P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
95回国会衆議院1981/11/13

本会議 第10号

発言数
17
登壇者
5
会派数
3
開催日
1981/11/13

会議録

福田一無所属議長

○議長(福田一君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 老人保健法案(第九十四回国会、内閣提出)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第一、老人保健法案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。社会労働委員長山下徳夫君。     —————————————  老人保健法案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔山下徳夫君登壇〕

山下徳夫自由民主党

○山下徳夫君 ただいま議題となりました老人保健法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、本格的な高齢化社会に対応して、老後における健康の保持を図るため、医療に加えて疾病の予防や健康づくりを含む総合的な老人保健対策を推進する制度を創設するとともに、これに必要な費用の公平な負担を図ろうとするもので、その主な内容は、  第一に、本案の基本理念は、国民は、自助と連帯の精神に基づき、みずから健康の保持増進に努め、老人の医療費を公平に負担すること及び年齢、心身の状況等に応じ、老後における健康の保持を図るための適切な保健サービスを受ける機会を与えられることとすること、  第二に、老人保健審議会は、保健事業の関係者及び学識経験者二十人以内で組織し、老人保健に関する重要事項を調査審議すること、  第三に、市町村は、当該市町村の区域内に居住地を有する四十歳以上の者に対し、健康手帳の交付、健康教育、健康相談、健康診査、機能訓練及び訪問指導等の保健事業を行うこと、  第四に、市町村長は、当該市町村の区域内に居住地を有する七十歳以上の加入者に対し、医療を行うこと、  第五に、医療についての診療方針及び診療報酬は、厚生大臣が老人保健審議会の意見を聞いて定めること、  第六に、医療を受ける者は、医療を受ける際、老人保健取扱機関ごとに、外来の場合一月につき五百円、入院の場合四月を限度として一日につき三百円の一部負担金を支払わなければならないこと、  第七に、医療以外の保健事業に要する費用は、国、都道府県及び市町村がそれぞれ三分の一を負担することとし、医療に要する費用は、国が十分の二、都道府県及び市町村がそれぞれ十分の〇・五を負担するほか、医療保険各法の保険者が納付する十分の七の拠出金をもって充てること、  第八に、保険者の医療費拠出金は、当該保険者の七十歳以上の加入者に係る医療費につき、その一部を当該保険者の加入者調整率で調整するものとすること、  第九に社会保険診療報酬支払基金は、保険者から拠出金を徴収し、市町村に対し交付金を交付する業務を行うこと、  第十に、この法律の施行に伴い、老人福祉法の老人医療費の支給に関する規定等を整理するほか、医療保険各法において、七十歳以上の加入者の療養の給付等を行わないこととする等、関係法一律について所要の改正を行うものであります。  本案は、第九十四回国会に提出され、継続審査となっておりましたが、昨日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、老人保健審議会の権限、診療方針及び診療報酬の諮問機関、医療の取扱機関、医療の対象者の範囲、一部負担金、保険者拠出金の調整のための案分率、保険者拠出金に対する国の補助率等について、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合三党共同の修正案が提出され、討論を行い、採決の結果、本案は三党共同提案の修正案のとおり多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 討論の通告があります。これを許します。森井忠良君。     〔森井忠良君登壇〕

森井忠良日本社会党

○森井忠良君 こんなばかなことがまかり通るでしょうか。議院内閣制のもとで、政府・自民党が提案した法案を、事もあろうに、与党自民党が率先して修正し、改悪するというあり得べからざることが行われたその老人保健法案について、私は、日本社会党を代表して、反対と抗議の討論を行うものでございます。(拍手)  ただいま議題になりました本法案は、老人保健事業を進める上で必要欠くことのできない老人保健審議会の機能のうち、診療報酬、診療方針に関する部分を削除し、これの審議は、現行の中央社会保険医療協議会いわゆる中医協に権限を移すという大修正を、与党自民党によって強行されたのであります。  皆さん、この意味が御理解いただけるでしょうか。つまり政府原案では、老人が健やかに老いるという政策目的を達成するため、老人保健に関する重要事項は、すべて新設される老人保健審議会の議を経ることになっておりました。  ところが、診療報酬支払い方式までこの審議会で決定するのは反対だという団体が出て、政府・自民党に圧力をかけてまいりました。このことは日本医師会の発行する出版物で明らかであります。それによりますと、診療報酬支払い方式は現行どおりといたしまして、老人保健審議会は廃止することになっております。  日本医師会と政府・自民党の一部との癒着は、今国会におきまして本会議はもちろんのこと各委員会でも取り上げられ、その都度厚生大臣から釈明が行われてまいりましたが、私たちは、その都度疑惑を深めてまいりました。  ところがです。あにはからんや、日医ニュースと全く同趣旨の修正案が自民党から出されてまいりました。余りに医師会べったりであり、私たちは撤回を求めるとともに、自民党、と言っても実は一部の人たちかもしれませんが、良識を疑いました。しかし、最後まで撤回しないばかりか、一部野党の同調も得て、ついに多数決で修正案を通したのであります。  結局何が目的なのか。老人保健審議会で診療報酬を審議することになれば、現在の健康保険における支払い方式、つまり出来高払い点数制が見直され、老人の心身の特性に基づいた新たな診療報酬が決まる可能性があるからであります。  わが国の医療の荒廃は目に余るものがあり、そのために良心的でりっぱな医者が多分に迷惑を受けていることは御存じのとおりであります。医療費は、GNPや賃金の伸びを大きく上回り、年によっては二〇%以上もふえてまいりました。いまでも毎年一兆円ずつふえているのであります。よい医療が正しく行われた結果とはとても思えません。この陰には乱診乱療、薬づけ、検査づけの濃厚診療が行われてきたことは、報道されるニュースだけでも枚挙にいとまがないのであります。  現行の出来高払い点数制という診療報酬支払い方式は、どんなに法外な請求、たとえば一カ月について一人の患者で一千万以上の請求が現実にありましたけれども、それでも無条件に支払うというものです。この制度は、医療のむだ遣いを誘発し、営利医療を拡大する要素を持っているのでございます。だからこそ、第二臨調の答申を初め、社会保障制度審議会などでも支払い方式の見直しがうたわれ、また、厚生大臣の国会答弁でも、その決意が明確にされているのであります。  自民党による修正は、この意向を無視した暴挙であります。中医協で支払い方式を審議するとしていますが、中医協は、支払い側、診療側、そして学識経験者の三者構成であり、老人保健の実施主体である市町村は入っていないではありませんか。かつて診療側、つまり医師会側が中医協への出席を拒否して、長期間、機能が麻痺したことも記憶に新しいものがございます。  また、この修正案に対し、社会労働委員会で意見を求められた村山厚生大臣は、「賛成いたしかねますが、院の決議なら」と、異例とも言える不満の意をあらわしたことはきわめて重大であります。考えてみますと、その厚生省自体が、重要事項を政令で意のままに決定するため、この審議会を隠れみのにしようとしたことも、強く責められるべきであります。  わが党は、重要な項目は法律に明記した上で、老人保健審議会を権威ある機関に強化し、活用すべきであると主張してまいりました。(拍手)さらに、老人の健康保持のためには、ホームドクター制を採用して日常からの病気の予防に重点を置き、診療報酬については、慢性疾患が老人には多いのですから、老人の心身の特性を考慮に入れた新たな人頭割請負方式を一日も早く創設できるよう、条件整備を進めるべきであると考えるのでございます。このためには、すでに関係審議会の議を経ながら、自民党の反対によっておくれている医療法の改正案を直ちに国会に提出し、医療施設の適正配置、医療法人の監督強化などを行うべきでございます。私は、この際、この怠慢に猛省を促しておきたいと存じます。(拍手)  さて、ことしはお年寄りにとって受難の年であります。鈴木内閣によって、お医者にかかれば金を取られます。わが党の要求によって、月五百円は四百円に、入院一日三百円、四カ月徴収は二カ月に短縮というように、ほんの気持ちだけ負担は少なくなるものの、せっかくの老人医療無料化制度はここで崩壊してしまうのでございます。(拍手)お年寄りから医者代を取るなど、若い者として恥ずかしく思いませんか。医療のむだを省けば一部負担を取る必要は全くないのです。わが党が要求し続けた、現行保険制度とは別建ての全額公費による老人医療制度とはとても似ても似つかない、中途半端な本法案に反発すら覚えるのでございます。  いまでも、国の七十歳からの制度適用にまゆを曇らせ、十七の都府県が六十五歳、六十七歳と実施年齢を繰り上げて単独事業をしておりますけれども、この法案では全く進歩がないばかりか、逆に地方の単独事業をやめさせようとしているではありませんか。定年制は早いところで五十五歳、労働省の指導目標は六十歳という現状でございます。なぜ退職者医療制度をつくらないのですか。老人保健制度を六十五歳からなぜ始めないのですか。政府の怠慢にはあきれます。  結局のところ、この法案は、国の負担を減らし、お年寄りや一部保険者等から金を巻き上げる、金勘定が目的としか言いようがございません。(拍手)四十歳からの保健事業は結構です。しかし計画性に乏しく、財政の裏づけの保障もない、絵にかいたもちになる可能性が大きいではありませんか。  行政改革の名のもとに年金改悪が企てられ、来年からは、ささやかなベース改定の時期すら半年もおくらされるのでございます。お年寄りをいじめる鈴木内閣、自民党内閣は、やがてつぶれるに違いありません。  以上、反対と抗議の理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。(拍手)      ————◇—————  日程第二 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(第九十三回国会、内閣提出)(参議院送付)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第二、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。内閣委員長江藤隆美君。     —————————————  国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔江藤隆美君登壇〕

江藤隆美自由民主党

○江藤隆美君 ただいま議題となりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案の主な内容は、  法律の題名を「国家公務員等退職手当法等の一部を改正する法律」に改め、  長期勤続者等に対する退職手当の特例として二割増しの額を支給していたものを、昭和五十七年一月一日から一割七分増しに、五十八年一月一日から一割三分増しに、五十九年一月一日から一割増しの額に引き下げることとし、  また、職員が退職し、旧日本プラント協会等に在職した後、再び引き続いて職員となった者の退職手当の期間計算については、公庫等の復帰職員と同様の通算措置を講ずるほか、  退職手当の基準については、公務員制度等を勘案して総合的に再検討を行い、その結果、必要があると認められる場合には、昭和六十年度までに所要の措置を講じようとするものであります。  本案は、第九十四回国会において、本院で修正議決の上、参議院に送付し、同院において継続審査となっておりましたが、今国会において、衆議院送付案のとおり可決の上、十月三十日本院に送付され、同日本委員会に付託されたものであります。  本委員会におきましては、十一月十二日提案理由の説明を省略し、直ちに採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  日程第三 地方公務員法の一部を改正する法律案(第九十三回国会、内閣提出)(参議院送付)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第三、地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。地方行政委員長左藤恵君。     —————————————  地方公務員法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔左藤恵君登壇〕

左藤恵自由民主党

○左藤恵君 ただいま議題となりました地方公務員法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、地方公共団体における行政の一層の能率的運営を図るため、地方公務員について、国家公務員と同様に、分限事項としての定年制度を導入しようとするものでありまして、国の職員の定年を基準として、条例で定年を定めるとともに、公務の運営に著しい支障を生ずると認められる十分な理由のあるときの勤務延長及び公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認められるときの再任用についても規定しようとするものであります。  以上の措置は、昭和六十年三月三十一日から施行することといたしております。  御承知のように、本案は、第九十三回国会に提出され、本院で継続審査となり、第九十四回国会において、本院で、本案の附則の中に引用されている法律番号の年の表示を修正の上、参議院に送付され、同院で継続審査に付せられておりましたが、去る十月三十日本院送付案のとおり可決の上、本院に送付され、本委員会に付託されたものであります。  本委員会におきましては、昨十一月十二日本案について提案理由の説明を省略して採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時二十七分散会      ————◇—————  出席国務大臣         厚 生 大 臣 村山 達雄君         自 治 大 臣 安孫子藤吉君         国 務 大 臣 中山 太郎君      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗