行財政改革に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/11/06
会議録
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨五日、松尾官平君が委員を辞任され、その補欠として福田宏一君が選任されました。 —————————————
○委員長(玉置和郎君) 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。野田哲君。
○野田哲君 私は、質疑に入る前に委員長に要請をいたしたいと思います。 一昨日の私の質疑、さらに関連をして質問に立った小柳理事から、先日のロッキード裁判に関して証人として出廷をした榎本三恵子氏に関連をする奥野法務大臣の発言は、法務大臣としてはきわめて不適格な発言である、あの発言は明らかに裁判に対する介入、指揮権発動にも類する行為であると私たちは受けとめております。そして、ロッキード問題に対する国民の関心は、その後の榎本三恵子氏の新聞、テレビ等の場におけるインタビューあるいは手記の発表、そして昨日のロッキード事件に関する太刀川被告、小佐野被告等に対する判決によって、国民の関心は改めて非常に高まってきております。 そういう状態の中で、当委員会で私どもが要求をした奥野法務大臣の辞任あるいは罷免の要求について、委員長は理事会で協議、こういう扱いになっているはずであります。その取り扱いがそのままで、私たちはこのまま質疑を続行することはできない、そういう考え方に立っておりますので、委員長のこの問題に対する処置がどうなっているのか、これからどうされるのか、こういう点について、直ちに休憩をして理事会においてまず説明をいただきたい。このことを私は要求をいたします。(発言する者多し)
○委員長(玉置和郎君) 御静粛に、願います。 ただいまの野田哲君要求の奥野法務大臣の発言問題につきましては、理事会で協議いたします。 委員会は暫時休憩いたします。 午前十時十三分休憩 —————・————— 午前十時四十八分開会
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を再開いたします。 この際、御報告いたします。 ただいま理事会において協議いたしましたところ、本問題につきましては、理事会においてさらに協議を続けてまいることとなりましたので、御了承願います。 それでは、休憩前に引き続き質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 私は、行財政改革問題の質疑に入る前に、これと重大な関心のあります昨日のロッキード裁判の諸判決、すなわち児玉ルート、小佐野ルートの判決公判が昨日東京地裁刑事二十五部で開かれ、公判で半谷裁判長は、ロ事件に関与しながら国会でうその証言をしたとして議院証言法違反に問われた国際興業社主小佐野賢治被告に対し、懲役一カ年の実刑の判決を言い渡しました。この判決は、ロッキード事件全般に重要な影響を与えるものだと私は考えます。また、国民もロッキード事件について、政治の最高の地位にあった人のかかわりについて重大な関心と不信を持っています。昨日の判決を見て、やっぱりだなと、こんな印象を受けたというふうに私は新聞を通じて思います。 そこで、鈴木総理にお伺いしたいのでありますが、鈴木総理は行政に何を求められているかということに対しまして多くのことを言われていますが、その中の一つとして、やはり行政というのは国民の信頼を得なければならないわけでございますから、常に綱紀の粛正を図る、倫理の確立を図る、そして国民の皆さんから信頼される政府、心の通った政府をつくる必要があると答弁をされております。この観点から、昨日の判決に対しての総理の所感を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま安恒さんからお話がございましたロッキード関係の判決、これは司法当局が慎重に審理を進められた結果でございまして、行政府の責任者である私がこれに対して論評を加えるということは適当でないと、このように考えておるものでございます。 特に、小佐野氏の問題につきましては、国会における証人の陳述、議院証言法に基づいて行われたのに対する責任が厳しく問われておるわけでございまして、私は国会の権威というような観点も踏まえまして、厳粛にその判決を受けとめておるところでございます。
○安恒良一君 総理、もちろん私も判決について総理がどうこう言われるというのは、これは三権分立がありますから、そういうことを申し上げているわけじゃないんです。いま私が申し上げたような、総理がおっしゃっているところの綱紀粛正や倫理の確立ということが言われています。また、国民もきのうの判決を見て町の声ということで大変重大視をしている、こういうことについての総理の所感をお聞きをしているわけですから、続いてそのことについて総理、何かありましたらお答え願いたい。総理の所感であります。どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 行政が国民に信頼をされなければならない、また心の通った政府でなければならない、このように私はしばしば申し上げております。そういう観点から、今回の判決につきましては、先ほども申し上げましたように、厳粛にこれを受けとめておるということでございます。
○安恒良一君 それではまた、これを長くあれするわけにいきませんから、次に譲ることにいたしまして、私は防衛庁長官にお聞きをしたいのでありますが、小佐野被告がロッキード社のコーチャン社長から、児玉氏と同席の上、P3Cの日本政府売り込みの援助を頼まれた、児玉氏と協議したと、こういうことが明らかになり、いわゆる児玉氏、小佐野氏が何らかの形で日本政府に売り込みに働いた、こういうようなことが推察をされるわけでありますが、ロ特委員会で防衛庁長官、それから防衛庁の幹部はこれらの追及に対しまして、日本政府は自主的な調査と研究、こういうことで決定をした、だから全然そういう事実はないと、こういうことで当時否定をされておるわけでありますが、私はきのうの判決の中で、児玉氏や小佐野氏がそういう働きかけをしたという事実はほぼ明らかになったと思います。こういう点についてひとつ防衛庁長官としてどうされるのか。 たとえば、重要な疑惑がわかった場合は見直しをする、こういう議論も当時されているようでありますが、御承知のように、本年度の予算の中にもP3Cの購入費が組まれておりますし、これからの防衛費の中にも重要な予算にP3Cの購入がなっていますが、そういう点についてどうされようとするのか、防衛庁長官のお考えを聞かせてください。
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。 今回の判決は、小佐野被告が去る五十一年二月の衆議院予算委員会において行った証言について議院証言法違反に問われたものと理解しており、このことは、これまでも明らかにしているとおり、P3Cの導入について何らかの犯罪行為があったことを示すものではないと理解しております。また、P3Cの導入につきましては、あくまで技術専門的観点から費用対効果等を考慮の上、純粋に防衛上の見地に立って選定されたものであり、何ら外部からの不当な影響があったとは考えておりません。今後、現有のP2J等の減耗を補充し、対潜能力の維持向上を図るためにはP3Cを装備することが必要であると考えており、このため五十七年度においても所要のP3Cの調達を行いたいと考えております。
○委員長(玉置和郎君) 野田君から関連質疑の申し出があります。これを許します。野田君。
○野田哲君 ただいま安恒委員から指摘のありましたP3Cの導入にかかわる疑惑の問題については、ただいまの防衛庁長官の説明では、昨日の判決は外国為替管理法違反容疑あるいは証言法違反、こういうことでの判決であってP3Cには何らかかわっていないかのような答弁をされておりますけれども、小佐野被告の有罪となる判決の理由の中には、P3Cに関する工作についてもコーチャンから要請があり、そして国際興業本社において小佐野、児玉と会談をして、そしてその工作を受けるに当たっては手数料の増額の要求が行われて、それによってあの修正四号の改定が行われてきた。つまりコンサルタント料の引き上げが行われた、こういう経過が具体的に指摘をされているわけであります。 そうして、これらの問題を国会で疑惑の解明の審議に当たってきた当時のロッキード問題の特別委員会、私も委員をずっと務めておりました。その席では、当時の三木総理も防衛庁長官も、P3Cにもし導入にかかわって政治工作等の疑惑があった場合には、P3Cの導入を一時中止をしてその疑惑の解明に当たる、こういうことを約束をされていることを私は記憶をしております。それにもかかわらずP3Cの導入を進めてきたのは、政府は疑惑はないという強弁をしてこられたわけであります。しかし、その疑惑は今回の小佐野被告の判決によってきわめて明確になったわけであります。したがって、当行財政改革特別委員会としては、国費にまつわるそのような疑惑が改めて大きく浮かび上がってきたわけでありますから、この問題についての徹底解明の機会をぜひ委員長でつくっていただきたいし、政府としても関係資料を当委員会に提出をして審議の資料に供していく、こういう措置をぜひとってもらいたいし、とるべきだと思いますので、委員長の善処を要望いたしたいと思います。
○委員長(玉置和郎君) 理事会で協議します。
○安恒良一君 私は、野田さんの関連質問の中で防衛庁長官の答弁は大変疑惑に思いますが、理事会で議論をする、こういうことでありますから、この問題はそれに譲って次に入ってまいります。 そこで、私は、政府が国政の舞台で追求をしようとしております行政改革路線、社会保障、社会福祉の分野について見ますと、それは単なる財政再建までの時限的な政策ではなくして、今後のわが国の社会保障、社会福祉のあり方を政府、財界から見て望ましい方向に変更するための政策を示したものであるとして危惧を持たざるを得ません。そこで私は、政府の行財政改革と社会保障に対する基本的な考え方に関しまして、総理以下関係大臣に問いただしたいと思います。 まず第一の問題は、財政赤字の真の原因がどこにあるかということを正確に理解することが、今後の政策を進めていく上できわめて重要だと私は思います。政府側はあたかもそれは人件費を中心とした一般経費や社会保障費、文教費の増大にあったことを強調し、それを前提として、財界みずからが切り込み、痛みを切実に負おうとしないで、発言力や組織力の弱い社会福祉、医療、文教に厳しい負担を迫るという態度には私はどうしても納得できません。 そこで、今回の行政改革案はどのような発想から今日提案するに至ったのか、また今後どのような考えで政策を展開をしていく考えなのか、行政改革と社会保障の関係について総理並びに行政管理庁長官の答弁を求めます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の行政改革に当たりましては、臨調の答申にも盛られておりましたが、活力ある福祉社会の建設、それから国際平和を中心とする国際的貢献の増大、そういう大きな二つの目標を日本としては心がけて行う、それを実行するにふさわしい政府機構をつくっていこう、そういうことでいまいろいろな検討が加えられておるわけでございます。そして、それをやるにつきましては聖域を設けない、防衛も社会福祉も文教も聖域ではない、そういう考えに立ちまして国民的な公平感に立ってすべてを洗っておるというのが現状でございます。 もちろん、国政の中で社会福祉や文教やあるいは公共事業の占める役割りは非常に重かつ大でございますから、それだけにいままで重視されてきたのだろうとは思いますし、また経費もかなり配当されてきておるのではないかと思われます。しかしそれは、重大であるがゆえに配当されてきたという点もあるわけでございます。しかしながら、簡素にして効率的な政府をつくる、すべてをもう一回見直してみるという面から見ますと、これは聖域を設けないですべて平等に当たってみるということでございまして、いまそれを続行しておる最中でございます。 その中には、たとえば年金問題につきましても、これを統合せよという強い御要望もございます。あるいはいわゆる三K問題というものも大きなアイテムとして登場してきておるわけでございまして、必ずしも福祉とか文教とかというもののみを目のかたきのようにしてやっているのでは絶対ございません。われわれの目標は活力ある福祉社会、日本的福祉社会の建設と、それから平和を中心とする国際的貢献の増大と、そういうことをやるにふさわしい政府をつくる、そういう意味で実行しておる最中なのでございます。
○安恒良一君 それでは総理にお聞きをしたいのでありますが、いますべてを平等にとこう言われていますが、私は必ずしも平等にやられていると思いません。そこで総理にお聞きしたいのですが、わが国の社会保障費は、昭和四十八年を福祉元年としまして、それまでの財政経済の運営の反省に立って、すなわち経済の成長の成果を資本蓄積ばかりに回すのではなく、一般勤労者大衆の福祉にも応分の配分をしていくのだ、こういうことで転換が私は図られたと思います。政府が今日まで行ってまいりました社会福祉への支出が誤ったものであるというふうに総理はお考えになるのでしょうか、どうでしょうか。その点についてお考えを聞かせてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私はいま安恒さんがおっしゃったように、政府は昭和四十八年、これを福祉元年ととらえまして、欧米先進国の水準に近づけるようにわが国も福祉国家を目指して努力をしてきたわけでございます。そして、今日におきましては欧米先進国の水準に私はおおむね近づいてきておる、このように見ておるわけでありまして、この政策は誤っておるとは思っておりません。私はむしろ正しい方向であったと、こう思っておるわけでございます。 ただ問題は、これから高齢化社会、もう急速に到来をいたします。福祉の重点も、おのずからどこに重点を向け、どこを手直しをし、どこを補強する、こういう福祉についても見直しを必要とする時期に来ておる、こう思うわけでございます。また一方におきまして、安定成長と申しますか、低成長時代に入ってきております。したがって、自然増収等を大きく期待するということもなかなか困難である、厳しい状況下にございます。したがって、福祉に対するところの原資の配分も、私はその配分された中で最もこれが効率的に、福祉全体としてバランスのとれた効率的にこれが使われるということが望ましい、そういう工夫を私どもは今後していかなければならない、こういう考えでございます。
○安恒良一君 私はいまの鈴木総理の答弁、それから衆議院におきましてもこの問題についてのかなりの議論が進められていますが、そういう中で鈴木総理を初め政府の関係閣僚は日本型福祉社会論の繰り返しでもありましたし、また、今日の財政赤字の元凶が高度経済成長期から拡大をされた社会保障や福祉であり、これを現状のままにしておいては財政をますます悪化させる要因となる、だから高齢化社会を迎える今日において国民は自主自助の精神でこれからいく必要がある、こういうことを繰り返し言っておられたと思いますが、私は、そうなりますと、社会保障、福祉についてはもう政府はそういうものについての介入を一切やめて、真の弱者だけに援助の手を差し伸べる、そういう考えに立ったというふうに理解をしていいのでしょうか。総理に重ねてその点をお聞きします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、先ほども申し上げましたように、こういう厳しい財政経済の中におきまして福祉の水準は何とか維持したい。内容的にも高齢化社会を迎えるというような新しい情勢の変化もございます。それに対応するように福祉全体を見直しをして、そして限られた原資を最も有効に効率的に国民福祉のために使っていくということが望ましいことだ、こういうことを先ほど申し上げました。そういう見直しをせずにさらに拡大をしていくというようなことになりますと、当然それは増税によって賄うか、あるいは保険料その他の国民の負担ということをお願いせざるを得ないということになるわけでございます。 私は、福祉は大いに向上をさせなければなりませんが、しかし、一方において国民の負担がこれもまた増大するようなことがあってはいけない、恐らく国民の皆さんもそういうことを考えておられるだろう、こう思うわけであります。したがって、私は福祉に回される予算なり原資というものを最も新しい時代に沿うような効率的なものとして運用したい、このように考えております。 それから、なおもう一点申し上げておくのでありますが、福祉に対する私の基本的な考え方というのは、国民の皆さんが生涯のどの時点におきましても生活設計が立てられるような基礎条件を整備をする、こういうナショナルミニマムと申しますか、そういう面をきちっとわれわれは堅持しながら国民に対して福祉の最低線というものは守っていくのだということであって、貧民政策とかそういうようなことは全然私の考えとは違うところでございます。私が経済的社会的に恵まれない方方に対しては特に配慮をすると言うのは、そういう意見合いではなしに、いま申し上げたようなそういう限られた原資の中で社会福祉政策を進めるに当たっても、所得水準の高い負担力のある方々にはこれは所得制限等をお願いするにいたしましても、経済的に弱い方々には重点的にこれをやっていかなければいけない、むしろそういう意味合いを申しておるのでありまして、そのことをとらえて貧民政策を考えているのじゃないか、福祉をそういう方向にねじ曲げていくのではないか、もしそういう受けとめ方がありますなれば、それは誤解であるということをはっきりこの機会に申し上げておきます。
○安恒良一君 財政再建のため社会保障なり福祉を削減するという発想には、社会保障の政策なり制度が登場をせざるを得なかった歴史的な経過から見れば、私は完全にこれは逆転した発想だというふうに言わざるを得ないと思うんです。それはなぜかというと、社会保障の給付水準の設定の仕方は、たとえばイギリス流の最低生活の保障というやり方、フランス、西ドイツ流の個別性を尊重した、そしてその従前の生活水準の一定の割合を確保する、こういうような二通りのやり方がございます、ヨーロッパ各国を見ますと。いずれにいたしましても、まず社会保障の目指すべき目標が先にあって、その方法として財源をどう考えるか、たとえばいま鈴木総理も言われたように、税制でやるのか保険料でやるのかいろいろありますという考え方で財源を考える。これが社会保障の登場してきたときのやり方だと思います。 ところが、今回の政府・臨調の発想は、水準と目標を欠いたまま財源を削減しようというのですから、その手段と目的を逆転させているのではないでしょうか。いわゆる社会保障というのはどういうものであるかという理解が十分でないと思いますが、財源削減にも関係いたしますので大蔵大臣と総理に御答弁をお願いをいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 安恒委員御承知のとおり、社会保障をやるにいたしましても財源がみんな関係をするわけでございます。日本の社会保障は、ヨーロッパの水準と比べて私は遜色がないと思っております。これはもう例を挙げて言うまでもありません。なお、御承知のとおり、目標を欠いたままということを言われておりますが、私は、イギリスよりもフランスよりも負担と給付と両面を比較検討をすれば日本の社会保障の方が充実をされておる、そういうようにも考えております。今後社会保障を進めていく上において、御承知のとおり非常に莫大な費用がかかるわけでございますから、それはどのように負担をしていくのか、負担の問題を離れて社会保障の充実はあり得ない。したがって、われわれといたしましては、今後国民の判断をどういうように求めていくか、社会保障をいままでのスピードと同じスピードでやるとすればかなり莫大な金がかかるわけですから、その金をどういうようにして調達するか、そういう議論をしていかなければ私は議論はかみ合わないのじゃないか、そう思います。
○安恒良一君 私が言ったことは、財源論とか削減論を議論しないと言っているわけじゃないんですよ。少なくとも、まず水準と目標というものを明確にした上でどうするかという議論をすべきではないか。どうも今回のやり方は、目標など明らかにしないまま、たとえば厚生年金をどうするとかこうするとか、こういうやり方に問題があるのではないかということを言っているわけですから、どうも少し大蔵大臣の御答弁はすれ違いになっておりますが、それだけで時間をとるわけにいきませんので、次に進んでいこうと思います。 まず、鈴木総理は先回りをしまして、自分のやっていることは救貧自助へ逆行させようとしているのじゃないんだ、誤解のないようにと、こう言われておりますが、どうも私は日本型福祉論であるとか活力ある社会福祉論で正当化しようとされている政府並びに臨調の社会保障観は、社会保障の歴史的必然性とその意義を忘れた誤った考えと言わなければならぬと思います。 そこで、ひとつこれは中曽根長官にお聞きをしたいのですが、どうしても私は、社会的権利として確立された今日の社会保障観を長官は十九世紀的に逆戻りさせようとされているのじゃありませんか。その点私は自明の理だと思いますが、いかがですか、長官。
○国務大臣(中曽根康弘君) 社会保障政策を逆戻りさせようという意図は毛頭ございません。先ほど総理も申されましたが、できるだけ現行水準を維持していく、それに懸命の努力を払う、その上さらに高齢化社会の到来に即応できるような体制変換もまたやっていかなければならない、そうおっしゃっておるのでありまして、それはまた臨調の考えでもございます。日本の現在までの社会福祉水準というものは、過去三十年間営々として国民全体の努力で蓄積して、ようやくここまで到達してきたのでありまして、この水準を引き下げるということは並み大抵のことではありません。いままでの努力を一挙に崩すようなことは政治として穏当なことではございませんし、われわれ自由民主党の政策といたしましても、社会保障政策の充実ということは国民に公約していることなのであります。 しかし、現在の情勢を見ますと、財政的に非常にいま窮乏しておるので、その中におってどうして社会保障政策をさらに充実していけるかという新しい課題にいま当面しているわけであります。そのためにある程度の模様がえも必要であろう。たとえば生活保護費には全然今度は手をつけないで、いままでどおりこれはそっくりそのままお認めする。しかし児童福祉政策の面では勤労者に対する政策を厚くして、このカバレージを大きくして、十四万人でございましたか、ともかくふやしていく。そういうような形で若干の模様がえというものはこれはあり得るし、また今後の高齢化社会を迎えての用意にしてもいろいろ考えられるところもあるのではないかと思っておりますが、基本観念といたしまして、現在の福祉水準というものは営々たる国民の努力でつくり上げてきたものでありまして、これはあくまでも尊重していかなければならぬし、重点的に強化していかなければならぬ点もあると心得ております。
○安恒良一君 各論は、また改めて各論に入ったときやりますから、御答弁のときはあれにしていただいて、いろいろ各論で物の見方には相当長官の考え方と私の間に違いがございますから。 そこで、私は財源論について少し申し上げてみたいと思うんですが、田中内閣時代に始まった赤字公債への依存ですね、特に五十一年以降、景気を刺激するために拡大された公共投資が大幅な国債発行に結びついた経緯から考えましても、本当に財政再建を進める熱意を持つものであれば、私は国債政策の最大の恩恵を受けた財界が率先をして負担に応ずることが物の道理であると思いますが、どうしてそういう考え方、発想が今回の提案の中に出てこなかったのか、総理にこの点についてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回御提案を申し上げて御審議を願っておりますのは、当面法律の改正をお願いをしなければならない部分につきまして、臨調の答申の趣旨に沿って立案をし、御提案を申し上げておるわけでございます。五十七年度予算編成に当たりましては、こういうような今回の三十六本を内容とする法律の改正、それから生まれる財源、そういうものではこれはもう全体から見たらほんの一部であることは御承知のとおりでございます。したがって、五十七年度予算編成の段階におきまして、私どもは相当補助金あるいは交付金等々につきましても思い切った見直しをやってまいる。したがって、これは財界がこうだから見逃してやろうとか、これはこういう分野のことであるからこの点については触れないとか、さようなことはございません。とにかく、ゼロシーリングというかってない思い切った手法をとって増税のない財政再建をやろうというのでございますから、その点は今後の予算編成において十分安恒さんが御指摘のような問題も処理していきたい、対象にしていきたい、このように考えております。
○安恒良一君 国債政策の最大の恩恵を受けた財界にも率先して負担をしてもらう方向でと、こういうことが総理から明確になりましたから、その点はその点でひとつ五十七年度予算の中では明確に私はやっていただきたいということを申し上げておきます。 そこで、私はいままで総論的に総理、大蔵大臣や行管庁長官と、行財政改革と社会保障、社会福祉に対する考え方についていろいろ議論をしましたが、率直に言って、わが日本社会党の考えとの間にはかなりな大きな乖離があることが私はわかりました。それはまず、目標を欠いた社会保障切り詰め政策である、社会保障の歴史的必然性を無視した救貧自助への逆戻りである、社会保障で目指すべき私的扶養から公的扶養への社会性の強化なしに、社会保障の社会的責任の回避の態度であるというふうに私は思います。それがどうも政府の望ましい方向に変革するための路線だというふうに私は再度確認をいたしまして、この問題は先に進みたいと思います。時間がございませんので進みたいと思います。 次に私は、鈴木内閣の緊急の政策課題と言われていますところの行財政改革に関して、特殊法人問題についてお聞きをしたいと思います。 鈴木内閣の行財政改革は看板倒れだ、中身は五十七年度の予算の帳じり合わせだ、真の行政改革は手つかずである、こういうことがよく世上の批判の対象となっておりますが、この特殊法人についても、特殊法人の改革は今回の法律の中で何一つ出てきていない。私はこれ一つ見ても行革の看板は過大な宣伝ではないかと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の法律には出てまいりませんが、七月十日の臨調答申を受けまして八月二十五日に決めました閣議決定におきましては、特殊法人問題あるいは国家公務員の縮減の問題等も触れてやっておるわけでございます。特殊法人問題につきましては、役員について五十九年度までにその二割を減らす、そのほか給与問題につきましても役員の給与については抑制する、そういうことごとを決定して、いま五十九年度までに二割の役員を減らすことについて、内閣官房を中心にしまして一々検討しておるところでございます。
○安恒良一君 私は、担当の長官からそういう答弁がありましたが、私がいまお聞きしておることは、特殊法人の改革をなぜこの国会に取り上げなかったと聞いておる。もちろんいまやられていることを承知しています。それからさらに、五十七年度ですね、来年度の行財政改革初年度に実行をなぜしなかったのか。この特殊法人問題というものが問われて非常に久しいわけであります。行革国会と銘を打ちながら、これに何ら手を染めようとしない。いまやられていることは知っていますよ。これに何ら手を染めようとしない。こういうことでは国民に納得を得られないと思いますが、どうしてこの国会並びに五十七年度にさらに出されないのですか。そのことを長官にお聞きしたいのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 特殊法人の改革問題は、従来の行政改革で進行中のものが一つございます。五十四年行革によりまして十八特殊法人を統合する。現在七つそれは減らしまして、いままた進行中であります。たとえば沖縄電力株式会社、これを調整するということで、ことし年末までにやれということでもあります。あるいは、国会でお願いしておるのは、文部省関係の学校の給食会と安全会を統合する、そういうような改革案もいま現に進行中であります。そのほかにさらに、基本的問題として臨調でいま取り上げていただいておりますのは、いわゆる三公社五現業を中心にする特殊法人、特に三Kの中で国鉄や電電、専売、そういうようなものをどうするかという基本課題について検討していただいております。つまりそれは、一つには統合の方向と、それから整理縮減の方向と、それから民間との関係で民営化していいものかどうかというような問題、そういうような基本課題にいま取り組んでいただいておることが一つございます。 それから、そのほかの特殊法人一般につきましても、これは従来の延長線でさらにこれを縮減し合理化する、思い切った統合をさらに、進めていく、そういう面で検討も進められております。いまやっていることをまずやりながら、いまは臨調答申をまちまして、次にさらに大きな改革を断行しよう、そういう情勢でおるわけであります。
○安恒良一君 いまも長官の答弁を聞いていますと、何か臨調待ち、私はこれでは納得はできないわけです。それはなぜかというと、行財政の改革の責任は内閣にあります。臨調に審議を依頼しても、政府みずから行財政改革の推進に当たるべきであって、げたを預けて何か人ごとのようなことであってはならないというふうに私は思います。これまでもしばしば特殊法人問題が取り上げられてきたことでありますから、その改革についてこの国会に何一つ政府が自分の考えを出さない、何一つ自分の考えを出さない、それは私は怠慢だと思うのです。本当に行財政改革をやろうとするならば、もう長く論議をされていることですから政府みずからも考えをお出しになってしかるべきだと思いますが、特殊法人のあり方、改革で鈴木内閣は何もないのでしょうか。 総理、ここのところは総理にお聞きをしたい。何にもあなたたちはこの臨時国会にお出しになる考えはないのでしょうか。ひとつお考え聞かせてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど行管長官から御答弁を申し上げたとおりでございます。 五十四年行革も進行中であり、私どもはこれを実現することに努力をしながら、一方において次のこういう点をやってほしいということを臨調に要請をしまして、ただ漫然と待っているのではございません。政府としてはこういう方向で進めたいということで、その御審議を急いでいただいておるということでございまして、それを受けて今後実行に移していこうと。 でありますから、私はしばしば申し上げるのでありますが、第一臨調のときのようにまとめてどかんと御答申をちょうだいをして、そしてそれを一部ずつ実行していくということよりも、何遍かに分けて、まとまり次第御答申をいただいて、そして国民の関心の高い中でそれを実行に移していく、こういうことで私は実行を本位として進めていきたい、こう考えておるわけでございまして、安恒さん御指摘のように臨調に任してただ時をかせいでいる、そういうようなことでは絶対にないということを申し上げておきます。
○安恒良一君 どうも総理、そのように答弁をされますけれども、行政改革の責任は総理以下政府にあるわけですから、そこのところはまず意欲的にお出しになって…。 そこで、いや政府は考えを出している、こう言われましたね。その出している考えというのは、私は、どうも特殊法人のうち三公社に偏り過ぎているのじゃないだろうか。もしくは答申自体を読みましてもそういう気がします。もちろん国鉄の赤字問題は確かに対策が急がれますし、専売公社や電電公社の民営化など利害も対立しています。さらに政治経済上の影響も大きいので、私はこういう問題は慎重の上にも慎重であるべきではないかと思うのですが、何か官業の民業圧迫とか、民間活力の増大といったスローガン的な発想だけであってはいけないと思うのです。 臨調の答申は、百九の特殊法人の中から三公社だけを取り上げていますが、他の特殊法人に問題がそれではないのかということなんです。たくさん問題があるわけであります。私が言っているのは、五十七年度の財政再建に役立つ施策が他の特殊法人にはないのか、こういう点について重ねて御見解を開かせてください。他の特殊法人には何か五十七年度の財政再建に役立つことがあるはずですが、どうですか、その点。
○国務大臣(中曽根康弘君) 特殊法人の問題は、一般的な問題と、それから個別的な大きな問題と二つに分けられると思います。 それで、個別的な大きな問題でいま俎上に、上がっているのは、国鉄をどうするか。民営論というのも非常に強い情勢にもなっております。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕 あるいはこの間の改革案だけで済むのか、そういう厳しい議論もございます。さはさりながら、国家の動脈としての国鉄というものの重要性もわれわれはまた忘れてはなりません。そういうような国鉄あるいは専売あるいは電電、こういうような大きな個別的問題をどうするか。特に国鉄の場合は七千億、八千億に及ぶ国民の税金が補助金として毎年一般会計から出ている。これを財政再建との関係でどう取り扱うべきか、これは大きな、最大問題の一つでございます。そういうような個別的重大問題については、いま臨調の方で鋭意検討していただいて、そして労使、あるいは国民、第三者、これがどういうふうにこれを見ているかというコンセンサスを見比べながらしっかりとした案をつくっていただく、そういう考えでじっくりこれは待っているわけであります。 それと同時に、いま安恒さん御質問の、ほかの特殊法人一般、百九に及ぶ問題については共通のいろんな問題があります。これは、第一は多過ぎるから統合せよという問題で、臨調の委員の中にはこれを半分以下に減らそうという議論を言っていらっしゃる方もあり、恐らくこういう考えには国民の相当数は共鳴するのではないかと思っております。あるいは役員問題につきまして、よく渡りであるとか、あるいは役員の期限が多過ぎる、何回も役員を歴任し過ぎるとか、あるいはそのほかさまざまな御批判をいままでいただいておって、これらが官僚の植民地化しているではないかという批判も長い間行われてきておるところです。それらの問題につきまして、これは共通問題として臨調でまた取り上げていただいておりまして、やはり特殊法人をちぎって食べるという、そういう部分的な考え方でなくて、総合的に、見ながら、重点的なものとそれから一般的なものとの改革案を整合性を持って出していただく、そういう形で本格的に取り組んでいるんだということをぜひお知り願いたいと思いますし、現在におきましては五十四年行革あるいは五十五年行革で決められたことをいま一つ一つ実行している、そういう段階でございます。
○安恒良一君 私は、三公社の改革は必要がないなどということを言っているわけではありません。しかし、多くの国民が特殊法人問題で緊急に改革を孜々として考えているのは、高度成長期に雨の後のタケノコのようにつくられました高級官僚の天下り先に利用され、さらに所管官庁の外郭団体として人事や行政までいわゆるこれが操作をされている、そして混乱をしている、こういうものを明らかにして、やめるものはやめる、こういうことを私は臨調にも政府にも決めてほしい、これが私は国民の気持ちではないだろうかというふうに思います。 ですから、どうも総理も長官もまだまだ実態を十分把握されていないようでありますから、少し実態に、照らして御質問をしてみたいと思いますが、私の調査、それからきょう資料を出していただきましたそういうものを見ますと、たとえば環境衛生金融公庫は職員十一人に一人の役員がおります。同じ金融業務をやっています国民金融公庫ですね、これは五百二十一人当たりに一人の役員になっています。また農業共済基金、役員二人に職員五人、こういう状況なんですね。またこれは資料をたくさんいただきましたから、時間かかりますから例を挙げませんが、ですから、なぜ同じような特殊法人でこんなに役員と職員のアンバランスがあるのか、行政管理庁としては妥当な役員数と職員数の比率を検討したことがございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は検討したことがございます。いままでの検討の結果を見ますと、確かに御指摘のようなアンバランスの点もございまして、これは至急是正しなければならぬ。これは先ほど申し上げました特殊法人全般の、いまの検討の過程において今度実行したいと思っております。 しかしまた、一つ一つの特殊法人を見ますと、それぞれ歴史的理由とかあるいは業務の性格がございまして、それでわりあいに職員を少なく使っていて、しかも役員が重要な仕事をしているというような、たとえば金融の仕事をやっているような場合についてはわりあいに役員の比率が強まっている。しかし庶民金融をやっている国民金融公庫のような場合は、末端機関がかなり膨大に全国的にございますから役員の比率は下がる。そういうような金融機関の性格によってもまた違うところがございまして、必ずしも悪平等に一律にはいかないところもあります。しかし、全般的に見ますと役員の数は多過ぎる、そう考えておりまして、今度は思い切った整理をやって、とりあえず二割を三年間で減らすということをいまやっておるわけであります。
○安恒良一君 いや、私は性格の違うことを言っているわけじゃないのです。国民金融公庫、それから環境衛生金融公庫、全く同じとは言いません。しかし、片方は職員十一人に役員が一人おるのです。片方は五百二十一人に一人なんですからね。同じいわゆる零細企業に対する貸し付けをやっているわけですね。中小企業に対する貸し付けをかなりやっている。それなのにこんなに私は違いがあっていいと思わないのです。ですから、長官はいま検討していると言うなら、検討されたことがあると言うならば、そういうのをひとつ検討のやつを資料として見せてください。あなたたちがどういう資料に基づいて検討しているのか。口だけじゃなくして、行政管理庁として検討している、そして早急にやらなきゃならぬ。早急にやらなきゃならぬということは、私はこの行政改革国会に出したり、そうでなければせめて五十七年度にそれを実施をする、こういうことが私は必要だと思うのです。ですから、五十七年度に私はそれをぜひ出してもらいたい、こう思うわけですが、その点はどうなんでしょうか。 それからいま一つ、これに関連しますから重ねてお聞きをしておきたいのですが、いわゆる環境衛生金融公庫の場合、十一人に一人の役員です。十一人に一人ですね。普通の官庁だったら、十一人程度を掌握をするというなら課長か係長級です。どうして特殊法人だけ、これだけ過剰な役員が必要なのか。その点総理、いまの論争を聞かれてどう思いますか。どうしてこういう過剰な役員が特殊法人は必要なのでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま環境衛生金融公庫の問題につきましてお話がございましたが、これは、これができました当時、この新しい金融機関におきましても末端までの実務を、業務をやらしてほしい、こういう相当強い要請がございました。しかし、そう膨大な人員と機構でこれをやるまでのこともないだろうということで、役員とごく少数の幹部職員的なものにとどめまして、実際上の実務は国民金融公庫等の組織を通じて窓口業務にそういうことはやらせる、こういうことをしてまいった経過がございます。これはいまの特殊法人の人員その他をいたずらに膨張させてはいけないという配慮も、当時においてもあったわけでございます。しかし、いまはまだ抜本的にこれを見直す段階に相なっておりますので、国民金融公庫と環境衛生金融公庫とをいっそのこと統合したらどうか、こういう有力な御意見も出ておるわけでございます。そういう点につきましては十分私どもも配慮をしながら今後の行革に取り組んでいきたい、こう思っています。
○安恒良一君 私が聞いたことに正確に答えられていませんが、時間をとりますから言うと、私が言ったことは、たとえば十一人に一人というときに、それが全部理事長とか副理事長とかそういう役員たる必要があるのか。普通の官庁だったら、十一人ぐらいの人なら課長か係長が責任者となってやっているんですから。そのことを聞いておったわけですが、まあこれは時間がありませんのであれします。 そこで、私は一つこのことを聞かせていただきたいのですが、適正な人事管理、これは行政管理庁の仕事だと思いますね。ですから、この特殊法人を多く監察等の対象としている行政管理庁がどんな監察を実施してきたのか。その中で、役員の数と職員の数、さらに適正な仕事量を監察したのか。また役員に対しては何人ぐらい職員が必要か、そういう基準を私はつくる必要がある。もちろん特殊法人の性格が違いますから一律にはいかないと思いますが、ある程度の基準をつくる必要があるというふうに考えますが、その点はどうですか。
○政府委員(佐倉尚君) 先生お話しの特殊法人の役員並びにその職員の話でございますが、私どもの行政監察局の方で折に触れ特殊法人を見ていることはございますけれども、いまの役員、職員の管理の問題、これは各省庁において適当に、適切に対処しているということでございます。 それで、先生御存じのとおり、特殊法人にはいろいろな種類がございますし、これらの役員の数あるいは職員の人事管理等の問題、それぞれ各省庁において適当に、適切に対処しているということでございますが、一律に特殊法人を全部それを管理するという方式についてはなかなか困難な面もあると思いますが、鋭意検討はしていきたいというふうに考えております。
○安恒良一君 いまの答弁を聞きますと、あの人なかなか正面だと思いますね。適当に、適当にとこう言って、あわてて適切にと言いなさる。そういうふうになかなか正面な答弁だと思いますが、私は長官ね、やはり一律と言っているばかりではありませんが、何らかのやはり基準を行管庁としてつくる、これがないと、各省に任しておったらそれこそ御答弁のように、適切じゃなくて適当になるんですよ、適当に。適切じゃなくて適当に。パッパッと本心が二回も出ましたね。一回ならまあ言い損ないというのもありますけれども、二回はやっぱり本心ですよ、あれは。ですから、そういうことについて長官、どうお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 特殊法人の役員問題というのはかなり長い間の問題でございまして、国会側からも指摘があり、特に社会党さんや公明党さんからも強い御指摘があって、われわれも関心を持ってきた問題です。 そこで、今回臨調答申を受けまして、二割の整理を三年間でやると決めましたのは、いまおっしゃったようなことを含めて思い切ってここで整理をしよう。整理をするにつきましては、おっしゃるように何かの基準が必要でございます。実際のところ見ますと、安恒さんも御存じのように、特殊法人の中には、各省がなわ張り的な形で自分たちのOBをそこへ排出するという性格も必ずしも絶無ではございません。そこで、民間人を登用せよというので五〇%は民間人を入れなければならぬと、そういう閣議決定をして、それを励行しつつしてきているところもございます。 しかし、やはりその関係の特殊法人は大体その省のOBがなるというような不文律みたいな慣習もあります。そういう点については、これは是正をする必要があろう。たとえば行政管理庁のような役所はそういう外郭団体がありませんから、次官をやめても行き場がないという場合もある。しかし、このOBになった人の優秀性を見たら、そう各省で変わるものでもありません。しかし、そういう官庁のなわ張りとして特殊法人を使うという考え自体がこれはいけない。そういう考えに立ちまして、今回はまず二割を整理する。それにつきましてはやはりある基準をつくって、そして合理的に行う、こういうことでいま取りかかっておるところでございます。
○安恒良一君 ぜひ私はきちっとした基準をつくってもらいたいと思います。 そこで、いま人件費の点に触れられましたから、私から言わせると課長程度の職員しか把握をしてない、こういう特殊法人の役員が多いわけでありますが、特殊法人の役員をABC三クラス、Aクラスというのは三公社の総裁、Bクラスは公庫、大規模公団の総裁、理事長、Cクラスは中規模公団、大規模事業団の総裁、理事長。この給料について、報酬について答えてください。
○政府委員(西垣昭君) お答え申し上げます。 三公社総裁等Aクラスのところの水準は、現在百十二万円でございます。それから公庫、大規模公団の総裁、理事長、Bクラスといま言われましたものは百四万一千円でございます。それからCクラス、中規模公団、大規模事業団の総裁、理事長でございますが、これが九十万一千円でございます。
○安恒良一君 総理、お聞きになったとおりで、いま事務次官の給料は、たしか私は八十五万五千円だと思いますね。これで役員の給与が妥当だろうか。というのは、世間ではまあいわば第二の就職と言われる。いまも長官が言われたように、高級官僚がほとんど天下りするのが多いということですから、そうすると、高級官僚の給与が前よりも多くなるということがわからないわけです。通常民間では、第二の就職をしますと、これは一般の人であろうと重役であろうと何であろうと、いわゆる給料が下がるのが当然なんですね。ですから、なぜ高級官僚は天下りをして給料は今度は天上がりになる。私はどうもこれは合理的ではないというふうに思うのでありますが、総理、どうお考えになりますか、いまのあれを聞いて。
○国務大臣(鈴木善幸君) これはなかなかむずかしい御質問ですが、まず前段で安恒さんは、役所のOB、これが特殊法人に天下っておる、これはよくないと、こういうまず一つ前提がございます。ところが、現在の特殊法人のABCクラスにいたしましても、そういうところへ官庁のOB以外の相当の人材を民間から、経済界等から役員に持ってくるためには、相当のやはり処遇をしませんとそういう人材は確保できない、こういう問題もあるわけでございます。したがいまして、そういうことを総合勘案をして、今後民間とのバランス、いろいろなことを考えながら検討を極力いたしたい、こう思っております。
○安恒良一君 いや、私は天下りそのものを全面的に否定しているわけじゃないんですよ、天下りの場合もあり得る。しかし、やっている仕事から、また天下りをした後、今度給料だけが天上がりする。現役の事務次官よりも事務次官をやめて行ったら途端に二十万も上がる、これがどうなのかということを私は聞いているわけでありまして、鈴木総理の答弁は少し持って回ってごまかしたと思いますが、これも時間がありませんから次に議論をしたいと、こう思います。 そこで、臨調待ちでない、政府の責任で私はやはりこういうところはもう一遍、総理、本当に謙虚に耳を傾けられて、精査をしてもらいたいと思うんですよ。だれが考えても、私はやっぱり世間の常識というものを——私は高級官僚の方が五十代前後でやめられて第二の人生を持たれることについて、決していけないとは言っていません。しかし、第二の人生を求められた場合の民間の慣例というのがあるわけですから、それと全く逆さまになるようなやり方については、私はその点を強くこの際指摘をしておきたい。真剣にこれはひとつ総理、行管庁長官、御検討を願いたいと思います。 そこで、私は特殊法人の役員が多過ぎるということだけじゃなくして、特殊法人の課長や係長のいすにも監督官庁が大転がしをやっている、こういう指摘が文藝春秋の十一月号の論文で出ておりまして、これを私は注意深く拝見をいたしました。 そこで、きょうは年金福祉事業団の理事長にお見えを願っていますが、年金福祉事業団では課長、それから調査役、それから係長それぞれおられますが、その中で官庁出身者は何人おるのか、それから年金福祉事業団自体のプロパーから登用された人は何人おるのか、このことについて明らかにしてください。
○参考人(八木哲夫君) お答え申し上げます。 年金福祉事業団の職員の官庁出身者の数でございますが、一般職員につきましては、九十三人中四十六人が官庁出身者でございます。それから役付職員でございますが、部長につきましては五人中五人が官庁出身者でございます。それから課長、室長につきましては十四人中十四人でございます。それから調査役、技術役につきましては十一人中十人でございます。それから係長、主査につきましては三十六人中三十三人でございます。
○安恒良一君 総理、お聞きのとおりです。しかも設立してもう二十年たっているのですよ。二十年たっているのに、いわゆる年金福祉事業団に奉職した、生え抜いて係長になった人がたった三人なんです。あとは全部官庁から大転がし。こういう実態をまず厚生大臣は御承知なのですか。あなたの監督下にあるんですが、御承知なのですか。また、適当な人事とあなたはお考えになりますか。さらに、厚生大臣の答弁が終わりましたら、人事管理の責務にもあります行管庁長官もこの点についての見解をお示しください。
○国務大臣(村山達雄君) 率直に申しまして、いままで余り知りませんでした。きのう資料を見まして、そういうことになっておるということがわかりましたので、これからいろいろ考えていかなければならぬ点が多々あるなと、かように感じたところでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 外郭団体がその官庁の植民地みたいになっていることは好ましくありません。これは是正する必要があると思っております。
○安恒良一君 総理、あなたは行政改革に政治生命をかけるとおっしゃっているのに、厚生大臣はあんなのんきなことを言っているのですね、あんなのんきなことを。いままで知りませんでした、きのう私の質問通告であわてて見てみたらこんな実態になっておって遺憾でありますと、こう言っている。私は何も年金福祉事業団だけをやり玉に上げているわけじゃないんです。わかりやすい例でありまして、これは氷山の一角なんです。百九を総理、洗ってみてください。多かれ少なかれ、いま言ったことがあるわけです。あなたは士気の高揚と言われる。士気の高揚というのは、そこのプロパーの人でも二十年たって係長がたった三人ということで士気が高揚できますか。仕事の意欲が出ますか。私は出ないと思うんだ。全部根っこなんです。これじゃ私はいけないと思うのです。ですから、いまのことを聞かれて総理、五十七年度にどう御改正されようというお考えですか、いまのこと。これは氷山の一角です。私は時間がありませんから、一つ一つをやれませんから年金福祉事業団をやったわけですが、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 特殊法人は、御指摘のようにいろいろ問題を抱えております。これは行政官庁のいわば補助的機関としての役割りを従来やってきたというような面から、官庁の人事の延長線上にあるようなこともまさに御指摘のとおりであったろうと、こう思います。しかし、いま御指摘がございましたように全く私も同感でありますが、その団体に入った人たち、これが十分能力があり、まじめに働いた場合には、それぞれの責任ある立場にも登用されるということでないと、これは士気にかかわる問題でありますから、そういう点も十分今後、私も肝に銘じました。検討させます。
○安恒良一君 そういう点を是正されるということでありますから、総理、一通り各大臣を督励して当たってみてください。そして、本当にそこのプロパーの人が意欲を持って働く、そのことが私は行政能率を上げることだと思います。 そこで、いま一つこの点も総理並びに厚生大臣に認識をしていただこうと思いますから、 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕 いまの年金福祉事業団に五十四年と五十五年の一年間で役所から何名来て、そしてまた逆に何名役所へ帰ったか、それを明らかにしてください。
○参考人(八木哲夫君) お答え申し上げます。 官庁からの転入、転出者でございますが、五十四年度につきましては、転入者が二十五人、転出者二十五人でございます。それから五十六年度につきましては、転入者三十六人、転出者三十六人という数字でございます。
○安恒良一君 いま聞いたら、しかもどうですか、総理、五十四年と五十五年でぼくの調査では六十六名が出向してきているんですよ、二年間で。そしてまた五十五年には今度は逆に帰った人が五十五名もおるんですよ。そうすると、せいぜいそこに二年しかいないんです。二年おって、その人たちはかなりのポストにもつくわけです。これでは行政改革とか能率を上げるということにならぬじゃないですか。いわゆる役所の大体あそこへ行っているのを調べたら、厚生省と大蔵省、主として厚生省が多いですね。社会保険庁も多い。どうも聞いてみると、あそこから行くと号俸給が一号上がるんだということですね。そして二年ぐらいおってまた帰ってくる。またもとに帰ってきているわけですね。これで、しかも二年間に、いま職員の総数を言われましたね、総数を言われた中で二年間でこんなに出たり入ったりして、しかも片一方は、二十年一生懸命そこで働いている人はたった係長が三名。これではだれが考えても総理、総理も良心的ですから少し顔が赤くなったですね、率直に言って。それは私はそう思うんですが、こういう点の是正をどうされようとしますか、長官。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘の点は、いわゆる特殊法人にある通弊を御指摘いただいたものと思います。そういう点はわれわれもかねてから苦々しく思っておった点でございます。ただ、考えようもありまして、一面においては、官庁の人がそういうところへ出向していきまして、そして民間の実情を正確に把握する、そういう意味でいわゆる役人かたぎというものを直すという、ある意味においてはそういう意味も実はあるんです。必ずしもそれは全部否定すべきものではない。ただしかし、おっしゃったように生え抜きの人が無視されて、そうして一方的に役所の者が出入りするという場になってはいけない。その辺のパリティーをある程度考えてやる必要もあるだろう、そう思います。しかし、そのためにはやはり生え抜きの人が、りっぱな人材をどんどん入れて堂々と太刀打ちできるような人材として育ってこなければまたいかぬ、そういう面もあります。それから、そういう改革をやるについて急激に一遍にやってもそれはなかなかやれるものではない。ある程度段階的に時間をかけつつ、しかも的確にやっていく、そういうことが必要であると思いまして、その方針でやっていきたいと思います。
○安恒良一君 長官、中身を知らないで余り答弁されない方がいいと思いますよ。年金福祉事業団が何をやっておって、二年間おってどういう役に立つのかというのをあなたが知っておって言われるなら説得性があるけれども、一般論で言われたらいけないのですよ。いいですか。ほとんど社会保険庁から行っていますよ。社会保険庁というのはどういうことをするかというと、金を徴収する仕事です。ところが年金福祉事業団というのは、いわゆる金を運用する仕事なんです。それがためには土地建物に関する専門的な知識が必要なんです。それがわずか二年間で、ばさっと入ってきてせいぜい一年か二年おるとまた帰る。これであなたが言われるように民間の勉強に行ったことになりますか。ならぬじゃないですか。だから私はやっぱり誤りは誤りとして率直に認められて、そこで最後に総理にお聞きします。 五十七年度予算で特殊法人の役員の削減を実行するのか、しないのか。それから特殊法人の統廃合を具体的に実行するのか、しないのか。さらに監督官庁の大転がし的な人事ですね、いまの。まさに大転がしの人事の改善をし、そして各事業団、特殊法人で働く人に対して内部登用を実行するのか、しないのか。この問題についての最後の答弁を総理にお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 安恒さん御指摘の特殊法人にかかわる問題、まさに傾聴に値する御意見、御指摘でございます。私どもは十分そういう点を参考にいたしまして、真剣にこれが改善に取り組んでまいりたい、こう思っております。
○安恒良一君 総理は真剣に取り組みたいということでありますから、ぜひ私は五十七年度からこれを実施をしていただきたいということを強く希望しまして、次の問題に入ります。 次は、私はいわゆる社会保障の各論に入って少し議論をしてみたいと思いますが、厚生省の概算要求における臨調答申の対応事項中、医療費の適正化対応策について質問をいたします。 過去十年間の医療費の伸びがどうなっているかというのを資料要求しておりましたが、資料があればいただきたい。しゃべられると時間がかかりますから、資料があったら資料をください。
○政府委員(大和田潔君) 資料を準備いたしますが、とりあえず私から昭和四十五年の医療費、それから昭和五十四年の医療費につきまして、それでは御報告いたします。
○安恒良一君 委員長、そういうのは資料をもらった方が早いんですよ、時間の節約。きのう資料要求してあるんですからね。ぺらぺら十年間しゃべられたら、それだけ時間がたつのですよ。だめですよ、資料をください、資料を。
○委員長(玉置和郎君) 厚生省、要求資料をすぐ出しなさい。答弁は資料を出した後でしなさい。
○安恒良一君 これで十年間の医療費の伸びがわかりました。 そこで、これを見ますと、五十四年は九・五%と対前年比はなっています。ところが、臨調の答申を受けた五十七年度の対応についてこういうふうに書いてありますね、医療費の伸び率を一二%程度と見込み、これを九%に抑え三%相当の節減を行う、その節減金額千百七十億円を節減する、こういうふうに言っています。これは具体的にどういう方法で達成をされようとしているのか。というのは、これもおことわりしておきますが、おとといの公明党のときに、あれとこれとあれとこれをやると、こう言っているんです。それで、総合的と言っている。そういうことを私は聞こうとしているんです。私はこの方の専門でありますから、あなたたちが本当に三%削減をするというならば、どの項目をどういうふうに削ることによって三%削減できるのか、このことについてもきのう資料要求をしておきましたから、その資料に基づいてこれは説明をしてください。
○政府委員(大和田潔君) 申しわけありませんが、資料要求まだ私存じておりませんので、至急その点は資料を御提出いたしたいと思いますが、まず一二%という問題につきましては政管健保、それから国保、これが五十七年度は五十六年度に対しまして一二%程度の伸びと予想されるわけでございまして、それを医療費の適正化対策によりまして三%程度を節減いたしまして九%程度にいたしたいと、こういうようなことでございます。
○安恒良一君 全然私の部屋に質問取りに来た趣旨が伝わっておりません。これでは議論できません。私はなぜ一二%になって、それが三%下がるのか、その三%の中身は何をやることによって三%——いまあんなことで、私の部屋に部屋いっぱい質問取りに来ておるんですよ。これでは審議できません。どうしてくれますか。
○委員長(玉置和郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置和郎君) 速記を起こして。 午後二時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十二分休憩 —————・————— 午後二時三十分開会
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。市川正一君。
○市川正一君 むだや不正のない簡素で効率的な行政、公正な行政の確立は、国民の願いであると同時に、日本共産党の一貫した主張であります。この立場から、わが党は積極的な提案も行い、国民本位の民主的な行政改革で二兆円の削減がさしあたり可能であり、国民の願いにこたえることができるということを明らかにしてまいりました。 しかし、本法案に示されている鈴木内閣のいわゆる行革は、これまでのわが党の追及によって、それが大企業への膨大な補助金や大企業優遇の不公正税制には手をつけず、軍事費は聖域化してさらに拡大しようとしていること、他方、教育、福祉、社会保障は冷酷な削減、カットを行っていること等々、およそ国民の願いと逆行するものであることが明らかにされてまいりました。 私は、これまでのそうした議論を踏まえ、むだや不正、腐敗の一掃、開かれた行政、不公正税制の是正、地方自治の拡充、国民サービスの充実など、国民本位の本来あるべき行政改革の姿に照らして、今回の政府提案による行革な今ものがどんなものかということを以下質問をいたしたいのであります。 最初に、私は、奥野法務大臣についてただしたい、これは、本来、行革が清潔な政治の確立を目指すということからも本委員会として重視しなければならない問題であるからであります。 奥野法務大臣は、一般論として言ったと、こうおっしゃった。しかし、あの記者会見では、元首相田中角榮を被告人とする具体的事件についての検察当局の榎本三恵子さんの証人申請、尋問をするという具体的検察事務について所見を求められ、法務大臣として発言したものであります。したがって、事柄の経緯からして絶対に一般論だというすりかえはできない問題であります。もし一般論だということで、こういう手法で発言が許されるということになれば、法務大臣はどの事件についても一般論の名のもとに公然、隠然と物を言って事実上の指揮ができることになるではありませんか。法務大臣、そうじゃないですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) まず、質問があって答えたことであることの御理解をいただきたいと思います。私が進んで発言したのじゃございませんで、新聞記者の方から質問があって発言をいたしました。その際にも私は、検察を批判するつもりはない、同時にまた事件に介入する意思はない、一般的にはこうあるべきだと考えているという意味で申し上げたわけでございました。 そして一つは、検察は広く国民に支えられる存在でなければならない。当然のことに不正を追及する機関でございますから、それに抜かりがあるようでは支えられる存在にはなりません。そうかといって、合法であれば何をやってもいいというわけにはまいりませんので、人の道に外れないようにしなければならない、この二点を言ったわけでございます。同時に、いまのことについてこれが当てはまる、当てはまらない、そんなことを言っているわけじゃありませんよと、こう申し上げたわけでございます。尋ねられても答えないというのも一つかもしれませんけれども、私はやはり検察のあり方についてはいかになければならないかということについての責任を持たされている者でございますので、平素考えている二点をそのとおり申し上げたわけでございます。 私が進んでそういう発言をしたんなら、すりかえるという御指摘もあるいは当たるかもしれませんけれども、質問を受けて答えておるわけでございまして、その場合にも、いま申し上げましたように、すりかえととられないように十分な注意を私は繰り返しした上での発言でございますので、その点の御理解は得たいものだと思います。
○市川正一君 質問にこたえて法務大臣として答えた。だとすると、法務大臣は、検察官の行った榎本三恵子さんの証人申請、あるいは裁判所の決定した同証人の喚問決定を何ら問題のない正当なこととして考えるのか、それとも異論があるのですか、どちらなんですか。
○委員長(玉置和郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置和郎君) 速記を起こして。
○市川正一君 これは、私冒頭に言ったように、行革委員会自身のすぐれて重大な問題なんです。だから、そういう質問を封殺するというような形、結果としてですよ、これはやっぱりおかしいですよ。
○委員長(玉置和郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置和郎君) 速記を起こして。
○市川正一君 それでは、理事会で預かっているという問題と、ここでやっぱりただすべき問題とはおのずと私は限度を心得て質問しているつもりです。しかし、そういうことであるならば、私はなおこの問題だけは聞いておきたい。 法務大臣に伺うが、私、最前質問した問題で、法務大臣は一般論として言ったということをあくまで言っておられる。しかし、法務大臣は指揮権を持っているわけです。その指揮権を持っている法務大臣が、仮に一般論として言ったとしても、それが及ぼす影響というものは、これは当然多くの検察官に対して、それは強い弱いという問題ではなくて、一定の影響を及ぼすことは明白であります。さらに、造船疑獄のときに指揮権発動に対して検察が意見を述べた例を先日挙げられた。しかし、あのときも意見は述べたけれども結局は従わざるを得なかったわけです。だからこそ法務大臣の発言は重大なんであります。 一般新聞も法相の即刻辞任が最低の責任であると、こう述べている。そういう点で私は、政治と司法に対する国民の信頼を取り戻すためにも、特にあなたが三権分立に対して挑戦し、現に裁判所が証人申請を決定したそれに対しても批判を述べられたことは、これは三権分立に対する重大な侵犯でありますが、私はそういう点からも直ちに辞任をすべきであると思いますが、この点について率直なあなたの見解の表明を願いたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 検察権と法務大臣との関係について若干誤解があるのじゃないかなという気がいたします。 国会におきまして、ときには検察ファッショ、大変批判の厳しい場合もございます。あるいはまた、検察が不正の追及に対してなまぬるいじゃないかという御批判が国会にある場合もございます。検察行政も行政権に係属するものでございます。行政権は内閣に属しますので、これらの問題につきましても内閣が責任を負っているわけでございますから、その責任の分担を法務大臣が行っているわけでございます。したがいまして、検察行政がいかにあらねばならないかということは常に法務大臣は心していなければならないことでございまして、したがいまして、また検察官会同におきましてしばしば法務大臣として検察官に対しまして指示を与える場合もあるわけでございます。 この種の事件につきましては、私はできる限り検察官が自由な活動ができるように守っていくという姿勢を取り続けてまいってきております。また、今度の場合につきましてもこれに介入する意思はないということも申しておるわけでございます。 おっしゃいますように、検察権は司法権と深いかかわり合いを持っておりますので、できる限り独立性を守っていかなければならない、そういう意味合いにおきまして、法務大臣は個々の具体の事案の処分や取り調べにつきましては検事総長のみを指揮することができると書かれているわけでございます。しかし、検事総長は法務大臣の指図に唯々諾々でなければならないことはない、異論があります場合には、いま申し上げました性格から言いましても、その異論のあるところを公にすることが許されるのじゃないか、こう私は考えるわけでございまして、その例が、造船疑獄のときに、法務大臣から指図が出たにかかわらず、検事総長はその考えを公にしたわけでございました。その混乱の責任を負って法務大臣は辞任をされたわけでございます。これは一つの先例になっていると思うのであります。 検察行政も行政の一環だから法務大臣の指揮については従わなければならぬけれども、その独立性にかんがみて、ときによっては異論を言うことも許される、しかしその指揮には従わなければならない、こういう慣例ができている。こういうことを御理解いただきまして、私はやはり責任を持っておりますだけに、常に検察行政はどうあらねばならないかということを考え続けてきたつもりでございまして、そういう意味において、私は、やはり私の申し上げておりますことは大事なことだと、検察全部がそういう気持ちを絶えず持ってくれていなければならないことだと。あくまでも不正の追及に怠けるところがあってはならない、同時に人の道も心得ながら努力していかなければならない。私は二つながら大事なことだと、こう心得ているわけであります。
○委員長(玉置和郎君) あと一問だけ。
○市川正一君 総理、法務大臣は依然として開き直っております。 わが党はすでに法務大臣の辞任を要求しておりますが、改めて罷免を要求いたします。引き続きこの問題を徹底的に追及することを明らかにして、次の問題に移りたいと思います。 この際伺いますが、きのうの小佐野賢治に対する有罪判決に関して法務省の刑事局長に伺いたい。 小佐野判決で、コーチャン、クラッター嘱託尋問調書の信用性が認められ、また、田中角榮がハワイ会談でのニクソンの意向を伝え、それを受けて小佐野が全日空にトライスター導入を働きかけたことは事実として認定されました。このことは検察の主張がほぼ全面的に取り入れられたということであって、この結果は、田中角榮らを被告とする丸紅ルート公判維持に、検察にとって田中有罪の立証で有利な展開であり、自信を深められたと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
○政府委員(前田宏君) 昨日、御指摘のような判決があったわけでございますけれども、いわゆるロッキード事件と呼ばれる事件につきましては、その他の事案につきまして現在裁判が進行中でございます。その事件はそれぞれ別な事件として起訴され裁判をされているわけでございまして、それぞれにつきまして、いずれ裁判所の公正な判断が示されるものと考えております。
○市川正一君 総理は午前の答弁の中で、小佐野判決を厳粛に受けとめるとこうおっしゃった。私はP3CあるいはE2C、さらには灰色政治家の政治的、道義的責任の究明が不徹底であるということを改めて痛感いたします。この機会に改めて私は航空機問題調査特別委員会を設置して、刑事責任だけでなしに、政治的、道義的責任、あるいは疑獄の構造を解明すべきだと思いますが、総理も九十三国会において倫理委員会の設置について協議をお願いしたい、こう所信表明で述べられましたが、いまこそ航特委の設置が必要ではないかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、この航特委員会の問題は、国会においてすでにその必要はないという多数の御意思によりましてこの問題は決着がつき、そして倫理委員会の設置の問題につきまして国会の各党各会派において前向きでいろいろ御検討いただいておる、このように承知をいたしておるところでございます。
○市川正一君 私は、総理がこの問題をきっかけにどういう態度を今後示されるのか国民は注目していると思います。 次の問題に入っていきますが、私は今度の臨調路線というものがアメリカのレーガンの核軍拡と結びついたきわめて危険な軍備大増強を内容としたものであることについて以下ただしたいのでありますが、来年度の概算要求では教育、福祉、農業あるいは中小企業、国民生活向けの予算はカットすることと対照的に軍事費は七・五%増と、まさに聖域化されております。 そこで、大村防衛庁長官にお伺いしますが、去る五月の日米安保事務レベル協議ではアメリカから軍拡要求が出されております。具体的には、その協議の中でF15二百機、P3C百機、原潜を含む潜水艦四十隻、護衛艦八十隻、これらは現在の装備計画のほぼ二倍に当たる膨大なものでありますが、こういう話がアメリカ側から出されたのではありませんか。
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。 第十三回日米安保事務レベル協議は六月の十日から十二日まで三日間ホノルルで開かれましたが、この協議の中で米側は、国際情勢及び米側が行っている軍事努力について説明するとともに、わが国の防衛力の整備について即応性、継戦能力及び指揮通信能力の向上等が重要であり、また、装備の近代化についても対潜能力及び防空能力を含めその推進を図る必要があるという意見を述べております。 また、その際、米側からわが国の防衛力に関し、日米間の対話を行うための一つの試案として、一部数字を交えて意見が出されたことは事実でございますが、その具体的内容を明らかにすることは、米側との約束もあり差し控えさせていただきたいと考えております。
○市川正一君 はっきりした答弁ができない、差し控えたい、しかし否定はしないということであります。だとすると、こういう膨大な要求がアメリカ側から出てくる背景には、総理がこの五月、日米首脳会談で訪米された際にナショナル・プレスクラブで、わが国の周辺数百海里、航路帯千海里を日本の庭先として自衛の範囲として守っていく、こういう従来の範囲を大きく拡大したことがその背景にあります。 現に、去る九月来日したアメリカのカールッチ国防副長官が九月二十八日にアメリカ大使館で記者会見を行っています。私、その原文をここに持って参りましたが、ここでカールッチは、日米間で合意している自衛隊の役割りと任務は一千マイルのシーレーン、航路帯、そしてその自衛と防衛、こういうふうに明確に述べています。こうした日米合意に基づいて、アメリカはいまお話があったように膨大な軍拡を日本に要求し、そして鈴木内閣がこれに、こたえようとしている。 ところで、再度大村防衛庁長官に伺いますが、去る七月二十八日、本院の内閣委員会において、「ハワイ協議あるいはワシントン協議等の場において出されました意見につきましても、参考として取り入れるものがあれば取り入れる」、こういうふうに答弁されています。とりわけ、後年度負担、いわゆるローン方式のツケ払いを国民に押しつける、そして一機百億円以上もするP3C、F15、これを防衛庁の中期業務見積もりの計画を繰り上げてまでふやそうとしているのは、あなたが答えられたアメリカ側の意見を取り入れるというそのものではないんですか、はっきりしていただきたい。
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。 私がワシントンにおけるワインバーガー国防長官との会談の際に、先方の意見なりにつきまして取り入れるべきものがあれば取り入れるし、取り入れるべきでないものは取り入れないという趣旨のことを申し上げましたのは、鈴木・レーガン会談の共同声明の第八項に、日本の防衛努力について、憲法並びに国防の諸原則にのっとって、領域並びに海空域において整備を進めるという点を発表されております。この基本線に従いながら、先方の発言のうち取り入れるものがあればこれを取り入れるようにしたいし、またこういった原則から照らしまして、取り入れるべき筋合いのものでないものにつきましては取り入れないという趣旨のことを申したつもりでございます。 今回、五十七年度の概算要求を提出するに当たりましては、現下の厳しい国際情勢にもかんがみ、防衛計画の大綱に定める防衛力を可及的速やかに達成する必要があるとの判断に立って、五三中業の早期達成を図ることを基本とし、また行財政改革推進の上からも防衛力の整備、運用の両面にわたる効率化、合理化に、特段の配慮を払いつつ、正面装備の更新、近代化及び後方支援体制の充実を図り、バランスのとれた質の高い防衛力を整備することを目途として概算要求を取りまとめた次第でございます。
○市川正一君 長官、それじゃ取り入れたんですか、取り入れてないんですか。
○国務大臣(大村襄治君) 五十七年度の概算要求におきましても、一部取り入れたものもございますし、取り入れないものもございます。また、今後の五六中業の策定過程においても検討すべきものもあろうかと考えております。
○市川正一君 じゃ、その一部取り入れたというその一部は何ですか。
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。 先ほどハワイ会談において、防衛力の整備について即応性、継戦能力及び指揮通信能力の向上が重要であり、また、装備の近代化についても対潜能力及び防空能力を含めてその推進を図る必要があると、こういう意見がございまして、それらの中のうち取り入れたものも……
○市川正一君 ちょっとわかりにくいんですが。
○国務大臣(大村襄治君) それらの点について取り入れた点もあるわけでございます。
○市川正一君 そうしますと、私が先ほど指摘しましたハワイ会談におけるF15、P3Cあるいは潜水艦、護衛艦、そういう要求の一部を取り入れたと、こうおっしゃったわけですね、機数、台数は別として。
○国務大臣(大村襄治君) 即応性、継戦能力、指揮通信能力の向上、こういった点について相当取り入れたものもございます。 なお、お尋ねの装備の近代化についても、諸般の情勢を検討の上、先ほども申し上げましたように、現在の五三中業のできるだけ促進ということに努めているわけでございます。
○市川正一君 そうしますと、国民には痛みを分から合えと言いながら、F15やP3C、そういう導入計画を結果として早めているわけです。より一層財政負担を大きくする、そういう必要がどこにある。 総理に伺いたいのですが、十一月一日に読売新聞が世論調査を発表いたしました。それによりますと、ここにありますが、総理もお読みになったと思いますが、「きびしく削ってもやむをえない」というもののトップが防衛費であります。五二・五%に達しております。その反面、「削減すべきでない」もののトップは社会保障であって五三・七%、二位は教育で三九・一%であります。これは今回の世論調査だけではありません。九月二十一日に発表された同紙の世論調査でも、軍事費を抑えることに賛成七割です。福祉切り下げに反対六割です。さらに、二年前の十一月に同紙が行った財政再建世論調査でも、特に厳しく削ってもよいもののトップは防衛関係費であり、四四・五%であります。 つまり、財政再建と言うなら、何よりもまず防衛予算、軍事費を削れというのが一貫した国民の声ではありませんか。問題は、この日本の国民の声を聞くのか、それともアメリカのレーガンの声を聞くかであります。軍事費の聖域化、F15、P3Cの繰り上げ発注を含む購入計画がこういう国民の声に逆行するのは明らかです。総理、あなたはどちらの声を選ばれるのですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) この世論調査にはいろいろバラエティーがございます。わが国の防衛はこの程度でよろしいと、こういう世論調査の結果もございますし、いま市川さんがおっしゃったような調査結果も出ております。しかし、私は、わが国の防衛というものは国の安全と平和を確保する上から必要なものである、そういう観点で必要最小限度の防衛力の整備に努力をいたしております。憲法並びに防衛政策の基本、これを逸脱するようなことはしない、また近隣諸国に脅威を与えたり、そういうようなものではない、専守防衛に徹するということは政府が明確にしばしば申し上げておるところでございます。 そういうことでございますから、国民の皆さんはこの厳しい内外の情勢をごらんになりまして、わが国の安全保障、防衛の問題につきまして深い認識をお持ちになってきておることは私はそのとおりであると、このように思っております。 それから、はっきり申し上げておきますが、わが国の防衛を進めるに当たりましては、あくまで日本政府が国会の御承認を得てこれを進めるわけでございまして、他国の力によってこれをゆがめる、これを変更する、そういうことは断じてない、自主的にこれをやるということをはっきりと申し上げておきます。
○市川正一君 先ほど大村防衛庁長官は取り入れたと。要するに、その声に耳を傾けてプレーなすっているわけです。総理も大蔵大臣も、防衛費も聖域ではないと繰り返し言っておられる。だとすると、私、伺いたいのでありますが、防衛費も厳しく査定する、少なくともいま防衛庁長官とのやりとりでお聞きになったようなF15あるいはP3Cの繰り上げ発注は認めないということを明確にしていただきたい。児童手当のカット分が六十億円です。四十人学級のたな上げ分が五十六億円です。合わせて百十六億円。P3C百十六億円。合わせてP3C一機分でも賄えるのです。しかも、小佐野判決で明らかになったように、P3C導入をめぐる疑惑が改めて浮き彫りになってきております。ですから、F15、P3Cも削減対象であるということを、この際総理、この場で対象として査定するということを言明していただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、後年度負担が非常に大きくなるという問題については、財政との問題もございますから、われわれは着実に防衛費の増強を図るという基本方針は持っておりますが、やはり他の費目との整合性というものも十分に考えて、支払いのつかないような予算は組むことはできませんので、十分留意してやりたいと思っております。
○市川正一君 ということは、F15、P3Cは査定の対象、削減の対象から外すということですか、含むということのどっちなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全部査定の対象に含みます。
○市川正一君 そうすると、その点ではP3C、F15は聖域でなしに、大蔵大臣的表現をかりれば、ずばずば大なたを振ってよろしい、そういう立場、こういうふうに切っていいですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 負担し切れないようなものがきた場合にはずばずばと切ります。
○市川正一君 そういう点では勇気を持っていただきたい。 さらに、総理に伺うが、総理は日米首脳会談の第二回会議におきまして、レーガン大統領に、財政再建に政治生命をかけている、もし一九八四年までに公債依存を脱却できれば財政運用は楽になる、こう発言されました。外務省の鹿取審議官も、この財政運用が楽になるという意味は防衛予算も含まれるかもしれない、ブリーフィング、要するに背景説明で述べられた。 このことは最近のアメリカ側の一連の発言でも裏づけされてきています。たとえば去る十一月二日、日本協会セミナーで、アメリカの国家安全保障会議の日本問題担当上級スタッフのドナルド・グレッグは、「日米双方は、鈴木首相の進める行政改革で国内問題が片づきしだい、日本はより大きな防衛負担を引き受けるのだと承知している」、こう発言しております。これは総理のワシントンでの発言とぴったり符合いたします。これが鈴木行革のねらいどころなんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日米首脳会談で私は、行政改革が進んで財政事情が楽になれば、それをもって直ちに軍備の増強に充てたいと、そういうことは一遍も申し上げたことがございません。そういうことをどこでだれが言っておるのか私は責任が持てない。そういうことは、この点は本委員会を通じまして明確にいたしておきます。
○市川正一君 そうしますと、ここに私持ってきたのは、外務省情報文化局が発行いたしております「国際問題資料」であります。この中、「第二回首脳会談に関する鹿取外務審議官記者ブリーフィング」の中で、鹿取審議官は、「次に防衛問題だが、これは非常に熱の入った有意義な意見交換であった。」として、この中で、「もし一九八四年までに、公債依存を脱却できれば財政運用はらくになる。」と、防衛問題に関して彼は説明をしておるわけであります。じゃ、これはうそだということですか。
○国務大臣(園田直君) まず、先ほど質問されました十一月二日のグレッグ氏の講演の内容についてでございますが、事実は総理が答えられましたが、講演の内容を見ましても、総理がそういう約束をされたとか発言されたということは一言も演説で述べておりません。この演説で述べております最初の方は、こういうことを言っております。「米国が日本に対し防衛支出の増大を強要しているかのような「誇張」が日米間に流れているが、これは日米関係の現状をわい曲したものだ、と述べた」、これが劈頭のことであります。防衛については、日本の行政改革が終われば期待ができるという意味のことを言っているだけであって、総理の発言は一切触れておりません。 なおまた、次に日米首脳者会談後のブリーフでありますが、総理は財政再建、すなわち日本の財政の窮状を詳しく説明し、かつまた国際情勢と防衛努力については努力はするが、これには憲法あるいは財政あるいはその他の限界があるから、この限界の中でできるだけの努力はするという説明をされておるわけであります。その際、行政改革というものがいかに重要であるかと説明されておりますが、だからその先はどうだという話は一切されておりません。これは単なる想像にすぎません。
○市川正一君 私は、現実に動いている事態が、この鹿取発言にあるように、財政余裕ができれば軍拡に進むという道を歩んでいるということを事実で指摘しているわけであります。 私、これと関連して、総理が五月の日米会談で初めて声明において同盟という言葉を使ったその相手のアメリカ・レーガン政権、これがいまどういうことを進めようとしているのか、このことについて伺いたいのでありますが、いま西ヨーロッパでは、パーシングII、巡航ミサイルの新しい配備や、中性子爆弾の製造決定をきっかけにして空前の大きな反対運動が各国で起こっております。これはヨーロッパがレーガン政権の限定核戦争の戦場になるのは絶対にごめんだ、こういう切実な叫びであります。この限定核戦争という考え方はアジアも例外にしておりません。 そこで、総理に伺いたいのですが、このアメリカの限定核戦争という考え方をどういうものとして理解なすっていらっしゃるのか、お伺いしたい。
○国務大臣(園田直君) 米ソを中心にした両国の対決からくる国際情勢というものはなかなか厳しいものがあると考えております。しかしながら、基本的に米ソ両国とも核戦争に至るような対決は避けたい、避けるよう基本的な立場を有しておるということも、またこれわれわれの理解するところであります。したがいまして、レーガン大統領が述べました限定核戦争の可能性は、これは核抑止戦略の考え方を述べたものであって、現実に限定核戦争が起きる可能性を予測したものではないとわれわれは考えております。
○市川正一君 外務大臣の認識は全く事実に反します。私は幾つかの資料も持ってまいりましたが、アメリカの限定核戦争構想というのは、これは要するにアメリカ本国だけは核戦争の聖域として免れる、そしてアジア、ヨーロッパで核兵器を使うというものです。レーガン大統領も十月十六日に限定核戦争の考え方を認める発言をいたしました。また、三日前にもレーガン政権のロストウ軍備管理・軍縮局長官は、アジアなどでのソ連の通常兵器の攻撃にも、アメリカが先制的に核兵器を使って対抗することを辞さないと述べています。きょうの昼のNHKのニュースでは、ヘイグとワインバーガー両長官の間でのつじつま合わせとも言うべき事態の報道がありましたけれども、アメリカがレーガン政権のもとで核戦争の方向を指向していることは、これは間違いない事実であります。 そこで、唯一の被爆国の総理として、こういう危険きわまるアメリカの限定核戦争の構想に対して総理は明確な反対の声を上げられるべきだと思いますが、いかがでしょうか。この問題はぜひ総理に。
○国務大臣(園田直君) お話聞いておりますが、先生御存じのとおり、今日の核戦略で、ヨーロッパだけで限定して核を使うとか、あるいはアジアで使うとか、アメリカだけはその災いから逃れられるとか、あるいはまた逆にソ連が欲するところだけで使って、欲せざる地点では核は使えない、そういうなまやさしいものではなくて、一つボタンが押されれば、これは全世界に核の惨禍は及ぶと、こういうことでありますから、両国ともこれは真剣にそれを避けるようやっておるし、またわれわれは国連総会、あるいは総理の委員会、本会議における御答弁からしましても、こういう際に核戦争が起きないように、核の軍縮、実験禁止、兵器制限等をやっていることは御承知のとおりでございます。
○市川正一君 これは総理にお伺いしたかったのでありますが、私は外務大臣が出てこられたので、よほど勉強されておられるのかと思ったら、そうじゃないんですね。 いまおっしゃったけれども、アメリカ政府の歴代国防長官の国防報告、私ここに持ってまいりましたが、ここにこの限定核戦争の構想がずっと明記されているのです。たとえば一九七三年度の国防報告の中で、レアード国防長官はこう言っています。「戦域核戦争とは、米国の軍隊またはその同盟同軍によって戦域核兵器が使用され、もしくは米国の軍隊またはその同盟国軍にたいして戦域核兵器が使用される戦争のことだが、それは米国にたいする核攻撃は含まない」というふうに、いずれもこの国防報告の中で明記されているのであります。 そこで、私は引き続きお伺いしたいのでありますが、総理は、日本には核を持ち込まない、持ち込ませない、こう言いながら、実際には核を積み込んだそういう疑惑の決定的な空母ミッドウェーを初めとして米艦隊をわが国に自由に寄港させ、その上、岩国と沖縄にはアメリカの核兵器専門部隊が常駐することを認められている。これは要するに日本を足場とするアメリカの限定核戦争体制の危険な一環をなすものとは考えられないですか、お伺いしたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国が国是として非核三原則を堅持しておる、いかなる場合においても核の持ち込みはこれを拒否する、こういうことを何遍も繰り返し国会を通じて明らかにいたしておるところでございます。この方針は国民的な願いの上に立っておるものでございますから不動のものであると、このように御理解を賜りたい。
○市川正一君 そういう弁明を幾らされても、これは国際的には通用いたさぬ。日本国民にももちろん通用いたしません。 ところで、レーガン大統領は、十月二日に発表しました核軍拡計画の中で、一九八四年には一般の攻撃型潜水艦に数百基の核弾頭つきの巡航ミサイルを装備することを公表いたしました。巡航ミサイルというのは、これは地をはうように相手に気づかれないように侵入していくきわめて命中確率の高いミサイルであります。たとえばジェーン年鑑に写真が出ております。これであります、御承知だと思いますが。 そこで、西ヨーロッパの核反対の大運動も、パーシングIIとこの巡航ミサイルの陸上配備に反対するものでありますが、レーガンの計画はそれをいよいよアジアにも配備しようとするものであります。一般の潜水艦にも核弾頭つきの巡航ミサイルが積み込まれると、横須賀あるいは佐世保に新しいこの新型核ミサイルがひそかに持ち込まれることは明白であります。政府は先ほどのように口では非核三原則と言いながら、事実上これをずるずると黙認されてまいりました。こういう点について、この計画そのものに反対し、明確に拒否するという態度を日本の政府として、総理として表明さるべきであると思いますが、総理いかがでしょう。
○国務大臣(園田直君) よく勉強しておられますから御承知の上で言っておられると思いますけれども、巡航ミサイルはただいま開発中であることは御存じのとおりであります。しかも、これが開発された後、一九八四年にこれを配備したいと大統領が言っているだけでありまして…
○市川正一君 アジアヘでしょう。
○国務大臣(園田直君) まだ開発中でありますから、開発中のものを——いよいよ開発されてアジアにそういう計画ができて、日本の政府に要望があれば、そのときこれに対応する姿勢を決めるべきものであって、その際は事前協議の対象でありますから、日本としては持ち込みはノーと、こういうのが総理のおっしゃることでありまして、まだ開発中で、積んでもいない、これから積むというものをいまここで云々すべきものではないと存じます。
○市川正一君 拒否すべき態度をもっと明確にされるべきであります。 最後に、私、ことし八月九日に長崎市長が平和宣言を読み上げましたが、その中で、「考えなければならないのは、日本の国是としての非核三原則の一つ「核兵器を持ち込ませず」が揺らいでいることです。今日核の寄港、通過があったと信じている多くの人々の声に耳を傾けてください。鈴木総理大臣は、直ちにこのことに対処して真実を国民に知らせてください」、こう呼びかけています。総理は、この長崎市長の訴えにまだこたえられていないようでありますが、これは単なる一市長の声としてではなしに、国民の共通した声としてこれに何とおこたえになるのか、率直にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来申し上げておりますように、国是としてわが国は非核三原則を堅持しております。そして、この核の持ち込みに当たりましては、これは事前協議の対象になる、事前協議なしに持ち込まれるということは日米の信頼関係からいたしまして、そういうことはあり得ないことでございます。今日まで私どもは、米側からそのような事前協議の申し入れはございませんし、今後ありましても、われわれは常にこれに対してはノーと答えるという不動の方針を持っておるわけでございます。これだけ私が明確に申し上げておりますから、長崎の市長さんも御理解をいただけるものと思います。
○市川正一君 私は、ライシャワー元大使のあの証言といい、日本国民がちゃんといまの白々しい答弁を、広島の人たち、長崎の人たち、私はテレビを通じてじっと見詰めているということだけを指摘しておきたいと思います。 次に、私は、今度の臨調路線が財界主導のもとに進められていることについてただしたいのであります。 私はここに、経団連が発行している「経団連週報」、これを持ってまいりました。これを見ますと、土光臨調会長、それに瀬島龍三、宮崎輝、これらの財界代表の方々が臨調委員に内定した段階から、財界首脳による行革推進五人委員会というのをつくりまして、綿密に打ち合わせ、臨調で取り上げるべき問題、具体策などを財界から逐次進言していくことを申し合わせしています。そして、この申し合わせに基づいて、土光、瀬島氏らが再三再四にわたって経団連など財界を訪問し、臨調審議の内容を報告し、対策を協議しています。 この「経団連週報」の四月二日号を見ますと、当会——これは経団連のことでありますが、当会としては、受け身の形でなく実質的に臨調の議論をソードしていくため、山下勇——この方は経団連の行革特別委員長でありますが——を中心に、精力的に検討を重ねていく。また、行政改革は、政府に任せているだけでは実現がむずかしいと述べております。かくのごとく財界みずからが臨調リードをうたっております。 そこで、行管庁に伺いますが、山下勇前経団連の行革委員長は、臨調でどういう役職をお持ちなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 専門委員でありまして、たしか第二部会の部会長に就任なすっておると思います。
○市川正一君 そうであります。そういう要職を両方を兼務をしている。 十月二十七日の衆議院での参考人質疑の際に、圓城寺会長代理は、「財界出身者が自分のところの議論をするのはやりにくい」。その意味ではまことに正直に答えているのでありますが、まさに財界お手盛りの答申であります。さらに、十月二十八日の朝日新聞は、政界と財界が一体になって裏臨調をつくり、表の臨調審議を操った事実を行管庁幹部の証言として、次のように報じております。「臨調の瀬島竜三委員、中曽根行管庁長官、自民党の橋本竜太郎行財政調査会長らが毎週一回、会合を重ね、臨調をどういう方向に持っていくか話し合った。臨調第一次答申の骨格になった検討項目はここで大筋が決まった」、こう述べています。 そこで、私、総理にお伺いしたいんですが、第九十四国会の施政方針演説で、総理は、「清潔かつ公正な政治と行政は、社会秩序の基礎であり」「政治と行政に携わるすべての者が自戒の念をもって事に当たらなければなりません」、こう述べられた。これは本来行革の理念、課題でもあると思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) そういう精神で取り組んでおります。
○市川正一君 ところが、臨調答申を作成した土光臨調会長は、これは天下公知の事実でありますが、去る七月十三日、ロッキード疑獄事件の刑事被告人である、また総理の地位にありながら五億円の賄賂を収賄して行政をゆがめた、さらにきのうの小佐野の有罪判決などによっても有罪がますます明確になりつつある田中角榮に、行革推進の協力依頼をしております。さらに、七月二十三日には、新橋の料亭「吉兆」で田中角榮に臨調答申を出した慰労会まで開いてもらっているわけです。 これに対して七月二十八日付朝日新聞の社説は、 たとえば最近、臨時行政調査会の土光敏夫会長は、田中元首相をたずねて、行政改革への協力を求めた。 もともと行政改革とは、行財政の民主化、質的改革でなければならない。言葉をかえていえば、政・官・財三者のもたれ合い構造や、派閥実力者と特定集団の関係で決まりがちな補助金行政などにメスを加えることである。その先頭に立つ土光氏が、金権金脈政治の責任を問われている田中元首相に協力を求める。それをおかしいと思わぬところに政治や政党体質の後戻りが見える。 そういうふうに指摘しておりますが、総理はいま私の質問に対して、そうだと、本来の行革の理念をおっしゃった。だとすると、この土光会長の行動を、この社説の言うように、おかしいと思わぬのか思うのか、いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、先ほど来市川さんの御質問を伺っておるわけでありますが、一貫してその根底にありますのは反米であり、また仮財界と、そういう既成のあなた方の観念の上に立っておる。こういう点を十分もっと幅広い観点から国政を見なければ、偏ったそういう考え方の上に立っては私は国民は納得しないと、こう思います。土光さんは、ああいうような財界の出身ではあるけれども、人間的には非常にりっぱな人である。八十歳を超えるああいう長老が国家のために余生をささげようということで真剣にやっておられる、こういうこともあなた方には御理解できないのかどうか。既成の観念だけでやっておってはいけない。私は責任を持って、答申につきましては政府がこれは責任を持って実行いたします。答申は、これは政府の責任でこれを実現するということだけを明確に申し上げておきます。
○市川正一君 総理、私がお伺いしたのは、土光会長がこういうふうに田中角榮のところを訪問して、あるいは慰労会までやってもらっている。朝日の社説は、これをおかしいと思わぬところにという指摘をしているわけですから、おかしいと思われぬのか、それとも思うのか、どっちなのかということを聞いております。
○国務大臣(鈴木善幸君) そういう枝葉末節のことを私は言っているのではない、基本のことを申し上げておる。政府としては、臨調の答申を受けましてこれを実行する場合においては、国民に対して政府の責任においてこれをやると、こういうことを申し上げておる。
○市川正一君 枝葉末節ではありません。これはまさに政治の根幹にかかわる問題であります。一九七六年の九月、ロッキード事件の際に、当時NHKの会長であった小野会長、保釈中の田中角榮を見舞いのためといって訪問された。これが公共放送としての国民の期待を裏切るものとして責任をとり、辞職をいたしました。私は、この例を引くまでもなく、臨調という国民的課題に携わっておられるその当の責任者がこういうような行動をとられることはもってのほかである、はっきり私は追及する。 また、ロッキード事件当時の法相で、中曽根行管庁長官とも親しい、恐らく親しい稲葉元法務大臣、こう言ってます。この五年間で政治腐敗に鈍感になったなと。何が行政をだめにしたかと言えば、選挙に金がかかること。それをやったのが「目白」なのに、刑事被告人に根回しをするとは何事か、許せぬと、こう語っておる。ところが、総理初め政府首脳はおかしいと思わぬ。そういうところに私は鈴木内閣の体質があるということをはっきり指摘しなければならぬのであります。 そこで、財界主導のこの臨調路線の具体的なあらわれの一つとして、私は船舶建造融資利子補給制度についてお聞きしたい。 これは、すでに本委員会でも取り上げられておりますが、政府は核心に触れた答弁を避けているんです。そこで私は重ねて事実に基づいてお聞きしたい。もともとこの制度は、海運会社が外国航路を走る船をつくるときに国の資金を融資し、さらに利子補給までするといういわば海運大手企業への助成策で、昭和二十八年にできたものであります。この制度をつくるに当たって、当時、海運会社、造船会社が多額の政治献金、賄賂をばらまいた造船疑獄が起こったのであります。この汚職によって生まれた制度がこの制度でありますが、この造船疑獄に関連して逮捕された人物の中にいま私が触れました第二臨調の土光敏夫会長もおられるわけであります。当時土光氏は、造船工業会の副会長、石川島重工の社長で、政界工作に最も力を発揮した人物として特別背任容疑で逮捕されています。それが指揮権発動で救われただけにすぎぬのです。こうしてできた船舶利子補給金が、今日三十年にわたっていまもなお続いているというところにそもそも問題があります。 しかも、利子補給を受けている海運会社は大もうけをしております。たとえば海運大手四社の日本郵船、大阪商船三井船舶、山下新日本汽船、昭和海運、この四社の五十四年、五十五年度の決算を見ると、当期純利益は二年間で合計二百三十五億円にも上っております。ところが、来年度概算要求を見ると、利子補給金はことしよりもさらにふえているではありませんか。運輸省どうですか、大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) お答え申し上げます。 確かに、逐年、後年度負担として予算に計上されていきますので、金額はふえることは当然でございますが、しかしこれは国の確たる造船対策あるいは海運政策上からきたものでございます。
○市川正一君 私がお伺いしたのは、五十六年度の利子補給金と来年度の概算要求は幾らだという質問なんです。ふえているんですか、減っているんですか。
○政府委員(永井浩君) 五十六年度予算は、新規分、継続分を合わせまして六十六億円でございます。これに対しまして五十七年度の概算要求は、新規、継続を合わせまして七十八億でございます。
○市川正一君 一八%もふえておるのです。ところで、この船舶建造利子補給金は、税引き後の純利益が資本金の一〇%を超えると国庫に返還しなければならない、返さなければならない、そういう制度になっていると思いますが、間違いありませんね。
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございます。
○市川正一君 ところが、海運会社の返還実績は、運輸省からいただいた資料によりますと、わずか五%弱であります。どうしてなのか。あれだけもうけておりながら、どうして利子補給金を返さぬか。いわば返還逃れの二つの手口があるということであります。 第一の手口は、会計処理の変更であります。日本郵船、大阪商船、山下新日本汽船、昭和海運のこの四社は、会計処理の変更によって五十四年と五十五年度合わせて四百二十三億円も純利益を圧縮しているんです。しかもこの会計処理の変更に問題がある。たとえば日本郵船を見ますと、五十五年度決算で、利益圧縮操作のために貸船料あるいは借船料、この計算方法を変更している。この会計処理の変更は、費用収益対応の原則、マッチングの原則とも申しますが、これに反するものがある、問題がある、こう思いますが、会計検査院、いかがですか。
○説明員(丹下巧君) 利子補給を受ける海運会社の会計処理につきましては、運輸省で定めた海運企業財務諸表準則に従うことになっています。この準則の適用につきましては、まず運輸省の方で決めることではないかというふうに考えております。運輸省の方では現在日本公認会計士協会などに問い合わせ中でございますので、その結論を待って私どもも検討したいというふうに考えております。
○市川正一君 運輸省でも問題にして検討中である、会計検査院としても保留している、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○説明員(丹下巧君) そのとおりでございます。
○市川正一君 いまお聞きのとおりです。要するに、利益隠しをこういう形で図っているということであります。ところが、第一の手口、こういうようなやり方をしても、なおかつ利益が隠し切れぬのです。会計処理の変更だけでは隠し切れぬほどいわばもうけておるんです。 そこで、国庫への返還逃れの第二の手口、それが五十五年度から制度化された船舶建造積立金制度であります。しかも、これは運輸省、政府がわざわざつくったものです。その結果、いまでは事実上資本金の二〇%、たとえば日本郵船で申せば約八十億円です。その利益を上げても国から受けた補給金を返還しなくてもいいことになっておる。 わかりやすくするために、私、棒グラフを持ってまいりました。いま私が申し上げた日本郵船の例を見てください。(資料を示す)これがいわば一〇%ラインです。本来ならばここで返さぬといかぬのです。ところが、いまの積立金制度といって、二〇%、ここまで救ってやるんです。ですから、日本郵船について言えば、この赤い部分、二十七億八千万円、これを救済してやっているわけであります。ですから、こういういわば至れり尽くせりの形で利益隠し、そして国への返還逃れをやっているというのが実態であります。 ところで、この利子補給をする理由の一つには、日本船の減少に歯どめをかける、こういうことがうたわれておりますけれども、この点、運輸省に確認をいたしたい。
○国務大臣(塩川正十郎君) この制度を運用いたします場合に、われわれが絶えず留意いたしますのは、日本商船隊、現在六千三百万トンございますが、その中でどれだけを自国船として保有しておるかということを絶えず一つのめどにいたしまして、その自国船を国の安全保障上必要なものは持ちたい、そういう点におきまして、そのときどきによりまして補給金制度を勘案しながら海運政策を進めておるというのが実情でございます。
○市川正一君 そううたわれながら、五年たつと運輸省の許可を得て外国に売ってもよいということになっている、この制度は間違いありませんか。
○政府委員(永井浩君) 利子補給を受けました船を海外売船する場合には、五年以上たたなければだめだと、こういうことでございます。
○市川正一君 逆に言えば、五年たてば売っていいということでしょう。五年たたぬと売れぬという言い方をなさるけれども、五年たったら売っていいということじゃないでしょうか。つまり、日本船の減少に歯どめをかけると言いながら、その一方では外国に売ってもいいという、まさに底抜けです。 そこで伺いますが、一九七六年以降五年間で何隻が外国に売られ、そのうち開銀融資や利子補給を受けた計画造船は何隻あるのか、これをひとつ聞かしていただきたい。
○政府委員(永井浩君) 昭和五十一年から五十五年までの五年間で海外売船いたしました隻数は七百八十二隻でございます。そのうち計画造船の対象は二百二十九隻でございます。
○市川正一君 これが実態です、総理。国民の血税で、こういう一重二重、至れり尽くせりのいわば手厚い保護をしている。そして、つくった船はといったら、これは外国へ売り渡す。日本船の減少、そしてまた船員労働者が、それでなくても用船のために、外国からの雇い船のために職場が狭まっているんです。その中で、こういう形で日本の船員労働者をどんどん切り捨てていくようなことを公然と政府が、運輸省がやっておるのです。これが船舶利子補給制度の実態であります。 そこで伺いたいのですが、臨調答申は補助金について、「既に、その目的を達し、あるいは社会的経済的実情に合わなくなったもの」は整理合理化を進めると、こう言っておりますが、総理、どうですか、いまお聞きになって。これはその目的を達し、あるいは社会的、経済的実情に合わなくなったものの最たるものの一つと、こういうふうにお感じになりませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 市川委員の御意見も私は一つのりっぱな御意見であると存じます。臨調の答申もこれあり、私どもは厳しい財政事情の中にあるわけでございますから、いままでのような惰性で助成をすることは徹底的に見直していかなければならない。これは運輸省からもよく事情を聞きまして、厳しく対処するつもりであります。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
○市川正一君 いま不況、倒産の中で、本当に中小企業、その業者の人たち、従業員の人たち、家族の人たちは死ぬ思いです。ところが、たとえばこの海運大手の企業は利益隠しに死にもの狂いなんです。まさに利益隠し、返還逃れに四苦八苦なんです。私は、海運大手会社の利子補給こそその第一の対象とすべきだ、そしてこの制度を廃止して、来年度概算要求を認めない、これが当然の私は帰結だと思う。いま大蔵大臣は私にりっぱな意見とおっしゃったが、りっぱな御答弁もなさった。あなたは本院の予算委員会でも、あの手この手を使って、また別の手、それは認めるわけにはいきませんから、これをもとの手に戻してもらわなければという名答弁もなさっている。もとに戻っていないんです。もう一度私は大蔵大臣並びに総理の、もとに。戻すという決意をお伺いしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ともかく行政改革をスタートさせるというような厳しい財政事情でもありますし、やはり海運業界もいまは前のような倒産寸前という状況でもございません。したがって、これは実態をもう一遍私ども調べまして、新しい制度を持ち込んでこられましても、状況が変わっておれば当然それには別な対処の仕方があるわけでございますから、運輸省の意見を聞いた上でこれは厳しく対処すると、そういうつもりであります。
○市川正一君 会計検査院の方、お引き取り願って結構です。 総理も同じ決意だというふうに私理解しながら前へ進めたいと思います。よろしゅうございますね。 次に、私、最近非常に大きな問題になっております公共事業の大手企業に、よる入札問題について、いわばむだのない行政という見地から伺いたいのでありますが、まず最初に、資料をお配りしておりますが、この資料でも示しておりますように、五十二年度以降の会計検査院の検査によって、いわゆる積算ミスによる不当事項として指摘されたものの入札経過を示すものです。これを見ますと、幾つかの疑問、疑惑が浮かび上がってまいります。 その第一に、第一回目の入札で入札順位が一位になった企業は、その後何回入札を繰り返しても必ず一位になって最後には落札しております。二位以下の企業はいろいろ変動があります。つまり、これは最初から落札企業が決まっている、そういうことではないのでしょうか。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕 そして、それが一般的傾向だ。会計検査院もこのことを認めておりますが、建設大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 資料をいただいておりませんので、どの事例を指してのことかはつまびらかにいたしておりませんが、一位の方が……
○市川正一君 どうも失礼しました。(資料を示す)
○国務大臣(斉藤滋与史君) 資料を拝見いたしますと、確かにそういう事例があるようでございます。ただ、詳しく精査してみなければわかりませんが、この場合、その業者が恐らくその仕事だけはどうしてもとりたいというような意気込みがそこにあらわれて、常に一位ということになったのではなかろうかと思います。そうした関係につきましては日ごろ十分指導もいたし、厳重に監督もいたしておりますので、そういう面につきましては疑惑の持たれるようなことのないように常にやっておりますので、私は善意にこの問題につきましては解釈をしてあげたいと、このように考えているところでございます。
○市川正一君 資料がおくれましたのはまことに不手際でありましたが、建設大臣は静岡の問題について、談合問題に関して発言され、そしてまたお取り消しをすぐなさったという経緯も私踏まえつつ、もう一度お伺いしますが、偶然そういう結果になったのではないと私は思うのですが、落札者が最初から決まっていたという疑いを持つのは、それは会計検査院の方から出した資料でありますが、決して憶測でないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 会計検査院の方から直接まだ聞いておりませんが、この問題に関する限りはそうした疑惑がないように、私は信じたいし、また、そうしたことがあってはならないし、日ごろ厳しく指導しておりますので、業者につきましては私は信頼をいたしておるところでございます。
○市川正一君 これは会計検査院が正規に報告をしたものなんです。ですから、その事実に基づいて、後でお答えいただいても結構ですが、これはそういう信じたいとか信じられないとか、宗教と違うんですから、そこはひとつ事実に基づいてはっきりしてください。 私、時間がありませんから、第二は、こういう予定価格が漏洩しているのではないかという疑惑であります。その資料を見ていただくとわかりますが、これは全部発注者側に積算ミスがあった工事であります。中には鉄建公団のように適正額を二四・一%上回ったり、あるいは本四公団のように適正額を三億二千百二十万円も上回った、そういう積算ミスがあった場合もありますが、問題は、この場合入札価格が、発注者が仮に積算ミスをしても、入札側は本来は予定価格を知らずに発注者からの設計図面だとかあるいは工期などに基づいて見積もりをして入札価格をはじき出すのでありますから、その価格は発注者の積算ミスによる予定価格ではなしに、本来あるべき適正額に近い額にならぬとおかしいんですね、おわかりでしょう。ところが、この十件を見ますと、延べ五十八の企業が入札に参加していますが、ただの一企業も、適正額に近い入札ではなしに、積算ミスによってはじき出された価格に接近した入札額になっております。ということは、理由は二つしかないわけです。 一つは、この五十八の企業すべてが発注者と令く同じ積算ミスをしたということです。しかし、そんなことは常識で考えられないことです。とすれば、残るのは、この積算ミスによる間違った予定価格が漏洩し、それに基づいて入札額が決められたということしか考えられぬのです。 建設大臣、これはいわば会計検査院の責任ある報告なんですから、それに基づいて、この資料として——こういう積算ミス自身、国の資金のむだ遣いとして許せませんけれども、まことに不可解なこの事実について、予定価格が漏れていたかもしれないという疑問を持つのは当然ではありませんか。少し丁寧に質問いたしましたが、簡潔にお答え願いたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 いま指摘された問題につきましては、積算ミスにつきましては大変遺憾だと存じまして、この点につきましてははっきりおわび申し上げます。 ただ、この問題が事前に漏れた云々ということにつきましては、私はそれはないとはっきり申し上げるわけであります。もともとが積算のもとからミスをいたしておりまして、これはいま申し上げておわび申し上げたわけでありますが、そのもとが間違っておった、そのもとによって予定価格というものが出てまいっておりますので、同じような間違いをすべてが犯したという結果になったわけでありまして、会計検査院の指摘をいただいたことについて改めて遺憾の意を表する次第でございます。
○市川正一君 全く非常識、そういう論理的にもあり得ないことを偶然全部の企業が積算ミスに近い価格で入札をしている。あり得ないことを、そういう架空の答弁をなさるものじゃないです。 総理、私はこういう実態に立って、むだをなくすという見地からも、また不況に悩んでいる中小建設業者の利益を守るという立場からも、大手企業を中心としたこういう不正入札に対しては今後どう対処をなさるか、御所見を伺いたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは、建設省関係だけでなしに、公共事業全般の執行につきましては厳に適正を期するように十分今後指導してまいる所存でございます。 会計検査院におきましても、従前から厳しくそういう点は指摘をいただいておりますので、十分その反省の上に立って適正な執行をやるように努力したいと、こう思っております。
○市川正一君 最後に、私は、財界、軍事費、こういうものと並んで、言うならば聖域の一つともなっている部落解放同盟、いわゆる解同及び全日本同和会幹部が、北九州市当局と結託した乱脈同和行政について聞きたいのであります。 第一の問題は、土地転がし問題です。 ここに、これまで判明いたしました十三の土地転がしの実態を示す一覧表をお配りいたしております。さらに、これはもっとふえる見込みでありますが、その手口というのは、公有地の拡大の推進に関する法律、また、国土利用計画法に基づいて民間相互の土地取引は市当局に届けることになっていますが、これを巧みに利用し、これを情報として市の同和対策部から解同らに流されて、そして解同幹部らが先手を打ってその土地を購入して土地転がし、どんどん値をつり上げ、その上で北九州市の住宅供給公社、土地開発公社に買い取らせているというものであります。 その結果、土地価格はわずかこの四カ月間に六・五倍、あるいは七カ月の間に七倍にもなり、その差益を解同幹部らがかすめ取っております。この土地転がしによって、判明しただけでも土地の面積は十八万四千五百平米、その広さは平和台球場の十五倍に当たります。北九州市の購入価格は総額二十五億八千二百万円、うち十六億七千四百万円、六割以上が土地転がしによる差益と言われております。 国土庁にお伺いいたしますが、国土庁にはすでにこの十二件について資料を提出し、調査を求めておりますが、その結果どうなっているのか、国土利用計画法違反、現時点で何件判明したかをお伺いしたい。
○国務大臣(原健三郎君) 国土庁としては、北九州市当局に対して、早急に調査を行い、厳正な措置をとるよう求めたところでございます。 現在までに国土利用証画法の届け出義務違反が判明した取引につきましてはすでに市当局に措置を講じさせたところでありますが、このほかにも国土利用計画法違反の疑いのある取引が見受けられるので、目下市当局に調査をさせておるところでございます。
○市川正一君 まさに底なし沼でありますが、早くその調査結果をお知らせいただきたいのですが、しかも、ただ高いだけでなしに、北九州市が購入したこういう土地が遊休地になっているということであります。たとえば住宅供給公社及び土地開発公社で総計五十一件、九十万平米、百六十八億円が遊休地であります。この遊休地の実態を調べると、土地転がしはさらにふえる可能性がありますが、同和関係の施設を調べてもさらに土地転がしの実独は明らかになるはずであります。 総理にお伺いいたしますが、こうしたことは国や山治体財政の浪費の最たるものであり、会計検査院、行管庁あるいは警察、検察を含めて徹底的に調査究明すべきだと思いますが、御見解を承りたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは、中央の各省庁だけでなしに、地方公共団体につきましても同様でございまして、十分中央、地方、協力をいたしまして、そのような事態が再び起こらないように、今後政府としても最善の努力をいたしたいと、こう思っています。
○市川正一君 第二の問題は、この土地転がし差益の脱税問題であります。 たとえば、中心人物の一人である木村政男解同小倉地協書記長については、わが党の小沢衆議院議員の質問に対して、すでに法務省は調査中であると、こう答弁なさっています。その後のわれわれの調査では、松尾正信全日本同和会会長、彼は七八年に土地転がしで七億円を超える差益を上げておりますが、その時期、つまり七九年の申告所得は四百五万円です。その前後を見ても、七八年は三百六十万円、八〇年は三百六十五万円にすぎません。脱税は明白であります。国税庁はこの件について調査なさいましたか。
○政府委員(吉田哲朗君) 税務上個別にわたることにつきましては具体的な答弁を差し控えさせていただきますが、一般的に申しますと、大口の土地譲渡につきましては、特に資料、情報の収集に努めまして課税の適正を期することにしているところでございます。
○市川正一君 要するに調査しますね。どうこうということは言いませんが、調査しますね。
○政府委員(吉田哲朗君) いまお尋ねの北九州市における住宅供給公社等一連の取引につきましては、いろいろ御指摘の点も含めまして今後その実態解明に努めてまいりたい、かように考えております。
○市川正一君 問題なのは、この問題に対して北九州市長は、こういう明白な不正の態度について議会が要求しても資料など一切出さぬ、市民に対しても何ら事態を明らかにしようとしていないことであります。 自治大臣、こうした谷北九州市長にその態度を改めるよう指導さるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 資料の公開の問題でございますが、自治体のそれぞれの責任においてこの問題は決断をすべき問題だと考えます。一般的に申しますと、なるべく公開した方が私はいいと思っておりますが、そういう面について指導をしてまいりたいと思います。
○市川正一君 これは、北九州市だけのことでなしに、全国各地でいわゆる窓口一本化のもとで解同やあるいは同和会などの暴力的圧力や介入によって行政の公正平等の原則を踏みにじって、事実上行政と財政を支配する不法な事態が起こっておる。大阪市でも、現に同和用地として遊休地になっているものが、昭和五十五年三月末現在で甲子園球場の約五倍に上っておると言われております。 この際、国民の税金のむだ遣いをやめさせ、真の部落解放のために、適正に効率的に予算を使うために、窓口一本化をやめて、そして同和対策特別措置を、同特法に基づく同和対策事業を洗い直すべきときであると思いますが、総理、いかがでしょう。
○国務大臣(中山太郎君) 五十七年度以降の同和対策事業をどうするかと。いまの問題も含めてでございますけれども、いろいろと同和対策協議会の中間答申等も踏まえまして、政府は、八月二十八日の関係閣僚の協議によって、今後一定期間同和対策事業をやる必要があるということは認めるけれども、なお、今後のいわゆる事業の執行については効率かつ有効にその施策をすることが必要であるということで閣僚が同意をいたしまして、総理のいわゆる承認もいただいております。そのようなことで今後は運営をしてまいるべきであろうと考えております。
○市川正一君 最後に、以上指摘してまいりましたように、軍拡のために福祉を切り捨てる、こういう政策が、私は、国民の大きな反撃を受け、必ず破綻することは明白だと、こういうふうに言わざるを得ません。 同時にまた、本委員会において理事会預かりになっているのは社会党の罷免要求の取り扱いであります。したがって、委員会でわが党が奥野発言問題を追求するのはこれは当然であります。この点では、私は、まことに委員長の運営に対して遺憾であるという強い抗議を表明するとともに、今後、これに対してわが党は拘束されず、徹底的に追及していくことを表明して、私の質問を終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 政府の基本的な考え方を申し述べておきますが、軍備増強のために社会福祉等を犠牲にする、そういうようなことは断じていたしませんから、明確にいたしておきます。
○委員長(玉置和郎君) 柳澤錬造君。
○柳澤錬造君 私は、民社党・国民連合を代表して、行政改革特例法案に対しての総括質問をしてまいります。 いまの日本では不公平な問題が多過ぎます。国民が納得をして税金は納めておりませんです。これは本会議でも私が質疑をいたしましたが、今回の行財政改革は単に五十七年度の予算編成のためのものではないでしょう、額に汗してまじめに働く人々が報われるような信賞必罰制度が確立すること、あらゆる職場、あらゆる地域に社会秩序が保持されて、自由で平和な福祉国家を目指す新しい国づくりという基本理念を持って取り組むことでしょうということをただしたときに、総理の方からは、全面的にそれについては同感だという御答弁をいただいたわけであります。 その上に立って私が総理にお聞きをしたいのは、総理がよくこの行政改革に政治生命をかけるとおっしゃっています。それはどういう意味なのか。私が理解するのは、この法案を通すことが問題ではなくて、言うならば、来年第二臨調が本格的な答申を出してくるわけなんです、この第二臨調が来年出してくる本格的な答申について、政府としてそれは尊重いたします、その実現のために政治生命をかけますというそういう理解で判断をしているのですが、その点のところを総理から解明していただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回、国会におきまして御審議をいただいておりますのは、臨調の中間答申を受けて、これを最大限に尊重して政府が立法措置等を講じ、国会の御承認を得たいと。これはあくまで行財政改革の第一着手でございます。 御指摘のように、この行財政改革はこれをもって終わるものではない、むしろこれは第一着手でありまして、私は今後におきましても、臨調の答申を受けながら、政府の責任におきまして強力に行財政全般についての改革をやってまいりたいと、このように思っております。
○柳澤錬造君 これは行管庁長官の方でよろしいのですけれども、政府から第二臨調に何か注文をつけておりませんかどうか。この間、一昨日のときには中曽根長官はフリーハンドでやってもらっているという御答弁がありました。しかし、私が知る限りでは、政府から何らかの注文をつけているということを聞いているので、その辺長官からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 注文というようなものはつけておりません。ただ、臨調が始まるときに、臨調の皆さんに私から要望として申し上げたことが二、三ございます。それは、一つは官民協調でやってください、そういうことと、それから第二番目は、おのおのの所属を離れて国家的大局に立った御判断を願いますと、労働組合だ、やれ財界だというからをつけた判断は困りますと。それから第三番目は、できましたら答申は実行可能なもので、しかも国民の皆様方から見てよくやった、そこまでよくやったと、そういうものをおつくりくださいと、これが私のお願いでございますと、そういうことを申し上げておきました。
○柳澤錬造君 一番目、二番目は大変結構なんだけれども、三番目の実行可能なものというところに私は若干問題があるような気がするのですけれども、それはそれ以上申し上げませんが、これは総理の方に私は保証していただきたいのですが、この臨時国会が終わったら内閣改造なさるはずなんです。お残りになる大臣もいらっしゃるだろうし、交代なさる方もいるわけです。えてして、大臣が交代されますと、その前の大臣が御発言したことがうやむやにさせられていってしまう。この行政改革ではそれがやられたら困るわけなんです。ですから、そういう点で仮に内閣改造が行われて大臣がかわっても、いまここでもって皆様方御発言なさることについては責任を持ちます、保証いたしますということを総理から明らかにしておいていただかないと、これから私いろいろお聞きするのにぐあいが悪いですから、その点総理の保証書をお出しいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま私はこの国会において行革法案の成立、国会の皆さんの御支援をお願いしてこれに全力を尽くしておる段階でございまして、内閣改造というようなことは具体的に考えておりません。仮にそういうことがございましても、内閣の国民への公約というものはこれは一貫をしていなければいけない。私が総理としてやってまいります以上は、私の内閣は現在もあるいは将来も私がやっている以上は、行財政改革に対して熱意を持って取り組んでいただけると、そういう方々と一緒にやってまいる考えでございます。
○柳澤錬造君 この特別委員会の開会の冒頭に玉置特別委員長の方から、内閣改造云々の総理のその御発言でくぎを刺されましたから総理はそういうこと言われたのだと思いますし、私もそれ以上深入りして申し上げるつもりはございません。ただ、大変大事なことなんで、仮に大臣がかわられても、いまいろいろおやりになっていることはそのままやっぱり継続されていくのだということをぜひ総理はお考えいただいて、そしてさらに大事な点をお聞きをしていくのですが、この行政改革というのは、私は法律が成立したらそれでいいというものじゃないと思うのです。この法律が成立するのがスタートになると思うのです。それからがうまくいくのかどうかということになるので、そういう面に立ちまして、私は、中曽根行管庁長官が予算委員会のときに、土光さんと心中するつもりですというようなことを言われたことをいまでも覚えているのですが、あの土光さんと心中するつもりですという言葉を聞いたときに、私は大変申しわけないんですけれども、中曽根長官は土光さんのお人柄を知らないなというふうに思ったんです。私は土光さんとは長いおつき合いもしてまいりましたし、あれほどりっぱな人はおりませんです、私が尊敬するんですから。ですから、そういう意味において第二臨調の会長に土光さんのようなりっぱな人を引っ張り出したということは、私は総理なり長官なりよくやったなと思いますし、そういう意味で、あの土光さんを会長にしての第二臨調でもっていい答申を出してほしいということは私も希望するわけなんです。 そこで、私は長官なり総理にもお聞きをいただきたいのですが、長官はこの行革で土光さんと心中するつもりですと言うのだけれども、私のお願いしたいのは、土光さんと心中するのじゃなくて、国民の皆さん方と心中する気持ちでもってこれに取り組んでいただきたいということなんです。そうでなければ成功しませんというんですよ。どうやってこの法律の持っている内容というものを国民の皆さん方に理解をしていただくのですか。 どちらかというならば、いままで政府がお考えになっているということは、政府は余り痛い思いをしないでやろうとしている内容がかなりあるわけですよ。それで、中曽根長官は四日のときにも御答弁の中で申されましたけれども、行政改革は国民が望んでいる、支持をしていると言われた。国民が行政改革を支持をしていることは間違いないんですよ。しかし、国民は、行政改革をやってくれ、むだな税金を取るのをやめてくれということは一生懸命望んでいるけれども、そのことが即いまの政府がおやりになることを支持しているのじゃないんですよ。そのところをよくお考えいただかなかったならば私は大変なことになると思うのです。 いつも言うように、私はこの行革というのは新しい国づくりでしょうというんです。鈴木総理も二十一世紀に向けての国家的な大計だとおっしゃったのですから、本気になってその気持ちでもってお取り組みをいただきたいし、額に汗してまじめに側いている人たちが、ああよかったなとそう思って恵んで働けるような世の中、社会にどうするかということが私はこの行政改革の勝負だと思うのです。その国民の支持をどうやって得るのですかということがポイントになるんです。皆さん方がいま国民から支持を得られていると思ったら大変な間違いです、これは。その国民の信頼を得るために国民の心をどうやっておつかみになるのですかというそこのところは総理、理念というよりかむしろ私は哲学といった方がいいと思うんだけれども、そういうものを本当に総理なり大臣の皆さん方がお持ちになってこの行政改革にお取り組みですかということなんです。そこのところを皆さん方からお聞きしたいのです。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は当委員会におきましてもすでに申し上げておるところでございますが、行財政改革と取り組むに当たりまして、納税者である国民の立場に立ってこれを考え、これに取り組んでいくのだと。国民の皆さんはできるだけこれ以上負担はしたくない、負担はぜひ軽くしてほしい、そして納めた租税並びに社会保険料その他の負担金等はこれを最も効率的にむだのないように使ってほしい、国民の生活安定のために、福祉向上のために使ってほしい、こういうことが私は納税者である国民の皆さんのお考えであろう。その心を心として私は行財政改革に取り組んでいくのだということを先般来申し上げておるところでございます。この気持ちを具体化するに当たりましては、いろいろございますが、そういう基本的な姿勢、そういう哲学で取り組んでまいると、こういうことです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は国民の皆さんと心中はしません。国民の皆さんには生き残ってもらって、私らは土光さんと一緒に朽ち果てても結構だと、これが私の行革哲学であります。
○柳澤錬造君 行管庁長官、あなたがまだそういうことを言うから、土光さんのお人柄を知らないと言っているのはそこなんですよ。土光さんの方でもって行管庁長官となんか心中したくないと言っていますよ、よくお聞きになっていただいたら。私は、時間を委員長からいただけるならば、土光敏夫さんというのはどういう人なのかということを私本当に大臣の皆さん方に聞いていただきたいと思うくらいです。しかし、それは時間がないからあれですけれども、時間の関係でそれ以上——ほかの大臣、私どなたがお立ちになるかと思って特に指名しなかったけれども、行管庁長官だけであとの大臣はお立ちにならなかったんだから、そういう点においては私がお聞きしているようなこの行革というものに対しての哲学はお持ちになっていないのかなという結論を持つしかないのです。 それはさておいて、財政再建の問題でこれは大蔵大臣、むしろ時間があれば最後のときに少し大臣の御見解も承りたいと思うのですが、そう言ってもおしまいまで時間が残るかわかりませんので、二つの点だけ申し上げて大臣の御見解もお聞きしておきたいと思うのです。 一つは、予算編成について物差しがあるんですか。私がずっといままで見ている状態ではないんじゃないか。ずっと一貫した物差しをお持ちになるようでないと、ことしのように来年度予算についてはゼロシーリングなんということになってしまうんです。 私が調べたのは最近五年間の状態、そして十年前の五年間の状態はといって調べてみたんです。そのことはGNPの中でもって予算がどのくらい占めているか。そしたら、昭和四十二年度は一〇・七%です。四十二年度が一〇・六%、四十四年度が一〇・四%、四十五年度が一〇・六%、四十六年度が一一・四%というように一番高いところで一一・四%、低いところは一〇・四%。別にそんなもの何しておったわけではないけれども、あのころはわずか一%の幅の中へずっと五年間国民総生産が伸びていって大体バランスがとれてきておった。それがこの五年間はというと、昭和五十二年度が一五・一%、五十三年度が一六・六%、五十四年度が一七・三%、そして五十五年度が一七・二%で、ことしの五十六年度で一七・七%、だんだん上がってきてしまうわけなんです。ですから、その辺のところは来年度の予算がどうこうでなくて、やっぱり共通の一つの物差しをお持ちいただいて、それでことしはどうも不景気だ、何とか景気をよくしなけりゃといえば二兆円でも三兆円でも国債なり何なりからお金を出して景気刺激をやる、それで景気がよくなったならばそういうプラスアルファで出したものはやめて、今度はまた正常な状態にするという形でそれは私コントロールをとっていいと思うのです。ただ、何かそういう物差しをお持ちをいただかないと、いつも前年度プラス何%だというようなことばかりやっていると、一度ふくらんだらもう収縮しないんですから、その辺の考え方だけ大蔵大臣にお聞きをしたいのですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 長期、中期的に見ますると、GNPの伸び率というものは予算の伸び率とほぼ同じような伸びが大体常識的だと思います。しかし、いまお話があったように、世界のいろいろな経済の変動あるいはまた国内のいろいろな災害その他の変動等がありますから、単年度的には必ずしも一致はする必要はない。しかし、GNPの伸び率と予算の伸び率とが長期的に無関係であるはずがございません。なぜならば、それは予算では当然支出の裏は負担の問題がついておるからであります。
○柳澤錬造君 もう一つの点は国債のことで。 これはもう自由流通市場をつくって、株と同じようにマーケットで売買をしてやれるような状態をつくればその実勢金利が一つの国債の発行をコントロールする役割りを果たしてくれるし、そういう点をぜひおやりになってくださいと言った。そのとき大臣は、私が市中銀行に押しつけばかりしていると言ったら、押しつけどころじゃない、簡単に買ってくれないんですよということを大臣は答弁されたのですけれども、考えていただきたいんですよ。昭和四十五年度のときは日銀が一兆円ちょっと、資金運用部も一兆円ちょっとで、市中銀行も四千百九十五億。それで五十四年になったときは日銀が八兆九千億、資金運用部も八兆ちょっと、八倍伸びて持たしている。市中銀行は二十三兆六千五百二十四億で五十六倍も持たしているんです。簡単に持ってくれないではなくて、もうこれ以上市中銀行に押しつけても銀行の金融政策がどうにもならないような状態で持たされているから困りますといっていまやっているわけなんですね。だから、そういう点で一朝一夕に簡単にいくものじゃないですけれども、やっぱり国債の自由流通市場をぜひともおつくりになる、そしてそこでもって自由に売れるようにして、どちらかというと国民が国債をもっと持てるようなことをお考えいただきたいし、つけ加えてもう一つ申し上げたいのは、五十九年度から赤字国債をゼロにすると言ってやっているのですけれども、本当にできるのですかということなんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現在でも証券市場で国債の売買は行われておるわけです。行われておるわけですが、その自由市場ではとてもとてもさばき切れるほどの数量ではない、もう膨大な数量であるから。したがって、シンジケート団に割り当てていると言っては語弊がありますが、交渉をして抱えてもらっておるというのが実情です。われわれはこれについては一刻も早く国債の量を減らさなければ、日本経済にいろいろな面で悪影響が出ておるということでもございますので、さしずめ五十九年度までに赤字国債の発行から脱却するという方針を立てて毎年努力をしておるわけでございます。これはやらなければならないことでございますし、国会の御協力が得られれば必ずできる、そう信じております。
○柳澤錬造君 大蔵大臣、中期展望のあの中では確かに五十九年度の赤字国債はゼロにしているんです。しかし、私が言いたいのは、五十九年度の国債費が九兆五千五百億なんです。あの計画というものは、この国債費の九兆五千五百億は税金で払うんですよ。それで、片方でもって建設国債で六兆七千九百億を発行して公共投資その他に使うというんです。これは大蔵省の中のお役人のそういうふうな計算では成り立つかわからぬけれども、同氏の立場に立ったらそんなことは理解できませんというのです。少なくとも、いままでの国債の金利に九兆五千五百億を払うというならば、国債を出す六兆七千九百億はその金利の支払いに使うべきだし、金利の支払いに使うということは、それはもう明らかに赤字国債です。だから、そういう点を単なる数字の合わせみたいなことはおやめいただいて、そしてお取り組みをいただきたいということだけ私要望しておきまして、次に移りたいと思うのです。 厚生大臣いらっしゃいますか。官民格差の問題で、私が本会議で聞いたときの厚生大臣の御答弁は、あれはどういうことなんですか。格差を取り上げれば数え切れないほどある、私はそんな不見識な答弁はないと思うんです。それで大臣、もう一回私が、時間もあれですから、かいつまんで申し上げるのでお答えをいただきたいのです。 公務員は共済年金をもらうわけです。民間は厚生年金があるわけです。賃金の方は人事院の勧告が出てくるから、それほど大きな開きはないんです。ところが問題は、退職金と年金においての格差が大変に大きいわけです。結局、民間の厚生年金というのは、全加入期間の平均標準報酬月額を基準にして算出をして、六十歳から支給される。公務員の共済年金の方は、最終の一年間の俸給を基準にして算出をして、五十五歳から支給されているわけなんです。その結果、退職金と年金の金額を合計いたしますと、七十二歳まで生きたとして民間の場合で四千七百九十万、国家公務員の場合で六千七百万、地方公務員の東京都になりますと八千六十万、大阪へいきますと八千百七十万。いささか開き過ぎていますでしょう。民間を一〇〇として公務員が一四〇、大阪になると一七〇、七割増しなんです。このことをどういうふうにして是正をするおつもりですかと聞いたら、大臣から格差の問題なんか取り上げりゃ数え切れないほどあるという御答弁をいただいたので、そういう不見識な御答弁では満足できませんので、もう一回お答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(村山達雄君) 公的年金につきましては、御承知のように多くの公的年金がありまして、大きなグループで言っても八つあるわけでございます。それてそれぞれの年金が、その当初の目的、それから沿革あるいは現在における財政状況が非常に違うわけでございます。そして格差と言う場合に、おっしゃるように形式的な差異がたくさんあるということを私は申し上げたわけでございます。いま挙げました、たとえば支給年齢の開始時期の問題、それから男女の差、これもあります。私が申し上げておりますのは、それらのうち不合理の格差をまずなくすべきではないか、こういうことを申し上げておるのでございます。 形式的な格差がたくさんございますけれども、やはりその形式的な格差のうちで、いろいろ検討してまいりまして、ここだけはどうしても直さにゃならぬという格差、これは多くの点で、人によっても評価は違いますけれども、普通言われておりますのは、たとえば支給開始年齢の問題はどうであろうか、ここは一つ言われているわけでございます。それからまた年金算出の基礎として、いまお挙げになりました一年間の報酬をとるか、直近一年間をとるか、あるいは直前一カ月をとるか、これはまた違っておりますが、同時にまたその算定の基礎になるものは本俸だけでやっているのか、あるいは全体の家族手当その他も含めた全報酬でやっているのか、それから積立率も違うわけでございますから、私の言っているのは実質的な不合理の格差を是正すべきである。その手法としては、何といいましても、現在のところ共済年金に関する基本問題研究会がすでに持たれておりますから、まず共済年金について一つの結論を出していただく。それと今度は厚生年金とずっと比較していく。それぞれ所管省があるわけでございますから、所管省が責任を持って、そして漸次その実質的格差の問題を詰めていくということ、これが一番大事でなかろうかと、こういうことを申し上げているのでございます。 私がたくさん格差があると言っているのは、形式的な格差はたくさんある。たとえば退職後、その退職後、前の年金がすぐもらえるとかあるいはそれが抑制されるとか、いろいろあるわけでございますが、それらの問題の実質的な不公平、あるいは格差と申しますか、それはどこにあるかということを関係省庁が詰めていくべきだ。また、現在まで歩み寄ってきたところも多くあるということは委員御承知のとおりでございます。そういう努力を積み重ねた上で、それで言うところの一元化の方向に向かうべきであろう、こう申し上げているのでございます。
○柳澤錬造君 厚生大臣ね、後の方で大臣の皆さん方が笑っていますよ。それで村山厚生大臣、いま大臣がおっしゃるようなことは何も大臣からお聞きをしなくてもわかっているんです。これはきのうきょう起きた問題じゃないのだから。そうは言ったって、簡単にいけるものでないことは私もわかっているんですよ。しかしこのままじゃいけないから、こういう方向で直しますといったそういう一つの方向を出してもらわなければ困るといって聞いているのですけれども、委員長がお聞きになったって、あれは答弁にならないわけでしょう。といって、これ以上またやると私の持ち時間が減っちゃうから困りますよ。 自治大臣の方にお聞きいたしますが、今度は賃金のいわゆる国家公務員と地方公務員の格差ですね、それで確かに大臣もおっしゃるように、徐々に直る傾向があることは事実だけれども、それでもかなりまだ大阪周辺の和泉大津市が二八・九%高いとか、東大阪も高槻も二八%高い。簡単に言って年間約百万円違うんですよ。国家公務員よりかも大阪周辺のこの人たちは百万円よけいいま給料をもらっているようなことになっちゃうので、それは地方自治体がお決めになることだけれども、政府として放置をしておいてよろしいのですか。ここのところの住民の人たちがそんなに金持ちばかりいるわけじゃないのだけれども、その辺もうちょっと自治省として行政指導で何かおやりにならなければいけないと思うのだけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) だんだんと格差が縮まっていることは事実ですが、おっしゃるとおりに、実際問題として相当ひどいところがあるわけです。退職金の問題もまたしかりでございます。これをそのまま私は放置するわけにはいかぬと思っております。 しかしながら、一つの自治権を持っておる団体でございまするので、これはやっぱり住民各位の認識もひとつ高めてもらうということが必要じゃないか、こういうことで、給与の実態等につきましてその団体においてその比較、内容等を公知をさせるというようなことをひとつやろう。それからまた、いままで一般的な行政指導をやっておりましたが、個別的な指導も自治省としてはこの点についてやろう。そしてまた、どうしてもそれで処置のできないものにつきましては財政上の問題も考えていこう、こういう態度でいこうと思っております。
○柳澤錬造君 安孫子自治大臣、それはぜひおやりをいただきたいと思うんです。地方公務員と国家公務員が賃金がこんなに違うなんてことは決していいことじゃないのですから、これはぜひ改めていただきたい。 次にお聞きしたいことは、公務員の人事院勧告の問題です。 総務長官、国家公務員法の二十八条によりますと、人事院には勧告を怠ってはいけないということをちゃんと法律で義務づけています。人事院にはちゃんと勧告制を怠ってはいけませんよということを法律で義務づけているのだけれども、その勧告が現実に現在、八月七日だったですか、出されてきているので、総理もう三カ月はたつのですけれども、この人事院勧告についてどうするのかということの態度がいまだにまだ政府が出し切れないでいるわけなんです。これは国家公務員は団体交渉を取り上げたのですからね、団体交渉を取り上げてその見返り、そのかわり皆さん方の賃金はこういう人事院をつくって、この人事院に毎年勧告させるようにするよと言って決めたわけでしょう。だったら、その人事院が出した勧告はやはり政府もきちんと守って、そして出てきたならばそれは早速実施をするということをやるべきなんで、この点について見解を明らかにしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の人事院勧告に関しましては、八月七日に五・二三%の引き上げを勧告してこられたわけでございます。その日に給与関係閣僚会議を開き、国の財政事情等も関係閣僚で相談をいたしましたが、その当時財政収入というものがきわめて悪い。昨年も御案内のように、八月に勧告をいただいてから四回給与関係閣僚会議を開いて、非常に財源難の中を十月の二十八日の深夜に第四回の給与関係閣僚会議で完全実施ということになったわけでございますが、今年は昨年に比べましてさらに税収の状況が非常に悪いという中で、二度日の会議を九月十八日に開きました。その時点におきましても大蔵当局からはなお税収の見通しが立たない、こういうことでございまして、私どもとしては、今日までの組合の方々、公務員の方々が今日この日本の発展のために大変大きな貢献をされてこられた、その背景にあるものはやはり安定した労使関係であったということで、私どもといたしましては、できるだけ誠意を持って安定した労使関係を今後とも維持したいということを基本にしましてただいま努力をしておりますが、近く第三回の給与関係閣僚会議を開いていただきたいと給与担当大臣としてはお願いを申し上げて、その後の税収状況をお聞きした上でできるだけ早く結論を出すように今後とも努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○柳澤錬造君 担当大臣からいま御答弁をいただいたので、内閣をまとめている官房長官として今後どうするつもりでいるのか、御答弁をいただきたいです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 給与関係閣僚会議でいろいろ議論のございますことはいま総務長官からお話がございました。他方で、給与法を改めます作業そのものは御承知のようにかなり複雑で手間のかかる作業でございます。しかも年末賞与は暮れにはやはり払わなければならないという性格のものでございますので、財政等々の事情が非常に鮮明でない、むしろただいまのところは余り明るい見通しでないというふうに大蔵大臣は判断をしておられるわけですが、さりとていまの年末の賞与等々を考えますと、方針をいつまでも決めずに放っておくわけにもいかぬというような、そういう時間の要素もございまして、十一月の後半のある時点ではもう一遍給与関係閣僚会議を開いて、そのときの時点でさらに詰めて議論をしていただかなければならないのではないかと、私限りではただいま実はそういうことを考えております。
○柳澤錬造君 これはその程度の答弁でわかりましたと言うわけにいかないので、やっぱり総理の御決断をお聞きしたいんです。総理ね、本当に財政的に決して私は余裕があるなんていうことは思いません。大変苦しい状態である。しかし、決めたことはきちんとお守りをいただいて、それで苦しくても政府もこのとおりルールは守ってやっているんだ。だから国民の皆さん方もルールは守ってくださいよ、法律は守ってくださいよということを言うのじゃなかったら、どうして国民が支持しますかと言うのです。 だから、どうにもこうにも人事院勧告が出てきたけれども銭がないから実施をするわけにはいかないから、それじゃ国家公務員はこうなっているけれども、あの中でもって言うならば団体交渉権を封印をしたけれども、あれは外して、それで団体交渉権はみんな返すよ、だからもう国家公務員はみんなここに並んでいる大臣に向かってそれぞれのところが賃金交渉をやって決めてくれと、そういうことをよろしいと言うならば別ですよ。あなた方の団体交渉権は封印してもう使わせないよと言って、それはそのとおりにしておいて、そうして今度は政府が守るべき方については、いや銭が大変だ、苦しいのだ、閣僚会議をやってもこうなんだから、今度は十一月の中ごろにもう一回やってもらうからと言ったって、それは通りませんと言うのです。さっきもお話があったように、昨年も十月二十八日にお決めになった。それでも遅いわけですよ、もう三ヵ月からたっているのですから。総理から完全実施をいたしますということについて明確な御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 給与担当の総務長官、内閣の取りまとめに当たっております官房長官からそれぞれ御答弁申し上げたとおりでございます。財政当局を督励をいたしまして、遅くとも十一月の下旬には税収その他の財政的な裏づけに必要な原資についてのめどをつけるようにということを、私から大蔵大臣にお願いをいたしておるわけでございます。それをもちまして、給与閣僚会議を開いて誠意を持ってこの問題に政府としては対処していきたい、こう思っています。
○柳澤錬造君 総理、じゃ別に約束したとかなんとかそういうことは言うべきでないので、しかしいま総理が十一月下旬をめどにと言われたそのことについて、総理が誠意を持ってそういうことをお答えをしたのだというふうに私もそれは額面どおり受け取りたいと思うのです。ですから、そういう点でできるだけ早くやってあげてください。 それから、これは人事院総裁はいらっしゃっていますか。今度は国家公務員の方もやっぱり守っていただかなきゃならない点で、いまとは逆なことで申し上げるのですが、休暇の問題なんです。 国家公務員の休暇というのは、国家公務員法によらないで、大正十三年の閣令四号をよりどころにして人事院が人事院規則を決めてやっているのです。そのこと自体も私はおかしいと思う。しかも、その人事院規則の中で「年次休暇は、一日、半日又は一時間を単位として与えることができる」。ILO条約にも年次休暇の条約はありますけれども、一労働日というか、労働日を単位にして休暇は言っているんです。一時間単位の休暇なんてものはどこにもないので、少なくとも内閣総理大臣がサミットに出席するだけの日本の国なんですから、どれだけの経済力を持ち、これだけのいわゆる先進国になった日本の国で、しかもいま週休二日制にしようかと言っているわけでしょう。週休二日制にどうやってしようかとやっているときに、一時間単位で休暇を認めてやらせているなんて、そんなことは許されることですか、そんなことでよろしいんですかと言いたいのですけれども、人事院総裁の御見解をお聞きをしたいです。
○政府委員(藤井貞夫君) お話の筋は私も同感の点が多々あると思います。ただ、現在の制度はそれなりの実は理由がございまして、休暇をとるという場合に、これはいろいろございますけれども、たとえば家に病人があって他に、手伝いもない、そういう際に病院まで連れていかなければならぬというふうなことが仮にあったといたしました場合に、本人としては、一日とらなければいけないということでなくて、二時間でこのことは終わるんだというような場合もあるわけでございます。そうなりますと、公務の関係から見ますと、できるだけ短時間で帰ってきてもらってまた仕事に励むということができれば、それにこしたことはございませんですし、本人のこれは希望にもかなうという面もあるというような点を骨子といたしまして現在の制度、これは御指摘になりましたように、非常に古くからそういう運用でまいっておりまして今日まで来ております。 ただ、この点につきましては、いま御指摘になりましたように世界の大勢から申しましても、また条約の趣旨等から申しましても、そもそも年次休暇ということの制度の本質から言いましても、これはやはり一種のレクリェーションと申しますか、そういうことがやっぱり本来の目的として認められておるものですから、これを細切れにやっていくということは大変問題があろうということは本質的には言い得ることでございます。 そこで現在、これもお触れになりましたように、休暇制度については古い閣令をもとにして運用をしておりますが、これがやはり近代的なものとして休暇制度自体を確立するという必要性は認めておりまして、私どもの方も鋭意検討をいたしております。また人事院といたしましては、六十年度を目途といたしまして中長期のいろんな問題の対策を講じておるわけでございますが、それの一環としてもできるだけ早く検討を終えて結論を出して、いわば近代的な休暇制度のあり方という本来の姿に立ち戻るように努力をいたしたい、かように考えまして、今後も努力してまいりたいと思っております。
○柳澤錬造君 人事院総裁、検討していらっしゃるというのだからよろしいですよ。ただ、申し上げておきますが、いま総裁が言われているようなことはILO条約では否定しているんです。認めていないんですよ。 それがよろしいというのなら、労働大臣に私はお聞きするんだけれども、労働大臣はどういう御判断をお持ちになるか。いま人事院総裁が言ったような、その方が都合がいいからといってお認めになるのならば、やっぱり労働基準法を改正して民間も全部そういう休暇のとり方させたらいいと思うんです、それがいいというならば。しかし、そんなことは国際的にも通用しないことで、そんなもの日本がいまやったら笑われることなんで、やっぱりむしろ人事院の方がお考えをいただきたいと思うんですよ。ILOの条約でもいま総裁がおっしゃったことは否定されているんです。だから一日だけ私は労働大臣にお聞きをしておきたい。人事院総裁が言われることがいいならば、民間も法律改正してそういうふうにすべきだし、いけないとおっしゃられるならば、それはいま総裁の方では御検討すると言うのだからやっていただけばいい。
○国務大臣(藤尾正行君) お答えをいたします。 世界的な情勢があるわけでございますから、そういった情勢にひとり日本だけが違った基準で進んでいくというようなことは適当でありません。したがいまして、人事院総裁にお考え直しをいただいて、世界的な方向に向けるようにやっていただきます。
○柳澤錬造君 労働大臣、大変明確な御答弁をいただきまして本当にありがとうございます。人事院総裁、そのとおりだから、そういうことで、時間がございませんから先へ進ませていただきます。 国鉄総裁いらっしゃっているので、国鉄の問題で少しお聞きをするんですが、私も国鉄が何とか再建をしてほしいと思っていろいろやってまいりましたけれども、なかなかよくなりません。国鉄再建法のときも、私は本会議で討論に立ったときも申し上げたはずですが、仮に国鉄にストライキ権があったとしても、そのストライキ権に封印をして、それでともかく労使が一体になって生産性も上げ再建をするということがいま一番の至上命題じゃないんですかということを申し上げたのです。しかし、依然として違法のストライキというものは続いているわけなんです。ことしも三月、四月、六月というふうに延べ六回の違法ストが行われており、国鉄当局は七月の八日に中央本部の十一名だけの処分通告をされたわけなんです。それだけで終わりなのか。恐らくもっとお出しになることをやっていらっしゃると思うので、どのようなことをいまお考えになっているのか、総裁の御意見をお聞きしたいです。
○説明員(高木文雄君) ただいま御指摘の点につきましては、近々に処分通告と申しますか、そういう措置をとりたいというふうに考えております。
○柳澤錬造君 どのくらい処分なさるのですか。
○説明員(高木文雄君) まだそこをいま詰めているところでございますので、もうしばらくお待ちいただきたいと存じます。
○柳澤錬造君 それこそ人事院勧告以上にもう長いことたっていてまだ詰めているというのですから、それはそういうことでもってお聞きをしておきたいと思います。 しかし、これは昨年のことで、去る十月の十六日、衆議院の方でわが党の米沢議員が質問をしたのに対して、国鉄当局が昨年の五月の三十一日に処分通告をした数が七千百五名、実際に発令したのはその中の三千二百六十四名で、四六%しか実施をしていないということが明らかになったんです。 それで、この内容をさらに細かく私の方で調査をしてまいったわけなんですが、東京の各鉄道管理局がどういう状態になっていたか。特に東京が私が見ておって悪いと思うんですよ。戒告以上の処分を受けたのが、東京の南鉄道管理局は通告が七百六十一名ということで発表したんですが、実際に発令したのが百二十四名で、わずかに一六%なんです。西管理局の方は通告したのが五百四十九名だけれども、実際に発令したのは百二十八名で二三%しかない。北管理局の方は七百三十六名に通告して発令が百三十九名、一九%。結局、東京の三つの鉄道管理局は、処分をしますといって発表したのが二千四十六名だけれども、実際に発令したのはわずかに三百九十一名。あと千六百五十五各の人たちは皆パーにしちゃったんですよ。発表をした通告の一九%しか処分をしていないんです。こういうことで職場規律が保てるのですか、どうですか。その辺のところについて国鉄総裁、さらには運輸大臣、私は総理からも御見解を賜りたいと思うんです。
○説明員(高木文雄君) 国鉄は長い間、いま御指摘の違法なストということがあり、それに対しては処分ということの繰り返しを続けてきたわけでございます。そして、その処分のあり方につきましては、そのときそのときの情勢なり、いろいろな判断なりでかなりきつい処分をやった時期、あるいはそうでない時期がございます。私はまだそう長くなっておりませんけれども、私の考え方といたしましては、率直に申し上げましていささか処分が甘いのではないかというふうに考えております。だんだんともう少しきつい処分であるべきではないか。具体的にはいまお示しのように、戒告以上といった処分をもう少し実効的にやるべきではないかと考えております。 そして、少しずつそういう方向に持っていったつもりでございますが、実はいま御指摘のように、非常に問題のあった五十四年、五十五年、途中に凍結といったような非常にいままでと違った処理をした時期をはさんでの処分につきまして、いまお示しのように、通告との間にかなりの差があったというとは、これは率直に申し上げて私も十分把握をしてなかったわけでございまして、大変世の中をお騒がせし、何かきちっとやっているように見せかけた結果になりまして、大変私自身申しわけないと思っております。 ただ、結果といたしましては、細かくなりますから申し上げませんけれども、ずいぶんいわば段落ちをしたという処分の内容につきましても、それでも実はその前の時期よりはかなり戒告の率は高くなっておるわけでございまして、いまおっしゃいますように、全部ずっこけたというわけではなくて、戒告の通告をした者の中で訓告処分に付した者があるわけでございます。そうしたことにつきましては、いまのような形は大変まずいと思いますけれども、漸次そういう空気をつくってまいりたい。大変世の中に対して、通告だけが世の中には新聞等で発表されて、その後がいわばしり抜けになっておるということがまずまずいと思いますので、そういう点を是正してまいりたいと思います。非常に私自身残念だと申しますか、申しわけなく思っておる次第でございます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 通告とそれから処分との間に非常な段差がございまして、それは私たちも非常に残念に思っておりまして、これは今後とも厳しく指導していくつもりでございますが、しかし、これを事情を一つ一つ聞いてまいりますと、やはりそこに中間管理層、現場監督という管理層がございますが、この管理層が仕事をしていくという面から言ったらいろんな条件がそこにはさまれてくる。この実態を見ました場合に私もいろいろと悩むところがございまして、こういうことの繰り返しがこれから起こらないようにするのにはどういうことかと言えば、私はやっぱり公共企業体等労働関係法そのものを直さなければだめだ。こういう処分ということだけで対抗していくという、使用者側が対抗のしようがないという、こういうところに私は問題があるのではないか。ストをやるならばロックアウトで対抗できるという強い力をやはり使用者側にも与えてやらなければ、こういう中途はんぱなことばかりを繰り返していかなきゃならぬのではないかと思っておるのでございます。でございますから、今後こういう事態がずっと続いていくということになりましたら、先ほど申しました公企体の労組関係法をやっぱり見直していくべきだという考えを持っております。
○柳澤錬造君 総理、最後になにしてください。公企体は確かに検討しなくちゃいけない点は私はあると思うんです。しかし運輸大臣、私どもがいろいろ聞かされているというか、聞いていることは、中間管理職がと言うんだけれども、第一線で一生懸命まじめにやっている人たちもいるわけなんです。これは国鉄総裁もお聞きになっていただきたいんです。それで、ビラ張りをした、何をした、こういう違法なことをしちゃいかぬと言って、そして当然処分しなくちゃいけないといって上げると、管理局の中でそれが握りつぶされて、逆にお前よけいなことするなと言ってまじめにやった人がしかられているわけなんです。 山手線の品川駅と田町駅の、ここは大臣、皆さん方も車だからお気づきにならないと思うけれども、たまには電車に乗ってみて、国鉄の駅のそういうところがどんな状態になっているかということを見ていただきたいと思うんです。あそこの東京機関区とか田町の電車区なんというところは、のべつ幕なしビラが張られており、落書きがされているわけなんです。それで一般みんなが電車に乗って通ってどんな気持ちになるのか。国鉄当局には私は建物の管理する能力もないのかと。そういうふうなことを放置をしておくから、この間も新聞に出たように、南鉄道管理局管内で機関区の職員が覚せい剤を打って仕事をして、これはもう逮捕されちゃったけれども、そういう者が出てくるわけなんです。これはそういうふうないろいろとビラ張ったりなんかしておる職員もよろしくないけれども、そういうことをちゃんときちんと監督をしない、そういう中間管理職というか、上の人たちの方が私はよろしくないと思う。 それで、さらには大船保線区なんかでは、年次有給休暇のほかに、年間八日間のやみ休暇を話し合ってやっておるんですけれども、これは国鉄総裁、御存じですか。
○説明員(高木文雄君) 各現場においてその種のいわゆるやみ協定と俗称しておりますけれども、そういうものがあるということは事実でございます。ただ、具体的にいまどこでは何日とかなんとかいうところまでは私は把握をいたしておりません。これを是正するということはどうしても必要でございまして、それをどういうふうに、と申しますのはどういう現場から順序立ててやっていくかというような問題がいま急務になっております。よく御承知と存じますが、職場監査ということをやっておりますけれども、職場監査によりまして、まず私どもが現場の現状——やみという言葉で表現されますように、なかなかわからないという状態になっておるわけでございまして、まずこれを明らかにしまして、そしてそれを極端なものから順次直していくということに努めてまいりたいというふうに考えます。
○柳澤錬造君 いま総裁が言われました重点職場をお決めになっていろいろ監査している。その重点職場に取り上げている中で、北鉄道管理局の池袋電車区、いわゆるポカ体みといって突発的に職員が休んでしまう。年間に千回近くあった。かわりの人間がと言ったって出てこないので、しようがないから助役さんがかわりに勤務につくのです。それが年間で約七百回あった。これはどうですか、総裁。重点職場の、いま総裁が言われたそういう監察をしている職場なんですけれども、ここは総裁御存じですか。
○説明員(高木文雄君) 御指摘の電車区が問題職場である、そこで重点的に監査をしたり、どうやるかということをいま一生懸命取り組んでおることは承知をいたしております。ただ、どこの職場で何回というところまでは、私はいまここでは数字を持っておりません。
○柳澤錬造君 じゃ総裁、こういうことを約束してくれませんか。昨年、国鉄再建法に取り組んだときもこれは総裁にお願いをしたのですけれども、総裁からお約束がいただけなかったんです。いま私が幾つかの点を取り上げてお聞きをしても総裁は御存じがない。総裁が御存じのない状態で、国鉄の職場の中がこのとおり二、三を挙げても乱れているわけなんです。ですから総裁が半年なら半年の期間を切って、そのようなやみの協定やそういうことをしたことは全部破棄せい、もしその後に発覚したならば、それを結んだ管理職を処分するぞと言って、総裁名でもってそれぞれの局長から第一線の管理者に対して通達をお出しをいただきたいと思うんです。それがやっぱり国鉄の職場の秩序が保たれて国鉄再建に大きな役割りを果たすと思うんですが、そのお約束いただけますか。
○説明員(高木文雄君) そのような職場をどうやって直していくかという直し方の問題だと思いますが、なかなかいまおっしゃるように通達を出して、それで全国一斉に正していくというところまで実は現場の足腰ができていないわけでございます。こういうところをどうやって直すかということを、本社が出向きましたり管理局が出向きましたりいたしまして、そういうものの是正の手法というものをきちっと見つけて、そして直していくということがいまやっておる方法でございます。ある程度それがはっきりしてまいりますれば、いまおっしゃるように一般的な方法で直していくということも可能かと思いますが、非常に残念でございますけれども、現在のところはそこまで来ていないという感じを私は持っております。
○柳澤錬造君 総裁、私が聞いていることをちゃんとお答えをいただいて、逃げた答弁をなさらないでいただきたいのです。第一線の管理者がやれるかやれないか、そんなことを言っているんじゃないのです。いまいろいろのことをお聞きになったって、総裁は御存じないわけでしょう。管理局長のところですらも知らないことがたくさんあるんです。本社が行っていると言ったって、重点職場にしているところだってわからないでいるんですから。だから私は国鉄の最高責任者として総裁が、半年で無理なら一年でもよろしいです、いろいろ現場でそういうやってはいけないことのやみ協定をやったものは全部この間に破棄しなさい、その後に。われわれが行って調べて発覚したならば、それはそれを結んでいる管理職そのものを処分するからきちんと覚悟せいということを、総裁そのものがおやりになっていただけるのですかどうですかと聞いているんです。 そして、それをすることによって、国鉄の中におけるまじめに一生懸命働こうとしている職員がやっぱり勇気が出てきて働けるのです。中間管理職の中にだって一生懸命やろうとしている人はいるんです。そういう人がやろうと思えば、逆にそういう人たちが頭をつぶされちゃう。いわゆる悪貨が良貨を駆逐するという状態にあるので、一生懸命やろう、何とかして国鉄を再建させようといって働こうとしているそういう中間管理職もいるのだから、それを総裁お育てをいただきたい。そのためには、いま私が言ったようなことを総裁が通達を一本出していただきたいと言っているのですから、お答えいただきたい。
○説明員(高木文雄君) 各現場の事情はいろいろ千変万化でございます。そのやみ協定なるものがあってはならぬということは、いまさら実は通達するまでもなく当然のこととして考えられておるわけでございますが、それがなかなか実行されないということでございますので、それをどうして直していくか。それはやはり個別個別の事情に応じて直していくという以外にないのではないか。決してやみ協定がありますよということを黙認しているわけではないわけでございまして、それはいけないということはもうはっきりしているわけでございますけれども、にもかかわらず、それがなかなかすぱっと直ってこないというところが困っておるわけでございまして、いろいろ濃密に指導を深めまして、それを順に——一斉にというのはなかなかできません、手が間に合わないものでございますから、順番にやっていくということにさせていただきたいと思います。
○柳澤錬造君 これ以上国鉄総裁に申し上げたってあれですから、いままでのお話を総理大臣お聞きになっていて、簡潔に総理の方から一言御見解をお聞きをしたいと思うんです。
○国務大臣(塩川正十郎君) いま総裁の言っております趣旨が私は十分に御理解されておらないように思いまして、ちょっと補足的に申し上げたいと思うんですが、いま総裁のお話の中にもございましたように、現在特別監査をやっておるんです。重点的に徹底的にその調査をやって、重点項目を決めてやっております。しかしそれだけでは十分ではない、まだたくさんございますのでそれは順次やっていきまして、その実態をつかんで一つ一つその現場の指導をするということと、それが終わりまして、その上でやみ協定の全体に対する対応策を講じよう、こういうことの順序をいま言っておりまして、後の方が言っておらないものでございますから……
○柳澤錬造君 大臣も私の話を聞いていない。
○国務大臣(塩川正十郎君) いや私は、だからそのことについて特別監査が終わった段階で総論的なやみ協定に対する対応策を講ずべきだと、そういうことを言っておる次第です。
○柳澤錬造君 その監査をやっているところでぽか休みが千回も出ている。それがわからないんだ。
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、だからそれを、協定を一つ一つやっていかなければ、一遍に総論的に通知を出して、それがために是正されていくという、そういうなまやさしいものじゃないというところに問題があるわけでございまして、順序を追うていくようにひとつお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 国鉄再建の問題は最も頭の痛い問題でございます。国鉄再連法を国会の御承認をいただいてせっかくつくりました。これに基づいて再建計画もいま立てつつあります。しかしその根本は、やはり労使の緊張した、いかにしてこの国鉄の長年にわたる弊風を刷新するか、職場規律を確立するか、そういうところに結局なると思います。ただいま御指摘がございましたそういう点も十分私ども踏まえまして、運輸大臣等を督励いたしましてこれに対処していきたいと、こう考えております。
○柳澤錬造君 本当に総理、お願いします。 それで、私が申し上げているのも、もうお聞きでおわかりのとおりに、何も処分ぜいと言っているのじゃないんですよ。運輸大臣も少しなにしているんだけれども、重点職場にして監査しているところで、さっき言っておるようにぽか休みが千回も出るような状態なわけでしょう。それで国鉄の偉い人は全然知らないのだから。だからそういう点で、国鉄の中にもたくさんの職員の人たちは一生懸命働きたいという気持ちを持っているんですと言うのですよ。中間管理職の中でも、私らのところへ来て、本当にやりたいのだけれどと言ったって、みんな上からつぶされるんですよ。だから、やろうという人たちを上の人たちが伸ばしてやらしてあげてください、そうしたら再建できますよと言っているんです。どうかそこのところは、総理の方からもときどき督励をしてやっていただきたいと思います。 次に特殊法人の問題で、端的に言って、五十二年の十二月の二十二日に閣議決定をなされて、民間から登用するようにといってお決めいただいた。その後、五十四年十二月の二十八日、大平内閣の閣議決定では、常勤役員については国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者は半数以内にとどめろといって決めたのです。あるいはあっちこっち、通称言われるところの渡り鳥、まあどうしてもやむを得ないものは一回、それ以外は原則的にやめろ、年齢の制限も、長期在職の制限も、いろいろ閣議決定がなされています。どうしてそれが守られないのですかと言うんです。閣議といったら、大臣皆さん方が入られてお決めになるんでしょう。その閣議でお決めになったことが、大臣の皆さん方が何で自分の支配下——支配下と言っちゃあれですけれども、管轄下にあるその特殊法人をきちんと守れるようにおやりにならないのですか。 大臣のお手元の方へ行っているかどうかあれですけれども、いま特殊法人約百六ぐらいあるはずです。昨年度を見ましても、補助金を一兆八千百四十二億円使っているんです。財政投融資から使っているお金が十四兆三千四百八十九億もあるわけなんです。大変なものです、これは。ところが、その特殊法人の中で二十二の法人は依然として一〇〇%天下り役員で占められているんです。どうして閣議決定がお守りになれないのですか、そこのところをお答えをいただきたいのです。
○説明員(中村徹君) 閣議決定で行われました国家公務員から直接特殊法人の役員になる方あるいはそれに準ずる人、これらの人たちにつきまして、全体の数で申しますと、現在五六・四%の人が国家公務員からの出身者あるいはこれに準ずる者になっております。個々の法人につきましては、それぞれ常勤役員の全員を占める法人もあるわけでございますけれども、それはその業務内容の特殊性等から行政上の専門的な知識経験を必要とするもの、あるいはきわめて小規模なもの、こういったような法人についてでございまして、閣議決定の趣旨は全体的に五〇%にする、こういうことでございます。
○柳澤錬造君 いまのような答弁を私聞いているんじゃない。 では、農林水産大臣、農用地開発公団、森林開発公団、農業機械化研究所、林業信用基金、四つお持ちになっているわけだ。これは全部一〇〇%天下りです。どうなさるおつもりですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は、御承知のとおりこの四つの特殊法人は公共事業の執行をやっておるわけでございます。したがいまして、民間人の登用ということになりますと、やはりある特定の会社等に所属する者を持ってきて理事なり監事なりにつけなければならぬ。こうなりますと、そろいう面からの仕事の関係からいって公平にいかない。そういう点がございまして、なかなか法人の役員を民間からということが非常にむずかしくなって、適切な人材を得ることが非常に困難であるという事情があることもひとつ御理解をいただきたい。と同時に、農水省全体といたしましてはもう五〇%近く、全部の役員の民間人登用という面については相当努力をいたしておりますこともひとつ御理解をいただきたい。 以上でございます。
○柳澤錬造君 それも余り満足できないんです。 大臣、もう一つ、これはまとめてお聞きしますが、いま農林水産省のを取り上げたから聞くのですが、日本蚕糸事業団と糖価安定事業団を一緒にしましたですね。蚕糸事業団は職員が三十五名で常勤役員六名、糖価安定事業団は職員が九十三名で常勤役員六名おった。それは何でそんなことを言っておるか、意味はおわかりだと思う。それを一つにして蚕糸砂糖類事業団にしたのだけれども、生産者サイドのいろいろの物事のお決めのことしかしていないで、いわゆる絹業界とか砂糖業界のそういう代表の意見がもう少し反映するようなことも考えてほしいのだけれども、いまのようではちょっと偏り過ぎてはいませんかということ。 それから畜産振興事業団、これもそうなんです。大体これはもう第一臨調で廃止だと決められているんですけれども、この畜産振興事業団も生産者一辺倒のような動きをしているので、おやりになるならば消費者の代表も入れて運営することをお考えいただきたいと思うのだが、どうでしょうか。 それからもう一つは農業機械化研究所。これはなかなかいま農業機械の事故も起きるのだそうだけれども、自動車の車検のような、何かそういうふうな安全点検をやる制度化というものも考えられないかどうか。さらには、総理も南北問題を取り上げられているので、開発途上国に日本のこういう農業機械なんかを送り込む意味で、もっとそういう幅広いことに頭を使っていろいろおやりになることができないかどうか。まとめてお聞きします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 蚕糸と糖価関係の新事業団に絹業界の、織物界の意見が入りにくい体制になっているのじゃないかという御指摘でございます。事業団の組織はあるいはそういう点があるかもしれませんが、これを運営いたします事業団の運営審議会というのがございます。ここにはそういう絹業界の意見も十二分に入るように代表を二人加入をせしめておるわけでございます。確かに御指摘の事業団の中にもそういう人事配置が今後必要なのかなという感じもいたしますので、よく検討いたしたいと思います。 畜産事業団につきましては、これはもうこの事業団がありますために、日本の食生活の中の食肉関係は大分円滑に国民食生活を支えてきたわけでございます。したがいまして、この事業団の中で生産者だけに偏った組織になっておるのじゃないかという御指摘でございますが、この中には流通関係の者も入っておりまするし、それから何と申しますか、屠場関係の者も入っておりまするし、十分でない点あるいは具体的に先生御存じであれば教えていただきたいわけでありますけれども、できるだけ、これはもう生産者あって消費者、消費者あって生産者でございますので、その辺は弾力的に十分取り入れていきたいと、こう考えております。 それからもう一つは農業機械化研究所ですが、国際的な立場、それから安全運転ができるような配慮、これは私も総理のお供をしてASEANを回ってきました際には、日本の農機具について先生いま御指摘になったようなことをよく各国から言われてきておりますので、技術会議並びに農業機械化研究所に対しましてその旨を十分徹底するように指示をいたしてありますとともに、やはり日本の農業機械業界関係も、その国際的な問題の究明、それから安全逆転の問題がまだまだ不十分というふうな点がございますので、これは十分厳しく実は依頼をしているところでございます。
○柳澤錬造君 次に、商船隊の問題で運輸大臣の方にお聞きをしていきますので、これは総理もぜひお聞きになっておっていただきたいと思うんです。 私、日本が今日これだけの経済大国になれたというのは、この小さな四つの島でやっぱり日本の海運の果たした役割りというのは大変大きいと思うんです。日本海運があれだけのものがなかったら、とても今日のこれだけの経済大国にはなれなかった。ところが、最近非常に情勢が変わってきたというのは、外国との貿易に活躍する外航船舶というのがその構成が変わってしまった。昭和四十四年のときには日本船が二千八百七万重量トン、外国用船が六百五十万重量トンということで日本船が八一%占めておった。外国用船というのは二割以下だった。ところが、昭和五十五年になってみましたら、日本船が五千八百十万重量トン、外国用船が五千六百二十万重量トン、日本船が五一%、外国用船四九%、いまはもう半々になっちゃったんですよ。 これは、もしものときに、そんな経済性のことばかり考えてそういうような雇った船ばかり使っておったということになると、総合安全保障の立場からいってもこれは大変なことになるし、それでやはり日本の商船隊を整備しなくちゃいけないことはこれはおわかりのとおりだと思うんですよ。なかなか思うようにこれが進まないわけなんです。 それで、現実にいまはもう日本船の積み取り比率というのは輸入の場合で三七%、輸出はもう二〇%に下がっちゃったんです。いまのうちに何とか日本の商船隊の整備をしておかなかったら大変なことになる。アメリカの場合でも何でも、世界的なものをながめましても、海運というのは一度衰退をしてきたらもう回復をすることはまずないです。イギリスの場合でもずっと下がったまま今日にきているのですから。そういう点から考えて、特に日本の場合にはエネルギー政策でLNGとかLPGとか石灰とか、代替エネルギーの輸送確保が大変大事なことなんですから、そういう点から考えて日本の商船隊の整備ということは緊急のことなんだけれども、本気になってお取り組みのあれがあるのかどうか運輸大臣の方からお答えいただきたいし、総理の方もお聞きをいただきたいと思うのです。
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、現在、自国船の比率は若干高まってまいりまして、現在の日本商船隊六千三百万トンのうち約三千四百万トンが白国船という、比率は少し改善されてまいりました。これは仰せのように安全保障上やはり重要な政策であると認識しております。でございますから、五十四年度から五十六年度に至る三年間に政府はこれの計画造船を強力に推進してまいりました。 そこで、今日、商船隊の自国船は何%が一番理想的かということは、これは多くの議論のあるところであろうと思っております。でございますから、われわれはその比率というものをこれで一応は満足されたものと見、これからはわが国のそういうエネルギー政策にとって非常に重要な船舶、これを対象にし、しかもこれはやはり自国船で運搬するということが安全保障上絶対的な要件であろうと思いまして、この船種に重点を置きまして計画造船政策を実施していきたい、こう思っております。 したがいまして、五十七年度におきましてもこれに対する利子補給の要請を概算要求でいたしました。けれども、先ほど来から議論がございますように、われわれはただ利子補給をして船をつくればいいというそういうものではない。この利子補給いたします船はそれだけ船価のコストが下がるのでございますから、これを実際にオペレートをしますときに、いわば荷主と契約いたしますときに、われわれは運賃においてそこに十分な行政指導を加味して契約さしていくべきだと、そうでなければ、せっかく税金を使って利子補給いたしました効果がそういうエネルギーの価格の面に反映されてこない。それはわれわれは十分に注意をし、今後監督もしていかなければならぬ、こう思うております。 そのことと会社の総体的な利益、会社が合理化をし、そして非常な営業成績を上げてきたことからきた利益というものとが混同しておるところにわれわれといたしましてもなかなか説明しにくいところがございますが、今後の行政指導は厳しく運賃面に向けてもやっていきたい、そのことによってこの政策の効果をあらしめていきたい、こう考えております。
○柳澤錬造君 これはもう総理もお聞きになっておっていただいて、そして本当に日本経済に大変なことなんですから、商船隊の整備ということは緊急の問題だという形で御理解をしてお取り組みいただきたいと思います。 次にお聞きしたいのは、この間、十月十二日にPLOのアラファト議長が日本に来たんですが、なぜ招いたのですかということが一つ。 あのときの警備態勢というものは、私は見ておって本当に大変だった。警察官の皆さん方が私は気の毒になったんですよ。国賓でも何でもない人に何であれだけの厳戒態勢をしいて、あんな厳しいことを警察官にやらせなければいけなかったのか、私は警察官の皆さん方は本当に御苦労さんだという気持ちを持っていたのだけれども。警察庁長官がいらっしゃるかどうか、どうなんですか、あの警察官の人たちに何らかのねぎらいの言葉でもかけたのかどうか、その辺のところをまず私はお聞きしたい。
○政府委員(山田英雄君) お答えいたします。 このたびのアラファト議長の来日は、早くから右翼団体の反対動向がございましたし、また特にサダト・エジプト大統領の暗殺直後の緊迫した情勢でございました。そういう意味では、この種の警護に類を見ない苦労があったわけでございます。特に、招請団体を通じて日程が正式に決まりましたのが来日の二日前でございましたし、離日は一日急遽延びたということもありまして、大変な苦労の伴う警護だったことは事実でございます。 警視庁におきましても、幹部を初め現場警察官一体となって、夜を徹して準備段階から実施段階まで大変な苦労を重ねたわけでございまして、私ども警察庁としましても、打ち合わせを通じてともどもに苦労してまいっただけに、特にその現場の警察官の苦労は痛いほどよくわかるわけでございます。 そこで、ただいま私ども警察庁といたしましては部内の表彰も準備しておりますし、そうした措置を通じまして一線の警察官の労苦に報い、その士気高揚に十分配慮してまいる所存でございます。
○柳澤錬造君 警察官が御労苦をなさったことと同時に、私が非常に残念だと思うのは、あのアラファト議長というのは、十月六日エジプトのサダト大統領が暗殺されたときに歓迎する発言をなさったのですね。どんなに自分がきらいな人であろうが何であろうが、その国の政治体制が違っていようとどうであろうと、一国の元首が暗殺されてそれを喜ぶなんという人が、人間性があるんですかと言いたいのですよ。そんな人を招いて、そして何で総理がお会いになるんですか、外務大臣がお会いになるんですか。私はそこが本当を言って情けなかった。PLOといったら、むしろ私たちが一番すぐぴんとくるのは、あの日本赤軍を一生懸命訓練してくれたところだ。しかもPLOは、総理、こんなことを私が言わなくてもこれは外務大臣も御存じのはずだと思うのです。イスラエルを国家として認めていないんですよ。何でそんなところの人をお呼びになってお会いなさらなくちゃいけないんですか。そうしてあれだけ警察官を使って、あんなことまでやらなければいけないんですかということなんです。そこが私は情けないんです。
○国務大臣(園田直君) PLOの議長の訪日の経緯は詳細御存じでございますから簡単に申し上げますが、政府が招待したわけではございません。経緯は、一九七九年から八〇年にかけて、向こうのアブダビにおけるわが方の大使に対しPLOの方から話しかけがあって、訪日したいという意向が表明されたわけでありますが、わが政府としては、御承知のとおりに政府として招待するわけにはまいりませんし、その意向もないので政府招待はできませんと、向こうは政府招待でなければなかなか日本に行かないと、こういうことでその後時間も経過したわけでありますが、その後、超党派の日パ議員連盟の木村会長が向こうに行かれて、現地でPLOの議長と会見をされた際訪日が決まったわけで、これが十月になったわけであります。 なおまた、サダト大統領の亡くなった際における議長の北京における発言については、これは全く同感でありまして、東洋人であるわれわれはこの意見には全く反発するものであります。そこで、おいでになりましたが、これについての各国の反応はもう申し上げません、御承知のとおりでありますから。しかし、関係国とはよく詳細に連絡をしておったわけでありまして、サダト大統領の死を喜んだから招待したわけじゃなくて、招待した後にああいうことを発言されたわけでありまして、おいでになりまして、総理と私が会いましたのは、何といっても中火の和平というのは非常に大事な問題でありまして、一方はイラン、一方は中東の和平、この二つが同時に火を噴くとこれは大変なことになる。そこで、何とかして和平交渉がうまくいけばと念願しているわけでありますが、その当事者の一人は、やはりイスラエルとパレスチナの争いでありますから、その代表者であるPLOの議長と、それからサウジアラビア、エジプト、イスラエル、こういう国々が何とか話ができないものかなと念願をしておったことは事実であります。かつまた、PLO議長が来た際にはこういうことを言ってもらいたい、国内の意見もあるし、また関係国からの要望もそれぞれあったわけであります。たとえば、国内については赤軍との関係をただす、それからゲリラについては、これは中止をして話し合いをする団体になってもらいたい、かつまたイスラエルについても、イスラエルとひとつ話し合いする雰囲気をつくってもらいたい、そういうこともありましたから私や総理が会ったわけでございます。
○柳澤錬造君 一言だけ。 時間がもう参りましたので終わりたいと思いますが、総理、もう時間があれですから総理のお答えはよろしいですが、ただ一言つけ加えて、少なくとも議員連盟の会長をなさっている方は、かつては外務大臣なさった方なんです。どうかお願いいたします。自民党総裁として、外務大臣までなさったような方がああいう議員連盟の会長になるなど。それで、私は政治家はスターになっちゃいかぬと思うんです。そのことだけ申し上げまして終わりたいと思います。 終わります。
○委員長(玉置和郎君) 森田重郎君。
○森田重郎君 新政クラブの森田重郎でございます。 きょう私は、行革一般の問題並びに国鉄問題につきまして幾つかの質問をさせていただきたい、かように思っておりましたが、先ほど同僚委員の柳澤さんの方から旧鉄問題についてのいろいろ御質問がございましたので、余韻さめやらぬうちにそちらの方を先にさせていただきたい、かように思います。 実は、国鉄再建のかぎは、かかって労使間の協調にあるというような意味合いのことを先ほど柳澤委員か言っておられました。実は私もまさにそのとおりだと、こう思うわけでございます。 そこで、先ほど幾つかの問題提起の中で総裁の御答弁を伺っておりましたが、実はその折に、私は総理を初め閣僚席をずっとながめておったわけでございます。国鉄総裁の御答弁に対しては、どうも余り釈然としないというような顔つき、少なくとも私にはそういう感じがいたしたわけでございます。承りますところによりますと、自民党さんの何か研修会が、たしか夏ごろ開かれたというようなことを私はある方から承知いたしたわけでございますが、その研修会に、ここにいらっしやる河本長官もお出になっておられたようでございますし、中川長官、大蔵大臣もいらっしゃったというようなことを伺ったのでございますが、談たまたま国鉄問題になりました折に、これらの方方から相当この国鉄問題について飛躍した意見が出たというふうなことも実は伺ったわけでございます。 先ほど御答弁の中にも若干ございましたけれども、現在の国鉄の赤字というのはすでに年間一兆八十四億円でございましょうか、それに今回東北新幹線、さらにまた上越新幹線、これが来年の六月、十一月に運転開始をする。運転宣言をなさった、このこと自体は大変結構なことでございますが、これらの建設コストに係る金利、償却あるいは鉄雄公団に対する借用料、こういうようなもので四千億から四千五百億かかるというようなことをわれわれは承知いたしておるわけでございます。現在一兆以上の巨細な赤字、それにまた新幹線建設に伴うそういった諸費用で恐らくは一兆四、五千億の赤字が予想されるのではないか、かように思うわけでございます。 私は、現在国鉄御当局が進めておられます経営改善計画そのものが、完全にこれが六十年度において実施をされたといたしましても、今後の国鉄の経常というものについては大変危惧の念を持っておるわけでございます。その辺につきまして総裁並びに大蔵大臣のしかとした御所見を承りたい、かように思います。
○説明員(高木文雄君) 現在、法律に基づいて決められております経営改善計画におきましては、六十年時点において、残念ながら相当努力をいたしましてもなお一兆円の赤字が残る。しかもそれは東北、上越新幹線の開業に伴いますところの資本費負担による赤字を別にしてのものであるということでございまして、これは私どもといたしましては非常に残念なことではございますけれども、現在の私どもの実態といたしましては、再建をいたしますにつきましても、なかなか全体としての黒字というところまでは持っていけないということを示すものでございまして、その大部分、約七千七百億円は退職金、年金に伴うものであるということで計画を立てております。それにいたしましても、われわれがなすべきことはなさねばならぬということで、少なくとも幹線については、六十年時点で東北、上越新幹線を別にして黒字にしなきゃいかぬということを計画の目標といたしておるわけでございます。 今後の新しく負担増になりますもろもろの問題につきましても、今後ともいろいろな対策をお立ていただかなければならぬわけでございますが、私どもといたしましては、当面この計画を何とか実行いたしまして、自分たちでやっていける幹線部分については黒字になるように運営をいたしてまいりたい、まず当面はそれを目標にしてこの計画と取り組みたいと考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も、国鉄問題は実は一番頭の痛い問題でございます。御承知のとおり、大蔵大臣は税金を強制的に徴収する立場にあるわけですから、ことしも一兆四千億円の史上最大の増税を行ったと言われております。しかし、現実には国鉄は一兆五千億の純損失を出しておる。したがって、いつかはこれは国が穴埋めをしなければならない立場にあるわけですから、増税してもそっくり行ってしまう。それがまた、早い話が借金の問題でも、われわれは国債発行を二兆円減らそうということでこれだけ苦労をしておるのですが、同鉄は、ことしは一兆八千億円借財がふえる。来年はまた二兆円ふやさせてくれと言ってきておるわけでございます。こういうようなことならば、これは一体どういうことになるのか。 問題は、新幹線をつくることは容易かもしれませんが、つくった後でだれが経営をするのか。さらにその上に、赤字がふえた分はだれが払うのか。国鉄が払うといっても国有鉄道だし、つくる借金は政府保証のものが多いのだし、そういうことになれば保証人が払わないわけにはいかない。結局は国民に払ってもらうほかないということでございまして、問題は、汽車に乗らない人が、税金を納める人はみんな増大する赤字のしりぬぐいをしてもらわなければならない。一方、ジャンボの飛行機が飛んでどんどん飛行機は超満員。一方道路はよくなっている。自動車は走る。国鉄を値上げすればみんなお客は逃げるということですから、これは抜本的に発想を変えなければ国鉄問題は解決しない。したがって、国民の理解を得るための大キャンペーンを張らなければこれは解決しない、私はそう思っておるわけであります。
○森田重郎君 私は大蔵大臣に実は御質問を申し上げたつもりはなかったのですけれども、大蔵大臣大変御親切に御答弁なさってくだすった。私、大変感謝申し上げております。 ところで、いかがでございましょうか。私先ほど大変御無礼なことを申し上げたかと思いますけれども、河本長官と中川長官のお名前をちょっと申し上げたのですが、ごついでに何か所見がございましたらお聞かせいただけますか。
○国務大臣(河本敏夫君) ちょうどこの夏、自由民主党の研修会がございまして、その前日に国鉄の監査報告が出ました。それを私は見ておりましたところが、三つのことが書いてありました。一つはもっと合理化せよ、もう一つはサービスをよくせよ、それからもう一つは規律を正せ、こういうことが書いてありましたが、毎年同じようなことが書いてありますので一体どういうことであろうかと、こういうことを私は痛感したわけでございます。 それから、いま大蔵大臣がお述べになりましたが、財政再建をするために行政改革を進めております。三年の間に赤字公債五兆数千億をなくしていこう、これは目標でございますが、これからの同鉄の経営状態、国鉄から発表されておるのを見ますと、どうも三年間で国鉄の赤字と補助金は五兆数千億をはるかに超えそうだ。そうすると、いま大蔵大臣が言われたとおりでありまして、一方で借金は減っても、一方でそれ以上に借金がふえる。これでは因全体としての財政再建は一向進まぬ。さてこれはどうしたらよいか、やっぱり発想を変えてここで抜本的な解決をしなきゃいかぬのじゃないか、こういうことを講演会で述べた、こういうことでございます。
○国務大臣(中川一郎君) 私も国鉄については昭和四十五年、十年前ですけれども、大蔵政務次官当時から、赤字の問題ができてまいりまして深い関心を持っておりました。さらに、運輸委員長もいたしまして国鉄の実態も見ました。言ってみれば、合理化反対、スト権スト、違法ストと、こういうことを繰り重ねてそうして月給だけは一人前にくれと、企業努力というものは一切ない、ただ、月給をむさぼり取っている実態ではないかと、ここに問題があるんだろうと。そして、いまやもう十七兆円の借金というんですから、国鉄の財産を全部処分しても十兆円あるかないかわからない、処分して売っても七、八兆円は国が保証した借金ですから国が持たなきゃいかぬ。まあ言ってみれば、財政再建、今度の法案が四、五千億だと言われています。これだけ議論しているんですが、国鉄一つてもう財政再建どころか大変な国の負担を、まあ食い荒らしていると言ったら悪いけれども、たれ流していると言っても言い過ぎではないんじゃないか。ですから、これにはもう思い切った改革をしなきゃならない。私も総務会あたりで、地方赤字線を第三セクターにするんじゃなくて、中央のいいところから第三セクターにして、民営の企業努力というものを労使ともにやっていくぐらいの姿勢でなければできないんじゃないか。これは本当に国民的な行政改革の、もう補助金をいじくるとかなんとかよりはもっともっと大きながんであると、こう私は政治家として思っておるわけでございます。
○森田重郎君 考えてみますと、塩川運輸大臣は本当に御苦労なことではないかと思うんです。何か国鉄問題につきましては、そのしりぬぐいをされるような意味で大臣に就任をしたような気持ちすらするわけでございますが、ただいまの御三方の御意見を踏まえまして運輸大臣としての御所見、これをお伺いしたい。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、いまの三大臣の意見はもうそのまま私の気持ちと一緒でございます。ただ私は、いま責任者といたしまして、それではこうしたらという決定的な案、これはいまのところ私たちは一つの手法として経営改善計画というものを認めた。あれは本当のところを申しまして、いわば経営の合理化に入っていくほんの入り口で、ああいうようなことで抜本的な改正ができるとは私は思っておりません。それは思っていません。 けれども、ここで考えなければならぬ問題は、いろいろな面から私は検討する必要があると思うんですが、その一つは、国鉄の現在の一番の問題は何かといったら、やっぱり労使が一体となってその合理化の努力をする態勢をどうとるかということでございます。欧州各国あるいはアメリカは、最近におきましてはやはり国営で鉄道をやろうという方向にきておるのです。そういうことから見まして、全国一本でつながる鉄道の公共性というものはこれは否定することができない。そうすると、こういう公共性だあるいは経済性だということで揺れ動いておるものを、ここで経済性に重点を置くとするならば、そのような組織に変えていかなければいかぬということが、私はこれがまず第一ではないか。 それにはどうするのかといいましたら、一つは、先ほども申しました公共企業体等労働関係法、これでいいのかといったら、これは私は相当疑問があると思うのです。これが一つございましょう。 それから旧鉄の経営者に当事者能力をどうしてつけるのか。現在、当事者能力は全然実はないと私は思っております。それは資金の面から言いまして、いま全部借入金を国に頼っていかなければならぬ、これは当然でございます。ですから、そこらに一つ当事者能力がない。そしてまた当事者能力がないし、公共企業体であるがために、いわば自分の経済性のみで路線を建設するということができない。やっぱり、何といいましょうか、国の公共性という面から鉄道を敷いていかなければならぬ。これに対して、本当に経済性を主張するならば国鉄自身の経済性において線が建設できる、こういうこともしてやらなければならぬと私は思うのでございます。 そこで、そういうことをぐずぐず言っておっても始まりませんので、いま国鉄の経営改善計画はこれはこれとして進めるとして、制度的にいかにして民営の手法をこの制度改正の中に入れていくかということをやっていく。だから、経営改善計画というのはあれは国鉄の努力としてやらす一つの目標でございます。けれども、同時に政治的に考えたら、民営に等しいような制度の改正をどうするかということを並行してやっていかなければいかぬ。私はそれを考えておりまして、努力をしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○森田重郎君 この問題に関しまして、鈴木総理の所見を。
○国務大臣(鈴木善幸君) 最高の責任者といたしまして、私がいまこの時点で国鉄をどうするこうすると言うようなことは非常に影響が大きい、このように考えます。運輸大臣を初め国鉄総裁、責任者がおります。またこの問題は、三K問題の一番困難な問題として行財政改革の頂点にも立っておる、国民注視の中にあるわけでございまして、私は各方面の御意見を十分聴取をして、そして最終的な方向をつけたい、判断をしたい、こう思っておりますが、いま私から申し上げることは差し控えたいと思います。
○森田重郎君 実は、私自身は国鉄を愛する者の一人なんでございます。それがゆえにこそ、実はこういう質問をあえてさせていただいておるわけでございます。 先ほど来もちょっとお話がございましたが、国鉄には相当やはりむだな部分もあるかと思うんです。しかし、私自身も過去におきまして国鉄の方方と大変接触する機会がございました。大変優秀な方々がおるんです。こういう方々が英知をしぼって中長期的な視野、展望の中で国鉄の将来をどうするかというようなことを、先ほど渡辺大蔵大臣からもお話がございましたが、その辺の問題を全く裸になって詰めていく、これがやはり大事なことじゃないかと思うんです。 実は、むだな問題と申し上げましたが、昨日、私、議員宿舎に帰りましたら、電電公社さんから事業報告書が宿舎に届いておったわけです。この最後の方を私見ましたら、これは比較損益計算書とそれから比較貸借対照表、これが載っておるわけでございます。五十五年度の項、これは時間がございませんので簡潔に申し上げますと、収支の差額、これは言うなれば、会社としたら利益でございましょうか、三千八百八十億、こういう数字でございます。言うなれば大変な収益を上げておるわけでございますが、電電公社さんでは、きょうは郵政大臣いらっしゃっておりますか、どうなんでございましょうか、電電公社さんの職員あるいは家族、OB、こういう方々が電話を使ったり、あるいはまた電報を打ったり、こういう折に何か特別な割引制度、そういったようなものがございましょうか。あるいはまた郵政の職員の方方、こういう方々に対しても同様な何か便宜的な措置があるのかどうか、ちょっとお伺いしたいわけでございます。
○国務大臣(山内一郎君) 電話事業、それから郵便事業ともに独立採算制で、何とかして黒字を出したいと、こういう懸命な努力をして、企業努力もやって成績を上げているものでございます。したがって、国民の皆さん方の御便宜のいろんな電話料金とか、あるいは郵便料金によってやっているものでございますので、職員が私用で使用する場合、これには一切の割引も無料制度もございません。
○森田重郎君 実は同じ公社でありますのに、この辺が私大変問題の多いところじゃないかと、かように思うのでございます。国鉄さんのそういった問題については、時間の関係上、あえて細かく触れるつもりはございません。しかし、現在進めておりますこの改善計画、これが大体大どころは、その柱は四項目ほどになっているわけでございますね。三十五万人体制の確立の問題、赤字ローカル線の廃止、これを柱にした合理化の推進の問題、それから運賃値上げ、平均五%ですね。それからローカル線の割り増し運賃制度の導入、この四つの柱、これが実は国鉄さんの再建計画ではなかろうかと思うんですが、私自身考えますのに、先ほど来るる申し上げておりますように、この改善計画がもし仮に成就いたしましたとしても国鉄再建というものは至難中の至難じゃないか、かように思うわけでございます。 総裁、いかがでございましょうか。
○説明員(高木文雄君) 御指摘のとおりでございます。 百年以上続いた歴史というものがある意味で非常にいい伝統を残しておるわけでございますけれども、それは、いろんな問題が片方において生まれてきておりまして、ある意味では百年の因襲というふうなものがいろいろなところにございます。それをどうやって脱皮していくかという点、つまりこの体質を変えていくかという点が非常に重要な問題でございまして、しかしなかなかこれはむずかしいといいますか、できないという意味でむずかしいというのではなくて、いろいろと問題があるわけでございまして、なお単なる数字合わせの経営改善計画では意味がないわけでございますので、そうした意味での体質改善に取り組んでまいらなければならぬというふうに考えております。
○森田重郎君 私は、先ほど来幾つかの問題を提起いたしましたけれども、私自身の口からは、第三セクターであるとか分割民営というようなことは一言も実は申し上げていない。国鉄御自身の努力によって何とかりっぱな国鉄に再生していただきたい、こういう意味で実は申し上げておったわけでございます。 ところが、はからずも、まさにはからずも先ほど来御答弁をいただいた閣僚の方々からそういう言葉が飛び出しているわけでございますね。ですから、総裁のただいまの御答弁そのものがどうもまだ私自身にはびんと響かないわけなんでございます、正直なところを申し上げますと。運輸大臣にこの点をもう一度ひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) どうも総裁の言葉がぴんとこないとおっしゃるのは、結局抜本改正をどうするのかという、そういう点に限っての話ではないかと思うのであります。私はこの抜本改正という中に、よく言われます民営論も実は入ってきておるということも聞いております。けれども、私は国有鉄道、全国一本の線路で結ぶ輸送体系を持っておるということは、やはり国の責任が大事だろうと思いますし、現に他の先進諸国を調べましても、やはり国で経営しておるところがほとんどでございます。と言って、今日、公共性ばかりでそういうことの経営はもう不可能になってまいりまして、どうしてもここに経済性を入れなきゃならぬ。そういたします場合に、それに重点を置きながら公共性を維持するのに民営で果たしていけるかということになりますと、これは私は相当議論があるところだと思うんです。 それでまた、現実の問題といたしまして、現在借金が十七兆近くございますし、それから純損失というものを見ましてもやっぱり十兆近くになるであろうと思うんです。そういたしますと、これを第三セクターにしていくとか何とかいたしましても、この財産の移管をどういうぐあいにするかということが問題。それと同時に、その第三セクターが現在の従業員をそのままそれじゃ移行していけるかといったら、そこに同じような体質が残ってくる。そうであるとしますならば、ここで現在の国鉄の公社の体系の中で、先ほど申しました民営の制度を、いわゆる民間企業としての制度を入れていくべきだと、こう私は思っておるんです。その制度で一番大事なのは、組合と経営者との関係だ、これがまず第一点。 それから資金調達の方法。財産を持っておるものはもっと売らなきゃならぬと私は思います。現に、資金が一千六百億円足らぬことに対し、国鉄並びに運輸省と相談をいたしまして、大蔵当局と相談をした結果、結局一千六百億円の資金ショー十分は値上げによろうという考えがあります。けれども、ここで値上げをしたらますます客離れしてしまう。でございますから、これはやっぱり財産を処分して資金の穴埋めをするとか、あるいは先ほど電電公社のお話を出されましたように、私どもにはぴんと感ずるところがあるのですけれども、いわゆる無料パス、そういうものを整理して増収を上げる。それから経営のもっと売り上げの努力をする。経費の節減をする。人員の削減もする。そういうことをやって私はやっぱり改善していくべきだ。それはまさに森田さんがおっしゃっているように、国鉄を愛する、現在の国鉄をその状態において再建させていくということを、われわれは民営、民間会社だと思って努力するならば私はできると思う。 けれども、いま実態を申しますと、全く役所式なんです。たとえば、重要なポストにありましても、一年半ないし二年でぽんぽんぽんぽんかわってしまう。これじゃ責任はだれもとりません。ですから、先ほど来柳澤さんの質問の中にもございましたようなそういう現場があるということ、長くおる者はこれがしたいほうだいになってくる、こういう事態が起こるのはあたりまえ。ですから、そういう責任体制をきちっとさせていくということから始めていくといたしますならば、私はこれは徐々に改正されていくものだと思っております。 そうして、やっぱり国鉄は国の公共機関としての使命を果たせるような体質に持っていかなければならぬ、こう思っておる次第でございまして、でございますから、経営改善計画はあれは国鉄が自分自身でこれだけのことはすると言ったのですから、あれは私は最低の努力だよと、その上にさらに自助の努力で上積みしていかなきゃいかぬ。その上積みするのには、政治がその上積みしやすいように持っていかなければいかぬ。それにはやっぱりいろんな、現在ありますところの諸制度を変えなければだめだと思いまして、それの検討に私は着手しておるというところでございます。
○森田重郎君 今後、整備五線の問題もございましょうし、その資金調達等を考えますと難問山積というような感じがいたします。 時間の関係でこの辺で国鉄問題は終わらせていただきますが、せっかく大臣、総裁の御健闘をお願い申し上げます。 次に、行政改革につきまして何点か御質問をさせていただきたいと思います。 実は私、しばらく前にある雑誌を読んでおりましたら、その雑誌にこういうことが書いてあったのでございますね。「今週の視点」という欄でございましたが、「行革国会が裁定国会へ」と。この裁定というのは、これは最高最低の最低ではございません。そういうことであったらこれは大変なことになりますが、仲裁裁定の「裁定」、そういう見出しで幾つかの今回の行革問題につきまして論旨を張っておられたわけでございます。私が思いますのに、一昨日のこの委員会におきまして中曽根行管庁長官からも、今回の行革というのはまさに財政と行革、これが表裏一体であるというようなお話があったかと思うのですが、私自身考えてみますと、どうも今回の行革というのは、ただいまの雑誌の例ではございませんけれども、まさに裁定といいましょうか、給与といいましょうか、その雑誌に「裁定国会」「給与国会」というようなことがあったわけでございますが、そういう感が非常に強くしてならぬわけでございます。言うなれば、昭和五十七年度の予算編成を結局当て込んだ意味での財政改革というふうな感じを強うするわけでございます。この辺につきまして、長官のひとつ御意見をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行革について特別の御関心と御激励をいただきましてまことに感謝にたえません。ただいま法案の御審議をお願いしておりますが、速やかにこれを成立させまして、それと同時に、いま第二臨調で懸命なる努力を払って、来年の六、七月の答申に向けて努力をしておりますが、それと同時に、来年度、五十七年度の予算編成、あるいはその答申が出るころになると翌年の五十八年度の問題がもう登場してくるわけでございます。来年の五十七年度の問題、再来年度の五十八年度を考える問題を考えてみますと、これは並み大抵でない情勢であるだろうと思うのであります。その点を考えてみますと、よほど国民の皆様方に、事態の御理解をお願いいたしまして、そしてわれわれが先頭に立って国民の皆様方にも御支援をいただいて、みんなで総がかりの解決案を持って出ないととてもこれは解決できないような重大な事態ではないか、国全体が国鉄みたいな情勢にだんだんなっていくのではないか、そういう憂えを実は持っておるのであります。それだけに、この法案成立後は、十二月、一月以降につきましては、そのような憂えを秘めまして、非常に底の深い熟慮をした考えを持って思い切った改革案を考え、実行していく、こういう気持ちでおる次第であります。
○森田重郎君 これは、もし私の考え方が間違っておったら率直に御指摘をちょうだいいたしたいと思うのですけれども、私は先ほど、今回の行革というのはまさに行革にあらずして財政再建のための財政改革というような国会であるというような意味合いのことを申し上げましたけれども、実は、たとえば一つの物事を進めていくためには一つの目的設定というものがなされなければならないと、こう思うのです。たとえば、財政の面で中期展望、五十五年から五十九年までの中期展望というものが一応できておる。われわれは現在行革に取りかかっておるわけです。したがいまして、ただ単に安い政府、強い政府を考えるというような抽象的な考え方ではなしに、政府の方々も、そうしてまた国民の方々も、ともに痛みを分から合う、何のために努力するのか、どういう行政権浩の枠組み、仕組みというものを描く、また、その描いた映像に対してわれわれはとにかくこのようにして努力をしていくんだと、その終着駅、目的地というようなものがどうもないような気がしてならない。いかがでございましょうか、総理。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は行財政改革ということを申し上げております。これは、国民の立場に立ちまして、いかに負担をこれ以上ふやさないで、負担したものはこれをむだなく効率的に国民生活の安定なりあるいは福祉の向上なりに使ってほしい、これが私は国民の皆さんの願いであろうと、こう思うわけでございます。そういう意味合いから言って、行政が簡素で効率的でなければならないし、また財政の健全性というものの回復を早くして、そして新しい時代に対応しなければいけない。 それでは、なぜそういうことを一体やるのかと言えば、これは私は所信表明で申し上げましたように、活力がある福祉社会を建設をしよう、また、国際的な分野におきましては日本に対する役割り、期待というものも高まっております。それにこたえていかなければいけない。日本は何と言っても、世界が平和で安定することが日本の存立の基盤でございます。そういう意味で、日本は軍事的には自分を守る以外のことはできない。したがって、世界の平和安定のために日本の経済力なり技術力なりそういう分野を通じまして貢献していかなければいけない、そういう要請が出てきております。それにこたえるようなものでなくてはいけない、このように考えるものでございます。 さらに申し上げますならば、これはもう繰り返す必要はないわけでありますが、日本は平和国家の建設を目指しております。そういう国民が、平和でそして民主主義の国として、国民の本当に自由と人権が守られるようなそういう平和な国づくり、こういうことが究極の目的であると思います。いろいろの言葉、いろいろの表現はあろうかと思いますけれども、私は今日行財政の改革をするのはそういう目標、そういうものを目指して新しい事態に対応していこうと、こういうことだと思います。
○森田重郎君 総理の御答弁はこれまでに何回か私お伺いをいたしております。私の申し上げますのは若干そのニュアンスが違うのでございます。今回の行財政改革の目的それから理念、これについてははっきりと活字に出ておるわけでございますね。われわれがこの行財政改革を仮に実行し、そしてまたそれがいい成果を得られたならば、そこに描かれておる行政の仕組み、枠組み、そういうふうなものがどうなっておるかと、大変これは抽象的な問題で御答弁は非常にむずかしいかと思いますが、そういう目的像というものが描かれておって、それに向かってわれわれは努力をしていくのだということでなければ、これは来年度の基本答申、そしてまた再来年度の最終答申、こういうふうなものをいただきましても、なかなか国民の方々もその痛みを分けるというようなことに率直に共鳴していただけるかどうかというようなことなんでございます。 そこで、もう一つつけ加えてお伺いしたいことは、実は第一次答申についてはこれは基本答申の中で、また基本答申については最終答申においてその実行、これを促すことができる。言うなれば監視機能があると申しましょうか、チェック機能というものがあるような感じがするんです。ところが、最終答申によって第二臨調そのものは一応解散をするということになりますと、最終答申の提言と申しましょうか、提案と申しましょうか、その辺をチェックする機能、そういうようなものはどんなふうにお考えになっておりますか。前段の問題とあわせて御答弁いただければ大変ありがたいと思います。中曽根長官どうぞ。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、先ほどの御質問の行革の理想像といいますか、到達する夢と申しますか、そういうことにつきましては、長期的な、国際的な視点からいま総理が申されたと思うのですけれども、森田さんが御注文になっている考え方は、当面この行革をやりて何が国民にお年玉みたいにくるか、減税ができるのであろうか、あるいは児童手当はふえるのであろうか、あるいはうるさい許認可や何かがなくなって、たとえば車検の問題なんかでもあれはどういうふうになるんだろうかと、少なくとも国民の皆さんに目の前に見える明るさと申しますか、喜びというものをこれで保証されるその何物かを持っていなければいかぬと、そういうお話であろうと思っております。私らもそのことは銘記しておりまして、時たまそれに触れたような発言もしております。それをまた実現したいと思っておるのであります。ただしかし、当面われわれが目前にいま控えている問題は、その前のあらしと汗の問題があるわけでありまして、このあらしと汗を乗り切る気持ちを国民の皆さんと一緒につくっていく、そしてその後でこういうようなお年玉がくると思いますと、われわれは真剣に努力いたしますと、そういうことでいきたいと思っておるので、まず当面はこのあらしと汗を国民の皆さんに覚悟していただき、ともに一緒に乗り切りましょうという気持ちでいっぱいだということをいま申し上げておるわけなのであります。 それで、この答申があった後の後始末と申しますか、これを実行していく上の保証措置の問題でございますが、恐らく五十八年の三月に最終答申が出ますけれども、この最終答申をおつくりになるときに、これは臨調の委員の皆さんが何をお考えになるかによりますが、恐らくいままで答申していたことを確保して後退させない、あるいは許認可なら許認可にしても、外したものがまた役人の恣意でふえてくるとか復活するとか、そういうせっかく簡素にして能率的な政府をつくった、それが崩されてはいかぬと、中央、地方の関係においても、あるいは官と民の関係においても、あるいは国民と政府との関係で許認可その他の関係においても。そういう意味において、あり得べき政府の姿、行政の実績というものを確保する何らかの方法をお考えになるのではないか、それがガイドラインになるのか、あるいは特別の別の形になるのか、これはわかりませんけれども。それと同時に、それを監視して、それを推進していく何らかの機構というものが考えられる筋合いではないだろうかと、これは想像でありますけれども。これらのことは臨調の委員の皆様方が最終段階でお考えいただくことで、われわれはフリーハンドをもってお考えいただきたいといま念願しておるわけなのであります。
○森田重郎君 最後の質問でございますが、先ほど中曽根長官のお話を伺っておりまして、実は私申し上げたかったことはまさに長官の御答弁のとおりでございますけれども、現在、中央省庁というような言葉がよく使われております。長官も中央省庁の統廃合というような言葉を何回かお使いになっておりますが、これは中央省庁というのは恐らく法律的に認知された言葉じゃないと思うんです。私、この間あるところで、ちょっと、大体中央省庁というのは幾つぐらいあるんだろうかと、こう言いましたら、三十八、九ぐらいじゃないだろうかと、こういうようなことを実は聞いたわけなんですけれども、要するに中央省庁なら中央省庁というものが、多少具体性を持って、三十幾つあるものが三十になる、二十五になる、二十になる、こういうふうな行政の仕組みができるんだというような夢ぐらいはやっぱり持ちたい。それを持つことによって行革に対する意欲というのも向上するのじゃないだろうかというようなことを申し上げたつもりでございます。 時間も参りましたので、私の質問はこれで終わらせていただきます。
○委員長(玉置和郎君) 本日の質疑はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(玉置和郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置和郎君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置和郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十一分散会