地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 214 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/10/15
会議録
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十四日、後藤正夫君、鍋島直紹君及び玉置和郎君が委員を辞任され、その補欠として梶原清君、内藤健君及び関口恵造君が選任されました。 また、本日、佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 地方公務員法の一部を改正する法律案及び地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います、
○志苫裕君 きょうは主として行政改革の問題について自治省の見解をただしたいと思うんですが、行革につきましてはいずれ本院におきましても本格的な審議が行われるわけでありますが、それに先立って自治省なりの見解をこの機会に伺っておきたいというのが質問の趣旨であります、 まず、臨調に対して、臨調は答申の作成等に当たりまして各方面の意見なども求めておるわけでありますが、自治省としてはどういう対応をなさってきたのか。まずは第一次答申、すなわち当面の五十七年度予算編成に向けた改革案を政府は求めたわけですが、それの答申に当たってどのような問題の提起を行ったか、あるいは説明ないし主張を行ったのか、その点について少しく詳しく御報告を願いたい。
○政府委員(砂子田隆君) 第一次答申が七月の十日になされましたが、それまでに至ります経過におきまして、自治省が臨時行政調査会に対しまして対応したといいますか、あるいは説明を申し上げたことについてお話を申し上げておきたいと思います。 御案内のとおり、第二次の臨時行政調査会は、委員会のほかに二つの部会を持っておりまして、それに対します説明ということがありました。 まず初めに、私の方の森岡次官が四月の十七日に臨時行政調査会におきまして地方公共団体と行政改革ということにつきまして委員全体に対しまして自治省の考え方を申し上げました、この中身は、国と地方の間における機能分担の適正化、あるいは地方財政の現状と問題点、そういうものを次官から委員の方々に御説明を申し上げたわけであります。 続きまして五月の八日に、臨時行政調査会の第二部会というのが自治省の主なことをやっておりましたので、それに対する御説明を部会の方々にいたしております。一つは、これは私から申し上げたのですが、向こうからの御要請もございまして、地方公務員の定数、給与、そういう問題について、公共団体における適正な給与管理の進め方、あるいは効率的な行政運営を図るための問題、そういうことを私の方から申し上げでございます。あるいは、地方公務員が現実に非常に増加をしておるということがございまして、その増加要因になっている原因、そういうものにつきまして私の方から詳細に説明を行ったわけであります。 続きまして五月の十二日に消防庁の次長から、消防に関します問題につきまして臨調の部会からの説明が要請されましたので、消防職員並びに消防力の基準の仕組み、そういうことについて次長の方から御説明をいたしました、 さらに五月の二十一日に、臨時行政調査会の第一部会というのが財政の問題をやっておる関係もございまして、地方財政関係につきまして、主に地方財政の現状と問題点、あるいは補助制度と地方財政、あるいは地方税と地方交付税という問題につきまして財政局長の方から御説明をいたしてございます。 以上でございます。
○志苫裕君 いまお伺いをいたしますと、臨調の第一次答申作成の経過において、自治省関係だけでも四回にわたってそれぞれ事情聴取が行われておる。これはいずれ本格的な議論をしたいと思いますが、臨調というのはいまの経過でもわかりますように、高邁な理念などの前に、実行可能な具体的な問題の提起をという問題意識があったとみえて、各省庁からずいぶんいろんな意見を聞いた。ですから、少し八百長みたいと言っちゃおかしいんですが、これだけは入れてくれとか、これだけは入れてくれるなとか、書くのならこういう表現にしてくれとか、さまざまなやりとりがあったようでありますが、いまの事情の説明を聞いただけでもいろいろと説明をしておるようですが、いずれそれらの問題がどう答申にあらわれておるかということについては順を追ってただします。 それで、それは一たんこっちへおきまして、今後の検討課題に向けてはどういう意見具申なり、説明なり、そういうものが行われていますか。
○政府委員(砂子田隆君) 答申がなされた後で、さらに臨時行政調査会におきましては四つの部会をつくりまして、現在各省からいろいろ在ことをお聞きになっているようであります。私たちの方も、第三部会というのが国と地方との関係ということをやっておりますので、そこに参りまして、過般、九月の二十四日あるいは十月の一日という形におきまして、国と地方との関係に関する問題について私の方から御説明は申し上げておきました。 ただ、今後の臨時行政調査会に私たちが期待をいたしておりますのは、すでに前にもお話を申し上げたことがございますが、第十七次の地方制度調査会におきまして、これからの国と地方の関係というものをどういうふうにやるかというのが答申が出でございます。簡単に申し上げますと、これからは、地方分権の方向への進み方、あるいは行政の簡素効率化、この二つを柱にしながら国と地方とが併立、協同部な形での制度を進めるべきだというのが第十七次地方制度調査会の答申の内容でありました。 したがいまして、私たちもそういう線に沿いまして、今後期待をいたしておりますのは、一つは国と地方との間の関係におきましては、あとう限り地方分権を進めるという方向に向きながら、国が地方公共団体に対する行政的な関与というのを少なくしていくということが一つでございましょうし、行政機関におきますいろいろな設置義務が要請されておりますものを、公共団体のなるべく自主性を高めるような方向でこれを是正させていくというのも問題でございましょうし、それから国の地方出先機関の整理縮小というのも問題でございましょうし、あるいは地方事務官制度の廃止ということも議題になるだろうと思っておりますので、そういう問題。さらには、財政的には国庫補助金の整理合理化、そういう問題がこれから煮詰められていくと思いますので、そういう方向についての自治省の物の考え方。これにつきましては、先ほど申し上げました十七次地方制度調査会が示しておりますような方向での説明をいたしておきましたし、私たちもそういう方向に臨調が今後答申をされていくということを非常に期待をいたしているわけであります。
○志苫裕君 行政局長、後段の報告で、自治省として今後の検討課題について臨調に期待をする基本的な考え方のような報告がありました。早口だったので全部はメモをできませんが、大筋として、十七次調査会の答申というものを基礎に置いて臨調に主張をし、期待もしておるということのように受け取りましたが、大臣、一次答申のみならず、臨調に対して自治省がさまざまな事情の説明をする、あるいは主張をする場はしばしばあるし、これからもあると思うんですが、改めてお伺いしますが、自治省としてはどういう基本的な考え方で臨調に対して主張をなさっておるのか。まずこれを基本的に伺いたい。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 基本的にはいこの機会に臨調におきましても地方分権の確立をひとつぜひ筋として通してもらわにゃいかぬという問題、それから地方と国との関係がいろいろ錯雑をいたしておりまするが、地方自治体の健全な発展という立場から、この間の整理をきちんとしてもらいたい、そういう二点につきまして今後臨調としてぜひ十分なる認識を持って、これが対応策についての答申を出してもらいたい、こういうふうに考えております。
○志苫裕君 わかりました。この点は後ほどただします。 次に、五十六年七月十日に第一次答申が出ました。これを受けて、政府はいわゆる行革大綱、正式には何といいましたかな、「行財政改革に関する当面の基本方針」、五十六年八月二十五日に閣議決定がなされました、それに基づいてさまざまな施策、立法措置等が、あるいは予算編成等が行われて今日に及ぶわけでありますが、この地方自治体にかかわる問題、わかりやすく言えば自治省所管にかかわる問題と言っていいんですが、について、この答申と行革大綱の間にはさまざまな問題の取捨選択が行われています。距離があると言っていいわけですね。そればもちろんそうでしょう。答申は答申であり、政府の施策決定は施策決定ですから当然でしょうが、一体何が取捨選択をされたのか。何が捨てられて何が取り入れられたのか。何がペンディングとして残されたのか。そのそれぞれについて、取捨それぞれの理由、あるいは事情、あるいは政府全体を通じて取捨選択の物差しとでもいうようなものがあったのかどうなのか。この点はどうですか。
○政府委員(砂子田隆君) お話にございましたように、今回の行政改革に当たりましては、答申を受けまして、政府におきましては八月の二十五日に「行財政改革に関する当面の基本方針」というのを出したわけであります。これに従いまして法案をつくるとか、そういういろいろなことの作業に入っているわけでありますが、現に国会にそういう法案を提出いたしているわけでありますけれども、その中で取捨選択いたしましたのは、まさに当面の基本方針ということでございますので、年末まで問題が預けられたもの、あるいは少し長期に見なければならぬものというのは、今回の基本方針からは外れているわけであります。 たとえば、国民健康保険給付の一部負担でありますとか、児童扶養手当、特別児童扶養手当、そういうものの一部地方負担という問題につきましては、これは年末までの検討ということで今回の基本方針には盛り込まれてございません。 さらに、補助負担率の地域特例の問題につきましては、現下に必要でございますのでこれは盛り込まれました。「地方行政の減量化」というところで、「地方財政運営の指針となる地方財政計画において、一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制する。」という条項がございますが、これにつきましては、税収の動向なり国の予算の内容が明らかになった段階で具体的な検討をするということで、これは盛り込まれてございません。 さらに、義務教育の問題については、今回の法案となって出ております。 補助金の統合メニュー化という問題につきましても、これも一時削減なり個別的な指定がありましたものについてはそれなりの対応をいたしているわけであります。「行政の合理化、効率化の推進」の中で、地方公務員の定員、給与ということがございますが、これらはほとんど答申の中身のとおりおおむね盛り込まれてございます。 大体地方行財政に関する問題につきましては以上のとおりでございます。
○志苫裕君 そういうことのようですが、では一例を挙げてちょっと聞きましょう。私は、どこかに物差しがあるのか——いま確かに答申は全体として三つの態様になっています。これこれこれこれの措置を講じろ、それから一定の猶予期間をやるから検討して答えを出せ、それからよく検討していけと。答申はそれを締めくくるように、検討課題であっても政府はこれ以後積極的に対応せい、こうなっています。検討課題の中には、臨調自身がおれも検討するからというくだりもありますが、いずれにしましてもよく読んでみますとそういう区分けがあります。そういうものの中からあるものは行革大綱に載り、あるものは載らないというのにはそれなりの事情や物差しがあるんだろうと思っているんですが、一例を挙げてちょっと聞きます。 たとえばいま問題になっております国民健康保険の地方負担のことはいろいろ言い分もあって年末までに、来年の予算編成までに詰められるそうです。ですから行革大綱に入っていませんね。同じような問題で言えば児童扶養手当、特別児童扶養手当についての項に、この部分に、「支給に要する費用の一部を都道府県が負担することも制度上考えられるが、この問題については、なお財政問題もあるので、この点を含め政府部内において本年末までに検討を加え結論を得る。」、この表現の仕方は健康保険と似ていますね。しかし、児童扶養手当の方は法律の上で検討をすることを書きましたね。法律上書きましたね。これはどこに違いが出てくるんですか。
○政府委員(土屋佳照君) いまお話のあったとおりでございまして、国民健康保険と児童扶養手当、特別児童扶養手当につきましては、臨調としては結論を出しておりませんで、挙げて政府部内での検討になっておりますので、いずれも触れていないわけでございまして、いま私あるいは理解が不足しておるかもしれませんが、今回法律で触れておりますのは、いわゆる児童手当について所得制限等を設けたわけでございまして、児童扶養手当とはこれは別の問題だと心得ております。
○志苫裕君 それ、答弁正確ですか。ちょうど宅地並み課税の法律みたいに、十八条みたいに、あれは検討するという法律条文でしたね。それと同じような意味合いで児童扶養手当に関することは法律の文言の中に検討すると書いてありませんか。
○政府委員(砂子田隆君) 児童扶養手当につきましては答申自身もこういうふうに書いているわけでありますから、「児童扶養手当、特別児童扶養手当については、他の類似手当との均衡を考慮し、かつ、認定の適正化を図る上から、支給に要する費用の一部を都道府県が負担することも制度上考えられるが、この問題については、なお財源問題もあるので、この点を含め政府部内において本年末までに検討を加え結論を得る。」、こうなっているわけであります。ですから、児童扶養手当と特別児童扶養手当につきましては現在何もタッチをしていないと、いうことになっております。
○志苫裕君 いや、そうじゃないでしょう。財政局長、ちょっとありませんか。
○政府委員(土屋佳照君) どうも私、どこを言っておられるのか、多分この十二条の「児童手当制度に関する検討」のところでございましょうか。と申しますと、児童手当については今回も若干所得制限等についての中身が盛り込まれておりますのと、児童手当そのものについて今後検討するということにはなっておるわけでございますが、児童扶養手当というのは、これは御承知のように母子福祉年金に対応するものでございます。生別の母子家庭にやっておる手当でございますから、これとはちょっと中身が違っておりますので、これは私どもとしては今後の問題だというふうに理解をしておるわけでございます。
○志苫裕君 ちょっと法律を持っていないんですが、じゃ、その児童手当でもいいわ、児童手当についてはこれは厚生省のことだからちょっと私引例が悪かったかもしらぬが、ここでは「公費負担に係る支給を低所得世帯に限定する等制度の抜本的見直しを行う。」、こうなっていましたね。これに基づいて制限額が出ました。被用者も非被用者も大体ならして八〇%になるようにと、一方を下げて一方を上げて。これはこれに基づいてとりあえず政府がやったものとして行革大綱に入っている。その後ろに「抜本的見直しを行う」というくだりがありますね。この「抜本的見直しを行う」という、そういうニュアンスの条文が載ったでしょう。入っていますね。
○政府委員(土屋佳照君) 入ってございます。
○志苫裕君 それの勘違いかもし札ない……。
○政府委員(土屋佳照君) 少し詳しく申し上げますと、御承知のように児童手当についてはいろいろな問題がございまして、現行のままの児童手当についても、所得制限を引き上げるとかあるいは別な手当をサラリーマン家庭に出すとかいうことで、法案に盛られておるものと基本的に、これは厚生省あたりの議論を聞いておると、これは私個人の感覚でございますけれども、児童手当はいま第三子からですけれどもそれを第二子からやるべきだという意見もあれば、もっと基本的にどう扱うかといったいろんな問題ございますので、その意味で今回の法案の第十二条に「児童手当制度に関する検討」ということでいろいろな検討事項ということが出されております。それは御指摘のとおりでございます。 私どもがここで受けとめております児童扶養手当というのは、これは児童手当とは違いまして、いま申し上げましたような、父親が死んだ母子家庭には母子福祉年金というものがございますが、それとの均衡上、生き別れと申しますか、父親と別れた母子家庭についても手当を出そうということでやっております児童扶養手当でございます。この点は特別児童扶養手当とあわせて今後の検討課題でございますので、臨調においても結論も出しておりませんし、私どもとしてはこれはそれなりの考えを持って反対をいたしておりますけれども、今後の研究課題ということでやや立場が違うと思っております。
○志苫裕君 私はいま中身に入っておるのじゃないので、ちょっと取り扱いを聞いているわけで、私の引例が悪かったかもしれないですが、たとえば「見直しを行う」というようなものは、これから見直しを行って、あるいは検討をして、結論が出たらあるものは法案として、あるものはその他の施策として出てくるという流れになっています。ですから、検討課題、見直し課題等について答えの載っていない、出ないものは行革大綱に載らなかったというふうに実は私も素直に解釈をしたわけです。 ところが、行革大綱を読んでみますと必ずしもそうでもないようだ。その一例として、答申に「見直しを行う」と書いたら、事もあろうに法律そのものにも見直しを行うと書いたという、そういう項目も実はありますね。見直しの答えが出ないものだからまだペンディングとして閣議にも上らないというふうなものもあるものですからそれを引例したわけでありまして、地方行財政、いわば自治省所管にかかわる事項についても、載ったものあり載らないものありというばらつきがありますので、自治省がいろいろ検討をして閣議決定に持ち込む、行革大綱に盛り込むに当たって何か基準があったのかということを聞いているわけです。
○政府委員(砂子田隆君) 基準と申しますよりも、実はこの臨調の答申を見まして、年末までにやるとか、あるいは今後の検討に任されているというもの以外直ちにできるもの、措置をしなきゃいかぬものにつきましてはおおむね措置をしたということになっておりまして、どうしてもすぐできないというものだけがこの当面から外れているということになっているわけであります。
○志苫裕君 これは後ほど具体例でまた聞きます。 いままで臨調に対する対応、それから答申を受けての政府の対応を手続的にただしてきたんですが、これから第一次答申の中身に触れながらこれに対する自治省にかかわる事項について評価といいますかな、自治省の見解をひとつ個々に伺っていきたいと思うんです。 先ほど大臣からも臨調に対する基本的な考え方、あるいは行革そのものに対する基本的な考え方の表明がありました。この機会に地方分権の確立を、これは自治省のみならず自治体の年来の主張でもあり、またさまざまな審議会、調査会等においてもしばしば指摘をされることであり、にもかかわらず中央集権機構だけが肥大をしてきておるということから十七次答申などもそれなりに出されている。あるいはふくそうしておる問題を整理をして適切な国と地方との役割り分担、機能分担という主張がありました。しかし、そういう考え方がこの一次答申を見る限りにおいて貫かれておるだろうかという、そういう問題意識でただしていきたいと思うんです。 私があえて言うまでもないのでありますけれども、ここしばらくいわゆる地方の時代論という、そういう理念の登場した背景には、わが国の当面をするさまざまな難題、課題を解決をしていくには、この地方の存在といいますか、地方の問題の解決、地方というものの存在が歴史的なキーワードになっておるという理解でそのような論調や理念が登場をしたものと私は理解しています、ですから、大臣も表明がありましたように、私も行革が論じられるとすれば、いやむしろ積極的に論じて、このいまの理念、地方分権、地方の存在というもののウエートが大きなものとして占められていくということになるべきものというふうに思っていたのでありますが、第一次答申全体の脈絡から見ますと、そんなに大きいウエートを占めていないのではないか。突き詰めて言うと、国、地方の一体化という志向はずいぶん強いけれども、分権という発想には手ぬかりや弱さがあるのではないかという印象を私は率直に言って受けました。地方に関するくだりが、地方の文言だけでも、「当調査会の任務」から始まりまして数ヵ所に載ってはおりますけれども、ここで地方という言葉を使う場合には、地方は出過ぎて困るとか、地方はよけいなことをしているとか、そういうときにこの地方というのが出てくるのであって、大臣の所信にお話があり、私がいま主張をしたような観点で地方という文字が答申の中にどっかり座るという印象は非常に薄いんです。この点大臣どうお考えですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これは志苫委員も御承知のことでありますけれども、行革の基本的理念について私どもが主張しておりまするのは、そういう先ほど申し上げたような問題でありますが、しかしながら、これは第二次答申以降において本格的な答申が行われるはずのものでありまして、当面第一次につきましては、御承知のとおりに、五十七年度予算編成に関しまして行政改革とうらはらの関係もあり、また密接な関係にもある財政の問題につきまして、五十七年度の予算をいかに編成すべきかということについて当面取り組むべき問題、そういう点に主点を置いて第一次答申が行われましたので、基本的な理念に関するところの答申というものがこの面においては薄れておるわけでございます。 そこで、五十七年度の予算編成に関しまして、第一次答申を受けて五十七年度の予算を増税なく編成をしなくちゃならぬ。その一つの力といたしまして答申を受けてやっておるところでございまして、本格的な問題の所在並びにその問題の発展、解決につきましては次の答申において行われるものだと、かように考えております。
○志苫裕君 第一次答申の性格は、私はそのように受け取るんです。ここにも、「しかし、調査会の発足に当たり、政府は、財政再建を始めとする行財政の難局の打開と建直しが現下の急務であるとして、当面、昭和五十七年度予算の編成に向けた具体的な改革案の提出を急ぐよう求めてきた。」、だからこれを出すんだということになっていますから、答申がそれに焦点が合っていることは承知なんですが、しかし巨頭に出てくる理念にしましても、あるいは一番後ろにあります今後の改革課題にしましても、あるいは当面の問題をさわるにしても、その底に流れる一連の脈絡というふうなものは当面の答申ではあっても読み取れるわけでありまして、その読み取れる限りにおいて、私が先ほど述べたような問題意識はどうも薄いということを私は感ずるものですから、これはどうも本物の行革にならぬなあという気がするわけです。 それは、ところどころの文言は、まあ臨調の中にもそんな問題意識があるんでしょうからね、まくら言葉の方には、「地方の自主性を尊重し、」とかなんとかかんとかというようなのがまくら言葉について、その次に出てくるのは、ちっとも尊重していないことがいっぱい書いてあるような中身になっていますよ。最初から「尊重し」なんというよけいなものをつけない方がすんなり読めるようなものがずいぶんあるんでね。しかし、何となく気にはしているような印象は受けますが……。 そこで、私は改めて問題を蒸し返しますけれども、こういう私が主張するそういう基本的な地方の問題、国と地方の関係あるいはこれからの日本のさまざまな問題を解決するには、もうどの問題がどこから入ってきても地方という存在を抜きにしてはきまりがつかないという、それはエネルギーの問題にしても何の問題にしても、民主主義の問題にしても全部そうだ。そういう意味で地方の問題を主張をするわけですけれども、しかしそのことは、何も国がやたらと地方を拘束せいということを言っているわけじゃないのでありまして、そういう意味では、原則的に今度の臨調というのがそういう大事な問題からそれてしまって、地方の機構が少し肥大しているじゃないかとか、頭数がちょっと多いんじゃないかとか、地方財政も余裕が出たようだから交付税をよこせなんというようなつまらぬことを言う方向にだけ向いちゃ困るという意味で、地方の固有の問題やそういう問題には実は権限がないんですよということについて議論がありました。しかしここでは、臨調はそれについて自分の存在をどう理解をしたかというと、「今後の我が国にふさわしい行政の在り方を検討し、国、地方を通ずる行政制度及び行政運営の改革の方途を提言することをその基本的な任務として設置された。」、こういうふうに臨調自身は理解をしているようです。 ここで言う一国、地方を通ずる行政制度及び行政運営の改革の方途を提言することをその基本的な任務として設置された。」というのは、改めて聞きますが、地方固有の問題も含まれるというふうに臨調さんは考えているんでしょうかね。これ臨調に聞かなきゃ、土光さんを呼ばなきゃならぬが、あなたに聞いて悪いけれども、皆さんが接触する過程ではその辺はどうでした。
○政府委員(砂子田隆君) いまお読みになりましたように、臨調の任務というところに御指摘のような文言が記されているわけでございます。前にも大臣から御答弁になったことがあると思いますが、今回の調査会と地方制度調査会とのかかわり合いというのがもともと大変問題になっておりまして、どういうふうにその任務と役割りを果たすかということが大変問題でございました。 そこで、国の問題をやるといいましても、いま志苫委員おっしゃられましたように、地方の問題を抜きにも議論はできない。そういうことからすれば国と地方とのかかわり合いをどういう形で整理をしながら調査をしていくかということでございまして、そのときに、少なくとも地方自治の問題ということを議論する場合には地方自治の本旨というものをまず尊重しなきゃいかぬのだと、そういう前提に立って、しかも国の行政に関連がある、むしろ地方の行政と国の行政とが関連をするという問題について調査会の任務として地方の問題を取り上げようというふうな考え方が大所からあったわけであります。 ただ、地方自治の本旨を尊重しとか、あるいは国の行政に関連をするとかいう議論がありましても、じゃ、どこでだれがそれを見るのかという議論になりますと大変むずかしくなってまいりますので、たまたまこの委員の中に地方制度調査会の林さんが入っておられましたので、林さんが入っておると、林さんは少なくとも地方制度あるいは地方というものの観点からよくいろいろな点をごらんいただいて、林さん自身が大変地方行政には御造詣の深い人でございますから、そういう人に一任をして、いま申し上げたようなことを守りつつ、地方制度調査会とのかかわり合いを見詰めながら臨時行政調査会が国の制度なり行政運営の改善に努めるという形にしようではないかという合意ができたわけであります。そういう意味ではどうも林会長に全部一任をしたという言い方をするのは大変私も酷かとは思いますが、そういう方にひとつ中に入っていただいて、そういう観点から国と地方というものを見詰めていこうじゃないかということにいたしたわけでもありますから、この臨時行政調査会の中におきまして、林さんがどうしてもそれは国との関連においてしなきゃ困るような問題であるというときには取り上げたでありましょうし、それはもう地方固有の問題であって触れるべきでないというものはむしろ落とされたのだとわれわれは理解をいたしております。 そういう意味でこの「国、地方を通ずる行政制度」というのは一般的な言葉として使っているわけでありまして、私たちも行政の事務配分をするときにも国、地方を通ずる行政の事務配分あるいは適正化ということを言っておるわけでもありますから、そういう意味だというふうに御理解願えれば大変ありがたいと思います。
○志苫裕君 確かに、たとえば「行政の合理化、効率化の推進」というところの「地方公共団体の合理化、効率化方策」というくだりを読んでみますと、「基本的には、各地方公共団体における自律機能の発揮によって改善されることが期待される。」と、これは余りよけいなところにくちばしも入れずに、ずいぶん注意した表現だろうというふうに読めますが、その後ろに出てくるのはよけいなこといっぱい言っていますけれどもね。 まあそういうふうにところどころ表現はしているんですが、私はやっぱりこの全体のあれを見ますと、どうも臨調さんも、ほかのところもどうか知りませんが、憲法六十五条に言うところの「行政権は、内閣に属する。」、その行政改革について政府機関として設置されたわけですね。しかし、地方行政に関して言えば憲法上別の条文があるわけでありまして、そのことから見たって、この場合の「行政権は、内閣に属する。」というその行政というのはもっぱら国の行政を意味するのでありまして、憲法の規定に基づいて地方の行政は別の体系になっておることから見ても、私は臨調はその辺に若干の混同があるのではないか。それが結局さまざまな、たとえば財政なら財政という緊急課題のために見境もなくよけいなところまでくちばしを入れるという内容になったのではないかという気がします。 この点については、今後もちろんわれわれも真の意味での行革というものを進める意味において厳然とした区別をしながらやっていきたいと思っておるわけでありまして、その点、大臣の見解はどうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 国と地方とのかかわり合いというものは相当あるわけでございまして、その点截然とした区別をつけにくい。そこで、人的構成におきましてその辺を処理しようということで臨時行政調査会におきましては活動してもらっておるわけでございます。もちろん、いろいろ委員の中には地方の実態について造詣の深い方もあるし、そうでない方もあるだろうと思いますが、しかしいまのような機能によりまして十分この点は目的を達成し得るものだろうと思います。 御指摘の点については、私どもも今後十分注意をいたしまして、地方の固有の事務等に大きく関与するというようなことのないように努めていかなくちゃならぬと思っております。
○志苫裕君 少しいま総論的な評価なり考えを伺いました。ちょっと内容で少し見解を伺っておきたい。 補助金の項で、「既に地方公共団体の事務として同化、定着又は定型化しているもの」、これはひとつ整理合理化をやれという形になっています。補助金の項について言いますと部会の報告はもうちょっとすっきりした報告だがなあと思っていたら、答申の方では少しその辺が、補助金についての問題意識が薄いような気がしますが、いずれにしましてもこの「地方公共団体の事務として同化、定着又は定型化しているもの」、まあ極端に言えばやめろということでしょう。これについて自治省はもう具体的な案を提示しているんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 第一部会でいろいろ検討をなさいます際は、私どもとしては、補助金のあり方というものは国と地方とのかかわり合いの中で大事なことでございますので、かなり詳しく話を申し上げました。ただ同化、定着しておるものということについても、口頭ではいろいろ申し上げましたけれども、関係省庁にいろいろわたるものを例示的に申し上げるのもどうかと思いまして、全部それを整理して文書にして出したということはいたしておりませんけれども、この同化、定着、定型化しておるというものは、当然地方の一般財源化すべきであるということについてはかなり強調いたしたところでございます。
○志苫裕君 自治省がどういう案を持っているかわからぬで、抽象的に言えばこんなところで、それぞれ地方六団体でも、またわれわれもそういう主張をするわけであります。補助金についてはさまざまな意見がありますが、私もこの点は非常に、それこそ臨調並みの表現を使えば、何かの突破口をつくるという意味では非常に重要なウエートを占める問題点だと思います。まあ一事が万波を呼ぶような波及性を持っておりますからね。 これはしかし、話が先に戻りますが、自治体の方はさっぱり行政改革を進めていないとかヘチマとかと言われる、もちろんそういうところもありますが、しかし、自治体はもっぱら住民の監視のもとに自治の原則によって、ぼやぼやしている首長はその次は落っこっちゃうわけですから、そのくらいの厳しい自治の原則でさまざまな努力をしていると思うんですが、それの制約になっているのはむしろ国とのしがらみでありましてね。つまらぬなわ張り根性みたいなものでつまらぬものが残ったりしておるわけであります。 という意味では、ある程度思いきった主張をしていかないと、こんな抽象的なことなら私でもすぐ書けるしね。これはもう自治省としては、少なくともこれとこれとこれはもう自治体固有の事務になっちゃっているじゃないか、法律にどう書いてあるかわからぬけれども、住民から見れば、あああれは県の仕事だ、ああこれは市役所の仕事だというふうに思い込んで、銭の仕分けがどうなっているかわからないけれども、そう思い込んでいる仕事はたくさんありますよね。しかも二十年、三十年たてば、だれが監督しておるとか、だれが委任しているなんて、そんなことはどうでもいいんですよ。実際それはもう地方の仕事になっておるというような問題があるでしょう、幾つか。そういうものは具体的に指摘なさるんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 今回の第一次答申では、先ほど大臣からも申し上げましたが、当面のことが主題になっておる結果、たとえば私どもが非常に重点的に話をいたしました国庫補助金制度についても、一応ここに書いてあるようなことがございますけれども、なお具体的にどうしていくかという意味において、私はまだ今後の課題だと思っておりますし、その意味で今度第三部会でさらにこれを詰めてやられるということでございます。十月初めに私参りまして、さらにこれを分析していろいろと詳しく説明も申し上げ、その際に、知事会なり六団体あたりで指摘しておるような事項もございますので、そういったこと等も踏まえていろいろ口頭では御説明を申し上げたわけでございます。 たとえば、同化、定着しておるものといたしまして、いまもお話しのとおり、ある地方団体の職員の給与は地方団体が払い、そして当然もうそういうことになっておるとみんな思っておるのに、たとえば職員費補助といったようなことでわざわざ手間をかけてやっておるというようなたぐいのものもございますので、知事会あたりのそういうことを踏まえて申し上げておりますが、自治省というその公的な立場の機関として整理をして出すという段階には至っておりませんので、今後引き続いて十分検討をしてもらいたいと思っております。
○志苫裕君 いや私は、自治省が何でもかんでもというのじゃなくて、自治省もそういう見解をまとめたもよかろうと。自治省の都合でやられちゃ困るけれども……。 その次の、「支出に関する個別的方策」について、自治省に関係のある点についての見解をこの機会に求めておきます。これは大臣がしばしば言っておるようですから改めて聞かぬでもいいんですが、当委員会の記録にはまだ載っていませんのでお伺いしますが、国民健康保険のくだりについて、「給付費の一部を都道府県が負担することも制度上考えられる」というこの見解についてはいかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) この問題については、しばしばほかの機会においても私の考え方を申し述べておりまするので御承知と思いますけれども、制度の本質から申しまして、都道府県が負担すべき性質のものではない、これが第一点でございます。 それからまた、この問題が展開をされました一つの原因といたしまして、医療費の増高の問題がありまして、府県が医療についての監査をしておる、これは国の委任事務としてやっているわけでございますが、そういうことをやっているのならそこにも、給付費を負担した方が医療費の低減に非常に役立つじゃないかというようなことも言われておりますが、これは全く本末転倒の問題でございまして、そういう問題はそれ自体として厚生当局が十分に考えて措置をすべき問題であって、監査をやっておるから、だからそこに負担をさせたらいいじゃないかということは、まことに短絡的な、本末転倒した議論ではないか。こういうこともありまするし、あるいはまた、どうも地方団体は楽じゃないか、国は困っておるんだ、だから地方に肩がわりさした方がこれは非常にいいんだ、こういうような考えもないわけではないと思いますが、恐らく地方財政の実態というものを全然御承知のない議論でございまして、地方自治体の財政の状況というものは非常に悪化をしておるし、憂慮にたえない状況にある。そこにまた国の負担というものを、負担といいますか、支出を単に地方に移してしまうということは、地方の実情を無視をしておるものであり、また、行革の精神から申しましても、そういうことは行革の本旨にも反するのじゃないかというような、各種の点について私は異論を唱えて狩るところでございます。
○志苫裕君 次に、「児童扶養手当、特別児童扶養手当については、」「支給に要する費用の一部を都道府県が負担することも制度上考えられる」、これに対する見解はどうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これも申し上げておりまするように、どうも児童手当と混同しているのじゃないかという感じがいたすわけでございまして、この制度というものは、生別と死別の関係とか、あるいは二十歳以下の障害者と二十歳以上の者というようなことでこの制度が発足したわけでございます。ところが、本家の方はこれは全部国で持っているわけでございます。その関連でできたこの特別手当制度、これだけは地方にも負担させよう、こういうことは全く筋違いのことでございまして、これも議論としては私は適正な議論じゃない、そういうことはおかしいじゃないか、こういうことを言っておるところでございます。
○志苫裕君 その次に、老人保健医療に関連をして、「老人保健制度において患者一部負担を導入した趣旨にかんがみ、」——といったって別にこれは法律通りませんけれどもね、「地方公共団体は、単独事業としての老人医療無料化ないし軽減措置を廃止すべきである。」、これに対する見解はいかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これも、そうしたことは単独事業という問題になっておりまするから、中央においてかれこれ容喙すべき性質ではないと思います、基本的には。しかしながら私は、自治体の責任者といたしましては、そうしたことをやる以上、政策のウエート、選択、それから後々に対する財政負担の問題等々を十分に考慮をいたしてこれは選択をすべきものだと、こういうふうに考えておるところでございます。
○志苫裕君 わかりました。保次に保育所、「その新設は、地域の実情に配慮しつつ、全体として抑制する。」という主張に対してはどうですか、
○政府委員(砂子田隆君) これは、私の方がお答えをするべきことかどうかでございますが、この問題につきましては、いずれ厚生省の方が保育所に関する予算措置等をいたしますときに、どういうことになりますか、その適否を見計らいながら自治省の対応を考えていきたいと思っております。
○志苫裕君 それは、まあ保育所は厚生省だわいということなんですね。しかし、これは何で私聞くかというと、私もこれは厚生省の関係だなということはわかっているんですが、保育所というものが地方行政に占める、教育にしても保育にしてもそうですが、やっぱり子供を育てるというのは地方行政の中で大きいウエートを占めているわけで、金の出どこが向こうだからおれの方は関係ないでは、ちょっと自治省としてはまともでないと思うけどな。
○政府委員(砂子田隆君) この項は、幼稚園との問題について記述してある項でございまして、「保育所については、幼稚園についての検討と併せ、」と、こうなっておるわけであります。そういうものについて今後の負担でありますとか公平化とかいうものを図っていきなさいと、そして、新設については地域の実情に配慮しながら、全体として抑制をする、こういう書き方をしておりますから、かっても行政監察におきましても保育所と幼稚園の関係については監察の結果などが出ておりますので、そういうものを踏まえながら全体的に地域の実情を配慮しながらやはり設立されていくべきものだと思っております。
○志苫裕君 これはちょっと私読んでいないんだけれども、これに関連するんですが、これは部会報告にあって本答申は少し抽象的になったようだけれども、確かに部会報告のときには保育所の民営化ということがうたわれていて、答申では社会福祉施設の民営化というふうに包括的に表現をしてあるような感じもするんですが、わりあいに自治省というところも民営が好きなところですけれども、保育所の民営というものについて自治省は何か見解を持っているんですか。民間保育所ずいぶん多いけれども、その点は何か自治省見解あるんですか、これについては。
○政府委員(砂子田隆君) いまおっしゃられましたのは、後半の方に、行政の効率化と申しますか、そこの方に実は社会福祉施設なりそういうものについての民営化あるいは管理運営の民間委託というのが出ておるわけであります。その中に、別に保育所と断定をしたわけではこれはございませんで、一般的に民間でやれるようなもの、あるいは行政サービスにつきまして民間にやらせましてもそれほど変わりのない、行政サービスが落ちないもの、そういうものにつきましては民間委託をするようにということは、一般的には自治省としてはっとに通達などを出して指導しているところであります。それに従いまして保育所がそういう形の中で民間委託をしても住民から何ら苦情も出ないし行政サービスも低下をしないというのであれば、それはやむを得ないことだと思っております。
○志苫裕君 考えだけ伺っておきます、今後のために。 その次は、「改良普及事業等に対する助成については、人件費補助の縮減、事業実施の効率化等により、国庫負担を抑制する。」とあります。これについては、先ほどの「既に地方公共団体の事務として同化、定着又は定型化しているもの」というものとも関連をさせながら自治省の見解ありますか、
○政府委員(砂子田隆君) 農業助成のところにいまおっしゃられましたようなことが書いてございます。実は財政局長の方からお答えをするのが正しいのかとは思いますが、改良普及事業というのは、どちらかといいますと、もうある程度地方といいますか県の普及員というものが非常に県に定着をしておるということが出ておりまして、この問題につきましても前々から、普及事業にかかわる職員の設置費というのはもう府県が単独で持ってもいいじゃないかという議論が前々からございました。それにつきましては普及員の方から、改良普及所の廃止と絡めまして、いろんな問題点からむしろそうしないでくれという陳情もこれもございました。しかし、基本的にはやはりどうも普及員でありますとか保健所の設置費でありますとか、そういう職員の設置費のようなものはある程度やはりわれわれとしては同化、定着をしているものだというふうに理解はいたしております。
○志苫裕君 何か財政局長ありますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) まあ保健所、農業改良普及員等については、いま行政局長が言いましたように、定着しておる、一般化しておるという性格は大変強い、そういう性質のものだろうと私も思っております。
○志苫裕君 これに対する私の主張は差し控えます。「中央と地方」のくだりで、「地方行政の減量化」で、「一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制する。」という主張に対して自治省はどのように思っていますか。
○政府委員(土屋佳照君) 全般的に行政改革ということで行政全般を見直して、厳しい財政状況のもとで抑制措置をとるという趣旨が基底にあるわけでございまして、その点については私どもも当然理解ができるわけでございますが、ただ具体的に「一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制する。」という言い方につきましては、私どもとしては、国と地方との財政の構造が異なる点がある。たとえば義務教育職員なりといったたぐいのものは、国が半分持ちますが実際支出するのは地方で全部持つことになりますので、そういった意味での人件費の構成比などが国の半分ぐらいあるということで、仮に同じような給与改定をいたしましてもその響きが非常に違うといったような、具体的に申し上げますならばいろいろな面で国の歳出との構造の差異というのがございますので、抑制を図り財政の健全化を図るという面では理解できるのでございますが、「同程度に」というところまでについては、実態のそこの中身を十分見きわめた上で対応すべきものだと思っております。
○志苫裕君 これは、その「中央と地方」のまくら言葉のところに、「地方自治の原則に立脚しつつ、」という飾り文句はあるけれども、ここへ来て「同程度に抑制する。」と。国と地方の似た部分とまるっきり違う部分、特に単独事業ということになりますと地方公共団体の骨組みですから、大事な点ですからね、そういう違いを基本的に無視をして並べようったってこれは並ばないわけでありまして、たとえばこういう表現あたりが自主性の尊重とは全くうらはらなことを言っておる文言だと思って私見たんですが、いまの財政局長の答弁は、一般的に言っている分には構いませんけれども、具体例となりますと大変問題が生じてくるということは指摘をしておきたいと思います。 その次、「上記のような行政の減量化を踏まえ、地方財政関係費、その他地方財政対策の見直しを行う、」、読んでみればこれだけの文章ですが、文言の持つ広がりはずいぶん大きいという印象を私は受けます。長い文章を短く書けばどうとでも解釈できますけれども、自治省はこのくだりをどのように理解をしていますか。これ、何を言っているんだと思っていますか。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま御指摘のございましたように、きわめてこれは簡単に書いてあるわけでございますが、実は私の立場からいたしますと、「中央と地方」ということの中で最も注意をしておる個所でございます。これは国と地方との財源配分等にも絡む問題でございまして、減量化を踏まえながら地方財政も抑制をし健全化を図る、その過程において地方財政関係費を見直すということは、要するに国と地方との基本的な財源配分の問題でございます交付税についての考えをどうするか。御承知のように、いま現に税収として三税は国税で取り一般の歳出として出しております。これが非常に目立つということもあるのか、いろいろ交付税についての議論もありますが、そういったことなどをこれは含んでおる問題だと思っておるわけでございます。「その他地方財政対策の見直しを行う。」という場合は、最近までのいろいろ臨時特例交付金とかといったような問題等も含めて、地方も健全化をする過程において全体としての国と地方との財源の問題についても検討をすべきであるというような考え方があるのであろうと思っております。これについてはもちろん私どもとしての考え方はございますが、いま、これをどう受け取るかということでございました。ただいまのような考えで受け取っております。
○志苫裕君 個々の問題もそうですが、私は、これは読みようによっては、これがまた進展のいかんによってはずいぶん大きい問題になっていく。さまざまな問題、大臣が言ったように、問題を整理をして、地方分権の方向で事業の見直しや機能の分担をやっていけば、抽象的に言えば地方財政の見直しですね。財源をこっちへよこせというような意味で出てまいりますが、私はこの全体の脈絡から見て、ここはそのようには読み取らない。あれも削り、これも節約し、これも国の言うとおりにやっていけばそのうちに余裕も出るだろう、だからそれを召し上げるというような、そういうふうにも読めないわけでもないわけでありまして、大臣、この点は非常に大事な意味を今後持ってくると思うんですがどうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) この点はきわめて十分に考慮してまいらなければならぬ問題だと、こう思っております。とにかくいまの大体の空気から申しますと、国は非常に苦しい、地方はわりに楽じゃないかと、そこでいろいろな議論が展開されるわけでございます。いま財政局長から申し上げましたけれども、交付税の問題等もございます。あるいは国の歳出を地方に肩がわりをさせるという問題も、そういう点から私は出てきておるものだと、こう思っております。これは地方分権、また地方の今後におけるあり方、そういう問題ときわめて重大な関係を持つ財政基盤の問題でございまするから、この点については十分に注意をして自治省としては対応していかなければならぬ問題の一つだと、こう考えております、
○志苫裕君 「地方公共団体の合理化、効率化方策」のくだりですが、「基本的には、」「自律機能の発揮によって改善されることが期待をされる。」という前提を置いて、「当面、国の施策に関連するものを中心として、以下の方策により、その合理化、適正化を図る。」と言って、幾つかの課題が提起をされております。しかし、提起をされている問題は、自律機能の発揮によって改善を期待をしたり、当面国の施策に関連するものを中心としてその方策を述べておるとは限らない、そういう内容になっております。幾つかの問題について、固有の事務や行政運営について言及をしておる。それに対する基本的な考え方はしばしば、たとえば老人医療のそれのように大臣からの答弁がありました。 しかし、この中で幾つかが行革大綱に取り入れられています。その一例として私は挙げますが、「地方公共団体は、類型別の標準定数を活用して厳正な定数管理を行うものとし、国も、このことに関し、必要に応じ個別に指導を行う。」という、いわば課題の提起があって、これは行革大綱でも、「定員管理指標の作成等を進め、定員管理の適正化に関し指導の強化を図る。」と、こうなるわけであります。 私はこの点について、自治体がいろいろと指摘をされる問題点が現にあるということは承知をしています。国がさまざまな問題に各分野から指摘をされると同じように自治体もまたある。しかし、それは国がのんべんだらりとしている以上に、それに比して地方はさまざまな改革努力をしておる。自治省が臨調等にも提出をした、あるいは地方制度調査会等にも提出をしておる資料などを見ましても、どこどこの県、どこどこの市、どこどこの町がさまざまな苦労をしていますと。何しろ長い因習や環境を伴う問題でありますから、一遍に胸のすいたようなことはできぬにしても、やっておるわけでありますが、そういうことを前提にして考えれば、まあ一般的な指導を行うことは私はあながち否定はしませんが、モデルをつくってということになりますと、モデルというのは画一化ですからね、地方というものを論じる場合には画一化がないんですよ。伝統もあり、個性もあり、住民もあり、環境もあるわけね。そういう中でみんなが知恵を寄せ合い、額を寄せ合って行政を監視してやっていくわけですね。 しかし、分権という問題について人一倍熱心に主張をされておる自治省においてこのような発想に立つというのはどうも納得ができにくい。いろいろな問題があるというならあるでペンディングにしておいて、地方六団体とも相談をしたり、関係の労働組合その他と相談をして、人が一生懸命勉強しているときに自治体が勉強せぬというわけにいかぬから、何かいい勉強する方法はないかということについて旗振りをしたりすることは大いに結構だ。しかし、自治省自身がこういういわば鋳型や画一化を考えるというのは、先ほど来言ってることと違うんじゃないのかな、これは。この点はどうなんですか。
○政府委員(砂子田隆君) この地方公共団体の定員の問題につきましては、従来からいろんな問題がございました。特に臨調の発足される前後におきまして、地方公共団体に対する一定の定数化というのを図れという問題がございました。言うたらいまの公共団体の定員というのを国で法律で一本化してしまえという、こういう論議がございました。私は、それは非常にむちゃな話で、およそ地方自治の本旨というものを尊重するたてまえにないということを大分申し上げてまいったわけであります。 しかし、現実にいろんなことがございまして、この答申の中にもそういう意味で国の施策に合わせてと、こう書いてありますが、国の施策によるもの、あるいは国の法令によって公共団体の定数がふえているというのは、大部分がそうでございまして、ごく一部と申しますか、昭和四十三年以降で定数がふえましたものの一割強ぐらいのところが、これが単独的にふえたといえばふえたというものでしょう。しかしそれとても、それじゃ公共団体が独自でふやしたかということになりますと、いろいろな立法がありましたり、そういう機関委任事務がありましたりして公共団体でふえているというのが一般の行政部門にはあるわけでありますから、あながち全部これは公共団体の責任だと言うわけでもこれまたないだろうと私は思っております。ただ、だからといって、公共団体自身がやはり何かの定数を自分たちで出したいというときに、その手がかりになるマニュアルみたいなものはできないだろうかという相談に関しましては、それはやっぱりある程度やれるじゃないかという議論はせざるを得ないだろうと思うわけであります。 そういうことから申し上げますと、ここに書いてありますのは、少なくともモデルをつくるといいましても、府県なり、あるいは市町村それぞれ分けまして、あるいは行政の部門ごとに分けまして、どういう形のものがいま日本全国の公共団体で行われているであろうかということを少し考えながら、そういうものを土台にして全体的にどのくらいの人数が公共団体というものに張りついたらいいかということをモデル的に試算をしようという、そういう計算の方法を出そうと、こう思っているわけでして、その全体的な定数の中身を公共団体の方でどういう部門に重点を置きながらどの部門を強化するかというのは全く公共団体が独自でおやりになればいい、まさに自律機能でやられればいいことだと思っておりますから、このことによって公共団体の自主性が非常に阻害されるということではないだろうというふうに考えております。
○志苫裕君 それは地方財政計画の策定とどういう関係を持つんですか。
○政府委員(砂子田隆君) 地方財政計画の問題は、これはまたいろいろな給与実態調査そのものに基づいて定員の算定をするわけでありますが、そのことと現実に地方財政計画で定めておる定数との間に常に乖離があるわけであります。それは御存じのとおりであります。 ですが、私たちがいま算定をしようと思うのは、現実にある定数、いま府県で行われている、あるいは市町村にあります条例定数というのが現実にどういうふうな配分にされているのかということを土台にしながら公共団体における類似団体のモデルをつくりたい。あるいは、そういうものを土台にしながら、ほかの公共団体のことを勘案しながら、自分のところの公共団体というのはどのぐらいの人数が望ましいのかということを公共団体みずからがやれるような、そういう方式を生み出そうと思っているわけでして、これに私たちの方が、おまえのところの公共団体はこれだけの定数でなきゃいかぬなどということを申し上げるつもりでやるわけでは何もございません。
○志苫裕君 時間もあれですから、きょうは特に追及をすることを目的としてはおらないので、見解だけ伺っておきますが、私は、いろいろと答申から行革大綱に取捨選択をされた問題がある中で、この問題その他が幾つか行革大綱に盛り込まれておる。その発想の中には、自治省もまた分権という、それは後見的な役割りをもって任じておれば、自治体のやっていることがまどろっこしくて能率が悪く見える。それがよけいなお世話だと言っているんですよ。そういう発想が地方分権というものをいつでも封殺をしているんですということを私は常々主張しておるものですから、自治省が幾つかある答申の中から行革大綱に選択をした中にこれが入っておるというのは、まあ余り自治省の頭も感心した頭じゃないということをきょうは指摘するにとどめたいと思うんです。善意に解釈するというと、何だってもうわけもわからず自治体が自治体がと、こう言われるものだから、ほどほどに書いて空気抜きをしておかぬとだんだん風圧が強まるとでも思ったのかどうかわからぬけれども、しかしそれは正義ではない、自治体に問題があれば自治体が解決を図る。それに必要な助言は結構でしょう。しかし、そう画一的な鋳型をはめるのは、地方自治の名をかたった、自治省という官僚機構の肥大になるということを指摘をしておきたいと思います。 行革問題の最後ですが、答申の中にはなかった地方公務員の退職手当ですか、長期給付でしたかね、の財源繰り入れがいきなり法律に出てきたのは、これは何か理由があるんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 答申の中では、「厚生年金、国民年金、国家公務員共済、農業者年金、私立学校教職員共済等の公的年金に対する国庫負担について、」途中省略いたしますが、「当面、負担率を引き下げる等その削減を図る。」こういうような答申がございます。この「等」の中に、地方公務員共済組合も公的年金制度として含まれておる、このような理解でございます。
○志苫裕君 意味合いはわかったけれども、答申にあるものもわりあいに渋って——答申がいいという前提で言っているんじゃないですよ、答申にあるものもわりあいに渋っている分が多いが、ないものがほいほいと入ってきたのはどういうわけだと聞いている、昔から考えていたからいまやったのか。
○政府委員(大嶋孝君) いま申し上げましたように、この「等」の中で当然読まれておるわけでございますが、なお、地方公務員共済組合につきまして国家公務員共済組合等と同じような措置をとりましたのは、この制度の中身そのものが、地方公務員共済の場合と国家公務員共済の場合は全く同様でございます。したがいまして、その相互間の乗り入れというのも可能になっておるわけでございます。また、地方公務員共済組合の組合員の中には、地方事務官なり、あるいは義務教育国庫負担の関係で、国が負担をすべき者も入ってくるわけでございます。そういうような兼ね合い、それから公的年金制度相互間のバランスといったようなものから、同様の措置をとるということが適当であるということで入っておるわけでございます。
○志苫裕君 何を言っているのかわからぬけれども、まあこれはこの次にまたやりましょう。 行革問題ここで切りまして、ちょっと宅地並み課税について二、三の報道があるようですし、何か建設省や国土庁あたりのC農地の扱いについての方針が固まりつつあるようです。税法十八条を読みますとこれは自治省の所管事項でありまして、おたくは何をしておるんですか。どうなっているんですか。
○政府委員(関根則之君) 御指摘のように、新聞等に国土庁、建設省の案が固まったような報道がなされておりますし、いまいろいろな場で建設省、国土庁の関係者が発言をしていることは仄聞はいたしておりますけれども、私どもの方に対しまして、正式な形での国土庁案ないしは建設省案というものはまだ出てきておりません。 御指摘いただきましたように、確かに法律は私どもが主管省でございますので、責任を持ってこの問題に対しては対処していかなきゃならないわけでございます。 御承知のような経過で、長い長い経過を持ち、各方面のいろいろな意見がある問題でございますけれども、昭和五十五年度の税制調査会の答申におきましても、五十七年度からC農地を含めて課税の強化を図っていくべきだ、ただしかし、その際営農を継続する意思のある者に対する配慮などは当然すべきであると、こういう内容の答申がなされております。これを受けまして、ことしの七月の二十八日の住宅宅地問題関係閣僚連絡会議におきまして、具体策について検討をするという方針も決まっておるわけでございます。 私どもも鋭意検討は進めておりますけれども、問題が問題でありますだけに、来年度の税制改正に向けての今後の税制調査会の御意向等を十分参酌した上で結論を出していきたいというふうに考えておりまして、現時点におきまして具体的な内容はまだ詰まっていないということでございます。
○志苫裕君 これは私どもの年来の主張は常々申し上げておりますからきょうは繰り返しませんが、一つだけお伺いしておきますが、いずれにしましても、最初のころは税の公平な負担というふうな発想が強かったんですが、年を経るに従って宅地の供給という方向にウエートが高まってきておることも事実ですが、しかし現在AだのBだのCだのというふうなのは、仮に供給をされてもほいほいと手に入るほどの安いところではないということを見ますと、必ずしも宅地供給に役立つとも考えられない。C農地でも百万円以上するところもありますからね。これが幾ら供給されたってだれも買いやせぬわね。そんなものかっこうつけてやっておったってこれだめなわけですが、そういう本来の宅地供給という方針に合うのか合わぬのか検討も必要ですが、いずれにしましても事態が、十年以上営農の意思のある者というところにしぼられつつあるようです。 さて、そうなった場合におれはどうなるんですか。いま減額措置が講じられておるA、Bでしたか、ありますね。これは今度、交付税の扱いはどうなってきますか。
○政府委員(土屋佳照君) 特定市街化区域農地、いわゆるA、B農地の固定資産税については、地方税法で減額することができるということになっておりまして、まあ大部分のところがそういうことで減額をいたしております。制度的にそういうことが認められておりますので、普通交付税の算定においても、現在この制度と整合性を保つ意味で基準財政需要額から減収相当額を引いておるということで手当てをしておるわけでございます。ただいま税務局長から申し上げましたとおり、今後いろいろな角度からこの土地税制そのものが、宅地並み課税そのものが見直されると思います。それと合わせて私どもの方も対応したいと思っております。 したがって、現段階では結論が出ておりませんので、いまの制度のままではこういう形でやっておりますが、その去就を見きわめて私どもの方でも態度を決めたいと思っております、
○志苫裕君 私の記憶違いかな。どこかの新聞の記事にちょこっと、そっちの方がこうなると、たとえばC農地の問題がけりがつくとこの減額措置の方は何か交付税上の扱いが変わっていくような記事になっていたけれども、それはないんですね。
○政府委員(土屋佳照君) 現在では制度的に特定市街化区域農地だけが対象になっておるわけでございますから、制度としては。それが今後扱いがどうなるかということによって私どもとしてもどうするかを検討するということになります。いま結論も出ていない段階でございます。その点では私ども結論を持ってないということでございます。
○志苫裕君 最後になりますが、人事委員会の本年度の給与の改定勧告状況はどうなっておりましょうかね、それが何か目ぼしい特徴的な傾向でもあるかどうか。 あるいは、それに対する各自治体の反応といったようなものがあればどんなものであるのか。 おわせて、自治省としては人事委員会勧告に基づく地方公務員の給与改定についてはどのような考え方でおられるのかお伺いしたい。
○政府委員(大嶋孝君) 本年度の人事委員会勧告は、この九月九日を皮切りにいたしまして、現在まで私のところに届いておりますのは、指定都市全部、それから都道府県で申し上げますと、七県程度が勧告が出されておるように承知をいたしております。 そこで、出されております公民格差率、これは人事院勧告がやりました官民較差五・二三%というものをいずれも若干程度下回っております。現在出されておるものにつきましては、いずれも若干程度下回っておるところでございます。 いま申し上げましたように、現在まで一部の勧告がなされておる段階でございまして、大半の都道府県におきましては、今後に出されてくるということでございます。したがいまして、この人事委員会の勧告そのものに対する評価というのは現在の時点で申し上げるのはいかがかと思いますので、これにつきましては見解を差し控えさしていただきますが、各地方団体におきましては、国が人事院勧告をどう取り扱うかというような状況を見ながらこれに対応していくものであろうと、かように考えております。 なお、あえて自治省がどう考えておるかということでございますれば、あわせまして給与の適正化というものを各地方団体におきまして進めていってもらいたいと、かように考えておるところでございます。
○志苫裕君 これ、地方財政計画上はどうなりますか。
○政府委員(土屋佳照君) 地方財政計画におきましては、大体一%分と申しますか、九百三十億が組まれておるわけでございまして、基準財政需要額に算入をされておるということでございます。 そこで、今後どのような結論が出るかわからないわけでございますが、まあ人事院勧告どおりの給与改定が行われるということになれば——仮定でございますが、一般財源は四千九百億になると見込まれますので、それから見れば、いま措置しております九百二十億に比べて三千九百七十億ぐらいさらに一般財源が必要になるということでございます。
○志苫裕君 それはちょっと交付税審議のときと話が違うんじゃないですか。その他の行政経費の分はどうなっているんですか。あなた少なく少なく言うなよ。
○政府委員(土屋佳照君) 財政計画上どういうような財源措置がしてあるかということでございましたので、その部分だけを申し上げましたが、まあ御承知のように、私どもとしては全般的に追加財政需要というのが出てくることを想定いたしまして、地方財政計画上四千五百億、そういうものに組んでおりますが、災害等を除いて普通交付税としては三千九百億が予定をされております。ただ、これは年度途中における災害その他の予見しがたい財政需要等を含めた総体の額でございます。今後これをどういうふうに使うかということにつきましては、給与改定に対する政府の方針が決定された段階で私どもとしてはいろいろ検討してみたいと思っております。
○委員長(上條勝久君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩をいたします。 正午休憩 —————・————— 午後三時五十分開会
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、岩上二郎君が委員を辞任され、その補欠として川原新次郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 地方公務員法の一部を改正する法律案及び地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和泉照雄君 私は、定年制法案に関連をして質問をいたします。 まず、人事院にお尋ねをいたしますが、さきの通常国会において国家公務員の六十歳定年制の法案が成立をいたしましたが、この定年制導入に当たって人事院は、法案の中身である六十歳定年の例外規定に本格的に取り組んで、本年度内に特例定年の職種や妥当な定年年齢などを中心に決定をして人事院規則に定める方針のようでありますが、この特例定年等についてどの程度の検討をされたのか。 また、特例定年の基準内容についての検討をされたかどうか。検討された分だけでも結構でございますから、発表を願いたいと思います。
○政府委員(斧誠之助君) 特例定年につきましては、一つは、医師の勤務いたします病院、診療所等の機関の指定がございます。それからもう一つは、庁務職員等の範囲の問題がございます。それからもう一つは、職務の特殊性あるいは欠員補充が困難であるという事情の認められる官職の指定がございます。これらにつきましてはちょうどいま各省それから職員団体、それから高専の校長会でありますとか研究職の団体でありますとか関係諸団体からの意見、要望を承っておるところでございます。これを精査しまして、今年度内ぐらいには大筋の職種を決定したいというつもりで現在鋭意検討をして。おるところでございます。 ただ、規則の発出につきましては、これらの条文が昭和六十年の三月三十一日施行ということでございますので、規則も同日付で施行ということで、規則の発出そのものにつきましてはまだ大分先になろうかと考えております、
○和泉照雄君 特に人事院の規則は地方公務員の定年制を定める指針となる条例準則に準用されるものでございますが、先般地方行政委員会で、「条例準則に関する参考メモ」というものが出されておるようでございますが、この条例準則の進捗の現況について説明を願いたいと思います。 また、いつごろまでに条例準則の内容について具体化ができるのかお答え願いたいと思います。
○政府委員(大嶋孝君) お尋ねの条例の準則につきましては、地方公務員法改正法案が成立いたしました後に、先ほどお話がございました国家公務員の定年制度の実施に関します人事院規則等の内容を見きわめました上で、速やかに提示いたしたい、かように考えておるところでございます。したがいまして、いまの時点でいつそれができるかということにつきましてはっきりと申し上げることができない状況でございます。
○和泉照雄君 地方公営企業法における地方公営企業職員の身分の取り扱いについては、法の三十六条から三十九条に規定されておりますが、地方公務員法の適用及び適用除外も明確にされておるところでございます。今度の定年制が導入された場合、この定年そのものについては地方公務員法が準用されるわけでございますけれども、具体的な特例職種等の定年年齢あるいは退職日等については、一般地方公務員については条例準則及び条例が適用されるけれども、地方公営企業職員についてはこの条例準則及び条例の適用を受けるのかどうか。それとも労使の協議の対象になるのかどうかお伺いをいたします。
○政府委員(大嶋孝君) 御指摘のように、公営企業職員それから単純労務職員につきましては、地方公務員法の一部が適用除外されておるところでございますが、今回の改正にかかわります定年制に関する規定については、これらの職員にも適用されるということでございます。したがいまして、改正法上「条例で定める」こととされております定年年齢あるいは定年退職日等につきましては、公営企業職員、それから単純労務職員についても一般職員と同様でございます。しかしながら、定年制度は分限に属する反面、勤務条件としての側面をも持っておるところでございます。これらにつきましては団体交渉の対象になるわけでございます。したがいまして、企業職員あるいは単純労務職員につきましては、定年の年齢等につきまして団体交渉を行い、労働協約を締結することができるわけでございますけれども、労働協約が条例と抵触をいたします場合には、最終的には条例が優先をするということでございます。 なお、特殊業務の職員の意味がちょっとよくわかりませんが、これが単純労務職員というのであれば企業職員と同じ取り扱いになるということでございます。
○和泉照雄君 昭和六十年の三月三十一日に定年制が導入をされた場合、その時点で相当数の方々が定年退職をなさるわけでございますけれども、その人員補充のときに同じく相当数の方々を新しく採用することになるわけでございますが、考えてみますと、即戦力になるということからすると相当問題があろうかと思いますが、事前の採用を考えなければならないと、このように思うわけでございますけれども、事前の採用ということになれば総定員法ということからしますと定員オーバーと、こういうことになるという心配があると思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(斧誠之助君) 先生のおっしゃいますような心配は大いにあるわけでございますが、そういうこともありまして、実は準備期間を設けまして、総理府、人事院が相協力しまして各省に対して人員計画あるいは要員計画の指導なども行いまして、かつ、勧奨退職そのものは定年制実施までは生きておるわけでございますので、これについても推進をするということで措置してまいる所存でございます。 それからもう一点、どうしても現在いる職員が大量に退職するために職務に非常に支障が出るというような場合の用意といたしまして、勤務延長と再任用の措置もとってございます。
○和泉照雄君 次は、公務員住宅と定年制の関係についてお尋ねをいたします。 まず、国家公務員の住宅についてお伺いをいたしますが、昭和六十年の三月三十一日時点において定年退職なさる方は相当いらっしゃると思いますけれども、人事院にその数についてお知らせを願いたいと思います。 大蔵省の方には、特に公務員住宅に住んでいる方で定年退職を迎える方は何人ぐらいおられるか、お知らせを願いたいと思います。また、その方々の住宅対策について、従来の勧奨退職ではどんなようなことを行ってきたのか。たとえば融資、あるいは明け渡し時期の問題についてはどうなっていたのか。また、定年退職についてはどのような住宅対策を考えていらっしゃるのか、大蔵省にお尋ねをいたします。 自治省に対しては、地方公務員住宅についてお尋ねするわけでありますが、その実態と定年制導入後の住宅対策についてどのような指導をしていられるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(斧誠之助君) 昭和六十年定年制が実施されました際にどれくらいの人間が退職するであろうかということは、これから退職者数それから毎年六十歳以上に入ってきます職員の数、そういうこととの関係で推計をしなくてはならないんですが、なかなかむずかしい問題でして、確たるというわけにはまいらないと思いますが、大体過去三年ぐらいの数字を見てみますと、現在の勧奨退職制度のもとで、給与法適用職員とそれから五現業職員、これを合わせまして、昨年、五十五年の三月三十一日が二万三十九名でございます。それから本年が一万九千二百二十二名ということでして、大体これから六十歳に入ってくる年齢別の構成を見ましても、ほぼ二万人程度の者が六十年のときには退職するのではないかという推定でございます。
○説明員(赤倉啓之君) お答え申し上げます。 六十年三月三十一日現在における定年退職者のうちの国家公務員宿舎入届数はどれだけか、そういう御質問でございますが、これはやはり非常にお答えするのはなかなか推計がむずかしいわけでございますが、現在、国家公務員の総数に対します国家公務員宿舎の割合は約三割でございます。この係数をある意味で機械的に、先ほど人事院の方からお答えがございました二万人という退職予定者、推計者、その数に掛け合わせればおおむね六千人、つまり六千人が一つの目安になるというふうに考えております。
○政府委員(大嶋孝君) 地方公共団体におきます公務員宿舎の実態、それからその明け渡し等についての御質問でございますが、地方公共団体が職員の福祉施設として建設をしております職員住宅で共済組合の資金によりまして建設されましたものは、昭和五十五年度までに約十六万戸ございます。なお、そのほかに地方公共団体の資金で建設されたものが相当数あるわけでございますけれども、その戸数の実態については把握をいたしておりません。 明け渡し等につきましては、これも特に調査をいたしていないわけでございますけれども、一般的に申し上げますれば、退職をすれば退去をしなければならないというような取り扱いになっているものと思います。 そこで、どういうふうに指導をするのかということでございますが、地方公務員の住宅の取得に資しますために、共済組合におきましては、年金の積立金の活用によります低利かつ長期の住宅貸付制度を設けておるところでございます。 公務員住宅の明け渡しの時期を延長するというようなことにつきましては、現に在職しておる人の入届希望者との関係もございまして、これは困難であろうかと思いますが、今後とも住宅貸付制度の充実といったようなことによりまして持ち家比率を高めるように指導してまいりたい、かように考えております。
○和泉照雄君 いろんな諸般の事情がありまして、定年退職をする時期になってその住宅から移ることができないという人もいらっしゃると思うんですが、そのときにはどういうような期限で許容して、そこに住まうことを許しておられるのか、大体その期限はどれくらいですか。
○政府委員(大嶋孝君) 正直に申し上げますと、実は私も、退職をいたしますと住む家がなくなるわけでございますが、国の場合どうなっておるかということにつきましては正確には存じておりません。 地方団体の場合、東京都あるいは鹿児島県につきまして申し上げますと、東京都の場合におきましては、職員でなくなったときから三ヵ月間明け渡しを猶予できるということにしておるようでございまして、また特別の事情があります場合には猶予期間を一年まで認めておるようでございます。鹿児島県におきましては、共済住毛管理規則によりまして、組合員資格の喪失から十五日以内に退去するということになっております。なおこの場合、特別の事情があります場合には、一年までの区切りのよい時期まで退去を猶予しておるというような状況のようでございます。なお、一年を超えて退去しないというような例はこの場合にはないようでございます。
○和泉照雄君 次は、総理府の老人対策室にお伺いいたしますが、この定年制の法案の提案の理由の中に、「高齢化社会への対応に配意しつつ、」ということがありますが、これはどういうようなことを意味しておるのかお伺いしたいと思います。——総理府は来ていないの。
○委員長(上條勝久君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
○政府委員(大嶋孝君) 総理府ではございませんが、私の方でよければ、私の方からお答えしてもよろしゅうございますが。「高齢化社会への対応に配意しつつ、」ということは、定年制度を導入いたします場合に、定年年齢の設定などに当たりまして、今後到来する高齢化社会に対する適切な配慮が必要であるという意味でございます。「配意」の内容といたしましては、高齢化社会にふさわしい定年制度といたしまして、現在もなお六十歳未満で勧奨を行っておる団体が多い中で、昭和六十年に六十歳を定年年齢とするという定年制度を導入しようとするところにございます。
○和泉照雄君 自治省の方にお尋ねしますが、近年平均寿命が延びている中で定年制を導入しようとしているわけでございますけれども、今後の公務員の生涯の設計というものについてはどのように考えていらっしゃるのか。地方公務員の場合ですね。 また、人事院にお尋ねをしますが、これまで退職した公務員の追跡調査をしたことがあるのかどうか。この点についてお尋ねをします。
○政府委員(大嶋孝君) 定年退職後の生活設計等につきましては、退職者につきまして、きわめてまれな例を除きますと、退職年金の受給資格を取得しておるというふうに考えられます。この退職年金の額につきましては、在職期間の長短にもよりますけれども、一般的には低い水準にあるというふうには言えないと思います。これも一つ退職後の生活設計の基礎になると思います。それから、勧奨退職をいたしまして再就職を希望する方の約九割、これは五十四年度の調査でございますが、これは各地方団体のあっせんによるものを含めまして、再就職をして収入を得ておる現状にございます。したがいまして、定年退職者は、実際には、これらの退職年金、あるいは退職金もございますけれども、それからあっせんによりまして再就職をしたその収入によって退職後の生活を支える、こういうふうになるものと思います。 いずれにいたしましても、定年制度が定着いたしますれば、定年退職はあらかじめ予定される退職でございます。もちろん職員としてそれに対する準備をすることができるというようなことにもなり得ようかと、このように考えておるところでございます。
○説明員(林博男君) 人事院では、退職された国家公務員の方々につきまして追跡調査を実施しております。これは、国家公務員の退職年金制度の検討のための基礎資料を得るということが目的でございます。 これには二つの系列のものがございまして、第一のものは、昭和四十七年度に退職されて年金を受けておられる方、そういう方につきまして、翌年の四十八年からずっと毎年追跡調査をやっておるということでございます。したがいまして、現在八年分の調査を終わっておるということでございます。第二の系列のものは、昭和五十三年度に同じく退職されて年金を受けておられる方、こういう方につきまして、翌五十四年から調査をいたしております。それにつきましては、現在二年分調査を終わっておる、こういうことでございます。
○和泉照雄君 次は自治大臣に、法案の関連で最後にお尋ねをしますが、わが国の平均寿命は戦後急速に延びてまいりました。昭和二十二年には男が五十・〇六歳、女性が五十三・九六歳であったものが、昭和五十三年には男が七十二・九七歳、女性が七十八・三三歳と、戦後の三十年間で二十年強も寿命が延びたわけでございますが、この平均寿命の伸長に伴って日本人のライフサイクルも大幅な変化を見せております。今回の定年法案による六十歳はその昔は平均寿命を超える年齢であって、とうてい考えられないわけでございますが、定年はライフサイクルの終えんではなくて、いまや一つの通過地点であると同時に大きな転換地点でもあります。したがって、その後の人生をどう充実させていくか。家庭や趣味に生きがいを求める方もおりましょうが、所得の確保や労働もまた生きがいでございます。 そこで、高年齢化社会の到来に伴うライフサイクルの変化への対応について、自治大臣としての所感をお伺いをします。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 日本の人口構成を考えますと、今後ますます平均寿命が延びていくわけであります。もちろんいままでのように急速には延びないかもしれませんけれども、少なくとも後退はしない。そしてまた、出生の関係から見ますと、これから労働力は非常に減ってくる、老齢化社会ができてくる、こういうことでございます。したがって、日本の各般の活動力というものは、若い人だけでなくて老齢化した人の力というものもこれに加わらなければ、なかなか維持が困難になってくるのじゃなかろうか。そしてまた、健康状態から申しましても昔とは違っているのでございまして、五十、六十でも十分に活動できるような力を持っておるわけでございます。そうした今後における社会情勢の変化に対応いたしまして、やはりもう少し勤務状況というものを長引かせる、そして年をとった人も働いていくと、こういう体制をつくり上げるために努力をしていかにゃならぬだろうと、こう思っております。
○和泉照雄君 次は臨調の方、来ていらっしゃいますか。——第二臨調の第一次答申の中に、地方公務員の給与水準について、「国家公務員の給与水準を著しく上回る地方公共団体に対しては、財政措置を講ずる。」と、このようにありますけれども、なぜこのような提言が出てこざるを得なかったのか、その背景についてお伺いしたいと思います。 また、「著しく上回る地方公共団体」とは、具体的にはどの程度の格差を考え、また財政措置はどういったものが適当であると考え答申されたのか、臨調に伺いたい。
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨時行政調査会は、御承知のとおり、この三月からいろいろと審議の活動を一応やっておったわけでありますけれども、当面の対策といたしまして、まず支出の削減、それから行政の効率化、減量化といったようなことに焦点を合わせまして当面の措置をいろいろと論議をしてまいったわけであります。そのうちで、臨時行政調査会内部の話をしますと、第二特別部会で行政の効率化、簡素化を検討いたしたわけでございますけれども、国家公務員、それから特殊法人、それから地方公務員、そのそれぞれにつきまして全般的な検討をやってまいったという事情がございます。 そこで、国のみならず地方にありましても種々行政の簡素化、効率化をお願いをいたしたいという観点から、地方公務員の御指摘の問題でございますけれども、給与の問題につきまして現実に国家公務員の給与水準を著じく上回る団体、これは関係各方面の御努力によりまして毎年たとえばラスパイレス指数が低下傾向にありますものの、なお全般的には国家公務員のそれに比較しまして高い水準にあるという事実が確認されたわけであります。この事情には種々ございましょうが、一部の地方公共団体におきまして地方公務員法の定める職務給の原則や均衡の原則に適合しないような給与制度あるいはその運用が行われておるということでございまして、その早急の是正が強く議論の論点になったわけでございます。このようなことから給与水準の著しく高い地方公共団体に対しまして種々適切な指導措置をとる、あわせまして、必要に応じて財政措置を講ずべきであるというふうな意見が出されたわけでございます。 そこで、この著しく高い、あるいは財政措置の具体的内容というお話でございますけれども、この地方公務員の給与の件につきましては、先般「行財政改革に関する当面の基本方針」というのが八月二十五日に閣議決定されておりますけれども、これによりまして政府においてさらに具体的に検討をされるということになっております。まあどの程度の給与水準にある地方公共団体に対して財政措置を講ずべきか、またどのような措置を講ずべきかということにつきましては、政府側においてさらに具体的に検討されるということを期待いたしておるわけでございます。
○和泉照雄君 自治省としては、この第二臨調の答申をどのように受けとめ、どのように具体化していくつもりなんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 私どもとしては、一昨日でございますか、同じ臨調答申の中にもございましたが、地方公務員の給与の実態の公表といったような手段、それから非常に高いというようなところにつきましては、いろんな個別的な指導、そういうものを強めてまいりたい、そしてできるだけ適正な給与水準に持っていきたい、かように考えておるところでございます。
○和泉照雄君 では、国家公務員より高い給与というのは何を基準にして言うのか。その基準について、また、現在自治省が国家公務員より著しく高い地方公共団体と判断をされている団体は河団体ぐらいあるのかお伺いをいたします。
○政府委員(大嶋孝君) 御案内のように、地方公務員の給与は地方公務員法に定めます給与決定の原則に従って定めなければならないことになっておるわけでございます。したがいまして、そういう意味合いにおきまして国家公務員を上回る給与の制度あるいは運用を行っておる団体というものは国家公務員より高い給与水準ということになるわけでございます。 したがいまして、今度は著しく給与が高い団体ということにつきましては、同様の意味合いにおきまして国家公務員を上回る度合いが著しい程度のものを言うことになるわけでございます。給料について申し上げますればラスパイレス指数の著しく高いことが目安になるというふうに考えられますけれども、いろんな手当等を含める給与制度あるいはその運用の細部にわたって判断する必要がある場合もございます。したがいまして、一概に著しく給与水準が高い団体が幾つかということは、これはちょっと申し上げることがなかなか困難なところでございます。 直接これと関係ございませんが、たとえば自治省におきまして給与水準のラスパイレス一二〇以上というところは公表しておるわけでございます。これに該当いたします団体は市で四十、町村で十二、合計五十二団体あるということを申し添えたいと思います。
○和泉照雄君 ラスパイレスの指数については、一般行政職だけを対象にしている、あるいは国家公務員と地方公務員の学歴、経験年数別の平均給料月額を比較する際、国と同じ職員構成であると想定して加重平均しているなどの操作を加えた統計資料であるとの指摘がございますが、この指数で判断するのは危険であると思われますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(大嶋孝君) 御指摘のように、地方公務員の給与水準につきましては、一般行政職に属する職員につきまして学歴別、経験年数別にこのラスパイレス方式によりまして国家公務員との比較を行っておるところでございます。そこで、一般行政職だけを対象にするという点につきまして、これは一般行政職がそれぞれの団体におきます基幹的な職種でございます。他の職種の給与制度、それから運用につきましては、おおむね一般行政職の給与を基準としておりまして、一般行政職の給与水準によりまして当該団体の給与水準の状況は十分類推できるということでございます。 また、各種の操作が入るのではないかという点でございますが、ラスパイレス指数算定の基礎となります地方公務員給与実態調査、これは統計法によりまして指定統計として昭和三十年以来実施されておるところでございまして、長年の実績があるものでございます。地方公共団体におきましても当然正確に報告がされておるものと考えておりますし、また自治省におきましても、これを検収いたします場合におきましては十分なチェックを行いましてその正確性を期しておるところでございます。
○和泉照雄君 地方公務員法第二十四条によりますと、地方公務員の給与の決定に際しては生計費、民間などの給与水準を考慮して定めることとうたわれておりますが、一概に国より高い給与ということだけで財政措置をとるということは法の解釈からも無理があると思われますがいかがですか。 また、財政措置をとるのであれば、当該地方の生計費、民間水準の調査をする必要があると思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 著しく国家公務員の給与水準を上回る場合は、いろいろ判定について国家公務員とだけ比較するのはどうであろうかというお話でございます。地方公務員法二十四条には、おっしゃいますように、生計費なりあるいは国、他の地方団体との関係、あるいは民間事業の従業者の給与等あわせ考えて考慮して定めるということになっておるわけでございます。しかし、たてまえとしては国に準じて考えておるわけでございまして、それが非常に著しく上回ると、それについてはいろいろとり方があろうかと思いますけれども、その場合は私どもとしては、財政的にあるいは財源にゆとりがあるというふうに考えられますので、それに着目して財政措置を講ずるという趣旨でございます。その点については、私どもとしては地方団体みずからが計画的に適正化を図るということが基本であろうと思います。それについて十分指導を強化するということを基本的に考えておりますが、その適正化の状況を見ながら必要に応じて財政上の措置を講じていくことを検討しておるわけでございますけれども、具体的にはなおいろいろと研究すべき問題も多いわけでございます。そういった検討の中で、ただいま御指摘のございましたような点も考慮すべき問題だろうと思っております。十分今後検討してまいりたいと存じます。
○和泉照雄君 財政措置をとるとすれば、どういうふうなことでおとりになる考えなのか。いま巷間伝えられておるところでは、特交のカットとかあるいは起債の制限をすると伝えられておりますけれども、この点はどうなのか。そして、その措置額というのは、ラスパイレスの国を上回る分と考えでいいのかどうか。この点をお伺いします。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまも申し上げましたが、私どもとしては、地方団体の自主性というものを十分生かしていきたいと思っておりますので、計画的に地方団体が適正化を図っていくということをまず基本に考えておるわけでございます。その適正化の状況を見ながらどういったやり方をするかということを検討していくわけでございますけれども、たとえば私どもいま期末・勤勉手当等についての特別交付税上の措置などをいたしておりますが、これは比較的とらえ方もとらえやすいわけでございます。しかし、給与水準という点でとらえていくとなりますと、非常にいろいろな角度から研究すべき問題も多いわけでございます。そういった点を今後十分詰めていかなければならないわけでございまして、たとえばこういう手段で、この点で財政上の措置をするという中身まで十分詰めておるわけではございません。私どもも具体的にそういった中身について公表したこともないわけでございます。いま申し上げましたように、きわめて事柄は重要な問題でもございますので、十分問題点を煮詰めた上で態度を決定したいと思っております。
○和泉照雄君 最後の問題になりますが、地方公共団体に関係のあります災害に関連をして質問をいたします。 国土庁お見えですか。——特に桜島を中心とする災害対策について質問をいたしますが、桜島の黒神川のホラー軽石でございますが、この流出については、ことしの七月二十二日の災害対策特別委員会でその対応を問いただしたわけでございますが、この問題のネックというのは建設省と農林水産省の守備範囲にあるということは明らかでありますが、国土庁に両省の意見調整をしてはどうかと提案をいたしましたところが、原国土庁長官は、国土庁が中に入って対策を一本にまとめるように至急相談をすると前向きの答弁をされたわけでございますが、その後のどのような検討をされたのか、国土庁より説明を願いたいと思います。
○説明員(小松原茂郎君) 御説明いたします。 桜島におきます軽石流出問題につきましては、その後早速八月の四日と九月九日の二回にわたりまして、国土庁におきまして、建設省、農林水産省及び国土庁の三省庁による打合会議を開催いたしております。 その結果、建設省におきましては、治水上、砂防の見地からボラの流出軽減の対策を行っていくことといたしておりまして、このため技術的な諸問題について今年度学識経験者等によります検討を行うこと。それを受けて来年度予算の中でも織り込んでいくこととすること。また、農林水産省におきましては、建設省の発生源対策の進捗状況を勘案いたしながら、県とも相談の上、来年度以降海上におきますボラの拡散防止対策を進めていくことといたしております。 国土庁といたしましては、この問題の対策に関しましては、この打ち合わせの線に沿いまして、今後建設省及び農林水産省において適切な措置を講じていただけるものと考えておりますが、さらに今後両省の調整をとる必要が生じてまいりました場合には、その調整方についてさらに努力してまいりたいと考えております。
○和泉照雄君 二回ほど協議会をお開きになったという説明を聞いたわけでございますが、その協議の内容が、やはり建設省側は工法が導流堤をつくって、土石流が起こった場合に海の方に流すという、そういう工法でございますから、やはりそれはずっと続くわけでございますが、それを農水省に、軽石がずうっと錦江湾の中に流れ込んだやつを農水省で全部清掃しろといっても、これは大変な酷な話でありますので、私はこの前申し上げたのは、やはり工法の変更を含めて御相談をしていただきたい。やはり発生源の上の方をどうにか手当てをするなり、あるいは土石流がたまるのを海岸への流出をできるだけ防ぐような手当てをして、たまったやつは県あるいは市町村と相談をされてそれを持っていく場所を選定をするとか、それでも出たやつは水産庁で清掃するとか、こうしなければこの災害はいつまでも防除はできないわけでございますが、その点について、やはり農林水産省と建設省。国土庁もその考え方をちょっと変えなけりゃ私はこの問題は解決をしないと思うんですが、そこいかがですか。
○説明員(小松原茂郎君) このボラの解決の問題は、技術的に先生御存じのとおりなかなかむずかしい問題でございまして、国土庁といたしましては、まず災害対策委員会でその守備範囲についていろいろ問題がございまして、両省がその自分の守備範囲で最善の努力をするということをまず決めることが先決ではないかというふうに私は考えまして、建設省といたしましては、山の方で発生源対策として最善の努力をする。どうしてもボラの流出は避けられないわけでございますが、完全にとめるというわけにはまいらないと思いますが、その場合には下の方で農林水産省におきまして拡散防止対策を講ずるという守備範囲を決めまして、それによって両省が最善の努力をいたすという、そういう守備範囲を決めたわけでございます。
○和泉照雄君 建設省、農水省。
○説明員(近森藤夫君) 桜島におきます土砂流出の中で特に問題になっております黒神川につきましては、流出土砂を山元で極力抑える方法というようなことで、五十四年度より計画貯砂量が四百十八万立方メートルという砂防ダムをつくりまして、本年度完成になっておるわけであります。前回といいますか、七月にも先生からいろいろお話がございましたが、ボラは比重が非常に軽いというようなことと、土石流の形で流下してくるために物理的にこれを全量をとめるということは非常にむずかしいわけでございます。ボラの賦存量の大半を占めております第二黒神川というのがございますが、この流域の崩壊はわが国におきましても最大規模というふうに考えられておるわけでございまして、ボラ層の浸食拡大というものは激甚をきわめておるわけでございまして、こういった点、ボラの海への流出はもう避けることができないというのが実情になっておるわけであります。 先ほども国土庁の方からお話しがございましたように、山間におきますこの流出土砂の防止対策というようなものは、この地域が立入禁止区域に指定されておるわけでございまして、非常に危険な作業になるわけでございますが、谷頭といいますか、二つほど大きな滝がございまして、この滝が一洪水で何十メートルも後退をしていくというふうな中で土砂が生産されておるものでございますので、非常に危険ではございますが、この抜本的対策が不可欠であるというふうに考えておりまして、工法等はこれに沿いまして対策を検討してまいりたいというふうに思っております。
○説明員(川崎君男君) お答えいたします。 本件問題のような場合、海に出てから回収するというのは非常に困難な問題も伴いますので、軽石発生源対策が講じられることが基本的に必要であるということは何回もお答えしているとおりでございます。 ただ、水産庁といたしましても、地元養殖業等の振興を図る観点から、国土庁による調整の結果を踏まえまして、建設省の発生源対策の進捗状況を勘案しながら、鹿児島県とも協議いたしまして、来年度以降、海上における軽石の拡散防止対策の実施を検討してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○和泉照雄君 時間もございませんので、次に、地元から強い要望が出ておる点についてお尋ねをいたしてまいりたいと思います。 桜島の治山砂防事業は御存じのとおりきわめて大規模で緊急を要するものでございますが、そこでぜひ、直轄事業を全体的に見直して、工事の枠を大幅に拡大をして事業の促進を図っていただきたいと思うわけでございますが、金床川については建設省の直轄事業に入れていただきまして大変感謝をするわけでございますが、特に最近は西元川、中津野川についても大変浸食がひどくなっておりますので、早急に建設省の方で現地調査の上、直轄砂防事業にしてもらいたいという要望が強いようでありますが、御所見を伺いたいと思います。 それから第二点目は、二月二十二日の参議院の災害対策特別委員会で指摘をしたところでございますが、県道の二百七号線、県道の五百十八号線は、これは避難道路できわめて重要でございますが、主要地方道に昇格をすべきであるという問題点について質問をしたわけでございますが、そのときの御答弁では、国道に昇格が第一点であって、その次に主要地方道の昇格を考えるというようなことがありましたけれども、この点はどういうふうになっておるのか、建設省の方にお伺いをいたします。
○説明員(近森藤夫君) 桜島におきます直轄砂防事業は、五十一年度から、鹿児島市内にございます野尻川ほか大河川について、さらに五十六年度におきましては桜島町内にございます、先ほど先生からもお話しございました金床川を直轄区域に編入をして工事を実施しておるわけであります。当地域は、砂防事業といたしましては、県で施行しております補助の砂防事業どこの直轄砂防事業によりまして活火山の砂防対策として重点的に事業の推進、促進を図っているところでございます。ただいまお話が出ました中津野川につきましては、昭和三十五年に、砂防指定地というものがございますが、これに編入をいたしまして補助事業を実施しておるわけでございます。また、西元川につきましては、これは農林省の関係のお仕事で整備が進められてきたわけであります。 今後の問題といたしましては、こういった、省庁がまたがるものでございますので、こういった流域の直轄編入につきましては、関係機関がいろいろとございますので、こういったところと調整をしながら検討をしてまいりたい、そういうふうに存じますので、よろしくお願いします。
○説明員(萩原浩君) お答えいたします。 道路交通需要の変革に対応するため、私どもは現在、道路網の再編成の作業を行っておるところでございます。その第一段階といたしまして国道昇格の作業を行いまして、これにつきましては、昭和五十六年、今年の四月三十日に政令を公布いたしました。そして、来年、五十七年四月一日より施行することといたしております。これに引き続きまして、今後、主要地方道の指定を行うべくいろいろな作業をしているところでございまして、去る八月五日付の道路局長通達で、都道府県、政令指定都市に対しまして、要望路線に関する調査を依頼いたしました。その結果が現在集まってきておりまして、その結果につきまして集計整理をいたしておるところでございます。主要地方道は、国道網を補完いたしまして、地方的幹線道路網の骨格を形成するものでございますので、そのような観点から御要望いただきました路線につきまして検討をいたしたいということで、現在いろいろな計数整理を行っておるところでございます、 御指摘の、県道早崎−桜島港線及び県道仏道−牛根線につきましても、このような観点から検討をいたしたいというふうに考えておるところでございます。
○和泉照雄君 特に建設省の方に要望しておきますのは、西元川、中津野川の点については、東京にいらっしゃる方では現地調査をしないとよくわかりませんので、早急に現地を調査をしていただきたい。この点は強く要請をしておきます。 特に最近の桜島の活動は活発でございまして、いままで降灰がなかった地域まで相当に降灰が及ぶというような状態でございます。そこで、降灰防除の施設の整備事業についてお伺いをしたいと思いますが、学校、福祉施設の降灰防除施設は国の助成によりまして整備をされてまいりましたが、現在の教育機関、たとえば公民館とか少年自然の家については枠がありませんので、これを助成をしていただきたいという要望が強うございます。これは活火山法の施行令第四条の改正をしなければならないと思いますけれども、この改正について国土庁の見解を伺いたいと思います。 また、実際に補助金を出すのは文部省でありますが、この助成についての見解を文部省にお尋ねをいたします。 さらに、公立の小中高の運動場の散水施設及び散水施設用の井戸の掘削に要する経費についても助成を地元の方では要望しておりますけれども、この点についても文部省の見解を伺いたいと思います。
○説明員(小松原茂郎君) 政令の改正の件について御説明申し上げます。 政令の改正につきましては、後ほどまた文部省の方からお答えがあると思いますが、当該事業を所管しておりますのは文部省でございますけれども、文部省におきましては、既存のこれら施設の改造に対する助成制度が現在ございませんで、新たにそういった助成制度を設けるということが必要になってくるわけですが、昨今のこういう時世でございまして、なかなか新しい補助制度を設けるということは非常にむずかしいこととお考えになっております。 われわれ国土庁といたしましても、なかなか新しい補助制度ということを設けるということは非常にむずかしいことではないかというふうに考えておりまして、これを受けませんと政令の改正というのはできませんので、現在のところでは直ちにこの施行令を改正するということはむずかしいことではないかと思っております。 ただ、地元の御要望もございますし、文部省とも御相談しながら今後また慎重に対処してまいりたいというふうに考えております。
○説明員(五十嵐耕一君) お答えを申し上げます。 少年自然の家、公民館等の社会教育施設の整備を促進するために、文部省はその建築費の一部を補助しておりまして、その場合、新築におきましては、冷暖房設備等を含めまして国庫補助の対象となっております。なお、財政上の制約等がございまして、既設の公民館などの改造に対する助成制度は現在のところございませんで、地元の御努力によっているところでございます。 参考までに現在の整備状況を申し上げさしていただきますと、指定地域内にございます公民館は十九ございますが、そのうちアルミサッシを設けておりますのが十六館ございます。また、空調設備を設けているのは十一館ございまして、また現在建築中の二館の公民館につきましてはいずれもアルミサッシ、空調設備を設けているというようなことでございます。また、少年自然の家につきましては、アルミサッシのみを設けているということでございます。 新しい助成制度を設けますことは、昨今のこういう情勢でございまして著しく困難でございますが、地元の要望等を伺いまして慎重に対処してまいりたいというふうに考えております。
○和泉照雄君 最後に大分県のことを、選出の議員さんもいらっしゃるんですが、二点ほど建設省にお伺いをして終わりたいと思います。 第一点は、国道三百八十八号線の中で畑野浦地区の未改良区間の整備についてお伺いをいたしますが、この地区は大型車の離合が非常に困難でございますので、道路を改良するかあるいはバイパスをつくっていただきたいというふうに思うのでございますが、そういうような整備計画はお持ちなのかどうか、建設省にお伺いをいたします。 第二点は、大分県の県道佐伯−三軒屋−蒲江線の轟地区のトンネル工事の問題でございますが、ここも大変な難工事のようでございますけれども、やはり生命線でございますので、早くこれを貫通をしてもらいたいという地元の強い要望がございますけれども、これについて工事費の増額というような将来の見通しはどういうようになっておるのか、その点も含めて御答弁を願います。
○説明員(萩原浩君) お答えいたします。 国道三百八十八号線でございますが、この国道は去る昭和五十年に国道に昇格をいたしました道路でございます。したがいまして、その後整備計画を立てまして順次整備にかかっているところでございます。当地区の蒲江町におきましても、高山地区、森崎地区において改良事業を実施いたしておりまして、今後、未改良部分についても現在進めております事業の進捗状況を勘案しながら順次進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 なお、もう一つの県道佐伯−三軒屋−蒲江線でございますが、ここに先生御指摘のように轟トンネルというトンネルがございます。この県道は佐伯市とそれから蒲江の港を直結いたします非常に産業あるいは地域のために重要な道路であるというふうに私どもも考えております。現在のそのトンネルを改良いたしまして、非常に走りよいトンネルにしようということで両側から工事を進めておりますが、何さま非常に難工事でございまして、まだトンネルに着工できる状況にはなっておりません。今後とも引き続きその事業を進めてまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても、このような財政事情の中で大変困難ではございますが、最大限の努力をいたしたいと考えているところでございます。
○神谷信之助君 私は、きょうは地方行政の改革に関する調査という議題に即して二つの問題について質問をしたいと思います。 一つは、いわゆる行政改革、これによって地方財政がどういう影響を受けるのか、その見通しはどうかという問題です。あえていわゆる行政改革と言っているのは、私ども、今日進めようとされている行政改革が国民の願いにこたえる行政改革ではない、看板に偽りがあるという意味で言っているわけですが、その問題が一つです。 それからもう一つは、皆さん方の側で言えば給与の適正化ということになるんでしょうが、われわれの側から言うなれば、まさに公務員労働者に対する人件費攻撃、これについてお伺いしたい。この二点にしぼって質問をしたいと思います。 まず最初に、大蔵大臣初め大蔵省の人たちは、よく国の財政は非常に厳しいけれども地方財政というのは非常にまだゆとりがあるという言い方をなさっている。私は、これはもう同じ政府部内ではあるけれども、省庁が違えばそれは見方が違うということもあるけれども、実際には地方財政の問題に関係をしているわれわれから言うと、余りにも事実認識を異にするといいますか、事実を正確に把握をしていないという不満といいますか怒りを常に思うんですが、まず、この点についての自治大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 国の財政が非常に苦しくなっておる、特に特例公債の発行の累積、その償還期等々を考えますと大変苦しい事情にあること、これはまあたれ人も了解できるところだろうと思うのです。地方財政につきましても同様の事情があるわけでございます。御承知のとおりに、大体四十兆ぐらいの負債を持っております、これをこれから償還をしていかなければならぬ。それからまたなすべき仕事も多い、こういうことでございまして、国の財政状況と地方の財政状況というものは五十歩百歩であります。非常に苦しいものである、こういうふうに認識を持っております。 いまお話しのように、どうも国は大変だけれども、地方は楽じゃないかというような議論も一部、程度の差はありますが、ないわけではございません。恐らくこの地方自治体の実態についての認識の欠如というものがその根底にあるものだろうと、こう思っております。この点はわれわれは最大の努力をいたしまして是正するように努めなければならぬと思っております。
○神谷信之助君 そこで、地方財政はいまきわめて厳しいわけですが、厳しい現状をまずひとつ明らかにしていきたいと思うんです。 そこで五十年以降、財源不足を生ずる、あるいは税収の極端な減収状態、それに対してあえて交付税措置をしないで交付税の特会から借り入れをするという、あるいはまた財源対策債で補うという措置をとってこられました。まず、交付税特会での今日までの五十年度以降の借り入れの総額、そして現在の、いわゆる五十六年度末の残高、それからもう一つはそのうち地方負担分、いわゆる残高のうちの地方負担分ですね、それは一体幾らかということをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) お示しのように、昭和五十年度以降財源不足の状況に陥っておるわけでございますが、地方交付税の増額と地方債の増発によって補てんはしてまいりましたけれども、地方交付税の増額はほとんど特金借り入れが主体になっております。その結果、それによる措置額は八兆二千億円強でございまして、現在、五十六年度末の残高は七兆八千億円余りということになっております。 また、いわゆる財源対策債につきましては、措置しました額は……。
○神谷信之助君 いや、財源対策債は後で。いま聞くのは交付税特会の残高に対する地方負担分。
○政府委員(土屋佳照君) いま申し上げました七兆八千億のうちで、純地方負担分が四兆六百億余りでございます。
○神谷信之助君 純負担額が四兆六百億ですね。そのほかを含めて四兆三千八百億余りあるんじゃないですか。あなた方の資料によると。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま申し上げましたようなことで、五十六年度末の残高が七兆八千二百九十一億の見込みでございまして、純地方負担額は四兆六百四十六億ということでございます。いまおっしゃった数字とは若干違っております。
○神谷信之助君 ちょっと違うね。まあそう大きい違いはないようですから……。 そこでその次は、いまお答えになろうとした財源対策債あるいは財政対策債といいますか、これが五十一年度以降発行されていますが、これについては五十一年度以降総額幾らになりますか。
○政府委員(土屋佳照君) 財源対策債につきましては、五十六年度末の残高で六兆六千億円余りでございます、発行いたしました額は全体で八兆五百八十二億で、五十六年度末で残っております残高が六兆六千億円余りと、こういうことでございます。
○神谷信之助君 この財源対策債に対する措置ですね、これはどういうことになっていますか。
○政府委員(土屋佳照君) 財源対策債につきましては、地方財政計画の際に地方交付税措置を講ずるわけでございますが、その地方交付税で対応するということにしておるわけでございます。
○神谷信之助君 だから、結局いま残高六兆六千億ですが、これも全部交付税でめんどうを見ると、こういうことになるわけですね。 それからさらに例の五十年度の、税の減収があったときには減収補てん債をやりましたが、五十年度以降これの許可額というのは合計で幾らぐらいになっていますか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 五十年度における減収補てん債は約八千億余でございます。先ほど申し上げました財源対策債の総額の中にこれは含まれております。それ以降における減収補てん債につきましては、ちょっと本日手元に資料を持っておりませんので、具体的なことはわかりかねますが、それぞれの団体におきまして、交付税の算定に用いましたものよりも現実の税収が少ないというような場合には申請に応じて許可をしてまいっておりますが、これはさほど大きな額ではないと思います。
○神谷信之助君 われわれの方で聞いておるのでは、五十年度の許可額が八千五百十一億円ですか、五十一年度が九百八十八億、五十二年度が千四百六十九億、五十三年度が九百五十億、五十四年度百二十一億、五十五年度は七億、これは残高と言えぬけれども。それを合計しますと約一兆二千億ぐらいですね。これも処理方法は先ほどの財源対策債と同じように交付税措置で処理をするということになるわけですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のとおり、交付税で公債費を算入しております。
○神谷信之助君 その次は、地方債の現在高ですね。これは五十年度末が十一兆三千七百五十七億円、それから年々増加をして五十五年度では二十九兆一千二百六十九億円、大体五十年度の二・五六倍ですか。五十六年度末には三十一兆六千百五十二億円の見込み、約二・七八倍というように聞いておりますが、これももう大体そういう数字ですか。
○政府委員(土屋佳照君) 五十六年度末で三十一兆六千億余りでございます。お示しの数のとおりでございます。
○神谷信之助君 そうすると、五十六年度末の地方財政の借金の、まあ大まかな借金ですけれども、大きいのは交付税特会の借入金が約八兆円足らずですね。それからいまの地方債約三十兆、三十二兆ぐらいですか。そうすると合計約四十兆円になるというように見えるわけですが、この点は大体そういうことになりますか。
○政府委員(土屋佳照君) おっしゃるとおりでございます。地方債の中には財源対策債も含んでおりますが、普通会計だけで約三十二兆ぐらいになります。交付税特別会計で借りたものが八兆円と。おっしゃるとおりでございます。
○神谷信之助君 そうすると、この四十兆円のうち、いわゆる特会の借り入れの二分の一のいわゆる地方負担分という分が四兆三千八百八十九億ですね。残りは臨時その他で処理をされるわけでしょう。財源対策債はこれは先ほどの約七兆、六兆六千億でしたか、それから減収補てん債、これは一兆円余りと。まあ大体約十二兆近くの金になるわけですが、この性格はどういうことになるんですか。 私はこれは、まあいろいろな理由はあるんでしょうが、いずれにしても政府の経済政策の結果起こった急激な不況。による減収、あるいは財源不足。それが起こりながら交付税率を引き上げないで、先ほど局長も言ったようにこういう糊塗的な手段で交付税特会からの借り入れと減収補てん債、いわゆる地方債で処理をするというのを続けてきて、半分は国が持ちましょう、半分は自治体が交付税会計でやりなさいと。あるいは、そのほかのやつは財政対策債と減収補てん債を借りて交付税措置をする。こういう結果になっているんですね。 だから、そういう原因をつくり出したのは自治体ではない、四十兆円からの借金のうち、自治体でそれぞれの必要な事業に応じてつくられた借金もあるでしょう。しかし、この場合の約十二兆円のものは、これは本来交付税法に基づいて地方交付税率の引き上げあるいは行財政の抜本的な改革をやるとか、ああいう法律に基づく根本的な措置をしないで、糊塗的な手段で行ってきた自治体に対する借金と言うことができるんじゃないかというように思うんですが、いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 財政は、国、地方一体となりまして、その時代時代の要請に応じましてそれなりの役割りを果たしてきたわけでございますが、第一次のオイルショック以来収支の不均衡というのが目立ってまいりました。そういった状態の中で、やはりある程度必要な行政水準というものは維持していかなければなりませんでしたし、また逆に、景気の浮揚策として公共事業等を中心とする財政に指導的な役割りを求めるといったようなこと等もございまして、財源不足がいろいろ生じてまいりました。そういった意味では国も地方も大変財政状況が厳しかったわけでございます、ただ、地方が必要な財源というものは、地方交付税法の趣旨等にかんがみましても、おっしゃいましたように地方交付税率の引き上げ等々でカバーしていくのが一つの筋としては考えられるわけでございますが、たびたび申し上げておりますように、国の財政もきわめて厳しい中で、国と地方とがそれぞれ行政分担をして進む中で、二万だけに偏っていくというわけにもまいりません、それなりで、まあ場当たり的ということでございましたけれども、そのときに応じてやれるだけの、これしかないという道を私どもとしては選んでまいったわけでございます。 しかし、結果としては、お示しのございますように、地方債も通常の場合よりは財源対策債という形でよけい発行したものもございます。交付税特別会計で借入金が累積したことも事実でございます。しかしそれは、いま申し上げました、国、地方を通じて行政としてどういったレベルの行政を進めていくかということから出てきたものであり、また、日本経済全体の動きの中で財政の役割りをどう果たしていくかということでやってきたわけでございますから、一概に国のために地方がしわ寄せを受けたとかどうとかという問題とはまた別な問題であろうと思っておるわけであります。 ただ、こういったものをどういうふうにしていくかということはきわめて大きな問題でございまして、地方の場合でも必要な行政需要というものはだんだんふえていくわけでございますから、そういった過程でいままでのものがかせになってうまくいかないということでは困りますので、私どもとしてはそういった返済計画も含めて全体としての地方財政が円滑にまいるように毎年努力もしておるつもりでございますが、一層努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○神谷信之助君 財政局長、いまの答弁は私は納得できないんですよ。国の財政も厳しいし地方の財政も苦しい、だからまあ、というわけでしょう。じゃ、つくり出した責任はどこにあるのやといったら、国の方でつくり出したんやと。交付税法の体系としては、そういう場合には、交付税率の引き上げその他行財政の根本的改革でしたかな、そういうことをやれと決めてあるんです、しかし、それはやらない、あなたもお認めになるように、とにかく場当たりの措置をやってきた。まあしんどいときはそういう措置もいいでしょう。それならよくなって借金を返すときには、本来国が出さないかぬものを、交付税率の引き上げをするか何らか国の責任を果たさないかぬやつを、その方を怠慢にしておいて、そして返すときは、半分はおまえのとこ持てよと。あるいはこっちの地方債ですとこれは全部交付税で持ちなさいよと。交付税率の三二%をそのためには引き上げますという話もないわけです。自分のところが借金をつくる、そういう措置をし、しかもそれについては法律で決まっていることもやらないで、場当たりでもって転がしながら、それを帳消しするのにはわしのとこは半分ですよと。交付税特会だけですよ、しかも。地方債の方はまあとにかく交付税でやりなさいと。何でみんな交付税で交付税でと押し込んでいくわけですか。交付税の入れ物というのは三二%と決まってあるわけです。それを先食いさしているわけですよ。これはどう考えても、国と地方とどっちも厳しいのやさかいお互い協力し合いましょうということにはならぬ。本来国がやるべきことをしないで、そういう場当たりのことで自治体の方が苦労させられている、だからその意味では、厳しい状況がさらに厳しゅうなりながらも苦労しているということでもうこっちの協力は済むわけです。そっちの方が、国の方がやらないかぬことを、やるべきことをやりなさいということです。半分国が持ってやるさかいにそれで勘弁してくれというようなしろものではない。私はそう思うんですがね。これは大臣どうですか。 これはちょっとはっきりしてもらわないと、いままでの問題だけじゃない、これからの問題にもかかわってくるのですね、御承知のように。こういう点についての見解というか、考え方というものをひとつしっかりしてもらわないと、うまいこと言って、半分持ったけれども、あと全部しりはおまえのところでふけよといって自治体側にどんどんどんどんやられていく。大臣は、口を開けば地方の自主財源は拡大せないかぬとか、自主財源はふやさないかぬとかおっしゃるけれども、しかし実際にやられていることは、どんどんどんどん自主財源を先食いして、結局国がつくった借金のしりふきまでさせられておる。こんなばかな話はないと私は思うんだけれども、どうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これは昭和五十年からですか、大変に事情が苦しくなってきた。これは国も地方もそうであります、特にオイルショックの関係なんかで国は非常にいま苦しい状況なんです。そこで、毎年の地方財政計画をつくるに当たりまして、まあ本来から言えば、おっしゃるとおりに地方の財源を見まして交付税率を上げればいいわけです。しかしながら、とてもそれじゃ国としてはもち切れぬと、こういうことで、お互いの協力関係に立ちまして、その間の調整を図っていろいろな措置を講じてきたわけですね。その累積が今日に至っておる、こういうわけでございます。 したがって、これを取りまとめて、それはもう交付税率を上げればこんな問題は発生しなかったじゃないか、こういう議論になるわけですけれども、しかし、その年々の地方財政計画を策定するに当たりまして、国の財政との調整を講じて、その年々に最も適当であろうというような措置を講じてまいった結果がこういうことになっておるわけであります。したがいまして、今後も国としてなかなか財政事情は苦しい、地方も苦しい。その場合に、繰り返すようでありますけれども、国は非常に苦しいけれども地方は楽だというようなことじゃ絶対にないのであって、本来であれば、お話しのように交付税で措置すれば地方財政はこういうことにならなかったかもしらぬ、そういうものが、そうじゃなくて、国と地方との調整関係において毎年努力をして積み重ねて今日まで来ておる、その累積というものがこういう結果になっておる。まあ非常に苦しいということを多くの方々にも認識をしていただいて、交付税の問題等についても十分ひとつ考えるというような考え方でやってもらわなければならぬ、そういうのがいまの実情だと、こう思っております。
○神谷信之助君 あのね大臣、国の財政が苦しうなってきた、地方財政の方も苦しうなってきた、どっちも苦しいんやと。それでわれわれは交付税率を上げて処理しなさいとこう言っている。まあ歴代の大臣も、本筋はそうやと。しかし最終的には年末の折衝で、いつの間にやらしらぬけれども、まあしやないから上げるのは辛抱しまっさ、それで借金しますよと。そのかわりあと国の方で借金は全部めんどう見ますよというならまだ話はわかるわね。ところがそうやなしに、そのうちの半分しか国はめんどう見てやらへんぞと、半分はおまえのとこで持てと。自分のところで出さないかぬやつをそうやってやっておいて、それで協力せいと言うのやったら——まあそういう場当たり的なことをやって、そして借金をふやすので大変なことになるけれども、まあ協力はしましょうと——われわれはそれは反対だけれども、仮にそうしたとしても、そんなんやったら借金返す方はそれは国が全部持たないかぬわけだ。国の財政が好転したらちゃんと国が全部補てんしますよと、何も交付税会計で半分は地方が負担せいとか、借金を返すやつは、そのための借金は交付税で措置せいと、そんな厚かましい話はないと思うんですよ。そういうものでしょう。親戚の間でもそんなうまい話はいきゃしませんよ、あんた。 だから、そういう点がずるずるときているものですから、大蔵省の人たちは、地方財政はゆとりがあると、こうなってくるんですよ。そうでしょう。百億円借りたんや、その借りたのは、国の方から百億円おまえ借りると言うから借りたんや。本来はわしのところが百億円渡さないかぬけれども、いま銭がないからおまえとにかく立てかえてかわって借りとけと。それで、借金返すときは、おれのところが五十億持ってやるさかい、あと残り五十億おまえ払えよと。本来初めに国が、自分のところが百億出さないかぬお金やったんや。そういう話でしょう。それがそう言われたら、もうしやおへんと言って、そこで後退をして、二分の一しかもらえへんわ、あとの借金の方は全部交付税で見るわと、こうなっちゃうわけでしょう。それで、まだそんな余裕があるんや、まだしぼればしぼるほど地方財政全体としては余裕があるんやと。だから大蔵省の人たちは、国は厳しいけれども地方財政というのはまだゆとりがあると、こうなっているんです。 それ何ですぐぴんとこんかといったら、自治体はあっとばらまかれるわけでしょう。それで、いろんな要求があるけども金がないのやからしんぼうしてくれと言って、知事や市町村長さんは、まあとにかくなだめながらきているわけです。やらないかぬ仕事をやらないで、とにかく抑え込んできていますからね。だから帳じりが合ったようなかっこうになってくる、借金はふえるけれども。だから何ぼでもしぼればしぼるほど地方財政というのはあるんやというそういう考えが、現実に五十年度以降の処理でそれでまかり通ってきているから、そこに私は大きなわれわれと彼らとの現実認識の違いの一つの要因があるんではないかというように思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) いろいろお話を伺ったわけでございますが、最初に申し上げましたように、国全体の行政を国と地方がそれぞれ役割り分担をしてやってきておるわけでございまして、そういった中で財源の配分が決まっております。それに従ってやっておるわけですが、いずれも厳しい財政条件のもとで財源が不足をしておるという状況でございますから、やはり全体として国の財政、地方の財政を考えながらそれぞれの仕事ができるようにということでございまして、その過程で地方の財政についても交付税法六条の三第二項の規定によって交付税率でも上げられればよかったのでございますが、国としてもそれだけの余力はないしというようなこともございまして、あの規定に基づいて五十三年度以降実質的な二分の一は国が負担をするという形で制度化をされて今日に至っておるわけでございます。 したがいまして、幾らでも地方が持てばということではないのであって、それは地方財政が先ほどから御指摘のように三十二兆の地方債残高と八兆円の交付税特会借り入れがあることは、これは国の国庫当局も十分承知しておるわけでございますけれども、いろいろ私どもの耳に入ってきますところでは、国は八十二兆円の不足だ、地方は四十兆だ、半分じゃないかとか、それから歳入に占める国債の比率が一方は二六・二%で地方はその半分しかないじゃないかといったような単純な比較で言われるわけでございますけれども、私どもとしては、国と地方の違うのは、国はまさに一本の団体でございますが地方は三千三百に余る団体でございまして、団体によっていろいろ違っておるわけでございまして、全体のマクロ的な姿でその地方債の占める比率が幾らといったようなことではなくて、それぞれの団体ごとに見ればいろいろ問題があることは明らかでございます。そういったことで、今後交付税特会等の借入金の返済についても、特に六十年度、六十五年度となると膨大な返済金が要るわけでございますから、私どもとしてはそれに備えて体質を改善していかなければならないということでございます。 そういった意味で、国も地方もいま行財政改革によって体質を改善していこうということでございますし、地方財政においても、五十四年度の四兆一千億を境にいたしまして、五十五年度二兆五百五十億、五十六年度は一兆三百億と、徐々に財源不足額は減らしてきたわけでございます。これはかなり抑制的な基調で推移してきた結果ではございますが、引き続いて行政の刷新をいたしながら財政の健全化を図っていかなければなりません。ただそれにしても、いまのような平面的な面ではなくて、今後の抱えた借金の返済に十分対応できるような体質改善をしていかなければならないわけでございますので、大変厳しい状況にあるわけでありますが、今日これに至ったものがすべて何と申しますか、全部国の責任で地方の借金がふえたんだと言うわけにもまいらない面もあるんだろうと思っておるわけでございます。
○神谷信之助君 いや、最後のところはおかしいですよ。初めのうちはずっと言いわけをなさっているんだからいいんですが、最後の方は、国の責任で赤字ができたばっかりではない面もあるという。そんなら地方団体の方でつくった借金もありますのか。四十兆の、あの三十二兆プラス八兆ですね。いま出ているのは四十兆でしょう。たしか三十二兆の中にはそういうものもあるかもしれない。いろいろ単独事業や補助事業をやっていますからね。しかし、私が言っているいまの十二兆についてはこれはないでしょう。どうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 地方団体の責務で借金ができたとかということではなくて、やはり国、地方が一緒になって行政を進めていく場合に、財源と、それから仕事の量と比べて収支の不均衡がある。その収支の不均衡をどういう形で分け合うかということもあるわけでございますから、地方団体の責任でふえたということを私は申し上げておるわけではなくて、全体の行政を進める中で、国と地方との分担という全体の中でそういう状態が生じてきた面があるというわけでございまして、ただその結果だけ見て地方は少ないといったような言い方は全く誤りであろうと思っておるわけでございます。
○神谷信之助君 これはしかし、まあ局長の立場からすればそう言わざるを得ぬのかもしれませんが、五十年度以来こういう事態になって、一貫して自治省が、年末の予算折衝が済んで来年度予算が決まってからは違いますけれどもね、その次の問題になるときはやっぱり交付税率を引き上げないかぬのやと、本来はそうすべきなんやという立場をとってこられた立場から言うと、交付税率なり何なり国が措置すべきものを、半分だけであとは地方財政にしりをふかせるというのは、やっぱり本来は筋が通らぬ。私はそういう立場でしっかり立ってもらわないと、これからある問題もなかなかむずかしいというように思うんですよ。 そこで、時間が何ですから次の問題に進めますが、自治省の出した五十五年度ベースの地方財政収支試算ですね、これによりますと、五十七年度には起債の額よりも地方債の償還額の方が上回ると、こういう状況になっているんです。すなわち、歳入における地方債というのは四兆二千二百億になっていますね。それから歳出における公債費というのは四兆五千九百億円です。だから、借りる借金よりも借金返しの方が上回るわけです、五十七年というのはね。こういう資料を当時お出しになって、新税の台頭を大いに期待をされておったわけですね。こういう資料なんですよね、あのときの資料。しかし、いずれにしても、こういうような借金をしたそれ以上に返さないかぬというのは、まさに何というか、自転車操業というか、サラ金財政というかね、こういうことになるんだけれども、この辺はどういうように処理すべきだというようにお考えなんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 昨年までは、いろいろな状況を踏まえ国の財政との関連において収支試算というものをつくってみたわけでございますが、お示ししてありますように、いろいろと問題も多いということを踏まえまして、このままでは財政は全く硬直化してうまくいかないということでございますので、全般的に行財政改革をやって歳出の節減合理化によって歳出を減らすか、あるいは、まあ当時はやっぱり新たな国民の負担をふやすことによって埋めるかどいったような、どういった道を選べばいいのかというような模索を含めながらああいった試算をつくったわけでございます。 しかし、現段階においては、いまおっしゃいますように、まさに自転車操業のような財政運営では困るわけでございます。私どもとしては、年々抑制基調に立ちながら不必要なぜい肉を切り落として、財政そのものの健全化を図っていくべきだと思っておるわけでございまして、そういった過程で、先ほどからお尋ねございました、いままでの借金というものを返済しながらかつ新しい需要にもこたえていくという形の財源をどう確保するかということが私どもに課された非常に大きな問題でございまして、これは毎年毎年、もちろんそのときの客観情勢にもよりますが、私どもとしては必要な財源、交付税その他の財源を確保するのが最大の道だと思って今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 そういう状況の中で、ぜい肉を切りながら体質を固めていきたいという方法、しかしそうは思っているけれどもなかなか方法は見つからぬわけですね、現状は。そういう状況の中で、今度のいわゆる行革一括法案でお尋ねをいたしますが、十七本のあの地域特例法、このかさ上げ分を六分の一カットですが、その額は一体幾らになりますか。大体約四百六十億ですか、都道府県が四百億、指定都市六十億というように聞いているんですが、四百六十億でいいわけですね。
○政府委員(土屋佳照君) 五十五年度の予算実績ベースで法律に係る分が約四百六十億でございます。
○神谷信之助君 そして政令改正、いわゆる土地改良法などの関連で十三本ですか、これで大体約幾らになりますか。
○政府委員(土屋佳照君) 同じく五十五年度の予算実績ペースで、これはきわめて概算でございますけれども、おおむね百二十億円程度というふうに考えております。
○神谷信之助君 この分二つで五百八十億のカットになるわけです。このほかにいわゆるその他の補助金一割カットというやつがありますね。これは大蔵省の発表によるとその総額は千六百二十六億というように、公表された資料にはそう出ているんですけれども、この中身は、いわゆる臨調の答申の補助金の種類、類型が五つ挙げてありますね。「既にその目的を達し、あるいは社会的経済的実情に合わなくなったもの」、以下五の「零細補助金」に至るまで五つに分類していますね。この五つの分類の合計が千六百二十六億ということになるんだろうと思うんですが、この千六百三十六億がそれぞれ一から五までの類型でいくと大体幾らずつになるのかという点はおわかりですか。
○政府委員(土屋佳照君) 率直に申し上げまして、来年度予算の概算要求で補助金の一割削減という措置を各省とったわけでございますが、いろいろなやり方がございまして、たとえば一割といってもあるものは一割以上削減してそのかわりある程度ふやすものはふやすといったようなやりくりがございますので、なかなか全貌はつかめません。私どもとしては、しかしその削減の結果が地方財政しわ寄せなどということになると大変問題もございますので、現在その状況を調査し、取りまとめ中でございますが、なかなか率直に申し上げまして全体としてどのような影響になるか、現時点では明らかではございません。ただ基本は、いま申し上げましたように単なる負担の転嫁ということになっては非常に困ることでございますので、事務事業の廃止縮小という、必要のないものを切る。いまおっしゃいましたような零細補助金をやめて整理をするといった形でいくものならそれで結構でございますが、それ以外の方法でやられると困りますので、関係省庁にこの旨を引き続いて申し入れておるわけでございます。 ただ、私どもの担当が各省からいろいろ聞いておる限りでは、今回の場合は、節減合理化ということでございますので、事業を少し削って落としていこうというものが多いようでございますけれども、率直に申し上げて非常に複雑に入り組んでおりますので、きれいに整理をして幾らと申し上げる段階ではございません。
○神谷信之助君 先ほど言いました、第一項は「既にその目的を達し、あるいは社会的経済的実情に合わなくなったもの」、第二項は「補助効果が乏しいもの」、三が「受益者負担、融資など他の措置によることが可能なもの」、この三つですね。削る、なくしてしまうのはこの三つだろうと思うんです。これの評価が正しいかどうかというのは、実際に具体化したときに地方の側からこれはおかしいという評価が出てきたり、それはそうやというやつにもなったりするでしょう。まあ評価は別にして、こういうものが、仮にその評価が正しかったとすれば、これは実際に直接自治体にあと影響が残るという問題ではないかもしれない。しかし四番目、五番目ですね、「既に地方公共団体の事務として同化、定着又は定型化しているもの」及び五の「零細補助金」ですね。これもまとめてやるわけですから。結局はこの問題で、零細補助金として残ってそのまま存続すれば、それならいいんですけれども、その中でまた削られるとかいうことになれば、この二つの問題というのは具体的に地方で引き続いてその事業をやらなきゃならぬもの、こうなってきますわね。この分の財源についてどういうことになるのかという点をお伺いしたいんです。 それで、大蔵との合意が九月十八日にありますが、この三項にわたる合意事項ですね、地方債で措置をして、元利償還については交付税措置をする、その元利償還に要する額の二分の一に相当する額は臨時としてやると。だから、臨時で国は半分を持ってやるさかい半分は自前で処理せいと、こうなっているわけだ、同じやり方。これは先ほど言いました五百八十億ですか、法令と政令のやつ。この分だけを言うのか、このいま言いました一割カットの分の、言うなれば評価の問題は別にして、いわゆる四なり五なりに該当する分についてもはまるのか、あるいはそういう形じゃなしに、別に自主財源として付加されるということになるものなのか、この点はどうでしょう。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま申されました、地方債で措置してその元利償還金の二分の一を国が持つというのは、これは今回の地域特例の削減措置に伴うものでございまして、三年間だけの問題でございます。
○神谷信之助君 そうすると五百八十億だけね。
○政府委員(土屋佳照君) 四百六十億の部分でございます。
○神谷信之助君 四百六十億だけ。
○政府委員(土屋佳照君) はい。
○神谷信之助君 政令分は別、入らない……。
○政府委員(土屋佳照君) まあこの合意というのは、一応は私どもとしてはこの法律に基づく措置ということで考えておりますが、これに準じて政令で扱う場合については改めて協議するということになると存じます。考え方としては同じ類型に属するものだと思っております。ただ、別途一割カットということで各省がやっておりますものは、先ほどから申し上げますように事務事業を切ってやめるというものもございましょうし、そこの全容がつかめないわけでございますが、これはいま申しました取り決めとは関係はないということでございます。
○神谷信之助君 いや、事務事業を切ってということはないでしょう、定着しているわけや。たとえば四番目のやつは、「定着又は定型化しているもの」ですわね。午前中の質疑のときにもちょっと出ていましたけれども、農業改良普及員の問題とか出ましたね、行政局長の方から。だからその問題でしょう。事業は切るわけじゃないんだ、これは。いままで国が補助を若干出していたけれども、これはもうはっきり地方の事業にしようと、こういうわけだ。その分の金はどないするのやという点はどうなんやということです。
○政府委員(土屋佳照君) まあ臨調の方向として、答申でこういうことが出されておりまして、極力そういった方向で進めるということでございますが、その中身が明確に分類できておりません。私どもとしては今後調査を進めますが、実際に地方団体の事務として当然今後もやるべきものであって、同化、定型化しているものについて削減をするということになりますれば、その分は数字を把握した上でその対応策というのは詰めていかなきゃならぬと思っております。そういった意味で、どういった形で削減がされておるかを現在調査をしておるという段階でございます。もちろんいま概算要求でございますから、査定の結果どういうふうに変わっていくかということもまだわからないわけでございまして、全貌をつかむのはもう少し時間がかかると思っております。
○神谷信之助君 だから大臣、この点は、「地方公共団体の自主性を尊重し、国、地方を通ずる財政資金の効率的使用を図る観点から、補助金の統合・メニュー化を推進する。」と、「地方の自主性の尊重」というところにはそう書いてあるわけですね。補助事業だけはどんどん削れと。しかし、いまのように本来その事業は地方でやった方が適している、その金はどうするのやということはちっとも書いてあらへん。国の立場やから、国の方の金をどうやって減らしてツケをそっちに回すかというだけになっているわけですよね。これは国保の問題にしても、朝て出いた児童扶養手当、特別児童扶養手当の問題もそうでしょう。だから、こういう形で切るのは切るけれども、ツケは、やらないかぬものは、あとはもうしやないから自治体、地方に回せというようにしか読めないのが今回の臨調答申なんだけれども、私どもからすると。そういう場合には地方財政にはこういう措置をしなさいとはちっとも書いてあらへん。こうやる場合には、この点についてはその財源はちゃんと保障しなさいとどこにも書いてない。だから、国保の五%を持てというやつの分についても、だからそのためにたとえばどれだけの国税は地方税に移管しなさいというようなことが出てへんわね。持たすものだけ持たして、そしてその財源というのには一言も触れてないという状況ですが、これについて自治大臣どうなんですか。私は一言あってしかるべきだと思うんですがね。
○国務大臣(安孫子藤吉君) だから、国保の問題なんかは非常に典型的な問題、金額も多いし事柄もはっきりしておる、これは国のやつを地方にも持て、これで片づけようと、これは全く筋の通らぬ話でありまして、制度の本来の趣旨から言ってもおかしなものである、これはやっぱりどうしても是正をしてもらわにゃいかぬ。しかしながら、まあ財源の問題もありますし、答申におきましても年末の予算編成の際までお預けにすると、こういう答申になっておりますので、この点は予算編成についての一つの大きな論点になるだろうと、こ、ういうふうに思っております。 それに類似するものがいろんな補助金にもあるはずじゃないかと、こういうのがお尋ねの趣旨だと思います。それを一々取り上げてというわけにもいままいらない、予算要求の各省の形もありますから。それを十分にわれわれも把握をして、そういう問題については、たとえば定型化したようなものについて一体どうするのか、これを切った場合に。これは地方ではどうしたってその差額は受け持たざるを得ないだろうと思うのです。そういう財源を一体どうするのかという問題は、予算の編成に絡みまして論議の対象になるはずのものだと、私はそう思っております。
○神谷信之助君 予算編成の過程で論議の対象になるであろうということはわかっていますがね。だから口を酸っぱくして言っているわけです、いままでの財源不足対策を先ほど冒頭に申し上げました。それから今回のいわゆる行政改革を進める部分、まだちょびっと頭が出ただけですけれどね、あと第二次、第三次の答申出てくるのですから。だからそのちょぼっと頭が出てきた非常に危険な突破口と言われるその第一次答申の中にでもやっぱり、本来国がその分についてはツケで回してきてはならぬ分まで半分はおまえのところ持てよと、こう来るわけです。交付税で見ろよと。交付税というのは、あなた方もおっしゃっているように地方団体の共有財産でしょう。これどんどんどんどんいままでも先食いしているし、今度も先食いですよ。この手法がずうっと第二次、第三次の答申の中で出てきてやられたんではもうそれこそたまったものじゃないだろう。 だから、問題の観点は、確かに事は細かいものだけれども、そこのところで安易に私は、地方債でやって、そして半分は国が持ちますが半分は交付税でやりなさいよと。そんなものをどんどんどんどん積み重ねていったら、一体どこに地方の自主性があるのだ、あるいは、地方の共有財源を自治省の判断でどんどんどんどん先食いを許しているじゃないか、これで果たして地方の自治の確立ができるのか。あれは空疎な空文句じゃないですか。具体的に自主財源がどれだけ保障されるのかということを抜きにして自治権の拡張も出てこない。重要な柱だと思うのだけれども、その点では共有財産の交付税の先食いをどんどん許していくようなこういう手法というのは私は非常に危険だというように思うんです。この辺はいかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 補助金の整理等につきましては、私どもも、臨調でも十分説明も申し上げて、ただいま御指摘のございましたような同化、定着しておるもの、そういったものはむしろ地方の一般財源化すべきであるという方向で十分申し上げたんですが、残念ながらその点についてはこれは触れてございません。方向だけが示してあるわけでございます。 また、地域特例についても、国庫が最終的に持つ分が二分の一だということで御指摘があったわけでございますが、いまの国の財政等考えました場合にある程度協力をするといたしましても、それはきわめて幅も狭く、かつまた三年間と限られた期間でございます。そういったものの後始末という場合に、全額と私どもとしては主張したわけですが、結果的には二分の一ということになりました。ただし、地方財政にこれが影響を与えるということは困るので、地方財政に影響を与えるときは二分の一にとどまらないでもっと配慮をするということまで取り決めの中に入っております。 したがって、私どもとしては、いろいろなことはございますが、毎年毎年地方財政の運営状況を考えまして円滑な運営ができますように、そしてそういうものを通じて次第に借金財政体質を変えていくということで努力をしたいと思っております。一気にこれが単年度でできるわけのものではございません。先々を見通して努力をしていくつもりでございます。
○神谷信之助君 残念ながら時間で、もう一つのテーマは残りましたが、私は、国、地方を通じて行革を行うと言うんですが、本当にそうおっしゃるならば、国と地方との関係、国のかかわり方の問題ですね、事務、財源の再配分なんかを含めまして。こういった問題の改革を考えなしに当面のところとにかくやれよといってやってくるというやり方というのはもう許せないというように思うんですね、ですから、今度の臨調の第一次答申というのは、国のかかわり方の方にはもう全く手をつけぬで、地方の場へどんどんどんどんツケを回すというやり方ですから、その上に、地方から言えば、国民の側から言えば福祉の切り捨てや、今度もう一つ問題にしようと思っておる人件費攻撃ですな、こういうのをずっとやってくるという状況ですね。私は、これは全く本末転倒しているというように——これはきょうはもう時間ありませんからやりませんが、本来、たとえば人件費、給与をどれだけどうするかというようなことは、それこそその自治体の長と当局とそれから組合と協議をし、そしてその上で条例が提案され、予算が提案され、それを議会が認めるというか、住民がそれを承認するということ、これが地方自治でやられておるんですね。それは行き過ぎもあったり足らぬところもあったりするでしょう。しかし、それは長くかかって民主主義が発展をする中で地方自治というのが確立をされてくるので、そういうものも一挙に強権的にやろうとするのは——これはきょうはもうやりませんけれども、私はそれは許せないと思っているんですよ。だからそういう意味では、非常に今度の臨調の第一次答申は、第二次、第三次答申のでかいたくらみの第一歩で、地方自治の側から言うたら、あるいは自治体の側から言うと非常に危険な予想をせざるを得ぬような第一次答申の内容になっているという点を特に申し上げて、そしてその点では自治大臣か自治省もひとつ十分地方自治の確立の観点からがんばってほしいと思うし、それを私はやり抜こうと思ったら、私ども共産党が言っているように、軍事費を削ってこっちへ回したらできるんですよね。それをやらぬから四苦八苦してはるので、そばからじっと見ているとおかしくてしようがない。やれることをやらないでいいかげんなことをしようとするからますます矛盾が深まってきている。そういうことだと私は思うんです。 その点を指摘をして、一応時間ですからきょうの質問を終わります。
○伊藤郁男君 最初に、大臣にお伺いをしておきます。 自治省は、一昨日十三日、事務次官通達で、給与あるいは期末手当、退職金等の実態を住民に公表せよ、それで今年度は十二月にやれと、毎年一回ずつそういう公表をしろと、こういうことを通達を出したようでございますけれども、この通達を出された目的は一体何なのか、これをまずお伺いします。
○政府委員(大嶋孝君) 御指摘のように、十三日付をもちまして通達を出したわけでございます。その趣旨といたしますところは、この公表を通じまして住民の真摯な関心を期待をする、そして各地方公共団体の議会におきましてより充実した審議が進められるということによりまして、地方公務員の給与が地域住民の一層の納得と支持が得られるということを期待したわけでございます。
○伊藤郁男君 それでは、その通達の内容を、どういう一体内容になっておるのか、具体的にお示しをいただきます。
○政府委員(大嶋孝君) 内容といたしましては、まず「人件費の状況」、これが人口、歳出額、人件費、さらに人件費率。それから「職員給与費の状況」といたしましては、職員数がどれだけ、それに給料、職員手当、期末・勤勉手当がそれぞれ幾らで、合計幾らで、一人当たりの給与費は幾らといったようなもの。それから「職員の平均給料月額及び平均年齢の状況」といたしまして、一般行政職につきましては平均給料月額、平均年齢何歳。それからそれが国はどういうふうになっているかという比較の出るもの。それかも「職員の初任給の状況」につきましては、一般行政職あるいはその他の職におきまして大卒、高卒に分けまして、決定された初任給は幾らで、それから採用二年経過したときの給料額は幾らになっておる、それに対する国はどういうふうになっておるかというような比較がわかるようなもの。それから「職員の経験年数別・学歴別平均給料月額の状況」といたしましては、やはり大卒、高卒に分けまして、経験十年、十五年、二十年、それぞれ幾らになっておるかというようなことの比較を出して、これは、住民自身が自分の給料と比較してこれが高いのか安いのかというような判断をしていただこうというようなものでございます。さらには「一般行政職の等級別職員数の状況」、これはそれぞれの地方団体の給与条例に基づきます給料表の等級区分によりまして、たとえば一等級でありますと部長であるとか課長であるとかいった標準的な職務内容と、それにその等級に入っておる人たちが幾らであって、その構成比は幾らであるかといったようなもの。それから「職員手当の状況」といたしましては、期末・勤勉手当、それから退職手当がそれぞれどういうふうになっておるか、それに対応する国がどういうふうになっておるかといったようなもの。それから「特別職の報酬等の状況」といたしましては、知事、副知事、出納長。市町村で言いますと市町村長、助役、収入役。それから議長、副議長、議員がそれぞれ幾ら。それから期末手当につきましても、それぞれに分けまして何ヵ月分出るようになっておるのかといったようなものが内容でございます。
○伊藤郁男君 それの内容は、いままでも地方団体が地方議会に予算編成の際に毎年出しているものとやっぱり大して変わらないのじゃないかと思うんですが、どこがどう違うんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 一つは公表の方法にあろうかと思います。今回通達で言いましたのは、できるだけ多くの住民が容易に手に入れることができる、あるいは容易に知ることができるという手段をもってやっていただきたいという一つの方法がございます。 それから、そういう方法で公表いたしますので、地域住民にわかりやすい形で出していただきたい、公表をしていただきたいということで、内容といたしましては、従来議会に出しておりましたものと重複する面もございますし、若干違う面もございますけれども、要するに住民にわかりやすいということが一番大きな意義を持つわけでございますので、たとえばグラフを用いますとか、いろんな公表の方法があろうと思います。そういう内容と、それから公表の手段というところに一番大きな違いがあろうかと思います。
○伊藤郁男君 時間がないからこちらの方から意見を申し上げておきたいんですが、私は、いまお話があったようなものを議会で毎年議論をしておるのですけれども、それと同じような内容のものを広く住民に知らせるというだけの違いで、中身は大して変わらないと思うんですね。だから、このことによって果たして住民監視のもとで適正な給与というものが実現できるかどうかというと、私は非常に疑問に感じておるわけです。いま住民なり国民なりが地方公務員の給与の問題について注目をしておりますのは、あるいは批判を持っておるのは、ラスパイレス指数が高いということのほかに、やっぱりわたりだとか昇短だとか、あるいは退職金にまたわからないような上積みの退職金を出すと、こういうような実態に対して批判が集中していると思うんです。そのこと自体が住民に正しくわからなければ、本当のことがわからなければ、何のためにこの通達を出して、ただ公表しろと言ったところで意味がないのではないか。そこのところまで切り込んでいく必要が私はあると思うんですが、この点大臣どうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) お話しの点はわからぬわけでもありませんが、結局そういう給料の実態が住民には一きりしてくると——いまだってそれは議会があるからそこで十分審議をされて、そしてそういうものが適正になっておるはずのものだと思うんですけれども、それが必ずしもそういう機能を発揮していないのも現実の姿だと思うんです。それはどういうことかと申しますと、実態といたしまして、住民はこういう問題についてそう関心を持たない。それは議会とそれから理事者の方でやっているからそれでいいんだと、こういうようなのが実態だろうと思うんですね。それで、この問題というものはやっぱりその地域社会の発展のために実態というものを多くの人々によく承知をしてもらう、それが議会にも反映するわけです。そういう手段が一番妥当じゃないか。そういうことでこの公表という問題をわれわれは取り上げておるわけです。 そこでいまお話しのように、その実態というものがいままで議会等に出したものと大体同じじゃないかと、こういうことを言いますけれども、今度は比較表もあるわけですね。この比較表というものは、住民から見れば、国家公務員と比べてどうしておれのところは高いんだろうかというようなことになるだろうと思うんです。そうするとその原因というものは、いまあなたがおっしゃったようなわたりでありますとか初任給の問題でありますとか、そういう問題が出てくるわけです。そういう問題が各団体に共通しているかと申しますと、各団体ごとにその事情というものは違うわけでありますから、それを一般的に公表するというわけにもいかぬ。それは批判の中からそういう問題が生まれてくると、こういうことに私はなるだろうと思っております、
○伊藤郁男君 いま大臣は、この通達によってある程度関心を住民が持つ、一歩前進ではないかということ、この点はわかります。しかし、国家公務員と比べてどうだ、期末手当はどうだ、退職金はどうだということなんですが、この通達の内容を見ますと、これでは実際にどうなっているか住民にはわからぬわけですね。たとえば期末・勤勉手当についても、たとえば六月期については何・何ヵ月を支給するんだ、それに対して国家公務員は何・何ヵ月になっている、こう言うんですが、やっぱりその金額ですね、金額を明確に明示してやらないとそれは住民にはわかりませんよ。私どもだって、いろいろな給料表なんかがあっても、一体それがどういうことなのかということはわれわれ自身もわからないわけですから、そういうことをもっとわかるように、積極的にその辺のところは踏み込んでいっていただきたい、こう思うんですが、どうですか。
○政府委員(大嶋孝君) いま期末・勤勉手当のお話がございましたので、特に「記載要領」のところにおきまして、「「期末・勤勉手当」は、」「支給期毎に標準的な職員に対する実際の支給割合を記載する」、そのほかに、「定額支給分がある場合には、一人当たり平均額を支給割合に付記」してくる。それから特に、特例条例等によりまして支給割合あるいは支給額が加算されておる場合がございます。そういう場合には、「この加算措置分も含めた支給割合等を記載する」ようにというようなこと。その他それに類する注意書きがございますので、それに従ってやっていただきますと、御指摘のような点は十分わかり得るのではないか、かように考えております。
○伊藤郁男君 それではお伺いするんですが、たとえばやみ給与問題が問題になっているようなところでは、その条例で一定の金額以上の期末・勤勉手当を首長が上乗せすることができるというようなところが問題になっておるわけです。首長独断でそういうことができる。だから、そのことを上乗せするということは密室の中で、首長が勝手にやれるわけですから、その分が問題なんですね。その分までがいまおっしゃるようなことで明らかになるのかどうか。私はどうも明らかにされないのではないかと思うんですが、その辺のネックはどこにあるんですか。
○政府委員(大嶋孝君) 先ほど申し上げましたように、私たちの方としては、その加算した分も含めて実際の支給割合というものを公表していただきたい、このように通達を出しておるわけでございます。ところが、実際に支給しながらそれを公表の中から落としてしまうというようなのが全くないかと言われますと、それは場合によってはあり得るかもしれませんが、私どもとしては一度公表されたものを取り寄せまして研究をしてみたい、かように考えております。
○伊藤郁男君 それでは、この点はひとつ一層の努力をお願いをしたいと思います。 それから次に、都道府県の全職員に占める役付の比率というものがわかっておりますか。
○政府委員(大嶋孝君) 都道府県におきます役付職員の割合でございますが、五十五年度と五十年度の割合を比較して申し上げてみたいと思います。 五十年度から五十五年度にどう移ったかということでございますが、部長級につきましては〇・四%ありましたのが、ほとんどそのまま〇・四%でございます。部の次長級につきましては〇・五%でありましたのが〇・六%、〇・一%ほどふえております。課長級につきましては四・四%でありましたのが五・二%にふえておりますし、課長補佐クラス九・四%であったのが一一・四%というように若干役付職員の割合がふえておりまして、係長以上の役付職員ということでございますと、三六・七%でありましたのが四〇・七%というふうな傾向にございます。
○伊藤郁男君 パーセントで言われるとわからないんですけれども、ここに一つの調査があるんですよ。それは政策推進労組会議が昨年金国の都道府県に対して調査票を交付して集計したものがあるんですが、これによりますと、昭和三十年で十四・一人に対して一人の役付者があった。四十年は今度は十人に一人になった。四十五年は七・五人に一人の役付者が出ている。五十五年は五・一人に一人が役付者、これが平均で出ている。五十五年は五・一人が全国の平均になっているんですが、宮城県のような場合は二・〇人に一人、二人に一人が係長以上の役付者になっているということですね。岡山県ではもっと低くて一・八人に一人。こういうような現実になっているわけですが、こういうような実態について、役所に行けばもうみんな役付だ、こういうことにもなるわけですね。部下は一人しかいないということですから、二人に一人ということは、こういう実態が生まれた原因についてどういうように思われておるのか。あるいは、そのことによってさまざまな弊害が生じてはいないかと私は思うんですが、その点についてどうですか。
○政府委員(大嶋孝君) 役付職員が増加しておるということの主な原因といたしましては、最近におきます行政の多様化なり高度化あるいは専門化等に対応いたしまして、ライン組織上の管理職のほかに、特定の業務を専門的に調査研究をする、あるいは各ライン組織の総合調整を行う管理職相当のスタッフ職が設けられているというようなことであろうかと思います。そういうような役付職員は、業務の必要性に基づいて設置され、またその権限と責任が明確に定められているべきものである、かように考えております。
○伊藤郁男君 私は、やっぱりこういう現状の中からは、頭ばかり大きくなって、判こ行政と言われるように、上の方がたくさんおるわけですから、そういうことによって自治体の組織そのものが硬直化し、能率がその点において落ちていく、あるいはまた、役付がふえればふえるほど給与もその分高くなる、こういうようなさまざまな弊害が出てきていると思うんです。 そこで、自治省としては、地方公務員は何人に一人が適正かだとか、さまざまな一つのモデルをつくって、今後それを地方自治体に参考にさせるということで、二年後にそれをつくり上げるという作業をやっているそうでございますが、その作業がどの程度進んでおるのか。あみいはその作業の中に、役付者というものは大体この程度が適正だというようなこともやっぱり示すべきではないかと、こういうふうに思うんですが、その辺のお考えをお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(大嶋孝君) 御指摘のように、単に職員の処遇上の措置といったようなことで役付職員を置かれておるというようなことであれば、まさに組織機構を複雑化いたしますし、効率的な行政運営を阻害するということになろうと思いまして、そういうことであればこれは不適切なものであるというふうに考えております。 定員モデルのお話がございましたが、現在、地方公共団体定員管理研究会におきまして、一応本年度末を目途に調査研究を行っておるところでございます。そのモデルの作成の過程におきましては、行政対象なり業務量なりあるいは業務内容なり事務処理方法といったようなものとともに、組織機構のあり方あるいは御指摘のような役付職員の状況等にも配慮しながら、検討を行うということになると思っております。
○伊藤郁男君 大臣、知事経験者として、こういう今日の現状ですね、役付者がどんどんふえているわけですよ。私がいま指摘したような弊害も生じておろうと思うんです。地方の時代と言われるならば、やっぱり組織の中に働いている者が積極的に時代を先取りして積極的にやっていく、こういうことがまず必要だと思いますし、そのためにはやっぱり職員間にいつもこう張り詰めた空気というんですか、自由に討論し合っていこうという空気が生まれてこなければいかぬと思うんですね。ところが、二人に一人の役付者だということになれば、上の方に頭を下げてはかりいるという状況ですから、やっぱり上から何か言われればそれでもうそのとおりやるということですから、組織そのものがもう硬直してしまって時代の先取りなんてとてもできないと思うんですが、この点の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私の経験からいたしましても、役付職員というものが昨今におきまして非常にふえつつある、これは私は適当じゃないと、こう思っておるんです。そこで、責任者といたしましては、やはりこの点を十分に配慮をすべきだろう。これはしかし地方庁だけじゃありませんで、まあざっくばらんに申しますといろいろな面におきましてそういう傾向があるわけですね。だからお話しのように、二人しかいないのに一人は役付だとか、役付しかいないとか、そういう、このままでいけばひどいことになるのじゃないか。 これも背景といたしましては給与の問題があると思うんです。まあ公務員部長からいろいろ時代の趨勢という問題もありましたけれども、それも確かにあると思いますが、私がいま言うような給与の問題もあるわけですね。それがこの仕事の能率にどれだけ影響するかということになると、私は、そう能率が上がるものでもないだろう。やっぱり適正な役付というものはあり得るものだろうと、こう思うんです。 それで、これに対してやっぱり理事者たる者はしっかりした見解を持って処置すべきだろうと思うんです。これはいろいろな原因が絡んでおるわけでありまして、一概に理事者を責めるわけにもいきませんけれども、理事者はそこに厳然たる態度をもって、人事管理の面において、それから行政事務の執行の面におきまして一つの見識を持って私は対応してもらわにゃならぬ、そういう重大な問題だと、こう思っております。
○伊藤郁男君 大臣から相当の御示唆をいただいたのでこの点はいいんですが、時間がありませんので次に移りたいと思います。 厚生省にお伺いをしておきます。 九月十四日に、行政管理庁が村山厚生大臣に対しまして、保育所の実態調査について報告を行い、そして保育所の設置基準を初め総合的な改善策を求めておるわけですが、そこでこの点について具体的にお伺いをしたいんですが、一体保育所というのは全体として余っているのか、それとも足りないのか、端的にお伺いします。
○説明員(横尾和子君) 五十六年の四月の時点での数値を申し上げますと、保育所数は二万二千四百四十二個所でございます。入っている子供の数が百九十二万余りでございます。 余っているのか不足しているのかというお尋ねでございますが、御承知のように、子供の生まれてくる数が減っておりまして、かつて大変な努力で保育所を整備いたしました地域において余っている場所がかなり出てまいりました。他方、なお首都圏の周辺地域であるとか各県におきましても、団地が造成されているようなところではなお保育所の不足ということが強く言われておりまして、そういう部分では新設要求がかなりまだ根強く残っていると思います。ただ、総体といたしまして、毎年の保育所の新設に対する要求は四、五年前に比べまして二分の一程度あるいは三分の一程度にトーンダウンをしておるという状況でございます。
○伊藤郁男君 いずれにしても、行管庁が昨年の四月から全国の実情を任意にリストアップして千六百八十一カ所を調べている、その結果九百七十六保育所というのですから、約六割近くが定員割れの状態にある、こういうことですね。これはこのとおり受け取っていいですか。六割も定員割れになっていると。
○説明員(横尾和子君) お調べになりました数値につきましてはそのとおりだというふうに思っております。ただ、行政管理庁の調査の時点が五月から六月という時点で調査をされております。それから、定員割れの定義にいたしましても、百人定員のところが九十六名というような状況にありましても定員割れというふうに定義をされております。通常、四月の時点ではどこの保育所も満杯にはなりませんで、それが一年間かけてだんだんだんだん埋まっていって、三月の時点が一番子供の数が多いというふうなサイクルを繰り返しておりますので、六割という数値は、以上申し上げた時点から考えましても年度途中の、あるいは平年度化した時点の姿としては若干大きな数字だというふうに承知しております。
○伊藤郁男君 それでは、この調査の内容でもう一つお伺いをしておくんですが、二十九都道府県から任意に抽出した八十五保育所に入所している児童八千五十二人を追跡調査したところ、一〇・七%に当たる八百六十四人が無資格で入所している児童であったことがわかった、こういうことですが、これもそのように受け取っていいんですか。
○説明員(横尾和子君) 行政管理庁の御指摘は、一〇%、これが八百六十四人と言われておりますが、この中で資格がない者と、措置をする、入所させる事由が薄い者とが含まれているように思われます。 その八百人余りの中で、私どもが確かに無資格と思われる者は、たとえば母親の就労を入所の理由としていながら、実際調べた結果、その事実が認められない者百名というようなのもございます。これはまさに無資格であるというふうに思っておりますが、それ以外の多くを占める者、たとえば中には祖父母の同居人がいて、祖父母が世話をすることもできそうな者というのが相当数含まれております。 この点につきましては、私どもは、中には祖父母で十分子供の保育ができるケースも含まれていると思いますけれども、たとえば子供の年齢がゼロ歳、一歳というような子供を七十を過ぎたおじい様が保育ができるかといいますと、若干これは疑問を感じるような場合もございまして、その意味では一概に全数をもって無資格だというふうにこれを理由づけるというのは適当ではないのではないかというふうに考えております。
○伊藤郁男君 しかしやっぱり、保育所そのものが定員割れがかなりあって、結局経営難になりますわね。そのために入所資格について厳重な審査をしないでそのまま入れているということではないか。これは行管庁もそのように指摘をされておりますが、そういうことじゃないですか。
○説明員(横尾和子君) それぞれの保育所が子供を集めるというような仕掛けでございますればそういった傾向もはっきりと出てくる場合もあるかと存じますが、ただいまの保育所の入所決定と申しますのは、市町村長がこれを行うというふうなことでございます。したがいまして、その市町村長の決定について、経営難という観点だけで措置が甘くなるというようなことは考えにくいというふうに思っております。
○伊藤郁男君 今後の問題ですけれども、いずれにしても、ほかに児童福祉対策費の中における保育所の措置費というのはかなりの額に上っているわけですね。二千七百億から二千八百億円に達しているわけですね。このお金の一部が少しでもやっぱりむだ遣いになっているということになると私は大変なことだと思うんです。だから、こういうような現状に照らしてそういうことが今後ないようにやっぱりやっていかなければならぬ、行政の立場としては。そういうように思うわけです、 それから、国の措置費のほかに地方の持ち出し分も大変大きいわけです、保育所は。これは五十四年九月の日本都市センターの調べました報告書によれば、横須賀とか、浦和とか所沢、千葉、日立、前橋、三鷹、北九州、この八市の実情を調査したところによりますと、園児一人当たり月三万二百九十二円を要しておる。このうちの国の措置費が九千三百九十二円で、市の、これは県も含むと書いてあるんですが、市や県の持ち出し分が一万一千四百六十四円になっている。さらにその上に市独自の保育料の軽減措置としての負担金が三千七百四十四円になっているわけですね。実に三万二百九十二円のうちの八一・二%の二万四千六百一円ですね。年間にすれば約三十万円、これを国と市で持っているわけですね。こういうような現状で、保本人負担はわずか一八・八%にすぎない、こういう状況です。したがって、これが地方財政の中にかなり圧迫要因となっているのではないかと思うんですが、この点について自治省の見解はいかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) いま具体的に保育所に関してどのような状況になっておるのか、にわかのお尋ねで私ちょっと数字も持っていないわけでございますが、保育所について、いまお示しのとおりの数字がそのとおりか、よくわかりませんけれども、県なり市なりの負担というものがかなりな額に上っておるということは私も承知しております。全体的にどれだけになっているというような数字はちょっと用意しておりませんので、その点についてはお答えできませんが、今後の保育所のあり方全体については、所管省である厚生省において、幼稚園等との兼ね合いもあるようでございますけれども、いろいろあるべき姿を検討されると思います。 私どもとしては、地方団体への負担が多くなるということは、これは避けなければならないことだと思っておりますけれども、ちょっと具体的なお答えは差し控えさせていただきます。
○伊藤郁男君 先ほどからの論議にもありますように、いまの厳しい地方財政の状況の中でこのままでいいのかどうかということを、自治省としてもやっぱり見直しを検討していく必要があるのじゃないかと、私はそう思っているんですが、時間がありませんので前へ進みますが、そういう見直しの点でもう一点お聞きをしておきたい。 これは厚生省にお聞きをしておきたいんですが、児童福祉法ができたのが二十二年ですね。そのできた時代の保育というものは、戦争未亡人とか、特に生活に困っている人、そういう人のところの家庭を助けるために子供を預かるということだったと思うんですね。ところが、昭和三十五年以来高度経済成長時代に入りまして、この現状というものが相当変化をしてきているのではないか。たとえば婦人が職場に進出をしていく、あるいは、家に引きこもって子供を育てているだけが婦人じゃない、やっぱりもっと積極的に社会へ出て自分の能力を試してみたいとか自分の技術を伸ばしてみたい、こういう女性が非常にふえてきたですね。さらに、もっとよりよい生活をしたいということで働きに出て子供を預ける、こういう状況の変化があったと思うんです。あるいはまた、核家族化が都会では進んで、子供を一人にしておくということができない。だから、一人で遊ばせるというよりも多数の子供に交わって遊ばせた方が教育のためにいい。あるいは集団生活になれさせるために保育所に入れる。こういうのも私は出てきたと思うんです。 だから、当初は本当に生活に困った人、そういう人のために保育所というものが存在をしておったのですが、いまはそういう福祉の面というよりも、むしろたくさんの子供と交わらせたいとか、そういうことになると、これはもう教育の面に入ってくるわけですね。あるいは、婦人がとにかく働きにたくさん行くようになったということになると、これはもう労働雇用政策としてのウエートもまた高くなってきているということで、保育所の持つ意味合いが大変変わってきていると思うんです。そういう意味においてはいま国がたくさんの費用を出している措置費、これについて根本的にやっぱり見直す必要があると私は思うんです。それは、夫婦で二千万もかせいでいる人が、共働きのために、外車に乗って保育所に乗りつけて子供だけ置いていくと、こういうことも批判の対象になっているという事例も新聞に出たことがあるんです。こういうことになると、保育所というものが、大変その内容、意味が違ってきているんだから措置費の問題も当然考える必要があるし、あるいは幼稚園と変わらない教育の部門にも踏み込んできているということになれば、やっぱりいまの時点から、幼稚園と保育所の境目がだんだんだんだんとなくなってきているということを考えれば、例の幼保一元化の問題にどうしても突き当たらざるを得ないわけですが、そのような方向をこれから検討をしていくつもりがあるのかどうか、お伺いをします。
○説明員(横尾和子君) お尋ねは二つのことのように理解をさせていただきました。 第一点は、いまの措置費の補助の仕掛けというのを変えるつもりがあるかどうかということだったように思われます。その御質問の中で、二千万円の所得のある家庭の児童というようなお話が出ましたけれども、実は、ただいま国民の平均収入が四百万円をちょっと超えたところが平均的な所得だと思われますが、保育所入所児童の家庭の収入状況を見ますと、八割はこの水準以下でございます。そして、多くの場合が共働きでこの国民の平均水準以下の状況にあるということは、なお保育所がある意味でまだ経済的に弱い階層の生活を支えるための柱になっているということを示すものではなかろうかというふうに思っております。 もう一点、それでは所得の高い方について多額の公費負担があるというふうな御指摘がございましたが、実は私どもの補助金の体系と申しますものは、所得のある方からは保育に要する費用の原価そのものを全額徴収するという仕組みになっております。たとえて申しますと、所得税が二十一万円を超える世帯からは保育原価全額をいただく。と申しますのは、所得税二十一万円というような線は、大体粗収入で申しまして四百八十万円ぐらいだと思います。決してそう高い収入というふうには私ども理解しておりません、そういうところからは原価全体をいただきます。そこと、生活保護世帯については無料、その間に一つのスケールができているわけでございますけれども、先ほど申しました平均的な国民の収入でございます四百万円ラインで三歳未満の子供を預けましても大体二万七千円ぐらいちょうだいするような仕掛けになっております。つまり、私どものいまのスケールそのものはまさに所得に応じて応分の負担をしていただく仕掛けになっておりまして、これをもうちょっときつくするとか、全く措置費の流れの体系を変えるとか、そういうふうなことはかえって子供の育つ条件を崩すものではなかろうかというふうに思っております。 それからもう一点、保育所が救貧対策のほかに教育的な要求とか労働条件としての役割りを果たしているというふうな御指摘でございましたが、それはそのとおりだと思います。保育所という器をその時代の子供の要求に合ったように変えていく、それも保育所の一つの役割りではなかろうかというふうに思っております。 幼稚園か保育所がわからない施設ができているということでございますが、これは基本的には私どもは幼稚園に向いている子供さんについては幼稚園に行っていただきまして、保育所はもっと長時間、お昼を食べた後も、そして場合によっては夕方の六時、七時、こんな時間まで残るようなことが必要とされる子供の施設として充実をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
○伊藤郁男君 私が後段で言いました、幼稚園については文部省、保育所については厚生省ということですが、やっぱり保育所の中身が時代の推移とともに変わってきている、教育にも踏み込んできているということになると、その境目がだんだんとわからなくなってきている。したがって、幼稚園と保育所を一元化していく。文部省だとか厚生省だとかのかきねを取り払って、そういうところにやっぱり目を向けて将来の問題として取り組んでいくつもりはないか、こういう見解に対してはどうですか。
○説明員(横尾和子君) 幼稚園と保育所の一元化という言葉をもちまして、実はさまざまな御提言が行われているように思います。そうした御提言の中で、実は私どもは安易な一元化をいたしますと現在保育所に来ているような子供、朝の七時半ごろから登園いたしまして夕方まで残るような子供の処遇水準が落ちるようなことがあってはいけない。それからそういう子供のお世話をする流れに乱れがあってはいけないというふうに考えているわけでございます。一元化と言われますものの中には、一説によりますと、午前中は幼稚園へ行って、必要な子供は午後保育所へ行けばいいじゃないかというような御提言もあるように承知しております。こういうようなものは、まあ三歳、四歳という幼い子供でございますから、午前中幼稚園の先生になれ親しんで、午後保育所の先生と仲よくして、夕方お母さんに迎えに来てもらって家族とつき合う、こういった複雑な人間関係は子供の発達の上からはとってはならない方式ではなかろうかというふうに思っているわけでございます、いま保育所にお預かりしている子供さんのために一番必要なことの中で満たされるものがあれば協力、調整といったことも考えてみたいというふうに思っております。
○伊藤郁男君 もう時間がありませんので、質問はまだ残しておるわけですが、私が言っているのは、幼保一元化というのは、施設があるからここへ午前中行って、午後はこっちだということじゃなくて、同じ施設の中でもう少しそういうことがお互いにできないかということを私は言おうとしているわけですが、これらの点についてはさらにまた議論をする時間があると思いますので、これで終わります。
○委員長(上條勝久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後六時二十五分散会 —————・—————