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95回国会参議院1981/11/26

行財政改革に関する特別委員会、内閣委員会、地方行政委員会、大蔵委員会連合審査会 第3号

発言数
431
登壇者
54
会派数
7
開催日
1981/11/26

会議録

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会、内閣委員会、地方行政委員会、大蔵委員会連合審査会を開会いたします。  前回に引き続き、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。和田静夫君。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まず、公取委員会にお尋ねをいたしますが、本委員会でもすでに一、二論議がありましたが、競争入札のたてまえがみごとに崩れている、そういうことが次々に明らかになってきています。発注官庁などの談合の団体がつくられて規約まである、これが世間の常識に今日なっているわけです。私は、この問題は建設業界の体質が一つあるとは考えていますが、それ以上に問題なのは、役所と業界の癒着だと思うのです。この問題は後で触れますけれども、談合というのは公正な取引とは言えない、全く不公正な取引だということであると私は考えますが、まず公取委の見解を伺います。

伊従寛公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(伊従寛君) お答えいたします。  独占禁止法上、入札談合が違法になりますのは、一定の取引分野、通常の一定の市場における競争が実質的に制限された場合でございます。談合入札の主体が事業者である場合には三条後段の「不当な取引制限」、事業者団体で行われた場合には、これは八条一項一号の違反になります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、北九州市の建設業者が談合入札の申し合わせを破った、永久除名の制裁を受けた、こういうふうに言われているのですが、この事実は確認できますか。

伊従寛公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(伊従寛君) お答えいたします。  先ほどお答えしました独禁法の「一定の取引分野」という場合には、一定の市場ということでございまして、地域的なある程度の広がりあるいは時間的な広がりがあって、組織的に行われている場合でございますので、いま御指摘の入札談合がそのような場合に該当するかどうかが明確でございませんが、もし該当するとなりますと、そういう場合に特定の事業者を排除するということは問題になり得ると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 日本道装会、道を装飾する会、この談合入札の星取り表というのが日本道路公団あてに提出された、そういう形で動いている、この辺のところは道路公団は確認できますか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) いま道路公団の役員がこちらに向かっているところでございますから、しばらくお待ち願いたいと存じますが、私どもは、まだその実態は調査いたしておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ道路公団は後にしますが、建設省はこの話はまだ知らない、こういうことですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 全く聞いておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 建設大臣、知らないじゃ話にならないのですがね。裏ジョイントがあるという話は御存じですか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  新聞で見ただけでございまして、実態については知っておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 警察庁、この談合の実態についてどういうふうに把握されていますか。

中平和水警察庁刑事局長

○政府委員(中平和水君) 私ども捜査の対象といたしますのは、御案内のように、公正な価格を害し不正な利益を得る目的をもってする談合について、これを私ども捜査の対象としているわけでございます。私どもは平素からこの種の事案についてもかねがねその実態の把握に努めておるわけでございますが、たまたまことしになりまして五十九件の贈収賄事件を私ども摘発をいたしておるわけで、これは土木公共工事に係る事案でございます。そういう中で、かなりの数の談合行為が行われたことは把握いたしておりますが、ただし、これはいわゆる談合罪に言う公正な価格を害し不正な利益を得る目的をもってした談合というふうに立証できないケースでございまして、したがいまして、贈収賄事件の背景の事情といたしまして、情状に関する証拠としてこれを一応書類とともに送っている、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 建設大臣、一体この談合というのをどういうふうに把握をされますか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  談合罪そのものは法律的に規制されたものでございますので、当然業界としてはこれに違反するような行為があってはならない、またそうしたことがあってはならないというように現在まで厳しく指導してまいっておるところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは法制局長官ですかね、談合を行った場合、どういう罪になりますか。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) いま刑事局長の方から話がありましたけれども、刑法九十六条の三の第二項の談合罪に該当するものがあれば、それによって処断されます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そのほかに細かくたとえば独禁法だとかいろいろあるでしょうが。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) これも先ほど公取の方から回答がありましたけれども、独禁法の第三条、事業者がやった場合は第三条、それから事業者団体がやった場合は第八条にそれぞれ私的独占あるいは不当な取引制限の禁止に対する禁止規定がございますが、談合がもしそれに当たるようであれば、当然その規定によって処断されると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そのほかに独禁法の九十五条の関係、八条の一、二、三、いま八条は触れられましたが、あるいは予算決算会計令七十一条の一、二の関係、地方自治法施行令百六十七条の四の関係、建設業法二十八条営業停止問題、二十九条許可取り消し問題などというような形に分かれているのでありますが、政府は増税のない財政再建を掲げてきたわけです。歳出を厳しく切り詰めようとしている。そのやさきに、公共事業がこんな状態で業界の食い物にされている。裏ジョイントが制度化されるのは公共工事の利益が過大であるためだという指摘があるわけですね。この辺は行管庁長官、どういうふうにお考えになります。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) やはり計画発注事業の執行は、法に従いまして適正に執行されなければならぬと思います。その流れをいかに厳正に執行しているかということに政府の大きな責任があると思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、この二、三日、かなり問題になっています、まず会計検査院にお尋ねしますが、上越新幹線の中山トンネル工事現場で五十四年三月に起きた異常出水事故について、佐藤工業株式会社なるものが各種機材の水没被害額を水増しして、鉄道公団から約一億五千万の架空補償費をだまし取った、これは確認できますか。

丹下巧会計検査院事務総局第五局長

○説明員(丹下巧君) お答え申し上げます。  上越新幹線の中山トンネルにつきまして、五十六年四月の日本鉄道建設公団東京新幹線建設局の会計実地検査の際に、中山隧道工事の異常出水事故による損害額につきまして、工事請負契約書の条項に基づいて公団が五十五年十二月に支払った六億二千八百十四万四千円について、公団側に提出された資料と請負会社の帳簿等を対比しましたところ、工事の仮設物または建設機材器具に関する損害額の算定の基礎となる建設機械等の購入価格、取得時期、現場搬入時期について、対象件数千八十八件のうち約半数が帳簿等に記録されている事実と相違しているということを発見しましたので、このような事実の確認等につきまして五十六年七月に公団当局に対して質問を発し、五十六年十一月回答を得て、現在審理中であります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、会計検査院に内部告発があったことが水増し発覚のきっかけであったと言われるわけですが、鉄道公団が請求を受けたときに厳密な実地検査なりあるいは原本の照合を行っていたならば、こういうことは避けられた、これはもう明確になっているのですが、そうでしょうか。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) 先生御指摘のとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、なぜ鉄建公団はそのことをやらなかったのかということなんですよ。あなたの方は常に写しでもって処理をしてきた、原本の照合というのは一回も行っていない、こういう状態なんですね。これはどういうことですか。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) 佐藤工業から提出されました減価償却計算書あるいは納品書、こういうようなものの写しを見ただけで本文に当たってないということでございますが、当たらなかった一つといたしまして、一応コンピューターから打ち出されてきちっとした形をなしていたということ、あるいは納品書等につきましては関係者の判が全部押されておりますし、相互の関係もきちっとしているというような問題、それからもう一つ、当時の購入価格につきまして、積算資料等につきまして現場で当たりました結果はほぼ妥当な線であったというようなことで、この書類が正当なものであろうというふうに判断をしたようでございます。  ただ、先生御指摘のように、非常にこれが改ざんされていたということで、これを見抜けなかったということについては、まことに申しわけなく思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ごまかし価格を正当に見せるために納品書の偽造があった。これは佐藤工業内部での偽造だけですか、それとも佐藤工業と外部との関係において仕組まれて偽造が行われていますか。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) 減価償却等の佐藤工業が保有しておりますものは佐藤工業の内部だけでございますが、納品書等につきましては、それを購入した業者との間の偽造といいますか、そういうものがございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 佐藤工業以外の第三者もちゃんとかんで偽造が行われている、かなり組織的、計画的にこれは行われてきたわけです。  そこで、この件について警察庁はどういう見解をお持ちですか。なお、どういうふうに対処されますか。

中平和水警察庁刑事局長

○政府委員(中平和水君) この問題につきましては私どもも一応関心は持っているわけでございますが、ただいまのところ具体的な事実関係を把握いたしておりませんので、直ちにお答えを申し上げることは差し控えたいと思います。  ただ、一般論として申し上げれば、証拠に基づいて犯罪事実を構成する事実があれば、当然私たちはそれなりの対処をしてまいる、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 公団は、六月一日から九月三十日、報道はかなり違っていますけれども、この四ヵ月間の公団工事入札資格の停止処分を行った、こういうことでありますが、大変対応が甘くありませんか。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) この件につきましては、公団内にございます副総裁を長とする建設工事請負に関する委員会あるいは現場の請負業者に関する指名委員会等において十分審議をいたして四ヵ月というふうに決めたのでございますが、かなり改ざんを意図的に、ごく一部の現場の関係者というふうに聞いておりますが、そういうふうな人間にしても、こういうことで大きな金額を詐取したというようなこともございますので、ただいま私から佐藤工業に対して、その四ヵ月にかかわらず暫時の間、指名競争入札に参加させないというようなたてまえをとっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま言われたその暫時の間というのは、四ヵ月を超えることどれぐらいのことを構想されているわけですか。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) いま明確に私も決めておりませんが、もう少し諸種の事情を勘案いたしまして、最大限ということになると九ヵ月ぐらいというような感覚を持っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 コンピューターを利用した二重帳簿づくりがやられていたということでありますが、警察庁、この事実の認定はともかくとして、一般論としてはこれはいかなる犯罪に当たりますか。

中平和水警察庁刑事局長

○政府委員(中平和水君) 具体的な事実関係を把握した上で申し上げるべきでございますが、きわめて一般論でということでございますからお答え申し上げますと、その文書が私文書でありますれば、これは該当の会社の内部の文書でございますから作成権限は一応当該会社にあると見られますから、一応私文書であれば犯罪は構成しないのではなかろうかと、こういうふうに考えておりますが、何分、事実関係を把握した上でお答えを申し上げるべき問題だと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 鉄建公団の総裁は、検査院との間で結論が出ていないので正式な見解は出せないというふうに述べられていて、いま大体九ヵ月ぐらいのことを構想しながら暫時遠慮するようにというようなことを述べられたのですが、公団が当時被害状況を正確に把握する努力をしていれば不正は防止できた、これはいまお認めになったとおりであります。そうすると、鉄建公団のいわゆる過大支払いの責任はどうとるつもりですか。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) これにつきましては、十二月の半ばと想像されますが、検査院の正式の検査報告が出された段階におきまして十分慎重に審議し、厳正なる部内処分をしたいというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最近あったのでは、電電公社が検査院の結果を待たずに自発的に処分をしていますよね。そういう対応というのはお考えになっていないということですか。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) 現時点では、もう時間も切迫しておりますので、考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 検査院は、この公団の責任にはどういうふうに対処するおつもりですか。

丹下巧会計検査院事務総局第五局長

○説明員(丹下巧君) 先ほど申し上げましたとおり、現在検査報告の作成中でございまして、事務総局でいま審議中でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 運輸大臣の対応の仕方を聞きます。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 目下、会計検査院の方で報告書を作成中でございまして、その報告を待ちまして処置いたしたいと思うのでございますが、とりあえず二十四日、私並びに鉄監局長から、鉄建公団の支払いの事情等詳しく聴取するとともに、これに対する審査体制のあり方について改善方を同時に提出するように要請しておるところであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、これは公団その他いろいろ責任問題が出るのだと思うのですが、たとえば国鉄ですね、日本国土開発との関係あるいは間組との関係、これらで山陰線の島田トンネル事件あるいは磐越西線の御前トンネル事件など、ずさんな検査で見落としていたものが検査院の指摘でそれぞれやり直させられる、こういうことがずっと起きていますね。  時間の関係がありますから、質問通告をしておった、どういう諸君が再就職をこれらの企業にしているかという問題、あなた方の方から答弁させずに私の方から資料を提出します。  いまお手元に建設省、運輸省、さらには鉄建公団から再就職、天下りをした人たちの人名をお配りをいたしました。三社に対してでありますが、日本国土開発株式会社に対して、たとえば鉄道建設公団から常務取締役、これはかつては国鉄大阪の工事局の責任者であった人、佐藤工業には専務取締役あるいは顧問、これらに国鉄の常務理事であった音あるいは官庁営繕部長であった者その他の諸君、あるいは間組には、たとえば常務に国鉄の東京第三工事局長であった人などというような形で、この三つの事件を指摘しただけでも、それぞれ対応のポストにはちゃんとそれぞれのところから天下っていった諸君が座っていて、そして折衝が行われて、工事の手抜きやその他に結びついていっている、こういう事実関係というのは、私はこの三社に対する天下りの一覧表を提示しただけでもどうも明らかになってくるのじゃないかと思う。  この辺のことを一体どういう形に建設大臣、運輸大臣は見られますか。あるいは文部大臣も、先日来文部省OB関係のいろいろなことが報道されているわけでありますが、こういう関係についてどういうふうに理解をされますか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  天下り人事について、とかくの問題をしばしば指摘されるわけで、大変遺憾に存ずるところでございます。建設省関係、天下りという表現がいかがかと思いますけれども、それなりの国政、行政に携わったすばらしい経験の持ち主でございまして、当然かく優秀なでありますので、企業ではそれを受け入れるという従来からの慣習もありますが、それを超えて、やはり技術陣の充実というようなことでぜひというような要請があって行くわけでございまして、そのことがとかくのことについて触れられるということは大変遺憾だと存じます。  特に建設業界は、建設省等で経験された技術陣というものは優秀でございまして、御案内のように、海外事業等におきましても世界レベル以上になって決してひけをとらないというようなことも、そうした基盤的に大きなものがあろうかと思います。ただ御指摘のような環境、疑いを持たれるというようなことが事実であるとするならば、今後の問題として十分な対応をしなければならないのではなかろうか、このように考えているところでございます。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 天下り人事がいいか悪いかということは、私はここで議論する時間はございませんが、しかし、いずれにいたしましても、役所の人事が上の方でずっと年齢をしぼっていきますと途中で退職する人も起こってくる、これは事実として否定することはできません。やめた人は体も元気だし、また年齢的にも若いし、技術を持っておるしということから、他の自分の専門のところで職を生かすということになってきておるのが現在の仕組みだと思うのですが、このことはやっぱり否定はできないように思うのであります。  そこで、問題は企業のビヘービアに私はあるのではないか。ただ企業倫理を確立しようと言っているだけでもこれは解消しませんので、こういう公共事業を発注する側の審査体制と申しますか、協議体制というもの、これをきちっとする必要がある。その点がやはり私はどうも各役所において十分ではなかったというような感じがいたしておるのでございまして、先刻も申しましたように、鉄建公団に対しまして、こういう事件の審査体制に対し一段の考慮を払って改革をするようにという指令を出しておりますが、どういう案を持ってくるかはまだわかりませんが、そういうことをきちっとすることがわれわれの務めであろう、一方においては企業のビヘービアを高めていただく、こういうことではないかと思っております。

田中龍夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  ただいま両大臣からお答えいたしましたとおり、私の方の省といたしましても、工事の施行に当たりましては、発注に当たりましては、厳正な態度で臨んできたところでございます。また、建築の専門家であります技官が退職後、その特技を生かしまして企業に就職することはあり得ることと存ずるのでございます。しかし、工事の発注に当たりましては、退職者の就職いたしました企業に特に有利にするようなことは断じてあってはならないことと存じます。  今後ともに誤解を招くようなことのないようにいたしたいと存じますが、御案内のとおりに、先般の御質問によりまして、過去十年間に文部省関係で承認を得て営利企業へ就職した者が三十名でございます。うち二十三名は人事院の承認、他の七名は人事院の承認権限の委任によりまして文部大臣がこれを認めた者でございまして、今後ともに十分この点は戒めてまいりたい。  なお、文建会につきましての資料提出のお話は、先生の方に資料を提出してございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 天下り官僚がそれまで蓄積したノーハウを駆使する、いろいろあることだと思うんですね。ただ、これが役所をだましたりあるいは不正な工事をするような形になっていく、こういう状態というのは大変警戒をしなければならぬことですね。国鉄総裁、鉄建公団総裁、どういう見解ですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) かなり技術力を国鉄の方は持っておるものでございますから、その技術力をどうやってうまく生かしていくかということを考えながら、いま御指摘のような問題をどうやって排除していくかということは大変むずかしいことでございまして、日ごろいろいろ考えておりますが、なかなかうまく徹底していかないという心配がございます。一つ一つのケースについて、よほど日ごろから引き締めていくという以外にないのではないかというふうに考えております。

仁杉巖日本鉄道建設公団総裁

○参考人(仁杉巖君) 今度のような問題を起こしましてまことに申しわけございませんが、企業に就職いたしました者たちは、それぞれ技術あるいは事務等でそれぞれの技能を持っておりまして、その技能を生かしているということでございますが、いま先生の御指摘のようなことは絶対に起こさないように、公団内部といたしましても、十分自粛自戒するというように指導をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと官房長官が所用で出ていますから行管庁長官にお答えを願いますが、一つは、公共事業のむだをまずなくすという、そういう本当の意味での行政改革の実を上げる、そういう観点に立って、いま若干指摘をしたような事件についてどう理解をするのか。またもう一つは、この天下り問題というのは過去何回も私も問題にしてまいりましたが、この行政改革の実は重要なテーマの一つだろうと思うのです。この問題に政府はどういうふうに対処をされるおつもりですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 近来、新聞紙面に談合やらあるいはそのほかの忌まわしい事件が摘出されており、また議会でも御質問をいただいて、われわれも非常に恐縮しておるところでございます。  会計検査院からそれが指摘されるまでもなく、これは政府部内におきまして事前に、そのようなことが行われないように厳重に監督し規制すべきものでありまして、会計検査院から摘出されるということは恥ずかしいことだと各官庁思わなければならぬと思います。特に、事後検査から発覚する、そういう形でなくして、予防的に、事前に、そのようなことが行われないように監査制度をもっと厳重にする必要があるのではないかということを実は痛感しておりまして、現在の政府全般の監査問題というものを一つの問題として取り上げなければいかぬと思っております。  それから天下りの問題につきましては、かねてからいろいろ御批判をいただいて、政府としても自粛自戒させておるところでございます。この問題は、一面におきまして似、公務員の老後の問題という問題が一つはございます。これは上級職も下級の方々も含めてそういう問題が一つございます。それから、国家が養って蓄積させた技術力というようなものを民間に放出するということになると思いますが、公正という問題が出てくると思いますし、また、国家権力にあずかっていた人が民間に入ってくるという場合に、その権力の影響が出てくるというような道義的な問題も出てまいります。一面におきましては、その退職した公務員の老後の問題という問題もございまして、それらの問題が、国民の理解が得られるような適切な形で処理されなければならぬと思うのです。ややもすれば、いわゆる天下りという言葉があるように、権力的影響が非常に大きい印象を与えるということはまずいのでありまして、ある程度はそれは人材活用という面もございまして考えられなければならぬことでありますが、それらは法規の許す範囲内において、そして節度を持って、そして精神的には恐れおののいてやるような形のものであるべきである、そういうふうに心がけていかなければならぬと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、ずっと予算委員会その他決算委員会の決議などで問題になっている院法改正問題というようなものも行管庁長官の頭の中にはあって、いまの前段の答弁と、こういうふうに理解をしてよろしいですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 院法改正という問題を申し上げているのではなくして、その前の、事前の予防措置、監査機能の強化という問題をわれわれの側としては当面課題としておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 建設大臣、この東京都と関東五県で五十六年度中に行われる予定の公共土木工事二千十八件についての「公共工事の土量調査工事リスト」、建設省関東地建が昨年十一月につくったものがひそかに持ち出されて建設業界に渡った、このことは確認されますか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  公共工事リストの問題でございますが、確認というよりも報告を受けたわけでございますが、報道では非常に問題のように書いておられますけれども、一部誤解があるようでもございます。これは一都四県二市三公団、東京都、周辺四県、それから横浜、川崎、首都、道路、住宅公団に約千部これは配付いたしておりまして、一応の残土の処理についての取り扱いを情報交換のための試行的な問題としてつくったものでありまして、内部資料ということで一応取り扱い注意とはいたしておりますけれども、資料の性格からいって、部外者の手に渡っても特段に悪用のおそれはないものというように報告を受けているわけでございまして、大変誤解を受けたような形になっておりますが、以上申し上げたようなことが事実でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 このリストの作成についてどういう方法がとられましたか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。  最近、建設工事に伴いまして発生する土砂、いわゆる建設残土でございますが、これの処分というものが非常に大きな問題になっております。従来は海面の埋立地でございますとか、あるいは内陸の処分地において処理してきたわけでございますが、この方法がなかなか大変になってきているという面もございまして、建設残土というものは、他面におきまして建設に関連して土盛りその他で土を必要とするという需要もあるわけでございます。  そこで、建設残土対策の一環といたしまして、残土の有効利用ということを考えるために五十五年度から建設省の関東地建を中心といたしまして、さっき大臣からお話し申し上げましたように、一都四県二市三公団、そういうことで建設発生残土の処理計画検討会というものを設けまして、そこで建設残土の大部分を占めております公共工事を対象といたしまして、残土がどういうところから出てくる、あるいはどういうところは土を必要としているというようなことの情報交換をするための検討会をつくったわけでございまして、そこで、一定期間に残土が発生する予定、これを各機関それぞれ、一工事で手立米以上の土砂の搬出入を伴う工事の場所でございますとか時期、大体の土砂の予定量、そういうものの内容を示した資料をつくり、その情報を交換しよう、そういう目的でつくったものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 こういうリストがつくられれば、将来の土木工事の一覧表をつくることになるわけですから、業者などに悪用されて、談合入札に便宜を与えることになるのではないかというような内部での有力な意見があった。それにもかかわらず、そういう危惧を払いのけるようにしてリストをつくった。この辺のところがよく理解ができません。いま廃土の問題、いろいろの説明がありました。実際問題として、業者はこのリストをもとにして、これから先に予定をされるところの工事を事前に割り振って、そして契約獲得のために順番を決めて談合している、こういうことになっていますね。それに利便を役所が与えている。  また、道路公団総裁、おくれてきたようでありますが、あなたのところの事業では、全国的な談合が行われて、そうして入札の二ヵ月前にはその工事についての、言ってみれば業者はすでに二ヵ月前に決まってしまって順番待ちだ、こういうふうに言われている。この辺のところは事実関係として明らかにしてください。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 先ほど大臣も申し上げましたとおり、この資料は建設残土のいわゆる情報交換という意味でございまして、工事の内容の中で残土に関するもののみ、土の搬出入に関するものだけが対象になっている資料でございますので、もちろん工事の全内容を示すものでもございません。それから、建設残土搬出入が千立米に足らない工事は全部入っているわけではございません。そういう意味で、建設省の関東地建管内の工事で申しますと、全工事の一〇%に満たない程度の個所にすぎません。  それからまた、将来の工事にわたります場合には、具体の問題としてスケジュールでございますとか事業内容について必ずしも確定した段階でもございませんので、変更もあり得ることでございます。それからまた、指名等が行われますのははるかに後の時期でございまして、それは発注機関それぞれの立場で行うわけでございますので、私どもは直接それが悪用される可能性というのはきわめて少ないというふうに、心配もそれほどする必要はないというふうに思っている次第でございます。

高橋国一郎日本道路公団総裁

○参考人(高橋国一郎君) けさほどの朝日新聞の記事に、日本道路公団の工事の談合が行われたという大きな見出しを見まして、私実は大変びっくりしているわけでございます。この記事によりますというと、二ヵ月前に本命リストができているというふうに書いてございますが、事実関係は調べてみないとわかりませんですけれども、私どもは大体一ヵ月半ないし二ヵ月前にどこでどこの工事が発注されるということで業界に連絡いたしまして、そのときに工事の大きさによりまして、また工事のむずかしさ、やさしさに応じまして建設業者を指名しております。これはジョイントも含めまして八社の指名ということで行っておりますが、そういうことを行っておりますが、その時点で、どうも本命が決まったというふうな記事でございますので、大変驚いているわけでございます。事実関係はまだ、けさ初めて見たものでございまして詳しくは存じておりませんが、今後調べてみたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 おたくの方の調査に基づいて、決算委員会にこの問題は引き継ぎます。  ところで、リストの、言ってみれば危惧される点がある、ないの論議というのは、ここでやっていても仕方がありません。建設省の側がいかに述べられようとも、談合入札のための資料に業者の間でこれが用いられていることは間違いがない。その意味において、自治体などから吸い上げて、自治体も加わっていろいろのことを協議をして、そして中央官庁でもってリストがつくられる。そのリストがそこを通じて業者に流されていく、こういう関係は、これは職務上知り得たところの、言ってみれば守秘義務に該当するようなものを流したということには該当していくだろう、そういうふうに考えられるわけですが、そういう場合には公務員法違反の懸念というものは当然、総務長官、あるわけですね。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの、守秘義務の範囲というものがどの程度に及ぶかということにつきましては、法制局長官から御答弁を願いたいと考えております。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) 御質問は、国家公務員法の百条の第一項の「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」という秘密に該当するかどうかということだろうと思います。  この秘密につきましては最高裁の決定がございますが、いわゆる非公知性と、それから秘匿の必要性という二つの要件を兼ね備えた事実であると思います。そして、いま御指摘のような、だれから聞こうとも、それが当然非公知性なり、あるいは秘匿の必要性がある、それに該当するものであれば、百条第一項の違反になると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方行政の問題にちょっと入りますが、国税と地方税の徴税を一元化することを臨調が検討する、こういうことが仄聞されるのですが、単純に考えれば徴税機構を一本化するというのは、これは国民の側から見ると何かしらめんどうが省けるように一見思えるわけですが、しかしこれは全くアマチュアの考え方になると思うのです。  そこで、国税と地方税の担当者としては、それぞれどういう見解を今日お持ちでありますか。私は事務処理が逆に煩瑣になるのじゃないかということを実験的に考えるのですが、いかがですか。

関根則之自治省税務局長

○政府委員(関根則之君) 御指摘のとおり、単純にはこの問題まいらないわけでございまして、現在の地方税法に定めております地方税、各税目ございますが、それぞれの独自性を持たせながら、たとえば税率の決定権でありますとか、減免措置のやり方でありますとか、そういった問題を各地方団体自主的に決定させるような形で徴収事務だけを統合いたしますと、それはかえって手間がかかってしまう。期待したほどの効果は上がらないということになるだろうと思います。  また、地方自治体の課税の自主権というものを否定をいたしまして、すべて一律の税の徴収の仕方に変えてまいりますと、これは地方税の独自性というものを消してしまうことになりますので、地方自治体の自主税源をどうするのかという基本的な問題にかかわる問題でございます。地方自治にとって地方自主財源というものはきわめて大切な問題でございますから、私どもは一切合財地方税の独自性というものを否定してしまう、そういうやり方については問題が多いというふうに考えております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) このことは古くて新しい話、新しくて古い話であって、一長一短あろうかと思いますが、地方自治体の徴税権というものを尊重しながら、もっと合理的効率的に何かできる工夫はないかというようなことで、今後とも私は謙虚に検討する必要がある、そう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国税と地方税は、いま自治省の側の答弁にもありましたように異なっています。地方税を全部交付税化してしまえなどというような議論もあるようなんですが、これは地方自治体の課税自主権その他、要するに地方自治の本旨から外れる、憲法違反の問題に発展をする、そういうふうに考えます。これは自治大臣、そういうふうに考えるのでしょう。

安孫子藤吉自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安孫子藤吉君) 徴税の一本化の問題は、いま事務当局から説明いたしましたとおりに、その考え方が波及いたしますと住民税等の交付税化あるいは譲与税化という問題につながる可能性が非常に多いわけでございます。この点は地方自治の本旨並びに地方税制のたてまえから、この問題についてはきわめて重要な問題でありますから慎重なる考慮をしていかなければならぬ、検討をしなければならぬ、そういうきわめて重大な問題だと、こう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もう一問、ここで参考のためですが、何か地方の徴税費が国のそれに比べて非常に高いのだというような議論が臨調の一部の中にはあるようなんですが、この問題については自治省はどういう見解をお持ちですか。

関根則之自治省税務局長

○政府委員(関根則之君) 現在地方税の徴税費は、百円の税を徴収いたしますのに約三円三十銭ということになっております。国税よりも統計上は多少高くなっておりますが、これは地方税の税目というのは非常に小さな税金を拾って歩くような、そういう税目が多いわけでございます。法人関係税などにつきましても、国の税率の方が高いわけでございまして、大企業からまとまった収入が入ってくる、そういう国税の特色がございます。そういった税の性質からやむを得ず出てくる問題である。単純に徴税費の割合だけで比較すべきものではないというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方自治のこの問題に関連をしまして、機関委任事務に対する地方自治体の監督権というか、監査権、これを伺いたいのですが、昨年十二月の第十八次地方制度調査会の答申で、地方公共団体における監査制度の整備、監査機能の充実強化ということが強調されています。第二臨調でもこの地方制度調査会の方向が尊重されると考えておいてよろしいでしょうか、行管長官。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) この問題は、各省と自治省等々の間でいろいろ事務的に整合性を持たせようと思って努力している過程の問題でございます。第二臨調としては、すでにそういう政府間の調整に入っている仕事でございますから、この問題は政府に任せるという性格のものであると思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方制度調査会の答申というのは、「地方公共団体の処理する行政全般について公正と能率が確保されるよう、監査委員は、機関委任事務も含め一般行政事務についても監査できることとすべきである。」というわけです。私は、大体機関委任事務などというものの存在自体、実は地方自治の本旨、自治の本質からいって問題があると常々考えてはいるのですが、それはともあれ、この監査権の導入は一応私は一歩前進だと思うのです。  ここで自治省にお尋ねをいたしますが、地方制度調査会が機関委任事務を含め監査できるとした、そういう背景について簡単に説明してください。

砂子田隆自治省行政局長

○政府委員(砂子田隆君) 第十七次に続きまして、第十八次の地方制度調査会におきまして、監査委員に対しまして機関委任事務の監査をさせるということが問題になりました。この背景にありますのは、地方公共団体の行政運営の実情というものを見てみますと、住民の批判にこたえて、これで公平でしかも能率的な運営をするというためには、機関委任事務の監査がぜひとも必要である。しかも機関委任事務を執行いたしておりますのは都道府県の職員あるいは市町村の職員でありますが、予算、職員ともに公共団体のものを使って執行いたしているわけであります。そういう観点からいたしますと、監査委員の監査が公共団体で行っている事務全体を見る立場からいたしますと、どうしても機関委任事務というものを抜きにしては、公共団体の公正な執行というものを見ることができない。そういう観点から、監査委員の監査というものにつきまして、機関委任事務についてまで及ぼすべきであるというふうな観点で答申がなされたものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方交付税は地方自治体の固有の財源であるということは、これは自治大臣、確認をしてください。

安孫子藤吉自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安孫子藤吉君) そのとおりと了解しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、地方交付税を一時減額して、後で延べ払い方式で自治体に返済するというようなことが、話し合われたかどうかはまだつまびらかではありませんが、大蔵省の側から自治省の側にそういう相談が持ちかけられているという報道がありますが、これは自治大臣、本当ですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 御指摘のような新聞報道を見ましたが、その点については私どもは何ら聞いておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大蔵大臣、こういうことは考えていらっしゃるのですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 内部で正式に相談をしたことがありませんから、まだ考えていないということであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国民健康保険の府県負担問題について尋ねますが、国民健保の国庫負担というのは、国民健保制度が国の責任において行われるという制度の趣旨を明らかにする、そういうためにとられる制度でありますが、それを都道府県の負担に転嫁しようとする、こういうことは現行制度からして全く私は理解しがたい。そこで、自治大臣は衆議院の委員会で、これは理論的にも実際的にもおかしいと答弁されているわけです。理論的にあるいは実際的にどのようにとるべきじゃないと考えていらっしゃるわけですか。

安孫子藤吉自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安孫子藤吉君) この問題は、言うまでもございませんが、保険者とそれから国庫でもってやっておる、これは社会保険の一般的な問題でございます。この例外をなすわけでございます。この例外というものはそう簡単に認めるべきものじゃないので、社会保障全体の問題として十分な論議を尽くした上の結論でなければならぬので、単に財政上の観点から、あるいは医薬の適正化という手段としてこれを使うというようなことは適当じゃないと私は考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 厚生省に尋ねておきますが、厚生省は昭和四十六年、かつて国庫負担の一部削減に反対した経緯があります。それはどういうような理由で反対をされましたか。

村山達雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(村山達雄君) 当時の事情を見てみますと、現行制度を抜本的に見直すという考え方、つまり、制度の根本にさかのぼって国と地方との役割り分担のあり方というような基本的な問題からの検討ではなくて、単に財政問題として考える、そして国庫負担の分を一部地方に持たせる、こういう考え方でございますので、それはやはり抜本的に考え直す必要があろうということで当時反対したわけでございます。  しかし、ついでに申し上げますと、現在考えておりますのは、厚生行政全般を見渡しまして、そして新しい制度をもしいまつくるとしたらどういうことになるであろうか、そういうことを厚生行政の全般について見てみますと、やはり地域保険でございますし、そしてまた、現に国民健康保険については都道府県が補助することができるという規定も入っているわけでございます。その意味は、やはり単に国だけが持つべきものなのか、あるいはまた、いま医療の執行につき、あるいは医療費の適正化について指導監督の権限を持っておるわけでございまして、広域団体である都道府県の役割りというものは現行法上でも大きな責任を持っているわけでございますので、ですから、やはりその役割りを考えてみて、一部負担をしていただくということは、あながち制度として抜本的に見直したときにはおかしな制度でもないのじゃないか、こういうことでお願いしているところでございますが、臨調でも同様なことがうたわれております。  しかし、いずれにいたしましても、実際問題といたしましては、これは国と地方の財政状況という問題を踏まえて考えねばならない現実的な側面を持っていることは当然でございます。したがいまして、この問題につきましては、予算編成のときまでにそれぞれ十分論議を深め、そしてまた財政当局をも含めて最終的な決定を見たいものだと、かように考えているところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そう言われてみたところで、なぜ国保だけということになるのか。国民健康保険のみに地方負担を導入することは、やはり私は社会保障制度そのものの不整合を生み出すことは必定だろう、そう考えます。  厚生省が言っていることは、保険関係の委任事務を廃止するということを意味していますか。

村山達雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(村山達雄君) そこまでは考えておりません。  現在の負担関係を見てみますと、その事務が固有事務であれ、あるいは団体委任事務であれ、さらには機関委任事務であれ、それによって補助率には差がないわけでございまして、およそ負担関係というものは、それぞれの国あるいは地方の関与のその度合いによって大体負担率が決まっているように思うわけでございまして、それが固有事務であるとか機関委任事務であるとか、そういうこととは全体を見ますと関係ないように思っているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 厚生大臣がいろいろなこと述べられましたが、しょせんはやっぱり制度論というよりも財政論、財政問題、そういう感を深くするだけです。要するに、この国保の赤字負担を地方に転嫁するというだけのそういう御都合主義、こういうのは大変みっともない話ですからおやめになった方がよかろう、そういうふうに意見を申し述べておきます。  次に、若干自賠責保険について伺いたいと思うのであります。  自賠責保険の仕組みについては、いまお手元に資料を関係の大臣には差し上げました。自賠責保険はノーロス・ノープロフィットの原則がありますが、これは依然として堅持されていますね、運輸大臣。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところが、ノープロフィットと言いながら、運用益が出てきます。運輸省としてはこの運用益がトータルでどれぐらいあるかということを把握されていますか。

飯島篤運輸省自動車局長

○政府委員(飯島篤君) お答えいたします。  自賠責特会の運用益につきましては、保険勘定におきましては五十五年度六百七十三億、保障勘定におきましては三十二億八千万でございます。五十六年度予算におきましては保険勘定で六百六億、保障勘定で三十一億でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自賠責特会の保障勘定の自動車事故対策費補助金と、損保会社分運用益の自動車事故対策補助金というのは、制度的、実態的にどういう関連を持っていますか。

飯島篤運輸省自動車局長

○政府委員(飯島篤君) 自賠責特会の運用益につきましては、自賠責審議会の答申を踏まえまして、将来の保険収支の改善に資するための財源として留保するほかに、交通事故発生の防止及び自動車事故による被害者の救済に活用するということにいたしております。具体的には、政府の再保険にかかわるものにつきましては、特別会計法に基づきまして国の経理として行われており、毎年の国の予算措置で使途を決めてその公正を期しておるわけでございます。  民間の四割分の運用益については、大蔵省の方の指導によってその公正を期しているというふうに承知いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 会計検査院に伺いますが、一般に一つの事業に対して複数の窓口から補助金が出る場合、これは相互に勘案、調整を行っていますね。

坂上剛之会計検査院事務総局第三局長

○説明員(坂上剛之君) お答えいたします。  ある省とそれからもう一つの省から仮に出ておる場合、本件の場合は、厚生省関係からも一部出ておるという場合には、厚生省関係において出ておる補助金を勘案してその額を決めておるというふうに聞いております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 会計検査院は損保会社分の運用益が自動車事故対策に対する補助として使われているのを知っていますか。正確には使われていたのを知っていますか。私があなた方に言った時点では知らなかったのですからね、いま知っていてもちょっと困るので、あの時点では知らなかったことを明らかにしておいてもらいたい。

坂上剛之会計検査院事務総局第三局長

○説明員(坂上剛之君) 民間分の四割にかかわりまする分の運用益は、これは国の収入支出でございません。それで私どもの検査の対象にならないということで、会計検査院としては知っていないということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 会計検査院は、実はこの補助金の存在すら明確につかんでいなかったのです、私がこの質問を考える過程で。  ところで、運輸省も同様ですね。

飯島篤運輸省自動車局長

○政府委員(飯島篤君) 運用益の使途につきましては、大蔵省とも連絡をとってできるだけ整合性を保つように努力をいたしておりますが、毎年の具体的な使途について完全に把握してはおりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 したがって会計検査院も、実は運輸省も、運輸大臣ね、事前の調査の過程では何もお知りにならなかったわけです。大蔵省と私の関係においてこの問題はここ二、三年ずっと詰めてきている問題なんですが、結果的には大蔵省以外は何も知らぬ、こういう状態になってきているのであります。損保会社の補助金というのは大蔵省以外正確にはだれもつかんでいないわけであったわけです、きょうの時点は違うとしても。この自賠責保険は運輸省の管轄ですよね、総体的には、強制保険として。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど御説明の中にございましたように、再保険分は運輸省でございまして、それから損保関係は大蔵省と、こういうふうに相なっておりますが、ウエートから見ましたら、仰せのとおり運輸省の所管であります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで会計検査院にもう一問しますが、損保会社分の補助金、たとえば救急医療体制の整備のための寄付について、それをもらった日赤、済生会などがこの寄付金をどのように使ったか、チェックされますか。これは会計検査院は手が及びませんね。

坂上剛之会計検査院事務総局第三局長

○説明員(坂上剛之君) 民間保険会社の運用にかかわる分を補助金という名前で地方公共団体に出される、こういう分については私ども検査をいたしておりません。そういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 強制保険ですからね。そこで、運輸省もチェックされていませんね。

飯島篤運輸省自動車局長

○政府委員(飯島篤君) 四割分については運輸省も調べてはおりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 同様の補助対象に別々の口から金が流れ込んでくる。いま取り上げているのは強制保険についてです。その一方は出口も入口も実はチェックをされないわけです。少なくとも運輸省も検査院もできていなかった。そうすると、もらった方にとってはこれほど便利な補助金はないわけです。運輸省も検査院もそういうふうにお考えになりませんか。

飯島篤運輸省自動車局長

○政府委員(飯島篤君) 便利かどうかは知りませんが、大蔵省が要望に基づいて適切な監督をしているものと承知しております。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、補助団体を全くこちらは信頼いたしまして交付しておるものでございますので、仰せの趣旨はあろうと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 会計検査院、いいです。  知っているのは大蔵省だけですから、大蔵大臣に見解を求めますが、この補助金の中で、救急医療体制の整備には五十五年は四十五億円出ているわけです。日赤、済生会などに三十三億四千万円が寄付されている。一方、自賠責特会の救急医療設備整備事業費補助は五十五年度で五億七千万円しか出てないわけです。お手元に資料を渡したとおりです。これは本末転倒もいいところでありまして、検査の網の目にかからない方が四十五億あるわけです。かかる方が五億ある。大ざっぱに比較すれば九倍の開きのわけですよ。大臣、これはいかなる見解をお持ちか、お聞かせください。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり自賠責の運用益は、これは保険会社のものでございまして、大蔵大臣には直接的法律的な権限はございません。ございませんが、自賠責保険というのは強制保険でありまして、社会公共的な性格が強い。それから損得なしの勘定でやるということでございますから、これを保険会社が自由に処分をするということは認めるわけにはいかない。そこで、大蔵省としては行政指導もし、損害補償協会の会長から学識経験者を、りっぱな人を選んでいただいて、そしてその人たちの意見によって自賠責運用益運営委員会というところでどういうように決定するかということをやっておるわけであります。  その支出先は、御承知のとおりいまの救急医療とか交通事故とかいう関係のところでございますが、これらについてはその団体が、これは赤十字とか済生会とかあるいは警察庁関係のいろんな協会ですね、そういうところでありますから、中身について詳しく当然大蔵省はタッチをいたしておりませんが、いずれも公共団体でございますので、これは正しく所期の目的に従って運用されているものだろうと、かように考えます。委細については事務当局から答弁させます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 行管庁長官、こういう本末転倒の補助金行政は、私は行政の公正、公開という点から一体よいものだろうかどうか。どうですか、一般論。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 自賠責につきましては運用に差し支えがない、そういうことでああいう形態ができ上がっているのであると思いますが、よく精査してみまして、適正にしていかなければならないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は何もこの補助金そのものを削れ、あるいは削るべきだというようなことを言っているわけではないのでありまして、この公正さを求めておきたい、いま大蔵大臣からも答弁がありましたが。ということは、交通事故による傷害も複雑になってきているわけですから、救急医療体制の整備は必要になってきています。要は、公明正大に交付されるべきだということを主張するのであります。  そこでこの寄付金、これは自治体病院関係には支給されていません。公的病院には、日赤、済生会とあと一つには巨額の寄付が交付されていて、なぜ自治体病院には支給されないのか。これも実は恣意的な感じがするんですよ。そう言いますと、時間がなくなりましたから私の方であれしますが、大蔵省の側の答えというのは自賠責特会でという答えになってくるわけです。ところが、自賠責特会から自治体病院に出ている額というのは、五十五年で四億七千万円です。ところが日赤、済生会には三十三億四千万円出ているわけです。けたが違うんですね。それは言い逃れにすぎない。これが私の主張であります。  したがって、自賠責特会の補助金と損保分の補助金とは私は比較にはならないのだ、こういうことを常々大蔵事務当局には申し上げてきているわけです。そうすると、特交があります、こういう話になるわけです。特別交付税の話になりますとこれは話にならぬのでありまして、冒頭確認をしましたように地方固有の財源、したがって地方交付税を持ち出すことは筋が通らない。大蔵省が属を出す筋合いのものではここの部分はない。地方交付税の性格論争をやる時間ではありませんから、それはすでに決着のついている問題ですから、そうなる。  そこで大蔵大臣ね、私はこの自賠責の問題について、ひとつきょうのけじめとしては、損保会社分の運用益のあり方及びこの使途について検討されるように要望いたしますが、いかがでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 要するに委員のおっしゃるのは、日赤に二十億とか済生会に十三億いっているじゃないか、それについて自治体病院というものもかなり多くの救急医療をやっているのに、いっている額が少な過ぎるじゃないか、こういう御趣旨じゃないかと私は思います。  問題は、民間の方はほかに国からといっても義務的にだれも応援する人はいない。自治体病院というのはそれぞれの自治体が必要に従って病院をつくっておるわけであって、府県がバックアップしているという関係もあり、日赤とか済生会というのは主として寄付金に頼って、民間の善意によってかなりの応援を受けている、これも事実であります。したがって、民間の保険会社の運用益については、重点的にこれらの民間の救急医療体制に出してきたというのが私は実態であろうと思います。しかし、その出し方がどうであるか、うまくいっているのかどうか、そういうようなことは、いままで言った原則は崩すわけにいきませんが、そういう中で検討をいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 景気動向と経済政策運営について政府の考え方をただしますが、政府の考え方としては、現在の景気の状態というのはかげりが薄らいできている、景気はゆるやかに回復してきている、そういう景況観だと思うのですが、経済企画庁長官、そうですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 大勢としてはいまお述べになった方向だと思います。ただしかし、全体としての回復の仕方が弱いということ等もございますが、それはやはり個人消費が思うように伸びない、それから中小企業の設備投資が落ち込んでおるということ、住宅投資が落ち込んでおるということ、こういうことが背景にあろうかと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 景気は回復基調にあるが、一方で構造的な要因、素材産業だとか住宅だとかが足を引っ張っている、そういう認識のようでありますが、そこで河本経済企画庁長官は十一月五日に、  「経済政策−一九八二年への選択」というテーマでお話をなさったわけですが、これは新聞報道で中身を読ませていただきました。来年度の実質成長率五・五%、こういうふうにあれされているのですが、経済企画庁が発表している数字とはちょっと違うようですけれども、それはそうですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 一昨年八月に、政府では昭和五十四年から昭和六十年までの七年計画を決定をいたしましたが、この七年計画では、七年間平均で五・五%成長を達成するように努力しよう、またそれは可能である、こういうことを決定したわけであります。しかし、成長率は年々によって、客観情勢も違ってまいりますので異なってまいります。それで、この五十四年八月に七年計画を決めました当時の基礎になります経済指標は、いわゆる四十五年指標を用いておりました。その後、ことしになりまして五十年指標に統一をいたしましたので、五十年指標に直しますと若干数字は違いますが、旧指標で平均五・五%成長を目的とする経済運営をしていこうというのが政府の方針でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、公定歩合の引き下げ論が強まってきているようですが、景気は回復基調にあるとすれば、私の見解はちょっと違うにしても、あるとすれば、何も公定歩合を引き下げる必要はない、ラフに言ってそういうふうに思われるのですが、どうなんですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどもちょっと触れましたが、大体日本経済はいま、ほぼ五%成長路線を進んでおると思います。ただしかし、内需が非常に弱い、外需が非常に強い。したがって、成長のおよそ四分の一しか内需による成長は期待できないという状態でございます。それは先ほど申し上げました個人消費、住宅投資、中小企業の投資、こういうところに原因があるわけでございますが。  そこで、特に中小企業投資とか住宅投資が足を引っ張っておりますのは、金利負担が相当重いというところにあるように思います。したがいまして、条件が整えば低金利政策を進めることによりましてそういう方面の投資を拡大をしていく、そういうことが望ましい、このように考えておりますが、低金利政策を進めるためにはやはり一定の条件が必要でございますので、その条件が整うように、いまいろいろ政府の方では苦労をしておるというところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 日銀総裁、公定歩合引き下げ論議が盛んになってきていますが、日銀はこれまで、景気浮揚策としては公定歩合は不適当だ、金利政策の出番は余りない、そういうふうに言われ続けてきたと思うのですが、いかがですか。

澄田智日本銀行副総裁

○参考人(澄田智君) お答えを申し上げます。  頭から金融政策が不適当である、出番がないというふうに申していたわけではございませんが、内外の金融情勢を見ますると、主としてアメリカの高金利によりまして内外の金利差が非常に大きい。こういう状態でありますと、それによってとかく円レートが安い方にいくという、そういう傾向が強い。現に、この八月ごろは非常に円安であった、こういう状況でございます。  そういうところで、私どもといたしましては、昨年の夏以降、三回にわたって公定歩合は引き下げました。そうして量的にも金融緩和措置を進めてきておりまして、現在そういう意味で金融の条件としてはかなり緩和された条件になってきている、こういうふうに思うわけでございます。したがいまして、今後内外の条件の推移というものを慎重に見定めていかなければならないと思ってはおりますが、当面のところは現在の緩和された基調というのを維持してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 海外、たとえばアメリカの金利政策が反転したといっても、この日本の金利水準とはまだかなり開きがあるわけですね。円高が定着するのかどうかという、ここの判断は非常にむずかしいところでありますが、日銀としてどんな条件下で公定歩合を引き下げるということになるわけですか。

澄田智日本銀行副総裁

○参考人(澄田智君) 申すまでもなく、公定歩合の変更というものは、さまざまな内外条件を総合勘案してそのバランスの上で考える、こういう性格のものであろうかと思います。  ただ、申し上げられますことは、日本の経済条件、物価、国際収支等に比べて、とかくその状況に比べれば円安である、こういう状況でありました。最近アメリカの金利は、公定歩合においても課徴金部分が全廃されましたし、全体として下げられておりますし、長短の民間金利も下がってきておりますが、まだ公定歩合をとりましても一三%、日本の公定歩合に比べて倍以上の高さでございます。こういうふうに内外金利差はなおかつ相当に残っているという状態でございます。こういう状態においてやはり最低限度、私どもとしては円安傾向に本当に歯どめがかかり、歯どめがかかるどころではなくて適当な円レート、ある程度円高の円レート、こういうものが定着をする、公定歩合の変更によって万が一にも円安がまた招来される、そういう傾向が見られるというような、そういうおそれのないようにということが最低の条件ではなかろうか、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 参考人の方、もう結構です。  時間がなくなってきましたから、通産大臣にちょっと伺いますが、法人税関係の質問との関連ですが、電力需要が頭打ちになってきているわけですけれども、これは省エネ化や代替エネルギー化が進行すればあるいは下降カーブをたどる可能性もあると思われるのですけれども、通産省はこれはどう見ていますかね、少なくともいまの計画は訂正か縮小せざるを得ない。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) お答えを申し上げます。  先生御指摘のように、最近の電力需要というのは低迷いたしておりまして、その原因としては、経済が非常に低調である、それから先生から御指摘のございましたような省エネルギーが進んでおりますとか、いろいろの状況がございまして、たとえば五十五年度の実績は五十四年度の電力量を下回るというような状況にございまして、そういう状況から見ますと、今後とも電力需要の長期見通しについては、条件がいろいろございますけれども、十分見直しの検討をしなければいけない時期に来ているのではないか、かように考えております。  現在、エネルギー全体につきまして、長期のエネルギー需給暫定見通しの改定問題を総合エネルギー調査会におきまして検討いたしている段階でございまして、それとの関連、それから今後の経済動向その他を見ながら改定の検討を今後とも進めていきたい、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、少なくとも現在のようなテンポで原発を建設していくということは必要なくなる。原発建設の下方修正が私は必要になってきているのじゃないかと思うのですが、これはどうですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 御承知のように、原子力発電所はいま二十二基稼働しておりまして、私ども将来、十年計画の総合エネルギーの計画の中では五千百から五千三百万キロワットを目安にしております。それには大体三十五基まで持っていきたいというふうに思っておりますが、それはひいては油の省エネルギー、代替エネルギーの開発導入ということで、御承知のような油の依存率を十年後には五〇%まで下げようというのがもくろみでございまして、幸いに昨年度は六六%まで落ちております。これをぐっと五〇%以下に下げようという計画でございますので、いまのところこの原子力発電所の計画を削減しようという考えはございません。  と申しますのは、原子力発電所のコストというのは、他の火力発電所に比べまして半分ぐらいだというふうに言われておりますし、コストの面からは、そうなれば電気料金も安くなるわけでございまして、そういう現状でございますので、原子力発電所の計画を低くしていこうという計画はございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、再検討の余地が電力需要の関係からいってある、こう考えていますが、その論議をいましている時間がもうありません。  そこで、開銀の調査の資本ストックの、ヴィンテージを見ますと、全産業は上昇してきていますね。ところがエネルギー産業だけが下降してきているわけですね。五十五年に全産業と肩を並べる水準まで来ていますよ。これは政策的なエネルギー産業に対する設備投資促進策によるところが大きいと私は思うのですが、この促進策もそろそろ見直すときが来ているのではないかと思うのです。たとえば、これは大蔵大臣、税制上で言うと租税特別措置法の原子力発電工事償却準備金、これはもう廃止していいのじゃないか、あるいは積立率を引き下げる、そういう再検討がもう必要じゃないか、そう思っているのですが、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 特別措置につきましては全面的に一遍、今回も見直しをいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 経済同友会が所得税の課税最低限の引き上げによる減税を提言しましたね。これについて尋ねますが、私は同友会と立場が違いますけれども、この点については同感であります。そこで、課税最低限の据え置きというのは実質的な増税でありますから、これをそのままにしておいたらいよいよ税の不公正、不公平感が高まる。大蔵大臣、これはどういうふうに処理されるのですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 課税最低限を据え置きますと、所得が上がれば上がった分に超過累進税ですから税額がふえる、これは事実でございます。しかし、いつも申し上げますように、問題は歳出の確保をするためには歳入を確保しなければならない。問題は財源問題でございます。どちらを優先するか。歳出をそれほど切れるという状況にはないというような点から、現在われわれとしては課税最低限の引き上げによる減税ということは考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 経企庁長官、可処分所得の低迷が個人消費の低迷の犯人だと私も考えているのですが、どうですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 私もそう思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 税収の伸び悩みと個人消費の伸び悩みとの関係、これは閣議でも論議があったように報道されていますけれども、通産大臣、どういうふうにお考えですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 個人消費の伸び悩みは、御指摘のように可処分所得の低いことがどうにもならぬということでございますが、景気の低迷——景気の低迷ですか、御質問は。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そう。いわゆる可処分所得と個人消費の伸び悩みですね。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) それはいま答えました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 個人消費の伸び悩みの関係をどういうふうに考えているか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 景気のでしょう。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうです。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) だから景気は、全体的に私どもは個人消費の伸び悩みと住宅建設などの不振が景気の不振の大きな原因であるというふうに思います。つまり内需の不振だということですが、これはやはり私ども給与所得とかその他の面において、個人消費を刺激するにはそういう面で景気を刺激する、つまり内需の拡大ということに焦点を合わせていかなければならないというふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 OECDが、日本は内需不足が深刻であるという指摘をしていますね。そこで私は、現在の日本の成長というのはほとんど外需によるものだ。それでいろいろのことを言われているけれども、政府は内需の喚起というものを政策目標として掲げてはきたけれども、ほとんど有効な手は打ってこられなかった。ひょっとすると政府の本音というのは、外需でかせげるうちは外需でかせぎまくる、そういうことであって、内需喚起というのはいろいろ口では述べられるけれども、本気では考えていなかった、あるいは取り組んでいなかった、そういう疑いを非常に濃く持っているのです。経済企画庁長官、そんなことありませんか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いまのお話は、政府といたしましては、何しろいまのような非常に大きな貿易の黒字が続いておりますと、これが導火線になりまして世界的な保護貿易、こういう傾向が出てこないとも限りません。世界経済が全体としてよくなるためには自由貿易の原則が貫かれていることが大事でございまして、そういう意味から現在の貿易の大幅黒字というものは非常に重大に考えております。このためには、ある程度円高になるということも必要だと思います。しかし内需が弱いと、円高になりましても日本の個々の産業は相当な力を持っておりますからどんどんやはりまだ貿易を伸ばしていく、こう思います。だからある程度の円高も貿易均衡のためには必要かもわかりませんが、やはりその根本は内需の拡大である。国内でもある程度物が売れるようになる、それから同時に外国から物を買えるようになる、こういうことが前提として必要である。いまお話しのようなことは考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 貿易摩擦を避けるために、輸出課徴金だとか外貨貸したとか、あるいはチョコレートの輸入だとかというような議論がずっとあるようなことが報ぜられているのですが、決め手が一体あるのだろうか。私は、そういう小手先の手だてではもう通用しない。鈴木総理大臣は輸入拡大を基本とするとされたようです。輸入を拡大するにしても、肝心の内需は冷え込んでいる、こういうことでは話にならない。これはやはり近い将来大幅減税が必要になってくる。  この点については河本長官はかなり大胆に述べられていますから、私はその考え方に賛同ができる、理解ができる。近い将来所得税減税が必要と、河本長官そうお考えですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いまのお話の前提として、有効な手がないというお話でございますが、私は、いまの世界の経済の現状は第二次石油危機の悪い影響がいま一番深刻に広がっておるときだ、こう思います。ことしの後半から来年へかけて回復するであろうと言われておりましたアメリカ、ヨーロッパの経済の回復も相当おくれております。また回復の規模も小さい、こういうことでありますので、この貿易問題の解決の前提条件というものは、世界経済全体が回復をして世界全体の購買力が回復する、これがやはり抜本的な私は方向でなかろうか、こう思います。  さて、第二の御指摘の点でありますけれども、個人消費はGNP全体の半分以上を占めておりまして、個人消費の動向が景気動向を左右いたします。ところが、この個人消費が非常に落ち込んでおる。その原因は、これも御指摘のとおりでありまして、所得が伸びない、ここに原因があるわけであります。したがいまして、この際国民の所得が伸びるということが私は一番大事な点であろう、このように思います。  所得を伸ばすのにはいろいろ考え方があろうと思うのです。名目賃金がまず伸びるということ、それから物価が安定をするということ、それから同時に、税負担その他公共負担全体の問題があろうと思います。でありますから、行政改革はもちろん、あるいはまた財政改革は、これは政府の最高の方針でありますからあくまで全力を挙げて遂行しなければなりませんし、これは計画どおり進めていくことが必要だ、こう思っておりますが、それと並行いたしまして個人の所得をもう少し伸ばす方法はないか、これが一つの大きな課題ではなかろうか。その一つといたしまして、何しろ累進課税でありますから名目所得が伸びても実質の所得は伸びない、こういうことになっておりますので、このことがこれからの一つの大きな課題である、こう思っております。  ただしかし、これには財源が要るわけでありますので、財源をどう確保するか。やはり高目の成長をして税収を確保するということが前提だと思いますし、それからまた、行政改革のうち特に非常に不合理に財政資金が出ておる分野が相当ございますから、そこに徹底的なメスを入れることによって財政資金をある程度確保する。いろいろ方法があろうと思いますが、やはり現状はなかなかこれは放置できない状態でなかろうか、大きな政治課題として、この問題を将来の課題として行財政改革と並行して取り上げ、検討していくことが課題でなかろうかと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと時間がなくなりましたから、一問ですが、労働大臣、三菱銀行がこの夏に「日米経済指標のうらおもて」と題するレポートを発表した。ちょうど経済企画庁の経済白書との対応において両方読み合わせると非常におもしろい。このレポートの中では、政府が勝手に数字をいじくり回して政府の統計のとり方が違うとか、そういうことに読み取れるいろいろなことがずっとあるわけですが、企画庁は当然、このESP十月号で両方突き合わせてみましたが、反論をされる。そこで両方とも疑問が出てくるわけです。  一点だけきょう質問しておきたいのは、失業率です。確かに三菱銀行側の労働力率の取り方やレイオフの解釈、これは私は問題があると思うのです。いまひとつ工夫がそういう意味では必要だと思うのですが、しかし、失業者の定義だとか、あるいは軍人、自衛官の問題では三菱銀行側の言うとおりのように思う。それらをこうやって勘案してみますと、失業率は大体〇・三ポイント上昇するわけですよ。この点は企画庁側も認めているようにどれを読んでみても思うのです。そこで労働省は、こういう議論を踏まえながら失業率統計の見直しの研究が必要だと思うのですが、そういうふうに労働大臣は感じ取っていらっしゃいませんか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○国務大臣(藤尾正行君) お答えをいたします。  私どもといたしましては、何といいましても雇用が完全に達成をせられまして、失業者がどんどんなくなっていくという方向に努力をしていかなければならぬわけでございます。したがいまして、今日私どもの統計のとり方によりましてその雇用の達成方向が違っておるということは、これは決して望ましいことではないわけでございますから、何といたしましても、どこからどなたがお考えになられましても、きちっとその目標が正しく出てくるような統計数字といいまするものの統一が望ましいということは当然のことだろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大蔵大臣、最後ですが、結果的に個人消費の改善のため、その他いろいろ考えますと、何か特別な手だて、政策的な手だてが要求されていると思うのです。どういうふうにお考えになっていますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) この税収が減ったという問題で意外と議論をされておらない点が一つあります。それは名目GNPが減ったということです。それは結局、卸売物価あるいは消費者物価が考えたよりもどんと下がっちゃった。このことが法人税収や物品税等に影響している。物価が下がってしかられたことは一回もありません。これはそういう点で税収が減って思うほど伸びないという現実の姿でございまして、しかし、物価を上げる政策をとることはできません。しかし国内の内需も喚起しなければならないというようなことについていろいろ考えられるわけでございますが、これらについては整合性のとれたことをやらなければならないのであって、冷房と暖房と一緒にかけてしまうようなことはできませんから、よく経済企画庁長官とも相談をして対処してまいりたいと思っております。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩      —————・—————    午後一時二分開会    〔行財政改革に関する特別委員長玉置和郎君委員長席に着く〕

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) ただいまから連合審査会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。馬場富君。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 最初に、行管庁長官にお尋ねいたしますが、国民の大きな期待をかけた行財政改革も、今国会の論議を通しまして私たちが見る限りにおいては、行革に対する政府の考え方、これについてはやはり国民の期待は大きく疑問と変わるような傾向が多分にあります。そういう点におきまして、私は国民の期待する行革については今後行われることということについて大きい望みをかけるといたしまして、その疑問の中の二、三についてこれから質問をいたしたいと思います。  最初に、今回の答申の中の緊急を要する課題の中に「国及び特殊法人の遊休資産処分」についてという問題がございます。これについて、第二臨調におきましてどのような根拠で答申がなされたか、最初に臨調の方からお尋ねいたします。

佐々木晴夫臨時行政調査会事務局次長

○政府委員(佐々木晴夫君) お答え申し上げます。  お話しの国及び特殊法人等の資産の売却でございますけれども、臨調としまして、本年度増税なき予算編成を行うために、歳出の縮減、こうしたこととともに、同時にその収入の拡大ということも十分考えなければならぬ。そういう視点から、関係機関その他の御意見も一応承りまして、なお遊休資産その他の処分が行われるべきであるという認識に達しまして、いま御指摘のような答申をいたしたわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 内容について二、三項目が挙げられておりますが、その点についての御説明を願いたいと思います。

佐々木晴夫臨時行政調査会事務局次長

○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調の答申の中身といたしまして、「行政の見直しによる支出の合理化等」という中の一般原則として一応示しておるわけでありまして、「都市及び都市周辺における処分可能な国有地等については、都市整備等今後の利用計画との関連を考慮しつつ、以下の措置をとる」。一つが「大蔵省所管一般会計所属の普通財産については、更に売払い等の処分の促進を図る」。次に「国立学校特別会計等各省所管の財産及び国鉄等特殊法人の財産については、未利用地の売払い等の処分の促進を図る」ということでございまして、御承知のとおり一般会計所属の普通財産、これは大蔵省が管理いたしておりますけれども、都市及び都市周辺においてなおその売却可能なものがあるということの認識があり、また国立学校特別会計等の各省所管のいわば行政財産ということになりますけれども、たとえば国立学校、いま一般会計からの国立学校特別会計への繰り入れが一兆円を超えておりますけれども——一兆円前後でございますけれども、そこにおいていわば学校のもろもろの財産、こうしたようなものが今後利用可能なものとして一応ある、このような認識があったわけでございます。なお、国鉄等につきましては、もう先生御承知のとおりのことでございまして、再建のためにもそうしたものを売却する必要があるのではないかというふうな認識があったわけでございます。    〔委員長退席、行財政改革に関する特別委員会理事嶋崎均君着席〕

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 この第一次答申の中で、緊急に取り組むべき事項ということでいま説明のように挙げられておりますが、今回政府は、行革として、この国有財産の遊休地処分についてはどのように位置づけされますか、御答弁願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 国有財産の処分につきましては、臨調の第一次報告にも指摘されているところであり、また、行政管理庁としても、国有財産に関する行政監察を現在実施中でございまして、国有財産の実態、遊休状態等をいま把握しつつあります。その報告を得まして、この処理につきまして大蔵省や関係各方面と相談してまいるつもりでございます。なお、臨調の答申は尊重するという態度を決めておりますから、その答申の線に沿って実行していくつもりでおります。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 今回の政府の基本方針の中になぜこれは入れられなかったか、その点についてはどうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 今度の答申は、緊急に、主として財政関係の立て直しという意味合いが強く込められておりました。もちろんそのほかでも定員の問題であるとかあるいは特殊法人の役員問題であるとかその他も載っておりますが、性格的に見ますと、緊急答申という性格で出してきたものでございますから、財政関係の性格が強かったのであります。しかし、国有財産の処分という問題は、実は五十六年行革、昨年の十二月に政府決定いたしましたその中にも大きく盛られておりまして、ことしは、たしか例年四、五百億程度であったのを、八百億程度国有財産を処分するというふうに大蔵省は当初方針を決めて努力しておりつつある問題であり、行管当局としてもそれを推進しておる最中の仕事でございまして、やっている仕事であるので特にことさらに新しく取り上げるという考えが少なかったのであると思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それは、論議は後にしまして、それでは、私がこの行政改革の中で特に国有地という問題について焦点を当てて調査をいたしました、その調査の関係に基づきまして何点か質問してまいります。  国土の四分の一を占める膨大な国有地の調査を進める中で、私は意外な問題にぶつかってびっくりしたわけです。厳正であるべき国有地が無断で、ただで何十年も使用されておる、こういうような事実にぶつかったのであります。この件につきましては、かつて五十一年に会計検査院がその一部について調査されたと聞きますが、その調査の実態と、また調査の実態から見たその推移について説明されたいと思います。

坂上剛之会計検査院事務総局第三局長

○説明員(坂上剛之君) お答えいたします。  道路法、河川法等の適用されないいわゆる法定公共物、これは、古来、農耕用の道路、水路等として利用されてきた、不整形な、財産的価値は非常に高くない土地でございまして、住民が、こういう道路等を通行等の公共の用途に供している限りは受益者で維持されますけれども、最近の都市化に伴いまして、そういうものが住宅、工場、ゴルフ場の用地に取り込まれる、そういう事態がございました。  そういうので私どもは五十一年度でございますが、東京都、大阪府、千葉県、神奈川県、愛知県、そういう都市化の著しい地区につきまして調査いたしましたところ、千三百十三件でございますが、約六十六万五千平米について実態調査しました。ところが、そのうちの七百四十八件、約半分でございますが、その三十八万五千平米におきまして、無断で住宅、工場、ゴルフ場の用地として原状を変更されて使用されていた。こういう事態がございましたので、検査報告に特に掲記を要する事項として報告させていただきました。  以上でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 会計検査院にちょっとつけ加えて質問いたしますが、いま言われた件ですね。俗に言う法定外公共物という存在は、主体はやはり建設省に多いようでございますが、やはり農水省関係とか他省にも多少あるように私は聞いておりますし、また調べた結果もそんなふうにわかってきておるのですが、もう一点は、いまの報告は四地方団体の一部であって、これは全国的に調べれば相当の面積がまだ埋没されておると、こう考えますが、その点はいかがでしょうか。

坂上剛之会計検査院事務総局第三局長

○説明員(坂上剛之君) お答えいたします。  全国的に見ますれば相当の面積があろうかと存じます。先ほども御説明いたしましたとおり、こういう土地は非常に不整形な土地でございます。それから都市化を除く地区については財産的価値は余り高くない。それからそれが一般の公共の用に供せられていればそれは受益者によって維持される、こういう事態でございますので、まあ都市化現象の著しい地域において特にこういうふうに無断に利用されるということが多いのでなかろうかと、こういうふうに存ずる次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 他省の関係は。建設省以外の他省にも及ぶという関係についてはどうですか。

坂上剛之会計検査院事務総局第三局長

○説明員(坂上剛之君) こういう法定外公共物は道路、昔の里道でございますね。それから水路というものが多うございますので、大体建設省所管に属するものが多いのでなかろうかと、こういうふうに私は思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 私は、いま会計検査院の報告や、あるいは建設省関係並びに私自身の資料の中から出たものをずっとつぶさに調査してまいりました。  その実態をちょっとここで全部申し上げるわけにいきませんが、その中で代表的な例、五件の一覧をつくりましたので見ていただきたいと思いますが、この代表例五件は、そのほとんどがかつての行政目的である里道とか水路の原形は全くなくなってしまって、行政財産どころか、私企業の利益のために使われるゴルフ場や工場や鉄道敷地等に使用されております。しかも、全部無断で、ただで占使用されております。その面積は五件で約四万平米という大きい面積でございまして、もう後楽園グラウンドの四倍にも近い面積でございます。その中には市街地に近い、財産価値の高い物件も相当ございました。  たとえば、千葉県では工場の敷地内に約六千五百平米で、公示価格から推してみましても、その一件だけで安く見ても八億八千五百万円にもなるものがございました。この五件の全体を公示価格で算出しますと、どう安く見てもやはり十五億以上になる。実勢価格からいけばもっともっとの財産になるということになるわけでございます。そのほとんどが、いままでの管理責任が不明確なために今日まで放置されておったという実態が多いわけであります。  私は、この調査の中で、わずか五件でありますけれども、先ほどの会計検査院の指摘にもあるように、無断で原形が変形されて、無断で占使用せられている国有地が四地方団体の一部の調査でも七百四十八件、三十八万五千平米もある。これは全体から見れば氷山の一角であります。全国的に見ればはかり知れないほどの国有地がいまこのような存在でまだあると見られるわけでございますが、これは私はゆゆしきことであると、こう考えるわけでございます。この点について、建設省所管が多いようでございますので、建設省は実態をどのように把握してみえるか、御説明いただきたいと思います。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 建設省の所管の公共用財産につきましては、昭和四十二年度に公共用財産実態調査を行いました。これは悉皆調査ではございませんで、調査対象二十六都道府県の六十八ヵ所につきまして、六百三十二平方キロの区域についてサンプル調査をしたわけでございますが、その中には十八平方キロの法定外公共用財産が存するということがわかったわけでございまして、そのうち無断占用が行われているものが約二千八百件、こういう実態でございます。これを全国的に類推することはなかなかむずかしい問題でございますが、一般には法定外公共物は四千三百平方キロ、大体山梨県一県分に相当すると、このように言われているわけでございます。  これに対しまして、いろいろと都道府県知事にお願いいたしまして、その管理の適正化を図っているわけでございますが、何分にも地番もないとか、あるいは土地登記簿にも登録されてないとか、あるいは小規模なもので全国に散在しているというような状況でございまして、その実態把握が十分にできていない、また管理が適正に行われていないということは、まことに申しわけないと思っている次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 建設省は、会計検査院が指摘したこの無断使用の実態については、それ以前はどうだったかという点と、この検査院から指摘を受けた法定外公共物がその後現在までどの程度処理されたか、これをひとつお尋ねいたします。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 会計検査院から御指摘を受けました七百四十八件につきましては、その後、撤去、用途廃止、占使用許可等により完全に処理されたものが八十四件、約三万平方メートルでございます。それから境界画定済み及び用途廃止の手続を進めておりますものが百四十九件、約十五万五千平方メートルでございますが、なお五百十五件、約二十万平方メートルにつきましては、まだその処分ができていない段階でございまして、都道府県知事にお願いして、なるべく早く適正化を図るようにしているところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 まあ全体もそうでございますが、この指摘をされてからもう五年を経過するわけでございますけれども、やはり先ほどの私が言いました三十八万五千平米の中でまだ一割弱しか処分ができていない、こういう実態でございます。これは私はやはり国民のために、またその責任者としてもっともっとこの点についてはっきりと国全体で考えるべきだ、もっともっと早くやるべきだと思うが、建設大臣どうでしょうか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  具体的な数字のことにつきましては官房長からお答えをいたしたとおりでありますが、従来からやっておって、なおかつ現況は先生御指摘のとおりでございますが、それぞれ都道府県知事にお願いしておりますが、先ほども答弁ありましたように、地番なし、登記簿にも登載されていない、トータルすると大きな面積になりますけれども、非常に弱小なものが多いというようなことで、なかなか直接管理をお願いしてある県におきましても実態把握がむずかしいし、その後の処理もやはり長い間の慣習的占有というようなものもございまして、むずかしいような状況でございますが、こういうせっかくの行政改革の大きな政治課題、国家的重要性の中でありますので、なお一層この面につきましては、それぞれお願いしてある都道府県知事等々、管理をお願いしている方々にもよく伝えまして実態把握に努め、早い形でこの件につきましては対応いたしたいと、このように考えるところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いま出てきましたが、各地方自治団体の長にお任せしてあるということでございますが、これについてはほとんどその措置費すら払われていないという、会計検査院も指摘しておりますけれども、私の実態調査の中でも、県はほとんど何にももらっていないということで身動きがとれぬというのが実態でございますし、それからまたこれからは、いま総理にも、また行管庁長官にも、また大蔵大臣にも私は質問いたしまして、全国的なベースで予算等についても考えてもらいたいというわけでございますが、そのことよりもまず会計検査院が指摘したこの三十八万五千平米についても建設大臣、一割しか処分されていない、むずかしいというのはその前のことであって、一応指摘がなされてこの表題に挙がってきた以上、処分というのは案外スムーズに行われる、私の調査の結果ではそういうものが出てきておるわけです。そういう点について、私は、建設省、非常に怠慢だと、こう思うが、ここであわせて建設大臣の確固たる答弁をいただきたい。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  検査院から指摘されてなおその後の処分が進んでおらない、怠慢ということでございますが、私たちといたしましてはそれなりの努力をしておるわけでございますが、各般しかも小規模であり全国に散らばっておるというような問題、それから従来から地元の方々が利便されているというような問題もこれあり、なかなか一気にこれを強制的にあるいは財政的にてきぱきと処理するというような環境にございませんが、先ほど申し上げましたように、こういう厳しい環境でございますので、なお一層その面につきましても阻害要因等を排除して対処してまいりたいと、このように考えるところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 一生懸命努力すると言われますが、いま問題の重立った地点については私は全部当たってみました。そして、それはもう真剣に話を進めていけば解決するものがかなり多いわけです。そういう私たちは実際を見て、私自身が相手方に回ったりなんかして調べてきた物件です。そんな私は答弁じゃ満足できません。しっかりと御答弁をもう一遍お願いしたい。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  どのように申し上げたら御理解をいただけるかはいささか表現に苦しむわけでございますが、いまの段階では実態がすでに指摘されておるわけでございますので、その点につきましてはなお阻害要因等を排除しながら努めてまいると言う以外、いささか困惑するわけでございますが、いろいろと財政事情等々これあり、いろいろな問題を含んでおる問題でございますので、しかとこの問題につきましては一層努力するということで御理解をいただきたいと、このように考えるところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 時間がないので次に進めますが、全体のことは後から質問いたしますとして、この会計検査院が指摘した物件の中で三十五件が建設省から大蔵省に引き継がれておりますが、大蔵省においてはこの問題についてどのようにつかんでどのように処理をされましたか。

小幡俊介大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡俊介君) お答え申し上げます。  法定外公共物は、先生御案内のように、それが里道あるいは水路等として使用されておる段階におきましては、これは公共の用に供されるということで行政財産ということでございますから、建設省の方で管理をしておるわけでございます。具体的には都道府県知事が機関委任事務として管理をしておるわけでございますが、その里道、水路等が用途を廃止されるということになりますと、それは普通財産ということで私どもの方が建設省から引き継ぎを受けると、こういう段階になるわけでございます。  それで、全国的にそれではこういう法定外公共物というものが年間どのくらい引き継ぎを受け、われわれの方でそれを処理しているかということを申し上げますと、年間に一万数千件のものが用途廃止をされ、私どもの方に引き継ぎを受けておるわけでございます。  そこで、いま先生のお尋ねは、過去におきまして建設省が会計検査院から指摘を受けましたその七百数十件のうちの三十五件が大蔵省の方に引き継ぎを受けているがどうかというお尋ねでございますが、これは私どもの方が直接検査院から指摘を受けた案件でございませんので、建設省から引き継ぎを受けましたその土地一つ一つ、一万数千件のうちどの部分が検査院から指摘を受けた土地であるかということは私どもの方でにわかにわからないわけでございますが、建設省の方からお伺いしております。その三十五件のうちの大阪府下における十二件というのは、個々に先ほど御連絡をいただきましたので私どもの方でも調べてみました。この大阪府下十二件といいますのは里道、水路という件数別で十二件ということでございまして、これを対象の相手方別に見ますと六件ということでございます。この六件について見ますと、五件につきましてはすでに私どもの方で売り払い処分済みでございます。一件につきましてはいまいろいろ交渉しておりまして、近く売り払い契約締結の見込みである、こういうふうな状況になってございます。年間一万数千件のものを用途廃止をして引き継ぎを受けておりますが、私どもの方は大体その対応する数字を年間処理をしておる、こういう状況にございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 その三十五件についても私調べてみましたが、まだやはり大蔵省の推進というのはこの点についても非常に弱いと思うのです。そういう点で、国有財産法第七条に「大蔵大臣は、国有財産の総轄をしなければならない。」ということがございますので、総括責任者として、また十条には大蔵大臣は国有財産の管理及び処分について各省に指示できると、こう言われております。そういう指示できる責任のある立場として、大蔵大臣に一、二点質問いたします。  ここでやはり疑問になるのは、そういう法定外公共物といって、しかもそれは各省の、建設省でいけば行政財産というものに属しておるわけでございますが、もう明らかに民間工場の敷地になったり、あるいはゴルフ場になっておる。この時点でやはり行政財産としての立場は離れるんではないかと、こう考えるわけですが、大蔵大臣、この点についてはどうでしょうか。

小幡俊介大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡俊介君) お答え申し上げます。  先生おっしゃいましたように、大蔵大臣は国有財産法に基づきまして国有財産全体についての総括権というのを有しておるわけでございまして、この総括権に基づきまして、国有財産について各省各庁の長に対しましていろいろと措置を要求するという権限があるわけでございます。私どもは、そういう広い総括権の一環といたしまして、ただいまの法定外公共物の管理等の問題につきましても、かねて建設省の方に対しましても、これの適正な運営ということについていろいろお話をしていることがあるわけでございます。  しかしながら、ただいまいろいろ建設省の方からお話がございましたように、この法定外公共物の特殊な性格ということで、建設省設置法によりまして、建設大臣がこれの行政財産としての管理を行っているわけでございますが、具体的には機関委任事務ということで都道府県知事が管理をされておるというふうなことで、いろいろその管理についてまだ十分いかないという点があるわけでございますが、私どもの方もいろいろ建設省の方にもそういう点につきまして従来からお願いをしておるわけでございまして、建設省の方でもせっかくこの管理の適正ということに努力を続けられているというふうに考えておる次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 まあいろんな経緯はありますけれども、いま私が申し上げましたように、一方では地価が高騰して、大都市では住宅難に困っておるとか土地問題に苦しんでおる。こういうときにやはり無断占用が許されておるというようなことでは、これは国民に対して本当に不公平という、それ以外の何物でもないと、私はこう思うんです。そういう点で、これからのこの管理費の問題、あわせましてこの責任問題について、建設大臣、大蔵大臣の方でよく検討をされて、この責任の明確化を考えてもらいたいと思いますが、建設大臣、どうでしょうか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  明確にして、対処してまいりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 建設大臣と同様であります。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここで、いま国を挙げて行政改革に取り組んでいるときに、国民の財産である国有地が、最も効率的に活用されなければならないこういう行政財産が野放しで放置されておるということは、これはもう行政の効率化から言っても最優先で官が取り上げなければならぬ問題であると私は考えます。この点について、今回の行革で取り上げてやはり行管としても検討をする必要があると思うが、長官、どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 同感でありまして、行管といたしましては、臨調答申の前に、ことしの監察の対象として国有財産を特に選びまして、いま全面的に詳細に実態把握に努めておる状態であります。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 先ほどの第二臨調の指摘の中にもございましたように、また大蔵大臣にひとつお願いしておきますが、大蔵省の所管の中でも、普通財産の処分については非常に推進が遅い、手続等も大変むずかしいという実態が私の調査の中でも出てきております。こういう点について、大蔵大臣はこの推進をどのように考えてみえるか、お答えいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そのような批判がございますし、私どもも、手続ばかりめんどうくさ過ぎるんじゃないか、もう少し何か簡素化できないかということで、極力、余りいつまでも時間をかけないで払い下げできるものはできる、できないものはできない、はっきり通知を出せと。それから国の財産ですから慎重に扱わなければなりませんが、正確を期しながらスピードアップを進めるように努力をいたします。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いま私が指摘してまいりましたのは法定外公共物でございますけれども、普通財産はいま大蔵大臣がおっしゃいましたけれども、いま行政財産の中でも行政効果を明らかに失った遊休地と思われるものが私の調査の中でもたくさんございます。  時間がないので全体として質問いたしますが、行政財産をたくさん持つ、農林関係では林野事業、総理府の防衛庁関係、文部省の国立学校関係、あるいは特殊法人の中でも三公社の関係の各省行政財産、あるいは事業財産の中でも、すでに行政目的より離れた、効率的な利用のされていないいわゆる未利用地、遊休地というのが相当数あることを確認いたしております。また、その未利用地を地方自治体より、緑地公園だとかあるいは自然休養林だとか林道、墓地公園その他公共施設等に使用したいという希望もかなりあることをつかんでおります。そういう面で、そういう財産を多く抱えてみえる農林省、文部省、防衛庁、そして三公社の関係でも国鉄関係の運輸省について、この点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○政府委員(秋山智英君) お答えします。  国有林野につきましては、これまでも国有林野所在の地域の皆さんの要請を受けまして、公園、公営住宅、学校、ダム敷など、公共用、公益事業等に供しておりますし、さらに農業構造改善に供するために売り払いを実施していますが、今後におきましても、「国有林野事業の改善に関する計画」にこれが載っておりますので、これに基づきまして保有財産の利用の見直しを行いまして、国有林野事業の調整を十分図って地域の用に供すべく努力してまいりたいと、かように考えております。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  防衛庁が管理している国有地につきましては、現在有効に活用しているところであり、今後とも防衛力の整備に伴って所要の整備を図っていく必要があると、一般的には考えております。  ところで、施設整備等の進捗等に伴いまして不要となった土地が発生した場合は、国有財産法の規定に従い、大蔵省へ引き継ぐ措置を講じてきておりますが、今後ともこの方針には変わりはございません。  さらに、地方公共団体からの払い下げの要望があった場合につきましては、いま申し上げましたような防衛施設の重要性にかんがみまして、その維持運営上あるいは整備上支障がないよう、具体的ケースごとに個別的に検討をいたしまして、可能なものにつきましては現実的な調整を今後図ることといたしたいと考えております。

田中龍夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  国立学校特別会計等の財産につきましては、「未利用地の売払い等の処分の促進を図る。」とございますが、現在、国立大学におきまして教育研究に使用しておらない用地は新しいキャンパスへの移転統合の跡地等でございますが、これらは計画的に処分を予定いたしておるところでございます。なお、これらの跡地の処分に当たりましては、公的な用途に優先的に充てることとされておりますので、地方公共団体からの要望につきましても考慮されておる次第でございます。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○政府委員(杉浦喬也君) 国鉄の関係でございますが、非常に膨大な用地を抱えております。その中で、未利用地千八百万平米等がございますが、これらにつきましては、それの処分ということにつきまして従来ともに指導をしておったところでございます。先般つくりました経営改善計画におきましては、この未利用地を処分いたしまして六十年度までに五千億円の収入を出すというような計画にもなっております。従来、二百億から三百億程度毎年処分をしておりますが、約九割程度は地方公共団体に売却をされております。今後、計画的に有効活用、さらに資産の処分、これを徹底してまいりたいと思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それで、この問題の国有地、特に先ほど私が申し上げました法定外公共物、それから普通財産はもとよりでございますが、行政財産について、いま国を挙げてみんな一丸となってこの問題にぶつかっておるときでございます。そういうときに、企業でいけば、本当に左前になったときに、自分自身の財産の中にはどういうところにあいた土地があるのかと目をやるのは当然のことであります。国とてもやはり同じ経営の中にあっては同じ原理だと思います。そういうことで、やはりこの問題については各省と連携の上で、国を挙げて行革に取り組んでおるこの眼を、行革の目でもう一度当てて、こういう問題等についても見直し、国民の前に示して、このようにやっておると、こういうことをはっきりすべきだと私は思いますが、長官はどのようにお考えでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業や民間の皆さんが、石油危機を乗り切るときには全く必死になりまして、自分の株を売るとか土地を売るとか、夜なべ仕事をするとか、そうして乗り切ったわけであります。国も同じで、金が足りないというときには増税というような誘惑にとらわれないで、みずから自分の財産を売り飛ばして、そうして民間がやっているようなああいう苦労をまずやるべきである。そういう点から見ましても、目をまず第一に転ずべきは自分の持っている国有財産でありまして、行政管理庁としてもこのことはっとに考えて、昨年、一昨年にわたりまして各省とも相談をし、国有財産の処分について馬力を入れておるところでありますが、今後も大いに督促する考えでおります。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 言葉を返しますが、長官、いま私が問題を指摘しました、やはりああいうようなものがありますし、それから行政財産の中でももう一遍考えてみえるか、総理や行管庁、各大臣が中心となって、そういう角度で不必要なものはしっかりと見直そうと、そして国民にこたえようという、そういう気合いの入ったもので行政改革に取り組まなければこの問題は私は流れてしまうと思うんです。ただ、制度で打ち出すだけではだめだと、こう思うんですね。そういう点で長官の決意をお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 気合いの入ったやり方でやります。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、特殊法人の合理化、効率化について二、三点質問いたします。  私は、今年の三月の予算委員会で長官に、特殊法人の役職者が他に比して非常に比率が高いという点を指摘しました。特にその点について、頭でっかちで経済的には負担が多く、効率的には悪いという点を私のデータをもとに指摘しましたところ、長官はその必要性を理解するということで、第二臨調等でも検討をされると、こう約束されましたが、これはいかにいま検討をされておりますか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 貴重な資料をいただきまして、行政管理庁としても検討をし、また第二臨調の委員の方にもお回しをいたしました。その結果であると思いますが、特殊法人の役職員の整理を今回の行革でも断行いたしまして、五十九年までに二割を減らす、そういうことに踏み切りまして、いま着手に入ったところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 その対策の中で、役員のことは私もこれは知っておりますが、やはり一般の管理職の点についても先ほど示しましたデータでは圧倒的に多い、中には八二%を超えるような役職者ばかりの組織もございました。役員を入れると一〇〇%というようなところもございました。そういう点で、やはりこれは役員とあわせてこの点を検討の議題にすべきではないかと思いますが、どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) その点も同感でございます。ただ、特殊法人の性格によりまして、現業的な仕事をしているところはどうしても一般の人が多い。役員の比率は、役員の数が少なくなってくる。これは国民金融公庫なんかは現業事務をやっておりますからそういう性格を持ちます。しかし、金融的な調整業務、そういうようなことを主としているたとえば環境衛生関係とか、そのほかのそういうところは役員の比率が非常に多くなっている。現業は国民金融公庫に委託するとかそういう形になっております。したがいまして、これは特殊法人の性格一つ一つを点検して、できるだけむだのないような形にしていかなければならぬと思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 私は、この特殊法人の役職者の内容についての一連の調査の中で何点かの疑問が出てまいりました。その中には、組織体制の中で部課長とかそういう一般的な役職はありますけれども、余り他にないような名目の役職も非常に多いということです。中でも、課長を補佐するために課長代理がある、課長補佐があるという役所があるわけでございますが、これに対抗いたしまして課長同等の調査役という役職が特に目についたわけです。特殊法人の全体について調査してみましたそのデータは長官のところに私は出しておきましたが、たとえば電電公社の本社だけでも、課が八十四あるのに対しまして五百四人という大ぜいの調査役があるわけでございますが、この点、郵政大臣はどのように掌握してみえますか。

山内一郎自由民主党・自由国民会議郵政大臣

○国務大臣(山内一郎君) 電電公社の本社組織の役職員の数の問題でございますが、いま御指摘のございましたように、全体で千五百名、詳しく言いますと千五百三十八名でございますが、調査役は五百四名おる。こういうことでございまして、事業の運営上こういうふうに電電公社は配置を決定いたしておりますが、私といたしましては、電電公社は公共的な独占的な事業をやる公社でありますので、できるだけ簡単な組織で、少ない要員で効率を上げるべきであると、こういうことを考えて指導してまいっておるわけでございますが、御指摘もございましたので一層検討さしてみたいと思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 長官、いまお聞きのような数字が出ておりますが、電電公社では課が八十四で調査役が五百四人、課長補佐が八百八十八人。専売公社では課が三十七に対して調査役が七十九人、課長代理が七十七人となっておるわけでございます。各省、各企業等に余り見受けられない役職名でございますので、その内容等について私は調査の中で何点か聞いてみました。中には、やはり給与や地位や退職の条件等を有利にするために設けられたという疑いも出てきたわけです。このことは行管庁は知っていらっしゃいますか。

佐倉尚行政管理庁行政管理局長

○政府委員(佐倉尚君) 先生お話しのは、特殊法人の中の役員としての調査役とかそういった職種のお話だろうと思うわけでございますけれども、これにつきましては各省庁が一次的には管理監督をするという立場にございまして、私どもでは十分にその辺を詳細に把握しているとは言いがたい状態でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 長官にお聞きしていますが、いまの私の調査の中で出てきたような問題点があったわけでございます。やはりこういうようなことでは、特殊法人の整理合理化に向かっておるときに、こういうような考え方で役職を持たれたとしたら逆行するものではないかということで、行管庁としても、特殊法人の役職者等の実態等についても調査して、役職者の比率とあわせて適正を図るということの中でこの点も検討をしていただきたいと、こう思いますが、いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 各特殊法人によりまして、機能あるいは営業、事業の実態が違うものでございますから、一律にお仕着せのように強制するわけにはまいらぬと思います。課長代理とかあるいは調査役というものが数多くあるのは、営業とか調整とかという場合に、対外関係でやはりそういう肩書きを持っていないと向こうと話がつけにくい。たとえば土地の交渉とかそういうような問題でもありましょうし、いろいろな面でそういう点があるだろうと思います。ほかの官庁に対する関係あるいはほかの大きな企業に対する関係等でそういう肩書きを持っていないと話がつかないという場合もあると思うのです。外国の会社あたりでは副社長が十人いるとか、そういうふうなシステムをとっているところもあるので、これは一種のスタッフシステム、ラインに対するスタッフシステムという新しいやり方を導入しているのもあると思うのです。国鉄なんかでもそういう要素はあると私らは理解しております。したがいまして、その法人法人の実態に応じまして、遊休職員をそういう名前で抱えているのかどうか、果たして機能しているかどうかよく調べて、われわれは認識を正確にして、そして処理していきたいと思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いや、私がいま取り上げたのは、みんなやはり管理職手当一いま長官のおっしゃるのは、一つは対外的な事業面でとこうおっしゃっておりますけれども、私の調査の中では、やはりこれは明らかに管理職手当をきちっともらった役職として、しかもその部署が事業をやっておるわけですから、調査を専門にやっておる調査室とかではありませんから、そういう点で余りにもそういう数が多過ぎるのではないかということから、よくこれを見張るべきではないかということを言っておるのですが、長官、どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は同感でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 この特殊法人の合理化、効率化の問題で、今回の行革に非常に関心の高まった理由の中には、国並びに特殊法人の不正腐敗が問題化されたということも一つは動機になっております。今回の行革の中でも、私はそういう意味でいけば、国の問題とか特殊法人の問題というのは、合理化、効率化の中で真っ先にこれを取り上げて検討しなければならぬ問題だと思いますが、かつてこの問題については、大平行革の実施は行われましたけれども、長官も御存じのように、世間の批判を買うような見せかけ合併、人減らずの整理統合が多くて、その陰に隠れて、今回の第一次答申においてもまた政府方針においても、具体的推進がこの点については明確にされていないのが国民の大きい疑問でございます。この点について私は先日の予算委員会でも長官に質問したところ、抜本的改革を実施したいと、力強い言葉をいただいたわけでございますが、その具体化と推進の方法については余りはっきりとしておりませんので、この点をお尋ねいたします。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) この点は第二臨調の検討課題の大きな対象でございまして、第四部会におきまして専門にこの問題を主として取り上げてやっていただいております。大にしては国鉄、電電の経営形態から、小にしては特殊法人の統合問題あるいは役職員、先生の御指摘の職員の能率の問題等々、それに至るまで検討を加えられておりまして、この検討の結果を得次第、われわれはこれを吟味いたしまして実行いたしたいと思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 もう一点は、先ほども言いましたが、大平行革の中で特殊法人についてはずいぶん整理統合が言われて、この間も私は蚕糸事業団等についても指摘しました。何点かの統合特殊法人等につきまして、長官も御存じだと思います、新聞等でも批判されておりますが、その合併は、二つ合わさっただけで、その整理もきちっとされぬままに行われておるという指摘が出ておるわけです。こういうものについては、そのままで終わったとしてしまったら、やはり行政改革は空抜けではないかということになってしまうわけです。そういう点について、もう一遍これはしっかりと大平行革の方向性も洗い直してみて、この問題については検討をして、議題にして論議してもらいたいと、こういうことを言っておるわけですが、その点どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 第二臨調におきましては、根本的に洗い直しをやりまして、新しい観点から計画をつくっていただくようにいま進めております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 第二臨調はそうですが、政府としては、これについてどのようなスケジュールでどのようなことをやっていくかということを、ひとつ長官の口から御説明願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 大平内閣のときの行革で十八特殊法人の統合を実行しておりまして、まだ進行中でございます。まだ残っているのも幾つかございます。学校給食会と学校安全会を統合するという法律ですらまだなかなか国会で通していただけない、こういう状況でもありますし、そのほかまだまだ次々に出てくる問題もあるのであります。そういう一つ一つを片づけていくのがいまわれわれが心がけていることでありまして、この特殊法人全体を根本的に見直して新しい政策で強力に打ち出すのは臨調の方にお願いして、臨調の方の指示に基づいていろいろな資料をいま臨調に提供しているというのが現状でございます。いずれ早晩、第四部会のいまヒヤリングをやっておりますが、そういうまとまった案が出てくると思いますので、それを見た上で実行していきたいと思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 私が聞いておるのは、その全体の中で、何年ほどまでに、どのような形に縮小なり削減なり、あるいは計画変更をしていくかということを、これはやはり第二臨調じゃなくて政府が決めることだと私は思うんです。そのような構想がなくては、これは第二臨調に任したって進んでいかないと、こう思うんです。この点ひとつお願いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) むしろ特殊法人全体をすべて洗っていただいて、特殊法人というものをどうするか、それから個別的に、じゃ電電や国鉄はどうするか、そういう二つの面から根本的に洗って見直す時代に入った、こういうことで第二臨調で専門に当たっていただいておるわけでございますから、その答申を待ってその大きな改革の方には手をつけたいと、こう考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 これは何回か繰り返しても一緒でございますのでここで切りますが、あわせまして、やはりいままでの行革論議の中で、国会の中で特殊法人とあわせて問題に挙がったのに、中央省庁や地方出先機関の整理合理化についての問題がございます。答申ではこの点についてはほとんど触れておりませんが、長官、これはどうなっておりますか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) それは、来年の初夏に予想される答申の中核として出てくるものであると期待しております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次にもう一問だけ質問いたしますが、政府はこれまで財政再建の必要性の強調をする中で、データとして中期展望を説明してみえましたが、行政改革の突破口という位置づけの特例法案を提案するならば、すでに一年近くも経過しております本年一月発表の中期展望によって要調整額を示すのではなくて、本法に基づいた新たな中期展望の提出が私は必要であると、こう考えますが、大蔵大臣もしくは経企庁長官からこの点について御答弁いただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政の中期展望につきましては、かねて一つのモデルをつくってみたわけでございます。しかしながら、それではこのように変わった安定成長下においては非常にむずかしい問題も少しございます。ことに、今度臨調国会まで開いて財政の節減合理化、これを徹底させようということでございますので、われわれといたしましては五十九年までに赤字国債から脱却するという線は変わっておらないわけでございますが、もう一度徹底したゼロシーリングの中で五十七年度予算を編成をしてみて、それに基づいてもう一遍書き直してみる必要があると、かように思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 新しい政策を立てて新しい予算を組んでいこうという一つの指針がこの財政展望ではないか、こう思うんです。そういう点で、中期展望を大蔵大臣は常にこれは説明の中に使ってみえるわけでございますが、もはや一年もたっておりますし、それから今度の法案にいたしましても財政を伴うそういう法案でございますし、行政改革という重要なポイントを論議しておるわけです。そういう点については、やはり一年も経過した資料を使うということは、私はやはりこれはずいぶん狂いがあると。最近のこの三ヵ月くらいでも大きい変化が、後から私質問いたしますけれども、起こっておるわけです。そういう点で、これはやはり見直すべきだと、こう考えますが、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま答えたとおりでございまして、この前につくった中期展望は五十六年度予算ベースでつくってみたわけですが、これは制度、施策を変えないで、要するに歳出の増というのを引き伸ばしてみればこうなると。歳入については、経済七ヵ年計画に基づいてそのようなGNPの伸びがあった場合に歳入がこうなると。そこで、そのギャップが要調整額ということで示されておるわけでございますが、今度は御承知のようにこのような法律もこしらえていただいて、またゼロシーリング予算の中で思い切りいままで伸びておった補助金その他も切るという新しい発想に立つわけですから、当然にいままでのようなものではない、土台が違ってくるし、今後の伸び率等についても違いが出てくるから、もう一遍新しくつくり変えてみるという必要があると思っております。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長代理(嶋崎均君) 神谷信之助君。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まず総理府、政府委員でいいですが、お尋ねをいたします。  公用車の運転日報の保存期間が、これは総理府の本府文書管理規則の別表第十六によって「通知、報告、届出に関するもので軽易なもの」として「三年保存」となっていると思いますが、この点まず確認をしたいと思います。

鴨澤康夫総理府内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(鴨澤康夫君) 運転日報の管理につきましては、ただいま御指摘のとおり保存期間三年ということにいたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その管理規則でありますが、これは昭和四十九年の六月二十六日以降改正をされていない。そうしますと、五十一年の七月当時は四十八年、四十九年、五十年の三年分が保存期間だったということになります。  そこで法務省にお尋ねしますが、五十一年七月に田中、榎本らが逮捕をされたその時期に、東京地検は清水運転手の総理府運転日報の任意提出を求めたと思いますが、この五億円の授受にかかわる四十八年六月から四十九年の三月の間、この間の日報は提出されなかったのではなかったでしょうか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) そのように承知しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 したがって、保存されているべき日報が、五億円授受の時期の分だけが保存規則に違反をして焼却されていたということになります。  法務省、それで続いてお尋ねしますが、四十八年の六月以前の分、これは提出されていたのではありませんか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 以前の分につきましては、保管があったということで提出を受けておると承知しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 事は重大であります。榎本アリバイはロッキード事件公判の最大の争点の一つであります。そして、弁護側の論証の最大の物証となっているのが清水運転手の私的な運転記録、いわゆる清水ノートであります。ところが、それに見合ったところの総理府の公的な記録、これは保存管理規則に違反をして焼却をされている。こうなりますと、総理府が証拠隠滅を図ってアリバイづくりの一端を担った疑いさえあるわけです。総務長官、徹底的にこれは調査すべきだと思いますが、いかがですか。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) この問題は、すでに検察庁及び裁判所等でいろいろと証人を通じて、あるいは被告を通じてそれぞれ陳述が行われているところでございまして、総理府としてはもとよりこのような問題についても重大な関心を持ってその後調査をいたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その後調査をされてどうなっているんですか。保存期間は三年と決められておって、そして総理府の当時の会計課長が弁護側の質問に答えた記録が先般の十一月の公判で明らかになっています。彼は、二年の保存であってそれは焼却いたしましたと。ところが、ちゃんと規則は三年の保存なんだ、三年の保存ならあるべきだ。それを焼却してしまったということになれば事は重大だと思う。簡単なことです、調査は。どうです。

鴨澤康夫総理府内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(鴨澤康夫君) ただいま御指摘の三年間の保存期間に指定をいたしましたのは、五十二年六月十三日に「会計課の文書保存期間について」という通達を出しまして、それで三年間に指定をいたしました。それ以前は実は保存期間についての規定はございませんで、二年間で、大体二年分をとっておいで、それ以前のものは焼却するというふうな実質上の慣例にいたしておったわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 当時は慣例で二年だというお答えになるであろうということは予想しております。しかし、私はそういう答え方に重大な矛盾があると思うんです。  第一は、管理規則はちゃんと保存期間三年、これが最低なんです。二年とか一年じゃありません。仮に慣例がそういうことであったとしても、それじゃ慣例自身が規則違反である、こういうことになります。  第二に、慣例で二年だとおっしゃるのだけれども、それならばなぜ四十七年度分が、あるいは四十八年の四月分、五月分までは残っていて、ちょうどこの五億円授受の時期、四十八年の六月から四十九年の三月の分だけが焼却されてしまう。だから、総理府があったと言うその慣例さえも、そういう意味では守られていない、逆に言うと、古い分は残っているんだから、こういうことになります。しかもそれを、いや実は別のところに保管してあったのが後でわかったんだというような言いわけをなさっている。これもつじつまを合わすための言いわけとしか考えられない。こんなことが通りますかと言わざるを得ぬと思うのです。  そういう点を見ますと、規則にこういう点で照らしてみましても、あるいは慣例から見ましても、これは焼却処分の理由としてはきわめて薄弱あるいは理由が立たない。こうなりますと、私は慣例自体が規則違反で、事実上の証拠隠滅あるいはアリバイ工作に手をかしたと言われても仕方がないというように思うのです。  そこで、法務省の刑事局長に聞きますが、検察当局としてはこのアリバイ問題、これはいま重要な問題であり、争点として法廷で争っておられるわけですが、こういうアリバイ工作をした疑いがあるという、こうなりますと事は重大だ。しかも、総理府がそれにかかわっているとすれば事は重大だ。この点、捜査をする必要があると思うんですが、いかがですか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 捜査でございますから、犯罪の疑いがあります場合には当然捜査の対象になるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いま私が指摘をしたようにきわめて重大な疑惑があります。同時に私は、検察当局の捜査を待つまでもなく、総務長官の方でこの事実経過についてもう少し国民が納得できるものを、根拠を明らかにする、そうでなければ納得できない、いまのような理由では。この点ひとつ指摘をしておきたいと思いますが、よろしいですか、一言だけ。

鴨澤康夫総理府内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(鴨澤康夫君) 経緯につきましては、すでに御説明申し上げてあるとおりでございまして……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 簡単にひとつ、やるのかやらぬのか、調査は。

鴨澤康夫総理府内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(鴨澤康夫君) 調査をいたしまして、後刻御報告いたします。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 次の問題に移りますが、行政改革の原点は、総理自身も、「清潔かつ公正な政治と行政は、社会秩序の基礎」と九十四通常国会でお述べになっています。したがって、腐敗や不正をなくして清潔な行政を確立するということは論を待たないと思うのです。  ところが総理は、前回、小佐野有罪判決についてこれを厳粛に受けとめると答弁をされておりますが、その小佐野判決で特にP3Cをめぐって判示しております。P3Cにかかわる疑惑は、特に参議院が担当してロ特あるいは航特委でその疑惑の解明に当たってまいったところであり、私も微力を尽くしてきたつもりでありますが、したがってこの小佐野判決にあるP3Cにかかわる疑惑の判示については無視をすることができないというように思うんです。しかも、P3Cについては来年度の概算要求で前倒しで購入するということが明らかにされているとすれば、私はいささかも疑惑をあいまいにするわけにはいかないと思う。P3Cに関する一切の疑惑の解明こそが、この参議院が国民に対して果たすべき責務と言わなければならないというように思うのです。  そこで、法務省の刑事局長に最初にお聞きをしたいのですが、小佐野判決理由要旨によりますと、小佐野は児玉とともにコーチャンの要請を受けて対潜哨戒機P3Cの日本政府への売り込み工作に同意をし、さらにロッキード社コーチャンがトライスターの全日空への売り込みが成功した七二年十月三十日以後、P3Cの売り込みに力を注いでいたことがほぼ検察の主張どおり認められたというように思うわけであります。さらに判決理由要旨で、コーチャンはトライスター売り込み成功後、P3Cについても被告から援助を得ようと考えと述べているように、トライスター後の対月売り込みの重点はP3Cである、このことも明らかになっていると思います。だからこそ児玉に対して二十五億円の成功報酬を約束をしている。  そこで、お尋ねをするのですが、コーチャンらの嘱託尋問調書証拠調べ請求、これが裁判所で決定を見ておりますが、それを見ますと、検察の方は七六年五月二十二日付の嘱託尋問請求書で被疑者数名、つまり閣僚、高官、国会議員は、丸紅などから日本国政府がP3Cを選定、購入するよう取り計らってもらいたい旨の請託を受け、これに関する謝礼の趣旨で供与されることを知りながら、昭和四十七年十月ごろから同四十九年中ごろまでの間、数回にわたり多額の金品を収受したと述べていると思うんですが、事実いかがですか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) ただいま仰せになりましたことは、いわゆる嘱託尋問を請求するに際しての尋問請求書のところで、そういう被疑事実という形で掲げてあることであろうと思うわけでございます。  この嘱託尋問調書のことは、神谷委員に改めて申し上げるまでもないと思いますけれども、いわば捜査の初期の段階におきまして嘱託尋問を必要とするということでその請求をするについてのものでございます。したがいまして、その時点でそういうことも一応考えられるという想定のもとで尋問を請求したということに相なるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 捜査の初期の段階で嘱託尋問調書の請求をなさったということであります。したがって、つまりそうは言いましても、七六年五月二十二日の時点では、検察当局の方は、P3Cでも閣僚、高官、国会議員に黒い金が流れたと見ていたということだと私は思うんです。  当時、これは昭和五十三年十月十八日の衆議院のロ特ですが、この点について検察庁にただしましたが、当時この問題についてある程度疎明をしていたという答弁をなさっておりますが、したがって請求するにはそれだけの根拠といいますか、疎明をし得る根拠を持っておったというように解していいと思うんですが、いかがですか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 先ほど申しましたように、その段階におけることでございますので、それ以前の得られた資料というものが若干疎明資料として考えられているわけでございます。それは、御案内のとおり、アメリカでいわゆるチャーチ委員会でコーチャン氏の証言があったり、またそれをいろいろ報道されたりということでございますので、そういう関係が一応の疎明になったというふうに考えられるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 結局、だから捜査の初期の段階ではP3Cにかかわる疑惑を捜査当局も関心を持ち、そして捜査をなさった。ところが、P3C疑惑は結局は不問に付されたという結果になっているわけです。  そこで、さらに。聞きますが、昨年七月九日の丸紅ルート公判で、丸紅の伊藤宏を取り調べた松尾邦弘元東京地検検事が証言に立って、弁護側の尋問に対して、伊藤宏がP3Cについて供述したにもかかわらず、P3Cなのでひとつ問題になろうかと思いますということで調書をとらなかったという証言があります。P3Cはトライスターと並んでロッキード疑獄の焦点になっていた問題であります。それについて調書をとらなかったというのはどうしてでしょうか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 御指摘のように、松尾検事の証言がございまして、そのことがいろいろと報道もされたわけでございますが、証言を要約しますといまのようなことになりかねないわけでございますけれども、いわゆる問答で何回かなされたことでございまして、それほど明確なことではないわけでございます。これを要しまするに、そういう話は一応聞いたけれども、非常に漠然としておって、これという具体性がないということで調書にとらなかったというのが松尾検事の真意であったというふうに理解しているわけでございます。  一般的に申しまして、調書をとります場合には、それが後々証拠になるわけでございますから、余り漠然としたこと、あいまいなことを書いて、それが後で見る者の目に触れて、これは一体どういうことかというような問題を起こしてもしようがないという問題が一般にあるわけでございますから、そういうことで、調書にとります場合には、具体的な、またある程度確信の持てることを調書にとるというのが実際の運用でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いろいろ弁解をなさっていますが、結局こういうことになるわけですね。嘱託尋問請求書では、明白に検察の方は当初はP3Cを調べていく、そして一定の疎明資料も収集をしていた。ところが、途中からP3Cについては、いろいろいま弁解もなさいましたが、調書もとらなくなる、あるいは追及もしなくなってきている。ここに国民の側からすればP3C隠しが検察庁当局にもあったのではないかという疑惑を持っているわけです。  そこで、さらに法務省にお伺いいたしますが、国会に対する報告で、P3Cについては犯罪の容疑はなかった、こういうようになさっていますが、これはP3Cに関して金が政治家に流れたけれども、しかし犯罪を構成するような事実には至らなかった、あるいは構成するには至らなかったというようなことなのか、それとも一切P3Cについては金の動きはなかった、こういうことなのか、いずれですか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 要するに犯罪の疑いのあるような金の動きはなかった、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ちょっと待ってください、局長。そうすると、犯罪になるような金の動きはなかったと。金そのものの動きはあったということですか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) その辺も物の言い方かもしれませんけれども、いろいろないわゆるコンサルタント契約等に基づいての金の動きもあるわけでございますから、そういうものを含めますと、金の動きはあったというようなことにもなるわけでございますので、そういう意味で、誤解を受けるといけませんので、先ほどのようなお答えをしたわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう一度聞きますが、だから請託の事実がなかったとか、あるいは他の名目であったとか、いろんなことがあるでしょうが、いずれにしても金は一定のところにいろんな形で流れていったかもしれないし、あるいは流れていたけれども、しかし犯罪を構成するような要件の事実をつかむことはできなかった、こういう意味ですか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 先ほども申しましたように、非常に広くとりますと、全然ないわけではないと思いますけれども、具体的にだれからだれに犯罪になるような形で金が流れたということは認められなかった、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 しかし、コーチャンは七六年七月六日の嘱託尋問で、田中への五億円を約束どおり支払わないとP3Cの日本への売り込みはできなくなると丸紅から言われた、そういう証言をしていますね。これはどうですか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 証言の一部にそのようなことがあったことは、そのとおりでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 つまり、田中が収受したところの五億円には、P3Cの対日売り込みの趣旨が含まれていたということであります。  さらに、さきに挙げました検察の嘱託尋問請求書では、P3C、トライスター売り込みのために、昭和四十七年十月ごろから四十九年中ごろにかけて、閣僚などを含む政治家が多額の金品を収受したものと述べているわけです。この期間は、ちょうど田中角榮に五億円が流れた期間、四十八年の八月十日から四十九年の三月一日、この時期も含まれております。つまり、検察も当初は田中への五億円にP3Cの趣旨も含まれていると、こういうようにみなしていたのではないかと思うわけであります。すなわち、P3Cについても犯罪の容疑というのは満ちあふれていると私は思うんです。  そこで防衛庁長官に聞きますが、当時の三木総理は五十一年の九月二十八日の本院本会議で、「PXLの選定の経過について不正行為その他犯罪の容疑があれば、これはもう厳正に措置されなければならぬ」と答弁されております。それから五十二年五月十八日の参議院のロッキード特別委員会で当時の福田総理は、ロッキード事件を引き起こした「会社のつくった航空機を使うというようなことは何らか抵抗を感じます」と、こう答弁されています。さらに、三原元防衛庁長官は、解明なくして選定なし、疑惑の解明なくして機種を選定するわけにいかぬと、こういうこともおっしゃっております。ところが、御承知のように、小佐野判決でP3Cに対する疑惑が裁判所の判断で明らかにされた、そういう今日ですね、ましてこの行財政改革の中でP3Cを繰り上げ発注までして導入するということ、これは余りにも私は問題が多いと思うわけであります。先般の行革委員会の答弁の中で、大蔵大臣は、軍事費の方も聖域ではなしにずばずばと削る、こういう答弁をなさっておりますが、このP3Cの疑惑と関連をして、防衛庁長官として、このP3Cをさらに購入する問題についてどうお考えか、疑惑との絡みで見解をお聞きしたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  先般の東京地裁の判決は、P3Cについて、小佐野被告がコーチャン氏等と話をした事実等に関し議院証言法違反に問われたものでありますが、P3C導入に関して犯罪容疑がないことについては、これまで国会におきまして法務当局から明らかにされているとおりであり、この点については先般の判決においても何ら変わりはないものと考えております。  防衛庁といたしましては、外部から不当な働きかけがなされたことはなく、あくまでも技術、専門的観点から、費用対効果等を考慮の上、純粋に防衛上の見地に立ってP3Cを選定したものであります。  また、防衛庁といたしましては、昭和五十一年八月にロッキード社から、P3Cの契約獲得に関し不当な影響を及ぼし、また有利な取り扱いを受けるため、贈賄その他の金品の提供等の行為を行ったことがなく、また将来も行わない旨の誓約を受けているところであります。  このような経緯からいたしまして、防衛庁といたしましてはP3Cの選定に関し何ら外部からの不当な影響があったとは考えておりません。したがいまして、現用の対潜哨戒機の更新、近代化を図るため、五十七年度以降におきましても引き続き所要のP3Cの調達を行ってまいる所存であります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いま長官は、犯罪を構成する容疑はなかったと、こうおっしゃる。しかし、犯罪を構成するためには、請託の事実なり趣旨なり、あるいは職務権限なり、あるいは時効なり、いろんなものがあります。これは事実を明らかにして、そして犯罪事件として起訴をする、立件をするというにはなかなかむずかしい手順がありますね。しかし、金が流れているということはあの判決でも明らかになっている。そういう状況の中で、犯罪というそういう事実が発見できなかったから全部シロでございますということにはならぬ。特に問題は、政治的、道義的責任を明らかにして、事実を解明して、そうして国会自身もえりを正さなければならぬ、そういう問題であります。P3Cにかかわってそういう疑惑が残っている限り、それが犯罪にならないからいいんだということで済ませるのかと、国民が問題にしてるのはその点なんです。もう一度長官の答弁を求めます。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、犯罪容疑はないということが担当の法務当局から言われている点であります。また、防衛庁といたしましては、導入に関し外部からの不当な働きかけがないと確信いたしております。もっぱら純粋防衛技術上の観点から採用を決定し、国防上の必要に基づいて導入を続けているわけでございまして、その方針を変更する考えはないということを改めて申し上げておきます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 では、わが党は引き続いてこの疑惑解則のために闘うことを申し上げて、時間ですから終わります。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長代理(嶋崎均君) 柄谷道一君。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 景気回復のおくれ、物価の予測以上の落ちつきを反映いたしまして、四月から八月の一般会計税収の累計額は対前年同期と比較いたしまして九・一%増にとどまっております。これは五十六年度当初予算で見込みました対前年度税収の伸び二〇・三%を大きく下回っているわけでございます。  そこで、経済企画庁も去る十月二日、五十六年度経済見通し暫定試算を発表しておられますが、それによりますと、物価については、消費者物価指数を五・五%から五%へ下方修正、さらに民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備、鉱工業生産指数もそれぞれ下方修正をいたしまして、それを受けて名目GNP成長率を九・一%から八%に下方修正しておられます。  私は、物価の安定が税収の伸び悩みをもたらす、これはまことに皮肉な現象であると思うのでございますけれども、大蔵大臣にお伺いいたしますが、五十六年度の税収見込みについてどのような予測を持っておられるのか、まずお伺いします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、いま御指摘のように物価の安定が、名目所得あるいは名目の法人所得等が下がっておりますから、それが税収に響いたと、全くそのとおり、一番の原因だと私は思っております。しかしながら、まだ九月決算も出そろったわけじゃございません。十一月で、まあ十二月半ばにならないとよくわからぬし、三分の一にも満たない進捗割合ですから、断定的なことは申し上げられない。まあ証券会社等はいままでにないいい利益が上がっているという法人の問題もございますから、もう少し様子を見ないと何とも私は申し上げられない。ただ、憂慮して、心配をいたしておると、こういうことであります。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 端的にお伺いいたしますが、五十六年度歳入欠陥を生ずる心配はありませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうことがないように、いろいろな経費の節減合理化等は一層進めてまいりたい。ただ、言えることは、年度内自然増収はないというように見ております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 といたしますと、人事院勧告のベースアップ財源の財政調整を含めまして、この際私としては、速やかに本年度中の不要不急の歳出をカットするなど新しい財政対策というものを当局として考える必要が生じてきているのではないか、またこのために補正予算の編成が必要ではないかと、こう思うのですが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いずれにいたしましても、人事院勧告についておおよその合意がついたので何らかの手当てはしなければならぬと思っておりますが、正直言って実は財源的に明確なめどがいまだにない、これも事実なんです、実際のところは。最初、経費の節減合理化で五百億と言っておったのですが、これはもう不用額の先取りのようなこともして九百億ぐらいにするかとかいろいろな工夫をしなければならぬ。しかし、五十六年度予算というのも、ゼロシーリングではございませんが、増税をするといったてまえもありますから、大体八千五百億円見当は押さえ込んだり節減したり繰り延べたりいろいろやっておるので、あんまり例年のようにことしの予算そのものの歳出というのもそれはだぶだぶにはついておらないんです、実際のところ。したがって、非常にこれは困っておるんです。困っておるんですが、赤字国債を発行するというわけにもいかない。災害が発生した、新しいもういままでに考えられない史上最大の災害という問題もあるので、どういうふうにするか、国会が終わり次第——これは国会開会中でみんなその方にくぎづけなものですからね、実際そういう作業もなかなかできない。終わり次第、早速趣旨に沿いましてやらなければならぬと考えております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 大蔵大臣が内閣改造で留任されるかどうか、これはわかりませんけれども、いつ新しい、いま申されましたような財政方針が打ち出されますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは予算の編成時期をいつにするかということから考えないと言えないのでありますが、総理の方針としては、年内に予算編成を終わらせるという御指示もございます。そうなりますと。例年からいたしますと、本当はあしたあたりには枠組みが大体考えられないとむずかしいんです。しかし、まあ二、三日ぐらいならば何とかなるんじゃないかということで、もう一日も早い国会の終了を待っておるわけでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 ちょっと例によりまして外れたようでございますけれども、まあそれはそれでいいでしょう。  それでは、もう一つ突っ込んでお伺いしますが、大蔵省の五十七年度財政事情の試算、これは中期展望によるものでございますが、大臣は、さきの同僚議員の質問に対して、見直しを図らねばならぬと、こういう御答弁だったんですが、この財政展望は、五十七年度名目GNP成長率一一・七%、弾性値一・二、きわめて高い数値を前提としてはじかれているわけでございます。  そこで、これまた端的にお伺いいたしますが、明年度三十六兆九千九百億円というこの中期展望の税収を確保する自信がおありかどうか、端的にお伺いします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これはむずかしい質問でございまして、名目成長が減れば税収が減る。名目成長率に対する掛け算をやって大体の見通しをつくっておるわけですから、根っこが減れば当然減るわけなんです。物価が安定し過ぎちゃうと結局減るわけです。しかし、物価の安定ということは、また別に国民の実質消費を伸ばすという点でメリットがある。むずかしい点がいろいろございます。  そこで、中期展望は歳出の基盤の変更を今度行うわけですから、いままでと違って、施策とか政策を継続的にやるんでなくて、ここで洗い直して別な手法をとるということになりますから、当然に歳出の面については洗い直ししなければならぬ。歳入の方はどうなんだということになりますね。これについては、これは世界の経済との関係も私あると思いますよ。日本だけがユートピアと言ったって、現実の問題としては、経済は世界じゅうつながっていますからね。その中でも、最大限に内需を伸ばして経済成長を支えていかなければ税収が足らなくなるという問題も一つあるわけです。当面どれくらいの成長率になるのか。ただ、理想は理想、現実は現実という問題がありますから、経済企画庁の責任のある見通しを聞いた上で考えていきたい、よく相談をしてまいりたいと思っております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 いまの御答弁の裏からながめてみますと、五十七年度財政事情の試算の前提になっておる名目経済成長率一一・七%、弾性値一・二、これはどうも自信がないと、こういう印象と受け取れるわけです。  そこで、新聞紙上報道されておるところによりますと、大蔵省は、税収の伸びがはかばかしくないということで、たとえば競馬、競輪、競艇のギャンブルで得た所得に対して、当たり券を払い戻す際に税金を天引きするというギャンブル税の創設、交際費課税、いわゆる定額を超えるもの、いま九〇%を一〇〇%に課税対象にすると同時に、中小企業優遇策を廃止する、貸し倒れ引当金、退職給与引当金の無税繰入率を引き下げる、こうした税制改正とともに、個人事業主の税金逃れのための親族専従者給与に対する厳しいチェックの実施とあわせて、業種、職種別に限度額を設けるなどの歯どめをかける、さらに自営業の所得を正確に把握するために帳簿記載と提出を義務づける所得税法の改正など、いわゆる増税の対策に取り組んでいるということが新聞に報道されているわけでございます。  そこで、時間が私は制限されておりますので、来年度の税制改正に対してどのように取り組んでいこうとしていらっしゃるのか、お伺いします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) この国会を通じましても、前通常国会においても、要するに課税最低限もいじらないということならば、実質的に増税じゃないかという批判をかなり受けてきた。その一方、いまおっしゃったような税目については、ともかく取り組んでやるべきだという、野党側からもかわるがわるかなりの人から実は問題提起をされております。したがって、そういう声をわれわれは謙虚に受けとめて、それはもっともな話でございますから、この際はいろいろな問題について御批判のあった点は総ざらいに一遍検討してみようというような段階で、いますぐどれとどれについてどういう増税をやるということが決まっておるわけではございません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 そうした税制改正の検討とあわせて、国鉄運賃を来年度運輸省の概算要求に沿って七%ほど引き上げる、これによって千六百億円。消費者米価を三%ないし四%引き上げる、このことによって約五百十億ないし六百八十億円。現行年額十八万円の国立大学授業料を約三〇%引き上げて五十四億円。老人医療費の一部患者負担と、これはまあ老人保健法は通常国会でどうなるかわかりませんが、高額療養費自己負担限度額の引き上げによって三百七十億円。合わせて約二千八百五十億円前後の増収を図りたい。このための公共料金もしくは保険料負担の増額を意図していると新聞には報道されているのですが、これは真実でございますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 決まっておるわけではございませんが、歳出を確保するためには何らかの財源が必要なわけでございまして、歳出もその分だけ全部切っちゃうというならばそれはできる相談なんです。ですから、これは歳出との絡みというようなことで、それぞれの省においていろいろな勉強をしているということは事実でしょう。事実でしょうが、そのうちどれとどれをどうするかということについては、まだ正式に相談をいたしておりません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 経企庁長官にお伺いいたしたいと思います。  大蔵省は、いま言われましたように、何とかして公共料金も値上げをしなければならぬ、所得税制の改正もやらねばならぬ、そうしなければそろばんが合わぬ、これが渡辺大蔵大臣の率直な腹の中のお気持ちだろうと、こう思うのでございますが、しかし、こうした公共料金の値上げがいわゆる庶民のふところを直撃するということは避けられないと思うわけでございます。  去る九月十九日でございますが、国税庁が発表いたしました「民間給与の実態調査」によりましても、民間サラリーマンの昨年平均年収が物価上昇に追いついてない、実質減収になっている。低いベースアップと、五十二年以降物価上昇に見合う所得減税を行っていないというこの増税路線によって、過去十年間で最高の税負担率を記録したということが、これは公式文書として発表されているわけでございます。こうした国民の生活実態が消費者の消費マインドを萎縮させまして個人消費のブレーキになっている。物価が安定すれば消費が復活するという従来まで国会で政府が答弁されてきましたその予測を狂わしてきた。このことは経企庁みずからが経済見通しの暫定試算で最終消費支出を下方修正せざるを得なかったという事実に反映していると思うわけでございます。  そこで、経企庁長官として、所得税減税問題を含めて明年度のいわゆる消費支出を喚起するための具体的施策、これは当然重要な政策課題として展開していかねばならぬと思うわけでございますけれども、この点に対するお考えをお聞きいたしたい。  特に総理は、河本長官、これは新聞紙上留任と報道されているわけでございますが、河本さんを座長として対策会議を設置して、内需喚起、景気浮揚策を主軸とした積極的経済財政運営に転換させる方針を固めたと、こう報道されているわけでございます。河本長官の担う任務は重要であろうと思うんですが、その所信をこの際明らかにしていただきたい。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 当面の経済運営をどうするかということにつきましては、いまお述べになりました十月の初め政府の方では四項目ばかり対策を決めまして、その方針に従っていま進めておるところでございますが、さて来年の問題でございますが、やはり来年の経済運営は個人消費が一番大きな課題でなかろうかと、こういう感じがいたします。経済運営全体につきましてはいま関係各省で調整中でございまして、最終案ができ上がりますのはもう少しかかるのではないかと、こう思っておりますけれども、個人消費を伸ばすためには物価の安定が第一、しかし物価が安定いたしましても所得が伸びませんと消費活動は活発になりませんから、やはり物価を安定させながら所得をどう伸ばしていくか、これが来年の経済運営の一つの大きな課題になるであろうと、いま調整中でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 くどいようでございますけれども、国民の実質増収を実現する、そのことはきわめて経済運営政策として重要である。この点は御同意でございますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 全く同感でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 その具体的施策の確立を見守りたいと思います。  そこで、問題を転じまして、日米経済摩擦の解消問題についてお伺いいたします。  多くを語るまでもなく、十一月十九日アメリカで、インガソル元駐日大使、ブロック通商代表、ボルドリッジ商務長官の三氏が、相次いでわが国に対する黒字削減と市場開放を要求した、こう外電で詳細報ぜられております。同時に、二十日に総理を訪れましたリーガン財務長官も、クリスマス休暇で議員が地元に帰った際失業問題で突き上げられる結果、年明けの議会で日本に対する非難が一層高まるおそれがある、こう警告したと伝えられております。  私は、こうした一連の動きからいたしまして、アメリカからのわが国に対する風圧は一層強まるものと予測世ざるを得ないわけでございますが、最近アメリカの動向を見ておりますと、パラグラフ駐日公使が書簡で申し出ましたように、二十九品目の関税撤廃を求めるというところに最大のスポットを当てているやに受け取られるわけでございます。これに対する通産、農林、大蔵各大臣の対応の基本姿勢について明らかにしていただきたいと存じます。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) アメリカから提示されました二十九品目でございますけれども、これは洗ってみますと、まあみそもくそも一緒にしたような品目をいっぱい並べておるわけでございまして、私どもは勝手な言いたいほうだいなことを言っているとしか思えないし、過去におきましても、たとえば自動車問題におきましても、私どもは安くてよくて燃費のかからない車をアメリカの大衆が買うんだから余り国会の圧力とか政府が云々するのはおかしいじゃないかということは言っておきましたが、私どももこれを十分チェックして、やはり主張すべきことは主張し、理不尽なことは理不尽だということを言っておかなければならないということで、目下検討中でございます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 通産大臣から申し上げたようなことでございます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 目下検討中であります。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 河本長官、ただいまの答弁どおりでございます。私は、貿易摩擦の解消は行財政の改革と並ぶ当面の重要な課題である、こう思うのです。しかし、わが国の立場もあり、この関税撤廃の要求には安易に応ずるわけにはなかなかいかぬ、こういう三大臣の基本姿勢でございます。だとすれば、私は、この問題についていわゆる座長的役割りを果たしておられます長官としては、どのような方向で経済摩擦の解消に対応していこうとしておられるのか、国民の前に明らかにその姿勢を述べていただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 貿易問題が解決をされる前提条件は、世界経済全体が回復する、世界全体の購買力が拡大をするということが一番の前提条件だと思いますが、いまは御案内のように第二次石油危機の悪い影響が全世界に広がりまして一番深刻な状態になっておるという状態でございますのでよけい問題が深刻になっておると、こう思います。そういう中でこの貿易問題をどういう方向で解決をするかということでありますが、やはり日本といたしましては自由貿易の原則が守られていくということが大事だと思います。それから貿易は拡大均衡の方向で解決をしていきたいと、このように考えまして、いまそういう方向で具体的な対策につきまして関係各省で検討中でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 問題を転じまして厚生大臣にお伺いいたしますが、この児童手当の特例措置法案は、被用者と非被用者に対する所得制限別建て措置を新たに導入しているわけでございます。これについて法のもとの平等に反するのではないか、こういう批判がございますが、見解いかがでございますか。

村山達雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(村山達雄君) いわゆる児童手当につきましては、御承知のように四百五十万を三百九十一万にするわけでございますから、その限りにおきましては全く平等の扱いをしているわけでございます。ただ問題は、そういたしますと、被用者の対象児童数が非常に減少するわけでございますので、別途事業者の全額負担によりますところの特例給付というものを設けまして、それによりまして支給率をそれぞれ八〇%ずつにすると、特例給付を入れまして全体の対象児童者数は被用者の方が十四万人ぐらいふえ、それから自営者の方が十四万人ぐらい減りまして二百二十五万、これは変わりません。    〔委員長代理嶋崎均君退席、委員長着席〕 それから特例給付を含めまして支給総額はどれぐらいになるかと申しますと、これも千五百六十二億ぐらいだと思っておりますが、この点も変わらぬわけでございます。  問題は、特例給付というものを被用者にだけやることがどうかと、こういう問題であろうと思いますが、思うに、やはり雇用者と被用者の関係でございますので、やはりそのめんどうを見るということは、ひいては事業主にもいい影響を与えるに違いない、そういう特殊関係にありますので、この特例期間中にいわゆる特例給付として特別のものを出しても、法のもとの平等に違反するとは考えていないのでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 時間が参りましたのでもう一問にとどめたいと思いますが、形式的に所得制限は一緒でありますけれども、実質的には所得制限が段階が設けられたということは事実でございまして、このまま推移いたしますと、非被用者については多子救貧的児童手当制度へ、被用者については保険制度へと制度が二分されていく、この傾向がうかがわれるわけでございます。私は、この特別措置法案というものは検討すればするほど児童手当の現行制度の本質を大幅に将来改革していこうとするその方向に通ずる特例法案ではないかと、このように認識せざるを得ないわけでございます。その他、支給額の問題、所得制限の問題、支給対象の問題、多くの問題を抱えておりますが、これは別の機会に質問することといたしまして、ただいまの一点について将来展望を含めた厚生大臣の明確な見解をお伺いし、私の質問を終わりたいと存じます。

村山達雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(村山達雄君) 児童手当でございますが、三百九十一万に今度は下げるのでございますが、この三百九十一万というのは予想される来年度の大体平均ベース六人家族の平均給与収入額でございますので、防貧対策ではございませんです。これはやはりあくまでも児童手当法で言うところの大ぜい子供を持っておる家庭への経済援助、それから健全なる児童の育成という点でございまして、平均所得、収入を基準にしております。  それから将来展望でございますが、これはもう総理からもしばしば申し上げているように、この制度を廃止しない、存続するということを前提にいたしまして、これからの社会経済情勢がどう展開するか、それから多くの各方面の議論が行われておることは御承知のとおりでございます。そういったものをより幅広く取り入れまして論議を深めまして、この特例期間の終了までに結論を出してまいりたいと、かように考えているところでございます。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 秦豊君。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 大蔵大臣に最初に伺っておきたいと思いますが、渡辺大蔵大臣、税制調査会はすでに始まっています。いろんな構想が打ち上がっています。その中で私が伺いたいのは、来年度からの増税ないし新税構想と言われる八つ近い項目の中で私が伺いたいのは広告税です。これについてはかなり必須なものとして大蔵側としては相当の執着を示しているのか、あるいはそれほどでもないのか、この辺はどういうお考えでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは今度の国会あるいは大蔵委員会等でも、また野党の中の政策としても広告税については一定の課税が必要ではないかという御意見ございます。わが党の中でも両論ございます。そこで、交際費とのバランス、それから過剰広告対策というような主張に基づいたもの、またその反対にやるべきじゃないという意見、両方ございまして、それは両方比較検討しているというのが事実でありまして、まだ幾らやるというように決まったわけではありません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 けれども、大蔵大臣、すでにかなり党内でも論議の積み重ねがあったわけですから、大臣個人としてはかなり魅力のある財源構想の一つというふうな受けとめ方でしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はよく具体的な関連性というものは知りませんが、かつて青嵐会時代に広告税はやった方がいいという持論がありまして、これは本やなんかにも書いてありますからいまさら逃げ隠れするわけにはいかないわけであります。しかしながら、やはり謙虚に反対の方の意見も聞かなければ、ただ個人的な思いつきみたいなことはできませんので、真剣に各方面の皆さんの意見を聞いておる。したがって、大きな比重とかどうとかいうところまで至っていないというのが現状です。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 しかし、何らかの財源措置の中でワン・オブ・ゼムとなると、たとえばギャンブル税でも交際費でもかなり抵抗は出てくる、いや現に出ている。そうすると、この媒体を相手にした広告税というのは、渡辺氏の私見ではなくて、相当やはり有力な財源候補として浮上してくるのではないか。たとえば三ヵ年の時限的な新税としてとか、そういう考え方はどうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、正直言ってまだ決まっていないんです。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 ならば、今後の税調の審議の中にも反映をさしていただきたいが、これは大変煩瑣ですよ、手続が。どこに線を引くか、これも非常にむずかしい、しかもこれは必ず製品コストにはね上がる、物価引き上げを招来する、だから慎重の上にも慎重であってほしいという要望だけをしておきます。  大蔵省に続いて質問しますけれども、きのうの大河原駐米大使の総理への進言、つまり来年度のわが国の防衛予算は人件費を除いて七・五%増という進言に対して、所管大臣としてはどういう受けとめ方ですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私も防衛費は着実に国際責任を分担するという意味でふやすということはやむを得ないと、こう思っておりますが、これはしかし問題は他の費目とのバランスもございますし財政事情というものもございますから、国民からまるっきり遊離したようなことはできない。したがって、国民の理解を得られる範囲内において最も有効なやり方をとっていきたい。また、いままで本体そのもの、中身ですね、アップ分でなくて本体そのものにもこういう時代でありますからやはりメスを入れるべきものは入れて、そうしてよく洗い直して、そして本当にしっかりしたむだのない効率的な防衛体制をつくるということが基本である。したがって、七・五%の以上に人件費をプラスするということは考えておりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それじゃ大臣のその本体論をもうちょっとやりましょう、具体的に。私も同じ意見なんですよ。大蔵省の基本的な姿勢は七・五%マイナスアルファが出発点であるべきである。ならば、細かい枝葉を刈り込んでもとてもとても効果は上がりません。そうするとどうするか。まさにあなたの言う本体ですよ。正面装備の削減です。導入計画の前倒してはなくて逆に繰り延べです。これしかない。それで、専門にやっていらっしゃるのは西垣さんだと思うけれども、一体主計局の内部では、すでに正面装備の眼目たるF15と対潜哨戒機P3Cの導入機数、防衛庁の当初要求、見込み、願望、これはマイナスアルファで原案ができているんじゃありませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 細かい数字の問題は私聞いておりませんが、考え方といたしましては、私の言う本体というのは、正面装備だけでなくて防衛費全体の本体を私言ったんですが、その中の組み替えなりカットなりというものも当然ありますよと。その上において必要なものは採用していきます。しかし予算の限界がありますと。そこで後年度負担の問題も、防衛庁の要求を見る限りではある特定年度に防衛費だけ一四%も伸びてしまうというふうなことになりますから、それもすぐ近い年度で。そういうことと財政との関係というものもありますので、無理なことを言われてもできないものはできないわけですから、それはやはりなだらかに直すか、何かほかのものと入れかえるか、そういう工夫は当然にこれは財政当局としてはやっていかなければ承服できるものじゃない。全体のバランスを考えながらこれはやっていく必要がある、そう思っております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 そこをさらに具体的に専門の主計局次長から伺っておきたいんだが、私どもの感触では、大村長官にははなはだもって相済まぬが、たとえばF15は四十三マイナスアルファで恐らく三十二機ラインと。対潜哨戒機については十二機というふうなところで大蔵原案が固まりつつあるのではないかという感触なんだが、どうなんですか。

窪田弘大蔵省主計局次長

○政府委員(窪田弘君) いま毎日その予算編成作業をやっておりまして、いろいろ積んだりおろしたりしている段階でございますから、その個別の問題についていままだ固まっているわけではございません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 多分そう言うだろうと思ったのだが、防衛庁の楽しみがなくなりますからね。しかし、私が挙げた数字は当たらずといえども遠からずという数字ではないかと思う。もちろんあなたはいま立場があるからこれ以上はきょうはゲロらないと思うけれども、とにかくいずれにしましてもその方向にいかなければ、あなた方が最も伝統的に守っているぶらぶら予算をつけることになりますよ。だから厳しく査定をし、厳しく振る舞ってもらいたい。だから私が申し上げている正面装備刈り込みの基本方向はすでに固まっているんでしょう。

窪田弘大蔵省主計局次長

○政府委員(窪田弘君) その点も含めまして現在作業中でございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 もうあなたには聞かない。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 速記を起こして。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 たまにそういう品の悪い言葉を私の柄に似合わず使いました。委員長の御注意、尊重したいと思います。  そこで、大蔵省に重ねて聞きますけれども、いま防衛関係予算の概念、枠について私は去る十三日質問したことあります。大村長官と園田外相が答えられて、たとえばフルパートナーである日米間においても防衛関係予算の枠、フレームが一致していない。たとえば退役軍人の恩給、NATOでは軍人恩給も入っている。それからアメリカの予算書では退役軍人の予算は国防費に入っている。日本はそうではない。フルパートナーならばせめて防衛関係費の枠組みだけは共通さしたらどうでしょうかという私の新たな提案に対して、大蔵側はどうでしょうか。

窪田弘大蔵省主計局次長

○政府委員(窪田弘君) アメリカの予算の内容というものも必ずしも明確でございませんし、その一致しているかどうかという点について明確ではないのでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 とにかく検討に値する私はジャンルだと思いますから、ぜひとも政府側で煮詰めてもらいたいと思います。  大蔵省にもう一問だけ聞いておきますが、いま業界全体としてはダンケルク的な状態になっているアルミ産業の救済に関連して、懸案になっているアルミの関税割り当て制度の適用については大蔵側はすでに結論を出しておりますか。どうなっておりますか。

垣水孝一大蔵省関税局長

○政府委員(垣水孝一君) アルミ産業、アルミの製錬業の石油等の高騰に伴う苦況に対しては、私どもいろいろ通産省からも業界からも伺って勉強いたしまして、大変気にして実は苦慮しているところでございます。ただ、この関税割り当て制度につきましては、簡単に申し上げましても関税制度上の問題あるいは財政上の問題、そして最近特にアメリカから、この結果は結局現在のアメリカのスポットで入っておりますところのアルミを結果的に差別することになるのではないかという議論もかなり強く出てきておりますので、こういう対米事情のもとでもございますし、かなりその点も配慮しなければならないと思っておりますので、関税割り当て制度以外である程度のことができないかと。しかし、まあ片方財政事情等もございますので、その辺の兼ね合いを考えながら、何とかある程度のアルミ産業に対する手当てができないかということをただいま通産省と詰めておるところでございまして、まだ結論は出ておりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 防衛庁、いまこれは今年度予算だと思いますが、F4EJファントムの改装をしていますね。何のためなのか、つまり何を目指したものなのか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  安全度を審査の上、耐用年数を……

秦豊新政クラブ

○秦豊君 なるべくひとつ簡潔にお願いいたします。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 耐用年数を延長すると同時に装備の近代化を図る、二つのねらいがあります。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 その装備の近代化の中に、たとえば対地支援のために国会でもさんざん問題になった例の爆撃照準装置、附属のコンピューターシステム、レーザー照射装置等の換装も含まれますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  低高度目標対処能力、搭載ミサイルの改善等の装備の改善でございますので、先生の言われたような点は含んでおりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 防衛施設庁、いま来年度予算の概算要求をべっ見すると、施設関係の費目の中に沖縄の米軍嘉手納基地所属F15周のシェルターがたしか入っているわけなんだな。これは一体地位協定のどの辺をどうひねったらこういう費用分担ができるのか、明快にひとつ述べてもらいたい。

吉野実防衛施設庁長官

○政府委員(吉野実君) お答えをいたします。  地位協定第二十四条の二項によりますと、地位協定の二条及び三条に書いてありますようなすべての施設は、この協定の存続期間中に無償でもって提供するということになっておるわけであります。在日米軍の施設の整備につきましては、米軍の駐留を円滑かつ効果的ならしめるために、個々の事案に即しまして、この二十四条第二項の規定によって行われておるわけであります。  いま申しました施設区域とは一体それじゃ何なんだと。こういうことでございますが、安保条約、地位協定上に明確に定義はされているわけではありませんけれども、建物、工作物等の構築物及び土地、公有水面、こういうものを施設区域と解釈をいたしております。本件の航空機掩体、F15のシェルターは当然この地位協定の規定に照らしまして施設区域の中に入っておりますので、地位協定上から解釈としてこれを提供することができる、こういうことになっております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 最後の一問になると思いますが、いまの施設庁長官の発言だけでもこれは掘り下げなきゃならぬ問題たくさんあるんだけれども、すでにあと一分しか残っていないから、この質問で終わらねばなりません。とんでもない拡張解釈ですよ、これは。  通産省に聞いておきますが、十一月二十日夜、アメリカで行われたレーマン海軍長官の発言、つまり早急な六百隻体制を実現するために同盟諸国のすぐれた技術に依拠したいという発言、これと武器輸出三原則に絡んで通産側の見解。時間がないから束ねてまとめて伺っておきます。  まず、設計だけを発注してきた場合への対応、どうするか。それから高張力鋼、わが国は非常に優秀である、高張力鋼の輸出は汎用品だから可能ではないのか。それから優秀な溶接技術者、これをチームとしてアメリカに派遣をしてもらいたいといった要請があった場合への対応。最後に強力高性能の小型舶用エンジンに限定した発注に対してはどういう対応が可能か。以上を伺っておきたい。

豊島格通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(豊島格君) ただいま先生御指摘の四つのケースでございますが、第一の点につきましても、その要求されるものがいわゆる軍艦といいますか、戦闘力を有する艦船に特有の構造機能を要求するようなものであるということであれば、それはいわゆるもっぱら武器の製造、設計にかかわるものということであるから武器輸出の範疇に入るのではないか。技術輸出の範疇に入るのではないか。それからあとの点につきましては、一体高張力鋼とか溶接技術とか、そういうものが果たして軍艦に特有の技術であるのかどうか。その辺は具体的なものを見なければ私ども判断できないわけでございまして、いずれにしましても、そういう観点から具体的にものを見て判断することになろうかということでございます。それからなお、その基本になることといたしましては、米国につきましても基本的には武器三原則あるいは政府統一見解に準じて対処することになっておるわけでございますが、米国につきましては日米安保条約等の関係もございますので、この点につきまして目下外務省で慎重に検討しておられると、このように承っております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 終わります。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 一昨日の山崎君の質疑中、政府に要求のあったことについて政府部内の見解がまとまったようでございます。  この際、鈴木内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木内閣総理大臣。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 人事院勧告の取り扱いについては、当面する財政事情等を勘案の上、鋭意検討を続けておりますが、勧告の趣旨を最大限に尊重しつつ、早急に結論を得、次期通常国会の冒頭に公務員給与法の改正案を提出し、年内に差額の精算ができるよう必要な措置を講じたいと存じます。  なお、三公社五現業の年末手当等の支給については、従来の慣行に従い、労使交渉によって円満に解決が図られるよう期待しております。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 山崎昇君。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 ただいま総理大臣から人事院勧告等につきまして見解が述べられました。この見解そのものについては私はわかりました。また、この見解については必ず実行されるように要望をしておきたいと思います。  なお、自治大臣に申し上げておきたいと思うのですが、給与の問題は国家公務員ばかりでございませんで、約三千にも及ぶ自治体に地方公務員がおるわけでありますから、当然地方公務員のことも考えて年内に解決されるということが政府の考えであろう、こう思いますが、十分ひとつ地方自治体との連絡は密にしていただきたいと思うのですが、それについての見解は自治大臣からお伺いしておきたいと思います。  なお、内容等につきましては私はわかりません。ただ、この見解の中に、勧告の趣旨を最大限に尊重するという総理のお言葉でございますから、これを信用いたしまして、給与法が提案された段階で内容等については私どもなりに詰めてまいりたい、こう考えておりますことをつけ加えておきたいと思うのですが、一点だけ自治大臣からこの点についての答弁を求めておきます。

安孫子藤吉自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安孫子藤吉君) 国家公務員につきまして措置が講じましたならば、これに準じて地方公務員についてもその措置を講ずるように遺憾なきを期したいと存じます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 きょうは内閣委員会所管等の問題についての連合審査でございますから、何点かにしぼって私はお尋ねをしておきたい、こう思うわけであります。  まず最初に、総理も御案内のとおり、つい最近西ドイツにおきましてブレジネフと西ドイツのシュミット首相との会談等がございまして、多少でありますけれども核軍縮の方向に向かって動いているようでございます。したがいまして、これらの動向について総理としてはどんな御感想あるいはお考えを持っておるのか、せっかくの機会でありますから、まずお聞きをしておきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先般、レーガン大統領が軍備管理、軍縮に関する米政府の基本的な考えを打ち出したわけでございます。さらに、ブレジネフ・ソ連書記長が訪独をいたしまして、シュミット首相との首脳会談におきまして軍備管理、軍縮の問題等についての見解を明らかにいたしておりますが、当然ブレジネフ書記長は、レーガン大統領のさきのこの問題についての方針というものを念頭に置きながら発言をされておるものと私は受けとめておるわけでございます。いずれにいたしましても、米ソ両国の首脳が軍備管理、軍縮に向かって今後前向きで話し合いをしていこうということは、私は、大変世界の平和安定の方向へ期待が持てるわけでございまして、これを歓迎をいたしておるところでございます。私は、今後行われる米ソ首脳会談におきまして、世界の人々が期待されるような実のある成果が上がることを期待いたしております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま総理のお考え聞きまして、総理も御存じのように、最近は北欧におきましてもあるいはまたヨーロッパ等におきましても、特に最近に至りましてはイギリスの労働党の大会においても核問題については大変な関心が寄せられ、また相当なる反対運動も大きくなりつつある、こういう現状にあることは総理も御案内のとおりだと思います。また、最近ギリシャの新首相になられました方も、先般来、アメリカの核基地等についてもギリシャから撤廃をさせたい、それまでの間はギリシャ政府でこれを管理していきたいというような決意まで述べられているようでございます。総理も大分外国を多かれて首脳とお会いになっているわけでありますから、当然それらの動きは私どもよ力はよけい御存じのはずだと思うんです。  そこで、これは新聞紙上でありますからそのとおりかどうかわかりませんが、この会談が終わりましてシュミット西独首相は、「「ソ連も米国と同様、核兵器の軍縮に意欲を持つことがわかった」と述べた」、きわめて有意義な会談であったというふうに述べられておるようであります。  そこで、日本政府としては、いま見解も聞きましたけれども、一体世界が、たとえ核の問題でありましても、この軍縮の問題に大きく動いているときに、日本の軍備の増強ということは何かそぐわない感じを私ども受けるわけであります。そういう意味で、先ほど来これらの問題についての質問戦も展開されたわけでありますが、重ねて、日本政府としてはこの軍縮に対してどのような寄与といいますか、中心的な役割りといいますか、そういうものをやられようとしているのか。重ねてこの点をお聞きをしておきたいと思うんです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のように、わが国はさきの国連の軍縮総会におきましても、またその後のジュネーブ等における軍縮委員会におきましても、核軍縮、特にこの核の廃絶を目標といたしまして、包括的な核実験の禁止ということを先頭に立って主張をいたしておるわけでございます。また私も、さきのオタワ・サミットにおきましても、あるいはカンクンにおける南北サミットにおきましても、本来経済サミットではございましたけれども、そういう場においても私は、世界経済の再活性化を図るためには軍事費を抑制して、これを経済の発展、特に第三世界の経済協力等に充てるべきだという観点から、日本として軍縮を強く訴えてきたところでございます。今後におきましてもあらゆる機会を私ども活用いたしまして世界に向かってこのことを訴えてまいりたい、こう思っています。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そこで、重ねてもう一点だけお聞きをしておきますが、最近アメリカでは、日本の防衛費が少ない、防衛力の整備等について内政干渉と思われるほどいろんな形の行動がとられてきておることはもう御案内のとおりであります。  そこで私は、総理に一点だけこれはお聞きをしておきたいと思うんですが、いま私の手元にありますのは「自衛隊の秘密」という一冊の本でございますが、書かれた方は、これはかつてワシントンの特派員をされた方でございまして、この方がきわめて重要な内容のことを述べておるので、この一点だけあなたにこの機会にお聞きをしておきたいと思うんです。  それは、昨年大平さんがアメリカに参りました際にカーター大統領とお会いになった。この著書によれば、「ホワイトハウスの執務室で、カーターはのっけから防衛力の増強を大平に迫った。大平は基本的にこの要請を受け入れたが、日本の財政事情などから、一度に大規模な増強をするのは無理だと力説した。なかなか納得しないカーターに、大平はこう言った。「日本列島をみてください、それ自体が、巨大な不沈空母なんですよ。もちろん、この空母に飛行機や武器を積むことは必要だが、何より大事なのは、この空母を有効に機能させることでしょう」それまでけわしい表情だったカーターが、この時初めて、にっこり笑って大きくうなずいた」と報道されております。これは政府当局者から大分後になって実はあのときこういうことがあったんだと、政府高官から聞いたというのがこの著書の内容であります。私は、一国の総理が、日本列島そのものが沈まない航空母艦である、こういう発言をされて、あたかもアメリカの世界戦略の第一線であるような言質を与えるということは、きわめて重大な発言ではないのだろうか、こう考えます。  そこで、あなたはいま現役の総理でありますが、一体大平さんがカーターに述べたと言われますいま読んだこの見解について、あなたはどういう感想をお持ちなのか、お聞きをしておきたいと思うんです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、カーター・大平会談の模様につきましては、外務省等の報告を伺っておるわけでございますが、カーター前大統領から当時の大平総理に対して日本の防衛努力を要請をされた、これは日米安保条約を締結しておるアメリカと日本との関係でございますから、米側が日本の防衛努力に対して関心を持っておることはこれは当然のことと思いますが、そのカーター大統領から防衛努力についての要請があった場合に、その問題については自分に任しておいてください、自分としても十分今後日本の諸般の事情を考えながら努力をしていくのだと、こういうことを申し上げたというように伺っておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それは答弁になりませんね。いま私が読み上げたこの大平発言に対して、あなたも同様に、日本列島は不沈空母だという考え方でこれからの防衛政策というものを進めるのか、そうではないのか。これは私は本当に重要だと思うんですよ。ですから、わざわざ間違わないようにそのもの自体を読んでいまあなたの感想を聞いたわけです。これは明らかに、お見せして結構でありますけれども、かつてワシントンの特派員をやった方がそういうことを述べているわけですね。ですからあなたは、そうでないんだと、そんなことは考えておりませんと、ならそのようにひとつお答え願いたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、その文章といいますか、本といいますか、著書が政府の公式の文書ではないわけでございまして、それを前提にして私が所見を申し述べるということは差し控えたい。  私が先ほど御答弁申し上げたのは、外務省からその問題について、カーター・大平会談の模様を報告を受けておりますのはこういうことでございますということを私は申し述べたわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 都合悪くなると、それは著書だとか、人の報道だとか、いろいろ言われるでしょう。私も、ですから、先ほど正確に読んで、こういうことを述べたと言われているが、あなたはこれと同じ見解ですかというのであなたに聞いている。あなたは、違うなら違うとお答えになればいいと思う。しかし、きょうは防衛を主力に私やるつもりではありませんでしたけれども、一国の総理大臣の発言としては余りにも重要だと考えるからいまあなたにお聞きをしたわけです。これ以上この問題についてはやりません。重ねて別な機会に私は自衛隊の問題点等々についてまた改めてやらしていただきたい、こう思っております。  そこで、行革に関連のあります問題点で、きょう午前中わが党の和田委員からも指摘をいろいろいたしました。私は毎日、新聞見るたびに実は暗い気持ちになるわけでありますが、最近四、五日だけでも汚職事件等々を中心にいたします不祥事件というのが報道されるわけでございます。そこで私なりにこれを整理してきょうは総理にお聞きをしたいと思っております。  一つは、天下り人事の弊害というものがやはり直っていない。文部省の問題にいたしましても、あるいはその他の問題にいたしましても、共通して言えることは、天下りした方々が中心になりまして、それも最近はいろんな組織をつくって、あるいは協議会をつくって、その名前で現役の諸君に手紙を出したりして、そういうことがもとになってのいろんな問題点が生じてきております。  したがいまして、私は綱紀粛正という観点から、この天下り大事による弊害というものについて、国会があるたんびにこの不祥事件が出されて、そのたんびに今後はそういうことはいたしません、こうあなた方は誓われるのですけれども、次から次とこういう問題が摘発をされてくる。これは全く私は遺憾だと思うのですが、総理としてこの天下り人事というものについてどう御判断されるのか、お聞きをしたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 当委員会におきましても、この天下り人事の問題につきましては中曽根行管長官からも種々御答弁を申し上げておるところでございますが、政府においてもこの天下りというような問題につきましては厳粛に自省をし、御承知のように人事院の規則、決定等もあるわけでございます、そういう問題を厳正に守っていくようにしたい。御承知のように、退官してから二年間というものは、これが民間の機関に天下る、特に現役で役所におった時代におきまして監督下にあったような特殊法人等に対して天下るというようなことにつきましては、厳正にこれを自粛するように規制をするというようにいたしておるわけでございます。  最近における山崎さん御指摘のような事案が出ておりまして、私も非常にこれを遺憾に考えておるところでありまして、今後とも人事院とも十分連絡をとりながら、この天下り人事というものを十分規制をするようにやってまいりたいと、こう思っております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そこで、人事院総裁にお聞きをしたいのですが、きょう午前中文部大臣から、文部省をめぐります問題についての答弁の中で、この十年間に三十人ほどが天下っておる、そのうち二十七名は人事院の承認を受けた人である、こういう答弁がございました。そこで私は、これだけ天下り大事によります弊害が出てまいりますというと、確かに人事院そのものは国家公務員法百三条によって厳格に検討はしていると思うんですけれども、もはや承認されたとかされないとかではなしに、こういう問題が出てまいるわけでありますから、私は、この国公法の百三条については再検討する必要があるのではないんだろうか、こう思うんですが、人事院総裁の見解をお聞きをしておきたい。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 公務員のいわゆる天下りの規制につきましては、いまお述べになりましたような国公法の百三条の規定がございます。これの運用につきましては、法の精神にのっとってわれわれとしてはできる限り厳正にやっておるつもりでございます。また、国会でもいろいろ御論議がございまして、これについては法改正も従来ございました。要するに、離職前の経歴等について従来の期限をさらに延ばして五年というようなことも法改正がなされたわけでございまして、この運用はできる限り厳正にというつもりでやっております。事実、法律自体の問題のみならず、これの運用については、人事院としてやっぱり考えて直せるところもございますので、そういう点からだんだん実態に応じて厳しい基準を決めてまいっておりまして、たとえば従来放置されておった親会社——その子会社の関係では全然ないけれども、しかし親会社は相当密接な関係があるということであればやっぱりそれはいけないとか、いろいろな角度から厳正な適用についてやれるようにやっております。やっておりますが、遺憾ながら、いま御指摘があったように、問題というものがその後やはり間々続出してくるというような状況でございます。  無論、これは先生も御承知のように、この規定は各国の経緯を、立法例を徴しましても、これは非常に厳密なやり方であると思います、日本の場合は。特にこの点はやめてからの措置でございますので、職業選択の自由の問題とかそれとの兼ね合いがあることはこれは事実でございまして、余り厳に過ぎるということもいかがかと思いますけれども、しかし業界との癒着その他でもって公務自体が非常に適正な運営が阻害されるということはこれはもう許せません。そういうことから、われわれはわれわれなりにこの法の適用についてさらに検討も進めておりますが、いまお話しになった法改正の点も含めて問題点をさらに掘り下げながら、さらに内容の検討を厳正にやって結論を得たいと思っております。これは、われわれがいま言っておるのは、中長期の見直しということの一環としてもございますけれども、それにかかわらず確信を得るということになりますれば、この問題については本格的にひとつ取り組むという姿勢を堅持してまいりたいと思っております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 この点は政府ももっともっと本腰を入れて私はきちんとしてもらいたい、こう思います。  それから一連のこの事件を見まして、第二に私は問題にしなきゃならぬと思っておりますのは、官庁と関係業者といいますか、業界といいますか、一般的な言葉を使えばこれとの癒着といいますか、緊密な連絡といいますか、そういうことから起こる不祥事件というのが多いのではないんだろうか、こう思います。そこで、きょう午前中内容的なことは和田委員が詰めましたから、私は内容的なことは時間もありませんし触れませんが、いずれにいたしましても、文部省一つとってみましても、個人がどうしたっていうのではない。たとえば文部省の場合で言えば、文建会という会をつくって、そこから文書を現役に配って、それに基づいて便宜を図ってくれと言わんばかりのやり方をする。言うならば、やる方も組織化されてきている。これはゆゆしいことではないだろうか、私はこう思います。  そういう意味で、官庁と業界あるいは業者との癒着というものについて、私はどうされようとされるのか総理の見解も聞きたいし、また談合問題とも関連しまして、先般、建設大臣は入札制度について審議会に何かお諮りをしているというふうな新聞記事を見ておりますが、一体どういうことをこれからやろうとするのか、できたらもう少し詳しく説明を願いたい。まず総理の見解をお聞きをしておきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 役所と民間の企業との癒着と、誤解を受けるような問題がしばしば指摘をされておるわけでございます。これは役所自体が公共事業等を扱っておるわけでございますから、いやしくもそのような癒着というような疑惑を受けないように十分慎重に対処しなければならないものと考えます。  私は、最近こういう事案が起こりましたにつきまして、閣議におきましても各大臣に対して、各省庁のそういう事務を所掌しておる分野に対して、部署に対して厳重な指導、注意を喚起するようにお願いをしておるところでございます。今後とも、政府としてもえりを正して対処してまいりたいと、こう思っています。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  いろいろと事案が出ておりまして大変遺憾に存ずるところでございまして、先生御質問のように、中建審にどういう方法が一番よろしいかというようなことを建議していただくというような形で御依頼を申し上げたところでございます。具体的なことは審議会の独自性がございますので、審議会の中でいろいろと審議していただけるものと考えておるところでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 毎年毎年同じことが繰り返されて何の前進もないというところに私は問題があると思うのです。  そこで第三点目に、政治と行政という関係についてお聞きをしておきたいと思うのですが、私は政治が行政をリードすることについて異議を持って申し上げているわけではありません。ただしかし、行政にあんまり政治が介入をすると行政そのものがゆがんでまいります。そういう意味で言えば、私は政治と行政という関係というのは厳格に考えておかなきゃならぬのではないだろうか。  ところが最近、これは主として静岡県の例が報道されているわけでありますけれども、議員に特定の業者がついて歩く、あるいは一緒に旅行する、あるいはその中で同僚に対してそういう業者を紹介するような機会を設ける等々、言うならば政治家と業界との癒着というものがまた大変大きな課題になっている。それに行政が追随をしていくという関係がまた出てくる。そういう意味では、私は、この政治家の介入という問題について一体総理はどういうふうにお考えになるのか、あるいは行革を進めておられます行政管理庁の長官としてこれら一連の問題についてどういうお考えを持っておられるのか、お聞きをしておきたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 政府が閣議決定しました行革の基本方針の中にも公務員の綱紀の粛正ということを特にうたっております。公務員がそういうような粛正をする以上に政治家がまずやらなければ公務員が従ってくるはずはございません。そういう意味におきまして、まず政治家が戦戦恐々という気持ちでみずから綱紀を粛正する必要があると思います。  御指摘のようなケースが具体的にどういうケースであるかわかりませんが、いやしくも第三者から見てひんしゅくを買うようなことは絶対やってはいけないと、そのように考えます。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 中曽根長官から申し上げたことに私も全く同意見でございますが、と同時に、公共事業の予算の取り扱い、あるいはその執行に当たっての仕組み、こういう点も十分検討いたしまして、いやしくもそこに利権的なものが介在をしたり介入をしたり、そういうことができないような仕組みを私は考える必要があると、このように考えます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 これは本質的に言えば、政治と行政の本質論から始まって相当な議論をせねばなりませんけれども、とてもそんな時間ありませんが、少なくとも私は、必要以上に政治家が行政に介入することは、特に与党と官庁の場合を考えた場合に、これは厳しく申し上げておかなきゃいけない事件じゃないだろうか。われわれ野党もそうでありますけれども、お互いの分野はあるわけでありますから、そういう意味で申し上げておきたいと思うわけです。  それから第四に、私は整理してみますというと、きょう午前中中曽根長官も、指摘をされてから問題を処理するのはいけない、言うならば予防的に事前にいろいろなことを考えておく必要があるという御答弁がありました。そこで私は一つの問題点、最近出た問題をずっとながめてみましても、会計検査院等から指摘された事項がなかなか直らない。何回も繰り返される。先ほどは公明党の委員の方からも指摘がありました。  そこで私は、こういう会計検査院でありますとか、あるいは場合によりましては行政管理庁の監察の結果でありますとか、こういうものについて、ふだん官庁は余り重きを置いていないのではないんだろうか。ああそうか、そういうことがあったんだろうか、それじゃ検査書はいただいておきます、あるいは監察書はいただいておきます、部内で何回か検討はされるのでしょうけれども、一向にそれが具体的な方針としてあらわれてこない、こういう循環になっているのじゃないだろうか。私はこう思うんですが、一体会計検査院とかあるいは行政監察だとか、あるいは通常で言えば会計監査も入ります。あるいは自治体の場合なんかは中央官庁からの監査もあるようであります。そういう意味で言えば、こういう監査機関と一般行政監査を受ける側との関係について、私は厳しい関係というものをしておかなきゃいかぬじゃないだろうか、こう思うのですが、これについて中曽根長官に重ねて、きょう午前中の質疑を聞いておりましたけれども、ひとつ見解をお聞きをしたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘の点は、行政機関並びに行政機能の点検の中でいま検討さるべき大きな一つの問題点であると思います。特に、最近各地で談合問題等々が摘発されまして、われわれも非常に遺憾に思っておるところでございますが、午前中申し上げましたように、事後に検査院に摘発される前に、行政各部としては事前にそういうことを起こさせない処置が必要であると思っております。  行政管理庁としまして、いろいろ監察の結果、是正を要求する勧告を出しますが、それにつきましてはどういう処理をしたかという報告を受けることになっております。そういうことはやっておりますけれども、しかし必ずしも御指摘のように十分にいっているとは思いません。これは行政管理庁という役所は軽い役所であるから、あるいは法的権限がないからというようないろいろな問題もあると思います。これらは今後行政の全体系の中でどのように監査機能を強化していくかということで点検されなければならぬことであると思っています。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それから次にお聞きをしておきたいと思いますのは、これは二十一日の朝日新聞でありますが、東京都で「汚職等防止の手引」というのが出されまして、これについてもいろいろな反応があったようであります。  また、私は二、三日前テレビを見ておりましたら、いま人事院で研修が行われているのだそうでありますが、これがまた地方公務員の中堅どころというのですか、上級というのですか、そういう方々が集まりましてやっておるのが、行政事務をどう能率的に推進するなんというのじゃないんですね、どうやったらもらったものを返すだとか、私は情けない研修じゃないだろうかという反面気がいたします。私のところへ電話くれる方々も、役所というところはそんなところに金を使って、そして集めて、もらったものをどうやって返納するとか、あるいはもらわぬようにするにはどうするとか、常識をわきまえた者がそういう研修をしなきゃこういう汚職事件がなくならぬのですか、役人とはそういうものですかという電話がたくさん来ます。  そういう意味で言えば、いま何か人事院は地方公務員を集めてやっているようでありますが、総裁からひとつその内容をちょっと御紹介願うと同時に、自治大臣に、東京都の出されましたこの「汚職等防止の手引」、これについての感想並びに、これもまた新聞報道でありますから、私自身調べたわけではありませんけれども、全国の自治体でかなりな汚職事件が発生して、まあ起きておらぬのはわずか四県だと、こういうある新聞社のまとめもありますが、一体自治体のこういう汚職の防止というものについて、自治省はこれからどういう指導等を持たれるのか、自治大臣からお聞きをしておきたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) いまお尋ねの件は、これは言いわけではございませんが、人事院自体が直接にやっておることではございませんで、全国の公務員についての研修関係の方々の自主的な全国連合組織として公務研修協議会というものがございます。これは従来の経緯もございまして私がその会長を仰せつかっておるわけでありまして、毎年総会のほかいろいろな行事をやっております。これは、研修の効果を上げるためにどういう技法がいいかということを中心にして種々検討いたしております会でございます。  ところで、いま御指摘になりました公務員研修の中で、特に公務員倫理、汚職防止ということのために、やっぱり組織的な研修が必要ではないかという議論が前々から当事者の中からございました。そこで、いま先生もおっしゃったように、私自身もこんなことをやらなければならぬというのは、一面からいって情けないという感じはございます。ございますが、一面、また戦後のいろいろな風潮がございまして、公務員に対していろいろな心構えというようなことを直接手とり足とり教えるというそういう風潮が非常に薄くなっているということも事実でございまして、そういうことがやはり汚職の発生につながるというか温床になるという面も確かにあるわけでございます。  そういう意味では、やはり全般の風潮とは別に、上司が本当に親身になって下の者をしつける、教えるというようなことも必要でございますし、同僚自身もそういうつもりになって周囲を見ていくということもやっぱり汚職防止につながるのではないかと思いますが、世間一般の風潮、社会風潮というものもあって、それが非常に希薄になっておるということは指摘ができると思うのであります。  そういう事柄の間隙を幾分でも埋めるという意味で、こういう研修自体については、取り上げること自体にいろいろ御批判もございましょうけれども、やはり一般の方からそういう御要望もございますし、やってみて効果のほどを試してみると申しますか、試みてみることも一案ではないだろうかというようなことから、非常に具体的な事例を設けまして、これを中心に討議をしながらだんだん問題に対する意識を深めていく、そういう機会を与えようとしたのがこの研修の始まりであったわけでございます。いまのところは指導者、地方でもって研修所等で講義をする、また研修に当たる、そういう当事者を、責任者を集めましてやっておりますが、このパンフレット等も直すべきは直して、自信が持てれば一般の教材にも使っていきたいということでやっております。  問題は、やっぱり効果が上がるかどうかということでございまして、見方によりましては、われわれも御批判は十分承知をいたしておりまして、そんな初歩的なつまらぬことをやらなければならぬのは情けないなという声が続々と入っております。私自身も当初申し上げましたように、そういう感じはなきにしもあらずでございますけれども、ともかくいま汚職というようなことが大変問題になっておる。それに対する防止の一環として役立てはというような微意から出ておることでございまして、その点はしばらくひとつ模様を見させていただきたい、かように考えております、

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 やらぬよりやった方がいいという考え方もあるでしょう。私は新しく学校を出てこれから公務員になる諸君に公務員倫理等々の面からそういう研修ということは必要だとは思いますね。いまやられております、あのテレビで映った方々を見れば、相当頭の白いような人もおられますしね。言うならば、官庁でいえばもう分別盛りもいいところですね、そういう方々が改めて集まって、そして一ヵ所に集められていま総裁の言うようなことをやられなければ、この汚職事件がなくならないとは全く情けないと思うのです、私自身も。そういう電話でいっぱいですね、正直に申し上げまして。しかし、いまやられているわけでありますから、せっかくの効果を上げてほしいと私は思います。  そこで総理、私はいま幾つかに分けてお聞きをしてまいりまして、私は内閣委員会が長いために綱紀の粛正という問題はずいぶん議論した一人でもありますが、かなり政府としては何回か通達を出したり、あるいは具体的にこういう場合はどうだという報告を求めるような通達も出したり今日までやられているわけなんですが、一向にそれが実が結ばないんですね。そういう意味で言うならば、ひっくるめまして、今後この綱紀の粛正といいますか、そういうものについてどういうふうに総理としては指導されていくのか。またあわせまして、これはあるいは臨調でも議論になるのかもしれませんけれども、あるいはこれは行政管理庁の職ということもあるでしょうけれども、私は人事行政を預かる総務長官としてもこれは重要な課題ではないだろうかというふうに思っておりますから、総理からひとつ順番にお答えを願いたいと思うのです。

安孫子藤吉自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安孫子藤吉君) 私の方は外れたようでございますが、私からも御答弁申し上げておきます。  汚職の発生というものは、言うまでもございませんが、自治体にとりまして、地方自治体の信頼を住民から裏切る最大のものでございますから、これはぜひ少なくする、絶滅をするという方向で努力しなければならぬわけでございますが、その根本はやっぱり各人の自覚だと思うのです。それからまた、団体の長がその心構えをもって常時この点についての認識を深めていくということ、それから職場の長が職場に対しまして常にこの点についての注意を行って、そしておかしい者があればこれは率直に注意をしていくという、そういう体制が確立することが一番重要だと思っております。  その職場の長が職場の者に対していろいろ注意を与えていくということがどうも戦後少なくなったと思います。この点は、いま人事院総裁からお話のありました点もその点において私はうなずける点があるわけでございます。しかし、何にいたしましても団体の長がこの問題を真剣に、一度だけじゃだめですから、常時この問題について認識を深めるように努力をするということが根本だろうと思っております。自治省といたしましては、目下の情勢から申しまして、こういう点について常時認識を深めるために団体の長に対しまして警告を発していきたい、こう思っております。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、行革の一つの重要な点は、公務員が国民への奉仕者といたしまして真に国民の皆さんから信頼を得るようにしなければ、行政運営は正しくこれを運営することができないわけでございます。行政改革の一つの大きな柱はやはり綱紀の粛正、公務員の倫理の確立、こういうことでなければならないと、こう思います。  そういう意味で、今後、公務員を監督指導する立場にある者は厳正に指導をしてまいりますと同時に、もし国民の指弾を受けるようなことが起こった場合におきましては、これは厳しくその責任を問う。やはりそういう両面から、指導とそれからそういう場合におきましては厳正な処断と、そういうものが相まって綱紀の粛正、倫理の確立、こういうものができるものだと、こう思いますので、両面から今後努力をしてまいりたい、こう思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) いま自治大臣並びに総理大臣からすでに御答弁がございましたが、総務長官といたしましては、綱紀の粛正はもとよりでございますけれども、大半の公務員はまじめに公務に従事していると私は信じております。ごく一部の不心得な者が問題になる、そういう問題については厳しく処断をしてまいることが国民に対する政府の責任であろうと、このように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま総理から決意が述べられましたが、私は最近ずっと見ておりましても、事故を起こしておりますのはほぼ課長補佐クラス以上なんですね。若い諸君はそんな事故を起こしておりません。言うならば、ある程度官庁の権限を行使できるようなところが起こしているところに私は深刻なものがあるのではないか、こう考えておりますから、厳正な処分、もちろん重要でありますけれども、やはりそこらの事務の扱い方等もあわせてこれは検討されなければ直っていかないのじゃないだろうかというふうに考えますので、申し上げておきます。  それからもう一つは、これは私は同じ参議院の同僚議員でありますからあんまり触れたくないという気持ちもありますけれども、多くの報道がなされておりますから、政治資金の問題と関連をして、大変本人にはお気の毒でありますけれども、塚田議員のお許しもいただきたいと思うのですけれども、塚田議員の最近の問題点を見ますというと、何がこんな事件を起こしたのか、それはまず第一に、この塚田さんの記者会見の模様を見ますというと、地方区でありますけれども、昭和四十九年の選挙で四億円の金がかかった、その後始末に大変金が要るのでいろんなことをやった。しかし、それがなかなかうまくいかなくて、結局はいろんな手形の乱発等をやりまして、いま歳費そのものが押さえられているという現状にある。  だが、またこの人の談話によりますというと、そういうことではあるけれども、月三百万程度かかる政治費用は何とか調達をしてやっております、政治活動には支障がありませんと、こう言っているようでもあります。四億の金をかけて選挙をして、そしてその負債のためにいろんなことが起きて、自分の財産もある程度処理をしながら、それでもなおかついかなくて歳費を全部押さえられて、その上で毎月三百万から四百万の金をどこからどう集めてくるのか知りませんけれども、それで政治活動をやる。こういう政治家の姿勢を見る限り、幾ら先ほど中山長官から厳正に処断をいたしますと、公務員だけ大きな声でどなってみても私は効果がないのじゃないだろうか。  そういう意味では、この選挙のあり方、政治資金のあり方、そういうものにもこの際総理としてメスを入れなければ、なかなかこの種の問題というのは私は直っていかないのじゃないんだろうかと思います。言うならば、政治家が真っ先に姿勢を正さなければいかぬのではないか。そういう意味で、いまこの塚田さんの問題が出ておりますから、大変塚田さんに申しわけありませんけれども、この塚田さんを題材にしていま選挙の問題等に触れたのですが、この点について総理の見解を聞いておきたいと思うのです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 政治に金がかかる、特に選挙に大きな金がかかる。これが政界をとかく混迷ならしむる要因になっておりますことは御指摘のとおりでございます。私は、そういう意味で金のかからない選挙制度ということをぜひ実現したいものだというような考え方に基づきまして、一番その顕著な制度として改革を求められております参議院の全国区制度、この問題につきまして御検討をいただいておるところでございます。この問題は各党においてそれぞれ御検討をいただいておる問題でございますが、こういう選挙制度も私はぜひ国会の各党各会派におきまして御検討をいただきたいと、こう思います。  それから、もとよりいろいろの政治資金にまつわる問題は政治家個人の自粛自戒にまつところがこれが根本であるわけでございます。また、政治資金の問題につきましても、政治資金規正法に基づく届け出の問題、先般は個人に対する献金につきましても、これを届け出をするような法改正もしたわけでございます。しかし、政治資金の問題につきましては、今後ともなお検討を要する問題が多々あろうかと思いますので、国会におきましても御努力をいただき、政府もこれに協力してまいりたいと、こう思っています。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 もう私の時間もなくなってまいりましたから、少しくこの臨調についてお聞きをしようと思っておったのですが、改めてこれはやらしてもらいたいと思うのです。  ただ最近、臨調の専門委員をやっておられる方方がいろんな雑誌なり座談会なりあるいは木等を出されております。私もできるだけそういうのを読ましてもらっておるのですが、いまここに持っておりますのは、これは「日本の未来」というタイトルの本でありまして、座談をやられておりますのは加藤寛さん、猪木正道さん、関嘉彦さん、土屋清さんであります。そして、臨調の問題について加藤さんと土屋さんが触れておるわけでありますが、もう時間ありませんから一点だけ私は行管庁長官に申し上げてみたいと思いますのは、加藤さんの話によりますというと、行財政改革という名前でなければ官庁は資料を出さないというんですね。そして、行財政改革だと言ったので、大蔵省はその辺に見当たらないようなすばらしい資料を出してきたという。ところが、各官庁も出してきたけれども、大蔵省の資料を見るというと大蔵省に都合の悪いことは一つも載っておらない、各官庁から出てきたものを見るというと、これは大蔵省の悪口ばかり言う、こういうことが歴然とここに書かれているわけです。  そこでまた、七月の九日に答申案がまとまったそうでありますが、これは加藤寛さんのこの著書によりますというと、それまでは行財政改革に対する答申とこうなっておったのが、それが二十三時五十分に原案ができて、わずか十分ぐらいの間に財政の財の字がなくなって行政改革という答申になった。だから、社会党が最初から、今度の第一次答申というのはこれは行政改革ではない、政府の財政政策の後押してはないかという批判をしてきたのですが、いみじくも加藤さんがその旨を言っております。そして、重ねて土屋さんの著書によりますというと、この第一次答申の下書きは大蔵省が書いたと書いてあります。だから大蔵省が資料を出して、大蔵省が原案をつくって、そして答申の直前に財の字を削って行政改革という答申をして、いまの臨調答申という形になったと書かれています。私はきわめてこれは遺憾だと思うのです。私どもには資料がないのです。  そこで最後に、時間が過ぎましたから行管長官と大蔵大臣に要望したいのですが、この土屋さんが述べておりますように、そこら辺にないくらいの大蔵省が資料を出したというんですから、この資料を国権の最高機関であります国会にも出してもらいたい。それから各官庁で出されました重要な資料もわれわれに出してもらいたい。その上でわれわれにも行政改革どうあらねばならぬかという討論に参加さしてもらいたい、こう思うのです。  まず、大蔵大臣と行管長官に出すように私は要請をしたいのですが、お答え願う。  最後に、総理、これがいま臨調に参加されている方々の言っていることなんです。そういう意味でいうと、私は、何でも最近は臨調が万能の神みたいなことを言われておりますが、そうではないのだということをこの方々が言っておるわけでありますから、そういう意味でこれから第二次、第三次の臨調答申が来るわけでありますから、われわれにも十分審議できるような資料の提出を全般的にこれはお願いをしておきたいと思うのですが、その点は総理からお聞きをして、時間が過ぎましたから私の質問を終わっておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) まず、大蔵省がつくったということはありません。これは臨調に事務局がありまして、各省庁から優秀なスタッフが来てそれらが合議し、そして委員がおつくりになったのが今度の草案でありまた案であります。  第二に、財政の財が抜けたということは当然でありまして、行政調査会の仕事は行政機関及びその機能というのが主務であります。財政というのは政治家が内外の状況を見て加えた言葉で、政治用語であると私は思いまして、臨時行政調査会ができました本旨は行政にあると、そう考えております。  資料につきましては、実に膨大な資料が来ておるのでありまして、出せと言われてもとても、十畳あるいはもっと大きな部屋いっぱいになるぐらいのものが来ておるので、その中でどれが欲しいかおっしゃっていただければ御協力申し上げたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省は積極的にいろいろなできるだけの御協力はしてきたと、それは事実でしょう。しかしながら、どこにも出したことがない資料を出したとか、そういうことはオーバーな表現であって、見たことのない資料が出てきたという意味ではないかと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、行政の改革と財政の立て直しというのは、これは表裏一体のものだ、不可分のものだと、こういう認識を持っておるわけでございます。と申しますことは、納税者である国民の立場からいたしますと、自分らが負担をしたものが最も効率的にむだのないように、そしてこれが行政水準を落とさないように効率的に使ってほしい、これが国民の皆さんの願いであろう。こう思うわけでございまして、そういう意味で行財政の改革、私はそういうぐあいな認識でこれに取り組んでおるところでございます。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 峯山昭範君。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 私は人事院勧告につきましてお伺いをいたしたいと思います。  私たち、人事院勧告につきましてはもうすでに何回も述べております。その完全実施を求めてきたわけでございますが、先ほど総理から発言がありまして、初めてこの内容を聞かせていただいたわけであります。まあいろいろといきさつもあると思いますが、初めに総理大臣にお伺いします。  いろいろな手続が必要だと私、思いますが、給与関係の閣僚会議はこれは当然開かなければいけないと思いますが、これはいつ開く予定でございましょう。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 年末に差額の支給ができますように、そのためには国会で法案の御審議を仰がなければなりません。相当時間がかかることでございますので、できるだけ早く閣僚会議を開きたいとただいま考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 給与関係法案につきましては、当然これも閣議決定等の手続が要ると思いますが、これからのいろんな手続ですね、これは官房長官、再度法案等の関係も含めましてお願いします。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いずれもこの一両日という範囲の中で給与関係閣僚会議を開き、その決定を閣議で承認をする、そういうことにいたしまして、その上で法案の起草にかかりたいと考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 実は総理も、私たちのこの行特の委員会でも、人勧につきましては誠意をもって努力をしている、あるいは完全実施できるよう努力をしていると、そういうような答弁が何回かあったわけであります。それで、先ほどこの勧告の問題について総理から発言がありましたが、中身については新聞報道では大分出ておりますが、これは総理からお答えできなければ官房長官からで結構ですが、中身についてはどういうふうになっているのか、最近新聞に掲載されている分であのとおりなのか、そういう点も含めてお願いします。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 給与関係閣僚会議をまだ開いておりませんし、財政当局の財源等との関係もございますので、正式にこういう内容ということを申し上げることは差し控えさしていただきたいと存じますけれども、一般に、わが国の報道はこういう場合にかなり正確であるというふうに承知をいたしております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それでは、かなり正確であるということでありますから、それを今回に限って正確であろうと私も思っております。そうなければならないと思いますが、これは人事院総裁、総裁にきょうお答えいただかなくてもいいわけですが、総裁は当委員会で何回もこの人事院勧告の問題について発言をしておられます。特に当委員会でも、本年の人事院勧告が出されて三ヵ月近くになるにもかかわらず、いまだに明確になっていない、宙ぶらりんの状態にあることはまことに遺憾である、速やかに勧告どおり実施していただきたいと、こういうふうに所信を述べておられます。  それと同時に、これは総理にも、あるいは中曽根長官にも多少関係がありますが、今回これが私たちは完全実施を要求していたわけでありますが、官房長官がおっしゃった新聞の報道によりますと、期末手当あるいは調整手当等で幾らかの切り込みがあるわけであります。昭和四十五年以来実施されてまいりました完全実施が今回から崩れることになるわけであります。そういうふうな意味ではこれは非常に重大な問題であると私たちは認識をいたしております。人事院総裁はこういうことをしょっちゅうおっしゃっているわけです。現在の人事院制度、人事院の勧告制度が存する限りは、政府はこれを尊重してもらわなければ困る、完全実施していただかねばならない、それと同時に総裁は、政府が勧告を値切ろうとするならば、まず国家公務員法を改正して人事院制度そのものを改めてからこの値切るという話を申していただきたいと、こういうふうにおっしゃっております。さらに、人事院制度の改正ということは、現在のこの安定した国家公務員、あるいは労使関係、労使慣行に対する根本的な改革を意味するものであると思うと。  政府は、実際問題として、この労使問題に対する認識についてどういうふうに考えているかという問題が一つ。それからこの人事院制度そのものについては、私は今回の臨調の審議の中にこの人事院制度そのものがかかっているのかどうかちょっとわかりませんが、この問題について現在の臨調ではどういうふうに考えていらっしゃるかということ、それから現在、総務長官も担当の大臣でございますが、この問題につきましてはもう十年来完全実施ということでそれぞれの総務長官が必死になって取り組んでこられたわけでございますが、この人事院制度の問題、そして現在まで実施されてまいりました慣行の問題等を含めまして、どういうふうにお考えになっていらっしゃるかということ、それぞれの大臣からお考えをお伺いしておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 人事院総裁がそのようにおっしゃっておられることは、人事院総裁のお立場として当然のことであり、かつまた公務員の諸君はそれで非常に人事院を信頼するお気持ちにもなっていらっしゃるし、それで行政制度が安定しているというところもあって、われわれはそういう点については深く思いをいたしておかなければならぬと思っております。しかし、他面、国家の財政問題というものはまた別の次元から政治に迫ってきておりまして、結局は法律やあるいは最高裁判所の判決やあるいは慣行等をよく考えて、その間を適切に処理していくのが政治の任務である。そういう意味におきまして、先般来のいろいろな各党を交えての御協力やら政府の苦労があったのである、そう心得ております。  それから臨調には聖域はございません。人事院も大きい意味では行政各部の内部の一つの機関でございまして、当然臨調の検討の対象になるものであり、必要あらば、また改正すべき点があれば改正すべきものであると考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) 先生も御案内のように、十年間安定した労使関係というものがこの日本の社会の発展のために大きな貢献を果たしてきたことは国内のみならず世界でも評価をされている。こういう中で人事院制度というものの持つ意味というものは、私は労働基本権の代償機関として十分その機能をこの十年間果たしてきたと思う。ただ、人事院制度が法律のもとに独立機関ということで存在をする限りにおいては、人事院の勧告というものを尊重していくということが基本の哲学でなければならないと考えておりますけれども、このいわゆる社会情勢の変化の中であらゆるものがどのように次の時代に対処するための組織変更をやるかということについては、臨時行政調査会等においての御意見も踏まえ、最終的には国民の利益を代表する国権の最高機関である国会の場において決定されるものであろうと私は考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 総理から一言。内容については具体的には言えないと思いますが、先ほど官房長官から答弁がありました。これを踏まえて、われわれとしてはそういうふうに理解していいかということを総理から一言。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど私が山崎さんにお答えを申し上げたように、政府といたしましては人事院勧告の趣旨を最大限に尊重いたしますと同時に、いま厳しい財政事情下において政府がその勧告の趣旨をどのように生かしていくかということであらゆる角度から検討をいたしたところでございます。その結果、先ほど統一見解として御答弁申し上げたところでございます。私はこの趣旨に基づきまして、できるだけ早い機会に給与関係閣僚会議を開きまして、具体的な内容を整えまして、そして国会に御提案をして、年内にこれが支給できるようにいたしたい、このように考えておるわけでございます。先ほど官房長官から大体手続その他につきましても申し上げたとおり運んでまいりたい、こう思っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 どうもありがとうございました。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 馬場富君。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 最初に、日米関係について一、二点お尋ねいたします。  ザブロツキ米下院外交委員長から、日本はGNPの一%を防衛費として支出すべきであるという趣旨の決議案が出されるなど、アメリカ議会においてはこの点について日本の防衛問題の拡大を求める声が高まっているように思われるわけでございますが、こうしたアメリカ側の動きを総理はどのように受けとめておみえになりますか、御答弁願いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のように、厳しい国際情勢の中におきまして、アメリカは世界の平和と安定のために東西の力の均衡をどうしても保持しなければいけない、早急にギャップを埋めなければならないということで、アメリカ自体も防衛努力を積極的に進めております。と同時に、西側の諸国に対しましても同様の防衛努力を要請をしてきておるわけでございます。わが国に対しましては、日米安全保障条約がございまして、わが国の防衛はこの日米安保体制、これを基軸として進めておるわけでございまして、米側がわが国の防衛努力につきまして常に大きな関心を持っておりますことはこれは自然のことである、当然のことである、このように考えております。  最近、その一環としまして、御指摘になりましたように、アメリカの議会での動きがございますが、まだ国会でそれが決議として成立したわけではございません。しかし、私どもはそういう動向ということにつきましては大きな関心を持っておるところでございます。  一方、わが国は、この防衛努力につきましては、御承知のように憲法並びに基本的な防衛政策に基づきまして着実に防衛計画の大綱に基づいてこれを進めておるわけでございまして、私は訪米の際におきましてもレーガン大統領に対して、わが国は自主的な判断によって着実に防衛力の整備を図っていく所存であるということは申し上げておるところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 もしアメリカ議会でこの決議案が採択された場合、日本に対してやはり何らかの具体的要求というものになるかどうかという点と、日本としてはこれにこたえなければならない義務があるかどうか、また、義務はないとしても、政府として何らかの形でこれにこたえようとする考えがあるかどうか、それとも全く関係のないことであるか、こういう点に分かれるわけでありますが、この決議がなされた場合の政府の見解をお尋ねいたします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいまも御答弁申し上げましたように、米議会の動きにつきましては私も関心を持ってこれを注視いたしておるところでございます。どういう結果にアメリカの議会においてなりますか、それを見守っていきたい、こう思いますが、私は基本的には、わが国の防衛努力というものは、政府が国会にお諮りをして、そして国民的コンセンサスを得ながら防衛努力は自主的に進めるべきものである、この基本的な姿勢にはいささかの変わりもございません。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それでは、この議決がなされたとしても、日本はこれに対して何ら義務的なものはない、また関係はないと、こう理解してよろしゅうございますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま申し上げましたように、アメリカの世論あるいはアメリカの議会の動向、そういうものにつきましては私も関心を持っておるところでございます。それをどのように私どもが受けとめるかという問題は、これは総合的に判断をしなければなりません。しかし、私は繰り返し申し上げますが、日本の防衛努力というのは、国民の皆さんの御理解を得ながら国民的コンセンサスの上に自主的にこれを決めていく、この基本的な姿勢、これが変わるものではないということは明確に申し上げておきます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 お答えがはっきりと出ませんが、他国の防衛費に対してアメリカ議会が決議するということは、私は、やはり内政干渉的な行動が公式の議会で行われるということは、日本国民にとっては不快なことでございます、また日本政府としても重大なことであると思います。このままにしておけばやはり次々に具体的な防衛要求が、アメリカ側から政府、議会を通しましてこういうことが行われるおそれが出てくるのではないか。政府としてもやはりアメリカに対し何らかの意思表示をすることを考えるべきではないかと思うわけです。  また、最近の報道等によれば、ザブロツキ米下院外交委員長は、日本政府の代表と会う用意があることを明らかにしておるようでございますが、総理はこれにこたえるつもりがあるかどうかという点と、政府の代表を派遣し日本政府は国民の防衛に対する考え方をこの際アメリカ側にもやはり篤と説明することが必要であると思いますが、この点どうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 日米安保条約下におきまして、わが国はアメリカ政府とは常に緊密に情報の交換もし、またいろいろ協議を進め、そして日米安保条約の円滑かつ有効な運営ができるようにと、こういう政府間において努力をいたしておるところでございます。この点につきましては、日米両政府間においていささかの支障も来していない。こういうことでございますが、アメリカの議会におけるそういう動きに対して、日本政府からその説明のために改めて人を旅するとかいうようなことは考えておりません。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 そこで総理にお尋ねいたしますが、日本の防衛の関係でございますが、来年度の防衛予算はどの程度を考えてみえるか。第二点が、防衛費の対GNPの一%以内というのは将来にわたって守るべきものだと総理の見解は出ておりますが、さしあたりとか当面とかということではなくて、わが国の防衛費上の上限として明確なる答弁をいただきたいと思います。この二点です。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 五十七年度の防衛予算の問題は、シーリングで御承知のように七・五%ということになっておるわけでありますが、しかしこれから大蔵省を中心に来年度予算の編成に向かって査定の作業が進むわけでございます。私は、ここで申し上げることは、防衛費といえども聖域ではない、このことだけははっきり申し上げておくわけでございます。  それから御承知のように昭和五十一年の秋に、国防会議におきましてわが国の基本的な防衛計画の大綱というものが決定をいたしました。それに伴いまして、当両国民総生産の一%以内でこれを進める、こういうことも決定をいたしておるわけでございまして、いまその方針を私は変える考えを持っておりません。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、米ソ関係の推進でございますが、先ほども質問がございましたが、核軍縮の米ソ間の提言がなされまして、世界の念願であるこの核軍縮に対する緊張の気持ちが一歩前進してきたのではないか、こういうふうに私たちは受けとめるわけでございますが、こういう関係で、やはり米ソ間に最も関係の深いのがわが国でございますし、また日本の平和というのはこの両国の関係を抜いて考えられない、こういう重要なポイントにある日本でございます。先ほどの質問で総理は、両国首脳会談を期待する言葉がございましたが、そういう両国間のポイントにあるという重要な立場である総理が、やはり会談の期待ということよりも、むしろその立場から両国首脳会談の開催を一つは呼びかける立場にあるのではないか、この点のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) すでにこの国会におきまして、また当委員会におきましても外務大臣からお答えを申し上げておりますように、先般国連総会に出席をいたしました機会に、ソ連の外相と園田外務大臣が会談をいたしまして、そして米ソの間で軍備管理、軍縮、特に核軍縮について話し合いをすべきである、こういうことをグロムイコ外相に強く訴えたところでございます。と同時に、ヘイグ国務長官にも同様のことを園田外相から申し入れをいたしておるわけでございます。私は今回のレーガン大統領の軍縮に関する声明、これを念頭に置きながら、ブレジネフ・ソ連書記長がシュミット首相との間におきましてあのような前向きの発言をしたということは、私は大変意義のあることであり、この米ソ両国の首脳会談において実りのある結論が出ることを強く期待をいたしておるところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 アメリカのレーガン大統領の提言については、非公式ではございますが、米ソ間で水面下で何十回と交渉の結果があのような提言となったと、こういうように私は情報を得ておりますが、世界が米ソ間の緊張問題についてはかなり積極的な態度をとっておるわけでございますが、日本政府もやはり的確な対応を示していかなきゃならぬというのが米ソ間の、また日本とソビエトとの関係ではないかと、こう思うわけでございます。  そういう中で、いま総理から説明ございましたが、九月の国連総会で外相会議が持たれた。その後両国間の関係改善のための話し合いが行われているかどうかということと、今後日ソ事務レベルの会議再開への見通しはどうなっておるか、また、場合によっては外相の訪ソによる日ソ外相会議を考えておるかというような問題等、かつて一九七三年に田中総理が訪問した、それ以後十年間の空白がなされております、そういう日ソ間について、何がしかここで両国間の外交のためにも、こういう会談等がスケジュール的に持たれながら進めるべきじゃないかと、こう考えるわけでございますが、この点について御答弁願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御発言のような趣旨で、日ソの間で話し合いをやろうということで合意を見たわけであります。  そこで、どのようにして話し合いをやるか。まず外交ルートを通じてお互いに意思を通じながら事務レベルの会議を開いて、その結果によっては外相会議と、こういうこともあるではないかということや意見が一致をし、その後両方からいろいろ打診はしておりますが、まだ事務協議の段階にまいっておりません。  御承知のごとく、日本とソ連の間はきわめて隣国で、話し合うことは必要でありますが、この中に北方四島の問題があり、アフガニスタン等の問題がありますので、会談をする、話し合いをする、その議題は何にするか、こういうことで、両方が非常に慎重にやっているということが少しおくれておる原因でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 最後に総理に。外務大臣から答弁をいただきましたが、日ソ間の関係というのは、やはり日本のこれからの平和外交のためにもこれは欠かすことのできないアメリカとあわせて重要な外交であると、こう思うわけでございますが、こういう点についての窓口を常に開いておくということが基本的な考え方でなければならぬ。だから、いろんな状況や関係性や北方領土の問題がございますけれども、これはこれとして、接触を保っていくことに平和外交の意味があるのではないかと、こう考えるわけでございますが、総理のその点に対する見解をお答えいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ソ連はわが国にとりまして非常に重要な隣国でございます。日ソの真の友好関係の確立、これはアジアの平和だけでなしに、世界の平和と安定にとって非常に私は大事な外交である、このように考えております。したがいまして、いま外務大臣から申し上げましたように、日ソの対話を進めていこう、絶えず窓を開いて話し合いの道を続けていこう、こういうことで各級レベルの会談、交渉、あるいは話し合いを積み重ねまして、そしてそういう条件が整った場合におきましては日ソの首脳会談も私はやるべきであると、こういう考えを持っておりますが、いまのところ、いま申し上げたように、各レベルにおける話し合いを粘り強く進めて、建設的にこの話し合いを進めていきたいと、こう思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 最後でございますが、かつて田中総理も行かれました。そういうようなことで、両方の、両国の首脳が将来においてやはりこれは話し合っていくということが大切だと思いますが、総理はそのような考え方が将来的にあるかどうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま申し上げたように、各級の話し合いを積み重ね、また外相会談等もやりまして、そして私は実りのある首脳会談が持たれるようなめどが立った場合、そういう条件が、大体めどが立った場合におきましては、ぜひ日ソ首脳会談を開きたい、このように考えております。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 神谷信之助君。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 人事院勧告問題について、総理並びに人事院総裁にお伺いしたいと思います。  先ほど人事院勧告問題では総理の御回答がありました。これは閣議などの手続がまだ終わっていないわけで、したがって中身は新聞報道が真実に近いという官房長官の話がありましたが、私どもは昨日の与野党の国対委員長会談で自民党の側から大筋は承っております。したがって、後もう国会で議論をするということはありませんから、それに基づいて若干議論をしたいと思うのです。  人事院勧告制度は、公務員労働者の労働基本権を規制するという政府の不当な措置の代償措置として設けられたものであります。これは総理もお認めになると思うのですが、にもかかわらず、この勧告は長期にわたってしばしば完全実施されませんでした。この中で、粘り強い公務員労働者の闘いと、それから国民世論の支持の中で、四十五年以来完全実施されてきたのであります。当時政府は、今後は財政の理由によって値切るようなことはしないと、国会でも明確にお答えになっておるわけであります。したがって、本来人事院勧告は完全実施することが政府の責務であり、その責任を果たし得ないとするならば、当然スト権を初め公務員労働者の労働基本権に対する規制は取り除くべきだと思うのです。しかるに、臨調答申の抑制方針を受け入れて期末手当などを旧ベースに抑える、約一千億前後の値切りを考えているということについて、わが党は断固反対であります。  そこで、まず人事院総裁にお尋ねをいたしますか、人勧の内容については、二十年代はその内容自体を変更して実施をするという時代がありました。三十年代になりまして、ほとんど勧告の内容はそのままで、実施時期がずれるという時期がありました。その時期がずれるということ自身問題でありますが、人事院としては、物価水準及び民間格差等を踏まえて、公務員の給与のあり方について責任を持って調査をし、勧告をした。そういう人事院の立場からするならば、この期末手当あるいは調整手当などに対する切り込みといいますか、旧ベースに抑制するという点についてどういうお考えか、お聞きしたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 政府側からも繰り返し御答弁がございましたように、まだこの取り扱いについての正式の決定がない段階でございます。したがいまして、具体的な問題について私からいろいろ申し上げることは差し控えさしていただきたいというふうに思います。  ただいま御指摘もございましたように、人事院のやります給与の勧告というものは、一つのパックと申しますか、一つ一つ取り出して、この部分はどうであるか、この部分の取り扱いはこうであるかということでなくて、ワンパックとしてこれはやっていただくということが、これがわれわれの趣旨でございます。そうでないと全体としての斉一性が保たれないという方針で従来もやってまいりましたし、今回の場合もその点は同様でございます。したがいまして、取り扱いについては、特別給あるいは調整手当等についても、われわれの立場としてはやはり申し上げたとおり完全実施をお願いしたいと、これは従来から繰り返し申し上げておりまするわれわれの念願であるという点については変わりがございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 次に、同じく総裁にお伺いしますが、スト権奪還といいますか、スト権を返してもらいたいという労働者の要求を踏みにじったままて、臨調の方では人事院あるいは勧告制度、この見直しが検討されているようでありますが、これについての見解をお聞きしておきたいと思うのです。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 先刻、行管長官からも御答弁がございましたように、臨調におきましては行政組織その他について一般的に審議する機能を与えられておるようでございまするので、したがって私自身も人事院制度自体についてはこれは絶対手をつけてはならぬ聖域だというふうには思っておりません。自由な御論議が恐らくなされることは、それ自体としては結構な話でございます。ただ、その時点においてわれわれはどういう態度でどういう物の申し方をするか、これは別問題でございまして、それはそのときのことであるというふうに申し上げざるを得ないわけでございます。したがって、われわれはわれわれなりに対処してまいりまするし、少なくとも現行制度というものがあります限りは、この制度の趣旨というものに従って、日常の行動というものはそのまま従来どおり続けてまいるという基本的な線には変わりはございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで総理にもお伺いします。今日、公務員労働者はスト権を奪われながら、そういう状況の中で、先ほど総理は勧告の趣旨を最大限に尊重するというようにおっしゃっておりました。しかし、先ほど言いましたように、自民党側からお伺いをしておる内容で言いますと、これは人事院勧告を完全に実施していない、そういう内容である。私はそういう点で政府の重大な義務違反だというように思うのです。また、公務員賃金というのは、生産者米価やあるいは恩給あるいは生活保護基準などを初め、三千万を超える国民生活に大きな影響を及ぼすものであります。したがって、その点ではきわめて重大な内容を含んでいると思います。  そこでお伺いしますが、今後も財政事情によっては人事院勧告を完全実施しないということがあるということなのかどうかという点が第一点。第二点は、調整手当据え置きということは、いまも総裁からもありましたが、全体としてワンパックであると、それは民間賃金とも比較し、それに準拠しながら、そして公務員賃金の基準というものを勧告されている。こういう点からいきますと、こういった民間準拠という考え方をも崩してしまうということになると思うのですが、この二点について御所見を聞きたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 人事院制度は公務員の労働基本権制約の代償の措置として設けられておりますから、私どもはこの人事院制度というものをあくまで尊重をいたしてまいりたい、こう考えております。そして、この人事院から出ましたところの勧告につきましても、これを最大限に尊重して実施してまいる考えでございますが、しかし一方におきまして、財政事情その他から言って、残念ながらそれを一〇〇%できないという場合におきましては、そういう事情を具して給与法案として国民の代表である国会の御審議をお願いをして、国会の御承認をいただいてそのような措置をとると、こういうことに相なるわけでございます。私は、最終的にはやはり国権の最高機関である国会の御判断でこれが決定するものであると、このように考えます。しかし、申し上げますが、今回のことは本当に異例の措置でございます。今後は私は、人事院の勧告というものを最大限に尊重するというその精神で今後の取り扱いはやっていかなければいけないものと、このように考えます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 民間準拠の問題が抜けているんですけれども、もうこれはいいです。  いま総理はやっぱり完全実施ができない理由の一つに財源問題を挙げておられます。しかし、大体給与改定分ですね、これは従来ですと五%分を予算化をしていたわけです。ところが、これをことしはあえて一%しか計上しないで、そして不足額を不当に大きく見せて、そういう政府のやり方こそ私は問題だと思うのです。かつ衆参の審議を通じて一貫してわが党は指摘をしてまいりましたが、軍事費とそれから大企業に対する補助金、助成金、これにメスを入れるならば、人勧の完全実施はもちろんのこと、本法案によって国民生活に犠牲を強いるようなこと、これさえする必要はないと、こう指摘をしているわけであります。したがって、私は本当に国民の生活を守るというところに政治の要請、かなめを置くならば、わが党が主張するように軍事費あるいは大企業に対する補助金、助成金にメスを入れる、そういう立場からこの法案を撤回をすべきだと思うのですが、この点が第一点。第二点は、まだ最終的に閣議決定の手続は経てないわけですから、この点では完全実施をぜひ実現するというそういう決意はないのか。この二点を改めてお伺いしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 日本共産党の御主張である、防衛費を削ってもこの人事院勧告の完全実施をすべきだということは何遍も拝聴いたしておりますが、しかし私どもは、国民の安全を考え、国家の安全保障、独立を考える観点からいたしまして、必要最小限度の防衛費の整備というものは必要である、こう考えておるわけでございまして、この点は共産党さんと考え方を異にするものでございます。  それからまたこの完全実施の問題につきましては、先ほど山崎さんにも御答弁を申し上げたような趣旨で、給与閣僚会議において十分検討いたしまして、法案として次期国会の冒頭に御提案を申し上げて国会の審議をお願いしたい、こう思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 時間ですので最後にいたしますが、行革法案反対の請願がわが党に対して寄せられただけでもすでに四百五十万に達しております。したがって、この国民犠牲の今回の行革に対する反対のうねりというものは、私は今後さらに大きなものになるであろうということを申し上げておきたいと思います。  もう一つ、期末手当に切り込んだこの政府方針が明らかになってまいりますと、三公社五現業のボーナス交渉に私は影響するおそれがあると思うのです。この問題について、先ほどの総理の見解では、従来の慣行に従い、労使交渉によって円満に解決が図られるよう期待するというようにおっしゃっていますが、今回の政府のいわゆる人勧に対する措置は三公社五現業の交渉を拘束しない、このように明言できると思いますが、いかがですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど御答弁を申し上げたとおりでございまして、労使間の団体交渉に政府は介入する考えは持っておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 終わります。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 柄谷道一君。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 昭和四十八年四月二十五日、最高裁大法廷が行いました判決、これについて私は時間の関係から多くを語る必要はないと思いますが、その判決は、中央人事行政機関として準司法機関的性格を持つ人事院制度により、公務員は労働基本権に対する制限の代償として生活権擁護の保障を受けていることが基本権制約を合法とする柱になっているという点に留意しなければならないと、こう思うわけでございます。総理は、最大限に尊重と、こういう表現は使われましたが、完全に尊重という表現は使われておりません。  そこで、冒頭、この最高裁大法廷判決というものの重みというものに対する総理の御認識をお伺いいたします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、最高裁の判決の御趣旨というものは十分政府としてもこれをわきまえておるつもりでございます。人事院の勧告はこれは非常に重いものである。この趣旨を私どもは最大限に尊重し、誠意をもってその実行に当たる、こういう考え方には変わりはございません。これは最高裁の下した判決の御趣旨に沿うものであると、このように考えます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 人事院総裁にお伺いいたしますが、私は行財政の改革は本年度第一歩、緒についたばかりだと思います。本格的な行財政の改革は明年度以降臨調から答申されるわけでございます。本日、私は大蔵大臣に五十七年度の歳入見込みについて御質問いたしましたが、きわめて厳しい情勢にあるという大臣の御認識でございました。私は、財政事情によって人事院の勧告というものが左右される、それが明年も明後年も、さらにその次の年もこういう現象があらわれてくるということであると仮にするならば、人事院制度そのものを形骸化するおそれがあるのではないか、このように思うわけでございます。人事院総裁として、今後も勧告を行われるわけでございますが、その勧告に対する姿勢と、ただいま申しました人事院制度の形骸化に関する率直な御所見をお伺いいたします。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) お答えをいたしますが、この点は繰り返し申し上げておりますように、人事院の制度、なかんずく給与に関する人事院の勧告制度が続きます限り、私といたしましては従来の方針どおりこの運用を続けてまいる所存でございます。大変厳しい財政状況その他があるということは私自身も重々存じてはおりますけれども、その点とやはり給与に関する勧告のたてまえというものは、これは別個のこととして尊重をしていただかねばならぬ。事実、そういう完全実施ということで長い間の実績もございます。このとおりでやっていただきたいということは、私の変わらざるかたい信念でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私たちは、国家公務員と地方公務員に対する定年制の導入、退職手当法の成立について、野党の立場ではございますが、努力をしてまいりました。その趣旨は、行政機構の簡素化、効率化、公務員の定数の適正化、民間移譲の推進と民間活力の導入による行政の減量、不適正な給与法の使用の根絶や、昇進、採用、昇給制度の是正、成績主義の推進、こういった人事、給与制度全般の改善、これらによって総人件費の抑制を積極的に進めようというのが私たちの真意でございました。  いま総理は、本年度の措置は異例の措置という表現を使われたわけでございます。異例の措置ということは、明年、明後年、この異例が続くことでは異例にならないわけでございます。私は、総人件費の抑制について政府が全力を挙げて取り組むと同時に、人事院勧告については今後完全にこれを実施していく、それが政治姿勢として適切な考え方ではないかと、こう思うわけでございます。明年以降の総理の明確な所信をこの際明らかにしていただきたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 毎年毎年ごとしのような異例の措置が繰り返されるようであれば、これはまさに人事院制度の根幹に触れるような結果に相なると思います。政府といたしましては、ことしは御承知のような非常に財政非常の事態でございますので異例の措置をとったわけでございますが、今後は人事院制度の持つ権威なりあるいはその勧告の重みというものを十分心得まして、誠意をもってこれに取り組んでまいる所存でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、前半の質問で各大臣に対しまして、日米経済摩擦の解消について御質問をいたしました。しかし、必ずしも明確な姿勢が打ち出されたとは受け取ることができませんでした。  これは十一月二十二日の某新聞でございますが、このような記事が出ておりました。「首相の指導力は農耕民族の日本古来の「和」の政治にあるが、この貿易戦争は「和」では決着できない。欧州の狩猟民族が持つ、獲物を追いながらテキパキと指示を出す西欧型指導力が必要となってくる」、こういう指摘でございます。今後具体的な対策は関係閣僚会議で協議されることになると、こう思うのでございますけれども、日米間の貿易摩擦の解消、これはきわめて重要な政治課題でございます。この問題に臨む総理としての基本的な所信をこの際明らかにしていただきたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 日米の貿易の不均衡、それを貿易摩擦と、こういうぐあいに表現しておるわけでございますが、私は、この日米の貿易のインバランスというものを解消いたしますためにいろいろの可能な措置を講じていかなければいけない、このように考えます。  その一つは、日本の市場が閉鎖的である、よくこういうことが指摘をされております。市場の開放ということを指摘されておるわけでありますが、私は、そういう問題につきましても謙虚に掘り下げた検討が必要である、こう思います。また、西欧の社会の制度、組織、慣行と日本の東洋的な生活の関係、風土、こういうものも理解がいかない面がある、誤解を生じておる面があると思います。こういう点につきましても十分解明をすることによって相互理解、また日本の市場の閉鎖性という問題についての誤解も解消できる点は多多あろうかと、こう思っております。そういう点に積極的に取り組みながら、拡大均衡の方向で、ただ貿易の帳じりを合わせようとしますと、どうしても輸出の削減とか自粛とか、こういうことに相なります。私は、そういう形でなしに、相互に相手の立場を考えながら拡大均衡の方向でこの日米の貿易のインバランス問題を解決するように、そういう方向で努力をいたしたいと思います。  ただ、輸出の面で自粛をしなければならないのは、特定の品目が集中豪雨的に入ってまいりますということは、これはその国の産業秩序なりあるいは労働事情なりを混乱させるということがございますから、十分相手の立場を考えながら、大局的に自由貿易経済体制を守るという観点に立って、そういう点は自粛をしていかなければいけない、このように考えます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、日本の国益を守り、誤解を解く、そして守るべきは守っていかねばならぬという分野と、そして行き過ぎは改めていかねばならぬ、この二面を持っていると思うわけでございます。唯々諾々と米国の主張に従うことのみが貿易摩擦の解消ではない、こう思います。総理として、このような点を踏まえつつ的確な指示を行われることによってこの問題の解決に対処していただきたい、この点を要望いたしておきます。  時間の関係で、最後に一問申し上げます。  私は、行財政の改革が当特別委員会で真剣に討議されているさなかにもかかわらず、与党内では、閉会後の三十日に予定されております党役員人事と、これをめぐる内閣改造に向かって関心が集中し、閣僚は浮き足立っているとも見えます。総理は、改造人事はただ定期異動のようなものではない、こう説明しておられます。そして、行財政の改革推進と欧米との貿易摩擦の解消に主眼を置きたいとも述べておられると聞いております。しかし、事態は新聞報道では大分進んでいるようでございますし、具体的な人名も挙がっております。本当に鈴木総理が政治生命をかけて行財政の改革を実現するという御決意であれば、今日までこの委員会でそれぞれの閣僚が今後の抱負を述べてこられたわけでございます。決意も披瀝されてまいりました。私は、現内閣体制を維持して行財政改革を最後まで仕上げるというのが常識的に見た姿ではないか、こう思います。また、私の考え方に同意する国民もたくさんございます。  この際、行財政改革の道半ばにして内閣改造を行われようとするその理念は一体那辺に存在しているのか、何のために内閣改造をやろうとしておられるのか、総理の御所見をお伺いいたしまして、質問を終わります。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 現在取り組んでおりますところの行財政の改革は、これは政府並びに自由民主党が一体になって推進をいたしておるところでございます。鈴木内閣は自由民主党の内閣でございます。党役員あるいは閣僚、これが党の立場にあろうとあるいは内閣の立場にあろうと、行財政の改革につきましては党、政府一体になって推進をしていくという立場に変わりはございません。したがいまして、仮に内閣改造がございましてもこの行財政改革は大いに積極的に進めてまいる、これははっきり国民の皆さんに申し上げておきたいと、こう思います。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 時間が参りましたから終わります。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 秦豊君。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 総理、ちょっと伺います。  きのう総理は、ワシントンから一時帰国された大河原駐米大使とお会いになりましたね。大使からは、総理に対し非常に具体的な進言があったようです。ポイントは、来年度の防衛予算は人件費を除いて七・五%増ということがポイントであったと思います。総理はアメリカの動向も配慮して編成するというお考えのようでありますけれども、アメリカの動向を重視するということは、それはつまり大河原進言に無限に近づく、極力近づくというふうなお考えなのか。それとも、何のために行財政改革に生命を賭していらっしゃるのか。行財政の改革は厳しいと、したがって来年度の防衛費は七・五%マイナスアルファ、場合によっては正面装備の導入計画をすら削減することも辞さない、そのような高い最高意思として防衛、大蔵両省をコントロールしていくというふうなお考えと御認識なのか、まず伺わしてください。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま帰っておりますところの大河原駐米大使ときのう会いました。その会談の模様ということで一部新聞に報道されておりますが、必ずしも完全に十分に会談の中身を報道しておるものではございません。私は、その際申し上げましたことは、あのシーリングで示されたところの防衛費、その他の福祉にいたしましてもそうでありますが、厚生省予算にしてもそうでありますが、このシーリングは、人事院勧告でどういう一体ベースアップがなされるものか、そういうものが決まっていない段階において示されたところのシーリングである。したがって、今度国会の御承認を得て人事院勧告によるベースアップ等が行われれば、それをもとにしてあのシーリングというものは手直しをされなければいけない性質のものである。それは防衛庁の予算だけが特別扱いというわけにはいかない、全体の問題である。こういうことを大河原君にはよく説明をしておいた点でございます。  なお、大河原大使からアメリカの議会方面その他の動きというものを詳細に報告がございました。日米安保条約を結んでおる日本の防衛に対して、アメリカの議会なり政府なり国民なりが関心を持っておるということはこれは自然のことでございますから、私はそういう面についても、きょう報告があった面についても私は耳を傾けるものであると。しかし、いつも申し上げておるのであるけれども、日本の防衛予算というのは自主的に、国民の理解、協力を得ながら日本政府が決めるものである、国会の御承認を得て決めるものだと、こういうことは明確に申し上げておるところでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 総理、重ねてあと一つだけ、これに関連して。  総理のいまの御真意を敷衍させていただければ、場合によっては、つまり七・五%を下回る、下押しするということを含め、そのためにはこそくな刈り込みは役に立たないから、正面装備の削減もオーダーすることがあり得るという解釈は見当違いでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) これから大蔵省、防衛庁等との間で行われる予算の折衝の中身の問題になりますから、いま私が予見を持って申し上げるわけにはまいりませんが、先ほどの御答弁で申し上げましたように、あの各省に示されたシーリングというのはこのベースアップを含んでいないものである、したがってこの取り扱いについては防衛庁だけが特別扱いというわけにはまいらない、この趣旨ははっきり申し上げておきます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 外務大臣、天羽局長が帰られまして、恐らく大臣に詳細な報告があったと思います。その天羽報告からは、韓国側、青瓦台周辺を含めて、企画院を含めた韓国側のいわゆる対日期待、これについて微妙な変化の兆しが看取されましたか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 情文局長の訪韓では、文化、人物交流、この日韓間の問題で意見を交換して、その問題では意見の一致している点が若干ございます。しかし、経済協力等当面の懸案の問題については何ら意見は交換しておりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それでは外務大臣、これから予算編成の日程、政治日程を横にらみしながら、来年度の対韓援助について外務省がいま考えている具体的な手順、日程、これはどの程度明らかにされますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 明年度の対韓援助については、いままでのいろいろななされておりまする懸案事項がありますが、これを中心にして検討はしておりますけれども、それまでに日本の経済協力の基本方針に沿って韓国から話があればこれに若干の修正はあると心得ております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 総理ね、総理のいまの段階での対韓経済援助についての基本的な御認識、お考えを伺わしてください。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 隣国である韓国が、今日の経済的また社会的な困難に直面をして、そういう中で国づくりを一生懸命やっておられる、こういうことについて私は理解を持っておるわけでございまして、今後の対韓協力につきましては、日本政府がとっております経済協力の基本方針、これは経済的、社会的な面についての協力をやり、そして民生の安定、福祉の向上に寄与する、そういう基本方針がございます。それに沿いまして協力してまいりたいと、こう思っています。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 これが最後の質問になると思いますけれども、総理、内閣の総合調整機能ですね、これを強化しなさいという趣旨の御提言は在来多々ありました。たとえば内閣官房に余り多くの機能を集中するよりは、総理そのものを直接補佐するための内閣参与制、つまりアメリカのような大統領特別補佐官制はなじまない、ならば参与という提言が過去になされました。これを私見では、たとえば資源エネルギー、あるいは狭義の戦略、防衛問題、突き詰めて言えば二、三名の安全保障専門の参与、名前はいかようにでも考えられると思いますけれども、いままでの在来の蓄積された提言の趣旨を含めて、そういうものを総理のすぐ身近に、側近に設置されるお考えは——この行革機運の中でより積極的に安全保障問題に取り組むという総理の真意を強めるために、そういうことをお考えにはなりませんか。御検討の余地と価値についてはどのようにお考えかを伺わしていただいて、質問を終わります。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま具体的問題として秦さんが御指摘になりました総合安全保障の問題につきまして、御承知のように総合安全保障関係閣僚会議を持っております。そのスタッフといたしまして、内閣の審議室に専門の事務官を二名設置をいたしました。その事務局としての機能が十分果たされるように、専門の職員を置いてそれを進めております。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 秦君の質問に対し大蔵大臣から発言を求められておりますから、これを許します。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 防衛予算の問題で、私の先ほどの答弁と総理の答弁が違うようにとられては困るものですから、敷衍をいたしておきます。  総理大臣のおっしゃるのは、要するに、現在の七・五のシーリングの要求枠があって、今度人件費が出たからそれを上に乗せるという意味ではないわけでございます。それはわれわれは、全部の各省庁とも現在のシーリングの中にさらに人件費をはめ込んでしまう、したがって中身の入れかえをやらしてもらうということが原則でございます。しかし、省によってできないところがあるいはあるかもわからぬ、そういうのはどうするかというような問題は、今後の予算折衝の過程で取り決めてまいりたい、そう考えております。

玉置和郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(玉置和郎君) 以上をもちまして本連合審査会は終了いたしました。  これにて散会いたします。    午後五時二十三分散会

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