法務委員会 第5号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/10/28
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。稲葉誠一君。
○稲葉委員 外国人登録法に関連して質問するわけですが、私どもよくわからないのですが、外国人の登録書ですか、登録証というのか登録書というのか、これは公文書なんですか私文書なんですか、どっちなんですか。
○大鷹政府委員 外国人登録証明書は公文書でございます。
○稲葉委員 そうすると、作成名義はだれになっているの。
○大鷹政府委員 市町村長でございます。
○稲葉委員 そうすると、外国人登録証明書を他一人に譲渡することは法律的には犯罪になるのですか、あるいはどういうふうになるのですか。
○大鷹政府委員 外国人登録証明書は、譲渡できないことになっております。もし譲渡した場合には、譲渡した者も譲渡を受けた者も、外国人登録法によって罰則の適用を受けます。
○稲葉委員 そういう規定はありますか。
○大鷹政府委員 ただいま申し上げました外国人登録法におきます規定は、同法の第十八条第一項の十号でございます。読み上げますと、「行使の目的をもつて、登録証明書を譲り渡し、若しくは貸与し、又は他人名義の登録証明書の譲渡若しくは貸与を受けた者」は「一年以下の懲役若しくは禁錮又は三万円以下の罰金」に処せられることになっております。
○稲葉委員 外国人登録証明書を他人に譲渡した、そうすると、その譲渡した人に対して登録証明書の提示を求めても、事実上提示できないわけですね、もう譲渡しちゃったのだから。だから、それは事実上提示できないから無罪だという判決が大阪の高等裁判所でありますね。これはどういう内容ですか。
○當別當説明員 お答えいたします。 現在の外国人登録証明書の提示という概念でございますが、これは携帯が当然前提になるわけでございます。これは、外国人登録証明書を携帯し得る状況にあるにもかかわらず携帯しなかったということが前提になるわけでございますから、たとえば外国人登録証明書を紛失した場合を例にとりますと、外国人登録法は、その事由を知った日から十四日以内に市区町村長に対して再交付の申請をしろということになっております。そういたしますと、その十四日間は外国人登録証明書を事実上携帯し得る状況ではございませんので、これは携帯あるいは提示義務違反ということに問えないことになるわけでございますが、ただいま先生の御指摘の点は、他人に外国人登録証明書を譲り渡すあるいは貸与するというような場合、そういたしますと、通常の場合、本人は外国人登録証明書は携帯できないことになるものですから、したがって、紛失というような理由で、虚偽の理由で再交付の申請をするというようなことが通常行われるわけでございますが、その間は本人は外国人登録証明書を携帯し得る状況にないことになりますので、そういう点で例の裁判の結果になったというふうに理解しております。
○稲葉委員 いまのは、昭和二十九年の十一月三十日に、大阪の高裁で、「自己の外国人登録証明書を他へ譲渡し、事実上これを携帯することのできない場合においては外国人登録証明書不携帯罪は成立しない。」こういう判例があるわけですね。そうすると、この人は譲渡しちゃったので、この場合に譲渡した人については事実上何か罰則の適用をしたのですか、しないのですか。そこまでは事実関係は調べてないのですか。調べてなければきょうでなくても結構ですけれども、どうですか。
○當別當説明員 そこまでの事実関係は把握しておりませんが、例のただいま先生にお読みいただきました判例で見る限りは、外国人登録法第十八条一項十号の罰則の適用で起訴をするということはしておらないようでございます。
○稲葉委員 私、この判例を見まして、実際はないわけですから提示ができないわけですけれども、これは相当何か行われておるのじゃないかと思うのですが、これはこれとしてちょっと疑問に思ったものですから、それをお聞きしたわけです。 そこで、一番大きな問題として私がお聞きをいたしたいのは、国籍の問題ですね。外国人との関連で国籍が大きな問題になるわけですが、たとえば明治四十三年に日韓併合で日本人になった、そしてそれが戦争に負けて平和条約ですか、そこで日本人でなくなった、こういう人に対して日本の場合は国籍選択ということを与えなかったわけですね、朝鮮人に対して。それはどういう理由でそういうふうに国籍選択の自由を与えなかったのかということを、これはどなたにお聞きしたらいいのか、お聞きしたい、こう思うのです。
○大鷹政府委員 当時の詳しい事情については必ずしもつまびらかにいたしませんけれども、日本は平和条約で朝鮮半島を含むかつての属領に対する領土権を放棄したわけでございます。領土権の放棄は当然その領土に住む人々に対する支配権も放棄することを意味するという考え方から、そういう人たちの国籍も当然移る、こういう立場をとったものと考えております。
○稲葉委員 それは結論中の一番最終の結論なんで、最初の段階はそうじゃないんじゃないですか。戦争に負けた直後では、国籍選択の自由を与えるという方向であったのじゃないですか。これは当時の国会の議事録なんか見てみますと、国籍選択の自由を与えるというようなことを国会の中で言っておりますね。これはちょっとわからないところがありますけれども、たとえば昭和二十年、戦争に負けた直後の十二月五日の衆議院の選挙法改正委員会、これは古い人ですけれども、堀切善次郎さんが内務大臣であって、そして在日朝鮮人の国籍問題についてこういうふうに答弁しているのです。「是マデノ例ニ依リマスレバ、内地ニ在留シテ居りマス朝鮮人二対シマシテハ、日本ノ国籍ヲ選択シ得ルト云フコトニナルノが是マデノ例ノヤウデアリマス、今度モ恐ラクサウ云フコトニナルデハナカラウカト考ヘマス」、こういうふうに言っており、それから昭和二十四年の十二月二十一日の外務委員会においては、政務次官ですが、「大体において本人の希望次第決定されるということになるのではないかという見通しを持っております」、こういうふうに言っているのです。これがどういう理由で国籍選択がされないようになってきたのか、これが朝鮮人の国籍問題については一つの大きな問題なんです。これはどういう経過をずっとたどってきたのですか。
○大鷹政府委員 いま先生が指摘されておられますようなケースにつきましては、国籍の選択を認めるやり方と、それから国籍を自動的に失わせるやり方と、二つあるわけでございます。当初、確かに国籍を選択させる方法が考慮されていたということでございますけれども、最終的には自動的に国籍を失わせるということで措置されたわけでございます。それじゃ、その間どういう事情があったのかということにつきましては、残念ながら、私の方で十分な情報がございません。
○稲葉委員 そんなことはないですよ。よく知っているわけですよ、あなたの方では。調べて知っているはずだ。これはだれに聞いたら一番いいのか、ちょっとよくわからぬけれども、民事局長かな、これをよく知っているのは。どうなの、それは。 これはこういうケースをたどっているのです。最初は国籍選択の自由を認めるという方向だった。そうしたら、その後において、朝鮮人というのはいわゆる破壊主義者だというようなことで、これに選択の自由を与えるととんでもないことになるから、与えないようにしようということになってきて、そして最後に、国籍選択の自由を与えない、そのかわり帰化によってそれを救済しようという方向にだんだんだんだん変わってきたのじゃないですか。その経過をずっと調べてごらんなさい。非常に興味深いあれがあります。これはそういうふうになってきているのじゃないですか、どうですか。
○中島(一)政府委員 私も経過の詳細は存じませんけれども、いずれの国籍を与えるか、あるいは選択を認めるかということは、わが国だけで決められる問題でもございません。相手国のあることでございますので、それぞれの国の立場に立って検討した結果、最終的には現在のような形で措置されることになったものというふうに聞いております。
○稲葉委員 いまの答弁は非常なごまかしを含んでいます。相手国とは一体どこです。
○中島(一)政府委員 朝鮮国籍の人については朝鮮国、それから中国あるいは台湾、主として台湾ということになりましょうけれども、台湾関係については中国ということになろうかと思います。
○稲葉委員 いや、私が聞いているのは、いまあなたのおっしゃったのは、相手国とのいろいろな交渉とかなんとか、そういうことや何かで決まったというふうに私は聞いたのですよ。だからそれは事実と違う。これはアメリカの要請で、アメリカは最初は国籍選択の自由を認めようという動きだったんですよ。ところが、吉田茂さんの答弁なんかいろいろなことがありますが、朝鮮人というのは、言葉は悪いのですがいわゆる破壊主義者だ、破壊活動主義者だというふうなことから、これに国籍選択の自由を認めて日本人になるということになるととんでもないことになるから、それは認められないというのがアメリカの行き方であって、アメリカの占領政策その他に非常に大きな影響があるというので認めないことになって、そして国籍選択の自由を認めない、そのかわり帰化でやっていけ。帰化ならば善良な何とかかんとか条件がいろいろあるでしょう。だからそれでやっていけということになったんじゃないですか。韓国とか朝鮮というのは、韓国は連合国に入っていたのかな、平和条約の当事者じゃないわけでしょう。だから、いまあなたのおっしゃるようなのとは事実が違うのです。 相手方の事情といったって、韓国や朝鮮はそういうことを希望したわけでも何でもないでしょう。そういうことを希望した事実関係はありますか。
○中島(一)政府委員 相手国と直接交渉をして決めたということではございませんで、相手方の意向もいろいろな形で参酌をされたというような趣旨で申し上げたっもりでございます。
○稲葉委員 相手国のいろいろな意向なんかちっともしんしゃくしてないですよ。アメリカの意向でこういうふうに決まったのですよ。これは議事録とかいろいろな回想録を読むと、もっと露骨な言葉で言っているんです、ここで言うのははばかられますから言いませんけれども。 それはそれとして、そこから問題はいろいろな発展をしてくるわけなんですが、それでは、ベルサイユ条約の場合はどうだったんですか。国籍選択の自由を認めたんじゃないですか。それから、ドイツとオーストリアの併合の問題のとき、ドイツが戦争に負けてオーストリアが独立したというか、そのときに国籍はどういうふうにしたのですか。
○大鷹政府委員 国際的にも国籍選択の自由を認めるケースとそうでない場合とがいろいろあるわけでございます。ただいま先生がお触れになりましたベルサイユ条約の場合その他の場合、具体的にどうであるかということについては十分承知しておりません。
○稲葉委員 そこまで私の方でも詳しく通告しなかったのであれですが、当然皆さん方の方でもわかっていると思ったのです。問題はそこから大体発展してくるんですね。 そこでまたわからないのは、いわゆる民事局長通達というのが出ています。これはいつごろどういう理由から出たんですか。その内容については大体普通四項目ですか、四項目がその民事局長通達に出ておるわけでしょう。私は、その民事局長通達が後で最高裁判所の判例の中で何か認められたとかなんとかそういうことは、ストレートに認められたかどうかよくわかりませんが、とにかく認められたことはわかっておりますが、民事局長通達というのはどういう関係でいつ出たのですか。
○中島(一)政府委員 どの点に関する民事局長通達か、お示しいただきたいと思います。
○稲葉委員 それはいままで質問しているのだから、あなたわかっているのじゃないの。朝鮮人の国籍に関連する民事局長通達が出ているでしょう。四項目にわたって出ているはずです。
○中島(一)政府委員 従来日本人として日本の戸籍に載っておりました朝鮮人あるいは台湾人等に対しまして、平和条約の発効に伴って日本国籍を喪失する、したがって、それについての戸籍事務の処理がいろいろと起こってまいりますので、その処理についての民事局長通達が昭和二十七年四月十九日付で出ております。
○稲葉委員 その内容はどういうふうなものですか。
○中島(一)政府委員 近く平和条約の発効に伴って、国籍及び戸籍事務に関して左記のように処理されることになるので遺憾のないようにということで、法務局あるいは地方法務局に対しても管下の市区町村に対して周知方取り計らわれたいという内容になっておりまして、朝鮮と台湾関係、それから樺太と千島関係に分けて戸籍事務の処理が定めてあるわけであります。 まず、その第一といたしましては、「朝鮮及び台湾は、条約の発効の日から日本国の領土から分離することとなるので、これに伴い、朝鮮人及び台湾人は、内地に在住している者を含めてすべて日本の国籍を喪失する。」ということになります。 それで、「もと朝鮮人又は台湾人であった者でも、条約の発効前に内地人との婚姻、縁組等の身分行為により内地の戸籍に入籍すべき事由の生じたものは、内地人であって、条約発効後も何らの手続を要することなく、引き続き日本の国籍を保有する。」 それから、「もと内地人であった者でも、条約の発効前に朝鮮人又は台湾人との婚姻、養子縁組等の身分行為により内地の戸籍から除籍せらるべき事由の生じたものは、朝鮮人又は台湾人であって、条約発効とともに日本の国籍を喪失する。」 それから、「条約発効後は、縁組、婚姻、離縁、離婚等の身分行為によって直ちに内地人が内地戸籍から朝鮮若しくは台湾の戸籍に入り、又は朝鮮人及び台湾人が右の届出によつて直ちに同地の戸籍から内地戸籍に入ることができた従前の取扱は認められないこととなる。」 「条約発効後に、朝鮮人及び台湾人が日本の国籍を取得するには、一般の外国人と同様、もっぱら国籍法の規定による帰化の手続によることを要する。」というようなのがその骨子になっております。
○稲葉委員 いまの帰化の場合に、朝鮮人は国籍法に言う「日本国民であった者」「日本の国籍を失った者」に該当しないという条項がありますか。
○中島(一)政府委員 国籍法のただいまの条文の解釈といたしましては、該当しないというふうに考えております。
○稲葉委員 いや、私が言うのは、いまあなたがお読みになった中で、いまのその点が言われたのかわかりませんが、直接の文章としてなかったものですから、それでお聞きをしているわけですが、帰化の場合、朝鮮人は、台湾人もそうですが、国籍法に言う「日本国民であった者」「日本の国籍を失った者」に該当しないというのが通達の中に入っているのですか。入っていないのですか。
○中島(一)政府委員 入っております。
○稲葉委員 入っておるなら、それを読んでくれればいいのに。あなたの方では何かちょっと法律を説明したから、いま私の言ったことはあなたの答弁の中に入っておるというふうにあなたは理解して答弁されたわけですか、あるいは意識的にそれを外されたわけですか、あるいは無意識的に外されたのか、どっちなんですか。
○中島(一)政府委員 通達の全文を読むのもどうかと思いまして、重要な部分だけ読んだわけでございます。
○稲葉委員 そうすると、まずそこで問題になってまいりますのは、この民事局長通達というものは、どうして民事局長通達という形で出たのです。法律によらなかったのはどういう理由なんですか。法律による必要はなかったんですか。国籍の得喪変更というのは、仮に条約であったとしても、法律によってどこでも決めるのが筋ではないのですか。そこはどういうふうになっているのですか。
○中島(一)政府委員 この通達によって決めましたといいましょうか、はっきりさせましたものは、戸籍事務の処理についてということであったと理解しております。
○稲葉委員 だから、それはわかりますが、そうすると、国籍を離脱したということは、条約だけで決められたのですか、法律は何らそこでは関係しなかったのですか。
○中島(一)政府委員 条約の解釈としてそういう結論になったというふうに理解しております。
○稲葉委員 それは国籍法の、そういうふうにいままで日本人であった者が日本人でなくなるという場合に、それは条約はあります、条約はあるけれども、ほかではちゃんと法律なら法律をつくって、そして国籍の離脱に関連して日本人でなくなったときにはこういうふうに取り扱うんだということは、法律でやっているんじゃないんですか。私もよくわからないのですが、そこはどういうふうになっているのですか。そういうような国籍事務の取り扱いだけの問題ではないんだ、基本的な問題もこれに含まれているのを、一片の民事局長通達でやるというのはおかしいじゃないかという議論があるから、それで私は聞くのですけれども、これはどうなんでしょうか。
○中島(一)政府委員 平和条約の解釈によって国籍の得喪というものが決まってまいりましたので、その後の戸籍上の処理を民事局長通達で決めた。その当否については別の御意見もあろうかと思いますけれども、民事局としてはこの取り扱いが妥当であるということでやったものと理解しております。
○稲葉委員 普通は、よく国籍の異動というのは、国内立法によって規制される場合と条約による場合と二つがありますね。日本の場合には、在日朝鮮人の国籍に関する立法というものはなかったわけですね。それで、平和条約から直ちに民事局長通達というふうに移ってきたということについては、当然そこで国籍法の改正というか何というか、在日朝鮮人なり台湾人の国籍に関する立法というものを必要としたんじゃないかという意見も私はあると思うのですが、私も実はよくわからないのですが、ということは、平和条約といったって、そのときに韓国は、連合国の中へ最後に入ったわけでしょう。どうなんです。戦争のとき、最後に連合国に入ったんじゃなかったですか。どうでしたかな。
○大鷹政府委員 私が承知しています限りでは、韓国は最終段階でも連合国の中に入ってないと思います。
○稲葉委員 だからその当時、韓国というのは日本から独立したというか何というか、そういうふうに考えれば、連合国の中に入っているというのは私もおかしいと思うのですが、いずれにしても平和条約では当事者でなかったということは間違いないですね。これはあたりまえの話というか、当事者でなかったということは間違いない。当事者でないのに、その人たちの国籍を日本とほかの国とが勝手に決めてしまうということは一体許されるのですか。利害関係が一番あるのは韓国なり朝鮮でしょう。そういう意見も何も聞かない。そうしてそれが参加も何もしないでぱっと決めちゃった、こういうことじゃないですか。だから、かつて日本の国籍にあった者が離脱するということについて、韓国なり朝鮮なりの意見を聞いたというふうなことは、前に意向を参酌したというか、意見を聞いたようなことをちょっといま言われましたけれども、そんなことはないのじゃないですか。それはどういうのですか。
○大鷹政府委員 現在の大韓民国は昭和二十三年に成立したわけでございますけれども、二十七年の平和条約の当事者にはなっておりません。そこで、二十七年の平和条約で在日朝鮮半島出身者の国籍問題が決まったわけでございますけれども、それまでに大韓民国と日本政府との間で話し合いが行われたかどうかについては、いまのところ、私はそういう事実があったということは承知しておりません。
○稲葉委員 そこで、いま読まれた中の最後のところというか、帰化の場合、朝鮮人は国籍法に言う「日本国民であった者」「日本の国籍を失った者」に該当しないというのは、どうしてこういうことが入ったのですか。どうしてこういうことをわざわざ民事局長の通達に入れたのですか。だって、普通の場合に、日本国籍があった者に入るのじゃないですか。ただ、帰化のときにその条件に入るか入らないか、いろいろ議論があると思いますけれども、とにかく「日本国民であった者」「日本の国籍を失った者」じゃないですか、朝鮮人も。だから、帰化の場合には当然それはしんしゃくされてしかるべきじゃないかと思いますが、なぜそういうふうなことがこの通達の中に特に入っているのですか。
○中島(一)政府委員 確かに、かつて何らかの意味において日本国籍を有して、現在それを有していないという意味では日本国籍を失った者ということが言えるかと思いますけれども、通達に言うところの「日本国民であった者」というのは、国籍法の六条の四号に「日本の国籍を失った者で日本に住所を有するもの」というのがありまして、この者につきましては、国籍法四条の一号、二号、四号の条件を備えないときでも帰化を許可することができるということで、許可についての簡易帰化と申しますか、特別の要件を定めておるわけでございまして、通達に言うところの「日本の国籍を失った者」というのは、この六条四号の「日本の国籍を失った者」を指しておりまして、これには当たらないということを言っておるわけでございます。
○稲葉委員 前に私が質問しましたように、戦後の最初の国会では、国籍選択の自由を認めるような答弁をしているのですよ、政府は、内務大臣ですが。それがだんだん変わってきちゃったというのは、これはアメリカの意向がそこに左右した、これは明らかなんです。そしてそれは、台湾人に対してというか、朝鮮人に対して、いわゆる危険思想の持ち主だとか危険行動の持ち主だというような理解の前提のもとにそれをやって、そしていい者については同化政策で帰化させろ、素行善良な者については帰化させろ、こういう形に結果としてなってきた。ですから、どうもそこのところがよくわからないのです。どういう意向が働いてそういうことになったのか。 これは五課長が来ているからよくわかるでしょうが、ドイツとオーストリアの場合、これは分離するときというか、オーストリアが独立するときに、一種の国籍選択というものが認められたのじゃないですか。それはどうなんですか。
○中島(一)政府委員 先ほど入管局長からもお答え申し上げましたように、国籍選択を認めたという例はかなり多いようでありまして、ヨーロッパなどにはその例が多いというふうに聞いております。
○稲葉委員 だから、ベルサイユ条約にしろ、いまのドイツとオーストリアの場合でも、国籍選択の自由を認めたんです。ところが、日本と韓国との関係については国籍選択の自由を認めなかったというのは、合理的な理由がどうもよくわからないのですよ。いままでの説明を聞いてみてもよくわからない。ヨーロッパじゃ認めた例があるけれども、日本じゃ認めなかった。どういう合理的な理由が認めないことにあったのですか。同じ質問の蒸し返しになって恐縮なんですけれども、よくわからない。結論的に聞かせていただいて別の問題に移りますが、どいうことなんですか。ひとつまとめて答弁してくれませんか。
○中島(一)政府委員 私どもの立場としては、国籍の問題が平和条約によって解決がついて、その後始末の戸籍の取り扱いをどうするかということについて通達を出したという立場でございまして、それまでの部分につきましては資料もございませんので、詳細承知いたしておりません。
○稲葉委員 平和条約の中で領土を失う。領土を失ったって、国籍まで失うということとは必ずしも一致するものではないというふうにも理解できるのですがね。いずれにいたしましてもよくわからないのです。ベルサイユ条約なりドイツとオーストリアの場合と、日本と朝鮮の場合とどうしてそう違ってきたのですか。どうもよくわからぬ。これはいろいろな面で尾を引く問題なんですね。どうもそこら辺のところが私には理解できないのですが、ここであれしていてもなんですから、別の質問に移りましょうかね。 外国人登録証というのはいつごろできたのですか。
○大鷹政府委員 最初にできましたのは昭和二十二年の五月でございます。
○稲葉委員 そうすると、戦争中は外国人登録というのはなかったのですか。
○大鷹政府委員 戦前には、現在のような外国人登録証あるいは証明書に当たるものはございませんでした。
○稲葉委員 戦前にはいまの外国人登録証に当たるものはなかった、戦後においてそれが必要になってきたというのは、それはどういう理由からですか。
○大鷹政府委員 戦前の在留外国人の管理というものは非常に手ぬるいものであった、実際上、人によっては有効な法律さえもなかったと言うような、そういう時代でございました。それで、戦後になりましてから、外国人に対する公正な管理というものを考えなくちゃいかぬということになって、出入国管理令あるいは外国人登録法、最初は登録令でございましたけれども、そういう形でこういう国の事務が始まった、こういうふうに承知しております。
○稲葉委員 それは、よくわからぬけれども、戦争前は外国人といっても余り日本にはいなかった。戦後になって朝鮮人なり何なりができてきたということから、結局いまあなたが言ったように——いみじくも言ったけれども、戦前は手ぬるかったと言っていましたね。それは、裏を返すと戦後は手厳しくなったということでしょう。そうじゃないの。公正な管理——公正かどうかは別として、管理でしょう。だから戦前は手ぬるかったと言うのでしょう。戦後は手厳しくなったということだな、常識的な理解は。それは朝鮮人というものができてきたからじゃないのですか。だから外国人登録令というものが必要になり、外国人登録法というものが必要になってきた、こういうことじゃないですか、実際の話は。そういう外国人がいっぱいふえてきたから、そこでその管理が必要だということで、手厳しくやらなければいけないということで外国人登録令が生まれ、法が生まれてきた、それが普通の理解じゃないですか。
○大鷹政府委員 私は、そういう意味で申し上げたのではございません。 戦前は、日本の外国との交流がございましたけれども、そう頻繁なものではなかった。したがって、日本にいる外国人の管理につきましては、事実上野放し状態であった。何か寄留法とかそういう法律はあったようでございますけれども、内務省令と寄留法だけということで、先ほど手ぬるいと申しましたけれども、中身は非常に緩やかなものであった。ところが、戦後になりましてから、アメリカ人との接触を初めとして、海外との交流がだんだんふえてきておりまして、どんどんふえるという形勢になったわけでございます。そこで、やはり外国人をどういうふうに扱うかということをまじめに考えなくちゃいかぬということになったわけでございまして、別に、朝鮮半島出身者の存在あるいは台湾出身者の存在によって在留管理というものを考えるようになった、それが動機になったということはないと思います。
○稲葉委員 戦後はアメリカとの間で交流が盛んになってきた、これはあたりまえの話だ。しかし、アメリカ人が日本に入ってくるときは、日本のビザが必要なのでしょう。日本とアメリカとこんなに交流が盛んなのに、なおかつ日本人がアメリカへ入るのについてビザを必要としているのでしょう、向こうからもビザを必要としているかもわかりませんけれどもね。だから、ビザは必要なのだから、ビザで幾らでもチェックできるので、実際は、日本人であったものが分かれた朝鮮人なり何なりに対して管理をするために、公正かどうかは別として、公正でも何でもいいが、管理するために外国人登録令というものができたのじゃないですか。常識的にそうだ。 最初はどこが扱っていたのですか。最初から法務省じゃなかったでしょう。
○大鷹政府委員 戦後になりまして、日本も開かれた国、外国に対して開放された国ということになってきまして、外国人に対する出入国管理令だとかいろいろそういう法律措置がとられたわけでございます。ところが、その後、非常に不法入国者がふえてきて、それに戦後の数年間非常にてこずつた、そういう歴史がございます。たまたま、その不法入国者の大部分は朝鮮半島から来た人たちであったわけでございますけれども、こういうこともございまして、外国人登録令というものをまず定めて、さらにそれを外国人登録法に発展させたわけでございます。 外国人登録令の時代には、外国人出入国管理それから外国人登録事務一体として、これは法務省ではなくて、外務省が所管いたしておりました。
○稲葉委員 最初は入管も外務省の所管だったわけですね。ところが、独立と同時にそれは法務省の所管になった、こういうわけでしょう。いま言ったように、最初の令の場合には入管令と外国人登録とが一本になっているような形になってできていましたね。それが法になって、ずっと分離してくる形です。日本の場合の外国人登録の大半は、公正な管理と言われるわけですが、在日朝鮮人に対する管理であるということは、事実問題として、全体の人数の中で八割から九割が朝鮮人でしょう。だから、それはそういうことは言えるわけでしょう。数からいって、それは対象が在日朝鮮人が中心であるということは言えるのではないですか。
○大鷹政府委員 今日外国人として登録されております総人数が七十八万名でございますか、そのうち朝鮮半島出身者が六十六万人くらいということで、八割以上の人が事実上朝鮮半島出身者で占められているということは事実でございます。
○稲葉委員 それは常識的に、それが一番多いんだからそこに向けられておるということはあたりまえな話で、それから、いままで私がお話ししたように、最初は国籍選択の自由を認めるような方向でいたものが、それが認めない方向になったということは、それは中間でいろんな議事録や資料がありますが、朝鮮人が一つの破壊活動というかな、そういうふうなことを戦後非常にやったというか、そういう行動を起こすおそれがあるから、それに国籍選択の自由を与えるということはまずいというところから出発しているということは資料によって明らかなことだ、こういうふうに思うのです。 そこで質問に入るのは、この外国人登録法の登録証かな、これは最初の段階で一いろいろな条件がありますわね。ぼくが言うのは、たとえば職業の問題、それから勤務先の問題、これは最初の令のときは入っていましたか。
○大鷹政府委員 最初のころは入っておりませんでした。
○稲葉委員 入ってなかったですね。それはどうして入ってなかったのです。
○大鷹政府委員 なぜ当初入ってなかったかというよりは、なぜその後でこれを加えたかということについてお答えすることにしたいと思いますが、最初はそういう必要を感じてなかったということだろうと思います。その後いろいろ情勢の変化があって、そういうものを加えなければならない、そういう判断に達した、こういうことだろうと思います。
○稲葉委員 職業の問題、これは最初外国人登録法が出たときですかね、許認可事務の一環として外国人登録法が一緒になって出たことがありましたね。これが内閣委員会に出て、結局それはおかしいというので、そのときは廃案になったんですかな。それで外したと思いますがね。そのときの許認可の、行政監理委員会だと思いましたが、行政監理委員会で答申を出しているわけですね。その答申の中には、外国人登録証に職業や勤務先を入れろということは入っていないですね。
○大鷹政府委員 当時の行政監理委員会の勧告では、職業、勤務先、こういうものの申請期間の緩和、つまり十四日以内に申請しなくちゃいけないことになっていますけれども、これをもう少し緩和したらどうかという、そういう趣旨のことが入っておりました。
○稲葉委員 いや、緩和じゃなくて、答申があったころは、職業なりそれから勤務先というものは書いてなかったのじゃないですか。私の記憶ではそういうふうに記憶していますがね。行政監理委員会の答申の中には入っていないはずですよ。
○大鷹政府委員 職業それから勤務先、こういうことが登録事項として含まれるようになったのは、昭和二十七年でございます。
○稲葉委員 そうすると、二十七年に最初に外国人登録法ができたときから、職業なり勤務先というものが入っていたのですか。そういうことですか。それはおかしいな。では、行政監理委員会の答申がありますね。その答申はそれをどうしろというんですか。
○大鷹政府委員 外国人登録法が実施されました当初から、職業とそれから勤務先は登録事項として入っていたわけでございます。そこで、昭和四十九年の行政監理委員会の勧告は、これの登録は登録法では十四日以内にしなくちゃいけないことになっております、変更その他ですね。これをもう少し緩和したらどうか。たとえばそういうものが変わっても、次の切りかえの申請のときあるいは再交付、それから引きかえ交付ですか、こういう機会にやればいいじゃないか、こういう勧告が入っていたと思います。
○稲葉委員 その勧告は、法務省は外国人登録法の改正の中で受け入れたんですか、受け入れなかったんですか、行政監理委員会の勧告は。
○大鷹政府委員 せっかくの行政監理委員会の勧告でございますので、法務省といたしましてはこれを慎重に検討いたしました。しかしその結果、やはりそれは実際的ではないということで、それを私どもの外国人登録法の一部改正法律案には含めませんでした。
○稲葉委員 その含めなかったというのは、これは法務省の意向というよりも、むしろ取り締まりのための警察側から、どうしてもこれはそのままの状態で残してくれということの要望があって、そしていまの行政監理委員会の答申というものは取り入れなかった、これが本当ではありませんか。私はそういうふうに当時の人から聞いていますよ。それは本当でしょう。
○大鷹政府委員 改正法案を考えますときには、当然私どもは関係諸省庁と相談いたします。その段階で、もちろん外国人登録法に関係のあるいろんな、警察を含めてそういう省庁と協議いたしました。そういう省庁の御意見がどうであったか、いろいろこういう改正をすることについての当否について意見があったと思います。しかし、これを改正法案に盛り込まないということにいたしましたのは、最終的にはこれは法務省の意思でございます。
○稲葉委員 それは法務省の提案だから、あなた、最終的に法務省の意思だということはあたりまえな話ですよね。その間のプロセスの中で、行政監理委員会ではこれを緩和してくれ、切りかえのときでいいじゃないかというふうな話があったのに、それでは困るといって強硬に反対したのは、警察側が強硬に反対したというのは、もう紛れもない事実なんじゃないですか。それを言うと、あなたの方で何かぐあいが悪いようなことでもあるのですか。ぐあい悪くないでしょう、別に。取り締まりのために絶対これは困るということを警察側が強く言ったんじゃないですか、そういうことを。各省庁と協議した中に警察が入っているということはあなたも認めた。それから、最終的にそれは法務省が決めたんだということも認めた。その間の中間のことはあなたは省いた。それはなかなか言うわけにいかないから省いたというんだけれども、それはそういう意向が強く働いた、こういうふうに考えられるのが筋ではありませんか。
○大鷹政府委員 警察を含めましてほかの省庁はどういう御意見であったかという前に、法務省自身、この問題につきましては非常に疑問を持っていたわけでございます。果たして行政監理委員会の勧告をそのまま実施することがこの際妥当であるかどうかということにつきましては、法務省自身も必ずしも納得いかない面がございました。そこでほかの省庁とも御相談したわけでございますけれども、一、二、それに対して非常な懸念を表明される省庁があったことも事実でございます。しかし、法務省といたしましても、その点はよくわかりますし、私どももそれに同じ意見でございますので、あえて改正案の中にはこの勧告の御趣旨は盛り込まなかったということでございます。
○稲葉委員 そうすると、当時の行政監理委員会は、なぜその職業の問題あるいは勤務先の問題について緩和して、切りかえの時期でいいという意見を出したのでしょうか。
○大鷹政府委員 行政監理委員会としては、許認可事務をできるだけ簡素化したい、合理化したいという非常に強い要請がございまして、これに沿ってそういう御意見をお出しになったんだろうと思います。ただ、その御意見につきましては、いま申し上げたように、私どもとしては、簡素化、合理化だけが問題ではないんで、やはり私どもから見ますと、在留外国人の公正な管理ということからこれが実現できない、実現すべきではない、されるべきではないと考えまして、この勧告には従えなかった、こういうわけでございます。
○稲葉委員 大体、他の省庁とかいう話の中に警察も入っていることは、あなたが言われたのでよくわかります。 そこで私がお聞きしたいのは、しかし職業を変えるということは、外国人に対しては職業選択の自由というものは憲法上認められてないのですか、認められているのですか、どっちなんです。
○大鷹政府委員 わが国におります外国人の職業選択の自由は認められていると考えております。
○稲葉委員 特別な例外は別です。いろいろな例外はなきにしもあらずだけれども、そうでない限りは職業選択の自由が憲法上認められているでしょう。それならば、何も外国人登録証に職業を書く必要はないんじゃないですか。これは論理の飛躍ですか。
○大鷹政府委員 もちろん、先生がいま御指摘になりましたように、職業選択の自由というのは原則でございまして、たとえば外務公務員にはなれないとか、そういう若干例外的な規則はございます。ところで、職業を変えた場合にこれを変更登録しなくちゃいかぬというのはその自由を奪うものではないか、それに介入するものではないか、こういう御意見でございますけれども、職業選択の自由のみならず、居住、移転の自由についても同じようなことが言えると思います。私どもといたしましては、そういう登録の義務を負わせることは職業を自由に選ぶ権利そのものを制限するわけではない、また居住、移転の自由の権利を直接制限するものでもない、したがって、そういう認められている自由と私どもの登録のあれとは相両立するものと考えておるわけでございます。
○稲葉委員 そうすると、職業を外国人登録証に書いて、具体的にそれはその後の公正な管理に一体どういう影響を与えているわけですか。
○大鷹政府委員 職業とかそういうものは、登録証明書に加えることによって、登録証明書の提示を求めたときに即座にその場でその外国人の職業が何であり、また勤務先がどこであるかということが把握できます。そういうことが可能でないと外国人の動静の把握と申しますか、私どもとしては必要なそういうことができないというふうに考えておるわけでございます。
○稲葉委員 だから、外国人がどこへ勤めているか勤務先は別として、どういう職業についているかということがわからないと公正な管理ができないというのはどういうことですか。よくわかりませんね。どこのどういう職業についたっていいじゃないですか、そんなことは。憲法に認められているんだもの、どういう職業についたって、そんなことは自由じゃないですか。それを一々確かめなければならぬ理由は一体どこにあるのですか。
○大鷹政府委員 外国人登録証明書というものは、その外国人の身分関係、居住関係を明らかにするものでございます。ところで、この職業というのはそのうち身分関係の一環でございまして、これがわかりませんと身分関係全体が明らかにならない、こういうふうに考えております。
○稲葉委員 そんなことないですよ。職業が何であろうと、職業と身分とは全然別個の概念じゃないですか。そんなことはおかしいですよ。職業が変わったということで、それを届けてないということで外国人を逮捕したり何かした例は相当あるんじゃないですか。だから、憲法で認められている職業選択の自由があるならば、それを超える合理的な理由が、この職業ということを書いてそして職業が変わったということを届けなかったとかなんとかということで逮捕したり何かすることについてのより大きな合理的な理由がなければならないですよ。そんなものないじゃないですか。おかしいですよ、これは。勤務先だってそうじゃないですか。それは居住、移転の自由があるんですもの。憲法で決まっているんだから。どこへ行こうと日本の国内にいるんなら自由であって、一々勤務先まで——住所が変わればこれは別ですよ。住所が変わればあるいは届けなければならぬかもわからない、市町村が変わるんだから。ところが、なぜ勤務先まで書かなければならないんですか。そんなことは必要ないはずですよ。もう取り締まりのための必要性からこの二つができているということははっきりしているんじゃないですか。
○大鷹政府委員 外国人登録証明書の中に職業をはっきり示さなければいかぬということが職業選択の自由を制限するものではないということは、先ほどから申し上げているところでございます。 ところで、職業それから勤務先でも同様でございますけれども、これはその人間にとって、普通の人間にとりましては、昼間の大部分の時間を過ごす場所でもあるわけでございます。私どもといたしましては、登録証は即座に外国人の身分関係、居住関係を明らかにするということを目的にいたしておりますので、その意味でどうしても職業あるいは勤務先というものがすぐにはっきりわかるようになっていないと困る、こういうふうに考えております。
○稲葉委員 いや、どうして困るんだかよくわからないのですよ。それが公正な管理と一体どういう関係になるのか。特に憲法との関係で認められているものが、公正な管理のためにそういうものが必要だということの理由が私にはわからないです。警察の方でどうしてもこれは外さないでくれ、これがないととにかく外国人登録で逮捕や何かができないからということで、それであれしているんじゃないですか。そんなことはもうはっきりしていることですよ。まあそれはそれでいいですがね。いいですがというのもおかしいけれども、私、納得しませんけれども……。 これはどこの国でもみんなそうですか。よくわからぬけれども、外国の外国人登録もみんな職業と勤務先が入っているのですか。外国の方はどうなっているんですか。どこでも全部そうなのですか。入っているところも多いですね。入っていないところもあるし、入っているところが多いということと、そのことがどういうふうに運用されているかということはまた別個の問題ですよ。日本のように運用されているところはないんじゃないですか。
○大鷹政府委員 外国でも登録証というものを制定しているところはたくさんございます。ただ、そういう国々で何を登録事項にしているかという具体的な調査はまだしておりません。 ところで、この職業それから勤務先でございますけれども、私どもといたしましては、たとえば不法入国者の取り締まり、これは私ども非常に頭の痛い仕事でございますけれども、たとえばその疑いのある人を見たとしても、その人が昼間どういう職業についてどういうところに勤務しているのかということがすぐにわかるかわからないかによって、ずいぶん職務の執行が容易になるわけでございます。したがいまして、職業、勤務先、こういうものはその人の全体を把握するためにやはり必要なものじゃないかと考えます。
○稲葉委員 いまのお答えは私は納得しません。まあ、ここで押し問答しても始まりませんが、いまあなたのおっしゃったところから明らかなように、それは取り締まりの便宜のためですよね。密入国を発見しなければならぬということはわかりますよ。しかし、それはそれで別な方法を幾らでも考えればいいんで、何も外国人登録法と絡ませてそこでやらなければならぬ理由はないんじゃないかというふうに私は考えるわけですが、現実に入管令と外国人登録法との関係、絡み合いというのはなかなかむずかしいというか、わかりにくい点が確かにあるとは思いますが、ここであなたと押し問答しても始まりませんからこの程度にしておきますけれども……。 実は私のあれですが、外国へ行きましたときに、ことしぼくはフィンランドに行ったのですが、フィンランドに行きましたら、日本人のぼくの友人がいますが、そこでフィンランド人の奥さんと結婚しているわけですね。スペインに行ったら、マドリードでもそうですね。ぼくの友人ですが、スペイン人と結婚しておられますし、それから日本の場合でも外国人と結婚している女の方もずいぶんいるわけですね。国際結婚がいま非常に盛んになってきておるわけです。 そこで、そういう国際結婚の場合とそれから入管令なりあるいは外国人登録法との関係でお聞きをしたいのですが、この日本人と結婚をする外国人の配偶者の在留資格というふうなものについてはどういうふうになっているのですか。
○大鷹政府委員 日本人の配偶者あるいはそういう子供、これにつきましては、出入国管理令の第四条では特別に独立した資格として定められておりません。現在この資格につきましては、出入国管理令、来年からこれは出入国管理及び難民認定法になるわけでございますけれども、その法律の中には入りませんけれども、省令で何らかの措置をしたいと考えております。
○稲葉委員 省令でしたいということは、率直に言うと三年以上の在留期間にしたいというふうな非常に安定した地位を与えるようにしたい、こういう意味と受け取っていいですか。三年かどうかは別として、一応三年としておきましょう。
○大鷹政府委員 出入国管理令の第四条一項十六、これを受けまして、その一号として、省令の中で日本人の配偶者あるいはその子供、そういう、資格を設けたいと考えております。こういう人たちにつきましては、三年以下の在留を認める、具体的には、三年の場合もありましょうし、あるいは一年、あるいは場合によっては百八十日というケースもあろうかと思います。これは結婚の実態を見きわめる必要があると判断された場合で、たまに擬装婚というケースもございますので、慎重に処置しなければいけない場合もあるわけでございます。
○稲葉委員 そうすると、擬装結婚でない場合には、日本人の配偶者というものは地位が安定していないと非常に困るわけですね。これはあたりまえの話です。だから、そういう場合には、いまの省令で決めるとすれば、三年以上、以下でなくて三年以上、そういうふうな形にするということも当然考えられてくるわけですか。それは四条では三年以上ということはできないということになるのですか。どういうことになるのですか。
○大鷹政府委員 現在、省令では三年以下というふうに考えております。ただ、こういう日本人の配偶者の方々は、やはり先生おっしゃいましたように在留資格の安定ということを非常に望んでおられると思います。そこで、先般の出入国管理令の改正におきまして、日本人の配偶者あるいはその子供につきましては、永住要件を大幅に緩和するという措置をとっております。一月一日に施行、実施が予定されております新しい出入国管理及び難民認定法におきましては、第二十二条の二ということで、こういう方々につきましては二つの要件を取っ払うという措置をとります。したがいまして、今度の省令で三年以内の在留期間が認められるわけでございますけれども、その後、希望される方は容易に永住につなげることができる、こういうことになるわけでございます。
○稲葉委員 いまあなたがおっしゃったことを、十月末の官報に載せるということですか。そういう意味のことですか。それとはまた別のことですか。
○大鷹政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたのは、いま私が触れました省令の告示のことだと思います。
○稲葉委員 だから、省令の告示はいつごろするという意味なのですか。
○大鷹政府委員 十月末に予定しております省令の告示は、法務省の組織令に関するものでございます。 それから、いま問題になっております日本人配偶者及びその子供に関する在留資格を含めた省令、これは出入国管理令の施行規則ということでございますが、これの告示は来月に入ってからという見込みでございます。
○稲葉委員 いまあなたの言われた十月末に予定しているという——もう十月末だな。組織令に関するということはそれは何を言っているわけですか。十六号の一の問題ですか。
○大鷹政府委員 それはその問題に全然関係ございません。今度法務省が難民認定の仕事をやるに際しまして、法務省の中の組織を若干改編する必要がある、その問題に関するものでございます。
○稲葉委員 いまのは日本人配偶者の問題ですが、逆に外国人が父親で母親が日本人、こういう場合がいま相当ふえてきておるわけですね。そこで一つの問題は、母親は日本人なんですけれども、外国人登録証の母親の欄に日本人であるけれどもその名前を書くということ、それは法律的にはなかなかむずかしいかもわかりませんよ、便宜の措置として書くということによって、母親はだれかということが、そこで子供とのつなぎがわかるわけですね。そうすると、学校へ入るときゃ何かのときに非常に便利のようなんですね。それがないと母親と子供とのつなぎ方がよくわからないで、学校や何かへ入るときに非常に複雑な手続を要するらしいのですね。この点についてはまずどういうふうにお考えですか。 ということは、現在のような状態、現在の外国人登録証にそういう場合に母親の名前が入らないわけでしょう、日本人だから。そういう場合に、子供が学校へ入るとかその他のことで不便を感じているということについては、複雑な手続が必要だということについては、あなたの方ではどの程度理解されているわけですか。
○大鷹政府委員 最近、外国人と結婚しておられる日本人の母親の方々が、いま先生がおっしゃいましたような要望を持っているということを知りました。いろいろな事情があるようでございますが、私どもとしては、ある外国人の子供の母親が日本人、こういう人であるということを登録証明書の中に加えることができるかどうかについてはやや疑問を持っております。と申しますのは、登録証明書というのはすでに二十項目の登録事項があるわけでございますけれども、これにさらにもう一つ加えるということは、やはりそれだけ非常に大きな事務の負担があるのだろうと思います。また、登録証明書自身もだんだん小型化してほしいという強い要請があるわけでございまして、果たしてそういうことができるかどうか、私どもも一応そういう御要望があることは承知しておりますので、検討はしております。
○稲葉委員 事務が繁忙化するといったって、そんなにたくさん、一万人も二万人もいるわけじゃないでしょう。あなた、どのくらいの人数がいるというふうに考えているのですか。そんなにたくさんいるわけじゃないし、普通の外国人登録証明書は父親と母親の欄があるのでしょう。それはないのですか。ないのなら話はわかるよ。あることはあるでしょう。外国人登録証というのは、その子供なら子供の外国人登録じゃないですか。子供の登録証であって、そこへただ、普通の場合、父親、母親が上へ書いてあるでしょう。書いてないですか。どうなっているの、いまのは。
○大鷹政府委員 現行制度のもとでは、父親、母親という項目はございません。ありますのは、世帯主という項目でございます。
○稲葉委員 そうすると、世帯主は書くという。世帯主というのは法律用語ですか。どうなんです、それは。どこにそんな法律用語が書いてあるの。住民基本台帳法にあるのかな、世帯主という言葉が。
○大鷹政府委員 登録事項は登録法の中に規定されておるわけでございますけれども、その中に世帯主、それから世帯主との続柄、こういうことが入っております。
○稲葉委員 だから、世帯主というのはちょっとよくわからぬけれども、日本の法律の中で世帯という言葉を使っている法律は、住民基本台帳法にあるのかな。それはどうでしたか。
○大鷹政府委員 住民基本台帳法、この中にも世帯主という言葉は使われております。これは戸籍の筆頭者という意味のようでございます。
○稲葉委員 余り話がよけいなところに行っちゃうとまずいから、もとへ戻しますが、第一、戸籍というのもおかしいのだよね、だって、日本には戸というのはないわけなんだから。家が解体しているので、戸というのはないわけなんだ。一体戸というのは何かということになってくるのだ。そんなことはきょういいけれども……。 それはそれとして、母親の名前をそこへ書くといったって、ただちょっと書き加えるだけじゃないですか。括弧して書き加えてもいいのでしょう、別に。それは子供の外国人登録だから、そこへ日本人の名前が出たって、別に悪いことはないのじゃないですか。父親や母親がだれかということをその外国人登録証で——それは外国人でなければならぬ、父親も母親も外国人である場合に初めてそれも含めて外国人登録全体が一つのものになっているのなら話は別だけれども、子供の外国人登録ですから、父親が世帯主が普通でしょう、そこへ母親をちょっと括弧して書き加えたって、別にどうということないのじゃないですか。手数が、事務が渋滞するなんて、そんなに一万人も二万人もいるわけじゃないでしょうが。そんなへ理屈言ったってだめよ。それじゃ、何人ぐらいいるというふうにあなたの方は判断しているの。事務が渋滞するって、何人ぐらいいるというの、十万人ぐらいいるの、そんなことはないですよ。 だから、法律的に書けないことはないのじゃないですか。子供が外国人である場合の外国人登録ですからね。子供の登録なんだから、父親がだれで世帯主がだれであり、括弧して——括弧してもいい、母親がだれであるということを書いたっていいのじゃないですか。それがないと、日本人の母親とその子供との続き柄をどうやって今度は証明するのですか。戸籍謄本にだって出てないかもわからぬよ。どうやって証明するの。学校へ入学するときとかなんとかいろいろなとき、母親がだれだということが必要になってくるのじゃないですか。どうやって証明するのですか、いまは。
○大鷹政府委員 そういう方々の親子関係は、出生届の中で確認する以外にはないと思います。
○稲葉委員 出生届をどうするのです。出生届の写しを、証明書か何かを区役所かどこかへ行ってもらうとかということですか。それは手数料もかかるし、そんなことよりも、あなた、外国人登録証に書いてあれば、それを持っていって見せればいいのだから、そうこだわる必要はないのじゃないですか。あなたが言うように事務が渋滞するというのはおかしいよね。一万人も十万人もいれば、それは事務は渋滞するかもわからぬけれども、どのくらいいるのかぼくにはわからぬが、事務が渋滞するなんて、そんなばかな話はありませんよ。民事局長、何か答えがあるのですか。
○中島(一)政府委員 ただいま出生届についての御質問がございましたので、私どもの方の守備範囲かと思って手を挙げたわけでございますが、戸籍法の四十八条によりますと、出生届書は届け出をした市区町村で保存されておりまして、「利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。」ということになっております。
○稲葉委員 それはわかっておりますけれども、手数料を取られるのでしょう。それは手数料を幾ら取られるの。
○中島(一)政府委員 市区町村では手数料を取るようでありますが、副本が法務局に送られておりまして、法務局に保存されておりますから、そこで証明書を請求していただけば無料でございます。
○稲葉委員 そこで、いまのお話ですけれども、出生届というのは日本で生まれた子供だけでしょう。外国で生まれた子供はどうするのです。どこへ出生届を出すの。どうなっているんだ。日本へ出せるのですか。
○中島(一)政府委員 日本の市区町村に出生届を出しますのは、日本で生まれた子供だけでございます。
○稲葉委員 だから、外国で生まれた子供のときはどうするのですかというのです。証明書をどうするのかというんだ。大変な手数がかかるでしょうが。そうでしょう。だから、外国人登録証にちょっと母親を——そのまま書かなくてもいいと思うんだ。ぼくは括弧してもいいと思うんだ。括弧するのもおかしいかな。正式な夫婦なんだから括弧するのはおかしいな。日本人だって構わないじゃないですか、外国人登録証に載っている人が全部外国人でなければならぬということはないのですから。その子供の外国人登録証だから子供は外国人でなければならぬけれども、母親が日本人であったって、書いたって何の不思議もないじゃないですか。そういうとき、外国で生まれた子供にはどうするの。どういう手続をとるのですか。親子の関係はどうやって立証するの、母親と子供の関係は。大変な手数がかかるんじゃないですか。
○大鷹政府委員 そういう外国人と結婚された日本の配偶者のお立場はよくわかりますけれども、他方、私どもの方の事務についても御理解いただきたいと思うのであります。 人数につきましては、先生いま非常に少ないんじゃないかということでございますけれども、五千人という説もございますけれども、十万人くらいいるんじゃないか、そういうあれもあるようでございます。相当の数に上るのじゃないかと私どもは考えます。 そういう方々につきまして外国人の子供の母親の名前を、たとえば外国人登録証明書の中に書くとか、そういうことになりますと、当然市区町村ではその実態を調査しなければなりません。これはただいま申し上げたような人数でございますので、やはり相当な負担になるんじゃないかという感じがいたします。したがいまして、結局これは行政サービスの問題でございまして、その必要と私どもの事務の負担、これのバランスの問題だろうと思います。したがいまして、この問題につきましては、今後引き続き私ども研究をさせていただきたいと考えます。
○稲葉委員 それじゃ、研究ということですから、前向きに研究してもらいたい、こういうふうに思います。それは全部書かなくたっていいんじゃないですか。希望者だけでもいいというふうにしてもいいんじゃないですか。いろいろな方法があると思うのですが、そこら辺のところは研究していただいてまた詰めていただきたい、こういうふうに思うのです。 それから、日本人の男と外国人の女の人の場合は、帰化が非常に簡単なんでしょう、日本人の男と結婚した外国人の女の人。そうすると、今度は逆の場合、日本人の女の人と結婚した外国人の男の場合、その帰化の条件が何か違うのですか。これはどういうふうになっているの。法律的に違うのか、実際の取り扱いで違うのか、どういうふうになっているのですか。
○中島(一)政府委員 法律的に条件が違っておるわけでありまして、日本人夫と婚姻をしております外国人女の場合には、居住要件が必要でございません。それに引きかえまして、日本人妻、日本人女性と婚姻をしております外国人男子の場合には、居住要件が三年ということで、一般の五年よりは若干緩和されておりますけれども、定められております。
○稲葉委員 その場合の両者の間の合理的な理由というのは一体あるのですか、ないのですか。どういうことなの。合理的なみんなが納得するような理由はあるのですか、ないのですか。あったら説明してもらいたいし、どうなんです。
○中島(一)政府委員 現在の国籍法ができました際の考え方といたしましては、その世帯の中心が男性である、あるいはその男性の国の同化の度合いが進むというようなことが、法律的な当否は別といたしまして世の中の実態であるというようなことで、こういう規定が設けられたのだろうと考えておりますけれども、その点が現在、男女平等というようなことから一つの問題として取り上げられておるわけでありまして、今回の国籍法の改正の審議の際にも当然取り上げられるべき問題点であろうかと考えております。
○稲葉委員 それから今後、外国人登録法が来年ですか、通常国会で全面的に改正をされるということになると思いますね。そういう場合に一体どういう点とどういう点を改正されようとするのか、その点についての概略をひとつ御説明を願いたい、こういうふうに思うのです。
○大鷹政府委員 次の通常国会には登録法のかなり大幅な改正をお諮りする予定にしております。その中身は大体六点ございます。 第一点は、新規登録等の申請に際して写真を提出しなければならない最低年齢の問題でございます。現在十四歳でありますけれども、これを多少引き上げる余地はないものだろうかということでございます。一応私どもといたしましては、これを十六歳に引き上げてはどうか、こういう線で考えておるところでございます。 第二点は、登録事項の確認申請についてでございます。確認申請の期間が現在三年でございますけれども、これをもう少し延ばすことができないかということを検討しております。具体的には三年を五年ぐらいにしてはどうか、こういうふうに考えております。また、登録の確認申請義務をある最低年齢に達しない人たちに対しては免除できないかということも現在検討しております。具体的に申せば、十六歳に達したときに初めて確認の申請をすればよいというふうにしてはどうか、こう考えておるわけでございます。 第三点は、登録証明書の携帯義務年齢についてでございます。現行法では十四歳以上となっておりますけれども、この年齢をもう少し引き上げることはできないかということでございます。具体的に現在私どもが検討しておりますのは、十六歳という線でございます。 第四点は、指紋の押捺についてでございます。指紋の押捺年齢というものは現在十四歳でございますけれども、これをもう少し引き上げてはどうかと考えております。そこで、その具体的な年齢としては十四歳から十六歳にしてはどうか、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、指紋の押捺につきましては、指紋の押捺の機会を少しでも減らすことができないかということを検討しております。現在の制度では、登録原票、登録証明書、それから指紋原紙二葉にそれぞれ指紋を押しますから、四つ押さなければならないわけでございますけれども、この指紋原紙を二葉から一葉に減らして、合わせて三つにしぼれないかということを現在検討しておるところでございます。 それから第五点は、登録申請、登録証明書の受領等の際における本人の出頭義務年齢でございます。現行法ではこの年齢は十四歳となっておりますけれども、これも十六歳に引き上げることができないかどうかについて検討しておるわけでございます。 最後に第六点は、罰則についてでございますけれども、現行法はやや画一的に過ぎるという批判もありますので、これをもう少しきめ細かく整備することができないかどうかについて現在検討しております。
○稲葉委員 いまの十四歳から十六歳というのはもっと——日本の法律は、十四歳と十六歳と十八歳と二十と、いろいろな段階に分かれていますね。少年法はいま二十でしょう。十四歳というのは刑事責任能力の問題ですね。児童福祉法の場合は十八歳かな。そういうことですね。十六というのは何があるのか、ちょっとぼくも覚えていませんが、バイクの免許か何か十六歳であれできるのかな。いろいろありますね。十六というのは、恐らく義務教育のことで、そこで出てきたのじゃないかと思うのですが、十六歳ぐらいの子供に指紋の押捺——指紋の押捺というのは何か犯罪人扱いするような感じを受けまして、極端にきらうというか、それを何か非常な屈辱と考えておる国もあるんじゃないですか。そういうようなことで、これは参議院の法務委員会で戦後すぐに羽仁五郎さんが詳しい質問をしていますよ。いい質問があります。ぼくも読んだことがありますが……。 いずれにしても、十六というのはどこから来ているのかよくわかりませんが、普通なら二十が成年ですから、成年以下については何も指紋の押捺だとか本人の出頭義務とかなんとかということなしに、未成年者なんですから、そういうふうなことを二十にするということを今後も検討したらいいんじゃないでしょうか。そこをどういうふうに考えているのですか。
○大鷹政府委員 登録法の改正につきましては、私どもとしては、基本的にはまず登録法の目的が達成される必要がある、その達成される範囲内で外国人の負担を少しでも軽減できる、あるいは事務を簡素化できるという場合には改正をしていきたいと考えておるわけでございます。最近、不法入国者の数がやや減ってきております。そういうこともございますし、さらに登録証明書の不正利用あるいは不正発給、こういう事案もなくなってきております。そういう段階におきまして、少しずついろいろな登録上の基本的な問題に係る問題についても改正をしたいと思っておるわけでございますけれども、やはりそういう場合に大きな飛躍というものは行政上むずかしいのじゃないかと思います。つまり、いま申し上げましたように、在留外国人の公正な管理のためにいろいろな事情というものを勘案しなければいけませんけれども、不法入国者が減ったといってもなくなったわけじゃございませんし、そういうこともございますので、着実に少しずつ、誤りがないように改正をやっていきたい、こういう姿勢でいるわけでございます。したがいまして、そういうことでいま一挙に二十歳に持っていくとか、そういうことは考えておりません。 なぜ十六歳にすることを考えているのかということでございますけれども、十六歳になればやはり独立した社会人としての行動ができるようになる、また行動範囲も非常に広がる、そういうことでございます。まあ、たまたまこの十六歳という年齢は、先生御自身もおっしゃいましたように、日本におきましては義務教育を終えた年齢に当たりますし、さらに、国際民間航空協定で決められている旅券の併記年齢というのがございます。子供が親と同じ旅券の中に併記されるという年齢が十五歳ということになっている。そういうことともたまたま合っているというふうに考えております。
○稲葉委員 しかし、刑法の場合、少年法は二十ですから、児童福祉法は十八なんですから、そこら辺から考えればもっと上に上げてもいいと思うのですが、これは将来研究してもらいたいと思うのです。 この際、いまここですぐということじゃなくて、研究してもらいたいのは、私、国会からの視察で今度中南米にずっと行ったわけです。ちょうどサンパウロに行ったときに、司法大臣というのに会ったわけですが、外国人法の問題も出まして、外国人法をつくるという話が出た。それから、カナダでもたしか外国人法というものをつくって、いままでの不法入国者というものをある期間を決めて整理をして、そのかわり、その期間が過ぎたならばそれは厳罰に処するという行き方をとっているらしいですね。私はよくわかりませんが、カナダとブラジルのことだけちょっと聞きましたけれども、ほかの国でもあるんじゃないかと思いますので、そういうことも含めて、いますぐ返事をするというんじゃなくて、将来十分研究してもらいたいと思うのです。 それから、指紋の押捺は、外国では犯罪人扱いして非常にいやがる国があるんじゃないですか。これはどうですか。
○大鷹政府委員 指紋の押捺につきましては、外国でもこの義務を課しているところがございます。たとえば、具体的に申せばアメリカでございます。アメリカでは十四歳以上の外国人には指紋の押捺を義務づけております。
○稲葉委員 アメリカは、いまはいわゆるノンホワイトというのがいっぱい入ってきて、非常に困っているわけですね。私も、ニューヨークへ行って、それからサンフランシスコへ行ったりなんかしていろいろあれしてきましたが、ノンホワイトが、どこからどういうふうに入ってくるかは別として、非常にたくさん入ってきて困っていて、また厳格にしようという動きもあるらしいんですが、それはそれとして、中国や何かは、社会主義国全体かな、指紋の押捺ということは犯罪人扱いだというんで、非常に拒否する傾向にあるんじゃないですか。そこはどうですか。指紋の押捺を外国人に対して認めない国もあるんじゃないですか。そこはどういうふうになっていますか。
○大鷹政府委員 社会主義国で指紋の押捺というものをどういうふうに見ているのか、私たまたまそういう知識は持ち合わせておりません。ただ、ソ連でも中国でも外国人に指紋の押捺義務を課してはいないという、そういう事情はあるようでございます。
○稲葉委員 それが、指紋の押捺というのは犯罪人扱いされるという前提なんですよね。それで非常にいやがるんですよ。これは羽仁五郎さんの議事録に、昔のローマ法か何かからずっとよくやっている、これはなかなかいい質問です。一遍読んでおいていただきたいと思います、別の機会に質問しますから。 それはそれとして、いま言ったようにだんだん——アメリカは特殊な事情ですよ。いわゆるノンホワイトがどんどん入ってくるという状況があって、アメリカの移民法の場合とかいろいろな場合、ちょっと違うんじゃないかと思いますがね。 それはそれとして、そこで最終的にお尋ねをしたいのは、いまの点にも関連をするのですが、今度、三十日、あさってから法制審議会で国籍法の審議が始まるわけでしょう。始まるんじゃない、第一回があるのかな。それで、その国籍法の問題点というのはどういう点が問題点なのか。これは「自由と正義」のナンバー十一かな、一番新しいのに、五課長が「親子関係と国籍」「国籍法改正の際に検討を要すべき問題点」というのを、こう書いておりますね。国籍法というのはできてから三十年間一回も改正されなかったというようなこと、いろいろなことが書いてある。憲法中に規定がないのは日本ぐらいなものだとか、日本ぐらいだとは言わぬけれども、いろいろなことが書いてありますね。そういうふうな問題点がいろいろと指摘されておるわけですね。それで、一体どういう点が問題なのか、そういう点を、これは民事局長なりあるいは五課長、どっちでもいいですが、現在問題点はこういう点だということをひとつ指摘してもらいたいわけですね。説明していただきたい、こう思うのです。
○中島(一)政府委員 ただいま御質問にもございましたように、明後日、十月三十日に法務大臣から法制審議会の総会に対して国籍法の改正問題を諮問されるという予定になっております。諮問事項は、国籍法を改正する必要がありとすればその要綱を示されたいということで、無条件と申しましょうか、無限定ということになっておりまして、すべては法制審議会の審議の結果によってまた考えさせていただく、こういうことになるわけでありますが、それはそれといたしまして、私どもが考えております問題点、従来からの諸外国の改正の事例でありますとか、あるいは日本の国内におけるさまざまな御意見でありますとか、国会における従来の御質疑でありますとかというようなものを私どもがそれなりに判断をいたしまして考えております問題点というものの幾つかを申し上げてみたいと思います。 一つは、現在の国籍法がとっております父系優先の血統主義というものが、その後における諸外国の改正の事例でありますとか、あるいは婦人の差別撤廃条約との関係でその当否が問題になっておりますので、この点が一つの問題点であろうかというふうに考えます。 それからもう一つは、先ほどの御質問にございました日本人夫と婚姻をいたしております外国人女子と、日本人妻と婚姻をいたしております外国人の夫との間で帰化条件に法律上差がございます。この点はこのままでいいかどうかという点が一つ問題になろうかと思います。 大きな柱はそういうことであろうかと思いますけれども、その問題を検討いたします場合に、それぞれにいろいろな問題が派生的に出てまいります。たとえば父系優先の血統主義を改正するとすれば、父母両系主義ということが一つの解決として考えられるわけでありますけれども、そうなりました場合には重国籍がどれぐらい出てくるであろうか、重国籍が出てきた場合にそれを防ぐ方法は何か考える必要がないんだろうか、あるいは重国籍が一たん生ずることはやむを得ないとして、それを何らか解消する方法を手当てする必要があるんじゃなかろうかというような問題であります。 それから、先ほど申しました外国人夫と外国人妻との間の帰化条件をどういうふうにするかというような問題にいたしましても、それによっていろいろ派生的な問題が出てまいりますので、そういう問題についてどう手当てするかというようなことになろうかと思います。 ごく大ざっぱに申して、そういうところが問題点ではなかろうかというふうに考えております。
○稲葉委員 そうすると、いまの法制審議会に諮問するときに、ちょっとよくわかりませんが、諮問は全くフリーと言うと語弊がありますが、自由に討議をしてくれという形で諮問するんですか。だから、国籍法を諮問する理由というのはどういうところなんですか。これこれの理由があるから諮問するということなんでしょう。諮問するということについては、国籍法の改正が必要だからということが必ずしも前提ではないわけのようですね、いまお話を聞くと。それは余り聞くとかえってまずいから聞きませんけれども……。 そうすると、大体どの程度の人数でやるわけですか。その法制審議会の中の一つの部門は何人ぐらいで、どういう方が主にお入りになるわけですか。国際私法の専門家ですか、あるいは民法の専門家、いろいろな方がありますね。そこをどういうふうにされるわけですか。
○中島(一)政府委員 法制審議会の運用そのものは私の方の民事局の所管でございませんのですが、便宜私からお答えさせていただきます。 法制審議会は、法務大臣及び委員三十人以内で組織するということになっておりまして、委員の方が現在三十名近く任命されておられます。大学の先生、あるいは弁護士、それから最高裁判所事務総長、内閣法制局長官というような方もいらっしゃいまして、そのほかに幹事が十数名ということになっております。 それで諮問は、まずこの法制審議会の総会と申しましょうか、これに対してされるわけでございます。
○稲葉委員 そうすると、その法制審議会の委員三十名というのは、もうすでに官報——これは官報に載るんですか。ちょっとよくわからないけれども、どうなんですか。その中には御婦人は入っ ていないんですか。
○中島(一)政府委員 法制審議会の委員は、任期は二年ということになっておりまして、「関係各庁の職員及び学識経験のある者のうちから、法務大臣が任命する。」ということになっておりまして、すでに任命されておりまして、今回の改正のみならず、従来から法制審議会で審議をされる場合には、このメンバーで審議をしておられるということになるわけでございます。現在の委員の中には、ただいまお尋ねの女性の方はお入りになつておられません。
○稲葉委員 だって、これは母親の問題、婦人の地位の平等ということにも関連してくるというので、婦人だから特に入れなければならぬということもないと思いますけれども、婦人の学者だって相当おられるんじゃないですか。弁護士の人もいる。そういう人も入らないというと、本当の審議が、父系優先主義がまた復活してしまうような形になってきてしまうんじゃないですか。婦人軽視だな。とてもだめだな。それはちょっとまずいな。その点についてはどうなんですか。どなたかりっぱな方がおられるんだから、学者でも弁護士でもいるから。まあ、鳥居先生なんかいま外国に行っているのかな、外国に行っていて、いまいないわけですかね。いろいろいらっしゃるわけですから、そういうような方なり何なりの御意見を十分に聞く。それから婦人団体なり、いま言った国際結婚を考える会とかいろいろな婦人の集まりがありますね。それから中島通子さんのやっているのも何かありましたね。そういうようないろいろな会がありますね。そういうような会の意見なども十分聞いて、そして立案に当たる、こういうことについてはどうですか。
○中島(一)政府委員 従来の例でございますと、総会で最初から最後まで審議をするということではございませんで、民法部会なり商法部会なり刑法部会なりという部会をつくって、そこで審議をされるというような例が多いようでございます。審議の方法はもっぱらこの総会でお決めいただくことになるわけでありますから、今回の場合はどういうことになるかわかりませんけれども、そういう部会ということになりますと、その特定の問題を審議されるにふさわしい委員の方が実質的な審議に当たられるというようなことが考えられるわけでございます。その委員のメンバーをどうするかということとは別に、ただいま御質問にもございましたような各界の御意見を聞いて法案をつくるべき事項であろうかというように考えております。
○稲葉委員 いま言った三十名というのは、法制審の総会のメンバーですか。これは部会を開くわけですね。部会のメンバーというのはまだ決まっていない。その中から選ぶのですか、どうなっているのですか。田中二郎先生が部会長になって、新聞に出ていたんじゃないですか。どういうふうになっているんですか。
○中島(一)政府委員 ただいま申しましたのは、法制審議会の委員のことでございます。部会ということになりますと、それは必ずしも法制審議会の委員から選ぶということではございません。
○稲葉委員 まだ時間がありますけれども、そう長くやってもあれですからやめますけれども、私「自由と正義」の田中さんの論文を読んだのですよ。非常に詳しく書いてある。だけれども、これは余りに各国の法制というものを一生懸命調べて、イラン、イラクまで調べているんでしょう。調べて悪いとは言わぬけれども、そのうちにその国だってどんどん法律は変わってしまうでしょう。法律が変わってしまうと、それを待ってやると結局またできないということになってしまうので、これはある程度限界があるのであって、そこで、やってみてどうしてもギャップというものができれば、それは判例によるとかあるいは解釈によるとかによって解決する以外にないわけです。余り細かいところの法律ばかり調べていて、それでちっとも進まないというのじゃ困るわけですから、そこら辺のところは十分気を使っていただきたいと思う。 この五課長の論文は、なかなかいい論文ですね。だけれども、どうもこの論文は、ちょっと否定的な見解が前提になっているのが多過ぎるね。あなたの頭の中にはどうも否定的な考え方が強過ぎるような印象を受けるね、この論文を読んでみると。これはそういう前提を持って幹事がやられたのじゃ困りますよ、実際幹事がリードするんだから。そんなことを言ったって、法制審議会のメンバーは、こんなことを言っては悪いけれども、余り出てこない人もいるしね。前に経団連の何かの人を法制審議会の委員にしたこともあるが、さっぱり出てきやしない場合もあった。さっぱりでもないけれども、余り出てこない場合もあった。ちょっとこの論文は否定的な見解が強過ぎるような印象を受けるね。余り細かく研究し過ぎるよ。余り細かく研究したら、これは何にもできませんよ。だから、そこら辺のところはある程度のところでまとめて、あとは解釈とかあるいは判例にまつという以外にないので、そこら辺のところは十分留意をしていただきたいというふうに私は思う。 これは、大臣は再来年の国会に提出すると言っているんですからね。いま二重国籍の回避の問題とかいろいろ問題ありますよ。ことにロイアルティーの問題とか、確かにいろいろ出てくる。出てくるけれども、韓国の場合は、二重国籍というか、日本にいる韓国人に対しては、いまの段階では徴兵義務を課してないんでしょう。韓国の民法の二十四条だったか何条だったか、ちょっと忘れたけれども、課してないんですから、余りロイアルティーの問題でああだこうだとひねくり回して考えに考え過ぎたらできなくなってしまう。これはあらゆる場合に何にもできないですよ。あとは解釈とか判例にゆだねるという気持ちでやっていただきたい、私はこういうふうに思うわけです。 最後に、もう一つ別のことですけれども、外国人登録法は法制審議会にかけないんですか。これはどういうわけ。
○大鷹政府委員 外国人登録法の改正は、法制審議会にはお諮りしません。
○稲葉委員 ぼくはわけを聞いているんだよ。どういうわけかと聞いているんだ。
○大鷹政府委員 私どもが今度お諮りします登録法の改正というものは、かなり重要な問題を含んではおりますけれども、登録法の根幹を覆すようなそういう問題はないということから、お諮りしないということだったと思います。
○高鳥委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 午後一時三十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、供託法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、昨二十七日質疑を終了いたしております。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。林百郎君。
○林(百)委員 私は、日本共産党を代表して、供託法の一部を改正する法律案に対して反対の討論をいたします。 本改正案は、明治以来八十年余にわたり実施されてきた供託金に利息を付する制度を、財政再建の名のもとに五十七年から五十九年度の三年間停止しようとしておる内容でございます。 供託金に利息を付することは、供託制度発足以来、制度の本質的な要素ではないとしつつも、供託という制度を国民になじませ実効あらしめるとともに、国は預かった供託金を運用して何がしかの利益を得ているのでありますから、供託金請求権者にその利息を付して還元するのは当然とする考え方に基づいたものであり、このことは一貫して法務省の方針として貫かれてきたところであります。本制度は、すでに国民の間に広く定着しており、供託金に利子をつけることによって紛争の円満解決に役立っていることも見逃すことはできません。 ところで、明治二十三年発足当時の供託規則第二条では、「通常預金ノ利子ヲ付スヘシ」と定められておるのであります。その後法律改正によりまして、利率は省令で定むることとして、順次通常預金利子よりも低く抑えられており、現在ではわずか年一分二厘という低率になっており、しかも一万円以下の供託金並びに同金額未満の端数については利息を付さないことになっているのであります。この事実から見ましても、供託に手数料が必要だからこのたびの利息をつけることをやめるという論理は成り立たない次第であります。 政府は、今度はこのわずかばかりの利息すら打ち切って、それによって来年度約七億五千八百万円、五十八年度と九年度には、それぞれ十四億二千五百万円、十八億七千七百万円の財政支出を縮減できるとしておりますが、これほど国民の権利をないがしろにした話はないと思います。もともと供託金は国民が国に預けた金銭であり、国がこれを運用して利益を得ている以上、その利得分の一部を本来の権利者に還元することは当然であります。これを財政危機を理由に打ち切ることは、国が国民の財産を不当に運用して利得を得ているものと言われても仕方がないと思います。まさに財政危機の責任を、国民に犠牲を押しつけることによってこれを免れようとしているものと断ぜざるを得ません。本改正案が、今国会の焦点である軍拡、そして国民の福祉や教育等の必要経費を打ち切って国民に大きな犠牲を強いるいわゆるにせ行革の一環であることは明らかであります。このことは、政府もまた本法案が政策的な立場から出されたものであるということは認めておるのでありますから、この点からいっても明らかであります。 わが党は、従来から、法務省の予算については、国民の権利を守る法務局等の国民サービスの部門については人員を増し、予算を増すことを要望してきたところであり、政府のゼロシーリングに沿って今回の措置を余儀なくされたという法務省の説明には納得できません。歳出を削減すると言いながら、一方、公安調査庁などの国民にとって不要な、弾圧的な作用を持っておる部門の予算を削減するどころか、かえって増額しようとしているのではないでしょうか。財政危機というのであれば、まずこうした不要不急の経費を削減しないで国民の供託金利子にしわ寄せするというようなことは、全く本末を転倒するものであり、わが党は、本改正案にとうてい賛成できないものであります。 以上が、反対の討論であります。
○高鳥委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○高鳥委員長 これより供託法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○高鳥委員長 次に、内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、先ほど質疑を終了いたしております。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 外国人登録法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○高鳥委員長 次回は、明後三十日金曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十七分散会