決算委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 254 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/12/16
会議録
○委員長(和田静夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十三年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長伊原義徳君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(和田静夫君) 昭和五十三年度決算外二件を議題といたします。 本日は、文部省及び科学技術庁の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(和田静夫君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(和田静夫君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 新任一カ月の小川新文部大臣に、本来であれば教育全般についての御所見を承りたいところでございますけれども、決算委員会でもありますし、時間の関係もありますので、特に一点だけお伺いを最初にしておきます。 実は、予算は政府の顔とこう申しますけれども、文部省八二年度概算要求は、臨調の第一次答申を受け継いで、そのまま認められたとしましても、教育のレベルダウンは避けられない、また国民負担が強化されるということは、私どもは常に指摘をしてきたところであります。ところが、それに上乗せをするように、先日大蔵省が私学助成費を二百億から三百億円削減をするという報道がされました。私学に子供を通わせている親、学生たち、非常に大きなショックを受けているのでございます。それらのことも含めまして、厳しい財政下にありまして、これからの年末予算の獲得に向けて、国民の教育機会均等の保障、教育、研究水準の維持向上の立場に立って、大臣はどのような御努力をなさいますのか、そのことをお伺いをいたします。
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。 昭和五十七年度の文部省概算要求におきましては、義務教育教科書無償給与の制度は、これを堅持する要求をいたしております。私学助成あるいは四十人学級等第五次教職員定数改善計画、あるいはまた育英奨学事業等につきましては、ゼロシーリングのもとで、臨調の答申をも踏まえつつ、あとう限り抑制をして取りまとめております。 しかるところ、その後におきまして、人事院の勧告によりまして、給与費の増という問題も出てきておりますので、明年度の予算編成に際しては、非常な困難に逢着するものと実は覚悟いたしております。しかし、申すまでもなく、教育は文字どおり国家百年の計でございますから、及ばずながら全力を傾注して努力する所存でございます。
○粕谷照美君 では文部大臣の御健闘を心から期待いたしまして、私どもも力いっぱい応援をいたしますので、しっかりがんばっていただきたいと思います。 それでは、現職の大学教官が逮捕をされる、学内捜査を受ける、このようなことを起こしております国立芸術大学の問題について入ってまいります。 最初に検察庁にお伺いをいたしますけれども、今回の芸大における楽器購入にまつわる事件について、海野義雄はどのような罪に該当するとして逮捕をされましたか。
○説明員(飛田清弘君) お尋ねの海野東京芸術大学教授に対する逮捕事実は、同教授が東京芸術大学におきまして、昭和五十四年二月に購入することに決定したバイオリンの選定に関しまして、株式会社カンダ・アンド・カンパニーのために有利な取り計らいをしたということの謝礼として、右会社の代表取締役であります神田侑晃社長から、八十万円相当のバイオリンの弓一本を収賄したというものでございます。
○粕谷照美君 その後、捜査の状況はどのようになっておりますですか。それだけにとどまっておりますか。
○説明員(飛田清弘君) 検察庁といたしましては、海野教授を本年十二月八日に逮捕して取り調べを行っておりまして、その過程で、捜査上必要なことについては十分調べを尽くしておりますけれども、さらにどのような容疑事実がほかにあるかどうかということにつきましては、捜査の秘密でございます。まだいま捜査全体、海野教授についていろいろな観点から捜査をしているところでございますので、この段階では申し上げるわけにはちょっといかないところでございます。
○粕谷照美君 そのほかにどのような容疑があるかということの御答弁がありましたけれども、先ほど私が伺いました受託収賄罪の容疑ということで、バイオリンの弓の問題があると。そのほかに、この間進んできて、新聞報道などで出されております五十二年の十二月の芸大に納入いたしましたカルカシー作のバイオリン一丁について、有利な取り扱いをということで十数万円を贈られた、この辺のところは入っておりますでしょうか。
○説明員(飛田清弘君) 海野教授に対する逮捕事実は、先ほど申し上げましたように、収賄した物としてはバイオリンの弓だけが逮捕容疑になっております。そして、現在検察庁が取り調べを行っておりますのは、その逮捕事実を中心に取り調べを行っているわけでございまして、その取り調べの過程で、いろいろなことは当然調べをしているはずでございますけれども、その過程で、新聞報道で御指摘のようないろいろなことについて報道がなされてはおりますけれども、そのことについて、現在調べをしているかどうかということにつきましては、いま捜査をしているところでございまして、捜査の秘密に属することなものですから、お答えすることはできない、こういうところでございます。
○粕谷照美君 それでは、今月の十八日と言えばあと二日後でありますけれども、それまでの期間が一応の区切りになるわけですね、勾留の。そうすると今後の見通しというのは、一体どのようになりますか。
○説明員(飛田清弘君) ただいま御指摘のように、海野教授に対しては、本年の十二月九日に勾留請求をいたしまして、勾留が裁判所に認められましたから、法律上は十八日が勾留の満期ということになるわけでございます。法律上申しますと、それまでに捜査が全部終わりますれば、その十八日までに処理を行うわけでございますけれども、その十八日までに捜査がまだ十分行えない場合には、あと十日勾留を延長することもできることになっております。現在捜査をしておりますが、その捜査がどこまで進捗しているかということは、先ほど申しましたように、捜査の秘密に属することなので、お答えいたしかねますし、それとの兼ね合いで、将来海野教授に対して、十八日の段階でさらに勾留を延長するかどうかという微妙な問題もございますけれども、それがどうなるかということは、いまそのことを捜査しているわけでございますので、ちょっとここでは申し上げられない段階にあると、こういうことで御理解いただきたいと思います。
○粕谷照美君 それではもう一つ伺いますけれども、それに関連をいたしまして、海野以外の芸大の教官から事情聴取をしたという事実があるのかないのか。したとすれば何人であるか、また学生の中から参考人として事情聴取を行っているという事実があるのかないのか。
○説明員(飛田清弘君) 微妙な問題でございまして、検察当局といたしましては、逮捕事実を中心にあくまで調べを行うということになっておりますので、逮捕事実を中心に調べを進めている段階でございまして、その過程におきまして、事案の真相を解明するために、関係者から、相当の人からいろいろなことを聞いていることは事実でございますけれども、どういう方々から、どういうことを聞いているか、あるいはどういう方々を何人調べているかということは、まだこの段階では申し上げられるところまで来ていないということで御了解いただきたいと思います。
○粕谷照美君 それでは、具体的に答弁をいただけるという時間は、起訴をされてからある程度のことは話せると、このような理解でよろしゅうございますか。
○説明員(飛田清弘君) 捜査の一区切りといたしまして、起訴というのは捜査の一区切りでございますから、起訴された事実というものは、公表と申しますか、どういう事実について犯罪の容疑が認められて起訴されたということについては御報告できると思います。ただし、どういう証拠があるとか、起訴された犯罪事実に関連してどういうことが具体的にあったかというようなことにつきましては、今度はその後、起訴されたことについて裁判で立証していく検察官の手持ちの証拠の内容になるわけでございまして、微妙な問題があるので、起訴された事実以外のことにつきましては、どこまで申し上げることができるかどうかということを、ここではちょっと申し上げられないと、こういうわけでございます。
○粕谷照美君 まだ起訴されるかどうかもわからないわけでありますから、された場合ということで了解をいたしました。 それでは、次に国税庁にお伺いをしますが、海野教授は、逮捕される前に、新聞社のインタビューに応じまして、私はワンステージ六十万円、一夏に十回やれば生活はできる、世界じゅうを駆けめぐって、演奏料だけで千五百万から二千万あると、こういうことを言っていらっしゃいますし、また現在使っているストラディバリウスは二千五百万円で買った、以前の楽器を売ったり、借金をして買った、その借金は三、四年間で返したと、こう話っておられます。その後の調査で四百万円で以前の楽器を芸大に売っていたということが判明しました。こういう新聞報道を読んでみますと、残りを三、四年で返済するとなれば、相当の収入が必要になってくる。単なる芸大の教官の給料だけでは、なかなかやっていけないのではないかと、普通の人たちは考えるわけであります。それで、またこれも新聞報道ではありますけれども、海野が世田谷の税務署に高額所得者として名前を連ねたと、これがたった一回だというようなことも出されているわけですが、これだけのことが報道されますと、国税庁としても注意を引かれたというか、注目をしなければならない事件だというふうに思いますが、この海野教授にかかる税務調査を行いましたでしょうか。
○説明員(入江敏行君) お答えいたします。 課税の適正と公平を確保するというのは、われわれ税務当局にとりまして使命でございまして、従来から職業、業態、業種を問わず、資料、情報の収集に努めますとともに、課税上問題のある案件につきましては、厳正な調査をしておるわけでございます。この海野教授のことにつきましては、個人の課税の問題でございまして、まことに申しわけございませんが、課税状況の見直しを行っているかどうかということは、われわれ守秘義務の関係で具体的にはお答えしかねるわけでございまして、御了承いただきたいと思います。
○粕谷照美君 高額所得者リストに載ったか載らないかということは、これは税務署が一定期間公表しますから、だれでも見ようと思えばわかるわけであります。守秘義務だなどと言って、絶対に秘密にしなければならないということでもないように思うわけですが、その辺のところで考えてみますと、二千五百万円のバイオリンを買うことができた、それから年収千五百万から二千万の演奏料が自分の手元に入ったということになりますと、高額所得者名簿に載らないということは、相当の額が必要経費として引かれていると、こういう判断をせざるを得ません。それで、こういういわゆる名器などというものを、演奏家が演奏するに当たっては、必要経費として認められるのでしょうか。
○説明員(入江敏行君) お答えいたします。 一般的に申しますと、事業所得者としての演奏家が演奏活動に使いますバイオリンその他の楽器というものは、減価償却資産になりますので、減価償却費として経費の対象になります。ただ、御承知のとおり、財とかサービスをつくり出すために使う資産の中には、摩耗をいたしましたり、あるいは陳腐化をいたしましたりして、価値が減少していくものがございます。これは減価償却資産として、いま申し上げた経費、その償却費は経費の対象になっていくわけでございますが、その中には時の経過によって減価しないものもあるわけでございます。したがいまして、所得税法の施行令では、時の経過によって価値の減少しないものは、減価償却資産の対象外といたしております。たとえば、土地なんというのはその最たるものでございますし、あるいは、たとえばお茶の先生がお弟子さんをとって教えておられるというようなときに、お弟子さんを教えるために、たとえばデパートから数万円の茶器を買ってきて、それを教育に供するというような場合には、減価償却資産と称してよろしいかと思いますが、たとえば千利休が使用した茶器というようなものを仮にその先生が持っておられましたら、これは時の経過によって価値が増加こそすれ、減少するわけじゃございませんので、こういうものは減価償却資産の対象にはなりません。ひとしく楽器と申しましても、やはりその中には、いま申し上げました時の経過によって価値が減少していくものと、していかないものとあるわけでございまして、減少していかないようなものは減価償却資産にならず、したがって、その償却費は必要経費に算入されない、こういうことになります。
○粕谷照美君 そうしますと、この二千五百万円のストラディバリウスは、必要経費の中には入らないというように私は伺います。そうしますと、高額所得者名簿に名を連ねないということは、相当のものがその他で必要経費として認められている。何かサラリーマンからいたしますと、非常に不思議な感じがするわけですよ。どうも税務署は芸能人に甘いのではないか、こういうふうに言われておりますが、この辺はいかがですか。厳正な審査をやっておりますでしょうか。
○説明員(入江敏行君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、業種、業態を問わず、あらゆる納税者の方に同じように適正なかつ公平な課税をするように努力しておるつもりでございます。一口に演奏家と申しましても、音楽活動の態様によりまして、各演奏家、あるいは専門分野によって、その必要経費というものの発生形態というものはさまざまでございます。したがいまして、なかなか一口にどういうものが必要経費になるということは申し上げられません。たとえば、クラシック音楽を専門とするような方が、どんな経費が計上されてくるかと申しますれば、大きく言えば練習に必要な経費と、それから演奏会そのものに必要な経費と、二つになろうかと思います。その内容個々にわたって具体例を挙げて御説明するのは非常にむずかしいわけでございますが、税務署員といたしましては、できる限りの、実際に生じた必要経費の内容を伺いまして、それによって経費を計上し、所得を計算しているというのが実情でございます。
○粕谷照美君 こういうことなんですよね、逮捕され、起訴されるかもしれない。新聞記事を見てみると、非常に不審なというか、大変おかしいではないかと思われるような年間の所得申告であったと、そういう事態が起きているんですから、税務署としては、そうすると海野教授のこの収入を見直してもいいのではないかと、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○説明員(入江敏行君) おっしゃることはごもっともな点もあるかと思います。私どもといたしましても、この問題何も関心を持ってないわけではございません。ただ現在、先ほども御答弁がありましたように、警察当局で捜査中でございまして、私どもとしましては、当面その捜査の推移を見守ると。そこでもし問題があれば、必要に応じ税務調査を行い、適正に処理いたしたいと、そのように考えております。
○粕谷照美君 それでは、次は文部省にお伺いをいたします。 文部省は本当はあってはならないというこの事実に対して、大学側から事情聴取をされたと思います。文部省が事情聴取をされた内容、問題点を御報告いただきたい。
○説明員(鈴木勲君) この事件が発生して、新聞に報道されましてから、文部省といたしましては、東京芸術大学の事務局長、そのほか会計課長等所要の関係者を呼びまして、この教官が逮捕されるに至りました経緯、あるいはこの問題のバイオリン等が購入されました場合の購入の手続、そのほか一般的に物品の購入の方法とか、そういう問題についていろいろと事情調査をいたしたわけでございます。特に十二月九日、海野教授が逮捕されました事態を踏まえまして、山本学長が文部省を訪問されまして、諸澤事務次官に対して経過報告をしていただいたわけでございますが、その中におきまして、学長は芸大始まって以来の不祥事を起こして大変申しわけないということを陳謝されまして、今後は教育と芸術の原点に立って反省し、改善に努めてまいりたい、また学長以下非常に責任を痛感しており、今後は事実の解明を待って、適切に対処をいたしたい、それから問題の楽器の購入方法につきましては、その改善の方法について検討を進めたいということの説明がございました。これに対しまして事務次官の方からは、このような事態に立ち至ったことはまことに遺憾であるということを申し述べまして、事実が解明され次第厳正に対処をされたい、また今後学内の綱紀の粛正について一層努められたいと指示を行ったわけでございます。 その後、大学におきましては、音楽部弦楽器問題対策委員会を設けられまして、連日のように楽器の購入方法、教官の兼業等についての検討を進められておりまして、その模様につきましては、逐一報告をいただいているわけでございます。文部省といたしましても、今後大学からの報告を徴しまして、その推移に応じまして対処をしてまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 文部大臣、就任早々このような事件が起きたわけですけれども、これに対してどのようなお考えをお持ちですか。
○国務大臣(小川平二君) 現職の教官が逮捕されるという不祥事が生じましたことは、まことに遺憾のきわみと存じております。 芸大に対しましては、学内の綱紀の粛正に努力すること、この事件に対して厳正な態度で対処することを強く指示いたした次第でございます。大学におきましても、対策委員会を設けて、目下調査を急いでおると聞いておりますが、これを踏まえて、文部省、文部大臣といたしましては、厳正に対処いたしていきたいと、こう考えております。
○粕谷照美君 本日は山本学長、わざわざお忙しい中をおいでいただきましたが、学校教育法の第五十八条に「学長は、校務を掌り、所属職員を統督する。」という言葉があります。私もこの「統督」という言葉がわかりませんで、どういうふうに解釈をしたらいいかと先ほど伺いましたら、文部省では監督のもっと高い次元の問題だと、こういうふうに言われました。私は、そういう立場にある学長がこの決算委員会に説明のためにお出になる、非常に胸が痛む思いをしていらっしゃるのではないかと思いますけれども、今回の事件に対する学長自体のいまの御心境を御報告をいただきたい。
○説明員(山本正男君) 東京芸術大学始まって以来の不祥事を起こしまして、まことに痛恨のきわみでございます。国民の皆様に心からおわびを申し上げたいと思っております。また、今後の状況につきましては、文部省の指導、社会の批判、これを厳粛に受けとめまして、大学・教官一同姿勢を正して、伝統ある芸大の名誉を回復し、かつ社会の信頼を取り戻したいという覚悟で、現在諸般の改革について音楽学部の動きに応じまして指導いたしております。
○粕谷照美君 それでは、あれから八日間、約一週間余り、相当の学内の対応というものがあったと思いますけれども、具体的に一つ一つお伺いをしていきたいと思います。 まず、あのガタニーニのバイオリンの真偽、結論が出たのでありましょうか、いかがなものですか。 文部省からもらいました購入弦楽器一覧表によりますと、昭和五十一年にはチェロが一つ、それから五十二年にバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス合わせて四つ、五十三年度、いまの決算委員会の主題でありますが、このガタニーニのバイオリンも含めましてチェロ、コントラバス、ハープ、そして五十四年がハープ、こういう数字の中で、十点のうち七点がカンダ・アンド・カンパニー、問題の楽器会社から購入をされております。その七点のうち二点は鑑定書がありません。残る五点のうち、ガタニーニが入っておりますから、その他の四点があるわけですね。これは全部鑑定書つきだったわけです。この五点についての鑑定書の結果というものを、学校としてはどのように検討されましたでしょうか。また、この問題のガタニーニのバイオリンについて、そのものについての検討というものがなされましたでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(植木浩君) 東京芸術大学の方で、先ほど申し上げましたように対策委員会を設けまして、いま先生が御指摘になったような点を含めまして、以来いろいろと検討しておるようでございますが、新聞等でいろいろな問題が報道されておりますので、いろいろな項目について検討しておるということで、その楽器の真贋等についても検討事項にはなっておりますけれども、まだ結論は出ておりませんと、このように報告を受けております。
○粕谷照美君 そうしますと、楽器についても本物であるかにせものであるかはわからない、鑑定書についても本物であるか、にせものであるかはわからない、これが芸大の結論と理解してよろしいですか。
○説明員(植木浩君) 芸大からの報告によりますと、従来鑑定書についてはこれは真正なものである、本物であると信じて購入をしてまいったわけでございますが、新聞等で鑑定書偽造の問題等が取り上げられまして、それが現在問題になっておりますので、それらについても検討事項になっておるわけでございますが、まだその結論は出ていない状況と承っております。
○粕谷照美君 それでは、どのような形でそのものが本物であるか本物でないか、つまり鑑定書が、あるいはこの楽器がそうであるかということを検討しているのですか、対策委員会でやっているのですか。会計課長、どのようにそれを報告受けているんですか。
○説明員(植木浩君) 私どもが報告を受けております内容といたしましては、まずガタニーニ作ということで購入いたしましたバイオリンにつきまして、いろいろな形でこれを検討したいということを承っております。たとえば、外部の方による鑑定を行ってもらうかどうかであるとか、あるいは現品と写真をさらに照合を行ってみるかどうか、あるいは紫外線の検査をさらに行ってみるかどうか、それから、いま先生から御指摘ございました鑑定書の真偽について発行元等への確認、照合等を行うかどうか、そういう問題につきましていろいろと検討しておられると、このように承っておるわけでございます。
○粕谷照美君 せっかく説明員として学長おいでいただいているわけでありますから、そのことについて間接的な報告ではなくて、直接御報告をいただけませんでしょうか。
○説明員(山本正男君) 楽器の鑑定というものは、特に弦楽器の場合、種々な問題を含んでおります。これは他の一般楽器、たとえばピアノとか管楽器等の購入と少しく趣を異にする。これはピアノあるいは他の管楽器というふうなものが、いわば消耗品的な性格を持ちますのに対して、弦楽器の場合には楽器そのものが一つの芸術品的な性格を持ちます。そのために、楽器購入ということは単なる物品購入ということと別種な観点から、弦楽器の専門家がその音色、響き、さらには楽器としての形状、その他の様式というふうな、従来の経験を踏まえて鑑定をいたすわけでございます。同時にまた、その鑑定の裏づけとなるような鑑定書、文献、こういうものを参照いたしまして購入を決定いたします。したがって、従来この購入については、音楽学部といたしましても遺漏なきを期しておったわけでございますけれども、はからずも鑑定書の偽造というふうな疑惑が持たれまして、したがって、音楽学部弦楽器対策委員会では、この問題の楽器を改めて種々の角度からして再検討を進めておるというのが現状でございます。
○粕谷照美君 そうすると、まだ芸大では本物であるかにせものであるかということについては、結論が出ていないでうやむやになっているということですね。非常にこの辺は国民としては納得がいかないところであります。たとえば、いまの会計課長の説明を伺いましても、学長の御説明をいただきましても、どうも私には納得がいきません。その納得がいかないという一つの理由に、昭和四十二年、ずいぶん古い話になりますけれども、文教委員会で私の先輩でもございますが、小林武議員が、国立西洋美術館の絵画に関係して、この鑑定書がにせものであるのではないかという問題点を追及されました。もう徹底して館長は、この鑑定書はにせものではないんだ、こう言って主張し続けておられたわけです。小林武議員は絵画については素人なんです。ところが、いろいろな情報を寄せ集めてみて、どうもこれはおかしいということで質問をした。徹底して専門家の方がこれは本物だとおっしゃるわけですが、最終的にその委員会が終わりました後で、これはにせものであるということが発覚をいたしまして、美術館からその絵を外して倉庫入りをしたという、こういう事実もありますので、一体この鑑定書は本物かどうなのかということについては、早急に、科学的な、そして国民が納得できるような方法、手段をとられまして、認定をしていただきたい。というのは、その鑑定書があるから千六百万円である。もしこの鑑定書がなくて、そしてまた新聞報道などによれば、コピーであるということが言われておりますが、コピーであれば、その半分の値段だということになりますと、これは会計検査院はとてもそんなところまで手が届かないというふうに思いますけれども、国費をむだ遣いしたという指摘を受けてもやむを得ないところだというふうに思うわけであります。それで、こういうにせもの事件が起きるという一つの背景に、年度内にいい楽器を入れなければならないという、こういう一つの仕組みがあるのではないか、この辺のところについては何かいい方法というものがないものでしょうか。
○説明員(植木浩君) いま最後に先生が御指摘になりました、年度内に急いで楽器を入れるというような問題があるのかどうかということでございますが、いろいろ私どもも大学当局に承りましたところ、予算の枠が決まりまして、それから、かなり早い時期に大学の方でいろいろとどういう楽器を購入するかという検討を始めておられまして、実際にいろいろと検討の結果、楽器の購入につきまして特定の楽器が決まり、それに引き続いて正式な契約手続を始めるというのは、どうしてもかなり年度末近くなる場合も多いわけでございまして、年度末になってあわてて買うというよりは、そういういきさつから、そういうような状況になっておる、このような状態でございます。
○粕谷照美君 状況はそうですから、何かそういうことに対する対応というものがないかということを伺っているわけです。そういう実態があるからこそ、芸大教官が自分が持っているものを学校に納めて、そして自分はまた新しいものを購入する、こういうことが出て、疑惑が起きているわけでありますから。このにせ絵事件の当時にも、当時の剱木文部大臣が、それについては検討をしますと、こういうふうに約束をされているわけで、あれから十数年たって、なおかつ検討していないというのは、私は文部省としての怠慢だろうというふうに思います。その意味で、ひとつどのようにしたらいいかということは、後ほどまた質問を申し上げますので、文部省としての対応を検討しておいていただきたいと思います。 ひとつ私は、芸大の姿勢についてお伺いをしたいと思いますけれども、文部省の出してくださった資料によりますと、芸大教官のアルバイト申請件数、過去三カ年にわたってのものをいただいております。五十四年が三十三件で二十九名、五十五年が三十二件で三十人、五十六年が四十六件で四十人、こういうふうになっておりますが、他大学や各種学校などの教育機関でのアルバイトのみではないというふうに私たちはアルバイトというものを考えています。個人レッスンなどは申請する必要はないのでしょうか。また、文部省はアルバイトの実態調査に乗り出す必要があるのではないかと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
○説明員(鈴木勲君) 教官が兼業の許可申請を出す場合におきましては、この兼業の実態が定期的あるいは継続的なものであって、報酬を得ているというふうな場合でございまして、たとえば、いま粕谷先生がお述べになりましたような個人レッスンというようなことでございますれば、いまのような条件に該当いたしませんので、仮に謝礼を受けましても、兼業の許可は要しないというふうに考えているわけでございます。ただ、特別の施設を設けまして、多数の者を対象にレッスンを行うというふうな場合には、兼業の許可を要する場合があろうかというふうに考えております。なお、兼業の許可の申請は、このような事例につきましては申請されたような事例はないわけでございます。 それから、兼業の実態につきまして調査をするかどうかということでございますが、これは、いろいろな事例が発生いたしましたときには、その都度詳細に調査をいたしまして、申請を怠っているというふうなことが判明いたしました場合には、厳重に注意をして対処をしているということでございますが、文部省といたしましては、今後あらゆる機会に、教官の兼業については、正規の手続に従って承認申請をするということを励行していただくような指導を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 たとえば義務制の小・中学校の場合に、担任の先生が特別の生徒に対して自宅で個人的に勉強を教えてやる、そしてお金を取るなんていうようなことは、これは厳しく批判をされ、やめなさいという御注意を受け、周囲の人も非常にそのことについては厳しい目でもってながめているわけですね。芸大に関してはそれがありませんね。自分の教え子に特別にレッスンをして、しかも、報道によれば、私は特別の人から聞きませんから別ですけれども、一時間当たり二万円も三万円もレッスン料を取るなんて、これはもう言語道断の話だというふうに思いませんか。そして、それがもう当然のことのように行われているからこそ、芸大出身、卒業生の海野教授はそのことを当然のこととしてやってきた。芸大の教官も、皆さんそういうことをやっていらっしゃるから、別に不思議にも思っていなかったということがあるのではないかと思いますが、文部省はどのように判断をいたしますか。 あわせて、昭和五十六年度の東京芸術大学学生募集要項、それを見ました。第三ページ、「出願手続」がありまして、入学願書、書類、それから様式などは「本学所定の用紙に記入すること」、こういうようなことが書いてあって、注意事項がそのわきにあります。その注意事項の二番目に「願書裏面指導教師名の申告欄には、中学卒業後から受験までの間、受験志望の専攻実技科目について指導をうけた教師の氏名及びその期間について記入すること。」というのがあるわけです。これは一体どういう意味でこのようなことをやるのかということもあわせてお伺いをしたいと思います。
○説明員(鈴木勲君) 粕谷先生御指摘のように、義務制の学校等におきまして、担任の先生が自宅に子供を呼んで指導をする、それについて謝礼を受けるというふうなことは、公務員法上の兼業の許可には当たりませんけれども、教育に当たる者として自戒しなければならない、御指摘のように事例だと思います。同じように、東京芸術大学におきましても、従来から同大学の学生に個人的な指導を行うという場合には、指導料は受け取らないということを教授会が——昭和四十四年の申し合わせと聞いておりますが、申し合わせをしているというふうに芸大からの報告によりまして承知をしているわけでございます。しかし、今回の事件が契機になりまして、このような個人指導につきましても、大学といたしましては、その実態を把握する方法、あるいは今後の方針等につきまして、対策委員会におきまして検討しているということでございますので、その成果をまちまして、私どもとしてはその成果を期待して、適正な指導が行われるようにいたしたいというふうに考えております。
○説明員(宮地貫一君) 後段でお尋ねのございました、芸大の入学願書に受験生が中学校卒業後から受験までの間において指導を受けた教師の氏名及びその期間について記入させるということになっているが、それは何のためかというお尋ねでございますが、芸大では昭和四十五年から受験生に指導教員を記入させるということにいたしております。そのねらいといたしておりますところは、試験の公正確保という観点から、実技試験の席上におきまして指導を行っていた受験生の採点には、指導教員は加えないためのものでございまして、また指導教員を受験生が正しく申告してきたものであるかどうかについても、全教員にチェックをさせているということを報告を受けております。
○粕谷照美君 同じ学校内の生徒に個人レッスンを行うこと、そして謝礼をもらうということは、いけないことだと思ったからこそ、芸大の中で先生方がお話し合いをなさって、自粛ということをしようというふうになったんだと思いますが、文部省としてはそういうことをどう考えているかという質問なんです。お答えなかったようですが。
○説明員(鈴木勲君) 大学が自主的に大学の教官の研究あるいは教授のあり方について検討して、こういう申し合わせをされたということにつきましては、それをぜひ励行していただきたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 私はもう一つ不思議でならないのは、たとえば、小・中学校などでそのようなことを担任の教員がした場合には、PTAの人たちは黙っていないわけですね。大騒ぎをするわけですよ。そうして、校長のところに何かを言っていくわけです。この芸大に関しては、PTAも、生徒自体も何も不思議に思っていない。そこのところに非常に不思議な体質があるという感じを持たないわけにはまいりません。 また、宮地さんの御説明でありますが、なるほど言われればそうかなと思わないわけにはいかない部分もあります。しかし、本当にそういうふうになっているんだろうかという疑問が具体的に出てきているんですね。たとえば、私は飛行機によく乗りますと、わきにバイオリンを抱えたちょうど高校生のような人たちと隣り合わせすることがあります。こういう問題について話し合うと、そうだということを具体的に話ししてくれます。新幹線内でもあります。もう芸大を受けようとする受験生は、その試験を受ける担当教官のだれかに必ず入試前に、少なくとも一年以上前から個人レッスンを受けていなければ合格しないということで、ほとんどの人がこのレッスンを受けに通っているということは、周知の事実になっているんです。あなたの御説明のような形になれば、明朗な試験が行われるだろう、こう思ってつくったのかもしれないけれども、受験する側にしてみれば、それだけのことをしていなければ自分たちは入れないのじゃないかと思うからこそ、大変な無理をするわけです。飛行機で大体東京に来て、一時間二万円も三万円もするレッスンを受ける。月に一回、あるいは週に一回そういうことをやれる家庭というのは、きわめてきわめて少ないわけです。そういうごくごく少ない、金を持っている人たちのためにこの東京芸術大学があるのかと思いますと、何のために税金を納めているんだろうと思わないわけにはいかない国民も非常に多く出てきていると思いますので、この辺のところについては、十分な慎重な配慮というものをやっていただきたい、こういうふうに思います。 それで、次にいきますけれども、リベートの問題ですね、生徒に楽器をあっせんすると業者からリベートが来る、あるいは学校に納入した楽器についても業者からリベートがやっぱり来ているのではないか、この辺のことについて学校内での調査がありましたでしょうか。
○説明員(鈴木勲君) この件につきましても、学長並びに音楽部長が文部省に参りましたときに、そのような事実があるかないかということをお尋ねしたわけでございますが、学部長の方からは、一人一人の教官に対して、そのような事実の有無についてお尋ねをしたわけでございますけれども、自分が尋ねたところでは、教官のすべてにつきまして、そのような事実はないという回答を得ているというところでございます。しかし、この件につきましても、先ほど御報告をいたしましたように、大学の対策委員会におきまして、そういうふうな問題につきましてもさらに検討を続けていただいているというふうに聞いておりますので、その調査の検討の結果を待ちまして、私どもとしても適切な対応をいたしたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 私は教官の皆さんがそのような事実はないと言ったことを、正直に受け取るわけにはまいりません。もしこのことが起訴されて、具体的にそれらの事実が明らかになったときに、そのような事実はないと、こう報告をされた教官は一体どういう気持ちで生徒の前に授業をなさるのかということが人ごとながら心配でなりません。きのうの毎日新聞ですね、東京楽器小売商組合が、もうリベート商法をやめますと、こう言って自粛をするということが記事に載っておりました。売る方が事実やっていたから今度自粛をすると、こういうふうに言っているんですから、もらった人がいるんだということだけは、これはもう自明の理であります。しかし、売る方でそのような自粛宣言が出されましたけれども、大学の側はこれから対策委員会を開いてなんて、みずから自浄していこうという姿勢が全然ない。たとえば国鉄の車掌さん、チップをもらうことがあたりまえになっていた。それはおかしいではないかということで、組合の中で大討論が起きて、チップをもらうことをやめようというふうに、ずいぶん古い話ですけれどもなったということを聞いております。また最近どこの病院に行きましても、看護婦さんやお医者さんに対して、お礼をすることをやめてくださいという札があります。事実出しても受け取りません。そういう姿勢を清めていこうという姿勢があるときに、この芸大においては全然そのようなことがなかったと、いまなお言っていらっしゃる先生方がいるとしたならば、非常に残念なことであります。ぜひ、この点については、大学としての毅然たる姿勢を示すべきであろうかというふうに考えております。 それで、学長にお伺いをいたしますけれども、学部として開かれる対策委員会は、これからもずっと続くのだというふうに思いますが、一体どのようなことについて検討をしていこうとされるのか、特に急いで何を検討されていこうとするのか、いかがなものですか。
○説明員(山本正男君) ただいま粕谷先生の御指摘のような点につきましては、芸大としても十分に意を用いて、実態調査等に乗り出しておりますが、その活動の中心になっております対策委員会の任務は、先ほど来申し上げましたこの問題楽器ガタニーニの調査ということにとどまらず、さらに今後はこのような楽器購入方法についても、疑惑の生じない一段の改善方法を講じたい。また、リベート問題についても、当然取り上げておりまして、この問題に絡む疑惑というものを一掃する姿勢を固める覚悟でおります。さらにまた、兼業の問題、演奏活動の問題、それから個人レッスン等の問題につきましても、同じく対策委員会の検討対象となっております。 そのほか教育上の諸般の措置、たとえば学生に対する事態の説明や、全学一丸となっての自粛の姿勢と、そういったものについても、検討委員会を中心として適切な措置を鋭意検討中でございます。
○粕谷照美君 非常に厳しい道ではありますけれども、日本のバイオリニストの演奏技術というのは、非常に世界でも高い評価を得ておりまして、最高のレベルに達していると、こう言われているわけで、そういう活躍をしていらっしゃる方々を生み出すこの芸大の姿勢というものは、私は非常に大きな責任というものがあるんだというふうに思います。ぜひ、いま学長がおっしゃったような姿勢で、一日も早い結論を出されることを心から期待をするものでありますが、具体的に言いまして、学内でそういうことをやっていきますと、海野教授に限らず、非常に深い疑惑を持ったという教授のことなども出てくるのではないかと思うわけですね。対策委員会はそういう人たちのことも含めて、処分問題も含めて行うのか。学校の重要事項については教授会がこれに当たるというふうになっておりますけれども、ここのところで行われるのか、その辺はいかがなものでありましょうか。
○説明員(山本正男君) ただいまの処分問題につきましては、お話のとおり教授会の問題でございますが、対策委員会の諸般の検討というものは、当然従来の大学の姿勢全体にかかわってまいりますので、現在問題になっております海野教授などの処分問題、これもやはりいわば教授会の下部組織としての対策委員会から原案が出まして、これを教授会が十分検討し、さらにその結論が評議会に上ってきて、大学として評議会において最終的な判断を下すという順序になっております。
○粕谷照美君 私は、学生の集会にも積極的に出席をされ、誠実に事に当たろうとする学長の姿勢を信用している立場で、いままでいろいろとお話を伺いましたけれども、これからの、年内はまあ短うございますから、できるだけ受験生に大きな影響を与えないような形で事を処していただきたいということを心からお願いをいたします。 あわせまして、文部省、この問題についての早い解明というものについての御努力、いかがなものでございましょうか。
○説明員(鈴木勲君) いま山本学長が学内におきまして対策委員会を設けて鋭意検討しておられますと同時に、また学内におきましても学生に説明会を開くなど、非常に誠実な努力をされておりますので、文部省といたしましては、そのいまやっておられます、大学における自主的な努力の成果というものをできるだけ早くおまとめいただきまして、一日も早くこの問題につきまして大学が検討の結果を発表し、失われました大学の信頼を一日も早く回復していただくように、私どもとしてもできるだけの指導なり、連絡をとりながら、この対応に当たってまいりたいというふうに考えている次等でございます。
○粕谷照美君 芸大の問題については時間的な関係もありまして、これで終わります。 次に、近く行われます共通一次に関係して質問をいたします。 国立大学の共通一次試験は、五十三年から多額の国費を投入して実施をされてまいりました。四年目をいよいよ迎えるわけでありますが、過去三年間の評価、これは当初の目的に逆行しているのではないかと思われるものですから、私は、文部省としてはどのような評価をしているのか。それから、いままで実施して、どのような問題点があったというふうに考えているのか、お伺いをいたします。
○説明員(宮地貫一君) 共通第一次試験の評価と問題点をどう考えているかというお尋ねでございますが、共通第一次学力試験は、御案内のとおり衆知を集めた適切な試験問題によりまして、いわゆるそれまで言われておりました難問奇問というようなものを排除するというようなこと、そして志願者の高等学校における一般的、基礎的な学習の達成程度を客観的に評価すること、そしてまたさらに、各大学が行う第二次試験及び高等学校の調査書の内容を総合いたしまして、志望の大学学部の特色にふさわしい能力、適性を判定することが期されているわけでございまして、このような観点から選抜の適正を図りますとともに、高等学校における教育の正常な発展にも資そうという趣旨で、五十四年度入学者選抜から始められてきたわけでございます。 全体的には適切な問題が出題され、また、第二次試験につきましても、各大学の出題科目の減少でございますとか、あるいはそれらにかわりまして面接、小論文、実技検査を課するというようなことで、選抜に工夫が加えられてきておりまして、改革の方向を評価されていると私どもは受け取っております。 なお、他方、共通第一次試験の成績の自己採点をもとに、いわゆる大学の格差づけによる進路指導が行われることや、科目間の成績が均一できないことなどが問題点として指摘をされている点もございますが、私ども今後とも過去の経験を生かして、それらの改善には努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○粕谷照美君 問題はいろいろあろうと思いますが、大学入試センターでは、それらの問題を討議をしながら、よりよきものにしていくというのが私は任務であろうというふうに思います。 ところが、この入試センターが発表する全科目の総平均点並びに科目別平均点は、受験生にとっては志望校決定に何よりも大事な指標であるというふうに思いますが、このことに関して、最近月刊雑誌、あるいは新聞等にこの共通一次の平均点に人為的操作が行われた旨の疑惑が再三提起をされているわけであります。提起をされていらっしゃる方は、竹内順治さんという大学助教授でございますが、この疑惑の提起に対して、現場の先生方から、どうもおかしいおかしいと思ったけれども、本当にそう言われればそうだと、肯定をする投書があちこちに出ているんですね。それは毎日新聞だとか、あるいは読売新聞だとか、北国新聞だとか、いろいろな新聞に出されているわけであります。そうしますと、受験生の不安というものは、非常に大きくなってまいりましてね。このことを大学局は知っていらっしゃいますか、それからこのことについてどういうふうにお考えでございますか。
○説明員(宮地貫一君) 五十六年度の共通第一次学力試験の採点におきまして、大学入試センターが人為的な操作によって科目間の平均点を事後に調整したというような疑いが持たれていると、そしてまた、そういうことが一部の新聞や雑誌等に報道されているということにつきましては、私どももその事柄自体は承知をいたしております。しかしながら、もちろん大学入試センターでは、そのような事実は全くないということの報告を受けております。大学入試センターでは、同センターの委員会におきまして、試験問題作成と同時に、あらかじめ配点基準を設け、採点はその配点基準に基づき厳正に行われているところでございます。このことに関しましては、すでに同センターにおいて大学入試関係者の説明会、連絡協議会などを通じまして、説明を行ってきているところでございまして、今後とも機会があるたびに十分な説明を行い、社会的な不安、疑問を払拭していくようにいたしたいと、かように考えております。 そこで、このような主張が行われる根拠と申しますか、恐らくは予備校等が受験生の自己採点をもとに推測した数値が、大学入試センターの発表したものと異なるというところにあるかと思うんでございますが、このような食い違いが生じますのは、共通第一次試験が実施された後に正解と配点が公表されております。やや技術的なことになって恐縮でございますが、大問、小間と申しておりますが、大きい問題、問いごとの、そしてまたそれぞれの問いについての配点は公表されておりますが、さらにその小間の中の枝問と申しておりますが、さらに個別の枝分かれをしました問いについての配点は公表をいたさないことになっております。そして、いわゆる自己採点方式と申しますのは、共通第一次学力試験の成績、つまり自己の一般的、基礎的な学習の達成度を進路決定の際の一つの手がかりに役立たせようとするものでございまして、この試験の得点のみを重視して、合格可能な大学を選ばせるような進路指導や進路決定がなされることを決して期待しているわけではないわけでございます。したがって、いわゆる先ほど申しました枝分かれをしました枝間の配点を発表しないのも、こういう何と申しますか、得点主義と申しますか、点数重視の風潮を防ぎたいとする意味のものでございまして、受験生としては自己のおおよその成績並びに位置づけが推定できるというような観点から、先ほど申しましたような大問並びに小間についての配点は公表しているが、枝問については公表していないというわけでございます。もちろん大学入試センターにおきましては、全受験生の点数を先ほど申し上げましたような配点基準に従って採点をするわけでございまして、一部の受験雑誌等に推定をされております点数が、先ほど申しましたようなもちろん全数の受験生ではございませんし、さらに受験生の自己採点のところが先ほど特に申し上げました枝間のところについて差異が出てくるということでございまして、最初に御答弁申し上げましたように、そういうような不安のないように、私どもとしても十分この事実を説明をして、御理解をいただくようにさらに努力を続けてまいりたいと、かように考えております。
○粕谷照美君 そうすると、枝間が五つありますと、受験生は、普通、全体で十点といえば、一つが二点ずつで、三つできれば六点取れると、こういうふうに思っていると。しかし、それは、これが三点で、一点でというようなことがあるから、受験生の自己採点とそのセンター発表が違って、そこのところに疑惑が出てくると、こういうことをいま説明なさったんだというふうに思いますが、いまの局長の説明を聞きますと、何かそういうことを正しく指導し得ない高校の先生の指導が悪い。そうして、そういうことに一喜一憂する生徒が何か悪いんだというような感じに受け取れてなりません。 この北国新聞を見ましても、高等学校の先生が、具体的にどこどこ学校の何々教諭がというふうに書いてありますが、やっぱり受験生にとっては、一点の差が生徒の進路の指導に非常に大きな影響を与える、一点違っただけでうんとランクを下げるということを言っているわけです。これは受験生の心理としては私はもう当然の話だというふうに思いますけれども、そういうようなことが起きないように、この共通一次があるんだということが正しく理解されていないし、理解されるような共通一次になっていないというところが問題点なんだというふうに思うわけであります。 それで、入試改革に積極的に取り組んでほしいと国民から強い要望があるんで、これだけ努力してもまだ努力が足りないのか、入試センターにしてみればそういうお考えかもしれませんけれども、しかし、私はその努力をする義務があるというふうに思います。この入試の改革に向けて、今後とも努力をされるということなのかどうなのか。また、そのような疑問が出されていることに対して、具体的に説得をしていく、こういう態度があるのかどうかお伺いをします。
○説明員(宮地貫一君) 先ほど御答弁申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、もちろん国・公立大学の入試そのものが、大変社会的に大きな影響を持っているということは、その公正確保ということがきわめて重要であることは、私どもとしても十分そういうことを踏まえまして、御指摘のような入試の改善につきましても、大学入試センターにおきましても、もちろん改善を図っていくということは当然の責務でございます。今後ともそういう点については十分努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○佐藤三吾君 私は、本題に入る前に、ちょっと検査院にお聞きしたいと思うんですが、昨日いただきました五十五年度の決算報告、これを見ますと、不当事項が百八十件、六十七億三千八百万の金額がむだである。さらに前年度との対比を見ますと、件数で前年が百五十七件です。ただ、金額面は電電関係が昨年はございまして、それを除くと、実質金額、件数ともに上回る、こういう報告をいただきました。二百二件、二百九十一億三千万、これは八%ですからね、単純に類推すると約三千億の不当、不適切なむだが行われておる、こういう内容だと私思うんですが、いま鈴木内閣は行政改革に政治生命をかける、臨時国会でもあれだけ議論をしたわけですが、その額が約二千五百億、そのうち千九百億は三年間借りるというわけですから、実質は六百億ですね。これは私は大変な問題だと思うんです。国民の皆さんから見ますと、しかも中身は毎年この決算委員会で警告決議をされたり、審議をされる中で、指摘されている問題がまた同じように繰り返されてきておる、こういう内容になっていますね。こういったあり方について、検査院としてどういう所見を持たれておるのか、改善対策というのはできないのか、ここら辺の問題について、私はまず検査院の考えを聞いておきたいと思います。
○説明員(佐藤雅信君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のとおり、毎年似たような事態が出ておりまして、これについて政府の方で改善の処置をお考えになっておられると思いますが、必ずしもその実が上がっていないということについては、私どもかねてから非常に残念に思っておるわけでございます。ただ、不当事項以外の点につきましては、処置要求といったような形で、政府の方に改善の処置を要求しておるところでございまして、これについては改善されているものもございます。
○佐藤三吾君 私もさっき言ったように、改善措置をやられておるなら、同じようなことがこう毎年毎年各省にわたって出てくるということは私信じられないんです。なぜかというと、私も国会に出るまでは地方公務員で、そして検査院の検査の実態をよく知っておるんです。少なくともおたくから一カ月ぐらい前に通知が来ますと、その役所を挙げて、たとえば領収書をそろえたり、まあ言いかえればいかにして検査院をごまかすか、こういうことで全力を挙げておるわけです。それはあなたも知っておるとおりですね。そうやってもこの単純なミスというような事例が出てくるというのは、そうやってもなおかつ結果的にはもうどうしようもない形で発見されてくるんじゃないかと私は思うんです。そういうあり方が国民から見ると、何か検査院と官庁の中における癒着、なれ合いがあるんじゃないか、どうしようもないんじゃないか、そういう私は絶望感を感ずるんじゃないかと思う。そういう意味で、もっとやっぱりそこら辺をきちっとしないと、これは率直に言って国民の信頼というのが失われてくる、こういう私は危機意識を持つわけです。 そこで、たとえば公共事業の過大な積算見積もり、非常にこう見ると素人でも、何でこんなばかなことするんだろうと、こういう感じがしますね。たとえばもう機械化しておるところを労賃で計算しておるとかいうような、そういうことは常識で考えられない、こういう例がたくさん出てきておる。こういった問題を、私はやっぱりいま新聞で出ておる談合、癒着、そういうことと、これはそこに結びつけて考えるなという方に無理があるんじゃないかと、こういうふうに思うんですよ。そこら辺が、検査院が検査してみて、私一番よくわかるような感じがするんですが、この問題について、検査をした立場から見て、明らかにもうそれしか考えられないという点があるならあるで、率直に私はここで出してもらいたい、いかがですか。
○説明員(坂上剛之君) お答えいたします。 五十五年度の検査報告に、先ほど先生がおっしゃいました積算ミスというもので掲記いたしましたものは、不当事項で十一件、三億四千万何がしございます。 こういうものの態様を見てみますと、これは積算担当者の間違いということになるわけでございますが、その予定価格を積算いたします場合に、最後に決めるまでには審査体制というものが設けられておりまして、その審査の過程におけるチェックが十分でなかったんじゃないか、こういうふうに感ずる次第でございます。 それで、先ほどの先生の談合との結びつきでございますが、会計検査院は業者サイドを見るということはできませんので、そのよって来った積算ミスというものは、これは役所サイドにおいてこういうミスが行われたというふうに見ざるを得ないと、こういうことでございます。
○佐藤三吾君 いや、見ざるを得ないことはわかるんですがね、あなたたちがこうやってみて、つぶさに見るわけでしょうから、見て、率直に国民側の立場に立って、これは明らかに談合をやっておるな、癒着しておるなという事例があるんじゃないですか、手抜き工事も国鉄トンネルで出ましたね。こういった問題というのがあなたたちがこう見て、たたいてみて壊れて、それが工事の完工検査ですか、それを専門の技術者が見破れぬことはないでしょう、あなたたちが見破って、専門の技術者が見破れぬというのはどういうことなんですか。そういう点はやっぱり率直にこの場で出した方がいいんじゃないですか、どうですか。
○説明員(坂上剛之君) お答え申し上げます。 そういう施工不良の問題でございますが、これはやはり検査をする立場の者が、十分な検査をやってなかったということでございまして、これはやってみればすぐわかることでございますので、そういう点の検査が十分でなかったと、こういうふうに考えます。
○佐藤三吾君 私は、いまあなたがおっしゃったのは、それは正直な答弁だと思うんですがね。そこで、たとえばいまマスコミで騒がれておる談合の問題、この問題で約一割が、言うならばピンはねされておるということの実態が次々出ていますね。下水道事業団の工事などの場合には、もうすでに飛島の会長なり、鹿島建設の副社長を中心に談合をやっておるということがもう実証も出ておる。こういった事例がやられていって、公共事業が年間いま二十兆円ですからね、一割というと約二兆円、こういった膨大な額になる。これらの問題について、このまま見過ごしていったのでは、私は世論が許さない。本当にいま福祉、医療その他の全面にわたって行政改革のもろの攻撃を受けておる国民の側から見ると、そこら辺が見過ごされるということについては、私は怒りさえ覚えると思うんですよ。こういった問題について、これは臨時国会でもずいぶん議論になっておりますが、警察庁としてはどう対処しておるんですか。
○説明員(森広英一君) 一連の談合問題に関する報道につきましては強い関心を抱きまして、都道府県警察にも指示をいたしまして、報道なされたものも含めまして、この問題に関心を持って捜査を進めるように指示をしております。
○佐藤三吾君 たとえば文部省関係で、御承知のとおり、十一月二十日付の各新聞で取り上げておりますが、いわゆる文建会という、建設会社に天下っている人たちが中心になってつくっておる組織、この中でも、文部省内に配っておる要請書というんですか、この文書を見てみれば明らかでしょう。現役の皆さんの深い御理解がなければ私どもの発展はできません、何とぞ意のあるところを御賢察くださいまして、御指導、御支援をお願いしますというような文書を配っておるわけです。これに対する文部省の見解は何かといえば、そのことによって現職の者が迷わされることはないだろう、したがって、まあ一つの互助会みたいなものだから、この文建会についてあれこれ言う考えはない、こういう言い方になっていますね。しかし、それが、いま申し上げたように、検査院が指摘するように、明らかにそこら辺の癒着が感ぜられる完工検査の問題、談合の問題、こういったものと結びついておらないという、そういう保証は私はないと思うんですけれども、ここら辺の問題について、警察庁はどういう考え方をしておるんですか。
○説明員(森広英一君) 警察といたしましては、そういう公務員の再就職の問題、そのもの自体について見解を述べる立場にはございませんが、そこにもし犯罪を構成するような事実があるということであれば、厳正に対処をしてまいりたい、こういう方針でございます。
○佐藤三吾君 大臣、せっかくですから、この問題についてどういう考え方を持っていますか。同時にまた、何か教科書の方も天下りというのを消して、今度は再就職と、こういうふうに書きかえたようでありますが、これはこれと関連をしておるというふうに私はとるんですが、いかがですか。
○国務大臣(小川平二君) 従来から工事の発注につきましては、最も厳正な態度で臨んでおります。退職した者が就職した企業に対して、特別の対応をするということ、これはあってはならないことでございまするし、決してさようなことはいたしません。
○佐藤三吾君 いたしませんと言うが、今度の五十五年度の決算報告を見ますと、また文部省も出ていますね、不当事項が指摘されています。こういったことはやっぱりいたしませんと言いながらも、結果は出てきでおるわけですよ。私はもっとここら辺にメスを加える必要があるんじゃないかと思うんですが、どうですか、大臣。
○国務大臣(小川平二君) 今回会計検査院から不当事項として指摘を受けたということ、まことに遺憾でございます。今日までも執行の適正化のために努めてまいったわけでございますが、今回のかような指摘を受けましたので、一層自粛をいたしまして、執行の適正化、効率化のために努力をしてまいる決心でございます。
○佐藤三吾君 検査院の問題で文部省の関係はまた後ほどやらしていただきます。 中川科学技術庁長官がお見えですが、あなたはなかなか自民党のニューリーダーということで最近出た月刊誌を見ますと、「オレなら日本をこう変える」ということで、「防衛も憲法もごまかしてはダメ。いまこそ決断の時期だ」、こういうことで渡辺さんと対談をやっていますね。これは私は本当言うと聞きたいんだけれども、きょうは決算で時間がございませんから、一つだけお聞きしておきたいんですが、ところが、あの対談をずうっと読ましていただきましたが、この談合、癒着の問題、これは一つも出ていませんね、あれを読んでみますと。ちょこっと、国鉄の問題についてはおれは余り言うとまた問題が起こるから言わぬということが出ておったですね。しかし、いずれにしてもそのニューリーダーということで張り切っておられるわけだから、私は聞きたいんだが、こういうむだの問題、いろいろございますけれども、それから談合、そして手抜き工事、こういった不正不当の問題について、あなたは一体おれならこう変えるというその決意はどういうものか、それをちょっと聞いておきたいんです。
○国務大臣(中川一郎君) 談合、不正の問題について大変国民に迷惑をかけていることは遺憾なことでございます。ただ、この問題について私専門家でございませんで、建設省を担当したこともありませんし、どうしたらいいか、こう変えるということをいま持ち合わせておりませんで、国会議員の一人、国務大臣の一人として今後勉強してまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 まあきょうは決算委員会であれですから、この決算の問題総体については、また別の機会に議論するとして先へ進みます。 「むつ」問題で質問したいと思いますが、原子力船の「むつ」問題ですが、私も実はことしの四月の決算総括のときに、総理にこの問題を質問をしようと思ったんですが、なかなか時間がとれなくて、総理から詳しい話は聞いてないんですが、四十一年に基本計画をつくって以来もう十五年たったんですね、この問題は。そうして四十九年に放射線漏れということで大事故を起こした。そして、それ以来七年たってまだ佐世保に係留して修理をしておる、定係港もまだ決まらない、こういう情勢にございます。まあ大臣が長崎に行ってどうにか協定違反をわびながら、来年の八月三十一日まではそこで修理を終わるということになったようでありますが、しかし、その先が一体どうなるのか、それはまだ、まあ青森の大湊に断定、そうして関根浜に新しい母港をつくるんだと、こういうことも言われておるんですけれども、これは一体どういう実態にあるのか、そこ辺の問題は。衝に当たった大臣からお聞きしておきたいと思うんですが。
○国務大臣(中川一郎君) 御指摘になりましたように、佐世保での修理期間がことしの十月十五日までということになっておりましたが、着工がおくれました関係上修理が期間内に間に合わない。そこでお願いをして、来年の八月いっぱいまでで修理が終えますので、ぜひ延長をお願いしたい。円満にこれは話し合いがついておるわけでございます。 定係港につきましては、むつ市あるいは湾内の漁民の皆さんにぜひ再び定係港としてお願いをしたいと申し入れをいたしましたところ、漁民の皆さんも理解をしていただきまして、「むつ」開発については協力しよう、ただし湾内は非常にホタテ漁業があるので、風評その他で生活が困るような場合もある、湾内でなければ、外海ならば結構だということで、関根浜に新母港をつくることについて了解をいただいておるところでございます。ただし、それには四、五年かかりますから、それまでの間は湾内に、大湊の前の岸壁につながしてあげる、これも約束のできておるところでございます。そこで、現在関根浜の港について設計をすべく調査をいたしております。この調査の結果を踏まえて、そして協定の中に関根浜の着工の見通しを得た段階で大湊に船が入れると、こういうことになっておりますので、見通しを立てる作業をいたしておるところでございます。 ただ、市長さんがおかわりになった。当時の五者共同声明の一人がかわっておりますので、選挙の際、「むつ」について反対ではないけれども慎重であると、こういうお考えのようでございまして、現在知事さんを通じて、すでに決まっております五者共同声明に従って、ぜひ新定係港は関根浜に、それまでの間は大湊につながしていただく、こういう路線で進めることになっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 いまちょっと大臣お話ございましたが、新母港である関根浜についての調査をすでに始めておる、四、五年かかる、四、五年の日程でやっておる、こういう言い方をしておったんですが、これは調査がほぼ二年で工期が三年と、こういうふうな内容なんですか。そこはどうなっていますか。
○説明員(石渡鷹雄君) 調査につきましては、気象条件等通年調査を行う必要がございますので、一年以上かかるということでございます。ただ、適地の問題につきましては、今年度末までには技術的に港湾建設の適否が判断できるだけのデータがそろうということでございまして、その適地の確認をいたしました上で、今度は港湾の姿を描きまして、建設のための調査ということに入りまして、その最終的な設計の上で建設に取りかかるということでございます。したがいまして、調査につきましては一年半前後ということ、それ以降の建設の期間につきましては、その調査の結果を見まして判断するということでございます。
○佐藤三吾君 青森の大湊、佐世保と、一体この原子力船の問題で、地元対策を含めてどの程度の経費を今日まで使っておるわけですか。
○説明員(石渡鷹雄君) 経費につきましては、すべてを含めまして、今年度——五十六年度の予算ベースの数字を加えますと、約四百億円でございます。
○佐藤三吾君 新港建設というのはどのくらいかかるのですか。
○説明員(石渡鷹雄君) 新定係港の建設につきましては、港湾の部分と、それから陸上付帯施設の部分があるかと存じます。自然条件等によりまして、大きくこの工費が変わってくるかと考えておりまして、現在のところ、その調査の結果を待って算定をいたしたいという段取りを考えているわけでございます。
○佐藤三吾君 それで、いまあなた調査が一年半前後と、こういうことを言っておりましたね。大臣は、菊池さんは五者声明を基礎に慎重に検討すると、こういうことでいま対処しておるということもお話ございましたが、この五者声明の中で菊池さんはこう言っていますね。新母港の建設の見通しを確認の上、大湊港に入港していただくと、これが菊池さんの態度になっていますね。この新母港の建設の見通しを確認というこの確認の中には、いわゆる環境問題であるとか、それから自然現象の問題であるとか、そういったものの調査が含まれると、こう言っておるわけです。ですから、要約しますと、いま局長が答弁しました一年半前後かかる、その調査を見届けないと、いわゆるこの五者共同声明に言うところの一つの条件が確保されない、したがって、確認されないのに、佐世保から大湊港に入れるわけにはいかないと、こう言っているわけです、そうしますと、佐世保は大臣がせっかく行って、来年の八月三十一日と約束された。ここに一年間ぐらい空白ができますね。この間はどこに持っていくんですか。
○説明員(石渡鷹雄君) 先生ただいま御指摘の新定係港の建設の見通しを具体的にどのようにして確認するのかという問題につきましては、五者共同声明の第二項で「新定係港の建設の見通しを確認のうえ、大湊港の定係港に入港し、」と書いてございますように、どのように確認するかということについて、五者間で今後相談していこうという大きな一つの問題でございます。まず基本的には新定係港の見通しの確認の基本は、関根浜地区が適地であるということが確認される必要があるわけでございます。このための調査を現在事業団が鋭意行っているというところでございまして、この適地の確認を基礎といたしまして、地元の方々と十分御相談いたしたい、こういうことでございます。
○佐藤三吾君 だから私が言っておるのは、菊池さんはその確認は、いわゆる環境とか、自然現象とか、適地がどうか、そういったものを調査しておるわけですから、これがいまあなたがおっしゃったように一年半前後、こういう前提でそれらが明らかにされるわけだから、その上で五者声明による確認をしたいと、こう言っているわけです。そうしますと、どう考えてみても、菊池さんの考え方からいくと、それができなければ大湊港に入れないと、こう言っているわけですから、そうなれば一年間空白が出てくるわけです。それは一体これは大臣どういうことなのか、あなたは衝に当たったんだろうけれどもね。どうもわからない。
○国務大臣(中川一郎君) なぜこの「新定係港の建設の見通しを確認のうえ」という言葉が入ったかというと、実は関根浜につくるつくると言って、つくる意思がなくて、大湊に居座るんではないかと、正直言って、中川大臣がやっていてくれれば信用するけれども、大臣かわってだまされたら困るから、本当にやるんだということがわかった段階ということを入れておいてもらわなければならないというところから入った文章でございまして、政府に本当に建設の見通しがあるんだということがわかれば、少なくとも漁民の皆さんからは問題が出ないといういきさつになっているわけです。これを、関根浜につくるつくると言って、不誠意なことをやって大湊に居座るというようなことがあってはいけませんので、われわれとしては誠意を持って関根浜につくる。そして確認は、概略設計その他、用地買収にかかるとかいう、本当にやるという意思さえ示せば、一番反対の強かった漁民の皆さんの納得をいただいておるわけでございます。 新市長さんになっていろいろおっしゃっているようですが、この点もこれから知事さんを中に入れ、新聞その他ではいろいろなことを聞いておりますけれども、これから誠意を持って来年の八月までには着工の確認をしていただいて、そして八月までには佐世保から出られるように進めたい、誠意を持って話し合いたいと考えております。菊池さんには菊池さんの考えもあるようですが、まだ正式に聞いておりませんで、その辺は今後詰めるところでございます。
○佐藤三吾君 私は、こういうことはどうして起こるかと言えば、中川長官に直接関係があるわけじゃないけれども、大湊の四者協定にしても、それから佐世保にしても、ずっと協定を破ってきた。しかもそれが、政府が破ってきたという不信もあるでしょう、あなたがおっしゃるように。しかし、あなたが共同声明を出したときの市長は、そうだったかもしれませんよ、今度の場合、この字句の解釈が。しかし菊池さんは、逆に言うと、それがけしからぬということで市長に立候補して、支持されて当選したわけです。そういう経緯から見ると、私はまた一年間の空白をどうするのかというのが当面政治課題になってくるような感じがしてならぬのですけれども、それは間違いなく実現できますか。いま何か、きょうの新聞を見ると、高知の宿もの方から誘致が来ておるというようなことで、そっちの方にまた途中で変更するとか、そういうことになるんじゃないんですか、どうですか。
○国務大臣(中川一郎君) 私どもとしては、まだ新しい菊池市長の正式な考え方を聞いておらないわけです。私どもとしては、ぜひ市長さんにも御理解をいただいて、約束どおり八月には佐世保を出て、そして大湊に仮停泊できるように、今後の話し合いの課題でございまして、できるんですか、できないんですかといっても、やっぱり相手のあることでございますから、できるような最善の誠意を持って努力をしたいと、現段階では以上の以外言いようのないところでございます。
○佐藤三吾君 私は、もうこれが大湊に仮に決まったとしても、母港が決まったとしても、大変な金がかかる問題。そして、これほど各地できらわれておる実態もないわけです。また、それが今度は新母港ができたからといって、果たして原子力船が有効に運航できるという保証もない。もうそういうことで長官、煩わすんじゃなくて、アメリカの何というのですか、サバンナ号ですか、西ドイツのオット・ハーン号もそうでありますが、これももう廃船が事実上決まりましたね。この辺でひとつこんなむだをなくするという決断をしたらどうですか。おれならこう変えるというのだから、そこら辺をあなたもう決断する時期に来ておるんじゃないかと思うんだけれども、どうですか。
○国務大臣(中川一郎君) 私は今日のエネルギー事情を考えたときに、この原子力の平和利用というのはもっと前向きで考えるべきであると、こう思っているんです。というのは、値段の面で世界経済がこんなに混乱しているだけじゃなくて、もういずれ油というものはなくなるわけですから、二十年先、三十年先には代替エネルギーにかえていかなきゃいかぬ。これだけはもう否定できない事実でございます。それに対応していく策をいまのうちから、いろいろ御批判もあり反対もありましょうけれども、やはり国家の将来、運命を考える者としては、厳しくともこの問題は解決していかなきゃならぬ。 サバンナ号は確かに休んでおりますけれども、これは原子力の燃料炉の開発が終わって、経済性の問題から現在休んでいるんであって、科学技術立国を目指す日本が、舶用炉について技術を持たない、いよいよのときにさあどうするか、この点について国民に責任を持てないようなことは断じてできない。やはり将来を考えて、舶用炉についての研究だけはしっかりして、そういった時代に対応しておくことこそ、国民に対する責任だと思っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 ところが、あなたのその補佐役である政務次官殿、きょう私ここに出てもらいたかったのですが、出てない。どうしてもこらえてくれということであれしましたが、あなたは十二日に大分に来て記者会見やって、まあ言うならば舌足らずだったから、他意はないと、こういう言い方をしていますよ。ところが、私はあのときにテレビでちょうど見る機会を持ちましたが、本人はあれ舌足らずじゃありませんよ、正直に言っていましたよ、率直に言って。そして、いまでも本人そういう気持ちじゃないですか。だから、原子力船について放射線が、これは実験船だから事故があるのが当然であって、事故がないのがおかしいと、こう言っているわけです。したがって、あの人はまたなかなか率直なところなんですよ。原子力というと原爆を想起するから、名前を変えた方がいいと、原発についても。そういう政務次官のおる科学技術庁ですからね。さらに私は国民の不信が深まってくるのは無理もないと思うんですよ。これは、私はもしあなたが、いま言ったように毅然たる態度でやるというなら、まずそこから処分しなさいよ、きちっと。そうして、そういう態度を国民に示しなさいよ。私はいろいろ言いたい点がございますが、時間がございませんけれども、その点の決意だけ聞いて、きょうの午前の部を終わりたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 私は残念ながらそのテレビ聞いておりませんけれども、聞いた先生がおっしゃるのですから、けしからぬと言われることを否定はいたしません。ただ、後で政務次官にも聞いてみましたところ、実験船だから故障があって、安全性について考えなくてもいいんだと、こういう前提ではないと、もちろん安全性について考えなければならない、当然のことではあると。その証拠にあの事故以来ダブルチェックをやらなきゃいかぬという、頭の中ですよ、表現は別として、それはあるんですが、ただ実験船が故障を起こしただけで、だからだめだだめだだめだというのでも、これはちょっと困るんじゃないかという、表現が少し舌足らずであったということであって、決して新しい政務次官も国民を無視して、国民に危害を与えて、何でもかんでも実験船だからいいんだというような、参議院に立候補されて、皆さんとも仲間で、常識のある人ですから、そんな気持ちはなかったんではないかと私は思っておりますし、その後聞いてみましても、そのようなことでございますので、今後国民に疑問を与えるような発言は慎しむように、本人も言っておりますし、私からも申しておるところでございまして、どうかひとつ他意のないことを、舌足らずであったことを御理解いただきたいと思います。
○委員長(和田静夫君) 佐藤君の質疑の途中ですが、午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(和田静夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、佐藤君の質疑を行います。
○佐藤三吾君 中川長官ね、あなたの質問については、私午前中で終わる予定にしておったんですが、林さんがきょう午前中だけこらえてくれいうことなんで、午後の段階は林さんに来てもらうつもりでおったんですが、何か私の質問時間と奇妙に合って、二時五分まではだめだと、こういうことなんです。しかし、私はやっぱり国会の場だから、わざわざ本人がテレビに出てまで国民の皆さんに言うぐらいなんだから、そこら辺の所信はやっぱり国会に出て、きちっと所信があるんなら言ってもらう、そういうことは私は当然じゃないかと思うんですよ。そうせなきゃ私は政務次官なんて意味がない。ちまたでいろいろ言われていますよ。政務次官というのはもう盲腸だと、この際行政改革の第一番に挙げるべきじゃないか、こういう意見だってあるわけですから、そこら辺について、大臣の、科学技術庁はそういう姿勢なのかどうか知りませんが、大臣の姿勢をまず聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(中川一郎君) 国会は最も重要なところでございますから、政府委員たる者は努めて出なければならないことは当然のことだと存じます。林政務次官は現在APPUの会議に出ておりまして、御承知のように廃棄物の海洋投棄については、非常に大事な関係国の方々が集まっておりまして、ぜひ私も出たいところではあるが、経済閣僚会議等々があるのでということで行ってもらっておりまして、軽視をして、あるいは先生の時間だけ避けて、こういう点ではありませんので、ひとつ御了承をいただきたいと思います。
○佐藤三吾君 ぼくも悪意に解釈するのじゃなくて、善意に解釈しても、余りにも二時五分というのは合うじゃないですか、二時五分までかかりますというのは、国際会議がもしらぬけれども。もうこれ以上言いませんが、もっときちっとしていただきたいと思う。 そこで大臣、私はついでですから言いますが、あなた大分に来て記者会見やっていろいろ申しましたね。林さんの問題についても発言がございましたが、しかし、いま問題の焦点になっておる、たとえば青森であるとか、長崎・佐世保の関係者の皆さんのあの発言に対する何というんですか、それぞれ怒りの言葉というか、そんなのを新聞に発表していますね。これをあなた軽視をしちゃいかぬと思うんですよ。青森の「むつ」問題の漁振の会長ですか、あの会長の発言など、聞き逃しのできない怒りを発表してますね。「程度の低いものを、国の要職につけるなんて、国費のむだづかいとしか思えない」と、こう言っているわけです。三国さんですか、そのくらい激しい怒りを出しておるということは一体何か。そこ辺私はやっぱり大臣として真剣に受けとめなきゃいかぬと思うんです。あなたは、さっき申し上げた、これからの日本におれならこうするという中で、派閥均衡人事を非常にやかましく言ってますね。あるべき姿じゃないということで言っておる。その派閥をなくすためにおれは派閥をつくったのだということも言っておる。まさに私はやっぱり今度の改造人事の中にこれが当てはまって、それを象徴的にあらわしたのがこの発言だと私は思っておるんです。なぜなら、本人が政務次官になって、あいさつ回りのときにどういうあいさつしています。一番科学に弱い私がどうして科学に行ったんでしょう、こう言っておる。こういうことを考えてみますと、私はやっぱり、あなたはさっきの発言でも思いやりのある発言をしておるようですけれども、これは思いやりじゃない。本当の思いやりというのは、やっぱりあなたがこの雑誌の中で発言しているように、不適な人間をすべきじゃない、派閥でもってすべきじゃない、そのことをまずあなたがこの際に実行する、こういう態度があってほしいと思いますので、その点はもうあなたにこれ以上言いませんけれども、ひとつ厳にこの問題について対処してほしい。御所見があればいただきたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 科学に弱い私がなぜという言葉はまあ謙遜の意味だと思うんであって、御承知のように科学技術特別委員会の理事としても御経験のある人でありまして、参議院から選ばれた政務次官の中では、やはり科学技術に一番勉強している方であって、本人は謙遜されても適材適所であって、派閥その他で選ばれた人事だとは私は思っていないんです。ただ、今回の発言は確かに言葉足らず、誤解を与える点もありましたから、早速記者会見もして、真意はそうでありませんと、こうも公的に釈明をいたしておりますし、大臣であります私がこうして責任を持って真意はこうであるということでありますので、不適当な人が科学技術庁に来たとは思っておりませんし、至らざる点はわれわれ含めて大いに反省をし、先生のおしかりも当然でありますし、また現地の声も十分耳を傾けていかなければなりませんので、どうかひとつ政務次官としてこれから大いに働いてもらわなきゃならない面も多いわけでございまして、原子力のみならず、多くの課題を持っているときでありますから、反省をしながら、ともどもに任務を遂行して、国民の期待にこたえたいと思いますので、ひとつおしかりの点は十分反省をし、本人にもしかと申し伝えておきたいと思います。
○佐藤三吾君 そこで、次に文部省に質問をしますが、大臣、あなたが大臣になっていろいろ所信を出しておりますが、私は午前中でも申し上げましたように、文部省の一番風当たりの強いときに大臣になった、こういうような感じがしてならぬのです。あなたも記者会見の中で言っていますように、一番の大変な時期に来ちゃった、こういう発言をしておりますが、これはそれだけ鈴木さんの信頼が厚いわけだと私は思うんですがね。先ほど粕谷委員の質問に対して幾つか所信ございましたが、鈴木さんは行政改革に政治生命をかけると、そして、その行政改革の最も、何というんですか、風当たりというか、焦点になっておる中に、福祉関係もございますよ、しかし文教に焦点がかなり来ていますね。そういうところに座っておるわけで、一体どういうそれに大臣として対処するのか、これは私はやっぱり国民の皆さんから見ると、非常に不安を持ちながら注目しておると思うんですよ。 そこで、一、二聞かしていただきますが、先ほどの教科書の無償の問題なり、それから四十人学級の問題なり、それはさっき聞かしていただきました、教科書に対する自民党さんの方でかなり修正せよという強い意見等も、風当たりもあるようですね。それからさらに、何というんですか、さっきから出ております談合を含めた不正の問題等もあるようですが、こういった問題についてあなたはどう対処しようとするのか。 それから、恐らく私は、五十七年度ゼロシーリングの結果、二十一日に発表されるわけですが、それに伴って、教育関係の予算にもかなり制約は出るんじゃないかと思うんですが、たとえば、昨年一番問題になりました学校建設が大幅に落とされましたが、こういった問題について今後一体どう対処しようとするのか、そこだけひとつ聞かしてくれませんか。
○国務大臣(小川平二君) 行財政の根本的改革ということは、申すまでもなく、政治が直面をいたしております最大の課題だと信じております。この機会にこれを勇気をふるって実行するということが、今後国を健やかに伸ばしていく上においてどうしても必要だと信じておるわけでございます。 そこで、明年度の予算編成が非常に困難な作業になるに違いないということは先ほども申し上げたとおりでございますが、教育のことは、世の中がどうなろうとも、常に国の政策の基本でなければならないと信じておりまするから、あらゆる困難を排除して、文教政策が大幅に後戻りするというような事態を来しませんために、全力を傾注する決心でおります。 それから、談合についてのお尋ねがございましたが、これは建設業界内部の問題でございますけれども、この点につきましては、先ごろ、建設大臣が関係七団体について厳しい指導をいたしたようでございます。今後、業界が適切な対応をすることを期待いたしておるわけでございます。 文部省の関係におきましても、鈴鹿高専に関連をして談合が行われたという新聞報道がございますので、ただいま鋭意事実の調査を急いでおるような次第でございます。 御質問に対してなお答弁申し上げる点が欠けておるかと存じますが、御指摘をいただきますれば、さらにお答えを申し上げます。
○佐藤三吾君 それで、あなたの予算に対する決意はわかりましたが、せっかく予算を確保してみても、先ほどの検査院の報告ではございませんが、たとえば私学助成ですね、この私学助成の問題で、北里大学ですか、それから例示が二、三挙がっておりますが、これはもうすでにマスコミ等でも取り上げられて明らかになったように、隠し預金をしておる。それにもかかわらず国から二十億の補助が出る。こういったことがこの財政危機もしくは行政改革の中に行われていいものだろうか、こういった問題について私は疑問を持つんですが、これは検査院に聞きますと、私学補助についての振興財団の中の検査はわずかに二〇%しかやってないと言う、検査院はそうなんですが、恐らく文部省はああいう事件が起こったときには、それに類するものがあるんじゃないかということで、私は文部省独自で調査したと思うんですね、監督官庁として。それらの結果は一切表に出てきてないんですね。そうしてその上に、私はこの調査の結果に基づいて補助金が決定されたと思うんですが、そこら辺の経緯はどうなっておるんですか。そして同時に、残された補助対象の大学には、そこら辺はどうなっているんですか。
○国務大臣(小川平二君) 御指摘をいただきました北里大学の問題は、補助事業の主体である学校法人が事務処理にはなはだ適正を欠いておった結果でございます。これにつきましては鋭意返還等の手続を進めているところでございまして、補助事業につきましては、これからも適正な執行が行われるように努力をしてまいるつもりでございます。 御質問の後段の点につきましては、事務当局から答弁を申し上げさせます。
○説明員(柳川覺治君) 学校法人北里学園が、昭和五十四年、五十五年度の医学部入学生に係る寄付金の一部につきまして、学校法人の会計基準によります正規の経理処理をしていなかったということが報道されまして、また会計検査院の検査の結果におきましても、この辺の御指摘を受けたわけでございます。このため文部省といたしましては、五十三年度以降の補助金につきまして、減額するとともに、すでに支出いたしました補助金につきまして、それぞれ返還の措置を講じて対処してきたと、いうところでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、この二十億八千八百八万円を減額し返還させているというのが、この事例に出ておる北里、明治、文化学園、これを指すのか。その後段に、五十五年度にかかわる補助金予定額三十九億一千七百四万の中から不当と認めた補助金の額十二億八千三百七十万を減額して交付したと、これはどこどこの学校を指しておるのですか。
○説明員(堤一清君) この二十億八千八百八万円と申しますのは、北里大学に対しまする五十三年度と五十四年度分でございます。それ以外に、五十五年度の補助金の交付予定額三十九億から、十二億八千三百七十八万を減額したと、これは五十五年度の補助金に関することでございます。
○佐藤三吾君 文部省、どこどこの学校ですか。
○説明員(柳川覺治君) 会計検査院から御指摘を受けましたのは、いまの北里学園と、それから明治学院大学を設置いたしております学校法人明治学院、それに文化女子大学短期大学部を設置しております文化学園でございまして、この明治学院と文化学園につきましては、補助金の配分となります基礎の基礎資料につきまして、記入の誤りがあったという、それに伴います返還でございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、何ですか、検査院が指摘したのはこの三つの大学ですね。調査をした二〇%というのはこの三つのことですか。
○説明員(堤一清君) 調査したのは、ちょっと正確な数字いまここに手元に持っておりませんが、百十法人程度検査しておると思います。そのうち指摘しましたのが三法人ということでございます。
○佐藤三吾君 そこで文部省ね、検査院は調査をした結果三つを指摘したと。そうすると、この三つの事例は、ほかの大学にもあると当然これは想像しなきゃならぬですね、あるかどうか調べなきゃいかぬですね、補助金を出す以上は。恐らく私は、そういう意味で、文部省としてもこの問題について監督官庁という立場から調査したと思うんですけれども、してないんですか、しているんですか。したとすればどこどこやったんですか。
○説明員(柳川覺治君) 私学助成につきましては、日本私学振興財団が直接その業務を行っております。したがいまして、不当事項として御指摘を受けた内容につきましては、広く学校法人に周知徹底をいたしまして、業務説明会あるいは各種研修会等で、学校法人の事務担当者に対しまして、経理事務の適正な処理、あるいは補助金配分基礎資料の作成をより適正に行うよう指導しておるところでございます。当然に、補助金の執行でございますから、私学振興財団としてはその補助金にかかる事務処理の適正化につきましての独自の調査をしておりまして、その上でしかるべき指導をしてまいっておるというところでございます。 今後とも、さらにこの面につきまして、学校法人に対する指導を強化するという方向で臨みたいと思っております。また、それぞれの学校法人が、厳正な態度でこの補助金の執行に当たるよう期待してまいりたいと思っております。
○佐藤三吾君 いや、私が聞いておるのは、検査院がやったのは、私学振興財団の補助対象の大学のうち二〇%しかやっていないというわけだ。その結果、三つを不当事項として指摘した。こういうことですよ、そうでしょう。そうしてあれだけの問題が出されてきたわけだ、三つの事例が。ところが、この三つの事例を見ると、各大学の中にもこれに値するものがあるんじゃないか、こう当然疑いを持ちますね。そうすれば、監督官庁である文部省としては、そこら辺の問題について当然調査をするとか、事情聴取をするとか、これはあってしかるべきじゃないかと思うんですよ。そうしなきゃ、また次の補助金の対象になるわけですからね。そこら辺の問題についてやったのか、やらぬのか、そこを聞いておるわけです。やらないのはどういう理由が、やったならどこどこをやったのか、そこを言ってください。
○説明員(柳川覺治君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、私学振興財団としての各学校法人に対する補助金の執行にかかる調査は行っておるわけでございまして、その面で、特にそれによって返還を命じたというような形のものはないかと存じますが、いま手元にその資料を持っておりませんが、適正を欠くとみなされるものにつきましては、それなりの指導をしてまいってきておるということでございます。 なお、経理の適正を欠く、あるいは学校運営に重大な欠陥があるという法人につきましては、それなりに減額措置等の、あるいは補助金の交付を停止するということの措置はとってきておるわけでございます。
○佐藤三吾君 やったけれども、いまここに資料を持っていない、そういうことですね。ひとつぜひやった結果をおたくは出してください、資料を。 これは大臣、検査院というのは全般に八%しかやっていないわけです。検査対象は。たとえば私学振興財団というのは、これは文部省所管になっていますね。そういうところについては、さっき聞きますと、いわゆる事務監査というのか指導監査、名前はどう言うか知りませんよ。いずれにしてもそういうのを常時やっておるはずですよ、やっていなきゃ監督官庁の意味がないわけですから。やった結果が検査院から摘発された、不当事項として指摘された。こういうことが出ておるわけですからね、私はやっぱり類するような大学は、私はここで名前を挙げませんけれども、聞いておりますよ。そういったものを直ちに所管省としてやっぱり調査をして、そうして会計検査の手の届かないところは、文部省の責任でもってきちっと締めていくというのが、これは私はいまの厳しい財政事情の中では当然やらなきゃならぬことだと思うのですが、そこら辺の問題についてひとつ大臣の見解をお聞かせ願って、万全を期してほしいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(小川平二君) きわめてごもっともな御指摘に接したのでございますが、第一次的には、私学振興財団の仕事でございますので、私学振興財団に御指摘の趣旨を伝えまして、励行を期してまいります。
○佐藤三吾君 そのとおり、第一次的には私学振興財団だけれども、しかしそこにいま言うように、こういう問題が事実として摘発されているわけですからね、当然監督官庁として文部省が指導に乗り出さなければならない。これは大切なことだと思うので、その点ひとつ、大臣の見解はもう要りませんけれども、私から強く要請しておきたいと思います。 そこで、時間ございませんから、最後になりますが、昨年十二月に私はこの委員会で給食現場の労働安全衛生について取り上げて、田中大臣もびっくりなさって、直ちに調査しましょうということで、調査にいま入っていただいておるわけです。非常に現場ではその結果を期待をしておるんですけれども、これは一体いつごろ集約して、そしてその集約結果に基づいてどういう措置がやられるのか、五十七年度予算との関連はどうなっておるのか、大変各地で心配の問い合わせがあるんですが、その経過と今後の対処の方針についてお聞きしたいと思います。
○説明員(高石邦男君) 御指摘の調査につきましては、昭和五十六年十月二十六日付で各都道府県の教育長あてに調査を依頼しているわけでございます。十二月の十日までに報告をいただくようにお願いをしてきたところでございますが、現在のところ集まっている県が約三十県であります。したがいまして、まだ未報告の県が残っておりますので、現在できるだけ早く出していただくよう督促を重ねているところであります。 その結果、全体の集計票が集まりますと、そのデータをもとにして集計分析の作業に入るわけでございます。いまの見通しては、三月から四月にかけてその大体の内容についての調査分析結果をまとめたいと思っております。したがいまして、その結果の内容によって、今後どういう点について改善、指導すべきかということを検討してまいりたいと思っております。
○佐藤三吾君 これは大臣は初めてだろうと思いますから、この際ひとつ申し上げておきたいと思うんですが、全国の学校現場には、御存じのとおりに小学校、中学校、給食がございますね。そこに給食センターというのがございます。これは労働安全衛生法、基準法から見ても当然適用職場ですから、安全対策委員会が設置されて、労働安全が保障されていくというのが法のたとまえになっていますね。そこら辺がもしやられてないと、たとえば北炭じゃございませんけれども、大事故になる。給食現場というのは、熱湯を扱ったり、下がもうしょっちゅう、言うなら湿気の多いところですからね。夏は暑くて冬は寒いところですし、大きな五右衛門ぶろみたいなかまを扱っているし、なべはこんな大きな状態ですから、いろんな公務災害が発生して、いま一番顕著に出ておるのが腰痛症、頸肩腕症、それから皮膚障害ですね、やけどその他も含めて。こういったのが出ておるんですが、それでは学校のそういった労働安全の安全委員会とか衛生委員会というものがあるかというと、大多数のところでないという実態ですから、労働安全というのがもうまさに放置されておる現状だと、こういう点を私も先般の国会のときには数字を挙げて大臣に指摘をしたんですがね、これは後で事務当局から聞いていただければ幸いだと思いますが、そういう職業病にかかわる問題ですから、したがって、悠長な対応はできないと思うんです。せっかく調査に入って、集計がいまの日程で出てくるわけですから、少なくともこの出てきた結果については、予算的にはいろいろな配慮はありましょうけれども、私はやっぱり蛮勇をふるって、人命にかかわる問題でもありますから、直ちにひとつ決意を持って措置するという、そういう態度でなきゃいけないと思うんですよ。ところが、戦後にこの給食が始まって、定数が定められたのが昭和三十五年ですね。それから一遍も調査もやられてないわけです。したがって、定数の適正配置も一遍もやられてない、それ以後。こういう実態ですから、ここら辺はひとつよほど決意を持ってやっていただかなければ、私は、いま言ったように職業病であり、人命にかかわることですから、大変なことになるという気がしてならぬものですから、大臣の決意をお聞きして、そして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) ただいま給食調理員の業務の実態、あるいは置かれている環境等についてお教えをいただいたわけでございますが、きわめて大切な問題でございますから、私も今後鋭意引き続いて勉強してまいる所存でございます。実は明日、給食の現場を視察いたす予定にもなっておるわけでございます。調査の進捗状況、今後の見通しにつきましては、先ほどお耳に入れたとおりでございますが、調査票が集まりました段階で、これを分析いたしまして、労働省とも連携をとりつつ、労働安全衛生の適正化を図ってまいるつもりでございます。 どうぞよろしく今後も御鞭撻をいただきとうございます。
○鶴岡洋君 初めに科学技術庁長官にお伺いしますけれども、長官は留任が決まり、今後一層科学技術振興のために手腕を発揮される長官であると私は思っております。とりあえず、わが国の当面取り組まなければならない科学技術は何なのか、それと明年度予算で長官が力点を置く点はどういう点なのか、この所信をお伺いいたします。
○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、資源のない日本がこれだけ経済的に、国際的に強くなったのは、科学技術を駆使したからだと高く評価されております。さらに未来に向かって考えたときに、いよいよエネルギー資源を初め、資源有限時代であると、こういうときにこそ、まさに科学技術によってこれから暮らしを守り、経済の繁栄を図っていかなければならない、こういうことに着目をいたしまして、科学技術立国元年として、昭和五十六年度予算においては、予算の総枠において、厳しい財政事情のもとではありましたが、九%を上回る予算づけをしてまいりましたし、また基礎研究が必要である、あるいはまた官学民の連携が必要であるというところから、流動研究システムによる創造科学の推進と、もう一つは、科学技術会議が総合調整を行う必要があるというので、科学技術振興調整費というものを創設いたしました。また、原子力を初めとするエネルギーの開発研究の推進、さらにまた、宇宙、海洋、航空、ライフサイエンスなどの、そういった先導的、基盤的技術開発についても推進をしたい。もう一つは、防災科学技術の推進もやっていきたい。順序は最後になりましたが、国民の皆さんに、科学技術の理解をいただくということが大事であるというところから、昭和六十年開催をめどに、国際科学技術博覧会を開催することにいたしておりまして、いよいよ国際的な手続も終わりまして、開催にまっしぐらに突入をしたい。来年度はいま言ったようなことすべてについて、レールはできましたが、科学技術立国二年目の予算として、いま言ったようなことを強力に推進していきたい。財政事情厳しいときで、私も非常に困ってはおりますけれども、総理も非常に科学技術に理解を持っておりますし、財政当局にもこれから鋭意交渉をして、いま言ったような項目が着実に、前向きでできるように努力をしてみたい、こう思っております。
○鶴岡洋君 それでは「科学万博−つくば85」についてお伺いしますけれども、いま長官最後の方に言われましたが、この来年度の予算の見通しは、協会では政府三十億、自治体十六億程度の予算要求であると、こういうふうになっておりますけれども、予算編成の直前でもございますが、大臣として見通しはどうなのか、その辺はいかがですか。
○国務大臣(中川一郎君) 数字的なことは事務当局から説明いたさせますが、財政当局としては、こういった大型プロジェクトについては、厳しい姿勢を持っておりますが、私としては、最後まで科学技術庁の最重要施策として、要求額に近い、あるいは満額のものを確保すべく努力をいたしたいと思っております。
○説明員(下邨昭三君) 科学万博につきましては、いま会場計画の具体化について検討しているところでございますが、会期中に二千万人の入場者があるというふうに想定されておりまして、その二千万人の入場者に、安全でかつ快適な博覧会を観覧していただくというような観点から、具体的な検討を進めてきております。まあ今年度中に茨城県におきまして用地の買収が完了するということを踏まえまして、五十七年度から敷地の造成、それから電気とか、水道等の基礎施設の設計及び工事に着手することにいたしております。五十七年度の予算につきましては、これらの事業に必要な経費といたしまして、国庫債務負担行為で限度額で約七十億円、それからその初年度分等として約三十億円の要求を行っているところでございまして、まあ当庁といたしましては、財政当局の理解も得まして、会場の建設事業に支障のないように、これらの予算の確保を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○鶴岡洋君 私もこの科学万博については、大成功をしてもらいたい、こういうふうに願う一人でございます。 そこで、具体的にお伺いしますけれども、今回の十一月六日の閣僚会議了解で決定されなかった交通管制センター、上水道、それと緊急医療施設、消防施設など、博覧会開催に直接必要な事業は早急に計画決定をしなければならないと思いますが、この見通しはどうなのか。 今回の閣議了解では、特に緊急を要するものと限られておりますが、交通管制センターにしましても、水戸に既存するものがありますけれども、これだけでは首都高速道路、あるいは各高速道路の状況、近県の道路状況、これは全部把握できない、状況が入らない、こういうことになっておりますので、博覧会会場への足がいまおっしゃったように、二千万人ということでございますので、非常に心配されるわけであります。そのために交通管制センターの重要性は非常に大なるものがある、こういうふうに私は思うわけです。早急に検討し決定をされなければならないものではないか、こういうふうに思いますけれども、今後のスケジュールはいかがになっておりますでしょうか。
○参考人(伊原義徳君) 国際科学技術博覧会協会事務総長を拝命いたしております伊原でございます。 先生のただいまの御質問につきまして、まさに御指摘のように非常に重要な問題が、先般の関係閣僚会議でまだ御決定いただいていないものが幾つかあるということでございますが、これらの問題につきましては、すべてが関係省庁の御指導、あるいは茨城県の御指導、御方針に従って進めていかなければいけない、こういう性格の仕事でございます。したがいまして、私どもの協会といたしましては、関係方面の御指導を十分いただきながら、協会としてやるべきことをどんどん進めておるというのが現状でございまして、たとえば、交通管制センターにつきましては、先ほどの御答弁にもございました二千万人のうち、マイカー、それから遠距離観光バス、そういったもので会期中に約一千万人、それから鉄道の駅は、常磐線の臨時駅もおつくりいただくというふうなことも御決定いただきましたので、そういうところから二次輸送でもって会場にまた一千万人と、こういうことを考えておるわけでございますので、非常に会場周辺が混雑する可能性もございます。したがいまして、現在協会といたしましては、会場周辺の道路ネットワークにつきまして、交通量の予測調査を実施いたしております。この調査の結果いろいろな問題が出てくると思うわけでございますが、そういう問題につきまして、今後さらに関係機関の御指導をいただきまして、具体的な解決策を図ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。 それから、たとえば上水道でございますが、これは過去の博覧会の実績などを参考といたしまして、筑波では大体一日の最大使用量が三万立方メートル、そういうふうに想定されておりますので、これの確保を茨城県にいろいろお願いしておるというところでございます。今年度じゅうにこの上水道につきましての設計を終えまして、来年度は工事に着工をいたしまして、五十九年度じゅうには上水の供給が受けられるというふうな準備を着々いたしております。 それから、消防あるいは救急、これも御指摘のように非常に重要な問題でございますが、まず、消防、救急につきまして、これは大阪の万国博覧会、沖縄の海洋博覧会という例がございますので、その例を十分参考にいたしまして、私ども協会、それから出展に参加される民間企業と、それと地元の公的有消防機関、この三者が三位一体となりまして、十分体制を整備してまいりたい、こういうことで検討中でございます。 もう少し敷衍して申し上げますと、協会とその出展者などは、それぞれ自衛のための消防隊を組織するわけでございます。直接みずから管理いたします建物、工作物等についての防火の責任を持って管理に当たるわけでございますが、そのほかに公的な消防といたしまして、地元に筑前広域消防組合というのがございますので、ここを中心に、茨城県の御協力を得まして、会場の中に科学万博消防署というふうなものを設置していただきまして、ここで消防、救急業務に当たっていただく。そこで、五十七年の四月を目途といたしまして、ただいま消防庁、警察庁、科学技術庁、茨城県等関係機関の担当者を構成員といたします対策会議を設置したい。そういうことで、実務的にも万遺漏のないような対策を講じてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
○鶴岡洋君 もう一つ会場計画でございますけれども、協会では基本構想に基づいて行っているわけでありますが、ことしじゅうにもそれが決定されるように聞いておりますけれども、どうもことしはこれはできない模様でございます。地元の茨城県としては、この対策を急がなければ、協会による会場計画、これが決定しない限り、ゲートがどこにつくのか、また駐車場をどうしたらいいのか、こういう面も非常に支障を来すわけでございます。こういったことで早い時期に計画がなされるべきではなかろうかと、こういうように思うんですが、いつごろの見通しを立てておられますか。
○参考人(伊原義徳君) 会場計画をできるだけ早く策定すべきであるという先生の御指摘はまさにそのとおりでございまして、私どももいろいろ専門の方の御意見もお聞きしながら、鋭意検討を進めておるところでございますが、ただ、いろんな関係の調査を十分いたしまして、その辺のすべてを十分問題点を詰めて、初めて外にお示しできる計画になると、こう考えておりますので、いろいろな案はいま中では練っておりますけれども、外にお出しして、これが会場計画であるという運びに至りますのは、年度内ということで考えております。できれば年内というふうに当初考えてはおりましたけれども、いろいろな問題がございましたものですから、年度内に完了するということで鋭意作業を行っておるところでございます。
○鶴岡洋君 次に、会場建設費の分担についてでございますけれども、五十四年の十一月の閣議了解では、会場建設費は三分の二を補助対象事業とし、残りを協会が負担することになったわけでありますけれども、この補助対象のうち、国の負担は三分の二、一方県は四分の一しか負担できないと、こういうことが了承されているわけです。そうなりますと、三分の二と四分の一、残りが十二分の一、これは一体どういうふうに処理するつもりなのか、この辺はいかがですか。
○説明員(下邨昭三君) 会場建設費の負担につきましては、先生御指摘のとおり、五十四年の十一月の閣議了解におきまして、建設費の総額に占める補助対象事業の割合を三分の二程度とするということ。それから補助対象事業に対する国の負担率は三分の一とし、残余は万国博覧会等の例を参考として、関係団体で協議すること等の方針が確認されているわけでございます。 今回の科学万博の会場建設費のいわゆる裏負担につきましては、現在関係者の間で事務的な検討を行っているところでございますが、本件につきましては、単に負担割合というだけではなくて、負担の金額の大きさ自体も問題になってまいります。より具体的には会場建設費の全体の計画が固まった上で、来年の春をめどに、関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。
○鶴岡洋君 科学万博は茨城県で開かれるために、県の地元負担、これはある程度やむを得ませんけれども、しかしあくまでもこの事業というのは国家事業でございますし、国も十分な財政措置を講ずることは当然ではなかろうか、こういうふうに思うわけです。しかしいま財政危機でもございますし、財政再建ということで大変な時期を迎えているわけです。そういう中で何とか費用を捻出し、万博を成功させなければならない、こういうことでありますので、このために、科学万博のための法律がことしの四月に国会を通ったわけですけれども、その後半年以上たっています。特別措置法の法律の三条、四条による特別措置について、大体どのくらいの金額を見込んでいるのか、この点をお伺いいたします。
○参考人(伊原義徳君) 特別措置法に基づきます収入は、自己資金の乏しい私ども協会にとりまして、大変貴重な財源でございます。したがいまして、これらの収入の確保について関係先にいろいろお願いいたしておりまして、最大限の御協力をお願いしておるということでございます。 収入確保の目標といたしまして、これは大阪万博、沖縄海洋博の実績がそれぞれございますので、その辺を参考といたしまして、妥当と考えられる額、あるいはそれ以上のものをぜひ確保さしていただきたいということでございます。ただ、いろいろ事情をお伺いしてみますと、たとえば大阪万博の当時とかなり事情が変わってきておると、こういうふうなお話もあるようでございますので、項目によりましては、昔ほどお願いできないというものもあるようでございます。ちなみに大阪万博のときの特別措置法の収入は、合計約十三億、それから海洋博のときが約十一億と、こういう数字になっておるようでございます。
○鶴岡洋君 もう一点その点に関連して、この万博の関連の公共事業を県が行う場合には、特別な財源措置を講ずる必要があるのではないのか、こういうように思うわけでございます。茨城県は科学万博とは関係なく、県民のために公共事業を通常どおりやってもらわなきゃこれまた困る、その上に、科学万博関連の公共事業ということになれば、それが終了後地元に社会資本として、これは県民が享受することになるわけでありますけれども、かといって、一都道府県がこの万博に向けて一時的に金をつぎ込むということは、とても大変なわけであります。そこで、特別に地方債の起債を認めてもらって、将来徐々に返還していくと、償還していくと、このような便宜もせめて国として講ずるべきではないか、こういうふうに思いますけれども、この点はいかがですか。
○説明員(下邨昭三君) 現下の厳しい経済環境のもとにございましては、国におけると同様に、地方におきましても、その財政事情はかなり厳しいものがあるということで承知しております。 博覧会の関連事業につきましては、このような厳しい事情を踏まえた上で、去る十一月の六日に第一回の関係閣僚会議が開かれまして、緊急を要する事業につきまして、まず事業計画の決定を見たところでございます。この決定に当たりましては、地方財政を所掌しておられます自治省、その他の関係省庁にも十分協議をしてきているところでございます。今後またこれらの事業を進めていく上で、具体的な財源手当てにつきましては、現在県当局において検討中と聞いております。この検討結果を踏まえまして、一義的には県と自治省等との間で協議され、決定されていくものと考えておりますが、科学技術庁におきましても、この科学万博を何としても成功させなきゃならぬという観点から、必要がございますれば、自治省等の関係省庁に対しまして、県当局の要望の実現方を強く働きかけてまいりたいと考えております。
○鶴岡洋君 いま申しました特別に別枠で地方債を認める、これ一つの方法ですけれども、このほかに公営競技による収入もあるかと、こういうふうに思います。そのためには各振興会からの公共事業の補助金、地元で、取手競輪において博覧会協賛等の名目で、定例日はありますけれども、それ以外に開催を認める、こういうことも考えられるのではないか、こういうように思いますけれども、この点はいかがですか。
○参考人(伊原義徳君) 先生御指摘のように、博覧会の開催の財源といたしまして、公営競技の資金が重要な比率を占めるということは、前例からいたしましても御指摘のとおりでございます。 今回の博覧会におきましても、建設費と運営費の双方におきまして、相当額の資金を公営競技に期待せざるを得ないというのが実情でございます。したがいまして、この公営競技のそれぞれの御所管の御所管のお役所を通じまして、それぞれの振興会にいろいろ資金の確保のお願いをいたしておるわけでございます。総枠についてどういうふうに納めるかという問題と、いま一つは、個々の、たとえば競輪場での運営をどうするかというような個別の問題と、両方あるかと思うんでございますけれども、そういう問題をすべて含めまして、所管の省庁、それと振興会に対しまして、具体的な詰めをお願いしておるというのが現状でございます。
○鶴岡洋君 国鉄にお伺いしたいんですが、国の財政も大変ですけれども、国鉄の財政はもっと大変だと、こういうことを私承知しております。しかし、国鉄で約一千万人運ぶと、こういう予測を立てているわけですけれども、既定計画の枠内で実施するものとし、国鉄による特別の負担は講じないと、こういうことが五十四年の十一月二十七日の閣議了解で決まっておりますが、今日の常磐線の状況を見ると、非常に混雑が見られ、レール等の老朽化、またラッシュ時に故障が何回か起きている、こういう状況でございます。博覧会のための対策として、現状の十三両編成を十五両編成に、また臨時駅を設ける、こういう具体化をされておりますけれども、このことについては一定の評価をするわけですが、博覧会開催中に上下線を含めて、鉄道輸送でいま言ったように一千万人近い客を見込んでおるわけです。そういうことで、もし出かけて行った人が故障で帰れなくなった場合、宿泊施設はほとんどないわけでございます。故障が絶対ないと、こういうふうには言い切れないわけでございますので、国鉄にあっては、特にこのために常磐線を含めてどういう考えを持っておられるか、この点をお伺いいたします。
○説明員(有馬訓祥君) お答えをいたします。 国鉄の方で科学万博に対して一千万人を運ぶということでございますが、一千万人のうち約百万人ぐらいは常磐線の上りでございますとか、東北線の小山でございますとか、こういうところから入ってまいります。それからあと約百万人くらいが取手から常総鉄道を使いましてお入りになるということで、常磐線の下りをお使いになるお客さんというのは大体八百万人程度と考えております。 一番問題になりますのは、やはりピークのところをどうするかということでございますが、現在、急行と中距離電車で取手口で八時から十時がピークだと考えておりますが、六本ございます、それぞれ三本ずつございますが。それに対しまして、中距離電車の編成を十五両に——これは通勤が非常に込んでおりますので処置をいたしますと同時に、その二時間帯で八本の臨時列車を一応運転しようと。そのほかに遠距離から来られる団体臨時列車その他を導入いたすということで考えておりまして、私どもとしましては、大体ピークのところで四万五千人ぐらいの輸送になるというふうに考えておりますが、定員の大体倍ぐらいお乗りいただければ、そのピークのところはこなせるというふうに考えておりまして、一応そういう見通しでいきますと、一千万人会期中にお運びすることができるんではないだろうか。幸いにいたしまして、これは通勤通学の朝の輸送と逆の輸送になりますものですから、そういうことが可能であるということで現在仕事を進めております。 御指摘の事故、そういうことによります長時間列車がとまるという事態も、過去にも災害等も含めましてございましたんですが、こういう種類の博覧会の場合は、大阪のケースもそうでございますし、それからことし行われましたポートピアの場合もそうでございますが、そういう形の、こういうものを輸送する形の対策本部みたいなものを現地にもつくりまして、そういうところでお客さんの誘導、それから万一そういうことが起こりました場合にはそれに対する対処ということについては、万全を期してきておりますので、恐らく、私どもとしてはそういう形で進めざるを得ないんではないだろうかと考えております。もちろん、事故等が起こらないような安定輸送を図る措置をするということは当然でございますけれども、そういうことで、科学博運営の方ともよく御連絡をとりながら、万一そういう状態が起こりましたら適確な措置がとれるというような態勢を講じてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○鶴岡洋君 今度はバスの輸送ですけれども、これは運輸省ですね。 土浦、荒川沖、それから牛久、取手、水海道、臨時駅もつくるそうですけれども、そこから会場へのバス輸送ですが、これが機能的に行われないと、これは大変な混乱が起きるんじゃないかと、こういうふうに心配をするわけです。車両の確保、それから運転者の確保、この見通しはどうなっているのか。また、これは考えられることですけれども、近県のバス会社、地元のバス会社だけでは、これは調達できないんじゃないか。そういうことになると、近県のバス会社を、たとえば荒川沖駅から会場まではこのバス会社、それから土浦の駅から会場まではこのバス会社と、終わった後のことも考え、また運転者をたくさん採用し、バスをうんと買い入れて、後困ったということもなきにしもあらずなんで、そういうことも考えあわして、運輸省としてはこのバス輸送についてどう考えておられるか。
○説明員(寺嶋潔君) 御指摘のとおり、鉄道駅から会場までのバスによります二次輸送は、非常に短時間に多数のお客を輸送するという必要がございまして、大量のバス車両と、それからこれに伴う運転手の調達を必要といたします。一体、何両のバス車両、あるいは何人の運転手が必要かという点につきましては、先般決定されました道路計画の上で、いかなる走行条件で走り得るのか、あるいは会場側あるいは鉄道駅側にどのような規模のターミナルができるかというような条件が決まってまいりませんと、なかなか確定しにくいわけでございますけれども、いずれにしましても、非常に大量の車両と、運転手の確保が必要になろうかと思います。これを会期内、半年間だけ使うということでございますから、車両にいたしましても、会期後どういうふうに処理するのか、半年間だけ使ってスクラップにするというわけにまいりませんので、引き取り先をあらかじめ決めておくというようなことが必要になってまいると思いますし、運転手につきましては、一層むずかしい問題がございまして、各バス会社から出向のような形で来てもらうとしても、バス会社もそれほど余剰の人員を抱えておるわけでございませんから、どの程度人をそろえ得るか、それから一般の労働市場から募集した場合に、どのような条件ならどれぐらい集まるかというふうな、いろいろむずかしい問題があるわけでございますが、さらにそのようにして集められた運転者をどのように労務管理するか、それから先生から御指摘ありましたように、近県だけでないとすれば、全国から集まった運転者の宿泊施設を整備するというような問題も出てまいりますし、いろいろ詰めていかなければならない問題が多々ございます。そのようなことで、私どもといたしましては、博覧会協会と御協力しながら、科学技術庁を初め関係省庁とさらに問題点を詰めてまいりたいと思っております。 なお、先生御指摘になりました、荒川沖等からの輸送でございますが、私どもとしましては、一応、先般閣議決定されました、仮設駅からの輸送をメインにして、ここになるべく集中させるという形を考えておりまして、余り多くの駅からの輸送ということは、非常に管理がむずかしくなりますので、なるべく集中型でやっていきたいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 それでは建設省、十一月六日の関係閣僚会議で決まったことですけれども、六号線の二期、向島−加平間、足立−三郷線という埼玉県三郷市の外郭環状道路までの工事を科学万博との関連で行うことになったわけです。しかし、私が考えるのには、東京から出るいわゆる首都高速、この中でもうすでに込んでいるわけでございますので、この辺を非常に心配するわけでございます。首都高速がすいているのは真夜中、大体昼間はもういっぱいだ、こういう状況であるわけです。東京方面からの入場者の大体七割を運ぼうというわけです。そこから行こうと、こういう予定になっておるわけですから、この高速道路の件について、よほど綿密な計画を立てなきゃならないんじゃないかな、こういうふうに思うわけです。 それから湾岸道路の完成も予定されているようですけれども、さらに首都高速の王子線、さらには中央環状線の整備も急務だと思いますが、この点について建設省は具体的にどうなされますか、お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(遠山仁一君) お答え申し上げます。 足立−三郷線の完成に関連しまして、都心同辺の混雑緩和が急務であるということは、先生御指摘のとおりでございます。そこで、混雑緩和のために、ただいまお話しの湾岸道路と、それからこれは実は中央環状線の一部でございますが、水戸街道のあたりから湾岸道路の方に下がってくる路線でございますが、葛飾—江戸川線という路線がございます。この二路線を最重点路線といたしまして、現在鋭意建設を進めておるところでございます。 まず湾岸道路でございますが、足立−三郷線の完成時点には、おおむね完成という状況になる見込みでございます。これによりまして、千葉−京浜間の主要な交通は、都心部を迂回する、こういう形になりますので、都心部の交通混雑は大幅に緩和されるものと期待しております。 それから、次に葛飾−江戸川線でございますが、この路線も早期完成ということで現在全力を挙げておるところでございますが、これが完成いたしますと、茨城と千葉の間の交通、それから茨城と京浜の間の交通、こういった交通がこの路線を利用することになりますので、都心部の混雑はさらに大きく緩和されるんじゃないか、こういうふうに見込んでおります。 それから、高速道路の整備と並びまして、重要な機能を持ちますのは街路の整備でございます。科学博関連といたしましては、現在、御承知の環状七号線でございますが、環状七号線の水戸街道から東京湾岸道路までの区間、これはちょうど先ほど申し上げました葛飾−江戸川線と大体並行する感じになりますが、約十三・五キロメートルでございますけれども、この区間の整備に最大の重点を置きまして、整備を進めております。これが完成いたしますと、科学博関連の交通の円滑化にこれまた大きく貢献することになるんじゃないかというふうに考えて劣ります。また、交通混雑緩和策といたしましては、ただいま申し上げましたような路線の整備のほかに、一層確度の高い、きめの細かい交通情報を提供する、あるいはまた比較的すいておる街路に交通を誘導する、こういったことを中心に、交通管制の強化にも配意してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 なお、王子線につきましては、現在事業化を急いでおる段階でございますが、これが完成いたしますと、東京の東北部と西側を結ぶ交通が著しく円滑化されるんじゃないか、こういうふうに見込んでおる次第でございます。
○鶴岡洋君 それでは最後に二点まとめてお伺いします。 端的にお伺いしますが、一点目は、筑波研究学園都市の建設においては地元の業者が余り入れなくて、大体九〇%大手業者がその建設に携わったと、こういうことになっているわけです。地元でやるんですから、地元の利益のために、また地元民の感情もありますので、この点を配慮していただきたいと、こういうことが一点。 もう一点は、茨城県でやる万博でございますので、この万博をやるために、茨城県の通常やる公共事業、非関連の公共事業ですね、万博に非関連の公共事業の方にしわ寄せが来るんではないかと、こういう地元の心配があるわけです。こういう点について御配慮をいただきたいと、こういうことでございますけれども、この二点についてお答え願いたいと思います。
○参考人(伊原義徳君) ただいま御指摘二点のうち、前半の御質問についてお答え申し上げます。 先生御指摘のように、地元の中小企業に十分活躍していただきたいということは、私どもとしても当初から十分考えなければいけないと思っておるところでございます。ただ、この会場建設事業につきましては、ある程度の制約がございまして、たとえば、かなり高度の技術能力を要する大規模な工事を短期間に行うと、そういうふうな性格のものもございます。また、国及び地方の補助対象事業ということが多いわけでございますから、その関係で関係の法令に基づきました適正な契約手続が必要である、そういうふうな制約があるわけでございます。したがいまして、協会といたしましては、これらの要請を満たした上で、地元企業育成という観点から、大いに地元の企業に御活躍をいただきたい。この点につきましては、特に茨城県御当局も大変重点を置いておられますので、私どもといたしましては、茨城県当局とも御協議をいたしながら、先生御指摘の点についての配慮をさせていただきたいと、こう思っております。
○説明員(下邨昭三君) 後半の県内の他地域との間の問題につきましてお答えさせていただきたいと思います。 科学万博は先ほども申し上げましたように、会期中に約二千万人の観客が訪れると予想されております国家的プロジェクトでございますので、六十年の開催までに、交通体系の整備等の、会場周辺におきます関連事業の整備が緊急の課題でございます。一般的に、地域におきます公共的施設の整備をどのように均衡のとれた形で整備していくかというのは、本来各地方公共団体が個々に判断すべき問題でございます。先般の第一回の関係閣僚会議におきます事業計画の決定に当たりましても、県当局といたしましてはこのような点を十分配慮されまして、原案を作成されたというふうに承っておりますが、当庁といたしましても、今後この科学万博の開催によりまして、御指摘のようなアンバランスというような問題が大きくならないように、県当局等とも十分協議いたしまして、当方としても努力をしていくことはやぶさかではございません。
○鶴岡洋君 次に東京芸術大学の楽器不正購入事件についてお伺いをいたします。午前中粕谷委員からこの点についてお話がございましたので、私もお伺いするわけですが、多少ダブるところもあると思いますけれども、これは御了承いただきたいと思います。 まず最初に、音楽の最高峰である東京芸人始まって以来の不祥事事件が、東京地検によって摘発されたことは、私は非常に遺憾に思っているわけです。特にバイオリンの保険金詐欺事件が発端となって、このように国立大学の教授、助教授等数名を巻き込むという事件に発展し、音楽界はもとより、教育界などもその影響ははかり知れないところがある、このように感ずるわけです。 そこで、初めに大臣に、この事件について感想はいかがなものか、お伺いいたします。
○国務大臣(小川平二君) まことに遺憾千万な事態に直面をいたしておりまして、私も心を痛めておる次第でございます。 当面、芸大の当局に対しましては、学内綱紀の振粛のために全力を傾注すべしという厳しい指導をいたしております。芸大におきましても、対策委員会を設けて、さしあたって事実の調査をやっておると聞いておりますが、これを踏まえまして、文部省といたしましても、厳正な態度で対処してまいりたい、こう考えております。
○鶴岡洋君 法務省にお伺いしますが、この逮捕の経過、これをお伺いしたいわけですけれども、午前中に粕谷委員に対し、刑事課長ですか、お答えありましたけども、海野以外の教官何人からか事情聴取をしたのか、また学生から参考人として事情を聞くについて、今後師弟関係など、報復をおそれて供述を拒否する者がいるかどうなのか。これらのことは具体的名前を出せないでしょうけれども、人数とか、それから事情聴取のあったとかないとか、このくらいは私は言っても差し支えないんじゃないかなと、こういうふうに思うわけです。午前中にはそこもないようだったんですけれども、以前日商事件があったときに、委員会では人数だとか、調べるとか調べないとか、事情聴取があったとかないとかいうことは、これは答弁しております。課長でだめならば、局長に聞きたいんですけども、局長おいでにならないようですから、課長さんにこの点をもう一度お伺いしたいと思います。そこまで言っても、捜査状況に私は影響ないんじゃないかなと、こういうふうに判断するわけですけれども、いかがですか。
○説明員(飛田清弘君) おっしゃることはよくわかるんでございますけれども、この海野教授に対する容疑というものが、いま海野教授を収賄したという容疑で取り調べを行っておりますわけで、その関係で必要な捜査はいろいろやっているわけでございます。 新聞などではいろいろなことが報道されておりますけれども、その報道の趣旨が、ほかの教授に疑惑があるというような報道の趣旨と、それから、海野教授の問題になっております犯罪事実に関係あることで、そのほかの教授について事情を聴取したというような趣旨の報道と、それがごっちゃになっているわけでございます。その辺のところは非常に微妙な問題で、検察当局がどういうスタンスで捜査を進めているかということと非常に関係が出てくるわけでございます。 必要な捜査はやっているわけでございますけれども、それで、新聞にもある程度報道がなされておりますから、御推察はいただけるかと思いますけれども、いま同僚の教授の方々何人ぐらい、あるいは学生の方々何人ぐらいというのが、関係者の捜査に非常に微妙な影響を及ぼすこともございますので、この場ではまだお答えを差し控えさしていただきたいと思います。 捜査が一段落つきまして、大体何人ぐらい調べたというようなことだったらば、これはまた別でございますけれども、いまその捜査をやっている段階でございますので、ひとつ御了解いただきたい、こういうふうに考えております。
○鶴岡洋君 それでは、海野がカンダ・アンド・カンパニーですか、これと非常に癒着をしていたように、芸大の二、三の教授、灰色ですか——教授、助教授が他の業者と癒着し、リベートをもらっていることも新聞紙上では伝えられているわけです。これは非常に深い関心事になっております。捜査内容までは触れられないともちろん思いますけれども、このカンダ・アンド・カンパニー以外の楽器業者についても捜査をしていると、こういうことは言えると思うんですけれども、こういうふうに理解してよろしいですか。
○説明員(飛田清弘君) 非常に微妙な御質問で、お答えしにくいわけでございますけれども、検察庁としては、いま捜査しているのはカンダ・アンド・カンパニーの神田社長と、それから海野教授と、それに関連することを捜査しているわけでございまして、それに関連する必要なことは捜査していると、これだけでひとつ御容赦いただきたいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 もう一つ、午前中の国税庁への質問ですけれども、これだけ騒がれて、国民が海野に対する課税が甘かったと、こういうふうにだれしもこれ思っているわけです。個人レッスンのリベート、後で申し上げますけれども、名古屋の各種学校の収入、これも申告してない。演奏会をやっても本人が一回六十万円とか、八十万円とか、こう言っている、それがほとんど交際費などの必要経費を認めて、ろくに申告してない。これはどう見ても、二千五百万円のストラディバリウスを購入し、五十一年には自宅を新築しているわけです。こうなってくると、それだけ収入があって、楽器は買う、自宅は新築していると、計算がこれ合わないわけです。国税庁の方は午前中の答弁で、調べられないとか、検察庁から話がなければ調べないとか、はっきり言えばあいまいのような返事でございましたけれども、今後、重大な関心を持ってこの海野については見直しをしていくと、こういう姿勢を示してもらいたいし、またそのぐらいの答弁があってしかるべきだと思うんですけれども、いかがですか。
○説明員(入江敏行君) 午前中に粕谷先生にもお答えいたしましたように、私ども所得あるところに適正、公正な課税をするというのがわれわれのたてまえでございまして、業種あるいは業態いずれを問わず、そういう態度で進んでおるわけでございます。そのために必要な資料の収集、情報の収集あるいは調査というものをやっておるわけでございます。 この件につきましては、先ほど申し上げましたように、個別にわたる問題でございますので、いろいろ具体的なことは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、当然にわれわれこの問題無関心でいるわけではございませんで、各種報道についても注目しておるわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたが、現在、検察当局で捜査中でございまして、実態解明をしていただいておるわけでございます。したがいまして、その捜査の進展に応じ、私どもにも検察当局からいろいろ貴重な情報、あるいは資料をちょうだいいたしまして、それらを総合いたしまして、問題があれば、必要に応じ税務調査をしまして、適正に処理したいと、こういうように考えております。
○鶴岡洋君 それでは、学長さんにお伺いしたいんですけれども、音楽の雄と言われる東京芸大の今回の事件、大変私も驚きと不信を残しているわけでございますけれども、初めに、このたびのこの事件について、いま反省をされているようですけれども、ただいまの心境はいかがですか。
○説明員(山本正男君) 昭和五十三年度購入の弦楽器に関しまする今回の不祥事件、現職教官の逮捕というような未曾有の失態をいたしまして、大学としてはまことに国民の皆さんに申しわけないと深くおわびいたします。大学はその責任の重大なることを強く反省いたしまして、直ちに対策委員会等を結成、この問題の究明と今後の改革に目下鋭意努力しております。 海野教授の処分につきましては、事態の明確化と推移に応じまして、厳正な対処をいたしたいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 これは、学生の説明会のときの質問ですけれども、十一日に学長は学生たちにこの事件の説明会を持って、学生代表からいろいろ質問出されたわけですけれども、いまおっしゃった海野教授の処分については厳正な対処をしていく、こういうことですけれども、あのときに六項目あったわけですね。一つ目は、いまの海野教授のこと。二つ目は、バイオリン購入方法の疑惑についてのみならず、芸大の特殊な環境のあり方を考え直す機会を持つべきである。三番目が、芸大を含む音楽界の閉鎖性についてどう考えるか。それから四つ目、音楽学部だけでなく、全学的な問題となったこの問題を、全学的レベルで考えていくのかどうなのか。それから五番目は、今後どのようなことに主眼を置き、芸大再建を考えていくのか。最後に、全学一丸となってと言うが、これから学生と話し合うことも考えているのか、こういう意見が出されたわけですけれども、これ一つ一つお答えにならなくとも結構ですけれども、総体して決意はどうなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(山本正男君) ただいま先生の御指摘のように、去る十一日、私はこの問題が全学の問題としてひとしく自粛、自戒し、今後に対応していくべきものだという観点から学生に事態の説明をいたしました。その際、ただいまお話しのような六つの項目についての質問が出されました。 第一の質問は、先ほどすでに申し上げましたような海野教授の処置についてでございます。 第二の問題は、バイオリン購入方法の疑惑ということのみでなく、芸大の特殊な環境というものを見直していく考えがあるかどうかということでございます。これに対しましては、先ほど申し上げました対策委員会、これはひとりバイオリンの購入問題だけではございませんで、大学が当面しております諸般の問題を包括しておりまして、その対策委員会の検討の結果を踏まえまして、今後一層の改革に努力いたし、一日も早く国民の皆様、社会の信頼を回復したいというふうに考えております。 次に、第三の問題でございますが、これは音楽界の閉鎖性についてどう思うかということでございました。確かに、音楽という特殊世界と申しますか、この芸術世界には、ある種の閉鎖性とでも言うべきものが否めないように思いますが、広い意味での音楽界の一端を担っております芸大の音楽学部としましては、世間から批判を受けることのないように、今後十分姿勢を正していかなければならない、その決意を申し述べました。 第四は、問題は音楽学部の事柄であるけれども、大学全体としてはどうかということでございます。これは、やはりひとり音楽学部というふうな部局問題ではございませんで、やはり国立九十五大学の中でただ一つわが国の芸術の教育と研究を担っております東京芸術大学といたしまして、この現時点の批判というものを厳粛に受けとめて、全学一つになって、今後の基本的な姿勢というものを正しく打ち立てていかなければならないということを説明いたしました。 第五は、今後の再建の主眼ということでございますが、これは芸術大学もすでに新制大学として発足しまして三十年余をけみしたわけでございますが、現代の社会情勢の動き、また世界の芸術の動向、そういうものを考えますと、東京芸術大学が今後担うべき日本の芸術文化における責任というものは、並み並みならぬものがございます。そういう意味で、われわれは単に現時点だけの問題にとどめずに、あすを十分勘案し、将来いかにあるべきかという芸大の将来構想と申しますか、そういう点までも含めて、この際とるべき方向というものを確立したいという所存を答えました。 最後が、学生との交流の問題でございますが、これは私自身就任以来最も心を用いておる一つでございまして、当然今後学生との交流を機会あるごとに図りたい。とりわけ芸術というものは、やはり人間的な信頼という、同時にまた人間性というものが基盤にございませんと、教育も研究も成り立つものではございませんので、そういう意味で、私は学生との交流というふうなことに今後も深く意を用いていきたい、そういうふうに思っております。
○鶴岡洋君 私は学長さんとお会いするのはきょう初めてでございますけれども、非常に御丁寧な答弁でよくわかりました。 学長さん自身、誠実な、まじめな方のように、初めてお会いするんですが、そういうふうに感じますし、実直そのもののような感じがするわけでございますけれども、私はこの事件について、芸大というものは金銭感覚が麻痺しているんじゃないか、こういうふうに思わざるを得ないわけです。それとも、芸大の特権意識が強いのかどうなのか。たとえば、けさの新聞に出ておりましたけれども、芸大の学生が、こういう事件が出て関心の的になっているときだからこそ新聞にも出たんでしょうけれども、学生の演奏会に、「芸大商法」と書いてありますけれども、一人七千円のギャラをウイークデーに行ってもらっている、こういうところから見ると、まさしく金銭感覚が麻痺しているんじゃないか、こういうふうに思われるわけです。 それよりも私文部省にお伺いしたいのは、大変古い話で恐縮でございますけれども、今日世界的な有名な指揮者となっている岩城宏之氏が、十二年前、昭和四十四年の十月号の中央公論に「音楽教育はこれでよいのか」、こういうことを書いております。この中で、いわゆる個人レッスンについて、芸大の教官は、正規の授業の専門科目のレッスンをほとんど休講にして、自宅で個人レッスンをして、レッスン料を巻き上げているなどの指摘がなされている。この昭和四十四年当時というのは、海野はまだNHK交響楽団のコンサートマスターをしていたわけですから、今日の芸大事件で明るみに出てきたいろいろな問題が、すでにこのときに指摘されているにもかかわらず、今日まで一向に文部省また国立芸大は改善を行ってきていなかった、こなかったということを証明しているわけですけれども、文部省はこの点について黙殺してきたのかどうなのか。この中に岩城さんが書いているのは、たくさんありますから全部読み上げませんけれども、「音楽教育はこれでよいのか」、タイトルに「ビックリしてください」とか「大ボラの一」とか、「大ボラの二」とか、「オドロキの一」ことか、こう出ています。これ見てみると、まるっきり私はうそではないんじゃないかなと、こういうふうに思われるところがたくさんあります。学長さんも横浜大学から芸大へ移られて、退官されてまた学長さんになられたと、そういうことで、こういうことがあったということを多少承知しているんじゃないかなと、こういうように思いますけれども、特に文部省は、この中を見るとどういうことを書いてあるかというと、「オドロキの三」に、「お中元、お歳暮の怪」と、こういうことが書かれております。たとえば贈り物がたくさん教授のところへ来る、お中元、お歳暮で。しかもその中身が同じものが重なるので、その先生たちの玄関先にこう張り出しが出ている、「贈物はかえって迷惑ですので現金でお願いします。なお金額は×××ぐらいが適当と思います。」と、こういうのも書いてあるのもあるというんです。これはあったかどうかわかりませんよ、ここに書いてある。「贈られる方は品物がダブらなくて助かるし、持って行く方も何を買おうかとあれこれ頭を悩ます必要がないし、何という便利な、合理的名案であることか。」と、こういうことも書いてある。だから私は、まるっきりなかったとは言い切れないと思うんです。それから「オドロキの四」と書いてありますけれども、この中には「芸大音楽学部には後援会費の名目で主に外人講師のための宿舎予備費にあてられる二万円がある。」とか、それからレッスンのことについては、「唯一の国立音楽大学である芸大にも、ほとんどこれに似たようなことが存在している。ホーム・レッスンの度合は私立音大のそれをむしろ上回っているようだ。最近になってやっと少しはこういう現状に目覚めてきたらしい学生たちが、学校当局と団交を行なった結果、だいぶ明るみに出てきたようである。「例えば、学校での正式な授業である専門科目のレッスンをほとんど休講にし——音楽専門大学の最重要科目ではないか——自宅でのみレッスンを行なってレッスン料をまきあげ」る、これはさっき言ったですね、こういうことも書いてある。いろいろたくさんここに書いてありますけれども、こういう事態が私はここに書いてある以上、あったんではないか、これを文部省としてなぜ今日この大きな事件になるまでほっておいたのか、その辺について、いかがでございますか。
○説明員(倉地克次君) 個人レッスンの件でございますけれども、東京芸術大学におきましては、いま先生のお話にありましたような、昭和四十四年五月でございますけれども、教授会におきまして、同大学の学生に個人的にレッスンを行った場合には、レッスン料を徴収しないということを申し合わせているということでございます。ただ、現時点におきましては、必ずしも同大学におきまして、学生以外の方々も含めまして、個人的なレッスンを行った場合の実態を把握していないのが現状でございまして、今後大学の中の対策委員会を中心といたしまして、その辺の実態の把握の方法等をいろいろ検討されるということを聞いている次第でございます。私どもとしては、その成果を十分期待しているところでございますが、その実態に応じまして、今後適切に指導してまいりたい、そのように考えている次第でございます。
○鶴岡洋君 時間がありませんので、また次の機会にいろいろ質問したいと思いますけれども、私素人だからこういうふうな質問になるのかもしれませんけれども、まあカンダ・アンド・カンパニーから納入された弦楽器、五十二年度購入のコントラバス一丁七百八十万を除き——ここに文部省の方からリストが出ておりますけれども、このリストを見ても、大体五十一年から五十四年までの大半がカンダ・アンド・カンパニーから購入されているわけです。それで、いま言った一丁を除いて、すべて鑑定書つきでありますけれども、しかし単純な疑問として、まあ東京地検の捜査でいろいろ明らかにされるでしょうけれども、なぜ高いものを買わなきゃならないのか、この辺が私は非常に疑問に思うわけです。芸術を知らない愚問かもしれませんけれども、この点は率直なところ、どういうわけで高いものを買わなきゃならないのか。外国の例なんかで見ますと、そうでなくとも十分いわゆる音楽が楽しめると、またこういうこともこの中に書いてありますけれども、それはそれとして、その点についていかがお考えですか。
○説明員(植木浩君) 東京芸術大学は、御案内のとおり国立大学で唯一の芸術大学でございまして、大変すぐれた伝統と実績があるわけでございます。ここでは音楽に関する教育、研究ということを行ってきておるわけでございますが、やはり何といいましてもすぐれた演奏家を養成をするということを行っておるものでございますので、そういう観点から、たとえば弦楽器につきましても、学生の教育を行っている段階で次第にその技術が向上してくるという場合に、それにふさわしいすぐれた楽器を使用しなければならないということで、ある程度、いま先生がおっしゃったような高価といいますか、年代物、いわゆる名器、そういうものにつきましてもそういった教育、研究上からこれを実際に使用して、そこで教育をする必要がある、こういうことで、従来、もちろん予算の枠がございますけれども、その範囲内でそういうすぐれた楽器を購入をしてきておる、こういう事情になっております。
○鶴岡洋君 この「音楽教育はこれでよいのか」、この中に書いてあるんですけれども、たとえば大学自体の教育内容にもちろん私は介入するつもりはございませんよ。ですけれども、今日の国立芸大の教育内容が全く最善で、何ら改善する余地はないということは私はないと思います。特に今日の教育内容が一番大切な専門課程の授業の貧しいカリキュラムを何とか補わなければと痛感している教官自身が、この制度改革を目指すに、この制度の欠陥に乗じて私腹を肥やす、躍起になっているということは、これは強く糾弾されなければ私はならないと思います。 岩城氏の指摘の中にどういうふうに指摘されているかというと、たとえばフランスのパリ音楽院では、学生は通常の音楽会の五分の一の値段で聞いている。学校側であらかじめ年間予約をして確保しているということだが、日本では西洋音楽が距離的にも手軽に聞くことができず、しかも二万、三万という法外な料金をみずから払うこととなるので、よい音楽に接することは、よほど金に余裕のある学生以外できない状況である。このようなにせ名器に高い金を出すよりも、学生が安くよい音楽に接することのできる方法を取り入れるべきと思うが、こういう点については文部省はどう考えられますか。
○説明員(宮地貫一君) お話しのように、音楽教育は通常の大学の教育課程の中でも、やはり音楽という特質を持った教育の分野でございますので、それに応じた教育ということが考えられなければならないことは当然のことでございます。先ほどこういう楽器の購入の必要性その他について、会計課長の方から答弁申し上げたわけでございますが、私どもとしましては、もちろん大学当局といたしましても、日本の音楽教育全体のいわば最高水準のところにございます東京芸術大学でございますので、常にその改善については意を用いているところであろうかと思っております。いろいろ御指摘のような点も踏まえまして、私どもといたしましても、これを契機にさらにどのような方向で改善を図っていくべきか、十分対応を考えてまいりたいと、かように考えております。
○鶴岡洋君 時間が来ましたので、あと一点だけ最後にお伺いします。 こういう事件が起きた発端というのは、あの中村とカンダ・アンド・カンパニー、これが震源地であるわけです。そこで、楽器の販売については、楽器小売商組合というのが組織されております。東京では小売商組合に七十九店現在入っておりますけれども、今回問題にされているカンダ・アンド・カンパニーというのは、これらの組合に加入してないわけです。いわゆる独自の販売活動をして、言うならば一匹オオカミ、こういうところなんですけれども、組合が全部いいとか、そういうことは別問題にして、適正な一定の規律のもとに販売活動をしている組合、これに入らないカンダ・アンド・カンパニーを特に選んで、芸大のいわゆる楽器購入業者として選定をしたその理由は何なんですか。この点をお伺いします。
○説明員(植木浩君) カンダ・アンド・カンパニーが組合に入っているかいないか、私ども残念ながらそこまでは存じておりませんけれども、これまで芸大等からの事情聴取によりますと、通常の場合は複数の適当な業者に楽器の提示を求めまして、それで芸大の専門の先生方がこれを審査して購入をするという手続でやっております。その際、結果としてカンダ・アンド・カンパニーからの楽器がわりあいと多うございますけれども、それは承ったところによりますと、芸大側が教育、研究上必要であるという目的に合致したすぐれた楽器を、カンダ・アンド・カンパニーが比較的他の柱よりも多く提示をしたことによると、このように承っております。
○鶴岡洋君 まだたくさんございますけれども、時間が来ましたのでこれでやめますけれども、いずれにしても、この際、この事件をきっかけに、学長さんにもお願いしたいんですけれども、また監督官庁の文部省にもお願いをしたいわけですけれども、国民の期待を裏切るようなことにならないようにきちっとやっていただきたいと、これを要望して私の質問を終わらせていただきます。
○柄谷道一君 文部大臣にお伺いいたしますが、大臣は就任早々の記者会見で「教育は国家百年の大計であり、教育、学術、文化の振興を図り、外国人にも尊敬される日本人をつくるために努力したい。また、最近の青少年非行、校内暴力には心を痛めており、日本を心温かな社会にするため、人を思いやる教育、心を大切にする教育を心がけたい、教科書問題については、他の諮問事項とは別になるべく早く中央教育審議会の答申をうけて対応したい。」こう述べられたと新聞に報道されております。私は総論としてまことにこれはつぼを心得た所信の表明であると、こう評価するものでございますが、その際記者団の質問に答えまして、「日教組は最近も違法ストライキを行っており、その直後に日教組委員長と会見することは必ずしも適当ではない」とお答えになったと、これも報道されております。例によりまして一部の新聞は、これは文部大臣のタカ派の姿勢を示すものであると書き立てておりますけれども、私は大臣の姿勢は法治国家である以上、法律を無視する者に対する毅然たる姿勢を示すものとして評価をしたいわけでございます。 そこで、この際、文部大臣として違法ストライキや、偏向教育に対する基本的な対応の姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 私は、教育は国会で制定された法律に従って、国民のために行われるべきものだと信じておる次第でございます。したがいまして、教職員各位におかれては、みずからの使命を十分自覚していただいて、全力を挙げて教育に取り組んでいただきたいと願っておるわけでございます。日教組は、児童、生徒に道を説くべき立場にある、ルールを守ることを教えなければならない立場にあると信じておるのでございますが、しかるに、みずから違法なストを繰り返しておられる。まことにこれは遺憾でございます。教職員の方々がこのような違法の行為に参加なさらないように、強く良識に訴えたいと考えておる次第でございます。 後段の御質問は、申すすまでもなく教育はあくまで偏らない、中正な立場に立って行われなければならないと考えております。右にも左にも偏ってはならない、かように考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 ところで、昭和五十二年度以降、主任手当が支給されるようになりました。一体主任手当支給の趣旨は何であったのか、改めて確認したいと思います。
○国務大臣(小川平二君) いわゆる主任手当は、教務主任等の主任が、学校内において各種の教育活動につきまして、連絡調整あるいは指導助言に当たるという職務に従事していることに対して支給されておるのでございます。
○柄谷道一君 ところで、義務教育諸学校に対する主任手当の今日までの支給額は、都道府県負担分を含めて、五十二年度実績三十億円、五十三年度実績四十四億円、五十四年度実績六十一億円、五十五年度実績見込み七十三億円、五十六年度、これは予算でございますが、九十億円、合計二百九十八億円になると私は承知しておりますが、間違いございませんか。
○説明員(三角哲生君) そのとおりでございます。
○柄谷道一君 ところが、この約三百億円の主任手当の支給額に対しまして、日教組では主任手当の返上運動を進めていると承知をいたしております。今日までその拠出額の累計がどの程度になっていると把握していらっしゃいますか。
○説明員(三角哲生君) 主任手当の拠出の実際の具体的状況につきましては、こういった事柄の性格上、文部省としては正確な把握はしておらないわけでございますが、日教組の発表などから推しはかりますと、拠出額は昭和五十六年三月までの累計で約五十七億円程度の模様でございます。
○柄谷道一君 そういたしますと、これは五十五年三月末でしょう。ということは、五十二、五十三、五十四年度、支給総額百二十五億円ですね。約その半分近いものが本来の趣旨と異なって、日教組に拠出されている、こういうことを意味するわけでございます。そういうわけですか。
○説明員(三角哲生君) ただいま申し上げましたのは、五十六年三月までの累計の金額の類推でございますが、そういうことでございますので、支給総額に対する比率は、全支給総額の約二〇%相当でございます。
○柄谷道一君 確かに形は任意拠出という形式をとっております。しかし、私がいろいろ調べたところによりますと、給料が渡されるときに、日教組の方から主任に対して別途空の封筒が机の上に置かれる。それに対して、主任手当から税金を引いた額をさっと自主的に入れて出される主任の方もある。しかし、なかなかこれが拠出されないと、分会長その他の組合員の方がまだ拠出が提出がされていないというようないろいろ働きかけがございまして、有形無形の圧力が加っていると、こういう訴えを私にされる主任の方も多いわけでございます。そこで、文部省として、文字どおりこれが自発的、任意という形において拠出されていると、こうお考えでございますか。
○説明員(三角哲生君) ちょっと先ほどの点で正確を期して補足いたしますが、拠出額として私が申し上げました数字には、高等学校の分も入っておりますものでございますから、それで全体が大体どのくらいかとなると、二〇%と、こういうことでございます。 ただいまの御質問でございますが、私どもの聞いております範囲では、拠出の方法につきましては、これは給与でございますから、当然一たん教職員に支給されまして、その支給された給与から個人が支出すると、そういう形をとっているようでございます。したがいまして、私どもは拠出額等について具体的に承知をしていないわけでございますが、ただ、多くは各学校のいわゆる組合の分会ごとに、個々の主任から拠出を求めている模様でございます。 いまの御質問には若干微妙な点があると存じますけれども、学校というようなわりあいと大規模でないような組織の中で、ある意味では一種の無形のプレッシャーがかかるということは、人間関係でございますから、あるんではないかという気がいたしますけれども、しかし、事柄の性質上私どもはそういうことは確認できないわけでございます。 文部省としましては、ただ組合の拠出に際して、給与支給事務に携わる学校の事務職員等がこれに関与することは、これはいけないことでございますので、そういうことのないように指導しておりまして、この運動自体について、私どもは給与として支給されるものについて、一種の組織的、継続的な形で、それを拠出させること自体が、主任手当の趣旨から見て非常に問題があるとは思っておりますけれども、実際の拠出の仕方は、一たん支給されたものを出させると、こういう形であろうと、こう思っております。
○柄谷道一君 私は、いま御答弁されましたように、確かに学校の事務職員が関与して、給料の天引きという形はとっていない、これはそのとおりだと思います。しかし、いま御答弁がございましたように、無形のプレッシャーがかかりまして、継続的にその拠出が行われているということもまた否めない一部の現実であると、こう思うんでございます。 そこで、そのような形で拠出されましたものが、これは新聞私ずっとめくってみますと、五十五年九月十九日付西部読売、これは福岡県教組、定時制高校生千八百七十人に奨学金をこの拠金から贈った。五十五年十二月二十九日付河北新聞、宮城県教組が一部中学卒業生に進学、就職祝い金を贈った。五十六年三月十二日付東京新聞、都教組が主任手当のプール分から、五百万円を拠出してオペラ公演を行い、青少年をこれに招待をした。五十六年六月四日付西部毎日新聞、点字印刷機を障害者団体に寄付をした。五十六年七月十日付内外教育、高知県教組が障害者専用授産施設に二トン績みトラックを贈った等々、この拠出金の使途が新聞に報道されております。いま約五十七億円と言われたわけでございますが、この拠出金の使途について文部省はどのように把握していらっしゃいますか。
○説明員(三角哲生君) 各県における拠出金の具体的な使途について、ただいま柄谷委員からお話があったわけでございますが、私どもとしてはその詳細は承知しておりませんで、やはり新聞等で見ておるわけでございます。新聞等の報道によりますと、いまお話になりましたようないろいろなことに一部が充てられている模様でございますが、ただほとんどは都道府県の教組または各学校分会ごとの段階で拠出されたままになってると、こういうふうに聞いております。
○柄谷道一君 あるものはプールされ、あるものは新聞報道、これはうそではないと思いますから、そういうところで使われているんでしょう。それが冒頭お答えになりました主任手当制度をそもそも創設をしたというこの趣旨に照らして、文部省としてはこれが好ましいことであるとお考えでございますか。
○説明員(三角哲生君) 私どもは、日教組が主任制度のそもそもは廃止を目的として主任手当の拠出闘争というものを進めておるわけでございまして、一つの組織的な活動としてやっておるわけでございますが、これはただいま御指摘もございましたが、主任の制度化及びそれに伴う手当支給の趣旨に反することでございまして、大変遺憾なことである、こういうふうに思っております。
○柄谷道一君 では、文部大臣、文部大臣は御所信の中で、教育の純正中立、そして国会で定めた法律及び予算に基づいて教職員の方々が教育に携われることを期待すると、こういう趣旨の御答弁をされたわけでございますが、いまやりとりをしたような現状でございます。私は本来の趣旨に立ち戻らせるために、やはり誤ったことがあるとすれば、強くその是正を求める、これが当然文部大臣としての姿勢ではなかろうか。また、そのための具体的行動を起こされるべきではないだろうか、こう思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(小川平二君) ただいま局長が答弁申し上げましたように、主任手当制度を廃止しようという目的で、日教組が組織的に拠出闘争を進めておられるということはきわめて遺憾なことだと存じております。かようなことはやめていただきたいと願っておるわけでございます。さりとてこれをチェックする具体的方法というのはこれまたなかなかないわけでございます。非常に遺憾な事態でございますが、いかんとも仕方がないことだと思います。
○柄谷道一君 いかんとも仕方がない、これでは政治の姿勢は正せないわけでございましてね、私はこれが本当に何らかの組織的プレッシャーによって、主任の方々の御本人の意思に反してその拠出が行われているとすれば、このことに対して学校長等の責任者がその是正方を図るということは、これは当然あってしかるべき当局の姿勢ではないかと、こう思うんです。この問題やりとりしておってもしようがありませんから、私はそのような姿勢を大臣に強く求めておきたい。また改めての機会にそれが是正されるかどうかが、私は今度は、今後事例をもってそのプレッシャーの実態を改めての機会に御質問したいと、こう思っております。 そこで、次に、私は本年四月六日の当決算委員会で前田中文部大臣にも質問したところでございますが、個人立、宗教法人立幼稚園等、いわゆる非学校法人に対する補助金の問題についてお伺いをします。 私は、前回の質問で次のようなことを確認をいたしました。学校設置者は、教育の利潤追求を防止する趣旨から、学校教育法第二条第一項により、国、地方公共団体、学校法人の三者に限定しておる。しかし、同百二条第一項で、幼稚園については幼児教育に果たしている役割りを評価して、当分の間例外とすることになっている。これを受けて私学振興助成法では、学校法人以外の幼稚園に対しても国は補助金を出しておる。ただし、同法附則第二条第五項には、学校法人以外の私立の学校設置者は、補助金の交付を受けることになった年度の翌年度の四月一日から起算して、五年以内に学校法人によって設置されるよう措置しなければならないことが義務づけられておる。ところが、最初に非学校法人立幼稚園で補助金をもらったところの期限が五年経過いたしまして、五十七年の三月末をもって切れる。そこで、この措置についてどうされるのかという質問をしたわけです。田中前文部大臣は、昨年の四月の質問であったせいか、慎重に検討したいというお答えからの一歩も出なかったわけでございますが、期間はもう相当経過いたしまして、予算編成の時期になっております。大臣としてこれに対してどう対応されるのか、お伺いするわけでございます。
○国務大臣(小川平二君) 仰せの附則二条五項による、学校法人化しなければならない期限は五十七年三月一日に到来いたします。仰せのとおりでございます。期限が到来した後の取り扱いをどうするかということでございますが、私学振興助成法が国会の先生方の立法によって成立しておるというような経緯もございますので、立法府での今後の御論議を踏まえて、私もまた慎重に対処いたしますという答弁を申し上げるほかないわけでございます。
○柄谷道一君 概算要求の中ではどう対処しておられますか。
○説明員(柳川覺治君) 五十七年度の概算要求に当たりましては、従来の基本的な立場に立ちまして概算要求をいたしております。
○柄谷道一君 ということは、法改正を前提として概算要求をしておると、こう理解をしていいわけですね。
○説明員(柳川覺治君) 必ずしも法改正と直に結びつくものではないと存じますが、予算決定の上の執行のときに、この問題がどのような法的な措置になっているかということの問題であろうかと思いますが、現在概算要求の立場としては、従来の基本路線で要求いたしておるということでございます。
○柄谷道一君 いや、それは法律上は来年の三月末では切れるけれども、しかし、それが継続されるということを前提に概算要求を組んでいるということじゃないですか。わかりやすく言ってください。
○説明員(柳川覺治君) 五十七年度の概算要求におきまして、仮に将来補助金を打ち切る園というものが生ずるような事態になりましたときには、それが変わりまして学校法人化等の進展もあるわけでございまして、毎年新たに法人化を志向しているところもございますので、その面で従来からの執行率等を堅持した要求をいたしたということでございます。
○柄谷道一君 いま実態と言われたんですけれども、私が調べたところによりますと、昭和五十年から五十四年までの五年間に、非学校法人立から学校法人立化されました幼稚園は六百五園でございます。しかも、五十五年五月一日現在の設置別幼稚園数は、学校法人立四千八百十八園、これは五四・九%。これに対して、非学校法人立は三千九百六十二国、四五・一%。いまなお半数に近いものが非学校法人立で残っておる。しかも、この学校法人立以外の幼稚園に対する国庫補助対象国数の比率は毎年これ上昇しておりまして、たとえば五十一年千九十五園、二三・七%であったものが、五十五年度では千四百七十二国、三七・一%と、これは逆に増大をしておるわけですね。そこで、法律に書かれているにもかかわらず、学校法人立化が遅々として進まないということをこの数字は物語っておるわけでございますが、一体その理由はどこにあると把握していらっしゃいますか。
○説明員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおり、昭和五十一年度に国庫補助を受けました幼稚園が千九十五園でございました。昭和五十五年度は千四百七十三園と増加しております。このことは学校法人以外の幼稚園に対する補助を新たに昭和五十二年度から開始した都道府県が十一県ございます。また、これに呼応をいたしまして、五十二年度以降新たに補助金を申請したという幼稚園もあるというような経緯から、御指摘のような増加の傾向を示しております。いま御指摘受けましたとおり、学校法人化がそれなりに進展はしてきておるわけでございますが、なかなかに学校法人化の実現しておらない背景には、学校法人は校地、校舎を自己所有するという原則を置いておりまして、この面につきましては、五〇%は借地等でもよろしいというような緩和措置をとりまして、この法人化を進めてきて促進を図ってきておりますが、なお将来の園児の数の減少等の傾向等もございまして、あるいは宗教法人におかれましての宗教法人の所有の土地についての状況等からも、この面の法人化の促進がなおもう一歩進まないという状態でございます。
○柄谷道一君 この学校法人立化がなかなか促進できない、これは非常に深刻な問題があるんですね。一つは、個人財産を学校法人に寄付したら、その財産がもうなくなってしまうという意識がある。いま五〇%という緩和措置が講ぜられておりますけれども、借地で幼稚園を経営しておる。したがって、その土地を買う金がない。それから園児が今後縮小の傾向をたどって、経営の将来に対してなかなか確たる見通しがつかない。さらには、宗教法人立の場合は、境内や教会内に幼稚園があるので、学校法人化すると、宗教法人の財産がなくなってしまう。したがって、それが宗教法人の側として抵抗が強い。このようになかなか一朝一夕で学校法人化が進まない深刻な理由があるわけです。 そこで、このような状態のまま来年三月という時期を迎える。そこで、いま非学校法人立の幼稚園の側からは、学校法人に移行しなくても、補助金が引き続き受けられるように私学振興法を改正してもらいたいという動きがある。片や学校法人立の幼稚園側からは、学校法人による設置運営を基本理念とした私立学校の体系をそれでは崩すのではないかという原則的な猛反対がある。そこで、公費補助をめぐる幼稚園同士のきょうだいげんかといいますか、その立場の相違による争点が激しく浮き彫りにされてきておる。自民党内部も、こっちに味方する方、こっちに味方する方いろいろありまして、なかなかその結論が出ない。しかし、私はこれは総理が政治生命をかけると言われた行財政改革のポイントである補助金が絡む問題でございます。いずれにしても、ここまでくれば、私は、大臣は、議員立法であるから議員の皆さん適当に御判断をということではこれは片づかない、政治決断を必要とする時期に来ておると思うんでございます。大臣、政治決断下されますか。
○国務大臣(小川平二君) いま御指摘のように、学校法人化が遅々として進まないということは、財産の帰属の問題もあり、あるいはまた将来に対する不安等もあることでございましょう。 そこで、ただいまの御質問でございますが、非学校法人の幼稚園でありましても、幼児教育を行うという点では、学校法人と同様に非常に重要な役割りを担っておるものと考えますので、文部省といたしましては、各種幼稚園関係団体の意向も聞きまして、慎重に対処していきたい。仰せのように補助金が絡む大事な問題ではございますが、さりとて一刀両断に解決するわけにもまいりかねますので、国会の御論議等も踏まえまして、ひとつどう対処したらよろしいか、慎重に検討いたしたい、かように申し上げるほかはないわけでございます。
○柄谷道一君 非常にほかのことに関してはすぱっと答えられる大臣なんですが、この問題に関しては、与党の内部事情もあるんでしょう、非常に慎重な表現をとっておられる。しかし、私はいつまでもこれ逃げていけないと思いますよ。もう来年の三月末なんですから、年内に決断を下すか、年明けて早々に決断を下すか、どうしても私は決断を下すべき時期はもう間近にあると思うんです。ところで、私は個人立幼稚園が幼児教育に果たしている役割り、これは私も評価します。ところが、国税庁がことしの六月二十六日、五十四年度分申告所得税の調査結果を発表しております。それを見ますと、一件当たりのごまかし所得、一件当たりの追徴税額ともに六年連続でワーストワンはこれはお医者さんでございますけれども、この個人幼稚園が五十三年度はワースト五位、五十四年度はワースト九位を占めているんですね。私は、貴重な国民の血税を注ぎ込んでいるこの個人立幼稚園の中に、多くの脱税、ごまかしを行っている幼稚園があるということは、これは国民感情からしてとうてい許される問題ではないと思うんです。こうした脱法行為を行っておる幼稚園に対しては、少なくても補助金の支給について当局の厳正な姿勢というものがあってしかるべきではないか、こう思うんですが、いかがです。
○国務大臣(小川平二君) 改めて申すまでもございませんが、私立幼稚園の経常経費に対する補助は、教育条件の維持向上、あるいは修園上の負担の軽減、経営の健全化という趣旨で、都道府県が行っておるところでございまして、国は当該補助に対する一部を負担しておるのでございます。各都道府県におきましては、補助金の交付に際して、会計処理等に不正があった場合には、補助金の減額あるいは不交付等の厳正な措置を講じております。補助金は別途会計で処理させるということにもなっておるのでございまして、補助金そのものが不正に使用されておるという事実は、私はないのじゃなかろうか、御指摘のございました脱税等の問題、これは補助金とは必ずしも、お言葉を返すようで失礼でございますが、直接結びつく問題ではないのではなかろうかと考えております。
○柄谷道一君 いや、私は、論理的に補助金と脱税はこれは直接的には結び合いません。これは当然ですよ。しかし、国から補助金を受けながら、しかも、片や脱税しておる。これは国民感情からして許されることではないと思うんですね。これは、ただ国税だけの問題だというんではなくて、やはり文部省としても、その種の脱税行為を行っているような幼稚園に対して補助を行うこと自体、これに対してももっと厳正な目というものが必要じゃないかということを指摘しておるわけです。いかがです。
○国務大臣(小川平二君) 御発言の御趣旨は十分理解できることでございますので、脱税等、経理面に不明朗な事実がございますれば、これに対して善処する方法を検討しなければならないと考えております。
○柄谷道一君 なかなか大臣、微妙なお答えしかいただけないんですけれども、私は、この非学校法人立幼稚園の問題は、古くさかのぼりますと、昭和四十六年の中教審答申にうたわれているわけですね。「個人立の幼稚園は、できるだけすみやかに法人立へ転換を促進すること。」、これが中教審の答申でございます。これを受けまして、私学振興助成法でも五年間のタイムリミットを設けたわけです。ところが実態は、答申を受けたこの附則の措置にかかわらず、学校法人立化が遅々として進んでいない。そしていま大きな問題が出てきておる。これが現実ですね。 そこで、私はずっと一連の原則から行けば、来年三月でもう打ち切るべきですよね。ところが、それをやると父母の負担への転嫁、経営圧迫が起きてくるんではないか、こういう問題が出てくる。しかし、この問題は、いつか明確にしませんと、際限なくこの再延長、再延長というものが繰り返されて、中教審の答申が形骸化してしまうというおそれがあると思うんです。したがって、仮に再延長を行う場合といえども、その再延長期間内に、中教審答申等を踏まえて、文字どおり学校法人立化という教育本来の体系が整備されるという見通しと、それをなし得る施策というものを相並行して再延長をしていきませんと、私はこの五年間、六百を超える幼稚園が、困難を乗り切って学校法人立化に踏み切った、法律を正当に守ってきた、その善意が踏みにじられて、いわゆるごて得ということになることは問題がある、こう思うんですね。この点に対しては、大臣、決済を行われる際に、十分配慮されるべきことだと私は思うんですが、いかがでございましょう。
○国務大臣(小川平二君) 御同感でございます。これがずるずるべったりに延長されるということになりますると、仰せのように際限のないことになりますから、御発言の御趣旨を踏まえて、ひとつ十分検討をするつもりです。
○柄谷道一君 次に、これは午前中粕谷委員からも質問のありました、大学入試センターの問題でございますが、局長の御答弁によりまして、人為的操作は行っていない、ただ枝問の採点内容を得点主義を排除するために公表していないので、そのことが自己採点との間の差をもたらしているのである。しかし、今後も試験の公正確保のため、その改善に努力したい、こういう御答弁があったわけですね。私はその答弁で尽きると思うんですが、局長の答弁の中に、一部の新聞雑誌というもので批判が起きていると、こういう御答弁があったわけですが、私はずっとこの問題一遍ひっくり返してみたんです。すると、毎日新聞では五月七日、五月二十七日、六月二十日の三回。読売新聞では八月一日。それから朝日新聞では九月十四日、九月二十一日、十二月六日、それぞれ投書欄でこれ取り上げられておるわけですね。しかもこれは中央新聞ばかりではなくて、北海道新聞、中日新聞、北国新聞等にも投書欄にこれが大きく取り上げられている。さらに毎日新聞社発行の「教育の森」五月号、現代評論社発行の「現代の眼」十一月号、文藝春秋社発行「諸君」の十一月号、時事通信社の二月十日号、「学生時代」の四月号、さらに投書ではございませんが、六月二十二日付読売新聞の「気流」、十月二十三日付毎日新聞の「編集者への手紙」、十二月十日付朝日新聞の「共通一次試験の仕組Q&A」、さらに一昨日ですか、十二月十四日付東京新聞の「筆洗」、これは新聞社そのものの主張として人為操作が行われているということを前提にその記事が書かれておるわけなんです。こうなりますと、私は過酷な試験地獄の中で、苦しみながら毎日勉強をしておる受験生及びその父兄というものの立場からすれば、これだけほぼ一年間にわたっていろんなところで取り上げられている、しかもその中が人為操作があるという一つの推論のもとに、投書なり、論文が書かれているということになりますと、その不安、疑問というものが起こるのは私は避けられないと、こう思うんです。そこで局長は、今後も機会あるごとにその疑義は解きたいと、こういうお答えであったんですけれども、私はこれだけマスコミに次から次に出てくるということになると、やはり文部省としても、今後の改善は改善ですよ、現在のこの入試センターの仕組みというものについて、やはり受験生及びその父兄の疑問や不安を解くと、こういう姿勢というものがなければならないと思うんですね。そういう明確な態度の表明あって、初めて受験生というものがみずから一生の進路ともいうべき学校の選択について公平な判断が自信を持ってできるということになるのではないだろうかと、こう思うのです。局長の御答弁はいただきましたんで、ひとつ新大臣、この問題に対して間違いは間違いだと、こういうものをやはり大きく国民の疑問にこたえるという措置をぜひとられるべきだと、学者の推論が誤りであれば、こういう点が誤りであるということを明確にすべきではないだろうか、こう思うのです。内容のことは聞きません。その解明の姿勢について大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(小川平二君) 大学入試センターにおきましては、このセンターの委員会において試験問題を作成すると同時に、配点の基準を設けて、採点はその基準に基づいて厳正に行われておると信じております。人為操作等の事実はないという報告を同センターからも受けておるわけでございます。しかるに世間にいろいろの批判があり、疑惑があるということでございまするから、これを払拭いたしますために、センターにおきまして入試関係者に対する説明会、あるいは連絡協議会等を通じて、説明を行ってきておるところでございます。伝えられるような事実はないと信じておる次第でございます。
○柄谷道一君 いや、その解明に努力されてきたことはわかりますよ。ところがこれ十四日付の東京新聞の「筆洗」ですよ。これは新聞社の論説委員が書いた記事だと思うのですね。そこに「大学入試センターの科目間採点調整や大学側の「傾斜配点」など人為的操作が行われているが、」と、これ書いているわけですね。ということは、そういう努力にもかかわらず、マスコミ自体が人為操作があると、こう思うからこういう記事が出るわけです。これはいままでの努力というものがまだ十分功を奏していないということのこれは立証だと思うのですね。私は不正があるということを追及しているんじゃないんですよ、そうだとすれば、こういうものをやはり根絶するための当局の努力、このための具体的な行動というものがあってしかるべきだろう。そうしなきゃ、こんなものがことしの初めから、二月から十二月、十カ月間にわたって次から次、出るはずがないと、こう思うのですね。いかがでしょうか。
○説明員(宮地貫一君) お尋ねの件につきましては、午前に御答弁申し上げた点に尽きるわけでございますけれども、御指摘のように、受験生並びに父兄全体に対して、もちろん大学入試センターにおいてそのような人為操作は行っていないという報告を受けているということについて十分徹底させ、さらに、たとえば報道されていますようなことについて、入試センターとしてもしかるべき対応をすることについても十分入試センター側とも協議をいたしまして、対応を考えたいと、かように思います。
○柄谷道一君 ぜひそのようにお願いをいたします。 最後でございますが、これは佐藤委員からの御質問もされたところでございますが、十一月二十日付の朝日新聞で、文部省の発注工事に、文部省のOB官僚で建設業界に天下りした人々が指名をとるために活躍しておる、そこで、これは非常に重大な問題なんですけれども、現役とOBとのつながりの中で、極秘のはずの工事予定価格まで漏れているという内部告発がある、また文部省OB二十一人でつくっている文建会の名で、現役の施設関係者に協力を求める文書が出されている、こういう見出しが大きく「官・財癒着の構造」、これが天下の朝日新聞で大きく報道されていますね。となりますと、私はこの新聞を見ました国民の側からいたしますと、文部省おまえもかと、この感じを持つのは私は当然だと思うのです。そんなことばないはずですというだけでこの疑問が解けるわけではないと思うのですね。私はこの談合問題につきましては、これは非常に重要な問題ですから、また改めて建設省関係の決算委員会等で詳細質問をしたいと思いますけれども、私はこの際、朝日新聞にこれだけのものが書かれた以上、大臣としての毅然たる姿勢というものを打ち出されなければ、国民の疑惑を解くことには決してならない、こう思うわけでございます。基本姿勢だけで結構でございますが、大臣の御所見をお伺いしたい。
○国務大臣(小川平二君) 従来から工事の発注につきましては、きわめて厳正な態度で臨んでおるのでございまして、仰せの予定価格、万が一にもこれが漏洩する等のことがありませんように、細心の注意を払ってきておる次第でございます。 ただいまの文建会でございますか、文建会の出しております文書等も私すでに見ておりますが、退職者が就職しております企業に対して特別の対応をする、特別の恩恵を与えておるというような事実はございません。したがって、官財癒着というようなことは文部省に関しまする限り絶対にございません。
○柄谷道一君 そのことを信じておきます。 ただ、私、これ五十一年から五十四年まで、ずっと会計検査院の不正事項の文部省に関する指摘事項、全部これ持ってきたんですよ。歴代の文部大臣、毅然たる御姿勢をお示しになるんでございますけれども、それじゃその会計検査院から指摘される不正事項が目に見えて減っておるのかというと、これ減っていないんですね。年度によってはふえているわけです。だから、そこに、私は大臣の御姿勢は御姿勢として評価しますけれども、実態はなかなか改まっていないということを、この五年間の会計検査院の報告は現実に示しておるわけでございます。ぜひ、大臣の方で、いま申されました姿勢に基づいて厳正な指導をされまして、次の検査院報告には、いやしくも不正工事ないしは談合問題に関する検査院の指摘が絶無であることを私も期待し、大臣の手腕を評価、期待をいたしまして、私の質問を終わります。
○安武洋子君 私、国立大学、それから大学共同利用機関に対しまして全国で二十二カ所、行管庁が本年の七月から九月にかけて二十二年ぶりに行政監察を行っておられます。その行政監察についてお伺いをいたしとうございます。 最初に、この監察の概要、そして目的をお伺いいたします。
○説明員(堀江侃君) 御説明いたします。 ただいま御指摘のように、私ども国立大学、国立大学共同利用機関等に対する行政監察、研究施設の管理運営等を中心といたしまして、本年の七月から九月まで現地調査を実施いたしました。 本調査の目的を要約して申し上げますと、高等研究機関としての大学等の特殊性を前提といたしまして、また大学の自治あるいは教官等における学問の自由という基本的な原則を十分に認識をいたしました上で、大学等の研究施設、設備の管理運営につきまして、合理性、効率性の観点からの改善を必要とする分野があるかどうかということを、実態に即して明らかにすること、この点を目的として実施をいたしたというふうに御理解をいただきたいと思います。現在、鋭意取りまとめ中でございます。
○安武洋子君 言うまでもないことですけれども、大学への監察、これを計画、実施するに当たりまして、一般行政の機関とは違う点があります。学間の研究の自由、あるいは大学の自治という、憲法とか、教育基本法などの原則を犯すことがないように、こういうことを十分に配慮されなければならないわけです。 昨年の通常国会でKDDの事件が起きましたけれども、この事件を契機にいたしまして、調査対象の法人を拡大すると、こういう行政管理庁設置法、この改正が行われております。その際に、本院でこの法案に対しまして附帯決議がつけられております。ここの附帯決議の中で「言論、報道、研究、学問の自由に立ち入って調査することのないよう配慮すること。」と、こういうことを指摘しております。今回の監察調査に当たって配慮をしたとおっしゃっておられますけれども、こういう点を配慮なさったのかどうか。また、調査項目、内容などの点について、事前に文部省と協議などを十分になさったのでしょうか、こういう点をお伺いいたします。
○説明員(堀江侃君) お答えいたします。 私どもといたしましては、大学の自由、あるいはその以前の学問の自由という問題につきましては、申すまでもございませんけれども、大学の自由というものが、学問の自由に淵源を求められるというふうな理解をいたしておりますから、行政上の一つの機関としての大学、そこには学部、付置研究所等を当然含んでおるわけでございますけれども、そういう大学等を行政監察の対象といたします場合には、学問の自由、あるいは大学の自治というものを十分に尊重し、認識と配慮を払うということが当然だろうと、こういうふうに考えております。 今回の調査に当たりましても、研究教育の個々の内容に立ち入るような事項、あるいは教官等の人事配置等にかかわる調査は行っておりません。また、関係の先生方にも私どもの調査の趣旨を十分に理解、御認識いただいた上で御協力、あるいは御説明を受けるというふうに現地の調査担当者にも指示をいたしておるところでございます。
○安武洋子君 いまの御答弁で、行管庁としては十分な配慮と認識の上で監察を行ったと、こういうことでございます。しかし、私どもは実際に今度監察をなさった調査の内容というのを関係者からお聞きをいたしております。大変懸念を持っているわけです。 そこで、大臣にお伺いをいたしますけれども、大学で何を研究するか、つまり、どのような研究テーマを選択するかと、こういうことは研究者の最大の自由であって、研究所の自治に関することであって、そして憲法にもうたわれておりますけれども、二十三条で「学問の自由は、これを保障する。」と、これにまさに該当することだと、私はこう思いますけれども、大臣の御所見はいかがでございましょうか。
○国務大臣(小川平二君) 大学の学術研究は、研究者の自主的な自発的な創意と、研究に対する意欲、これを源泉として行われるべきでございます。したがいまして、研究テーマの選定等も基本的には自主的な判断にゆだねるのが当然だと、かように考えております。
○安武洋子君 ところがね、今回の調査の主要な柱、この一つとしまして、研究テーマの設定のプロセスに関する調査が行われているわけです。 その中心でございますけれども、教官の研究テーマの選定に当たって、これは先ほどの私が申しましたように、どういうテーマを選択するか、これは研究者の最大の自由でなければいけないわけですけれども、これが産業界など大学外部ですね、この要請をくみ上げるシステムが備えられているかどうかと、こういう点に置かれているわけです。 一例を挙げてみますと、ある大学での研究テーマの選定システム、この調査で産業界等、まあ大学外ですね、学外の社会的ニーズを常時把握するシステムの有無、これはどうかということを聞いています。それから、研究テーマの決定のプロセス及び決定者、これはだれかということですね。それから、研究テーマの選定がシステム的にくみ上げられていない場合、社会的ニーズを研究面に反映させることについての意見、これはどうかということを聞いております。それから、研究テーマの選定において産業界等学外からの研究要請をシステム的にくみ上げている場合は、現在実施されている研究テーマの内容等、すなわち研究要請の内容、あるいは研究要請が出された分野、研究テーマ、研究内容など、こういう内容について聞くというふうな、こういう調査が行われているわけです。この調査の内容というのは、明らかに研究テーマの選定とか、研究の内容という、まさに研究の自由や、それから研究所の自治の領域、この調査であって、しかも社会的ニーズの名をかりて、産業界の要請が個々の研究者の研究テーマにいかに組を入れられているかというふうなこと、そして、それが不十分な場合には、いかにそれをシステム的に組み入れられるか、こういうふうにするかというふうなことを調査目的にしたものとしか、私は今度の調査の内容を見てみますと考えられないと思うわけです。 行管庁は、調査に当たって、学問、研究の自由に立ち入らないように留意したと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、実際の調査ではこのような行き過ぎがあるというふうになっております。このようなことを、いま鋭意この内容を取りまとめ中だというふうにおっしゃいましたけれども、もしこういうふうなことが、この勧告に盛り込まれるというふうなことになりますと、これは研究の自由も、あるいは大学の自治もあったものではないという大変なことになると思うんです。私は絶対こういうことが盛り込まれてはならないと、こう思いますけれども、行管庁の御所見、お伺いいたします。
○説明員(堀江侃君) お答え申し上げます。 ただいまいろいろ個別にわたりまして御指摘を受けたわけでございますけれども、私ども本調査の実施に当たりましては、先ほど申し上げましたように、研究の内容にまでは立ち入らないというふうなことを前提として調査の仕組みを考えたつもりでございます。 お話にございましたように、研究テーマの選定の仕組み、個々の研究テーマの、選定されたテーマの中身ではなくて、各大学等が大学の自治の範囲内で、どういう仕組みで研究テーマをお決めになっているのかと、そういう仕組みの実態を知りたいという意味での調査、これは調査と申しますよりも、各大学、学部等の先生方から御了解を得て御説明を受けたということでございます。この点の取りまとめ等、ただいま鋭意検討いたしておるわけでございますけれども、当初申し上げておりますように、学問の自由、大学の自治等についての尊重の理念は全く変わっておりません。今後の取りまとめに当たりましても、当然そういう点を念頭に置きまして、私どもの改善意見等を申し上げる場合でも、学間の自由、大学の自治への侵害というふうな御批判を受けないような、そういう形で問題の整理、改善意見の作成をいたすつもりでございます。ただいま取りまとめ中でございますので、以上申し上げて御説明にかえさしていただきたいと思います。
○安武洋子君 内容に立ち入らないで調査をしたとおっしゃるにしては、いま私が個々に御指摘申し上げたように、私は内容にずいぶんと深く立ち入ってなさると思います。そして、一番最初に申し上げたように、附帯決議の中でも「言論、報道、研究、学問の自由に立ち入って調査することのないよう」にと、調査もしないようにというふうに言っているわけですから、繰り返して申し上げておきますけれども、いま否定なさいましたけれども、研究テーマの選定の項を見てみてもそうなんですよ。これは研究業務の評価システム、これについての調査も行われておりますね。これは実施されている研究について、これを日常的に評価するシステムがあるかないか、ないとすれば内部組織として第三者によるチェック機関を設けることはできないかと、ここまで立ち入ってなさる。そうして、この点につきましては、昭和四十八年の学術審議会の第三次の答申で指摘もされておりますけれども、この評価システムを設けること自体、それをどうこうするということは、このこと自体が大学の自治を侵すものと思いますけれども、こういうことは大学とか、あるいは研究所の自治に属する問題です。しかし、この私がいま申し上げた四十八年の学術審議会の第三次の答申の指摘でも、この研究評価方式についても、あくまでも大学や研究所の自治の範囲での検討、これを提起しております。ですから、外部の行管庁が勧告をもってこういうことまでも云々するというのは全くナンセンスでふさわしくない。これは明白だと思うんです。それにもかかわらず、調査項目の一つとしてこういうものを盛り込んでなさるということは、いかに附帯決議の内容もわきまえております、原則もわきまえております、内容に立ち入らないで教官の御同意も得ましたと言われても、私はやっぱり研究の自由や、大学の自治への行き過ぎた調査になってしまっていると、そういうことだというふうに思いますけれども、行管庁、もう一度お伺いいたします。いかがですか。
○説明員(堀江侃君) ただいま研究評価システムの問題につきましての私どもの個々の担当者の調査の仕方等をもとにしての御意見を承ったわけでございますけれども、先生からもお話ございましたように、大学等における研究業績の評価の仕組みにつきましては、四十八年の学術審議会の第三次答申におきまして、「人事選考や研究費の配分などに有効に反映できるような方式を大学等に導入し、これを確立する必要がある。」というような審議会答申がすでに出されておるわけでございます。それで、私どもはそういう一つの提案を受けまして、大学自治の範囲内で現在どういう形でこの研究評価の仕組みが取り入れられているのか、その実態を知りたいということでお話を承ったわけでございまして、最終的にこの点を改善意見として申し上げるかどうかは、ただいま取りまとめ中でございますので、なお今後、当初申し上げましたように、学問の自由、大学の自治という基本的な原則を踏まえて、各面から検討いたしていきたいというふうに考えます。
○安武洋子君 改善意見として勧告するかどうかと、そんなことをしたら大変なんですよ。それ以前の問題として、大学の自治とか、学問の自由にずかずかと立ち入った調査をなさっていらっしゃる。先ほど出ましたのも、大学や研究所の自治の範囲内でこういうことを検討しなさいというふうなことですから、そこからずいぶんとこの学問の自由を制限する。どんなテーマを選ぼうとこれは研究者の自由でしょう。そうでないことまでもどんどん設問されている。そこに問題があるということを繰り返して申し上げております。 私がこのように申し上げる理由があるわけです。というのは、過去に例があるからです。文部省の関係研究所、この監察の中で、「文部省統計数理研究所の研究目標、研究態度は、反省、改善の要あり」、こんなのが出ましたね。それから「京大工学研究所の研究内容は低位であり、充実、向上が必要だ」、あるいは「東大史料編さん所は骨とう的趣味に偏して、科学的方法に欠け、反省の要あり」、また「東大社研は廃止せよ」、こういう行き過ぎた監察結果が出されたというふうに私は承知しております。こういう行き過ぎの点を、例が過去にあるからこそ、私はこれを踏まえて今回の調査もずいぶんと大学の自治、学問の自由を踏みにじるようなことをなさっていらっしゃるというふうなことで心配をしているわけです。 そこで、二点御注文申し上げます。 一つは、大学といえども、これは行政機関の一つとして、一般行政機関と共通する面があるということは私も承知をいたしております。施設とか、設備の利用とか、予算とか、人員とかということに対して、監察そのものを否定するものではございません。でも同時に、その施設とか、設備とか、あるいは事務の体制とか、こういうことが、研究とか、学問の自由、大学の自治、これを物質的に支えている保証だと、こういうことを十分やっぱりわきまえていただかないといけないと思うんです。こういう配慮をまずしていただきたいということが第一点です。 それから、公表される調査結果ですけれども、これが学問とか、研究の自由とか、大学の自治への侵害とか、後退とかというふうなことがないように、調査結果を取りまとめる過程で、十分これは文部省とも協議をしないといけないと思うわけです。行管庁と文部省との認識のずれというものがあるような勧告が出されるというふうなことになっては大変なので、私はまず行管庁にお伺いいたしますけれども、十分この文部省と協議調整を行って、認識のずれのないように努める、そういう努力をしていただきたい、こういうことを二点行管庁に要望申し上げますが、いかがでしょうか。
○説明員(堀江侃君) ただいま二点の御指摘を受けたわけでございますけれども、一般行政機関の場合と、大学の場合では合理性、効率性を追求する面で、おのずから相違があるんじゃないかという点につきましては、私どもも同じような認識を持っております。調査結果の取りまとめ、ただいまいたしておりますけれども、その点につきましては、それぞれの事項に即しまして、適切に判断をいたしていきたいというふうに考えております。 それから二点目の、文部省との協議の問題でございますけれども、私ども、どの行政監察の場合におきましても、調査結果についての実態の確認、あるいは問題点の認識という点につきましては、改善意見を作成する上での基礎でありますと同時に、関係省庁におきまして、所要の改善措置を講じていただく場合にも、前提になることだというふうに考えております。したがいまして、今度の調査の場合にも取りまとめがさらに進みました段階で、文部省にも私どもの調査結果をお示しいたしまして、十分に御意見を承る手順を踏んでまいりたいというふうに考えます。
○安武洋子君 文部省にお伺いをいたします。 行管庁の方ではいま私の質問に対して、大学とか研究機関ですね、こういうところでは、学問とか、それから研究の自由こういうことに十分に配慮するというふうなこと、それから公表される結果については、関係省庁と十分に確認、認識、これを一致させるというふうなことを言われているわけです。文部省側としましても、具体的な論議になると思うんです、こういう点とか、こういう点とかというふうなことで。そういうときには、学問の自由、それから大学の自治、こういう基本的な立場、これはやっぱり貫かれているかどうかという点では十分認識されて、こういう基本点を外さないでチェックをしていただきたい、こう思いますけれども、その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(小川平二君) 大学における学術研究につきましての文部省の基本的な姿勢、先ほどお耳に入れたとおりでございます。 そこで、行管から相談を受けました場合には、大学の自治について十分配慮していただくように要請を申し上げるつもりでございます。
○安武洋子君 じゃ、ひとつ具体的な小さな問題についても、その基本点を貫いてやっていただきたい、こういうことを御要望申し上げます。 最後に、今回の監察、これを行管の方ではいろいろと知りたいからだとか、いろいろおっしゃいましたけれども、たとえば大学の事務部門の一元化とか、あるいは民間の委託とか、産業界への要請を入れる研究の推進とか、とりわけ、農学部の農場や演習林への時代おくれ的な扱い、こういうのがあるわけなんです。これは臨調の第一次答申が出されている、こういう内容に沿った調査でなかろうかと、私はこれが第一次答申に沿った調査であることが顕著だというふうに申し上げたいわけです。この答申内容を行政監察による勧告だというふうな形で具体的に進めていこうというねらいが大いにあるのではなかろうかと、そして、臨調とか、行革とかといえば、いまはにしきの御旗になるわけですよ、こういうことをにしきの御旗にして、大学の自治とか、研究の自由とかというふうなところにもずかずかと土足で入っていくというふうなこと、こんなことは絶対にやってはならない、許されないことだというふうに思うわけです。 それで、私はお願いしたいのは、いま文部省としては手をつけなければいけないのは、同僚議員からもけさからたくさん質問が出ておりましたけれども、文部省のOBの官僚が建設業界へ天下りして、そして業界と癒着をして、そして問題を起こしているとか、あるいは学芸大に見られる業界と癒着して汚職事件を起こしているとかと、こういうことを正す、こういう姿勢を貫かなければならないと思うわけなんです。こういうことを私は行管にも、それから文部省にも強く要請を申し上げたいわけです。行管の御意見も伺い、そして大臣の御所見も伺いまして、時間が参りましたので私の質問を終わりたいと思いますので、御答弁をお願いいたします。
○説明員(堀江侃君) 私ども原則的に公務員の不正の究明というふうな点を中心に行政監察を行っておるわけじゃございませんで、行政制度運営における一般的な能率性合理性の追求を行っているつもりでございます。調査の過程におきまして、もちろん不正等の発生が生じないような行政上の仕組み、運営の適正化という点についてももちろん留意をいたしておるわけでございますけれども、今後もそういう形でいろいろな問題につきまして行政監察を実施していくというふうに御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 御発言の趣旨にはまことに同感でございますから、仮にも世間の批判、指弾を招くようなことがありませんように、自戒自粛をして努力をしてまいるつもりでございます。
○中山千夏君 最初に、新しく大臣になられました大臣のお考えを少し、二、三お伺いしたいと思います。 いま、校内暴力ですとか、それから落ちこぼれ、一般的な学力の低下というような教育の荒廃というものに悩む声が、教育界の内にも外にも大変聞かれるように私は感じているんですけれども、大臣はいまの教育の現状というものをどういうふうに認識しておられますか。
○国務大臣(小川平二君) 教育の荒廃ということがしきりに言われておるわけでございますが、正直に申しまして、この言葉には多少の抵抗を覚えておるわけでございます。日本じゅうの学校が全部だめになっているというようなわけではない、大部分の学校におきましてはきちんとした教育が行われておるに違いないと存じます。しかし、御指摘のような青少年の非行件数がふえてきておりまする上に、年齢も低下していく傾向にある、まことにこれには心を痛めております。こういう状況が出てくるのは学校、家庭、社会のあり方、あるいは青少年自身の問題もございましょう、いろいろな原因があると存じますが、なかんずく、今日のこの物質的な豊かさの中で、心が置き去りにされている、そういう風潮が出てきていることをまことに残念に思っております。そこで、これからは自主性と申しますか、あるいは自立心というものを養う、あるいは他人に対する思いやりの気持ち、あるいはまた社会的な連帯意識を培っていく、そういう点に重点を置きまして、これから平和国家を築いていかなければならない次の時代を担う頼もしい日本人を育てていくように努力したいと考えておるわけでございます。
○中山千夏君 いまの教育制度の中で、非常にここはいいと高く評価されている点がございましたらちょっと言っていただきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 私が申し上げましたような方向に沿って、学校の教育内容が逐次改善されてきておると存じます。たとえば、鳥やウサギを飼って、生あるものに対する愛情を培うとか、あるいは共同でいろいろな仕事をして、勤労の喜びを体得させるというような方向に次第に進んできている、これはまことに結構なことだと、一つの例にすぎませんけれども、考えております。
○中山千夏君 私も小さいころ学校で動物を飼っておりましたり、それから、少しホームルームなどで共同に仕事をしたり、それからクラブ活動があったりしたんですけれど、私自身の感覚で言いますと、だんだんそれがなくなってきて、勉強ばっかりさせられた、だんだん大きくなるにしたがって。それから、私より後の若い方たちの学校生活といいますか、それはおうちに帰ってからもそうなんですけれども、見ておりますと、どうもいま大臣がおっしゃったような要素が非常に欠けていて、どちらかというと勉強ばっかりさせられているようで、気の毒だなあという感じを非常に私なんかは持っているんですけれども、逐次そのような方向に変えていくし、変えていきつつあるということを聞きますと、子供たちのために非常にほっとする気持ちがいたします。 それからもう一つは、男女の役割りということについてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 男女の役割りというお言葉でございますが、男女間の差別撤廃につきましては、婦人差別撤廃条約もすでに成立をしておりますので、現に存在しております男女間の差別、文部省といたしましても逐次これを解消していかなければならない、こう考えております。
○中山千夏君 それじゃ、文部省の方にお伺いいたしますけれども、中学でいま大臣がおっしゃった方向で、昨年の四月から、いわゆる相互相乗り方式というんですか、そういう方式がとられています。これは中学の家庭科ですね。それから高校の方は、同じ家庭科で来年から男子も家庭科を選択できるシステムになるというふうに伺っています。これらの学習指導要領の改定は、国際婦人年に象徴されています国際的な男女平等の動きというものに歩調を合わせたものなんだというふうに私は思っているんですけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○説明員(三角哲生君) 確かにそういう面があると思います。ただ、この教育課程の改定は、日本の小学校、中学校、高等学校の教育、特に小・中学校は義務教育としての教育でございますし、高等学校も現在九四%、同一年齢層のうち九四%が高等学校へ上がるということで、非常に数の上から申しますと、国民的な教育機関とも言うべきものになっておりますので、そういう現状を踏まえて、小、中、高を一貫して、どういうふうな教育の内容をこの中に盛り込んでいくかということで、かなり長期間の検討を経た上で結論を得たものでございまして、でございますから、いま中山委員おっしゃいましたような、そういう世界的な動きをもちろん考慮に入れつつも、いま申し上げましたような意味での小・中・高等学校の教育がどうあるべきかという点から、これは、それはそれで独立して御審議いただきまして得た結論でございます。
○中山千夏君 実は、私はこの中学高校の家庭科の改定になったものについては、ちょっと男女平等の見地から見て非常に控え目過ぎるんじゃないかしらという不満を持っている女の一人なんです。中学の場合ですと、男女とも一領域ずつ相互に選択ができるということで、確かに以前よりは方法的には平等に見えるんですけれども、その基礎となる五つの領域を見ますと、これははっきり男と女と分別されているわけですね。それから高校の場合になりますと、もっとこれが極端でして、男子の側には選択、男子は家庭科は選択できるということになっておりますけれども、女子は「すべての女子に履修させるもの」ということになっているわけなんですね。今度は男女平等という問題について考えてお答えいただきたいんですけれども、これが完全な男女平等の実現だというふうには文部省でもお考えになっていないんでしょうね。
○説明員(三角哲生君) 教育の中身を考えます場合には、先ほど申し上げましたような、国民として、国家、社会の形成者として必要な知識、あるいは技術をどういうぐあいに授けていくかということがまずあるわけでございますけれども、やはり小・中・高等学校とだんだん進みますにつれまして、児童、生徒の発達段階と申しますか、それに応じた配慮をしていくということがございます。したがいまして、小学校でやります家庭科の場合には、男女同じことを一緒にやる、こういう形になっておりますが、中学校につきましては、ただいま御指摘のような、ある部分共通してやりますけれども、男子は比重を技術の方に置きまして、女子は比重を家庭の方に置く、こういうことでございます。 高等学校の方は、これは一般のいわゆる読み書きそろばん的な教科、あるいは理科でございますとか、社会科、これは共通で一緒にやりますけれども、家庭一般については、女子についてこれを必修とする、男子の場合にはこれは選択をすることが認められるべきであると、こういうことにいたしておりますが、これはそういう年齢、あるいは発達段階に応じた配慮としていたしておりまして、これがだから平等の趣旨に反するというふうには私どもは考えていないのでございます。 教育というものは、やはり現実に子供たちが入ってまいります社会の状況を踏まえ、そしてそれから親や一般の要請でございますとか、あるいは社会全体の何と申しますか、コンセンサスと申しますか、全体がどのようなとこうを考えておるかということを踏まえながら、やはり現実に足を踏まえて考えていく必要がある、そういうことで配慮をしておるわけでございまして、私どもは、特に高校の場合をおっしゃいましたけれども、これは男子も選択することができるようにしておりますから、具体的な教育の中身は学校がそれぞれ考えていいわけなんで、ですからやろうと思えば男子もやれるという制度にしておりますので、制度上はこれは男女同じようにやることが可能な制度になっております。ただ、具体的にやはり地域なり、あるいは親の要請なり、そういうことを踏まえてつくりますので、必ずしも多くの学校が選択課目にしていないという事実がございますけれども、道は開いてあると、こういうことでございます。私どもは、さっきも申し上げましたが、これは一つのそういう現実を踏まえての教育的配慮だというふうに考えておりますので、ですから一定の共通したことをやった上で、必要なことをさらに付加してやると、こういうことでございますので、差別とか、これを平等に反しているというふうには考えていないんでございます。
○中山千夏君 大変いろいろ問題があって、簡潔にはお答えになりにくいこととは思いますけれども、時間がないものですからよろしくお願いします。 それでは、いまの御意見の中には異論もあるんですけれども、ちょっとおきまして、先ごろ日本の政府が署名に加わりました差別撤廃条約には、この家庭科は反するとお考えですか、反さないとお考えですか。
○説明員(三角哲生君) 私どもといたしましては、いま御指摘の条約の中に「同一の教育課程」という文言が入っておりまして、それに照らして、果たしてただいまの学習指導要領の決め方がどうかと、こういうことだと思うんでございますけれども、先ほど申し上げましたように、男女それぞれに応じた教育的配慮でいたしておりますことでございますので、この条約との関連につきましては、現在の私どもがとっております教育基本法に基づきまして、教育上男女の差別なしでやるんだと、こういったてりですでにずっとやってきておりますこと、これらのことは許容されるんじゃないかというふうにも考えますが、しかし、やはり自分だけで考えていたのではいけませんので、この条約に署名したり、あるいは批准をいたしましたりしておる諸外国がどんなぐあいにやっておりますか、特に家庭科につきまして、そういった実情も調べましたり、それから条約に署名した後で、また諸外国がどういうような措置をしておるか、こういったことを調査をいたすなどいたしまして、検討をしてみたいと、こういうふうに思っております。
○中山千夏君 外務省にお尋ねしたいんですけれども、いまの話に出ておりました家庭科と、それから条約とのかかわりについてどういうふうに考えていらっしゃるか、問題があるとすればどの点であるか、それを中学と高校についてちょっと具体的に教えていただきたいんですが。
○説明員(小西芳三君) ただいま御質問の点につきましては、婦人差別撤廃条約の十条というところが関係してまいります。十条には、(a)から(h)項までございますけれども、その中の(b)項と(c)項、これが関係してまいりまして、(b)項ではこういうことが書いてございます。同一のカリキュラムについてのアクセスを保障することというのが書いてございます。原文で見ますと、「同一」という言葉に当てはまっておりますのが、セイムという言葉でございまして、これは、実は、この条約を国連総会で審議しておりますときにも、若干問題になった言葉でございまして、セイムでなくてイコールという言葉でもいいのではないかという話が実はあったわけです。しかし、大多数の国の代表が、イコールということでは十分でないということで、結局最終的にそのセイムという英語になったという経緯がございます。 セイムということになりますと、たとえば、家庭科の関係で申し上げますと、恐らく男子が木工をする、あるいは女子が裁縫をするというようなことは、イコールという言葉であれば、あるいは許容されるのかもしれないと、そういう余地があるかもしれないということかと思いますけれども、セイムという言葉になりますと、そのような違いを認めるというようなことは、これは条約上の用語あるいは英語関係の法律用語としてもなかなかむずかしいんではないかと、こういう感じを持っております。 したがいまして、現在の、いま御質問ございました、わが国の中学校及び高校の家庭科のあり方と、この条約との関係でございますけれども、現在の女性のみ必修と、それから男子は家庭科が高校ではないということにつきましては、これは恐らくこの条約上許容すると考えることは無理ではないかというふうに思われますし、それから、現在これまで御説明ありましたように、明年の四月以降実施されるというその男子の選択制につきましても、女子はこれは全員必ずその家庭科を受けると、受けなければならない。しかし、男子については選択で、これは受けたい者は受けることができると、希望しなければいいんだということですけれども、やはり制度としてそういう選択の自由が、逆に言いますと女子についてはないということが、この条約との関係で問題がないかどうか、外務省——私どもの方の感じといたしましては、そこにやはり相当問題が残っておるというふうに感じております。 それから、中学の現在の一部相互乗り入れでございますけれども、これについては、時間数等では違いがございますけれども、一部の分野について、男子の生徒も、女子の生徒も義務的にやるという、制度面におきましてある程度の同一性ということが保障されておりますので、この点については条約の方から見まして問題があるかないか、若干率直に申しまして微妙なところでございまして、私どもとしてもこの条約の解釈として、この点についてはまだ最約的な見解というのを出しておりません。ただ、高校につきましては、いま申し上げましたように、この四月から実施されるやり方についても、やはり問題があるというふうに考えざるを得ないのではないかというふうに感じております。
○中山千夏君 それから、いまの第十条の(c)ですね、「教育のすべての段階及びあらゆる形態における男女の役割についての定型化された概念の撤廃。」というのがございますけれども、これにもちょっと触れるように私は感じるんですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(小西芳三君) その点は全く御指摘のとおりでございまして、私申し上げたのは、そのセイムとイコールということの違いから御説明したのですけれども、御指摘の点は、考え方によってははるかにもっと重要なポイントでございまして、この条約で一貫しております考え方というのは、男性と女性との役割りについて、ステレオタイプ化された概念を撤廃するということでございまして、これは条約の前文以下いろんな条文に流れております基本的な考え方の一つでございまして、そういう関係で、この(c)のところにまさに同じことが教育の分野について書いてございまして、その定型化された役割りという考え方を撤廃するということからいきますと、いまの高等学校の家庭科のあり方というものが許容されるかどうか、やはり非常に問題になってくるんではないかというふうに感じております。
○中山千夏君 ちょっと教えていただきたいんですけれども、こういう条約は、条文に反するというふうに、ちょっと問題があるというふうに外務省が判断なさるような問題を抱えたまま批准になっちゃうというようなことがあるんでしょうか。
○説明員(小西芳三君) この条約につきましては、留保に関する規定というのがございまして、留保は理論的に一応できるということになっておりますけれども、ただこの条約の趣旨及び目的に反する留保はできないと。つまり条約の趣旨あるいはその目的に反することになってしまうような留保、つまりある条項について義務を免れるということは、これは本来その条約に入る意味がないんだという考え方に立っておりますので、そういう点からいきまして、いまここで問題になっておりますことも、相当慎重に検討してみる必要があろうかというふうに考えております。
○中山千夏君 大臣、私はこの婦人の差別撤廃条約を早く、そして実情を伴った、内容を伴った形で批准してほしいというふうに願っている者の一人なんです。先ほども諸外国の事情その他を見ながら検討していくというふうに文部省の方でおっしゃってくだすったんですけれども、もちろんこの条約批准は、家庭科の問題だけが障害というわけではありませんで、ほかにもいろいろ問題はあるんですけれども、文部省として、この家庭科の男女共習の問題を、男女平等、それからこの条約に近づけるためにより一層いろいろ御検討、努力をしていただかなければだめだと思うんです。それでその辺の御努力の決意をちょっとお伺いしたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(小川平二君) 教育行政は現実的に、漸進的に進めていかなければならないものだと存じております。文部省の考えておりますることは、先ほど局長からるるお耳に入れておるわけです。これから先父兄の考えも聞かなければならない、先生方の御意見も承って、慎重に対処していくべき問題だと心得ておりますが、ただいま御発言の御趣旨私も同感であります。あとう限り努力をしていくつもりでございます。
○委員長(和田静夫君) 他に発言もないようですから、文部省及び科学技術庁の決算については、一応この程度といたします。 次回の委員会は十二月十八日午前十一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三分散会 —————・—————