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95回国会参議院1981/10/13

建設委員会 第1号

発言数
12
登壇者
3
会派数
2
開催日
1981/10/13

会議録

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る六月五日の本会議におきまして建設委員長に選任をされました吉田でございます。  御承知のように、本委員会の使命は重大であり、その職責の大きいことを痛感いたしております。委員会の運営に当たりましては、皆様方の御協力を得まして円満な運営を図ってまいりたいと存じております。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に谷川寛三君を指名いたします。     —————————————

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、先国会閉会中に当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。増田君。

増田盛自由民主党・自由国民会議

○増田盛君 福島県及び新潟県における建設事業並びに建設諸計画に関しまして調査いたしましたので、御報告申し上げます。  去る七月二十日から三日間にわたり、吉田委員長、谷川委員、原田委員と私、増田の四名は、福島県及び新潟県における建設事業の実情を調査してまいりました。  まず、両県庁において当局から県下の建設事業の概要とそれらに対する要望事項をそれぞれ聴取いたしました。以下その主な調査事項について概略御報告申し上げます。  第一に、福島県下の建設事業についてであります。  福島県は全国第三位の面積を有し、その大部分が山岳丘陵地帯となっており、東に阿武隈山地、西に奥羽山脈が走り、この二つの山脈によって海岸地帯の浜通りと、福島、郡山など東北本線沿いの中通り及び会津地方に分けられ、この三地方を結ぶ道路交通の確保が本県にとって最大の課題となっております。県及び議会からの陳情事項もその大部分が道路関係であり、道路網整備に対する地元の期待は相当根強いものがあると痛感させられます。  その他特徴的なことは、昭和五十五年の県人口約二百四万人の約八割が都市地域に集中し、そのうちの約五十六万人が県面積の一%に満たない人口集中地区に居住していることであります。このような都市化現象に伴い、市街地の拡大、交通渋帯、住宅事情の悪化などさまざまな問題を生じ、これに対する街路、公園、下水道等の都市施設の整備が立ちおくれていることであります。そのためには、自然環境の保全に留意しつつ、総合的かつ計画的な都市基盤整備事業の推進が強く期待されます。  次は、国道百十五号線土湯峠改築事業についてであります。  本路線は、相馬市と福島市を経由し猪苗代町を結ぶ産業、経済及び観光上の重要な路線であります。磐梯吾妻道路等の有料道路で補完しておりますが、土湯峠付近は吾妻連峰地帯で地形複雑にして、しかも積雪寒冷地帯であり、冬期間は交通不能となっているところであります。直轄、補助区間合わせて十九・一キロメートルの改良工事が五十五年度から始められ、そのうち難工事が予想される区間について直轄代行として事業に着手されており、国有林関係の保安林解除の手続が済み次第、今年度中にも工事用道路の建設に着手する予定と聞きました。六十年度前半の完成を目指しているとのことでありますが、冬期間の交通確保、所要時間の短縮等、その経済効果ははかり知れないものがあり、温泉街の枯渇対策等環境保全に十分配慮した円滑な事業執行が強く望まれます。  次は、会津若松市の都市計画街路についてであります。  会津若松市は、人口約十一万人の城下町であるため、市街地の道路は道幅も狭く、交差点もかぎの字形となっており、日常交通の著しい障害となっています。そのため市街地を南北に縦貫する国道百二十一号線の環状線の一環として亀賀御山線が計画され、市街地の交通緩和と生活環境の改善を図ろうとしております。計画延長四千七百八十六メートルのうち五十五年度末までの進捗状況はおおむね約五七%であり、今年度は小田橋の上部工、道路改良等を行い、来年度中にはさらに千百三十四メートルが整備される予定であり、今後の円滑な事業の執行が期待されます。  次は、大川ダムの建設置要についてであります。  大川ダムは、阿賀野川総合開発の一環として阿賀野川上流部通称阿賀川に、洪水調節、発電、工業用水、上水道用水等の多目的ダムとして四十八年度より総事業費五百六十億円をもって工事着手された直轄ダムであります。五十八年度の完成を目指し事業の進捗も比較的順調に進んでおり、今年度は本体コンクリートの打設を六割方終わらせるとともに、主放流設備の製作終了を図り、利水放流設備等の据えつけを継続することになっています。また補償工事として本年度中に国道、県道のつけかえを完了するとともに、林道のつけかえを促進することにしています。  ダム建設に当たって最も配慮しなければならないのは、水没地域住民、地権者に対する補償でありますが、当ダムは水源地域対策特別措置法に基づく指定ダムとして、水没家屋七十戸を初め、地元自治体に対する補償も関係住民の理解と協力が得られ、比較的スムーズに行われたと聞きました。今後とも水源地域に対するきめ細やかな施策を行い、ダム建設事業が地域開発のかなめとして、地元に期待される公共事業としての役割りを果たしていく必要があると痛感いたしました。  第二に、新潟県下の建設事業についてであります。  まず、国道四十九号線の改築状況についてであります。本路線は、太平洋側のいわき市と日本海側の新潟市を結ぶ総延長二百四十キロメートルの幹線横断道路であり、交通量も年々増加しております。途中阿賀野川と国鉄磐越西線が並行して走り、かつ山地部も多く十分な線形が確保できないため、地すべり、土砂崩落個所が多く、また積雪のため冬期間の交通が途絶する状態もたびたびあります。  一次改築は、四十六年度の福取トンネルの完成をもって完了しており、二次改築は四十二年度の亀田バイパスの事業化を皮切りに、津川バイパス、安田バイパス、石間防災等の事業を実施しております。うち津川バイパスは、津川町市街地の入口と出口に当たる麒麟橋と常浪橋を結ぶ延長三・三キロメートル、幅員十四メートルの道路であります。五百六十七メートルの津川トンネルを含む二車線のこのバイパスは、総事業費約三十三億円をもって六年余の歳月をかけ、五十五年十二月に完成したものであります。このバイパスの完成により交通騒音、振動、交通事故が減少したのはもちろんのこと、今冬の豪雪時には冬季交通の確保に大きな効果を上げたとのことでありました。夏場に走行しますとこの幅員十四メートルは確かに広い感じもしますが、冬季交通を二車線確保するにはこの程度の幅員は絶対必要であるとのことであり、今後とも積極的にバイパスの建設を進めていく必要性が痛感されます。なお一層の整備が望まれるところであります。  次は、高速自動車国道についてであります。  関越自動車道、東京−新潟間三百一キロメートルの新潟線は、すでに練馬−前橋間九十四キロメートル及び北陸自動車道と重複する長岡−新潟間五十五キロメートルが供用中であり、今年度中には越後川口-長岡間二十四キロメートルが供用される予定であります。  北陸自動車道については、すでに新潟−西山間六十八キロメートル及び滑川−米原間二百五十四キロメートルを供用しており、米原で名神高速道路と直結しております。  残る未供用区間のうち、上越−朝日間六十七キロメートルについては、地元との協議が完了したところから用地買収にかかりたいとのことでありましたが、この路線は親不知・手不知で有名な難所を初め、地形、地質は複雑で断層が多く、地すべり多発地帯でもあります。このような地形、地質、気象等の諸条件を克服し、建設、管理上安全で経済的な道路建設を進めることがこの区間の最大の課題と言えます。  また、雪氷対策も重要な課題の一つと言えます。全国でも有数な豪雪地帯であり、また季節風の影響を強く受け、しかも湿雪であるため、雪氷対策はこの地方の高速道路の建設及び維持管理上欠かせないものとなっております。今冬の豪雪において見られたごとく、改良された機械力、消融雪装置の配置等によりほぼ順調に除雪を続け、物量輸送の大動脈としての役割りを十二分に果たしたことにかんがみて今後ともさらに万全な雪氷対策の確立が強く望まれるところであります。  次は、新潟駅南口地区再開発事業についてであります。  この町づくり計画は、上越新幹線乗り入れに伴い、新潟市の都市基盤整備の一環として、駅南口地区約十五・四ヘクタールを市の副都心の中核として、すぐれた都市環境と機能性に富んだ商業・業務地区に開発整備しようとするものであります。  施行区域約二・四ヘクタールの第一地区は、新潟市が施行主体となり五十三年十二月二十二日に都市計画決定、五十五年八月十五日には事業計画決定がそれぞれなされ、現在権利変換計画案の縦覧が行われ、かつ意見書の提出もあって、県で慎重に審査中という計画手続の中で重要な段階に入っています。  この種、第一種市街地再開発事業は、何分にも従前の権利関係の変換を伴うむずかしい都市計画事業であります。それだけに施行者である市当局も慎重を期するとともに、地権者の理解と協力なくしては当該事業の円滑な推進はとうてい望めません。その意味においては、この駅南口地区の再開発事業も例外ではありません。地権者を含め関係住民の理解と協力を得て、円滑な事業執行が図られることが期待されます。なお、当事業視察の際、地権者の一部より構成されている新潟市笹口地区近代化協議会より、当委員会あての陳情書の提出があったことを申し添えておきます。  次は、関屋分水路事業及び海岸事業についてであります。  関屋分水路事業は、信濃川の河口から約八キロメートルある区間を関屋分水路によって約一・八キロメートルに短縮し、上流の洪水位を低下させはんらんを防止させるとともに、分水路河口の新潟大堰と分派点の信濃川水門の両ゲートによって塩分の侵入を防止し、さらに低水時、渇水時には水位を人工的に制御させ、各種利水にも貢献しております。四十七年の完成により毎秒四千二百トンのうち三千二百トンが分水路を通じて日本海に放流されており、五十三年六月の梅雨前線豪雨による増水時にはその効果を遺憾なく発揮して洪水による被害を未然に防いだことは記憶に生々しいところであります。  また、信濃川水門から下流にかけて改修工事が計画されておりますが、現地の説明によりますと、なだらかな丘のような斜面とそれを守るための広場からなる新しい堤防を内容としております。流域住民の生命と財産を洪水から守るため、なお一層の治水事業の推進が強く望まれます。  さらに新潟海岸は、日本海特有の冬季季節風等により浸食が著しく、寄井浜から新川河口までの間、四十年から補助事業として浸食対策事業に着手し、五十二年には関屋分水路西側約八キロメートルにわたって直轄海岸に編入されて、鋭意離岸場等の保全施設を施工してきております。当該区間は後背地が新興住宅地として急速に伸展している区域でもあり、しかも市民の憩いの場として残された貴重な砂浜海岸であることにかんがみて、今後とも一層浸食防止事業に向けての施策がとられることが重要と考えます。  次は、長岡ニュータウン開発整備事業についてであります。  五十二年七月、地域振興整備公団の第一号事業としてスタートした長岡ニュータウン事業は、千八十三ヘクタールの西部丘陵地に人口約四万人の住宅地のほか、工場、流通施設、学園、レクリエーション施設などを備えた総合的な町づくりを目指しています。  総事業費約一千億円をもって六十五年の概成を目指し、鋭意事業が進行中でありますが、長岡市が北陸地域全般の成長に寄与する中核拠点都市として真にその役割りを果たすためにも、長岡ニュータウンをぜひとも成功させる必要があります。それには適正な価格で良好な宅地を供給するため、効率的な事業執行、大幅な国庫補助金等によりコストの低廉化を図ることが肝心であると思われます。  二番目に、ニュータウン施設の建設、管理、運営を行う第三セクターとして長岡ニュータウン・センター株式会社が今年四月にやっと設立されましたが、人口の定着を促進するため地区の先行整備を急がねばなりません。あわせて公共公益施設の整備も促す必要があります。  三番目に、二十一世紀の新都市計画といわれる共同溝とごみの集中収集施設を整備するため、関係機関との連携体制を整える必要があります。そのほかに、工場誘致とかさまざまな問題、困難を克服しなければなりませんが、今後とも公団、県及び市が一体となって地域振興、育成といった観点からニュータウン建設に向け、連携、協力が必要であると考えられます。関係機関の一層の御努力を期待いたします。  次に、長岡市濁沢地すべり災害についてであります。  この災害は、五十五年十二月三十日、長岡市濁沢地内の太田川左岸上部地域において地すべりが発生し、人家十二戸、非住家二十戸を次々に崩壊させたものであります。  土砂の推定量は九十万トン、被災世帯は二十世帯にも達する地すべりであり、長岡市は災害救助法を適用し、応急措置として太田川の仮水路掘削及びつけかえ工事、抑止のための枠工の施行等を行うとともに、被災者には応急仮設住宅の設置等精力的に災害対策に努めたのであります。  恒久対策としては、五十六年度において太田川仮水路に沿って河道拡幅、市道のかさ上げ、架橋等の災害復旧事業並びに水路工の地すべり対策事業を行うとともに、住宅再建対策として、防災のための集団移転促進事業による移転十五世帯、がけ地近接危険住宅移転事業による移転四世帯を予定しております。このうち集団移転住宅団地の用地取得及び造成については、長団地域土地開発公社へ業務委託し、長岡市が公社から造成後の住宅団地を取得することになっているそうであります。国及び関係公共団体は、被災者の資金融通に特段の配慮を図り、当該集団移転がスムーズに行われる施策がとられることを強く要望いたします。  なお、当該地区は、今年の三月十七日、地すべり等防止法第三条の規定により地すべり防止区域に指定され、移転跡地等は建築基準法に基づく災害危険区域の指定を行う予定であり、再度災害防止に向け行政指導が打ち出されておりますが、二度とこのような恐ろしい災害が起こらないよう、災害復旧事業の推進はもとより、抜本的な地すべり防止対策の必要性が強く痛感させられます。  以上が調査の概要でありますが、最後に、県当局からの要望事項を本日の会議録の末尾に掲載していただくよう委員長にお願いして、報告を終わります。

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 坂野君。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○坂野重信君 委員派遣報告。  去る九月二日から四日まで、堀内、茜ケ久保の各理事、三木、上田、栗林の各委員と私、坂野は、青森、岩手の両県において建設事業の実情を調査してまいりました。以下、概要を御報告いたします。  まず、建設事業をめぐる概況から申し上げます。  東北地方の産業は、全国平均に比較して農林漁業、サービス業のウエートが大きい反面、製造業のウエートが小さく、雇用機会の確保や所得向上の面で問題が残されております。こうした中で建設投資は、全国ではGNP対比約二〇%でありますが、東北六県では約三〇%と地域経済に占めるウエートが大きく、また公共投資に依存する割合も大きいという実態にあります。しかし、建設投資の総額は公共事業の前倒し執行が行われているものの、現在までのところ昨年を下回っている状況で、建設業の倒産は昨年を上回り、全倒産数の約三分の一を占める実情にあります。後期の公共事業の減少等を考えますと建設業と地域経済への影響が心配されております。  他方、産業構造における一次産業率の高さと工業化のおくれ等により、両県では県民所得が全国水準の七、八割程度と格差が存在しており、就業の場が乏しいため、若年層の県外流出や出かせぎが多いという実態にあります。こうしたことから地場産業の振興や工業の導入など産業構造の高度化を図る努力が払われておりますが、地理的、気候的条件と近年の経済の低成長によって工業立地はいま一歩進んでいないのが実情のようであります。  このような中で、来年六月に盛岡まで開通が予定されている東北新幹線や建設が進む東北自動車道等の高速交通網へ大きな期待がかけられておりますが、これらによるメリットを県内全域に及ぼすためには関連する道路交通網の整備が何よりも緊急の課題とされております。また、災害防止と生活安定のため治水事業の促進も不可欠であり、下水道、公園等の都市的基盤も立ちおくれている状況であります。このため両県ともに、これら社会資本整備に対する意欲は大変強いものがあり、目下財政再建のため進められている公共事業の抑制や補助率等の地域特例の見直し等の実施に当たっては、格差是正と地域経済への影響に十分配慮してほしい旨の要望がありました。  次に、視察いたしました主な事業等について申し上げます。  青森市内の中央大通り荒川線の立体交差事業は、東北本線によって分断されている市街地の南北交通を円滑にするとともに、青森環状道路とあわせて東北自動車道へのアクセス道路として整備することが計画されているものであります。整備に当たっては早期完成を図るため、跨線橋部分については有料道路事業とすることが予定されております。  国道七号青森環状道路は、市内の交通混雑を緩和するため中心部を迂回させるとともに、東北自動車道青森インターにつながる延長十キロメートルの道路整備事業であります。事業は四十九年度に着手され、五十四年には部分的に供用が開始されておりますが、全線の開通は、市内交通の緩和とともに東北自動車道と周辺地域との有機的つながりを可能とするもので、事業の促進が期待されています。  津軽モデル定住圏計画について申し上げます。  三全総の定住構想を具体化するため、青森県では津軽地方二十八市町村がモデル定住圏に指定されております。本地域は米とリンゴを中心とした農業地帯であり、所得も低く、出かせぎ者も多いなど県の中でも特別に振興策が検討されてきた地域であることで、モデル定住圏の発足を機にこれに基づいて振興のための事業が進められることとされたのであります。  計画においては、この地域の課題である若年層の流出防止、出かせぎの解消、産業構造の高度化を図るため、雇用機会の増大、積雪寒冷地における居住環境の整備、そして津軽文化の伝承、創造という三つが基本構想として掲げられております。この基本構想を実現するための主な事業としては、津軽新港の建設、弘前、青森、むつ小川原を結ぶ県土横断道路の建設、流雪溝、除雪センターの整備、古い町並みの保存、カルチュアパークの建設等が計画されております。これらの事業は、今後、国においても優先採択等により促進されることになりますが、事業の成果が期待されるところであります。  土淵川放水路事業についてであります。  土淵川は、津軽地方の大河川岩木川の支川で弘前市の中央を流れる典型的な都市河川であります。本川についてはたび重なる大水害を引き起こしたため改修の必要に迫られていましたが、改修計画区域が弘前の中心部で河道改修が困難なことから、上流地域の水を河川トンネルによって直接岩木川へ流下させる放水路事業が五十二年度より着手され、現在概成の状況になっております。河川トンネルは間に寺沢川をはさんで上流部が千六百三十四メートル、下流部が八百四十六メートルと長大なもので、事業費も全体で百億円を要しております。しかし、これによりこの地域は百年に一度の確率で生ずる洪水までは対処できることになり、その意義はきわめて大きいものがあります。  浅瀬石川ダムは、同じく岩木川の支川浅瀬石川に建設が進められている多目的ダムであります。本ダムは四十八年に事業着手、水没二百一戸の補償もほぼ終わり、現在ダム本体の建設にかかっており、六十年度の完成が見込まれておりますが、岩木川水系の洪水調節と弘前、黒石市等津軽三十六万人に対する都市用水、下流地域への灌漑用水の開発、あわせて発電も行い、地域開発の面からも大きな効果が期待されております。  次に、岩手県における事業について申し上げます。  国道四号線は、岩手県では金ケ崎バイパス、川口バイバス、二戸バイパス、二戸バイパス等の整備が行われております。このうち一戸、二戸の各バイパスはそれぞれ四十六年度、四十五年度に着工以来、用地買収及び工事を進めてきており、来年度には全線開通することが見込まれております。また、四十四年に完成した盛岡バイパスについてはすでに交通量が限界に達しており、新たなバイパスの調査が開始されております。  御所ダム、御所湖広域公園事業について申し上げます。  御所ダムは雫石川に建設されており、北上水系の洪水調節ダム群の一つとして洪水調節のほか水道用水、灌漑用水の開発、発電をあわせ目的とする多目的ダムであります。四十四年に着工し、現在ほぼ完成して湛水を開始しておりますが、本ダムの特徴は、特有な地質のため中央から右岸をコンクリート重力式、左岸をロックフィルによる複合ダムとなっていることであります。また、建設に伴い、人家四百四十八戸、農地三百九十ヘクタールが水没することから地域の生活再建対策が大きな課題となり、関係団体の間で対策の検討が進められてきましたが、その間四十八年に成立した水源地域対策特別措置法による最初の適用ダムとなって、生活環境施設、産業基盤等の整備が計画に基づいて実施されております。  御所湖広域公園は、御所ダムによって新たにできた湖の周辺を広域公園として整備するもので、盛岡とその周辺地域の人々に憩いの場を提供しようとするものであります。御所ダムは盛岡の都心からわずか十二キロの近郊にあって、その周辺は温泉と素朴な自然に恵まれております。そこで公園の整備も湖辺の保全を図るとともに、湖の景観を活用して水辺に水生植物園や運動公園、サイクリングロードなどが計画されております。公園面積は約三百ヘクタール、事業全体は五十五年度から七十年度にかけて事業費百億円が予定されております。  下水道事業について申し上げます。  北上川上流流域下水道は、盛岡市を中心とする5カ市町村についての流域下水道事業であります。この流域下水道は二つの処理区から成っておりますが、視察した都南処理区は計画人口四十万人、処理水量は一日当たり三十二万トン、事業費五百八十億円となっており、工事施工は下水道事業団に委託しております。すでに処理センターにはりっぱな管理棟が完成し、処理施設も八基のうちの一基が昨年より稼働し、汚水処理が開始されております。  岩手県下の下水道普及率は、全国平均の三〇%に対し七%と大きく立ちおくれております。しかし、この流域下水道の計画を契機に下水道整備の気運が盛り上がっているとのことで、今後の事業促進が期待されます。  一関遊水地事業について申し上げます。  北上川は延長、流域面積ともにわが国第四番目の大河川でありますが、一関・平泉地区はこの地区の下流がきわめて緩勾配であることに加えて、地形的に狭窄部が二十六キロメートルにわたっているため、過去、カスリン、アイオン台風を初め、さきの十五号台風に至るまでたびたび大水害に見舞われてまいりました。そこで、この地区を遊水地として整備することにより住民を水害から守るとともに、その遊水作用によって下流の洪水を軽減させ、下流の改修を図るという計画が立てられ、四十七年度から事業に着手しております。  遊水地計画は、市街地を百年確率の洪水に耐える高さ約十メートル、延長二十キロメートルの本堤によって守るとともに、現在の河道に沿って小堤を築堤し、遊水地内へ常時はんらんを防止することとされております。遊水地の面積は千四百五十ヘクタールと大きく、移転家屋も四百十六戸を数えます。しかしながら、総事業費約千三百億円のうち五十六年度までの進捗率はわずかに八・五%程度で、整備の促進には格段の予算措置が必要であります。  次に、台風十五号による災害の状況を若干申し上げます。  八月二十三日、東北地方は台風十五号による激しい暴風雨に見舞われ、両県においても各地で河川がはんらんし、道路が決壊するなど甚大な被害をこうむったのであります。  両県の被害合計は、死者六名、家屋の全半壊三百七戸、公共土木施設、農作物被害など被害総額千百十億円に達しており、現地では収穫を前にしたリンゴの落果や人家の二階まで達した浸水跡など被害のつめ跡が生々しく残されておりました。被災された方々には心からお見舞い申し上げますとともに、対策については政府においても万全を期するよう要望いたします。  最後に、今回の派遣を通じて、両県知事、市町村関係者等から多くの要望が出されましたが、それらは本日の会議録に掲載していただくことを委員長にお願いいたしますとともに、要望事項については、政府も検討の上、善処されることを希望いたしまして、報告を終わります。

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) ただいまの両君からの報告中で要請のございました要望事項等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田正雄日本社会党

○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  以上で派遣委員の報告は終わりました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時三十九分散会      —————・—————

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