運輸委員会 第3号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/02/23
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、航空に関する件、特に羽田沖における日本航空DC8型機墜落事故について、日本航空株式会社代表取締役社長高木養根君及び専務取締役野田親則君を参考人として出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○越智委員長 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮崎茂一君。
○宮崎委員 先般、運輸大臣の所信表明がございました。重点として二つ言われたようでございまして、「長期展望に基づく総合的な交通政策の基本方向」といった答申が出ましたので、その答申に沿って、これからよりよい交通体系の実現を目指して運輸行政を推進していくということが一つと、いま一つの大きな柱は、常識でございますけれども、特に交通安全の確保ということには留意して、第一線の交通従事者に対して事故防止を呼びかけてまいりたい、こういうような所信表明があったわけでございますが、その後すぐ、この二月九日でございますか、羽田沖におきまして御存じのような日航機の事故があったわけでございます。 きょう参考人として高木社長がお見えになっておりますから、私は、まず劈頭に高木社長の、この事故に対して現在どういうふうに思っておられるのか、御心境なり所信なりをお伺いしてから質問に入りたいと思っております。
○高木参考人 日本航空の社長をいたしております高木でございます。 去る二月九日、羽田におきまして二十四名のとうとい人命を亡くし、多数御乗客の方々に負傷をお負わせするという重大な事故を引き起こしましたことはまことに申しわけなく、衷心より深くおわび申し上げます。 お亡くなりになられました方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様方に対しまして深く哀悼の意を表し、負傷されました方々の一日も早い御回復を衷心よりお祈り申し上げる次第でございます。 これまで私どもは、安全の確保を会社経営の至上命題といたしまして、全社を挙げて安全運航、安全整備に取り組んでまいりました一その結果、昨年九月には百万時間の無事故記録を達成し、さらに次なる目標に向かって努力を重ねてまいったところでございます。しかし、今日、遺憾ながらこのような事故を引き起こし、国民の皆様方に多大の御迷惑をおかけいたしまして、公共輸送機関に携わる者としてまことに申しわけなく、重ねて心より深くおわび申し上げます。 事故の概況につきましては、当該事故機は、去る二月九日、弊社三五〇便として福岡空港を午前七時二十八分に出発し、羽田空港に向け飛行中であったJA八〇六一号機でございました。 当該事故機は、羽田空港C滑走路へ着陸する際、木更津上空より計器着陸進入経路を正常に飛行し、高度約六十メートルまで降下してまいりましたが、突然、きわめて大きな降下角で急激に降下し、C滑走路の手前約三百メートルの海上に異常着水したものでございます。時刻は八時四十五分ごろでございました。 機体は、機首部分が切断され、また右翼つけ根部分を大きく損傷したため、御乗客百六十六名のうち二十四名の方々がお亡くなりになり、百四十二名の方々が御負傷されるという、まことに遺憾な事態に立ち至りました。まことに断腸の思いでありまして、ただただひたすらおわび申し上げる次第でございます。 次に、御被災者の方々に対する応急措置につきまして、御報告申し上げます。事故発生直後に事故対策本部を羽田及び福岡に設置いたし、御被災なさいました御乗客の救出、救援並びに御遺族、御家族のお世話に全力を尽くした次第でございます。しかしながら、種々至らない点もあったことと存じ、まことに恐縮に存じております。 お亡くなりになられました御乗客二十四名の方々につきましては、弊社羽田ライン整備ビル内に御遺体を安置いたしました。 御遺族の皆様方には羽田東急ホテル等に御滞在いただき、弊社職員三名を一組とする専任の世話役二十四組を編成し、羽田に皆様方が御到着になられましたときから継続してお世話の任に当たらせることといたしました。 また、遭難現場におきましては、消防隊その他の関係諸機関の方々の御尽力のおかげをもちまして、迅速に御乗客の救出を行うことができました。また、負傷されました御乗客の方々は、空港内ホテルにおいて応急措置を行った後、都内の病院に御入院いただいた次第でございます。これらの御乗客の方々に対しましては弊社職員五十一名を派遣し、お世話に当たらせました。 ただいま申し上げましたとおり、御遺族及び負傷されました御乗客の方々にはそれぞれ専任の世話役を任命いたしておりますが、今後も継続してその任に当たらせることといたしております。 さらに、今後とも御被災者及び御遺族の皆様方のお世話に万全を期しますために、去る二月十五日付にて「羽田ご被災者相談室」を弊社本社内に、また「羽田ご被災者、九州地区相談室」を弊社福岡支店内に発足させ、すでに活動を開始させております。 私は、去る二月十四日より、御遺族の皆様方に直接おわびを申し上げますために、それぞれの御自宅にお伺いいたしてまいりましたが、御遺族の方々の耐えがたい御心痛とお怒りの御様子に接し、まことに申しわけなく、改めて深く責任を痛感いたしている次第でございます。 御被災されました御乗客並びに御遺族の方々に対しましては、御家族の皆様方の御納得が得られますよう、誠心誠意補償問題の解決を速やかに進めてまいる所存でございます。 また、御被災者の救出並びにその後の救援活動に際しまして、各方面からお寄せいただきました御協力、御援助に対しまして厚く御礼を申し上げます。 事故原因につきましては、現在運輸省御当局におかれまして航空事故調査委員会を中心に御調査を進めておられますので、真相の究明はその調査結果を待つといたしまして、私どもも安全運航維持の観点から事故の要因について考え得る対策を洗い出しまして、緊急度を要するものから直ちに具体的な対策を立てて逐次実行に移しております。 この機会に、JA八〇六一号機事故発生後にとりました緊急措置につきまして、次のとおり御報告させていただきます。 緊急対策の第一といたしましては、まず運航乗務員、客室乗務員、訓練生及び支店航務部門に対しまして、平常心を失わず安全運航の決意を新たに、再度安全運航の原点に立ち返り、一層厳しく徹底的な総点検と安全面の強化充実を図るよう指示いたしました。 それから第二に、特に運航乗員部におきましては部会等を開催し、緊急な指示事項を徹底いたしますとともに、組織管理職運航乗務員を中心に、成田及び羽田に当直制を設け、出発、到着運航乗務員に対し、安全運航に関する特別なブリーフィングを実施いたしました。 第三に、全運航乗務員の心身の健康状態を再確認するため、健康管理関係記録の総点検を行い、本事故関連既往症または症状に関し記載ある者には、直ちに医師及び上司によるコンサルテーションを含む再検査を実施いたしました。 第四に、安全整備を維持するために主要な整備事項の再点検等、必要な措置を実施いたしました。 以上、当面実施いたしました緊急安全対策につきまして申し述べましたが、私どもは、引き続き運航乗務員の健康管理体制、日常管理体制及びコミュニケーションの改善強化を徹底して行い、安全運航の総点検、故障対策の完全整備等さらに検討を進め、初心に立ち返って、事故絶滅に向け全役職員一丸となって努力を重ねてまいる決意でございます。 何とぞ今後とも御指導、御鞭撻賜りますようお願い申し上げます。
○宮崎委員 きょうは、あいにく大臣がほかの委員会に御出席のようでございまして、私の持ち時間の中ではあるいは御出席にならないのじゃないかと思いますが、幸い鹿野政務次官がお見えになっておりますから、この日航機の事故について大臣にかわって所信と申しますか、御披瀝願いたいと思います。
○鹿野政府委員 お答えいたします。 安全の確保ということが、私ども運輸行政の根幹であるというふうな基本的な考え方から、交通安全対策を最も重要な施策といたしまして、大臣を先頭にいたしまして、全省組織を挙げてこの問題に取り組んできたわけであります。そして、機会あるごとに現場の第一線の交通関係者に対しまして、事故防止を呼びかけてきたわけであります。そのような意味から、今回日航機によります重大な事故が発生いたしましたことはまことに遺憾なことでありまして、犠牲者の方々に対しまして心から哀悼の意を表しますとともに、負傷者の方々の速やかな御回復を祈るところであります。 私どもといたしましては、今回の悲惨な事故に接しまして、改めて運輸行政の重大な任務を思い、全力を挙げて事故原因の究明と事故の再発防止に努めていかなければならない、このような決意を固めておるところであります。 航空のみならず、すべての交通関係事業者に対しまして、みずからの重要な社会的使命というものを自覚して、一丸となって安全運航に徹するよう強く指導してまいる所存でございます。
○宮崎委員 運輸省におきましては、事故調査委員会を設けてその原因の究明に当たっておられるわけでございますが、一方テレビや新聞その他によりますと、おおむね事故の原因というものは機長の操作ミスではないかというふうに言われているわけでございますが、この原因につきまして運輸省の当局から、現時点において正式にこうだというふうな原因の究明と申しますか、この点が問題だ、あるいはまたいま一つ、いつごろまでに究明ができるのか、その二点についてお聞かせ願いたいと思います。
○中村説明員 お答えいたします。 ただいままでに、事件直後からほぼ全航空事故調査官をこの事故調査に投入いたしまして、多くの関係者の御協力を得ながら原因究明に努めておるところでございます。ボイスレコーダー、フライトデータレコーダーの解析もまだ終わっておりません。それから機体の揚収もまだ完全には終わっておりませんで、残骸の回収につきましては今月いっぱいかかるのではなかろうか、こういうふうに思っております。したがいまして、私どもの事故原因調査はこれから本格化するという段階かと存じます。機長あるいはその他の乗組員の健康状態、気象条件、そういったものを含みます広い分野にわたりましての事実の収集を行って、その上に立って事故原因を速やかに明らかにしていきたい、かように思っておるところでございます。 今回の事故は、調査範囲も対象も非常に広範囲でございますので、最終的な結論が出るまでには相当の日時を要するのではないか、こういうふうに考えております。ただ、本事故に対します国民的な関心が非常に深いということも十分承知いたしておりますので、その中間におきましても、できる限り知り得た事実については大臣に御報告申し上げ、公表いたしたい、かように考えております。 なお、現時点までにわかりました事実につきましては、先日十九日、ほぼ事故後十日がたったという一つの節目をとらえまして、わかり得ました事実に限りまして大臣に御報告申し上げ、公表したところでございます。 以上でございます。
○宮崎委員 相当長くかかるような話でございますが、三カ月とか一カ月とか、大体のめどはわからないものですか。
○中村説明員 通常の航空事故調査の場合には、早くて半年、長いものになりますと二年程度かかります。国際民間航空機構の定めるところに従いまして厳密な調査をしなければならないということになっておりまして、最終的な結論が出るまでには、ただいま先生がおっしゃられました程度では少し無理ではなかろうかと考えております。
○宮崎委員 私も事故調査委員会の報告書を読ませていただきましたけれども、なかなか専門的なことでよくわからないのでございます。 素人考えではございますけれども、その日は風もなければ夜でもない、あるいはまた羽田空港は竜巻が起こるという話もございますけれども、そういった事実もない、気象関係は至って好調じゃなかったのかと思うわけであります。 そしてまた機体でございますが、機械その他は、まだあるいは専門的にこれから御調査なさるんだろうと思いますが、さして機械がどうというようなこともいままで耳に入っていないわけでございまして、やはりボイスレコーダーという話がございましたが、墜落寸前に、キャプテンやめてくださいということが言われたということでございますし、またテレビでも、何か機長のことにつきまして心身の障害があったのではないか、かように承っておりますし、やはり機長の操作ミスと申しますか、何かそういったことが、あるいは確定的ではないかもしれませんが、素人考えで大体その辺じゃなかろうかというような認識があるわけでございますが、この点につきましては非常に間違っているということでございますか、それとも大体そんなものだということになるんでございましょうか。
○中村説明員 やっと事故原因調査も本格化した段階でございまして、いろいろな調査を現在進めておるところでございます。したがいまして、いまの段階で、ただいまの先生の御質問にお答えするというほどのものがまだ集まっておりませんので、その点御容赦願いたいと存じます。
○宮崎委員 それじゃ日航の事務当局の専務ですか、野田さんにお伺いをいたしたいと思いますが、この事故調査委員会の報告でも、前日のフライトは非常に異常があったという報告がございます。 なおまた、いままで私がお話しいたしましたように、機長本人の健康状態についてはテレビあたりでも、異常があったのではないか、あるいはまた病院の側の検査によると、異常はなかったのだという話がございますが、この機長の健康管理について、健康状態について、日航の方から直接お伺いいたしたいのです。操縦ミスにつながる問題があったのではないか、常識的には皆さん、そう言っておられますが、いかがでございますか。
○野田参考人 お答え申し上げます。 御質問の要点は、事故調査委員会の報告の中の異常な飛行があったという叙述、それと機長の健康状態云々との関連についてと理解いたしました。 機長の健康の履歴については御当局等にも報告済みでありまして、その後、直後に社長から発表したとおりであります。つまり、心身症という名前の病歴があったということを報告いたしております。医学の専門家によりますと、この病気と機長の異常なる行動と言われている行動とは、直接結びつかないというふうに聞いております。 以上が事実でありますが、したがいまして、あるいは健康管理のやり方で発見し得なかった要素というものがあったのではないかというようなことを想像して、今後の調査が進められると思っております。 以上でございます。
○宮崎委員 先ほど社長のお話によりますと、原因はいま究明中であるけれども、具体的な対策といたしまして、乗務員の心身の健康状態の問題、あるいはまた安全運航に対して社内を引き締めていこう、そういうような対策をとっておられるということでございますので、やはりその辺に大きな問題があるのではないかと思うわけでございます。 これ以上申し上げても何ですが、どうぞひとつ十分に事態を究明していただきたい。そして、いま世間で言われておりますようなこういう操作ミスであるということになりますと、日航としてこれから事故対策に万全を期するために、機長と申しますか乗務員全員の健康管理を十分していかなければならないと思うわけでございますが、いま一度野田さんからそういう問題について、まだはっきりはしないとおっしゃいますけれども、大体そうだとなれば、これはいままで以上に健康管理その他に留意して、事故のないようにしなければならぬと思いますが、いかがでございますか。
○野田参考人 社長が先ほど御報告申し上げましたように、各種の事故対策、すべて緊急的な性質のものでございますが、その中に、いま先生御指摘の健康管理の体制を充実するといった各種の具体的な方策を考えております。これは多分に医学の技術水準ということとかかわり合いがあると思いますので、一会社でできるものばかりとは考えておりませんが、各方面権威者の知識あるいは今後の御研究、そんなところを利用さしていただいて、将来悔いのないように進めたい、こう考えておるところであります。
○宮崎委員 航空機というのは最近は非常に大ぜいの人を乗せておりますし、この事故も二十四名というとうとい犠牲を出したわけでございますから、今後そういう点は非常な努力をしていただかなければならないと思っております。 素人として一つだけ、非常に不審な点がございますからお伺いしたいのですが、飛行機が墜落して機長がホテルに行っておられた、ホテルから病院に行かれた、あの辺何かあったのかなというような感じがいたすわけでございます。機長は、軽傷であれば早速報告をするなり、あるいはまた重傷であればどうして病院に真っすぐ担ぎ込まなかったのかというふうな、素人としての疑念と申しますか、何かそこにあったのかしらというふうに思うのですが、その辺の事情をひとつお知らせ願いたいと思います。
○野田参考人 ただいまの当該機長の事故直後の行動について、会社もいろいろな角度から調査を続けておるところでございまして、現在ではまだ十分に状態を把握し切っておりません点を御了承願いたいと思います。 これを会社が調査しました方法は、客室乗務員が五名乗っておりまして、その者たちが事故後機長に接触をした具体的な状態、それから運航乗務員同士の接触が当然あったわけですけれどもその状態、それから救助活動での状態、その中でも機体から脱出したころの状態、陸上に上がったころの状態、ホテルに収容されたころの状態、ホテルの中で手当てを受けた状態、病院に送られる状態、地上の職員の活動の実績等々、考えられる各種の角度から調査してまいっております。大変混乱した緊急の事態のさなかでございましたので、時刻等の記録というのが非常に乏しいのでありまして、その時刻を推定するというのには大変困難いたしております。 ごく概略に申しますと、機長と副操縦士は、事故直後かなり早い時点で行動が別々になった。それから、客室乗務員の一部は若干時間コックピット、操縦席にとどまっていたので、機長の行動を見た者もあります。また、胴体が折れましたが、後ろの方の胴体に乗っておった私用搭乗の、会社の社員でございますが、その者が機長と連絡をとりつつ、後ろの胴体の前の方に行って連絡をとったり、行ったり来たりしたというような状態もあります。そんなようなことから考えますと、左側の席に座っていたわけでありますので、多分左側に船が着きまして、それのどれかに乗って陸上に出たらしい。目下の推定では、時刻としては九時五十分見当ではなかろうか、これは非常に漠然としております。陸上で消防救援隊の救出者のその現場における名簿みたいなものを見ますと、順序に意味があるかどうか存じませんが、一番早いところから九十何番目ぐらいのところに名前の記載がございます。それが陸上に上がった時点を推定する一つのかぎかと存じております。 それから、陸上に入りましてからは四台のバスでホテルに運ばれましたが、その四台のどれかに乗っていたと推定しております。これは積極的な証拠はございませんが、多分四台目のバスに乗っていただろう、その確率が高いというふうに感じております。そういたしますと、このバスは十時二十何分か、その程度の時刻にホテルに到着しておりまして、そこから先は何人か具体的な接触があった者があります。 一人は、関連会社から急派された女性の人でありまして、このキャプテンを助けて、負傷者の収容されている七階に運んだ、そういう人がありました。また、別の人で、その大広間の混乱の中で、機長が座って待っておったということを見た者もあります。 やがて、他の日航の職員で、負傷をしておってその部屋に収容されておった、私用搭乗しておった人が、キャプテンであるということを医師に告げて、それから診断の後、重傷者の収容される六階の一室に収容されて、そこでまた診断を受け、病院送りという指定を受け、救急車の派遣されるのを待ったということのようであります。ホテルを出ました時刻は十二時半ごろであります。慈恵病院に到着しましたのは十二時五十分というのが正式の記録にとどめられております。 大体そういうことでありまして、局部的にはキャプテンを認識した会社の者はあったと思いますけれども、搭乗者の救護ということが当面の急務でありまして、関係者はそれにほとんど集中をして活動しておったということ、並びに事故現場の護岸のところ、またホテルの中、すべて大変な混乱でございまして、状況の把握が大変困難であったということ等々、また医療関係者は、会社が当然それを知っておると思ったと思いますが、負傷者の手当てに専念をして会社の方に連絡するいとまがなかった等々のことから、結果的に十二時五十何分になって病院に収容されて、生存が確認されたということでございました。 したがいまして、会社としては、事故直後、脱出するところぐらいまでの具体的な行動をまだ十分に把握しておりませんが、その前後の部分についてはかなりの程度様子がわかったと考えております。 以上が実態でございまして、先生の御質問に対するお答えになったかどうか存じませんが、終わります。
○宮崎委員 機長あるいは副操縦士あるいはまた乗り組みの乗務員ですか、これはああいう事故のときには乗客の人命を第一にして、そういう救出ということに真っ先に当たらなければならない責任者ではないかと私は思うわけでございます。 その点について、いまお話がございましたが、運輸省の事故調査委員会の方では、そういった観点から、こういう乗組員の遭難後の行動についてどの程度お調べになっているのか、御報告願います。
○中村説明員 国際民間航空条約の規定によりまして、私どもの調査範囲には、乗組員及び乗客の避難に関する事項をも調査しなければならないことになっております。したがいまして、現在鋭意調査を進めておるところでございますが、現時点ではまだ御報告できるような内容のものにはまとまっておりません。
○宮崎委員 日航としては、乗務員に対しましてかねがねそういった訓練と申しますか、その他やっておられるのじゃないかと思うのでございますが、ここ十数年事故がなかったということで、そういうような教育があるいはずさんになっておったのかどうか、この点について、いままでそういった訓練や教育を十分やっておられたのかどうか。そしてまた、この事故を機にして、乗組員の間のそういう問題と申しますか、副操縦士が、機長、あなた何するのですかというようなことでは、これはどういうことになっておるのだろうか。一体になって人命を預かって運航をするわけでございますから、はなはだ遺憾な事態でございまして、訓練に対していままでどういうふうにやっておられたのか。それでいいと思っておられたのか。あるいはまた、今後はこうしたい、こういうことについて日航の方から御説明を願いたい。
○野田参考人 お答え申し上げます。 先ほどの御質問に対しまして、機長の行動に対してのみお答え申し上げましたが、若干付加させていただきたいと思います。 副操縦士はかなり早い時点において、機長が指揮をとり得る状態にないというふうに判断したようでございまして、右の脱出のドアから一たん機外に出て、下半身が大変不自由であったようでございますが、水中に入ってどうやら立てるようになった。それから、右側の席でございますから、後ろの方に行きまして壊れている右翼の上に乗ろうとした。それから水の中に入っているお客さんを翼の上に引き上げることをした。順序が逆になりましたが、その前に、水の中に沈もうとしているお客さんに浮き袋をふくらませて窓から投げた。それが第一番でございます。後ろの方に行こうとしたけれども、飛行機が壊れておってなかなかうまくいかなかった。やがて翼の上に上って、翼上に脱出口がありますが、それから飛行機の中を見たら、中は非常に冷静であるというので、女性のスチュワーデスに機内の指揮を命じ、自分は外側で、ヘリコプターがバスケットで負傷者をつり上げるその作業を手伝う、そういうことを言っております。そこで何人かをバスケットでつり上げましたが、そのころ、残念ながら下半身が言うことをきかなくなって、崩れるように倒れた。それで他のお客さんが何かかけてくれたというようなことを言っております。そして、何回かヘリコプターのバスケットがおりてきたときに、他の旅客が自分を乗せようとしたので、自分は後だということを大いにどなって、他のお客さんを運んだ。自後は、その身体的自由がないものですから、翼と胴体の境目のドアに腰かけて救出作業を監視、指揮をした、そういうことを言っております。 そして最終的に、地上から出た救援隊が、君たちが最後であるから脱出せよということを言われたので、それを見て、スチュワーデスと一緒にボートに乗った、そういうことでありまして、副操縦士は機長の状態を見、自分がかわって全体の指揮をとるということを考え、その原理に沿って十分行動したと考えております。 それからスチュワーデスの方は、全部女性でございますが、胴体が二つの部分に完全に分離された、前の側の人二人、後ろ側の人二人、それぞれ相当な活躍をしてくれました。その模様は、たまたま旅客でテープレコーダ等でその状態を記録してくだすった方があり、そういうものを、私自身はまだ聞いておりませんが、関係部門の者が聞きましたところでは、大変な活躍の情景がありありと見えるということを言っております。客室乗務員の諸君は、十分に任務を果たしたと私は考えております。 続いて、そういう緊急時の訓練についてでございますが、そういう事故後の行動というのは大変重要でございまして、それがすべての乗員の重要な任務でありますので、何年か前に、これは前の事故の教訓として行ったことの一つでございますが、緊急訓練用のモックアップといいますか、実際の飛行機をまねして、陸上の非常脱出、海上の非常脱出等を練習する装置でございますが、これを羽田につくりまして、それを用いて運航乗務員、客室乗務員の訓練の効果を上げているところであります。 今回の事故にかんがみて、当事者の幾つかの提言、勧告というようなものがありますものですから、それを将来の検討の俎上にのせまして今後のための改善に資したい、こう考えております。
○宮崎委員 まだ運輸省の事故調査委員会の方でも、あるいはまた日航の方でも、これから原因の調査をされる面が多々あるようでございますが、願わくは、ひとつ早急に調査を完了していただきまして、非常に大きな犠牲を出しましたこの事故を教訓にいたしまして、第二、第三のこういった事故が起こらないように、運輸省並びに日航に要請をする次第であります。 この日航事故に関する質疑は、私はこれで終わります。 もう余り時間がございませんが、先ほど申し上げました運輸大臣のあと一つの柱は、総合輸送体系の問題でございます。この問題は、十数年来言われてなかなか実現困難な問題でございまして、各人によりましていろいろととらえ方が違う。具体的な問題になりますと非常にあいまいもこな話でございますので、きょうは国鉄総裁も見えておりますので、総合的な交通政策の問題はおきまして、国鉄の当面をしている問題について若干質問をしてみたいと思うわけであります。 運輸大臣の所信表明の中に、交通事故防止と総合対策、この二つが大きな柱でございまして、その次に、まず第一に、やはり運輸大臣としては国有鉄道の再建をいたしたい、こういう意思表示があるわけでございます。 御承知のように、この委員会で、一昨年でございましたか国鉄の再建法をつくりまして、地方ローカル線の問題あるいはその他の問題について議論をして法律ができ上がったわけでございますが、それに基づきまして経営改善計画をお立てになって、これが国鉄再建の最終案だと、こういうことでいま努力をしておられるわけでございます。ところが、一方、国の行政改革におきまして、この何月か、夏ごろまでにだろうと思いますが、臨時行政調査会、第二臨調の方で、国鉄をどうしたらいいのかということがぼつぼつ議論されているというふうに聞いておるわけでございます。 御承知のように、国鉄は、最近は国の補助を八千億程度いただいて、そしてその上に経常の赤字としてはやはり一兆円ぐらい赤字が出るというようなことでございます。行政改革といいましても、その中から国の財政に貢献する程度の大きな金を生み出すということは非常にむずかしいということも言われております。国鉄だけすっきりしてくれれば、もうほとんど行政改革、財政再建はある程度完了してもいいんじゃないかという話も聞くわけでございます。そういった観点から、きょうは余り時間もございませんけれども、経営改善計画についてどういうふうに総裁は思っておられ、そしてまた、いまどういう点を努力している、あるいはまた問題点はこういう点ですというような御見解をひとつお述べ願いたいと思うわけでございます。
○高木説明員 まず、経営改善計画の実施状況でございますけれども、御存じのとおり、法案を御審議いただきましたときにも申し上げたことでございますが、大変構造的赤字と申しますか、経営体質が悪くなっておりますので、現在持っております計画では、六十年度までに相当な努力をいたしましてもなお一兆円の赤字が残るということでございまして、その一兆円の赤字の中で、いわゆる地方交通線の問題と特定人件費の問題については、なかなか私どもの力では立て直しができない、これについては行財政上の御援助をいただきたいということは当時から申しておるとおりでございますが、今日もその点は変わってないわけでございます。 そこで、私どもがやるべき最大の問題といたしましては、幹線部門において現在約四千億近い赤字になっておりますけれども、それをどうにか収支償うようにするということを前提として努力をいたしておりまして、それがためには、恐縮でございますけれども、運賃収入を若干ずつ上げさしていただくということを一方において前提としながら、一方においては、約七万人余の減量経営を行うことによって幹線収支を確保いたしたいと考えておるわけでございますが、何分まだ計画を明らかにいたしましてから半年ちょっとしかたっておらないわけでございますけれども、多少ともやはり経済情勢その他の変化によって、現在お示しいたしました計画を具体化する段階で、特に貨物の問題を中心にして、少しずつ、より強いといいますか、減量経営対策をより強化していく必要があるのではないかということを考えて、現在検討中でございます。 臨調との関係でございますが、臨調は非常に長期的な視野に立たれて、行政上あるいは財政上の再建のことについてお取り組みでございますが、私どもも時折参上してお尋ねに答えるというようなことが行われておりますが、まだどのような対策を結論的にお出しになるのかはうかがい知れないわけでございます。 世上しばしば、あるいは民営論であるとか分割論であるとかいうことが言われておりますけれども、私どもは、何はともあれ毎年毎年の赤字を少しでもふやさないようにしていかなければならない。しかるにかかわらず、残念ながら東北・上越新幹線の開業に伴う資本経費の増といったようなことがありまして、現在御審議いただいております五十七年度予算におきましても、赤字額はさらにふえるという、経過的な問題はあるにしましても、さらにふえるという前提になっておりますので、これもあらゆる努力をすることによって少しでも赤字を減らすといいますか、ふえないようにするといいますか、そういうことに取り組むことがまず第一であると考えておるわけでございまして、ちょうど五十六年度中に約一万二千人職員を減らす体制をつくり上げるということが改善計画の年次計画の中に決まっておりますので、年度末まであと四十日しかないわけでございますが、この期間にその具体的な取り組みをいたすべく、各地方鉄道管理局を中心に現在労使間でいろいろ話し合いを進めているところでございまして、まずこれを今日の段階では実現いたすことが私どものなすべきことであると考えております。 臨調問題につきましては、御意見を求められればその都度申し上げてはおりますけれども、これはやや中長期の問題でございますので、私どもとしては余りそれに気をとられてはまずいということで、まず経営改善計画を進める、そしてその年次別の五十六年度分を着実に実施するということを最大の仕事と考えております。
○宮崎委員 私ども、国鉄の現場をときどき見ている同僚の話からいたしますと、御承知のように国鉄の再建というのは、国鉄を構成している一人一人がやる気を起こすというのですか、国鉄の再建に努力しようという意欲がない限り再建はむずかしいんじゃなかろうか、現場で見ますというと、なかなかそのようにまいっていないんじゃないか。なるべくひとつ働かずに給料はよけいもらおうというような考え方に、末端の方で支配されているんじゃないか。また、労使間の問題についても、ぎくしゃくしているんじゃなかろうか。昔、国鉄は国鉄一家という言葉がございました。私も実は国鉄に五年ぐらいおりました。工事区長をしておりましたが、やはり全員がやろうということでないと、なかなかむずかしい問題があるんじゃないかと思うわけでございます。 もう時間も参りましたが、最後に、この人の問題、現場の助役や駅長さんばかりが仕事をして困っている、下の方はさっぱり仕事をしない、一日に三時間か四時間ぐらいしか仕事をしないんじゃないかというようなうわさもあるわけでありますが、(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)こういうような点について、やはり人の問題、やろうという気魄、国鉄再建にみんなひとつ取りかかろう、こういう気魄がなければ再建はなかなかむずかしいんじゃないかと思いますが、最後にこの点を一点だけお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○高木説明員 最近、新聞その他を通じまして、私どもの職場で目ざわり、また聞き苦しいことがあるということが次々と、いわば摘発されております。大変申しわけなく思っております。それは、現場は御存じのように非常にたくさんあるわけでございまして、また、現場の種類も非常に多種多様でございますので、そしてまた、それぞれ長い歴史やら、場合によりますとよくない慣習といったようなものが根づいておる点もございまして、これを直していくのにはなかなか、今日までもやってきたつもりでおりましたが、なお十分でないということを認識いたしておるわけでございます。 しかし、幸か不幸か、現在の国鉄の状況が非常に危機的な状況にあるということは、ほとんど全部の職員にまで映ってきておりますので、自分たちの生活の問題としてだけ考えましても、これはなかなか大変だという認識になってきておるわけでございますから、このままではまずいのであって、是正すべきものは是正していかなければならないということの機運は、ごく最近の状況では一般的に及びつつあると言ってよろしいかと思います。 しばしば、組合の問題というようなことがいろいろ言われますけれども、組合の問題も、いろんな複雑な事情はございますけれども、やはり職員の一人一人が、いまお示しのように、やる気を起こすといいますか、現在やる気がないわけではないのですけれども、やはり一部でどう見ても職員の中に十分な気魄が感ぜられない職員がおるわけでございますので、これをなくしていくということを、お互いに職員同士の戒めの問題として取り組ませていくということでなければならぬと思います。 私も、なるべく多くの時間を充てまして現場の管理者の諸君を督励いたしておりますが、管理者の諸君も、事の緊急性を痛感しつつ、なおかつ具体的にどうやって進めるかということについて日夜苦慮いたしておるようでございまして、御心配いただいておりますが、ぜひともそうした、いまお示しのような点にウエートを置きながら、精神的緊張を高めてまいるようにいたしたいと考えております。
○宮崎委員 以上で終わります。
○越智委員長 小林恒人君。
○小林(恒)委員 前段御発言をされました宮崎先生の御質問にも象徴されておりますように、今日、この数年来、病める国鉄、特に最近は傷める日航といいましょうか、いずれもトップは高木さんでございまして、大変世上を混乱させているわけでありますけれども、いずれにいたしましても、二月九日発生をいたしました日航機事故に伴って亡くなられた二十四名の皆さん方の御冥福を心からお祈りを申し上げるとともに、それぞれ重軽傷を負われた百五十余の皆さん方の一日も早い全快を心からお祈りを申し上げたいと思っているのであります。 事故発生以来、すでにその直後からテレビやあるいは新聞、ラジオ、雑誌を通じて、大変ショッキングな報道がずいぶん行われました。一方で運輸省航空事故調査委員会の、事故現場を初めとした調査活動が連日連夜繰り広げられてきたわけでありまして、大変御苦労さまだったと思うのであります。 そこで、まず最初に事故調査委員会にお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、過般、二月の十九日、運輸大臣に御報告をされ、なおかつ記者発表をされた事故に関連をする中間報告、概括的に当委員会における御報告を求めたいと思うのであります。
○中村説明員 十九日に、事故発生以来十日たったということもございまして、また今回の事故に対します国民的な関心の深さということも考えまして、小坂運輸大臣に、そのときまでにわかりました事実を御報告申し上げたわけでございます。 その事実につきまして、概要を御報告申し上げます。 まず、二月八日、事故前日の飛行の際に異常な飛行が行われたということが、フライトデータレコーダーの粗い解析によってわかっております。 事故機は、事故前日に、事故当時の乗組員、同じ機長、副操縦士及び航空機関士により、東京から福岡へ運航されております。この飛行機が羽田を離陸いたしまして約四分後くらいに、通常ならばきわめてスムーズな上昇旋回を行うべきところ、十秒間に千百フィートという通常の下降の倍以上のスピードで急激な降下を行って、直ちに上昇に転じたという事実が明らかになっております。この当時、気流の乱れがあったということはないようでございまして、このような飛行はパイロットの何らかの操作によるものというふうに考えております。ただし、パイロットのうちのどちらの方が、どんなときにどういう操作を行ったかということにつきましては、これからの調査を待って明らかにしていきたい、こういうことでございます。 それから、事故当日の飛行でございますが、フライトデータレコーダーの記録によりますと、最後の約五秒間にかなり急速な降下をしながらも、飛行機は降下をしますと普通はスピードが上がるものでございますが、このケースの場合には、対気速度が減少するという飛行経過をたどった形跡が強いということがわかっております。こうした飛行経過を現出せしめるためには一体どんな条件が必要なのか。たとえば操縦桿を押したのかどうか、あるいは逆噴射をしたのかどうか、あるいはこの双方の操作をしたのか否かといったようなことも含めまして、今後調査を進めていくことによって明らかにしてまいりたい、かように考えているということを御報告申し上げました。 それからボイスレコーダーの記録、これは最後の三十分間ほどしか記録されておりませんが、そのうちでも最後の二秒ないし三秒につきまして粗い解析が終わったところでございまして、その結果は、対地接近警報装置の人工音声によります警告でございますグライドスロープという言葉が入っておりますが、これを二度繰り返す二度目の最後の方に、キャプテンやめてくださいというのが重なって続きまして、その直後にががーという短い衝撃音で終わっておるということが明らかになっております。 エンジン音の変化については、なお現在調査中でございます。 それから機体、エンジンにつきましては、実はけさ、右主翼が台船の上に乗ったのではないかと思っておりまして、格納庫へ収納するのは、今夜、羽田のC滑走路が閉鎖された以降運び込むというような状態でございまして、機体、エンジンについてはほとんど調査が進んでおりませんが、現場におきます外観上の調査の結果をもとにいたしまして、主要なものについての報告をいたしております。 幾つか例として申し上げますと、たとえば出力を調整いたしますスロットルレバーというのは、ナンバーワン、ナンバーツー、それからナンバースリーの三つのエンジンにつきましてはフルフォワード、推力がいっぱいに出ている状態、そういう状態の位置に置いてございましたし、ナンバーフォーエンジンはアイドル、地上をのろのろ滑走するときに使われる推力の位置にあったというようなこともわかっておりますが、これらの位置、状態等につきましては、救出活動等によりまして相当動かされているのではないかという公算が大きいというふうに私どもは見ております。 そのほか、エンジンにつきましては、真ん中のナンバーツーとナンバースリーのエンジンにつきましては、通常、着陸滑走中に逆噴射をいたしますと示すであろうような外観であったということがわかっております。 そのほか、整備記録によりますと、この飛行機は有効な耐空証明を有しており、かつ所定の整備点検が行われていたということも明らかでございます。 それから、医学に関する情報でございますが、亡くなられた方の検案によりますと、前後の方向の減速衝撃というのは比較的小さかったのではなかろうかというふうに考えられております。 機長を含みます乗組員の健康状態につきましては現在調査中であって、事故との関連はいまのところ明らかではございません。 それから、あの飛行機の着陸を助ける装置でございます計器着陸装置その他につきましては、事故後に行われました飛行検査の結果、特に問題ないということが確認されている、こういうことでございます。 こういうことを大臣に御報告申し上げまして、今後の調査の方向としましては、もっともっと広い分野にわたります事実を集めまして、一切の予断を入れず、その上に立って真の事故原因をきわめたいと考えております、こういうことを御報告申し上げたところでございます。
○小林(恒)委員 事故調の方からの御報告によりますというと、大変幅広い範囲で事故機そのものを中心として調査が進められていっている、このように受けとめるのです。 国際協定によりますと、航空機の製造会社等については、その航空機が使用されている限りにおいて、それぞれの責任を持たされている分野が大変大きいと伺ってまいりましたが、今回の事故にかんがみまして、製造元でありますダグラス社が調査に来ておらない、こういうお話を伺っているのでありますけれども、もしダグラス社が調査に来てないというのであれば、なぜ来ていないのか、あるいは来ているのだとすれば、製造会社として幅広く事故調査を進められている過程で、どういった意見交換が事故調との間に交わされているのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。
○中村説明員 国際民間航空条約の規定によりまして、事故が起こりますと関係国へ通報いたすことになっております。 今回の事故の場合には、当該航空機の製造国でございますアメリカ政府に対しまして事故の発生を連絡いたしまして、現在までのところ、アメリカ政府からの代表者の派遣はございません。 ダグラス社からの技師の派遣につきましては、きわめて早い段階に、日本航空を通じまして非公式な打診がございました。航空事故調査委員会といたしましては、ダグラス社からの支援がなくても事故調査を的確に進め得ると判断をいたしまして、その旨を日本航空へ伝えた事実はございます。現在のところ、ダグラス社からの技師は、今回の私どもの事故調査には関与いたしておりません。
○小林(恒)委員 ダグラス社からの技術者の派遣がなくても事故調査ができるということになりまするというと、今日、事故調が進めている調査内容の焦点というのは、おおよそしぼられてくるのではないかと常識的に判断ができるわけですけれども、こういった判断、よろしゅうございますか。
○中村説明員 エンジンにつきましては、できるだけ早い機会に分解いたしまして調査を進めよう、かように考えております。したがいまして、この段階でダグラス社の技師の派遣は必要ではない、こういうふうに判断しておるわけでございます。 事故原因そのものにつきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、機長を含みます乗組員の健康状態から気象条件、さらには現在揚収中の残骸の精密な調査、こういったことをすべていたしまして、その結果を踏まえて本当の原因をきわめたいと思っておりまして、現時点では私どもの調査は特定の方向にしぼってやる、こういう態度はとっておりません。
○小林(恒)委員 正確を期する意味で幅広く調査をするということについて、私は反対の意を表しているものではないのです。 ただ、製造機会社そのものが、今回の事故にかんがみてあえて現地に来る必要がない、こういう判断をされた、こういったことを含めて考えるならば、事故の焦点というのはしぼられてきているのではないのか、もちろん幅広い調査は事故調として進めるとしても。 だとするならば、事故の焦点は、たとえば機長に問題があったのか、あるいは気象条件に問題があったのか、滑走路を含む設備に問題があったのか、こういった分野で焦点をしぼって、速やかな結論を求めていくための努力をすべきではないのかな、こういう気がするわけです。 したがって、今日段階で焦点を特定するということはきわめて時期尚早だろうとは考えまするけれども、世間全般をこれだけ震憾させた大変な事故であるがゆえに憶測だけが乱れ飛んでいく、こういったことではなしに、公式の機関として事故調の正確な、速やかな結論へ向けた調査が進むことを特に希望しておきたいと思っているのであります。 さて、今回の事故に関連をして新聞やあるいは雑誌、テレビ、ラジオなど伝えられるところによりまするというと、たとえば航空機による輸送の安全確保、こういった部分で欠落をしていたものが幾つかあるのではないのか、こういったことがずいぶん多く伝えられます。さかのぼって昭和四十六年、雫石における航空機事故以降、航空機による大惨事が四年置きにあるいは五年置きに繰り返されてきた。こういったことを称して、航空の安全というのは四年ないし五年しかもたないのだ、こういう言い方が報道されているわけであります。 特に昭和四十七年、五十二年の大惨事にかんがみて、当該の日本航空としては、二度と再びこのような惨事を招くまいとして挙げた安全施策重点項目というものがおありだと思うのでありますけれども、今日まで進めてきた日本航空の安全施策重点項目について明らかにしていただきたいと思うのであります。
○野田参考人 四十七年の事故後、四十八年の当初と記憶しておりますが、そのころ会社に総合安全推進本部というものが組織され、社長を本部長とし、全社一斉に、将来の事故を防止するいろいろな対策を大変幅広く立てました。大体百項目ぐらい挙がったと思いますが、それを毎年毎年実行の進度をチェックしながら、完成したものはそのリストから落ち、また新たに追加すべきものは追加するというようなことで概略現在にまで至っております。その中身は、運航整備その他大変広い方面にわたっておりまして、社内的には年に何回かその総合安全推進本部会が開かれ、進度を監視し、また新たな対策を追加すべきものは追加するというようなことを継続的に行っております。 具体的な項目は、ただいま手元に資料がございませんが、後ほどお届けできると思います。
○小林(恒)委員 今回の事故が発生をして、日本航空として安全運航を確保していく上で一番重点的に進めなくてはいけないものは何々だとお考えなのか、高木社長にお伺いをしたいと思います。
○高木参考人 お答えいたします。 かねがね私どもとしては、安全運航ということが企業の最優先の課題であるということで取り組んでまいりまして、ただいま野田専務からも申し上げましたように、四十七年の事故後非常に広範な面で安全問題に取り組んできたわけでございます。 今回の事故にかんがみまして、先ほど御報告申し上げましたようにいろいろな面がございますけれども、特に乗務員の健康管理を含みます管理面、この点について強化をしていくこと、これに特に重点を置きたい。その他にもいろいろございますけれども、特にこの点に重点を置きたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 乗務員の健康管理というのは大変重要な部分なんですけれども、これは二年前の新聞の切り抜きであります。昭和五十五年四月二十七日、日航ににせ医者がいたという報道が大々的になされたことがあります。資格を持たないお医者さんがスチュワーデスを診断したり、偽造免許で驚くなかれ五年間も診療を続けてきた、加えてにせのエックス線技師もいた、こういった報道が過去になされたことがあるわけでして、こういった体質が日航の中にはあるのではないのか、今日もなお続いているのではないのか、こういう心配がされてならないのです。 こういったことを含めて、この事件の後今日までの間に、日航社員の健康管理を正確な意味で推し進めていこうとする気持ちの上からも、社としての考え方の上からも、具体的に進められてきた施策があるのかないのか、明らかにしてください。
○野田参考人 乗務員の健康管理の体制は、会社として相当な力を入れてやってまいりましたつもりでございます。 会社の主な基地である羽田、成田両基地には、相当数の医療関係の職員、嘱託等を持っております。その中で、特に乗員のみの健康管理をする専門の運航乗員健康管理室というのがありまして、一人の専属の医者を初め各専門の医者を、非常勤ではございますが契約しておりまして、その専属の医師は過去十五年ぐらい、日本航空の運航乗務員の健康管理をやってきております。その中身は、航空法の規定された航空身体検査ということをやるのと一般的な健康管理とをあわせて継続的にやってまいりました。 他の職員に対しては、勤務個所が多数に分かれておりますので、診療所のたぐいは、一つの羽田にしましてもかなりの数の場所に分散しておりますが、全部トータルしますと八十何人という程度になるかと思います。一般職員の健康管理も会社として大変力を入れてまいったつもりであります。職種によっては、特殊な職場環境で働く、そういう人たちもありますものですから、そういう場合は法律規則で非常に厳重に決められておる、そういうものを守ることは言うまでもありません。近年は、自己管理で健康を維持するということにだんだんと重点を向けてまいっておるつもりでございます。 概略、以上のとおりでございます。(「にせ医者はどうした」「にせ医者がいたかどうか」と呼ぶ者あり) にせ医者の件は、ただいま御指摘のとおり二件のケースがございました。 一件は、ある健康管理センターという機関から派遣された医師と称する人間、これが後刻資格がないということがわかりました。もう少し詳しく申しますと、初期にはその派遣された機関と会社とが契約しておったわけですが、後刻その個人の人と会社との契約に切りかわって、相当期間会社で働いておりました。担当した仕事は問診であります。相手からどういう病気、症状があるかということを聞くということで、数年間にわたり問診という仕事だけをやってきたということでありました。たしか昭和五十五年ごろと思いますが、空港警察署に逮捕されまして、その点が会社としてもわかったわけであります。その人が手がけた問診というのは、その後正規の医師によって全部再チェックをいたしました。 もう一つの件は、やはりある医療機関から派遣されたエックス線の技師が無資格であるということが判明しまして問題になったわけでありますが、この場合には、エックス線の写真を撮るという仕事に従事しておりました。幸いにして、日本航空のエックス線装置は自動装置でありまして、写真を撮る人に不適当な被曝を与えることもないということで、実害はございませんでした。 そういうことが、ただいま御指摘の二件のケースでございました。
○小林(恒)委員 大体、実害がなかったという言い方がけしからぬのです、そういう認識が。実害がなかったとは何ですか。いいですか。少なくとも航空機という大変危険度の多い輸送産業に従事をする職員の健康管理をするに当たって、にせ医者がいたり、にせエックス線技師がいたり、実害がなかったからいいじゃありませんか、こんなことで通るのですか。認識に間違いがある。 これは、あえて私は指摘をしておきたいのでありますけれども、国策会社として結成をされて以来、日本航空というのは運輸省に甘えておったんじゃないですか。お医者さんの件でも、厳密に、厳正に身体検査を行わなければならない人、現在だって乗務員管理をやっている主席産業医の山口さんは、運輸省のお医者さんも兼ねているというお話があるじゃありませんか。こんな癒着体質が、本当の意味で大切な神様であるお客様を輸送する、そういったところに従事をする皆さん方に適当に身体検査をやっていた、こういったことにつながるのではないですか。もう一度見解を明らかにしてください。
○野田参考人 ただいま表現が適当でなかった点は、おわび申し上げます。 ただいまの二件のケースは、事実先ほど概略述べましたとおりでございまして、第一の問診の方は、問診の結果に問題があるといけないというおそれから、当人が担当した問診記録を受診した職員にすべて見せ、当社の産業医により再点検をしました。それから、健康管理上万全を期すため当該職員にもう一回問診をやりました。そして、そういう内容を社内関係部署に対して文書をもって通知したということでありまして、以上の件は大田労基署に検査の際に御報告申し上げました。 それから、第二のエックス線の方でございますが、労働健康管理センターというところから最初その人間が派遣されておりましたが、勤務先が変わりまして、マリア・テレジア巡回診療所というところに移籍をされた。そこからの派遣が継続しましたが、五十四年に当人が免許を持っていないということがわかったので、その診療所から他の医師が派遣されてきたということであります。 判決結果への影響と会社がどういう対処をしたかということでございますが、技師資格のない者が業者から派遣されてきましたことはまことに遺憾でありますが、当社配備のエックス線装置の撮影が自動方式でありますものですから、具体的な操作はスイッチを押すというだけで適正な露出撮影ができる、そして現像が自動的にできるということでありましたために、幸いにしてそのエックス線量については問題がなかったということがチェックされたという意味でございました。以上の点は、五十五年の大田労基署の立入検査の際に報告、説明を申し上げました。 以上であります。(小林(恒)委員「主席産業医は」と呼ぶ) もう一つのお尋ねの点を落としましたので、追加します。 運航乗務員の健康管理並びに身体検査証、法定の身体検査をやっておる産業医に関してでございますが、運輸大臣の認定を受けた指定航空検査医という立場の医師であります。これは、具体的には慈恵医大病院が正式に運航乗務員の決められた身体検査をやることができる機関ということに指定されておりまして、その機関から指定された医師という資格を一面では持っております。したがいまして、日本航空の健康管理室という医療施設は、指定された医療機関の出張診療所という性格があるということでございます。他方では、同一の医師が日本航空の産業医でありまして、常勤嘱託という身分であります。それで、こちらの方は、御承知のとおりの産業医という資格、担当を持っておる。この二つの面の仕事を一人の人が兼ねておりますが、そのほかに、いろいろな科目の医師、これは慈恵医大との間の契約によって、延べ数はかなりの人数になりますが、契約をしておりまして、必要に応じて、あるいは定期的に乗員健康管理室の方に派遣をされてきて、所要の診察、手当てをする、そういう制度になっております。したがいまして、指定航空検査医としての立場を会社としては十分に尊重し、嘱託医を兼ねているというために検査が甘くなるということは決してないと確信しております。 それに加えて、長年乗員の個人を継続して診ておりますので、一般的な健康管理という点からも非常に目が届いておると実は思っておるわけでございます。この辺については、今後の関係機関の御調査等でいろいろなことがはっきりすると思います。 以上でございます。
○小林(恒)委員 航空法の三十一条三項に基づいて、航空乗務員の身体検査証が交付される、こういった規則になっているわけで、およそ機長の場合、副操縦士を含めて、七十五項目にも及ぶ大変な検査項目が列挙されているわけです。こういった厳密な検査を経て飛行機に乗務をしていることになるわけですけれども、特に今回の片桐機長の場合、五十六年十一月十九日に検査を受けて、運輸大臣に申請をした後、十二月の七日にはこの証明書を交付されている、こういう実情にあるわけです。およそそれから二カ月後に重大な事故が発生をし、事故の要因を握る中枢になっている、こういう実情にあるわけですから、そういった意味では、厳密の上にも厳密を期して検査というのは実施されることを特に要望しておきたいと思います。 さらに、日本航空の場合だけこういう体制をとっているということで、最近大変変な意味で脚光を浴びている事柄なのでありますけれども、機長は管理職であるという、こういった体制が昭和四十五年以降日本航空の中ではしかれてまいりました。他の航空会社とも比較をしてみても、全員が非組合員になっているという実態は日本航空だけなのでありまして、こういった機長の業務量、本来社則に定められている機長職の業務分掌以外に、機体総体にかかわっての管理をしていかなくてはいけないという、こういう重負担が機長に大変な疲労度を加速させていっているのではないのか、このように考えるのですけれども、日本航空としての御見解を賜りたいと思います。
○高木参考人 お答えをいたします。 機長は、御承知のとおり、ただいま先生からもお話がございましたけれども、航空法で、指揮監督権あるいは出発の決定権及び確認の義務、安全阻害行為等の抑止権、旅客に対する命令権、危難に際しての献身義務、他の運航乗務員の違反行為に対する機長の刑事責任というふうに、法律上の権限及び義務、これは非常に大きなものでございますが、私どもとしては、常々機長にも私自身申しておるわけでございますけれども、われわれ航空輸送業務に従事しております航空会社の本来の仕事というのは、安全で快適な航空輸送サービスというものをお客さま、社会に提供することである。そういう意味で言いますと、機長は単なる操縦士ではない。ただいま申し上げましたように、お客さまに安全でしかも快適な航空輸送サービスを提供するということになりますと、もちろん飛行、フライトがそのサービスの中心になるわけでございまして、会社の提供しておる業務の中心であるフライトの指揮者、コマンダーであるというふうに考えておるわけでありまして、したがいまして、単なる操縦士ではない。飛行機をただ無事に飛ばせればいいということでなしに、それはもちろん、ただいま申し上げましたように、基本としてまず安全ということが非常に大事なことでありますが、同時に、前後の航空輸送サービスのつながり、一貫したサービス、これのフライトにおける指揮者であるという意味におきまして、私どもは、機長は管理職であってしかるべきである、こういうふうに考えておるわけでございます。 先生御指摘のように、他に類を見ない、これは確かに日本航空だけの制度であるということになるかもしれませんけれども、私どもは、日本航空の業域あるいは人事関係、たとえば客室乗務員におきましても、現に乗務する者の中にも管理職がおります。しかし、フライト中は、ただいま申し上げましたように機長がコマンダーでありますので、運航乗員のみならず客室乗員もフライト中は機長の指揮下に入るわけでございまして、十名足らず、ないしは二十名にも達する部下を指揮し、そして何百人という貴重なお客様のお命をお預かりするフライトの指揮者である機長は、私どもとしては管理職にしてしかるべきである、こういうふうに考えております。 それから、ただいま先生から、管理職であるために、いわゆるそうでない機長に比べて非常に仕事の上の重圧があって、これがいろいろと悪影響を及ぼしているのではないか、こういうような御意見と伺いましたけれども、私どもとしては、機長を見ておりまして、機長がやはり管理職であるという誇りを持ってその仕事に邁進をしておるというふうに見ておりまして、その点は、先生の御心配になっていらっしゃるようなことは、わが社においてはないというふうに確信しております。 以上でございます。
○小林(恒)委員 いま高木参考人から御説明のあった件については、機長、副操縦士及び航空機関士の職務分担という範囲の中に十分記載をされていることであって、こういった業務を分担していくというのは機長の仕事であろう、このことについては十分承知をしますし、当然のことだと思うのです。ただ、このこととイコールにして管理職にしてしまわなくてはいけないという理由と必ずしも結びつくのかどうなのか。管理職でなくても、機長という職務内容の中にそれを全うしていくという任務は十二分にあるわけだし、やり得る範囲ではないのか。むしろ、管理職だという言い方が、機長職総体を通じて機長の皆さんに大きな重圧を与えていっているという、こういった現象がずいぶん多く報道をもされているわけです。それだけに私はあえてこのことを御質問したのです。 加えて、日航の場合は、他の社に比較をして、いわゆる日航方式とでもいうのでしょうか、違った形での機長の養成システム、こういったものなども採用をされているようです。たとえば副操縦士から機長になるための養成期間、これ一つをとってみても、日本航空は昭和四十七年以前はこの養成期間を五カ月でやられた、こういう実績が残っているわけですね。全日空などについては、今日段階でも三・五カ月で機長養成をやっている。ところが、四十七年以降、日本航空の中では二十四カ月養成という、きわめて長期間にわたる機長養成期間が設定をされてきた、こういう状況になっているのです。にもかかわらず、今回の事故を見ますると、機長にかかわる部分がきわめて大きかったのではないかと推測をされる、中間報告の段階までで。こういった現象があらわれるということは、機長職を管理職にするということ、あるいは二十四カ月間という膨大な期間養成をするということが、必ずしも安全を確保するためのかなめ石にはなっていっていないのではないのか。むしろ逆に、二十四カ月間も養成をされるという事柄自体が、すでに公表されている日本航空乗員組合の「世界に例のない日航機長養成制度」「忍の一字の二年間」というパンフレットに示されるような中身になっていっているのではないかという気がしてなりません。 すでに今日まで報道をされた中身を見ますと、今回のDC8の機長であった片桐さんそのものも、過去一年間の飛行経験を見ますと、一九八一年一月、二月には病欠でお休みになっていた。以降、機長としての任務につくことなしに十月まで経過をしてきているという、こういう状況にあるわけです。全体的には、六百五名の機長のうち、四十五時間から六十時間くらいの飛行時間を持っているわけですが、片桐さんの場合は、一九八一年の五月四時間五分よりの飛行時間しかない。こういったことを皮切りにして、半分以下の飛行時間しか持っていないという、こういった実情もあからさまになってきているわけです。 機長職は管理職だと言い切るのであれば、会社として、機長に対する労務管理はどのようになされてきたのか、健康管理を含めて正確に推し進められてきたのかどうなのか。私は、必ずしも健康体な人だったとはこの勤務態勢の中からは読み切れないわけです。ここらについて、わかっている範疇でお答えをいただきたいと思うのです。
○野田参考人 機長養成制度は歴史的に変わりましたけれども、大変変わりましたのが前の事故の直後でありました。当時いろいろな角度から会社も検討をいたしましたし、監督御当局からもいろいろな御指導がありまして、一言で言いますと、養成過程をより慎重な方向に変えたということがあります。 具体的にはいろいろなことがございまして、機長になる養成過程で非常にたくさんの改定をいたしまして、最後は左の席、すなわち将来機長になるであろう、そこの席に座って機長と同じようなことができる、そういうような改定が最後の段階でございますが、何回の離着陸をするとか、かなり慎重なシステムといいますか、制度に変えました。そういうことが結果として養成期間が長くなるということを招きましたけれども、二十四カ月ということは、例外以外にはないと思います。平均的にはもう少し短い期間で済んでおると承知しております。 片桐機長自身については、昭和五十五年の十二月ごろ、当時は国際線の機長としてモスクワ線に飛んでおったのですが、その中で路線チェックを受けるときに体の不調が起こって、そのチェックを受けることができなかったというようなことがありましたのが、当人の健康の異常を知りましたきっかけでありました。それから、いろんな休養、療養等をやりまして、五十六年はしたがいまして飛行時間が短い状態で一年を経過したわけであります。五十六年の十一月の末ごろになりまして、いろんな改定を経て機長の任務に復帰してよろしいという判定がなされまして、ただし、身体的に比較的楽な国内線の勤務から始めるというところから始めまして今日に至ったわけであります。したがいまして、五十六年の間の飛行時間が低かったのは、療養の期間がその間にかなりあったということから出ております。 以上です。
○小林(恒)委員 機長職だけを事故原因だとは思わないわけでありまして、社内全般に必ずしもいい空気が伝わっていないという部分、たとえば過去の不当労働行為の件数などを見まするというと、提訴されたものだけで十五件、これは実に不当労働行為日本一が日本航空であるという、こういった実情が現実にあるわけです。なお、係争中の事件そのものが、今日でも和解交渉中二件を含めて四件が係争中になっているという実態があからさまにされてきております。 こういったことが一日も早く社内から解消されていくような努力が、高木社長になられてから以降、どういった角度で推し進められてきたのか、お伺いをしたいと思います。
○高木参考人 お答えをいたします。 まさに先生御指摘のように、いわゆる不当労働事件とか、あるいは先生御承知のように会社には四つの組合がございまして、いずれもいわゆる企業内組合でございまして、そういう意味で、私どもが従事しておりますいわゆる公共輸送機関ということの公共性、社会的な責任、義務、使命というものについては、各組合とも十分に承知はしておるというふうに私、理解しております。しかし、やはり具体的ないろいろな問題になりますと、会社側と意見の相違をすることもございます。しかし、私は、安全が基本であるようなこういう航空輸送業というものにおいては、やはり労使の信頼、労使関係の安定ということはきわめて大事なことであるというふうに考えておりまして、実はことしの新年の社員諸君に対する呼びかけの中でも、労使関係の安定化、信頼関係の回復ということにひとつ努力をしていきたいという意思を発表したわけでありまして、私としては、何としてもこれをやっていきたい。 しかし、労使関係が現在に至りますについては、そこにやはり歴史がございます。なかなか一日にしてこれをどうこうというわけにはまいらないのでありますけれども、私としては、その方向で何としても努力をしてまいりたいと考えておるわけでございまして、ただいま先生御指摘のように、本年におきましても、四件の不当労働行為事件につきまして、二件についてはいま和解の話し合いもある、昨年も三件は和解で解決したというような実績もあるわけでございまして、私としては、とにかく労使関係の安定化、労使の間の信頼の回復ということに努力をしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○小林(恒)委員 可能な限り、この不当労働行為日本一などという汚名を一日も早く撤回ができるような社風、労使関係、こういったものができることを期待したいのでありますけれども、特に航空機という部分では安全というのは欠かせない最大課題だと考えるのであります。 そういった観点から、法で定められている、安全衛生法十七条に基づいて安全委員会をそれぞれの職場に設けていかなければいけないという、こういった定めになっているわけですけれども、日本航空の場合、今日段階でなおかつこの安全委員会が労使挙げて設置をされてテーブルにつき協議をするという体制になっておらないという、さらにこのことをめぐって是正指摘を佐原の労基署から行われたりなどしているという経緯があるわけです。これは、私もかつて国鉄という職場に所属をしておりましたから、国鉄の内部でも複数の労働組合があって、事業場単位に設置をする安全委員会など、違う労働組合を含めて一つのテーブルにつくということに関連をし、いささかの議論があったことは承知をしておる。しかしながら、それらを超越して、大事なお客様を輸送するという、こういう観点から真剣な議論がこの委員会の中では詰められてきたという経緯があるのです。 ただ、日本航空の場合、意見の食い違いとなっている部分、事業者側から十三名、労働側から十三名という数字の割り出しの中で、全労八名、乗員組合一名、客乗四名というこういった単位で選出方を依頼したやに伺いましたけれども、しょせん地上における安全問題と空中における安全問題というのは質を異にするものだと判断をする。大変無理をして、たった一つの安全委員会を設置するために二年も三年も営々と議論をするのではなしに、それぞれ事業場単位で、その事業場に合った安全委員会を速やかに設置をしながら旅客の安全輸送、こういったものを求めて議論をしていくのが妥当ではないかという気がしてなりません。今日まで長い議論の過程がおありのようでありますけれども、ここらにかかわっての御見解を賜りたいと思うのであります。
○野田参考人 ただいま先生が御指摘ありましたように、安全衛生法に基づいてこういう委員会をつくることが決められておりまして、労働組合に委員の推薦を求めておりました。過半数を占める組合からは委員の推薦がございましたが、それ以外の組合からの推薦がいまだにございませんものですから、ただいまの御指摘のように、この委員会がまだ発足いたしておりません。 ところで、この安全衛生法による委員会は、言うまでもなく労働者の職場安全ということを取り扱う委員会と理解しておりますが、乗員の場合は、乗員の職場は運航中でありますので、それすなわちお客さんの安全とかいわゆる航空の安全というものと全く重なる、そういうところが特殊性があると思います。したがいまして、地上職の職場安全を議論する場にその他の職種の人がぴったり入ることに難点があるという論点も理解できるわけであります。 そういうことですので、じんぜん時を過ごすのは余りよくないと思いますので、この点については今後善処してまいりたい、こう思っております。そういうことで御了承願いたいと思います。
○小林(恒)委員 速やかに善処をしたいというお答えですから、余り枝葉末節にかかわって営々と議論だけが続いていって安全委員会が設置をされないということのないように、特に今回こうした大惨事が発生をしていることにかんがみても、できるだけ速やかにその職場職場に適合した安全委員会が設置されることを期待したいと思います。 大分時間が過ぎてきているのでありますけれども、昨年の九十四回国会の中で日航法の一部改正が行われました。この中でもわが党の吉原委員の方からは、日航における体質あるいは機種の選定、それから経営、運営を含めて相当細かな御指摘があったわけです。 幾つか御質問をしたい趣旨があるのですが、しぼって二、三御質問を申し上げたいと思います。 一つは、日本航空の機関誌「おおぞら」の一九八二年二月号の中で「トップは語る 全株主への配当とさらに体質強化の努力を」、こういったことで、大株主である国に対しても配当金を支払う、およそ百四十二億円になるのではないかと想定をされる膨大な金額を生み出していく上で、今日までの旅客収入をさらにアップをしていく運動、三千三十億円を称してミレミレ作戦という運動が展開されていることが記載をされております。 大変御苦労して、国に対する配当も支払いましょうという努力をされていることについては、一部理解をするのでありますけれども、日航法の改正に伴って、このことに象徴されるような経営上の無理が今日、日航内部にあるのではないのかなという気がしてなりません。ずいぶん多くの職場で、石にかじりついてもこのミレミレ作戦を成功させるために、どこかの石を拾ってきて、これにしめ縄を巻いて祈願までしながら必死になっている、こういったものを見せつけられるにつけても、全株主への配当ということを踏まえて、経営上大変な状況になっているのかなと推察をするのでありますが、この点についての御見解を賜りたいと思います。
○高木参考人 お答えをいたします。 確かに昨年の日航法の一部改正によりまして、従来政府保有株については後配規定がございましたものが削除されました。そのために、会社の株主に対する社会的責任というのが重加されたというのは確かでございます。しかし、一面で、経営の一部自主化、弾力化ということが行われまして、私どもとしては、そういう経営の弾力化によりましてこれを努めていきたい。 先生の御指摘でございますけれども、こういった日航法の改正というものが日本航空の経営に重圧を加えておるというふうには私どもは考えておりません。むしろ従来は、ただいま申し上げましたような政府保有株の後配規定というようなことから、どちらかというと政府にいわば寄りかかる、親方日の丸と言われるような気分が、社内に必ずしもなきにしもあらずという御批判もいただいておったわけでございますけれども、われわれとしては、この際、より自主的に、よりいわゆる民間的に経営努力をしてまいりまして、われわれもいわゆる国策会社の一部ではございますけれども、同時に株式会社でございます。したがいまして、株主に対する会社の責任として、当然配当を志向するのは会社の経営の義務であると考えておりますので、先刻来申し上げますように、もちろん航空輸送事業としまして、何をおきましても安全ということが第一でございますので、この安全にいささかも影響するようなことは考えておりませんけれども、いわゆる株式会社的な、民間会社的な経営努力というものによりまして、三者還元、利用者に対する還元、株主に対する還元、働く者に対する還元ということについて、それぞれ株式会社の経営としての努力をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 重ねて申し上げますけれども、だからといって決して安全を軽視する、安全に問題を生じながら利益を上げていくというようなことは絶対に考えておりませんということを申し上げて、私の御説明にいたします。
○小林(恒)委員 重ねてもう一点お伺いをしたいのでありますが、日本航空は過般、これは部長会議にかけられた建議事項でありますけれども、日航整備サービス株式会社というものを設立して、特に職員の高齢化問題等に関連をしながら整備の外注化を図っていく、外注会社を新設する、こういった計画がおありのようでして、資本金もそれぞれ日本航空が六〇%、航空モーターサービス株式会社が三〇%、発起人ほかが一〇%という資本金拠出の案も決定をいたしました。今年四月一日から営業開始を予定しながら会社の設立が進み、ここにおける従業員の求人広告を含めて新聞広告が出された経緯がありますが、いま社長から言われたように、安全という問題きわめて重要でありまして、単なる、省力化が安全をないがしろにするものではないという言い方は、言葉としては理解をするのでありますけれども、こういった計画そのものも安全を軽視する一つの形になっていくのではないかという危惧の念を持たざるを得ません。結果として、目下のところ職安の方からは、こういう職種を外注化するという新設会社構想に対して違反の見解が示され、凍結状況にあると伺っているのでありますけれども、日航整備サービス株式会社の新設構想を含めて、会社側の御見解を賜りたいと思うのであります。
○野田参考人 御指摘のような整備サービス会社という名前の会社を設立いたしました。 この会社の構想は、第一着手は、整備工場における工器具の受け渡し管理、そういう仕事をしようと思っております。整備工場には整備員がおりますが、各人が持っておる普通の工具のほかに仕事に応じた特殊工具というのを多数持っておりまして、それを現在器材庫というところで管理しておりまして、作業の必要に応じそれを出す、また終わったら受け取る、そういうような仕事をしております。こういう部分を別会社化しようというのが当面の構想であります。 この設立に関しましては、先ほど先生御指摘のごとく、職業安定所等の関係機関からいろいろ御指導を得て、できるだけ早く運営を開始すべく準備をしております。 もう少し具体的に申しますと、この業務は、整備作業を経験した人たちがやると大変いいサービスができるということが業務の面からはあります。他面、働く人の立場からいいますと、比較的肉体的に楽であるということから、中高年齢の人たちの職場としてかっこうであるというふうに思っております。そういうようなことから、行く行くは当社の技術系の定年退職者、こういう方々が退職後もかなりの期間こういう仕事で働けるだろうし、それはその人たちの整備者としての過去の経験が非常に生かせるであろう。両面からこの構想を進めたいと考えております。 最後に、先ほど御指摘のように、職業安定所の御指示によりまして、新聞に一たん募集広告を出しましたが、それを一時停止しております。そして、職業安定法上すべて問題がないような運営形態を整えて発足してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○小林(恒)委員 いずれにいたしましても、一番最初に安全という問題が基本になって会社の運営がされることを願わざるを得ません。 昭和五十七年の年始式の高木社長のごあいさつについても、「おおぞら」一月号で読ませていただきましたけれども、前向きで大変な努力を進められていったさなかでの今回の事故なわけでありまして、前段幾つか御指摘をした労使関係の問題など、まだまだ未解決であり、これから長時間、時間をかけて精査をしなくてはいけないものは大変多くありましょうけれども、再びこのような事故がないように運営していくための決意のほどをお聞かせいただきたいと思うのです。
○高木参考人 お答えをいたします。 まことに御指摘のとおり、今回の事故は痛恨のきわみでございまして、私は先日来、各御遺族のもとに伺いまして、御霊前に本当に心からのおわびをしながら、二度とこんな事故を起こしてはいかぬということを心に誓ってまいりました。私が先頭に立ちまして、とにかく当面安全対策の見直し、安全体制の再建ということに全力を尽くしてまいりたいということを申し上げまして、私の決意の披瀝といたします。
○小林(恒)委員 運輸大臣御出席でありますから、重ねて運輸大臣にも、この航空機の安全、ひいては運輸大臣が所管をする輸送業務総体にかかわって具体的に安全を確保していくという、そんな立場からの御見解を賜っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 このたびの日航墜落事故によりまして多数の方々が亡くなり、また傷を負われたということに対しまして、心から亡くなられた方々に対しては弔意を表したいと思いますし、またけがをされた方々の一日も早い御全快を祈っておるところでございます。 ただいまの御質問でございますが、私は、運輸行政は最近はますます高速化し、かつスピードの上がる大量な輸送を担当しておりますので、何よりも重要なことは安全の確保であると考えております。運輸行政のすべての最も重点的な問題は、安全の確保をいかにして達成させるように行政を運営するかということであると言っても過言ではないと考えるものでございまして、私、就任いたしましてからまだ二カ月程度でございますが、昨年の十二月二十六日に、運輸省関係の全交通機関の安全担当の第一線の方々にお集まりをいただいて、特に年末年始の錯綜する、かつ混乱が予想される輸送に対しての安全の確保を強く要請をいたしたわけでございます。 また、今回の事故発生とともに、省内におきましても各担当部局それぞれに対して、あらゆる面においての安全確保のための具体的な施策を、さらにそれを地域の各陸運局あるいは海運局等も含めて、全省を挙げての安全体制の促進のために会議を開き、指示したところでございます。 しかし、いずれにいたしましても安全が確保されることが何より重要なことでありまして、今回の日航機の墜落事故を踏まえましても、われわれはさらに心を引き締めて、一般の国民の方々が日本の交通に対する信頼感を失ってしまっては大変であるというふうに考え、全力を傾けて安全対策の推進を図ってまいる決意でございます。
○小林(恒)委員 ありがとうございました。終わります。
○越智委員長 福岡義登君。
○福岡委員 あと十分足らずしか時間がございませんので、結論にしぼって、ただいま同僚議員の小林君が質疑いたしました今回の日本航空の事故についてお伺いをしたいと思うのであります。 今度の事故を未然に防ぐことができたとすれば、それは片桐機長の健康上の問題を事前にチェックしておったらできたと思うのであります。別の言い方をいたしますと、日本航空が十分な健康管理をやって片桐機長の異常に気づいておれば、今回のこの事故は防ぎ得たと思うのであります。そこに私は会社の重大な責任がある、こう考えます。その他にも、いまいろいろ指摘されました問題があるかと思いますが、最大の問題点はそこにあると思うのであります。 会社の責任はまことに重大である。経営者といたしまして最高責任者である高木社長は、今回のこの事故についてどういう責任をとろうとされているのか、あなたの進退を含めて、どういうお考えでおられるのか、国民の前に明らかにしていただきたいと思います。
○高木参考人 お答えをいたします。 私は、先ほども申し上げましたように、現在わが社の安全運航体制、これを再建するということ、それから本当に申しわけない、お亡くなりになりました方の御遺族あるいは重傷を負われた方、こういった御被災者の方々に対する補償の問題、これを円満に解決するために今後全力をふるってまいりたいと考えておりまして、現在進退のことは考えておりません。
○福岡委員 当面は、社長としてなされることは当然おっしゃったような後始末だと思います。しかし、今度の事故の発生の原因は社長にないとは言えない。先ほどしぼって言いましたように、もう少し十分な機長の健康管理ができておれば防ぎ得た事故なんであります。ですから、当面は当然後始末をされることが社長の責任だと思います。しかし、それで今回のこれほど大きな事故の責任をとったことにはならない。だから、当面の後始末は結構でございます。どうぞあなたの責任でやっていただきたいし、やられるべきだと思うのであります。社会的にあるいは亡くなられた皆さんに対して、社長としてどういう責任をとろうとされておるのか、そこを明確にしていただきたいと思います。たとえば、当面の始末がついたら進退を含めて責任をとるように考えたいとおっしゃるならそれでもいい。責任がないということは許されないのです。どういう責任をとろうとされておるのか、明確にしていただきたいと思います。
○高木参考人 お答えをいたします。 ただいま申し上げましたように、日本航空の安全体制、これはとにかく、何と申しましてもこういう事故が起こりまして、私は重大なる責任を感じております。この安全体制を再建するということにとにかくいま頭の中がいっぱいでございまして、重ねて申し上げますけれども、進退のことは考えておりません。
○福岡委員 これ以上問答いたしましても仕方がございませんから、社長にお願いを申し上げておきます。 当面なされることは十分やっていただきたい。しかし、その後にあなたの責任を国民が納得するようにとっていただきたい。良識ある御決断を強く要望しておきたいと思います。 運輸大臣にお伺いいたします。 運輸行政の最高責任者で、同時に日航の筆頭株主の国でございます。そういう立場から今回の責任問題をどのように感じておられるか、どう対処されようとしておられるか、お答えをいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 お答えを申し上げます。 まず最初に、先ほどお答え申し上げたように、大変遺憾な事故であるということについて、運輸行政担当者として深く反省をいたしておることが一点であります。 さらにまた、こうした事故の続発することを今後絶対に防止しなければならぬ。したがいまして、現在運輸省といたしましては、先般事故調査委員会の調査結果の中でわれわれが入手し得た事態を、卒直にまず国民に公表をするという異例の措置をとったのも、われわれといたしましては、この事故調査の現状がどこまで進んでいるかということを国民に申し上げたかったわけであります。 さらにまた、十五日から十九日にかけまして日本航空に対しまして、本社並びに福岡事務所等非常に徹底した立入検査をいたしたわけであります。この立入検査によりまして、ただいまいろいろと問題になっておりました諸点もおのずから解明されるものと期待をいたしておりますが、こうした事態の解明によりまして、運輸省としてとるべき措置並びに日本航空に対して改善を要すべき点があれば、これに対して速やかにそれを実践していくように指導していきたいと思うのであります。 いずれにいたしましても、日本航空は、国内航空においては十年来無事故の記録を維持してきたわけでありまして、私は今度の事態というものを大変残念に思っております。重ねて申し上げますが、二度とこうした事故が起こらないように、全力を挙げて運輸行政を前進させてまいりたいと私は考えております。
○福岡委員 私の質問に対しまして十分なお答えをいただいたとは思いませんが、今後良識ある御判断をいただくと同時に、適切な措置をとっていただくようにお願いをいたしまして、きょうは時間の関係もありますので終わります。
○越智委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ――――◇――――― 午後三時三十一分開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。草野威君。
○草野委員 運輸行政の基本方針につきましては、先日、小坂大臣から所信が述べられたわけでございます。しかし、二月九日の日航機の墜落事故に関連いたしまして、本日は日本航空の高木社長に参考人としておいでをいただいたわけでございますので、先にこの問題につきまして若干お尋ねをさせていただきたい。どうぞよろしくお願いいたします。 先ほど来のお話を伺っておりまして、高木社長は今回の事故につきまして、御遺族の方々全員のところに弔問されて、そして遺族の方々の悲しみやまた強いお怒りも承ってまいりました。また、今後の問題として補償問題についても日航としては万全を尽くしていきたい、さらにまた、今後の安全対策という問題についてもでき得る限りの措置を講じていきたい、このようなお話がございました。私も全く同感でございます。ぜひともひとつ実行をお願いしたいと思います。 そこで、今回の事故でございますけれども、十九日に事故調査委員会から中間報告が出されました。今回の事故については、機長が墜落寸前に異常な操作を行った、また原因の調査の過程において操縦桿が前に倒されている、またエンジンが逆噴射の状態にある、しかもそれが同時に行われた形跡もある、こういうことで、これから真の原因が明らかにされていくと思いますけれども、ただ、ここで一つはっきりとしてきたことは、機長の心身上の健康問題、これがきわめて重要な問題として大きくクローズアップされてきたことは事実であると思います。したがって、きょうは、会社の首脳の方がお見えになっているわけでございますので、片桐機長の健康問題について率直にお話をしていただけたら、このように存じます。 これは、機長のプライバシーにわたる問題もあろうかと思いますけれども、しかし、十数人の乗務員の指揮監督者でもありますし、百数十名の乗客の生命を預かっている機長というきわめて重要な責任の立場にある方でございますので、この問題の核心の一つと見られる機長の健康状態について、いままであなたがいろいろな報告をすでにもう受けて、かなりのことは御存じになっていらっしゃるのではないかと思います。片桐機長の健康状態、心身上の問題を含めてお聞かせをいただきたいと思います。
○野田参考人 片桐機長の健康の履歴についての御質問でございますが、日本航空の運航乗員健康管理室が本人の健康上の異常について気がつきました最初は、昭和五十五年十一月ごろであります。 そのきっかけは、モスクワ経由ヨーロッパ線の路線の資格を持つことのチェックを受ける際に、具体的に申しますと、ロンドンからモスクワまで来ましてそのチェックを受ける予定でございましたが、非常に体が不調であるというのでそのチェックを受ける状態になくなりましたので、予定を変更して、本人は同じ便に乗務でなく同乗して日本に帰るということがございました。それが健康の異常を把握したきっかけでございました。 その後、もちろん会社の健康管理室の医師も診察をしましたが、しばらく休養をとりまして、その間他の医療機関にかかったようでございます。他の病院、自分の自宅に近いところ、そこから診断書が出て、それが会社の健康管理室へ参りました。その中身は、いま記憶で申しわけございませんが、心身症という名前の病気であるということでありまして、症状は胃炎、胃の不調というようなことでありました。 それからいろいろな経過がありますが、休暇をとって自宅静養しながら、そのような他の診療機関にかかっていたようでございます。 だんだんとよくなり、回復の経過をたどりまして、途中若干省略いたしますが、機長の資格を維持するためには六カ月ごとの試験を受けなければなりません。その試験は、身体検査上のテストとそれから機長としての操縦技量その他の試験と両方ありますが、そういうものを両方ともパスしまして、機長の資格は維持した状態でございました。 それからだんだんと回復しまして、慎重を期して副操縦士の勤務から始めてよろしいといういろいろな医者の所見がありまして、途中また症状が逆戻りしたりいたしましたが、昨年の十一月にいよいよ回復をして、これで機長としての勤務に差し支えないという大体の判定となり、ただし慎重を期して、国際線の方が荷重が重いものですから、国内線の機長勤務ということから始めるのが適当だということで、十一月末ごろから機長勤務に復帰して、比較的少ない飛行時間で最近まで至った、こういうことでございました。 会社の健康管理室で把握したごくあらましはそのようなことでございますが、その経過で担当医師は一貫して心身症ということである、症状は初期は胃の症状である、ある時期には自律神経失調という症状も呈しました。これは具体的には非常に汗をかく、発汗がひどいということが現象だったそうでございます。そのようなことで、会社としては、事故後いろいろわかりました幻覚症状云々というようなことは、医師が、家族を含めて本人ももちろん頻々と接触した過程においても、残念ながら把握できなかったということが事実でございます。 以上でございます。
○草野委員 この健康状態については、また後ほど伺いたいと思いますが、事故の前日、二月八日のフライトでございますけれども、中間報告におきましても、機長はかなり異常な飛行の仕方をした、こういうことがうかがわれるわけでございます。これが翌日のあの大惨事につながってきた、このようにわれわれは受けとめているわけでございますけれども、もし到着地の福岡で他の乗員の方々から、運航管理者なりしかるべき責任者に対してこのような機長の状況が率直に報告がなされていれば、こういう事件は起こらなかっただろうと、このように推察をされるわけであります。 そこで一つ伺いたいことは、日本航空の場合は、目的地に到着した場合、機長、副操縦士、機関士、また客室乗務員の人たち、これらの人たちがだれにどのような報告を、どのような形で行うように規定されておりますか。
○野田参考人 到着地におきましては、運航管理をしておる運航管理者もしくは運航担任者という職分の者がおります。これは、便の出発及び到着のときに乗員と対面する、連絡をするというような立場の職分ですが、その人に全部の乗員が同時に接触をして、飛行の簡単な報告をするというのが通常でございます。
○草野委員 日本航空の場合は、アンカレッジの事故の反省から、乗務員同士がお互いに異常はないかどうか確認し合って報告する、こういうようなシステムになっているというふうに聞いております。 で、今度の事故の後のことでございますけれども、新聞等に報道されている副操縦士のお話では、かなり異常な飛行をやった、そして機長に対してかなり強くなじっている、こういう言葉もうかがわれるわけでございます。したがって、普通であれば、副操縦士から異常な飛行について報告がなされるのが当然であったのではないかと思います。しかし、これが実際にはなされなかったらしい。私は、このことに対して非常に大きな疑問を持たざるを得ないのです。なぜ他の乗務員の人たちが機長の異常な状態について報告することができない、そういう雰囲気になっているのか。機長は、他の乗務員のことを含めてすべてのことについて報告をされる権限を持っていらっしゃると思います。しかし、その異常な機長についてだれが一体報告するのか。しかも、報告することができないような雰囲気になっているらしい。私は、これは重大な問題じゃないかと思いますけれども、こういう点は実際はどのようになっていたのでしょうか。
○野田参考人 まず、前日の飛行において出発直後に異常な飛行があったということが、午前の事故調査委員会の方から御報告がございました。その部分について当該副操縦士がどのように感じたかということを会社としては大変知りたく思って、調べることに努力をいたしております。 その過程で最近判明いたしましたことは、その旋回のとき、これは右方向の旋回、副操縦士は右側におりますので、したがって右側の方の空域を監視する、こういうことがその際の仕事の一つであります。そういうときにバンク、飛行機の左右の傾斜がかなり深いということを感じて自分は修正の操作をしました、そういうことを述べております。それから、それ以後の飛行は非常に正常であって、着陸は正常というか、うまいというか、そういう表現だということが報告されております。 そこで、その「異常な飛行」と称する部分を副操縦士がどの程度に感じたかということが、いま一つ具体的にまだ把握できておりません。仮にそれが非常な異常だと本人が感じておれば、当然着陸地の運航関係の人に報告しただろうと想像するわけでございます。その辺は、本人がどの程度に異常を感じたかということをもう少しつまびらかにいたしませんとわかりません。 それから、問題の当該フライトの出発地、これも、運航管理者のところに出頭して、そこで打ち合わせをして飛行機に行くわけですが、その出発時の運航担任者も、特に異常を感じておらないということを報告しております。そして、もちろん事故後は、副操縦士が機長をなじった云々ということがあったようでございます。そういうことで、会社といたしましても、異常を感じたなら当然報告があってしかるべきであるということを非常に問題にしていろいろ議論をしております。 現在の規程の書かれ方は、乗員及び運航管理者は、その任務遂行に心身の状態が十分たえるということを互いに確認しなさい、そうしなければ飛行機を出発させてはならないという趣旨のことが書かれておりまして、どのように報告するとかいう、その詳細にまで至っておりませんので、この辺をはっきりする必要があろうということを最近の社内の議論でいたした次第でございます。
○草野委員 非常に重大なことだと思うのですね。いまの野田専務さんのお話を伺っておりますと、こういう問題に対してそれほど深刻にお考えになっていないような感じがしてしようがないのですよ。 事故調から中間報告が出されました。羽田を離陸して右旋回をしながら、わずか十秒間で千百フィートも急降下をし、そしてまた急上昇をした。乗っていた乗客の証言の中にも、あわや失速するんじゃないかというほどのそういう恐れを感じた人もいた。当然副操縦士はそういうことはわかっているわけですね。事故調の中間報告に述べられているようなああいうフライト状態、これはあなたは異常な状態だと思いますか、それとも大した異常な状態ではないと思いますか、どのようにいまあなたは受け取っていますか。
○野田参考人 事故調査委員会の中間報告に「異常な飛行」と書かれておりまして、その点について私は何も意見を申し上げることはいたしません。 私の申しましたのは、当時の飛行機に乗っていた者たち、ただいまは副操縦士のことだけ申し上げたわけですが、その他の客室乗務員等がどのように感じたかというようなことを調べました。 そこで奇妙に感ずることは、客室乗務員は大して異常と思わなかったというのが共通した感じでございます。副操縦士は、傾きが深いと思ったから自分で修正の処置をした、それから、高度は下がったと思うけれども、それを計器で視認する余裕はありませんでしたというようなことを客観的に述べているものですから、どのような感じであったかということに報告が至っておりませんものですから、判断をしかねておるということを申し上げたわけであります。高度が上昇旋回であるべきところを途中で降下をしておる、それから、一定の速度で上昇旋回をするところを、一たん増速をしてまたもとの速度に戻っておるということは客観的に異常である、そう思っております。
○草野委員 次に、ラインモニター制度というのがあるそうでございます。片桐機長は二月九日、事故を起こした日でございますけれども、この日の夕方さらに札幌行きの便に乗務する、こういう予定になっていたそうでございます。この際、別の機長か、また医師の方かわかりませんけれども、ともかく別の人が同乗する、いわゆるチェックフライトというのですか、こういう形で乗務することになっていたようでございますけれども、これは何か特別の理由がおありになったのですか。
○野田参考人 ラインモニターと私ども称しておりますものは、通常のラインの運航すなわち定期の便、そういうものの場において当該機長――主として機長でございますが、それ以外の乗員に対して行うこともございます。その直属上司もしくは特に指定された他の機長が一緒に同乗して、観察をして、いろいろな技術上その他の助言をするというようなものであります。飛行中とか飛行後に適切な助言、指導をするというようなことが中身であります。 これは、いわゆる審査というのと全く別のものでありまして、当該機長の場合は、福岡から羽田に着きますと次の札幌便に、この場合には直属上司であるDC8国内室長といいますか、国内のDC8機の長である室長の機長が同乗してそのラインモニターをする予定になっておりました。これは、医師の所見あるいは乗員部長の判断等で、国内線機長から始めて徐々に程度を高めていくという、復帰の過程を確実にするという趣旨で行われたものであります。
○草野委員 この機長の健康の問題でございますけれども、運輸省に対して健康上全く異常なし、このような報告がなされていた機長さんが、これまた航空機の事故史上全く初めての異常な事故、このようにも言えるような事故を起こしたわけでございますけれども、乗務員の健康管理のあり方についてやはり問題があったのではないか、われわれはこのように感じているわけなんです。 そこで、先ほど来から話がありました航空身体検査証明、六カ月ごとのチェックですね、この六カ月ごとのチェックについて日本航空は運輸省に対して、毎回、異常なし、このような報告をされていたそうでございますけれども、先ほどモスクワで異常を訴えて直ちに帰国して、そして普通の民間の病院に入って、そこで心身症その他の診断をされた、そういうことであったから片桐機長の場合には健康上は本当に何も問題ない、こういうことで六カ月ごとの検査も通っていた、そしてあなた方はそれで、異常なしということで運輸省に報告していた、こういうことなんですか。
○野田参考人 航空身体検査とその検査証の発行については、その方法が決めてございますが、その詳細については省略いたします。 この航空身体検査は、航空身体検査基準それから航空身体検査マニュアル、いずれも昭和四十五年九月航空局制定のルールがございまして、それに完全にのっとって決められた項目を検査するというものであります。 そして、その検査項目というのはたくさんありまして、それを記述するようになっておりますが、その中に既往歴、過去に病気をしたものを書く欄がございますが、そこの部分は本人が記入することになっております。 その既往歴というのは、具体的には二項目に分かれておりまして、その一つには三十二項目の病名が指定されておりまして、そのどれかにかかったときには、その病名のところにマルをするというのが一つの項目であります。 それからもう一つの項目は、もっと重要な項目が書かれておりまして、常用薬品とか手術歴とか頭部外傷、失神、意識喪失、そういった四つのもの、これがあったときにはそれを書き、詳しく叙述する、そんなふうになっているそうです。 その他の項目がたくさんございますが、本人がこの航空身体検査を受けましたときには、症状がほとんど治っているかきわめて軽くなっているということで、いま心身症というものの症状では、すべてこの検査基準を合格する、パスをするということだったので、この身体検査基準上何も問題とする点がなかったというのが担当した医師の報告であります。異常なしというのは、そのような意味の異常なしであるというふうに私どもは説明を受けております。 以上です。
○草野委員 担当医師が異常なし、このように診断をされた、したがって会社の方も異常なしということで報告をした、こういうことでございますね。 しかし、いままでのいろいろな病歴等を拝見させていただきますと、果たしてこれが異常なしで済まされるのかどうか、こういう気がしてならないのです。 簡単に申し上げますと、これもあなた方が知っていることばっかりですけれども、先ほどあなたがお話しになりましたように、モスクワからロンドンにフライトするときに、本人が気持ちが悪いということでそのまま成田に帰国した。そして昭和五十五年十一月二十六日に、健康管理室に吐き気を訴えた。そこで三週間の休養をまず命ぜられているわけですね。これは十一月二十六日か二十七日の時点だと思います。そのわずか翌月の十二月十五日には、さっき言ったこの航空身体検査証明をパスしているわけでしょう。この間、何日たっているのですか。三週間の休養を命ぜられている、その三週間の休養期間中にこの検査をパスをしている、まずこれが一つですね。 それから、その次は、その後、十二月の十五日にパスして病状が回復したということになっていますけれども、五十六年の一月のしょっぱなからまた再発状態が出て、一月は一時間もこれは飛行機に乗っておりませんね、乗務しておりませんね。それから二月も同じように全然フライトはしてない、自宅静養です。これも健康管理室の方から自宅静養二週間を命ぜられたり、またさらに一週間の静養を言われたり、これは二月二日だとか二月二十六日現在の内容でございます。そして、三月にはわずか三時間しか乗っておりませんけれども、このときは健康管理室の方から、同乗飛行の結果精神科のお医者さんの診察を受ける必要がある、こういう診断が下されているのでしょう。精神科医の診断が必要だ、これは間違いありませんか。そういう状態が続いておって、六月にはまたこの検査をパスしていますね。そしてまた、その後昨年の十二月にパスしておりますけれども、この間にも自律神経失調症、こういうような状態が出ておりますね。だから、六カ月ごとのこの身体検査を受けるその直前にいろんな病状が出ているにもかかわらず全部パスをしておる、しかも異常なし。どうしてこれが異常なしと言えるのでしょうか。精神科の診療まで受けなきゃならないと、このような指摘をされている人が、どうしてこれが異常なしと、あなた本当に異常なしと思いますか。社長、どうですか。社長も本当にこういう状態が明らかになっても異常なしと、あなた、そういうふうに思いますか。
○高木参考人 お答えいたします。 私は、けさほども申し上げましたように、今後の安全対策として、乗員の健康管理を含む管理のやり方について見直しをしなきゃならぬということを、そういうことでやるということを申し上げました。ただいま野田専務からるる御説明申し上げましたことは、過去の事実をお話し申し上げておるわけでありますが、私は、とにかく事故が起こったんだ、これはもう覆すことのできない事実でございまして、こういう事故が起こった以上、従来の管理のやり方で万全であるとは言えないと私は思います。したがって、そういう意味で今後の対応をしていきたい、こう考えておるわけでございます。
○草野委員 これからは万全の体制をつくっていく、これはもうもちろんそのようにお願いしたいと思うのですよ。当然のことです。だけれども、いまの専務さんの報告を聞いておりますと、全然異常がなかったというような、そういうような報告でしょう。これは完全にごまかしだと言われたってやむを得ないですよ。何百人の乗客の生命を預かっておる、そういう機長が、こういう病状をずっと続けながら、わずか二年間のうちに、それをなおかつ会社では安全としてパスさせて運輸省にそういう報告をして、ごまかしの報告じゃないですか。その結果こういう事故につながったのじゃないですか。もっとこれはあなた方は反省してください。 また、いろいろと健康管理室の状況を伺いますと、航空法による指定医は常勤の先生が一人、しかもこの先生は自分でも別に開業していらっしゃるそうですが、そのほかに臨時の医師が十一名で、合計十二名の先生方が診ていらっしゃるそうですね。しかし、日本航空の場合、乗務員だけでも約千九百名、そのうち機長さんが約六百名いる。六カ月ごとにチェックを行うわけですから、機長さんだけでも年間に延べ千二百人のチェックをしなきゃならない。ちょっと伺ったところによりますと、一人当たり二十分かそこそこのチェックで終わらせている、こういう話も伺いました。 私は、この際、これらの医師の数、またその診療の内容から、乗務員のチェックを完璧に行う体制に本当になっているかどうか。恐らく私はいまの感じでは、なっていなかったからこそ今回のこのような事故につながったのではないか、このように強く指摘せざるを得ないわけなんです。このことについて社長からもう一回ひとつお話を承りたいと思います。
○高木参考人 お答え申し上げます。 私は、過去におきまして、健康管理室及び健康管理室のあり方並びにその医師、これらの方々の実際の仕事ぶり、能力その他について、十分の信頼を持っておりました。 そこで、ただいまの先生の御質問でございますけれども、過去においては私は、はっきり完全な信頼を持っておったということを申し上げます。ただ、先ほどから申し上げておりますように、事実こういう事故が起こりましたので、今後この健康管理室のあり方、運営について、さらにこれを強化していくことを考えておるということを申し上げたわけでございます。
○草野委員 では、日本航空の参考人に対する質問はこれで終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。お引き取りください。 次に、これも先日、大変痛ましい火災事故を起こしましたホテル・ニュージャパンの火災に関連した問題でございますけれども、今回三十二人の死者を出したニュージャパンの火災事故に関連いたしまして、私は、この際、国際観光ホテル整備法、この見直しについて、小坂大臣の御所見を承りたいと存じます。 現在、国内には四百三十九の政府登録の国際観光ホテルがございまして、その宿泊者は日本人を含めまして年間に四百二十万、このように言われております。しかし、昭和二十四年に外人向けのホテルとしていろいろと奨励をされ、税制上の優遇も受けましてできたこのホテル整備法、これもやはり、昭和二十四年でございますので、もう時代も大きく変わってきております。やはり見直すべき時期に来たのではないか、このように思っております。まして今回のこの政府登録のホテルが、防災上欠陥だらけのホテルだった、こういうことでは、国際上の信用問題にもかかわってくるわけでございます。 この整備法の内容を見ますと、単に、外人客を喜ばせるに足るものであることとか、非常口だとか、消火器の設置の義務づけなど、そんなものだけではなくて、やはりこの際、消防法や建築基準法との関係をなお一層明確にするべきでありますし、さらにまた、私は、政府登録のこのようなホテルの中に、今回のようなたとえば悪質なホテル、また消防法にも大いにもとるような、こういうホテルについては、もうどしどし名前は公表すべきであると思いますし、また、政府登録の取り消しも含めて、この際この整備法の見直しをすべきではないか、このように考えているわけでございます。この点につきまして大臣の御所見をお伺いしたいと存じます。
○小坂国務大臣 ニュージャパンの事故は、まことに残念なことであったと思います。特に国際観光ホテル整備法に基づいての国際観光ホテルとしての指定を受けているこのホテルでございますが、現在直ちに観光ホテルとしてこれを廃止するということは、ちょっと現在の法制上できない面もございますが、しかし、いま司直によっていろいろと防災、防火、そうした問題について検討を進められておりますが、これをさらによく見守りまして、さらにこうした事態にホテル経営者側が十分対応しないというような事態になりますれば、われわれといたしましては、経営上の問題として取り消しを考慮せざるを得ないのではないかという点にいま立ち至っております。
○草野委員 では次に、国鉄の問題についてお尋ねをしたいと思います。 国鉄総裁がお見えになっておりますので、国鉄の再建法に基づく経営の改善計画、この点につきまして、時間がある限り何点かお伺いをしたいと思いますが、一番初めに、老朽施設の安全対策の問題についてお伺いをしたいと存じます。 いままで日航機墜落事故の問題とかホテル・ニュージャパンの問題とか、最近いろいろな事故が続いておるわけでございますけれども、ニュージャパンの場合には、これはもう本当に論外でございまして、利益優先であって防災対策については何ら施していなかった、こういうところに大きな問題があったわけでございます。 国鉄も、いま経営上非常に大きな課題を抱えておるわけでございます。しかし、だからといって老朽の施設をそのまま野放しにするお考えはないと思いますけれども、しかし、この老朽施設の安全対策については、われわれはとかく果たしてこれで大丈夫なのだろうか、このような気がしてならないわけでございます。 そこで、ちょうだいいたしましたいろいろな国鉄の資料によりますと、老朽化した旧式の構造物で大量かつ高速輸送をしている、また運転保安上問題の重点警備個所が約六千カ所もある、さらに運転保安上徐行が必要な個所が二百五十カ所ある、こういうことで具体的に個所を指摘して出ております。 このように老朽施設の安全対策の問題についていろいろと指摘をされているわけでございますけれども、予算の面で見ますと、国鉄は安全対策費として昭和五十六年度の場合三千六百五十億円、五十七年度の予算になりますと百億円ふえて三千七百五十億円計上しておりますが、先日、二月九日の予算委員会におきますわが党の石田質問に答えて、高木総裁は、国鉄として安全対策費は最低五千億円は必要である、このように答弁をされております。しかし、現実には来年度三千七百五十、今年度三千六百五十、こういうような状態でございますけれども、こういうことで果たして安全を確保できる、このように総裁は思っていらっしゃるのかどうか、まず御意見を伺いたいと思います。
○高木説明員 現在の橋梁とかトンネルとか、あるいはまた海岸沿いの軌道、それから山に沿っておりますところの軌道といったような問題が大変心配なわけでございますが、これを心配なく、やや安心しておれるというためには、現在の三千五、六百億円の年の投資ではやや不足でございまして、先般お尋ねのときにはごく達観で申し上げましたが、やはり先般も御答弁申し上げましたとおり、約五千億ぐらいの投資が欲しいなという感じを持っております。 〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕 ただ、それでは五千億というオーダーと比べて現在投入しております工事費額が及ばないから非常に不安があるか、あるいは危険につながるような点があるかということにつきましては、現在不足分をとりあえず応急的な対策と申しますか、本来ならば根本的に改造すべき部分を応急的に対応するというようなことで処理をいたしておりまして、最低限度のものは維持できておると考えております。 安全の問題というのは、ある意味ではまた際限のない問題でございまして、先ほど来御指摘のように、いろいろな交通事故等が起こっておる現状から見まして、私どももよほど気をつけてやっていかなければならぬことでございますけれども、最低限度のものだけは現状で確保できておるのではないかと考えております。 一方におきまして、経営赤字との関係で投資額を縮少すべしという御議論もよく聞くわけでございますけれども、私どもとしましては、全体の投資額の問題もさることながら、その中で安全面にはどうしても必要なものだけは確保していくということでやっておるわけでございますので、よほどのことがない限り、まずまず安全運行を引き続いて確保できるというふうに考えておる次第でございます。
○草野委員 いまの安全対策でございますけれども、防災補助事業、トンネルとか橋げた、落石、なだれ防止、こういうものに対する補助、これは毎年少なくなっているのですね。昭和五十四年度百億円ばかりでございますけれども、建設省の河川改修に対してこのうち七三・六%、落石、なだれ等の対策費に対して二二・七%、このようになっております。これが五十五年になりますと九十八億円余に対しまして、このパーセンテージがだんだん下がってきているのですね。河川改修の方は六六%、それから落石、なだれ対策の方は二九・八%。五十六年になりますと九十七億円が、河川改修の方が六九・五で、落石、なだれ対策の方が二六・七。こういうふうにだんだんと下がってきているわけなんですが、このように建設省の治水計画の方が先行しておりますけれども、国鉄に対する防災補助、こういうものが毎年減っているような感じがいたします。この防災事業に対しては、やはりもっと力を入れて取り組んでいかなければ、これは重大な事故につながりかねない、このように思いますので、この点はどうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。 そこで、これは直接は関係しないかもしれませんけれども、開業してからまだ二十年たっていない新幹線の中にも、かなり危険な個所が出始めている、こういうことを伺っております。たとえば、新幹線の神奈川県の平塚市に小原トンネルというのがございますけれども、東京から六十四キロの地点にございます。それから刈宿トンネルというのが、これも神奈川県の大磯の方だと思いますけれども、東京より六十七キロほどのところにありますけれども、この二つのトンネルの場合は、路盤が非常に軟弱なため、もう応急手当をどんどんやっていかなければ危険でしようがない。通常は十日に一遍ずつのいろいろな検査をやっているわけでございますけれども、この個所については五日に一遍ずつやらなければ安全を確保することはできない、こういう現状です。新幹線の中でもこういう状態が続いていると――われわれは新幹線なら大丈夫だと思って乗っております。あの高速で重量のある新幹線が、もし事故を起こしたとしたら一体どうなるのだろうか、本当に肌寒い思いがいたします。 こういうことを含めて、やはり国鉄の安全対策というものについてはもっと力を入れるべきじゃないかな、このように私は思います。この点につきまして総裁並びに大臣の御所見もひとつ承りたいと思いますので、お願いいたします。
○高木説明員 御存じのように新幹線、特に東京―大阪間は、最初つくりますときに、まだわが国全体の経済事情が十分でない中でかなり無理をしてつくりました。そのために、構造部分についてもいろいろと理想の姿に及んでいないという状態でつくったわけでございますし、実はその後の輸送量が、予想いたしましたよりもお客さんが多かった関係で年々予想以上の輸送を、最初の設計をしたときに考えていたよりは多い輸送をしておりますから、構造物に負担がかかるということでございまして、いまお示しいただきましたような現象が部分的に出てきております。 これに対する対策といたしましては、本来ならば、いずれかのときに根本的な対策をとるべきではないかという議論もあるわけでございますけれども、それには相当長期間運行をとめなければならない。現在のような状態で運行を一週間とか十日とかとめるということもなかなかできないものでございますから、とりあえずの措置として、現場の諸君には負担がかかっておりますけれども、日々監視を怠らない、そして何かありましたならばとりあえずの手当てをするということでしのいでおるわけでございます。 私どもも、安全はきわめて重要なものでございますので、それぞれ担当者の意見を聞いて、緊急性の高いものについては対応をしておるつもりでございますが、一方において、今日、神奈川県あるいは静岡県等におきましては地震に対する対応をとる必要もございまして、この地震に対する対応とそれから老朽化に対する対応とはある意味では重なる、一つのところで工事をすることが地震対策にもなりますし、老朽対策にもなるという関係もありまして、両者をにらみ合わせながら、急ぐものは相当工費を投じておりますけれども、なかなかそこまで工事費の投入に余裕がございませんので、いまお示しいただきましたような地点につきましては、とにかく補修作業を緻密に行うということによって対応しておるわけでございます。 私も、特に新幹線はスピードの問題もありますので、安全には相当気を使っているつもりでございますけれども、投資額全体のやりくりがつきますならばもうちょっと力を入れておかないといかぬな、後になってかえってそれを修復するための経費が大きくなってしまいますので、もう少し投じたいなと思いながら、もう少し背伸びをしないと届かぬというような感じのところでいまやっておるわけでございまして、御注意をいただいて恐縮なんでございますけれども、われわれもかなりその辺については神経を払っておるわけでございます。
○小坂国務大臣 国鉄に関しましての安全につきましては、ただいま国鉄総裁から申し述べましたとおりであると思いますが、私、運輸行政全般につきましても、特に高速大量輸送が全面的に展開されておりますので、これが安全運行ということが最大の政策の課題であるというふうに認識をいたしておるところでございます。
○草野委員 国鉄の問題につきましては、まだお伺いしたい点があるわけでございますが、時間がありませんので、きょうはこれでやめさせていただきたいと思います。 そこで、あと幾らもありませんが、大臣に、先ほどの日航事故の問題を含めて二、三お伺いしたいと思います。 一つは、いまの国鉄の問題でございますが、国鉄再建に当たって特に大きな問題として構造的な赤字の問題ですね、年金、退職金の問題、どのように処理するかということは非常に大きな問題であろうかと思いますけれども、これについて、簡単で結構です、大臣の御所見をいただきたいと思います。これが一つです。 それから、先ほどの日航の問題でございますが、一つは、昭和四十四年に航空審議会が「航空機乗務員の航空適性の確保」、こういう答申をされております。この航空機乗員の適性検査機関の設置の提言、これはぜひ前向きに取り組むべきである、このように思いますけれども、大臣のお考えを承りたいと存じます。 それからもう一点、今回の日航機の事故、先ほどもいろいろ伺いましたけれども、やはり人災の可能性というものがきわめて強いわけでございますが、いろいろお話を伺っている中で、やはり運輸省の日航任せの体質、また監督のあり方、こういうことについていろいろな批判がございます。そこで、再発防止についての大臣の指導方針、こういうものを伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 最初のお尋ねでございます年金、退職金の問題でありますが、これは御承知のとおり、非常な経営上の圧迫を国鉄運営に与えておることは事実でございます。特に年金問題につきましては、これから年金の支給額がどんどんとふえてまいりまして、これが決定的に国鉄の経営を圧迫するということは予測にかたくないわけでございます。 先般来、この年金問題についてどうするかということにいろいろと苦労をされたわけでございますが、昨年から、大蔵省に共済年金制度基本問題研究会というのがございまして、そこにこの問題をかけておるところであります。われわれの期待といたしましては、その結論を今年の五、六月ごろには出してもらわないと困るというような段階でございますが、年金につきましては、なかなか国鉄自体でこれを解決することはきわめて困難な事態であるということが一点であります。 それから退職金でございますが、これは御承知のように現在は非常にピークに達しておりますが、大体退職者数も六十四年をピークといたしまして以後だんだんと減ってまいりますので、もちろん現状においては非常な赤字原因になっておるわけでございますけれども、この問題につきましてはそれなりに対策を考え、対応をしていくということで現在のところはよろしいのではないかと思っておるわけであります。 それから、お尋ねの第二点の昭和四十四年の航空審議会の答申のうちの航空機乗務員、乗組員適性検査機関の設置でございますが、実はこの年の答申のうちで、この問題だけがまだ未解決になっておるわけでございます。特に航空医学あるいは心理学に関する検査研究機関の設置ということは、この組織の新設と同時に、こうした研究機関を運営するに足る人材の確保、こうした面で非常に問題があるようでありまして、これが直ちに設置をするというところに踏み切れない大きな根本の理由でございます。しかし、審議会の答申についても、われわれも、ただできないから何もしないというわけではございませんで、たとえば航空振興財団というような民間の団体等を通しまして、航空医学の専門家による航空関連の医学、心理学調査を頼む、活用するというようなことをいたしておりますとともに、身体検査証明に関する処理につきましても、航空身体検査証明審査会、これはきわめて私的機関でございますが、こうしたものの活用を図りながら適正に運営することを今日まで努力いたしておるようなのが実情でございます。 もちろん、これは航空審議会の答申に対して大変手の打ち方がおくれておるということを認めざるを得ないのでありますが、この内容がきわめて心理的あるいは医学的に高度のものでありますので、その機関を設置するということの費用ももちろんでありますが、そのような環境、また人材を集めるということについての問題点を、さらに専門的な方々の意見を十分徴しながら前向きに対処していきたいというのが現在の状態でございます。 なお、今回の二月九日の墜落事故に際して、被災された皆様方に心から哀悼の意を述べるとともに、一日も早い御全快を祈っておるところでありますが、こうした事故が、運輸省が日本航空に対する種々の配慮に対してやや甘いのではないかという御指摘のように受けとめたわけでございますが、われわれもこの点について十分反省をし、今回は直ちに現場調査を十五日から十九日にかけて実施をいたしております。この中で、先ほど来の御議論になっておりますいろいろな問題について、われわれといたしましては具体的な第一線の雰囲気、そしてまた具体的な事例というものについて、十分これを把握しようという努力をいたしておりまして、近く結論がまとまると考えておるわけであります。なるべくこの現場調査というものの結論を急がせながら、厳正にその結論に基づいて日本航空に対しての対処をしてまいりたいというふうに考えておるところであります。
○草野委員 以上で終わります。
○宮崎委員長代理 中村正雄君。
○中村(正雄)委員 先刻来の各委員からの質問やあるいは運輸省の事故調査委員会の事務局長の答弁なり、また日航の参考人の答弁等から、先般の日航機の事故につきましてのいろいろな状況をお聞きいたしました。特に事故の原因がどこにあるか、運輸省の調査委員会としては、あらゆる点からこれを究明しなければ最後の結論は出ないと思います。 しかし、いままでの運輸省自体が公表いたしました経過、あるいは日航自体が記者会見等でいろいろと表明いたしました内容やマスコミに報道されておりまするいろいろな事実、また乗務員の供述等から考えて、この事故が機長の操作ミスにあるということが大きな原因であるということだけは間違いないと思います。調査委員会の結論を待たなければわかりませんから、それが全部であるかどうかは別といたしまして、この操作ミスというものが事故の一つの大きな原因であるということだけは、私は現段階において明らかな事実だと思うわけでございます。特にこの操作ミスの原因が、機長の健康状態、精神状態、こういうことに起因いたしておる。したがって、健康管理の問題が、いまマスコミ等世間から注視の的になって議論されておると思います。したがって、健康管理の面あるいは人事管理の面について、日航自体も恐らくそのことを自覚していま対策を立てられておると私は考えます。 ただ、私は、こういう事故が起きましたときにいつも痛感することでありますが、たとえば鉄道の、社会にショックを与えますような大きな事故もいままでたびたび起きました。そういう場合に、事故原因を究明いたしまして、それについて対策を立て、それが不備なものであれば強化し、万全の策をとることは非常に大切でございますが、それと同時に、私は運輸大臣の所見を伺いたいと思いますものは、安全対策というものは総合的なものでなければならないと思いますし、長期的な視野に立ってやらなければならないと思うわけでございます。こういう大きな事故が起きて、特に大きな原因の主要な部分が、乗員の健康管理の不備にあった。そうなりますと、これは補強し、完全なものに今後しなければなりませんが、それのみに集中されて総合的な安全対策、長期的な安全対策というものがなおざりにされてはならないわけでございます。いままでの大きな事故の経験から、私はそういう点を深く考えるわけでございます。 したがって、今回は日航の事故でございますが、日航以外の航空会社もたくさんあるわけでございます。したがって、乗員の健康管理であるとかあるいは人事管理という問題は、日航だけでなくして、すべての乗員について完全な人事管理ができるような対策も、運輸省自体、監督官庁自体としては考えなければならないと私は思うわけでございます。そういう面で、長期的な安全対策、総合的な安全対策について、運輸大臣、何か御所見があればこの際聞かしていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいまの委員の御発言は、まことにそのとおりだと思います。 特に私は、一義的に重要なことは、現場の第一線の人々の安全に対する認識、意識であると思います。これは交通事業に携わる者すべての最も重要な心構えであると私は考えるわけでありますが、そのような理念的なことだけではなしに、たとえば今回はからずも言われておりますような、一つの情報がある時点から上に上がらないとか、ある時点でとまってしまうというようなことは、これはやはり経営管理面の、また管理行政面の非常に大きな、重大な問題ではなかろうかと私は認識しているのでございます。しかし、往々にしてそういうことは、社内の全般の従業員あるいは経営陣との間のいろいろな感情のもつれからも起こり得ることが多々あると思うのでございますが、やはり交通産業に従事するすべての経営陣も、また従業員の方々も、交通安全についてだけは、すべてのイデオロギーを超えても、私は、常に最も重要な社会的責任としての認識を持ち合う、そして情報があればどんな小さなことでも必ずこれを担当者に持ち上げていくというような習慣をつけるといいますか、そうしたことが自由濶達に行われるような社内体制というものが最も重要ではなかろうかと思います。 なお、つけたりでございますが、日航事件以来直ちに翌々日、他の航空三社に対しましても同じような面について、航空安全につきましては特に厳重な監視体制と実行を求める、そのような行動を運輸省としてはとっておるところであります。
○中村(正雄)委員 今回の事故でいま一番世間が注視し、日航の責任を追及いたしておりまする大きな原因は、いわゆる乗員の医療体制についての管理に手落ちがあったのではないか、人事管理に手抜かりがあったのではないか、こういうことでございます。特に私たちも、マスコミ等から得る情報を見ましても、あの機長が常人の精神状態ではなかったというふうにマスコミからは受け取られるわけでございます。 ところが、私が乗員の健康管理の問題につきまして考えられます点は、たとえば病気にしても、一般の外科とか内科とかいうものではなくして、神経科的な系統の疾患というものが今回の事故の大きな原因になっておる。このような問題は、いろいろ日常、健康診断その他法規に定められた手続を整備いたしておりましても、それだけで完全なものであるかどうかということに疑問がわくわけでございます。今回の事故の経験から、やはりどうしても一つの会社の中の医療機関であれば、おのずからそこに情実もわいてくるのじゃないか。特に乗員が乗務不適格と烙印を押されますと、ほかに転職の道は恐らくないだろうと思います。したがって、重大な自覚症状がない限りは申告することも少ないでありましょうし、また周囲の人たちも、いろいろな関係からこれを摘示するということは困難ではないか。 そういう関係から、その企業自体の医療整備をすること、医療制度を完備することは大切でありますが、それと同時に、航空審議会の答申の一部分でもありますけれども、国の機関でこういう適正な検査を完全にやれるような機関をつくる必要があるのではないか。これは、すべての航空の乗員に対しまする医学的な健康管理という面について、その会社、会社に任さずに、国としてこういう機関をつくる必要があるのではないか、そういうふうに私は考えるわけでございますが、運輸大臣のひとつ御所見をお聞きしたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいまの委員の御発言はごもっともなものだと思います。しかし、現実の問題としましてそうした医療機関をつくるということの、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたのは、実は今日まで運輸省の航空局で最も悩んでいる問題の一つは、そのような客観的な調査をなし得る人材の確保ということが果たして可能かどうかという問題。もちろん、そうした研究機関を新たに設立することは、国家財政が非常に苦しいさなかであっても、人材が得られるならばぜひともそれは実現すべきではないかというふうに思っておりますが、その点についていませっかく検討中のところでございます。またいずれ、われわれとしましての結論が得られるならば、そしてまた人材確保の道が確実に得られるならば、ぜひともそのような機関を今後つくって、より多くの利用する方々の安全を、そっちの面からも大きくバックアップしていくということは当然のことではないかと思っております。
○中村(正雄)委員 参考人にお伺いいたしたいと思うわけでありますが、航空の安全というものは総合的な安全対策でなくてはいけない。人の面から考えますと、地上の勤務者も乗員も一体となって航空の安全が守れるような体制でなければならないと思うわけでありますが、そのためには、乗員が甘やかされたりあるいはいわゆる職種エゴになるような形であれば、すべての関係者が一丸となって安全対策を守り抜くことはできないと思うわけでございます。特に乗員は特殊な技能と特殊な職種でございます。したがって、この特殊な面については十分地上勤務者と違った配慮をし、あるいはそれに対する環境をつくらなくてはなりませんが、それと同時に、乗員と地上勤務者との融合緩和ということが大切で、そこにはおのずからすべての職員の平準化ということも考えなければならないと思うのです。私は、日航の状態は詳しくは存じませんが、いままでの経営の姿勢が、甘やかしたり職種エゴに陥ったりしたようなことはなかったかどうか、参考人からお聞きしたいと思います。
○高木参考人 お答えをいたします。 私どもの従事しております航空輸送業と申しますものは、非常に多くの組織あるいは多くの職種がお互いに自分の担当する仕事をきちんとやると同時に、その前後の関係の方の仕事との間の十分な協力関係、われわれコーディネーションと言っておりますが、これを十分にとっていかなければできない仕事でございます。また、外から見れば、たとえば私どもの会社の中では何々本部といって、運航とか整備とかあるいは営業とか貨物とか客室とか、いろいろと本部がございます。また、ただいま先生も御指摘されましたように、乗員あり客室乗務員があり、メカニックがおり、あるいは飛行場の従業員がおり、営業の従業員がおりというようなことで、いろいろな職種の者が仕事をしておるわけでございますが、これが本当にお互いに連係をしてすきのないサービスをしなければならないということで、それぞれの組織間及びそれぞれの職種間の協力と意思疎通を常々非常にやかましく言っておりまして、先生の御指摘のような点につきましては、私ども、ふだんから十分に注意しておるつもりでございます。 また、健康管理の問題につきましても、今朝来たびたび申し上げておりますように、この事故を契機としまして、乗員の健康管理あるいは資格管理、日常の勤務管理というような面についてさらに強化をしていく所存でございますけれども、実は私、乗員が機長に昇格をいたしますときには必ず一人一人会いまして二、三十分言葉を交わしまして、私の持っておる機長像というものを話し、ぜひそうなってほしいということを語りかけるわけでございますが、その中の一つに健康管理の問題がございます。健康管理は最終的には本人の責任だ、異常があれば会社の産業医でも結構ですし、自分のふだんから親しい主治医があればそれでも結構ですけれども、先ほども申しましたとおり、とにかく乗員というのは、特に機長というのはお客様の貴重な生命を直接その双肩に負うものでございますから、私はいつでも心身が最上のコンディションで乗務をしてほしいということを機長に言っております。 ちょっと話が長くなりますけれども、そのときの例として私が言いますのは、スポーツマンでも何か大きな試合があれば、必ずその試合を目標に体調を整えていくんだ、運航乗務員、特に機長は自分の乗務割りというものをにらんで、その乗務をするときには心身の最高のコンディションで乗務するように努めてくれということを常々申しているわけでございまして、このたびのようなことはまことに遺憾、残念至極でございますけれども、こういった私どもの常日ごろの努力もまだ不足しておるという反省のもとに、今後さらにその点について努力をしてまいりたい、このように思います。
○中村(正雄)委員 今回の事故の大きな原因が機長の精神的な欠陥だということは指摘されておりまするし、日航自体もこれらの管理について今後強化されると思います。したがって、こういう面が原因となって今後このような事故が起きることはないものと信じますが、私、総合的な安全対策というものは、一つは整備の問題がありましょうし、また機長の技術や経験が一番大きな安全の中心になっておると思います。したがって、私が一番恐れますものは、こういう事態に立ち至って、機長という職務について、機長という資格についていろいろな面で批判が出ておりますけれども、しかし、私はやはり機長の経験、技術というものはもっともっと高度でなくてはいけないと思いますので、先ほどの委員の質問とは反対でございますが、試験制度、そういうものは徹底的に整備してもらって、この人が機長であれば航空の安全は確保できる、こういう自信のあるような経験と技術を持った人を機長に昇格さすという態度は強化していただきたいと思うわけでございます。私は、そういう面が今後おろそかにされるのではないかという点を非常に心配するわけでございます。一般の職種であれば、年功序列的にそれぞれ昇進させてもいいと思いますが、特殊な技術、多くの人の生命を一手に預かる責任者のポストとなりますると、そういう面を今後十分重視してかかってもらいたいということを、日航だけでなくして運輸省自体にも要望いたしておきたいと思います。 参考人、結構でございますから、退席願いたいと思います。 次に、私は、日米の航空交渉について運輸省にお伺いいたしたいと思います。これは政府委員でも結構でございますが、いままでの日米航空交渉の経過と問題点についてひとつ御説明願いたいと思います。
○松井(和)政府委員 まず、日米航空交渉の経緯から御説明をさせていただきます。 御承知のように、一九七六年、昭和五十一年の十月から日米の航空交渉が開かれまして、一九七八年三月まで六回の協議を重ねて、意見が全く合わないということで中断になったわけでございます。その後、一昨年一九八〇年の九月に東京で非公式の意見交換を行いました。その後昨年一月、ハワイで日米の非公式協議が行われたわけでございます。この際、アメリカ側がそれまでの中断前の考え方をかなり大幅に変えまして、中断前は、アメリカ側は日米間に不平等は存在しないという立場を強く押し出しておったわけでございますが、昨年一月に不平等という問題とは別に、とにかく日本側のこれまで要望している事項についてもアメリカ側としてある程度考慮をしょう、そのかわり、アメリカ側の考えている政策についてもまた日本側が考慮を払うことを期待して、総体的な、全体を一つのパッケージとして交渉をしようではないか、こういう申し出がございました。 私どもも、昨年一月のいわゆるホノルル提案と申しますこの提案は、今後の交渉の基礎にするに足るという判断をいたしまして、その後四月、五月と公式協議を行い、さらに八月、十月二回にわたって非公式の協議をいたしました。さらに十一月に公式協議、そしてことしに入って一月の公式協議ということで、公式協議が四回、非公式協議が二回というような協議を重ねてまいったわけでございます。 これらの協議を通じまして、双方の立場の違いというものはかなり狭まった面もございます。ただ、なお依然として隔たりのある部分もございまして、まだ日米双方の主張が近づくというところにまでは至ってないわけでございます。 次回の協議が三月中旬にアメリカで開催されるということが決まっておりまして、アメリカ側といたしましては、協議がいたずらに長引くということはお互い好ましいことでもないし、そろそろ話をまとめようではないかという意向を漏らしておりますけれども、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、できる限りお互い譲り合えるところは譲り合って協議をまとめるという基本姿勢は持っておりますけれども、私どもの基本的な考え方というものを損なってまで交渉を妥結させる必要性はないというふうに考えておりますが、この三月のアメリカにおける公式協議というのは、今度の日米間の航空交渉を通じまして非常に重要な協議になるのではないかというふうに考えております。
○中村(正雄)委員 いままでに日米の航空交渉のたびごとにわれわれが聞かされております点は、いわゆる不平等を是正するということが中心であったと思うわけなんですが、運輸省として、この条約の不平等という点はどこを考えてこれを是正しようと考えておるのか、改めてお聞きしたいと思います。
○松井(和)政府委員 私ども、従来から主張しておりますのは、日米間の航空協定にはたくさんの条項が定められておりますけれども、一番端的に日米間の不平等が明らかになっておりますのは、乗り入れ地点なりあるいは以遠権の面でございます。 アメリカ側は、何をもって不平等かということを、現実に日米双方の企業がどの程度の収益を上げているか、これがもし同じくらいであるならば不平等は存在しないのではないかというような立場をとって主張しておりますけれども、そういう稼ぎの実績によって不平等か平等かをはかるというような考え方は、私どもは全く賛成できないわけでございまして、やはり競争の基礎となる路線の条件というものが平等であって後、初めて公正な競争が行われる基礎ができるのではないかというふうに考えております。
○中村(正雄)委員 だから、不平等だ、ぜひともこれを是正しなくてはいけないということは、わが国の航空機の乗り入れ地点と以遠権の問題だと思うのです。今日まで乗り入れ地点や以遠権を、日米だけでなくしていろいろそれぞれの国と協定いたしておりますが、特にアメリカとの協定において、以遠権の問題で妥結はできておるけれども実際に就航しておらないという乗り入れ地点、以遠権の問題があればひとつ摘示していただきたいと思います。
○松井(和)政府委員 現在、日本側が米側の乗り入れ地点として認められておりますのは七地点でございます。以遠権として認められておりますのは、ニューヨークから欧州、さらに以遠という権利と、それからロサンゼルスから南米という以遠権と、サンフランシスコから中米という以遠権の三つでございます。ただ、この三つの以遠権はいずれも実際には運航されておりません。 まず第一の、ニューヨーク以遠欧州と申しますいわゆる大西洋路線につきましては、御承知のような非常に厳しい競争下に置かれておりまして、現在日本航空としては、この路線は運航を取りやめております。残るロサンゼルス-南米とサンフランシスコ-中米の以遠権につきましても、結果から見ますと運航はされていないわけでありますけれども、これは日本側がアメリカから与えられております以遠権に運輸権がついていない非常に不完全な以遠権でございまして、かなりがらがらの状態で飛ばさざるを得ない。つまり、アメリカから中米、アメリカから南米へのお客は運んではいけないという以遠権でございます。 一方、アメリカ側に日本が与えております以遠権は、これは東京、大阪、那覇からの無制限の以違権でございまして、いずれも運輸権つきでございますので、米側は、東京、大阪から東南アジア、韓国等々へ向けまして、その間のアメリカ側から見ての三国間輸送をかなり大々的に行っておるわけでございまして、実はこの点が今回の協定改定交渉のやはり一つの争点になっている問題でございます。
○中村(正雄)委員 この席で明示できるかどうかわかりませんが、いわゆる乗り入れ地点なり以遠権の問題で、日本側がぜひともこの問題だけは貫徹したいと考えて難航いたしておるものがあれば、ひとつ御説明願いたいと思います。
○松井(和)政府委員 御説明いたします。 まず、乗り入れ地点につきまして、私どもといたしまして現在アメリカ側に要求しておりますのが、シカゴ、シアトル、それからダラスまたはヒューストン、そして後に選択する一地点ということで、合計四地点の要求をいたしております。アメリカ側も、現在までのところいろいろな条件をつけてはおりますものの、日本側にその新しい四地点の乗り入れを認めるということは、ほかの条項の妥結次第によっては認めてもよろしいという態度を示しております。 また、以遠権につきましては、私どもいろいろな考え方がございますけれども、先ほど御説明いたしました西海岸から中南米への以遠権が現在運輸権がついておりませんので、その運輸権を取って完全な以遠権にするということが一つ考えられようかと思います。また、ニューヨークから南米という以遠権もかなり将来性のある路線ではないかというふうに考えられます。あるいはグアム、サイパンからさらに南太平洋へ行く路線ということも考えられようかと思います。それから、現在アンカレジは技術着陸をしておりますけれども、アンカレジからの以遠権というものも、これまたそれほど大きな問題ではございませんけれども考えられる。現在以遠権がほとんどゼロに等しい状況でございますので、私どもといたしましては、ただいま御説明いたしました幾つかの以遠権のうち、その全部が取れればもちろんそれにこしたことはないわけでございますけれども、これは交渉のことでございますので、どういうおさまり方をするかわかりませんが、何としても一番関心の深いのは、西海岸から中南米への以遠権というものがやはり一番中心ではないかというふうに考えております。
○中村(正雄)委員 いまの御説明にありましたように、乗り入れ地点とか以遠権ということについては、向こう側が一定の条件をのめば譲歩してもいい。したがって、この問題については双方の話し合いによって妥結できる見通しがあると思うわけなんですが、言いかえれば、向こう側の条件というのは、わが国がのめないような条件かどうか。アメリカ側の主張の一応こちらとしてはのめないと思われる点をひとつ御説明願いたいと思います。
○松井(和)政府委員 まず大きな点で申し上げますと、アメリカ側はただいま申し上げましたようなポイントとか以遠権というような、言ってみればハードな権利に対しまして、運賃あるいはチャーターの自由化というようなソフトな要求を日本側にのめ、こういう態度が当初の態度でございました。 〔宮崎委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、途中で米国政府の部内で、アメリカがそれまでほかの国と協定を結びましたハードの権利を相手国に与えてソフトの権利を取るという行き方に対する批判が生まれてまいりました。アメリカ政府といたしましても、その後の私どもとの交渉の過程で若干態度が変わってまいりました。ソフトな権利について当初ほど強い要求をしなくなってきたかわりに、日本側に与えるハードな権利の代償ということで、日本側の乗り入れ地点あるいはさらにその乗り入れ地点からの以遠権を新しく要求する、こういうような態度が交渉の途中から非常に強くなってまいりました。言ってみれば、ソフトな権利と申しますか、アメリカの主張する自由化もある程度のみなさい、また以遠権、ポイントについて日本側の要求も満たしてあげるかわりに自分の方ももらいたい、こういう態度の変更があったわけでございます。 その主張の根拠といたしまして、アメリカ側は、現在乗り入れを認めてもらっております大阪という地点が増便の要求を出しても全く認められない、これは大変不完全な権利を与えられているのであって、これを解消するために、日本国としては国内便をやめてでも国際線を入れるのが国際信義である、しかし、それができないというのであるならば、大阪空港にかわる代替空港を提供すべきである。あるいは成田空港は、現在制限をいたしておりませんけれども、将来アメリカ側が大量の増便を要求して、もしも日本側がそれを断るというような事態、断るといいますか制限するというような事態が起こり得るならば、その際は同じく代替空港を提供するか、さもなければ日本側に米側が与えている権利を一部制限するというような態度をとっておりまして、この空港条件というものが、御承知のように日本のような狭い国土の空港とアメリカの場合とでは非常に差があるわけでございまして、私どもとしては、そういう環境的、物理的制限があることはこれはいたし方ないので、アメリカ側にのみ不利な扱いをしないで、日本側、アメリカ側ともに平等の取り扱いをするということをもってアメリカ側を説得しておりますけれども、アメリカ側としては、この空港使用条件ということを前面に押し立てて、現在かなり強硬な態度をとっておるというところでございます。
○中村(正雄)委員 いま航空局長の御説明を聞きますと、アメリカ側が重点を置いているのは輸送力であるとか運賃という問題、日本側はやはり乗り入れ地点とか以遠権という問題、いわゆる根本的には日本の航空政策とアメリカの航空政策との相違というものが交渉を難航させておる一番大きなポイントじゃないかと私は思うのですが、運輸大臣、どういうふうにお考えになりますか。
○小坂国務大臣 私は、必ずしもそうは思わないのでございます。私も日米航空交渉にまだ参画したばかりでありますので、ただいま航空局長から御説明いたしましたような諸点が現実に論議されていることは事実であることを知っております。しかし、問題はやはり両国の交渉でありますし、また交渉の中で、いまの時点で最高と思っても、次の時点でまた変わるということは常に体験するところでありますから、私は必ずしも航空政策全般が異質であるからとてもというふうには考えたくないし、また、よしんば多少相違があっても、それを乗り越すことが日本の航空界にとっての大きな飛躍のもとになるのではないか、大変楽観的なことを申し上げるようでありますが、私はそのような感覚でこの交渉を見守っておるところでございます。
○中村(正雄)委員 先日新聞で見たわけなんですが、十六日に米国の民間航空委員会のマッキノン委員長が国際航空クラブで講演いたしておる記事が載っておりました。これに対しまして運輸省はどのようにお考えになりますか、御見解があれば聞かしていただきたいと思います。
○松井(和)政府委員 お答えいたします。 ただいまの記事は、恐らく、今回三月の協議が成功しない場合には、アメリカ側は、国内の米国国際航空輸送競争法という法律に基づきまして、日本側がユナイテッド航空の乗り入れを認めないことが協定違反であるという解釈で直ちに制裁措置をとるべきである、こういうことを述べた記事かと思います。 この問題は、実は、今回の日米航空交渉が一九八一年以来再開されたその一つのきっかけをなした問題でございまして、私ども常々、ユナイテッド航空の問題は、今回の交渉の一環として、いろいろな項目の一つの要素として取り扱うべきであって、これを切り離して措置することは適当でないという考え方を述べ、アメリカ側もそのことについては全く異議がないということで、これまで交渉が進められてきた経緯がございます。したがいまして、そのような報道が事実かどうかわかりませんが、私どもとしては、大変おかしなことを言うものだなという感じを受けております。
○中村(正雄)委員 そうしますと、この十六日にマッキノン委員長が発言した内容というものは、今後どのような事態になるかわかりませんけれども、米国としてこのようなことを発動する心配はない、こういうふうに考えて間違いございませんか。
○松井(和)政府委員 実を申しますと、アメリカ側が、ユナイテッド航空の制裁措置申し立てに対しまして、昨年暮れに、大変緩やかではありますけれども、将来の日本の要求を一時抑え込むというような形の制裁措置を講じました。これに対してわが国も、緩やかと言いながらも、そのような制裁措置をとったことに対して抗議をいたすと同時に、もしアメリカ側がそういう措置をとるならば、日本側としてもアメリカ側の将来の要求については抑えざるを得ませんよと、実はこういう制裁措置をとったわけでございます。 ところが、ことしの一月の交渉で、アメリカ側とわが国との話し合いの最終日に、アメリカ側としても、交渉の席に着きながら、たとえ緩やかとは言いながらも、お互いが制裁措置をとり合うというのはやはり穏当を欠くではないか、この措置は凍結しよう、こういうことの申し出がありまして、わが方はもちろん異存がございませんので、そのような制裁措置は現在ストップしておるわけでございます。 しかしながら、アメリカ側は、先ほど申しました国際競争法の規定というものがございまして、一定の期限を設けてございますので、その期限になっても話し合いがまとまらないときには何らかの措置をとる必要性が出てくるということでございますが、これはさらに大統領その他の上の段階でストップができるのかどうか、実は必ずしも明らかではございませんけれども、私どもは、そういう制裁措置に発展するということは、日米両国の今後の友好関係を保つ上においても決して好ましいことと思っておりません。しかし、可能性としては、向こうの法律の規定でございますので、常に考えておかなければならない事項であるということを、私ども絶えず念頭に置きながら交渉に臨んでおるということでございます。
○中村(正雄)委員 私は、このような強硬措置の応酬によって、日米間の航空交渉がこじれるということは最も心配する事態でありますので、そういうことのないように努力を願いたいと思うわけであります。 ただ、少なくとも、日米間のいろいろな問題等から考えて、今度三月に行います交渉というものは、最後ぎりぎりの線になると思うのです。したがって、これについては、アメリカも譲るべきところは譲ってもらわなければなりませんし、わが国としても譲るべきところは譲って、何とかぎりぎりの線で三月には、長年続きましたこの問題が一応の妥結をできるように努力を願いたいと思いますし、それに対します大臣の決意を一遍聞きたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいま委員の仰せられたのが交渉であろうと思います。私も、なるべく妥結できる努力をしてまいりたいと思っております。
○中村(正雄)委員 特に、いま日米航空交渉の経過なり問題点等を見まして、わが国としても柔軟な姿勢でこれに対応しないと、航空政策自体が根本的に違っている面があるわけですから、基本が違っている両国間が、それぞれの国の主張を全部通そうとすれば妥結は非常にむずかしい。したがって、わが国としても柔軟な姿勢で、何とかぎりぎりの三月の交渉でまとめてもらいたいということを再度要望しておきたいと同時に、特に私は小坂さんにお願いしておきたいわけですが、いままでの航空問題にしろその他の問題にいたしましても、大臣は大体一年前後でおかわりになるわけなんです。したがって、すべて難問題は次から次へと持ち越していくというのが、この日米交渉についても私はあらわれておると思うのです。したがって、民間から出られたあなたですから、何とかあなたの任期中にこの問題だけでも解決をするということをひとつお願いいたしたいと思うわけでございます。 次に、私は、日米の航空交渉にも関連し、またわが国の交通政策にも関連する問題の一つとして、国際航空貨物の問題について質問いたしたいと思います。 四十五年の閣議了解事項に基づきまして、海運業界が中心となって日本貨物航空株式会社を設立して、五十三年に免許の申請をいたしております。会社の設立の経過や今日までの状況、経過はもう大臣十分御承知と思いますので改めて申し上げようとは思いません。ただ、昨年の三月のこの国会で、日本貨物航空株式会社法の一部を改正する法律案の審議のときに、私はこの問題について質問をいたしました。そのときの塩川君なり政府委員の答弁を聞いておりますと、当時日米航空交渉が六回にわたって行われておりましたけれども、両者の主張に大きな隔たりがあるということで中断されておりました。また、成田の空港はできましたけれども、パイプラインの問題の見通しが立っておりません。その後成田の油の問題は、五十八年十二月というターゲットが決まりましたので、あとは日米交渉の経過を見ながら検討していくというのがそのときの答弁であったわけでございます。 したがって、最初に私が大臣の見解を伺いたいと思いますのは、日米の航空交渉の経過、あるいは四十五年の閣議了解事項の方針、あるいは航空貨物産業の発展、航空貨物の輸送需要の増大傾向、及びわが国に対しましては外国の企業が三十数社乗り入れておりますが、これに対して、わが国は一社体制で対応いたしておるわけでございます。特にわが国は輸出国でございます。言いかえれば一つの大きな荷主国でもあるわけであって、そこにはやはり独占も排除しなくてはなりませんし、サービスの向上、利用者の選択の自由等、適正な競争原理が導入される体制でなければ、私は外国企業にだんだんとシェアを侵食されると思います。一社独占体制では私は国益に反すると思うわけなんです。したがって、成田の油の問題が解決した現在、この日米航空交渉、三月が一つのめどになっておりますが、何とかこれを解決して、早急に手続きを軌道に乗せてやっていただきたいと私は考えるのでございます。 また、別な面から考えてみましても、いま国内問題で一番大きな政治課題は行政改革でございます。行政改革の目標は、確かに一つは行政の簡素化ということにもありますが、同時に、行政の迅速化も行政改革の大きな目標でございます。ところが、五十三年に出願してすでに五年近くたっておる。もちろん、いろいろな困難な問題もありすし、また外部からの圧力もあったと思いますけれども、歴代の大臣が全部そのままにしておいてしまったわけなんです。先ほども言いましたように、民間企業の事情、国際感覚の一番すぐれておる大臣でございますが、この問題は、私はどの方面から見ても急速に手続を軌道に乗せなければならないと考えるわけでございますが、大臣、どのようにお考えになりますか。
○小坂国務大臣 委員も仰せられましたとおり、もう五年越しの懸案でございます。その間一貫して問題になっておることは、ただいま御指摘のように、空港の能力とか、あるいはまたその後における貨物輸送量の状態等々がなかなかわからぬという形の中で今日まで来たと思うのであります。必ずしも一社独占ということをわれわれは考えるものではございません。やはり適正な競争というものが存在することは、決してそれは悪いことではないと基本的に思っておるわけでありますが、問題は、御承知のように、現在が大変に世界的な不況でございますし、こうした不況がいま直ちに日本の航空貨物の輸送量にどのように変化を与えていくかということは、こうした企業を認可いたしました後にやはり当然これは大きな問題になると考えるわけでございまして、その他成田空港の油の問題もようやくだんだんとめどのつくところにきておるということ、あるいは新規に発注した航空機が二年間くらい製作にかかるであろうというようなこと等々は十分に承っておるわけでございますが、もうしばらく私に検討する時間を与えていただきたいと思っております。
○中村(正雄)委員 この前の質問のときに、航空局長かわっておりますけれども、この問題を検討するというふうに答弁されておったわけなんですが、その後どのように検討されておったか、内部の検討の経過を私はお聞かせ願いたいと思う。ただいま大臣から、航空貨物の需要の傾向がどうなるかわからない、こういうふうな一つの理由でお話もありましたが、確かに五年後、十年後どうなるか、いま世界の経済を予断できる人はないと思います。けれども、あらゆる産業のうちで、少なくとも付加価値の多い荷物は海運から航空に移動しておるということだけはもう事実だろうと思うわけなんです。また、運輸省自体が出しておりまする国際航空貨物の伸び、この数字を見ましても、これは先のことでありますから的確かどうかは別にいたしまして、異常な伸びを発表いたしておるわけなんです。したがって、需要云々ということで検討するということは私は意味がないと思うのです。それよりも一番大きな問題は、わが国がやはり一大荷主国であって、しかもわが国は一社、外国は三十数社入ってきているわけなんです。そうなりますると、わが国自体の輸出の航空輸送のシェアというものはだんだん外国の航空会社に食われる。これは国益に反すると思うのです。そういう意味で私は早急に検討願いたい、こう言っているわけなんでございますが、大臣も、しばらく待ってもらいたい、検討すると言うのでありますから、これ以上申し上げてもだめでございますから、一応いままでの事務的な経過だけ航空局長からひとつ御答弁願いたいと思います。
○松井(和)政府委員 ちょっと手元に数字を持っておりませんが、私ども、この航空貨物問題につきましては、事務的に将来の貨物の需要見通しを初めといたしまして、貨物専用会社の利点あるいはマイナスの点というような点も十分検討を重ねてまいりました。昨年から専門家をもって組織しております航空政策懇談会という会がございますが、ここの先生方の御意見も承るという機会をつくっておるわけでございます。これは、免許がいいか悪いかというような御意見を承る性格のものではございませんで、将来の航空貨物というものをどういうふうに考えたらいいのか、あるいは航空貨物専門の会社というものが、旅客と貨物とを両方運送する会社に比べてどういうプラス・マイナスがあるのかというようなことの御意見を伺うと同時に、航空貨物の専門家の方の意見を聴取いたしておりまして、現在その専門家の意見聴取の中途の段階になっております。また同時に、私どもの航空局の職員を海外に派遣するチャンスがあるごとに、その国の貨物航空政策についても必ず勉強してくるということにいたしておりまして、現在その主要国の貨物航空政策の資料の収集をかなり進めておるという段階でございます。
○中村(正雄)委員 これで質問を終わります。
○越智委員長 四ツ谷光子君。
○四ツ谷委員 私は、質問に先立ちまして、ホテル・ニュージャパンの火災及び日航機の墜落でお亡くなりになりました方々に心から御冥福をお祈りいたしますとともに、おけがをされました方が一日も早く回復されますように心からお祈りをいたしまして、質問をさせていただきます。 まず初めに、ホテル・ニュージャパンの問題に関しまして、運輸大臣に御質問をさせていただきます。 ホテル・ニュージャパンは、消防法からいいましても、消防庁の再三の勧告にもかかわらず一向によくなっていないという、欠陥ホテルの見本のようなものでありました。そして、たくさんの方を犠牲にする大惨事を起こしたわけです。しかも、新聞の報道によりますと、台湾からお越しになった旅行団の皆さん方が、政府登録という看板を信用して泊まったのにという、これはまさに国際問題にも発展しかねないような怒りの声も起こっているわけでございます。このような欠陥ホテルは政府登録の取り消しをさせるべきである、このように私は考えますが、大臣はいかがお考えですか。
○小坂国務大臣 ニュージャパンの火災に対して、私も、お亡くなりになった方、けがされた方に対して、深い弔意を表するとともに一日も早い御全快を祈っておるわけでございます。 このような事故を起こしましたホテル・ニュージャパンの調査は、現在消防庁並びに警察が精力的に行っているところでございます。もちろんわれわれとしましては、国際観光ホテルという一つの登録を済ませたホテルであることは間違いない事実でありますが、この国際登録ホテルの登録を取り消すということについて、現状において考えなければならない状態であるというふうに思っておりますけれども、この国際観光ホテルの指定についての法律がきわめて内容が不明瞭な点もあります。したがいまして、われわれといたしましては、このホテル・ニュージャパンの経営がどうにもならないものであるというようなことがさらに明確になる時点と、さらにそれに横井社長に対してのわれわれのいろいろな質問あるいは今後の対策、そしてまた、現状を今日のようなものにしたということについての質問さえできない状態が続いておりますので、こうしたことが済み次第、われわれとしては、国際観光ホテルとして登録することを取りやめることにやぶさかでないという感じを持っております。
○四ツ谷委員 そういたしますと、現行法には非常に不十分な点があるというふうなことでございます。国際観光ホテル整備法では、現行法ではホテル・ニュージャパンの取り消しをできないということであると、まさに欠陥法であるということは大臣もいまお認めになったようでございますけれども、欠陥法であると同時に、戦後間もない、洋式ホテルの少なかった時期に、外人向けホテルの建設促進を目的につくられましたこのホテル整備法が、観光の中でも非常に重要視しなければならない安全、防災という考え方が全く欠落をしている法律ということになりますと、この法律は欠陥法であると同時に、まさに時代おくれの法律であると指摘をしなければならないと思うのです。 このような時代おくれ、欠陥の法律をそのままにしておくのか、それとも、どうにもできないんだったら、こんな時代おくれの法律はなくしてしまった方がいいのではないかというふうに私は考えますが、大臣は、この事故が起こりました後で、このホテル整備法の見直しをやりたいということをおっしゃったように新聞は報道しておりますし、また次期の通常国会に、法律を見直しをして提案したいというふうなことも新聞報道で報じられておりますけれども、大臣、その辺はどういうふうにされるおつもりですか。
○西村政府委員 ただいま、国際観光ホテル整備法の問題点につきまして御指摘をいただいたわけでございます。国際観光ホテル整備法は、ただいまお話がありましたように、戦後、国際観光を振興するため、外客の誘致を促進するため、外客の接遇に適したホテルを整備促進するために設けられた法律でございます。その法律は、一定の施設基準が外客の接遇に適するものであればこれを登録するということでございます。 詳しく申し上げますと、当時はまだ消防関係の法規も不十分でございました。消防法は昭和二十三年に整理されたばかりで、消防の設備その他は市町村条例で決めるということになっていた当時、この国際観光ホテル整備法では若干の防災に関する配慮の規定を設けておりまして、それが登録の基準の一つにされておりますが、主たるねらいは、外客の接遇に適するいいホテルをつくるということでございました。しかし、その後消防関係の法規が整備され、消防、防災、建築基準に関しましてはそれぞれの法律の規制するところでございまして、それらの法律の要件に合っているという前提で国際観光ホテル整備法は運用されてきております。今日ホテル・ニュージャパンにおいて示されましたような、消防法令に適合しない状態が長期にわたり存続するということを前提に国際観光ホテル整備法は制定されておりません。ただ、御指摘のように、現実には国際観光ホテルとして長いこと消防法令に不適合な状態が存置されたまま、消防法令による是正ができないままあったということは事実でございます。したがいまして、今日の国際観光ホテル整備法は、直ちにその旨をもって、消防法令に適合しないということをもって取り消しをするという法制はとっておりません。 しかし、国際観光ホテル整備法は、その経営が確実または健全でなければならないということを言っております。国際観光ホテルとしてその経営がまことに不適切なものであるということが将来ともに認められるならばこれを取り消すということは、この法律は定めております。 今回も、ホテル・ニュージャパンにつきましては、そのような見地から取り消しについて検討していきたいと考えております。
○四ツ谷委員 ただいまの観光部長の御答弁は、私の質問に答えていません。 大臣にはっきりとお聞きしたいのですけれども、一体この法律を見直すつもりなのかどうか、大臣に答えていただきます。どうですか。 もう法律の内容はわかっているんですよ。見直すのか見直さないのか。検討するといっても、ただ検討しましたというだけなのか、それとも本当にいまの防災、あるいは災害に対して万全の体制をとることができる、そういうことについて不良なホテルに対しては、取り消し、公表、こういうふうなものも含むことのできる法律を整備するのかどうか、検討といっても、ただ検討するだけなのか、検討してできませんでしたで済ますのか、それとももっと前向きに検討をするつもりなのかどうか、そして新聞報道にあるように、次の通常国会に新しい法案を出すつもりだなどと報道していますけれども、本当にそういうふうになさるおつもりなのか、大臣の御答弁をお聞きします。
○小坂国務大臣 ただいまの観光部長からの御説明が現状の姿でございまして、お聞き及びのように、なかなかこれでは登録の取り消しはむずかしいわけであります。したがいまして、国際観光ホテルとして登録をすることによって、多くの外人客やあるいは日本人の客がそれを信用して、防災上もすべての点に安全であるという証明ではないかというふうに思って泊まられて災害に遭われるということがあっては大変なことであるということは、常識的にわれわれも非常にこの点はまずい点だと思っております。 したがって、改正をいたすにいたしましても、現在の消防法あるいは建築基準法、そうしたようなものとのすり合わせを十分いたしまして、やはりこの際、政府登録と銘打つからには安心できるものでなくてはならぬということだけは、最低限度の考えとしていま持っておりまして、今後その方向に向かって検討を進めていきたいというふうに思っております。
○四ツ谷委員 ただいまの大臣の御答弁にありましたような、その方向でぜひ積極的な御検討をお願いいたしまして、日航の問題に移りたいと思います。 まず初めに、参考人にお聞きしたいのでございますけれども、今度の事故につきましては、まだ運輸省の事故調査委員会の最終報告が出ておりませんから、事故の本当の原因がどこにあるかということはもっと時間を経なければならないと思いますけれども、一番いま問題になっていますのは、片桐機長の資格の問題が浮かび上がってきているように思います。片桐機長につきましては、幾つかの病歴があることが明らかになりました。しかし、このような事故が起こったので片桐機長の病歴がはからずも明らかになりましたけれども、機長を選定される日本航空としては、事故があるなしにかかわらず、機長の健康状態、あるいは病歴、治療の状況、診察の結果、そういうふうなものを会社としては知っていなければならないし、また知り得る立場にあったのではないかと、このように思うわけですが、いかがですか。
○野田参考人 四ツ谷先生の御質問にお答えいたします。 心身症と言われる名前の病気、これに関することは、会社の健康管理室が完全に把握しておりました。その後、事故発生後判明しましたいわゆる幻覚症状のような症状、このことについては、残念ながら事前に把握し得ませんでした。これは、健康管理の一つの問題点であると考えております。 乗員の健康管理につきましては、航空身体検査をやることを認められておる医療機関から指定されている医師、その人が航空法によるところの身体検査を行いますし、同時に、その人が会社の産業医ということでもある。そういうことでありまして、十五年間同じ仕事を続けていただきました。そういう関係で、航空身体検査という立場のみならず、それを出ました健康管理というのが、個人ベースに非常に長期にわたって行われたということはございました。これは、われわれの乗員の健康管理の一つの特色であったと思っております。 今回の片桐機長は、先ほどの御答弁で申し上げましたように、五十五年の十一月ごろから病気のことをつかみまして、会社の乗員部の組織もそれから健康管理室も、本人ときわめて密接な接触を保ちました。本人のみならず、家族とも接触を保ってまいりました。そういうかなりきめの細かい努力にもかかわらず、事故後に発見しましたようなことが事前に発見できなかったということが、私どものこれからの大きな課題でありまして、これが見逃されないで発見できるようなことにはどうしたらいいだろうかということを真剣に考えております。それが、先ほど社長が御答弁申し上げました、健康管理体制をよくしたいということの大きな眼目でございます。そのためには、医学上の技術水準というのが重要でございますし、いろいろな権威者のお助けをかりなければいけない、そういうふうに私は存じております。 そういうことで、結果としては重要な症候を事前につかまえることができなかった。これが、その病気が異常なる行動につながっていたかどうか、それが事故になったかどうかということでありますが、厳格な意味においては運輸省の航空事故調査委員会のお仕事にまちますが、会社としては早く対策をとる必要がございますので、理論的な正確な推論というものを待たないで早く対策を発足させたい、こう考えております。
○四ツ谷委員 長々と御答弁がございましたけれども、やはり私が聞いたことには答えていないですね。知る条件があったのか、知り得る立場にあったのか、すなわち会社の責任はどうだったのか、今度のことについても不可抗力だったのか、防ぎ得る手だてがあったのか。このような機長さんを飛行機に乗せたということは、これは会社としては重大な責任があると思うのですが、大変恐れ入りますが、参考人、長い御答弁は結構でございます、会社としては責任があるのかないのか、一言でお答えください。
○野田参考人 あると考えております。
○四ツ谷委員 それでは重ねてお聞きいたしますけれども、事故の後、先ほど社長の方からも御答弁がございましたけれども、全機長、乗員の方々の健康の再チェックをされたと聞いておりますが、その結果、乗務を取りやめるとか休養を必要とする人が何人か出たのでしょうか、いかがですか。それも簡単にお答えください。
○野田参考人 いたしました。これは記録によっていたしました。 調べましたのは既往歴、過去において経験した病気、そういう記録の観点から再検討いたしまして、すべての人が現在適法な航空身体検査証を持っておる、そして現在、健康管理において乗務適となっておる人ばっかりでありますけれども、かなり昔にさかのぼって、今回の事故の機長と同じような疾病の記録が過去にある、そういう方について検討いたしました。その結果、そういうふるいにかかった人が全部で十二名ありました。 その十二名のうち、一件一件精密に調べました結果、すでにかなり昔に完全に治って現在全く異常がないという判定を下した者が六名であります。それから、ごく最近症状が始まって、この事故のときにすでにもう休養を命じておった、休みなさいということになっていた人が一人ありました。したがいまして、以上で計七名でありますが、この七名を除いて残りの五名の人たちについて、一人一人面接、カウンセリング等をやりまして、乗務をやめて精密検査その他のことに入るということになっております。この五人の人たちが、どのような検査で差し支えないという結論を得て任務に復するかどうかというのは、今後の問題でございます。
○四ツ谷委員 それでは、機長の復帰とか降格、いわば機長の資格をお決めになるのは、日航の中に資格審査委員会というのがあるそうですね。そして、実質的にはその下部組織の運航乗務員査定委員会で決定される。運航関係の各部長さんが、操縦技能、健康等を点検して判断をされる、こう聞いているのですけれども、そうでございますか。
○野田参考人 そのような仕事をやる最高機関がただいまおっしゃいました審査委員会という方でありまして、委員長は運航本部長でございます。委員は、委員長が必要と認める者を指名してやるということでございます。その下部機関に、御説のように査定委員会というのがあります。これは乗員職の部長クラスの方が大部分でして、それ以外の運航本部内の部長が参画しております。 その規則をいま具体的に完全に覚えておりませんけれども、ある試験に何回かフェールした、その人をどうしようかというようなこととか、あるいはだんだん技量が進んできて、機長の訓練に入れていいかどうかといったような、例示でございますけれども、そのようなことを審査しております。
○四ツ谷委員 そういたしますと、今回の片桐機長の復帰問題に関しては、この委員会が十分に機能したのでしょうか、いかがですか。
○野田参考人 その下の方の査定委員会というのが審査しなければならないというのは、社内規程でございますけれども、六カ月以上乗務から離れていたというような条件がございますので、片桐機長の場合は正確にその条項に該当いたしません。ですけれども、この査定委員会に報告されました。その報告は、いろいろな過程を経て、結局、機長としての乗務可であるという状態に至ったということを査定委員会に報告したということでございます。
○四ツ谷委員 そういたしますと、やはり片桐機長の復帰問題に関しましては、この査定委員会が、あるいは資格審査委員会が、十分に機能していなかったと言わざるを得ないと思うのです。 そういたしますと、各委員の皆さん方、とりわけ資格審査委員長というのは運航本部長ということになりますと、野田専務は運航本部長でいらっしゃいますね、あなたの責任ではないですか。いかがです。
○野田参考人 私自身は、運航整備総括役員という立場にあります。運航本部長は別の人であります。 それから、両委員会が正当に機能したかどうかという点についてでありますが、いま定めてあるルールの範囲では正しく機能いたしました。今回のケースは、査定委員会にかけるべしというものに該当していなかったということを申し上げたわけであります。
○四ツ谷委員 運航本部長はほかにいらっしゃる、野田専務は運航整備総括をされるということになりますと、やはりその上にあって全体を総括しておられる。このような機長を飛行機に乗せたということは会社の責任である、そうしますと、専務である野田さんの責任も非常に大きいというふうに言わざるを得ないと思います。 次に、運輸省にお聞きをしたいのですけれども、今回の片桐機長のいまのような査定の状況を、機長として復帰をされた査定の状況ですね、その選定基準が適切な基準で選定が行われたというふうに運輸省としては判断をされますか、どうでしょうか。
○小坂国務大臣 ただいま十五日から十九日にわたりまして立入検査をいたしたところでありまして、まだそうした問題についての正確な報告がまとまっておりませんので、お答えできません。
○四ツ谷委員 それでは、重ねてお伺いをいたします。 機長の資格を決めるのは、航空法の第七十二条に明らかにされておりますけれども、その五で、日航が機長の路線資格を与えるのに運輸大臣から委託を受けているということは明らかに法律上に規定されています。そういたしますと、運輸省には、規則百六十四条の四の三項の一号によって、機長の選定方法、訓練体制、訓練方法、こういう基準を運輸省に提出することになっているわけです。 今回、今度の事故におきまして運輸省が立入検査をされたということを私が聞きましたので、一体何を基準にして立入検査をされたのかということで、日航から出ているであろうこの選定方法、訓練体制、訓練方法の基準を運輸省に提出しておられるはずだということで、航空局の運航課にお伺いしましたところ、昭和四十七年に日航から提出をいただいたけれども、現在その書類は運輸省にないというお答えが返ってまいりました。今回の問題で運輸省がずいぶん、日航のいろんな体制がずさんであるということでショックを受けたというふうな報道がされておりますが、私の方がこれを聞いてショックを受けているわけです。先ほどから運輸大臣は安全運航ということをおっしゃっておりますけれども、その元締めである運輸省がこういうことでよろしいのでしょうか。もとになる基準がなくて、どうして立入検査をされるのでしょうか。その辺についてお答えを願いたいと思います。
○長澤説明員 ただいま先生の御指摘のございましたのは、指定運送事業者として指定するときの基準に関係するものであるというふうに思いますが、これにつきましては、航空法施行規則の定めるところに従いまして、一応の基準に合致しておるかどうかということで、必要な書類が私どものところに出ております。 そして、この訓練、審査の規程は時とともに改正がされますが、そういった改正の都度、そのものは私どもの方へ提出をされ、私どもはこれを審査いたしております。
○四ツ谷委員 それでは、私が先ほど聞きました問題につきましてはどうなっているのですか。これは運輸省に聞いたんですよ。ないっておっしゃるのですが、どういうことでしょうか。
○長澤説明員 航空法施行規則に定めますところの必要な書類というものは、私どものところに出ております。 ただいま先生御指摘の話は、どういういきさつだったのか、私、いまちょっとしさいに承知いたしておりませんので、後でよく調べます。
○四ツ谷委員 それでは、私がいまお聞きをしましたことにつきましては、後刻よく調査をして私の方に、一体どうなっているのか、御返答を願いたいと思います。 そして、運輸大臣は先ほど、いま調査中なので、選定基準が適切な選定基準であったかどうかということは言えないというふうにおっしゃっておりますけれども、航空法上の選定基準に従って適切に選定されたものであったかどうか、また日航の選定基準、方法が航空法で要求している適切なものであったかどうか。先ほど会社の方からの御答弁がありましたように、健康管理の問題、それから技術面について、私は時間の関係上申しませんでしたけれども、その技術面でも非常に問題があるということが指摘をされているわけです。そういうふうな客観的な状況から見まして、運輸省としては、ぜひとも、日航の選定基準、方法が航空法で要求している適切なものであったかどうか、こういうふうな観点で厳重に立入検査をやっていただきたい、これを強く要望したいと思います。大臣、いかがですか。
○長澤説明員 ただいま先生の御指摘の点につきましては、私ども十分肝に銘じまして立入検査等を行いましたし、現在その内容について精査をしておるところでございます。
○四ツ谷委員 それでは、運輸省にもう一つ、その立入検査の問題でお伺いをしたいと思うのですけれども、運輸省がいままで各航空会社に対して行っておられた通常の立入検査は、航空法百三十四条に基づいて運航及び整備について行っておられたと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○長澤説明員 私どもがこれまで航空法に基づいて行ってきました立入検査は、先生御指摘のとおり、航空法百三十四条第二項の規定に基づいて実施しているものでございまして、運航関係につきましては、例示でございますが、運航管理の状況、乗組員の訓練審査の状況、乗務管理の状況等、こういった運航部門全般の体制について見ております。また、整備関係につきましては、整備の実施状況、整備従事者の配置及び訓練状況、それから整備部品の管理状況等、こういった整備部門全般の体制について検査しているものでございます。
○四ツ谷委員 今回の事故に対して、日航に特別立入検査をされておりますけれども、その内容は従来の立入検査と同じなのか、もし違えばその法的根拠があるのかどうか、お答え願いたいと思います。
○長澤説明員 今回の立入検査は、二月九日の日航機の事故に基づいて行いました特別立入検査でございますが、その法的根拠は、同じく航空法第百三十四条第二項でございます。
○四ツ谷委員 今回行われました立入検査には、運航と整備と、それから健康管理体制についても立入検査をされたのでしょうか、どうですか。
○長澤説明員 今回の立入検査におきましては、日本航空の本社及び福岡空港支店の二カ所につきまして、同社の運航、整備面、なかんずく、一つは安全確保のための社内体制、それからもう一つは運航乗務員に対する健康管理、乗務管理及び訓練審査の状況、さらにもう一つは機材の整備点検、経年化対策――経年化対策と申しますのは、機材を使用しているうちにだんだん年を経てきますが、それに対する対策、それから故障処置の状況、そういったものが適切であるかどうかということに重点を置いて検査を行っております。
○四ツ谷委員 ただいま乗員の健康管理体制についても立入検査を行ったというふうに御報告がございましたが、これは航空法のどこにあるでしょうか。事業者の健康管理体制についての立入検査をするというふうな条項がありますか。どういう必要性からこれをやられたのですか。
○長澤説明員 今回の立入検査を行いました際に、運航乗員に対する管理全般について調べる必要があるのではないかという判断に基づいて、この点についても調査をしたわけでございます。
○四ツ谷委員 それでは、行政指導として検査をされたのですか。それとも法的な根拠があって検査をされたのですか。どちらでしょうか。
○長澤説明員 今回の検査は航空法の百三十四条第二項に基づいておりまして、航空法の施行上必要があると認められたために行ったものでございます。
○四ツ谷委員 今回の日航の事件の後で、運輸省は陸海空にわたりまして、安全のために検査をするというふうにやっておられますけれども、行政指導だけでは強制力がない、このように思いますので、そういうふうな安全の面につきましてはぜひ法的にも全般的に整備をされるように、この際申し入れておきたいと思います。 さて、次の問題に移りたいと思うのですけれども、午前中も同僚議員の方から御質問がございました。墜落の前日にこの飛行機が急旋回をしたというふうなことが、先ほどの事故調査委員会の報告の中にも挙がっております。ところが、もしこのときに適切な手段がとれておったら、ひょっとすると九日の事故は防げたのではないだろうかというふうなことも巷間言われているわけです。ところが、その問題に関しましては、機長管理職制度の問題が非常に大きなかかわりがあるというふうに私は思いますので、この問題について御質問をさせていただきたいと思います。 運輸省の事故調査委員会報告の別紙の一番初め、「二月八日の飛行について」、「フライトデーターレコーダーの粗解析によると、」ということで、「異常な飛行を行なったことが記録されている。」というふうに述べられておりまして、そのときどういうふうな角度で旋回をしたかということが報告されております。 そこで大臣にお聞きしたいのですが、この八日のDC8の飛び方、これに関して、やはり異常な飛行だというふうに大臣は判断されますでしょうか、いかがですか。大臣にお聞きしたいのです。
○小坂国務大臣 事故調査委員会の報告を受けたときに、これは異常と思われる旋回であるという注釈を聞いたわけであります。
○四ツ谷委員 では、高木社長も、これは異常な飛行だというふうに判断をされますでしょうか、いかがですか。
○高木参考人 私どもは事故の当事者でございまして、私どもからこの事故の実態について申し上げることはむしろ適当でないと存じますが、事故調査委員会の中間報告の中に明瞭に「異常」ということがございますので、私どもとしてもこれは認めざるを得ないと存じております。
○四ツ谷委員 ところが、事故調査委員会が異常だというふうに言われたから、大臣も社長も異常だと言わざるを得ないというふうにおっしゃったのですけれども、これをテストだというふうに思った方がおるわけですね。 これは幾つかの新聞に報道されておりますが、二月二十二日の東京新聞を取り上げてみたいと思います。「石川副操縦士は「東京湾上空で片桐機長は右に約九十度の急旋回をした。危険を感じてとっさに自分が操縦かんを握り、機を立て直した」」と述べて、「石川副操縦士はさらに「福岡空港に着いた時、片桐機長から“さっきのはお見事”といわれたので私に対するテストだと思った」」こういうふうに言っているわけですね。この急旋回を石川副操縦士は、そのときはテストだと思ったというふうに言っているわけです。 では、なぜこれをテストだと思ったのか、そこに一つ問題があると思います。 委員長、大変恐れ入りますが、これを、大臣はこの間予算委員会のときにわが党の栗田議員がお示ししましたので御存じでございますが、参考人にちょっと見ていただきたいと思いますので、示してよろしゅうございますか。
○越智委員長 はい。
○四ツ谷委員 いま参考人に示しましたのは、一フライトごとに機長がそれに書き入れることを義務づけられている飛行記録簿だ、しかもそれは副操縦士等に対する勤務評定を書き入れることになっている二十二項目にわたる記録簿だ、こういうふうに私は知っておりますが、それでよろしいのでしょうか。簡単にお答えください。
○野田参考人 結論はそうではございませんで、これは副操縦士が、組になる機長がフライトごとにかわりますものですから、指導の立場になる機長に指導の要点を申し送るということが主眼でありまして、このものは副操縦士自身が記録簿として携行しております。そして、次の組になる機長に示して、前の機長からの所見を見て、そのフライトにおける副操縦士の指導の参考とするというのが一つの目的です。 第二は、副操縦士自身がそれを見て、自分の弱点等を認識し、それを補う自己研さんの道具とする、そういう趣旨でございます。
○四ツ谷委員 いま、そういうふうにおっしゃったのですけれども、この中身を見ますと、ただ次のフライトの機長に申し送るために書くというふうなものではありませんね。たとえば二十二番の「勤務にたいする姿勢」だとか、「判断力」だとか「統率力、指揮能力、他の乗員との協調方法」、こんなものが次のフライトに対する機長への申し送りなんというものですか。それは、ここでそういうことをおっしゃるのは非常に不当だと思いますよ。これは機長が書き入れるのでしょう、副操縦士のことで。 その十九番目が特に問題なんですよ、八日の問題では。十九番目には「異常事態、緊急事態への知識」というふうに、これは異常事態が起こったときに、緊急事態が起こったときに副操縦士が一体どういうふうな知識を持っているか、それを機長が勤務評定するのでしょう。そういう項目があればこそ一石川副操縦士はテストをされているというふうに思ったのじゃないのですか。 こういうふうに、これは一から二十二までずいぶんたくさん書き入れなければならないことがあります。「外部の見張り」というのもあります。機長は、自分も外部の見張りをしながら、副操縦士が外部の見張りをしているかどうか――こういうふうな中身が一体次のフライトに役に立つような、たとえばこの飛行機には機能的にどういうふうな癖があるとか、そういうことを書き入れるのなら素人の私だってわかりますけれども、「外部の見張り」であるとか「判断力」だとか「勤務にたいする姿勢」、こういうふうなものがどうしてフライトに、申し送りに必要なんですか。一から二十二項目にわたるこのような勤務評定を機長が書き入れなければならない義務を与えられている、そこに、機長管理職というこの制度の中で異常な事態が起こったのじゃないですか。 けさほど社長は、機長管理職制度ほどいいものはない、こういうふうにおっしゃったけれども、いつも機長は副操縦士あるいはセカンドオフィサー、同じコックピット内にいる仲間の勤務評定をしなければならない義務を負わされている、また副操縦士の方もいつも見張られている。先ほど社長もおっしゃいましたね、コックピット内というのは、安全を確保するためには協力体制、連携が非常に必要なんだ。こんな緊張状態の中で協力体制が生まれると思いますか。こういうふうな状況をつくり出しているのが機長管理職制度ではありませんか。本当に安全を保つためには、この機長管理職制度、ほかの会社、世界にもないようなこのような制度を取り払うべきだというふうに私は思いますが、いかがですか。
○野田参考人 ただいまの最後の御質問に直接お答えしないので申しわけございませんけれども、この二十二項目はパイロットとして非常に重要な仕事を網羅しておるものでございまして、「外部の見張り」というのは操縦士の非常に重要な任務であります。正副両方とも見るべきところを決めて見ておる、第三の乗員も見ておる、これすなわち衝突防止とか、そういうことにつながっております。 一々説明は略しますが、そういうことで、会社によってはセットクルーといいまして、三人なら三人の組み合わせが一年とか一年半固定していく、そういうふうな場合にはこういうものは要らないと思います、おのずからわかりますから。機長というものは、自分につく下のクラスの乗員を指導する任務があります。そういう意味で、自分と組になった副操縦士の技量が伸びるのを助ける、そういう見地からこれがあることは間違いがございません。 第二に、新聞記事を云々して、当フライトの副操縦士に対しておみごと云々と言った、あるいはこれは自分が試されたと感じた云々という報道は、事故調査委員会が乗員について詳しい聞き取りをなさる過程においてはっきりいたすと思いますが、私ども会社が副操縦士から聞き取りました範囲では、このように言っております。おみごとと最後に言われたのはありがとうという意味で言われたというふうに感じました、この点について新聞に出ているのは私の認識と違うというふうに否定いたしております。そういうことがありますものですから、いま先生の御指摘は、こういうアブノーマルな状態に対処する能力があるかどうか、機長が副操縦士を試したのじゃないかというお考えと思いますが、そういう事態ではなかったと私どもは思っております。
○四ツ谷委員 副操縦士は、おみごとということはありがとうと思ったというふうに専務はいまおっしゃいましたけれども、それはちょっとおかしいのではないですか。このときは、おみごとと言われて石川副操縦士は頭にきたと怒っていたのでしょう。ありがとうと言われて怒る人なんてないのですよ。試されたと思えばこそ怒っているのです。だから、そういうふうな詭弁を使われるのはよくないと思います。 これは確かに機長管理職制度の大きな弊害です。こういうふうなものを残しておいて、どうして安全運航ができるのですか。何かほかにいい方法がありますか。もっと管理体制を強めるというのですか。いかがです。管理体制についてはどう思われるのです、機長管理職制度については。 もう一つ重ねてお伺いをしたいと思います。午前中社長もおっしゃいました。年頭のあいさつで、労使関係を正常に戻したいというふうにごあいさつをされたそうでございます。「おおぞら」一九八二年、ことしのお正月号に、社長はこういうふうにおっしゃっていますね。「現在のわが社における労使関係は正常なものであるというにはほど遠いと言わざるを得ない。」、それほど社長も日航の労使関係の異常さについては気づいていらっしゃるわけでございますが、日航運航本部の中にCEM委員会というのがあるそうですけれども、八〇年の二月二十九日、その報告のナンバー〇二七、その安全の問題の中に、「コックピット内には非常に協力体制をつくらなければならない。そこに労使の確執を持ち込むことはなるべく避けなければいけない。」というふうに指摘をしております。 まさに社長が労使関係は正常なものであるというにはほど遠いと言う関係は、機長が管理職であるということでコックピットの中にそういうふうな関係を持ち込む、機長さんが管理職であるというためにその不正常な関係のパイプ役を機長が果たしているのではないでしょうか。これはまさにあしきパイプだと思います。 私たちが飛行機に乗る場合に、コックピットの中というのは、あの狭い操縦室の中で機長を中心にして和気あいあいと、まさに心をつなぎ合わせて協力体制で運航をしていただかなければ、本当に安全な空の旅はお願いができない、私はこのように思うわけでございます。このような協力体制がきわめて重要である。そのがんになっている一つが、全部とは言いませんけれども、その一つが機長管理職制度にあると重ねて私は申し上げたいのです。社長は、この問題については、これ以上いいものはないというふうにけさほどおっしゃいましたけれども、これほどの事故を起こしておきながら、全般にわたって事故の原因を追求していくんだと口では言いながら、こういうふうなことが問題だというふうに新聞等でも指摘をしているのに、これほどいいものはない、そういう姿勢でいいのですか。もう一度見直すとか、管理職制度についてはやめていくとか、そのくらいの謙虚な態度があってもいいのではないでしょうか。いかがです、社長。
○高木参考人 ただいまの先生の御質問にお答えいたします。 私は、けさほども申しましたけれども、機長の持っている重責、責任、そして権限、そういうものから考えますと、現在の日本航空のような企業規模で、使用航空機で、従業員の体制で、そしていろいろな組織の関係からいいまして、やはり機長は管理職であるべきだという考え方を堅持しております。 一つの具体的な例を申し上げますと、けさほどもちょっと申し上げたのですけれども、機長はフライト中は従業員全部を指揮いたします。客室乗務員の中にも管理職がおります。その管理職も、フライト中は機長の指揮に服するわけです。機長がもし管理職でなければ、管理職が管理職でない一般職の指揮に服する、こういうことになるわけでありまして、私は、機長の重責、それから機長をそれらしく社内で処遇するという意味からいいまして、管理職であるべきだというふうにかたく信じております。
○四ツ谷委員 では、最後に大臣にお聞きをしたいのですけれども、いま高木参考人は、管理職制度をこれほどいいものはないと重ねておっしゃいました。しかし、今度の事故については、事故原因がどこにあるのか、健康管理体制あるいは整備の問題その他労使の関係、社内での人間関係、協力体制、そういうものが本当に安全運航の立場から万全になるように、謙虚な姿勢で見ていただかなければならないと私は信ずるわけでございます。 そういうふうな点からいいまして、運輸大臣はただいまの機長管理職制度、これは会社の中の問題ですとおっしゃられたらそれまででございますけれども、安全の問題を大変大事だと思われる大臣の立場から、先ほどの高木社長の管理職制度の問題等も含めまして、今後どのように今度の日航機の墜落事件について対処をしていかれるのか、それをお聞きしたいと思います。
○小坂国務大臣 お答え申し上げますが、会社それぞれの経営のやり方というものがあるわけであります。そしてまた、日本航空は、長い歴史の中でやはり安全ということに非常に努力をしてきたわけでありますが、今回非常に不幸にしてこうした事故が起こったことは、まことにわれわれとしても遺憾にたえないところであります。 また、いま高木社長が言われましたような、機長職というものがやはり日本航空の航空運航の中の柱であるという認識を持っておられることは、別にわれわれから見て不思議ではないと思っております。いずれにいたしましても、全社一丸となって今後の安全運航に全力を傾けてほしい、私の所感でございます。
○四ツ谷委員 これで質問を終わらせていただきますけれども、私は最後に、社長及び専務に申し上げたいのです。 私は、けさほどからのお二人の参考人の御意見を聞いておりましたが、確かに今度の問題については、口では責任を感じているとおっしゃっておりますけれども、この機長管理職制度のことに端的にあらわれているように、本当に謙虚に反省をしておられるのかどうかという点では、非常に大きな疑問を持っているわけでございます。 それから、百四十二億というその純益を上げるために大変な合理化をやっておられるということも、けさほど問題になりました。そういうことも含めて、本当に日本航空を国策会社として、安全な空の旅を担当する航空会社としては、今回の事件の後始末が終わったら、高木社長以下日航の首脳陣は潔く退陣をされるように強く要求をいたしまして、私の質問を終わります。
○越智委員長 高木参考人、野田参考人、退席していただいて結構でございます。御苦労さまでした。 中馬弘毅君。
○中馬委員 大臣の所信表明に対する質問をさせていただきます。 運輸大臣は、今回の所信表明の重点事項の第一として、国有鉄道の再建の問題を挙げておられます。大臣が、はからずもか、買って出られたか、それはともかくといたしまして、非常に重要な役割りを担う時期の運輸大臣に就任されたわけでございまして、これは国鉄の再建が本当に重大な岐路に立っているさなかでもございます。その中での判断というのが非常に重要なことになってこようかと存じます。 午前中に宮崎委員の質問で高木総裁は、いま臨調で問題になっているいろいろなことについては、一応そのことには気をとられずに、例の国鉄再建、経営再建計画に向かって邁進するんだという御決意を述べておられました。しかし、一方、いま世間では、この国鉄に対してのいろいろな再建方策、民営化論だとかあるいは分割論だとかあるいはそのまま経営形態を少し変えていくのだとか、いろいろな提案、意見も出てきております。また一方、鈴木総理は、この臨調の答申を尊重して、そして行政改革に政治生命をかけるとおっしゃっております。 大臣はこういったことに対して、国鉄のいまのあり方、そして来るべき臨調の答申をどのように尊重されるのか、その点についてまず御所見を伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 しばしば申し上げておるように、国鉄の問題はきわめて危機的な状態であるということは御承知のとおりでありますが、これに対応いたしまして、昨年の五月に決定されました経営改善計画、これをともかくまともに実践してまいりたい。できればその深度を深めてまいりたい。そして六十年度においては、幹線部門においてぜひ収支とんとんまで持っていこうということを、実際の国鉄の運営の基本として現在私は考えております。 また、一方、臨調におきましてもいろいろの案があるやに承っておりますが、まだ正式には何の話も聞いておりません。新聞紙上で拝見いたします民営論あるいは分割論というものも出ておることは承知しておりますが、しかし、私は、現時点においてそうした問題に入る以前の問題として、先ほども御質問がございましたが、年金の問題あるいは退職金の問題、さらにはまた国鉄内部に内蔵する諸種の問題、こうした問題の解決が先行すべきである。それは、やはり経営改善計画のプログラムをさらに深めて、実際的な効果の上がるように指導していくのが適切ではないか、私はそう思っております。
○中馬委員 私ども、国鉄総裁が経営者としての当事者能力を持ってもらいたいということから、それに関連する事業拡大の法律、また今回の再建法に対しましても非常に積極的に対応してきたものでございます。 したがいまして、それが効果が出てくるのであれば、もちろんその形で推し進めてもらいたいというのが正直な気持ちなんでございますけれども、しかし、現実の姿というのはなかなかそこに行ってないわけで、そうしますと、いま大臣がおっしゃったのは、これは国鉄総裁がおっしゃっていることと一緒であるわけです。一緒であることが悪いとは言っておりませんが、しかし、国民の負託にこたえて国鉄というものを管理監督するのが運輸大臣の役目でございますから、そうしますと、臨調の答申、これは今後どういうのが出てくるかわかりませんけれども、しかし、それに対して一顧だにしないということであれば、これこそまた鈴木内閣の一員として、別のところでは鈴木さんが、国鉄のいろいろな改革も含めて、これに政治生命をかけていくとおっしゃっているのと矛盾するではございませんか。大臣の御所見を承ります。
○小坂国務大臣 私は、別に臨調の答申に対して、いまこの時点でとやかく論評をする何物もないのでありますから、臨調の答申が出ました時点で――それかいつ出るかも私は予測しておりませんけれども、出た時点でそれをよく見ていくということしかないのではないかと思っております。
○中馬委員 それはそれといたしましょうか。 高木総裁にお尋ねいたしますけれども、先ほど、経営改善計画を一生懸命やっていくということでございますが、しかし、その中の一つであります地方交通線対策協議会、四十線のうち三十六線区の協議会を発足するんだという、これは法律で決まっていることなんですけれども、これもまだ開かれておりません。ということは、これをやるとおっしゃっても、現実の問題として国民の目からすると、ひとつも進んでいないじゃないかということになるわけでございまして、この点についてはいかがですか。
○高木説明員 お尋ねにお答えする前にちょっと申し上げておきたいと思いますが、私どもは、臨時行政調査会の第四部会というところに何回かお呼び出しがありまして、御質問にお答えをするという形で御説明をいたしておりますが、そこでの内容は、経営改善計画そのものが実行できないではないか、大丈夫なのかということの疑念が基本にあるということかと思います。 それは、何しろ昨年の五月に正規には御承認いただいたわけでございますし、外からごらんになりますといろいろ御批判もありましょうけれども、かなり短い期間に七万四千人という大幅な要員減をやるということは、相当骨の折れる仕事だと私どもとしては思っておるわけでございますが、一万一千人は五十五年度中に要員を減らすことができまして、したがって五十六年度では一万一千人予算上も減員になっているわけです。五十六年につきましては、いまそれにまさに取り組んでおるところでございまして、年度末まであともう四十日ぐらいしかないわけですが、その間に全部いろいろまとめ上げて一万二千人減らして、来年の五十七年度の予算定員を四十万以下にするということでいま取り組んでおります。 これに取り組むことができれば、かなり私どものいまやらんとしていることに対するいろいろな疑心の目といいますか、本当にできるのかなということについての信頼が置けないという点が、ある程度御理解を進めていくことができるのじゃないかと思うわけですが、その際、地方交通線の問題につきましていまお触れになりましたように、協議会がなかなか進行しないということはあるわけでございますが、しかし、現実には、全体の中でいま非常におくれております一つの大きな理由は、線区数の多い北海道と九州、特に福岡県に問題があって、どうしてもお互いに同じ県内では隣の村、隣の町、隣の線区はどうなるのだろうかということで、横にらみということになるものですから、北海道も九州もどちらもなかなか進みにくいわけでございますが、これがある程度進行すればかなりのところまではいくのではないか。法案審議のときにさんざん詳しく御審議いただいた部分が相当進め得るのではないか。これらにつきましては、北海道及び福岡県そして関係市町村に粘り強くいまお願いを続けておるわけでございまして、何とか三月いっぱいにはお願いしなければならぬというつもりでおります。 この点も、全体としては経営改善計画の中で非常に重要なウエートを占めておるわけでございますから、何とか達成しなければならぬわけでございます。また、その意気込みでやっておるわけでございまして、先ほどの要員減の問題と同じように、これをどこまで推し進め得るか、そして地方の関係の方々に御理解いただけることになるかということがいま大事なことだと考えているわけでございまして、確かに予定よりは大分おくれておりますが、しかし、これはそうかといって、法案審議の段階でいろいろ御議論がありましたように、地域に及ぼす影響は大きいわけでございますから、地元の方が御心配になるのもある意味では無理もない点があるわけでございまして、私どもとしては、ぜひぜひ説得に説得を重ねて御参加までこぎつけたいということでいまやっている最中でございます。
○中馬委員 その協議会が現実に開かれないわけでございますが、法律にあるように、開かれない場合の規定があったかどうかはともかくといたしまして、これは見切り発車をされるわけですか。
○高木説明員 協議会そのものは、もうすでに法律で設置できることになっておるわけでして、御参加がなくてもやってやれないことはないシステムになっておりますけれども、どうもスタートでそういう形でつまずきますとなかなか後々紛糾するわけでございますし、いままでも実は水面下といいますか、公式には協議会、わかった、参加しようとは言っていただけておりませんけれども、この三カ月余りの間には、実は協議会の希望予定日というものが決まりました十一月初めの段階と今日では、各線区につきましてもかなり内容的には事実上の話し合いといいますか、御説明は進んでいるわけでございますので、いまここで余りそういう一方実施みたいなことは何とか避けなくてはならぬという気持ちでやっております。
○中馬委員 法律では見切り発車でもできる形ではありましょうけれども、それはやはり地元の方々との協議がまずは第一でございますし、しかし一方で、このままでいくと結局は、臨調がどういう答申を出すかは別といたしまして、民営化で本当に民営になってしまったらそういうところは切り捨ててしまわれるということも踏まえて、地元の方々の御理解を極力得るようにしていただきたい、このように思う次第でございます。 それから、人員の削減の話が出ておりましたけれども、確かに総裁以下皆さん方の御努力はよくわかるのです。一万二千人減らした、しかし一万二千というのは全体の三%なんですね。三%減らすことも大変なことだと思います。しかし、三%減らしながら、一方でそれ以上の賃上げをしておれば経営は改善しないというのは、これはもう単純な算術でございます。普通の赤字会社であるならば、世間並みの賃金というのは許されないんじゃなかろうか、組合の方も一生懸命やっておられる方々、たくさんいらっしゃいますけれども、しかしその経営のあり方として、三%切るほどの努力をしておられる、しかし一方でそれ以上の賃上げをするようなのが果たして世間並みなのか。そういうのは世間では常識としては通らないわけでございまして、その結果として実際に五十七年度予算でも、すでにまた五十六年度を上回る赤字が積み重なる形になっているわけですね。こういう点、われわれには努力しておられる姿はわかるのですけれども、しかし、評価というのは世間がするものでございまして、その世間、国民一般が、どうも国鉄はやっていない、実際に数字にもあらわれていないとなりますと、そのふんまん、あるいはまた一挙にやってしまえといった声が上がってくるんじゃないでしょうか。総裁、どのようにお考えですか。
○高木説明員 ただいま御指摘の問題は、私ども経営にとりまして非常に重要な要素になっております。 御存じのように、現在の制度はストは禁止をされておる、そのかわり給与については御存じのような調停なり仲裁ということを通じて、最終的には国会の議決もしくは承認ということで決められることになっておるわけでございますが、この賃金の決め方については、久しく民間準拠ということで事実上十何年も続いてきております。その場合に、民間準拠というのは給与総額についてではなくて、給与水準についての民間準拠ということで今日まで参りましたので、したがって、民間の場合はいろいろ給与水準の上昇と絡めながらいわゆる減量経営がかなり進んできたわけでございますが、どうも国鉄の場合は、過去さかのぼってまいりますと、単価はそういうかっこうで上がりますけれども、給与総額はなかなか民間と同じようなわけにはいかないような形が出てきたわけでございます。 そこで、いま減量のために取り組んでおるわけでございますが、ただいまお示しのように、人数は三%じゃないか、ところが単価はもっと上がるじゃないかという御指摘でございますけれども、幸か不幸か、いま非常に大ぜい高齢者がおります。高齢者というのは、ある意味から言うと高給者であるわけでございまして、人員の減によりますほかに、新陳代謝による平均給与が漸次低目になるということが加わりまして、五十六年度の予算といま御審議いただいております五十七年度予算とを比較いたしましても、人件費はほとんどふえないというかっこうになっております。 しかるにかかわらず、全体として赤字がどうしてふえるかというと、五十六年と五十七年とを比べましても相変わらず年金負担が急増する。総額としての年金が大変国鉄の経営負担になるというのじゃなくて、単年度の年金負担額の上がり方が非常に激しいわけでございますし、退職金もいろいろな関係で、というのは主として人数と単価の関係でふえるということで、五十七年度では国鉄の退職金と共済金負担の総額が実に九千億にもなるわけでございます。現職の諸君に払わなければならない給与費が一兆四、五千億、あるいは五千億をちょっと超えるかもしれません。ところが、退職金と年金だけで九千億というような事態であるわけでございまして、これは特定退職金、特定年金負担でなくて総額でございますけれども、そういう大きな金額になるわけでございます。その辺の御理解を得られれば、国民の皆様にもある程度の御理解が進むのではないかと思うのでございますが、どうもわれわれの説明が下手であるのか、なかなかそこがわかっていただけないというのが悩みでございます。 いずれにしましても、最近、五十六年を五十五年と比べていただき、五十七年を五十六年と比べていただきますと、全体としての赤字額はふえますけれども、経常的な人件費はほとんどふえないという形になっておるわけでございまして、そこらを数字的によく御説明するようにして御理解を深めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○中馬委員 今回の五十七年度予算では、東北・上越新幹線の開業に伴って、またその分の赤字が上積みされておるわけでございます。この新幹線の問題でございますが、新幹線というのは、やはり大都市間で両方に相当な人口があってそれを結ぶ場合に、これは東海道ないしは山陽というようなところで採算がとれる形だと思うのですけれども、東北、まして北海道まで延びれば、これは赤字の累積にしかならないと思うのです。 まず、東北・上越新幹線の今後の赤字見込みを、ことしだけでなくて来年以降のことをどうお考えでございますか。
○繩田説明員 お答えいたします。 御高承のとおりと存じますが、ことしの六月から東北新幹線十往復、十一月から三十往復でございます。それから上越新幹線に二十往復、これで運転回数は大体軌道に乗るわけでございますが、五十七年度だけ見ますと、私どもの方の東北・上越新幹線の収入が約千二百二十億でございます。この中には国からいただいております工事費補助金、これを五百三十八億入れておりますが、千二百二十億でございます。経費が二千九百二十億でございまして、差し引き赤字は千七百億出る見込みでございます。これを五十八年度以降平年度で見ますと、いま申し上げましたのが、収入がただいまの運賃ベースで大体二千三百億でございます。これには補助金が入っております。経費が約四千二百億円でございまして、赤字額は千九百億円の見込みでしばらく続くのじゃないか、そういう推定を立てております。
○中馬委員 それに在来線の赤字が加わるわけであろうかと思います。東海道、山陽の場合ももちろん収支係数はよかったわけですが、だんだん悪くなってきておりますけれども、今後それはどうお考えでございますか。山陽、東海道について従来どおり高収益を保てるか、最近の係数はだんだん悪くなってきておりますけれども。
○高木説明員 東海道、山陽につきましては、現地点は、新幹線と在来線を含めたところでぎりぎりいっぱい、収支係数が九七とか九八とかということで、やっと収支とんとんということになっております。今後収入が伸びるかどうかということについては、余り多くを期待できないんではないか。東海道、山陽で、在来も合わして収支がわずかに黒という程度では非常に困るわけでございまして、今度の計画で幹線で収支を六十年度に何とかとんとんに持っていきますというためには、少なくとも東海道、山陽につきましては、在来線と新幹線と合わして相当の黒字をもたらすように運営していかなければならぬわけでございます。 それができるのかということでございますが、これは実は一にかかって貨物の仕事をどうするかという問題がございまして、今度は旅客と貨物を別に分けて考えた場合に、貨物はこういう経費で収支を償うようにするという目的があるわけでございますが、それを達成できるとなりますと、貨物の中で東海道、山陽の線区の負担といいますか、東海道、山陽線の在来線を使っての貨物輸送から発生してくる赤字が非常に大きいわけでございますので、貨物の立て直しがうまくいきますれば、貨物、旅客合わせたところで、東海道と山陽の新幹線を総体的には六十年時点で相当黒字に持っていけることになると思っております。 要は、東海道、山陽全体を通じてのバランスをどうとるかという最大の問題は貨物問題になってくるわけでございます。そのために、当面、経営改善計画では五十九年度までに実施することにしておりました貨物の再編合理化の仕事をいま急遽繰り上げまして、五十七年度中に相当程度進行させたいと考えております。さらにその後どうするかということについては、いま別途いろいろと工夫をいたしておるところでございます。 しかし、いずれにしましても、貨物につきましてもコストダウンを図りますためには、ある程度駅数を抜本的に減らさなければならぬという問題がありまして、現在約千二百の駅が全国でございますけれども、これを五十九年までに八百駅にしようという計画でありましたのを繰り上げまして、五十七年度にも八百駅に持っていきたいということでやっておりますが、これまた当然のこととして、地元の方々との間で非常に摩擦が起こるわけでございますので、それをどうやってやっていくかということで、いま各管理局とも地元の市町村とお話し合いを開始いたしておるわけでございますが、そうしたことをひっくるめまして東海道、山陽の在来線の赤字を減らし、よってもってそれと在来新幹線の黒字と、全体として見まして相当程度黒字が出るように持っていかなければいかぬ。そうしませんと、経営改善計画でお約束いたしております、幹線ではどうにか収支とんとんという姿にはとうてい届かないということでございます。
○中馬委員 大臣にお尋ねをいたします。 総裁お答えのとおりに、新幹線もなかなか過去のように、そうもうかって、もうかってということでもなさそうでございます。総裁からはこの運輸委員会の席上でも、国鉄としては整備新幹線についてはやりたくないのだというようなお答えもいただいておりますが、大臣としては、今後の整備新幹線、調査費は二十億ついておりますけれども、この整備新幹線についてどのように進められるか、どのようなお気持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 五十七年度の整備新幹線についての予算額は一応計上されております。私は、こうした新幹線の計画を来年度はぜひとも環境調査その他を進めてまいりたいというふうに現在考えております。
○中馬委員 国鉄は、先ほども申しましたように、非常に大変な状況になってきているわけでございまして、これは暮れの新聞記事でございましたが、政府の金融機関からの例の優遇プライムレートよりもまだ〇・三%優遇された金利、これがもう断りが来ているというようなこともございましたけれども、民間金融機関からもついに信用がなくなったかなという気がするのですが、あれは事実関係はどうなんでございますか。
○繩田説明員 暮れとことしになりまして、信用がなくなったので金利が少し高くなったのじゃないかというような記事が出ておりましたが、私どもの方は、五十七年度の予算でただいまお願いいたしておりますのは、民間からの借入金でございますが二千六百億、私どもが発行いたしたいと予定しておりますものが七千九百億でございます。 先生御存じのとおり、長期プライムレートは八・六でございまして、こんなことを申し上げてはあれでございますが、民間の優良企業がただいま金融機関から借りておりますのは、大体九・〇から一割近いと私どもの調査で承知しておるのでございますが、私どもの方、今年度の千三百億から約倍の二千六百億の借り入れに際しまして、長期のプライムレートは八・四で、実際の、と号債と申しまして金融機関にほとんど引き受けてもらっております大量の債券は、利率が七・九で予定いたしております。したがいまして、関係方面と十分相談いたしまして決めましたもので、決して信用がなくなったので金利が高くなったというようなことはないと考えております。
○中馬委員 いずれにしましても、これだけ膨大な借金を果たして返してもらえるのだろうかというような危惧すら金融機関も持ち始めるのが、むしろ当然かと思える次第でもございます。 ともあれ、国鉄は、先ほど冒頭に申しましたように、努力した姿というのが国民の目の前に出てこなかったら、これはとうてい通らないと思うのです。先ほど言いましたように、たとえば普通のこうした倒産寸前の民間会社であれば、商品の値段を上げるなどということはましてできないわけで、従業員も賃下げまでしないとしても、少なくとも据え置いてがんばるといった、そういう姿勢がもしあらわれたならば、国民ももう少し理解をして、もう少し見守ってやろうじゃないかということになるかもしれませんけれども、しかし、それがいまのところ、労使ともにほとんどあらわれてないというのが一般の評価でございます。 そうすると、臨調がどういうのを出してくるかわかりませんが、民営論あるいは分割論といったことにすぐ傾いてくるんじゃないかと思います。そのときの判断というのが、冒頭に申しました運輸大臣の非常に大事なところだと思うのです。このまま国鉄の当局としてはやらしてもらいたいということでございますから、それをずるずるさしたあげくの果てが、何年か後には大破局を迎えるということになってしまうのか、あるいは、ここでよく思い切ってやったがために国鉄が立ち直ったということになるのか、その判断が臨調の答申を機にして大臣に求められるわけでございますから、大臣、ひとつその点のお心構えだけをお願いいたします。
○小坂国務大臣 重ねてのお尋ねでございますが、私は、現状の段階では臨調の答申がどういう形、あるいはどういう企業形態を出すか全く予測しておりませんが、少なくともいま高木総裁以下国鉄の全職員が、国鉄の現在の状態というものはきわめて危機的であるという認識に立って、また、われわれもそうした危機的な認識の上に立って、国鉄にいま与えられておる経営改善計画をできるだけスピードアップして、そしてまた、できるだけ深目にこれをやってみせるということが国民に対する――少なくとも私が運輸大臣として国鉄を監督する立場にある者としては、実際いまあなたのおっしゃったように、国民の目から見てやっているなという諸点をぜひとも出すべきではないかというふうに思っておりますし、また、そうしたことを今後国鉄の職員の方々とともに全力を挙げて走ってみたいというのが現在の心境でございます。
○中馬委員 国鉄総裁、結構でございます。 時間が少しまだありますので、空港問題をやらしていただきますが、成田の第二期工事のことです。羽田の事故その他も若干は絡むかと思いますが、成田の第二期工事見通しをお聞かせ願いたいと思うのです。 本来ならば、二十四時間開港の国際空港といったものが必要なものでしょうけれども、いま成田はただ一本の滑走路があるだけ。しかも、夜間飛行は禁止された形の中で、とうてい当初に期待した空港でも何でもないわけでありまして、今後のこの第二期工事の見通しをお知らせいただきたいと思います。
○松井(和)政府委員 成田空港は、現在四千メートル滑走路とこれに附帯する誘導路、エプロン等で開港いたしておりますけれども、御指摘のように、日本を代表する国際空港としてまだまだ完璧の姿にはほど遠い状況でございます。 私ども、その意味で二期工事を進めるべく、地元の理解と協力を得るために努力を続けておりまして、御承知のごとく、環境対策を鋭意進めておりますと同時に、周辺地域におきます成田用水事業を初めとする農業振興策を着々と進めておりまして、この地元対策によりまして地元の理解と協力が得られ、できるだけ早期に着工にこぎつけたいということで努力をしておるわけでございますが、何年何月というようなはっきりした計算ができるまでには立ち至っていないのが現状でございます。
○中馬委員 成田がそのような状況ですし、羽田、伊丹は満杯状況です。関西新空港の問題が上がっておりますけれども、これもまだまだ調査段階ということで、この開港は十年ほど先のことになろうかと思うのです。 しかし、いずれにしても、そういったものを急がないと、日本の次の世界の交通の要衝としての役割りも何も果たさなくなってくる。そういうようなことから、成田の第二期工事と同時に関西新空港、同時並行でなくても結構でございますけれども、これを進めなければいけないと思っております。 そこで、この関西新空港なのですが、予算がないから、予算がないからというのがいまの政府当局、特に大蔵大臣のお声のようでございますけれども、この間、予算の申し入れのときに私も総理に言ったのですけれども、むしろはっきりとした、やるのならやるということを、別に予算はつけなくてもやるということを、あるいは担当大臣を決めたり、あるいはある程度の組織を決めた上でやるという姿勢をはっきりする、それだけで、相当の景気浮揚効果があるのじゃないか、そういうことを申したのですが、その点は大臣、いかがお考えですか。
○小坂国務大臣 関西国際新空港につきましては、私も非常に重大な関心を持っております。特に、現在の伊丹空港の問題もありますし、また同時に、世界的に見ての日本の航空というものが飛躍する土台は、何と申しましても空港であります。こうした意味から、地元でも大変に強い要望を持っていらっしゃるということも承知しております。 私は、そうした環境の中でできるだけ早く、これまた先ほどの整備新幹線と同じでございますが、環境影響調査というものをいまやっているところでございますが、特に大阪、兵庫、和歌山の三県は特にこうした地元につながるわけでございますので、いま運輸省からそれぞれの自治体に対して、積極的にいろいろなクエッショネアを出しておるところでございまして、大阪は一応まとまったわけでありますが、なお一、二が残っております。また、兵庫も近く回答を寄せてくれるようであります。和歌山はこれからでございますが、こうした地元の皆様方の深い理解を得るということも非常に重要なことでございまして、現在それをせっかく努力しているところでございます。
○中馬委員 関西新空港について、航空審議会がはっきりと泉州沖を決めているわけですが、政府の態度がそのように非常にはっきりしないがために、地元でいろいろあらぬうわさまでも、神戸沖にするのだとかあるいは京都の方にするのだとか、このようなことまでも出ておりますけれども、いわゆる航空審議会の答申を白紙に戻して、何か別のところに、もしその調査の結果不適当といいますか、若干でも問題があったらそういうことが考えられるわけですか。
○松井(和)政府委員 これは予算委員会でも御答弁申し上げましたが、私ども、二度にわたります航空審議会の慎重な審議の結果決定を見ました泉州沖の計画を変えるつもりは毛頭持っておりません。
○中馬委員 伊丹の騒音公害訴訟で一応国が勝訴のような形になりましたけれども、伊丹空港の今後のことをどのように大臣はお考えなのか。 そして、羽田が沖合い展開もいたしますけれども、これを、今度の事故になんかにもかんがみして、どのように今後運営されるおつもりか、それを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○松井(和)政府委員 まず第一に羽田でございますけれども、御案内のように、昨年の八月に東京都、大田区、品川区との間に完全に合意が成立いたしまして、現在の羽田空港の沖合いを東京都が廃棄物処理事業として埋め立てをいたしまして、しかる後、その上の部分を空港として使う、こういう新しい方式の事業として実施をすることを決定したわけでございます。 なお、伊丹空港につきましては、大阪周辺の調停団の方と国との間の調停条項がございまして、関西新空港が完成するまでの間に十分地元の意見も聞きながら、その存廃についての結論を出す、こういうことでございまして、その方針に変わりございません。
○中馬委員 時間が来ましたので、これで終わります。 ――――◇―――――
○越智委員長 この際、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、小委員十二名からなる日本国有鉄道に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。 それでは、小委員に 加藤 六月君 三枝 三郎君 関谷 勝嗣君 楢橋 進君 三塚 博君 宮崎 茂一君 福岡 義登君 吉原 米治君 草野 威君 中村 正雄君 四ツ谷光子君 中馬 弘毅君 を指名し、小委員長に加藤六月君を指名いたします。 次に、小委員及び小委員長の辞任及び補欠選任並びに小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じました場合、その人選等所要の手続につきましては、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時六分散会