運輸委員会 第5号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1982/03/19
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林恒人君。
○小林(恒)委員 旅行業法の一部を改正する法律案が先般小坂運輸大臣の方から提起をされましたけれども、提案をされた趣旨説明の中で、大きく四つの項目を立てて提案をされておるわけであります。 もちろん法律そのものが、業法というたてまえが存在をすることを承知しているわけでありますけれども、まず、この旅行業法の一部を改正する突破口となった数々の要素がおありだろうというぐあいに考えます。たとえば東南アジア等へのきわめて不健全な旅行体制、こういったことなどをも含めて、業法を改正して健全な旅行業というものを目指していく。加えて、国民そのものが安心をして旅行ができるような体制にしていこうという趣旨だと判断をするのでありますけれども、小坂運輸大臣の御見解をまず冒頭に承ってから質問に入りたいと思うのであります。
○小坂国務大臣 ただいま委員が御指摘になりましたのもその大きな原因の一つでございますが、国民が非常に旅行に対しての大きな期待を持つ現代でございます。したがいまして、旅行を楽しいものにするとか有益なものにするためには、これを扱うところの旅行業者に対しても、国民はそれなりの期待感を持っておると思うのであります。 しかし、いま御指摘のような点、あるいは先般起こりましたような、旅行業者が倒産することによって、集めた数億の金が返済できない、これは全部、旅行しようとする人たちの負担になってしまっている、こうしたことがございます。また、相手国の法に違反したようなことをやって、そうした面から日本との関係が非常に悪くなるようなこと等々いろいろございますが、要するに、旅行業自体の中にも、業務運営の点で非常に不適切な面が多々あったと私は思うのでございます。 そうしたことを直すということが大きな主目的でございますが、同時に、旅行業界自体が自分の体質を改善しよう、そうした方向に進んでいくように指導するということが適切ではないかと思うので、今回の改正案を提出さしていただいたわけであります。
○小林(恒)委員 業法を改正する理由などについては、それなりに幅広いものがあるだろうと思いますが、今回の改正案を通読いたしますと、業法改正によって主催旅行業者の責任が非常に大きくなっていく。さらに、代理店業に対する親会社の責任が強まっていく。こういったことについては、業界にとってはきわめて大きな問題が中身として存在をするのだと考えるわけです。これはちょっとオーバーな表現かもしれませんけれども、旅行業界の再編、系列化に直結していくのではないだろうか、こういう危惧の念を持たざるを得ない部分が間々見受けられるわけです。 政府は、この業界の将来について、構造をどのように想定されているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○西村政府委員 お答え申し上げます。 今回の旅行業法の改正によりまして、一番のねらいは、旅行業者が国民一般に対して、その行う取引に対し信頼をかち取るということでございます。先ほども御指摘がありましたように、最近、旅行の普及、特に旅行業者の利用が普及するに伴いましていろいろなトラブルが起きております。今後、旅行業が大きく伸びるためには、何よりも信頼をかち取る必要があるということでございます。その場合には、旅行業は多様な需要に応じていくということが必要でございますので、多様な旅行業者の活動というものを将来にわたって期待していかなければなりません。そういう意味では、大手の旅行業者は大手なりに、中小の旅行業者は中小の旅行業者なりに、それぞれの創意と工夫を生かした中で国民の信頼を得るような体制をつくっていくということを今回の法律は期待しておりますし、また、そのような方向に今後進んでいくものと期待しております。
○小林(恒)委員 大手、中小、それぞれに、この業界の中で整合性を保ちながら商売を営んでいくことができるようなたてまえができ上がっているのだという御説明でありますけれども、それでは、第二条の中に「主催旅行」というものが改めて加えられましたが、主催旅行は旅行業の中で今日どういう役割りを果たしているのかといった点について——主催旅行と手配旅行、通称パッケージツアーと言われるようなものの存在が大変多くなってきて、特に海外旅行等については五十四年度を見ますると約四百四万人、そのうち八二%は観光渡航をしている。この数は三百二十万人ぐらいになろうかと思いますけれども、主催旅行でもって旅行される方は百万人を超えるのではないかと試算をされている中で、「主催旅行」という項目が加わった目的について明確にしていただきたいと思う。
○西村政府委員 いま御指摘のように、主催旅行の普及は大変なものがございます。現在行われておる団体旅行の過半数は主催旅行で、この率は年々ふえております。 この主催旅行につきましてはいろいろな問題点がありますが、一つは、主催旅行の投機性、主催旅行というのは旅行業者の方で企画しますので、かなり投機性がございます。この投機が失敗した場合に引き起こされる問題に対して営業保証金制度を拡充する、主催旅行に対して営業保証金制度を拡充するということが一つのねらいでございます。 それから第二の問題は、主催旅行は旅行業者の責任で行われるものでございますので、旅行を円滑に行わせる、確実に行わせることが特に要請されます。この意味で、その旅程を管理するための添乗員を中心といたしまして、旅程管理の面で主催旅行を確実なものにするということを改正の主たる目的にしております。
○小林(恒)委員 旅程管理が主たる目的であるということについては、ある意味で理解をするのですけれども、主催旅行と手配旅行というのは、正確な意味で区分がいまできているのだろうか。 具体的に申し上げますと、ここにいま町にはんらんをしているパンフレットを持参しているのでありますけれども、たとえばハネムーン旅行なんというのは主催旅行でもって計画をされているわけですね。新婚さんがカップルでもってハワイに出かけていくといった場合に、本当の意味でこれが主催旅行と言えるのだろうか、この点については非常に疑問視せざるを得ません。新婚旅行というのは、二人っきりで二人の将来を語り合うものなのではないでしょうか。主催旅行という形で団体を組んで、さらに添乗員がつくのかつかないのか、それから目的地に行ったときに、新婚のカップルの旅程管理を主催した旅行会社はどのように行うのかということを考えてみた場合、新婚旅行まで主催旅行であるといった旅行パンフレットが春先になるとはんらんをする、秋の結婚シーズンになるとはんらんをする。こればかりでありません。他にもこの種の、主催旅行なのか手配旅行なのか、明確に区分けがつかないというものがたくさんあるわけです。 こういった部分について私がまず心配をするのは、消費者にも判断がつくような主催旅行と手配旅行の区分け、こういったものは、国の行政機関の最高権威と言われている観光部でもって示すことができるのかどうなのか、この点について御質問しておきたいと思います。
○西村政府委員 ただいま、主催旅行には多様な形があるという御指摘でございました。おっしゃるとおり、主催旅行には、旅行のスケジュールがきちっと決められ、利用する交通機関あるいは宿泊施設が事細かに書かれている主催旅行もございますし、非常に簡単な形で書いてある、行きの交通機関と向こうのホテルだけが書いてある、途中のツアーが全然ないという簡便なものまでございます。 しかし、これらを共通いたしますと、やはり旅行業者側が計画を決めるということ、そして、あらかじめ価格を設定してあるということ、そしてパンフレット等で広く公募する、こういう点はどの主催旅行についても共通の問題でございますので、比較的容易に主催旅行かどうかという基本的な部分は、国民一般がだれでも理解できるものだと考えております。
○小林(恒)委員 余り深くこのことばかりを議論するつもりはありませんけれども、先ほど来申し上げているように、ハネムーンなんというのは、これの会社名を挙げることは避けますけれども、「心に残る旅を」ということで、こんな分厚いパンフレットが出ているわけですね。こういったパンフレットの中身を見ると、これはハワイだけではなしに、グアム、サイパン、オーストラリア、ニュージーランドを初めとして、いわゆる風光明媚だと言われる観光地への新婚旅行なども主催旅行として企画をされている。これはだれが主催旅行だという判断をするのですか。こんなのは消費者のレベルでは理解できない部分ですよ。これに類するものが数多く出てきているという状況の中で、あえてこの業法の一部改正の中で、主催旅行というものと手配旅行というものの定義を分けて示そうとしたって、消費者はわからないですよ。 業法を一部改正しようという主たる目的の一つとして、消費者が大変な被害をこうむらなくてもいいような旅行業界の整備といったことも含まれたのだ。さらに、多様化する世相の中で、十分ニーズにこたえ得るような業界の体質をつくっていこうという高邁な論理に基づいて一部改正案が提起をされたのだとすれば、観光部長、もう少し国民がわかりやすいような御説明、抽象的ではない説明がなくてはならぬのではないですか。
○西村政府委員 おっしゃるように、主催旅行という言葉をすべての国民が理解するということを期待するのはやはり困難かと思います。 ただ、実際に主催旅行であるかその他の手配旅行であるかによって、利用者の方が要求する権利、旅行業者が負うべき責任は明らかに違うものでございますので、これを法律の上では区分していかなければいけないということには変わりないと思います。 ただ、実際に旅行者が保護を受けるためには、すでにかなり厳密に実施させておりますが、パンフレットには旅行業者の責任を明確に書かせております。それは、主催旅行としての責任を書くように指導してきているわけですが、こういう形を通じて、実際の主催旅行の責任を旅行業者が負うようにしていきたいと考えております。
○小林(恒)委員 このことばかりを議論していてもしようがありませんが、せっかくの業法改正なのでありますから、したがって、自後の施行に当たって、国民が十二分に理解し得るような要望を含めて周知徹底方を図っていく、そんな努力をお願いしておきたいと思うのです。 次に、業法二条の関係ですけれども、業法二条の各項目の中では一部改正をする部分がありまするが、二条本文そのものが今回の改正の中で一切手を触れられておらない。この理由は生じなかったのか、改正の必要がないと御判断をされたのかどうか。
○西村政府委員 ただいま御指摘の旅行業法の第二条でございますが、これは旅行業の定義をしております。それは、旅行業法が規制の対象とする旅行業の活動の範囲でございます。その点では今回は変更する必要がないと一応考えて、現行のような形でおりまして、その後は旅行業者の活動の仕方について、主催旅行とかその他の旅行ということが問題になるので、このような定義の改正にさせていただいたわけでございます。
○小林(恒)委員 業法に基づいて業界は健全な商活動を行っていくというのが筋道であろうというぐあいに考えます。そういった意味では、まさに騒然とするぐらいの問題点が業界を包んでいるという実態もあるわけです。昨日の読売新聞にも報道されておりますように「失速寸前の米航空業界」、これはアメリカの例を取り上げたものですが、決して日本も例外ではないのです。 その一つは一体何かと言えば、もぐり業者が大変多く存在をする。したがって、例を挙げますると数限りなくあるのですけれども、たとえばヨーロッパに渡航しようとする場合、正規の旅費を支払って行った場合と、それから、当社に依頼をし会員になればこれだけ安く行けますよ、こういった会員制往復航空運賃というものを列挙してパンフレットが出回っている、こういう実態があるわけです。たとえばギリシャに行くためには、エコノミー往復航空運賃六十九万八千二百円のところ、わが社の会員になれば往復でもって二十万円でもって行けますと言う。これは一体どういったところから出てくるのかという問題を含めて、業界そのものが、こういう悪質なもぐり業者の横行によって健全な商活動ができづらくなっていくという問題は、きのうきょうに始まったことではないわけです。 だとすれば、今回の業法改正に伴って二条本文というのは、正確な意味で、この括弧書きを外すことを含めて、十分な検討をしながら正確を期していくという必要があったのではないかと考えられます。この点についての御見解を賜りたいと思うのです。
○西村政府委員 ただいま御指摘のように、格安航空券と俗に言われておるものが非常に出回っているということを私どもも聞いております。その点で問題が二つあるかと思います。 一つは、運賃のダンピングをして売るということ。これ自身は航空法の問題でございまして、旅行業の固有の問題だということではないと思います。 そして第二に、この航空券を売っている者はだれかと申しますと、これは現行法制では航空運送代理店であり、あるいは航空運送代理店でもある旅行業者でございます。このような安売りの航空券が出回っていることが、実際にいろいろな旅行者に対して、不確実な航空券のために不測の損害を与えるというような事態も生じております。 〔委員長退席、三枝委員長代理着席〕 実際のこれらの問題につきまして、今回改正案を出します際に考えましたのは、とりあえずは航空運送におきます航空券販売の秩序の問題だということを第一に考えるべきことであり、それがまた実際に今後の問題としては、確かに旅行業者と航空運送代理店が領域を非常に接しておりますので、そこにおいてさらに整序が必要であれば、これは将来の問題として検討していくことが必要ではないか、そんなふうに考えております。
○小林(恒)委員 整合性のある法律をきちんとつくり上げていく、こういうことは私は必要だと思うのですよ。そんな意味では、旅行業法を適正化していく、そのために他の法律も一部を改正する、こういったことは通常あるのではないですか。これは航空法百三十三条との関連で、業法固有のものではない、こういった言い方というのは、業法を改正して適正な商行為が行われる、消費者を保護する措置をとっていくといった目的と相反するものが出てきた場合にどうするのかという課題は、そういう形で避けて通れる問題ではないと思うのですよ。 大体年間四百万人を超える海外渡航者が出ると言われている。こういう状況の中で、もぐり業者が消費者と売買行為を行うことを禁止するとか、あるいは業法の適用を受ける旅行業者そのものが無登録のもぐり業者と取引することを禁止するという条項ぐらいは、正確に記載をすべきであったのではなかろうかという気がするのです。固有の問題でないという言い方は、これは撤回していただかなければいけないですよ。見解はいかがですか。
○西村政府委員 問題の所在は、先生御指摘のようなところにあるわけでございます。私どもも、先ほど申し上げましたように、そういう点では、旅行業法の旅行業の対象にこのような航空運送券を売るような事業を行っているものも含ませるということは、十分立法上考えられることでございます。ただ、現実の安売り航空券が出回り、そしてまた、それが旅行者の利益を害するような事態というのは、旅行業法の適用をしたというだけでは片づかない、それは航空運送秩序の回復ということが一つ前提にあるわけでございますので、そのようなこととの関連で、あわせて今後の制度としては十分に検討すべきことだと思います。
○小林(恒)委員 観光部長の言い方、ちょっと雑っぽいんですよね。たとえばイタリアに行くのに、正規の航空運賃であれば七十七万二千円、しかしながら、もぐり業者はパンフレットの中で正確に三十万九百円ですか、西ドイツに行くために七十七万二千円のところは、二十一万八千円から二十六万八千円の範囲内でもって航空券を買ってあげますよ、こういうことをどんどん宣伝しているわけです。会員もふえていっているわけです。この実態を観光部長は知らないわけはないのですよ。こういうものを見てないなんということは言わせないですよ、実際にあるのです。 ところが、こういうもぐり業者が、ある日どろんを決めれば、消費者は被害に遭わないのですか。こういったことを平然とやらせておいているということにつながるのですよ。ですから、あなたの答えていることは、正確な意味で、旅行業界という消費者と直結をする業界に適用する業法を整備するに当たって、どういう感覚で整備をされていったのか。今回、一部改正案として提起をされているものの趣旨がどこにあるのかというそもそもの原点がぼけてしまう大きな要素になるのです。そういうことではあなたのお答えは答えにならぬですよ。 それで、航空局おいでですね。航空局の側にもお尋ねをしておきたいのですが、航空法の百三十三条に、こういった形でいま問題提起をしているような航空券を売買する機構というものが許容されているというところがあるわけですね。これを全面的に削除してしまえば問題点が出ることについて承知をしないわけでありません。しかし、旅行という範囲内で、旅行業という範囲内でこのことを考えた場合に、どのような航空局側の見解がおありなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○仲田説明員 ただいま先生御指摘の航空法第百三十三条の趣旨は、あくまでも航空会社の代理店として、代理として切符を販売するという行為に着目いたしましてできている条文でございます。 したがいまして、旅行業法の立場からいかにあるべきかというのはまた別の観点があろうかと思いますが、販売の秩序を維持するということはもちろん旅行者の利益でもございますが、航空会社ないし航空代理店の事業遂行のためにも最も重要な事柄でございますので、私どもは、こういうような違法行為がないように指導してまいったところでございますし、これからも厳重に指導を続けていきたいと思っております。
○小林(恒)委員 まとめて観光部長にお尋ねをしておきたいのですが、先ほどもちょっと触れました。結論だけを求めたいと思うのですけれども、こういう議論がある。だとするならば、一つは、もぐり業者が消費者と売買行為を行うことを禁止していく、これは今後考えていくのかいかないのか。それから二つ目は、登録旅行業者がもぐり業者と取引をすることについて禁止をする考え方があるのかないのか、明らかにしてください。
○西村政府委員 旅行業者のもぐり業者との取引につきまして禁止する考えがあるかどうかという点につきましては、私どもの方で、先ほど申し上げましたように、現在の航空運送代理店というものの活動を旅行業の中に取り込むのかどうかということがまず先決の枠組みの問題だと思います。個別の取引の禁止ということをいたしましても、なかなか実効性の問題があろうかと思いますので、むしろ先生が最初に御指摘になったような基本的な部分から旅行業法と航空運送の問題を取り上げていくべきだというふうに思います。 なお、余談でございますが、この検討に際しましては、現在の旅行業法の括弧書きというのは、交通機関の切符の代理販売について全部外しているわけでございます。したがいまして、今後この問題を検討するに際しましては、一体どういう交通機関について従来のとおりでいいのか、あるいは航空券の場合でも、国内と国際でどう違うのかというようなこともあわせて、十分実態に即して旅行者の保護という見地から検討していくことだと思います。
○小林(恒)委員 今後も慎重な検討を期待しておきたいと思います。 次に移りますが、六条の一項八号で「登録の拒否」という項目があるわけですけれども、「当該事業を遂行するために必要と認められる運輸省令で定める基準に適合する財産的基礎」とありますけれども、省令で定める事項は一体何々あるのか。随所に省令という言葉が出てくるのでありますけれども、省令そのものが当委員会に明示をされておりません。省令の概括的な中身、これはあなた方に言わせれば、法律ができ上がらないと省令は出せません、こういうことになるのかと思いますが、省令の骨子、全然なくして一部改正ができ上がったとは思われないわけです。概括的な部分で結構ですからお知らせいただきたいと思うのです。
○西村政府委員 主要な問題点につきましては、ここでいま御説明すると大変量が多いので、後刻別途提出させていただきたいと思います。
○小林(恒)委員 法案を審議しているんですからね。法律ができ上がってからでもおまえらはいいじゃないか、こう言っているのと同じなんですよ、観光部長。冗談じゃないですよ。正確な意味で、この省令というのは大体どういう形で出てくるのか。したがって、今回提案をしている一部改正というのはどういうものなのですよということが説明されなくてはいけないのではないですか。そんなのは答えになりませんよ。
○西村政府委員 大変申しわけありませんでした。 省令の内容につきまして、それでは簡単に申させていただきます。 いま御指摘のありました運輸省令で定める財産的基礎でございますが、これは従来「資力信用」ということで、抽象的、包括的に決めていた事項でございます。このような抽象的な形で登録拒否をするということは法の安定性を害するということで、従来通達で明確に定めていたものを、今回はそのまま省令で決めようという趣旨でございます。 この点につきましては、現行は、一般旅行業につきましては純資産三千万円ということでございますので、これをこのとおり省令で決めていきたいと考えております。
○小林(恒)委員 純資産、この財産的基礎というのは、そうすると三千万円から変わらないということですね。
○西村政府委員 そのとおりでございます。 〔三枝委員長代理退席、委員長着席〕
○小林(恒)委員 次に、この営業保証金の関係ですけれども、主催旅行を実施する旅行業者については営業保証金制度の拡充強化をする、この理由については、先ほども話が出ておりますからくどくどと申しませんけれども、営業保証金の金額はどんな形になるのか。
○西村政府委員 営業保証金につきましては、二つございます。 今回の改正で営業保証金を拡充しようとしますのは、一つは主催旅行でございます。主催旅行の営業保証金の額は、現在は一般旅行業につきましては、主たる事務所について六百万円でございますが、これを今後の省令の考え方といたしましては、法改正が認められましたならば、その時点で二千五百万円にいたしたい。それから国内旅行業につきましては、現在主たる事務所について二百十万円でございますが、法施行時にこれを五百万円にしたいというふうに考えております。 それから、第二の営業保証金の改正は、他の旅行業者に主催旅行を委託販売する場合の営業保証金でございます。この点につきましては、一般旅行業につきましては、他の旅行業者の営業所、千営業所までごとに五百万円というように考えております。それから国内旅行業者につきましては、現在関係者とその実態について調査しておりますが、一応二十営業所までごとに十万円というような金額で処理したらいかがかと考えております。
○小林(恒)委員 営業保証金が大変な額の引き上げとなっていくという、このことが示されているわけですけれども、中小の商行為拡大というのは営業保証金の増額、こういったところから非常にむずかしくなっていくのではないか、このことは旅行業界そのものの系列化を促進することにつながっていくのではないのか、こういう心配をするのですが、この点についてはいかがですか。
○西村政府委員 旅行業界全体としますと、非常に創造的な意欲のある業界でございまして、小さな営業規模でそれぞれが独立にいろいろな企画をし、いろいろな手配をし、営業をやっていくということでございます。また、そのようなことが、この旅行業の提供するサービスを多様なものとしているわけでございますが、今回の営業保証金の引き上げによってそのような多様な活動が妨げられるかと申しますと、その点は、一方で旅行者の保護を配慮しながら、一方でそういった中小業者の活動も考えて、一応今回の額を決めたつもりでございます。中小旅行業者も決して楽ではございませんが、決して負担し切れないという額ではないと考えております。
○小林(恒)委員 次ですが、旅行業代理店業の更新の登録廃止などというのが項目として出てくるわけですけれども、一般旅行業者と国内旅行業者は、三年ごとの登録更新が義務づけられる。ただし、旅行業代理店業の更改については廃止をする、こういうことになっているわけですけれども、なぜ廃止をすることにしたのか、この理由を含めて、考え方を示してほしいと思うのです。
○西村政府委員 今回の改正では、旅行業代理店業と、旅行業代理店業が所属する旅行業者との関係につきまして一、二の改正をしております。 それは、旅行業代理店業者は二以上の旅行業者に所属しないということが一つ。そして、旅行取引をする際には必ず所属の旅行業者の名前を掲示し、それを明示してやれということでございますが、このようなことを通じまして、従来とかく代理店が所属旅行業者と関係なく固有の取引をしてしまう。これは旅行業法違反でございますが、こういった事態があったわけで、いまのような改正をしたわけでございます。このように旅行業者の責任の方を今度逆に明確化すれば、旅行業代理店業者自身との問題が起きましても、消費者は旅行業者本人にかかっていけばいいということに相なりますので、旅行業者の資産信用というものを中心に考えれば足り、旅行業代理店業者の資力信用ということは、これは二義的に考えていいことだというように考えたわけでございます。 したがいまして、旅行業者の資力信用について十分に審査していくということ、そして、旅行業者の方が旅行業代理店業をしっかり監督するということを通じまして、旅行業代理店業につきましては、三年ごとの登録の更新によりまして、旅行業代理店業の資力、財産的な状況というものをチェックする必要がないと考えたわけでございます。
○小林(恒)委員 旅行業代理店業者が財産的基礎を有しているか否かということのチェックは、そうすると、全面的に所属する旅行業者にゆだねられることになるわけですね。この代理店の更新の登録を廃止するということ自体、運輸省の側では、行政改革の路線に沿って考えれば、業務がなくなっていくことになるでしょう。ただ問題は、旅行業代理店業の財産的基礎の有無を運輸省の責任においてチェックすること、そのことが、消費者保護の面からも従来は必要であったという認識をされてこういったことがなされてきたのだと思うのです。ここはお役所の仕事ではなくて、親会社、子会社という、表現は余り適切ではないのかとは思いますけれども、業界そのものの責任においてなされるべきものなんだ、こういうことになってしまいはしないのかな、こんな気がするのです。省力化を全面的に否定しているつもりはないんですよ。ないのですが、消費者という立場からした場合、それだけでいいのだろうか、こういった分野でちょっと疑問を持たざるを得ません。ここらについての御見解を示していただきたいと思うのです。
○西村政府委員 ただいまお話しのように、従来は、旅行業代理店業者の資力信用についてもチェックしてきたわけでございます。法律のたてまえから申しますと、旅行業者の代理店が仮に親の名前を示さないで取引をしましても、これは商法の規定で親の責任となるわけでございます。したがいまして、従来とも親の責任で処理すべきことであったわけでございますが、ただ、万一旅行業代理店業者が親の名前も示さないで、かつ自分のためとして取引をした場合、こういう場合には、旅行業代理店業者自身の法的な責任がかかっていくケースもあったわけで、そういった点について、現在の旅行業法では、登録の更新の場合に財産的基礎のチェックをしていたと解されるわけでございます。 その後、この法の運用を通じてみますと、旅行業代理店業者が起こす問題はいずれも本来親との関係で論ずべき問題、旅行業代理店業者自身の最終的な責任の問題というのは私どもほとんど知らないわけでございますので、こういう形で親の方をしっかりやれば現行の状況では十分だということ。のみならず、今回の法律改正で、親の責任が法律的にもより正面に出てまいりましたので、親が十分に代理店の行為を監督することもあわせて期待されるだろうということでございましたので、かたがた国の行政簡素化にもなることでございますので、ひとつできるだけ業界自身の自治の問題、業者自身が秩序をつくっていくことを期待しまして、このような改正にさせていただきました。
○小林(恒)委員 旅行業務取扱主任者制度について御質問申し上げておきたいと思います。 旅行業務に関するその取引にかかわるサービスあるいは確実性、取引条件の明確性、こういったものを公正に確保するためにこういった取扱主任者制度というものが設けられているわけですが、一つは、消費者保護の立場からいっても、また従業員の資質の向上のためにも、従業員全体が本来取扱主任者の資格を持つことが必要なのではないだろうか。二名というところに限定をすることについて、ちょっと疑問を持たざるを得ないわけです。 近年、営業活動そのものをカウンターで行うといったことというのは、もうほとんどなくなりました。旅行業者がカウンターにやってきて、そこで営業するなんということはほとんどなくなった。圧倒的多数がアウトセールスになってきているわけです。その意味では、取扱主任者というものの存在が、こういったところに限定することとなりますと、経営上の管理監督のための資格、こんなことになるのではないだろうかなという気がするのですけれども、直接旅行者と接する者の資格を含めて、どのような考え方を持っているのか。これは、三月十日に出された観光政策審議会の答申の中にも「望ましい国内観光の実現のために」という、審議の中でそれぞれに議論されていることを承知の上でお伺いをしておりますので、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○西村政府委員 旅行業務取り扱いの事務に従事する旅行業者の従業者の資質の向上ということは、御指摘のように大変重要なことでございます。旅行業務取扱主任者の仕事はカウンターで扱うものだけでなく、いま御指摘のような外へ出て外交販売をするというものにつきましても、その契約が適切かどうかを当然チェックしていくべきものでございまして、そういう意味では、単なる名目的な資格ではなくて、実質的な内部での管理チェック業務ということにその働きを期待しているわけでございます。 また、御指摘のような窓口の人たちの能力でございますが、これにつきましては、旅行業者自身の研修あるいは旅行業協会での研修ということを通じて、その能力、資質の向上を図っていくことが必要でございますが、しかし、これを直ちに全部資格制度に持っていくことは、かえって法が不必要な介入をするということでございますので、いま申し上げました最後のかなめの仕事である旅行業務取扱主任者が、各営業所の中心となって十分に適正な取引をするということをやっていただきたいと考えております。
○小林(恒)委員 そこで、資格の問題ですけれども、一つは国家試験、それからもう一つは研修会認定、こういったものが出てきているわけです。従来は経歴認定というものがあったわけですけれども、なぜこの経歴認定というものが廃止をされようとしているのか、ここらについての考え方はいかがですか。
○西村政府委員 旅行業務取扱主任者の資格につきましては、御指摘のように、従来、国家試験と認定制度と二本立てでまいりました。 認定制度は、一定の経験を前提に資格ありと認定するのでございますが、これは一度に試験制度によって非常に短期間にやることはむずかしいということで、昭和四十六年の改正の際には、いわば経過的にそのような認定制度を置いたわけでございます。その後今日の認定制度の運用におきましては、一定の経験を持っただけではやはり不十分なものですから、一定の科目につきまして研修をしてもらっております。そして、その研修の修了試験で合格した場合に、その合格したことを条件に認定しております。 こうなりますと、この制度は、すでにございます国家試験の科目免除、一定の経験者に対する科目免除と同じような働きをしてございますので、これをむしろ国家試験に一本化した方が全体の運用としても単純化して受験者等も非常に便宜かということで、このような制度にしたいと思っております。
○小林(恒)委員 旅行業というある意味での特殊な業種であるだけに、観光地あるいは旅行者が目的とする行き先の実態、こういったものをペーパー上で承知しておるというのと現実に承知しておるものとの違い、こういったものなども大変多く存在するのではないかという気がいたします。これは、百聞は一見にしかずということわざもありますように、経験という長い間に培われたものを尊重して、こういった取扱主任者という部分で旅行業者に一定の利便を与えていく、正確性を期していく、こういったことが大切なことではないのかな、こういう考え方を私は持つのです。 その意味では、一方的に廃止してしまうということについて大変疑念を持ちます。適正化を図っていくという意味で、いま観光部長が言われた内容についてはそれなりに理解をいたしますけれども、廃止するという部分について、経過措置を含めて一部検討の余地があるのではないのかな、私はこういう気がいたしますが、との点での見解はいかがですか。
○西村政府委員 旅行業務の取り扱いにつきましては、実務経験が非常に尊重されるべきことは、旅行業務の特殊性から申しまして御指摘のとおりだと思います。 今回、認定制度を廃止して国家試験制度に一本化するという場合におきましても、従来の実務について尊重するという考え方は、今後とも同様に引き続き変わらずにやっていきたいということで、現在の認定制度をそのまま国家試験制度の中で実質的に同様に生かしていくということで、先生のいまの御指摘にこたえることができようかと思っております。そのような配慮を十分していくつもりでございます。
○小林(恒)委員 引き続いて、添乗員の関係ですけれども、現在数多く行われているパック旅行等で、添乗員が毎日毎日外国にどれくらい派遣されておるのか、観光部長は御承知ですか。
○西村政府委員 現在、旅行業の主催旅行というのは非常な数が行われておりまして、私どもが推計しますに、海外旅行につきましては年間九万件というのが海外旅行の主催旅行の数だろうと考えております。そして、そのうち添乗員がついていくというのは約五割から六割ということですから、大体五万件、海外旅行につきまして年間その程度の旅行に添乗員が行っているのじゃないかと思います。
○小林(恒)委員 数多くあるパック旅行の中で、それぞれ添乗員が配置をされるわけです。 内容的に見ますと、「一週間でヨーロッパ六カ国」などというようなパック旅行というのはざらにあるわけですね、こういったものを見ると。あの広大なアメリカの国内の主要都市を何カ所か回って四日間で帰ってくるという、こんな行程もあるわけです。 一番問題になるのは、添乗員がこういった旅程管理を含めてやっていく、こういうことに義務づけられているわけですけれども、そのこととうらはらに、労働条件、労働基準法というものが守られているという御判断をされるのかどうなのか。大体、朝日が覚めてから、旅行者は言葉がわからないということになれば、添乗員を頼って、朝食事に行くところから添乗員の手をかりなくてはいけないという実態はざらにあるわけですね。夜お休みになる直前まで添乗員の手をかりる、こういった実情の中で労基法は守られているという判断をされますか。
○岡部説明員 添乗員の労働基準法違反はあるかどうかというお尋ねでございます。 私ども、業種別に把握はしているわけでございますが、そういう職種別に全国的な動向というものを実はとっておりませんので、実は法違反の状況というのは把握していないというのが実情でございます。 問題があります場合には、それぞれの労働基準監督署に問題歩提起されまして、そこで、それぞれ処理をされているというふうには思うわけでございますが、それを全国的な形で取りまとめたということがございませんので、その辺はいまお答え申し上げる用意がないということでございます。
○小林(恒)委員 答える用意がないのだからしようがないのですけれども、お役所というところは、監督官の配置数から言えば、一人の監督官が一万五千企業もチェックをしなければならない、これも労働条件でありましょう。だから、そんなにたくさんの業種に立ち至って全部お役所として監督し切っていますなんということを言うことだって、これはおこがましいことなんで、実に正直に言われたんだと思うのですけれども、最近パック旅行だけではなしに、特に海外旅行を通じていろいろな問題点が提起をされてきているわけです。チェックしていないということを了とするものではありませんけれども、重ねてお伺いをしたいと思うのです。 旅行業者が添乗員をつけないで、本来は添乗員を持っていて自賄いをしていくのが基本かと思いますけれども、添乗員株式会社のようなところに添乗員の派遣を要請する、こういったことが頻繁に出てきているわけであります。たとえばツアーエスコート協会、この業務内容は一体どういった業務内容なのかと言えば、何のことはない、ある旅行業者から依頼をされれば、その旅行業者の依頼に基づいて、何人か配置をされているガイドをその旅行につけてやるという、多角的な人材派遣をしますよという宣伝文句なのでありますけれども、添乗員を供給するという会社そのものについて、特に冒頭申し上げておりますように、旅程を管理する、たとえば日本旅行という旅行会社がパックを計画して旅行日程が決まる。集まったお客様の旅程管理をきちっとして、出発から帰国まで見守っていく。その役割りを添乗員が果たしていかなくてはいけない。 こういった場合、問題になるのは、添乗員を派遣する株式会社の人材供給体制、こういったものは従来も随分多くの問題がありました。職安法の三十二条に抵触をするのではないだろうか。旅行業者と添乗員派遣会社がきちっと業務提携をすれば、これは職安法に抵触をするものではないという見解が一方にありますけれども、旅程を管理する、そういうことになりますと、たとえば日本旅行から頼まれれば、ツアーエスコート協会という名刺も持たなければ腕章もつけない、日本旅行株式会社の腕章をつけて、お客様の側から見れば、これは日本旅行の添乗員であろう、こういう認識をしながら旅行をするわけです。 こういった業態から見ますと、果たしてこれは使用、従属の関係というのはどういう形になるのだろうかという疑問を持たざるを得ません。ここら辺、一つは、観光部長の側で把握をされているものがあれば実態を明らかにしていただきたいと思いますし、労働省側の見解もただしておきたいと思うのであります。
○西村政府委員 現在、添乗員を派遣している会社といたしまして私どもが承知しておりますのは、大体十三社ほど業界にはあって活動しているようでございます。その数が、全部で添乗員が何人であるかはまだ正確には把握しておりませんが、そのような会社では、大きいところでは二、三百人、小さいところで二、三十人の規模で提供をするということをやっていると理解しております。
○田代説明員 いま先生御指摘ございましたように、最近、旅行業者のパック旅行というのに旅行業者のいわゆる直用の添乗員でなくて、他から、他に委託をしてその業務を行うケースがある、こういう御指摘がありましたので、私どもの方としましてもただいま調査に入ったところでございます。したがって、現在この添乗員の業務というものが、つまり委託を受けていると言われる添乗員の業務というものが果たしていかなる範囲にわたる業務なのかということについては、現在必ずしも詳細に承知している段階ではございませんけれども、ただ委託を受けた添乗員という業務が、完全に独立した業務として請負になじむものなのかどうなのかということは、一つの検討問題になろうかと思います。 私ども現在まで承知している限りにおきましては、その派遣する会社というものが派遣する添乗員との間に一応雇用関係を結んでいる、こういう形式をとっておるようでございます。したがって、先ほど先生が御指摘になりました三十二条的な、つまり三十二条は有料職業紹介事業でございますから、これは労働大臣の許可をとって行う職業紹介ということになります。三十二条の問題に大きくかかわるのか、同じ職業安定法四十四条、いわば労働者供給事業の禁止規定、こういったものと関連を持つものか、これはなお詳細に検討しなければはっきりいたさない次第でございます。 ただ、いかなる業務におきましても、先ほど申しましたように、完全に独立した業務としての請負が可能であるならば、これには四つほどの条件を持っておりまして、先生御案内のとおりだと思いますけれども、そういった条件をすべて満たして行えるということであるならばこれは別でございますけれども、その点についてはなお今後調査をいたしたい、かように考えております。
○小林(恒)委員 添乗員に限定をして考えますというと、旅行業者が旅程をつくる、この旅程に従って添乗員は作業をする、こういったことになりますと、添乗員株式会社との従属関係というのはもうなくなってしまって、これは旅行会社との従属関係になってしまうのではないのかという、こういう気がしますよ。 なぜこんなことを申し上げるのかと言えば、私が今日まで調査をしてきた範囲内で申し上げますというと、これはある添乗員派遣株式会社です。本社は東京にあって、専従スタッフが七名おる。パートという形でおよそ六百名の要員を抱えている。形としては旅行会社からどこどこに、オーストラリアに行きますよとこういうお話が来ると、オーストラリアが得意な添乗員に電話をして、こういうのが来ましたよ、あなた行ってください、こういうことになるんでしょうね。六百人ものパートを抱えているという、こういう実態で、これはまあ人によっても大変千差万別なんです、労働量が。年間に、登録をされているメンバーがゼロということもあれば、かと思えば最高二百五十日仕事に従事をしている、こういう人もいるわけです。だけれども、延べでおよそ二百日ぐらい添乗業務についている、こういうことになりますというと、一つは労働条件の問題もありましょうし、またもう一つは、平均して二百日も海外に派遣をする、そういった従業員を六百名も抱えておく、抱えておくだけの従業員としての措置を、雇用関係をこういった添乗員株式会社が十分に持ち得るのかどうなのかという疑問を一つ持ちます。これはまさに供給事業になってしまうのではないのか。だとすれば、使用員との使用、従属の関係とは見れなくなってしまうのではないか。有料の職業紹介というものだとするならば、これは三十二条の中で職種は限定をされているけれども、添乗員という職種は、約二十項くらいあるんでしょうか、あの中にはないわけですね。で、こういった特殊な仕事ですよというならば、特殊ななりに法に抵触しない形というものをとらなくてはいけないんですけれども、実際はこれが放置をされたままで——添乗員派遣株式会社の各旅行業者に配付をされているパンフレット、これは実に目に余るものがあるのです。 簡単な文章ですからちょっと読んでみますと、旅行業者よ、あなたは直接添乗員を雇用する必要がありませんと、こういうんです。なぜかならば、そういう者を雇用すると、仕事がないときに不要時の解雇をするとか、あるいは六カ月間以上継続して働かせた場合に正職員化をするとか、あるいは労働組合問題などを含めた労務管理上の問題など、複雑な事務手続を要する人事管理というものに煩わされる必要がなくなるんですよと、こういうことを言っているんです。 本来、こういった課題というのは旅行業者に訴えるのではなくて、添乗員派遣株式会社そのものがこういったものに本当は悩まされなければいけないんじゃないですか、正確にやっているとすれば。やっていないから、派遣株式会社の中では何にも問題が出てこない、こういったことになっていっているのではないかと想定をされるのです。 正確な意味でのチェックと、労働省そのものも大変要員のきつい中でお仕事をされていることについては私もよく現場の実態を承知しているつもりですけれども、問題点が上がってくるまで待っているという問題ではなくて、みずから、あえてここで提起をしているわけですから、調査に乗り出すというこんな考え方を持っていただきたいと考えるのです。考え方はいかがですか。
○田代説明員 先ほどもお答え申し上げましたとおりに、現在その内容を必ずしもつまびらかに承知していない段階でございますけれども、少なくとも一方において雇用関係を持つという姿をとっている。しかし、派遣される添乗員そのものは、本来ならば請け負った業務は請け負ったところの指揮監督のもとに業務を遂行しなければならないわけですけれども、これがまたそこから離れて一つの業務を執行する、こういう形態になりますゆえに、その点で先ほど申し上げたとおりに請負そのものになじむ業務であるかどうかということが一つの問題点である。 また、先生おっしゃられるとおりに、それが、派遣元と言われる会社が単に人をあっせんする行為だけに終始してしまうということになれば、先生御指摘のように、民営の職業紹介としまして現在二十四の職種を設定しておりますけれども、本来その中で扱われるべきものかどうかの検討課題も出てこようかと思います。そういう点で私ども、先ほど申し上げましたとおりに、この状態については十分に調査をしまして適切な指導に移りたいと思います。
○小林(恒)委員 あと一つだけ御質問申し上げておきたいと思いますが、主催旅行の場合、旅程管理業務を添乗員が行う、こういうことになっていますね。この場合、添乗員が同行しない主催旅行というのはあり得るのかどうなのか、観光部長の見解を求めたいと思います。
○西村政府委員 添乗員の業務は、旅程の管理をするということでございます。しかし、旅程の管理をするに当たりまして、最初から最後まで添乗員がいなければ旅程管理ができないかといいますと、非常に旅行の態様が簡単なものにつきましてはその必要がない場合がある。たとえば航空機の中では添乗員がいてもいなくてもまあ問題はないということで、両端の飛行場で添乗員がいればそれでもいいということで、添乗員がリレーをするという形でそれをつないでいく、添乗員がいない期間が出る場合がございます。それから一つは、添乗員が行くよりは現地の旅行業者に添乗員と同じ仕事を任せた方が、現地事情にも詳しい、現地の交通機関の手配等もやっているという場合には、そちらに添乗員と同じ業務を任せるというケースもあると思います。
○小林(恒)委員 若干のモデルが示されていますけれども、このノー・エスコート・ツアーの場合、いま言われたようなものだけでしょうか。できれば二つ三つ、モデルケースを明示してほしいと思うのです。
○西村政府委員 完全に添乗員がいないケースとして考えられておりますのは現地集合、先ほど申し上げましたような現地の旅行業者にすべてを任せて、そして実際の手配は、現地から管理を必要とするという形で、日本を出るときに旅行業者の方が旅客を乗せまして、あとは全部現地の旅行業者任せということになりますと添乗員が全くつかないというケースが出てまいります。それから、非常に簡単な旅行では、現地の飛行場で出迎え、ホテルまで届ける、ホテル以後は、また最近利用が多くなっていますフリータイムというような形でホテルだけ利用している、そして最後に飛行機が出発する前に、また現地の駐在員なり現地の旅行業者が飛行場までその業務をやるという形で、省略するということで、基本的なパターンは、現地が手配するあるいは現地の駐在員がこれを代行するということ、そういう場合に添乗員が必要でないというケースが出てくると思います。
○小林(恒)委員 終わります。
○越智委員長 吉原米治君。
○吉原委員 同僚小林議員とできるだけ重複をしないように、引き続いてこの旅行業法の改正案について質問を続けたいと思います。 いま政府側委員の御答弁を聞いておりますと、どうしても不可解な点がございます。特に、労働省職安局いらっしゃいますね。——職安法の三十二条の解釈、それと四十四条の労働者供給事業、これと関連して、いまたまたま、旅行業者と添乗員派遣会社との間で一定の契約がなされて添乗員なるものを派遣した場合には、両方の、三十二条にも四十四条にも抵触しないのだ、合法化されておるのだ、こういう御答弁がございましたが、どういう契約をした場合に合法的になるのですか、ちょっと聞かせていただきたい。
○田代説明員 お答え申し上げます。 先ほど御答弁申し上げましたときも申し上げたとおりでございますが、いま行われている添乗員の派遣が合法であるかどうか、これは私どもの方はいま調査をして結論を出したいと考えますので、合法であるということを述べたつもりではございません。 そこで、問題になる部分といたしまして、職業安定法上では、一つは三十二条のいわゆる有料職業紹介関係の規定、つまり、これは御案内のとおりに、現在の労働力需給の観点から国の公共の機関をもってその調整に当たっているわけでございますが、特定の職種につきましては労働大臣の許可のもとに民間において職業紹介ができる体制をとっているわけでございます。ただ、現在この中で行われておりますものは二十四の職業でございまして、この中には添乗員業務というようなものは入っておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、現在まだ詳細な調査が完了しておりませんけれども、私どもがうかがい知っている限りにおきましては、この派遣する会社は、派遣する添乗員について一応雇用契約を結んでいるということ、それから派遣する相手先である旅行業者との間に業務委託契約というものを一応結んで行っているという形態があるということは先ほど申し上げたとおりでございます。 したがって、通常職業紹介と申しますのは、御案内のようにその雇用関係の成立をあっせんする行為でございますので、すでに雇用関係を持っているという立場でのお話でございますので、いま申しましたとおり、三十二条の問題よりも四十四条の問題としていかなる問題があるかというものをまず当面はっきりさせていきたい、かように考えているわけでございます。
○吉原委員 いままでに、どういうケースの場合に労働大臣が許可をして、そういうことをやらした場合があるか、その具体例があればひとつ示してほしい。
○田代説明員 いまの御質問は四十四条に関しての御質問だと……
○吉原委員 四十四条はいいから三十二条。
○田代説明員 三十二条は、先ほど申しましたように職業紹介行為でございまして、現在、二十四の職業というものについては、これは特定のいわゆる特殊な業務であって、必ずしも公共職業安定所がこの紹介に当たるよりも有効な紹介行為ができ得るだろう、こういったものについて定めておりまして、内容を申しますと、たとえば芸能関係の仕事であるとか、あるいは科学技術者とか経営管理者の方であるとか、あるいは医師、看護婦、そういった方の関係であるとか、いずれも特定の資格なり経験なりあるいはそういった領域なりというものを持っている二十四の職業についてこれは労働大臣が指定をいたしておりまして、これに基づいてそれぞれこの職業紹介事業を営もうとする方が申請をいたしてこれに許可を与えてきている、こういう次第でございます。
○吉原委員 そうすると、旅行業に関係してそういうことは過去ないということですか。
○田代説明員 旅行業に若干関連をするものとすれば、現在指定している中で通訳というものがございます。ただ、これは直接関係しているというよりも、間接的には関係する分野があろうかと思います。
○吉原委員 そうしますと、具体例を申し上げますが、こういうケースの場合はどうなるかという質問をしたいと思うのです。 いまあなたは、その三十二条によって労働大臣が許可する、旅行業の関係としては通訳ということぐらいしか考えられない、通常の旅行に添乗していくあるいはそのガイドをする、旅行業として直接関連のあるような職種は労働大臣の許可の範疇外であるというふうに理解する。 ところが五十六年の十月七日に、添乗サプライサービス協会というのが設立されております。この協会が発足しておる目的、これはあくまでもこの業種が人材派遣であることから労働省の管轄下にあるという見方がある一方で、仕事の内容は旅行業の部分であることも確か。監督官庁が明確でない、宙ぶらりんの業種となっておる。こうしたことから同協会では、今後添乗員派遣を旅行業の関連業務として運輸省管轄下の職種に位置づけていくことを最大の目的としておる、こういう目的でもってこの協会が発足したのですが、労働省としてはこういう協会の存続というのは、いますぐとは私は考えられないけれども、近い将来合法化されていくものだという御認識を持っていらっしゃいますか。まず第一、こういうものが設立されておるということは御承知ですか。
○田代説明員 その会の設立につきましては、不明でございましたけれども昨日まで存じませんでした。したがって、まだその協会そのものが何を目的として行うものであるかということについて十分承知いたしませんので、それがわれわれ労働行政上いかなる問題を含むのかどうか、現在のところは何ともお答えができないと思います。
○吉原委員 そうしますと、労働省職安局としては、いまの法律からいくと許可のできない、つまり合法的なものとは言いがたい、なお調査をしてみぬと答えようがない、そういう認識でいいんですね。よければ答弁要りません。いかがなものですか。
○田代説明員 申しわけありません。先生御指摘の職業紹介上においては、少なくとも合法性は全くないと思います。というのは、指定職種外のことをもし取り扱っているとすれば、それは少なくとも合法ではないということははっきり申し上げられると思います。ただ、先ほど申しましたように、実際に行われている仕事が完全なるいわば請負の形で行われているものであるとするならば、これは現行職安法上に触れる問題ではございませんので、その点は調査をもってはっきりさせていきたいと考えております。
○吉原委員 そこで、観光部長の方に関連してお尋ねをするのですが、新法の二十五条、ここで団体の届け出ということが規定されておりますが、今度の新しい条項ではわざわざ、「旅行業者等」という表現になっておるわけでございまして、この「等」というのは、本来旅行業ではないけれども、それに関連するようなものも一緒に今度は包含をしていこう、こういうふうに理解をしておるんですが、間違いないですか。
○西村政府委員 ただいまお話しのように、今回の旅行業法改正案の二十五条では、「旅行業務に関する契約の実施のための業務に従事する者」が組織する団体も届け出の対象にするということで、いわば旅行業に関連する業務を行う団体の届け出でございます。
○吉原委員 そうすると、先ほど労働省の方にお尋ねした添乗サプライサービス協会、これは具体的にはその中に入るんですか。
○西村政府委員 法律が改正されますと、届け出の対象になると思います。
○吉原委員 もう一つ、株式会社海外旅行という会社がある。代表取締役は杉山佳ということになっている。この会社は昨年の十二月、三年更新の登録のときに不適格ということで登録が取り消されておる業者なんです。こういうものも、いまあなたがおっしゃった二十五条の「等」の中に入る企業なのかどうなのか。
○西村政府委員 その会社の業務は、旅行業務の契約の実施のための業務に従事する者ではないと思いますし、また、そのような者の組織する団体があるということも聞いておりませんので、これは二十五条の対象にならないと考えております。
○吉原委員 どうも部長、おかしいと思うのですがね。去年の十二月まではこの人は旅行業者だったのだ。登録業者だった。たまたま、どういうことか知らぬけれども、純資産が三千万以下ということで登録が許可されない。これであっても、いまあなたがおっしゃった旅行業務に関連をする団体、会社も団体でしょうから、それに入らぬのですか。
○西村政府委員 いまお話しの会社は、昨年十二月の更新の時期に更新の申請をしないで事業の廃止をした会社でございます。そして、この二十五条の対象といたしますのは、旅行業者が行う旅行契約の実施のための業務を行う者でございます。
○吉原委員 そうしますと、先ほど同僚議員が質問をしておりましたが、航空券のダンピング、こういうことをいまこの会社がやっておるわけですね。今度はこの二十五条の範疇外だ、こうおっしゃるけれども、こういった旅行業に関係をする、あるいは関係会社との間で旅行業に関する具体的な契約を結んだ場合には、こういうことをやっていいのかどうなのか。こういうことが、航空券をべらぼうな値段で販売するというふうな行為が旅行業法では規制ができない、こういうことになるのでございますか。
○西村政府委員 先ほどの御指摘があった問題でございますが、航空券そのものを単に販売をするという行為は、現行の旅行業法では対象にいたしておりませんので、いまお話しの海外旅行という会社が行っている行為が航空券の販売ということであれば、旅行業の対象ではございません。
○吉原委員 それでは、先ほどの添乗員の派遣会社の問題にまた話を戻しますが、今度は、本来旅行業者ではないのにこの今度の旅行業法によってこういう団体、先ほど言いました添乗サプライサービス協会なるものを業法で認知することになる。そうなってまいりますと、いま労働省からの見解も出されましたが、至って無責任な添乗員が今後出てくることが予測されるわけでございます。 本来この添乗員というのは、その旅行会社の正規の従業員、こういう者で消化されるべきものだと思っておりますが、どうですか。
○西村政府委員 旅行業務の遂行に当たりましては、実態が大変複雑でございますので、二十五条の今度の改正でも、旅行業の履行補助者として、海外で実際に手配をする海外ツアーオペレーターなども対象にしようということで考えておるわけでございますが、そういう点では添乗員の業務もまた履行補助者の一つでございます。私どもは、その履行補助者が適確な業務を遂行すればいいというふうに考えておりますが、今回の法律改正では、添乗員の資格を一定の研修と経験ということで要求しておりますので、そのような点を十分満足すれば、一応法律上の問題は生じないと考えております。
○吉原委員 法律上の問題は生じないといいながら、今度の業法改正そのものの趣旨からいって、旅行者の保護をする、あるいは悪質な業者を一掃するというねらいもあるでしょう。そういう意味から、私はあえて旅行業の現地の一番責任者といいますか、その会社の代理人のような形になるこの添乗員の質の問題、ここを改善しないと、あるいは添乗員の資質を向上しないと、法の改正の目的は達成できないと思っておるのです。いま申し上げましたような、きわめて無責任な添乗員が今後出てくる可能性もある。 その添乗員の仕事ですね、今度新しく用語で生まれました「旅程管理業務」、この中身をまず聞かしていただきたい。
○西村政府委員 今回の法律で問題としました主催旅行では、その一番の中心は、やはり旅行業者が旅行を計画したわけでございますので、それに応じて旅程を管理するということでございます。 したがいまして、まず自分の立てた計画を確実に実行するということで手配をチェックしていく、そして、旅行業者が手配した先から旅行サービスを確実に受領するということ、これは団体旅行の参加者のために確実にサービスを受領するということ、そして、予測しない事態が生じたときに必要な旅程の変更を行って、原則として基本的な計画の実現に努めるということ、そして団体を統率して最後まで旅行を完了させるようにする、以上が主な旅程管理の業務と考えております。
○吉原委員 そういう重要な旅程管理業務を自分の会社とは別の第三者の企業、会社といいますか、先ほど言いましたそういう協会、しかもその協会の職員のような、そうでないような、パート的にその協会に登録をしておる、そういう者を雇って、それで旅行業者が計画をした重要な旅程管理業務を一体どういう添乗員で消化できるだろうかどうだろうか。事故の起きた場合の対策などについては、それはなれておるかもわからない。しかし、本来旅行業の、主催旅行をやる会社の従業員でないから、いい悪いは別として、おれは会社の代表なんだ、現地での代表なんだから、この乗客との間では、ひとつ完全な楽しい旅行をやってもらおうなんという、本来旅行業者の立場といいますか、その旅行を主催した会社の立場というのは、非常に認識は薄いと思うのです。 いま旅程管理業務の中身を説明されましたけれども、そういうことはできないと私は思っておる。きわめて無責任な添乗員が今後出てくると思うのですが、この添乗員の仕事というのは、大半がこの旅程管理業務を行う。一般的に言って、添乗員の業務基準だ、こういう理解をするのですが、いかがですか。 また、その結果起きたいろいろなトラブルについては添乗員の責任になるのですか、旅行業者の責任になるのですか、どっちですか。
○西村政府委員 添乗員の業務の基本は、先ほど申し上げましたように旅程の管理でございます。添乗員が行うのは、まさに旅行契約に基づきまして旅行業者が果たすべき旅程管理の業務を現地で行うものでございますので、当然、添乗員の行った行為というものは旅行業者が責任を持つわけでございます。この点は、いまお話がありました添乗員派遣会社からの添乗員であろうと、またこのような派遣添乗員と同じように海外のツアーオペレーター、いわゆるランドと呼ばれておりますが、そのランドが行います添乗業務、日本から派遣される添乗員と同じような業務をやっておりますが、これもやはり同じように最終的には旅行業者の責任でございます。 そういう点で、今日まで派遣添乗員が実際に問題を起こしたかと申しますと、私どもはそれは聞いておりませんし、派遣添乗員がふえておりますし、また一般的に派遣添乗員の資格そのものについて悪い評判は聞いておりません。
○吉原委員 ちょっと営業保証金の問題で、先ほど同僚議員にお答えになったわけでございますが、営業保証金制度を拡充強化する、そのことによって不良業者を一掃するというねらいがあると思うのです。それはそれなりに理解するのですが、一律に、大小問わず、少なくとも登録をしておる旅行業者には五千万だとか、あるいは代理店の数によっては一店三十万、さらに受託営業所に係る保証金については、千店舗までが五百万、こういう一律に増額をするということについてはいかがなものか。特に中小の企業の立場からいきますと、私は大変な負担になると思うのです。 そこで、少なくとも受託営業所に係る保証金、こういうものは、取り扱い高といいますか、その会社の過去二、三年なら二、三年のデータでもいいのですが、そういう取り扱い高、量によって差をつけるべきだ。たとえば千店舗まで広げる場合は五百万といまおっしゃったわけですが、一店舗から百店舗未満とか、百店舗未満は、たとえば百万なら百万でいいとか、そういうまじめな中小企業が立ち行くような配慮をぜひすべきだと思いますが、この点についてはいかがですか。
○西村政府委員 ただいまの御質問でポイントが幾つかあると思いますが、一つは、中小旅行業者の負担が大きくないかということが実質的な問題点だと思います。 御承知のように旅行業協会に加入いたしますと、その負担は分担金として五分の一になりますので、今回の改正の場合に千店舗まで委託いたしまして、営業保証金の額でございますと五百万でございますが、負担は百万円ということでございます。そして刻みを千円、二千円という、このような非常に粗い刻みにしておりますが、中小の旅行業者と申しましても非常に数多く店舗を使っております。私どもが調べましたところ、過半数のものが五百店舗以上のものを使っております。したがいまして、おおむね千という刻みでやっていくことが実態に適するというのが中小旅行業者側の意見でございました。 それから、いまの刻みをそういうふうに非常に粗くいたしましたのは、実際に中小旅行業者がパンフレットを配り、取引をする相手の事業者の数が非常に多いものですから、その都度数を変更すると非常に厄介だということで、その間新たな手続きが要らないように手続を簡素化するという趣旨でこのような粗い刻みにしろというような、非常に強い要請であったわけでございます。
○吉原委員 これはいますぐ、約款の中でこういう問題については検討されるわけでございましょう、違いますか、具体的に金額を幾らにするかというのは。
○西村政府委員 金額の決定は省令ですることになりますが、なお御指摘のような問題もよく勘案しまして、今後省令を決めます際にはもう一度関係者の意見を十分聴取する予定でございます。
○吉原委員 はい、わかりました。 そこで、業者と添乗員、この二つがやはりきちっと歯車がかみ合って一つの観光をしなければならないと思うのですが、そういう意味で添乗員の質、あるいは旅行業務取扱主任者、こういうものを制度として充実強化していかなければならないと思うわけでございますが、今度の法改正の中で、従来の経験重視といいますか経歴認定、こう私ども言いますが、その経歴認定制度が実は今度はなくなっておるわけです。これは観光部長もよく、添乗員の場合は、あるいは旅行業務取扱主任者、こういう者は幾らペーパーテストができたとしても、経験がないとどうしても役に立たない。今日までは経験を大変重視してこられたわけでございますが、今度の法改正でわざわざこの経歴認定制度というものをやめてしまった。いままでの経歴重視という運輸省観光部の方針からいって、いささか問題があるように思いますが、従来の国家試験だけで取扱主任者を決める、あるいは講習会で認定をする、もう一つこの経歴認定という三本立てのものが、今度は二本立てになるわけでございますね。こういった講習会認定というものが残るわけでございますが、三つあった制度を二つにする、その残した二つの制度の中で、経歴を重視するという考え方はどこでどう救済をしていくのか、具体的にお答え願いたい。
○西村政府委員 旅行業務の取扱主任者の試験に今回一本化するということでございますが、取扱主任者の試験につきましては、一定の経歴のある者につきましては主任者試験の一部免除という制度が現行法では設けられておりますので、こういう点で一定の研修あるいは一定の資格のある者についてやっていくという運用で、従来認定制で行っておりました実際の講習、そして認定という形をこの中に十分取り込んでいきたいと考えております。実質的には従来と同じような内容でやっていけると考えております。
○吉原委員 具体的には国家試験の一部を免除する、従来経歴だけで資格を得た人は、十年の間に七年の実務経験があれば経歴認定だけで、若干のテストがあったようでございますが、書類審査というかそういう審査だけで資格がもらえた。それともう一つの、五年の間に二年の実務経験のある者、これは講習を受けて試験を受けてそして資格を取る、こういうことになるわけでございますが、今度の場合、三つあったのが二つになるということになると、五年の間に二年の実務経験のある者は一体講習会に従前どおり参加できるのかどうなのか。七年たたなければ講習会にも参加できない、そういうことが起こってきそうな感じがするのですが、その点は問題は起こりませんか。
○西村政府委員 試験科目免除の前提となります講習会の参加については、従前と同じような形で運用する予定でございます。
○吉原委員 そこで、一番問題になります出先で添乗員がやる行為になるわけでございますが、法十三条ですか、禁止行為がそれぞれ書かれてございます。もちろん法的な違反事項はやってはならぬことでございますが、添乗員と旅行者との間で過去いろいろ現地でトラブルがあったようでございます。 特に十三条の三項に、「旅行業者又はその代理人、使用人その他の従業者は、その取り扱う旅行業務に関連して次に掲げる行為を行ってはならない。」とありますが、「代理人、使用人その他の従業者」というのは大変漠然とした表現でございます。具体的には、「代理人」ぐらいまではわかりますが、「使用人その他の従業者」とは一体どういう者を考えていらっしゃるのか、そのことが一つ。 それから、「旅行業務に関連して」とあるのですが、旅行業務に関連して旅行先に行って添乗員に、あれをしてくれ、これをしてくれ、こういうところに行きたいが案内してくれ、こう言われて案内をするということも含めたものになるのかどうなのか。それが含まれるということになりますと、添乗員としては現地での言動は非常に制約をされる。よほど気をつけてやらないと、法的な責任はそれは業者にある、こう言われても、その社内の罰を食わなければならぬ、そういうことになりますから、添乗員は非常に神経質にならざるを得ない。 ですから、「その他の従業者」というところはどういうことを考えておって、「旅行業務に関連して」というのはここまででございますよという定義があれば、ひとつお答え願いたい。
○西村政府委員 十三条の三項の「代理人、使用人その他の従業者」のまず範囲でありますが、「使用人」は通常雇用されている者を指していると思いますが、「その他の従業者」は、実質的には先ほど申し上げた現地のいわゆるランドという手配業者の従業員で、旅行団体に同行して添乗業務をやるという者が含まれるかと思います。 そして、「旅行業務に関連して」ということでございますが、これは一番狭いのが、旅行業務そのものとして行う場合、それから旅行業務を行うに際して旅行業務のために行う行為、それから一番広いのが、旅行業務を行うに当たってその時点で旅行業務を遂行することと一緒に行う行為ということが「旅行業務に関連して」の範囲だと思います。
○吉原委員 そういう抽象的な表現は、私も答えることができるのです。旅行というのは、そういう意味では大方観光だと思うのですね。だから、シンガポールならシンガポール、ハワイならハワイ、そこへ行って町を観光するという場合に、当然目的が観光ですから、市内を観光したい、こういうことになるわけでしょう。ですから、大方の皆さんが休んでから、この町の何町へ行ったらあなたの希望するところがありますよ、こういう情報提供を添乗員から受けて旅行者が個人で行ったという場合には、添乗員は情報を提供したということだけでもって問題になるのかならないのか。ここら辺ですよ。非常に微妙なところですが、「旅行業務に関連して」という限度といいますか、このぎりぎりのところが聞きたい。ここまでは大丈夫だけれども、これから以上はいけませんよ、添乗員の禁止行為。
○西村政府委員 「旅行業務に関連して」ということに関しましては、先ほど一般的なお答えを申し上げたわけですが、実際には、添乗員が同行してやっている場合に行われることは、通常「旅行業務に関連して」と理解すべきだと思います。 そして、いま言われたようなやり方、そういった話をするということにつきましては、その後の「便宜を供与する」ということに当たるかどうかということの問題だと思います。私ども、「便宜を供与する」というのは、サービスの提供に関連しまして、直接サービスの受け手が便利になるような行為を指すわけでございますので、そのような関連性が比較的乏しいような、たとえばその市内の地図が欲しいというようなことは直接的な関連がないわけでございますが、その市内でこういうサービスをやるのはどういう店があって、そこはどういうふうに行けばいいのだということを逐一教えるという行為、これは「便宜を供与すること」に当たるかと思います。
○吉原委員 時間が来ましたけれども、そういう情報提供も含めてこれは禁止行為の範疇に入るのだということになりますと、これは見られたかどうかわかりませんけれども、こういうガイドブックがたくさん町にはんらんしておる。このガイドブックで、お客は少なくとも一定の知識を持って現地に行くわけです。その場合に、どうもこの町のここは行くのがわからぬ、ちょっと案内してくれ、あるいは、ここに行くのはどうしたらいいのか、添乗員にその情報を受けて行かなければならぬということになるわけでしょう。それができない、今度の禁止行為でできないということになると、情報を提供することはあかぬということになりますから、それを拒否した場合に、乗客と添乗員との間では当然トラブルが起こる。君は何のために添乗員で来たのか、知っておってもお客に情報を提供せぬのか、けしからぬ添乗員だということになるでしょう。私は現地、出先でトラブルが起こると思いますよ。そういう問題はどうするのですか。
○西村政府委員 今回の法律改正の目的は、不健全な旅行を防止するということにあるわけでございますので、少なくとも不健全な旅行を防止するのは、まず旅行業者に対して、そのような行為に関与することを自制するということを要望しなければならないわけでございますが、いまお話しのように、しばしば旅行者側がそのような行為を旅行業者、添乗員に強要するという場面もあると思います。 この点につきましては、大変遺憾なことで、この法律が本当の意味で実効性を持つには、国民一般が、そういうことはよくないのだということを十分理解した上でないと、この法律を厳密にやることは、おっしゃるように旅行業者あるいは添乗員いじめになりかねないということを強く私も憂えます。その点につきましては、国民一般が本当にそういうことはいけないということをよく自覚してやっていただく、旅行業者だけあるいは添乗員だけを悪者にするような一般の風潮があれば、それは私も添乗員と一緒に抗議したいと思います。そういうことで国民一般の御理解をぜひ得たいと思います。
○吉原委員 時間が参りましたけれども、いまの観光部長の御答弁で納得はできませんが、あとまだ三十分、時間をきょうは残しまして、終わりにしたいと思うわけです。 最後に大臣、二時間にわたっていろいろ観光問題を御勉強になったと思うのでございますが、御案内のように大変問題のある業界でございます。あるいは問題を多く含んだ業種かと私は思うのです。そこで、監督官庁である運輸省として、特に最高責任者である運輸大臣として、今後観光行政を一体どういう方向で指導していかれようとするのか、決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいままで二時間にわたって両委員から、きわめて適切な問題点の御指摘があったと私は思います。ずっと伺っておりまして、そうした問題あるいは運営上においてそういうことが起こらないようにするということは、運輸省としても十分考えてまいらなくてはならぬと思います。 今度の法律が、先ほど来るる申し上げているように、やはり旅行者の保護ということが非常に大事なことである。同時にまた、社会的に、世界的に見ましても、日本の旅行そのものが、ある場合には相手国の法律に違反するようなこともあって、その点多々指摘されているという現実もあるわけでございまして、そうしたもろもろの問題を今度の改正によりましてできるだけよりよいものにしていきたいという考えでございますが、これは特に旅行業者の責任というものがやや過重に思えるほどの重さになるわけでございますが、その点を十分理解していただきたいのと、同時にまた、旅行するわれわれ自身も、あらゆる面において世界的な日本人としての姿勢を保つことを期待しているわけでございます。
○吉原委員 終わります。
○越智委員長 久間章生君。
○久間委員 旅行業法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、運輸大臣初め関係部長にお尋ねいたしたいと思います。 まず初めに、今日、国民所得の増大と国民生活の向上によりまして、国民の旅行に対する欲求といいますか、意欲は非常に増大してきておりまして、また、その求める旅行の態様というのも多種多様に変化してきておるわけでございまして、そういう意味では、昭和四十六年に施行されました本旅行業法を、十年以上たった今日この時点で新たに見直して改正をされようということは、まさに時宜に適したものだと私自身も考えております。 そこで、このような趨勢が過去十年間の間に、海外旅行をとってみましても、百万から四百万というふうにふえてきたわけでございますけれども、こういう趨勢を踏まえながら、これから先わが国の旅行というのは一体どういうふうに変化していくのか、そういう中にあって旅行業というのをどのように位置づけようと考えておられるのか、特に外国との旅行というのは、これは国際交流の意義という点からもいろんな問題を持っておるんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣におかれまして、この点についての御所見をまず承っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 今度の法律改正の趣旨は、ただいま委員の仰せられたとおりの点であるとわれわれ認識しておりますが、やはりこうした国民のニーズに対して十分対応できるような、そしてまた、今後あらゆる面において日本人の、国民の海外との交流の機会を増大していく、そうしたことが企図されたとおり、また期待されたとおりに運ばれていくことのためには、まず第一義的に、旅行業者というものが今日までの、十年昔につくった法律である以上に今日的な姿に変貌していかなければならないということであると思うのであります。 〔委員長退席、楢橋委員長代理着席〕
○久間委員 細かい問題に入ります前に、基本的に希望を述べておきたいと思いますけれども、今回十年たってこのように旅行業法の一部が改正されることになったわけでございます。 私は、この旅行業法というのがどうも旅行業者、それを中心に規定して、旅行あつ旋業法以来ずっと今日まできておるわけでございますけれども、海外での不健全旅行の問題を初め、あるいは海外でいろんな事件を頻発する、そういう問題も含めまして、これから先は、旅行業者ではなくて、旅行そのものあるいは旅行者というのをもう少し前面に出して法律上規定していくというような、そういう時代がやはりやってくるんじゃないか、そういうような気がいたしておるわけであります、後からまた問題にしてまいりますけれども。先ほど航空法の百三十三条ですか、その問題につきまして同僚委員から質疑があっておりましたけれども、その話を聞きながら、やはり航空法は航空業界、航空業という業を規定しておる。旅行業法は旅行業という業者を規定する法律になっておる。運輸省の法律はえてしてそのように業者を規定する、規制するための法律という形で規制がなされておるために、どうしても旅行業者に概念をしぼって議論をすると、いろいろと非常に両者間の接点といいますか問題点が、片一方は片一方の問題だということになってしまって、なかなかむずかしい問題があるわけですけれども、これはやはり一つには、旅行者の保護ということを盛んに大臣、おっしゃられましたけれども、旅行者の保護というよりも、やはり旅行業者を規制する法律として旅行者を保護しようという間接的な保護になっているために、少し無理があるんじゃないか。これから先ますます旅行者がふえていって、今後四百万人があるいは一千万人になるとか、拡大していきますと、正面からそのように旅行者を一緒に含めて規制をするような、あるいはまたその促進を図るような、そういう基本法みたいなのが必要になってくるんじゃないのか。 不健全旅行につきまして先ほど観光部長さんが、これが業者いじめをするだけの法律になったんでは自分としても心外である、やはり国民全体が不健全旅行についての理解を、やめようという配慮をしてもらわなければいけないということを言われたわけでございますけれども、じゃそれをどこが担当するのかということになりますと、これまたなかなかむずかしい。私は観光部長には、やはりこの問題については観光部が現行の設置法上はPRその他をやっていかなければいけないのじゃないか。それを人ごとみたいにおっしゃるのは、やはりちょっと責任の回避、あるいは将来の展望を考えましたときに、運輸省の観光部として問題が少しぼけてしまっておるんじゃないかというような、そういう気がするわけでございます。 そこで、この不健全旅行について、この際また二、三点お尋ねしようと思います。 わが国のいわゆる買春ツアーが東南アジアその他外国で問題とされまして、これについて国際道義上も何らかの措置を必要とするというような、そういう必要性が生じた今日、この改正がここに行われますということは非常に結構なことだというふうに思うわけでございます。ところが、今回の改正では、これらを具体的に買春その他悪質行為として列挙せずに抽象的にいわゆる旅行地の法令に違反する行為として規定しているため、ややもすると問題となりました焦点がぼけてしまうんじゃないかというような気がいたしまして、改正の趣旨がなかなか生かされないんじゃないか、そういうようなことが懸念されます。 なぜこういうふうに抽象的な規定をされたのか、その背景等について、あるいは理由等についてお尋ねいたしたいと思います。
○西村政府委員 今回の法律改正におきまして、いわゆる不健全旅行対策として書いた法律案の規定の仕方が、旅行地における法令に違反する行為という形でとらえましたのは、一つは、今回の改正の目的が、もちろん具体的には不健全旅行、いわゆる買春その他そういった行為を防止しようということにほかならないわけでありますが、最終的には、旅行業者がこれからも引き続き海外旅行を主催していくという場合に、旅行先の相手国との関係で、その国の法令違反を積み重ねるということでは相手国から受け入れられないということで、そういった意味での国際性というものをやはり重視しなければいけない。そうなりますと、各国でいけないという行為はいろいろあろうかと思います。そういうことで、事は買春とかそういった問題に限定すべきでなく、今後いろいろ多様な問題に対処し得るように、その国その国の秩序に従って整序された旅行をやるということが必要だというふうな考え方から、このような規定になったわけでございます。
○久間委員 買春あるいは大麻パーティその他、現行わかっておる不健全といいますか、法令に違反する行為以外も、将来また考えられる場合もあるからというようなことだろうと思いますけれども、今回の趣旨は、先ほど言いましたように、一番問題となった点がやはり中心だということを、努めて法改正の周知徹底を図られるときに努力していただきたいと思うわけでございます。 そこで、今回の改正では、これら不健全旅行を業者があっせんすることを禁止しておりますけれども、これに違反しても罰則の規定はなくて、単なる訓示規定になっているようでございます。このようなことで、これまでの悪習が果たして改まると考えておられるのかどうか。 また、買春の問題につきまして、さっき言いましたように業者だけではなくて、一般旅行者のモラルの問題についてもやはり啓発をしていかなければいけないわけでございますけれども、今後観光部として、本改正案が通過するのを機に、どのようなそういった啓発行動をあわせてとろうとしておられるのか、その点についてもお尋ねしたいと思います。
○西村政府委員 今回の十三条三項の改正におきましては、この行為を一般的に旅行業者及びその使用人等に禁止しているわけでございますが、これは、この規定に違反いたしましたときは刑罰規定はございませんが、旅行業の登録の取り消しまたは営業の停止といった処分で、旅行業者にとっては一番厳しい、言ってみれば今後仕事ができなくなるということで、一番厳しい処分を予定しております。そして、刑罰法規の適用を考えていないのは、あっせん行為の前提となる行為自身が、あっせん行為の対象となる行為自身の違法性についてわが国の刑法がどう評価するかということとの関連がございます。それについては、たとえば海外で買春なら買春をする行為自身を規制することが必要になってまいると思いますので、そのような体制もございません。今回の改正は、あくまでも旅行業者自身のモラルの問題ということで、このような改正案にさせていただいたわけでございます。
○久間委員 次に、今回の改正では、旅行業者に対して旅行者との関係でその責任の所在を明確にし、また、その責任を担保させるために営業保証金を供託させる等の措置が講じられることになっておるわけでございますけれども、私が、先ほどの同僚小林委員と航空局の監理部長さんあるいはまた観光部長さんとの質疑を聞いておって疑問にも思いますし、また、一般の旅行業者の方々から話を聞いておりましても、一般旅行業者にはこのように多くの規制を設けながら、航空運送代理店については、航空法の第百三十三条により運輸大臣への単なる届け出だけで済むことになっているため、いわゆるチケットブローカーと称される一部の者が、マンションの一室に事務所を置いて切符を売り、お金を持ち逃げしたり、あるいは乗るべき飛行機に乗れなかったということで、旅行者とのトラブルが起きているケースがあるやに聞いております。 観光部としても、旅行者の保護と安全快適な旅行の確保という観点から、このようなもぐりのケースといいますか、いわゆるチケットブローカー等のこういった問題について、航空局と連絡をとりながら、こういうふうなことのないように十分適正な措置を講じていかなければいけないのじゃないかというふうに思いますけれども、まず、この点についての観光部長からの御所見を承りたいと思います。
○西村政府委員 ただいま御指摘のとおりで、チケットブローカーが不良な航空券あるいは航空引きかえ証を出すという事態は、先ほどおっしゃいましたように、旅行者という立場からは、旅行業法だろうが航空法だろうが、そういう事態が横行しているということは大変遺憾なことでありますし、私どもも、そういった何法かということを超えて対処すべきことだと思っております。 そういう点では、先ほど申し上げましたように、一つは、格安航空券が出回るような基盤そのものの問題が一つと、それを扱うブローカーの存在をどうするかということの二点でございまして、ブローカーそのものの問題については、先ほども申し上げましたが、旅行業法の中でそれを解決することがどこまでできるか、航空局とも相談の上、十分検討してまいりたいと思っております。
○久間委員 そこで、監理部長さんにお尋ねしたいわけでございますけれども、旅行業法では、今回の改正によりまして、登録違反といいますか、旅行業を行おうとするときには登録をしなければいけない、それに違反した場合には五十万円の罰金になっておるわけです。また、これを今度はやめます場合に、たとえば旅行業者が個人の場合ですと、たまたま亡くなった、病気で死んだ、死んだ場合でも、つい四十九日済むまでというようなことで忘れておって三十日過ぎてしまった場合でも、廃止届を三十日以内にしなければいけないわけですから、廃止届を忘れてやめた場合でも十万円の過料になっておるわけです。ところが、航空法上は、先ほど言いましたように届け出だけで済むし、届け出を仮にしなかった場合、あるいはやめた場合でも一緒ですけれども、しなかった場合でもわずか三万円の過料にすぎない。そこは非常に均衡を無視している。航空運送代理店業としては届け出をしさえすればやれるし、また、その届け出をしなくてもわずか三万円の過料で済むというような、そういうところがやはりチケットブローカーを暗躍させている一つの温床になっているのではないか、そういう気がするわけです。 確かに航空法のたてまえから、航空法の目的その他をよく読んでみますと、この旅行者との関係は非常に枝葉の問題になるわけでございまして、だから航空法の本来の目的からいくと非常に端々の問題であるために、このように過ち料も非常に軽くなっているのではないかというような気がするわけでございますけれども、監理部長として、この点についてはやはり均衡を失しているというふうなそういうお考えはお持ちでないのかどうか、その辺も踏まえながら、なぜこれを届け出だけでこのように旅行業法みたいに登録制度をとらないのか、その辺についての御所見を承りたいと思います。
○仲田説明員 御指摘のとおり、航空代理店に対する航空法の規制の内容と旅行業法の登録義務との差と申しますか、違反に対する差というのは、若干の差がございます。 しかしながら、私どもは、航空代理店と申しますのは、先ほども申し上げましたように、いわば航空会社の代理人という部分だけに限って届け出を認めているわけでございまして、それ以外に、通常の代理店は旅行業法に基づく登録を受けているという場合が大部分でございまして、こちらの方の法律の法規制の中で十分適正な監督が行われているというのが現在の実情であるかと思います。 代理店といたしまして、たとえば運賃の違反とか、そういうような航空会社としても違反になるような事項が御指摘のようにございます。こういう面につきましては、私どもは、実態的に代理店そのものを押さえるというか直接に取り上げるということよりも、そのもとになっております航空会社自身の運送秩序、運賃市場の秩序を維持するということが、それ以上に根底の問題として大事なものであるというふうに認識しておりまして、実は航空会社の間に一つの市場秩序を維持するための委員会というものを国内航空会社、それから国際航空会社、全部含めましてつくって、お互いにそういうような格安の航空券を売らないようにという自主規制をやり、またある意味ではお互いに監視をしているという制度をつくっているわけです。こういうものを通じながら法の遵守ということを進めておりまして、私どもは、現実的には罰則を強化するということよりも、こういう形で行政指導を進める方が実効的であり、かつ、現実的であるというふうに考えて、いままでやってきておる次第でございます。 〔楢橋委員長代理退席、委員長着席〕
○久間委員 そのような正面からの行政指導といいますか、航空運送業者を指導すれば、それですべてがうまくいけばいいわけでございますけれども、先ほど観光部長が言われたように、現実には航空運送代理店業といいますか、そこまでも届け出をしてない業者も中にはおるのじゃないかと思いますけれども、そういうチケットブローカーがとにかく介在して、そのために旅行者が非常に困っておるケースがやっぱり出てきているという現実を踏まえて、航空法の問題としてはそこまではタッチできないのだということになりますと、この問題についてはひとつ観光部で抜本的に考えてくれということでお任せすれば、また観光部の方もそのサイドからやるでしょうし、いずれにせよ、両者の非常に接点の問題になろうかと思うのです。 それで、私はなぜ航空運送代理店の業者だけを言うのかといいますと、海外旅行の場合に、支払い料金のかなり大きいウエートを占めますのはやはり航空料金なわけです。もちろん旅館賃もあるし、あるいは向こうでのバスあるいは送迎のいろんな自動車の運賃もあるかもしれませんけれども、海外旅行をする場合の大きなウエートはやはり飛行機による運賃といいますか、これがかなりなウエートを占める。その運賃について、さっき言ったようなチケットブローカーが暗躍して、それが旅行業法の対象としてはなかなか規制ができないということで、一般旅行者がそれによって困るということがあれば、これについては、とにかく運輸省の所管であることには間違いないわけでございますから、何らかの形で旅行者を保護するという観点から検討がなされてしかるべきじゃないか、そういうような気がするわけです。 したがいまして、これについては小坂大臣の方から、ひとつ旅行者保護の観点から、せっかく今度旅行業法の一部改正が出されたわけでございますから、今後さらにこの問題等については検討をしていただいて、さらにさらに一層旅行者が保護されますように御配慮を賜りたいと思うわけでございますけれども、大臣の御所見を承りたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいまの委員の御発言はまことに重大な、また、大切な点だと思います。したがいまして、とりあえずまず、現在も大変でたらめな値段で航空券が売られていることも事実で、私も知っておりますが、先ほど監理部長から申し上げましたように委員会がございますので、その委員会に対して航空局から強い申し入れをひとつすること、そしてまた、同時に、いま御指摘のような航空券のいわゆる代理業者と称するものについて、それを各航空会社が責任を持つということについても十分勧告をして、そして、ただいまの委員の御意見に対してわれわれは行動してまいりたいと思います。
○久間委員 時間が大分ないようでございますけれども、二、三点観光部長にお尋ねいたしたいと思います。 今回の改正で、主催旅行については特別に「主催旅行」という定義を設けられて、新たな概念でとらえられたわけでございますけれども、このために営業保証金を大幅に引き上げるということがなされておりまして、先ほど部長の話では、一カ年でまず二千五百万円というような省令改正案が検討されているということでございますけれども、その次のときには五千万になるというふうに聞いております。そうしますと、五分の一としても一千万の保証金を置くことになりますし、それと、主催旅行を委託して各営業所に代理店として販売代理店をずっと設けてやりますと、これがかなりの数に配らなければいけないということから、またその金額も非常に大きくなってくるのではないかという気がいたしますが、今回の改正に当たりまして中小の旅行業者等の御意見を十分お聞きになったのか、そういう場を設けられたのかどうか、そういう点について一点お尋ねいたしたいと思います。 それから、今回の改正でも、いわゆる旅行業協会の業務の活動範囲を広められておりまして、その点は非常に結構なことだと思うわけですが、現在、旅行業協会は、各保証社員といいますか、各旅行業者から入ってきた金をそのまま法律上は供託するような制度になっている、そういうように理解しております。これでいいのかどうか。 そこで、私は、こういう金というのは供託すれば利息は非常に安い。現在の保険制度をもっとうまく利用することによって、非常に有効な活用が図れるのじゃないかというような気がいたします。そうすれば、旅行業協会の活動ももっともっと拡大していいのではないかという気がするわけでございますけれども、そのような保険制度には本来この保証金というのはなじまないのか。万一、旅行者と旅行業者とトラブルがあった、弁済しなければならなくなった、そのときのその担保を現在のように供託制度で賄うのではなくて、保険制度というようなことで取り入れることはできなかったのかどうか、その点について部長の御所見を承りたいと思います。
○西村政府委員 営業保証金の供託につきましては、いまお話しのように、旅行業協会の社員につきましては弁済業務分担金を協会に納めまして、その額をそのまま供託し納めているという形でございます。 この形を今後保険にしたらどうかという御指摘でございますが、保険にする方が安いのかどうか、現在はこれらの供託金から生じます金利がそのまま旅行業協会の活動原資になって、一つは準備金になり、一つは研修その他の資金になっているわけでございますが、そういった形が崩れてまいります。その点では、一体保険で完全に同じような機能ができるかどうか、これから検討してみたいと思いますが、いままでのところでは必ずしもペイするかどうか、十分な答えを得ておりません。
○久間委員 先ほど言いました、今回の営業保証金引き上げについて中小企業者等の意見を反映させる場を設けられたかどうか、それについてお尋ねしておきます。
○西村政府委員 今回の法律案の改正に当たりましては、第八十七回国会で御決議をいただきましたときから省内に旅行業制度検討委員会を設けまして、広く、旅行業界だけでなく学識経験者、消費者等の御参加を得て議論してきたわけですが、その場を通じてが一つ、それから直接旅行業協会と密接な討論をし、皆様からの御意見を聞き、また中小業者個人からもいろいろな形でお話を聞いて、今回の営業保証金の考え方をまとめてまいりました。
○久間委員 先ほどの旅行業協会の保険制度といいますか、これについては、万一事故が起きた場合の、事故といいますか、トラブルが起きて弁済をしなければならない場合の担保能力、保証能力の問題でありますだけに、現在の五分の一という金をそのまま寝かせておく、供託しておくということは、利息はある意味では非常に安いわけでございまして、もっとこれを有効に運用した場合にはかなりの金が旅行業協会としては回ってくるわけでございますから、活動はもっとしやすくなるのじゃないか。だから、これから先、事故といいますかトラブルの発生状況その他、保険計算してみないと私自身も何とも言えませんけれども、少なくとも五分の一の金を寝かせておくというのは、現在の損害保険なりあるいは共済組合連合会等いろいろなところの保険のケースを見てみましても、もっともっと低い保険率で計算がなされているわけでございまして、五分の一というのは必ずしも寝かせなくて十分じゃないかという気もするわけでございます。この五分の一を従来同様据え置かれたのには、十分その辺の計算もされているのではないかという気もしますが、その点はどうなんですか。
○西村政府委員 営業保証金の金額自身は、五分の一という率は、これは今後、倒産その他営業保証金の還付の事態が出てくることが十分予想されますので、事実、最近はそういった事件が漸増してまいっておりますので、全体としては利息がふえ、そのための準備金がふえますが、準備金のバランスから言いますと、五分の一の形というのは今後とも維持しなければ全体としてのバランスが悪くなるおそれがあるということで、五分の一というのは据え置いております。 それから、いまお話しの保険料でございますが、まず営業保証金そのものは、これは供託をしませんと他の差し押さえの対象となりますので、自由な運用という形は絶対やれないということでその額を全部供託しているというのが制度的な意味でございますが、いまのお話のような保険制度にするときは、保険料そのものを会員から徴収して取りまとめてトータルでやるというわけで、いわば信用保証協会のようなものをつくってやるという制度がこれにかわってくるかと思いますが、これにつきましては、かなり専門的な研究の期間が要りますし、全体としてのバランスなり、一番問題になります債権者への弁済が、実際にどの段階でだれが責任を持ってやるか、保険会社がやるのか、それとも他の者がやるのか、そこら辺の問題も出てまいりますので、制度的には十分研究に値すると思いますが、まだその結論が得られませんので、引き続き勉強させていただきたいと思います。
○久間委員 終わります。
○越智委員長 次回は、来る二十三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十分散会