社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/10/22
会議録
○委員長(粕谷照美君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 労働問題に関する調査を議題といたします。 まず、夕張新炭鉱災害について政府より報告を聴取いたします。神谷立地公害局長。
○政府委員(神谷和男君) 夕張新炭鉱の災害につきまして御報告をさせていただきます。 北炭夕張炭鉱株式会社の夕張新炭鉱の北部地域におきまして、十月十六日、午後零時四十分ごろ、ガス突出と推定される災害が発生したことが、坑外におきます集中監視室につながっておりますメタンガス感知器が異常値を示したことにより感知されたわけでございます。 その後、直ちに会社におきまして救護隊を招集し、救護隊による搬出作業に当たってまいったわけでございますが、同日午後十時三十分ごろ、北部入気斜坑方面から突如火災が発生し、煙が充満したため、救護隊を退避させるとともに、全坑に退避命令を発したわけでございます。この過程におきまして、救護に向かった救護隊の一部十名がその後音信を絶って現在に至っております。 現時点におきまして遺体が収容された者三十四名、坑内において死亡が確認された者十名、行方不明四十九名、このうちにはただいま御報告いたしました救護隊行方不明十名の方々が含まれております。 その後、坑内は非常に危険な状況でございましたので、会社側では、現地の札幌鉱山保安監督局と連絡をとりながら、安全を確かめつつ、第一次、第二次、第三次という形で、救護隊による探険隊を災害発生地点と推定される地域に極力近づけるべく派遣をいたしましたが、一定の地域より先は、黒煙、高熱、高濃度のガスという状況のために、それ以上現場に近づくことが不能でございました。 その後、火勢、煙、高温高熱の地域が拡大しつつある状況にございましたので、十八日午後八時二十分ごろから午後十一時ごろにかけて、入気側の通気を抑制する措置をとったわけでございます。ただし、行方不明者の生存に一縷の望みをつなぐため、坑内のビニールハウスへの空気の供給は引き続き行っていったわけでございますが、入気路は、空気袋によりまして密閉して酸素の供給を断つことにより、火勢の鎮火を期待したわけでございますが、その後状況の好転は見られず、メタンガスの濃度も横ばいないし若干増大ということで、第三次災害あるいは大規模な爆発の可能性も依然として高いまま今日に推移しており、他方、災害地域と離れた西部地域におきましても、坑道その他の状況が逐次悪化する状態が続くまま現在に推移しておるわけでございます。 二十一日十九時過ぎ、会社側では、注水により消火をし、行方不明者の生存は絶望的と判断して遺体の可急的速やかな搬出を期したいということで、注水やむを得ざるに至った判断を家族の方々に説明されると同時に、家族の同意を要請し、現在個別に各家族と会社が具体的同意の確認作業中というふうに了承いたしております。 現地の責任者たる札幌鉱山保安監督局におきましては、本件注水問題に関しましては、現在坑内の状況、行方不明者の生存可能性についての判断を固めるべく各方面の専門家の意見を聴取するとともに、同局が収集しておりますデータを分析中でございますが、局としての判断に至っていないというのが現状でございます。 以上でございます。
○委員長(粕谷照美君) 続いて、この災害でとられた労働省としての措置の報告をお願いいたします。石井労働基準局長。
○政府委員(石井甲二君) 北炭夕張新鉱における災害につきまして労働省としてとりました措置を御報告申し上げます。 労働省といたしましては、災害発生直後に、まず災害調査のために、北海道労働基準局及び岩見沢労働基準監督署に対策本部を設置し、本省から安全課長ほか担当者を現地に派遣し、調査の指揮に当たらせました。 また、救急医療対策を講ずるため、美唄労災病院及び岩見沢労災病院に医師、看護婦等を待機させるなど、受け入れ体制を整えるとともに、救護隊員等に対し救急医薬品を配付いたしました。 さらに、政府対策本部が現地に派遣した政府調査団の一員に安全衛生部長を加え、現地の実情の把握に当たらせました。 十月十八日、深谷労働政務次官が現地に赴き、関係者から事情を聴取するほか、救援を待っている家族を激励し、さらに遺族の各家庭を個別に弔問するとともに、罹災者をお見舞いいたしました。 また、被災者及びその遺族に対する災害補償につきましては、万全を期すべく事業所に対して関係書類の整備を指導するなど体制の整備を図ったところであり、補償給付金の請求手続がとられた場合には迅速に補償を行うことといたしております。
○委員長(粕谷照美君) 以上で報告の聴取は終わりました。 これより質疑を行います、質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○対馬孝且君 ただいま北炭夕張新鉱の災害の現況につきまして御報告がございました。 本件に関しまして、まず通産省、きょう衆議院の石特が行われておりますので、本来ならば大臣に御出席を願いたいところでございましたが、主管の委員会でもございますから、長官においでを願いました。 そこで私は、今次の北炭夕張災害というのは、私も炭鉱マンでありますが、昭和三十八年の三池炭鉱の四百五十八人の犠牲、それから四十年の山野炭鉱の二百三十七人、今回が九十三名、戦後第三番目の実は災害に至っているわけです。人間の生命は地球より重いという言葉どおり、何といっても人命を最優先に保安対策をしなければならないものである。こういうことで、会社側に対しましても、また政府に対しても、常々エネルギー委員会等を通じまして私も要求いたしてまいりました。 そこで、まず長官にお伺いしたいんでありますが、今回の災害発生に伴いまして、いわゆる第七次石炭政策の背景あるいは政策の基本に立って、どのようにこれを受けとめられているか、またこれからどうお考えになっていくかという所見をまずお伺いしたいと、こう思うわけです。
○政府委員(小松国男君) 先生のお話にございますように、北炭夕張の事故というのは戦後三番目の事故ということで、私どももその重大性をかみしめている段階でございますけれども、第七次答申に基づく今後の石炭政策との関連でどう考えるかというお話でございますけれども、七次答申自身は、最近の石炭鉱業をめぐる内外の環境が徐々に改善されてきている中で、現在の炭鉱が現在程度の生産を維持するということを基調といたしまして、今後石炭企業が経営体質を改善し、また石炭をめぐる需給環境がさらに好転するということを期待いたしまして、それをベースに現在以上の生産の拡大も可能であるという考え方をベースにいたしまして、石炭鉱業の自立を目指していこうということで今回の答申が行われたわけでございます。 そういうやさきにこういう事故が起こりましたことは、私どもにとりましてもまことに残念でございますけれども、今回の北炭の事故が全体の石炭政策の基本を変えるような問題にはならないんではないか。確かに夕張炭鉱自身の特異性その他もございますけれども、そこでああいう事故が起こったということは、私ども石炭政策を進める者にとって非常に重大な問題ではございますけれども、今回答申を受けました石炭鉱業の答申の基本的な考え方、特に石炭をめぐる環境の改善の中で石炭鉱業の安定的な拡大を図っていく、特に経済性と安定性の調和の上に立って日本の石炭鉱業の位置づけをしてい三つ、こういう石炭鉱業の政策の基本的な考え方には大きな影響はない、むしろ今後ともこれを契機に石炭鉱業政策そのものを真剣に転換していかなければいけないんじゃないか、かように考えております。
○対馬孝且君 いま小松エネルギー庁長官から、七次政策のいわゆる二千万トン体制を柱に基本政策の変更はない、特に北炭の変更方はないという考え方、それは私なりに子といたします。 ただいまの現地段階で、私も十七日早朝に入っているんでありますが、組合員、家族、それから夕張全体の住民の声は、災害によって山をつぶされるのではないか、また縮小されるのではないか、この懸念がいまほうはいとして訴えられているわけです。きのう田中通産大臣と十時四十分に私もお会いしています。この点について、現地に田中通産大臣も来られて、二千万トン体制、再建を基本に保安の万全を期してこれから技術調査団等を現地に入れたい、こういう基本に立っておったのが、一昨日の閣議決定後閉山もあり得るということをマスコミに報道されたものですから、現地からえらい訴えの声がございました。 この点についてひとつ長官として、しかもエネルギーを扱う最高の責任者として、組合員、家族あるいは夕張市住民の声に——いま一番動揺しているときでございまして、その点、大臣の考え方はきのう聞きましたけれども、長官としてやっぱり大臣同様基本姿勢に変わりはないのかどうか、具体的にひとつ所見を聞かしてもらいたいと、こう思います。
○政府委員(小松国男君) 当面は罹災者の救出に全力を挙げるということが基本でございますし、さらに今回の災害の原因がどこにあったのかということで、今後技術調査団その他を派遣してその究明に努めまして、こういう事故が二度と起こらないような方策を樹立するということがまず第一だと思います。 いま先生の御質問、北炭の再建問題についてはどう考えるかということでございますけれども、坑内の災害の状況がどうなっているか、まず実態の調査をいたさなければなりません。さらに事故原因がどんなところにあったのか、また今後の問題といたしましては、労使の再建に向けての取り組み姿勢がどうなるのが、また債権者の支援見通し、さらには地域経済に与える影響、こういう問題も総合的に検討いたしながら再建の可能性を検討していきたいと、かように考えております。
○対馬孝且君 いま当面何といっても、四十九名を家族の手元に一日も早く、一分、一秒も早く帰してやるということが一番大事なことなんですが、ただ、後で立地公害局に基本的に具体的に私は質問しますから、長官としてあなたは政策的立場で答えていただきたい、 きのう田中通産大臣は十時四十分の会見で、あくまでも第七次の二千万トン体制を変える意思はない、それから同時に、うわさ。伝えられる報道だけども、やっぱり再建をすべきものであると。再建をする前提に立って、かつ保安をおろそかにしていいということじゃありませんから、保安の万全を期すため、いまあなたから説明ありましたが、技術調査団等を入れて再建の方途を見出すために全力を挙げていきたい、こうはっきり言っているわけです。このことに変わりはないのかどうか。あなたは政策担当の最高責任者ですから、その点をひとつ確認の意味でお伺いをしたいというわけですよ。いかがですか、
○政府委員(小松国男君) きのう大臣がお答え申し上げたとおりでございまして、私どもも全く同じ考えでございます。
○対馬孝且君 それじゃそういうことで、エネルギー庁長官も再建を基本に最善の努力を払うということですから、それはそのことを——私これから、衆参のエネルギーあるいは石特、商工の合同調査団に加わって一時四十五分に現地へ行きますけれども、そのことをひとつ率直にお伝えをしたい、こう思っています。 そこで立地公害局長に伺いたい。いち早く神谷局長も現地へ入っておりましたし、それなりの対応をしていただいたということは私も理解します。ただ問題は、私いま申し上げるんだけれども、この会社の基本姿勢に私は非常に問題があると思うんです。私が現地に行ったのは朝の九時ですからね。現地に入ったのが十七日の九時です。災害が発生したのが十六日の零時四十一分ごろ。私はすぐ飛んだんです。午前二時にもう水を入れるという提案を林社長からされた。この認識、会社側の姿勢の中には、人間の命を尊重する、人命最優先という考え方がないのではないか、この北炭の会社の実態が今日の災害をもたらしたのであると、私はこういうふうに林社長を現地へ行きまして追及いたしました。 こういう災害発生後二十六時間足らずしてすぐ水を入れる、こういう姿勢はいかに人命軽視であるかということで率直に会社側の姿勢をたださざるを得ません。 ただ、その前に、保安局として、立地公害局の責任者としてもちろんこれは相談があったと思うんでありますが、その前、労働組合も立地公害局としても毅然としてそれを拒否された。むしろいまありとあらゆる方法で、まず生存を前提にした救出作業に入るべきものである。この見解はあなたから現地で聞きましたので私も多としました。 ただ問題は、いまのこの時点です。この時点が一番大事なんで、水を入れるという段階——私きのう夜中の二時三時に現地から再三電話が来て、私も実は炭鉱マンでありますから、北大の磯部教授とも直接電話もいたしました。この段階で、先ほどまだ結論を出していないという段階ですが、結論は注水をするか密閉をするか、今日の段階ではこの二つよりないわけです。 その点はマスコミの関係者もまた一般の方々も疑念を持っていることなんでありますが、密閉すればガスが鎮静するまで半年かかる、最低短くて半年。この場合、御案内のとおり、再建までは約二カ年かかったわけです。密閉というのは遺体が上がらない。強いて言うならば、遺体を上げる場合には相当な時間がかかる。それから、いま本当の家族の気持ちは、私も訴えられましたが、怒り心頭に発していますから、一分一秒でも早く私の手元に返してくれ、これが率直な——私も涙ながらに訴えられましたけれども、そのとおりでありまして、そうしますと、いまの段階で注水をした場合に、大体何日ぐらい水を入れて、一定の期間を置いて水抜きをしなければなりませんから、比較的救命隊あるいは坑口から近いところの方々の水抜きした後の救出作業というのは、坑内の崩落状況がどうなっているか別ですが、坑内の崩落状況が比較的少ないとするならば、三週間あるいは遅くとも一カ月で近い距離の方々は救われるのではないか、いわゆる遺体の救出はできるのではないか。ただ、北部はマイナス八百十、海面から八百十メートル下がっていますから、これは異常な深さで、この地帯にいられる方々の遺体の救出というのは相当長時間を要するだろう。私なりにいままでの経験から判断しております。 したがって、ここまで来ると、家族の同意を得なければならないわけでありますが、何といっても最悪の事態、水を入れる事態だけは避けなきゃならぬということで、エアバッグその他の措置もとってまいりました。しかしこの段階へ来て、どういう道があるのかということになれば、いま言った密閉、注水、この方策よりない。いずれの道を選ぶかということが決定的段階に来ていると、こう思うんです。それだけに、いま神谷局長も科学的データを調査してということになっておるので、判断を慎重にされていることは子とするんですが、大体どういう方向に行かざるを得ないのか。この段階ですから、私もこれから入るんですけれども、その点でひとつ立地公害局の最高責任者としてどう判断されているのか、この点の方向づけがあるのならば方向づけを示してもらいたいと、こう思うんです。
○政府委員(神谷和男君) 先生御指摘のように、私どもといたしましては、可能性がある限りはその可能性を追求していきたい。現地で先生にお会いした時期でも状況は非常に悪かったと思います。したがって、通常考えれば、確かに生存の可能性の確率は非常に低い、きわめて低い。しかしきわめて低くても若干でもあると考えられれば、圧搾空気のエアは火には悪いわけでございますけれども、とめるわけにはいかぬ。 それから本格的密閉よりエアバッグによる密閉の方が効果は薄いわけでございますけれども、効果が薄いからといって、それを試みずしてその先に進むことは適当ではない。こういう判断から先ほど御説明いたしましたようなエアバッグによる密閉方式をとり、その後かすかな期待を持ちながら排気の分析等を行ってきたわけでございますけれども、改善の兆しが見られないだけではなく、先ほど特掲して御報告はいたしませんでしたが、エアバッグの作業に入る前に小さな爆発がセンサーで感知されております。それから西部地域で若干の崩落が見られます。坑内の状態は非常に悪くなっておるという状況でございますので、やはりいろいろな可能性といろいろな方策は並行的に検討はしなければならない。判断は、先ほど申し上げましたように、私どもとしては、判断と申し上げますのは、中止命令を出す必要があるのかどうか、会社の作業に対して。こういう判断でございますが、これは会社が具体的な考え方を持ってきた段階で判断せざるを得ないと思いますので、いまの段階ではまだ判断はいたしておりませんが、しかしいろいろな検討は関係者が皆やっておるというのが実情だろうと思います。 それで、密閉方式、注水方式の御指摘も先生の御指摘のとおりでございます。御専門でございますので、私のごとき素人がこれにコメントするところもございませんが、あえてつけ加えさせていただけば、注水よりもコンクリートによる密閉というものの方が内部の可能性の希望を絶つ絶ち方が少ないかどうか、私は疑問ですけれども、心理的に与える影響が若干違うのかといろいろ考えてみましたが、まずエア、圧搾のエアも完全にとまりますから、その点水の中に入るのと同じだろうという感じでおります。そうしますと、他方、むしろ第三次災害の可能性というのもわれわれ技術面では検討しなければなりませんが、本格的密閉は相当長時間を要します。したがいまして、かなり危険なところでいわゆる作業員が長時間作業に当たらざるを得ないということは第三次災害の可能性がきわめて大である。 こういうことでございまして、通常一般論として申し上げれば、注水が地形的その他の条件で不能な場合、あるいは密閉によればきわめて局限された区域の処理で済む場合等は、危険がなければ密閉方式を行うことがあり得ると思いますが、そうでない場合には注水という方式が安全であり、時間的には遺体の救出という問題の場合には早い形で遺族のもとにお届けできる、こういうことになろうかと思います。 したがって、これは会社側の説明に対する推測でございますので、私どもが正式に申し上げることではございませんが、恐らく会社はそういう形で注水を家族にお話しされたんだろうというふうに思っております。しかし、ここで私どもの立場として判断いたしますのは、注水がいいのか密閉がいいのかという問題ではございませんで、注水をせざるを得なくなったという会社の判断に関して、会社なりにいかなるデータに基づいてなぜ絶望であると判断したのかということを私どもとしては最終的にもう一度確認しなければ、私どもは中止命令を出さないという判断はまだ決められないわけでございます。 他方、現地の監督局自身もいろいろな分析を行っております。いろいろなデータ集積も行っております。さらにそれらのデータの分析も彼らは専門家なりに行っておりますが、別途いろいろな各方面の専門家にアプローチしながら御意見を伺っております。そういう専門家の意見、札幌局の分析、それから会社の説明、それから他方それを取り巻く諸般の状況というものをすべて判断した上で判断は最終的にせざるを得ない。こういうことでございますので、絶望と判断して注水をせざるを得ないような状態になっているのかどうかという判断は、最後の最後まで慎重を期していかざるを得ないと思いますが、便々として時間を使っていくということを別に考えておるわけではございません。鋭意非常に密度高く現地では作業しておるものというふうに承知しております。
○対馬孝且君 公害局長の説明はわかりましたが、やっぱり最終段階、決定的段階に来ている、いずれにしても。これは事実でございまして、そういう意味では一縷の奇跡もあるのではないかという家族の気持ちは当然でございまして、そういう意味からも、いま言ったように、とにかく慎重に慎重を期して、会社からの提案があったとしても、最終判断を下す場合は、北大の磯部教授なりあるいは科学者の御意見も参考にしながら、最終的な結論というものはひとつ最後の最後まで慎重を期してもらいたい。われわれも水を入れるということは何が何でも避けなければならぬと、こう思いますので、しかしその判断だけは慎重を期してもらいたいと、これをひとつ申し上げておきます。よろしゅうございますね。 それでは、次の問題で、私はそこでどうもわからないことがある。原因の究明は後で徹底的にやりますから、いまそういうことを言ってもしようがありませんから一問題点として、どうして二次災害が起きたかということが、ぼくは現地へ行ってどう説明を聞いてもわからない。私も長年経験ありますけれども、二次災害起きていますね。しかしあの場合、救命隊自身が一たん脱出して、そのときにメタンガスあるいは検定器でガス濃度をはかったと、こういうわけですね、会社の説明を聞いても。はかっていながらどうして救命隊が入ってったときに防毒マスクもしなかった、炭鉱用語では素面で入ったと言うのですが、素面で入ってしまっている。これは常識的にはちょっとわれわれも考えられないことなんだが、実際入ってしまっている。この第二次救命隊が入る時点での保安監督局の対応というのは一体どうだったのか。これはいまだにぼくがわからない点の一つです。 これは原因は後から申し上げますけれども、第三の問題は、ぼくはあの時点ではメタンガスがかなり高まっておったと思うんです。坑内を相当早い速度で走ったと、こう言うんですから、異常な速度だったと私も脱出者に聞きました。実は異常な昔と異常な速度であったということなんだが、退避命令が出てからこれまた三時間も五時間もたって対応していっている。ここらあたりの保安の指揮命令系統というのは、一体今日監督局の立場で会社側にどういう指導をしてきたのか。この点が私は今回の問題点だと思うんです。 原因は簡単だから、いままでのガス事故の原因というのは、まず先行ボーリングによってガス抜きが完全にされておるかどうか、あるいは電動機、火源によるものが一体なかったか。今回も発破をかけているわけですから、北部下盤坑道の発破がかかって、しかも四十分後に、作業の実は開始をする直前に突出しているわけですから、その点では発破機あるいは電動機が火源としては考えられる。これも原因調査してみなければわからぬことである。 しかし問題の基本は、私はいま言ったようにいろんなことを言われているんだが、ガス検定なり先行ボーリングがなされておったとするならば、その対応の仕方について、これは保安監督局はもちろん保安日誌を見ているんだろうからおわかりになると思うんだけれども、その状態が一体どうだったのか。この二点ちょっと簡潔でいいから判断を聞かしてもらいたいんですよ。
○政府委員(神谷和男君) 御指摘のように、まさに先生おっしゃいますように、われわれの方といたしましては、原因の究明を待ちませんと、特に私のごとき素人が軽々に申し上げるわけにはまいりませんし、現在保安監督局のエネルギーは九十何%救助活動の方に注がれておりますので、もちろん収集し得るデータは収集しておりますけれども、それを体系的に整理して御説明できる段階までには至っておりません。したがいまして、これからやはり救助活動の一段落を待ちながら、警察と共同しながら、鋭意捜査活動の詰めを行っていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 第二次救護隊がなんでメタン濃度をはかりながら行っておるのにやられてしまったのかというような問題等々ございます。これも可能性としては、メタンは恐らくはかりながら行ったから、これでやられることはないと思いますが、突如COガスが急激に出回ったというようなことも、私素人考えでもわかりますけれども、それをいま推察で申し上げるのは適当でないと思いますので、原因究明を待って、先ほど御指摘のありましたような会社の指揮がどうなっておったのか、具体的に第二次災害をこうむった者がどういう原因で被害を受けたのか、原因を徹底的に究明し、原因をつかんで今後の対策にすると同時に、責任問題の解明に努力してまいりたいと思います。
○対馬孝且君 この点一つ申し上げておきますけれども、私は想定だけれども、その点を問題点として、保安の責任者という立場でこの際徹底解明をきちっとしてもらいたいと、これを強く申し上げておきます。 そこで、立地公害局長ね、この問題点、いま何といっても救出を全面的にやらなければならないことなんだが、私はかねて、ここにいま会議録を持ってきているんだけれども、昭和五十一年の幌内災害以来、十月十九日の会議録、近くは五十五年、去年の十一月十二日、林社長を参考人で呼んで、私やっております。 私いま会議録を読み直してみたんだが、このときは、もう災害だけは待ったなしだ、保安最優先、災害待ったなしだから保安体制に問題があると。これはなぜかというと、五十年にもう突出ガス事故が起きているわけだ、夕張新鉱では。近くは五十五年に坑内自然火災が起きているわけですよ。そういう問題があったから、参考人で昨年のエネルギー特別委員会に呼び出して林社長に鋭く私は、保安体制、保安のあり方、技術陣の配置問題、北炭の経営体制に問題があるということを、私は会議録を読み直してみたが、指摘しています。 全くそのとおりで、そうあってはならないことなんだけれども、今日こういう不幸な事態を招いたということは残念なんだ。そこで、私は同様に政府に対しても言ってきたことは、保安センターというものは独立をしていいんでないか。これはいますぐどうだこうだと言っておきたいことは——私も西ドイツ、フランス、それからチェコスロバキア、ポーランド、ソビエトの炭鉱も全部入っています、私も坑内に。経験していますけれども、どこの国に行っても、保安機構というのは独立しているわけだ。保安センター、独立機構のセンターをきちっと持っています。特に日本でも私自身鉱山保安法を見直さなけりゃならぬと思っているのは、保安の最高責任者が新鉱で言えば所長だよ。そうでしょう。ところが、生産達成の責任者もこれは所長なんだよ、保安法上。片や保安を取り仕切る最高管理者が夕張新炭鉱の所長だよ、それから百十万トン石炭を掘らなきゃならない最高責任者も夕張の所長だ。おれから言わせたら、警察とどろぼうと一緒にしてやっているようなものでないかといつもぼくは言うんだけれども、同じ権限を与えるようなものでないかといつも言うんだ。そういう意味でも保安法を見直す必要があるということをいままでもずいぶんしゃべってきました。 そこで、こういう深部に行ってみますからね。確かに日本の炭鉱の特徴というのは、マイナス六百十メーター、平均して。この場合は八百十メーターも行っていますけれども、ドイツの技術段階でも、大体いいところ、七百から八百というのが限界ですからね。一番進んでいるドイツの——まあ日本も進んでいますけれども、ドイツの技術も、私も坑内に入りましたけれども、実際問題として国家的な保安機構というものが非常に整備されている。これは決してぼくは社会主義の国のことを言ってるんでないんだ。資本主義の国のことを言っているんであって、フランスも同じですよ。 そういう意味では、私はそういう体制を、これを契機にひとつ国が独立した保安センターを持つ、同時に鉱山保安法をもう一回見直してみよう。そういうことはこれからの課題ですけれども、私はぜひこれをひとつ一ここに課長おりますけれども、ことしの第七次政策でもずいぶんぼくは言ったんだが、最終的には勘弁してください、勘弁してくださいの一つで、結論は財政的な問題もあるだろうし、いろんな予算上の問題もあるだろう。現在もちろんありますよ。岩見沢に防爆機構もありますけれども、ああいうものでなしに、もっと強化をしていく必要があるんではないか。このことについてもし所見があればお伺いしたいと思います。
○政府委員(神谷和男君) 御指摘のように、保安関係に関しまして今回の事故の原因究明、それによって従来やってきたいろいろな具体的な措置に関して、われわれとして全部一つ一つどういう点が問題であったかというのは見直してまいらねばいかぬと思います。常にわれわれとしては改善をしながら、非常にむずかしいわけでございますが、ゼロを目指して進んでいくというのが私どもの仕事だろうと思っておりますので、やはりできるだけ早い原因究明の結果を待って、私どもとしては新しい対策を考えていきたいと思っております。その中でも御指摘の保安関係の教育、それから研究開発というのは特に今後重要だろうと思いますし、特に今回のガス突出等に関しましてはますますいろいろ研究していく分野も多いと思います。 それからいろいろ関連する保安関係の機器につきましてもやはり開発が必要だろうと思います。いろいろ予算上の問題等むずかしい問題がございますけれども、その範囲内において私どもとしてはできるだけのことをやってまいりたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 いま何といっても当面救出に全力を挙げることが先決だからね。そこらあたり、こういう災害が起きたときでなかったら、本当に見直す気にならないわけだ。ふだんはいろんなことを言っているけれども、今度こそ抜本的に、私も提起しますけれども、鉱山保安法の改正とそれから保安センターの確立のために一層の強化をすべきものであるということをこの際はっきり申し上げておきます。提言しておきます。 そこで問題は、私は立地公害局長に申し上げたいのは、この段階ですから、もちろん第三次災害を起こしてはならないし、大惨事になっては困るんで、保安監督官の配置の仕方について迅速に対応していただいているんだけれども、いま一番大事なことは、この北炭の夕張新鉱の災害だけに焦点が合わされているけれども、何といったって、ほかの炭鉱もあるわけで、三井、三菱、太平洋、住友、中小炭鉱もありますが、この段階でどういう措置をとったのか知らぬけれども、一斉保安総点検を谷山にひとつ指示してもらいたい。出先の保安監督官に直ちに一山、一山ひとつチェックをしてもらう。こういう状態は、これは北海道の特に急傾斜採炭をやっている三井芦別にしても、砂川にしても、赤平にしても、大なり小なり可能性があるんです。太平洋だって同じことが言えるんだから、そういう点で一斉保安点検を指示する。それから現地の監督官、いま集中しているけれども、その監督官の配置体制をやっぱり強化してもらう。その点でこの教訓を生かして直ちに第二、第三の災害が起こらないための措置をどのようにとられているか、このことをお伺いします。
○政府委員(神谷和男君) 全く御指摘のとおりでございまして、十月十九日付で私から関係の鉱山保安監督局・部長に、管内の谷山に対してガス突出を重点にし、その他保安全般についての総点検を行わせるよう指示したところでございまして、その後必要な追跡調査、監査といったようなものも鋭意行うよう指示したところでございます。 さらに、北海道につきましては、御指摘のようにかなりのウエートがこの夕張の事故現場に集まっておりますので、留守部隊に指示いたしまして、十分他の山の保安面に留意するよう現地で指示してまいったところでございます。
○対馬孝且君 それじゃその点だけはさらに強化をするということで強く申し上げておきます。 それじゃ労働大臣に。 今日的災害が発生しまして、いまお聞きのとおりでございます。そこで私は、かねがねこれは言ってきたことなんでありますが、私も専門的な立場で、立地公害局がおろそかだとか怠慢しているとは思いませんけれども、これはあり方の問題として、ずっと三十年代から議論されてきたことなんですが、通産行政というのは、言うまでもなく、産業政策が含まれる全般のエネルギー政策をやっておりますけれども、本来この保安問題というのは労働の監督権限に属するべきものじゃないか。災害は待ったなし、人命尊重最優先と、こういう基本に立つとするならば、これは保安監督行政というものは労働省の所管に帰属すべきものではないのか。その姿勢が、むしろこれからの人命最優先の保安が維持される、こういうことをどのようにお考えになっているか、こういうことを聞いてもらいたいという御意見もあるものですからね。 私らも昔はずいぶん言ってきました。言ってきたけれども、最近保安局というのは立地公害局というので独立機構ができましたから、それなりに多として、神谷局長以下最善の努力を払うということについては深く敬意を表しておるんですが、そういう基本的な御意見もございますので、これを契機にひとつそういう問題について労働大臣としてどうお考えになっているか、また今度の災害をどのように労働大臣の立場から受けとめているか、この点まず基本姿勢をひとつ伺っておきたいと、こう思うんです。
○国務大臣(藤尾正行君) 先ほど来いろいろ対馬さんのお話を承っておるわけでございますけれども、私は今回の災害というものを拝見いたしておりまして、対馬さん同様、救護のために派遣をせられました第二次の救援隊全員が二次災害に遭っておられる、これは大変なことだと思うんですね。でございますから、一次的な災害をこうむられました方と第二次的な災害をこうむられました方、同じでございますけれども、しかし私どもが考えてみました場合に、第二次的な災害というものは、少なくともやりようでは避けられたのではないかという気がいたしますと同時に、非常に残念でございます、そういうことがあってはならぬ。そのあってはならぬことが起こってしまったということでございまして、この点は後はといろいろな追跡研究の途上で、どういうことがあってどうなったんだということは漸次明らかになりましょうから、私どもといたしましても、その間申し上げなければならぬことは申し上げなければならぬのじゃないかという気がいたしております。 概して、いまの制度のもとで、通産省にエネルギーといたしましての石炭開発の責任がいまある。ですから、通産省にあって、通産省のエネルギー庁でありますとか、あるいは立地公害局でありますとかいうものにあるから事態が起こったんだ、労働省にもしあればそういうことはないかもしれないということには、私はならぬのではないかという気がいたすわけでございます。 何といいましても、通産御当局におかれまして十二分の上にも十二分にいろんなことを私は考えておられたに違いないと思います。会社にいたしましても、自分の会社でもしそういった間違いが起こりました際にどのようなことになるかということは、私はお覚悟の上だろうと思いますね。入っておられる組合員の方々もそういう危険を十二分に御知悉になられまして、その上でお入りになっておられるわけでございますから、私はその間に何かどこかに怠慢があってこのような事故になったのだとは信じたくない。しかしながら現にこれは起こっておるわけでございますから、どうしてそのようになったかということは徹底的に究明をされなければなりませんし、その際に私どもも災害にお遭いになられた石炭労働者の方々、こういう方々の生命あるいは御家族の経済、こういったものを全責任を持って私どもはお守りをしなければならぬ立場でございますから、そういった立場から今後この問題におきまする原因の究明調査、そういった各般のあらゆる段階におきまして、私どもに関連をいたしておりますことがあるのかないのか、私どもといたしましてもそれに参画をさしていただき、徹底的に物申すことはすべて物申さなければならぬ、かように考えております。
○対馬孝且君 いま労働大臣から徹底的な今回の災害の究明を労働省の立場でもおやりになるということの決意が出されましたから、それはわかりました。 ただ、前段の方は、それがすべてだと言っているんじゃないんです、そういう意見もあるということをひとつ。かねてこれは昭和三十八年の、たしか記憶にあるんですが、第三次エネルギー政策の石炭政策の見直しのときにこういう問題が提起されたことがございます。だから、そういうものも含めて一応どういうお考えをお持ちかということをいまお伺いしたのです。いま立地公害局が独立して局を設けていますけれども、概して一般に言うのは、産業政策を所管するところが保安のめんどうを見るということは一体どうなのか。これは疑問がありますよ、正直申し上げて。しかし、私は先ほども前段に質問しましたが、そういう意味では保安センターという独立した国家的な機構があっていいんじゃないか、諸外国の例にならって。そういう意味で基本的な問題を私申し上げています。これは参考までにお伺いしたんであります。 いずれにしましても、労働大臣御存じのとおり、炭鉱の平均年齢は四十三・八歳、山によっては四十八歳というところもあるんですよ。こういう災害が起きるとだれも炭鉱に働きたくないということですよ。だから離山ムードになっちゃってどんどんやめていく。私はこれに相当ショックを受けて炭鉱を離れていく人が多いと思います。されば雇用があるのかといえば、これは炭鉱がなければ雇用も働き場所もない、こういう悩みもあるんだけれども、しかし要は何といっても、そういう心理状態になることは当然でありまして、それだけに労働省は、安全を守る立場で、生命を守る立場でどう守ってやるか、この点は労働監督局の立場でぜひひとつ徹底的な解明とこれからも行政指導をしてもらいたい。これを強く申し上げておきます。 そこで、具体的な問題でいま当面問題として心配しているのは、何せ遺族の方々がいま心配しているのは、遺族の不安のないようにしてやらなきゃならぬというのはもう当面の課題でございまして、一つは、労働省は、新聞報道で見る限りは、十三億とりあえず当面遺族に対する労災保険の請求による対応についていち早くとっていただいておるようです。この点の内訳をちょっと聞かしてもらいたいということ。 それから二つ目は、これも大臣にひとつ——安定局長には後からお伺いしますけれども、亡くなったときには、必ずどこの社長も、あの弔詞を読むときに、今後遺族に対してはもういささかも不安のないようにとにかく措置いたしますと弔詞を読むんだ、麗々しくね、ところが、未亡人になった方々をずっと見ると、さっぱり雇用対策というものはやっていないんだよ。これはわれわれにも責任があるし、徹底的な究明もしているんだけれども、雇用問題をぼくは一番心配しているんですよ。いままでぼくが知っている限りでは、未亡人になった方々はやっぱり働いていますよ。再婚するというのはほとんどまれです、正直に申し上げて。それはまだ若ければ別ですけれども、子供が中学生あるいは高校生になった場合にはもうほとんど再婚いたしていません。そうなれば雇用というものが出てまいりますので、そのときの雇用対策を企業だけに任せるということではなしに、これはひとつ労働省もこういう方々に対する雇用対策について対処してもらい、全力を挙げてもらいたい。これが一つ、 それから二つ目は、災害補償の関係でいつも問題になることは下請があること。今回犠牲になっているのは三十三者。三井建設初め六つの組があります。この組関係で相当な犠牲者が出ているんです。その場合、労災補償の関係は別なんですが、会社の犠牲者補償、いわゆる災害補償が往々にして組夫——こういう言葉は使いたくないんだけれども、それと直轄との間の差別が問題になるわけです。これはいつも指摘されるところなんですが、これは社会問題にもなることでございまして、組夫であるから、直轄であるから、これは犠牲による補償が違っているなんということはあるべきことではないんでありまして、その点は、むしろ殺されたというのが家族の切実な声でありますから、その場合の労働災害補償というもの、これは差別のない補償体制というものをきちっととれということ、また労働省側としてもひとつ労働行政の監督の立場から指導してもらいたい。この点をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) 私ども、災害が今度発生をいたしましてから、即日ありとあらゆる労災法の適用ということで準備すべきことはすべてやれということでさせておるわけでございますが、その内容は御承知のとおりでございまして、御被災になられました方々の御家族に対しましてとりあえず、御請求があれば、一時金といたしまして三百万円ずつ、また葬祭料といたしまして平均約五十万円、これは即日差し上げるわけでございますけれども、あわせて年金分の処理につきまして、どうしても当面一時的にお金が必要であるというときには、千日分を全部の御被災家庭に、御請求があればお配りができるという準備といたしまして、総計十三億円を用意させたわけでございます。でございますから、御被災になられました御遺族、御家族の中で、私の方はともかく年金は年金としてどうしても受けたいという仰せであれば、これは年金として差し上げるのが法規の示すところでございますから、これはこれとして結構でございますけれども、いささかでも一時金の方がいいというお考えの方々には、一千万円ずつぐらいのお金は、年金の前払いといたしましてお渡しをする準備ができております。 しかしながら、それを合わせますと、一家族について千三百五十万ぐらいずつお渡しができるということでございますけれども、それでいいのかということになりますと、なかなかそれぞれの御家族の今後の御生計を保障するということにはなっていかない。この点をそれではどのようにしていくかということ、これは会社その他とも十二分に詰めまして、こういう悲惨な災害が起こりましたために家族の万全員が御悲惨にさらされているということば絶対さしてはならぬわけでございますから、そういうことのないように私どもも今後とも発言をしてまいらなければならぬ、かように考えております。 第二の問題、こういう山の問題でございますから、絶えず下請の方々がお入りになっておられる、御被災になられたということでございますが、私どものこの労災の関係から申し上げましたならば、これは直属の社員の方々であろうと、あるいは下請の方々であろうと、御被災になられた事実には何も関係がないわけでございますから、そういうところに差別ができるというようなことは絶対に避けなければならぬ、さしてはならぬということでございますので、この点につきましては私が責任を持ちましてさせません。
○対馬孝且君 安定局長から。
○政府委員(関英夫君) 先生の御指摘のように、今回の事故によりまして一家の柱ともなって生計を支えてこられました方を失われた御遺族の今後の長期的な生活の問題、非常に重要な問題だろうと思います。もとより会社側といたしましても、できる限りの援護措置を講ずべきでありましょうし、かといって私どもの行政の責任がそれで免れるわけではございません。ただ、こういう問題につきましては、行政、会社ばらばらでやってもいかぬ、あるいはまた組合の方ともいろいろなお話し合いをするのがうまく円滑に進めていく道だろうと思うわけでございまして、従来もそういった三者の協議の場などを設けまして再就職あっせんに努めてきたところでございます。 今回の場合にも、これから先そういったことが必要になるかと思いますが、当面は内々そういうときの心構えとして準備をするようにいま連絡をしてあるところでございます。職業経験のない方の就職問題という場合が非常に多かろうと思います。それだけに非常に綿密に職業相談、あるいは講習とか訓練とか、あるいは安定所紹介によります場合にはいろんな援護措置もございます。そういったものを最大限に使って努力していくことが必要だろうというふうに考えておるところでございます。
○政府委員(石井甲二君) 労災補償につきましては、迅速に対応いたしたいということで、先生御指摘のようにさしあたり十三億円を急速用意いたしたわけでございます。 それから当面の中身につきましては、大臣からお話がございましたとおりでございますが、そのほかに労災就学等の援護費ということで、御子弟の中で小学校在学者につきまして月額四千五百円、中学校在学者につきまして月額六千円、高等学校につきまして七千円、大学につきまして一万五千円という援護をいたすことになっております。また労災就労保育援護費がございまして、保育児一人につきまして必要とする場合には四千五百円の月額の援護をいたすということをつけ加えて申し上げたいと思います。
○対馬孝且君 大臣からいま直轄、下請の差別は絶対させないという力強い決意がありましたから、そのようにひとつ、いささかでも差別があってはならないと思いますし、このことだけは強力な行政指導としてもひとつそのとおりやってもらいたい。 それからいま安定局長からございましたこれからの問題ですけれども、そういうことで率直に申し上げますけれども、過去に茂尻炭鉱が四十三名の犠牲者を出したことがございます、このときに未亡人が再就職につけなくて自殺した例が二、三件ありますね、豊里炭鉱でも。こういう例が非常にあるものですからね。だから企業責任だけに任したってこれはどうにもならないわけでして、やっぱり国の手を差し伸べてやる。夫が犠牲になり、また未亡人までが犠牲になる、子供だけが残されたというような、それこそ痛々しい過去の実績もあるものですから、私はあえてそのことを強くいまお答え願いましたから、そういうことでひとつ強力な再就職への道を、対策をとってもらいたい、このことを強く申し上げておきます。 それから最後に一つだけですが、これは現在まだ御案内のとおり五十九名、これからどうなるか別にしまして、まだ一縷の望みはありますけれども、しかし犠牲が出ることは間違いないわけでございまして、この場合の対応だけ、いままでとってもらいましたけれども、特に岩見沢、美唄の労災病院の配置体制を含めて、ひとつ早急な対応ができるように労働省としてぜひ措置をとってもらいたい、これを申し上げておきます。 それから弔慰金でありますが、これは本人の希望によりますけれども、本来なら一千万そこそこで将来やれといったって、とてもできっこないですよ。私に言わせれば、労災保険の補償もそう変わっておりません。過去の例から見ると、金額的には一千万前後ですからそう変えてはないですよ。もちろん年金の方がいいという家族の方もございます。しかし全体的には、いますぐの問題ではないけれども、もう少し額の引き上げを見直してやる段階にきておるのではないかと、こういう感じが私はします。この点は将来の問題ですから、これは提起を申し上げたいと、こう思っています。 時間も参りましたので、いずれにしましても、この災害の家族の気持ちになってもらって、犠牲者の気持ちになって、ぜひ労働省としても最善の措置をとってもらいたい。このことについて大臣から最後のお答えを聞きたいということが一つ。 それから立地公害局長にも言っておきますが、往々にして災害発生したときの会社側と保安監督局の情報はどうも違った情報が出るわけだ。これが非常に不信を買っているわけですよ。会社側発表は死亡が最初は三十二と言った。おたくは四十二で発表しているわけだ。私は炭鉱マンだから言うわけじゃないのだが、会社発表というのは、あくまでも病院で最終的に死亡を確認し、警察の検死を得て確認したものをもって発表しているわけだ。ところが、保安局の方は死亡確認ということでぱっと発表するものだから、数を会社では三十二と発表する、保安監督局の方は四十二と言う、会社が違ったことを言うということで、何かこのあたりから、何だ、人命軽視もはなはだしいじゃないかと、こうなるわけですよ。ここらあたり監督局も指導してもらいたい。会社と保安監督局の死亡の確認の発表がばらばらであるなんというようなことは、これは家族にしてみれば一分一秒いら立っているときだけに、ここらあたりもまた大変な問題になっておりますので、これからの対策としてもきちっと押さえ、そこらあたり会社を指導する、監督局の立場で待ったなしということで会社に厳しく、そういう点の家族に対する不安なりあるいはそういうものを一掃する体制をきちっととってもらいたい。このことだけを申し上げておきます、一言だけ、
○国務大臣(藤尾正行君) 必ず御満足のいくようにいたします。
○政府委員(神谷和男君) 御指摘の点を含めまして、今回の教訓は今後に最大限生かしてまいりたいと思います。
○安恒良一君 私もきょうは夕張新鉱災害についていろいろお聞きをしたいということで、関係各省出てきていただいていましたが、先輩でありますし、また炭労出身の対馬さんから専門的に聞かれました。そこで私がお聞きをしたいと思っておりましたことの大部分がもう解明されましたので、そういう点は時間の関係がありますから重複を避けて、ひとつ万全にやっていただきたいということで、私自身も、炭労の出身ではありませんが、炭鉱で育ったことは事実なんで、そこで少し一、二点だけお聞きをしておきたいと思う点があるのです。 まず、対馬さんが述べられたところでなかなかこの場では歯切れよく明確にならなかったのですが、私は生産性を上げるところと、それからいわゆる労働災害、災害を防止する保安監督というのが別だというのが私は正しいのじゃないかとどうしても思うわけです。というのは、通産省はほかの生産性を上げる産業全部を生産性について管轄していることは事実なんですね、電機産業であろうと鉄鋼産業であろうと、あらゆる産業の生産性を上げるところは。ところが、この保安監督、災害監督というのは、鉱山を除きますと、全部これは労働省が管轄をされているわけなんですよね、労働省が。私はそれは正しいと思う。労働大臣が、通産省がやっておったから事故が起きたとか、労働省がやっておるから事故が防げるということではないんじゃないかというのは、それはそのとおりだと思いますね。しかし、生産性を上げるところの監督と労働安全衛生の監督はやっぱり別個立ての方がいいと私は思うわけです。これはどう考えてもそうすべきじゃないか。しかしいままでの歴史的な過程があって、通産省が依然としてお持ちになっているわけですね。 しかも事故が起こりますと、この次は事故を起こさないとか、それから私が知っている限りにおいては、現地の局長なんかが責任とってやめる、事故が起こるたびにやめていく。これじゃ現地の局長も私はたまらぬと思うんですよ、率直なことを言って。そういうことの繰り返しがずっと、率直なことを言いますと、戦前から続いているような気がします。私は戦前炭鉱で育ったんですが、戦前からずっとこのことが続いているわけですよ。ましてや戦後これだけ労働安全、生産、保安ということが人命尊重からやかましく言われる時代になって、依然としてそんな状態でいいのだろうかどうなんだろうか。 いま労働大臣の御答弁をお聞きしましても、局長の答弁を聞きましても——局長は保安教育を見直さなきゃならぬ、新しい対策、教育、研究云々といつも言われますね。これは災害が起こったとき聞きますと、局長さんはかわっておっても大体同じことをいつも言われておるんです。そしてまた起こっているんです。何とかしてこれを防止するためには個々の機構をきちっとしないといけないんじゃないか。特に対馬さんが言われたように、鉱山保安法で、生産性を上げるのも所長が最高責任者だ、保安監督権の方も所長さんが持っているなんて、これはまことに私はおかしなことだと思うんですね。他の産業では見られないことなんですよ。他の産業ではきちっと責任の所在というのを分けてあります、 そんなこと等を考えますと、私がどうしてもお聞きをしておきたいのは、この際ひとつ労働省と通産省との間で、いま言ったような生産性を上げるところの監督と保安の監督を分けるということについて、十分な真剣な議論をしてもらいたいと思うんですよ。いつまでも恐らくなわ張り根性で持っておられるとは思いませんけれども、わが国は縦割り行政になっていますから、本気にどうすればいいのかということを一遍考えられ、対馬さんからも何回も言われましたように、保安センターの機構も含めて一遍抜本的に両省の間で御議論をされ、そして問題をわれわれ国会の方に提起してもらいたいと思いますが、そこのところはどうなんでしょうか。
○政府委員(神谷和男君) まず私の方から、現在所管いたしておりますので、私どもの考え方を御披露さしていただきますが、私、対馬先生、安恒先生おっしゃるような御意見があるということは十分承知しております。それからこういう御意見、あるいはこの問題が長い歴史を持っておるということも、先ほど労働大臣からお答えいただいたとおりでございまして、非常に長い歴史を持っておる問題でございます。 ただ、これは私の感じで恐縮でございますけれども、すべて物事は一面的なものでございませんで、非常に多面的なものがある。いい面もあれば悪い面もあるし、したがいまして見る角度によりまして、こう思うという方もおられれば、別の角度から見れば別の御意見もあるという非常に複雑な問題だろうと思います。したがって、私の述べることは私どもの目から見ているものかもしれませんけれども、御承知のように、なぜ鉱山だけ別なんだということでございますけれども、山の特殊性と申しますか、鉱山の保安というものあるいは鉱山の採掘というもの、これの特殊性からやはり来ておるのではないかというふうに考えております。昔から言われておりますけれども、生産と保安、これはほかのものでも一体かもしれませんけれども、山の場合には完全に一体でございまして、採掘計画そのものが保安計画と一体的に進まなければ、掘ることすらできないということでございまして、生産行政と密接に関連してあるわけでございまして、しかも坑内という特殊な環境のもとで事業全体に対する専門的な知識と技術を要請される保安行政である。こういうことから、もちろんいろいろほかの御意見もありましょうが、総合的に物事を判断して、昭和二十二年に鉱山保安行政の所管に関する閣議決定が行われて、商工大臣が一元的に所管をしろと、こういうふうに決まったものと私ども了解いたしております。 もとより通産省といたしましても、労働省と密接な連絡をとりながら、労働省の所管の行政と歩調を合わせる、あるいは要すれば相補いながら、さらにはお互いの知見を交換し合いながら、国全体としてできるだけりっぱな行政を行っていきたいと思っております。 しかし、そうえらそうなことを言いながら、いつも事故が起きて、がんばります、がんばりますと言っておるではないかと、こう言われますと、これはもう全く返す言葉がございませんが、私ども永久にゼロを目指して、先ほど申し上げたことでございますけれども、努力するというのが宿命でございますので、そういう努力を今後も続けさせていただきたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) いま通産省立地公害局長から申し上げましたことでございますが、御案内のとおり、こういった鉱山といいまするものの安全を図りますためには、それを十二分にマスターいたしました技術者がなければ、素人判断で監督をするとかなんとかというようなことはできるものじゃない、私はかように考えます。 その際、この石炭鉱山といいまするものの専門家がどんどん減っておるわけでございますね。これは組合員の方々にいたしましても、一時二十五万人ぐらいおられたのがいま二万人ぐらいになっておるわけでございますから、そういったところでこれを勉強される方も非常に少なくなってきておる。それが集中的にいま通産省のエネルギー庁あるいは保安監督局にお集まりになっておられるわけでございますから、そういった方々を私どもの方にお引き受けをさせていただいて私どもが責任をとるということなら、これはそういうことになりましょうけれども、これは根本的にお話し合いをさせていただくということに私どもは怯懦ではございませんから、いつ何ときでもその努力はいたしますけれども、とりあえずその技術者は全部通産省におるという現状から考えてみましたならば、やはり通産省で最大限の努力をとっていただくことがいまは何といっても大事じゃないかと、かように考えております。
○安恒良一君 いまお二方から聞いたけれども、理由にならないんですよ。たとえば生産と保安の一体というのは、私は交通産業出身ですけれども、人キロ、トンキロを生産すると同時に、安全というのは交通労働者にとっては大変なことなんです、炭鉱以上。たとえば航空なら航空の場合は、一回あれば全員死なわけですね、大量死ぬわけです。炭鉱の災害も大変ですがね。しかしこれはやはり運輸省と労働省というふうにきちっと分けられているわけですね。ですから、どの産業におきましても、生産性と保安監督というのは、労働災害防止というのは——地局長は鉱山が特別なようなことを言われるが、そうではありません、そういう産業はたくさんあります。生産性を上げることと保安が一体ということでは、場合によれば炭鉱よりももっと大災害が起きる、しかも一般国民に被害を及ぼす。そういう生産性を上げる仕事というのはたくさんあるわけですからね、それでもちゃんと労働省は労働災害、安全ということをきちっとそれぞれにしていますからね。 それから労働大臣が言われましたように、技術者とか監督者が少ない、いまは通産省におる、それは事実ですね。しかし、おたくの基準局の労働安全衛生専門家というのはそれぞれの産業分野の専門家がお集まりになっているんですから、こういうものを労働省で持つことになれば、通産省からその人員を引き取れば済むことなんですから、これは本当の技術的なことにしかすぎないと思います。 ですから、そういう意味から、私はもうこれより以上、ほかのこともやらなければなりませんから、これだけに時間をとれませんが、なるほどそういう歴史的な経過があって昭和二十三年に鉱山保安法が決められたことも知っています、しかし、もういま昭和五十六年なんですから、そういう時点において行政というもののできるだけ一元化、災害、労働安全というのは労働省がすべて一元的に持っていくという方向に、そういうことこそ一つの行政改革でもあると思いますよ、率直なことを言って、そういう意味でひとつ、きょうはもうこれ以上押し問答しても同じことになりますから、一遍労働大臣、通産大臣の間で、また事務当局の間で真剣に議論してもらいたい。でないと、何年かたちましたら、またこのことをぼくは言わなきゃならぬことが起こりはしないかという心配をします。起こったときはゼロを目指してということはもうどの方も言われるわけです。また目指してもらわなければなりません。なりませんが、現実に戦後だけを見ても、炭鉱の大災害が繰り返して出てきているわけなんですから、私はやっぱり一遍この機構のあり方について、幸いいま行政機構全体を見直そう、こういうときでもありますから、ひとつしていただきたいということ、これは要望として言っておきます。 それから大臣にもう一つ、これも力強いことを言っていただいたんですが、私大変心配していますのは、今回の場合も下請、孫請があったわけですね。それで罹災者に対する国としての労災補償の数々の措置はいま聞きました。問題はそれだけで済まないわけですね。そこで大臣は、それは絶対に私の責任で差別させないと、こう言われていますね。この点私はしかと承りました。 それはなぜここで「しかと」と言うかといいますと、この下請、孫請の場合に、北炭夕張と違いまして経済的にどうしても、孫請、下請になりますと、請け負っている人自体の問題が出てきて、そこで補償に差がついてくるということが、これは何も炭鉱だけではないわけですが、往々にしてありがちなんです。しかし、きょうは大臣が、それは私の責任でさせないとおっしゃいましたから、しかとそこは承りましたから、どうかそのことについては間違いないように御指導をぜひお願いしたいということを、この点について重ねて二つのことを要望しておきます、そして次のことに入ります。 次は、実は果実の害虫ですね、チチュウカイミバエの薫蒸処理に関することで、きょうは労働省、厚生省、運輸省、農林省の各省に御質問をしたいと思います。チチュウカイミバエの薫蒸処理問題についてひとつ質問をしたいと思います。 まず、わが国におきましてEDB、エチレンディプロマイドと呼ばれています、また別名二臭化エチレンとも呼ばれていますが、まずどんなところで使われているのでしょうか。これは労働省にお聞きしたいんです。わが国ではこういうものはどんなところに使われているでしょうか。
○説明員(林部弘君) お答えいたします。 二臭化エチレンの用途でございますが、ガソリンのアンチノック剤の溶剤でございますとか、土壌害虫専用の薫蒸剤というようなことで用いられているというふうに言われております。薫蒸剤としましては非常に効果のあるものであるというふうに受けとめられております。そのほかにも用途ございますが、薫蒸剤としての使用というものは非常に効力があるというふうに理解をいたしております。
○安恒良一君 そうすると、主としていまの場合は薫蒸剤、それからガソリンの中の排気ガス規制を実現するために使用されておる、こういうふうに承っていいわけですね。——わかりました。 そこで問題は、薫蒸剤に使われているんですが、殺虫剤に使われているEDB、これは各省に聞きたいんですが、EDBがアメリカでは毒物劇物取締法上の劇物に指定されているということ、それから米国環境保護庁から、EDBの発がん性があるということ、それから遺伝子に変化を起こす等々が指摘をされているということについて、農林省、厚生省、それから労働省、運輸省、御承知でしたか。
○説明員(管原敏夫君) 私ども、先ほど御説明ありましたように、果実の薫蒸剤としては以前から使っておるものでございますけれども、安全性に問題があるということを承知いたしましたのは、昨年の十二月に米国の環境保護庁がそういう発表をした時点でございます。
○政府委員(榊孝悌君) ただいま農水省の方からお話がありましたように、私どもも昨年の十二月の時点でこの物質が発がん性が疑わしいというふうなことについて承知いたしました。
○説明員(林部弘君) 後ほど許容濃度の問題などが御質問の中に出てぐるのかと思いますが、EDBの許容濃度の問題に関しましては、アメリカの労働安全衛生研究所、一般にNIOSHと呼んでおりますが、そこが許容濃度の問題について年々勧告をいたしております。一九七七年の時点にこのEDBの許容濃度の問題について勧告をしているという事実を存じております。
○説明員(野村紀夫君) われわれの所管は、港湾運送事業法の規制を担当しておるわけでございますので、このEDBに関することは新聞情報程度しか知りませんでした。
○安恒良一君 各省の把握の程度はよくわかりました。 そこでお聞きをしたいんですが、今回のEDBの発がん性が問題になってから、労働省はいま言ったどのような処置をこれにとられたのか、その点について労働省の考えを聞かしてください。
○説明員(林部弘君) 今回のEDB汚染の関係で荷役作業に従事する労働者の安全問題が出てきたわけでございますが、十月の十三日、横浜におきまして、荷主の団体と関係労組が、農水省、厚生省、それから労働省立ち会いのもとに協議会を開いておりまして、労働省といたしましては、コンテナ中の空気中のEDB濃度が、先ほど私申しましたアメリカのNIOSHの許容濃度勧告値以下であるということを確認した上で、荷役作業に取りかかったらいいのではないかということを私ども労働省の方が提言をいたしました。というところから私どものアプローチが始まっております。
○安恒良一君 ちょっとあいまいですから、少し系統的に聞きますが、まずEDBが発がん性があるとか、それから毒物劇物取締法でアメリカでは劇物に指定されているとか、それからアメリカの環境保護庁では、これはカーター政権のときであります、一九八三年から使用を禁止するように、こういうことを提起して、そして日本政府の方にもその情報が私は入っておったというふうに思うんですが、それは間違いありませんか、日本政府の方にもそういう情報が入っておったということは。厚生省どうですか。
○説明員(林部弘君) 労働省といたしましては、いま先生のお示しになった形ではキャッチをいたしておりません。
○政府委員(榊孝悌君) 私どもの方、先ほど申し上げましたように十二月の時点で、アメリカでいまお話のような点についての公示がされたという時点で承知いたしたわけでございます、
○安恒良一君 大臣よく聞いておってくださいよ。——後にします。 それじゃ、そこのところを後にしまして、この取り扱いをめぐって米国の港湾労働者で組織するILWUが、果実の荷役作業が危険である、こういうことで取り扱いを拒否する、そしてその後港湾作業を拒否する、こういう中で柑橘類の対日輸出最大の大手であるサンキスト社の間でいろいろ協定がされたということを聞いていますが、その事実を労働省は知っていますか。またどんな協定がされたんでしょうか。
○説明員(林部弘君) ILWU・サンキスト協定の中身につきましては、一つは、ロングビーチ港にある四つの薫蒸設備はオンタリオのサンキスト工場に移され、それで、会社の検査員によって薫蒸が行われることとするというのが一番目でございまして、二番目は、薫蒸されたすべての貨物はコンテナ化することとする。三番目に、港に運ばれた場合、薫蒸された貨物の作業に当たるが、その周りで作業するすべての人に防毒マスクが与えられねばならない。これはいずれも薫蒸が行われる場合の協定というふうに聞いております。
○安恒良一君 私の質問に正確に答えてくださいね。 まず、そういう荷役作業を拒否するという事態が起こったこと、それからいま言われたような協定がいつ結ばれたのか、またそのことの情報入手を労働省はいつされたのか、この三つを聞きたいんです。
○説明員(林部弘君) 情報が少し錯綜しておりまして申しわけございません。 十八日の日に……
○安恒良一君 何月の十八日。
○説明員(林部弘君) 今月、十月の十八日でございます。日本青果物輸入業者の団体の方から入手をしたというふうに聞いております。
○委員長(粕谷照美君) それは第三項だけでしょう。一項、二項は……。
○安恒良一君 いま言ったのは、私は三項目を聞いたが、それらをすべて知ったのが十月の十八日だと、こういうことですか。
○説明員(林部弘君) 失礼いたしました。 いま先生の御指摘の協定の内容について入手したのは十八日ということでございます。
○安恒良一君 私は三点聞いているんです。聞いたこと全部答えなさい。
○説明員(林部弘君) それから横浜において問題が起こってきているということを知りましたのは……
○安恒良一君 横浜のことを聞いていないでしょう。あなた、何を聞いているんですか、人の質問を。三項目、私が言ったのは。横浜のことを聞いていませんよ。 アメリカにおける港湾労働者が、この扱いについて危険があるということで一時扱わないということを決めたのはいつなんだろうか、それから協定はいつ結ばれたのか、そしてそういうものをあなたたちが情報として知り得たのはいつでしょうか、この三点を聞いたんですよ。あなたは三点目だけ答えて、今度はいきなり日本のことを答えている。人の聞いたことに正確に答えてください。
○説明員(林部弘君) 協定そのものと、それから一点と三点は十月の十八日でございます。それから二点は十月の八日でございます。
○安恒良一君 それじゃ、これは農水省が答えるのが適当でしょうか、まず、いろいろ問題があったけれども、輸入再開をしましたね。それで日本の各港にいつこれらの問題の船が入港したんでしょうか。その入港した日にちは、運輸省ですか、それとも農水省ですか、答えてみてください。
○説明員(管原敏夫君) カリフォルニア州からの消毒の第一船が横浜に入りましたのは十月の八日でございます。その後、現在横浜、東京、神戸それぞれ三隻ずつ入港しております。
○安恒良一君 そうすると、輸入再開で第一船が日本に入港したのは十月八日横浜、第二船十月九日東京港、十一日神戸、こんなぐあいのことは間違いありませんね。 そこで労働大臣にお聞きしたい。いまちょっとあなたはトイレに行っておられましたけれども、こういうことなんですよ。 いわゆるEDBがアメリカの米環境保護庁から毒物劇物取締法上の劇物に指定されておる、そういう情報はいつごろ得たのかと言ったら、各省いろいろ言いましたけれども、大体去年とかいろいろ言っていました口しかも港湾労働者がこの取り扱いをめぐっていわゆる荷積みをしない、こういう事態が起こって、そしてその事態を解決するための方法について最大の輸出社でありますサンキスト社の間に協定ができた。こんなことをいつ知ったのかと聞きましたら、いま大臣が御承知のように、十月の十八日とか、船が入った後に協定書の中身なんかも労働省はおつかみになっている。 そこで、私はどうしてもこれは大臣にもお聞きしなきゃならぬし、各省にもお聞きしなきゃならぬのは、日本の港湾荷役作業に対して日本政府として、農林水産省、厚生省、労働省、運輸省はどうして、直接作業に携わる港湾労働者はもちろんのことですが、港湾運送事業者に対して何らかの事前の連絡と安全対策に対する指示を行わなかったか。行ってない、現実に。問題になったのは労働組合側から提起されてから初めていろんなことが起こってきているんですが、どうしてやらなかったのか、これ私は不思議でなりません。労働者が自分の生命とあれにかかわるということで問題を提起して初めて問題になった。ところが、こういうものが大変なものであるということは各省全部知っておったわけですからね。そしてどうもアメリカで大騒ぎになっておることを労働省は知らなかったらしいんですが、これも不勉強きわまるですね、こういう問題が起こったんですから。問題が起こらなければわざわざ農水省は向こうに役人をやってまで……。いろいろ紆余曲折あってあれを入れるということを決めた。そうすれば当然注意を払っておかなきゃならぬ事項である。にもかかわらずに、いろんなアメリカでごたごたが起こったことについても最近になってやっと知った、船が入った後知ったと、こう言うんですからね。 私は、ここのところが労働安全行政に携わる労働省としてまことに遺憾だと思いますが、労働省が中心となっていま言った関係各省との間で十分な話をして、そして事前に業者にもそれを扱う労働者にも連絡をする、それと同時に安全作業について指示を行う、こういうふうにしてやる。これが私は労働省の仕事だと思いますし、それからまた各省も労働省と協力してやらなきゃならなかったと思う、まず輸入をする農水省自体がですね。 それから食品衛生の観点から言うと、これは厚生省が安全なのかどうかという検討を十分しなければならぬ。これもやってない。騒ぎ出してからやっている。こういうやり方は私はどうしてもわかりません。ですから、まず、安全衛生行政全体をつかさどる労働大臣からこの間の考え方を、以下各省から、なぜあなたたちはそういうことをやらなかったのですか、各省協議をやったり業者と話し合いなり、労働組合との協議をなぜやらなかったのですか、このことについて各省の考え方を聞かしてください、まず大臣。
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘をちょうだいいたしまして私なりにびっくりしておるわけでございますけれども、これはアメリカのレモンだとかオレンジだとかグレープフルーツだとかいうものを輸入し始めましたのは、最近の話ではないわけでございまして、いままでもこれはずっと長い間やっておるわけでございますね。でございますから、いま御指摘のEDBという薫蒸創業、そういったものが一体いままで使われていなかったのか、いつから使われ始めたのか、そういったことは私には不勉強でよくわかりませんけれども、昔からそれを使っておったということになればこれは大変な失態でございまして、そういうものを扱う労働者の皆様方の安全を一体何と考えておったのかということになるわけでございまして、しかしながらどういう経緯でどうなったかということを私も調べておりませんからわかりませんけれども、いろいろいきさつがありまして、いままでのはそういうような薫蒸をしなかったなんてことは私にはわかりませんけれども、最近の日米間のいろいろな貿易摩擦解決の一手段としてこういったものをたくさん入れるということになりまして、海を越えて送っていくものにより厳しい薫蒸措置をやらなければならぬではないか、いままではチチュウカイミバエというのはいなかったということになったのかどうか知りませんけれども、絶滅するためにより強い薫蒸措置をとらなきゃならぬということで、最近になってそういったものを採用し始められたということであるとすれば、そういうものの受け渡しを貿易関係が成立するときに少なくとも政府全体といたしましてそのことを知ってなければならなかったと思います。 それがいまの先生の御質問に対します官庁の答弁等を聞いておりましても、十月の八日でございましたとか十月の十八日でございましたとか——十八日なんというのは、いまは二十二日でございますから、四日前のことでございますね。そのようなことでは、私はこれからおしかりをちょうだいするんだと思いますけれども、まことに国民の皆様方にも相済まぬ。当該の輸入された貨物を扱います労働組合の皆様方にそれだけの安全を確保しないままで非常な危険な状態に置いていくということであれば、これは大変なことでございますから、即日にでもそういったものを禁止しなければならぬ、こういうことだろうと思いますね。 しかしながら、それがあえていろいろな話し合いの中でともかくも東京や神戸においても扱うべきであるということで扱わせたということになりますと、一体この安全基準といいまするものに対してどのような措置がとられたのか、どのように確認をしておるのかということにつながっていくだろうと思いますし、事はきわめて重大でございますから、私もいままで怠けておりましてまことに申しわけがなかったわけでございますが、責任を持って調査をいたします。
○安恒良一君 各省答えてもらう前に、それじゃちょっと事態を二つだけ大臣に明らかにしておきたいと思いますがね。 わが国は、これは農水省に質問しておきたいんですが、以前からEDBで薫蒸された果物が輸入されておったのではないか。それから国内でもEDB薫蒸を行っていると聞きますが、それは事実かどうか。それからEDBで薫蒸された果物の品名とその輸入国、それからその輸入トン数。それからこれは労働省が答えるのか運輸省が答えるのか知りませんが、その荷役に携わる労働者の数及びEDBの薫蒸作業者の数はどのくらいになってどういうふうにつかんでいるのか、こういう点について、いま大臣が以前からあるかないかとおっしゃいますから、このことをお聞きします。その上でさらに論争を深めていきたいと思います。
○説明員(管原敏夫君) まず、EDB薫蒸された果実が輸入ないしは国内でどういうふうになっておるのかということからお答えいたしますと、外国から輸入しておりまするものの生果物のうちEDB薫蒸をわが国が条件として輸入しておりますのは、台湾では柑橘類、マンゴー、レイシ、パパイアでございます。それからアメリカにつきましてはパパイアでございます。フィリピンについてはマンゴー、イスラエルが柑橘類、それから国内では沖縄、奄美、小笠原がございまして、品目としては柑橘類、インゲン、そのほかポンカンとかございますが、そういうようなものでございまして、昭和四十四年からこの消毒をやっております。 それから輸入数量でございますけれども、五十五年の実績でただいま申し上げましたもののトータルといたしますと約一万一千八百程度でございます。
○安恒良一君 いまのは果物名、それからそれぞれに対する輸入数量等もトータルで答えられましたから、後で結構ですから資料でください。それで一々細かくしゃべられると時間がなくなりますから、いいですね、トータルじゃなくして。 それから次のその荷役に携わる労働者の数及びこのEDBの薫蒸作業で働いている人、これは労働省だと思いますが、どうですか、把握していますか。
○説明員(林部弘君) 実態を私どもまだ十分に把握いたしていない状況でございますが、国内の沖縄の例では十名程度というふうに情報として入手いたしております。
○安恒良一君 大臣、経過はいまお聞きのとおりですね。まず、すでに四十四年からいま言ったような国から入ってきているということですね。それからその次に、おたくの省はその荷役に携わっておる労働者の数とか薫蒸作業の労働者の数はおつかみになっていない、残念なことですがおつかみになっていない、こういうことです。 その上に、私はそこで理由にならないと思うのは、今回特にアメリカのカリフォルニア州でチチュウカイミバエが異常発生して、本年の八月農水省がこれの輸入禁止をしたわけですね。それで日米問題になってすったもんだすったもんだして、そのあげく輸入するに当たっては二つの方法でいこうということで、EDBによるところの消毒、そうでなければ冷凍倉庫でやる。ところが、アメリカのカリフォルニア、あの近くには冷凍倉庫が非常に少ないものですから、ほとんどがこのEDBによるところの殺虫剤によって十分に消毒して輸入するということに取り決めがなったわけなんですね。 そうしますと、もうその時点から、それと同時に、このEDBというものが毒物である、大変なものである、たとえば発がん性があるとか遺伝子に変化を起こす、こういうことはもうすでに日本の政府は知っておったわけです、去年知っておったわけですから。それぞれ皆答えていますよ。あなた首かしげているけど、知っておった、去年の十二月に承知しておりましたと言っているんですから。そうすると、なぜ船が入ってくる前に労働省が、厚生省も集まってくれ、農水省も集まってくれ、運輸省も集まってくれと。そういう中でこの取り扱いをどうするのか、荷役扱いをどうするのか、こういうことを相談したり、もしくは荷主に対して事前に連絡するとか、それからこれは作業します港湾労働者、ちゃんと労働組合もありますから、そういうところにも事前に連絡をとって、こういう船が今度入ってくるんだ、これに対して劇物として安全作業はこうしようじゃないか、こういうことの指示が行われて当然しかるべきだと思うんですが、それがどうして行われなかったか。 どうもこの種の問題は、これは大臣は国務大臣の一人として聞いていただきたいんですが、常にアメリカが何かやらないと日本はやらない。きょうは厚生大臣がいませんからこの次厚生大臣には言います。アメリカがこれは毒物であるとか、アメリカがこうだと言わないと、それまでは常にわが方は知らぬ顔しておる。それから今回の場合には、いま私が申し上げましたのは、アメリカの環境保護庁からその考え方はすでに世界的にも明らかにされておるわけですから、そのことは知っておって——そこが私にはどうしてもわからないわけですね。本当に労働省が労働者の安全衛生に当たるとか、厚生省が食品衛生の観点から国民の食品衛生について忠実にやるというなら、そういうものが輸入されることが決まったわけですから、しかもアメリカでは一騒動起こって、港湾労働者がストライキをやるという状態まで起こったあげくこっちに来るんですからね。それなのにそういうことがやられなかったということが私は大変遺憾でならないんです。 そういう点についてもう一遍大臣、それから厚生省、農水省等、皆さん関係省ですから——何か労働省だけが責められておればいいということじゃないんですよ、この問題。そういう点について各省の考えを一遍聞かしてください。なぜあなたたちは、港湾運送事業者一それからそこで働いている労働者、こういう方々と事前に連絡をしたり、安全作業の指示をなぜ行わなかったか。作業指示は最終的には労働省でしょうが、なぜ行わなかったんですか、あなたたちは。
○国務大臣(藤尾正行君) まことに恐れ入っておるわけでございますが、先ほどの返答を聞きましても、EDBなる薫蒸剤がきわめて劇物であって、発がん性その他の非常に危険な分子を含んでおるということを知ったのが去年の十二月だというような話で、それじゃその前の四十何年から去年の十二万までの間一体どうしておったんだろうかというような疑いも持たざるを得ないわけでございまして、そこら辺のところに私はきわめて勉強不足、しかも責任のとり足りないきわめてよくない体質が、労働省にも、あるいは農水省にも、厚生省にも、運輸省にもあったということを認めざるを得ないわけでございます。したがいまして、ともかくも仰せのとおり、昨年の十二月にそれは危ないものだということがわかれば、それ以降一番十二月に近い時点において、こういうもので薫蒸したこういう品物は危ないぞということをそれぞれが持ち寄って、そうしてそれに対してはいかなる対策を講ずるべきであるかということを相談し合うというのは、これはあたりまえのことでございますから、それを今日までやってなかったということになれば、これは政府といたしましてきわめて怠慢のそしりは免れ得ない。国務大臣といたしまして、私もその責任を逃れるわけにはまいらぬわけでございます。
○政府委員(榊孝悌君) チチュウカイミバエの問題が発生しているということにつきまして、これはアメリカで発生しているということにつきましては、私どもも新聞報道等で知っておったわけですが、この柑橘類について農水省と米側との間で専門家会議の結果、消毒方法等についてのいろいろな合意があったということについて、農水省の方からその時点で私どもの方に通報があったわけでございますが、その時点から、厚生省といたしましても、食品衛生上の問題、輸入食品を監視するというふうな役割りから、これの関係資料というふうなものにつきましても、農水省の持っておられる資料の提供、あるいは外務省を通じまして米側のいろんな関係資料の収集というふうなことに私ども努めてきたわけでございます。そういったことで、港に着きます時点でこれをどういうふうに検査していくかというふうなことについて厚生省としては準備をいたしてきておったわけでございます。 しかし、いずれにしましても、お説のとおりに、関係各省との関係というのは、非常に密接なものがあるわけでございまして、そういった意味で今後もやはり十分私どもも各省との連携を密にして、この対策に当たりたいというふうに考えております。
○説明員(管原敏夫君) EDBにつきましてのそういう危険性、安全性に問題があるということは、昨年の十二月にもう承知しておったわけでございますけれども、アメリカの場合はこれはEPAが、一回そういうデータがございますと、それで一応のこういう提案をするわけでございますけれども、その後に関係者、学識経験者の意見を聞きまして、その後に最終的な決定をするというような段取りになっておるわけでございまして、現在EPAが八三年の七月一日以降使用を禁止するということは、まだ決定された事項ではないわけでございます。 そういうことはございますけれども、私どもことしの八月に、日米の専門家会議でEDB薫蒸、それから低温処理を消毒方法として合意いたしました理由は、このEDBが非常に効果的なものであるということと同時に、このミバエの消毒剤としては、米国を初め広く世界で現在使われでおるという事実があるわけでございまして、その時点で日米専門家ともこれに危険性があるというふうには考えていなかったわけでございます。 と申しますのは、その後も、本年八月日米専門家会議が始まる以前でございますけれども、EPA当局が現在のところEDBを薫蒸に使っても危険性はないというような発表をいたしておるわけでございます。それから九月になりまして、同じくEPAの担当次長が、本年一年薫蒸に使っても人間がたばこを一本から七十本程度一生に吸うのと同じ程度の危険性である、事実上危険性は非常に少ないというようなことも言っておるわけでございます。それからこのEOBの性質としまして、揮発性が非常に強いというところから、薫蒸後は速やかに抜けていくという性質があるということ。 そういうようなことで私ども合意に達したわけでございますけれども、先生先ほどお話ございましたカリフォルニア州における港湾労働者の荷役の拒否とか、それから大手スーパーの不買とか、こういう問題に端を発しまして、わが国でも安全性の問題が非常に重要視されておりますので、今後責任官庁とも密接な連携を図らしていただきたいというふうに思っております。
○安恒良一君 農水省の答弁には大変問題がありますね。 なるほどレーガンが出てきまして、このことについて一九八三年に使用を禁止するかどうかということの問題は出ています。 しかし、あなたはそんなこと言われましたけれども、このEDBの果実残留基準をやっぱり決めなきゃならぬことも事実です、また取り扱いについても、きのうも、後から労働省に報告させますが、各省一致をして、労働者と港湾運送事業者も含めて基準を決めたじゃないですか。それを決めたのはやっぱり危険だから決めたんでしょう。あなたの言うことを聞いていると、何か危険じゃないようなことを言うんだ。 なるほど新聞で見ますと、厚生省と農水省が対立している。厚生省はカリフォルニア州の〇・三ppmを基準にしたいと言っているし、農水省はそんな基準はしなくてもいいじゃないかなんということを言っている。しかし最終的にはこれの責任は厚生省ですからね。 きのう関係各省と労使の代表を含めて取扱基準を決めたでしょう。決めたことは、あなたが言っているような危険性がないということじゃないんだよ。全面的禁止をするかどうかというのは、レーガンにかわっていま出ています。しかし、私の手元にアメリカのいろんな細かい資料がありますけれども、中央連邦政府とカリフォルニア政府の間の数値の若干の違いがあるだけであって、連邦政府の方に、こういうものはあなたが言うように危険でないなんというデータは一つもないですよ。あなたはそういうデータを見て言っているんですか。連邦政府とカリフォルニアの間のやりとりですね、いわゆるOSHAの基準、やりとりその他、私は原文を全部入手した上で言っているんですが、農水省は、そういうことをお読みになった上でいまあなたが言ったことを言ったんですか。私は、きょうは局長に出てこいと言ってあなたが出てきているんだから、この次は局長に来てもらわなけりゃいかぬけれども、あなたはそう言えるんですか。あなたはそういうアメリカの関係官庁の文書を取り寄せられて、いまどういう論争がアメリカの中で行われてどうなっているかということを御承知の上であなたは言っているんですか、聞かしてください。
○説明員(管原敏夫君) 私がただいま申し上げましたのは、昨年の八月から九月にかけまして、日米の専門家会議でこのEDB薫蒸を合意したという背景を申し上げたわけでございまして、現在時点で、先生おっしゃるようなことにつきましては、先ほど申し上げましたように、この食品残留、それから労働環境という問題につきましてのそれぞれの責任官庁の見解に従わなきゃいけないというふうに考えております。
○安恒良一君 そうでしょう。労働省や厚生省はそれぞれ責任官庁が出したものに従わなきゃならない。それならそれのような答弁をしてください。何かいかにも危険がないようなことを言われていますが、そうではないんですね。 そこで労働大臣、いまお聞きのようなことなんですよ。私はもう時間がありませんから少し結論を急いで、厚生省関係は改めてまた厚生一般のときにし、食品衛生の安全性についてはきょうはやりません、時間がありませんから。 そこで、労働省関係について少しあれをしたいと思いますが、現在まで港湾労働者がこの問題が解決できないと荷役作業をやらないという事態が続いておりまして、そして十月の十三日に第一回の話し合い、昨日第二回の話し合いが、農林水産省、厚生省、労働省、運輸省、それからそれに直接携わる港湾労働者、港湾運送事業者、輸入業者等を含めて話し合いがされたと聞いていますが、話し合いをされた結果どういうふうな決定がされたのか。そのことについて簡単にひとつ報告をしてください。
○説明員(林部弘君) 骨子は作業基準の問題になるわけでございますが、一つは、「EDB薫蒸処理された青果物を積地においてコンテナ詰めあるいは本船積込みを行なう場合は、EDBの残留濃度が〇・一三ppm以下で行をわれたものであること」。それから二番目は、「その場合積出港の所属する公共的機関の証明書を添付しなければならない」。こういうことが昨日の協定書——これはまだ仮の協定書ということでございますけれど、も、作業基準としてはそういうような二項目の内容が決まっております。 それから事前連絡の問題といたしましては、「荷主は、EDB薫蒸による青果物の荷役については、本船入港日五日前までに、当該港の災防協会に事前連絡表により通知しなければならない」ということ。それから二番目に、「災防協会は、当該本船荷役に際し、同作業に関係ある企業者に対し、本協定に基く安全作業を指示しなければならない。また、必要に応じて事前に安全対策会議を招集し、協議する」ということが事前連絡の問題でございます。 作業方法の問題といたしましては四項目ございまして、「作業開始前にガス検知を行ない、EDBの残留濃度が〇・一三ppm以下であることを確認する」。二番目は、「作業従事者は防護マスク、ゴム手袋、長袖、長ズボンを着用し、直接肌を露出して作業をさせてはならない」。三番目に、「上記作業にあたっては、健康を害し薬品を服用している者を従事させてはならない」。四番目は、「作業は原則として交替制とする」。 こういうような内容の協定書が交わされたというふうに聞いております、
○安恒良一君 大臣、これも労働組合側が荷役を拒否して初めて、労働組合側からの申し入れによって初めて関係各省との話し合いでいま言ったような協定ができたんです。全く労働安全行政に携わる労働省としては怠慢なんですよ、率直なことを言って。労働組合側が実力行使をして、そして——オレンジは腐りますからね。これをいつまでもほうったら大変です。そういう中で話し合いして初めていま言ったような協定がきのう夕方でき上がっているんですね。 私は、そこで大臣にひとつぜひお約束していただきたいと思いますが、今後こういう危険の疑いのある貨物を輸入する際には、関係官庁、それから船主、荷主、災防協会、港運業者及び労働組合の間において、安全作業を行うための事前から十分話し合いをする、そういう制度を私は中央・地方において確立する必要があると思う、今回のように、わかっておるのはわかっておったんですが、労働者が実力行使をしながら相手側に持ちかけて初めて解決するというしろものじゃないんですよ。これは労働者の安全の問題だし、また入ってきた品物を食べた場合の国民の安全の問題ですからね。ですから、その点をひとつ大臣にお約束を願いたいことが一つ。 それから、きのう衆議院の農水委員会で残留ガスの測定問題について議論があっていますわ。残留ガスの測定は、一つずつのコンテナやハッチごとに労働省が責任を持つと、こういうことを答弁されていますが、このことをひとつ確認してもらいたい。 というのは、大臣、農水省が言っていますのは、このガスは揮発性が高いから、アメリカから日本に持ってくる間になくなるだろうぐらいのことに農水省は思っているんですが、現実は測定してみたら大変な数値になったわけですね。 それから残留も、厚生省が抜き取り調査しました、これは改めて厚生日にやりますが、抜き取り調査しましたら、とても許容基準を上回っておったわけです。ですから、揮発性が高いからといってそう簡単に農水省の課長が答えたように蒸発してしまわない現実が実は起こっているわけなんです。 でありますから、そうしますと、やっぱり残留ガスの測定は一つ一つずつ、きのうのお答えになったように、コンテナやハッチごとに労働省が責任を持ってやらなきゃならぬと、こういうふうに思いますが、この二つについて、前段は大臣、後段は担当局長なら局長から答えてください。
○国務大臣(藤尾正行君) 私は、明日閣議を持つわけでございますから、ただいま伺いましたような重大事、こういったことは直ちに閣議で私は発言いたしまして、関係省庁に徹底させて、それに対する責任がとれるように必ずいたします。
○政府委員(石井甲二君) 第二の点でございますが、現在、横浜港におきまして十月十六日測定の結果が判明いたしまして、すべて〇・一三ppm以下ということを労働省として確認をしたわけでございます。さらに東京港につきましても、十月十九日測定の結果が判明いたしまして、これも〇・一三ppm以下ということになっております、神戸港につきましては、現在コンテナについていま測定を再度しているという段階でございます。 今後とも、その入港した船について、それぞれ労働省としては実行してまいりたいと思っております。
○安恒良一君 時間になりましたけれども、皆さん並ぶのにちょっと一、二分かかっていますから、その点で最後のことだけ聞いておきますが、私は、労働大臣がおっしゃったこと、ぜひそういうことはやっていただきたいと思います。 それから荷役作業のやり方についてどういう指導をされるんでしょうか、協定は協定で持っていますが、具体的荷役作業のやり方について作業の手順をどのように労働安全衛生の観点からお考えですか。
○説明員(林部弘君) まず換気をいたしまして、それから必要な測定を行いまして、その上で従前から行っている方法で荷役をやっていただく、必要に応じて保護具を使用するということでございます。
○安恒良一君 それでは、時間がありませんから、私はこれはこうだと思いますね。まず送風、換気をやる、それから防毒マスクを着用する、それからゴム手袋、長ぐつ等を着用すると、こういうようなことで私は作業をきちっとやってもらわなきゃならぬと思いますから、そういう御指導を願いたい。 大臣、これはちょっと念のためにお聞き願っておきたいんですが、アメリカの環境保護庁では、EDBはゴム製保護装置もすばやく通過してしまう、こういう危険性すらあると、こう指摘していますから、最小限いま私が言ったことを作業の手順として御指導願いたいということを申し上げて私の質問を終わります。大臣お約束をしてください。
○国務大臣(藤尾正行君) 本当に仰せのとおりだと思いますから、そのようにさせます。
○委員長(粕谷照美君) 本調査に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時十一分休憩 —————・————— 午後一時四十三分開会
○委員長(粕谷照美君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小平芳平君 けさほど報告のありました夕張新炭鉱ガス突出災害について若干質問をいたします。 午前中の質疑を通しまして、通産省としては、いまだに坑内に閉じ込められて行方不明になっている人の救出を最重点に置いているという意味のことが御答弁にありましたし、原因の究明その他はその次の問題として徹底的にやらなければなりませんが、とりあえず坑内に閉じ込められている方の救出が先決問題であるということを御発言になっておられました。私もそうだと思います。 ただ、東京で知る限りは、人命軽視の採炭を許すなという声がありますね。これは新聞の社説あるいは報道から見ましても、とにかく人命軽視の採炭を許してはならない。この会社は赤字なんだ、もっとかせげ、もっと振れと言ってハッパをかけてきたのは会社ではないかというふうなことがあります。 したがいまして、この炭鉱はあらかじめ保安対策に不備があったのではないか。この点についての新聞報道は、保安対策に不備があった。例を挙げると、ガス警報機、それからエアマントの欠陥、その他ずっと挙げておりますが、こういう点は通産省はどのように認識しておられますか。
○政府委員(神谷和男君) 先生御指摘のように、人命軽視の採炭というようなことは、私ども絶対にそのようなことはさせてはならないというふうに考えております。私は保安の衝にある者でございますので、その点は特に強い認識を持って行政を進めてまいっておるつもりでございます。 北炭の会社そのものの状況につきましては、先生御指摘のとおり、いろいろむずかしい問題を抱えておる会社であることは確かでございますが、それから新聞等でも報道されておりますように、この山自身なかなかむずかしい山である、ガスも比較的多い山である、こういうようなこともございますし、去年の八月に火災を起こして再建計画にのっとって採炭中の山でございますので、私ども保安関係の者といたしましては、特に重点的にこの山の保安に関しましては監督を行い、指導を行ってまいったつもりでございます。 ただ、それにもかかわらずいろいろ新聞等で報道がされております。御指摘のように警報の不徹底であるとか、あるいはエアマントの故障等が報道されておりますが、まことに申しわけございませんが、いままで罹災者関係のところに、救出作業、あるいは第二次、第三次災害の防止作業に全力を注いでおりますので、これまで押収し得る資料は私どもあるいは警察合同で押さえておりますが、十分な分析まで段階が進んでおりません。したがいまして、原因究明の本格的な捜査活動はこれからにまたなければなりませんので、先生御指摘の新聞報道の問題については、事実関係をこの時点で御説明することができないのはまことに残念でございますけれども、そういう新聞報道等がなされておるというようなことも念頭に置きまして、原因究明にはすべてのエネルギーを今後一段落した後は注いでいかなければならないと思っております。 ただ、具体的に警報機が鳴ったから、したがって保安軽視であるとかというようなことに直ちにはまいりません。ここのあたりはやはりさらに詳細なデータを集めて判断をしなければならないものではないかというふうに考えております。
○小平芳平君 警察は、これもやはり新聞報道だと、しきりといろいろな刑事責任を追及すべき問題があるというふうに報道されておりますけれども、どのように把握しておられますか、差し支えのない範囲で。
○説明員(仁平圀雄君) 現在警察といたしましては、札幌方面夕張警察署に北海道警察刑事部長を捜査本部長といたします北炭夕張新鉱ガス突出事故捜査本部を設置いたしまして、捜査本部長以下百二十名の要員をもちまして、保安設備の維持管理、災害発生時における避難誘導等の訓練など、先生御指摘のような保安対策の上において手落ちがなかったかどうか、また事故発生後における被災者の救出に手落ちがなかったかどうか、さらにガス突出についての予見が可能であったかどうかといったようなことにつきまして、札幌鉱山保安監督局と緊密な連携をとりながら、関係書類の押収、遺体の検死・解剖、会社側及び脱出者からの事情聴取を行っておるところでございます。 現在まで、遺体につきましては、三十四体につきまして検死をいたしておりますが、いずれも窒息死と認められる状況でございます、司法解剖をいたしました遺体三体の解剖所見も、また同じく窒息死となっておるわけでございます。 現在までの捜査状況はそういうところでございまして、今後被災者の救出あるいは遺体の収容等が終了いたしまして、災害現場への立ち入りが可能となりました段階におきましては、現場検証を行いますとともに、関係者からの事情聴取を行いまして、事故原因を究明し、刑事責任の有無を明らかにしてまいりたいという方針で臨んでいるところでございます。
○小平芳平君 いまの段階はよくわかりました。 次に、この炭鉱の過去の主な事故ですね、夕張新鉱の事故について、主なもので結構ですから、簡単に御説明いただきたい、
○政府委員(神谷和男君) 札幌鉱山保安監督局の統計によって、夕張新炭鉱における昭和五十年六月、これが営業出炭開始の時期でございますが、それ以降の重大災害——この分類は、私どもでは死亡三名以上あるいは罹災者五名以上の災害ということで仕分けをいたしておりますが、五十年七月六日、死亡五名、重軽傷十四名、計十九名の罹災者を出したガス突出災害というのが重大災害ということで記録されております。
○小平芳平君 死亡五名以上と言えばいまのようになるでしょうけれども、そのほかにも死亡一名くらい、一名死亡という事故はもう毎年あるいは一年に何回も起きているんですね。どうですか、
○政府委員(神谷和男君) 五十年以降死亡一名という事故につきましては、十五件という件数がございます。
○小平芳平君 労働災害として死亡一名— まあ重大事故ではないけれども、死亡が一名あったということは、一般的に考えて労働災害としては重大事故ですね。労働者はどう判断しておられるか。 それから監督局から警告をされましたですか。
○政府委員(神谷和男君) ことしの春ごろでございますが、ただいま御説明をいたしました事故のうち、かなりの部分がことしの春先に起きておりますので、三月十六日並びに四月二日、おのおの林社長を監督局長が召喚して、この事故頻発についての厳重注意を行っております。
○小平芳平君 そういうことを労働省は知っていたですか。
○政府委員(石井甲二君) 労働省からはそういう警告をしておりません。
○小平芳平君 いや、必ずしもそういうことではなくて、通産省と労働省に労務管理はまたがるわけですね。労働省も関係はあるわけですからね。それで、午前中もお二人の委員から指摘がありましたが、そういうふうにまたがっていて不都合なこともありゃしないかという御指摘があったわけですが、それで私がいまお尋ねしたい趣旨は、三十九年三月に行管の勧告がありましたですね。この行管の勧告では、連絡を密にしてやれというふうになっておりますが、そういう意味で連絡があったのか、お互いに対策を立て合ったのかということをお尋ねしているんです、
○政府委員(石井甲二君) 昭和三十九年に鉱山行政監察結果に基づきまして勧告を受けております。 その内容は、一鉱山における総合的災害防止対策を推進するため、鉱山保安行政を労働行政の協力・調整の強化を図り、中央・地方を通じて常時の連絡体制を確立する要がある。」と、こういう内容の勧告を受けたわけでございます、 それで、先生御承知のように、この炭鉱の保安行政につきましては、通産省の鉱山保安法にゆだねられておるわけでございまして、しかし労働省としても労働者の生命と健康を守る立場からいいましても、常に連絡調整をとりながらやっていく必要があることは当然でございます。 そこで、これまでの状態を申し上げますと、一つは、鉱山の保安上必要と認める場合には、これは法律によりまして、労働大臣が通産大臣に、あるいは労働基準局長が通産省の局長レベルに、その災害の実態あるいは災害についての予防に関連をいたしまして勧告をする制度がございます。これまで幾つかの重大災害ごとに、過去七回にわたりまして勧告をしておるというのが一つの事実でございます。 それからもう一つは、鉱山災害を防止する観点から、鉱業労働災害防止協会を通産省と労働省の共管によりまして設立をいたしまして、自主的な労働災害防止活動を促進する指導、援助の拠点という共通の場を設けているというようなことを通じながら、お互いに労働災害防止のための連絡調整を図っていると、こういうことでございます。
○小平芳平君 そういうことをお尋ねしているんじゃないのです。いま通産省から、六年間に死亡が二十人という災害が起きているわけです。その炭鉱で今回の大事故が起きているんです。ですから、死亡一、死亡一という労働災害は頻発しているわけです。そういうときに労働省としてどんな連絡を受け、どんな対策をしたのか。通産省の方は二回担当局長から口頭指示をしたとお答えになっておりますが、労働省はどうですかと聞いておる。
○政府委員(石井甲二君) 事前に会社に対して勧告、指示をした事実はございません。
○小平芳平君 じゃ何の連絡もなかったのですか。
○政府委員(石井甲二君) 北炭の夕張新炭鉱につきましては、昭和五十一年の二月十六日に、労働基準局長から通産省の立地公害局長あてに、「石炭鉱山における災害防止に関する勧告について」ということで、夕張新鉱だけではございませんが、高島炭鉱あるいは三菱炭鉱あるいは三井砂川鉱のガス突出等全体を含めまして、労働基準局長から立地公害局長を通じまして勧告を出しておる事実がございます。
○小平芳平君 労働大臣、先ほど午前中の質疑で、こういうふうに労働省と通産省とに分かれている歴史的な経過とか、いろいろな御説明がありましたですが、この民間の事業所で、どこの事業所を想定なさっても結構ですが、またも一人死んだ、労働災害でまたも一人死んだということが二十何回も繰り返されている、過去数年の間に。そうした場合には労働省としてもよほど注意する事業所じゃないですか。 そこで、行管の三十九年三月にも、鉱山保安行政と労働行政の協力調整を強化するため、中央・地方を通じ両省間の連絡事項、連絡方法を明確にする、常時の連絡体制を確立すること、そういうことと、もう一つは、これは非常に大事だと思うんですが、災害原因の究明に当たっては総合的に検討を加え、根本原因の究明に努めることとなっておりますですね。こういう点について労働省が十分に発言していかなきゃならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤尾正行君) まことに御趣旨のとおりでございますけれども、従来炭鉱というのは、御案内のとおり、だれだって爆発事故を起こしたり、火災事故を起こしたり、落盤事故を起こしたり、突出事故を起こしたりというようなことを好きでやっておるものはいないわけでございまして、会社も一生懸命にこれを防止する努力をやっておりますし、監督的な立場にあります通産省におかれましても、私どもの労働監督局におきましても、一生懸命私は努力いたしておると思います。 しかし何せ世界でまれな地下八百メーターというようなところで掘っておるわけでございますから、万全の上にも万全を期していると思いますけれども、気圧の関係その値もまるきり違っておりますし、そういうところで、地上で安全だと見きわめられました機械を持っていきましても、果たしてそれがどうなっていくものやらというようなこともございますし、特段と非常に原料炭を産出いたしております各炭鉱におかれましては、ガスというのはこれはいっぱいございまして、当然毎日毎日掘るたびにガス抜きをやっておるわけでございますけれども、ガス抜きをやっておりましても、やってないところから突出をするというようなことがあるわけでございまして、私は今度のこういう大事故というものを起こしましたその責任は、すべて炭鉱の責任者でございます経営者が負わなければならぬ、さように思います。 これに対しましても、万全の対策とは一体何だということになりますと、これは先ほどもおしかりをちょうだいいたしましたけれども、こういう災害が起こるたびに、こういったことは二度と起こしませんということを言うわけでございますね。そして本当にそれに対する措置もとるわけでございます。とりますけれども、なお起こってくるというようなことを考えてみますと、私は万全というようなことはなかなか言うべくしてこの炭鉱の場合には非常にむずかしい、 そこで考えますけれども、とにかく初めからしまいまで監督者が一緒に中へ入って指導するというわけではございませんので、またそこら辺にともかくも——今度の事故の場合には特段とそうでございますけれども、採炭現場ではないわけでございますね。起こりましたのは石炭を掘っておるところじゃなくて、これから掘ろうかというところの掘削をやっておった現場でございますね。でございますから、そういったところ、採炭現場において行っておる以上の手配がなされ、それに対して注意が行き届いておったかといいますと、そこら辺のところは非常に危ないところがある、あるいはそういうところに経営者自体あるいは監督的立場にあります通産省におかれましても、また私どもにいたしましても、注意を払っていかなければならぬ落とし穴があるいはあったのではないかという気がいたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、このようなあってはならぬ経験を私どもはまた経験いたしたわけでございますから、こういったことを十二分にひとつ存念に入れまして、さらばどのようなことをすればいいか、ここの辺のところを十二分に考え直していかなければならぬ。それにはまず、先ほど通産省で申されましたように、何が原因でどのようなことが起こったんだということを徹底的に究明しなければこれはだめでございます。その前に、ともかくも中におられます方々の生命の確認、あるいは御遺体といいまするものにもしおなりになっておられれば、その御遺体の搬出、家族に対するお引き渡し、こういったことをやらなければなりませんし、現にそこではいま火災が起こっておるわけでございますから、火をまず消すことにも十二分の注意を払っていかなければならぬ。こういうことで、とりあえず何からどのようにしていってという順序を追って、必ず国民の皆様方に申しわけの立つようなそういう調査を進めていかなければならぬ、時間は幾らかかってもこれは仕方ない、さように思います。
○小平芳平君 私がいま申し上げていることは、この勧告にもあるように、常時の連絡体制を確立しておくこと、それから根本原因を究明すること、そういうことを申し上げていたわけです。 通産省としては、先ほどもちょっとお話がありましたが、五十六年八月の答申で、二千万トンを掘るということ。しかしその大前提として、生命の尊重、安全ということを考慮に入れた上で言っていることでしょう。いかがですか。
○政府委員(神谷和男君) 保安大前提の上にすべて計画でございます。
○小平芳平君 それがいかに気を配り、今後絶対起こしませんと言ってもやはり起きる。それで大事故が起きたときには今後絶対起こさないなんて言いますけれども、一人、二人のときはそういうことを言いもしませんでしたね。それで保安を大前提にしているとおっしゃるのですが、一人、二人はやむを得ない、幾ら注意しても多少のことはやむを得ないということが大前提なんですか、いかがです。
○政府委員(神谷和男君) 先ほどたまたま私ことしの春先の警告の例を申し上げましたが、先生御指摘のように、五人以上であるから大変なんだ、 一人だからいいんだというようなことはわれわれ全く毛頭考えておりませんで、死亡だけではなく重傷であろうと、軽傷であろうと、災害というのは、私ども災害率という形で、これを本当にゼロに近づけるというのは口で言うほどやさしくはないわけでございますが、災害率そのものを減るしていくという方向を一番大きな目標として掲げており、北炭関係の山につきましても、はっきり言って、災害率がほかの山より高いわけでございますので、これを減らせるべく実は会社に対してもいろいろな警告のほか注意、指導を行い、たとえば、この夕張につきましては、ほかの炭鉱でございますと、月に一回の現地の監督でございますが、これを大体月三回ペースということで、ほかの炭鉱よりも三倍多く実は回らせるというような形でわれわれ自身監督に十分の配慮を払うほか、会社の方にも指導をさせながらまいったわけでございまして、実は北炭系のこの夕張の山も含めまして災害率が少しずつ下がってきておりまして、われわれの努力も少しずつではあるが功を奏しつつあるのかと、こういう形で実は喜んでおったところにこの事故でございまして、きわめて残念でございますが、この上は徹底的な原因の究明を図るとともに重大災害はもちろんのこと、今後におきましてやはり一人の災害であっても起こさないようわれわれとしては最大の努力を傾けていかなければならない。これは北炭系とか夕張の山だけでございませんで、ほかの炭を掘っておる山全体にそういう形でわれわれ自身も監督を一生懸命やるほか、企業自身もやはり自分の問題として真剣にこの面を見直し、総点検するよう指示したところでございます。
○小平芳平君 石炭産業全体として、いまおっしゃったような災害をゼロにすることが望ましいわけですけれども、たとえ一人でもそういった事故がないように万全の体制を要望いたしまして次の別の問題に移ります。 次に私は、九月二十八日の日本化工クロム訴訟判決について労働省に質問をいたします。 このクロム訴訟判決は大きく報道もされたし、注目もされてきたことでもありますので、労働省としてもよく御検討済みのことだと思います。 まず私が注意深く問題提起したいことは、この判決では昭和十三年ころ肺がんの予見は容易であったというふうに言っております。昭和十三年ころ主に肺がんが発生するということは予見が容易であったというふうに判決文は述べております。この点について労働省はどう考えますか。
○政府委員(石井甲二君) 判決におきましては、御指摘のように、「昭和十三年ごろには、被告会社が、クロム製造に従事する労働者に、肺がん等重篤な疾病の発生する危険性があることを予見することは、きわめて容易であった」という表現でございます。 労働行政の関連から申し上げますと、クロムの化合物による鼻炎その他のいわゆる鼻の疾患あるいは皮膚炎等の発生につきましては、これは戦前からよく知られており、当然一般的に予見をしておったわけでありますが、肺がんにつきましては、昭和四十八年に北海道栗山地区に多発しているという情報を得た時点におきまして、労災補償との関連から疫学調査を実施したという一つの経験の中で、この肺がんについての問題を問題としてキャッチしたというのが初めてでございます。したがいまして、肺がんにつきましては、それ以後クロム酸塩製造の作業に従事した労働者の肺がんと業務との因果関係がそこで判明したということでございます。
○小平芳平君 昭和十三年というと局長もまだ労働省へ入っていなかったでしょうけれども、そのころ予見することが容易であったというのに対して、昭和四十八年の例を出されますけれども、その間に何と三十五年の開きがあるですね。ですから、この判決文が言い過ぎ、書き過ぎをやったのか、それとも労働省の受けとめ方がいかにもなまぬるいのか、どちらかだと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(石井甲二君) 判決はまさにそのような判決でございますが、私どもはその予見につきましては、事実問題として四十八年以降に因果関係について判明をしたということでございます。これはどういう評価を得るかということは一つのあれでございますが、事実はそういうことでございます。
○小平芳平君 事実はそのとおりであって、三十五年ずれているわけです。その間にどれだけ多くの被害者が発生したか。局長も先ほど述べますように、鼻と皮膚に着目しているんですね、労災補償としては。労災補償としては鼻と皮膚に着目していただけだった、四十八年までは。認定になったのは四十九年でしょう。四十八年までは鼻と皮膚に着目しているだけだった。四十九年になって肺がん上気道がんというものを認定した。ですから、そのころになって、これは重大災害だということを労働省も認識し、会社も認識し、対策もとられるというふうな経過なんでしょう。ですから、その間の三十五年の間どれほど苦しんだか、そういう人のことを思うことはありませんか。
○政府委員(石井甲二君) このクロム化合物に暴露されている状態で労働者が働いているという長い歴史を思いますと、先生御指摘のような考えは十分に私どもも持っております。
○小平芳平君 それから五十一年に私がこの委員会で質問しておるわけですが、そのときにも専門家会議の中間答申があった。専門家会議で検討しているということ一点張りで五十一年の段階は終わっておりますが、その辺の経過はどうなんでしょう。専門家会議が中間答申をした。それは肺がんと上気道がんが労災認定になったわけですね、その段階では。その後どうか、専門家会議の経過を御説明してください。
○説明員(林茂喜君) 先生お尋ねのクロムの障害に関する専門家会議の経過を御説明します。 クロムの障害につきましては、昭和五十一年一月に提出されましたクロム障害に関する専門家会議の中間報告書に基づきまして、当時必要な認定基準の改正を行って処置を講じましたが、さらにこの中間報告では後ほど検討すべき課題を多々挙げているわけでございます。すなわち、クロム酸塩製造作業に従事した労働者の肺がん及び上気道がんを認めておりますとともに、そのほかのいろいろな障害につきましてなお検討の余地を残していることを言っております。 そうした意味で、その後の専門家会議は昭和五十二年の三月二十九日に再開をいたしまして、こうした問題を中心に検討を進めているところでございますが、報告書発表以降、さらに外国も含めまして、新たに数多くの文献も出ていることがありまして、クロム障害全般についての検討を現在行っているところで、五十二年以降現在まで二十一回の会議を開催しております。
○小平芳平君 判決では胃がんも因果関係を一部認めるというふうに言っておりますですね。ですから、これは労災——労働大臣もよくお聞き願いたいんですが、労働省が、そういう障害が起きたら、たとえば肺がんとか上気道がんとか、障害が起きたら、労災に認定しますよということに労働省が決めますと、それは企業も一生懸命対策をとるわけですよ。判決では、昭和四十五、六年になって被害者が激発して、大問題になって初めて追跡調査を始めたというふうなことも述べておりますけれども、そういうわけで労働省が後追い行政なんというものじゃないですね、この問題は。ですから、判決ではアメリカに比べて二十年、ドイツに比べて三十年立ちおくれているなんて、それは会社の姿勢を言っているんですけれどもね。会社の姿勢がそういう姿勢だということは、労働省がそれなりの労働行政をやらないから会社としてはのんきに構えているんですね。 もう一つ、この指摘はどうですか。昭和三十二年の国立公衆衛生院の警告にこれはどう対処なさいましたか。
○政府委員(石井甲二君) まず、胃がんとの因果関係についての問題でございます。 今般の判決は、国が当事者となっているわけではございませんで、民事訴訟でございます。しかし職業性疾病の労災補償との関連もありまして、労働省といたしましては、当初からこの裁判の結果については深い関心を持っておったわけでございます。 御指摘のように、判決では胃がんの一部について業務との因果関係を認めております。すなわち判決では統計的有意差がなくとも、平均値よりかなり高率であれば、他の資料とあわせて因果関係を公認できないわけではないという考え方でございます。しかもクロムによる発がんの寄与率は、肺がんに比してかなり低いことを勘案すると、その寄与率につきまして四分の一以下の限度ということが相当だ、こういう考え方でございます。 この判決についての一つの考え方が出たわけでございますけれども、私どもとしては、このクロム障害に関する業務との因果関係については、先ほど申し上げましたように、五十二年以降相当精力的ないま検討の渦中でございます。したがいまして、この胃がん等含めた検討をできるだけ早急に進めてまいりまして、実際の労災補償との観点からクロム障害の胃がんとの関連につきまして結論を出してまいりたい、それによりたい。たとえば四分の一という場合に、労災補償のいまの体系ではいわゆるオール・オア・ナッシングといいますか、そういう状態でございますので、これをさらに深めることもまた労災補償行政からいっても有効ではなかろうかという気がいたしておるわけでございます。
○小平芳平君 大臣、いまお聞きのように、一方では労働災害が多発したわけですね。それで大きな社会問題になったわけです。それは四十五、六年ころからなんですね。しかしこの判決で指摘しているのは、戦前からそういう危険な職場で働いていた、戦前から働いていたその被害の分まで補償しなきゃならないんだと、こういうふうに言っているわけであります。労働省は先取りしまして——先取りとまでいかなくてもいいから、そうその判決で裁判所から指摘されるまでもなく、行政ももう少し前進しているんだ、何もドイツやアメリカだけが二十年も三十年も進んでいるんじゃなくて、日本の行政もこういうふうに労働者を保護するという立場から先を進んでいるんだというようなものが欲しいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤尾正行君) 本当に御指摘のとおりでございまして、私どもがこの経済社会の中におきまして働くということの重要性を考え、働いておられる方の安全、これを考えますときに、何かが起こってきたからそれに対して措置をするというようなことをやっておりましたのでは、とうていその職務の完全な遂行は果たせません。それは先生の御指摘のとおり一歩踏み込んで、ここにはこういうようなおそれは一体ないもんだろうかということで監督官がどんどん先行して、そうして問題の発見に努め、そしてその問題に対する姿勢を強めていく。それぐらいの使命感を持っていただきませんと、いまの私どもに課せられました責任と、同時に私どもが持つべきヒューマニズムというものを果たすことはできない、さように思います。これは本当に頂門の一針でございますけれども、先生の御指摘をちょうだいいたしまして、これから基準局を挙げてそのような姿勢に努めるということを私から訓示をいたします。
○小平芳平君 この問題はまだ申し上げたいことがありますけれども、時間が来ますので省略いたします。 とにかくこの胃がんとクロムとの因果関係とか、あるいは肺がんとクロムの因果関係というようなことになりますと、それは当然専門家の意見を聞かなくちゃならないと思うんです、労働行政の上ではですね。私も専門家じゃありませんものですから、そういうことは私が決めるんじゃないし、また労働省の立場としてもそう思います。思いますが、可能性を追いかけていかなくちゃね。いま労働大臣が言われたように、クロムと胃がんとの関係となった場合に、いや、それはないよ、ないよという、ない専門家だけ十人集めても、百人集めても同じ「ない」という結論にしかならないですね。ですから、もう少し先を先を追うようにしていかなくっちゃならないということを要請いたします。 それからあと一つ、雇用問題でもっと質問したかったのですが、一問だけで終わります。 この九月に行管が雇用対策の監察結果と改善勧告をした。三項目出ておりますけれども、職業安定行政、高年齢者雇用、離職者に対する特別の援護措置。こういう点は当委員会でも同僚委員からもしばしば指摘されたことが多く、それから要は、労働省がどうこれを受けとめていくか、すぐできることもあるし、ある程度時間のかかることもありましょうけれども、労働省がどう受けとめていくかということが非常に重要な問題だと思います。そういうような点についてお尋ねしたい。
○政府委員(関英夫君) 行政管理庁によります勧告におきまして、公共職業安定所の配置状況が最近までの変化に必ずしも十分対応してない、そういう面があるというような御指摘をまずいただいております。 御指摘のとおりでございますが、実は行政簡素化の中でできるだけ行政機関の整理統合を進めるということで、年次計画で進めているさなかでございますが、たとえば人口急増地帯の公共職業安定所の充実というような問題につきましては、なかなか現在の定員、予算の中で思うに任せない問題点がございますし、また一方で、そういった急増地帯と比較すれば業務量が相対的に少ない公共職業安定所についても、地元のいろんな事情あるいはいろいろな団体の御要望、こういったようなものもございまして、簡単には手のつけられぬ問題ではございます。 しかしながら、勧告に盛られております御趣旨は私どももそのとおりだと思っております。定員の配置あるいは安定所の配置そのものを含めて現在の情勢にできるだけ合うようにしていくこと、これは非常に重要なことでございますが、今後地域のいろんな各方面の御意見も十分に伺い、かつ職安行政のサービスに欠けることのないように留意はしつつも、勧告の趣旨に沿って改善措置を図っていきたいと思いますが、これは繰り返しになりますが、簡単にできることではございませんで、非常にむずかしい時間のかかる問題ではなかろうかというふうに考えております。 それから高齢者の雇用対策につきましては、最近非常にこれに力を入れておりまして、監察の中でもその成果等も認めていただいておりますが、今後の社会の変化を考えます場合に、これからの雇用行政の最重点施策でございます。そういう意味でこれも勧告の趣旨に沿ってさらに努力をしていきたいと考えておるところでございます。 それから三番目に御指摘になりました離職者対策等の問題がございます。これについては、炭鉱離職者なり駐留軍離職者なり非常にたくさんの離職者が発生した当時と状況が大分変わっているので、十分検討すべきであるということでございますが、私どもも再就職促進措置をさらに効率的に行う点を検討もし努力もいたさなければならぬと思っておりますが、これらの措置がとられましたにつきましては、それ相応の事情と背景があるわけでございまして、簡単にこれらの制度を変更するということにはいろいろの問題点があるかと思っております。 以上でございます。
○沓脱タケ子君 それでは、けさほど北炭夕張新鉱の災害についての報告を承りました。北炭の災害で被災をされた方々並びに御家族の皆さん方に対しましては、本当に心から哀悼の意を表したいと思っております。 九十二人に上る死者、行方不明者を出したというまさに大惨事でございます。北炭の安全対策等につきましては、当委員会でもわが党議員団がたびたび指摘をしてきたところでございます。報道によりますと、会社側は注水をするということを決めたようでございますけれども、注水を実施するということになりますと、九十三人の死亡者を出すということになるわけでございます。私も、同僚委員の皆様方が御指摘になっておられるいわゆる保安対策あるいは原因究明等についてお伺いをしたいところでございますけれども、きょうは時間がありませんので、二、三点にしぼってお伺いをしたいと思っております。 同僚委員の御質疑の中でも、大臣は、労災補償等についての対策について非常に明快に御答弁をいただいておりまして、私ども拝聴しておって、当然のこととはいいながら、大惨事の対策としてもぜひ万全を期してもらいたいと思ったわけでございます。 あわせてお伺いをしたいのですけれども、いわゆる労災補償とは別に遺族補償です。会社との協定によりますと、ほぼ千四百万以上ですね、家族持ちの方々は。この遺族補償についてお聞きをしておきたいんです。大臣、この遺族補償というのは、遺族の希望に応じて早急に確実に実施されるように会社にぜひ御指導なさるべきだと思うんですが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(藤尾正行君) 先ほども申し上げましたとおり、私といたしましては、御家族の方々、御遺族の方々がそれについて非常に不満を抱かれる、そのようなことがあってはならぬわけでございますから、そのようなことのないように全力を尽くしてやります。 ただ、御案内のとおり、いま普通の会社じゃございませんで、この会社は、現実にこの時点におきましても、二千人余に上ります労働者の方々に給与が払えるか払えぬかというような環境にもございますし、さらに主力銀行でございます三井銀行でございますとか、その他一連の拓殖銀行でございますとかというような金融機関が、この会社に対しましてこれ以上の融資は認められないということをもうずっとさきに決めておられます。そこら辺に問題があるわけでございまして、一体そういう中においてどれだけのことがやれるかということでございますけれども、私は、私が乗り込んでまいりましても、このたびの事故に対する補償というものはさせねばならぬ、さように考えております。
○沓脱タケ子君 大変力強い御答弁をいただいたわけですが、この点は、同僚委員からも御指摘がありましたように、下請の労働者の方々についても同じ態度で臨んでいただけるんであろうという確信をいたしますが、関連をいたしまして、従来から本委員会でもしばしば問題になりましたところでございますが、北炭は膨大な賃金未払いがあるわけですね。退職金の支払いとか賃金の未払いというのがあるわけですが、ですから北炭の労働者というのは、賃金の未払いにもがまんして、そして再建に取り組んでおって今度の大惨事に出会ったという結果になっておるわけです。労働者の立場から言いますならば、まさに踏んだりけったりだという状況でございますが、大臣、この賃金未払いの問題ですね、これはどんな事態になっても計画的に支払わせるように、これは事故が起こったんでたな上げだなどということにならないように、ぜひ大臣に厳重に御指導を賜りたいと思いますが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(藤尾正行君) この賃金支払いの問題あるいは退職金の問題等々、団体交渉に属する問題でございますから、一応今日までの状況は会社側と組合がそれぞれ御納得になられて進めてきておられる、こういうことでございます。 したがいまして、これから先この災害を経て一体どのようなことにするかということは、これから御覚悟があって、それぞれ会社でも組合でも御解決になられなければならぬ重大な問題だと思いますけれども、私といたしましては、経営がどのようなことになりましても、この山自体がなくなってしまうというようなことになってはならぬわけでございまして、この点は、いままでのいろいろな関係を経て、通産大臣におかれましてもそのように配慮したいということできておられますので、これにつきましては、十二分に通産御当局との話し合いをいたしまして、その上で何をなすべきかということを私は私なりに申し上げてその経営との関連を解決させなければならぬ、さよう
○沓脱タケ子君 ぜひそういうことでお願いをしたいと思うんですが、大災害が起こったからということで、計画的な支払いということで労使間で話が決まっていた賃金未払い分の支払いについて、これがたな上げになるようなことになったのでは、これは現地でも大変でございますので、厳重にひとつお願いしたいと思うわけでございます。 きょうはわずかな時間でございますので、産業用ロボットの問題についてお伺いをしたいと思います。最近産業用ロボットについては、大企業だけではなしに中小企業にも非常に実用化が広がりまして、国民的な関心が大変高まっております。そこで産業用ロボットの導入によって起こる影響についてきょうは若干お聞きをしたいと思っているわけです。 日本の産業用ロボットというのが、工業会の資料等によりますと、非常に急速な伸びを示しておりますね。生産でも、これは一九七八年に十万一千台が、一九八〇年代になりますと、十九万八千台と約二倍近い伸びを示している。生産コストにおきましても同じようでございまして、生産金額でも二百七十三億が七百八十四億というふうに大変急増をいたしておるわけでございます。この産業用ロボットの導入というのは、自動車工業だとか電気機械器具の製造業を中心にいたしまして、今日では全製造業の分野に広がっていっておるのは御承知のとおりでございます。自動車工場などでは、人間にかわって溶接とかあるいは塗装などの作業がやられていて次は無人化だというふうに言われております。一方では看護婦ロボットというふうな非産業用のロボットの研究も進められておるようでございます。 しかし、きょう中心的にお伺いしたいと思っておりますのは、産業用ロボットの導入によってどういうことが起こってくるかということですね。いま国民の中で、特にそういった導入をされた企業に働いている労働者の中で最大の関心事になっておりますのは、人減らしだとか、あるいは作業のスピードアップだとか、あるいは死亡事故というふうなものが起こってきておりますので、非常にそういった点で国民的な関心が強いわけでございまして、当然のこととして、使う企業はともかくとして、行政の立場としてもこういった急速な実用化に対応する対策というのを考えなければならないんではないかと思うわけです。 そこで基本的な考え方の問題という点が非常に大事だと思うんですが、労働大臣、漫画家の手塚治虫さんの「鉄腕アトム」という漫画があるのを御承知でしょう。あの漫画でロボット憲法というのがつくられている、これはおもしろいんです。その第一条は、「ロボットは、人間をしあわせにするために生まれたものである」。十三条は、「ロボットは、人をきずつけたり、殺したりできない」。こういうのがこのロボット憲法なんですね。このロボット憲法というのは、ロボットの開発研究、導入、そういう関係者にとっては大原則にしなければならないものではなかろうかと思うんです。 大臣、そういうロボットの導入が非常に広がっている中で、基本的なロボットについての大原則——たまたま私、漫画のロボット憲法を引用いたしましたけれども、まさに核心をついていると思うんですが、大臣、御見解いかがですか。
○国務大臣(藤尾正行君) 私はその漫画を見ておりませんから、いかんとも御批評の限りではございませんけれども、何と申しましても、今後の日本の経済といいまするものの繁栄を支えていく、そういったものの一つにこのマイクロ・コンピューター・ロボットの導入ということが現実に非常に大きな役割りを果たしておりますし、しかも現在、この時点におきましてはそれが進行中でございます。どのようなことになっていくのか私もまだまだその先はわかりません。 その影響につきましても、元来が非常に危険な仕事、そういったところからお働きになっておられます方々が解放されてきたということは事実でございますし、またそういったことのために職を——これは無人化ということが理想でございましょうから、だんだん仕事がなくなっていくということも半面はございます。ございますけれども、そのまた半面にはロボット自体をつくっておる産業がどんどん開発されつつある。それに応じて仕事がどんどんふえていっておるということもございますし、またソフトの開発でございますとか、あるいは組み方でございますとか、プログラミングでございますとかいうようなところに新しい仕事の分野が開拓されておる、これも事実でございます。 したがいまして、今日のところでは、同じ工場にお働きの皆様方にとりまして職種が変わってきておる。これはございます。現実にいま御指摘になられました溶接でございますとか、あるいは塗装でございますとかいうような非常に大きなものを持ち運ばなきゃならぬとかいうような職種におきまして、それがなくなっておるわけでございますから、残っておられる方々につきましても、そのメーターをそれぞれ監視されて、場合によればその調整をされるというような仕事に変わっております。製鉄業のラインを見ましても、端から端まで人はまるっきりいない。わずかに一つのコントローラールームに四、五人の方が詰めておられるというような状況でございますから、質が変わっておることは事実でございます。 しかしながら、これが本当にどこまでどうなっていくのか。私は実はこの問題、将来の私どもの労働政策にとって非常に大事だと思いますものでございますから、私どものお役人さんと一緒にあらゆる面に働いておりますロボットの実情というものを私は私なりに見て歩いております。たとえば荷物の搬送というようなことにおきましても、その仕分けあるいは積み込み等々、これはみんなロボットがいまやっておるわけでございますから、大変なものだという感触は得ておるわけでございますけれども、そのロボットの導入によって職を失われたというのはいまのところは出ていまがあす必ず出ないということであるかということになりますと、これは私はとてもそんなことを言う勇気はございませんから、この点は慎重の上にも慎重を期して考えていかなければならぬ、さように思います。 しかし、いずれにいたしましても、ロボットがやっておるそのラインを見ていくということになりますと、単純作業の上にもこれは単純作業になっていくわけでございますから、お働きになっておられる方々の神経というようなものがそれに非常にとられていく。メーターばっかりこうやって見ておられれば、目というようなものも非常に疲れられるであろう。私はかように考えますし、こういった点につきまして私どもは十二分に考慮を払っていかなければならぬ。かように考えておりますが、現在のところこのロボットが雇用に及ぼす影響いかんということになりますと、何ともはやこの段階で私が予言をする勇気はないということを申し上げなければなりません。
○沓脱タケ子君 この雇用に及ぼす影響についての労働省の見解というんですか、ことしの六月でしたね、「マイクロ・エレクトロニクスの雇用への影響に関する調査研究について」というのが発表されておられますが、これを拝見しますと、直接的な人員減を行った事業所というのは三・九%だ。こういう結果から見て、直ちに雇用量の減になっていないが、いろんな問題があるので、五十六年、五十七年でさらに調査をしたいというふうな内容に要約をされると思うんですが、そういうふうに理解しておいてよろしゅうございますか。
○政府委員(関英夫君) ことしの六月十二日で労働省が発表いたしました「昭和五十五年度の職業別労働力実態調査結果と調査研究委員会の設置」についての御指摘だろうと思いますが、この調査は、大臣の御指示もありまして、これからのマイクロ・エレクトロニクスの雇用面に及ぼす量的あるいは質的な大きな問題、こういうものの研究が非常に重要だということがございまして、それにつけても過去どうであったかということをとりあえず手がかりとして調査してみよう。その調査のごく一部のものでございます。 で、取り上げましたのがNC・MC工作機械、それからトランスファーマシンでございまして、ただいま先生が議題にされているほどの多くの機能を備えているいわゆる知能ロボットみたいなものまでも含んでいるわけでもございません。 それから調査時点がオイルショック後の不況期でございます。産業界全体で雇用調整が行われていた時期でございます。で、この調査では、そういう導入に伴う直接の雇用量の変化なのか、あるいは景気の動きによります生産活動の停滞等による変化なのか、確実に分析するほど精緻な調査ではございません。 そういう意味で必ずしも十分なことは言えませんが、大体調査結果からうかがわれているものは、先生が御指摘になりましたように、大企業におきまして雇用量の減がごく少数見られるけれども、このNC工作機械等の導入による直接の雇用量の減というのは、余りその時点では見られなかったということだけを言っているわけでございまして、マイクロ・エレクトロニクスの導入あるいはこれから非常に発達した知能ロボットの導入、そういったものの雇用に対する影響というのは、量的に見ても大したことないということをこれで結論づけて発表しているつもりではございません。 で、先ほど大臣の御指摘にありましたように、単に量の問題だけでなく、そういったものの導入は必ずいままでやっていた人間の仕事が要らなくなるわけでございますから、職種転換ということになればそこにさまざまな雇用上の問題がございます。あるいは新しい安全衛生上の問題もございましょう。あるいはそういったものの導入に伴う労使関係といったような問題もあろうということで、この新しい調査研究委員会も置き、あるいはさらに来年度以降省を挙げて調査研究に取り組みたいと、こういうふうなことを考えているわけでございます。
○沓脱タケ子君 詳しくお聞きをしようと思ったんですが、時間がありませんからね。いまおっしゃったように、いわゆる産業ロボットというんじゃなしに、その前段的なNC・MC等ですよね。しかし労働省の調査資料としてはそれが一番新しいんで、それを私たまたま引用させていただいたわけでございますが、しかしそれを見ましても、いま局長も御指摘になられたように、千人以上の企業では五・六%の常用労働者が減っていますね、約八千人余り。私どもの計算では八千八百人というような形になりますね。しかもそれが機械導入による省力化という点で挙げておられる企業が四八%ですから、やっぱり四、五千人はこれの導入によってこの段階であっても減になっているということを示していると思うんですね。 で、私は特にそういう中で、この問題を問題として、将来の雇用対策と雇用調整との問題あるいは労働者の労働条件の問題と非常に深いかかわりのある大事な問題と思ってお聞きをしておきたいと思っているんです。たとえば「日経メカニカル」という雑誌があるんですね。この雑誌のことしの九月二十八日号では産業用ロボットの特集をしておられる。これを拝見しますと、「生産性向上・コストダウンが狙い、六十年には無人化の切り札に」していきたいというのが、これ雑誌ですからあれですけれども、見出しですね。そういうふうに大きな見出しがつけられているというふうなことにもあらわれておりますが、「熟練工不足で導入を考える中小工場 大工場は無人化狙って増強段階に」というのがこのロボット特集、アンケートを集めて編集した内容で、そういう分析をしているんですね。さらに導入についての目的については、「生産性向上・コストダウンが狙い、六十年には無人化の切り札に」したいということがこの調査では出ておるわけでございます。 で、そういう形になってきますと、これは無人化工場ということになってくれば、特に大企業での無人化がねらわれているわけでございますから、細かいこと言えませんけれども、大企業では無人化工場を六十年をめどにして切り札にしていこうということになるわけですから、当然省力化、人減らし、ひいては失業者の増大ということにつながらざるを得ないという状況が出てくるということが推測をされるわけでございます。 そこで、私はこういう点で、五十六年、五十七年も御調査を進めていかれる際に、そういう展望をはっきりとつかんでいけるようにするためには、中小企業——特に大企業には全部下請がありますね、二次、三次と。そういうところにもどんどん普及してきているわけですから、そういった点のところも含めての調査をやるべきではないかというふうに思いますが、それはどうですか。
○国務大臣(藤尾正行君) いま産業用ロボットだけの問題をお取り上げでございますけれども、これはパーソナルコンピューターというのがいまどんどん開発をされておりまして、事業所の事務、これに私は革命的な影響が及んでくるんではないかというような感じが実はいたしておるわけでございます。 しかしながら、これもまだそういう方向に一歩を踏み出すか踏み出さぬかというところでございますので、これが一体どのようになっていくのかということを私どもは十二分の勉強をいたしまして、そういう事態になったときの一体経済と雇用、これを見きわめていきませんと、今後におきまする労働行政はできません。そういったことでいま一生懸命勉強さしておるところでございますけれども、いまのところは産業用ロボットが中心でございますから、その面では無人化でございますとかあるいは——これは機械がやるものでございますから非常に正確なんでございますな。製品も非常にきちっと規格化されましてりっぱにできております。そういったことを生産性の向上というようなことに結びつけられて一生懸命開発される。 それがどこにはね返ってくるんだということまでお考えでやっておられるというのは非常に少のうございます。 そういったことでございまして、私ども、これは今後の非常に重大な環境変化である、下手をするとこれは産業革命に匹敵するというような感じがいたします。しかしながら一方におきまして、これまた非常に確実なことでございますけれども、日本の国の人口構造の変化、いまの出生率の低下ということが歴然とここもう十年続いてきておるわけでございますから、それとの組み合わせでございますからね、相関関係としてとらえていきませんと、ただこのコンピューター問題だけを取り上げてこうだという即断をするわけにはいかぬであろう。私はかように考えまして、問題がきわめて多岐にわたりむずかしい。しかしながらどんなことがあっても、私どもは労働行政を預かり、そして雇用を促進していくというこういう立場から考えてみまして、一番先にこれに対する対策をきちっととらなければならぬ立場でございますから、一生懸命勉強いたしたい、かように考えております。
○沓脱タケ子君 いま大臣がおっしゃられましたように、確かに六〇年代の合理化、技術革新どころの騒ぎではなくて、まさに産業革命に近い、産業革命とも言えるような変化があらわれるであろうというふうに考えるわけでございます。 そういう中で、一方では、大企業を中心に無人化工場を六十年をめどに、それで産業同ロボットを切り札にするということが言われており、しかも通産省では計画的にそういうものをお進めになっているということをあわせて考えますならば、これが雇用に及ぼす影響、労働者の生活に及ぼす影響、これは非常に重大な問題を含んでいると思うわけです。したがって、大臣は勉強をよくしていきたいとおっしゃっておられるんで、私は十分調査をしていただいて手おくれにならない先に手だてを講じなければならないんではないかと思うんですね。そういう段階では、調査というのは、問題が起こったときには労働省が対応をなさるということも必要だと思うんです。 たとえば横浜港では、いわゆる港湾荷役用のロボットですね、ゴリラ・ワイマンというロボットを入れるということになっているんですね。そうすると港湾荷役の人たち約五千人の労働条件に直ちに影響するということで、労働組合は神奈川県の労働部にひとつロボットアセスメントをやってもらいたいということを要請されて、神奈川県はこの要請にこたえようという立場をおとりのようでございますけれども、こういう場合に、そういう具体問題で労働省が対応し、あるいは御指導を強化されていく、実態をつかんでいかれるということが非常に大事だと思うんですが、こういった点については労働省どうですか。簡潔に言ってください、もう時間がないから。
○政府委員(関英夫君) ロボットを導入していく場合に、その関係の労働者を代表する者との十分な話し合いが行われるということが一番大事だと思います。いずれにしろ、雇用量が減らない場合においても、労働の内容がどうしても変わるわけでございますので、関係労使の十分な事前の打ち合わせを行って円滑に導入していく、これが一番大事なことだと私らも考えております。
○沓脱タケ子君 それで、私は冒頭にもロボット憲法という話を持ち出しましたように、やっぱりロボットの普及が人間の幸せを増進するということでなければならぬと思うわけでございます。考えてみますと、たとえば無人化工場を目指すということになってきて、当然人減らし、省力化というのが極端に進んでくるわけですが、そういう場合に何が考えられなければならないか。どんどん職場から人がいなくなる、ほうり出されるというのではなしに、むしろこのときにこそ労働時間の短縮、そして基準内賃金の引き上げ。賃金の三分の一以上も超過勤務でかせがなければ生活か支えられないという、世界の中でもちょっと恥ずかしい労働時間の実態になっていることをあわせて解決していくという点で、労働省が対応されるということがきわめて重要なファクターになってくるんではなかろうかと思うわけです。 ちなみに、この資料を拝見いたしますと、昨年の十二月ですか、六十年度までに年内の総労働時ですけれども、今度の調査でもこれは進んでいませんね。こういうものが進んでいないという状況の中でロボットがどんどん普及していく、そうして労働環境が変わる。しかも通産省ではこれを推進しておられるという関係の中では、私はきわめてこの部分というのが大事なところにくるんではないかと思うわけでございます。 そこで、ロボットの普及に対して労働省として対応していただきたいと思うのは、雇用への影響がどうなるか、この人減らし、省力化に対応していくために、大臣が先頭に立って何とか片をつけたいと思っておられる労働時間の短縮と基準内賃金の引き上げをやって、確かにロボットの出現によって人間の幸せが保証されていくというレールを労働省がお敷きにならぬと、やるところがないんではないかと思うわけでございます。この点が一点。 もう一つは、一般的な機械と違う危険性というのがロボットにはあるわけですね。これは先日川重の明石工場で死亡事故が起こりましたけれども、そういった問題を含めて特殊的なロボット独自の安全対策というふうなものも考えていかなければならないのではないかと思いますが、この点についての対策についてのお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) そのことは企業におきましても十二分に考えておるところでございまして、特段と最近の企業の設備投資、そのうちの二〇%以上が安全のために使われておる。その安全のために使われておる投資の中でも一番大事に主力として考えておりますのが機械化の安全でございます。でございますから、こういった問題につきまする自覚はかなり高まっておる、かように考えますし、私どもがこの問題を扱います際に、雇用労働時間といいまするものとの関連において考えていくのはもう当然でございますから、これはそれなりに私どもにひとつやらしていただきたい、かように考えておるわけでございます。きましたけど、時間が足りませんので失礼いたします。
○委員長(粕谷照美君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十五分散会 —————・—————