行財政改革に関する特別委員会、農林水産委員会、運輸委員会、建設委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 318 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/11/19
会議録
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会、農林水産委員会、運輸委員会、建設委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。赤桐操君。
○赤桐操君 わが国の住宅建設の状況についてこの数年間を考えてみますると、五十年代の前半は、いずれも百五十万前後の戸数を毎年建設をされてきております。昭和五十年では百四十二万、五十一年では百五十三万、五十二年度では百五十三万、五十三年、五十四年でいずれも百四十九万前後の建設がなされてきておるわけであります。しかし、五十五年度からは年間百二十万戸台に急速に落ち込みをいたしております。五十六年度前半に至りまするというと、対前年比はいずれも大きなマイナスになってきている。七月以降における建設省の発表によりますると、この三カ月間で連続毎月十万戸を割るという状態になってきているわけであります。これはまさに私は住宅不況そのものであろうと考えるのでありますが、これは一体どういうような原因に基づくものであるか、まず建設大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 最近の住宅需要の落ち込みにつきまして、先生から具体的な数字を挙げられてお示しのとおりでございます。その要因といたしましては、何といたしましても経済バックグラウンド、これは世界的な御案内のようなオイルショック以後の経済情勢の中から、国民経済というものの落ち込みも大きな意味ではありましょう。加えて需給のアンバランスといいますか、所得の関係、金融の関係、特に一番大きな問題は土地の値上がりというような問題もあろうかと思います。あらゆる要因がここでふくそう、錯綜して急な住宅需要の落ち込みになったということの反面、一応住宅戸数においての需要は満たされておりますが、国民住宅ニーズというものが数よりも質の向上という方に向かってきたということと、それから従来からの戦後の高齢、高所得者の方々から、若年、低所得者層へのシフトというような問題から総合的に落ち込みが来たのじゃなかろうか、私はこのように判断をいたしているわけでございます。 しかし、この状況も一応底であるというようなことの判断は、地価の騰貴あるいは諸資材あるいはニーズ関係において一応鈍化を見せておりますので、この辺で、先ごろ住宅対策閣僚会議で一応の方向づけをしていただきましたので、それをしかと踏まえて実行に移していくならば、住宅環境というものは好転をするのではなかろうか、また、するように心がけねばならない、このように考えているところでございます。
○赤桐操君 御答弁ではありまするけれども、それほど簡単な状況ではないように私は判断をするものであります。住宅建設第四期五カ年計画は、ことしから昭和六十年まで、ちょうど五カ年間にわたって行われるものでありますが、その建設戸数は総数で七百七十万戸、いわばことしはその第一年に当たるわけであります。この七百七十万戸を消化していく、これを建設をしていくためには、少なくとも年間百五十万戸台を貫いていかなければこれは私は達成できないと思います。そういう将来展望を考えまするときに、落ち込んできているこの現状、さらにまた需給の状態、こうしたものを考えてみると、この計画はかなり骨が折れる計画ではないだろうか、こういうように感じられます。どのようにしたならばこの計画が達成できるのか、もうひとつ突っ込んだ御答弁を賜りたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 五カ年計画、先ほど先生もお示しになりましたように、本年度の、初年度の四月から九月までの戸数が七・三%の減少でございます。昨年から五万戸減っておるわけでございます。しかし、五カ年計画のまだ初年度も半ばでございますので、一応これはこれとしていささか気にはかかりますが、具体的にではどうするかということになってまいりますと、先ほど申し上げましたように、閣僚会議で、従来からやったことにかてて加えて、なおその他の諸方策についてお示ししたわけでございます。私自身も、従来のように年間百五十万戸達成についてそう安易には考えておりません。相当厳しいことであろうかと思いますが、何といたしましても、住宅産業は経済波及等々考えたときに、どうしてもやり抜かなければならない問題であると同時に、国民の住宅に対するニーズというものに対応する上からもやらなければならないわけであります。 具体的には、すでに閣僚会議で示しましたように、金利政策であれ、あるいは土地政策であれ、あるいは遊休地の高度利用をさらに進める、あるいは再開発の問題、あるいは見直しの問題、あるいは山林等の問題、あるいは市街化区域内の農地対策、いろいろと挙げれば切りがないわけでありますが、こうした問題を一つ一つ阻害要因を詰めていって明るい方向に転じたい、このように考えているところでございます。
○赤桐操君 経済企画庁長官に二つほど御質問いたしたいと思いますが、わが国の経済運営方針は、五十六年度は内需型成長ということで進めることを政府の基本政策としてきたわけでありまするけれども、ことしの上半期の状態は、これとは全く逆な外需型な成長として終始をいたしております。政府は、こういった経過の上に立って、下半期は内需型への急速な転換を図るということを先般明らかにいたしたわけでありますが、また同時に、経企庁長官は十一月五日、来年度の実質経済成長率を五・五%以上のものにしたいということを明らかにいたしております。そのための施策について伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在の経済の状態は、いま御指摘がございましたが、まさにそのとおりでございまして、この場合に住宅建設が非常に大きな課題になってまいります。私どもは、住宅建設が軌道に乗れば成長率も相当局まるのではないか。しかも住宅の場合は波及効果が非常に速いわけであります。かつまた波及効果が非常に大きい。そこで景気に非常に敏感に、かつ大きく影響が出てまいります。 経済運営を軌道に乗せるためには、やはり住宅建設というものを計画どおり軌道に乗せるということが私は何よりも大事ではないか、このように思っておりますが、先ほど来いろいろ質疑応答がございましたが、一番の根本の問題は、住宅価格が上がったけれども所得が伸びない、所得と価格の乖離、ここに問題があると考えております。この問題をどう埋めるかということが住宅政策を軌道に乗せるための最大の課題だ、このように心得ております。
○赤桐操君 日本経済を外需型から内需型へ転換をしていく、あるいはまた明年度経済成長率を五・五%以上のものにしていく、こうした目標の中で、いまの御答弁によりますれば、住宅建設が大変大きなファクターを持っておるということであります。しかし、今日までの状態を見るというと、遺憾ながらこれは全くその役割りを果たしていないと思うわけであります。事情は価格の上昇と所得の乖離だ、こう言われておりますが、先般の十一月五日の長官の言明の中にも、新聞報道によりますれば、少なくとも思い切った政策を住宅建設のために打ち出したい、こういうことを言われておりますが、思い切った具体的な対策、これについてひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 実は、この住宅第四期五カ年計画を決めますときに、果たして五カ年で七百七十万戸という需要があるかどうかということが一番大きな議題になりました。いろいろ検討いたしました結果、日本には建てかえを必要とする家が非常に多い、そういうことを考えますと、やはり七百七十万戸ぐらいの建設は必要であろう、こういうことで最終の結論を政府部内で得まして閣議決定をした、こういうことでございます。これを達成するためには、先ほど来御指摘のように、毎年平均百五十万戸台を達成することが必要でございまして、昭和五十一年から五十四年までの四カ年間は、およそこの見当の建設が達成されておりますので、条件さえ整えば決して無理ではない、このように考えております。 そこで、三月二十七日にこの計画が閣議決定されましてから、関係閣僚八人で、どうすればこの計画を軌道に乗せることができるか、この計画を軌道に乗せることがこれからの日本経済を成功させるかぎである、こういう観点に立ちまして、四カ月間議論をいたしまして、十項目近い対策を決定したのでございます。これには予算を伴うものもございますし、税制を伴うものもございます。そこで、十二月の予算編成までの間に順次これを具体化していこうということで、目下、七月に決定いたしましたこの十項目につきまして、関係省庁の間で十二月具体化を目標といたしましていろいろ作業を進めておるところでございます。
○赤桐操君 今年はもうすでに十一月半ばを過ぎておりますが、大体の具体的な、もう一歩進めた御答弁はいただけませんか。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 いま経済企画庁長官からお話がありました住宅・宅地関係閣僚連絡会議におきまして、七月の末に九項目にわたります対策をお取りまとめいただいたわけでありますが、その内容といたしましては、まず第一に住宅建設の促進という立場から、住宅金融の充実、それから低質木造賃貸住宅の建てかえの促進、三番目といたしまして既成市街地における中高層住宅の供給の促進でございます。また、宅地供給の円滑化といたしましては、市街化区域内におきますところの農地等の宅地化の促進、市街化区域農地に係る固定資産税等の課税の適正化等税制関係、それから都市計画区域におきます区域区分の見直し筆の推進、住宅宅地関連公共公益施設の整備の促進、未利用地等の利用促進、国土利用計画法の的確な運用といったような事柄でございます。
○赤桐操君 経企庁長官に重ねて伺いますが、一番大きな問題は、建設を渋滞させている大きな問題は、建設価格の上昇と所得の乖離にある、こう言われておるわけであります。だとするならば、ここに焦点を置いた対策がつくり上げられなければこの問題の解決にはならないだろうと思いますが、長官の御答弁をひとついただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 住宅価格の上昇と所得の伸び悩みというところに問題があるわけでございますが、しかし、所得の方は急速に伸びるという情勢ではございませんし、住宅価格も急速に下がるという状態でもございません。そこでやはり問題は、いま家を建てますと数年間は借金の返済に大変困る、だからいまの条件では家は建てられない、計画を延ばそうという人が、毎年二十万人とか三十万人とか出ておるわけでございます。でありますから、家を建てた後ここ数年間の金融、つまり支払い方法をある程度改善する必要があろうかと、このように思っておりますが、それをいま建設省の住宅局長は住宅金融政策という表現でお話しになったのだと思いますが、ここらあたりを中心に関係者の間でいまいろいろ議論をしておるところでございます。
○赤桐操君 金融問題ということになれば、当然これは金利の問題も影響してくるわけでありまして、仮に一%の上下が行われるとするならば、これは二十年、二十五年間の返済ということになりまするならば、大変な実は大きな負担が出てくるわけであります。こういった問題を含めた積極的な対策をお考えかどうか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 金融につきましては、すでにそれぞれのケース・バイ・ケースで低金利政策をやっておるわけでございます。特に新しい建設につきましては、御案内のように先般来、公庫の金利の据え置き問題が俎上に上っておるわけでございます。これは時限立法でございますので、その間の大きな経済変動はともかくも一応弾力化というようなことでございますが、総理もあるいは大蔵大臣からもお話がありますように、情勢を見きわめて、住宅関係に配意をしながらこの問題には政令の段階で対処するというようなお言葉もいただいておりますので、私たちは長期的にもこうした最も住宅を建てるための基本となるべき金融政策につきましては、なお持続させていただいて、こうした根本的な問題から、住宅を建てる希望の方々が将来とも、いま建てても、いま企画庁長官からもお話がありましたように、そうした他の方法も講じながらやってまいりますというような金融政策への考え方を持って進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○赤桐操君 それでは、ここでひとつ大蔵大臣に伺いたいと思いますが、こうしたわが国の住宅事情あるいは経済的な情勢の中で、現行金利の五・五%、これを引き上げるというような状態では私はまずないと思うんです、率直に申し上げて。価格の上昇は激しくなってきている、所得は上がらない、しかも経済企画庁長官にいたしましても、あるいは建設大臣の御答弁におきましても、積極能動的にこの政策が必要なんだと、こう言っておるんですが、こうした中で考えてみるときに、公庫の金利の引き上げなどということは考えられない状態じゃないか。むしろ引き下げをしなければならないのが、現在置かれている金利政策のポイントじゃないかと私は思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは政府関係機関に通用することでございまして、住宅公庫だけを取り上げて言っているわけでは別にないわけでございます。御承知のとおり、世界の金利事情というのは非常に変動が多い。アメリカの場合も一般的な見方は、一時的には金利は下がるだろう、しかし来年になったらまた暴騰するかもわからない、結局一にかかってインフレの問題である、そういうようなことが言われておって、実際、経済問題というのはよくわからない、なってみないとなかなかわからない、これが実情でございます。したがいまして、私といたしましては、この財政再建期間中に金利の大幅変動というものがあった場合に、それにいつでも対応できるだけのことは必要である、そう考えたわけでございます。 御承知のとおり、ことしも住宅公庫に対する補給金は抑制して別な方法をとったわけでございますから、二千二百億円程度の補給金で済みますが、それをやらなければ、ことしも二千七百億円ぐらいいくはずです。来年が三千五百億円ぐらい、昭和六十年には約五千億円、補給金だけで、住宅公庫だけです。そういうような中にあって、経済の変動があってもそれはそれでいいんだとばかりはなかなか、国民、税金を納める方からすればそうもなかなか言っていられない。財政的にもなかなか大変である。いろいろな問題がございますものですから、一律に全体について、金利の抑制というものがそういういろいろな事態が起きたときでも政令でできるようにしておいていただきたい。 〔委員長退席、行財政改革に関する特別委員会理事嶋崎均君着席〕 しかしながら、これは社会的経済的な情勢、そのときの必要事情、そういうものを慎重に配慮をして対処するというわけでございますから、直ちに住宅公庫のこの二%の補給金の幅を狭めるということを必ずしも意味しているものではございません。
○赤桐操君 世界的な高金利政策についての蔵相の見解が明らかにされていますが、経済企画庁長官の先般の談話等によりまするというと、逆に公定歩合の点については、物価安定などの国内事情を考えると下げの方向に進んでいるのではないか、あるいはまた米国の高金利状態についても、これまた下がる傾向にある、したがって来年度は低金利政策を実施する条件が整ってくるであろうという期待的な言明もしておられます。私どもも、必ずしも私は大蔵大臣がいま言われたような不安定な、あるいはまた不安な状態だけがこれから想定されるすべてではないと考えざるを得ないのであります。 そうした状況の中で、一方、住宅政策を遂行し、あるいはその他のいろいろ大きな力になる柱をつくり上げていって、これから下半期から来年の景気を興していこうという、そういう考え方に立つならば、その一番大きな波及効果を持ち成長を助ける、そういう性格を持つところの住宅政策をもっと前進させる必要があるということは、これはもうまず一番最初に考えなければならない問題だろうと思います。 そこで障害になっているのが、先ほど来お話がありまするとおり、価格の上昇であり、所得の乖離だ、しかも、そういう面から金融上の問題にまで検討を加えなければこの解決はできない、こういうことになっているならば、私は、いま大蔵大臣が言われたような形でもって不安な状態だけを国民の皆さん方に明らかにしておくということではなくて、本格的にもっと前向きの形で、国民の皆さんが、それではそこまで金利政策や金融政策について配慮がなされるというならば、われわれもひとつこの際建てかえをやろう、新しい家を求めよう、こういう意欲がわいてくるような形に持っていくべきだと思うんです。そうでなければ、私はいかに先ほど来お話しの四期五計にいたしましても、当面するこの住宅政策の推進にいたしましても、これはできてこないだろうと思うんです。したがって、そういう立場に立つならば、この際、大蔵大臣の言われるような態度ではなくて、金融公庫への貸出金利は上げないということを言明されることが必要なことではないだろうか、こういうように私は重ねて申し上げたいと思います。 金利が上がってくるということになりますれば、当然、いま家を持とうとする計画を持っている人でも手控えることはあたりまえであります。また、ローン地獄が大変だということで、最近持ち家離れが非常にひどくなってきている。これも私は当然であろうと思うのであります。逆に、金利は引き上げしないという大蔵大臣の言明がなされるとするならば、国民の皆さんに対する精神的な影響というものは非常に大きなものがあろうと思うんですね。これが私は住宅政策の推進にはかり知れない大きな力になるだろうと、こう思うんですが、大蔵大臣の御所見はいかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、経済変動が激しいときなので、金利政策というものについては機動的に対処していくということが一番大切じゃないかというふうに思っておるんです。逆に、金利が下がるかもしらぬ、来年は下げるかもしらぬというようなことを言えば、それはもうむしろ住宅建築はいたしません、下がる思惑があるのならば下がるまで待っていればいいわけですから。逆に、上がる思惑があれば建てるかもしれない。それは私は物の見方だと思います。しかし私は、いま上げるということを言っておるわけではございませんので、そういうようなことにいつでも対処できるような仕組みにしていただきたいということをむしろ申し上げているわけでございます。
○赤桐操君 大蔵大臣の重ねてのお考えを表明されているわけでありますが、そういうような形でいかれるということになりますというと、これは私は、やはりどうも経済企画庁の方や建設省が考えている積極能動的な施策に対して逆に水がかかってしまうように感ぜられます。こういう時期こそ私は、積極能動的な明るい情勢をつくり上げていく、そういうことが必要だと思いますので、むしろ積極的な姿勢をこの際ひとつ打ち出していただくべきだろう、こういうように考えます。 したがって、十七条の適用については、住宅の建設状況あるいは経済状態がこうなったときには、こういうことにしたいと思うというようなことでも明らかにされるならばまだ私はわかりますが、いまの程度の御答弁では、安心してこれを国民の皆さんは受けとめることにならないだろう。いつこれは上がるかわからない、こういうことになってくるだろうと思いますが、もう一歩突っ込んだ具体的な、こういう状態のときにはこうする、こういうようなことについての御説明はございませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は、金利が下がれば一番喜ぶのは大蔵大臣なんです。なぜならば、財政負担がうんと減りますから。しかし、それは望むだけのことでありまして、現実の問題としてはなかなかそういうような情勢にはなってこない。私としては、むしろいまのうちに家を建ててもらうのが一番お得でございますよと言った方がむしろいいくらい、その方がお家を建てる気持ちになるわけでして、来年になれば金利は下がりますと言えば、だれもいまあわてて建てる必要がない。金利が下がると言えば、もっと物価が安定して安くなって金利も下がるだろう、それじゃそれまで待っていようということで、むしろ、これこそ家を建てようとする人の足を引っ張るということになるわけであります。 したがって私は、金利が上がる下がるということは、いまいずれも申し上げないわけでございまして、上がった場合に、非常に高金利になったような場合に、あるいは財政が負担し切れないというような場合には、いろんな経済事情を見て、それに対処するだけのことをさせておいていただきたいということを申し上げているだけでございまして、別に建設省やなんかの話と意見が食い違うことは少しも私はないのじゃないか。現実に、そういうような政令にゆだねていただけば、むしろ現実的に機動的に対処できるし、当然そのときは現業官庁と連絡を密接にした上でやるということはあたりまえのことでございます。だからこそ、経済上あるいは社会上の必要な場合ということを慎重に配慮するということも法案に書いてあるわけであります。
○赤桐操君 住宅の建設というのは、これはもう申し上げるまでもありませんが、二十年、二十五年という大変長期にわたるものであります。しかも、この建設の年々の計画というものは、先ほど来明らかにされておりまするとおり、コンスタントで続けられていくべきものだと思うんです。同時にまた、入る方あるいはこれを求める方の立場からいたしましても、安定した金利等を保証された状態の中で進められていかなければ安心ができない。あるいはまた、建設をする方の側にいたしましても、一般のいわゆる波及効果が大きいとされている業界の立場から見ましても、当然、あるときにはばかに建設されていく、あるときにはもうほとんど建設がなされない、こういう状況であってはやはりこれはぐあい悪いわけであります。したがいまして、この長期にわたった住宅建設というものは、金利についてもほとんど安定した保証が求めらるべきものだと思うんです。これが一一経済情勢の変動その他に災いされるということは避けられなければならない、こういうことが大前提になってくると思う。 そういう観点に立って私は申し上げているわけでありまして、早く建てれば損するとか、金利の下がるのを待つとかということではなくて、どだい住宅の政策というものは、私は社会的にそうした保証がなされるべきものだと考えます。したがって、いま大蔵大臣に対して、五・五ということで決まっているならばこのままの状態で続けるべきではないのか、よほどの問題が発生したときには、そのときに議会において論議をし、検討することはできるではないか、むしろ国民にいたずらに不安を与えることは避けるべきではないか、こういうことをいま私は申し上げているのですが、あなたが言っておられるところの観点と私が申し上げている観点には、いささか違いがあるように思いますが、住宅政策の基本的な考え方に違いがあるように思いますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、金利こそ経済事情の変動に応じて動かすべきものである、いつでも固定しておくものではないということでございますから、それは違いがあるかもしれません。
○赤桐操君 私はさらに、同じ資本主義の各国におきましても、フランスにおいても西ドイツにおいても、この金利の問題については日本よりははるかに低利な金をもって保証いたしております、住宅の建設については。これは申し上げるまでもなく御承知だと思います。そういう点から見ていっても、いろいろの景気の変動や金利の上下があっても、これらの諸国においては、これを変えないで持続しているではありませんか。他国においてそれができるなら、日本でもできないことはないはずである。事情の差はいろいろあるかもしれぬけれども、私は住宅というものの建設の基本的な考え方がきちっと決められるならば、これは可能であると考えますが、大臣、いかがお考えになりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはいろいろ国の事情でございますから御批判はいたしませんが、私は、必ずしもアメリカを初めそう固定的であるというようには考えておりません。
○赤桐操君 それではひとつ経済企画庁長官と建設大臣に伺いたいと思いますが、少なくともこれからの金利政策、金融政策の基本になるこの問題については、私は決定的なこれからの要因になってくると思いますが、経企庁長官、建設大臣はこれについてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 政治の目標ということを簡単に申し上げますと、国民生活の充実向上、こういうことでなかろうかと思いますが、その場合に住宅政策の果たす役割りは非常に大きいと思います。 そこで、安定的に住宅政策が進められるということが必要だ、こういう観点からの御議論だと思いますが、その点につきましては私も賛成でございます。そのために金利ができるだけ低い水準でそう動かない方が望ましい、こういうお話でございますが、私もそのとおりだと思います。大蔵大臣の言っておられますことも、言外の意味を想像いたしますと大体そういうことでなかろうか、このようにも考えられますので、政府といたしましては、やはり住宅政策が安定的にずっと進められるような、そういう方向で進めていくということが必要でなかろうか、このように思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 それぞれのお立場は違っても、国の住宅政策については期するところは同じであろうかと思います。先生の御発言も全く私は同感でございます。あれこれを総合して、日本の国の住宅政策というものは、基本的な問題として金利政策を含めて持続長期的に国民の生活環境を整備していかなければならないのではなかろうかと思います。戦後三十有余年たちましたけれども、まだまだ日本の住宅というものに対する考え方、また、それに対する達成率というものは私は満足すべきものではない、このように考えます。家族構成あるいは成長あるいは社会環境とあわせて、なお一層質の向上を考えながら、住宅需要というものについてはあらゆるそうした諸要因を考えながら進めていくべきものであろう、このように考えるところでございます。
○赤桐操君 そういたしますと、お伺いいたしますが、きょうは総理がおいでになりませんけれども、どうも私が受けとめている受けとめ方が違うかどうか知りませんが、大蔵大臣は、金利というものは時の情勢によって動くのが当然なんだ、こうはっきり先ほど申しておられる。経企庁長官やあるいは建設大臣の方の立場になれば、そう動かれては困るので安定する方を求める、こう言っておられるわけであります。これはお考えに大分政府部内で違いがあるように思いますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、一般の金利というものは、経済の運営をする上において経済情勢を誘導するという意味で、あるときは上げ、あるときは下げ、そういうようなことが必要だと思っております。
○赤桐操君 私がいま申し上げておることは、一般的なその金利の上下、上げ下げを聞いているのじゃなくて、この住宅建設というものをこれからいま現実に進めていく上に当たって、長期にわたったこの金利政策をどうすべきかということをいま求めているわけなんですよ。これに対して、現場の方を預かっている建設大臣や経済企画庁長官の方は、安定する方を求める、こう言っておる。私の主張を認めているわけです。それに対してあなたは、一般論でそれを適用するとするならば、明らかにこれは景気の変動によって上げ下げいたします、こういうことになるんじゃありませんか。いかがですか、それは。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも終局的には、たとえば住宅の問題にいたしましても、住宅の金利というものは固定的で動かさない方が望ましいというようには思っておりません。しかし動かす場合には、しょっちゅう動かすということ、これも好ましくないと思います。しかしながら、非常な世界じゅうの高金利とかインフレとかいう場合と、非常にデフレになって住宅をうんと促進するというような場合とおのずから違う。そのときにはもう一切動かさない方がいいというようには私は思っておらないのです、極端な話かもしれませんがね。 したがって私は、五・五%の金利をいますぐに上げるとか、いますぐに下げるとか、そういうことは言っておらないんです。そういうようないろんな変動の多いときでございますから、仮にですよ、仮にこの三年間に金利が上がるというようなことになって、そういうときに一々法律で固定をされておりますと、国会を開いて審議をして三カ月とか半年とかかかるのは、これは普通ですからね、いままでの例を見ますと。しかしそれを、ともかく社会経済上の必要性というものを慎重に配慮しながらそれに対処できるように、ひとつ権限を政令にこの三カ年間ゆだねていただきたいということをお願いをしておるわけであって、それのしかし施行に当たりましても、それは原官庁ともよく相談をして、そのときの社会上経済上の必要性というものを十分に考えて、慎重にやらなければならぬということは法律にも書いてあるとおりでございます。
○赤桐操君 私は明らかに考え方、答弁に相違があると受けとめざるを得ないのです。この点について、直ちに御答弁をいただくわけにいかないならば、御検討をいただいた上で、閣内の統一をいただいた上での御答弁をいただかないと、この後の私の論議が進みませんので、これをひとつお願いしておきたいと思います。
○委員長代理(嶋崎均君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長代理(嶋崎均君) 速記を起こして。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。直接担当省庁といたしまして、金利の問題が出ておりますので、私からお答えをいたします。 住宅金融公庫の貸付金利にかかわる具体的な政令の制定に当たりましては、特例適用期間中においても、社会的経済的必要性と財政の負担調和に十分配慮しつつ、慎重に対処してまいりたいと思います。しかし、今後の金利水準、経済動向によっては、現行金利の見直しを機動的に行う必要が生ずることも考えられますので、この点にも十分留意してまいりたいと思います。
○委員長代理(嶋崎均君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長代理(嶋崎均君) 速記を起こして。
○赤桐操君 それでは、あとの時間は午後に残させていただきます。
○委員長代理(嶋崎均君) 目黒今朝次郎君。
○目黒今朝次郎君 連合審査で与えられた時間が短いし、できれば私は、運輸大臣はしょっちゅう運輸委員会で議論できるのですから、他の大臣の方に見解を聞きたい、こう思います。 行革に関する運輸関係は、国鉄問題、新幹線問題、関西新空港、車検問題、運輸審議会、特殊法人の問題、こういろいろあるわけですが、時間の関係でしぼって二、三お願いします。 まず、中曽根長官にお伺いしますが、あなたがいろいろ行革のことをする際に、国会の審議、もちろん予算委員会、本会議、あるいは運輸の場合は運輸委員会、こういういろいろないままでの議論というのは十分に尊重されて行革の取り組みをされているんだと、こう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いろいろな諸議論をよく慎重に勘案いたしまして、政策に反映しているつもりでおります。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、国鉄問題でもう昭和三十九年に赤字に転落してから今日まで、われわれは国会で予算委員会、本会議あるいは運輸委員会で、特に参議院の場合は国鉄問題小委員会を運輸委員会の中に設けて、相当体系的に系統的に議論をしてきたつもりであります。それで大臣にお伺いいたしますが、これは三木内閣当時、七十八国会で五十一年の十月十九日、当時の石田運輸大臣に、私が自分の長い経験も含めて、国鉄の赤字の原因と二回にわたる再建計画の挫折、こういうことを含めて国鉄赤字の根本的な問題点と政治の責任と国鉄の責任と、もちろんわれわれにも一半の責任があると思いますが、そういう問題について四つの点を掘り下げまして、相当体系的に私は議論をし、当時の石田運輸大臣は、目黒提案についてはそのとおりだ、これは単に運輸大臣だけではなくて三木総理大臣も予算委員会などを通じて、それはそのとおりだと、こういう四つの確認をしておるわけでありますが、これについては御存じでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 三木内閣の当時のことでございますので、私はよく覚えておりません。
○目黒今朝次郎君 国鉄問題が三Kで行革の一番大事だと言っていながら、行革の総本山のあなたが最も赤字の問題点の国会議論を知らないということは、これはどういうことですかな。 重ねて言います。私は、それだけではありません、その後、これは五十二年の十一月十五日、福田内閣になりまして、田村運輸大臣がなった際にもこの四つの点を全部確認しておるわけであります。したがって、その四つの確認に従って国鉄の再連なりあるいは行政改革について議論をしていきましょうという点は、単にこれは運輸大臣ではなくて、福田総理大臣も含めて了解していることだということはちゃんと議事録にも載っているわけであります。それも、じゃ御存じありませんな。
○国務大臣(中曽根康弘君) まことに残念ながら、よく知りません。
○目黒今朝次郎君 ここで確認しておきます。行革の長官が、国会の議論を尊重していると前段で言いながら、最も国鉄赤字の根本的な政治の責任と国鉄の責任と今後の対応について、国会の議事録を読んでないとか確認してないというのは、一体、ナンセンスじゃありませんか。何のためにいままでやってきたのですか。これはもってのほかですよ。こういうことでは、私は国鉄の問題について再建論争に論戦をいどめませんよ。ずっと三木内閣、福田内閣——大平内閣は、私は交通安全対策特別委員長なり物価対策特別委員長をやっておりましたから、この問題については時間がありませんでした。しかし今日の鈴木内閣になって、塩川運輸大臣になってからも、これもまた私は再建措置法で大分議論しているんですよ。それを肝心かなめの行革の長官が知らないなんというのは、これ、ナンセンスでね。 じゃ、もっと聞きます。それを確認します。河本経済企画庁長官、あなたは、昭和四十六年の運政審の答申を受けて、総合交通問題閣僚協議会のあなたは担当なんですが、もちろん総合交通政策で陸海空ありましたけれども、国鉄の問題が相当中心でありました。あなたは総合交通問題閣僚協議会の責任者として、私がいま言った昭和五十一年並びに五十二年の三木内閣、福田内閣あるいは今回の財政再建措置法、これの国会論争の社会党の主張とそれに対する政府の答弁、これについては確認していますか、長官。
○国務大臣(河本敏夫君) 昭和四十六年の答申決定を受けまして、関係各省庁の間で幾つかの対応をしてまいりましたが、昨年の四月に運輸政策審議会へ長期展望に基づく総合的な交通政策の基本方針について諮問が行われましたのは、これはその後の石油事情の変化と幾つかの変化がございましたので、そういう諮問が行われたわけでございますが、去る七月にその答申が出ております。 こういう経過でございますが、いまお話しの五十一年、五十二年のことにつきましては、私も承知をいたしません。
○目黒今朝次郎君 行革の長官と経済企画庁長官、しかも総合交通政策の元締めが最も大事な論争を聞いてないというのでは、これは論議のしょうがない。したがって、国鉄の問題については白紙撤回をお願いしたい。 その前にもう一つ聞きます。河本経済企画庁長官、あなたは八月二十八日、自民党研修会でこういうことを述べているのですが、「本来の行革のキーポイントは三K問題。特に国鉄の再建であり、これが解決すれば日本経済が立ち直るといっても言いすぎではない」、「国鉄の親方日の丸的な企業形態を抜本的に変えねばならず、どこかで民営に移す決断が必要だ」、「臨時行政調査会の第二次答申では国鉄民営化を中心的な柱にすべきだ」、こう新聞は報じているのですが、この新聞の報じているとおり確認していいですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 若干の表現は違いますが、大体内容はそのとおりであります。
○目黒今朝次郎君 確認いたします。中曽根長官、あなたはこれは五十六年十月二十日、衆議院の行革連合でわが党の質問に対してこう答えていますな。経営改善計画が達成されたとしても一兆円の赤字が毎年出て、しかも七、八千億、約一兆円近くお金が国民の税金から補助金として出される、つまり二兆円というものは国鉄に金がかかる、これで経営改善計画と言えるか、国民の審判を考えなさい、こういうことを言っておりますが、間違いありませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 申しました。
○目黒今朝次郎君 大蔵大臣、あなたは五十六年十月二十日、国鉄の五十五年度における長期債務残高は約十四兆円、五十六年度は一兆八千億ほど増加する、五十七年度の概算要求ではさらに二兆円の増加、このままでいけば昭和六十年度は二十兆円に達する、このツケは国民に回ってくると考えなければならないと言っていますが、これも間違いありませんか、大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ほぼ間違いないように思います。
○目黒今朝次郎君 運輸大臣、あなたは五十六年十月二十三日衆議院運輸委員会で、経営改善計画は根本的に見直すべき問題ではなく、その達成に邁進すべき問題である、またこれは昭和六十年までの経営改善ミニマムだから、さらに合理化し得るものはこれにつけ加えていくべき性質のものである、こう答弁していますが、間違いありませんか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 同様の趣旨を答弁いたしました。
○目黒今朝次郎君 これは総理大臣がいないのがおかしいのですがね、関係者、伝えておいてください。行管庁長官に特に言っておきます、総理がいないから。十一月六日の日本経済新聞によると、鈴木総理は年内にも「現行の四十二万人から三十五万人に削減する合理化計画を強化し」「さらに二割(七万人)から三割(十万五千人)の人員を削減、二十万人台の体制を実現」しなければならない、こういうふうに総理大臣が言っておるんです。これは答弁要りません。長官、こういうことを確認するということが、きょう目黒からあったということを確認してください。 もう一つ、国鉄総裁、あなたはこの問題についてどういう答弁をしていらっしゃるか。あなたが答弁すると長いから簡単に言います。国鉄の改善計画を実施したいと思います、なお貨物については見込みが違っていますから、貨物については修正したいと思います、こういうことを再三言っているのですが、これに間違いありませんか、総裁。
○説明員(高木文雄君) 大体そのような考え方でいま取り組んでおります。
○目黒今朝次郎君 それで各先生方ね、私はずっと両長官、それから運輸大臣、総裁、鈴木総理、この有力閣僚の発言を聞くと、皆違っているんですよ。私は去年の十一月二十七日、国鉄財政再建措置法のときに総理と総括質問を一時間やりました。鈴木総理が最後に言ったのは「この法案が国会で御承認をいただきますれば、その実施に当たっては当委員会の権威のある皆さん方の御意見というものを十分踏まえながらこの運営に誤り」のないよう万全の努力をいたします、これは去年の十一月の発言です。こうしますと、私は同じ国鉄の飯を食ってきた者として、一体国鉄はどこへ行くんだと、こういうふうに非常に疑心暗鬼なんです。したがって、私はここで提案します。うちの理事さんも聞いてください。 少なくとも、当該大臣である運輸大臣と国鉄総裁の意見開陳は合っています。いわゆるこの財政再建措置法に伴って国鉄改善計画を出して、その改善計画を中心に六十年度まで全力投入いたします、しかし貨物など条件の一部変更があったならば、その情勢は十分に勘案して、運輸大臣に申請をして、許可をもらってやります、これは運輸大臣と総裁は一貫しているんですよ。ほかの総理、両長官は、二十万人体制と言ったり、経営改善けしからぬと言ったり、民営の委託だと言うのは、ちょっと関係大臣としては失言じゃありませんか、私はそう思うんですよ。少なくとも、国鉄再建に対して当面鈴木内閣は何をやるべきかという点について、統一見解を出してもらいたい。同時に、その統一見解に抵触する発言があったら、その大臣に、鈴木総理大臣を含めてやっぱり謝罪をしてもらいたい、私はそう思うんです。そうでないと国鉄関係者は再建できない。そういうことをまず提案します。統一見解、言ってください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸大臣が申されたことが、統一見解であるとお考え願って差し支えございません。 私が質問を受けましたときに御答弁申し上げたのは、たしか民社党の委員の皆さんの御質問であったと思いますけれども、まず第一はいまの再建計画を実行することだ、それを全力投球してやっていただかなければならぬと思うし、われわれも協力したい、ただ国鉄についてはこういう批判もあります、その点はわれわれも耳を傾けていかなければならぬと思います、ともかくいまの再建計画を全力をふるって実行していきたいと思いますと、そういうことを申し上げておるのであります。
○目黒今朝次郎君 政府の統一見解は、鈴木総理を初めいままで新聞に発表したことは、まあ公人と私人というのを、おたくさんたち靖国神社でうまく使い分けましたね、公人と私人の論争をせっかく時間のないこの際にやってもしょうがないですからね、基本的な考えは、いま中曽根長官が言ったとおり、運輸大臣と総裁が言っているのが基本だ、当面六十年までは。それ以降の問題については云々だと。 そういうことについてはもうここで責任をやっておってもしようがありませんから、少なくとも軽はずみな、民営移管とか二十万人体制とか——いま三十五万人体制に移行するための検修の合理化、乗務員の乗り組み基準あるいは保線の合理化あるいは電気の合理化、工場の合理化、この五部門に従って、国鉄がどんなに労使が苦労していますか。それは三十五万人体制でも苦労しているんですよ。まあ一部政党からいろいろ意見がありますが、じゃそういう政党を支持するある特定の組合がこの合理化に全面賛成するかというと、どうしてどうして、口は八丁だけれども、自分が転勤になると困ります、総論賛成、各論反対。あるんですよ、やっぱり、わが一部の小さい組合にも。それを私はとやかくここでは言いません。ただ、現に苦労している三十五万人体制に、組合も一生懸命やろうとしている、その段階で二十万人とか民間移管とかと言うのは、ちょっと私は慎んでほしい、こういうことを要望しますが、あなたは総理のかわりだから、今後の問題についてどうですか。 総理大臣の発言については別途、運輸委員会で私質問します。あなたは私の提案についてどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸大臣が御答弁申し上げていることが統一見解であるとお考え願って差し支えございません。 なお、民営移管とかなんとかといういろいろな議論は、政府の大臣からそういう声が出たことはございません。ただ、臨調の中でいろいろ議論をしている中に、そういう議論もあるやに新聞で報道されているだけでありまして、民営移管論というものがあったことはないと私は思います。
○目黒今朝次郎君 あなたがそういう詭弁を弄したって、私も国鉄四十四年の飯を食っている者ですからね、事国鉄に関する限りは、この前も出た雑誌「宝石」の国鉄パスの問題から、とにかく日本じゅうにある、私は横文字読めませんから、縦文字の文だけは細大漏らさず読んでおるつもりですが、その中にずいぶん勝手な御意見があるんじゃないですか。中曽根長官も苦しい答弁でしょうから、私は厳に民営の問題とかそういう問題については慎んでもらいたいということを申し上げます。 私は、そういう問題が有力幹部から出てくるのは、何といっても、先ほど言った石田運輸大臣と田村運輸大臣の、この四つの問題点に対するしっかりした認識がないからですよ。これはもう一回読んでもらいたい。こんなものがありますから、両大臣読んでもらいたい。それを言っておきます。 それで私は、国鉄問題はいろいろあるけれども、ローカル線の問題と、それから貨物の問題と、新線建設と、それから労使関係、大体こんなところが問題だと思うのです。 お伺いしますが、国鉄からもらった資料を見ますと、ローカル線の助成というのは、これは大蔵大臣、あなたの前の大臣の当時、私も四十九年、五十年ころずいぶん議論したのですが、ローカル線というのに対してはどういうことなんですかな、五十一年から見ると、五十一年の赤字は二千九百二十五億円、政府助成は百七十二億、六%。五十二年は三千百二十六億、助成が二百七十六億、八・五%。五十三年は三千四百八億、助成が三百二十七億、一〇%。五十四年は三千六百六十一億、助成が七百六十五億、二〇%。五十五年が四千七十二億、助成が千百七十億、約二八%。ずうっとこう少しずつ大蔵大臣の理解で上がっていることは認めます。認めますが、たとえば四千七十二億の赤字を出して千百七十億もらっても、七二%は赤字なんですね。 これは総理大臣がいれば、この人が国鉄の鉄道建設審議会長をやっておって決めた線をどんどんつくって、そのどんどんつくった線が現在のローカル線なんですよ、これは。だから、人間の配置とか運用の方法を多少経営改善なり合理化しても、現在の大幅な赤字というのは、これはどなたがやっても直らないんです。私、予算委員会で当時の福田総理大臣に、あなたが総理大臣兼国鉄総裁なら直りますかと言ったら、さすがの福田総理大臣も、いや目黒議員、私が総理大臣兼国鉄総裁だって、このローカル線の赤字は直りませんと、国家の最高権力者がそう答弁しているんですよ。それを一大蔵省出身の高木総裁に、赤字だ赤字だとどんなに責めたって、これは何ともならないじゃありませんか。 われわれが昭和十二年国鉄に入ったころは、幹線が黒字になりましたから、黒字の収入で赤字を埋めました。いまは新幹線を含めて、幹線すらもどっこいどっこいでしょう。幹線はどっこいどっこい、貨物は赤字だ。そういう経営形態で毎年毎年四千億から三千億の、総理大臣でさえもどうにもならないこの赤字を、結果論だけ追及して、けしからぬ、けしからぬと言ったってしようがないのじゃないですか。これをどういうふうにすれば大蔵大臣、直ると思うんですか。あなたの見解をお聞きします。 あなたは、よく二兆円とか二十四兆円とかで、やっぱり金庫番だからね。国民の税金といいますか、これは国民の税金で消却してもらう以外に、ローカル線の赤字の始末はないのじゃないですか。そうでなければ、現在の特定線区のように、もう第三セクターに、含めて、いわゆる切り捨てる、これ以外に経営改善という点から見ればないのじゃないですか。公共交通から見れば、私はいろいろあると思うんですよ。これはどうしますか、大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は運輸大臣じゃありませんから、実は余り深入りはしたくないのでございますが、せっかくの御質問でございますので、所見を申し上げたいと思います。 私は、国鉄の赤字については、これは原因がたくさんございますということは、もうかねて言っておるところでありまして、一つには構造的な変革です、世の中の。それは飛行機との競争、弾丸道路ができて自動車との競争、カーフェリーができて船との競争。そうかといって人間はそんなに三倍もふえるわけじゃないのですから、まずそこに一番の問題が一つある。しかし、そういうような時代の変化に対応する国鉄の対応の仕方のおくれ、これは政策の間違いか労使町の問題か、いろいろありましょう。そういうようなずれもある。それを安易に見越してきて借金政策をしてきた。借金を支払うための利息が払えない、また借金、そのためのまた借金ということで、借金だけがべらぼうにふえてしまった。これも事実。まあいろんな問題が、地方交通線もあるでしょうし、病院の問題もあるでしょうし、みんなあります。でございますが、しかしながら、できてしまったものはこれは何とも仕方のないことであって、今後そういうことを繰り返していくことは絶対に、もう負担の面から見て国民は耐えられない。 したがって、それは確かに地方交通線は黒字になるほどやってみろと言われたってできない、むずかしいでしょう。ですから、それには、いろいろないままでのような手法でなくて、民営的手法等も取り入れて、収入を図れるものは収入も図っていくというようなことも必要でしょうし、あるいは廃止をせざるを得ない場所もできるでしょうし、それから第三セクターに譲ることもできるでしょうし、いろいろそういう工夫をもっと国鉄当局及び運輸省はやってもらって、ともかく国民の負担に耐えないということは困るわけです。負担しても、赤字であっても、それは必要だから置いた方がいいというものは置いてもいいですよ。それは兼ね合いの問題ですから。しかし、みんな負担は余りしたくないと言うのですからね、極力そういうような赤字が発生することを防止する創意工夫をやって、お互いに真剣な努力をしてもらいたいということを申し上げているわけです。
○目黒今朝次郎君 それは言葉の上ではわかるんですがね。 行政管理庁長官、お伺いしますが、運輸省と国鉄は、特定線区といって本当に条件の悪い線区、それを線区別に相談をして、話が調わなければ二年後に切るという法律で、おたくの選挙区はあるかどうか知りませんが、やっているんですよ。ところが、そういうことをやっておっても、自民党員である県知事さん、市長さん、町長さん、村長さん、まあ鈴木総理大臣の、私の隣の岩手県は、やっぱりこれは鈴木総理大臣のおひざ元だからやらなければ困るといって、中村知事が泣き泣き三陸鉄道をつくって、各県から金を出させてやっていますが、その他のところは、一部新潟とか青森とか、二、三ありますが、北海道、九州を含めて、これは絶対承服できないと言っていまだに協議できないんですよ。まあ塩川大臣、大分運輸委員会で張り切っていたけれどもね、私の読んだとおり。 だから、いま大蔵大臣の言うとおり理屈はわかるんだけれども、四千億も出す赤字を、民営の形態にするとか負担を軽くするとかと言ったって一定の限界がある。現実にいま尾を引いている。だから、これはやっぱり政治の責任で、もちろん運輸省も高木総裁の方にも、あるいは労使にも努力は願いますよ、努力を願うことにはやぶさかではありません。 〔委員長代理嶋崎均君退席、委員長着席〕 だけれども、大所は政治の場でこの問題の処理をしない限り、赤字の結果論だけ追ったって、どんどん赤字がふえてくるんじゃありませんか。政治の責任で決断すべきだ、これを私は、当時の田村運輸大臣あるいは石田運輸大臣なども含めて、五十一年当時から議論していたんです、これは政治の責任で処理せいと。あなたは金庫番ですから、あなたが金を握っているものだから、あなたがうんと言わないと、塩川運輸大臣とか高木総裁が逆立ちしたって、運輸委員会が逆立ちしたってならないんだ、これは。だから、政治の責任で前向きに検討するというくらいの発言をしないと、この連合審査の意味がないからね。どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 政治の責任ということは、別に金をまくとか金を出すということだけじゃなくて、金を出さないということも政治の責任でございますから、どっちをとるかということは、個々のケース・バイ・ケースに従って検討させていただくほかない、こういうことであります。
○目黒今朝次郎君 じゃ逆にもう一度聞きますがね。政治の責任、それはいろいろ結構でしょう、なかなか大衆政治家、大蔵大臣流の答弁ですから、それは尊重しましょう。たとえば、現実の問題として東北新幹線が来年六月開業します。来年ともかく開業すれば、これは運輸委員会で答えて高木総裁は、十年か十五年間、年間三千億の赤字だ、それから大宮−上野間、これは特に都会地ですから金がかかる、これを概算すると約四千億だ、こういう答弁をしています。国民は新幹線開通ありがとうと言っているのだけれども、暫定開業だから余りありがたがらない意見もありますが、開業と同時に毎年毎年旧鉄は年間三千億ないし四千億の赤字を続けて背負っていくんですな。それから青函トンネル、これも大変ですが、これも再三議論されて、国鉄は大体七百億から八百億、開通と同時に国鉄財政にマイナス収入で入ってくる。これも借金を背負っていく。それから本四架橋、これは六十二年開業で計算すると年間四百八十五億。これらを合計すると五千二百八十五億、約五千億。五千億程度新線開業に伴って十年か十五年間、国鉄がずうっと赤字だということ。五千億ですから、十年たてば五兆円ですね。また大蔵大臣に、怒られる、けしからぬと。 しかし、東北新幹線だとか、本四架橋とか青函トンネルというのは、これは高木総裁とか国鉄がどの程度タッチするか知りませんが、私は一割か二割だと思う。あとの七割、八割は政治の責任でこれをやった、こう私は理解するんですよ。政治の責任でやったしりぬぐいを、一割か二割の国鉄の労使関係者に結果論だけ追及して赤字だと言うのは、ちょっと酷じゃありませんか、酷じゃないですか。 この点はあなたは、いままでやったことはしようがないと。これはこれからやることですから、これについては政治の責任で国鉄に累積赤字にならないようにきちっとしてもらいたい、こう思うんですが、これは大蔵大臣と総合交通体系の責任者である経済企画庁長官に、これは運輸大臣に言ったってだめなんです、運輸大臣は何遍も答弁しているんだから。運輸大臣はだめですから、まずお二人に、これからの約五千億の赤字に対する政治の処方せんというものを示してもらいたいなあと、こう思うんです。いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この程度の赤字がどうして出るのか、私は具体的にまだ聞いておりませんが、いずれにしても、赤字を覚悟で無理に敷かしたものについては、つまり敷けと言った方は責任があるわけですから、それは何らかの覚悟はしてもらわなければならぬ、私はそう思いますよ、それは。しかし、今後さらに赤字を覚悟で、敷くことはできるんですよ、現在の科学技術からすれば幾らでも。問題は、経営ができるのかできないのか。できないとすればその責任はだれが負うのか、そこのけじめをはっきりしてから新線建設の話はしてもらわぬと、ただ敷く話ばかりでむしろ旗を立てて運動されても私は困るんです、実際は。 だから、私はこれについては、非常に恨まれても赤字線をたくさんつくることは賛成できないと言っている理由は、財政を預かる責任者として、結局は利用する人に全部赤字をかぶせるといっても、これだけ飛行機と自動車が発達したら、国鉄の料金倍にも三倍にもしたら乗る人はない。なお赤字になってしまう。したがって、そういうような点は慎重に全国民の問題として考えてもらわなければ困る。ですから、いろんなところから陳情に来ます。来る人にも私は言っているんですよ。それは、皆さん税金をいっぱい出します、私らも負担をたくさん出します、だから引いてくださいと言うならわかるけれども、赤字はつくるな、どんどん新幹線は引け、責任は政府がとれ、これはとてもできません。そこらのけじめは、はっきりさせていきたいと思っております。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在の段階は、日本の財政いろんな経過はありましたけれども、とにかく行き詰まってきた、そこで何とかこの際抜本的に解決をしなければならぬというので行政改革をやり、財政再建をやろう、こういうことでございます。 国鉄の問題にいたしましても、いろんな経過はありましたけれども、しかし、現時点は放置することはできない。財政再建を進める以上、国鉄の問題も何とか抜本的に解決しなけりゃならぬということで、いま臨調の方でいろいろその方策について検討をしていただいておる、来年の六月にはその答申が出る、こういう段階だと思います。
○目黒今朝次郎君 河本長官、私も子供じゃないのだからね、そんなこと聞いているんじゃない。いまから開業する東北新幹線を含めて、ここ二、三年の間に大体年間五千億程度のどうにもならぬ赤字というのが国鉄側に来る。それは鉄建公団が建設しようと国鉄が建設しようと、その建設の主体は別にして現実に年間五千億程度、十年から十五年間、国鉄の赤の収入として赤字が見えていますと言うのです。これを総合交通政策を担当するあなたが責任大臣としてどうしますかと。大蔵大臣は先ほどはっきり言いましたから、なかなか勇気ある発言だと思うんですよ。やっぱりあなたも、陸海空並びに道路、港湾の総合交通を調整して、そしてこういう赤字にならないように、むしろ新幹線を引けば新幹線を利用できるような総合交通政策というもので努力しますと言ってもくれれば、なるほどがんばったなと、こう思うのだけれども、いまの答弁では馬蹄形答弁だ。答弁のやり直し。
○国務大臣(河本敏夫君) 質問を若干誤解しておりまして失礼しました。 この新幹線の問題につきましては、二、三年前から建設費がついております。新幹線五線について建設費がついておるんですが、それには条件が二つついております。この予算上計上された建設費を使う場合には、全体の資金計画というものをはっきりしなければならない。それから第二点は、採算性がはっきり見通しが立たなければならぬ。この二つの条件が満たされたときに計上された予算を使ってよろしい、こういうことでありますから、その二つの条件が満たされるか満たされないかということがこれからの課題だ、こう思います。
○目黒今朝次郎君 どうも質問と答弁が食い違っているが、私は来年六月の現に開業する新幹線のことを言っているのですが、長官は整備五線のことを言っているようでありまして、整備五線の方はもう時間が忙しいからやりません。ただ、大蔵大臣の発言を是として、そういう方向でがんばってもらうということだけ要請しておきます。今後問題が絡んできますから、財政関係で。 それから、もう一つは公共負担だと思うんですがね、これもずいぶん長い間議論しているのですが、五十五年の四月の三十日に、農業関係と通産関係はこの問題で処理されたということは確認しました。だけれども、厚生省と文部省、これはずいぶん私も機会あるたびに歴代大臣に言ってきたのですが、現在でも文部省は五百八十七億、それから厚生省は約五十億と、こう言われておるのですが、何で文部省と厚生省がこの閣議了解事項、閣議決定が実施できないのですか。努力しているけれども、もうちょっと待ってくれということなのか、これを文部大臣と厚生大臣に答弁もらいたい。
○国務大臣(田中龍夫君) お話しのごとくに、五十四年の十二月二十九日の閣議了解に基づきまして、現在お話しの各省間でまだ話が遂げておりません。検討を続けておるところでございますが、何とか早急に結論を出さなければならぬ、かように考えております。
○国務大臣(村山達雄君) これは身体障害者その他の運賃割引の問題でございますが、この問題は、郵政問題あるいは放送問題その他たくさんございまして、ただいま文部大臣からお話がありましたように、各省間でいま連絡をやっておりまして、九回ほど会議が進められておりますが、残念ながらまだ検討の結論を得ておりません。精力的に詰めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 これは文部大臣、この身障者の関係はいろいろ社会的問題があるから、なかなかデリケートであるということは私もわかっています。だけれども、文部省は、ずいぶんこれは長い間なんでね。片や国鉄けしからぬ、けしからぬと文部の皆さんが旗を振っておって、自分のところに火の粉がかかってくると、ちょっと、ちょっとと五十四年から今日まで二年間ですよ。もう少し誠意を持っていつまでに決める、来年度なら来年度予算の段階までには決める、そういうことを約束できませんか。
○国務大臣(田中龍夫君) 本件は御案内のとおり、学生定期割引の問題でございます。御承知のとおりに、いまやなかなかゼロシーリング、さらに今後の見通しから申しまして、父兄負担の問題も十分考えなければならない諸般の情勢もございます。閣議の了解の線に沿いまして努力はいたしますが、ただいま先生のお話のごとく幾日幾日ということをここで明言するに至らないところは、まことに残念でございます。
○目黒今朝次郎君 自分が実行しない以上は、あなたは国鉄問題についてとやかく言う資格はありませんな。まず自分の問題を処理してから国鉄問題に文句つけてください。もうこれ以上言いません。 それから運輸大臣にお伺いいたします。 あなたは十一月七日、行革のテレビ放送で、私、北海道で見たのですが、いわゆる民社党の国鉄労使関係の問題の質問で、処分闘争、処分闘争を繰り返さないために、強いロックアウトも含めて公労法の改正が必要だと。なかなか勇気ある発言だと思うのでありますが、これは社会党を含め野党四党で、条件づきスト権と当事者能力という点で公労法の改正についても申し入れておるのですが、これは一運輸大臣の発言なのか、政府全体としてロックアウトも含む公労法の改正が必要だ、こういうふうに考えているのか。大臣発言ですから、国務大臣ですから内閣全体の発言だと、私はこう思うのでありますが、きょう労働大臣は来ているかな。来ていないな。国務大臣として御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 大臣として意見を求められましたので、私といたしましてはと、私の私見として申し上げたのでございますが、それは、現在公労法に基づきましてストは禁止されておること御承知のとおりであります。でございますけれども、現実にストの行為が行われておるということは事実でございます。これを防止するのには、ただ処分だけでは解決がつかないのではないか。要するにごく一部の人がストをやっておるのでございまして、他の人たちは非常にまじめに何とかして運転をしたいと言って職場についておる。けれども、国鉄というのは、鉄道というのは一部の部門がストをやりましたら、安全確保、それからダイヤの正常化ということから見まして、全部がやはりスト状態に入ってしまう。そういたしますと、この職場全体がストをやらないように全体の責任をやっぱりとってもらう、全体の責任においてそういうことをやらないようにということをわれわれは考えるべきではないか、私はそういうことの発想のもとから、一部でそういうものが行われるとするならば、もういっそのこと、国鉄の全事業所が一斉に運行を停止するというはっきりした措置をする。そのことはロックアウトということで対抗するということしかないのではないか、こういう趣旨を申し上げたということであります。
○目黒今朝次郎君 それは運輸大臣の個人の意見であって、政府全体の意見ではない、そういうことですな。しかし、そういう大事なものを——あなたはやっぱり大分認識が違っている。一部の組合一部の組合と言うが、国労、勤労で大体全国鉄の四分の三以上を占めているんですよ。ちょいちょい出てくる組合の方々は四万、五万もいないのかな。新幹線の運転士、それから国電の運転士、それから在来線の特急運転士というのは、ゼロとは言いませんが、大部分は国労、勤労の組合員が第一線で動いているのですから、あなたの一部一部というのは、そんなことをあなたとやる必要はないけれども、認識を少し変えてもらいたい。これはあなたの私見ならそれ以上言いません、あなたの私見ですから。 それから時間がありませんから、次に運政審の答申の問題でちょっとお伺いいたします。 七月の六日、運政審の答申があったのですが、二つだけ聞きます。一つは、運輸大臣、これは運政審の答申をどういうふうに今後実行する考えなのか、まずあなたの基本的な考えを聞きたい、こう思うんです。
○国務大臣(塩川正十郎君) 運政審の過去の経緯を申しまして、四十六年に出ました運政審の答申は、要するに七〇年代に、対応する運輸行政全般について、この精神は何かと申しましたら、それぞれの交通機関がその交通機関の特性を発揮しつつ自由に発展さす方がいいという、大方概略を申しましたらそういう趣旨でございました。しかし今日、八〇年代を見通しますと、それらのそれぞれの交通機関がいわば自由ほうだいに拡張していったのでは、省エネルギーの面あるいは国民経済の面からいってロスが多い。したがって、八〇年代においては、それぞれの交通機関の特性をつかまえて、その特性は思い切り発揮さすべきであるが、それぞれの交通機関の相互間における活用については有機的な連携をとり、あるいは量においては調整をするという趣旨を踏んまえてこれからの運輸行政を実施しなさい、こういう趣旨でございまして、私たち八〇年代におきましては、その趣旨を踏んまえ、各交通機関間の調整をとりながら、その交通機関を使うのが一番効率的であるという交通機関、それに重点を置いた政策を執行していきたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 経済企画庁にお伺いしますが、これは前回の際には、政府部内に臨時総合交通問題閣僚協議会というものを設置して、陸海空はもちろんのこと、道路、産業構造、財政、こういうものを全般的にやれというような取り扱いを閣議で行ったんですね。いまの運輸大臣の答弁はそれなりにわかりますが、これは単に運輸省の問題としていくのか、あるいは政府全体のものとしていくのか。四十六年と同じ取り扱いをしてもらいたいと思うのですが、河本長官の見解を聞きたい、こう思うんです。
○国務大臣(河本敏夫君) まだ政府部内で最終の結論出ておりませんが、これから相談をする課題だと思います。
○目黒今朝次郎君 では、それは要望しておきます。 それから運輸大臣、一つだけこの件、これは分厚いものですから、なかなか議論のあるところだと思うのですが、ただ、われわれがいままで公共交通を大事にする、こういう議論をしてきたことから見ますと、この答申は、全国を地方中枢都市、中核都市、中心都市、中小都市と四つの部門に分けて、それで中核都市、約二十万人以下の都市に鉄道からバスヘ、バスからタクシー、タクシーからマイカーへと、どうもマイカーを、省エネルギーの何とかというあれでしょうが、マイカーに視点を合わせた交通秩序の再編成という点が非常に大きく出ているんですよ。 これは従来の、先ほどの国鉄の問題じゃありませんが、従来の公共交通なりタクシー、バスの問題を議論した経緯、並びにこの前十一月五日の運輸委員会における沖縄の問題で、自民党の梶原先生が、いわゆる沖縄のハイ・タクの問題、軽自動車の問題について質問して、それで政府側、警察とそれから自動車局長かな、あの日答弁したね。いわゆる従来の白タク、白トラック、これの代行運転に当たる類似行為、これは認めるわけにいかぬ、規制していきますという御答弁をあなたにかわってしたわけですよ。その点からいくと、このマイカーの問題だけは、われわれが中心になった、いつですかな、七八年の自民党も含めた中央交通政策の六党共同提案にも抵触する部分があると思うのです。ですから、これについては再考慮をしてもらいたい、できれば答申の中身から外してもらいたい、こう思うのですが、御見解を聞きたい。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今回の運政審の答申の中に、自家用自動車による交通を見直せということがあることは事実でございます。しかし、誤解があっては困りますと思いますのは、そのことが直ちに自家用自動車を公共交通機関として認めろ、そういう趣旨ではないということでございます。答申の中にございますのは、全交通量を見た場合に、自家用自動車の占める部分が大きくなってきた。であるとするならば、自家用自動車の運行ということ、これの交通に占める活動というものを無視して交通政策は考えられないのではないか。であるから、特定の地域等においては、この自家用自動車というものの活用をむしろ積極的にやったらどうだ、こういう趣旨でございます。 でございますから、その趣旨をちょっとまあ感じとして見ますならば、自家用車をもっと公共交通に使ったらという解釈ができるかもわかりませんが、私たちはそのような解釈はしておりません。そうではなくして、どうしても公共交通機関で維持のできないような地域、そういう特定なところ、そういうところについては自家用自動車のボランティアというものを考えたらと、こういう考えでございまして、私たちは自家用車を、再度申しますが、直ちにそのものを公共交通機関と認める、そういうことはいたしておりません。でございますから、そういう自家用車であって、現に公共交通的に使っておる白トラあるいは白タク、こういうものに対する取り締まりというものは、現に厳格にやっておるところでございます。でございますから、答申を取り消すということは私は必要ないと思っております。
○目黒今朝次郎君 まだ運輸委員会で運政審の議論を十分していませんから、誤解の面もあると思いますが、私は仮にマイカーをタクシーの類似行為にやるということになりますと、賠償問題とかそういうことを含めて多くの問題があると思うのです。現在の道交法、道路運送法が一体何のためにあるのかということにも返ってきますから、その点は今後議論します。ただいま大臣の言ったことはそれなりに受けとめておきます。 最後に、自賠責再保険の事務費国庫負担の問題ですね。これは政府の関係では、このほかに農業共済再保険とか漁船再保険とか漁業共済保険とか、こういうふうにいろいろあるわけですが、私はなぜ自賠責再保険だけがねらわれたのかなと、こう疑問を持っているのですが、逆に言えば運用益が、大分金がある。五十五年度で七百十一億ですか、それから五十六年度見込みで約六百三十七億、こういう運用益がある。金がないのじゃないのだから貸してくれと、こういう趣旨だと思うのですがね。 ただ、私はこの問題で二つだけ、時間がありませんから二つだけ申し上げます。 一つは、このあれがいろんな団体に補助金とか助成を出しているんですな。十七団体、もう時間がありませんから名前は言いません。全部資料をもらいました。十七団体がもらっておりまして、これはやっぱり問題じゃないかと私は思うんです。五十五年度は十一億二千七百、五十四年度が十二億、五十三年が十三億、五十六年十七億、この団体名を見ますと、何で運用益から助成するのかなと疑問に思う団体もあるわけです。したがって私は基本的にはやるべきでないと思うのですが、一遍にできませんから、この補助金の問題については政府の責任で再度洗い直してもらいたい。そして国会に、運輸委員会でも結構ですから、しかるべきところに報告してもらいたい、これが一つ。 二番目は、何か聞くところによると、来年の予算で大都市交通施設整備費貸付金九十億、踏切保安施設整備費補助金三十億、これを来年度予算でこの運用益から出すという話があるのですが、これなどは私は言語道断だと、こう思うんです。踏切とかこういうものについては道路整備特別会計から出すのが当然じゃないでしょうか。したがって私は、自賠法は国がその加入を義務づけている強制保険でありますから、その経理は、営利目的を排して適正原価主義に基づいて保険金の支払いをやっているわけでありますから、こういう剰余金があれば、むしろ保険料の値下げとか被保険者の方に還元する、還流するという方に使うのがこの保険の本質ではなかろうか、こう思いますので、補助金に使ったり、道路の踏切に使ったりするのは邪道だと、こう思いますので、これに対する見解とその取り扱いを聞きまして、時間が参りましたから私の質問を終わります。 明確に、いい答弁をしてください。再答弁をしないように。
○国務大臣(塩川正十郎君) では簡単に、率直にお答えいたします。 補助金の見直しの問題でございますが、これは現在われわれ、交通事故から起こってきたものあるいは交通事故の防止のために、最小限しぼりましてやっておるのでございますが、十分に検討いたしたいと思います。そして、もしそういう見直すところがあるとするならば、是正いたすようにいたしたいと思っております。 それから、踏切保安等に対する助成金を出しておるのはけしからぬというお話でございますが、しかしこれは、いわばマイカーを守るというのがこの保険の趣旨でございますし、その意味から申しますと、やはり事故の一番集中いたしますのは無人踏切であるとか、そういう踏切事故が圧倒的に多い現状でございますので、そういう事故が起こらない予防措置をとるためにこの補助金を出すとしたのでございますが、当然それは道路会計等で行うべきであるという御趣旨、よくわかります。よく承知いたしておりますが、ただそれのみに頼っておっては十分な、交通安全対策特別委員会で決められたその施策が実施できないので、われわれも一助をいたし、それによって促進いたしたいという気持ちからやっておるのでございまして、御了解いただきたいと思うのであります。 三番目には、それだけ余裕があるならば保険料を切り下げろというお話でございますが、この自賠責の保険は短期保険でございますので、そのときのいわゆる保険収入と事故率というものを見定めてつくっておるものでございまして、たまたま余剰金があって、その余剰金を運用する益金、この益金の中から現在そういう踏切助成であるとかあるいは補助金を支出しておるのでございます。でございますから、この保険が短期保険で、現在の需給のバランスを見た上で決定されておるものでございますから、これを直ちに切り下げるというようなことにいたしました場合に、この保険料が非常に変動するということになってまいりますしいたしますので、われわれは保険料をいま切り下げるということは考えておりません。
○目黒今朝次郎君 委員長、一点だけ。
○委員長(玉置和郎君) もう時間です、目黒さん。
○目黒今朝次郎君 大臣、それは要望ですから。 私は行革の長官にお願いしますが、関西新空港とか審議会の問題については時間がありませんから申しません。ただ、やっぱり第一次答申の意見を十分加味して、車検問題を含めてやってもらいたい。これは答弁は要りません。要望して終わります。
○委員長(玉置和郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 —————・————— 午後一時開会 〔行財政改革に関する特別委員長玉置和郎 君委員長席に着く〕
○委員長(玉置和郎君) ただいまから連合審査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。中野鉄造君。
○中野鉄造君 私は、まず初めに農政に対する行革の基本方針についてお尋ねいたしますが、わが党は行革を進めることについては基本的に賛成であり、また、私もその立場からお尋ねいたしたいと思います。 しかし、ただ農業の特殊性、とりわけ日本農業の持つ特殊性ないしは食糧農業政策の中長期ビジョンを明確にした上で行革についても考慮していかなければ、これは角をためて牛を殺すというような結果になりはしないか、こういうことを懸念するわけでございますので、その点からわが国農業の特殊性と中長期ビジョンをどのように御理解されているのか、まず大臣、そして行管庁にお尋ねいたします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農業は食糧の安定的供給、健全な地域社会の形成、国土自然環境の保全など、国民経済の発展と国民生活の安定のために大きな役割りを果たしておるわけであります。また、農業は生産に相当期間を要すること、天然自然条件に左右されやすいことなどの特殊性を有しておりまして、加えて、特にわが国の場合は、規模の小さい多数の経営によってその生産が行われ、生活が行われておるという特質を持っております。 今後の農政の展開につきましては、このようなわが国農業の特質に十分配慮をいたしながら、その有する役割りが着実に果たされるように、昨年十月に農政審議会から答申のありました「八〇年代の農政の基本方向」、さらに昨年の十一月に閣議決定をされました生産と需要の長期見通し、これは六十五年度を目標としてつくられておるわけでありますが、この長期見通しを踏まえながら、長期的展望に立って食糧の安定供給と安全保障、生産性の向上、活力ある地域社会としての農村の建設等を基本として推進してまいりたいと考えておるわけであります。 また一方、行政改革はこれまた現下の重要な課題であることは御指摘のとおりでございますし、政府を挙げてその推進に取り組んでいるところでありますけれども、農林水産省としても農政の着実な推進に配慮しつつ、簡素で効率的な行政の展開に努めていく所存でございます。 特に申し上げておきたいと思いますことは、やはり年に一遍しか資金の回転ができないというような点が日本農業の特色でございますので、時間がかかる、急いで角をためて牛を殺すというようなことにならぬようにしていかにゃいかぬ、御指摘のとおりと考えます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 農林大臣と同じでありますが、いま臨調におきましても、食糧問題という面で特に項目を設けまして、そのビジョンも兼ねて検討しておるところでございます。
○中野鉄造君 いま農水大臣から御答弁がありましたけれども、これはきわめて日本農業の特殊性を羅列されたような感じがいたしまして、非常に他の産業と違って長期を見通していくということは困難であるというお答えでございましたけれども、私は西暦二〇〇〇年、つまりこれから二十年先の世界の食糧需給というものを均衡に保つためには、やはりアメリカの食糧生産が現在の何割増しぐらい要求されることになるかという、そのほとんどをアメリカに依存しているわが国としてはそうした米国の現状と、そしてまた二十年先、あるいは十年先でも、そういったようなものも見比べながら長期ビジョンというものを立てていくべきじゃないか、こう思うわけです。 それでお尋ねいたしますけれども、いま申しましたように、アメリカの食糧生産が現在の何割増しぐらいを要求されることになると思っておられるのか。またその時点、すなわち二十年先におけるわが国の食糧輸入量を政府はどの程度見込んでおられるのか。二十年先が無理であるならば、せめて十年先くらいの見通しをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○政府委員(佐野宏哉君) 昨年、アメリカ政府が発表いたしました「西暦二〇〇〇年の地球」という研究報告がございますが、この報告によりますと、西暦二〇〇〇年で、世界の穀物の需給関係は二十一億ないし二十二億トンということでおおよそ均衡がとれる。ただ、そうは申しましても、発展途上国及び計画経済圏では六千九百万トンないし九千二百万トン程度不足があって、一方、先進国では六千八百万ないし九千百万トン程度の余剰があって、それで全体がバランスをとれるということを見通しております。 アメリカの穀物生産についてでございますが、この研究報告の基準年次になっております一九七三年から七五年の平均が二億二千九百万トンでございますが、これが二〇〇〇年には四億二百万トンないし四億一千六百万トン、年平均の伸び率が二・二ないし二・三ということで、ちょうど基準年次の一・八倍見当になりますが、そのような形で、グローバルに見れば需給がバランスをとれるという想定をいたしております。
○中野鉄造君 日本の輸入量は。
○政府委員(佐野宏哉君) この調査報告の推定をしております日本の要輸入量は、二〇〇〇年におきまして四千二百万トンないし四千五百万トンの穀物の輸入量ということを見通しております。
○中野鉄造君 いま輸入量四千二百万トンということをおっしゃいましたけれども、これは大豆を含めた穀物の総輸入量、こう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 大豆は除かれておるはずでございます。
○中野鉄造君 いずれにいたしましても、そうすると現在のわが国の米の生産量の、これは数倍に相当する驚くべき事態をその時点で招くわけですけれども、先ほどから申し上げておりますように、今日わが国がこれほど海外に食糧を依存しておりながら、アメリカでさえも、先ほど答弁がありましたように、西暦二〇〇〇年ということを想定してのいろいろな見通しを立てておるわけなんですから、海外依存度の強いわが国としても、いま少しこれは明確な見通しを持つべきじゃないか。そうでないと、これは無責任のそしりを免れないと思うのですが、農相、いかがでしょう。
○国務大臣(亀岡高夫君) それにつきまして、先ほどお答えいたしましたとおり、農業基本法によります生産と需要の見通しを十一月に閣議決定をして、政策立案の基礎にいたしておる、こういうことでございます。
○中野鉄造君 これはもう早くそうした長期見通しを立てないと、本当に大変なことになるのじゃないかと思います。 現在、アメリカ農業というものが、御承知とは思いますが、いまでこそ世界のパンかごと言われるような存在でありますけれども、一面、これは大変な病根を抱いているということも言われております。現在アメリカは、わが国に対して相当な農産物の輸出攻勢に出ているわけですけれども、アメリカの土地というものが非常に荒廃を続けておる、あるいはエロージョン現象によって砂漠化が進んでいる、そういうようなことも言われておりますし、国土の環境保全の上からも、アメリカのこうした現況は無視できない事態を迎えつつあるわけでございます。そのようなことから、今後アメリカは環境保全に留意するという立場から食糧生産を規制するといった、こういう抑制策を将来打ち出すのではないかというような見方さえあるわけですけれども、このことについては楽観論、悲観論といろいろありましょうが、アメリカの食糧供給能力の低下、こういう問題は即わが国を初め世界の食糧事情にも余りにも大きな影響をもたらすだけに、このことについては農水大臣はどういう予測を立てておられますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり「西暦二〇〇〇年の地球」の中において、アメリカは米穀の生産環境の悪化の例として、土壌浸食による表土属の流失という問題を取り上げております。これはもう畑作の宿命とも言うべき問題でございます。次いで土壌の塩類集積し酸化をしてまいるということ、さらには土壌の団粒構造の消失、からんからんになって固まってしまうという問題等が実は報告されておるわけであります。しかし現在までのところ、こうした生産環境の悪化による生産への直接の悪影響が表面化しておるというようなことの報告は、いままでにまだ一度もなされておらないわけでありまして、この問題につきましては長期的な視野に立って判断をしていく必要がある、こう考えております。したがいまして、現段階で直ちに結論を出していくということはできない問題である、こう考えておりまするし、さらに、これの防止対策もアメリカとしては十分考えておるところでありますので、この点についても今後の長期的な展開を見守るということが大事であると考えております。 いずれにいたしましても、生産環境の悪化ということは、これはもう何もアメリカだけじゃなく、日本においてもある問題でありまするから、長期的に観望いたしまして、世界の穀物生産に悪影響を及ぼすことのないように研究を続けてまいらなければならない、こう考えております。日本の場合には、この前も申し上げましたが、水田耕作体系というものは、そういう意味において表土の流失も防止できまするし、しかも表土の団粒構造の消失なんという問題もない、こういうことでありますので、この水田による穀物生産の体系というものをやはり大事にしていかなければならぬのではないかとさえ考えております。
○中野鉄造君 いまお話があったように、アメリカではかなりこのエロージョン現象というものが進んでいるようですけれども、これは自然現象の中の一つとも言えなくもないような大変な事態でして、いろいろ防止策をアメリカとしても考えているとはいったものの、なかなかこれは前途は多事多難であろうと思います。そういうところにもってきて、わが国としては、いまおっしゃったように、確かに水田の持つその効用というものは、はかり知れないものがありますけれども、この水田の効用が往々にして非常に見落とされがちであります。 それはそれといたしまして、先月の十月二日、第二臨調に対して農水省はヒヤリングを行っておりますけれども、こうした世界の食糧状況、そして、いまわが国の置かれている日本農業の立場をどのように説明されたのか、簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(角道謙一君) 現在、日本農業の将来につきましては、私ども、穀物需給あるいは全体の構造としてすでに公表はいたしておりますけれども、その中におきまして農業経営をどうするか、あるいは経営人数はどうなるかということにつきましては、地域地域によって非常に作目その他が違いますので、現在、農政審議会等におきまして専門委員会で検討いたしているところでございます。でき得る限り早い時期に、将来展望を具体的な姿で経営類型というかっこうで公表いたしたい、そういうように考えている次第でございます。
○中野鉄造君 いまお聞きのように、もうきわめて、ただ単にその皮相的なことだけしか御説明になってないような気がいたします。 この第二臨調に対するヒヤリングを行った際、「農政の課題と展開方向」というこのB4判の七十一ページに及ぶこれだけの資料を見ましても、この中の中身において多少なりとも先ほどから申し上げておりますような具体的な事例を指摘して、説明を加えておるというようなところが見当たりません。ちなみに、このことについて該当すると思われるような表現は、ほんのこの資料の五ページの中に「既耕地のかい廃の進展と開発可能地の減少」という、ただこれだけの話句で説明されているだけでございまして、この「既耕地のかい廃の進展」、これはこの「かい廃」という中には、都市化によって耕地がつぶされていくということも含まれるでありましょうし、これはあんまり私は明確な表現ではないと思うのですし、またその七ページ目には「我が国への食料供給に支障を及ぼす事態の想定」として四つの想定が紹介されておりますけれども、この中でもこの問題を浮き彫りにすることなく、ただ港湾ストだとか、そういったような非常に短絡的な事例を挙げてあるにすぎないわけですけれども、まあ危機感をあおるというようなことはいかがかと思いますけれども、もっと現実性のある、いまから十年先、二十年先にはもう必ず起こってくるであろうことを、もっと端的に説明する必要があったのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 非常にむずかしい問題でありまして、実はそういう点につきましても、十年の長期見通しを何回か立てたわけでありますけれども、それすらなかなか思うとおりに実施が進まないというようなことで、この十年の長期見通しも十年間ぴたりと実行した例がないわけでございまして、六年か七年、あるいは五年くらいでさらに改定をするというような例を繰り返してきておるわけであります。 したがいまして、それだけにむずかしい問題であるということと、やはりこれはもう永遠の問題でもありますので、本当に遠い展望に立った大きな道筋というものをきちんと確立をしておくということも大変大事なわけでありますけれども、それを、それじゃだれが責任を持って確立をしていくかということになりますと、法律による十年の長期見通しさえもなかなか容易にできないという事態から判断いたしまして、非常にこれはむずかしい問題である。しかし、ほってはおけないということで農政審議会等にお願いをして、安全保障、食糧安保の問題、さらには国家が異常のときという事態はどういう事態が想定されるのかといったような問題等の掘り下げにつきましても、これは農林水産省だけの判断でもそのことは容易なことではございませんために、いまのところ検討をいたしておる最中である、こういうことでございます。
○中野鉄造君 古来より、農は国の基なりということが言われておりますように、これはもう本当に農業というものは、これは国の根幹をなすものであると私は認識いたしております。いま大臣が御答弁になりましたように、本当にむずかしい長期的な問題ではありましょうけれども。ひとつせっかく前向きに取り組んでいただきたいと思います。 〔委員長退席、行財政に関する特別委員会 理事嶋崎均君着席〕 時間の都合もありますので、次に補助金についてお尋ねいたしますが、この補助金問題については、もういままで数名の方々から再々質問が出されておりますけれども、私は少し違った点からお尋ねしたいと思います。 この補助事業についての私の基本的な考え方というのは、基盤整備など農業の最も基礎的条件整備のためには、これは思い切った財政配分を行うべきじゃないか、こう思います。他の補助事業は、これはまあ内容によっては可能な限り整備することもやむを得ないだろう。できれば交付金や超長期、超低利の融資に切りかえていく。それでもなお必要な公共性の強い補助事業については、統合メニュー化を図ったり、地域の特性に合わせた施策が講ぜられるようにすべきじゃないか、こう思うのです。 しかし、こうした基本的な考え方はさておきまして、結論から言えば、この補助事業を実施する場合に、今日の補助事業を見てみますと、非常に地元の農民の方々の意思というものが反映されていないという向きが、これは再々指摘されている。そのとおりでございまして、ですから、その補助事業の計画策定と施行の際に受益者の意見を十分反映させてやるべきじゃないか。また、場合によってはこの計画策定と施行に受益者も直接参加させてはどうか、そういう考え方を推し進めていくべきじゃないかと私は思うわけです。 そこで、受益者も直接参加できる道を開いていくということは、現実的にはそう困難なことじゃないと私は思うわけです。そうすることが補助事業の内容の質的な向上にもなるし、また人間関係にまで思わぬ効果をもたらすというような事例をいろいろな出版物で見受けるわけですけれども、それと同時にまた、そうしたものの効果の一つに事業経費がかなり削減される、また、地域の人が一緒になってやるだけに愛着心というようなものもありますし、同じ業者に対するいろいろな作業の中でも監視機能まで果たすということにも役立つのじゃないか、こう思うわけです。こういうことで受益者の負担を軽減させ、また財政のむだを省いたり、行財政上からもこれは大きな意味のあることと考えるわけですけれども、政府は補助事業の計画策定と施行に際して、いま私が申し上げましたような受益者の意見を今後より一層反映させていく、あるいは場合によっては受益者を直接参加させていくという考え方について、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 基盤整備に対する補助金について御指摘があったわけでありますが、中野委員と私ども同じ考えをとっておりまして、基盤整備に対する補助、これはもう本当に農民の力だけではどうにもなりませんので、やはりこれは農業生産を上げる精密工場である、ある意味においては農作物をつくる精密工場である。その内容をよくしてやって、そうして生産性の高い農業が展開できるように基礎をきちんとしてやるということについては、私ども中野委員仰せのとおりの考え方で進めておるわけでございます。 その際に、受益者の意向を十分反映するようにということは、これはもちろんのことでございまして、市町村あるいは県、あるいは土地改良組合あるいは農業法人等々あるいは農業協同組合等と、自分たちの住んでいる地域の農業生産体系をどのように持っていくかということについては、やはりその地域地域の特性を生かすために十分圃場整備をやる際にも各部落ごとに懇談会が持たれ、そうしてその懇談会の意向が、部落、集落が市町村になり、市町村が県の段階まで上がって、そうして県営事業となり、また二県にまたがるような国営事業となって基盤整備事業が行われてきておるわけでありまするから、いわゆる補助申請書をつくるまでの間に、私どもとしてはその受益者の意向が農水省の段階に上がってくるまでに相当反映しているものと、こう見ておるわけであります。しかし、それを実施する際に当たりましても、計画と実施の間にみそのないような、またその間に受益者の意向を十分これまた反映するような方策も十分考えなけりゃいかぬという御指摘でございますが、それらの点については農政局ごとに今後いろいろ検討させていただきたい、こう思います。 同時に、その他の補助事業でございますが、基盤整備以外の補助事業といたしましても、その事業に農家の諸君がほとんど全員で共同の仕事をしていこうという、一つの共同化をするための補助等もございまするし、奨励的な補助もあるわけでございまするし、それらの件につきましては、今回その関係者の意向が反映できるように、メニュー方式とか総合方式とか、自分たちの地域を開発していくにはどういう方向、手法でやったら一番いいかということがそれらの地域ごとに計画することができるように、計画した際にどういう補助金がそろっているのかということを点検して、それからピックアップして組み合わせていくというようなことができるようにということで、来年度要求は非常に思い切った試みと措置をとった次第でございます。
○中野鉄造君 いま大臣も御答弁されましたけれども、過日のこの委員会においても、補助金の全国画一化のもたらす弊害というものについて、渡辺大蔵大臣もまた農水大臣もいろいろな例をみずから挙げて認められましたけれども、確かにいまおっしゃったように、農水省のお役人の方々が、地域の実情を考慮してりっぱな基準を策定しようと真剣に取り組んでおられることは私も認めますけれども、どんなに霞が関でりっぱな基準をつくったとしてみても、これは地方におろして見れば地域の物差しになかなか合わない、またそのように地域性、多様性を持っているのが農業じゃないかと私は思います。 しかし、現実に補助金が地域におりてきた場合に、これは国の方針であり絶対的なものだというような、そういう表現はないにしても、暗黙のうちにそういう形で受益者の人たちは無理に納得させられる、と言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、結果的にはそういうようなことになってしまうわけなんです。そして、これがきわまるところは、受益者であるべきはずが負担のみが多くなって、受益者じゃなくてむしろ被害者的な結果になってしまう、こういうようなわけでありますので、この打開策として、先ほどから申し上げておりますとおりに、計画策定と施行に際して、仮に受益者が中央からおろされた補助事業の基準について変更を求めた場合、その旨をまた中央ヘフィードバックさせて再検討できるというシステムを確立するため、このフィードバック方式を法令等の上で明文化するあるいは明定するといった措置を講ずべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) やっぱり大きな計画変更というような事態も、今日までも各所で実は経験をいたしておるわけでございます。それにつきましては、新たな年度で予算を要求する際に、計画変更をそれぞれの事業ごとに審査をいたしまして、そうしてその事業変更の要請が適切なものであり、学問的にもあらゆる点から検討して、いままでの計画よりもより実情に合ったものであるという判断ができます際には、ちゃんと計画変更を認めて実施をしておるということでございまして、私はいまの情勢のままで、あえて立法化しなくとも行政指導で十分できるものではないか、こう考えておりますが、なお検討をいたしたいと思います。
○中野鉄造君 先ほどから私の提案と申しますか、考えをいろいろ申し上げておりますが、この臨調の第一次答申や政府の補助金の整理統合に関する一連の決定方針の中にも全然これは盛り込まれていないようにお見受けいたしますけれども、こういう私が言ったような考え方を今後の行革に対する政府方針の中にも明確にしていくべきじゃないかと思いますが、簡単で結構ですから、農相それから大蔵大臣、行管庁長官、ひとつお願いいたします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 受益者の希望、受益者のために十二分になるということが仕事をやる目的でございますので、そういう点、先生の幾つかの御提案、わが省としても十分に検討をさせていただきたい、こう思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 補助金制度は、大変いい面も政策誘導上あるわけですが、ややもすると過剰投資の促進剤になりかねない。ドイツでは失敗した例がたくさんあります。したがって、ドイツでは補助金制度をやめてだんだん融資に切りかえてきたという歴史もありますから、非常に参考になるところが多い。したがって、先生の意見もそういう点からわれわれは検討しなければならぬと思っておりますし、それから補助金の繁雑さ、それから実情に合わないというようなことで、補助金をもらえるからやっちまうというようなこともいけないので、これは各省庁等においてももっと簡素化、効率化、それからメニュー化等は極力推し進めるように指導してまいるつもりであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣が申し上げたとおりであります。
○中野鉄造君 では次に、公益法人についてお尋ねいたしますが、これまで特殊法人については行革論議の中でも具体的に論議されておりますけれども、この公益法人については今回は余り論じられておりませんので、私はこの公益法人について、農林水産省所管の公益法人を例にとって若干触れてみたい、こう思います。 まず、農水省にお伺いいたしますが、現在、農林水産省所管の公益法人は、社団法人及び財団法人別々にそれぞれ幾つございますか。
○政府委員(角道謙一君) お答え申し上げます。昭和五十六年一月一日現在におきまして、農林水産省所管の社団法人は二百九十八法人、財団法人は百六十一法人、合計いたしまして四百五十九法人でございます。
○中野鉄造君 その中で、いまお答えがありました五十六年度においては、補助金とかあるいは委託費とか交付金といった形で、農水省の予算は幾つの法人に対してどの程度交付されたか、わかりますか。
○政府委員(角道謙一君) 補助金を受けることになっております法人、これは五十六年度でございますが、六十五法人、補助金等の総額は三百二十億円でございます。また、委託費を受けることになっております法人の数は四十八法人、その総額は十九億円でございます。 ただ、この補助金六十五、委託費四十八と申し上げましたが、この中には両方受ける法人もございますので、ダブっておりますのが十八法人ございまして、これを除きますと、実数といたしましては九十五法人でございます。
○中野鉄造君 次に、この公益法人の役員の数についてお尋ねいたしますけれども、社団法人は原則が会員制といったたてまえもございますので、役員の数が多くなりがちであるということは、これはわかります。だからといって、これも必要以上に多いのは問題ではないかと思いますが、同時に、この点については縮小のために努力も払うべき点もあろうかと思います。したがって私は、ここではとりあえず社団法人ではなくて財団法人の場合にしぼってお尋ねいたしますが、五十六年度において、いまお答えがありました補助金とか委託費を受けている財団法人は幾つありますか。これが第一点。そして、その中で役員の数が十人以上の法人が幾つあるのか、十五人以上の法人が幾つあるか、二十人以上の法人が幾つあるか、この三段階に分けて、できればお願いします。
○政府委員(角道謙一君) お答えを申し上げます。 五十六年度におきまして、補助金または委託費を受けることになっております財団法人は三十五法人でございます。 いま御質問のございました役員数に応じました財団法人の数は、役員が十名以上十五名未満が十一法人、役員が十五名以上二十名未満が十法人、役員が二十名以上が十法人でございます。これらの法人につきましては、基本財産の出捐者が多数に上ります場合、その運営に参画をするという意味で出捐者の代表が理事になっている場合が多いと考えております。
○中野鉄造君 この公益法人について、往々にして巷間、持参金つきの天下りと、こういったようなことがよくうわさされ、批判される向きもありますけれども、その真偽はともかくとして、農林水産省を退職して公益法人へ役員として就任している実態というものはどうなっておりますか。
○政府委員(角道謙一君) ただいまお尋ねのございました、農林水産省を退職いたしまして直接公益法人の役員に就職した者は、五十五年十月一日現在で二百九十九名でございます。公益法人の役員の総数は八千九百五十名、うち二百九十九名が直接公益法人に農林水産省から就職した者でございます。
○中野鉄造君 ただいまお答えのあった役員の数というのは、農水省をやめてそのまますぐさま公益法人の役員として就任した、そういう数だけであって、農水省をやめて、そして一たん別の民間会社なりどこかに就職というかそういうものをして、そしてその後この公益法人の役員になっておられる、そういう方の数は入っておりませんね。
○政府委員(角道謙一君) お尋ねのとおり、その実態については私ども詳細に把握をしておりませんので、ただいまの数には含まれておりません。
○中野鉄造君 いま把握していないとおっしゃいましたけれども、退職後公益法人以外の会社に一たん就職をして、その後公益法人に役員として就任されている数まで合計いたしますと、これは膨大な数になるはずだと私は思います。現在財団法人の中の役員数だけで二千二百七十九人、私の調査ではいるわけですから、いま言ったようなことを合わせると、この農水省出身の人たち、これはかなりその中にいらっしゃるはずなんです。その数については、実はこの質問通告の段階で聞いてみましたけれども、先ほど御答弁がありましたように早急には数を掌握できかねるということでありましたので、あえて私はここではお聞きしませんけれども、率直に言って、役員の数がちょっと多過ぎはしないか、こういう感じがいたします。役員がそれほど多く果たして必要なのか、こういった点を十分チェックしないままで国の補助金等を安易に交付するということは、これはいささか問題じゃないかと私は思いますし、農水省としては役員数の縮減について、これまでどういう取り組みをしてきたか。 私、ここに古い書類がありますけれども、昭和四十七年五月二十三日付の農林事務次官による、農林大臣の所管に属する公益法人の取扱方針についてという通達において、こういうことが書かれております。公益法人の理事の数は当該法人の実態から見て多過ぎないことというような内容が盛り込まれているわけです。いろいろな実態を見ましても、役員の数が五十人近いのに職員の数は二人だとか、あるいは三十人ぐらいの役員に対して職員は一人だとか二人だとか、そういうところがもう数多くあるわけなんですね。そういうことから見ても、常識的に言って、この理事の数は当該法人の実態から見て多過ぎないことというこの内容とはちょっと違ってくると思いますし、この通達ができてから今日まで、かれこれかなりの年数がたっておりますが、しかし、先ほどもお答えがあっておりますように、現在の役員数はほとんど変わっていない。ということは、大臣はこの現況の役員の数、こういうものを適正とお考えになっているのか。それと同時に、今後の具体的な方針を何かお持ちであれば、ひとつ聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 役員数につきましては、当該法人の事業量、構成団体の数などに照らして定められるべきものであるというふうに考えておりまして、一律に多いか少ないかを論ずることは適当ではないというふうに一応考えます。しかし、公益法人の役員数は固定したものではございません。事業量の増減等に応じ、絶えず見直しを行うべきものであると考えておりまして、わが省といたしましても、定期的な法人検査、事業報告書のチェック等を通じて、役員が多過ぎるというものについては、他の同種団体との比較の上から適正な水準に改めるようにというような指導を繰り返してきておるわけであります。 当省所管の公益法人の役員数は、昭和五十五年十月一日現在で平均約二十名であります。その数につきましては、当省関係公益法人の場合、役員の多くが生産者団体の代表者でありますとかあるいは流通業界の代表者等で構成されておりまして、当該公益法人の運営の公正を期するためにも、ある程度の人数というものを認めないわけにはいかないという面もあることを御理解いただきたいと思います。
○中野鉄造君 それは大臣よくわかりますけれども、あの通達の内容を見ましても、いま申し上げておりますように、役員の数は多過ぎないことだとか、あるいはその任期についてというところを見ますと、任期は余り長過ぎないこと、こういう表現で規定されているわけですね。そういうことじゃなしに、やはりこれはもう少し具体的な基準というか、年数だとか人数だとかというものもきちんと、漠然としたつかみどころのないようなことじゃなしに明確にすべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) こういう機会でもありますので、さらに厳密に検討を加えていきたいと考えます。
○中野鉄造君 次に、役員とは別に、現在農林水産省が掌握されております、先ほどから言われております公益法人の中での休眠法人、これは社団法人、財団法人も含めてどのくらいございますか。
○政府委員(角道謙一君) ただいまお尋ねの休眠法人でございますが、休眠法人につきましては明確な定義はございませんけれども、民法で定められております公益法人の設立許可の取り消し事由がございまして、それには、正当な事由がなく引き続き三年以工事業を行わないもの、こういうものについては監督官庁が法人の設立の許可の取り消しをできることになっております。これを一応の基準として見ますと、五十六年十一月一日現在で六法人、社団が四つ、財団が二つ、六法人でございます。
○中野鉄造君 いま民法でとおっしゃったのは、民法七十一条の中にあるところの、「正当ノ事由ナクシテ引続キ三年以上事業ヲ為サザルトキ」「主務官庁ハ其許可ヲ取消スコトヲ得」という、これをおっしゃったのだろうと思いますが、そうしますと、四百五十九の公益法人の中で、常勤職員がゼロのところ、あるいは一名しかいないところ、これは幾つございますか。
○政府委員(角道謙一君) ただいまお尋ねの、常勤職員のいない公益法人の数は、昭和五十五年十月一日現在で二十九法人、常勤職員数が一名である公益法人の数は五十一法人でございます。これらの多くは他の団体と兼務の職員、あるいは一部財政基盤が脆弱なために専任の者を置いていないというようなものもあると考えております。
○中野鉄造君 先ほどおっしゃったように、民法七十一条の解釈はいろいろあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、私の手元にあります名簿でもって抽出的に電話をいたしましても、全く電話は通じない。職員数は一人だとか二人だとかになっているからそこに電話をしますけれども、通じない。たまたまお留守だったかどうかわかりませんけれども、そういうところが七、八件ございました、全部かけているわけじゃございませんので。しかし、いずれにいたしましても、先ほどから申し上げておりますように、大臣が認可をした法人に間違いはないわけですので、農水省からの、職員がいない、あるいは一名しかいない、こういったようなことを聞きまして、確かにこれはかなりあるなと、休眠的な法人が。 それで大臣、事実上、私はこういうのはもう休眠法人と判断していいのではないかと考えますけれども、私がこうしつこく言うのは、これはいずれも補助金を受けやすい資格を保持しているわけでして、補助金交付団体としてのいわば予備軍的性格を有しているところだ、こう思うわけです。したがって、こういう点についてはもっと厳密にしていくべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほどもお答えいたしましたように、厳密に調査をいたしまして、御趣旨に沿っていきたいなという感じを持っております。 最近の状況を申し上げますと、昭和五十四年には十六も休眠法人があったわけでございますが、五十五年には五法人、五十六年に五法人、これを解散させたわけであります。したがいまして、先ほど申し上げたように、現在六法人。しかし私も、この状況を聞きまして、これはこのままにはほうっておけないな、御指摘のような考え方もできましょうし、やはり行政はいつもきちんと緊張して仕事をしなけりゃいかぬという立場から見ましても、このような状態は望ましいことではございませんので、法に定められたきちっとした仕事をしたものにのみその権限を与えていく、こういうふうに厳密に指導をしていきたい、こう考えております。
○中野鉄造君 では、もう時間も迫ってまいりましたので、次の質問に移ります。 長崎県の南部総合開発事業についてお尋ねいたしますけれども、この長崎県南部総合開発事業についてはこの数十年来の長い懸案事項でございまして、これが地元で紛糾をいまだに続けておる状態であることは御承知のとおりでございます。したがって、こういう地元の人たちの中には非常に反対が多い。これは長崎県内の事業であるとはいいながら、その影響は佐賀、熊本、福岡の沿岸漁民に及ぶわけでございまして、それだけに非常ないろいろな反対意見が多いわけなんですが、今後どういうような進め方をなさろうとしているのか、簡単にひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。 関係者の理解と合意の上に立って事業化は私どもも進めていかなければならないと思っております。いろいろな面がございますが、一つは、漁業関係者の反対の動向でございますが、湾内漁協については、十月までの時点で全体として同意がとられておりまして、現在、島原半島についての窓口を一本化しての話し合いが進められるという段階に来ております。 さらに、いま御指摘がございました佐賀県等有明海の実施区域外の漁業者の問題でございますが、実は私ども、長崎、佐賀、福岡、熊本の各県と九州の農政局で五者委員会というのをつくっておりまして、この五者委員会で去る八月に計画縮小案を提示しております。これは十分そういった地元の意向を頭に置いてぎりぎりのところで提示したものでございまして、これをベースにして今後調整を進めていきたいと思っております。なお、必要な環境保全等の問題については各種の調査や手続を進めておりますが、十分慎重に進めてまいりたいと思います。
○中野鉄造君 地元の反対者の意見もさることながら、そうした沿岸漁民として直接この事業に関係のない福岡、佐賀、長崎の県民の間にも、財政再建を目指しているいまの時期にどうしてこういう多額の経費を要する開発事業をやらなくちゃいけないかといったような、そういう素朴な疑問も確かにあるわけなんですけれども、それはさておくといたしまして、いま御答弁がありましたように、この五者会談を積極的に推進していこう、こう言われておりますが、現実にはこの五者が同じテーブルに着くことさえも拒否しているのが現況なんですね。こういう事態を踏まえて、いやだ、もう同じテーブルに着くのはいやだと言っている、そういうようないまの事態に対してどうなさるつもりですか。
○政府委員(森実孝郎君) 先ほどちょっと触れましたが、五者委員会は四県と九州農政局で構成しております。県がそれぞれの地元の意向を代表してお話をしていただくという前提で話を進めているわけでございます。先ほど申し上げました、かなり思い切った計画縮小案につきましては、非公式にはいろいろ各県からも御意向が出ておりますが、まだ御意見は出そろっている状況ではございません。私どもとしては十分、五者委員会で計画縮小案が了承されることがやはりこれから事業化を進める場合の前提であるという認識で話し合いを進めたいと思っておりまして、非公式にはいろいろな形でまた対案その他についても伺っている状況でございます。
○中野鉄造君 私いま、五者委員会が同じテーブルに着かないと言っているということを申しましたけれども、ちょっとそれは私の誤りでございまして、いわゆる五者のそれぞれの人たちの話し合いに漁民の人たちが応じないという意味のことを私申し上げたかったわけですけれども、確かにこれはどうするというような決め手がないようなお答えでございます。それで、その見通しとしてはどうなんですか、これは。
○政府委員(森実孝郎君) かなり微妙な段階に来ているというのが現在の姿だろうと思います。と申しますのは、先ほど申し上げました計画縮小案というものをどうやって関係県が評価してくださるかどうかという問題がございますし、またそれに関連していろいろな非公式な御提案もあるという状況でございます。 それからもう一つは、今日の状況では、先ほど申し上げましたように、湾内の直接埋め立てが行われる地区の漁協は全部合意が取りつけられ、補償取り決めのめどがついている。現在、隣接区域の島原半島の漁協について話し合いを窓口を一本化して行う態勢になっているということで、一応の進展を見ながらまだ決着はついていないというのが現状だろうと思いますので、私どももやはり地元の動向を十分注視して、あくまでも冒頭申し上げましたように、理解と協力の上に立って事業化を進めるという基本線で対処してまいりたいと思っているわけでございます。
○中野鉄造君 これはなかなか難問題であろうと思いますけれども、私も地元民の一人として、反対だとか賛成だとかということとは別に、これは本当にもっともっと農水省は積極的にこの解決の道を模索していただきたい、こう願うわけです。 最後に、時間もありません、もう一問だけ海上保安庁にお尋ねいたしますが、第七管区の管内で、五島の方の分室でございますけれども、今回の整理縮小によってこの分室が統合されるということを聞いておりますけれども、あの一帯は、私過去の農水委員会でも再々御質問申し上げましたけれども、非常にアワビの密漁が絶えないわけでして、これはいろいろな事務レベルのコンピューター導入だとかなんとかによって何を縮小削減するということと違って、こういう密漁監視体制というものはそういうわけにはいかないのですけれども、現実にはますます密漁はふえていっている。そういう時期に、片方そういう監視体制の方は縮小する。これは地元漁民としては何とも納得できない気がするわけなんですけれども、このことについては事あるごとに今後私、水産庁の方にも、また農水省の方にもただしていこうと思いますが、保安庁の方からひとつこの件について御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
○政府委員(妹尾弘人君) 海上保安庁といたしましては、海上における法令の遵守という観点から、密漁の取り締まりは鋭意行っているとこるでございます。 上五島の分室に関しましては、私ども全国に二十五カ所ほどのいわゆる分室というものを持っておりますけれども、私どもといたしましては、限られた定員、予算の中で、船艇、航空機をもってできるだけ効率的に運用していきたい、こういったような観点から一部の分室を整理するということもやむを得ないと考えておりますが、たとえその分室が整理いたされましても、より多くの船艇、航空機というものを配備することは可能でございますので、それを効率的に運用いたしまして今後とも漁業取り締まりは行ってまいりたい、かように考えております。
○中野鉄造君 終わります。
○委員長代理(嶋崎均君) 沓脱タケ子君。
○沓脱タケ子君 それでは、いま国民の行政改革についての期待は、行政の全分野からむだと浪費をなくして、利権や汚職腐敗を一掃するということが最も求められていることでございます。きょうは私は、むだの最たるものの一つとも言うべき不公正、乱脈な同和行政、同和対策事業についてお聞きをしていきたいと思います。今国会におきましては、北九州市における諸問題が集中的に出てまいっておりますが、私は大阪市の実例を用いて同和対策事業をお尋ねしたいと思います。 同特法が施行をされて十三年間、四十四年から五十五年までの十二年間の同和対策事業費というのは、国費負担額というのが一兆四千四百六十九億円、それから地方自治体の事業費総額というのが五兆一千億、重複部分を差し引きまして、純計といたしましては五兆三千億、これが実質事業費でございます。ずいぶん大変な経費がかけられているわけでございます。これを大阪市分で見てまいりますと、施設整備の事業費というのが二千四百四十八億七千七百万でございます。そのうちの国費は四十八億百万円でございます。 全体にわたってお聞きをする時間的な条件もございませんので、私はいわゆる同和対策事業用の先行取得用地というものを中心にして見てまいりたいと思うわけでございます。資料は差し上げて下さいますか。 同和対策用の先行取得用地を見てまいりますと、大阪市の場合には用地面積というのが六十三万七千三百七十九平米でございます。金額は九百五十四億六千万円になっております。そのうちいわゆる未利用地などと言われている遊休地が十八万六千平米。これは求めた総計の二九・二%、ざっと三割でございます。金額にいたしまして三百七十一億九千三百万。これは自治省、御確認をいただきましたか。
○政府委員(小林悦夫君) 先生おっしゃいますような同和対策事業分という資料はとってございませんが、四十八年以降、大阪市の土地開発公社、ここで取得いたしました面積は七十五万二千平米、一千二百三十二億六百万円でございます。また昭和五十五年度末現在の保有量、まあ未利用地でございますけれども、これは十三万七千平米、二百七十八億三千九百万円、これは合計取得量に対しまして一八・二%となっています。
○沓脱タケ子君 そうすると、自治省は土地開発公社ができてからの分を御調査いただいたのですね。 私がいま申し上げたのは、昭和四十四年同特法が発足以来の五十五年度末までの分を申し上げたわけでございます。ですから、基準が違うから数字が当然違うわけなんです。 さらに、この内訳を見てまいりますと、同和対策事業のうちで特にいわゆる民生事業、保育所だとかあるいは公衆浴場だとか、老人施設だとか、社会福祉施設だとか等の施設をつくるという名目で先行取得をされた大阪市民生局分を詳細に見てまいりますと、これはお手元に差し上げている資料にありますように、この遊休地というのが、たとえばひどいところでは、浪速というところでは先行取得用地の八二%が遊休地になっている。西成区というところでは九八%が遊休地、未利用地になっているわけでございます。全市平均では五一%になっています。これは数字が違うから自治省御確認をいただいても——違うんですか。数字が違いますか。これは大阪市の資料だから私は間違いないと思いますけれどもね。
○政府委員(小林悦夫君) 自治省といたしましては、公社の業務に関しまして、毎年度事業計画、また事業実績等についてヒヤリングを行っておりますが、地区別、またそのような目的別の調査はしてございません。
○沓脱タケ子君 つかんでないというわけだね。いま申し上げたように、たとえば浪速というところでは、先行取得用地の八二%が遊休地、未利用地なんです。西成では九八%が遊休地になっている。こういうことになると、一体町の様相というのはどういうことになるかということを御承知いただかなきゃならないと思うんです。 私は、この八二%の遊休地を持っている大阪市の浪速区、浪速区といったらどういうところかと言いますと、大阪の南という中心街ですね、それの隣の行政区なんです。この浪速区の未利用地を地図に入れてみたら、こういうふうになるんです。この地図全体は浪速区の地図です。赤で塗っているところが全部未利用地です。くしの歯が抜けたようになっているでしょう、ここらでもみんなね。小さいのがちょぼちょぼ、ちょぼちょぼと、こないになっているんですね。大阪市は、これを管理するために全部フェンスで囲ってある。ですから、町の中はどういう状態になっているかというと、こういうことになってフェンスで囲まれていますから、五年間で一五%くらい人口は減っている。夜になったらフェンスの道は真っ暗ですから、これは防犯上非常に物騒だ。第一、小商売人の文房具屋さんとか八百屋さんとか、住民がいなくなるのだから商売ができない。大変なことが起こっておって問題になっているわけでございます。 そこで建設大臣、こういう実態をごらんいただいて、私が申し上げたように、町づくりから言っても、都市機能から言いましても、防犯上から言いましても大変な状態になっているのだけれども、都市計画上どういう御見解をお持ちなのか、ちょっと見解だけ伺っておきたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたしますが、現地を全くまた存じ上げておりませんので、どのような計画をお立てするのが具体的によろしいかということについて案を持ち合わせておりませんが、政府委員の方から答弁させましょうか。
○沓脱タケ子君 政府委員も知らぬでしょう。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 ただいま御指摘の未利用地の量、あるいはその地区の状況等、私も詳細には承知いたしておりませんが、都市の形成上、やはり有効に使われ、いい町づくりができることが望ましいと考えております。
○沓脱タケ子君 そういう立場からこの図面を見て、どう思うかということを聞いているのですよ。何を言ってるんですか、答弁になってないじゃないの、そんなの。まあ時間が限られているから、建設省は答弁になってないことしか言わぬということをはっきりしておきましょう。 これは、これから予定の施設をたくさんつくる仕事の目的があるのかというと、この浪速区というところでは、すでにつくっている施設がどれだけあるかということをちょっと言いますと、解放会館が一つ、保育所が六つ、それから老人施設が三つ、共同浴場が六つ、共同作業所が四つ、小中学校が五つ、住宅が三百九十九戸、それから病院が一つ、青少年教育施設が一つ、それから販売施設が一つ。これは余り余ってきて、三年前に私、決算委員会で御指摘申し上げたのだけれども、浪速第六保育所というのはつぶしている。ですから、もうこれ以上つくる施設は大体必要ないという段階にきているわけでございます。 しかも、いま見せたような虫食いのいわゆる遊休地というのは、利用のしようがないわけですよ、実際。この利用のしようがないというのは、私ら素人が言っているだけではなくて、大阪市の幹部も、これは大阪の市議会の公式の席上でこう言っている、活用の余地が見つからないと言っている。これは昭和五十三年の三月二十日の財政総務委員会で言っているわけです。しかも、こういう用地の購入というのは、大阪市土地開発公社が資金を出して買うているわけです。私、おかしいなあと思ったのは、開発公社に当然、これは法律で定められているのだから、財産目録もなければいかぬでしょう、ところが、どこを買うているのかわからへんで金だけ出しているから、財産目録はないと言うのです。えらいことですよ。 それで自治大臣、この開発公社、これは自治大臣の所管になるらしいですね。この法律は建設省と自治省の共管なんだけれども、開発公社に対する監督権を持っているのは自治省らしいけれども、自治省はこの実態をつかんでいますか。
○政府委員(小林悦夫君) この実態はつかんでおりません。
○沓脱タケ子君 つかんでない言うたら困るんだな。さっきあなたわざわざ出てきて、毎年ヒヤリングをしておりますと言ってたんや。何を聞いておるんや。
○政府委員(小林悦夫君) 先ほど申し上げましたように、全体としての事業計画、実績等は調査しておりますが、そういう個々の細かい点までは調査をいたしておりません。
○沓脱タケ子君 つかんでないわけだ。 それで自治大臣、開発公社は共管だけど、あなたになっているらしいから自治大臣、こんな使いようもないような土地の買い方というのは、一体何で起こったと思いますか。どうして起こっておると思いますか。これは建設大臣に聞いてもいいんだよね。都市計画があんじょういけるように、先行取得はやらにゃいかぬと言って指導しているんでしょう。あなたのところは昭和四十九年から毎年毎年通達を出しておるがな、自治省と建設省並べて。だから、そんなふうになってないのだけど、ちゃんと指導しているはずでしょう。さっぱり聞かれてないでこんなことになっているのは、なぜなっていると思われますか。簡潔にちょっと感想だけでもいい、わからなかったらわからぬでもよろしい。
○国務大臣(安孫子藤吉君) わかりません。
○沓脱タケ子君 つかんでないのだからわかるはずがない。実態はこういうことなんです。これは、私推測や何かで言うとややこしいので、事国会で申し上げるので具体的なことを申し上げますが、ここに大阪市が同和対策用地として取得した土地の補償金の配分をめぐりまして、裁判が起こっているケースがあるんです。この裁判の公判で、大阪市の同和対策用地取得を担当する経理局用地第二課の担当者と、その仲介に入った不動産業者両方が証言をしておるのです。これを要約しますと、読んでもいいのだけど時間がないから要約しますと、こういうことなんです。同和用地取得をするときは、大阪市と部落解放同盟があらかじめ具体的な計画を相談し、買収に当たっては部落解放同盟の地区の幹部である支部の三役がまず交渉して、それから部落解放同盟の息のかかった不動産会社が乗り込む、こういうパターンになっているのでありますと言っておるわけです、両方合わすと。こういうことなんです。したがって、平たく言うと、計画は部落解放同盟がおやりになって、大阪市は言われるとおりに買収しているからこういう無計画なことになっているんですよ。えらいことになっているんです。 それで、こういう無計画な土地が、先ほど私これは大阪市の資料で申し上げた先行取得をした土地の十八万六千平米、三百七十一億九千万円という土地が遊休土地として放置されているのですが、しかも利用の価値もない。開発公社は銀行融資の金を運用して買うているから、利息を何ぼ払うているんやといってこっちで聞いたら、銀行利息でございますと言うから、八・六%だな、いま。利息がいままで何ぼかかったかと言ってもちゃんと言わないから、三百七十一億を単年度で八・五%内外の利息を掛けても、単純計算で一年間に三十二億円の利息になるんです。このまま手をつけずにほうっておいて、十年たってみなさい。倍の金額になる。そのお金が、これを償還するお金が天から降ってくるというのなら文句はない。だれが払うんです。いずれにしたって市民、国民の負担にかかってくるわけですから、こういうものはできるだけ早く断ち切っていかなきゃならぬですよ、実際。一日おくれれば利息がどんどんどんどんたまっていくわけだから。 そういう点で自治大臣にお伺いをしたいのですが、公有地の拡大の推進に関する法律というのを見ますと、十七条には業務の範囲も定めている。しかし、この実態をちょっと申し上げただけで、この業務の範囲を逸脱していると思うのです。それから四十九年から八年にわたって建設省と自治省がそろって毎年毎年通達を出しても、何にも聞いてもらえてない、全くコケにされておる、そういう状態でしょう。だから、自治大臣は監督権をお持ちになっておられるのだから、どう対処するかということです。十九条の二項によりますと、公社へ立入検査をして調査をする権限をお持ちのようですが、何も実態もつかんでないのだから、ひとつ立入調査をしてこういうむだを一日も早く排除するための指導をなさるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 第一義的には、指導の強化によって問題を解決していきたいと思っております。万やむを得ざる場合には、法律に基づく立入検査ということもあり得ますけれども、できるだけ指導でいきたいと思っております。
○沓脱タケ子君 そんなのんびりしたことを言うたら困る。実態はつかんでない、毎年毎年、八年間にわたって通達を出しているけれども聞いてもらってない、毎年ヒヤリングをしておりますけれども、そんなことは知らない。そうしたらあと残るのは、もうそれはあなた、せっかくある権限なんだから、これは立入検査をすることしかないのじゃないでしょうか。その辺はきちんと調査をするならすると言ってもらわぬと大変ですよ。だって、あなたの方の監督不十分だからこんなことがどんどん続いているのだから。はっきりしてください。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 第一義的には大阪市の問題でありますけれども、大阪市を通じましてさらに十分なる調査をいたし、そしてまた指導もいたし、それでどうしても万やむを得ざる場合におきましては立入検査をする、そういう順序を踏みたいと思っております。
○沓脱タケ子君 それで、これだけたくさん遊休地があるから事業が残っているかというと、そうでもないんですね。さっき私浪速区の話を申し上げましたが、たとえば住宅でも、七千九百七十七戸同和向けの市営住宅、改良住宅を建てていますけれども、そのうち、ことしの八月末でどれだけあいているかというと、大阪市の資料によると七百八十五戸あいている。大阪府の資料によると八百八十五戸あいている。百戸とないなわけか違うのですけれども、大体この数字を見ると八百から九百前後あいているということになっているのですね。家賃が大体大阪市の場合なんか三DKでも千円から三千円ぐらい、一番高いので三千三百円ですわ。家賃は安いし、いわゆる自分の住んでいる近くに建っているし、りっぱな家だし、これがあいている。 保育所はどうかといったら、これは厚生大臣にゆっくり聞こうと思ったけれども、時間がないので申しわけありませんが、簡単に言いますと、同和対策の関係の保育所は二十九カ所ある。定数が三千三百四十人分つくってあるのですが、どんなことになっているかというと、これは大分余っている。たとえば浅香保育所というところは百人の定数で入っているのは十九人、御崎保育所というところは百二十人の定数で入っているのが三十三人、浅香東保育所は百八十人の定数で五十六人、日之出第二保育所は百八十人のうち入っているのは五十五人、こういう状態でございます。だから、足らぬということはない、これから建てなきゃならぬということはないらしくて、加島第二保育所というのは五十五年には閉鎖をしている。隣にある加島第一保育所は入所率が四〇%、こういう状況ですから、これはまあ余って、足らぬことはない。一般の市民の方は足らぬのですよ。ことしても二千七百十一人が待機しているわけですからね。だから、決して同和対策事業は足らぬことはないわけでございます。 そこで、時間がありませんので、行管庁長官にお伺いしたいのは、いま申し上げたように、大変なむだがあると思われるでしょう。こういうむだをなくするというのが行革の本旨ではないかと思うわけでございますし、国民はそういうことを期待していると思うわけでございますけれども、長官の御見解を伺いたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中央、地方におけるむだをなくすことが、私たちの大きな仕事の一つでございます。
○沓脱タケ子君 それじゃ、むだをなくしていくようにやってもらいましょう。 それで、これはもう時間がないので最後になりますが、総理府長官にお伺いをしたいのですけれども、同和対策事業の同特法の再延長をめぐって、いま動きが激しくございますね。その中でわが党は、十三年間にわたる少なくとも同和対策事業を総括をして、そうして国民合意、住民合意のできるような、残った事業を早期に仕上げていけるような、いわゆる時限立法のようなものをつくっていくべきであるという方針を私の方の党も出しておりますけれども、そういった立場で再延長については対処していただけるのかどうか、御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの、昭和五十六年度以降の同和対策特別措置法期限切れ後の扱いにつきましては、先般、同和対策協議会の中間答申を受けました。その中には、従来の同和対策事業の中には一部行き過ぎの問題あるいは窓口一本化の問題等でいろいろ問題があった、そういう問題についても今後は十分検討する必要があるというような御指摘もございまして、なお一定期間この同和対策事業をやるべきであるという答申がございましたので、それを受けまして、八月二十八日に関係閣僚が集まりまして協議の結果、明年期限切れ以降、五十七年度以降につきましては、一定期間同和対策事業を有効かつ適正に行っていくという方針を決定いたしましたが、法制化の問題につきましては、同和対策協議会の中間答申にはまだ触れられておりませんので、今後この答申が法制について触れて出てまいろうと考えておりますが、その経過を慎重に見ている、その答申を待っておるという状態でございます。
○沓脱タケ子君 最後になりますが、いま長官がおっしゃったように、慎重にやっていっていただけるということでございますけれども、私が御指摘申し上げたように、関係省庁に対して総括的な調査点検というのが必要ではないか。さっきも私が御指摘申し上げたら、自治省は知りませんと言って、事態を知らないということを正直におっしゃっておられますので、ぜひ総括的な調査点検をあわせてお願いをしたいということを申し上げて、私終わりたいと思います。
○委員長代理(嶋崎均君) 田渕哲也君。
○田渕哲也君 まず、農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。 農林水産省は、補助金の件数においては各省庁の中で最も多い。また金額についても、社会保障や教育と並んできわめて大きな額を占めておるわけであります。また最近、第二臨調の方針として、特に農水省関係の特殊法人の思い切った整理が必要だということも言われております。さらには、わが国の農業政策をめぐる論議というものも非常に活発化しつつある。こういう観点から考えまして、農林水産省というのは、行政改革を進める中でのきわめて重要なポイントになっておるというような気がするわけであります。したがって、農林水産大臣の行政改革に対する基本的な考え方なり姿勢というものをまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 合理的な効率的な行政の執行というところに目標を置いて、チープな体制をつくっていこう、しかも行政サービスの質をできるだけ落とさぬようにしていくべきである。特にこの農林水産関係行政は、天然自然と申しますか、天候、気象条件といったような、人類の及ばないような範疇を含んで生産を上げておる農家、林家あるいは漁業者を対象として行っていく行政でありますから、他の産業のように、すぐ計画をして工場を建てて、機械を据えつけて生産に入る、雨が降ろうと雪が降ろうと生産が続けられるという質のものではない。そういう特殊事情というものを踏まえて対処していかなければならないという基本的な基盤の上に立って、しかも、だからといって、そういうところだから補助があるのがあたりまえ、保護があるのがあたりまえといった安易な気持ちを排して、そして農業者みずからが、やはりそういう国家投資なり何なりは税金でやってもらうわけでありますから、それを受け入れる農業側としては、林業側としては、そのみずからの社会的使命というものも十分心しながら、みずからの業を積極的に推進をする、そういう上に立って農林水産行政というものが展開されなければならないという基本的な立場に立って、現在の、今日までの戦後の農林水産行政というものを振り返りつつ、しかも昨年の八〇年代の農政の基本方向並びに十年間の生産及び需要の長期見通しといったような緑もよく踏まえまして、できるだけ簡素な体制で、できるだけ効率的な行政が推進できるようにしていきたいというのが基本的な考え方でございます。
○田渕哲也君 私は、特に農林水産省の行政改革に当たりまして、ひとつ発想を転換して抜本的に農林水産省のあり方を変えたらどうかと思うわけです。といいますのは、いま現在の農林水産省というのは、ややもすれば生産者サイドに偏りがちである。もっとも、つくるのは生産者でありますから、生産者サイドに立って農政をやるというのもきわめて重要だと思いますけれども、もう一方で重要なことは、やはり消費者のサイドということを考えなくてはならない。したがって、現在財界とか労働組合とかあるいは国民の間にも一部そういう意見が出ておりますけれども、食糧省というようなものにしたらどうか、食糧はつくる側とそれを食べる側と両方あるわけでありますから、生産者サイドと消費者サイドのバランスのとれた農政というものが必要ではないか、このように考えるわけですけれども、この点について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農林水産省は食糧をとり食糧を供給するという両面の任務を持っておるわけでありまして、たとえば一例を食管法にとってみましても、生産者の立場、消費者の立場、両方からの法律になっておるわけでございまするし、また私どもの行政展開に当たりましても、生産者の立場に偏りはせぬかという御心配もあるようでありますけれども、ここ数年来の行政の取り組み方をごらんいただけば、やっぱり消費者の立場も考えて米価も決め、乳価も決め、豚価も決め、あらゆる農産物の価格決定の際も、本当に厳しい中ではありましても、将来の農業の発展の立場を考慮しつつ、また消費者の立場も考慮しつつ農産物価格を据え置くといったようなことをやり、また、蚕糸価格等については基準糸価を引き下げるというようなこともやっておるということは、やはり消費者の立場も考えてやっておるのでありまして、食糧省というものですと、食糧省というのはできたものを扱う。生産とかその辺の、食糧省にした場合に生産体制はどういうふうに分類していくのか非常にむしろ複雑になってくるのじゃないかなということ。やはり農林水産省の中にありますと、生産者、消費者、それから具体的な農業基盤整備から始まって秋の取り入れまでの事項を系統立てて、しかも緊密な連携のもとに推進していけるのでありますから、私はいまの体制は案外よくできておるのじゃないか、こう思っておりますが、これらは第二臨調で御検討がなされるものと、こう考えております。
○田渕哲也君 私も農林水産委員会で大臣の御苦労というのはよくわかるわけです。蚕糸の問題にしても、米の問題にしても、いろいろ御苦労なさっておるということはよくわかりますけれども、しかし、いままでのこの農林水産省の機構そのものが私はやっぱり生産者ベース的に組み上がっておるような気がするわけです。ところが、いまは日本の農政の非常に大きな転換期を迎えておるような気がするわけです。したがって、大臣も苦労されておるわけでありますけれども、また私が後で質問に取り上げる砂糖の問題にしても、皆共通の困難さというか、問題点をはらんでおるわけです。そういう政策の大きな見直しが必要な時期だけに、この行政改革を機にひとつ新しい姿に変えたらどうかというふうに思うわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私も一年半ほど実務と取り組んでみまして、案外先輩はよくつくってくださっておるなという感じを持つわけであります。いまここで、それじゃこれ以上の仕組みというものができるものであろうかどうかということを考えました際、発想の転換、確かに必要な点があろうと思いますけれども、農林水産省においても環境の変化に追いついていかなけりゃならないという認識があり、その努力が農林水産省の中でも年々積み重ねられてきておるわけでありまするから、総合的な食糧行政というものを、生産行政、加えてこれからますます厳しくなる輸入食糧に対する行政等については、やはりいまのままの方が総合的な体制ができていくのじゃないか。これはまあ私の幅の狭い体験からそういうふうな感じを持つのかもしれませんから、これは第二臨調等で御検討いただいて、その結果を待つという気持ちでございます。
○田渕哲也君 現在第二臨調では、許認可事項の整理についての答申を作成するための検討がされておると聞いております。農林水産省としてこの許認可事項の整理については具体的に何か考えられておりますか。
○政府委員(角道謙一君) お答え申し上げます。 農林省所管の許認可事項につきましては約千四百件ございますが、これにつきましては従来、閣議でも決定ございますように、大体一割程度の削減は行ってきておるところでございます。現在まだ臨時行政調査会におきまして、この許認可の内容につきましていろいろヒヤリングが行われております。恐らく年内には一応の考え方はまとまろうかと思いますけれども、私どもその答申をいただいた上で、その具体的な指摘のあった問題につきましては十分改善、検討を図ってまいりたいと考えております。
○田渕哲也君 それから補助金の件数が五十六年度各省庁全体で三千五百十五件、そのうち農林水産省が千百二十六件、五十七年度の概算要求ではこれを約半減しておるということを聞いておりますけれども、この補助金の削減がかなり業務そのものの簡素化につながっていくだろうと思います。これが人員とか経費の節減に具体的にどう寄与するのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(角道謙一君) お答えを申し上げます。 現在、千百二十六件の補助金を約六百件に統合あるいはメニュー化をしたいということで大蔵省に要求している段階でございまして、最終的には大蔵省の査定あるいは両省の協議をまちまして、年内に予算編成の段階で確定するものと思います。その間、私ども並行いたしまして、現在地方農政局等を通じてどのような補助金の交付事務がいいか、また各農政局あるいは各局の中の調整等の事務がございますので、現在その検討をいたしているところでございます。具体的にどういう人員、どれだけの金額が整理できるかということにつきましては、現在まだ私どもの確定的なものは持ち合わせておりません。
○田渕哲也君 行政管理庁の答弁によりますと、補助金業務に従事する公務員、これは地方自治体で約十万人というふうに言われております。人件費等の経費で約四、五千億円。したがって、農林水産省が千百二十六件を半分に減らせば、中央省庁、国の省庁だけでなくて、地方団体も含めてかなりの人員並びに経費の節減になるということが言えると思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(佐倉尚君) 以前行政管理庁で行いました調査によって、先生のおっしゃっているような実態でございます。それで補助金の件数を減らせばどのくらいの事務の軽減になるのか、これを計量的に言えと、こういうお話でございますけれども、先生御承知のとおり、補助金事務というのは非常に複雑多岐、大ぜいの人間がかかずらわっております。それで、どの部分にどれくらいの事務の軽減があり、そのために人間がどれくらい浮くかということの計量はきわめて困難でございます。ただ私どもとしましては、都道府県等の職員からの話でもかなり改善はされていると喜ばれてはおりますが、いま申し上げましたように、事務の軽減及びそれによってどれくらいの人間が浮くのかということの計量的な把握はきわめて困難で、できていない状態でございます。
○田渕哲也君 次に具体的な問題としまして、農林水産省の統計情報事務所というのがあります。それから食糧事務所、特にこの二つについては抜本的な整理を行う必要があるのではないかと思います。 食糧事務所の問題は、わが党としましても前々から取り上げておりますので再度繰り返しませんけれども、統計情報事務所について自治省が昨年、全国の自治体の首長あるいは議会の議長三千七百人余りの人にアンケートを実施しまして、地方行政改善調査というものが行われたわけです。これによりますと、知事並びに県会議長の約八割余り、これが農林水産省の統計情報事務所は廃止、縮小または地方に移譲すべきだ、こういう答えをしておるわけであります。大体この統計情報事務所というのは、食糧難時代に米の収穫量をごまかすのをチェックするために設けられたものでありまして、現在のように米過剰時代には全くその趣旨が変わってきておるわけであります。それから統計関係の職員数を見ましても、農林水産省関係の統計事務所の職員が八千七百名、他の省庁全部合わせても、統計関係に従事する者は約三千人と言われておりますから、これは非常に過大な数字である。こういう点についてどう考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(関英二君) お答えいたします。 統計組織の合理化につきましては、業務の合理化、効率化に努めつつ、これまでかなり大幅な出張所の整理統合、これは最高時の五分の一になっております。定員の縮減、これも最高時の二分の一以下になっておりまして、このような努力をしてまいったわけでございます。また昨年末の閣議決定におきましては、さらに出張所の統合、定員の削減を行うことが決定されておりまして、今後も閣議決定に即してその合理化に努力をしてまいりたいと思っております。
○田渕哲也君 それから行政管理庁も改善を指摘しておりますけれども、改良普及員あるいは生活改良普及員というのがあります。特にこれはもうすでに定型化しておるし、それから地域の自主性ということも考えて、これは補助金によるのではなくて、地方自治体の一般財源によってこういうものを設けろというようなことも指摘されておりますけれども、こういうものの改善策についてどう考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(小島和義君) 農業の改良普及事業は、時代の変遷がございますけれども、農産物の価格安定とか基盤整備、そういうものと並ぶ農政の大変重要な手段であるというふうに考えております。現在の協同農業普及事業という姿は、国と県とが費用を分担し合いまして全国的にいわば統一性のある普及事業を進める、こういう仕組みでございまして、各県間の均衡ある普及指導水準を確保する、あるいは全国的に統一性のある最新の技術水準を開発、改良していく、こういう仕組みの一環でございまして、いま直ちに財源問題というかっこうでこの制度を改変するということについては適当ではないのではないか、かように考えています。
○田渕哲也君 それから、今回の行政改革の中で、比較的中央部局の整理とか統廃合というものが進められる気配がないように思うわけです。韓国などでは、思い切った中央部局の整理統廃合をやっておるわけです。もちろん韓国の大統領は権限が非常に強力ですから、わが国と同じには、一律には扱えませんけれども、私は中央部局の統廃合ももっと積極的に進めるべきではないか、このように考えますけれども、農林水産省としてこういう点について考えられているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) このような問題につきましては、農林水産省としてはいまのところ現状のままということでございます。第二臨調で国家機構の問題が審査されておるということも聞いております。どういう答申が出てまいりますか、百年かかってでき上がった日本の農林水産行政を指導するための機構ということになって、統計にいたしましても食糧事務所にいたしましても、御承知のように二万数千人の減員も行い、機構も縮小をいたしまして、そして時代に相応する体制をつくり上げてきておることは田渕委員も御承知のとおりでございます。したがいまして、現在のところ本省の機構をどうすべきかということについては、私としては臨調の答申前に申し上げることはどうかという感じも持っておりますので、失礼をさせていただきたいと思います。
○田渕哲也君 これは具体的な一例にすぎませんけれども、たとえば蚕糸関係ですね、繭糸課それから蚕業課、蚕糸改良課、この三つ課があるわけです。蚕糸というのは、残念ながらだんだんわが国の養蚕は縮小してまいりまして、現在では養蚕に従事する農家も約十万戸、非常に規模が小さくなってきておるわけです。それにかかわらず、この三つの課が要るのかどうか。たとえば、通産省で言えば自動車産業でも自動車課一つなんですね。これは百数十万人の従事する産業でも一つの課でやっておる。こういう点について、やはり時代の傾向に即して改善していくことが不可欠だと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 一つの考え方として十分御趣旨をお聞きしておきたい、やはりある程度考えなければならない時代に来ておるのかもしれませんので、その辺検討させていただきます。
○田渕哲也君 それから特殊法人について若干お伺いしたいと思いますけれども、最近は特殊法人の役員、幹部にも民間の活力をもっと導入しろというような意見も強まっております。農林水産省所管の特殊法人につきましては、特に生産者、それから流通業者、消費者等の幅広いニーズにこたえていくことが必要だと思います。政労協で発行しております天下り白書では、農林水産関係の特殊法人は民間人の起用がゼロというデータが出ております、実際には若干あるのだということも伺っておりますけれども。 私は特に、蚕糸砂糖類事業団というのがありますけれども、これにはやはり絹業者、織物業者ですね、それからあるいは精糖業関係、こういう関係者を役員に加えることが必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(小島和義君) お答え申し上げます。 蚕糸砂糖類価格安定事業団は、従前の日本蚕糸事業団と糖価安定事業団が統合いたしたわけでございますが、以前におきまして、常勤、非常勤合わせまして十七名の役員を擁しておりましたが、統合後におきまして、これを十二名ということに減らしております。その十二名の中におきまして、養蚕関係、製糸関係、農業団体、それから砂糖輸入業の関係、合計で五人の民間人を役員として任命をいたしております。ただ、蚕糸、砂糖、いずれもその関係業界は非常に多岐にわたっておりまして、この関係のすべての人を役員として登用するということは困難でございますので、お話ございました絹業者でありますとか、あるいは糖業関係者でありますとかにつきましては、事業団の運営審議会という組織がございます。その中にしかるべき人を任命いたしまして、関係方面の意見が事業団運営に十分反映されるようにいたしたいと存じております。
○田渕哲也君 同じような趣旨から畜産振興事業団、これは現在消費者の代表という形では入っていないと思いますけれども、これもやはり消費者の代表的な人を入れる必要があおと思いますが、いかがですか。
○政府委員(石川弘君) 畜産振興事業団は、御承知のように乳製品ないし畜産物の調整保管等をやっておるわけでございますが、役員の中では民間の方も入っておるわけでございます。おっしゃいました消費者の方でございますが、これもただいま答弁にありましたように、畜産振興事業団の業務運営に関します評議員会というのを設けておりまして、その中に消費者代表の方を三名加えてございます。この業務の運営につきましてはこの評議員会の意見を聞いて行っておりますので、そういう形で消費者の方々の御意見を反映しているつもりでございます。
○田渕哲也君 それから臨調の第一次答申の中で、農業基盤整備事業について、補助金でなくて融資に切りかえることを検討をすべきだというような方針が出されております。これについての農林水産省の基本的な考え方をお聞きしたいわけです。 現在、この農業基盤整備事業、特に第二次土地改良長期計画を見ますと、五十五年度までの進捗率が計画からかなりおくれております。六九・五%、実質ベースで三八・九%、このおくれておる理由は何なのか。それから、補助金から融資に切りかえた場合に、こういうことにどういう影響が出るのか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 二点御質問があったわけでございますが、まず現在の土地改良長期計画の進度率の問題でございます。率直に申し上げますと、金額ベースでは、つまり本来の計画として表示されております金額ベースでは大体達成できる見通してございますが、現実に物価、賃金の動向等による減価、全体としては予算が引き締めの時期に入ってきておる、そういう状況で事業量のベースでは、他の公共事業にも同じような事情があるかと思いますが、圧縮されていることは事実でございます。 それからもう一つは、補助と融資との関係でございます。現在、土地改良事業につきましては、基本的には補助事業を基本といたしまして、あるいは一部国の直轄事業もございますが、いわゆる受益の程度に応じて農民の受益者負担が制度化されております。これは他の公共事業と大分異なる点でございます。この地元の負担につきましては、いわゆる融資制度があって農林漁業金融公庫から融資が行われる。したがって、これは原資は財投資金ということになるわけでございますが、そういった仕組みを基本にしているわけでございます。 そこで問題は、現実にたとえば臨調で議論をされたような事業がどの程度まで融資事業として効率的に実施できるかどうかであろうと思います。臨調で御指摘がありましたのは耕地整備事業の一部についての指摘でございますが、実は耕地整備事業の中で個人施行のものや小規模のものについては、現在すでに単独融資事業で実施しております。ただ、それ以外のもの、補助事業が非常に多いわけでございますが、何と申しましても本質的に部落の共同事業、地域社会の共同事業として営まれる線と面の組み合わせ事業でございますし、また構造政策の基本をなす事業でございます。そういう意味で、これを大幅に融資に切りかえていくということには農民の現実の、先ほど申し上げました負担能力の問題から私どもかなり問題があるだろうと思いますが、臨調の御指摘もあります。その意味で事業の中身とか規模とか、あるいは負担能力等に応じて検討する必要があると思っておりまして、現在幅広い分野で学識経験者の参集を得て研究委員会を開きたいというところで、その準備を進めているところでございます。
○田渕哲也君 次に、砂糖関係の問題で若干質問をしたいと思います。 現在異性化糖あるいはビート糖の急激な伸びによりまして、砂糖の市況が非常に混乱しております。そういう中で精糖業界が非常に困った状態になっておるわけでありますけれども、まず第一の問題点としまして、この異性化糖と砂糖との間の不公平といいますか、つまり消費税のかかる、かからないの問題、それから調整金を取られる、取られないの問題、また関税の問題等があるわけですけれども、これらのアンバランスに対する是正がまず必要ではないかと思います。この点についての対策をお伺いします。
○政府委員(渡邉文雄君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、ここ数年来、旧来ブドウ糖と言っておりましたものが、技術革新によりましてその一部が果糖に変わりまして、その甘味度の高い異性化糖というものが急激にここ数年ふえてまいってきております。それからもう一つは、国民全体の甘味離れという傾向がございます。それからもう一つは、先生御指摘のように国内産糖の増産というものがございまして、特に輸入糖の激減というのがここ一、二年目立っております。そのために、輸入糖を精製いたしておりますいわゆるリファイナー、精製糖業者から、特に価格関係において異性化糖が伸びる原因の一つとしまして、価格の中に自分たちが負担しております関税、調整金あるいは消費税が異性化糖にかかっていないのは不公平ではないかという御指摘があるのは確かでございます。 〔委員長代理嶋崎均君退席、委員長着席〕 一方、異性化糖は税金という形では、御指摘のようにそういったものの負担はないわけでございますが、別途、御案内のように北海道でできますバレイショからとれますバレイショでん粉、南九州で生産されますカンショからとれますカンショでん粉、これがいずれも国際的な価格の倍のコストになっております関係上、これの消化を図るために輸入トウモロコシからできますコーンスターチとの抱き合わせ販売ということで、異性化糖メーカーにかなり多額の実質的な負担をお願いしているという現実がございますので、確かに形の上ではそういった不公平が精製糖メーカーから出されておりますが、直ちにこれに応ずるということにはなかなかむずかしい問題があろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、最近そういった砂糖全体をめぐります情勢の変化はかなり大きいものがございますので、私ども情勢の変化を見きわめながらこれに慎重に対応すべく目下鋭意検討中でございます。
○田渕哲也君 もう一つ関税の問題があると思うのです。砂糖の関税というのがかなりかかっておるわけですけれども、これの引き下げについて考えられるおつもりはないのか。もっとも、これは大蔵省にも関係があるわけですけれども、一つは、最近は関税撤廃、貿易摩擦とか国際収支の不均衡からくる欧米からの要請として、かなり広範囲に関税撤廃ないし引き下げの要請が来ております。それの具体的なあらわれとしてビスケットとかチョコレートの関税を下げろ、そうなりますと今度は、関税のかかった高い砂糖を使ってこういうお菓子をつくっておるわが国の製菓業者はたちまち影響するわけで、こういうものとの関連とか、あるいは農産物も含めて全般の関税引き下げの外圧というものを考える必要がある。それと同時に、先ほど申し上げた異性化糖等とのアンバランスということも考える必要がある。そういう面を考えても砂糖の関税引き下げは必要ではないかと思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(渡邉文雄君) 現在、輸入糖につきましてはトン四万一千五百円の関税がかかっておるのは御指摘のとおりでございます。これは国内産糖と輸入糖との価格差が、現在、耕地白糖でございますビート糖について言えば輸入糖のほぼ倍、それから南西諸島並びに沖縄で生産されます甘蔗糖等につきましては、国際糖価との開きは約三倍になっておるわけでございまして、その価格差を埋めるといいますか、国内産糖を保護するという意味で、輸入糖には四万一千五百円の関税がかかっておるわけでございます。一方、それだけではその価格差を埋めることに不十分でありますために、御案内のように糖価安定法によりまして、輸入糖に対しまして一定の調整金の御負担も願っておるわけでございますが、この関税を御指摘のように引き下げた場合には輸入糖の国内価格が引き下がるというので、国内産糖との価格差を埋めるための手段といたしまして調整金の大幅な引き上げということをやらざるを得なくなることもございますので、関税の引き下げという問題につきましては、砂糖について言えばなかなかむずかしい面があるのではないかというふうに考えております。
○田渕哲也君 この異性化糖の問題も、それからビスケット、チョコレートの関税引き下げに絡む製菓業界の問題も、そのもととなる点は国内産の砂糖の問題なんです。特に最近はビート糖というのがどんどんふえておるわけですけれども、これは米作の転換として進められておるわけであります。ところが、米作の転換でビート糖の生産がどんどん上がれば、なおかつこういう深刻な問題が片方においてどんどん出てくる。だから、やはり基本にどこか大きな矛盾があって、それがあらゆるところに広がりつつあるような気がするわけです。ただ、この点を抜本的にどうしようと考えられておるのか、大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 国会において食糧の自給力を強化しなさいという御決議をちょうだいいたしておるわけであります。したがいまして、国内で生産できる農林水産物はできるだけ国内で生産をしていくという方針をとっておるわけでありまして、しかも、それには生産性の向上を図るために土地生産性の向上、品種改良による労働生産性の向上等々を図る努力をいましておる最中であるわけでございます。 最近、日本の農林水産物資の門戸開放が不十分だというような外国からの批判もあるわけでありますけれども、私は冗談じゃない、こう言いたいわけであります。と申しますのは、一昨年から昨年にかけて、もうすでに一昨年は農林水産物資で二百八十九億ドル、昨年は二百九十億ドルを超しておる。ことしは三百億ドル近いものを輸入いたしておるわけでございます。それ以上輸入をするということになれば、どこかの国の分を減らしてどこかの国の分をふやすというようなことか、あるいは日本の生産を縮小して外国のものを使うということにするのか、そういう点を十分慎重に対処していかなければならぬわけであります。ブロック農務長官が見えたときにも、そういう点は日本の現状をありのまま話をいたしておるところでございまして、そういう情勢も私どもとしては十分踏んまえていかなければならぬ。しかし一面、これまた日本の貿易の輸出超過が二百億ドルを超すというような事態も無視はできない。こういう情勢の中でございますから、しかしそれだけのものを農林水産物資だけでそれを自由化すれば解決ができるのかとなると、これはとてもとてもできない相談であるわけでございますから、その辺は十分政府としても慎重に対処をしていかなければならない、こう考えております。
○田渕哲也君 時間も少なくなりましたから、最後に運輸大臣に一点だけお伺いをいたします。 車検制度についていろいろ検討されておるわけでありますけれども、これが大体どのような方向にいくのか。特にみんなが関心を持っておるのは、車検期間の延長の問題であります。先日新聞には、新車三年に延長、継続は二年の据え置きということが出ておりましたけれども、この点の基本的な構想等がありましたらお伺いをしたいと思います。
○委員長(玉置和郎君) 時間が来ておりますので簡潔にお願いします。
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在、運輸技術審議会で検討していただいておりまして、主要な部分といたしましていわゆるブレーキホース、ブレーキパイプ部門でございますが、そこの検査が実際はまだできておりませんので、一月にこれが全部検査が完了するということでございまして、その答申を受けまして、われわれといたしまして最良の方法を検討いたしたい、こう思っております。
○田渕哲也君 終わります。
○委員長(玉置和郎君) 喜屋武眞榮君。
○喜屋武眞榮君 持ち時間がわずかでございますので、一気にお尋ねしたい点を関係省庁にいたしたいと思います。 まず、国土保全と災害の関係から国土庁に。災害が起こってから復旧補助、莫大な予算が出ておるわけですが、もっと国は国土保全に力を入れることが財政再建、そしてその補助削減の趣旨にもつながるものだと私は思っております。その点から国土庁に所見を伺いたいと思います。 次に第二点は、沖縄の災害について、特に特殊な状況下にありましていろんなケースがございますので、質問の背景にまとめて申し上げたい一つは、森林が破壊されつつあるということ。しかもその破壊から水不足、まだ隔日断水というのが今日まで続いておりますが、その水不足、そしてその北部森林は水源涵養林であるということ。その水源涵養林をめぐって米軍の北部演習場があって、そこに最近米軍基地のバリア訓練基地が設置されようとしておるということ。次に、その隣接地域に、いま時の話題になっておりますが、ヤンバルクイナという新しい世界的に珍しい、珍鳥が発見されておる。これはわが国では一世紀ぶりの発見である。特別天然記念物のノグチゲラの生息地でもあるということ。新種と思われる鳥がまだ二種もいるということ。この背景を受けて、まず国土庁にはいま申し上げました点。 次に、環境庁にお尋ねしたいことは、世界的なこのヤンバルクイナ、珍鳥が発見されたのであるが、これの保護策として環境庁はいかなる施策を講ずるつもりであるか、お伺いしたい。 次に、農水大臣にお伺いしたいことは、この珍鳥が発見された場所は、従来からもノグチゲラという世界でも珍しい鳥のすみかであるばかりでなく、沖縄県民の命の水の源として森林の保護が叫ばれていた場所でありますが、今回のヤンバルクイナという新種の鳥の発見とも絡んで、農水省とされては、この一帯を保安林に指定して森林保全を講ずる考えはないのかどうか。また、その場合、地元住民の利益を損なわない方策を講じてもらわなければいけない、こう思うのですが、大臣の御所見を承りたい。 防衛施設庁に。従来からこの場所は問題の場所であったことは御承知だと思いますが、今度の機会に環境破壊等の関係も含めて、従来の考えを改める考えはないのかどうか。 次に、開発庁に。これまでの各省の答弁を次々とこの順序で述べてもらいますので、一応それを踏まえて、今回の珍鳥の発見等に関して、今後どのように対処していくつもりなのか。 以上、順次見解を承りたいと思います。
○委員長(玉置和郎君) 委員長から申し上げますが、喜屋武君の持ち時間は十八分で終わりです。それだけでもうすでに時間が来ておりますので、各大臣は簡潔にお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。 御趣旨は全く同感でございまして、本年などは未曾有の大災害をこうむりまして、一兆円以上に及んでおるような大被害でございます。それで、それを未然に防ぐために森林対策とか、あるいはその他いろいろございますが、治山治水等々事前にやることの方が必要であるし、各省庁連絡の上にその対策を積極的にやっていきたい、こう考えております。
○国務大臣(亀岡高夫君) 保安林の指定につきましては、これは地元で反対の声も実はあるわけでございます、先生御承知のとおり。賛成、先生のように指定をすべしというあれもありますので、各省庁とよく相談をいたしまして研究をしていきたい、こう考えております。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) お話のように、ノグチゲラが百年ぐらい前に見つかって以来の快報でございまして、非常に珍しい鳥で絶滅を免れなければならぬ、こう思っておりますが、それには特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律という法律もありますし、また鳥獣保護及狩猟二関スル法律というのもありまして、あれはとってはいけないのですから、いまでも。それを知らないで剥製にでもしようなんて、とりに出ている人がいるやに聞いていますが、全力を挙げてそういうようなことのないように、それから、どこにすんでいるか、どういう生態であるかということを調べて、絶滅を免れるように諸般のことをしようと、いろいろ対策を講じておる次第であります。
○政府委員(吉野実君) お答えをいたします。 ハリアパッドの話が出ましたけれども、ハリアパッドの建設につきましては、従来すでに北部演習場にヘリコプターの広場がありまして、今回バリアをそこへ持ってくるというので、その周りの木を切って広場をそのまま使う、これは米軍と協議し、地元ともいろいろ意見を聞いて決めたところであります。一般的に申しまして、沖縄の北部演習場につきましては、水資源の確保の必要性とか、珍鳥の保護の必要性のあることは十分承知をいたしております。今後ともこの施設区域が提供されておる目的と、それからいま申しました資源の確保なり自然環境の維持ということに万全の留意を図ってまいりたいと考えております。 なお、北部演習場におきましては、復帰後現在まで実弾演習は行われていませんので、つけ加えます。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま関係各省庁の大臣から御答弁がございましたが、沖縄開発庁といたしましては、関係省庁と十分連絡の上、自然環境の保護と水資源確保のために今後とも努力をさせていただきたいと考えております。
○委員長(玉置和郎君) 赤桐操君。
○赤桐操君 総理にお伺いをいたしたいと思います。 いま、一言に住宅不況と言われるまことに厳しい今日の経済社会情勢の中で、公庫金利に対し十七条の設定どころではない、むしろ引き下げを行うべき段階にあると私は考えております。総理の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のように、現在御審議をいただいております金利法定制の緩和の問題、これは金融政策、経済政策を相互ににらみながら機動的に政策を展開しようという趣旨からいたしまして、ぜひ国会の御同意をいただきたい、こう考えておりますが、この金利法定制の弾力化が行われましても、すべてのものについて金利を引き上げるというような趣旨のものではございません。現在、住宅事情それから国民経済の中で占めるところの住宅建設の問題、マイホームに対する国民の期待、いろいろの問題がございますし、また現在の景気の動向等からいたしまして、住宅政策をもっと強力に展開すべきである、こういう有力な御意見もあるわけでございます。政府としては、そういう点を総合的に勘案いたしまして、法定制の緩和ができましても、この住宅金利の問題につきましては十分慎重な考慮を払ってまいりたい、こう思っております。
○赤桐操君 総理からの御答弁をいただいたわけでありますが、いまの厳しい状況の中で、住宅政策として私どもがお伺いする限りにおいては、遺憾ながら納得できません。こうした行政改革のあり方、住宅政策のあり方については、私どもには残念ながらいただけないものである、こういうことを明らかにいたしまして質問を終わりたいと思います。
○委員長(玉置和郎君) 村沢牧君。
○村沢牧君 私は、農業問題について質問いたします。 臨調の第一次答申は、農業に関して食糧管理、水田利用再編対策、その他の農業助成に分けて十項目の指摘をしており、三十六本一括法案の中には農林水産関係が七つ含まれております。したがって、今回の行財政改革は、農業に与える影響も大変大きなものがあるわけであります。そこで行財政改革の理念とビジョンについて、わが党の議員から代表質問で本会議で何回か指摘をし、質問をしたところでありますが、必ずしも明快な答弁になっておらないと思うものであります。 行財政改革と農業問題について伺いますけれども、臨調の答申、そして出された法案は、農業の将来展望、言うならば日本農業のあるべき方向を踏まえてのものであるのか、それとも単なる財政支出を目的としたものであるのか、まず行管庁長官に尋ねます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の第一次答申を受けました法律案は、緊急財政対策という性格が強いと思っております。しかしながら、臨調第一次答申の中におきましては、今後日本の国政のあるべき姿というものは明瞭に指示しておりまして、その中において農業をいかに合理化し、近代化し、国際水準に上げていくかという方策を探究する努力をしておる、こういうことでございます。
○村沢牧君 第一次の答申は当面の改革である、突破口であると言っても、いま答弁もあったように、臨調答申は農業政策の基本的な課題に触れるような問題も含んでおるわけであります。 そこで、行管庁長官に重ねてお伺いいたしますが、臨調が第二次、第三次の答申を検討するに当たって、農業問題にどこまで切り込んで検討してもらいたいという要請をしておるのかどうか。さらには農業改革に対して臨調の検討、答申にどのような期待をしているのですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 基本答申におきましては、主として食糧問題を中心に日本の農業の展開を考えていく、また改革案を考えていく、こういうスタンスで臨んでおります。
○村沢牧君 食糧問題に限らず、第二次、第三次の検討においては、その他の問題、基本的な問題についても検討するのですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 食糧問題というものを一つの支点として、その面から農業の構造とか、あるいは農村社会とか、あるいは農林省の組織機構とか、そういうような問題がいろいろ検討されていくだろうと思います。
○村沢牧君 そうしますと、臨調が農政の展望あるいは基本的な方向、さらに政策課題等に踏み込んで論議をする、そして答申も出されてくる、このように理解をするのです。その答申が出されてまいりますと、政府はこれを尊重し、政策に移していくのですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) おおむねそのとおりであります。
○村沢牧君 農林水産大臣に尋ねます。 総理の諮問機関である農政審答申は昨年十月、八〇年代の農政の基本方向という答申をし、この答申に基づいて、さらには農業基本法の定めるところによって、農産物の需要と生産の長期見通しを閣議決定をしておるわけであります。私はこの長期見通し、あるいは先ほど申しました農政の基本方向、必ずしも賛成するものではありませんが、しかし農政の課題、基本というのは、このことを踏まえていままではやってきたし、今後もやっていくであろうと思いますが、どうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のように、農業基本法の精神並びに昨年農政審議会から答申をいただいた八〇年代の農政の基本方向、並びに十一月に閣議決定をいたしました十年後の生産と需要の長期見通しを踏まえまして、何といっても食糧の安定的な供給、生産性の向上、さらに活力ある農村の地域社会を建設をしてまいるという基本的な方向に向かって、その上に農政を展開してまいろう、こういう考え方に基づいておるわけであります。
○村沢牧君 重ねて伺いますが、農政の基本方向は臨調によって出されるものではない、農林水産省は農林水産省みずからの方向を持っている、そういうことですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私どもが、政権をわが党が担当をして今日まで農政の基本としてまいりましたところの食糧の安定的供給、生産性の向上、さらには活力ある農村の建設という基本方向をもとにしてやってまいりましたし、今後もその目標に変わりはなく、私どもとしては私どものやってまいりましたことが農政の基本方向である、こう確信をいたしておるところでございます。それを展開していくについてのいろいろな手法なり何なりの上で臨調からの御答申があるものというふうに私は考えております。
○村沢牧君 財界は、かねてから日本農業に対する提言や批判を行っているわけでありますが、いろいろのことを言っておるのですけれども、多くの意見を総合いたしますと、経済合理主義的な立場に立ち、あるいは国際分業論的な立場から、農産物の貿易の自由化あるいは輸入拡大を進めるべきだ、農業は非常に保護されているから農産物価格や補助金の抑制をすべきだ、こういうことに尽きるというふうに思うのであります。 臨調の第一次答申も、農業に関しましては従来財界の主張していたこと、すなわち財界の農業批判を反映するものであることは、その中身を見ればおのずからわかるわけです。臨調委員のメンバーは、その数において、あるいはまた発言において、財界を代表する人が非常に多いわけなんです。したがって、今後臨調から出されてくる農政の判断、基本的な方向というものは、日本農業を守り発展をさせようとする立場からは、相入れることのできないものもあるということを予測しなければならないと思うのです。そうした場合農林水産大臣は、臨調からいかなる答申が出ても、先ほど行管庁長官が言ったように、この答申を尊重し実行に移していく、従来の基本政策を見直していく、そういうお気持ちなんですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 臨調からの答申は、先ほど申し上げました、私どもの戦後ずっと展開してまいりました日本の一億国民の食糧の安定供給をやるための農政、生産性向上に努力しておる現状、さらには活力ある農村の地域社会の果たしておる役割り、また将来果たすであろう役割り等を考えれば、私ども農政の基本を害するような答申はよもやない、ないような答申がなされるであろうというふうに期待をいたしておるわけであります。
○村沢牧君 農水大臣、それは期待であって、必ずしもそういう期待どおりにいくかどうかということはわからない。 そこで、総理にお伺いいたしますが、いまの答弁を聞いておりましても、私は行管庁長官と農水大臣との間には見解の違いがあると思う。行管庁長官は、農政のビジョン、将来方向についても臨調で検討してもらって、そうしてその答申を受けて政策に移して実行していくんだ、農林水産大臣は、農政の基本は「八〇年代の基本方向」であり「長期見通し」であると言う。一体どちらを重点的にとるのですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えをいたします。 私は、中曽根行管長官が御答弁申し上げたことと農水大臣が御答弁申し上げたところには食い違いがない、こう思っております。と申しますことは、臨調の答申にいたしましても、政府としてはこれを熟読玩味いたしまして、その中に含まれておるねらいがどこにあるのか、ポイントがどこにあるのかということを十分私どもは掘り下げた検討をした上でこれを尊重してまいるわけでございます。 これを農政の場合につきまして申し上げますならば、国民の皆さんに対して食糧を安定的に供給をする、安全保障の観点からこの食糧の確保というものをまず重点に考える、そういう観点に立っての農政を展開をする。食管制度の基本を守ることもその一つでございます。また、日本はこういう国土の狭い、したがって耕地も狭小である、そういう天然資源に恵まれないわけでございますけれども、国内で生産可能な農産物はできるだけこれを国内で自給をする、そういう方向で生産性を高める努力をしていこう、そのために優良な農地を確保するとか、あるいは後継者の育成をするとか、あるいは技術を高めるとか、生産性を向上するとか、そういうような施策をやってまいります。と同時にまた、日本の社会の中におきまして農村社会というのは私は非常に大事だ、このように考えます。農村が健全であって初めて日本の社会は健全であるわけでございますから、そういう意味合いからいたしまして、この基本は、私は臨調の先生方といえどもしっかりとわきまえていらっしゃる。 ただ、これをやりまする場合に、こういう財政の厳しい中であるから、この資源を効率的に使ってもらいたい、補助金等の問題にしてももっと工夫をこらして、そして農業の真の振興、農民のためになるように効率的にこれを使ってもらいたい、そういうところに私はポイントがあると思うのでありまして、そういう点を十分私どもは熟読玩味いたしまして、これを尊重して行財政改革の中に生かしていきたい、このように考えるわけであります。
○村沢牧君 総理の気持ちはよくわかるのですけれども、しかし私が先ほど来質問していることは、臨調で農業の基本方向まで示す、農林水産省なら農林水産省の基本方向がある、私は必ずしも一致するものではないと思う。一致する場合もあるかもしれない、あるいはまた内容によって違う場合もあるかもしれない。その場合にはどちらの方をとるのですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま私は、詳細に丁寧に、臨調の答申を受け取りました場合に政府はこのように対処いたしますということを申し上げたわけでございます。 いずれにいたしましても、臨調の御答申のポイントがどこにあるか、その御答申の精神というものは尊重いたしますが、国会に対し国民に対して責任を負うのは政府でございますから、その点はひとつ政府にお任せをいただいて、もし至らないところがあれば国会で御批判と是正をお願いいたしたい、こう思うわけであります。
○村沢牧君 いま総理から答弁がありましたように、農業の基本は食糧の安全保障である、私もそう思います。そのためには、国内の自給率を高めなければならないわけでありまして、このことも昨日来質問があり、答弁のあったところであります。 そこで、国内の自給率を高めなければならないときに、わが国に対する農畜産物の輸入は年々増加をして、いまやまさに資本主義国では最高の食糧輸入国になろうとしているわけなんです。このことがまた自給率向上を阻害しているのです。特に最近、アメリカ、EC諸国から農産物の対日輸入攻勢が急速に高まってきておるわけです。総理に確認をしますけれども、農産物の輸入はわが国で不足するものに限って行って、わが国で生産が可能なものは自給率を高めていく、自給率が高まったものについては輸入を計画的に削減していく、このことを改めて総理に確認をしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私どもは、戦後農政を進めるに当たりまして、都市と農村の勤労者の所得水準をできるだけ格差をなくしたい、こういうようなことから、私どもは農産物を価格の面で、あるいは専売、食糧管理、あるいは価格支持政策、いろいろやってまいりました。しかし、非常に日本の農業は耕地も狭いし悪条件下に置かれておるわけであります。そういうようなことで、国際的に農産物の価格を比較いたしますと、日本の農産物はどうしても割り高に相なっております。三倍、五倍と、こういうことに相なっております。そういう関係から、どうしても外国農業の攻勢の前にいつもさらされておるという宿命的なものを持っておるわけでありますが、私どもは、先ほど来申し上げるように、農村と農民、それから食糧の自給度を高める、こういうような観点からできるだけこの外国農業の攻勢から日本農業を守るという努力を続けてきておるわけでございます。 しかし、一方におきまして、余りにも外国の農産物の価格と国内の農産物の価格が開きがございますと、今度は消費者である国民の皆さんが、なぜこんなに安いものが海外にたくさんあるのにもっと安く供給しないか、こういうことに相なるわけでございます。私どもは、そういう消費者である国民の皆さん、また納税者である国民の皆さんの考え方も聞きながら、この予算、補助金等を最も効率的にしながら、日本農業をできるだけ健全に、そして外国農業との競争力もつくようにこれを再編成していきたい、生産性の向上を図っていきたい、そういう努力をいたしておるのでありまして、私は、このことは農民の皆さんも十分心構えを持って今後に対処していただけるものと、こう思っております。
○村沢牧君 農水大臣に具体的な問題について数点お伺いいたしますが、時間がありませんから、私も項目的に申し上げますから答弁も結論だけ述べてください。 第一点は、農産物の交渉は七九年度の東京ラウンドで一定の決着を見ているわけでありますが、今後この時期を繰り上げたり枠の拡大をするようなことはないというふうに思いますが、どうですか。 第二点、農産物の自由化をせよという要請が大変に強いわけであります。しかし、このことについて、わが国の農業の実態から見て私は認めることができないというふうに思うのですけれども、農水省の態度はいかがですか。 第三点は、穀物の備蓄量の輸入拡大がこれまたアメリカから強く迫られておりますが、これにどういう対処をするのか。 第四点、最近豚肉が大変暴落いたしました。このことも輸入の影響に負うところが非常に大きいわけなんです。どういう規制をされるのですか。 第五点は、農産物、食料品の関税撤廃あるいは関税の引き下げがアメリカやECから要求をされておりますが、農水省としてはどのように対処してまいりますか。 以上五点について簡潔に答弁してください。
○国務大臣(亀岡高夫君) 一番目と五番目は関連がありますので、一緒にお答えいたしたいと思います。 この東京ラウンド、これは非常な苦労をいたしまして、関税と特に農林水産物資とのいわゆる各国間のバランスなり何なりを詳細に、しかも非常に深く検討いたしまして決めた東京ラウンドの線があるわけでございますから、この線を一応はとにかく時期が来るまで、約束した時期はこの線で忠実に日本政府はこれを守ってきておるわけでありますから、この線を守っていきたい、こういうふうに、この間アメリカの商務長官、農務長官がお見えになったときに私の方からは率直に実は申し上げておいた次第でございます。 それから備蓄の問題については、もうすでに小麦等についても二・六カ月分の備蓄を持っておるわけでありまするし、そのほか大豆にいたしましても、ことしは七万トン、来年は八万トンの備蓄を持つというような措置も講じておりますので、これ以上持とうといたしましてもその設備をまずつくっていかなければならない、サイロをつくらなければならないということで、急場になかなか間に合わないという実情もわかってほしいということを申し上げてありますので、備蓄の積み増しはなかなか困難であるというふうに考えております。 豚肉につきましては、これは輸入の増大ということがございますので、これは自由化されておりますので、実は関係貿易業界にも協力を要請をいたしまして最近落ちついておるわけでありますけれども、きょうあたりはまたちょっと下がっておりますが、これはもうしばらくすれば、業界も積極的に協力をしてくれておりますので落ちついてくるものと考えておるわけでございます。 以上でございます。
○村沢牧君 総理、最近貿易摩擦が大きな国際問題になっております。国際問題だけでなくて国内問題としても総理の決断が迫られ、内外から鈴木総理の政治姿勢が問われようとしておるわけなんです。政府は経済対策閣僚会議で打開策を検討しておると言いますが、新聞の報道するところによれば、まだ方針も出されておらないようであります。また総理は、先日のテレビの放送で製品輸入を促進をして拡大均衡を図りたい、あるいは輸出を抑えるよりも輸入を拡大していきたいということを力説しておったわけでありますが、今日の情勢をどのように認識をし、いかなるリーダーシップをとって、いかなる方針と決意でもって諸外国の圧力を切り抜け、あるいは諸外国の理解を得てわが国の立場を守っていこうとするのですか。そして、政府のいわゆる方針、統一見解というのは、内閣改造後でなくては出せないのですか。その前にも出す気持ちを持っているのですか、お伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の経済は貿易に依存しておる面が非常に大きいということは御承知のとおりでございます。国土が狭く資源は貧困である、そして一億一千万という大きな人口を抱えておる、しかし国民の資質は高い、科学技術の水準もまた先進国に比べて劣らない。こういう諸般の特質を持っておりますから、そういうことから日本は、貿易立国と申しますか、そういう方向で国民経済の発展、豊かな国民生活の保障ということがなされてきておるわけでございます。 ところが最近、この石油危機を日本は国民の皆さんの大変な御努力、御協力によりまして比較的早く乗り越えることができました。しかし欧米諸国は、いまだその後遺症から脱却ができない。深刻な失業問題、インフレ、低成長、そして国際収支の悪化、そういうことに悩んでおりますことは御承知のとおりでございます。そういう中で、日本の商品は比較的品質もよろしい、生産性が高いわけですから価格も安いということで外国からも歓迎されまして、輸出は伸びていっておる。しかし現状は、このままで推移いたしますと、対欧関係の貿易の黒字は百億ドルを超えるかもしれない。それから対米関係の黒字は百五十億ドルに達するのではないか、こう言われておるわけでございます。日本としては何も悪いことをやっておるわけではございませんけれども、こういうような状況になってまいりますと、どうしてもこれは保護貿易主義的な風潮というものが高まってくる、こういうことに相なります。これにわれわれはどのようにいまにして対応をしなければならないかということを真剣に考えるときだ、こう思うわけでございます。 そこで、私は、集中豪雨的に特定の地域に輸出を急増するというようなことは、その国の産業経済秩序を大きく混乱させることでありますから、そういうことは避けなければいけない、こう思いますが、自粛をしなければなりませんが、しかし、基本的には私は日本の市場は外国が言っているほど閉鎖的ではございませんけれども、そういうぐあいに批判も受けておりますから、この際謙虚に受けとめて、日本の市場の閉鎖性がどこにあるのか、そういう点も見直しをして、そして製品輸入等にも力を入れて、あるいはまたその他の分野におきましては、投資あるいは合弁あるいは先進技術の共同開発研究、そういうような産業協力等もやりまして、これを拡大均衡の方向でこの貿易問題を解決していきたい、そういう方向で私どもは努力をいたしておるところでございます。
○村沢牧君 努力をしていることはわかりますけれども、政府のいわゆる方針というか、統一見解というのはいつ出すのですか。そのことと、私は先ほど農林水産大臣に農産物の輸入について質問したのですが、農林水産大臣は、幾つか項目を挙げて質問したにすぎないのですけれども、いずれも困ると言っているのです。つまり、大企業の工業製品の集中豪雨的な輸出の見返りとして農産物などの弱いところへしわ寄せをすべきではない、そのように考えますが、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 特定品目の集中豪雨的な輸出増強のしわ寄せを農産物に向けてはいけない、こういう御指摘は全くそのとおりでございます。これは、そういうものの自主規制の問題あるいは他の鉱工業製品等の製品輸入の問題、いろんな問題等によって解決をしなければいけない、このように考えております。 なお、いつから実施するのか、これは私はまとまったものから逐次これを実行に移していきたい、こう思っております。
○村沢牧君 河本経済企画庁長官に伺います。 あなたは経済対策閣僚会議の座長ということでいろいろと取りまとめをしておるようですけれども、なかなか政府の見解がまとまらないというのはどういうことなんですか。そして同時に、あなたは具体的にどう調整をし対策を立てようとするのか。また、私がいま質問したのですが、弱い産業へ輸出の見返りとしてしわ寄せをされることがあってはならないというふうに思うが、どうなんです。同時に、総理が言っているように、輸入の拡大をすればまた消費の拡大もしなければならないというふうに思いますが、経済企画庁長官はどのように考えておりますか。
○国務大臣(河本敏夫君) いま総理から御答弁がございましたが、貿易の拡大均衡といいましてもいろいろ対策がございます。いますぐやれるものと、やはり若干時間を必要とするものとございまして、そこで一昨日、第一回目の経済対策閣僚会議を開きまして、数項目についてはすぐに実行しようという合意ができましたので、これをどう実行するかは、実行の仕方等につきまして細かい点をいま詰めておるところでございます。なお、若干残された問題につきましては、引き続きましてできるだけ早く結論が出るように、そういう方向でいま作業を進めております。
○村沢牧君 私の質問に全部答えておりませんが、そういう場合であっても、農産物その他弱い産業にしわ寄せをするようなことがあってはならない。また、輸入を拡大すれば消費の拡大も同時に経済企画庁長官としては考えていかねばなりませんが、どうなんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 東京ラウンドの最終結論の場合もそうでしたが、工業製品の場合は昭和五十三年の九月に比較的早くまとまりました。しかし、農産物の場合はいろいろ問題がございまして、数カ月おくれまして五十三年の年末にようやくまとまる、こういうことで、農産物の関係は大変むずかしいものでございます。そういうことで、農産物につきましては特別の配慮が必要だ、こう思っております。そういう観点に立ちまして、先ほど来質疑応答がございましたように、農産物にしわが寄らないように、そういう形で何とか決着できないだろうか、こういう観点に立ちましてこれからの作業を進めていくつもりでございます。
○村沢牧君 農林水産大臣に尋ねますが、水田利用再編対策によって三千五百万に近い財政投資を行い、しかも六十三万ヘクタールもの転作をする生産調整をしなければならないときに、モチ米を三万トンも輸入をしようとしている。昨年もまた六万トンも輸入したんです。モチ米はわが国の水田ではできないのですか。生産調整を農民には押しつけながら、一方では米を輸入している。こんな不合理な、ばかげた行政があるのですか、農林大臣の行政の責任を問うものであります。
○国務大臣(亀岡高夫君) これは毎年おしかりを受ける問題でございまして、本当に申しわけのないことである、こう考えておるわけであります。かつてモチ米が取れ過ぎてこれを持ち越すという経験をいたしましたために、農協、農業団体、非常に慎重になっておるわけであります。しかし、私どもとしては物価対策上、またモチ米の特殊性格の食品である上から、どうしてもこれは二十五万トン以上確保しなければならない。それには生産作付が大切であるということで、農協、農業団体を通じて三十万トン近い作付を要請をいたしてきておるわけであります。 しかるところ、御承知のように本年も米どころの東北が異常な不作ということになりまして、モチ米もまあ二十二、三万トンの生産はあったと、こう見ておるわけでありますけれども、なかなか集荷が思うようにいかない、こういう現状に相なっておるわけでございます。したがいまして、このまま放置いたしますと、年末の正月用モチ米ということになりますと、これは暴騰する心配があるわけでございます。したがいまして、そういうことを十分承知しながら手を尽くしてないということであっては申しわけないということで、やむにやまれず、暮れの正月もち用のモチ米が暴騰をしないようにということで、三万トンの輸入を決定いたした次第でございます。
○村沢牧君 作付面積を制限をしたり、あるいは集荷がうまくいかないというのも、これも農林水産省の責任なんですよ。ですから、こんなことが絶対あってはいけない。私はいまの答弁納得しませんから、またいずれの機会に追及しましょう。 そこで、いま大臣から話がありましたように、ことしの米の作柄は冷害によって全国平均が九六%の作況指数なんです。二年続きの災害によって米の需給は大変窮屈になっているというふうに思うんです。農水省の方針ではことしも転作拡大を計画しておったわけですけれども、生産調整の面積は拡大すべきでない、米の生産調整を見直さなければいけない。そのように考えますけれども、大臣の明解な答弁をお願いします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 本年の作柄は、御指摘のように風水害、低温などによる北海道、東北等の被害地域を中心としてやや不良となりましたが、当面の米需給には不安はなく、また、基本的には米の生産力は大幅に需要水準を上回っておるのが実情でございます。したがいまして、水田利用再編第二期対策につきましては、その枠組みを堅持しつつ、農業生産の再編成のためその確実な推進を図る必要があるものと考えております。しかし、御指摘のように、本年の作柄にかんがみまして、目標面積を五十六年並みにしてほしいという声が被害の多い地方から強く出ておることも承知をいたしておるわけでございます。やはり転作はこれらの農家の協力のもとに円滑な推進を図らねばならないわけでありますから、米の需給操作等にも配慮しながらこの問題について前向きに検討をいたしておるところであり、早急に結論を出したい、こう思っております。
○村沢牧君 食管制度について一、二伺います。 まず行管庁の長官に伺いたいのですが、臨調答申は食糧管理の改革を強く求めておるわけであります。いろいろ言っていますけれども、言わんとするところは食管の赤字をなくせということであろうと思うのです。このことを突き詰めていけば、生産者米価は据え置き、あるいは引き下げになる、消費者米価は引き上げということになると思いますが、長官はどういう見解を持っていますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 方向としましては、食管制度の根幹を維持しつつ、いかに合理化を行っていくか、生産性を向上さしていくか、国際比価に近づけていく努力をするか、そういうことであるだろうと思います。具体的にどういう処理をするかということはまだ決まっておりません。ただ、逆ざやを解消するとか、そのほかの点についてはいろいろ検討もしておるようであります。
○村沢牧君 私の質問したことは、いろいろの施策はするであろうけれども、最終的には生産者米価を抑制をし、消費者米価の引き上げにつながってくる、こういうことを聞いているんですよ。
○国務大臣(中曽根康弘君) それはあなたの御推理でありまして、臨調の方でそういうふうに決めたというものでもないし、またその方向でいま進んでいるという状態でもございません。食糧問題という観点からいかに日本の食管制度をさらに合理的に進めていくか、そういう点で検討しておるのでございます。
○村沢牧君 いま長官からも、食管制度は堅持していく、こういう答弁がありまして、総理も先日そういう答弁をしておるのです。食管制度を堅持していくならば、食管法に基づいて、米の生産者価格と消費者価格の逆ざや、さやがあって当然だ、その差額は財政で負担をしていくこともこれまた当然だというふうに思いますけれども、しかし、いま臨調なり行革で進めていることは、食管制度に基づいてそうした作業を進めるのではなくて、単なる財政を少なくしよう、逆ざやを少なくしよう、それだけではないかというふうに思うのですが、どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 単にその経済的合理化ばかりを考えておるものとは思いません。日本の食糧政策という観点から、先ほど総理も申されましたような農村共同体、そういうような要素も十分考えて日本の農業の特質を生かしつつ合理化していく、そういう考えに立っておるものだと思います。
○村沢牧君 農水省はこの臨調答申に拍車をかけられて、消費者米価を引き上げようと計画をしておるということを聞くわけです。大臣、消費者米価を引き上げなければならない理由、引き上げるとするならば引き上げの時期、その引き上げの率を明らかにしてください。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど来の御論議の中で、食管制度を堅持ということで食管法も改正していただいたわけでありまするし、改正の際も、米麦価の決定につきましては、生産者米価にしても消費者米価にしてもこれを変えるというような法の改正はいたしておらないわけであります。やはり再生産を確保するということを旨とし、売り渡し価格につきましては消費者家計の安定を旨としてそれぞれ適正に定める、こういうふうに法律に明定してあるわけでありますから、それに基づいて消費者米価も検討をしなければならない、こう考えておる次第でございます。何としても逆ざやは解消しなければ赤字解消はなし得ないわけでありますから、この逆ざやの解消をできるだけ前に進めたいということで、消費者米価もその面で引き上げる方向で検討を実は先般命じたところでございます。
○村沢牧君 いつからやるのですか。率はどれだけ考えているのですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) その点については、これから家計費の動向でありますとか消費者の意向でありますとか、いろいろなものを検討して結論を出したい。これはまた私が勝手にいつからというようなことを言えません。米価審議会にお諮りしなければなりませんので、その準備をしなければならぬと、こう考えておる次第でございます。
○村沢牧君 河本長官、物価を抑制すること、あるいは内需の拡大をすることが鈴木内閣の大きな政治課題であるというふうに思うのでありますが、特にこの行革によっていわゆる安上がり政府をつくろうとするときに、消費者米価をまず政府みずからが引き上げていくということ、このことについて経済企画庁長官としてはどのように考えますか。
○国務大臣(河本敏夫君) いま一番大きな課題は国民生活の安定だと、このように考えておりますが、消費者米価の問題につきましてはまだ農水省の方から全然御相談がございませんので、私の方からとやかく言う段階ではございませんが、しかしながら、繰り返しになりますが、国民生活の安定ということが何よりも大きな課題であろうと私どもは考えております。
○村沢牧君 時間がぼつぼつ参りますから最後に一点申し上げますが、総理、臨調は農産物価格も見直せ、あるいは構造改善事業も見直せ、こういう趣旨の答申を行っており、御承知のようにこの一括法案は、農林金融の金利についても法定制を緩和していくということになった。農産物価格はここ数年来据え置き、あるいは実質引き下げによって農業所得は減少しているのです。また、価格を抑制するならば生産を高めて所得を補わなければなりませんが、その生産を高めるための基盤整備については、土地改良十カ年計画がいま九年目になっていますけれども、進捗率は五〇%以下、これに臨調やゼロシーリングによってますますこうしたものが窮屈になってくる。先ほど申しましたように、輸入圧力はますます強くなってきている。農民は借金を大変抱えているけれども、金利は上がってくる。このような八万ふさがりの中で、一体日本農業はどこに活力を見出していけばいいと思うのですか。これは農水大臣にも聞きたいところですが、最後に総理の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 臨調の答申は、農業にかかわる行財政の合理化を求めておるということでございまして、その合理化を進めるに当たりまして、農業を殺すようなことがあってはいけないわけでございます。やはり先ほど冒頭に私申し上げたような食糧政策の観点から、それから農民生活の安定の問題から、農村の活力ある社会の建設から、そういうような観点からいたしまして農村の健全化、農村の安定、これを基本にするわけでございまして、そういう枠内におけるところの合理化をどのようにしていくか。 いま御指摘になった中で基盤整備の問題等につきましてお触れになりましたが、確かにいままで採択したものの工事の進捗度というのは五〇%余ということでおくれておりますが、こういう財政の厳しい中でございますから、新規採択等はできるだけこれを抑制をして、そして重点的にいままで継続であるものを早く経済効果の上がるようにするとか、あるいは補助金のメニュー化等をやるとか、いろんな工夫をこらして合理化を図って、そして農業の目指すところの目標に向かって前進をする、こういうことでなければならない、こう思っております。
○委員長(玉置和郎君) 中野鉄造君。
○中野鉄造君 私は、行財政改革の基本問題について、まず総理にお尋ねいたします。 今日わが国の景気は回復の方向にあるということが言われておりますものの、いまひとつ力強さがない。GNPの成長の主たる原動力であった輸出も、今後はこれはますます厳しさが加わってくるということが予想されますし、また一方、今年度上半期四月から九月の税収も予定より大幅に落ち込んでおるし、これを下半期で取り戻すということもかなりむずかしいということが予想されますし、そういうような面から、当委員会の各大臣の答弁でも明らかになっておりますけれども、総理はこのようなわが国の経済の現況についてどのような認識を持っておられるでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の経済の現況でございますが、これは国際比較におきましては私は比較的日本の経済は順調に推移しておる、このように思います。そして、国内的に見た場合におきましても、緩やかながら日本の経済は回復の基調にある、このように思うわけでございます。しかし、これをさらに掘り下げて見てまいりますと、地域別でありますとか、あるいは産業別でありますとか、規模別でありますとか、そういうところにでこぼこがございます。決して全体がいいという状況ではないわけでございまして、私どもは中小企業、零細企業あるいは冷害等を受けたところの地方、そういうようなところで大分景気が落ち込んでおる、停滞をしておるということもよく承知をいたしておりますから、そういう点を十分きめ細かに検討いたしまして経済対策を進めていこう、こういうことで、先般十月の二日でございましたか、経済対策閣僚会議を開いてこれを進めておるところでございます。
○中野鉄造君 いまの総理の御答弁は、私の質問にちょっと当を得てない。こういう非常に税収も落ち込んでおる、こうした現況をどのように認識されておるかという質問をしたわけでございますけれども、何かこう楽観視したようなきらいもあるように私は感じますが、こういうような今年度の税収減ということが非常に大きいということは、帰着するところ、五十七年度予算の税収減にこれはつながる危惧があるわけですけれども、その場合、次の三つのうちどれを選択されようとするのか。一つは、御承知のようにこのゼロシーリングによって提出された概算要求をさらに圧縮しようとされるのか、二つ目には増税をするのか、三つ目には国債発行の減額一兆八千三百億円をさらに減らそうとなさるのか、この三つのうちどれを選択なさるおつもりですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まず、五十九年度までに赤字国債の発行から脱却するということで五十七年度の予算編成をこれからやろうとしておるわけです。これは要するに大型新税なしに、いわゆる増税なしの予算編成をやろうということでございますから、この調整額というものは歳出の削減、抑制、それによってまずやろう。そうして、できることならば極力行政改革を進めて歳出を抑え、さらに合理化し、一方においては景気の維持を図り税収の確保に努める、こういうようなことで、両面から極力増税のない財政再建というものを進めていくということ、そういう考え方であります。
○中野鉄造君 そうしますと、需要の拡大ということも今後余り見込まれないような気もするのですが、だんだんこうして税収は現に落ち込んでおる。そうして、入ってくるお金は少なくなってくる。そうすると、つまるところは縮小予算というようなことになりかねないのじゃないかと思うわけですけれども、いま大蔵大臣の御答弁になったように、そういう縮小予算というようなことには絶対にならないとおっしゃるわけでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ある程度予算規模は全体としてはふくれざるを得ない。それはなぜか。それは一つには何といっても国債費です。借金した利息がどんどんふえておりますから、これはもうそれ以上借金しないということで、ふえ方にブレーキをかけるという以外にはないわけであって、いままで発行した国債を途中でキャンセルするわけにいかぬわけですから、まずそういうことが必要です。それと同時に、やはり先ほども言ったように、確かに世界じゅう経済が停滞いたしております。日本だけじゃありません、世界じゅうが。特に非産油国はひどい。そういう中にありましても、日本はいろいろな要素が重なって国民の協力と努力と勤勉というもので、施策のよさも一応一緒になりまして、それで現在、悪いと言いながらも国際的には皆さんからうらやまれるという状態になっているわけですから、何とかこの状態を持続できるようにいろいろと創意工夫を図っていきたい、そう思っておるわけでございまして、ただ、経費が膨張すればその分の財源が必要なわけですから、その財源を、それはもう国債をふやさないのですから、むしろ減らすの、ですから、そうすると税収の範囲内でおさめていくということに極力持っていく工夫をする。したがって、縮小になることはありませんが、膨張にブレーキがかかるということであります。
○中野鉄造君 経企庁長官にお尋ねいたしますが、長官は日ごろ内需拡大ということを言われておりますけれども、いまの大蔵大臣の御答弁のように、縮小することはない、しかしその中で何とかやっていくということですが、現にいまも申しますように税収は落ち込んでいる、そして内需拡大ということが望まれるときに、これは景気対策に逆行することになるのじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 来年の経済運営につきましては、目下作業を進めておりまして、十二月の終わりには大体の見当がつくのではないかということで、関係各省の間で鋭意作業中でございます。国民経済全体の規模から言いますと、三百兆少し切れた見当になるのではないかと思います。 財政は、いま大蔵大臣の言われておりますことから判断をいたしますと、大体一般会計は五十兆前後と、こういうように思われますが、そこでやはり経済の活力を強力に維持するということのためには、財政ももちろん非常に大きな役割りを果たします。しかし、財政以外の分野ももちろん大きな役割りを果たすわけでございますので、財政が窮屈になりますと財政以外の分野で、つまり民間経済の活力をどう維持拡大をしていくかということが非常に大きな課題になろうかと思います。 国民の消費活動はどうか、住宅関係はどうか、また貿易はどのようになるか、あるいは民間の設備投資はどのように動くか、こういうことなどが非常に大きな課題になろうかと思います。経済全体として十分な税収が確保できるようなそういう経済運営をしなければならぬわけでございまして、いま大蔵大臣がお述べになりましたのもそういう趣旨であろうと思います。
○中野鉄造君 最後に、景気問題について総理にお尋ねいたしますが、総理は内需拡大を具体的にどのようにお考えになっておりますか。経企庁長官が先ほどお答えになりましたけれども、総理の方に改めてお尋ねいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) まず第一は、私はやはり物価の安定を、いま順調にいっておりますけれども、これに絶えず気を配りまして物価の安定を図っていく、そして、国民の可処分所得を実質的にふやすような方向に持っていかなければならない、このように考えておるわけであります。また、個々の経済対策としては、景気に大きな波及効果のある住宅問題、住宅建設、こういうものを積極的に行うとか、そういうような施策をやはり総合的にやってまいる必要がある、こう考えております。
○中野鉄造君 いま消費拡大ということをおっしゃいましたけれども、現実に国民のふところぐあいはどんどんどんどん、これは増税はないにしても実質増税という形で厳しくなっていっている、この現況を総理も御存じないはずはないわけですけれども、これをどういうふうにごらんになりますか。それでもなおかつ消費は拡大していくとお思いでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は経済指標をそれぞれ見ておるわけでございますが、中野さん御指摘のように、個人消費の伸びは必ずしも期待したほどではないわけでございますけれども、しかし、徐々に私は回復の方向に向かっておる、こういうぐあいに見ておるわけでありまして、先ほど申し上げましたような物価政策その他を総合的に今後も進めまして、内需につきましても改善を図ってまいりたい、こう思っております。
○中野鉄造君 この問題はどこまでいっても平行線でなかなか煮詰まらないと思いますので、時間の都合もありますので、ちょっと方向を変えます。 きのう、レーガン大統領は欧州の戦域核の全面廃棄、戦略兵器削減交渉の来年早々の開始等を内容とする四項目の対ソ提案を明らかにしましたけれども、総理はこのレーガン大統領の提案をどのように評価されているのか、これが第一点。 第二点といたしまして、この米ソ間の軍縮交渉に対してどのような見通し、期待を持っておられるのか。 最後に、ソ連側は、アメリカ側の宣伝だと、この提案をそれこそ異例の早さでもって拒否する態度を示しましたけれども、これをどのように判断されるのか。この三点についてお尋ねいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま御指摘になりましたレーガン大統領の軍備管理、軍縮に関する四項目の提案、私どもは大きな関心を持って今後の成り行きを見ておるわけでございます。いままで強いアメリカを志向し、そして軍事予算を増大してやっておりましたところのレーガン大統領が、これは恐らく前から時期を見ておったのではないかと思いますが、今回、ブレジネフソ連書記長に対してみずから親書を送って、そしていまの四項目の提案をしたわけでございます。私は、このレーガン大統領のそういう方向で今後努力していくという政策に対しまして評価をいたしておるところでございます。 ソ連側におきましてもこれを受けとめて、かねてからソ連のブレジネフ書記長も、一時は平和攻勢と、こういう評価もなされたのでありますけれども、とにかく軍縮の問題についてはしばしば発言もいたしておったわけでございますから、この際、米ソ首脳は行きがかりを捨て、不信感を払拭して、この際、世界の平和と安定のために建設的な方向で話し合いをしていただきたい、それを期待をいたしておるわけでございます。 わが国は、御承知のように、軍縮、軍備管理、この問題につきましては熱心に提唱をしてまいりました。一昨年の軍縮特別会議、国連の会議におきましても、ジュネーブの軍縮委員会におきましても、また、先般の七月に開催されたオタワサミットにおきましても、十月のカンクンの南北サミットにおきましても、経済サミットではございましたけれども、重要な国際会議でございますから、その際に私は、軍備管理、軍縮、そういうことを強く訴えたわけでございます。私どもは非常に、レーガン大統領の御提案によりまして国際世論もだんだん盛り上がってくるであろう、こう期待をいたしておりますから、今後ともわが国政府としてもそういう方向に対して最善を尽くしてまいりたい、こう思っております。
○中野鉄造君 ソ連が拒否したことについては。
○国務大臣(鈴木善幸君) ソ連が拒否したということにつきましては、新聞報道は聞いておりますけれども、まだ正式に何らの通告も得ておりません。
○中野鉄造君 今回のこの提案の背景には、やはりいろいろなことが指摘されるとは思いますが、その一つには、西欧諸国に広がりつつある反核兵器の連動がある、こう言われておりますが、こうした動きを総理はどのように認識なさっているでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 西欧諸国におきましても、やはり核戦争の脅威というものは、これは深刻に受けとめておるものと私どもは認識をいたしておりまして、日本は世界における唯一の被爆国でございますから、今後さらに国際世論を高めてそういう方向に努力をしてまいりたい、こう思っております。
○中野鉄造君 最近、米国側から核兵器の限定的使用の可能性のあることがしきりに伝えられておりますけれども、こうした考え方は、これはもう言うまでもない非常に危険なことであると思います。総理はこうした核兵器の限定的使用というアメリカの考え方についてどのようにお考えになっているのか、これが一点。 次に、アメリカ政府あるいはレーガン大統領に対し、このことについて何らかの手段、あるいは機会を見て、いかなる場合においても核兵器は一切使用すべきでないという申し入れを日本政府として行うべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 核兵器は、たとえ限定的なものであってもこれを行使するようなことがございますと、これは大変な惨禍をもたらすことになろう、このように考えますので、いかなる種類の核兵器、戦域核であろうと、私どもは使用することに対しては反対でございます。 極東に対しての配備云々も新聞に出ておりますけれども、米政府から何らアプローチがございません。具体的なアプローチがないわけでありまして、私どもは、仮にそういうことがありました場合に、日本に関する限り非核三原則を堅持いたしておりますから、そういう事前協議に当たってはこれに対してノーと答える、これは不動の方針でございます。
○中野鉄造君 いま総理から、何らアプローチがないから、そういう機会があったらばということでございますが、外務大臣、この件についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 総理から答えられたとおりでありますが、そもそもこの問題は、南北サミットで総理みずから発言をして、しかも大統領の演説の中には総理が使われた言葉をそのまま、力の均衡は水準を低目にして、そして力の均衡を保ちつつという一句もありますし、かつまた特に重要なことは、南北サミットで総理が南北問題と軍縮の関係を初めて言われたのでありますが、この問題も大統領は取り上げておりまして、きわめて歓迎するところであります。したがいまして、そういう意向はすでに日本側は総理から発言されております。 今後についてはいま総理がおっしゃったとおりでありますが、もう一つは、これから行われるジュネーブの交渉、それから米ソの外務大臣の交渉、これが大体本筋であって、これを中心にして両方からそれぞれの一つの議論を始めたわけでありますから、少なくとも私は、米ソの間で核軍縮、廃止あるいは制限、通常兵器の管理、こういう糸口が出てきたことはきわめて歓迎すべきことである。したがってわが日本としては、総理のおっしゃいましたとおり、今後ともこういう問題について熱心に日本の立場から努力すべきものであると考えております。
○中野鉄造君 世界の軍備費というのは、一九八一年度でもうすでに約五千億ドルに達する、こう予測されておりますけれども、しかも、今後なお増加の一途をたどることは十分に予想されます。こういうようにして、ますます核軍拡競争というものがエスカレートしていくのじゃないかと思います。しかも、軍縮交渉は一方では全く停滞状態にある。これもまた憂慮すべき事態の一つでございます。幸い来年は第二回目の国連軍縮特別総会がニューヨークで開かれることになっておりますけれども、総理は、わが国として積極的なその対応をこれに対して行うべきじゃないかと思います。 そこで、来年のこの軍縮特別会議に臨むに当たって、三点にわたってお尋ねいたしますが、まず、当然これは総理も出席されるだろうということを期待しておりますが、いかがでしょうか、それが第一点。 二番目に、わが国の軍縮に臨む提案、姿勢をより充実強化すべきだ、先ほど申し上げたこと等も含めてこれはもう明確にすべきだということですね、それを具体的に政府として取り組む用意はあるのか、これが第二点です。 三番目に、総理が日ごろ言われております総合的安全保障政策の中核に軍縮をこそ据えるべきだと、私ども公明党は日ごろからこれは強調いたしております。それで、この中核に軍縮を据えるかどうかということを、ひとつこの際、総理の明確なる所信を御披瀝いただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、こういうような国際情勢の中におきまして、明年六月に開かれる軍縮特別総会、これは非常に重要な総会である、このように考えておりまして、私も国会の御同意を得ればぜひ出席をいたしまして日本政府の基本的な方針を宣明したい、このように考えております。 なお、その際における軍縮、特に核軍縮、こういう問題を中心としまして、軍縮の問題につきましてわが国の従来から言っておりました方針、こういう点をはっきりと訴えたい、このように考えております。 それから第三点の問題でありますが、これは御指摘のように、今日軍備の拡張、拡大のために五千億ドルを超える、六千億ドルになんなんとするような資源がそういう方面に使われておる。一方において第三世界等は飢餓と貧困にあえいでおる、こういう状況であります。それが私は世界の平和への一つの脅威になってきておる、紛争のもとになっておる、こういうことを考えまして、これを国際的な総合安全保障の中心に据えて、そして世界の平和安定のために努力していきたい、これを訴えたいと、こう思っております。
○中野鉄造君 最後に農水大臣にお尋ねいたしますが、基盤整備の件について、これを融資に切りかえるというような、これはなさるおつもりはないだろうということを期待して、確認の意味でお尋ねいたしますが、いかがでしょうか、圃場整備の件。
○国務大臣(亀岡高夫君) 五十七年度概算要求におきましては、従来の方式で要求をいたしております。その後の件につきましては、専門家に検討をしていただくという態勢をつくっております。
○中野鉄造君 検討中ですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) はい。
○委員長(玉置和郎君) 沓脱タケ子君。
○沓脱タケ子君 土地の税制問題についてお聞きをいたします。 自民党の土地問題委員会では、宅地供給対策の一つとして、土地税制の大幅緩和の方向を打ち出しておられます。建設省、国土庁もこれを受けて土地税制の緩和策を固めたといいますが、これはずばり言いまして、宅地供給促進のために実施をしたいということなんですか。簡潔にお願いします。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 先生御指摘のように、宅地供給促進のための一つの方途としていま検討中でございます。
○沓脱タケ子君 土地税制緩和の対象となる土地で、短期について言いますと、国土庁の調査では、資本金一億円以上の企業が持つ販売用の土地というのは全国で九万六千ヘクタール、このうち四十四年から四十八年のいわゆる土地ブームの時期に取得したものが六〇%以上を占めています。また特別土地保有税は、四十四年以降に取得してまだ利用していない土地にかけられておりますが、この税収というのは、自治省の試算では六百億から七百億と言われております。こういう状態で企業に対する土地税制を緩和するということは、いわば土地投機に走って地価をつり上げてきた原因をつくった企業を救済することになるという、そんな見方もできるのではないかと思うんですが、建設大臣いかがですか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 そういう考え方もあろうかと思いますが、そうしたことも含めて総合的に関係機関等と相諮って、御懸念の向きのないような形で何とか宅地供給促進のための方途を考えさせていただきたい、また考えているところでございます。
○沓脱タケ子君 では、自治大臣にお伺いいたしますが、こういうことになってくると、自治省での試算の税収六百億、七百億が減収になって、地方財政に打撃にもなると思うのですが、大臣の御見解はいかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 特別土地保有税につきましては影響するところがいろいろあるわけでございます。現在の土地価格の動向でございますとか、あるいは土地の取引の状況とか、また、いまお話のございました地方財政への影響も相当あるわけでございます。基本的には私の方は、大体現行の枠内で基礎的にはいくということが望ましい、こう考えておるわけでございまするが、土地供給を増加させるという観点からいろいろの御議論がございます。十分この辺は将来にわたり、今後におきまして調整をとって結論を出したい、こう思っておるところでございます。
○沓脱タケ子君 少々減ってもしようがないと思っておられるわけですね。 余り時間がありませんので、農水大臣にちょっとお伺いしたいのですが、都市農業というのは、御承知のように、新鮮な野菜の生産だとか、その担う役割りというのは大きいと思うわけでございます。都市農業についての評価をどのように農水大臣はしておられるのか、簡潔に御見解を伺いたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のように、都市市民の方々に軟弱野菜供給の基地として大きな役割りを果たしておるというふうに考えております。面積は小そうございますが、一年に八回ないし多い方は十二回回転させて野菜を出荷しておる。むしろ専業農家が非常に目立ってきております。
○沓脱タケ子君 余り評価をきっちりおっしゃってくださってないのですがね。
○国務大臣(亀岡高夫君) きわめて重要な使命を果たしておる、こう申し上げたわけでありまして、それで評価は十分じゃないかと思います。
○沓脱タケ子君 農民に対しまして、農地について五十三年の税制調査会が、三大都市圏の市街化区域内の農地の宅地並み課税を実施するという答申を出しておられますが、これがいま三大都市圏の農民の中で大問題になっておるわけでございます。大阪では、府下平均の試算をしてみますと、これは十アール当たり、特に来年は固定資産の評価がえの年でございますので、そういう点を加味いたしまして計算をいたしますと、A農地で九十二万円、これは平均でございます。B農地で三十九万円、C農地で十七万円。仮にその十アール当たりの米作収入を考えてみますと、十万円内外になるわけですね。ですから、米作収入で勘定する十万円の、いわゆる農地収入の二倍から九倍になるような税金ということになると、これは農民は大問題だということで反対に立ち上がるのは当然でございます。大変激しい運動が展開をされておりますし、今日では農協中央会も反対の運動を進めておられますし、政党で言いますれば、自民党さんの中でも反対を含めていろいろな御意見が出ておることを承知いたしております。 そこで、最初に自治大臣にお伺いをしておきたいのですが、こういう問題を持っております宅地並み課税は御賛成なのか、少なくとも現状で凍結をするか、廃止のために努力をするべきではないかと思うのですけれども、御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これは税調におきましても、いろいろ各方面の意見を聞いて論議を重ねまして、一応の結論を得ているわけでございます。五十六年度まではいまのままでよかろう、五十七年になったら長期にわたって農業を継続する意思ある者については、これは別に考える、それからA、B農地についてはいろいろと妥協的な措置もとられておりまするが、それはきちんとやる、C農地は外れておりまするが、そのC農地についてはきちんとやる、そういう方向で進むべきであろうという答申を受けておるわけでございます。私どもはその方向で考えるべきだと思っております。目下、関係省庁との間に十分この点についての合意を得るように折衝しておるところでございます。
○沓脱タケ子君 総理にお伺いをしたいのですけれども、総理は、行政改革については国民に、痛み分けをしていかなければならない、あるいは税の公平ということを常におっしゃっていらっしゃるのでございます。ところが、いま申し上げたように、土地税制に関する限り、お聞きのとおりなんですね。ですから、企業に対しては土地の吐き出し促進と称して減税をやる、農民の土地は吐き出しをさせることを目的にということで都市農業を壊滅させるような重税を課する、これは公平な行政と言えるだろうか。少なくとも行政の公平化を進めていくためには、宅地並み課税を撤廃するか、せめて現状で凍結をするべきだと考えるわけですけれども、総理の御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 税制を考えます場合に、税の公平、これを図っていかなければならない、こういう観点から、土地税制につきましてもいろいろ検討が進められておるわけでございます。それから、もう一つ土地税制の場合に考えなければならない点は、住宅の建設、これを促進いたしますために宅地を提供してもらう、出しやすくしてもらう、こういう問題もあるわけでございます。したがいまして、あらゆる角度からこの土地税制というものは見ていかなければなりません。私は、宅地を確保するということは税制だけでも限界がある、こう考えておりまして、土地対策としては総合的な対策が要るものだ、こう考えております。今後、この土地税制の問題につきましては、いま申し上げたような観点から取り組んでいきたい、こう思っています。
○沓脱タケ子君 総合的なお取り組みということではお話はわかりましたけれども、宅地並み課税についてはどういう方針なのか、その点について重ねてお願いをしたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) それは先ほど自治大臣から詳細に、いままでの経過等を踏まえて御説明を申し上げたわけでありますが、今後、そういういままでの経緯、方針がございますから、それを踏まえながら最近の実情等も十分勘案して対応していきたい、こう思っています。
○沓脱タケ子君 終わります。
○委員長(玉置和郎君) 喜屋武眞榮君。
○喜屋武眞榮君 先ほどは、短かい時間をさらに細切れで総理にお伺いする、その気持ちをお察し願いたいと思います。 荒れた山河に緑の晴れ着という標語がございます。河川局防災課所管補助事業分の予算額を見ますと、五十三年度千八百五億、五十五年度二千四百二十九億と、このようにふくれ上がっております。このことから思いますことは、いわゆる災害が起こってからそれに対策を講ずるというこういうことよりも、さらには前向きで積極的に国土を保全するという、ここに大きな力を入れることが大事ではないだろうか。そのことが、総理が行政改革推進の一環として国の補助金の縮減を重視していく、こういうことの趣旨にも私はかなうのではないかと、こう思って、あえて総理の御所見を求めるわけでありますが、さらに、先ほどもちょっと申し上げましたが、沖縄の特殊事情から森林が非常に破壊されつつある。それは天災も人災もある。人災は基地につながる自然破壊、森林破壊、そこに水資源の問題もあろうが、さらにバリアという軍事基地の新しい評価もある。ところが、そこにまた世界的な希少鳥が次々と見つかっておる。このような沖縄の自然をどのように考えていらっしゃるのか、その所見を承りまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 国土の保全、災害の未然防止、これは非常に重大な問題でございまして、政府におきましてもそういう観点で、治山治水、河川改修、こういう問題につきましては今後とも力を入れていきたい。また災害等につきましても、単なる原形復旧でなしに、改良復旧をして再度そのような災害が発生しないように、そういう心構えで取り組んでまいる所存でございます。 沖縄の自然環境の保護、この問題につきましては、先ほど来るるお話を伺いました。十分関係各省庁で話し合いをし、検討をしながら進めてまいりたい、こう思っております。
○委員長(玉置和郎君) 以上をもちまして、本連合審査会は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後四時五十五分散会