文教委員会 第5号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/11/05
会議録
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 日本学校健康会法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高木健太郎君 このたび学校安全会と学校給食会を統合して学校健康会というものを設置するということになりまして、現在その法案が審議されているわけでございますが、この法案の提出理由は皆さんもたびたびお聞きになったわけでございますが、今後の質問の進めの関係上、ひとつその設置する意義と、それからその経過について簡単に御説明をお願いいたします。
○政府委員(高石邦男君) この両法人を統合するに至りました経過は、放送大学学園を特殊法人として設立することに関連いたしまして、行政機構の合理的な再編成を図るという観点から、文部省の所管しております法人の中で、この両法人はいずれも児童生徒の健康の保持増進に関する仕事をしているという観点から両法人を統合することとしたわけでございます。昭和五十四年十二月二十八日の閣議において、行政改革に関し、日本学校給食会と日本学校安全会とを放送大学学園設置のときに統合するという決定をいたしたわけであります。また、この統合した新しい日本学校健康会はいずれも児童生徒の健康に関して取り扱う内容を持っておりますので、この統合によりまして、いままで以上にこれらのものの連携を密にいたしまして、子供の健康の保持増進のための施策を進めていきたい、こういう観点で統合したわけでございます。
○高木健太郎君 この提案の理由によりますと、今回のこの統合には「行政機構の合理的再編成」という面があるわけです。この学校安全会と学校給食会を統合することによりまして、役員と職員の数、あるいはまたその経費の節減というものについてはどうなっているか、これの具体的な数字をお示しいただきたい。また、統合されるという以上は、現在東京都内で二つに分かれているその本部を一つにするというようなことも考えなければならぬと思うわけですけれども、その新事務所を設立されるのかどうか、また、それに対する経費はどのようにされるのか、その点について御説明をお願いします。
○政府委員(高石邦男君) 日本学校給食会と日本学校安全会との統合によりまして、役員が現在十三名両法人におるわけでございますが、合わせて十三名の役員数になりますが、これを統合いたしまして八人にすることにしております。その内訳は、五人の役員の減少になりますが、常勤が二人、非常勤が三人の減少をするわけでございます。したがいまして、その減少に伴う人件費を平年度ベースにおいて見ますと、約三千五百万の人件費の節約ということになります。 で、職員につきましては、両法人の統合を閣議決定したときは合わせて二百九十七人でありましたが、その後漸次減少をいたしまして、統合後は二百九十三人ということになりまして、人件費についても経費の節約が若干見込まれるわけでございます。 なお、日本学校給食会と日本学校安全会の現在の事務所はわりあい接近した場所にございまして、いま新しい、二つのものの事務所を一本にするという考え方は現在の時点では持っておりません。わりあい接近した場所にございますので、統合後も現在のそれぞれの事務所を使用しながら業務の運営を図っていくというふうに考えている次第でございます。
○高木健太郎君 この提案理由によりますと、「行政機構の合理的再編成」あるいは「業務を総合的に推進することにより心身ともに健康な児童、生徒等の育成に資する」と、こうございます。私、この法案を読んでみますと、学校給食会というものと学校安全会というのは、両者とも健康に関係があるということは、これは納得ができますが、その業務は、一方は災害の補償制度であり、一方は栄養、給食というものでありまして、その間に共通した面がきわめて少ないように思うわけでありまして、まあ極端に言えば異質のものではないかというふうに感ぜられるわけです。で、それを統合するというのは、どのような意味で統合するというふうにされるのか。単なる並立というふうに言われてもやむを得ない面があるのではないか。これを統合することによってどのようなそれでは相乗効果なり合理的な効果なりがあるのか、そういう面についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) いまお話のございましたように、一方は学校給食という、子供の食事を通じての栄養問題、一方は学校管理下における災害に対する給付事業というようなことで、そのこと自体についての内容についてはそれぞれ違った業務であるわけでございます。しかし、もっと広い観点でいいますと、これらはいずれも子供の健康の管理という点に通ずる点がございます。したがいまして、両法人を統合することによりまして、いままで以上にこれらの両者の間における連携を密にしてやっていきたいというふうに考えるわけでございます。 具体的に二、三申し上げてみますと、現在、日本学校給食会が文部省と共催して、全国学校給食研究協議大会ないしは全国学校栄養職員研究大会というような、給食の面から見たいろいろな研究討議の場を設けているわけでございます。で、そういう場におきましても、子供の単なる食べ物、栄養というだけにとどまらずして、学校管理下において、たとえば骨折が多い、その原因は何かということを考えると、食事の面においての影響もあるというような問題も出てくるかと思うわけであります。そういう意味で、今後はこういう研究会の場においても児童生徒の健康の問題というような部会をも設けまして、そして研究討議を進めていくということにすれば、子供たちの健康の維持増進の上にいままで以上に積極的な役割り、機能を期待することができるであろうというふうに考えるわけであります。また、それだけに限らず、学校におけるいろんな子供の病気、それから学校におけるいろんな災害、こういうものと学校の子供たちの食事、栄養というようなものを総合的に研究調査を進めるというようなこともできるかと思うわけであります。そういう意味で、単なる形式的な統合ではなくして、この統合を機会にいままでの業務をより深めまして、以上申し上げたような観点の事業を積極的に推進してまいりたいと思っております。
○高木健太郎君 まあわかったような気もいたしますが、いま言われたようなことならば、いままでの二つの会であってもやる気さえあればできたんじゃないかと、まあ統合を機会にこれまでできなかったことをやろうと思うんだと、そういうふうに私解釈しまして納得したいと思うわけです。 で、だから安全会の方も、単に障害が発生したときにそれの補償をするというにとどまらずに、その予防その他にも力を尽くすという意味でひとつお力を尽くしてもらいたいと。そうでなくて、単なる両者の併合ということだけでは健康会という名をつけたのは少しおかしいんじゃないかとも思われますので、その点については最後にも申し上げたいと思いますが、ひとつ十分配慮を願いたいと思います。 今度は少し細かいことに入ってみたいと思いますが、この提案理由の中で「特に最近、児童、生徒等の心と体の健康に関する種々の問題が生じており、児童、生徒等の健康の保持増進に関する諸施策を総合的に推進することは、文教行政の重要な課題となっております。」、こう書いてございます。このことにつきましては、先般社会党の方からも御質問がございましたが、改めてこの「健康に関する種々の問題」ということについてひとつお話しいただきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) まず、児童生徒の健康の問題で申し上げますと、体位は向上したけれども、体力はそうでもないという議論がよく行われますが、最近調査いたしました結果によりますと、そういう面が出ているわけであります。たとえば背筋力が、最近の子供たちは昔の子供に比べて、十年前の比較で見ましても低下しているというようなこと、また骨折の事故が非常に増加している。虫歯や近視、そういうような病気もふえている。そのほかに心臓疾患というような病気の点についても注目をしていかなければならない点があるというふうに言われているわけであります。また、病気とまで言えないまでも、体や動作の異常が多いというようなことも憂慮されているわけでございます。また、心の問題も、非行の問題その他いろいろの問題が学校の現場においても、また家庭の場においても出ているわけであります。 そういう点で、子供たちの健全育成ということを考える際に、心身両面においてもっと健全な形での育成を図っていかなければならない点があるというようなことを指摘しているわけであります。
○高木健太郎君 私、背筋力の低下というようなものは、何も給食と余り関係ないんじゃないかと思うわけですし、また、運動能力があるということと直ちに背筋力というのは、筋肉の種類も違うことですし、これは一概に論ずるわけにいかないので、背筋力低下ということだけでもかなり大きな研究課題になると、こう思うわけです、 それから近視につきましても、いろいろの治療法なんかも出ておったようでございますが、テレビとかそういうものの見過ぎであるとか、そういうことも原因として挙げられているようですが、このどれ一つとりましてもそう簡単に給食会とか安全会とか、そういうことによってこれがよくなっていくと、そう簡単な問題じゃないと私は思うわけです。 また、この心臓病ということを言われましたけれども、大体どんな心臓病なんだろうかと思いますが、おわかりになりましたら、その心臓病あるいは高血圧ということについてお話し願いたいのですが、どんな心臓病でございましょうか。心臓病の種類ですね。——わからないで か。わからなければ結構ですけれども。
○政府委員(高石邦男君) ちょっとそこまでの医学的な知識がなくてそういうデータを整理しておりませんので、まことに申しわけありません。
○高木健太郎君 いや、だからただ種々の病気があるといっても、その病気もいろいろの原因によっていろいろな病気が起こってくる。同じ心臓病であっても、これがいろいろの原因、遺伝性のものもあるし、食物もあるだろうし、あるいはその他の原因がございますから、単に大づかみにするのではなくて、やっぱり今後は、こういう病気があるとなったらその原因をしっかりかまえて、その対策を考えるという とが 事じゃないかと思うので申し上げたわけです。後でまた骨折のこともお聞きしたいと思います。 給食が始まってからもうすでに十数年たっておるわけでございますが、児童生徒の疾病がその後どうなっているのか。実は私、この文部省の学校保健統計調査を見ますというと、虫歯にしましても近視にしましても、あるいは腎臓心臓疾患、肥満、脊柱胸郭異常というのを見ましても、減っていないわけですね、ふえているわけなんです。こういうこととはどういうふうにお考えでございましょうか、せっかく安全会あるいはそういう給食会ができているのにこういうものはふえていると、これはどういうふうに説明をされているわけですか。
○政府委員(高石邦男君) 先生御専門でございますので、私の方の答弁では十分でない点がございますが、一つは、いろいろな病気についての学校健康診断の場でも、かなり精密な形でいろいろな子供の身体状況を診断をする傾向にあるわけでございます。したがいまして、従来はややもすると見過ごされがちであった病気についても早期にいろいろな形での発見ができるようになった、そういうようなデータがいろいろな形で出てきて、数がふえていくというような要因が一つはあろうかと思います。それからもう一つは、確かに子供たちの成長過程における過保護と申しますか、発達段階における適正なトレーニング、そういうものに対しての十分な配慮がなされていないというような原因も重なっているのではないかと思います。
○高木健太郎君 私が申し上げたいのは、今度、学校健康会というものを統合しておつくりになるが、いままでの給食会、安全会ではこれは処置できなかった問題ではないか、こう思うわけですね。そういう意味では、従来のような給食会、安全会というような進め方ではこれに対応できていませんよと、だからそれを単にあわせ持つというだけでちょっとした部会を開くぐらいでは、これはなかなか問題は複雑であって、給食会は大いに体格の改善には役立っていますけれども、それだけでは無理ですよということをちょっとここで御指摘申し上げたかったということでございます。 それで、その一つの例としまして骨折事故がふえているということを私たち聞いております。確かにこの災害共済給付の対象になった調査から見てみますと、負傷、骨折というようなものが、小学校、中学校においても四十七年度と五十三年度を比べまして、四十七年度が小学校では骨折の発生率が〇・七であったのが五十三年度では〇・七四と、これは幾らもふえていませんが、中学校では一・二四のものが一・三六で、恐らくこれは有意の差ではないか。だから骨折はふえているんじゃないか、こう思うわけです。これについては先ほどちょっと御説明の中で、給食だけではないかもしれませんが、という御説明がございました。 私の友人で、元新潟大学の教授をしておりました整形外科の教授の河野左宙というのが「成長期のスポーツ障害」というものを専門の雑誌に発表しております。それを見ますと、スポーツをやっていない少年は三%ぐらいの脊椎分離症というのがありまして、脊椎と脊椎が離れていくわけでして、脊椎を押すわけなんですが、そのために歩行困難とかその他がくる。そういうのは非スポーツ少年では三%あるのに、週四日以上のスポーツ活動をしている者は一〇%以上この病気が起こってくる。あるいは特訓のサッカー少年チームに一四・三%の脊椎分離症を発見できた。これは普通の少年の三倍ないし四倍ぐらいの高率でそれが出ている。それからまた、最近体を鍛えるために二千メートルのウサギ跳びをやりまして、そこで数名の腓骨の骨折があった、こういうことを報告しているわけです。 現在、給食では十分カルシウムその他を補給してありまして、カロリーといい栄養価といい、あるいは必要な物資は十分それに含まれていると私は思うんですけれども、それにしましてもこのような骨折その他の運動障害を起こしてくるということは単なる食品だけではないと。これはいま高石局長からお話があったとおりでございまして、私も栄養だけでこれは何ともならぬものである、だから、体育というようなものもこれに加える、しかも体育が適切な指導のもとになくてはいけない、こう思うわけです。そういう意味では、先ほどの疾病といい、この骨折等を考えましても、単なる安全会と給食会が統合されたというだけでは健康会というものの名に恥じるということになってはいけない。だから、これをおつくりになった以上は、随意、すべての面で健康に関することがここで論議され、工夫され、組織されというような形で持っていかなければ健康会という名前だけであるというふうなそしりを受けるきらいがあるのではないか、こう思うわけでございますが、この点に関しては局長なり大臣、どのようにお考えでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) いろいろと先生からこの健康会の問題について御所見がございましたが、私は、先生もおっしゃっておられるように、この二つの機構というものが、ただ単に、お互いに業務上の関連はあるとしても、機械的な合体ではならない、この合体を機会に、日本の生徒児童の健康を管理し、また改善をするというような一つの理想なり高い見地に立って、この機会に新しい分野でもよろしいから開拓して、そして一歩伸びていかなきゃならない、こういう実は気持ちでおる次第でございますが、この安全会と給食会が健康会になりました経過はだれよりも先生が一番よく御承知でございますし、またその内容につきましてもかえって先生の方が御専門でお詳しいわけでありますが、しかし、先ほど来のお話のように、それでは済まないんじゃないかと、それをさらに一歩前に進めての意味がなきゃならないということにつきましては全く同感でございます。
○高木健太郎君 このほかに私申し上げましたのは、栄養、それから安全指導というもののほかにも体育指導というようなものも必要であるということを申し上げたわけですが、そのほかには、実は現在の特に都会における学校環境というようなもの、たとえば狭いグラウンドあるいはかたいグラウンド、あるいはまた社会環境としましては種々の交通の災害あるいは狭い交通頻繁な道路、あるいは自動販売機というようなものの子供の利用というような、いろいろ学校環境、社会環境、そのほかにまた家庭環境というようなものもございまして、健康というものがこの二つということはもちろんお考えではないということはよくわかりますけれども、この際十分に考え直してこの健康会というものを推進していただきたい。それがきょうお話しする一番大きな私の目的でございます。 ところで、もう少し細かいことを一つずつお伺いしていきたいと存じますが、児童生徒の体位と、それから疾病というものは学校給食とどんな関係があるかということの一つの考え方としまして、学校給食をしている学校と、それからしていない学校との実態はどうなっているか。たとえば「学校給食の現状」というパンフレットをいただいておりますが、それを拝見いたしますと、給食校は小学校では九九・四%とほとんど全部、あるいはまた中学校は八二%、特殊教育諸学校では七五・五%というものが学校給食を行っている。こういうほとんど大部分の学校が給食を行っているわけですから、なかなか比較はめんどうでございますけれども、給食を行っていない学校との比較がもしできましたら、そういう資料がございましたら、先ほどから申し上げました疾病あるいは体位、あるいは運動能力というものについての調査の結果がございましたらお知らせいただきたいと、こう思います。これは今後における給食をどのようにするかという非常に重要なデータになると、私はこう思うからです。
○政府委員(高石邦男君) 児童生徒の体位の状況をまず最初に申し上げてみますと、小学校六年生で昭和二十五年と昭和五十五年の比較で申し上げてみますと、身長で昭和二十五年は百三十一・一、昭和五十五年は百四十二・七ということでございます。それから、体重が昭和二十五年で二十八・七、五十五年で三十六・〇。胸囲で六十五・二、六十九・三。座高で七十二・一、七十六・五。これは中学校についても同様な傾向を示しておりまして、昭和二十年代の子供たちの身長、体重に比較しまして昭和五十五年は非常な伸び率を示していると、この原因は何も学校給食だけではなくして、一般的に子供自体に対する食事環境がよくなったこと等の影響によるものでございます。現在、学校給食は小学校ではほとんど一〇〇%近く実施されておりますので、給食が実施されている学校と実施されていない学校を現在の時点で比較検討することは非常に困難であります。 そこで、昭和三十四年度文部省が調査しました内容がございます。これはまだ当時給食の実施されていない学校と、実施されている学校との比較検討の唯一の資料でございますけれども、まず身長の面で申し上げてみますと、市部で学校給食の実施されているところが百三十六・八、それが実施されていないところが百三十五・四、約一・四センチの差でございます、体重で申し上げますと三十・八、それが三十・三、約〇・五キロの差であります。それから胸囲につきまして六十六・二が六十六、〇・二の差であります。当時の調査によりまして、給食の実施されているところといないところについてはいずれの面でも実施されている方が身長、体重、胸囲、座高、男女ともすぐれていると申しますか、まさっているというような調査結果が出ているわけであります。これも、その後はいま申し上げましたように、全国的に給食が実施されておりますので、同じ条件のもとにおいて同じ年齢についての比較検討の数字が得られないわけであります。 以上であります。
○高木健太郎君 全国でやられているということで、やられてないところもまだあるわけですし、それから高等学校ぐらいになると、私立の高校では余りやってないところもあるということで、こういう比較検討を絶えず私はやっていかなきゃいかぬと、こう思うわけです。これは給食だけでどうだこうだということはまた非常にめんどうでして、住まいの環境ということもございますし、都市と、それから郡部というようなこともございましょうから比較というのは非常にめんどうですけれども、こういう疫学的な調査というものは絶えず繰り返し行って、そしてその中から有為なものを探していくというふうにしないと、給食はよかったのかと聞かれると、そうですと言えないんじゃないかと思うんですね。だから、こういうあるものの効果というのが形になってあらわれるということは医学の方でもなかなかめんどうでございます。たとえば抗生物質ができたから結核が減ったと医療界では一般にわれわれもそう信じておりますけれども、しかし、一方の統計の取り方によると、もうすでにそういう抗生物質ができる前から社会環境がよくなったために結核という疾患はだんだん減っているんだ、抗生物質によってはほとんど影響を受けていないというような意見を唱える人もあるわけでございますから、お昼一回だけ給食をやったからというんで、それで体位がよくなったとかよくならぬとかというようなことはなかなか言いにくいとは思います。しかし、やっている以上は、政府が補助している以上はぜひこれは調査をして、そして次の方策を立てるというふうにすべきじゃないか、いま三十四年度だけで、もうその以後は余りやってないように見えますけれども、こういうことをやることは非常に重要なことであると思いますので、念のために申し上げたわけでございます。 次に、学校給食につきましては、それをやったために心と体の健康というものにこれが資するものであるという信念といいますか、そういうお考えを持っておられるわけですが、事実、いただきました資料で福岡県の池尻中学におきましては、給食によって非行がなくなったということが朝日新聞に載ったという記事をいただきました。また体格もよくなった。これは先生と生徒の間の人間的の接触がふえたからである。一緒に食事をする、一緒のところで食べる、これもいいでしょうし、礼儀作法もよくなったということで、私は非常にいいところは確かにあると思いますが、ところが川崎町の二つの中学では、給食をやったからというので全然非行は減らなかったということも新聞に書いてございました。このような学校給食によって心というようなものがある程度よくなったということがあるわけでしょうが、欠点もあるだろうと思うわけです。この間、ある母親で中学校の子供を持つ母親にいろいろ聞きましたところ、実は給食になってから朝もいいかげんに料理をつくる、あるいはまた学校でどんなものを食べているかわからないものですから、家でどんなものを食べさせていいかわからない、あるいはもう学校の給食でりっぱなものを食べるから朝は梅干しの握り飯だというようなことがあって、子供はもう握り飯を見るといやな顔をするというような家庭もあると聞いております。また、われわれ子供のときには弁当を持っていきまして、母親がつくってくれたとか、あるいは遠足のときに弁当を持っていって非常に母親というものを身近に感じて母親の愛情というものを感じたわけでございますけれども、そういうものが抜けていくという欠点もありはしないか。いろいろメリットとデメリットがこれにはあると思うんですが、いままでお調べになった範囲でメリット、デメリット、どんなものがおありなのか。デメリットがあるとすればそれに対してはどのようなお考えをお持ちなのか、この点のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) いろんな立場からこの給食の長短についての論議が行われているわけでございますが、まず、父兄の立場に立っての論議を考えてみますと、まず長所といたしましては、学校においてつくられる給食の献立というのは、その地域においてどういう食事をしているかという調査の上で、その地域において不足がちな栄養を加味して、その給食の献立、調理をしていくように心がけているわけであります。そういう点で、親たちは学校給食によって子供たちの食事を通じての健康管理、そういうものが非常な役割りを果たしているという評価をし、毎日の弁当をつくるについての手間暇が省けるという安易感がございますけれども、そういうことが家庭における教育の機能が低下していく要因ではないかというような批判も一方においてあるわけであります。そこで、そういう批判に対しては、手間暇が省けて家庭における子供のしつけとか食事についての管理が無責任になるというような点があったのでは、学校給食をやっていること自体がマイナスになっていくわけであります。そういうことではいけないので、いまいろんな現場で工夫しておりますのは、学校における給食献立は一体どういう考え方でつくられているか、どういう食事をしているかということを親を含めて共同の認識、理解をしてもらうことが必要ではないかというので、先回の答弁でも申し上げましたように、お母さん方に給食の実際を見てもらう、そして試食をしてもらう、そして子供の食事、栄養というものが成長発達段階でこういうふうにして考えられなければならないという、教育をしていくという場に学校給食を使っていかなければならないというようなことを一方において考えるわけであります。 また、子供たちの立場から申し上げますと、昔弁当を持ってきた経験でどういうおかずを持ってきたかによって、子供たちはずいぶん学校の昼食のとり方についていろいろ工夫してきた経験があるわけであります。非常にりっぱなおかずの子供はいばって食べるでしょうけれども、貧しいおかずであればこそこそ食べるというようなこと、そういうようなものが食事の場においては一切なくなったということで、子供たちが心から同じものを食べるという共同の理解、認識をしていくということは、子供たちにとっては非常にプラスになっているというふうに考えられるわけであります。 また、学校の教師の立場から申し上げますと、戦前は学校給食という仕事はおよそ教育としての作業ではなかった、そういう点で、戦後の学校給食というのが学校の教育活動の一環として実施されるようになりまして、給食も教育活動の一環である以上は、教師の指導、監督のもとに教師とともに食事をするという形態で日本の学校給食は行われている。それだけに負担が過重になるということで、先生方の負担が重くなったんではないか、こういうような意見が一方においてあるわけであります。しかしそれは、現在、先生と子供たちの間に失われがちである心のつながり、そして教育的な触れ合い、そういうものが食事をともにする場を通じてより一層深められていくという大きな教育効果があるのではないかということで、この面につきましても教育現場においてはそういう認識を漸次深めていただいて、やはり給食は、学校の教育活動の一環として十分に定着させるに値する内容であるというような評価を一方において教育の現場においてもなされているわけであります。 またこれは、経済的な面で申し上げますと、給食の一食当たりの単価というのが、小学生で言うと大体百七十円ぐらいです。中学生で約二百円程度であります。これはしかも、パン、牛乳というようなものがついてでございまして、非常に一般の価格から言うと格安の食事を、しかも栄養的にある程度考えた内容を与えているというので、家庭において個々ばらばらに調理するとすればとうていそういうコストでは上がらない安い経費で、しかも栄養豊かな内容のものを給食で供給しているというような面では非常に大きな経済効果を持っていると思われます。 また、わが国の食糧政策、農業政策とのかかわり合いというのは非常に重要なことでございまして、幼児期に学校給食を通じてどういう食事を食べる習慣がついたかということが、今後の国民の食生活へ与える影響が大きいということでございます。したがいまして、わが国の農業政策と密接な関連を持ちながら、食事の食品構成を考えていくということも学校給食の場で漸次努力されてきております。生乳——牛乳の飲用というのは、そういう点では非常な成果をおさめておりまして、現在生乳の消費量の約一五%は学校給食で消費される、そしてそれが子供たちの体位の向上に大きな貢献をしたということでございます。 それだけではなくして、米の問題その他いろいろな問題でも、農業政策とのかかわり合いというものを重視しながら学校の食事内容の給食を展開している。こういうことをいろいろ考えておりまして、長所短所いろいろあろうと思いますが、総合的には現行の制度の中でより一層教育の一環として学校給食を実施していくことは、わが国の現状の場でも非常にプラスであるし、やっていかなければならないことではないかというように考えている次第でございます。
○高木健太郎君 これは昭和二十何年から実施されたんでしょうか。二十二、三年でございましょうか。いつごろからでございましたか、この給食の実施は。
○政府委員(高石邦男君) 占領軍の脱脂粉乳の援助というような形で最初は昭和二十二年から実施されておりまして、学校給食法が制定されたのが昭和二十九年でございます。したがって、そういう食糧事情のことを抜きにして、将来の児童生徒の体位の向上、国民の食生活への貢献ということを考えて学校給食法という法律を昭和二十九年に制定されて制度上の位置づけをしたというのが経緯でございます。
○高木健太郎君 単価が非常に安く上がるというんで子供さんを持たれる家庭は非常に喜んでおられるでしょうが、ちょうど医療制度と同じように、子供を持たない家庭の人もこれを負担しているんで、全体としてはどれぐらいになるか私はわかりませんが、それでも安いんだろうと、こう思いますが、安い高いは別にしまして、こういう給食を受けてきて、二十二年なり二十九年から受けてきたその子供たちが現在はもういい年になっているわけです。その人たちの追跡調査ということはされたことがございますか。
○政府委員(高石邦男君) 給食の面での意識調査ということは、現在行ってきておりません。ただ一般的に、学校給食について児童生徒の親たちはどう思っているかというようなアンケート調査はしたことはございます。
○高木健太郎君 これもやはり先ほどと同じように、ある事柄を政府がやるという場合にその効果を見るというのは、現在喜ばれているということよりも、さらに長く効果があったか、なかったかということを絶えず追跡調査をしておく必要がある。そうでなければ、人に向かってこれは効果がありましたと言えないのではないかと思うんです。こういう意味でも、今後この健康会になった場合には、このような調査はぜひおやりいただきたいと、こう思います。 また、先ほどお聞きしました池尻中学ではよかったけれども、他の二つの中学では無効だったという、その無効だったという方はお調べになりましたか、その違いはなぜだということはお考えになりましたか。
○政府委員(高石邦男君) これはいろんな要因があろうと思いますが、端的に言いますと、成功した事例は学校の先生方が一体になって、教育の仕組みの中で学校給食を実施するという体制をとった学校、それは非常に成功しているわけであります。そうでなくして、単なる子供に食事を給するという観点での対応をした学校では、いま先生の御指摘になったような結果になっていると思っております。
○高木健太郎君 もう一つお聞きしますが、母親は学校にときどき給食の状況を見に行くということで実態は知っているわけでしょうが、毎日のカロリーとか栄養というようなものを家庭とマッチさせていかなきゃいかぬ。少なくとも、毎日でなくても、一週間を一つの単位なら単位にしまして、学校ではこういうものを食べたんだと、うちではこういうものをやろうというようなことが私は要ると。いつもバランスがとれているというわけではない、全体としてバランスがとれているんだと思うんですが、その点、家庭との連絡はどういうような方法でおやりになっているのか。それからまた、それは栄養価だけじゃなしにカロリーの面でも言えると思いますが、カロリーとしますと、いわゆる個人的に非常にこれは差があるだろうと思うんですね。そういう点ほどのように調整をしておられるか、念のためにひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) まず最初に、学校給食の献立をつくる際の必要な栄養量、これがどういう形で示されているかをまず申し上げてみたいと思います。 日本人として必要な栄養量は、厚生省から年齢に応じて基準が示されております。学校給食におきましては、その基準及び栄養摂取の実態を見まして、不足しがちな栄養素を加えまして学校給食の所要栄養量の基準を定めているわけであります。ですから、本来ならば三分の一ずつというような計算でしょうけれども、そういうのではなくして、カルシウムとかビタミン関係、そういうようなものにつきましては、半分以上が学校給食で一日の必要栄養量のものをとれるというような基準献立を学校給食の献立でつくることにしているわけであります。食事は本来学校だけでは十分ではございませんので、食事に対する正しい習慣を身につけること自体は本来家庭のやるべきことだと思うんです。したがって、家庭との連絡、協力を十分にしていかなければそういう面での効果を上げることができないのであります。そういう意味で、学校給食で毎日の献立を月単位ないしは週単位に、学校ではこういう栄養量を考えた献立をつくりますということを各家庭に通知する、児童生徒に持ち帰らせまして給食の献立表を配付するとか、そういう内容の献立表の周知徹底を図るということを実は行っているわけであります。したがいまして、その献立表を見ますと、学校でどういう食事が与えられているかということが家庭の方でもわかるような仕組みをもっともっと連携し強化していくことが必要であるということを一つ考えております。もう一つは、それだけでは、どうしてもペーパーのやりとりだけでは十分ではございませんので、先ほど申し上げましたように、実際上お母さん方に学校に来てもらって給食の実態を見てもらう、場合によっては給食そのものを試食してもらうというようなことも学校の教育計画の中に取り組んでやっていただくというようなことを考える必要があろうと思うんです、 それから、単なる食事の栄養とかそういう問題だけではなくして、基本的には正しい食習慣を身につけさせるということがもっと重要なことでありますので、食事におけるしつけ、マナー、そういうようなものもあわせて指導していく、そして家庭においてもそういう面での努力をしてもらう。たとえば子供を学校に上げれば学校が給食を実施して偏食を直してくれるであろうということで、お母さん方は非常に期待をしておりますが、そして学校はそういうことを配慮しながら十分に食事のマナーについても子供たちに教育をしておりますが、一学期だって夏休みに家に帰りますと、家庭で十分な食事の与え方をされないために、またもとのもくあみになるというようなこともございますので、やっぱり基本的には学校と家庭とが十分な連携をとりながら、そういう面での改善、充実を考えていかなければならない、そのための施策を一層展開していくことが必要であろう、こういうようなことで、いままで以上にそういう意味での学校、家庭の連携を深める施策を講じていきたい、こう思っている次第でございます。
○高木健太郎君 いまのようにいろいろ献立を考え、カロリーあるいは栄養を考えるということですが、これを審議し考えるという、そういう組織あるいはブレーンといいますか、そういうものはどういうふうになっているんでしょうか。ただ栄養士の一存でやっているのか、あるいは子供を見ながらその子供に対してある程度特殊的な献立も考えるとか。まあ糖尿病となればこれは別ですけれども。そのような個人差というようなものについてどこで審議をし、それに対する配慮をするという、そういう組織はどのようになっているんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) まず、学校段階で申し上げてみますと、学校でそれぞれ工夫をして実施しております。まず、学校では給食委員会というものをつくっているわけです。それで、給食委員会の構成には、一般的には学校の栄養職員、それから学校長、学校の先生、父兄、それから学校医の先生方、そういうような人々によって構成されて、献立の基礎になる方向づけをしていただく。 それから、具体的に今度は市町村の段階にいきますと、やはり同じようなことで、学校関係者とか、PTAとか、学校医——学校のそういう健康管理を預かっていただく人々を加えたいろんな委員会をつくって、御意見を拝聴しながら献立その他の基本的な内容についての方向づけをしていただく、こういうことをやっているわけであります。
○高木健太郎君 先ほどちょっと私質問した中でお答え抜けていたのは、個人的にはどういうふうに対応されるんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) これは最初、余り画一的な同一量のものを子供たちに与えるというのが、子供にとっては肥満の原因になるというようなことから、そういう子供の健康、体位の状況を見た上で食事を与えていくことも必要ではないかということも、かなり給食の現場で論議になってきております。 そこで具体的には、たとえばパンの場合であれば、この子供に二個与えるところを一個しか与えない、ないしは御飯の場合だったら通常の子供より半分にするというような調整をしたり、おかずを分ける際に学校の先生が若干そういう点を工夫して給食を与えるということの程度でございまして、正確に医学的な管理のもとで給食を実施するほどの厳密な与え方というのは、なかなか学校現場では与えにくいという状況でございます。
○高木健太郎君 確かに全体としての健康というのはいまのようなことで見られますが、個人的には非常にめんどうである。健康管理というようなものは、一方で個人的でありながら全体として見ていくというような面もありますので、学校給食会というもののいまはそれは一つの欠点であろうと思うんですね、個人的に見ていけないという欠点を持っている。こういうことも将来ぜひひとつ考えておかなきゃならぬ、あるいは家庭でそれを何とか補完をするというようなことで、きめ細かな健康管理が今後は必要じゃないかなというわけでございます。これをひとつ私からお願いをしておきます。 いまのブレーンだとかあるいは相談会、給食委員会とか市町村におけるそういう委員会なんかございますけれども、給食会というものがさらに今後発展するためには、学校安全会には国庫補助八千万円というものによって普及充実事業というものを行っておられるようですが、給食会にはそのようなことは行っておられませんか。予算は幾らぐらいとられて、どのような仕事を給食会には行っておられるでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) まず事業の面で申し上げますと、一つは学校給食の食事内容の改善、充実のための事業、それから調理技術向上のための事業、それから食品検査の事業、こういうようなことをやっておりまして、具体的には学校給食調理技術者の養成講習会、それから調理講習会、調理コンクール、それから全国学校栄養職員研究大会、それから学校調理員の研修会、食品検査技術講習会、食品開発研究会、米利用開発の研究調査、それから食品の栄養分析、衛生検査、そういうような事業を実施しておりまして、総体的にこれらの事業に要する国の事業といたしましては、五千四百万ぐらいの事業経費を組みながらいま申し上げましたような仕事を展開しているわけでございます。
○高木健太郎君 大変結構なことだと思いますが、さらにひとつ推進をしていただきたいと思います。以上で学校給食会の方の質問を終わります。 続いて学校安全会のことについてお聞きを申し上げたいと思います。 健康会あるいはこれまでの安全会というようなものにおきましては、学校における児童生徒の災害が起こった場合に、それの補償ということに何か重点があるような気がいたします。補償をするということは、学校教育においてある程度思い切ったことができるということで私いいことだと思いますし、父兄も非常にそれによって安心感を持つと、あるいはそれによって災害を大きくしないで済むというようなことがあろうと思いますので、この点も私はいいとは思いますが、どうも全体を見ておりますと、災害が起こってからこれに対処するという、しかも金銭的にだけそれをやって補助しているというように見えるわけです。もう少し災害の防止ということについてさらに重点をそこに置かれるということはどうか、あるいは予防措置ということについてはどのようにしておられるか、あるいは医師との相談において、健康診断その他生徒個々の健康指導というようなものについてはこの安全会はどのような活動をしておられるか、その点、私理解が浅いと思いますので、ひとつ十分御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) いま先生のおっしゃいましたように、学校における災害が発生してからの補償よりも、学校においてそういう災害が発生しない予防措置、これを講ずることが優先するし、それを重点に置いて考えていかなきゃならない、御指摘のとおりでございます。 そこで、学校における災害防止という点でいろいろございますが、一つは子供の健康管理という点での子供の健康管理についての予防措置というものを積極的に進めていかなければなりません。そのためには、学校における学校医、学校医もそれぞれの専門の方にお願いをいたしまして、子供の身体状況についての的確な健康診断というものを行いまして、そしてその上に立って、予防措置を講ずべき子供については親とともに、その子供における医療的な予防措置を講ずる必要があれば、病院であるとかお医者さんにかかりながらそっちの面の予防措置を講じていくというようなアドバイスの機能ということを一層強化していかなければならないと考えるわけであります。 また、学校においていろんな災害問題、特に交通安全対策というのが最近非常に重要な学校における仕事になっております。これはむしろ校外における子供たちの生活環境、車からの安全ということを非常に強調していかなければならないので、低学年においてはまず安全な歩き方というような、いわば基本的な内容から学校においても教育をしていくという安全対策教育を強化しているわけであります。 また、学校の管理下における災害で、学校の施設設備の管理維持、そういう面での発生を防止していくためには、学校の施設設備を十分な管理のもとにおいて管理していくということが必要でありますので、こういう点では、教育委員会が必要な予算を組みながら学校の施設設備の環境整備を図っていくということに努めていくことが大切であろうと思います。 また、学校で使われる薬剤、理科の実験のためのそういうものの管理につきましても、非常に神経を使いながら、そういう理科実験等による災害防止ないしはそういう薬品による災害を防いでいくというための安全な管理、安全な使用、そういうものを徹底していかなければならないということで、学校の管理下における安全対策は子供の体から出発し、学校の建物ないしは学校の教材に至るまで十分な配慮を加えながら対応を考えていくことが大切であるというので、そういう面での強化をしているところであります。
○高木健太郎君 いや、それは学校でおやりになっていることはよくわかるんですが、安全会というものがどの程度これに関与しているか、また安全会でいろいろ提起されたものがどのような形でこれが実現されていくのか、交通安全の教育をするとかあるいは理科の実習でそういう取り扱いを注意するとか、そういうことはもう学校の先生がおやりになるわけですけれども、安全会として特別に何かおやりになることがあるのか、それから安全会が安全委員会か何かをおつくりになって、それが学校に対してどれくらいの権限を持って勧告できるのか、安全会から言ってきてもそれは全然学校としては取り上げないというようなことになっても困るわけでして、どれくらい権限等を持っているのか、その点をお聞きしておきたいわけです。学校全体として安全対策をするという、これは当然のことでございますから、安全会としては何をおやりになるのか、またそれの権限はどうなのか、どういう組織でもって責任者にこれを訴えていくのか、そしてそれが実施されるのか、そういうことをお聞きしたい。
○政府委員(高石邦男君) 学校安全会自身は直接学校の教育にタッチして安全対策を講ずるというような組織機能を持っておりません。ただ、安全会のやっておりますいろんな事業を通じて、そしてそのデータを提供していただくことを通じて、それを利用しながら学校が安全対策を考えていくということが必要であろうというふうに考えるわけであります。そういう点ではいろんな事業を展開しているわけであります。 まず一つは、学校安全のための研究校の委嘱を安全会が各都道府県ごとに一校設定をしておりまして、そしてその研究指定校における研究成果を一般に後で報告書の形で取りまとめ、それを各学校に配付するというような仕事、それから学校安全研究大会の開催というような仕事を通じて、各学校の研究成果を研究討議するために、現場の校長、教員の参加のもとにいろんな研究協議会を開催するというような仕事、ないしは災害事例集を刊行いたしまして、どういう学校における災害が発生しているのか、その事例集を集めて、そしてそれの分析を行いまして、その事例集を各学校に配付いたしますと、各学校はその事例集を参考にしながら、なるほどこういうような事態においていろんな災害が発生する、安全問題を考えていかなければならないということで非常に貴重な資料提供をしていくというようなこと、その他いろんな手引書の刊行をしたり、そういう関係の壁新聞を発行したり、ないしは支部の機関紙を発行することを通じまして各学校における貴重な資料提供の機能を果たしているわけでございます。
○高木健太郎君 私、非常にいろいろなことをやっておられて、事例集なんかもいただきまして少し拝見いたしまして、大変よくやっておられると思いますが、学校医というのがおられていろいろ御相談に乗っておられるとは思いますけれども、単に事例を集めるだけでなしに、さっきの骨折のこともございますので、安全という場合にはぜひしかるべき人と協力をする、あるいはそれの相談をする、あるいはある場合には指導を受けるというふうでないと、運動をさせていればいいんだというふうに簡単に思うと、それがかえって災害のもとになるということもあるわけですから。あるいは背筋力が弱いというと、何か重い物を持ち上げさせるというような練習をさせると、そうなるとかえって脊髄を傷めるということもあるでしょう。その子供子供に応じて運動量とかあるいは運動の大きさ、速度、そういうものもそれぞれ違うわけですから、指導するという場合に、単なるそういう事例集だけではなくて、何かもう少し指導的な、あるいはもう少し頼りになるようなそういうものがないと、せっかく努力をしても努力が非常にむだが多いというふうな気もしますし、間違った方向に行くということも考えられますので、この際、学校安全会というものがあり、今度健康会になりました場合には、給食会、安全会一緒になって、もう少しさらに高いレベルの健康というものに持っていこうとするならば、法案にある、あまり権限のない運営委員会とは違って、権限と責任のある運営審議会というようなものがあって、そこがブレーンとなっていろんなことを討議された、その結果が健康会に反映していくというふうにしないと、せっかくの金がむだ遣いになるんじゃないか、こう思うわけですが、そういうものを置くお気持ちはございませんか。あるいはそういうことについては何かやっておられるでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) これは、安全会のことでなくて日本学校給食会のことでございますけれども、いま先生のおっしゃったように、いろんな専門家の意見を聞きながら事業を展開していくことが必要ではないかというようなことで、たとえば日本学校給食会では、学校給食用食品開発調査委員会、学校給食の米利用開発委員会、学校給食用食器具改善研究委員会というようなものを設けまして、それぞれの専門家の意見を実質上聞きながら具体的な施策を展開していくというようなことを一方においてやってきております。 また、安全会につきましては、災害事故に対する給付という事業がいままで主たる仕事でございましたので、そういう点では災害事故原因分析調査研究委員会というようなものをつくりまして、それぞれの専門家にお願いをいたしまして、研究調査を進めているというような仕事をしてきているわけでございます。 そこで、今後もこの両法人を統合いたしました暁には、いままで以上にそういう連携をとりながら、各種の専門家の意見を十分集約できるような形での委員会を設置して成果をおさめるように考えていきたいと思っております。
○高木健太郎君 確かに私は、安全会の方がいろいろそういう事例報告とかそういうことをされまして、それを検討していくというのはわかるんですけれども、たとえば、ある科目なら科目の先生は自分の科目の方からその児童を見ますね。だから安全会の方から出てきたものに対しては、自分の方を優位に置かれるというようなことが学校の中で起こりがちなわけです。そういうこともございますので、安全会の方がいろいろな提言をされても、それをなかなか取り上げるところがない、どちらが優位だというようなことになってくる。こういうことになると、健康ということが一番先にあって、それから教育というようなのがあるんでしょうが、そういう優位性というものが絶えず競合するわけです。そうすると、せっかくの事例があっていろいろなことをやっても、それがなかなか取り上げられぬというようなことも起こってくるんじゃないかと思うんですね、たとえば、手っ取り早い話が、ある学校がスポーツで非常にりっぱな成績を上げたい、そうすると、少し生徒に無理をさせても練習をさせるとか、あるいは体育でなくても、その他においてこの学校の栄誉を上げるんだというので児童に無理がかかっていく。片一方の方では、いやそうじゃない、これは勉強させて入試を盛んにやらなきゃいかぬというようなこともある。それと同じように安全会というのが見られまして、そして安全会の方から明らかに何か出ているのに、それが実際は効果を上げ得ないというようなこともあるだろうと思うんですね。そうすると、安全会の方々はどういう方々になっておりますか、先生ではなくて、そこの教育委員会ですか、というようなところの、いわゆる決定権の中には入っておられないとするとその発言力が非常に弱くなるわけですね。そうすると、せっかくの提言あるいは報告集が実を結ばないということになりゃせぬか。そういう意味では、何か組織の中にそういう安全会の意見も取り込めるようにしておかないと、全体としてバランスのとれたような政策が行われないと、せっかくの努力がむだになるのではないか、そういう点については現在はどういうふうになっているか、将来安全会と給食会が一緒になった場合に、それはどのくらいの権限なりあるいは組織の中における発言力というものを持ち得るのか、その点をひとつお聞きしておきたい。
○政府委員(高石邦男君) まず、子供の健康、安全という点で考えますと、学校で行っている教育の場で考えますと、まず子供が正しい食事をし、バランスのとれた栄養の摂取をして発達段階に応じていくと、それが一つ。それから、それに応じた体を動かす体力づくり、そういうものが適切に行われなければならない。あくまで成長期における子供の身体状況を十分加味して、学校における体育指導、スポーツ指導ということを考えていかなければならない。それから、三番目に子供たちの健康管理、そういうものに十分留意しながらしていかなければならない。この三者が有機的に、総合的に機能することによって、初めて子供たちの健全な体づくりというものができ上がっていくと思うわけであります。 そこで、そういう一面において、災害補償制度というものが学校安全会を通じて適切に実施されるというようなことが一方において必要になってくるわけであります。そういう意味で、各学校における子供の健康、体力づくりということを考える際に、それぞれの部門がばらばらにいろんな事業を展開していったのでは十分な成果を挙げることができない点は御指摘のとおりでございます。したがいまして、各学校においては、従来ももちろんやってきておりましたが、これまで以上にそういう面で三者が有機的な連携を持ち得るような校内の組織づくりを考えていくことが必要であろうと思います。 それは、学校給食を担当している教職員ないしは学校の健康管理、安全管理を担当している教職員、そして体育指導に当たる先生方、そういうものが有機的な組織機能をつくりながら、そして毎日における学校の教育活動を適正に展開していくということがきわめて重要なことだと思います。 それからもう一つは、これは、いま申し上げました事項は他の教科指導と違っておりまして、いずれも学校だけで完結することのできない一つの宿命を持っております。そうしますと、どうしても家庭との連携協力ということが非常に密接な分野の教育部門であるわけでございます。そういう点で、いままではどちらかというと家庭の仕事に口を出さないというか、家庭のことに口を出さない、余り家庭のことにはタッチしないというような形での教育の展開を図られてきた傾向がございますけれども、これはそうではなくして、そういうことを通じて、もっと家庭と学校とが連携を密にしながら事業を展開していくということがきわめて大切なことではないかというので、先ほど給食の事例で申し上げましたように、子供たちの食事についての家庭との連携ということを考えていかなければならないし、子供の健康管理でも、虫歯の予防だとか肥満児の問題というのはやっぱり家庭におけるあり方がきわめて重要でございますので、そういう点では健康管理、それから安全というような問題についても一層密接な連携強化を進めていくというような施策を考えていかなければならないと思うわけであります。そういう意味で、この両法人の統合によりまして、いままで以上にそういう面での適切な資料提供、アドバイス、そういうものができるように事業展開を考えていきたいと思っております。
○高木健太郎君 どうぞ健康会をつくられる以上は、少なくとも安全会と給食会というものが有機的に各学校において活動するように私から強く要望しておきますが、またそれらによって決められた、あるいは経験されたこと、あるいは研究されたこと、調査されたことが、学校当局あるいは教育委員会に取り上げられるような方策をぜひ講じておかれるということが、今後私はこの健康会が発展する、あるいはその実を上げるということについて非常に重要なことであろうと、単に二つが一緒になっていままでのようにやっておられれば、これは全体の認識を得るに至らないと、重要視されないということになるんじゃないかというふうに思いますので、ぜひそういうことはやっていただきたい。特にたとえば、いま局長言われましたように、これは何も学校内のことだけではなくて、交通安全というようなことになりますと、対社会的の関係もございます。また、学校の施設設備ということになりますと、これは直接設置者との関係になる。そういうことに対して、ただ校長に言えば校長が採択するということではなくて、そういうところで決まったものは、必ず教育委員会なり責任ある審議会でこれが審議されると、適当な措置が講じられるというぐらいの権限を、どこかで発言力があるというふうにしないと、いままでどおりにけががあったら金を出すんだと、給食は十年一日のごとく同じようなことをやっているというんじゃなくて、この際ひとつ大いに改善をして実を上げていくというふうに努力していただきたいと思います。 これは給食会と同じようなことをお聞きしますけれども、いつでも裏を考えなきゃいかぬのですが、安全会があるところで安全がだんだん実を上げてきて、そういう災害が少なくなったということはあるんですよね。それからまた安全会のない学校はおありなのかどうか、そういうところではどのような災害があって、災害の発生数はどうなのか、そういう調査はございますか。
○政府委員(高石邦男君) いま日本学校安全会への学校の加入率を申し上げますと、小学校は九九・八%でごくわずかのところが加入していないわけでございます。中学校は九九・三%が加入しております。高等学校は九八・一%が加入しているわけであります。学校数で言いますと、小学校は五十校、中学校が八十二校、高等学校が百二十校加入していないということでございます。 加入していない原因が何であるかということをいろいろ考えてみますと、幼稚園とか女子の高等学校などにおいては災害の発生が余り考えられないというようなことで、安全会に加入するメリットがないんではないかというようなことも考えて加入していないところがあるのではないかと、これは推測でございますけれども。そういうようなことで、加入している学校と加入していない学校における災害の状況がどうかという中身までの調査はしておりませんので、ここでどちらが多い、少ないということをちょっと申し上げることができないのでございます。
○高木健太郎君 災害の種類としましては、死亡から非常に重傷あるいは永久障害といいますか、そういうものもございましょうし、わずかのけがもあるんだと思いますが、大体その判定は——一等級から何等級かまであるんだと思いますね、その判定の基準はどのようにしておられるのか、だれが決めているのか、どこで決めるのか、そのことについてお聞きしておきたい。あるいは厚生省のやっておる基準と同じものをそこへ適用されるのか。 それから、学校で発生したと思っても、実はそれはもう家庭内から持ち込んできたものであるというものもあるわけじゃないかと。たとえば、もともと心臓が悪かった、それを走ったところが急に倒れて亡くなっちゃったというような場合、それは学校では亡くなったんだけれども、外で走っても亡くなったかもしれない。いろんな場合があるわけですね。ちょうど保険の支払いと同じようで非常に問題が起こることもあるだろうと思うんですが、そういうことについていままでどんな事例がありますか。むずかしいところがあるか。それに対してはこのような処置をしているというような事例をひとつお示し願いたいです。
○政府委員(高石邦男君) まず学校の災害の判定基準の範囲、これは政令で決めております。その政令の中身をちょっと申し上げてみます。学校の管理下における事故についての給付事業をやっておりますが、学校の管理下とは何かということが問題になるわけであります。一つは「児童及び生徒が、法令の規定により学校が編成した教育課程に基づく授業を受けているとき。」、要するに学校の教育計画に基づいて教育を受けているときということでございます。それから「前号に掲げる場合のほか、児童及び生徒が学校の教育計画に基づいて行なわれる課外指導を受けているとき。」、それから第三号では「前二号に掲げる場合のほか、児童及び生徒が休憩時間中に学校にあるとき、その他校長の指示又は承認に基づいて学校にあるとき。」、要するに学校にいるとき、学校の承認のもとで子供たちが校庭で遊んでいるというようなときに発生した事故も入っているわけであります。それから「児童及び生徒が通常の経路及び方法により通学するとき。」、通学——登下校の場合も学校の管理下としてやっているわけでございます。それから、そのほか「文部大臣がこれらの場合に準ずるものとして定める場合」というのは、寄宿舎生活中の子供たちのような者は、寄宿舎において事故が発生した場合、これは学校管理下における事故として災害の対象にするわけであります。 災害の範囲は一応次に掲げるような形になっております。一つは「児童及び生徒の負傷でその原因である事故が学校の管理下において発生したもの。ただし、療養に要する費用が二千五百円以上のものに限る。」、それから「学校給食に起因する中毒その他児童及び生徒の疾病でその原因である行為が学校の管理下においてなされたもののうち文部大臣が定めるもの。ただし、療養に要する費用が二千五百円以上のものに限る。」、それから「第一号の負傷又は前号の疾病がなおった場合において存する廃疾のうち文部省令で定める程度のもの」、第四号が「児童及び生徒の死亡でその原因である事故が学校の管理下において発生したもの又は児童及び生徒の死亡でその原因である行為が学校の管理下においてなされたもののうち文部大臣が定めるもの」、こういうようなことで、事故の発生の場所については学校の管理下における事故は対象にすると。そして、その場合の病気、災害、そういうものに対してその程度に応じて給付事業をやる、それから死亡見舞金、それから廃疾見舞金、そういうような制度を持っているわけであります。したがって、その認定については、大体政令でこの基本的な原則が決めてありますので、余りトラブルが生じないような形になっております。したがいまして、一般的にはそれぞれの県の支部でこれらの災害が発生した場合にはその認定をいたしまして、その程度に応じた給付事業を実施するというようなことをしているわけでございます。
○高木健太郎君 普通は認定が非常にめんどうなわけなんですが、めんどうなことと言えば、学校で何か頭を打ったけれどもそのときは何ともなかった、後で何とかなってくるというような場合がありますね。そういう認定というのは、やっぱり専門家がこれは認定するんですか、これは学校内で生じた災害によって起こってきた障害であるという……。
○政府委員(高石邦男君) いまおっしゃったような事例はきわめて専門的な内容に属しますので、各都道府県の支部では審査会というものを設けているわけであります。その審査会の構成員は、医者、それから弁護士、学校関係者などで構成されているわけでございます。したがいまして、学校で頭を打った、そしてそれが原因でいろんな事故が発生したと、その原因が学校管理下において発生した原因によるものであるというふうに審査会で認定されれば、その審査会の認定に従いまして給付事業を実施するというような形にしているわけでございます。
○高木健太郎君 わかりました。 もう一つ、災害がだんだん少なくなることが望ましいわけですが、これは普通の一般の保険と同じように、どれぐらいのいわゆる給付があって、どれくらいの残額といいますか、給付残額があるか、年間のその収支はどういうふうになっているんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) これは五十五年度の災害共済給付事業の状況でございます。まず、負傷、疾病につきまして申し上げます。 これは小中高等学校、高等専門学校、幼稚園、保育所がございますが、それをまとめて申し上げますと、百十八万八千四十八件。件数としてはいま申し上げた件数でございます。金額といたしましては、それに要する事業給付金額七十億円、給付率四・七八%でございます。それから、廃疾につきましては千五百三十七件でございます。これに要する金額が十三億円。それから、死亡による件数が二百四十一、これに要した金額が二十二億冊。全体で言いますと、総金額が昭和五十五年度では百五億円余りになっているわけでございます。
○高木健太郎君 そのための掛金との収支はどうなんですか。
○政府委員(高石邦男君) 五十五年度で申し上げますと、共済掛金が約百六億、それから国庫補助金が十六億八千万、それからその他雑収入を入れますと百二十一億。そして、支出につきましては百七億で、五十五年度だけで申しますと十三億九千万の繰り越しになるわけでございます。 これらの共済給付事業は各年度ごとできちっとした収支を出すというのが非常にむずかしいので、たとえば五十四年度では六億五千七百万の赤字になっております。それが五十五年度では十三億の黒字というようなことで、掛金の算定に当たりましては収支とんとんになるようにということを常に心がけながら掛金率を算定するということで、これはある程度推測の形になる点もございますので、若干年度ごとで黒字になったり赤字になるというようなことが出てくるわけでございます。
○高木健太郎君 一種の保険事業ですから非常にむずかしいことじゃないかと思うんです。願わくはその支出が非常に少ないことをお願いするわけですが、設備あるいは施設を改良すると、あるいは教育が行き届くと、そちらの方に金を回して、できるだけ直接災害の方に回す金を減らすというように努力をしていくのが今後のあり方じゃないかなと思うわけです。 また、子供によっては一般の保険に入っている子供もいるわけでしょうが、そういう場合はどういうふうに処理をされるんですか。
○政府委員(高石邦男君) これは一般の生命保険等によって入っているのは個人の掛金でやっていまして、これとこの学校安全会の給付事業は全然別個になっております。したがって、二重にいただけると——二重というと語弊がありますけれども、これは学校管理下における事業は、先ほど申し上げました基準に従って給付事業をやると、それから保険会社に入っている場合には保険会社との契約によっての給付事業が行われるということになるわけでございます。
○高木健太郎君 以上で私、学校給食会及び安全会の別々のいま質問をしてきたわけですが、最後に、まだ時間はございますが、健康会というものが今度できるわけですけれども、一番最初に申し上げましたように、法案を見た限りにおきましては、これまで二つであったものを単に並列したと、まあ悪い言葉で言いますと、数合わせにすぎないという批判もあるわけです。そういうことでは私はいけないと思います、この統合された学校健康会というものはあくまで、いままでよりもさらに大きな目的、いわゆる健康というものを目指してつくられたものであるということならば、それなりの姿なりあるいは組織なりを持つべきであると、こう思うわけです。 そこで、最初にお伺いしたいのは、この第十九条の三項に「健康会は、文部大臣の認可を受けて、前二項に規定する業務のほか、第一条の目的を達成するため必要な業務を行うことができる。」というふうにございます。私は、ここに非常に期待を大きくしているものでございます。またそうでなくてはこの健康会をつくった意味がないとさえ思っているものでございます。そういう意味では、この「必要な業務を行うことができる。」ということについて、文部省の大臣なり、お考えをおよそお伺いしておきたい。将来の抱負といいますか、ビジョンといいますか、そういうものをお示しいただきたい。そうでなければこの統合というものも無意味になるのじゃないか、こう思うからです。
○政府委員(高石邦男君) 十九条の第三項に、いま御指摘のありましたように、必要な事業を行うことができるわけでございますが、当面は、学校給食会が行ってきました学校給食用の物資のあっせんというような事業ないしは学校安全会が行ってきました事業を吸収し、統合し、運営していくわけでございますが、先ほど来先生の御指摘にもありましたように、それだけでは不十分でございますので、子供たちの健康、安全の面から給食と健康を結びつけるような事業の研究調査の事業を展開するとか、それから、それに必要な事業を展関するというようなことを考えていきたいと思っております。 なお、今後の運営につきましては、この統合を機会に、いままでこの事業の範囲内でやれなかったことを一層やっていくようにしていきたいと思っておる次第でございます。
○高木健太郎君 日本学校保健会というようなものがあると聞いております。あるいはそのほかにも、いわゆる学校の健康についてのいろいろの会があるのではないかと思うんですが、そういうものとの関連はどういうふうにされていくのか。あるいはまたもう一つは、この学校健康会の基本方針あるいは展望とか、あるいは改革、そういう論議はどこでどのようにして行われていくのか。中心がなくて、ただ二つがあるというだけでは実を上げられないのではないかと私は思うわけですが、そのことはどうでしょうか。 それから、大きな金を扱うことになるんですけれども、その監査機関というものがどうもはっきりしていないように思いますが、そういう、これら二つが統合した場合におのおのがばらばらに監査するというのではこれは全く不安定でございますので、この監査機関というものはどういうふうにされるか。 繰り返して申し上げますが、学校健康会というものの基本方針あるいはビジョンあるいは改革の論議というものはどこでどのような人たちによって、どのような機関によってこれが行われるのか。また、その監査機関はどのようになっているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほども私から一言申し上げたように、せっかく健康会というものが発足して、いわゆる給食会と安全会が統合されたのでありますから、さらに一つのビジョンを持って、あるいはまた、さらにこれがなおよい方向に発展してまいりますように、この業務の運営に関しましては、いろいろと今後なお進展が見られると思うのでありますが、そういうふうな問題はこれを運営をしていく過程におきまして、必要な学識経験を有する方々で構成されております運営審議会というものが置かれなければなりませんし、今度これを置かれることによりまして、よりよい私は理想に向かって進展していただきたい、かように念願をしておりますが、今後健康会の基本方針、展望等の業務の運営に関しまして、特に重要事項につきましてはこの運営審議会で十分検討を行っていただきたいと思っております。また文部省において、健康会の今後のあり方等についても引き続いて勉強もいたしてまいり、またいわゆる協力もしてもらわなくちゃならぬと思います。 それから、いま御指摘の膨大な資金を扱う上から申しまして、その金銭の問題等につきましては、特に監査機能というものの充実を図ってまいりますが、健康会には監事が二名ございまして、その業務を健康会自体といたしましては監査をすることに相なっております。
○高木健太郎君 時間もなくなりましたので、最後に私の意見を申し上げまして、これに対して文部大臣の御答弁をいただきたいと思います。 この学校給食会については不必要論もございまして、これは廃止したらどうだという議論さえございました。あるいはまた基本物資だけは残して、後の物資は、承認物資ですか、承認物資というのは民間に移譲してはどうだ、それでもやれるのではないかと、これが本当の行革ではないかというので修正案も出されているということは私聞いております。しかし、もちろんこれまでの給食会が上げてきた業績というのはりっぱなものであると思いますし、世界にも珍しい一つの機構であると思いますし、学校給食というようなものがそう大きな国民の負担にならないで、しかも、子供が健康に育つというのならば、これを温存して、しかも統合して今後これを発展せしめるという考え方もあるのではないか。しかし、この二つの法人がただ一緒になるということでは、私がこれまで述べましたように、健康会というものの意味はないと思います。要するに、いままでも指摘されましたようにそれは行革というものに対する一つの数合わせの対応にしかすぎない。この点は十分政府は、あるいは文部当局は考えておかれまして、そういう非難を受けないような、今後の発展がぜひ私は望まれると思います。もしもそうでなければ、この際思い切って給食会はやめてしまうというぐらいの覚悟が私は必要であろうと思うわけです。学校児童の心と体の健康ということを看板に掲げられまして、そうした以上は、今後どのようにこれをするのかということをここで改めて十分考え直される必要がある。行革があったからまあさしあたりこうしておけということではなくて、この発足と同時に十分ここで練っておかれる必要がある、これはいまここでお答えになることができないという事情もわかりますけれども、私は、国民は本当にそのことを念願しているわけですから、ここで本当にまじめにこの点をお考えいただきたいと、こう思うわけです。 またこれに対しては、先ほども申し上げましたようにそのプレーンといいますか、その審議といいますか、審議機関といいますか、改めて健康会がいかにあるべきかというような審議機関でもつくって、十分論議されて、その進むべき方向を決めておかれることが大事だと。これはなにもいまつくれというわけじゃないけれども、これは十分審議しておかれる必要がある。 その次に申し上げたいのは、規模は私は大きくするという必要——必要であれば規模は大きくしなければなりませんけれども、きわめて教育上重要な問題であるということから考えまして、できれば規模はこのままにしておきたいけれども、しかしながら、より完全な、より将来喜ばれるようなものをつくろうと思うならば、何もそういう規模にかかわる必要はないんじゃないか。いわゆる小さい政府ということが現在望まれておりますけれども、小さい政府をつくるということ、そのことが行革の目的ではないと自分は考えておるわけでございます。実は小さい政府というのは、高度成長その他によりまして、膨張したことによって生ずるむだを排除して、より効率的な政府をつくるということが私は行革の真意であると思うわけです。とかく役所というのは、パーキンソン法則というように言われるように、増すことはあっても小さくなることはない、こういう一つの傾向を持っているわけでございます。こういう点は大いに反省をされまして、むだがあるならば思い切ってそれを切って、効率のよいものをおつくりになって、しかも、この問題が重大であるならばそれに対応するだけのことをやっていただきたい。もしも、むだもないと、しかも効率的なことをやるのにはこれだけのものが要ると言われるならば、私は大きくなっても仕方がない、大きくなってもいいというぐらいの考えを持っているわけでございます。たとえば、統合するのに近くだからいいということではなくて、一つにまとめてもっと効率のよい健康会の運営を図るというようなことをお考えになってもいいのではないかということさえ考えるわけでございます。 実は健康という問題、特に小中学校における健康というのは、近い将来日本に迫っておる、あるいはもうすでに迫っております高齢化社会というものに対しまして、その医療費が現在非常に大きな問題になっております。また、働く人への負担というものが非常に増大しておりまして、とうてい働く人たちだけの負担ではこれを賄い切れないであろうというふうに現在考えられているような状態でございます。そこで、現在これに対応するのには、医療費の節減というもので医療費を切るということもございますけれども、健康な老人をつくる、そしてその職域の範囲を広げる、そしてこれによって医療費の軽減を図り働く人への負担を軽くするということが私は非常に将来を見た重大な施策であると、こう考えておるわけでございまして、そのためには、小中学校における健康の増進ということを真剣にお考えになっておく、そしてそのための経費はふえてもよいのではないか、そして老人の医療費というものが少なくなれば、それによって国費というものは十分節約のできるぐらいの大きさになり得ると私は思うわけでございます。だから、これによってかえって国民の支出は、あるいは政府の支出は軽減するのではないかとさえ考えるのでございます。 この意味におきましては、現在学校健康会というものをおつくりになった機会に、これはただ文部省だけの問題ではございません。厚生省もございましょう、あるいはまた建設省も、あるいは農林関係もございましょう。各省にまたがった関連の一つの作業であると思います。そういう意味では、また有識者にも御相談をいただきまして、そういう知能を集めて、本当の意味の統合された健康会というものをこの際つくっていただくように真剣な努力をひとつしていただきたいと思うのが私の考え方でございます。私は、単に小さく切っていこうとするのではなくて、いいことであるならば、そして将来的に見てそれが国家の支出の軽減につながる、国民の負担の軽減につながるということならば大いにやっていただきたいというのが私の考え方でございます。 以上、私これで質問終わりますが、もし御感想があればひとつ大臣の御決意をこの際伺っておきたいと存じます。
○国務大臣(田中龍夫君) この健康会の諸問題につきまして非常に詳細にわたっていろいろ御検討をいただき、御論議をいただきましたことをまず厚く御礼を申し上げます。 先生が言われるごとくに、この学校給食という問題については、臨調等によって、あるいはこれを民間にどうこうとかというようないろんな意見も出ておることは御案内のとおりでございますが、しかしながら、いまの健康会というものが持っております意味もまたじっくりとかみしめていかなければならないと思うのであります。というのは、先生ただいまおっしゃったように、この給食並びに健康会のようなこういった制度というものは、世界的に見ましても非常に私は特殊な今日までの発達と、それから今後の理想を持っておると、こういうふうに考えております。 なおまた、学校それ自体の問題、学校教育の問題だけでなく、やはり母と子供、あるいはまた働く女性の方々のいろいろな環境、そういうものを考え合わせてみますと、この学校給食なりあるいはまた健康会というものは、それなりに、私いろんな意味を持っているとも考えます。 そういうことから、ただいまお話しのようなこの健康会の今後の運営につきましては、私どもはこの中に審議会を設けてありますので、これによって十分今後の運営その他改革についても検討する、こういうふうな考えでございますが、先生のさっきの御意見は、健康会の外に審議会のようなものを設けていくというような御意見のようにも拝聴いたしますが、何はともあれ、これから生まれてまいります健康会というものについて、本当に真剣に、よりよいものをつくるという意味において、まじめに検討して進んでまいりたいと、こういうふうに考えております。 財政の必要から小さい政府という、こういうふうな議論もございますが、それは財政当局としてのお考えはそれなりにあると思いますが、われわれ子弟の教育、文教をお預かりするものといたしましては、おのずから別個の立場から本件につきまして取り組んでまいりたい、こういうふうに考えておりますので、よろしく御協力をお願いいたします。
○高木健太郎君 終わります。
○委員長(片山正英君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 午後一時から再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野明君 私は、きょうは青少年非行、それから校内暴力問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 最近の新聞で青少年非行あるいは校内暴力の記事が載らないことは珍しいくらいでありまして、昨日の新聞を見ましても、横須賀の中学校で十五歳の中学校の三年生三人が教師に乱暴をして逮捕されたと、こういうふうに報道をされておるわけであります。このように青少年非行、校内暴力というのが最近は大変激増をしてまいったように見ておるわけでございますが、これはかなり以前から教育問題あるいは社会問題としてどう対処するかということが問われていると思うんでありますが、まず初めに、大臣のこの問題に対する御認識なり御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) この非行問題に対しましては、われわれが、特に五十五年、五十六年というような最近になりましてから激増をいたしておるということにつきましては、非常に心を痛めておる次第でございまして、何とかこれに対する対策を早急に講じなけりゃならぬ、かように考えておりますが、この青少年の非行というのは結果でありまして、よって来る原因があるわけであります。その原因が那辺にあるかということでありますが、校内暴力というような問題でございますから、当然教育関係のわれわれのところで起こった問題であるということでございます。 しかしながら、その原因というものは、必ずしも私ども教育を担当いたす者の責めに帰するだけで済むものではないのではないか。あるいは家庭の問題でありますとか、あるいは環境の問題でありますとか、あるいは周囲のいろいろな問題によります導入でありますとか、さらにあるいは麻薬とかなんとかいったような問題にまでもその原因があるかもしれません。そういう問題につきましては、私どもといたしましては、自分の所管の関係以外にも、あるいは警察当局、あるいは厚生省、あるいはその他関係方面とも連絡をとりましてこれが処理に当たらなきゃならない。そういうふうな非常に総合的な観点に立って考えますと、そういう理由から、内閣におきましては、総理府に関係各省庁を統合し連絡調整するという意味合いから青少年対策本部というものを設けましてこれが処理に当たっておるのもその理由でございます。しかし、文部大臣といたしまする自分の所掌の関係におきましては、学校管理あるいはまた指導の面に当たりましては、なお一層の努力と反省をいたしつつ、これが正常化を念願してやまないものでございます。
○小野明君 大臣の言われますように、青少年非行一般の問題と校内暴力と、私はこの二つのとらえ方をしてお尋ねをいたしたわけであります。ただ、このとらえ方というのはいずれも相関関係にありまして、いわゆる社会問題化しておるのが現状であると思います。大臣の言われますように、あるいは警察であり、あるいは厚生省がかかわり、あるいは内閣全体としてかかわらなければならぬ、対処しなければならぬ問題でもありますが、校内暴力と、こういった場合には、やはり大臣、第一義的には文部省がこれにどう対処するかと、この原因を究明してまいる。いま言われるように単純な原因だけではありませんで、複合汚染みたいな状況、原因が絡み合っていると思うんでありますが、この校内暴力については、やはり文部省としましてこの原因を探求し、対処してまいるということが必要なんではないか。これを総理府に設けられておる青少年対策本部に全部おんぶすると、こういうことではいけないんではないか。文部省としてどうこの原因を分析し、対処してまいるかという積極的な方針があってしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) 文部省におきましては、先般も、校内暴力等の顕著な非行事件につきましては、各都道府県教育委員会に報告を求めましてその分析を行っておりますが、さらにまたそういった事例集も取りまとめたところでございます。また、文部省に置かれております社会教育審議会でありますとか、総理府に置かれております青少年問題審議会などでは、学識経験者や関係者の方から青少年問題に関する意見を承ったところでございます。後ほど担当の者から申し上げますが、これらの研究の成果でありますとか、あるいは各界、各方面の御意見を十分に参考としまして、さらにまた関係省庁と密接な連携をとりながら青少年の健全な育成に一層の努力を傾注してまいる、特に学校におきまする管理の面、指導の面につきましてはわれわれの責任としてこれに対処しなけりゃならない、かように存じておる次第でございます。
○小野明君 警察庁お見えと思います。 昨日四日、全国警察本部長会議が持たれておるようでありますが、警察庁に全庁的な取り組みとして少年非行総合対策委員会というものが設置をされたようであります。委員長は、報道によりますと警察庁次長の下稻葉さんが当たられるようでございます。少年非行対策に全力を傾注すると、こういう方針のようでありますが、これに至ります経緯といいますか、最近の青少年非行あるいは校内暴力等、この案件の発生状況等を当然お調べの結果であろうと思いますから、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(谷口守正君) まず、少年非行の状況でございますけれども、現在戦後第三のピークにあると言われております。具体的に申し上げますと、昨年の場合、刑法犯少年の補導人員が十六万六千七十三人でございます。この少年の千人当たり人口比が十七・一人というような状況になっております。全刑法犯の検挙人員中に占める少年の割合が四二・四%というような状況で、いずれも戦後最悪を記録したというようなことでございます。このような傾向がことしに入りましても残念ながら依然として続いておるということでございます。 で、ことしに入りまして九月までの状況を申し上げますと、刑法犯少年の補導人員が十二万七千三百八十四人でございまして、前年同期に比べまして実に一一%増加しておるということでございます。その結果、全刑法犯検挙人員中に占める少年の割合も四三・九%というような状況になっておるわけでございます。つまり、十人犯人を検挙いたしますと、そのうちの四人強が少年であるというような状況になってきておるわけでございます。これを年齢別に見ますと、一番増加率の高いのが十四歳でございます。前年同期に比べまして実に二〇・二%の増加というような状況でございまして、低年齢化の傾向がいよいよ顕著になってきておるということでございます。また、最近御案内のとおり、通り魔殺人事件などを初め各種のこういった少年の凶悪事件が多発しておるということでございまして、罪種別に見ましても、凶悪犯が七・七%、それから粗暴犯が一六・七%といずれも増加しておるということでございます。 問題になります校内暴力事件でございますけれども、ことしの上半期の状況がわかっております。私どもが把握いたしましたものだけでも八百七十六件でございます。前年同期に比べまして四四・七%も増加しておるということでございます。この中でも特に問題になりますのが、何といっても教師に対する暴力事件だと思うわけでございますけれども、これが上半期で二百八十一件発生をしておるということで、昨年同期に比べまして倍増というような状況になってきておるわけでございます。 そういうような最近の質量ともにまことに憂慮すべき少年非行にわれわれとしては対処しなければならないわけでございますが、ただいま大臣からもお話がございましたように、警察はその一部門を担当しているわけでございます。つまり、街頭補導活動を強化いたしまして非行少年を早期に発見する、そして補導する、健全育成を図っていこうというようなこと。それから、少年を取り巻く環境、これが残念ながら余りよいとは言えないわけです。こういった有害環境を少しでもよくしていく浄化活動。それからさらに、少年の福祉を害する犯罪、つまり少年を食い物にするようないろんな犯行が行われておるわけでございます。こういったものに対して厳しく取り締まっておる。こういったいろいろな活動を私どもとしましては積極的に推進しておるということでございます。ただ、昨今のような情勢を踏まえまして、特に次の諸点につきまして力を入れて進めてきております。 まず第一に校内暴力、いわゆる番長グループとか暴走族、そういった集団による凶悪粗暴事犯が多発しておりますので、これに対して検挙、補導する、しかも集団そのものを解体する、そして事後対策の徹底を図ってまいりたいということでございます、 それから第二には、最近特に生徒非行が増加しておるわけでございます。ことしの九月までの状況を見ますと、刑法犯少年で補導いたしました者のうちの実に七六・八%、約四分の三が生徒非行でございます。そういった状況を踏まえまして、いままで以上に学校あるいは教育委員会との連携強化を図ってまいりたい、こう思っておるわけでございます。 それから第三に、やはり地域社会の問題もございますので、地域ぐるみの非行防止対策、これを積極的に推進してまいりたい、こう思っておりますし、特に少年補導員という制度がございます。これは民間のいわゆるボランティア活動でございますけれども、この制度を効果的に運用する。また、少年相談を充実強化いたしまして、少年、保護者からのいろいろな悩み事、これの解決に努めてまいりたいということでございます。 それから第四は、先ほど申し上げましたように、有害環境がいよいよ度が進んでいるというように考えられますので、こういった有害環境から少年を守るために、各種法令による取り締まりを強化してまいりたいと思っておりますし、関係業界の方々に対しまして自主規制をお願いする。また住民の方々の地域活動、これをお願いするというようなこと。以上四つの点につきまして重点を置いて進めておるところでございます、 そういうことでございますけれども、警察の部内、少年警察はもとよりでございますけれども、いろんな部門がある。それが相互にやはり連携協力しなければこれに対処できないということでございます。そういうようなことで、常々部門間の連携について各県警に対しまして強く指示してきたところでございますけれども、警察庁といたしましても、やはり少年非行防止に関する基本的対策につきまして、幅広くかつ長期的な展望に立って推進するためには、庁内挙げてこれに取り組む必要があるということになりまして、先生御指摘のとおり、このたび警察庁次長を委員長とし、副委員長に局長クラス、関係課長を委員にしました少年非行総合対策委員会というものを設置いたしまして、少年非行の問題につきまして全庁的に取り組んでまいりたい、こう思っておる次第でございます。昨日の全国警察本部長会議におきましてもこの点につきまして説明し、またこれを受けまして、すでに各県警察においても同じような組織をとっているところが多いわけでございますけれども、県警挙げてこの少年非行防止につきまして取り組んでいくよう指示したところでございます。
○小野明君 概略の御説明でよくわかりました。驚くべきことは、いまお話になりました中で、校内暴力事件が八百七十六件、四四・七%増という数字を挙げられました。さらに教師に対する暴行については倍増しておるんだと、こういう御説明であります。校内暴力事件の主たるものといいますか、この八百七十六件、四四・七%増と、こういう事件の内容の特徴的なもの、あるいは教師に対する暴行、その原因となるもの、これらがおわかりでしたら御説明をいただきたいと思いますが、おわかりでしょうか。
○政府委員(谷口守正君) 校内暴力事件のうち、特に問題になります教師に対する暴力事件の特徴点といいますか、傾向について御説明申し上げたいと思います。 この大部分が中学校で発生しておるということでございます。九五・一%が中学校発生にかかるものでございます。 ここで特徴点を挙げてみますと、まず第一に、犯行の手段、方法がきわめて凶暴化している。しかも重大な被害を及ぼすようなケースが目立ち始めておるということでございます。鉄パイプ、竹刀などで先生を殴るというようなこともありますし、ごく最近の例では犬の鎖、これで先生の首を絞めるというようなこともございましたし、また先生の食事の中に薬を入れるというような陰湿な態様のものも起きておるということでございます。 それから第二は、これらの事件の大部分がいわゆる番長グループによるものでございますけれども、そういった番長グループの背後に卒業生の元番長だとか、あるいは暴走族だとかあるいは地域不良グループなどが存在しておるということでございます。 それから第三に、生徒自身の問題でございますけれども、やはり授業についていけないという者が多いわけでございます。家庭的にも放任あるいは逆に過保護の生徒が事件を引き起こしておるというようなことでございます。 それから第四に、地域的に見ますと、従来は大体都市部が多かったわけでございますけれども、最近は、農村であろうと漁村であろうと、もう全国至るところで発生しておるというようなことがありますし、また、時期的に見ましても、卒業時期に限らずもう一年じゅう発生しておるというような点でございます。
○小野明君 いま先生の食事の中に薬を入れるという御説明がありましたね。その薬というのはどういうものですか。
○政府委員(谷口守正君) 東京で起きた事例ではいわゆる下剤ですね、これを投入したということでございます。
○小野明君 それは教師が知っておれば食べませんわね、そういうものは。知らない間に入れると、そういうことでしょうかね、それは。
○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございます。先生は全く知らなかったということでございます。
○小野明君 そうしますと、以前は都市が中心でありましたけれども、いまは農村でも広がっておる。そうすると、全国の主として中学校に多い、中学校が九五%というお話がございましたが、全国の中学校で、どの中学でもそういう事件が起こる要素を持っておる、どこの中学でそういう事件が起こっても不思議はないような状況だ、こういうように見ておられるんでしょうか。
○政府委員(谷口守正君) 全国に中学校というのはたくさんあるわけでございますけれども、大部分の中学校は、先生あるいはPTAあるいは生徒自身お互いに協力し合ってというわけでもございませんけれども、こういった校内暴力が起きないような教育が行われておるということだと思うんです。私どもとしましては、学校側からの通知に接してそして事件処理をするというようなことでございます。あくまでも例外的なケースであると言って差し支えないと思います。
○小野明君 先ほど部長がお話しになりました、あくまでも教育という見地を一義的に考えて対処されておる、こういうふうに御説明になったと思いますが、そのとおりでございますね。
○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございまして、校内暴力の問題につきましては、本来やはり学校当局の生徒指導によりましてその未然防止を図るということが望ましいと私どもも考えておるわけでございます。ただ、教育の限界を超えるような事案が最近残念ながら多くなってきておるわけでございます。そういう意味で、私どもといたしましては、学校、教育委員会などと緊密に連携をとりながら、まずその事案の未然防止に努めるということでございます。不幸にしてそういう事案が発生した場合につきましては、関係生徒の適切な補導あるいは事件の再発防止、そういった点につきまして所要の措置を講じてまいる、こう思っておる次第でございます。
○小野明君 私がお尋ねしましたのは、やはり学校側の要請といいますか、そういうものがあって初めて警察が対処をする、こういう捜査のやり方といいますか、事件に対するかかわり方をされておるのでしょうかということをお尋ねしたわけです。
○政府委員(谷口守正君) 先生御案内のとおり、警察としましては、違法状態が認知された場合にはそれに対応して適切な措置をする、捜査をするということになるわけでございます。 で、校内暴力問題につきましても、その発生したことにつきまして学校側から御連絡をいただくという場合もありますし、それから、被害にかかった生徒あるいは父兄の方から御連絡をいただくという場合もありますし、いろいろな形で入ってくるわけです。で、その校内暴力につきましていろいろなケースがあると思いますけれども、それに対応した私どもとしては措置をとりたい、こういうことでございます。
○小野明君 私は、校内暴力と申し上げたのは、もっと小さな意味で学校内で起こった場合にはと、こういうふうにお尋ねをいたしたわけなんですよね。その場合は警察の対処の仕方というのは、まあ普通一般捜査の場合は犯罪ありと見れば捜査に入ると、こういうことでしょうけれども、校内で起こったこういう事件というものについては、学校の処置というものを第一義的にお考えなのでしょうかということをお尋ねしておるわけです。
○政府委員(谷口守正君) 先ほどお答え申し上げましたように、校内暴力はもとよりでございますけれども、学校内でのいろいろな問題につきましては、当然のことながら学校当局の生徒指導によって適切に行われておるわけでございます。ただ、その教育の限界を逸脱するような問題につきましては、警察としては学校側ともよく連絡をとりながら適切に措置を講ぜざるを得ないということでございます。
○小野明君 先ほどから非常に凶悪犯、粗暴犯がふえておると、こういうことなんですが、このいわゆる番長グループあるいは暴走族と、これらにかかわっては、市中の暴力団等と関係があるというようなケースがございますか。
○政府委員(谷口守正君) 先ほど校内暴力の特徴点でちょっと申し上げましたけれども、やはり大部分がいわゆる番長グループによって校内暴力事件というのが起きるわけでございます。ただ、まあその背後に暴力団が介在しているといいますか、関与しているという場合も時たまあるということでございます。 で、暴力団と少年非行全般についての数字はあるわけでございますけれども、それをちょっと申し上げますと、昨年の場合、刑法犯少年として補導いたしましたのが、先ほどお答え申し上げましたように約十六万六千人でございますけれども、そのうち暴力団の構成員として把握いたしておりますのが約二千三百人でございまして、総数の一・四%を占めておるというような状況でございます。
○小野明君 それはきわめて重大なことですが、十六万六千七十三人というふうに刑法犯で補導された者がございますわね、昨年。その中で暴力団に組み込まれているのが二千三百人ということですね。その年齢層はどれぐらいになるんでしょうか。
○政府委員(谷口守正君) 刑事責任を追及できますのが十四歳以上でございます。ただ、暴力団の構成員としていろんな犯罪を敢行するという者は、やはりどちらかというと年長少年というようなことで十八歳、十九歳というような形になろうかと思います。
○小野明君 そうしますと、二千三百人という数字は、これは十八歳以上の青年ということでしょうか。
○政府委員(谷口守正君) おっしゃるとおりでございまして、いわば年長少年の類に属するあれでございまして、先生のお尋ねの校内暴力と暴力団との関係という意味では直接その示す数字ではないと、こう思います。
○小野明君 そうしますと、その中学生ですね、十七歳ぐらいまでですわね。その中で暴力団に組み込まれておるというような例はほとんどないわけですか。
○政府委員(谷口守正君) 中学生の段階では暴力団構成員として把握するという例はないと思います。ただ、いわば暴力団予備軍的な者がいることは否めない事実だと思います。
○小野明君 次に、総理府にお尋ねをいたします。 青少年対策本部で「欧米諸国の少年非行とその対策に関する研究調査」というものが発表されておりますが、きのう私はそれをいただきました。だから全体を読む暇がありませんで、概要だけを読んでみたわけですが、この青少年対策本部で発表されたものの概要について説明をいただきたいと思います。
○説明員(佐野眞一君) 総理府青少年対策本部では、学識経験者に委託いたしまして、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランスの少年非行の現状と対策につきまして資料調査により取りまとめ、先般発表したところでございます。 この研究調査の結果の概要を申し上げますと、まず、青少年非行全般の状況を見ますと、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランスとも近年青少年非行が急速な増加の傾向を示し、大きな問題になっています。アメリカ、イギリスでは、この十年間に五割近い増加を示しており、フランスでもこの二十年間に四倍以上増加し、西ドイツでも増加の傾向を見せておるところと聞いております。 非行の原因としましては、家庭の崩壊、貧困、失業、人種問題、経済発展のひずみなどが各国において指摘されておるところでございます。非行の対策といたしましては、警察の補導活動の充実、警察と学校の連携、ボランティア活動の活用、非行少年処遇制度の改善などがとられていると聞いております。 欧米各国における校内暴力の状況を見ますと、アメリカ、イギリス、フランスにおいて校内暴力が大きな問題になってきており、中でもアメリカにおいて深刻化していると言われております。アメリカでは、一九七六年には全国の学校の八%、約六千七百校に当たりますが、で校内暴力が深刻化し、一ヵ月間に約五十二万五千件の暴力事件が中学、高校で起こり、中学、高校の生徒の七十五分の一、約二十八万人、それから中学、高校教師の二百分の一、約五千二百人が暴行を受けているものと見られております。しかしながら、五年ぐらい前から発生件数は横ばいの状態にありまして、現在減少の兆しさえ見られていると報告されております。 校内暴力の対策としては、学校長を中心とする規律統制の強化、安全錠、警報装置などの安全保障装置の設置、保安要員によるパトロール、組織の改革、親の参加や地域社会との連携の強化などの措置がとられていると報告されております。 以上、概要でございます。
○小野明君 警察庁もういいですよ。 概要を私読みまして、この中で二、三お尋ねをしたいことがあるわけです。少年非行全般の概況の中で、警察の補導活動としての少年警告呼び出しカードの事例と、こういうのが概要の中にありますね。これはどういうシステムでやるわけですか。
○説明員(佐野眞一君) これは資料から推定するところでございますので、具体的に細かい点まではわかっておりませんが、いわゆるそういうカードがつくられておりまして、これは全米的にという意味ではございませんが、そういう地区があるということでそういうカードがつくられておりまして、何か青少年に非行などがありますと、このカードに基づきまして少年あるいはその関係者を呼び出し事情を聴取すると、それを記録していくというシステムと承っております。
○小野明君 そうすると、これは何か事件を起こした少年が登録をされている、あるいは事件を起こした者はこの呼び出しカードに登録をされると、そういうシステムでしょうか、これは。
○説明員(佐野眞一君) もう少し具体的に申し上げますと、これはテネシー州のナッシュビル首都警察がやっておる対策だそうでございまして、少年警告呼び出しカード、またはカードが何かピンク色に塗ってあるそうなのでピンクカードとも呼ばれておるそうでありますが、要するに何らかの非行を行った少年、主に初犯者の少年を呼び出すのが主たる目的と聞いておりますが、これを何らかの非行を犯した少年の父兄に対しましてこれを呼び出しまして、少年指導呼び出し助言者というものと接触するように指示する。結局助言者は、父兄及び少年と電話または面接、話し合いのいずれかの方法でその少年の起こしました非行を解決するというふうな方法がとられたものと承っております。
○小野明君 それから、同じくイギリスの例ですが、内務大臣から議会に提出された犯罪青少年白書が、これは「裁判所に広い裁量権を持たせ、拘束と非拘束の合理的選択をさせる方向を打ち出している。」と、こういう説明がされているわけです。これは、内務大臣といいますと日本で言えば自治大臣、国家公安委員長みたいなものですかね。日本の場合は青少年白書というのを毎年出しておられますが、そういう裁判所に広い権限、裁量権とか、そういうものを与えるものではないですね、ただ、現状報告といいますか、あの青少年白書を私は読みましたが、これはデータの収録にすぎないと言ってしまえばそれまでの話ですが、余り対策として参考になるものは挙がっていない。ところが、このイギリスの場合は、この青少年白書を議会に提出をして、そしてこういう効果を持ってくる、拘束力を持ってくるということになれば、これは日本においても総理府から出す青少年白書の効果というものもさらに大きくなってくるんではないか、こういうふうに思われるんですが、この犯罪青少年白書というものの、イギリスのこのものの効果といいますか、拘束力といいますか、そういうものはどういうふうになっているんでしょうか。
○説明員(佐野眞一君) あくまでも手元にございます調査結果に基づくものでございますが、これによりますと、この青少年白書は一九八〇年十月に出されたわけでございますが、別に法的拘束力があるわけではございませんで、あくまでも内務大臣から提出された一種の報告書でございます。拘束力が法的にあるというふうな種類のものでないように承っております。そして、この報告書でもいわゆる裁判官に広い裁量権を持たせようというふうなことは述べておりますが、と同時に同じ白書の中に、「これらの問題への対応は、先ず家庭がやるべきことであると警告」を付加しておるというふうな慎重な配慮がとられており、現在この青少年白書に基づいて裁判所に広い裁量権などを持たせたか否かについては、いまの段階では判明いたしておりません。
○小野明君 しかしこの概要には「裁判所に広い裁量権を持たせ、拘束と非拘束の合理的選択をさせる方向を打ち出している。」と、こういうふうにありまして、いわば日本の青少年白書に比べて非常に効果的な対策を打ち出しているように思うんですよ。ですから、「裁量権を持たせ」云々というところは非常に私は大事だと思うんですが、それはどういうふうに理解しておられるんですか、そこのところは。
○説明員(佐野眞一君) このイギリスで出されました青少年白書も、あくまでこれは白書でございまして、いわゆる一種の勧告あるいは報告という性質のものと理解せざるを得ないわけでございます。わが国の青少年白書も近く年内には一番新しいものが出されるわけでございますが、国情の違いもございますが、それぞれの立場におきまして、現状とその対策というものについての一種の提言なども含んでおるわけでございます。ただ、イギリスの場合と日本の場合の違いは、日本の場合は青少年白書がおおむね毎年一回発行されておりまして、主として現状の報告というふうな形がとられておるわけでございますが、この一九八〇年十月のイギリスの青少年白書の場合はそのような性質のものとは若干違っておりまして、もともとがイギリスでは、一九六九年に児童及び少年法の改正を行いまして、この改正は非行少年を施設に収容し、拘束して改善するのではなく、地域社会に置いたままいわゆる社会内処遇を中心とするという切りかえが実は行われたわけであります。それに対する反省として一九八〇年に出された白書という、そういう歴史的な性格の違いがございますので、その提言内容が多少異なったというふうに理解してよいかと考えます。
○小野明君 日本の青少年白書も毎年一回こういう分厚いものが出されておるんですが、有効なのは現状分析だけは私は有効なように思います。ですから、少年法改正等を前提にせいというわけではありませんが、総理府から出されるとするならば、現状分析にとどまらず、やはりこういった有効な対策、施策というものを含んだものを出してもらいたいと、こういうふうに思います。これは私の意見です。 その次に、フランスの場合ですね、これは司法大臣を長とする暴力・犯罪・非行研究委員会ですか、これは犯罪・非行の予防対策に関する提言を行っておると、こういうふうに書いてありますが、この中に「暴力を助長するテレビ番組や映画を規制すること」「アルコール中毒を積極的に予防すること」云々と、そういうのがあるんですよね。そういうふうに説明がつけられております。これは、日本で言えば法務大臣を長とする暴力・犯罪・非行研究委員会というものが提言をしておるわけで、この中で「暴力を助長するようなテレビ番組や映画を規制すること」というのは一体どういう方法でこれはやっておるんでしょうか。これはフランスですね。
○説明員(佐野眞一君) お尋ねのフランスの暴力・犯罪・非行研究委員会なるものは、一九七六年四月に、当時の司法大臣アラン・ペイルフィット氏を長として設立されまして、これは十六ヵ月間に及ぶ協議を遂げて、一九七七年七月に「暴力に対する回答」と題する報告書を公表したわけでございます。全部で百五項目にわたるというものでございますが、その中の一つといたしまして、ただいまお尋ねの「マスコミ対策」という項目がございます。第四十一項でございますが、それによりますと「暴力を助長するテレビ番組や映画を規制すること」「前項の目的のために各テレビ・チャンネルごとに放送番組編成諮問委員会を設置すること」というふうな規定がございます。しかしながら、遺憾ながらこの調査結果は、この報告書が現在どのように実施されているかについてはまだ触れておりませんので、実態について現在ここでは判明いたしておりません。
○小野明君 あなたは参事官としてこの青少年問題の専門家ですわね。それで、これを日本の場合に当てはめるとすれば、暴力を助長するテレビ番組や映画を規制する、これには番組審議会というものがもちろんそれぞれあるわけですからね。この件についてのあなたのひとつ御意見を伺いたい。
○説明員(佐野眞一君) 青少年非行、なかんずく青少年の暴力非行につきまして、これがいかなる原因によって発生するかにつきましてはいろんな考え方がございます。現在、総理府青少年対策本部におきましては、「青少年と暴力」というテーマで、青少年の非行のうちの暴力非行につきましての実証的な研究を現在続けておる最中でございます。並びに、これといわゆる情報化社会と言われますが、マスメディアを中心とする情報と青少年非行あるいは青少年の育成というものとのかかわり合いにつきましてはいかなる関連性があるのかにつきまして、現在やはり「青少年と情報化社会」というテーマで実証的な調査を続けておる最中でございまして、これら二つの調査結果を見た上でそのような問題については慎重に考えたいと考えております。
○小野明君 次に、校内暴力の問題に入りますが、アメリカの場合ですが、校内暴力の主たる要因としては次のようなことが指摘されておるということで、ア、イ、ウと挙がっておるわけです。その中で非常に私も関心を持っておりますのは、校内暴力の主たる原因ですから、その中に「学校側の要因」として、「生徒のニーズや関心に適合した教育課程」、カリキュラムの編成という意味だと思います。なお、学校規模の問題というのが「その他の要因」で挙げられているわけです。これらは原因として指摘されているだけなんでしょうか。日本の場合にもこれは当てはまる私は要因になると思うんですが、これはどういう機関でこれがアメリカの場合は指摘されているのか、そしてこれの有効性といいますか、効果というのはどういう法的な効果を持っておるのか、それをひとつ御説明いただきたいと思います。
○説明員(佐野眞一君) 校内暴力の背景、あるいは原因あるいはその対策というふうなものにつきましては、いわゆる私どもで委託いたしました研究会の方で集めました資料、これは各種資料があるようでございますが、それらを総合して、その中から選び出して体系的に並べたというふうな形で報告されております。そういうような形でできたものを要約したものというふうに考えております。また、したがいましてその基礎となりました調査資料も、各種アメリカにおける研究所などのばらばらに報告されたものを集めておる結果でございますので、それぞれの報告書にどのような法的効果があるかというふうな種類の性質のものではないというふうに承っております。
○小野明君 そうすると、日本の青少年白書みたいな現状分析になっている、こういうふうに理解してよろしいですか。
○説明員(佐野眞一君) 日本の青少年白書は、御存じのとおり、国家機関であります青少年対策太部が作成しておるいわば公的な刊行物でございますが、アメリカで報告されましたこの報告書に使われました資料は、そのような公的なものにとどまらず、むしろ私的な研究機関などが集めた、あるいは研究した資料などいろいろなものを総合して、こちら側で、日本側の研究者が整理統合したというものでございます。
○小野明君 そうすると、アメリカの校内暴力については、政府機関としては何らこういう問題については検討されておらぬということですか。
○説明員(佐野眞一君) 私どもでは、現在この委託した結果、研究者がまとめました報告書に基づいてのみお答えする限りでございますが、この研究書による限り、先生御指摘のような連邦政府の明確な統計資料というものが挙げられておりませんので、この資料には少なくともそれが挙がっていないということは言えると思います。 主としまして、今回のこの調査報告書の中心になりました資料、各種使っておりますが、特にその中でも中心になりましたものは、全米の約四千の公立小学校、中学校、高等学校の校長に、郵便により一九七六年二月から一九七七年一月までの間に問い合わせをいたしまして各種の校内暴力その他の報告を受けたもの、それから全国的に各地を代表する六百四十二の公立小学校、中学校、高校を、アメリカの——私的な調査機関もありますが、調査機関が現地調査したというふうなもの、さらに十校をその中から選んで集中的に調査したというふうなものを主体にしたものでございまして、これにさらに一九七五年に国立教育統計センターが、NCESと言っているようでありますが、行った調査から得られたデータを加え分析したものが中心になっております。
○小野明君 そうすると、現場からのレポートあるいは現場教師の報告というようなものを民間の機関でまとめたと、こういうことですね。それで非常に政府機関が発表したものよりも的確なものが挙がっているように私も思いました。 イギリスの例ですが、これは教師たちの自衛措置として教師たちによる「授業拒否」というのが挙がっていますね。それと「教師傷害保険の創設」というようなことが挙がっています。これは、イギリスは教員組合はたしかストライキ権があると私は思いますが、自衛措置として教師たちによる授業拒否、これはどのようにして行われるわけでしょうか。
○説明員(佐野眞一君) この報告書による限りでございますが、校内暴力などに対する教師たちの一種の自衛措置と思われますが、授業拒否という方法が一つとられた例があると、これが徹底したものの一つでございますが、教師に危害を加えるおそれのある生徒のいるクラスの授業はしないという授業拒否宣言を出すのだそうであります。例といたしましてこの報告書に挙げられたものとしましては「ロンドン市内の学校の教師たちは、自分たちの学校に、かつてナイフで刺傷事件を起こした生徒と強姦未遂を起こした生徒が十人もいることに対し、これでは自分たちの生命が危険であり、」というふうなことから授業拒否の決議をしたというふうな形がとられております。また「教師たちは、所属の教員組合のロンドン支部にこの決議を支援してくれるように求めた。」というふうな方法がとられているようであります。
○小野明君 この教師たちの授業拒否というのは、これは自衛措置として認められているわけですね、イギリスでは。
○説明員(佐野眞一君) 私の方ではこの報告書にある限りでございまして、事実としてそのような事実が行われたということはここに記載がございますが、それが法的にどのようになっているかについては記載がございませんし、私自身判然といたしておりません。
○小野明君 まあそういうことならば、レポート、資料によるものを整理したということだけならば、これは全く意味がないものを発表したと、こう言わざるを得ないわけでして、そうするとあなたの方としては、青少年対策本部としてはこういうものが実際どのように行われているのか、あるいは「教師傷害保険の創設」ということも挙がっておるんだが、こういうものは実際どのように運営されているか、そういう青少年対策本部としての立証といいますか、検証といいますか、そういうものがどのようにイギリスでは行われているかを明確にしなければ、ただこれは絵にかいたもちに等しいんじゃないですか。
○説明員(佐野眞一君) 今回のこの調査につきましては、限られた予算の範囲内で実は行ったものでございまして、この調査の目的自体は、先進四ヵ国のあらゆる青少年非行及びそれに対する対策の詳細に至るまでをも調査を遂げるというのはいささか困難でございまして、これを徹底いたしますと一ヵ国だけでも相当な日数と予算を要するわけでございますが、今回の場合は御案内のとおり、わが国で少年非行が激増の折でございますので、緊急に、ともあれ先進四ヵ国の青少年非行の状況のアウトライン及びそれに対するとられている何らかの対策、そういうふうなもののアウトラインを知ろうという目的で出されたものでございますので、御指摘のとおり、若干突っ込み不足の点もございますけれども、いわゆるイギリスにおいて少なくとも教師たちの自衛措置としては、いま御指摘のありました授業拒否決議宣言とか、教師傷害保険をつくって自衛するというふうなことも行われているという事実を紹介するにとどめているわけでございます。
○小野明君 それはこの研究報告書を発表するに当たって、最後に、本件問い合わせ先、総理府青少年対策本部調査係五八一−二三六一内線の何ぼと、こういうふうにどこに問い合わしてくれというようなことまで書いてあるわけだよね。そうして、それなら私がこれについてはどうですかと問い合わせて、それが実際どのように行われているかわかりませんと、そういう頼りないものだったら——これはやらぬよりはやった方が、発表した方がいいかもしれぬ。しかしこれらを、西欧四ヵ国が実際に校内暴力あるいは少年非行についてどのように正面から取り組んでいるかということを知るためには、これは当然それらの実態を正確に把握するための予算要求といいますか、事実関係を明らかにするための調査研究をなさってしかるべきではないか、予算要求をしてよろしいんじゃないか、こう思いますが、あなたの方でこれらの裏づけというものについてそういう措置をおとりになっておるんでしょうかね。
○説明員(佐野眞一君) お手元にお渡ししてございますこの報告書をお読みいただきますと、まあおしかりを受けましたような若干突っ込み不足の点もございますが、事実関係としてこのような自衛措置がとられ、このような対策がとられているという点につきましてはかなりの具体性を持って記載がしてございます。 それから、いわゆるこの続編といいますか、さらに詳細な調査報告をどうするかという問題があるわけでございますが、私どもといたしましてはいまのところこれを発表し、しばらくこの調査結果の反響を見た上で、さらに各種の要望あるいは批判などを検討し、今後さらにこれを、詳細な調査をなすかなさないかをいずれ決したいと考えておりますが、いまの段階におきましては発表いたしたばかりでございまして、先月の十月二十七日発表でございまして、現在その影響がどう出るのか、どのような点に各界のニーズがあるかなどを探っている最中でございます。
○小野明君 その反響次第でどうやりますというようなことではなくて、先ほどはあなたも警察庁の保安部長が説明をされておりますことをお聞きだったと思う。警察庁としては各県の警察本部長会議まで開いて、そうして次長が本部長になってこの青少年非行、校内暴力という問題をメーンのテーマとして全力を挙げて取り組む、これほど重大な対策を迫られる事態になっているわけですよね。あなたの方もこういう資料を出して、そしてその反応を見るというような手ぬるいことではなくて、これは国家危急の問題であるということで、この青少年非行、校内暴力問題を真っ正面から取り上げて各国の対応、実態、それらを調べ、同時に従来の青少年白書を出して終わりというんではなくて、フランスやイギリスの例に見られるようにその方向性というものまでも的確に打ち出したものを出されないと、総理府のここにお問い合わせください、その反響を見てというようななまぬるいことじゃ私はどうにもならぬと思うが、どうでしょうかね。
○説明員(佐野眞一君) 御指摘はある意味でごもっともだと存ずる次第でございます。当青少年対策本部といたしましては、実は校内暴力だけの調査をしているわけではないのでございまして、昨年は御案内のとおり、金属バット事件以来まず校内暴力より先に家庭内暴力という言葉がはやりまして、これは大変だということで、まず家庭内暴力の実証的な調査を遂げたわけでございます。その前後いたしまして青少年の圧殺が大問題になりまして、したがって、これにつきましても調査を遂げて、「子どもの自殺防止のための手引書」というふうな形で報告書を一冊出してございます。 さらにその後、どうも校内暴力もうるさくなってまいったということで、青少年と暴力——非行でございますが、を中心とする調査を現在続けておりまして、大体実査が終わっておりますので、年内あるいは来年早々ぐらいには報告書としてできるのではないかというふうなところまでこぎつけておるわけでございまして、各方面、それからまた別の調査といたしましては、俗に言う遊び型非行、いわゆる万引きの実証的研究をやるとか、これらもやっておりまして、これも近く報告書にして出す予定でございまして、青少年非行が多岐にわたるものでございますから、すべてにわたって理想的な形態でやるということがなかなか困難でございますが、一つ一つ問題を片づけていくという形で、今回はちなみに、予算の関係もございますので、先進四ヵ国にしぼってその実情のアウトラインを調べてみたという段階に来ているという趣旨でございます。
○小野明君 参事官、あなたは専門家なんでしょうが。この問題は私は教育の問題であると同時に、これは社会問題としてとらえなければならぬ、こういうふうに思うわけです。ところが、教育上の問題というのはなかなか社会問題としてとらえられない。社会問題としてとらえられれば教育をどう改革するかという観点は出てくるわけですが、どうもあなたのいまの御説明を聞きますと、事を科学的にとらえていこう、教育の荒廃という問題を社会の病理として科学的にとらえていこうという観点がないように私は思われる。自殺がふえたら自殺を調べる、家庭内暴力がふえれば家庭内暴力と、こういうような散発的なとらえ方しかしてないですよ。ですから、七〇年代は、まず冒頭子供、青少年の非行増加という問題からスタートして青少年の自殺の増加という問題に発展をしてきた、それから次に家庭内暴力という問題に発展をしてきた、次に教師に対する校内暴力という問題、そういう順番で発展をしてきているように思う。いずれも単線的ではないんですがね、それぞれ複合的に絡まりながらも、ずうっとそういう社会病理というものが進展をしてきているように思うんですよ。ですから、問題をそういうふうに科学的に社会病理の問題として、社会問題としてとらえ、これに科学的に対処をする、こういう観点が私は青少年対策本部としては必要だと思うんです。ですから、予算の関係とかなんとかいうことを心配する前に、まず日本の現在の病理をどうするのか、次代を担う青少年がどのような国家社会をつくっていくのか、あるいは家庭をつくっていくのか、そういう観点を踏まえながら科学的な対処の仕方をしてもらいたい。それについては、予算の関係とかなんとかいうようなことは、それはあなた一人では無理かもしらぬ、中山総理府総務長官じゃなきゃいかぬかもしれぬが、もっと積極的な取り組みを私は必要とするように思うんですが、あなたが青少年対策本部の担当参事官としてそういうとらえ方をしてもらうように私は要求したいと思うが、どうですか。
○説明員(佐野眞一君) ただいま御指摘のとおり、それは全くそのとおりであると考えております。私どもといたしましてもほとんど同じ観点に立ちまして、私どもが行います調査にも各種ございます。いわゆるきわめて基礎的な調査、非常に変わったところですと、生まれて三ヵ月の子供の行動を調査し、それに対する親の対応を調査するというふうなきわめて基礎的なものもございますし、それから、いわゆる意識調査と申しまして、各種青少年につきましてどのような意識を持っているか。一部発表したものがございますが、今年度発表したものでは、「青少年の連帯感」ということで発表いたしましたが、国旗観——国旗をどう見てどう思うかとか、いろんなことを聞きまして、各種の意識を調査するというふうな二次的、その次のいわゆる基礎的な調査、それから、来年度予定しておりますのが第三回世界青年意識調査、世界じゅうの国の中から十一ヵ国を選び出しましてそれぞれに同じ質問をぶっつけます。それでわが国の青少年にももちろん行いますが、この十一ヵ国の青少年の意識のずれ、こういうものを比較して、これを科学的にとらえて分析し、わが国の青少年の意識は地球的レベルで見た場合、一体どのようなずれがあるのか、どのような一致点があるのかというふうなことを分析しようというふうな試みもいたしております。 また、非行だけではございませんで、そのような一般的な調査を踏まえたその上で、現在非行原因につきましてはもうすでに行ったものといたしましては、全般的なものとして、青少年非行の総合的研究調査というものをまず行いまして、非行全般について原因あるいはその背景はどうなっておるかというような全般的なとらえ方の調査をしたものがございます。これを踏まえ、今度は各論編と申しますか、次に今度はその中身に入りまして、万引きの実証的研究であるとか、女子非行の原因調査であるとか、それから暴走族の原因調査、これもすでに済んでおりますが、というようなことを次々と続けておりまして、現在先ほど報告したこの報告書の段階に到達し、いまなお暴力非行及び情報化社会というふうなものの調査を実行中でございまして、来年度はさらに、現在概算要求しておる最中でございますが、第三回世界青年意識調査とともに青少年の凶悪犯の実態を調べてみたいというふうなところに進んでおりまして、決してばらばらにその場限りで行動しているわけではございません。
○小野明君 ひとつそれらを、従来の青少年白書を出して終わりと、私も分厚いものを読みましたが、先ほどから申し上げるように、警察が発表した資料だけはこれは有効だけれども、その他有効な政策、対策というものは打ち出されてないように思う。ですから、いま言われたような現状分析と同時にそれを徹底的にえぐり出して対策を立ててもらいたい、そういうものを発表をしてもらうように要請をしたいと思います。これはいずれ総務長官にも要求をしたいと思います。 そこで、文部大臣にお尋ねをしたいんですが、いま警察庁あるいは総理府では、いまお聞きのような状況にあるわけであります。青少年非行、校内暴力という問題が非常に深刻な状態にある。再度申し上げますが、警察でも全力を挙げてこの青少年非行問題に取り組むという熱意が見られるわけです。 そこで大臣、校内暴力については、第一義的にはやはり私は文部省がこの施策の一環を担わなければならぬのではないか、それにしては文部省の取り組みというのは非常に弱い、お粗末の限りではないかと、言葉は過ぎるかもしれませんが、そういう感じがいたします。そこで、第一義的な意味を持っております文部省としては、この青少年非行、あるいは校内暴力の問題を中心に据えてもいいですが、両方を据えて、長期的な視野で、教育は対症療法的なものでもなかなかいけない面があると思いますし、対症的な面と同時に、長期的な視野ということを踏まえながら、たとえば青少年問題研究所というようなものを設立をしてはどうか。その中には、もちろん心理学者あるいは精神医学の関係者も必要でしょうし、あるいは社会学者も必要でしょう、あるいは一番現場におって被害を受けている教師、これはアメリカの場合はそういうレポートがいま参事官の方から発表されておりますが、あらゆる階層の方々を網羅して、そういう青少年問題研究所といったものを構成をしていく、そこで対策を練っていく、原因を探っていく、そういうことが必要ではないのか、こう思われます。この点は大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの小野先生の御意見、まことにごもっともな次第でございますが、いま社会教育審議会等においても青少年問題と取り組んでおります。それからまた、この非行の年齢低下という問題は、私はそこには非常にいろんな意味があるというふうな気がしてならないんでありますが、これはどうもやはり学校教育以外の家庭教育における問題が相当あるのではないか、つまり生活環境等の問題も背後にあるような気がいたします。 いまの研究所の設置をしたらどうかという御意見、これは非常に貴重な御意見でございますが、今日の時点におきましてはまだそこまで考えておりません。現在の審議会その他担当局におきましていろいろと検討をいたしておるところでございまして、なお詳細は政府委員からお答えいたしたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 本文部省の、本日のこの委員会で小野委員の御指摘の非行あるいは校内暴力の問題に対しましての取り組みにつきまして御発言があったわけでございますが、この取り組みは、やはり第一義的にはそれぞれの学校におきまして校長を中心として先生方に特に真剣に事に当たっていただくということでございますが、そういうことで文部省がじかに個々の事例について、警察のような体制ではございませんので、手を伸ばしていくということは直接にはないわけでございます。ただ、御指摘にございましたように、やはり教育というサイドからの取り組みとしては、どうしても長期的視野というものに立ちまして基本的な取り組みというものをしっかりさせていく、こういうことが重要でございますし、先ほど来の御質疑応答にもございましたように、そもそも校内暴力というような不幸な事例の発生を見ないように、平素からのいろいろな学校の中での指導なり、あるいは教育内容の工夫なりということで取り組んでいくということが肝要でございますし、あるいは不幸にして問題になる傾向が見られますような場合にも、できるだけ未然に事件の発生の防止を図ると、こういう取り組みが必要でございます。 そういう意味で、長期的視野ということでございますが、私どもといたしましては、取り組みの基本につきましては前からも申し上げております通達を出しておりますが、それに基づきましての全国的な意味での結束を図り、かつこれに対する体制をつくっていくということで教育関係の諸機関のあらゆる会合を通じまして、このことをまず最重要議題として取り上げまして、今年に入りましてからもやってまいりまして、たとえば都道府県の教育長、教育委員長の会議などは数回ございましたし、それから都道府県の直接の担当でございます指導主管部課長の会議は三回これを招集いたしましてこの問題に取り組んでおります。そのほか直接の指導主事の会議、あるいは各学校段階別のそれぞれの学校長会の総会の場をおかりいたしましたり、あるいは町村教育長の会、あるいは都市教育長の会、あるいは市町村教育委員会連合会の会等、二十回近い機会を通じましてこの問題に対する取り組みの強化並びに体制の確立の徹底を図った次第でございます。 それから、長期的な視野に立ちまして、私どもとしては個々の事例についてもしっかり分析をして、そしてまあ東北筋のように校内暴力のないような、まだ起こっておらないような県でもいろいろとやはり対応を考えておく必要がございますので、これを全国的にやはり一つの材料として共有にしていこうというような構えての作業も進めてまいっておりますし、それから今年度といたしましては、生徒指導を担当します教師の資質の向上が非常に具体的には重要でございますので、そのために生徒指導講座、それから、これはわが国の場合には若干まだ進んでおらない分野かと思いますが、いわゆる教育相談と申しますか、カウンセリング技術の指導講座を開催いたしております、それから、小中高等学校の教師用に生徒指導資料というものを十数種類刊行いたしておりますが、今年度は特に、昭和四十年度に刊行いたしまして、その後も政府刊行物センターの方でかなり需要のございます「生徒指導の手引」というものの改訂版を先ごろ発行いたした次第でございますが、さらに新しいもの三種類を目下編さん中でございます。 それから、小野委員も御承知いただいておると思いますが、学校全体が地域と一緒になってこの問題に取り組むための生徒指導研究推進地域の指定や、あるいは実験的に取り組むための研究推進校、これも充実をして、今年度引き続き実施しておる次第でございます。なお、さらに来月の上旬には、各都道府県教育委員会の生徒指導担当者をまた臨時に招集をいたしまして、校内暴力などの青少年の非行問題について特にまた改めてこの時点での研究、協議をいたしますとともに、そこでのまた対策の検討も一緒になってしていこう、こういうふうな考えで進めておる次第でございます。 御指摘の、まとまった研究所の問題につきまして、先ほど大臣から御答弁を申し上げた次第でございますが、私どもといたしましてはいろいろな場で、それから先ほど申し上げましたような資料の編さんの場合にも、現実のケースを研究し、分析し、調査をしてやっていく必要がございますが、その際にはそれぞれのその道の専門家の御協力も得まして、そういうところでその検討を深めてまいりたい。そういったあらゆる場面での調査研究の成果、あるいは各界の御意見を十分に集約いたしました上で、そして青少年非行の問題は、先ほど来御指摘のように警察庁、法務省、文部省、厚生省などの関係官庁が、やはり相互に連絡、協力をする必要もございますので、これらの省庁と十分密接に連絡をとりながら、いま申し上げました施策をさらに深めてまいるための工夫、努力をいたしたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。
○小野明君 初中局長は、うだうだうだうだと言ってはなんだけれども、何かあなたのは百科辞典見るような答弁でね、何もやっていないということですよね。だから、いろんな物を夜店に並べたようなものだな。これもやっております、これもやろうと思っておりますと、夜店のたたき売りみたいなものだ。真剣さが足りないよ。この校内暴力問題、第一義的には学校と、警察も言っておる。この問題に取り組む真剣さが足りませんよ。大臣もそうじゃないですか。社会教育審議会がありますからもう青少年問題研究所はつくりません。文部省流に言えば、学校、家庭、社会、こういうふうに分類をよくやっておるね、これは文部省流。これはだれでも知っていますよ。三つ子でも知っていますよ。文部大臣、社会教育審議会があるからそういうものは必要ありませんと。これは文字どおり読めば社会教育審議会であって、これで校内暴力に対処できますか、どうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) いまの文部省の立場は、他省の場合と違いまして、実際に青少年に本当にはだで接し、青少年に日夜取り組んでおる現場でございます。でございますから、そのいろいろな調査研究ではおさまらないのでありまして。現場の先生方が毎日毎日その非行少年と言われるような諸君と日夜ともに生活し、ともに教師と生徒という姿で協力しておるわけでございます。そういう点がいろいろと資料の分析や、あるいは統計の発表や、あるいは研究というよりも、もっともっと身近なものとして実際は一体になってやっておるのがわれわれ教師を持っております文部省の姿でございます。そういうことから申しまして、何が真剣だと申しましても、人ごとではない、われわれの文教の問題であり、われわれの学校の問題であり、われわれの先生と生徒の問題でございますから、資料の編さん、収集、あるいは研究発表の点で、いささか先生のおっしゃるような、りっぱな系統的なものができておらないかもしれませんが、熱意の点においては絶対に欠くるところはない、かように考えておるのでございます。でございますから、たとえば社会教育審議会がございますと申し上げても、ただ単に審議会があるだけではなく、われわれの文教の府といたしましての審議会は、即先生がそれによってさらに行動に移し、また学校の管理に対しまして、それは誠心込めて現場でもって努力をしておられるわけでありますから、そういう点は、どうかひとつ十分に文部当局の、また現場の先生方の血のにじむような努力に対しましては御理解をいただきたい、かように思うのでございます。 なお、文部省といたしまして、それらの現場の問題をさらに取りまとめ、指導をいたしておりますが、これまた担当の政府委員からるるお答えいたしたいと、かように考えております。
○政府委員(三角哲生君) 私どもがいたしておりますことについて、うだうだ申し上げたつもりはないんでございますけれども、いろいろと御説明をさせていただいた次第でございますが、御認識、御理解を得られないということは残念な次第だと思うのでございます。 御指摘のように、非常に長期的視野でやらなければならないことでもございますし、何せ事柄が人間対人間の事柄でございますので、一つの事柄に対しまして、ある角度からきめつけたり、あるいは切り捨て的な議論をして取り組むわけにもまいりませんので、私どもは極力基礎、基本に立ちまして、じみちな事柄をしっかりやっていくということをまず前提にしたいということで、先ほど申し上げましたような施策を続けてまいっておりますが、なおまたいろいろな意味で、この事柄につきましては先ほど申し上げましたが、各方面からの御意見もいただきまして、いろいろなお知恵もかりまして、そしてなおさらに真剣に、一生懸命に取り組んでいかなければならないと、こういうふうに思っておりまして、私ども力至りませんけれども、都道府県の教育委員会を初め教育関係者の全体がこの問題に対しまして本当に熱意を持って真剣に取り組む、そういう方向で今後とも指導をしてまいりたいと、こういうふうに思っている次第でございます。
○小野明君 大臣から私も言われるまでもなく、現場の先生というのは、いま警察庁の方から話がありましたように、毎日生命の危険にさらされながらも現場で非行、暴力の問題と対処しているわけですよ。これは毎日真剣ですよ、真剣だ。三角初中局長は長期的な視野でと、いま後半の答弁は幾らか聞かれるところがあったが、まずこの非行、校内暴力という問題、これは家庭内の問題に政府が口をはさんでいくということは、私はあんまり賛成ではない。しかし、その原因のいろんな角度からの探求がなければ、指導部としては、指導助言をするのが文部行政の基本ですから、指導できないはずだ。ですから、そういう広範な知識、経験を得るために青少年問題研究所という——そういうものでなくてもいい、これは青少年非行、校内暴力問題審議会というものでもいいと私は思うんだが、そういういろんな経験や知識を集約して、そしてあらゆる階層の学者陣等も集めて、そこで科学的な研究、原因探求をやる、そして対策を講ずる、これが大臣、私はまず第一にいまの時点で必要だと思います。警察は、当面の事態で全警察を挙げて対処するという方向はきのう出されています。それにしては、第一義的な意味を持っておる文部省としては、熱意はありますがとおっしゃるが、熱意が何ら外へ出ていない。大臣、初中局長は何とかかんとか言っていますが、うだうだと私が言ったらまた三角局長もいろいろ言っておりますが、いままで「児童生徒の非行防止について」ということで通達はわずかこれだけですよ、二枚ですよ。まだ二枚しか出てないですよ。これは五十三年の三月七日、諸澤正道、望月哲太郎名です。諸澤さんはいま次官ですが、五十三年三月七日に出した通達が一つ、その次は五十五年十一月二十五日、去年の暮れに出した通達。たった二通ですよ、これは。そしてその中は、青少年白書からとった資料が三分の二を占めている。書いた文章も薄っぺらなものです。青少年非行、校内暴力の原因と思われるもの、こうしなさい、こうしなさいということは書いてあるが、原因が書いてない、対策が書いてない、処置だけ書いてある。これはもう現場の命をかけてやっておる教師あるいはそれらの父兄、これらの方々にしてみればやぶ医者にかかったようなものですよ。五十三年からことしまでたったこの二通の通達しか出てないんですよ、しかもこれは、科学的な根拠に裏づけられたものでも何でもない。かぜを引いて胃腸薬を飲まされるようなものですよ、これは。こういう的確な処置ができていない状況だから、大臣、改めてこの問題に対する——警察庁あるいは総理府もかなり熱心にやる気持ちだけはうかがえたんですが、文部省としては、大臣が在任中にこれだけ青少年非行、校内暴力が急増してきたこの実情をしっかり握られて、どう対処されるかという方途を、この審議会等、文部省によって対策が講じらる、講じてしかるべきではないかということを私は申し上げているわけですよ。どうでしょう。
○国務大臣(田中龍夫君) まことに貴重な正当な御意見でありまして、私たちも、できることならそれこそぱりっとしたものをつくりたいのでございます。いまの文教をお預かりいたしておりまするわれわれといたしましては、審議会を新たにつくるか、あるいはどうするかということは、ひとつわれわれにお任せをいただきまして、小野先生の御意見に対しましては本当に全く共鳴をいたしますと同時に、一日も早くきちんとしたものをつくってみたいという気持ちでいっぱいでございます。善処いたします。
○小野明君 これは初中局長、あるいは大学局長もお見えですが、それらの学校教育に対する対策というものが非常に必要だと思います。大臣もいまあのように御答弁なさっておられますが、初中局長は、未然に防止をするためにと。確かに教育上の観点というのは校内暴力、青少年非行に対する未然防止ということを目的にしてやらなければならぬことは言うまでもないんです。 そこで、もう時間がだんだん迫ってまいりますが、初中局長はこの校内暴力に対して、学校教育において検討すべき事項というものはどういうものがありますか。これは大学局長もお見えですから、お二人に学校教育で配慮すべき点というものをひとつお二人で挙げてもらいたい、
○政府委員(三角哲生君) いまの御質問につきましては、先ほど仰せになりました通達の中にも示しておるところでございますが、それから通達というものは先ほども申し上げましたけども、その性格上やはり基礎的な、基本的なことだけを述べております、なお、そういった通達の趣旨を補うものとしていろいろ資料を出しておりますが、これが先ほど御説明申し上げました「生徒指導の手引」でございまして、このようなものを中学校向けでは十六案出しておりまして、ただいま十七集目の編さん中でございます。高等学校向けでは十集出しておりまして、ただいま十一集目を編さん中でございます。こういうものを出します場合には、できるだけ科学的に、そして学問的な裏づけをもってやりたいと。それから、かつ現場の経験も加えてということでその道の本当の学識のある方々に御協力をいただいてまとめておる次第でございます。 なお、最近の問題としては、この「中等教育資料」というものの八月号で非行対策の特集をいたしまして、いろいろな最近の状況に基づいた取り組みの研究をやっていただいておるわけでございます。 それから、長くなりますのであと指導講座等の内容は省略をいたしますが、来月早々に臨時緊急の生徒指導担当の主事会議を持とうと、こういうことを考えておる次第でございます。そして、その通達やこういった指導書に盛り込んである事柄ではございますが、ただいまの御質問の学校における取り組みの関係でございますが、私は何はともあれ、第一にやはり学校の授業なり、学校生活というものが子供にとって非常に有意義なものでなければならない、そういう意味からやはり児童生徒のニードに即した教育内容というものを用意するということがまず基本であるかと存じますが、その他のことについて若干項目的に申し上げますと、まずは、やはり生徒指導というものの基礎を重視して取り組んでいく必要がある。それから第二点としましては、やはり教師と児童生徒の間に本当にきちっとした人格的な接触に立った間柄というものができるということが学校の集団としてはどうしても必要なことでございます。それには非常に努力の要ることではございますが、教師と生徒間の好ましい人間関係を形成していくということ。それから、そのためにも教師の生徒への接触の仕方について工夫をしていくということ。この接触の仕方での不用意さ、不注意さが重なって校内暴力に爆発していくというケースもかなりあるようでございます。それから、やはり学校としては校外生活につきましても指導をしていくと。それから、教師と生徒だけではなくて、生徒間での温かい人間関係あるいは交友関係、協力関係といったものを学校の集団として築いていくということが必要であろうかと、こういうふうに思います。それから、これは非常に場合によってはむずかしいことでございますし、警察の協力も必要な場合があろうと存じますが、学校内における非行集団につきましては、これをできるだけ解体をしていくということについて真剣な取り組みをしていく。それから最後になりますが、問題を持っている子供があるわけでございますので、これに対する教育相談ということについても学校としてこれを重視して考えていくということが大切であろう、こういうふうに思う次第でございます。
○政府委員(宮地貫一君) 学校教育全体を通じまして対応しなければならない課題でございますが、御指摘の点は、あるいは端的に申せばいわゆる大学入試という問題が学校教育に影響を与えている点があるのではないかというような点からのお尋ねであろうかと思います。 大学入試の現状の改善という点では、やはり基本的には学歴偏重の社会的風潮の是正でございますとか、あるいはそれぞれ各大学が特色のある整備充実を図っていくというようなことが必要ではないかと、かように考えております。そういう点で、すでに国公立大学については共通一次入試というようなことで、制度の改善については私どもとしても着手をいたしているつもりでございます。基本的には大学進学の希望者が大学の収容力を上回っているという現状でございまして、また大学教育を受けるにふさわしい能力、適性等を備えた者を受け入れるということのためには大学が何らかの方法で選抜をするということはやむを得ない事柄であろうと思っております。そして、現状から申せば、実際上は大学進学希望者に対して大学全体の収容力がはなはだしく不足しているということでは必ずしもなくて、特定の一部大学に志願者が集中するというようなことで受験競争が激化しているということが言われているかと思います。そういうような入試の現状の改善のためには、先ほども申しましたような学歴偏重の社会的風潮の是正でございますとか、それぞれ大学が特色を持った大学として整備充実されることでございますとか、あるいはまた、高等学校における適切な進路指導ということなどが必要であろうかと思っております。そして、もとより大学の入試、選抜方法そのものの改善ももちろん重要な事柄であろうと思っております。したがって、五十四年度からの国公立大学についての共通第一次学力試験というものも高等学校における基本的な内容に即したものを取り入れる、修得度を把握するというような観点で、大学入試のあり方の改善については五十四年度以来三回の実施を見ましてほぼ定着を見つつあることでございますが、さらに今後とも推薦入学の方法でございますとか、あるいはそれぞれ大学の特色を生かした第二次試験を実施いたしますとか、入試の選抜方法の改善についてはなお今後とも関係者のいろいろ御意見を承って改善に努力はしてまいらなければならない事柄であろうと、かように存じております。
○小野明君 いまのお二人の御答弁、学校教育にかかわってのこの問題に対する御答弁ですが、採点をすれば大学局長が三十点、三角初中局長は十点だな。 三角局長ね、校内暴力は高等学校に入る十八歳でごとんと落ちているんですよ。中学の三年間のものが一番ピーク、大きいんですよ。それをまずあなたは踏まえていない。その点、まあ大学局長は幾らか共通一次大学入試という問題も触れたが、その点はあなたの方が、一つの分野だが何ぼかわかっているような気がするが、それでも三十点しか上げられぬ。 それから三角局長ね、あなたは教師と児童の接触の仕方という問題に触れられた。これは非常に重大、これだけでも膨大な資料を要するわけですよね。で、私に与えられた時間もないから、通達をちょっと私が読んでみますよ、三角局長、あなたの名前の通達だから。「児童生徒が学校教育に不適応を生じて問題行動に走ることがないよう、学校教育活動を適切に行うため十分配慮する必要がある。」、あたりまえの話じゃないの、何をすればいいんだ、これ。その次「児童生徒に対する理解を深め、全教師が一体となって生徒指導に取り組むことが必要である。」、あたりまえの話。全教師が一体になってなぜ取り組めないか、そこが問題だ。「学校は家庭や地域社会の関係機関等と十分連携をとって取り組むことが必要である。」、あたりまえじゃないの。これはあなた中学校の子供でも知っておることだよ。そんなことで大体深刻化している校内暴力と真っ正面から取り組んでいる通達と言えますか。こんな薄っぺらなものを五年間に二枚出して終わりだ。大臣、これはね、やはり真剣に取り組まれるならば、大臣が先ほど言われておりますように一つの審議会、これは四十人学級削ることも、これを延伸することも停止することも非行、暴力に関係があるわけですよ。これをふやすことにしかならぬと私は思う、これは一例ですがね。ですから、大臣が先ほど御答弁になったように、第一義的には学校教育が問題だと、こういうふうに警察庁も言っておられるわけですから、大臣の先ほどの御答弁を生かすようにこの校内暴力問題にひとつ真剣に熱意を持ってこたえないと、次代を担う子供——次代はどういう日本になっていくのか非常に私ども心配でかなわぬ。どうぞひとつその点を配慮して正面から取り組んでいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 最後に、ただいまの御意見のごとく、この校内暴力の問題あるいは非行青少年の問題に対しまして真剣にこれに取り組みますことをお誓いを申し上げましてお答えといたします。ありがとうございました。
○小野明君 終わります。
○仲川幸男君 私は、大臣に教科書問題を三点ほどお尋ねをいたしたいと思います。 何か教科書問題、もたもたもたもたいたしております。私は、教科書問題の正常な前進がないと、いま文部省、私たちもともにですが、考えておることにいささか問題があろう。そこで問題になっておりますのは、教科書会社の献金の問題でございますから、この問題を少し大臣整理をして、三十年の政治キャリアのある田中大臣から、政治家としてもまた大臣としても、この問題についてはっきりとしたひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。御答弁というかお考えを承りたいというのであります。 まず、政治献金というのが正規のルールで受け入れられて心安い人や関係のある人から出していただくわけですから、それは正規の問題として受け入れておるわけですから、これはこれで問題はないのであります。また、心安くない人や関係のない人からくれたりしませんのだから、政治献金というのは、だからそういうことでこれはこれで問題はないのであります。そこで問題があるのは、政治献金があったものが教科書に見返ったかどうかということが問題になっておるのであります。見返りのないものにだれが献金をするのか、こういうことを言われる人があるが、めっそうもない話なんです。仲川幸男が大変かわいいから献金をしてやる、未来ひとつ育てにゃいかぬといって献金をしてやるということで、献金もそういう見返りのないものにもたくさんあるということをまず認識をせなければならないと思うのであります。一概に見返りのないものに献金がないという頭があるから妙な話にこじれてくるのである。 さて調べてみると、今度の自民党へ教科書会社が献金をした、これ自民党だけでございませんようですが、それで今度の教科書問題が起きた、献金をしたので教科書問題が起きた、献金があったから自民党が教科書に手をつけた、いつの間にかそんな話になってしまっておるのであります、世の中が。ここで整理をしておかないと私は大変なことになると思うのです。これはもう与野党を通じての問題でございまするが、まず大臣考えてみませんか。教科書の問題点を指摘してかれこれ長い間、教科書のそれぞれのところ、四分の一改訂という問題は、四分の一を改訂しなけりゃならぬようになるかもしれぬから全面改訂をしてくれと、こういう話になったわけなんです。だから別に全部を全面改訂するというわけではない。田沢委員が私とより出しただけでも二百何十というものをあの七つの教科書の中からより出したわけです。その是が非かという問題はきょうここで論じることにならぬと思うのですが、そういうことで、それはそれなりに前進をいたしておると私たちは確信をいたしておるのであります。そこで、教科書会社から献金があったから教科書問題が起こったんだと、マスコミも含めて少し私はすりかえられたような感じがまずするわけであります。それは考えてみますと、教科書会社のために自民党が教科書をいらうんであったらああいうことにはならぬのであります。今度の教科書問題で一番痛いのは、あえて物の考え方が違う人は別としますよ、これは別として、物質的に経済的に思惑が違ったのは教科書会社であります。問題は一番痛い目を見よるのは教科書会社であります。貨物に積んだ荷物がもうこのままでお金をもらって向こうまで行くと思っておったら、この荷の荷づくりは悪いから、将来これではええとこりっぱな荷物が先方へ着かぬから、一遍荷をおろし直して点検をして真っすぐりっぱなものが向こうへ着くようにしてくれと、こう言うたわけですから。そういうことになっておるのですから、教科書問題と献金というものは一切関係がございません。この関係があるというと、建設であろうとその他の中小企業であろうと大企業であろうと、献金をしたことと同じことがもういっぱいいっぱい国会の中で全部そのことに理論づけられるわけでありますから、その点ひとつ私は、何か汚職臭がある、献金で汚職臭がある、そこから教科書問題が起こった。まことに残念でならないので、一応公の場で整理をしておいておきたい、こういうことでこの発言をし、大臣からも、これは文部省も一緒に巻き込まれておるようでございますから、はっきりとそのあたりのお考えを承っておきたい、こう思うわけであります。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は、従来からもたびたび申しておりますように、教科書会社の政治献金のあるなしという問題は、これはわれわれ文部省といたしましては何らそれに関与いたす筋合いのものではございません。民間企業であります教科書会社と、それから政党の政治献金の問題、これはわれわれの文教行政の問題以外の問題でございまして、これに対して何ら意見を申し上げ、あるいはまたどうこうと言う一切の関係がないことを改めて申し上げておきます。 それから第二の点は、私どもはりっぱな教科書をつくるということだけが本来の目的でございまして、このりっぱな教科書をつくらんがための各方面からのいろいろな御意見、御議論のあることはよく存じておりますが、あくまでもこれらの方々のいろいろな御意見に対しましても十分耳を開いて、そうして正しいルールに従ってりっぱな教科書をつくっていくということに専念をいたしておるわけでございます。
○仲川幸男君 大臣、お尋ねをいたしますが、いま教科書問題と献金問題とが絡んでおるということを御認識いただいておるでしょうか。そして私は、りっぱな教科書をつくることも文部省のもちろん仕事でありますけれども、そのことがりっぱだということを一般国民、特に教員に知らすこともまた私は文部省の仕事だと、こう思うのですが、そのあたりいかがお考えでございましょうか、
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま私がお答えをいたしましただけで十分であろうと思うんであります。と申しますのは、私ども文教政策に取り組んでおります者といたしましては、政党と民間企業との関係は一切関知いたしません。
○仲川幸男君 大変くどいようなんですけれども、このことは現実の問題として教科書会社の献金があって、教科書問題との絡みがあるということも私はもういまの空気の中で事実だと思うのですよ。どこぞですりかえられたと思いますがね、この論議は。それは大臣、そう思われておらぬということなら話は別なんですが、次の問題に移って、その問題も含めてひとつお考えを承りたいと思います。 価値観はそれぞれありましょうが、少なくとも全国民が注目を集めて、基本的に教科書を台の上にのせて、大変そのことで私たちは前進をしたと思っておるのですが、まことに喜ばしいことであって大きな収穫であった、未来への大きな収穫であったと思っておるんですが、問題が一つ起こってまいっております。そこで文部省のお考えを承りたいので、これは局長からも承りたいわけで、初中局長からも承りたい。 来る十三日に、教育改悪を訴える集会というのがごく一例でございますが、ある団体の主催で行われるそうですが、その中でテーマとしてはこう書いてあるんですよ。「教科書に真実を!言論に自由を!そして平和を!」というテーマです。私が大変心配しておりますことは、このテーマに書かれておることは日本人じゅうだれもこれに賛成せぬ者はないわけであります。そこで問題は、今日まで心ある人も、教科書会社も、文部省も懸命の努力を払って現在まできた、このりっぱな最良——私たち最良と思うのですが、最良の教科書をつくっていただきたいと英知を集めて改訂をしておるさなかであります。その行為と努力を一括して改悪ときめつけて一つの行動が起こっておる。その人たちはその人たちで言うたらいいじゃないか、りっぱなものができたらいいではないか、こういうことに先ほどからの大臣の御答弁を聞きよるとそういう感じもするのですが、私はそれはちょっと違うと思うので、これは私たちも含めてでありますけれども、重ねて言いますけれども、りっぱな教科書をつくることも文部省の仕事でありましょう。そのことから起こってくる一般国民への理解についても御心配をいただかなければならぬのではないかと思うのであります。目には目というような言葉もありましょうけれども、正しければいつかはわかる、こう言っておるだけでいいでしょうかね。そして、言うべきときにはやっぱり言わないといかぬ。大きな声が正義のように思われたのではならないと私は思うのですが、このあたり大臣のお考えをひとつ承りたいと思うんです。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生が申されました十一月十三日に日本武道館で……
○仲川幸男君 それ一例でございますから。
○国務大臣(田中龍夫君) 教科書に関する集会があると伝えられておりますが、教育や教科書についてのいろいろな論議というのがございますことは先生よく御承知のとおりでありまして、本当に教育的な見地に立って、そして建設的な方向でいろいろな御論議がなされるということを期待いたすものであります。また、文部省といたしまして、教科書の検定制度を通じまして、中正な立場から教育的に適切な教科書が生まれるように最善の努力を払っておるところでございまして、このことにつきまして国民が正しく理解していただきたいと思っておる次第でございます。
○仲川幸男君 お話も大分わかりましたが、文部省も私たちもそうだと思うんですが、ここでお互いに再認識をしておかなけりゃならないのは、やはりそれは国民にそのことを知らす機会をつくらなければならないということ。重ねて申し上げますけれども、やはりりっぱなものをつくっておるということが国民にわからなければならないということであります。私は地方で会合をしますと、あの七冊の絵符のついたのを持っていきまして、文教関係の会合の前に置きまして、皆さんこの休みの時間に見てください、これほど直さなくてもいいというところがあったら、そこへものをはさんでおいてくださいと言って会合はやっているんですよ。それは教科書がいま考えておる——一部言われておるのは教科書をいらい過ぎるでないかと言っておる、このことについては、あの二百何ぼ絵符がついておるのを全部見てくださいと言ったら、皆さんがお昼の休みのときなどに広げて見ているんです。そういうことが一つ一つ徹底をしていくことでないといかないでないかと。私が、えらい口幅ったい言い方ですが、ひとつ文部省も、また大臣は特別文教関係のそれらしき会に出られるところで、このことについてはひとつお話をいただかなければならないのではなかろうか。文部省のそれぞれの機関もそれぞれのところで御努力をいただかなければならないのではなかろうか。歴史をひもといてみますと、明治三十五年ですか、教科書汚職が起きまして、そして三十六年か七年かに国定になったという歴史を私たち聞かされたのであります。その国定になったのが、そのときは疑獄が起こったから国定教科書になったのですが、大臣は国定にはしないのだと、こうおっしゃっておりますが、いまの議論が疑獄と別な議論として国定にしなければならないムードが国民の中から出てくるかもしれないということを私は心配するものの一人であります。私は、国定賛成でもございません。ございませんが、まあそのことについて私が、いま文部省に、大臣に、ひとつそういう意味で御協力くださいということでお願いをいたしておきます。御答弁要りません。
○国務大臣(田中龍夫君) 教科書は御案内のとおりに、学校教育におきましては最も重要な教材でございまして、教科書に寄せます国民の関心というものは非常に大きいものがございます。なかんずく、かわいい子供さんを抱えておられまする父兄の方々にとりましては、りっぱな教科書であるということが、これが最も大きな国民の期待と関心であろうと存じますが、文部省といたしましては、今後ともに教科書の検定制度を通じまして、教科書の改善と充実に努めてまいりたいと存じております。また、そのために教科書会社においても一層の努力を払ってまいりたいと考えておりますが、私といたしましては、国定教科書の制度を採用しようとは今日は何も思っておりませんことを改めて申し上げておきます。
○仲川幸男君 それでは、第二の教科書、こういう言葉で私たちは呼んでおるわけなのですが、それはそれぞれの教科に先生が生徒を指導をする教師用の指導書を先生たち全員持っておられるわけで、その指導書に基づいて教科書を基本にして教えておることは御承知のとおりでございますが、この問題と、それから、各教科の補助教材がございますが、この問題等について、文部省の方でおわかりになっている程度、お答えをいただけませんか。この二つの問題をお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 教科書以外に補助教材と申しますか、あるいは副教材と申しますか、そういうものは用いることができるわけでございますが、その場合にも、これはその内容がやはり教育上必要でありかつ有益、適切でなければなりませんし、それから、やはりその内容が公教育として中立、公正なものでなければなりませんので、これを使う場合には、公立学校の場合にはあらかじめ教育委員会に届け出るか、または承認を受けるというふうになっておりまして、それぞれの教育委員会でそのような取り扱いを決めておるわけでございます。私どもとしては、やはりこういった法律上決められた趣旨に沿って補助教材の活用というものが適切に行われますように、教育委員会、学校を指導しておるところでございます。 なお、もう一つの教師用指導書につきましては、これは教科書本体と違いまして、これについて検定をするということは、仲川委員御承知のとおりで、そういうことはないわけでございまするけれども、検定をするということはないわけでございますが、これは事実上、しかし非常に多くの教員に用いられておりますし、特にまだ経験の浅い方にとっては一つの手がかりになっておるということは事実であると思います。したがいまして、学習指導上影響を持っておるわけでございますので、私どもとしては、教科書の発行会社が教師用指導書を著作するに当たりましては、やはり検定の趣旨を踏まえまして十分に配慮して、慎重な編集をしていただきたい、そういうふうに思っておりまして、その線で指導してまいりたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。
○仲川幸男君 一番大事なところを最後に局長おっしゃったから、あえて重ねて私は申し上げようとも思わぬのですが、この第二の教科書と言われるのは、これは酒飲み話だと思うんですけれども、ああいう教科書でやられたのを、ひとつ教師用ではしゃんとしぼっとけよと、こういう話があったとかなかったとか、そういう話、私も信じておりません。信じておりませんが、このことはノーチェックだということでなくて、いまお話しのように、この問題は教科書に伴うものであるということで、十分御指導をいただかないとならないのではなかろうか。もちろん検定する筋合いのものでございませんが、この間げすの勘ぐりというお言葉もここで出たようですが、私もそのげすの勘ぐり式な物の考え方しますと、どうもこのあたりもいささか、教科書を大変長い間かかってりっぱにつくったのに心配はないんであろうかと、こう心配をするわけでございます。ひとついまのお答えで十分でございますが、御承知のように、教師用の指導書というのは出版会社がつくりますが、補助教材というのは出版会社がつくらぬのでございまして、別のところでつくっておるのでございますから、そのあたりも文部省のことでございますから、私たちよりよけい知っておいでなのだからその心配はないと思いますが、十分そのあたりの御配慮をいただきたいとお願いしますが、もう一度局長からそのあたりのこと、もう少し詳しいものでお答えをいただきましょうか。
○政府委員(三角哲生君) 教師用指導書は、これは教科書に即して、そして指導上のいろいろな参考になる内容でございますとか、あるいは教科書には載せられなかったけれども、教師としてわきまえていた方がいいような資料的なものを載せましたりして、いろいろ各教科書会社で工夫してつくっておるようでございますけれども、これはやはり、あくまでも検定を受けた教科書についての指導書でございますから、先ほども申し上げましたが、検定の趣旨を踏まえて編集していただくということは、これはそれをお出しになる会社としての道義上、倫理上、これが強く要請されるところでございますので、私どもとしては、さっきも申し上げましたけれども、必要に応じて指導もし、また場合によっては注意を喚起したい、こういうふうに思っておるわけでございます。 それから、もう一つの補助教材の方でございますが、これは全国何万という学校におきまして、これは校長あるいは教員それぞれがいろいろ考えまして、適切と思うものを取り上げていくということは、これは教育の指導の展開上望ましいことでございますので、その実態というのは非常に多岐でございまして、私どもこれを一括して全体を掌握しているというわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、状況によりますと不適切なものが使用されるということが全然ないとはこれは言い切れない。そういった実例もかつてはあったわけでございますので、これは今後とも私どもとしては、それぞれの教育委員会が管下の学校に対して十分教育上適切な配慮のもとでの指導をし、そして届け出を受けた場合あるいは承認をする場合に、ただいま委員の御心配のお話のようなぐあいにならないように相努めていくことが必要であるということで、今後も指導を続けてまいりたいと、こう思っております。
○仲川幸男君 全国そこここでたくさんたくさんというような表現であったから御存じであろうと思うからあえてと思いましたが、御承知のように日本図書教材協会という二十二社が補助教材というのは大方やっておるのですから、これが教科書会社との委託でもない、権利買うたのでもない、いろいろ長い間の慣例もありましょうが、そのあたりでやっておることでございますから、把握することにはそれほど手間がかからぬのではないかと思うのですが、まず私がお願いをいたしたいのは、教師用指導書にも補助教材にも注目をしてくださいよと、こうお願いをいたしたわけであります。お願いをいたしておきます。 この際、ちょっとお聞きしたら、学校給食会や安全会のことについては午前中だったんだというお話でございますから、午後はその本論には触れませんが、一般論としてこの問題をちょっとここで言わしていただいたらいいと思うのですが、ごくその一般論というか、いままでの注意をしていただかなければならない問題ということでつけ加えさせていただきたいと思います。 私、まあ御承知のように愛媛県でございますので、学校給食会は、私が管理をいたしておりましたPTA会館の中に長年給食会を置きまして、そしてパン屋さんのけんかの仲裁までしてきたものですから、地方の給食会がどうであるかということはいささか承知をいたしておるつもりでございます。また安全会の方は、これは審議委員ではございませんが、大方の評議員の一員として、また世話人として実質携わってきたわけであります。その中から、これから申し上げることを今後の運営の中でひとつ十分お気にとめていただきたい、またお答えございましたらお答えをいただきたいと思うのです。給食会の方については、物資の買い入れ、売買などいろいろ問題がありましょうが、この問題もこの際に十分注意を払っていただかなければならない問題ではないであろうか。まあ学校安全会の方は、こういう歴史がございますので、御承知であろうと思うのですけれども、五十二年までは一連の死亡から各級別ですけれども、一番例のわかりよい死亡のものをとりますと三百万しかございませんでして、三百万ではとても少ないでないかと、まあ二百万の時代がありまして百万の時代があったわけなんですが、その百万、二百万、三百万で、五十二年度まで三百万であったわけなんです。それをまあ私たちも全国段階の陳情を繰り返し繰り返しして、五十二年度から一挙に四倍の千二百万に相なったわけであります。それまで地方はどうしておったかといいますとね、大臣、三百万ぐらいお亡くなりになったところへ持っていけぬものだから、結局生徒からお金を集めてその一千二百万という共済制度をつくった。いま一県の一例を言いましたが、各県ばらばらではございますけれども、そして三百万と一千二百万とを足して一千五百万持っていって、亡くなって、お金で解決できませんけれども、それでもやはり誠意というものや共済というものの形の中でやはり円満に解決できる一つであったことも、この学校の安全会というものが役立ったことも間違いない事実でございます。そして一千二百万にしていただきました。櫻内、河本という自民党の政調会長の当時であったと思います。で、まあこうなりまして一千二百万になりましたけれど、各地方はまだその共済制度を崩しておらないんですよ。まだ崩しておらない共済制度を持っておって、まあ私たちの県の例で言いますと、それを半額にして死亡を六百万にした。いままで一千二百万円で掛金しておったのが、六百万にして、国が出してくれた一千二百万とを足してみんなの気持ちも合わせて持っていっておるのが事実なんです。そこで、これからのこの問題についての取り扱い方にひとつ御配慮をいただきたい、そういうことがあるということで御配慮をいただきたい。それのみでございません。給付の対象、それからいま申し上げました金額、それから各級別の間のアンバランスがございますから、一級からずっと十何級までの中に必ずあれでいいかどうかということもございます。それから、先ほどお話もちょっと出ておりましたが、通学の認定という問題もございます。ほかの保険との関連もございます。いろいろのことございますから、今度この法案がいま進行をしておる中で、そのこともひとつあわせてお考えおきを願いたいと、こう思うわけであります。 もう一つ、これは全部恐らく全国各都道府県であろうと思うのですが、窓口は給食会も学校安全会も体育課長、体育課の所管の枠の中でございますので、そういう意味では、今度のときにいろいろ議論を聞いておりましたけれども、学校安全会の議論の中でその問題が余り出てこなかったようですが、実際は学校安全会というのは中央に指令塔があって、実際に行っておるのは地方でございますから、各都道府県が実際に行っておるんですから、都道府県がやりよいようにしてもらわないといかぬと思うんですよ。そのためには私は一本になって今度の法案になって、健康会になって、それのことの方がかえって体育課がしぼっておりますのでいいと思うんですが、その問題はきょうは論じないで本質だけ申し上げておきたいと思うのですが、そういうことでございます。それで、運営が地方であるということをこの一連の議論の中で忘れないように、地方がどうしたらやりよくなるかということ、このことに重点をしぼってひとついまの健康会の問題を考えていただきたい、こう思います。御答弁がございましたらいただきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) いま先生のお話しのとおりに、給食の仕事も、それから安全会の仕事も末端の学校における授業に対するいろんな仕事をやっていくわけでございます。したがいまして、末端における仕事がやりやすいような形の組織づくりということを十分考えていかなければならないと思うわけであります。そういう点で県の段階、市町村の段階、それぞれこの両方の仕事が連携を取り合いながらスムーズな形で仕事が展開されるような形で末端の機構を整備するとともに、われわれの行政指導もそういう点に力を入れてしていかなければならないと思っております。
○仲川幸男君 そちらの御都合のいいお答えだけをいただいたんですが、私はもろもろの改革もひとつ一緒にお願いをいたしたわけでございますので、これもひとつあわせて御答弁をいただかなければならないと思います。 ついでに、これでどうなんですか、実際問題として、一緒になって人間が減るのかどうなのかということもきょうお聞きするのが、ちょっと委員長からのお話がございましたのでつらいのですが、地方としてはそうやったら少しでも、せめて役員だけでも減ると思うのですが、必ずその当事者はお役人が行くところも考えておったりするものですから、必ずそれは両手を挙げて賛成ということでないかもしれないのですが、長年両方の会に、十幾年にもなろうかと思いますが、関係をしてきた者としてはいまのようなことを考えておりますが、私がいろいろ申し上げたことについても今後お考えをいただきたいと思うのです。
○政府委員(高石邦男君) 中央の段階で二つの法人を一緒にすることによって、役員の数が五入減るわけでございます。それは常勤が二人と非常勤が三人ということでございます。したがいまして、仕事を能率的に、合理的にやっていくような形での中央段階における組織づくりというのは今後とも心がけていきたいと思います。 なお、地方における末端の組織については、若干補足して申し上げますと、安全会の給付事業につきましては、各府県に安全会の特殊法人としての支部を設けているわけでございます。これは日本学校安全会の支部という形でございます。それから、給食を取り扱っているのは、大多数の県では財団法人の形で県でつくられております。大きな市になりますと市の段階でも給食会という組織を財団等の形でつくっているわけでございます。したがいまして、都道府県とか市町村の段階における仕事のやり方は、これは本質的に特殊法人と財団法人でございますから、それは一緒にできないということになるわけでございます。ただいまお話がありましたように、行政のルートでは、教育委員会で所管している際に、八割ぐらいの県では同一課で所管しておりますので、そういう一つの課で連絡調整をとりながら仕事を進めていくということになるわけでございます。 それから給付事業につきましては、御指摘のとおりに、時代の趨勢に対応して給付事業の内容を改善していくという努力をしていかなければならないと思っております。
○仲川幸男君 私は、御存じと思ったからそのことを言わなかったんですが、その性格は少々違いますので、それが違いますから地方ではなかなかむずかしゅうございますという御返事ではいけないので、中央がこれで一本化したときにはその地方の指導をしてくださいよということを最終的に申し上げたわけなんですが、おわかりだったと思うので余りくどいことを申し上げなかったんですが、どうかひとつ地方の指導をして、中央が、東京の両方の二つが一緒になっただけでは、これはおいおいむずかしゅうなりますので、地方の指導を十分してください、希望として申し上げておきます。 時間もございませんから、ひとつ文化庁にお尋ねをいたします。 まず、ちょうど同じような問題が出てまいっておりますので、さきに貸しレコードの問題が問題になっておりますが、この著作権侵害という問題については大体文化庁が総元締めでございますか。ほかにも関係のあるところがございますか。これは、いまのレコードの問題だけについてお尋ねをするんです。
○政府委員(山中昌裕君) 文化庁で著作権法を所管いたしておりますから主務官庁でございますが、著作権として認められたもの、たとえば財産権として著作権を認められたものはそれぞれの私権として認められておりますので、権利者相互間の争いなどにつきましては、通常裁判所で提訴されるというようなことが一般的でございます。
○仲川幸男君 ちょっと、この貸しレコードがかなり問題になっておるし、この問題は私は道義的な問題を含んでおりますので、何かいま文化庁で考えておられること、それからお手元に入っておる情報、そういうものがありましたらお聞かせを願いたいと思うんです。
○政府委員(山中昌裕君) 貸しレコードにつきましては最近新聞でしばしば取り上げられておりますが、家庭におけるテープレコーダーの普及度が非常に高まってまいりましたために、レコードを買うのでなしに、貸しレコード屋さんから借りてくるという、貸しレコード屋さんがこの一年に約八百店ぐらいに急速に伸びているという問題がございます。そこで、周辺のレコード会社の売り上げが落ちるということから、レコードメーカーの方が、こういう状態になると音楽文化の安定的な供給ができない、ひいては作詞、作曲者の利益も侵害されるということで、先般訴訟を起こしたわけでございますが、私どもの方で、これを著作権の問題だけから切り離して考えられるかと、社会的変化の中でいろいろな事業が起こってまいりますと、どういう事業が存立を認められるかどうかという問題もございますので、単に著作権法だけで問題は考えられないわけでございますが、家庭内録音を助長することによって、実際上の問題として作詞家とか作曲者の方々のいわば著作権関係者の利益が損なわれるという問題も強く指摘されておるところでございます。 この問題は、家庭内録音そのものについてはまた審議会などでもさまざまに論議され、いろいろな検討がなされておりますが、本件の貸しレコードの問題につきましては、たまたまいま訴訟も提起されておりますので、その経過なども見守って私どもも研究に努めてまいりたいと、このように考えております。
○仲川幸男君 文化庁のみならんやで、まあ再販中のものについてはなるべくさわらないでおりたい。また、さわっても都合の悪いところもあると思うんです。ところが、ここで著作権というのは、私はいささか物の考え方が違うので、著作権というのははっきりしておりますから経済的にこういうことが長官、起こるんですが、著作権を侵害せられたということで願いましたら当然侵害が明らかになっておるのだけれども、ある程度もうける間の期間を持つためにあえて訴訟に持ち込む。で、訴訟に持ち込んでもめておる間に十分もうけはその一方の理不尽な方がとる、こういうことになるんですよ。これでも私たちは、これは人情的に、実際は長い間かかってシェアを広げて、そして商権を確立してやった人が、一朝にしてもうそれの三分の一も、五分の一も、十分の一ものもので著作権侵害が起こっておるというこの問題は、人情として私たちはなかなか共鳴できないし、著作権侵害だということでなぜこのことがはっきりできないのであろうと思うのですが、この問題はここへ置いておきましょう。こちらへ置いておきます。 ひとつ、いま教科書の中の問題は、先ほど話がございました補助教材のことで訴訟が、著作権侵害で——まあ名前は申し上げません、東大の名誉教授という、そういうようなかなり有名な人が著作権侵害であなたの方へ物を申しておるのはありませんか。
○政府委員(山中昌裕君) 補助教材の会社と、それからそれの記述のもとになりました教科書の執筆者との間で訴訟が起こっているということを聞いております。
○仲川幸男君 ちょっと認識が違うようなんですが、願われた方の会社は別として、著者が経由をしている会社が願ったのではないので、著者が、私が、あります、教科書の複製をしておりますと、まあ一〇〇%複製か五〇%複製かわかりませんし、この中を引用しておるのかわかりませんけれども、それをしております。それは著作権侵害でございますと、こういうことなんですね。これはもうはっきりと著作権侵害ということになりませんか。
○政府委員(山中昌裕君) 一番の問題点は、具体的な行為について著作権の侵害であるのか、あるいはこれは反対側から言いますと著作権の侵害ではないというところから争いが起こりまして訴訟になるわけでございます。現在それが係属しているわけでございます。 教科書の場合について若干詳しく申し上げますと、教科書の記述を使用しております補助教材、これは単なる教科書の引き写しだけでは別でございますが、もとの教科書と異なった創作性が加えられますと一つの著作物であると、こういうふうに考えられます。補助教材というものもそういう意味で一つの著作物であるという考え方がございます。ただ、教科書の著作権との関係で言いますと、教科書の中にあります具体的な記述、執筆者がお書きになった記述、これをこのまま使用しているような場合には、著作権法上許されました「引用」という範囲を越えるような場合には無断で行うことはできないことになっております。それからまた、教科書として全体のいわば内容の利用の程度いかんによっては編集著作権がございますから、こういうものも侵すという場合もあり得ると思っております。どの程度のものが引用の範囲であるか、どの程度のものがじゃ許されるのか、あるいは編集権の侵害にならぬのかという個々の認定は、補助教材の態様がさまざまでございますので、具体的な認定は非常にむずかしいわけでございまして、いつも問題が起こり得るわけでございます。 そこで、前に訴訟がありました際に、教科書を参考とします補助教材の作成につきまして、教科書会社の集まりでございます教学図書協会と、それから補助教材会社の集まりであります日本図書教材協会との間で協定を結びまして、その協定によって処理をするということを取り決めて、通常これで行われているわけでございますが、いま御指摘の問題がございました教科書は、この協定に入っていない会社の、中学校の英語の教科書だろうと思っておりますが、その教科書の執筆者の方から、補助教材の会社に対しまして著作権侵害の提訴があり、補助教材会社がまた反対に訴訟を提起しておるという問題があるわけでございまして、そういう事実関係の争いがあることは私ども承知をしておりますが、現在係争中でございますので、裁判所の判断を待たなければならない、このように考えております。
○仲川幸男君 こういうことになると思いますので、今後この問題のみでない、先ほどの貸しレコードの問題も含めまして、訴訟になったから、この著作権侵害かどうかということを認定をする文化庁がお腰を後ろへ引きましたら、私は経済のもつれになって、ある意味では弱い者や良識的な人たちが非常に不利益を見て、商売の大変上手な、そういう人たちがそこに不法な、つくるためには千円かかるものが写すためには百円でできるんですから、このあたりの問題は、文化庁がすっきりとなたを下さないと、係争中のものが全部だめだといったら、ああいう問題は一方が願うたら片一方が願うのですから、訴訟を両方が起こしたら、係争中だということで文化庁は後へ下がっておりますということでは、私はやはりこの問題を——著作権を守る文化庁としてはもう少しと思いますが、この問題、一応ものも推移をいたしておるようですから、きょうのところはこういうことにいたしておきます。 ひとつ、最後に言いました問題は、大変私は文化庁として御指導をいただかなければならない問題だと思います。どうかひとつよろしくお願いをいたしておきたいと思います。 最後に大臣に、大変きょうは教科書の問題でいろいろ申し上げました。大臣、私が心配をいたしておりますのは、これからいろいろ続いております、まあ文部省にも飛び火があったようですけれども、教科書そのものが正常にいっておるのに、そうでないようなことに考えられる。そのことは、それらの人が考えておるのだからいいじゃないかでは済まされぬではないかと、こういうことで大臣にお尋ねをいたしたわけでございます。お願いをいたしたわけでございますから、ひとつよろしく、そのあたりのことを十分御承知でございます大臣にお願いをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 最後にお答えをいたしますが、冒頭の教科書の問題は、私申し上げたとおりでございますが、最後に著作権の問題の御論議は、ちょうど私が就任いたしましたときからの著作権のむずかしさというもの、ずっと係争関係がございまして、文化庁の方でも著作権の問題についてはいろいろと努力もし頭を悩ましておる次第でございます。御趣旨の点は、非常に勉強させていただきましてありがとうございました。
○佐藤昭夫君 それでは、まず最初に、弘前大学における免職教官の人事の問題でお尋ねをいたしますが、国立大学の弘前大学で、期末試験においてある教官が、学生自治会の役員選挙に立候補しておる九人の学生を差別して不合格にしたということで問題になり、この大学の教養部教授会が、問題の岩岡助教授、この人を調査の結果この事実が明白になって、一九七一年退職勧告をした。同年、この教養部教授会は分限免職処分に相当と決定して、同大学の評議会も、七七年に教官としての適格性を欠くとして分限免職処分に相当すると正式に決めて文部省に申請を出している。 まず、文部省はこの事実経過については把握をされておりますね。
○説明員(齊藤尚夫君) 承知しております。
○佐藤昭夫君 ところが、文部省は大学側からこの処分申請が出てすでに四年が経過をしているわけでありますけれども、処分をいまだに保留をして、引き続き助教授の身分として、諸手当・税込み年約六百万円、四年間でありますから莫大な額になるわけでありますけれども、それを引き続き給与を支給している。これが事実かどうか。事実とすれば、一体その理由はなぜかという点についてお尋ねをします。
○説明員(齊藤尚夫君) 御指摘の弘前大学教養部の岩岡助教授の件でございますが、御指摘のように昭和五十二年の三月に大学から分限免職の上申がございました。しかし、その処分内容に大変な疑義がございますので、任命権者といたしまして慎重に対応するということで現在処分を行っておらないわけでございます。処分を行っておりませんので、当然身分を持っておるわけでございます。そういうことで、給与も当然ながら支給をしておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 文部省としては、処分内容に疑義を持っているということでありますが、それはどうなんですか。大学側の処分申請について事実の認定の上で事実の誤認があるということなのか、処分の手続の上で誤りがあるというのか、法令の適用の上で誤りがあるというのか、具体的には何ですか。
○説明員(齊藤尚夫君) 具体的には、事実認定に誤りがあるという点もございますし、また法令の適用にも問題が非常に大きいということでございます。特に分限免職処分というものにつきましては、その者の公務員としての身分を剥奪するわけでございます。したがいまして、一般的にはその職に必要な適格性を欠くという非常に重大な問題でございます。簡単に矯正することができないような持続性のある素質だとか能力だとかあるいは性格等に基づきまして、その職務を遂行することに非常に重大な支障がある、でなおかつ免職の処分をする以外にこれを改善する方法がないというような問題でございますので、このような不利益処分につきましては任命権者として慎重な対応が必要であるというふうに考えているわけでございます。
○佐藤昭夫君 事実の認定の上でも、法令の適用の上でも疑義を感じておるといういまの説明ですけれども、具体的にはどういうことですか。
○説明員(齊藤尚夫君) ただいま、その職に必要な適格性を欠く場合で、かつ免職処分が相当であるという場合の法令の考え方について御説明をいたしたわけでございます。 弘前大学におきましては、昭和四十四年にこの事件が発生以来、いろんな観点からこの問題が議論をされました。個々の処分に関係する問題でございますから、その具体的な内容について逐一ここでお話しすることが適切であるかどうか疑問を持つわけでございますけれども、そこで処分事由として掲げられております幾つかの点が、このような適格性を欠くというふうに断定するには相当に問題があるというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 とにかく、大学側から具体的な文部省に対しての具申が出て、四年間この結論を保留をされたまま、言うなら握りつぶしになっておる。しかし、尋ねても具体的理由については、事実認定の点あるいは法令上の点、とにかく具体的なことについては説明するのは控えたいと、こういうことで一体話が通るでしょうかね。四年間、大学側から人事の問題で、教官の任免の問題で申請がされて、四年にわたって放置をされてきた大学側の結論がある。こういう事例はありますか。
○説明員(齊藤尚夫君) 教員の身分取り扱いにつきまして、これまでの対応につきまして簡単に御説明を申し上げる必要があろうかと思います。 一般的には、大学等から大事に関します上申がございました場合には、その申し出に基づきまして発令をいたすというのが通常でございますけれども、事懲戒処分等の不利益処分につきましては、あらかじめ大学当局からの申し出がございます前に事実上のいろいろな相談をいたしておるわけでございます。これは他の公務員との比較もございますし、また大学間で余り不均衡な処置がとられても困るということもございまして、人事課には審査班という班も設けられましてそれに対応いたしておるわけでございます。そういう過程でこの問題が出てきたわけでございます。評議会が審査を開始いたしましたのが四十七年の九月でございました。その後文部省に上申を持ってまいりましたのが五十二年の三月でございます。この間、文部省も求めに応じましてこれについて逐一御相談にも応じてきたという経緯をこの事件は持っておるわけでございます。 文部省の事件に対する具体の考え方につきましては大学当局に詳しく述べておるところでございまして、ここでは詳しくは申し上げられないと思いますけれども、文部省の考え方につきましては大学当局が十分承知をしておるというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 聞けばますます疑問がふえてくるわけですけれども、とにかく教養部教授会が免職処分を決めたのは昭和四十六年ですね。そして四十七年九月から文部省としていろいろな協議をやってきた。そういう協議を受けて、昭和五十二年に大学の評議会が処分を決めて具体的な申請を文部省に出してきたというこの経過になっておる。この間、岩岡助教授御本人からは人事院に対しての措置要求も出されておる。こういう状況で、場合によれば人事院にこの問題が移されておる、いろいろな裁判、審理ということもあるかもわからぬということもよくよく承知の上で、大学側としては当然非常に慎重かつ厳密な調査、検討をやった上での昭和五十二年の評議会としての処分決定、申請と、こういうことで出てきているはずだというふうに当然考えますね。 あなたは、分限免職に関する事柄で非常に慎重さを要すると、それは慎重さを要するでありましょう。しかし、他の大学で全くこういう分限免職というケースというのは例がないわけじゃありませんね。たとえば私が承知をしておる限りでは、東北大学法学部、あるいは北大の文学部、こういうところで同様に分限免職の事例があるわけですけれども、いずれも上申がされて文部省が確認をして免職の発令が行われるまでに一月以上は経過していないわけです。非常に短い、一週間か二週間、せいぜいそれくらいの文部省としての検討期間を経て、文部省としてもよろしいということで、大学の意思、これを尊重をして、文部省としてこれを確認をして発令を行っておるという、これが大体通例じゃないか。ところが、ここの弘前大学のケースの場合については四年間、とにかく問題があるということだけの言い方で結論たなざらし、握りつぶしと。こういうことが一体通るのか。どうしてもこの点について疑問があるというんだったら、文部省としての主導的見解を明示して、いずれにしても事の結論を早く出さぬといかぬでしょう。なぜこういうことになっているんですか。
○説明員(齊藤尚夫君) 先生おっしゃいますように、文部省の見解はすでに大学当局にその都度申し上げておるわけでございます。そういうことで、大学当局も文部省の考え方というものは十分承知をしておる。文部省といたしましては、大学自体がこの問題に適切に対応していただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 文部省の見解は十分申し上げて、大学側は御承知のはずだと。御承知のはずでしょう。しかし、にもかかわらずさっき私年月を追って申し上げたように、にもかかわらず大学の評議会として処分を決定をして、文部大臣あてに上申をしているわけでしょう。というのは、やはり文部省の言い方というのがそれほど納得できる根拠がないから、大学側がやはり処分をする必要があるということで上申が出てきているわけでしょう。当然この大学側の意思というものを尊重してしかるべきじゃないですか。四年間もたなざらしにしておるというどこに根拠があるんですか。本当に文部省の言っているのが正しいというんだったら、もっと早く文部省の言っている方向で一定の手直しが得られるべきじゃないですか。
○説明員(齊藤尚夫君) 大変時間がかかっておりますことは私どもとしても大変残念なことでございます。上申当時それ以前から、この問題につきましての文部省の見解は大学当局も十分承知しており、なおかつ上申が出されたという経緯もございます。その後、学長等にお会いする機会ごとにそのことは私どもは申し上げておるわけでございますが、御指摘のとおりできるだけ早くこの問題が解決することを文部省としても期待をいたしておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 大学の教官の任免に関する人事権の規定、これを定めたものとして教育公務員特例法の第十条がありますね。ここでは、要するに大学の管理機関すなわち教授会とか評議会、ここが大事についての決定を行って任命権者が発令をする、これはそういう手続を決めたものであって、文部大臣がいわゆる承認権、これを理由にしていろいろと大事について采配、介入ができる、こういうものではありませんね。
○説明員(齊藤尚夫君) 教育公務員特例法の第十条は、御指摘のように大学の教員の免職等、大事につきまして「大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。」、申し出に基づいて行うということになっているわけでございます。しかし、大学の申し出があった場合、そのすべてについて直ちに文部大臣がいわば機械的に上申どおりの措置をしなきゃならぬかという問題がございます。その申し出に明白な瑕疵があったり、あるいはその内容等にきわめて重大な疑義がある場合、任命権者としての責任上それを保留するということもやむを得ないものと考えておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 あなたはそのようないろいろ解釈をしようとも、教育公務員特例法の第十条のこの定めというのは、そういう手続を定めたものだということは明瞭なんですよ。問題は、やはり私がきょうここでこれを取り上げる、どういう性質の事件なのかということを、果たして文部省は認識をしているかどうかということでやっぱり確かめておく必要がある。四年間放置をしてきたことについてあなたは言い張っていますから言っておいた方がいいと思うんですけれども、この岩岡という助教授は教養部における体育の担当、そして体育の期末試験の認定に当たって、一つは、さっきも言いました自治会役員選挙に立候補しておった九名について採点を差別をして、教養部から専門課程いわゆる学部への進学をできないようにしたということで、教授会から認定を行った際のレポートの提出なんかを求められてもそれも拒否をする、教授会が妥当な解決方法を提示してもそれも拒否をするということとか、それから直接の担当ではありませんけれども、保健の科目についてもそれをかわって認定の仕事をやって点数の操作をした、これが教授会でいろいろ問題になっているということで、当然教授会で議論になってきたそういうこと、それを何とかつぶそうと考えたんでしょう。対立をしている教官を飲み屋で殴ったという、これが朝日新聞なんかにも当時報道をされている。あるいは他の教官二名に部下三十名を連れて脅迫をして押しかけると。これが教授会でも大変問題になったというようなことを私は直接現地の教官から聞いているわけでありますけれども、文部省はこのようなことは知っていますか。
○説明員(齊藤尚夫君) いまお話をお聞きしているうちで、他の教官を殴ったということはもちろん承知しておりませんけれども、処分事由の中でさまざまな脅迫的言辞を弄したというふうなことが指摘をされている、その教官の行動の一部について十分承知をしておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 私はまさかということでお尋ねをいたしますけれども、この岩岡という助教授が学生自治会活動を抑圧する働きをした、役員選挙に立候補をする学生に点数の差別をした。こういう人物であるから、学生運動は余り活発にならぬ方がよろしい、そういう役目をした教官だからこれをひとつ積極的に応援をしていく意味で、文部省としては処分申請を握りつぶしをしているということではまさかないでしょうね、念のため聞きますけれども。
○説明員(齊藤尚夫君) 当該教官によりまして単位認定の取得ができなかった者は十三名、そのうち九名がいわゆる自治会の活動家であったということでございまして、教養部の調査、それから評議会での審査の過程におきましても思想による差別であったという断定はいたしておらないわけでございます。単位認定の方法であるとか、あるいは調査や審査に対して協力的でなかった、あるいは他の教官、関係者に対していわゆる脅迫的な言辞を弄した、そのような観点からの処分内容、処分事由であるわけでございます。
○佐藤昭夫君 それで一体、文部省は現在も調査中だと言うんですけれども、この結論が四年間延び延びになっているのは遺憾と思っていますという他人事のようなことをおっしゃっているわけだけれども、一体、おそくともいつまでにこの問題の結論を出そうということで作業をやっているんですか。
○説明員(齊藤尚夫君) これはまさに先生御指摘のように大学自治に絡む問題でございます。私どもとしてはできるだけ早く事態の改善が図られることが望まれるわけでございますが、いついつまでという期限をいまの段階で設定して申し上げるわけにはいかないと思っております。
○佐藤昭夫君 一日も早い結論を目指して努力をしているという、当然そういうことですわね。 文部大臣、この問答をお聞きになっていてどうでしょうか。私が二つほかの事例挙げて全く否定はなかったんですけれども、東北大学の法学部と北大の文学部、ここで同じように分限免職処分という、こういう申請が出ている。この二つのケースについては、いずれも一月も経過をしない間に、短期間の間に大学の意思を尊重して文部省としてそれを受けて人事を発令をする、こういうやり方がやられてきている。これが大体通例だと思うんです。ところが、ここの弘前大学のケースについては、四年間とにかくその結論が出ないということで結論たなざらし、別の言葉でいえば握りつぶし、この結論はだめならだめだということで文部省が突っ返したというわけでもない。こういう形で四年間経過をしているというのは、私はこれは非常に異例なことだと思いますね。 それで、これはできるだけ早い結論を望んでいるんだと言いながら、いつということが言えるそういういまの段階ではないという、こういう感じですけれども、少なくともこの問題について他の東北大なり北海道大学なり、そういうケースと同じように、大学の意思を尊重しつつできるだけ早い機会にこの問題についての結論を出す。何か弘前大学ではちょうど学長選挙の時期に入ってこの問題も一つの論点になってきているらしいです。大学の自治が守れるのかどうかという、こういう時期であるだけに、早く結論を出すということで文部大臣として対処をしてもらいたいというふうに思うんですが、どうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は、本件については経過は知らなかったわけでございますが、今日のお話を拝聴いたしておりますが、大学の自治を尊重いたしながら、かつまた処分内容の公正さにも留意をいたしましてこの問題の処理に当たってまいりたい、かように考えております。
○佐藤昭夫君 速やかなるひとつ結論を出すという方向で努力、検討願いたいというふうに思うんですが、重ねてお尋ねをしておきます。
○国務大臣(田中龍夫君) 御意見として承っておきます。
○佐藤昭夫君 御意見としてと言って、当然じゃないですか、速やかに結論を出すという方向でひとつ——というのは、先ほどの人事課長の方も早いこと結論が出ることを望んでいますと言うんですけれども、何月何日までにという期限を切ることを、これは約束しなさいと言ったって無理だろうと思いますけれども、早急な結論を出すという方向で御努力願いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 冒頭申し上げたように、大学の自治に関することでございますので、大学みずからが速やかに何がしかの意見をお持ちになっていただきたい、かように考えております。
○佐藤昭夫君 ちょっと文部大臣、あなた自分の言うたことに固執をするのか、大学は結論出して申請しているんですよ。先ほどの答弁では、大学の自治も尊重しつつ、同時にこの処分理由についても一層綿密な検討を加えつつ結論を出したいと。それを早く出す方向で御努力願いたいと、こう言っているんですから、それ当然じゃありませんか。
○国務大臣(田中龍夫君) でございますから、御意見として承っておきます。
○佐藤昭夫君 局長、どうですか。あなた直接国立大学の、そこにいろいろな意味での責任を持っておる立場で、早く結論を出す方向で必要なこの作業も進め、文部大臣にも意見の具申をしてひとつ努力すると。
○政府委員(宮地貫一君) 事務当局といたしましては最善を尽くしたい、かように考えております。
○佐藤昭夫君 これでずいぶん時間をとりましたけれども、次の問題へ移りたいと思いますが、私学助成の問題について、当面の臨調報告、行革、これの一つの重要な課題になってきていると思いますけれども、私学助成の問題は、言うまでもありませんが、毎回の国会に出されてきます請願書、これについてくる署名の数で見てもほとんど最高の数が毎期出てくる、非常に強い国民的要求になっているし、今日幾つかの都道府県でも、直接自治体で私学助成についての条例制定を請求をする、そういう直接請求運動というものもかなり今日起こっているわけであります。 ところが、今回の五十七年度の概算要求を見ますと五十億円増、一・八%の伸び率ということでありますが、大蔵省のゼロシーリングの締めつけのもとで、まあまあよくがんばった方だというふうに文部省は自賛をされていますけれども、しかし考えてみますと、この物価上昇あるいは当然人事院勧告も基準にしながら私学の関係の教職員の人件費もアップする、そういうことのいわゆる私学助成の当然増ということで見ますと、本来二百五十億ぐらい伸びてしかるべきところ、それの五分の一程度しか伸びていないという姿に残念ながら現状はなっているという、この点の認識は文部省も同じような認識でありましょうね。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの佐藤先生の御意見、われわれといたしましては私学を何とか助成してまいりたいという希望は一貫いたしておりますが、御案内のとおりにこの経常経費の補助につきましては、先生の言われる二百億なり二百五十億というものは考えられますが、この点は、われわれといたしましては配分方法の見直しでありますとか、あるいは何とか他に吸収することによりまして、ゼロシーリングの中におきましても特に概算要求で五十億円増ということで要求いたしておるのでございます。 それで、お話しのように、これが授業料の増加とか便乗値上げになるといったようなことがないように、私学の側におきましても前以上に自主的に経営努力をしてもらいまして、そうして苦しい中におきましてもわれわれは五十億円増ということを強調いたしたことにもかんがみまして、極力授業料の抑制に努めてまいるように指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○佐藤昭夫君 大臣はせっかちに、私聞いてないことまで答えておられるわけですけれども、少なくともこれは当然増——さっき言いました物価上昇あるいは人事院勧告に基づく私学関係教職員の人件費増、こういう当然ふえるべきものから見たら二百五十億ぐらいふえぬといかぬところだと。しかしそれが五十億になった。この二百億落ち込んだ分をどうするかということについては、それは配分の過程でいろいろ文部省として考えておるところだということかと思いますけれども、この五十億さえも、果たして年末の大蔵査定で守り切れるかどうかということについては非常に不安も残っているという現状なんですね。 そこで、次の質問としてお尋ねをしたかったわけですけれども、どうですか、しきりに多くの新聞やら私学の関係者、たとえば私大連盟とか等々そういう団体が、このままでは——というのは、この一・八%の伸び、五十億の増、こういう伸びでは私学の授業料値上げは避けられないという考えがかなりどんどん出だしているということですけれども、この点については、文部省は、確かにそういうちょっと深刻な状況にくるだろうとお考えなのか、それとも、いやうまいことやったらそんなもの値上げをせぬでもいいんだと、結構回っていくんだというお考えなのか、どっちなんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘のとおり、人件費あるいは物件費の上昇が見込まれます。そのことから経常的経費が増加する、これを補助金ですべてカバーできないという部分につきましてはそれなりの問題を生ずるわけでございますが、このような財政事情でもございますので、大臣が御答弁申されましたとおり、私学自体で従前以上に自主的に経営努力を行っていただきまして、極力授業料の引き上げの抑制を図っていただきたい、また同時に、教育研究条件の維持に一層の御努力を賜りたいということを私ども強く期待しておるところでございます。
○佐藤昭夫君 そうしますと、いまのあなたの御見解は、私学の当局が経営の一層の合理化、これに努めれば結構値上げをしなくっても済みますと、これが文部省の見解ですということですか。
○政府委員(柳川覺治君) 私学助成制度は全額の助成ではございませんで、大体現在経常経費総額に対しまして三〇%程度に相当する助成でございます。したがいまして、従来でも国庫補助金の増額に大変な努力を重ねて年々その増額措置が図られてまいりましたが、五十二年から以降の実態を見ましても、増額にもかかわらずそれなりの授業料の年々の値上げを見ておるわけでございまして、本年度の五十六年度は七%程度の授業料の値上げがあった、学生納付金の値上げがあったということでございまして、そのような動態からいたしまして、来年度の学生納付金が全然値上げしないで済むというようには考えておりませんが、このたび当然増と見込まれております二百五十億のうちの二百億につきましては、私ども、できる限り配分方法の改善等によって、これがまた私学側の自主的な努力によって何とか吸収されるような方向での努力をしていきたい、また期待もしていきたいという考え方でございます。
○佐藤昭夫君 果たしてあなた方が言われるようなそういう楽観的な形でこの私学の経営が今後進んでいくのか、私はそういう状況じゃないと思いますね。当然増経費さえも維持されない、こういう状況のもとでこの私学の経営というのはやむを得ず値上げをせざるを得ぬという、こういうところへ突き進んでいくんじゃないか。しかし文部省は、いやそんなことしなくても済むはずですと、こう言うんですから、そういうことで指導の徹底をしてくださいよ。 そこで、さらに続いてお尋ねするわけですけれども、大蔵省が、この当面の行革、財政再建の問題に関係して、こういう「財政再建を考える」という色刷りのパンフレットを出して、この中で、四十人学級問題とか私学助成問題とか、図表を入れてそれに触れていますけれども、要するに、わが国の大学進学率はアメリカに次いで高い水準となってきたということを冒頭に掲げながら、この私学助成についても見直しをすべき時期へ来たと、単にこの量の面での助成を強めていく、もうそういう段階から質の段階へ今度入ってきているんじゃないかという、こういう考え方、これはまあ例の大蔵、「歳出百科」とか、そういう中でもしきりに出ておった方向ですけれども、今日果たして、私学教育というのは、もう量的援助、量的助成の段階から質の段階へ来ているということにふさわしいほど、国立大学と比較をして教育諸条件の整備が充実をしてきたというふうに言い得るかどうか。この点で幾つかひとつ数字を提示していただきたいと思うわけでありますけれども、国立大学と私立大学と比較をして、たとえば教員一人当たりの学生数、職員一人当たりの学生数、学生一人当たりの教育費、あるいは学生一人当たりの校地面積、奨学資金の国公立と私学との比較での貸与率、あるいは図書の比較、こういう点では、数字にしてみればどういうことになりますか。
○政府委員(柳川覺治君) 国立大学と私立大学の教育条件の比較でございますが、御指摘の教員一人当たりの学生数、五十六年度でございますが、国立大学が八・一人、私立大学が二十六・五人、国立に対する私立の割合は三・三倍という、この学生数を一人の教員の先生が受け持っておるという形になります。 それから、職員一人当たりの学生数で申しますと、私立の方が二・八倍。それから学生一人当たりの経費でございますが、国立大学につきましては臨時経費を入れまして一人当たり百八十九万一千円、私立大学が七十一万二千円ということで、国立に比しました私立大学の割合は三七・七%相当でございます。 また、学生一人当たりの校地面積につきましては、おおむね私立大学は国立大学の四〇%の面積、また学生一人当たりの校舎面積につきましては、国立に比しまして三五%の面積割合ということの実態でございます。 それから日本育英会の奨学金の貸与率でございますが、五十六年度、国公立二五・一%、私立大学七・六%の学生に対する貸与がなされておるということでございます。 それから図書の冊数でございますが、学生一人当たり図書数は国立大学で百十九・六冊、私立大学の方が三十・四冊という割合でございます。
○佐藤昭夫君 いま具体的な数字で提示がありましたように、おおむねすべての指標において教育条件が一対三以上の国公立と私立との開きが依然としてあるということが、いろんな面から指摘ができるそういう現状だということですね。ですから、こういう状況のもとでこの私学助成というのは、もう量の面ではこれはほぼ来るべきところへ来た、あとは質だと、こういう段階ではさらさらない。現に、本来であれば七〇年から始まって五年間、一九七四年までに二分の一経常費補助、ここへ達成すべきところ、これが達していないと、こういう状況にあるわけであります。 そこで大臣にはっきりひとつお尋ねをしたいと思うんですけれども、本来もっと早く到達をしておるべきこの二分の一補助という到達目標ですね、大蔵省はもうこれもなし崩しに崩してしまおうという動きが——私はそういう懸念を感じてしようがないわけですけれども、いやしくも文部省としては、この二分の一補助というこの目標、これは死守をしていくと、この目標を掲げて引き続き今後とも一層の文部省としては努力をしていくんだ、この推進を図っていくんだという、このことについては変わりないでしょうね。
○国務大臣(田中龍夫君) われわれの私立大学に対しまする希望なり理想といたしまして、二分の一の目標を何とかそれに一日も早く達するように努力をいたしたいと、かように考えております。もちろん、当面の非常に厳しい財政事情に当たりましてはそれに対応をいたしてまいりますけれども、ただいま申し上げたような次第で、ぜひこの希望に向かいまして努力を続けます。
○佐藤昭夫君 さらにもう一点お尋ねをしておきたいと思いますが、これは昨年の委員会でも私ちょっと触れたかと思いますが、一九六六年の国連の総会で採択された国際人権規約、この中で初等教育だけではなく、中等教育、高等教育にまで向けて漸進的に教育無償を目指していく、こういう方向が打ち出されているわけでありますけれども、この人権規約のこの条項ですね、これの世界の批准の状態はどういう状態になっていますか。文部省としてはどういうふうに把握していますか。
○政府委員(宮地貫一君) 批准の状況等の現状につきまして、ただいま手元に資料を持ち合わせておりませんので調査をさせていただきたいと思います。時間を若干いただきたいと、かように考えます。
○佐藤昭夫君 私の理解では、国連の全加盟国の中で日本とアフリカにあるルワンダ共和国、この二つだけがまだ批准をしていないという情けない姿になっている。この発達した資本主義国、サミット加盟国のそういう役目も果たしておるわが国が、いまだに国際人権規約に基づく高校教育も含めての教育無償の方向についてこれを拒否をしているというのは、国際的に見ても非常におくれた姿になっているんじゃないか。ぜひともこういう事態を改善していくために、わが国としてもこの人権規約の批准の方向に向けて積極的な検討を開始すべきじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) いまの義務教育無債の問題等々、憲法に照らしましても、われわれはその理想を達していかなければならない。ただいま先生が御指摘になりましたような問題につきましても、当然私どもといたしましては一日も早く実現いたさなきゃならぬ、かように考えます。
○佐藤昭夫君 さらに、私学助成の問題にかかわって私もう一つ指摘をしなくちゃならぬ問題は、さっき言いましたこのパンフレット、「私学助成の見直し」というこの大項目のもとで、「私立大へは比較的高い所得の家庭の子弟が入学しています。」という、こういうグラフが掲げられておるわけですけれども、片一方、文部省が調査をされた「家庭の収入階層別学生数の割合」という、これの数字を提出をしていただいたわけですけれども、ずいぶん数字が違うわけですね。で、文部省の方は四十五歳から五十四歳の世帯、この中で、所得階層別の五分位に従って学生数の分布がどうなっているか、国立、公立、私立についてというこの調査ですけれども、こちらの大蔵省の方のこれによりますと、これは全国全世帯についてというこの調査であります。で、大蔵省来ておられますか。——こういう表を掲げられたこの積極的理由は何ですか。もっと私尋ねますと、子供が大学へ行っているというのはうんと若い世帯、両親の若い世帯というのは子供はそんな年齢に達していませんわね。それから、うんとじいさんばあさん、ここへいけばもう子供はとうに大学年齢を過ぎている。ですから、そんなようなところも含めてどうかという、そういう調査をやってみてもこれは意味がない。文部省の方は四十五歳から五十四歳、大体子供が大学へ進学をするここの年齢層の世帯をとって、その中でどういうふうに分布しているかという調査をやっているわけですけれども、大蔵省がなぜこういう調査をしたのか、積極的理由はあるんですか。
○説明員(浜本英輔君) 御指摘いただきましたように、大蔵省がつくりました「財政再建を考える」というパンフレットには、「所得階層別にみた私立大学生の出身構成」といたしまして、昭和五十二年度の文部省の調査に係るデータが掲載されてございます。このデータをこういう形で掲載いたしましたのは、先生ただいまお話しいただきましたように、物の考え方といたしまして、通常言われております全世帯ベースの所得の五分位階層区分、これをとってみまして、それぞれの階層ごとの構成割合がどういうふうになっているかということを、いわば非常に単純に比較したものでございまして、それ以上に、何と申しますか、深い意味を持たせたデータではございません。私どもとしましては、ときどき所得階層別区分によって見た場合にどうなるかというような御質問も受けておりましたものでございますから、こういうデータを掲載したわけでございます。
○佐藤昭夫君 特別の目的はないというふうに言われておりますけれども、このパンフレットの数字によりますと、一番所得の少ない年収ゼロ万円から二百三十八万円、ここのところの子供が私学へ行っているというのは四%だと、以下第二位八%、第三位一五%、第四位二四%、そして第五階層位、五百十九万円以上、ここが四九%。要するに言わんとするところは、一番所得の高い層、ここで半分近く私学へ行っていますと、ですから私学助成が減って少しぐらい授業料が上がってきたって大して親にはこたえぬのですというふうに言わんとするかのごとき、そういう意図を持ってこれはことさらそういう数字を出してきているんじゃないか。文部省の方から私いただきました四十五歳から五十四歳、ここまでの層で比べますと、いまで言う一番高い所得の第五分位ですね、ここは二九・三%になるんです。こっちでは四九%という形で数字が出ているということで、私はことさら、半分近いのが一番トップレベルだから、この区分のですよ、余り大して国民に対してはこれはこたえることじゃないと、犠牲になるわけじゃありませんという非常に意図的なパンフレットがつくられておるんじゃないかと。文部大臣、そういうふうに思われませんか。
○国務大臣(田中龍夫君) おのおの立場がどうも違っておるようでございます。政府と申しましても、文教をお預かりいたします私どもと、それから財政を担当する役所ではやはり考え方も違うニュアンスを持っておると思いますが、しかし、そういうことはできるだけあってはならないことでありまして、政府といたしましては、今後つくります資料等におきましても、まちまちな不統一な調整のとれてない整合性のない資料は出さない方がいい、出してはいかぬものだと、かように考えております。
○佐藤昭夫君 文部大臣としてはそれなりに妥当な整合性のある資料を提示しなくちゃならぬと思うとお答えになっていますけれども、私は大蔵省はどうも意図あってこれ出したんじゃないかというふうに思えてしょうがない。きょうは大蔵省の重要な責任者はこの文教委員会には出席になっていませんが、大蔵省として、この資料についてはそういう特別の意図を秘めた資料だということで、私はこれは撤回を願いたいということを強く要求をしておきますので、ひとつお帰りになって大臣に伝えておいていただきたいと思うんです。 もうあと余り時間がありませんが、もう一つ五十七年度概算要求にかかわって、公立の文教施設の建設費予算ですね、これも非常に圧縮をされてくる、抑制をされているという姿になっているわけですけれども、そのために非常に教育関係者から強く熱望されている老朽校舎の改築とか、プレハブ校舎の解消をするとか、それからマンモス校を解消するとか、こういった面にもいろんな障害があらわれてくるんじゃないかというふうに私は思うわけでありますけれども、そういう角度からもう少しお尋ねをしておきたいと思いますが、一九七七年の三月の参議院の予算委員会で、わが党の上田議員が質問をして文部省として当時お答えになっているんですが、プレハブ教室を三年以内になくすということを目標として取り組むという答弁をなさっておるわけです。しかし、今日も依然としてプレハブ校舎が各地に残っているのは言うまでもありませんけれども、今回の校舎建築、文教施設建築予算が抑制をされるというにもかかわらず、三年以内にプレハブ教室解消のこの方向は堅持して一層の努力をやっていくんだというふうに確認をしてよろしいでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) 五十七年度概算要求に当たりまして、公立学校施設の整備費につきましては、いわゆるゼロシーリングの中での厳しい要求ということでございましたので、かつ、臨時行政調査会の御答申がございまして、その趣旨も踏まえまして、たまたま小学校の児童数が減少傾向に入る年でもございまして、その面からも各市町村での御計画される事業量が減少するという傾向もございましたので、十分今後の整備計画に対応する要求といったてまえに立ちまして、その結果四百二十七億の減額要求を行ったということでございまして、基本におきまして各市町村で御計画される整備計画には来年度予算で対応していけるものという基本に立っておる次第でございます。 御指摘のプレハブの解消の問題につきましては、三年計画で解消していくという方向での取り組みをいたしておりまして、現に御指摘されました五十一年度の三千八百八十教室につきましても、それぞれ五十一年、五十二年、五十三年にわたりましてほぼそれを解消したという実績を見ております。 なお、プレハブの教室につきましては、新しく学校を新増設するその間プレハブの教室で一時これを充てるということの実態がございますので、これらにつきましては、従来どおり三年計画で解消していくという方向を堅持して、その指導をさらに続けていくという考えでおります。
○佐藤昭夫君 あともう一つ質問をいたしますが、先ほど来、小野委員も学校内暴力、非行の問題についていろいろ質問をしておられましたけれども、それともかかわっていわゆるマンモス校ですね、非常に学校が大規模校になっているというこのことが、教育的に目を配った、行き届いた教師の教育活動を困難にしている、これが非行の原因の一つにもなってくるという問題は、いろんな形で識者が指摘をしておる問題だろうと思うわけですけれども、そこで、この学校教育法の施行規則でいきますと、学校の適正規模は十二学級から十八学級ということを打ち出しているわけですけれども、現在、全国的にマンモス校、これを超える学級、過大学級を抱えておるマンモス校が幾つぐらいあるのかということで、これの解消について文部省としてはどういうふうに計画的に取り組むのか。プレハブ校舎解消の問題とあわせて積極的な取り組みを文部省としてやっていく必要があるだろう。この非行対策との関係での一つは、この問題の位置づけ、それからその具体的な計画、これを最後にお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 学校教育法の施行規則におきまして、「十二学級以上十八学級以下を標準とする。」という標準を決めております。現実にわが国の全国の小学校、中学校につきまして、十八学級以下の学校はほぼ七〇%という状態でございます。 大規模校の分離の問題につきましては、それぞれ市町村におかれまして新設校の位置あるいは学区の定め方等、住民の十分な合意を得ながら円滑な進めをしておるところでございまして、実態といたしましては、三十五学級の程度の規模のものの分離が行われる傾向にございます。昭和五十五年五月一日現在でこの三十六学級を超える小学校が全国に六百八校ございます。中学校が百一校でございまして、文部省といたしましては大規模校のこれらの学校の分離にかかわる校舎の整備につきましては優先的な補助取り扱いをするということで取り組んできたところでございまして、また、補助の申請がございました際に、一般の市町村につきましては三十学級以上の学校につきまして、また、急増の市町村の場合は三十六学級以上の学校につきまして分離の可能性があるかどうかということにつきましても、改めてその可能性を検討するというようなこともいたしまして、極力分離、新設が進むような指導をしているところでございます。
○委員長(片山正英君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会 —————・—————