行財政改革に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 334 件
- 登壇者
- 40 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/11/11
会議録
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十日、市川正一君、成相善十君、小西博行君、和泉照雄君、小平芳平君が委員を辞任され、その補欠として下田京子君、大河原太一郎君、伊藤郁男君、中野鉄造君、中野明君が選任されました。 —————————————
○委員長(玉置和郎君) 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は御発言願います。本岡君。
○本岡昭次君 まず初めに、わが党が奥野法務大臣罷免要求をこの委員会で行い、その問題については理事会扱いとなってはや一週間を経過いたしておりますが、その後奥野法務大臣処分の問題はどのようになっているのか、委員長の方から報告をいただきたい、このように思います。
○委員長(玉置和郎君) 奥野法務大臣の発言問題につきましては、私が奥野法務大臣と接触してまいりました経過について、本岡君からただいま要請がございましたので、私に寄せられた奥野法務大臣の現在のお気持ちを改めて委員会に御報告申し上げます。 すなわち、記者会見における私の発言は進行中の裁判に関する批判ではないことを明確にした上、あくまで一般論として常日ごろ検察の姿勢として大切ではないかと考えている点を述べたものであります。そのことを私なりに注意したつもりでありますが、いろいろの見方もあり、御批判も出ておりますので、今後とも言動には十分慎重を期し、将来御批判を受けないよう深く留意してまいります。 以上であります。 かかる事情に配意しまして、総理のお考えについても重ねて御相談してまいりたいと存じます。 なお、本問題の処理につきましては、引き続き理事会で協議してまいりますので御了承ください。
○本岡昭次君 いまの報告は、わが党としてはこれはとうてい納得のできるとてろではありません。十分慎重を期し、そしてこれからまた注意してまいりますというようなことは、しばしば奥野法務大臣はいままでの憲法発言等の中でも触れています。したがって、これ以上理事会で論議をしていただき、また委員長がいろいろ総理あるいは法務大臣との間において御苦労いただいても、解決は困難ではないかというふうに私は考えます。したがって、この問題はもう理事会扱いということでなく、理事会から切り離して、これはもっと大きな国対レベルのところで話をして、この問題の解決をすべきであるというふうに私は考え、質問に入っていきたいと思います。それがわが党のこの問題に関する考えであります。そのように進めます。 そこで昨日の、私が幾つか問題を提起して、議事録に関係することもこれありでいろいろ調べて、あるいはまた総理あるいは中曽根長官、自治大臣、文部大臣等の見解の中にも内閣としての不一致と見られるような事柄もあり、そうしたことについてきょうの冒頭、報告をする、統一見解も出す、こういうことでありましたので、それをお受けしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 速記を調べてみたのでありますが、私の発言は「国と地方との行政を一体的に運営するという一つのくさびといたしまして必要なものであると、かように考えております。」と、かように申したのでありますが、くさびというのは物と物とをつなぎ合わすものといった趣旨の言葉でございますが、私が言わんとしたことは、教育長の任命、承認制度は教育行政の国、都道府県、市町村一体としての運営を期し、また国の教育としての必要な水準を保持するためのものとして設けられておるものであるという趣旨でございますので、御了解をいただきたいと存じます。
○委員長(玉置和郎君) 志苫君から関連質疑の申し出がございます。これを許します。志苫君。
○志苫裕君 九日の私の質問を受けまして、きのう本岡委員といろいろとやりとりがありましたが、私の質問にかかわったことでありますので、若干関連をさせてもらいます。 きのうの教育長承認制の問題について、各大臣の答弁を正確に聞いておりますと、総理は、三十一年にこの制度改正が行われて、その後、確かに第一次臨調答申や地方制度調査会の答申あるいは勧告等があったけれども、当時の政府はそれを取り入れなかった、私はその判断はいまでも正しいと思っておるし、今後も変える気はない、これが総理の答弁ですね。それから中曽根長官は、過去の答申や地方六団体のいろんな意見は地方分権を進めるという観点からなされているものだと思うけれども、今次臨調の取り扱いを見守りたい、こういう答弁でありました。自治大臣は、地方公共団体の意見を紹介をいたしまして、臨調がしかるべき判断を示してくれるものと思っている、このように答弁をいたしました。文部大臣は、いま何か改めて言いましたが、国と地方の一体的な運営をするために、くさびだとか、鎖だとか、かすがいだとか、かなめだとか、いろんなこと言っておりましたが、きょうのが正式なのかもしらぬ。 そこで、その問題はいずれまた議論をしていくといたしまして、総理、非常に私重要な問題がここにあると思うんです。といいますのは、政府が見解を持ちまして、いろんな意見があるけれども、政府の責任においてやることはたくさんあります。本来行政改革は、いろいろな臨調その他に諮問をしたり、さまざまな意見はお伺いするけれども、政府が責任を持ってやることだ、したがってその間に取捨選択はあり得る、これは私は当然だと思うんです。当然だと思うのですが、本国会における衆参を通じて一貫をしたあなたの答弁というのは、とにかく句か問題があると、臨調に検討をお願いして、それの答申をいただいて断行するということを答弁なさっております。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕 その何よりの証拠には、中曽根長官が同僚中野委員の質問に、法律の第一条に臨調答申の趣旨にのっとりなんという聞いたこともないような、前代未聞の文言をつけるとは何事だということに対して、臨調の答申を尊重し、政府が責任を持ってそれを断行するという、その気持ちを表現するために、例はないけれどもこういうものを載せたのだということをあなたは説明された。そうなりますと、総理、これは変わってきますよ。臨調はいろいろ答申があるだろうが、取捨選択は私がします、いやなものは食わないし、好きなものは食うというのであれば、それで一貫してくださいよ。それなら臨調はそれなりに恐らく判断をなさるでしょう。ここのところは各大臣の答弁は全くまちまちだ。こんなてんでんばらばらなことを言って、そのときそのときを通り抜けるということは、これは承服できませんよ。はっきりしてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 志苫さん、決してそのときそのとき都合のいいように扱っておるものではございません。と申しますことは、臨調の答申はこれを最大限に尊重するということを一貫して申し上げてまいりました。しかし、これをどのように尊重して具体化するかという問題につきましては、やはり政府が責任を持って判断をしなければいけないと考えております。しかも、それは単なる政府だけの判断ではなしに、国会にお諮りをして、そして国会の最終的な御判断をいただく、こういう手続を経るわけでございまして、私どもはそういう意味で、臨調の答申を尊重しながら、これを国会にお諮りをして実現をしていく、こういうことでございまして、決してそのときそのときいいかげんにするものではない。今回御提案を申し上げておる特例法案、これは御答申をいただいたものを政府が最大限に尊重してこれを取りまとめて、そして国会でいま御審議をいただいておる、こういうことでございます。
○志苫裕君 もうやめますがね、これは総理、納得ができません。せっかく法律の文言にまで書いて、この行革を臨調から答申をいただいて、もうもう世の中挙げて断行するという決意を、総理が政治責任をかけた決意を表明したものだということになっております。もちろんこの問題も臨調で検討の課題になるでしょう。その臨調の検討課題に向かって文部大臣が、私はこういうことですと意見を述べる立場は、これはあり得ると思う。自治大臣が地方六団体の意見を紹介して意見を述べる、これは立場はあるでしょう。それはそれなりに臨調がいろいろ調整をなさることも中曽根長官の言うとおりだと思います。しかし、検討をわずらわしておいて、総理大臣が、政府の考えは変えませんと。変えませんということを言っておいて検討をわずらわすという、検討にゆだねるという、こういう首尾一貫しない話は納得できない。こういうことじゃ全然筋が通ってないじゃないですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 三十一年に法律の改正をやりました。いまの教育長の任命制度、承認制度というのが三十一年に決まったわけでございます。その後におきまして、第一次の臨調、それから地方制度調査会から御答申がございました。その際におきまして、政府と自由民主党におきましてさんざんこの問題は議論を重ねた結果、第一次臨調や地方制度調査会の御答申をいただいたけれども、これは三十一年のあの制度改正の方針を変える必要はないという結論になって、今日に至っておるわけでございます。 第二臨調におきましてこの問題を再度、中央、地方の機能分担、事務の配分というような観点からもう一度見直していただいておるということも私、行管長官から承っておるところでございます。またしかし、この問題についての第二臨調の御答申はいただいておりません。出た段階におきまして、これは政府として責任を持って検討し、対処すべきことだと、このように考えております。
○志苫裕君 いや私の言っているのは、この問題について政府の考えは変えないとあなた言っているでしょう。それならそこを取り消して、臨調の検討をまって政府が検討したいというのなら、そういう答弁してください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 第一次臨調、それから地方制度調査会の答申を守っていないではないか、こういう趣旨の追及の意味合いのお話がございましたから、私どもは三十一年の方針をいま変える考えはない、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○志苫裕君 だめです、そんな。それはおかしい。今後変えないという問題なんです。そのことを総理、答弁してくれればいいです。今後のことは臨調の検討にまつというのならそれでいいです。
○国務大臣(鈴木善幸君) 志苫さん、私ただいま御答弁申し上げたように、第二臨調においても中央、地方の機能分担とかあるいは事務の配分とかいう観点から御検討いただいておるようでございます、それが出た場合には政府としてはこれを検討いたしますということを、さっき答弁したとおりでございます。
○本岡昭次君 それでは総理に続いて伺います。 まず、教科書問題についてでございますが、この教科書問題と今回の行政改革の問題について、衆議院の側でもいろいろ論議があったところであります。ここで改めてお聞きしますが、現在の教科書無償制度は、憲法第二十六条に言う義務教育は無償とするという、この憲法の要請の具体化として実施されたものである、このように私も理解をいたしておりますし、国民の多くもそういう理解に立っていると思いますが、総理はいかがでございますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 教科書無償の是非の問題につきまして、いま本岡さんから憲法二十六条でございますか、引例の上でお話があったわけでございますが、この憲法二十六条の義務教育無償の問題は、これは授業料等を無償とするということを保障しておる、教科書までこれは無償にすべきだということを決めておるものではない。ただ、父兄の負担を軽くした方がよろしいということはございますから、立法政策の問題としていままで政府は対応してきた、こういうことでございますから、その点は明確にしておきたいと思います。
○本岡昭次君 立法政策としてということでございますが、それでは第二十六条の義務教育は無償とするということと、それから父母負担を軽減するということから教科書を無償にしたということのその間における問題ですが、父母負担を軽減するということが義務教育を無償にするということの間において全く関係がないというふうに総理はおっしゃるのですか。義務教育を無償とするということは、父母負担を、現在非常にたくさんありますが、それを軽減するということの関係においてこれは絶えず結びつき接近していくものだというのが、これがごく普通の考えてありますが、そこのところはいかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) それは財政その他の観点からどうしてもそういうことはこの際はしばらくの間中止すべきだとか、いろいろな要請、そのときそのときの要請があろうかと、こう思います。しかし、現時点におきまして政府は、臨調からのこの前答申がございました、これまたしかられるかもしれませんけれども、私どもはいろいろの判断からいたしまして、答申どおり教科書の無償ということは五十七年度予算の編成等においてもやはり慎重に扱わなければいかぬのじゃないか、こう考えておるところでございます。
○本岡昭次君 五十七年度の予算においても教科書無償は慎重にやらなければならない、大変な答弁を聞いたのですが、文部大臣いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) この問題につきましては、概算要求におきましても、文部省といたしましては無償ということを前提といたしまして要求いたしております。なおまた臨調の方におきましての、無償の問題などを含めて検討する、などということは無償の場合もあれば無償でない場合もあって、臨調の方の御意見もそういうふうなことになっておりますから、われわれはあくまでもわれわれの理想であります教科書無償ということを貫くために努力を続けます。
○本岡昭次君 文部大臣、教科書無償制度というのは、もう少し文部省としては明確な態度を持っておられるのじゃないですか。文部省としての態度です。臨調がそれをどう扱うかということはまた臨調としてのいろいろな物の考え方がありますが、文部省としてのもっと明確な態度があるんじゃないですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 文部省の態度といたしましては、本岡委員の御質問のように、いままで再三これをあくまでも貫きたいということを主張いたしております。
○本岡昭次君 文部省の初中局が出しています「現行教科書制度の概要」という冊子の第五章「教科書の無償給与」というところにこのように書いてあります。「教科書無償制度の趣旨」「教科書無償制度は、義務教育諸学校の児童生徒が使用する教科書を無償で給与する恒久的な制度である。」恒久的な制度であるとはっきりと明確に文部省はうたっているのですよ。文部大臣、このことを私は確認したので、あなたもこのことについて異議はないということで理解してよろしいですね。
○国務大臣(田中龍夫君) 私どもの主張はそのとおりでございます。
○本岡昭次君 ここに総理は、五十七年度の予算の中でも、無償という問題は恒久的な制度だからやるということじゃなしに、慎重にやるということ、慎重にやって恒久の制度として無償でやってもらわなければいかぬのですが、しかしその言葉の中に含まれるものは、立法政策上の問題だから有償にすることもあり得るんだということのようですが、いま文部省が言っているように、これは恒久的な制度であるというふうに国民に述べ、そして義務教育無償というその理想に向かって進んでいるんだという事柄と、少しこれは総理の先ほどの答弁は、少しどころか大変な食い違いがあると思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) 本岡さんも先刻御承知のように、この問題につきましては、臨調からは教科書無償の問題は廃止の問題を含めて検討をさるべきである、こういう御提言があるわけでございます。そういう臨調の答申はございますけれども、五十七年度予算の編成においてもこの問題については政府としては慎重に対処していきたいと、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○本岡昭次君 わかりました。総理の答弁を善意に私は解釈します。裏切らないようにしてください。 それでは次に、文部大臣は教科書のいろいろな行政について、つまり教科書の検定の問題とか、あるいはまた編集、発行、採択、いま論議しました有償無償、こうした問題があるわけですが、こうした教科書行政と言われるもの全般を含めて、文部省としていま見直しのようなものを考えているのか考えていないのか、そこはどうです。
○国務大臣(田中龍夫君) 検定制度の問題でございますとか採択等の問題につきましては、今日までの私どものとってまいりました方針を堅持してまいりたい、かように考えておる次第であります。
○本岡昭次君 再度お尋ねしますが、いま自民党の内部に教科書問題の小委員会というふうなものが設置されて、そこでいろいろ教科書問題の検討がされている。その中には、採択を県単位に広げるとか、あるいはまた検定の方法を強化するとか、あるいはまた教育課程の改定をやらねばならないとか、いろいろなことが論議されて、それは文部省に対して一定の要請ということで行われているのじゃないかと、このように私は考えますが、その点について、いま文部大臣がそうしたことについて一切現在の制度を変える考えは持っていないということで、一応安心はしているんですが、その点の関係はいかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 自由民主党の中におきまして教科書の問題についていろいろと研究をせられ、意見を述べたことも存じております。また自由民主党のみならず、各方面におきましてもいろいろそういう御意見があることも存じております。われわれは御意見は御意見として素直に拝聴いたしつつ、同時に、私どもはあくまでも中正公平なりっぱな教科書を子弟のためにつくらなければならぬということで邁進いたしておる次第であります。
○本岡昭次君 最後に文部大臣にお尋ねをいたしますが、いまのような質疑の中で、教科書の問題全般にわたって、新しく審議会等を設置して文部大臣がこれを諮問するというふうな状況ではないというふうに私は判断するのですが、文部大臣として、いま教科書問題を諮問する審議会をつくって、そこに答申をというふうな早急なお考えはない、こういうふうに考えてよろしいですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 非常に重大な問題でもございまするし、また各方面からのいろいろな御意見も拝聴いたしておる次第でありまして、そういう意味から、あくまでも慎重を期しまするために審議会等をつくりましてそれに諮問をいたしてみたい、かように考えております。
○本岡昭次君 その審議会は、現在ある審議会の中にあなたは諮問をされようとしているのか、それとも教科書だけの新しい審議会というふうなものを設置して、重要な問題であるので慎重に審議していただこうと、こう思っておられるのか、そこはいかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 教科書の審議会がございますけれども、それは小さな範囲の教科書の問題を取り扱うだけの問題でございます。 私が考えておりますのは、もっと広い意味から、広い視野から、しかも高い見地に立ってこの問題を十分に慎重に検討しなければならない、こういうふうに考えております。
○本岡昭次君 そこで、私も若干の意見を述べて次に移りたいのですが、教科書の問題というのは、いまもおっしゃったように広い視野、高い見地に立って検討しなければならない、まさにそのとおりで、現在の教科書の問題が国民の中でいろいろ取り上げられていることはそうした事柄じゃなくて、非常に残念でありますけれども、教科書の中立性の問題なり、あるいはまた教科書まで金で動かされている、教科書までそのように汚れた状況の中でつくられていたのかというふうな、非常に国民の中に強い不信が昨今のさまざまな教科書問題の中でつくられていった。非常に私は残念なことであると思います。政党の教科書内容への介入、そしてまた教科書会社、教科書協会の自民党への政治献金問題、あるいはまた文部官僚とそうした教科書会社との間におけるゴルフ場会員権取得問題をめぐっての疑惑等々が、やはり国民の中で教科書問題、教育に対する不信を巻き起こした私は大きな原因ではないかと思います。 そこで、いま文部大臣が広い視野、そして高い見地とおっしゃるならば、教科書行政の見直しも教育行政の改革という一環で行われるならば、その重要な視点は、再びこのような教科書について国民の不信が巻き起こらないように、教科書に対して、教育に対して政治の舞台であるいは文部省の舞台でこれは清潔である、全幅の信頼が置けるというふうな教科書行政そのものをどうつくり上げていくかという見直しでなければならぬ、私はこのように思います。そういう点についてひとつ文部大臣、そして総理、一言ずつ見解をお伺いしたい、このように思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 本岡委員の御意見は御意見といたしまして、われわれは現行の教科書に当たりましては、これがりっぱに検定をせられ、そうしてまた中正公平な姿においてでき上がっておるものだと確信をいたしております。 また、今後ともにいろいろな御意見が各方面から当然出てくることはまことに結構であろうと思うのでありまして、そういうふうないろいろな意見に耳を開いて、そうしてあくまでも中正なりっぱな教科書をつくらなければならぬ、かように心がけたいと思っております。
○国務大臣(鈴木善幸君) 教科書問題の重要性、私も教育の観点から非常に重視をいたしておるわけでございます。そういうようなことから、いろいろ教科書問題をめぐって検定の問題やらあるいは採択の問題やら、またそれをめぐるいろいろな問題、そういう問題がありますことも新聞その他の報道で私も承知をいたしております。そういう観点から教科書問題は真に国民の、特に父兄の皆さんの信頼を受けるようなりっぱなものにしなければならない、そういう観点で、いま文部大臣の申し上げたような広い、高い立場からこれを審議検討していこう、こういうことにつきましては私も文部省の方針に賛意を表しておるところでございます。
○本岡昭次君 一つだけ私は聞きたいと思ったことを聞けなかったので、しつこいようですけれども、もう一つお尋ねします。 私は、文教委員会で自民党に対する政治献金の問題、教科書会社が政治献金したという問題について文部大臣と長時間にわたって議論をしましたが、文部大臣は、文部大臣のかかわる筋合いのものでないというふうなことで、明確なそのことに対する文部省としての答弁はなかったわけで、非常に私は不満であるわけです。 そこで、総理に自民党の総裁という立場でお尋ねしますが、教科書会社は幸い、自民党に対して政治献金をしているということはここまで国民に知れたからもうまずい、そこは私はけしからぬと思うのですが、知れようと知れまいとそれはすべきでないと思うのですが、国民の間に知れたから、これはもともと政治献金すべきでなかったのかもしれないというふうな判断でしょうが、やめた。それはそれで結構であるわけですが、しかし私のそうした質問の中で、文教委員会の中でもやはり自民党の皆さんから続けてやればいいんだと、こういうふうな言葉も出てくるので、私は政治献金そのものは政治資金規正法の中で定めてあることであるし、法律的にとやかく言う必要はありませんが、教科書会社から政治献金をある特定の政党が受けるということ、やはりこれは教科書というものの性格上、仮に教科書会社が政治献金をすると言ってきても、それは受け取れない、政治献金をする金があるならば、その金でもっとりっぱな、文部大臣の言葉じゃありませんが、中正で公平なりっぱな教科書をつくるために編集にお金をかけなさいと言ってやることが、これはいまの政党のやはり毅然たる姿勢というものを国民に示すことであるのではないかと、ぼくはこう考えるのですよ。 だから、もう教科書会社から再び自民党に対して、国民政治協会に対して政治献金が行われる、あるいはまた個々人に対して政治献金が行われるということはないと思いますが、自民党総裁として、私がいき言いましたように、教科書会社からは受け取れない、そういうお金があるならばよい教科書を、りっぱな教科書をつくるために使うべきだというふうな、そういう判断をそれぞれの政党が持つべきだということについていかがでございますか。
○国務大垣(鈴木善幸君) この政治献金の問題は、ただに教科書会社の問題に限ったことではございません。世の中の疑惑や不信を買うような政治献金は私は受くべきでない、自粛しなければいけない。そして政治資金規正法によってそれが厳しく規制を受けておるということもわきまえていかなければいけない、このように思います。
○本岡昭次君 もう少し私の具体的に言った質問に対して具体的に総理も答えてくださいよ。結局国民の知りたいのは私の言ったような事柄でしょう。ごくわかりやすい、むずかしいことじゃなくて。教科書会社から政治献金という問題があっても、それは何も自由民主党と言いませんよ、いろいろなときにもしあったとしても、それは受け取るべきでない。そしてそんな金があるならもっといい教科書をつくるのに使えというふうなことがいまの政党としてとる立場ではないかと、こう言っているのだから、そのことに答えてくださいよ。政治資金規正法の問題で私は何も追及しているのじゃない。そのことは、それはそれとして法律の中で別に私は疑義を唱えているわけではないと言っているじゃないですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) その点はお答えを申し上げております。世間から、また国民から疑惑や不信を招くような政治献金は受くべきでないということを申し上げております。速記を国民の皆さんが後でごらんになれば、本岡さんの質問がこうあって、それに対して私がこう答えたということで、国民の皆さんは十分理解がいくということでございましょう。
○本岡昭次君 どうも私はまだふなれですので、政治用語の中身等理解できないから、もう少しわからない者にはわかるようにかみ砕いてあなたもやはり答弁をしていただきたいと思います。私はそういうツーカーにはまだなっていないのですから。 それでは次に、日本の教育水準の問題について幾つかお尋ねをしてまいりたいと思います。 諸外国と比べて日本の学級編制基準、これはどのような水準にあるのか。文部大臣教えていただきたい。
○国務大臣(田中龍夫君) わが国の学級の水準でございますが、大体アメリカやイギリス、フランス、西独等の欧米先進国はすでにほとんど四十人以下とされておりまして、わが国は昭和六十六年までにはこの学級編制の標準四十人とするということを決定いたしておる次第でございます。現行の場合におきましては、さしたる差はない、それに向かって努力を続けておる次第でございます。
○本岡昭次君 時間がありませんから、私が日本の学級編制基準というものが諸外国に比べてどのような水準にあるかということをここで申し上げます。総理あるいは大蔵大臣、経済企画庁長官等はひとつよく聞いておいていただきたいのです。 まず、世界の五十五ヵ国という調査の中で分布を見ますと、五十五ヵ国中、日本は四十二番目に学級編制基準の水準があります。二十九人以下が十カ国で一八%、三十人台が十七カ国でご二%、四十人台が二十二ヵ国で四〇%、五十人以上が六ヵ国、一一%、そしてこの五十五ヵ国平均は三十六人一学級編制というふうな結果が出ています。 また、OECDの学級編制基準を見てみますと、OECDの中で十八カ国にわたって法律で学級編制基準を決めている国があります。その中で何と十七位です。日本の後ろについているのはトルコの四十九人、あとは全部法律で決めてある学級編制基準は日本よりもすぐれている、こういう結果。 あるいはまた、国家財政中の教育費の占める比率の問題も、これは総理府に答弁していただいたらいいのですが、時間の関係で私が言います。これにつきましても、これは総理府の統計の中で上位二十位の国が並べられてあるのですが、その中で日本はやはり十六位、九・四%ということで、国際的なレベルで見る限り非常にこれは低いということが言えるわけです。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕 あるいはまた、今度は諸外国との一人当たりの国民所得と学級編制基準の関係をとってみましても、これも非常に悪い。これも文部省にお答えいただいたらいいのですが、時間の関係で私の持っているのを言いますから、間違っていればまた訂正をしてください。全体的に一人当たりの国民所得と学級編制基準の関係、明確な計数的なものはつかんでいませんが、全体として次のようなことが言えます。それは、一人当たりの国民所得が多い国ほど学級編成基準が小さく、一人当たりの国民所得の少ない国ほどその基準が大きくなっている。こういう状況でありまして、それでは一体、私の持っている資料の調査の五十ヵ国中、一人当たりの国民所得は日本は伺位にあるかというと、第十五位です。五十ヵ国中、国民所得は第十五位である。ところが学級編制基準は先ほど言いましたように四十二位ということで、各国がそれぞれ一定の相関関係というものを国民所得と学級編制基準の間に持っているのに、日本だけがこういうふうに国民所得とそれからそれに比して学級編制基準というものは非常に低位になっている。 各国のそうした例に基づいて、もし日本の学級編制というものが国民所得との関係においてどのぐらいになるかという計算がされていますが、それを見ると、約三十・六人というものが学級編制基準として国民所得の上から他国との間において大体一致する、こういうことでございます。したがって、学級編制基準を三十人に縮小することも、単純な一つの推論でありますが、国民所得との関係から言えば出てきます。もちろん、一人当たり国民がどれほど負担をしているかという問題が出てくればまたこれは大きく変わると思いますが、少なくともこういう国際的な位置を日本の教育の学級編制基準が持っているということについて、総理あるいは経済企画庁長官はどのような御意見、御見解をお持ちになられたか、ひとつお伺いをいたしたい、このように思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの国民所得に対する一人当たりの計数でございますが、われわれの研究をいたしたものによりますと、大体、公財政支出の教育費に占める割合は七・二%でございます。そうして一人当たりの分でありますが、これがアメリカが六・六、イギリスが七・一、フランスが四・二、西ドイツが六・一、ソ連が八・七と、ほほイギリスと同じような水準に国民一人当たりの所得からはなっております。 なおまた、教育の諸外国との比較の中で、文教関係の予算の問題をちょっと申し上げますと、これは一概に比較することはなかなか制度が違っておりますので困難かもしれませんが、中央、地方を通じまする公財政支出の中におきましては、教育費の占める割合は二〇・二%でございまして、これは昭和五十四年の統計でございますが、これは他の国と比べまして遜色はない、むしろ高いくらいでございます。
○国務大臣(河本敏夫君) わが国におきましても、一定の学級編制基準を目標といたしましてその実現を図っておるところでございますが、財政事情等もございましてそれがなかなか実現できない、こういうことだと思います。
○本岡昭次君 もうそれにかかわっている時間がありませんから、一応私の申し上げたような非常に低い、経済大国にふさわしくない水準にあるということだけは事実でございますから、それを前提にして、それでは四十人学級、教職員定数改善の抑制問題について質問を続けてまいりたいと思います。 そこで、これまた総理にお伺いしたいのですが、私はこの四十人学級を含む第五次教職員定数改善の実施を子供たちのために、そして日本の教育のために心から喜びました。本当は国際的ないろいろな水準からすれば十年前に実施をされてもよかったというものでありますし、また今回の改善も、従来のように五年計画でなく、文部省が九年計画を出しても大蔵省によって十二年計画に延ばされるという非常に無残な中身のものになりましたが、それでも私は五十五年四月から制度として実施されたときは本当にうれしかったのです。しかも、三年後の見直しについても、子供たちのために一年でも二年でも短縮ということが検討されるのではないかという期待も持っていましたし、政府もそういう立場でがんばってくれるだろう、こういうふうに考えていました。 それだけに、今回この問題が財政縮減の文教予算の第一に取り上げられたことは非常にショックでありました。そして私のその期待というのですか、教育に対するぎりぎりの何か信頼みたいなものも裏切られた、こういう気持ちでいっぱいです。四十人学級実現、そして行き届いた教育ということにかかわって多くの期待を寄せていた父母、教職員の気持ちを私は代弁して言っているつもりなんですが、期待が大きい、喜びが大きければ大きいほどこうした政府の対応の仕方、これについては非常にショックも起こるし、そして不満が出てくる。そして、なぜこういうことが起こるのか、なぜこういうことをやるのかという憤りも強いと、こう思うのですが、総理、こうした私の気持ちなり、あるいはこの問題に対する国民の気持ちに対してどういうふうに総理としてお話をなさっていきますか、ひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 国民の教育水準の向上、これは絶えず努力をしていかなければならない重要な問題であると考えます。 わが国の国民の教育水準も、明治政府以来、政府並びに父兄を含めて国民の皆さんの長年にわたる御努力の結果、今日先進諸国に比べましても決して劣らない、むしろすぐれておる、そういう水準にまで達しました。今日、科学技術が非常に大きく国力の中で評価される時代になってまいりましたが、そういう面におきましても、また経済的な分野におきましても、日本のこの教育、国民の教育水準が高かったということが非常に私は今日大きな成果をおさめておると、このように考えるものであります。そういう意味で、教育に対する国の投資というものは、私は非常に大事なものだ、貴重なものだと、このように認識をいたしておるわけでございます。 さて、いまの四十人学級の編制、それと教職員の定数の計画、この問題でございますが、お説のとおり昭和五十五年に、いろいろの議論がございましたけれども、四十人学級を六十六年までに達成をする、こういうことが決定をいたしまして、発足をいたしたわけでございます。しかるところ、今回非党な財政的な危機に直面をいたしまして、第二臨調からあのような答申をちょうだいしたわけでございます。そこで、終期の六十六年までに四十人学級は達成をする、こういう基本方針は曲げておりません。これは堅持いたしておりますが、三年間、この財政再建の期間この実施をおくらせる、こういうことをやらざるを得なかったということを私は非常にやむを得ざるものとして御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。
○本岡昭次君 経済情勢あるいは財政状況、そういうところからもうやむを得なかったんだ、第二臨調の方からもそういう答申が出たと、こういうことなんですが、それでは大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、この九年計画を十二年計画に変更されるとき、昭和五十四年の十二月二十九日、大蔵大臣と文部大臣との間で昭和五十五年度から第五次学級編制及び教職員定数改善計画を発足させることについての確認事項というものが交わされています。 一は、計画期間は十二年とする。二は、改善の規模は八万人程度とする。三は、財政再建期間中、これは五十九年までですが、教職員の改善増は極力抑制する。また、昭和五十七年までの間は児童生徒が増をするので、これも厳しく抑制する。計画期間の各年度の教職員の改善規模は、経済情勢、財政状況等を勘案し、弾力的に決定する。 こういう確認を双方で行われて、その上で、この確認の上に立って文部省と大蔵省がその十二年計画という内容を詰めていった、こういう結果になっているわけなんです。 そこで、いまも財政あるいは経済情勢の問題をおっしゃいましたが、この問題を確認されたのは何も五年も十年も前じゃなくて、つい最近一年半ほど前の状況なんですね。しかも、いま総理のおっしゃったように、その財政状況あるいは経済情勢というものの厳しさというふうなものを十分認識しながら、それをしたからこそ九年を十二年にして、そして文部省と大蔵省の間でそれぞれの計画を詰めた、こういう経過になっているんです。そうすると、五十五年、いまは五十六年ですが、一年あるいは二年、わずかその期間に、ここで詰めに詰めたことをさらに大きく変更しなければならないような何か緊急で重大な経済情勢あるいはまた財政状況というものがいまの段階で起きたのかということがはっきりしなければ、その財政状況というものについては納得ができない。もしそのときと同じような状態でやるんなら、まことにこれは先見性のないことをやったと、こういうことになると思うのですが、大蔵大臣、一体どのような緊急な、重大な、一年たつかたたないかのうちに臨調が出さなければならないようなことが起こったのですか。あるいはまた、それは大蔵省として予見できないことが起こったのか、そこはどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは御指摘のとおり、大蔵省と文部省との間に確認事項が交わされた。事実でございます。しかし、その確認事項にもあるように、計画期間の各年度の教職員の改善規模は、経済情勢、財政状況を勘案し、弾力的に決めるということも決まっておるわけです。したがって、今回抑制措置を講ずるということになりましたが、十二年間の間で取り決めたことは行いましょうということは変わっていないのです。 御承知のとおり、そういうような厳しい事態が急に起きたのかと言われますが、これはじわじわ起きてきたということであって、ただ、本当に財政の再建というものが焦眉の急である、もうこれ以上国債をどんどん発行することは不可能である。これは世界の経済事情というものも、世界の人がみんなもう少しよくなるかと思ったところが、意外と厳しいという認識になったのはここ一年ぐらい。世界的にもみんなそうなんです。イギリスにしてもアメリカにしても、ここで非常な経済改革、財政改革というものを打ち出したのはそう何年も前でなくして、大統領がかわったりいろいろなことになったのはここ一、二年前後。日本もその例に漏れないわけでございます。したがって、見通しの認識が甘かったのじゃないかとそう言われれば、それも一つのりっぱな御主張だと私は思います。 しかし、世界的に認識が甘かったといえばそれも事実でありまして、そこでともかくこのような状態で、日本も幸い現在のところは非常にいいが、このまま放置すれば第二のイギリスになりかねないというようなことで、鈴木内閣誕生以来、財政の健全化ということが日本の経済を持続し、国家国民のためにもなるし、ひいては十二年間のお約束の中で四十人学級もそうすればできる。そのためには、まずここで三年間財政再建期間というものを設けて、特にその間でいろいろなむだを省いたり、いろいろなことをして財政の健全化を図ろうと、こう考えたわけです。そのために第二次臨調の中で第一次答申が行われる、ゼロシーリング予算が組まれる、こういうような事態になったということでございます。 したがってわれわれとしては、この確認事項の大骨、大組みというものは変えないわけですから、むしろそれを実現するためには、ここ三年間ぐらいの間で国家財政を建て直していくことがいろいろな面においても私はいいということで、今回の特例措置をお願いしたという事実でございます。
○本岡昭次君 国家財政の立て直しのために四十人学級問題も協力しろ、そのことによって十二年計画というのはできるのだと、こういうことのようですが、それでは昭和五十七年度の概算要求というものの中で何人教職員を減らすのかという問題がずっと論議をされております。 そこで、文部省の極算要求は、来年度四十人学級、教職員定数改善の問題については、一万一千九百八十二人という計画をその十二年計画の第三年次として持っていた。それがこの抑制、縮減措置によって九千三百四十二人となり、二千六百四十人を減員したということになる。これが五十六億円に相当する、こういう計算になっていると思うのです。 大蔵大臣にお伺いしますが、概算要求をした数字と、それから十二年計画の三年次目の計画との間における数字であってこれから査定が行われていくという段階、特に、歳入欠陥でもう大変な税不足で、来年度の予算編成は大変なことになるというふうなことが新聞に出ているのですが、この概算要求の数字でこれを論議しておって、それで私が、そうか、仮に来年は二千六百四十入減になる、仕方がないなということであっても、査定の段階でこれが二千七百人になったりあるいは三千人になったりするという可能性も起こるというふうに推察されるのですが、こうした数字の論議というものとこの査定、そして確定という関係は一体どうなるのですか、大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の手元にある数字といまの数字はちょっと違うのですが、私の手元にあるものでは、今回の特例措置を前提に教職員の改善増として七百二十二人の要求がなされている。これは五十六年度の改善増二千五百九十二人に対して千八百人の減になりましたということになっておるわけです。しかし、どういうふうに扱うかの問題につきましては、これは真に緊急やむを得ないものに限って改善を行うという観点に立って検討したい。具体的にはどういうふうにやるか、実務を担当している文部省とこれからよく相談をいたしまして、限りある財源の中で最も効果的にどういうふうにやったらいいのか創意工夫をしていきたい。 御承知のとおり、日本の学級編制基準というのは、確かに諸外国と比べて多過ぎるじゃないかということを言われますが、全学級の三分の二ぐらいのものはもうすでに四十人以下になっておること、これも御承知のとおりでございます。それから、先生一人当たり生徒を何人持っているかということになりますと、これは欧米諸国と比べて少し遜色がありますが、大きなかけ離れはありません。にもかかわらず、学級編制になるとえらい違いが出てくる。一体どういうわけなんだねと。一人当たりの先生の持ち数はそんなに違わなくて、学級編制基準になると違いが出るとは一体どういうわけなんだと。私もよくわかりませんでね。
○本岡昭次君 教頭は学級を持っていない。
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから、そこらのところはどういうふうにするのか。音楽の先生だ、体育の先生だ、何の先生だといろいろありますが、専門的な先生があって、そういう人たちが必ずしも担当者になっていない、主任というか教室を持っていないというようなことを言われますから、私よくわかりませんが、いずれにしても、先生一人当たりの生徒の数が違わないのだから学級がそんなに違うわけないのであって、何かそこにおかしいところがあるのじゃないか。そういうところなども工夫をしてこの際はやってもらいたい、そういうことをお願いしているわけです。
○本岡昭次君 私の質問に的確に答えてください。いま私たちが論議しているのは、衆議院の論議を踏まえてずっと乱やっているんですが、いま大蔵大臣との数字の違いは、自然増を五百人削ったというのをそこへ足せば、千八百五十に五百を足すと二千三百五十という数になるわけです。自然増を五百に抑制しているでしょう。だからその前提は、あくまで概算要求とのかかわりでいまずっと論議がされているんです。しかし、それはあくまで概算要求の数字であって、査定においてこの数字が動くということになれば、一体何を根拠にして論議をしているのかということになるじゃありませんか。だから逆に言えば、ここで論議していることは、もう査定の段階で動かぬのですねということを言っている。この数字の問題。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは査定の段階で、先ほど私が言ったのはその背景を申し上げたわけで、したがってそういう考え方に立って、要するにゼロシーリングの中で一番効率的にするにはどうするのか、文部省とそこはよく相談をして、現場を持っているわけですから、向こうは。ですから、ここで要求どおりぴしっと全然動かぬということなら査定は要らなくなってしまうわけですから、あるいはそのとおり認めるかもしらぬし、あるいはもっとこういうふうなやりくりができるんじゃないかということになれば多少動くこともあるかもしらぬが、それは無理のないように文部省とよく相談をしてやりたい。そういうことでございますから、いま予算が決定しない以上結論が出ないわけですので、まだ流動的である。余り違うこともないのじゃないか、そう思っています。
○本岡昭次君 流動的なものを前提にしてずっと衆議院では何人減るんだ、その減った結果がどうなるんだということの論議であれば、もう法案そのものをいま審議をして、そして抑制措置の具体的な中身はどうなるんだということは、結局のところ、査定が終わって来年度の予算が確定しない限り、四十人学級、定数、教職員増にかかわる問題については人数的には確認できない、大蔵省としては責任は持てないと、こういうことなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは予算編成作業でいろいろやりとりがあるわけですから、文部省の中でも概算請求が出たらそのとおり全然動かないというのでは、これは必ずしもそうなるかどうかわからぬわけですよ。そのためにいろんな折衝が行われて、じゃ、こっちを減らすけれどもこっちをふやしてくれとか、こっちはなにだけれども、こっちが重点だからもっとふやしてくれとか、限りある予算の中でやるわけですから、それは文部省とよく相談をして、それで学級編制については——何でこういう法律が出たかというと、御承知のとおり、ともかく各党間の覚書というようなものもあって、そして三年たったら見直すというようなこともあるそうです。これはむしろ早めるというニュアンスを持っているわけですから、早めるという各党間の申し合わせみたいなものもあるものを、文部省、大蔵省だけが勝手に直しちゃって、その思惑と別なことをやっちゃったと、これは私はかえっていろんなおしかりを受けてもやむを得ない。したがって、そういうようなもとまであった問題なものを、この財政事情の中で、十二年間でやるのは動かさないが、前の方はそれは思惑と多少別なんですから、抑制的にやるというのですから、そのためには少なくとも国会の御承認を得るくらいの権威のある話にしなければならぬ。 こういうことでこの法律案というものをわざわざ出したわけであって、これにはしたがって何名何名にしろとか、何%削れとか出てないわけですね、これは精神訓話みたいな話ですから。だけれども、そういうことで御了解の上に立って、そうしてやらしていただきたい。したがって、そういうふうな覚書もあり、いろんなこともありますので、そういうものも全部踏まえて、しかもこの法律の精神にのっとって、いまから協議をして具体的な問題を決めていくということなので、いま数字で何名ということを申し上げることはできないというのは、そういうわけでございます。
○本岡昭次君 それでは、私はこの四十人学級と教職員定数改善計画が抑制されることによって、一体どのような影響を受けるのかという問題をいろいろ質問をしていこうと思ったのです。しかし、いま大蔵大臣のお話のように、それをやったって無意味だと、ある意味では、細かいものは。ただ、抑制するということについて法律的な一つの力を持ちたい、こういうこと。また、いまも三年後見直しという中には、やはり早めたいという各政党間の意思もあってのことだからということで、ここで詰めない方がいいだろう、このようですから、それはそういう立場に立って考えていきましょう。 それでは、ぼくは定数改善増の中で抑制していくことの中封はたくさんあるのですが、ここでひとつ総理にもぜひ知っておいていただきたいのですが、いまいろいろ日本の教育の中で、学級編制基準の問題もありますが、免許外教科担任教員というのが非常に多い。要するに、免許状を持たないで子供を教えさせられているという教員ですね。子供の側からすれば、免許状のない教員に教えられているという状況が非常に多い。 これは五十二年度の調査なんですが、公立中学校で教員が総数二十六万一千三百六十五人おります。その中で、その他ということで免許を持たずに教えているという形で統計上出ている数字が四万八千七百二十一人、その数約一八・六%に及んでいる。それから国立になりますと、総数が千四百五十三人、免許外が二十人、そのパーセントは一・三八%。私立は、中学校の教員が六千三百四十六人、免許外が三百五十人、パーセントで五・五二%、こういうことで、公立の中学校において免許外教科担任という状態に置かれている、またそういう状況下で教育を受けているという実態が非常に多い。 特に多いのは、美術三三・二%が免許なしで教えている。技術家庭が三二・三%、保健体育が二八・四%、数学が何と二〇・三%、これ免許を持たないで教えさせられているんです。これは何とか解消せねばならぬということは、文部省も一生懸命これはやっている。だからその定数もふやせということで要求がなされて、一定の人数が、二千六百人余りですか、一出されているんですがね。 こうした問題をいま私が明らかにしたときに、総理どうですか。これは一刻も早くそうした状態はなくさないかぬ。無免許運転という、言ってみれば事柄が起こる。実際は政令でその者に臨時的に免許状を渡して、いわゆる資格の上では問題ないようにしてありますが、事実そういう事柄が起こっているんです。これはやはり教育の中の私は大問題である。 だから、財政上の問題で後ろへいろいろおくらせていくこともいいだろうけれども、実態を一つ一つその定数改善の中身を掘り起こしてきたときに、三年間もおくらせてやることは、その間の子供の教育を受けろ権利というふうなものがやはり正当な状態、正常な状態でないという事柄——その子供はもう一遍中学三年に戻れ、中学二年に戻れ。戻れないんですから、卒業してしまうんですからね、その三年間に。やはり子供たちのためにいまどうしてやるかという配慮というものが、この教育の問題にはある。私は一例を挙げて申し上げますが、いかがですか、この点。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの本間委員からの御質問は、なお先生からのあらかじめお話がございましたので、担当の方で調べでございます。この問題はなかなか専門的な問題でございまして、むずかしいので、ひとつ政府委員からお答えをいたします。
○本岡昭次君 いや、中身じゃないんだよ。基本的な考え方だけなんだよ。私は中身の説明は、もう時間がないから聞いていられないんですよ。そういう実態がある、私の言った実態と非常に異なるのなら数字的に言っていただいたらいいけれども、その実態をどうするかということを言っているのだから、あなたは、どうするかということを答えるのですか。
○政府委員(三角哲生君) 本岡委員御指摘のような実態があるわけでございますけれども、それは必ずしも財政措置なり行政措置なりだけの問題でございません。御存じのように児童生徒数の自然増減の波がこれまでの過去においてあったわけでございまして、最近は非常な自然増がありまして、これに対して現在おられる免許状をお持ちになっている先生の構成の状況がございます。でございますから、一々その都度先生の免許状をお持ちでない方を異動をし、あるいはお持ちの方を新採用をする、こういうような運営が必ずしもできない。それからやはり免許状を持っている方の供給の関係もございますので、その面がございます。ただいまの御質問にございます今回の定数改善計画におきましては、小規模の三学級、四学級等の中学校におきまして、これは中学校でございますと九教科ございますから、九人おると一応全部の教科についてちゃんと免許を持った方が担当できるということで、それの手当てをするために全体で二千百四十人、こういう計画をしておるわけでございまして、免許外教科担当全体の問題は、必ずしも直ちにこれがすぐ行財政と結びつくという問題でもないわけでございますので、その点を御説明させていただきたいと、こう思います。
○本岡昭次君 何を言いにきているんだ。
○委員長(玉置和郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時三十二分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、山田譲君、森田重郎君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君、秦豊君が選任されました。 —————————————
○委員長(玉置和郎君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。下田京子君。
○下田京子君 総理がお見えでありませんので、ずばり質問に移りたいと思いますが、最初に、農林漁業金融公庫の法定制金利弾力化問題が本法案の中に出ているわけです。このことにつきましては、特に衆議院で住宅金融公庫問題が中心に話しされたと記憶しております。衆議院での繰り返し答弁はできるだけ避けていただきましてお答えをお願いできればということを最初に申し上げておきまして、質問に移りたいと思います。 農水大臣にお伺いしたいのですけれども、今回の衆議院の中で、農林漁業金融公庫の金利は三年間上がらないという保証はあるのか、こういうふうに質問されましたことについて大臣が答えたものは、それは担当大臣である農林水産大臣の実力である、こういうふうに答弁されております。これは、二十七日の衆議院の行特委員会での答弁でございます。しかし大臣、こういう金利問題というのは、大臣の実力で上げられたり下げられたりするような問題ではないのじゃないか、こう思うわけです。特に、農林漁業金融公庫の金利がこれまで法定化されてきた経緯というのは、私が申し上げなくとも農水大臣でしたら御承知だと思うのですけれども、特に農業の経営というものが非常に零細である。しかも効果がすぐに上がらない。そういう点から、長期かつ低利の融通ということをきちんと法律の中に明記している。そういう中で、昨年とことしと続いて大変な冷害が特に北日本、東日本に多いわけです。そういう中で自作農維持資金の災害資金、これは大変皆さんに喜ばれておりまして、昨年だけでも約七百二十億円生活資金として借りられておるわけです。そういうことを考えまして、担当大臣として、その実力いかんで上げたり下げたりなんということでなくて、きちっと目的に基づいて、この弾力化をやめるという方向で御答弁いただけるかどうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農業、林業は、自然的、社会的、経済的不利条件を持っておることは御指摘のとおりでありまして、元来、農林金融というものは日本だけではなく、先進国においてもあるいはその他の国におきましても、低利、長期ということでなければ経営が成り立っていかない、これはもう御指摘のとおりでございます。 農林大臣の実力と、こう私が申し上げたのは、これは何といっても大蔵省と、法律案をつくるときにもあるいは予算編成のときにも、やはり世論をバックにしたそういう事態に対処したときの相折衝の中心地は、これは農林水産大臣が責任者という意味で申し上げたわけでありまして、原則的には低利、長期という御指摘のとおりの線でいかなければ農業経営は成り立たないというとてろから、農林漁業金融の特質というものを十二分に織り込んで、われわれ自由民主党政府は、政権を担当いたしております以上そういう原則を保持して今日まで来ておる次第でございます。
○下田京子君 大臣の実力云々ということは、むしろ農林水産大臣の責任としてというふうな意味の御答弁かと思いますが、大臣のいまの答弁の中にもありましたが、農業経営の実態というところから見て長期、低利という、そういう特殊性を十分に踏まえなければならない、こういうことで対応するということですが、これはもし上げられたらどういう影響が出るのだろうか、私もいろいろお聞きしてみました。そこの中で、仮に一%金利を上げられたらどんな影響が出るのか。一番プロパーで喜ばれておりますし、期間も長い、金額も大きいという総合施設資金ですね、限度額目いっぱい二千三百万円、二十五年償還でお借りした場合に、一%の金利が上がったら年間の償還額が現在と比較してどのくらい上がるのだろうか、それから全償還額は現在と比較して一%上がったら一体どうなるのだろうか、その点をひとつお聞きしたいのですけれども。
○国務大臣(亀岡高夫君) その金利計算については事務当局から説明申し上げます。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 いま先生の設例で計算いたしますと、据え置き期間中の償還額の増加が年二十三万円でございます。それから償還期間中の償還額の増加は年十五万二千円でございます。それから全償還期間を通じましての合計額で四百五十八万四千円の増加でございます。
○下田京子君 いまアップの金額をお述べくださいました。もうちょっとわかりやすく、払いまのことでの裏づけですか、現行でいきますと、金額でいけば、据え置きの場合には年間の償還額が百三万五千円かと思います。一%上がれば、それが百二十六万五千円になりますね。これは据え置き期間が十年ですから、償還二十五年であと十五年になりますと、それが二百二十一万六千円、一%上がることによって二百三十六万八千円、総体として四百五十八万四千円上がる。これは現行でいけば、全体の償還額というのは四千三百五十八万八千円ですから、それに比較して、いま御答弁があったように四百五十八万四千円上がる。つまり金利一%引き上げによって、いまこれは返済の場合に複利計算になりますでしょう、とすれば、総額において約一〇%以上、一割以上の負担になる。大変な中身になるわけですね。 とすれば、とうていいまのような低米価、そして資材は上がる、そういういろいろ苦しい中で、経営規模をやるとかいうことで農業を続けていくためにお金を借りるけれども、返せない。こういう事態がもう畜産関係なんかには出ているのは大臣もよく御承知だと思うのです。ですから、改めて農水大臣は、先ほどの決意でもって撤回すべきだというふうに、大蔵にそういう態度で話をしていただけるかどうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農業にも生産性の高い部門と、どうしてもいろいろな条件が整備されてないということから生産性の低いもの、いろいろあるわけでございます。したがいまして、金利体系にも、農林漁業金融公庫の中にもその事情事情に応じた金利条件というものが設定をされておるということは、先生も御承知のとおりでございます。したがいまして、総体的に言って、土地取得の資金でありまするとか、さらには基盤整備関係の補助残の融資の利率でありますとか、さらには専業関係の総合施設資金でありますとか、こういうどうしてもというものにつきましては、やはりいままで法定されておりました線を、今回の改正案が三年間の間通りましたにしても、できるだけ維持をしていきたい。利子のアップをできるだけしないように来年の予算編成をするに当たりましても大蔵と折衝をしていきたい、こういう決意でおります。
○下田京子君 大蔵大臣、いま農水大臣の決意と、それからその影響等おわかりになったと思うんですけれども、大蔵大臣は、衆議院の行特委の中で最終段階、住宅公団とそれから農林漁業金融公庫の金利問題で現行据え置けと、こういう質問がありましたときに、慎重に対処したい、数字は申し上げられないが、気持ちをくんでいただきたい、こういうふうに答弁されているのを覚えていらっしゃると思います。同時に、今後の金利水準や経済動向によっては現行の金利の見直しを機動的に行う、そういう必要が生じることも考えられる。その例として、財投の金利が一〇%にでもなればこれは負担が大きくなる、そのために法定化を弾力化しているんだというふうな趣旨の御答弁をされていると思うんです。つまりこれは逆に言えば、確認したいのですが、少なくとも財投金利が現行水準七・五%ならこれは上げない、こういうふうに理解して、お約束いただけますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう財政状況の問題でございまして、社会的、経済的必要性、それとのうらはらになっているわけです。 御承知のとおり、いまから十年前には農林公庫に政府が利子補給していたお金が百七十億ぐらいでした。それが昭和五十一年には四百四十億、五十六年が九百十億、五十七年度は千百二十六億円という要求がいま出ているわけです。一方、住宅公庫の方も同じでして、住宅公庫は二千百億円の補給金を一年に出すわけですが、これはもう加速度的にふえまして、昭和六十年ごろ約四千億円ぐらいになるのじゃないか。 問題はこれは金利差の問題でございますから、その金利差を国民の税金で負担していただく。借りる人もだけれども、借りない人にも負担をしてもらうわけですから、消費者の方にも。だから、問題はその兼ね合いの問題でございまして、それは基準金利が七・五以上になれば、とてもとてもそんなに税金では負担できないということもあるかもしらぬ。もう一つは、その基準になる金利といいますか、要するに財投の原資が下がればいいんですね。ところが、預金金利が下がらなければなかなか下げるのはむずかしい。預金者は利息いっぱいもらいたい、借りる人は安く借りたいということですから、どこらのところで兼ね合いをとるかというむずかしい問題がございます。御承知のとおり食管と同じで、生産者は高くお米を買ってちょうだい、消費者は安くしてちょうだい、差額は政府が持ちなさい、米を食わない人も税金で持ちなさいという話とこれは全く同じ実は話なんです。 私は、農業の実情をよく知っておりますから、できる限り気持ちをくんでくださいと言っておるわけで、七・五%である限りは上にも下にも動かさないのかということで、そのものずばり答えろということですね。ところが、そうすると、そのものずばりでいきますと、じゃ当分この法案は要らないのじゃないかという議論も一つ出てくるんですよ。それは困るわけでございますから、だから気持ちをくんで、よく相談をしてやりますということを申し上げているわけです。
○下田京子君 二つの意味にとれる中身で御答弁があったと思うんですが、それは繰り返しません。ただ、きわめてきちんとした答弁ではない。そして、これはいまお話しになったように、法文上は経済的、社会的な必要性と同時に、国の財政負担との調和、その調和の問題ですよね、読み取り、どちらを従に置くかという。経済的、社会的必要性、そういう点からいけば、農林漁業金融公庫資金も住宅金融公庫資金も、とにかく住宅の場合でしたら、そこから一つ何か生産を得て利益を生むということでもないし、農薬の場合にはもう言うに及ばすという、そういう点から見て、やはり経済的、社会的、しかも過去の歴史的な経緯、それから将来の日本の問題を考えたときに、これはあくまでやっぱり、何で出したんだと言われるような、そういう言い分もあるでしょうけれども、ほんとに何で出したのか、引っ込めなさいということを私は再度要望して、これを終わりたいと思うんです。 その次に、ちょっとこの写真を見ていただきたいのですが、見えますか。遠くて見えないですか。 これは自動火災感知機なんです。牛舎にあります。百三十個ぐらいついているんです。それから、こちらの写真は何かといいますと、これはいまの自動火災報知機ではっとこう感じますと、それを受信する受信機です。そうしますと非常ベルが鳴り出すわけです。それから、これは非常口というものですけれども、この四枚の写真、私なぜ見せたかと申し上げますと、牛舎の中に設けられている消防施設なんです。これはまた、置かなければならないというふうに決められているわけですが、そのために実にどういうことが出ているかといえば、この消防施設を備えつけるのに約二百二十六万円かかるんです。それから防火シャッターなんかもつけなければなりませんから、そういう消防関係の金額だけで三百三万円かかります、三百三万円。牛舎ですよ。 もう一度繰り返しますけれども、特に農水大臣、牛舎というところは年じゅう人がいるんではないですよね。大型の牛舎になりますと、意外どこれは都会地じゃありません、山間地にあるわけです。そういう人里離れたようなところで、人間がいなければ、牛が、この自動火災報知機で感知された、受信機に行った火災のあれを受けて非常ベルが鳴ったら、それを牛が聞いて非常口に向かって逃げ出す、こういうことはとても考えられないわけなんですが、何かそういうことでもあるのだろうかというふうな構造になっておるわけなんです。 それで私は、農業の補助金ですね、一般的に切れ切れと言うのは問題だと思うんです。特に、臨調答申なんかで土地基盤整備事業は補助事業から融資に切りかえろなんて言っていますけれども、多くを言いませんけれども、これはとんでもない話で、むしろ補助の対象になっているもの、その中で年々単価がアップされて農家の経営に追いつかないような実態になっているもの、そういうものこそ見直さなければならないのではないだろうか、こう思うわけなんです。そういう点で、農水大臣の感想をまずお聞かせください。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農業も、これから国際的な競争力を持つためにいろいろと工夫をして投資をしていくわけでございます。そのために、貴重な財産を守るために経営者がいろいろ工夫をするということは、これはあってしかるべきである、こう思います。 御承知のように、日本の酪農もやっとどうやらヨーロッパ並みの形を整えてきた。向こうが二百年かかってできた酪農業というものが、日本では二十年足らずで向こうの形までつくり上げてきておる。そこにいろいろと苦心があり、結局借金でやるほかないということでありますので、借金してやったことが、まあ恐らくその火災報知機をおつけになった方は、そういうところまで考えて、自分の貴重な借金をして投資した財産を、一朝にして煙に失すというようなことになったのでは大変だということであるいはおつけになったのか、その辺のことは私は現場を見ておりませんのでよくわかりません。しかし、それをむげに、経営者がつけたいと言うものをつけるなという指導もなかなかできにくいのではないか。 その辺は非常に微妙な点もあろうかと思いますが、御承知のとおり、私も実は福島でそういうケースを見ております。これは火災報知機じゃございませんけれども、人間が住む家よりもがんじょうな牛舎をつくる必要があるのかなという感じがいたしました。しかし、ことしのあの豪雪を経験してみまして、やっぱりこれはがんじょうにつくっておいたから、つぶれないで年の被害もなかったんだなということで、私は、行政的に指導している面はやっぱり確かなデータに基づいてやっているんだなと、そんな感じも持ちまして、まあしかし、できるだけ経営者に負担のかからないような方向を指導してまいるということが、これはもう御指摘のとおり必要である、こう考えます。
○下田京子君 農民の方から望んでというふうなことよりも、むしろ私は違う立場で、大変な皆さんの強いお声があったのでいろいろ調査をしてみた。そのことを一つ置いておきます。 自分で希望してがんじょうにしたのじゃないかなというふうな農水大臣のお話だったのですが、実はそうじゃなくて、消防法上の規定によれば、施行令の第二十一条の第一項六号で、延べ面積が十四平米以上になりますと、牛舎であろうとやっぱり自動火災報知設備を設置しなさい、こういうふうになっているんです。消防庁長官、そうですね。
○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。 牛舎につきましては、ただいまお示しがございましたように、消防法施行令第二十一条の規定によりまして、延べ面積が一千平方メーター以上のいわば大規模のものにつきましては、自動火災報知設備の設置を義務づけております。ただ、同じく消防法施行令の三十二条におきまして、当該牛舎の位置でございますとか、あるいはまた構造、さらには設備の状況等から見まして、火災の発生あるいは延焼のおそれが著しく少ないとか、かつ火災等の災害による被害を最少限度に食いとめることができるという認定を地元消防機関がいたしました場合には、ただいま申しましたような火災報知機の設置義務は免除するということで、地元の消防機関の判断にゆだねておるところでございます。
○下田京子君 ありがとうございます。私、自分でメモしておいて——一千平米です。 そういうふうなことで、しかし特例があって、地元の消防の方で運用で例外も認める。ところが、実は現実の話なんですが、そういうふうに指導しているというふうにいまもお話があったとおりなんですけれども、ここにその適用の申請をされた方の申請書を持ってまいりました。この方は、岩手県のちくまヶ丘農場の畜舎を補助事業で建設された吉澤さんという方なんです。ところが、これが却下されてしまったんですね。周りはもう本当に、私も現地に行ってきたのですけれども、牧草地なんです。ですから、全くいまの適用除外の規定をちゃんと認めてもいいと思うのですけれども、認められなかった。つまり、せっかくそういうものがあるにもかかわらず、末端まで指導が行き渡ってないという結果ではないかと思うんですね。自治大臣、この点で本当にきちんとした指導をなされるように指導をお願いしたいわけですが。
○政府委員(石見隆三君) ただいまのお示しのございました実態につきましては、私承知をいたしておりませんので、具体の問題についてここでお答えいたしかねるわけでございますが、ただいま申し上げましたように政令三十二条の規定がございますので、地元消防機関として、延焼のおそれもない、あるいはまた火災を発生した場合には十分防火ができるというふうな態勢にありますれば、私どもといたしましては三十二条を適用することは何ら支障がないというふうに考えておりまして、そういう趣旨で地方団体消防機関を指導いたしておるところでございます。
○下田京子君 それはわかるんですよ。でも、具体的にいまの話のような例が出ているので、一件だけじゃないんですよ。だから指導を徹底されたい。この指導するかしないかというのはわからないということはないですから、自治大臣の御答弁をいただきたいと思うんです。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 消防庁長官からお答えしたとおりでございますが、指導の徹底をおまえがやれ、こういう話でございますので、十分徹底するようにいたします。
○下田京子君 それからもう一つの問題で話を移したいのですが、いまのようなことで、一つは消防関係で徹底されて、適用除外が具体的になれば幾らかやっぱり浮いてくるんですね。 同時に、いろいろ見直しがあると思うんですが、わかりやすくするためにちょっとお話ししたいと思うのです。補助事業でやった牛舎が、いま言ったこの吉澤さんが国の補助事業で最初に建てたのですが、そのときの坪単価が十七万円だった。これは吉澤さん自身が一定の設計知識もあるものですから、設計の方といろいろ相談して基準をはみ出さないようにしながらやった結果なんです。ところが、通常一般的に言われているのは、年度によって若干違いますけれども、三十万ぐらいかかるという事例もたくさん受けているわけです。この吉澤さんがまた第二の事業として自分たちでつくろうということで一昨年やりまして、全くこれは建築基準法やなんかに触れるという点も考えた上で始まったのです。そうしましたら、哺育牛舎が何と労賃も含めて坪単価七万五千円で仕上がったと言うんです。それから肥育牛舎は鉄骨二階建てですよ。それでも坪単価が五万六千円で仕上がったと言うんですね。そうしますと、実際に国が設計している基準単価の四分の一でできるということになりますよ。その四分の一に補助金がつけば、国の補助の金額も安くて済むし、何よりも農家の人が、償還も含めて自己負担も安くて済むというふうになると思うのですけれども、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) その畜産農家の方は、設計やらそういう経験も持っておられるというお話でございましたので、恐らくその坪単価には自分たちの労力が計算してあるのかどうか、その辺が明らかでございません。と同時に、その資材とか、そういうものの購入経路とか、そういうものもやはり十分計算をしていかなければならないと思います。そういう点につきましては、やはりケース・バイ・ケースによって補助をするかしないかという問題等についての審査、これはもう厳重にやって補助の交付をする、こういうふうになっておりますが、そういうふうに安く、とにかく農業施設を設置していく努力というものは、私は大変とうといものだな、そういう感じを持ちます。
○下田京子君 大臣、これは勝手にできるのだったらどんどんやれるのですが、実は牛舎を建てる場合にも建築基準法上の制約がございます。建築基準法上、構造設計をやる場合に前提となるのが、どのくらいの荷がかかるのか、あるいは外圧はどのくらいになるのかというふうなことで一定に決められているわけですね。それで、お聞きしましたところが、地震、風圧はおおむね再現期間百年程度と見越している。こうなりますと、地震で言えば、百年と言えば関東大震災規模、それから風圧で言えば室戸台風並みというふうに聞いているのですけれども、建設省、そうでしょうか。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 ただいまの御指摘の建築基準法上の風圧あるいはまた地震につきましては、過去累次の大規模な台風あるいは地震等によりまして、その経験則上この程度のものがつくられれば最低基準としてはいけるだろうということで規定をしておるものでございまして、具体的に室戸並みと言えば大体そういうことになろうかと思いますが、それ一つということじゃなくて、過去の各種の経験上から出しました一つの数字として計算しているものでございます。
○下田京子君 私が言ったことを認められているわけなんですが、農水省にお聞きしたいのですけれども、畜舎の耐用年数というのは、先ほどの鉄骨なんかの場合ですと、何年を固定資産の標準に見ておりますでしょうか。
○政府委員(石川弘君) 二十年でございます。
○下田京子君 お聞きのとおりでございます。 そこで、建設大臣にお尋ねしたいわけですけれども、お聞きくださいましたでしょうか、農業施設の場合、経済性と安全性というものと、それから耐用年数、それから人がそこで作業時間どのくらいなのかというふうな問題を全体的に見なきゃならないと思うんですけれども、牛舎、これを建築基準で何か特例のようなものを考えていただくような検討いただけませんでしょうか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 牛舎も一般建築物と同様な建築基準法にのっとってやっておりますので、それになお別の方法を考えるということはいまのところ考えておりません。牛舎ではありますけれども、人の出入りも激しいでありましょうし、当然一般建築物と同様な扱いで現行法を遵守することでよろしいのじゃなかろうかと思うんですが、専門的なことでございますので、局長の方かるひとつ答弁させていただきます。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 建築基準法上は一定の建築物についての最低限度の安全、防火、衛生上の基準を定めているものでございまして、いまお話がありましたような牛舎でありましても、建築物に該当するものにつきましては、その建築物がやはり十分ある一定の期間使用に耐えられ、かつ安全であるということで、しかもそれは最低の基準として定めておりますので、現在の法律、政令等によりますところの運用でよろしいのではないかと考えております。
○下田京子君 よろしいのでないかと考えておるのはあれなんですが、研究はもうすでにされているんですよ。さっきのお話のとおりに、建築基準というのは百年に一度の地震だとか、それから台風とかということを想定している。でも畜舎というのは二十年もてばいいというふうなことで、それは安全にこしたことはありませんし、大事なことです。ただ、そういう点で農業に見合った形での建築基準というものが考えられないものだろうかということで、もうすでに農水省が五十五年、五十六年と、これは研究なさっているんです。ちょっと申し上げますと、畜舎施設研究会の報告書というのが農林水産技術会議で出ておりますし、それから具体的な研究の中身もまとめられています。これが一点。 それから建設大臣、これはぜひ農水大臣と考えて検討していただきたいのですが、いま建設省も、入って実際に認めてきた基準があるんです。それは園芸用施設安全構造基準というもので、これは暫定的であるけれどもということで、社団法人の日本施設園芸協会が中心かになりまして、建設省の方々も入りまして実際におやりになっていることなんです。メンバーは持っていますが、いずれこれはお調べいただければわかると思うので、そういう立場から、どうか農業用施設の場合に、大きなビルディング、駅をつくるのも牛舎をつくるのもお家をつくるのもみんな同じ、そして雪に強いのもいいけれども、民家がつぶれちゃって牛舎だけ残るというのもまた変な話ですしね。そういう点で、農業に合った形での建築基準というもの、またそういう運用というもの、これはぜひ考えていただきたい。再度、御答弁をお願いします。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 すでに研究が進められている事例で先生お話しでございます。今後の課題として、使用目的によって変更する建築基準法の多様化という問題もあろうかと思いますので、この点研究させていただきたいと思います。
○下田京子君 この問題でいま研究させていただきたいと、すでに検討もされているということなので、行管庁長官にどういうふうな立場で進められるか、その決意をお聞きしたいと思います。
○政府委員(中庄二君) お答え申し上げます。 御指摘の事案につきましては、私どもの行政相談を通じましても意見等を伺っております。今後の監察を実施する際の参考にさせていただきたいと思います。
○下田京子君 次に移りますが、総理がお見えになりましたが、実は御承知のように、マスはえなわ切断事件が起きまして、もう大分たちました。本当にあと二ヵ月で年内終わりというふうなことで、大変漁民の方々は心配されております。 そこで、最初に農林水産大臣にお尋ねしたいわけなんですが、去る五月二十一日のときに私が質問しました。その質問に対して大臣はこういうふうに答えていました。私が質問しましたのは、十五、十六と事故が起きたじゃないか、これはもう中止しなければいけませんよと。遺憾だけれどもやむを得ないと言っていましたが、二十一日の朝の事故、つまり日米合同演習区域内で六隻のマス流し網切断という事件、これを受けまして大臣か答えられましたのは「私の一番心配し恐れていることがいま御指摘のように確認をされたわけでありまして、大変心を痛めておるわけであります。」「事このように被害が続出していくということであれば、演習の中止というような点も考えてもらわなければなるまいと、こんな気持ちでいまおるわけであります。」こう答えております。同時にそのときに、私は漁民の安全操業を確保してその生計を保持していくこと、これこそが私の責任でございますと、こういうふうにも述べているわけですね。そうした決意のもとで、じゃ一体その後どういうふうに補償問題に取り組んでこられたのか、また補償の今後の見通しはどのようにお感じになっているのか、その辺をまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御承知のように、加害者から被害者が請求するという仕組みになっておりますので、まず水産庁といたしまして全力を挙げてその被害調査をいたしました。そして各漁船ごとの、漁業家ごとの被害調査を十分キャッチいたしまして、それを外務省、防衛庁とよく協力をいたしまして、できるだけアメリカ並びにソビエト両政府に対しましてこれの補償方を申し入れをした、こういうことでございまして、現在もできるだけ早く結末がつくようにということで外務省、防衛庁の方にお願いをしておる、こういうことでございます。
○下田京子君 外務大臣にお尋ねします。 五月二十一日、これは農林水産委員会の方に対しては丹波外務省安全保障課長が見えまして、私に対して「アメリカは心の中では、アメリカとかソ連とか言わないでこの際適切に全部——全部といいますか、できるだけめんどうを見ようと、恐らくそういう考え方だろうと思います。」というふうに答弁されまして、同じ日の外務委員会で大臣が、うちの立木議員に対しまして、マンスフィールド大使にこのことを申し述べたんだ、そして米国の方もさることながら、私は日本の海上自衛隊の方も少しは考えてもらわなきゃならぬ。海上自衛艦に乗っている人がいま潮がどういうふうに流れているのか、またマスはどういうふうに動き、いま漁場はどういう状態になっているかというのは知らないはずがないんだ、これは知らぬというなら私は怠慢だと思う。だとすれば、米国から共同演習の話があった場合にその点をよく説明して、いまちょうどマスをとるに最も大事な時期だ、しかもかつ、演習場が近寄り過ぎておる、したがって、演習場では被害が起きなかったが、出入りのときに被害が起こったなどという危なっかしいことはやめて、時期の設定や演習区域の設定についてはまかり間違ってもこういうことがないように十分注意をすると、こういうふうに述べられまして、前日マンスフィールド大使ともお会いになりまして、この旨伝えているというふうなお話があって、補償問題については外務省も真剣に取り組んでいきたいという趣旨の話があったと思うんです。 そういう点から、この補償問題、どういうふうにいま話が進められていて、農水大臣は一生懸命やっていると言うだけで、見通しの方は言われなかったのですが、外務大臣としてはどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(園田直君) 事件の起こった当時の発言は、ただいまおっしゃったとおりであります。相手は、加害者と見られるものはソ連とアメリカと両方あるわけでありまして、これに対してそれぞれ折衝をしておりまして、防衛庁、外務省、水産庁緊密に連絡をとっております。その交渉の経過の事実は、事実を間違えないように事務当局からお答えをいたさせます。
○政府委員(淺尾新一郎君) お答えいたします。 いま大臣が申し上げたとおりでございますけれども、事実関係については、七月三十一日に被害者側を代表して日本海さけ・ます延縄漁業組合の一行が、在日米海軍法務部に対して、水産庁が取りまとめました被害総額の資料を提供し、調査及び損害賠償を請求いたしました。その際には、外務省も在京米大使館員とともにその会合をまずアレンジし、その会合に出席しておるわけでございます。アメリカ側は、その資料は非常に膨大でございまして、日本語で提出されたという事柄上まずその翻訳を行い、すでに翻訳が終わって、現在ワシントンにおいて本件資料について検討中であると承知しております。 それから他方、アメリカのこれは国内手続とも関連いたしますけれども、U・Sサルベージ会社というのがございますが、そのサルベージ会社がアメリカ海軍の意向を受けて報告書を作成しておりまして、第一次報告というものが作成され、これもワシントンにおいて検討が行われている状況でございます。 外務省としては、随時、在京アメリカ大使館に対して速やかな懸案の処理方を依頼しております。アメリカ側としても、この事故の調査については優先度を付しながら最善の努力を行っている旨説明を受けております。御承知のとおり、損害補償については当事者同士、加害者と被害者との間の交渉でございますが、しかし政府といたしましては、外務省を含めて側面的にこの交渉を促進するように目下努力中でございます。 他方、ソ連については、五月の二十九日に回答がございまして、何らこの件については損害を与えていないという回答がございました。再度、八月五日に在京ソ連大使館に資料を提供いたしまして、さらに調査方を申し出、ソ連の艦船が関与している場合には補償を要求したいという意向を伝えております。ただ、それに対して、残念ながら、九月の十七日にソ連側は在京大使館を通じて、本国政府の指示によるものとして、すでに五月二十九日に回答したこと以上にソ連側関係機関は新たな材料を持ち合わせていない、右回答に、すなわち五月二十九日の回答につけ加えるものはないということを回答してきております。これに対して外務省としては、再度、ソ連側に対してその説明は納得できないということで調査を申し入れているのが現状でございます。
○下田京子君 いま詳しく御報告がありました。防衛庁にお尋ねしたいのですけれども、これは十一月九日付の読売夕刊によりますと、大村防衛庁長官が、いまお話しになっている問題につきまして、とにかくどうも長引きそうなので、見舞い金の名目で八千八百万円、早期決着を目指すということで漁民に補償したいということで、切断事故が漁民の生活圧迫に非常につながっていることと、それからいまお話しになったようなことでなかなかめどがつきにくいので、できるだけ早目にやりたいんだと、こういう報道がされているのですけれども、こういうことで立てかえ支給という中身だと思うのですけれども、検討されているわけでしょうか。
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。 このはえなわ切断事故について、防衛庁が進めております点をまとめて申し上げますと、防衛庁におきましては、事故発生後直ちに慎重な調査を行った結果、被害は自衛艦によるものではなかったということを確認いたしております。その後、政府部内で行われた被害状況の取りまとめに当たりましては、防衛庁が知り得た事実を関係省庁に連絡し、これに協力したところでございます。また、ただいま外務省から報告がございましたとおり、米ソ両国に対し調査及び賠償請求がなされ、現在それに基づいて調査が行われ、その回答を待っている状況と承知いたしております。いずれにいたしましても、防衛庁といたしましては、本件に関して速やかに解決がなされることを心から期待しているものでございます。 なお、御指摘の記事につきましては、現在政府部内で検討中でございまして、まだ残念ながら結論は出ておりませんので、どういうふうにするかということについてのコメントはお許しを願いたいと思うわけでございます。
○下田京子君 いずれにしても、新聞報道のような中身で検討しているということははっきりしたと思うのですが、それで総理にお尋ねしたいんです。 いま防衛庁長官が、自衛艦がどうのこうのと、これはいずれまたおくにしましても、漁民の方が被害を受けた、これは事実ですね。もう間もなくお正月になるわけです。年内に支払いが何とかならないものだろうか、これが切実な願いですよね。その責任というのはやっぱり最終的に、いま農水省もやっている、外務省もそうだ、防衛庁もだ、それぞれのところだと、こう言いますけれども、とにかく総理が責任を持ってひとつはっきりお答えいただきたいのは、とにかく年内めどにこの補償問題解決の方向で努力するというふうにお考えかどうか、お聞かせください。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま関係各省庁の方から御報告を申し上げたとおりでございまして、政府としてもこの切断事故の補償の問題、早期に解決をしたい、被害漁民にできるだけ早くそういう補償の措置が講ぜられるようにしたい、こういう気持ちで努力をいたしておりますことはいま御報告を申し上げたところでございます。私としても大変気をもんでおるわけでございます。下田さんがおっしゃるように、何とか年内にでもこれを処理したいということで督励をいたしておる次第でございます。
○下田京子君 まあ年内めどで、見舞い金の名目にするか、立てかえ払いかどうかは別にしても、おやりいただくという気持ちが述べられました。 そこでもう一点お聞きしたいのは、この事故がなぜ起きたかという、この原因がまたきちんとしなければならないことではないかと思うんです。そこで防衛庁にお尋ねしたいのですが、さっきのお話ですと、自衛艦は全然関係ないみたいなお話されましたが、漁民の方はこう言っているんですよね。日米合同演習なかりせばそこを通過するということもなかったし、同時に合同演習区域内での流し網切断ということは起きなかったわけですね、これが一点。 それから十一月九日の夜十時半からNHKのテレビで、はえなわドキュメントというのを見ました。そうしましたら、その取材の中で前田海上幕僚長がこう言っているんです。われわれも佐世保から訓練しながら現地にやってくるのはたびたびある、米軍もそこに来るまで訓練をやってくることは当然であると思う、こういうふうに述べているんです。つまり、これは日米合同演習に向かう途中なんだ、だから演習と直接関係ないんだというふうに言われていますけれども、まさに漁民の皆さんが指摘しておりますように、じゃ合同演習なかりせばということになっていくわけです。これが一つですね。 それからさらに自衛隊ですね、P2J対潜哨戒機が実際に米艦船を見ているというふうに報道されています。それから駆逐艦「くまたか」ですか、これも米艦船を見ている、こういうふうに報道されているわけです。ですから私はやっぱり自衛隊は関知していない、原因でないのだよというのではなくて、原因がどうだったのかということで調査し、報告をやっぱり出すべきじゃないかと思うのです。それはさっき防衛庁長官も言っていましたよ、漁民の気持ちをくんだら私もやりたいのだと。くめばこそ二度と再びこういう事故を起こしちゃいけませんから、原因を追求しなければならないと思うんです。
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。 今回の事故は、日米共同演習、これは秋田沖で一定の海面を限って実施いたしたものでございますが、前半と後半ございまして、後半に参加するための米軍艦艇がその予定海面に到達する過程において生じた事故でございます。でありますから、共同訓練そのものではないということは明白でございますが、また共同訓練に参加する過程の米軍艦艇によって起こった可能性のある事故である、こういうふうな関係があるわけでございます。 そこで、お尋ねの海上自衛隊の飛行機が見つけたではないか、こういうお話もございますが、海上自衛隊は、わが国周辺において情報収集活動の一環として艦艇、航空機により監視活動を行っているところでありますが、米軍艦艇は監視活動の対象としてはおりません。本年五月十四日の朝、海上自衛隊艦艇が宗谷海峡を通航する米軍艦艇を、また、十五日昼ごろP2J、対潜の航空機、監視の航空機でございますが、積丹沖等を航行する米軍艦艇をそれぞれ見かけたとの報告を受けておりますが、前述のとおり、米軍艦艇は常続的に監視しているわけではありませんので、これら米軍艦艇がはえなわ切断現場にいたか、また米軍がこれを切断か否かについては承知しておらない次第でございます。 いずれにいたしましても、事件発生以降相当な日にちが経過しておりますので、漁民の状況もございますので、適切な対策を早急に講じたいと思いまして、いま関係省庁と協議を進めている段階でございます。
○下田京子君 後段の部分の対策の問題は、補償問題でもうお答えいただいているわけですよ。私が聞いているのは原因がどうなんだということで聞いているのです。 それで、これは総理にお尋ねしたい点なんですけれども、米原潜ジョージ・ワシントン号についての事件、あれはいろいろ問題があるにしても、調査をしまして報告も求めたという経緯がございます。ですから、後ろの方でソ連がどうのこうのやじっていますが、とにかくソ連云々も含めて、アメリカを含めてとにかくこれが起きたわけですから、その原因が何なのかということを調査してくださいというふうに申し上げておるわけで、総理がきちんと、このはえなわ切断事故、二度と起こさないというふうなことを考えまして対応されるのが原因究明じゃないかと思うんです。その決意をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木善幸君) この問題につきましては、二つ措置しなければならない問題がございます。一つは、できるだけ早く補償の措置を講ずるということが一つ、それからもう一つは、原因を調査して、そして二度とこのような事故を起こさないようにするということ、この二つの問題が教訓としてあるわけでございます。私は、関係省庁十分二度とこういうことが起こらないようにという立場から、どうしてこういう事故が起こったか、たとえば演習の海域の設定について、漁業の漁期等に照らして適当であったのかどうか、またああいう特殊な漁法でございます、そういう漁法によって行われる漁業という特性、そういうものも十分研究が足らなかったのではないかとか、いろいろな問題があろうかと思いますが、そういう点を調査検討いたしまして、二度とこのような事故が起こらないようにということが政府として努力しなければならない重要な点である、こう考えています。
○下田京子君 もう一度明快に、原因調査をきちんとしまして報告という形でお出しいただけるかどうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 調査を、国内的に日本サイドにおいてできるもの、それからまた米側、ソ側等に照会をして、そして調査を進めるという、いろんな面からの調査をしてみたい、そして再発防止を図っていきたい、こう考えています。
○下田京子君 いろんな面での調査をしてみたい、これは調査はぜひしていただいて、気持ちだけでは防げません。これは大きく防衛問題というようなこともありますので、引き続きわが党でまた追及をするということで、いま総理が私に答弁してくださった調査結果をできるだけ早く私たちの手元にも届けるように、何よりも漁民の皆さん方にそれが具体的な、もう事故を起こさないんだというふうな形で現実のものになるような形でお返しいただけることを主張しまして、この点は終わりたいと思います。 次に、治水問題でお尋ねしたいと思うのですけれども、これは建設省にお尋ねします。戦後、昭和二十一年から五十四年の間に水害による被害額がどのぐらいになっているかというのが一点と、それから同じく戦後、昭和二十一年から五十四年までの治水のために投資した金額がどのぐらいになっているのかということを、それぞれ五十六年価格で御報告いただけませんでしょうか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 昭和二十一年から五十四年までの水害によります被害額、これは五十六年度価格にいたしまして約二十四兆円でございます。また、同じ期間の治水投資額というものは約二十兆円でございます。
○下田京子君 国土庁長官、いまの数字お聞きになったと思うのですが、災害の担当大臣として、この三十四年の間に水害によって国民の命や財産が大変奪われたわけですけれども、その被害額がお聞きのように二十四兆円、しかし一方、治水に投資した額は二十兆円ということで、水害による被害額よりも若干少ないわけですね。これはやっぱり私は大変大きなむだではないかと思うのです。個人の努力やなんかで何とも防ぐことができないこういう治水投資というものは、今後非常に私たちは考えなければならないと思うのです。これも一つの行財政改革の本来あるべき中身ではないか。特にことし考えますと、御承知のように北海道は、石狩のあのはんらんでもって札幌市内や江別、大変な被害が出たことは御承知です。それから東北は、総理のあのふるさとの北上川のはんらんで一関が物すごいですよね、堤防まだないのですから。そして茨城県の、あの小貝川決壊ということで大変なものなんです。そういう点で、今後の治水行政のあり方という点でどうあるべきか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。 おっしゃったとおりに、非常に水害の被害の甚大であることはよく存じております。ことに本年度は至るところにそれがございまして、非常に被害も大きかったことは御案内のとおりであります。でありますから、ただいま建設省から漏水対策を必要とする個所をいろいろ説明がございましたが、私としては早期にこれらの個所の改修を必ずやるべきであると考えております。でありますから、まあこういう際でございますが、建設省においては改修事業の重要性にかんがみて必要額を確保するよう努力していると承知しておりますが、われわれも相協力してその治水対策のために、心理額の確保にともに携えていきたいと、こう思っております。
○下田京子君 必要額は来年度予算でも確保できるようにということなんですが、どこにその必要額を置くかということなんですね。治水ということで本当に前向きに投資していかないといまのような事態になるんだということで私は述べたわけなんですが、具体的にこの前の決壊した小貝川問題でお尋ねしたいのですが、小貝川決壊による被害がどういうことかというのは、私が申し上げるまでもなく御承知だと思うんです。 これは竜ケ崎市など六市町村、そして被害総面積が三千三百ヘクタールですし、家屋の半壊が四十六棟、床上浸水が千五百十七棟、冠水した田畑が二千六百二十九ヘクタール、農林関係の被害だけでも実に二十四億三千万円というふうな甚大な被害が出たわけですね。この問題の小貝川の決壊原因についてはいま調査中と、こういうふうに言われておりますけれども、実はこの小貝川という堤防はどういう堤防だったのかという点でお尋ねしたいんです。 具体的に申し上げますと、建設省が毎年、洪水対策計画書というものをつくっていると思います。これは何のためにつくっているかといえば、洪水予報や水防警報を出すために計画をお立てになっているわけですね。聞けば重要水防区域にあの小貝川はなっていた、こういうふうに伺っております。その重要水防区域内の危険度評価では、ABCと、こういうふうな中で、どの基準に該当する堤防であったのでしょうか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 重要水防個所のAランクに入っておるということでございます。
○下田京子君 Aランクというのはどういう意味を持つのでしょうか。
○政府委員(川本正知君) 先ほど先生お話がございましたように、水防対策計画書の中では、ABCと三つのランクがございまして、Aランクは水防上特に重要な個所であるという意味でございます。
○下田京子君 水防上最も重要な区域ということだと思いますね。これは当然そうなりますと、第何次何次で過去第五次までやってきて、来年から第六次に入ると思うのですけれども、そういう治水五カ年計画の中にもう最優先的に組み入れられるべきものであると思うのですが、そのように理解してよろしいですか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 この小貝川の決壊の起こりました区域でございますが、これは大変歴史的な治水上、河川改修上の経緯がございまして、昭和の十年代からいろいろと問題がございました。といいますのは、小貝川が利根川に合流いたします地点から利根川の本川の洪水が起こりますと、利根川本川の水が逆流してくる区域でございまして、そういったこととか、あるいは地質的にも余りよくない地域である、そういったことから小貝川の河川改修の計画上の大きな問題といたしまして、小貝川の合流点をいまの合流点より十キロぐらい下流につけかえるという計画を立てておったわけでございます。 そういうことで昭和十年代からやっておりましたけれども、幾つかの計画を立てましたが、地元の用地に対する猛反対等がございましてできなかった。そういったことで、昨年の暮れに利根川の工事実施基本計画を改定いたしまして、そのときにそのつけかえ計画を断念いたしまして、現在の合流点で合流させる、そのかわりといいますか、その対策として今度は利根川本川並みの堤防に強化する、いまの小貝川の堤防を利根川本川並みの堤防に強化する、そういう計画を立てまして、そして五十六年度、今年度から用地買収にかかり、河川改修にかかろうとしておったところでございます。 そういったことでございますので、今回の水害の問題にもかんがみまして、先生おっしゃいます第六次の治水事業の五ヵ年計画、これが来年からスタートいたしますれば、その中での重要な、重点の個所として考えてまいりたいと、そう思います。
○下田京子君 いまの話だと、とにかく原因はいま調査中だというふうなことを言われておりますけれども、もう十年代から問題があって、それでこれは計画上最重要区域、そこが決壊したんだということだけははっきりしましたね。そうすると、行政上、管理上やはり国の責任というものが大きく問われる、そういう個所であるということだと思うんです。 ところで、建設省は過去二回、昭和四十九年と五十一年に全国の堤防を総点検したというふうに聞いております。四十九年の場合は多摩川決壊後で、これは河川内の管理施設と、それから許可工作物、五十一年は主として漏水を中心にしながら堤防の点検をしたというふうに聞いておりますけれども、その全体の個所がどうなっているのか、何カ所になっているのか、お聞かせください。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 直轄の河川につきまして、いまおっしゃいましたように昭和四十九年には河川の工作物に対しまして、また昭和五十一年には堤防についての総点検を行っております。河川工作物の総点検に基づきます整備を要する個所は約七千七百カ所でございます。それから、堤防総点検で漏水対策を必要とする個所は約一千ヵ所でございます。
○下田京子君 そういう総点検の中で、特にどのくらい改修が進んできたものでしょうか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 昭和五十六年度までに河川工作物につきましては約五〇%、それから堤防に対しましては約三五%について対策を実施しておるところでございます。
○下田京子君 特に私は申し上げたいのは、五十一年に調査されました漏水を中心としての総点検のその結果ですね、これがいまどうなっているのかというのを公表いただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 五十一年に行いました堤防の総点検につきましては、既往の災害の実態であるとか、あるいは河道の変遷の経緯、そういったもの等から漏水対策を要すると思われる個所の全体を包括的に把握するために調査したものでございます。これらの個所が直ちに具体的あるいはかつ急迫した危険があるというものではございませんで、他の改修を要する個所とあわせて総合的に勘案した上で改修の優先順位を検討すべきものだと、そういうふうに思っております。したがいまして、いま先生おっしゃったような提防総点検の結果だけを一般に公表いたしますと、住民の不安感をいたずらに助長するなどの混乱を起こすおそれもございますし、行政上の対応が困難になることも考えられます。 そういったことで、公表いたしていないわけではございますが、なお、この総点検の結果は、都道府県で定めております水防計画書、これについて重要水防個所として記載しておりまして、市町村あるいは水防管理団体、そういったところにその周知徹底を図っておりますので、そういったことで目的は達しているのじゃないかと思っております。
○下田京子君 それほど重要でないみたいなことをおっしゃいましたけれども、漏水というのは堤防の中で非常に重要なことじゃないですか。二十四号台風のその後も、あの小貝川の決壊部分からちょっと二キロぐらい離れたところで三ヵ所ぐらい漏水が出ているんです。私たちはそこの皆さん方の不安やなんかも聞いております。重要なことが大して重要でないみたいなことをおっしゃっておりますが、これは問題ですよ。それから同時に、住民に不安を与えるとか、行政上の対応でいろいろ問題があると思うけれども、はっきり言えば財政上の問題なんでしょう、違いますか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 河川の安全度といいますのは、全国的にバランスをとっていくのが一番いいと思っておりますが、確かに堤防総点検によりまして、漏水が起こった実績があるとか、そういったものをはっきりしたところはございますけれども、また一方、全国の河川では、まだ堤防すらできていない、無堤で被害を受けておるというところもございますし、そういったものをどちらを優先すべきかということはおのずから順位がついてくるものであると、そういう意味で申し上げたわけでございまして、漏水があっても重要視していないとか、そういうことではございませんし、また、そういうことを全般的な、総合的な検討から改修の優先順位を決めるべきだと、そう思っているわけでございます。
○下田京子君 漏水個所が重要なことであるということは認められていますが、漏水個所というのは、特にAランクに個所づけられたところがどういう意味を持つかというのは、過去にそういう漏水の実績がありとか、あるいはまた非常におそれありというところが出ているわけだと思うのです。 いま公表しろと言ったら、しないということですけれども、私が建設省の業務内部資料やなんかを見まして実際に拾ってみました。利根川水系だけでどのくらいの個所になっているかということなんですが、資料でお配りしていると思うのですが、利根川水系だけで漏水Aランクというのは十八カ所ですよ。念のためにここで番号を振っておきました我孫子の青山地先ですね、これは八番になっていますか、それから十二番のところで、これが下根古谷地先というのですか、そういうところがあると思うんですが、これ間違いございませんか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 いま先生からお渡しいただいた資料でございますので、これを確認することはちょっとできませんけれども、間違いないと、そう思っております。
○下田京子君 間違いないということですが、これはもし決壊するあるいは何らかのことで水防上大変な事態になってはんらんしたら一体どうなるかということで、実は先ほどから委員長も何だ何だと言っていましたが、地図にしてあります。ちょっと申し上げますと、ここの黒い線の部分が利根川のある地点ですが、そこが決壊というか、あるいは浸水の原因になったとしますとどれだけのところに被害が出るかという、これははんらん想定、予想区域なんです。それを地図に落としてみました。 これは何も私が改めてやったものではなくて、聞きますと建設省の中で予算もつけていろいろ調査されていると思うのですが、その調査項目の中の一つにこういう調査もされているわけですね。そういうのをいろいろ話を聞いて地図に落としてみると、これだけのところが浸水区域、被害区域になる。利根川流域の我孫子であるとか、取手だとか、その周辺なんですけれども、もう大変なものです。それから番号で振ってある四、五、六云々というのは、これは漏水Aという個所です。そこがもし決壊というふうなことになればどういう被害になるかというのが、これで想像がつくわけです。こういう重要な意味を持っているものなんです。それだけに、私はさっき言いましたが、五十一年にやられた全国の総点検に基づいてやはりきちんと公表すべきだ、こう思うわけです。どうですか、これは大臣からお答えください。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。先生からいま地図でお示しいただきましたけれども、利根川の沿線だけではございませんで、わが国は平地が非常に少のうございます。平地、低地、これが全国土面積の二五%ぐらいしかございません。その中でその半分程度、全国土の一〇%ぐらいが洪水でもしも堤防なかりせばといいますか、堤防が破れたならばということでもいいと思いますが、そういったときに河川からのはんらんを受ける区域でございます。全国土の一〇%ございます。そういった地形的な宿命がございますので、いまおっしゃったような実情にはなろうかと思いますけれども、先ほど水防危険個所、堤防総点検の個所、これを公表せいというお話につきましては、そういったことから考えましても、一般的な影響するところが非常に大きい、そういうふうに思っておりますし、現在そういった点で、先ほどお答えいたしました繰り返してございますけれども、それについて公表する意思はございません。 ただ、先ほども申し上げましたように、水防関係者あるいは地元市町村、そういった方々には水防計画書を通じて表示してございますので、そういった意味で、それぞれの担当者には十分周知徹底させておるところでございます。
○下田京子君 いまのお話ですと、市町村には周知徹底しているんだと。趣旨は私もさっき述べました。実態はどうかというと、いま私が指摘した我孫子市の場合なんですが、市の消防本部では水防計画書に、いまの漏水問題も含めて各Aランク等々は落としているわけです。ただし、都市計画を進めている土木では、危険堤防という存在すら知らないんです。これは地方行政の問題を言っているんじゃないのです。 そういう中で、一方、もうこれは詳しくは述べませんけれども、志登茂川が判決で結果がおりましたね。国と地方自治体の責任を問われております。これは予見する最低必要な行政上、河川管理上やらなければならない問題だ、それを放置してどんどん、ここの場合には農業地域だったのに、そこに開発が進んでいって、そこでより以上被害を大きくしたというふうに判決文に大体述べられているわけです。 これはいまの利根川水系だけを見ましても全く同じことが言えるのです。我孫子の場合にはどういう状態がということで調べてみましたら、昭和四十五年当時、人口が我孫子市で四万九千二百四十人でした。それが五十五年、十年後が何と十万一千六十一名、つまり倍以上にふくれ上がっているんです。ですから、片一方、水防計画書にあるんだよと言っても、都市計画の上でそこが危険であるということが水防上ははっきりしているにもかかわらず、その土手のすぐ近くに家が建てられるということになるんですね。そしてまた、そこが、聞けば我孫子の一画ですけれども、どんどん開発計画が進められているわけです。 私は、その開発を即規制すべきだということではなくて、住民は知る権利もあるでしょうし、一方、最大国はそういう治水対策、河川管理のおくれを克服しなければならないと思うのです。それこそが私はやっぱり行革の一つの大事なものじゃないかという点で、行管庁長官と総理に答弁を求めたいわけですが、特にさっきの住民に混乱云々じゃなくて、情報公開法の問題も含めて検討されていると言いますから、こういったことについてより効果ある行政をどうすべきかという点で、ひとつこういうところに手だてを打ってほしいと思うのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 河川の問題のみならず、その他諸般の災害等の問題につきましては、担当の各省各省ががっちり指導していただきまして、また地方自治体とも連携をとっていただきまして、まず予防に全力を尽くすということが大事だと思います。ふだんからそういう危険と思われる個所につきましては住民の皆さんにもよく御相談を申し上げて、また地方自治体とも相談をして、そして補強なりあるいは改良なりの努力を継続することが大事であろうと思います。これらの問題は、やはり中央の各省庁とそれから地方の公共団体が緊密な連絡で、水も漏らさぬような手配をしておくことが必要である、そう思います。
○下田京子君 どうかいまおっしゃったような、水を漏らさないように。 それで、総理に御答弁いただきたいのですけれども、本当にそういう水を漏らさないような対応をするためには、具体的な計画と、そして財政的な見通しがなければならないと思うのです。第六次の治水計画の中に盛り込みますよと言っていますけれども、いま建設省が検討されております第六次の治水計画は、その整備率は、現在でも大河川が五十六年末で五八%でしょう。六十一年の最終になっても六四%にしかならないんですよ。中小河川に至っては、五十六年末でわずか一八%、六十一年末に二四%と、こんなおくれなんですよ。それが災害によってだんだんもう本当に大事な財産、そして本当に私たちは一度しか生まれてきませんから、大事な一生も台なしにする、今まで奪われる、これこそ最大のむだじゃないかと私は思うのです。そういう点で、やっぱり前向きの、きちんとしたものを進めなければならないだろうし、情報公開も含めて、いま言ったようなことをきちんと総理の方からもおやりいただけるかどうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま行管長官から申し上げたとおりでございまして、特に災害復旧、また災害が起こらないようにという防災の問題、これは今後も重点的にやってまいりたい、こう考えております。
○下田京子君 来年度の予算で具体的にどうあらわれるか、概算要求で見ればわずかに三%の伸びというふうな状態で、とてもじゃないけれどもお話にならないようなことでありますだけに、再度いまのようなことが具体化されることを望みたいと思います。 次に、建設大臣にお尋ねしたいのですけれども、最近、公共事業の不正入札問題というのが非常に大きな社会問題になっております。これはもう建設大臣も御承知だと思うのですけれども、現在具体的にどういうふうに対応されているのでしょうか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 最近、建設業界にまつわる不明朗な事件が発生いたしております。心から遺憾に存じておるところでございます。 事案につきましては、いま取り調べ中のものもございますし、すでに贈収賄と判決の決まったものもございます。決まったものについては、建設業法に基づきまして厳しい処罰をいたしておるところでございます。なお、取り調べ中の問題につきましては、なお事件の推移を見ながら追及して、関係法令と照らし合わせまして、その時点で厳しい対応をいたしたいと思います。 具体的には、国会でもいろいろと諸先生方から、またきょうも先生から御指摘があるわけでございまして、きょう建設業界関係団体の責任者を呼びまして、厳しく現在の状況を説明しながら、従来とってきた対応には変わりないということを示し、業界みずからも自省自戒してやってほしい。特に日本の建設業は国の基幹的産業にもなっておりますし、国民経済に与える影響も大きい。ましてや、いま海外事業も非常に進めなければならない日本の事情でもございますので、海外的にも信を失うようなことがあってはならない。せっかく世界的水準に来た日本の建設業の技術、企画という問題がこうしたことで汚点をつくっちゃならないということをお昼に申し上げようと思いましたが、こちらへ質疑があるということでお呼びいただきましたので、次官に篤生言いまして、次官から業界の方々に伝えるように指示してまいっておるところでございます。
○下田京子君 きょうお呼びしていろいろと指導するんだという話も最後に承ったわけですけれども、具体的には建設大臣、どういう内容でもってきょうお話されるのですか、警告の中身なんかも。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 具体的の事例につきましてはもうはっきりいたしておりますから、これにつきましては言及するしないはともかくも、認識があろうかと思います。一般的な問題として、業界自体のあり方として再度厳しく認識を持っていただくというようなこと。具体的には事例を申し上げ、社会的にも批判を受けているような、国民から信頼を失うような形であってはならない、業界みずからは傘下企業にそれぞれの組織を持っておりますから、厳しく伝えてほしいというようなことを柱に申し上げる予定になっております。
○下田京子君 次に、総理にお尋ねしたいわけです。総理が最初おいでになるのがおくれるということもございましたので、行革というのはどうあるべきかということでいろいろ議論になっているわけですけれども、そういう中で、最大やっぱり国民が期待してますのは、うそやごまかしのない政治だ、温かい政治だ、国民抜きにしての政治はないわけですから、そういうことを望んでいるわけですね。 そういう点からいけば、いま国民の一つの大きな関心になっておりますが、榎本三恵子さんの法廷における証言の問題なんです。三恵子さんは、証言後法廷に立った動機について、インタビューに答えて次のように述べております。「四年間ずっと田中側の冷たい態度と中傷に耐えてきたが、権力によって真実が曲げられるのを防ぎたかった。それと、榎本が世間に”あの女は財産を持ち逃げした”と言っているのを聞き、なんとしても屈辱を晴らしたかった。子供を取られ、女の幸せを守れなかった私が、国民の一人として何が出来るかを考えた結果、田中の権力が司法にも及んでいることをなんとしても防ぎたいと思った」、これは新聞に報道され、また国民が共感を持っているというふうに報道されている部分であります。国民の関心を呼んでいるだけに、総理がどういうふうな感想をお持ちなのかという点でひとつお聞かせいただきたいわけです。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま裁判が行われておる事件についてでありますが、それに触れるわけにはまいりません。また榎本前夫人の心情、わからぬわけでございませんが、それを私がここで申し上げたところで、それは何と申しますか、総理大臣として個人のそういう御心情にまで触れて云々ということはいかがかと、こう思います。
○下田京子君 「真実が曲げられるのを防ぎたかった。」という、その証言の動機について私は聞いたつもりですが、総理としては答えられないと。 次に、奥野法務大臣にお尋ねしたいのですが、真実を明らかにするために法廷に立ったこと、つまりロッキード事件の真相究明は国民的の非常に大きな課題でもあるわけですが、これこそが人の道だというふうに思うわけなんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 人の守るべき道いろいろございまして、一つだけ取り上げて具体の事件についての批判にわたるようなことは、私としては進行中の事件でございますだけに特に慎まなければならないことだと思っております。
○下田京子君 一般的にその真実を明らかにすることと、そういうことはもう国民の願いでもあるし、大事な動機ではないか、これはどうか、これは人の道と言えるんじゃないか、こういうふうに聞いているわけなんですけれども、どうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) いまも申し上げましたように、人の守るべき道いろいろございまして、全体的にその人が人の道を守っているか守っていないかということを判断しなければならないのに、一つだけを取り上げまして、当たっているとか当たっていないと言うことは私は妥当性を欠くと思うのであります。いわんや、事件進行中の課題でございますので、批判にわたることは特に慎んでおきたい、こう申し上げたわけでございます。
○下田京子君 さらに、一般的可能性としてお聞きしたいわけですけれども、いいですか法務大臣、一度証言をした人であっても、公判の過程で立証、反証と、そういう進みぐあいの中で再度証人申請ということもあり得ると思うのですけれども、その点はいかがですか。一般的な話です。
○国務大臣(奥野誠亮君) 証人は、御承知のように裁判所に証人申請をいたしまして、裁判所が許可したら、だれでも証人に立てるわけでございます。
○下田京子君 ところがどうかといえば、榎本さんが証言後の記者会見でこういうことを言っているんですね。これは毎日新聞の報道ですけれども「今日は検察側立証のワク内で証言したので、伏せてあることはいっぱいある」と、それから朝日新聞報道によれば「榎本が今後、私の証言に根拠がないと反証してくるならば、私の証言の正しさを立証するためいつでもまた法廷に立ってすべてを申し上げる」、こういうふうに言っているわけです。 いま一般論であるというふうに言われました。全くそうだと思うのです。ところが、この榎本さんの証言について、法務大臣は一般論だと強調しながらも、人の道に外れているというふうに答弁されましたでしょう。これはきのうの法務委員会でも言われました。それから、ほかに証言を求める道があるならば他に証言を求めるのが好ましいと思っているとも答弁していますね。これは現実に検察の再申請にブレーキをかけたことになるのじゃないかと思うんですよ。現に、きょう丸紅ルート公判においても、田中側が榎本敏夫のアリバイ立証のために斉藤清志氏を再証人喚問して、検察への反証を開始しているわけです。そういうことを考えますと、まさに奥野法務大臣の発言というものは、具体的事実に対する事実上の指揮権発動というふうに見られるのじゃないですか。どうです。
○国務大臣(奥野誠亮君) きのうの参議院法務委員会における私の発言を断片的に取り上げていらっしゃるようでございますので、ちょっと経過的に御説明をさせていただきます。 社会党の寺田委員からお尋ねがございまして、榎本前夫人を証人に検察庁が立てた、それをよいことと思うか悪いことと思うかという私の批判を求められました。それは私は答えるべきではないとお断りをいたしました。そうしましたら、一般論として、離婚した妻が夫のことについて証人に立つことをどう思うかというお話がございましたから、他に証人を求める道があるならば他に求めた方がよろしいと思いますと、こう答えたわけでございます。 私は、検察庁の行っておりますことについて、適正を欠く、人の道に外れていると、こう考えました場合には、検察庁に注意しなければならない立場にある者でございます。しかし、今度の事件につきましては介入する意思はないということを従来から申し上げておりますし、今度の場合につきましても特段の注意は与えていないというのが事実でございます。
○下田京子君 しかしいまの問題は、具体的に法務大臣む言われたことというのは、一般論だと前置きしつつも、いま言うように、他に証言を求める道があれば云々ということになれば、いまの時期に、法務大臣自身はそれこそ一般的にも指揮権、検察を指導する権利を持っているわけですから、重大な形での影響を与えるというふうになるのじゃないかと思うんです。 それから、いろいろ議論になっておりましたが、私が一般的に言っても大した問題ないみたいな話をされていると思うのですけれども、これはやっぱり問題だと思うのですよ。なぜかと言えば、いま検察は強いしとか、あるいは弱いしとかいうふうなことじゃなくて、事実上、法務大臣には指揮権発動ということも認められているわけですし、そして現にいまやられている。そういう点からいけば、大変これは事実上の指揮権発動になるのじゃないか、こう思うんです。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、寺田さんから繰り返し繰り返しお尋ねがございましたけれども、私は答えなかったのであります。そこで、一般論として証人の問題だけを引き出して、事件がどういう経過をたどっているということを全部捨象しまして、仮に一般論として離婚した妻を夫の問題について証人に立てることをいかが思うかと、こうお尋ねでございましたから、先ほどのように申し上げたわけでございます。 私は、検察庁はいろんな経過なりいろんな事態なりを踏まえて最終的な結論を出しているものだと、こう考えているわけでございます。私は一般論として、それだけを引き出してお尋ねになりますならば、恐らくほかに証人を求める道があるならばそれを求めた方がいいじゃないかなと思うのは常識じゃないだろうかなと思うわけでございまして、そう答えたわけでございます。同時にまた、私は事件に介入する意思はないと申し上げているのであります。私は指揮権を持っております。持っておりますけれども、使わないと、こう言っているのであります。また、必要があれば使わなきゃならない。(「簡単に」と呼ぶ者あり)しかし、そういう意味で申し上げているわけでございますから、とりあえず、私たちが問題を何か特定の方向にこじ曲げているような印象を与えようと質問者がされるのじゃないかということが私は気になってしようございませんので、簡単に簡単にと言われておりますが、あえて答えさせていただいているわけであります。
○下田京子君 一般論だと言っておりますけれども、法務大臣は、できるならば、一般論であるけれども、三恵子さんを証人でない方がいいだろうと。しかし、現に法務大臣は指揮権を発動できる権利を持っているんですよ。使わないと言っていましても、一般論で言うのでしたら、指揮権を、ちゃんと指導監督もできるわけですから、当然そういう対応をすべきじゃないかと思うのです。その指導の問題になれば、一般的に言えば検察庁の会同というところで、これは九月三十日にも訓示されていると思うんですけれども、奥野法務大臣の訓示、そういうところには何にも書いてないんですよ。だから、一般的にそういうことで指導されるということがあれば、それはしかるべきところでやられるべきでなかったかと、こう思うわけです。どうです。
○国務大臣(奥野誠亮君) あなたは榎本前夫人という具体の人を指しておっしゃっています。これは特定の事件の進行の過程において出てきた証人でございます。寺田さんからお尋ねになりましたのは、一般的な離婚した妻を証人に立てるという問題でございますから、一緒にしてお尋ねになりますことはやっぱり誘導を試みておられるのじゃないかなと考えざるを得ないのでございます。同時にまた、私は訓示に際しましていろいろ必要なことを言っております。いまのようなことまで言ってまいりますと、何日かかっても私の訓示は絶えないのじゃないだろうかなという心配をいたします。
○下田京子君 他の証人が好ましいとか、いまの人の道に反するという発言は、法務大臣が裁判所の司法権に属するところに立ち入って私は話しているというふうに、重大なことだと思うんですよ。ないと言っても、現実に法務大臣は一個人じゃないんですから。そういう点で、どの証人を採用するかどうかということは、それは裁判所が、あるいは検察側が決めることですよ。それに対して、それを指導監督する立場にある法務大臣が一般的であるという形をとってでも言われているということは、現にいま進行中の問題であるだけに、それはやっぱり三権分立の原則に反する、そのところに食い込む発言じゃないかと思うわけです。
○国務大臣(奥野誠亮君) 検察庁法をごらんいただきますと、法務大臣は「検察官を一般に指揮監督することができる。」と書いてあります。また、個々の事件については、「個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」と書いてあります。私の任務でございます。この点はよく御理解を賜っておきたいなと、こう思います。
○下田京子君 わからない。だから何なの。
○国務大臣(奥野誠亮君) 司法権は裁判所が持っているわけでございます。検察庁の行動につきましては、これは行政権に属するものでございます。内閣が責任を持っているわけでございます。内閣の中では私がその仕事を分担しているものでございます。司法権に介入しているものじゃございませんで、検察庁を指導していくのは私の任務だと、こう心得ているわけでございます。
○下田京子君 いいですか、検察権は内閣に属している。しかし、その証人を採用するのは裁判所なんですよ。そのことについてとやかく言っているわけですよ。それは現実に、やっぱり司法権に臨んで、立ち入っているということになるじゃありませんか。もう時間が、それだと水かけであれなので、またこれは引き続き追及していくというふうに申し上げたいと思いますけれども、これは再度総理に申し上げておりますけれども、総理に今度は聞いているんです、総理に。
○国務大臣(奥野誠亮君) 証人を申請いたしますのは検察官の方から申請するのであります。ですから、これは私、証人にだれが望ましいということについて発言いたしますことは、私の監督に属する問題でございます。同時にまた、榎本前夫人の問題につきましては、検察官が申請して裁判所が許可を与えたものであるから、法律的には何ら問題はないということも答えているわけでございます。
○下田京子君 問題なんですよ、やっぱり。一般論だと言っておきながら、さっき一番先に私が過程の中で聞いてきましたけれども、また榎本三恵子さんを再証人で採用するということだってあり得るわけなんですよ。必要になってくる部分が出てくるわけなんですよ。それに対して、一般論だと言いながら、重大な、そういう証人をもう使わない方がいいというふうな発言をされている。これはやっぱり問題になってくるわけですよ。これは引き続き、総理が罷免すべきだということを私は要求しておきます。
○委員長(玉置和郎君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置和郎君) 速記を起こして。
○下田京子君 速記を起こした時点で再度申し上げますが、委員長、よろしいですか。委員長は速記とめてと言われましたけれども、社会党さんの出された罷免要求と共産党が出しておるものとは別なんですよ。だから再度それは要求しておきます。 次に移りますが、教育問題について、まず総理にお尋ねしたいと思います。 総理は、行財政委員会の最終日の議論の中でこういうふうに述べられています。福祉、教育の行政サービスを下げることなしにやってほしい、これは国民皆さんの考えであり、願いである。財政再建期間中もこの国民の気持ちを体して最善を尽くすというふうに答弁されております。法案が衆議院を通過して参議院に回ってまいりました。現時点でもこれは変わらない気持ちだとは思いますけれども、再度御答弁ください。
○国務大臣(鈴木善幸君) そういう基本的な姿勢で行財政改革に取り組んでまいりたい、これには変わりはございません。
○下田京子君 ところで、文部省にお尋ねします。 特例期間中の調整の問題はございますが、しかし最終段階で問題になっております四十人学級の凍結、これは六十六年までに必ず計画どおりやります、こういうふうに衆議院で述べております。しかし大臣、調整というふうな軽い問題じゃないと思うんです。それは、五十五年にスタートした第五次計画が五十八年から本格実施に移ることになっていた、これは御承知のとおりです。しかしそれが、今度の凍結措置によって六十年以降に、特に小学校の場合ですね、ずれ込んでいくわけです。そこでお伺いしたいわけなんですけれども、当初の計画であった場合に、五十八年、五十九年の二年間でよろしいですから、この凍結期間中、実際全国の学校で、全市町村で四十人学級がスタートした場合に何枚で実施する予定だったのか。それからまた、凍結措置によって実際には何枚になるのか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問でございますが、計数の問題でございますので政府委員からお答えいたします。
○政府委員(三角哲生君) 当初の見込み数といたしましては、五十八年度四千四百四十五学校、それから五十九年度が四千百八十六校という計画を持っておったわけでございますが、今回の抑制措置によりまして、ただいま持っております見込み数としては両年度とも約二百六十校余りと、こういうことにいたしてございます。
○下田京子君 そうしますと、五十八年で当初計画に対しては結局四千百八十三校ぐらいですね。それから五十九年については三千九百二十四校。これだけのところで四十人学級の実施を見送る、こういうことになると思うんですね。それは何人の子供たちが実際にこの四十人学級凍結、見送りという犠牲になりますでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 子供たちの数字まで細かく計算はしておりませんが、四十人学級にするために、それだけの学校でそれぞれ一学級ずつふやすということでございますから、いまおっしゃいました学校数に四十を掛けた数字にほぼ近い数字になるだろうと、こういうふうに思います。
○下田京子君 細かく、子供がどのくらい犠牲を受けているかは計算してない。私、これは文部省の姿勢を一つ明らかにした事件だと思うんですよ。つまり総理も、それからまた文部大臣も、とにかく最終年度の六十六年までやるんだから問題ないよと言っています。しかし、凍結という事態によってどれだけの子供が実際にその犠牲者になるかと試算もしてない。これはやってみればわかるわけで、五十八年でおおよそ十五万人、これは三十五人で計算した場合。五十九年では約十四万人。これだけの子供たちが、小学校時代はもう順送りですから、四十人学級という中でとにかく教育を受けるそういう機会がないんだ、こういうふうになるわけです。そうですね。
○政府委員(三角哲生君) 四十人学級は、一つの十二年計画として設定いたしました改善措置としての計画でございますので、これを財政再建期間中抑制するといたしましても、その改善を若干足踏みさせるということでございまして、別段いままでのことを改悪するわけではございませんので、私どもは犠牲とかなんとか、そういうふうには考えておりません。
○下田京子君 それが問題なんですよ。仮に凍結しなかったら、この子供たちは犠牲にならないんですよ。これははっきりしていますでしょう。文部大臣、どう思います。 さらに、いま三角局長はそんなこと言われていますけれども、衆議院の文教委員会でわが党の山原議員の質問に対して、六十年から小学校はちゃんと年次計画を立ててきちんとやれるんですかと、こういうふうに聞きましたら、何て答えています。こう言っているんです。 六十年度からの年次計画等につきまして、私どもとしては私どもなりの考え方、構え方、試算、そういうものを持っておりまして、それをお示ししてございますが、明年度予算につきましても、それ以後のことにつきましても、これは個別には、個々には財政当局とも協議をし、そして政府全体として決めるべき事柄でございますので、そういう意味合いでのお答えをして いるわけでございます。 こう言っているんです。つまりどういうことかと言えば、六十年度から小学校本格実施、つまりこの三年間の財政再建期間が明けて六十年からやりますよということは保証できませんよということなんです。そういうふうなことになっていけばまた大変な影響を受けることになるじゃありませんか。文部大臣、どう説明してくれます。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 いまお話しになりました財政再建期間中の本来の計画を後へずらす問題につきまして、ただいま委員のおっしゃったとおり、財政当局と今後さらに具体的に相談をし、また打ち合わせをしなければならないのでございまして、具体的にこれだけの者がこれだけ被害をこうむるといったようなこととはちょっと違います。それからまた、この問題は、ただいま局長がお話し申し上げたように、既定の計画を後へずらすということでありまして、現実に被害というお言葉をお使いになりますとちょっと問題でございますが、まあ期待を後の方へ延ばす、こういうことになるわけでございます。その点どうぞよろしくお願いいたします。
○下田京子君 いまの答弁は全くおかしいですよ。つまり、五十八年に本格実施する予定だったのが、六十年にやりますよ、しかし財政当局との話があるから、もうそれもわかりませんよと。そういうことになっていったら、最終段階だってどうなるかわからないということになるでしょう。しかも教育というのは、いま文部大臣がおっしゃったような、何か物を順送りでやっていくようなものじゃないんです。いまここにいる子供、昭和五十八年と五十九年に入ってくる一年生は、小学校の段階で四十人学級の経験がないんです。子供の意思に関係なくそうされるのです。文部大臣や政府がいまそれをやろうとしているんです。お母さんたちの意思にかかわりなくやろうとしているんです。これでどうして犠牲じゃないと言えますか。 総理にお尋ねしたいのですけれども、総理最初に言いましたよね。福祉や教育の行政サービスを下げない、こう言っているんです。だったらば、こういう子供たちに対してどう対応されていくのか。しかも総理は言っています、教育立国として子供を大事にする。でしたら、いま問題になっております国の防衛も大事だということを言っていますが、総理が教育立国を本当にやろうとするならば、いまP3C半機分も要らないのですよ、四十人学級凍結分の予算。たった五十六億円ですよ。どうなんですか。子供たち、お母さんたちに、この事態についてこうこうこうですよとわかるように御説明してください。総理に聞いています、いまのことは。
○国務大臣(田中龍夫君) P3Cの関係は私の方ではございませんけれども、ただいまのお話の中におきまして、やはり国の財政の問題というものは非常に重大な問題でございまして、教育ひとりだけが何ら影響をこうむらないという問題でもない、やはり国を挙げて国民全体としてこの窮迫した財政を切り抜けなければならないという大きな問題が一方にございます。 それからまた、計画が立たないと申したと言いますけれども、実際、予算概算というものを折衝いたす中におきまして、ただいま局長がお話を申し上げ、また委員もおっしゃったように、なかなかこれ具体的にはひとりひとりむずかしい問題でございます。——私がただいま答えておりますので、どうかひとつお聞きくださいますように。いまのような問題でございますから、どうぞ御了承をいただきます。
○下田京子君 総理いま出かけられましたが、三時までということだったから総理に答弁を求めているんですよ、私は。
○委員長(玉置和郎君) 三時が過ぎています。
○下田京子君 いや、いまお答えになれば間に合ったわけですよ。何言っているんですか。 それからもう一点。いまP3Cの話は私の分野ではないと言うのは、文部大臣の答弁が矛盾しています。いいですか、何とおっしゃいました、いま。この緊迫した財政事情の中で何年度に本格実施云々かという問題については、財政当局と相談しなきゃならないと言ったじゃないですか。どちらをとるんですか。子供たちにどう説明されるのですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私の立場では、財政当局と御相談をいたします。
○下田京子君 ふざけたお答えやめてくださいよ。子供たちの気持ちやなんかをくんでないですよ。問題ですよ。 さらに続けたいと思いますけれども、教育について余り犠牲がないような話をされていますが、総理はやるべきところにはやるんだ、特に障害児教育なんかは大事にしていきますよ、来年度の予算でも百五十人要求を出していますよというふうな話をされています。だけれども、実際に、じゃ障害児の教育の実態がどうなっているのかという点でお尋ねしたいのですが、私昨年、障害児教育の現場にあっての施設整備がどういう状況なのかという点で、改善を迫った経緯があると思うのです。文部大臣御承知いただいていると思うのです。 そこでお聞きしたい点なんですけれども、体育館とプール、これが小中学校、盲、聾、そして養護学校、それぞれ昨年とことしと、どのような改善状況になっているかお示しください。
○国務大臣(田中龍夫君) 特殊教育諸学校におきまするプール、屋内運動場等の問題でございますが、具体の問題につきましては担当の局長から申し上げますが、障害を持っております子供、生徒の運動機能の回服訓練や遊戯療法など、障害の状態を改善しまたは克服するためのこの訓練の活用につきましては、十分に配意いたしておる次第でございまして、さらに詳細は局長からお答えいたします。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の、まずプールの問題でございますが、昨年、五十五年五月一日現在でございますが、盲学校につきましては三九%、聾学校五二%、養護学校一八%、これが本年の五十六年五月一日現在で盲学校につきましては四五%、聾学校五六%、養護学校二〇%、それぞれ二ないし六%ほどの設置の促進を見ております。 なお小学校、中学校のプールにつきましては、五十五年五月一日現在で、小学校六七%、中学校五八%でございますが、本年五月一日現在では、小学校六九%、中学校六〇%、いずれも二%ほどの促進を見ております。 次に、屋内体育館の状況でございますが、昨年五月一日現在、盲学校につきましては九六%、聾学校九五%、養護学校五八%でございましたが、本年五月一日現在、盲学校九六%、聾学校九六%、養護学校六一%、それぞれ数%の伸展を見ておるということでございます。 なお小学校、中学校の屋内体育館につきましては、昨年、小学校八八%、中学校九二%、本年五月一日現在で小学校は九〇%、中学校九三%という伸展を見ております。
○下田京子君 いまの数字を長々述べていただきましたのは、障害児教育を大事にしているんだ、必要なところに手だてをしているんだと、こういうふうに言われておりますけれども、現在のその設置状況の大変なおくれというものが数字でもって示されたと思うのです。 さらに具体的に述べたいと思いますけれども、福島県の場合には、プールを持っているのは盲学校一ヵ所だけ。それから青森県の場合に、全部で盲が二つ、聾が三つ、養護が十七校ある中でプールを持っているところはわずかに二ヵ所、こういう状態で、しかも小学校のプール設置状況が五十六年の五月現在で六九%という中で、養護学校は二〇%。そうですね。そういう中で、来年度の概算要求でプールについて、ことしとの比較でお示しください。
○政府委員(柳川覺治君) 本年度の個所数が八百三十ヵ所でございますが、来年度は八百カ所の要求でございます。 なお、このプール等につきましては、公立文教施設整備費の中で一括計上されておりますので、執行に当たりましては、各市町村からの申請を待ちまして、その設置に支障のないような取り扱いで対処しているものでございます。
○下田京子君 五十六年度が八百三十ヵ所で五十七年が八百ヵ所と、概算要求では三十ヵ所減になっている。だけれども、これは申請待ちなのでというお話です。とすれば、文部大臣、申請が地域から上がってくれば、概算要求は八百ヵ所だけれども、申請は全部認めますよというふうにとらえてよろしいですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 結構でございます。
○下田京子君 そうしますと、そういう具体的な指導といいますか、これは大いに地方自治体と、そしてまたおくれているところにやっていただきたいし、非常に明快に結構だと言われましたので、大蔵大臣もお聞きだと思いますから、そこはきちんと対応していただきたいと思います。よろしいですね、大蔵。
○国務大臣(田中龍夫君) これらの障害児等の特殊教育につきましては、大蔵大臣、総理ともこの問題については最優先的に考える、この点につきましては特例適用期間中におきましても十分配慮いたします。
○下田京子君 それじゃ養護教諭の問題についてお尋ねしたいわけですけれども、この養護教諭については今後の計画の中に具体的にありますでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) この養護教諭の関係につきましては、第五次の学級編制及び教職員定数改善計画は、きわめて小規模な学校を除きましては、養護教諭はほとんど全校に配置するようになっております。
○下田京子君 本当でしょうか。現在の設置状況を、事務当局の方、御報告ください。
○政府委員(三角哲生君) 養護教諭の定数上の配置率について申し上げますと、昭和五十四年度において約七八%でございましたが、五十五、五十六年度におきまして、第五次改善計画の一年次及び二年次分として八百五十五人の定数改善増を行いましたので、このことによりまして五十六年度における配置率は約八一%、こういうふうに上がってきております。 なお、この第五次改善計画の完成年度におきます養護教諭の配置率は、本校ベースで計算しますと約九六%になる見込みでございまして、これは四学級以上の学校にはすべて配置、三学級以上の学校につきましては四校につき三名ということで配置をいたしますので、一つの学校で一学級あるいは二学級というようなきわめて小規模校の学校を除きますと、ほとんどすべての学校に配置をできることになる、そういうのが今回の計画になっておる次第でございます。
○下田京子君 先ほど文部大臣は全校配置ほとんどだということなんですが、現実には、いまの定数で示された基準から見ましても、七九・四%なんだということを押さえといてくださいね。 それから養護教諭というのはどういう仕事をしているかというのは、大臣、私が言うまでもなくおわかりだと思うのですけれども、念のために言えば、一学期だけ見ましても、四月から五月、六月、七月の間にどういう仕事をしているか。これは四月だけ見ましても、年度初めに当たって保健計画は立てなきゃならない、いろんな帳簿はそろえなければならない、健康診断の準備はしなければならない、遠足や運動会だとかそういうこともやらなければならない。養護教諭がいなければ、担任その他の教員のところにその任務が全部回っていくわけなんです。ですから、学校があれば、子供があれば、養護教諭が特にいまの子供の健康の問題、今の問題の上で重要なことになっているわけですね。そういう点で、やはりいいんだという御認識は改めていただきたいし、そして私がさっき質問いたしましたけれども、今後の計画はどうなんだ、なぜ計画を示してないんだというふうに申しまして、答弁ありませんが、きちっと計画をお持ちいただいて改善いただけますか。
○国務大臣(田中龍夫君) まず第一問の、養護教諭というものはどういうものだか知っているかというお話でございます。 これは児童生徒の健康状態の把握でありますとか、あるいは健康診断、健康相談の実施、さらにまた心身の健康に問題を持っておりますような児童生徒に対する保健指導、救急処置並びに衛生活動の実施等々、ただいま先生がおっしゃいましたように、本当にいろんな問題について相談相手となり、またいろんな看護をいたす大事なものでございます。 いまお話しの後段に属しまする第二問の問題は政府委員からお答えいたします。
○政府委員(三角哲生君) この養護教諭の問題につきましては、やはりこの特例適用期間中は国の財政事情を考慮してその実施を抑制することになると思っておりますが、その後の各年度の改善措置については、それはその時点の状況を踏まえて総合的に判断していくことでございます。ただ、先ほど来大臣からも申し上げておりますように、この計画全体としては、昭和六十六年度までに改善計画全体を達成することについては変更しておらないのでございます。
○下田京子君 最後に一問。 財政当局との兼ね合いだと言いながら、五十七年度はゼロ要求になっているんです。影響がないと言いますけれども、いま申し上げただけでも幾つかの影響は出てきています。そのほかまだ具体的にはいろんな分野に影響があらわれています。 特に私が申し上げたいのは、子供の命にかかわる、そしてまた健康にかかわるそういうことを養護教諭全体でやればいいんだ、全体計画が五千百二十二名、それがもう送られていくということは重大な問題であるという点を指摘して、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(玉置和郎君) 伊藤郁男君。
○伊藤郁男君 最初に、行管庁の長官にお伺いを申し上げたいと思います。きょうは国の出先機関の問題について。 これは、出先機関はブロック単位とか都道府県単位あるいは支所、出張所ということで相当の範囲にそれぞれ置かれているわけでありますが、郵便局などの現業は除きまして、これらの出先機関については必要なものとあるいは必要でないもの、この両方がある。したがって、国の出先機関の整理統合はぜひ必要ではないか。これはもうしばしば委員会で議論がされてきたと思うわけでありますが、臨調でこれらについて方向が打ち出されたらそのとおり実行されるおつもりであるか、まずお伺いをしておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 答申を尊重いたしまして実行いたしたいと思います。
○伊藤郁男君 それで、この国の出先機関、五十六年度ではこれらの出先機関に働く職員というのは、非現業が二十一万五千五百八十五人、現業部門で三十二万九千六百二十七人ですね。そうすると、国の公務員の百十数万のうち半分近くは出先機関で働いている、こういうことになるわけであります。 これらの職員の執務態度、あるいはこれらの職員に対して地方の公務員、そういうものがどのように一体見ておるのか、ここが問題だと思うわけであります。中央の諸官庁のお役人さんたちの仕事ぶりを見ていますと、国会が開かれますと夜も徹してやっておる、大変なものだなあ、こう感じておるわけでありますが、それでは一体これらの地方の出先機関の国家公務員というものがどういう仕事ぶりをやっておるのか。実はこれらの国家公務員というのは、わりあいに住民だとか市民だとかそういうものの目に触れないわけですね、常時接触がありませんから。むしろ逆に、国の出先機関の職員というのは地方の公務員と積極的な接触を常時保っていると、こういうことになるわけです。 そこで、これらの地方公共団体の職員が出先機関の国家公務員に対してどのような見方をしておるか、こういうことなんですが、実はこれについて一つの調査があるわけであります。これは私も持っておりますが、「明日の都市」という、これは磯村という東洋大学の学長が監修をされまして、前後二十巻にわたりまして出したきわめて権威のあるものです。この中で、地方公務員の、地方公共団体の幹部職員約四百五十名に直接聞いて、言うならば現場の生の声をこれで集約をしている、現場からの告発だと言ってもいいものでありますけれども、その中で、国の出先機関の職員に対してどのように評価をしておるか、これが出ているわけであります。 その中で、「いじわるがなくなった」とか「態度がよい。応対もよい」「ある程度、住民と接触があるので本省より親近感がある」とか、あるいは「地域性を少し考えるようになってきた」「一般的に一人一役で仕事に対しては精通している」、このようなよい評価を与えている部分もあるわけであります。 しかし、これは残念ながら、地方公共団体の幹部職員四百五十名の中でわずか三、四人がそういう評価をしているだけでありまして、ほとんどはこういうように実は答えているわけであります。たとえば「職員の態度、仕事の内容」というところについては、これはもういっぱいありますけれども、主なところだけ抜いて申し上げますと、「地方の出先機関に勤務を命ぜられた者は、月曜は出張、土曜は帰宅と生活優先の姿勢で、実働わずか四日で無駄が多い」、あるいは「人が多い。市町村に来る時、五、六人でぞろぞろやって来る」、こういうことですね。あるいは「少々無気力のようにも見受けられる」「勤務時間等まったくルーズ」である、「九時出勤、三時帰宅」「やる気なし、無駄が多い。書類が重複する」「非能率でいつも遊んでいる」なんという評価もあるわけであります。それからまだいっぱいあるんですが、「直接、住民と接していないので町村の苦労を本当にわかっていない」のではないか、中央はエリートですから、理論というものは非常によく把握しているけれども、「理論と実践との遊離」がある、「身近に感じないような気がする」「対市民意識をまったく感じていない」、こういうようなさまざまな批判があり、かつ これは通弊でありますが、「権力をのぞかせる」「いわゆる威張り型」だ、態度が横柄だ、「官僚的」だ、しかし「補助金をもらうには、言うことを聞くより仕方がない」など、こういうあきらめの声もあるわけであります。 こういう国の出先機関に対する公務員の執務態度、そういうことについて、行管庁として今度の行革に当たりまして、これらの問題についてどのように考えられておりますか、御見解をお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国の出先機関に対しましていまのような御批判があることは私も承っております。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕 私たち行管庁といたしましては、昨年来そのために行政のサービスの向上を特に訴えまして、親切、能率、清潔、そういう面で思い切った改革をやるようにというので大きな運動を起こしまして、各都道府県にその推進協議会をつくり、公共団体とも一体になって窓口の改善、応対の改善、あるいは身障者施設の充実、そのほかのことをいまやらしておるところでございます。最近は世論調査等を見ますと、わりあいに改善されてきつつある。特に町村等におきましては、窓口を昼休みに開くところがふえてきたとか、場所によっては土曜日、日曜日も開いておるところも出てきておるとか、ともかく伍民本位、国民本位の姿勢に少しずつ変わってきておるという報告がありまして、これはさらに持続してやらなければならぬと思っております。
○伊藤郁男君 私が取り上げた問題は、これは私が調査したものではありませんし、きわめて権威のある調査結果でありまして、これらの問題をしさいに把握をされ、いま長官か言われましたように、具体的な積み上げをしていかなければならぬ問題ではないか、こういうように思います。 特に、国家公務員が行政の第一線で国家国民のために真剣に努力していくこういう姿が国民に見えなければ、行政に対する国民の不信感というのはぬぐい去れないものである、こういうように思いますし、積極的にさらにこの改革について一層の努力をお願いしていきたいと思います。しかも、これは臨調の結論とかそんなことは待たなくても、各省庁の責任者がその気になればできることですから、これこそ即刻、より積極的にやっていただきたい、このように思います。 そこで、次に総務長官にお伺いをするわけですが、これは国家公務員に特別昇給制度というのがあるわけでございます。これは毎年各省庁で人員の一五%の範囲内において特別優秀な者は号俸を上げていくという制度になっていると思うのですが、最初に、その一五%の範囲内でするのだというこの一五%の根拠は何でしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 人事院からまず答弁をさしていただきます。
○政府委員(長橋進君) お答え申し上げます。 特別昇給制度につきましては、御案内のとおり、勤務成績が特に良好な職員について行うということになっておりまして、したがいまして、第一次的にはその勤務成績の評定制度ということが問題になるわけでございますが、これは分布制限をとっておりまして、上位にランクされる人というのは三〇%以内ということになっておりますので、したがいまして相対評価ということになるわけでございますが、上位にランクされる人が三〇%以内ということでございますので、それと均衡を考えまして、大体その二分の一に相当する範囲内でということが適当であろうということで、一五%以内の職員について特別昇給するということになっているわけでございます。
○伊藤郁男君 この問題につきまして、私も先日の地方行政委員会におきまして人事院の見解をお伺いしたところでありますけれども、この特別昇給制度の運用については各省庁まちまちに行われている、いいところは法の趣旨に沿ってやっている、しかし各省庁ばらばらにみんなやっておるものだからその運用の仕方がみんな違うんだと、こういうんですが、一体そういうことでいいものなんですか、これは。どうなんでしょう。
○政府委員(長橋進君) 特別昇給制度につきましては、先ほど申し上げましたとおり、勤務成績の評定ということが前提になるわけでございまして、これは各省各庁の長が、つまり実際に職員を使って仕事をさせる人がその職員の働きぐあい、仕事のできばえ等を評価して勤務成績良好という認定を下すわけでございまして、したがいまして、それをフォローするかっこうで特別昇給ということにつながっていくわけでございますけれども、これは人事管理、各省各庁それぞれお考えがあることと思いますけれども、しかし特別昇給制度につきましてはいろいろ御批判なり御意見なりということもたびたび伺っておりますので、私どもで各省庁の状況について調査をいたしました。 これはやはり長期勤続者についてどういう状況になっているかということを出た数字から類推するということが適当であろうということで、二十年以上の勤続者につきまして調査いたしましたところ、一回もしていない、あるいは一回しかしていないというのが一〇%でございまして、それから四回以上特別昇給をしておるというのが一四%でございます。これは二十年仮に回り持ちで特昇いたしますとしますと、平均的に申しまして約二・五回という計算になろうかと思いますけれども、そういうことから分析いたしますと、各省違いはございますけれども、それなりに勤務成績による差というものを判断して一応やっておられるというふうに私どもは理解しております。ただ、御指摘のように、さらに一層その指導を徹底して、その制度の趣旨にのっとったかっこうで特別昇給が行われるように行政指導はしてまいりたいというふうには考えております。
○伊藤郁男君 ということは、各省庁別にそれぞれの勤務の実態に応じてやっているんだと、こういうことなんですが、たとえばあるところでは、勤務成績優秀な者に限って一五%の範囲で毎年毎年それを確実に実行しているというところもある。しかし、それとはまた別に、あるところでは、一五%ですから、一年に一五%ずつ上げていけば七年たてば各全員に適用されるということになるんですが、職員全員にそういうことを適用しているのだと、こういうところもある、こういうように聞いておるわけであります。一体そうなると、これはもうこの制度の持つ意味というものが、それは順繰りに、順番で、本年度は一五%、来年も一五%、七年たてば全職員一号俸上がっていくという、この制度そのものがもう有名無実になってしまうのではないか、そういうことなんですが、一体この各省庁の運用の実態を明らかにできないものかどうか、その点どうですか、総務長官。
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの点はきわめて重要な問題でございまして、納税者である国民の側から見て、どうも人事管理にルーズな点がある、信賞必罰でやはり成績優秀な者に限って特別昇給を認めるという原則に立って各省とも一つの基準を決めなければならないと、このように考えております。
○伊藤郁男君 そうすると、その基準を決めて厳格にやっぱり実施をしていかないと、いま公務員に対する批判というのが多いわけで、しかも行革は隗より始めよと、こういうことですから、まず中央省庁からそういうことを実施しないと、その悪慣行が逆に地方の自治体の職員のそういう制度にはね返ってきている実態があるわけですから、この辺はひとついまそういう基準を決めたいというわけでありますから、この基準を決める際に本当に明確なものを、そして国民の目にもよくわかるようにやっていただきたいと思うのですが、その点どうでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 先生の御指摘の点はきわめて重要な点でございますので、十分御趣旨を踏まえてそのように努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○伊藤郁男君 それでは、人事院にお伺いをするのですが、この定員の一五%の枠外として、勤務成績が特に優秀な職員が退職する場合の特別昇給制度がございますね。これは十年以上は一号俸、二十年以上は二号俸と、こういうことになっているんですが、三号俸ないし四号俸を適用した例はございますか。その点だけ確認をしておきますが、もしあったとすれば、この点は大変重大な問題だと思うのですが、その点どうでしょう。
○政府委員(長橋進君) 三号俸以上特別昇給させた例はございません。
○伊藤郁男君 それでは、実態だけさらにちょっとお伺いをしておきますが、いま申し上げました特別の特別の制度の適用を受けた職員の数、これは一般職の職員の退職者の何%ぐらいに当たっておりますか。その点と、それから長期勤続勧奨及び整理退職の対象となった退職者の中で、この制度の適用を受けた者の割合はどのぐらいになっているか、あわせてお伺いをしておきます。実態だけでいいです。
○政府委員(長橋進君) これは勧奨退職者約一万人というふうにいたしまして、それに対します勧奨退職時における特昇者は、五十四年度で約五千人でございまして、五十五年度五千二百人ほどございましたので、約五割、五〇%というふうに承知しております。
○伊藤郁男君 この制度につきましては、五十七年の三月三十一日で、来年の三月三十一日で勤続十年以上の者の一号俸アップは廃止し、勤続二十年者についてのみ一号俸アップする、こういうようになったわけでありますが、そういうようにした理由はどういう理由によるものか、その点お伺いしておきます。
○政府委員(長橋進君) 昭和四十五年に、人事院勧告におきまして、一定年齢を超える人の昇給延伸措置につきまして勧告いたしました。四十六年の四月から五十八歳を超える職員について昇給延伸という制度を設けたわけでございますが、やはり人事管理上の立場から考えまして激変を緩和しなければならぬということで、当時、当分の間の措置といたしまして、勧奨による退職者につきましては、退職時におきまして勤務成績が特に優秀な職員につきましては退職時の特昇という制度を認めたわけでございますが、四十六年にそういう制度を設けましてから——設けましたときも当分の間ということで設けたわけでございますが、すでにもう十年もたっておるということもございまして、その必要性というものも創設当時に比べまして乏しくなってきたであろうということでございます。それから給与制度についていろいろ見直しを考えておりますけれども、そういった措置についてもこの際廃止するのが適当であろうということで廃止したわけでございます。ただ、おっしゃるように、勤続二十年以上の者につきましては、特に勤務成績良好な方につきましては、やはり長年の功績に報いるということもございまして、したがいまして、勧奨退職時におけるところの措置としての二号俸特昇というものは廃止したと、十年以上の者については廃止したということでございます。
○伊藤郁男君 それでは、総務長官も言われましたように、信賞必罰という精神でぜひともいい方向に展開できるように再度お願いをしておきたいと思います。 それでは、次の問題に入りますが、これは行管庁長官にお伺いをしたいんですが、いわゆる地方公共団体の行政改革ということもあわせて検討課題になっているわけですが、国と地方との事務の再配分あるいは許認可事務の抜本的な見直しの必要性、このことが強調されまして、臨調の結論がやがて出てくるのであろうと思うんですが、同時に組織機構の簡素化あるいは事務の能率化、これを図るべきではないかという声ももちろん高くなっているわけでございます。しからば、地方公共団体の組織機構の簡素化、あるいは事務の合理化、能率化、こういうものはどうすればそれができるのか、この点、まずお伺いをしておきたいと思うのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一つには、国の機関の方は、まず率先して許認可を簡素化するとか、委譲するとか、手続を簡単にするとか、報告をやめにするとか、あるいは陳情に来なくてもいいようにするとか、そういう具体的なことで簡素能率化をやる必要があると思います。それから地方公共団体におかれましても、その趣旨に沿って住民本位の立場でできるだけ住民の足を煩わしたりなにかすることを必要としないような措置を講ずると。よく簡便な改革案として、たとえば出生届とか住民票というようなものは、駅の近所に特定の場所を設けて、そこへ必要な用紙をほうり込んでおけば出勤の帰りにはもう届いていると、そういうようなことをよく言われますが、たとえば小さなことですけれども、そういうことが住民の皆さんの喜びを買うもとではないかと思います。
○伊藤郁男君 行管庁長官のそれは、そうあってほしいと抽象的なお願いみたいなものでありますけれども、その組織機構の簡素化や事務の合理化、能率化の障害となっているものが実はあるわけであります。これは直してもらわなければならぬし、これは国が直せばできる問題なんですが、たとえばそれは法令によって設置が義務づけられているいわゆる必置規制というものがあるわけですね。 この必置規制は八十五法律にまたがっているわけです。必ず設けなければならない行政機関または施設三十四、その中身は都道府県二十三、市町村十一、必ず置かなければならない必置職八十一、必ず置かなければならない附属機関——審議会みたいなものですが、必置附属機関が六十六、総数百八十一に上っているわけですね。だから、これらの法令に基づいて置いておかなければならぬことはもちろんあります。しかし、置いておいてもいまもう無意味だと、意味がないというものもたくさんあるわけです。社会経済情勢が変動してきますから、行政需要そのものが全くなくなってしまって、そこへ施設や職員を置いても、行政需要は全くないのだから無意味なものだというものがたくさんあるわけです。ところが、国の法令というのは悪い癖がありまして、一度義務づけられてしまうと容易に見直しがきかない、こういう悪い癖があるわけですね。たとえば、必置規制が付されている現行根拠法令を見ますと、明治時代のものが一つ、大正時代のものが一つ、昭和元年から十九年にできたものが一つ、こういうようになっていて、これらの法律で決められている必置規制についてはいまだに見直しが行われずそのまま放置されている、こういう実態があるわけです。たとえばトラホーム予防法なんというのは大正八年にできたわけですね。あるいは寄生虫病予防法というのも昭和六年にできているわけです。トラホーム予防法が大正八年にできたときは患者数は一千万人を超えていた。寄生虫病患者がこの法律ができたときは実に三千万人、国民の半分が寄生虫を持っていた。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕 したがって、そういう時代には治療施設をつくらなければならないという義務づけが行われていったのは当然だと思うわけでありますが、ところが、いまではトラホーム患者は五十二年の調査によって千人、寄生虫病患者は五十二年に四万三千人見つかったと、こういう状況にあるわけでございますね。 そこで、長官にお伺いをするのですが、あなたのところで昨年の五月十九日、この必置規制の現状調査を行いまして、その調査結果に基づいて、こういう状況があるから各省庁十分にこの結果に配慮して改善をしてほしいと、行政監察月報ナンバー二四八に出ておるんですね。きわめて具体的に実情を調査をしておるわけですが、せっかく金をかけ、人をかけ、時間をかけて調査をして、そしてきわめて具体的な指摘をしているこの必置規制の見直しについて、行管庁の方からの各省庁に対する通知——通達にはい一でいませんが、言いう通知がどのように各省庁で対応されておるのか、それらの追跡調査などをして状況を把握しているのかどうか、この点をお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘のいわゆる特別地方機関等々及びその職員等につきましては、監察の結果、非常にむだなものも多いということがわかりましたので、その根拠法令の改廃をまずやろうというので、通常議会に法令整理として約四百ばかりの法律を改廃する法律を提出いたしまして、それが継続審議になって、いま議会に継続していると思います。これを一日も速やかに成立させていただいて、廃止すべきものは廃止したいと思っております。 それから法令によらざるものでもいろいろあるようでございます。これらにつきましては、各省庁について、お話しのように、こちらから文書をもって通告しておるわけでございますが、これも大いに督励してまいりたいと思っております。もし御要望でしたならば、その実情について政府委員をして御報告さしても結構でございます。
○伊藤郁男君 その四百というのは本当に出されているんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 法令の整理の法案。
○伊藤郁男君 出されているんですか、法案が具体的に。それは私はまだ見ておりませんが。 これに関連をいたしまして、それでは厚生大臣おられますか。——お伺いをしておきたいのですが、有名無実になっている必置規制で特に厚生省関係が非常に多いわけなんですね。非常に多い。たとえば、先ほど私が申し上げましたトラホームの予防及び治療に関する施設、これはもう必置規制を廃止していただきたい、理由としてまたここに挙げております。理由まできちっと挙げておるわけです。寄生虫病の予防及び治療に関する施設についても必置規制を廃止しろと、こういうことになっている。それから性病の病院または診療所、これもほとんどの都道府県においては設置していないんだし、性病患者も制度創設当時、昭和二十三年に比べ大幅に減少している。そして、一方民間を含めた医療機関も近年相当整備されてきている状況にあること等から見て、こんな必置規制も必要性が乏しいではないか。保健所の問題についても規制の緩和を図ったらどうか。福祉に関する事務所、これについても必置規制の緩和を図ったらどうか。優生保護相談所、これも厚生省の所管でありますが、必置規制を廃止したらどうか、こういうようにさまざま指摘をされている。 そして、かつ必置職——必ず設けなければならない職名があるのですが、これについてもこの行管庁の指摘は、必置職が集中して配置されている保健所の例に見られるごとく、一保健所当たりおおむね数十名の職員の組織の中で食品衛生監視員、栄養指導員等十一の必置職が置かれている。しかも、中には一人の職員が八つの職務を兼職しているという、こういう実態も明りかにされまして、こういうものは速やかにしろと、こう言っているんですが、いま行管庁長官が言われましたように、これらの問題について、法令の見直しなり廃となり、改定についての具体的な提案をなされておるのかどうか、お伺いします。
○国務大臣(村山達雄君) 五十五年の五月に行政管理庁から指摘を受けておるのでございます。そのうち必置規制の廃止という項目につきましては、トラホームの予防及び治療に関する施設、寄生虫病の予防及び治療に関する施設、性病の病院または診療所、これは廃止したらどうかと、こういうことでございます。われわれも検討いたしまして、もはやその必要はないであろうということで、いわゆる法令整理法案の中に盛り込みまして前国会で提出し、現在継続審議中でございます。 それから保健所について御指摘を受けておりますのは、設置をするときの事前承認の申請書、それと、設置承認を受けてからの報告所がほとんど変わらないから、もう変わった部分だけとった方がいいんじゃないかと、こういういわゆる報告事務の改善でございます。これも同感でございまして、承認に関するものをとりまして、設置になりましたらその後変わった事項だけを報告してもらえば足りるようにいま準備をいたしておるところでございます。 それから福祉事務所に関する必置規制の緩和ということがございまして、福祉事務所の管轄区域及び所員の最低必要数に関する規制の廃止ということが勧告になっております。これは実はわれわれはやや異なる見解を持っておるのでございまして、行政管理庁にもよく御理解を賜りたいと思うのでございますが、社会福祉事務所はもう御承知のように、これは都道府県それからいわゆる指定都市、それから特別区、市、これは必ず設けなければならないことになっております。これは生活保護の関係、その他福祉事務全般をやるわけでございまして、やはり一定の行政水準を確保しなければならないのでございます。主としてそこは人数の問題でございますけれども、やはり距離の関係で、どうしても距離の非常に広いところは少しよけい目に、それから距離が非常に狭いところは多少人数が少なくなってもいいわけでございますが、これは社会福祉の最低水準を必ず全国整合性を持って確保したいと、こう思っておりますので、これは行政管理庁の御指摘ではございますが、私たちはまだ慎重に検討している段階でございます。 それから優生保護相談所、これの必置規制を廃止したらどうか。これは、優生保護でございますが、大体いま年間に約十八万ぐらいの相談がございます。結婚の問題、それから受胎調節の問題、それから遺伝の関係等々ございます。必要であることは必要でありますが、現在見ますと、すでに保健所の中にほとんど付置されておりまして、付置されていないところはもうごくわずかでございますので、これは廃止ということではなくて、大幅に緩和する方向で行政管理庁の御要望にこたえてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 これらの問題は本当に長い間の懸案でございまして、これこそ、第二臨調の答申なんて待つ必要もないし、これは行政管理庁が日常の業務としてやるべき問題であって、むしろやっぱり各省庁を積極的に督励をして、こういうような問題については積極的な対応をお願いしておきたい、このように思います。 次に大蔵大臣、ちょっとあなたにお伺いをしておきたいのです。お眠りのようですが、目が覚めないうちにあれしますとお答えがちぐはぐになるかもしれませんが、まあしかし、このごろ大蔵大臣はテレビに出演の回数も多いし、なかなか演技力もついてきたと、一般の主婦の評価も高まっておるようであります。私は大蔵大臣の国会の中の発言を聞いておりましても、簡明率直で、ときには大胆率直にお話をされるので、その点で多少ごまかされることもあるんですが、お伺いをしておきます。 それは、大臣は議会制民主主義というものについて、まあ議会主義でもいいんですが、そういうものについてどのようにお考えなのか。基本的な問題ですけれども、後の質問との関連がありまして聞いておかなければならぬのですが、簡単で結構ですから、考え方を述べていただきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはどういうことか御質問の趣旨がよく理解できないんですが、要するに議会と執行部との関係、そういうことでございますれば、要するに首長、地方自治体の首長等が選挙で当選をされるわけですが、それらの財政の執行等について議会が住民を代表してそれを監視し、また同意したり、否定したりして住民にかわって予算に直接関与する、こういうようなことなども財政民主主義のあらわれではないかと、こう考えております。
○伊藤郁男君 要するに、議会制民主主義のもとでは住民なり国民が主役のわけですね。住民あるいは国民の政策選択によってその政策を決めていく、こういうことで、いま大臣の御答弁のとおりと思うんです。したがって、住民の代表として選ばれた首長が自分で何でもかんでも自分の思ったとおり物事を執行できるというような仕組みにはなっていないわけです。当然だと思うんです。したがって、住民は首長の首も気に入らなきゃ切ることもできるという制度になっているわけです。だから、あくまでも住民が主体であり、国民が主役になっているわけですが、ところが大蔵大臣は、わが党を初めといたしまして、例の第二交付税の創設の問題について、本会議とか委員会などを通じましていろいろ申し上げてきたわけですが、その都度大臣はこういうような発言をされているわけです。 たとえば、これは参議院の三月十二日の予算委員会の会議録でありますけれども、「現在でも市町村長によっては道路を直すのが好きな市町村長もいるし、学校建てるのが好きな市町村長もいますし、社会保障が大好きだという市町村長もおって」、と、こういうように、だから道路の好きな者は、たとえば第二交付税という私どもが創設を主張をしている地財法十条の二による建設補助金の問題ですが、この問題を一括して第二交付税的なものにして交付をしていったらどうかというのがわれわれの大づかみの提唱なんですが、それをやれば、道路の好きな者は道路だけつくってしまう、住宅の好きな者は住宅だけつくってしまう、こういう認識で御答弁をされておるわけですが、しかし、議会制民主主義、議会主義のこの制度の中で、おれは道路が好きだから、選挙のときに公約をしたから道路をつくるんだといって道路ばかりつくっていたら、そんなものは一朝にして批判の渦の中に巻き込まれてくるのはあたりまえでありまして、それに基づく予算の執行なんというのは議会で通りようがない。私は、そういう面で、大臣が公式の場で答弁をされていることは、下手をすると、こういう認識でおりますと、議会制民主主義そのものの否定にもつながってくる暴論だというように考えざるを得ないのです。それと同時に、余りにも地方の首長を信頼していないという結論にもなるんですが、この点についてもう一度御見解をいただきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 議会制民主主義が文字どおり理想的に働けば、これは伊藤委員のおっしゃるとおりだと私は思います。しかし、現実の問題といたしまして、みんな人にはカラーがあるわけでございますから、公共事業の非常に好きな人もおります。やっぱり社会保障のように目に見えないものよりも、目に見えるものをつくった方がどうも一時的には選挙の足しになるというような考えで、それで議員の場合等もそういうことにくみするようなこともしょっちゅうございます。それとはまた逆に、公共事業等よりも——反対があるから反対のあるものは余りやりたくない、なるべく反対のない方からやった方がいいということでやる方もあります。しかし、これはしょせんは任期が来るわけですから、任期が来れば選挙で更迭されるじゃないか、だからそういうものをやりたかったら、あるときには市町村長でも何でももう公共事業でうんとやった人があったが、その次は今度はそれがつぶされて、それで住民の投票によって今度は社会保障とかそういう方の人ができるから結局長い目で見れば同じじゃないかと、これも私は一つの見方であることは間違いない、そう思っております。そのために選挙がある。 しかしながら、それでは第二交付税というようなことで、国は基準を示すだけで、あとお使いになるのはどうぞ御自由にみんなそれぞれの住民の意思によってお使いになったらいいでしょうという割り切り方も私はないではないと思いますよ、それは。ないではないと思いますが、タイムラグがありますから、隣同士で、片方は道路だけ非常に好きだということで、村道でも何でも大きく広げてどっと持っていっても、その次の町村に行けば、うちの方は文教の方を主としてやるので当分の間は公共事業の方は最小限度だということで道路の方はあんまりやらぬというようなことでは、なかなか、その全部が同じ考えでバランスがとれてやってくださればいいんですよ、それは。いいんですが、そういうようなところで現在でも多少のニュアンスがそれぞれ違うことも事実なんです、これは、現在でも。それを第二交付税——補助金制度というものをなくしてしまって、全部自治体にお任せをして、そこで御自由にお使いくださいということが、現実の問題としてその方が妥当かどうか、こういうところに疑問がございます。だからといって、あんまり細かいことまで容喙をして、手続その他も非常にうるさくして地方自治体がえらい迷惑するというようなこともこれも困る。縦割り行政だけで地方のなにを無視して、それで頭の中で中央で考えたことを地方に押しつけていく、これも行き過ぎたのでは困るわけでございます。したがって、両方の兼ね合いをどこでとっていくかということが大切ではないのか。 私としては、確かに中央が行き過ぎておるような場面も幾つかございます。現に、私の選挙区などでも大きなトラクターがたんぽの中で二台ぶっ壊れて動かない、何でこんなでかいトラクターを一体買うんだ、これは補助金がそういうことになって、ちっちゃなトラクターは認めていないので、そこは湿地帯のところだけどやっぱり構造改善事業をやりたいから買ったんだというわけで、圃場整備も完全に終わっていないところへそんな大型トラクターを入れちゃってむだ遣いじゃないかと、実例が私知っているのが一つあるんです。そういうようなことで、あんまり地方の実態を無視して全国各一律に実態に即さないようなことも困る。ですから、そういうようなものは補助金のメニュー化等を図って、それでそういう中で選ばせるというような方法をもう少し、理想的でもあるが、しかし地方の実情にも合うようなことも考える必要があるというように思っておるわけであります。私は、決して地方自治体を、みんなまとめてやれば適当にみんな勝手に使っちゃうというように私思っておりません。思っておりませんが、補助金制度をなくしてしまうというところまでいくことについては、現段階においてはなかなか賛成いたしかねる。やはり河川の問題、道路の問題、学校の問題と、いろいろございますし、国全体としては整合性のとれたバランスのある村づくり、県づくりというものを考えておるわけですから、なるべくそれに合うような方向で、この補助制度というものが現実からも離れないでうまく機能することがいいと、そういう意味で申し上げたわけでございます。
○伊藤郁男君 やはり、政策の選択にしても、あるいはその政策についての優先順位づけにしても、これは住、民がもとで決めていく問題だ、こういうように私は思いますし、それが民主主義の発展というものにつながってくると、こういうように私は思うわけです。 それで、いま第二交付税の創設の問題につきまして大蔵大臣は言われましたけれども、私どもは国の整合性を持った計画、そういうものを無視してやれと、こう言っているわけじゃないんです。だから、大臣はわれわれが提唱している第二交付税の中身をまだ十分に理解をされていないように思うのです。 私どもは、国との整合性の問題も十分に配慮をして、たとえば地財法の第十条の二に掲げている事業については、国の各種の長期五カ年計画、たとえば道路整備五カ年計画等、これに従って、かつ全国的に統一された基準に基づいて中期の投資支出計画というものをそれぞれ策定をして、投資需要の客観的な中期展望を提示するように都道府県や市町村はしたらどうだろうか。国の計画に基づいてわが方はこのようにやっていきたい、優先順序をたとえばことしは道路と保育所と公民館を建てたいけれども、当面は公民館の方をがまんして道路をひとつというその市町村の自主性というものはもちろん認めていかなければいかぬわけですが、そういうそれぞれの市町村が抱えている客観的な資料に基づいた中期展望を出したらどうだろうか。そして、そういう中期展望を持ちながら、これだけのものが必要だということで中央に計画を立てていく。それに基づいて中身を審査して、それではそれでいこうということで一括しておろしていく、こういうようないろいろありますけれども、国の整合性を私どもは別に無視しているわけじゃないんです。それに基づくけれども、地方がそれを使う場合に、優先順序というものは、地方の実情において自主性を持たしていくような方向で使わせればより有効にこの金が生きてくるのではないか。 いま大臣がおっしゃったように画一的にやるために、中央の所管庁の考えている計画でわっとやるために、だからうちの方は当面はそんなものをつくる考えはないんだけれども、しかし国がそういうことでやれといってくるから、無理やりそのことを計画に盛り込んでやらなければいかぬというむだが出てくるわけですから、そういうむだを排除するためにもこの第二交付税というものを創設していったらいいのではないか。それの方がよりこの金が生きるし、整合性のとれた、発展性のある、しかも自主性を加味したものができてくるのではないかと、こういうように言っているわけでありまして、もう一度お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それも一つの私は考え方だと思います。しかしながら、各地方地方でそういう計画を立てて、それで国の基準を示して、こう上へ上げてくるとしても、結局自治省だけで全部のことをやっているわけではない。これは現在の仕組みは各省庁それぞれ別々に仕事をやっておるということですから、やはり中身は分割されて、審査をする場合でもそれぞれの省庁で専門的な立場で審査する以外には審査の方法はないし、それぞれの補助率というようなもの等についても一応基準はみんな示すのでしょうから、こういうものをやれば幾ら、こういうものをやれば幾らというようなことをやっぱり示すのでしょうから、そうなってきますと、現在の補助金制度とどこがどう違うのか。そこらのところで私も第二交付税制度の御提案の中身をよく知らないから、そういうところで御理解を得ない点もあるのかもしれませんが、同じことになるんではないのかと。 したがって、現在の補助金制度の要するに行き過ぎた部分、それから実情に合わない部分、そういう部分を面していくということにすれば、委員の第二交付税という考え方に近いような、繁雑な手数をかけなくともそれに近いようなことで、国の考えている一つの整合性のとれた地方づくりといいますか、村づくりといいますか、そういうものができるのではないだろうか、これは同じようなことをやっぱり目指しているのじゃないのかなと。さらによく勉強したいと思いますが、したがって現在のところ、いまの段階でいわゆる第二交付税制度が賛成ですということは言い切れない段階にございますということを申し上げる次第であります。
○伊藤郁男君 いまの制度と変わりないじゃないかと、こう言われるんですが、私は大いに変わってくると思うのです。これは自民党の議員でもこの問題は非常に関心があると言って、これは朝日新聞の「論壇」にも投書のような形で載っておるのですが、この方は地方の首長も経験をされた方ですね。だから、いまのような補助金の制度だと、地方がことしはこういうことをやりたい、あれもやりたいと、しかし優先順序をつけて、やりたいものも次年度に延ばすものは延ばしていく、こういうことを考えても補助金にはそれぞれ一つずつ条件がついておりますから、したがって自分たちは住民の意思に沿ってそういう優先順序をつけてやりたいけれども、どうしてもそういうものがくっついてくるから無理してそれをやらざるを得ない、こういうことになっているわけですから、それがそういうところがなくなってくる。こういう一括の方式でいけばなくなってきていそしてその地域の整合性のとれた計画なり実行ができてくる。そしてそれは国との必ずしも整合性を欠かない、こういうことになれば大いに私は変わってくるのではないかと、こういうように判断をしておりますので、もう一度十分に御検討をいただきたい、こういうように思います。 それから補助金行政の弊害なんですけれども、いまはたとえば地方の時代なんて言われていますけれども、現実には地方の時代なんていう言葉自身もお上のお役人がつくった言葉なんですよ、本当は。地方の人が地方の時代がいよいよ来たなんて考えているところは一つもないですね。まさに三割自治と言われるそういう実態、かつ地方財政の中で国庫補助金、負担金というのは二四%を占めているわけですから、膨大な量に上っているわけですね。そしてこの補助金行政に一つ一つひもがついている、だからこれが地方を縛りつける。そして地方は事業をやるためには国の補助金をもらわなきゃいかぬということで、そこで陳情行政が行われる。言うならばおねだり行政ですね、こういうことが生まれてきているわけです。こういう現状について、これはやっぱり改革をしていかないと、地方の時代なんていうことが実現できるわけはないと思いますね。その第一歩としてのやはり私は第二交付税創設の意味もそこにあるのではないか、こういうふうに思いますし、地方の六団体の大体の世論がそこにあるわけですから、やっぱり政治は世論に従って動いていく、こういう原則から立ては、そういう方回を真剣に検討をしていくというのが政府の役割りではないかと、こういうように思うのでありますが、もう一度重ねて御答弁をお願い申し上げます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 補助金の中でも、もうずっと長い間続いておって、地方のやらなければならない仕事として定着しているというようなものなどについては、私はやっぱり一々上まで持ってこなくても、義務づけて地方にやらせるというようなことも一つの考え方だと思います。 いずれにいたしましても、一つの考え方でございますから、これは非常な制度の大変革でございますから、半年や一年ですぐ結論が出るということではないと思いますけれども、中長期的に見て、それは一つの考え方として真剣に検討に値するものであると、そう思っております。
○伊藤郁男君 それで、総理に見解をお伺いをしておきますが、いまの補助金行政による陳情行政、悪弊があるわけでありまして、たとえばわが党が要求をいたしました各省別陳情受け付け件数というのは全部で五万四千七百七十三ですね、一年間に陳情に来るわけです。これは件数ですから、人員からいけばこのまあ十倍くらいの人員が一年間に陳情のために上がってくる、こういうことになっておると思うんです。 しかも、一つの補助金をいただくために大変膨大な提出資料を出さなければならぬ。たとえば道路改良事業なんというのは、これは六団体の行政改革推進特別委員会がつくった資料でありますけれども、もう大変なものです。私もこれを見てびっくりしているわけでありますが、たとえば道路改良事業で補助金をいただくということになると、第一に事務手続として要望ヒヤリングというのがある。これには新規工区説明資料——五百分の一の平面図、縦横断面図、それから標準横断面図、特定構造物、概略設計書、地形図、写真、工事個所表、要望書と、こういうものをまず最初の段階ではやらなければならない。認可申請をするためにはまた物すごい膨大な資料を提出をしなければならない。変更認可を求める場合にはその申請もしなければならぬ。変更交付申請も行わなければならない。終了したらそれを実績報告をしなければならない。完了したらその完了実績報告もしなければならぬということで、項目だけでも四十項目の書類が必要だということでございまして、しかもこのための説明に中央本庁に上がってくる事務、そういう人員というのが道路改良事業だけでここにありますように二千二百六十人、これだけの延べ人員をかけて上京をし、説明をし、書類を提出する。こういうようなまさに膨大な、しかもこれは一つの事業ですから、それが幾つもあるわけですから、補助金の件数にして三千、建設補助関係だって一千件くらいあるわけですから、それに忙殺をされ、そしてこれを出すためにとにかく働いている。そうすると、膨大な費用もむだもかかっている。こういうことでありますが、この陳情行政を改めていかなければならぬと思うのですが、との点についての総理大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私も、陳情行政の非常に非能率であり、またむだがある、これが今日、中央、地方の行政の連携の上にも何かそれがなくちゃならぬように、もうすでに惰性的に行われておりますけれども、これを打破しなければ行政の簡素合理化、能率化ということができない。また、陳情行政のために使っておりますむだな費用、これも大変莫大なものになろうかと、こう思うわけであります。今回の第二臨調における行革におきましても重要な課題として御検討いただいておりますが、その改善策につきましては政府も真剣に取り組んでまいりたいと、こう思っております。
○伊藤郁男君 運輸大臣も国鉄総裁も出られておりますので、次に国鉄の問題につきまして若干質問をさしていただきたいと思います。 国鉄——当委員会でもさまざまな議論が行われまして、国鉄再建というものが行革関連のためにもきわめて重要な課題であるということが指摘をされておるわけでありますが、国鉄再建促進法案がつくられまして、その柱は御承知のように五兆円以上に上る債務のたな上げを図る、地方特定線を廃止する、三十五万人体制の実現、このことによって六十年度には収支均衡を実現しようと、こういうものであることは、御承知のそういう法律になっているわけですが、この法律に基づいて経営改善計画、いわば実行計画が五月に国鉄から運輸大臣に提出されたわけであります。 この計画は、具体的なその改善計画を示した部分もあるが、私は全体としては抽象論的になっておるのではないかと。しかし「後のない計画」ですから、抽象論だからといってそれを私どもは反対も何もしているわけじゃありませんですが、たとえばこの改善計画によりましても、昭和六十年度に一般営業損益で黒字転換を図るということになっているけれども、その場合でもなお全体収支では、膨大な構造的欠陥と営業外損益によって一兆円近い損失が出るということで試算をされていることは御承知のところでありまして、果たして一体再建法が通り、そしてこれに基づいて改善計画方針が出たけれども、国鉄再建への道というものは大変遠い道のりではないかというように思うわけでありますけれども、しかし、もう六十年度というのはすぐそこに、目の前に来ているわけですね。一体、国鉄再建というものは本当に可能なのかどうか、国民にわかりやすく、その見通しを運輸大臣からお示しいただきたい。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、国鉄が今日のこういう危機的な状況になりましたその原因をやはり改正していかなければならないと思っております。 その一番大きい原因は、やはり独占であると思っておった国鉄が、実は交通機関の中におきましては大変な競争の中で経営していかなければならぬ。その一つは航空機であり、その一つは自動車であったわけでございます。でございますから、今日国鉄を再建いたしますにつきまして、国鉄自身が持っておる特性を中心とした経営に切りかえていかなければなりません。 その一つの目標として、いわば都市内における通勤電車あるいは都市間旅客輸送、それから大量、定型貨物輸送と、この三つにしぼって集約していく必要があると思っております。でございますから、この方針に基づきまして、皆さん方に大変御迷惑かけておりますが、地方線の整理というものもやらざるを得なくなってまいったというのは、そういうところに原因があるわけでございます。このようないわば競争条件を整理していくということが一つ。 それからもう一つは、労使の関係をもっと正常にしていって、本当に全従業員が燃えるような気持ちでこの再建に取り組んでくれなければ、私は再建は不可能だと思うのであります。それと同時に、国鉄がいわばさっきも申しました特性によって経営を中心的にしぼっていくといたしますならば、余剰人員が出てくることは当然でございますので、この整理もあわせてやっていかなければならぬ。つまり、国鉄の従業員全体がどうあるかというこの問題が大事なことだと思うのであります。 それからもう一つは、国鉄に当事者能力をつけていかなければならぬということでございまして、いわば国鉄の営業路線等はいわゆる国鉄の自分の経済効果だけで決定されるものではございません。どうしても公共性というものを当然そこに持ってくるわけでございますが、こういうものに対するいわば国の責任ということをひとつ明確にしていただきたい、こういうことから国鉄の再建に取り組んでおるわけでございます。 先ほど御質問の中にございました経営改善計画、昭和六十年までをめどにいたしました。これによって黒字に転換するものではない、仰せのとおりでございます。しかし、現在私たちが目標としておりますのは国鉄の幹線部門、これだけでもせめて黒字にいたしたいということでございまして、それによって経営の基盤をつくりたいというのが一つのステップでございます。 ですから、六十年をもって国鉄の体質が根本的に変わってくる、財務的体質でございますが、それが変わるということはなかなか至難のことであろう。しかしながら、その経営の基盤をいわば幹線だけでも黒字になるということになりましたならば、それが一つのはずみとなりまして経営の改善が図られてくる。 そのためには、一つ重要な問題は、構造的な問題を抱えております。これは一つは資本投下の負担でございますことと、それから特定人件費の負担ということでございますが、この問題はやはり六十年以降においても若干残ってまいりますので、これはまさに政治的に解決していただかなければならぬ問題であろうと思っておるのでございますが、いずれにしても六十年で国鉄がすきっと体質を改善できるということはなかなか至難でございまして、でございますから、六十年からさらに十年、昭和七十年をめどにしたそういう長期展望に立った計画もあわせてしていかなければならぬと私は思っております。
○伊藤郁男君 そこで、関連をして総裁にお伺いをしたいんですが、この経営改善計画の重要な柱の一つが三十五万人体制にあることはこれはもう御承知のところですが、国鉄当局が運輸省に出しました経営改善計画が五月の何日かに許可されているわけですね。その経営改善計画を出して、それが承認をされてから、労働組合に対してこの問題について具体的に提示して、同じテーブルについて話し合いを始めたのはいつですか。
○説明員(高木文雄君) ただいまお示しいただきましたように、経営改善計画はこの五月初旬に政府から御承認をいただいたわけでございますけれども、その基礎は五十三年から取り組んでまいりました。五十四年に私どもが基本構想案という形でわれわれの案を取りまとめまして御提出申し上げたものが基礎になっております。したがいまして、この例の三十五万人の問題、あるいは別の表現をとりますと七万四千人の人員減という問題は、労使間で話し合いが始まりましたのはもう二年か三年ぐらい前からでございました。しかし、大計画であり長期計画であるからということで、全体の話を正式の形で労使間でいわゆる交渉といようなことにはなかなかなりにくいということがございました。毎年毎年の分を論議をし、実施をしてまいったわけでございました。 一例を挙げますれば、五十五年度では労使交渉の結果、一万一千人の予算定員減ということがまとまったわけでございました。その後、いつまでも毎年毎年で議論していてもぐあいが悪いということがありました。ひとつ六十年までの全体の話をまとめようじゃないかということで全体計画の——と申しましてもまだまだ細部のところは残っております、ごく全体のスケルトンでございますけれども、これを話し合おうじゃないか、一年一年じゃどうもぐあいが悪いなということになりましたのがことしの九月であるわけでございます。
○伊藤郁男君 前段のいろいろのお話は結構なんですが、要するに経営改善計画が運輸省で許可をされた時点から、いま総裁がお話しのように、労働組合に対して一括提案をしてテーブルについたというのは九月二十一日ですね、要するに四ヵ月たっているわけです。とにかく国鉄の経営の改善、再建という問題は、これはもう労使にとって死活の問題であるわけです。まさに会社がつぶれれば組合もなくなっちゃうわけですから。こういう双方にとって死活の問題にもかかわらず、四カ月もたってようやく一括提案というこのスローモーぶりは一体どうしたことか。 いま運輸大臣が言われましたように、再建の意欲が満ち満ちてこなければ国鉄再建はだめなんだと、こう言われておる。まさにそのとおりだと思うんですが、一体四ヵ月もたってやっと提案をするというようなスローモーぶりの中に私は再建の意欲がみなぎっているとはどうしても思えないですね。民間企業だったら、改善計画が提出されたら即その日からこれについてどうするかということで労使で真剣に話し合うというのが、これがあたりまえの話ですよ。しかも、国鉄の再建計画は、今度の計画は後がない計画だと、こう言われるわけですから、まさに最終の計画なんですから、だからこの最終の計画、後のない計画について本当に真剣に対処するということがなければならぬわけでありますが、一体なぜ四ヵ月もかかったのか、その原因はどこにありましょうか。
○説明員(吉井浩君) ただいま総裁が申しましたように、三十五万人体制に向かっての歩みというものはもうすでに続けておったわけでございますし、また、今五十六年度におきましても年度当初から進めてまいったわけであります。 それからまた、大臣から御承認をいただきました経営改善計画そのものにつきましては、いわゆる団体交渉という場ではなしに、再建問題懇談会でありますとか、あるいは再建労使会議という場でそれぞれの組合と理解を深める努力はいたしてまいりました。これはまた五十二年度ごろから進めてまいりました。経営改善計画の中身の説明も十分にやってまいったということでございまして、ただいま総裁から御説明をいたしました九月二十一日、二十二日にかけての各組合への提案というものは、その中身の具体的な団体交渉の項目を六十年を見渡しましてそれぞれに取りまとめて提案をいたしたということでございまして、決してその間の時間を空費したというものではございません。 それからまた、それがどうして九月かというお尋ねでございますが、私どもも御承認をいただきまして、すぐにこれを具体的な団体交渉項目ということに取りまとめた交渉をいたしたいと存じたわけでありますが、御承知のように七月、八月、各労働組合は中央大会、特に人事を含む中央大会でございまして、九月に入りまして新しい陣容で中央、地方ともに執行部は成立した、この段階でひとつ全体を取りまとめて提案をしたということでございまして、繰り返すようでございますけれども、決して五月から九月までの時間を空費したということではございません。その間に、その内容をなすものにつきましては、日夜、根を詰めた団体交渉をやってまいったということを補足させていただきます。
○伊藤郁男君 それでは、具体的にお伺いするのですが、計画によりますと、五十九年度までに七万四千入減、今年度、五十六年度はふやす分は二千名で減員する分は一万四千名、こういうことになっておりますね。そうすると、プラスマイナス、差し引き一万二千名を五十六年度は減らしていく。もうすでに年度の半ばを過ぎておるわけですが、この一万二千名を減らすということについて組合と話し合いがついた、現時点でですよ、ついたのは、一体何名減らすことが話し合いがついたのか。
○説明員(吉井浩君) これまでにすでに交渉が中央、地方を通じまして妥結をいたしましたもの、これは上半期を終えまして約千五百名ということでございますので、目標値に対しましては一〇%程度であるという御指摘をいただくと思いますが、ただ、これにつきましては、五十五年度、御承知のように十月の時刻改正ということで大きな懸案を解決いたしました。そして、ただいま五十六年度に入りましてからいろいろな件名を交渉中でございまして、その中には一件の妥結によって相当数の減員効果を生ずるという項目がございます。その項目の幾つかは非常に問題が大きくございまして、現在交渉中でございます。 こういったものをこの年内目途に中央、地方を通じましていろいろ交渉してまいるということで、大体例年の例で申しましても、上半期と下半期は必ずしも平均して交渉がまとまるということではございませんし、また特に、ことしのようにいわゆる時刻改正というような大きな項目のない場合には一つの件名にかなりの予備時間がかかる、しかしながら、それが妥結すれば大きな減員効果を生むということでございまして、そういった意味合いで、上半期の実績はなるほど低うございますけれども、私ども相当煮詰まった団体交渉の中身を持ち合わしておりますので、年度末までに一万二千人のお約束を達成することは必ず可能である、このように信じております。
○伊藤郁男君 いまは、本当に下半期は確かに定年退職等がございまして、これが年度末に集中をしますから、したがって可能性がそれはあることはあると思うんですが、しかしいま常務の言われましたように、本当に上半期一〇%、こういう状況ですから、果たしてそのような一万二千名の減員計画というのがこのままでいって一体到達が可能なのかどうか、私は不可能ではないかと。そうなると、この国鉄再建の重要な柱である一角が崩れてきてしまって、再建の構想というものが根底から崩れざるを得ないという心配をしておるわけでありますが、本当にできますか。
○説明員(高木文雄君) 結論的にはどうしてもやらなければなりませんし、やり遂げるつもりでございます。 私も、毎年、ここのところ何千人あるいは一万人を超える要員の減という作業をいたしてきておりました。率直に申しまして、毎年毎年二月から三月にかけて予定だけのものがうまくいくかしらということで心配をしながら年度末を迎えるわけでございますが、ここ数年のところ、とにかく何とかやってまいりました。本年もなかなか数も多いことでございますし、それからいま取り上げております問題がかなりいままでの考え方と違う作業体制を前提としておりますのでなかなか容易ではない、論議も沸騰しましょうし、時間もかかりましょうかと思います。しかし、いままでの私の短い経験ではございますが、これは十分やり遂げ得ると、そう考えております。中央で交渉し、地方で交渉し、また現場のいろいろな事情ありというようなことがいろいろありまして、最終的なところへ到達するのにかなり時間がかかりますけれども、しかしそう決められていることでございますし、その決められていることは突破せにゃならぬという気構えは十分に持っておりますので、御注意いただいてありがとうございますけれども、何とかやり遂げるということを申し上げたいと存じます。
○伊藤郁男君 それはぜひやり遂げるということですから、その言をまあ信ぜざるを得ないんですが、もう一つは、六十年三十五万人体制の基礎となる運輸収入の問題であります。九月末までの上半期の運輸収入の状況が出ていると思うんですが、それはどうなっておりますか。
○説明員(高木文雄君) ことしの予算で——ことしというのは五十六年度の予算で、運輸収入の見込み額として予算で決められております額が、下二けた丸めて申しますが、二兆八千八百億でございます。ところが、昨年一年間の私どもの運輸収入実績は二兆五千七百億でございました。昨年よりも一二・三%金額の多い収入が予算上計上されております。それに対しまして、九月末までの状況で申しまして四%強、五%ぐらいということになっております。内容的には旅客が七%、それから貨物が前年に比べて大分減りまして九一%というような成績になっております。回ないし五%という状態ではこの一一二%という状態とかなりかけ離れておるわけでございまして、私どもも旅客はよろしいのでございますけれども、ほどほどいっておりますが、貨物の営業成績が上がらないということについて非常に苦慮いたしておるところでございます。
○伊藤郁男君 この九月では旅客収入が七%伸び、貨物収入が八%減ったということですね。下半期も恐らくいまの状況からいけばこういう傾向が続くと見なければならぬと思うのですが、そうなると、いま総裁がお示しになりましたように二兆八千八百七十七億円に対しまして、これは年度末になってみないとわかりませんけれども、私がつくりました推定の数値を申し上げますと、旅客収入で予算に対して約五百億円、貨物収入で約一千億円、計一千五百億円程度の減収になるのではないかというように、このままの、いまの上半期の数字をもとにして同じ傾向が続くと考えるならば、そういうような減収がもたらされるのではないかと判断をしておりますが、総裁の判断はどうでしょうか。
○説明員(高木文雄君) まあ私ども毎日営業状態を見ながら非常に心配をいたしておるわけでございます。いまの傾向が続けばそうなるというのは、これは数字が正直に示しますからおっしゃるとおりになる心配があるわけでございまして、しかし、そうなっては大変だということでございます。 ただ、昨年の傾向では、実は昨年一年間で貨物の輸送量が一挙に一三%も落ちたわけでございますが、これは国鉄の歴史において過去にない大きなショックでございました。それに比べてさらに一〇%近い減というのは、これも大変なことでございますが、あらゆる努力をしてお客さんを自動車に取られないように、あるいはまた船に持っていかれないようにということでがんばってはおりますが、自動車業界も余り調子はよくないようでございまして、先方さんもがんばるということで、両方で引っ張り合いでございまして、これは大変なことでございますので、必死になってやっておりますが、なかなか容易でないという時代でございまして、何とかそれを少しでも、いまお示しのような数字になっては大変だということでいっております。 それからまた同時に、経費等につきましても手を打たなければならぬ。もちろん節減努力は年度当初からやってはおりますが、さらに追っかけて節減努力に努めなければならぬということで、率直に申し上げて私非常に頭が痛いといいますか、しかし頭が痛いだけで済みませんので、がんばるつもりでおります。
○伊藤郁男君 総裁、この問題は、大変なことになるんだと言っているだけでは私は済まされない問題だと思うんですよ。やっぱり六十年三十五万人体制のもととなるのは、この運輸収入が非常にかかわり合いを持ってくるわけですね。だから、千五百億円の減収になるということになれば、仮に人件費一人五百万円といたしまして三万人分に相当するわけですね。そうすると、国鉄の再建を本当に軌道に乗せるためには、このような運輸収入の現状から考えると、一万二千入減員プラス三万人ということになるわけですよ。そんなことはとてもできっこないんですね、できる話じゃないんです。したがってこの問題は大変だということ。要するに、いままで国会の場で議論をされた処分通告と発令の違いなんていう問題ではないと思うんですよ、見せかけの問題ではない。実際の問題として来年の三月末にはそういう結果が出てくるということになりますと、大変な事態にならざるを得ない。だから、残念だとか、こういうことは努力したけれども結果的にはだめだったというような抽象的なことを言っておったところで、現実の問題はもっと重大な問題としてのしかかってくる。こんなようなことかうら、やっぱり労使がもう少し真剣に、本当に運輸大臣がおっしゃるように、燃えるような熱情を持っていかなければとても再建なんてできっこない。このようにいまの段階では考えざるを得ないんですが、総理大臣、御見解がありましたらお伺いいたします。
○説明員(高木文雄君) 一言補充さしていただきますが、まさにこの収入が思うようにいかないというのはきわめて重大なことでございます。過去におきましても、いろいろ経費がふえた、いろいろなベースアップ、物価騰貴等で経費がふえたということによって経営が予定どおりいかないという場合もございました。また、収入がなかなか伸びないということでうまくいかないということもございましたが、やはり何といいましても、収入がうまく思うようにいかない、しかも非常に異常な状態で急激に減っていくということは大変なことでございまして、決して抽象的にと申しますか、困った困ったと言っているわけではないわけでございまして、これを具体的にどうやって一トンでもよけい運ばしていただけるか、お一人でもよけい乗っていただけるかということで、それぞれ担当の者だけじゃなくて、担当外の者も販売に力を入れるというようなことが、そういう運動が始まっておるわけでございます。しかし、なかなかショートする金額が大きくなりそうでございますので大いに督励をしてやってまいりますけれども、大変であるということは御指摘のとおりでございます。しかし、職員の諸君もそうした実態は、最近は経営状況等につきましても一人一人の職員も関心を少しずつではありますが、まだ十分ではありませんけれども持つようになっておりますので、みんなでがんばってやっていくということの空気が出てきたということでありますので、これを伸ばしてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど塩川運輸大臣が申し上げたのでありますが、政府としては当面、国鉄再建法、この法案がせっかく国会の御承認をいただいて成立を見たわけであります。それに基づく経営改善計画、国鉄を鞭撻をし、そして国鉄の真に再建を図ろうという熱意のもとに、六十年までの間にせめて経営の面における経常収支が改善をされる、そういうようなことをまず期したい。構造的な問題、いろいろな問題がございますが、そういう問題はなかなか一挙に解決できる問題でもございませんが、せめて前段の問題に全力を尽くす、それによって国鉄再建への一つの明るい展望も開けてくるわけでございます。しかし、政府はその他の構造的な問題も漫然と考えておってはいけない、具体的にこの問題、この問題はこういうぐあいにしようかということにつきましては、長期的な計画を今後も立てていきたいと、こう思っております。
○伊藤郁男君 国鉄総裁にもう一つだけお伺いをするのですが、この再建については労使関係の正常化ということが最大のポイントであることは、大方のもう共通の認識になってきておると思うのです。私も今年二月十三日の予算委員会におきまして、例の旭川管理局の深川保線区の問題を取り上げまして、その職場の実態を御説明申し上げたわけでありますが、国鉄にはこれらに類した問題職場が、特に最重点的な問題職場というものが四十二ヵ所ある、問題職場と言われるものが合計百七十九もある、こう言われておるわけですね。深川保線区の問題につきましては、早速総裁も意にとめられまして、現実に管理局を指揮し、具体的な改善計画を指導をしてこられているということは、これは私は歩といたします。しかし、このように国鉄が真剣に管理局を督励して、現場の問題職場と言われるものの改善を指導しておりましても、職場の実態というものはなかなか思うように改善をされていっていないというのが現状ではないかと思うんです。 特に、これは「こくろう調査」という国鉄労働組合が出している本があるんですが、この中に、私が指摘をいたしました深川保線区の組合の分会長が、「現場協議・労務監査攻撃の実態」ということで座談会をやっているその中で、国会でも伊藤郁男というのが名指しで攻撃をかけてきた、そしてこの攻撃に対して私どもは反撃体制を整えなきゃならぬ、これが組合の役割りだといって反撃体制をこれからとるんだと、こういうことを言っておるわけですね、具体的に。 そして、私が指摘しましたように、あの職場の現場協議なんというのは年間五十回もやられておる。一回に七時間も八時間もかけて、そのために区長はかん詰めになって仕事もできないということを指摘し、前の区長もその前の区長もそのために病気で入院をせざるを得なくなったという実情も私は指摘したわけですが、しかし、これまた現場の責任者が報告をするところを見ると、現場協議は年間四十七、八回やっている。これは月に直せば四、五回やっているということになるんですね。一向に改まっていない。そして一回にやる時間は大体五時間くらいやっているんだと、現場協議を。こういう実態をみずから報告をし、そして国鉄の監査なんというものはこれは問題じゃないんだと、こういうむしろ反撃体制というものをとろうとしているというこの現実ですね。だから、深刻に、真剣に受けとめて、本当に現場の状況というものを改善をし、そして再三言いますように、現場から国鉄再建の燃えるような意気込みが出てこなければだめなんで、本当にその辺を私は心配をしておるのですが、一体この改善について、努力は多としますけれども、どうなっておるのか、このことをお伺いしておきます。
○説明員(高木文雄君) ただいまお話がございましたように、この春の予算委員会等で御指摘もありました。また、そのほかいろいろな御注意なり何なりが寄せられてまいりました。前々からも努力はいたしておりましたが、特に最近そうした問題職場についての立て直しに力を入れております。その結果、かなり組合の一部でも、何といいますか、一つの刺激を受けておるわけでございまして、いまお示しのその座談会の記録をお読みいただきましても、その点はにじみ出ておることと存じます。 それで、非常に困ることなんですけれども、組合と申しましても、何分数も大ぜいでございますし、また、いわゆるいろいろな派に分かれておるわけでございまして、かなり激しい者もおります。また、いろいろな考え方でこり固まっている人たちもおります。でございますから、容易ではないとは思いますけれども、しかしある意味では、そこにあらわれておりますように、われわれも一生懸命やっておるわけでございまして、この勢いをもって臨んでいかなければならぬと考えております。 ただ、全国に広がっておりますし、地域ごとに事情はいろいろ違いますし、職場と申しましてもいろいろな職種の職場に分かれておりますので、なかなか私自身の思うとおりにならないというのも実態でございます。いろいろ国民の皆様方の御注意なり御声援を受けて、私どもしっかり取り組んでまいりますということで御理解いただきたいと存じます。
○伊藤郁男君 それでは、次の問題に移らしていただきます。 地方の行政改革に関連をして自治大臣にお伺いをしたいんですが、地方の公務員の給与が高いということが問題にされているわけでありますが、今月の二日、全国の四十七都道府県及び十政令指定都市の給与改定勧告が、これは沖縄を含めてすべて出そろったということになっているわけですが、この地方公務員の給与改定勧告を見ますと、これはもう新聞でそれぞれ報道されているわけでありますけれども、 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕 ほとんどが人事院勧告横並び、高いということに対する国民的な批判に即応するようなものに一向なっていない。こういう結果が出ておるわけでありますが、この原因について大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方公務員の給与に関する勧告でありますが、答申の内容から見ますと国家公務員が五・二三%、ところが大部分の県が国に準ずるということで、民間格差等をも考慮いたしまして大体四・七から四・九ぐらい、五%を切るというような答申になっておるわけでございます。その点においては、かつてのような国の基準を上回るような勧告、あるいは国の基準そのままを勧告するという点は、ある程度是正はされたように思いますけれども、しかし基本的にはこの根本が、たとえば初任給の問題、あるいはわたりの問題、昇短の問題、そういうものが根っこにありまして、それが高く引き上げてわるわけでございます。この点について勧告をした県は恐らく十県程度じゃなかろうかと思っております。この点について私は不満であります。しかしながら、この是正につきましては、勧告のあるなしにかかわらず、執行部の責任者が決意を持って処置をすればできないわけのものでもございません。 したがって、この点については今後一層努力をしてまいるつもりでございまするが、しかし、何にいたしましても、評価の仕方はいろいろあると思いますけれども、従来のような感覚から若干抜け出しまして、この問題について人事委員会も真剣に取り組んでいこうという芽が見えてきたということだけは事実でなかろうかと思っておるわけでございまするが、この点はさらに指導を強化していく必要があるだろうと、こう評価をいたしております。
○伊藤郁男君 いま大臣が言われました人事委員会ですね、これが給与に関する勧告を行うわけでございますが、いろいろな地方の勧告に至るまでの実態と、それから勧告の中身を見ますと、ほとんどが国家公務員の人事院勧告そのままでいこうじゃないか、あるいはそれに準じていこうではないかと、いろいろ民間との調査等いろいろな比較などをそれぞれやっておりますけれども、結果的にはそういうことになっておるわけですね。だから、人事委員会というものの役割りが、国並びということならば、何も地方ごとに人事委員会を設けなくても、国の人事院に委託して勧告を出してもらえば、それをそのまま適用すればいいということになるわけですね。だから、人事委員会そのものの機能というものがまさにいまは働いていないのではないか、そのためにこういう結果というものをもたらしているのではないかというように私は思うわけでありますけれども、人事委員会にもう少しメスを入れて、そして人事委員会が本来の役割りを果たせるように自治省としてどのような指導ができるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 人事委員会は、地方公務員法に基づいて給与決定の調査並びに勧告を行う機能を持っておる、この意味におきましてはきわめて重要な存在だと思います。しかし、率直に申しまして、従来の運用状況を見ますと、いま御指摘のような点は私はあると思っております。したがいまして、お話のような人事委員会無用論というものも決してゆえなくして発言されておるものではなかろうと思っております。しかしながら、本来の機能はそういうものじゃございませんので、私といたしましては最大の努力をいたしまして、常々人事委員会の、ことしは初めてだと思いますけれども、人事委員を集めて、そしてこの方向についての直接の勧告もいたしておるわけでございまするが、そういうことを重ねることによりまして、この傾向というものを是正していかなくてはならぬ、一段の努力をする必要があると、こういうふうに考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 努力は結構でございますけれども、ここに一つの例があるのです。これは鳥取県の例ですが、鳥取県の人事委員会はこの五年間、地元の民間企業の平均給与を鳥取県の公務員の給与が上回っていながらも、さらにそれに国並みの給与引き上げというものをやっている。このために鳥取県は、島根、岡山、広島、山口の中国五県のトップに躍り出ている。五十五年四月現在の都道府県の一般行政職給与というものは、全国平均しますと二十万五千二百五十一円、ところが鳥取県は二十一万七千三百九十五円と、こうなっております。また、鳥取商工会議所が調査した県内の全職種の平均給与は四十歳で十七万八千二百七十一円で、同じ四十歳の鳥取県庁職員の給与とは五万八千二百四円の開きがあることが明らかにされています。だから鳥取県民は、税金を払っているのはわれわれ納税者、その納税者よりも役人の給与が数段も高いということはおかしいという非常に強い批判が巻き起こっているわけでありますが、こういう国家公務員や地方民間給与を大幅に上回る自治体、これについては、これは自治大臣も勇断をもってベースアップは見送るべしだという行政指導もやったと聞いておるのですが、こういう実態がまだ引き続き続いていくということは問題だと思うんですが、この点に対する対処の方針をお伺いします。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 各県の状況を見ますと、鳥取県だけが民間格差を上回る勧告をしておるという県でございます。したがいまして、この是正方につきましては、私といたしまして十分鳥取県当局と折衝いたしまして、この勧告よりさらに圧縮したような実施をするように交渉いたしたいと思っております。勧告は勧告でございまするので、最終的には知事と責任者の決断でございまするから、そうした方向で進めてまいりたいと思っております。
○伊藤郁男君 次に、地方公務員の問題でお伺いをするのですが、地方公務員の場合には、特別手当というのですか、特殊勤務手当、これがいろいろな面で出ておるわけでございます。私どもの調査によりますと、この特殊手当と言われるものの種類は三十種類から五十種類にも上っているんですね。 佐世保市の場合は五十五種類もあると言われている。たとえば、その中でごみの収集をする場合に、その車を動かす運転手がいますね、運転手には運転手当がついている。そして、それが現場に行ってごみを収集する場合には、運転手はやらないで、ほかの人がごみを収集するわけです。このごみを収集する人には不快手当がついているわけです。しかし、運転手にも運転手当と同時にまたこの不快手当も加味されてついている、こういうわけです。それから驚くべきことに、失対事業がありますね、そうすると、これはマイクロバスで現場に労務者を運んでいきます。その運んでいくための運転手はそのときには運転手当がつくわけです。そして、仕事が何時に終わるかわかりませんが、終わるまでそこで車をとめて待っているわけです。その運転手はその待ち時間の間に雑誌を見たり新聞を見たりなんかしているだけです。そして、仕事が終わればそれをまた乗せて帰るということですが、その待ち時間に待ち手当がついているわけですね、こういう実態。しかも、今度はまた調理師には危険手当がついているというわけであります。調理師に何で危険手当がついているかといえば、ガスを使うから危険だから危険手当がついている、こういうわけでありまして、そういうように三十種類から五十種類の特別勤務手当といいますか、これは法律違反ではないかもしれません。ないかもしれませんが、そして、労使交渉の中でそういうものを積み上げてきたものかもしれません。しかし、民間ではとてもとうてい考えられないような手当が三十種類も五十種類もついているということに私は大変不快な念を持つわけです。 山口市の場合、ここに私どもの調査であるのですが、これも全部読んでいたら、これだけでも三、四十分かかってしまうのですが、とにかく山口市の職員は自分自身でやっぱり配置されて与えられた仕事があるわけですね。その与えられた仕事に必ず何かの手当がついている、本来の業務であるのにもかかわらず手当がついているという実例があるわけです。たとえば、税務事務従事手当、これは課税課及び納税課に勤務する職員は月額二千五百円ついているわけです。それから環境衛生現場手当、これは月額二万円もついている。福祉事務手当、福祉六法の現業を行うため常時外勤する職員、月額五千五百円。こういうように、もうとにかくいろんな面で大変な手当がついているわけであります。 だから、私はこの手当を含めたラスパイレス指数というものではないと思うんですよ、いまのラスパイレス指数というものは。こういうものを除いたラスパイレス指数だと思うんですが、これらを含めたら、いま自治省が調査をしているような一〇六・九ですか、そんななまやさしいものにならないのではないか、こういうように思うんですが、この実態についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 特殊勤務手当については、国の場合におきましても大体四十七、八あるはずでございます。地方公務員の場合に国との均衡において問題とされるような項目は私は数項目あると思っております。これはぜひ是正しなければいかぬと思っております。いまの御指摘のありました問題につきましては、山口その他の点でございまするが、よく調査をいたしまして、もし不適当であるならば、これは是正措置を講ずることにいたします。
○伊藤郁男君 やっぱり自治体には私は国にはない仕事というものはたくさんあるということはわかっているんです。これはあると思うのです。そして、自治体の自主性というものも私はこれを否定するものではありません。しかし、プラスアルファするにしてもおのずからそこに限界があるのではないか。とすれば、自治省としてこれらの実態を見ながら、やっぱりこういうものはこの程度が望ましいという統一的な見解をお示し願って、そして指導をしていくべきではないか、私はそのような見解を持っておるのですが、いかがでございましょう。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方にはやっぱり特殊事情もございまするのでその事情をよく調査し、その上で不適当なものについては是正方を処置をしたい、こういうように思っております。
○伊藤郁男君 それでは次の問題に入りまして、住宅宅地問題についてお伺いをしておきます。 建設大臣、五十五年度の新築住宅戸数というものは百二十一万四千戸と大きく落ち込んでおりますね。大体いままで百五十万戸ぐらいできたんですが落ち込んでいる。本年の四−八月の建設戸数も見ておりますと五十三万八千戸で、対前年度同期比七・六%減というように低下をしているわけですが、この原因とこれに対する対策についてお伺いをしていきたい。 一体、計画どおり第四期住宅建設五カ年計画、これは五十六年度から六十年度までの五年間に七百七十万戸を建設するということですから、そうなると年間平均して百五十四万戸をつくらなければならぬというんですが、一説によると百二十一万戸どころじゃなくて百十万戸に減るのではないか、こういうようにも言われておるわけでありますけれども、この辺の見通しも含めましてお伺いしたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 住宅建設戸数が非常に落ち込んでおりますことを大変心配いたしておるわけであります。いま先生からお話しありましたように、本年度の上半期に、四月から九月、御指摘のように昨年の六十八万戸が現在六十三万戸、七・三%、戸数にして五万戸減でございます。これは民間が一一・七%、公的資金の方が一・八%で示すように、民間が伸びないということは、これはやっぱり経済事情が非常に悪化しておるというようなことでございます。住宅戸数が減るということは経済事情の問題とそれから地価の騰勢、建築費の上昇あるいは金利の問題等ございます。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕 したがいまして、これを何とか打開しない限りは目的の七百七十万戸の達成はいささか心配になるわけでございますが、最近、景気の方もやや緩慢ながら上昇ぎみでございますし、一応土地関係につきましてもそれなりの鈍化を示しておりますので、上半期だけでは推定でき得ないと思います。五カ年計画の中で何とか達成いたしたいと、このように考えるわけでございます。 なお、対策ということでございますが、御案内のように住宅・宅地関係閣僚連絡会議を持ちまして、さらに現在までの隘路につきまして徹底して究明し、積極的に対応を図ってまいるというようなことでいま進めているところでございます。 具体的に申しますか……。
○伊藤郁男君 いや、その程度でいいです。
○国務大臣(斉藤滋与史君) というようなことでございます。
○伊藤郁男君 この十月に住宅公団と宅地開発公団が統合されまして住宅・都市整備公団が発足をいたしました。もともとこれは一つだったわけですが、五十年に住宅公団の宅地部門を切り離されてそれが六年間でもとに戻った、こういうことになりますが、それへの批判は置くといたしまして、本年三月末で住宅公団の新築、空き家、これは一時は四万戸もありましたが、順次努力の結果いまのところ二万五千戸ちょっとになっていると思うのですが、しかしそういうようにまだ空き家問題は解決をしない。 もう一つ、住宅公団の持っておる長期保有地ですね。中には昭和四十四年に買って何にも手つかずに残っているというものもあるんですが、この長期保有地は依然として千五百八十八ヘクタールあると言われているわけです。この問題もずいぶんと問題にされてきているわけですが、いまだに利用の目途も立っていないものが七地区、七百五十ヘクタールある。こういう問題について、新しく衣がえをした住宅・都市整備公団としてどのような具体的な積極的な処置というものが考えられておるのか。二点をお伺いいたします。
○政府委員(豊蔵一君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘がありました旧日本住宅公団におきますところのいわゆる未入居住宅あるいは保守管理住宅につきましては、御指摘のとおり五十五年度末におきまして約二万五千戸程度ございます。これにつきましても従来からその解消を図りまして、一番多いときには四万戸余りありましたが、ある程度解消してきております。 しかしながら、これの早期の解消を図りますために、私どもといたしましては建設省に公団住宅等の事業の促進対策委員会を設けまして検討いたしまして、この七月に実施すべき対策を取りまとめ公団に指示したところでございます。その具体的対策といたしましては、関連公共施設の整備、傾斜家賃の据え置き等の家賃対策等の実施、あるいはまた二戸を一戸に改造するといったようなことによりましてニーズに対応する、あるいはまた募集、販売体制の強化等の措置を講ずるように指導し、現在、住宅・都市整備公団におきましてこれらの具体策につきまして検討し、逐次実施に移しているところでございます。 また、長期保有土地につきましても、昭和五十年度の会計検査報告等におきまして千五百八十九ヘクタールの問題が指摘されましたが、その後いろいろな事業着手の努力をいたしました結果、現在事業着手のめどがついておりませんものが七地区、約七百五十ヘクタール余りになっておりますが、これも先ほど申し上げました対策委員会におきまして、具体的な施策といたしましては、市街化調整区域の中にあります土地については市街化区域への編入、あるいはまた関連公共施設の整備の促進、また住宅建設用地を宅地分譲用地に切りかえる。また、住宅用地につきまして、研究機関あるいは工業団地等への転用等々の問題につきまして具体的な詰めをやる。その段階におきまして関係の地方公共団体とも積極的な協議を進めるというようなことで指示をいたしまして、これも新公団発足に際しまして関係の役職員一致して積極的に取り組んでおるところでございます。若干時間はかかる点もありますが、私どもも公団も一緒になりまして全力投球して解決をいたしたいというふうに考えております。
○伊藤郁男君 三十二分までですからあと二分少々ですが、最後にお伺いをしておきます。 過去十年間の公団住宅の建設実績を見ますと、計画戸数を達成したものは五十三年度だけですね、他の年はすべて計画を下回っておりまして、五十一年度のごときは約五万戸の建設計画に対してその半分、こういう状況になっておるのですが、計画を下回った場合に、この未達成の戸数及び予算、予算が計画にはついておるわけですが、予算はそれぞれどのように処置をされておるのか、次年度に繰り越しているのか、それとも不用額として返済をしておるのか。 それからもう一点。公団は最盛期には年間八万三千戸の住宅を建設しておるわけですが、第四期五カ年計画では年平均四万戸の建設しか見込めなくなっておるわけです。建設できる戸数が半分になっているのにもかかわらず職員の数は、今度合併をいたしましたけれども五千四百六十一名として減っていない。今後仕事の量も恐らく減ってくるだろう。減るだろうということは明らかなんですが、職員数はふえている。これではやっぱり効率的な経営とは言えないのではないか、このように思うのでありますが、この点の御見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 まず第一の、住宅の建設実績が計画を下回っている点でございますが、御指摘のとおり、最近におきますところの用地取得難でありますとか、あるいはまた関係の地元の方々との調整等に手間取りまして、必ずしも計画がそのとおりいっていない面があることは事実でございます。その際におきますところの予算につきましては、翌年度執行可能と判断されるものにつきましては繰り越しを行いまして、また執行不可能と判断されるものにつきましては不用額として処理さしていただいております。 また、事業量が必ずしも伸びていない、また、減っているといったような状況の中での職員の数の問題でございますが、確かに最近の公団の住宅建設戸数は若干減少いたしておりますが、御案内のとおり、発足以来約百万戸を超える住宅を建設いたしまして、その管理の戸数というものは年々ふえている点もございますので、そういった管理要員の問題、あるいはまた宅地開発の事業量につきましては増加をいたしておりますので、その要員の手当て、さらに新しく発足いたしました住宅・都市整備公団におきましては、都市の再開発事業あるいはまた根幹的な都市公園の整備事業といったようなものが新たに業務として加えられました。これらにつきましては既存の職員の定数の範囲内で処理するということで、いろいろとその合理化のためには努力をさせていただいております。ただ、建設が必ずしも計画どおりいかないという点につきましては、いろいろな解決の方向を公団に示しておりますが、さらに新規の住宅建設のための用地取得なりあるいはまた公共団体との折衝等には全力を尽くさせてまいりたいと思っております。
○委員長(玉置和郎君) 秦豊君。
○秦豊君 多忙な大蔵大臣の日程を尊重しまして、質問の順序をがらっと変えまして、まずあなたに。 本特例法案第二章の厚生年金保険の問題、例の国庫負担を四分の一削るという条文の解釈についてまずあなたに伺っておきたい。この削減措置というのは、これは言うまでもなく広く政府の歳出削減の一環であるべきであると、そうでしょう。ところが、後になって削った分に相当する金額プラス遅延利息をつけて返すという場合ですよ、というのであれば、国の財政全体としてはつまりプラス・マイナス・ゼロになると、政府のこの政策の意図がきわめて私は腰だめ的、あいまい、わからぬと思うんだが、まずこの点どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのような御批判も受けたわけでございますが、これは要するに、この財政再建期間中、二〇%の国庫負担をしておるものを一五%にさしていただきたい、そうすると支給の面で五%分が足りなくなりますから、それはとりあえず積立金の中から立てかえて払っておいてくれませんかと。しかし、そうなりますと、今度は運用利益がその分少なくなるというようなものもございまして、五十九年度が過ぎて以降、国の財政事情を見ながらお払いをいたしましょう、そのときにはその利息もおつけいたしましょうと。そういうようなことで、一般会計から出る金が三ヵ年間にその分少なくなるというメリットがあるということでございます。
○秦豊君 政府は、削減額に相当する額と遅延利息とは必ず返しますよというのがもしも一〇〇%真実であるならば、何もこの条文の中にわざわざ「国の財政状況を勘案しつつ」というふうなあいまいな表現は要らない。これがまず私の主張の第一点。 それから条文にある「その他の適切な措置」という言葉を素直に読むと、その中には利息のことも含めて解釈をする、これが普通でしょう。ならば、その利率というのは、一体大蔵大臣、何を基準にされるのか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 厚生年金の積立金は運用部で一括をしてお引き受けをしておるわけです。したがって、その運用利益といいますか利率といいますか、それは年によって違います、預金金利等によって違いますが、運用のそのときどきの利率は一応の目安になる、そう思っております。
○秦豊君 それから、もう一、二点であなたは終わりますからね。 この条文第二項の「勘案しつつ」という例の部分は、これは文章からいうと第二項の条文全体にかかる大括弧ですよ、そうでしょう。そうすると、これまでの政府答弁とは違って、財政事情を十分勘案しましたと。しましたので、削減額の返還はしなくてもよろしい、財布が許さぬという解釈も成り立たないわけではない、これが一つ。 それから国庫負担の削減額に相当する額を全部そっくり返すのじゃなくて、よく勘案したから切り下げる、けちるという返し方もある。遅滞利息についても、利息をつけないケースが一番悪いケース。それから利率を下げるケースが二番目に悪いケース。さらに削減額に相当する元利合計額の返還をかなり長期に、割賦で長期分割という方式で御勘弁願うということもこの条文からは解釈ができる。もし行政側が信頼されていなければ、そういう解釈が広くみなぎりますよ。この点についてのあなたの答弁。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはぜひ御信頼をいただきたいと思っております。 財政事情を勘案しつつというのは、もう一つ年金財政を損なわないようにというのがかかっておるわけですから、そのために支払いがつかないとか、支払いに支障があるとか、それが一番困るわけですから、仮に、これは厚生年金だけでなく、ほかの年金もいっぱいあるわけです。したがって、もし万一、中にはそれが支払いに支障があるというものは、それは優先的に返すということになるだろうと。それから、いずれにしても厚生年金のようなものは国が一括管理をしておるわけですから、一応運用部から利息をいただいても一般会計からいただいても実は同じことなんですね、これは。したがって、その返し方は、あるいは三年になる場合もあるかもしらぬし、もっと長くなる場合もあるかもしらぬ。じゃ何年になるんだと。いまここで何年になると言われましても、それはそのときの財政事情で決めさしてもらいたい。いずれにしても年金財政を損なわない、これだけはもう法律どおりでございますということを申し上げているわけです。
○秦豊君 この点、最後にしますけれども、しかし、いずれにしましても、これは法律なんで、散文じゃないんだ、一般的な。その場合は、この解釈の余地とか、大変失礼だが、政府がうそをつく逃げ道と解されかねないような文言は最初から削っておくべきだというのが私の意見です。それに対する答弁を、あなたに対する最後の質問。同じ点については厚生大臣からも答えてもらいたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そこは工夫をしたところでございまして、要するに返すのならば利息を明記して年限を明記すべきでないか、借りたものを返すときは、いつ返すかわからないようなことは困るじゃないかというお話もかねてありました。しかし、それでは国債と同じくなっちゃうじゃないかという議論も出てくるわけです。そこで、これは国債ではございませんから、繰り入れの話でございますので、それは要するに年限はある程度財政事情で多少長くなることもあるかもしらぬ。いずれにしても、そういうようなことで弾力性を持たしたというところが、見方によればちょっとあいまいじゃないかという御批判を受けるところでございますが、そこがまた国債と違うところで、勘案して事情を考慮してやらしていただきたいということで、そういう法律になったわけでございます。
○国務大臣(村山達雄君) 法文にもはっきり書いてありますように、年金財政の安定を阻害しない、そこのところが年金財政から見れば一番大事なところでございます。それは、元本はもとより、運用利子を含めて返すということでございます。 現在、厚生年金その他のものも運用部に預かっておりますが、これは運用利益がつくわけでございます。したがいまして、運用利益がつく限り現状と全く同じであって、そして年金会計にはいささかも財源的に不足がない、こういうことでございます。 なお、運用利益につきましては、現在長期につきましては七・五%でございますけれども、それはそのときどきの金融情勢で違うわけでございます。現に、ことしにおきましても、たとえば五十六年五月から七・五%になっておりますが、その前は五十五年十二月に八%になってございます。これは、この規定があろうがなかろうが、やはり普通に預かっておりましても、そのときどきの運用利益でありますので、こちらはちっとも心配ない。ただ、あとはどこが国家財政に寄与するかと申しますと、いま大蔵大臣が申しましたように、とりあえずこれを借入金でやりますと、これは歳出はふくらむわけでございます。それからまた債務で、借入金あるいは国債でございますと、同時に返済計画あるいは利率を現時点で決めなければならぬわけでございます。その点が将来において決められる、ここがメリットであろうと思います。
○秦豊君 次いで、いままさに大きな焦点になり、これからいよいよ拡大の兆しさえ見せております公共事業の不正入札事件、これについて総理を初め皆様に伺っておきたい。 まず、会計検査院いらっしゃいますね。会計検査院には、公共事業の契約方式というのは一体何を原則と考えるべきか、この点を聞きます。
○会計検査院長(大村筆雄君) 会計法令、御承知のとおり契約の原則は一般競争入札でございます。それの例外措置といたしまして指名競争入札、随意契約というものが定められておる次第でございます。
○秦豊君 それだけ例えば十分です。それが正論です。公理です。 公正取引委員会。公正取引委員会は、九月の静岡における成果は、大変に私は苦労の多い中をくぐり抜けた、突き破った、大変な御苦労だと思います。 公取と会計検査院に私、要望しておきたいんですけれども、御苦労はわかった上でなおかつ要望するのは、まさにこれが行財政改革の大きな対象であるべきだという私の認識が根底にあります。まさにあなたの言われた一般競争入札、これが公取だから、正しい筋道なんだから、それからゆがんでいる事象に対しては仮借なくメスを入れる、これは常識です。そこで、御苦労だが公取と検査院は、今後公共事業については重点施行をして、人数も厳しかろうけれど、予算も厳しかろうけれども、あえて特捜班方式をとって、機動姓を持った立ち入り調査、追跡調査を今後とも行ってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(伊従寛君) お答えします。 公共事業に関する競争制限につきましては、今後とも独占禁止法に基づきまして厳正に対処していきたいと思っております。
○会計検査院長(大村筆雄君) 御承知のとおり、私どもの検査対象は、事務費はもちろんのこと、事業費につきましても、公共事業費を初めあらゆる事業費、そのほか公団、事業団、公社、各種特殊法人、相当広範囲な検査対象を抱えております。それに対しまして、きわめて少ない要因につきまして、常時、研修、検査技術の開発訓練等を怠らないで、充実した検査を心がけておりまするが、御指摘のような公共事業につきましては、特に建設省、農林水産省、国鉄等におきまして、これを主将する課を独立して、特に適材適所、有能な人員を配置いたしまして、従来とも重点的に検査をやっておりますが、今後とも効率的な検査を心がけてまいりたいと、かような所存でございます。
○秦豊君 今度は建設大臣、あなたです。あなたはたしか国会において、つい先日ですよ、あなた、記憶は生々しいと思うが、談合。業界の陋習、因襲たる談合についてかなり肯定的とも思える発言をされて、素早く発言を取り消されたですね。けれど、本音というのはそんなに簡単に消せるものですか。当該監督行政の頂点にあるあなたの認識がそのていたらくであっては先が思いやられるという意味合いを込めて、改めて建設大臣の談合観を聞いておきたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 前段の、国会で発言ということはありません。これは記者会見の席に、一応セレモニーの終わった後の座談でありましたが、これはすでに取り消してございますので、これについてはお答えできません。 それから談合についての考え方でありますが、これはもう法律で禁ぜられて、公正な価格を害し、不当な利益を持って目的とするということは禁じられておるのでございますので、これはもういけませんし、許しませんし、だめなことでございます。これはもう基本でございます。 したがいまして、従来からこういう問題についてとかくのことも間々聞くこともございますので、私としては厳しい態度で就任以後臨んできてまいっておるわけでございます。しかし、現在起きておる問題につきましては、はなはだ残念でございますし、遺憾だと、このように考えているものでございます。
○秦豊君 総理もちょっとよくお聞き取りいただきたいんですが、実はこれ、私見をはるか超えまして、OECD、経済協力開発機構が先進各国に対しましてすでに勧告、助言をしています。つまり、公共事業の入札に関する談合には独禁政策を厳しく適用すべきであるという常識論を格調高く展開し、同時にわが国の官公需のあり方やその閉鎖昨については、これはもういろんなところから批判が高まっていることも広く知られています。 そこで、きょうは建設省は何か業界代表を呼んで、そして一場の訓辞をたれたもうたとある。しかし、そんな儀式、セレモニーを何百回繰り返したって、あなた、さいの河原ですよ、百年河清を待つですよ、木によって魚を求むるですよ。こんな格言、繰り返せばいくらでもできる。これは制度の問題、モラルや説教や行政指導をはるかに超えた問題なんです。建設大臣、そうはお思いになりませんか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 制度上の問題はもうきっちりと厳しく法律で決められておるわけでございまして、モラルの問題も多少はあろうかと思います。したがいまして、事例については深く反省して、厳しく取り締まるというようなことで考えておるところでございます。
○秦豊君 総理、これはきょうの朝日新聞夕刊ですけれども、ことしの春に、愛知県岡崎市が全国で初めて全面的に指名競争入札制をやめて、まさに会計検査院が言われたことく、一般競争入札に全面転換した。ところが、その後の発注工事ではいずれも予定された予算を一〇%ないし一五%も下回った、安くなった、納税者の共感を呼んだということが大きく一面で報道されています。 もう総理には申し上げるまでもなくお詳しいから繰り返しませんけれども、全国の国、地方自治体を入れれば公共事業はおそらく年間二十兆円を超えるでしょう。それで岡崎方式をもし適用すれば、二兆円、三兆円の国費、そして自治体の地方の皆さんの血税、これが節約ができる。まさにこの当委員会で連日、玉置委員長のもとにがっちりと、こういう皆さんが努力をしている当委員会の審議のまさに最大の眼目は、いかにしてむだを省くか。ならば総理、あなたは幸いにこのことに政治生命をかけると言われている。あなたが政治生命を賭すべきは、まさに膨大なこの構造体、公共事業にメスを入れるということでなければならぬと私は思いますが、総理いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、公共事業は国民経済の上からいきましても非常に重要でございますし、国民の血税あるいはそれが補助金の形でこれが行われております。国民の関心は非常に高い問題であります。 私は、制度、法律、それを的確に行う、誠実にまじめに実行するということが一番大事な点であろう。回りくどいことは必要はない、それをきちっとやれば私はいいことだと。いまの岡崎の例を挙げられましたが、まさにそのとおりだと思います。今回の臨調におきましても厳しくそういう点を御指摘をいただくだろうと思いますが、政府におきましてもそういう方向で最善を尽くしてまいりたい、こう思います。
○秦豊君 そのとおりだと思います。この指名競争入札制とそれに伴う不正談合については、実は総理、一次臨調からずっと指摘された。たとえば当時の委員であった太田氏の著作その他講演などを拝聴すると、太田氏は、同僚委員であった花井忠元検事総長の発言、つまり公共事業はざっくりと言って、いまの半値でできるというのが検察庁内部の常識であると言われた花井発言を引用して、予算単価にまでさかのぼった厳しい再検討を提唱しています。したがって、少なくとも、今後は法律どおりやればいいという総理の御発言を信じたいが、あるいは建設大臣の発言を信じたいが、そのすき間をくぐってかくも膨大な不正が性こりもなく繰り返されているこの体質と構造に問題がある以上、単に法律を守らせればよいではなくて、制度を改めるという観点と視点が国としてはぜひ必要ではないでしょうか。 そこで、具外的に、少なくとも、まず会計検査院の言った一とおり、OECDの言ったとおり、一般競争入札制をこれを原則にすべきである、これが一つです。 それから斉藤さん、やむを得ず指名入札にする場合にはその理由を開示すべきである、公示、公表すべきである。 次は、ローアープライスを含めた価格設定ですね、これの資料、それから入札の経過は、落札後請求があった場合はその情報を公開すべきではないか、これが三つ目です。 それから事前に情報が漏れた疑いのある、たとえば裏ジョイントの茨城ケース、それから静岡等々、まるで予定価格と比べて九九・五%の落札価格というふうな、言ってみればアメリカ、ソビエトの第一線級ミサイルのようなピンポイントの精度ですよ、これは。弾着中心点から、防衛庁長官。こういうふうな極端なケースについては、ぜひともあなた方建設省、会計検査院、公正取引委員会、そうして行政管理庁の中曽根さん、こういう官庁が抜き取り調査をすべきである、おきゅうを据えるべきである、有権者にこたえるべきであるというふうな具体的な私の改善提案に対して、関係大臣と総理に伺っておきたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 御指摘につきまして、改めて先生の見識に敬意を表する次第でございます。
○秦豊君 見識ではない、常識。
○国務大臣(斉藤滋与史君) なお、総理からもお話ありました、法律で決められた問題でもございますので、何とかやはり信頼感を取り戻して、厳しい姿勢の中で自戒を求め、また、われわれも監督を厳重にして、再び国民から信頼を失うようなことのないように厳しい態度で臨みたいと、このように考えておるところでございます。
○秦豊君 結局、斉藤さん、あなたの答弁では、おざなりです、常套的、検討します、承りましたと。見識とか言ってくすぐってくれてもうれしくない。あなたは結局私の提案に対して具体的に答えていないでしょう。建設大臣がそういう姿勢であなたどうしますか。事態は改まりますか。とんでもないですよ。業界が長い舌を出しますよ。 総理、やはりこれは一建設大臣の域を超えた行政全体の取り組みであるべきである。伏魔殿とは言わないけれども、この膨大な腐敗の構造体、温床に対して、剔抉のメスを深くふるうということはまさにこれこそ行財政改革。やっぱりこれは総理に御答弁をあえてお願いしたい。今後どう改めるかという具体的な点です。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来るる御指摘がございました、公取の機能を十分発揮してほしい、また会計検査院についても厳正にやってほしい、こういう御指摘もございました。建設大臣、行管長官、それぞれ関係省庁におきましてこの適正な厳正な執行ができるように最善を尽くします。
○秦豊君 中曽根行管庁長官、これはいまの臨調のアイテムに上っていないんですから、リストアップされていない、ラインアップされていない。もっと重点をつけ、アクセントをつけて、これはやっぱり行管庁長官から土光さんに進言をし、臨調を待つのじゃなくて政府が臨調に付託をする。公共事業のあり方については、発注単価を含めて、入札方式を含めて、抜本的にこうしたいがぜひ貴意を得たいというふうな重点項目に加えるという姿勢は、あなたの裁量の中であり得ませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 第二臨調の検討項目の中に、予算の編成並びに執行状況を改革する、そういうのがございまして、これはまさに執行状況に当たるものであります。したがいまして、御意見は臨調当局に伝えまして、大いに検討をしてもらうつもりでおります。
○秦豊君 これは総理、長官にせっかくおっしゃっていただいたし、斉藤さんもああだが、この状態では改まらないですね、これは。やっぱり制度そのもの、まず指名を、公開競争の。まずこの最初の大事な点については総理どうですか、これに手をつければ、後、玉突き現象で問題の解決が促進される。これが禍根なんですよ。これどうですか、総理、重ねて恐縮ですが。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来申し上げておりますように、法律並びに制度、こういう点につきましても見直しをし、そして厳正な執行をやってまいる、こういう方針でございます。
○秦豊君 防衛、外務の問題に移ります。 在日米軍のドナリー司令官がきのう横田で会見をした。極東有事の共同研究だけれども、防衛、外務、両省に聞いておきたいが、まず防衛、先方の希望するのは一月以前、つまり十二月、年内ですね。年内のスタートは日本側として対応できますか。
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。 ドナリー在日米軍司令官の具体的な発言内容については、防衛庁としては承知しておりませんが、ただいまお尋ねの問題につきましては、日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合に、日本が米軍に対して行う便宜供与のあり方につきましては、もともとガイドラインにおいて研究の対象とされているものであり、また、米側の希望もあり、日米間で調整の上、研究に着手することといたしております。ただ、その時期、あるいはいかなる形で行うか等につきましては、現在外務省との間で検討を行っている段階でございます。一月というようなことはまだ決まっておらないわけでございます。
○秦豊君 一月が決まっていない、なおさら十二月はと、こういうことでしょうけれども、塩田防衛局長、あなたはつい先日の衆議院の関連委員会で、米軍に対する便宜供与は基地の共同使用以上は考えておらぬ、条約や法令上できないものは断わるんだという答弁を明確にされておる。そのあなたが、きのうの司令官の会見の全文を検討してみて、ドナリー発言ではどこがあなた、つまり日本側の許容範囲を超えているか、具体的に対比して指摘をしてもらいたい。
○政府委員(塩田章君) まず、私が申し上げましたのは、自衛隊として協力できるのは基地の提供等に限られるということを申し上げました。ガイドライン第三項は、日本政府が米軍に対していかなる便宜供与ができるかという研究でございまして、範囲はおのずから違います。 いま御指摘のドナリー司令官の会談内容等につきまして、私どもまだ新聞で承知した以上は承知しておりませんけれども、そういうことでございますから、米側としていろいろな提案があるだろうと思います。それにつきまして、日本政府として何ができるかということが今後の協議になるわけでございます。
○秦豊君 それでは、長官はああ言っておられる、あなたはそうだが、年内か一月早々かはわからないけれども、安保協議会もあるし、余りおくれない、先送りできないという場合に、日本側としては、特に外務とおたくの防衛の方でどの部門をどの程度詰めておけばアメリカ側のこわ談判に対応できるのか、それを具体的に言ってもらいたい。向こうははっきり言っているんだ、たとえば朝鮮有事の際にはかつての朝鮮戦争クラスの全面協力体制をとってもらいたいと。アメリカは、必要ならば西日本の全基地、自衛隊はおろか、民間空港、港湾、船舶のすべてが協力対象として考えられていると。こういう非常に具体的な司令官の意見に対して、防衛局長、もう少し具体的に、どこをどうすり合わせれば日米協議に至るのか、外務省と何をどう詰めれば。これを言ってください。
○政府委員(塩田章君) いま私どもが外務省と話をしておりますのは、先ほど長官がお答えしましたように、今度の問題をわが方のどういうレベルのスタッフで、どういう構成で始めようかということについて相談をしておる段階でございます。したがいまして、いま御指摘のように、協議に入った後、アメリカ側は恐らくそういう御指摘のようないろいろな点を提案してくるんだろうと思いますけれども、私どもはまだそこまでいっておりませんで、どういう形で進めていこうか、わが方の陣容はどうするかということについての外務省との相談をしておる段階で、それができまして米側と協議に入ろうと、こういう段階でございますので、いま御指摘の点について一々お答えできる段階ではございません。
○秦豊君 あなたの答弁を聞いていると、そうするとクリスマス前はとても無理だね、一月も危ないんじゃないですか。防衛局長、どうでしょう。
○政府委員(塩田章君) 先ほどもお答えいたしましたように、今回は自衛隊としてはほとんど実際上の協議に応ずる話というのは余り考えられないので、日本政府としてどういうことをするかと、こういうことでございますから、私から、防衛庁から、こういうことをできますとかできませんとか、これはなかなかお答えしにくいわけです。その点につきましては、何といいますか、具体的な提案の立場は今度の場合米側にあると私ども思うのですけれども、米側から、まあドナリー司令官が言ったようなことを言ってくるんじゃないかと思いますけれども、こういうことをやってもらいたいというのが出てくるんだろうと思うのです。それに対して今度は日本政府として、各層の間でどう受けとめるかということにそれから入っていく、こういう形になろうかと思います。
○秦豊君 司令官は、またこう言っているんです。これは外務省の見解を伺っておきたいが、ソビエトが日本のシーレーンを攻撃しても、安保条約による援助はできないと明言をしておるんだが、外務省としてはこの解釈でいいんですか。
○政府委員(淺尾新一郎君) いまの御質問、大変広範囲な御質問でございます。したがって、具体的な状況を想定しないとなかなかお答えできないわけでございますが、アメリカが安保条約上日本に対して負っている義務というものは、あくまでも日本の施政下にある領土領海、それに対する攻撃があったときに日本を援助する、こういうことでございます。
○秦豊君 司令官は、シーレーンの防衛についてはもっと注目すべきことも言っておるんだが、あるいはソビエトの脅威論、これをやっていると恐らく総理に伺えなくなる、官房長官に伺えなくなるから、あえてはしょりますけれども、一つだけ防衛局長、衆議院側で論議のあったシーコントロール、私はあれしかあり得ないと思います、実態的には。あなたの答弁の前提は、現有の四個護衛隊群によるシーコントロールという前提だと思う。決して海幕がかつて要求した五個ではないと思うんだけれども、四個護衛隊群を前提としたシーコントロール、具体的に何を考えているのか。具体的に。
○政府委員(塩田章君) 私が衆議院でお答えしましたシーコントロールといいますのは、現在各国が海軍力を整備する場合のいわゆるシーパワーの整備目標といいますか、いわゆる海洋戦略論としまして昔から言っている意味の制海権というのはこれは容易ではない。実際問題として各国とも、私の言うシーコントロール、ある時期に、ある目的のために、ある海域を自由に使用できるようにしたいということが限度であろうということを申し上げて、わが国の場合でもそれは同じことでございますと、こういう意味のことを申し上げました。したがいまして、海上護衛のことの意味ではないんです。海上護衛の場合ももちろんそういう考え方でやるという意味になるわけですが、海上護衛の仕方についてシーコントロールというやり方があるわけではないということをまずお断りしておきたいと思います。 それで、当然、現在のわが国の場合、四個護衛隊群で日本の海上防衛をやるわけでございますが、その中にもちろんシーレーンの防衛ということも入っております。その場合に、先生、四個護衛隊群でどの程度できるかということでございますが、防衛計画の大綱にございますように、四個護衛隊群という思想は、一個護衛隊群が常に高度に作戦をし得る状態を維持するという意味での四個護衛隊群でございますから、四個護衛隊群のうちの一個護衛隊群が常にオペレーションしているという状態でございますと、そんなに多くは望めないということになります。 しかし、このことは同時に先生にぜひ御理解をいただきたいんですが、航空機部隊の発達というのが現在の時点非常にございます。ですから、護衛隊群だけでシーレーンの防衛というようなことはとても考えられないので、やはりP3Cを中心とする航空機部隊と相まってシーレーンを防護していく、こういうことになろうかと思います。具体的にどの程度ということは、これはもう作戦が区々でございますから一口に言えませんけれども、現状で、まあ容易ではございませんけれども、航空機部隊の整備と相まって、できる限りシーレーンの護衛ができるように図っていきたいというふうに思っております。
○秦豊君 この国会の防衛論議で、私はやっぱり民族が生存する上に、有事の場合ですよ、たとえば二億トン説がちらついている。通常は六億トンである。ならば、現在の体制では何がどの程度守れるかとか、あるいはそれには限度があるから、ストックパイルやバッファーストックを含めて、つまり戦略備蓄と国家備蓄あるいは商業備蓄を含めた国家備蓄にもっと財源を割くべきであるという取捨選択、つまり正面装備の充実とバランスをとるほかの諸部門との関連、総理が主宰をしていらっしゃる総合安全保障会議はそういう論議をもっと丹念に緻密に積むべきであって、現状では残念ながら私が五月に出した質問主意書に対しても、まさに皮肉にも政府の総合安全保障政策なるものはアメリカから見ても説得性がなく、また民間のシンクタンクに比べても雑駁の域を出ないという悲しむべき現状であると私は思うんです。だから、国会においてもシーレーン防衛論なんというのは、観念論でなくて実態論でもっともっと詰める必要があると思うが、とても私の質問時間にはなじまないからあえて避けます。恐らく現状からいけば内航部門なんというのはこれは切り捨て、見捨て路線です、非常に重要だが。アラビアからせっかく運んできても、鹿児島に入ったそれを北海道に、工業地帯にということは不可能です、防衛は。こういう論議はもっと実態的にやってみたいと思うが……。 石崎参事官見えていますか。——司令官は、日米共同訓練への考え方をちょっと明らかにしておるが、あなたは訓練担当の参事官として、統合演習を二年に一回を毎年行うようにして練度を高めていく、それはあなた方の軍事的合理性でしょう、即応体制の充実でしょう。そこで、司令官が言っているような、陸海空ばらばらの日米訓練を三軍統合して共同訓練をやるためには、まだまだ率直に言って自衛隊の練度は低い、こういう認識が前提になっておる。それで、練度を高めて日米共同訓練ができるのは、私見によれば五十九年ぐらいではないかと私は思うんだが、それに対する参事官の答弁と、あわせて、たとえば今度エジプトにも飛んでいっているB52、グアム島配備。あるいは嘉手納配備のE3A等々との共同訓練はそれに至る過程でもあり得るのかどうか、考慮の中に入っているのか、検討をされているのか。この辺をちょっと伺っておきたい。
○政府委員(石崎昭君) 日米共同の統合訓練についてでございますが、この訓練の必要性、重要性をわれわれは大変強く認識しておりますが、御指摘のあったとおり、陸海空それぞれの自衛隊とアメリカの陸海空軍それぞれとの間の共同訓練、これもたび重ねてやってまいりましたけれども、なお一層充実する必要があること。それから陸海空三自衛隊の統合訓練を日本限りでやることについても、なお一層演練する必要があるということでありますので、将来、日米共同の統合訓練をやりたいと、やる必要があるということは認めておりますが、さしあたっては具体的な計画がまだないわけでございます。 それで、御指摘のように何年ごろ実現し得るかについては、まあなるべく練度を高めて早い時期に実現できるようにしたいと思っておりますが、いつごろかということはまだちょっと私が申し上げられない段階でございます。 それからB52やE3A等との訓練をどうするかという問題についてでございますが、いま申し上げた共同訓練と並行して、これらとの共同訓練も大変重要でございますので、実現をしたいという方向でいま検討しているところでございます。
○秦豊君 検討している……。
○政府委員(石崎昭君) はい、検討しております。
○秦豊君 ちょっと、質問をさらにはしょらねばなりません。 官房長官、特にあたなでなければこれはむずかしいと思うんですね。外務、防衛の域を超える質問をしますから、あなたにぜひ受けとめていただきたいと思うんです。 この前の下田会議でも上下両院の有力議員がやってきた、総理もお会いになったと思います。それからザブロッキー委員会その他、きのうも上院の決議案、つまりいまアメリカ上下両院はまさに対日防衛増強ラッシュ、決議案ラッシュなんです。これを単眼で見て、これは来年秋の中間選挙に向けた選挙区サービスだ、世論迎合だ、エモーショナルな反応にすぎないと見切ることは私大変判断を誤ると思うんです。 そこで、私の意見の中では、見解の中では、いわゆるイージーライド論というほど不愉快な議論はないと思っている。十億ドル近い在日米軍関連の負担をし、サウジアラビアよりも大量の第一線の新鋭の正面装備を毎年休むことなく購入をし続けている、まさにアメリカ軍事産業の最大の顧客、これがわが日本国。しかも基地はほとんど自由使用に近い。この日本に対してイージーライド論は聞こえないと思う。幸いにしてザブロッキー下院外交委員長は、日本政府がもし公式な場で意見を開陳したいと言うのだったらば喜んで受け入れると言われているようであります。これは日本政府の積極的な打診に対する反応であろうと思います。私自身は、きょうはあえて防衛施設庁や外務のデータをはしょりましたけれども、ただ乗りではないというデータは政府側はちゃんと持っていらっしゃるはずです。 そこで、私はせっかくアメリカの議会にそういう空気があるんだから、公式な、政府は総理とよく相談をされて、一外務大臣、一防衛庁長官を超える立場の超大物クラスの日本政府を代弁し代表できる立場の方、しかも知米派ナンバーワン、通訳の要らない卓抜な語学力、やはり宮澤官房長官がなるべく早い時期にアメリカを訪問されて、単に上下両院のみならずホワイトハウス周辺、NSC、国家安全保障会議あるいは影響力の強いアメリカのマスメディア等々に日本の立場、まさにあなた方の総合安全保障セオリーを堂々と開陳をする、これが払いままさに必要ではないかと思うんです。もちろん御多忙は承知の上で言っている。これは非常に重要な国事です。あらゆる日程に優先して、私は宮澤官房長官こそ、総理、一番適当だと思うんだが、まず官房長官の訪米をぜひ強力に提案をしたい。いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本来私が答えるべきかどうか存じませんが、お名指してございますので簡単に申し上げますが、鈴木総理大臣が、わが国はいわゆる先進民主主義国家群と価値観を同じくしていてこれを守らなければならない、しかし、そのために日本にはできることとできないこととあるということをしばしば言われます。また、訪米の際もそういうことを米国の大統領に話しておられるわけでございますが、これだけの経済力を日本が持ちますと、できることとできないこととあるということについて、わが国の憲法を三十年間われわれが守って歩いてまいりましたこの道は、必ずしも外国の人々に十分理解されておるとは申しがとうございますし、ことにこれだけ経済力を持つに至りまして初めてそのことが注目を浴びておるのだと思うのでございます。 幸いにして、このわが国憲法の定めました道は、客観的に世界情勢がわれわれに有利に展開していると思いますし、世界で初めての試みでございますが、自信を持ってわれわれはこの道を歩いていくべきだと私は考えておりますが、歴史に例のなかったことだけに非常にわかりにくい、よその人々にはすぐにはわからないかもしれない。また、われわれの経済的な実績がよくなればよくなるほど、いま仰せられましたような何々ライドというような話になりやすい。しかし、これはいっときだれがだれに説明をするというようなことでなく、日本人全体が各層おのおのの与えられた職場においてあらゆる機会に、われわれはこういう信念で歩いてきたし、歩いていくのだということを忍耐強く言う以外にわからせる方法はないのではないだろうか。 現に、米国との場合には、政権がかわりますと必ずこの問題は御承知のように出てまいります。一生懸命説明をしてわかってくれたかと思うようになりますと、また新しい政権になるというようなことがしばしばございますのですが、これはわれわれとしては特定のだれがいつどうするということでなく、時時そういう信念で国民のすべてが外国人に接していくという以外に私はわからせる方法はないのではないか、こういうふうに考えております。
○秦豊君 これは総理、確かにワシントン−東京は間断なき対話、フルパートナー路線です。それは現実です。しかし、向こうの議会がせっかく政府の公式な表明の機会を歓迎すると言っているならば、活用しないというのは行政としては消極的かつ怠慢のそしりを免れないと私は思うんです。友情ある説得でもよろしいじゃありませんか。堂々と、日本の果たしている北東アジア戦略に対する貢献、その実態をまさにぐさりとワシントン周辺に打ち込むべきいい機会ではないかと思います。私がたまたま宮澤さんの名前を特定したから、御本人はもちろんお答えにくいと思いますが、総理の御判断として、総理がまさかいらっしゃるわけにもいかないでしょう、改造もあるし。やっぱり適当な方をワシントンに送る特使という観点についてはいかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) 秦さんが御指摘になりますように、わが国は、安保ただ乗り論というものが一部にあるようでございますけれども、決してさようではございません。日米安保条約に基づきまして、日本としては極東の平和と安全に対してそれなりの貢献をしておる、私は、日本国民の皆さんはそのことをはっきり自信を持って考えておいていただいて結構だと、こう思います。 それから政府間におきましては、わりあいに間断のない対話をやっておりますから理解が進んでおります。現にマンスフィールド大使などは、日本はやはり相当の防衛についての努力をやっている、しかしまだ足らない、これからもやってほしいけれども、NATOその他に比べてもやはり努力の跡は見られると、こういう方もおるわけでございます。しかも議会の大先輩である、長老である、こういう方もおります。ただ、最近いろいろ、これは根が深いと思います。日米の貿易のインバランス、これが拡大する一方である。日本の経済は比較的順調にいっているが、アメリカの経済はなかなか思うようにいかない、こういうところから出てくるいらいらもあるのではないか。まあいろいろなものが重なってああいう形になっておると思います。 そこで、議会方面等によく御理解を願わなければいかぬのでありますから、国会の衆参両院の超党派の議員の皆さんもこのことに留意をされまして、米議会の方々とよくいろいろな協議会を持ったり交流をおやりになっていただいて、私は今後もこれをぜひ活発にひとつお願いをしたいし、政府としてもそういう御努力に対してはあらゆる便宜を図っていきたいと、こう思っております。 なお、具体的にいまの問題についてどうするかという問題につきましては、よく研究をいたしたいと思います。
○秦豊君 聞き流しにしないで、総理のことですから、篤実にお受けとめをいただけると期待してよろしいですね。 総理に重ねて伺いますけれども、最近、日本の防衛環境の上で非常に注目すべき重大な発言がアメリカ政府高官によって連続して行われている。それはヘイグ国務長官の発言に代表されますけれども、これは、アメリカはNATOのみならずアジアにおいても、ソビエトの通常兵器による攻撃に対しても核による報復と対抗を考えるという発言であります。レーガン大統領は、当今の戦術核兵器は大砲のようなものである、つまり通常兵器と核兵器にはヘッジがない、かきねが。これが向こうの軍事戦略の常識でしょう。しかし、このことは大変問題があるわけであって、ワインバーガー氏はヘイグ発言を打ち消したけれども、消しゴムを使ったけれども、これは軍事常識としてはヘイグ発言の方に本音とリアリティーがあると言わなければなりません。 そこで、ソビエトも、通常兵力による攻撃が一定のバランスを超えた場合の一番効果的な反撃力は核戦力である、こう言っています。米ソ双方がそういう戦略観を共有しているんです。愚かしいと言えばこんな愚かしいことはないんです。迷惑と言えばこんな迷惑はないんです。被害は一方的にフォールアウトを含めてヨーロッパの民衆や北東アジア、日本の民衆に降りかかってくる。愚かしいと言えばそうだが、彼らはそれを信じ込んで、その愚かしい軍拡路線を突っ走っているんだから、だから傍観はいけない。 しかし、その愚かしい米ソ両超大国といえども、来年春の国連軍縮特別総会であるとか、あるいはどこを舞台にするか知らないが、グロムイコ氏とヘイグ氏はすでに合意に達したという観測もあるが、適当な時期には、明年、米ソ首脳会談において現在の緊張状態を緩和、収劔するという動きも仄聞される、ほの見える。こういう時期に私は、総理、やはり日本国の総理だから言える、日本国の鈴木総理でしか言えないというまさに国際軍縮、核軍縮、この問題については、絶好のやはり場というのは明春の国連軍縮特別総会です。私も不肖軍縮議連のメンバーの一人でありますが、大石武一氏を会長とする軍縮議連も、強く心から総理がまさにその軍縮総会に出られて堂々たる論を開陳されんことを実は願っているわけですが、御出席をいただけますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国が世界における唯一の被爆国であるという立場から、軍縮、特に核軍縮、核の廃絶、これを提唱、先頭に立ってやる一番の適格者ではないかという御指摘は、まさにそのとおりでございます。 私は、先般のオタワにおけるサミットにおきましても、カンクンにおける南北サミットにおきましても、世界の経済の安定と再活性化を図るためにも、どうしてもこの軍事費に投入している、軍拡競争に走っている資源を開放してこれを経済の発展に充てるほかないと、こういうことの立場から、軍縮、軍備管理を主張いたしました。経済問題を中心とするサミットにおいて、ちょっと場違いのような感じもいたしたわけでありますけれども、そういうものをあえて出しました。また、ジュネーブにおける軍縮委員会におきましても、わが方の代表はそれをやっております。来るべき来春の際には、国会その他政治上の条件が整えばぜひ私は出席をいたしたいと、こう思っております。
○秦豊君 大変誠意のある御答弁に感謝したいと思いますけれども、ぜひ実現をしていただきたいと思います。そういうことのためには国会は非常な協力を惜しまないのではないかと思われます。 ところで、鈴木総理大臣には最後の質問ですけれども、先ほども論議された奥野法務大臣の問題です。この問題は言うまでもありません。当委員会の玉置委員長の手元にがっちりとそれは預けられている。本来ならば奥野さんは竹矢来を組んだ屋敷に息をひそめて謹慎をするというていたらくでなければならないのに、ところが昂然と胸を張り、しかもきのうは法務委員会、本日は権威ある当委員会において、まさにわれわれをみごとに逆なでしてくれた、おくめんもなく。先ほどもまたまた言い放った。まさに言い放った。私は繰り返しませんけれども、あれまで性こりもなく放言をされますと、これは総理、一般論とは言い切れません、これは。もう非常に個別、具体に榎本証言自体に対する否定論理だと私は思うんです。しかも奥野さんの場合は絶えず確信犯的な信念に裏づけられている。熱っぽいということが非常に特徴であり、それが問題を生んでいるんです。 それで、もう月末が近いから、やがて飛ぶ首だからという対応は、やはり行政としては余りにも安易ではないか、不誠実ではないか、不適格ではないかと私は思う。そうした意味合いで私、これは問われているのは、総理の基本姿勢も問われている。単に、きょうはあえてお呼びしなかったけれども、奥野さんの法相としての適格、適任性だけじゃないんです、これは。総理の基本姿勢、政府の、内閣の姿勢、これが問われている。行政の筋道、けじめ、それを、有権者はまさに総理を見詰めている。だから、あなたはこの段階で、いやもう改造も近いしということではなくて、あえて能動的な、総理、宰相としての意思決定をなさるべきではないかと思いますが、あえて御答弁を願いたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 奥野法務大臣は繰り返し、具体の事件に対して介入する意思はないと、こういうことを明確に繰り返して言っております。私は、そういう点を一方的に、世間でどう言うから罷免をするとか、そういうわけにはいかない。やはり私はちゃんと筋道を立ててこういう問題は対処しなければいけないと、このように考えております。
○秦豊君 村田局長いらっしゃっておりますか、外務省。——鈴木総理の中東訪問というのは寡聞にして私は消えたという印象を受けざるを得ない。検討中で、なお可能性があるのか。中止が正式な結論なのか、検討が正式なのか。では、実現の可能性があるのか、たとえば一月というメルクマールにして、目標として。実現の可能性は村田さん、あるのか、国会のタイミング等をそれこそ見て。 私どもは日パ友好議連の一員ですから、お立場の違う方も多いかもしれないが、アラファト氏を呼んで行った一連の総理を初めとするあの接遇とまさに行事は、行動は、中東外交に関する限り、ワシントンからの乳離れの第一歩、自主外交の第一歩と私非常に高い評価を持っているわけであって、その第一歩が次のステップにつながる総理の中東外交は、一体訪問はどうなったのか。村田さんからあえて見通しを聞いておきたい。
○政府委員(村田良平君) 私がお答えいたすべき問題ではないかと存じますが、現在、総理大臣は現地の情勢等を見きわめてその上で決定を下したいというお考えだと承知いたしております。
○秦豊君 田中通産大臣、時間が三分少々ですから恐縮ですけれども、また多く質問をはしょって所管庁の方には申しわけなかったけれども、御宥恕願いたいんだが、このIJPCイラン石化の問題でまとめて二つほど伺います。 あえて御答弁をいただきたいんだが、このイラン石化をめぐる動きが非常にテンポが速くなっている。私見によれば、藤原事務次官を頂点にした一種の根回しによって、恐らく年内にはイラン石化は撤退という結論が出るのではないだろうか。それは田中通産大臣によれば、IJPCの撤退はもはやせん方なしという見きわめなのかどうかが一つ。 それからその場合は輸出保険というのは適用されるのか。大臣は輸出保険の適用に肯定的でいらっしゃるのか、事務当局には異論も強いと聞いていますけれども。 それからこれは、事は税金に関するのであって、仮にこの輸出保険特別会計でIJPCに対して保険を支払うとすると、どれくらいを国は見込まなければならないのか。私はかつての幾年か前の決算委員会で、いやしくも一私企業に対する過分な国家の肩入れはまかりならないという意味合いの質問をしたことがありますけれども、いまやはり一部の計算では恐らく二千億を超える保険の対象というふうな説もある。だから、長期分割にしても国の財政に対する大きなインパクトになる。そういう問題について所管の通産大臣の御答弁をいただいておきたい。
○国務大臣(田中六助君) 第一の問題をどう考えるかということでございますが、ついせんだって、正式にはこの月の二日の日でございますが、タヘリ石油省次官が参りまして、四日間日本におりまして三井側といろいろな交渉をしたようでございます。私が聞いておるところによりますと、この交渉はうまくいかなかったと。十二月中旬ごろを目安に三井側がいろいろな資料の要求を出したというふうに言われておりますけれども、それは最後通牒というような意味ではなくて、むしろフィージビリスタディーとそれから資源の調達問題についての資料が不十分であった、したがって十二月中旬を目安にもう一度そういう資料を出してほしいと。それはつまり最後通牒というようなことではなくて、これからも交渉を継続する資料としてもらいたいというふうに聞いております。したがって、それは終わりじゃなくて、いまからその資料を元手にいろいろな検討を加えたいという三井側の意向だというふうに聞いております。 第二の輸出投資保険の問題でございますが、この問題は保険の金額の請求があって私どもはこれに応ずるわけでございまして、第一の問題の答えにしましたように、これは最後通牒とかやめるということじゃなくて、いまから継続をするということの資料の要求でございまして、私どもこれについて何にも輸出保険金額の料金の請求というものは受けておりませんし、これのいま検討をするというようなことはないわけでございます。 それから三番目の金額についてでございますが、輸出保険の料金の請求がない以上、私どもも検討する材料にはしておりませんし、イラン側と日本の三井側とがいまからまだ十二月中旬に資料を求めてさらに交渉を継続するという段階でございますので、そういう検討はしておりません。
○委員長(玉置和郎君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後六時三十五分散会