルールがございましてそうもいきませんので、御理解をいただきたいと存じます。そこで、各参考人が御意見を述べられたことで、共通して指摘をされ強調なさった点がございます。そのことについて、山内参考人と内山参考人に重ねて御意見を明らかにしていただきたいわけです。  まずその第一点は、簡単に言うと、二次振計は一次振計の延長線であってはならない、もっと簡単に言うと、一次振計と同じパターンでは沖縄の産業構造の体質改善はできない。したがって、県民生活の安定向上を図り、特に各氏が御指摘をなさいました雇用の場を創出し失業対策を具体的に進めて解決していくわけにはいかないのじゃないか、これはどなたも否定しなかった点だと思います。私たちも全く共通した認識を持ちながら今日まで努力をしてまいりましたが、なかなかうまく進展していない点を残念に思います。  そこで、すでに沖縄の雇用失業問題について、総評あるいは県労協が中心になって研究報告なども出しておりますが、その中で、具体的に雇用創出を図るにはやはり沖縄の産業構造の体質改善を図ると同時に、雇用創出の場を確保しなければいけない。その意味で、雇用基金制度というものを具体化していくべきだということが県内でも強調されてまいりましたし、いろいろお述べになりましたが、雇用基金制度が具体化した場合にどういう雇用創出が可能なのか、その点をもう少し明らかにしていただきたいと思います。それと、山内さんには、村でもいろいろと雇用創出の場を図る意味で無利子の融資もなさろうという御計画も持っている。実際に具体的な効果が上がるという例について簡単にお述べいただければ幸いかと存じます。  二点目は基地問題であります。諸悪の根源は軍事基地の存在にあると私たちも見ております。これにはなかなかコンセンサスを得にくい面もありますが、少なくとも振興開発を進める上で沖縄の基地問題を抜きにして解決できるものではありません。そういう意味でも、当面軍用地の跡地利用問題、これは政府の責任において財政的にも制度的にも措置しなければいけないと思うのです。これをわれわれもこの二次振計には取り入れるべきだという立場で考えておるわけですが、この点について実際に行政を進める上でどういう支障があるのか、あるいはまた、返還された軍用地の跡地利用をするときの採択基準の緩和の問題等含めて、御意見を賜りたいと思います。

内山達四郎日本労働組合総評議会副事務局長

○内山参考人 お答えいたします。  先ほど特定の開発事業団を創設することによって新しい雇用創出を図る必要があるというふうに申し上げましたけれども、これはいろいろな角度から検討される問題だと思うのです。しかし、私どもは、労働組合がこういうことを言うのはおかしいかもしれませんけれども、やはり沖縄の安定的な雇用の確保と拡大を図るためには、第一次産業と第二次産業の物的生産部門の強化、これをどうしても中心に置かなければならないのじゃないか。その点第一次振計では、残念ながらそういった産業基盤の整備、充実、強化が欠けていたのではないだろうか。そこに重点を置いた場合には、沖縄の置かれている地理的な特殊条件、そこにやはり本土にはない潜在的な可能性が多分にあると思うのですね。  たとえば、私どもの提言の中では、本土とは違って、無尽の太陽エネルギーを生かした野菜とか花卉とか果実の栽培促進、あるいは養殖漁業の振興とか、すでに定着をしていますところの観光関連の第一次及び第二次産業の振興であるとか、あるいは一次産品の原料加工型の製造業であるとか、幾つかの提言を私どもはしております。何よりも重要なことは、第三次産業はもちろん重要なんですけれども、安定的な雇用の確保と拡大という点からいくと、第一次、第二次産業の新しいあり方、新しい基盤整備というものをどうしても考える必要がある。  それに関連をしまして、先ほど申し上げませんでしたけれども、そのためには資金が必要だと思うのです。これは若干素人考えになるかもしれませんけれども、第一次振計に基づいて膨大な政府資金が投入されたわけです。しかし、残念ながら、繰り返し申し上げますけれども、それが安定的な雇用の創出には必ずしも結びつかなかった。そういう観点から考えますと、私どもが提案をしております事業団の資金は、やはり国の資金を中心に据えなければいけないのじゃないか。  たとえば、そのためにも幾つか提案をいたしておるのですけれども、沖縄の特殊事情から当面交付税に沖縄補正を新設することはできないのかどうか。ぜひ新設をしていただきたい。二番目は、特措法による補助率等のかさ上げ部分は自主財源とみなして包括補助金にする。したがって、各省庁にかかわるかさ上げ部分についても、国の特別会計を新設して一括計上する。これは当然所管は総理府か開発庁になると思うのですけれども、いずれにしてもそういう特別会計を新設して一括計上する。三番目は、起債枠を拡大して沖縄特定経済社会開発特例債を起こすことができるようにしていただけないものだろうか。資金枠は当然政府資金を充てて、現在東京都なんかで進めています公募資金も動員できるようにする。さらに、特例債の元利償還金の一定割合は沖縄補正に繰り入れていく。また市町村も出資できるようにする。さらに、開発金融公庫の原資を増額して融資の活用を図っていく。そういう資金的な裏づけをもって先ほど申し上げましたような開発事業団的なものを新設するならば、新しい沖縄の産業構造の強化なり発展が可能になるのではないだろうかというふうに考えております。

山内徳信沖縄県読谷村長

○山内参考人 私は、二点についてお答えを申し上げたいと思います。  一つは、県民の生活の安定を図るために雇用の創出を図るべきである。それの具体的な提案をもってお答えにかえていきたいと思います。  雇用基金の制度が実現いたしまして、各市町村、自治体にもそういう基金を具体的に回していただきますならば、雇用の場、仕事はいっぱいございます。  具体的に申し上げますと、本村の海岸線はアメリカ軍の上陸地点でございます。したがいまして、戦前の状態まで植樹をしていくのに、百二十万本の木を植えなければいけません。一年間に二万本植えますと六十年分あります。ところが、そういうふうに六十年待てる状況ではございませんので、こういうふうな海岸の緑化その他たくさんの事業がございますが、自治体が努力をすれば雇用の場は創出できます。ただ基金がないのが残念でございます。それがあれば、基金に基づくその利息をもとにして、雇用の場の創出はできると考えております。  あと一点、具体的な事例でございますが、最近本村におきましては青年諸君たちが、二十五歳前後の青年たちでございますが、三年前に三十五名で農業後継者青年の組織をつくりました。この青年たちが一昨年から昨年、ことしにかけまして一千万前後の花卉、果木等の植栽によって生産を上げております。この青年たちに夢と希望を持たす、沖縄の自然条件を生かすということは皆さんよくおっしゃっておりますが、具体的に自治体や県、政府の責任において、この青年たちを育成強化をしていく必要があると考えまして、ことしから新年度に向けるわけでございますが、農業後継者育成資金の制度を村自体で制度化していく、そして現在東京、関西に向けて菊をたくさん出荷している真っ最中でございます。ところが一月半ぐらい後にしか売り上げ金は手に入ってまいりません。青年たちのそういう生活資金だとか、あるいは運転資金のために、村自体で資金を創設していきたい。そしてこの青年たちのもとで、出荷時になりますと一人で七、八名のおばさんたち、あるいは定時制の諸君たちを使いまして出荷にがんばっております。こういうふうにして、一次産業を中心として、しかも付加価値の高いものをどんどんつくり上げていきます。  現在本村には、沖縄県下で初めて芋の団地をつくりました。サツマイモの産地は九州よりも沖縄が先でございまして、いまごろ鹿児島、宮崎あたりから沖縄県に芋が入ってくるということはとても理解できません。したがいまして、沖縄開発庁にお願いいたしまして芋の団地をつくりたい、そして結果は、三年前につくりましたが、ヨミタンベニイモという名称でもっていまどんどん出しておりまして、芋団地の皆さんはいま大変喜んでいらっしゃいます。私たちの努力によっては雇用の場、働く場はいっぱいできるような感じがいたします。したがいまして、ここにおいても自立の精神が地域経済に密着をしていく、こういうことが一番重要だろうと思います。  二番目の跡地利用についてでございますが、まず私は、土地改良事業、区画整理事業についての採択基準の緩和をぜひ御検討いただきたいと思います。その理由は、沖縄の基地は一括返還でございませんので細切れ返還がかなりございます。したがいまして現在の制度の基準に満たないものがございますので、どうしても採択基準の緩和を御検討いただきたいと思うわけでございます。  さらに、先ほどから共通して指摘されたことは、かなりの面積が基地に接収されておるために、都市開発、産業開発の隘路になっておる、阻害要因になっておるという御指摘がございましたが、そういう状況の中で都市計画あるいは農村計画を推し進めていくに当たって、どうしても地価の高騰のもとで、財政力の弱い沖縄県の市町村は、沖縄県を含めて他府県の財政指数と比較いたしますと約半分の力しかございません、そういう状況の中で跡地利用を進めていくに当たっての、用地取得の財政措置等も御検討賜りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  以上です。

上原康助日本社会党

○上原委員 持ち時間が島田先生含めて五十九分までですのでもうありませんが、大変参考になりました。そこで、あと一点お尋ねしたかったのですが、指摘だけしておきたいと思います。  たとえば文化施設に対する高率補助の見直しが必要だ、また比屋根さんのおっしゃった観光産業を充実化していく、私もこの間の沖特でも取り上げたのですが、海浜リゾートの増設その他についても、本土並みに達したものについても、県民のコンセンサスを得ながら見直していくというのであれば、それからまだ格差が大きいもの、これからやらなければいかないものについても、やはり見直して、追加をすべきだという主張を私たちはやっておるわけです。この点も皆さん共通いたしております。そういう面も貴重な御意見であったということに敬意を表し、参考にさせていただきたいと思います。  そこで、委員長に一言要望しておきたいのですが、時間があれば本当に皆さんともっと突っ込んだ意見交換、質疑応答をやりたいわけですが、なかなかそうもまいりません。そこで、きょう六名の方々からお述べになった御意見等については、それぞれりっぱな御見識のある御意見だと思いますので、このことが本委員会で十分生かされるように特段の御努力をいただくことも含めて、要望しておきたいと思います。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 御意見、よく承りました。  島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 参考人の皆さんには、大変貴重な御意見をありがとうございました。  そこで二、三点お尋ねをしたいと思うのですが、宮城参考人が開発公庫の弾力的運用ということをおっしゃいました。これは具体的に言いますと、もっと貸し付け対象者をふやせという意味か、それとも条件を緩和しろという意味なのか、この辺のところを具体的に少しお聞かせいただきたい。同時に、これはまた都市銀行、地方銀行の立場にいらっしゃる比屋根参考人の方にももろに響いていきかねない問題も含んでいるのではないかと思いますので、あわせて銀行の立場から、比屋根参考人の御意見がございますればお述べいただきたいと思います。

宮城豊沖縄県経営者協会専務理事

○宮城参考人 私から要望申し上げました弾力的運用と申しますのは、沖縄振興開発金融公庫の出資機能と申しますのは、他府県よりも非常におくれております沖縄の企業立地を促進するために国にかわって公庫が国の資金を出資する、そういう制度でございます。そうすることによって企業立地に伴うリスクを分担する、こういうふうなシステムでございます。その出資制度の対象が今日までのところもっぱら公共性の強い、たとえばターミナルだとか、せいぜいそういったようなところ、しかも市町村も加わった第三セクター方式の企業しか対象になっていない。これではせっかくのそういった制度が十分生かされていないので、ましてや沖縄の場合、これからこの企業立地に大いに集中して取り組まなければならない、そういうことでございますので、この際に出資制度を弾力的に運用して、もっと対象を広げていただきたい、こういうことを申し上げたわけでございます。

比屋根俊男琉球銀行取締役調査部長

○比屋根参考人 特に意見はございませんけれども、ただ、いまの公庫の出資の問題と関連しましては、出資比率が一応公庫の内規で決められているようですが、その範囲を下回る、つまり指導基準がまたありまして、そういう意味では、沖縄みたいに資本力の弱い企業を多く抱えているところ、あるいは第三セクター方式でやるにいたしましても、その参加する市町村、県それから企業、それぞれ財政上の溢路がございます。そういう意味ではやはり目いっぱいに出資を拡大する必要があろう、そういうことを一応希望したいわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 それから、これも宮城参考人、伊志嶺参考人もおっしゃっていたようでありますが、地価対策にお触れになりました。私は、沖縄の平均地価がどれくらいの水準にあるかまだ調べていないので、私の考え方を述べるということはできませんが、確かにおっしゃるように、地価というのはほうっておきますとどんどん上がっていってしまいまして、沖縄もまたその例外でないということになる、こういう御心配を十分お持ちだと思うのですが、お述べになりました御趣旨は、そういう地価対策の一環として相当高率の補助を加えるべきだというふうに私は聞いたのでありますが、これは間違っておったら御訂正を願いながら御意見を賜りたいのでありますが、従来の地価対策というのは上がった分を補助する、そうするとおさまるかというと、そうじゃなくて、それにまた上乗せされてどんどん上がっていくという、むしろ相乗作用が出て、結果としては余り好ましくない、こういう考えを私自身は持っております。したがって、地価対策でもしも効果的な方法ということで具体的にお考えが宮城さんのところにおありでしたら、お答え願いたい。私はもっと抜本的にやらなければだめじゃないかなという感じを持っているのであります。伊志嶺さんはそういう意味でおっしゃったのではなくて、学校の問題にお触れになって、学校の問題の中で地価問題というのをお触れになったのでありますが、それはいろいろと学校の改築の問題、現地の悩みを私も従来聞いておりますので、その中の一つとして地価対策という点にお触れになったと思うのでありますが、これもまた、いま申し上げましたようにかなり抜本的に地価対策というのはやりませんと、わが国の地価政策というのはないに等しいではないかと私どもは厳しい指摘をしてまいったので、そういう点からいいますと、沖縄に地価がどんどん上がるような状態があるのに手を打たないというわけにはいかないだろう、こう考えておりまして、何か名案がございますればお知恵を拝借したいものだと思って、ちょっとお尋ねをいたします。

宮城豊沖縄県経営者協会専務理事

○宮城参考人 私が地価につきまして言及しましたのは、地価が高いために住宅建設事業が落ち込んでいる、こういうことで申し上げたわけでございます。  しかしながら、せっかくの御質問でございますので、私の知っている限り申し上げますと、沖縄における地価が上昇している、特に都市近郊において物すごい勢いで上昇してきているわけでございますけれども、その第一の原因は、沖縄における都市開発といいますか、たとえば区画整理事業というものが非常におくれまして、非常にいいところでございますけれども、相当虫食い状態が起こって利用できない、土地の利用が非常におくれているということが第一に挙げられると思います。それから、沖縄の近海はやはり遠浅でございますので、土地の埋め立て造成ということをやればもっと地価を下げさせ得る、そういう効果があるのではないかということもいろいろと議論されています。これだけは私も知っておりますので、お答え申し上げておきます。

伊志嶺善三弁護士

○伊志嶺参考人 伊志嶺でございます。  抜本的な地価対策ということについて私自身まだ十分意見を持っておりませんけれども、先ほど申し上げました意見というのは、今後十年間にたくさんの学校の新設が予定されているけれども、沖縄の現状は、先ほどから指摘をされておりますように、広大な土地を基地に取られておるということと、残された土地について地価高騰の問題が、やはりこれは全国的な傾向かと思うのですけれども、特に那覇近辺、浦添ではかなりの速度で地価が上がっている。そうしますと、人口が密集していて学校を新設しなければならない地域で、その用地の取得がなかなかできにくい、しかも先ほど申し上げましたように国の補助がないために、なかなか学校の新設といいますか、過密校を解消するために学校をふやしていくということができにくい、そういう趣旨で先ほど申し上げましたことを回答しておきたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 山内参考人にお尋ねいたしますが、大変基地犯罪について御心配をされていらっしゃるようであります。基地犯罪の種類といいますか、どんな犯罪が沖縄では起こっているのか、対策としては村長さんの立場ではどのようにお考えになっていらっしゃるのか、そこをちょっとお聞かせください。

山内徳信沖縄県読谷村長

○山内参考人 沖縄における基地被害について、特徴的なことを申し上げたいと思います。  最近、沖縄県内におきましては四十八時間中二十時間しか給水をしておりません。長期にわたる給水制限の状況の中で、アメリカ軍の実弾射撃演習によって次々と山林原野が燃えていく。このことは、現在から将来にかけて見ましたときに、この水の問題、人間の生活の問題含めて、国が真剣にアメリカ軍に対してこの問題を取り上げて対策を講じていかなければいかぬだろうと思います。  二番目に、本村を中心といたしまして、読谷村にあります嘉手納弾薬庫地域から、アメリカ軍のヘリコプターに十名の兵士がロープにぶら下がりまして本村の住民地域を通り、さらに嘉手納の住民地域から学校の上を、あたかもサーカスみたいに宙づりになって何回となくやっている。こういう状況が果たして許せるかどうか。したがいまして、私は、先ほどは目に余る横着な演習というふうに表現を申し上げたわけであります。  さらに、昨年からことしに入りまして、木村の中心部にございますかつての日本軍のつくった読谷飛行場の中で落下傘の降下演習をするはずのものが、古堅小学校のちょうど新学期の最初の朝会のときの児童生徒の頭の上を横切って学校近くに落下する。そしてまた、最近は幼稚園生が芋掘りの実習に行っての帰り、集団で学校に帰るところの近くに落下傘が落ちてくる。さらに読谷高校、喜名小学校にこの三年以内に落下傘が落ちております。そしてまた、伊江島におきましては、実弾射撃演習の最中に照明弾が二個住民地域に落ちてくる。まさに、こういうふうな基地の被害、基地の犯罪でございます。  したがいまして、これに対する抜本的な対策はという御質問でございますが、まず一つには、日本政府が基地行政について毅然とした態度を持って、独立国家としてアメリカ軍に対処をしていただきたい。安保体制、地位協定よりも、国民の生命財産あるいは生活権、環境権が優先をされなければいかぬだろうと思います。そして三十七年にわたって、あの殺人的な爆音の中で嘉手納飛行場周辺の住民は生活をしてまいりました。そうして二、三日前に、初めて沖縄県内で爆音公害に対する提訴の問題が裁判所に提起をされております。  そういうことで私たちは、安保体制、地位協定というふうな状況の中で、アメリカ軍に現地におる日本政府の出先の職員が消極的な態度であるということ、あるいは日本政府がアメリカ軍に対する、アメリカに対する毅然とした態度をとらないところから、このような沖縄における基地被害、あるいは演習被害の状況が毎日というように起ってくるのだろうと思います。  そういうふうなことで、お答えにさせていただきたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 どうもありがとうございました。終わります。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 各参考人の方々には、大変貴重な御意見を賜りまして心から感謝を申し上げます。また、遠く沖縄から本委員会に出席されましたことについて、本当に御礼を申し上げる次第であります。  そこで、大変時間に制約がございまして、各参考人の方々には本当にまだ多々おありかと思うわけでございますが、私もその中でちょっとお伺いしておきたいのです。  まず最初に、比屋根参考人にお伺いしたいわけでありますが、参考人御自身、第一次振計の中で県の行政に一時タッチをしておられた、そういう経験の中から、大変貴重な御意見として拝聴いたしたわけでございます。その中で、一つは人口の問題、二番目に高率補助のある時期に来ての見直しの問題、それから三番目に、これまで委員の方々からも御質疑がございました地価の問題ですね。  参考人もお述べになっておられたわけでございますが、一つは人口の問題について、確かに沖縄が復帰するときに九十六万であった。そして十年後の目標設定、計画が百四万ですか、それが現実は百十万六千と約六万六千の大幅な狂いが生じた。したがって、これから向かう二次振計の中で県の方は百二十万八千ぐらいと押さえているけれども、果たしてそれでいいのかどうか。これは失業問題とも大きな関連が出てくると思うわけです。しかも参考人の御意見の中の、零歳から十四歳の年齢層は減るであろう、そして十五歳以上、いわゆる働く年齢層がふえるだろうということになりますと、これはまさに、二次振計の中における失業問題というのは非常に深刻な問題だととらえなくてはならない、こう思うわけでございます。  そこで、いかにして雇用の場を創出するか、いろいろな考え方がございますが、その中で、参考人がおっしゃっておられた県外への流出も限界があるだろう。それは大いに奨励しますけれども、八〇年代、九〇年代にふさわしいIC、いわゆる半導体等関係企業の問題等は、他県で労働集約型として成功している例等もあるのかどうか。あるいはローカルエネルギーの問題とか。その辺をもうちょっと御説明いただけたらと思います。     〔委員長退席、小渡委員長代理着席〕  それから、高率補助の見直しをおっしゃっておられたわけですが、確かにいまのままの高率補助というのを延長していくということには問題があろうと思います。対象外のものをこの中にどう入れるか。あるいは、目的を達したものについては下げる場合も当然考えられると思うわけですね。その辺をどのように考えていらっしゃるのか。新しいものあるいはおくれているものを高率補助の対象の中に入れる、そういうものは具体的にどういうものが考えられるか。  それから、三番目に地価の問題でございますが、確かに参考人御自身もおっしゃっておられましたとおり基地が非常に大きい。それに伴う軍用地料がぐっと上がってきた。それに伴って民間の土地も上昇してきた。これを、県民の努力だけで地価対策をやれと言っても無理がある。最近県の方も条例で、大変微々たるものですが、そういう条例を設定しているわけです。先ほども島田委員の御質疑もございましたけれども、地価対策についての抜本的な考え方、あるいはそれに関連して、いろいろな制度的な手当てをする場合にどういうことが考えられるか、その辺をお伺いしたいと思います。  それから、これは比屋根参考人は触れておられなかったのですが、米軍用地の返還跡地利用の問題ですが、これは二次振計の中にのっかっておらないわけですね。これは返還の仕方にも問題があると思うわけですね。その辺をどのように考えていらっしゃるか。  以上、四点をまとめてお伺いしたいのです。  それと山内参考人にせっかくの機会でございますので……。  戦後処理の問題として、二次振計の中でこれも非常に重要な問題と思うのですが、戦時中、旧日本軍が膨大な農地を使って飛行場をつくった。特に読谷の場合、旧軍が本当に買ったんだという確たる証拠のないままに、現時点においてもこれは国有地だという扱いになっておるわけですね。そういう土地を抱えていらっしゃる村長さんの立場で、いい機会でございますのでお訴えしていただく面がありましたら、そのことを一言お願いします。     〔小渡委員長代理退席、委員長着席〕  それから安里参考人に、ついででございますが、沖縄電力の移管の問題につきましてお話がございました。電力問題というのは、二次振計の中で非常に重要な問題と思います。それで、私もおっしゃるとおりでなくちゃならないと思います。せめてこの二次振計の期間でも、現在の特殊法人というあり方、国の強力なバックアップのもとに、これが存続されていくということは非常に大事じゃないかと私は思うのですが、しかし、おっしゃっておられたとおり、この行革の中で五十七年度で民営移行にするのだという方針めいたものが決まって、もうその検討に入っているやに聞いているわけですね。そうしますと、もし仮にそのように民営移行になった場合に、県経済あるいは沖縄のこの二次振計の中でどういう影響があるとお考えになっていらっしゃるのか、その点だけをお聞かせいただきたいと思います。  以上でございます。

比屋根俊男琉球銀行取締役調査部長

○比屋根参考人 お答えいたします。  これまでの人口の問題、先ほど玉城先生からありましたけれども、復帰の時点で当時推計したときは目標が百三万となっておりますけれども、事務段階の意見をいろいろ伺う機会がありましたので聞いてみましたのですが、当初かなり高い伸びを予想しておりました。百九万、百十万という線もございましたけれども、どちらかと言えば、いまにして思えば、その数字がやや現実に近かったというふうな感じがいたします。この十年間、全人口の増加が約十五万ということでございましたのですが、労働力人口と非労働力人口に分けますと、この十年間、非労働力人口の方はそれほど伸びていないということが非常に注目されます。せいぜい一万人程度だったということがございます。そうしますと、過去十五万に伸びまして、これから十年間十万人伸びる。そのうち、十五歳以上が先ほど申しましたように十二万五千も伸びてしまう。そうしますと、過去のいろいろな産業の、第一次産業部門、第二次産業部門、第三次産業部門の各生産性の伸びをそれぞれ検討しましても、せいぜい八万前後だろう、これは私の個人的な推計でございますけれども、そういうふうに一応感じているわけです。そうしますと、これは大変な問題でありまして、残りの部分は失業者で抱えるか、あるいはどんなに非労働力人口を見込んだとしましてもせいぜい一万五千人だろう、過去の例からいいましてそういう感じになるわけでございます。そういうことで、人口の問題というのは、ここで申し上げたいのはコンマ以下何%かちょっといじるだけで相当変わってくるということが言えようかと思います。そういう意味で現実はもっと厳しい現実になるだろうというふうな感触があるわけです。  そこで、先ほど、では就業機会をどういうふうに得るかというふうな話がございましたが、これまで出ておりますように第一次産業部門とかあるいは観光あたりをかなり強化していかなければならないということはもう当然かと思います。ただ、どんなにそれを努力したとしましても、この産業バランスモデルからいいますと無理だということがほぼはっきりするわけです。これは将来のことですからなかなかむずかしいということもありましょうけれども、計量経済学の手法を使いましてある程度の姿というものは描けると思います。そういう意味で、よく県内でも有望な第一次産業部門とかあるいは観光でがんばればいいじゃないかという話もありますけれども、どんなにその辺をがんばってもむずかしい。しかも、これまで努力してきた第一次部門、それから第三次産業につながる二次加工部門もこれまでも努力してきたわけですけれども、これをさらに努力したとしても、やはりこの十五歳以上の十二万五千余りを吸収するというのは大変な苦労があるだろうということがはっきりしているわけです。そういう意味でじみちな努力以外に二本立てで努力する必要がある。  そういう意味では、先ほど出ましたようにIC部門関連の企業というものもやはりその選定の対象にすべきだろうと考えるわけです。ただ問題は、その辺は九州でもかなり入っておりまして、全国で進出してない県というのは大体十一県くらいあると聞いておりますが、そういうことで、有望な産業であるけれども、各県それこそ血眼になって誘致合戦をやっているという実情で、魅力のある企業だと思うわけです。ただ、こういうICの問題は復帰前も沖縄では相当議論されております。おりますけれども、結果的には入ってきてない。それはやはり詰めが若干甘いということが言えるかと思います。総論的な総合的な計画はよくまとめるわけですけれども、一体何が隘路でその誘致がうまくいかなかったかということを十分詰められないということが言えるわけです。  一つにはエネルギーの問題がありますけれども、これは需要者側からしますと、電力料金というのは九州平均以下でございますので、需要者からすれば問題ないわけです。ただ、沖縄電力さんの方からいたしますれば膨大な赤字を抱えて問題になっているわけですが、需要者側から見ればそれほど問題がないということが言えると思います。  また水の問題にしましても、やれ硬水だとかあるいは水がかなり不足しているので問題だという話が出ますけれども、しかし、水の多消費型産業を特に選ぶのでなければ、それは必ずしも決定的な理由じゃないということが言えようかと思います。地下水の利用だってありますし、仮に軟水化を図ろうということであればそれなりの施設整備をすればよろしいし、それが企業リスクだけに全部負担させることが問題だということであれば県の財政から支援することだってできるわけです。だから、そういう意味では、いまのところ企業誘致のために電力とそれから水について決定的な理由だということではないように思われます。  決定的な理由は、先ほど言いましたような地価の問題だろうと私は見ているわけです。なぜかと申しますと、ここにいろいろ資料がございますが、これは「工場適地総覧」というのが出ておりまして、通産省の立地公害局が出している調査でございます。これは昭和五十四年九月三十日現在の資料でございますけれども、ここに「全工場適地」というのがございます。沖縄県は二万一千七百八十円でございます。これは平米当たりでございます。しかし南九州が八千七百円、それから北九州が九千七百八十円、一番高い関東地域でさえ一万六千二百五十円。ただし、関東地域の臨海部分が四万二千五百三十円、それから近畿が全体では二万二千六百三十円、やっと沖縄とほぼ似ているわけです。近畿の臨海部分が三万九千円ですから、関東の臨海部分、それから近畿の臨海部分、それから近畿の内陸の京都が三万四千円、こういう資料を見てみますと、いかに沖縄が地価が高いか、これが大変不利になっているということがおわかりいただけると思います。  先ほど申し上げましたように、この大きな原因というのは、やはり広大な基地が相当影響していることははっきりしております。先ほど申し上げましたように本島内だけでも二〇%を占めておりますし、中部の方にいきますと三割近い基地があるわけです。そういうことですから、最南端の離島地域がこんなに高いということは常識的には考えられないわけです。その辺を十分理解していただけるならば、もっと思い切った地価高騰の吸収策があろうかと思うわけです。  そういう意味で、先ほど申し上げました現行の制度の中ででも、少し配慮すればそれなりの吸収策があるということを指摘したわけでございます。地価につきましては、工配法の適用を沖縄については特別に、沖縄特別地域を設けまして、総体的に高くなった地価を吸収しない限り、企業誘致への対応というのは大変むずかしいということが言えようかと思います。ただ、そういうことでは地元の企業それから県外からの企業、両方育成しないといかぬわけですので、工配法の誘導地域につきましても、沖縄の特別A地域とかあるいはB地域というふうな設け方をしまして、地域については島内の企業にもその移転促進地域というのが該当する部分がありますので、それは従来の工配法の補助金の対象にする。しかし、島内の企業を育成しただけではどうしても先ほどの就業の場の確保が大変むずかしいということでありますので、特にこれとこれとこれについては、沖縄の戦略的産業にしたいというものについては、特別な配慮が新たに必要だろうと考えるわけであります。  一番と三番が一緒になりましたけれども、二番の補助率につきましても、将来沖縄が三百万の観光誘客を目標とするということであれば、やはりそれなりの手当てが必要だという意味で、積極的に必要な施設整備をやらないといけないと感ずるわけです。国際センターとの関連もございますので、コンベンションビューローやコンベンションホールなどはまさに国際交流の機能強化の施設にもなりましょうし、観光の誘客の需要掘り起こしの機能にもなりましょう。そういう意味では積極的に地元の要望にこたえていただきたいと考えるわけです。  最後に軍用地跡地の問題でございますが、いろいろ事業を開始する場合あるいは先行取得する場合に、資金的な配慮はどうしても必要です。そういう意味では、政府資金あるいは財政上の手当てというようなことも検討が必要かと思います。仮に現行制度の中で区画整理事業とか土地改良事業をやろうとしても、たとえば上之屋の例を申し上げますと、一団の土地を部分的に返還して、果たして効果的な返還の仕方なのかどうか。利用者側の立場からしますと、全体の返還があればそれなりの土地区画整理事業でも有効にできましょうし、減歩率の問題もありましょうし、そういう意味では、せめて日米合同委員会で合意を得た返還予定地については計画的な返還が必要だろう、最低それは国も示すべきだろうと考えます。

山内徳信沖縄県読谷村長

○山内参考人 読谷飛行場問題についてお答え申し上げたいと思います。  この読谷飛行場は総面積二百四十ヘクタールという、沖縄本島においてはかなり大きな面積の飛行場でございます。この飛行場は、太平洋戦争を勝ち抜くためという名目のもとに、旧軍によって接収をされました。したがいまして、接収の目的は終わったということをお答え申し上げたいと思います。  ところが、米軍が一九四五年の四月一日上陸以来、今日まで三十七カ年にわたって、そのまま引き続き基地として、またパラシュートの演習場として使ってきておるわけでございます。したがいまして、本土であったとするならば、恐らく三十七カ年後の今日までこの問題は残っていなかったと私たちは思います。  昭和二十年の十一月二十日の閣議決定によりまして、太平洋戦争目的につくられた飛行場は本土の他の都道府県にもございましたが、そういう飛行場は、閣議決定に基づきまして昭和二十年から二十三年ごろまでにほぼ解決されております。解決の手法としては、平和的な利用あるいは生産活動の場所としてそれが利用されていったわけでございます。ところが、沖縄県が引き続き本土から分断されて、今日までアメリカ軍の基地がこういうふうに存在するために、復帰後十年たったというのに、いまだ読谷飛行場の問題は解決を見ていないわけでございます。  私たちは、繰り返し申し上げますが、太平洋戦争を勝ち抜くという目的は終了したわけでございますから、この土地は本土のこの種の飛行場と同じようにまずお返しをしていただく、返してもらうというふうに考えております。そうして、この場所はちょうど読谷村の中央部にございますので、土地を奪われた、土地を接収されたかつての地主の皆さんの生産活動の場所として整備をしていきたいと思います。同時に、広く村民全体あるいは県民の教育、文化、政治活動、スポーツの拠点として整備していきたいと考えておるわけでございます。ところが、現在はパラシュートの演習場でございますが、第一、住民地域の真ん中でパラシュートの演習をすること自体間違っておるわけでございます。今日まで幾多の事故を繰り返してきておりますので、ここら辺で撤去していただきます。そうして、その跡地利用としていま申し上げましたような形でこれから進めていこうと考えております。  したがいまして、読谷飛行場については戦後処理の問題として、同時に、復帰処理の問題だという基本的な認識に立って解決を急いでいただきたい、こういうことを政府、国会の皆様方にもお願い申し上げると同時に、また、従来ずっと読谷飛行場問題については沖特の先生方のお力もかしていただいております。今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。

安里政芳民社党沖縄県連委員長・沖縄県議会議員

○安里参考人 閣議決定がなされていることをよく存じ上げておりますけれども、沖縄電力が五十一年の四月に五配電会社を吸収合併して、その後、海洋博等一企業が負うには大変多くの設備投資をしているのは御存じだと思います。特に沖縄電力が赤字だということによって今回行革の対象になっているというようなこと等もありますが、沖縄の電力事情というのは、離島を抱えているというのが大きな赤字の原因だということは御承知だと思います。その大きな赤字を抱えておること自身は、離島の開発にもつながるということでございまして、私どもは、振興開発計画が沖縄の振興開発を目的とするという立場からしますと、こういう問題も、特殊法人であればこそいままでいろいろな政策課題を遂行してきたという立場から、沖振法が延長される期間、沖縄電力の特殊法人としての存続を要求しているということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ありがとうございました。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 部谷孝之君。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 本日は御多忙のところ、参考人の皆様方には貴重な御意見をちょうだいいたしまして、大変ありがとうございました。限られた時間でございますので、安里参考人に二、三問題をしぼってお尋ねをしてまいりたいと思います。  ただいまも質問がございましたけれども、まず沖縄電力の問題に関してでございます。  沖電が四十七年から五十二年までの六年間に平均百三十二億円、六年間計七百九十億円の設備投資を行ってまいりました。そして、公害対策等については六年間で約四十八億。ところが、政府からの助成と特恵措置は六年間で総額三十億円にすぎないという御指摘が先ほどあったわけでございます。また、沖縄電力事業というものはそういう中で、いわば事業収入と借入金でもって継続されてきたという指摘もいまされたところでございます。  ところが、沖縄電力の民営移行につきまして、昨年の十二月二十八日の閣議で、「沖縄の実態に配意しつつ、他の一般電気事業者の協力の下に、早期に民営移行することとし、そのため、政府は、諸般の措置を講ずる。」という決定をいたしております。そして同時に、五十七年度中に民営移行の具体策を明らかにすること、こういうふうにしておるわけでございますが、これらの諸点につきまして参考人の御見解をいただきたいと思います。

安里政芳民社党沖縄県連委員長・沖縄県議会議員

○安里参考人 御承知のように、電気は水と空気のように県民生活に不可欠のものでございます。また、この安定供給ということは民生安定につながり、また産業の振興にどれだけ役に立つかということでございます。  いま私が意見を申し上げましたように、五十七年度において民営移行という閣議決定についてでございますが、私どもといたしましては、特に沖縄振興開発の計画は本土との格差の是正と自立的発展の基盤整備をするということでございまして、水と電気の安定供給ということが非常に大きなウエートを占めるわけでございます。  水につきましては、国の施策におきまして着々とダムの建設が進んでおりますが、沖振法の十年延長という中で、この電気問題だけは沖振法から外していくという方向づけがなされているということに、私どもは不安感を感ずるわけでございます。特に閣議決定の中に県民意思の尊重ということがございますが、私どもは、沖縄電力のできました歴史的背景とこの十年間の歩みを見ましたときに、この電気事業に対する国の施策がどの程度なされたかということを反省しなければならないというふうに思っております。  特に電気料金が問題になりますけれども、電気料金の問題につきましては、九電力の料金の水準の位置づけをするための諸施策を講ずるべきでございまして、赤字であるからということは、ますます沖縄の振興開発計画にブレーキをかけるということになろうかと思います。  同時に、沖縄の電力の事情は、本土の電気事業の歴史的な実態とは異なりまして、融通電力とか電源構成の問題等に大きな問題がございます。そういうような実態を踏まえた上で思い切った政策の導入が必要だというふうに考えておりまして、沖振法の十年延長の期間の間電力も特殊法人として残していただきたいということでございます。  特に、先ほど御指摘ありましたように、年間約百三十二億の投資をしているということは、沖縄における企業の中でこれほど大きな雇用効果あるいは経済効果をもたらしているものはほかにはございません。それが民間移行ということになりまして、あるいは九州電力に合併になる、あるいはどこかまだはっきりわかりませんけれども、そういうことになりまして本社が移るということになりますと、雇用の関係あるいは工事の関係からも、沖縄の振興開発計画にとりまして大きなマイナスになるのではないかというふうに思慮されるからでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 次に、航空輸送の関係でございますが、沖縄の観光事業あるいは産業の振興にとりまして航空輸送事業の整備拡充はきわめて大事であると思われるのですが、この点について安里参考人の御意見を伺いたいと思います。

安里政芳民社党沖縄県連委員長・沖縄県議会議員

○安里参考人 航空輸送事業は、沖縄県の置かれております地理的な条件から、県経済に大変大きな影響を持っておりまして、県経済の大動脈でございます。沖縄経済が自立していくためには、観光、流通面で果たすべき役割りがきわめて大きいのは御案内のとおりでございます。したがいまして、県内の旅客、貨物の輸送における航空輸送事業の果たすべき役割りは、その輸送がただ単に旅客を輸送するというばかりではなく、第一次産業あるいは第二次産業の振興の面からも総合的に見直さるべきだと思っております。  特に観光に及ぼす影響は大きく、昭和四十六年には二十万四千名ほどが輸送されておりましたけたども、五十四年、五十五年には百八十一万人の観光客を誘致しております。昭和五十六年度は百九十三万人がおいでいただけるというような推定をいたしておりまして、収入面におきましても、昭和四十七年の三百二十四億から、五十五年には千八百一億円と五・五倍の増加を示しているのは御案内のとおりでございまして、特に観光事業に占める航空輸送事業というのは沖縄の振興開発にとりまして大変大きな力になると思っております。  特に沖縄は離島間の各空港が整備されまして、第三種空港は県の管理でございますけれども、航空管制や航空援助施設あるいは防災体制にはまだ十分な体制ができておりません。そういう意味におきまして、空港整備に含まれますこれらの諸施策につきまして、第二次振興開発計画の中で大きく取り上げて、政府の特段の御配慮を賜りたいと思っておるわけでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 次に、補助率の見直しの点についてたくさんの参考人の方からもいろんな御意見をちょうだいしたわけでありますが、ひとつこの点についても安里参考人の御意見を伺いたいと思います。  振興開発計画の基本理念の一つであります格差の是正という点について見ますと、これもいろいろ指摘がされましたように、計画がほぼ達成されたものは道路、港湾、空港、上下水道、学校の校舎、体育館などで、比較的高率補助の対象とされたものであります。また、達成されていないものは、都市公園だとか保育所、屎尿処理施設、病院などの医療施設、準用河川、社会体育施設、児童福祉施設など、ほとんどその補助率の低いものが多いへこういう現状になっております。  この際、市町村の負担なども含めて補助率ないしは制度のあり方の洗い直しが必要である、こういうふうに思うのでありますが、安里参考人の御意見を伺いたいと思います。

安里政芳民社党沖縄県連委員長・沖縄県議会議員

○安里参考人 第一次振計の反省の上に立って、いま御指摘ありましたように、沖縄県の置かれている立場から、その達成率がいいものは、御指摘のように高率補助のものがほとんど達成されているということでございまして、補助率の悪いいわゆる社会体育施設というものにつきましては、六十二年に沖縄で国体がございます、そういうような立場から、県としましてもその補助率のかさ上げを要求しているところでございます。したがいまして、六十二年国体に向けての社会体育施設の整備等につきましても、県として三分の一の補助を三分の二にかさ上げしてほしいという要求をしておりますけれども、その実現が見られませんでしたので、県として独自に三分の一のかさ上げを県単で行わなければならないというような事情でございまして、特に市町村におけるそういう体育施設あるいは児童福祉施設につきましては、本当に一次振計の中における落ちこぼれでございます。今回の法改正に当たりまして、こういう補助率の低いものに対する見直しを改めて皆さん方にお願いを申し上げたいと思います。  特に、沖縄県及び市町村の財政力指数は全国の最低でございまして、いずれにしましても全国平均の約二分の一にすぎず、きわめて財政が困難であるという中でのこういうものの見直しというのを、議会の皆さん方にお願いを申し上げておるところでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 せっかくでございますので、比屋根参考人さんにお尋ねをいたします。  この十年間に沖縄に投下されました公共工事費が一兆二千億と言われております。そのうちで、政府の高率補助で上積みされたものが二千億、比屋根さんもそのような御指摘をなさっておられるわけでありますが、沖縄には十年間で一兆もの公共投資が投下されたんだから、もうぼつぼつ自立できるのではないかというふうな一般的な風潮があるわけでございますが、この点につきまして比屋根参考人の御意見を伺わせていただきたいと思います。

比屋根俊男琉球銀行取締役調査部長

○比屋根参考人 確かにそういう風潮があるやに伺っているわけですが、私もいろんなところに行きましてそういう声を聞くわけでございます。しかし、過去、沖縄県もそれなりにわが国のいろんな役に立っているというふうに私は考えるものであります。  一つの例といたしまして、過去、一九六〇年から七〇年の十年間をとりましても、沖縄と本土との貿易収支は、これはネットで対本土との収支は二十億近い赤字になっております。そういうことから考えますと、当時わが国は十七億から二十億程度の外貨持ち高でございまして、少しでも景気が過熱しますとすぐ国際収支の天井にぶつかるということをよく言われておりました。そういう意味で、沖縄がその間果たしてきた役割りというのは大変大きかっただろう、ドル箱だというようなことも言われていますし、さらには、私が調べている範囲内でございますけれども、戦後のアメリカ議会の議事録をいろいろ読んでみますと、当時、戦後の日本の経済の復興を第一義的に考えるべきか、あるいは防衛の問題を考えるべきか、いろいろ議論がされたようでございます。その中でも、ドルの二重使用という政策とでも申しましょうか、ダブル・ユース・オブ・ダラーズという言葉が使われておりまして、やはり戦後の経済復興を最優先すべきだというふうな意見が強かったようであります。そこで、防衛の問題は日本で沖縄が分担すればいいんじゃないかという意見が出ておりました。当時、基地建設は沖縄の県民が一応やるわけでございますが、それで稼いだドルを、さらに日常県民が必要な物資については本土から輸入するという形で、一たん沖縄の県民が稼いだものをさらに本土から輸入するという形で、ドルの二重使用というふうなことが言われているわけです。これはアメリカの経済政策でもあったわけでございますので、そういう意味から、沖縄が戦後わが国全体に対する貢献度というのは少なからぬものがあったというふうに私は考えるわけです。特に防衛の問題、安全保障の問題については、戦後比較的本土の方は真剣に、その辺を負担することなく、経済の復興に邁進できたということは、その陰にはやはり沖縄県民のいろんな犠牲があったということを強調したいというふうに思っております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 ありがとうございました。終わります。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 瀬長亀次郎君。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 六名の参考人の皆さん、本当に御苦労さんでございました。皆さんの御意見は第二次振計で十分取り入れられると思いますが、時間の関係で私は伊志嶺参考人に質問いたします。  これは山内参考人も言われましたが、私が質問しようと思っているのは、県収用委員会、これが二十七日の午前十時過ぎから行われた。私、ここに持っているのは琉球新報と沖縄タイムスの二十七日の夕刊さらに二十八日の朝刊、両方です。これを見ますと、意見を陳述して十分収用委員会が公平に裁決できるような方向で一生懸命陳述しておりますが、この中で異様に感ずるのは、これは写真もちゃんととっておりますが、機動隊九十名、それから那覇防衛施設局の局員がバッジをつけて八十三名、両方の新聞は一致しておりますからこの数字は間違いないと思います。これに対して地主と支援共闘の人々合わせてわずかに五十名、実に三倍以上の国家権力、これが収用委員会の内外に圧力を加えている。いま私は山内(読谷村長)参考人の意見も聞きましたが、まさに安保条約、こういったのが、とりわけ人間の尊厳、生命、財産、人間らしく住めるような環境、これに優先されてはいけないという意見でございます。そのとおりだと思います。  そこで、この両新聞に書かれているものを見ると、支援共闘の宜保議長が機動隊員に殴られる一幕もあった。まさに暴力をふるわれている。それに「問答無用の姿勢がありあり」の見出しで「知花弾薬庫に土地を持つ島袋善祐さん(四四)は「まったくデタラメだ。人格高潔で選ばれたはずの収用委のメンバーが……。銃剣とブルドーザーで奪われた土地が、今度は法律という名のブルドーザーで押し切る。米軍よりひどい」と、怒りをあらわに」して、ぶるぶるふるえていたということまで書かれております。さらに地主の陳述で代表的なのを挙げますと「普天間飛行場に土地を持つ宮城正雄さん(統一連事務局長)は「施設局の平面図で山林になっている私の土地は実際には畑であり、この平面図は全くでたらめなものだ」と、地目が変更されている事実を指摘。また、嘉手納飛行場に土地を持つ真栄城玄徳さん(沖教組中頭支部書記)は、戦後間もなく作製された測量図と不動産鑑定士が鑑定評価に用いた施設局の実測平面図の土地の位置が違うことを明らかにし、「私の土地は地籍がはっきりしていない。不動産鑑定士は私の土地を評価したと言っているが、いったいどこを評価したのか。地籍のはっきりしない土地をどうして評価できるのか」」といった内容面までも含めておりますが、これを見ます場合、盾を持って九十名の機動隊員が包囲している。まさに、いままでも米軍が使う小火器は全部使いました。伊佐浜の土地の収奪の場合には戦車まで待機させた。ブルドーザーだけではない。機関銃、カービン銃まで、いや催涙ガスまで使った。これで取り上げたのが沖縄の現在の米軍基地である。憲法が施行されて、その中にいま生活しておるという状況のもとで、まさに言語道断の行為が行われている。私がお聞きしたいのは、こういった言語道断な処置が行われている状況、これは、伊志嶺参考人は共闘会議の弁護団でもありますが、その実情と問題点、将来はこうすべきではないかという国に対する意見がありましたら詳しく述べていただきたい。機動隊はもちろん県の発動によるものであり、さらに施設局は国であります。国家権力の強権をもって、独立しているはずの収用委員会がこういったような言語道断な措置をとっているということは、まさに許しがたき問題であるが、これに対して参考人は、申し上げました二十七日の現状、さらにその場合の問題点、県なり国に対する——国は起業側でありますよ。そういったような点を詳しく述べていただければ幸いだと思います。

伊志嶺善三弁護士

○伊志嶺参考人 ただいま瀬長先生からの御質問でございますが、去る二月二十七日に県収用委員会の土地の強制使用をめぐる公開審理が行われました。その最後のところで、収用委員会は今後この事件についての公開審理を続けるかどうか、持ち帰って委員会で検討したいという発言をされました。実は、これをめぐって一場の混乱をもたらしました。と申しますのは、従来公開審理が終わった後で次回期日を三者協議して入れておったわけです。そういうことで地主側の代理人からも、次回期日を三月二十七日の土曜日に入れたいという申し入れに対して、いま申し上げたような会長の回答があったわけです。ということは、結局この事件をめぐる公開審理は事実上これで打ち切られるのではないか、こういう疑惑を呼んだわけです。そのことが、いま瀬長先生から指摘されたような報道になってあらわれたわけです。いずれの新聞も、事実上公開審理打ち切りということで報道しております。私どもは、これで公開審理が打ち切られては大変困るわけだし、これで打ち切られたとは考えておりません。しかし、これでもし公開審理が打ち切られるということになりますと、この事件をめぐる収用委員会の運営が果たして公正なものか、中立な立場に立って行われていたのかということについては疑問を持たざるを得ない。  沖縄タイムスの、日付は忘れましたけれども、社説でも、実はこの収用委員会の公正な姿勢ということについて問題が提起されておりました。実は、収用委員会をめぐる公開審理は数回行われたわけでありますけれども、収用委員会の裁決の手続を進める中でこのようなことがあったわけです。それは新聞報道で知ったわけですけれども、昨年の九月二十六日以降に収用委員会が独自に基地立入調査をしたわけです。これは地主側には全く連絡がありませんから、地主やあるいは代理人は全くこれには立ち会っていないわけです。しかし、裁決申請者である那覇防衛施設局の方は数名の職員がこれに同行しているわけです。しかもこのことを二カ月余りも地主側に知らしてなかった、こういう事態がありました。土地調査のために基地立ち入りをしたいという要求は、地主側から再三にわたって要求が出ておりますし、これからもこの立ち入りをしたいという要求があるわけですが、それは現在のところ無視されたままになっておる。  それから二つ目に、土地の補償金決定のための鑑定人の選任が、同じように地主側には秘密裏に行われた。しかも鑑定事項の決定が、つまりどのような事項についてどういう前提で鑑定をするかということについても、同じく地主の意見も聞かずに地主側に秘密のままなされた。しかも、その鑑定人の人たちが地主側には連絡もなく防衛施設局の数名の職員を伴って独自に基地立入調査をしておる、こういうような事態があるわけであります。あるいはまた、昨年十二月二十一日に施設局の方から土地の補償金額算定に関する意見書が収用委員会に出されておりますけれども、三十二日間にわたって地主側にそのことが知らされていなかった、こういうような事態。弁護側の要請に基づいてその二日後にコピーが交付されましたけれども、それに対する意見を二週間ぐらいで書いて出せというようなこと、もっともこの点は弁護団の要請で二月いっぱいまで延ばされましたけれども、そういうような事態がある。  そういうことで、新聞報道でも指摘されておりますように、県収用委員会の審理はどうも公正さを疑われるというようなことになっているわけであります。そういう状況で、先ほどの審理打ち切りを示唆すると思われるような態度が大変な問題になっておる、こういうことであります。  ちなみに、この事件についての地主側は百数十名おりますけれども、まだ数名の地主の意見がなされたばかりであります。しかも、沖縄の土地は地籍不明地がかなり多かった。その後地籍明確化法で作業が進んではおりますけれども、まだ地籍が明確でない土地があるわけです。そういった土地について、先ほど宮城正雄さんや真栄城玄徳さんのお話が紹介されましたけれども、土地が違う、場所が違う、地目が違う、面積が違う、形が違う、位置が違う、こういうような土地がたくさんあるわけです。こういうことについて地主の皆さんが今後意見を述べていかなければならない。しかもそのことを明らかにするための資料も出さなければならない。土地に立ち入って、場合によっては測量を入れて、一体収用されようとする土地がどこにあって何坪あるのか、どういう形をしているのか、他人の土地との境界はどうなっているのか、この辺が明らかにされなければならないはずであります。政府も、地籍不明地については米軍用地収用特措法や土地収用法によって収用できないということを公式に認めておられたわけです。こういう状況の中で審理打ち切りの方向が出されたということになるわけで、大変公正さを疑われるということになっているわけです。  言うまでもなく、鑑定人の問題は、憲法二十九条が土地所有権を尊重するということで、反戦地主の土地であってもその所有権は尊重されるわけです。憲法二十九条三項で、しかし、公共のために用いる場合には正当な補償を要するということで、正当な補償を求めることは地主の権利であるわけです。鑑定人の鑑定は、そういう意味で憲法二十九条が定める正当な補償が何なのかということを決めることであるわけです。この鑑定書を基準にして正当な補償額を決めなければならない。その重要な問題について、土地を収用される地主側の意見が全く無視された形で行われておる。鑑定が公正なものでなければならないということについては、何も法律が定めているだけではなくて、建設省の通達にきちっと定められているわけであります。  たとえば「土地収用法の施行について」という昭和二十六年十月十三日の「建設省管発第九百八十四号  各都道府県知事あて  建設省管理局長通牒」によりますと「収用委員会は従来の収用委員会とその性質を異にし知事上も独立し起業者側及び土地所有者又は関係人側の双方のいずれにも偏せず中立、公正に裁決を行う機関である」ということがうたわれておる。そして続けて「収用委員会の裁決、就中補償金の決定の公正中立を維持することは新法の特に強調するところであって、従前の収用審査会の運営の実際にみるように、この補償金の決定は起業者である都道府県又は事業認定機関である知事の立場に影響され起業者側に偏して行われることのないように、又そのように行われたとの一般の誤解をさけるようにいたされたい」、こういうことがうたわれているわけであります。  こういう政府側の公正さの基準からいたしましても、いま行われている沖縄県収用委員会の裁決申請手続はきわめて疑問があると思うわけです。  しかも疑問があるだけではなくて、米軍用地特措法は十四条で土地収用法を準用して、実際の手続は土地収用法が適用されるわけでありますけれども、その六十五条で鑑定人に出頭を命じて鑑定をさせるという手続が定められておるわけです。この手続は、政府の見解によりましても、たとえば昭和二十八年一月二十六日付の「建設計総発七号」、大阪府収用委員会長あての計画局総務課長回答が実はあるわけですが、この鑑定人に出頭を命じて鑑定をさせるという収用委員会の処分は独自にはなすことができない、つまり地主側に内密に裏でなすことはできない、それは審理の場でなされなければならない。したがって、収用法四十六条の審理の手続によってその審理の日時と場所が地主側に通知をされた上で、しかも六十二条によって公開審理の場でなされなければならない、こういうことがうたわれておるわけです。  したがって、去る二十五日あるいは二十六日までの間に六名の鑑定士の方たちが収用委員会に出された鑑定書は、六十五条あるいは四十六条、六十二条の規定に違反するものではないか。ひいては憲法二十九条の一項あるいは三項に違反する、私どもはそう考えております。したがってこの鑑定はもう一度やり直す、少なくとも法六十三条四項の地主側の鑑定人審問権が十分に保障されなければ、収用委員会の審理手続は法律上きわめて疑問があるというふうに私どもは考えているわけであります。  以上、終わります。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 次は、山内参考人にちょっとお聞きしたいのです。これは簡単なことですから。  宙づり訓練ですね、ぶら下がってやる。あれは普通の訓練じゃないのですよ。あれは読谷村民、県民をゲリラと見立てて、いわゆる対ゲリラ戦なんです。これを指摘しましたら、防衛庁長官は、これは確実にやめさせると約束しましたが、そういった点、何か村長さんに連絡があったかどうか、お答え願いたいと思います。

山内徳信沖縄県読谷村長

○山内参考人 この訓練につきましては、読谷側、嘉手納側、那覇防衛施設局に厳重なる抗議はいたしましたが、それについての今後の政府の姿勢についての回答は、現在まだ受けておりません。  以上です。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 終わります。

伊志嶺善三弁護士

○伊志嶺参考人 先ほど瀬長先生から御質問がありました三番目の、国に対する要望について私は回答を漏らしておりますが、よろしゅうございましょうか。——簡単にお答えいたします。  先ほど申し上げましたように、国の申し出によって、申請によって土地の強制収用の裁決手続が進められておりますけれども、その中には、私、先ほど指摘をいたしましたけれども、那覇市の所有もしくは管理している土地あるいは反戦地主の所有している土地が入っているわけです。しかもその中には、昭和四十九年一月三十日に、これは第十五回日米安保協議委員会で移設条件づきながら返還が合意された那覇港湾施設あるいは牧港住宅地区、そしてまた昭和五十一年の七月八日に、これは第十六回日米安保協議委員会でありますが、ここで返還が合意された伊江島射爆場が入っておるわけです。  これは、たとえ移設条件づきとはいえ、政府が県民にその返還を約束したものを返還しなかったということは、国の沖縄振興開発に対する姿勢と矛盾するだけではなくて、県民に対する約束の不履行と言われても仕方がないと私は考えます。そればかりか、その土地をさらに今後もまた強制使用するということで手続を進めているということはやはり改めていただく必要がある。そういう意味で、少なくともこの基地については、一日も早く強制収用の手続はやめていただいて、ぜひ解放していただきたい、地主に返還していただきたい、そのことを強く要望しておきたいと思います。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 菅直人君。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 六名の参考人の皆さんには、本当に貴重な話を伺わせていただいてありがとうございます。私も、与えられた時間が大変短いので、早速本題に入りたいと思います。  きょうのお話を伺っておりましても、やはり沖縄の問題は産業の問題、雇用の問題、それから基地の問題、こういうことが大変重要な課題になっているかと思います。さきの瀬長委員の方からもありましたけれども、私もせんだっての沖縄北方委員会の席で、公用地の暫定使用法がことしの五月十四日に期限が切れるということで、それについて一体どういう形で防衛施設庁の方は対応しようとしているのかということをいろいろとお聞きしたのですけれども、なかなかのらりくらりでわからなかったところを、せんだってから土地収用が急ピッチで動き始めたということで、その推移を非常に注目しているわけです。  それで、読谷の村長の山内さんにちょっとお尋ねしたいのです。  先ほどからいろいろと村の様子について話を伺ったのですけれども、四八%の面積が基地で占められているということで、かなり長い年月の間いろいろと御苦労をされているわけですけれども、山内参考人としては、こういった問題がどういう形で解決されるというか、また、もちろん最終的な希望もあるでしょうし、場合によればそれに至るまでの、せめてこのあたりまでは何とかならないだろうかとか、そういったことでもあればぜひ話をお聞かせいただきたいと思います。

山内徳信沖縄県読谷村長

○山内参考人 先ほども申し上げましたが、少なくとも県土の一二%、沖縄本島の二〇%が基地に占められておる、そのことが沖縄の振興開発その他の都市開発あるいは農村における村づくりに大きな支障を来しておる。したがいまして、第一点は、少なくとも国は国民と約束したものは守っていただきたい。現在までに、国が必要としたことは法律をつくってやってまいりました。ところが、沖縄県民が必要とした軍転法なんかは国はつくってくれなかった。公用地暫定法をつくり、あるいはその他の法律をつくって、国は国家の恣意に基づいて現在の沖縄の基地を維持しておるような感じさえいたします。したがいまして、私は、国に、約束したものは守ってほしい、その具体的な方法としては、何といっても日米の合意に基づいた返還予定地は返していただきたい、そして、これには条件つきもございまして、リロケーションの後に移すというのもございます。そういうのも早く努力をしていただきたい。  さらに、復帰後十年たっておりますから、十年の間に各市町村ともいろいろの変化がございます。その変化の状況の中で、どうしても軍用地を返していただかなければいけない、あるいは軍用地を含めて計画しておるところもございますので、そういう具体的な計画のある部分も含めて基地を返していただきたい、それ以外に沖縄の第二次振計に向けての振興発展はないだろう、こういうふうに考えております。  以上です。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 私も、せんだっての委員会の席でも、日米の合意がある返還、何といいましょうか、米軍基地の合意があるものがなぜそういうふうにおくれているのかということをいろいろお聞きしたんですが、御存じのように、位置境界明確化特別措置法等の問題もあってなかなか進まないんだということだったんですけれども、ぜひわれわれも合意のあるものについては早急に返還するという方向でがんばってみたいと思います。  もう一つ、雇用の問題について、内山参考人の方からいろいろとお話を伺ったんですが、総評の方では、県労協と一緒に雇用開発基金制度の創設ということを先ほどもおっしゃっておりましたけれども、私も一年ほど前に沖縄に行ってみて、産業構造がどういうふうにこれから変化をしていくんだろうか、これがこの委員会でも非常に大きな議論になっているわけですけれども、いろいろな調査なり、また現地の皆さんといろいろと話をされてみて、これからの十年間での沖縄の産業構造がどういうふうな形に変わっていくことが望ましいと皆さん方としては考えているか、御意見をお聞かせいただければと思います。

内山達四郎日本労働組合総評議会副事務局長

○内山参考人 先ほども少し触れましたけれども、沖縄の置かれている条件は本土と違いますから、本土で考えていることをそのまま沖縄に適用しようと思っても、これは本当の意味の沖縄経済の自立的な発展につながらないと思うのです。  これは詳しく申し上げると切りはありませんけれども、私が先ほど申し上げましたように、一つは、第二次振計の中で、本来ならば第一次産業なり、第二次産業、これがもっと基盤が整備をされ、しっかりと充実されなければいけなかったのではないかというふうに考えています。特に、沖縄の置かれている状況から考えますと、第一次産業と第二次産業が有機的に結合するような産業構造というものをまず考える必要があるのではないか。ところが、ほかの参考人も申されましたように、残念ながら、第二次振計の中では、第二次産業の基盤の整備なり、充実というのはほとんどされていませんし、また雇用から見ましても、第二次産業の、とりわけ製造業の雇用者は決してふえてはおりません。むしろ減少しています。このことを第二次振計を進めるに当たってはまず第一番目に考えなければいけないのではないか、これが第一です。  それからもう一つは、第三次産業が観光産業を中心にしてかなり大きく伸びていますけれども、これも関連産業を含めて伸びているかと言えば、私どもは必ずしもそうなってはいないと思うのです。よく指摘されるところですけれども、たとえば、沖縄のみやげ品のかなりの部分が沖縄でつくられずに本土から持ってこられている。だから、ホテルとか民宿とかそういうものはある程度伸びているけれども、第三次産業はある意味ですそ野の広い産業ですから、そこの充実を考えれば、第二次産業と第三次産業の結びつきということも検討されなければいけないのではないか。  私どもが提起しておりますが、雇用開発基金あるいは開発事業団というのは、そうした沖縄の置かれている特殊な条件の上に立って、沖縄経済を総合的に発展をさせていく、そのことを念頭に置いて第二次振計というものをぜひ進めていただきたいというふうに思っております。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 それではもう一点、宮城参考人にお伺いしたいのですけれども、先ほどの話の中で自由貿易地域の特典についていろいろと話をされていたわけですが、せんだっての委員会でも、実はこの自由貿易地域という特措法の条項といいましょうか、その部分が事実上はほとんど機能をこの十年間しなかったのではないだろうかという議論がいろいろとあったわけです。先ほど、税の減免等でこの特典をもっとも生かす方向があるのではないかという参考人の御意見でしたけれども、もう少し具体的に、たとえばこういう事業活動がこの制度を活用すればやれるのじゃないだろうかというふうな事例などを含めて、そういうものがあれば、この自由貿易地域という問題についてどういうふうに活用するかということをもうちょっと話していただければ、御意見をお聞かせいただければと思います。

宮城豊沖縄県経営者協会専務理事

○宮城参考人 これまでせっかくの制度が生かされていないということは、率直に申し上げまして、そのようなそれを生かす政策努力が非常に弱かったといいましょうか、そういうことにも原因があることは否めないことでございます。しかしながら、それはちょうど、もっとそれを生かす時期としましては、復帰した後にいち早くそのような努力をなされるべきだったのでございますけれども、復帰後は、特に昭和四十七年、八年という時期は好景気でございまして、復帰に伴いまして基地使用料が一躍七倍に上がるとか、あるいはまた観光客が爆発的にふえたとかいうふうなことなどいろいろございまして、非常に景気がよかったということ等もございまして、あのときにはそのような努力を忘れたといいますか、そういうことがあったわけでございます。そこで、海洋博が終わりましてからいち早く、気がついてみると、これはもう大変だ、こういう努力を早目にやらなければいかぬというときには時遅く、いわゆるオイルショックでもって企業の投資熱が冷めてしまった、こういうことで今日に至っているというのが実情でございます。  しかしながら、そういう自由貿易地域というのは、沖縄はいわゆる非常に立地条件の面でもいろいろの面でもおくれがある、そのようなおくれを何とかカバーして早目に本土のそういう経済水準に追いつくためには、この自由貿易地域を生かすことが唯一の手だてである、こういうふうに私どもは認識しまして、いまからでも遅くはないということで、これを何とか生かそうではないかということで取り組みを始めているところでございます。  しかしながら、そういうふうに思いましても、そういう取り組みをしようにも、いまの制度の中に織り込まれているメリット程度ではちょっと企業を引っ張り込むのには魅力に欠ける、こういうことがございます。その魅力を補うといいまするか、より大きな目玉としまして、租税特別措置、租税免減、少なくとも操業を始めてから所要の期間はそれを免減していくというふうなことがどうしても必要じゃないかということを検討中でございます。  その自由貿易地域に一体どういうふうな業種、産業を立地すればいいのか、こういうことでございますけれども、これは目下まだ県の方でも、私も審議会のメンバーの一人でございますけれども、検討中でございます。  ただ、一般論として申し上げられることは、やはり沖縄は離島であり、それだけ、通常の製品の場合には、非常に貨物の量が重いとか容積が大きいとかということになりますとかなり運賃コストがかさむ。したがいまして、航空輸送でも輸送費負担ができるような軽量のもの、たとえばICだとかあるいは精密機械だとか、特にまたそういったものに限って非常に付加価値が高い、そういうものをできるだけ優先的に取り組むことを考えるべきではないかということが一つございます。  それから、沖縄は日本の南玄関に位置しております。日本は南方の東南アジアあたりから資源、原材料を輸入して確保して経済が成り立っている国である。そういう日本の南玄関にあります。したがいまして、日本のストックヤードとして位置づけされることによって沖縄が東洋圏の一つの物流センターとして位置づけしていくことができるではないか、その物流センターとして自由貿易地域の中にこれを生かしていくということが一つのまた自由貿易地域の活用の方向ではないか、たとえばアジアポートの提案がブラジルと日本の当局者の間でも話し合われておりますけれども、そういうアジアポートをこの自由貿易地域の中に誘致するということも、一つの大きなそういった日本のストックヤードとしての沖縄の活用の方向ではないか、沖縄の特性を生かしていくそういう施策ではないかというふうにもいろいろと検討をしておるところでございます。そういうふうにして、ストックヤードとしてあるいは物流センターとしてこの自由貿易地域を生かしていくためにも、その自由貿易地域の中で現在そういう特典が受けられるのは製造業だけとなっているので、ぜひそういうふうな方向を生かしていくためにも、倉庫業もその自由貿易地域内の事業として認めてもらう必要があるのではないか、こういう議論を実はいまやっておるところでございます。

菅直人新自由クラブ・民主連合

○菅委員 ありがとうございました。

吉田之久民社党・国民連合

○吉田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  参考人各位には、遠路本委員会に御出席をいただいた上に、長時間にわたりまことに貴重な御意見の数々をお述べいただきまして、ありがとうございました。ここに、委員会を代表いたしまして厚く感謝申し上げます。(拍手)  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十八分散会

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