地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/10/29
会議録
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十八日、井上裕君及び江島淳君が委員を辞任され、その補欠として岩崎純三石及び後藤正夫君が選任されました。 また、本日、岩崎純三石及び斎藤十朗君が委員を辞任され、その補欠として杉山令肇君及び井上学君が選任されました。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○伊藤郁男君 それでは最初に、いままでの議論を聞いておりまして若干まだ不明確な点がございますので、それに焦点をしぼりまして御質問を申し上げたいと思います。 六十年六十歳という国の基準に従ってこれが実施をされると、六十年に六十歳のこの定年制の法律が成立をした場合に、特別の職員あるいは合理的な理由がある職種を除いては国の基準に従ってとにかく六十歳で定めるんだと、厳格にそういう方向を指示をしていくんだと、こういうことが表明をされておるわけでありますけれども、六十年に六十歳の定年制を絶対に導入しなければならぬ、この法律にはそういう強制力があるという答弁を聞いているんですが、そのとおりでよろしゅうございますか。
○政府委員(大嶋孝君) 現在、六十歳未満の勧奨年齢を定めております地方公共団体が相当数見られるわけでございます。こうした地方公共団体が何らの措置を講ずることなく六十年から六十歳の定年制度を実施するということをいたしますと、定年退職者が出ない年度ができるというようなことで、人事管理上支障が生ずることはあり得ることだと思うわけでございます。こうした場合を予想いたしまして、この改正案におきましては六十年の三月三十一日まで準備期間を設けておるわけでございます。六十歳未満の勧奨年齢を定めております地方公共団体にありましては、スムーズな移行を図るためにその引き上げ措置を講じていく必要があろう、かように考えるわけでございます。 しかしながら、勧奨年齢の引き上げに当たりましては、一方におきまして人事管理上の制約もございます。六十年で六十歳にリンクさせることが困難な地方公共団体もあると思われます。こうした地方公共団体におきましては、六十年六十歳の定年制度を実施いたしますと、先ほど申し上げましたように、定年による退職者が数年度にわたって出ないというような事態が生じまして、職員の新陳代謝が著しく阻害される、かえって定年制度創設の基本的な理由の一つである適切な人事管理が期せられなくなるような場合には、合理的な理由がある場合に当たるというふうにも考えられるわけでございます。 当該地方公共団体が経過的に国と異なる定年を定めることは、必ずしも違法ではないものと解されますが、自治省といたしましては六十年に六十歳となるように指導してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 端的にお伺いをしているんですが、この法律が成立をすると六十歳という定年を設けなければならぬという強制力があるのかどうかと、こういうことなんですよ。あるかないか、それだけをお答え願います。
○政府委員(大嶋孝君) 六十年六十歳という原則定年の部分でございますけれども、合理的な理由がない限りは条例を制定しなければならないと、かように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 そうすると、強制力があると、こういうことですね。そうすると、六十年から実際に六十歳定年を実施しない、導入をしない自治体が出た場合には、その自治体は法律違反を犯すことになると、こういうように考えてよろしいかどうか。
○政府委員(大嶋孝君) 先ほど申し上げましたように、合理的な理由がない限り私どもは違法だと考えておりますので、そういうことのないように指導してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 そうすると、法律違反を犯した団体に対する罰則というか制裁措置というんですか、そういうものはどんなものが考えられましょうかね。
○政府委員(大嶋孝君) 罰則というようなものは格別ないと私思いますけれども、自治省の指導、助言の規定でございますとか、そういうようなことを活用いたしまして、そのような事態が出てこないように私ども慎重に指導してまいりたいと、かように考えております。
○伊藤郁男君 そうすると、強制力はあるのだけれども、それに対する罰則その他の制裁措置はない。だから、指導によってそういう法律違反を犯さないようにやっていく以外にないと、こういうことですね。
○政府委員(大嶋孝君) 基本的にそのような方向で進んでまいりたいと思っております。
○伊藤郁男君 そうすると、現在定年制を設けている自治体がかなりあるわけですね。場合によっては五十二、三歳の定年制を設けているところもあるし、大阪のように五十五歳が定着をしているところもあるのですが、この大阪のような場合、現にもう六十歳以下の定年制をしいている自治体、これもこの法律が強制力を持つとすれば六十年には六十歳にしなければならぬ、こういうように解釈していいですね。
○政府委員(大嶋孝君) 現在、勧奨退職年齢が多くの場合六十歳以下で定められております。御指摘のようなことで、六十年に六十歳というものに合わせるといたしますと、何年かにわたって退職者が全然出ない、ということは、新しく採用することもできないというような状況になるわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、合理的な理由がある場合ということによりまして、暫定的に、あるいは経過的に、国と異なる定年を定めるということにつきましては必ずしも違法ではないというふうに私ども理解をしておるところでございます。 しかしながら、あくまでも六十年六十歳ということが大原則でございます。そういうようなことでいろいろと地方団体におきましては、今後、現在勧奨年齢を定めておりますものを六十年六十歳に合うように、勧奨のやり方なり、やり方と申しますか、その年齢の問題等々を含めまして地方団体としても苦心をされるといいますか、いろいろ御研究をなさるというように私ども理解をいたしておるところでございまして、それにつきましての適切な助言なりというものに私ども努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 そうすると、大阪のような場合、いま五十五歳、それを六十年には六十に延ばすようにこれから一生懸命やっていかなければいかぬというわけですね。そうすると、いま五十五歳でもう局長だ——それは退職間際ですから全部最高の地位についているわけですね。これはあと四年間ですか、四年間の間に順次一年ごとに延ばすというふうにしても、そうなると、そういうような都市では逆に人事の停滞というんですか、新陳代謝が逆に停止すると、こういうことが予想をされるわけですね。そういう自治体に対するもっと具体的な指導方針というか、そういうものがなければ実際上法律の目的とする目標が逆向きに動いていくのではないかというように心配されるんですが、その辺のところはどうでしょうか。
○政府委員(大嶋孝君) 六十年に六十歳定年ということを条例で定めるといたしまして、組織的な、あるいは集団的な勧奨退職というのは当然そこでなくなるわけでございますけれども、やはり組織の新陳代謝を図るといいますか、あるいはそういう意味合いにおきまして部分的な勧奨退職というのは六十歳以前の年齢でありましてもあり得る、また可能であると、このように考えております。したがいまして、そういう個別的な勧奨といいますか、いま御指摘のように、たとえば部長、局長クラスにつきましては、六十歳と決められておっても若干早くやめていただくとか、そういうような勧奨はあり得るものだと私ども考えておりますので、それらを活用することによりまして大きな支障なく六十年六十歳定年というものができ上がっていくだろうと、そのように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 その勧奨制度のことは後でお伺いをしようと思ったんですが、現実に勧奨制度と呼ぶのかどうかわかりませんが、勧奨が行われているということだと思うんですが、この勧奨というのは、これも質疑があったんですが、六十年六十歳の定年がしかれた後も勧奨制度というものは、まあ勧奨制度というか、勧奨退職というものが残っていくのかどうか、その点もう一度お答えいただきたい。
○政府委員(大嶋孝君) 一般的には定年制ができますとなくなるわけでございますけれども、部分的に勧奨というのはやはり今後も残るであろう、このように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 その部分的に残るというのはどういう部分が残るんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 個別的に、たとえば高い地位にある人でありますとか、例を挙げるとやや語弊がございますけれども、組織の若返りを図っていくと申しますか、そういう意味合いにおきまして、個別的な勧奨というのは定年制ができても私は残るだろう、このように考えておるところでございます。たとえば、大変極端な例を申し上げて恐縮でございますけれども、国家公務員につきまして六十歳定年制というのができたわけでございますが、たとえば局長や私が六十歳までおれるかというとこれは必ずしもおれないわけでございまして、それ以前に恐らく勧奨になるだろうというような意味合いにおきまして勧奨制度は残るだろう、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○伊藤郁男君 そうすると、定年制がいままでないんですが、今度は六十年六十歳にはっきりしますね。いままではないから、やめてもらうために勧奨ということで退職金の割り増しとかいろいろなことが行われてきた。しかし、今度は六十年に定年制が設けられた段階において、勧奨ということは、実際は六十まで勤める権利はある、勤めている側からとってみれば。それを今度は五十八歳でやめてもらいたい、五十七歳でもう下が詰まっているから局長ひとつやめてくれと、こういうことは、今度は勧奨じゃなくて、すでに定年がはっきりしているわけですから、これは首切りということになるんじゃないですか。どうなんですかね。いままで行われていた勧奨制度が六十年六十歳定年になってもそのまま残っていくなんというのはおかしな語ですが、どうなんですかね。
○政府委員(砂子田隆君) いま公務員部長からお話しを申し上げましたのは、一般的に、定年制度ができ上がりますとそれぞれ公共団体で条例で定年を決めるわけでありますから、この間から問題になっておりますように、そこまで身分の保障はあり得るということになるわけであります。そういう意味で、一般的な公務員につきましては、たとえば六十年に六十歳と決めれば、六十歳までは公務員として勤務ができるという身分保障が成り立つ。ただしかし、いろいろな人事管理上の問題がありまして、幹部職員と申しますか——一般的な職員についてはそういうことは余り起こらないだろうと思いますけれども、また、そういうことをすべきでもないとは思いますが、幹部職員についてはある程度そういう意味での更新を図っていかなきゃならぬということになろうと思います。 結局は、身分保障が六十歳までなされているという考え方から申しますと、いまと全く同じシステムになるわけであります。いまは年齢の制限がなく身分保障がされているわけでありますから、その身分保障されている人たちにやめていただこうというので勧奨退職の制度がいまでも存在しているわけでありますが、それと同じ方法で幹部職員については勧奨退職ということがあり得るということを申し上げているわけであります。
○伊藤郁男君 そうすると、実際にそういうことが起こった場合を想定をしてみますと、いままでの勧奨退職は一つの慣例としてでき上がってきて、五十八になったらひとつということになるわけですが、身分をあと二年を残して新陳代謝のためにどうしてもやめてくれということになると、いまの勧奨制度よりもさらに退職金などを上積みした制度というものが採用されてくるのではないかというようにも想定されるんですが、その辺はどうなんでしょうかね。想定ですけれども。
○政府委員(砂子田隆君) この問題は、ひとり地方公務員だけの問題ではございませんで、国家公務員についても同様なことが起きるわけであります。そういう意味で、この定年法が通りました後で退職制度というのをどうするかというのは、国家公務員、地方公務員を通じての一つ大きい問題になるだろうと思っております。そういう中で今後そういう問題をどういうふうに取り扱うかということを検討しなければいかぬと思ってはおります。ただ、現在の給与法なり退職金の制度から申し上げますと、それは勧奨退職の制度がありますから、その制度をいまのうちは適用していくということになろうかと思っております。
○伊藤郁男君 それでは、次の問題で確認をしておきたいんですが、いまの職員団体は一般職とそれから現業と分かれておりますね。現業の場合には協約締結権まで地公労法で保障されている。いままでの議論を聞いておりますと、地公労法は協約締結権があって、あるいは六十一歳で定める場合も、団体交渉をやって労使が合意すればそういうことになり得るのじゃないかという質問に対しまして、いや、これもやっぱり条例で定める六十歳の範囲の中でしか締結はできないんですよという制約があるように聞いたんですが、そういうことでいいんですか、地公労法と地公法との関連において。その辺のところはどういうように解釈をしていったらいいのか、ちょっと教えていただきたい。
○政府委員(大嶋孝君) この定年制度と申しますのは、分限の中に位置づけられる新たな制度でございます。そこで、公務員の身分保障の基本にかかわる事項でございますために、地公法適用職員、それから地公労法適用職員であるとを問わず、定年制度の基本的枠組みは法律で定めるわけでございます。それで、定年制の実施に関する事項は条例で定めるということにしておるのは御承知のとおりであります。そこで、定年制度は勤務条件としての側面を持っておるわけでございますので、条例で定めることとされております定年年齢なり、あるいは定年退職日といった定年制度の実施に関する事項は、これは労使交渉の対象になるわけでございます。 もっと具体的に申し上げますと、地公法適用職員につきましては、定年制の実施に関する事項につきまして、地方公務員法上の交渉を行い、また書面協定を締結することはできるわけでございます。地公労法適用職員は、これらの事項につきまして、地方公営企業労働関係法上の団体交渉を行いまして、労働協約を締結することができるわけでございます。地公法上の書面協定は、法令、条例、規則等に抵触しない限りにおきまして、締結することができるわけでございます。これに対しまして、定年制度の実施に関し地公労法上の労働協約が締結される、これが定年制度に関する条例に抵触するというような場合に、地公労法八条の規定によりまして、地方公共団体の長は、その労働協約が条例に抵触しなくなるための条例の改正等の議案を議会に付議しなきゃならぬということにされておるわけでございます。この場合におきましても、議会が条例の改正等を行わないということでありますれば、その労働協約の効力は、条例に抵触する限度で効力を生じない、このようになるわけでございます。
○伊藤郁男君 そうすると、いずれにしても、現業職員も一般の職員も六十年には六十歳の定年制がしかれてくると、こういうふうに解釈をしていいわけですね。
○政府委員(大嶋孝君) 原則としてそうだというふうに御理解いただいて結構でございます。
○伊藤郁男君 私どもは、今度のこの法改正の問題については、基本的には、あえて定年制を法制化しなければならぬとするならば、六十五蔵くらいが適当ではないかというように基本的な考えを持っておるわけです。しかし、さまざまな民間の動向、国民の公務員に対するさまざまな批判、官民格差の問題、そういうものを見まして、現状としては六十歳はやむを得ないだろうと、こういう考えに立っているわけです。 六十五歳くらいにしたらいいんじゃないかという理由としては、わが国は、御承知のように、世界に類例を見ないほど急速に高齢化社会に突入をしている。高齢化社会の解釈なんですが、平均寿命は延びる、結局六十歳を過ぎても十分に能力を持って働ける人がふえてくると、こういうことですから、したがって、高齢化が一足先に進みました西欧の例を見ましても、イギリスにおいてもあるいは西ドイツにおいても六十五歳くらいの定年をしいているというのが、一足先に高齢化社会に到達した西欧の公務員の実態なんですね。だから私どもはそういう理由のもとで六十五歳くらいにすべきではないか。しかし、現状では、先ほど申し上げましたように、六十歳でもやむを得ないと、こういう考え方に立ってこの法案に賛成の態度をとっているわけです。 そこで、六十年以後民間の動向がどのように変化していくかは、これはわかりませんけれども、早い時期にこの六十歳定年というものを見直ししなければならない時期が来るのではないかと私どもは判断をしておりますが、自治省の見解はどうでしょう。
○政府委員(大嶋孝君) 現在におきましては、民間の動向あるいは国家公務員の定年年齢といったものを勘案いたしますと、六十年に原則六十歳の定年を実現するということが最も適当であろうと考えております。 御指摘のとおり、将来的にこれを見てまいりますと、高齢化社会の進展というようなものはあるわけでございます。また、民間企業におきます定年年齢があるいはさらに延長されるといったようなことも予想されないわけではございません。そのような社会情勢によりまして、一般の雇用情勢が顕著に変化をするというような場合には、国家公務員の定年年齢につきましても、改めて検討が行われるということはあり得ると思います。 自治省といたしましては、そういった情勢の変化が生じた場合には、国家公務員の定年との乖離が生じないように地方公共団体を指導してまいる、こういう所存でございます。
○伊藤郁男君 次の問題なんですが、本法案が提案された理由は何回も繰り返し述べられておりまして、私どもはそれだけに理解をしておるわけですが、この法律ができることによって、職員の新陳代謝を確保する、それから、長期的展望に立って計画的な安定的な人事管理を促進していく、あるいは適正な人員管理制度をやっていくんだというのですが、これらの本法提案の理由とするもの、今日の現状のままではそういうことがどうしてもできない、その理由はどこにあるんですか、決定的な要因というのですか、理由ですね。現状のままでも、それぞれの首長が一生懸命努力すれば、そういうことができそうなようにも感ずるのですが、この法律をつくらなければできていかないんだという決定的な理由はどこにあるとお考えですか。
○政府委員(大嶋孝君) この改正法案を提案いたしております理由につきましては、御指摘のとおり、提案理由で述べたとおりでございますが、もう少し具体的にそれを申し上げたいと思います。 御指摘のように、わが国の人口の年齢構造が急速に高齢化しておるわけでございまして、そういった中で、地方公共団体も例外ではございません。職員の高齢化が進行しつつあるわけでございます。多くの地方公共団体におきましては、高齢職員について退職勧奨制度を実施しておるわけでございます。この制度は、現在、全体として見ればそれなりの効果をおさめておると思いますけれども、個別の団体によりましては、その機能が十分でないというところもあるわけでございます。また、仮に現在それなりに機能しておる団体であるといたしましても、今後職員の年齢構成の高齢化が進むということによりまして、十分には機能しにくくなるということも考えられます。さらには、職員間に不公平を生ずるケースも見られるわけでございます。 このように、勧奨によります退職管理制度、制度と申しますか、退職管理は、おのずから私は限界があるだろうと思います。そこで、適正かつ円滑な人事管理を期するということはなかなか困難でございまして、したがいまして、今後とも退職管理の手段として勧奨制度だけに頼っておるということになりますと、やはり組織の活力の低下なり、あるいは人事の停滞なり、職員の士気の低下といったものを来すわけでございまして、行政の能率的な運営に支障を生ずるおそれがあるところでございます。こういった事態を回避するために、より適正で、かつまた有効な退職管理制度を整備いたしまして、長期的な展望に立ちました計画的かつまた安定した人事管理を確保するという必要があるわけでございます。 これが地方公務員に対します定年制度導入の基本的なねらいでございますけれども、特に今回は、同じ公務員であります国家公務員に対しましても定年制度が導入されるということになったばかりでなくて、また民間企業におきましても、そのほとんどが定年制度を導入しておるという状況になっておるわけでございます。ひとり地方公務員だけ定年制度がないというような状態は許されないという事情にも配慮をいたしたところでございます。 また、現在の地方公務員の退職が五十七、八歳で行われている状況にあるわけでございますが、定年制度の導入は、職員の身分保障に大きな変動をもたらす分限に関する事項であるということ。また、高齢化社会の進展に伴いまして、民間企業等におきましても定年の延長の動きが顕著になってきておるわけでございます。そこで、六十歳定年年齢がふえてきておるということもございますし、また、国家公務員の定年年齢も原則六十歳にされたというようないろんな事情を勘案いたしまして、地方公務員の退職年齢を平均いたしまして二三歳引き上げる結果となるということになりますと、その原則六十歳という国家公務員の定年年齢を基準として定めるよう特段の配慮をしておるところでございます。
○伊藤郁男君 いま述べられた多くの理由の中で、大部分は理解できるわけですが、ただ、先ほども触れましたように、高齢化が急速に進んでいく、高齢化というのは、結局活力のある、頭脳も筋力も衰えない老人がふえていくということですから、このふえていくという情勢、趨勢の中で定年を設けるというこの辺のところが、六十で切るというところが私は余り十分な理由として理解できないところなんですよね。大阪のような例の場合はむしろ定年延長ですから、これは高齢化社会が進展していくから定年も延ばすんだということならば整合性があっていいわけですが、とにかく活力のある元気のいい老人がどんどんふえていくという中で、六十歳で切るんだという理由は薄弱なんですね。余りそういう理由は述べない方がいいと思うんですが。 そこで、勧奨退職という問題ですが、これはかなり定着をしてきたけれども、これからはますます困難になっていくという理由はわかります、この勧奨退職を進めてきた自治体というのは、結局これは高齢者に対する特例だったと思うんですよね。ところが、これがいつの間にか高齢者の特例ではなくなってきた、こういう実態が実はあるわけですよね。たとえば東京都の場合、ここにいま美濃部先生いらっしゃらないからあれなんですが、いままでは高齢者に対する特例措置だったけれども、それが今度は、やめていく職員全体にこの勧奨制度というものが適用されていくようになってしまった。たとえば東京の場合は、勤続十年までの者は退職金五割増し、だから、二十五歳で入って三十五歳でおれはやめたいというと、この勧奨制度を援用して五割増したと。あるいは、十一年目から二十年目でやめていく者は退職金十割増し、二十五年目からは十一割増し、こういうようになってきていると私は資料を通じて見ているんですが、ほかの自治体にもこのような、もともと高齢者の退職促進のための勧奨制度というものが、高齢者じゃなくてそういう若年層で、おれは自分の理由でやめていくというところにまでこういう勧奨制度が広がっていっているのではないか。全国の実態がわかりましたら教えていただきたい。
○政府委員(大嶋孝君) いま東京都の例をお挙げになったわけでございますが、私ども承知しておりますのは、東京都のことでございますけれども、昭和五十五年度におきまして勧奨退職制度を改めたわけでございます。高齢職員勧奨退職として、従来年齢六十歳以上、勤続十年以上の者に対して勧奨をしておりましたものを、年齢五十八歳以上、勤続十年以上の者というふうに改めまして、当面、五十五年度から五十七年度に限りまして、年齢五十五歳以上勤続十年以上の者にする。その他の勧奨退職として、従来年齢五十五歳以上、勤続三十年以上の者に対しまして勧奨していたのを、年齢五十歳以上、勤続二十五年以上の者としまして、当面、五十五年度から五十七年度に限りまして、年齢四十五歳以上、勤続二十五年以上の者というふうにしておりまして、そういう人たちに対しましては勧奨退職としての割り増し措置が講じられているというところでございます。 このように若年層まで含めました勧奨退職がなされる理由といたしましては、都の財政再建措置として大幅な定数削減を行おうというものでございます。その他また、組織としてのより一層の新陳代謝の促進を図るとともに、職員の年齢構成の是正によります計画的な人事管理を行おうというものでございまして、その限りにおきましては、都としてはそれなりの理由があるというふうに私どもも考えられるわけでございます。 なお、東京都におきます若年層の勧奨退職に対する割り増し措置につきましては、年齢四十五歳以上で、かつ勤続年数二十五年以上の者ということにされておりまして、長期勤続者に限定して行われる勧奨制度というふうになっておるところでございます。勤続年数が短く、かつまた年齢も若いというような方がやめるときにいろんな割り増し措置を講じておるというのは全国的には私はないと思いますし、東京都の場合につきましても、一定の年齢、一定の勤続年数というものを勘案をしてそういう措置がとられておるもの、このように理解をいたしておるところでございます。
○伊藤郁男君 全国の例がどうも正確に把握をされていないと思うんですけれども、その点については、こういう面についてもやっぱり自治省としても全自治体の動向を把握する努力をお願いを申し上げたいと思います。 関連をするんですが、今度は人事院にお伺いをするんですが、国家公務員には特別昇給制度がありますですね。人事院勧告に従って多少これが手直しされたということはわかっておるんですが、この特別昇給制度というのは、勤務成績が特に優秀な者に対して人員の一五%以内において一号ないし二号俸の昇給を行う、こういう制度だと私は理解しているんですが、そういうことでよろしゅうございますか。
○説明員(林博男君) 先生御指摘の特別昇給は、勤務成績が特に良好である者に限定いたしまして一定の人数の範囲内で実施する、こういうものでございます。 なお、このほかに特別なものといたしまして、たとえば殉職をしたとかそういうものにつきましては、その定数の枠外で特別昇給を実施するという道があるわけでございます。
○伊藤郁男君 その特別優秀な者を一五%以内で昇給をさせるという制度なんですが、各省庁、この制度の趣旨に沿うような方向で実施されているのかどうか。 聞くところによると、各省庁みんなばらばらだと。あるいは、特に優秀な成績を持った者一五%以内で昇給させるという制度だけれども、一五%ということは七年たてば一〇〇%になるわけですが、その七年の間に全職員に順繰りに昇給さしてしまう。特別優秀だ、そんなことは関係なくなっちゃうわけですね、これ。そうすると、もうこれは特別昇給制度の持っている意味合いが全然なくなってしまうんですが、各省庁の実態はどうなんですか。
○説明員(林博男君) 各省庁の実施の状況でございますけれども、これは若干古うございますが、昭和五十三年に、サンプル調査でございますけれども、大体十分の一の人員を抽出いたしまして私どもの方で調査を行ったわけでございます。その結果によりますと、たとえば勤続二十年以上というところでこれを見ますと、仮に悪平等的に完全に一律的にこれを運用したといたしますと、大体二・五回ぐらい、こういうことになるわけでございます。それで、特別昇給を過去にどれだけ受けたか、こういう分布を見ますと、まあ確かに二回とか三回、そこらあたりが多いわけではございますけれども、一回あるいは一回もやったことがないという職員も一割ぐらいおります。その反面、非常に成績がいいということで四回、五回あるいは六回以上というような回数特別昇給しておるという職員も一割以上いるということでございまして、全体としてこれを見ますと、制度本来の趣旨にそれなりに沿って運用がされておると、こういうふうに私ども見ておるわけでございます。
○伊藤郁男君 官庁はエリート集団ですから、これはもうみんな優秀な人に違いないと思うんですが、その中でも特別に優秀な者を特別昇給制度でやっていこうというわけですが、七年間で全職員を全部昇給させたと、それはどこの省庁なんでしょうかね、わかりますか。
○説明員(林博男君) 御指摘のように、総体として見れば先ほど申し上げたとおりでございますけれども、一部にやや制度本来の趣旨から見てちょっと適当ではないのじゃないかと思われみような節のある面もございます。したがいまして、そういうところにつきましては、これまでも制度本来の趣旨に沿って適正な運用をしていただくということを指導いたしておりますし、今回の報告でもそういう指摘をいたしたわけでございますが、成績主義をより一層推進する、これが特別昇給制度の大きな一つの柱でございますから、そういう意味でこれをさらに徹底して指導したい、かように考えておるわけでございます。
○伊藤郁男君 ぜひそれはやっていただきたいと思うんです。いま国民の目から見て、公務員の中には信賞必罰というものがはっきりしていない。怠けている者も、本当にまじめに、真剣に、公務員たる者の自覚を持って働いている者もある。ところが、賃金その他の面で、すべて全部一律に、一緒くたにしてしまう。ここがやっぱり重大な問題なんですよ。だから、信賞必罰、それからいまおっしゃられたように、そんな法の趣旨も曲げて不届きなことをやっているようなところは断固として注意をし、即刻それはやめてもらわなきゃならぬと思うんです。そういうことをひとつ指導をしていただきたい、このように思います。 それから、国家公務員は昨年、人事院勧告に基づいて昇給の停止制度をとったわけですが、これは自治省にお伺いするんですが、自治省としては、六十年六十歳定年制の導入までの間——あと四年間ですが、四年間の間に、昇給延伸なり停止について、国に準ずると言うならば、地方の実態を見ながら国と同じように五十六歳からは二十四カ見とか、五十八歳からは昇給停止というようなことについて、六十年までの間にどのような指導をしていくおつもりか、お伺いをいたします。
○政府委員(大嶋孝君) 御指摘のように、地方公務員の給与制度は国家公務員に準じて取り扱われるのがたてまえでございまして、自治省といたしましても、地方公務員につきまして御指摘のような昇給延伸あるいは昇給停止——高齢者に対するものでございますけれども、これにつきまして国に準じた措置をとるように再三指導してまいったところでございます。定年制というのが新しくしかれるということに直接関連するかどうかは別といたしましても、今後とも引き続き、そういう高齢者に対する昇給延伸なり停止につきまして国と同様の措置をとるよう強く指導してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 次の問題ですが、国家公務員の場合には退職手当減額法案が内閣委員会で審議されているわけですが、退職金の最高限度額を六十九・三ヵ月から六十三・五ヵ月に減額をすると、こういうことなんですが、この退職手当の問題についても地方公務員は国の基準に基づいてそれを定めていくという、これがたてまえだと思うんですけれども、たとえば東京のような例では、退職金の最高限度額が九十ヵ月、それを今度八十ヵ月にした。鎌倉市のような場合は、百三十ヵ月だったものを百十ヵ月に今度したようであります。国が六十九・三ヵ月、いまの最高限度額がですね。それが百三十ヵ月も九十ヵ月も……。国の基準に照らして定めるのが、それが正しい方向だと私どもも考えておるわけですが、大変に国と違うわけですね。一体こういうように退職金が本当に大幅にはね上がっていくその実態とその原因についてどう考えておられますか。
○政府委員(大嶋孝君) 私どもは、退職手当につきましても国家公務員の制度に準じまして地方公共団体の条例で定める、準じるということが大原則であると思いますし、そのように指導もしてきたわけでございます。しかし、御指摘のように、一部の団体におきましては国家公務員の退職手当の支給基準を上回って支給している団体があることは事実でございます。その原因といいますか、いきさつといたしましては、一つには、従来からの経緯もこれあるだろうと思いますし、また、職員の新陳代謝を図るために、勧奨退職者には国よりさらに有利な退職手当の支給を行うということとしたこともあるだろうと思います。また、退職手当の支給率の高い団体に追随して退職手当を引き上げていったというようなことも考えられようと思います。 しかし、私どもといたしましては、基本的には地方公務員法二十四条二項の規定の趣旨、それから地方公務員の給与なり退職手当といったものが住民の租税負担によって賄われておるという点につきまして、地方団体としても十分な認識を持っていただかなければならないと思っております。そういう意味合いにおきまして、その是正につきましても、いままでもずっと指導してまいりましたし、今後とも指導してまいりたい、かように考えております。
○伊藤郁男君 次に、公務員のモラルの問題についてお伺いをしたいんですが、もちろんいま公務員部長がおっしゃられたように、公務員は国民の税金で雇われておるわけでありまして、結局これは国民、住民に対して奉仕する立場にある。これはもう明らかなんです。それゆえに、やっぱり常に身辺をきれいにして住民の信託に、こたえていく、こういうことでなきゃいかぬと思います。いま、各地方の地方新聞をずっと見てみますと、毎日公務員の汚職問題が扱われていない日はないようなんですよね。カラスの鳴かぬ日はあっても汚職の発生をしない日はないというような状態ですよ。実際なんです、本当に。それは数は少ないかもしれませんが。私は、日本の民主制度、民主政治を発展させる意味からも、あるいは住民自治というものをかち取るという意味合いからいっても、きわめてこの問題は重大な問題だと思うんです。 私どもの調査によりますと、これは私どもが全国の地方の議員に対しましてアンケートをやった結果なんですけれども、議員から回答の来た自治体数は百三十八、汚職事件の発生自治体数はこの中で二十六、汚職発生率は一八・八%と、こういう高い率を示しているわけです。殺人事件なんというのは除いて、これはすべて汚職なんですね。こういう実態を私どもは地方議員から報告を受けているわけですけれども、全国の実態はおわかりになりますか。どういうような汚職が発生をしておるのか、その数は一体どのぐらいになっているのか、おわかりだったらお示しをいただきたい。
○政府委員(大嶋孝君) 五十五年度の汚職事件の問題につきましては現在集計中でございますが、五十四年度中に汚職事件の発生いたしました団体数なりあるいは発生件数、関係職員数を申し上げたいと思います。 都道府県では団体数が十九でございまして、件数としては二十八、関係職員数では五十四名。市町村では八十九団体、件数としては九十七、職員数で百八十二名。それから公社等に至りましては、団体数で三、件数で三、関係職員が四。合計いたしますと、団体数で百十一、件数で百二十八、職員数で二百四十というような状況になっております。
○伊藤郁男君 そのように件数は、それは地方公務員三百十一万何がしの中からいけばきわめて少ない数字かとは思うんですけれども、しかし、これが発生することによってやっぱり住民の行政に対する不信が出てくるんですよ。一人でも出れば全体が不信を受けるということになるわけですからね。この問題はきわめて重要だと思うんですが、なぜこのように汚職がのべつ幕なしに発生をしてくるのか、その原因はどのように考えておられますか。
○政府委員(大嶋孝君) まことに残念なことでございますが、汚職の原因につきまして、これはいろんな要因があろうと考えられます。一般的には、職場の規律の緩みでありますとかあるいは内部的査察体制の不備といった組織なり制度上の問題、あるいは職員個人としての資質の問題といったようなものがあろうと思います。要は、職員個人個人の自覚というものが最も必要なことであろうと、このように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 日本の場合公務員というのは、国家公務員の場合はもう本当にエリートですよ。地方自治体の場合も地方の公務員というのはその地域の中においてやっぱりエリートですね。そのエリートがこのような汚職をする、ここにまた重大な問題があるわゆですね。だから私はやっぱり、全体として国民、住民に対する奉仕者だという、その精神が欠けでいるんじゃないか。だからそれは退職金の問題でも、住民なんというのはもう無視されて、百三十ヵ月もの退職金を平気で払う。民間なんというのは、民間のサラリーマンは大卒で五十五歳でやめれば退職金の支給額なんというのは一千百万ぐらいじゃないかという、一つの調査も出ているんです。ところが、地方公務員の場合はその三倍も退職金をもらっているという実例もある。 こういうところを見ても、国民の皆さんからの税金で、その税金を生かすためにわれわれは行政をやっているんだ、国民のためにわれわれは奉仕しているんだという、その基本的な精神がやっぱり緩んできているのではないか、こう私は思うんです。大臣、この辺大変重要な問題と思うんですが、大臣からお答えをいただきたい。 〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕
○国務大臣(安孫子藤吉君) いま伊藤さんがおっしゃいますとおりに、公務員の場合においてはその給与は租税によって賄われておるわけであります。みずから営業行為をやって収入を上げたもので払われておるものではございません。強制的に国民から租税として取り上げたものによって給与が賄われておる。この事実はすべての公務員が十分に自覚すべき問題だと思っております。したがって、団体の長は常にこの問題を部下の公務員に対しまして徹底するように行動をすべきだと思っております。 なおまた、職場の長といたしましては、いろいろな情報が職場の長には個人個人についても入ってくるはずであります。それからまた、その行動についても監視の目が届いているはずでございます。また、仲間同士の話も耳に入るはずでございます。したがいまして、団体の長と同時に職場の長は、自分の配下の職員の行動に関しまして十分に監視をすべきだろうと思います。そしてまた、適当でない場合には十分に注意を与えるべきだと思います。この注意は、単にとがめるということじゃなくて、その職員の一生に関する問題でございまするから、これはまた考えようによりましては非常に親切なことでございます。この辺のことを職場の規律といたしまして十分に行動してもらいたいと私は思っております。 それから、同時に制度の面におきましても、査察体制というようなもの、あるいは人事管理の面におきまして、終局的にはこれは団体の長に報告されることでございまするから、それに適応した措置をとるべきであろうと思います。 そうしたことが相まって、汚職の根源を排除することができるだろうと思いますが、この点につきましては自治省も重大な関心を持ちまして、団体の長に対しましてはそうした配慮をいたすように随時注意をいたしておるところでございます。
○伊藤郁男君 大臣が言われるように、自治体の長自身がその事件に手をかすという例も間々あるわけですね。千葉県の川上知事の念書事件なんていうのを見ると象徴的なんですけれども、長自身がそういうところに手をかしているような例もあるわけですね。だから、いま大臣のおっしゃられたように、十分ひとつ対策を立てていただきたいと思いますし、そういうことが発生することのないようにやっていただきたいと思います。 その一つの方法として、やっぱり住民が常に行政に対して日を光らしていく、また、行政側は、そのやっている内容、そのことが住民によくわかるようにすること、私どもはいわゆる情報公開法というやつをやれと、こういうように主張しているんですが、そういうような方法、積極的な対策をひとつ今後の問題として考えていただきまして、こういうことのないようにお願いをしておきたいと思います。 私の時間は三十分まででございまして、あとの問題に入っていく時間がもうございません。以上をもちまして私の質問を終わります。
○理事(亀長友義君) 速記ちょっととめてください。 〔速記中止〕 〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕
○委員長(上條勝久君) 速記を起こしてください。 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時三十一分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○志苫裕君 二十二日にあらましの質問をいたしましたが、きょうはそれに引き続きまして若干お伺いしたいと思います。 一般職員、安全、現業等については、衆参を通じてただすべきものはただしておるようですが、きょうはまず、消防と警察についてあらましのお伺いをしたいと思うんですが、警察庁、消防庁・順序どちらでもいいですが、警察職員及び消防職員の退職管理は現在どのようになっておられるかお伺いいたします。
○政府委員(金澤昭雄君) お答えをいたします。 警察職員の現在の退職管理でございますが、現在は、いわゆる退職勧奨制度によりまして行っておるわけでございます。現在、退職勧奨の基準年は、これは県によって若干の差異はありますけれども、大体警視クラスで五十五から六歳、警部クラスが五十六から七歳、それから警部補以下の警察官が五十七から五十八歳、こういう状況でございます。
○政府委員(鹿児島重治君) 消防職員の勧奨退職の状況につきまして御説明申し上げます。 昭和五十四年度の勧奨退職の状況は、消防職員の場合、その総数が八百七十九名でございます。そして、勧奨年齢でございますが、非役付の職員につきましては、これは各団体によりましてまちまちでございますけれども、おおむね五十八歳あるいは六十歳に集中をいたしております。役付職員の傾向につきましてもほぼ同様でございます。それから勧奨による退職率でございますが、都道府県の場合——これは東京都だけでございますが、都道府県の場合には退職率一〇〇%、市につきましては五十四年度の場合八九・三%、町村につきましては九三・三%、かような状況になっております。
○志苫裕君 警察と消防いずれも、勧奨による退職という、制度というよりは、そういうことをやっておるようですが、警察庁の場合、警視、警部、警部補以下、若干年齢の食い違いがありますが、退職勧奨率とでもいうか、それはどんな状況ですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 昨年退職をしました者の総数が約八千六百名程度でございます。そのうち、勧奨によりまして退職した者が五千三百名ちょっとでございます。したがいまして、勧奨によりまして退職した者の率は六一・五%程度だと思います。
○志苫裕君 そういうのを勧奨退職率というのですか。そうではなくて、一定の年齢になったので、どうだやめないかと言って肩をたたいて、いやもう一年置いてくれやと言って残る者と、承知しましたと言ってやめる者の率を言うんじゃないですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 警察の中におきましては、ほとんど勧奨によりまして退職をするという状況になっております。 去年の数字で見ますと、先ほど言いましたように、やめましたのが全体で八千六百ちょっとでございますが、その中で勧奨年齢に達しておってやめなかった数字が、これは六十七名でございます。したがいまして一%弱ということでございます。
○志苫裕君 そうしますと、警察の場合はほぼ一〇〇%の人が——ごくわずかの六十何名がおりますが、一〇〇%の人が大体やめる、言うなら勧奨制度が機能をしておるということです。 話が変わりますが、定年制の導入ということについていろいろな議論がありましたが、おおむね職員の退職管理はうまくいっているんだけれども、個々の団体に若干問題がありたり、あるいは将来を展望をすると、その辺がうまく退職管理が機能をしないかもしれないということを一つの理由に挙げておられることから見ると、将来勧奨が機能しないかもしれないという不安は警察に関してはないわけですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 先ほども申しましたように、現在の、勧奨でやめます年齢が大体六十歳未満でございます。したがって、定年制で六十ということになりました場合、徐々に勧奨年齢を引き上げていきながら制度に移行して行くということでございますが、いまのところ心配はしておりません。
○志苫裕君 そうしますと、警察職員については定年制は要らぬという論理になりますか。
○政府委員(金澤昭雄君) 要らないということではなしに、高齢社会にやはり警察もなっておりますし、また、社会全体がそういう趨勢でございます。その中で警察官だけが五十五から七ぐらいのところでやめるということになりますと、社会全体の流れの中での勤務年限、職場に対する一つの感覚というものがございますので、やはりこれは一般の流れの中で警察もやっていきたいということでございます。警察官の士気というものも、勤務年数についても非常に関心が高こうございますので、そういった意味で、ぜひともほかと合わせながらやっていきたいと、こういうことでございます。
○志苫裕君 いや、官房長はずっと長い議論を聞いておらぬから、言っていることと答えておることが少し価値観が違っておるんだけれども、ここで主として問題になりますのは、もっといたいというのにやめてくれぬかと、そういうもっといたいのに切っちゃうとは何事だという心配をしてきているわけですね。いまだって肩たたきでうまくいっているんだから、そんな無理に法律などという宝刀まで持ってこぬでもいいじゃないのという議論をしていましてね、ここまで議論がきているんですが、いまの官房長の答弁ですと、五十六でもとでもやめるんだが、定年制ができてほかの者が六十というのなら、じゃ、おれもそれまで置いてくれと言うのはあたりまえでね、ぜひおれにもほしいという——あなたの方の定年制がほしいというのは年齢を延ばすためにほしいという話になっちゃってね、何だかいままでのやりとりと全然トーンが合わないんだな。その辺どうなんですか。
○政府委員(金澤昭雄君) ちょっと前段の理解が足らなかったようで申しわけございませんが、現状を申しますと、繰り返すようでございますけれども、いまのような勧奨機能というものが、警察においては比較的うまくいっているんじゃないかと思います。しかし、やはり社会の趨勢と高齢化社会ということを考えますと、これからの警察におきます人事管理も、そういった一つの定年というものを設けまして、それに従った上での人事管理、退職管理というものをやっていく必要があるだろう、こういうふうに考えております。
○志苫裕君 やっぱり合いませんけれどもね。 ただ、思うに、警察という組織はほかにはない規律を持った縦社会でもありますし、恐らくそのことが結果として一〇〇%の勧奨退職率というものを生んでいるんだろう。個人個人の事情で言えば、一般の勤労者と同じように、子女の教育のためにもう一年いたいなとか、いろんな事情があるんだろうと思うんですよ。しかし、特有の組織というものが恐らくそうなさっていると思うんですが、逆に聞きますよ。警察というこの社会、組織が持っておる組織の活力というふうなものなどから考えて、六十までいられちゃ困るという感覚はありますか。
○政府委員(金澤昭雄君) これは、個人的な肉体関係の状況と、それからあと個別的な仕事の中身だと思います。そういうことで、現在でも二、三の県では、巡査、巡査部長が六十歳ということを勧奨年齢にしておる県がございます。それと、やはり職種のいろんな配置、人事配置ということを考えていけば、これは六十という定年ができた場合にも、そういった内部の人事管理を適正に考えてやっていけるし、また、そういうふうにやっていかなければならぬものだというふうに考えます。
○志苫裕君 そうすると、先ほどあなた大まかに、警部補以下は五十八歳以上と言ったが、いまのお話で、たとえば巡査部長とかそういう人の勧奨は六十ぐらいだということですか、現状でも。
○政府委員(金澤昭雄君) 全部の県ではございませんで、千葉と沖縄が巡査、巡査部長、警部補以下の警察官については六十歳でございます、千葉と沖縄です。それから愛知と静岡につきましては、これは巡査と巡査部長だけでございますが、これは職種によって六十までというふうに細かく内部の規程をつくってやっております。
○志苫裕君 警察組織の中にも地方自治は機能しておるようですね。それぞれ違いがあるようですから結構なことだと思いますがね。 そうしますと、余り答弁明確でなかったが、六十歳定年制ができる。しかし職種や人によってそれ以前でもやめてもらうことの方が組織の全体の人事のローテーションなり活力の上で望ましいという判断も一部にあるわけですね。
○政府委員(金澤昭雄君) それは個人的な、警察官個々の状況だと思います。全体としましては、先ほど言いましたように、やはり人事管理、大きな意味での人事管理の目標ということの一つの定めがありまして、それに向かって管理をするという方が正しいのじゃないかと思います。
○志苫裕君 そうしますと、仮に本法が施行された場合、すなわち定年制が導入された場合に、警察とて本法の例外ではないわけですが、勧奨制度というものは残りますか。
○政府委員(金澤昭雄君) 過渡期においては、勧奨制度は残るというふうに考えております。先ほど言いましたように、現在の勧奨年齢が六十以下というのが大部分でございますから、それを六十の定年制に移行させるためには、やはり勧奨ということを配慮しながら徐々に六十定年制に移行していきたいというふうに思います。また、幹部の職員につきましては、やはりこれは残ることになるだろうというふうに考えております。
○志苫裕君 いや、あなたの言う過渡期というのは、定年制が六十年から仮に施行されるとして、そこに移行するためにいま五十となり八でやめてもらっている人が、その年以降全部六十まで残るということになりますと、大事にこう、こぶができたりしますからね。そういう意味で、ある程度過渡的な勧奨年齢の操作といいますか、そういうものが必要だという前段の話はわかりましたが、私の聞いているのは、定年制が施行後、つまり六十年以降ですね、六十年以降勧奨が残るかと。それで、幹部職員だけですか。あなたの先ほど言った職種や人によってということとはどういうかかわりを持ちますかな。
○政府委員(金澤昭雄君) 幹部職員以外の職員につきましては、体制として、ほとんど全部が定年。ただ、一部特別な職種なり仕事というものについてはそういう可能性があるかもしれませんが、しかし、いまここでどういうのがあるかというお答えはちょっとむずかしいかと思います。体制としましては、定年制が施行された後は、幹部職員以外は勧奨は必要ないものだというふうに考えております。
○志苫裕君 少し観点の変わった話をいたしますが、これは消防にも幾らか適用するかもしれません。ずいぶん体を使う仕事もありますわな。あの機動隊なんというのはずいぶん体丈夫なんだが、いつまで体がもつものかわからぬが、とにかく大変な仕事もあるでしょう。そういうある特定の仕事と言っていいんですが、六十までといっても実際に六十には体はぼろぼろになると、仮にそういう事情だってあり得ますな。そうなんじゃないですか。
○政府委員(金澤昭雄君) それは、個人的な肉体的な状況によってはもちろんあると思います。
○志苫裕君 そういうものは勧奨の対象にするということは考えられますか。
○政府委員(金澤昭雄君) 個人的、個別的な事情でございますから、それを勧奨ということで扱うかどうか、ちょっとむずかしい問題だと思います。
○志苫裕君 消防の方にお伺いしますが、消防は、府県は一〇〇%。府県といっても東京だけでしたかな。市は約九割、町村で約九割三分ですね。概してうまくいっているという感じですか。
○政府委員(鹿児島重治君) 消防の組織につきましては、御承知のとおり、大は一万数千の職員を抱えます消防局から小は数十人の消防本部まであるわけでございまして、それぞれの人事管理の実態が必ずしも同一ではございません。したがって、勧奨につきましても、これが非常に適切に運用されておりますところとそうでないところと、団体によってかなりの相違がある、かように考えております。
○志苫裕君 ですから、概してうまくいっていますかと言っている。たとえば、悪いところで、まあこれはならして言っている数字ですがね、ばかに悪いというふうなのもやっぱりあるんですか。
○政府委員(鹿児島重治君) 一般に市町村消防でございますので、市町村の他の職員との均衡もございまして、うまくいっているところと必ずしもそうでないところと両様あるように考えております。
○志苫裕君 私、きょう消防と警察を直接問題にいたしておりますのは、残念なことにこの二つの職種は、現業に比べればもちろんでありますが、他の非現業の公務員より労働諸権利が制約を受けておるという意味で、いままで当委員会でいろいろやってまいりました、公平を期す、自主性を発揮するという意味での、それを担保する意味での職員団体との交渉などの場が全くないという意味で、そういう観点でこの二つの職種を取り上げるわけでありますが、これは公務員部に聞きますが、警察なり消防なりの具体的な取り扱いというのは、条例や規則等ではどのように変わっていきますか。たとえば警察は警察の内規を持つとか、そんなことがあるんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 一般と同じように条例で定めるべきものだと考えております。
○志苫裕君 そうすると、条例あるいは人事委員会規則等々にうたい込まれていくわけですね。その場合に、警察職員、消防職員の意向は、団結権あるなしにかかわらず勤労者としてのそれらの諸君の意向は、どういう形でそんたくをされるんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 事実問題として、警察本部なりあるいは消防庁といいますか、要するに自治省消防庁という意味ではございませんけれども、各地方の消防庁等におきましてそれぞれそんたくされながらいくだろうと、このように考えておるところでございます。
○志苫裕君 いくだろうなんて言ったって……。 これは直接この職種じゃありませんが、人事公平機関である人事委員会などがない市町村における規則の定め方、これが長の一方的な恣意に流れないような担保をすべきであるという議論が当委員会でも行われまして、それなりに自治省が指導上の配慮は答弁をなさっております。この両職種についても、私はそれと同様な配慮が加えられるべきものであると、こう思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(大嶋孝君) 職員団体等位制度上ないわけでございますけれども、事実上はいろいろと配慮が加えられるということだというふうに考えております。
○志苫裕君 そこで、またこちらへ戻りますが、これはなかなか表現が微妙なんで、私さっきから質問しながら苦労しているんだけれども、この両職種は五十五歳で年金がつくことになっています。そのために年金の掛金も、若くしてもらうんだから少し割り増しをして掛けなさいという仕組みになっておるわけであります。まあ五十五でやめる、あるいは五十五、六でやめるという者にすればそれから年金をもらうわけですから、割り増しをして掛けた分は別に損にはなりはしませんけれども、ずっと年齢がおくれてやめて年金をもらうということになりますと、何のために少し割り増しをして掛けたのかという問題が生じます。 この両職種の五十五歳年金というものと六十歳の定年、この関係と六十歳から年金がつく現業、非現業の職種で六十歳定年制というものの関係には、似ているようであって微妙な違いはある。この辺についてどのような問題点なり見解をお持ちですか。
○政府委員(大嶋孝君) これは、志苫先生御存じと思いますけれども、各共済組合において適用されております財源率というのが原則として五年ごとに再計算をすると、こういうことになっておるわけでございます。現在の財源率は五十四年に計算されたものでございます。 そこで、一般の組合員につきましては、退職年金の支給開始年齢が六十歳である、消防司令以下の階級の消防職員につきましては、その人が引き続いて二十年以上消防職員として在職をしておる、かつまた、その人の事情によらないで退職をした場合には、退職年金の支給開始年齢を五十五歳とするという特例制度が適用されるわけでございます。消防司令以下の階級の消防職員に係ります長期給付に要する費用、これは退職年金の支給開始年齢が六十歳であるとする場合よりも増大いたしますので、その財源率の計算に当たりましても一般の職員と区別をして計算をするということにしておるわけでございます。 それで、消防職員に係りますこの地方公務員共済組合の行います長期給付の掛金率の問題でございますけれども、これは消防職員の退職等の実態を踏まえまして、年金支給開始年齢との関連におきまして今後の財源率再計算の際に検討すべき問題であると、このように考えておるところでございます。
○志苫裕君 年金の側の話は、定年制というものが導入された後、若干その辺の整合性を図る意味で年金の側が検討をするというのはただいまの答弁でわかりました。わかりましたが、私はこの問題について、ざっくばらんに言えば、原則定年ないし国の基準というふうなものを厳しく扱うということがしばしば繰り返し述べられておるとおりです。そこでのニュアンスというのは、六十歳を超えて長々いてもらっちゃ困るよと、それをコントロールする意味での厳しい運用というものにウエートがあるというふうに私は率直に言って受けとめていました。いまここで警察のことで若干提起をしたのは、私は逆に反面を言ったわけでありますが、しかし、職種においては六十歳までお勤め願うことも大変だという、恐らくその辺の判断というのが年金の上での扱いの、例外を生んだのではなかろうかという気もしないわけじゃありません。 そのように考えると、何も警察、消防だけじゃないんですが、私は一般論として言うわけですけれども、個別勧奨というものがいずれにしましても定年制採用後も残る。これを悪用する意味じゃないですよ、悪用する意味ではなくて、善用をする意味で、たとえば特定の職種等について個別勧奨制度というものは残るのではないかという判断をいたします。その辺についてはどうなんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 個別勧奨というのは、やっぱりそれは残り得る可能性があるというふうに考えておりますけれども、それが集団的になされるとかいうようなことには、定年制実施後はならないというふうに考えておるところでございます。
○志苫裕君 私の表現も非常に慎重なんだけれども、消防庁や警察庁は何が見解ありますか。
○政府委員(鹿児島重治君) 先ほど来お話しもございましたけれども、職種によりましてはやはり非常に体力を使う職種があることは事実でございます。特に消防の場合には、御承知のように、消火を中心とする警防活動と、それから一般の査察を中心とします予防業務、さらに救急を主体とします救急救助業務、三つの柱に分かれるわけでございますが、世帯の大きな消防局におきましては、その間の人事交流、人事管理上のいわゆるふところの深さというものがございますけれども、小規模の消防につきましては必ずしもそうはいかない部分もございます。したがいまして、とりわけ体力を使います職種専門でやってまいりまして他に配置転換が十分可能ではないという場合につきましては、おっしゃるような人事管理上の取り扱いというものもあり得るものというぐあいに私は考えております。
○政府委員(金澤昭雄君) 警察も、いまのお話と同じような趣旨でございます。
○志苫裕君 個別勧奨というものが残り得るというその範囲の中でいまの両答弁があったことを私は注意をしたいと思うんですけれども、それらの意味なども含めて考えると、やっぱりそれぞれにそれぞれ固有の事情というものは存在するんだなあということはおぼろげながらに浮かぶわけであります。それに画一的な国の基準というようなものは少し無理な言い分じゃないかという気もいたします。 いずれにしましても、従来からしばしば、個別勧奨というのは組織内何とか的ではないが残る、これは皆さんその見解には変わっていないようでありますけれども、私は仮に個別勧奨が残り、いま両庁が述べたような事情もそれに幾らか介在すると仮定をした場合、それもなお運用の一つだと思うが、しかしこの場合は少なくとも当局者の懇意で、気に入るとか気に入らぬとか、あるいは行政整理的な意味合いを持たせるとか、そういう意味で断じて行われるべきでないということは確認できますね。
○政府委員(大嶋孝君) この定年制度のねらいの一つは、公平性ということにあるということでございます。したがいまして、いま御指摘のように、任命権者が勝手にこれはきらいだから早く肩をたたいてやれというようなことは断じてないと、かように考えておるところでございます。
○志苫裕君 わかりました。 消防庁、ちょっとこれに関連しますが、ことしのILO総会で、長年懸案の消防職員の団結権はどのように扱われましたか。
○政府委員(鹿児島重治君) 本年のILO総会におきましては、公務員部と私どもの方からそれぞれ担当者が出席をいたしておりますが、消防職員の団結権の問題につきましては、条約勧告適用委員会のオブザーベーションに対する日本政府のコメントが提出されておりまして、それが一応了承されたという形でございます。
○志苫裕君 それの大事な部分を読んでください。
○政府委員(鹿児島重治君) この条約勧告適用専門家委員会におきましては、日本の消防職員の団結権問題につきましては引き続き情報を送付するように求めておりますが、これに対しまして、政府といたしましては、ことしの六月に追加情報を提出いたしておりまして、「消防職員の団結権の問題については、その結論を得るため、公務員問題連絡会議において関係者の意見を十分に聴し審議の促進を図るものとする。」、かような追加情報を提出いたしております。
○志苫裕君 日本における「消防職員の団結権の問題については、その結論を得るため、公務員問題連絡会議において関係者の意見を十分に聴し、審議の促進を図る」と。この日本政府の追加情報というのは、これまで送り続けてきた、とり続けてきた日本の政府の情報ないし態度とは、私は一歩前進をしたものであるというふうに評価をして、ただ言葉の上のあやではない日本政府の対応があるものと、このように理解をしますが、その点はいかがですか。
○政府委員(鹿児島重治君) 基本的には、従来から政府といたしましては結論を得べく努力をしてまいったところでございまして、今後も引き続き努力を重ねてまいる所存でございます。
○志苫裕君 それじゃ少しそっけないんだな、答弁が。 基本的には、日本政府も結論を得るためやっておったんだと、こう言うんですけれども、ちっともそれやってないわけよね。やってなくて、国の内外でもさまざまな見解がありまして、特に国際舞台においては労働者に一般的に承認をされた原則とは、少し日本は事情が違うんじゃないのと、このように言われて、率先そうなったかや狂なくそうなったかは知りませんが、日本政府は結論を得るため審議を促進する——ここのところ大事なんですよ。結論を得るため審議を促進するというんですよ。結論を得るためにいつまでも相談しているというんじゃないんですよ。これは大事な点なんです。この点は、従来はどう言っていたかというと、今後とも長期的視点に立って慎重に検討を加えていくと言ったわけ。だから、もう何年たっても皆さん慎重にやっておるわけだよ。今度の場合は、結論を得るため審議を促進をするという、これは単に言葉のニュアンスの問題じゃないということを私はこの機会に指摘をして、皆さんの一層の審議の促進を要望をしたい。 このことは、いまずっと長い間議論をしてきた定年制度の問題が、公務員労働者の労働権、基本権等々と不可分のかかわりを持ちますだけに、消防、警察にはないんだからいいわいと言うわけにはこれはいかないという意味で、この問題は重要なかかわりを持つわけ。この点いいですか、消防庁。公務員部もついでに答えてください、関係なしとしないでしょう。
○政府委員(鹿児島重治君) 御承知のように、消防職員の団結権の問題につきましては、ILOの六十号事件以来非常に長い年月といろいろな議論を積み重ねて今日に至っておるわけでございます。いずれにいたしましても、私どもはその結論を得るよう今後とも大いに努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○政府委員(大嶋孝君) 御案内のとおり、公務員問題連絡会議におきまして、いろいろ審議を行ってきたわけでございますけれども、なお、この十月におきましても、日本消防協会等からいろんな意見の聴取を行っております。そういうことを重ねながら審議の促進を図っていきたい、かように考えておるところでございます。
○志苫裕君 消防庁と警察庁結構です。 大臣、そろそろ私の審議時間も迫ってきたわけでありますが、地公法の改正——定年制の導入は、皆さんにとっては昭和三十年以来の課題であったと言っていいでしょう。古いことは抜きにいたしまして、九十四国会以来の審議を通じて、われわれも慎重な審議を続けて、述べるところは述べ、とにかくさまざまな状況、あるいは制度から見て、どうも合理的根拠には乏しいのではないかということを指摘をしてきました。皆さんの答弁はそれなりにありましたけれども、われわれにとっては、必ずしも皆さんの答弁が説得力のあるものとは映らなかった。この違いはどうも埋めようもないと思うんです。 いろいろありますが、その一つは、従来の公務員制度にない新しい定年制という概念を持ち込むということに対して、定年制のない公務員制度と定年制のある公務員制度というのは、ただ単に条文の違いではなくて、制度の理念や全般にわたってそれは違いがあるべきなのであって、そう考えてくると、これはやはりもう少しさまざまな関連から解きほぐさなきゃならぬということを指摘をしたんですけれども、私は解きほぐされたとは思わないということをまずこの機会に指摘をしたいと思うんです。 われわれの主張というのは、公務員制度本来において排除されておる定年制の概念や制度を持ち込むのであれば、当然に職員の労働権、労働基本権あるいは政治的活動の自由等々の制限の上に成り立っておる現行制度なんだから、それを全体的に再検討を加える、見直すということからやられる定年制という制度でなければならぬというようなことを主張をしてきたわけです。しかし、その点はどうも納得の得られるものではなかったということをこの機会に申し上げておきたいと思う。 二つ目は、狭い意味での分限、すなわち分限処分の範疇に定年というものを入れるというのは、これはどうもたてまえとしてもおかしいということを指摘をしました。分限処分というのは、公務員は職務の特殊性から身分の保障はされるが、そのかわり義務違反があったときには処分をされますよ、懲戒もされますよ、損害賠償も請求されますよという仕掛けになっておるので、自然年齢がそうなったからおまえ義務違反だということにはならぬわけでありますから、どうもこれは、仮に定年制というものを持ち込むにしても、少し場所がおかしいんじゃないかということもいろいろ申し上げたりしたところです。そう考えると、立法上も少し瑕疵があるんじゃないかという感じがしないわけでもありません。 第三点目に、定年制と地方自治とのかかわりでいろいろとただしましたが、皆さんは新しい公務員の身分制度、公務員制度というものを持ち込む場合には、全公務員の一体性といいますか、そういうものを確保する上で必要なことは法律で書かねといかぬというお説でした。私は、一概にそのことは否定しませんが、しかしそのことと地方自治とを両立させるということだ保って可能なんでありまして、そういう点でもう少し工夫や範囲の幅があってもいいだろうというふうな、いろんな指摘もいたしましたけれども、どうも三十一年法、四十三年法のころはそれはそれなりの配慮があったような気がいたしますけれども、がらりと今度は昔の論理はかなぐり捨てて、国家公務員にあるのだからというのを先に持ってくるというのは、どうも役所の継続性からいっても余り説得力のあるものでない。こういう感じがいたしまして、この法律の拘束と自治体の選択、裁量というものとの両立併存の可能性を自治省みずからが捨てるべきでないということを指摘もしてきたわけです。 しかし、改めて申し上げますけれども、われわれは公務員がみだりに官職を失わない特権があるとか、そんなことを言っているんじゃないんです。自然年齢による人倫社会の交代のルールを無視しろなんというようなことも言っているわけじゃない。職員が職務の公正かつ民主的な運営を確保するために、一方で勤労者としての権利が制約されておる。一方において、その代償として身分が保障されるというその制度に置かれる限り、それはバランスのとれたものでなきゃいかぬということを言っておるわけ。 まあそれらのことについていろいろ長い時間をかけてやってきたところでありますけれども、われわれにとっては納得のいく答弁が得られたとは思わないし、法の理念においても、また、立法上の問題においても、非常に瑕疵の多いものだと、このように考える次第ですが、いつまでも同じ論議をしておられませんから、この法律がまた多数によって可決をされることなども考慮に入れざるを得ない段階であろうかと思うんですが、それらの、いま述べたいろんな認識、主張の上に立ちまして、若干自治大臣の確認を求めてまいりたい、こう思います。 一つは、本法の改正によりまして、昭和六十年の三月三十一日から地方公務員にも定年制が実施されるわけですが、定年制は政府のたびたびの答弁にありますように、現在の勧奨退職にかわるものとしての新しい退職管理の手法として導入されて、しかも分限の一項目として本人の意思に反して強制的に退職させる制度だと、こういうのでありますが、この趣旨から言えば、当然に組織的、集団的な、強制的な退職勧奨はあり得ない。いろいろいままで答弁を伺っておりますが、まずはそう確認してよろしいですね。 それから、この間ちょっと私も質問しましたが、地方公共団体において、本法実施に至るまでの間に、この定年制導入の準備を理由にしまして、本法の趣旨に反する強制退職勧奨等が行われることも危惧されるわけでありますので、自治省としてはこの点に関してどのような考え方で指導をされるのか、ひとつこの機会に明確にしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これまでもたびたび御答弁を申し上げましたように、政府といたしましては、定年制度の導入の趣旨にかんがみまして、人事管理の必要上、幹部職員についての個別的な退職勧奨をする場合を除きましては、組織的、集団的退職勧奨というものはなくなっていくものと考えております。 なお、後段の、地方公共団体における本法施行のための準備に当たりましては、本法の趣旨を体しまして行うように、指導上十分に配慮をしてまいる考えでございます。
○志苫裕君 続きまして、地公労法関係法の適用、準用職員については、公共企業体労働関係法適用職員と同じように、憲法二十八条の労働基本権の保障を基本にして、現行法のもとで退職に係る事項を含めて、賃金、労働条件に関しては団体交渉し、労働協約を締結する権利が保障されておることは御存じのとおりです。 本案の基礎となった昭和五十四年の八月の人事院総裁の書簡でも、ただいま私が申し上げた趣旨をくんでこれらの職員については別の法律をもって定年制の導入を図ることが望ましいとしておりました。ところが、この地公労法関係の母法という関係にあり、同様の扱いになっておる公労法の適用職員については、給特法で国家公務員を読みかえるという規定にはなっておりますけれども、職員の生存に直結する基本的権利である団体交渉、労働協約締結権を制限してしまう危険が大きいのではないのか。加えて、地公労法の適用、準用の場合は給特法に対応する特例法もないわけでありますし、これらの諸君の権利が剥奪されるという危惧も一層大きいものがあります。 そこでお伺いしますが、本法の施行が憲法に保障される基本的権利である団体交渉権、協約締結権を否認するものでなく、従来と同様に、定年に係る事項が団体交渉の対象であることを明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 政府といたしましては、公共企業体等労働関係法、地方公営企業労働関係法によりまして保障されておりまする団体交渉権、労働協約締結権は、最大限に尊重しなければならないと考えております。 五現業職員につきましては、政府は人事院総裁の書簡の趣旨を尊重いたしまして、いわゆる非現業職員と扱いを一部異にし、給与特例法にその特例を定めることとしているわけでございます。給与特例法によりまして主務大臣等が定めるということにいたしておりまするのは、公労法第八条第四号に基づき、当然に団体交渉事項であるとの理由によるものでございます。したがいまして、地公労法の適用、準用職員につきましても、五現業職員について団体交渉の対象となる事項につきましては、地公労法第七条第四号に基づき当然団体交渉の対象となるものでございます。
○委員長(上條勝久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。
○志苫裕君 次に、自治体の方を指導していく自治省の考え方を示すものとしまして、いわゆる「条例準則参考メモ」というものが示されましたが、それによりますと、原則定年を六十歳にして、その特例年齢について、ただし書きで(ア)から(エ)までそれぞれ規定されておりまして、(エ)を除く部分についてその範囲などを「人事院規則の制定をまって検討する。」、このようにお答えになっておるわけであります。御存じのとおり、地方公共団体の場合には国にない職種もたくさんありますし、また、地公労法適用、準用職員については、国の行政職(二)表適用職員と違いまして適用法関係も異なっておるわけであります。ですから、これらの職員については地方公共団体の実情に応じて、(ア)は除きますが、(イ)から(エ)までの項の範囲で交渉によって決めていくということになりますね。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地公労法適用、準用職員の定年につきましても、国の職員につき定められた定年を基準として地方公共団体で定めていくことが適当と思いますが、なお、国にない職種につきましては、原則定年により定められることが実情に即さないときは、それぞれの地方公共団体の実情に応じてメモの(エ)で定めることができるものでございます。
○志苫裕君 本法では、雇用延長等につきましてその範囲、基準が定かであるとは思いません。このままですと恣意的、情実的人事の横行によって公正な人事管理が破壊をされるおそれを危惧せざるを得ません。そこで、これらの弊害を除去し、円満にして円滑な人事管理を確保するために、現業職員はもとよりでありますが、いわゆる非現業職員についても当該職員団体の意見を十分反映するように運営する必要があると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 公正にして円満、円滑な人事運営は人事行政の基本であります。そのために関係職員団体の意向を十分に尊重してまいりますことは必要であると考えております。地方公共団体におきましても、この趣旨を十分に理解してもらうように強く希望いたしております。
○志苫裕君 次に、勤務延長、再任用についてでありますが、国の場合は、その細部については人事院規則で定めて運用されるということになっております。 一方、この条例準則のメモによりますと、地方公共団体における勤務延長、再任用の細部の運用については、人事委員会規則にゆだねられる考え方が示されておる。この人事委員会規則に係る事項も当然交渉対象になるものと考えますが、このような専門的人事機関も持たない多くの地方公共団体におきましては、人事委員会規則に係る事項は条例及び地方の規則によって運用せざるを得ない。こういうことになるわけでありますが、そこで、このような団体にあっては、当然、条例、規則の運用事項は交渉の対象になると考えてよろしいですね。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 条例準則メモで人事委員会規則にゆだねることといたしておりまするのは、運用の細部についてまで条例で定めることに無理があり、適切でないためでございます。人事委員会規則に係る事項は、関係職員団体の意見を反映できる道が開かれております。また、御指摘の、人事委員会を設置していない地方団体におきましても、条例、規則に規定する事項につきましてもおおむね関係職員団体との交渉の対象になるものと考えております。
○志苫裕君 本法案の実施に当たって、円滑な運営を図っていくために条例の準則の作成及び行政指導を行うわけでありますが、その内容について自治労など地方公務員の組合の意見を十分に反映すべきだと思いますが、そのように取り計らいますね。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これまでも関係団体の意見を聴取してまいりましたし、これからも同様に対処してまいる考えでございます。
○委員長(上條勝久君) この際、暫時休憩いたします。 午後二時三分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕