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95回国会参議院1981/11/26

建設委員会 第3号

発言数
173
登壇者
20
会派数
4
開催日
1981/11/26

会議録

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として目黒今朝次郎君が選任されました。     —————————————

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) これより請願の審査を行います。  第六一号高家賃政策反対等に関する請願外二百十四件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付のとおりでございます。  これらの請願につきましては、理事会において協議をいたしました結果、第四三七号第六次治水事業五箇年計画の推進に関する請願外四件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第六一号高家賃政策反対等に関する請願外二十件は保留とすることといたしました。  また、第一一五号住宅・宅地政策に関する請願外百八十八件につきましては、願意のうち一の中の「住宅金融公庫金利法定制の弾力化は行わず、」についてはなお検討を要するので、この部分を除く旨の意見書案を審査報告書に付して議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとすることに意見が一致いたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  つきましては、審査報告書並びに意見書案の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日、住宅・都市整備公団及び本州四国連絡橋公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 きょうは五十七年度の住宅関係の概算要求内容を中心として御質問いたしたいと思います。特に、この中の公営住宅関係について最初伺いたいと思いますが、五十七年度の予算要求では公営住宅予算がいずれも減額をされております。こういう状況の中で、四期五計の目標三十二万戸が果たして達成できるのかどうなのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) お答えを申し上げます。  昭和五十六年度を初年度といたします第四期の住宅建設五カ年計画におきましては、大都市地域におきまして最低居住水準未満の世帯が非常に多いというような事情等を勘案いたしまして、また中堅所得者に対する公的賃貸住宅の供給ということを配慮いたしまして、公共の賃貸住宅の建設を公営住宅を中心として五カ年間に三十二万戸を供給するということで計画を立てているわけでございます。  昭和五十七年度の概算要求におきましては、公営住宅につきまして財政事情を勘案し、また地方の事業主体の要望を勘案いたしまして、五万五千戸の公営住宅の予算要求を行っております。  近年、公営住宅につきましては、用地価格の上昇あるいは建設地におきます。辺住民との調整のむずかしさ、あるいは関連公共施設の整備に関します地元との調整のおくれというようなことで建設が若干停滞をしております。特にこの状況は大都市地域において顕著であるわけでございますが、この対策といたしまして住宅宅地関連公共施設整備費の拡充でありますとか、あるいは用地費単価の引き上げ、市街地住宅供給促進事業制度の創設等を図りまして、鋭意公営住宅建設の進捗、促進を図ってまいりたいと考えているところであります。  公営住宅の建設につきましては、そういったことで厳しいいろいろな事情はあります。また、厳しい財政事情のもとではございますが、第四期住宅建設五カ年計画の目標であります三十二万戸の達成に努めてまいりたいと考えているところでございます。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 そうすると、臨調の方では公営住宅戸数の調整を求めておるけれども、四期五計のこの方針は変えない、どこまでも達成に努力するという決意でこれから進められるというように理解してよろしいわけですね。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 本年七月の臨時行政調査会の第一次答申におきまして、公共事業のうち「公営住宅の入居資格喪失者については、積極的に明渡措置を講じ、公営住宅の建設戸数を調整する。」ということがございましたが、ただいまの赤桐委員の御指摘のとおり、公営住宅の建設につきましてはいろいろな財政事情厳しい折からではございますが、第四期五カ年計画の達成を図っていきたいと考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 そこで伺いたいと思うんですが、去る行政改革特別委員会と建設委員会の連合審査の際にも、経済企画庁長官からも明らかにされておりましたし、その前後におきましても新聞報道でしきりに報道されてきておりますが、要するにいまの住宅建設が促進されないという大きな理由は、何といっても国民所得と住宅建設価格との乖離が非常に大幅になってきている、これが最大の原因だ、問題はここにあるんだということが強調されてきております。国民の側に立ちましても、長期のローンで住宅建設をやるということになりますれば、これは大変なことになりますので、そのローン地獄の問題も出てくることであるし、そういう関係から持ち家をきらっていわゆる公営住宅に大きく傾いてくる、その需要が集中をしてくるというのは当然であろうと思います。そういう状況の中で、地方自治体からの建設要求がかなり高まってきておるように聞いております。もうすでに概算要求の枠を超えているという状況だというふうに聞いておりますが、その状況をひとつ御説明願いたいと思います。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 地方公共団体よりの公営住宅建設に対する要望は、先ほど御説明いたしましたように各地方の実情、特に大都市地域におきます用地取得のむずかしさでありますとか関連公共施設の整備のおくれでありますとか、そういうようなことはございますが、非常に住宅に困窮する低所得者階層の多いことにかんがみまして、その公営住宅建設に対する要望がふえてきておるというのが実情でございます。  その状況を見ますと、全国的には来年度の概算要求が五万五千戸でございますが、それに対しまして五万八千余の要望が出ております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 五万五千戸の要求に対して五万八千戸を超えるところの地方からの要望が出ている、これはまさに公営住宅がいかに地方にとって、国民の皆さんにとって大変な関心になってきているかということを示している数字だろうと思います。そこで私は、国の立場としては当然住宅建設計画法に基づくところの五カ年計画でありまして、この五カ年計画の事業量は完全に確保しなければならない、そういう使命があると思いまするし、と同時に、地方自治体の要望に対してもこういう状況の中では十分にこたえていかなければならぬ責任があると思うんですが、この点はいかがですか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) ただいま申し上げましたとおり、五万五千戸の予算要求に対しまして五万八千戸の要望がございますが、その要望の中身を建設省といたしましてはしさいに検討いたしまして、その要望の中には実際には用地の取得が非常にむずかしいものであるとか、あるいは建てかえ事業等を行う際の入居者との調整が相当おくれるものがある、したがいまして、来年度じゅうにはとうてい実行がむずかしいものではないかと思うようなものがございまして、それを現に査定してまいりましたところ、大体五万五千戸の枠で十分であるということで予算の要求を行っておるところでございます。  第四期の住宅建設五カ年計画につきましては、各地方公共団体の実情を十分勘案し、また要望をお聞きしながら三十二万戸という建設計画戸数を定めたところでございます。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 五万八千戸と五万五千戸の関係でありますが、参事官の御説明は、それはわからないわけではございませんが、現実に五万八千戸の要求があることは事実でしょう。できるできないということについてはその次の問題であるけれども、五万八千を超える要求があることは事実である。公営住宅の建設要望が地方からこれだけ上がってきている。それは国民の声がそれだけ結集されているんだということについてはこれは一つ大きな前提として考えていかなければならないのではないのか。それを実施に移すに当って困難な問題があって、なかなかそのとおりできるできないはその後の努力の問題である、要求としては大きく集中してきている、こういうふうに私は理解しますが、この点いかがですか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 公営住宅の建設につきましては、従来から要望のありました戸数と、それから実際に建設をいたしました実績との間に若干の乖離がございまして、そういったいままでの実情を踏まえて、私どもといたしましては、大体五万八千戸の要望であれば五万五千戸程度でちょうどそれが実現するのに適当な戸数ではなかろうか。また、先ほど申し上げましたように、一つ一つの地方の事業主体の方から要望のありました戸数につきましてしさいに吟味をいたしましてこの戸数を設定したわけでございます。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 ですから、私も申し上げているように、それは実際の進めていく場合のあり方についてはわかるけれども、いまこういう状況の中でそういう切実な要望が結集されている数字が五万八千であるということはこれは認めざるを得ないだろう、こういうことを言っているわけです。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 大都市圏を中心にいたしまして、自力ではなかなか住宅を取得することは困難である低所得者階層による最低居住水準未満の世帯が広く存在しているということは事実でございます。そういった需要の実態に照らして、地方公共団体からそういった要望が出されたものだというように考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 五十七年度の住宅対策費の概算要求を見まするというと、住宅金融公庫の利子補給金の増を除いては、もう大体軒並み各項目とも対前年比減額要求となっておるわけです。特に低額所得者向けの公営住宅予算については、戸数は昨年と同じ五万五千の要求でありまするけれども、事業費、国費ベースで見まするというと、いずれも減額要求となっております。これはやはり私は、公庫の方の状態とにもみ合わしてみるときに、公営住宅予算に大変大きくそのしわ寄せが出てきているんではないだろうか。言うなれば、住宅対策の中で一番実は重点を置かなければならない公営住宅、これは言うなれば福祉政策の最たるものでありまして、この福祉切り捨てにも相当するこういう処置になってきているのではないかと思うんですが、この点はいかがお考えですか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 公営住宅を中心といたしまして、公的賃貸住宅を大都市を中心に供給をしていかねばならないということにつきましては、先生の御指摘のとおりでございます。私どもはそのためにいろいろな施策を設けながらその進捗、推進に当たっているところであります。  ただ、公営住宅の建設につきましては、特にそれが大都市圏の需要が大きいということから、大都市圏での公営住宅の建設につきましては用地の取得のむずかしさが非常に大きいものがございます。各事業主体はそのために大変な努力を払っているところでございますが、なかなか勤労者階層のための適正な立地のところに、しかも家賃の安い住宅を建設をしていくということは大変むずかしい状況にございます。そこで、東京や大阪等では、従来ございました木造の公営住宅を建てかえまして中層ないし高層の公営住宅といたしまして、それで住宅の供給増を図っていくということでいろいろと対処しておるわけでございます。したがいまして、公営住宅の建設につきましては、その事業主体の能力からいいましてただ建設費を増額をすれば直ちに供給増につながるというような状態になっていないのが大変残念であるわけでございます。私どもはそのためにできるだけの施策を整備していきたいと考えております。  お尋ねの、公営住宅予算額が前年度に比べまして減少しておるんではないかというお尋ねでございますが、これは実はただいま申し上げましたような事情で用地の取得を図る場合に非常に時間がかかる。また、建てかえ住宅の場合には現在住んでいる居住者を説得いたしまして建てかえの事業を実施しなければならないというような事情もございます。したがいまして、高層公営住宅等では国庫債務負担行為に三年間で公営住宅を建設をするという方式をとっておるわけでありますが、次第に用地の取得がむずかしい状況になりまして高層の公営住宅の戸数がふえている。そういたしますと、国庫債務負担行為の率が多くなりまして、その分全体としての戸数は前年度並みでありますが、事業費としては若干少なくて済む、国費も少なくて済むというような状況でございます。また、歳出化率の割合等につきましても、現在の財政事情を勘案いたしまして後年度へ送るというようなことをいたしております。  それから、中層の耐火構造の公営住宅に比較しますと、低層の公営住宅の方が建設の単価が交うございますが、近年低層公営住宅について比較的希望がふえてきておりますので、次第にそういった中層耐火構造の公営住宅から低層の公営住宅へ重点を移していくというような事情もございます。  そういうようなことで、戸数としては前年度と同様でございますが、国費、事業費としては若干落ちても十分実施はできるというような状況にあるわけでございます。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 ちょっとそこで少しわからないところがあるので伺いたいと思うのですが、五十七年度の概算要求では、五十六年度の場合と比較しますと、名目では四十四億七千七百万円の減となっております。概算要求の要求額の一般会計の状態を見まするとそうなっています。しかし実質的には、これをよく計算してみると二百二十億円程度の減額になっているのではないか、こういうように私は思うんです。年々土地費や建築資材が上がっている中で、昨年並みの予算ではとうていこれは昨年実績を維持することもできない、これは常識でもわかると思うのです。ましてや、四十億ではなくて事実上は二百三十億円の減額ということになってくると、これは大変な戸数の面に影響が出てくるのではないだろうか。五万五千なんというのは不可能じゃないか、予算上から見たってできないじゃないか、こう思いますが、この点どういうように説明されますか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) いまのお話は本省繰り越しの分を含めてのお話であろうかと思いますが、実は先ほど御説明申し上げましたように、国庫債務負担、国債分の増加と、それから歳出化割合を後年度へずれ込ませているというようなこと等によりまして、実際には五万五千戸の公営住宅建設が可能であろうというように考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 その約百八十三億円ですか、これが本省繰り越しということで翌年度に持ち越されてきておる。それとその分が、ことしはこれとの差し引きで約二百三十億というのが事実上はマイナスとなって出てきている。こういうことについても予算面では明らかにならないんです、この一般会計予算の明らかにされた内容だけでは。よくよくこれは調べてみると初めてわかるんです。だから、四十億の額面どおりのマイナスじゃなくて、実際には二百三十億のマイナスになる、こういうことがここで明らかになると思うんです。  そこで、あとこれを国庫債務負担行為の方で賄うんだ、こう参事官は言われるんですけれども、国庫債務負担行為で賄うということは、これでいくというとこれは大体ごとし、来年、再来年とやがて続くことになるんでしょう。そうなるとこれは、結局は後年度負担がだんだんと大きくなってくるんじゃないですか。防衛費の後年度負担じゃないけれども、だんだんと後へ後へとこういうものは積もっていくことになる。それだけじゃないわけです。結局年度内で決済する金がないから先へ延ばす、計画では入ってくるかもしれぬが、事実上は建たない、入れる家ができない、こういうことになってくるんであって、額面どおりに住宅の建設が行われていかない、先へ先へとおくらされていくという結果になるのではないかと思うんです。そういう状態で四期五計というものの計画から見たときに、一体こういう仕事のやり方というものでいいのかどうなのかという問題が出てくると思いますが、この点はどういうふうにお考えなんですか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 現在大変厳しい財政事情を抱えておりまするから、国債分の住宅を若干ふやしていく、あるいは歳出化割合を後年度にずらすということは若干やむを得ないところがあると思います。  それからもう一つは、先ほど申し上げましたように建てかえ事業等に伴いまして高層の公営住宅をできるだけふやしていかないと、中層等ではどうしても用地をたくさん食いますので、高層の公営住宅を建設していく方向にあるわけです。高層の公営住宅の場合にはやはりその建物の規模の大きさ等から見まして、どうしても三年ほどの時間を要します。したがいまして、五十七年度のものを特に非常に多く国債分をふやしているということではなくて、五十六年、五十五年度もそういうようなものは、割合は若干違いますがあるわけでございます。したがいまして、入居につきましてはたとえば五十七年度につきましては、五十五年度の国債分で住宅建設を行った分についての入居開始が五十七年度で始まる、建設が終わるというようなことで順送りにいっているわけでございます。そういう意味でできるだけ住宅の供給そのものが地方公共団体の要望にそぐわないことのないようにやっていきたいというように考えておるわけであります。  なお、構造の種別でありますとか、構造の種別と申しますのは、高層住宅であるか、中層住宅であるかあるいは低層住宅であるかとかそういったこと、あるいは耐火構造であるかあるいは簡易耐火構造であるというようなことによりましてもこの国費、事業費は相当異なってまいりますし、先ほど申し上げましたように低層の公営住宅の希望が自治体にふえてきておりますので、公営住宅を建てますと、単価が中層に比べますと安うございますからそれだけ戸数は確保できますが、国費、事業費は若干少なくても済むというようなことになっているわけでございます。そういうことで、公営住宅の供給につきましては五万五千戸ベースあるいは第四期の五カ年計画のベースで達成をしていきたいというふうに考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 どうも参事官の御説明なかなかうまいものだからよくわからないんだけれども、正直申し上げて、その年に計画したものがその年に年度当初の計画が実施されていくということが私はやはり行政の指導の原則だと思うし、事業計画の本来のあり方だと思うんですね。それが、何だかよくわからないが、いろんな処置をしながら後へ後へと延ばして、実際にいま延びているものをその年度内に建てたようなかっこうで処理をしていくということにならざるを得ないことはこれはもう明らかだと思うし、どうもそういうやり方というものは一体、これは健全なやり方じゃないだろうということを私は申し上げておるわけです。  大体ゼロシーリングという中から、はからずもいま参事官も言っておられるけれども、予算上ごとしは厳しいからということですけれども、これは建設計画上の問題じゃなくて、予算上抑えられているからというわけなんですね。ところが、きょうの新聞、きのうの夕刊等では、経済企画庁は幾つかの柱を立てて今後の景気浮揚の大きな対策を打ち出しています。この間の連合審査の中でも経済企画庁長官は明らかにいたし、斉藤建設大臣もこれと呼応した形の姿勢をとっておられたと思うんですけれども、その中の最大の柱が住宅でしょう。百二十万戸に落ち込んだものを百三十万戸くらいには持っていかなきゃならぬというのが、きのうからきょうにかけた新聞で報道されている大体政策の一つだろうと思うんです、内容になっているように思います。こう考えてみると、どうも予算の面ではいろんな工作をしながら抑え込みをやっておる、一方においては景気浮揚のために住宅建設を促進しなきゃならない、こういう政策を打ち出しているんです。これはずいぶん私は矛盾していると思うんだけれども、参事官、あなたはどう思いますか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 与えられた予算の中でできるだけ効率よく住宅を建設してまいりまして、住宅建設をできるだけ推進していく、また、たとえば大都市におきましては、ただ住宅の予算を増額するだけではなくて、それに伴いますいろいろな施策を整備することによりまして住宅の供給を増加、増大させることもできると思いますので、そういった方策を十分整備しながら住宅の供給を増加していくべきではなかろうかというように考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 いろいろの政策を打ち出されることは結構なことだと思いますから、大いにやっていただきたいと思いますが、どうも余り一方においては拡大をしていこうと思いながら、一方においては抑え込みをしようという、そういう矛盾したことはやはり私は政策としては成り立たないということを指摘したいと思うんです。特に一番その責任の省としての建設省としては、私はこれは断固とした姿勢をとっていかなきゃならない問題ではないのではなかろうか、こういうことを指摘しておきたいと思います。  そこで、首都圏におけるところの公営住宅の建設問題について少し伺いたいと思います。  特に、一番全国的に見ても大きな大量建設を必要としているのは東京だと思います。この東京の場合の状態について少しくお尋ねしたいと思いますが、いまのような一方においては抑制しながら、しかもいろんな困難な条件を特に東京の場合はたくさん持っている、そういう状況の中で、四期五計の中で三万二千戸を達成していきたい、こういうように言われておるわけでありますが、これは私は大変なことじゃないかと思うんです。従来のいろいろ実績なんかを見ましても、かなりなかなか大変になると私は認識せざるを得ません。これを一体どういうように今後処理をしていかれるのか。これからのいろいろ、景気対策であるか否かは別にいたしまして、当初の決意の中でも明らかにされているとおり、四期五計は何としても達成したいんだとこう言っておるわけであるし、しかも、一番大きな大量建設を必要とする東京都において最も困難な状況に置かれているわけであるけれども、この中でこれを建設していくということについては容易ならないことだろうと思いますが、これに対して具体的にどのような対策をお持ちになっているのか、伺っておきたいと思います。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 御指摘のように、大都市地域におきましての住宅建設というものは、用地の取得難あるいは関連公共施設の整備についての地元との調整、あるいはまた周辺住民との話し合い等のおくれというようなことから建設が停滞をしていることは事実でございます。このため、たとえば公営住宅等につきましては、東京、大阪等従来すでに建っております木造の公営住宅をできるだけ効率のよい高層耐火構造の住宅に建てかえていく、それによって住宅の供給の増大を図るということでありますとか、あるいは用地費の単価等につきましても若干ずつではございますが大都市の用地の取得の実情に合わした形で適正化を図る、あるいは住宅宅地関連公共施設整備事業の拡充を図るというようなことで、いろいろな施策を整備しながら住宅の供給を図っていくところであります。  また、建てかえにつきましては、恐らく今後大都市における再開発と関連をいたしまして住宅の供給を増大していく必要があると思いますが、これにつきましては現在住んでいる入居者を移転させなけりゃならないというむずかしい問題があります。このため移転料でありますとか、仮住居費等の助成制度を設けましてその充実を図っていくというところでございます。そういった方策によりまして大変むずかしい大都市圏の住宅建設を推進をしていきたいというように考えておるところでございます。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 特に私は、あらゆる面での配慮がなされないというと、こういう特殊の困難な条件を持つ地域ではこれからは建設計画を実施していくということはできなくなるだろうということを指摘しておきたいと思います。  臨調答申の中では、「公営住宅の入居資格喪失者については、積極的に明渡措置を講じ、公営住宅の建設戸数を調整する。」としておるわけでありますけれども、高額所得者の明け渡しの実情について明らかにしてもらいたいと思います。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 全国の実情で申しますと、五十五年度末の調査でございますが、全国で管理戸数が百八十万七千三百二十七戸ございます。このうち公営住宅法に基づきます収入基準を超過しておる収入超過者が三十四万五千五百八十五戸でございます。うち高額所得者、すなわち明け渡し請求のできる高額所得者につきましては二万七千二百四戸というような状況でございます。  ちなみに東京の状況を申し上げますと、管理戸数二十一万四千三百五十戸でございます。そのうち収入超過者が六万六千六百二十二戸、それから高額所得者が七千三百八十二戸というような状況でございます。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 公営住宅の収入超過基準の問題でありますが、この収入超過基準とそれから高額所得者の明け渡し基準、こうしたものについては昭和五十二年以降いずれも据え置きになっておる。その結果、実質所得というものが事実上は増加をしていないにもかかわらず、名目所得だけが伸びてきている。そういう関係から収入超過者となる場合がしばしば出てきている。特にこの状態を昭和四十四年当時から比較してみると、この約十年間の状態を見まするというと、当時はかなりの条件を持って入居していられた者が実は非常なダウンをしてきている、こういう状態になってきているわけであります。こういう状況の中で、これから大変問題が出てくると思うんですが、一般住宅にはなかなか入れない、公団の住宅に入ろうとしてもこれまた相当の家賃だ、そういう中で名目的には一応出なきゃならないような超過者になっている、こういう形が出てきているように思います。これは私は住宅政策上、公営住宅の精神から見ていっても大変問題があるんじゃないかと思うんですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) いま先生がお話しになりましたように、昭和四十四年の第一種公営住宅の収入基準が全体の年間収入のうちどの分位に属するかということを調べてみますと、下から三三%のところにございます。それで公営住宅の収入基準は毎年度改定するというわけにもまいりませんので、世帯収入の実情等に応じまして適宜改正をしているところでございますが、それによりますと昭和四十九年は二六%程度に落ちました。その後大体三〇%前後のところを動いておるわけでございます。  現在の状況でございますが、五十五年度の状況といたしましては、第一種の公営住宅は下から二七%のところにございます。したがいまして、先生の御指摘のように、四十四年に比べますと六%程度カバー率としては低くなっておりますので、若干厳しい状況はあろうかと思います。  私どもは、そういった事情を踏まえまして、できるだけ早期にこのカバー率を高めるように、大体公営住宅の収入基準といたしましては第一種の場合三三%程度のところに持っていくのが適当ではないかと考えておりますので、できるだけ調整を図りたいというように考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 それじゃついでに伺いますが、明け渡し基準についてのカバー率はどうなっていますか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 明け渡し基準につきましては、四十四年の状況が八八%でございます。五十五年が五七%になっております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 そういう状況で、私は名目と実質が大変そぐわない状態になってきているように思うんです。したがって、これは収入基準あるいはまた明け渡し基準等について少なくとも是正を急がなきゃならぬ時期に来ているように思うんです。できるなれば一年置きぐらいにこれは見直していかなければこれからの状態の中ではまずいんじゃないか、こう思いますが、この点はいかがですか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 現在の入居収入基準は昭和五十四年の十一月に改定したものであります。ただ、先ほど申し上げましたように、最近におきます世帯の所得水準の動向等から若干カバー率が下がってきております。したがいまして、公営住宅がその対象としております低額所得者に的確に供給できるように、この収入基準の見直しにつきましても現在検討をしております。できるだけ先生の御指摘のように実情に合わした形で公営住宅の入居基準を設定をしていくというように考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 高額所得者として明け渡しを要求されるという状況にある者を対象にしていろいろ私どもの方でも調べてみておるんですが、また陳情をたくさん受けておりますが、聞いてみると、実際にこれは気の毒だと思う人も中にはある。たとえば、あともう何年もたたぬうちに退職になる、そうなればとてもじゃないがいまのような状態にいられない。あるいは娘が学校を終わって就職をした途端に収入が家計全体では総合的にふえてきた、しかし、これは二、三年たてば嫁に行ってしまう、また同時に、その娘の収入を収入として全体に見ることはとてもできない、これはいろいろの費用に見なきゃならぬ、こういう状況。私はやはりいろいろ実際問題としてそういう状態があると思うんです。そういう非常に苦しい状況、実際の生活実態というものを考えてみるときに、なかなかこの明け渡しというのは簡単にいかない。  臨調の答申の中では、明け渡しをひとつ速やかに行って調整をすればこれで相当の余裕が出るはずだ、だから公営住宅の方は節約をして建設を削減をしていく、そしてそれらの調整をすることができるだろう、こういう考え方を持っているんではないかと私は思いますが、しかれども、簡単に人様に明け渡して、あなたはどこへ行けというわけにはいかないんです。公団に行こうと思えば七万から十万の家賃を払わなきゃならない。一戸建て住宅を買おうと思えば、今日三千万前後の金を出さなきゃできない。頭金としても一千万の金は最低必要だ。こうなってきたときに、そんなことはなかなか簡単に庶民の状態としてできるものではないんです。したがって、そういう状況の中でこの住宅問題、特に臨調答申の中で出ている明け渡しの問題について、私はこれは重大な社会問題だと思って考えておるわけであります。  いま参事官の御説明では、入居基準については五十四年にこれは改定をしているようでありますが、超過基準、明け渡し基準というものは率直に申し上げまして五十二年のままなんです、これからもうすでに四年たっているわけなんで、これは四年間に大分変わってきているというように私は考えます。そういう意味で、これらの明け渡し基準や超過基準の問題等を含めての基準の見直しについて私は早急に適正な形で行われるべきだということをひとつ求めたいと思いますが、この点いかがですか。

松谷蒼一郎建設省住宅局参事官

○説明員(松谷蒼一郎君) 公営住宅につきましては、その目的にもありますように、低所得者階層に対して適切に賃貸住宅を供給していくという目的がございます。この場合、低所得者階層とは一体どういう所得を言うのかというのがいま申し上げております所得の入居基準であるわけであります。その入居基準につきましては、もちろん全国の世帯の収入の動向等を踏まえながら適正な形で行っていかなければならないことは当然でありますが、しかし、収入基準を超過しておる入居者がやはりその公営住宅に依然として住んでいくということになりますと、先ほど申し上げましたように、大都市における公的賃貸住宅の供給がなかなかむずかしい状況でありますし、また、低所得者階層を主といたします最低居住水準未満の世帯が全国で五百七十四万世帯もある状況から見まして、ある程度収入基準を超過されました居住者につきましては次の住宅へ移っていただくということはやはり公営住宅法の趣旨ではなかろうかというように思います。  ただ、収入基準を超過すれば直ちに明け渡しをしてもらうということは、これは現実には非常にむずかしい状況でございますので、やはり公営住宅法でも規定されておりますように、公営住宅に入居いたしまして三年間の経過をした者、それからまた、収入基準を超えれば直ちにその対象となるというのではなくて、若干の余裕を持ちまして、ある程度の幅以上の基準を超過した者について明け渡しの努力を行うように求めている、それからまた、明け渡しの請求を行う者につきましては、それ以上の高額の所得者に対して明け渡しの請求を行うということとしております。実際にはこういったような基準がございますが、地方の事業主体においてはできるだけ現在の入居者に過酷な状況にならないように、その事情を十分勘案しながら明け渡していただくようにお願しておるというのが実情でございます。  東京におきましては、このための高額所得者審査会というものを設けまして、明け渡し請求の可否について一件一件十分に調査をいたしまして、それで過酷なものにならないような形で明け渡し請求を行うということにしておりますし、また、明け渡し請求を行う場合には当然公団住宅あるいは公社住宅等公的賃貸住宅のあっせんを行う。公団住宅につきましても空き家等はそれほど家賃の高いものではございませんので、そういったものをあっせんをしていくというようなことで、できるだけ居住者の理解を得ながら明け渡しを行っているというのが実情でございますし、また、公営住宅法の二十一条の三の五項によりまして、明け渡し請求を受けた者が病気であるとかその他条例で定める特別な事情がある場合におきましては、その者から申し出がありましたときは期限を延長することができるという規定もありますので、そういった規定を活用しながら、できるだけ無理のない形で明け渡しを行っていきたいというように考えております。

赤桐操日本社会党

○赤桐操君 私が特に主張しておることは、名目所得の伸びによって、少なくともこれらの基準を超過しているという形がつくり出された場合において、それが大変気の毒な結果を生むようなことにならないようにすべきではないかということを主張しているのであって、相当の高額を得ておって当然出るべき時期に来ている方は、これはもう早く自分でもお考えをいただいて処置をしていただくのは当然だろうと思いますけれども、そうではなくて、いま申し上げたとおり娘が働きに出た途端に超過するとか、あるいはまた若干賃金の引き上げでもってもうすでに超過してしまうとか、そういう状態の中での、いわゆる名目的なものの中のしわ寄せというものだけはこれは速やかに解決すべきだろう、そういう意味の基準の見直しについては適切におくれないように検討していくべきものではないだろうか、この点を指摘したわけであって、以上ひとつ厳しく私は是正されんことを求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      —————・—————    午後一時七分開会

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  午前に引き続き、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は、きょうは少し災害にかかわる問題について関係者の意見を、あるいは見解を聞かせてもらいたいと思うのであります。  けさの新聞、テレビを見ますと、人勧の関係も触れられると思うのでありますが、災害復旧費が三千億補正予算に計上と、大変な災害の補正予算ということで建設国債の発行などというニュースも出ておるわけであります。私は、最近この四、五年間、五十年から五十五年くらいでも結構でありますが、あるいは五十六年も若干わかれば結構でありますが、水害による被害状況、それからそれに伴う災害復旧費は一体年間トータルでどのくらい使っておるのか、国土庁、建設省、それから関連がありますから運輸省、国鉄関係と、こういう関係者からおのおの管轄する被害状況と災害復旧費ということについて順次御説明願いたい、このようにお願いします。

川俣芳郎国土庁長官官房審議官

○政府委員(川俣芳郎君) 国土庁でございますけれども、五十年から五十五年の六年間の、水害だけでございませんで、全災害の被害の状況、災害復旧費について申し上げたいと思います。  五十年から五十五年までを顧みますと、大きな災害がございましたのは五十一年の台風十七号、これは長良川の決壊などがあった年であります。それから五十三年の宮城沖地震、伊豆地震。五十四年がかなり大きゅうございまして、台風二十号、十六号が襲来をいたしておるわけであります。  六年間の被害の状況の数字なんでございますが、実は五十五年度につきまして最終的なまとめをいたしておりますので、被害額につきましては河川等の被害額と農地等の被害額で申し上げますが、まず、死者、行方不明者数が六年間で一千百七十八名であります。それから家屋の全半壊数二万九千六百六十棟であります。それから公共土木施設あるいは農地等の被害額あるいは学校等の被災額、すべての施設関係の被害額のトータルを申し上げますと、五十五年度は先ほど申し上げたようなことなんでございますが、四兆九千七百四十六億円であります。  さらに、災害復旧費についてお尋ねでありますが、国費ベースで申し上げますと、二億一千二百八十九億円でございます。  以上です。

川本正知建設省河川局長

○政府委員(川本正知君) 建設省からお答えいたします。  河川関係の災害の比重が大きいわけでございますが、昭和五十年には北海道の石狩川の水系の災害が起こりましたし、五十一年にはただいまお話ございましたように長良川で大きな水害が起こっております。  六年間の建設省所管の公共土木施設の被害額を申し上げますと約二兆一千六百億円になるわけでございます。  それに対しまして災害復旧関係の事業費でございますが、これは災害関連込みで申し上げまして、六年間で約一兆七千三百五十億円ということになっております。  以上でございます。

原慧運輸省鉄道監督局民営鉄道部土木電気課長

○説明員(原慧君) 地方鉄道軌道の台風、集中豪雨等による被害の状況について御説明させていただきます。  五十年から五十五年までの六年間合計で被害件数が五百五十七件、復旧対策費が三十五億八子五百万円でございます。  それから、年度別に簡単に申し上げますと、五十年が三十二件、七億七百万円、五十一年が三百五件、二十一億九千七百万円五十二年が十一件、七千七百万円、五十三年が三十五件、一億四千百万円、五十四年が百三十六件、二億七千三百万円、五十五年が三十八件、一億九千万円。  以上でございます。

川俣芳郎国土庁長官官房審議官

○政府委員(川俣芳郎君) 先ほど災害復旧費の数字を間違って申し上げましたので訂正させていただきます。  国費ベースで二兆一千二百八十九億円であります。

村上温日本国有鉄道施設局土木課長

○説明員(村上温君) 国鉄でございますが、国鉄の被害についてお答えいたします。  水害というお話でございましたが、災害ということで件数を拾ってございますので、災害の件数を御報告いたしますと、昭和五十年度は二千二百八十六件、以下丸めますと、五十一年度が三千八百、五十二年度二千五百、五十三年度二千、五十四年度二千八百、五十五年度三千三百ということで、六年間で約一万七千件ということになってございます。  それから、復旧のお金でございますが、五十年度が百六十五億八千八百万円、以下五十一年度が百六十億、五十二年度が八十五億、五十三年度が百四十億、五十四年度が百四十八億、五十五年度が二百十六億で、トータル九百億強ということになってございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いま数字を聞きますと、これは六年間のトータルがあったり宮城沖地震があったりしましたからまるまるというわけには受け取れませんが、私も宮城県の人間ですから、宮城沖地震の状態を間引きして見ましても、台風その他で大変な死者と莫大な被害と復旧費を使っているということが言えると思うんです。  それで、私は物の順序に従ってひとつ国鉄にお伺いしますが、最近の事故を見ていますと、国鉄に全然責任がない事故が、しかも重大事故が幾つか起きているという現状にあるわけです。皆さんの理解を求めるためにまず上越線の水上駅付近で国有林、民有林の関係は別にして、山の方の手落ちで落石があって急行佐渡の前頭にぶつかって列車が脱線転覆、車道の方に落ちていった、その際に運転士が重傷を負って六カ月の入院、お客さんが一人死亡外大変な事故があった。こういう事故については国鉄の責任ではないと私は理解するんですが、国鉄側の担当者の回答を願います。

村上温日本国有鉄道施設局土木課長

○説明員(村上温君) 佐渡号の事故につきましては、五十二年の三月の二十二日に、同じ目黒先生の……

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いや、私の言ったことに答えればいいんだよ、国鉄の責任がどうかということを答えれば。

村上温日本国有鉄道施設局土木課長

○説明員(村上温君) はい。回答してございますが、山から石が落ちて線路に飛び込んで落下したもので、斜面が氷が融解、凍結をしたりあるいは木の根が張ったりして岩が割れて落ちたということで、自然の現象でございますので、その原因、責任は判定がなかなか困難だというふうに御回答を申し上げておりましたが、現在でもそのように考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 時間がやかましいからね、私も現地を見てきているんだからね。これは国鉄の直接責任でなくて、落石の個所が国有林とか民有林を問わず、いわゆる国鉄の管轄外から落石したもんだ、こういうことをどうですかと聞いているんですから、そうならそう、そうでないならそうでないと答えればいいんですよ。

村上温日本国有鉄道施設局土木課長

○説明員(村上温君) 御説のように一応線路外からの事故でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうですね。国鉄の管轄外から落石で大変な事故が起きた。  それからもう一つ、これは只見線の去年の五十五年十二月一日、これは土砂崩壊がありまして、回送列車が乗り上げて気動車が鉄橋の下に真っ逆さまに落っこっちゃった、運転士が大変な重傷を負った、こういう事故もあったんです。これは一年来いろいろもめておりますが、これもまた原因の問題は別にして、国鉄としてはどうにもならない事故である、こういうふうに私は理解をするんですが、理解が違っておるでしょうか。

村上温日本国有鉄道施設局土木課長

○説明員(村上温君) 只見線の事故につきましては、国鉄の切り取りののり面の上に県道がございまして、さらにその上の山が雨で崩れたというもので、一応用地外でございますので、なかなか管理のむずかしいところだというふうには考えでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 国鉄じゃどうにもならぬ福島県の県道あるいは福島県が管轄する土砂崩壊、その原因は別にして、現象的にはそういうことですな。

村上温日本国有鉄道施設局土木課長

○説明員(村上温君) 先生のおっしゃるとおりでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、これは現在林野庁、マツクイムシで松枯れの問題が相当国会で議論になっておるんですが、これもやっぱり大変な事故になっているんです。  これは、ことしの十月二十一日十八時ごろ鹿児島県の大隅線の荒平−高須間でマツクイにやられた松が台風の影響もあって線路に倒れてきて危うく脱線事故が起きるという寸前で運転士がブレーキをかけた。これまた国鉄の責任でどうにもならぬので、いわゆるマツクイムシの対応というか対策というか、その手おくれがこういう脱線寸前の危険事故を起こしている。これについても私の認識に間違いないかどうか、国鉄側の見解を聞きたい、こう思うんです。

村上温日本国有鉄道施設局土木課長

○説明員(村上温君) ただいまお話のございました事故は、台風二十四号の後で、民地にありました枯れた松が線路に倒れ込んだものでございますので、やはり管理の限界の外からの事故だというふうに解釈しております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この問題もいま現在百七十九本、これは各市町の森林組合、県の林政課などに要請しても、依然として放置されたままになっている、したがって、また台風が来れば同じ事故が繰り返される、もう運転士は身の危険を感ずるから、台風になったらとても危なくて運転できない、こういうふうな事故を起こす現状にあるわけです。  それで、私はこれらの問題を考えますと、これは私自身も参考までに自分の経験を言いますと、私は八月の二十二日、青森県に行っておりまして台風にぶつかりました。それで、青森から門司まで用事で飛ぶ予定でしたが、飛行機が飛べないというので列車に乗った。青森から仙台、仙台から東京まで帰るつもりで、二十三時半の寝台急行新星に乗った。私も疲れておりましたから眠っておって、朝六時半ごろでしたか、まあそろそろ大宮周辺に着いたろうと思って窓をあけてみたら、私の生まれ故郷のすぐそばの白石というところがありますが、その白石と福島の県境のところに、朝六時になって四十キロ走ったか走らないかですね。なぜかと聞いたら、福島県の伊達と桑折の間が線路没落で不通だと。ここは私は昭和十三年から東北線の機関車の運転をしているんですが、この伊達−桑折なんていうところは一番地盤のしっかりしたところで、私も昭和十三年から乗って、約四十年、水害などがあったことはないです。それが水没だと。なぜ水没になったのかというと、川をずっと水源をたどってみると、そこがこれは林野に関係あるんですが、いわゆる乱伐、伐採されたはげ山になっている。はげ山一帯に集中豪雨が入って鉄砲水の現象を起こして、たんぼの水を通って、そのいき言った東北本線を不通にした、こういう現象がはっきりしたわけであります。  私は、災害にもいろいろ原因があると思うんでありますが、これは林野庁の方にもお伺いしたいと思うんですが、こういう山の管理、伐採、植林、造林、あるいはその他いろんな諸手当てがあるわけでありますが、国有林、民有林、公有林を問わずやはり山の管理に手を抜くと、私がいま言ったような幾つかの国鉄の事故を例として挙げたわけでありますが、山の管理を誤ると、手抜きをすると災害というものが鉄砲水を起こして倍増する。こういうことに私は因果関係があるんではなかろうか、そのように私は素人なりに考えるわけでありますが、山を管理しておる林野庁はそういうことについてどういう認識を持っていらっしゃるのか、これをまず、山を管理する林野庁から見解を聞かしてもらいたいと思うんです。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 御指摘のように、森林につきましては国土保全の機能がございまして、こういう機能を十分発揮させるために、日ごろから国有林につきましては地域施業計画というのがございまして、この計画に基づきまして国土の保全というようなものに十分配慮しながら施業を行うというようなことをやっております。確かにそういうことでございますので、森林が荒廃いたしますと、やはりある程度保水量がなくなって水害のもとになったりあるいは土砂崩壊というようなこともございますが、そういう面につきましては、先ほど申し上げましたような計画について、できるだけそういうことの起こらないような健全な森林の造成に努めているという現状でございます。  さらにまた、国土保全上特に重要な個所につきましては、保安林等に指定しまして施業を制限しながら機能を高めることを行っておりますし、そのほかに必要がありますればやはり治山事業等を施行いたしまして、さらに国土保全機能というものを高めるというような措置を加えているところでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 災害担当の国土庁長官としては、いま私が言った山の管理に手抜かりがあればやはり災害の発生というものについて大変な因果関係がある、こう思うんでありますが、国土庁長官の見解を聞かしてもらいたいと思うんです。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) いま目黒委員のおっしゃったとおり、その説は同感でございます。やはり森林を管理をよくせずしてやる場合に、ことに水害が起こる、その他災害が起こることは当然でございまして、因果関係が非常に深いものだと考えておるところであります。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 答弁ありがとうございます。そうだと思うんです。  ところが、私はいろいろな機会があって山を歩いているんですが、災害という問題から見ると、どうも林野庁のいまの課長が言ったことと、私のこの目で見ておることについては非常にずれがある。これは私も思い出して、昭和五十三年三月十日、予算委員会の議事録ですが、国有林の皆さんで結成しておる全林野が昭和五十二年の暮れから翌年にかけて、いま国土庁長官が心配したような全国の水害につながる山荒らし、俗に言うはげ山、はげ山がどんな程度あるかということを北海道から沖縄まで全点検をしたんです。これを私はいまでも記憶しておりますが、大体高さにしてこのくらいの調査実態調書を持ってきて予算委員会で農林大臣とやり合ったわけでありますが、当時の農林大臣は中川一郎さんでした。したがって、彼は北海道の選挙区が第五区ですから、私も五区の方をずいぶん歩いていますから、やはり知らないところを論議すると架空論になるから、具体的に中川一郎先生、当時大臣の選挙区の点検簿ですね、選挙区の点検簿を持ってまいりまして、農林大臣、林野庁長官どうですかと、こう言って私は回答を求めたんです。  そのときの議事録がここにあるんです。私は、山荒らしの現状については大体九五%この私が持ってきた資料は間違いないと思う、あなたは自分の選挙区ですからどうですかと言ってやりましたら、ちょっと休憩をくれと言って休憩されまして、林野庁なりあるいは当時の旭川営林局などと問い合わせをしておったようであります。そして、その再開後、「国務大臣(中川一郎君)御指摘のとおりだろうと存じます。」と、いわゆる目黒議員が持ってきた資料、全林野の中間が山点検をしたその山荒らしの資料は現職大臣として九五%当たっているということを認めたんです。それで私は、そうならば今後どうするかと言ったら、当時の林野庁長官は、ただいま北海道の国有林の造林地につきましては当局でも点検をし、人と金をかけて洗い直しをいたしますと。こういうこれは五十三年の答弁なんです。私は北海道から沖縄まで皆さんがやったそのことが、一遍には無理だとしても五年計画、十年計画で当然処理されるものと、こう期待をしておったわけでありますが、全然その問題が進展をしていない。  それで、私は物の順序として林野庁にお伺いをいたしますが、林野庁は五十三年、国有林野事業改善計画、これができて現在進行中であるわけでありますが、話の中身を解決する意味で国有林会計はいつから赤字になって、そして一般会計なりあるいは財投なりからいつからどの程度お借りをして、現在累計してどのくらいになっているのか、数字を教えてもらいたい、このように考えます。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) お答え申し上げます。  近年特に森林の公益的機能重視の施業を行ったり、あるいは制約がございまして伐採量が大分縮小しておりまして、それに加えて木材価格が大変低迷しているということもございまして、五十年以降損益の計算では損失を生じているような次第でございます。五十年度に百三十五億、五十一年度には五百四億、五十二年度には九百六億、五十三年度に九百九十一億、五十四年度三百十九億、五十五年度六百五十七億というようなことになっておるような次第でございまして、このような状況に対応しまして国有林野事業の改善を図りまして将来にわたって事業の使命を達成するために昭和五十三年に国有林野事業改善特別措置法が制定されたわけでございます。これに基づきまして現在着実な改善を図っておるところでございますが、自主的な改善と相まって財政措置の拡充にも努めているところでございます。  外部資金の導入状況でございますが、長期の借入資金は五十三年には九百九十七億、五十四年には一千百八十億、五十五年には千三百四十億、五十六年に千四百億というような状況になっております。それから一般会計からの受け入れとしまして五十三年に初めて四十八億、それから五十四年には八十億、五十五年に八十四億、五十六年に八十七億というような形で導入をいただいておる次第でございます。五十六年度末の長期借入金の残高は現在六千八十億円となるような見込みになっております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 六千八十億ということは、国有林会計の年間は大体六千億前後ではなかったんですか。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 五千億弱の程度でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうしますと、五十三年にこういう確認をして、山が荒れていると、それで林野庁長官が根本的見直しをいたしましょうと、こういう答弁と、いま林野庁が私の求めに応じて説明したこの財政の現況から考えますと、これは空手形ですな。この中川大臣と当時の林野庁長官の答弁に裏づけされる財政の措置は何ら行われていなかった、こういうふうにいま理解をしていいんですか。いやいやそれは目黒の言っていることと違う、この中川答弁と当時の林野庁長官に従って林野庁はしかじかの措置をしたんだと、そういうこの議事録の裏づけになる財政的な問題についてはお答えできますか。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 御指摘の生育の不十分な造林地、これは五十二年四月現在で四万五千三百ヘクタールほどあったわけでございますが、これは五十二、五十二年度と鋭意保育等によります解消に努めた結果五十四年四月には五万八千四百ヘクタール、これは別なさらに調査をいたしまして追加もあったわけですが、解消に努めてさらにまた追加をいたしました結果全国で五万八千四百ヘクタール、五十四年の四月にはございました。これを計画的に改植あるいは人工補整林への誘導を、あるいは天然生林への誘導ということを行いまして、極力生育の不良な林分の解消に努めたわけでございますが、この結果五十六年四月一日現在では二万四千三百ヘクタール、五十四年の四月の約六割はいろいろな形で解消にこれ努めたわけでございますが、この残りの分につきましても計画的に改植あるいは除伐それぞれ適切な措置をとりまして、五十六年度以降三、四年間で計画的に解消するように努めてまいりたいと存じております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いま天然生林という言葉が出ましたが、天然生林というのは、私もこれはことしの十月二十二日北海道の神楽営林署に行って見てまいりました。その神楽営林署の第八十三村班はこれは天然生林ですな、間違いありませんか。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 現在天然生林として施業を続けております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 言葉は天然生林というきれいな言葉ですが、災害対策という点から見るときわめて私は底抜け措置だとこう思うんです。この八十三村班はいわゆる天然林を伐採したんでしょう。伐採をして植林をしたけれどもなかなか成長しない。当時の業務部長とか林政部長の説明を聞くと、ネズミに皆根っこを食われちゃって成長しないんだと、成長しなければ天然生林に変更して、何年か、十年か二十年か三十年か五十年か知りませんが、それは天然だから幾らか成長するでしょう。しかし、山の機能という点から考えると、天然生林に編入ということは山からの撤退になるんじゃありませんか。伐採したまま投げっ放し、そういうことをあなた方は専門語で天然生林なんてきれいごとを言っていますが、山の機能からいけばこれは山を投げたというふうになると思うんですが、いかがでしょうか。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 御指摘の北海道におきます神楽営林署の八十三村班でございますが、これは北海道というものは確かに人工造林には厳しい自然条件でございまして、本州に比べますと造林の歴史も浅うございますし、外国産の早生樹種でございますストロープマツをこの林班には植えたわけでございますが、やはり一部に生育の不良な造林地が発生いたしまして、これについて保育管理に務めたわけでございますが、なかなか不良林分の解消には役立たなかったということで、その後有用広葉樹でございますカンパあるいはナラというような樹種が盛んに侵入してまいりまして生育を始めている。もっともササの少ないところでございましたので、幸いに天然生林として今後保育を十分やればりっぱな林分になるというようなことで天然生林に編入いたしまして、それに基づいて今後施業を続けていくというわけでございまして、将来健全な林分になるという前提のもとで国土保全その他の機能に対しましても十分対応できるというふうに私ども考えておる次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 対応できるとそんなきれいごとを言わないでもう少し、国有林は先ほど言った赤字で大変だけれども、災害対策という意味も含めて国土庁長官殿、災害復旧の予防という意味も含めてもう少し金と人をめんどう見てくれませんかと言って、山の機能を果たすりっぱな山にもう一回つくりかえるというくらいの私は取り組みが林野庁として当然の姿ではないか、こう思うんですが、金がない、人がないからもう逃げ口上として自然生林に編入と、こういう逃げ道をやっているんではないですか。  もっと別なことを言いましょう。じゃ長岡営林署の十九林班、これはどういう説明をいたしますか。十九林班はいま現在どうなっていますか。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 御指摘の長岡営林署の十九林班につきましては、現在ブナを主体とする広葉樹が生育しておりまして、天然林として施業いたしております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これはそういう普通の市民の皆さんとか国民の皆さんから見える山はきれいでありますが、二十キロ、三十キロ、四十キロの山奥へ入りますときわめてお粗末な山の管理をしている。これは幸いにして私も行きました。いま委員長をやっている吉田建設委員長も現地に行ってみました。これは浅草岳と言いまして標高約千メーター、当時は雨も降って、大分寒い日でした。大体長岡の中心から車で二時間、それで行ってみましたら、全部山はだが裸じゃありませんか、何が天然林ですか、全部裸ですよ、私がこの目で見てきたんだから。これは委員長も見てきました。あの個所に集中豪雨が入ったら長岡市やあの周辺の栃尾市、栃尾市も十何年前大変な水害をこうむっています。あそこに集中豪雨が降ったら一遍でもう長岡と栃尾市は大水害ですよ、鉄砲水で。そんなきれいごとで天然生林になりました、そういう答弁は責任回避だ。これはそんなに文句があるならあなたが一回われわれと一緒に行って、山を見てください。これは管轄の営林局の方でもついに私には答弁ができませんでした。こういうのは山の管理から撤退していると。五十年も百年もの山を切って、その後に植林もしない、それで天然生林に編入がえする、それと災害を考えたらこれはとんでもないことだ、こう私は思うんでありますが、これでもあなたは詭弁を弄しますか、いかがです。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 長岡営林署の十九林班は、先生のおっしゃるように平均が標高約千百メーターで、非常に新植につきましては不適地でございまして、新植は困難だということでブナを、主とする広葉樹を主体に施業しておるわけでございますが、現況ではブナが約六十センチぐらいのものだそうでございますが、これがヘクタール当たり五千から一万五千ぐらい生育しておる。そのほかにも有用広葉樹でありますウワミズザクラ、カエデというようなものが約千本あるいはそれ以上入っているというようなことでございまして、今後必要に応じましてその除伐あるいはその適切な保育を実施すれば優良な天然林として成林するというふうに現地では考えているような次第でございます。  先ほども申し上げましたように、民有林、国有林を通じまして治山事業あるいは保安林制度というものも十分活用しておりますので、必要な場所につきましては十分措置してまいりたいというふうに考えておるような次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは長官も聞いてもらいたいんですが、いま林野庁が言ったとおり、そうならそうでも私は理解するとか、理解するにしてもいいと思うんです。ところが、その途中のちょっと離れたところに山の神というのがあるんです。この山の神の民有林のブナ林を見ましたら大体三十五年物ぐらいです。この民有林のブナの林については私もずいぶん山を歩きましたが感心しました。整然と手入れされて大体このくらいに普通はなっておりましてね、結構同じ関係で民有林の皆さんが手入れするとブナは成長するんですよ。そういう地帯になぜ国有林の山には民有林と同じようなブナの植林ができないのか。私は金と人をかければできると言うんです、民有林が試験済みなんですから。  一体、林野庁というのは民有林を指導するんでしょう。その指導される民有林がりっぱなブナ林をつくっているんじゃ、同じ近くにある国有林がいま課長が言ったようなかっこうで植林と造林ができないというのは一体これはどういうわけですか。民有林ができて国有林ができないというのはどういうことですか。これは私は答弁にならぬと思うのです。率直に言えば、財政も赤字であるし金もないから、いわゆる省略、省略と言って山の管理から手を抜いているというのが現状じゃないですか。余り強弁を使う必要はないと思うんです。実際は金と人があればできるのだ、金と人がないからできないのだと、そう素直に言った方が災害対策のためにもいいんじゃありませんか。こんな逃げ口上をやっておったらまた災害が起きますよ、ここは。どうですか。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 御指摘でもございますけれども、現在の現況がブナが約五千本から一万五千本天然に生育しているわけでございますので、やはり自然淘汰あるいは適切な除伐を行いまして遊水木を残していくというような方法をとりますれば、自然の天然力を十分活用しながら成林が図れるというふうに考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは何ぼ議論したって平行ですがね。  これは長官、国務大臣として聞きますが、大体山というのは四十年から五十年かかりますね。そしていま課長が、手入れすれば何とかなると言って自然生林に編入してそれが本当に実を結ぶかどうかというころは、課長も営林署長ももう営林署をやめていないんです、皆OBになっちゃって。そうでしょう。だから、はげ山であっても何とか手入れしますと言っているが、大体二年か三年で転勤するのだから、本当に知っているのは、そこの山の近くに育って営林署で働いて山の伐採をして、そして植林をして、手入れをしてその土地で生活している六十歳、七十歳の方が一番知っているんです。その六十歳、七十歳という実際山で三十年も四十年も営林した諸君が、いま言った浅草岳ですか、ああいうようなところで自然生林は成功しないと山の経験から言っているんですよ。さすれば机上の空論でやらないで、そういう大切なところであるならばやはり金と人をかけて植林をする、出づくりをする、緑を戻すということが災害の予防上きわめて大事じゃないか。私は三十年、四十年も営林した山の男を信頼します。  その点は国務大臣として、きょうは林野庁長官と農林大臣いないから、災害防止という点からもう少し具体的に原因を、関連性を追求して、必要なものはやっぱり対応すると。これだけの何兆円という災害から見ると、これは千九十何名の生命を奪っているんでしょう。そういう点から考えると私は銭金ではないと思うんです。その点についてもう林野庁と何ぼやってもしようがありませんから、災害担当の予防という点から大臣の見解を聞かせてもらいたいと思うです。何ぼ議論したって——私はみんな写真を持っていますが、時間がありませんから出しません。ちょっと大臣、答弁してください。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 最前からるるお話を承りまして、御説のほどは全く同感でございます。もう少し積極的にやるべきであると、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そういうふうにひとつ。  もう一つ、この敦賀の営林署の百四十五林班、この百四十五林班で、ことしは大分雪が多かったんですが、この雪害に対する対応の仕方も国有林はお粗末ですね。民有林はみんな倒木——雪がかぶりますから木が倒れるわけですね。それを全部一本一本起こして十分今後使えるような手当てをしている。片方、この百四十五林班の方にいくと、まあどういうことですかね、みんなこれは山の専門家もいっぱいいるが、私みたいな素人は珍しくて見てきたんですが、(写真を示す)みんなこういうふうに根っこが割れているんです。これはみんな十年物ですよ。十年物も手入れしないからみんなこういうふうに割れちゃう。せっかく民有林から国有林に変わって、金をかけて造林して整地をさせて、雪害の手当てを十分しないとポリポリとこう折れちゃう、根っこから。こう根っこから折れちゃったらどうにもならぬ。こういうふうに倒れていますね。これはこのあとはずっと波になっているんです。これはいま十一月でしょう、十二月になればまた北陸は雪が降ります。これは全然手当てしないでことしまた雪が降ったらどうなるのか。山が山の機能を果たさないじゃないの。  それで、大阪営林局の総務部長に説明を求めたら、山は大変で、皆さんが箱庭をつくるようなわけにはいきませんと。箱庭とは何をと私はけんかしたんですが、われわれも山を心配し、災害を防止したいという熱意からこういうふうに山に入って、これも山は敦賀市から約四十キロです、車で入って。そうしたら目に見えないところはみんなこういうでたらめ——でたらめと言っては語弊がありますが、金がないから山から撤退するんでしょうね。これは何と答えますか、この雪害の対策は。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 御指摘の敦賀営林署管内、本年は大変な豪雪が積もりまして、雪によります沈降圧といいますか、匍匐の力によって通常の年でも林木は倒木しまして曲がってしまうというような状態になるわけでございますが、これはある程度のところのものは倒木起こしということで手入れを加えまして曲がりを避けるような状態にするわけでございますけれども、いま御指摘になられましたような根元で電圧のために折れてしまったり、あるいは被害が軽度で自分でもって自然に回復するというようなものでございまして、そういうものを除いて今年度は手入れを行ったというような状況でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 まあ、おたくもやっぱり官僚組織のあれだからそういう答弁しか出てこないと思うんですが、これは山の担当区と言って山を直接見ているおたくの職制の方ですが、その担当区の御報告とおたくの局の御報告、林野庁の御報告、三つ合わせると災害の被害の状況が全然違っているわけだ。一番正しいのは、あなた方の一番原点で働いている担当区の方が調査したのが一番正しいんじゃありませんか。担当区の報告に対して営林署で適当に修正をして、それから局の方へ行くと局の方でも適当に修正をして、局から林野庁に来るときはまた修正をする、そんな災害の被害の報告というものがありますか。私も国鉄の飯を四十年食っていますが、国鉄だってそんなことをやっていたらこれは大変なことですよ。現場の担当技術係は、私も技術係やりました、調査もやりました。現場の担当の目黒技術係なら目黒技術係が水害に遭って、水害の状況、列車復旧の見込み、全部現場でわれわれが調査してやって、それを局にやって、局から本社に来る。局で適当に手直しして、本社でも適当に手直しして、それで運輸省に報告すると、そんなことしたら災害対策になりますか。  あなた方が民有林の災害の資金を調達するのは、査定をずいぶんきめ細かくやるんでしょう。民有林をあんなに査定を細かくやって、何で国有林のやり方がこんなに大ざっぱなんですか。ここにも金がないから、金がないからということが作動しているんじゃないでしょうか。金のことを余り心配しないで、孫のためにも、災害のためにもやっぱりこういうものはさっき長官が言ったとおり大切にする。私は、これは裏日本全部あるいは北海道同じことが言えると思うんです。私は表日本ですから、表日本の雪と裏日本の雪は違いますからね、同じ東北でもわれわれ宮城県はまだいいい方です。そうしますと、この裏日本の雪害に対する対応の仕方というのは、敦賀だけじゃなくて新潟も同じ、長岡も同じてした。やっぱり金がないからということで手抜きがされている。これに対しては災害防止上どういう感じを、自己批判しますか。それは悪かった、ひとつ大蔵省に泣きついて、人勧のようにはいかないまでも金をもらおうかと、このくらいの私は林野庁は林野庁の根性があっていいと思うんです。災害には何事にもかえられないと、この点はどうですか、雪害に対して。

松本廣治林野庁業務部業務課長

○説明員(松本廣治君) 先生のおっしゃるように、大変数字が食い違っておったりしまして、この点は疑問を招くような結果になりまして大変申しわけなく思っておりますけれども、この被害状況を把握するための調査は四月上旬各担当区の主任が調べたわけでございまして、完全な融雪前であったというようなことのためにどうしてもその概数の調査というようなことになってしまいまして、いわば自己回復する、先ほど申し上げましたような自力で回復するような幼齢林あるいは一定区域を概数で調査してしまった、綿密にこの被害のあったところだけを区画して調査するというようなことができなかったために非常に大きな数字になっておったわけでございますが、その後そういうものを整理いたしまして調査した結果、被害面積は半分近い四百九十ヘクタールになったというふうに聞いております。この被害地につきましても、現地の実態に即しまして緊急にやるべきものについてことしは約三百ヘクタールほど手入れを行ったというふうに聞いております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は現地に行って、その現に調査した担当区の責任者に絶対間違いありませんかと、そうしたら、その担当者は、この目で見この足で歩いたんだから間違いありませんと。営林署の署長に、あなたは修正しているけども、現に歩いて修正の必要を認めたんですか、あるいは課長でも歩かせたんですかと言ったら、署長は、いや、まことに申しわけありませんが山には入りませんでしたと。歩いた方が自信があると言うけど、署長の方は山に入りませんでしたと。これはこの問答やっておってもしようがないから、そういうことについてもわれわれとしても重大な関心を持っていると、その点、長官、時間が来ましたから、私はいま冒頭聞いたのは、いわゆる建設省関係でも復旧費が約一兆七千億、それから国土庁関係は二兆千二百八十九億、三兆円近くなっているわけですね。だから三兆円を、五年平均だから六千億近く、平均するとね。それで林野庁が財投から借りているのが大体千四百億程度。私はどんなきれいごとを言っても、結局国有林財政が赤字であるから、金がないから人と金がかけられないというところに、課長が苦しい答弁をしておると私は思うんです。  それで、きょうの私の質問の要点は、やはり災害の予防対策という点から考えると、私は国土庁長官をセンターにして建設省あるいは林野庁、そういうところですね、この災害の根本的な山荒らし、山からの撤退、これは国有林、民有林、公有林も含めて山に緑を戻す。そして、災害の予防措置を十分に講ずる。これを三年か五年計画ぐらいで、私は積極的に——林野庁だけに任しておったんじゃどうにもならない、片や災害はどんどん起きる。どんなきれいごとを言ったって、私はこの目で見てきたんだから。そして五十三年に中川農林大臣が認めているんですから。私の言っていることはそんな駆け引きじゃないと思っています、自分で見てきたんですから。だから、そういうことを国土庁長官がセンターとなって政府の部内で対応策を講じてもらいたい、そういうことをひとつ大臣に要請いたしますが、いかがでしょうか。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 最前からるる御説を拝聴しまして大いに感動いたしておるところであります。  それで、私どもはこの災害防止ということを非常に重要視しておりまして、災害が起こってからやいやい言うよりも災害が起こらないようにやることが非常に大事なんで、医学でも予防医学がいま非常に盛んになっておると同じような理由によりまして、ぜひ今後災害を未然に防ぐような対策をやりたい。  御承知のように、本年、昭和五十六年度なんかは一年だけで災害が一兆円を突破した。これは大変な災害で、政府も困っておるんですが、ぜひこういう苦い経験を生かして、おっしゃったように林野庁とも連絡し、そういう連絡を密にして御趣旨に沿うようにいたしたい、こう思っております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それから、もう一つ国土庁長官にお願いしたいんですが、これは時間が来ましたから駄弁を弄しません、結論だけを申し上げます。  長官は奄美群島振興開発特別措置法の担当の大臣なわけでありますが、この奄美大島に私はこの前行ってきました。大島というのは大島つむぎというのがありまして、この大島つむぎがシャリンバイという、これは木の名前だそうでありますが、シャリンバイを原料にして大島つむぎをつくる。大島群島の大体六五%の島民の皆さんがこの大島つむぎに関係をして生活をしているというのが現状だそうであります。  ところが、今回この営林署の廃止の問題が俎上にのって、いま大島は大変な騒ぎを起こしている。というのは、本来営林署というのは、まあ、なまだらというわけじゃありませんけれども、ここに私は、これは昭和十二年大島営林署調査「シャリンバイの染料」というりっぱな計画があるんですよ。この計画がありながらほとんど国有林はやってくれなかったと。それで、現在シャリンバイの数量は、いまの成長するやつを全部含めてもあと十二年、十二年たつとこのシャリンバイがなくなってしまう、大島つむぎがつくれない、そういうところに追い詰められている。シャリンバイの栽培を、植林を最も中心になってやるべき大島の営林署が今度撤退したい、廃止をしたい、こういうことで大島島民が大変な立場にあるわけです。  きのうも大島つむぎの協同組合の参事さんがわれわれのところに参りまして、林野庁にも請願しました。したがって、この開発特別措置法の立場からいいますと、私は大島営林署などを撤退しないで最も大事なシャリンバイの育成栽培に国としても全力を投入すると。この前十二日の農林水産委員会の段階でも、農水大臣もそれはやるべきである、通産省の課長もやるべきであると、こう言っているんですが、国土庁長官はこの特別法の責任者ですから、大島つむぎとシャリンバイと大島営林署の関係、この関係についてはこの開発特別措置法に逆行しないような私は政治的な判断なり指導をしてもらいたい。林野庁、通産省と十分にやはりこの開発特別措置法の精神が生かされるような政治判断をしてもらいたいということを、時間が来ましたら、大臣に検討方をお願いして質問を終わりたいと思いますが、何とぞ検討方を大臣に要請しますが、いかがですか。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) お答えします。  私も本年二回奄美群島の大島の方へ行ってまいりました。おっしゃるいわゆるシャリンバイが不足してくること、そして大島つむぎに影響すること等々よく存じておるところであります。いま林野庁において大島営林署を鹿児島の営林署へ統合するというようなことを地元と折衝中ということを聞いておりますが、私の方へ入った情報によりますと、大体において現業の人はほとんど残っておって名前だけがどうも、大島営林署としてシャリンバイの採取と地元のサービスの低下を来すようなことはないから御心配要りませんと、こういうふうなことになっておるんですが、国土庁としても統合が奄美振興に支障を来すようなことには承諾を与えませんので、恐らく支障はございませんということですから、林野庁とも今後連絡をさらにこの上とも密にして御希望、御期待に沿いたい、かようにいたしたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 その辺の話し合いの交渉はいまわれわれも一生懸命やってますが、地元の名瀬市それから関係市町村、余り急なものですから議会が閉会してるところではやれませんでした。議会開会中のところは皆村議会、町議会で満場一致これは困るという決議をしておりまして、きのうも名瀬市長の代行として、ここの東京の各瀬市の出張所長が参りまして、名瀬市も十二月の臨時市議会ではそれは困るということを自民党系も含めて満場一致決める予定ですと。ですから、いま林野庁がおたくの方に説明していることでは地元の合意といいますか、納得といいますか、それはいまのところはなかなかむずかしいという段階であることを申し添えて、いま大臣の言ったとおり関係者とさらに協議をしてもらうということを要請いたしまして、質問を終わります。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) わかりました。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 大臣は行革の方の委員会とこっちの方とかけ持ちで大変御苦労さんです。  ところで、住宅問題については非常に重要な問題でございますので、あえてお伺いするんでありますが、今年度の住宅不振は昨年以上と見込まれ、百二十万戸を割り込むのではないかとの見方が一般的であります。こういう実態について、担当の建設大臣としては非常に真剣に悩んでおられるだろうと思うんであります。一体、その不振の原因は那辺のところにあるのか、そこら辺をお伺いしたい。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  住宅につきまして先生の御指摘、御理解をいただいての上の御質問かと思いますが、ありがたい限りでございます。私たちといたしましては、住宅需要の趨勢を見ましてまだまだ非常に旺盛なものがありますだけに、何とかこの問題につきましては十分な対応をすべくせっかく努力いたしておるわけでございますが、昨年の百四十五万戸から百二十一万戸、本年も若干危惧いたしておるわけでございます。  その原因はという御質問でございますけれども、やはり大きくは経済情勢が非常に落ち込んでいるというようなことのバックグラウンドから、地価の高騰あるいは建築費の騰貴あるいは金利の問題、こういう問題が絡み合って、あるいはまた所得差の問題もありましょう、総合的な住宅需要を受け入れるだけの環境が非常に悪化しているということに尽きるかと思います。かてて加えて、三、四年前までの高所得者あるいは高齢の落ちついた方々の住宅需要から低所得者あるいは若年層に需要がシフトしてきたというような問題もあるわけでございまして、そのような状況が絡み合って住宅需要というものが落ち込んだというように考えておるわけでございます。本年も四月、五月をピークにして大分、十万戸落ち込むというような状況でございまして、まだ前半でございますので、何とかこの問題については阻害要因を排除しながら一つ一つ解明して、目的であるこの計画の達成への配慮をしなければならない、このように考えているところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 地価の高騰、当然それも大きい要因であろうと思うんでありますが、この後半——前半も余りよくなかったが、後半は何とか努力して達成しようというふうなお話ですけれども、果たしてそれがそういうふうになるのかどうか、大変危惧いたしております。  この五十六年度の上半期、すなわち四月から九月までの新設着工戸数が六十三万戸である。これはもう前年同期で七・三%も減という状況。ところで、去年の場合の下半期の伸びぐあいはどうだったかというと、これが五十三万四千戸しかなかったということであります。そうなると、大臣、目標達成に努力したいと仰せではあります。もちろんそういうふうにしてもらいたいと思うんでありますけれども、なかなか大変じゃないかというふうに心配するんでありますが、いかがですか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 本音を申し上げますと、本当に先生の御指摘のとおりでございます。すでに昨年から五万戸、七・三%、仰せのとおり五万戸も減っておるわけでございます。それだけに昨年の下期から続いた住宅環境の悪化を何とかここで立て直していかなければならないわけで、とにもかくにも住宅・宅地関係閣僚連絡会議でも検討いたした結果を踏まえて一つ一つ積み上げ、これから予算編成に入っていく時期でございますが、財政事情等とも絡み合わせながら土地対策あるいは金利の問題、あるいは融資の問題等もあわせて対応しながら下半期には一応何とかこの退勢を挽回いたしたい、このように考えているところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 五十六年度を初年度とする四期五計を発表しておりますが、その内容は、公的資金による住宅が三百五十万、民間資金による住宅戸数が四百二十万、合計で七百七十万戸という計画になっておりますが、今日のような住宅建設の不振だと、この計画は大きく狂いを生じてくることを心配するわけであります。ちなみに、私の手元でも数字はわかっておりますけれども、三期五計の計画と実績は一体どんなふうだったですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 第三期五カ年計画におきますところの実績につきましては、計画が全体で八百六十万戸を見込んでおりましたが、実績といたしましては七百六十九万八千戸、達成率ということで見ますと八九・五%といったような数字になっております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 大臣、いまも局長からお話があったように八九・五%であります。いままでもそうであった。では、今後この計画をさらにふやして四期五計が決められるわけでありますけれども、本当にできるのかどうかと大変憂慮しておるのでありますけれども、達成できるような処置を十分講じなければ達成しないということになりますから、三期五計ではこうやって八九・五%に目標より減った、四期五計の場合にはこういう手を打つからそういうことはないんだというような何か決め手がございますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、本年度上半期の実績でまいりますと、昨年より七・三%、約五万戸の戸数の減少というような点がありまして私どもも非常に危惧いたしておりますが、本年度から第四期五カ年計画がスタートしたわけでございまして、まだ半年余りを経過した段階でございますので、今後の諸施策を総合的に進めますことによりまして何とか達成を図りたいというふうに考えております。  その諸施策といたしましては、去る七月二十八日に住宅・宅地関係閣僚連絡会議で住宅対策あるいは宅地対策等につきましていろいろな対策を講ずる旨の申し合わせがありましたので、これらの施策を各省におきまして適確に推進していただくことによりまして、順次住宅建設の回復が図られるものというふうに考えておるところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 本当に回復すれば結構なんでありますけれども、大臣、いまの三期五計の数字をお聞きになって、大臣としての御所感はいかがですか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) なかなか厳しい状況であるということは承知いたしておりますが、国民の住宅への関心を受けて、やはり計画は計画としてその達成目標に向かって努力することが私たちに課せられた責務でもございますので、あらゆる方法、手段を講じて阻害要因を排除して、目的達成のためには、いちずにやはり関係者と相はかって努力をするという以外、何とも心もとない表現ではありますけれども、とにもかくにもいま景気も底だというように考えておりますし、世界的な環境においてもこれ以上悪くなるというようなことでもないようでございますので、いま申し上げた阻害要因等を排除しながらいきますれば何とか目的達成までは行けるんじゃなかろうか、このように考えるところでございます。一々、一つ一つ具体的な問題がすでに指摘されてございますので、それへの対応、対策というような問題は私はできていくんじゃなかろうかと思いますし、可能性でなく、やるというような心構えで臨んでまいりたい、このように考えているところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 その決意は多とするわけでありますけれども、先ほど大臣のお話の中に、今日の財政事情等も考慮しなければならないということが一つありました。何も言葉じりをとらえてどうのこうの言う意味じゃありませんけれども、またいまも抽象的にあらゆる手段を講じてというふうなことで、さらさら具体性がないわけでありますけれども、河本経企庁長官もいろんな講演で内需の拡大策として、現在特に不振に落ち込んでいる住宅建設の推進が必要である、そのためには抜本的な改革を進めなければいけないというようなことを言っておられます。これは本当は河本経企庁長官に聞けばいいんですけれども、同じ国務大臣なんですから、こういう発表があった、何かお考えであろうと思うんでありますが、いかがですか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 私も河本長官の発言には全く同感でございます。国の経済波及効果を考えて、やはり住宅政策が一番いま効果があるというように考えておるところでございます。それだけに河本長官も住宅政策を重点に御発言になったかと思います。数兆円に及ぶこの投資効果というものは相当財政的にもプラスになるのではなかろうか、あわせてこれから波及するであろう景気波及に対する問題についても大きな効果が望まれるというようなことからの発言であろうかと思います。  それにはどうするかといいますと、やはり金利の問題があり融資の問題があり、あるいは地価鎮静化にはどうするかというような具体的な問題がこれから出てくるわけで、これは財政当局と、緩和政策になってきますのでこれからの問題として取り組まなければなりませんですが、いまのところはその前段としてそれだけの心構えと決意を経企庁長官もおっしゃったことであろうと思いますし、私もまたそんなような心構えてこの住宅政策には対応しなければならないのではなかろうか、このように考えているところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 そこまではいいんですけれども、いろいろと今度の改革案の中に、たとえば、これもいつもどの委員会でも衆議院でも参議院でもずっと言われている問題の一つに、住宅金融公庫の貸し付けの金利の引き上げ問題、これらが建設意欲を阻害するような足を引っ張るような、そういうことになりはせぬかというふうに大変心配をするんですけれども、住宅局長、あなたは専門家なんだからまずあなたの見解はどうか。それからその次、大臣の御見解いかがですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) この臨時国会に行政改革関連の法案の中に、住宅金融公庫につきましてもその貸付金利の弾力化をお願いして法案を提出させていただいているところでございますが、これにつきましては、第二臨調の答申の趣旨に従いまして、財政再建の期間中におきまして国の財政収支という観点から公庫の特例措置を設けようとするものでございますが、その趣旨は、公庫の貸付金利の見直しが機動的にできるように弾力化を図ろうということでございます。  しかしながら、現在のような住宅の建設の状況あるいはまた国民の住宅に対するニーズといったようなものを考えますときに、その法案が成立いたしまして政令を策定するという段階に当たりましては、当然のことでございますが、法案の中にありますように、社会的、経済的必要性と財政負担の調和に十分配慮するというふうな規定がございますが、その趣旨を生かしまして慎重に対処するというふうに考えていくべきだと思っております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 大臣、いまもそうお話があった。自分の方で提案したんだから、だから何とも言いようがないみたいな言い方をなさっているんだけれども、じゃ行財政改革を実施しようとするその特例期間中、このくらいの間は金利の引き上げなどはやらないようにというそのぐらいなことが建設省としては、担当の方の大臣としては言ってしかるべきではなかろうかと思うんですが、どうですか。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) どうもむずかしい質問でございまして、先ほど局長からも話がありましたように、住宅建設の停滞に対するてことしてこの公庫融資の果たすべき役割りを考えたときに、担当する私たちとしますれば、弾力化についてはなかなか応じがたいところもあったわけでございます。御案内のように日本の国の政治の最重要課題としての行財政改革法案が一括法案としてできておるというような状況の中で、これだけを別枠というわけにはまいらない状況でありますので、これはやむを得ない措置として私たちも当然国の行財政改革に協力する立場におりますので、こうした関係になったわけでございますが、いま申し上げましたように政令の過程において十分配慮するというようなこと、また、総理も財政当局も折々の委員会でその面につきましてはいわく言いがたしで、あうんといいましょうか、もう一つの心構えで十分わかってくださるものと考えながらこの法案審議については推移をいたしておるわけでございまして、ずばりだからというようなこともありますが、その点はやはり政治社会の表現として御理解をいただければ幸いであろうかと思います。原田先生から御指摘をまつまでもなく、十分総理初め関係者もわかって上の法案を御提案しておるわけでございまして、よろしく御理解のほどをお願いいたしたいわけでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 余りよろしく御理解をしないんです。本当はあなたに質問するんじゃなくて、総理やあるいは大蔵大臣にもっと聞けばいい問題だろうと思うんです。いやいやひっぱたいてあなた方賛成したというふうなことだろうと私は思う。またそういう意味合いの話もちらっとあったけれども、だけども私は三期五計の場合、八百六十万戸の計画に対して約七百七十万、そして八九・五%の実績、この中で注意しなければならないのは、辛うじて九〇%近い目標が達成できた最大の理由は公庫住宅が大幅に伸びたからであります。それはもう数字が示しているから皆さん御承知のとおりであります。計画の百九十万戸に対して二百五十四万七千戸と、実に六十五万戸の伸びがあったからこれだけの実績を残すことができたわけなんで、だから公庫住宅、住宅金融公庫の資金を利用して家をつくろうというのはずっとこんなに伸びているんですから、それでまた内需拡大のためにも大いに住宅建設をしなければいけないんだというふうに言っているんですから、そのときに金利をぽこっと上げちゃって、そしてその建設意欲を阻害するようなことをなさったんでは、結局目標達成にはならないんじゃないか。むしろ公庫金利はしっかりがんばって特例期間中ぐらいはとめるぐらいな、そういう強い決意が大臣にあってしかるべきだと思うんです。再度お答え願いたい。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 御指摘をまつまでもなく、現実問題としてがんばるという表現はどうかと思いますが、住宅政策の完遂でき得るように対処してまいりたいと考えております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 何かさっぱり、わかったようなわからないような答えだが、多くの国民は住宅建設を二、三年先に延ばし、少しでも金利の安い有利な手段をとるのではなかろうか、こういう心配もする。今年度は昨年以上の不振で、百二十万戸の達成すら厳しいというのが専門家の共通の見解でありますし、しかも、この先三、四年はよほどのことがない限りこの不振は回復しないだろうとも見られております。単純計算でも年間百五十四万戸の目標ということになるわけでありますが、初年度から大幅な狂いが見込まれるようなこのような実情にそぐわない計画はいかがなものかと思うのであります。この四期五計については、これも極論でありますけれども、白紙に戻して計画をつくり直すというふうなことが必要なんじゃないかなんという意見もあります。それに対してどういうふうなお考えであるか。それとも三カ年間は、特例期間は金利の引き上げはしない、安心して公庫融資を使ってくれ、公庫資金を使ってくれと、こういうふうにして大いに伸ばすように努力する方が私はかえっていいんじゃないだろうかと思うんですけれども、どうですか。大臣、政治的な発言でちょっとあいまいな言い方をなさるから、もう少しはっきりと御答弁いただきたいと思います。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 前段の七カ年計画の問題でございますが、これはすでに一昨年の春フォローアップいたしまして、七カ年を一年半延ばして、その計画の中で整合したものをこの五カ年計画にいたしたものでございますので、初年度でございますので、五カ年計画につきまして変えるというようなことは考えておらないところでございます。  なお、重ねての金利の問題でございますが、いろいろと質問がございまして、これは総理あるいは財政当局ともあわせて、弾力化につきましては政令を定める段階において十分配慮するというようなことで、一応私たちとしては結論を得ておるわけでございますが、ずばり先生ははっきりとその点はやらないんだというようなことを言えということでございますが、なかなか一括法案の中の一つのこまとしてこれだけを取り上げて、これはやらないんだというような表現をすることもなかなか困難性もございまして、社会的、経済的必要性と財政負担の調和に十分配慮しつつ慎重に対処し、なおかつ政令の段階において十分に考えるというようなことになっておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、この特例期間中においても十分にそうしたことをおもんぱかりながらやってまいることについての決意は持っているわけで、そのところで御理解をいただきたいと思います。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 では一番最後の、よく考えるという、そこだけははっきり覚えておきましょう。前の方は何か余りあいまいで理解できない。理解しろと言われればできるんですよ、推測すれば。だけれども、そんな、政治の場というのは、やはり法律が一つつくられれば一人歩きするわけですから。また大臣が引き続いて建設大臣をおやりになるんなら別ですけれども。やってもらわなければいけないと思うが、まあまあそれは別にして、「考える」という一番最後の言葉だけはよく、しかと承っておきます。  それから、先ほども住宅不振の原因の一つに土地高騰の問題もある、こういうようなお話でありました。私らもそう思います。東京周辺では地価が非常に高くなり、住宅価格が高騰した。一方、住宅を買う国民の所得が上がらないということで、ますますその差が広がっていくという悪条件が整っているわけであります。このような状況でいくと四期五計は初年度から大幅な狂いが生じ、早々にこの五カ年計画を見直さなければならないということになるおそれがないか、こう私ら思っているんです。ただいまも申し上げたとおりでありますが、始めてまだ五カ月だから、まだ変える意思はないというようなお話がいまあったのでありますが、下半期はよっぽど強力な対策を実施しない限り目標の達成はできないし、回復は望めないんじゃないかと思うんです。目標達成のための具体策をお示し願いたい。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) ただいまの、先ほど私からお答え申し上げましたように、去る七月二十八日に住宅・宅地関係閣僚連絡会議におきまして第四期住宅建設五カ年計画の的確な実施を図るため今後推進すべき諸方策について閣僚の意見が一致されまして、住宅建設の促進、宅地供給の円滑化等につきまして九項目、各項目の申し合わせがあったところでございます。これらにつきましては、主として五十七年度におきますところの税制あるいはまた予算等の問題にかかわることが多うございますので、この十二月に予定いたしております政府の来年度予算案の編成、あるいは来年度の税制改正の方向の中で具体的に一つ一つ対処をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  なお、今年度の上半期の状況から見まして下半期の展望ということになるわけでございますが、現実に昨年度に比しまして現在約五万戸の落ち込みがございますので、この下半期でその分を取り戻すことができるかどうかということでございますが、最近の九月時点におきますところの住宅建設の状況を見ますと、従来落ち込んでおりました一般的な持ち家とそれから貸し家につきましては九月時点あたりで相当の回復傾向も見られておりますし、去る十一月十九日で締め切りました住宅金融公庫の第三回の募集状況を見ましても、七万六千戸の予定戸数に対しまして十万一千戸程度の応募がありましたこと等、いろいろ考えてみますと緩やかではありますが、ある程度回復基調にもあるんではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、今後の税制、予算、金融等の諸対策を講ずることによりまして、順次五カ年計画で見込んでおります予定戸数に達するよう努力をしてまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 この連絡会議は住宅建設の促進あるいは宅地供給の円滑化の二つの柱からなっておると思うのでありますが、検討事項はいかなる効力を持つものなのか。ただ単なる申し合わせ事項的なものなのか、それとも総力を挙げて、万難を排して実施し、実効あらしめるためのものにするのか、そういうところを明確にしてもらいたいと思うのでありますが、これが一つ。  それから、おたくの方から五十六年七月二十八日、住宅・宅地関係閣僚連絡会議、これの記録をもらったんでありますが、「住宅建設の促進」の(1)に「住宅金融の充実」ということで、「持家取得等の円滑化を図るため、住宅金融公庫等政策金融について適切な資金量の確保及び融資条件の是正に努める」、是正に努めるということは何を意味しているのか。それから宅地の供給の方の問題については、「2宅地供給の円滑化」の(3)のところで、「都市計画区域における区域区分の見直し等の推進」、この中に、「市街化区域と市街化調整区域の区分について計画的・機動的に適切な見直しを推進するとともに、これと併せて市街化調整区域においても、計画的で優良な宅地開発については、開発許可制度により、その適切な推進を図る。」、こういうふうにありますし、(5)には「未利用地等の利用の促進」について、「施行済地区における市街化の促進を図るとともに、遊休土地、工場跡地等未利用地について住宅用地としての利用可能性を検討した上、適切なものについてはその利用を推進する。」と、いろいろまだそのほかにもあるわけであります。  この公庫の金利の問題については、先ほど来いろいろとお伺いしているわけでありますが、現在の五・五%から六・五%、すなわち一%ふやすという、それは「適切な資金量の確保及び融資条件の是正に努める」という、この是正というのはよくするということですから、是正するといってこれは改悪につながるようになっちゃうんです。そうすると、ここに書いてあるのと全然うらはらではないか。これは指摘をしたいんです。だから、是正というのは一体何をするのかということをお伺いしたいし、国土庁長官には、先ほどの市街化区域と調整区域との見直し等を推進するというようなお話、あるいは未利用地等についての利用度の問題、これらについてお伺いしたいと思います。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 去る七月二十八日におきまして意見の一致を見ました住宅・宅地関係閣僚連絡会議の各項目につきましては、いわば各省庁が関連する事項につきまして、今後住宅・宅地対策として積極的にこれらの項目を推進していくというつもりで取りまとめられたものでございますが、そのうち「住宅建設の促進」という項目の中で、「住宅金融の充実」という小項目がございますが、その趣旨といたしましては、特に住宅金融公庫を中心といたします各政策金融につきましては資金量の確保、たとえば住宅金融公庫で申し上げますならば、現在、無抽せん体制ということで必要な戸数を確保してございますが、そういったような必要な戸数に見合うだけの資金量の確保という趣旨でございます。  また、融資条件の是正につきましては、金利の問題も融資条件の大きな問題の一つでありますが、これにつきましては先ほど大臣から、財政再建期間中におきましても慎重に対処するという御趣旨のお答えを申し上げたところでございますが、それ以外につきましても、たとえば貸付限度額の引き上げの問題とか、あるいはまた計画的な貯蓄と連動いたしました公庫の融資条件の改善であるとか、あるいはまた、いわゆる中古住宅につきましては現在金利が高い、あるいはまた貸付限度額についても十分な手当てがなされていないといったようなこともございますが、そういったような中古住宅につきまして、その流通が促進されるような対策等々幾つか考えられるわけでございまして、私ども来年度の予算編成に当たりましては住宅金融公庫の各項目につきまして改善を図りたいと思いまして現在要求をいたしているところでございますので、これらを確実なものとして来年度の住宅建設の促進を図るようにいたしたいというふうに考えております。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 御指摘のうちの線引きの見直しにつきましては、私ども現在、昨年九月十六日に通達を出しまして、一つは、機動的に都市区画整備が確実に実施されるようなところを市街化区域に取り入れることとか、あるいはある程度まとまって永久に市街化が行われる見込みがないところは逆線引きをするとか、あるいは逆に調整区域の中でも、これは農林省との調整を要するわけですが、まとまって宅地化が、計画的な市街化が図られるというようなところについてはそれを取り込むとかといったような方策を一つは指導しておるわけでございます。これは、今後もひとつそういう方向での指導を強化することによりまして適切な対応が図られように考えていきたいと思っております。  それからもう一つ、区画整備の未利用地等につきましては、これはやはりそこが市街化されやすいような利便施設の設置とか、あるいは保留地の処分に当たりまして当然住宅を建てるであろう者に処分をするとか、あるいは施行地区内のいろいろな土地の所有者に対して、たとえば住宅経営を行うようなノーハウを指導するとか、そういったもろもろの施策を講じるようなことによりまして宅地化が進むということを期待し、そういう方向での指導を行いたい、かように考えておるところでございます。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 委員長。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 また後でまとめて聞きますから……。  住宅局長、いまあなたが奇しくも言われたんでありますけれども、来年の概算要求の中で提唱しているいわゆる所得制限の緩和、年収八百万から九百万円、あるいは公庫の貸付限度額の引き上げ五百五十万から六百万円、それから中古住宅に対する金利引き下げ年利七・五%から六%等、具体的に検討されたことと思うし、またそういうふうなことが報道されておりますが、どのような結論を求め具体的実施に踏み切ることにしているのか。あるいは、現在住宅価格と実質所得の格差がますます開く中にあって、実効ある金融政策こそ急がれるときであろうと思うんであります。だから、現行の貸付限度額五百五十万円を、政府の方では六百万と言っていますけれども、この限度額をもっと、六百万なんて言わないで七百万とか八百万とか枠を拡大してあげるというふうなことも大変必要なのではないかと思うんでありますが、どうでしょうか。  ところで、これは二十一日の新聞でありますけれども、大蔵省は十月の二十日に、住宅金融公庫の融資については、建設省が九百万円までに引き上げるよう求めている個人住宅向け低利融資については据え置くということをぴしゃりと言っておりますけれども、そこいら辺のところはいかがですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) ただいま先生から幾つかの御指摘がございましたが、貸付限度額の引き上げにつきましては、私ども住宅のいわば上物につきましては現在最高が五百五十万円でございますが、これを六百万円とするように要求をいたしております。ただ、良好な団地の住宅の分譲につきましては現在一千万円というのが限度額になっておりますが、これは百万円引き上げて千百万円といたしたいと考えております。また、郵便貯金の積み立て等をしていらっしゃる方々につきましては、現在百七十五万円の割り増しを行っておりますが、これを三百万円の割り増しにするといったようなことで、基本と、それからまたいろいろな計画的貯蓄あるいは良質な耐久性の向上のための住宅といったようなものにつきましては、さらに別の割り増しをすることによって全体として融資額がふえるような工夫もいたしたいというふうに考えております。  また、いわゆる所得制限につきましても、粗収入で八百万円ということに現在なっておりますが、これも九百万円に引き上げるように要求いたしております。  これらにつきましていろいろと関係機関といいますか報道機関等で財政当局の意向等が報道されておりますが、現在のところではまだ財政当局と鋭意接衝いたしております段階で、十二月の予算案の策定までにこれらの問題の詰めを行いたいというふうに考えております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 これは、じゃ新聞に出ているのはマスコミの方で入手した情報で書いているんだから、建設省としては来年二月ごろまでにはもっと内容を充実したようなものに仕上げるように努力する、こういうふうな御答弁とお伺いしました。  ところで、建設省の方でそういうふうに思っていても、いままでの実際の大蔵省の壁は厚いですね。大抵踏みつぶされるようなことになっているのが現状で、これは心配するわけです。建設省が求めている融資枠も、五十一万戸を四十九万戸程度に削減するとかいうようなことが書かれているわけなんですけれども、非常にいまここで一生懸命そういうふうに努力なさるという答弁は、それは私は歓迎します。だけれども、本当にそうならないと実際困るわけです。実際になれるようにしっかり御努力願いたいと思うんです。  これも新聞で見た範囲のことなんでありますが、川崎市多摩区の神奈川県労働者住宅協会の分譲マンションで、四LDK二千九百九十五万円の物を多摩区の人が買った、そうしたところ低利の住宅金融公庫資金が千四百三十万、毎月のローン返済額が月に十一万五千円、管理費が月に一万五千円。その人はこうやって買ったはいいけれども、月収が二十八万円、こういうふうに、報道されているんです。こんな状態はこれはまさに人殺しです。また、もうローンが払えなくなっちゃって悲惨な事故が起きるだろうということはもう目に見えるような気がするわけなんです。だからこそ、少しでも公庫融資の金利を安いものにしてあげるというのが、そういう庶民の要望によくこたえる道であろうと思うし、また、住宅政策をも推進することではないかというふうに思うわけなんです。  政府の住宅政策は、現在まで持ち家偏重政策であり、結果的に今日の住宅不振を招いているとの強い指摘もありますし、現在の高い地価あるいは住宅価格高騰の折から方向転換する必要があるのではないかとの意見も多く聞いております。東京都が検討している木賃アパートの建てかえ政策について建設省はどのような認識を持っているのか。政府としても内需拡大の一環として積極的に助成することも考えられると思いますが、いかがですか。  いろんな諸点についてずっと指摘してきたんでありますけれども、それらについてお答え願いたい。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 来年度の概算要求の問題につきまして先生からいろいろ御指摘ございましたが、お話のとおり財政再建という重要な課題を抱えております段階でありますので、われわれが要求しております各項目の実現につきましては確かに大きなむずかしい問題はあろうかと思います。しかしながら、やはり現在の国民の住宅に対するいろいろなニーズ、あるいはまた私どもが今後の経済運営の中におきますところの住宅建設の役割りといったようなものを考えます場合に、来年度はどうしても五十五年度、五十六年度と続きましたいわば調整期間である住宅建設の低迷から脱却をいたしまして、第四期五カ年計画が達成できるような足がかりをつくりたいと思っておりますので、どうしても重要な項目につきましてはその実現を図りたいという固い決意で臨みたいと思っております。  また、いろいろと政府の持ち家政策といったことが問題ではないかといったような御意見であったかと思いますが、私どももただ持ち家だけを推進するといったような考えではないのでございまして、やはり持ち家と借家のいわばバランスというものをとっていくことが必要である。そのバランスはどういうふうにしてとるかということになりますと、基本的には国民のライフサイクルに対応いたしましたところの住宅に対する需要といったものを踏まえまして、それらが的確に、円滑に進められるように諸施策を講ずることであろうかというふうに思っております。  その中の賃貸住宅につきまして、かねてから御提案があります民営の賃貸住宅に対して国なり公共団体が助成をしていくといったようなことについてもっと力を入れるべきであろう、さらには、現在の低質のいわゆる木賃アパートと称しております木造賃貸住宅の建てかえの促進等は、特にその中に重要な位置づけを図るべきではないかということであろうかと思いますが、私どもはその点につきましては、たとえば民間の賃貸住宅につきましては、従来から住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅の制度とか、あるいは住宅・都市整備公団で行っております民営の賃貸用の住宅のための特定分譲であるとか、あるいはまた農住利子補給制度によりますところの助成、あるいはまた特定賃貸住宅制度によります国と公共団体の利子補給といったようなことを今後ともその内容を充実して実施していきますとともに、来年度は特に木賃住宅地区総合整備事業制度といったようなものを創設をいたしたいと考えておりまして、大都市の地域内におきます低質木造賃貸住宅が相当たくさんありますところで、公共団体が計画をつくりまして、そしてその計画に基づきまして除却をする、あるいはまた公共施設を整備する、そして新しいりっぱな賃貸住宅を建設するというような事業に対しまして、従来の融資制度の拡大を図りますとともに、国と公共団体から必要な助成を行うというようなことによりましてその推進を図りたいというふうに考えております。来年度の重要な政策の柱といたしておりますが、これも予算案編成の段階におきまして実現を図りたいということで現在努力中でございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 東京都の木賃住宅に対する助成は考えているのかについて、それが一つ落っこった。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) ただいま私、国の来年度の政策の方向の考え方をお話し申し上げたわけでございますが、東京都であるとかあるいはまた大阪府、市ともかねてからいろいろとこういったような事業の推進の方向につきまして御相談をさせていただいておりまして、東京都におきましてもいま私が申し上げましたような方向を頭に入れまして、具体的に相当の地区につきまして現在調査をしておられまして、その中から事業として推進していけるようなものにつきましてどのような事業化を図るかという御検討をされておられると聞いております。私どもそういったような公共団体の御努力と今後の施策の方向とあわせまして国の立場からお手伝いできるものを制度化をしようというふうに考えておるものでございまして、方向としては東京都のその政策と一致しているというふうに考えております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 まだ大臣はいいですか、時間は。

斉藤滋与史建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 向こうへ九分までに入るんです。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 もう大分——もう立つんですか。一言聞いておこうと思ったんだが、じゃしようがない。  いま聞こうと思ったんだけれども、「都心に賃貸住宅ふやす 建設省方針 公庫融資で後押し」という記事が出ているんでありますけれども、交通利便な都心等に賃貸住宅を大量に建設する方針を検討しているというふうな報道でありますが、これは本当でありますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私どもも、大都市におきますところの賃貸住宅が必ずしも規模あるいは設備等の面におきまして良好なものばかりじゃないというようなところで、何とかしてこれらの地域に良質な賃貸住宅の建設を促進する必要があるというふうに考えております。その中で、いわゆる公共賃貸住宅につきましては、公営住宅であるとかあるいはまた公団住宅というものの建設を促進する必要がありますが、中でも最も多くのストックを持っております民営の賃貸住宅につきましては、その改善を進めながら良質なものに転換していく必要があるというふうに考えておるところでございまして、先ほど申し上げましたような諸施策といったものを活用をいたしまして建てかえを進めたいというふうに思っております。  それからまた、農地の宅地化といったような面につきましても、農住組合制度の活用でありますとか、また、いわゆる農地所有者等の方々が建設されます賃貸住宅に対する利子補給制度が今年度で法律の期限が切れますが、何とかこの制度は来年度以降にも期限を延長いたしまして、でき得ればその利子補給の内容につきましても充実を図るといったようなこと等をいろいろ組み合わせまして、今後の大都市におきますところの民営の賃貸住宅の建設促進ということも図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 原長官、先ほど答弁をいただかなかったんであわせて御答弁をお伺いするんですが、土地譲渡所得税の緩和を図る一方、市街化区域内のC農地に対しても住宅並み課税の完全実施を導入するというような方針を明らかにしておられますが、一体その内容はどんなのか。あるいはまた、いまも申し上げたように農地の宅地並み課税を強化するということ、また反面安易な税制緩和を図るやり方については大いに疑問を持たざるを得ません。宅地並み課税については以前からわが党は再三、選択的宅地並み課税の導入こそ早急に実施すべきであるというふうに主張してまいりましたけれども、それらをあわせ御答弁いただきたいと思います。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 昭和五十七年度、来年からいよいよ宅地並み課税をどういうふうにやるかということも政府の方においても話が大体煮詰まってきております。細部の方はまだ検討中のものもたくさんございますが、煮詰まっておることは、いわゆる昭和五十五年度の税制改正に関する答申というのが税制調査会から出ております。それで宅地並み課税をどうするかということが基本的にございますが、これで三大都市圏の二足の区域の市街化区域農地について、周辺宅地との税の負担の均衡を図るために、現在のA、B、Cの区分にかかわらず等しく宅地並み課税を実施する、これはもう意見の一致を見ております。  それから、その実施に当たっては、長期にわたり営農を継続する意思のある者に対しては相当の配慮をするということになっておりますが、相当の配慮というのは、長期にわたり、たとえば十年ぐらい農業をやるという人に対しては宅地並み課税は課さないということがもう決まって、おります。  それから、最前お話のありました土地譲渡所得税の緩和についてという部分ですが、これはいわゆる自分の住宅と宅地を持っておって買いかえる場合に、これが一々売ったときに税金を取られ、また買うたときに取られるというのはかわいそうじゃないか、何とかならぬかというようなことも、これは決定いたしておりませんが、何とかしようじゃないかという意見が出ております。だから、そういういろいろございますが、具体的に、さらにまたもう一つ、長期とか短期とかいろいろやっておるが、昭和四十四年一月という特定の時点で決めるという長期、短期ではなくて、一定の保有期間、たとえば十年に改めてはどうか、これは決定いたしておりませんが、そういう議論が出て、いま議論を煮詰めております。  それから、公明党の選択的税制についてはわれわれも検討をいたしておりますが、なかなかいろいろ議論もありまして、どうするという結論に至っておりませんが、とにかく政府の税制を基礎にしてやろうじゃないかというところまで話は来ておることを御了承願いたいと思います。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 新聞報道によりますと、国土庁は、地価公示を算出する標準地の入れかえを含む全面改革を行うため、土地鑑定委員会に検討を依頼したというような報道があります。その内容は、標準地の全面入れかえを含む大改革を予定しているとのことでありますが、いかがなものでありますか。  また、以前から地価公示制度のあり方について、本来の目的から大きくかけ離れたものになってきている点について再三多くの人から指摘されているわけでありますが、特に昨年九月のエコノミストで、「地価公示の欺瞞性をつく」ということで具体的事例を挙げて指摘されております。このことは現在の公示制度が完全に行き詰まったことを意味するものであり、公正な地価形成のためにも抜本的改革が必要であることも事実であります。それで改革の方針を打ち出した理由は何か、またどのような内容のものにするのか、お伺いしたい。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 政府委員から答弁させます。

小笠原正男国土庁土地局長

○政府委員(小笠原正男君) 地価公示の標準地につきましては、過去数年間にわたりまして大変数がふえてまいりまして、現在一万七千地点ほどになっております。大変ふえてまいったわけでありますが、最近それぞれの標準地の代表性等を比較検討いたしますと、やや均衡を失している面もあるのではないかという感じが私は就任以来いたしておったわけでありまして、最近実は土地鑑定委員会に特にお願いを申し上げまして、現在ありますすべての標準地についてそれぞれの代表性、適格性を総点検をしていただくと同時に、標準地が代表性、適格性を欠いて、選定がえなどをいたします場合の現在よりもより適確なルールをどういうふうに確立をするか、統計学的な適正な処理を含めまして、もう一度現在の標準地の選定のルールをきめの細かいものにしてほしいということでお願いをしたところでありまして、五十八年度の地価公示に向けてこれから約半年がかりで総点検をお願いしたところでございます。  結果として相当入れかえになるかどうかは、それぞれの現在の標準地の適格性の問題でありまして、必ずしも全部が入れかわることになるのか、一部入れかわりで済むのか、その辺はやってみなければわからないというのが現状でございます。いずれにいたしましても、いろいろな誤解を招くような選定がえが行われないようなルールの再確立ということを私から特に委員会にお願いをしたところでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、談合問題とそれから東京の水害問題について質問をしたいと思います。  先日の十一月十八日の行革特別委員会で本四架橋の談合問題を質問した際、建設大臣が七九年二月二十八日の門崎高架橋下部工事の談合の件について調査を約束されましたけれども、調査結果をお伺いします。

渡辺修自建設省道路局長

○政府委員(渡辺修自君) ただいま先生からお話ございました参議院の行革特別委員会での大臣の答弁でございますが、本州四国連絡橋公団に調査をお願いをしたわけでございます。その結果、談合が行われたというようなことを示すような事実は認められなかったという報告を受けております。  詳細につきましては公団から御報告申し上げたいと存じます。

大富宏本州四国連絡橋公団副総裁

○参考人(大富宏君) 門崎高架橋下部工事の指名業者十五社でございますが、これの十三社につきましては重役または部長を呼びまして面接調査いたしました。二社につきましては、福吉組と淡路土建でございますが、これは電話での調査でございます。調査の結果は、一つ、大多数、約三分の二でございますが、の者が当日公団会議室を使用して共同企業体の結成打ち合わせを行ったと思うと述べております。その他の者につきましては、すでに二年半以上経過して記憶が薄れているせいか明確な答えはございませんでした。  それから次に、当会議室に鹿島建設の清山氏がおったかどうかという問題につきましては、十五。社いずれもその事実を認めた者はおりませんでした。さらに清山氏につきましては、鹿島建設を通じて調査をしていただいたわけでございますが、清山本人は当該会議所に行く理由もないし行った覚えはないとはっきり答えたということを鹿島建設から私どもは報告を受けております。  以上でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 まず、当時の山本栄造公団調達補償部長、井上修契約課長らが出席して、門崎高架橋工事について概要説明を業者に対して行った事実はあったわけですか。

大富宏本州四国連絡橋公団副総裁

○参考人(大富宏君) これは十一月十八日の行革特別委員会で総裁の方から答弁いたしましたとおり、山本部長が当日門崎高架橋第一工区工事についてJV結成のための会議を行った事実は認めております。そのとおりでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 ジョイントベンチャーを業者を集めて公団側がひとつやれというようなことをいつもやっているんですか、つくれと。

大富宏本州四国連絡橋公団副総裁

○参考人(大富宏君) 私どもはこれを予備指名と申しておるわけでございますが、当該事案の場合には、十五社につきまして公団に来てもらいまして、十五社についてジョイントベンチャーを結成して届けろということをやっております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 この前の特別委員会で、衆議院建設委員会で十一月十二日に中島議員が問題を提起した七三年の本四架橋、あれは大鳴門橋、それから瀬戸大橋南、北、それから因島大橋、この四つの橋について指名も行われない前に完全に本命が決まっていたということをルート図も出し、それからある大手建設社の営業部長会議で出された厳秘の判のある部内資料のコピーまで提出したんですが、これも全く事実はなかったという答弁が建設大臣からあったんです。今度の七九年、つまり二年前の同じ本四架橋に関する談合の事実についても全く調査の結果疑うに足る事実はないという御答弁でした。業者を十五社呼んだと言われますけれども、だれもやったということを認めるわけはないわけで、認めるに足る事実はないと、事実があったかなかったなというのはいまの公団の御答弁でもまだ不明だと思うんです、  特に清山さんが出ていなかったと、大多数認めた人がいないというんでしょう。清山さん本人は理由もないし、行った覚えがないと。行った覚えがないというのはまたなかなかおもしろい答弁なんですね。行ってないと言わないで、行った記憶がないという。これはロッキード裁判でも有名な言葉になりましたけれども、記憶がないという言い方で逃げようとしているわけですね。われわれもこの問題を赤旗日曜版でこれだけ大きく報道するのには相当な調査をやったんです。公団側、それから業者側数名の複数の方々から証言を得た。その中の人は、当日清山さんと名刺交換したためにいまだに名刺を保存している人がいるんですよ。ところが、残念ながらその人も名前を明らかにできない。われわれもその人たちとの約束で、この場でその人はだれだと、その人が持っている名刺はこれだということを言うことは控えます。控えるけれども、われわれは確実に証言を得ているし、名刺まで見ている。清山さんは来ているんですよ。しかし、これはやりとりしていても、われわれ建設省でも何でもありませんし、突きとめられない。証拠を明らかにすることはできませんけれども、非常に私は疑惑が明白だと思う。  この間特別委員会でも指摘したんですけれども、この問題は十一月六日の行特委で共産党の市川議員も持ち出して指摘したわけですけれども、会計検査院の報告による積算ミスが三億二千万円あったと、非常に特別な事態なんですね。会計検査院が積算ミスの幾つかの例を挙げているんですけれども、この中で三億二千万円、一三%ですよ、二十六億六千万円のうち一二%の積算ミスなんという例は、挙げている例の中にもないですよ。ほかは二千万円、七千万円、ふえてもね、三億円の積算ミスになると特別な例なんです。工事総額は二十六億六千万ですからね。これは会計検査院もちゃんと書いてありますが、門崎高架橋で潜函工事やるわけです。潜函工事の掘削工事の計算を工事二つの二編成でやらなきゃいけないのを一編成と間違って計算したために約二倍になっちゃった。三億円で済むやつが六億円になった驚くべきケースなんです。  市川さんは、全部ここに建設省からいただいた入札のときのデータありますけれども、すべて参加した業者が全部同じ積算ミスをやって三億円上の入札をやって四回で落ちている、それで四回とも日本国土開発、大豊建設、森長組共同企業体が全部トップで落ちているんですね。市川さんはまことに偶然があり得るか、公団側も三億円の積算ミスやると、入札側もすべての社が同時に全部積算ミスをやるということ以外に考えられぬじゃないか、そんなことあり得ない。もう一つのケースは、確実な談合があった、予定価格も漏れていたということしか考えられないということを指摘している。ところが建設大臣は、いや、ないと信じたい、善意で信じたいということを言われたんですけれども、そういう実例なんですね。だからだれが見ても状況証拠から見て半谷裁判長ならずともこれはクロであるというように判定されるべき事件だと思うんです。あなた方もなかなか、それをお認めになったら大問題なんでそういう答弁をされるでしょうけれども、だから予定価格が事前に漏れていたという疑惑も非常に大きいと私は思うんです。  私は、この本四架橋の問題を二つ、われわれが事実を調べて提起したけれども、公団も建設省もやはり疑惑を認めていないということの中に、実はこの談合問題の非常に大きな深い問題があらわれていると思うんです。政財官の癒着とよく言われますけれども、そういう非常に構造的なやはり癒着があると。この問題ではまだ政治献金の問題も恐らくいろいろうわさされているんですけれども、国の大きな土木工事、大規模プロジェクトの工事に関して大きな、一%としばしばよく言われていますが、政治献金、お互いのなれ合いのそういう構造的な問題がここにはしなくも浮かび上がっているとしか思えない。  われわれが重視しているのは、これは場所が公団の二階で行われているということで非常に重視しているわけです。私は今後ともこれは追及していきたいと思うんですけれども、ひとつここでわれわれ常識で考えられない莫大な積算ミスが出たことについて建設省にお伺いしたいんですが、私は五十五年の二月二十一日のこの建設委員会の質問で内訳書問題を出したことがあるんです。こういう積算ミスを防ぐためにはやはり内訳書を出させる、それを突き合わせるということがミスを防ぐ一番有力なやり方だということは、もうよく指摘されているんです。この公共工事の標準請負契約約款でも大体内訳書を出すということに決まっているわけです。解説書によると、大規模工事ではもう必ずやらなけりゃならぬ、不必要なのは小規模工事だということになっている。  ところが、建設省の実施約款では、業界の要望だというので内訳書は提出に及ばずということになってしまったんですね。ところが、いま業界でも非常に要望がある。いま私が問題にしたのは過大積算ですけれども、過小積算の場合もある。これは当然あるでしょう。そうすると、過小積算の場合もこの場合は業者が全部泣いてのまされてしまうということもあるわけですね。工事の途中の設計変更もあるという点で、私はこれだけ大問題になっているこの積算ミスを防止する意味でもやっぱりかつて出していた内訳書の復活をやるべき時期だと。関東地建などでは一部復活をしているという動きなどもあり、建設省でも前向きの検討をしていると言われるんですが、今回の問題を契機に改めてこの内訳書問題ですね、業界も共通で要求しているので、前向きに取り組むべきだと思うんですけれども、官房長の見解をお伺いします。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) いまお話のございましたように、昨年二月先生から御質問がございまして、その後建設省といたしましては鋭意検討したわけでございます。しかし、御承知のように、建設省の工事はこの十数年間で二倍以上にふえておるんですが、人間は逆に八割に減っているというような事態でございまして、内訳書をとってこれを審査する、あるいは業者との間で十分に話し合いをするということになりますと、なかなか時間がかかってとても無理であるというのが現場の声でございまして、いまのところわれわれとしては踏み切れない段階にあるわけでございますが、今後とも検討はしてまいりたいと考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 今後ともひとつ検討をぜひしていただきたい。だから、人数の関係で、行政改革問題もありますし、なかなか全部とまでいかないでも、やれるところから前向きに取り組んでいくということをぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 先ほど先生からお話のございましたように、関東地建で一部試験的に内訳書を出してもらっている例がございますから、その他の点も十分勘案した上で、本当に実行ができるかどうかということを検討してみたいと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 さて、この談合問題が非常に大きな社会問題にもなっていて、先日建設大臣も記者会見をされて、中央建設業審議会に諮問されるという報道もあったわけですが、非常にこの問題は調べれば調べるほど複雑な問題だと思うんです。思いつくままに挙げても、たとえば七つぐらいの問題が絡んでいる問題だと思うんです。  たとえば第一に、法律問題として刑法の談合罪、九十六条ノ三ですね、この談合罪に対する違反の問題がある。それから、独禁法第三条、第八条などの不当な取引制限、これとの関係の問題がある。  それから二番目に、この間私質問したように、会計法が一般競争入札を原則にしているにもかかわらず、実態は行管庁の調査一万五千件のうちわずか一・六%というような状況で、ほとんどが指名競争入札と随意契約だという、会計法の原則が形骸化しているということとの問題もある、つまり発注者側のこれは問題です。で、受注者側の問題が、さっき言った独禁法、刑法との関係。  それから三番目に、いま本四架橋問題で指摘しましたし新聞報道でもいろいろ出ておりますけれども、大手の大独占企業のぼろもうけ、高級官僚の天下り、政治献金などの絡む政官財の癒着、腐敗、こういう問題が三番目にある。  それから四番目に、これは広く学者などからも指摘されておりますけれども、建設業というのは特に官公庁の公共事業に依存するところが多くて一方的な買い手市場になっているという問題があって、これはもう明治以来の官尊民卑の中でいよいよそれは強くなっている、そういう中で非常に数の多い、いま五十万に達しているような九十数%が中小零細企業ですね。この弱い中小零細企業を買い手市場の中で、また大手の独占の中でどう守っていくか、どう保護していくかという問題とも深い関連がある。  五番目に、大手から中小零細企業まで含めてやっぱり建設業界というのは非常におくれがありまして、その体質改善をしなければならない、そのおくれた体質と結びついて、談合というのは指名競争入札の場合ほとんど一〇〇%に近く行われているんじゃないか、もう公然たる——公然たるひそかな談合というのは変ですけれども、長年の業界の慣行みたいに実はなっているという事態が五番目にあります。  それから六番目に、いま行われている行政改革、これは私どもは、政府がやろうとしているのはにせ行革だと思いますが、国民の望んでいる効率的なむだのない行政という点で言いますと、税金のむだ遣い、本来の価格以上に引き上げられて落札されているんじゃないかという問題で、国民の望む行政改革、税金のむだ遣いをどうするかという問題が六番目にある。  それから七番目に、世論の厳しい批判、それからモラルの問題、こういうふうな問題があって、これら全体が非常に複雑に絡まった問題で、これを前向きに、積極的に打開していくということが必要だと思うんですね。  建設省は一時、いまのシステムが一番いいというふうに言われていましたけれども、世論の糾弾の中で制度の見直しを諮問という形で取り上げられてきたんだと思うんですが、ひとつそういう非常に複雑な状況にある談合問題について、諮問をするに際して、また業界を指導していくに際して、建設省としてどういう観点に重点を置いて取り組もうとしているのか、お伺いしたいと思います。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) いまお話のございましたように、近日中に中央建設業審議会に対しまして、諮問ではなく建設業法の関係からこれは建議をしていただく形になると思いますけれども、検討を依頼したい、このように考えているわけでございます。  いま、いろいろとお挙げになりましたですが、われわれといたしましてもなるべく幅広くいろいろの問題を検討していただくように審議会にお願いする考えでございますが、どういう問題をどのように取り上げて検討なさるかは審議会の問題でございますから、審議会の御検討にまつようにいたしたいと思っております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私どもも、大きな社会問題になっているこの問題を今後とも追及してまいりたいと思いますけれども、きょうは時間がありませんので、第一のこの法律の問題、これは問題を考える前提ですので若干質問さしていただきたい。  まず、建設省としてはこの刑法の九十六条ノ三、談合罪、昭和十六年に初めてつくられたものですけれども、その後有名になった昭和四十三年の大津判決などもありますね。この点についてどういうふうに理解し、どうこの問題で指導していこうとされているか、お伺いしたい。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 大津判決は御承知のように、通常の利潤の確保と業者の共存のために話し合いをすることは刑法の談合罪に当たらない、この場合において、不当な利益を得る目的で価格を引き上げるとかあるいは談合金が動いていない、こういうことでこれは無罪になっているわけでございます。  しかし、われわれといたしましては、この大津判決は判決として確定はいたしておりますが、下級審の判決でございますから、これをもって裁判所の決定判決とは考えていないわけでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 次に、公取にお伺いします。  独禁法の五十二年の改正で、建設業界の談合問題も改めて独禁法の対象になるという状況になってきたとそう理解しておりますけれども、公取としては、独禁法の三条、八条などにかかわるやみカルテル行為として建設業——これは建設業界だけじゃありませんけれども、当面、建設業界のこの談合問題、これに対してどう運用をこれまでされてきたのか、今後どうされようとしているのか、お伺いします。

樋口嘉重公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○説明員(樋口嘉重君) お答えいたします。  現在、問題になっております建設談合事件につきましては、公正取引委員会といたしまして重大な関心を持ちまして資料の収集に努めているところでございます。  事業者または事業者団体が官公庁発注の工事等の入札に当たりまして、あらかじめ受注予定者を決定しているというふうな具体的な端緒に接した場合には、厳正に対処してまいる所存でございます。  また、従来、どのようにこの法律を運用してきたかという御質問でございますが、独占禁止法上問題としております入札談合は、一定の地域的な広がりにおきまして談合についてのルールを定め、継続的に繰り返して談合を行うなど一定の取引分野における競争を実質的に制限しているのでございます。ただいま先生が御指摘されましたように、独占禁止法三条後段の不当な取引制限に違反するもの、あるいは同法八条一項一号に違反するようなものでございます。  過去のケースでございますが、最近五年間に官公庁の発注する事業等についての談合入札事件で措置をとりました件数は、合計いたしまして十件でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 後段の御説明の、一定の地域的広がり、ルール、継続、一定の取引市場等々のことについて読売の夕刊の十一月二十日付では、この「運用を厳しくし、個別の事案についても、一定の規模のものは摘発対象になり得るという見解を二十日までにまとめた。」と。これは「個別、単独の談合なども独禁法違反は免れないとしたもので、当面、国の大型プロジェクトなどが同法適用の対象になる。」という記事が載っているんですけれども、この点はどういう検討経過になっていますか。

樋口嘉重公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○説明員(樋口嘉重君) 読売新聞の記事につきましての御質問でございますが、二十日までに決定したというふうな事実はございません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 今後こういう方向でやろうというわけですか。

樋口嘉重公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○説明員(樋口嘉重君) お答えいたします。  先ほども御説明申し上げましたように、独占禁止法上問題としております入札談合は、一定の地域的な広がりにおきまして談合についてのルールを定め、継続的に繰り返して談合を行うなど一定の取引分野における競争を実質的に制限しているものでございます。したがいまして、個々の入札談合を取り上げるのは独占禁止法上必ずしもなじむものではないと考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 次に、会計法関係ですね。会計法二十九条の三でもうはっきりと一般競争入札ということになっており、指名競争入札に付する場合というのはきわめて厳しく限定されているわけです。それで、予決令を見ましても大体指名競争入札にしていい場合は非常に限定されていて、まず会計法では、競争に加わる者が非常に少数だというケース、それから一般競争にすると不利だというケース、それから予決令では少額ということになって、五百万円以下ということになっているわけです。非常にもう数少ないはずなのに、一般公共工事でまず六〇%が指名競争入札で、一般競争入札は一・六%になっているというのが行管庁の調査結果です。  建設省の直轄工事についてはどういう件数になっていますか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 昭和五十五年度の件数でございますが、直轄で契約件数一万九千三百六十三件、七千四百九十五億円でございまして、そのうち指名で行いましたものが一万五千九百六十六件、八四%、六千八百六十四億円、金額で九二%、随意契約が三千三百九十七件、一六%、六百三十一億円、金額で八%ということになっております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 一般競争入札は。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 一般競争入札はございません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、だからこれは非常に奇妙な事態だと思うんです。法令ではもう明白に一般競争入札が原則で、特別のケースだけだと、きわめて少数。少数じゃないですよね。もう一般競争にしたら不利になっちゃうと。そうじゃないやつなんですよね。これももう明白で、五百万円以下でしょう。すると、建設省自身がこれは法令違反をやっている。一般競争入札はゼロだと、直轄工事で。  私はこの問題をなぜ重視するかといいますと、先ほども申し上げましたけれども、公共工事の特に建設関係の契約ではこれは対等の契約じゃないというのが学者の定説です。本当に親方日の丸で官公側の一方的独占市場だ、生殺与奪の権を握っておると。もう双務契約じゃなくて片務契約だと。圧倒的に官側が強い。そのために買収だとか贈賄なんかもここから起きるんだということが広く指摘されているわけです。生殺与奪の権を握っている官公側、特に建設省がみずからの直轄工事では一般競争入札をゼロにしているという点が——ほとんどが指名競争でしょう。すると、指名競争のときに談合というのはもう不可避的に生まれてくるわけですね。その点私は前にも指摘したわけで、この点を一般競争入札に変えていくべきだと、行管庁の報告書もその点を指摘してこれを広げろということになっている。官房長は衆議院の建設委員会で、しかしそんなことをやると手抜き工事が行われるとか、それから膨大な人数がかかってしまうということを答弁されたというんですけれども、そういうことでおさまっていたのでは、この生殺与奪の権を握って指名競争入札が全部だと、その中で談合が行われているという事態を改善することはできないと思うんですね。  この点どういう方向で、先ほど案を依頼したと言われましたけれども、建設省としてはこの問題をどう前向きに、法令どおりにすると、法令がもし違っているんだったら、これは法令を見直さなきゃならぬしね。建設省が全く法律にある一般競争入札はゼロだというような事態を放置していくことは許されないと思うんですが、いかがでしょうか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 法令違反というお話でございますが、政府全体がいまもお話のございましたようにほとんど一般競争入札をやっていないわけでございまして、会計法の二十九条の三の一般競争に付すると不利だということでいま指名競争をやっているわけでございます。その理由は、その新聞をお持ちでございますからそのとおりでございまして、たとえば河川工事をやった場合に手抜き工事でもやられますと大災害が起こる。そのためには、一般競争をやる場合には何仕手を挙げてくるかわかりませんが、この方々についてすべて厳密な資格審査をやらなきゃならぬ。たとえば関東地建の例で見ましても、C業者六百社、あるいはD業者になりますと千数百社になるわけでございまして、この方々についてすべて資格審査を厳密に行う、それでもなかなか指名のように工事能力のある業者が落札しないということになりますと、監督を十分につけなきゃいかぬというような問題がございまして、われわれといたしましてはいまでもやはり一般競争にすることは困難であると考えているわけでございますが、このような世の中の批判を受けているときでございますから、先ほど申しましたように中央建設業審議会において十分審査していただきたい、このように考えているわけでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 いまのお話は机上の話で、六百社全部が来るわけはないんですよ、そんなことは。それは行管庁のこれにもありますように、審査だとか資格というのをきちんとやるということでできるんだということになっているわけです。アメリカなんか全部一般競争入札ですからね。あの場合には、アメリカの方は資料を見るとほとんど地元業者が参加してくるというので、大体十社ぐらいが一般競争入札に参加してくるということになっているんです。だから資格制限だけじゃなくて、やっぱり地元業者優先とかそれから国の政策に基づく中小業者優先とがそれぞれのルールを定めて、それでガラス張りにやっていけばめちゃくちゃな、一つのあれに五百社、六百社全部やらしてくれ、やらしてくれというふうにはならぬので、その点は、そういう空論ではなくて現実にこの問題を解決できるようにしていただきたい。岡崎市などは一般競争入札にしたら一〇%から一五%落札価格が下がったと。きょうの新聞にも、あの病院の例ですか、六〇%になっちゃったという例まであります。もちろん安かろう悪かろうでは困るけれども、本当に適正な利潤をつけた、しかも国民の税金がむだにならない入札をするためには、一般競争入札を日本の実情の中でどうやっていくか真剣に考えていただきたいと思います。  それから、予決令百二条の四には、指名競争入札それから随契の場合には大蔵大臣と協議しなきゃならぬということになっているんです。やっぱりこれも一切やってないんでしょう。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) この件につきましては、先生御承知だと存じますが、一定の理由がある場合には協議を要しないことになっております。直轄の工事の場合におきまして随意契約でやる場合には、たとえば継続工事であるとかあるいは災害等の緊急に行わなければならない工事、もちろん少額工事はこれは随契でできることになっておりますが、こういう規定に該当するということで協議を要しないということになっております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 すると全部要らないということですね。私はその解釈は非常に無理があると思う。それから政府全体が一般競争入札にするのは不利だというふうに全部を認めていると、公共工事ですね。そんなことはないわけで、国民にとっても業者にとっても不利になっている。建設省だけ有利だという独断で大臣とも協議しない、それでやっているというのは私は許されないことだと思う。  最後に、この問題で先ほど中央建設業審議会への依頼の問題を言われましたが、いつごろまでをめどに出してもらう方針ですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 先ほど先生もお挙げになりましたように、この審議会におきましては非常に広範な問題を真剣に御討論いただかなければならないわけでございますからなかなか時間がかかるとは存じますけれども、なるべく早く出していただくようにお願いいたしたいと考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 なるべく早くということで、やはりこれは単なる拙速じゃなくて各方面の意見を十分取り入れて、正しい方向の解決を国民も望んでいるのでやっていただきたいと思います。  もう時間がなくなりましたが、最後に、あと五分ありますので東京の神田川、目黒川などの水害問題のことを少しお伺いしておきたいと思います。  もう余りにも有名なことですけれども、大変な水害で、私、神田川の問題は建設委員会でも取り上げたんですが、たとえば高田馬場付近では昭和三十三年から二十三年間に床上九回、床下二十二回、もう水害日本一と守る会の人々が嘆くような大変な状況で、この四年間にも床上浸水四回という状況が出ているわけです。それで総合治水対策のことについてもお伺いしたかったんですが、これはちょっと時間がありませんが、神田川の場合にはいわゆる総合治水対策というのは、もう都会のど真中でなかなか困難な状況になっているわけですね。  それで、この守る会の方々、それから新宿区の水害防止対策促進協議会が東京都に対する要望書をまとめているんですが、特に問題なのは、いま着工中の水道橋の分水路建設工事、高田馬場の分水路工事及び江戸川橋から高戸橋間の改修工事、神田川の妙正寺川合流点——末広橋間の改修工事の早期着工などなどが当面非常に必要だということになっているわけです。これは都の仕事ではあっても国も関係しているし、あれだけ大問題になっているのでこれを早めることですな。これについて建設省として対策を考えておられるかどうか、この点お伺いします。

川本正知建設省河川局長

○政府委員(川本正知君) 先生がいまお話しの神田川につきましては、ほぼ金川にわたりまして時間雨量三十ミリに対応する改修を最初しておったわけでございますが、それではただいまおっしゃいましたように頻繁に水害が起こることは事実でございまして、そのために時間雨量五十ミリ対策ということで、現在下流部は高潮対策事業、また中流部は中小河川改修、いろんな事業をあわせまして進めておるところでございます。  ただいまの分水路のお話でございますが、高田馬場分水路の付近につきましては激特事業に採択しておりまして、五十七年度までにその分水路をあわせまして改修を完了させることにしております。  また、下流の水道橋分水路の方でございますが、これは五十六年度から新しく都市河川緊急整備事業という制度をつくりました。水道橋分水路及びこれに至ります河道の改修を六十年度完成を目途にいたしまして推進しておるところでございまして、まだとりあえずの分水路は五十六年度に暫定的にも通るというかっこうでございます。  それから、妙正寺川の合流点でございますが、これから上流につきましては中小河川改修事業で改修を推進することにしております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 これは財政問題もあるでしょうけれども、国民の生活を守るのが国の一番の任務なので、ぜひ早く促進をしていただきたいと思います。  この都市水害については、総合治水の問題がどうしても必要になってくる。神田川も昭和初年度には一時間五十ミリの雨量に対してちゃんと大丈夫だったはずなんですね。それがいまや三十ミリにもたえられないという状況になってしまった。昭和初年度は流出率が大体四〇%ぐらいだったというんですが、いまや八〇%から九〇%になっている。そういうことで大都市での水害という現代的な不幸な事態が出ているわけです。そのために建設省も総合治水対策をお進めになっている。  この問題は大きな問題があるんですけれども、また別の機会にさしていただきますが、この間私、十月の九日に練馬、板橋の白子川、建設省の荒川下流工事事務所に行って新河岸川の総合治水対策などについても調査をしたり話を聞いたりしてきたんですが、最後に一つお伺いしたいのは、練馬でもその問題を考えて、下水道の練馬型分流式というのをやろうとしているんですね。透水性舗装もやる、浸透性の雨水ますもつくる、浸透性の雨水ますの連結管、それから地下透水性貯留マンホールなどを進めているわけですね。これは区、都として一生懸命やっているわけですが、東京都の単独事業になっているわけです。実際にこれだけやると三〇%予算がふえると言われているんですが、総合治水対策を建設省としても進めている以上、こういう都の単独事業でやっているものに対して、これを国の補助事業として採択することをいまや検討すべき時期に来ていると思うんですが、その点を最後にお伺いしたいと思います。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 先生おっしゃいますように、河川への雨水の流出を抑制する一方策として、地下水位の低い地域などにおきまして雨水の地下浸透が有効であるということが考えられておるわけでございます。  こういった考え方のもとに、透水性雨水ます。あるいは貯留マンホール等を用いましたいわゆる練馬型の下水道といいますか、そういったものが現在東京都の練馬地区でこれは技術的な検討を行っている段階でございます。今後、東京都の検討結果が出た上でこれに技術的な評価を加えまして補助採択につきまして検討していきたいというふうに考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 終わります。

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     —————————————

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会      —————・—————

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