文教委員会 第2号
- 発言数
- 334 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/10/22
会議録
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、藤井裕久君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(片山正英君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事一名が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山正英君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に小野明君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(片山正英君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○本岡昭次君 まず、私は諸澤文部事務次官の真名ゴルフ場の会員権割引購入の問題に関連する事柄について若干質問をいたします。 私たちは、新聞によるところで判断をするしか仕方がないという状況に置かれています。きょうも当事者をこの委員会に呼んでいただきたいということを理事会を通してお願いをしておったんですが、どうもそれは拒否されたようでございます。その問題はまた後ほど言及いたしますが、私は新聞を読む限りにおいては、文部省幹部と教科書業界との間に疑惑がある、このように考えています。御本人も新聞の中で、記者とのインタビューその他、事実関係において、少なくとも火のないところに煙は立たぬ、そういう事実関係は認めておられるわけでして、しかもなお、その中に、そこにもおられる文部省のそれぞれの幹部が一緒に真名ゴルフ場でプレーを再々されておられるということも出てきております。しかも、八月二十四、二十五、二十六日と、新聞の報道する内容が二転三転して、国民は一体どうなっているんだという疑惑というものは一層深まっているのであります。教科書に対する国民的関心が昨今非常に高まっている中で、教科書だけは、文部省と、あるいは自民党と、政権政党との間において汚れた癒着関係というふうなものはあるはずがないというふうに信じていた国民にとって、最近の状況というのは非常にゆゆしき問題であろうと思うし、文部行政そのものが、国民に対して文教行政の信頼を回復するについても、この問題はこうした委員会で私たち野党が追及するということでなく、文部省がみずからこの問題の真実を解明して国民の疑惑を解く、自民党の側も当然そういうことをなすべきであろうと思いますが、今日までの衆議院の論議を聞く限りではまるで臭い物にふたをするという表現がぴったりするような状況の中で推移をしているところです。私は、この教科書問題は、いままでの質疑の中で、文部省の答弁がただひたすら逃げの一手を打っている状況だけでは済まされないという問題に関して、この委員会を通して文部省の明確な態度、そして審議を通して教育に対する国民の信頼を回復する状況にぜひとも持っていっていただきたい、このように考えるわけですが、まず文部大臣、そうした問題を論議するに当たって、教科書協会と文部省との癒着等々に関する昨今の状況について、この委員会に対して大臣はまずどのようなあいさつというのか、申し開きというのか、所信というのか、というものをされるおつもりか、その中身をまず私は聞かしていただいて、それから質疑に入っていきたい、このように思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。 ただいま御質問の第一点でありますが、御指摘の事務次官のゴルフ場の会員権の購入の問題でございますが、御指摘のようなケースでは全くないということをはっきりと申し上げることができると存じます。と申しますのは、一個人としてゴルフ場の会員権を正当に購入いたしましたことにつきまして調べてもみましたが、その間には疑わしい点は断じてございません。たまたまそのゴルフ場の理事の一人が教科書会社の社長であったというだけでございまして、その点はどうぞ一日も速やかにそのような御疑念がないようにお晴らしを願いたいと存じます。 第二の教科書協会の政治献金の問題でございますが、御指摘の寄付に関しましては、われわれは昭和五十六年の八月四日付の官報で、各教科書会社が国民政治協会に対しまして寄付を行ったということを知ったわけであります。教科書会社の寄付は、企業であります各教科書会社と政治団体との間の事柄でございまして、文部省といたしましては見解を申し上げる必要もないと存じます。 なお、教科書会社が民間の企業であり、政治資金規正法による規制等に抵触しない限りにおきましては、政治団体に対しまする寄付行為というものがございましても私は何らそれに対しましてとがめることもない。さらにまた、教科書会社の寄付につきましては、この点につきまして文部省といたしましても見解を申し上げますことにつきましては差し控えたいと存じます。
○本岡昭次君 いまの文部大臣の答弁は衆議院段階でいろいろ論議されたことの整理ということで聞かしていただいて、改めていまからいろいろとお尋ねをしてまいりたいと思います。 鈴木総理はよくゴルフに行かれるようでございまして、新聞でよく拝見するんです、高齢の身をもって総理という激務をやっておられるんですから、健康を保持するためにそれぞれがいろんなレクリエーションなりスポーツを楽しむ、また健康管理のために行うということはこれは大事なことでありまして、ゴルフが総理にとってそういう意味で重要な健康保持のためのスポーツであるということ、私は結構なことだと思っています。 そこで、田中文部大臣はそういう意味でゴルフはたしなまれるのですか、どうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) たまたま御質問の点につきましては、ゴルフ雑誌に、先月号でありましたか載っておりますが、文部大臣になりましてこの方、ここのところ、ことしになりましてから七回くらいでございますからやるという中には入らないかもわかりませんが、たまたま土曜、日曜の休日がいつも用務多忙でございますので、そういう機会にも恵まれません。しかしながら、できるだけ健康保持という点から参りたいとは存じておりますが、なかなかその機会に恵まれないというのが実情でございます。
○本岡昭次君 去年の七月二十七日、文部省の幹部とともに、真名ゴルフ場で大臣就任直後いろいろな意味もあってプレーされたということですが、そのときのプレーの状況はどないでした。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は、その前に当日は東富士のゴルフ場に実はセットしておったんであります、私個人としましては。ところが、その後に大臣に就任いたしましたので、切りかえまして真名に参りました。これは大変いいゴルフ場だということを前々から聞いておりましたので、それがとれましたので初めて参りました。りっぱなゴルフ場でございますが、そのときのスコアは記憶いたしておりませんが、大体ワンラウンドで百二、三十ぐらいなところでございましょう。
○本岡昭次君 そのとき随行された幹部の方がおられたと思うんですが、まさかお一人でお行きになるということはないと思いますが、どなたが随行されたんですか。
○政府委員(鈴木勲君) いま大臣がお答えいただきましたように、大臣に就任されましてから間もない時期でございまして、次官、官房長、総務課長との意思疎通を図るという観点から、大臣御夫妻の御招待によりまして事務次官、官房長である私、それから総務課長、そのほか秘書官等がお供をいたしたわけでございます。
○本岡昭次君 いや、秘書官等とおっしゃらずに、ゴルフというのはあれでしょう、いまおっしゃったメンバーではできないでしょう、五人も六人も一緒になってプレーできないでしょう。大臣が招待されたんでしょう、あなたが招待したんじゃないでしょう。
○国務大臣(田中龍夫君) 私の記憶でございますが、そのときは最初通産省の諸君と一緒にいたす予定で東富士をとっておったものでありますから、大臣に就任いたしまして後の最初の親睦という意味でゴルフ場を変えましたけれども、最初話をしておきました通産省の友人たちとも同席でございます。
○本岡昭次君 そうすると、文部省のいまおっしゃった次官、それから局長、課長と言われる方と通産省のそのメンバーでプレーをされたということですが、いまもおっしゃったように、非常にいいゴルフ場だと。名門コースというんですか、何かそういうふうなところのようですが、通常ゴルフでプレーをするためには、いいゴルフ場であればあるほど、そこの会員、メンバーでなければプレーができない。ビジターで飛び込んでいってもなかなかできないというのがいいゴルフ場の内容のようですが、いま行かれたメンバーの中で、会員はどなたがそのメンバーであったんですか。――あなたに聞いているんじゃない、招待された方に聞いているんじゃないんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) その辺のことは私は実は知らないんです。万事、役所が変わりまして新しく着任しました文部省でございますから、官房長からお答えいたします。
○政府委員(鈴木勲君) 会員は、恐らく私の承知しているところでは、当時は一人もおられなかったと思います。
○本岡昭次君 真名ゴルフ場の会員は一人もいなかった。会員の紹介なしにプレーができるんですか。
○政府委員(鈴木勲君) これは、会員の同伴がなければという、そのところもございますけれども、真名につきましては直接申し込んでプレーができるゴルフ場でございまして、私が人数を確かめまして申し込んでプレーをさせていただいたわけでございます。
○本岡昭次君 そうすると、メンバーの紹介もなしに、文部省の官房長鈴木勲名でもって申し込んで、そしてプレーができたと、こういうことですね、
○政府委員(鈴木勲君) そのとおりです。
○本岡昭次君 真名ゴルフ場といったら余り有名なゴルフ場じゃないですね、そんな簡単なことができるのでは、逆に言えば、文部省の権限でもってできないことをあなたがやらせたということを、ぼくは一遍それは確かめに行きますよ。これは常識で言ってできないんですよ。ビジターはビジターのところでなければできない、それは非常に厳格な、何か一般のスポーツと違ったゴルフ特有の格式みたいなものがあるんですよ。それを破って文部省の幹部のあなた――逆に聞きますが、あなた、いままで何遍もそこでプレーされて顔がきくんですか。
○政府委員(鈴木勲君) いや、それほど何遍もというわけではございませんが、申し込んでビジターとしてやらせていただいたことは何度がございます。
○本岡昭次君 これは、一遍真名ゴルフ場へ私も行ってそこらの環境を調べできます。そしたら、たとえば一般の人が申し込んだときにそういうことができるのかどうか。あなたの顔、文部省の幹部であるというゆえをもってそういうことができているのかどうかという事実関係はここでやりとりしても仕方ありませんから、これは私も一遍行ってはっきりさせて、あなたがずっとビジターで行かれた過去のあれを皆見せてもらいます。 それから次に、三角局長もよく真名ゴルフ場をお使いになるようですね、いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) お尋ねでございますけれども、よく使うということの意味合いがよくわかりませんけれども、そんなによく使っているということではないと思っております。ただ、何回かそれは行ったことはございますけれども、もっと多くほかのゴルフ場にも行っておりますので、特に真名をよく使うということはないと思っております。
○本岡昭次君 管理局長も使われるとか、そのほか課長、課長補佐十数名、やはりそこをよく使用しているんだというようなことを諸澤次官はインタビューの中で言っておられますが、初中局長、管理局長、官房長その他総務課長等々が、その回数はともかくとして、そこで再々プレーしたということは事実なんですね。
○政府委員(鈴木勲君) 私個人に照らして考えましても、真名ゴルフ場だけではなくて、つたないゴルフではございますがほかのゴルフ場にも参ります。また、ほかのゴルフ場にも他の課長などと懇親のために参ることがございまして、真名ゴルフ場が特に文部省の幹部等がよく行くというものでは私はないと思っております。
○本岡昭次君 真名のゴルフ場は昭和五十一年かぐらいにできたというふうに聞いているのですが、そうすると、鈴木さん、あなた一番よく行っておられるのか、全部自分が前面に出てお話しなさろうとしますからあなたにお聞きしますが、最初はどなたの紹介でそこへ行かれるようになったのですか。最初五十一年ごろにできたのでしょう。最初に真名のゴルフ場へ行かれるときにあなたはだれの紹介で行かれたのですか。
○政府委員(鈴木勲君) 私が最初に行きましたのは、よく記憶しておりませんけれども、やはり真名ができましてから、新しいゴルフ場ができたということもありまして庁内の課長や課長補佐などの話があって、何人かで誘い合わせて行ったというふうに思っております。
○本岡昭次君 だれの紹介でもなく、うわさで聞いてそこへ何とか皆で行こうじゃないかと、誘い合わせて行ったということだとおっしゃるのですか。
○政府委員(鈴木勲君) いまお答えしたとおりです。
○本岡昭次君 ずっと先ほどからあなたのおっしゃっていることは、通常、ゴルフをやる人、ゴルフを経験した人にそういう話を聞かせると、そんな非常識なことはないということなんですよ、ほとんどが。だから、文部省の幹部がゴルフをやっているのは、通常一般の人が踏まなければならない手続とかルールとかいうようなものをほとんど抜きにして、どこでもいつでもあなた方の顔でゴルフができるという状況をつくっておられると言わざるを得ないですね、あなたの話を聞いておったら。飛び込みで行けるほど簡単なことじゃないでしょう、ゴルフ場なんというものは。
○政府委員(鈴木勲君) 私どもはそれほど格式の高いゴルフ場は知りませんが、一応いろいろなことを聞きましてそこに申し込んで行っているわけでございまして、至るところでそういう権限を行使しているというふうに言われるのははなはだ心外でございます。
○本岡昭次君 あなたが心外だと思われて、私は非常に非常識だなとこれは思っているんですよ。非常識なことがあなた方のできる立場はうらやましいですよ。 それで次に、真名の会員権は諸澤次官以外だれも幹部の方は持っていないのですか。あなたが全部統括しておられるのでしょう、中身のことは。
○政府委員(鈴木勲君) 新聞に報道されましてから私が大臣の指示を受けまして調べたわけでございますが、諸澤次官のほかには会計の企画官である田中企画官が一名持っているということだけでございまして、他には会員権を持っている者はございません。
○本岡昭次君 そこで問題は、その真名ゴルフ場が、教科書協会の会長の稲垣会長が同ゴルフ場の設立の発起人であり、また、その常任理事の一人というよりも常任理事の代表格であったということから私たちは問題を追及しているわけなんですが、そのいま私の言った稲垣会長が設立の発起人であり、また、常任理事の代表格であるということは、あなた方はこの問題が起こるまで知らなかったのですか。それとも、ずっと以前プレーをされているときからそのことは御存じであったのですか。
○政府委員(鈴木勲君) これは最初は知らなかったわけですが、何度がやっているうちにそういうことはおのずからわかってきたわけでございます。
○本岡昭次君 おのずからわかってきたときに、文部省内部としては、五十一年からできたゴルフ場ですからいままで五年程度の経過しかない。言ってみれば、最近の教科書問題がいういろと社会問題化して、教科書会社の動きというものが表面に出てくるという段階もその期間の中に入っていると思うんですが、そういうふうな事柄と、あなた方がプレーをしているそのゴルフ場の深い関係にある稲垣さんという事柄について、あなた方は何も考えずにずっとプレーをし、そして田中文部大臣の就任のお祝いというときもそこを使われようとした。そこらは何にも考えず無神経にずっと行動されていたんですか。
○政府委員(鈴木勲君) これは本岡先生もゴルフをおやりになるのではないかと拝察いたしますが、ゴルフ場に参りますと、ハンディキャップの表示した札がございまして、それを私どもはよく見るわけですが、そこには理事長以下、ハンデに従いましていろんな名前が書いてございます。そういうことがありまして、これは行ってみればわかることでございます。 それから、理事ということにつきまして多少誤解があるのではないかと思いまして、実はこの間の行政改革特別委員会でも私申し上げたわけでございますが、カントリークラブの理事というのは、真名ゴルフ場の所有者である日本土地改良株式会社とは別のクラブの親睦団体でございまして会員の中から理事になり、その互選で常任理事というものが決まるということで、全くの名誉職でございまして、会社の経営とか、そういうものと混同されるような筋合いのものではないと考えております。稲垣氏は、そういう意味で、この真名カントリークラブの常任理事ではございますけれども会社には何の関係もございませんし、また、そういう立場から、会員権の価格の決定等に関与する立場になかったんではないかと、そういうふうに考えまして、その辺の多少の誤解はぜひ御理解をいただきたいと存じます。
○本岡昭次君 その程度のことなら問題はないんですよ。しかし、その稲垣氏が出てこないし、彼自身も、もういままでいろいろ自分の話したことは全部前言を翻してあなた方と皆つじつまを合わせているから、私たちが幾ら追及しても事実は解明できないという状態にもうされてしまっていますけれども、あなた方は稲垣会長とプレーをしているんでしょう、ここの真名ゴルフ場で。していないと言われたらもうここはそれまで。調べに行かなきゃいかぬ。調べに行ったって、プレーしたメンバーを変えれば済むことだしね、しているんですよ。稲垣会長は文部省の役人としばしばプレーをしていると、教科書会社の人たちがそれを見かねて、余りそういうことをやっておると疑惑を招くんじゃないかという注意が稲垣さんに行ったというふうなことも関係ある人は言っている。あなた方されているんでしょう、稲垣会長とプレーを。
○政府委員(鈴木勲君) その記事を私も読みましたけれども、稲垣会長とプレーをしたことはございません。
○本岡昭次君 いや、私は記事を言ったんじゃないですよ。何も持っていない。私は聞いたから言っているんですよ。ある人は、あなた方は稲垣会長とプレーをしていると。その事実を目撃した人はいる。結局証人を呼んできて、そのことをやらなきゃいかぬということになるのかどうかということですけれどもね。あなたはしたことないと言う。ちょっと大げさな言い方だけれども、天地神明に誓ってしたことないんですか。
○政府委員(鈴木勲君) いま申し上げたとおりでございます。
○本岡昭次君 まあこの問題は、私は警察官じゃないからどこまで調べられるか知りませんが、まあいろいろそういう証言をする人もあり、そしてまた目撃した人もあるということから私の耳にも入ってくるんですから、あなたが絶対にしたことはないということと、したのかどうかという問題、私が間違ってるのかあなたが間違ってるのか、これはいずれはっきりさせなければならないでしょう。しかし、ここでそれをやりとりするには、証言する人もいないしまた明らかにできる条件も整っておりませんから、そのぐらいにこれはしておきます。 それでは次に、諸澤次官の真名ゴルフ場会員権取得にかかわる疑惑の問題なんですが、ここに諸澤次官がお見えにならないということになって、結局鈴木さんがまた責任を持ってこう答えるということに、衆議院と同じようになるんじゃないかと思うんですが、なぜ出席を拒まれるのですか、この委員会に、この委員会こそ、諸澤事務次官が疑惑を解きほぐして、そうでないということを証明できる一番よい公式の場じゃないんですか。ここで問題がはっきりしたら、もう後次々言う必要もなくなる、このように思うんですが、依然として何か形式論を盾に出席を拒まれる、なぜここに出席されないんですか。せっかくの、事実を明らかにでき、身の潔白というんですか、いわれなきそういう疑惑を受けているということについて、むしろ怒りを持ってここへ来て、私はそうじゃないと言うことが普通じゃないかと思うんですが、なぜ出席されないんですか。
○政府委員(鈴木勲君) 事務次官が私的なことにつきまして委員会に出席するか否かということにつきましては、事務次官を証人として招致をするか、あるいは参考人として招致をするかというふうなことがあろうかと思いますが、それは理事会で御決定になることではないかと思います。 なお、説明員としてという御要求もあろうかと思いますけれども、これもただいま申し上げましたように、私的な、個人のことについてお聞きになるということでございますれば、その内容は証人なり参考人としての招致と同じでございまして、その点についても関連がございまして、理事会でお決めになることではないかと存じます。 なお、服務監督のことでございますれば、最高責任者としての文部大臣が御出席になっておりまして、その大臣の指示に基づいて私どもが種々調査をして、それで政府委員としての立場でお答えをするということで出席いたしておりますので、諸澤次官が個人的な気持ちで出席したいということがございましても、そういう筋合いから、私どもは出席するということではなくて、大臣と政府委員である私どもの方でお答えをさせていただきたいということで参っているわけでございます。
○本岡昭次君 まあ、いまの説明は私納得できませんけどね、諸澤事務次官を呼べ呼ばぬでここで時間をかけるのは私の本意でありませんから、最後にその問題は委員長に要求するにして、それでは、かわりに文部大臣なり官房長の方が私のいまからの質問について責任を持って答えると、こういうことですか。
○政府委員(鈴木勲君) そのとおりでございます。
○本岡昭次君 それでは、わかりきったことから質問していきますけどね、まあこの参議院の文教委員会では初めてのことですから、 会員権の購入金額というのは、本当のところは幾らです。
○政府委員(鈴木勲君) これは、新聞の報道の最終のところで、次官が秘書の課長補佐でございます込山補佐にきちんと連絡をさせておりますように、三百八十万。この内訳は、会員証が三百三十万で、入会金が五十万、三百八十万でございます。
○本岡昭次君 なぜそれを六百万であるというふうに八月二十五日の段階でお答えになったんですか。
○政府委員(鈴木勲君) これは、二十四日の取材につきまして、事務次官が、会員権の額は取材者の記者の方から四百万ぐらいかというふうに聞かれまして、そのぐらいだったというふうに答えたわけでございます。それから、その次にまた、六百万で募集しているんではないかという電話の取材がありましたときに、電話の応対に当たりました込山課長補佐が正確なことを確認しないままに六百万ということを答えまして、その後でそれが新聞に出たので、次官の方から正確な数字を調べてまたさらに連絡をさせたというのが三百八十万という数字でございまして、首尾は一貫しているんではないかと思います。
○本岡昭次君 いまあなたの申されたことは、新聞記者からの、六百万円ではないかというその質問に対して、込山進総務課長補佐がいま言われたようなことを答えたということなんですね。間違いありませんね、いまの答え。
○政府委員(鈴木勲君) そのとおりです。
○本岡昭次君 それは間違いですよ。諸澤事務次官が最初に電話に出ておられるでしょう、直接。
○政府委員(鈴木勲君) 電話には出たかと思いますけれども、そういう金額等のことについてはもう取材に応じないということで、込山補佐をして連絡せしめたということでございます、
○本岡昭次君 それも事実じゃないですね。諸澤次官は、六百万円で購入したと、四百万円とちょっとは預金をおろし、そして足らざるところは宇都宮カントリーの会員権を売却して、そして一括支払ったというところまでは諸澤事務次官が電話で応対をしているじゃないですか。その後、込山課長補佐が電話を引き取って、いろいろと四百万と六百万のその違いはなぜ生じたかということについての説明をやっているんでしょう。なぜうそつくんですか、あなた。
○政府委員(鈴木勲君) 二十四日の取材が突然行われ、その一部始終が新聞に出たわけです。したがって。事務次官としてはまあ心外な点がございまして、電話の取材に対しても自分は応じないという立場でございましたが、来た当初は電話を受け取ったわけでございますけれども、後の取材についてはもう自分は応じないと、こういうことを一切書かれて大変心外であるということで、込山補佐にかわって連絡をさせたということでございます。
○本岡昭次君 それなら、私がうそついてることになるんですか。あなたうそついてるよ、本当に。あなたがうそついてるか、それとも込山課長補佐が事実を言わなかったかどちらかですよね。私の入手しているところでは、そこのところの経緯は非常に重要なんですよ。諸澤事務次官は、私が言ったところまで話をされ、その後込山さんがかわって、それはいまあなたがおっしゃったように諸澤さんも非常に不愉快であったかどうか知りませんが、まあそれはかえたんでしょう。そこで、今度は込山課長補佐がいろいろと弁明をしているんですよ。込山さんは、こういう弁明をそこでやったということについてあなたに何もおっしゃってないんですか。
○政府委員(鈴木勲君) 弁明の内容については私が詳細に調べております、ただ新聞のとおりではございません。
○本岡昭次君 その弁明の詳細を言ってくださいよ。どういう弁明をしたんですか、新聞のとおりでないとすれば。電話でどういう弁明を込山さんは記者に対してしたんですか。
○政府委員(鈴木勲君) たとえば、ここの毎日新聞の二十七日の朝刊でございますが、ここにるる書いてございますけれども、電話で次官が訂正したと言っておりますが、これは課長補佐自身である。それから、「次官という職責上疑惑を招く」というふうな表現も使っておりますが、こういうことは言っていない。それから、「カントリークラブの信用が落ちるなど営業上困る”といわれ、クラブには義理があるので」というふうな表現になっておりますけれども、これは他の会員との関係で困ると言われたというふうなことでございますし、それから「まけてもらったと次官も思っており、」というふうなところは、そういうふうなことは言っていないというふうなことでございます。
○本岡昭次君 いや、言っていない言っていないって新聞の報道を否定するんじゃなしに、どういうことを言ったんですかと、こう聞いているんです。新聞の記事のようなことは言っていない、言っていない言っていないじゃなくて、それじゃ一体どういう説明をしたんですか、
○政府委員(鈴木勲君) これは電話の応対でとっさの判断でございますけれども、募集価格六百万円のものが何で四百万円で入ったんだというふうな追及が電話でございまして、そこで課長補佐がそういう点を十分確かめないで、その点を、それは次官の勘違いだったかもしれぬというふうに応対したのが逐一新聞に出たわけでございます。
○本岡昭次君 はっきりしてくださいよ。こういう状況なんですか、六百万円のものを四百万円でなぜ買えたのかという追及に対して、込山課長補佐は、とっさのことであったので次官が勘違いをしたのではないかということだけしか言っていないと、こういうことなんですか。
○政府委員(鈴木勲君) 次官が勘違いされたんではないかということと、募集価格六百万円ではなかったかということを言っておるわけです。
○本岡昭次君 ちょっと、なぜ私が質問しないと、次々こう何かウサギのふんみたいにぷつぷつぷつしかやらぬのですか、あなた事情聴取したんならずうっと正直に言えばいいじゃないですか。どうですか、文部大臣。なぜその電話の応対をもっと初めからしまいまで言わないんですか。何か言って都合の悪いことあるんですか。質問をすると答え、質問をすると答え……。
○政府委員(鈴木勲君) 別に全然都合悪いことはないんでございまして、ただ六百万円というふうな取材があったときに課長補佐が十分確認しないままにそういうふうに答えたという事実はございまして、そのことを申し上げただけでございます。
○本岡昭次君 まあ前段に諸澤次官が出て、私の先ほど言ったところまでを説明し、後、込山さんがかわって、そして預金四百万ちょっと、それからゴルフの会員権を売って、そして六百万円支払ったと、六百万円の支払いのきちっとした内訳まで説明されているんでしょう。そして今度は込山さんは、ゴルフ場の会員権を売ったのは本千葉ゴルフ場の会員権を売ったと、諸澤さんは何や、宇都宮ゴルフ場の会員権や、たくさんゴルフ場の会員権を持っておられるんですね、この人は。どこの会員権売ったかわからぬ、こういうことのようです。とにかくそういう二人のゴルフ場の会員権の話が違うておったと。しかもその後、実は真名の方から安い価格で買えるゴルフ場の会員権があるんだけれどもという話があったのか、次官という立場を考えて正規の価格のやはり会員権を購入すべきであるという判断をして、そして六百万円のを購入したんですといってこの込山さんは説明したんでしょう。そのとおりですよね、そのとおりでなければならぬですよね。次官だからといって安い価格の話を持ってきて、はあっと飛びつくような次官では困るから。一般の人が買うのと同じような形で六百万で正規のを買う、それがいいと判断をして六百万円ですと、こう言いましたと、こういうふうに言っているのが事実なんですよ。あなたは込山さんからいろいろ真実でないものを聞かされていますよ。
○政府委員(鈴木勲君) だれにも間違いとか勘違いはあるのではないかと思いますが、たとえば、そのお金を工面するときにどこのゴルフ場の会員権を売ったとか、それは御指摘のように、宇都宮というふうなとっさの――これは取材ですから、その取材がそのまま出たわけですから、取材に応じまして、そこだったかなというようなことはあり得るんではないかと思います。それを後で確かめて実はここであったと、それから額も三百八十万であったということを言っているわけでございますから、その間に多少の記憶の違いとか、あるいは勘違いということがあったといたしましても、最終の、自分のお金を出しまして、会員権を処分をして買ったという事実ははっきりしておるわけでございまして、そこに何の問題があるのかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○本岡昭次君 何の問題があるのかってね、そうしたらなぜ六百万というふうに訂正をしたんですか。何の問題があるのかと、三百八十万で買ったことに何らやましいことがなければ、三百八十万で買いましたと堂々と言えばいいじゃないですか。
○政府委員(鈴木勲君) それはたびたび申し上げておりますように、とっさの取材に対して課長補佐がそういうことを申し上げたというだけでございます。次官の四百万円ぐらいかという問いに対しましてそのぐらいだったというのと、最終的に三百八十万というふうに電話を通じて記者に連絡をしたということは首尾一貫しているわけでございますから、そこのところは何も私どもは問題はないというふうに思っています。
○本岡昭次君 何が首尾一貫してるんですか、支離滅裂じゃないですか。まあ真実が二つあるようですからね。私は何も諸澤さんが会員権を買ったこと悪いと一言も言っていない。三百八十万で買ったなら三百八十万とはっきり言えばいいものを途中で六百万と修正する。六百万と修正する理由が、次官であるからという立場上という理屈、私はその理屈の方が筋通っていると思う。その理屈の通っている筋をやはり前に出さなければならないから途中で六百万という修正があった。しかし真実は三百八十万円であったからまた三百八十万というふうに修正されたということで、そこに一つ、文部省の最高幹部の諸澤次官がゴルフ会員権を購入するについての問題点があるということじゃないんですか、首尾一貫してるんですか。 それから、その当時の実勢価格、何かあなたは昔のゴルフ場の会員権の市場売買価格の載っているゴルフ雑誌を取ってきて、鬼の首でも取ったように、ここにも三百八十万で出てますなんていうようなことを衆議院でやられたようだが、そういうことが出てくれば出てくるほど、六百万ということにあなた方がこだわったということが、いよいよ、なぜ六百万にこだわらなければならなかったのかということにひっかかってくる。倉地さんという同ゴルフ場の取締役か責任者も六百万円でしたと、びた一文まけていませんということのようです。 それから、その当時真名の会員権を買った人々にずっと幾らで買ったかという問題を調査した人がいるんですが、その人の話を聞けば、軒並みにやはりその当時の価格の六百万円で買っていると。なぜ諸澤次官だけが三百八十万という安い値段で買えるんですかというふうなこともそこで出てきている。だから、この問題は倉地さんという人も呼び、それからその当時のゴルフの会員権を買った人々にも聞き、そして込山さんもここに出て、そして電話の取材に応じたそういう人、もろもろの問題をやっぱり明らかにしてもらわなければ、あなたが代弁して話しているということだけではそこの問題の事実というものは少しも解明されないと、私はこのように思いますがね。
○政府委員(鈴木勲君) 金額の問題につきましては、これは種々考え方があろうかと存じますが、ゴルフ場はゴルフ場の経営上、募集価格維持といったてまえを言っておりますけれども、私が行政改革特別委員会で申し上げましたように、すでにゴルフ雑誌にはことしの十一月四日号の広告でございますけれども、三百八十万という数字が出ているわけでございまして、それはいろいろな売買の方法があろうかと思いますけれども、キャッシュでこれは売買するものでございますから、そういうケースが、たとえば募集期間を過ぎた会員権を回してくれるということは、通常の会員権の売買としてあり得るというふうに私ども聞いておりまして、それでその一例として、この間ゴルフ雑誌の価格表示を申し上げたわけでございまして、こだわっているわけではございませんで、そんなに安くしてもらったというふうな認識を次官自身がしたわけでもないし、こういう相場と申しては何ですが、そういうふうなゴルフ雑誌に出ているような価格というものを考えてみますと、あたかも半額で買ったとか四割引きだとかと言われますのは、その辺のゴルフ売買の通例のケースというものを考えますと誤解を招くおそれがあるんではないかということで、この価格などを私が申し上げたわけでございます。
○本岡昭次君 ところで、込山さんというのは一体どういう方なんですか。大臣も全く私的なことだとおっしゃっているその諸澤さんの全く私的の会員権購入の問題について、何ぼで会員権を購入したとかというようなことを任せられている立場にある人ですか。そして、その人が会員権の価格を知っておって諸澤さんはその中身よくわからぬという、それを代弁する立場にあるんですか。
○政府委員(鈴木勲君) まあ次官の秘書は、まさしくいろいろ事務上の連絡、応対もいたしますけれども、個人的な交際の問題につきましても、長年の次官との仕事の関係を通じた厚意ということでやることはありまして、この場合、込山補佐が次官のゴルフ会員権の売買の件についての連絡とか、あるいは会員権の保管とか、そういうことについて任されていたというケースでございます。
○本岡昭次君 文部大臣、何ですか、その総務課長補佐というのは次官の会員権の売買、何百万円もするようなものを、全くあなたも私的な商行為とおっしゃいましたが、そういうことまで、預金通帳から金を出したり、あるいは会員権を何ぼにしたりというふうなことをすべて任されて、そして、重要な問題について前面に出て釈明に当たるというふうな立場にあるんですか。そういう私的なことを全くやってもいいんですか、それ。
○政府委員(鈴木勲君) 勤務時間内に勤務に関することをするのは通例でございますけれども、秘書という職務上、どうしても次官の個人的な仕事面についてのいろいろな配慮をするということはあり得ることでございまして、特に時間的にいろんな制約がございますので、そういう点について、その点を任せるということは、これは次官の性格とか、次官の仕事の繁閑とか、いろんなことからそういう関係は出てくるわけでございまして、その点が秘書のらちを越えるというふうには私どもは思わないわけでございます。
○本岡昭次君 いや、間違いが起こるとか起こらないんじゃなくて、何百万円もするその金額の私的な問題の扱いを、秘書が、公的な立場で仕事をする人が任せられる、また任すということ、そんなことは、通常何ですか、そういう次官とか大臣とかという人と秘書との関係で全部行われているんですか。
○政府委員(鈴木勲君) 通常とは申しませんが、次官の性格とか、それから長い間の課長補佐としての秘書との個人的な関係とか、そういうことではそういうことがあり得ることではないか。すべてそうだということを申し上げているわけではございませんで、そういうことがあり得るんだということを申し上げたわけでございます。
○本岡昭次君 まあ、あり得るといっても私はそれはおかしいと思いますね。それはちょっと公私混同ということがありますが、諸澤次官がどれほど偉い人か知らぬけれども、それは公私混同ですよ、はっきりと。文部大臣、これは公私混同ですよ、そういうやり方をすると。しかも、問題が教科書会社との関係において非常に疑惑があるんではないかと言われる事柄を、簡単にそのような秘書的な立場の人にすべて任せてやっているんだというふうな状況は、それは文部官僚としてはあたりまえかもしれませんが、一般の人間から考えたらとてもそんなことは理解のできない事柄なんですよ。そして、その六百万円という事柄についても、とっさの判断でわからなかったとか云々とかいろいろ言っているけれども、三百万も四百万もするようなそういう高価なものを購入して、しかもそれが十年も二十年も前ならばいざ知らず、ごく去年、おととしの問題について金額がはっきりわからぬ。諸澤さんも金額がはっきりわからぬ。四百万円ぐらいではなかったかというぐらいのことしか言えない。その衝に当たった込山さんまでもが、その三百八十万という金額で会員権を購入したということが記憶の外に抜けてしまって、とっさに言われたら、あっ六百万円でありましたかななんというふうなあいまいな事態になっている。しかし、こんなことが常識で通じますかね。通じないと思うんですよ、そんなことは。私たちの価値観であれば、千円単位であれば忘れますけれども、少なくとも十万単位の買い物をしたら、相当考えて考えて、考えて買いますよ。だから、それの記憶なんてなかなか消えるものではない。諸澤さんがどれほどの大金持ちか知らぬ。また込山さんがそういうことについてどんな軽率な人か知らぬけれども、しかし三百八十万という金額がそれほど頭から消え去るほど簡単な金でないと思うんです。それが消え去っているということが私はおかしいと思うんですよ、これは。だから、この六百万円がその当時の購入価格であったということは、やはり込山さんが事実を知っておりながら、新聞記者のその質問に対してそこへ載ったので、やはり当時の実勢価格が六百万円であり、そして安い方の価格の三百八十万円で次官として買ったということがその事柄の真実である、こういうふうに考えていくのがごく素直な考え方であろうと、こう思います。 そこで、あなたは二百二十万円ぐらいまけてもらったが大したことはないというふうな言い方をされましたけれども、六百万円のものを二百二十万もまけてもらうというこのことは、値引きしてもらうということは、これは大変なことです。もしそれに近いことを地方の教育委員会関係者なり学校の校長等々がやった場合は、これは地域から袋だたきにされるでしょう。こんな委員会に来る筋合いのものでないと居直っておれるような状況にはならぬと思うね。それはそうでないんだという事実を解明するために大変な問題がこれは起こるんです。しかし、諸澤さんは奥の院におって平然としておれるという、この状況は私は許せないと思うんです。 これ以上この問題をやりとりしていっても、あなたと空中戦ばかりやらにゃいかぬから、最後にひとつ、検察庁の方からもお越しになっていると思いますが、六百万円もする会員権を二百二十万円値引きしてもらったというその二百二十万円の金額の意味、文部省と教科書協会との関係、あるいはまた、文部次官というものは文部省の中で文部省のやっぱり最高幹部であり、相当な権限を行使する立場にある、いろんな意味において。そうすると、この通常の商行為の中においてこうした二百二十万円もの値引きという問題について、私は、諸澤さんが文部次官であるというゆえをもって、利害関係等からすればやっぱり賄賂性というんですか、そういうふうなものを惹起させる金額であると、私はこのように考えるんですが、そこのところはどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(飛田清弘君) お尋ねが特定の個人に対する犯罪の成否に関するものでございますから、軽々に結論めいたことは申し上げるわけにはいかないと思いますけれども、賄賂性というのは必ずしも金額のみで判断するものではございませんし、賄賂というのはそれを受け取る者、それから出す者の認識というのが非常に重要でございまして、その認識いかんによって犯罪が成立するかどうかということが決まってぐるわけでございます。 そこで、一昨日も衆議院の行政改革特別委員会におきまして文部当局からのいろいろな説明があったようでございますし、それらを踏まえて考えてみますと、御指摘の諸澤次官は、問題の会員権を当該ゴルフ場会社の経営者の提示するその価格によって購入したということでございますし、それから、その際その価格を妥当な価格と考えていたというような趣旨のようでございますし、その取得経過についても、特に同次官の職務に関して右会員権を入手したというようなことでもなさそうでございますので、これらの文部当局の説明に徴する限りにおきましては贈収賄の嫌疑があるとは言えないんではないかというふうに考えております。
○本岡昭次君 ありがとうございました。文部省の説明する限りにおいてはそういうことになるでしょう。だけれども、私はそうでないという事実の一端をいまずっと材料にしながら質問をしていったわけでして、問題は、文部省の事実というものがいまでは表面に出て、それの裏にひそむ真実というものがこの中で明らかにできないということで検察庁の判断も当然そうならざるを得ないと思います。 そこで、私はやっぱり委員長にお願いをするんですが、私も勝手に自分が類推し、想像し、憶測して物を言っているんじゃないんですよね。だから、やはり私の言っていることと官房長なり文部省の言っていることの問題をやっぱり明らかにしていくためには、込山課長補佐とか、あるいは倉地さんとか、あるいはまたその当時ゴルフ場の会員権を買った人たちとか、いま私がそれぞれ質問の中で出してきた人たちに来てもらって、私の言っていることがうそなのかどうか、まずその三百八十万というのは本当にその当時の実勢価格であったのかどうかというようなことも含めて明らかにさしてもらわなければならぬと思うんです。だから、これひとつ委員長の方でそうした必要な人々を証人として、あるいは参考人として呼んでもらって、もちろん諸澤さんもそうですし、ぜひこの問題を明らかにしてもらわなければ私の疑念は一向に晴れないし、この質疑をもし多くの人が聞いたとしてもその疑念は恐らく私は晴れないんじゃないか、このように思うんですが、これはひとつ委員長にその問題を要求したいんです。
○委員長(片山正英君) いまの問題については、引き続いて理事会において検討協議をいたします。
○本岡昭次君 そうしましたら、きょうの質問についてまだ幾らか追及したい点があるんですが、先ほどのような繰り返しになると思いますので、もう少し条件を整えて、いま委員長のお話もありましたので、再度またやらしてもらうことにいたします。私の判断は変わりませんし、きょうの鈴木さんとのやりとりの中でいよいよ私の方の疑惑が深まったということを結論として申し上げて、次に入っていきたいと思います。 そこで、二点目の問題なんですが、これも文部省と私学関係者の間の、私にとってはもう好ましくない、癒着と言ったら言い過ぎかもしれないけれども、それに近いような問題について、ひとつ文部省の見解なり事実を伺っていきたいと思います。 それは、国士舘大学が最近ブラジルに設立したブラジル国教育法人ブラジル国士舘大学協会なるものがあります。それは国士舘大学の発行する国士舘大学新聞というところにも出ているわけなんですが、文部省はこの問題についてどの程度のことを御承知になっておりますか。
○政府委員(柳川覺治君) 先生の御質疑の御指摘がございました。そこで、国士舘大学当局から説明を聞きました。その概要を御報告申し上げますが、国士舘大学の説明によりますと、昭和五年に設立されました国士舘高等拓殖学校がございますが、この卒業生の方々が当時ブラジルのアマゾンへ入植をされました。このことなどの関係から、ブラジル国とのつながりが従来から深かった。また、現にブラジルの関係の大学からの留学生も来ておるというような状態で、ブラジルに国士舘の教育機関を設置することといたしたいという考え方がございましたが、ブラジル国の事情によりまして国士舘が直接設置主体となることは不可能であるという事情もございまして、教育及び体育の社団法人であるブラジル国士舘大学協会なる現地法人を設立いたしまして、それによって活動を図ることとしたというように聞いております。 設立に当たりましては、国士舘は現地法人が取得いたします土地、建物等の経費を貸し付けましたほか、現地において指導に当たる教員の派遣にも協力していくということにいたしておるようでございます。 なお、これらのことは理事会、評議員会の審議を経まして、また教員派遣につきましては関係学部の了承を得て行ったというように国士舘当局から事情を聞いておる次第でございます。
○本岡昭次君 この新聞によれば、国士舘大学が必要な経費を全額出資したと書いてあるんですね。幾ら出資したんですか。
○政府委員(柳川覺治君) これは貸付金であるというように聞いておりますが、五十五年度総額で二億四千七百五十万円、それから五十六年度は総額で三億四千五百七十三万七千円、合計五億九千三百二十三万七千円の融資というように聞いております。
○本岡昭次君 いや、貸し付けというのじゃなくて、ここには全額出資だというふうに、この国士舘大学の新聞に出資というふうに明示してありますね。 そこで、この私立学校法等から見て、国外にこういう教育法人を別につくってそこへ出資するというふうなことは問題はないのですか。
○政府委員(柳川覺治君) 学校法人が、御指摘の学校法人外に貸し付け等の行為をすることでございますが、御案内のとおり、学校法人は私立学校の設置、運営を目的として設立される法人でございますが、その目的の範囲内におきまして必要な行為を行うことができるということは民法法人と同様であると解されております。私立学校法二十九条によりまして、民法四十三条の準用の規定がそれを語っておるわけでございますが、この「目的ノ範囲内」の解釈につきましては、一般的には比較的広く解釈されておりまして、当該行為が学校法人の目的遂行上必要な範囲にあり、かつ学校教育を実施する上で支障がない場合には法的には問題とならないというふうな一般に解釈がとられていると存じております。学校法人の場合、その公共性がきわめて強く求められるものでございますから、その行為能力の範囲につきましてもおのずから一定の限界があるということは当然でございますが、本件の場合、直ちに貸与することが問題であると言えるかどうかの問題でございますが、理事会等の正規の手続も経まして各種の法令の規定にのっとり行われた行為ではないかというように私どもは現在の時点では考えておるところでございます。
○本岡昭次君 いまの説明で、「目的ノ範囲内」で出資してもいいということであるが、学校法人という公益的な法人がいろいろな場合に出資をしていくということについては制約がある。だから、目的に合致しているとか、あるいはまた学校教育遂行上必要であるかどうかという判断になるが、理事会が認めたのであるから問題はないのではないかということのようですが、いま少し文部省として、これは理事会が決めたからということでなくて、その目的に合致するかどうかということなり、学校教育遂行上こうしたことが必要であったかどうかということについては調査し、そして、もっと究明をすべきではないかと基本的に思うんですが、いかがですか。
○政府委員(柳川覺治君) いま教育あるいは学術の問題につきましては、それ自体国際的な絡みがございますし、特に国際化の時代を迎えておるというところで、大学当局がいろんな面でこの面の何らかのかかわり、進展を見ていくということは、いろんな形であろうかと存じます。教育、学術、文化の国際交流の必要性ということも言われておるときでございまして、在学生の留学の問題あるいは卒業した方々が外地で活躍されているそれとのかかわりにおいて、大学自体がいろんな形での協力をしていくということの分野は、これからそれなりに問題があろうかと思いますけれども、本件につきましては昨日そのような事情を聞いたまででございまして、その時点のいま判断でお答えを申した次第でございます。 なお、この面につきましては問題の御指摘も受けながら、さらに見守っていきたいというように考えております。
○本岡昭次君 しかし、その出資した協会が、そこで現地でつくったものといえばあれでしょう、体育館あるいは武道場というようなことで、先ほどあなたおっしゃった学校教育遂行上とか、あるいはまた教育研究というふうなものが当然中心にならなければならない大学の直接的目的じゃなくて、日本とブラジルとの間の親善友好の輪を広げていくんだということで、親善友好はもちろん大事ですよ。だけれども、それがあなたもおっしゃった私立大学が持つべき目的の範囲内でということになったときに、私は非常に疑義が出てくると思うんです。だから、その点は文部省が改めてこの疑義の問題についてしっかりとひとつ判断をぼくは下していただきたい。特に教授会の議も何も経ていないという状況のようです。 そこで、それはそれとしておいておいて、問題は国士舘大学が、過去この文教委員会でも再々取り上げられて、私学助成の面から見て昭和五十二年の六月七日に文部省は六項目の改善指示をこの国士舘大学に行っているんですね、とにかく改善せよと。そして、そのペナルティーとして、私学助成の本来国士舘大学に渡るべき総額のうちの二五%をカットして、ずっとその改善をしなさい。改善をしなさいとして要求している学校なんでしょう。私はそことの関係で非常に問題がある、こういうふうにもこの点は思うんですが、そこの点はどうなっているんですか。その二五%をカットされているという事実の問題と、それからその改善指示が文部省から出されている、それに対する国士舘大学側の対応というのはどうなっているんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおりでございまして、国士舘大学につきましては、昭和五十三年六月以降柴田総長に対しまして、学内規程の整備あるいは運営の適正等の改善につきましてたびたび申し入れたところでございます。 また、学校法人国士舘につきまして、昭和五十三年度で問題となりました経理処理に関し、その後の改善状況が必ずしも十分でないというような点を配慮いたしまして、私立学校振興助成法で言う管理運営が適正を欠く場合に該当するものといたしまして、昭和五十五年度の経常費補助金においては二五%減額して交付した次第でございます。もとより、この補助金は教育条件の維持向上あるいは修学上の経済的負担の軽減等を目的として行われるものでございまして、今後ともこの目的にかなった補助につきましては、厳正かつ効率的な執行をとってまいりたいということを考えておるところでございますが、昨日お聞きしました関係でございまして、私学のまさに国士舘の経営とも絡む問題でございますが、この現地法人に対しまして、国士舘は銀行からの借入融資を受けまして、その銀行からの借入融資を受けた条件で現地法人に対して融資をしたというように聞いておりまして、必ずしも、その限りにおいては私学のそれ自体の経常経費と異なった形では処理されておるようでございますが、なお、これらの面につきましてはさらに事情を徴してまいりたいと思っております。
○本岡昭次君 銀行から金を借りるといいますけれども、やっぱり担保が要るんじゃないんですか。どういう方法でそれでは金を借りたんですか、
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の点につきましては、現在まだ確かめておりませんので、さらに調査してまいりたいと思います。
○本岡昭次君 現に国士舘大学には二五%カットしたという状況の中で、私学助成が昭和五十四年、五十五年、幾らされているんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 五十三年度交付額六億四千三百万円でございます。二五%カットで約二億一千四百万円の減額措置でございます。それから、五十四年度は七億二千五百万円が交付額でございまして、二五%カット分は二億四千二百万円でございます。それから、五十五年度は七億四千九百万円、減額二五%が二億五千万円に相当いたします。
○本岡昭次君 一つの問題は、学校の改善計画をいろいろ進められて指示されていたけれども、それがなされていないということでもってこの二五%のカットが続いているというふうにこの関係は理解して間違いないんですね。この改善の六項目の指示がされている、しかしそれが具体的に進んでいないのでこの五十五年度も二五%のカットが行われた、こういう関係ですね。
○政府委員(柳川覺治君) 経理処理等を中心として管理運営がなお適正を欠いておるという判断でございます。
○本岡昭次君 九月二日付で、当該の大学の教職員組合の委員長の方から田中大臣あてに要請書が、というよりも実態の報告とあわせて早く改善をしてもらいたいという要請が行われているはずですが、それについては文部省はどのように対応していますか。
○政府委員(柳川覺治君) 九月二日付で、御指摘のとおり教員組合委員長から文部大臣あてに報告が来ております。これにつきましては、関係局とも連携をとりながら、さらに指導の徹底を図るということを考えておるところでございます。
○本岡昭次君 これ全体についていろいろここで聞く時間がありませんが、かいつまんでその中のイ、ロ、ハ、「政経学部教授会の正常化」、「学内諸規程の整備」、「教職員の身分の慎重な取扱い」、この三つの問題について文部省側としては一体どういうふうに現状をつかんでおられるんですか。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点でございますが、従来から国士舘大学につきまして御指摘のような事態がございまして、「政経学部教授会の正常化」等六項目についての改善方を要望してきておるわけでございます。同教授会の正常化でございますとか、あるいは入学者選抜の公正等、解決を見ている点もございますが、そしてまた学生の暴力事件等が年を追って減少してきているというような点で改善を見ている事項もあるわけでございます。しかしながら、なお残されている問題も多いわけでございまして、これらの点については、私どもも、文部省といたしましては専任理事からも事情を聞き、また五十六年二月には柴田総長も呼んで事情聴取を行い、必要な指導も行っているところでございます。その後、経理規程なり、あるいは公印使用規則の整備などが行われてきているという状況を伺っております。なお残されている問題点もあるわけでございまして、今後ともそれらの点については指導を重ねてまいりたい、かように考えております。
○本岡昭次君 依然としてまだこの問題が残っているんですから、文部省としても積極的にひとつ国士舘大学側に対応をして、こうした内容の問題の改善を行って、二五%のペナルティーというようなものを課さなくてもいいようにやるべきであるということで、この改善方、また国士舘大学側に対する対応というものをもっと精力的にやってほしいという要望をとりあえずいまは申し上げておきます。 そこで、私の言いたいのはこれが本旨じゃないわけで、要するに、そういう状況に文部省と国士舘大学側、あるいはまたこの委員会も当然その問題に深くかかわってきているわけで、そういう国士舘大学がいまブラジルに体育館とかあるいは武道場を建設する、その資金融資に、先ほど五億ですか、五億九千万、約六億のお金を貸し付けている。しかし、実際はそれは全額出資というふうに大学側はもう認識しているわけです。出資しているんですよ。だから、そこの点がまず第一点私学法の上での疑義があるという点と、それから次に、銀行から借りる場合はこれは担保が要るでしょう。もし学校の敷地とかいうふうな、私立学校法人の所有している資産を担保にしてそのお金を借りて、そのお金をそこへ出資したという関係になっていた場合はこれはどうなりますか。
○政府委員(柳川覺治君) もとより学校法人は、学校を設置し、教育目的を達成する、それに必要な校地、校舎等を整える責任があるわけでございます。その教育の目的に要する校地でございますから、その教育目的の達成に支障のないよう管理運営をなさるということが本来のたてまえであろうと思いますが、いろいろな目的の範囲内においての対応というのはそれなりにあり得ることだろうと思います。同窓会等のために土地の使用の便宜を与える等の問題、最近における特に大学の一般へのエクステンションの問題が大きく期待されておる、そういう場合での活用等の問題もあろうかと思います。特に国際社会におけるわが国の立場、その面からの国際的な交流への大学の持つ役割りというものもこれまた新しい課題でございまして、それら諸般の事情をきわめながら、この面のことにつきましては御指摘の点を含めましてさらに調査をしてまいりたいと思っております。
○本岡昭次君 さらに詳細にぼくはやっぱり調査すべきだと思います。しかし、このことは文部省との相談があってやられたことですか。
○政府委員(柳川覺治君) 必ずしも文部省との相談なく、学校法人の責任において遂行されるというように私ども存じております。
○本岡昭次君 私の考えるところでは、やはり私学としてさまざまな改善をしなければならない問題を内部に抱え、そして三年にわたっても改善がされていないという状況、それでもなおまだ補助金は二五%カットということで助成が依然として行われている、そういう関係において、国士舘大学が海外にこういう出資をして別法人をつくって、そこに銀行に金を借りて担保もつくってというふうな事柄が、五億、六億という補助金、助成金が一方から国の税金としてそこに出ている。もちろんそれがストレートにブラジルへ行っているということじゃないけれども、しかし学校全体としては、いかに担保をとっているにせよ、出資して向こうに建物を建てて――別法人なんですから、その貸借関係というのは明らかにこの学校については欠損、マイナスということであって、将来の問題について、それを完全に貸しつけた、出資したものを担保し得るという状況にこの大学がないとすれば、ぼくはこれ大変なことをやっているんじゃないかという気がするんです。それだけに文部省としても、私学助成あるいは私学法の関係からもっと詳細に調べて、適切な指導を私はすべきではないか、このように考えるんですが、いかがですか。
○政府委員(柳川覺治君) ブラジルの国士舘大学協会の現地法人の目的を見ますと、「体育、教養、教育及び武芸の向上を目的とし、これによって、ブラジルと日本との間の文化、社会、スポーツ関係の緊密化を図る。」ということをうたっております。また、これは先ほども御答弁申し上げましたとおり、昭和五年の拓殖学校の卒業生のブラジルへの移入という、その辺の歴史からも始まってきているやに聞いておるわけでございまして、これらの点につきましては、学校法人がそれなりの何らかの形でこの種の海外におけるつながりをどのような形で行っていくかというのはかなり新しくむずかしい問題でございますが、それはそれなりに大変意味のあることだという点も一つは御理解――一般として考えていくべきではないかという感じがいたしますが、そのことが、御指摘のように、学校法人の経営、また学校法人の本来的な教育目的の達成に支障があるのかどうかということの判断の課題でございまして、まだ着手したばかりのようでございますが、なお今後さらに事情を、将来の動向等も見守りながらお聞きすることはお聞きしてまいりたいというように考えております、
○本岡昭次君 この問題について文部省はタッチしていないということのようですが、しかし文部大臣は柴田総長とお会いになったことがあるんじゃないですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおり、私は海外移住家族会の連合会会長でございます。日本の教育機関がブラジルの海外子女教育に対して関心を持ち、同時にまた進出するということに対しまする意見に対しましては、私は大変重要なことだと存じまして、そうして柴田総長とは数年前でございますか、会いまして、そのときにもブラジルの方のサンパウロ新聞の水本社長さんには紹介をいたしたことがございます。その後、現地の方でどういうふうな進展を見ておったか、これは私、中間の報告も情報もとっておりませんが、そういうことがございました。
○本岡昭次君 最近も会われているんじゃないですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 最近は会っておりません。
○本岡昭次君 これ、本当に会っておられませんか。――それでは言いますけれども、大臣に就任されて一月をたった八月二十日に柴田総長以下四人ほど側近が連れ添って大臣とお会いしたということは、国士舘大学の内部の人たちは全部知っておられることのようですね。
○国務大臣(田中龍夫君) 最近という言葉がどのくらいの期間か存じませんが、就任しましたときには、いま言ったような関係でお祝いには来ました。
○本岡昭次君 数年前じゃないでしょう。これはお祝いに来られたんですね、
○国務大臣(田中龍夫君) 私が数年前と申しますのは、海外移住家族会連合会長としまして、ブラジルの方に出たいという海外子女教育の問題で、サンパウロの新聞社長の水本さんに御連絡したのは数年前になります。それからまた、その後、私が文部大臣になりましたことにつきましてお祝いに見えたことは事実でございます。それからまた、その間にどのようになったのかと私の気持ちの中では気にしてはおりましたけれども、格別そういうふうな学校の経営についての具体的なことについては何にもありませんでした。 それから、会ったか会わないかということにつきまして、パーティーなんかのときにいまの総長がおったのに会ったことはあります。私のところに特に話しに来られたということはありません。
○本岡昭次君 大臣は面談されるときに、相手は就任祝いということかもしれないけれども、先ほど質疑をしたように、文部省が三年前から改善指示を出しておりながら一向にそれについて具体的に進まない。あるいはまた、文教委員会も再三出席を要請していてもなかなかそれにも応じられない。そういう立場にある国士舘大学の学長に会われて、文部行政の最高の位置にある文部大臣としては、はあはあ、やあやあでは済まぬものがあなたにはあったんじゃないですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私と柴田さんとの接触の面というものは、いま申しましたような海外に対しまする子女教育の問題でありまして、大臣に就任いたしました以後におきましても、いま本岡さんがお話しになったような文教行政上の、学校の経営内容とか、あるいはまた文教関係における執務上の問題は一切私との接触面においてはないのであります。今日もここへ参りますにつきまして、本岡さんの御質問があることをこの資料で拝見いたしまして、局長から改めてどういうことなのかということを聞いたような次第でございます。
○本岡昭次君 ということは、文部大臣はそのとき、国士舘大学がそういう私学助成金に対して減額を受け、結局、改善命令、指示が具体的に進んでいないからだという関係、あるいはまた文教委員会でさまざまその問題が論議されているというふうなことを知らされないまま柴田総長とはお会いになっていたと、こういうことになるわけですね。私は、それはぐあい悪いと思うんですよ、文部大臣として。やっぱり文部大臣として当然そこのところは、早く改善指示にかかっている問題をやりなさいよ、私学助成金二五%ペナルティーを受けているという条項自身が不自然じゃないですかと言って、あなた自身が文部行政のトップの立場にあれば、改善指示の早期達成というのですか、それを総長に強く要請をすべきで、そのためにあなたがお会いになるというならまた話がわかりますけれども、それも何もしないまま会っておられるなんというようなことは、どうも、私たちとしては、文部大臣として都合が悪い、ぐあいが悪いと思いますがね。
○国務大臣(田中龍夫君) 私も、ただいま本岡さんからのお話で、そういうふうな大変問題があるならば、なるほど文部大臣としての責任で、ああそうか、「こんにちは」ではいけなかったかもしれませんが、私の念頭には、海外子女教育の問題の、私が就任前からの海外移住家族会の会長としての立場で会っただけでありますから、それでそういう問題については、詳細私の方で予備知識と申しますか、持っておらないものでありますから、お目にかかったときは、就任の祝いのときもそうでありますし、それからパーティーで会いましたときも、そういうふうな学内のいろんな経理内容あるいはまたいろんな事件ということは存じないままに会っておりました次第でございます、そのことのよしあしということは、まことに申しわけありませんが、先入観がないものでありますから、御無礼いたしました。
○本岡昭次君 それは、大臣が知らないことは下の人が言わないからでしょう。柴田総長がお会いになりに来たということから、当然そういうふうな事柄が話題になるということでなければならぬと思う。これは、やはり担当の方が大臣にそういうことを知らしていないということの方の問題を、これは私は指摘したいと思います。 そして、柴田総長が文部大臣に就任祝いだといってお会いになったその状況の中で、文部省として当然この改善指示の問題について、もっと国士舘大学との接触を強めておくべきだったというふうに思うし、何か、国士舘大学側に対して文部省として改善指示を出しておけばいいんだ、そうして二五%の助成金をカットをしておればいいんだというふうな、何か問題の解決について非常に安易さがある、このようにそうした事柄から考えられて仕方がないんですよ。だから、これはもっと強硬にその問題の解決に当たるべきだというふうに、このことについては強くひとつ文部大臣に要請をしておきます。 それから、海外子女の問題についてあなたがいま話し合われたと言いましたが、その海外子女の問題と、ブラジルに国士舘大学がいわゆる協会を設立するという問題は、当然これは関係することでありまして、当然文部大臣はその相談をお受けになったんでしょう。
○国務大臣(田中龍夫君) 海外の方に進出する問題は、これはただいま局長の御説明にもありましたとおり、昭和五年からアマゾンの方面に高拓生と申しまして、高等拓殖学校――ちょうど、きょうかきのうかが上塚さんという人の銅像の除幕式があるときでありますが、その高拓生について、国士舘の学生の方々がアマゾンの方にずっと入植されて今日まで至っておるのであります。そういうふうな、アマゾンと日本との関係の非常な重要な日伯関係におきまして、私も日伯議員連盟の副会長でもありますから存じておりましたが、そのときに北アマゾンのベレンの郊外の日本人の寄宿舎にこれを建てましたけれども余り利用されていない、それを利用したいという御希望につきまして結構なことだと思ったのであります。 きょう、この御質問に際しましてそのことを聞きましたところが、それはうまくいかないでもう契約が解除になってしまって、いまアマゾンの方との関係で学校で考えておられるのは、全く別な地点に学校をつくろうとしておるんだ、こういうような話をきょう聞きました。私が最初に連絡をいたしましたベレンの日本人の留学に適した建物は、ちょっと現地との間が不調でありまして成立しなかったようでございます。
○政府委員(宮地貫一君) 国士舘大学の指導の問題については、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、本来、大学が管理運営についてはみずから姿勢を正すべきことがまず第一の事柄であろうと考えております。したがって、私どもとしては、五十二年六月以来の指摘のことについて指導いたし、そしてまた、先ほど御答弁申し上げましたように、改善の方向に動いていることは事実でございます。これらについて文部省から直接大学に対して物を言うことは、やはり本来ならば数が少ない方がいいと、本来ならば大学がみずからその改善のために努力をされてしかるべきことがまず第一のことではないかと、かように考えております。
○本岡昭次君 そして、毎年毎年補助金をカットして、そしてペナルティーを課して続けておればよろしいよね。 そこで、相当田中文部大臣はブラジルのその問題について深くかかわっておられるようないまお話なんですが、土地代金を銀行から借りるとか何とかいうふうないろんな問題についても、文部大臣がやはりそうしたあっせんとか紹介とか、いろいろ便宜を計らってもらってそうした融資を受けることもできるようになったんだというふうなことも聞くんですが、そういう事実はあるんですか、ないんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) そういう資金的な面につきましては何ら関係を持ったことはございません。
○本岡昭次君 そこで、現地の新聞等にはいろいろと、五億九千万ですか、六億余りのお金がブラジルへ行って、そしてそこで一億六千万余りの土地を購入した。しかし、その土地自身は現地価格から見れば二倍も三倍もするような価格であるとか、あるいはまた、こちらから現地に送られた金が一体どういうふうに使われていくのだろうかというふうな事柄について、日本とブラジルの親善友好という問題とかかわり合いながら、かなり疑惑を持たれ、その結果として日伯の議員連盟の副会長の立場にある田中文部大臣に対して、こうした国士舘大学の融資等々に絡みながら問題があるんではないかというふうなこともいまうわさされているというふうな状況にこの問題があるわけなんです。 そこで、文部大臣は柴田総長と面談をされたそういう関係の中で、この問題について、そういうあっせんの問題とか、あるいはまた将来の建設資金の問題等々について何ら言及されずに、本当にあいさつ程度であったということなのか、もう一度明確にひとつおっしゃってください。
○国務大臣(田中龍夫君) その点は明確に申し上げておきます。 どうも、先ほどからいろんな推理や何かをなすっておられるようでありますが、そんなことはとんでもないことでありまして、われわれが外交上の問題で、特にアマゾンの北伯の開発の問題につきましては、国策としても積極的な姿勢を持っておりますが、しかし、その具体的な学校の進出につきましてその資金のあっせんをするとか、それからまた、資金のどうこうというようなことは、少なくとも議員連盟のわれわれの立場上絶対にいたしておりません。
○本岡昭次君 絶対にしておられないというならそれでいいわけですけれども、しかし、この問題は今後いろんな物議を醸していく一つの種になるであろうということは、ひとつ大臣に申し上げておきます。 そこで、ブラジルのことはブラジルでなければわからぬわけですか、問題は、はっきりさしておきたいことは、国士舘大学そのものが、いま大学自身としてなさなければならない問題、その課題というものを、文部省なりあるいは文教委員会との関係においていろいろあるにもかかわらず、そうしたものを放置しておきながら、こうした海外の諸問題について次々と手を伸ばしてやっているという問題について、やはり国民の税金を使って、そこに補助金を助成金として出し、やっている以上、われわれとしてもこれに対して重大な関心を払わざるを得ないわけなんです。そういう意味で、ことしの助成金の問題に絡んで国士舘大学との関係についてはどのように文部省として、現在昭和五十六年度ということについて考えておられるのか。それについてひとつ最後にお伺いしておきたい。
○政府委員(柳川覺治君) 五十六年度の補助金の配分につきましては、臨調での御指摘等もございまして、この配分をいかにするか、いま配分方法の問題も含めまして検討しておるところでございまして、その中におきまして国士舘大学のこれまでの経緯等も十分踏まえながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○本岡昭次君 ぜひ、その私学助成の問題を検討する中に、いま大学局長の方は私学は私学として管理運営のことは自前でやるべきだと。それはそのとおりなんです。しかしながら、何を担保に入れているのか知らぬけれども、恐らく学校のそうした資産を担保に入れて、そうしていま海外にそうした出資をやっているという状況を抜きにして助成の問題をストレートに考えることができないという状況にあることは、これははっきりしていると思うんです。だから、文部省としてこの問題をしっかりと、ひとつ事実を把握した上で、しかるべきやはり対処の仕方を国士舘大学にすべきであるというひとつ要請を申し上げて、午前中の質問を一応これで終わらしていただきたいと、このように思います。
○政府委員(柳川覺治君) 先生の御指摘を承りましたが、私ども現段階におきましての、きのうお聞きした範囲では、学校法人の目的の範囲内における海外での協力ということの一応判断をいたしておりますが、さらに御指摘の点を含めましてこの面は結論を得ていきたいと思いますが、ここではいまブラジルの問題で、先生の御指摘のことも十分承りました。ただ、それが直ちに補助金配分の削減等の理由になるかどうかにつきましては、今後の検討とさせていただきたいと思います。
○委員長(片山正英君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時半まで休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十五分開会
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 教科書協会の自民党政治献金問題、ちょっと午前中話が横へそれてしまいまして発言の機会がありませんでしたので、引き続きこれの問題を願いたいと思うんですが、まず初めに、昭和五十五年度の国民政治協会が政治献金として収入した教科書発行会社の献金額と会社名、それをひとつ自治省の方から報告をしていただけませんか。
○説明員(横田英司君) 昭和五十五年の国民政治協会に対します教科書会社の政治献金の状況でございますけれども、新聞で報道されました教科書会社十七社の寄付の状況は収支報告書で見ますと次に申し上げるとおりでございます。 光村図書出版四百万円、東京書籍二百五十万円、教育出版百六十万円、新興出版社啓林館百四十万円、帝国書院百二十万円、学校図書六十万円、開隆堂出版六十万円、大日本図書六十万円、実教出版五十万円、日本文教出版五十万円、中教出版四十万円、大阪書籍四十万円、教育芸術社四十万円、清水書院三十万円、山川出版社三十万円、講談社三十万円、大修館書店三十万円、計一千五百九十万というふうになっております。 以上でございます。
○本岡昭次君 私も官報でいまおっしゃったのを全部一応目を通させていただきました。同じ額であり、同じ会社であるということを確認いたします。 そこで、たまたま五十五年度の分については国民政治協会に政治献金されたということによっていまの金額が明らかになったわけですが、それまでの間、教科書協会は自民党に政治献金を続けているということを八月六日の記者会見でこれはなされております。これはすべての新聞に出ておりましたが、昭和五十年から千二百万円、五十一年六百万円、五十二年千二百万円、五十三年千四百二十万円、五十四年千八百二十五万円、五十五年には別途千二百十万円というのを蓬庵会という政治団体に対して行ったということを、この協会の稲垣会長は記者会見で公表をしています。合計七千四百五十五万円ということになるわけですが、私は素人なんでよくわかりませんので自治省にお伺いします。なぜこの国民政治協会の千五百九十万円というのが官報で公表されて、この蓬庵会の分はなぜ公表されないで、この稲垣さんが記者会見で言うまで国民の目に触れないでおるという状態が続いていたんですか。
○説明員(横田英司君) 蓬庵会に対する教科書会社の献金の問題でございますけれども、蓬庵会の方から私ども収支報告を受けておりますが、その中にはいま申し上げました教科書会社十七社の名前は挙がっておりません。御存じのとおり、政治団体に対する寄付の場合に、百万円以下の寄付金につきましては、これは明細を記載する必要はないということになっておりまして、そういう感じかどうかはわかりませんけれども、蓬庵会の報告書を見ます限りはそういう会社の名前は見当たらないわけでございます。 以上でございます。
○本岡昭次君 しかし、これは会長自身が公式な記者会見で発表しているんですから、この政治献金の事実は明らかであろう、このように考えます。 そこで、こうした一連の教科書会社の政治献金でありますが、政治団体あるいは個人に対して行うという場合、教科書会社という、こういう立場からの政治献金は政治資金規正法上の問題として何ら触れるところはないのか、あるいはまたやはり問題があるのか、そこらの点は自治省としていかがですか。
○説明員(横田英司君) 国民政治協会に対します五十五年度の寄付の問題でございますけれども、教科書会社十七社に関する限りは特に問題はないのではなかろうかというふうに考えております。
○本岡昭次君 そこで、いまから申し上げるのは、要するにある一つの想定の問題になるんですが、この政治献金というのは表向きは蓬庵会あるいは国民政治協会になされた教科書会社からの政治資金としての寄付であるということでありますが、新聞等でいろいろ取りざたされている状況は、個人がそれぞれの議員に手渡していった個人に対する献金であったと。しかし、その扱いは団体に寄付したということで団体からいわば空領収証をそれぞれの教科書会社はもらい、またその空領収証を蓬庵会なり国民政治協会は発行していたという疑いが持たれているわけです。この場合、政治資金規正法という問題からはそういう場合でも特段問題になるようなことはないのかどうか、どうですか。
○説明員(横田英司君) 御承知のように、政治資金規正法の運用の立場といたしまして、収支報告書に形式上の問題があります場合には、これにつきまして説明を求め、あるいは何らかの措置をするようなことができるようになっておるわけでございますけれども、いま御指摘の国民政治協会の収支報告書あるいは蓬庵会の収支報告書につきましては、形式上の問題は特にないというふうに思っておりますので、私どもの立場といたしましてそれ以上実態にわたって調査する立場にないことを御理解をお願い申し上げたいと思います。
○本岡昭次君 検察庁もお見えになっていると思いますが、いまも自治省の方の答弁では、形式上整っておればそれに対して何ら疑義を差しはさむ立場にないということですが、いろいろ論議されているところは空領収証を発行したという疑いが非常に強いわけで、それを証明する方法、手段をどのようにするかという問題が残っておりますが、そうしたことが行われたのではないかという疑念というものは多くの国民も持っているわけで、そうした場合、私文書偽造とかなんとか、そういういろんな意味での法に違反するという事柄になるのかならないのか、いかがですか。
○説明員(飛田清弘君) 仮定の御質問でございますから、その仮定の事実を前提として申し上げることはちょっと控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として、その私文書偽造の成否ということでございますれば、私文書偽造というのは、その当該文書の作成権限のない者が行使の目的を持って他人の印章等を利用して権利義務等に関する私文書を偽造した場合に成立するということでございますので、もしそれが空領収証だということでございましても、その領収証を作成する権限のある者が、その内容虚偽の私文書をつくったということであっても、通常の場合は犯罪にならない、こういうふうになっている次第でございます。
○本岡昭次君 そうすると、収入していなくとも収入していたということでその領収証を発行し、そしてその領収証を受け取った側が会計経理上これは正式のものであるというふうに扱っていっても、その空領収証を切った側というのは法的な面では違反するということには何ら当たらない、こういうことになるんですか。
○説明員(飛田清弘君) 現在の刑法の私文書偽造罪の規定によりますると、そういう結果に相なります。
○本岡昭次君 いや、私はたまたま素人ですから私文書偽造とかいう言葉を使ったまででして、その私文書偽造ということに関係するのかどうかということでなくて、法全体の仕組みの中でいまのようなことが起こった場合に法の違反になるのかならないのか、なるとすればどういうことにかかわってくるのかということをお尋ねしている。
○説明員(飛田清弘君) 私文書につきましては、個人のつくるべき文書でございますから、その個人がだれか他人から自分の名義を利用されて、それで権利義務に関する文書を偽造されるということが困る。だから、作成権限のない者が他人の名義の権利義務に関する文書を作成した場合にそれを犯罪とするといったてまえになっておりまして、一般に私文書というものは、それを作成する権限のある人がうそのことを書いても、たとえば医者などという公的立場にある人が書いたのは別といたしまして、そういうふうな特別な公的立場にない人であれば、うその手紙を書いてもいいと同じように、そのこと自体は処罰の対象とならないわけでございます。もちろん、御質問の御趣旨からいたしますと、またそういう事実がございますることは社会的には非常に非難されるべきことかもしれませんけれども、それを処罰ということになりますと、刑法ではそういう行為までは処罰しないという立場をとっているわけでございます。
○本岡昭次君 責任ある者が実際収入がされてなくとも収入されたごとく領収証を発行してもそのこと自身は別に触れないと。ただ、そのことによって会社とか事業体とか団体が何か損害を受けたら刑法にかかってくる、こういう筋書きになるわけですか。
○説明員(飛田清弘君) よく、何というか、インチキと申しますか、いいかげんな領収証を使って行われる犯罪の中には脱税なんというのがございますですね。会社で実際に使っていないにもかかわらず使ったようにうその領収証をつくって税務申告するというような脱税みたいなことがございます。それは、そういうふうな行為を手段として、そういうふうな脱税のような新たな犯罪を行う場合に、その新たな別な手段として使われて行われた犯罪が問題になるわけでございまして、その脱税のためにうその領収証をつくるということは、非常に社会的には非難されることでございますけれども、そのこと自体は私文書偽造罪にならない場合が多いわけでございます。
○本岡昭次君 いまの問題は、今後そうした事実が明らかになったときにまたいろいろ論議されるべきことであろうから、一応それはそれとして、見解として承っておきます。 そこで、文部省にお聞きをしたいんですが、初め私が申し上げましたときに、今度の自民党の政治献金の問題について文部大臣は、企業が政治団体に対して行った寄付であるので、文部省としては何ら言及する筋合いのものでないと、いわば関係がないというふうな話でありましたけれども、しかし、事は教科書を印刷し発行している会社が自民党に対して政治献金をしたという、こういう事柄で、文部大臣の先ほどの文部省として何ら言及する必要のないことであるというのは、いささか私は、これは文部大臣としての発言としては聞き捨てならぬ発言だと、こう思うんですが、やはりそういう見解をずっとこれからもお持ちになるんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお話がございました件でありますが、教科書会社の寄付につきましては、それが私企業でございまするし、政治資金規正法上の問題でありまして、われわれの行政範疇外の問題でございますが、会社において良識を持って慎重かつ賢明な配慮のもとに判断されるべきものであると、こう考えておるのでございまして、文部省といたしましても、みずからの判断に基づく配慮に対しまして申し上げることは差し控えたい、かように考えておるわけでございます。
○本岡昭次君 それはおかしいですよ。いまの姿勢は絶対に、文部大臣として、だれも納得しないんじゃないですか。文部大臣は、いつも教科書問題が論議されると、中立公正であるべきだと、私もその立場に立って教科書行政を進めていますと、繰り返し文教委員会でも予算委員会でもあなたはおっしゃっているわけなんです。そして、あなたの言う中立てあり公正であるべきその教科書、それをつくる教科書会社がいままでやった政治資金というものが、自民党に対して、政権政党に対して集中して行われているということは、あなたの言われている、教科書は絶えず中立公正でなければならぬという事柄とどうかかわってくるんですか。全く中立公正ではないじゃないですか、教科書会社のやっていることは。それでもあなたは、あなたが中立公正でなければならぬと、文部省はその教科書づくりに専念をしているんですとおっしゃっていることと、教科書会社が現にやったこと、あなたの先ほどのような言葉では済まされない問題があるでしょう。でなければ、あなたは余りにも無責任ということになりますよ。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問は政治献金に対しまする功罪を質問をされておるのでありまして、いまの政治資金規正法に基づきまするあり方につきましては、われわれといたしましては、政治団体に対する寄付行為というものは、これは正当な行為であると。ただ、その意図するところ云々ということに関する問題とはおのずから違うんでありまして、その辺は法律的に明確に判断すべきものである、かように考えております。
○本岡昭次君 いや、法律の判断を私は大臣に求めてはいないわけで、法律の判断は先ほど求めました。あなたには、文部大臣として、教科書行政に対して責任ある立場に立ってその問題の評価なり判断を求めているんですよ。検定基準の第二章第三項、こういうことが書いてあるでしょう。教科書の内容というのは、政治的に中立でなければならぬと、そしてまた公正なものの内容でなければならないというふうに明記されてあるんですよ。中立にして公正な教科書の内容をつくろうとすれば、教科書会社はそういう姿勢というものを堅持していなければ、当然その内容のものは書きようがないのであって、その観点からも、文部省として、文部大臣として、この政治献金の問題について先ほどのような形で言い逃れることのできない立場にあると、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 言い逃れるというようなことではございません。いまの法律制度というものがそういうふうになっておるのでありまして、でございますから、企業に対しましては慎重の配慮を要請するということであります。 ただいま検定基準の問題にお触れになりましたけれども、われわれといたしましては、あくまでも検定に対しましては中正、公平な立場を持って処置をいたすものでありまして、そういう行為とこの検定の結果とは結びついてはならないものであります。
○本岡昭次君 いま慎重な配慮という言葉が出ましたけれども、それでは文部省として、この問題が明るみに出た後、教科書会社に対して何らかの対応をされたんですか。
○政府委員(三角哲生君) 検定基準を引用なされましたが、おっしゃいますとおり、教科書会社の発行する教科書そのものは、これには中立性というものは要求されるわけでございまして、そのために教科書検定というものを行っているわけでございますが、教科書会社という一つ一つの企業の活動のあり方とは、ただいま大臣が申し上げましたように直接関係はないと考えておりますし、そうして冒頭から大臣からお答え申し上げておりますように、この教科書会社の寄付問題は、会社と政治団体等との事柄でございますので、私どもとしては、こういった一つ一つの会社の企業活動の一々についてどうこう申し上げる立場にございませんので、ただいま御指摘のようなことは考えておらないのでございます。
○本岡昭次君 一会社の企業活動に一々言う必要はないと、こういうことをいま言われましたけれども、教科書会社に対して、いま国の予算がことしも四百五十三億組まれていて、それが前金代金として入っていくわけです。そういう関係において、いまあなたのおっしゃるように、その一企業が何をしようとわれわれの関知するところでないという言い方もできないんじゃないですか。
○政府委員(三角哲生君) 国の予算措置しております経費は、これは教科書の購入費でございまして、各教科書会社は、各市町村の教育委員会で採択されました部数の教科書を発行なさるわけでございますが、その発行なさった教科書につきまして、文部省といたしましては、審議会によりまして審議の結果定められました定価をもってこれを購入する、その代金を予算計上しておりますのでございまして、これは教科書会社は当然教科書を売るわけでございますから、売った教科書に対する代金を受け取るというのは当然の金銭のやりとりということでございます。
○本岡昭次君 そんなことなら何も問題にならないわけでね、文部大臣。結局教科書会社がなぜ自民党に政治献金をしなければならないかということでしょう。有償無償の問題に絡んで教科書会社はその会社の経営上の存立にもかかわるという条件下にいま置かれている。あるいはまた、最近の教科書に対するさまざまな自民党側の批判の中にあって、教科書会社が文部省に、自民党にいろんな形で接触をして、そして企業そのものの防衛という立場から、さまざまなかかわり合いを文部省なり自民党に持とうとしているということは、これはもう周知の事実であるわけなんですよ。だからこそ政治献金が一定の意味を持つわけでしょう、自民党に対して。という関係がずっと持続していく限り、文部大臣がいかに中立てございます、公正でございますと言ったところで、教科書会社自身が、そうした教科書をつくるという使命を忘れて、そしてそうした自民党との癒着関係を強め深めながら教科書がつくられ、そしてこれが子供に渡されているということになれば、一体国民は教育に対してどんな信頼を置こうというんですか。それが証拠に、今度の国民政治協会にたまたま寄付をした、それが報告しなければならない団体であったのでそれが国民に知れたというだけのことであって、もしそうでなければ永遠にずっとわからないままこの政治献金が続いていたということになるじゃないですか。協会はわかったからやめる、ばれたからやめるということでしょう。ばれなければ続けるという、こういう状況。この教科書会社と自民党との癒着という問題、文部省は関係ございませんというわけにまいらぬでしょう、事が子供の教育と直接かかわる教科書、そして教科書の内容の問題、制度の問題がいま非常に大きな話題を提供しようとするときにあって、教科書会社が政権政党である自民党とそういう癒着関係を続けているということについて文部省はあずかり知らぬ。天下にそういうことで公言されるんですか、あなたは。どうですか、それ。そのことをもっと続けていても何らかかわりはないとおっしゃるんですか、
○国務大臣(田中龍夫君) 私の申し上げておりますのは、企業と政党との関係の政治献金の問題を申しております。 それからもう一つは、それを隠して云々というお話がございましたが、そうではないんで、政治献金をしたことにつきましては、事実政治資金規正法によりまして正式に公表いたして、これは官報にもちゃんと載っておるわけで、決してこそこそ隠しておるわけじゃなく、堂々とそれは献金は献金として記載されておるわけでありまして、ただ一番われわれの関心は、それによってできまする教科書が、これが一党一派に偏するようなことがあってはならない。あくまでも中正、公平でなければならない。その問題に対しましては文部省が責任を持って検定の制度によりましてこれを担保いたしておりますから、その点は御心配は要りません。
○本岡昭次君 そんなきれいごとじゃないでしょう。政治献金というのは一体どういう意味を持つのかということを、これはもう国民はみんな知っているわけですよ。利害関係が伴う中で一定の利益を得ていくために政治献金というものがいろんな形で行われるんじゃないですか。だから、その政治献金というもののあり方にかかわって絶えず国会の内外でも問題になっている、昭和五十二年でしたか、いやもっと前ですか、電力会社がみずから政治献金を自民党に対してやめるというときも、その電気料金問題に絡んで、やっぱり電力会社が自民党に対して政治献金をやっているということが、電気料金を事実実勢以上に引き上げて、そしてその利益をお互いに分け合うているんではないかという国民の批判、そういうものの中でそれはやめましょうというふうになった事実もあるわけで、教科書会社というものが何の利益を一体自民党に求めてこの政治献金をしようとしたのかという事柄、これはもう文部大臣がそこでどう強弁されようとこれははっきりしているわけでしょう。そこでつくられる教科書というもの、文部省がそれでいいですよと。たまたま今回これ見つかったからいいですよ、表面に出たから。これは昭和四十年代の初めからずっと水面下で続いておった。もし続いておったら一体どうなるんですか、これ。国民は事実を知らされないまま、教科書会社と自民党との癒着関係というものの中で教科書行政が動かされているという、そういう状態に据え置かれるということになるでしょう。だから、文部省として、この際この問題についてははっきりとした文部大臣としての見解なり見識なりというものを言うべき立場にある。そんな政治資金規正法上どうこうとか、いや企業の政治献金は法律上規制されてないんだとかどうだとかということと別の国民に対する文部省の姿勢の示し方というものがあるんじゃないですかと言っているんです。
○国務大臣(田中龍夫君) その問題でございますが、ただいま申しましたように、たまたま発見されたからどうこうというんじゃなくて、これは献金をいたしましたものは堂々と公表される性質のものでございまして、何ら隠蔽はいたしておりません。しかしながら、教科書というものの性質から、この発行、供給を行っております教科書会社の活動の性質上、この企業体みずからが良識を持って慎重かつ賢明な配慮のもとに判断して行動してもらわなければならない。私どもはそれに対しましての、むしろ教科書会社のみずからの反省に対して期待をいたすものでありまして、これに対しまして私どもが行政的に介入する性質のものではございません。
○本岡昭次君 教科書会社は、明らかになったことによって政治献金を中止した。ということは、わからなければ続けていたけれどもわかったからやめるということ。そこに教科書会社が、教科書会社であるがゆえに持つ政治献金の意味、やはりこれは、続けることによって国民の批判からこれはもう耐えられないだろう、逃げられないだろうという判断があってそれはやめたんだろうと思うんですよ。あなたのおっしゃるとおり、企業としてやましくなければ続ければいいわけですよ、しかし続けられないということでしょう。(「続ければいいんだ」と呼ぶ者あり)続けたら大変なことになるよ。自民党の行政じゃないだろう。 そこで、教科書会社すらそういう自主的な判断をしてやめたという事柄について、文部大臣は、その教科書会社が自民党に対して政治献金を続けるということについてのよしあし、あなたは自民党の立場で言う必要はないと思う。文部行政のトップに立っている立場で、その教科書会社の判断そのものは一体どういうふうにあなた思われますか。
○国務大臣(田中龍夫君) それでありますから、私が申し上げたように、いわゆる企業と特定政党のことを申すのではありません、政党一般論として申し上げておる。同時にまた、その企業そのものもみずから良識を持って判断されることを期待すると申しておる。
○本岡昭次君 いや、その判断は下したんでしょう。教科書会社は判断を下してやめたんじゃないですか、いままでやっておったのをやめた。
○国務大臣(田中龍夫君) それでありますから、自主的に判断をいたしたのでございましょう。そこで、私どもは権力構造といたしまして、権限を持った文部省といたしまして、それに対して介入はいたしておりません。
○本岡昭次君 だから、あなたは権限を持っておる文部大臣だから、教科書会社のやったことはそれは好ましい判断でやったのかどうかということについて、当然あなた権限上の立場にあるのだったら言えるでしょう。教科書会社が中止したことをあなたは一体どう思う。それはいい判断であったと言うのか、先ほども続けたらよかったという話が出ていますが、いやそれは続けて何ら差し支えのないことであったと言われるのか、その一言を聞かしてください。
○国務大臣(田中龍夫君) 自主的に良識を持って判断することを期待いたします。
○本岡昭次君 もう判断をしたんですよ、中止をするというふうになっているのだから、中止をするという判断をしたことは、それは文部省の立場として好ましい良識のある判断をしたと、こう思われるか、それともそんなことをする必要はないというふうに思われるか。あなたは権限上あるとおっしゃった、教科書会社に対して。その立場で言ってください、それだけで私終わりますから。
○国務大臣(田中龍夫君) 本件に関しましてはお答えの限りではありません。
○本岡昭次君 お答えする範疇ない――おかしいじゃないですか。教科書というものはいまなにでしょう、自由発行でも何でもない、文部省の検定下にあって、そして業者の指定の問題から発行、採択、すべて文部省の教科書行政という中に位置づけられているんでしょう。だから、文部省の権限の範囲内にがっちりあるわけですよ。ただ、民間の企業が教科書を発行するという立場にあるだけで、それはもう権限の上からはすべて文部省にあるわけでしょう。そのトップにあるあなたが、教科書会社の打った判断を、それはよかったと、こう言われるのか、いやそんなことはする必要なかっただろうと思うとかというようなことについて、なぜあなたが言う立場にないと言うんですか、そんなら教科書の問題についてあなたはこれからいろいろ発言されるときに、全部そういう物の言い方でやってもいいわけですか。
○国務大臣(田中龍夫君) それは私の申しておりますのは、あくまでもりっぱな公平、中正な教科書ができてこなければなりませんが、それにつきましては検定制度というものによって、われわれの方でりっぱな教科書をつくりますように指導いたします。しかしながら、その教科書がつくられる過程におきまする企業といたしましての発刊の自由と申しますか、それに対しましてはその検定以前の問題でありまして、われわれの方といたしましてはそれを制肘をするということのない、企業というものによるいわゆる国定教科書でない自由出版の制度の原点でございます。でございますから、それに対しまして、出版会社がみずから自主的に判断いたしましてつくってまいります教科書に対して、教科書ができてから、文部省といたしましては公正な教科書でありますように、りっぱな教科書になりますように検定制度をもって指導してまいるのでございます。
○委員長(片山正英君) 本岡君にちょっと申し上げます。時間がちょうど来ておりますので。時間でありますから、もう一度だけ。
○本岡昭次君 はあ、もう一度だけ。 それでは文部大臣、あなたはいまも、教科書会社はりっぱな教科書をつくってくれとあなたもおっしゃっている、国民もそう思っている。りっぱな教科書をつくらなくてはならない立場にある教科書会社、またつくってもらいたいと思っている文部省、そういう関係の中にあって、自民党に対する政治献金が長年にわたって行われていた。しかし、それが発覚することとなって国民の批判を浴びて、それはやめましょうと言ってやめるという判断を下したと。そういう一つの流れの中で、りっぱな教科書をつくってもらいたいというあなたの願いからして、その判断は好ましいと思われるのかそうでないのかということを一言聞きたい。あなたがそのことについて答弁を避けられるなら、その教科書会社の判断というのは、これはもう好ましくなかったと、いまもおっしゃっているように、続けてくれておった方が自民党のためによかったんだというふうにわれわれは見ざるを得ぬということになる。はっきりしてくださいよ、その点だけ。好ましいとあなた言いなさいよ、好ましいでしょう、やめた方が。
○国務大臣(田中龍夫君) 教科書会社が企業として政党に献金をいたしたことの犯罪性と申しますか、不当性というものは、私の言及する限りではないということでございます。
○委員長(片山正英君) 時間になりましたから、この問題はこの程度で、次の質問者に移らせていただきます。
○田沢智治君 文教委員会の本質に戻りまして、文教関係についてお聞き申し上げます、(「いまの本質の問題だぞ」と呼ぶ者あり)私の本質と皆さんの本質とは違うかもわからぬが、私の本質はこれから言うのが本質であるという認識でやってくださいよ。 私は、きょうの文教委員会の中で第一に文部大臣にお聞きしたいと思いましたことは、福井謙一京都大学教授がノーベル化学賞を受賞され、わが国六人目のノーベル賞の受賞者になったことは、全国民挙げて喜びを分から合ったのが現実だと私は思います。特に、資源の少ない日本が工業技術立国として世界の中で生きなければならない現状に思うとき、今回のノーベル化学賞の受賞は、日本人独自の創造的研究実績が世界の多くの人々に評価されたというところに大変意義深いものがあると思っております。これを契機に第二、第三の有用な人材を多く養成して、二十一世紀に向かって生きる世界の中のたくましい日本を発展させることがまずもって肝要であると確信しております。 そこで、文部大臣に、福井謙一京都大学教授のノーベル化学賞の受賞の所感と、今後の後継者づくりに対していろいろお考えがあるかと存じますが、その決意のほどをまずもってお伺いしたいのでございます、
○国務大臣(田中龍夫君) 今回の福井教授のノーベル賞受賞の問題は、私どもといたしましては非常に実は喜ばしいことでございまして、ことに功労賞という問題につきましても、早くかもこのフロンティア理論というものに対しまして評価をされておったのでありますが、それは国内的なわれわれの評価であったわけでございます。ところが、それをさらに世界的なノーベル化学賞という姿において国際的な評価を得られたことは、国家といたしましても国民といたしましても、これ以上の喜びはございません。 ことに最近のわれわれの科学技術に対しまするあり方でございますが、基礎化学という問題を重視しなきゃならない。ことに文部省という役所が学術の問題、特に応用化学の問題ではない基礎化学の問題につきまして真剣に取り組んでおりますときに、この日本の基礎化学の標準というものが非常に高い水準にあるということを立証されたものでありまして、同時にわれわれはこの各種の理論、ことに化学反応に対しまするこの基礎的な理論というものは、今後あらゆるいろんな発展に対しましても、これを活用いたしまして、一大躍進が期待されるものでございます。そのことは同時に、われわれが持っておりまする教育という、後継者養成ということから申しますならば、この今回のノーベル化学賞の受賞は、実に今後のたくさんの学徒に対しましても自信と希望とを与えるものといたしまして、本当に心から慶賀にたえません。 なお、今後この基礎研究の充実とすぐれた研究者の養成、なかんずく世界の学界をリードし得る独創性豊かな研究者の養成に格段の努力を払っていく覚悟でございます。
○田沢智治君 私は、日本人が日本人らしいと言われるゆえんは、やっぱり日本語を正しく話し、書き、よく聞くことができる。将来第二、第三の日本を代表する有為な人材を育成するためには、国語力を少なくとも義務教育期間の中でしっかり教育しなければ私はならないと、こう思っておるのでございますが、文部大臣いかがでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) お説のとおりでございます。
○田沢智治君 文部大臣は、結構なことだと、私もそう思うと、こう申されるのでございますが、これは初等中等局長になりますか。 そこで、学校教育法施行規則の一部改正と小中学校の学習指導要領の改訂により、国語ばかりじゃないんでしょうけれども、特に国語教科の授業時間数が減少しておる。実例的に私が申すまでもございませんけれども、小学校においても、昭和五十四年度までの数よりも昭和五十五年度からの数が大分減っているわけです。五年、六年生だけでも三十五時間減、中学におきましては、二年、三年においては三十五時間減ということで、特にこれからの日本人の中で、語学力はある面において一生懸命やるけれども、日本語について正確に文章が書けたり誤字のない字を書き上げる、そういう能力がだんだんだんだん少なくなってきて、結局テレビで見たり本で見たりして書く力がだんだん落ちてきている。そういうような現実に対しどう対処しなきゃならぬかということを考えたとき、私は国語教科の授業時間数をゆとりある教育の一環として減らすということが施策上正しいものであるかどうか、そういうようなことに疑義を持つ一人でございますが、初等中等局長より、なぜ減らしたのか、この経緯をお聞きいたしたいのです。
○政府委員(三角哲生君) 国語というものは、日本人の社会生活、精神生活にとって非常に基本的に大切であるということは田沢委員の御指摘のとおりだというふうに私も考えております。 そこで、今回の教育課程の基準の改善でございますが、ここでは児童生徒の学習の負担をできるだけ適正なものにいたしまして、そして、それぞれの個々の学校の創意工夫によりまして、ゆとりのある、しかも充実した学校生活を実現しようということで、そのために国語も含めまして御指摘のように各教科の内容を精選いたしまして授業時数を削減したという経緯でございます。 しかし、この国語教育の内容そのものにつきましては、やはり読み書きなどの基礎的な能力が十分に身につくように授業をやっていく必要がありますので、たとえば作文を重視いたしましたり、あるいは文字、発言、文法などのいわゆる言語事項というものができるだけ系統的に指導できるように学習指導要領上配慮してまいったところでございます。
○田沢智治君 次に、文部省の教育用漢字調査研究協力者会議が八月の三十一日、学校教育における漢字指導のあり方についての報告書をまとめて、当用漢字表千八百五十字にかわって、十月から常用漢字表、九十五字を追加し、千九百四十五字を実施することになって、中学三年生の学習指導要領を常用漢字を大体読むことができるように改正したという、あいまいもこな変更内容と私は聞いておるのでございます。そういう意味で、国語の時間数が減ってきて常用漢字がふえた、こうなりますと全くバランスがとれないような、行政に一貫性を欠いておるのではないだろうかと私は非常に懸念するんです。なぜならば、ノーベル賞をもらった方々は科学を学びながらも文学その他に大変関心を持たれておる。湯川秀樹先生などは宗教的な物の考え方の中に中間子原理を発見することができたと言われるほど、科学を学ぶ音あるいは科学者なるがゆえに国語力というものを粗末にするということは決してしていない。やはりバランスのとれた日本人というものの独創というものは、やはり歴史と伝統から培われた、伝承してきたこの国語力というものが私は生命だと思うんです、ですから、やはり第二、第三の本当の有能な人材を出すとすることになると、少なくとも指導要領改訂期があるならば国語の時間の授業数を私はふやすべき措置を今後勇敢にとるべきだと、こう考えるのでございますが、初等中等局長、その私の考え方に対する御所見があればお伺いさせてもらいたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 御指摘の常用漢字の問題でございますが、これは小学校につきましては、時数については従来と同じで増減ございませんが、中学校におきましては、常用漢字というものは社会生活に入ってわきまえておることが望ましい一つの目安でございますので、中学校卒業のときに全部をやっておる必要はまずないんで、中学校卒業後、若干のまた時間を経てそういう状態にいけばいいということでございますので、あいまいという御指摘でございましたが、常用漢字表の漢字の大体を読むことというぐあいにいたしたわけでございますが、しかし、御指摘のように従来と比べますと、やはり中学校の教育で読みについて若干の増加は必要になってくるであろうと思いますが、若干でございますので、私どもとしては生徒の学習負担の面から考えました場合に、これが特段の問題になるというほどのことにはならないであろうと、こういうぐあいに考えておるわけでございます。 国語教育そのものについての将来のあり方をどうするかということでございますが、これはまあ学校教育はもちろん、国語というものが一つの思考活動の基本になることでありまして、言葉でもって人間は物を考えるということがあるわけでございますから、そういう点を十分に踏まえて検討する必要があると存じますが、学校におきましては、そのほかいろいろな必要な教科というものもあわせて総合して実施してまいらなければなりませんので、これはただいまの田沢委員の御意見は、私ども先々学習指導要領について考えます場合の一つの参考とさせていただきたい、こういうふうに考えております。
○田沢智治君 参考とすると同時に、やはりふやすようにしていただき、やはりいまの日本人の一つの欠陥というものは、おのれを表現する力が十あるものを六つぐらいっきりできないんです。私はそう思うんです。ですから、漢字が少なければ少ないほど日本の文化はより発展するんだとかあるいは教育効果が上がるんだと、むだな漢字なんかどうでもいいんだというような物の考え方は、私は誤りだと思うんです。やはり古代から日本の歴史をずっとこう調べてみますと、言葉というものは五十音じゃなくて七十音、八十音、百音以上いろいろな使い方がある言葉があったんだと、だから文字がなくても表現する能力、表現する姿というものを通して、ああこの人はいま怒っているんだな、この人は私にこういう気持ちで接しているのか、ああこの人は自分の言ったことがわかってくれたんだという、いろいろな人間関係の豊かさというものをつくるには、これはやはり国語力というものを本当につけるということ、これがやはり日本人の独創性をより広くより豊かにしていく要因だと、私はそう思うんです。ですから、ぜひ国語の時間をふやしながら、効力ある内容豊かなる情操的日本人をたくさん義務教育でつけるという、そういう努力を文部省としてひとつ将来の展望の中で位置づけてほしいということを要望いたしたいのでございますが、文部大臣として御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお説のとおりに、この常用漢字の問題でございますが、特にいろいろな小説でありましても、その他文化的な文献を読む場合に、その文字がございませんので漢字とかな文字とが連続して一つのボキャブラリーになっているようなものを見ますと、非常にそれだけでも情操的には大きな欠陥が出てくるように思うのであります。ただいまお話しのように、こういうふうな文化的な問題、特に情操的な問題につきまして、今度の常用漢字が必ずや私はいい効果をもたらすだろうと、ことに名前やなんかの緩和ということは、これはぜひともやっぱり必要な問題であると、かように考えております。
○田沢智治君 わが国が世界の中の日本としてノーベル賞の受賞者を多く出したり、経済大国として活躍すれば活躍するほど、日本とはどのような国なのか、これは世界の人が大変関心をますます私は持ってくると思うんです。国内においては、特に北方四島は日本固有の領土であるということに対しては、多くの政党も超党派的次元で北方領土についての位置づけは、国内的次元の中では大体国民的合意の方向に来ていると思うんです。しかし、国際的次元の中で見ますとき、世界各国の地図を見た多くの事象から見まして、多くの国々の間では必ずしも北方領土は日本国として位置づけていないということを私は聞いておるんです。ですから、やっぱり日本という国はどんな国だといったときに、北方領土も含めてこういう国なんだと言えるような位置づけが近年早急にはっきりと位置づけなければならない状況に来ていると、こう思いまして、きょうは外務省の方に恐縮ですが御出席をいただいておると思いますが、外務省においても、再三世界各国に対して、北方四島は日本固有の領土であることを申し入れているということを伺っております。その経過と実態等につき、世界の反応があればそれを含めてお伺いをいたしたいと、こう思うのでございます。
○政府委員(武藤利昭君) お答えいたします。 北方領土問題に関しますわが国の立場につきまして世界各国の正しい理解を得るということは、御指摘のとおりきわめて重要なことでございまして、政府といたしましても、従来から北方領土問題に関しまして各種の広報資料を作成、配付したりいたしまして海外広報活動を実施している次第でございますし、またそのようなわが国の立場について国際的な理解を求める一助といたしまして、昨年、今年二回にわたり、国連総会の一般討論演説におきまして、外務大臣から北方領土問題について言及したということは御承知のとおりでございます。 それからまた、政府といたしましては、このような努力の一環といたしまして、世界各国の地図における北方領土の記載ぶりについても調査を行ってきた次第でございます。これまで調査の結果、遺憾ながら非常に多くの地図において北方領土に対するわが国の立場が必ずしも正確に反映されていない記載ぶりになっているわけでございまして、そのような地図を発行している出版元に対しましては、北方領土に対するわが国の立場を説明いたしまして、地図の新版を作製するときにはそのようなわが国の立場を反映するものとするようにというような働きかけも行っているところでございます。
○田沢智治君 そういう意味で、北方領土の返還は日本民族の悲願であるし、北方領土が返らぬ限り日本の戦後は私は終わらないと思っております。やはり日本人というものが、ちゃんとした主権国家としての位置づけをするということは、教育上私は大事だと思うんです。ですから、外務省におかれては、北方領土の返還運動の推進も一生懸命やってもらわなきゃなりませんけれども、やはり世界の各国の地図がよその国に位置づけられるような現状は悲しむべき現状であると思いますし、そういう意味で、ひとつこのような問題について真剣に取り組んでくださいますことを関係者にお願い申し上げたいと思います、これで外務省の方は結構でございます。 次に私は、行革特例法案の中における文教関係法案の内容、問題を二、三お伺いしたいと思います。もちろんこの審議等につきましては行政特別委員会でいたしたいと思うのでございますけれども、せっかくの機会でございますので二、三お伺いさせていただきます。 その第一は、行革特例法案の文教関係抑制金額の項目別実態等についての内容につき、個別的におわかりになるならば、文教関係事項の項目別抑制措置の実態と金額を提示いただければと、こう思うんですが、御無理でしたらよろしゅうございますけれども、いかがでございますか。
○政府委員(鈴木勲君) 昭和五十七年度概算要求におきまして、行革特例法関連で節減いたしましたもののうち、一つは四十人学級と第五次定数改善計画についてでございますが、これは当初予定しておりました二千八百六十二人を七百二十二人に抑制いたしまして、それによって約五十六億円の削減と相なっております。また公立文教施設費につきましては、人口急増地域のかさ上げ補助率など、特定地域に係る国の特例補助率の引き下げによりまして約十五億円を削減いたしております。それから第三は、私学共済の国庫負担率の引き下げでございますが、この額は約十六億円でございます。
○田沢智治君 その三点ですね。 特に一番私が関心を持っておるのは、諸学校学級編制及び教職員定数改善計画の抑制策のいまの試案内容を見ますとき、実質的なマイナス現象というものが当然出てくると、こう思うのでございますけれども、衆議院の行革関係の記事を見ますれば、生徒の自然減があるからそう大きなマイナスはないというようなお話もございますが、その辺のところ――抑制した方がいいけれども、内容的に教育内容が希薄になってきている、マイナス条件の方が多いというようなことは言えるか言えないか、初等中等局長よりお願いします。
○政府委員(三角哲生君) 四十人学級計画につきましては、ただいま御提案申し上げている法案によりまして、特例適用期間中は国の財政事情を考慮いたしまして抑制すると、こういうことにいたしておるわけでございますが、この四十人学級計画の全体規模並びに十二年間でこれを達成しようということは、現在の法律の本則のとおりに実施するということにいたしておりまして、この点については変更しておりません。 なお、特例適用期間中も、すでに去年とことしの予算措置で四十人学級を実施した学校は、これは続けたいということで、その学校に限っていわば抑制をして明年度の概算要求を行っているわけでございます。まあ当初の計画でございますれば、五十八年度から一般の市町村におきまして四十人学級を手がけようと、こういう考えであったわけですが、それが、若干その出だしがおくれるという意味では、委員御指摘のようにそこのところが今回の措置なわけでございまして、教育上といいますか、私どもの当初のプランとはそこのところが違ってくるわけでございますが、その後の自然減の状況を見合わせまして、六十六年度までにはこの今回の改善プランそのものを実施していこう、こういうことでございまして、改善プランの足の運びが若干そこで足踏みをする、こういうことになるのはやむを得ないのではないか、こういうふうに思っておるのでございます。
○田沢智治君 そこで私は、今回の行革の内容は弱者切り捨てというような面を指摘されておる状況だと思うんです。そこで、弱者切り捨てというようなことが文教の中でもできる限りないような措置を講ずるという意味では、特殊教育に関する増員計画とか、これについての従来の計画についても見直しの対象にならざるを得ないのであるかないか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 特例適用期間中におきましては、四十人学級以外の教職員の定数改善につきましても、これは抑制をしなければならない、こういうことでございますが、ただいま御指摘の特殊教育関係の中でも、義務制の施行によりまして大変私どもとしては配慮しなければならないと思っております養護、機能訓練担当の教職員につきましては、これは五十五年度、五十六年度に引き続きまして明年度も同規模の上乗せをしていこう、こういうことで概算要求をいたしておりまして、抑制をする中でもそういったような配慮は続けていきたい、こういうふうに思っておるのでございます。
○田沢智治君 私はそれをぜひやってほしいんです。やっぱり教育の次元の中では、特殊教育関係に携わる方々というものは重労働に近い問題があると思います。ですから、国際障害者年でもあることしにおいては、まあ特例期間中といえども、そういう弱者に対する教育的配慮は文部省が姿勢を正してこれを進めていくんだというくらいな元気を出してこれはやってもらいたいと思うのでございますが、文部大臣いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) そのとおりでございまして、当初この臨調の問題が出ましたときから、計画は六十六年までの四十人学級については一切変えないということと、養護教育あるいは教育困難地域といったような特別な地域的な、あるいは目的的な必要のものはこれを抑制しないと、計画どおりにやるということを確約いたしております。
○田沢智治君 大変ありがたいと思うんです。弱者は切り捨てないんだということをはっきりと内外に示すことは、教育の姿勢をますます強固なものにし、多くの方々に共鳴を呼ぶのではないかと私は思います。 次に、公立学校施設整備についての二、三の問題がございますが、人命尊重は地球より重いと言われる今日、行革期間であるからといって、その施策の中で配慮しなければならない問題もあるかと思いますが、いま言うような問題についてはやはり配慮をする余地なしというような次元で進んでもらいたい。建物等についても、特に東海地震防災対策強化が叫ばれている今日、その地域の学校諸施設の総点検や危険建物改築補強推進対策等について、文部省として具体的に検討をなさっておられるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の地震災害対策地域におきます老朽校舎、危険校舎の改築等の問題につきましては、先生御案内のとおり、地震に関します特別措置法に基づきまして地震対策緊急整備事業計画が作成されております。これは五十五年から五十九年の五年間でその計画を達成するということで進められておりまして、公立の小中学校建物関係分は七百九十八億が計画の額でございまして、この事業はすでに五十六年度、本年度までに三百六十六億、進捗率が四六%、ほぼ半数の達成をいたしまして市町村の要望にこたえてきたということでございまして、引き続き五十七年度概算要求に当たりましても、この計画に計上している事業量、大体約七十五億ほどでございますが、これはそのまま盛り込むという考え方をとりまして、さらに一般地域におきますところの危険校舎の改築につきましても、各市町村の要望にこたえていくということに主眼を置きまして事業量の見込みをいたしました、その結果、事業量といたしまして百七十五万一千平米、金額といたしまして七百八十億四千七百万円の要求をいたしております。全体といたしまして、臨調での事業量の縮減の御指摘がございます。また、ゼロシーリングという中での厳しい概算要求で、公立文教関係につきましては全体で四百二十七億の減額をいたしておりますが、この危険校舎等に対する改築費につきましては、以上申し述べたようなことで各市町村の要望におこたえしていくという配慮をさせていただいております。
○田沢智治君 いまの局長さんのお答えで私は満足するものでございますが、最終的予算の折衝の中で切られるようなことがあると私はいかぬと思うんです。なぜならば、やはり学校施設というものは公共的に高いものであり、常に非常時には地域住民を収容する避難所でもあり、安心してそこに入って避難できるという意味においては心の糧になっていると思うんです。ですから、日本列島全体がいま申すようにいろいろな災害に遭うような地理的条件であるとすれば、安全度の高い教育環境の中で青少年教育が行われることは国家の発展のために必要な措置だと私は思います。そのことからいって、危険建物改築基準点やあるいは豪雪地域の学校施設に対する基準点を、いままでは特例措置として一年一年折衝で決めておるというような取り扱いがなされておるやに聞いております。この際そういうようなことじゃなくて、学校施設は国民の施設なんだという、公共性の高いという現実を踏まえたときに、これは特例措置という形ではなくして、その建築等の点数については制度化をして定着化させる必要が今日あるのじゃないだろうかと、この際やっぱり真剣にそういうことを考える時期が来ていると、こう思うのでございますが、この点文部省としてはどうお考えでございますか。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の点につきましては、五十二年度の第二次補正予算の際から、従来四千五百点でございましたものを千点引き上げまして五千五百点ということで取り組んできたわけでございまして、五十七年度の概算要求に当たりましても、すでに五年の経験を経ているものでございますから、先生御指摘のように、これを定着した制度と、恒久化していくということでいま要求をいたしておるところでございます。 なお、地震防災対策強化地域につきましてはさらに五百点の引き上げをしていくということで概算要求をいたしております。
○田沢智治君 文部大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま局長から答えたとおりでございまして、当該御指摘の問題は非常に重大な問題だと思います。
○田沢智治君 ぜひそういう姿勢で臨んでいただきたいと存じます。 次に、教科書関係等についての諸問題につき二、三お聞きいたします。 この春から教科書の問題が各方面から大変関心が高まり、特に中学校社会科の公民の記載内容の適正度の問題について、私もこの文教委員会でいろいろ問題点を提起したのでございますが、先般教科書協会が、中学校公民の改訂に当たって全面改訂を受け付けてほしいと文部省に申し入れたと聞いておりますが、その後の経過についていかがになっておるか、お聞かせいただきたいと存じます。
○政府委員(三角哲生君) 御指摘の問題、文教委員会におきましていろいみと御論議があったところでございまして、その際も私どもの立場を御説明申し上げた次第でございますが、文部省におきましては、小中学校の教科書については、従来から三年ごとに新規検定と改訂検定という両方の姿での申請を受理する旨を告示をしてきておりまして、来年度の中学校教科書の検定につきましても、本年九月二十八日、これまでと同様の告示を行ったところでございます。したがいまして、文部省といたしましては、申請がございますれば法令の規定に基づいて検定を行う、こういう立場にございますのでありますが、実際にどのような申請が果たしてどの会社から出されてくるかは、どうもいろいろ会社の方でも検討しておるようではございますが、私どもにとりましてはまだ不明でございます、 そういった経過並びに現状でございます。
○田沢智治君 これはまだ結論が出ていないと、こう理解してよろしゅうございますか。 次に、教科書の採択については広域採択をしたらどうだろうかというような意見も二、三聞くのでございますが、この件についてはいかがでございますか。
○政府委員(三角哲生君) そういった御意見も私ども承っておりまして、教科書の現在の検定並びに採択、発行、この制度をどうするかということにつきましては、私どもとしてはこれからひとつ慎重に取り組んで検討してまいりたいと、こういうふうに思っております、
○田沢智治君 これ、公平に言って、もし広域採択ということで都道府県単位になったとすれば、どういう面がよくなって、どういう面がまだ逆に問題点が残るかということについてお聞かせいただければと存じますが。
○政府委員(三角哲生君) いま御指摘の、もし現在の採択制度をより広域にし、あるいは場合によりましては都道府県それぞれ一本にした場合にどのような利点があり、あるいはどのような問題点ないしは欠点が生ずるかということでございますが、これは非常に、いろいろな角度から丹念に検討をしてまいらなければならない事柄でございます。現行の制度も、学校採択というようなことに比べますれば、中域と申しますか、広域採択と見られるわけでございますが、現行の制度をとります場合に、当時のいろいろな議論で私ども申し上げました点をとりあえず申し上げますと、教師の学習指導や教科書に関する共同研究にとりまして、一つの共通な基盤を有する広い地域では同一の教科書を使うということは非常に便宜であり、有利である。それから、たとえば県内での転学に際して、あるいは地域内での転学に際して教科書がすぐ変わったりしないという点で便利であると。それから、流通等の関係も含めまして、若干なりとも教科書の価格の低廉化に資するのではないか。それから、いま申し上げましたが、教科書供給の円滑化にも利点があるといったようなことが挙げられておったわけでございますが、御指摘のように、県一本にした場合どうかということですが、これはなおいろいろな角度から検討を要すると思っております。
○田沢智治君 いろいろの角度から、より子供のためになるような内容を研究していただきたいと存じます。 次に、昭和五十七年度の文部省の概算要求の中に教科書調査官の増員要求が出されていると思うんですが、これは何人ぐらいふやし、かつ、その方々にどの分野を担当させようとお考えでございますか。
○政府委員(三角哲生君) 私ども文部省といたしましては、昭和五十七年度の定員要求の中で御指摘の教科書調査官につきまして六名の増員を求めておるところでございまして、そして、この明年度要求の六名は社会科担当の調査官ということで要求をしておる次第でございます。教科書によりまして教科書の検定というものの複雑さ、困難さ、あるいは忙しさ、それぞれございまして、社会科に限らず必要な教科もあると思っておりますけれども、明年はとりあえず社会科にいたしました。 これは、社会科につきましては、近年の日本が非常に急速に政治、経済、社会面の進展と申しますか、変化がございまして、それに伴いまして社会科教科書の取り扱う内容も著しく多岐にわたりまして、検定というものについて今後ともこれまで以上に慎重かつ綿密な調査を行うということが必要であると、こういうふうに考えておるからでございます。
○田沢智治君 私は、先般の文教委員会でも申したとおり、調査官をふやすことは、これは結構だと思うんですが、ふやすだけではなくして、調査官の身分と、それから待遇改善等についてもあわせて考えてほしいと申しておったのでございますけれども、たとえば資料収集費とか、研究費とか調査費などは、ある程度つけられるような次元の中で調査官がやはり自分の本来の職務を全うできるような環境づくりというものがある面において必要ではないだろうかと、こう思っておるのでございますが、この辺のところについて前向きに御検討なされておられるかどうかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 教科書調査官は、発行会社なり著者なりが編集をし作成をしてきたものについて検定を行うということでございますが、やはりそのためには、調査官として必要な図書でございますとか、資料でございますとかも整備をいたすことが大切でございますし、それから、時間の許す場合には自分自身の研究もできるような環境整備をさせてあげたいなと、こういうふうに考えておりますが、なかなか現実は満足すべき状況になっておらないのでございます、予算もゼロシーリングで非常に厳しい状況下にありますので、なかなかそちらの方は私どもの考えたとおりの要求も出しがたい事情にございますが、少し長い目で見つつ、できるだけ環境整備をしてまいりたい。 それから、給与面におきましては、これは人事院に要求をいたしておりますが、やはり一般行政職ということで格づけをいたしますと、現実に月々の収入が、かなりの金額が減るというような状況下に置かれておりますので、この点についても私どもは改善の努力を続けなければならない、こういうふうに考えております。
○田沢智治君 ぜひ、その辺のところをしっかり環境づくりをなさっていただきまして、正確であり真実である教科書を私はつくっていただきたい、これを要望したいと思います。 次に、今後の行革推進の中で対象となる文教関係事項が私はあると思うんですが、これは文部大臣にお聞きいたしたいと存じますが、今後の行革を推進する中で、まず第一に教科書無償制度の問題、私立学校等への経常費助成問題などは具体的に臨調の中でも検討される事項になっておると聞いております。文部大臣は、教科書無償制度の存続を維持する、これはどうしても無償制度を守っていくということを再三決意として述べられておるのでございますが、私もその点については賛成なんです。やはり経済的な次元の中で、おまえのおやじは働きがいいから有償なんだ、おまえのおやじは働きが悪いから無償なんだというような、子供の世界にそういう経済的社会的ないみいろな要素を持ち込んではならない。せめて教科書は、憲法にも保障しているとおり無償制度を存続するということによって、子供の世界において公平、平等なる温かい雰囲気を維持していくことは、将来の日本を大きく支えていく青少年育成にとって私は大事だと思うのでございますが、文部大臣、いまでもその決意はお変わりになっておられないと思いますが、一言御意見をちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘の無償の問題は、私どもといたしましては、あくまでもこれを貫いてまいらなくてはならない。憲法の二十六条に掲げます義務教育の無償の精神にのっとりまして、特にまた、五十六年度の予算もそれに基づきまして行われましたし、五十七年度の概算要求におきましても、厳しい財政状況下ではございますが、従来どおりの無償制度につきまして予算を要求してまいっておるような次第でございます。御案内のとおりに、臨調におきましては、第一次の答申において「廃止等を含め検討する。」とされておるところでありますが、「廃止等を含め」というのを特に要望いたした次第でありまして、これは今後各界の意見にも耳を開いていかなけりゃなりませんけれども、しかしながら、この憲法の精神にのっとりました無償の問題は堅持してまいると、今後ともに努力を続けてまいりたいと存じます。
○田沢智治君 次に、私立学校等に対する経常費の助成も、これは年々増加をいたしまして、五十七年度の概算要求の中にも前年比五十億増の二千八百八十五億円を要求しておることは、私は非常に結構なことだと思っております。私立学校教育は、特に大学の場合はもう八〇%近い日本の大学教育を支えている実態から見て、この頭脳というものをより充足し、充実させ整備していくということは国家の存亡に値するだけの対象物であると思っております。そういう意味で、私学振興助成というものに力を入れることは文化国家日本にとって欠くことのできない条件である。そういうような意味で、私学助成問題についての大臣の所見をまずもって伺いたいのでございます。
○国務大臣(田中龍夫君) この私学に対しまする重要性、特に大学におきまする七割が私学に依存しておりますわが国の高等教育におきまして、われわれといたしましてはぜひとも私学の重要性を強調してまいりたいと存じまするし、特に具体的な問題といたしましては、この厳しいゼロシーリングの枠内ではございますけれども、しかしながら、この私大の経常費補助につきましては五十億円を、なおまた私立の高等学校の経常費につきましても、その補助を四十億円を増額要求いたしておるような次第でございます。
○田沢智治君 管理局長もおられますので、管理局長からも、窓口の責任者としてひとつ決意をお伺いさせてもらいたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の私学助成でございますが、年々増額の結果、本年度五十六年度でその実態を見ますと、私立大学の経常的経費が九千五百四十七億円、うち国庫補助金が本年度は二千八百三十五億円でございまして、経常費総額に占めます割合が三〇%の実現を見てきているところでございます。 また、高等学校、幼稚園等の経常費補助につきましては、総額八千八百四十五億円、これに対しまして国庫補助金が本年度七百八十五億円、地方交付税等によります都道府県の補助金を含めまして経常費総額の三二・四%という実績まで高まってきたということで、今後一層この私立大学の重要性にかんがみました私学助成の充実を図るという課題を抱えておると存じておりますが、大臣が御答弁されましたとおりの客観情勢、大変厳しい中でございますけれども、私立大学助成につきまして、また高等学校の経常費助成につきまして、増額要請を概算要求で財政当局にいまお願いしておるところでございます。
○田沢智治君 そこで、行政改革も含めて、私はいま国公私立学校の学費の格差というものに対して、これも臨調等で話題になっているんじゃないだろうかと、こう思うんですが、大学局長等もおられるのでございますが、まず、国立大学の授業料は、年間、五十六年度は十八万、入学金が八万円で二十六万円です。ちなみに私立大学の授業料の平均、文科系は三十万二千三百五十円、理工系が四十二万八千二百八十二円、医科歯科系が百七十七万七千六百六十九円、その他芸術関係とかいろいろな関係が三十六万九千五百二十七円になっておるのですが、入学金についてはどうかというと、文科系の私立学校の場合は十七万六千三百九十一円、理工系が二十万三千九百四十九円、医歯――医者と歯医者の方の系統が六十八万一千四百三十四円、その他が二十三万四千六百九円ということになっておりまして、実際から見ますと、国立大学の学生の授業料、入学金に比して、文科系は二倍、理工系は二・五倍、医歯系が額面どおりだけでは十倍、しかしこのほかに何千万という学債か寄付がつくかつかないかわかりませんが、つくところもあると、こう聞いておるのでございます。そうしますと、これが四年間、六年間ということになると大変な金額の格差がここに出てくる。また自治医科大学というのは、これは学校法人なんですね。これは修学期間中は奨学資金みたいな形で貸し付けて九年間奉仕すれば無料になるというような制度になっておる。私はやはり国公私立の学校の授業料は標準的に公平にして、国庫助成をそれに合わせてやるとするならば、国庫助成もはっきり言って効果は出てくるし、特に効果としてはどんな効果があるかということになりますと、国公私立大学の交流ができます。互換制度も生きてきて、Aという私立大学からBという国立大学へ、この先生の授業を私は聞きに行きたいということになっても同じ授業料で回れることでございますので、具体的な互換制度の交流が具現できるんじゃないだろうか、こういうようなことを考えたとき、財政再建という現実的課題に対して取り組む必要度は高い。ですから、将来こういう次元の中で、自治大学ですら入学料が五十万円、授業料が六十五万円、実験実習費が十万円、施設設備費が六十万円、生活費が三万円ということで、百八十八万円を出している。これは学生が、実質的には都道府県と出身県が出すにしても、学生の借りるという次元の中で処理されているという形態から見たときに、いろいろな形態が出てくると思うのですけれども、もうそろそろ国公私立の授業料ぐらいの調整期に入る時期が来ているんじゃないか。私学へ助成すればいいんだというような次元じゃなくて、もっと日本の大学教育の根本的あり方はこうあらなきゃならないのだということを臨調の中で私は検討しつつ、何か将来に対する位置づけをすべきだと、こう思うのでございますが、大学局長、いかがでございますか。
○政府委員(宮地貫一君) ただいま御指摘の、むしろ高等教育についての経費の負担をどのようなところでどう負担すべきかという基本問題については、確かに御指摘のような問題点はあろうかと思っております。 なお、御案内のとおり、いわゆる大学の学費につきましては、それぞれ国公私立の設置者が、社会経済等、諸般の情勢に応じて決めるといったてまえになっているわけでございまして、若干経緯を御説明申し上げますと、国立大学の学生納付金――授業料、入学料等でございますが、昭和五十年度以降、授業料と入学料を隔年に改定してきておりまして、授業料について申し上げますと、昭和四十六年度から五十六年までのこの十年間に、国立大学の授業料について申し上げますと十五倍の引き上げということになっておりまして、私立大学と国立大学の授業料の比率も、昭和四十六年当時のほぼ八対一というような比率から、五十六年度においては平均して申し上げますと、約二対一というところまで縮小されてきておるという経緯があるわけでございます。もとより、学生納付金の引き上げが学生生活に及ぼす影響等を考慮いたしますと、それらの引き上げということについては慎重な配慮が必要であると、かように考えております。 なお、第二次臨時行政調査会の第一次答申におきましては、国立大学運営費等について、学生納付金の引き上げ、その他自己収入の増収を図るというような指摘もなされているわけでございますが、ただいま申し上げましたような経緯を踏まえながら全体の社会経済情勢の変化、その他諸般の状況を総合的に勘案して具体的な引き上げについては慎重に検討いたしたいと、かように考えております。 最初に申し上げましたとおり、国公私立を通じまして高等教育全体の経費の負担という問題をどうするのかということは、確かに基本的な問題点であるということは私どもも意識をしている点でございまして、それが公の経費と個人の負担とどのような配分で考えるべきかというのは基本的な問題点であろうかと思います。それらの点については今後の検討課題というぐあいに考えているところでございます、
○田沢智治君 最後に、午前中から午後、本岡さんがいろいろな角度で質問された教科書協会あるいは諸澤次官と石橋次官のカントリークラブ入会問題等についてマスコミ等に報じられた内容の問題が、いろいろな次元で誤解もありましょう、行き違いもありましょう、そういう意味では、一市民としてどこのゴルフクラブへ入ろうとそれはもう自由だと私は思っておりますし、文部大臣等の御所見あるいは官房長からの回答を聞きまして、それなりにその方々は良識ある立場で対処なさったと私は信じておりますし、お人柄もよく知っております、ただ、やはり公人であるという立場に立ったときに、誤解されるようなことのないような配慮をするということは、やはり公的な立場におられる方々が考えなければならない大切なことだと私は思うんです。 そういう意味で、とかく姿勢を問われる現状の中でそういうような問題が二度と起こらないように一生懸命文教行政に携わってもらいたいし、また文教行政の主体を担われている文部省関係の方々は、公正、適切な行政措置を今日までやってきていると私はそう確信しておるのでございますが、文部大臣から一言その件に対しお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 ただいままでいろいろと論議になりました次官のゴルフ場会員権購入の問題でございますが、私の方で調べました限りにおきましては、一私人として買ったものであり、同時にまた金銭の授受等も公明でございまして、一点のやましいところはないと私から断言してはばからないものでございます。今後ともに、なお一層政務に励みますように、私の方といたしましても大いに戒心いたしますると同時に、またなお一層督励してまいらなくちゃならない、かように考えております。ありがとうございました。
○田沢智治君 終わります。
○柏原ヤス君 教科書問題について質問をさせていただきます。 教科書問題、その中でもとりわけ教科書検定をめぐる論議、これがいろいろされておりますが、余りにイデオロギー的に過ぎるのではないかという感じを持っております。偏向した教科書を是正するには検定の強化こそ必要だと自民党が言っております。一方では、現在行われている検定は国定と同じであり、政府・自民党の考え方を教科書を通じて押しつける手段であるというふうに批判しております。子供にとって教科書はどういう役割りを果たすべきか、よりよい教科書をつくるためにはどうしたらいいかと、こういう視点が欠如した論議だと私は思っているわけです。 最近の教科書問題、とりわけ検定をめぐる論議に対して大臣はどういう御見解を持っていらっしゃいますか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問に対しまして、文部省といたしましては、教科書に対しまする各方面の御意見は御意見といたしまして拝聴をいたしまするとともに、できます教科書はあくまでもりっぱなものでなければならない、同時にまた中正な不偏のものでなければならない、こういうふうなことでありまして、教科書会社から出てまいりますこの検定本に対しまして厳正な指導を行い、検定を行ってまいりたい、りっぱな検定制度をつくっていかなければならない。また、そのためには、ただいまも御指摘がございましたように、検定官の充実の問題やら、あるいはまた待遇に対しまする改善の問題等、諸般の問題も踏まえましてりっぱな検定制度を堅持してまいる覚悟でございます。
○柏原ヤス君 いまお聞きした問題点を何か避けていらっしゃるような……。 現在、非常に激しく検定問題をめぐる議論がされているわけです。その議論に対して大臣の御見解をお聞きしたわけです。一般論を漠然とお聞きしたわけなんです。いま議論されているその議論に対しての御見解、もう少し、何と申しますか、御見解があるんならはっきりとおっしゃっていただきたいんです。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの検定制度に対しまする議論と申すならば、問題は、いろいろな各方面からの御意見は御意見としてこれをあくまでも素直に拝聴いたしまして、そうしてりっぱな教科書をつくるための真剣な努力を払ってまいりたい、かように考えます。それには検定の制度の問題、あるいはまた採択の問題等につきましても、制度的にも完備したものにならなくちゃならない、かように考えております、
○柏原ヤス君 各方面の意見をよく聞く、そうしていい教科書をつくるというふうに理解してよろしゅうございますね。 そこで、それじゃ新聞、雑誌などにいろいろとその動きが発表されております。ただ、こうした新聞、雑誌、マスコミを通じてのみの理解なんです。文部省としても、これはやはり受けとめないわけにはいかないと思うんです、先ほどもよく各方面の意見は聞いてとおっしゃったんですから。よくお聞きになっているからそういうふうにおっしゃるんでしょう。 そこで、学者グループ、教育団体が抗議声明を出しておりますが、どういう団体からどんな内容の抗議が出されているか、ここでおわかりになっている範囲のものを出していただきたい。また、後日それは資料としていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 種々の団体や個人から、種々の内容の意見書でございますとか、要望書でございますとか、これが参っておりますけれども、これらは文部大臣に対して出された、こういう性格の書類でございまして、必ずしもその団体や個人みずからが公表しているものではございませんので、そういったものについては、私どもとしてはお受け取りはいたしておりますが、これをお出しすることは差し控えた方がよろしいんじゃないかと、こういうふうに思うのでございます。 ただ、その内容についてちょっと申し上げますと、そういった意見書や要望書におきましては、一つには文部省の検定は厳し過ぎるというような角度から申されておるものと、それからもう一つは、逆により厳正に行うようにすべきであるというようなものもございまして、内容は一様ではございません。ただ、主なもので、文部省にお持ちになりました要望書のようなものを団体みずからが公表しているものもございまして、たとえば日本教職員組合でございますとか、それから教科書問題を考える市民の会といった名前のものがございまして、そういったものは団体自体が公表しておるものでございますので、もし御必要があれば委員のお手元の方へ後刻お届けしても差し支えはないと思っております。
○柏原ヤス君 教科書検定の強化、採択、特にその広域化、これを自民党でも教科書問題小委員会を中心に改革案が検討されていると聞いておりますが、自民党における教科書問題検討の経緯と現状を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 教科書問題小委員会というのが自民党の文教部会の中に設置されまして、実質的にはたしかことしに入ってからいろいろと御協議もあり、あるいは各方面からの意見聴取もありまして、そうして一つの報告というものをおまとめになったというふうに私どもは理解しておりますが、この自民党の小委員会における検討結果は新聞等でも報道されまして、そして次のような五項目に及ぶ改善のための提言が行われたと、こういうふうに承知しております。 それを要約して申し上げますと、一つは、文部省は検定に厳正な態度で臨み、真に教育的に適切な教科書がつくられるよう最善の努力を払うべきである。それから二として、検定体制充実のため、教科書調査官の増員とその処遇改善を行う必要がある。また、検定の基礎となる調査、研究のための諸条件を整備すべきである。三といたしまして、教科書の適切な採択と学習指導の共同研究を推進するため、小中学校の採択地区を都道府県単位とするなど広域化を検討すべきである。四として、学習指導要領は教育活動の大綱的基準であるとともに、教科書作成のよりどころとなっていることから、より適切な教科書ができるよう必要な検討を行う。最後に五といたしまして、今後の課題として、教科書の検定、採択、発行、供給を総合的にまとめた法律の制定を検討する必要がある、こういうような提言になっておる次第でございます。
○柏原ヤス君 こうしたホットな論議が行われているときこそ、私は政府の冷静な教育的な対応が必要であると思います、しかし、新聞などを通して見ますと自民党主導で政府も動いていると、こう受け取らざるを得ないような感じです。大臣は教科書検定強化、採択の一層の広域性などを中教審に諮問するような旨が報じられておりますが、政府の考え方、今後のこうした問題の対応の仕方をどういうふうになさろうとしていらっしゃるのですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 教育の、中でもその教材の主たるものであります教科書というものは最も大事なものであり、これが子弟の教育、今後の日本の社会形成の上から言って重大な問題でございます。さようなことから、一党一派に偏するようなこともなく、あくまでも厳正公平な、中正なりっぱな教科書をつくるということから、衆議を尽くして各方面の御意見を十分に取り入れてりっぱなものをつくっていかなきゃならない、こういうふうに考えておりますので、そのための一つの方法といたしましては、やはり公の審議会といったようなものを設けまして、そうしてそこにお諮りしていくことも一つの方法であると、かように今日考えておる次第でございます。
○柏原ヤス君 中教審に諮問するという旨が報じられておりますが、これはどうなんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、今日までございました中教審は、一応答申を終わりましていま解散をいたしておるわけであります。新しく任命をしなければ、中教審はまだ構成されておりません、そういう時点でございます。
○柏原ヤス君 もう一度話をもとへ戻しますが、自民党主導型の政府の動き、こういう中で、教科書検定強化、採択の一層の広域性というものが問題になっているわけで、中教審がいまできてないというならばそれじゃどうするのかと、それを自民党が強く発表しているわけです。それをただ聞き捨てにしているのか。政府はどういうふうに今後の対応をするか。中教審はできてないから聞かないと言わんばかりのお答えですが、それじゃどうなさるんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまそれを一生懸命に考えておるところでございます。
○柏原ヤス君 一生懸命なら、もう少し内容を具体的にお聞かせいただけるんじゃないかと思いますけれども。
○国務大臣(田中龍夫君) いま私が申し上げた程度でございまして、それ以上固まっておりません。 それからまた、自民党主導型ということを強くおっしゃいますが、私は冒頭申し上げたように、いいものはいい、悪いものは悪い、そうしてまた、りっぱな教科書をつくるということのみを目標にいたしまして、決して一党一派に偏することのないように、あくまでも公正妥当な、全国民がまた期待し、うなずいていただけるようなりっぱなものをつくりたい、かように考えております。
○柏原ヤス君 もう少し具体的なお考えをお聞きしたいと思っても相変わらず同じようなお答えで、ただ一生懸命一生懸命じゃ、何かお気の毒のような気がします。これだけ論議されている問題なんですから、もう少し前向きの御答弁がいただけるように私は期待してお聞きするわけなんです。 次に、大臣に基本的な問題として、たびたび大臣は教科書の国定制は考えていないと、こういうふうにおっしゃっております。国定制と検定制、この違い、検定制に対するメリットは何かとお考えなのか、またはそのメリットが十分生かされているとお考えでいらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 教科書の検定制度の方は、これは教科書の著作を民間にゆだねるということでございまして、そうして著作者にいろいろなそれぞれの多様な創意工夫を競い合っていただく、そうしてその間に教科書の質的向上が図られていくということを期待しておるわけでございまして、そうして、適切な教育内容の保障でございますとか、あるいは教育水準の維持向上、それから教育の機会均等の確保といったような事柄が、これは公の、いわゆる公教育としての要請でございますが、これに対応した適切な教科書が制度的に確保されるということを目的としてこの検定を行うということで検定制度と、こういうぐあいに申しておるわけでございます。 国定教科書制度というのは、これは申し上げるまでもなく、国がみずから教科書を著作するということでございまして、先ほど申し上げました検定教科書の場合には、いろいろな創意工夫で多様なものが競い合う云々と御説明申し上げたような点につきましては、国定になりますと国がつくるわけですから、そういう意味合いのメリットはむしろ検定制度の方にあるわけでございまして、これまでもそういった意味で関係者が努力して教科書をつくってきたわけでございますが、文部省は、それに対して検定をする立場でできるだけ教科書が学校教育の上に適切なものとなりますように努めてきたわけでございますが、なお今後ともより一層努力をしていかなければならないと、こういうふうに思っておるわけでございます。
○柏原ヤス君 この問題はまた後の問題として、お聞きしたいことを具体的にお聞きさせていただきます。 次に、教科書検定は、そのあり方次第によっては憲法で保障された言論、出版の自由、検閲の禁止に触れる危険もあると。したがって、慎重で万全な運用が望まれるわけですが、現在の検定のあり方について幾つかの問題点を感じております。そして、その改善策について検討すべきだという考えを持っておりますが、その点について大臣に御見解をお示しいただきたいと思うわけなんです。 その一つは、教科書の執筆者から、検定がオープンな形でない、いわば密室で行われているという不満が強く言われております。しかも、不合格となっては会社の経営問題にもかかわりますので、執筆者としては教科書調査官と対等な立場で論議しにくくなる。これは現状であると思います。こうした不満とか状況を考えましたときに、調査官の調査内容、審議会の審議録、こういうものを公開することがぜひ必要であると、こういうふうに思います。その点いかがでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) 教科書の検定制度は、教科書の著作を民間にゆだねることによりまして著作者の創意工夫を期待するものでございますが、その検定制度の運用という面につきましては、今後ともにこの趣旨を生かしまして、十分にその検定制度の維持拡充に努めてまいりたい、かように考えておりますが、教科書検定の具体的な過程や内容を公開いたすということは、これは採択に影響を及ぼすおそれがございますので、従来から差し控えておるところでございまして、先生の御見解とは異なった意見を持っております。
○柏原ヤス君 次に、教科用図書検定規則に定められた修正意見、不合格理由の事前通知、こういうものがどのような形でなされているのか、それに対する執筆者側は意見の申し立て、反論ができるわけですが、どのような形で行われているか、それがまたどのような手続で処理されるか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 御質問のうち、まず修正意見でございますが、これは意見の趣旨が著作者に対して十分に理解をされますよう、それぞれの記述が不適切な理由を口頭で詳しく説明をいたしまして、またその際著作者の質問にも応ずると、こういうようなやり方にしております。 それから、御指摘の修正意見に対する意見の申し立てでございますが、これは文書で行われてまいりまして、文部大臣は、検定審議会の議を経て、申し立てられた意見を相当と認めるときには修正意見を取り消すということにいたしております。 それから不合格の理由は、これは文書で示すと同時に口頭で補足説明を加えて行っております。そして不合格に対しまして反論書が提出された場合は、文部大臣は再びこれを検定審議会に諮問いたしまして、その答申をいただきました上で合否の決定を行う、こういう手順にいたしておる次第でございます。
○柏原ヤス君 そこで、執筆者はその処分に不満があって意見の申し立て、反論ができるとしても、またその意見や反論が同じ検定審議会に諮られるわけだ、結論は変わらないんじゃないか、期待できないのではないかと、こういうふうに思いますが、その点どうですか。
○政府委員(三角哲生君) まあ申されましたような御疑問があるだろうと思いますが、私どもといたしましては、意見の申し立てや反論書の提出が行われました場合に、教科用図書検定調査審議会はその都度慎重に審議をいたしておりまして、したがいまして、制度としてはこれまで適切に機能してきたと、こういうふうに思っております。 一応御参考までにちょっと申し上げますと、昭和五十五年度におきまして、修正意見に対します意見の申し立てというものが十八ヵ所について申請が行われまして、そのうち十二ヵ所については当該意見を相当と認めまして修正意見を取り消しておるというような経緯になっておりますので、申し上げましたんですが、適切に機能しているというふうに考えておるのでございます。
○柏原ヤス君 そこで、とにかくそうした問題が問題になっているわけで、私はこれを改善するためには、やはりもっと、密室で行われているというようなその点をあからさまにしなければならないと思います。 そこで、不合格、条件つき合格、いずれにしても文書でその理由、修正意見を詳細に通知する、また不服があれば公開の場で議論する、もう一つ、教科書検定審議会以外の学者などで第三の機関をつくってそこで議論する、このような改革を試みてはどうかと。こういうことによって学問的な議論もそこに出てくるでしょうし、また検定の公正さ、慎重さというものもそこに図られていくと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 不合格の理由の方は先ほども御説明いたしましたが、これはまあ文書でお示ししております。 それから修正意見につきましては、当初は修正意見をまず提示いたします場合は、意見の趣旨が著作者に十分理解されますように口頭で詳細に説明しておりますが、なおその際は、録音するというような希望があればそういうこともいたしております。その後の、修正意見を出した後のいろいろなまた話し合いのような場合には、これを一々録音するということはいたしておりませんけれども、基本的にこういう点を修正意見として申し上げるという場合にはそのような扱いにしておるわけでございます。 それから次の、これらに対して不服がある場合の問題でございますが、その際の制度的な一つの保障といたしましては、意見の申し立て及び反論書の提出という制度を設けましてできるだけ慎重に運んでいこうと、こういうぐあいにしておるわけでございますが、さらにこの教科書検定の申請者としては、行政不服審査法と、それから行政事件訴訟法の定める救済手段の道も開かれているということになっておりますので、制度的にはかなり整っておるんではないかというふうに考えておるのでございます。 ただ、もう一つの御指摘の第三者機関の設置といったことでございますが、これは私どもとしては教科用図書検定調査審議会というものが、すでに各分野の専門家でもって構成しておる機関でございますので、これが、言ってみれば先生御指摘のような一つの形のものでございますので、ここでひとつ慎重に御論議、御審議をいただきたい、こういうふうに考えておるのでございます。
○柏原ヤス君 次に、教科書調査官、これがどのような方法で選考され、任命されているんでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 教科書調査官は、教科書の検定業務の全般にわたりまして専門的な見地からこれに携わるというものでございますので、この任命に当たりましては、まず大学や高等専門学校の教授あるいは助教授など、またはそういった方々と同程度の専門学識があると認められる者でございまして、そして次にもう一つの要件としては、良識に富み、広い視野から公平な立場で事柄を判断し得る者といった観点から、いろいろな専門の方々につきまして慎重に選考いたして、その上で任用をしておるのがこれまでの方法でございます。
○柏原ヤス君 文部省にとって都合のいい考えを持っている人が慎重に選考されていたんではたまったもんじゃないと。 そこで私は、専門家集団の推薦というようなものを考えて、それを参考にして選ぶ、任命するというようなことを考えて、制度的に政府から何らかの形でそこに距離を置くということを考えるべきじゃないか、そういうことが執筆者の信頼を得ることであり、検定制度に対する国民の理解を深めることになるのではないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) この調査官の任命に当たりましては、先ほどお答え申し上げましたような観点から、できるだけ幅広く人材を求めることが望ましいので、私どもはそのように努めておるのでございますが、ただいまの専門家集団の推薦を参考にしてはどうかというような御指摘につきましては、私どもは信頼すべき、かつ非常に責任もきちんとしておられるような団体から、もししかるべき推薦があれば、それはやはり参考としてちょうだいしてもよろしいんじゃないか、こういうぐあいな気持ちがいたしますが、これを一つの制度化するというところまでいきますと、どのような専門領域で、どのような団体に推薦を依頼するかというような問題もございまして、そういうことを実際に現実化することにはいろいろな意味の困難があるのじゃないかというふうにも考えるのでございます。 なお、教科書調査官が、文部省に都合のいいような頭の構造であるというのではというような御発言もございましたが、調査官というものは、教科書の検定業務に当たりましては、もっぱらやはり学問的並びに教育的な見地に立ってその任務を遂行してもらわなければならないと、こういうふうに思っております。
○柏原ヤス君 教科書は、執筆者、教師、父母、子供、国民、こうした立場でつくり上げていくものだと私は思います。また国民全体の教育水準を向上させるためには、個性のある多様な教科書、これができることが望まれているわけですが、こうした点から私は大臣にもう一度教科書検定の改善策というものを考えていただきたい、また、お考えになっていると思いますので、所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、著作者が多様な創意工夫をおのおの競い合って、その質的な向上が図られていくということはまことにいいことでございますが、その教育内容の保障とか教育水準の維持向上、教育の機会均等等の確保というような、公教育としての要請に対応した適切な教科書が制度的にも確保されるようにいたさなくちゃならない。そこで、先ほど申し上げました教科書の検定制度というものが、教科書の著作を民間にゆだねるということになるわけでございまして、この著作者の創意工夫というものに多大の期待をかけておりますことは当然であり、またこれに対しまして検定を行うということによって、より適切な教科書が確保されると、かように考えておる次第でございます。
○柏原ヤス君 いまお伺いしていると、著作者の創意工夫を大いに期待するというようなお答えですが、私は多様な教科書といっても、現在の教科書はどれを見てもその内容は多様じゃない、きわめて画一的であり、公式的だと。著作者がいろいろ創意し、工夫していると思います。それなのに、どうしてこんなおもしろくない、また画一的な、公式的な教科書ができているのかと。これは私は検定制度に問題があると、この検定制度が内容面に規制を加えていると、こういうふうに強く感ずるわけなんです。こうした現在の検定制度の中に規制が加えられるという、こうした制限で、自由競争の中で執筆者の創意工夫による教科書の進歩あるいは改善が妨げられている、できてないと、こういうふうに思いますので、私は大臣のいまの御答弁には大変不満を感ずるわけなんです。いまの検定制度は教科書の内容面に規制が加えられていると、こういうふうに思うという私の考えに対して、大臣はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(三角哲生君) 教科書が内容的に見て、柏原先生から見ると、どちらかというと、どうも似たようなもので画一的な感じがするというお話でございますが、これにはやっぱりいろいろな見方があるんじゃないかという気がいたしまして、確かに一つの学習指導要領のもとで行われる日本の小学校なりあるいは中学校の教育でございますので、内容的に見ますと、それは共通する部分がどうしても多くなるというのは、そういった教科書の性格から来る一つの枠というものがあると思っておりますが、また見方によりますと、検定制度でございますので、かなりやはり教科書一つ一つにはそれなりの違いなり特徴なりというものも見取れることも否定できないと思っておるんでございます。 それから、検定で全部似たようなものになってしまうんじゃないかという御懸念でございますけれども、やはり検定は、先ほど来申し上げておりますように、どうしても必要な場合には修正意見というものを申し上げますし、それから、これは若干直した方が望ましいんじゃないかという場合には改善意見を申し上げますけれども、検定によって私ども文部省が書きかえを行うわけではございませんで、もう一遍これは著者にいろいろと検討し考えてもらおうと、こういうことでやっておりますので、いささが御指摘のようなことでは必ずしもないんじゃないか、こういうふうに考えるのでございます。 ただ、一つ申せますことは、検定教科書の制度の趣旨がなお一層十分に生かされていきますためには、より一層教科書の執筆に当たる方々に幅広い層のいろいろな方が、いろいろな学識経験者が携わっていただくということが望ましいんじゃないか、そしてそういった方々の創意工夫がまた入れられてくるということが望ましいんじゃないかというふうには考えておるのでございます。
○柏原ヤス君 大臣に御答弁をお願いしたんですが。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま局長からるる申し上げたとおりでございます。
○柏原ヤス君 次に、教科書研究センターの報告書を見ますと、ヨーロッパ諸国においては、教科書選定に当たっては、教師が単独で選んだり、職員会で選んで校長が決定したり、非常に教師の側にイニシアチブがとられている。実際に教科書を使っているのは教師なのですから私は当然だと思います。さらに注目したことは、デンマークとか西ドイツ、そういう国では父母まで委員会などをつくってそして教科書を選ぶメンバーに入っている。こういう報告を見まして、日本の学校教育というのは父母の意見がなかなか取り入れられていない、こうした点を検討する必要があるな、こういうふうに考えております。いまの採択制のもとでは、父母の参加はもとより実際に教科書を使っている、教育する立場にある教師さえなかなかその意見を反映しがたいという状態にあると思いますが、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、採択の問題につきましては市町村の教育委員会が行いますが、御指摘の現場の先生方の意見等について採択の仕組み全体の中で十分に配慮されておるようになっておるわけでありまして、たとえば都道府県の教育委員会が指導助言、援助に当たりまして、あらかじめその意見を聞くこととされておりますし、教科書選定審議会の委員のおおむね三分の一は校長さんや教員から選任されなきゃならないこととされております。また、PTAの関係でございますが、PTAの関係者が委嘱されておるのが通例でございます。また、各採択地区に置かれております教科書の調査員の大部分は先生から委嘱され、あるいは教科書の専門的な調査研究を行うなど、採択に現場教員の意見等が具体的に反映される措置が講じられておる次第でございまして、ただいま先生のおっしゃいましたいろいろな点は大体そのとおりに充足されておると、かように考えております。
○柏原ヤス君 それでは、現在の採択制度は非常にいいと、こういうふうに大臣は認めていらっしゃるわけですね。
○国務大臣(田中龍夫君) まあ、さらにいいものができればなおいいと考えておりますが、いまの時点ではさようでございます。
○柏原ヤス君 それならば、自民党の中でつくられている小委員会などで採択の強化というようなことをイの一番に掲げているわけですけれども、こうした採択の強化なんということはもちろん大臣としては受け入れないと、いまの採択で結構なんだということになるわけですね、その点いかがです。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま冒頭申し上げたとおりでございまして、もっといいものができればなおいいなと思いながら、現時点におきましては現行のあれを是認いたしております。
○柏原ヤス君 私がお聞きしたいところは、現在の採択制度はいいんだというお立場ですね。自民党の小委員会では強化せよと言っているんですけれども、その強化せいということに対しては大臣は必要ないということになるわけですね。
○国務大臣(田中龍夫君) もっといいものができればそれがいいとは思っておりますことは冒頭申し上げたとおりでありますが、自由民主党あるいは社会党あるいは民社党、公明党はそのとおりであり、文部省は文部省でございます。
○柏原ヤス君 何だかよくわかんない御答弁で、簡単なことをお聞きしているのを簡単にお答えにならないんで何だかわからないんです。強化するという姿勢は大臣はとらないということですね。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生がとらないとおっしゃるから言葉がやりにくいんでありまして、そうではなくて、よりいいものをつくりたいという一念でございます。
○柏原ヤス君 そのためには強化するという方につくかもわからないんじゃないですか。 この辺で次へ参ります。 戦前の教育では教科書が絶対的な権威を持っておりました。しかし、いまの教育制度では教科書は主たる教材というふうになっているわけです。絶対ではない。教科書は主たる教材として活用されるものであって、やはり教育効果を上げるのは、教師自身の見識、また専門的判断を土台にしたその教師の教育技術であると私は思います。教科書の内容について余り細かいところにいろいろと欠陥があるとか、偏向だなどと言って目くじらを立てるということは、結論的に現場の教師の能力を軽視しているということになると思います。この点いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) 教科書は、授業の場合に、その教科書の内容をそこで発展をさせましたり、あるいはより深めたりしていくというものではございますが、教科書の中に学習上支障を来すような部分がある場合には、教師がそのすべてについてこれを補っていくということまでは必ずしも期待できない。そういう状況がございましょうし、またそういった負担をすべての教師に課していくというべきものでもないというふうにも思います。したがいまして、教科書にはできるだけ学習上支障を来すようなところがないような行き届いた配慮を施してこれを著作し、編集し、そして検定を経でつくり上げていく、こういうことが必要でなかろうか、こういうふうに思っているんでございます。
○柏原ヤス君 次に、教科書無償の問題についてお聞きしておきたいことがございます。 先ほど他の委員の方から取り上げられたときに、大臣のお答えに対して私は心からそのようにがんばっていただきたいと、こういうふうに思うわけで、その大臣の御答弁で結構なんですけれども、ちょっと気になるところが二つございます。これは臨調第一次答申で、「廃止等を含め検討する。」というこの提言に対して、検討すると。どこでどう検討するのか、その場合にどう対応するのか具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 来年度の概算要求におきましても、無債の問題を私どもは堅持して概算要求を出しております。臨調の方として、この「廃止等を含め」ということにつきましては、そこには臨調の答申が出ましたので、それに対しまして今後なお一層努力もし善処もしてまいりたい、かように存じておりますので、どうぞよろしく御協力、御鞭撻のほどをお願いいたします。
○柏原ヤス君 文部大臣が決意を固めて堅持すると、こうおっしゃっているその御態度に心から応援するつもりでお聞きしているんです。鈴木総理は行革に政治生命をかけると大変力を入れていらっしゃる。中曽根行政管理庁長官も土光さんと心中するとまで言っている。こうした中で臨調第二次答申、その中に無償廃止という提言が出るかもしれないということを私たちは心配しているわけなんです。こういうときに、臨調答申を最大限に尊重し実行しようとする内閣の一大臣であって、一体無償制度を堅持する立場を貫き通せるかどうか、貫くという決意に変わりはないというふうにここでお答え願えれば大変心強いわけですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) 閣僚といたしまして総理大臣を補佐して誤った方向にいかないように努力をいたします。
○柏原ヤス君 次に、政治献金のことについてお聞きしたい点がございます。 教科書無償制度が発足して以来、その予算が年々ふえてことしは四百五十三億にも及んでおります。しかし、これはすべて全国民が負担している血税、この血税を受け取っている教科書会社が、五十年以降だけでも一億円以上の政治献金がなされている。これは政治献金の問題で他の企業の献金と同列に論じられるものではないと私は思います。中立的立場を求められている教科書会社の姿勢がこれでいいか。また、国民に及ぼす影響の大きさを考えますと、これは問題になるのが当然だ。そういう中で大臣は、さきの予算委員会で、献金は教科書会社と政治団体の関係であって文部省という行政機関の問題ではないという発言をされておりますが、私は、少なくとも文部省は教科書会社を指導する立場にあるのですから、教科書業界に反省を促すそういう発言があってもいいと思います。その大臣の姿勢を、またその点どうなんでしょうか。教科書会社には十分注意を与えるという、そうした毅然とした御態度また御発言を私はきょう期待しているわけなんです。その点いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど来たびたび申し上げますように、教科書というものは民間の創意工夫というものを十分に伸ばすということから、制度的にも民間企業としてこれが発足いたしておるわけでありまして、その動きに対しまして、企業体が政党との間に自治法上許されました政治資金の問題があったといたしましても、それは法的に言いまして文部省が容喙をいたす限りではございません。しかしながら、教科書というものが非常に重要な、しかもかわいい子供の教育の基本であるということを考えますれば、教科書会社なるものがその行動をみずから慎んでもらって、良識をもって慎重かつ賢明な配慮のもとに自主的に行動してもらわなきゃ困ります。 なお、教科書会社が間違った、たとえば偏向するようなことがありますれば、それはわれわれは検定制度というものを活用いたしまして、中正妥当なりっぱな教科書にいたすように担保いたすわけでございます。
○柏原ヤス君 最後に、明治三十年代に、教科書会社の賄賂による汚職が絶え間なかった、こういう時代に文部省がやはり信用を失って、文部省廃止論というところまで問題が行った。結局教科書は国定制度になったという、こういう歴史がございますが、このような愚かなことを二度と繰り返してはならない。しかし、ここで相当文部省が毅然とした態度でりっぱな教科書ができるような方法をとっていかなきゃならない。教科書の政治的中立、この確保は文部省の大切な役割りだ、こういうふうに思います。今回の問題も、ただ不信感に覆われている父母、教師、子供、こういうものを文部省は無視していられないと思うんです。安心できる前向きの発言を一言お聞かせいただいて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御質問のとおりでございまして、戦前におきますいろんな問題がございましたことも踏まえ、また、かつ戦後におきまする民主国家日本といたしまして、占領軍が駐留いたしましたころから、あくまでも民主化を堅持していかなきゃならない、そういうふうな国定教科書的な動きをしてはならぬということで、検定制度というものを、特に戦後の文部省における大きな中立性の確保と文教の独自性ということで検定制度を置いたわけでございまして、その制度ができましたことにもかんがみまして、文部省がこれからりっぱな教科書をつくってまいる、このことにつきましてはどうぞ御協力のほどをよろしくお願いいたします。
○佐藤昭夫君 限られた時間でありますので問題をしぼってお尋ねをしたいと思いますが、まず最初の中心は、今日、最近の教科書に対するさまざまな攻撃が、国際勝共連合、統一協会、またそれとつながった世界平和教授アカデミーに加わっているような学者の人々、この手によって教科書攻撃がいろいろやられているわけですけれども、これを文部省はいろいろ援助しているんじゃないかという疑いがあるということで幾つかお尋ねをいたしたいわけでありますけれども、まず大臣に基本理念をお尋ねいたしますけれども、教科書は教育にとって非常に重要なものだ、そういう点で、教科書の内容はあくまで真理、真実に忠実であって、特定の政党やあるいは団体、こういうものの不当な圧力に屈してゆがめられるようなことが断じてあってはならぬという、この点はそのように御確認になりますね。
○国務大臣(田中龍夫君) そのとおりでございます。
○佐藤昭夫君 ところが、昨年来の自由民主党やことしの衆議院の予算委員会における民社党の塚本書記長の発言、あるいは勝共連合などのいろんな、教科書が偏向だという言葉でもって行われている攻撃が非常に激しくなってきているわけでありますけれども、こうした動きに対して、現に実際に教科書を執筆をされておる大学の教授七名の方が連名でこの五月の二十一日にアピールを出して、次代を担う若者たちの主権にふさわしい政治的教養の形成を妨げ、再び戦前のような教育の国家統制に道を開くおそれがあるということで警鐘乱打をされておるのもいわば当然のことだと思うのでありますが、そこで、こういう攻撃の先頭を切って材料を提供しているのが国際勝共連合、統一協会、世界平和教授アカデミーに所属する一部の学者グループでありますけれども、文部大臣は一九七四年五月七日の統一協会主催の「希望の日晩餐会」、これは岸元総理が名誉実行委員長で福田元首相らも一緒に出席を――田中文部大臣、当時は文部大臣ではありませんけれども、されておることは御記憶のことと思いますけれども、国会でもたびたび議論に上っていますこの統一協会というのはどういう団体なのか、どういう組織、どういう主張を行っておる団体なのか、どのように理解をされていますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、私がかつてそのパーティに出たことはございます。しかしながら、その後の今日までのいろんな経過は、実は申しわけない次第でありますが、よく存じないんであります。そしてきょう先生からの御質問に対しまして、私はこれ何なんだろうかといって質問したことなんでありまして、余りその間の内容を存じておりませんが、御必要に応じまして担当の局長からお答えをいたします。
○佐藤昭夫君 よく存じないということでパーティーに参加をされることもいかがなものかというふうに私は思うわけでありますけれども、この問題はきょう私が初めてこういう質問という形で取り上げる問題ではない。いままで何回か衆議院、参議院で私ども共産党の議員が取り上げてきていると思いますけれども、少し私の方から申し上げますと、この統一協会というものは韓国KCIAの海外工作機関だということで、あのロッキード事件の前後のときアメリカの国内でもいろいろ問題になっている。そして、教祖が文鮮明という人で、その人から指名をされるまま、教祖の名指しによって、「血分け」という名前が使われておりますけれども、いわゆる合同結婚なんかもやるということで、社会的にもいろいろ問題になっている。その主張については、これはきのう質問通告でよく読んでおいてくださいよということで申し上げておいたのであれですが、こういう「国際化時代と日本」という非常に分厚い本、これは世界平和教授アカデミーでありますが、統一協会について言えば「原理講論」というそういう本も出されておって、たとえばその中で、すべての民族に韓国語を使用させるんだ、またそういう時代がやってくるんだとか、あるいは日本は韓国の属国として、韓国は男の国、日本は女の国、女が男に仕えるがごとく、いろいろ結納という形での貢ぎ物をするんだとか、こういう暴論がおくめんもなく主張をされておるという、こういう団体であります。 こういう団体だということは御承知でしょうか。大臣御存じないというんだったら、だれか文部省……。
○政府委員(山中昌裕君) 私どもの方では、宗教法人法によりまして認証事務を行っておりますが、世界基督教統一神霊協会は昭和三十九年に東京都知事から規則の認証を受けまして、同年七月十六日設立の登記を行った宗教法人であると理解いたしております。 この宗教法人の規則によりますと、天宙の創造神を主神として聖書原理解説の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成するというようなことを目的といたしております。先生のいまお話のございました「原理講論」というのが主たる教典になっているというふうに理解しております。
○佐藤昭夫君 それで、私の尋ねておることに直接お答えにはなっておらぬわけですけれども、国会での会議録というのが一つの重要な国会での議論の基礎になりますので、あえて引用いたしますけれども、昭和五十三年六月一日、衆議院で地方行政委員会、わが党の正森議員の質問でありますけれども、さっき私もちょっと引用しましたけれども、日本を含めたすべての民族は韓国語を使用せざるを得なくなるという時代が来ると書いておると。答弁者加藤国務大臣、とんでもないことでありますと、日本人は日本語を使っておるのでありまして、いまさら外国語云々なんというそんな議論はありますまいと。それから、世界は韓国を中心にして吸収合併されるということを言っておると。加藤国務大臣、もちろんそんなことに反対ですと。正森議員、日本の産業や経済を韓国に結納として納めるべきであるという考えだと。もちろん反対だと。正森議員、韓国を守るために日本の生活水準を三分の一に減らし、税金を四倍、五倍にしても軍事力を増強しなければならないという考えについてはどうですか。国務大臣、もちろん反対であります、ということが会議録として残っているわけですね。 文部省も、直接の関係ではないからという言い方じゃなくて、やはり国会で公式に行われた質問と答弁の会議録でありますから、よくそれを基礎にわが文教委員会としても答弁をお願いをいたしたいというふうに思うわけですけれども、こういう組織でありますから、したがって、たとえばことしの六月の二十四日、イギリスでハーバース検事総長は、下院に対して、この勝共連合、統一教会の慈善団体としての剥奪の措置を要求するとか、六月の二十五日、アメリカのABC放送は、アメリカの司法省が韓国の統一教会の教祖文鮮明を国外追放処分にする法的手続を近く始めると報道したと。これは日本の新聞にも非常に大きく報道された問題でありますから御存じのはずのことだと思うんです。 そこで、時間がありませんので、まあこれ一つ一つ確認をしていく時間もないわけでありますけれども、これとつながった世界平和教授アカデミーと、こういう団体があるわけですけれども、この団体の組織なり主張なり――これは学者、文化人の集まりのアカデミーでありますから、これは文部省として全く知らぬということでは逃げるわけにはいかぬだろうと思うんですけれども、これどういうふうに把握しておられますか。大臣、これも御存じない……。
○国務大臣(田中龍夫君) まあ先生から初めていろんなお話を聞きまして、ちょっと驚いたのでありますけれども、いまのようなことを、まことに申しわけない次第でございますが、よく存じなかった次第であります。なおまた、このアカデミーの問題につきましても、勉強が足りませんと申したらばおしかりを受けるでございましょうが、余り存じ上げておりませんので、担当の者からお答えをいたすことにいたします。
○政府委員(三角哲生君) 私も余り知識がございませんのですが、この団体がパンフレットを公表しておりますので、それを見ますと、本会は現代文明の危機を認識し、新しい文明的理念の創造を目指す学者、研究者がみずからの学問を通じて現実の諸問題克服のために、国際的かつ学際的に結集した学術機関であり、その研究活動を通じて、地域社会、国家、国際社会に貢献せんとするものでありますというふうに述べているので、その文面を承知しておるのでございますが、具体的にどのような団体であるかは承知いたしておりません。
○佐藤昭夫君 私、何遍も言っていますけれども、私がきょう初めて言うわけじゃない、いままで国会でも何回か取り上げてきておる問題だということで、本当に不勉強だなという感じがしてならないわけですけれども、この世界平和教授アカデミーというのは、さっき言いました勝共連合の教祖であります、キャプテンである文鮮明が提唱してできた日韓教授親善セミナー、ここを母体にして一九七四年に発足しているわけです。で、事務局長には統一教会の尾脇準一郎氏という人がこの事務局長に座っている。そして、いろんな資金面では統一教会、ここから大部分が出ているという形で運営をされておる団体で、この教授アカデミーの理念なり主張なりというのは、この本に一番集大成をされておる。だから、きのうもこれをちょっと目を通しておいてくださいよと、あしたの質問までにということで言っておいたわけですけれども、たとえばこの中に出てくるわけですけれども、こういうことが出てくるわけですね。「日本国憲法という事業が、民主主義圧殺の悪魔である。」、根本において天皇中心主義、天皇を中心とする国家を愛さなくちゃならないということとか、教育基本法はヒューマニズムの世界観を前提とし、ヒューマニズムは人間の本能に立脚しているから強固でありかつ有力である、事あるごとに教育基本法を盾にしてその利益を防衛しようとするわけだが、教育基本法の存在を許している限り、いかなる改革案も不徹底に終わるんだということで、教育基本法をつぶしなさいと。これはかつて私は大臣に質問をして、教育基本法は遵守されるんですかと聞いたら、それは遵守しますというふうにかつて答弁をされたわけですけれども、これに大きな攻撃の矢を向けようとしておるという団体であります。 そこで、この世界平和教授アカデミーが、昨年の十二月の十二日から十四日にかけて三日間、第二回学際研究会議というものを開かれて、ここで、春の予算国会でいろいろ議論の対象になりました例の森本真章筑波大学講師、「疑問だらけの中学校教科書」というあの本の土台になりました森本真章レポート、「昭和五十六年より中学校三年生が使用する社会科教科書「公民的分野」の内容的分析」、この報告が行われるという形で、これが大衆向けの出版物としてあの「疑問だらけの中学教科書」という形で登場をしてくるということになるわけであります。(本を示す)現にこの「疑問だらけの中学教科書」に十人ほどの執筆者の名前が書いてあるわけですけれども、その大部分がアカデミーの会員ないしは役員。さらに、その中の私どもが確認をしているあれでは、白石、菩地本というこの二人の人は統一教会の会員でも同時にあると、こういう形でまさに統一教会と平和教授アカデミー一体の組織として実は教科書研究と称するものがずうっとやられてきたと。これが、たとえば私ども聞いておるところでは、自民党なんぞは最もいいテキストになるということで大量にことしの春買われて、一時本屋の店先から姿を消すというところまで自民党は力を入れられたということを聞いておるわけであります。 そこで、きょう特にお尋ねをしたい第一の問題は、ここに出てくるわけですけれども、執筆者の人たちは、文部省から教科書の見本本をもらってこの研究をやってきたんだということを書いている。これが予算国会でも問題になりまして、文部省は否定をされた。ところが、その後「政経人」という雑誌がありますけれども、このことしの五月号、ここに問題の筑波大学の学表である福田信之さんという人が、小竹さんという二人の対談で出てくるわけですけれども、この福田筑波大学学長、これがこういうことを言っているわけですね。文部省の姿勢というのは頼りない答弁だということで国会で共産党議員に追及をされて頭を下げていると、もっとはっきり答弁をすればよいものをただ頭を下げるだけだと。もうちょっと正確に読んでみると、「この教科書に関するお話をすると、実は筑波大の教授が教科書の研究をずっと続けておられまして、その研究資料として新しい本を、ということで文部省と交渉して了承を得て、教科書を入手されたんですが、そこのところを共産党議員が国会で追及してきたんです。文部省もはっきり答弁すればよいものをただ、頭を下げるだけなんですね。」ということで、当然、五月号でありますから三月、四月の衆参予算委員会、これを経ての上での対談の記事だということでありますけれども、それで文部省に尋ねたいのは、やっぱり文部省はこの森本真章氏を初めとするこの筑波の教科書研究グループ、このグループに見本本を渡していたということですね。
○政府委員(三角哲生君) 著者のグループがどうやって教科書の見本本を入手したかにつきましては私は承知しておりません。また、文部省が当該グループに対して教科書の見本本を提供したという事実はございません、 なお、本年三月二十日の参議院予算委員会において、森本公述人からも、文部省より入手したものではない旨の公述が行われているというふうに承知しております。
○佐藤昭夫君 私がいま紹介をした「政経人」五月号のこの対談記事における福田さんの発言、これは御存じですか。
○政府委員(三角哲生君) 知りませんし、私どもは何ら関知いたしません。
○佐藤昭夫君 関知しませんということでは済まないと思うんですよ。公的な――公的なというか秘密出版物じゃない、公に出されておるこういう書物に、筑波大学の学長ですよ、同時にこの方はこの本の監修者でもあるわけですけれども、この方がはっきりこういうふうに発言をしておると、このことは当然国民の間にやっぱり文部省は渡したのかということで不信をまき散らすことになるわけでしょう。このことについて国民の不信をぬぐう文部省としての措置というものが要るんじゃありませんか。初耳だからということで知らぬと言うのだったらそれはまだしも、事実であろうとそんなこと関知しませんというその言い方は何ですか、それは。
○政府委員(三角哲生君) 一々の世の中の方々の御発言について私どもは責任も持てませんし、それから、その発言がどのように雑誌なり、あるいは刊行物なりに載るかということのいきさつ等についても私どもは関係ないところでございます。私としては御答弁のしょうもございません。そのことについては福田さん御当人に当たってみなければわからないことであろうと思います。
○佐藤昭夫君 文部大臣にお尋ねをいたしますけれども、局長はああいう言い方をしていますけれども、私、きょうここでは初耳だというような言い方をされておるからこれ以上どうなんだということを聞いても事は進展しないと思うんですけれども、少なくとも、そういう雑誌に筑波大学学長という肩書きで登場してこういう発言をされておるというこのことを、そんなもの一々気にしておられるかということで済むことじゃないでしょう、文部省に対する不信がまき散らされるんですから。ということで、当然、一体事の真相は何か。文部省が渡してないと言うんだったらどこかの教科書会社がこっそり渡したのかと。あってはならぬことが起こっているわけですね。だから、文部省としてそういうことについて真相をただして、国民の不信を一掃するような何かの方策を考えるべきじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) お話しの件でございますが、いま御指摘のその本を入手した経路でございます。つまり言えば、文部省としてその福田教授に渡したということではないのであろうと存じます。もちろんそういうはずもございません。つまり言えば、それを入手したルーツが、どういうところから手に入れたかということに関しては、残念ながらそれはこうこういう経路でその教授のところに参りましたということを申し上げる資料もなければあれでございますが、しかし、文部省といたしまして公式にその資料を事前に渡すようなことは断じてございません。
○佐藤昭夫君 文部省は断じて渡してないと。しかし、渡ったと言っているんですから、この方は。ですから、事の真相は何かということについて当然文部省として調べるべきことを調べて、国民の疑惑、不信、これを一掃してしかるべきじゃないかということを私は重ねて要求いたします。 それから、文部省はああいう態度でおりますから委員長に要請をいたしますけれども、事ここまではっきりしている問題でありますから、福田学長を本委員会の参考人として呼んで、事の真相をはっきりさせるという措置をとっていただくよう要請いたします。
○委員長(片山正英君) それは理事会によって検討いたします。
○佐藤昭夫君 次に、文部省のいわゆる特定研究費という問題についてお尋ねをいたしたいと思いますが、これが一体どういう経費がということから聞きますともう時間ばかり食いますのでずばりとお尋ねをいたしますが、さっきから言っております筑波大学の森本真章氏を初めとする研究グループ、教科書問題研究会という名前のグループですね、このグループに文部省の特定研究費を渡していますね。
○政府委員(松浦泰次郎君) これにつきましては、大学の方から、田中正美氏を代表者とします二十人の筑波大学の教官が、諸外国との比較によるわが国中学校社会科教科書の分析的研究をやりたいという計画が出まして追加配分をいたしました。
○佐藤昭夫君 正規には、大体特定研究費の配分は五月で締め切って、そして審査して渡すというのが通常の形だけれども、これについては後から追加申請という形で承認して研究費を渡したということでありますが、私の理解では、この筑波大グループのこの申請は、筑波大学の学内組織でありますが研究審議会、ここの正式の議を経て申請が上がってきたというものではない、突如ぽっと上がってきたというものだというふうに私は聞いておるんですけれども、文部省はどういう確認ですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 学内の審議の経過につきましては承知いたしておりませんが、学長名をもちまして正式に文部省に申請が出てまいったものでございます。
○佐藤昭夫君 私はやはり何か特定の意図とルートがあって突然これが出てきたと。学内で本当に意見をよく集めて民主的審議を経て研究費の申請という形で出てきたものではないという、これはこの問題の一つのポイントになりますから文部省としてよく調査をしてください。
○政府委員(松浦泰次郎君) その点につきまして調べてみたいと考えます。
○佐藤昭夫君 それから、通常の研究費は申請は五月で締め切って交付をされる。きのう文部省に聞いたところによりますと、申請数に対してパスするのは八割程度だと、五十五年度も六年度も、こう聞くわけですね。だから、この追加は、たとえば五十五年度から筑波グループのこれが文部省へ申請が上がってくるわけですけれども、追加申請はオールパスするのか、やっぱりふるい落とされるものがあるんですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 通常の場合、五月下旬をもちまして締め切りまして処理をいたしておりますが、年度途中に、その時点に間に合わない計画などがございまして、後からぜひ大学がやりたいというようなことがございますので、通常は若干の予備経費を残しまして、それを、十二月上旬ぐらいがおよその見当でございますが、追加配分をいたしております。その年度によりまして、したがいまして申請と予算との関係で、特殊的なものではございませんが、御指摘の五十五年度の場合には、五件申請が出まして五件配分をいたした状況でございます。
○佐藤昭夫君 そうしますと、本来の何というか、原則的パターンといいますか、本来の形は五月二十日までに申請して、そして、この一定の検討をしてパスさせるものはさせるというこういうやり方、これのパスする率は八割なんです。どころが、後から追加でひょこっと出てきたものは一〇〇%パスをする。この中に問題の筑波グループの教科書研究、この申請がパスをしていると。これは常識的に考えても合点がいかぬことじゃないですか。本来の形で申請したものは八割程度にふるわれちゃう。ところが後から追加したものは無条件パスだと。こうなっておるということで、私はどうも、この点から見ても筑波グループに対する研究費の出し方がどうも問題があるんじゃないかというふうに思えてしようがない。 三つ目の問題。さっき紹介をいたしました第二回学際研究会議、ここでいろんなことが議論をされてまとめがやられているわけです。そのまとめの内容について、実はこれまた統一協会の一つのつながった組織でありますけれども、全国大学連合原理研究会の機関紙、世界学生新聞というものが出ている。この世界学生新聞の十二月二十一日号に、どういうことがまとめとして決められたかということを書いておる。四つあるというわけです。一つは、今回発表された研究を小冊子にしてひとつ出そうということで、結果としてそれがこれになったわけであります。(本を示す)それからここで、この研究会で取り上げてきた問題を国会で取り上げてもらおうと。これは春以来起こっていることであると。それから三番目には、文部大臣に直接請願をしよう。これはあったかどうか私は知りません。四番目に、これが重大なんですが、理想的な教科書について筑波大学内で検討作製準備を行う。これがまとめの結論になっているわけです。どうでしょうか、言うならば筑波大学、国立大学です。この国立大学のある研究グループがいわばモデル教科書づくりをやろうというわけですね。理想的な教科書について検討作製準備をやるというんでしょう。こういうことがあっていいことなんですか。国立大学の中のある研究者組織がモデル教科書づくりをやるという、こういうことがあっていいんでしょうか。お尋ねします。
○政府委員(三角哲生君) そのようなことは全く聞いておりません。
○佐藤昭夫君 そうすれば、私は発表されておる学生新聞というその新聞の名前を挙げて申し上げたんですから、ぜひ調査をしてください。
○政府委員(三角哲生君) どういうグループかということですが、そういったグループが、何か考えたり計画したりしていることにつきまして私ども一々調査をする手だてもございませんし、そのようなつもりはございません。
○佐藤昭夫君 もう何ということを言うんですか。しかも、調査をする手だてがないといったって、グループはここに十人の名前ちゃんとれっきとして挙げているんですから、その人たちから聞けば、代表者もはっきりしているんですから、そこから聞き取れば、一体そういうことが本当に決められておるのかどうかということを調べられるはずです、
○政府委員(三角哲生君) 何らかのつながりを探してそういうものをどなたかに聞くということは、事実上はそれはやってみれば行えることかもしれませんけれども、委員会での御発言の……
○佐藤昭夫君 大学局長いますか。もう初中局長いいわ。
○政府委員(三角哲生君) 内容としての……
○佐藤昭夫君 筑波大学だから大学局。
○政府委員(三角哲生君) 内容としての御要求に対して……
○佐藤昭夫君 もういいです、いいです。ちょっとやめてください。
○政府委員(三角哲生君) 発言中です。
○佐藤昭夫君 いや、やめてくださいよ。委員長。
○政府委員(三角哲生君) 委員長。
○佐藤昭夫君 委員長、大学局長に答弁を……。
○委員長(片山正英君) ちょっと簡単に要約して、簡単に。
○政府委員(三角哲生君) この委員会での御発言の内容としての御要求のような絡みで話を聞いて、それを私どもとして責任を持って確認するという手だてはございません。それは事実上何か話を聞くということはできるかもしれませんけれども、それをもってお答えにするわけにもまいらないと存じますので、先ほどのように御答弁した次第でございます。
○佐藤昭夫君 大学局はおられますか。――それなら大臣に聞きますけれども、とにかく教科書問題研究会のメンバーというのはおおよそはっきりしているわけでしょう。ここで書いておる人が中心ですわね。だから、その人から本当にどういうことを考えているのかということを聞こうと思えば聞く手だてはあるでしょう。当然そういうことをきちっと聞いて、果たしてそれはいまの文部省の文部行政の考え方と照らして妥当かどうかということなんかも検討してしかるべきじゃないですか。どうでしょう。
○国務大臣(田中龍夫君) いまの経過を伺いますと、大変に特殊な哲学なり、特殊な別の価値観を持ったグループなり組織と思うんでありますが、そういう人が教科書の問題について研究をなさったと。それ自体を禁ずるとかなんとかという権限は、いまの民主的な日本の制度ではあり得ません。なおまた、あくまでも民主的に各方面の意見も素直に受けとめて、そうしてりっぱな教科書を検定制度によってつくらなきゃならないというのが私どもの任務であります。そういうことからいたしまして、われわれはきょう先生からお聞きいたしましたいろんな問題につきまして今後もなお研究してみたいと、こうは思っておりますが、いまの制度としての機構に乗せる乗せないの問題は、これはまた別な問題でございます。
○佐藤昭夫君 私が提起している問題についてよく研究をしてみたいということでありますので、まあその点は確認をしてという上で、私が言っております一つは、本当のところ事実はどうなのかということをよくひとつ把握をしてもらうということと、こういう、私の言っているようなそういう研究に文部省の特定研究費というものを三ヵ年計画でわざわざ渡すということが妥当なのかどうかということについてひとつ検討をしていただきたいということを、これは要望、意見として申し上げておきます。 それで、もう時間が迫ってきているんですが、私も政治献金問題でもう少しお尋ねをすることをお許しいただきたいと思いますけれども、いずれにしても、新聞報道によりますといろいろ事実の食い違いがあるということで、たとえば稲垣氏が直接議員会館へ出向いて手渡したという報道やら、蓬庵会など、これをトンネルにして渡ったという報道やらあります。こういう真相をはっきりさせるということが一つ最低大事なこと、こういうことで、私どもは社会党の方と一緒に何人かの証人喚問要求をしているわけですけれども、理事会としては引き続き協議事項となっておりますが、委員長、ひとつよろしくお願いをしておきたいと思うんです。 そこで私、この献金問題で、午前中本岡さん、それから柏原さん、それぞれ触れておられましたけれども、出ていないことで私ひとつ尋ねておきたいと思います。
○委員長(片山正英君) 佐藤君に申し上げますが、時間が来ましたので、それだけにして、お願いします。
○佐藤昭夫君 はい。ちょっとお許し下さい。 政治資金規正法第二十二条の三、ここで、国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金を受けているような、そういう会社その他の法人は、給付金の交付決定の通知を受けた日から一年を経過する間は政治献金をしちゃならぬと、こういうことをうたっている。なるほど、各教科書会社に対して文部省が教科書を買い取りしている、それは補助金とか、そういう予算上の名称は使ってないけれども、とにかく金が出ていることは事実。そういう場合に、ここが政治献金をするということは、一体この法の精神に照らして果たして妥当なのかどうかという、こういう問題がありますし、それからもう一つ、公選法第百九十九条、ここでいきますと、「特別の利益を伴う契約の当事者である者は、」寄付をしたらいかぬと、こうなっているんです。教科書会社、やっぱり多少は利益を上げるわけですよ、教科書の発行によって。そういう利益を得る会社が献金するということは一体どうなのか。それからまた、その百九十九条二項で、「会社その他の法人が融資を受けている場合において、」これも献金はだめだと、一年以内云々と、こういうあれですけれども、この「融資」という言葉を使うか使わないかにかかわらず、とにかく金を国からもらっておる、国から受け取っているこういう会社が献金をするということについてどうなのかという、こういう問題が、法的にも、政治資金規正法二十二条あるいは公選法百九十九条、こういうところで定めておるこの精神をどう理解するか。いわんや、るる出ております政治的公正中立が保持されるべき教科書会社が献金をやるということはどうなのか、またこれを受け取るということがどうなのか、渡した中心が文教族中心だというふうに言われておることについて一体どうなのか、ここが議論になっているわけですね。 それで一つ尋ねておきたいんですが、いまの法の精神をどう理解するかということで、自治省来ておられると思いますので、自治省の答弁と、それから私はやっぱり最後にこういうことはやめるという方向で指導監督義務が文部省にはあるはずですから、文部大臣としてのひとつ厳格なる対処をこの問題にお願いをしたいという、二つの質問をして終わります。
○説明員(横田英司君) お尋ねの政治資金規正法二十二条の三第一項の趣旨でございますけれども、これは国と補助金等を通じまして特別な関係にございます会社その他の法人から、その特別な関係に伴う政治資金の授受が行われることによりまして、不明朗な献金がなされることを防止しようとする趣旨ではないかというふうに理解をしております。ただ、この件につきましては、補助金その他の給付金の意義について問題になるわけでございますけれども、この条文の趣旨からいたしまして、この意味は、国が特定の事業の促進、助成等を図るために、相当な反対給付を受けることなく、その事業主体等に交付する金銭を言うものというふうに理解をしておるところでございます。ただいまお話がございましたけれども、教科書代金、国と教科書会社との関係は、購入契約に基づく売買代金というふうにお聞きをしておりますので、そういうふうに理解する限りは、いま申し上げました対価として支払われる金銭には当たらないのではないかというふうに思いますし、そうすればこの条文の適用はないのではなかろうかというふうに理解をしておるわけでございます。
○説明員(岩田脩君) お答えを申し上げます。 公職選挙法の第百九十九条についてのお話でございましたけれども、御指摘のとおり百九十九条という条文は、「国」や「地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者」、そういう関係にある者が、それぞれその選挙に関しまして寄付をすることを禁止して選挙の公正を維持しようとする、そういう趣旨のものであると理解しております。 具体の関係については、ちょっと私もよく存じませんけれども、ここで申します「選挙に関し、」というのは、選挙に際しまして、その選挙に関することを動機としてというように従来から解釈しておりまして、選挙が終わった後の当該寄付がどういうものであるか私どもよくわかりませんけれども、毎年のものであるとか、そういう選挙とは余り具体的に結びつかないものについては本条の適用は困難ではなかろうか、あくまで一般論でございますが、そういう趣旨と理解しております。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたしますが、これが補助金であるか補助金でないかということが一点でございますが、大蔵省の主計局でまとめております補助金便覧の中には記載をされておらない項目でございます。それから同時に、またこの契約の問題でございますが、これはただいまお話がございましたように売買の代金でありまして、契約に基づく教科書の購入代金が補助金に該当いたさないということは明白でございます。
○委員長(片山正英君) 本調査に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十八分散会 ―――――・―――――