本会議 第8号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/10/29
会議録
○議長(福田一君) これより会議を開きます。 ————◇————— 議員請暇の件
○議長(福田一君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。 渡辺朗君から、海外旅行のため、十一月一日から九日まで九日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。 ————◇————— 日程第一 供託法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第二 外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第一、供託法の一部を改正する法律案、日程第二、外国人登録法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。法務委員長高鳥修君。 ————————————— 供託法の一部を改正する法律案及び同報告書外国人登録法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔高鳥修君登壇〕
○高鳥修君 ただいま議題となりました二法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、供託法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、国の財政の現状にかんがみ、国の歳出の縮減を図るため、いわゆる財政再建期間として予定されている昭和五十七年四月一日から昭和六十年三月三十一日までの間、供託金に利息を付することを停止する措置を講じようとするものであります。 委員会においては、去る十六日提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を行い、二十七日質疑を終了し、昨二十八日討論に付したところ、日本共産党から反対の意見が述べられ、次いで採決を行ったところ、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、外国人登録法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、近年の市町村及び都道府県における外国人登録に関する事務量の著しい増加に対処し、国の財政支出の効率化に資するため、関係事務の簡素化、合理化を図ろうとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、新規登録等の申請に際し、写真三葉を提出することとなっているのを、二葉で足りることとすること、 第二に、市町村長が行うこととなっている都道府県知事への写票の送付及び都道府県知事が行うこととなっている写票の分類整理事務を廃止すること、 第三に、返納された登録証明書を市町村長から法務大臣に送付させる手続を廃止すること であります。 委員会においては、去る十六日提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を行い、昨二十八日質疑を終了し、採決を行ったところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) これより採決に入ります。 まず、日程第一につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第二につき採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第三 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案 (内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第三、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。行財政改革に関する特別委員長金丸信君。 ————————————— 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔金丸信君登壇〕
○金丸信君 ただいま議題となりました行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案につきまして、行財政改革に関する特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 この法案は、本年七月十日に行われた臨時行政調査会の行政改革に関する第一次答申の趣旨にのっとり、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環として、昭和五十七年度から昭和五十九年度までの間における補助金、負担金等に係る国の歳出の縮減措置その他の特例措置を講じようとするもので、その内容は、厚生年金保険事業等に係る国庫負担金の繰り入れ等の特例、児童手当の支給要件に係る特例、公立小中学校の学級編制の標準等に関する経過措置の特例、特定地域に係る国の負担補助等の特例、政府関係金融機関の貸付金利の特例及び内閣総理大臣等の給与の一部の返納に係る特例等の措置を定めることといたしております。 本案につきましては、去る十月八日提案理由の説明を聴取した後、審査に入り、長時間にわたり熱心な質疑が行われたほか、連合審査会、公聴会、委員派遣によるいわゆる地方公聴会、参考人よりの意見聴取を行うなど、きわめて慎重な審査を行いました。 質疑は、行政改革の全体像、五十八年度以降の増税なき財政再建、厚生年金等の国庫負担減額分の補てんの明確化、児童手当の存続、四十人学級計画の達成、特定地域に係るかさ上げ補助等の引き下げに伴う財政金融上の措置、住宅金融公庫貸付金利据え置きの明確化、社会保険事務費の国庫負担の意義、所得税の減税等、行財政改革の各般にわたって行われましたが、その詳細は会議録により御承知いただきたいと存じます。 かくて、昨二十八日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党の小渕恵三君、公明党・国民会議の鈴切康雄君、民社党・国民連合の岡田正勝君及び新自由クラブ・民主連合の小杉隆君から賛成の旨、日本社会党の佐藤敬治君及び日本共産党の寺前巖君から反対の旨の意見が、それぞれ述べられました。 次いで、採決の結果、本案は起立多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。以上、御報告を申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 討論の通告があります。順次これを許します。後藤茂君。 〔後藤茂君登壇〕
○後藤茂君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の特例措置に関する法律案に対し、反対の意見を表明するものであります。(拍手) 申すまでもなく、行政改革は今日国民の強い要望であります。政官財癒着の体質を改め、簡素で効率的な行政機構を目指すことを国民は注目をし、期待をいたしております。そのためにも、将来の社会像を展望して、政策上の判断基準、優先順位をまず示し、国民の合意を求めていくことが何よりも先に行われなければならないのであります。 私たち社会党は、この国民的な合意が得られる行政改革の理念として、平和と福祉と分権を基礎とする社会システムの確立により、民主、公正、効率の三原則を貫く国民のための行政改革案を、臨調の答申に先駆けて提案していることを、この機会に改めて明らかにしておきたいと思います。(拍手) さて、今回提案されました法律案は、まさに理念なき行革であるばかりか、財界主導の弱者切り捨て法案であることが一層明らかになってまいりました。鈴木総理は、「行革の目標は活力ある福祉社会の建設と国際社会への一層の貢献に努めることだ」と繰り返しました。今回の措置はそのための第一歩だと強調したのであります。 しかし、三十六本の法律を一括した特例法のどこに活力ある福祉社会を目指す第一歩があるのでありましょうか。特例法案でカットされる約二千五百億円のうち二千億円以上が、福祉や教育、地方自治体への負担の転嫁ではありませんか。五十七年度予算の概算要求を見ても、約八千八百億円の削減額のうち、厚生省関係が七二%を超える六千三百億円も切り込まれているのであります。羊頭を掲げて狗肉を売るとは、本法案のために用意された言葉とさえ思えてならないのであります。(拍手) 私どもが本案に反対する第一の理由は、総理の言う理念と、この法律案との結びつきが、このように完全に断たれている点であります。 もちろん、財政再建という命題は、現下のわが国財政にとって緊要な課題であり、これの解決なくして行財政改革の達成は困難でありましょう。しかし、政府の増税なき財政再建は言葉だけで、委員会の審議におきましても、当初、五十八年度以降の増税に含みを持たせる発言に終始をしていたのであります。 国民は、五十二年以降課税最低限が据え置かれているために、税負担の上昇と可処分所得の低下に苦しんでおります。それにもかかわらず、政府は、所得税の物価調整措置すら講じようとしないばかりか、低所得者層や中小企業に大きな負担がかかる逆進性の強い大型間接税の導入についての疑念も晴れなかったのであります。 昨日、わが党の締めくくり総括質問に対して、政府はやっと「増税なき財政再建に全力を挙げる」と重い口を開きました。私は、この言明の政治的重みをしっかりと受けとめておきたいと思います。財政再建は、不公平税制を是正することから始めるべきであります。政府がいま直ちにやるべきことは、所得減税を実施することではありませんか。強者の利益を温存して、何が等しく痛みを分かち合えますか。隠れた財界への補助金と言われる企業優遇税制の徹底的な改革こそ断固として着手することであります。このことを突破口とするととなくして、真の財政再建も行政改革もあり得ないということを強調しておきたいと思います。 本法案に反対する第二の理由は、厚生年金事業等の国庫負担減額措置が、国民に不安感をより深めさせている点であります。 政府は、減額分について、特例適用期間後、運用利益分を含めて返済すると言われておりますが、昭和六十年度から国債の本格的な償還、借りかえが始まることを考えると、厚生年金だけで昭和五十九年度末には元利合計七千四百億円に上ると試算される減額分が果たして返済できるのでしょうか。政府答弁の背後に、こうした事情を利用して制度を改悪しようとしている意図が見えるだけに、特に厳しく批判をしておきたいと思います。 第三は、小中学校の四十人学級編制及び教職員定数を国の財政事情により抑制しようとしている点であります。 およそ教育水準の向上は、一国の社会的発展にとって欠くべからざる基盤をなすものであって、次代を担う子供たちに対する重要な投資であります。そのためには、教育効果を十分に発揮できる体制を整えることが必要であり、諸外国では三十人学級が普通となっております。せっかく五十五年度から緒についた四十人学級への進行をとめることは、行き届いた教育を願う父母の期待を裏切るものと言わなければなりません。 児童生徒数の自然増に見合う教職員の配置を抑えるに至っては、まさに言語道断であります。教科書の有償化、私学への助成費の削減、育英奨学金の有利子化への動きとあわせて、教育の危機は一層深まるでありましょう。 第四に、住宅金融公庫等の金利の弾力化措置は一体何のための特例かということであります。 住宅金融公庫の金利引き上げは、国民大衆の住宅取得難に一層拍車をかけ、景気にも悪影響をもたらすことは必至であります。政府は、この規定の必要性について、世界的な金融情勢の推移いかんによっては金利引き上げが行えるよう機動的に対処したい、そのために政令で金利引き上げ措置ができる道を開いておくとの趣旨の答弁をいたしております。仮に、そのような高金利時代を迎えた場合を考えてみますと、それはわが国の国民経済全体が直面する危機であって、単なる住宅金融公庫等の金利問題などというものを超えた重大な事態として受けとめるべきものでありましょう。今回の措置は、将来、法定金利の弾力化措置を制度化しようとする布石であり、断じて容認するわけにはまいりません。 第五は、地域特例のかさ上げ率縮減措置についてであります。 この措置は、当然、財政力の弱い地域ほど縮減額が大きくなるという結果を招来し、このような地方公共団体の財政負担を増大させ、地域格差をますます広げるおそれがあります。縮減分については起債や地方交付税を通じて適切な措置を講ずると言われております。しかし、元利償還に要する額は、これを全額、臨時地方特例交付金で補てんしない限り、特例対象地域に実質的な負担強化をもたらすでありましょう。 しかも、国民健康保険、児童扶養手当、特別児童扶養手当に対し都道府県負担を導入しようとすることは、国と自治体との財政秩序を破壊するものであります。地方財政は国の借金のツケ回し機関ではないことを改めて強調しておきたいと思います。 最後に、特に指摘をしておきたいのは、今回の一連の措置によって、いよいよ際限なき軍拡へ向けて歴史的な転換を行っているのではないかということであります。五十七年度予算の概算要求でも七・五%の聖域を設けました。さらに、主要装備の繰り上げ購入によって、後年度の負担の重圧にあえぎ、GNPの一%以内の抑制は不可能という事態になろうといたしております。福祉、教育を食い尽くして軍事大国への道を突き進もうとする軍拡行革に、どうして賛成できるでありましょうか。(拍手) 総理は和の政治を信条としていると言われておりますが、和の原典は論語に出てくる言葉であります。その論語に、弟子が孔子に政を問うくだりがあります。「兵を足し、食を足し、民をしてこれを信ぜしむ」と説く孔子に対して、弟子が「やむを得ずして去らばこの三者においていずれかを先にせん」と尋ねました。孔子は言下に「兵を去らん」と答えています。軍備を捨てよというのであります。 先ほど報告されました金丸委員長の名前をかりて大変恐縮でありますが、「民は信なくんば立たず」であります。まさに至言ではありませんか。国民の信を裏切ろうとする本法律案に強く反対をして、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 松永光君。 〔松永光君登壇〕
○松永光君 私は、自由民主党を代表して、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案について、賛成の討論を行います。(拍手) 近年、欧米の先進国は、ほとんどがインフレ、失業、経済の停滞、社会秩序の動揺など、いわゆる先進国病に悩んでおります。肥大化した政府による支出の増大、それを賄うための国民の税負担の増大、それによる勤労意欲や投資意欲の減退が先進国病の原因であるという指摘がしばしばなされております。 一方わが国は、明治以来百有余年、戦後の廃墟から三十数年の間に、社会的、経済的に目覚ましい発展を遂げてまいりました。二度にわたる厳しい石油危機を克服し、いまや、欧米先進国に比べて低い物価上昇率、低い失業率、安定した経済成長を保っております。これは、政府の適切な施策とともに、勤勉な日本国民のたゆまぬ努力の結晶であり、日本人の優秀さと底力を示すものでありましよう。(拍手) しかしながら、わが国の将来を展望すると、資源・エネルギーの制約を初め、人口構成の急速な高齢化など、多くの困難が待ち受けております。日本人の平均寿命が大幅に延びたことは大変めでたいことでありますが、出生率の低下と相まって、わが国は、世界のどこの国も経験したことのない超高齢化社会に、きわめて速いスピードで突入するのであります。 われわれは、これらの困難な条件を克服して経済社会の安定した発展を図り、内にあっては国民生活の安定を確保し、外においては先進国としての国際的役割りの増大に対応していかなければなりません。これこそがわれわれに課せられた国家的、国民的課題であります。 しかるに、わが国の財政状況は、本年度末には国債残高八十二兆円に達し、いまや猶予を許さない深刻な事態に立ち至っております。このような財政の状況では、新しい時代に対応した国民的、国家的課題に対処することはとうてい不可能であります。速やかな財政再建が求められるゆえんであります。 そのために、国、地方を通じて肥大化した行財政の徹底した見直しを図り、思い切った歳出の縮減と行政の合理化を図ることが必要であります。そうして、簡素で効率的な政府を実現し、官民一体となって社会経済全体の創造性と活力を高めることが何よりも重要であります。もし、こうした改革を実行しないならば、わが国の行政は肥大化を続け、財政は悪化し、その結果、国民の負担は増大し、社会の活力は失われ、わが国の将来に救いがたい禍根を残すことは必至であります。本法案に盛り込まれた程度の措置を実施できないようでは、行財政の立て直しなどできるものではないと言っても過言ではありません。(拍手) 本法案は、行政改革を進める上で欠くことのできない施策の第一歩であり、これをてことして本格的な行政改革を進めていくことこそ、国民の要望にこたえるゆえんであると確信するものであります。(拍手) 次に、行財政改革で歳出の縮減措置を進めてまいりますと、国民生活や産業の分野に何がしかの痛みを与えることは避けがたいところであります。このような痛みは、よりよい状態をつくり上げるための産みの苦しみでもあります。 問題は、この痛みをいかにして公平に分かち合うかということであります。中でも、真に弱い立場にある部門や人々に、その痛みを可能な限り及ぼさないよう、温かい配慮をすることが必要であります。(拍手)本法案を初め、政府の行政改革への取り組みにおいては、これらの点についても十分配慮がなされております。 たとえば、真に弱い立場にある方々に対する施策の一つである生活保護については、補助金等の整理対象から除外し、従来どおり施策を進めることとしております。 厚生年金等の国庫負担の減額については、特例適用期間経過後、減額分を、その運用利子を含めて、年金財政に支障のないよう繰り入れすることになっております。 児童手当についても、公費負担の縮減に当たっては、非被用者との均衡を考慮し、被用者については、むしろ従来より手厚い措置がなされることになっておるのであります。 四十人学級についても、テンポがスローダウンするとはいえ、目標年度には完全に実現することとしております。 地域特例によるかさ上げ補助の削減については、地方における事業執行に支障のないように起債措置等、必要な事後的措置が確実に実行されることとなっております。 住宅金融公庫等の金利の弾力化についても、当該金利の社会的経済的必要性について、特例適用期間中といえども十分配慮するという政府の明確な答弁がありました。 このように、本法案は、歳出縮減に伴う痛みの分担についても十分な配慮がなされており、福祉や教育の切り捨てなどという非難は全く当たらないのであります。(拍手) 最後に、この特例法案による直接的財政効果が二千四百八十二億円で、名称の割りには実が少ないという批判について申し述べます。 今回の臨調答申及びゼロシーリングによる財政の縮減効果は、総額二兆三千五百億円であり、そのうち、当面法律改正を必要とするもののみがこの法案になっておるのであり、私は、このような措置によって、昭和五十七年度以降において、増税に頼らず、財政再建を大きく進めることが可能になったと確信するものであります。(拍手) 本法案は、このような措置の重要な一環であり、また、今回の行財政改革の第一次着手として位置づけられるものでありまして、その意義はきわめて大きいのであります。 大切なことは、この法案を踏み台として、政府が勇断を持って、さらに本格的な行革に邁進することであります。それでこそ、鈴木総理が国民に公約した増税なき財政再建、政治生命をかけた行財政改革が実現を見るものと思うのであります。(拍手) 政府は、今後とも、第二臨調から出されるであろう答申や指摘を誠意を持って実行することはもちろん、みずからの意思で積極的に行政コストの節減、減量化に向けて一層の努力をすべきであると思うのであります。 私は、政府が今後とも勇断を持って行政改革に取り組まれることを切望して、賛成討論を終わるものであります。(拍手)
○議長(福田一君) 瀬崎博義君。 〔瀬崎博義君登壇〕
○瀬崎博義君 私は、日本共産党を代表して、行革一括法案に反対の討論を行います。(拍手) いま、国民が強く望んでいる行政改革は、真にむだのない、不正や腐敗もない、簡素で効率的な、国民に奉仕する行政の確立であります。 ところが、臨調第一次答申は、軍事費の大増強と、福祉、教育など国民生活にかかわる諸制度の抜本的改悪を打ち出したのであります。その臨調答申を実行に移すための行革一括法案は、軍事大国化の方向へ国の歩みを変える突破口であり、やってはならないことを行革の名を使ってやろうとするものなのであります。 そして、わが党が事実を挙げて追及した教科書会社の政治献金などの不正、腐敗を正すことこそ真剣にやるべき行革の課題なのに、これはやろうとしないのであります。 日本共産党が本法案に断固として反対する理由の核心は、まさにこの点にあるのであります。一部野党による部分的な修正や附帯決議の提起は、この法案の持つ危険な本質を国民の目から覆い隠す役目を果たしこそすれ、危険な本質をいささかも変えるものではありません。 以下、順を追って具体的に反対理由を述べます。 反対する理由の第一は、本法案によって国民生活が重大な犠牲をこうむり、地方自治体が重大な打撃を受けることであります。 厚生年金等の国庫負担率引き下げについて、政府は、将来返済すると言いながら、その期限や方法を約束することはできないとの態度に終始しているのであります。六十年以降、赤字公債の元本返済に伴う第二の財政危機のもとで、結局は国民の負担に転嫁されるおそれはいよいよ強まったのであります。 「一人一人の子供に行き届いた教育を」の願いから発足したばかりの四十人学級制の凍結は、教育的見地を全く無視したものであります。 児童手当の所得制限強化によって排除される十四万人は、最も保護の手を厚く差し伸べるべき五人未満の零細企業に働く労働者と、零細な自営業者の子弟であることが、わが党の追及によって明らかになっているのであります。 政府の資料によっても、地域特例かさ上げ補助率のカットによる痛手が、南九州、東北各県、北海道など、財政力の特に弱い県に集中することが明確に示されております。しかも、カット額を起債で補てんし、その元利償還を交付税基準に組み入れることで、結局その負担を全自治体に転嫁するのであります。 政府の行革に反対または批判の決議、意見書を採択した地方自治体議会は千三十六に達しますが、自治体の反発が今後さらに強まるであろうことを断言しておきます。 政府の無策によって住宅建設が極端に落ち込み、農業もまた危機的状況に置かれているときに、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫貸出金利の引き上げ自由化に道が開かれることは、住宅費負担に苦しむ勤労国民、仕事難の中小零細業者、経営の成り立たない農民にさらに深刻な打撃を与えるものであります。 さらに、行革特例を延長するのかどうかをただしたわが党の質問に対し、政府は、この法案は時限立法であるというあたりまえのことを繰り返すのみで、延長の可能性を最後まで否定しなかったことは重大であります。わが党は、国民生活に与えるこれらの犠牲を絶対に認めることはできません。(拍手) 反対理由の第二は、政府が財政危機の原因を覆い隠し、痛みは公平にとのうたい文句で、その責任を国民に転嫁し、あくまで財界の利益を擁護していることであります。 今日の財政危機は、歴代自民党政府による大企業てこ入れ政策、とりわけ、第一次石油危機以来の安易な赤字公債乱発に由来していることは明白であります。当時、この自民党政府の経済財政政策の誤りを真っ向から批判し、国債増発に頼らない日本経済と財政の再建策を提唱したのは日本共産党だけでありました。そのときのわが党の警告どおり、大企業の空前の大もうけの中で今日の財政危機がつくり出されてきたのであります。 にもかかわらず、政府・自民党は、今回、一括法案と補助金カットで、福祉、教育など国民生活のための経費中心に四千億円余りの支出削減を図ろうとする反面、大企業に対する補助金削減を要求したわが党の質問に、中曽根行管庁長官が、「大企業罪悪主観に立つ話」と筋違いの答弁で開き直ったことは、財界擁護の最たるものと言わなければなりません。そして、造船、航空機など大企業への補助金を逆に増額さえしているではありませんか。 また、国民には、臨調答申実施による新たな負担増、所得税課税最低限の据え置きによる実質増税に加えて、五十八年度、一般消費税型新税導入さえあり得ることを示唆していることは、三重の増税を国民に押しつけることになるのであります。 一方、何をもって不公平と見るか、見方が分かれると言って、三兆円を超える大企業優遇税制の是正を回避する姿勢をとり続け、文字どおり大企業には「増税なき」になっているのであります。まさに財界による、財界のための行革であり、国民には痛みを、財界にはもうけをということではありませんか。(拍手) 反対理由の第三は、本法案を第一歩として、今後さらに抜本的な反動体制の確立を意図し、軍事大国へ向けて国の歩みを全面的に変えようとしていることであります。 鈴木総理は、臨調答申の全面尊重を繰り返し明言しております。第一次答申は、この法案に盛り込まれたことのほかに、老人保健法などによる老人医療の有料化、全労働者の賃下げにつながる公務員賃金の抑制、支給年齢の繰り下げと保険料連続値上げなどの年金制度改悪、地域特例期限到来時における廃止を含む抜本的見直しを初め、社会保障、福祉、教育を中心とした国民生活の全分野に及ぶ全面的な制度改悪を提起しており、政府の来年度以降の予算案や法改正で具体化されてくることは必至であります。 さらに、来年七月の基本答申に向け作業を進めている臨調では、すでに防衛庁の国防省昇格、都道府県制にかわる道州制、人勧制度の再検討、国鉄、電電公社などの民営化の検討が公然と始められているのであります。 一方、鈴木総理は、レーガン政権の強い要請に沿って、日本の防衛分担を質量ともに飛躍的に拡大する姿勢を改めて鮮明にしました。そして、来年度において、一機百億円を超えるF15四十三機、P3C十七機を含む武器、航空機、艦船の新規発注で、後年度負担を含めれば、実に今年度比二〇%もの激増となる軍事予算を組もうとしているのであります。日本を戦争の危険に巻き込む、行革ならぬ軍拡路線を絶対に許してはなりません。(拍手) 反対理由の第四は、これほどの重要な内容を持つ、しかも三十六本の法改正を、政府と自民党が一括提案し、一括審議を強行したことであります。これは、国会の審議権のじゅうりんであり、議会の形骸化に道を開くものであります。だからこそ、わが党は、行革特別委員会設置反対を貫いたのであります。 真の行政改革の道は、すでにわが党が政府にも申し入れた国民本位の行政改革、軍事費の大幅削減、大企業向け補助金の廃止、削減、公共事業のむだと不正の一掃、天下り規制など特殊法人の腐敗構造の改革、情報公開など開かれた行政と、国民奉仕の簡素で効率的な行政の確立、地方自治の拡充、不公平税制の抜本的是正以外にはありません。 私は、鈴木総理に対して、根本的に方向を誤っている本行革一括法案を撤回し、わが党の提案に沿って一から出直すことを強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 平石磨作太郎君。 〔平石磨作太郎君登壇〕
○平石磨作太郎君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました行革関連特例法案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手) 賛成する理由の第一は、国民的要求である行財政改革を着実に進めるためには、部分的に問題があるとしても本法案を成立させ、文字どおり行財政改革の突破口を開くものとしていかなければならないと考えるからであります。 確かに、本法案は、鈴木総理が目指す行政改革あるいは財政再建とどのように関連づけられるのか判然としないばかりか、内容的にも財政の帳じり合わせ的な支出削減が目立っていることは否定できません。 特に、国民の納得のいく行財政改革を唱えながら、本法律案による支出削減額二千四百八十二億円のうち、厚生年金等に係る国庫負担の繰り入れ等の減額千九百億円、児童手当に係る公費負担の削減等六十億円、第五次学級編制及び教職員定数改善計画等の抑制五十六億円など、その八割までが福祉、文教関係の削減で占められていることについては、疑問を呈せざるを得ないのであります。 しかしながら、財政再建は緊要の課題であり、このためにも行財政改革は何としても積極的に推し進めなければなりません。不満足な法律案とはいえ、本法律案が未成立に終わるとするならば、緒についたばかりの行財政改革の歩みは、一歩も二歩も後退することは必至であります。また、共産党を除く各党一致の賛成で設置した第二臨調の存在をみずから否定する結果にもなりかねないのであります。 われわれは、広く国民の立場から行財政改革推進の立場を堅持してまいりました。そして、責任政党として、総論賛成、各論反対のたてまえ主義に陥らないよう戒めてまいったのであります。これからもこの態度は変わるものではありません。 鈴木総理は、中央省庁の統廃合を初め、本格的な行財政改革の断行を確約されました。また、第二臨調の基本答申の尊重も言明されたのであります。行財政改革に政治生命をかけるとまで言い切った鈴木総理が、あくまでもこの方針を堅持するとするならば、五十九年までのこの三年間に限る特例措置を定めた本法律案の成立のみをもって足りるとしてはなりません。この法律案は単に行財政改革の突破口を開くものであり、かつての行財政改革挫折の苦い反省の上に立って、来るべき本格的行財政改革を、圧力団体や官僚などの予想される妨害を排除して断じて実行することによって、まさに「痛みを等しく分かち合う」という総理の言葉が生かされると思うのであります。(拍手)したがって、本格的行財政改革を断行するためにも、この法案の実質的内容を改善して成立させることが必要と考えたのであります。 賛成する第二の理由は、われわれが民社党・国民連合、新自由クラブ・民主連合とともにまとめた本法律案に対する要求事項が、政府答弁等によって、不十分とはいえ、ある程度満たされたからであります。 三会派の要求事項は、第一に、厚生年金等に係る国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんの明確化、第二に、住宅金融公庫等の貸付金利据え置きの明確化、第三に、緩急をつけた教職員定数改善計画の実施、第四に、特定地域に係る国の負担、補助金等の特例に関する財政金融上の処置の明確化、第五には、児童手当制度の存続の明示等でありました。 これらの要求事項は、九月三十日に三会派が総理に申し入れた「行財政改革に関する当面の基本方針等に対する四党共同要求」を踏まえてまとめたもので、国民の立場に立った行財政改革を進める上で最小限度の範囲のものであると言えます。政府・自民党は、三会派の強い要求を受けて、政府答弁という形で五項目について三会派の主張を認めたのであります。政府答弁による厚生年金等に係る国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんの明確化、児童手当制度の存続の明示等は、国民の不安を払拭するものであり、評価するものであります。(拍手)以上、本法律案に賛成する理由を申し上げましたが、本法律案は行財政改革のほんの第一歩にすきません。第二臨調の第一次答申の実施は、むしろ五十七年度予算編成にゆだねられております。また、本格的な行財政改革は五十八年度以降になると見なければなりません。われわれは、五十七年度予算編成を初め、本格的な行財政改革に対し、国民の立場から注文をつけていく所存であります。 そこで、この際、政府に何点かの要求をしておきたいのであります。 第一点は、五十八年度以降も大衆増税を行わないことを明確にすべきであります。安易な増税は、本格的な行財政改革の意欲をそぎ、思い切った行財政改革の断行を阻む結果になるととは明らかであります。「増税なき財政再建」が、「増税なき五十七年度予算編成」にすりかえられるようなことがあってはなりません。五十八年度以降も大衆増税を行わないことが、本格的な行財政改革を可能にすると言っても言い過ぎではないのであります。(拍手) 第二点としては、福祉、文教関係予算の確保であります。われわれは、福祉、文教関係予算を聖域化せよと言うものではありません。少なくとも現在の水準を維持しつつ整合性のあるナショナルミニマムを確保することが、第二臨調の答申で言う「活力ある福祉社会の実現」の理念に合致するものと信ずるからであります。(拍手) われわれは、五十七年度予算の概算要求に盛られている各種年金の物価スライドの繰り下げ、国民健康保険給付費、児童扶養手当、特別児童扶養手当の国庫負担の一部都道府県への肩がわり、高額医療費の自己負担限度額の大幅引き上げなどは認めることはできません。 第三は、速やかに給与所得者の著しい実質増税を是正するために、所得税の課税最低限度額を引き上げるべきであります。財政再建と一見相反するように見える所得税の課税最低限度額の引き上げが、税負担の公正確保の見地だけでなく、景気の回復、税の自然増収の確保という財政再建の基盤づくりになることを政府は強く認識すべきであります。 また、租税特別措置を初めとする不公平税制の見直し、所得捕捉の不公平の是正等も急務と言わなければなりません。 以上、行革関連特例法案に賛成する態度を明らかにするとともに、今後の行財政改革のあり方に注文をつけ、討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 岡田正勝君。 〔岡田正勝君登壇〕
○岡田正勝君 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま上程中の行革関連特例法案に対し、賛成の討論を行います。(拍手) 今日、わが日本は、GNPの三分の一にも及ぶ八十二兆円という膨大な国債を抱えて、国家財政の破滅、日本丸の沈没は時間の問題ではないかと言われております。これを救う道は、大きく分けて三つしかないと思います。 その一つは、借金のツケをゼロにしてしまうために、輪転機を回して新札の雨を降らせる大インフレであります。 その二は、要る費用は要る、要るだけの金は取れるだけ取れという大増税であります。 この二つは、いずれもわが国の産業を破壊し、国民生活を破滅の底に引きずり込むものでありまして、とるべき道ではありません。 となれば、残る道はただ一つ、行財政の改革であります。しかも、この道は、だれも避けては通ることができません。この危急存亡のときに、お互いがきれいごとを言って、責任のなすり合いやどろ仕合いに終始することはもはや許されないことであります。 今日、行革にもし失敗すれば、わが日本は救いがたい大インフレか、振っても鼻血も出なくなるような大増税がやってくることはだれもが知っておることであります。いまやらずして、いつやれる。まさに「国も地方も待ったなし」の瀬戸際に立っているのであります。いまこそ、全政党と全国会議員が力を合わせて、どろをかぶってでも、国と国民を安全な道に誘導すべきときではありませんか。(拍手) わが民社党は、すでに御承知のとおり、昭和五十二年に第一次行政改革三カ年計画を提出し、五十四年には第二次提言を行い、昨年は行革中道四党合意をまとめるなど、絶えず行財政改革断行の先頭に立ってきたところであります。 行財政の改革は、第一に、増税なき財政再建のために、第二に、社会保障、住宅など、より高度な社会福祉の推進のために、第三に、簡素にしてかつ効率的な行財政システムの確立のために、万難を排して断行しなければならない国民的緊急課題と言わなければなりません。 この意味からも、第二臨調が設置され、去る七月十日、早くも第一次答申が出されましたことは、行財政改革断行の第一歩として、わが党は一応の評価を惜しまないものであります。 また、政府がこの答申を受けるや、「行財政改革に関する当面の基本方針」を閣議決定をし、その一環として、この臨時国会にいわゆる行革関連特例法案を提案したことは、政府が行財政改革に前向きに取り組もうとしている姿勢として率直に評価をしておるのであります。(拍手) しかし、この法案の審議の過程においては、わが党のたび重なる質問を通じて見ましても明らかなように、多くの疑問点、不透明な部分、あいまいな方針などが浮き彫りになったこともまた事実であります。 そこで、わが党は、公明党、新自連など中道三会派が相まとまりまして、この十月十五日に、法案にかかわる最低限の要求として、厚生年金の減額補てんの明確化、住宅金融公庫貸付金利の据え置き、児童手当制度の存続などの五項目を発表し、政府・自民党と折衝を続けてきたのであります。 これに対し政府・自民党は、厚生年金等の国庫負担減額分の補てんの明確化については、実質的に実現するために最大限の努力をいたします、その他住宅金融公庫貸付金利据え置きなどの諸点については、三会派の御指摘のとおり措置するように最善の努力をいたしますと確約をしたことについては、実質的修正が行われたものとして評価をいたしておるところであります。(拍手)この機会に改めて、政府が誠実にこの約束を実行されるよう、強く求めておきます。 以上、私は、この法案に民社党が賛成した理由を述べてまいりましたが、この法案は、行革の言うならば序の口であります。なるがゆえに、この際私は、これからの行革を進めるに当たって、次の諸点の実現を強く求めておきます。 その第一は、総理がたびたび言明されたように……(発言する者あり)心配なく、マイクで一生懸命、真剣に聞いております。 行政改革は国家百年の計でありますからには、少なくとも三年間の財政再建期間中は一切増税をするべきではありません。行革を進めるに当たり増税を考えることは邪道であります。行革に期待をする国民に対しての重大なる背信行為となるからであります。 第二は、総理の言われる民間の活力を引き出すには、行財政改革の断行によって、むだの排除、生産性、合理化、近代化の促進、不公正税制の是正などによる増収を減税に振り向けるべきであります。 第三は、国民健康保険等の地方自治体への負担の転嫁など、弱い者いじめは即刻取りやめて、逆に、時代の趨勢である地方分権をいかに進めるか、その具体策を国民に速やかに明示すべきであります。 第四は、本来の行革である公務員の実質削減、地方出先機関の整理統合、許認可事務の整理、特殊法人の削減、民営移管の促進、情報公開法、オンブズマン制度の導入などについては、政府は断固たる措置をとるべきであります。(拍手) 以上の諸点の実行は、鈴木内閣並びに自民党にとってはまことにまことに苦しい選択となりましょう。しかしながら、行革の正念場はこれからであります。内閣の一つや二つがつぶれてもという覚悟がなければ、このような歴史的な大業は達成できるものではありません。(拍手)国民は、なるがゆえに、行財政改革の行方に多大の関心を持っております。 わが民社党は、今後、日本がより高度な福祉国家建設に向かってたくましく前進するためにも、いまこそ行財政の改革を断行しなければならないと決意を新たにしているところであります。 この観点からも、事行革については、私ども民社党は協力を惜しむものではありません。しかしながら、同時に、それゆえにこそ、今後の政府の対応については厳しく監視するものであることを明らかにいたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 小杉隆君。 〔小杉隆君登壇〕
○小杉隆君 私は、新自由クラブ・民主連合を代表して、ただいま議題となっておりますいわゆる行革関連特例法案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手) 戦後三十六年、わが国は、行政機構の肥大化や既得権益の拡大によって徐々に管理社会化し、往時の活力を失いつつあります。こうしたわが国の現状を憂え、二十一世紀を展望して、再びわが日本民族がその自由な社会的活力を取り戻し、今後確実に予想される高齢化社会、資源・エネルギーの制約、国際社会での責任分担の増大に対処するため、私たちは、いち早く、思い切った制度改革を含む行財政改革の必要性を訴え、その実現を望んでまいりました。 第二次臨時行政調査会の設置、鈴木内閣の行政改革に対する決意表明、行革国会の開会など、政府、国会がおくればせながらも前向きの対応を始めたことは、私どもの長年の主張が国民の世論となり、実現への第一歩を踏み出したものとして、歓迎をいたすものであります。 しかしながら、今回の行政改革に対する政府の取り組みは、私どもの主張するところと出発点を異にしております。すなわち、現在進められている政府の行革は、今年度末には八十二兆円にも上ると見込まれている公債残高とその利払いが、大蔵省の財政の中期展望を見るまでもなく、財政の破綻につながるものとの認識から発しているという点であります。端的に言えば、この法案は、こそくな金減らしで財政のつじつまを合わせることだけに終始しているのであります。 本来、行政改革は、国民の行政需要に適確かつ効率よくこたえられる行政システムを整備することであり、結果は同じになるとしても、財政の緊縮だけを目的とするものではありません。行政システムの整備に当たっての前提は、行政サービスの範囲と責任分野を明らかにすることであり、鈴木内閣が掲げている簡素で効率のよい政府の実現は、まさにその仕事の範囲と責任分担を決定するところから始められなければならないものであります。 しかるに、審議を通じて明らかになった政府の考え方は、中央政府の地方自治体への不信感、中央官庁の権限への執着、民間の活力の軽視などによる、相も変わらない中央集権指向であります。この発想が改められ、国の政策の一大転換を行う勇気がなくては、真の行政改革はとうてい達成されるものではありません。 臨時行政調査会の第一次答申は、この法案において一部具体化されようとしている「緊急に取り組むべき改革方策」とともに、「行政改革の理念と課題」を明示しております。ここには、私どもが最低限必要と考える行政改革に取り組む視点がうたわれております。私どもが、このような行政改革への取り組みの姿勢をあえて申し上げるのは、今後の政府の行政改革にある種の懸念を持たざるを得ないからであります。 今回の法案は、行政改革の入り口にすぎないものであり、本格的な行政改革への取り組みは、これから臨時行政調査会の第二次答申及び最終答申を得て実施に移されるものとされております。しかし、今後の政府の取り組みいかんでは、さまざまな圧力や反対運動に負け、行政改革の看板だけが残り、国民の求める簡素で効率的な政府はつくられないと思うのであります。 今回提出されている法律案は、一種の財政調整法案ともいうべきものであり、国民各層の要求並びに私たちの要求にこたえたものとはいえず、急場しのぎの方策の感はぬぐい切れません。 しかしながら、国家財政の危機がすでに国民生活にも重大な影響を及ぼしつつある状況を考えたとき、財政再建を緊急に達成し、かつ国民に、今年度に続く増税という形での新たな負担増を課すことを避けることも重要な課題であります。われわれがこの法案に賛成の意思表示を行う理由の一つはここにあります。 財政調整法案としてこの法案をとらえたとき、手をつけやすいところ、圧力の少ないところに歳出削減が集中しているきらいがあります。このような傾向に歯どめをかけるため、われわれは、公明党・国民会議、民社党・国民連合とともに、厚生年金の国庫負担金の繰り入れ等の減額補てんの明確化、住宅金融公庫貸付金利の据え置きなど、すでに明らかにしております五項目の要求を取りまとめ、政府に提出いたしました。私たちの要求に対する政府の答弁が、言葉どおり実施されることを重ねて要望いたしておきます。 さて、当面の緊急課題でありながら、今国会において政府が何らの手をつけることなく、われわれの要求にも拒否の姿勢を変えない問題に、税の不公平の拡大があります。 所得税の課税最低限が昭和五十二年改正以降据え置かれ、給与所得者の負担増はきわめて深刻な問題となっております。財政再建期間中は減税はできないという政府の対応は、歳入の確保の優先の前には、税の公平も国民の声も無視するという、何が国政にとって重要かを忘れた発想としか考えられないのであります。(拍手)行政改革が国民の理解と協力のもとで初めて成り立つことを改めて認識し、所得税の課税最低限の引き上げを合め、課税の公平確保のための具体的方策を強く要求いたすものであります。 これと同時に、増税なき財政再建を今後とも貫くため、ゼロシーリングの実施は五十七年度予算編成のみの方策とせず、五十八年度、五十九年度の予算編成に当たっても実施されることが必要と考えます。 また、今後取り上げられるべき許認可事務の整理、補助金等の整理縮減、特殊法人等の見直し、中央省庁の統廃合などの改革に当たっては、反対や抵抗の強い部分を聖域化し、あるいは既得権擁護の圧力に屈することなく、国民全体の立場に立って、毅然とした態度と決意で臨まれることを要望しておきます。 最後に、かねてよりわれわれが主張しているとおり、行政改革に当たっては、国民に痛みを分かち合おうと呼びかける前に、国会の改革、議員特権の見直しなど、みずから姿勢を正す必要があります。みずから血を流すことなくして、国民の納得と合意は得られるはずがありません。これを肝に銘じ、お互いに国民の選良としてふさわしい態度をとることを呼びかけたいと思います。 法案の内容には実が乏しく、行政改革とは名ばかりとの評価も可能ではありますが、財政危機を国民一丸となって乗り切るための第一歩として、あえて賛意を表する次第であります。 「千里の道も一歩から」のたとえのとおり、政府の積極的かつ着実な取り組みを強く要望し、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(福田一君) これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○議長(福田一君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手) ————◇—————
○鹿野道彦君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、第九十四回国会、内閣提出、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全国鉄施設労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(国鉄千葉動力車労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全国電気通信労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(日本電信電話労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全専売労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全逓信労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全日本郵政労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全林野労働組合関係「定員内職員及び常勤作業員(常勤作業員の処遇を受ける常用作業員を含む。)」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全林野労働組合関係「基幹作業職員、常用作業員(常勤作業員の処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(日本林業労働組合関係「定員内職員及び常勤作業員(常勤作業員の処遇を受ける常用作業員を含む。)」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(日本林業労働組合関係「基幹作業職員、常用作業員(常勤作業員の処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全印刷局労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全造幣労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(アルコール専売労働組合関係)、右十八件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(福田一君) 鹿野道彦君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
○議長(福田一君) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)外十七件の公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件、右十八件を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。社会労働委員長山下徳夫君。公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定 に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)外十七件及び各件の報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔山下徳夫君登壇〕
○山下徳夫君 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)外十七件について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本各件は、昭和五十六年五月十六日、公共企業体等労働委員会が関係各労働組合の要求に係る昭和五十六年新賃金に関する紛争について行った裁定が、予算上不可能な資金の支出を内容とする裁定と認められるので、国会の議決を求めようとするものであります。 本各件は、第九十四回国会から継続審査となり、本日藤尾労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、採決の結果、本各件はいずれも全会一致をもって公共企業体等労働委員会の裁定のとおり実施することを承認すべきものと議決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 十八件を一括して採決いたします。 委員長の報告は、十八件とも公共企業体等労働委員会の裁定のとおり実施することを承認すべきものと決したものであります。十八件は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、十八件とも委員長報告のとおり決しました。 ————◇—————
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十三分散会 出席国務大臣 法 務 大 臣 奥野 誠亮君 労 働 大 臣 藤尾 正行君 国 務 大 臣 中曽根康弘君 ————◇—————