科学技術振興対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/11/13
会議録
○委員長(太田淳夫君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、塩出啓典君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(太田淳夫君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田淳夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に藤原房雄君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(太田淳夫君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田正雄君 最初に、理研の筑波に予定をされております遺伝子操作施設の建設問題についてお尋ねをいたします。 これは、私も遺伝子操作という科学の分野についてはほとんど承知をいたしておりません。お聞きになる大臣も御存じないと思うのです。そういう点で、学問的な内容ということでなくて、施設の建設をめぐるいままでの経過なり問題点について、科学技術庁当局の見解なりをお聞きいたしたいというふうに思います。 特に、私は最初に大臣に十分留意をして聞いていただきたいと思いますのは、大臣も余り詳細は御存じないと思うのです。私も実はこの詳しい話は余り知らなかったので、ここ二、三日のうちに聞きまして、ゆうべになって急にこの質問をしなければいけないと思ったものですから、私の質問内容もあるいは的を射ていないものかもわかりません。ただし、事が非常に重大であるということだけは私は認識をしたんです。そういう点で、大臣もむしろいままでの経過を御存じなければ白紙の立場でお聞き願えるのではないかと思いますし、それだけに正確なといいますか、正しい判断を下していただけるのじゃないかというふうに思っております。当初にそれをまずお願いをしておきたいと思うのです。 この点については、きのう電話で質問の内容についての連絡をしてあります。そういうことで、原発の前にこの点をまずお聞きをしておきたいと思うのです。 そこで、私の聞いているところでは、理化学研究所、いわゆる理研、これは科学技術庁の所管にかかわる特殊法人で、公団になっているわけですね。これは埼玉県の和光市に本部がございます。そして、現在の理事長は前の筑波大学の学長をやられた宮島龍興さんですね。ここで、遺伝子組みかえを研究する施設を筑波研究学園都市内の谷田部町高野台三丁目の住宅地の中に建設をするということで、地元との間の意見調整もできない、研究所内の職員との間にも合意にまだ達していないということを聞いておるわけです。しかし、五十六年度分予算としては四億一千四百万円がつけられておるということなんですね。 そこでお聞きをいたしたいのですが、研究所の職員、それから地元の受けとめ方としては、この計画は科学技術庁の強い要請を受けて研究所側としてはやむを得ないで推進をしておる、こういうふうに言われておるのです。そこで、いつごろ筑波研究学園都市にこの遺伝子組みかえ研究施設を、特に最も危険度の高いP4という施設をここに建設することになったのか、科学技術庁としてはどういう方針のもとにここに選定をされたか。最初に、ここが選ばれた理由をお聞きをしたいと思うのです。
○政府委員(下邨昭三君) ライフサイエンスが非常に重要な研究分野であるということは二、三年前から非常に急速に盛り上がってきておりまして、そのライフサイエンスの中核となりますのが遺伝子組みかえの技術でございまして、国際的にも非常に発展してきておりまして、わが国でもこの研究に積極的に取り組まなければならないと考えてきていたものでございます。 そこで、遺伝子組みかえをやりますには、やはりその安全性について、一般的な未知の分野であるということでの不安感がございますので、その安全評価が、確実に研究を実施するために最高度の安全レベルを持った研究施設というのが必要であるということで、それをどこが研究をやればいいかということについていろいろと相談してきたわけでございます。その中で、理化学研究所においてライフサイエンス推進部というのが前にございまして、やはりそれを中心にして研究を進めるのが一番いいということで理研にそれをやっていただく、理研からもそういう希望が出てきたということで決まったものでございます。 それで、その施設をどこにつくるのかということについてもいろいろ議論があるわけでございますが、筑波研究学園都市というのは研究のあらゆる、国のもの、それから民間のもの、大学のものいろいろございますけれども、それが一緒になって共同利用するというような研究施設をつくるためにはやはり学園都市としての筑波が一番いいのではないかということで、その場所が理研のライフサイエンスの研究施設をつくる場所として選ばれたということでございます。
○吉田正雄君 いまの局長の答弁で、ライフサイエンスということでどこが適当かと考えたら理研がいいのじゃないか、あわせて理研からも要請が出されたということをつけ加えられたのですが、これはそのように受けとめている人はいないのですね。最終的にはそれは形として、理研からの要求が出ないのに予算をつけるということにはならない。しかし、事実上の経過としては、いままでの交渉経過の中では、無理やりという表現が当たるかどうかは別にして、これは理研当局から主体的に出されたものではない。科学技術庁が無理やり押しつけたものだと、この研究に賛成をしておる多くの所員もそういうふうに理解をし受けとめているのです。ここが問題なんです、まず第一点ですね。 ですから、時間もありませんから、ここで具体的に細かく、ではいつそういう要請が出たのか、予算要求はどういう形で出てきたのかなんということをいま聞いたって、逆に言うならまた水かけ論になるかもわかりませんが、事実はそうなんです。これは圧倒的に多くの人がそう受けとめている。賛成者までがそう受けとめていますね。それはこれからの論議の中でだんだんわかってくると思うのです。 そこで、いまも局長が未知の分野である、したがってそれだけ安全性については十分な配慮を払わなければならぬという趣旨のことをおっしゃっているのですが、私は全くそのとおりだと思うのです。特にこの遺伝子組みかえというのはまさに最近の生物化学の最先端を行くものであって、それだけに非常に未知の分野である。安全性、危険性についても十分まだ確かめられていない。いろいろなことが言われております。 とりわけ、この遺伝子組みかえというのは、長い地球歴史の中で、人工的に新しい生物をつくり出そうという試みなんですね。私は、根底的に、今日の科学者が、科学をもってすれば何でもできる、自然を征服できるという、そういう誤った観念にとらわれている科学者というものが相当多いのじゃないか。それだけにきわめて危険だと思うのです。特に倫理との問題からするならば、人間が勝手にそういう生物をつくり出していいのかどうなのかという点で、多くのというよりも、基本的に私は問題があると思うのですが、それはそうとして、多くの危険性が指摘されていることは皆さんも御承知のとおりだと思う。 そこで、ちょっとお聞きをしたいのですけれども、たとえば遺伝子の機能や、新しい組みかえDNAとなる俗に言う宿主の生物についての知識というのは今日まだ不十分なんですね。これは、十分もう解明されるというふうにお考えになっているのですか。どうなんですか。
○政府委員(下邨昭三君) どういう宿主を使うか、どういうベクターを使うかというような、これは専門語で申しわけございませんけれども、そういうことについてガイドラインというものを設けております。アメリカでもそういうガイドラインを設けて研究をしておる。どういう宿主を使い、どういうベクターを使うかというようなことで、こういうものならどういう施設を使いなさい、こういうものならこういう研究施設でやりなさいというようなものがございます。その宿主としていろいろな菌が指定されておりますけれども、わかっている部分についてはこれはもう一般の普通の実験室のようなものでやってもよろしい、それからまだ不明の部分については十分安全について専門家の検討を加えた上で実験を進めるということにしていこうというような指針ができておりまして、それに従って運用をされておるということでございます。
○吉田正雄君 いま答弁されたように、遺伝子の機能であるとかそういうものについてはまだごく一部しか解明をされていない、だからこれから研究をやっていこうということなんです。それだけに、いまあなたも、わかっているものについてはこう、不十分でわかっていない部分については一定の基準に基づいてこれから研究をやっていこうと。そのとおりなんです。まだ十分じゃない。十分ところか、まさに解明はこれから、研究はこれからという段階なんです。 そこでさらに、遺伝子組みかえを受けた生物、俗に言う組みかえ体が全く予想外の変化をして有害生物になる可能性については これも可能性ですから、ないということは言えないわけです。この点についてはどうお考えになっていますか。
○政府委員(下邨昭三君) 最近の欧米の研究結果によりますと、実験の危険性というのはないというふうな認識が科学者の間で一般的になりつつあるということでございます。まあそういうことでございます。
○吉田正雄君 これは私はきわめて冒険的な発言だと思うのです。実験についての危険性がないという。危険性がないのだったら、何で厳しい安全基準を設けたりするのですか。これからなんですよ、研究は。そういう局長の認識自体が私は問題だと思う。よく言われるように、危険の証明がなされないということと、危険のないことの証明というのは、これは全く違うんですよ。 さっきも言ったように、あなたは、まだ不十分である、機能等については不十分であってこれからそのために研究をするのだという。将来の研究の分野にわたって、危険がないなんということはない。何でいまの段階からそれが言えるんですか。科学に対する考え方がそういう考え方だから、私はなおさらきわめて危険性を感ずるのです。そういう考えでこの研究を進められていくということに対して、筑波の多くの研究者、賛成をしている研究者までがそのような姿勢に大きな不安を感じているということなんです。まず、その認識を私は改めていただかなければいけないと思うのです。きょうはあなたと論議する気はありません。 そこで、もう一つ聞きたいのは、新型生物、組みかえによってできた新しいそういうものが施設外に漏れ出し生態系のバランスを崩す可能性というものが私は皆無とは言えない、可能性ですから、漏れ出すことを完全に防ぐということが非常に困難だと思うのですが、この点についてはどういうふうにお考になっているんですか。
○政府委員(下邨昭三君) 十分防ぎ得ると考えております。
○吉田正雄君 防ぎ得ると考えておるのであって、その保証はないですよね、いまのところ。保証がありますか、現状で。ただ思うだけです。可能性というものを否定するのなら別ですよ。絶対だというならそれはあなたの言うとおりですよ。絶対であるということなんか言えない。まだ、これから研究をやっていこう、これから安全性を確認しようという段階ですよ。それは幾つかのものでは実験は成功している。しかし、まだまだこれから開拓される分野というのは非常に広いんです、大きいんです。それなのに、いまから、そういう危険性はないと。そんなことは言えませんよ。まあいいです。 そこで、もうちょっとそれではつけ加えて言いますと、御承知のように、一九七三年のアシロマの国際会議を契機に各国で実験規制措置が行われているのです。ということは、あなたが言うように、安全性が確認されるから心配ないなんというものじゃない。やっぱり多くの危険性を含んでいる、そういうことで一定の規制というものが必要だということになっているわけでしょう。だから、日本においても七九年の八月に内閣総理大臣によって「組換えDNA実験指針」というものが発表されて、研究施設については取り扱う生物、それから実験内容の潜在的危険度に応じて――潜在的危険度というのをちゃんと指摘しているわけですよ。危険性があるということを認めているのです。危険度に応じて漏れ出し防止のためP1からP4まで四段階に分けて順次施設基準の強化というものを定めているわけです。 あなたが言ったように、何にも心配ないのならこんな厳しい基準なんてつくる必要もない。基準を設けるというのは、危険性がもともとあるから基準を設けて安全性を確認し、万が一にもならないようにという、現状での考え得られる最大限の安全基準というものを定めているのだけれども、考え得られる最大の安全基準というものが絶対安全だという保証にはならないですよ。これはいままでの多くの事故がそうでしょう。どんなに安全性を確認し、多重安全装置を求めても、機器の信頼度というものがない。安全性の根底というのは信頼度がなければだめなんです。原発の事故というのはまず信頼度がないから次から次へと事故、故障を起こしてきているんです。あれだけの原発においてすら今日まで事故や故障というものが防ぎ得ない。現在においてもそうなんです。ところが、この遺伝子組みかえの研究というのは、いま始まったばかりです。だから、あなたが言うほどそんな単純なものではないわけです。 そこで、P4施設は御承知のように――いきなり質問ですから、私も専門家でないですし私なりに聞いたことをいま言うのですが、このP4というのは、一番厳しい最も厳重な管理のもとにやらなければならぬという施設なんですよ。逆に言うと、最も危険だということで、伝染病菌を取り扱う際の危険度というものを想定した厳戒施設で、実験室に出入りの都度下着を含めすべての衣類を着がえてシャワーを浴びなければならないという、これは大変な施設なんです。普通の物理、化学の実験とは違うわけです。したがって、それだけに細菌学者、伝染病学者等の人が最大の配慮、注意をしながらやらなければならない研究施設になるわけです。それを物理、化学の範疇と考えたり、そういう態度でこれに臨もうとしたら、これは大変なことになるということなんです。 お聞きをする前についでに言っておきますと、この施設は、最も高い基準のP4施設というのは、アメリカで三つ、イギリス、西ドイツにそれぞれ一個、日本ではようやく御承知のように武蔵村山市の国立予防衛生研究所に建てて現在試験運転中です。まだそういう段階なんですね。 そこで、筑波の場合の計画についてちょっと具体的にお聞きしますと、生物災害は危険の程度をあらかじめ評価することができるのか、評価をされたのかどうか。もっと言うと、微生物の漏出を監視することができるというふうに考えておいでになるのか。それから、漏れ出た微生物がどれくらい以下なら安全だというふうに考えておいでになるのか。そういう基準というものを持っておいでになるのかどうなのか。また、漏れ出た微生物が外で勝手に増殖する可能性というものを皆さん方は全然ないというふうに考えておいでになるのかどうか、そういう点です。そこに設置をされるというときにはどういう安全評価、もっと言うと、事前の環境評価というものをやられたのかどうなのか。私どもが聞いているところでは、環境評価、安全評価についてはやられていないと聞いているんですよ。所員は全然知らない、そんなもの。タッチしていないということなんです。
○政府委員(下邨昭三君) 先ほど私がちょっと、安全について、危険性の認識がだんだんとないように移ってきているというふうに申し上げましたけれども、最初、未知のものであるということの不安から、厳しくやっていこうということで、国際的にもガイドラインを設け、日本でもガイドラインを設けて研究を進めてきたわけでございますが、最近の科学者の中の評価は、その危険性がないというふうな認識が高まってきているということでございまして、アメリカのガイドラインも緩和の方向に向かいつつあります。日本でもそういうことについて検討をしているという段階でございます。しかし、いろいろございますので安全性の評価というのも十分やっていかなければいけませんので、そういう評価の研究をするためにも安全設備をきちっと備えた施設が必要だと、そこでその評価の研究をしていかなきゃならぬというふうに考えております。
○吉田正雄君 まだ安全評価が確立されていないから、いま局長は、それをやるためにもつくる必要があるという答弁なんですよ。それはそのとおり正しいと思うのです。まだ安全評価なんて確立されていませんよ、それは。だから、私がいま聞いたのは、事前に、筑波へ持っていって建てるという場合にどうなるかという、環境評価から含めてその安全評価というものはやられましたかと聞いているのです。やっていないはずですよ。それはどうなんですか。
○政府委員(下邨昭三君) 一般的な安全基準というのが確立されているということではございませんけれども、そういう安全設備をつくって、そこで、その中で何を研究するのか、どういう微生物を使うのかというようなことについて十分検討して、それで実験を始めるということにしていかなければならぬというふうに考えております。
○吉田正雄君 私の質問に答えていないのですよ。どういうことを研究していくのかこれから定めるというのは、非常にずさんですね、いまの答弁は。これだけの研究をやろう、しかし最も危険度の高い研究をやろうというのです、この筑波の場合には。したがって、従来の単なる一般安全基準なんというものでなくて、内閣総理大臣が定めたそういう安全基準でなくて、現実にこの筑波の場合にはどういう施設をつくりどういう研究をやるかということが明らかでなくて、ただつくってやればいいというものじゃないでしょう。一定の目的を持たなければいかぬのですよね。それにしては事前の環境評価というものが行われなかったし、事前の安全評価というものがこの筑波の場合には具体的には行われていないではないですかと、こう聞いているのですよ。やられましたかと言っている。やっていないと言うんですよ、私は。それはやっていないんでしょう。
○政府委員(下邨昭三君) 私どもはやっておりません。必要ないと考えております。
○吉田正雄君 大臣、これはもう大変な話なんです。非常に危険な研究なんですよ、率直に言って。これから安全研究をやるのだと、安全評価も今度の研究の中でやるというのだけれども、事前にそれじゃどうなんだということで、あらかじめ環境評価から安全評価をやっておくべきですよ。ところが、いまやっていない。そのとおりです。だから問題なんです。それはまあわかりました。やっていないということははっきりした。 そこで、そうなりますと、いろいろ現地で心配をしている問題がどんどん出てくるわけです。先ほども言ったように、この研究施設は伝染病菌などの取り扱いに習熟をした細菌学者が管理の中心にならなければいけない。これは物理や化学じゃないですよ、生物化学なんです。しかも最も最先端を行っているわけです。ところが、理化学研究所にはそういう専門家はおいでになりますか。これは管理を十分やっていけるというふうに判断をされていますか、どうですか。
○政府委員(下邨昭三君) その辺の専門家も招聘して対処していきたいというふうに考えております。
○吉田正雄君 専門家をもちろん招聘しなければやれませんよね、現状のままでは絶対やれない。これははっきり言って、やれない。 ところで、皆さん方の、専門家を呼んでやりたいと言っているその構想の中身をお聞きしますと、P1からP4までの施設を二系列つくって、そして官学民で共同利用しようというのです。ところが、所属がばらばらですよね。理研の職員プロパーでやろうということじゃないんです。まさに寄せ集めです。官学民というのですから、つまり理研の皆さん、大学のあっちこっち、それから民間からのそれぞれの者をかき集めてやろうというわけです。ところが、所属も違えば、いま言った認識の度合いも、いまの局長の認識とこれを専門に取り扱っている人の認識は、さっきからも危険性、安全性に対する認識はもう非常に違っていますからね。私がちょっと聞いただけでも、さっきからの局長の答弁では、恐ろしくて、そんな考え方でつくって研究をやられたらえらいことになってしまうと、こういうふうにあなたの答弁を聞いていてわかった。それだけに寄せ集めの研究者では、――研究者の質が低いと言うのじゃないですよ。そうでなくて、この研究に対する理解の度合い、それから取り扱いの習熟の度合いというのは全部違うんです。化学者、細菌学者、医学者、物理学者、いろいろな者を集めてやろうというのでしょう。だから、危険度に対する考え方もそれぞれ違っているわけです。そういうことでもって出入りをどんどんどんどんするわけです。ところがさっき言ったように、非常に厳重な管理のもとにやられなければならないのですけれども、そういう危険に対する認識のない研究者が多数出入りをするということになってきたら一体どういうことになるのだということで、安全管理とか運転というものが非常に困難になるであろうということなんです。その見通しもないまま、ことしじゅうにつくってやろうとされたのでしょう、本当は。五十六年度予算でつくってやろうとされた。ところが、現地の反対、所内の強い反対があっていまだにそれが実現していない。また実現できるわけがないです、こんなずさんな計画では。 そこでお聞きをしたいのは、予定地はどういうところにあるのですか、その広さはどれくらいを考えておいでになるのですか。
○政府委員(下邨昭三君) 予定地は高野台三丁目というところでございまして、農林の研究団地のすぐそばでございます。広さは五ヘクタールでございます。
○吉田正雄君 その地域は第二種住居専用地域に指定をされている区域ではございませんか、違いますか。
○政府委員(下邨昭三君) そのとおりでございます。
○吉田正雄君 これは大臣、非常に重要なことなんですよ。微生物の研究ですから、あるいは組みかえてどんなものができるかもわからない、それを研究しようという最も危険な研究施設を第二種住居専用地域の中に建てようというのですから、これはもう町当局、住民が猛反対するのはあたりまえなんです。だから、賛成をしておる研究者ですから、何でこんなところに建てるのかという点で反対なんです、研究そのものに賛成をしておる人でもですよ。 だから、それは私は担当局長としてこれから考えてもらいたいと思う。あそこに予定したのだから何が何でもそこだなんと言ったって、そう簡単にいかない。これはそんなにごり押しをする研究施設じゃないですよ。原発やまたその他の、俗に言う化学工場の公害とかそういうものとも違って、きわめて未分明な新しい科学の分野なんです。そういう危険なものを住宅街のど真ん中というか第二種住居専用地域につくろうという。この点は御存じでしょう。ことしの四月一日から茨城県は、この地域というものを学園地区にしようと、さらには文教地区指定という土地利用規制というものを定めて、そして良好な住環境を守るという方針を打ち出しておるのです。筑波全体が学問研究都市ですけれども、さらに良好な土地利用によって住環境というものをいいものにしていこうということで、この四月一日条例の改正をした。それだけに、細切れの住宅をどんどん建てるということにも一定の規制をする。同時に、住環境がきわめて良好なものにならなければいけないという意味での条例改正もやっているわけです。そこへこんなものをいきなり住宅街のところへ建てようというのですから、これはえらいことになっているわけです。そういうことを一体御存じだったのかどうなのかということです。 しかも、もう一つのP3施設、これを理研の本部につくってやっていこうと。和光市のあの理研本部に。ところが、東京都の練馬がすぐ目の前です、数百メートルでもって練馬区になっている。大都会の東京です、数百メートル先は。そんなところにP3をつくろうなんという計画なんですからね。そういう点で私は、筑波学園都市というのは、なるほど学問の一つの大きな研究都市にするというその趣旨はわかります。これはだれも否定していない。しかし、あえてこういうものを、まだ新しい先端科学であり、多くの危険性を潜在させており、安全性も確立をされていない、まだ安全基準も不十分なんです。そういうものを何でこんなところへ、しかも住居専用地域に持ってくるかというんですよ。その辺は検討されたんですか、これが住居専用区域であるということを。
○政府委員(下邨昭三君) 高野台の用地の周辺に住宅があるということは十分承知いたしております。 しかし、本施設は、その安全性において問題はないということを確信しておりますし、また、騒音を出したり住環境を破壊するというようなことではないと思っておりますので、住民の方々の御理解を得て建設を進め、研究を進めていきたいというふうに考えております。
○吉田正雄君 これは局長の答弁、さっきのとは相反するじゃないですか。安全性については問題ないと思っていると。あなたはさっき、これから安全性も研究する、その施設としてつくっていくのだと言ったじゃないですか。何が安全性確認されていますか。その安全性とかそういうものについての再評価、こういうものを新しい施設をつくった中で研究していきますと、これからの研究課題としてあなたは安全性の問題を挙げておきながら、この施設は安全だと確信していますなんて、確信でもってやれる問題じゃないのですよ、これは。まさにこれからの研究課題なんでしょう。安全性の問題もこれから研究していこうというのですよ。安全性が何で確立されているのですか。そんな確信があるわけですか。いまあなたはそう言ったですよ。さっきは、その安全性もこれからこの施設の中で研究していくのだ、研究分野に入っているのだと言っておきながら、そんな矛盾した答弁がありますか。そんな答弁で研究所員が納得するわけがないですよ。だから、そういう態度に対して、賛成をしている人までが不安であり、これはとても筑波への建設については賛成はできない、こういうことを言っているわけなんです。いいですか。 それで大臣、こういうこともあるのです。とにかく反対反対で、多くの皆さんは反対なんです。そして、研究に賛成する皆さんまでが、この理化学研究所における組みかえDNA研究に関する決議という五つの原則、つまり平和の原則、民主の原則、公開の原則、良心に従う原則、責任の原則という五つの原則にこれはもう満場一致なんです。これは所員を中心とした組合員満場一致の決議なんです。ところが署名をとって歩いたらしいですね、理事者の皆さん方が。ここにつくることについて賛成だということの署名をとって歩いたらしいのです。約八十名の研究者が署名をしたと。ところが、賛成という声明の署名者が、実は話は逆だということを後になって言い出した。逆だと言い出したのは、この研究施設は日本に必要だとは思うけれども筑波への進出については慎重に行うべきことを理事者に伝えたかったから逆に署名をしたのだと、こういうことなんです。だから、なるほどこういう物理だとか化学だとかの科学者というのはそんな駆け引きだとか何だとかという裏のことなんかわからない。純粋に、理事者から言われれば、ああそうですかといって署名した。ところが後になって話を聞いてみたら、話は全く逆の方向じゃないか、ここへつくってくれなんといって賛成した覚えは全然ないと。むしろ、筑波につくることについては慎重にやるべきだ、もっとほかのところを探すべきだという意味で署名したというのが署名した人の中でのほとんど圧倒的多数の人なんです。そういうことで、この問題については非常に多くの問題を抱えているのです。 まず、その点についてお聞きをしてまいりますと、さっきも科技庁からの押しつけだと私は言ったのですが、研究所の中では事前に、この四月になってから急につくるなんという話の前に、事前に十分に所内で話し合いが行われましたか、どうですか。
○政府委員(下邨昭三君) 私どもとしては、理事者からこういう研究施設をつくって研究をしたいという申し出があったということで承知しております。
○吉田正雄君 これもまたさっきの話と違うじゃないですか。あなたは、科学技術庁としてこの研究が必要だから筑波へ持っていきたい、こう言って主導的にはまず科技庁からあれしたと、たまたま理研の方からもそういう要望が出ましたというだけで、いまのあなたのまた答弁だと、理研の方から最初に積極的に出したような言い方ですが、そうじゃないですよ。これは当局側はどう言っているかわかりますか。この問題については、これは管理運営事項のようなものであるから、もちろん組合側と話し合いをする事項でもない、こういう言い方をしているんです。こういう重大な研究を所員と十分話し合いもしないで一方的に押しつける中でなんて、これは研究なんかできっこないですよ。さっき言った五つの原則から見てもこれは納得できるものではない。これは科学者の立場としたって、そんなことは納得できるものではないわけです。筑波につくることには反対だという決議を組合がやったというよりも、組合に入っていない非組合員の方もおりますけれども、この皆さんも反対だという人が非常に多いのです。筑波につくることには反対だという人が非常に多い。そういう決定、さらにことしの七月の十六日に同じく組合がその反対を決議しているわけです、これも満場一致で。先ほど申し上げました五原則等は昨年の十二月の臨時大会なんです。ところが、そこで推進に賛成の皆さんも、その後の理研当局の態度を見てますます反対に回っていったわけです。そしてことしの定期大会では満場一致で反対を決議しているんです。研究に反対じゃないですよ。筑波につくるべきではないという点では満場一致で反対しているのです。このことを御存じですか。
○政府委員(下邨昭三君) 承知しておりません。
○吉田正雄君 所内ではどういう討議をされたのですか。何回くらい、どういう形式でもってあらかじめ討議をされたのか。所員と意見交換をされたのかということと、組合がこういう反対を決議をした後、さらにそれではより話し合いを進めなければならない、反対決議後理研当局は、所員の皆さんあるいは組合と言ってもいいでしょうが、それとどういうふうに話し合いを継続をされておるのですか。
○政府委員(下邨昭三君) 理研の内部でも研究員の幹事会あるいは主任研究員会議等におきまして十分検討された結果だと考えております。
○吉田正雄君 という結果だということなんですがね。そういうところでは、賛成の意見というのはそれはわずかの人はあるでしょう。それから、さっき言ったように、研究そのものに賛成をしている人もおります。おるのですよ、組合員の中にもおるのですよ。そういうことを否定していない。ただし筑波へつくるというのには多くの問題がある、賛成できないという点では、満場一致で反対しているというのです。理事者はわかりませんよ。それは理事者はもう皆さんから言われているから、何が何でもつくらなければいかぬ、予算もづいているので、この予算が消化できなかったら今度は五十七年度予算の要求ができないということで、何が何でもメンツにかけてもなんという考えがあるかもわかりませんが、これはメンツにかけてという問題じゃないでしょう。 そこで、どういう指導をやられたのですか。これだけ多くの反対があるということは御承知のとおりなんですから、理研当局に対してどういう指導をされたのか。 また、衆議院での論議、これは私は議事録を読んでいないからわからないのですが、衆議院でもやられたというのを実はそれもけさになって、竹内さんがやったらしいのですが、その内容を私はちょっと聞いてくればよかったと思うのですが、当局側は、この問題については話し合う事項じゃないんだという言い方で、組合とは一切話し合いをする気はない、こういう態度で来た。ところが、衆議院での委員会、どこの委員会かもわからないのですが、委員会での竹内猛議員の質問に対して科技庁当局は、話し合うように指導をする、こういうことを答弁されているんですよ。ところがその答弁後も今日までこの問題については何ら話し合いが行われていない、団交事項ではないとか、組合と話し合うべき筋合いのものではないとか言っている。多くの人が組合員なんです。しかもそこに、研究に携わる多くの人が入っているわけです。その人たちが納得していない、反対だというのに、何で話し合いを、仮にまあ百歩譲って、何で理解を得るような努力をしないのかと言うのですけれども、強硬に、こんなものは話し合う必要はないの一点張りで今日まで来ているというのです。だから、どういう指導をされたのですか。答弁では、指導をすると言われたというのですが、理研当局にどのような指導をされたのか。
○政府委員(原田稔君) このP4施設の建設につきましては、建設の地元等におきまして反対なされる方々等もおみえになるわけでございますから、そういった地元に対する理解を求めるという意味でのいろいろな説明、 〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕 それから理研の内部におきましても、先生がおっしゃるようにいろいろな意見があるようでございますから、内部におきましてもひとつよく関係の方々に話をするようにと、こういったような指導はしております。
○吉田正雄君 そういう説明では、これはだれだって納得しないし、ほとんど適切な指導が行われていないのじゃないかと思うのです。ということは、理研当局側、理事者側の説明が、研究者を納得させるような十分な説明ができないというんです。私とさっきの論議のやりとりをやっても、そんな説明ではだれも納得しないですよ。これから安全性について研究するのだと言いながら、安全性は十分だと確信していますだとか、そんな答弁ではだれも納得できるわけはない。そこがまず問題なんです。 それ以上に、これは大臣に聞いていてもらいたいのですが、住民の反対陳情書が町議会に出されたのです。出されて、九月五日の町議会で採択をされた、これは御存じですね。
○政府委員(原田稔君) そういうことがありましたことはよく承知いたしております。
○吉田正雄君 さらに、九月八日には町議会で満場一致で今度は請願ではなく反対決議がなされ、それが理研当局にも送付をされておるわけです。これはそうでしょう。事実ですね。
○政府委員(原田稔君) おっしゃるとおりでございます。
○吉田正雄君 町長も反対であるという意思表明を明確にされておるということも御存じですね。
○政府委員(原田稔君) そういうところでございます。したがいまして、私どもは従来の私どもの説明が十分ではなかったということで、ひとつ今後ともなお説明を十分にしまして地元の納得を得たいと、かように考えております。
○吉田正雄君 十分でなかったということは認められたのですが、これはあたりまえの話ですよ。十分説明できるほど計画がきちんとしたものでない。きわめて不十分なずさんな計画なんです。これは説明できるわけがないですよ。だから、町当局だって、賛成の研究者までが反対しているということは、そういうことでしょう。賛成の立場の研究者ですら反対だというのは、皆さん方の、理研当局の説明が不十分なんだ。納得させられるような事業計画の説明がない、不十分です。だれもできないというんですよ、説明が。こんなことで建設できるわけがない。 町議会が満場一致で反対だ、町長も反対だ、それから研究に携わる所員の人たちも、研究に賛成する者を含めて、筑波に建設は反対だと言っているのですよ、これは一部の者ですけれども。こういう中で一体何で、しかも、いま話があったように説明が不十分だと。不十分ところか、説明できないから不十分なんですね。また、話し合いを組合がしようと言っても、それは今度は拒否をしているわけでしょう。そんな中でこの研究を進めること自体がもう基本的に私は間違っておると思うのです。 〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕 そこで、私は大臣にお聞きをしたいのですけれども、事務当局も認めておるように、いままで説明が不十分であったわけですけれども、これはまあいいです。ところが、とにかくあれは学園都市は学園都市ですけれども住宅地なんですよ、第二種住居専用地域なんです。住居専用地域ですよ。そこにこういう、きわめてまだ安全性が確立をされていない、場合によっては非常に多くの危険性を持った高度の施設というものをつくること自体問題だろうと思いますし、それから町当局がこれだけ反対をしており、決議まで上げて、理研当局にもその決議を送付している。だから、その送付をされたことについてどれだけまた検討を理研当局はされたのかわかりませんけれども、大臣としては、少なくともこれだけ研究者も含めて地元が反対だと言っているものについて、私はやはりいままでとってきた科学技術庁の態度、理研当局の態度、これがまず問題だと思いますし、これから地元のそういう決議というものについて十分私は検討すべきだと思うのですが、どうですか。
○政府委員(原田稔君) 従来の経過につきましては、地元の町議会で反対決議があったりしておるわけでございますけれども、私どもは、この研究がいわば新しい研究でございますから、いろいろな意味で関係の方々の御理解を得るのに多少は時間がかかっておるのかなという感じを持っておるわけでございますが、なおよく説明をすれば必ずや地元の御理解を得てひとつ建設することができるのではないかと、かように考えておりますので、そういったことで今後とも努力をしていきたい、かように思っております。
○国務大臣(中川一郎君) ライフサイエンスが未来産業としてきわめて注目されている国際的な研究課題であるということは、御認識いただけるだろうと存じます。医学とか、農業とか、工業とか、非常に期待されているように言われております。そこで、わが国でもここ数年非常に期待産業として力を入れておりまして、まあ理化学研究所にお願いをし、筑波にP4施設をつくる、こういう基本方針でやってまいりました。 吉田委員からいろいろと、研究所内部でも、あるいは労働組合も非常に反対である、こういう御意見でございましたが、実はこの間理化学研究所へ行ってまいりまして、労働組合の人もたまたま表で歓迎してくれるのかと思ったら、ボーナスを払ってくれという歓迎が非常に強くございました。そういう意見はありましたが、P4反対だという意見は聞いておりませんし、あるいは、遺伝子組みかえの説明も、専門の人からもいろいろと勉強してまいりましたが、危険であるからという意見が研究所内にあるという意見も聞いておりません。非常に期待されるものであると。そこで、私も素人ですから、そういう新しい微生物が外部に漏れてえらいことになるような心配はないものかというお尋ねもしてみました。言ってみみと、いま新しい微生物が仮にできても自然環境に耐え得るような、自立していけるようなものはまずできないだろう、その点はまず心配ないということでありましたし、そういう可能性が一〇〇%ないとは言えない、心配もあるので、P4施設でもって完全に隔離をして外部に出ない細心の注意を払ってやる、こういうことでもございまして、心配はないけれどもさらに安全を考えてこういった施設をやるのだなあと私としては信頼をして聞いておったわけでございます。 そこで、局長から答弁申し上げましたように、筑波については、第二種住居専用地域である等のこともあろうかと思いますけれども、学園都市の持つ機能というものもこれに生かしていきたいというところからするならば、施設について万全を期していけばいまの地域がいいのかなと、こう思っております。ただ、地元について非常に反対があるということは私もずっと連絡を受けておりまして、あそこでは今度は国際科学博覧会も開くことでもあり、ぜひ何とか御協力いただきたいと思っておりますが、地元には地元のいろいろな都合がありますし、現地で町議会の議決や町長の反対意向というものもありますが、何分にも新しいことでございますから、住民あるいは議会、町長、理事者の御納得をいただくのにはそう簡単なことではないと思いますが、粘り強く交渉をして未来に向かってのこの問題に決着をつけ研究を進めていきたい。御指摘はありがとうございましたとお礼を申し上げますが、やめるという結論を出せということにはもう少し時間をかしていただきたい、こう思います。
○吉田正雄君 最後の大臣の答弁のところでいいと思うのですけれども、私は当初から繰り返し申し上げておりますように、研究そのものを否定しているという組合の能度じゃないのですよ。賛成者もおれば反対者もおる、いろいろですと。しかし、ここにつくることについては、これは満場一致で反対だ、それから町当局も反対だと。その理由はいろいろあるわけです。これは、反対だという人の中には、安全性が確認をされていないというふうな点もあるでしょう。賛成者の中でも、町当局も反対だというのは、いままで施設についての十分な説明がなされないわけです。なされないと言うよりも、いまはできないと思うのですね。さっきからの答弁でわかるように、これからつくってやろうと思うと言いながら、研究課題はこれからの研究だなんというような、こういう状況の中ですから、それは説明できないわけですよ。同時に、住居専用地域なんですからほかへつくったらいかがですかというのが反対している人の意見、賛成者も含めてそういう意見なんです。 そういうことで町当局がこれだけ強い反対をやっていることですし、それからいままでの当局の説明では私が聞いてもそれは十分納得できないんですよ。だから、そういう点で、大臣としても、そういう町当局の要望や、それから研究者集団のそういう意向等も十分ひとつ配慮をしていただいて検討していただきたい。無理押ししたって研究をやる人がやる気がないことでは、幾ら馬を水辺に引っ張っていったって水なんか飲むわけはないです。逆に言うと、そういう中から本当に重大なまた危険性が生じかねない。しかも、この施設というのは秘密にすべき研究内容ではないのですよ、これは。企業秘密なんという内容の性格のものではないのです。もし秘密にするとなると、これは細菌兵器への転用ということを日本政府が考えているというのならこれは秘密ということになるでしょうけれども、まさかそういう考えはよもやないと思いますから、これは秘密にすべきものではない。まさに堂々たる研究成果というのは公表されなければいけないし、そういう内容のものだと思うのです。それだけに私は慎重に取り扱っていただきたいと思うのです。 そういう点で、もう一回、場所等も含めて慎重にひとつ検討をするという、大臣、そういうことでよろしゅうございますか。結論がまたどうなるかは別にして、不十分であったとお認めになるでしょう、いままでの経過としては。
○国務大臣(中川一郎君) 先ほど来議論がありましたように、初めてのことですから安全評価についてもまだまだこれからということもあろうと思います。それだけに地元や関係者の皆さんには御心配のあることも事実ですし、吉田委員の御指摘も当然のことかと存じます。そこで、そういった意見を踏まえて、地元が納得がいけるように、また、もちろん研究者の方々には理解がいただけるように慎重にこれは対処して、無理押しをするようなことはいたしません。
○吉田正雄君 その無理押しをしないという点をお聞きして少しは安心したのですが、実は大臣、無理押しをしないという大臣の御見解と、現実の事態がどうなっておるかということと、非常に違っておるのですよ。というのは、反対をする人については非常にいやがらせが行われている。 これは大臣御存じかどうかわかりませんが、夏期手当が支給されますね、いま人勧でも問題になっておりますが。七月の十五日に夏期手当が支給をされたのですけれども、非組合員にだけ支給をされた。組合員に対しては支給されていないのです。これは不当労働行為なんですよ、不当労働行為。支給しない根拠は一体何なのか、これを聞かせてください。
○政府委員(原田稔君) 夏期手当につきましては、その算定方式につきまして、私どもが聞いているところによりますと、理研の理事者側と組合との間で話し合いがつかない、こういうことでございまして、とりあえず理事者側といたしましては非組合員に対しまして、そういう組合との間の話の拘束の及ばない非組合員に対しまして理事者側の方式に基づいて支給したと、こういうことでございます。そういう状況でございまして、私どもの方も、なるべく早く両方の間で円満な解決が出てきますように、いろいろな意味で念願しているところでございます。
○吉田正雄君 大臣、私も労働組合をずいぶん長くやっていたんです。そんなばかな答弁はありませんよ。夏期手当の増額要求を出す、年末手当の要求を出す。妥結しなくたって既定の、従来から決まっておる夏期手当については、時期がくれば支給しなければならぬのです。それは支給していますよ。そうでしょう。交渉はまだ幾らでもやっていますよ、いや足りないとか、もっと出せとか。これは交渉が継続中であったって、決まり切ったものは支給するのがあたりまえですよ。それを交渉継続中だから非組合員には支給するけれども組合員には夏期手当を支給しないなんて、こんな話は通用しないですよ、大臣。だれが考えたって、これはいやがらせですよ。したがって、埼玉県の地方労働委員会にこれはいま提訴をやっておるようです。できるだけ早く円満に解決といったって、それは円満に解決を早くやってもらわなければならぬのですが、少なくともこの既定のものについては何で支給しないのですか。
○政府委員(原田稔君) ちょっと私の御説明が不十分でございましたけれども、実は、昨年の年末手当の際にも組合と理事者側との間でその算定方式につきまして話し合いがつかなかったわけでございます。そこで、まず非組合員側に支給し、引き続きまして、組合等の要請もあったことかと思いますが組合員に支給したわけでございますが、話し合いがつかないのに組合員に支給するのはこれは不当労働行為であると、こういうことで実は埼玉県の地労委の方に訴えられておるわけでございます。そういう状況でございまして、理事者側といたしましても、そういう実績があるものでございますから、本件の夏期手当の取り扱いについては実は苦慮をいたしておる、こういうのが実態でございます。
○吉田正雄君 一見聞いていると笑い声が出るようなあなたは答弁をしていますけれども、団交拒否はしていませんか、それでは。どうなんです。 そういう答弁の仕方をやったら、これは私はとことんまた話をしなければならぬことになってきますよ。とにかく、この問題だって全部団交拒否をしているんでしょう。いまのP4の問題にしても、全然団交に応じていませんよ。皆さんは、理研当局に対して組合と話し合いをするように指導すると言って答弁しているのです、国会の中で。ところが、理研当局は全然団交に応じていない。団交していない中で何が話ができるんですか。そうやって一方的に非組合員にだけ支給している。とにかくこんないやがらせというのはないです。いいですか。もう時間がだんだんないですからあれしますけれども、こういうことが行われているのです。ですから、大臣、とにかく頭に入れておいてください。あんないやがらせはないですよ。 それから、もう少し言いますと、非組合員と組合員の数はどれくらいですか。わかっているでしょう。
○政府委員(原田稔君) 大体、理研全体の職員は六百名弱でございますが、非組合員は私の記憶では約二百名ぐらい、組合員が四百名ぐらいの数字ではないかと思います。
○吉田正雄君 この組合には正当な団体交渉権というのは付与されているのですか、いないのですか。どっちですか。
○政府委員(原田稔君) 団体交渉権は持っていると思います。
○吉田正雄君 そうしたら労働基準法にしろ公務員法にしろ労働組合法にしろ、正式な団交権を持った、あるいは組合がない場合には、職員の過半数以上をもって構成する者との間に、代表する者との間に交渉が行われて、それが確認をされたらそれは非組合員に対しても適用するというのがこれは法の精神でしょう。それを、正規の組合として認め、団交権を認め、そのところでまだ話し合いがついていないのに、何で一方的に非組合員だけに支給するんですか。これは組合法の上からいったっておかしいんです。あなたたちが話し合いがつこうがつくまいが一方的にやるというのだったら、決まり切ったものについては組合員に対してだってこれは一律にやるべきです。非組合員に支給してよろしいという組合の返事だったのですか、それじゃ。それは差別をしてよろしいという返事だったのですか、どうなんです。
○政府委員(原田稔君) 非組合員の方からは、何と申しますか、理研の理事者側の方で決めた算定方式で結構だからひとつぜひ支給してほしいと、こういう要請があったと聞いております。
○吉田正雄君 非組合員からそういう話があったって、では非組合員はだれが代表して言ったんですか、そういうことで非組合員を代表して。組合との間に決定をしたら非組合員も拘束するんですよ、これは。それが団交権というものでしょうが。何を言っているんですか。全然組合に対する認識がなってない。そんなことで労働組合に対するから、うまくいくものでもうまくいかなくなるのです。もうお話にならぬですよ、そういう考え方だと、通用しない。まさにそれは不当労働行為です。 これはいろいろな言い方をしていますよ。いろいろな言い方をしておるけれども、基本的には団交拒否という姿勢でもって貫いて今日まで来ていますね。しかし大臣、感情的になってこの問題は処理すべき内容じゃないですよ、この夏期手当の問題にしたって。この問題と結びついて感情的に理研当局がそういういやがらせをやっているのですよ。だれが考えたって、非組合員だって、こんなばかないやがらせがありますかと言っているのですからね。これは差別待遇だ、まさに。してはならぬことを、差別をやっている。 それでは、これは早急に団交を持って早期に解決に向けて努力をすべきだという指導をやられますか、理研当局に対して。どうなんです。
○政府委員(原田稔君) それは従来から指導をしております。
○国務大臣(中川一郎君) 大事ですからちょっと。 私も現場に参りまして、先ほど言ったように、温かい歓迎を受けるかと思ったらプラカードを持って大変な逆の意味の歓迎を受けたわけです。これはどういうわけかといって聞いたらいま言う話でして、夏期手当を支払わないのはかわいそうじゃないかという話もしてみたのです。ところが、支払ったら訴えられるのだと。去年そういうことで、気の毒だというので話し合いがつかないまま既定のベースのものは支払いをした。したところが、話し合いがつかないのに支払いをするとはけしからぬ、こう言ったので、本当に欲しい人、組合員の中でも欲しい人がいるはずだ、だからその人だけでも払ってやりたいと思うのだけれども払えば訴えられるということで、いまは、昨年もやられておる最中ですから、訴えられない範囲の人は非組合員で、本当に生活の一部ですから、そういう欲しいという人には差し上げる仕組みにしておりますと。 それから、交渉のつかないことはこっちに無理はないのかと言ったら、それは無理がないのですと。ほかのこういった機関の一定のルールをオーバーしたものを要求してくるものですから、ここだけは団交をして、団交を阻むなんということは言っておりませんが、とてものめない一線を最後まで言ってくるということでできないのだということでございましたので、理事者も、なるべく私は労使は一体であるべきだ、特に研究をやっていくのに研究者と使用者側が対立していることはいけないから一日も早く解決するようにお互いに歩み寄ってという姿勢は示してまいりましたが、どうか、われわれも誠意を持ってやりますので、労働組合側もそういったことで、他の機関よりよけいなものをくれなければだめだ、決まらないうちはもらえない、払ったら訴えるというような、だれが聞いてもこれはちょっと、少し組合の方も反省することはしてもらわないと、労使一体でなければならない研究機関としては考えてもらいたい、こういう気持ちを持って見てまいったわけでございます。
○吉田正雄君 大臣ね、あなたにはどこまで正確に正しく報告をされているかわかりませんけれども、理研当局なり、私はいまの事務当局の答弁を聞いていてもそう思うのですけれども、都合のいいところだけしか答弁していないのです。いいですか。多分大臣への報告もそうだろうと思うのです。基本的にこれだけ問題がもめている一つの大きな原因としては、組合がまず過半数以上組織していることもこれは事実ですが、数の問題は別としても、理研当局が所員――これはあえて所員と言いますわ、との間にどれだけ今日まで円満な話し合いといいますか、そういう態度で臨んできたかというと、そうではない、非常に権力的な運営をやってきているわけです。だからうまくいく話、大したことのない話までが紛糾をしているということなんです。だから、そういう雰囲気の中で大臣がおいでになると、多くの所員の皆さんが、いかにりっぱな大臣であっても、やっぱり研究所を通して大臣を見ますからね、何しに来たのだ、またもや研究所以上に抑えつけるために来たのじゃないかという、そういう印象を持つなと言っても私はこれは持つと思うのです。 そういう点で、実はきのう私どものところの筑波学園対策特別委員会と科学技術政策委員会、私は欠席したのですけれども、十二月の一日にこの問題について現地へ行って本当に十分実情を聞いたり見たりしてこようということになったのです。そういう点では科技庁当局のこれからの御協力もお願いをするのですが、そこで十分私どもは理事者側からも話を聞きたいと思っているのです。こんな労基法を無視するようなことや、あるいは労働組合法を無視するようなことや、あるいはいやがらせだなんて言われるようなことでは困るわけでして、子供のようなけんかなんかやってもらっちゃ困るわけですよ。そういうことで、また聞いてきてから時期を見て、これは委員会がなかなか簡単に開かれませんから、大臣は今月末とかどうとかといういろいろな話もありますが、それはとにかくとして、ひとつ経過についてはまだ大臣の方にも話をして善処方をお願いしたいと思っているのです。 そこで、さらにもう一つ。ここでいい悪いという返事は時間がだんだんなくなりますから聞きませんが、大臣、こういうことがあるんです。この組合委員長に対しても、これは周囲の皆さんも、あれは少しひどいではないかといういろいろないやがらせが行われているということです。たとえば、このP4の設置をめぐって七月十九日の日曜日に筑波の、これは手代木公民館というのですか、この公民館で開催された、筑波P4建設を憂慮する連絡会議というのができているのだそうですが、その主催になるのかどうですか、そこでこの組合委員長がこれらの問題の経過や問題点について講演をやった。ところが、この講演が地元の常陽新聞に載ったというのです。それだけのことで懲戒委員会が設置をされたというのです。いいですか。これは自由ですよ、講演するなんというのはあたりまえの話であって。そこで懲戒委員会は何の目的で設置をされたのか、一体理由は何なんですかね、これ。
○政府委員(原田稔君) 私どもが聞いているところによりますと、従来から何と申しますか外部からの依頼出張というのがあるわけでございますけれども、その外部からの依頼出張と申しますか、講演依頼ですとか、そういったものにつきまして、組織の中の上司と申しますか、そういう担当の上司の方の了承を必ずしも得ないで出張されたという例がかなりあった、こういうような状況があって、そういうような状況を背景にいたしまして、それで、これは従来から懲戒委員会というのは内部の規則で設置されておりますから、その規則に基づきまして懲戒委員会というものを組織いたしまして現在審査をしておる、こういうぐあいに私どもは聞いております。
○吉田正雄君 日曜日にあれですか、個人が自由にそこへ行って話をするのに、一々上司の承認を得なきゃならないんですか。たとえば、私が学校で教員をやっておるときに、日曜日に話をしてくれと頼まれてその辺へ行って話をするのに、私は一々上司の出張承認をとったことは一回もないですよ。まさに自由ですよ、それは個人の。そこで発言した内容が名誉棄損に当たる発言があったとか、そういうことであるなら、そのことでやればいいんです。いまあなたの言っているのは、何か上司の承認を得ないで出張と。これは上司の承認を得なきゃならぬ出張の内容なんですか。
○政府委員(原田稔君) この七月十九日の日曜日のことではなくて、従来からそういう例が幾つがあった、こういう実績に基づきましてそれで懲戒委員会を設置した、こういうぐあいに私どもは聞いております。
○吉田正雄君 いまの話もまたおかしいですよ。そんなのは通用しません。一番いい例が、いいですか大臣、ではこれはどういうことですか。八月中旬、和光市議会から、遺伝子組みかえ等に対する学識経験者としての講演要請を受けた。これはウイークデーでしょうから研究所にその講演要請が来た。ところが研究所は拒否しているのですよ。学問研究の分野で、反対がなかったら進歩なんかあり得ないでしょう。しかも、こういう問題については、これは原子力であろうと何であろうと賛成もあれば反対もある。当然の話なんです。学問研究の分野で、反対があるから抑えつけて研究させないなんて言ったら、これは独裁国家でしょう。まさに、皆さん方が言うとおり日本は自由主義ということで、憲法でも学問の自由、思想、言論の自由、表現の自由、こういうものが保障されているわけですよね。ところがその要請を研究所は断っているわけです。 さらに、八月二十二日、岐阜の多治見市議会から核融合に関する講演要請があった。その出張についても理研当局は拒否をしているわけです。市議会という公的なところから要請があった。これは、賛成派を呼んで聞く場合もあれば反対派を呼んで聞く場合だっていろいろありますよ。地元市議会とか自治体が何かつくろうとする場合に、特に危険なものや問題がある施設については賛成派の学者の意見を聞いたり反対派の学者の意見を聞いたり、それは自治体としてはあたりまえの話なんです。ところが、正式にそういうものが出てくれば当局は拒否をする、認めない。まあいいか悪いかはもう論議はよしましょう。ということがあるのです。 さらに大臣、九月の研究年報がある。その研究年報へ研究成果報告を出すということで出したら、ゲラ刷りの段階でこれは抹消処分を受けた。いいですか。研究者ではないということで抹消処分を受けた。これも従来なかったことで、ここへ来て急にそういうことが行われているわけです。これがいやがらせとかでなくて何ですか。もうはっきりしているんです、だれが見たって。そういう中で果たして学問研究の自由というものが保障されるのかどうかということです。私は非常に憂慮する。そういう当局の姿勢ですから、ますます多くの研究者が理研当局に対して不信感を持つというのは私は当然だろうと思うのです。 そういうことで、ここで局長の答弁を聞いてもしようがないのですが、客観的に見ればこのことは明らかです。そういうことで、そういうことのないような指導、科技庁が後ろで指導してそれをやらしておったらこれはもはや言うことなしですがね、それはどうなんですか。そんな指導を後ろでまさかされてはいないのでしょうね、らしいということも聞いているんですよ。
○政府委員(原田稔君) 私どもは理研の内部の運営につきまして状況報告は聞いておりますけれども、何と申しますか、内政干渉になるような、ああせい、こうせいとか、こういったようなことは言っておりません。
○国務大臣(中川一郎君) せっかくの吉田委員のあれですけれども、確かに講演依頼があったらそれは行っていいと思うんですよ、学問の自由ですから。ただ、勤務時間中にやったからといって、役所がやろう、あるいは機関がやろうとしていることを勤務時間中といえども全部許さなければいかぬかどうか。むしろ土曜、日曜日とかあるいは放課後とか、そういう時間に依頼者ですから依頼してくる。われわれも地方から言われるときに、私の日程を考えないので依頼に応ぜられないことが多いですから、やはり依頼される者の都合というものを聞いて依頼すべきであって、その場合は土曜とか日曜日とか五時以降の勤務時間以降のときに行くようにすべきであって、講演であるとかあるいは研究であったら何でもかんでも勤務時間中でも許さなければいかぬということになれば、これは職場規律というものもありますから、その辺も調和をとって、理事者側もできるだけそういうことには協力するが、講演に行こうとする働く人もその辺の職場規律ということも考えながら両方でやっていく工夫というものも必要じゃないか。どっちも一方的に悪い悪いじゃなくて、お互いに歩み寄って円満に常識的な線を出していく、こういうことじゃないのかと思います。
○吉田正雄君 大臣、あなたのおっしゃっているのはそれは筋論ですよね。私もそう思うのです。上司に無断で勤務を欠いて勝手に出かけていくということについては、それは問題があります。私はそれを認めるなんて言っていないです。そういう事態であるなら、それはまた別の問題として責任が問われなければならない。しかし、どうもそうではない。 もっと言いますと、それでは、いままで何回かそういうことがあったという、その何回かあったという中身は、上司に無断で欠勤をしてやったということなんですか、どうなんです。
○政府委員(原田稔君) そういうこともあったと私どもは聞いておりますけれども。
○吉田正雄君 これも今度行って私ども聞いてまいりますけれども、私は、少なくともこの委員長が無断で欠勤をする、勤務をサボるなどということは考えられないのです。年休を少なくとも出したのではないか、都合によっては。それから、いま言ったように、日曜日はこれはもう上司の承認を得る必要も何もない。ところが、正式にこうやって依頼されてくると、立て続けに八月中二回も全部当局側が出張を認めない、拒否をしているということなんです。だから、客観的にながめたらこれはいやがらせでなく何ですかと言いたいのです。 そういうことで、皆さん科技庁当局としてはそういう考え方はないということですから、少なくとも憲法に違反をしたり労働組合法や労基法に違反するような、権利を侵害するようなことのない、正しい科学技術の発展のために私は指導してもらいたいと思うんです。これはもう要望しておきます。 大分時間を費やしたのですけれども、次に原子力関係について幾つか御質問を申し上げたいと思います。 使用済み核燃料の再処理に関する日米共同決定、共同声明というふうなものが出されておるわけですが、東海再処理工場で今日まで処理をされた処理量は全部でどれくらいになったのか。それから、回収されたプルトニウムの量はどれくらいになっておるのか。それから、プルトニウムについては、この日米共同決定の中でもATRとかFBR用燃料として使用を限定するというふうなことも内容に含まれておるようですけれども、東海再処理工場から出たプルトニウムを現在ATR、FBR等への燃料としてはどれだけ使用したのか。それから、従来プルトニウムの軽水炉への使用というふうなことも言われておるのですが、日米共同決定との関係で将来はどういうふうになるのかということです。 それから、カナダ、オーストラリア等アメリカ以外の国から輸入をされたウラン燃料、それの再処理に基づくプルトニウムの問題、つまり、再処理を含めたプルトニウムの使用については、これはアメリカ側の規制を受けることになるのかどうなのか。それから、あの共同決定を見る限りでは、第二再処理工場については従来は主要な動きについては一定程度認めるということになっていたのですが、これは、完全に第二再処理工場建設についてはオーケーが出されたものというふうに受けとめられますけれども、そういう従来の規制が撤廃されたのかどうなのかという点、これをまず最初にお聞きします。
○政府委員(石渡鷹雄君) お答えいたします。 まず、今日までの東海再処理工場の処理量でございますが、昭和五十二年九月に運転を開始いたしまして以来約百十二トンを処理しております。その結果、回収されましたプルトニウムの量は約六百四十キロでございます。この六百四十キロにつきましての使用な状況でございますが、新型転換炉の「ふげん」の取りかえ用のプルトニウム・ウラン混合燃料等に使用されているわけでございます。量といたしまして約八十三キロでございます。燃料複合体としては四十四体ということになっております。いずれは高速増殖炉用の燃料としても使用されるという予定でございます。 当面の見通してございますけれども、昭和五十九年度まででございますが、再処理予定量といたしましては三百六十トン、その結果として出てまいりますプルトニウムは千八百キロ程度というふうに見込んでおります。 その使用の目的でございますが、「ふげん」の燃料用といたしましてこの五十九年度末ぐらいまでには約三百六十キロであろうと。少し余るような勘定になりますが、その後に高速増殖炉の燃料の製造に入りますので、この大部分がその高速増殖炉の燃料用に使われるということになろうかと思っております。 軽水炉に対する利用の問題でございますが、今回の合意に基づきまして、その共同声明の中に「日本国は、」「軽水炉におけるプルトニウム・リサイクルに関する研究開発活動を今後とも引き続き実施していく意図を有する。」というふうに明確に述べておりまして、現在計画中の関西電力の美浜炉でのプルトニウム利用の研究開発計画は支障なく進められていくと。また、その後の計画については今日まだ明らかになっておりませんが、その辺についての問題はないというふうに理解をしているところでございます。 それから、カナダ、豪州から輸入しているウランのアメリカサイドから見た規制ということでございますが、先生御承知のように、現在米豪加からの輸入されますウランはアメリカで濃縮されているということでございますので、アメリカで濃縮されたものの再処理につきましては、やはり日米協定の八条C項の規制を受けるということになっているわけでございます。
○説明員(田辺俊彦君) 最後に残りました第二再処理工場に関する扱いでございますが、従来まで先生御指摘のように主要な措置はとらないという共同声明の文言がございました。今回これが取り払われまして、第二再処理工場に対しては用地取得それから建設を含みその事業を推進していいというようなことになっております。
○吉田正雄君 私の質問がちょっと説明不足だったのですが、カナダ、オーストラリアなどからの輸入燃料を日本において再処理をする、濃縮をする、そういうものについてどういう米側の規制を受けるかどうか、こういった質問です。
○政府委員(石渡鷹雄君) 結論から申し上げますと、現状では、カナダから日本がウランを輸入いたしますが、実際、物はアメリカに移りまして、アメリカで濃縮をされ、その形で日本に入ってくるわけでございます。日米協定は米国で濃縮されたものについて八条C項による共同決定が要るということでございますから、カナダ産のウランにつきましても米国において濃縮をされたという事実に基づいて日本側が規制を受けるということになっております。 それから、それでは日本はカナダの同意を要するのかという問題になりますが、それは日本はカナダの同意を要するというのが現状でございます。しかし、これは二重手間でございますので、現実には、米国と日米間の話をするときに、米加で話を同時に進めてもらいまして、カナダのオーケーを得る形で日米の話が決まる。こういう二重手間を避けるという形になっております。 それから、豪州の場合でございますが、現在は米豪協定というものがございません。また、豪州産のものがアメリカで濃縮を受けた場合でも日本は豪州の同意を得るという形にはなっておりませんが、その方向で改定をしたいという申し込みを受けておりまして、現在この点について交渉中ということでございます。
○吉田正雄君 私が聞いたのはそうでなくて、オーストラリアやカナダから輸入をする、ところでそれを、たとえば今度第二民営再処理工場ができますね、そこで日本が独自に再処理をやり、岡山県の人形峠のプラント、これは商業プラントになるわけですから、そこで独自に日本が濃縮作業をやる、そういう場合にアメリカの規制を受けるのかどうなのかということを聞いているのです。
○政府委員(石渡鷹雄君) そういう場合におきましては、日加協定に基づきカナダのみの規制を受けるということでございます。
○吉田正雄君 それでは、第二再処理工場の建設状況についてお尋ねをいたします。 去年の三月末に例の日本原燃サービスが発足をいたしました。そこで、その立地をめぐってはいろいろ名前が挙がっておりますが、原燃サービスの計画の概要と建設に向けての進捗状況がどうなっておるのか。具体的に言いますと、立地点の選定と用地買収がどれくらい進んでおるのか、まず最初に。
○説明員(田辺俊彦君) 先生御指摘のように、第二再処理工場の建設はわが国の核燃料サイクルの確立にとって非常に重要な課題でございます。現在立地の調査をしております。日本全国を対象としまして各種の机上調査をしておりまして、かつそれに基づいて具体的地点の選定作業に入っていると承っております。まだ具体的地点の決定にまでは至っておらないというふうに伺っております。それから、当然ながら、そういうことで用地取得等についてはまだ一切その段階に至ってはおりません。
○吉田正雄君 これはナショナルプロジェクトということで国も大変な力を入れ、それから財政的にも非常に多額の出資であるとか補助金の支出とか、こういうものをやっておるわけですね。そういう点で、科技庁としては、いまだ全然その立地点も決まっていない、まだ全国あっちこっち検討中だなんということなんですが、大体第二再処理工場はどういうところが適地かということはほぼ予測できるわけですよね。だから、いままでも立地をめぐっては、いや徳之島だ西表だ、いや韓国側からも済州島へぜひおいでくださいというような話があったり、それは立ち消えになったのかどうか知りませんが、最近は今度は内之浦だとか、いや長崎県の適当な島だとか海岸地帯だとか、いや青森の関根浜、北海道の幌延、こういうところまで名前が挙がっているのですけれども、単に原燃サービスに任せっきりなんですか。それとも、科技庁としては一定のやっぱり、全体の原子力政策等を考えて、望ましい立地点というのはほぼあるのじゃないですか。それは全く皆無なんですか。無方針ですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 立地の問題につきましては、ただいま御答弁も申し上げましたように、全国的にどこでもいいという施設でもございません。当然幾つかの候補が挙がっているわけでございますが、まだどことしぼり切れる段階に至っていないというふうに承知をしているわけでございます。ただ、スケジュール等を考えますと、そろそろ立地が決まってこないといけないなというタイミングに来ているというふうには承知をしているわけでございます。私どもといたしましては、立地につきまして候補が大体しぼられてきた段階で、その安全性等につきましての説明等々協力はいたすつもりでいるわけでございます。 なお、原燃サービスにつきまして国は出資ということは行っておりません。しかし、なかなかむずかしい技術でもございます。東海での経験を十分生かしてもらうということは大前提でございますが、将来大型化いたしました場合に予想されるいろいろな技術的な問題につきまして、その研究開発に対して補助をしていくというのが現状でございます。
○吉田正雄君 それでは、用地選定については、科技庁としてはまだ全然どこであるかということは皆目見当はついていないと。さっき言ったような幾つかの地点は、常識的には考えられるけれども、まだ正式には相談もないわけですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) まだその段階に至ってはおりません。
○吉田正雄君 いろいろ進んでおるということも聞いておるのですけれども、はっきりしたらまた反対運動が盛り上がるのじゃないかなんということを非常に心配をされておるのじゃないかと思うんです。過去の原発の立地等についても、全然決まっていないなんて言いながらもう用地はどんどんどんどん買収されていったという例が幾らでもあるわけですからね。そういう点でここではなかなか発表できないのでしょうが、しかし、私は、いま名前を聞かしてくれと言っているのじゃないですよ。全然相談もない、じゃいつごろまでに立地を決定されるつもりですか。だって、予算をつぎ込み、やっているのに、これは予算との関係もあるでしょうし、全然相談もないし、めどもつけていない任せっきりなんというのじゃ、これは私は逆に無責任だと思うんですが、それはどうですか。
○説明員(田辺俊彦君) 現在、先ほどのように立地の最終的な作業に入っていると聞いておりますけれども、私どもの考え方としましては、昭和六十五年度ごろ運転開始と。したがいまして、昭和六十年ないし六十一年ごろの着工をめどとして原燃サービスが適正な立地点を確定し、かつ科学技術庁の安全審査を受けて円滑にそういう方向に進むよう指導してまいるつもるでおります。
○吉田正雄君 これ以上言ってもはっきりしないと思いますから、次にお聞きしますが、施設設備は国産技術でやるのか。たとえば東海の場合にはサンゴバン社のものを導入してやっておったのですが、この第二工場についてはどういうふうに考えておいでになるんですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 基本的には国産技術をベースに、できれば全部国産技術でと考えているわけでございますが、その国産技術なるものがすでにサンゴバンから導入いたしました東海再処理におきます経験、その後いろいろな苦労をいたしたわけでございますが、この技術の蓄積をベースにやっていきたいという考え方には変わりはございません。ただ、その時点におきまして、部分的ではございましょうが、さらにいい技術が世界のどこかにある、それが入手が可能であるというような状況であれば、それを頭から排除するという考え方をいまの時点ではとるべきではないというふうに考えております。したがって、その時点で、国産技術を基本にしながら一番いい技術の結集をしてやっていくべきであろう、こういう基本的な考え方をいたしております。
○吉田正雄君 そうすると、たとえばサンゴバン社の技術も場合によっては部分的に導入するとか、あるいはアメリカのベクテル社の技術とか、あるいは場合によってはこのプラント等の一部についてもそういうものの導入等もあり得る、そういうことですね。
○政府委員(石渡鷹雄君) 考え方としては、そのとおりでございます。
○吉田正雄君 それから技術者の確保の見通しと完成までの建設費用は、現状では大体幾らくらいかかるというふうに思っておいでになるのですか。
○説明員(田辺俊彦君) お答えいたします。建設費の見通しは現状では七千億円、原価ベースで七千億円を想定しております。また、建設段階におきましては千人を上回る建設従業者が必要かと計画されておりますけれども、運転の段階におきまして約千人ぐらいの従事者が必要であろうかと聞いております。
○吉田正雄君 それから国の援助ですが、今日までどれくらい出資とか補助金で出されて、それから将来はどれくらいのものを国としていま、形はどうであれ、どれくらいのものを考えておいでになるのか。
○説明員(田辺俊彦君) 現在までのところ、私ども通産省の方から、第二再処理工場の支援といたしまして、技術確証試験という項目で委託試験をしてもらっております。その金額は五十五年度十六億円すでに実績がございます。それから、五十六年度は二十二億円ほどの試験をすることになっております。これは第二再処理工場の建設に当たって生ずる技術的な課題、装置の大型化とか、それから新鋭化とか、いろいろございます。それに対処するための再処理の主要機器及びプロセスに関して確証試験を行うというものでございます。それからさらに、この事業は五十九年ないし六十年ぐらいまで続けられていくかと思います。それからさらに、第二再処理工場が建設の段階に入りました段階では、財政投融資によって、開銀資金によって支援をする予定でございます。
○政府委員(石渡鷹雄君) 科学技術庁のサイドといたしましては、再処理工場の稼働に伴います環境の安全の問題あるいは保障措置の問題等を中心にいたしまして、その技術開発のための委託費を支出しております。本年度合計で約六億程度でございます。こういうテーマでございますので、そう大きくふくらむとは思いませんが、やはり建設に至る段階あるいはそれ以降も、こういう形での何らかの助成を行うということが必要であろうかというふうに考えております。 なお、先ほども若干触れましたが、立地の促進のための調査補助金といったものもございますので、立地地点がしぼられた段階で、地域住民の合意形成のためのいろいろなPR活動等もその助成の対象になるかというふうに考えております。
○吉田正雄君 さっき建設総額大体七千億円くらいになるだろうと。いま聞いているのは、細かいのもそうなんですが、全体として国は一体どれくらいのことを考えているのかということなんです。
○説明員(田辺俊彦君) 七千億のうちで、財政投融資によって資金援助をしますのが約三千億円ということでございます。さらに、先ほどの私どもの方から出しております技術確証試験というのがいままでのところ十六億と二十二億でございますが、それがほぼそのベースで今後三年ないし四年続いていくということが現在の計画でございます。
○吉田正雄君 それから第三再処理工場の構想というものが電力会社等によって考えられておるということなんですが、そういう構想があるのかどうか。
○説明員(田辺俊彦君) 第二再処理工場の能力千二百トンと言われて計画しておりますが、それによって九〇年代のかなりの時期まで使用済み燃料の再処理がし得ると私どもは考えております。その後ある時点で、確かに第二再処理工場の能力を上回る使用済み燃料が発生するという時点が参ります。その問題に関しては、まだ私どもは一切検討の段階になっていないと考えております。かつ、電力業界におきましてそういう話し合いが行われている、あるいは私どもにそういう話を持ってきたということは一切伺っておりません。現在は第二再処理工場の建設に向けての準備を進めているというところでございます。
○吉田正雄君 それでは次に、新型転換炉の建設についてお伺いいたします。 新聞報道等で考えますと、政府として、これは通産省と科技庁が十月の七日に合意に達したというふうな報道があるのです。建設主体を電源開発株式会社にしたい、的をしぼってやりたいというふうなことが報道されておりますけれども、政府としては、どこが主体になることが望ましいと考えておいでになるのか。この報道のとおり、電発に決まったのかどうなのか。決まったといっても、それは関係者間の協議というものも必要だろうと思うのですが、どうですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) まず、十月七日云々という事実については、一切そういう事実はございません。 現在、原子力委員会におきまして、新型転換炉の実証炉の建設につきまして今後どう進めていくか、「ふげん」の現在までの成果を十分チェック・アンド・レビューいたしまして、その技術的な成果を踏まえまして、今後、実施主体、あるいは金もかかる話でございますから、所要資金も官民分担というかっこうにならざるを得ないだろう、何らかの助成ということが必要になるのじゃないかというようなことを踏まえまして検討を行っている最中でございまして、まだ結論に近づいていない段階でございます。そういう状況でございますのでまだ白紙である、こういうふうに御理解を賜りたいと存じます。
○吉田正雄君 これは相当多額の資金を必要とするということで、科技庁、通産がただ考えただけではそれは推進できるわけがないということで、当然、電力事業界なり電事連なり、あるいは電発と話し合うということは、これは事前の段階として当然だと思うのですね。そういう点では、電力会社あるいは電発とは緊密な連絡というか話し合いを持たれてきたと思うんですが、それは事実でしょう。
○政府委員(石渡鷹雄君) 現在のところ、今日まで「ふげん」を進めてまいりました動燃事業団と電事連との間でいろいろ検討が始まったところでございまして、そういう意味で、今後進めるとすれば、どういうところにどういう問題があり得るかという点の問題点の整理、また、その結果国に相談せねばならぬということが出てくれば当然私どもにも相談があるというところで、私どもは、その検討の結果を待っているという現状でございますが、それもそう遠くない将来にいろいろ国も交えました相談があり得ると、このように考えております。
○吉田正雄君 従来、電発の場合には、原子力分野に関しては余りタッチしてこなかった、それだけにCANDU炉の導入には通産と一緒になって非常に意欲を燃やされておるということはわかるのですが、これは、新型転換炉建設主体をどこにするかというのは、大体いつごろまでにめどをつけられるつもりですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) いつごろというスケジュールの問題よりも、やはりそういう関係者の相談がまとまるというのが先でございまして、一方、先ほども御指摘のございましたプルトニウムの問題というような国際問題も絡めてそれぞれの立場で判断をしている状況でございますので、こういうものをぶつけ合った上で結論に達したい、いついつまでということではなく、なるべく早くそういう結論に達するようにいたしたいということでございます。
○吉田正雄君 私は常々、新聞報道とそれから当局のそれに対する説明との間には非常に大きなギャップといいますか、そういうものがあると思うのですよ。新聞報道というのはでたらめじゃないと思うんです。何ら根拠がなく、火もなければ煙も立っていない報道をやるわけがないのでして、それなりの一定の客観的な状況というものがあったり、あるいは関係者からの発言等によって記事というものは私は書かれていると思うんです。そうすると、いまの問題は、何も一社だけではないですよ。幾つかの社が取り上げて、相当いまの答弁とは違った、それなりの突っ込んだ記事というものが書かれておる。某社の記事によれば、すでに八月三十一日には平岩外四東電社長と両角良彦電発総裁が夜話し合っている。これについては、いやそんなことじゃないというふうなことも言われているけれども、この問題以外に一体何で夜話し合う必要があるのかということが言われている。 それから、私も、この前ある新潟県のダムの定礎式に出た。そうしたら、まさに新型転換炉のうわさと絡んで関係者が顔をそろえたので、私自身びっくり仰天しちゃったんですよね。だれが出たかというと、田中角榮元総理、両角良彦電発総裁、君県知事、この三者が偶然といえば偶然なんでしょうけれども顔をそろえたわけですよね。それで何か三者でいろいろ話をされておったということなんです。そこで、いまの答弁にしてはちょっとおかしいのじゃないかと。すでに立地点についても選定が相当進んでいるのじゃないか。 これも新聞の、名前は言いません、まあ言ってもいいんですが、地元紙の報道でということですが、ことしの一月上野の精養軒において新潟県の東京県人会の総会が開かれた。私そこへ出ればよかったのですが、残念ながらほかの用で出れなかったので出なかったんですが、その席上田中元総理がどういうことを発言されたかというと、柏崎に八百万キロワット、巻に四百万キロワット、途中に三百万キロワットの新たなる第三の原発というものが考えられるという趣旨の発言をされたんです。 そこで、そこに出席した新潟県の東京事務所の幹部も皆びっくり仰天して、各方面へ問い合わせたということなんです。御承知のように、こういう立地というのは非常に利権が絡むだけに、あらかじめそういうものがはっきりすると利権にもならなくなるということなんですが、すでに言われている土地というのは、新潟県の柏崎の隣に出雲崎という土地があるのです。ここに例の大光相互に関連する企業がATRの実証炉が来てもいいだけの用地というものをすでに買収済みである、名目はゴルフ場ということになっているんですが、しかし、田中元総理の発言をもってすれば、これ以外には考えられないのですよね。 かつて、東京電力の柏崎の問題も、東電の社長と、これ東北なんかもそうです、福島なんかもそうですが、知事との間に極秘に合意があって、そして建設が推進をされていったというふうないろいろないきさつもあるわけですから、そういう点で、これは地元県議会でも取り上げられたのですが、そこまで実は話が進んでいるんです。過去の例を見ると、そういううわさというものがみんな真実になってきているのですね。大臣、不思議なんですようわさがもうずうっと先に出てくる。やっぱり上手の手から水が漏れるのかわかりませんけれども、ほとんどそうなんです。私どもかうわさとして聞いたところへどんどんとできてくるということなんで、そういう事実については本当に当局は一切知らないのですか。後になって、実はいやそういう話もあったんですなんということになったら、私は今後の原子力行政上そんなことは許せないと思う。反対があろうがなかろうが、堂々とやるのならやればいいんです。そこに利権が出てくるんですよ。また、何百億という土地転がしの問題が出てきたり、やるわけですから。そういう話は一切いまのところ出ておりませんか。うわさにも聞いておいでになりませんか、うわさにも。どうですか。
○委員長(太田淳夫君) 吉田君、もう時間がないのですが、いいですか。
○説明員(戸倉修君) 先生の御指摘の問題につきましては、先般、先生のお話がございましたように新潟県の県議会で問題が提起されたということを私どもも存じております。一部そういう問い合わせもございましたので、私ども調査をいたしましたが、電力サイドにおきましていまそういう具体的な動きは一切ないというふうに承知をいたしております。
○吉田正雄君 科技庁の方、どうですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 新潟県のお話につきましては、申しわけございませんが、きょう初めて伺ったところでございます。
○委員長(太田淳夫君) もう時間ですから。
○吉田正雄君 まだ多くの質問を実は予定をしておいて、準備もしてきていただいたと思うのですが、時間が参りましたので残念ながらまだ次回に譲りますけれども、大臣、私はこの立地の問題だけ大臣のお考えを最後にお聞きをしたいと思うのです。 とにかく立地をめぐってはいろいろなところで、土地の買収をめぐっていろいろな疑惑がささやかれておる。これは地方自治体の幹部も巻き込む中でいろいろなことがうわさをされるんですよ。そういうことで、すでにここまでうわさが出てきており、過去の例からするならば、どうもそういう方向に動いていく危険性があるのではないか。大きな政治力と称するものによってまた問題の、疑惑のこの土地が選定されるなどということになったならば、私はこれは大変なことだと思うのです。いま聞くと、全然そういう計画はいまのところどこにもない、それから、まだどこが建設主体になるかもわからぬということを明確におっしゃっているのですけれども、表向きはそうだけれども、いつも裏になると、いざになってふたをあけてみたらうわさどおりのことになったというのが過去非常に多いんですよね。そういう点では、大臣、しかもいわくつきの土地なんですね、この辺は。いわくつきのいろいろな人たちが関与しているということですから、大臣の最後のこれに対する見解をひとつお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(中川一郎君) いずれの場合でもそうですが、科学技術庁が関係するプロジェクトの土地問題については御指摘のないようにしていきたいと思いますし、ましてや新潟の問題は、いま私も局長にうわさでもあるのかと言ったら、初めて聞いたんだというような話で、私どもも初めて聞いたところでありまして、これからちょっと勉強はいたしますけれども、御指摘のようなことのないように慎重に対処をしていきたいと思います。
○委員長(太田淳夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十八分開会
○委員長(太田淳夫君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤原房雄君 今国会は、御存じのとおり、行政改革ということが一つの大きな主題になっているわけでございまして、関連法案につきましてはそれぞれ行政改革特別委員会、またはそれぞれの委員会でやっているわけでありますが、当特別委員会といたしましてもそのことについて無関心ではいられない、こういうことで、少しくこの問題についてお尋ねをしたいと思います。 しかし、行政改革云々ということよりも、この最近の厳しい財政状態の中で各省庁それぞれ大変な御努力をいただいているわけであります。また、明年度の予算ということになりますと、政府の方針もございまして、それぞれ、補助金のカットとか、ゼロシーリングとか、いろいろな制約があるわけでありますが、そういう中におきまして、科学技術振興対策というのは国策的にも非常に重要な役割りを担っているということで、聖域とはしないとは言いながらも、それなりの重要性という認識の中から、予算の面につきましてもほかの省庁とは違って、予算について見ていこうということになっているようであります。ちょうど概算要求、明年度の予算を目指しまして、いま各省庁それぞれ、また大蔵省が中心になりまして御検討の真っ最中、年内予算編成ということでありますからもう非常に重要なときに来ておるわけでありますが、そういう中で明年度の予算ということについて二、三点お伺いをしてみたいと思うのであります。 概算要求の資料をいただきまして、科学技術庁のおおよその骨組みといいますか、そういうものにつきましてはそれなりに承知をいたしておるわけでありますが、これは事業の内容とか何かいろいろございますから予算の伸び率だけで単純には比較して論じられないことなのだと思いますが、やはりゼロシーリングという中で極力圧縮したといいますか、事業が終わった面もあるのだろうと思うのでありますが、前年度を下回ったところを項目的に言いますと、海洋開発の推進とか防災科学技術の推進とか、それから国際協力の推進ですか、ここらあたりが前年度を下回る状況になった。 明年度のこの概算要求額の中で、これをつくるに当たりましてもいろいろな御苦労があったろうと思います、まだ決定したわけではございませんが。国の財政再建という大きな命題のもとで、この予算編成に当たりましての現状、また配慮した点、それらのことについて概括的に御説明いただければと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 藤原委員御指摘のように、財政が厳しいときでございまして、科学技術庁も例外ではない。しかし、また一方では科学技術は資源有限時代を迎えて非常に大事なことでございますので、政府としても、防衛、それからエネルギー、海外経済協力、科学技術、こういうことについては特に配慮をしていただきまして、二・五%程度はゼロシーリングから上乗せをしていただくという形になってございます。厳しい中でやりくりはいたしておりますが、大事な重点施策としては、第一番目には創造科学の研究、今年度からスタートいたしますが、これを充実したい。それから、科学技術会議が決定をいたします科学技術振興調整費というものに重点を置いていく。その他は、やりくりをして支障のない範囲内で調整をしたということでございます。若干減ったものもございます。特に海洋開発のごときは「しんかい二〇〇〇」、「なつしま」が完成をする、こういうようなことで大きな予算を使わなくて済むというようなこともありまして若干減ったところもありますが、総体としては何とかやっていけるのではないか、こう見ております。ただ、予算査定が今後ありますので、予算査定段階においてもこの思想を貫いて研究開発が支障のないような予算をつくり上げていきたい、こう思っておるわけでございます。
○藤原房雄君 いま大臣から最後にお話がありましたが、国際的に進んでいる面ももちろんございますが、まだまだこれから基礎研究、こういうものも相まって進めなければならない部門が非常に多いということで、科学技術の振興に対しましては、これはもうだれもが異論のないところだと思いますので、ぜひひとつ、現在の日本が抱えております諸問題の中で科学技術振興が果たさなければならない役割り、まあ金の金高で決まることではないのかもしれませんけれども、この研究のためには一層御努力をいただきたいものだと思うのであります。 それにつきまして、この中の第六番目に防災科学技術の推進というところがございますが、これは概算要求という段階ですから決定したわけではございませんけれども、やや下目に出ておるわけであります。防災科学というのは、去年も大変な冷害がございましたし、また本年も豪雪に始まりまして風水害の被害額が非常に増大しております。どうしても行政というのは後追いというか、災害で痛めつけられたところを後から改修工事をするなんということで、結局、後追い行政、こういう言葉があるように、どうしてもそういうふうに見られがちでありますが、去年の冷害にいたしましても何千億というオーダーで被害がございましたが、ことしももう農作物を初めといたしまして、あの石狩川が溢水するというようなことで大変な被害がございました。そのほかに、大規模地震の対策をどうするか、いろいろな問題が山積をいたしておるわけであります。 そういうことの中でこの防災科学技術の推進というのは非常に重要な役割りを担っておると思いますし、これは事前にこういう防災対策が講じられるということでありますると国家的な財政の上からも非常に大きなメリットを生むのではないかと思うのですね。そういうことで、今日までも防災センターを中心といたしましていろいろな研究が進められておるのでありますけれども、この防災科学技術の推進ということについての、今回のこの明年度の予算を目指しましての基本的な見解といいますか、お考え、思想、こんなことをまとめて、概略で結構ですから伺わしていただきたいと思います。
○政府委員(加藤泰丸君) ただいま先生御指摘のように、防災科学技術につきましては、後追いの研究というよりかも、むしろ先を予測しながら研究をしていくというわれわれの基本的な姿勢でございます。先ほどの御質問の中で、来年度の予算要求に関連しまして防災センターの予算要求が若干減っているという点でございますが、これは前年度に実は地震予知研究棟というのを完成をさしていただきまして、その関係の経費が減を見たというところでございまして、防災科学技術センター全体の試験研究の推進というような点から見ますれば、前年度をあるいは若干上回るような内容で予算要求をさしていただいているわけでございます。 ただいまもお話がございましたように、防災といいましても、その中には風水害があり、あるいは地震があり、その他もろもろの災害があるわけでございますが、私どもは来年度の予算要求におきまして、地震の予知、それにかかわる災害の防止、あるいは雪の対策、その他防災に関する試験研究を今年にも増して積極的に推進してまいりたい、そのための一応予算要求はさしていただいているというような状況でございます。
○藤原房雄君 ただいまお話がございましたように、後追いじゃなくて先行的に対策を講ずるという意味におきましては、基礎研究、その具体化、こういうことが非常に重要なことになるだろうと思います。予算の金額だけで私は言っておるわけじゃないのですが、いろいろな中身のことについてもいまお話がございましたが、これの実効の上がるような政策をひとつ推進していただきたい。 この中で、いまも、雪害対策の研究についても一生懸命やっているのだというお話でありましたが、これはことしの予算委員会の分科会のときもちょっと申し上げたのでありますが、雪の研究というのはそれぞれ学者によっていろいろ研究がなされておることはよく承知しておるのでありますが、実生活に即した形でということになりますと、現在長岡とそれから新庄ですか、ここで行われております。ささやかながら――人数が少ないとか予算が少ないとかということじゃございませんが、そこの職員の方々は一生懸命がんばっておるのは私どもよく承知いたしておりますが、こういう研究というのはすぐ実生活の中に反映するというのはむずかしいことなのかもしれません。しかし、日本の総面積の半分が豪雪、雪に覆われて、その雪の下で半年近くは生活を強いられるという現状の中から、雪害対策の研究というのはいままで本当に遅きに失したという、そんな感じがしてならないのであります。そういうことで、この研究についてはひとつ積極的に取り組んでいただきたい。 大臣からも前向きのお話がございました。ことしは大変な豪雪だったものですから、三八を上回る豪雪ということで、さっきもお話がありましたが、科学技術振興調整費ですか、こういうもので、雪がもたらす災害の起因となる問題等につきまして、各省庁と、気象庁とか北海道庁とか開発庁とか、こういうところといろいろ連携をとって詳細な研究をするということについてお話がございました、それはランドサット衛星のデータとかを使って行うのだというお話でございました。 それから、いわゆる山背ですね、東北、北海道の農作物に冷害をもたらす、特に東北地方に。海霧とか、それから山背とか、こういうものに対しての試験研究とか、また融雪期にその水がどういう影響をもたらすのかとか、こういうようなことについても科学技術庁としては取り組んでいきたいという、こんなことをことしの三月ですか、予算委員会のときに言われておりまして、また科学技術庁でもいろいろ検討し、そういうことにひと一つ踏み切っていこう、こういうことが言われておったわけであります。これはこれからやるというお話は私どももよく聞かしていただいたのですが、現実、これがどういう形で、いまこれは半年足らずのことですから、具体的に何をどうだということは、手順とか、スタッフとか、何年後をめどにとか、こういうことは概略的なことになるのだろうと思いますけれども、降雨災害についての総合防災システム、こういうことで総合的な研究をしていこうということが発表になりましたし、またそういうことについてもお話がございましたけれども、これはどうですか。予算の概略とか、それから大体三年計画ですか、こんなことで現状をちょっと御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(加藤泰丸君) ただいまの御質問の中にございました特に海霧、山背風の関係でございますが、先生も御高承のように、海霧につきましては、北海道の釧路地方等を中心とする太平洋沿岸におきまして霧日数が非常に長く、そのために交通、産業等に非常に大きな被害を及ぼしている。また一方、東北地方の太平洋沿岸におきましては、夏の時期にオホーツク海方面からの高気圧から吹き出しますところの山背風と呼ばれます局地的な偏東風によりまして冷害になり、そして農作物が多大の被害をこうむっているというような状況でございますが、海務につきましても、また山背風につきましても、その発生の実態あるいはそのメカニズムは必ずしも完全には解明され尽くしていないというような実態がございます。 そういった実態を踏まえまして、先ほどもお話がございましたように、私どもは、それらの実態を解明し災害の軽減対策に資するために、ことしの二月から、年度で申しますと昭和五十五年度から三カ年の計画をもちまして、調整費をそれに充当しまして、国立の試験研究機関、大学を初め地方自治体の協力のもとに、北日本太平洋沿岸地方における海霧と山背風に関する総合研究というようなテーマで、すでに研究の実施に入っているわけでございます。 研究の内容につきましては、ただいまのお話にもございましたように、気象衛星「ひまわり」による観測の資料等を用い、そしてまた、その他航空機等を用いまして、海霧の発生、変質あるいは消滅の機構を解明する、あるいは都市地域におけるところの海霧の挙動の解明ないしはその防霧対策の効果の評価等を行うような研究を組んでおります。また山背風につきましては、低層のゾンデを上げまして、その立体構造を解明するほか、それが水稲等の作物に及ぼす被害並びにその防除方法等についての研究テーマを掲げているわけでございます。担当する機関は国立防災科学技術センター、気象庁気象研究所、農林水産省農業技術研究所、北海道開発庁土木試験所等を動員しまして、それらの参加、協力のもとに研究を推進していく体制をとっているということでございまして、五十五年度を初めとする三カ年間を一応のめどとしまして研究を進めているというような状況でございます。
○藤原房雄君 一生懸命取り組もうということで対策を講じられているその姿をいま御報告がございましたが、三年をめどにということで基礎的なそういう分析等ができますと、それを実際に生かしていく。こういうことになりますと、どういう手だてといいますか、科学技術庁はそこまでの基礎研究が中心なんだろう、それを実際の社会の中で生かしていくためにはそれなりの手順というのがあるのだろうと思うのですけれども、研究までのことは私どももわいわい言うのですが、それが実際現場へいってどういう形で生きているのかということに対しては私どもなかなか理解がないのですけれども、どうなんでしょうか。
○政府委員(加藤泰丸君) ただいまもお話がございましたように、このような大規模な自然現象によって起きる災害でございますから、この研究の成果を直ちに現場に持ち込んで、それで非常に高い効果を上げ得るという点につきましては、事実、現場では非常にむずかしい点があろうかと思うわけでございますが、こういった山背等に対する水稲あるいはその他の作物についての被害軽減策につきましては、防霧林あるいは防風林等の新しい構造、あるいは防霧ネットの新しい構造、あるいはその施工方法等につきまして、これは指導をする担当は農林水産省でございますが、農林水産省の試験研究機関等におきまして、さらに現場に適用できるような技術、あるいはそれぞれの県におきますところの試験研究機関におきましてさらに現場対応型の技術というぐあいに内容を詰めまして、現地におきまして効果があるようにその成果が使われていくということをわれわれは期待をし、また、その成果を使えるようにわれわれは関係する省庁の方にその成果が上がり次第伝達をするというふうに考えているわけでございます。
○藤原房雄君 私は、そんなに即効性というか、こういう膨大な研究ですからあすあさってということじゃないだろうと思いますが、これは農林省とかそれから開発庁とか共同研究ということでありますし、その貴重なデータがそれぞれの部門で生かされるという形になることを予測はしておるのでありますけれども、非常に今日のこの災害の様相というものが、災害は深化するというようなことも言われているぐらいいまや様相が変わっておる。そういう中で、旧態依然とした物の考え方てはならない。やっぱりそのときそのときの現象というものを分析をし、そういう中からまた新たな方途というものを見出していかなければならないだろうという、そんな気がするからちょっとお尋ねしたわけであります。 そういう基礎研究というものが被害を最小限度に食いとめる大きな効果をあらわす、そういうことで、研究ということに科学技術庁としては取り組む姿勢というものが大事なんだろうと思いますけれども、それの実用化ということについても眼を向けて、そういう手順、システム、こういうものについてもぜひひとつまたお考えをいただきたい、こう思うのです。 それから、雪害ということについて、私はもう春にもいろいろ申し上げたのでありますが、これは豪雪地帯町村議会議長全国大会、近くまた行われ、また今日までもここの議長会で、いろいろな豪雪で悩んでいる方々、町村中心の議長さんが集まりまして、豪雪地帯は雪のないところより見ますといろいろな面で窮状にあるのだということでいろいろ対策を政府に要望いたしているわけでありますが、その中の一つに調査研究の強化という項目がございまして、これはもうすでに御存じのことであり、また今日までもいろいろ言われてきたことで、新しいことじゃ決してないのでありますが、今度の科学技術庁の重点施策の中に、雪害対策の研究等の推進として十億三百万、去年より一億ぐらい予算がふえているような形になっていますね。 雪害対策の研究等の推進十億。この中に、「雪害対策の研究については、豪雪地帯における家屋周辺の雪処理等の生活関連雪害防止技術の研究を行うとともに、雪害の社会、経済に及ぼす影響についての調査研究等を進める。」、こういうようになっているわけです。これは分科会のときに大臣にも申し上げたわけでありますが、雪の基本的な研究というのは昔から中谷宇吉郎先生等を初めいろいろなされているわけですが、実際生活に即した面での人文、社会科学的な面からの総合的な調査研究というのは非常におくれているのじゃないか。文学的にいろいろ美文でつづられるものはあるかもしれませんけれども、われわれの日常生活に雪というものがどんな影響を及ぼすのかという総合調査はないということで、ぜひこれはそういう面からの研究も推進をいただきたい、こういうことで大臣にも申し上げたわけです。大臣もまた、非常に必要なことだろうということでお話がありましたが、こんなことも含めて今度のこの「雪害対策の研究等の推進」というのは考えていらっしゃるのかどうか。 それから、研究機関の施設及び研究員等を強化充実してもらいたいということについては、これは外国でもそんな何十人も何百人もいるような施設はございませんで、数は少ないかもしれないけれどもその研究の成果等においては諸外国に劣らないぐらい研究員はがんばっておるということや、各大学の連係プレー等で研究所のないところについては推進をするというお話でありました。長岡と新庄、これは青森なんかですと雪質が違うからぜひ青森にもという声が強いわけでありますが、いますぐにというわけにいきませんし、こういう財政事情の中で研究所をどんどんふやすというわけにもいかない。そういう面については大学のネットワーク、これを強化して進めていくというお話も予算審議の中ではあったわけであります。こういうこと等も考え合わせてのこのたびのこういう予算づけといいますか、理念というものがその底に流れておるのかどうか、これはどうでしょう。
○政府委員(加藤泰丸君) ただいまも御指摘がございましたように、わが国におきまして豪雪の被害を受けている地域はきわめて広うございます。私ども、場所は長岡と新庄の二カ所ではございますけれども、日本全体の雪を相手にしてなるべく幅広く基礎研究からできれば実用に至るまでの研究をしたいということで、鋭意その研究に取り組んでいるわけでございます。 先ほど先生の御指摘の中で十億円というような話がございましたが、これは実は記載方法が非常に私どもの資料が不備といいますか、まずうございまして、十億円等の中には雪以外のものもございまして、雪関係のものだけそれから摘出をしますと一億数千万円ということになろうかと存じます。 そしてまた、いまもお話がございましたように、豪雪に対する研究というものは大学等の力も結集しながらまえびろに進めていくべきであるというお考えにつきましては、私どももまことにそれにつきましては同感でございまして、先ほど大臣の方からも、今年度からスタートをする科学技術振興調整費の中におきましても、私どもは、今年度、豪雪地帯における雪害対策技術の開発に関するフィージビリティースタディーというようなテーマを一テーマ設けまして、これは豪雪地帯におけるところの雪害対策技術というものを今後なるべく実用技術に近いように仕上げるためには、まず研究として総合的にどういうところにポイントを置いて進めれば一番いいか、その場合の進める体制はどうあるべきかというようなことを中心に、その研究を進める基礎的な準備と申しますか、事前調査を現在進めている段階でございまして、このような検討の結果を踏まえながら、またさらにまえびろに豪雪地帯の研究に取り組んでまいりたい、かように存じております。
○藤原房雄君 これは八月ですか、ノルウェー、スウェーデン、向こうの方に行かしていただきましてやっぱり感じたわけでありますが、寒いところは寒いところなりの生活の知恵というもので、衣食住いろいろ工夫されておる。日本は南北に長い日本列島、一月になるともう沖縄で桜が咲いている、北海道では寒風吹きすさぶ中である、東京はその中央にありまして、東京の霞ヶ関のぬくぬくとしたところでこの寒いところと暑いところのことを考えるということは、なかなかこれはむずかしいことだろうと私も思います。 そういう中で、北海道のことをよく――よくじゃない、北海道で育ったのですから、御存じの大臣がこういう大事な地位にあるといういまこそ、こういう問題についてひとつ、ほかの大臣にはできなかったことを、どの大臣がどうだということじゃないんですけれども、そういう認識の深い大臣にこういうものに対する研究に対してのぜひ先鞭をつけてもらいたいというお話を申し上げたわけでありますが、ぜひこういうことの調査研究、雪ということに対して文学的な作品はいろいろあるのですけれども、われわれの生活にいかに雪というものが、マイナスだけでは決してないわけですけれども、しかし実際生活としましては、その重みというのはマイナス面がずっしりと肩にかかってくるというのが現状です。そういうことで今後も、大臣の在任中といったってあと幾らあるかわかりませんけれども、ぜひひとつこれはがんばっていただきたいと思うし、また申し送り事項としまして強く申し伝えておいていただきたいものだと思うんです。(笑声)いや、何十年もやるわけじゃないから言っているんですよ、今度ということじゃないのですけれども。 それから雪利用の新技術開発促進ということも議長会のあれになっておるのです。雪に負けていたのじゃだめだ、雪を克服しなければいかぬという思想が最近というか昔からあるわけで、それぞれの大学や、それぞれの地方自治体、研究所、そういうところではそれなりの知恵をしぼっていろいろなことをしておるわけですけれども、科学技術庁というところで、こういうものがすぐにできるかできないかは別といたしまして、雪資源の積極的利用と寒冷害防止に関する新技術の開発等について調査研究を推進してまいりたいということでありますが、これは秋田大学が中心になって鳥海山のふもとで何かいろいろなことを総合的にやろうということで、県から何からいろいろ、これは科学技術庁も御存じのことだろうと思うのですけれども、雪を克服する、雪を積極的に利用する、こういうことがいろいろ考えられているようであります。どちらかと言うと、南北のウエートというのは北の方に薄いような感じもするのですけれども、この調査研究ということについても、ぜひひとつ中川大臣の時代にこういう人文科学的な面のことについて、また雪資源の積極的な利用、寒冷害防止に関するこういう問題について、これは議長会としましてもいろいろな検討の中からこの要望というのは出ているわけで、小規模なものについてはいろいろなことがあるわけですけれども、こういうものについてもひとつ眼を開いて、ぜひ科学技術庁としても大きな課題として取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(加藤泰丸君) 雪の利用につきましては、ただいま先生も御指摘のとおりに、雪国にとりましては、災害を防止するという、逆にうらはらとしまして雪の持っている力をいかに利用しようかということで、非常にわれわれも含めて重大な関心が示されているところでございます。ただ、いままでいろいろな試み、アイデア、あるいは小規模な研究等が行われてきていると存じます。たとえば一番昔からやられている方法では、雪の持っている低温あるいは水分、湿度を生鮮食料品の貯蔵に使おうというのがこれは一番基本的な方法かと存じますけれども、最近では雪の持っている低温を利用しまして、それである種の発電をしようというような非常に近代的な考え方も一部では案としては考えられているわけでございます。いろいろな場面において雪の利用ということは今後とも考えられるだろうし、また考えるべきであろうと存じます。 ただいまここで、いままでかなり検討はしてまいりましたけれども、雪利用はこうすれば一番いいのだ、災害もそれによって回避できるのだというような、一石二鳥のようなアイデアがなかなか出てまいりませんで、ただそうは申しましても、いまのお話のように、雪の利用ということは災害防止と非常に近縁の方法でもございますし、われわれとしましても何かいいようなアイデアを生み出すべく今後とも努力は重ねてまいりたい、かように存じます。
○藤原房雄君 大臣から一言、雪に関して。
○国務大臣(中川一郎君) 選挙区はもう雪で埋まっているところでございまして、藤原委員から雪について理解ある前向きの御意見を承りまして、本当にありがたいことだと思っております。特に昨年は、三八以上の大きな被害が起きまして、雪に対する関心は東北、裏日本、北海道を中心にして非常に高まってきておりました。雪に関する防災関係の試験研究については力を入れていこうと、関係機関あるいは防災センターのネットワーク等を通じて前向きでやっていきたい。関連をして今度は科学技術振興調整費等も活用できないかというように前向きにもやっておりますし、さらに、雪の利用についての、災いを転じて福となすというのですか、あれだけの大量の雪を何か利用できないかという御指摘も当然かと存じます。ただ、気持ちはわかるのでありますが、具体的にそれではどうかということになってくると、いま早速研究に取りかかるという性質のものではございませんが、しかと頭に入れまして、今後何らかを見出すように努力をしていきたい。科学技術庁はあと少ないのかもしれませんが、引き継ぎはもとより、今後とも藤原先生ともどもに科学技術委員会にもひとつ出ましてがんばってみたいと、こう思っております。
○藤原房雄君 私どもが豪雪のございました現地に参りますと、あの吹きすさぶ中にぜひ来てもらいたい、二日も三日もたってあらしがやんでからじゃ実態はわからぬということをよく言われる。それはもう雪というのは、その被害を受けた人でなければ、そういう中にいなければ、実感といいますか、わからないんだということだろうと思います。私も雪国に育ちましたからそういうことはよくわかるのであります。 そういうことで、先ほど申し上げましたように、皮肉めいて聞こえたかどうかわかりませんが、諸官庁にいろいろ陳情申し上げても、その陳情の趣旨といいますか、そういうものを十分に理解できない部門が多い。雪国の方々は、雪といってもいろんなことがあるものですから、各省庁にみなお願いに行く。しかし、なかなか話として聞いていただけない、理解されないというじれったさといいますか、そういうことが結局ずっとこういう問題についてのおくれになっているのじゃないかという気がするわけであります。そういう点では御理解がある大臣、またそういう基礎的な研究、これは一朝一夕に災いを福にするなんということでできることではないことも私ども十分にわかるわけでありますけれども、少なくとも科学技術庁だけはそういう方々に、中川長官のときによく理解が深まって、いろいろ話を聞いてもらえる、そこから一つの糸口が解きほぐれるという、こんなことであってもらいたいという願いも込めて申し上げているわけであります。雪のことについては、いま大臣からもお話がございましたので、これで終わりたいと思います。 次は、過日夕張新鉱の事故がございまして、これは商工委員会でもその周辺にわたります問題についてはいろいろ申し上げたわけでありますが、きょうはそういうことで申し上げるのではなくして、これは科学技術庁には直接かかわることではないのかもしれませんが、工業技術院の公害資源研究所、ここで鉱山保安技術研究ということが行われておるわけでありますが、最近の炭鉱を見ますとだんだん深部化されまして、地圧も、一ころとは違って深部にありますので、相当な地圧とともにガスの突出。北炭夕張新鉱が保安面でどうだったかとか、それから今後どうするかということについては、これは過日の質疑の中で、商工委員会、またエネルギー委員会でもいろいろ議論になったことでありますが、きょうはそういうことではなくて、だんだん深部化しております炭鉱の問題です。これはもう深海、深い海へ入るのと同じように、炭鉱が深部化いたしますと、当然いままでとは違ったいろいろなメカニズム、こういうものの解明がございませんと防止対策が生まれてこないことは当然であります。今日まで財団法人石炭技術研究所、それから工業技術院公害資源研究所、また各大学、こういうところでそれなりに研究はしておったのだろうと思いますけれども、予算だけで云々はできないかもしれませんが、五十六年度予算、これを見ますと、特別研究と経常研究を合わせて一億四千五百三十六万ですか、こういう現状になっていますね。 最初にお聞きしたいのは、まず、公害資源研究所で研究するのは、これは実務的なことと、それから基礎研究といろいろあるわけでしょうけれども、どういう部門に携わって、特に鉱山保安技術研究に関しましてはどういうことに重点を置いて、どれだけのスタッフで研究が積み重ねられてきたのかということについて、概略御説明いただきたいと思います。
○説明員(田中達雄君) 御説明申し上げます。 現在、鉱山保安関係の特別研究といたしましては、工業技術院の公害資源研究所におきまして、ガス突出、爆発及び通気対策に関する研究、これは今年度から六十年度まででございます。それから総合ガス保安対策に関する研究、これは昭和五十二年度から五十七年度まで。それから三番目に、坑内火災等に関する研究、これも五十二年から五十七年度まででございますが、この三テーマを特別研究として現在取り上げて進めております。この三テーマの五十六年度の予算、先生が先ほど御指摘になりました経常研究を除いておりますが、この三テーマの五十六年度の予算は約一億一千四百万円、このうちガス突出に関する研究は約六千五百万円ということになってございます。 この中身でございますが、まずガス突出現象の解明と石炭ガス突出の予知とこの予知技術、それから自然発火時の通気対策、それから坑道切り羽のメタン湧出検知装置の開発などの研究を公害資源研究所の北海道石炭鉱山技術研究センターにおいて行っております。それから不活性ガスを用いましてガスや炭じんによる爆発を抑制する研究、これを公害資源研究所の筑波本所において行っております。また、実規模の坑道を用いた火災実験による防火研究を公害資源研究所の九州石炭鉱山技術研究センターを中心にして行っております。それから、鉱山保安技術に関する職員の数でございますが、五十六年度、現在でございますが、筑波の本所及び北海道、九州を合わせまして研究者の数は五十一名、こういうことになってございます。 主として通産省の研究所におきましては、基礎、たとえばガス突出に関して言いますと、ガス突出の発生のメカニズム、それからそれをどのように予知するかという基礎的なデータを論理づけて産業の方に提出する、それで産業の実用化に期待する、こういうポジションにございます。
○藤原房雄君 おたくの方で研究している。それから石炭技術研究所、それから各大学でもやっていますね、それぞれの先生がテーマとして。北大なんかでもやっておるわけですが、こういうそれぞれの研究というのは相関関係が、お互いに連係とか何かがあるのだろうと思うんですね。 〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕 そういうものが実用的なものに生かされなければね。私どもから見ますと、そこに石炭があるから掘るんだということでなくて、やっぱり安全性の確認という上から、これ以上の深さになるといろいろな問題が起きる、地圧とかいろいろな構造上のことや、そのほかいろいろなファクターを考えますと、これ以上の深さでは危険が伴うということで警告を発するといいますか、そういうことが明らかであれば、それ以上深く掘るということは危険を伴うわけですから、十分に注意しなきゃならぬことですね。しかし現在は、そういういろいろなことが研究されてはいるのですけれども、研究は研究でなされておるんですが、実際現場で石炭を掘る方はやっぱりそこまでのことは余り注意も払わずといいますか、いままでの技術でできるだけの可能性を追求するということで進めていくわけですね。後になってから、こんな深部じゃもう無理もないとか、こういう体質ではどうだとか、いろいろ結果論として論じられるのですけれども、事故が起きてからでは遅いわけですから、事前にこういう技術開発というものと現場との結びつきというものがもう少し有機的にもっと連係プレーができないものかという、こんな素朴な気持ちがするんです。それは研究者とそれが実用的なものになるということの間には大分時間的なラグがあるのだろうと思いますけれども、しかし、この九十何名という大きな痛ましい事故が今日に至ってもなおかつ後を絶たないということですと、百万トンに対しての被害率ですか、いろいろな被害率とかデータを見ますと、従業員の数が減っていますからだんだん被害の実態というのは減っておる。数値的にはそうなるかもしれませんが、たとえ一といったってそこに一名の方がとうとい命を失ったという事実はいかんともしがたいわけでありますね。比率や何かではないだろうと私は思うわけです。絶無というのが望ましいことであります。 そういうことのためには、こういう研究というものが現場というものへ、またそれぞれの大学で研究されているものが、技術の交流とかいろいろなことの中でどういう形で生かされてるのか。科学技術庁はこれは特別研究ということで金を出せばいいのかもしれませんが、特に通産省の場合、研究した公害資源研究所がやっぱり一つの中核となって行政上または実務的なことに生かしていく、そういう役割りがあるのではないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか、この辺。連係プレーといいますか、そこらあたりのことを。
○説明員(田中達雄君) 先生おっしゃいますとおり、採炭現場がどんどん深くなってまいりますと、地圧といいまして坑道が押される、そういう地圧が相当大きくなってまいります。同時に、その中に含まれておりますガスの圧力も増加してまいります。それから、出てまいりますがス、これは主としてメタンガスでございますが、ガスの量が大変にふえてくる。あわせて周囲の温度も上がってくるということで、大変環境としては悪くなってくるわけでございます。そして、これを研究の方から見てまいりますと、そうした条件を研究室的に再現するということが非常にむずかしゅうございまして、まあ何とかそういうモデルを製作してその機構の理論的な推定を行っていく、こういう研究を続けているわけでございます。 それで、通産省の公害資源研究所で行います研究の中身につきましては、通産省の中に特別の部会が現在設置されておるわけでございまして、産業の方、それから学者の方々にお入りいただいておりまして、そこで貴重な御意見をいただきながら研究の上に反映させているわけでございます。そこで、公害資源研究所で得られた一応の学問的な推測といいますか、結果を今度は現場で実は実施をしてみなければいけないわけでございますが、主としてこの面につきましては、先ほど先生が名前を挙げられました石炭技術研究所におきまして、現場での実験ということを行い、現場での適用可能性の確認を行う。こういう形で、学者先生の方々の御意見をいただきつつ、かつ現場での実証性もその全体の流れの中で確認をしていくという形で、技術の実際面への応用も実は考えているわけでございます。
○藤原房雄君 通産省の所管になっているわけですから。今度のこういう痛ましい惨事、いまもいろいろお話がございましたけれども、温度がもう三十度、四十度、湿度がもう一〇〇%近いという、労働災害の方から見ましても労働環境が非常に劣悪化している、そういう中でこのたびの事故が起きたということでありまして、特別部会とか何かつくられて、そういうことがいろいろ適用され、こういうものが検討されているのだというお話ですが、特に今回こういう大きな事故がありましただけに、そしてまた深部化が進んでおるということの中で、今度の事故を踏まえまして、こういうものを特にこれは研究テーマとして特別な研究班をつくって対処しなきゃならぬということを私ども思うのですけれども、部内でもいろいろ今回の事故を踏まえての対策をお考えになったと思うんです。どういうことを御検討になってどういうことを決定して、これからしようということですることですけれども、しようとなさっているのか。これだけの事故が起きて、いやもう大変なんですと言うだけで、また、研究の方もそんな一朝一夕に結論が出るわけじゃないやというようなことでは決してないだろうと思うんですけれども、研究という立場ではありますけれども、今回のことを踏まえましてどういうことが話し合われ、対策として講じられようとしているのか、その辺のことについてどうですか。
○説明員(田中達雄君) 先ほども御説明申し上げましたが、ガス突出につきましては、どのような過程を経てガス突出が発生するかというその発生の機構をまず学問的に詰めていく、これが明らかになりますと、あらかじめ起こる現象を予知する技術もめどがつくということで、現在も二つのポイントに力点を置いて研究を進めておるわけでございますが、これをさらに一層強力に進めてまいりたいというふうに考えてございます。 発生の機構及びその予知の技術ということについて従来も進めているのでございますが、先ほども申しましたように、なかなか同じ場所を研究室の中で再現することができない点、 〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕 それをいかにモデル化するかというところに力点を置いて研究を今後とも一層進めてまいりたい、このように考えております。
○藤原房雄君 時間もどんどんたってまいりますので、今度は一つ一つのことをちょっとお尋ねする時間もございませんが、概括的なことについては、いまお話を聞きました。 科学技術庁としましても、特別研究課題ということで研究費を出している、こういうことでありますから、これは無関心ではないだろうと思うのであります。九十三名というとうとい犠牲者を出した、こういうことでありまして、重大な関心をお持ちのことだろうと思います。直接担当の省庁ではないかもしれませんけれども、こういう人命にかかわる重大な問題でありますので、これはひとつ関心を持っていただき、そしてまた、その推進につきましても御努力をいただきたいと思うのでありますが、大臣どうでしょう。
○政府委員(加藤泰丸君) 科学技術庁におきましても、こういった防災にかかわる研究の促進につきましては常に配慮をしているところでございます。産炭地災害の問題につきましては、ただいまもお話がございましたように、従来特調費を支出しまして、何回かこういった炭じん爆発に伴う災害の研究を進めてまいりました。ただいままでの分は特に一酸化炭素中毒を中心にしてやったものでございまして、今後、いま通産省の方から説明がありましたように、発生の機構とその予知というような問題につきましては、これからの新しい分野であろうかと思います。それにつきましては、関係する省庁の方とも連絡をとりながら必要に応じて適切な対応をしてまいりたい、かように存じます。
○藤原房雄君 大臣、いまお聞きのような状況でございまして、ぜひひとつこの問題につきましても、現場のことは現場のことといたしましても、それぞれの部局の担当守備範囲というか、そういう中で最大の努力をし、そういうものの連係といいますか、総合力がやっぱり今後こういう災害を防いでいく一つの大きな力になっていくのだろうと思います。これは鉱山保安監督署だけでできることではございませんし、みんなでひとつそれぞれの力を合わせてそれなりの成果を生み、とうとい人命が失われたということを無にしないように御努力いただきたい。大臣に言わせると、炭鉱はこういう大きな惨事がいまだに続いておる、原子力の方はそんなことはないぞということかもしれませんけれども、そういうことではなくて、ひとつ積極的なお取り組み、科学技術庁として担える役割りはひとつ全力を尽くしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(中川一郎君) 先般の夕張の炭鉱事故は、もう聞くにすら残酷な大変な被害でございまして、大いに反省をしなければならないことだと私もつくづく感じました。あれだけ、千メーターからの下のところですし、大変な地圧、気圧がかかり、良質の炭であるだけにまたガス突出の危険もある、そういうところでエネルギーを求めている働く皆さんの御苦労というものは並み並みなものではないと感じました。 そして、今後かかることが断じてあってはならない、こういうことでございますし、一方、地元の皆様方やあるいは働く炭労の皆さん方も、職場を失ってはならないということで、山の再開を非常に切実に要求しているという面も強く現実問題としてあるわけでございます。しかしながら、最小限害がないものである、こういうことでやっていかなければ、いかに地元あるいは炭労の皆さんが要望しても人命と引きかえになるものは何物もないわけですから、われわれとしても、安全ということについては最善を尽くさなければいけない優先事項であろう、こう思いまして、通産省、関係当局も一生懸命やっているでありましょうが、科学技術庁で応援できることがあったら、また協力できることがあったら十分打ち合わせて、過去にも例のあることでございますから、われわれとしても十分の協力をしていきたい、こう思っております。
○藤原房雄君 日本の唯一のエネルギーと言われる石炭、二千万トン体制ということで今日まで来ているわけでありますが、その諸問題についてはこれまた担当の委員会に任せるとしまして、いま大臣の御決意がございましたが、そういうことでぜひ推進をしていただきたいものだと思います。 次は、過日、使用済み核燃料の再処理に関する日米共同決定、これを見たわけであります。原子力の問題にも入りたいと思うのでありますが、時間もございませんので、まず、過日、中東におきましての石油価格、これは凍結をするというようなことが決まったようであります。日本の国というのは、エネルギーという観点から見ますと、諸外国の様相で一喜一憂しなきゃならぬという、この使用済み核燃料につきましても、アメリカの政策、政権がかわりますということで、まあ今回は緩む方向ですから決して悪いことじゃないんですけれども、日本の国というのはエネルギーという観点から見ますと本当に厳しい状況に立たされている国だという思いがしてならないのでありますが、このたびのこの日米共同決定とそれから共同声明、これにつきまして科学技術庁の見解といいますか、また今後への所見等について概略承りたいと思いますが。
○政府委員(石渡鷹雄君) 東海再処理施設の運転の問題、さらには第二再処理の建設等に関しましての日米再処理問題、この問題につきましては、本年五月、すでに日米首脳会談におきまして、早期かつ恒久的な解決を図るという合意を見たわけでございます。この合意を受けまして本年七月下旬から日米間で折衝を続けました結果、去る十月三十日ワシントンにおきまして、御指摘の共同決定の署名、共同声明の発表が行われたわけでございます。 この内容の骨子を申し上げますと、四点ほどございまして、まず第一に、日米両国は、米国産の核燃料の再処理に関する長期的取り決めを昭和五十九年十二月末までに行うということが第一点でございます。したがいまして、今回の決定の期限は三年余りということになります。 それから、東海の施設につきましては、この施設の能力いっぱい、すなわち一年間に二百十トンの範囲内で運転する、能力いっぱい運転して結構であるということであります。 それから、前回から、一九七七年の共同決定以来懸案となっておりました、第二再処理工場につきましては従来主要な処置をとらない、すなわち建設等をやらないという制約があったわけでございますが、今回はその制約が撤廃されたわけでございます。すなわち、第二処理工場の建設は結構であるということになったわけでございます。 また、第四の点といたしまして、核不拡散という観点から、核物質の保障措置につきましては大いにこの改善に協力をする、IAEA体制を中心として研究開発を進める、こういったようなことが決まりました。 また、わが国にとりまして非常に意味があるのは、東海の再処理施設で回収されましたプルトニウムにつきましては、これを混合酸化物に転換して、現在わが国で開発を進めております高速増殖炉あるいは新型転換炉の研究開発に使うことが自由である、こういった内容でございまして、前回の米前政権時に非常に日米間でもめた案件でございましたが、今回は内容的には非常に日本側に有利と申しますか、日本の事情が十分配慮された形で決着を見たという経過を見たわけでございます。
○藤原房雄君 いろいろお聞きしたいことがございますが、それはまた後日に譲らせていただきたいと思います。 次に、原子力安全白書ですね。これが十月の二十日に発表になったわけです。原子力安全委員会、五十三年十月に発足しまして三年目ということですか、今日までの経緯、経過といいますか、そういうものを踏まえましての発表ということで、初めてのことでそれぞれ評価なり、またはそれに対するいろいろな批評なりがあるようではございますが、いずれにしましても、五十六年度原子力安全年報ですか、こういう形で発表になったということはそれなりの評価ができるかと思います。 具体的なこの中のことについて申し述べる時間もございませんから一言だけ触れておきたいと思うのでありますが、何点があるんですが、時間もございませんが、私どもこれをさっとですけれども見さしていただいて、原子力安全委員会ができるときは私も当該委員会に所属しておりまして、いろいろ議論になったけれども、何でもアメリカに比べるというわけにもいかないのですけれども、やっぱり事務局ですね、委員の方が五名ですか、事務局も専任の検査官といっても十人、そういう中で安全審査とか公開ヒヤリングとか、こういうもので忙殺をされて、人員不足とか時間不足とかいうことで、実務的なことからどうも実際上はきりきり舞いしてるのじゃないか。原子力安全委員会の役割りの重要性というのは、私からくどくど申し上げるまでもないことだと思うのでありますけれども、あのとき、この法案が審議されたときも非常に言われておりましたが、いま三年間を振り返ってみますと、権限とか人事とか、こういうことでやっぱりもう少し充実させなければならないような気がしてならないのです。そのかわり貴重な建言なんかもありました。それらのものを含めまして、原子力安全白書について、科学技術庁としましてはどのようにこれを受けとめ、また今後に対して何か御所見、お考えがございましたらお述べいただきたいものだと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(赤羽信久君) 安全委員会発足以来、安全委員会の中で自分たちのやったことを整理し外側にも知っていただこうということで、当初から報告を出す予定をしておりました。しかしながら、発足当初いろいろな新しい仕事がございましたし、その後スリーマイル事故等にかなりの時間をとられました。先生御指摘のように、並行して進めるだけの余力が安全委員会あるいは事務局の方にも十分ございませんでした。そのためについ二年半分たまってしまったわけでございますけれども、まず二年半分やってきました当初の安全委員会の方向づけ、それからその後やったこと、それからスリーマイルについては特に深い解析、報告を行っておりますので、そうしたことを並べて御報告しようということで、とりあえずの年報ができ上がったわけでございます。年報でございますから今後ともできましたら毎年きちんと報告したいという意図は持っておるところでございますが、やはりこれも御指摘のように仕事の方に山谷がございますので、できるだけそうしたいということでございまして、若干の不規則性はやむを得ないかと思われます。まず最初のことでございますので、非常にじみな内容を時間系列的あるいは項目別にじみに報告させていただいたわけでございますけれども、来年度以降一年ごとということで、そっちの方の負担が軽くなりましたら今度は、事項別に政策として検討をしている事項が幾つかございますので、そういうものの検討の状況あるいは解析の内容というものを少し御報告するような形にするのも一つの方向ではないか。これは早速すでに議論を始めようとしておりますけれども、まだ具体的な方向は出ておりませんが、たとえばそのような方向で明年度以降充実させていこうという考えでございます。
○藤原房雄君 これはまた詳しく言うといろいろなことがございますが、今回は最初ということでもございますからあれでありますが、この中でいろいろ述べられている問題、それからいま御答弁がございましたこと等を踏まえまして、原子力行政といいますか、そういう問題につきましては、ひとつまた慎重に進めていただきたいものだと思います。 日本のエネルギーの現状を見ますと、原子力発電という問題については、これは度外視するわけにはいかないという私どもは気持ちを持っておるわけでありますが、しかし、それに対する安全性ということについてはいろいろ議論のあるところであります。原子力発電所が日本にできましてからもう十数年、そういう中で技術もだんだんだんだん向上もいたしまして、最近の稼働率等を見ますと向上もいたしておるようで、新しくできるものは新しい技術の導入によりましてそれなりに進んでおるようであります。しかし、そういう中でありましても安全委員会の果たすべき役割りというのは非常に大きい、こういうことで御答弁がございましたが、発足をいたして三年ということであります。スリーマイルのあの不幸な事故、大きな事故がございまして、それを反省の糧としていろんなことが論じられましたし、今日までが一番大変な、委員の方々、または事務局の方々が御苦労をなさったのだろうと思いますが、それらのものを踏まえてぜひ今後の安全対策に対して万全を期していく、こういうことでひとつ進んでいただきたいものだと思うのであります。 それに伴いましてどうしても触れなければならないのは原子力船「むつ」のことでございまして、これも何せこっちの方は期日のあることで、いつまでもというわけにはいきません。一つ一つ申し上げる時間もないのでありますが、原子力船「むつ」につきましては、この底に流れるものは、安全委員会に対して、安全委員会というか原子力発電についても同じですが、住民の不信感というのが最も根強くその底に流れる。やっぱり政治と同じように、原子力行政につきましても不信感というものが払拭できるような今後の行政のあり方というものが私はいま一番大事なことだろうと思います。原子力発電所、これがいろいろ立地計画をして建設されるまでには大変な日時がかかる。日にちがかかるというだけじゃない、それに伴いましてコスト高ということでそれがみんな発電単価やいろんなものに覆いかぶさってくる。こういうことを考えますと慎重さというものが当然これは大事なことでありますし、それを私は云々するものじゃございませんけれども、行政のなすべきことを、住民の不信を招きトラブルが絶えないということであるならば、これはやはり正してもらわなきゃいかぬ。こういうことで今日までもいろいろな論議をしてきたところでありますが、「むつ」の問題につきましても私は底にやっぱり大きな不信があるのだろうと思います。市長がかわられたからどうこうということでは決してないと思うのでありますが、そういうこととは別に、市長も、施政方針なんかをちょっと見ますと、原子力行政だけじゃなくて市長としてなすべき役割りがいまたくさんあって大変だと。冷害対策のことや国鉄の赤字路線の問題等もう課題が山積しておる、こういうことで市長としても大変な意気込みといいますか取り組む姿勢で、そういう中で、原子力船については安全性の確認というものはこれは慎重にせざるを得ないという御発言があったようでありますけれども、これは地元として当然のことだろうと思います。 いままでの推移を見ますと、去年もことしの春にもちょっとこの問題についてはお尋ねを申し上げましたが、やっぱり期日までにできませんで再延長、再々延長というようなことです。佐世保では幸い来年の八月末までということでありますが、この十カ月の間に本当に改修工事はできるのでしょうか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 佐世保におきますお約束は、もう日にちは過ぎましたが、ことしの十月半ばころまで、約三年というお約束で入港したわけでございます。しかし、いろいろ事情がございまして着工がおくれた。実際の工事が始まったのが昨年の八月というようなことでございました。 そういう工事のスタートのおくれがございましたので、期日内に工事を完成することができないということで先般工期の延長をお願いしたわけでございます。もちろん、その延長をお願いするに当たりましては、十分技術的な検討を加え、まず工事を安全に、また完全な形で完成できるという見通しのもとに来年の八月末日までということでお願いしたわけでございまして、改修工事、遮蔽改修の改造といったことは安全のうちに完全に完成できるという十分な見通しを持っているわけでございます。
○藤原房雄君 これは工事の面から見ますと完全にできるということなんですね。地元でも言われておりますように、五十七年の八月にちゃんと約束どおり出ていくのか、再延長ということはないのかどうか。また大湊の方は一体どうなるのかという不安、私は、こういういままでいろいろなことを見まして、問題が起きたそのときにお願いしなきゃならないということなんだろうと思いますが、こういう技術的なことというのは、やっぱりかかるだけの時間というのはどうしてもかかるわけですからね。ですから、その当座になってからもうただ懇請申し上げる、こういうこと以外にないみたいにやっておるわけですが、今度のこの工事につきましてもずっとおくれておりまして、それはいろいろないきさつがあったことは私どもよく承知しておりますが、しかし、ぎりぎりまで大丈夫だ大丈夫だというような言い方で来て、結局はできませんでしたということで、これは手順として工期には、かかるべき期間というのはこういう工事にはやっぱりあるわけですからね。誠心誠意事前にそういう問題についてはお話し合いするということが大事なことではないかと思うのです。まあ余り先走って、住民に不安を抱かせるということも考えなきゃならないことかもしれませんけれども、そういうことから言いますと、今度のむつ市では、五者声明というのがあるわけでありますから、これはどなたが市長になったってこの五者協定、五者声明というものは守ってもらいたい。特に住民の声を背に受けて立たれた市長については、これは厳格に実行してもらいたいということは当然のことだと思います。これはもう科学技術庁としましては、それは約束事ですから守ります、こういうお考えは当然だろうと思うのでありますが。 ところで、関根浜の母港化ということですけれども、これは非常に巨大な、巨大といいますか大きなことだけに、財政当局との関連性の中でこういうことが本当にできるんだろうかという、こういう気持ちが地元としては非常に強いようですね。まあ五百億とも一口に言われております。それから期日までにできるのかどうか。これは市長の提言で環境調査というものをひとつしっかりやってもらいたいということでありますから、環境調査には二年ほどは時間をかけてしっかりやってもらう、こういうことですから、そうしますと本工事を始めるということになりますと十分かかるべき時間がかかるわけです。それから、こういう約束事というのは、本当はちゃんと決めましたら決めた方がずっと責任を持ってやってもらう。中川大臣にずっとこれが完成するまで大臣でいてもらえば一番いいのかもしれませんけれども、そうはいきませんから、政権がかわりましても、大臣がかわってもやはり承継するということで、いままでのいきさつをくどくど申し上げる時間もございませんけれども、そういう不信感というのが根差しておりますから、中川大臣、本当にまあ大物というか、非常に信頼の厚い大臣でありますから、そのときにやっぱりきちっと一度、まあ一度に限らないのですけれども、地元へいらっしゃってお話し合いするということも言われておったのですけれども、ぜひこれは機会を見て誠心誠意その実態といいますか、現状といいますか、こういう問題についてお話をする。できることはできる、できないことはかくかくしかじか、こういう信頼関係というものをしっかり築くきずなをつくってもらいたいものだと思います。そうでございませんと、いたずらにまた今後不信感が根を張りまして、こういう問題はなかなか進まないのではないかと思います。どうしても、この原子力船の研究を進めるという見地からしますと、やっぱり大臣が一はだも二はだも脱ぐような気持ちでなければね、またそういう足跡をきちっとだれかがつくらなければならないのじゃないかと思うんですね。 佐世保のこともさることながら、来年の八月までということでお話し合いが決まったようでありますから、舞台は、どちらかというと、むつの方に移ったのだろうと思いますけれども、むつの現地へ行っていろいろなお話し合いをする、誠心誠意こういう現状についてもお話をする、こういうお気持ちがあるのかどうか。こういうことも含めて、今日までのいきさつの中でむずかしい約束事がいろいろあるわけでありますが、どのように対処なさるのかお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 「むつ」についていろいろと御指摘をいただきまして、不信感ということですが、実は私が就任してからは長崎、佐世保と、それから青森、大湊の方においては信頼と信頼、善意と善意ということで話し合ってきていまして、その限りでは非常にうまくいったと私は思っておるのです。 一つは、佐世保との約束において、新定係港をつくる、必ず工事が終わったら出ていく、これが約束でございますから、私が第一番目にやらなければならないことは新定係港をつくるということでございました。いろいろ全国探したのでありますがなかなか適地がない。そこで大湊にもう一度お願いできないかという相談を持ちかけました。しかるところ、幸い地元漁連あるいは市、知事さん等が、それは理解できる、協力してあげたい、原子力開発は必要である、イデオロギーにとらわれて反対するようなことは絶対しない一ただし湾内にホタテ漁業がある、この実態だけはぜひ知ってもらいたい、そこでホタテのない関根浜、外港ならば協力しよう、こういうことでございました。ところが、関根浜については建設までには相当時間がかかるという大変な欠点がございました。それは理解できるので、それができるまでの間は大湊で預かってやろう、こういうありがたい御決定をいただいたわけでございます。したがいまして、新定係港については五者共同声明によってすっきりした路線ができたと私は思っております。 それから佐世保におきましても、おくれた事情というものがこちらの不誠意とかなんとかではなくして、SSKとの話し合いができなかった、工事の着工ができなかった、おくれたという実態はよく知っておりましたので、結論的には、これも信頼と信頼で、工事ができ上がるまでは置いてやろうという決定もされまして、来年の八月の末までにはでき上がる、じゃそれまで置いてやろう、こういうことで工事の方も見通しを得たわけでございます。このように、「むつ」の修理並びに新定係港の決定ということはきわめて好意と好意の中にうまくできた。ただ、新市長さんが誕生をしたという一点が心残りのところでございます。新市長さんもがむしゃらに反対だとは申しておりません。安全性について確認するために慎重を期したいと、これは私は当然のことだと思うのです。前の市長さんであれ、どなたが就任しても、安全性についての確認について慎重であることは当然のことだと思うのです。それともう一つは、五者共同声明というのはもうでき上がっておることですから、新しい市長さんといえども、これをほごにはできない。新市長さんも、五者共同声明をベースにして話し合うとはっきり申しておるところでございますので、新市長さんに対しては、今後のことを含めて十分話し合いをして、この「むつ」開発が円満にいくように最善の努力をしたい。 そこで、御指摘の、ひざを交えて話したらどうかというありがたい前向きのお話ではございますけれども、私もいつなりとも飛んでいってという気持ちはありますが、とりあえずは港湾管理者でございます青森県知事にそういったことも含めていま話し合いを進めていただいておりまして、知事と市長との間において話し合うことが必要であるというようなことが出ましたならば、いつ何なりとも飛んでいって話し合いもする、こういうことでございまして、前向きのいろいろの御指摘がありましたが、私としては、「むつ」はわが国原子力開発の象徴でもある、こう思いまして、いういろ瞭会典折はありましたが、最近においては大方の皆さんの理解と協力をいただいて非常にいい方向にいっているのではないかと思います。今後とも誠意を尽くして、このむずかしかった「むつ」の問題を解決するために、大臣の職にあるときはもとより、いかなる立場になりましても、このことだけはやってのけたい、こう思う次第でございます。
○佐藤昭夫君 私も、先ほど来藤原委員が質問をされておりましたが、まず最初に、採炭深部化に伴う採炭及び保安技術研究の問題について、先ほど来の政府の御答弁でもう一つはっきりしない点がありますので、最初に幾つかお尋ねをしておきたいと思います。 言うまでもなく、十月十六日、北炭夕張で、死者行方不明者合わせて九十二名という大事故が発生をしたわけでありますし、振り返りますと、この十一月というのは忘れ得ない月で、いまから十八年前の十一月の九日に九州の三池炭鉱で死者四百五十八名、重軽傷者五百五十名、生存した人がその後も、今日に至るもいわゆる一酸化炭素中毒で苦しんでおるという痛ましい姿が続いているわけであります。こうした点でこれらの犠牲者の方々に私も改めて哀悼の意を表するものでありますが、まずお尋ねをしたいのは、今回の北炭夕張の事故について、私どもの党も調査団が入ったわけでありますが、生産優先とこれに伴う保安体制の不備、これがいろいろ浮き彫りになってきているわけでありますけれども、直接の指導監督の立場にある通産省の責任についてどのように現時点でその責任を感じておられるのか、まず最初に尋ねておきたいと思います。
○説明員(安藤勝良君) 今回の事故につきましては、大変想像を絶するような大規模な事故であった、そういった面から私どもも大変驚いているわけでございます。 この北炭夕張新炭鉱につきましては、再建途上の炭鉱でもあり、また大変自然条件が厳しく、一つには盤圧が強い、あるいはガスが多い、こういったことから、私たちは、この炭鉱については、いわば監督指導上の重点炭鉱として取り上げまして、監督頻度も一般炭鉱の三倍、そういった頻度で実施してまいり、またいろいろな補助金の面におきましても重点的に交付しまして指導をしてきた、そういったさなかにおきましてこういった事故を起こして、大変遺憾に存じておるわけでございます。 日本の石炭企業は、これは私企業体制でございますものですから、自分の山は自分でといういわば自主保安ということが大前提でございます。国の立場におきましては、そういった体制を側面から補完するということで監督指導をしてまいったわけであります。その点は先ほど申したとおりでございます。
○佐藤昭夫君 私も少しく計算をしてみたわけですけれども、昭和三十六年ごろのピーク時、大小ありますが五百七十四の山があった。ここで五千五百四十一万トンの生産を上げていた。単純に平均しますと約十万トン弱ということになりますが、これが昭和五十五年の数字で見ますと、二十五の山になって千八百十万トン、平均をしますと一山当たり四十五万トン、約四・五倍、こういう強度の生産になってきているわけですけれども、こういった年間の生産量の増大を支えてきた一つの要因に採炭の深部化、これがあったということ、これは多くを言う必要のない問題だと思います。 そこで、現在北炭夕張の事故が起こりました。これは地下八百十メートルの深さだというわけでありますが、いろいろ専門家の指摘によりますと、地下一千メートルのところの地圧は二百気圧から二百五十気圧、こういうわけですから、浅いところと比べて深いところというのは相当過酷な労働条件、採炭条件、こういうもとに置かれているのだということは、この数字を見ても明瞭だと思うわけです。片や本年の八月、石炭審議会の答申が出されておりますが、今後とも約十年間現在の炭鉱において従来程度の生産を維持できるのだと、こういうことを答申の中で触れている。専門家の人の話によりますと、深部炭鉱ですから、採炭を続けていきますと一年間に約十メートル深さが深まっていく。そうすると、十年間これを継続していくことによって百メートル深くなるということにこの答申が読み取れるわけです。 そうしますと、お尋ねをしたいのは、まず、通産省としては、夕張八百十メートル、さらにそれよりも深い炭鉱も幾つかありますけれども、今後ともこういった深部炭鉱を継続、発展をさせていくことが今日技術的に可能だという見地に立っておられるのか。そういう技術水準に到達をしているというふうに判断をしておられるのか、この点をまずお聞きしたい。
○説明員(安藤勝良君) 御指摘のように、日本の炭鉱も年々深部化または奥部化しております。私たちの調査によりますと、過去十年間の平均進度は約十二メーターでございます。今後ともその程度の深部化は進むということが予想されております。今次答申におきまして、いまの既存炭鉱が果たして保安あるいは生産面において目標とされていますこの二千万トン体制維持が可能なのかどうかという議論が十分なされたわけでございますが、その中でもやはり、保安の確保が果たしてできるのかどうかという、当然のことながらこの点についても審議がなされたわけでございます。 かいつまんで申し上げますと、日本の炭鉱はいきなり要するに深いところに入っていったわけでは決してございませんで、徐々にいわば深くなっていったということから、その過程におきまして自然条件を十分把握しながら、またそれに対応した技術を積み重ねながら今日まで来たわけでございまして、今後とも、そういった状態においていわば深度はリニアの状態で進むという予想をされております。また、自然条件もそういった形で進むのじゃないかという推定がなされておりまして、そういったことから、過去の技術を十分積み上げながら、また生かしながら対応することによって現状の生産維持は可能である、こういう結論を見たわけでございます。
○佐藤昭夫君 現在でもわが国の技術水準は、深部採炭、これが十分可能だし、今後とも一定の深部化は可能だ、こういうお話でありますけれども、しからば、あの夕張のような大事故が起こったというのは、技術水準としては到達をしているはずだけれども何か手だての上で欠陥があった。たとえばボーリングの不十分さがあった、ガス抜きに手抜きがあった、こういうことに結果としてなるというふうに理解したらいいのですか。
○説明員(安藤勝良君) 今次災害につきましては、まだ原因究明の途上にございます。政府といたしましても調査団を編成いたしまして、さっそく今月の九、十に第一回目の調査をしたわけでございますが、まだ全体的に調査が途中でございますものですから、原因それ自体について、いまこの時点で評価することはできません。したがいまして、先生の御指摘のありましたように、果たしてボーリングが不十分だったのか、あるいは自然条件等から来る問題であったのかどうか、これについては今後あらゆる角度から徹底的に究明しなくてはいかぬ、こういうふうに考えております。この事故はそういうことでございますが、私どものいままでのいろいろな事故等からの評価といたしましては、やはり自然条件が厳しくなっていることは事実でございますから、十分自然条件を事前に把握することによって、その条件に対応した技術を厳しく適用することによって事故の防止は可能である、こういうふうに私どもは考えているわけでございます。
○佐藤昭夫君 現在の技術水準が事故防止に十分可能な水準に到達をしているというふうに言っておられますけれども、私は果たしてそうだろうかという不安をぬぐい切れないわけです。やはり、わが国のそういう採炭保安技術の研究が、生産第一主義になって立ちおくれているのじゃないか。たとえば、さっきも触れました本年八月の石炭審議会の答申、この中でもこういうことを指摘しています。「自然条件の事前把握のための技術、集中監視・制御システム技術をはじめとする重点技術開発テーマについて、関係研究機関の有機的連けいを図りつつ、現場適用化を主体とする研究を実施する必要がある。」ということで、これは本年八月の審議会答申ですね。八月の段階でもこういうことを言っている。ここで言っているこの「重点技術開発テーマ」というのは具体的に言ったらどういうことなのか。そして、これから引き続きさらに一層この保安技術向上、レベルアップを目指しての研究を何をやろうとするのか、通産省としてはどう考えているのですか。
○説明員(安藤勝良君) 私の説明が若干不足しておるかと思いますが、もとより、自然条件が悪化していくということでございますものですから、やはり技術の練摩と申しますか、技術水準の向上、これはもう当然のことながらやっていかなくてはいかぬ問題だと思います。また、過去におきましてもそういった水準のアップによって災害率等は減少させてきたわけでございますから、その必要性は今後とも続くということは私どもも認識しておるわけでございます。 したがいまして、今後どういった技術に重点を置いて開発していくか、こういうことだと思いますが、深部化に伴いましてその現象として予想されますものは、一つはやはりガス突出の問題、一つは盤圧から来る異常、いわば盤圧の問題でございます。また、温度が高くなるということから、自然発火の問題も予想されます。こういったことが今後のやっぱり深部化に伴う技術開発の重点課題だと私どもは認識しております。
○佐藤昭夫君 抽象的なこういうやりとりだけをしておっても一向に事がはっきりしないと思いますので、具体的にお尋ねをします。 こういった今回の悲惨な事故、こういう現実に遭遇をして、そして石炭審議会の答申もある、こういうことに沿いながら、しからば保安技術の一層の向上を目指して、今回の事故も起こったというこういう局面で、その研究の一層の前進のために何か現にあの事故の後打った手があるのか、研究体制について。あるいは来年度に向けて新たにやることがあるのか。これは通産省、それから科技庁の方でも何かお答えできることがあれば、それぞれお答えを願いたい。 聞くところによると、行政改革の名によってこれら研究もスクラップの、統合の対象にも上っているということも聞くわけですけれども、こういう重大事故が起こっているときに、いやしくもそういうようなことが起こっては断じてならぬ問題だと思いますけれども、その点についてはどうだろうか。藤原委員の質問の中で少し出ていましたけれども、公害資源研究所の九州、北海道の支所、これも看板の塗りかえだけやって、予算、人員は何一つふえているわけではないというふうに私は聞いているわけですけれども、実際はどうか。こういった点についてそれぞれお答えを願いたいと思います。
○説明員(安藤勝良君) 実は、日本の石炭鉱山の保安技術の研究開発体制につきましては、五十年に海外にも調査団を出しましてつぶさにそういった諸国の体制も勉強してまいりました。その後中央鉱山保安協議会で幾度か審議を重ねまして、日本に合った研究開発体制を逐次固めてきたわけでございます。 一つは五十二年に、いま先生のお話がありましたように九・北に石炭鉱山技術研究センターを設立したわけでございます。また、あわせまして財団法人の石炭技術研究所、こういったものの充実を図り、また大学等にもいろいろ研究をお願いしながら、この三者の有機的連携を図って今日まで来たわけでございます。その間におきまして、やはり深部化に伴う、先ほども申しましたような重点課題を逐次拡充してまいったわけでございます。また、一つ特徴といたしましては、日本にいま主要炭鉱が十二あるわけでございますが、十二それぞれがいわば実験炭鉱であるという考えのもとに、それぞれの持っておるテーマについて重点的にテーマを配分いたしまして、そういった生きた炭鉱を利用しながら、いわば現実の技術の開発、こういったところに重点を置いて開発してまいったわけでございます。来年度の予算要求におきましても、いま申しましたような重点テーマについては十分予算が伸びるように、いま二三%の増の予算要求をしておるわけでございます。
○政府委員(加藤泰丸君) 科学技術庁の立場から申しますと、ただいま通商産業省の方からも御説明がございましたように、一応技術的な目安はあるものの、まだまだ今後とも研究しなければならない点も多々残っているということでございまして、この鉱山保安技術の一環でありますところの突出技術あるいは自然発火等の技術につきましては、通産省の方と寄り寄り相談をしまして、私どもとしまして協力ができる点があれば十分に協力をしてまいりたい、かように存じております。
○佐藤昭夫君 ことしの、まだつい最近でありますけれども、十月二十三日、日本学術会議が定例総会で「炭鉱災害防止のための研究体制の確立について」という声明を発表しております。これは当然通産省等はすでに御存じのことだと思いますけれども、短い文章でありますので、質問と関係しますので、ちょっと朗読をさせていただきたいと思います。 今次、夕張新炭鉱の大災害において、数十名に及ぶ貴重な人命が失われたことについて、我々は大きな衝撃を受けると同時に、衷心から哀悼の意を表するものである。 本会議は、すでに試験炭坑をも含む石炭研究の充実方策について昭和五十二年に勧告を行った。しかし残念ながら、この勧告は未だ実現をみておらず、研究体制の不備が今日の大災害を未然に防止できなかったことの一要因になっていることに、科学者として深く責任を感ずるものである。 顧みれば、炭鉱の深部化は我が国のみでなく、世界共通のすう勢であり、とくに深部化に伴って発生件数が増加するガス突出は、国際的にも大きな未解決の保安問題になっている。 このため諸外国の石炭産業界及び学協会では、国際会議の重要課題として取り上げるとともに、試験炭坑等を設けて、この問題の解決に努力している。 これに対して、我が国では深部保安の研究体制の確保に適切な措置が取られていないことから技術の進展速度が深部化に立ち遅れ、このたびの大災害を招いた原因の一つになっているものと考える。 本会議は、以上の我が国の現状を憂え、人命尊重の立場から、鉱山の深部保安を重点とする研究が早急に推進されるよう強く訴える。 こういう声明になっているわけでありますけれども、この声明にも二カ所にわたって試験炭坑をも含む石炭保安の問題を初めとする技術研究、こういう問題の重要性に触れているわけでありますけれども、このことは今回の十月二十三日に始まらず、すでに五十二年日本学術会議が石炭研究の充実方策についての勧告というのを政府に対して提出しているわけでありますけれども、こういうものを通産省としては、政府としてはどういうふうに受けとめてきたのか。石炭審議会等でも十分これの検討を行って、そういう専門家の意見を具体化する方向で検討をやってきたのかどうかということが一つ。 それから、今回のこの声明、これについての受けとめをいま通産省としてはどう考えておるのか、これをお尋ねしておきたいと思います。
○説明員(安藤勝良君) わが国の研究開発体制につきましては、先ほども申しましたように、海外に調査団も派遣し一海外の研究体制も十分われわれも調査しまた勉強してまいりました。そして、日本に合った研究体制はいかなるものかということを審議いたし、そうして今日の研究体制をとってきたわけでございます。もちろん、こういった過程におきまして学術会議の勧告等についてわれわれも承知しておりましたし、そういったものも含めながら検討した結果、今日の研究体制が日本に一番合っているということで、そういった面での充実を図ってきたわけでございます。 それから、今回出されていますこの声明文についてどういった受けとめ方をしているかというお話でございますが、この内容につきましては、私ども、いまここで即座にこれはどうあれはどうということを申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、しかし、この中にも従前から言われていたこともございますし、また、われわれもそういった意見に対処して今日こういった体制をとってきたわけでございますので、その点についてはそれなりのわれわれも意見を尊重して研究体制の整備に反映してきたつもりでございます。
○佐藤昭夫君 なおお尋ねしたい問題もありますけれども、時間の関係がありますので、第二の問題へ移っていきたいと思います。 それは、原子力発電所に従事する労働者の被曝問題についてであります。 今日までこの委員会でも何回かこの問題について取り上げられてきました。実際はかなりひどい状況があるにもかかわらず、それが隠されているのではないかということを多くの方も指摘をしてきたところでありますけれども、まず議論の前提として、労働者の被曝管理について放射線管理手帳という制度、それから放射線従事者中央登録センターという制度、この制度の概要を御説明をいただきたいと思いますが、科技庁でいいですか。
○政府委員(赤羽信久君) 放射線作業に従事する者が受ける線量をできるだけ少なくするというのが非常に重要な方針でございます。その点につきましては従来から、原子炉等規制法、それからその他の関係法令で厳しい被曝管理を義務づけてきたわけでございます。 その体系といたしましては、まず原子炉等規制法では、従事者が当該業務に従事する以前の放射線被曝の経歴を把握しまして、その従事した後は三カ月及び一年ごとに一回被曝線量を記録すること、一年に一回集積線量を記録することを義務づけております。それから労働安全衛生法では、健康診断をやりその結果の記録の保管をすること、これは健康診断の内容もございますが、義務づけておるわけでございます。 以上が法律の体系で、事業者に対します義務づけがあるわけでございますが、現実問題としまして、いわゆる渡り鳥従業者と申しますか、一人の従業者が事業所をかわって歩くということがございますので、これを統一的に把握するために昭和五十二年の十一月に放射線従事者中央登録センターを設立したわけでございます。同センターでは、各事業所から報告を受けまして、コンピューターの管理により個人個人の被曝歴を記憶して持っております。それからまた、放射線業務に従事する者に対しまして手帳を交付いたしまして、この手帳は直接交付あるいは事業所がつくって交付する場合と両方ございますが、その業務取り扱いを統一いたしまして管理しているわけでございます。このようにして追跡できる個人についての被曝歴が十分把握できるという体制ができたと考えております。
○佐藤昭夫君 いまもちょっと言葉の中で出てきましたけれども、原発従事者の健康診断、これはどういう制度になっているか、労働省がよろしいでしょうか、御説明をいただきたい。
○説明員(菊地好司君) お答えいたします。労働安全衛生法の第六十六条に基づきまして電離放射線障害防止規則という定めが特別に設けられておりまして、それに基づきまして特殊の健康診断を六カ月に一回実施しているわけでございます。
○佐藤昭夫君 その健康診断の診断項目、それを具体的にどう義務づけているわけですか。
○説明員(菊地好司君) お答えいたします。被曝歴の有無、いままでに被曝をどの程度受けていたかという程度の問題、それから白血球の数、それと赤血球の数、それから白内障に関する目の検査、皮膚の検査、五項目について実施をしております。
○佐藤昭夫君 そこできょう私が問題にいたしたいのは、すでに先ほど来理事の皆さん方、また政府の主なメンバーの方々に資料をお渡しをしておりますが、それは現物はここにございますけれども、実際に関電興業敦賀営業所、ここで働いておった名和通雄さんという方の放射線管理手帳の内容をめぐってであります。この記載事項にどうも改ざんをされた疑いがあるのではないかということで、問題を指摘したいわけであります。 お渡しをしております資料のこの手帳に健康診断の記録がございますが、どうも不可解な点が多い。なお、皆さん方にお渡ししておりますこの資料の第一ページのここに表紙の写しをとっていますが、当然写真がこのように貼付されております。しかし、肖像権の問題もありましょうし、リコピーに当たっては写真だけは外しました。 それで、この紙の三ページ目の下欄をごらんいただきたいと思います。これを読みますと、健康診断の検査年月日、五十五年二月五日から始まってずっと五十五年五月二十七日。そうして八月十三日、七月二十四日と、日付の序列が逆転しているわけですね。五月、八月、七月、八月とこういうふうに出ている。これはどうも、なぜこういうことになるのか理解ができない。 それから、同じそこをごらんいただきますと、赤血球の数や白血球の数の書き込んでない空欄、横線を引っ張って空欄にしておるところがある。これは先ほどの労働省の御説明でも、診断項目として指定をされておる、義務づけられておる、そういう項目であるはずなんですけれども、全く測定値が記入をされていないという状況になっておるわけです。 それからさらに、五十五年八月十三日に健康診断を受け、そしてすぐ三日後の八月十六日にまた受ける、こういう形になっているわけです。私は直接名和さん御本人といろいろお話をしたわけですけれども、そんな三日間の間隔で連続して健康診断を受けたという記憶は全くないという御本人の話です。それが手帳にはこういうふうに記載をされておるということであります。 それからもう一遍前の二枚目へ戻っていただきたいと思いますが、この被曝歴のところです。いまのように八月十三日、三日間の間隔で八月十六日、健康診断を受けるということになっておったわけですけれども、被曝歴のところでは、八月の八日から九月三十日まで、ちょっと三角印で私が印をつけていると思いますが、この間がプランクになっているわけですね、被曝歴の方は。そういう状況のもとで、片一方、さっき言いましたような三日間の間隔で健康診断を受けているという、ちょうど時期が同じような時期で出てくるというこのこと自体非常に不可解です。 それから、もう一つ重大な問題は、そこの二枚目――三枚目もそうですけれども、二枚目の被曝歴の右の欄、それから三枚目の健康診断の右の欄、「本人確認印」、「転記者所属・印」というのがそれぞれずっとありまして、「本人確認印」、「名和」という判こがずっと押してあるわけですね。 ところが、大体手帳というのは、一ページ目へもう一遍戻っていただいたら、その下欄に「注意」という事項で、第一項、「この手帳は、あなたが今後一生を通じ放射線作業に従事する際の安全管理に必要な事項を記録したものです。紛失したり汚さないよう大切に保管して下さい。」、すなわち、本人が基本的に持っておってください、紛失したり破損をしないように大切に本人が保管をしてくださいというのですね。そして第三項、「この手帳の記入は、事業者が行ないますから、個人では記入しないで下さい。また、事業者の要求があれば、すみやかに提出して下さい。」、ですから、明らかに他人が「名和」という本人の判こをついたら、これは重大問題ですからね。そうしますと、これも本人さんと私が直接話ししたあれでは、こんなその都度判を押したという覚えはないと。最後にいよいよここの敦賀営業所を退社する際にこの手帳を会社の方から返してもらったら、べたべたとこういう判がついてあったと、こういうわけです。 まことに理解に苦しむいろいろな問題がこの手帳の記載をめぐって出ておるわけですけれども、いろいろ私が指摘をした問題について何か所見がございますか。
○説明員(菊地好司君) いま初めて拝見したことでもありますし、これが実際にどのように運営されていたかということを詳しく承知しませんが、私どもの立場といたしましては、健康診断が適正に行われるべきであるという観点からお示しいただいた資料等も踏まえまして実地に調べてみたい、かように考えております。
○佐藤昭夫君 よく調べてみたいという最後の結論でありますので、ぜひよく調べていただきたいというふうに思うわけではありますが、私きょう全く突然これを提示しているわけではない、御存じのように。昨日、この方が所属をされる労働組合の代表がこの実物も提示しながら通産省の方々と話をしているわけですね。そういうこともあるわけですから、あなたが言われるように、全くきょう寝耳に水で初めて聞くことということは、通産省としてはちょっと通らない話です。まあしかし、よく研究、調査をしましょうということで、ひとつ徹底した調査をお願いをいたしたいわけです。 幾つか私は指摘をいたしましたけれども、こういうふうに見ていきますと、片一方、二枚目のこの被曝歴、ここのところで「外部被曝線量」「三カ月集計」、こういうふうに被曝線量の数値をここへ入れていますけれども、これについても果たして本当だろうかというふうに疑いを持たざるを得ないような、実は手帳への各種記入、記載をめぐってどうも改ざんがあるのじゃないかという疑いを持たざるを得ない。被曝線量のこの数値についてもいろいろな疑問を持たざるを得ないということになるわけです。少なくともこの手帳というのは本人が持っておるべきものですね、それで求めがあったら出すと。この点を念のために確かめておきます。
○政府委員(赤羽信久君) この手帳は、元来、被曝歴を中心に作成するように話がまとまってできた制度でございます。しかしながら、それにかかわります作業者の記録というのは全部まとめた方がいいということがございまして、健康診断についての項目等も、まだほかにございますが、設けられているわけでございます。その点が一つてございます。 それからもう一つは、原則は本人が持ちましてその都度記入してもらうということでございますが、運用につきまして不統一があってはいけませんので、このセンターでは運用要領というのを出しておりますが、その運用要領の中では、従事者本人の了解を得た上で雇用中の事業者がまとめて保管することを作業が正確にいくためにむしろ勧めておるわけでございます。実態上は、かなり多くの場合、事業者が本人に受領証を交付した上で雇用期間、ある一定の期間まとめて保管している、そして逐次記入しているというのが実態のようでございます。もちろん、本人からの要求があればいつでも閲覧可能な状態にしてあるとか聞いております。
○佐藤昭夫君 本人の同意を得て事業所が保管をするのだ、こう言われているわけですけれども、その点については大変怪しいわけです。本人さんは決して同意をしたわけじゃないけれども、とにかく会社が預かっておくからということで事は進む。さらにもっと言えば、本人の捺印があるということは、判を押すときには会社がどこかで三文判を買ってきて勝手につくというようなことが断じてあってはならぬと。本人さんにこういう結果でしたよということを見せて本人が判をつくということでなくちゃならぬということ、少なくともこの点ははっきりしていますね。ところが本人は、そういうことで毎月毎月その都度、こういうことですよということで提示を受けた記憶は全くない、こう言っているわけです。ぜひこの点についても厳重な調査をひとつ行っていただきたいと思うんです。 そこで大臣、科学技術庁も決して他人事ではない。と申しますのは、ここにも林外科医院というお医者さんの名前が出てきますね。科技庁の監督傘下にあります動燃事業団のあのATRを扱っておりますあそこの作業、そこの従事者についても、いろいろな健康診断は、同じ地域だということでこの林病院で診てもらっておるわけです。そうしますと、科技庁傘下の動燃事業団、そこで働いておる従事者について同じようなことがもし起こっておるとしたら事は大変ですね。ですから、そういう点で、ぜひ科技庁傘下の実情がどうなっておるかということも含めて、きょういろいろ私が申し上げた点をお聞きいただいておったと思いますけれども、中川長官としても、ひとつ事柄の厳重な調査、そしてやっぱり改善すべき点はきちっと指導をする、こういうことでやっていただきたいというふうに思いますが、大臣どうでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) 実は私はこの資料を初めて見まして、批判を加えるのにはまだ十分な用意を持ち合わせておりません。おりませんが、一つは、こういう手帳を一回一回持ってくることは不便だから預かっておいてほしいということがあり得るのではないか。かつて米穀の配給通帳でも米屋さんが一括持っておって、そのたびに記帳して、むしろお客さんの便利のために好意的にやったということがあるのだろうと思うのです。実態を調べてみないとわかりませんが、こういうことは、あるいはお医者さんの方がむしろ従事者に便利を計らうために預かっておるのではないかというふうに思いますが、それがルーズになったり改ざんの要因になるとしたらこれは大変なことで、医師として、預かることが改ざんをすることが目的であったり、預かったことによって改ざんをしたりするようなことは私はないのじゃないかと思いますが、もし改ざんすることを目的にしたり、あるいは預かったことをいいことにして改ざんをするような医師がいるとしたら、それは医師のモラルの問題であり、これは重大なことですから、そういうことがあってはならないと思います。厳重に調査をいたしますが、改ざんというようなことがあってはならない。あるとすれば、ない仕組みにもしていかなければいかぬ、こう思いますので、いずれにしてもしばらく時間をかしていただいてよく調査をしてみたいと思います。
○佐藤昭夫君 結論がよく調査をしたいということですので、きょうはそこにとどめておきたいと思いますけれども、私もこの事実を捏造をして、きょうこのことを提起しているわけじゃ全くない。名前もちゃんとこういうことで出して、名和通雄さんという方だというここまで言っているんですから、事を大げさに捏造してここに出しておるわけじゃ全くないということはしっかりひとつ押さえておいていただきたい。 それから、事業所がこれを好意をもって保管をする場合でも、「名和」という判こを押すときにはやっぱり本人さんに、こうですよと見せて、それで本人さんが判を押すという、これでなくちゃならぬということはもう言うまでもないことです。ところが本人さんは、一切記憶がない、こう言っているんだということもひとつもう一遍念を押しておきますから、その点含めて厳重な調査をお願いをしておきたいと思います。 それでは次に、最後の三つ目の問題をお尋ねをしたいと思います。 けさの朝刊で一斉に各紙が報道しているわけでありますけれども、今春、例の敦賀原発の相次ぐ事故隠しで社会的批判の焦点になった日本原電会社、ここの東海発電所において重大な被曝事故が起こったということが報道されております。 まず、事故の内容について、もう余り時間がありませんからポイントを御説明願います。
○説明員(谷口富裕君) 先生仰せのとおり、日本原子力発電株式会社の東海発電所におきまして、使用済み燃料の冷却池の建屋内で、その他の中の、使用済み燃料貯蔵用のラックがございますけれども、その修理工事を行っておりましたところ、この作業に従事いたしました作業者一名が皮膚に対する許容被曝線量三カ月八レムというのがございますが、これを超える十八・六七レムの被曝を受けたということでございます。当該作業者は、十月の十六日から十一月の十一日まで、このラックの塗装及びペイントによります文字書きを中心とした作業に携わっておりまして、この間に多量の放射線を受けたものと考えられます。なお、全身被曝につきましては許容被曝線量は三カ月三レムと定められているわけですが、これは超えておりません。また、専門の医師によります当該の作業員に対する診断を行ったところ、特段異常は認められないという報告を受けております。
○佐藤昭夫君 いま概要御説明がありましたように、いずれにしても許容量をはるかに超える人身被曝があったということであるわけですけれども、事故の原因についてはどういう分析ですか。まだ報告を聞いただけでよくわからぬということでなしに、会社側は事故原因についてどういう分析をして報告を上げておるか、そんな点も含めてお願いをしたいと思います。
○説明員(谷口富裕君) 現在鋭意原因の究明を行っている最中でございますが、先ほど現場から得られました報告では、やはりこのラックの底に放射性の核分裂生成物の存在が確認されておりまして、これによる被曝であろうと推定されますが、これも含めまして、作業の管理あるいは放射線の測定等に手落ちがなかったかどうか等を含めまして原因の究明を徹底して行っていきたいと考えております。
○佐藤昭夫君 原因がまだもう一つはっきり解明ができていないというわけでありますけれども、いずれにしてもベータ線それからガンマ線、こういうものが相当出ているということであるわけですけれども、こういうものが出てくるということは、単に廃棄物ではなくて、燃料棒自身が何か折れるなり壊れてそれが付着をし、そこから出てくる放射線ということで考えざるを得ないのではないかというふうに思うんです。そういった点についてどういう見解ですか、現在は。
○説明員(谷口富裕君) 東海発電所におきましては最近の十年間には燃料の破損はございませんで、あと、四十一年の七月から稼働しておりますけれども、運転の初期には燃料体の破損がかなりございまして、そのとき発生した破損燃料から出てくる核分裂生成物が一部まだ付着して残存していた可能性は考えられますが、それ以外最近の燃料破損のケースがございませんので、最近の燃料からのフィッションプロダクトというふうには考えられないと見ております。
○佐藤昭夫君 今回の事故での可能性という点についてはともかくもと言いながら、従前の破損物が一部残っておったかもしれないという言い方をされているわけですけれども、しかし、いずれにしても、ベータ線、ガンマ線、こういうものが大量に出てくるということは、疑いはあるわけですね。だからそういう点について徹底した究明、解明をするということを当局としてはやってもらう必要があるというふうに思うのですけれども、その点はどうですか。
○説明員(谷口富裕君) その点も含めまして、徹底した事故原因の究明を行ってまいりたいと思います。
○佐藤昭夫君 同原発は、さっきもちょっとありましたように、四十六年の七月に同じように許容量を超える被曝事故が起こっているわけです。それで、この東海原発の今日までの事故歴ですね、事故経歴、これをちょっと質問通告しておいたのですけれども、どういう状況ですか。
○説明員(谷口富裕君) 電気事業法及び原子炉等規制法に基づきまして報告のございました事故、故障の報告件数は全部で二十八件ございまして、このうちのほとんどは初期の数年間に発生した事故、故障でございまして、最近十年間、いま先生が挙げられました四十六年の被曝事故も含めまして以降の事故としましては、四十六年に一件、五十二年に一件、それから五十四年度に一件、各年度一件ということで合計三件ということになっております。
○佐藤昭夫君 いずれにしても歴史的に見ればトータル二十八件、しかし、それはかなり以前のものが多くて最近のものは少ないという説明をなさっていますけれども、私どもとしてはずいぶん事故が多いものだというふうに思うわけです。 大体この原子炉は、四十一年の七月に運転開始をした、そして、さっき言いましたように、四十六年の七月に許容量を超える被曝事故が起こっている。それでまた今回起こった。いずれにしても運転開始をして十五年経過をしているわけです。私の考えでは、この原子炉は十五年経過をして大分老朽してきているのじゃないかということを一面思わざるを得ないわけですけれども、そういったようなことについては何かこの検討の考慮の中にありますか。
○説明員(末広恵雄君) 東海発電所につきましては四十一年七月に運開したわけでございますが、初期におきましてはかなり初期故障的なものがございまして、先ほど御説明いたしましたように件数としてはかなり上がっているわけです。その後事故件数としては減っておりますが、毎年の定期検査の状況を見ておりますと、かなり予防的措置といいますか、ある程度早期にいろいろな故障を検出いたしまして保修、改修工事をやるというのがふえておるのは確かでございます。
○佐藤昭夫君 大臣、いろいろ聞いていただいておったと思いますけれども、起こってはならないような事故が、いわくつきの日本原電の傘下の原子力発電所で起こった。許容量を超える被曝事故というのが起こっているというこの問題、ぜひひとつ大臣としても政治的に重視をしていただいて、徹底した原因の究明、こういうことを二度と来さないような対処措置をどうつくり上げるか、このことを真剣に、そして早くその方向を打ち出すための検討を行っていただきたいということが一つ。 それから、私がさっき言いました、すでに十五年経過をしていると。物の本では、それで当局もよく言われるわけですけれども、原子炉の寿命三十年、こういう話があるわけです。しかし、そういう楽観的な見方でいいのか。相当年数のたったものについては根本的な炉自身の安全性というのですか、その問題についても厳重なメスを入れていくという問題も含めてこの検討を行っていただきたいというふうに大臣に要望をしておきたいと思いますが、所見はどうでしょうか。
○政府委員(赤羽信久君) 原子力安全委員会の方でも、既設の炉につきましていろいろな角度から評価をしておるところでございます。むしろ古い炉でも、最近いいろな新しいものを取り入れたり、あるいは不良個所、特に応力腐食割れのような不良個所につきまして徹底した改造をいたしました結果、現在ではかなり安定した状態にきていると見ていいのではないか。これは確定した見解になっているわけではございませんが、最近の考え方はそういった形をとっております。しかし、御指摘のように、古いものについては、また老化している場所などが出てきてはいけませんので、さらにその調査の仕方については検討をしていきたいと思っております。 本件は、よくまだわかりませんけれども、やはり何といいますか、汚染区域から出したものを操作した結果被曝したということは、その作業に先立っての汚染の調査が不十分であったためになったのではないかということが容易に想像されます。一つの注意すべき点かと思われますので、こういうことを含めまして、この運営について通産省の結果を見ながら今後の安定管理のあり方を検討していきたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) あらゆることが、安全管理については徹底を期さなければなりません。原子力発電については特に国民からいろいろと御注文、御関心のあることでございますので、今度の問題も十分事故の原因について、古い炉であること等のことも含めて一切そういうことがあってはなりませんので、二度と起きないことを考えてもう原因は徹底的に究明したいと思います。 ただ、重大な事故というようなことで、あたかも大変な、人間が死んだような事故と間違われるようなことも国民に不安を与えますので、この辺も幸いにして……
○佐藤昭夫君 その言い方は重大事故につながるよ。
○国務大臣(中川一郎君) つながりますからですわ、ただ必要以上に国民に不安を与えるようなこともお互い慎んでいって、真実は事故といっても人は死んでもおりませんし、健康診断からいっても異常のない事故であったということで、われわれとしては、原子力は安全なものだという意味で前進をしなければなりません。先ほどお話があったように、石炭では今度も大変だったのですけれども戦後もう二千五百人の事故だというのですから、これこそまさに大事故でして、この辺とも関連をしながら、われわれはもう安全については最善を尽くすという意味で原因究明に全力を尽くしたい、こう思っております。
○佐藤昭夫君 終わります。
○小西博行君 ライフサイエンスについて少しお尋ねをしたいと思います。 ライフサイエンスにつきましては、けさ吉田先生の方からもいろいろ質問がございまして、いろいろ答弁をいただいております。私自身も、ライフサイエンスの問題につきましては、大変むずかしくてなかなか理解がまだ十分ではございませんので、かえって教えていただきたいというような感じで確認をひとつしていきたいと思います。 ライフサイエンスの問題は、日本も最近やっとスタートを切りまして、かなり研究も個々には進んでいるということを聞いておるわけでございますけれども、欧米に比べてどういう状態にあるのかということを最初にお聞きしたいと思います。
○政府委員(下邨昭三君) 欧米に比べますと、一口に四、五年とかいうことを言われております。スタートをいたしましたのが約三年ばかりおくれておりまして、その後基準の厳しさ等もあって四、五年というのが通説でございます。
○小西博行君 生命工学産業の今後の市場、これは大切な分野だということをよく聞いておるわけでありますけれども、実際にそれが応用されるというような見通し、これについてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(下邨昭三君) いまいろいろと研究されておりますのは、たとえばがんに効くというインターフェロンというような薬、それから腎臓の病気に効くというインシュリンという薬、そういうものをライフサイエンスの手法を用いてつくり出すというようなことを研究しておりまして、アメリカでは大体企業生産の段階に入って、その製品について臨床実験をやっているというような状況になっております。わが国ではまだそこまでいきませんで、基礎の研究の段階でございます。
○小西博行君 確かに動物、植物、あるいは医学といういろいろな分野で研究されていると思うのでありますけれども、特に生命工学の応用という意味で発酵化学、この分野が大変進んでいるということを私も本でいろいろ調べたわけでありますが、そういたしましても、どうも基本的な問題につきましてはほとんど欧米から取り入れるといいますか、技術を導入するといいますか、そういう面でむしろ応用編といいますか、そちらの方では大変盛んにやっているというように聞いております。そういう意味で、これから特に、外国におきましても特許技術の申請ということが盛んにやられているという観点から立ちますと、どうも日本そのものも自主技術を開発していかなくてはならないということを私一番最初に考えるわけでありますけれども、その辺についての見解はいかがでしょう。 〔委員長退席、理事林寛子君着席〕
○政府委員(下邨昭三君) 御指摘のとおり、この分野におきましては、外国において開発されました技術を民間企業が導入していくというやり方がこれまでのように可能かどうか非常にむずかしい問題だと思っております。したがいまして、わが国といたしましても、ライフサイエンスの基盤でございます先導的な、基盤的な技術の開発に努めなければならないということでございまして、なお一層努力してまいりたいと思っております。
○小西博行君 私も実は理化学研究所へ行ったときに初めて知ったわけでありますが、カビの研究も大変積極的にやっておられる研究者がいまして、これから先はやっぱり、カビをやる場合でも、カビの生理というのでしょうか、カビは何か顕微鏡で見て初めてその顔を覚えるそうでありますが、これが何百というような種類のカビがありまして、たとえば外国から一つの品種をもらってくるにしましても、日本独特のいいものを向こうへ提供しなければ大変むずかしいという話を聞いております。 そういう意味で、これから先恐らくライフサイエンスの問題もクロスライセンスというような問題が盛んに起きてくるのではないだろうかなという感じがするわけであります。そういった意味でも、ぜひとも何か独自の開発といいますか、そういうようなものが私は大変大切だと思うのですが、いまの状態でクロスライセンスに使えるようなものは大体どのくらいの種類あるのでしょうか。
○政府委員(下邨昭三君) ちょっとその数字は手元にございません。
○小西博行君 それで、この前行ったときも、光岡先生だったでしょうか、大腸菌からのインターフェロン、本人からはかなりPRを受けたわけでありますが、現在では世界のトップであるという自信を持っていろいろ発言されておりますが、どうもだんだんそういう優秀な方というのは当然次々と研究を進めていきたいという願望が非常にあるわけでして、前の委員会でもちょっとその点に触れたと思うのですが、研究費、設備をどうしても持たなければ次の段階に研究が進まないのだ、その設備というのはもう何十億もかかるような設備なんだというお話を実は聞いたものですから、そういうようなものもあわせて、これは大臣にわ聞きしたらいいと思うのですが、たとえば農林水産関係の研究所、この中でもやはりライフサイエンスを盛んにやっておられるわけです、遺伝子の組みかえなんというのは。これはたまたま私がほかの委員会で視察に行って初めて理解したわけなんですけれども、そういうのが実は大学も含めてたくさんあるのじゃないかなと。 この辺を何か一つにまとめるというんですか、縦割り社会でありますから、研究という一つのテーマを中心にいたしまして流動システムというような感じで何かまとめてやる必要があるのじゃないだろうか。そうしないと、研究が進まないだけではなくて、やっぱり頭脳流出ということが現実問題として起こっているわけでありますから、その辺も踏まえてひとつその姿勢をお願いしたいと思うんです。
○政府委員(下邨昭三君) 確かに、ライフサイエンスの分野というのは新しい分野でございまして、 〔理事林寛子君退席、委員長着席〕 最近各省の研究機関で取り上げられるようになってまいりました。私どもといたしましてもこれを総合的に計画的に推進していかなければならないと考えておりまして、たとえば今年度から新設されました科学技術振興調整費を用いまして、総合的な研究をプログラムを組みまして産学官の協力によって進めていきたいというふうに考えてやっているところでございます。
○小西博行君 実はその点が大変弱いし、時間がかかってしようがないというのが実態でありますから、これはぜひ、大臣はこれから先も恐らく大臣としてやっていただけるのじゃないかと私も期待しておりますが、どの分野に行かれても、この科学技術の分野だけは何としても積極的に進めるような、研究者もかなり能力のある人が各省庁にたくさんいらっしゃるわけですから、そういう方がとにかく研究ができるような体制をつくっていくというのがむしろ私は一番大事な問題じゃないかなと、このように考えておりますので、できれば長官の御意見でもお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(中川一郎君) 先ほども局長が御答弁申し上げましたように、新しい分野であり、これからのことですし、いろいろと工夫をしていかなければいかぬ大事な課題だと思っておるのです。ただ、研究というものを各省庁あるいは各研究機関ばらばらにやっていることに対する非難というのは、この分野だけでなくて全般的にある問題でございます。そこで、こういったものを横のつながりを持たせ、全体的なバランスの上にやっていくということは非常に大事だとは思うんです。しかしまた、そうだからといって、全機関を、個別にやる特有な研究というものもその中に押さえてしまうということも、これも必ずしもいいものではない。やはり、各分野でそれぞれ競争原理でいろいろな角度からやっていく中にいいものが生まれてくるということもあるのじゃないかと思っております。 そういうことで両面ありますけれども、新しい分野であるだけに、御指摘のようなことについても、今後重複を避けたり、あるいはしっかりした研究者が能力を発揮できる、横の連絡を十分とるというようなこともやっていきたいと思っておりますし、また先般、理化学研究所ですかの菌の管理棟なんというのも見てまいりましたが、これはかなり世界の中ではいいものではないか。相当の菌を長期に管理しておく、そしていつ何どきでも取り出せる、こういうようなこともやっておりまして、これらはかなりいいなあと。あれは科学技術庁だけではなくて全体のものも扱うのじゃないかと思いますが、そういった意味ではなかなかいいこともやっているなと思って見てまいりましたが、今後研究体制についてもそういった点を配慮していきたい、こう思っております。
○小西博行君 われわれ科学技術委員会でも一度行かしていただきましたし、私個人的にも行っていろいろお話を伺ってきたわけですが、どうもこの応用ということになりますと大変広いんですね。医療の分野から食糧の問題からいろいろな分野にそれが大変大きな影響があるというだけに、非常に私はこの問題は、じみでありますけれども大変大切な問題ではないかというように考えております。 ところで、かなり省庁の皆さん方は勉強されていると思うのですけれども、実際に各省庁でこのライフサイエンスというテーマを持って研究されている省庁というのは、どういうところがあって、どういうことをやっているのかということは、大体御存じでしょうか。
○政府委員(下邨昭三君) たとえば私どもの方におきましては、理研におきましてライフサイエンスの推進本部がございまして、人工臓器とか、バイオリアクターとか、その他の試験研究をやっております。また各省総合いたしまして、先ほど申し上げました科学技術振興調整費を用いた基礎的な研究もやっております。 それから通産省におきましても、次世代産業基盤技術研究開発制度というのがございまして、その中でいろいろ細胞の大量培養技術等々の研究を進めておられます。また、バイオマス対策として新燃料油開発技術研究組合というようなところでも固定化酵母の技術とかいうようなことについて研究を進めておられます。 また、農林省におきましても、組みかえDNA、遺伝子組みかえでございますが、組みかえDNAの研究についていろいろと研究会を持っておられますし、細胞融合等の技術開発についても研究が進められております。また、グリーンエナジー計画とか、バイオマス変換計画とかいうことで、広い意味のライフサイエンスに属する研究が進められております。 また、文部省におきましてもそれぞれの研究機関、大学等で研究が進められておりますし、厚生省におきましても関連の応用研究について進めておられると伺っております。
○小西博行君 私がこれを調べたのは科学技術白書なんですけれども、ここには科学技術庁あるいは環境庁、文部省、厚生省、農林水産省、通産省、それから労働省――労働省でもやっぱりやっておられるのですね。産業医学総合研究所というところでやっておられる。 まさに大変広い領域で、しかも多岐にわたる研究をやっておられるということでありますが、私自身もこれはよくわからないのですが、特にこういう研究についての具体的なやっているいろいろな中身の問題ですね、この辺を知る方法というのが大変むずかしいんです。もちろん、理化学研究所なんかにわれわれ行きましても、大変説明もむずかしいわけです。できるだけやさしくと言っても、これ以上はやさしく言えませんというような実は答えをいただいたりということではありますけれども、やはり私は、この分野は何かいい資料をもらえる方法はないのかなということを考えるわけでありまして、何かいい方法があったら教えていただきたいと思うのです。各省庁へ行って一つ一つ聞くのも一つの方法でしょうけど、進歩のぐあいによってもう一カ月も変わるとえらい変わっているという問題も実際あるわけでして、何かそういういい資料のいただき方をひとつ教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(下邨昭三君) それぞれの研究機関で研究発表をされる、また所報を出されるというようなことでそれぞれの内容のものが出てまいりますし、またいろいろな関係の雑誌類にももちろん発表をしておられます。私どもといたしましても、総合的に研究を組みましたものにつきましては、その成果はいろいろと印刷物にいたしまして関係の機関に配付しているというようなことでございまして、これからも、できるだけこういう発展の状況を理解していただくという意味で、広報活動に力を入れていきたいと思います。
○小西博行君 恐らく、研究の予算ということになりますと、文部省の場合はなかなかその数字がつかみにくい部分が実はあるわけです。ライフサイエンスに対してはどのくらいの研究費用が実際入っているのだろうかという意味では大変つかみにくいのでこれは何とも言えませんが、それにしましても、大学の数が非常に多い観点から見ますと、かなりの専門の先生方が私はいらっしゃるのじゃないかなという感じが実はするわけであります。 そういう意味では、確かに学問の自由ということが当然あるわけでありまして、各先生の好きなテーマを持って研究するというのは当然大学の本意だと思いますけれども、しかし重点的な施策として、もちろん予算面も当然含むわけでありますけど、そういうことを何か、流動システムというような今度新しいのができましたですね、ああいう形でライフサイエンスについての研究開発をもっと積極的に進めるような体制はつくれないのでしょうか。考えてはいませんでしょうか。
○政府委員(下邨昭三君) 理化学研究所におきましては、ライフサイエンス推進部というのをつくりまして総合的に進めておりますし、これを拡充していきたいということも考えております。また、新技術開発事業団におきます流動研究システムの中におきましても、来年度の予算要求の中でライフサイエンスに関連する課題を二つ新規で要求をいたしておりますし、それらを通じまして活動の強化を図ってまいりたいと思っております。
○説明員(河野石根君) お答えいたします。文部省では、科学研究費の特定研究の課題に取り上げるなどいたしまして、組みかえDNA研究を初めといたします生命科学の基礎研究を推進いたしておるところでございますが、大学等におきまする予算措置あるいは研究体制の整備につきましても、予算編成に当たりまして重要基礎研究課題の一つに取り上げ特に配慮をいたしているところでございますが、今後とも一層推進してまいりたい、このように考えております。
○小西博行君 共同利用センターというような形はありますか。共同で利用するような設備、機械、研究施設ですね。
○説明員(河野石根君) 現在、高いレベルの実験施設につきましては共同利用の形態をとっておりますが、京大、阪大、東大、九大、四大学に非常に高いレベルの施設を設置し共同利用ということで進めております。
○政府委員(下邨昭三君) 私どもの方の理化学研究所におきまして、P4施設を含みますライフサイエンスの研究施設を筑波に持ちたいということで、現在建設したいということで予算化されている部分がございます。これができますと、産学官協力して研究を進められる体制が組めるものと考えております。
○小西博行君 ぜひともそういう研究機関を統合というよりも、共同研究が自由にできるような施設を積極的に進めていただきたいと思います。 大変これは金のかかるものだそうですね。私は実は案外、言葉が悪いですけれども、実験のビーカーかそう辺のものが基本的にあればある程度培養していけるのではないかというように思っていたんですが、実は大変な装置が要るのだということを聞きましてびっくりしているわけですが、一般の方々というのは余りそこまではわかっていないのじゃないかという感じがいたしますので、そういうものはよく実情を聞いてあげていただきたいなということをつくづく思いますし、先ほどの話じゃありませんけれども、労使の間でえらい労働条件の問題でわいわいやっているのではなかなかいい研究もできないという感じもいたしますので、いち早くその辺もぜひ解決をしていただきたい、積極的に努力していただきたい、このように考えます。 もう一点は、先ほどちょっと触れましたけれども、頭脳の流出という問題です。これも、いろいろ調べてみますと、もともと優秀な学者が向こうへ行って、どうも研究の施設が悪いから向こうへいついてしまう、こういうふうに私は理解しておったのです。ところが、現実問題は必ずしもそうでもない。若い研究者が向こうへ参りまして、ある先生について一生懸命に勉強をしながらだんだん実績を上げていく。そのうちに名前を上げるわけでありますから、頭脳流出と。そういうふうな観点での話も大分あるというふうに聞くわけですが、大学はそういうものはある程度つかんでいるのでしょう、大学から行く場合ですね。
○説明員(河野石根君) どういうものを頭脳流出と言うかという問題もございますが、この分野は比較的若い方々によって推進されておりまして、アメリカ等外国におきまして勉強して相当な業績を上げられている方があるというふうに承っております。
○小西博行君 それでは少し観点を変えます。ぜひともやっていただきたいと思います。 先ほど申し上げたように、基礎学問的な問題というのはどうもまだやっぱり欧米の方が進んでいるというふうにいろいろな雑誌に書いておりますね。ところが、応用ということになりますと、日本は独特のエネルギーでもってどんどんやっていく。そういう面では、実際面にかなりこれがプラスになっていると思うのです。しかし、現実にはガイドラインというものがありまして、実際に工業化する場合には何か二十リッター以上のものはつくってはいけないとか、アメリカは十リッター以上はだめだとかなんとかというものを目にするわけでありますが、このガイドライン、つまり量の問題ですね、一般化していく場合に。この問題はどうなんでしょうか。
○政府委員(下邨昭三君) 政府といたしましては、五十四年の八月にガイドラインを設けまして、それに沿って実験が進められるように指導をしていくところでございます。御案内のように、二十リッター未満についてどういうふうな微生物を使う場合にどういう研究施設、どれくらいの施設を使うべきかというようなことを書いてございます。その線に沿って運用されておりますが、そこに載ってない部分につきましては、そのガイドラインの改定に役立つような研究の場合に国の指導のもとに実験をするというようなことが許されることになっておりまして、それは科学技術会議のライフサイエンス部会の中にあります技術分科会におきまして審査し、いいか悪いかを判定しているという状況でございます。
○小西博行君 応用する場合、産業が応用していく場合に、その手続というのはどういうふうな手続をすればいいでしょうか。たとえば実験室で非常にいいものができた、これをある産業がぜひ量産化したいという場合の手続ですね、これはどういうような審議――許認可になっていると思うのですが。
○政府委員(下邨昭三君) 現在、企業において産業化するというようなものについての基準はできておりません。現在検討しておりますのは、二十リッターでなくてもっとたくさん使うものについて、どういうふうに基準をつくってやればいいかということをライフサイエンス部会で検討しておりまして、大量培養実験指針と申しますか、そういうものを検討しているところでございます。
○小西博行君 これはもう世界でも、大体同じような方法でやっているのでしょうか。
○政府委員(下邨昭三君) アメリカに例をとりますと、アメリカでは十リッター未満のものについては基準があって、それ以外のものについては個別審査をするということで、企業化の場合にも個別審査を通じて許されているものとそうでないものとがあるというような手続をとっているというふうに聞いております。
○小西博行君 日本の場合は、さっきちょっとぼくは聞き落としたのですが、科学技術会議で審査を得るということではないんでしょうか。
○政府委員(下邨昭三君) そのとおりでございます。科学技術会議の中に設けられておりますライフサイエンス部会、その中の技術検討会、そういうことを通じて審査をしているということでございます。
○小西博行君 長官、ライフサイエンスというのはいろいろな種類がありまして、先ほども質疑がありましたように、現実には大変危険な細菌性の問題みたいなやつが実際はあるわけです。いろいろな本を読んでみますと、空気中では長いこと生きぬのだとか、いろいろ論文は書かれているわけなんですね。 ところが、現実問題は一体どうなのかなというところが実はわからないわけです。その辺が実は問題の焦点になるし、これからも大きな問題になるのじゃないか。そういう意味では、どうももっと慎重に、安全ということに対しては相当配慮をして私は取り組むべきじゃないかなと。一方ではどんどん研究してもらわなければいけませんけれども、その取り扱いについては大変慎重に処理していかなくてはいけないのじゃないか、このように考えておるんですが、長官はどういうお考えですか。
○国務大臣(中川一郎君) 私も素人でして、いろいろ言う人があります。これからの時代はライフサイエンスの時代だ、保健、衛生、医療、農業生産、工業分野あるいは環境保全というようなことで利用分野は大きいという一面、いやそれは非常に大事なんだけれども非常に危ないものだ、怪獣みたいなものが出てくるかもしれぬ、怪獣でも出てきたらもう人類がやられてしまうかもしれぬなんという極端なことを言う人もありまして、私も専門家に聞いてみるのですが、そんなことは絶対あり得ない、いまの自然現象の中に耐え抜いていける新しい生物というものが自然環境の中にできるということはまずあり得ないと。ではこの人類とかいろんないまある生物はどうしてできたのだということになっていったら、これは何十億年という中にもっともっとたくさんのものができて、その中でこの自然環境に生きられるものだけが残っているのであって、これから新しくできて自然の中に生きられる生物というものが発生する可能性はないと。専門家に言われてみると、ああそうかなと、こういうふうにもなってくるわけでございます。 しかしながら、心配があることでございますから、P4施設等、一般の方に出ていくというようなこと、ましてや一般の人々に害を与えるというようなことのないように、これはもう専門家の知恵を十分出していただいて、その点については、原子力発電と御同様に安全ということについては最善の努力をすると同時に、また一般の人々にもわかりやすいようにPR面も今後努力していく必要があるのだろう。そしてこの大事な二十一世紀に向けての科学への挑戦をしていきたい、こう思っております。
○小西博行君 ぜひお願いしたいと思います。学者OBとしては言いにくいのですけれども、学者の中にも風変わりな人間がおらぬとは限らないわけでありまして、これが大変な原子爆弾もつくったというような経緯もあるわけでありますから、何としてもその辺もあわせて取り扱いという問題に対しては非常に厳しくやっていただきたい。研究そのものはやはり必ず次の段階でプラスになる部分もかなり出てくると思いますので、その辺もあわせてひとつお願いしたいと思います。 どうも時間の制約も多少あるようでありますから、少し観点を変えて原子炉の問題、それから「むつ」の問題も、余り触れちゃいかぬのかもわかりませんが、少し触れさしていただきたいというふうに思います。 私は、中川長官が科学技術の方の大臣になられたという大きな意味が幾つかあったのではないかと思いますが、総じて、これからも続けられると思いますが、せっかくやってこられて、たとえばこの一年間で大体評価として十分の仕事をやってきたというふうにお考えでしょうか、あるいはもう少しこういう点をやればよかったというか、何かそういう総括的なお話をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 実は私、科学技術庁長官を引き受けたときには科学技術に対する認識が十分にありませんで、軽い役所だなあなんという気持ちもどこかにあったのです。しかし、引き受けてみまして、今日の日本が科学技術によって生き抜き、さらに世界を追い越しというレベルに達した大きな原因に科学技術があったということ、ましてや、これから資源有限時代を迎えて、いまの生活をさらによりよくするためにはやはり科学技術というものが大事であるということについて非常に認識を新たにし、いかに大切なポストであったかということを、いまさら反省しながら認識いたしております。 そこで、就任早々ではございましたけれども、科学技術が国策の大きな柱でなければならないというところから、政府においても、また与党であります自民党においても、防衛あるいはエネルギー、経済協力、当面する三本柱に加えて科学技術というものが重要であるということの認識が得られたのではないか。この点は私はありがたいことだったと一つ思っております。 それから、予算の面でも、従来はややもすると科学技術予算は研究費なるがゆえに下積みに置かれがちであった。それが昨年度では九%という相当の伸びも示しました。一般会計四・三%の中で、それだけ伸びる第一年度を築いた。第二年度も、先ほど申し上げましたように二・五%というようなことではありますけれども、別枠、他省庁よりも優先するレールができたということ。 それから、わが国の科学技術が基礎技術においておくれておる、いままでの科学技術は改良技術、応用技術がすぐれておったと。しかも民間主導型であった。ここに特徴があった。しかし、これからは基礎科学というものを外国に依存しようとしてもなかなか外国がくれない、バーター制、相互乗り入れでなければくれないという問題もありますし、特にそういう問題は国がやらなければならない。民間では本当の基礎的なことはやりにくいということ。したがって国が中心となり、しかも産、官、学、先ほど御指摘があったように各界の意見あるいは知識を十分総合的に活用できるシステムも必要ではないかということで、官学民による流動研究システムの目玉もできまして今後大きく伸びていくのではないか、こう思っておりますし、あるいは関係省庁が十分横の連絡が足りなかったというところから科学技術会議の総合調整費という制度もできましたし、大体私のやりたいなあと思った柱だけは、芽だけは出たのじゃないか、こう思っております。できるならば私も、二年も三年も、残してくれるなら五年もやって、このできた芽を枝を出し幹を育て花が結ぶまでやりたい気持ちはありますけれども、いろいろの理由もありましてそういくかどうかわかりませんが、どういう立場になりましても科学技術委員会の皆様方とともどもに日本の将来の大事な科学技術振興のために全力を尽くしていきたい、こう思っておるわけでございます。
○小西博行君 科学技術庁の職員の方も大変期待しているような感じを私はずっと受け取っていたわけです。長官を助けて何としてもいい方向にいきたいという、恐らくいままでになかったような盛り上がりを私は感じてきたわけなんです。そういう意味で、考えてみますと、やっぱり科学技術庁の長官ということはもちろんでありますけれども、「むつ」大臣といいますか、原子力発電大臣といいますか、大変大きな仕事を持たれてスタートして今日になっていると私は思うわけです。 そういう意味でいきますと、原子炉の立地問題とかその他いっぱいの問題が私はあると思うのですけれども、これはちょっと調べたらわかるのですが、たとえば廃炉の問題ですね。日本原電東海発電所なんというものの一号炉というのは、これはもう四十一年にできたんですか、そして三十年たちますと大体廃炉だということですね。ところが、その後の処分の仕方を具体的にまだ十分検討して結論を出していないという状態にあるわけです、大臣。もちろん大臣はこれから続けられたらいいと思いますが、しかしひょっとして交代した場合にそういう問題を、どういうんでしょうか、その意欲を後へつないでいかなければいかぬという一つの大きな問題も責任としてあると思うのです。そういう意味で、三つの方法がありますけれども、いまのところは大体どういう方針でおられるのでしょう。
○政府委員(石渡鷹雄君) 先生御指摘のように、やり方としては三つあるということでございます。それで、御指摘ではございますが、いずれ廃炉という事態が起こるのだということを踏まえまして、そのための技術開発に着手をしたところでございます。具体的には原研に動力試験炉という日本で最初の発電を行ったという歴史的な炉があるわけでございますが、これを材料に使いまして具体的な廃炉技術の開発をやっていこうという計画、約十年計画で進めたいというふうに考えているわけでございます。 基本的な考え方でございますが、やはりこの狭い国土で非常に苦労して立地を選定し地域の合意を得るわけでございますから、廃炉してそのまましばらく置いておくのですよということではなくて、その土地が有効にまた末長く、できれば発電所として使われていくということが可能なような技術開発、こういうことを基本的に考えてまいりたい、そういうねらいのもとに廃炉のための技術開発を進めていくそのスタートをしたというところでございます。
○小西博行君 やっぱりあれでしょうか、解体撤去じゃなくて、現実解体したところへできれば建設していく、そういう方向ですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 操業をとめた、いきなり解体撤去にいけるか、あるいは若干の期間を置くかということも含めまして、そしてその立地は間があくことなく、有効に使うという考え方でいきたい、このように思っております。 若干理由を述べますと、現在やはり原子力発電の立地、そして地域の振興と申しますか、そういうことをあわせて行うという政策がとられているわけでございますから、その政策が持続できるようにというのが基本的な考え方であるべきだ、このように考えております。
○小西博行君 廃炉を処理するのに大体建設費の三分の一などということを聞くのですが、これは本当なんでしょうか。
○説明員(戸倉修君) わが国におきましては、まだ実用炉発電所につきましての廃炉の実績はございません。それから、ただいま原子力局長からもお話がございましたように、どのような廃炉方式を採用するのか、それから廃炉の技術の開発の動向等によりまして廃炉のコストは著しく異なってくると思いますので、いまの時点で具体的な数字を申し上げるのは適当ではないかと思います。ただ、外国ではいろいろな試算例がございまして、たとえばIAEA、国際原子力機関の分析では、大体即時解体の場合で四千三百万ドル程度ではないかというような試算例がございます。
○小西博行君 いま建設をされて実際に稼働しているものの電気代、これはもちろんその後の処理の仕方なんということは全然考えずにやっているわけですね。ですから、現実問題、今度解体してというその費用を考えますと、原価的にはとても合わないような状態になりますので、その辺はこれから先の指導としてどういう方向で電力会社に指導されるのでしょうか。コストですね、コストの問題。
○説明員(戸倉修君) コストにつきましては、当然のことながら、原因者でございます電気事業者が負担する、こういうことになるわけでございますが、これを発電コストの中にどのように盛り込んでいくべきかという問題につきましては、ただいま申し上げましたように、廃炉コストの確実なある程度の見通しを持ちませんといけませんものですから、それが得られた段階でやはり電気料金の中にどういうふうに組み込んでいくかということを早急に検討しなければいかぬということでございます。 ただ、外国の例を申し上げますと、減価償却としてやっている国とそれから引当金、積立金方式でやっている国と両方ございますけれども、ただいま申し上げましたように、廃炉方式をどうするか、ある程度それから廃炉のコストの見通しを得た上でそのコストをどういうふうに織り込んでいくかについて、私どももできるだけ早く検討してまいりたい、このように思っております。
○小西博行君 大変いい答えばかりが返ってきまして、そのとおりですと言ったらおしまいなんでしょうけれども、私は、こういう問題はもう建設の当時から相当真剣に考えておくべきことだと思うのです。そうしないと、電力会社そのものは全然それを考えずにやっているわけですね、大臣。たとえば百万キロワットが三十億かかる、そのうちで一千億ぐらいかかるんじゃないかというような説もあるわけです。そうしますと、三分の一もその後撤去して整備するのに金がかかるということでは、もう大変原価的に大きな問題になるのじゃないか、そういうふうに私自身は感じますので、ぜひともその辺を早く研究をしていただきたいなということを申し上げたいと思います。 それからもう一点は、原子炉につきまして、もちろん発電所でありますけれども、たびたびいろいろな問題が出てきておりますね。これは、できれば何かタイプを標準化するとか――標準化しますと、これは一般の機械でもそうですけれども、整備する場合でも部品なんかが非常に少なくなってまいりますし、それから管理のポイントもよくわかってきますし、問題点が出ると、ここだというのはもうすぐわかるわけです。ですから、民間の場合はもうほとんど予防保全ということで、材質だとか設計によってこの歯車は大体何時間で取りかえろとか、車検のような状態でぴしっとやっておりますね。そういうことをいままでは独自にそれぞれメーカーが開発してきておりますので、なかなかむずかしかったのだと思うんですが、これから先の保全ということを考えたり、さっきの撤去という問題を考えますと、この標準化というのが非常に私は大きな要素になってくると思いますので、その辺をぜひ進めていただきたいと思いますが、御意見があったらお聞きしたいと思います。
○説明員(戸倉修君) 先生の御指摘のとおりだと思います。通産省といたしましては、昭和五十年度から、わが国の軽水炉、もともとは先生も御承知のようにアメリカから導入した技術でございますが、これを日本に適したものにするために自主技術で改良標準化をしていこうということを目指しまして、改良標準化計画というのを推進してまいっておるわけでございます。ただいま、第一次の計画、それから第二次の計画が終わりまして、いよいよ最終の第三次改良標準化計画に差しかかっているわけでございますが、工期の短縮を図るようないろいろな改良策、あるいは先生御指摘のような耐震設計の面で標準化をするとか、それから基本的な仕様をすべて標準化するというようなことによりまして、先生御指摘のような審査の効率化とか工期の短縮化にも資するようにわれわれ鋭意努力をしているところでございます。 ただ、これは私どもだけではございませんで、電力会社、メーカー、官民一致をして推進をしているものでございまして、この成果をできるだけ早く出しまして実機に導入をしていく、こういう方針で臨んでいるところでございます。
○小西博行君 本当にこれは非常に大切なことだと思います。ぜひとも早く進めていただきたいと思います。そうしますと採用者の訓練なんかも非常に私は徹底できるのじゃないかと思います。点検個所を、標準仕様書というのをちゃんとつくるわけですから、そのとおりやっていけばまず間違いないという、これはあとはもう危険率を何%見るかということでその回数を決めていけばいいわけでありますから、そういうことを早くやれるような指導体制を、これはむしろ通産の方からもいろいろやらなければいかぬと思いますけれども、ぜひやっていただきたいと思います。 最後に、少し「むつ」のお話を聞きたいと思うのです。 長官にはこの前の質問でも、新聞にそれが載った、一年間延びるのじゃないかというお話をしたら、いや、まだそうしてないのだというお話がありまして、結局一年間修理が延びるといいますか、まあ一年まではいっていないでしょうが、延びるということですね。 私はあの時点で申し上げたんですが、やっぱり何か約束事というのは正確に守るというのが私は第一だと思うのです。そして、その工期がこれはどうも延びそうだという場合には、皆さん方によく説明していただきたいなと思うのですね。工事というのは突然できたというものじゃないわけですから。必ず工程計画表がありまして、その計画をたどりながら最後の点検で終わりなわけですよ、完成の検査で終わりなんですから。突然飛んで、ああおくれたというものじゃないはずなのです。どうもその辺のところがお役所的といいますか、私はもうあれに実はかけていたわけです。長官が、絶対いやもう何とかしてそれをやるからということでありましたから。これが一カ月おくれるというんだったらまだですが、普通、会社の場合だったらこれはとっくにもう倒産ですね、本当に受け取らぬと言ったらおしまいでありますから。そういう意味ではもう少し省庁の、これはどんな事業にしてもそうですが、日程計画というのが大体あるわけでありますから、いま進行ぐあいはこれで大体何日ぐらいおくれているというのはネットワークを組めばすぐわかる問題ですから、何なら私が行ってやってあげましょうかということまであのとき申し上げたと思うのですね。 そういうことをこれからはぜひとも正確に答えていただきたいという点と、あの法案はわが党ももう賛成しまして、実はこういう紙がありましたらこれを両面のどっちからながめるかという法案だと思うのですね。私は、将来の技術開発といいますか、技術の貯金という意味では、何としてもあれでデータをとっていただいてというのが実はあったわけです。ところが、あれがおくれまして、今度は定係港つまり母港の問題も大変険しくなってきている、しかも、建設費がまたさらに五百億というような大変何か大きな予算がかかってしまうというような問題ですね。そういう時期に、どうももとへ返すようで悪いのですけれども、船舶のエンジンだけの開発ということ、むしろ私はその方がいいのじゃないかなという、長官ももうできれば捨てたいなという感じでおるんじゃないかなという私は気持ちであるのですけれども、長官はもちろんやりますという答弁だと思いますが、そういう問題もあわせてですね。エンジンの開発だけだったらそんなに金がかからないわけですね、船のエンジンとして開発するわけです、いわゆる原子炉を。そういう物の考え方というのはないのでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) うそを言わない私ということになっていましたのですが、実は工期の問題は、約三年かかるだろうということで三年前の十月にお願いしたわけです。協定の中には、約三年の工事期間を経て工事が終了したら新定係港に移る、こういうことになっているわけです。ところが、着工したのは残念ながら、私が就任したのは七月ですが、八月以降なのです。ですから一年二カ月ぐらいしかないのです。そこで、一年二ヵ月で約三年の工事期間のものができるはずが実はないのですね。ないのですが、それで本当に申しわけないのですが、延びるということを言うのには新定係港を決めてから言ってくれ、新定係港が決まらないうちにこれの工期が延びるのだということを言えば地元が非常に混乱をする。地元でも、工期の延長について協力したいという人も、新定係港がないままに工期が延びると言われたのではわれわれもまとまり切らないと。こういうことでして、本当に良心から言えばうそは言ってはいかぬことではございますが、その期間内に何とかしてやりたい、そういう気持ちでございます以上のことはどうしても言えなかったということも、これは物をまとめる上においては間々あり得ることでして、それが最後には不信感につながる悪いことではありましても、これを円満に話をつけるためのことで、行き先が決まらないうちに延ばすということになったらこれはもう佐世保で大混乱が起きる、決まるべき行き先も決まらなくなって困るということで、言ってみれば全体を仕上げるために本当のことが言えなかったことはこの機会に深くおわびを申し上げますが、そういういきさつがあったということでございます。 それから、関根浜についてかなり金がかかるじゃないか、これは本当にそのとおりだと思います。だから機械部分、舶用炉の部分だけ陸上でやれば安上がりで済むということも御指摘のとおりだと思うのです。そこで、そういう研究もこれからやっていこうということでございますし、そこで、「むつ」をそれじゃやめるのかということになりますと、せっかくあそこまで来て原子力行政のにしきの御旗になっているわけです。これをやめたということの影響は相当原子力行政に大きなショックが、にしきの御旗が討ち死にしたというような印象というものが原子力行政の上において大きく影響するのではないかということもありましたし、それから、おかでやる研究と実際海でやる実態とは、これはまた同じものであるとは言い切れない。おかではおかの効果もあるでしょうが海では海での効果もあるということから、やはり両々相まってお互いに比較検討しながらやっていくところにも意味があるだろう。 もう一つは、確かに五百億とか三百億とかいろいろ言われております。かなりの金額ではございますけれども、あの港を単に「むつ」だけの港として私は終わらしたくない。多目的な港にしたいし、できれば将来は一般のあの陸奥半島開発の港にも利用できるということで、単に「むつ」だけの港で投資効率が悪いと国民の皆さんからしかられるということにはしたくない。実は一般港湾としたい。こういうことだったのですが、青森県知事からそれはいまのところちょっと困る、将来はともかくとして、現段階は「むつ」の専用港ということでスタートしてほしい、こういうことでございますので、こういった問題も地元の意見を取り入れていかないといけないことですからいまのところはそういうことになっておりますが、地元め了解をいただいて多目的の一般的な港として活用する、その一部を「むつ」が使うということで国民経済的な活用を図っていきたい、こうも思っておるわけでございます。 どうか第一点の方は、技術屋の良心からいっても、一年も延びることを直前までうそを言っておったと言われれば全くそのとおりでございますが、そういったいきさつもございましたので、きょうはそろそろもう終わりでございますので、本当のことを申し上げてひとつお許しをいただきたいと思います。
○小西博行君 まだ私の場合は政治家になり切っていないのじゃないかというふうに考えます。確かにいろいろむずかしい条件が中にはあるわけですから、そういうふうに理解きしていただきたいと思いますが、特に研究開発の問題というのはそういう板ばさみというのがずいぶん私はあるのじゃないかと思うのですけれども、せめて委員ぐらいは本来は知っておきたいなという感じも実はするわけでありまして、ぜひともこれから先も、同じやるならという感じもいたしますし、それからエンジンの方の炉その他も実際はこれはどうなのかなという感じもするのです。船は大体十年したらもう廃棄処分ですから。そういう意味では大変だなという感じはするのですが、同時に私は、何も「むつ」だけにこだわることなしに、原子炉の研究というのはこれから先も当然やっていかなければいかぬ問題ですから、むしろいま長官の言われた、船だからいろいろいいデータもとれるのだというお話もございましたけれども、それよりももっと基本的な問題が欠けているのじゃないか。大きい意味でABC分析、重点的に物を考える場合には、やはりエンジンのいいのをつくろうということの方が考え方としては本筋じゃないか。これをもし民間でやるとしたら必ずそういうようにするだろう。 このことを申し上げまして質問を終わりたいと思いますけれども、ぜひとも科学技術の問題については今後とも力を入れていただきまして、長官の後の方が来られてもなおかつ御支援をしていただいて、船を浮かすのなら堂々と浮かしていただくような積極的な対策でぜひこれから先も援助をいただきたいなと、このように思いまして、大変いろいろなことを申し上げましたけれども、以上で終わりたいと思います。
○委員長(太田淳夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十九分散会