社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1981/10/08
会議録
○委員長(粕谷照美君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 議事に先立ちをして、一言ごあいさつを申し上げます。 私、去る六月五日、議院の会議におきまして、社会労働委員長に選任されました粕谷照美でございます。 社会福祉、雇用問題など、緊急かつ重要な諸問題を所管いたします本委員会の使命はいよいよ重大であろうと思います。委員長といたしましてもその重責を痛感しております。 今後、理事の皆様を初め委員各位の御協力のもとに、公正な委員会の運営と諸課題の解決に全力を尽くす所存でございます。 よろしく御指導のほどお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(粕谷照美君) 委員の異動について御報告いたします。 昨七日、沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として下田京子君が選任されました。 —————————————
○委員長(粕谷照美君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に安恒良一君を指名いたします。 —————————————
○委員長(粕谷照美君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を行うこととし、これら二件の調査承認要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(粕谷照美君) 次に、社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。安恒良一君。
○安恒良一君 去る七月二十三日から二十五日までの三日間、粕谷委員長、佐々木理事、田代委員、沓脱委員、山田委員と私、安恒及び現地参加の対馬委員の七名は、本年が国際障害者年であり、また老人保健法案が提出されていますので、調査の目的を心身障害児者の福祉、医療、雇用及び老人保健・医療等とし、その実情を調査するために北海道に行ってまいりました。 調査は、これに関連して、北海道における民生、衛生、労働行政の現況を聴取するとともに、道立福祉村、三かめ製綿工業、北湯沢リハビリテーションセンター、同リハビリセンター療護部、センター内に併設されておりますところの大滝村立の特養・北湯沢温泉ふるさとホーム、それから白老町立の特養・寿幸園、千歳市立病院を視察いたしました。 以下、調査の概要について御報告をいたします。 まず、民生関係でありますが、道民の福祉施策に対する要求は増大をしております。このため、道におかれては、社会福祉長期計画に基づき、福祉の充実に努められてきましたが、本年は国際障害者年を意義あるものとするため、北海道国際障害者年事業推進方針に基づき、関連事業が進められております。 また、来るべき高齢化社会に備えて、道庁内に北海道老人福祉対策推進委員会が設置をされ、福祉、教育、雇用、住宅などの総合的検討が行われております。 これらの施策の重点は在宅福祉サービスに置かれ、国の施策のほかに、多くの道費による単独事業が組まれ実施されております。 その中から主なものを挙げますと、重度心身障害者の医療給付、在宅重度心身障害者を介護する家族への介護手当の支給、精薄着及び内部障害者の交通費の助成、国の老人医療の対象とされていない単身老人、老人夫婦等に医療費を助成する特別事業、寝たきり老人介護手当の支給、老人居室整備資金の貸し付けが行われ、本年度から身障者、老人への自助具の給付、老人大学の開設が新たな事業として行われているところであります。 道における心身障害児者は約十五万四千人と推計され、これを人口対比で全国と比較すると、全国平均をやや下回った実態であります。しかし毎年増加を続けてきており、障害の重度化、多様化及び障害者の高齢化が進んでいて、福祉対策の対応が迫られています。 施設の現況は、不足している上、地域的な偏在が見られます。しかし地域社会での生活、訓練の場として積極的な対策が進められており、視察いたしました道立福祉村のような全国に先駆けた新しい試みが行われています。 道立福祉村は、道内の肢体不自由者の施設体系の確立が強く叫ばれたのをきっかけといたしまして検討がなされ、四十七年に知事の建設意向の表明、五十一年にその基本構想が決定を見、予算面での紆余曲折を経ながらも、現在全体の三分の一の建設が進み、おのおの五十名定員の重度更生部門と重度授産部門が開設をされ、北海道社会福祉事業団によって運営されている脳性麻痺による障害者のための道立民営の施設であります。現在の入村者九十九名のうち九〇%が脳性麻痺障害者で、三分の一の人が車いすの使用をしていました。 最重度の療護部門はこの秋オープンされることになっています。 施設側から、これまでの土地、建物等の整備に五十一億円を要し、このうち国庫補助は約一割の五億円であるということで、国の整備費の引き上げについての要望があり、また措置費の引き上げについて、さらに福祉村から六百メートルのところにある粟沢町立病院の医師の充足を望んでおりました。 福祉村の最終想定人口は、入村者四百名と職員及び障害者の家族等で、計一千名とされています。これが実現されると、道内の脳性麻痺障害者をここで受け入れることができます。わが国では類例のない脳性麻痺障害者の施設であることや、建設経費等の値上がりなどで前途は多難であるとはいえ、この施設が地域社会に開かれた福祉の範となるよう期待するところであります。 次に、人口千六百人の大滝村にある北湯沢リハビリセンターでありますが、社会福祉法人陵雲厚生会が運営する重度更生援護施設、療護施設、村立の特養ホームの三施設、それに診療所をあわせ持つ総合施設であります。 入所者のほとんどの人々が毎日リハビリテーションを受け、その訓練の中で生きがい対策が配慮されており、車いす使用者が多く、障害現症別で最近難病による者が目立ってきてることがこのセンターの特徴であります。 職員は百四十名で、リハビリテーションを担当するスタッフは、理学療法が十一名、作業療法が五名によって行われております。このうち有資格者は、PT一名、柔道整復師三名でありました。 過疎地におけるリハビリセンターとして全国の範となるべく努力が重ねられていました。しかし将来人件費の増加、管理費の逼迫が心配されるとともに、この四月に診療所の医師がやめ、現在は北海道大学の三名のパート医師で外来診療が行われておりますが、医師の確保に悩んでおられました。 道における身障者の雇用状況は、雇用率で見ると全国平均を〇・三六%上回っています。ただし、地方公共団体等における雇用率がここ二、三年下がってきております。このため、道では具体的採用計画の提出及び特別選考試験を実施させて指導を行い、その雇用率の引き上げに努めておりました。 私たちは、精薄者が従業員二十二人のうち十五人を占める三かめ製綿工業を視察いたしました。同社は資本金二百万円の小企業ですが、一昨年心身障害者多数雇用事業所に指定をされ、助成金一億円、融資約三千万円を受けて新しい施設を整備したところであります。十五人の精薄者のうち九名が会社の寮に入っており、最年長者は五十七歳でありました。 社長さんとの懇談において、精薄者は言われることをまじめにやるということが企業に理解されるようになり、札幌市内の百四十の企業での心身障害者の雇用状況が、昨年までの障害者三分の二対精薄者三分の一の割合が昨年は逆転いたしたということであります。 また、精薄者の雇用に熱意を注がれてきた経験から、精薄者を持つ親の理解と教育が大切になってきている、養護学校での実習時間が短いこと、こういうところに仕事を優先的に与えてほしいと強調され、また道においては、十一の市町村の職親会から成る連合会を結成して精薄者の雇用に努力しているが、財政的に苦慮しているということでありました。 精薄者が働いている事業所を視察をいたし、精薄者雇用促進法の制定への検討を急ぐとともに、助成制度、相談体制のなお一層の充実とともに、実際委託されている数が少ないという問題があり、さらに職親制度の活用を図るため委託先に対し何らかの財政的措置をする必要を痛感したところであります。 次に老人福祉について申し上げます。 道における六十五歳以上の対総人口比は全国平均の九%をやや下回った七・九%でありますが、高齢化の速度は全国平均を上回る速度で進行しています。 老人福祉施設の状況は、特養が全国のトップ水準にありますが、二つの市町村で運営されているところが多く、市町村からの増設要求はなお強いものがあります。 私たちが視察した白老町立の特養・寿幸園は、北海道の土地条件の有利さを生かした恵まれた環境の施設でありました。職員は基準定数二十二人に対して二十九人と多く配置され、白老町の一般財源から年間千三百万円がこの施設のために充てられて老人の福祉、健康増進が推進されていました。 道における老人医療費を見ると、五十四年度の一人当たり金額は、全国平均三十一万二千九百六十四円に対し、北海道は四十六万千八百九十一円で全国最高となっています。その理由はなお調査を要しますが、札幌圏には医療機関、医師が多く、そこでの受診がよく行われており、全道の数字を押し上げているものと思われます。 これまでの調査に関連して、道から第二次臨調第一次答申の国保の給付費、児童扶養手当などについて道に負担されることのないように、心身障害児の早期発見、早期療育体系の確立、在宅老人福祉対策の充実、及び老人保健法案に関連し、その実施体制の確保、保健事業従事者の確保、地方自治体の財政負担への配慮についての要望を受けてまいりました。 次に、衛生関係について申し上げます。 道における医師は、人口十万人対で全国平均をやや下回った百十八・七人でありますが、全国との格差は年々縮小してきております。しかし札幌の医師は、人口十万人対で二百四十人であるように、医療従事者及び医療施設が大都市に偏在をしていることが目立ちます。このため無医地区が二百九カ所を数え、そこでの地域センター病院の整備と医師の確保と定着が重要な課題となっています。 リハビリ関係職員については、全国的に不足をいたしておりますが、道でもその全国平均を下回っているため、五十五年度から北大医療技術短大でPT、OTおのおの二十名の養成が開始され、五十八年度から道立衛生大学が開校されることになっております。 道では、医療の確保と保健衛生の向上とを目指し、五十五年三月から六十二年度を目標に置いた地域医療計画が実施をされています。保健医療圏は第一次から第三次までとされ、その第二次では地域の中核的役割りを果たす地域センター病院を設定するとともに、オーブン化病院体制を目指しているのが注目されるところであります。センター病院は目標二十一に対し現在十一カ所が整備されています。 また、同計画では、医師会、歯科医師会の自主監査とともに、医療機関に対する監査指導の強化を行うこととしており、それと同時に国、道、市町村の役割り分担を整理しようとしています。そして老人に対する在宅ケアの充実を図るため、病院における生涯健康管理、保健指導体制の確立を目指しています。 私たちは中核的医療機関の一つである千歳市立病院を視察いたしました。 診療科は内科等九科、総ベッド二百床、常勤医師十一名で、医師一人当たり一日の患者数は、入院で二十名、外来で四十名をみています。五十二年度に五億三千万円であった負債は、五十五年度では二億円と減少をしてきておりますが、この地域での一般開業医の病床数が二千五百ベッドに達していることや、市立病院の医師不足などで、中核病院となり得ていないのが現状であります。CTスキャナー、ME、人工透析装置などの設備がないため、札幌から距離的に近くにありながら、医師が研究できないということでここに来ないという実情にあります。 視察をいたしまして、住民のニーズにこたえるために医療設備の整備を行うことに、よって医師の確保を図り、病床数を公的病院としての適正規模に増床することが必要であるのではないかということを痛感いたしたところであります。 なお、病院側から、今回の診療報酬の引き上げが行われたものの、この病院の場合、実質二・一%しかアップがなかったと訴えられるとともに、公的病院の病床規制の緩和及び医師の確保策について要望がありました。 最後に労働関係の季節労働について申し上げます。 積雪寒冷の北海道においては、冬期間の産業活動が制約をされ、季節労働に依存しなければなりません。北海道の季節労働は、夏に建設業、水産業、加工製造業等で働き、冬には失業する専業的季節労働でありまして、他の県のような農閑期の冬に出かせぎをして夏は農業に従事する兼業出かせぎと本質的に異なるところであります。 道における季節労働者は約三十万人で、全道就業人口の一二%を占めております。このうち出かせぎ者は約五万人で、道外へ約一万人、道内での移動が約四万人であります。 対策としては、工事の通年施行による通年雇用の実現や、新たな求人開拓が急務となっているが、これといった決め手がないのが現状であります。 道から、公共事業量の増大と工事施行の季節的平準化及び市町村が行っている冬期就労事業への財政援助について要望があり、また、五十七年度に打ち切られる積雪寒冷地冬期雇用促進給付金について、これにかわるべき方策を国が行ってもらいたいとの要望がありました。さらに、これといった産業のない道として、これ以上の公共事業の道補助率特例のかさ上げ削減を受け入れることはできないとの訴えがなされました。 以上で報告を終わりますが、道からの要望事項等の会議録末尾掲載方を委員長においてお取り計らいいただくようにお願いをいたしまして、報告を終わりたいと思います。
○委員長(粕谷照美君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、安恒君の報告中に御要望のありました、道当局からの要望事項等を本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいをいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十一分散会 —————・—————