行財政改革に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 450 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/11/09
会議録
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六日、安恒良一君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。 —————————————
○委員長(玉置和郎君) 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題といたします。 本日は、本法律案につきまして、参考人として臨時行政調査会会長土光敏夫君及び臨時行政調査会会長代理圓城寺次郎君のお二人の御出席をお願いしております。 この際、参考人のお二人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は御多忙中のところ御出席をいただきまことにありがとうございました。本法律案につきまして忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じておます。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、会議の進め方について申し上げます。 まず、土光参考人から御意見を承ります。その後土光参考人は退席されますが、圓城寺参考人の御意見は、委員からの質疑にお答え願う形で承ることといたしますので、よろしくお願いいたします。 それでは、土光参考人にお願いをいたします。
○参考人(土光敏夫君) 臨時行政調査会の会長をいたしております土光でございます 本日、行財政改革特別委員会に出席いたしまして、ごあいさつと行政改革につきましての所信の一端を申し述べることをお許しいただきましたことにつきまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。 委員各位におかれましては、いわゆる行革関連特例法案を初め広く行政改革のあり方につきまして、大所高所のお立場から連日御熱心な御審議をいただいておることに対しまして、臨時行政調査会会長といたしまして、また国民の一人といたしまして深く敬意を表する次第でございます。 さて、わが国は、明治以来百有余年、戦後の廃墟から三十数年の間に、社会的、経済的に目覚ましい発展を遂げてまいりました。これはひとえに、すべての国民の一致したたゆまぬ努力の結晶とも言うべきものであります。 しかし、近年、内外の諸情勢は大きく変化いたしまして、わが国は今後、人口構成の高齢化、エネルギー資源の制約等多くの困難を克服しつつ経済発展を図り、社会の成熟化の進展と先進国家としての国際的役割りの増大に対応していくことが要請されておるところであります。しかも、いまや財政は、国債残高八十二兆円にも及ぶ累積赤字を抱え、猶予を許さない深刻な事態に立ち至っておるのであります。このような状況では、新たな時代に対応した国民的、国家的課題に機動的、弾力的に対応することは不可能であろうと存ずるのであります。資源エネルギーの乏しいわが国が、国際社会におきまして名誉ある地位を占めていくためには、官民一体となって社会経済全体の創造性と活力を高めることが急務であります。 いま臨時行政調査会が設置され、国を挙げて行政改革に取り組むということは、長期的展望に立って新たな時代を切り開き、今後の日本の繁栄と安定の礎を築くことになるのであります。このような考えのもとに、政府の行財政改革にかける決意を確認しつつ、私は、調査会長をお引き受けいたしまして、増税なき財政再建、国、地方を通ずるわが国行政全体の抜本的改革に微力を尽くしているわけであります。 もとより、行政改革の本旨は、単に財政再建策を検討することではなく、行財政の惰性的運用を打破し、新たな時代に対応した国民的、国家的課題を担い得る行政の制度及び運用を構想し実現することにあります。しかしながら、財政再建を初めとする行財政の難局の打開と立て直しが現下の急務であることにかんがみまして、また同時に、政府からもこれにつき緊急の答申を求められたのでありまして、まず財政支出の思い切った節減と行政の合理化、効率化を図る課題として取り入れたわけであります。調査会といたしましては鋭意審議を尽くしまして、去る七月十日、緊急に着手しなければならない措置を行政改革に関する第一次答申といたしまして取りまとめ、内閣総理大臣に提出し、国会にも御報告申し上げたところであります。 私は、今回の答申を今後の本格的行政改革を推進するための突破口になるものと考えております。今回の措置は、いわば緊急の外科手術でありますことから、産業活動や国民生活の各部門に何がしかの痛みを与えることは避けがたいところであります。しかし、これは新たな時代に向けての新しい国づくりに伴ういわゆる産みの苦しみと言うべきものであります。このような考えに基づきまして、当面、国民の皆様に財政支出の節減に伴う痛みに耐えていただくことをあえてお願いしたわけであります。 私は、わが国の将来に思いをいたしますならば、答申が言わんとする趣旨について、必ずや国会を初めとして国民の皆様の大方の御賛同が得られるものと確信いたすのであります。 政府におかれましても、本答申の趣旨にのっとり、当面講ずべき措置を取りまとめられ、いわゆる行革関連特例法案を初めとする関係法律案を国会に提出されたところであります。国会におかれましては、国権の最高機関たるお立場におかれまして十分御審議をいただくとともに、これらの改善措置ができるだけ速やかに実施に移されるよう、さらに一段の御尽力をいただくことを強く期待するものであります。 次に、この機会に、当調査会の審議状況及び今後の検討方針について御報告させていただきたいと存じます。 当調査会は、去る九月から行政改革の本番とも言うべき基本的課題につきまして本格的な検討に着手いたしました。すなわち、行政の果たすべき役割りといった行政改革を実施する際の物差しとも言うべき基本理念を初めといたしまして、行政組織、国と地方の機能の分担、特殊法人などのあり方につきまして基本的な見直しを行い、抜本的改革案を答申いたしたいと考えております。これらの検討課題につきましては、当調査会の最終でありまする昭和五十八年三月を待つまでもなく、来年六月、七月に予定しております基本答申にできるだけ多くの具体的な改革方策を盛り込むことといたしております。なお、審議の進展状況によりましては、一部の事項につきまして中間答申を提出することも考えてまいる所存であります。 本日は、第一次答申の起草委員をお願いいたしました圓城寺会長代理も出席いたしておりますので、答申の考え方なり審議状況などについて御質問いただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。 以上で私のごあいさつは終わりでありますが、最後に一言付言させていただきます。私が老骨にもかかわらず臨調会長をお引き受けいたしましたのは、このままでは日本の将来は西欧先進国の例から見ましても、遠からずにっちもさっちもいかなくなるということは確実であります。しかし、いま国の歩みを変えるならば十分間に合うというふうに考えておりますので、鈴木総理も全力を尽くして行革の実行に邁進すると確約されたのであります。今回の臨調の仕事は国家に対する私の最後の御奉公と考え、全力を尽くしたいと思っておりますので、どうぞよろしく皆様方の御支援をいただくことをお願いをいたします。終わります。
○委員長(玉置和郎君) ありがとうございました。 この際、土光参考人に謹んで御礼を申し上げます。本日はお忙しい中を本委員会の審査のため貴重な時間をお割きいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 土光会長におかせられては御退席いただきまして結構でございます。ありがとうございました。 それでは、これより圓城寺参考人に対し質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。降矢君。
○降矢敬義君 私は、ただいま土光会長のごあいさつを承り、行政改革に対するかたい決意、またあふれる情熱に感激いたしました。われわれいまこの委員会には国民的な関心が強く寄せられております。また、それだけに行政改革に関する国民的な機運も高まっておるところでございます。土光会長以下臨調委員の先生方におかれましては、御自身の仕事を犠牲にして、発足以来四カ月間に第一次答申をおまとめいただきまして、心から敬意を表する次第でございます。 私は、行政改革というものは時代の推移に応じた国民の多様化したニーズ、変化していくニーズに行政が絶えず的確に対応していくべきものと考えております。特に、わが国が三十年代後半以降オイルショックまでの高度成長時代に肥大化した行政組織は、安定成長時代に即応して根本的に見直すべきが当然でございます。民間が減量経営で汗を流す以上、親方日の丸の行政組織に思い切ったメスを入れ、改革を断行すべきものと痛感しております。 そこで、圓城寺会長代理にまずお伺いしたいことは、膨大な検討課題の中で、さきに当面講ずべき行財政改革ということで第一次答申をいただき、その一部が今回の行革関連法案として政府側から提出されたわけでありますが、答申を提出されました臨調側として、これを受けた政府の対応についてどのように受けとめられておりましょうか。また、行政改革を期待する国民の反響についてどのような御感触をお持ちであるかをまずお伺いいたしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 政府が行革特例法案を作成されて国会に提出された、そういう姿勢を見て、大体われわれが期待した対応を政府が示してくださったと、そういうふうに考えております。 それから行革に対する国民の熱意の点でありますが、実は私は所用のため出席できなかったのですが、先般広島で一日臨調を開かれまして土光会長もおいでになったのですが、そのときの空気を聞きますと、非常に国民の行革に対する熱意が強く感ぜられたという報告を受けております。私自身いろいろの方面の方々と接触する機会があるのでありますが、この際行革を実行しなければ実行する機会はないのじゃないかというような点で、非常に行革に対する国民の熱意は高いものと承知しております。
○降矢敬義君 そこで、重ねて私は御質問申し上げたいと思います。 現在、政府には二百数十に及ぶ審議会、調査会がございますけれども、いまお話がありましたように、今日的な国民の最も関心の高い問題を調査されているこの臨調こそ最も権威があり、それだけにその提言については国民から多くの期待を寄せられていると思っているのでございます。 今回、一次答申を受けて行政改革関連法案を提出し、また同時に、来年の予算編成におきましても、この御答申の内容を施策として具体的にまとめていかなければならぬ段階にあるわけでございますが、万一御提言になりましたような内容がその実現が見送られるようなことも出てぐるのではないかということが考えられるわけでありますが、そういう際には臨調当局としてはどのように対処されるお考えでございましょうか。たとえば政府を信じて黙って待つのか、あるいはぜひこの問題についてはこうすべきであるというような意見表明を積極的になさるお考えでございましょうか、その点についてお尋ね申し上げたいと存じます。
○参考人(圓城寺次郎君) 私は、総理に第一次答申を提出する際に、土光会長が何か委員にも発言することはないかということを聞かれたときに申し上げたのですが、やはり政府に対して検討を求めるということが非常にありまして、こういった検討を求めるということは、単に普通の場合、官庁用語としては検討を求めるというのは検討しなくてもいいことだということを新聞記者諸君が私のところへ来て言いますが、そういうものじゃなしに、要するに、そういうことについても政府が十分対応するように、われわれは重大な関心を払って対応を見守っていくのだということを申し上げたのですが、具体的にわれわれが提案したことについて政府が対応しなかったという場合には、これはそのときの問題の性質にもよりますが、やはり臨調としては再来年の三月十五日まで任期がありますから、その際は意見表明する場合もあり得ることだと、そういうふうに考えております。
○降矢敬義君 いま圓城寺さんから、検討するとかあるいは調査をするとかいう表現が提言の中に多々あるわけでございますが、そういう問題についての真意がここで表明されて大変よかったと思います。われわれ行革委にかかわる者の一人としても、やはり御提言になったことについて真剣に国民の側に立ってその問題を追求していくという姿勢を堅持したいと思っております。 その次に、今回は第一次答申ということで、五十七年度の予算編成に間に合うということを前提にして当面講ずべき行財政の措置を答申されたわけでございますが、先ほど土光会長のごあいさつにもございましたとおり、今後検討さるべき問題、それは基本答申の中に盛られるわけでありますけれども、非常に大きな問題をはらんでいると思います。たとえば、先ほどもお話がありましたように、特殊法人の今後のあり方、あるいは中央省庁の行政機構の整理合理化、あるいは人事院の勧告制度、あるいはこの委員会でもしばしば御議論になっております三K問題というような制度の基本にかかわる重要な問題についても、臨調としては深く切り込み御議論をなさるように承っておりますが、そういう問題につきましては相当取り扱いに困難な前途が予想されるものと私も考えております。 何といたしましても、いま申し上げたようなことは長い年月の中でいろんな経緯を過去に背負いながら今日の姿になっておるわけでございますが、それだけにその根幹にメスを入れるべき問題、それは今日議論されている以上に具体の問題になってくれば、いわゆる各論反対の声もますます大きくなるだろうということはだれでも予想できるところだろうと思います。しかしながら、今日各方面で御議論されておる、またこの当委員会でもすでに議論されておりますような特殊法人、行政機構、三K問題、こうした問題については、どうしても臨調におきまして勇断をもって適切な御答申を心から期待しているものであります。 私は、こういう非常にむずかしい問題につきまして、会長代理としてどういう御決意で取り組むお考えであるのかをお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 私は、この行政改革をやるにはいまが絶好の時期だと思います。大体において日本の経済はうまくいっているにかかわらず、ただいま御指摘のような問題が依然として解決せられないままに残っている。こういう点を考えてみますと、この機会を逃して行政改革をやる時期というのは、なかなかそういう時期を見つけるのは困難じゃないかと思いますので、実際問題として、私も過去にこういう問題にかかわり合いを持ったことがありまして、むずかしい問題だということは承知しておりますが、調査会としては重大な決意をもってこの問題に取り組んで解決のために努力してみたいと、そういうふうに考えております。
○降矢敬義君 いま圓城寺さんから行革についての行う絶好の時期であると、まことに冒頭申し上げたように、国民的関心が非常に高まっておる時期でありますし、ぜひいまのむずかしい問題についても勇断をもって御検討をお願いいたしたいのでございます。 最後に私は一点だけ御質問させていただきます。 それは、去る七日の日本経済新聞によりますと、国税の所得税と法人税とを一括して、住民税についても国が一番徴収をするというふうなことが報道されております。これにつきましてはすでに新聞にも書いてありますとおり、自治省を初めとして地方団体からは地方自治の侵害であるというふうな御意見も出されておるところでありますが、これについてどのようにお考えになっておるのか、今後どのような検討を進めていかれるのか、どういうねらいをお持ちなのか、もしお示しできればお示し願いたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 調査会の委員会としてはそういう話はまだ出ておりません。 私は、個人的なことを申し上げますと、かつて二十年くらい前ですか、税制調査会においてそういった意見が出て、それはやはりいまのお話のように地方自治の侵害だというようなことでそれが実現しなかったいきさつがあります。しかし、部会の方でどういう検討がされているかわかりませんが、部会の方の検討の結果も出てまいりましょうし、もしそういう問題が出てくるならば委員会としてそういう問題について検討することはあり得るというふうに考えております。
○降矢敬義君 大変ありがとうございました。 いま申し上げたようなことは数点にすぎませんけれども、行革について会長、各位先生方のぜひ御健闘を心からお願い申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(玉置和郎君) 小柳君。
○小柳勇君 私は日本社会党の小柳勇でございます。 土光会長並びに圓城寺会長代理、御多用の中御出席いただきましてありがとうございます。私は総論的なものを二、三質問いたしたいと存じます。 今回の答申、大変御苦労かけました、先般私、本会議で鈴木総理に質問いたしました。行政改革の哲学、哲理、あるいはその方向性というのは一体どうでしょうかと。総理は、臨調の方にそのようなものは一切お任せしてある、われわれは答申が出たものを法案として処理するだけだというような意味の答弁でありました。したがいまして、これからまた根本的な臨調答申がありますが、行政改革の基本的な理念、方向性について、まず第一にお話し願いたいと思います。 第二は、今回の答申、大変御苦労なさったことでありますが、国民の受け取り方は、単にこれは歳出カット、補助金カットの法案になってしまったではないか、一体答申というのはそういうものであったのであろうかと。私どもは現在の行政、財政を改革する大きな基本的な答申が出されるものと期待しておる。特に二千五百億の補助金カットの中で、二千億は教育予算及び福祉予算のカットであります。したがいまして、国民が言うのは、臨調というのは軍事予算など国民が削減してもらいたいのは削減しないで、教育予算とか福祉予算、ふやしてもらいたいのをカットする、そういう臨調であるという印象であります。 これから第二次答申が出ますが、第二次答申もなおそのように、国民が期待する、たとえば減税とかあるいは年金の将来、あるいは福祉の将来など、あるいは教育をどうするか、そういう基本的なものに対してどういう方向性をお示しになるか。あえて今回の第一次答申で国民に背を向けて、言うならば大企業向けの臨調答申ではないかという、そういう批判に対して今後臨調としてどのように対処されるのか、お聞かせ願いたいと思うのであります。 いろいろ問題はありますが、具体的には同僚議員から質問させていただきます。以上です。
○参考人(圓城寺次郎君) 今国の行政改革の基本的理念につきましては、答申にも書いておりますように、その基本理念については国民の理解を得る必要があるので、やはりその国民の理解をまって基本的な理念というものを決めていくが、さしあたって第一回の答申に当たってはこういう基本的理念に従って行革をやるんだということで、活力ある福祉社会とそれから国際社会への貢献、こういう二つの問題を理念として掲げております。 それで、活力ある福祉社会あるいは国際社会に対する貢献、これについては答申にも書いておりますので、貴重な御時間を費やすこともどうかと考えますので、それについては答申をお読み願いたいと思います。 それから第二番目に、大企業に対する経費につきましては削減しないで、福祉、文教についてだけ切ったのじゃないか、こういう御質問ですが、しかし私ども決してそういう考えを持っておりません。先般も衆議院で申し上げましたのですが、やはり本当に行政として温かい手を伸べるようなところに対しては決してそれを切るというようなことはないと思います。あらゆる聖域を設けないと申しながら、補助金については各省一律に一割程度を目標に各省の自主的な判断に基づいて補助金を切ってもらいたいということを言ったときにも、生活保護費等は除くというようなことも書いておりまして、その額は大体一兆五、六千億になるのじゃないかというふうな配慮も払っております。それから大企業に対する補助につきましても、個々にこれを具体的に述べておりませんけれども、産業助成につきましては、その期限の到来したものとか効果の薄くなったものとか、そういう点でこれを削減するように政府に求めている次第であります。
○小柳勇君 ありがとうございました。
○委員長(玉置和郎君) 山田譲君。
○山田譲君 社会党の山田譲でございます。 きょうはどうも大変御苦労さまでございます。これから、いま基本的な問題につきましては小柳委員の方にお答えいただいたわけでありますけれども、それを中心として、さらに具体的にいろいろな問題をいろいろな角度から御質問させていただきたいというふうに思います。 最初にお断りしておきますけれども、先ほどの会長のお話にありましたとおり、今度の臨調の問題につきましては、行政改革については非常な関心が高まっているということは事実でございます。それだけにこの最初に出されました答申についても、国民は非常に関心を持ってこれを拝見している。それで、どうしてもやはりわからないところ、理解に苦しむというふうなところが国民の側から見ましてもあるのじゃないかというふうに思います。そういうことで、私もひとつそういう国民の声も聞きながら、それを率直にこの際聞かせていただきたいというふうに思うわけです。場合によっては、そういうわけですからぶしつけな御質問になるかもしれませんけれども、ひとつそこのところは御容赦をいただいて、はっきりとお答えいただけたらありがたいというふうに思います。 最初に、この答申の基本的考え方についてまずお伺いしていきたいというふうに思います。 その一つは、財政危機というふうなこと、あるいは八十二兆の国債がたまってしまったというふうな問題があって、何とかこの財政危機を突破していかなければいけない、切り抜けていかなければいけない、こういうふうな考え方から政府も諮問されたと思うのですけれども、その前に、臨調としてこういう点でいろいろ御議論があったかなかったかということを聞きたいわけでありますけれども、そのような財政危機をつくったものは一体だれであったかということでございます。もちろんそれは、例のオイルショックであるとか、参るいは社会保障が急激に伸びたというふうなことをおっしゃるわけでありますけれども、この財政危機というものは単なる自然現象としてそうなっていったのじゃない、やはり人間がつくっていったものだというふうに私は思うわけです。 それで、国民の側からすれば、いわば政府を信頼していままでつくられた予算というものに従ってやってきている。それが突如としてこの時期になって財政危機である、ですから痛みを分けてくれなきゃ困ると、こういうふうなことを言われましても、いままで信頼して政府に従ってきた国民の方からすれば、どうもこれは納得できない話である。もう少しこういうふうな財政危機になる前に何らかの手が打たれなかったかというふうな疑問を、これは率直に言って持つのが当然だと思うのです。そういうことについて、臨調としてこの答申を出される前に——一応のそういったことをこの臨調でも言っておられます。「しかし、それと同時に、高度成長期に拡大した行政の範囲が見直されないまま惰性的な支出拡大が続けられている面も見落とせない。」というふうなことを少し言っておられますけれども、その辺についてまずどういうふうな御議論がなされたか、その点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) ただいま先生がお読みになったように、文教とか社会保障とか、そういうものが制度的に整備されて、そういった関係でも歳出が伸びだとか、あるいは惰性的な行政がそのまま続いて、その関係でも歳出が伸びだとか、そういうことと同時に、私は、昭和四十九年、五十年ころは景気が非常に石油ショックの影響を受けまして停滞して、非常に不況に襲われた。そしてその結果、それを打開するためにかなりの五十一年、五十二年と公共投資をしております。その公共投資は、したがって公債発行によってなされたわけだし、さらに赤字公債も発行するという状況になったのですが、私は、このこと自体はやはり日本の経済立て直しのため決して悪いことではなかったと考えています。私自身もそういうことを主張しました。 その結果として日本の経済は、各国が経済運営についてかなり問題を抱えているにかかもらず、日本だけ経済運営というものは非常にうまくいっている。ただここで残ったのが、財政だけが非常に危機的な様相で残った。ですから、この評価をどう評価するかという問題でありますが、私は、私自身そういうことを主張した関係もあって、やはり公債を発行し、公共投資をして、そして景気の立て直しを図ったということ自身は決して悪いごとではないと思いますが、しかしその結果として、とにかくこういった財政が危機的な様相で残った。ですから、石油ショックの後遺症というものは完全に解消されたというふうなことを言いますが、そこはやっぱり財政にそれが残っているということだろうと思うのです。ですから、ただ財政に残っていて、ただこのままに推移していくと国家の財政が破綻する、その結果インフレになる、それによって困るのは国民大衆だ。これをどうしなければならぬかという問題だろうと思うのです。 ですから私は、よく財界の皆さんに申し上げているのですが、財界が減量した減量したということを言い、私もその減量を非常に高く評価しますが、この公債がかなりたくさん発行されたということは減量できる環境もつくったということもありますので、余りそれは減量したことをいばることもないだろうということは申しておりますが、とにかく日本の経済は非常にうまくいったが、財政だけはそういった関係で危機的な様相として残ったと、こういうふうに解釈しております。
○山田譲君 そうしますと、今度の経済危機と言われているものは、オイルショックあるいは社会保障の充実というふうなことでいろいろ公債を発行したり、せざるを得なかった。その結果としてこのような財政危機が出てきた。ですからそのことについては、圓城寺さんのお話によりますと、やはりやむを得なかったのじゃないかというふうな評価だと思うのですけれども、私どもとしては、これはいわゆる特例公債の発行については、前々からやはりこういった将来財政危機になるのじゃないかということを憂えて、こういう発行については余り賛成しないという立場できたわけでありますけれども、その結果が私どもの予想どおりの結果になってしまったということについて、私どもは必ずしも圓城寺会長代理がおっしゃるようなことで評価するわけにまいらないわけでありますが、それはそれとして、次に進みたいと思います。 次は、行政改革行政改革と言いますけれども、今度のこの答申を拝見しますと、行政改革というよりも財政のつじつま合わせだというふうな感じが非常に強いわけでございまして、つまり行政の改革といいますと、行政そのものの質を改革していく、あるいは行政の再編成をしていくというふうなものが本来的な行政改革でなければならないというふうに思うわけでありますけれども、どうも今回の答申を見ますと、それは政府の諮問の中にもそういうことが言われているからやむを得ないかもしれませんけれども、何となく質の問題というよりも量を減らす、十のものを八に減らせとか、あるいは百のものを百で抑えるとか、こういった量的なものだけが取り上げられていて、本当に行政の質を変えていく、行政の再編成を考えていくというふうなものとは受けとめられないわけでございます。 もし、この量をただ減らせとか、抑えろとかというだけでしたら、これはもう大蔵省の査定段階で幾らでもできることじゃないか。それをあえて臨調にお願いしているということになりますと、やはりこれはちょっと本当の行政改革をやろうという気があるのかないのかというふうな気持ちがしてなりません。よく言われますように、いわゆる大蔵省の隠れみのみたいなものになっているのじゃないか。ですから大蔵省が、臨調がおっしゃいましたからというふうなことで、今回五十七年度の予算をつくる上において非常にそういう点では便利に違いないわけであります。 それからもう一つ、先ほどの小柳委員のお話にもありましたように、最近の傾向として何でもかんでもこれはもう臨調の答申待ちでございますとか、これは臨調さんにお願いしてありますとかというふうなかっこうで、責任ある行政機関が自分たちの任務を忘れて、すべてこの臨調にお任せというふうなことがうかがわれてなりません。どうもそういうことで非常に疑問が多いわけでありますけれども、その辺のことについてひとつ圓城寺さんからお伺いしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) われわれも決して財政のつじつま合わせが行政改革だとは考えておりません。行政改革はやはり行政の機構なりその運営、そういうものの姿を正しい姿に持っていくということが基本だろうと思いますので、そういった点については今後積極的に取り組んでまいりたい、そういうふうに考えております。 ただ一恐らく御質問の中で、私はいま思いついたのですが、来年度の予算は今年程度に、抑制せい、こういうことを言っておりますので、そういう点がやはり何でも抑えればいいのだというふうな感じを持たれたのじゃないかと思いますが、実はこの行政改革の議論の中で、私の親しい経済学者は行政改革大反対、こう言うのですが、その行政改革反対の学者の人も、やはりゼロシーリングは非常にいいということを言っているわけです。ですから、歳出を抑制することによって各省がこれまでの政策の運営あるいは制度そのものについても反省するというような効果もあるわけであります。ですから、もし御質問の御趣旨が前年度程度に予算を抑えると書いてあるような点を問題にされているなら、そういう効果もあるということは申し上げておきたいと思います。
○山田譲君 その問題に関連するわけでありますけれども、次にお伺いしたいのは、調査会の設置法によりますと、調査会の任務として、これは設置法の第二条第一項に書いてあるわけでありますけれども、「行政制度及び行政運営の改善に関する基本的事項を調査審議する。」こういうことになっております。 しかし、実際にこの内容を見たり、あるいは先ほど来の行政管理庁なんかの言い方を聞いておりますと、単に基本的な事項を調査審議するというのではなくして、事実上は政府の政策決定機関みたいに考えられている向きがあるのじゃないか。そうしますと、これはやはり行政組織面からの非常に問題があると言わざるを得ないわけでありますけれども、これについての考え方はいかがでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) 行政調査会の任務は、ただいまのお話のように設置法に規定されているようなところであります。しかし、政策決定という、新しい政策を具体的に出すというよりも、設置法に規定されておりますように、これまでの制度あるいは運営についてむだはないかとか、間違った点はないかとか、そういうものに対する改善というものがわれわれの任務であり、これまでの答申もそういった線に沿っての答申であるというふうに私は理解しております。
○山田譲君 臨調ばやりといいますか、何でもかんでも臨調にお願いして、臨調でやってもらえばいいんだというふうな、これは臨調の責任じゃございませんけれども、そういう風潮が一つ強くうかがわれてならない問題があるわけですけれども、この辺については臨調御自身としてもひとつよく注意をしていただけたらありがたいというふうに思います。 それから基本的な問題の最後として、いわゆる新経済社会七カ年計画との関連についてお伺いしたいのですけれども、今度の臨調答申についてこの七カ年計画がどのように配慮されたか、あるいはまた今後これとの関係をどういうふうに考えてやっていかれるかということについてお伺いしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 七カ年計画の点でありますが、今回の行政改革の基本理念とされた活力ある福祉社会あるいは国際社会に対する貢献という考え方は七カ年計画でも強く出ております。七カ年計画の場合は活力ある福祉社会という言葉にかわりまして日本型福祉社会、そういう言葉を使っております。 それから、七カ年計画のことしの正月に決めましたフォローアップの中で行政改革の点について触れておりますが、その行政改革の点について触れていることは、まさにわれわれがいまやっているような行政改革についての考え方を示しておりますので、七カ年計画と今度の行政改革はそう決してかけ離れたものではない。 ただ、ここで私は申し上げたいのですが、先般も衆議院でそういう御意見を拝聴したのですが、七カ年計画はバラ色の社会を描いている、臨調の方は非常に渋いことばかりじゃないか、こういう御意見があったのですが、われわれ行政改革について考えていることは、やはり本当のバラ色の社会を実現するための一つの関門として考えているのであって、そういう点から見ても新経済社会七カ年計画と臨調でやっている行政改革というものは決して外れていない、そういうふうに考えております。
○山田譲君 七カ年計画を見ますと、たとえば教育についてはゆとりのある教育をするのだ、あるいはまた租税の負担率も何%にするというふうなことが書いてあるわけでありますけれども、この臨調答申をもし完全実施していくというようなことになりますと、たとえば教育の問題一つとっても大分考え方が七カ年計画と食い違ってくるのじゃないかというふうに考えるわけですけれども、そういうことはございませんか。
○参考人(圓城寺次郎君) これは、私も過去何回か経済計画をつくってまいりまして、皆さん御承知のように経済計画をつくると一年か二年でもうつくり直さなければならぬ、そういう状態を繰り返したわけでありますが、その前の七カ年計画もそういうことをやったのですが、特に今度の七カ年計画ではいろんな数字も参考資料として後の方に示して、毎年のフォローアップによって経済の実態に合わせた計画にしていこうと、こういうふうに考えておりますので、その点今度の行革の方は、私正直に申し上げて、やはりこの際行革を徹底的にやらないとやる機会がありませんので、これはこっちを弾力的にするというわけにいきませんが、七カ年計画の方はフォローアップによって弾力的な運営をしていく。ですから、本文の中に数字として書いた公共投資の二百四十兆も一年半延ばして、これを計画期間中は百九十兆と、そういうふうな取り扱いをするように非常に弾力的にできている、こういうふうに御理解願いたいと思うのです。
○山田譲君 それでは基本的な考え方の問題につきましてはそのぐらいにして、次に移りたいと思います。 その次に御質問したいのは税制の問題でありますけれども、増税なき財政再建というふうなことをよく言われます。しかし、この増税という物の考え方でありますけれども、名目的な増税でないことはわかりますが、実質的に考えていきますと、特に所得税の問題につきまして言えば、これは明らかに黙っていることはむしろ実質的な増税につながる問題じゃないかということが考えられますけれども、その辺はどうでしょう。
○参考人(圓城寺次郎君) 増税という言葉はどういうふうに使っているかと、こういう御質問だろうと思うのです。そうなりますと、増税はやはり新しい税をつくるとかあるいは税率を引き上げるとか、そういったことが増税だと思うのです。もちろんこの臨調に関係しましていろいろの方の御意見も伺ってみますと、たとえば財界あたりで、租税特別措置を切るということはそれだけ負担になるから増税じゃないか、こういうことを言われますが、決してそういうものまで増税だというふうに考えておりません。やはり制度改正あるいは新しい税、そういったことによる税負担の増大というふうに考えております。
○山田譲君 答申を拝見しますと、この税のところで「税負担の公平確保」ということが言われております。「税負担の公平確保は極めて重要な課題であり、制度面、執行面の改善に一層の努力を傾注する必要がある。」という表現がございますけれども、公平確保と言っておられますが、現在のこの税負担は公平であるか、あるいは不公平になっているかということについて圓城寺さんにお伺いしたいと思うわけですし、それと同時に、臨調の答申といいますか、論議の中でもこの辺いろいろ議論があったと思うのですけれども、その辺のことをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) やはりこの税の問題に公平、不公平というのは二つあると思うのですが、税制自体が不公正、それからもう一つは税の執行面の不公平、それで経済計画の中ででもこういった問題について触れるのですが、とにかく現在、税についての公平感がないということが一般の世論となっておりますので、正直のところ申し上げまして、税制調査会でここのところ非常に精力的な審議を進められて、いわゆる租税特別措置とかその他につきましてのかなり整理をされてきております。 しかし、やはりこれだけ不公平感というものが国民の中で訴えられておりますので、臨調として具体的にこの点はけしからぬから直せとか、そういう意見を出しませんでしたが、租税特別措置につきましても、あるいは税務執行面につきましても、やはり政府に原則を掲げてこの見直しを求めている。もちろん今後政府の対応いかんによってはこの問題についても臨調として検討するということもあり得ることだと考えております。
○山田譲君 税負担が公平でなければいけないということはこれはあたりまえのことなんですけれども、あえてここで指摘されたというからには、やはり税負担の公平について現在いろいろな問題があるということを臨調御自身で認められた上でこういうことを指摘されたのじゃないかというふうに思うのですけれども、単に一般論として税は公平でなければいけない、これはあたりまえの話ですから、それをとりわけここで取り上げられたということは、やはり公平でない面があるのだという、そういう認識がおありになったのじゃないかと思うのですけれども、その辺いかがでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) もちろん、そういった認識が全然なしに文章に表現して逃げたと、こういうことではありません。それはやはりそういう認識があっての答申と、こういうふうに理解していただきたい。
○山田譲君 それでは税の次の問題として、今回の措置によりまして、措置といいますか、答申を受けた政府のやり方によって、一応来年度はいわゆる形式的な意味での増税がないというふうに考えられますけれども、それでは再来年からその次ずうっと一体増税なき財政再建ということがそのまま行われるのかどうか。政府の答弁を聞いていますと増税もあり得るような表現がうかがわれるわけでありますけれども、臨調としてはこの辺をどうお考えになっておられるか、そこをお伺いしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 臨調としては積極的に行革に取り組んでおります。先ほども申し上げましたように、この際行政改革を行わないとやはり行政改革を行う機会はないのではないかという認識のもとに積極的に取り組んでおりますが、ただこういった取り組み方をしながら一方において増税を考えるということは、これは理屈の上では非常におかしいので、極力増税を回避するという気構えで行政改革に取り組んでおります。 正直のところ申し上げまして、私もなかなか財政再建は容易ではないというふうに考えておりますけれども、とにかく行政改革をする立場に立って考えてみれば、やはり増税を考えて行政改革をすることは国民の理解を得られないのじゃないか。ただ、この際一つ申し上げたいのですが、増税をしないということになりますと、機械的にそうだとは申し上げませんが、やはり行政サービスの点についてそれだけ切らなければならぬというようなことはありますが、とにかくわれわれとしては増税のない行政改革という気構えで取り組んでおります。
○山田譲君 それではその次に、農業問題についてお伺いしたいと思います。 もう御承知だと思いますけれども、農業問題で一番大きないまの課題は日本の自給率向上をどういうふうに、自給力といいますか、これを図っていくかという問題であるわけでございます。すでに国会でも自給力向上というふうな決議がなされております。ところが、先般出されました農政審議会の答申なんかの内容を見ますと、現在の自給率の三三%を十年後には三〇%にするんだというふうな、むしろ国会の決議に逆行するような考え方が出されております。そのことをいまとやかく議論する気持ちはありませんが、臨調としては自給力向上の問題についてどういうふうな考え方でやられたか、そしてこの答申を実行すれば自給率は上がるんだというふうに考えられているのかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) もちろん食糧の自給率の向上というものは総合的な安全保障の見地からも非常に重要なことで、国会がそういう決議をされたということはわれわれも承知しております。ただ、農業政策の点について、やはり財政再連の必要のある折からでもあるし、歳出というものは効率的に使ってもらいたいと、そういう考え方が出てくるわけです。それで、これはマスコミ等でもいろいろ農業に対する助成策についての問題も取り上げられておりますが、われわれは決して農業は軽視する問題でない。私も実は農村の出身で、農村については特別の愛着を持っております。ですから、ただ農業に対する助成を削ればいいという考えじゃなしに、やはり効率的に使ってもらいたい。そのためにいままでの制度と申しますか、今回の答申程度のことはがまんしていただく。やはり農業の自立によって生産性を向上するとか、そういう考え方で農業を支えていただきたい、こういうふうに考えております。
○山田譲君 それでは農業問題の次で、いわゆる水田利用再編対策というのがありますけれども、このことについて臨調としてどんな議論がなされたか、また圓城寺さんのお考え方もお聞きしたいと思います。それから特に、転作奨励金につきまして答申は「早期脱却を図る」というふうな言い方をしておられる。要するになるべく早く転作奨励金をやめるような方向でいくべきだということだと思いますけれども、一体この答申で言っておられる早期というのはどの程度の期間を考えておられるか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) どの程度の期間ということを具体的に考えているわけではありませんが、こういった奨励金につきましても、財政再建の折からでもありますし、やはり効率的に使っていただきたいという観点から、こういった奨励金も早期に脱却して自立てきる農業として確立してもらいたいと、こういうふうに考えております。
○山田譲君 観念的にはそれはおっしゃるとおりだと思いますけれども、現実論として転作を奨励して、実際に転作が一〇〇%以上もいっているということはやはり転作奨励金があるからじゃないかというふうに思うんです。もちろんそんなものがあるからいけないんだと言えばそれまでですけれども、したがってもし水田利用再編対策を本当に積極的に推し進めようということであれば、そう簡単にこの転作奨励金をやめるというようなことは現実問題として不可能じゃないか。ですから、もし転作奨励金をやめたりすれば途端に今度農民の方は再び水田へ逆戻りしていく、こういうことがあると思うんですけれども、したがって効率的というふうなことを言われましてもなかなかそのとおりに現実は動いていかない。ですから、水田利用再編対策との関連でそう簡単に奨励金をやめたらいいんじゃないかというふうなことにはならないと思うのですけれども、この辺いかがでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) 水田利用再編対策につきましては第二期が始まったばかりですから、いますぐどうこうということを申し上げているわけではありませんが、やはりそういう答申をしたような線に沿って農業政策を進めてもらいたいと、こういうふうに考えております。
○山田譲君 いまの問題非常に重要な問題であるだけに、ひとつ今後とも慎重に御検討をいただきたいというふうに思います。現実に農家の方なんかもこの答申を見ましてそういう点で非常に心配をしているわけでありますので、心配をすることのないように今後とも検討をしていただきたいというふうに思います。 それから農業問題の最後でございますけれども、先ほどもちょっとお話が出ましたが、最近特に財界の方からいわゆる農業過保護論といいますか、あるいは国際分業論、安い物は外国からどんどん輸入すればいいじゃないかというふうな国際分業論みたいなものが出ております。こういった農業過保護論とか国際分業論というふうなものについて臨調としてどんなふうにお考えになっておられたか、そこを伺いたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 先ほども申し上げましたように、自給率向上ということを決して否定しているわけじゃありませんから、国際分業論で徹底して日本の農業を壊滅させてしまったり、そういうふうに考えてはおりません。ただ農業政策についても、資金の効率的な使用によって農業が価格などにつきましてはかなり国際水準より高くなっている点もありますから、やはり生産性向上という線に沿って進めてもらいたいということで、国際分業論ですぐ日本の農業を切り捨てるとか、そういうふうな議論は臨調の中ではありませんでした。
○山田譲君 国際分業論で直ちに農業を切り捨てろというふうな議論はなかったというお話でありますけれども、それならば将来の日本の産業構造といいますか、そういうものを見通した上で、果たして農業はどのくらいのところに位置づけるかということについてやはり大きな見通しというふうなものを持たれて、それによってこういった補助金は要らないのじゃないかとか、あるいはここには補助金をもっとつけてもいいのじゃないかというふうな議論があってしかるべきじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがなものでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) そういった点につきましては現在臨調の内部で、部会の方でそういった問題についても取り組んでおります。
○山田譲君 ぜひひとつ今後いろいろ検討なさると思いますけれども、単純に農業の補助金はもう多過ぎるから要らないのだとか、農業は保護し過ぎているというふうな考え方で検討なさらずに、農業政策というものを日本国の将来の産業政策上どういうふうに位置づけるかということも十分お考えの上でひとつ慎重に検討をしていただきたいというふうに思います。 それからその次に、福祉、社会保障という問題で若干御質問をさせていただきたいと思います。 最初に、答申は「活力ある福祉社会」ということを非常にあちこち言っておられますけれども、こういう答申をこのとおりに実施すれば果たして活力ある福祉社会が実現できるかどうかということについてお伺いしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 今度は第一回目の本格的な行政改革の突破口としての第一次答申、こういう性格になっておりますから、われわれとしては今回の答申だけというわけにはまいりませんが、本格的答申をして、それに沿って行政改革をしてもらえばやはり活力ある福祉社会をつくる重大な基礎になる、そういうふうに考えております。
○山田譲君 実際に答申を見ますと、確かに今回は突破口であるということでございますけれども、何となく年金に対する給付の補助金を、交付金を減らせとか、児童手当を減らせとか、そういったような減らせ、減らせというふうな話だけでありまして、これでは本当に活力ある福祉社会を実現させるために、そんな減らすだけで果たして活力ある福祉社会を実現できるかどうかということを私どもは疑問に思わざるを得ないわけです。ですから、そういうことも場合によっては必要かもしれませんけれども、そんな問題じゃなくて、一番冒頭にも私申し上げましたとおり、行政の質そのものについてどういうふうにすれば活力ある福祉社会を実現できるかということを議論していただきたいわけでありますけれども、こういう点については議論がなかったわけでありますか。
○参考人(圓城寺次郎君) 新しいこの政策をこうすればこういうふうにということじゃなしに、やはり行政改革でありますから、いまの行政のむだを排除するとか、行政の硬直化を排除するとか、それから適正な負担での社会保障、そういうことも考えなければなりません。ですからこの社会保障の点は、申し上げるまでもないのですけれども、負担と給付の関係がありますので、ただ制度として非常にりっぱなものをつくっていっても、財政的に負担を生ずるようなことではかえってためにならぬと同時に、もう一つは、自立精神を持ってもらわないとやはり負担が多くなるだけで、負担が多くなれば活力を失う、こういうことになりますので、単に切る切るということを言われましたけれども、やはり適正な負担で適正な給付ということを考えているわけであります。
○山田譲君 そうしますと、言葉じりをつかまえるようで恐縮でありますけれども、現在の日本の社会保障というものは国の財政負担が少しよけいに過ぎるんだ、こういうふうな御認識がどうか。それから、それではその将来のあり方としてどの程度まで国の負担ができればいいんだ、それ以上は負担が多過ぎるということになるというふうな、そういうお考えがあって今回のこういういろいろな年金に対する補助金、交付金を減らすという考え方が出てきたのかどうか。そこのところはどんなものでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) 社会保障の給付は、申し上げるまでもなく、一方において社会保障に関する負担の問題と、それから租税負担の問題があるわけです。ですから、いまのところ年金などはいわゆる熟年度が非常に低いので給付も非常に低くなっておりますけれども、制度としては西欧並みの制度になっておる。いろいろ試算もありますけれども、これがたとえば昭和七十五年あたり、二〇〇〇年あたりになったらどれくらいになるかというようなことも考えなければなりません。ですから、こういった制度というものはなるべく早い機会に、負担が余りにも多過ぎて国民がそれに耐えられない反面、余り給付が厚過ぎて国民の自立精神を失わせるというようなことがあってはならないわけで、そういう点も考えて年金などについてはこの際抜本的に見直す必要があるだろうと、こういう考えで答申を出したわけです。
○山田譲君 おっしゃるとおりだと思うのです。ですから単に、最初にも申し上げましたとおり財政のつじつま合わせだけで、ここが一番減らしやすいから減らせというふうなお考えではなくして、いまおっしゃったようにやはり将来の国の負担あるいは給付、これはどうあるべきかというふうなことを十分検討された上で、しからば、こちらは多過ぎるから減らそうとか、こっちは少な過ぎるから足そうとかということが出てこなければならないのじゃないかと思うんです。それが近視眼的に何となく五十七年度のあれに間に合わせるようにということでもって、ごく短期間の考え方だけで減らしていくというふうなことはやはり問題になるんじゃないかというふうに思います。その辺いかがなものでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) おっしゃるとおりでありますので、第一次答申はとにかく昭和五十七年度予算に向けての答申であり、まあ突破口と。ですから、先生がただいまおっしゃるように、年金の問題は非常に重要な問題でありますので、今後臨調としても重要政策については基本的な点検を行うのですが、その項目の中に年金が入ってくるということは間違いないと思います。
○山田譲君 それから、盛んに痛み分けというふうな言葉を使っておられるし、政府もそういった答弁を至るところでやっていますけれども、しかし実際に見てみますと、少なくともこの答申を見る限りにおいては、痛み分けというけれども、どうも弱い者だけに痛みが強いられているという感じがしてなりません。先ほど冒頭で小柳委員もその点ちょっと言ったわけでありますが、たとえば造船の会社に対する利子補給を非常に手厚くやられている。こういうふうなことで本当に弱い立場の方だけに痛みが寄せられている。そうでない経済的な強者といいますか、そういうところには痛みを分けようというふうなかっこうになっていないという点が国民がどうしてもよく理解できない点だと思いますけれども、この辺はいかがなものでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) まあ痛みという言葉が使われますが、やっぱりそれは適正な給付としてわれわれは考えているわけです。 それで、もう一つは大企業に対する助成は切ってないじゃないかということで、海運に対する助成なども確かに問題になる点はあると存じますが、ただ、大企業に対する助成だからこれは切れとか、そういうことは現実問題としてなかなかいかない場合があると思います、たとえば先端技術の開発とか。やはり日本の将来の産業構造の姿を考えるとか、あるいは日本の産業界の技術水準を向上して国際競争力を持たせ、それによって二次産業の製品を外国に輸出して重要な物資を買ってくるということも考えなければならぬわけでありますから、大企業に対する助成だからすべて悪いんだということは言えないのじゃないかと思います。もちろんそういう効果のないものとか不必要なもの、それを切るということについては今度の答申でも言及しております。
○山田譲君 大企業に対する助成だから全部いけないというふうに私は考える必要はないと思うんですけれども、ただ問題は、一企業だけのために利潤が多く出てくる、そして助成金をもらって、そしてしかもその企業が大もうけしているというふうなことになったら、やっぱりこれは日本の国益のためということよりは、むしろ企業だけのためということになってしまいますから、ひとつそういう点は十分今後とも考えていっていただきたいというふうに思います。 その次に防衛問題に入りたいと思いますけれども、防衛につきましては、答申を拝見してもわかりますが、わずか五、六行しか書いてない。ほかのところは何ページも費やして、実に細かく、微に入り細にわたってこれは削れ、これは抑えろというふうなかっこうで書いてありますけれども、防衛問題についてはわずか数行で、しかもきわめて抽象的にしか書いてないわけです。ほかのところと極端にバランスが崩れているように感じざるを得ない。その点についてこれはどういうものでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) 防衛問題につきましては、これを決して聖域と考えているわけではございません。ただ、防衛の中でもやはり国際政治情勢から見ての高度の政治判断を要するような問題、あるいは高度な専門的な検討をしなければならぬ、あるいはその防衛の性格から見て臨調としても入りにくい点もありますのでああいう表現になったのですが、防衛関係費についても決して聖域と認めているわけではなしに、これを極力抑制するように努力することを求めております。 防衛費につきましては二つの点を考えて、経済協力とともに防衛をとらえて、そういう点についてもやはり有効性、適切性を考えて極力抑制しろということと、それから防衛自体のところでは調達とか使用、そういうことについて極力経費を抑制する、そういうふうに二重にも書いてあるわけです。
○山田譲君 お伺いしますけれども、自衛隊の人たちはこの定員削減の対象にはなっていないのでしょうね。そうしますと、自衛隊員は、いまもお話がありましたとおり、防衛問題というのは専門的な問題でなかなか臨調としても入りにくいんだと、こういうふうなことで余り審議の対象になされなかった。こういうことになりますと、一般の人が言っているように聖域という言葉はどうか知りませんけれども、臨調としては防衛問題には触れられないというふうなことをみずからお認めになっておられるかどうかということなんです。
○参考人(圓城寺次郎君) 防衛問題についても触れ得る点と触れ得ない点がありますということを申し上げたので、決して防衛問題を聖域化している、こういうことではございません。
○山田譲君 これはもう押し問答で水かけ論になってしまうからこれ以上はやめますけれども、私どもはどう考えても、ほかのところに対するいろいろ事細かに言っているのと比較して、余りにも防衛の問題については抽象的で大ざっぱ過ぎるというふうに考えざるを得ないんです。さっぱり具体的なことに触れていない。こんな程度じゃ恐らく防衛庁、この臨調の答申を受けて、じゃここを節約しましょうなんということに恐らく防衛庁はやらないと思うんですよ。ですから、やはり世間が言っているところの聖域というふうなことをある程度言われても、これはしようがないのじゃないかというふうに思います。ですから、臨調みずから防衛問題というのは特殊な問題だから私たちの判断の外であるとおっしゃるなら、これはまたこれで別ですけれども、少なくともいま圓城寺さんおっしゃるようなことで、触れられるところには触れるんだというようなことであったら、どこに触れられるところがあるかどうかは十分検討して、触れられる範囲においてこれはもっと減らせとか、これは要らないじゃないかということを臨調として堂々とおっしゃっていただいたらどうかというふうに思うんですけど、その点いかがでしょう。
○参考人(圓城寺次郎君) この防衛問題についてはいろいろ議論の分かれるところであろうと思うんです。やはりこういった国際情勢の中での安全保障の問題として考えるという必要もあろうと存じますが、防衛問題は先ほど申し上げましたように、たとえば自衛官の問題は総定員法に入っていない、そういうこともありまして、その点については触れていないんですが、やはり作戦的な点もあるだろうし、なかなかそこまで臨調として入ることはむずかしい、そういうふうに考えております。
○山田譲君 しつこいようですけれども、そういうふうにおっしゃられると、やはりこれは聖域だというふうに考えざるを得ないわけです。ところが、財政再建ということと防衛の問題というのは大きなかかわりがあるわけでして、防衛の問題を余り議論しなかったら財政再建なんということはどうせ議論できないわけでありますから、ひとつ臨調もそこら辺は勇気を持ってやっていただきたいというふうに思うんです。どうしたって財政再建するためには防衛費の方を全然無視して再建計画なんかできっこないわけですよね。そこら辺についてもう一遍、くどいようですけれども、伺いたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 決して防衛問題を聖域化している、そういうことではありませんが、やはりどうしても高度の政治的判断とか、あるいは専門的な技術、専門的な問題について、そこまで入っていくということは非常にむずかしい、こういうふうに理解していただきたいと思います。
○山田譲君 非常に私としてはその点が残念に思いますけれども、ひとつそこら辺は十分考えていただきたいと思います。国民もそれを必ず言っているわけですね。財政再建財政再建と言っているけれども、防衛の問題についてはほとんど触れていないと同じですけれども、そういうことで本当の財政再建ができるのかということを疑問に思っているわけですから、そこら辺はひとつ自身を持ってやっていただけたらありがたいというふうに思います。 次に、公務員の給与の問題でありますけれども、給与を盛んに抑制しろ抑制しろというふうなことをあっちこっち言っておられますけれども、これは一体どういう意味か。もちろん申し上げるまでもなく、公務員は憲法二十八条で言うところの勤労者の中に入るというふうにはっきりなっているわけです。ですから、いわゆる労働三権を持って使用者と交渉して、そこでもって労使対等で話し合いで決めていくのが近代的な労働法の大原則であると思いますけれども、それを特に公務員の特殊性ということにかんがみて団体交渉権も一部制限する、もちろん団体行動権も制限されている。こういう中で、その代償として人事院勧告制度ができているはずですけれども、その人勧制度について抑制しろ抑制しろという言い方は一体どういう意味か。つまり勧告を勧告どおり実施するなという意味なのかどうか。そこのところをはっきり言っていただきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) これは基本的にはただいまのお話のようなこともありますから、人事院勧告を尊重する、これは当然であります。しかし最近の、行政改革を断行しなければならぬ時期でもあるし、また世論の動向等も考えて適切に抑制と、そういう答申をしたということであります。
○委員長(玉置和郎君) 野田君から関連質疑の申し出がございます。これを許します。野田君。
○野田哲君 ただいまの公務員給与の問題ですけれども、今回の第一次答申の中でも、公務員給与の抑制ということが提起をされております。いま山田委員からも質問がありましたが、公務員の給与の決定の仕組みというのは、御承知のように国家公務員法、これに基づく人事院の勧告制度、これが存在しているわけです。これによって決定をされることになっているわけですが、私どもが考えて公務員給与を抑制する方法としては、いま政府がとろうとしているのは人事院勧告の実施時期を値切るか、率を値切るか、こういう形で抑制をしていこうということなんですけれども、私は臨時行政調査会として抑制ということは一体、勧告が出てもそのとおりにやるな、実施時期を値切れと、勧告を値切る方法としては実施時期を値切る方法が一番手っ取り早い方法としてあると思うんです、過去にも例があると思うのですけれども、そういうことを言っているのか、それとも、政府の部内でも河本経済企画庁長官なんかの所見にあるようですけれども、人員の抑制ということが一つのテーマになっておりますから、人員を抑制していけばおのずから総額として抑制という形があらわれてくるわけですが、一体臨時行政調査会としてはどういうことを給与の抑制の措置とし元は考えておられるのか。 もし人事院勧告を値切るというところまで考えておられるとすれば、これは人事院、公務員制度の基本にかかわることなんで、私は大変重要なことだというふうに思うので、その点を伺っておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) これは人事院勧告——給与について抑制と言っておりますが、具体的にどうこうと。しかし、社会経済的な情勢もあるし、行政改革をする折からでもあるし、また世論の動向もあるし、やはり適切に抑制したらどうかと。具体的にどうこうということを想定して答申を出したわけではありません。
○山田譲君 ただ気分的に抑制しろ抑制しろというようなことをおっしゃっては困るんじゃないかと思うんですね。ある程度具体的な方法というものを考えた上で抑制という言葉が出てくるはずなんです。ところが、いま同僚委員が言ったように、抑制しろということを具体的にどうするかといったら、人勧を値切るとかあるいは定員を減らすとか、そういうことしか考えられないわけです。ですから、そこら辺についてはそう安易に抑制しろ抑制しろというようなことを気分的な問題として答申されたとしたら、これはやっぱり問題があるんじゃないかというふうに思います。 もう一つ、これはもう時間になりましたから最後になりますが、特殊法人の給与の問題についてもこれを抑制しろということを言っておりますけれども、これは一体どういう意味か。つまり特殊法人については、これは特に公務員と違って、全く一般労働者と同じに労働三権を保障されているわけです。そういうところにおいては労使が対等で団体交渉をやって労働賃金を決めていくわけですから、それに対して抑制しろということを言うのは、労使自治の原則に対するこれは重大な干渉と言わざるを得ないわけですけれども、この辺についてはどうお考えなんでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) 特殊法人につきましては、やはり国が出資をするとかあるいは補助をするとか、そういうことによって事業をやっておるわけでありますから、そういった点から考えてやはり国家公務員に準じて抑制したらどうか、抑制したらと、そういうふうなことが趣旨であります。
○山田譲君 労働三権がきちっと普通の民間と同じに保障されているわけです。ストライキもできるわけです。そういうところは労使が対等で話し合って賃金を決めていくというのは、これはあたりまえのことなんです。それに対して第三者が抑えろというふうなことを言うのは非常にこれは穏当でないというふうに思わざるを得ないんですけれども、それともこの労働三権を特殊法人については一部どこかなくせと、そういうふうなことまで考えて言っておられるのかどうか。
○参考人(圓城寺次郎君) 特殊法人の給与は、いわゆる国家公務員よりかなり高くなっている点もありますし、ですからやっぱりこの際であるし、特殊法人に対する一般の批判も非常に強いわけですから、ここで給与についても国家公務員に準じて抑制したらどうか、抑制したらと。
○山田譲君 私はどうしても労使に対する介入と考えざるを得ませんね。これはどうしたって労使が対等で決めるのですから、その結果は公務員より高い場合もあるし低い場合もあるでしょう。簡単に百幾つある特殊法人の賃金をみんな比較してみたら、それぞれ。企業で全部違いますよ。だから、それは当然労使が自主的に交渉した結果がそうなってきているのであって、それに対して高いからけしからぬとか低いからいいんだわと、そういうことは言えないはずだと思いますけれども、その点がどうしてもわからない。公務員の場合はある程度ストライキ権も禁止されているというような関係で違いますけれども、特殊法人は完全に民間と同じ権利が与えられて、それで賃金は話し合いで決めていくということになっている。それがだめだったらストライキもやる。こういうシステムになっているのに対して、それを高過ぎるとか低過ぎるとかということを言うのはおかしいじゃないかと私は思わざるを得ません。
○委員長(玉置和郎君) 山田君、これで、時間を超過していますので。
○山田譲君 じゃ、これで終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(玉置和郎君) 峯山昭範君。
○峯山昭範君 公明党・国民会議の峯山昭範でございます。 本日は大変お忙しいところを土光会長及び圓城寺会長代理におかれましては当委員会に御出席をいただきまして本当にありがとうございました。 臨調発足以来わずか四カ月といった非常に短い期間に精力的に審議をされまして、七月十日に第一次答申を出されましたこと、この御努力に対しましては心から敬意を表するものであります。 行政改革につきましては、これはもう国民の声であり、またその必要性が今日ほど高まってきているときはないと思います。そういう意味から、第一次答申は、五十七年度増税なき財政再建という命題と、総理の強い要請を受けまして答申が出されたわけでございますが、その内容を見。ますと、財政再建策が中心で、国民が真に期待する本来の行政改革という本筋からはかけ離れているのではないか、そういうふうに思います。その結果、先ほどからずいぶん議論がございましたけれども、確かに内容的には社会保障や文教への切り込みだけが際立っておりますし、また地方に負担を肩がわりさせようという意向がはっきりと出ております。これでは国民の納得と合意を得ることは大変むずかしいのではないか、私たちそういうふうに思っております。 そこで、きょうは、先ほどからいろいろございましたが、初めに三点だけお伺いしておきたいと思います。 一つは行政改革に対する基本的な考え方、それから二番目に、今回のただいま出されて審議をいたしております法案に対する臨調の受けとめ方、また今回の第一次答申のいわゆる行革全体の中での位置づけ、この三点どういうふうにお考えか、初めにお伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 今回の行革の基本理念については、先ほども申し上げましたが、活力ある福祉社会と、それから国際社会に対する貢献と、そしてその手段として、やはり行政に求めているものは変化に対する対応、それから簡素効率化、信頼性の回復、こういう点を求めているわけであります。 第二番目の点は受けとめ方の問題でありますけれども、やはり実際政府が第一次答申に対してどう対応するかというのは本当は予算編成、租税特別措置などについての措置というのはそこまでいってみなければわかりませんので、いま評価することはできないですけれども、今回、特例措置法案を出したということによって政府が相当よく対応してくれている、そういうふうに考えております。
○峯山昭範君 ちょっと最後の方の第一次答申の全体の位置づけについて。
○参考人(圓城寺次郎君) それは、第一次答申は全体の基本的な行政改革に対する突破口、こういう位置づけを与えております。
○峯山昭範君 私たちもそういう突破口であるというふうな意味も含めまして今度の法案に賛成をいたしているわけでございますが、これからの答申も含めまして、臨調の答申がこれからいわゆる実行可能な答申を出すということ、そういうような考え方に第一次答申も立っているわけでございますが、この実行可能な答申ということにこだわってまいりますと、答申そのものが実行できなければ意味がないということにも逆に言えばなるわけであります。そういうふうな意味で、実行されなければ意味がないということに余りこだわりますと、臨調の答申が結局は妥協の産物というふうなことになってしまう可能性があるわけです。そういうことを私たち非常に心配をしているわけであります。確かに実行可能な答申ということは大変大切なことではありますけれども、やはり私たちが一番期待しておりますのは、臨調としてこれだけはどうしてもやってもらわなければならない、やらねばならないという、そういう内容の答申というものを国民も期待していると思いますし、私たちも期待をいたしているわけでございますが、こういう問題についての基本的な認識を一遍お伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 実行不可能なことを答申してもこれは意味がないわけでありますが、基本的に行政改革に取り組む態度としまして、やはり行政改革に対する国民の要望が非常に高い、一方日本の経済全体としてはまあまあうまくやっている、しかし財政だけは非常に危機的な様相を呈している、こういう点を考えてみますと、この機会を除いて本格的な行政改革を実現する時期はないのじゃないかというふうに考えております。ですから、実行不可能なことを提案しては意味がないのですが、実行可能なことは普通考えるよりもはるかに切り込んだ可能性を見つけてこれを答申する、こういう態度で臨んでおります。
○峯山昭範君 確かにおっしゃるように行政改革、現在ほど国民の支持を得られておる時代はないと思います。そういう意味でもう一点、これは第一次臨調の問題についてもちょっとお伺いしておきたいと思います。 例の佐藤喜一郎会長がやられた第一次臨調でございますが、これは御存じのとおり、昭和三十七年の二月からかかりまして、二年七カ月かかりまして昭和三十九年の九月、答申があったわけでございますが、非常に長期間にわたりまして審議を重ねまして、私もこの委員会で何回か質問をいたしているわけでございますが、私はあの当時の答申を政府がもう少し思い切って実行していれば現在の事態には立ち至ってないのではないか。特に国鉄の問題を初め、会計の制度の問題も含めましてここで議論をいたしているわけでございますが、三十九年のいわゆる第一次臨調の答申については、現在のいわゆる臨調の委員の皆さん方はこれをどういうふうに受けとめあるいは評価していらっしゃるか、この点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) もちろん第一次臨調、あの当時においては非常にりっぱだったと思います。あの当時の考え方もやはりわれわれとして尊重しなければならぬ。しかし三十九年、事情も非常に変わっております。ですから情勢の変化に対応してやはりこの隊としては正しい行政改革の案をつくりたいと、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 この問題先日も、中曽根長官いらっしゃいますが、お伺いしたときにも、確かに高度経済成長の入口であった当時でございますから社会情勢が変わっているのもよくわかります。しかし、これはぜひ中身を見ていただけば、現在の時点でも使える問題というのが非常にあるわけです。そういうふうな意味ではぜひ御検討いただきたいということはお願いしておきたいと思います。 そこで、第一次答申の問題と絡みまして、もうちょっとお伺いしておきたいと思います。先ほどもございましたように、行政改革の突破口といたしまして今度の答申がなされたわけでございますが、先ほどから議論になっておりますように、実質的にはいわゆる教育、福祉というふうな方面に相当切り込みが行われているのは事実であります。それだけにこれから行われるであろう来年の初夏に行われる本番の答申、それでもしなまぬるい行革の答申、何だこんなことかというふうな答申の中身であった場合は、これは結局、行革のあれは国民にだけ負担を負わせたという非難が逆に国民の中から出てくる。そうしますと、いま盛り上がった国民の行革に対するあれも急速に冷える可能性があります。そういうふうな意味では相当思い切った答申をしていただかないといけない、メスを入れていただきたい、そういうふうに思うわけであります。特に私は現在の第二部会で検討を重ねておられます中央省庁の組織の問題、人事の問題、あるいは予算の編成、機構の問題、こういうところは相当切り込んでいかないといけないのじゃないかといま思っているわけでございますが、この点についての臨調としての決意なり姿勢を一遍お伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) やはり先ほども申し上げましたように、行政改革に対する期待は非常に大きいわけでありますから、当然御指摘のような点についても検討の重要な項目として取り上げていきたいと思います。もちろんこれはなかなか、言葉では非常に簡単ですが、正直に申し上げまして実際問題としては非常にむずかしい点がありますが、この困難を突破しなければやはり国民の共感を得られないという点については全く同感であります。
○峯山昭範君 確かに言葉では簡単ですけれども、実際は大変な中身であろうと思います。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 それから、来年夏の基本答申に向けて現在精力的に取り組んでおられるわけでございますが、臨調の基本的な考え方として、先ほどから幾つか話がございましたが、簡単で結構でございますが、三点考え方をお伺いしておきたいと思います。 一つは、五十八年度以降の財政再建中の、先ほど増税なきという話がございましたが、いわゆる減税ですね、これはどういうふうにお考えになっていらっしゃるかということが一つ。それからもう一つは不公平税制の是正の問題ですね、これが二つ目です。それから三つ目に、財政機構の効率化という問題につきまして先日から新聞でも相当報道されておりますが、この問題についてどういうふうにお考えか、お伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 減税の可能性については、これを土光会長はかつて記者会見でもやはり減税の可能性のあるような行革にしたいとおっしゃっていましたが、増税なぎの上にさらに減税するということまで踏み込んで私が申し上げられるかどうか。気構えとしてはそういった気構えでも臨んでおりますが、一方私は経済審議会の会長をしておりまして、経済計画の方ではやっぱり適正な税の負担の増大ということも言っておりますので、ここで私が減税まで踏み込んでやるんだというようなことは申し上げられないと思うんです。 不公正税制の点につきましては、これはやはりこれだけ国民の関心が集まっている問題ですから、当然行革としても取り組んでまいりたい。 第三番目は予算編成、機構の合理化ですか、との問題についてもやはり本格答申の中では大いに取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 次に、先ほどの土光会長のごあいさつの中にもございましたが、基本答申の前にも場合によっては中間答申を出したい、そういうふうな意向のお話がございました。この点につきましては先日の当委員会でも、総理や皆さんの中からもそういう答申の問題については御答弁いただいておりますが、先日の衆議院の特別委員会での圓城寺さんのあの御答弁を精査してみますと、いわゆる中間答申については技術的にそれが不可能というふうな意味の御答弁があるわけでありますが、これは実際問題としていまどういうふうにお考えか、中間答申の問題についてお伺いしておきたいと思います。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
○参考人(圓城寺次郎君) これは実は前の段階において中間答申を何回も出すというようなことについて調査会の内部で話したこともございます。ただ、今回来年の六月あるいは七月に基本的な答申を出すということにいたしました関係上、中間答申を何回もその前に出すということはやっぱり技術的に非常に問題じゃないか。ですから、来年の六月あるいは来年の七月に基本的な答申を出すなら、その中で消化した方がいいのじゃないかというふうに私は考えて、やっぱり技術的な問題でなかなか最初に考えたようなわけにはいかない、それはそういった関係にある。ただ、そうは言っても、いわゆる基本的答申に関係のないような、たとえば許認可事項の整理、こういった問題については目下部会の方で分科会をつくって精力的に審議を進めてもらっておりますので、基本的な答申に関係のないもの、しかも国民が待望しているようなそういった許認可事項の整理といったような問題については、やはり中間的にもっと早い段階において答申する。ですから、一万件くらいありますから最後は再来年の三月になりても、やはり早い時期に答申できるものもあるじゃないかと、そういう部会の報告を聞いております。
○峯山昭範君 先ほど予算編成の問題ちょっと御答弁しておられましたが、今回の第一次答申は、これは五十七年度の予算編成というふうな面から出された答申ということになるわけでありますが、今度の基本答申は、これは五十八年度以降の予算編成に関係づけられるのかどうかという問題ですね、これはどういうことでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) これは、私はそういうふうに御質問を理解しなかったので先ほどのような答弁をしたのですけれども、五十八年度予算編成というよりも、今度の行革は行政の基本的な改革ということですから、第一次答申としては政府の方の要請もあり、とにかく突破口として五十七年度予算を対象としてやったわけですが、基本的な答申というものは、五十八年度予算を対象として基本的な行政改革ということではないと思います、関連がないとは言えませんけれども。
○峯山昭範君 それで、先ほども防衛費の問題を議論しておりましたが、ちょっとこれも一言だけ聞いておきたいと思います。 今回の第一次答申の中で、先ほどもいろいろ話がございましたが、国民の理解と協力が必要である、確かにそのとおりだと私思います。そこで先般からいっぱい行われております世論調査や何やを見ましても、防衛費につきまして、いわゆる国民が防衛費についてもやっぱり削減を要求している、そういうふうな世論調査の結果が至るところで出ております。そういう点から言いますと、政府のいろんな姿勢も、防衛費も聖域ではない、こういうふうな言い方をしているわけであります。臨調としましても、防衛費の内容につきまして、先ほどから臨調としてはいわゆる高度の政治的な判断を必要とする問題があるのでというふうな意味の答弁がありましたが、やはり防衛費そのものについてもメスを入れるべきじゃないか、やっぱり検討はちゃんとした方がいいのじゃないか、そういうふうに私たち思っているわけでございますが、この点について御所見をお伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 決して防衛費を聖域にしているものじゃなしに、ですから、そういった世論もありますので、これを極力抑制しろという表現を二ヵ所使っているわけですね。ただ、防衛費の問題に踏み込んでそれじゃ検討するかというと、これはなかなか事は防衛に関することでありますから踏み込んでいけない点もあるということを先ほど申し上げたわけなんです。
○峯山昭範君 それでは次に、地方自治体の行政改革の問題につきましてお伺いしておきたいと思うんですが、当然地方自治体といたしましても行政改革、国と並行して実施されなければならないと思っているわけでございますが、臨調としては地方自治体の行政改革についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるかという問題ですね。私たちのあれによりますと、地方自治体の行政改革については地方制度調査会でやるべきではないか、そういうふうな意見も現実に安孫子自治大臣がそういうふうにおっしゃっているわけでありますが、地方制度調査会との関係、これはどういうふうにお考えなのか、そして地方自治体の行政改革をどういうふうにやっていかれるおつもりなのか、この点お伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 臨調としては、地方行政の問題については、国の行政とかかわりある問題については検討するということをしておりまして、ただ、地方自治でありますから、たとえば東京都についてとかあるいは神奈川県、具体的にそういったことについて臨調として関係するつもりは毛頭ありません。それからもう一つは、御承知のように、地方制度調査会の会長の林さんが委員として参画されておりますので、実際問題として、臨調が地方自治を侵すような行政改革についての意見をまとめる、そういうようなことは全くないというふうに御了承願いたいと思います。
○峯山昭範君 それから基本答申の中身の問題に多少触れるかもわかりませんが、先日来当委員会でも政府の意見を詰めているわけでありますけれども、いわゆる行政改革の基本答申の中身で特に政府の方で明らかになってきておりますのが四点あります。一つは国の地方出先機関の整理の問題、それからもう一つは中央から地方自治体への事務移譲の問題、それから三番目に縦割り行政の弊害を改めるための中央省庁の統廃合の問題、それから国の事務の民間移譲の問題、これは四本の柱ということで当委員会でも明確になっているわけでありますが、こういうふうな問題については当然この基本答申の中で御検討をしておられると思いますが、ここら辺のところについてちょっと御所見をお伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 先ほどどなたからか何でも臨調臨調という話もありましたけれども、臨調としても短い期間の中に行政改革の案をつくっていくわけですから、何でもそれを入れて検討するということにはいかないと存じまして、この問も部会との連絡会をやったのですが、どういう問題に取り組むかということは、来年の一月ころにはお互いに連絡して範囲を決めようじゃないかということについて大体皆さんの意見が一致しております。でありますから、さっきお挙げになりました四つの点は当然取り上げる問題に入る、そういうふうに考えております。
○峯山昭範君 それからもう一点、現在一番大きな赤字ということで大変な問題になっておりますいわゆる三K赤字、国鉄、健保、米の問題ですね、これはやっぱり財政再建という面からも非常に重要な、また大事な問題であろうと思います。臨調として確かに理念、大分何回も読ませていただきましたし、また、あの中にうたわれております活力ある福祉社会という言葉等含めましてわれわれ非常に感銘を受けているわけでありますが、実質の問題として今度は特に三Kにつきましては思い切った改革案というのが必要になると私は思います。そういうような意味で、この三K赤字についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、この点も簡単で結構でございますが。
○参考人(圓城寺次郎君) 三K赤字の問題、これは長く問題になっていてなお解決できない問題です。しかし、臨調としては、やはりわれわれが行政改革に取り組むという以上、こういう問題についても勇敢に切り込んでまいりたい、こういうふうに考えております、
○峯山昭範君 これは重ねての質問でありますが、増税なき財政再建という言葉が、最近キャッチフレーズのように大分至るところで使われております。それで一つは、この増税なきという意味はどういうふうに解釈したらいいのかということです。それからもう一つは、不公平税制の是正という問題です。これは私たち、何とか不公平税制はなくしていかなければならないということでそう言っているわけであります。しかしながら、税の徴収というふうな面から考えまして、不公平税制を是正することによる増税というのがありますね。これはやっぱり増税と考えるのかどうかという話も出てくるわけでございまして、こういうことを含めまして、いわゆるこの増税なき財政再建という基本的な考え方についてお伺いしておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 増税なきということは、その増税とは何かと、こういう意味で御質問と存じますが、それはやはり新しい税を導入するとか、あるいは税率を変えるとか、あるいは仕組みを変えるとか、それによって増収を期待する。不公正税制是正によって増税になる、そういうふうには全く考えておりません。それは当然のことで、それは増税では全くありません。
○峯山昭範君 最後になりますが、今回の第一次答申を読ましていただきまして、第一次答申並びに部会報告等を含めましてそうなんですが、非常にわかりにくいところが多いわけであります。特にいわゆる官僚用語というのが相当至るところへ使われておりまして、できましたら、基本答申におきましてはできるだけ国民にわかりやすい言葉で書いていただきたいというのが私たちの要望であります。いわゆる言葉遣いといいましょうか何といいましょうか、非常に官僚用語——同じような言葉を何回も使う、また、同じような言葉でちょっと語尾が違うだけでいろいろな種類が使われている。そういうようなところはやはりきちっとしていただいて、だれが読んでもわかりやすい答申にしていただきたいというのが一つであります。 それからもう一つは、私たちは新聞とかいろいろなところでしかわからないわけでございますが、臨調の審議の様子を新聞報道等で見ておりますと、このいまの審議のペースですね、これがやっぱり官僚のペースというんですか、各省庁からお役人が来て、それで各省庁で張り合って、非常に何というのか、臨調本来の使命を果たせないのじゃないか、臨調自身が官僚同士の修羅場になるのではないかと、そういうようなことを書いた新聞も現実にあるわけです。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕そういうような意味で私は、臨調の委員の皆さん方それぞれ見識のある方ばかりでございますので、ぜひ、もうそれこそこんなことを申し上げではかえって失礼かもわかりませんが、右顧左べんすることなく、本当に臨調自身が自主性を持って基本答申に当たってもらいたいということ。 そしてもう一つ申し上げますと、先ほども申し上げましたが、これだけはどうしてもやらなければならないというふうな、そういう答申の内容をぜひ盛り込んだ基本答申にしていただきたい。これは私の要望も含めましてそうですが、最後に会長代理の所信をお伺いして、私の質問を終わっておきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 用語の問題につきましても調査会でいろいろ議論したところでありますが、とにかくただいまのお話のように行政改革としてはどうしても国民の理解を求めなければいかぬ、それが国民にわかりにくいということであっては全く意味がないわけでありますから、本格的答申につきましては、用語の問題についてはただいまの御指摘になったことも十分頭に入れまして文章をつくりたい。 それから、これはというものを盛れというお話で、やはりわれわれとしては、これはというものを盛らないような答申というものは全く意味がないのでありますから、これはというものは盛って国民の期待にこたえたい。 それからまた、いま部会等で各省庁からのヒヤリングをやっておりますが、これはやはり行政の実態把握という点で必要だろうと思うのです。ですから、ただヒヤリングをやったから官僚に指導されて官僚主導の行政改革になるというものではない、委員の皆さんがそれぞれ良識を持って国民の要望する行政改革案に取り組んでいただいている、そういうふうに考えております。
○峯山昭範君 どうもありがとうございました。
○委員長(玉置和郎君) 山中郁子君。
○山中郁子君 共産党の山中郁子でございます。御苦労さまです。大変限られた時間でございますのでひとつ端的に基本問題、それから若干の問題について見解をお伺いしたいと思います。 まず、行革の基本的な理念の問題に関しての臨調のお考えということで初めにお尋ねをしたいことは、第一次答中でも「効率的で無駄のない政府を実現し、その公正で民主的な運営を行い」国民の行政に対する信頼を確保することが必須の条件というふうに述べられております。そのために汚職腐敗の構造にメスを入れて、政財官癒着の腐敗構造の根を断つことが不可欠である、私どもはそのように考えております。 御承知のように、最近ロッキード事件での小佐野に対する懲役一年の実刑判決、あるいはこの裁判に関連しての奥野法務大臣の発言問題等々この委員会においてもさまざまな論議が行われ、また国民の中でも改めてこうした問題に対する関心が深まっているところでございますけれども、この点について臨調でどういうことが検討課題に挙げられ、この腐敗汚職構造にメスを入れるという問題ですね、どのような議論がされているのか、まずお尋ねをしたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 臨調におきましても、行政の信頼性確保ということは非常に重大だということでその項目を特に挙げておりますから、そういった腐敗した行政のないようにということは臨調としても当然考えており、ですから惰性的な行政を排するとか、あるいはむだなものを排除するとか、効率的だとか、そういった点を実現していけば、やはりそういった腐敗した行政にならないような有力な手段だと、そういうふうに考えております。
○山中郁子君 抽象的な御見解で残念に思っております。私どもは真の行政改革の重要な柱の一つがここにあるという見解を持っておりますが、その意見を開陳する時間がきょうはありませんので、次へ進みたいと思います。 もう一つ基本的な理念の問題でございますけれども、第一次答申の今後の検討課題の中で、まず「行政課題の変化と行政の役割の見直し」を挙げられて次のように述べられておられます。「援助を真に必要とする人びとには、暖かくまた十分な福祉サービスを提供し、同時に自立・自助の精神、自己責任の気風を妨げるような過剰な関与を厳に慎むという行政の新しい在り方が明確にされなければならない。」、この考え方からいきますと、現在の行政の中に実際に過剰な関与があるという前提に臨調が立たれておられるという理解ができるのですけれども、その点についての御見解をお伺いいたします。
○参考人(圓城寺次郎君) やはり行政は負担の問題とも関係がありますから、過剰かどうかということでありますけれども、やはり過剰な関与がある、そういうふうに考えております。
○山中郁子君 過剰な関与があるという前提で判断をされていらっしゃるというお話なんですけれども、そうしますと現在具体的に臨調が過剰な関与であると考えておられるものは何なのか、それをお尋ねいたします。
○参考人(圓城寺次郎君) この臨調の意見におきましては自立自助でと、そういう精神を高く掲げております。ですから、それは企業においてもそうだし、社会保障政策というよりも、企業などについてはやはり過剰に関与しているというふうなこともずいぶんあると思います、企業に対する。
○山中郁子君 先ほど私が引用いたしましたところで、それに続いて述べられていることは、つまり「過剰な関与を厳に慎むという行政の新しい在り方が明確にされなければならない。」に続きまして「医療、年金、福祉、文教等について、以上の観点から、制度の根本に立ち返った検討を行う必要がある。」と、こう続いているわけですね。いまのお話でもうひとつはっきりしない面もあるのですけれども、行政の過剰な関与を厳に慎めばつまり自立自助の精神が発達し活力ある福祉社会になる、こういう観点から医療、年金、福祉、文教等を制度の根本に立ち返って検討を行う、つまりこうした点に過剰な関与がある、こういう見解にならざるを得ないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(圓城寺次郎君) やはり臨調としましては、そういった点についても自立自助の精神を基本としております。これに対して余り関与が深くなりますと、ヨーロッパに見るような活力のない福祉社会ができてくるということと、もう一つは、この関与が非常に過ぎできますと、どうしてもそれは負担を伴ってくるわけです、税とそれから社会保障負担の。そういう負担が多くなりましてもやはり活力を失うということに保なりますので、そういった点で、そういうことにならないように過剰な関与は排除しなければならぬ、こういうふうに考えております。
○山中郁子君 そうしますと、つまり医療、年金などの社会保障を、端的に言って削れば削るほど活力ある福祉社会に近づいていくという、こういう考え方にならざるを得ないと思いますけれども、そうなるわけですか。
○参考人(圓城寺次郎君) それは、削れば削るほど活力あると、そういうふうにはもちろん考えておりません。ですから、真に救済を必要とする者については温かく救済の手を差し伸べるということを言っております。それから過剰な関与については経済活動についてもそういうことを言っておりますので、先ほどああいう答弁をしたわけです。
○山中郁子君 その点につきましてはもうすでにいろいろ議論もされて、きょうの質疑の中にもありましたけれども、それでは企業に対してどういう痛みを分から合えと言うのかということになるわけですから、そのことは私はいま繰り返しません。 それで、いまおっしゃいました援助を真に必要とする人々、真に救済をする者ということでお話もありましたし、答申の中にも言われているのですけれども、答申の第二の「緊急に取り組むべき改革方策」のうち、補助金の整理合理化方策から「生活保護費等」が除外されているわけで、これを見ますと、真に救済を必要とする者とは生活保護家庭ということになるのでしょうか。そして、ここで「等」という言葉がついておりますけれども、この「等」は具体的に何を意味されているのかお尋ねいたします。
○参考人(圓城寺次郎君) これは、「等」はどういう意味がというお尋ねですが、たとえば老人とか、あるいは心身障害者が福祉施設に入るための措置費とかそういったもので、大体これは今度の計算では生活保護費が大体一兆円、そういったもので、いま具体的にすべてを私申し上げるほど記憶しておりませんが、大体一兆六千億くらいが「生活保護費等」の除くという、数字的に申し上げるとそういうことになると思います。
○山中郁子君 中心的に生活保護家庭における生活保護費と、中心的にですね、「等」についてはそうそれほど明確ではないというお話でございますけれども、ここで私は一つ憲法との関係でもって御見解をお伺いしたいわけです。 憲法第二十五条は、申し上げるまでもなく、国民の生存権の保障を規定しています。その第二項では「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」ということで国の社会的使命を明らかにしていて、言うまでもなくその社会保障とは救貧制度のように貧困を条件としたものではない、いまさら私が申し上げるまでもないと思います。すべての国民に生活上の権利として国がそれを保障する制度であって、国の行うべき義務である、だからこそ憲法にこれが明記されているわけです。 ところで、社会保障支出が財政危機の原因であるかのようなさまざまな多くの指摘がいままでもありました。ここについては多くをいまここで議論はいたしませんけれども、そういう臨調答申の、つまり救貧対策、生活保護家庭、生活保護費、これが中心になるようなものが除外されるということだけで明らかにされている臨調答申の形というものは、憲法二十五条に規定された社会保障の向上、増進のための努力という国の責務を、わかりやすく言えば放棄することを迫っている、そういう内容にならざるを得ない。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)それはそうです、実際問題として。このような考え方と憲法の二十五条がどうして両立できるのか。私はやはりここに基本的な大問題があると思っておりますけれども、御見解をお伺いいたします。
○参考人(圓城寺次郎君) 憲法の二十五条の規定に反するような答申にはなっておりません。それは、社会保障だから何でも手厚くすればいいというわけのものでもない。適正な負担で適正な給付、これがやはり必要なことで、もしそれでなければ財政の負担が非常に多くなって、それで財政が破綻するというようなことがあってはやっぱり国民のためにならぬ。それは憲法の二十五条の規定に反するような答申にはなっておりません。
○山中郁子君 じゃ、もう一つ明確にお答えをいただきたいと思うのですが、ここで言われております、先ほど私が読み上げました「医療、年金、福祉、文教等について、以上の観点から」抜本的にとおっしゃいました。そうすると、その「過剰な関与」というのを、具体的にでは何が現在過剰な関与であるのか、ちょっと明確にしていただきたいと思います、具体的にね。
○参考人(圓城寺次郎君) 具体的にと。いまのつまり社会保障の水準が西欧並みになっておりまして、このままで推移していきますと、年金などが成熟するということになりますと、国民にかなりの負担を強いるか、あるいは財政を破綻させるか、こういうことになるわけです。ですからここのところを適正なバランスをとって社会保障政策を推進していかないとやはり国民のためにならぬということを言っているわけです。
○山中郁子君 年金問題も含めて申し上げるならば、わが国の国民所得に占める社会保障支出は一二・六%、西ドイツ二〇・六%、フランス二七・八%、イギリス一四・五%、いずれも国際的に言っても立ちおくれているんです。私どもは過剰な関与どころか、これはもっともっと整備をしていかなければならないという考え方に立っておりますけれども、そのこととの関係で具体的にもう二点ほどお尋ねをいたします。 保育所建設の抑制だとか児童手当の所得制限強化、こうした問題の社会福祉の切り捨てというのは、婦人に対してやはり直接的にも間接的にも非常な負担を加えるものであると思います。今後の基本答申を出す上で臨調として、特に婦人、つまりいま女性は人口の半分以上を占めるわけで、さまざまな大きな役割りを果たしていることは政府自身がお認めになっているところでございますけれども、特に婦人が真の意味で自立自助をしていくためにどのような方策を臨調として考えておられるのか、これをお尋ねをいたします。
○参考人(圓城寺次郎君) これはもう男も女もなく、同じように生きていくための…(「男女同権」と呼ぶ者あり)条件というものは必要だろうと思います。ですから、行政改革の中で女を差別する、そういうことは全く考えておりません。
○山中郁子君 いや、私は、保育所建設の抑制だとか児童手当の所得制限強化などが女性に、直接的に、より多くの影響をもたらすということから申し上げている、これだけじゃなくてほかにもたくさんございますけれどもね。 何かいま男女同権という不規則発言がございましたけれども、続けてお尋ねをいたしますが、臨調の委員に女性が一人も入っていなくて、それから二十一人の専門委員の中にもたった一人ということは、どう考えても男女平等でないというふうに思っております。いま申し上げましたように、多数の女性の声を反映するという上で、私は女性の声をもっと十分に反映させ、それにこたえる臨調としての検討なり方向なりを考えていかなければならないと思います。 それで私は、臨調としても、たとえば設置法で行政の全般にわたって総理に意見を述べることができるということが明記されているわけですから、たとえばの話ですよ、女性の委員を入れる、あるいは専門委員をふやす、そういうようなことを臨調の方で政府に要望されるというお考えがあるかどうかお尋ねをいたします。
○参考人(圓城寺次郎君) これは政府が任命しておりますので私はこれについて答弁する資格はないのですが、やはり臨調としても婦人の声、そういうものは十分尊重してまいりたいというふうに考えております。 委員をふやせということを言うか言わぬかという問題ですけれども、これは三人専門委員と参与で入っていられるんですね。やはり少ないと言えば少ないかもわかりませんけれども……
○山中郁子君 少ないですよ、それは。
○参考人(圓城寺次郎君) まあ少ないようにも感じます、それは。だけれども、これを臨調としてどうこうというふうに申し上げる立場にはない。われわれは婦人の声も大いに尊重して行政改革に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○山中郁子君 これは感じじゃなくて、明らかに少ないわけですよね。それで、いま政府がというふうにおっしゃいましたけれども、設置法で行政の全般にわたって総理に意見を述べることが決められている、保障されているわけで、任命も行政の一つですよね。ですから、そういう点でぜひ積極的にそういう立場に立って、臨調としての政府との関係の要望を進めていただきたい。私は全女性を代表してこういうことを申し上げているわけですけれども、ひとつぜひ積極的な御答弁をお聞かせいただけたら幸いです。
○参考人(圓城寺次郎君) もうすでに臨調も相当審議が進んでおりますので、やはり婦人の立場あるいは婦人の声を尊重するというのは審議の経過の中で生かしていきたいというふうに考えております。
○山中郁子君 それももちろん重要な問題でございます。重ねては申し上げません。 最後になりますけれども、答申で提示されているもう一つの基本理念、つまり国際社会に対する貢献の増大という問題なんですけれども、答申の中では経済協力と防衛ということを挙げておられます。国際的責任を果たすための経費の増加は必至であると一方でしておられますけれども、今後の基本答申も、この経済協力、防衛を含む国際的責務、このための経費の増加が必至であるという前提に立ってお進めになるのかどうか、そこのところを聞かせていただきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) これは、考えてみますと、日本くらい国際的なかかわり合いの深い国は私はないと思うのです。一つは、何といっても資源エネルギーというものが全くない。そういう中でこの狭い島国に日本人が生きていくとどうしても国際的なかかわり合いというものは重要視して考えなければいかぬ。それからもう一つは、やはり日本も一割国家と言われるくらい経済力もふえておりますので、日本に対する国際的な要請も非常に高まっておりますので、やはり日本民族が生きていくためにも、こういった立場を考えて国際的な貢献というものは非常に必要だというふうに考えております。
○山中郁子君 私は、きょうは時間の関係で防衛費問題をとりたてて引き出して触れませんでしたけれども、いまの必至であるという前提に立って臨調の路線が引き続き進められるということは、まさに軍拡路線の推進であり、軍事費を聖域とする、多くの方も指摘されましたし、わが党も委員会において指摘してまいりましたけれども、そういう危険な道を推進するということになるという見解を持っておりますことを申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(玉置和郎君) 柳澤錬造君。
○柳澤錬造君 最初に、第二臨調の皆さん方が大変な御苦労をして答申をおまとめいただきましたことに心から感謝を申し上げます。また、次に向けましていまもいろいろ御苦労いただいておりますことも敬意を表して、若干の点を質問してまいりたいと思います。 私は委員会でも申し上げたのですが、この行政改革というものが、単に明年度の予算編成のためのものだけであってはならないでしょう。もっと言うならば、額に汗してまじめに働く人たちが報われるそういう福祉国家をつくるのだ、そういう新しい国づくりをやるのだ、そこにこの目標を置いてやるのでなかったならばこの行政改革の意味がないのではないのでしょうか。現在審議をしている特例法案というのは、そういう意味ではスタートだと思うのです。問題は、これからの、先ほどのお話だと明年の六月か七月に出されてくる本格的答申がどういう形で出てくるかが大変私は大事になると思う。 そこで、いままで私ども国会の中で審議をしておりましての一つの問題は、政府の姿勢なんです。第二臨調に向かっては実現可能なものを答申してくださいという注文をつけられたはずです。同時に今度、国民に向かいましては、第二臨調がこう言っているのだからという、いろいろの場合にそういう発言が出てくるわけなんです。私から言わしていただきますと、いささか政府の責任が不明確じゃないか、そういう点はいままでのところでありますけれども、ともかく来年に向けての本格答申の中で、先ほど峯山先生からも出ましたが、私からも自主自立の精神でもって思い切った答申をおまとめをいただきたい、そういうことを御要望も申し上げまして、来年度に向けての本格的答申に取り組んでいる過程の中で、幾つかの点でお聞きをしていきたいと思うのです。 その一つは、これも先ほど出ましたけれども、不公平税制の問題なんです。クロヨンとかトーゴーサンということを言えばそれは何を意味しているかということは、もう国民みんないまわかっているくらいに有名になっているわけなんですが、なかなかこれが直らないわけなんで、そこにメスをお入れいただけるのかどうか、そこを第一にまずお聞きをしたい。
○参考人(圓城寺次郎君) ただいまのは税務執行面の問題で、これはなかなか税務で捕捉ができるかどうか、いろいろ問題があろうと思いますけれども、やはりこれだけクロヨンというものが国民の中で重大な関心を持っておられますので、そういった点については当然臨調としても重大な関心を持って検討してまいりたいと思っております。
○柳澤錬造君 お取り組みいただくという御返事と承りまして理解をしていきたいと思います。 それから二つ目には、いわゆる官民格差とか、それから公務員の中でも国家公務員と地方公務員の賃金のいわゆる官官格差というわけですが、この問題なんです。これはもう私が言わなくても皆さん方の方でもおおよそのことはおつかみになっていると思うのですが、官民格差の場合でも賃金だけを見ますと、多少のことがありましてもそれほど問題にするほどのことはないわけなんです。ところが退職金、さらに年金にまいりますと、民間が厚生年金、それから公務員の方は共済年金といって、その辺が今度はずっと開いてきてしまう。民間を一〇〇といたしまして、国家公務員でもって約四割増しぐらいになってしまう。地方公務員になるとさらに開いて、大阪周辺の都市だともう七割増し。大変な開きが出てくるわけなんです。 さらに、賃金の場合もそうなんです。これはもう大阪周辺のあの辺が一番高くて、大体国家公務員よりかも二七、八%も高い。二七、八%と言いましても、年間合計いたしますと約百万近く国家公務員よりよけいもらうようなことになるのですから、その辺をそのまま放置しておいてはいけないことだと思うので、この辺の官民格差の問題、官官格差の問題についてお取り組みなさるようになっているかどうか、お聞きしてまいります。
○参考人(圓城寺次郎君) もちろん一次答申の中でもその問題に触れておりまして、地方公務員の問題もただいま御指摘がありましたが、やっぱり公表制度をとったらどうか、こういう答申をしております。ですから、公務員制度の中でそういった問題は今後検討されるべきものだというふうに考えております。
○柳澤錬造君 圓城寺さん、第一次答申も私審議をするのでつぶさに読ませていただきましたのです。触れていることも事実なんですけれども、あの第一次答申の中から、それではと言って政府がこの辺にもメスを入れて直さなくてはいけないんだというかっこうで今回の特例法案というものが出てきていないわけなんです。もっと極端に言うならば、取り組む気持ちすらいまの政府は持っていないというのが私の判断なわけなんです。そういう意味でお聞きをしておりますので、その点だけもう一度ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) これは公務員制度の問題を今後検討してまいることになっておりますので、その中で検討してみたいと、そういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 次にお聞きしておきたいのは、これは先ほど冒頭の土光会長のごあいさつの中にも出てくる言葉ですけれども、特殊法人の問題なんです。 特殊法人の問題では政府みずからがいろいろのことの制約を閣議決定をしながら、それが守られないのです。言うならばなるべく民間人も登用して、通称言われるところの天下り役員というのを半数以下にしろということを閣議で決められている。それから余り長いこといちゃいかぬぞということも決められている。いろいろ渡って歩くようなそういうことも、例外として一回ぐらいはいいけれども、それ以上やることはよくないよと、そういう閣議決定をいろいろしているんです。ところが、自分らでしながらも守れないんです。一〇〇%天下り役員で占められているのがいま二十二法人あるわけです。この間若干統合しましたので、いま大体百六あるはずですが、百六の中で二十二法人は一〇〇%天下り役員で占められておる。この間も私も聞きまして、それを改めるという気持ちすらないのです。 どうしてそうなんだというならば、それに対しての政府の答弁は何て言ってくるかといいますと、適任者というか、わかりやすく言えばそういうことですけれども、そういう人がなかなかいないからこういう結果になるんですという答弁がされまして、私もそれを聞いていささかあきれ返ったのですが、民間からそれに適任な人が出てこないようなものだともしするならば、その特殊法人そのものが必要ないんだという意味だと思うのです。官側からでなければ適任の役員が得られないような特殊法人だとするならば、その特殊法人は要らぬということであって、かなり民間の中にすそ野が広く関係しているからこれはひとつ特殊法人をつくってこういうことをやらなくちゃということで生まれてきたものだ。だから、数が多い少ないもいろいろありますけれども、その辺につきまして、少なくとも特殊法人と言えば相当なお金をいま使っている。財政投融資の中でも十三兆から十四兆のお金をつぎ込むのですから、そういう意味に立って、この特殊法人の必要性の度合いというのですか、何かそのようなことにメスを入れて、本気におやりをいただけるのかどうかということをお聞きをいたします。
○参考人(圓城寺次郎君) 特殊法人百六ありますね。ですから、これ全部にわたって徹底的な検討ということはできるかどうか自信もない点もありますけれども、しかし、特殊法人の問題は相当ここで問題になっておりますので、やはり特殊法人の問題については積極的にいま取り組んでみたい。すべての特殊法人を全部検討できるかというと、なかなかそうはいかぬと思いますけれども、やはり主な特殊法人問題というものは重要な行政改革の柱として取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 名前は挙げませんけれども、これは圓城寺さんの方でもおよそのことはおわかりいただいていると思うのですが、ぜひメスを入れていただいて、それでやっぱり特殊法人を設けただけの役割りを果たして、それが国民生活そのものにもプラスの影響を及ぼしているようなら、これは喜んで、あるべきなんですから、その辺の点をぜひともメスを入れていただきたいと思うのです。 それから最後にもう一つは、これも先ほど峯山先生の方からも出ましたので若干ダブるような質問になってしまうのですけれども、私はこの特例期間中三年間は、少なくともいろいろ国民にも注文をつけるのだから増税しないというくらいな約束をして、それで政府もこれだけ耐えるのだから国民の皆さん方も協力をしてくださいよということをなぜ言わないのだと言っていろいろやってきたのですが、いままでの中で政府の方も、五十七年度はもう増税しないことははっきりした。五十八年度もまず増税はできないのだという腹は固めたと思うのです。五十九年度に向かいましても、ですからこの問も総理も現段階では増税する考え方持っておりませんという答弁をし、それ以上求めることも無理だと思いますし、ですからそれを額面どおり受け取りますというかっこうでその問題は。ピリオドを打っておったのです。 ところが、政府の現職大臣である人が、この国会から外へ出ていっていろいろ話をするときに、増税しないところではなくて、いま労働組合は物価調整減税なんて言っているけれども、やり方によってはそれどころかもっと大幅減税ができるんだなんていう、現職大臣がそんな発言をされていたのでは、私たちがここでせめてこの三年間増税しなさんな、そのくらいの約束をして、そうして国民に協力を求めなさいと言っていることが何かあほみたいになっちゃうのです。その辺のところが、これは臨調の先生方の方にお聞きをすることではないのだと思うのですけれども、第二臨調の側からもごらんになって、少なくともこの三年間は増税だけはしないでいくようなことでやらせなくちゃいけないとお思いになっているのか、いやそれどころではない、現職大臣が言われるように大幅減税もできるんだというような御判断をお持ちになっているのかどうか、お聞かせいただきたいと思うのです。
○参考人(圓城寺次郎君) これはもう率直に申し上げますけれども、私は経済審議会の会長をしておりまして、経済計画をつくったいわば張本人なんですが、その中でやはり増税をうたっているのですね。ただ、経済計画の方は非常に弾力的に出ておりますので、やはり増税なき行政改革といった場合の経済計画のつくり方というものは弾力的にできると思うのですが、行革の方は、これはやはり待ったなしという言葉もありまして、これは本格的に取り組んで弾力的なものではない行革をつくらなきゃいかぬ。そのときにやはり増税を考えて行革の案をつくるというわけにはいかないですね。 もちろん経済は生き物ですから、これは私も何回か経済計画をつくって経験がありますが、非常に予期せざる事情か何かで情勢が変わってしまって、その対応に苦しむということはありますから、必ずそうだということは言えないと思うのですが、少なくとも増税はないということで行政改革に取り組んでいかないとやっぱり国民の支持を得られない、そういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 これは最後のお願いでございます。 先ほど峯山先生からもお話が出ておりましたけれども、私からもお願いしますが、第一次答申、私もずいぶん何回も読ませていただきましたけれども、お役人が書いたところと、それからそうでない民間の方がお書きになったところと、いろいろつなぎ合わせになってでき上がっているので、どうか国民のだれが読んでも、うん、こういうことを言っているんだなといって理解をしてもらえるような、そういう文章でおまとめいただいて、そしてどうぞ先ほどから言っているように、単なる財政再建だけじゃなくて、新しい国づくりに一つの道標というか指標といいますか、そういうガイドラインを示していただけるようなものをぜひお出しいただきたいことを要望申し上げまして、終わります。
○委員長(玉置和郎君) 森田重郎君。
○森田重郎君 実は、先ほど来土光会長のごあいさつを伺っておりまして、次の基本答申に向けては具体的な改革方向というものを打ち出したい、この点を大きく盛り込むというようなごあいさつがございました。先ほど来峯山委員からもちょっと御質疑がございましたけれども、やはり行革の目玉と申しましょうか、焦点、視点というようなものは、中央省庁の統廃合問題に触れておるかと思うのでございますが、この点につきまして、先ほど来会長のお話の中でも審議状況というものをひとつ十分に御質疑願いたいというようなこともあったのでございますが、もう一歩踏み込みまして、圓城寺さんの、中央省庁の言うなれば統廃合問題というような問題について、もう一歩踏み込んで何かお考えがありますればお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) これは率直に申し上げますけれども、いま臨調では部会の方で積極的にその具体的な問題に取り組んでおりまして、委員会の方ではこの行政改革につきましていろいろの分野で独特と申しますか、非常に権威ある見解を持っておられる方の意見を聞いておる段階なんです。ですから、いま中央省庁の統廃合の問題は当然臨調として真剣に取り組まなきゃならぬ問題なんですが、いまの段階でどの程度取り組んでいるかというお話ですと、いまそういったことをお答え申し上げる段階にはない、部会の方でこの問題に取り組んでおりますということしか申し上げられないわけでございます。
○森田重郎君 具体的にこの問題が大きくクローズアップされてくるということはいかがでございましょうか、その点につきましては。
○参考人(圓城寺次郎君) やはり行革の中で当然そういう問題は大きな問題として検討するということは間違いありません。
○森田重郎君 私自身は、今回の行財政改革特例法案に関しましては、実は賛成の立場におるわけでございます。それから衆議院また今回の参議院の委員会を通じまして、会長初め圓城寺さん、大変臨調の方々が御苦労をいただいておると敬意を表する者の一人なんでございます。その意味におきましては、この四ヵ月間のわずかな期間内にあれだけの答申案というものをおつくりになったということは、私は大変実は評価をいたしたい、そういうふうな立場にあるわけでございます。それから答申案の内容、あるいはまた答申が提出されました十日の土光会長のいろいろおっしゃいました発言要旨というようなものを拝聴いたしましても、実は感銘を深くする者の一人なんです。 といいますのは、その内容に行革、行政改革ということがずいぶん使われておるわけですね。ところが一方、政府の提案によります今回の法案そのものを見ますと、法案の内容にはほとんど行革という文字がない。まさに歳出カットの法案でしかないというような印象を強くするわけなんです。それから提案理由を見ましても、これは外科的手術と申しましょうか、とにかく来年度の二兆七千七百億の要調整額をどうするかという、言うなれば財政改革法案でしかないような感じがするわけです。ところが一方、先ほど申し上げましたように、臨調で提出いただきましたこの答申そのものは非常にその点ははっきりしておるような私は気がしてならないわけなんです。そういう意味から考えますと、どうしてももう一歩二歩突っ込んで、実はその辺の、行革が成功した暁のその映像というものを私たちはどうしても知りたいというような切なる希望、気持ちがあるわけなんでございます。 したがいまして、お立場上なかなかむずかしい問題ではあろうかと思いますけれども、やはり一歩二歩切り込んだ意味における御答弁をこの辺で賜りたいというようなことで、あえて中央省庁の問題に実は触れさせていただいたわけでございまして、その点いまの御答弁を伺っておりますと、何と申しますか、この問題が大きく浮上してくるということだけは事実だというふうに受けとめたわけでございますが、さらに念を押すような意味で、それでよろしいわけでございますね、中央省庁の問題。
○参考人(圓城寺次郎君) これは中央省庁を含めて制度運用について積極的に取り組むというのは臨調の姿勢なんですが、ただ現実に問題点でどういう姿になるのかということは、やはりもっと審議が進んでみないと何とも申し上げられないと思います。私自身も皆さんの意見を聞きながら精力的に審議してまいりたいと思っておりますが、いまの段階は部会においてヒヤリングを行った程度じゃないかと思いますので、私がここで会長代理として具体的なその姿を申し上げるという段階にはないことを御了解願いたいと思います。
○森田重郎君 これも先ほど土光会長のごあいさつの中で、いまからなら行革を推進し、同時にまたその成果を上げるというようなことについて間に合う、こういうお話でございまして、現状のままで推移するならばにっちもさっちもいかない、こういうお話がございました、にっちもさっちもいかないと。ですから私自身といたしましては、この際大きく勇断をもちましてこの問題に取り組んでいただきたいということをあえて御要望申し上げるわけでございますが、実は先般、先般と申しましてもきのう、おとといでございますか、当委員会におきまして、第一次答申において政府自体がその答申に沿った、十分な臨調の御方針に沿った意味での行革というふうなものが、仮に何か若干でもそれを進める過程において欠落する個所があったというような場合には基本答申に、それから基本答申で必ずしも十分にその効果が出てこない、出ないというような場合においては最終答申においてそれをまた再審、そしてまた機能するようなチェック機関がおのずからあると。しかし最後の答申ですね、最終答申が五十八年の三月ですか、仮に出されたような折に、同時に臨調は解散をするということになるのじゃないかと思うんですが、最終答申を完全に答申どおり実行していただけるかどうか、その辺をチェックするような意味での何か機関と申しましょうか、そのお考えがございましたら、その辺も実は御説明いただければ大変ありがたいと思います。
○参考人(圓城寺次郎君) 今度は答申が何回にも分かれております。まあ第一次答申、今度はまた第二次答申はあるいは来年の七月を待たないで許認可について答申することがあるかもわかりません。それから来年の七月には基本的な答申と、われわれの任期は再来年の三月の十五日まであるわけです。ですからその対応というものは、一次答申、まあ基本的な答申というのは来年出すことは間違いないですから、この二つの答申に対する政府の態度を見ていけば、政府がどういう対応をしているかということをそこで判断できるわけですね。もし本当に政府がわれわれの答申に対してこれを十二分に尊重して実行してくれるならば、あるいはその監視機関というような問題は要らないかもわからぬ。しかし答申、それを実行に移してくれなければわれわれの任期中に文句を言うし、さらにそこでまたお話しのような監視機関をつくるというようなことも建言する、そういうことになるのじゃないかと、そういうふうに考えております。
○森田重郎君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(玉置和郎君) 以上で参考人に対する質疑は終わります。 圓城寺参考人に謹んで御礼を申し上げます。 本日は、お忙しい中を本委員会の審査のため貴重なお時間をお割きいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 —————・————— 午後二時一分開会
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を再開いたします。 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。志苫君。
○志苫裕君 まず最初に、この二十一日の日本武道館における自衛隊音楽まつりに三笠宮寛仁殿下御夫妻が出席される予定と、このように伺っておりますが、どのようないきさつによるものでありますか。まず宮内庁、それから防衛庁にお伺いいたします。
○政府委員(山本悟君) 寛仁親王、同妃両殿下がこの十一月二十一日に北の丸公園で行われます自衛隊音楽まつりにおいでになりますことは、新聞に報ぜられたとおりでございます。殿下は、身体障害者関係の福祉事業にいろいろと日ごろから御関係になっているわけでございますが、そういったような関係から、こういった自衛隊あるいは警察庁などの吹奏楽の評判等もお聞きになっておりまして、かねがねこれらの音楽を身障者等にも聞かせたらいいではないかというようなお考えもあったように伺っておりますが、今回の音楽まつりを機会に、事前に自分でも一遍聞いてみたいと、こういうようなお気持ちから、側近を通じて一般の人と同じ立場で聞きに行きたい、特別なことは何もしないで結構だから聞きに行きたいと、こういうような御発意からその趣旨を自衛隊の方にも連絡をされ、招待券をもらった、こういうような事情になっていると聞いているところでございます。
○国務大臣(大村襄治君) 防衛庁におきましては、国民とのつながりを広めるために、中央音楽まつりを昭和三十一年以降毎年実施しているところでございます。ことしの中央音楽祭につきましては、十一月の二十日と二十一日の両日、武道館で開催を予定して、いま準備を進めているところでございます。 そこで、ことしの自衛隊の音楽まつりを三笠宮寛仁親王御夫妻が御観覧になりたい旨の御希望、及び御観覧に当たっての特段の御接遇を要しない旨の御連絡をおつきの方を通じて受けましたので、当庁といたしましてもこの音楽まつりの目的等に顧み、音楽まつりの公演日時、公演内容等の細部を御案内申し上げたところでございます。
○志苫裕君 皇室が自衛隊の行事に出席されるということは初めてのことでありますから、少し立ち入ってお伺いをしたいと思うのです。 いろいろと国民の間にもこの問題について意見のあることは当然でありますから少し立ち入りますが、いま宮内庁の答弁で、殿下は音楽その道に造詣の深い方であるから自衛隊の吹奏楽などをお聞かせしたらいいのではないかと、こういうお話でありましたが、それはだれがそうお考えになったのですか。
○政府委員(山本悟君) ただいまの私の答弁ちょっと言葉足らずであったかと存じますが、聞かせたらいいではないかと申しますのは、身障者等にこういったものを聞かすのもいいではないか、そのために自分が先に聞いてみたらというようなお気持ちで事が出発をしたということでございまして、皇族に聞かせたらいいではないかという意味で申し上げたことではございません。
○志苫裕君 次いで防衛庁。自衛隊はかねがね国民とのつながりを広めるためにこのような催しを続けてきたというお話であります。いま私が取り上げておりますのは皇族とのつながり、皇室とのつながりの問題を取り上げておるわけでありますが、皇室とのつながりをどんどん強めたらいい、このようにお考えですか。
○国務大臣(大村襄治君) お答え申し上げます。 自衛隊といたしましては、国民とのつながりを深めるために毎年いろいろな行事を計画して実施しているところでございます。その場合に、皇族の方が御希望がある場合にどうするか、そのときの行事の性格等に照らして個々に判断してまいりたい。自衛隊の方から特別にお願いするというようなことはいま考えておらないわけでございます。
○志苫裕君 ちょっと長官、後ろの方がばかに音が消えちゃうんですがね。私も正確に申し上げなきゃならぬと思っておりますから正確に申し上げておきますが、殿下は皇位継承者ですね。順位は何番目ですか。
○政府委員(山本悟君) 皇位継承権は、皇族の男子でございますからお持ちでございます。たしか七番目ではなかったかと思います。
○志苫裕君 これは総理もお聞きいただきたいと思うのですが、皇位継承者でありますから、当然天皇のお持ちになる象徴性というものほかぶっておられる、このように考えます。そうなってまいりますと、国民統合の象徴という天皇があるいは皇族が、国民の間に非常に大きな意見の対立等があることにかかわることは象徴性からしても適当でない、このように私は判断をいたします。この点については総理、いかがです。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま宮内庁の次長並びに防衛庁長官から御答弁を申し上げましたように、この催しは音楽祭という広く一般国民にも親しまれるような文化的な行事でございます。また、殿下がそこに御出席をされるということにつきましては、殿下の全く自発的な御意思に基づいて、防衛庁側におきましても特別な扱いを申し上げない、一般の観客と同じようにその御希望に沿って音楽会に御出席をいただく、こういうことでございまして、私はこの問題についていま志苫さんのおっしゃるような問題として取り上げるのはいかがかと、このように考えるわけでございます。
○志苫裕君 いろいろお考えのある方も国民にはおるわけでありますが、皇室を軍と近づける意図が感じられて不愉快だと、こう感じる国民もいるでしょう。それで、また日本の歴史にはそうしたいやな思い出も持っておるわけであります。そういう意味で、私は先ほど言いましたように、そのような問題についてけんけんがくがくあること自体、皇室にも御迷惑な話であろう、このように感じますし、また仮にそういうのが反対であるというようなことでデモンストレーション等が起きて、物々しい警備のもとで音楽まつりが行われる、何とも不粋な話であります。このような可能性がないとは言えない。この席で何が何でもという意味でなく、私の見解だけは申し上げて、しかるべき判断をなさるべきだろうと、このように思います。 殿下が御自身で行ってみようかというふうにお考えになったという趣旨の答弁でありますが、私が少し伺っておる事情では、そのようではない。殿下のおそばには自衛隊OBの方がいらっしゃるでしょう。その方から自衛隊のユニホームに話があって、そのユニホームから内局に話が来て、内局は上司とも相談をしないで、結構だなということで御返事を出した、このように一部では伝えられております。それでまた宮内庁も実は新聞を見てびっくりしちゃって、殿下にお伺いしたら、まあその御意思の、個人として出かけるならいいだろうというふうな筋であったと、このように伺っておるわけであります。そのような話がもうすでに出回ること自体望ましい話でないわけでありますから、これは総理もよく関係の者と相談をなさって御判断をされるべきである、このように意見を申し上げておきます。 総理、何か御見解ありますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 志苫さんの御意見として篤と拝聴いたしておきます。
○志苫裕君 次に、この間のいわゆる丸紅ルートの判決に関連をして、ちょっと一つ二つ伺っておきます。 まず総理、日本の政治の裏面史には、絶えず黒幕とか政商とかの存在が言われておりました。今度の両判決によりましてその暗部があばかれたという思いがするのでありますが、いま政権のトップにある者として、そのような黒幕や政商がうごめく余地のある政治の構造、これについてどのようにお感じになっておりますか。また、どのようにしなければならぬとお考えですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、政商というような世間から言われるような方がいろんな動きをし、それがもし政治に対して影響力を持つというようなことであれば、これは日本の政治のためにそのようなことは排除されなければならないものと考えます。常に政治家はいろんな人と接触する場合が多いわけでございますから、十分そういう点につきましては慎重に戒心をする、心を常に配るということが必要であると、こう思います。
○志苫裕君 判決に関連をいたしましてお伺いをいたします。 判決を引用すること自体長くなりますので、判決を頭に入れてお聞き取りいただきたいのでありますが、まずハワイ会談に関することですが、検察側の主張とその根拠となる証拠、これを全面的に裁判所が認めたものと私は思いますが、それを前提にお伺いをいたします。 まず第一に、コーチャンがハワイ会談に関する情報収集を求め、小佐野はこれに協力すると述べたという点についてでありますが、これはどのような種類の情報を意味するのか。ロッキード社の製品とその売り込みに関するすべての情報を含む、このように解することができると思いますし、 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕 当然にトライスターとP3Cが含まれる、このように思いますが、刑事局長いかがですか。
○政府委員(前田宏君) 過日の判決におきましては、いわゆる偽証ということで有罪の判決があったわけでございまして、委員もいま御案内のとおりの判決文になっているわけでございますから、その内容については特にうたわれていないわけでございまして、四点ばかり事実があるのに、その事実に反することを国会でお述べになったということが偽証に当たる、こういう認定でございました。
○志苫裕君 ですから、すべての情報を含むと解することができますか。
○政府委員(前田宏君) お尋ねの、すべての情報という意味が、あるいは理解不十分かもしれませんけれども、トライスターの話あるいはP3Cのことについて話があったということは触れられているところでございます。
○志苫裕君 小佐野が田中からニクソン大統領の意向を開いたと言い、田中は若狭に別の機会に直接同内容の話をしたと言っておりますが、この同内容の話というのはどういう内容でございますか。
○政府委員(前田宏君) いまお尋ねの中で前段にお述べになったことを受けていると思います。
○志苫裕君 その前段の内容についてお答えいただけますか。
○政府委員(前田宏君) それ以上の詳しいことではないと思っております。
○志苫裕君 なかなかあなたとやりとりするのはややこしいんだね、本当に。これはまた、じゃ後で…。 それほど詳しい話でないと。どの程度の詳しさですか。いや、これ非常に意味があるんですよ。
○政府委員(前田宏君) 冒頭のお尋ねにもお答えしましたように、判決では先ほど来お述べになっているような程度の判示といいますか、認定はされているわけでございますので、それ以上のことを申したわけではございません。
○志苫裕君 局長ね、私言いましたように、判決の解釈を聞いているんじゃないので、まあ解釈にもかかわりますが、検察側の主張や証拠、これを全面的に認めた上で判決が出ているだろうという前提の上に問うているわけでありますから、当然その前に主張があったわけですね。だから、それの部分に含めて聞いておるということについて了解をしてもらいたい。 じゃ、これに関連をしまして、別のP3Cのところに、これも聞きますが、コーチャンが小佐野にP3Cの売り込みについてトライスターと同様の援助を要請した、これは具体的にはどのような内容の援助が含まれているのですか、要請が含まれていますか。
○政府委員(前田宏君) 同様と申しますのは、ロッキード社から日本に対する売り込みについての援助という趣旨でございます。
○志苫裕君 そうすると、P3Cについてロッキード社は日本に売り込むことの援助を求めた、これがはっきりいたしました。 これに関連をして、そこでこの要請によってどのような活動を小佐野は行ったのかについてはいかがですか。
○政府委員(前田宏君) その点は、過日の判決でも特に触れていないところでございまして、判決で認定された事実は、先ほど来御指摘のように、援助要請といいますか協力要請がありまして、それについて小佐野氏と児玉野とが話をしたという事実があるのにその事実を否定したと、こういうことを偽証としてとらえているわけでございます。
○志苫裕君 修正四号契約に基づく成功報酬について、小佐野と児玉の間には何か分配とか使途等についての合意はあったのですか。
○政府委員(前田宏君) 契約書はできたようでございますけれども、それから先のことは特に取り決め等はなかったようでございます。
○志苫裕君 皆さんの方では、それを立証しようとしていろんなことをおやりになったのですか。
○政府委員(前田宏君) どうも同じようなお答えになるかと思いますけれども、あの事件では国会での証言が偽証になるかどうかということが問題でございまして、そのいわば中身と申しますか、話し合いの内容がどうであるかどうかということ自体は争点でなかったわけでございますので、そういう意味でそういう詳しい点は明らかにされていないわけでございます。
○志苫裕君 明らかにされていないし、明らかにしようとしなかったということなんですね、皆さんの方でも。
○政府委員(前田宏君) 先ほど来申し上げておりますように、立証上はそういう必要がないということでございます。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
○志苫裕君 そこで総理、ちょっと外務省に最初に聞いてから総理に伺いますが、日米会談における話の内容について、外務省はその詳細を把握しておったのですか。
○政府委員(淺尾新一郎君) いまお尋ねの件は、恐らく昭和四十七年八月三十一日と九月一日、ハワイで行われた日米会談ということだと思いますが、その会談については、当時、日中国交正常化という問題が一番焦眉の問題でございました。したがって、中国問題が問題の討議の中心であり、同時に、その前に行われていた鶴見・インガソル会談における黒字減らしというものがそこで両氏との間で合意を見たと、こういうことでございまして、それ以上の点について外務省としてその会談の——公式の会談の場で話し合ったことについてはもちろん当時の出席者は十分知っていたわけでございます。
○志苫裕君 いや抽象的なことは要らぬですよ。私は先ほどの判決の文にも触れて、小佐野が田中からニクソン大統領の意向を聞いたと、こう言っているわけですよ、判決は。ということは、ニクソン大統領から田中に話があったということなんだ。そうでしょう。そのことを外務省は知らなかったのかと聞いているんですよ。ずばり答えてください。
○政府委員(淺尾新一郎君) いまお尋ねの件について、日米首脳会談で公の場で取り上げられたという点については、外務省に関する限り一切記録はございません。
○志苫裕君 だから、知らなかったということなんですね。知らなかった者に次を聞いてもしようがないな、これは。 ハワイ会談ではロッキード社の飛行機のみならずグラマン社のE2、早期警戒機ですか、これの売り込みも行われたというのは、別のグラマン事件のチータム証言の内容でも明らかになっているんですね。こういうことが盛んに、活発な売り込み工作のあらゆる機会を通じて行われておるのに、その当時の総理も頼まれて親しい民間人にいろんな話をしておるのに外務省だけ全然知らぬというのは、どういうこと、一体。何をしておるんだ、一体。もう一度答えてください。
○政府委員(淺尾新一郎君) 若干繰り返しになって恐縮でございますが、現在お尋ねの飛行機についてハワイ会談の際に公式の場で話し合ったということについては、私たちは全然承知しておりません。
○志苫裕君 非公式の話を聞きましたか。
○政府委員(淺尾新一郎君) P3Cについては非公式を含めて全く承知しておりません。
○志苫裕君 じゃトライスターはあったのですか。
○政府委員(淺尾新一郎君) トライスターについても同様、先ほどの答弁のとおりでございます。
○志苫裕君 そこで、外務大臣がおらぬからあなたかわりに答えなさいよ。知らぬと言うのだから、知らぬなら知らぬなりに聞きますが、外交交渉、とりわけ首脳会談における内容が、共同声明や記者会見その他公式の説明にも出てない事項が政府当局者から民間人に漏れだということを判決が認定しているわけだ。このことについて外務省はどう考えるんだ。おれの知らぬことがそのようにやられることについてどう思っているんだ。
○政府委員(淺尾新一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、航空機の問題についてハワイ会談で話し合われたということは承知してないわけでございます。一般論として申し上げれば、首脳会談の内容について、これは大体相手国との合意のもとに共同声明なり共同新聞発表ということで発表されるわけでございまして、それ以外の点についてもし何か第三者に漏れるということであれば、一般論としてあくまで私は申し上げますけれども、それは好ましくないことであると、こう思います。
○志苫裕君 一般論として好ましくないといって、これは具体的に好ましくないでしょう。あなた方が知らぬことが、外務省が知らないことが現実にここで認定されたように、ニクソンから田中さんが話を聞いて小佐野に伝えた。一方、コーチャンに頼まれた小佐野はそういう情報をいろいろ探って、たまたまそこで一緒になるわけですけれども、こういうことが現にあったわけだ。判決が出る前はあなたの答弁でも済んだのだよ。だけれども、判決が出たことによって、皆さんが知らないことが、ハワイ会談、首脳会談というこの中身の相当の部分が外務省も知らないで総理から民間人へずっといったということについて、仮に知らなかったとすると相手にもされてないんだ、外務省は。そのことについて、さっきは一般論の答え、これは具体的にどうですか。
○政府委員(淺尾新一郎君) お尋ねの件につきましては、あくまでも前提としてハワイ会談において当該航空機の問題が取り上げられたということで御質問されているわけでございますが、先ほど来私が御答弁申し上げておりますように、ハワイ会談において当該航空機が取り上げられたということについて、外務省としては何ら承知してないわけでございますし、そういう点についてあるいは判決を含めて何か外務省がつんぼさじきになっている点についてのコメントをということであれば、これは現在まだ係争中の問題でございますので、私はここでコメントするのは差し控えたいと思います。
○志苫裕君 係争中と言ったって、その辺がこれは白々しいんだな。あなたを相手にしたってだめだな、これは。 総理、この問題はこれでやめますが、いまちょっとやりとりしました。裁判へのコメントとは別の次元で私この点後段の部分は申し上げておるわけですが、首相という地位にある者が公式の他国の元首との会談の期間中において単なる個人的な問題ではない事柄を要請をされた、外務省は知らぬと言っていますけれどもね。それを担当者にも言わないで、一友人である民間人に伝えたというか、教えた。それからどうしたかは判決ではわかりませんけれども、とにかく教えたということだけは明らかになっておるわけであります。そういうことをどう考えればいいのでしょうかね。政治倫理の上でも秩序の上でもやっぱりおかしなことである。場合によっては重大な公務員の義務の立場を逸脱したというふうにも考えないわけではないのですが、総理の判断はいかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは私の経験から申し上げるほかはないわけでございますが、私は五月の日米首脳会談あるいはオタワにおけるトルドー首相との首脳会談、こういうことを経験をしたわけでございますが、私の場合は、公式の場合もまた二人だけの会談の場合でも、外務省にも全部話をしております。公表をすべきもの、せざるもの、これはあるわけでございますけれども、少なくとも首脳間で話し合ったことにつきましては、公式の場合でも二人だけの場合の内容でありましても外務省の首脳には話を申し上げておる、こういうことで、私は国を代表する首脳間の話し合いというものはそういうものでなければなるまいと、このように考えるわけそございます。
○志苫裕君 あなたの場合を説明をすることによって前のハワイ会談を批判をしたと、このように伺っておきましょう。 さて、行革の中身が何であるかは、率直に言ってこれからのことですが、とにかく行革という言葉が踊っていますね。雰囲気だけがせり上がっておるというかな。こんな感じですが、政治生命までかげておられる総理はうれしいことでしょうけれども、うれしさには絶えず恐ろしさもまたつきまどうものであります。かつて歴代内閣がたどった行革の運命や国民間の衝突、官僚組織の抵抗、それがやがては政権の内部に不協和音をもたらす等々のことに思いをめぐらすと、この行革フィーバーにかえってこわさを感ずることがあるのではないでしょうか。宴の後にむなしさが残るという話もありますからね。私はまた違った意味で恐ろしさを感じています。 レーガンの小さな政府論やあるいは新自由主義、新保守主義というようなものに示される潮流が、まだ基盤の弱いわが国の福祉の土台や平和の構造をこの雰囲気の中に飲み込んじゃって崩してしまうのじゃないか。やがて行革の中身が明らかになって、そこに国民の対立や挫折感や不信感が渦を巻いて、与党も野党もない不信のどん底に政治を投げ込むことだってあるいはあるのじゃないか、こういうふうに考えますと、そういう予感を感ずることがあります。 総理、私のあなたに対する推論、これは的外れでしょうかね、全くの。そういうこともあるからよほどしっかりしなければならぬなというふうにお感じでしょうか。また私自身の予感、これは杞憂であり、全くこれはむだなことだと、このようにお感じになりますか。ちょっと大げさですけれども、歴史の証言として伺っておきましょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私はこの行財政改革、これはいまや国民的課題になっておる、このように認識をしております。したがいまして政府におきましても、政府の最も重要な最優先の政治課題としてこれに取り組んでおるところでございます。国民の立場肥立って、国民の皆様は恐らく負担はこれ以上ふやしてほしくない、また、納めた税金なりあるいは料金なりというものはむだのないように効率的に有効にひとつ使ってほしい、そして国民の生活なり福祉の向上、水準を下げないようにしてほしい、これが国民の皆さんの願いであろう、こう思うわけでございます。そういう国民の皆さんのお考えを外しまして、私としては誠心誠意最善を尽くしてまいりたい、このように考えます。
○志苫裕君 これは余り歴史の証言にならない。私の推論も予感もそれは間違っておるとか、それはそうだというようなことは言ってくれなかったですね。とにかく、いまはまだ同床異夢で行革が踊っておる背景はあると思うんです。 ところで、総理は果たして行革の今日のフィーバーというのか雰囲気のせり上がりというのか、これを予想しておられたでしょうかね。五十五年の秋の臨時国会であなたは所信表明をされました。私はそのときには、それをあなたのお話からは感じなかった。その前の大平行革のトーン以上のものには映りませんでした。もともと大平さんの後の総裁レースで無印であったわけですから、そういうものがぽんと臨時国会に出てくるということを求めても、これは無理だったのじゃないかと思いますが、しかし、それが一転して政治生命をかける、やらなければ責任をとる、こう言い切ってきたわけであります。 総理、一国の宰相が首をかけるというのは、これはよくよくのことです。私はその決意は多とするにやぶさかじゃありませんけれども、行革の歴史を振り返って、その事業の大きさ、むずかしさに比べて一つの政権の寿命は余りにも短い。その意味からすると、慎重居士と言われる鈴木さんらしくない、こんな感じもいたします。一内閣一事案、そのために燃え尽くすという心情は、名を惜しむ日本人らしくて大変美しい。しかし結果をもって評価される政治の世界においては、ときにはこっけいになることだってある。合理性のない悲壮感は有害である、私はそう思います。総理、こう一転ようし命をかけるというふうになった心情をお伺いしたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 昨年秋の臨時国会、これは私が就任後における最初の国会であり、そこで所信を表明したわけでございますが、この行革の問題につきましても、大平前内閣の行革に取り組んできた姿勢、これに私も共感をいたしておりましたし、その一翼を党において担ってきた立場にございますから、私もこの行革に取り組む、こういうことを訴えたわけでございます。しかし、その後におきまして五十六年度予算の編成をやりました。その際におきまして、当時七十一兆円に及ぶ公債発行残高、そして財政事情は高度経済成長から安定成長といいますか、むしろ低成長というような状況下にございまして、税収その他も相当厳しい、そういう中で、どうしてもこれは五十九年度までに、六十年から本格的な特例公債への償還に入るわけでございますから、その償還をまた特例公債で、赤字公債で賄うというような、そういうことであってはこれは日本は財政の面からも破綻をする、こういう観点から行財政の改革、こういうことを私は訴えました。 そこで、相当いままでの財政、行政の全般にわたりまして思い切った見直しをする必要がある、こういうことを決意をいたしたところでございます。そしてさらに、五十六年度は御承知のように二兆円の特例公債の減額をいたしましたが、なお行政水準を急速に下げるわけにはいかない、こういうことから法人税、酒税その他一兆四千億の御負担も国民の皆さんにお願いをいたしました。しかし、五十七年度の予算編成に当たりましては、そういう増税によって財政再連を継続していくというわけにはいかない。ここで増税のない財政再建、こういうことをいまにしてやらなければこれはえらいことになるということから、私は国民の皆さんの御理解を得ながら先頭に立ってこれに取り組むという姿勢をはっきりと打ち出すために、政治生命をかける、こういうことを申し上げた次第でございます。
○志苫裕君 中曽根長官はいろんな事情で長官になられたわけですが、あなたが長官に就任なさって第二臨調構想をお出しになりました。そのころは中曽根行革と、こう言われたものですが、総理がいま言ったように政治生命をかけたら鈴木行革と、こう言うんですけれども、長官もやはりある時期からせり上がってくるような、こういう少し過程をたどったような気がいたします。あなたのその心境はどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行管長官を拝命したときは、一体どうしたらいいかとしばし考えた状態でありました。という意味は、地位の問題じゃなくて、仕事をどうするかということでありました。それで夏休みをかけていろいろ考え抜いた結果、これは一内閣や一政党でできる仕事ではない、全国民の皆さんが本気になって国会や政治家を激励していただかなければこれはできない。いままで何々行革、何々行革と歴代の総理大臣の名前を冠した行革が出ましたけれども、ほとんど全部が総論賛成、各論反対でつぶれた。それはどうしてだろうか。結局、国民の皆さんが真剣になって、それ以上に政治家が全部真剣にならなければできない。そういうことで臨時行政調査会ということを考えまして、国民的舞台をつくって、そして国民注視の中でみんなに力を入れていただく場所をつくって、われわれもその先端に立って一生懸命やろう、そういう気持ちになりまして、一年前に臨時行政調査会法案を成立させていただきました。そしてだんだんその舞台が整いまして、国民の皆さんも本気になって応援していただくようになりまして、本気にエンジンがかかってきたのだろうと思います。
○志苫裕君 これで土光さんの話でも聞ければ行革三人衆のお話が聞けることになるんですが、残念ながらその機会はありませんが、とにかくお三人の方がそれぞれこの行革に取り組む、結構なことだと思うのでありますが、世上では三人三様だという論評もないわけではありません。三人には三人の思惑がある。その思惑に振り回されたのじゃ行革も国民も困ると思うんです、率直に言いまして。まあ世の中にはいろいろと物知り顔に論評する者がおりますから、その論評の中身が何であるかは触れませんが、そんな話が出ることは総理のために大変私は惜しまれるという気がいたしますが、ただ、人は志半ばに倒れることはよくありますけれども、これに力いっぱいやるということと政権存在の理由に位置づけるということとはちょっと違うんですね。まあ存在の理由と言うとめんどうだから、延命の手段と言った方がよいかもしれませんね。こうなると、これは率直に言ってここまで盛り上がった雰囲気を冒涜することになります。 まさかそんなことなど総理の先ほどの心情を伺ってないとは思うが、ただ、そのような決意を固めるのであれば、政府自身の決意ですから、政府自身がそれに生命をかけるのですから、何でもかんでも臨調にお願いするというのはだめですよ。過去に閣議決定したものまで臨調さんにお願いして、何かもうあそこが大明神で、あそこから御宣託がないというと何にもできないというのは、行革について国会も政府も機能なしという、国会まで仲間になってそんな扱いをされることになるわけで、これは私は承服できない。これはやはり政府の責任でやらなきゃならぬものはどんどんやってもらう。どうも衆議院の議事録を読んでみますと、大事なところになると長官も総理も臨調に検討をお願いしてと、こうなっていますけれども、これはだめですよ。それはせっかくつくっているんですから検討してもらわなきゃならぬのもありますけれども、これはこれで、政府の責任でやれるものはやりますと、いま出ておるものをばさばさやっていく決意が国民に広がって初めてそうなるんでしょう。 しかし、先ほどの総理のお話を聞いていますと、やはりこの増税なき財政再建、昭和五十何年度予算編成というようなものにぐうっとウエートが高まっていますが、そうじゃない、もう少し、土光さんの言葉で言えば日本の歩みを変えるというんですからね、こういうものをやるには、土光さんも臨調もいいけれども、政府自身もその腹を決めるということにならないと政権の政治生命をかけたことにはならない、このように思いますが、よろしいですね。
○国務大臣(鈴木善幸君) 一つは、何か私がこの行財政改革の問題を政権延命のために道具に使っている、こういう意味合いのことをおっしゃった。私は、そうでない、本当に国家国民のために、将来のためにやる気があるんだろう、こういう御鞭撻の意味に私は受けとめました。そのようなことで、ただ言葉や看板で国民の皆さんがついていらっしゃるとは私は思っておりません。本当に真剣にこの問題と取り組んでいくところに国民の皆さんの共感も得られるものと、このように思うわけでございます。それが一つ。 それから第二の問題は、何でも臨調と、こういうことで、これを隠れみのに使っているのじゃないか、こういう御批判。私はその点につきましてはしばしばお答え申し上げておりますように、臨調から答申があるものにつきましても、また、ないものにつきましても、すべて政府の責任においてこれを実行に移していくんだ、国会に御提案をし、国民の代表である国会の御協力と御承認を得ながらこれを実行していくんだ、こういうことを申し上げておるわけでございまして、臨調が政府や国会の上に存在する、そういうことはもうこれはあり得ないことであるわけでございます。その点はわきまえておるつもりでございます。
○志苫裕君 長官、どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 総理の答弁と同じであります。
○志苫裕君 その決意があるのなら、私は決意を空文句にしないために一つ一つけりをつけていこうと思う。 いまのようなお話なのであれば、この間の委員会でちょっと長官お答えになりましたね、一次臨調でやり残したものはどんなものだろうといったら、大方やったが、三割ぐらい残っておる、その中に地方事務官制度なども入っておるという御答弁がありました。これは古い話は別にしまして、昭和五十二年閣議決定、五十四年閣議決定、五十五年閣議決定、これがまた変なことには、五十二年閣議決定は「二年間以内に廃止する」、ぱっとしているんだね。五十四年閣議決定は「五十五年六月末を目途として結論を得る」、五十五年閣議決定になったら「引き続き、関係省庁間における検討、協議」をする。だんだんこれは後へ行っているんだね。こういう文言のことは別にしまして、やれるものからやっていきましょう。よろしいですか、この点は。
○国務大里(中曽根康弘君) 地方事務官制度の問題は御指摘のとおりの長い間の問題でありますが、これが解決しないというのは、やはり関係省庁の間で意見の食い違いがあります。したがいまして、この食い違いを速やかに解消することが一つは必要であります。 一方、臨時行政調査会が設置されまして、中央地方の関係をいかに調整し直すか、新しい観点で全般的に整合性を持っていま取り上げつつあります。その中に、中央地方関係の一つとして支分部局の問題とかあるいは地方公務員制度の問題が当然入ってくるわけであります。そして来年の六月ないし七月ごろにはその基本答申が出されるということで、恐らくこの地方事務官制度の問題もほかの地方制度関係と絡んで検討されてくるだろうと考えております。 したがいまして、その臨時行政調査会の意向もくみ上げてこの問題を解決したいというのが私の考えてあります。答申が出次第断行したいと思っております。
○志苫裕君 総理、先ほど来一般論でこう話をしておるとばかに気が合うんだ。そうだなと国民の前にあなた決意を示す。そこで一つだけ例を出したんです。あなたの先ほどの御答弁は、臨調が何だ、やるものは断固やるんだと、こういうお話だったのです。長官に具体的に出したら、臨調でと、こう先へ行っちゃう。これを私はさっきから言っているんですよ。やると閣議で決めて腹を決めたら、それはやりましょう。臨調にお願いするものはお願いするものでいいじゃないですか、また、決めて、やろうというものはどんどんやっていきましょうよ。臨調の中にもそういうことが書いてあるじゃないですか。検討課題や何々についていつまでも臨調から言われなくたって政府がやるものはやっていくと書いてあるでしょう。それでいきましょう、そのことであなたたちは一般論でやっているうちはさっぱり差し支えないんだけれども、具体的になるとまただめになっちゃうんだ、これ。
○国務大臣(鈴木善幸君) この地方事務官の問題は中央地方の役割り分担もございます。また、役所間の意見の最終的な調整ができていないという問題もございます。それから根が深い問題としては労働界の問題もございます。いろいろな問題がこれは絡んでおることは志苫さんも一番よく御存じの問題であろう、こう思うわけでございまして、私はこれが最終的には決断以外にない、このように考えておりますので、労働界の問題も含めてちゃんと十分御相談をしながら結論を出したい、こう思っております。
○志苫裕君 どうも総理の答弁、これは決断以外にないと言って、一番そこのところ声が大きかったんだ。そう言っておいて、まあいろいろ相談してと、こうなると決断にならないな、これは。 これは長官、あなたも直接この場でお答えになったこともある問題で、事ほどさように実は省庁間のいろいろな主張というのか、なわ張りというのか、こういうものはめんどうだということの証明にも私は引き合いをしながら出して、同時に、おやりになるものはやりましょうや、一遍に何もかもできませんよ、だから一つでもいいから話のわかったものはやっていきましょうということで私書い出して、これは随所に私一つずつ引例をしますけれども、長官もう一遍腹決めてやりましょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) やりたいと思っております。それで、先ほど申し上げましたように来年六月、七月ごろには基本答申の中へ出てくると期待しておりますので、それを待って断行したいと思います。
○志苫裕君 そこで間に合わなくて出てこなかったもやりますね、これは。どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 間に合わないとは思いません。
○志苫裕君 いま、役所で相談をして実行可能なものと。どうも臨調の実行可能なものというのが臭いのでしてね、役所とよく相談をしてできるもの、逆に言うと、大蔵省みたいにやりたいものというやつを臨調のところへ持ち込んで大明神のお告げをもらうというようなやり方を皆さんやっていますから、これはだめだ。八百長じゃだめだ。 ともあれ、総理と長官にお聞きしますが、二十年代後半から今日まで行革はさまざまな答申や建議、決定ですね、閣議決定、こんなものも何回も繰り返しています。そのために膨大な機関もつくったり手間暇かけてきましたが、いずれも成功したとは言えない。中曽根長官がどこかで披露したそうだが、岸さんの話だといって、明治維新とマッカーサーしかやれなかったことをやらねばならぬ、こう言ったそうですがね。そうするとさしずめ明治維新の次はマッカーサーで、マッカーサーの次は中曽根康弘と、こうなるかしりませんけれども、この理由はずばり何だと思いますか、何と何と何がやっぱり障壁だと。
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり歴史的な政治力がなければできないということだと思います。
○志苫裕君 その政治力なら、どうもいまの内閣にも余り期待もできそうもないから行革はうまくいかない、こうなるんですが、まあこれに時間もとっておれませんから、本当に決断を持ってやるものはやる。ただ、何をやるかこれから少しやりますが、とんでもないことをやられちゃ困りますから。 そこで、いまや天の声と。天すなわち国民だと思うんですけれども、私は冒頭に言いましたように、同床異夢ではあるが、そういう背景はあるということは述べました。そこで、ごく平均的な国民の感覚、エリートでもなければ経営のトップでもない、その筋のベテランでもない、ごく普通の庶民とでもいうか、その感覚でこれからちょっと聞きますよ。国民は行革は何だと思っているんでしょうね。何を期待し、どんな注文をつけているんでしょうね、これをまず伺いたい。 それからそこで、その国民に政府は何を求めるのか、どうしてほしいのか、具体的なイメージを示してくれませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国民の皆様方は、まず第一は、長い間、終戦後肥大化してきた行政府、国家機関がこの際思い切って簡素効率化してくれる、それから許認可等で煩瑣な手続や報告等がこれで思い切って整理してくれる、それから公務員制度その他にも手が入って、民間で苦労しておる皆様方と公務員との落差がなくなる、そういうことを期待していらっしゃると思いますし、それで思い切って減量経営をやっていただいたら、将来は減税の可能性も出て明かるさや希望が持てることになるんだろう、そういう期待をお持ちになっているだろうと思います。
○志苫裕君 総理にもお伺いしますが、私はごく普通の庶民の感覚と言いましたけれども、これはぼやっとした概念です。一口に国民と言ってもいろいろあるんでして、経営者もあればサラリーマンもあるし、農家もおればお店屋さんもあるし、男もおれば女もおる、年寄りもあれば子供もある、健常者もおれば障害者もおる、病める人もおる、トップの者もおれば下積みの者もおる、北海道に住んでおる者もおれば東京に住んでおる者もおるというふうにさまざまです、みんなそれぞれの事情を持っておりますが、政治や行政が国民とこう言う場合に、どういうとらえ方をなさるんでしょうね。たとえばいま行革、こういうふうな大仕事をする場合に、個々の事情を捨象をして国民一般と、こう言う場合の概念はどういうものでしょうね。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは非常にむずかしいところでありますが、具体的に出てくるのは世論調査等の大多数の声に反映されていると思います。
○志苫裕君 私は、私自身もその辺の判断がつきませんから、ごく普通の庶民というあいまいな概念で国民を代弁しているつもりでちょっと話をしてきたのですが、先ほど長官が、国民はこういうことを考えているのだろうと、その国民にいま何を求めるかという具体的なイメージはついぞ答弁なかったが、後ほど一緒に答えてもらってもいいんですが、私は、そうめんどうなことは考えているわけじゃないと思うんですね。そう筋張って、筋立てて物を考えているわけでもない。税金などの負担がだんだん重くなってきているなと、特にサラリーマンなんかは、いろいろなところへ行くというと、農家の人や商いしている人よりもおれの方が何かばかに高いような気がするなあというようなことは、これは紛れもなく持っていると思います。それから長官もお話ししましたが、いわゆるお役所仕事。お役所仕事というのはずいぶん飽き飽きしているといいますか、別の言い方をすれば先祖の代から恨みを持っているといいますか、そんなようなものがある。率直に言ってあると思うんです。 それから、後ほどもやりますが、あっちの汚職だ、こっちの使い込みだとか、役人と業者のなれ合いだ、癒着だとか、気の遠くなるような企業の政治献金だとか、天下り役人の月給だとか、こんなものには恐らく腹を立てていなさるだろう、こう思います。世界の情勢が何となく緊迫しているなあという感じはあるが、日本が平和であることを疑ぐってはいない。総じて言えば、ようやくに築いたこの暮らし、これを圧迫されたり失いたくないという、ここのところに集約されるのじゃないかと思うんです。 ところが、今度のさまざまな具体的なあれを見ますと、いま私の言ったちまたの声といいますか、そんなものは裏切られたという印象が強いですよ。いや、そういう行革に対する抽象的なあるいは漠然とした期待というふうなものが逆手にとられておる、別の論理がそこにすりかえられてきておるというふうに私は思えてならない。そこで国嶋の声とは何だ、どういう概念かということを先ほどお聞きしたわけで、もう一遍これは長官からお答え願えますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いま志苫さんがおっしゃったようなことを恐らく皆さんお考えだろうと思うんです。いまの役人の月給の問題にしましても、あるいは天下り、渡り、いろんなそういういまおっしゃった点があると思いますが、それらの中でやっぱり世論調査で出てくるのは税の問題ですね、それから物価の問題、それから役人の数が多過ぎる、そういうことがわりあい上位に出てきております。これらのことはよくわれわれが注目していかなければならぬことであると思います。
○志苫裕君 ですから長官、そこで国民に何を求めるのかという、これはあっちこっち立てれば切りがありませんけれども、そういう国民に何を求めるかというイメージ、これを何かあなた説明できますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これだけの大事業である行財政改革ができる、ここまで続けられてきたのもこれは国民の皆様の御支援、特にジャーナリズムの皆さんが今回は全面的に御支援していただいておる、この力によるのだろうと思います。それはわれわれが誠意をもって本気で持続している限りは応援してくださると確信しておるので、われわれとしては全く真剣に誠意をもって貫いていくつもりでありますが、国民の皆さんもどうぞわれわれの誠意が続く限り全面的に御支援してくださいと。前に申し上げましたけれども、行革というようなものは、グライダーであって自分のエンジンはないんだ、国民の皆さんの支援の風が続いている限り揚がっておる、風がとまったらぴたりと下へ落っこっちまう、そういうものだろうと思っておるんです。しかし、そのグライダーを飛ばしている力はやっぱり政治家の、責任を持っておるわれわれの誠意と真心、努力であると思っておりまして、それが続いている限り、国民の皆さんも風を上げて応援してくださると、そう確信しておるのであります。
○志苫裕君 第一次答申を見ていますと、前段に理念が載っています。そして後段に金減らしの項目が並んでおるということですね。一番最後にはこの次のことが書いてありますけれども、前段に理念があって後段に金減らしが書いてある。総理の欲しいのは後段だけなんでしょうね、きっと。 しかし、私が重視をするのは、いまの場合前段です。そこには財界主導と言われるだけありまして、その哲学がやっぱりにじみ出ておるという印象を受けます。底に流れておるのは、土光さんらの経済界がしばしば提言をしておる大きな政府への危機意識というものが色濃く流れていると思うんです。答申では直接に触れてはおりませんけれども、文脈には産計懇の提言で言う小さな政府への選択がやっぱりある。しかし、これはその小さな政府への選択は、ここで言う場合には福祉支出への圧力が企業負担に及ぶことを一貫して排除をするということになっていると思うんですが、これはまた一面で、政府もよく言いますけれども、高齢化社会に向けてこのままだと税や公共負担が増加をしてくるんじゃないかなという国民の不安と重なっている部分はあると思うんです。しかしその対応の仕方となってくると、これはまるきり違ってくるという性格のものじゃないかと思うんですが、総理は小さな政府論をどう思いますか。この行革の目標としてそれを選択なさいますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) まず最初に第一次臨調の際には行革についての理念があった。そして後に……
○志苫裕君 いや、第一次答申の話です。
○国務大臣(鈴木善幸君) だから、第一次答申の場合はそうであった。しかし、今回の場合は財政再建の方が前段に色濃く出ておるのではないか、こういうお話のように伺ったのです。第一次答申においては理念を真っ先に取り上げ、これを重視した。ところが、第二臨調の場合はそうでなくて、理念よりも……
○志苫裕君 総理、ちょっと違います。あなたは第一次答申と第一次臨調をごちゃごちゃにしている。今度の第一次答申の前段にこう理念が書いてありまして、後段に金減らし項目、あなたはこの金減らし項目が欲しかったわけだけれども。私はこの前段の理念のことを重視して、先ほど言ったような感じだがなあということ言ったので。長官答えますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 志苫さんの御指摘なさるような性格は多少あります。それはなぜかと言えば、今度の緊急答申自体が増税なき財政再建をやるために、特に五十七年度予算に関してそういう意味で七月に繰り上げて第一次の中間答申をお願いしておるわけであります。そういうようなこちらのお願いがありまして、それを受けて出てきておりますから、わりあいに財政再建の部分が強く出てきておるわけであります。 しかし、財政再建以外でも直ちに手をつけられることはやろうというので、八月二十五日の閣議で、公務員を五年間で五%減らすとか、あるいは特殊法人の役員を、総裁や理事長を除くとこれは三割になりますが、約三年間に三割減らす、あるいは大臣の月給を凍結するとか、そういうさまざまなことを決めて、それ以外に補助金問題についていま法律案としてお願いをしておるという情勢なのでありまして、これは五十七年度予算の編成について増税を伴わないために、しかも約二兆円近い一兆八千三百億円でありましたか国債を減らす、この二つの大事業をやるためにどうしたらよろしいか、そういう意味も入りまして、それに対する処方せんとしての性格もございます。それを受けている点がございますので、おっしゃるように財政再建的な性格が強いと思います。 しかし、おっしゃるような財界主導というものはありません。この増税なき財政再建というようなことは、これは全国民が要望しておることで、何も財界に限って言っていることではございません。じゃあ、財界がそれで一番利益を受けるのだろうと、いま御指摘のような筋のお話がありましたけれども、それは全国民の利益になることを自分たちも身にしみているからおっしゃっておるんでしょう。しかし、何も財界が言うからわれわれはそれを承知して引き受けてやっているわけではございません。むしろ全国民の要望と、それから財政再建の必要の上から見て政治的判断でやっているわけであります。
○志苫裕君 ちょっと答弁、ピンボケなんだな。私は、前段に理念があって後段に金減らし項目が並ぶ、今度の答申が全体として金減らし項目についてウエートを置いていることを私は否定もしないし、皆さんの方もその説明であると、それはそれでいいです。前段の理念の分を私は重視をして、底に流れておる脈絡というのは、言葉には書いてないが、小さな政府論への選択という哲学のようなものが私は随所に流れていると感ずるということを申し上げて、そこで小さな政府論あるいは行革の目標にそれを選択をするかということを聞いているわけです。どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) おっしゃるように、小さな政府論への脈絡、底流は流れていると思いますし、それは現在の処方せんとしては間違っていないと思います。
○志苫裕君 それでは、ちょっと各大臣おひまのようですから、小さな政府への選択が脈絡としてあるというのが答申のようです。 各大臣に聞きますが、おたくの省庁は大きな省庁であるとお考えですか。まず厚生大臣、建設大臣、農林水産大臣、文部大臣、大蔵大臣、そして最後に自治大臣、おれの省庁は大きい省庁だと、それが集まれば大きな政府になるわけですから、そうお考えですか、どうですか、ずばりお答えください。厚生大臣から。
○国務大臣(村山達雄君) 厚生省の行政は、一般会計の中に占める比率という面から言いますと一九%弱でございますから、相対的に大きな行政をやっておる、こう思います。しかし、国民所得に対する社会給付の割合という面から見ますと、各国比較ではまだ老齢化が進んでないだけに低位である、そういう段階にあると思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答え申し上げます。 建設省といたしましては、仕事の量から言いまして組織としては非常に簡素な仕組みになっておる、このように考えております。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農林水産省は、広範にわたる国民の食糧の完全供給、これがために生産並びに輸入等、さらに林業関係の国土保全、木材生産、さらには二百海里一帯における水産行政等等現業も持っておる次第でございまして、これを適正に執行して重いりますためには、現在の機構は一応は適正である、こう考えておる次第でございます。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 予算面から申すならば約一割を持っておりまする文教でございますが、国政の基本であります文教政策をお預かりいたす上から申すならば、できるだけ効率的な効果のある行政を行ってまいる、こういう心がけでいたしておりますが、何分にも広範な対象を持っておりますことから、相対的に見ますれば決して大きいとは感じておりません。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは大きいか小さいか判断の問題でございますが、大蔵省の予算面で言うと、七兆八千億円という予算の中で国債費が六兆六千億というのですから、これは大きな大蔵省だ、間違いない。何としても国債費の率を減らしてやらなきゃならぬ、こう思っておりますし、人員の面で言いますと、これは国会などでも財政確保の面で人が足らぬではないか、実調ができないじゃないか、これは各党から国会のたびに言われることですから、そう言われてみると小さな政府なのかなあという気もいたします。いずれにいたしましても、効率的にやっていかなきゃならぬ、そう思っております。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 小さな政府という意味はどういう意味か、いろいろの判定の基準はあるだろうと思いますが、人数の例をとりますれば、数百名の職員でもって膨大な地方財政資金の分配あるいは三千有余にわたる地方団体に対する指導助言等を行っておりまするので、最も小さな最も効率的なセクションだ、こう考えております。
○志苫裕君 一番大きな政府である防衛庁はお伺いしませんでしたけれども、これは後ほどやりますが、大きい政府といってもなかなかというお話がありまして、確かに物差しの当てどころだと思うんですが、どういう権限を持っておるか、どういうサービス内容かというあたりをそれぞれが御判断になってお答えになるんだろうと、こう思いましたが、強いておれのところが大きいのかなあという感覚を漏らされた厚生省や文部省、ただしこれは予算の上で。ただしサービスという点では少しも大きくありませんということで、総理お聞きのように、少なくともいまお答えの大臣に関する限りとの省庁も大きな政府でないと言っているわけですね。 長官は行革は小さな政府をニュアンスの面で志向するという先ほどの御答弁、各省庁はちっともおれは大きいと思っておらぬわけですから、小さいなあと思っているのにもっと小さくせよと言うのじゃサービスの面で国民と衝突が起きるのはあたりまえですわな。ただし大きい部門もあると思いますがね、思いますけれども、そういう感覚、私はそれぞれにもっともだと思うので、私は大きい政府でないと思うんです、わが国は。 自民党は、小さな政府でストロングジャパンといいましたかね、小さな政府でストロングジャパンなんというポスターをその辺に張りめぐらせております。恐らく日本はもう欧米諸国を超えたんだという意識がそこにはあるのだろう。それは正しいだろうか。かつて大平総理が質の見直しを唱えたけれども、都市基盤であるとか年金給付の水準など質の面でとても西欧諸国をキャッチアップが済んだとは私は言えないという気がいたします。その意味で、西欧福祉国家に見られる福祉の揺り戻しという意味での小さな政府論とわが国は共通する部分はない、そのように思います。しかし、強いて小さな政府を求めるとすれば、それは管理的中央集権体制、これは大きな政府だ。それを縮小する。サービスの面ではまだまだ大きい政府を必要とする。その意味では大きい政府と小さい政府は同居をしなければならない、このように思うんですが、長官どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大きい小さいというのは何を基準にして考えるか、これは水準が何であるかということによって違うと思います。大体いま各大臣がお答えになりましたが、職務に精励している人はみんな自分の持ち物は小さいと思っておる、人の物は大きく見えるものですから。これは通性である。 そこで、大きい小さいを論ずると、一応西欧の基準で考えるとGNPに対する予算の割合あるいは国家並びに地方公務員の国際比較、これを見ますと日本は大きいとは言えません。前にちょっと申し上げましたが、GNPに対する予算の比率を見ますと、アメリカが二一%、イギリスが三二%、フランスが一九%、日本が一七%で、日本より小さいのは西ドイツが一四%であります。したがって、GNPに対する予算の比率を見ると日本はそれほど大きくはない。それから公務員の定数等見ますと、これも前に申し上げましたが、英国が千人について百九人でありましたが、それに対して日本は約四十五人ぐらいで、そのほか独、仏、アメリカ等が大体八十人前後であります。 そういうことを見ますと、定数から見ても国際比価はそれほど大きくはない、むしろ日本の方がよくやっている、こう言えると思いますし、外国人もそう見ていると思います。さりながら、税金を出している国民あるいは企業体等の国内比価の生産性を見ますと、これは役所が非常に落ちておる。したがって、これは前に、たとえば国鉄について民間の私鉄と駅にどれぐらい人が勤めているかというのを見れば国鉄の半分でやっておる。これは役所についても言える要素がありまして、税金を出している本源の国民の生産性から見れば役所の生産性は非常に低い。そういう意味からも国民の生産性のところまで役所の生産性を上げなければ社会正義ではない。むしろ民間よりもさらに税金で生きている役所や公務員は生産性を上げなければならぬ筋であります。ところが、給与もいい、退職手当もいい、あるいは特殊法人に天下れる等々のものがあり、あるいは年金等におきましても民間よりはいいと言われておる。こういう面を見ますと、国内的正義の面から見てもこれは行革を必要とする、そう考えておるのであります。
○志苫裕君 私の見解は先ほど申し上げました。大きい政府だなあというにおいのひとしきりするのは、非人道的でむだな軍事費を抱えていることだと、このように思います。軍縮による財政支出を削減する意味でチープガバメントというような主張がなされたことも歴史的に御存じのとおりでありますが、ここで憲法理念を持ち出して議論をしても、いずれどの大臣たかの答弁で、それはあなたとは立場が違うんだと言われればそれまでになりますからいたしませんけれども、軍備を拡大しながら安い政府、小さい政府という主張をしていくことはいかにも矛盾であるということを私は申し上げておきたい。この議論はきょうはいたしません。 この機会に、ここで一つだけいたしますが、総理、増税なき財政再建というのは、あなたがしばしば言いますように一般消費税のような大型増税はしないという意味ですか、租税負担率を高めないという意味ですか、どっちですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私が申し上げておりますのは、一般消費税のような大型の大衆課税、そういうようなことは財政再建をやる上においては逆行である。むしろ行財政の改革、見直しによって財政再建を進めたい、こういうことを申し上げておるのでありまして、租税特別措置その他の見直しでありますとか、そういうようなものは私はこの際やるべきだと、こう考えております。
○志苫裕君 念を押しますが、その結果として租税負担率が上がるということですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) それは具体的にやってみなければいけませんが、租税負担率につきましても、大衆に負担のかかるようなことはできるだけ避けたいと、こう思っております。
○志苫裕君 ですから、いろいろ見直しをやって、その結果として租税負担率が高まるという、あなた方の言うような不公平税制を直すために、その結果としてはよけいなるわけだから上がってくる。しかし租税負担率を下げるには、そのかわり大衆減税をやれば差し引きとんとんで合うわけですね。そういう意味で、私は租税負担率を高めるからでこぼこ是正やなんかをやるなという意味で言っているんじゃないので、物の考え方としては租税負担率は高めたくないということなのですか、租税負担率はある程度高まっていくことはやむを得ないが、大衆課税はしないという意味なんですか、ここのところをはっきりしてください。これは大蔵大臣でもいい。どっちでもいいですからはっきりしてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、負担の問題は国民のサービスの問題と実は裏表になっておるわけでございます。よくスウェーデンが非常に租税負担率が高い、五〇%からの租税負担率があるわけです。日本は二四%。そのかわり医療の問題はスウェーデンの方がいいじゃないか、確かにいい部分がございます。しかし、これはどんなサービスも財源との兼ね合いになっておるわけでございますから、したがって、ただ負担率だけで物事をどうこうというわけにはいかない。国民がどちちを選ぶかということでございまして、これから高齢化社会になってくると二、三十年の後には、よく言われるように厚生年金で支える老人の数は現在の十二、三人が三人に一人ということになる。そういう場合も負担はいままでどおりでやるといっても、これはできる相談ではないわけですね。 したがって、これはどういうようにサービスをして、どういうような負担をしていくかということでございますから、一概に租税負担率が——ただ、むだ遣いをして負担率が高いのは困るわけですから、必要最小限度のサービス、そのためには負担をしてもやむなしということなのか、負担はもうしたくないからサービスもこの程度でいいということなのか、そのときどきの私はいろんな経済の情勢とか財政事情とか、そういうようなものの中で決められていくべきものであると、そう考えております。
○志苫裕君 この問題はいずれまた同僚からも詰めていくでしょうから、次に入ります。 国と地方の関係が行政改革の非常に重要なテーマであるということに異論はないようでありまして、衆議院の議事録を読みますとその辺の認識は示されておるようですが、ちょっと私、一般論をとりあえず避けまして、公共事業にかかわる問題から入っていきたいと思います。 国から地方に対する補助金等の国庫支出金は約十一兆五千億ぐらいじゃないか。このうち、私の計算ですから前後があるかもしれませんが、約六兆四千億円程度、五七%ぐらいが公共事業など建設事業費に充てられておるようであります。このような支出金制度の問題点、いわゆる補助金行政の弊害としてしばしば取り上げられて早急な解決が求められておるのですけれども、問題点を私二つに要約できると思うんです。一つは、これらが中央集権のよりどころとなって、陳情政治と呼ばれる時代錯誤の秩序を浪費をしておる。二番目に、膨大な公共工事、すなわち利権をめぐって不正腐敗が構造的になっている。この二つに問題点があると思う。 一口に言えば、たかりの構造の根源だというふうにも言っていいと思うのでありますが、まず総理は、地方自治を育てる、あるいは信頼性を確保するという行革の課題を達成するために、政治生命をかけてこの問題の改革に当たるべきだ。従来のように縮小であるとか整理合理化という範囲や手法では、これはとても賄い切れない。従来の手法ですと、国は少々削るが権限は譲らない、地方は少しでもよけいにもらわぬと困るという発想しか出てこないというふうにも思いますので、補助金の持つ構造上の問題に立ち入らなければだめだというふうに思います。ましてや、これは引き合いに出して悪いが、農水大臣のように、補助金を削るとミッテランを出したフランスみたいになるなんというような、とてもこういう発想じゃ行革はできぬ、こう思います。この点はどうですか、長官。
○国務大臣(中曽根康弘君) 同感であります。
○志苫裕君 農水大臣、よく覚えておいてくださいよ。 そこで、ひとつ飛躍をした話になりますが、連日のように明るみに出ておる公共工事をめぐる談合、不正、これに少し焦点を当てたいと思うんです。 まず、十月中旬来各紙に報道されておる建設業界をめぐる問題について。この場合は余り広げてもしようがありませんから、静岡を中心にしての事案について公正取引委員会、警察庁及び建設省から、それぞれひとつ調査あるいはとってきた措置の結果を報告してください。
○政府委員(伊従寛君) 静岡県の建設業協会の談合事件についての審査状況を御報告いたします。 本年九月二十八日、二十九印の両日に、官公庁の発注にかかわる建築土木工事の入札について、あらかじめ受注予定者を決定しこれを会員に実施させている疑いで、静岡建設業協会、清水建設業協会、沼津建設業協会、清風会、静岡県建設業協会の五団体と、これらの会員である三十三の会社、合計三十八カ所の立入検査を行っております。 審査の進捗状況でございますが、関係人から事情聴取を開始したところで、それ以上のことは審査中の事件でございますので意見を差し控えたいと思います。
○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。 九月二十八、二十九の両日、公正取引委員会が社団法人静岡県建設業協会外四団体の事務所及び当該団体の役員会社三十三社に対しまして、独禁法第八条第一項第一号の違反容疑で立入検査を行いました。違反容疑の事実関係につきましては、現在公正取引委員会におきまして調査中でございますので、その推移を見守りまして、独禁法違反が明らかとなりました場合には、建設業法の規定によりまして所要の措置をとる方針でございます。
○政府委員(中平和水君) 警察庁といたしましては、談合の問題につきまして関心を持ち、必要な情報並びに資料の収集に努めておるところでございます。具体的な証拠に基づいて刑事責任を問うべき事実があれば厳正に対処する、こういう方針で臨んでおります。
○志苫裕君 報告を求めたが、さっぱりわけのわかった報告でないですね。いずれこれはまた、だんだん話を先へ進めて、また戻ってからいろいろやりますから。 その次に、十一月八日付朝日新聞に報道された茨城県の問題について、建設省と警察庁から報告があったらしてください。
○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。 御指摘の点につきましては、昨日の朝日新聞に報道されたところでございますが、建設省といたしましても、現在茨城県を通じまして事実関係を調査させているところでございます。調査の結果、法令に違反する等の事実が明らかになった場合には、建設業法の規定に照らしまして厳正な措置をとるつもりでございます。
○政府委員(中平和水君) 茨城県に対しましても、同様に事実関係の調査方の指示をしてございます。
○志苫裕君 建設省の答弁は、それはいけませんよ。この工事は建設省の補助工事ですから、新聞報道とはいえ工事名まで出ているんですから、そうすれば、それがどういう規模の工事であったのか、工事の目的は何であったのか、追加工事はどういう事情で行われたのか、そういう問題についてはちゃんと調査をしてここですぐ報告するくらいのことにならなきゃだめですよ。いずれこれはおいおいと聞きます。では、この茨城の事案からいきましょう、私の手元に証拠書類一式があります。朝日新聞報道のものと合致をいたしておりますから、それを見てお答えになってもいい、このように思います。 私は、まず問題となる点からお伺いしますが、一つは裏ジョイント方式だと思います。裏ジョイント方式。このジョイント方式とはどういう目的で採用されて、今日どんな性格のものとなっておりますか。
○政府委員(吉田公二君) お答えを申し上げます。 ジョイントベンチャーと申しますのは、数社が共同して一つの請負工事を行うものでございますが、建設省といたしましては、共同企業体によります施工が中小建設業者の施工能力の向上を図るという観点から、一つは、中小建設業の振興策としてその活用策を公共工事の発注者に対しまして指導しているところでございます。もう一つは、大規模工事でございますとか技術的に施工が困難な工事等につきまして施工能力を高める、あるいは技術の補完をする、危険分散を図るというようなことを目的といたしまして共同企業体の結成を指導することもいたしております。 しかし、共同体の活用に当たりまして、一部におきまして構成員が施工に関与しないというような事態もないわけではないようにも見ております。共同企業体の施工が非効率であるというような点も指摘されているところでございます。このような問題点を是正いたしまして、共同企業体の適正な活用を図るために、去る昭和五十二年に建設省計画局長名におきまして通達を発するなど、建設省としては発注者に対しまして適正な活用を行うよう指導してきているところでございます。この通達の趣旨に基づきまして、関係発注機関におきましては共同企業体の取扱基準を明確にいたしました要綱を定めるとか、あるいはその内容を改正するというようなことを行ってきております。今後とも、私どもといたしましては、各発注者に対しまして取り扱いの一層の適正化を図るよう指導してまいるつもりでございます。
○志苫裕君 これ、あなた十分お読みになっているという前提で、私、時間があれなんでありますが、いまのジョイントベンチャーというものの導入の目的なりその性格についてお伺いしました。もともとは大きな仕事の危険分散という性格のものであったんでしょうが、最近は受注機会の確保というふうにこの性格を変えてきておるわけですが、本来このシステムが発生原因とは関係のない条件のもとで活用されてきましたので、利点が生かされないで欠点だけが目立つようになったというふうにも思うんですが、問題もあるので昭和五十二年の十一月に通達を出していま指導しておるという話ですが、問題もあるのでというそこをまず聞きましょう。ペーパージョイント、裏ジョイント、一発ジョイント、これはそれぞれどんなものですか。
○政府委員(吉田公二君) ジョイントベンチャーが効果が少ないという意味ではございませんで、それなりの意味において大きな効果をおさめていると私ども思っておりますが、一部に適当でないものもないわけではないというふうに申し上げたつもりでございます。 ペーパージョイント、裏ジョイント、一発ジョイント等、御指摘のような必ずしも適正でない運営が行われているということもあり得ることと思っております。
○志苫裕君 じゃ、その次に進んでから、これがどんなものであるかを私の方で証明しましょう。 いずれにしましても、まず私は、この茨城の事案、後ほど私、中身を言いますが、問題の第一が裏ジョイント方式である。裏ジョイントなどというものはありませんということはないので、これはちゃんと、法律用語なんかじゃもちろんないんだろうが、裏ジョイント共同施工方式、こうなっているんですからね、書類に。だから、裏ジョイント共同施工方式というのがあるんでしょう。 それがどんなものであるかになるわけですが、いずれにしましてもジョイントベンチャーの弊害というものはずっと出てきたわけでしょう。だから、昭和五十二年十一月十日の計画局長通達によると、昨今ジョイントベンチャーの活用の実態について見ると問題なしとしないという文言があるでしょう。どこに問題があったんですか。その問題はなぜ詰め切らぬで放置されたのですか。
○政府委員(吉田公二君) 五十二年の通達の背景といたしまして、共同企業体の管理体制に不備が見られて効率的な施工が行われない事態が見られたことでございますとか、共同連帯して施工するという共同企業体の本旨に反しまして一部の構成員が工事に関与しないという事態が見られた、こういったことが挙げられるわけでございます。このため、建設省といたしましては、このような問題点を是正いたしまして、共同企業体の適正な活用を図るために御指摘の局長名の通達を出しまして、また共同企業体の取扱基準を明確にいたしました要綱の制定あるいは改正、こういうものを発注者において行うよう指導してきたところでございます。
○志苫裕君 おいおい話をしますと、それがどんなものであるか、こういうことなんですね。 次は利益率の問題。二番目は、この問題は利益率なんですが、この裏ジョイント契約によりますとこういう段取りになっているんです。工事請負とは別に施工責任者を決める、そして構成員の持ち分類を割り振る。実際仕事なんかしないんですよ。おまえはこの分、おまえはこの分と割り振る。しかし、その施工責任者がやるわけですから、この場合は三人でやったんですが、二人は何にもしない。何にもしないんだけれども、おまえの持ち分はこことこことここというふうに決めてありまして、この施工責任者が一人でやるわけです。 そして三番目に、最初から工事原価を決めているわけであります。言いかえれば、この仕事はこれだけの原価でやりましょう。裏返せば、もうけの額を先に決めるわけであります。もうけの額を決めて、施工責任者がへまをしましても、残りの仕事をしない二人の持ち前は、もうけ分は絶対減らぬようになっている、もし失敗があったらそれがかぶればいいんですから。私は、利益というのは工事の結果出るものだと思ったら、これによりますと、最初からもうけ分を先に決めて、その残りで仕事をしようということになっているわけなんですね。そして、決算書で見るというと、その利益は最初に約束したとおりの額で貫徹をされるということになっておるわけです。その利益というのが当初契約分で四五・一六%。ですから、残りの分で仕事をしたわけであります。変更契約分で三五・三九%。これは小さいですから、ならして四三・一三%という損益計算になっておる、利益になっておるわけであります。 もう少しわかりやすく言いますと、これは三社。その関係を言いますと、県知事と特別の関係があると言われる常総開発という会社が仕事をとりました。大都工業という会社が一切の工事をやりました。株木建設という会社は何もしなかった。そして、利益を三人で山分けしたわけであります。それで、先ほど言いましたように、それぞれの持ち分の四五・一六%の利益を上げた。そこで、実際に工事をした大都という会社は、自分の持ち分三〇%、全体の工事の三割の持ち分でほかの人の利益全部を賄ってなお利益が出たわけであります。これは談合や賦金や上納金どころの話じゃないですな。こういう状況であります。皆さんお聞きのとおりです。この請負契約並びにその覚書、裏ジョイント契約というようなものを長々読むわけにいきませんが、いま私の言ったような問題になっております。もう一度言いますと、常総と大都と株木という三つの会社があって、常総という会社が知事と契約を結んで、大都という会社が全部仕事をして、それで三人で利益を山分けしたから、株木というのは契約にもなければ仕事もしないけれども、一応仲間になってはいるわけです。 〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 これはなぜなのかというと、なぜそういう結構な位置に座れるのかというと、その仕事はもともと株木に行く予定のものだったから、それが横やりが入ってきてそういうことになったから、自分は左うちわでも四割の分け前がへるという構造になって、この三人でやっておるわけですね。これが裏ジョイント。あなた説明しなかったから。契約者は一人、知事と契約して請負しているんです。その下請におろすというのではないですね。下請はある程度はねて下へおろすんですが、おろさないで裏でもぐりの共同体をつくってやっておるわけです。だから裏ジョイントと、こういうことになるわけです。以上の問題を私はいろいろ提起しました。 そこで、私のいま申し上げたこのことについて、建設省それから会計検査院、警察庁、大蔵省に関係あるんです、これ。それぞれ自分の所管に関してどこが問題だと思いますか。
○政府委員(吉田公二君) ただいま御指摘の点でございますが、確かに発注者から受注いたしましたのは常総開発という会社ということでございまして、他の二社については建設段階で参加しているという形でございますので、形式的に申しますと、本来、常総が元請であり、大都、株木が下請という形でございますが、先生の御指摘あるいは新聞紙面によりますと、むしろ一括で大都工業が施工したのではないかというふうな御指摘もございます。建設業法上、一括下請ということは発注者の書面による同意がない場合にはこれは違法であるということになってございます。本件につきまして、一括下請、こういうものに該当するかどうかという点につきましては、その実態、発注者との関係等十分調べる必要があると思っております。
○政府委員(中平和水君) 私どもの立場は、犯罪を構成する事実を具体的な証拠によって明らかにし、刑事責任を問うということで社会的な責任を果たす役所でございます。したがいまして、この問題につきましてもそういう観点から検討をいたしたいと、このように考えております。
○説明員(坂上剛之君) お答え申し上げます。 この件につきまして、私、けさほどから担当の課を呼びまして聞いたのでございますけれども、この問題は河川工事にかかわる問題でございまして、私どもの河川工事の担当課は五十三年以来検査に参っていないということでございまして、この件に関する限りは検査をまだしていないという現状でございます。 それから先生のお話のこの四十何%にも及ぶ利益という工事原価のその内容でございますが、かかるような大きな利益が出ておるという場合でございますと、私どもの検査の面から見ますと、積算にまず問題があるのじゃないかと、それからもう一つは施工面における施工不良の問題、こういう面が浮かび上がってくるのではないかと、こういうふうに考えられます。これは一般論として申し上げた次第でございます。
○政府委員(西垣昭君) この問題は予算執行の問題でございますので、個々にわたりまして私どもがとやかく言う話ではございませんけれども、一般的に適正な執行を強く望みたいというように思います。
○志苫裕君 大蔵省には後で言いますが、あなたは予算執行の問題だとお考えになっている、それもあるでしょう。そうじゃないんですよ。会社経理の問題もある。これはでかい問題、後ほど聞きますけれども。 それで、いま会計検査院がいみじくもお答えになりましたが、建設省の答弁はなっちゃおりませんよ。が、これはまた行きますが、確かに当初契約分で四五・一六%、変更契約で三五・三九ならして四三・一三、こんなべらぼうな話はありません、これは。それもやっぱりこの工事に手抜きがあるか、さもなければ、積算価格というんですか、発注価格というんですか、が甘いか、この二つ以外にはちょっと考えられません。 朝日新聞の記事によると、工事が順調だつたのでというコメントがありますが、冗談じゃありませんよ。工事が順調で四割も五割ももうけてたまりますか。建設省、これはしかも追加契約が行われているんですよ。ちょっと建設省から、この「53中小研学河川12−1号、12−2号合併河川改修工事」、これは一体どういう仕事で、どういう理由で追加契約が行われたのか、説明してください。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘の53中小研学河川第12−1及び第12−2という合併の河川改修工事でございます。実は筑波に研究学園都市ができまして、それに関連いたします開発といったことで、雨水が降りましたときに川へ流出の状況が変化してまいります。そういったことの変化に対処をいたしますために、研究学園都市の流域に関連いたします花室川、稲荷川、蓮沼川、谷田川という四つの河川がございます。その四つの河川の河川改修をまとめて研究学園都市関連河川改修という名前をつけておるわけでございまして、それを実施してきたところでございまして、御指摘のこの工事は、この河川改修の一環といたしまして牛久沼——谷田川の下流にある沼でございますが、その牛久沼の自然遊水機能を確保いたしますと同時に、沼の中のみお筋、言うなれば洪水のときに沼の中を流れる川筋でございます、それを形成いたしますために牛久沼のしゅんせつを実施したものでございます。 追加工事でございますが、県の追加工事につきましては、昭和五十三年には景気の浮揚対策といたしまして補正予算が十月に組まれまして、その一環といたしまして研究学園都市関連河川を昭和五十四年度に竣工させるという目標を立てておりましたので、そのために追加予算を補充したと、そういうことでございます。 以上でございます。
○志苫裕君 ちょっと、景気対策ですか、それで建設省、私もう一問。 あなたの所管に関して問題がないかと言ったら、一括下請がどうかが問題だと言った、その感覚がだめなんですよ。読みましょうか、これ。一億八千六百万円の請負契約を常総開発株式会社——石津光雄という社長ですが、これが知事と行ったんです。これは十月六日なんです。それで、十一月十八日に縁もゆかりもないような者が集まってきまして、三社で——三社というのは先ほど言った株木と大都が加わるわけです。そして、まず知事と常総との協定書の定めにかかわらず、そんなのは関係なしに三人は次のとおりに約束したと、こうなっているんです。そして一に、各構成員はこの仕事の一切を契約者ではない大都工業からやってもらうということが第一点なんです。 第二点に、その三人の工事持ち分類の比率は次のとおりだと。仕事を受けた常総が三割、株木というここに出てきたのが四割、一切を任せられた大都が三割というふうに持ち分類を決めたと。私はここを読んでいるうちに、ああ三人で分けて仕事をしたのかなと、こう思った。ところが、その次の項に、仕事をやる大都は各構成員の工事持ち分について次の原価で仕事をすると。そして、常総分五千五百八十万円については三千六十万円で仕事をする。株木分七千四百四十万円の持ち分については四千八十万円で仕事をする。そして、その原価に過不足を生じたら仕事をする大都がかぶると、こう書いてあるわけですよ。そして、このときすでに設計変更等による原契約の増減が出た場合には工事の持ち分金額の五四・八四%で仕事を完了すると、こう書いてあるわけです。だから、五四・八四から引いた残りの四六・幾らが利益になるわけですね。そして、決算書では、この利益がそっくり、びた一文変更なしに計上されておるわけですから、このとおりの原価でやっちゃったわけです。そして、決算のときにこの山分けをした額も決算審に載っておるわけですから、こういうことを私は挙げておるのに、一括下請がどうかが問題があるとは何事ですか。そんな答弁ありますか、あなた。
○政府委員(吉田公二君) 先ほど申し上げましたのは、工事の実施過程におきまして直接契約を行いました常総開発工業でなしに、一括いたしまして工事を行いましたのは大都工業でございます。この施工の関係が一番根っこでございますので、この関係が発注者との間において、かつ発注者の同意を得ていなければこれは一括下請の規定に抵触するということを申し上げたわけでございまして、その点は基本的に根っこにあると思っております。
○志苫裕君 形の上では常総が受けた、大都が仕事をした、ここまで仮にいいとしようか、株木というのは何で入ってきて四割を取るんだね。これは下請でも何でもないのかね、何だね、これは。
○政府委員(吉田公二君) ただいま先生の御指摘、あるいは新聞記事で私ども理解しておるところでございまして、その辺は事情を詳しく県当局から聴取したいと思っているところでございます。県当局を通じまして調査したいと思っております。
○志苫裕君 会計検査院はまだ検査を行っていない、これから調査は結構ですが、だから、これは会計検査院がこれからやってください。建設省はこの仕事が終わったときに検査したんじゃないですか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 この工事が完成いたしましたときには茨城県が発注者でございます。茨城県におきまして工事の検査官を定めまして、同県で定めております建設工事の検査要領にのっとりまして、五十四年の三月三十日でございますが、ここでその日に竣工検査を実施しているところでございます。 検査におきましては、書類上の検査はもちろんのことでございますが、音波測深機を使いましていわゆる浅深測量といいますか、水の底の深さをはかりまして、それに基づいてしゅんせつの土量が設計上の数量に対して十分施工されておるかどうかということを確実にチェックしております。
○志苫裕君 これからお調べになるんでしょうが、ちょっとその前に一般論で今度はいきますが、一般論で、工事費の積算あるいは予定価格に諸掛かりなどを見込んで発注をするわけですが、どれくらいの利益率ですかな。適正利潤というのを見込んでおりますか。
○政府委員(丸山良仁君) 建設省の土木工事につきましては、土木工事積算基準によりまして、工事の規模によって違いますが、大体百万円以下の工事でございますと一般管理費は一四・五%程度、それから十億円以上の工事でございますと八・六%、その間に工事の規模によって違うわけでございまして、本件の工事の場合には大体一〇%程度になると思います。ただし、これは一般管理費で本社経費等が含まれておりますから、純利益は税引き前で大体三%を予定いたしております。
○志苫裕君 まあ三%ですね。これは一般管理費と言われる紙代の果てまで全部差し引いてこれが出ている。これはまたけちと言えばけちですね。何に使ったなんて印刷代まで全部載って、全部原価を差し引いてあります。 それで、いまの三%、一般管理費で一〇%、この辺でいろいろ工夫もなさるでしょう。そのことはともかくとしまして、私の手元にはこの工事を幾らの原価でやったかという原価の内訳が全部あります。残念ながら、元値が一体幾らであったのか、それがどのくらいの原価で上がったのかということを比べて見るもとがないわけですね。これを私、見ることができれば、この工事原価表と対比をさせればすぐわかります。どの分が浮いたのかということはわかりますが、いまのところ手元にない。建設省から御提示いただけますか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 設計書につきましては、内部の資料でございますので、先生の方に御提示するというわけにはまいりませんが、いま先生おっしゃったような工事原価、そういったものについてのいろいろの調査というものはしてまいりたいと、そう思っております。
○志苫裕君 これは皆さんお聞きのとおりで、こういう一事が万事になるわけですが、これがさまざまな公共事業——公共事業といって何も罪悪視することはないんでして、非常に大事な機能を持っているんです、公共工事は。それが何かもう全部変なのがたかって悪いことをしているようなイメージを与えて、非常にこれはこの仕事をまじめにおやりになっている人はお気の毒だと思います。それにしても、この辺はやっぱり明らかにしまして、ただすものはたださぬといかぬ。 私は、恐らく建設省の考えは、設計書を出すとそれが公になって、ああ建設省の工事というのは大体こんなあんばいになるのかということが一般に知れると、入札の公正を害するというようなところに思いを及ぼしているんでしょうが、悪いけれども、赤木なら業者が持ってますよ、これは。昔、新潟県で、これがどこからどう出たのか知らぬけれども、印刷されて店に並んだので大騒ぎになっちゃって、警察もずいぶん苦労してみんな回収したというような話だけれども、それは別にわれわれが売り歩くわけでもないのでありまして、委員長、これはできればこの分について私は提示を求めたいと思うが、どうですか。
○理事(平井卓志君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○理事(平井卓志君) 速記を起こしてください。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 先生いま御発言の趣旨でございますが、先生の御発言ありましたように、この設計書というものは、一つ一つの工事についてそれぞれの内容を積み上げて金額まで出ておるものでございまして、これを外部に出すということは、先ほどおっしゃったような受注あるいは発注の適正を欠くということにもなりまするし、また各省にもそれぞれ関係のあることでもございますので、何とか御勘弁をいただきたいと思います。
○志苫裕君 理事、ちょっと相談してください。
○理事(平井卓志君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○理事(平井卓志君) 速記を起こしてください。 ただいまの志苫委員からの資料要求につきましては、後刻理事会で協議いたします。 質問を続行してください。
○志苫裕君 資料の要求については理事会でも御相談いただくそうですが、それはそれとしても、会計検査院あるいは建設省みずからここのところはただして、いつでも明らかにできるようにしておいてもらいたい、このように思います。 なお、この問題に少しかかわってただしておきますが、一つは、皆さん調査をなさるんですから、常総開発という会社の受注能力についても調べてください、私の方から少し材料を提供しておきますから。 もともと一介の砂利屋でありました、これは。工特地区鹿島開発に乗って成長をして、元建設省都市局長、一時参議院議員であった竹内氏の登場した五十年代に入って急激に伸長しました。昭和五十四年の工事完成高九十六億五千万円、うち官公需が六十八億円です。県内ナンバーツーにランクをされておりますが、そのうち土木三十一億、建築四十億、道路舗装十二億、しゅんせつ六億、水道十一億という仕事の内訳から見て、また、持っておるさまざまな設備施設から見て百億円の受注能力があるとは思えないという点が一つです。 それから大蔵省には問題意識がなかったようですけれども、私から言いますからこれも調べてください。県との契約者は常総開発なんですね、大蔵大臣。ですから、工事完成高というのは常総に記録をされております。しかし、自分は何も仕事をしていないわけでありますから、こうした裏ジョイントの会社経理というのは果たしてどうなるのか。仕事はもらったが全然していない場合もあるし、株木建設のように何にもしないでただもらっているのもありますし、こういう各会社の置かれた状況が非常にまちまちです。本当に仕事をやった大都は、人のかせぎ分は一応損失とすれば一三%もうけたことになるわけです、ほかの二社の分を全部払っちゃったわけだから、それは自分にとってはもうけではありませんからね。そうすると、二億幾らの仕事のうち一三%分は自分がもうけたことになるのです。そういう形になってまいりますと、たとえば何もしない株木は四〇%、三千九百八十四万円を得たということになるわけで、常総とともに事実上何もしなかった。こういうものの経理はどうなるのか。逆に言うと、常総の完成工事高が九十六億五千万円と、こう言いましても、これは仕事をしない分の工事完成高なのかもしれない。受けないが、人の分をもらってやっているのもあるかもしれませんね。 こういうような形になってきますと、実際にやっておるのかやらぬのか、それに応じた会社経理はどうなるのかという点は非常に重要な点であるので、これは大蔵省が調べてもらいたい。会計検査院は当然、先ほど私が建設省にお願いしましたが、あなた方はあなた方の立場で検査をして、その設計の元値にまで立ち入って十分に検査をしてもらいたい。これを要望しておきます。大蔵大臣、意味はわかりましたか。あなたはいま関係ないような顔をしておったけれども、関係あるんですよ。 建設省にもう一つお伺いしますが、五十六年八月二十四日未明に一級河川小貝川の堤防が決壊した。計画洪水量の一メートル下位であったと認められております。決壊現場の五キロ上流がこの谷田川改修工事の現場であります。しゅんせつ改修工事の不備、先ほど言った手抜きが下流の決壊要因となったのではないかという推測があります。何せ四三%の利益を上げたんだが、手抜き工事でもしなきゃどうにもなるまいという、そういうことから見てこの推測はうなずけないわけでもないと思うのですが、建設省の所見はどうですか。
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。 牛久沼の地理的な位置は先生いまおっしゃったとおりでございますが、先ほど御説明いたしましたように、牛久沼の当該しゅんせつ工事につきましては、県からの聞いたところによりますと、先ほど申し上げたとおり、工事出来高には手抜きは絶対ございませんでしたということを聞いておりますし、小貝川のその破堤事故でございますが、これは小貝川流域に雨が余り降っておりません。利根川本線からの逆流という影響でああいう事故が起こったように思っておりますので、直接この問題とは全く関係ない、そう思っております。
○志苫裕君 各省庁、それに検査院、先ほどの私の要望、よろしゅうございますね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 調査をいたします。
○説明員(坂上剛之君) よく調べまして厳正に対処いたしたい、こう思います。
○政府委員(吉田公二君) 私どもも十分調査いたします。
○志苫裕君 静岡の話に戻ります、大分茨城でとまりましたので。 静岡は建設大臣の御出身地ですね。談合というものが全国的に公然の秘密というふうにされているんですけれども、静岡でたまたま表面化をいたしました。静岡は特別に目立つ慣習でもあるのか、その辺は問題になるところですが、実はこれに関連をして私もこういう資料を見ました。それは五十四年七月、静岡県建設業協会昭和会——どうも建設業協会の内部組織らしいですが、これが建設業の将来を考えるという提言をまとめて公表しました。 〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 これはどういうことを言っているかというと、談合について、談合が独禁法その他の法律に抵触するかどうかは微妙だ。競争だけが絶対唯一の方法とは限らない。業者としてはそれぞれ現在の手持ち量、下請の状況、資金繰り、地域の関係などなど施工上必要な点について慎重に意見を交換をして——これが微妙なんだな。意見を交換をして、発注者の期待する成果を最も効果的に上げるような業者に落札させることはあながち非難されることではない、これが積極的に地域住民の要望に適合すると考えると、こう言っておるわけであります。その静岡から出てきたわけです、これは。ということは、この考え方、談合どこが悪いという開き直りですね。というものがやっぱり今日の公取委の調査につながるというふうに私は思います。静岡の人、建設大臣いかがですか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 先生御指摘の意見書の問題でございますが、私も先生の御指摘をいただきまして急遽勉強いたしたわけでございまして、静岡県の建設業者の一部の集まりである昭和会が、五十四年七月に建設業の将来を考えるという提言を勉強の成果として取りまとめたというようなことがあった事実を知ったわけであります。これはもとより専門紙の報道等により前から聞いてはおりましたけれども、具体的に御指摘を受けて調べたわけでございますが、このことについては建設省としては承知しておりませんし、仮に御指摘のような意見を出したといたしましても、これはあくまで私的な意見でありますし、私たちといたしましては、いずれにいたしましても法に違反する行為が許されないのは当然でございまして、こうした問題にかかわりなく厳しい態度で臨む所存でございます。
○志苫裕君 公正取引委員会、いま私が述べた、これは全文じゃないものでごく一部の抜き書きですが、ここでは、談合については独禁法は強者から弱者を守るという法理があるはずだ。とすれば、発注者という強者、請負者という弱者、この弱者を守る談合に合理性がある、こういう論理が貫かれておるわけですが、公取の見解はどうですか。
○政府委員(伊従寛君) お答えいたします。 独占禁止法では競争を制限することは違法と考えておりますので、一般的に言いますと、御指摘のような形で談合が行われれば独禁法違反になると思います。ただ、中小企業につきましては協同組合なんかを設立することが許されており、これにつきましては独禁法の適用除外の規定がございます。
○志苫裕君 談合というのはどの程度の価格の下支えの効力を持つかというのが問題になるんですが、公取、建設省、この談合というのがどの程度の下支えの効力を持つと判断されますか。
○政府委員(丸山良仁君) 建設省におきましては、先ほどもお答え申しましたように、積算基準によりまして厳正に予定価格を決めて、その範囲内に落ちなければ落札しないわけでございますから、いまお話しのような談合がたとえあったといたしましても、それには影響されるものでないと考えております。
○志苫裕君 公取、どうですか。
○政府委員(伊従寛君) 独占禁止法では、談合がどの程度下支えするかということに関係なく、談合それ自体が問題になるわけでございます。
○志苫裕君 官房長、きっちり科学的に積み上げていくのだから談合の影響を受けないというお話です。そうなると、談合はもっぱら、強弱あるさまざまな業界の中で受注機会の均等化という、そういうものに役を果たすであろうという論理につながってまいりますが、そうではない。 私の手元に奇妙な記録があります。ある小さな工事ですが、これは建設省じゃなくて農林省の灌排工事ですけれども、指名十社、談合調わずたたき合い、そして四千五百六十万円で落ちました。研修当番がやってまいりまして示された額は五千二百五十万円でありましたから、このたたき合いで一三%程度、七百万円節減されたことになります。仮にこの例をもって談合の下支え能力一割と、こう勘定いたしますと、公共工事全体では莫大な経費が浮くということになります、これはまあ算術ですから、損するときだってあるわけですから断定はいたしませんが、いずれにいたしましても、いわゆる積算全体について検討をする点はあるようだという問題指摘は十分可能だと思うんです。 特に、最近は仕事がないというようなこともありまして、ある私の知っている例では、非常に似たような場所にお役所が発注したビルと民間が発注したビルが建ちました。民間は積算もへったくれもないですから、一億円かかっても五千万でやれと言えば、受ける者は損得抜きで、下手に人間を抱えて仕事がない、ぶらぶらしているよりはいいというので受けるということもあり得ると思うんですけれども、そこは徹底した弱肉強食で、たたき合って仕事をとったのでしょう。役所の方は、ちゃんとした数字で赤本に基づいて積み上げていきますから、人の顔見て安くしたり高くしたりするというようなそんな融通性なんかありはしません。そうなってまいりますと、同じようなビルが並んで建つ。一つは役所が発注したビル、一つは民間が発注したビル。何だってもう坪当たりで半分違うんですから、そうなると、最初のうちはまだわからないが、テナントが入るときになって、元値が違っていますからテナントの違いでわかるわけですね。 こういうような事実も散見をされるわけでありまして、これは会計検査院、あるいは仕事を大きく持っている建設省でも農林省でもどこでもいいですが、何か国鉄は設計基準や手順の見直しなどで工事費をカットする方針だというような報道が出ておりましたが、そのようなことを検討なさる用意がございますか。
○政府委員(丸山良仁君) 積算基準につきましては、そのときどきに適合するよう絶えず検討をいたしているところでございます。
○志苫裕君 どうも味もそっけもない答弁だな。総理、そう思わないですか。このような問題があるから検討をしたらと言ったら、ときどきに見直しておりますと。ときどき見直しておって四三%ももうけが出ているんですよ。こういう答弁の仕方が行革の対象なんだね、本当に。 時間も迫ってまいりまして、ほかの皆さんに質問をたくさん用意してあるのだが、全部に行き渡らぬかもしれませんが、御了解をいただいておきます。 私は、せっかくですからこの機会に、設計業者の果たす役割りも指摘をしておきたいと思います。 公共事業というのは、皆さん御存じのように、有力な政治家が介在をいたしまして、まず第一段階は、予算編成に向けて市町村から県、県から国へと陳情が行われます。第二段階は、国の全体額が決まりますと、今度は各県、各地区に対する配分が行われます。この段階でまた政治家を介在させた陳情が行われることは言うまでもありませんが、すでにこのときに政治家と称する人種の頭の中には、票と金がちゃんと計算をされます。第三段階は、県は市町村の分も含めて個所表と基本設計をつくって、国に補助金の申請をいたします。この段階でまずは工事請負のひもがつくと見てよい。これにも政治家が絡むことは言うまでもありません。私はここで単に政治家政治家と言っていますが、私も政治家の端くれでありますが、私の言う政治家というのは与党の政治家のことでありましてね、それも○○族と言われる人種で、ボスほどひもが大きい。これは政治献金の額で証明されます。 ともあれ、このような構図の中で私が指摘したいのは、基本設計の段階ですでにひもがつくという事実です。基本設計はほとんど外部委託ですけれども、受注設計者は基本的な部分なんかはやりますけれども、それ以外の部分はさらに外注に出します。大体半分ぐらいでしょう。それぞれの設計業者の選定がその後の手順のすべてを決めます。業界に調整役なんというのが自然にでき上がってくるのも、この設計によってであります。ですから、今日最も効率のよい利益を上げるのは設計業者なんです。何々設計書という紙一枚持っていれば全部できる、こういう話があるぐらいでありまして、発注者はやっぱりこの段階を注意すべきじゃないか、こう思います。特にプラントのたぐいを設置する場合になりますと、チェックする能力をなかなか役所は持っていません、合わせて一本ですから、あれは。こういう構造のものですから。 ですから、この辺を注意をしてもらって、ここに生ずる問題の解決というのは、根本的には、一つは陳情にかかわる政治家の介在をやめる意味でも補助金改革を断行するということが大事ですけれども、その次はやっぱり情報の公開じゃないかと思うんですね、いろいろ考えてみて。この情報の公開について提言をいたしますけれども、まず、ある規模以上の工事につきましては、内定段階で個所や規模やその他を公表されたらいいと思うんです。それから設計業者の選定基準やその受注者、それからさらにその委託先の受注者というようなものも公表なさったらいい。これを、外部の者から成る入札審査会のようなものか何かで、月一回ぐらいの公報か何かに載せる。こういうふうにいたしますと、あの業者はしばしば顔が出るじゃないか、あの業者はこの筋になると必ず入っておるというようなことが全部わかります。こういうことでおのずからチェック機能も働く、ガラス張りになるというふうに私は思いますが、建設大臣、どうでしょうね、この点。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 建設業関係につきまして、いろいろと御指摘を賜ったわけであります。ただいまの御意見につきましても、今後あらゆる角度から想定される仕組みの中で、一つの課題として検討をすべき問題ではなかろうかと、このように考えるものでございます。 従来から建設業につきましては、近代化、合理化について強い指導をいたしておりますし、御案内のように、すでに建設業というものは国の基幹的な産業の一つでもございます。ましてや、国際的にも非常に日本の建設業というものは信を負うべきいま重大なときでございますだけに、先生御指摘の数々のことをよき指針として、いま御指摘の御意見もあわせて対処してまいりたいと、このように考えるところでございます。
○志苫裕君 とにかく、建設業界に対するイメージは悪いんですね。日刊建設通信とかいうところの本に出ておったのですけれども、就職高校生の業種に対するイメージ調査をしたら、マイナスイメージの七〇%が建設業界だというんだな。田中角榮氏を思い出すというようなアンケートの答えもあるぐらいなんだ。 私は、世界のトップ水準をいっているすばらしい技術で、あんなにりっぱな美しい優秀な造営物やその地やってくれておる建設業界に、なぜこんなにイメージが暗いのか。談合、贈賄、汚職、政治献金、すべてのマイナスイメージをこの業界が背負っておると言ってもいいような気がする。それは、決して正常なことじゃないので、この業界の発展のためにもいいことではないわけです。だからこの辺について、いま建設大臣せっかく建設業界についてもと言ったのですが、もちろん建設業界もそうですが、建設業界が一人で悪いイメージを背負っているわけじゃないのでありまして、受注者と発注者、この相互関係において、それにいろんなやつがひっ絡まってくるという、そういう関係においてこのマイナスイメージを建設業界が背負うわけなんです。この辺については、総理、このままじゃいけませんよ。行革の、国民はどう思っているだろうということで、長官先ほどお役所仕事とかいやな暗いイメージの話がありましたね。これの大半はここが背負っておると言っていいというだけに、この問題を何とかしない限り、行革についての国民の信を受けることにならない。いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 建設業界のことにつきまして新聞報道等でしばしば指摘をされるわけでございますが、こういう事件が後を絶たないということはまことに遺憾なことでございます。建設業が国民経済の中で占める役割りは非常に大きい。特にその工事は、国あるいは地方団体等の公共事業に係る部分が非常に大きな比重を占めておるわけでございます。したがいまして、そういうことにまつわるような事件が今後起きないように関係省庁を厳に督励をいたしてまいりたいと、このように考えております。
○志苫裕君 これにはやっぱり政治献金の役割りも大きいわけです。政治献金、別に悪いと私は言いませんけれども、政治献金というものがマイナスイメージの相当ウエートを持つ。どの業界がそれぞれ自分の支持する政党に政治献金をする、そのこと自体を私は罪悪とはいたしませんけれども、望むらくは、余りそういう受注関係にあるようなところが政治献金などというものをするとやっぱりそこにいろんな関係が出てくるという意味では、おやめになった方がいいとは思いますけれども。いずれにしても、たとえば財団法人国民政治協会に対して昭和五十六年度で、収入全体で百十二億円のうち十三億円、約一割強が建設業協会から入っておる。個々の政治家のことは時間の関係で触れませんけれども、この辺などにもやっぱりマイナスイメージをもたらす原因もあるような気がいたします。 ところで大蔵省、建設業者が建設業協会のような上部の団体に会費または特別会費を払って、その中から政治献金が行われた場合に、会費を納めた業者の税法上の扱いはどうなりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的にどういうような形をとっているかわからないと断定はいたしかねますが、恐らく寄付金扱いをしておるものと思います。
○志苫裕君 そうはならないんですね。それは大蔵大臣、あなた専門家でないから。そうでない。個々の業者が納めたのは政治献金でいいですけれども、それが上へ行ってそこから行くわけですから、その場合はやっぱりそれを調べて、個々の企業がその上でまとめて納めた分を足してみて、その枠を超えておれば課税対象になるんですよ。あなたはうんうんと言っているけれども、そうなんですよ。 ここに私はある県の建設業協会の予算を持っておりますけれども、これを見たって政治献金のことわかりゃしませんよ。この場合は、建設業協会の予算の中から雑部引当金というのを、予算がら引当金に落とします。それで引当金会計というのがある、いろんな引当金。そこの中に雑部引当金というのがありまして、その雑部引当金から政治献金が行っているんですよ。まるっきりわかりゃせぬのだ、こんなものは。でも、もらった方はちゃんと届けてきていますからね。もらった方が届けているのに、やった方がないものだから、調べてみるというとそんなことになっているわけですね。だから、こういうことにもなっていますから、それは税法上はやっぱりきちんとしてもらわなきゃならぬ。 この政治献金を調べているうちに、私は重要なことに気がついた。これは自治省、たとえば越山会が昭和五十六年に一億三千九百万円の政治献金を集めています。内訳は「その他」となっていまして、何でもありません。一億四千万円のお金がどこから来たかわからないようになっている。正確に調べると、全部百万円以下の献金でありますから、個々の名前を書かなくていいわけです、明細をね。法律でそうなっています。五十年法で改正しまして、五十一年から適用をした法律は政治資金については前進だ、総量制限、質的制限というのがありましていいこととはされておるのでありますけれども、収支報告の面で百万円以下は免除されたわけであります。そうしますと、九十九万円に全部政治献金を分割をすれば、何億になってもガラス張りにならないわけですね。この点は、たまたま政治資金の見直しの時期でもありますから、検討されてしかるべしと。自治大臣どうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 後援団体等に対しまして百万円以下のものは内容を記載しなくていいことになっているわけでございまするが、これは言うまでもございませんが、個人の一つのプライバシーと申しますか、そういう点をも考慮した問題でございますが、金額の問題と、それが抜けられる可能性もないというわけではありませんので、その辺については十分に検討しなくちゃならぬと思っております。
○志苫裕君 この点は、前の三木総理がガラス張りにするんだと言って熱心におやりになったはずなんです。その三木総理の政治団体をちょっと調べてみますと、改正法の前はどの団体から二十万とか三十五万とか五十万とかといってびっしり載って、非常にガラス張りになるわけです。ところが、ガラス張りのためにつくったその法施行から以後の今度同じ団体を見ますと、全部合わせて何千万円と、こうなっているんですね。それは百万円以下のそのことなんです。だから、三木総理はガラス張りにしようと言って、ガラスどころかコンクリート張りにしちゃったんですね。これはやっぱり思わぬことになったということなのかもしれません。ですから十分に検討してもらいたい、ぜひ正してもらいたい、このように思います。 建設業協会に絡む問題についていろいろやってきましたが、このことは同時に公共事業というものが持っておる問題にもかかわってくる。その公共事業のもとの国庫支出金、すなわち国と地方公共団体との問題ということにかかわってくるわけでありまして、ただ受注者と発注者の関係がきれいであればいいということだけでは解決にはつながらないというふうに考えるわけで、少し国と地方との関係に、この公共事業も含めた大枠のところに話を戻してお伺いをしたいと思います。一 亡くなられました大平総理がある時期に、高成長を経たわが国の文化や価値体系について質の見直しを提起しまして、それを進める上で地方分権を重要なキーワードとして位置づけたことがありました。戦後改革における地方自治あるいは地方分権というのは民主主義のシステムとして、民主主義としてのそれであったのに対しまして、大平さんの提起は、当面をするさまざまな問題の解決という発想が非常に強かったように思います。地方の時代論というのが登場したのも恐らくそういう背景があってのことだろうと思うのでありますが、鈴木内閣になってからそれさえもとんと遠のいたような感じを受けましたので、私が本会議で総理にそのことを言いましたら、あなたは、私も東北の出身で地方の問題については人一倍関心があるんだと言って目をむきましたけれども、しかし目をむいただけじゃこれは決まりがつかないんですよ。 地方の問題に対する関心もいろいろありまして、地方を国のお手伝いのようにしか見ない中央官僚の関心もありますし、補助金という中央利益をせっせと運んで地元の選挙地盤の培養しか考えないような政治家の関心もありますし、みずから何もせぬで金だけ国から引き出せばそれでいいと考えるぶら下がり根性の関心もないわけじゃありません。これらはおよそ時代錯誤の関心なんですけれども、国の歩みを変えるというこの土光臨調がどういう関心を持っているのだろうかと思って、私実は丹念に勉強いたしました。第一次答申を見る限り、国と地方の役割り分担ということを大変重要な課題にはしておりますが、底に流れておるのは両者の調和、一体化という、一体性の確保というこういうことが強調されておりまして、地方分権という指向や位置づけは弱い、ない、このように思います。この点についてどうですか、総理及び長官、自治大臣の見解を聞かしてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 地方分権というのは出していることは出しております。それはしかし地方分権一色という意味で出しているのではない、時代の趨勢というものはその方向に流れつつある、その流れつつある中でどの程度中央と調和しつつ地方分権の方へものを整理していくかということであります。と申しますのは、一遍にものをやっても地方で受け付ける力がないとか、あるいは中央と地方の関係を一遍にやった場合には非常に大混乱が起こるとか、そういう点も危惧されておりますし、また地方がそれだけの質的な受容能力があるかと、そういう問題もございます。そういうあらゆる角度から分析してみて、適当なおさまり方を見つつ地方分権という時代の趨勢に合わせていこうという考えだと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方自治は憲法上保障された重要な命題でございますが、これにはやはり自主性、自律性というものが基本になるわけでございまして、したがいまして自主性、自律性というものを尊重する以上、地方分権という方向に向かってわれわれは前進しなくちゃならぬ、こう思っております。
○志苫裕君 いまちょっと長官のニュアンスにもありました、現に自治体がどういう能力を持っておるだろうかということとも見合わせながらと言うんですが、確かに私はいまの地方自治体が持っておる機能あるいは自治に対する当局者や住民が万全なものを持っていると思いません。ですから、いままでのいろんなへまをしておるといいますか、試行錯誤を繰り返す、国民からしかられるようなことをしておるということも否定はしませんけれども、そういう意味では地方自治は育てるものでしょう。もともと地方自治があったのじゃないですから、育てるもの以外にないと思うんですが、それにしてもやっぱりいま長官の言葉にもありますように不信感が強過ぎる。不信感の最たるものは大蔵大臣ですけれどもね。これはもう地方自治不信の相当なものでありまして、好きな橋をつくったり何とかをつくったりするのがおって困るみたいなことを言いますからね。 しかし、これはやっぱり育てるという関心を持ちながら大胆に分権に進まないと、日本の民主主義が育たないこともそうだし、いま当面をしておる問題が全部地方という課題を抜いて解決できないという状況に来ておるわけですから、これは地方が少々未熟な点があっても、気がもめる点があっても、これは一体性とかそういうことにウエートを置くのではなくて、分権というものを考えるべきだというふうに思います。行革は国も地方も待ったなしというんで聖域がないということにしておりますけれども、機能を超えた干渉があっていいわけじゃないのでありまして、臨調が扱うときだって、地方の問題を扱うのは国とのかかわりにおいて考えるということを長官もしばしばお話があるところでありますから、ここはまず、いろいろ問題はあるだろうが、育てるという観点に立って、要らざる気をもんで踏み込むということはやっぱりやめてもらう。総理どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) おっしゃるとおり、地域住民に身近かな行政サービスというのはできるだけ地方自治団体にこれを移していく。その場合におきまして、わが国におきましては経済力あるいは諸般の状況が大都市と地方とでは大分格差がございます。また財政力も大きな違いがございます。そういう点を勘案しながら、いまおっしゃるように地方自治を育てるという気持ちでめんどうを見ていく必要があるのではないか。行革においてもしかりでございます。
○志苫裕君 もともと経済界は、この地方分権というものが企業活動の制約要素になるのじゃないかという発想の強いところだと思うんですね。一つの川を利用するのに上流は何々県下流は何々県、そこのところで言い分でも違おうものならうまく川が利用できないという、そういう発想とか何か強いのではないかと思うんですが、臨調が財界主導と言われるだけに、やっぱりそういう意味では分権指向が弱くて一体化論の指向の方が強いということにわれわれはもっと神経質になっていいのじゃないかと思うんですが、そういう意味で、いま臨調の課題で道州制が論じられるという報道がありますが、この点について長官と自治大臣、御見解を。
○国務大臣(中曽根康弘君) 道州制は、かつて昭和三十二年ごろでありましたか、地方制度調査会からその意見が出ましたが、その後そのまま不発に終わったようであります。しかし、第一臨調のときにもそれは論議されたようでありました。最近に至りまして道州制を論ずる議論ももちろんございます。しかし、臨調におきまして道州制をやろうと、そういうふうに決まっているということではございません。一部の委員の意見にそういう議論が出て、これから来年の六、七月に向けてどういうようにそれが結論が出るか、われわれは注目しておるという状態でございます。
○国務大臣(安孫子藤吉君) ただいま中曽根長官からお話がございましたとおり、十数年前でございますか、時代の変化に適応いたしまして広域行政というものがきわめて重要だという観点から、道州制とかあるいは府県合併、こういう問題が提起され、また論議された時代がございます。しかし、これは地方組織の基本に関する問題でございまするので、その後この問題はそのままになりまして今日に至っているわけでございます。これは一体どういう形に地方の組織をするか、きわめて重要な問題でございまするので、いろいろと論議を重ねてみる必要はあるだろうと存じまするけれども、十分論議を重ねた上での結論を出さないと、軽々に結論を出すべき問題じゃない、こう考えております。
○志苫裕君 そこで、地方分権、地方自治を育てるという発想について総理の並み並みならぬ決意がわかりましたので、私は事務配分の問題と国庫支出金にかかわる財源配分の問題に触れたいところでありますし、ずいぶん具体的な提案も用意してきたのですが、残り時間が少なくなりましたから、事務配分の問題でずばりこれくらいはやろうと。もう百も論議したってだめですからね、一つでもいいからやっていきましょうよ。 各省庁に一つずつ聞きます。 厚生省。旅館や映画館やふろ屋の営業許可、立入検査、これは何で国の仕事でなきゃならぬのか。旅館やふろ屋ぐらい自治体に任せなさいよ、全般的な統一基準を持たなきゃならぬなら持っていなさい。しかし仕事は任せなさいよ。これは厚生省。 文部省。都道府県や市町村の教育長の任命は、自治体は独自の行政権を憲法の上でも持っているんですから、行政権は内閣に属すると同じように、自治体もまた地方公共団体について行政機能を有するということで、レベルは違うけれども、質としては同じ行政機能を持っているわけですよ。ですから、文部省については教育長の任命、これはもう自治体に任せなさい。 農林省。農業委員会の農地主事の任免ぐらいは、これは知事の承認なんてへったくれ言っておらぬで、農業委員会に任せなさい。 行管庁。統計主事は必置規制にはなっておりますが、実際はみんなでやっているのじゃないか。必置規制をずっととりますか。 この四点について、それぞれ答えてください。
○委員長(玉置和郎君) 各大臣、簡潔に。
○国務大臣(村山達雄君) 旅館その他飲食店等のいわゆる環境衛生をやっておるところにつきましては、府県知事の許可制度になっているわけでございます。ただ、それは機関委任になっておりますので、いざというときには監督はできる、こういういま扱いになっておるわけでございます。したがいまして、この問題についてどういう点に現行法上弊害があるか、そういった点を篤と調べまして善処したいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御趣旨を体して検討いたします。
○国務大臣(田中龍夫君) 終戦後の経緯もございますが、国と地方との行政を一体的に運営するという一つのくさびといたしまして必要なものであると、かように考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 統計の仕事から全国的な整合性を要することでありますが、市町村の分はこれを必置規制を外そうと、そう思っていま一括整理法案を整備中であります。
○志苫裕君 ただいま総理お聞きになったでしょう。これはごく簡単なことを私はまず言った、すぐでもやれることをね。それでもなかなか滑ったの転んだのと言っていますね。これは大変なものじゃないですよ、この行革というのは。だから、ひとつこの程度のものは臨調を煩わさぬでもいいんですから、ばさばさ、地方を育てる、分権を推進するという意味で進めることを要望して、質問を終わります。
○委員長(玉置和郎君) 和泉照雄君。
○和泉照雄君 私は、公明党・国民会議の和泉でございます。 まず、行革に臨む総理の基本姿勢についてお伺いしたいと思います。 政府が行革をやるということで臨調を設置されて、そのときに土光会長は、特に肥大した行政の合理化を目指しておられましたけれども、国民は非常に期待したわけでございますが、第一次答申は行革に名をかりた財政再建が主体で、いわゆる地方自治体にあるいは国民に肩がわりあるいはしわ寄せと、こういうような内容で非常に期待外れでございます。これも私は、総理の基本理念に、行革は肥大した中央政府の機構を合理化して、地方の時代にふさわしい地方分権を確立しようとする意欲が薄いのではないかと、このように思うわけでございますが、国民の理解、支援を求めて本当の行革に政治生命をかけるとおっしゃったのでございますから、まず総理が国民に対して、行革は中央政府の肥大化を合理化するんだ、そして地方分権を確立するんだということをはっきり宣明をして、しかし、いま国の財政は相当悪化しておるので財政再建をまず先にやりたいと、この手順をはっきり示すことが大事ではないか、そうすることが国民の理解、支援も受けられるのではないかと、このように私は思うのでございますが、本当の行政改革、中央政府の肥大化したのを合理化するという、そして地方分権を確立しようというそういうようなお気持ちが本当の心の底におありなのかどうか、お尋ねをします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 行財政改革は国民のためのものでございます。したがいまして、今回の行財政改革に当たりましては、国だけに限定するとかあるいは地方に重点を置くとか、そういうことでなしに、国、地方を通じまして全体として国民がどのような行政のあり方あるいは財政の負担、運用を求めておるか、そういう観点に立ちまして、行財政全般にわたって合理化あるいは新しい時代に対応する体制づくりに私は努力をしていきたいと、このように考えるわけでございます。 その際に、臨調の第一次答申を受けましたところの今回の国会の御審議をいただいておる法律改正等の問題は、これは財政再建に主眼を置いて行政のあり方というものを忘れておるのではないかという御指摘も一部に確かにございます。しかし私は、財政の再建と行政改革というものは表裏一体のものである、このように考えます。 特に今日、わが国の財政は中央地方を通じまして本当に大変ないま困難な局面に当面しておりますことは御承知のとおりでございます。これを打開いたしますために一般消費税のような大衆の課税、そういうものによって財政再建を行うか、あるいは高度経済成長時代に肥大化したところの行財政全般についての縮減合理化をもってこの目的を達するか、こういう、道は二つしかないと思いますが、私は今回は増税のない財政再建、これを国民の皆さんに訴えまして、国民の皆さんも恐らくこれ以上負担はふやさないでほしい、納めた税金なりあるいは料金等はこれをむだなく合理的に使ってほしい、こういうのが国民の皆さんのお考えであろう、こう思います。そういうことを私ども肝に銘じまして今後の行財政改革に取り組んでいきたい、このように考えております。
○和泉照雄君 いまおっしゃったとおり、国民は、増税なき財政再建というのが行革というふうに先行しまして喧伝をされておるわけで、本当の行政改革というのは肥大化した中央政府、霞が関のこういう中央官庁をやはり合理化していくというのが本当の行革だと、こういうように思っておったのが、何となく財政再建というのが行革につながるという、それはつながりますけれども、そっちの方が表であるようなそういう認識を受け出したものですから、やはりこの際総理が、当面は財政再建をするのだけれども、それが終わった後には必ず肥大化した中央政府の合理化をやるんだと、この席でひとつ明言をしていただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回の中間答申はいま御指摘のとおりでございますが、しかし、今後におきましては第二次、第三次の答申あるいは来春の本格的な答申、最終的な答申、これには恐らく財政再建というような面のほかに、行政の思い切った合理化、この点が大きく取り上げられるであろうと、このように考えておるわけでございます。そして、その行政の場合におきましても、たとえば官業と民業の関係でありますとか、あるいは許認可事務の問題でございますとか、そういうような問題は、これは国の行政機構だけでなしに、地方の場合におきましてもそういう問題は存在するわけでございます。特に私は行政改革の場合におきまして、人員の削減、適正な人事配置、こういうことが非常に大事だと、こう思っております。そういう意味では国だけではない、地方においてもそういう問題が存在している、こう思いますので、中央地方を通じましてやってまいりたい。ただ先ほど志苫さんにお答えをいたしましたが、地域住民に身近な行政、こういうものは地方分権と申しますか、地方団体にそういう行政はお任せをする、そういう基本的な考え方で取り組んでまいりたいと、こう思っています。
○和泉照雄君 最近の世論調査でも、国民の世論というのはやはり高度成長で肥大化した中央政府の合理化ということを非常に求めておるわけでございますので、その点を念頭から離さないように、ぜひひとつ断行するという意思表示をこの席でやっていただきたい。くどいようでございますが…。
○国務大臣(鈴木善幸君) 和泉さんの御指摘になっておられるお気持ちの中で、中央省庁等の統廃合を含めた中央の行政改革、こういう点もしっかりとやってほしい、こういうお気持ちがあるように私承るわけでございますが、先ほど来申し上げますように、国、地方を通じまして、そういう重複した、あるいは中二階のようなそういうような機構等につきましては、この際思い切った見直しをしてまいりたい、こう思っています。
○和泉照雄君 次は、行管庁長官にお尋ねをしますが、土光会長は衆議院の行政改革特別委員会におきまして、参考人の意見陳述の中で、九月から臨調の基本的課題に本格的に着手をして、来年の六月から七月までの間に答申する予定である、その一部については中間答申をすることも考えておる、このように言っておられますけれども、政府はこのような中間答申をいつごろまでに提出されるものと見ておられますか、また希望しておられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 恐らくその中間答申は許認可の整理の問題であろうと期待しております。現に分科会を設けましていま許認可の整理を検討しておるところで、毎週土曜日、日を当ててやっておる状況でございます。これらの中で、国民生活に密着して、煩瑣と思われているものをできるだけ簡素にする。その中で相当ある許認可の中からある程度のものを摘出して、そしてそれを随時答申という形でわれわれの方へお持ちいただく、それをわれわれ期待しております。多分、十二月の予算編成が行われるころ、そういうような一部のものが提出されるのではないかと期待しております。それらの中には、いま騒がれておる車検やあるいは自動車のライセンス問題等も含まれるのではないかと想像しております。
○和泉照雄君 五十七年の予算審議の前に、やはり予算の方に反映をするように提出を臨調の方に要請をされるおつもりはありませんか。新聞報道等によりますと、予算審議が終わってからでないと許認可の問題、いろいろ利害が重なるので煩わしいというような意見もあるやに報道されておりますが、その辺のところを考えますと、大部分は後になるんじゃないかというような感触があるんですけれども、やはり行革法ですから、五十七年度の予算審議に反映をさせるということになりますと、その中間答申はそれ以前にすべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府・自民党の予算編成は十二月の二十日過ぎから月末ぐらいまでに毎年行われますが、それに間に合わせるように答申をいただけるのではないかと期待しておるわけであります。もちろん、許認可の中にはいろいろな複雑なものもございまして、われわれとしては詳細に詰めた内容までそれを受けて決定することはむずかしいかもしれませんが、五十七年度にやる仕事の方針としてある程度予算編成が終わるときにまとめてみたいという気持ちを私は持っておるのであります。 それらの法案化をいつするかということでございますが、これは出てきたものを見ないと、いつ法案としてまとめられるかいまのところはわかりません。たとえば車検なんかの問題も運輸技術審議会にかけておりまして、実際実験していることがあるわけです。耐用年数を持ちこたえられるかどうか、そういうような実験もしておりまして、それらの実験がある程度時間もかかるという点もございまして、そういうような点も考慮していかなければならないところであります。
○和泉照雄君 総理にお尋ねをしますが、第一次答申は昭和五十七年度予算に反映をするためになされたわけでございますが、第二次答申、いわゆる臨調の基本的課題については、昭和五十八年度予算に反映するつもりがおありなのかどうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおり、基本的な答申が出ました場合におきましては、これを最大限に尊重いたしまして、五十八年度に反映させるものはぜひ反映させたいし、あるいは五十九年度以降に反映をさせるということになろうと思いますが、いずれにしても、私はいつも申し上げるのでありますけれども、国民の関心の高いうちに新鮮な答申の感じを失わない段階においてこれをぜひ実現に移していきたいと、こういう考えを持っています。
○和泉照雄君 臨調の第一次答申にはこのようにあります。「「増税なき財政再建」の実施によって、各省庁はもとより国民生活の各分野も、一時的ではあれ、痛みを受けることは不可避である。」と、このようにあります。この答申を受けて、むしろこの答申を利用して、盾にしてというふうに私は言わざるを得ないと思いますが、政府は、行財政改革一括法案並びに昭和五十七年度予算の概算要求におけるゼロシーリングによって、各省庁及び地方公共団体並びに国民への痛み分け、いわばしわ寄せもしくはツケ回しを当然のごとく行っている感が深いわけでございますが、各省庁及び地方公共団体並びに国民への影響について、その度合いがどれぐらいあるか試算したことがおありなのかどうか。特に、国民一人当たり総額はどれぐらいの出費になるとお考えですか、行管庁長官と総理にお尋ねをします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は、影響はないとは申しません。影響はないとは申しませんが、むだなものを切るとしても、もらっている方は当然だと思っている人もありますから、だから影響はないとは申しませんが、これも五十七年度予算が作成される段階ではまだ決まってはおりませんし、実は個々に計算するということは技術的にできないというようなことで、そういう細かい計算はいたしておりません。
○和泉照雄君 そういう細かい計算をおやりになって、どのような影響があるかということを把握して、法案をつくったり提出したりすることが大事じゃないかと、私はこのように思うんです。 今度の行革一括法案は、厚生年金への国庫負担の四分の一削減及び後進地域特例のかさ上げ分の六分の一の削減などを柱に、昭和五十七年度予算から総額二千四百八十二億円の歳出削減を行うというのでありますが、これは行政の簡素化、効率化とは似ても似つかぬ単年度の予算編成におけるゼロシーリングの一環としての歳出削減であり、その削減分も地方へのツケ回しというのが実情であります。 それで、最近各県において、一括法案及び各省におけるゼロシーリングの影響について試算をしたのを聞いてみました。各県はしておるのですよ。たとえば東京都は三百五十五億円であります。神奈川県が二百二十億円であります。福岡県が二百五十七億円であります。新潟県が七十三億円。このように国の財政再建策による地方の負担増は激甚であります。まして、臨調第一次答申で、地方公共団体においても、国に準じ支出の節減合理化、抑制を図らなければならないと、このように指示をされておりますが、地方は国のツケ回し、歳出増のところへ、なおかつゼロシーリング予算の編成をしなければならない、身動きができないぐらい財政が硬直化しております。 一方、国民に対しては、今度のゼロシーリングで影響はどれだけ出ておるか。各県の試算によりますと、福岡県では百八億円であります。新潟県では国民の影響だけでも八十三億円であります。国民は地方自治体の負担増やゼロシーリングによる行政サービスの低下と受益者負担増のダブルパンチで大変に苦境に陥っております。 このように国は増税なき行財政改革を行うというものの、現実には国のツケを地方公共団体に、さらに受益者たる国民に回している実態が明白であります。これでは実質上の増税になるのではないかと、このように思うのでございます。増税なき財政百姓という看板には偽りがあると、私はこのように言わざるを得ません。白話相違もはなはだしいと考えますけれども、大蔵大臣、総理の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ゼロシーリングにいたしますと、当然ふえるものも抑えられるということになりますから、確かに受け取る方では少なくなる部分がございましょう。しかしながら、国が歳出で予算を組んで出すのには当然財源が必要なわけですから、その財源は税金で取るのが原則でございます。しかし一方、臨時的にこれは借財をする、国債を発行して借財するということもやってまいりました。五十六年度は借財と増税と歳出削減と三つでやったわけでございますが、五十七年度は増税はしない、大型な増税はやらないという前提に立っておりますから、一方借財も十四兆から十二兆に減らし、さらに一兆八千億円を減らそうということでございますので、そうなりますと歳出がふえるということはないわけです。歳出がふえたとしても、もしふやすのには増税をするか、何かの負担を取るか、借財をするか以外にはふやす方法はないわけですから、その借財は結局は税金で賄う、支払われることであって、税金と同じだと言っても差し支えないわけです。したがって、歳出をふやさないということは、国民から取り上げるものをふやさないということでございますから、決して増税なき財政再建が矛盾したものではないと、こう考えます。
○和泉照雄君 大蔵大臣はそうおっしゃいますけれども、あなたの先ほどの答弁によりますと、調べたことがないと。数字的には根拠がないわけでしょう。 それは理論的にはそういうふうなことをおっしゃるけれども、ちょうど七日の朝のNHKの奥様ワイドという八時四十分ごろからの放送がございましたが、それによりますと、ある消費者団体が試算をしたところによりますと、行革が暮らしに与える影響ということで報告をしておられたようでございます。 これによりますと、主食費が一世帯当たり四千六百三十一円、教育費が一万九百十九円、保険料の負担が三万二千五百七十四円等で、締めて年間一世帯当たりに七万九千八百九十八円の行革による影響があると、こういうようなことが出ておりました。それから税金とか社会保険の増額による負担増が年間十万七千六百十四円、合計年間十八万七千五百十二円の負担増になると。結局形を変えた増税ということを言われても仕方がないと思うんです。そして、この行革の影響をこう試算してみますと、国全体としては、これを世帯で掛けてみますと二兆七千億、一人当たり二万四千円の負担。こういうことになりますが、あなたがいま計画をしておられるのは、五十七年度の節減額は二兆八千億でございますが、二兆八千億をいろんなことで節減したのが全部国民の方にしわ寄せになっておるということは、これでも、数字ではっきりすると思うんです。いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは歳出削減の方からすれば、二兆七千億の要調整額を減らすわけですから、当然にその分だけはふえる部分がふえないということになります。しかし、それをふやすとすれば、財源がなければふやすことができないわけです。財源は増税で二兆七千億を取って、二兆七千億を戻せば同じことなんだけれども、今度は増税はやらないということですから、結局受け取る方も当然ふえると思った分がふえないということになるわけで、これは同じことだと私は考えております。
○和泉照雄君 私は、そういうふうな財源の問題はもう少し削るべきところが相当あるんじゃないか。きょうも論議の中でありましたが、防衛費の問題もそうですし、大型プロジェクトの問題もそうです。そういうところで削って、国民にそのような負担を与えないというのが大蔵大臣の政治的な配慮じゃないんですか。政治手腕ですよ、それが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 削るところは極力削るように私もいたしておるわけです。早い話が、防衛費で削るといったって、これは二兆七千億円——防衛庁をなくしてしまえば二兆七千億円出るかもしれませんが、しかし防衛費の半分は人件費でございまして、人件費のそれをどうこうするということも現実にはなかなかむずかしい問題だし、御承知のとおり、日本の防衛問題というものは日本だけでなかなか決められない。やっぱり西側陣営としての国際的な責任の遂行というような問題もございまして、こういう点では見解の違いがあるわけでございます。しかしながら、仰せのとおり、ともかく大型プロジェクトができる、ただやればいいという筋合いのものではございませんので、あらゆる面において厳しく、特に急いでやらなくてもいいようなものは極力この際は思いとどまってもらうという方向で査定はしてまいるつもりでございます。
○和泉照雄君 総理にお尋ねをしますが、行革は国民のサイドに立った行革でないと国民の支援は受けられない、成功しない、私はこのように思うわけでございます。国民にとっては、行革によって行政サービスと受益者負担がどのように変化したかということに重大な関心があるわけでございまして、したがって今度の行革のように地方へのツケ回しやそういうことが行われますと、たとえば補助金のカットによって保育園の運営に影響して児童の入園が制限をされるというようなことになりますと、サービスの低下になるわけでございますが、こういうようなこと、あるいは保険料の値上げというようなことで負担がふえるということで、結局しわ寄せは国民にくるわけでございます。 こうした国家財政再建のみに目を向けた行政改革ではなくて、もっと地方の立場あるいは国民の立場をよく理解した上で、総合的な観点に立った行革を断行すべきであると思いますけれども、総理はその点はどのような御所感をお持ちでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 和泉さん御指摘のように、国民の皆さんの理解と御協力を得なければ、政府だけが幾ら気をもみましても、これは実行することができないわけでございます。 先ほど私は冒頭に申し上げましたように、主権者である国民の皆さんの立場に立ってこの行財政改革を考えるのだ、そういう姿勢で取り組んでいくのだということを強調したわけでございます。 私は、ただ、これを行います場合におきまして、今年度末八十二兆円に及ぶ公債残高、大変なこれは借金でございます。国民一人当たり七十万円、一日当たり国として百二十億円の利払いもやっていかなければいけない。その国債費の支払いのために計上いたします予算額は国全体の公共事業費に相当する、こういう状況でございます。これを放置してまいりますと、これは今後日本の行政もあるいは国民に対するサービスもできなくなる、借金の返済だけに追われる。こういうことになりますし、特に急速に到来してきておりますところの高齢化社会に対応する、そして新しい時代に即応した福祉重点的な質の高い福祉を行うという面からいたしましても、あるいは国際的な日本に期待をされておる役割り、これを果たすこともできない。こういうことに相なるわけでございまして、今後こういう点を国民の皆さんによく御理解をいただきまして、そして国民の御協力を得ながら行財政改革を国家の将来のためにこの際私ども進めてまいりたい、このように思うわけです。
○和泉照雄君 また、総理は先ごろの所信表明の演説の中で、「歳入の面でも等しく痛みを分から合うという観点から、税負担の公平の確保は重要な課題」である、このようにお述べになり、「税について、制度面だけでなくその執行面でも、改善に一層の努力を傾けて」いく、このようにおっしゃっておりますが、不公平税制の問題はこれはもう長年の懸案でございます。ただ、所信表明の演説だけでこのようにおっしゃっても国民は納得をしませんので、解消のための手順、大まかなスケジュールを示すことが必要不可欠ではないか、このように思うのでございますが、総理並びに大蔵大臣からお答えを願います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 税は公平であるということでないとなかなか国民が納得いたしません。したがって、不公平と思われるような問題については極力それは直さなければならぬ。一つは観念的にそう誤解されている面もないわけではありません。しかし、それは直すべきだというもっともなところもございます。したがいまして、政府といたしましては、過去数年来、特にいろいろな優遇措置を与えておる租税特別措置法につきましては年々見直してまいりました。法人税関係は大体措置法のうち二割、八割は所得税関係でございます。これは個人の問題であります。法人税関係も二割の約二千億円のうち八百億円は中小企業のものでありまして、それをなくせという声はあんまり聞きません。そうすると、残りの千二百億円ということになりますが、これは公害関係、そういうようなものが多いわけでございます。したがって、そういうものを除くとわずかなものが残ってまいりますが、それらにつきましても、こういうような厳しいときでございますから、一遍これは見直して五十七年度の税制改正時には税制調査会にお諮りをしようかと、そう思って目下検討中でございます。 なお、交際費等におきましても、非常にいま厳しくこれを特別措置で課税強化をしておるところではございますが、五十七年度においてさらに課税の強化を図りたいと、こういうように考えております。 引当金の制度につきましては、これ自体が不公正税制ということでは適当でありません。しかしながら、その繰入率が実情にそぐわないということが言われておりますので、この見直しは常にしていく必要があると考えます。 執行面については、所得税の適正な運営というような問題について、やはり正しい記録というものが事業の場合は必要ではないかと。したがって、さらにその正しい申告をする土台になる記帳等の問題についても、青色申告ばかりでなく、それ以外についても記帳の奨励というものを一層進めていきたい、そうして執行上の公平を担保するというように考えてまいりたい。その他税務相談の問題や資料収集の問題、コンピューターの活用、あるいは地方当局との情報交換などなど、いろいろな面において執行面を充実して、そして課税漏れ等がないように、あるいは実力で税の調査を阻止するというような団体、あるいはそういうようなものに対しても勇敢に正義感をもってこれは取り組んでもらうというような措置を講じて、不公正感をなくしてまいりたいと考えております。
○和泉照雄君 私がお尋ねしておる主眼は、国民が不公平であるという医師税制とか、あるいはサラリーマンに対してトーゴーサンと言われるその不公平を是正するために、その手順とスケジュールについてどうお考えですか、これは総理から。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま私が話したのはここで初めて話をするのですが、五十七年度の税調にそういうようなものについてはかけますと。しかし、それは増税ではございません。不公正の是正という観点からそういう手順をいたしますということを言っておりますし、いわゆるクロヨンと言われますが、四というのは私は制度的には存在しない、そう思っております。ただ、執行面でもっと低いのもあるいはあるかもわからないから、そういうものはなくすようにしなければならぬ。そのためにいろいろな手法を用いますということを申し上げたわけでございます。いま記帳等の問題について層一層正確な申告の土台づくりをやるということも、そういう課税漏れ等を防止するため、あるいは実力で調査を拒否したりなんかすることについては、いままでより一層に正義感をもって厳正に対処をしなければならぬということも申し上げたわけであります。
○国務大臣(鈴木善幸君) この税の不公正を是正をする、また、そういう国民の皆さんが抱いておる感じ、受けとめ方、これにやはり政府がこたえていかなければいけないと、こう思っておりますので、先般の所信表明を通じて私はお約束をいたしましたから、これを五十七年度予算の編成の過程におきまして、いま大蔵大臣が申し上げたような線に沿いまして必ず実行してまいりたいと、こう思っております。
○和泉照雄君 よくわかりました。 では、次は財政運営について経企庁長官及び大蔵大臣にお尋ねをいたします。 現在、政府が行おうとしている行政改革と、本年一月にお出しになりました新経済社会七カ年計画との関係については、政府はどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 新七カ年計画につきましては一昨年の八月に正式に決定をいたしまして、それ以来毎年フォローアップをいたしております。第一回のフォローアップが昨年の一月、それから第二回のフォローアップが本年の一月、二回のフォローアップをいたしまして若干の調整をいたしました。 いまのお尋ねは、今回の行政改革等によってそれが再び影響を受けるのではないか、こういう御質問でなかろうかと、このように思いますが、計画全体の動きを申し上げますと、計画がスタートいたしましてから非常に大きなデフレ効果も起こっております。その一つが第二次石油危機による石油代金の非常に大幅な値上がりであります。これは非常に大きな金額に達しております。それから第二が公共事業、社会資本投資を七年計画では当初二百四十兆と想定をしておりましたが、財政事情から伸びを非常に低く抑えておりましたので、これを七年計画では無理である、八年半でやろうということで、七年間に百九十兆ということで調整をいたしました。これも当然デフレ効果になろうかと思います。 しかし、一方におきまして、たとえば貿易などは予想外に大きく伸びておりまして、国民経済全体に大きな貢献をいたしておりますし、それから民間の設備投資なども当初考えておりましたよりもはるかに大きく伸びております。それはやはり省エネルギー投資、それから設備の近代化投資、これが非常に活発に行われておる、こういうことでございます。したがいまして、経済全体にとりまして消極的な働きをする分野も若干ございますが、同時に、積極的に大きく当初の予想よりも上回っておる、こういう分野もございまして、多少の凹凸はございますが、全体としては当初目標といたしました七年間平均実質成長五・五%という目標は変えなくても大体やっていけるであろう、こういうことをこの一月に見直したばかりでございます。
○和泉照雄君 新経済社会七カ年計画といってもやっぱりこれは政府の方針でございますが、行革も政府の行政の方針でございますが、ちょっと相反する。たとえば、あなたのおっしゃる七カ年計画の中では公共事業を伸ばしていかなければならぬと、しかし答申では抑制をしなければならぬというような点が整合性がちょっと欠けておるような感じを受けるのですけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) いまのお尋ねは、ことしの一月に若干の調整をして百九十兆ということに決めた、そのためにはやはり年間ほぼ一〇%見当を伸ばしていかなければならないのに、それが計画どおり伸びない、であるから相当な影響があるのではないか、こういうお話でございますが、確かに一般会計ではゼロシーリングでありますから、これは据え置きになろうかと、こう思います。ただしかし、一般会計による公共事業というのは七光弱、六兆数千億でありまして、GNP全体の一丁五%見当であります。それ以外の公共事業がなお相当ございまして、その分に対する取り扱いはこれからどうするか。つまり、財政投融資あるいは地方財政関係はこれからどうするかということは来月の予算編成を通じて最終的に決められると思いますが、しかし伸びは全体としてはやはりことしの一月に想定をしておりましたよりも低いのではないかと、このように思います。その分は確かに経済全体に対して消極的な効果があろうと思いますが、しかし先ほど申し上げましたように予想外に伸びておる分野もございますので、国民経済全体といたしましてはことしが約二百六十兆前後、来年は二百八十兆から二百九十兆、この見当になろうかと思いますので、全体としては、成長率は、基本的に平均の五・五%という成長率は変えなくてもやっていけるのではなかろうかということを考えておるところでございます。
○和泉照雄君 いまおっしゃったとおり、七カ年計画では昭和五十四年から六十年の間に公共投資の累積額は百九十兆と、まあ本年度は同額にしましても、五十八年度以降は二二%ずつ伸ばしていかないとその目標達成ができないんじゃないかと、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 七年計画というのは、昭和五十四年から六十年までの中期のわが国の経済と社会の発展の展望はどうかということを想定した計画でございまして、今回の臨調の答申は、来年の財政運営につきましてこういう点で節約をすべきである、改革をすべきであると、こういう答申でございますので、中期計画全体に若干の影響は出ましても数年間にわたる影響ではございませんで、さしあたりは来年だけの影響でございますし、それから先ほども申し上げますように、わが国の経済の規模は非常に大きくなっておりますので、そのときどきによりまして消極的に働く分野もあれば積極的に働く分野もある、こういうことで、今回の臨調の答申を実行いたしましても、それが経済全体に大きな足を引っ張る、そういうことはなくても十分総合的にやっていけるであろう、このように理解をいたしております。
○和泉照雄君 そうなりますと、七カ年計画のやっぱり見直しを若干しなければならないと、こういうふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、毎年世界の経済事情、日本の経済事情が変わりますので、そのときどきの情勢に応じまして毎年若干の調整をしておるわけであります。 先ほど五・五%成長ということを申し上げましたが、スタートの年は五・五%を達成いたしましたが、昨年は第二次石油危機による悪い影響を受けまして三・八%に成長が低下いたしております。ことしは大体五%前後の成長が達成できるのではないか、こういうことでございまして、五・五%というのは七年間平均して五・五%になるということでございます。毎年この経済全体の実情を見ながらその大枠を決めていく、こういうことでございます。したがいまして、実際はある程度毎年調整をしながら経済の実情に合わせておるということであります。 それでは、七年計画全体についての考え方はどうかということでございますが、実はいま科学技術が日進月歩の勢いで進んでおりますし、世界経済も相当大きく変化をいたしております。そこで、企画庁ではことしから二十年後の社会、経済、エネルギー、そういう分野の展望はどうかということにつきまして、目下、長期展望委員会をつくりまして経済審議会で作業をしていただいておるところでございます。その答申が来年の五、六月ごろには出てこようと思っております。 それからまた一方で、先ほど来御議論がございますように、臨調の本格的な答申も来年の中ごろには出るであろうと、こういうお話でございますので、この二つの答申がどのように出てくるかということを十分見きわめまして、そしてそこで七ヵ年計画をこのままフォローアップしながら継続した方がいいのか、あるいは抜本的に新しい計画にやりかえた方がいいのか、そういうことについての最終の判断を来年の中ごろにしたらどうであろうか、こういうことをいま議論しているところでございます。
○和泉照雄君 やはり、七カ年計画で五・五%の成長率を維持する、確保するということになりますと、公共事業の占める重要性というのは非常に大きいわけでございますが、臨調では、五十七年度の公共事業は五十六年度並みとして新規事業は極力抑制すると、このように答申をされておりますが、大蔵省は五十七年度の公共事業費については本年度に比較をして四%ないし五%の減額の方針である、このように聞いておりますが、それは事実ですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうことを決めた事実はございません。
○和泉照雄君 公共事業のわが国の経済に占める役割りというのは先ほども申し上げたとおり非常に重要な面があるわけでございます。特に地方は公共事業依存経済のそういうような状態にもなっておりますので、臨調答申のように抑制ということになりますと非常に大きな影響がある、このように考えますが、経企庁長官、いかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 公共事業にも一般会計で行います公共事業、それから財政投融資で行います公共事業、あるいは地方の関係、いろいろございますが、大体総合計が二十四兆ぐらいだと想定をしております。したがいまして、GNPの九%に当たります。そのうちで一般会計は先ほど申し上げましたように二・五%見当であると、こういうことを申し上げたわけでありますので、それが増減をどれだけするかということによりましてはやはり相当な影響は出てまいります。ただしかし、それ以外の幾つかの国民経済には柱がございまして、それもやはり増減が相当出てまいりますので、やはり経済全体についての影響はどうかと言われますと、そういうものすべてを含めまして全体としての判断をしなければならぬ、こういうことだと思います。
○和泉照雄君 来年度は所得税の減税はございませんし、臨調答申によりまして福祉、文教予算は削減をされ、さらにまた公共事業費も本年度より減額をして、国民は景気が悪くなるんじゃないかと、このように行革デフレというんですか、そういうことを心配をしております。これは当然ではないかと思いますが、行管庁長官いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は経済所管庁の話も聞いてみましたが、なるほど影響がないとは言えないと、ないとは言えないけれども、ほかの施策のよろしきを得ればそれは吸収して、そしてそれほど心配せずに済む程度であろう、こういう判断であります。
○和泉照雄君 次は、河本長官にお尋ねをしますが、あなたは五日の経団連会館の講演の中で、来年度予算について、民間資金の導入などをして公共事業は本年度より若干でも増加させるべきだと、このように講演をされておられますけれども、民間資金の導入、公共事業の種類等の内容について、具体的にはどういうことなのか、御説明をしてください。
○国務大臣(河本敏夫君) 来月は予算編成の月でございますが、その時点におきましてわが国経済の活力が拡大、維持できる、こういうことであれば公共事業は据え置いても一向差し支えないと思いますが、他の幾つかの柱、たとえば住宅とか民間の設備投資であるとか個人消費であるとか、そういう幾つかの柱がございますが、わが国経済を支えるそういう大きな要素が非常に力が弱い、こういうことになりますと、一般会計は据え置きということになりましても、他の分野におきまして民間資金の導入等をある程度工夫をする必要があるのではないか。しかし、それは十二月の段階における来年度のわが国経済の運営方針を決める際に総合的に判断すべき材料でございますが、そういう必要が生ずるか生じないかわかりませんけれども、これからの一つの大きな課題でなかろうか、こういう趣旨のことを言ったのでございます。
○和泉照雄君 大蔵大臣、いま経企庁長官が講演の中で、特に来年度は公共事業も増加をさせなければならない、こういうふうなことを言われたことに対してどういうふうにお考えか、それが一点です。あなたの方は臨調の方で抑えるということなんですけれども、そういうようなことを講演されるという、閣僚が責任を持って言っておられるわけでございますが、そこの整合性というものが非常に疑問になるわけでございます。 また、五日の講演の中で経企庁長官が大型所得税減税——増税じゃないですよ、減税です。大型所得税減税をできれば五十八年度からしたい、こうした点では、表現は違っても総理、大蔵大臣と意見の相違はない、このようにきちっときっぱり言明をしておられますが、これはどういうふうに考えられますか。
○国務大臣(河本敏夫君) もう一回御説明をいたしますと、財政再建を成功させるためには行財政の改革ももちろん必要でございます。これはもうどうしてもやらなければならぬ大きな課題だと思いますが、同時に、大蔵省の財政再建についての試算をごらんになりますと、経済の活力を維持拡大して、来年度以降三カ年間、毎年五兆円ないし六兆円という税金の自然増収がふえてこなければいかぬ、そういう計算になっております。ことしの国税の総額は三十二兆でありますが、五十九年にはそれが五割ふえまして四十八兆になる、こういう計算を前提として財政再建ができると、こういうことになっておるのであります。したがいまして、行財政改革を成功させる、財政再建を成功させるということのためには、とにかく景気がこれだけの税収を生み出すだけの力を持っておらなければなりません。 そこで、先ほど申し上げました公共事業の取り扱いは、一般会計はゼロシーリングでありますから、これはそのまま当然進むと思いますが、それ以外の財投による公共事業であるとかあるいは地方の単独事業であるとかいろいろな種類の公共事業がございますが、そういう分野でもし全体としての経済の活力が弱いということでありますと、これはどうしてもある程度の工夫が必要である。しかし、いま財源はないというようなことになれば、そういうときには、民間には幸い資金が余っておりますから、民間の資金をある程度活用していく、そういう工夫をして経済全体が活力を失わないようにする、そういう判断も時には必要であると、そういうことでありまして、それは十二月の段階における景気全体の動向を見た上で決めるべき課題であると、こういうことを言ったのであります。 それから減税についての問題は、五十八年から減税をやると、そういうことを言ったわけじゃございませんで、現在経済を支える一つの大きな柱、最大の柱と言ってもいいと思うのですけれども、個人消費が伸び悩んでおる、その背景は実質の所得が伸びないということにあるわけでありますので、これは来年は当然無理でありますけれども、再来年以降の課題として、できるだけ早くある程度の減税ができるようなそういう前提条件をつくる必要があると、こういうことを言ったのであります。 その前提条件として、政府の方では、できるだけ高目の経済成長を遂げることによって税収を拡大していくということ、それから三K問題を中心とする思い切った行政改革をする、そういうことによりまして必要な財源を確保することによってもし財源が確保できればこれは当然減税もできるわけでございますから、できるだけ早く政府としてはその努力をすべきであると。この財政再建が終わってからでないとできないということではありませんで、財政再建も一方で進める、しかし減税ができるようなそういう前提条件をつくるという努力も並行して進めるということは十分可能でありますから、その努力を今後進めて、そして減税できるようなそういう財源づくり、前提条件を早く整備するということが必要であると、こういうことを申し上げたわけでございまして、この点につきましては総理も大蔵大臣も常に言っておられることでございますから、別に閣内で意見が一致をしていないと、こういうことではございませんで、私どもといたしましては当然の考え方であると、このように理解をいたしております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も、財源の見通しが立って、五十九年度からの赤字国債の脱却ができるという見通しが立ては賛成でございます。
○和泉照雄君 河本長官に、再度お尋ねをしますが、非常に心配されておる現象として、税収の落ち込みが相当にあるのじゃないかということで心配をされておりますが、その原因についてどうお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) ことしも税金の自然増収が四兆五千億前後ある、そういう想定のもとに予算が組まれておりますから、これだけの税の自然増収を生み出す経済の活力が維持できませんと、全体としての財政運営もやりにくいだろうと私は思うのでございます。 そこで、どうしてもやはり景気の拡大、維持ということが何よりも大切であるということを常に言っておるわけでございますが、最近の税の動向につきましては、これは大蔵大臣からお聞きいただければと思います。
○和泉照雄君 次は、住宅金融公庫の法定金利について質問をいたしますが、昭和五十一年度以来、年間百五十万戸前後で安定的に推移してきた新設の住宅着工戸数が、昨年は百二十一万戸と大幅に落ち込んだのでありますが、本年度も建設省の当初見込みである百三十万戸を大きく下回っているのではないかと、このように予想されるわけでございますが、現状はどうですか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 御承知のように、大変憂慮しておる状況でございまして、四月から九月、上半期、昨年は六十八万戸でございましたが、本年は六十五万戸、七・三%落ち込んでおります。特に、民間の関係が非常に落ち込んでおりまして一一・七%、公的資金の方は一・八%、こういう現状でございます。
○和泉照雄君 河本長官にお尋ねをしますが、長官はやはり講演の中で、住宅建設不振打開のため抜本策を推進すると、このように講演をされておりますが、景気維持のために、景気対策という観点からも住宅は大切な問題であると考えますが、わが国の経済運営を図る中での住宅投資の位置づけと、その抜本策の推進をどのようにお考えになっておりますか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) わが国の経済政策の中でも住宅政策は一番大きな問題だと、こう思っております。政府はことしの三月二十七日に第四期住宅建設五カ年計画を決定いたしておりますが、これは閣議で正式に決定をした計画でございます。ことし以降五カ年間に七百七十万戸、平均百五十四万戸の住宅を建設する、こういうことを決定いたしました。いろいろ議論はあったのでありますが、わが国では建てかえなければならぬ住宅が相当ございますので、そういうものを計算いたしますとこの見当の住宅の建設はどうしても必要であると、そういう結論に達しまして、そのような決定が正式になされたのでございます。 しかしながら、いま御指摘がございましたように、昨年はいろいろな背景がございまして百二十万戸に落ち込んでおりましたが、ことしは百三十万戸ぐらいに何とか伸びるのではないかと、このように思っておりましたが、現在は実はそのとおりいっておりません。そこで、住宅対策閣僚会議というのがございまして、そこで数月月間作業をいたしまして一連の住宅対策を決めておりますので、これを来年度の予算編成、税制改革と並行いたしまして来月決定をしながら住宅政策を軌道に乗せていかなければならぬ、これはわが国経済運営全体にとりまして最大の課題でなかろうかと、このように考えております。
○和泉照雄君 行革関連特例法案の中に住宅金融公庫の法定金利の弾力化がこのように含まれておりますが、仮に公庫金利を五・五%から六・五%、一%上げた場合、融資償還金の年間増加額はどうなるのか、木造個人住宅、マンション購入に分けて建設大臣お答え願います。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 現在の公庫の貸付金利を五・五%から一%引き上げたといたしました場合に、木造住宅を建設いたします場合、これは五百五十万円の融資というふうに計算いたしまして、年間で約四万円、率にいたしまして一〇%の返済金の増加となろうかと思います。また、マンションを購入する場合につきまして、一千万円の融資を考えました場合、年間といたしましては約八万円、率といたしまして一二%程度の返済金の増加になるというふうに考えております。
○和泉照雄君 河本長官にお尋ねをしますが、専門家筋によりますと、五・五%から一%金利を上げただけでも約十万戸建設が落ち込むと、このように試算をされておりますけれども、何戸ぐらい減って、景気にはどのように一%の値上げが影響するか。
○国務大臣(河本敏夫君) そこまでの計算は私もよくわかりませんが、ただ、住宅政策を進めていく上におきましては、金利が上がらない、むしろ下がるということの方が望ましいと、こう思っております。ただし、そのためにはわが国で金利が下がるようなそういうやはり金融政策が進められなければなりませんが、幸いに物価の方は安定をしております、国際収支の方も改善をいたしておりますので、国内的な低金利政策を進める諸条件は大体整っておるのではないかと、このように思うのですが、ただ、アメリカの高金利が御案内のような状態でございますので、海外からの影響がございますからなかなか低金利政策がやりにくい。しかし、幸いにアメリカの金利も最近になりまして下がる方向に動き出しましたし、それからアメリカも最近、いまのような高金利ではとてもアメリカの経済の回復は無理だ、やはり金利は普通の状態に戻さなければならぬと、こういうことについての理解もできたようでございますので、来年は相当下がるのではないか、こういう感じがいたします。そういたしますと、住宅金利だけではなく、わが国の金利政策全体を低い水準に持っていくための幾つかの条件は整っていくのではないか、このように期待をいたしております。
○和泉照雄君 大蔵大臣がおりませんので総理にひとつお尋ねしますが、いまいろいろと答弁の中で、金利を上げると住宅が落ち込む、だから下げた方が効果的であるというような御答弁もありましたように、今回金利の弾力化が出されておるわけでございますが、これは私はもう断じてやっていただいたら日本の景気の浮上の問題にも影響があるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。 そこで、私ども中道三会派の要求事項として、住宅金融公庫の法定貸付金利については特例適用期間中においても現行制度並びに現行金利の存続を明確にする措置を講ずるよう、このように要望したところでございますが、最初は大蔵大臣は非常にあいまいな答弁のようでございましたけれども、十月二十七日、私どもの党の正木代議士の質問では、極力上げないように努力をしますと前向きの答弁をされておりますけれども、しかし衆議院のこのときは、法案はそのままで極力上げないようにするという答弁でありますので、再度私は確認をいたしたいと思いますが、金利は当分五・五%に据え置くという腹づもりでそうおっしゃったのか、そういうお考えなのかですね、また、いま河本長官も、試算をしておらないけれども、専門家の話ではやっぱり十万戸も目減りをするというようなことになりますと、これは大変な問題が出てくるわけでございますが、この問題をどのようにお考えか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 住宅問題は、国民生活にとりましても、また河本長官から御説明申し上げましたように、現下のわが国の国民経済の中におきましても、住宅の建設を促進をする、これは非常に私は重要な問題であると認識をいたしております。今回のこの特例法案におきまして金利法定制の弾力化というものをお願いいたしておりますが、これはこれとして、もうこの住宅金融公庫の金利につきましては、いま申し上げたようなことを政府としても十分考慮に入れております。そういうような観点からいたしまして、この特例法の適用期間中といえどもそういう点を十分配慮し、ただ財政という観点だけでなしに、私どもはこの住宅政策を滞りなく進めていくということについて、金利の設定、政令の作成の段階におきましては十分配慮してまいりたいと、こう考えています。
○和泉照雄君 私はこういうふうに受け取ったんですが、財政ということだけじゃなくて、やはり日本全体の経済ということを考えて十分に配慮するということになりますと、大きな声では言えないけれども据え置くと、こういうふうに理解せざるを得ないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 和泉さんがそういうぐあいに御理解いただくように、私が住宅問題を非常に大事に考えているということだけは申し上げておきます。
○和泉照雄君 じゃ、関連しまして、住宅金融公庫に対する補給金をめぐる問題について質問をいたしたいと思います。 公庫に補給金制度が導入されるに至った経緯について、大蔵省の方から御説明を願いたいと思います。
○政府委員(西垣昭君) お答え申し上げます。 住宅公庫の調達金利コストとそれから貸付金利コストとの差を何で埋めるかということにつきまして、当初は出資金を出すことによって調達コストを低くして、それで貸付金利コスト、貸付金利の水準を低くする、こういう仕組みをとっておりました。昭和四十年度以来、そういう出資金ではなくて、補給金で出すということで、昭和四十年度の当初の補給金の予算が二億四千七百万円、それがずっと続いてまいりまして、五十五年度で千七百七十六億ということできたわけでございます。五十六年度につきましては相当額の補給金の増額が必要であるということで、当時の財政事情、それから金利水準等も勘案いたしまして、それをまるまる計上することについては財政上もいろいろと無理があるということもございまして、五十五年度の補正後の補給金の予算額を超える分の要補給額の差額の五分の一だけを五十六年度に計上するということで五十六年度予算を組んだわけでございます。 それでは、五十七年度以降はどうするかという問題でございますが、その点につきましては、五十七年度予算編成の過程で十分慎重に検討するということで、私どもこれから詰めていきたいというふうに思っております。
○和泉照雄君 建設大臣にお尋ねをいたしますが、補給金制度に対する性質上、国の責務については建設大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 国の住宅政策の重要性につきましては私から改めて申し上げるまでもございません。国民に良質の住宅を供給するという政治課題を負っております私たちから言いますれば、この補給金制度につきましては重要な問題として引き続きやってまいりたいと、どのように考えておるところでございます。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
○和泉照雄君 そういう答弁じゃなくて、逆ざやで起こってくる損失を国が補給するというのはその責務上当然ではないかということをお尋ねしたのですが、そういうようなお答えはどうですか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 国の住宅政策で補給金制度は当然ではないかと言いますると、いささか当然という言葉についていかがなものかというように考えられてまいりますが、そうした次元でなく、国の政策として、一つの制度として、また国民の住宅ニーズというものが高うございますので、経済バックグラウンドあるいは所得環境あるいは住宅事情等を考えながら、制度として現在のところは現行のままがよろしいというようにお答えをいたしたところでございます。
○和泉照雄君 では、昭和五十六年度の、先ほど御答弁がありました財投から借り入れをしたというようなこともあるようでございますが、そういうことも含めて、その措置内容について確認をしたいので、詳しくひとつ御答弁願いたい。
○政府委員(西垣昭君) 五十六年度の措置でございますが、先ほども申し上げましたように、もし従来と同じような繰り延べをしないで計上をするといたしますと、二千七百八十億必要でございまして、これに対しまして五十五年度の補正後の予算額が千九百五十四億円でございまして、先ほど申し上げましたようにその差額の八百二十六億のうち五分の四を繰り延べさせてもらう。それで五十六年度にはその差額八百二十六億と六百六十一億の差額、つまり五分の一相当額と繰り延べたことによる利子分、それだけを計上する、こういう措置をとったわけでございます。
○和泉照雄君 次は、資金運用部資金の運用原則について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(酒井健三君) お答え申し上げます。 資金運用部資金は、資金運用部資金法に基づきまして、安全確実かつ公共性のもとに運用しなければならないことになっております。
○和泉照雄君 そうしますと、いまの運用部資金法の第一条によりますと、安全確実性、こういうことから見ますと、補給金の肩がわりとして六百六十一億、運用部資金の資金をお借りになったということは、これは法第一条に抵触をするのではないか。安全確実というところから、足らなかったからそれを補てんをするために借りて穴埋めをしたということだけでは抵触するのじゃないかと思いますが。
○政府委員(西垣昭君) 御説明申し上げます。 補給金につきましては、その一部を繰り延べたことは事実でございますが、それを国の一般会計の負担において住宅公庫に補給するという方針につきましては変わるところがないわけでございまして、五十五年度まで当該年度の一般会計の負担にしていたものが五十六年度以降は繰り延べるだけでございまして、その点については全く違いがないわけでございます。
○和泉照雄君 しかし、補給金の肩がわりとしての融資ということになりますと、その元本の償還の保証があるのかどうか。それがないから安全確実性に欠けて法第一条に抵触をするのではないかと、こういうふうに申し上げたのですが、いかがですか。
○政府委員(西垣昭君) 住宅公庫に対する補給金につきましての予算計上につきましては、国の方針といたしまして計上しているわけでございます。従来の方針は当該年度に計上するという方針でございます。しかし、今回繰り延べるに当たりましても、一般会計で負担するという方針は変えておりませんので、その点については後年度にはなりますけれども必ず計上すると。それで、五十六年度の措置といたしましては五年間で計上するという方針でございますので、その点については問題はないかと存じます。
○和泉照雄君 肩がわりとしての融資は借入金の利払いに充てられるものであって費消ということになるわけでございまして、そうすると元本の償還の保証がない、安全確実性の第一条に抵触をする。あなたの方でそれが保証するようにしてあるとおっしゃるんだったら、債務負担のそういうような措置をどのようにしてあるか、具体的に示してもらいたい。
○政府委員(西垣昭君) 住宅公庫の利子補給金と申しますのは、最初にも申し上げましたように、従来から住宅公庫が貸し付けておりました貸付金の金利と、それから従来から住宅公庫が資金運用部から借りておりました借入金の金利の差額を補給するというものでございます。これは過去の契約に基づきまして貸付けたものでございまして、今後もずっとその利子補給の負担というものは生ずるわけでございまして、その負担を一般会計で負担するというのは、これはその年その年に従来からの貸付金の残高累積というものの中から金利差を埋めなければならないものを計算いたしまして、当該年度に発生する利差をその年に計上をして一般会計は負担をする。利差を負担するという点につきましては、これは過去からの累積でございまして、それをどういうふうに支払うのかということは、その年その年の予算の計上でございます。従来は、それを当該年度におきまして計上していたわけでございます。これは法律的にそうなっていたというのではなくて予算計上でそうしていたわけでございます。今回、五十六年度の措置は、そのうちの一部を後年度に繰り延べるということでございまして、予算で処理をするという点につきましては従来と全く違いがないわけでございます。
○和泉照雄君 補給金というのは、公庫の業務執行上生じる損失、すなわち借入金利と貸出金利の差を補てんするものでございまして、その一部を一般会計からの補給にかえて資金運用部から融資することは、いまいろいろやりとりありました中で非常に疑問であると、このように思うわけでございます。 ことしの昭和五十六年度の措置については、総理並びに大蔵大臣は、このことについて私のところの草川代議士がいろいろ質疑をしておりますが、その中で大蔵大臣は、やむを得ない措置であり、今後極力避けたいと答弁をしておられますが、この考え方については変わりはないかどうか、総理の御見解をお伺いします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十六年度予算編成の段階におきまして、財源、財政上の事情から、いま西垣次長から申し上げたような措置をとったわけでございます。しかし、今後におきましては、政府の責任において公庫の方に支障を来さないようにやってまいる考えでございます。 なお、この補給金の問題につきましては、一般会計から補てんをするというこの措置、方針は今後も継続して政府としては実行してまいりたいと、こう思っております。
○和泉照雄君 ところで、建設省は昭和五十七年度予算の概算要求で、補給金としては前年比一六・七%増の二千五百三十七億円を要求しておるようでございますが、この中には五十七年度発生分所要額、五十六年度繰り延べ措置に係る所要額、五十八年度以降に繰り延べる措置額がどのように繰り込まれているか、詳しく、飛ばさないで、懇切丁寧にひとつ説明願いたい。 また、補給金所要額は年々ふくらんで、昭和六十年度には五千百億円、六十五年度には七千五百億円にも達すると言われております。こういう状況になりますと、建設省予算に匹敵するようなことになりまして、住宅政策しかできない、道路建設等そういうようなことはできないというようなことになるのじゃないかと危惧するわけでございますが、そういうことも含めて答弁を願います。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 昭和五十七年度の住宅金融公庫の補給金につきましては、概算要求の段階での積算の内容につきまして御説明申し上げたいと思います。 まず、昭和五十六年度の繰り延べ措置がなかったとした場合におきますところの昭和五十七年度の公庫の本来の補給金につきましては三千二百六十九億円というふうに計算されております。 ところで、概算要求につきましては、まず、昭和五十六年度の予算額二千百七十四億円をベースに、この額を上回ります、本来必要額の約十分の一に相当する百十一億円を加えた二千二百八十五億円を措置いたしまして、残りの九百八十四億円を五十八年度以降に繰り延べることといたしております。 次に、昭和五十六年度予算額において昭和五十七年度以降四年間で措置することといたしました額、当初予算におきましては六百六十一億円でございましたが、財投金利の引き下げによりまして現在では五百九十七億円と推計いたしておりますが、その四分の一の百四十九億円を措置し、これら措置額と繰り延べに係る利息百三億円の計二千五百三十七億円を五十七年度の必要な補給金の額として計上し、概算要求をいたしているところでございます。 また、住宅金融公庫の将来の補給金につきましては、その貸付戸数あるいはまた貸し付けの諸条件等によって異なりますが、この補給金は元来過去に融資いたしましたものの累積であるところから、今後ともある程度の率でもってふえていくということは事実でございます。ただ、これらにつきましてどのようにしていくかということにつきましては、今後の予算編成等の過程におきまして政府部内で十分検討させていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○和泉照雄君 もう一遍確認をしますが、五十七年度発生分の所要額は三千二百六十九億円、その内訳はどうなっておるのか。五十七年度の貸し付けに係る分はどれだけ、五十六年度以前の貸し付けに係る分はどれだけか。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 先ほど申し上げました五十七年度の本来の必要額三千二百六十九億円のうち既往分に係ります額、すなわち五十六年度までに貸し付けをいたしましたものに係る補給金は三千六十二億円、九三・七%を占めておりまして、その残余が五十七年度の新規貸し付けに係る分の補給金というふうに計算いたしております。
○和泉照雄君 ただいま答弁がありましたように、公庫補給金は、五十六年度に三千六十二億円、約九〇%が過去の契約によって国が当然支出しなければならないものであります。仮に建設省の要求にあるような繰り延べ措置を講ずるならば、五十七年度に公庫は千四百億円を超える赤字を計上することになります。このことが今回の行革関連法案のような金利の引き上げの論議を呼ぶことになるのではないかと、このように思うわけでございます。したがって、五十七年度予算の策定に当たっては、公庫補給金については、総理、シーリングの枠外扱いとして国の財政全般の中で一般会計で措置するようにすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 住宅金融公庫に対する金利差額の補給金の措置の問題につきましては、従来から一般会計でこれを補てんしてきておるわけでありますが、この考え方、この基本を変えるつもりはございません。財政事情を勘案しながら、それをどのように具体的に措置するか、問題はこれは研究さしていただきますけれども、一般会計から従来どおり補てんをしていくという考え方、これは変える考えは持っておりません。
○和泉照雄君 次は、行管庁長官に一連してお尋ねをしておきたいと思いますが、今回の行革の一括法案から除外となった地域特例の法律についてお伺いをいたします。 まず、その法律名と、除外になった基準、理由について明確に述べていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 技術的な問題でありますので、政府委員から御答弁申し上げます。
○政府委員(佐倉尚君) 除外された地域特例関係法律、これは全部で九本ございます。 まず理由でございますが、まず第一番目の種類は五十六年度末に期限が到来するものでございます。これが沖縄振興開発特別措置法でございます。それからもう一つ、琵琶湖総合開発特別措置法、それから豪雪地帯対策特別措置法、この三本でございます。それから二番目の種類としまして災害復旧に係るもの、どれが公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、それから積雪寒冷地域道路整備確保法、もう一本、小笠原諸島振興特別措置法でございます。それから三番目の種類でございますが、住民に特別の受忍を強いるものとしまして新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律。もう一本が水源地域対策特別措置法。それから四番目の種類でございますが、これは市町村事業に係るものでございまして、この中には明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法、以上九本でございます。
○和泉照雄君 今回の行革一括法案から除外になった本年度終末期を迎える地域特例の法律については、当然次の通常国会で具体的に取り扱われるということになるでありましょうが、政府はこれをどのように対処しようと思っておられるか、その方針だけ聞かしてください。
○政府委員(佐倉尚君) 先生のお話のいまの点につきましては、その時期に慎重に検討したいというふうに考えております。
○和泉照雄君 慎重に検討をするということでございますが、非常に影響性の大きな法律でございますので、個々について質問をしてまいります。 本年度末期限切れになる琵琶湖総合開発特別措置法、豪雪地帯対策特別措置法については、技術的には今回の法案には盛り込まれなかったということでございますが、しかし琵琶湖法は水源地域対策法と類似をしておりますし、豪雪法も災害復旧に係る法律のために内容的には終末期に廃止は絶対に私はすべきではないじゃないかと思うのでございますが、豪雪法においては、基幹道路の整備事業については後進地域の開発に関する公共事業国庫負担特例法の補助率かさ上げが適用されております。延長になりますと自動的にカットになるのではないかと思いますが、しかしこの法律は災害復旧ということでございますので六分の一のカットは私は免れるのではないかと思いますが、その点を一つ。両法を延長して現行補助率維持のまま財政再建期間中も六分の一カットをすべきではないと、このように考えておりますが、行管庁長官、国土庁長官、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) これらの問題の処理につきましては、その地域の実情、それから関係方面の意見等を十分考えまして、また臨調答申の趣旨も踏まえて最終的にはよく話し合って解決していきたいと思っています。
○国務大臣(原健三郎君) 豪雪の特例法あるいは琵琶湖に関するもの、いずれも非常に緊要なものでございまして、なおこれから検討してやっていく、こういう趣旨でございます。
○和泉照雄君 いまから検討するといって、五十六年の三月三十一日までですよ。
○国務大臣(原健三郎君) いま直ちに続けてやるかやらないかという言明はいたしかねますが、いずれ十二月になりますと直ちに予算折衝に入ります。そのときにはっきり続けるか続けないか御答弁しますが、国土庁といたしましては、これはいまだいずれも解決した問題ではございませんので、ぜひ継続してやってもらいたいという意向を持っておる次第であります。
○和泉照雄君 ぜひ強い態度で、特に災害防除という、復旧という意味合いからも、この二法は延長を強くひとつ要望してください。 次は、特殊土壌法というのは本年度で終末期を迎えるわけでございますが、この特殊土壌地帯は関係県が十四県もあります。全国土面積の一五%を占めておりますが、これも同法によって事業推進をなされてまいりましたけれども、今日なお特殊土壌に起因する災害発生の危険性と農業生産力の低位性を十分に除去し切れない状況にあります。 特に、鹿児島県は代表的な特殊土壌地帯で、シラスだけで県土全面積の五一%を占めるなど、県土の大半が特殊土壌に覆われております。鹿児島の場合は降水量が多いため、シラス丘陵地の斜面が大規模な崩壊をしたり土砂流出が発生するなど、特殊土壌に起因する災害が多発するという傾向が多うございます。鹿児島の災害防除及び農地改良の整備は順次なされておりますけれども、しかし、いまだに急傾斜地崩壊対策は一六%、畑地灌漑は七%と非常に低い整備水準であります。五十七年度以降相当の残事業も抱えております。何としても特土法を延長して着実な特殊土壌地帯対策の推進を地元では強く望んでいるわけでございます。 全国的に見ても、早急に実施すべき多くの特土対策事業、五カ年間の事業費は一兆八千億でございますが、この金額も残されております。引き続き特土対策を強力に推進する必要があるわけでございますが、特殊土壌法は、財政的には後進地域の開発に関する公共事業国庫負担の特例法の補助率がさ上げの適用を受けており、そうなると、延長されれば自動的に六分の一カットになるのではないか、こういうふうに思っておるわけでございますが、いかがですか。
○国務大臣(原健三郎君) 御承知のように、特土法の終期が到来後の措置については、特土地帯の実情及び関係方面の御意見を十分配慮し、臨時行政調査会の第一次答申の趣旨を踏まえて適切に対処したいと思っておりますが、私自身もこれは鹿児島県知事等から非常な熱烈な陳情も受けてよく存じておるところであります。国土庁としては、いまお話のありましたように、特土地帯の特性に応じて災害の防除及び農業生産の向上等の対策を強力に推進していくことが今後とも必要である、またそういう任務はまだこの法律としても終了いたしていない、こういうような考えに従って今後とも特土地帯対策を実施していかなければならないと強く考えておるところでございます。
○和泉照雄君 特に、特止法は災害の予防の性格を十分に持った法律であると思います。この一括法案の中では災害復旧という性格を持った法律は除外をされておりますが、そういう点から考えるとちょっと本末転倒ではないかと、予防をしておくことが災害を起こさないことに通ずるわけでございますから、延長しても六分の一カットということは当然これはやってはならないと、このように思うのですが、長官どうですか。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
○政府委員(柴田啓次君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、特殊土壌法自体にはかさ上げの特例を定める規定はございませんで、特殊土壌地帯対策事業計画に基づいて実施される事業に、御指摘の後進地域特例法が適用されてかさ上げをされるわけでございます。 後進地域特例法は一括法案の対象になっております。それで、特土法が単純延長された場合には、やはり同じように後進地域特例法の関係になりますので、かさ上げの特例措置について六分の一カット問題というのは、仮に単純延長の場合にはそれが適用されるというふうに考えるわけでございます。 なお、その災害復旧に関してこのたびの地域特例から除外したものがございますが、それは災害復旧事業と、それから土砂の崩壊等による直接に災害に関係しそうな事業、緊急治山、緊急砂防、緊急地すべりに限っておりまして、それらに関連する特土事業ももちろんございますが、特土事業の全体を災害の復旧として考えるというのはいまの段階ではちょっと無理でないかというふうに考えるわけでございます。
○和泉照雄君 先ほど申し上げたとおり、予防のための特土法を六分の一カットにひっかけて復旧の方を除外するというのは本末転倒であると、これは十分検討してもらいたい。 次は、沖振法の延長に絡んで質問をしてまいります。 九月十四日、現職の総理として総理は復帰後初めて公式訪問をされたわけで、飛行機の上から全島をごらんになって、先般の中野委員の質問では、全島を見た、そして格差が相当ある、それで沖振法の延長についても深い理解を持って帰ってきたと。このように、認識を持って、理解じゃなくて認識を持って帰ってきたと、このように答弁をされておりますが、沖振法の延長と現行の補助率維持という、並びに第二次の沖振の計画をどのように——いろいろ手続はおありでしょうけれども、総理として現地に行かれてどういうふうにお考えなのか、お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先般お話がございましたように、私は沖縄を視察いたしました。これは沖縄が復帰後ちょうど十年を迎えようとしております。また、沖振法が制定をされましてから今年度末で十年を迎えるわけでございます。そういうような観点から沖縄を視察いたしますと同時に、沖縄県の各界各層の皆さんの御意見をよく承りたい、また自分もこの目で復帰後十年の沖縄の姿を見たいと、こういうことで沖縄の視察をしたわけでございます。 私は、沖縄県が相当目覚ましい復興ぶりを示しておるということ、また沖縄県民がそういう意欲を持って取り組んでおるということ、これを目の当たりに拝見いたしまして非常に意を強くしたところでございます。しかし、本土との間の格差はいまだ十分埋まっていないということも事実でございます。したがいまして、私は、沖振法のこの期限切れに当たりましては、いま申し上げたような認識の上に立ちまして、また沖縄振興開発審議会の答申等を踏まえまして、沖縄に対する対策、第二期の沖縄開発振興計画等につきましても十分政府として配慮してまいりたいと、こう思っております。
○和泉照雄君 特に、沖縄の方々が非常に関心があり、また心配しておられる中の一つとして、沖振の延長はそういうふうに図ってもらっても、現行補助率を維持ができるかどうかということが非常な関心事になっておるようでありますけれども、この点はどうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) その点は、関係各方面、政府部内におきまして十分詰めたいと思っておりますから、いまここではっきりどの条項、どの対象はこうするとか補助金はこうするとか、そういうことを申し上げませんが、前段で私御答弁申し上げたような認識、心構えで沖縄の今後の開発振興のために配慮してまいりたいと思っております。
○和泉照雄君 非常にデリケートな御答弁でありますけれども、占領下に長い間苦労された地域でございますから、総理府の世論調査でもやはり要望しておる点も相当にまだありますので、やっぱり現行の補助率は維持をするということを強くひとつ要請をしておきたいと思います。 それから総理は沖縄県の各界代表の方々との懇談の席上、沖縄を今回の一括法案から除外したのは格別の配慮をしたからであると、このような趣旨のことをお述べになっておるようでありますけれども、格別の配慮というのはどのようなことなのか、具体的にお知らせください。
○国務大臣(鈴木善幸君) それは、もう今年で現在の沖振法は期限切れになる、そういうものをいま取り上げて、そして地域特例のかさ上げを一部カットするというようなことは避けるようにしたということ、それから沖縄の厳しい現状を十分踏まえて、そして第二期の沖縄開発振興計画を考えたい、こういう考え方に基づいて申し上げた次第でございます。
○和泉照雄君 私は、格別の配慮とありますから、何か格別なひとつおみやげを持ってこられたのではないかと現地の人はそういう期待感を持つわけですよ。それで六分の一カット、延長した場合六分の一カットは当然これは除外をされるということやら、あるいは先ほど申し上げた現行補助率の延長とか、そういうことをおみやげに持っていかれたということが格別の配慮という言葉になってあらわれたのじゃないかと、こういうように思うのですが、余り失望させないように御答弁願います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 沖縄の皆さんにお会いをして、直接いま申し上げたようなごあいさつをしたわけでございますが、失望いたしておりません。大いに意を強くしたという感じでございます。私もこの期待にこたえるように努力したいと、こう思っております。
○和泉照雄君 じゃ、総理の前向きな力強い答弁で、そういう内容を含んでのお言葉であったと、このように理解をして次に進めます。 今回の一括法案の対象になっております奄美群島振興開発特別措置法についてお伺いをします。 総理は、沖縄視察の後、奄美群島を訪問してつぶさに実情を視察されたわけでございますが、現地の市町村長、議会関係者、鹿児島県知事からも実情、要望等を詳しく聞かれたと思いますが、奄美群島を訪問され視察されてどのような御所感をお持ちでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 奄美群島は本当に風光明媚、人情細やかなところでございまして、私も住民の方々の非常な純朴なこの中央に対する期待、そういうようなものを聞きまして、頭の下がる思いがしたわけでございます。 率直に申し上げまして、本土と沖縄の間にも地域の格差がまだ残っております。ところが、沖縄よりも早く本土復帰が認められた奄美大島は、もう小学校から中学校へ進んだというようなこともあって、いろいろな国の補助率その他の面で、あるいは開発計画等の面で、沖縄よりも奄美大島の方はもう先に返ってきて相当進んだのだからというような考え方等がありまして、実際に行ってみると非常におくれておる。だから、本来であれば、本土、奄美大島、沖縄と復帰の順からいうとそういうことでなくちゃいかぬように思うわけでありますけれども、本土、沖縄、そして奄美大島はいま遅々として、開発振興がおくれておる、こういうのを私つぶさに見てまいりました。これは沖縄との関連においても十分考えなければいけないなと、こういう率直な気持ちを持って帰ってきたわけであります。
○和泉照雄君 本当に総理はいいところを見ていただきまして、本土と沖縄の谷間にある、これが奄美でございます。そして、奄美というところは、沖縄も大変でございますけれども、奄美はそれ以上に高い山が多いし平地が少ない。そういう島に二十万の島民がおります。そのほかに島民と同じ以上のハブというやっかいなものが住んでおるわけです。そして、二十八年に復帰はしましたけれども、僻地診療で一生懸命やっておられた旧医介輔という方々については、沖縄の方は資格はそのまま残りました、これは長いという期間もあるでしょうけれども。ところが、奄美の場合はその資格を取り消しをされました。やっとことしですか、一月、大臣が行かれて表彰状を上げるというようなことで結末をつけ、それからまたガリオア、エロア基金の不良債権もやっと三十何年ぶりで片がつくというような、そういう格差のある処理をされておったわけですよ。また、これもやはり再建期間中に終期が来るわけでございますけれども、延長は当然しなければならない、こういうように思いますけれども、そういうことも含めて、もう終わりの質問としてひとつ総理の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど御答弁申し上げましたように、奄美大島につきましては、ちょうど本土と沖縄の谷間にある、これが忘れられてはいけないと、こういう強い印象を受けて帰ってまいりました。今後の施策の中に生かしてまいりたい、こう思っております。
○委員長(玉置和郎君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後七時八分散会 —————・—————