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95回国会衆議院1981/10/27

法務委員会 第4号

発言数
247
登壇者
19
会派数
4
開催日
1981/10/27

会議録

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたします。  本日、最高裁判所川嵜民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 内閣提出、供託法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 供託法の一部を改正する法律案につきまして、先般調査室からいただきました資料を中心にしていろいろと調べましたところ、資料1「主な供託一覧表」を見ますと、弁済供託、保証供託、それから執行供託、保管供託、没取供託等各省にわたり実にたくさんの供託種別がございます。その供託の条件その他を見てみますと、きわめてまちまちな状況が如実に反映をしてまいりました。  最近における供託事件の動向を見ますと、これは法務省民事局の資料でありますが、五十五年における供託件数は、受け入れ約六十七万件、金銭約千七百七十七億、有価証券六百十一億、払い渡し約六十六万件、金銭約一千十億、有価証券二百六十六億、現在高約三百十五万件、金銭約一千九百十二億、有価証券約千四百四十二億となっています。  そしてまた、解説を読みますと、「ここ数年供託事件総数の八割強を弁済供託が占めるという状況が続いている。特に人口密度が高く賃貸住宅の多い大都市圏においては、地代・家賃弁済供託の占める比率が九〇%を超える高率を示している。」と解説がされております。  この弁済供託が八割を占めるけれども、さてこの供託の事案を見ますと、この法律に基づく供託が何らかの関係で各省にわたっているわけであります。しかし、先ほど申しましたように、この取り扱いがまことにてんでばらばらで、供託をすべき必要性、供託すべき金額、そしてそれにかわる条件というものについて、まことに整合性がないということが痛感をされるわけであります。  まず、質疑のために伺いますが、供託というものは一体何のために行われるか、伺いたいと存じます。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 ただいま御質問にもございましたように、供託の中には多種多様な種類のものがございまして、それぞれの目的を持っておりますので、これを一括して御説明申し上げることは大変困難かと思うわけでありますが、強いて申しましたならば、金銭、有価証券その他の物品を供託者が国に預けまして、そして国がそれを受理して保管をするということによって供託者の利益を図る、あるいは被供託者の利益を図るということによってその目的を達するものであるということが言えようかと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 昨年、民事執行法等の改正によりまして、いわゆる金融機関の支払い保証委託契約書を提出すれば供託をしなくてもよろしい、こういうことになりましたね。資料1を見ていますからそれでお答え願いたいのですが、この支払い保証委託契約書によって金銭、債券等の供託をしなくてもかわり得るというものは、どれとどれとでございますか。

川嵜義徳最高裁判所事務総局民事局長

○川嵜最高裁判所長官代理者 ただいま御質問にございました裁判上の担保あるいは保証、これがいわゆるボンドによってかえることができる供託でございます。このボンド制度が適用になります供託は、裁判上の担保、保証というものすべてにわたるものでございまして、その数は挙げますと非常に多くなりますが、代表的なものを若干拾い上げてみますと、民事訴訟法上の担保といたしましては、訴訟費用の担保、それから仮執行宣言つき判決、これは担保を条件とする仮執行宣言つき判決の執行の際の担保提供、あるいは保全訴訟、仮差し押さえ、仮処分の場合でありますが、この保全処分の保証等がございます。さらに民事執行法上は、請求異議、第三者異議の訴え提起に伴う執行停止の担保、あるいは不動産の競売の場合におきます買い受け申し出の保証といったものがございますし、また、商法上の各種訴訟の提起に伴います担保、これらが挙げられようかと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 最高裁がそういう措置をとられたのは、何法によって最高裁の規則を定められたのでありますか。

川嵜義徳最高裁判所事務総局民事局長

○川嵜最高裁判所長官代理者 まず、民事訴訟法上の担保に関する根拠規定は、民事訴訟法の百十二条でございます。百十二条には、「担保ヲ供スルニハ担保ヲ供スベキコトヲ命ジタル裁判所ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ノ管轄区域内ノ供託所二金銭又ハ裁判所が相当ト認ムル有価証券ヲ供託スル方法其ノ他最高裁判所規則ヲ以テ定ムル方法ニ依ルコトヲ要ス」、このように規定がございます。この法律の委任に基づきまして、民事訴訟規則二条の二にボンド制度が創設されたわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 法律論を少し離れて伺いますが、供託をする、それは金銭ないしは債券その他のものでなければならぬ、しかし、それにかわるものがあればよろしい、つまり、金融機関なりしかるべき者の支払い保証があればよろしい、簡単に言えばそういう論理ですね。それに、なぜ裁判上の保証の問題だけに限定してこの方式をおとりになるのかという点の意見が伺いたい。

川嵜義徳最高裁判所事務総局民事局長

○川嵜最高裁判所長官代理者 ただいまも申し上げたとおり、法律の委任に基づきまして最高裁判所規則で問題のボンド制度が創設されたわけでございます。この制度を最高裁規則で採用いたしましたのは、おっしゃるとおり、確実な支払い能力を有する第三者が担保提供者にかわって担保権利者に対し債務の履行をすることにすれば十分に担保の目的は達し得るということ、それから、不動産の競売のような場合、買い受け申し出の保証につきましては、入札期日に保証が執行官に提出されることになるわけでありますが、この場合、往々にして多額の現金が提出されるということになりまして危険を伴うというようなこと、これらの点を配慮いたしまして、裁判上の保証、担保につきましてはボンドでかえることができるという制度をとったわけでございます。  裁判上の担保、保証という点だけから考えてこのような制度が規則上つくられたわけでございまして、他との比較ということになりますと、私どもといたしましてはお答えすることができないわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の第一の問題点は、大臣、そこにあるわけですね。裁判上の保証のための供託、それは銀行から支払い保証を持ってくればよろしい、こういうふうに去年の十月から割り切った。そんならほかの供託についても同じことが言えるではないか。ほかのいろんな供託、種類がこれだけたくさんあるんですけれども、裁判所が裁判上の保証だけは支払い保証書を持ってくれば現物の納入は勘弁する、供託は勘弁する、紙切れ一枚でよろしい。そんならほかの供託は何でいかぬのかというのが第一の課題でございます。これは後で大臣にお伺いしますから。  それから第二番目の問題として、建設省おいでになっていますね。——たとえば建設省は、宅地建物取引業の保証として、営業保証金が、主たる事務所三百万、その他の事務所は百五十万、弁済業務保証金、つまり全国宅地建物の協会とか不動産協会、これは社団法人ですね、ここの会員になっておれば弁済業務保証金が、主たる事務所二十万、その他の事務所十万、これが供託をされなければならないとなっていますね。この金額は全額供託をしなければならない、こうなっていますね。間違いありませんね。

末吉興一建設省計画局不動産業課長

○末吉説明員 弁済業務分担金につきましては、全額供託するようになっております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 旅行業の保証として営業保証金、一般旅行業は主たる営業所は六百万、その他の営業所は三十万、これも全国旅行業協会なりもう一つのところへ入っておれば、弁済業務保証金として弁済業務規約で定める額、これを納めれば安く済む。これも全部供託をしなければならないことになっていますね。

石出宗秀運輸大臣官房観光部業務課長

○石出説明員 御説明いたします。  旅行業におきましても、御指摘のとおり全部供託することになっております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 次に、割賦販売業及び割賦購入あっせん業の保証、これは通産省でございますね。この関係では互助会保証会社というものがある。これが株式会社である。いま御答弁になりましたのは、二つともたしか社団法人ですね。こちらの方は株式会社であるが、主たる営業所は十万円、その他の営業所または代理店は五万円となっていますけれども、これは原則として保証について供託をしなくてもよろしい。いざ互助会一つがたとえばつぶれそうになったときには、大臣命令によって一定額を供託をしろ、こういうことになっていますね。間違いありませんか。

牧野力通商産業省産業政策局消費経済課長

○牧野説明員 御説明申し上げます。  いまの御質問でございますが、互助会関係の保証は二種類ございまして、一つはいま先生御指摘のございました営業保証金でございます。これは本店十万円、営業所五万円というわけでございますが、これは全部供託をさしております。いま問題は、そのほかの前受け金ということでございますが、これはいま御指摘のありましたような保証会社を通じて行っておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 労働省は細かいことですから呼んでありませんけれども、営利職業紹介業の保証は五万円になっている。けれども、これはたしか昭和二十二年の金額そのままであります。それから、大蔵省の外国保険事業の保証、これが昭和二十四年で最高一千万。信託業の保証がこれはたしか百万円ですね。大正十一年、だから百万円。貯蓄銀行の保証、受け入れた金額の三分の一以上の金額。  大蔵省に聞きますけれども、貯蓄銀行の保証は三分の一、信託業の保証は大正十一年で百万円、外国保険事業の保証は二十四年で最高一千万円、この非常なアンバランスについてどうお考えになりますか。

土田正顕大蔵省銀行局銀行課長

○土田説明員 御質問の中の貯蓄銀行それから信託会社、この二点につきまして御説明を申し上げます。  貯蓄銀行につきましては、貯蓄銀行法によりまして先生御指摘のような供託の規定が定められておるわけでございますが、これはその後、別途銀行法等特例法施行令第六条によりまして供託を要しない旨の規定がございまして、現在供託は行われておりません。  それから、次に信託会社についてでございますが、現在信託会社そのものは存在しないのでございますが、信託業務を兼営している普通銀行がございます。この普通銀行に対しましてその信託業法の規定が適用になり、そして供託を実行しているわけでございますが、この金額は、大正の信託業法の立法の当時に非常に零細な信託会社が多数ございましたので、これをコントロールするために、受益者保護の観点から当時の水準で適当な金額を定めるということで、「其ノ金額ハ百万円ヲ超ユルコトヲ要セス」という規定が設けられたものではないかと了解しております。したがいまして、この金額は当時の零細な信託会社が多数あったという事実に照らして定められたものではないかというふうに考えております。

宮本英利大蔵省銀行局保険部保険第一課長

○宮本説明員 保険第一課の方から外国保険事業者に関する法律につきまして答弁させていただきたいと思いますが、この外国保険業者につきましては、実は明治三十三年に、最初その金額を定めないで、「主務官庁ハ必要ト認ムルトキハ外国会社ヲシテ相当ノ金額ヲ供託セシムルコトヲ得」という法律があったのでございますが、大正元年に改正されまして、その時点では「十五万円」というふうな金額でございました。それが先ほど先生が御指摘になりましたように、昭和二十四年に制定されましたときには、この一千万円という金額が出てまいっておるわけでございます。この法律の八条に、一千万円の金額を供託すべしと書いてあるのでございますが、さらにその第二項におきまして、「大蔵大臣は、必要があると認めるときは、外国保険事業者に対しその日本における事業を開始する前に、前項に定める供託金額の外相当と認める金額の金銭の供託を命ずることができる。」というふうに一種の弾力的な規定が置いてございます。そういうものに基づきまして、現在日本で支店形態で営業を行っております外国事業者に対しましては供託金を求めておるわけでございますが、現実には一億ないし二億というふうな金額で供託を求めておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 第二番目の私の問題提起は、いまもお話しのように、貯蓄銀行は事実上供託しなくてもよろしいとなっておる。それから、原子力事業の保証、これはもう百億、二十億、二億、百億、二十億と、この表題にもございますようにべらぼうなたくさんの供託をしなければならないことになっているが、原子力損害の賠償に関する法律八条で供託にかえて他の損害賠償措置を講じたときは、供託をしなくてもよろしいとなっておる。それから、船主責任制限法による責任限度額の供託も、供託すべきことになっているが、特例によっていい。それから、保険会社の財産の供託も、保険業法によって供託をしなければならないことになっているが、これも特例がある。  これは一例でありますが、要するに、大企業だけは、結局はそれぞれの法律で供託をしなくてもよろしい。そういうことについて私は大変矛盾を感じておるわけであります。いろいろな供託をしなければならないけれども、大企業だけは何やかんや言って、実はそれぞれの法律で供託をしなくてもよろしい。そうでなければ、先ほどのお話のように百万円、しかも大正十一年のままに放置してあるのでありますから、これはもう何の意味があるかわからない。中小企業やそのほかの方だけは供託が盛んに主張されておるが、そちらの方もまた区々たるものがある。  どなたがお答えになるかわかりませんが、一遍お伺いします。  割賦販売法の適用を受ける互助会等の株式会社、こういう株式会社であるけれども、供託はせぬでもよろしい、全国三百数十ある互助会、つまり市民、村民が月に千円、三千円を集めて、葬式や結婚のときに安くやってもらえる、一定のサービスを受けられるという非常に庶民的な互助会が、通産省所管で割賦販売法の適用を受けてすでに八、九年になるのですけれども、それは供託せぬでもよろしい、いざというときに通産大臣が指定しただけでよろしい。ところが、宅地建物取引業は建設省の認可を受けた社団法人である。常時監督が互助会よりもっと厳しい状況にある。その宅地建物取引業は不動産屋だから、おまえ信用ならぬ。だから、社団法人ではあるけれども、全額供託しろ。旅行業者。何するかわからぬ。全国旅行業協会という大きなものだけれども、おまえのところも旅行業者から集めたやつは全部供託しろ。そういうことがどうにも私にはわからぬのであります。  何でそんなことになるのでありましょうか。一体どなたがお答えできるのかね、この整合性については。これはお答えする人がないでしょう。それはだれも責任持って答弁できる人、ないわな。しかし、これ、だれが答弁してくれるかわからぬけれども、私の問題提起について、各省責任を持ってくれるところが一ところもないのです、事前の討議の中で。——そんな、事情を話してもらったって何にもならぬぜ、そんなことは。どうしてこういう整合性を図れぬかという点について、運輸省が各省の代表になるの。代表になるのか、あんた。(石出説明員「運輸省は、旅行業におきます実情につきまして御説明……」と呼ぶ)旅行業じゃない、整合性について答弁をしろと言っておるのだ。あなた、各省の代表になるのか。各省を代表しているなら出ていらっしゃい。

関守内閣法制局第二部長

○関(守)政府委員 私どもは直接の政策の立案の所管でございませんので、あるいは私が申し上げるのは適当でない面があるかもしれませんが、全体として、それぞれのそういう保証、担保等につきまして、それぞれの必要といたします供託なり、そういう保証の原因等につきまして、それらの法律を立案される各官庁等で、その必要性なり金額なりいろいろな程度、そういうようなものを勘案なさって御立案になるのだと思います。私どもといたしましても、いろいろほかにも制度がございますので、審査の際におきましては、各省からの御相談に応じまして、それぞれその制度として合理的な範囲内でそれを図ってまいるということにしているわけでございます。  ただ、いま御指摘のように、大変古くからいろいろな制度がそれぞれ出てまいっておりますので、現在それをすぐどうというふうにもまいらない面もあるわけでございますが、各省からそれぞれの政策立案について御相談がございますれば、それに応じて、そういう横並びの点と申しますか、他の制度との均衡というような問題も十分配慮して当局としては審査に当たってまいりたい、御相談に応じてまいりたいというふうに考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それなら、建設省に逆に聞きましょう。あなたの方は、互助会が供託を全部せぬでもいい、株式会社でありながら互助会は信用できる、だから供託せぬでもいいという法律になっているのですね。不動産業者は信用ならぬ、社団法人であり、建設省が認可したやつだけれども信用ならぬ、だからそれぞれ協会へ納めた二十万、十万ですか、それは全部供託をしなければいかぬということになっておることを恥ずることないかね、互助会と比べて。恥ずかしくないかね。建設省の監督が及ばぬ、不動産の保証協会もどうも頼りにならぬ、だから供託する。そこへいくと通産省さんはりっぱだ、互助会の保証会社もりっぱだ、株式会社でありながらようやっとる——うらやましいですか。

末吉興一建設省計画局不動産業課長

○末吉説明員 宅地建物取引業法の保証協会は、実は当初営業保証金という形で、昭和三十二年の議員提案によりまして、消費者保護のために、宅建業者、当時は主たる事務所で十万円、従たる事務所で五万円の営業保証金を供託させるということで出発をしたわけでございます。それが、社会経済の変化に伴いまして、消費者保護の観点から営業保証金をもっと上げる必要があるということで、これも四十七年の法律改正によりまして、営業保証金の額が五倍に引き上げられたわけです。そのときに、一種の保険的な制度ということで、宅地建物取引業保証協会が同時に法律で制度が設けられまして、それに分担金を払って全額払いますと、主たる事務所で十万、従たる事務所で五万という弁済業務保証金分担金という形で納付すれば足りるというふうな制度が実はでき上がったわけです。法律の趣旨には消費者保護ということで、私どももこの法律の制定の経緯にかんがみまして、それについては法律の趣旨に従って運用してまいったというのが実情でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そんなことはわかっておる。私の言った質問に答えなさいよ。互助会は株式会社であるのに供託せぬでもええ……。

末吉興一建設省計画局不動産業課長

○末吉説明員 これは御存じのように、宅建業によります広範な宅地建物取引業者が業者として存在する限り発生する債権に対しまして、消費者保護のためにつくられました法律であります。したがって、厳重にきっちり運用してまいること自身に全力を挙げておったのが実情でございまして、そういう先生の御質問の、もっとほかならば供託せぬでもいいという意味ではなくて、どれぐらいの損害発生が出てくるか、債権発生が出てくるか、そういうことをにらみながら厳重に管理し、運用してまいったところでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 お答えになってませんよ。発生の歴史、先発部隊、後発部隊の問題は、それは私もよくわかっているが、いま現状において株式会社の互助会が供託せぬでもええ、社団法人の不動産の保証協会が全額供託しなければならぬ、そういう矛盾について、ああそうなっておるのですか、いままで知りませんでした、それなら私の方も監督をちゃんとやっておるし、不動産の保証協会も運営しっかりしておるから、それなら私のところも政府に要請して供託せぬように努力いたします、こう答えられないの。

末吉興一建設省計画局不動産業課長

○末吉説明員 先生の御質問は、私どもの宅建業法の法律の仕組みを変えるという前提のお話というふうに承りますれば、一応そういうことも他の法令との関係で検討する、勉強させていただく材料ではあろうかと思いますが、私どもはこの法律が、先生御存じのように、先生方の法律で、議員立法でできまして、それを守ること自身が私どもの消費者保護だというふうに思っておったわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 情けない。法務大臣笑っていますよ。法律ができたから法律を守ればいい、それが私の商売だ、そんなことはいけませんよ。他の見直しをしながら随時それを完全に、よそがそんなことになっておるんならおれのところもやらしてもらいます、こういう答弁が出てこなければいかぬ。それについて、旅行業について運輸省、どう思いますか。

石出宗秀運輸大臣官房観光部業務課長

○石出説明員 御説明いたします。(横山委員「御説明じゃない。意見を言ってもらいたい」と呼ぶ)  旅行業法におきましては、御承知のように、旅行業者は、その旅行業務に関し取引をした者が旅行業者に対しまして債権を有することになった場合に、その者を保護するために旅行業者は……(横山委員「わかっているよ、そんな)とは」と呼ぶ)営業保証金の供託をすることになっておるわけでございますけれども、同時に、旅行業法におきましては、旅行業協会を指定いたしまして、その協会に社員のための弁済業務を行わせているわけでございます。それで、旅行業者がこの旅行業協会に弁済業務保証金分担金を納付したときには、営業保証金の供託は免除される。この弁済業務保証金分担金でございますけれども、この協会がやっております弁済業務が社員である旅行業者の共通のいわば相互扶助的な保証金になっておりますので、一業者当たりの金額は、先生御承知のように非常に少ないということでございます。(横山委員「わかっておる、私の質問に答えなさいよ」と呼ぶ)はい。  それで、旅行業協会が旅行業者から納付されました営業保証金分担金を供託している理由でございますけれども、これにつきましては、まずこの分担金が社員である旅行業者の債務の弁済という特別の目的に従って徴収されております預かり金でございますので、協会の一般的な経理からはきちんと区別しまして経理されなければいけないということが一つと、それからもう一つは……。

横山利秋日本社会党

○横山委員 わかっているって、それは。私の質問に答えなさいよ、もう一遍言うから。くどいね。  互助会を例に、頭に置いて物を言いなさい。株式会社の互助会の保証会社が、株式会社でありながら集めた金は供託せぬでもよろしいとなっているのですよ。あなたのところは、運輸省が監督しておって、全国旅行業協会という歴史と伝統のあるところできちんとやっておっても信用ならぬから供託するというのはおかしいじゃないかということなんです。

石出宗秀運輸大臣官房観光部業務課長

○石出説明員 その点につきまして、この分担金は預かり金であるという性格を考慮いたしまして、協会の一般的な債権者の手からは制度的にもきちっと守る必要があるのではなかろうかというようなことから……(横山委員「互助会だって一緒だ」と呼ぶ)供託が最も好ましいだろうということでこういう形になっておると思われるわけでございますが、先生の御指摘になりました民間機関による保証等の方法につきましては、現在のこの協会がやっております互助的な方法を変える必要があるのではなかろうかというような問題もございますので、その辺のところも含めまして十分勉強させていただきたいと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 建設省にお伺いしますが、あなたの方から提出されましたこの資料で協会の三年間の決算を見ますと、これは書いてないけれども、不動産流通近代化センターへ保証協会から十五億円投入されましたね。

末吉興一建設省計画局不動産業課長

○末吉説明員 保証協会から十五億円の出捐を見て、不動産流通近代化センターが昨年設立されたわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 ほおっと私は思った。流通近代化センターができることにいやおうないですよ。ないけれども、これはなんですか、不動産屋は当てにならぬというわけで、じゃんじゃん全国の不動産屋から金を集めて保証協会をつくって、天下りもなさっていると思うのだけれども、そうして全部供託させておいて、金は余ったらしいわな。余ったらしいから十五億円流通近代化センターへ出捐をする補助を余分に集めたわけですか。あるいはトラブルが少なかったわけですか。保証協会がそういう出捐をしてもいいという——保証協会本来の任務と少し違いはせぬかと私は思うのです。いずれにしたって、十五億円余ったわけですね。十五億円余るほどの保証協会ですか。それほど財政豊かにして、それほど堅実にやっておる保証協会が当てにならぬので、供託を全額させなければならぬのですか。その辺がロジックが合いませんよ。

末吉興一建設省計画局不動産業課長

○末吉説明員 昨年の宅地建物取引業法の改正によりまして、法律の「目的」の中に、業の健全な発展の運営に資するという目的が入りまして、その改正の一環として不動産業の流通の円滑な発展のためには、建設大臣の認可を得て出捐できるという仕組みにしたわけでございます。  その余裕といいますか、余ったからという表現の先生の御指摘でございますが、私どもは、分担金の総額については全額きっちり保全措置をするとともに、それによりまして生じました一定の額以内のものにつきましては、建設大臣の了承を得て業界全体のためになり得ることになる仕組みをしたわけでございます。  それから、保証協会そのものは、御存じのように研修事業なり苦情処理などをやっております。昨年一年とりましても、保証協会が実は二つあるわけでございますが、そのうちの千五、六百件ほどの苦情処理をそちらの方で解決をしております。業界そのものの中では、社員の研修などをして、なるべく弁済を生じなければならぬようなことがないように、業界そのものの近代化に力を入れておるのは先生御指摘のとおりでございますが、それといま他の方法があり得るのではないかという御指摘でございますが、私どもの考えといたしましては、消費者保護にそれがつながるものであるかどうか、あるいはそれになじむものであるかどうか、先ほども少し申し上げましたが、十分検討させていただいて、考えさせていただきたい、私どもはそういうふうに考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 千五百万円じゃないですよ。一億五千万円じゃないですよ。十五億円ですね。十五億円、保証協会が出捐をした。保証協会ができたときに、十五億円出捐をするなんということは、恐らく夢にも思わなかっただろう。保証協会ができるときに、トラブルが年間このくらいあるだろう、だからこのくらいの金をみんな保証協会へ預託せよ、こういうことで始まって、そんな十五億円の余裕金ができるなんて、夢にも思わなかったと思うのであります。あなたのおっしゃるように、これを見ますと、不動産屋と国民との間に若干のトラブルがあって、それに対して処理をしていることはわかりますよ。わかりますけれども、全体の弁済業務保証金準備金特別会計を見ますと、五十三年度で十四億か、五十四年度で二十一億、五十五年度で十二億ばかり。ここで三年の間に十五億円がどうなったのか、これはわからない。うまいことできておる。十五億円出捐したということがどこに出てくるか、わからぬのであります。とにかくそれほど財政豊かと思わざるを得ぬのであります。こういうように健全な財政であり、豊かであるとするならば、もう一遍もとへ返るけれども、何のために供託をしておるのか。建設省の監督が不行き届きなのか、天下りしている職員が有名無実なのか。どうしても供託をしていかなければならぬものであるかどうか、私は大変疑問を持つわけであります。  建設省のこんな紙切れ三枚と違いまして、こちらに運輸省から膨大な資料をいただきました。これを見ますと、弁済業務保証金準備金、五十三年度で供託金利息四千七十七万かな。これは単位はどうですか。いまいただいているのは組織の資料のところなんでありますが、弁済供託金利息は年々——協会が二つありますね。日本旅行業協会と全国旅行業協会、供託金の利息はどのくらいになっていますか。ちょっと御説明してください。

石出宗秀運輸大臣官房観光部業務課長

○石出説明員 御説明します。  旅行業協会は二つあるわけでございますが、そのうちの日本旅行業協会におきます利子収入は、五十五年度におきましておよそ五千六百万円でございます。(横山委員「供託金利息ですよ」と呼ぶ)はい、およそ五千六百万円でございます。それからもう一つの全国旅行業協会におきましては、およそ一億三千万円でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうしますと、この五十五年度で片一方の協会は五千六百万円これから年間減る、もう一つの方は一億三千万円供託金利息がなくなる、こういう意味ですか、今度の法律で。

石出宗秀運輸大臣官房観光部業務課長

○石出説明員 御説明いたします。  旅行業法におきます供託の方法としましては、金銭供託と証券供託の二通りが認められておりまして、供託金のほとんど大部分が証券供託によって行われておる実情にございますので、今回の改正におきましては、ごくわずかな減収になるだけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうしますと、一億三千百六十四万円というのは証券供託と金銭供託と両方ある、そうですね。だから、金銭供託の利子がなくなるが、金銭供託の利息はそんなにはない、こういう意味ですか。

石出宗秀運輸大臣官房観光部業務課長

○石出説明員 さようでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 わかりました。  そこのところは、不動産の保証協会では年間どういうような状況になりますか。

末吉興一建設省計画局不動産業課長

○末吉説明員 宅地建物取引業法に基づきまして、保証協会が実は二つ指定してございます。五十六年三月末現在の供託額が、合わせまして約百八十億円ございます。このうち三月末時点で現金供託しておりましたのを調べますと九・九%、おおむね一〇%に当たります十八億六千万円となっております。したがって、これの分がそのときの状態でそっくりなればなろうかと思いますが、この金額につきましては、手元にといいますか、直ちにどれくらいの現金を置いておかなければいけないか、そういう点につきましてはさらに若干の詰めが必要だと思いますが、とりあえず三月末の現況で申し上げますと、約一割近くが現金で持っておった、こういう状況でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 最高裁に、先ほどの質問に続くわけですが、裁判上の供託は銀行の支払い保証だけでよろしいというのですが、その「銀行等」というのは何と何でありますか。ネコもしゃくしも支払い保証書を持ってくればいいというわけではないでしょう。ネコでもしゃくしでも支払い保証書を持ってくればいいというわけではなくて、「銀行等」というのは、その支払い保証書を出せる資格のある機関はどれとどれですか。

川嵜義徳最高裁判所事務総局民事局長

○川嵜最高裁判所長官代理者 銀行法に言う銀行、それから保険会社、これは損害保険を取り扱う保険会社でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 なぜ銀行法による銀行、保険会社だけで、あとは信用にならぬというのですか。たとえば、いまいろいろありましたが、保証協会、不動産の保証協会、旅行業の保証協会、全国旅行業協会、いま十五億円も余っているようなところですよ。それから、株式会社でも通産省は供託せぬでもいいと言っておる保証会社、そういうところはなぜいかぬのですか。それから中小企業の保証協会、これは法律に基づいておりますね、なぜいかぬのですか。それから信用金庫、なぜいかぬのですか。信用組合、なぜいかぬのですか。労働金庫、なぜいかぬのですか。なぜ銀行法によるものと保険会社だけに限定をしなければならぬのか。

川嵜義徳最高裁判所事務総局民事局長

○川嵜最高裁判所長官代理者 突然のお尋ねでございますので、その点につきましては十分つまびらかにすることはできませんけれども、何分新しい制度でございます。したがいまして、代表的な金融機関に支払い保証を委託するという制度をとったものと思われます。将来、いま御指摘の金融機関、そのほかの金融機関等の支払い保証委託まで広げていくかどうか、一つの課題であろうとは思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 課題であろうといったって、そのときに銀行と保険会社だけは信用あるから紙切れ一枚でよろしい、あとのいま申し上げた諸般のものはまだ信用ならぬ、そんなことが言えるのでし上うか。最高裁はそんな頭の古臭いところでしょうか。法律に基づいてそれぞれ信用保証機構を持って堂々とやって、十五億円も余ったので出捐しようかと——ああ、いやな顔してこさるけれども、何遍も言うものだから。だけれども、それほどやっておるところをあなたの方には頭にないのですか。  それからもう一つ伺いますが、最高裁はいまの民事執行法の規則によってやったと言うのだけれども、最高裁規則で、いま私はもう法律を抜きにして物を言っているのだけれども、あなたの方は供託を受け入れる方だ——受け入れる方は法務省か。じゃ、法務省でもええわ。供託を受け入れる方で支払い保証書でええというなら、最高裁が規則を決めたというなら、法務省だって、供託について支払い保証書を持ってくればええというふうに割り切れぬですか。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 法務省といたしましては、供託所を設けて供託制度を運用しておるという立場でございます。したがいまして、各省庁が立案、制定されました法律によって供託制度を利用するという場合には法務省の供託制度を御利用いただく、それ以外の方法をお認めになる場合にはそちらの方に方法が流れていくということになるわけでありまして、私どもの所掌事務とは直接関係がないということになるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 ぼつぼつ大臣に伺わなければならぬのですが、これまだ山ほど問題があるのです。あるのですけれども、大体私が要約して言いますと、結局私の言わんとするところは、裁判の供託だけは銀行の紙切れ一枚でええ。そんなばかなことがあるか。しかも銀行というのは、信用ある銀行法及び保険業法だけでなければいかぬ、あとのやつは信用ならぬであかんという最高裁の規則がある。そんなことを言わないでも、指定をすることによって支払い保証が来ればそれでいいではないか。何もあなたのところは、供託金を預けなければ損するとかそんなことでなくて、行政改革の一環だから、おい、支払い保証書一枚でええということにならぬだろうか。  そして、それをいまの御答弁のように、法律に基づいて供託しなければいかぬと書いてあるけれども、しかし、大企業はほとんど債券なり現金を供託しなくてもいいのです。特例がみんな各法に設けられておる。中小企業関係だけは皆供託しろと言う。その中でも、株式会社でありながら供託せぬでもええ、社団法人でありながら全額供託せなあかん、そういうような区々たるものがある。  私はいろいろ各省に注文しましたが、たとえば最高裁には、法律で許し得る限り紙切れ一枚の範囲を広げよ、法律の許す限り広げよ、それから法務省には、法律に基づいて持ってくるけれども、そんなもの現金でなくても、債券でなくても、信用があるところで指定されたところならば、それは紙切れ一枚でええ、どれだけ便利になるかわからぬと思っている。ところがこういうことを、いまお聞きになっているように整合性が全然ない、どこも責任を持ってその横並びを考えるものがない。  そこへ、去年の十月、民事執行法で紙切れ一枚でいいということになっている。いいということになったときに、法務省は少し供託の状況を何で調べなかったか。おれのところ今度紙切れ一枚でいい、大蔵省と話がついたから、金融機関と話がついたから、おまえらも参考にしろと、何でそれをやらなかったか。私の職務じゃありませんと言う。そんな不親切なことがあるかと私は言うのであります。各省もこうやってみると、初めて、そうですか、向こうは供託せぬでもいいのですかと、このようなことですね。ほう、大企業は全部底抜けになっておるのですか、知りませんでしたと、こういうようなことなんです。だから、行政改革の一環にもなることだから、この際、供託法の改正を機会に横並びを一遍考えてみて、ひとつ号令をおかけになったらどうか、こういうわけです。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 供託の問題が区々になっていることは、御指摘のとおりだと思います。先日も若干そういう式の話がありまして、根本的に見直す考えはないかというお尋ねをいただいたこともございました。  営業の実態が、沿革その他区々にわたっておりますし、また保証のことにつきましても、保証協会をつくるというような仕組みをとるところもだんだんふえてまいってきておりますし、また、信用の制度もだんだん進展をしてまいってきているわけでございますから、御指摘のような支払い保証の制度というようなものも公的に採択されるというようなことにもなってきているわけでございます。できる限りそれぞれの仕組みの間に大きなふつり合いがないということは、国民の立場から考えますと望ましいことでございます。とはいいましても、それぞれの営業に関する法律に基づいて定められていることでございますし、また、それぞれの法律は国会において審議を経て制定されていることでもございますので、ここで私が統一を図りましょうと積極的に申し上げることは困難だと思うわけでございますけれども、いま大変貴重な御意見をお述べいただいたわけでございますので、こういう議論があったことを、いずれまた供託問題について法務省としても考えなければならないわけでございますので、関係各省に連絡をしたい。そして逐次関係各省において十分御検討いただかなければならないと考えておりますので、そのような努力はしたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 いま大臣から念の入った御答弁がございましたから、関係各省はひとつ私の意見、大臣の御答弁を踏まえて、最高裁を初め各省とも御検討を願いたい。これはもちろんいまお話のあるように、法律改正しなくてもできる問題がある、法律改正しなければならない問題がある、それを全部横並びに一遍に出してもらうと望ましいことではあるけれども、しかし、それぞれ各省の御都合もあるだろうから、逐次この供託の問題についての行政改革の一環とも考えられて、ひとつ処理を促進していただきたい、強く要望をしておきます。  供託法についての質問を終わることにいたします。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。      ————◇—————

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 先般、行政改革特別委員会で、ある委員からいわゆる日本人妻についての質問があり、法務大臣からも御答弁がありました。私も席上逐一拝聴をしておったわけでありますが、気にかかることが幾つも幾つもあるわけであります。質問者の立場、質問のありよう等からいいまして、何か問題の所在が違う、バックグラウンドが違う、それによったような質疑応答が続けられておったと私は感ぜざるを得なかったわけであります。そこで改めて法務省、大臣以下関係の皆さんに、いわゆる日本人妻の問題について問題整理をいたしたいと思います。  まず、いわゆる日本人妻というものはどういうものかということであります。  二十年も前、日本赤十字社のあっせんによってたくさんの朝鮮人諸君が故国へ帰りました。その中にいわゆる日本人の奥さんがあったわけでありますが、奥さんが共和国へ行ったということは、言うまでもなく自由意思で帰国をしたこと、それから日本国籍は放棄せずにそのままで行ったであろうこと、それから共和国へ行ってから多分朝鮮国籍に入ったであろうと思われること、その可能性がきわめて強い現実的なことだと私は思いますが、そうだとすればいわゆる二重国籍である。いわゆる日本人妻という——なぜいわゆるということを言うかというと、日本国籍と朝鮮国籍との両方を持っておる二重国籍者である人であること、そういう意味合いでいわゆるをつけるわけでありますが、そういう分析については法務省は御異存ございませんか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいまお尋ねのいわゆる日本人妻でございますけれども、北鮮に帰還いたしますときに、出国に際しまして自由意思で渡航するということを確認いたしております。  それから、現在千八百三十名と推定されておりますけれども、これだけの数の日本人妻が出国をいたしますときには、日本国籍を持っておりました。  それから第三点でございますが、北鮮へ渡ってから朝鮮国籍を取得したかどうかは、必ずしもはっきりいたしませんけれども、もしそうであるとすれば、二重国籍者であろうと考えます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 二重国籍者であることについては、向こうの戸籍に入籍していない人も理論上はあるかもしれませんが、二十年たっているんですからまず二重国籍者である、そういうふうな前提のもとにお伺いをいたしますが、その人たちが入国をしたい、つまり里帰りをしたいというときには、法務省としてはどんな扱いをなさいますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 二重国籍者の場合には、日本の国籍を持っておるわけでございます。したがって、その場合には日本国民として、日本人として入国手続が行われます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 里帰りをする人が、私は日本人ではない、私は朝鮮へ行って朝鮮国籍を取得した、朝鮮名を名乗って入国をするということになることは、理論上、常識上あるいは感情上当然だと私は思うのであります。そういう場合にどうなさいますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 職権をもって調査いたしましてもどうしても日本人であるということが確認されなかった場合には、やはりこれは朝鮮人として入国手続をとることになろうと思います。里帰りを希望されているそういう朝鮮人と思われる元日本人妻の場合には、私どもといたしましては、人道上の見地からできるだけ前向きにこれに対処したいと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 つまり、先方が朝鮮名を言って、私は朝鮮人である、しかし里帰りという理由を持ってくるのであろうから、あなたの言う元日本名は何ですかと調べて、それを職権で戸籍を調べて、それが確認されたというときには、先方が私は朝鮮人であると言っても日本人として入国を認める、こういうわけでございますね。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 そのとおりでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 さて、里帰りの希望というものであります。私は、いわゆる「望郷」というこの間行革委員会へ提出されました日本人妻自由往来実現運動の会、発行人池田文子なるもののこれを全文朗読をいたしました。この手紙なるものも朝鮮及び日本における住所、氏名が書いてありません。いろいろな理由があるかと思うのでありますが、書いてありません。一説には、これは作文だという説があります。しかし、どちらもわかりません。  しかし、これを見てみまして、これが仮に真実だといたします。かなり年を追うて書いてありまして、その中には、向こうへ行って大変幸せに暮らしておる、生活はたとえば病気になってもただだ、金日成主席のもとに南北統一を図ろうとしておるというようなくだりが特徴的でありますが、もう一つの特徴的なことは、荷物を送ってくれ、何でもいいから送ってくれ、あるいはまた金を送ってくれというようなことが特筆すべきことではないか。いつかは会いたいということも書いてある。けれども、いまどうしても里帰りをすぐにでもやってくれということは書いてないのです。いつかは会いたい、それよりも物を送ってもらえぬか、手紙をくれということが全文にあるわけですね。  いわゆる日本人妻が里帰りを本当にしたい、朝鮮から、本人からそういう里帰りがしたいという希望があるということは、何で確認をしましたか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 北朝鮮に渡りました日本人妻から里帰りしたいという、そういう手紙があるかどうかということでございますが、私どもはそういうものを見たことはございません。ただ、この二十年以上にわたりまして千八百三十名の日本人妻が北鮮に渡ったわけでございますけれども、その人のうち一人として里帰りで帰ってきた人はないわけでございます。その場合、私どもといたしましては、異郷にもう数年あるいは何十年と過ごしておられる日本人妻が一度里帰りしたいと思うのは人情ではないか、そういうふうに考えて、当然そういう気持ちを持っていられるのではないかと思っておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 全くあなたと私も同感なんです。われわれは客観的に、いわゆる日本人妻が帰りたいと言ってきたという証拠を何も持っておりません。ただ、恐らく二十年もたつだろうから帰りたいだろうなという点については私も全く同感で、この里帰り運動が実現することを望む一人であります。ただ、その里帰りをしたいだろうなということはわれわれだって——私は郷里が名古屋で、名古屋で生まれて名古屋で育っているのだから里はありませんけれども、北海道から東京に嫁に来ている人だって、年に一度、お盆や暮れには帰りたいとだれだって思う。それと同じような問題、もっともっと深刻ではありましょうけれども、だれだってそれは思うことは一緒だということだと思うのです。  ただ、それについて、この間の質疑応答の中で私が思うには、何かいわゆる日本人妻だけが共和国で非常な虐待を受け、貧困のどん底にあり、食うや食わずで、この手紙の中のほんの一部だけとらえて、いかにも日本人妻が泣きの沢で苦しんでおるかのごとき印象が横溢しておったわけで、私これは全文見ましたけれども、もう本当に元気で働いておるとか、夫婦で働いておるとか、金日成主席の誕生日の祝いに全国体育学生大会に平安北道の代表として子供が個人の競技で第三位となって元気で帰ってきたとか、この間はそういうところは読まなかったのです。  そういう点から考えますと、いわゆる日本人妻だけが本当に苦しいのでなくて、日本におった人が韓国なりあるいは朝鮮へ行けば、生活水準、経済水準が違うのですから、日本でわれわれのような生活をしておった人が朝鮮へ行って生活水準が低いのですから、何か欲しい、向こうにないものを欲しいと言うのはあたりまえでしょう。日本人妻だけが貧困でなくて、家族もみんな日本に比べれば低位であることは言うまでもないことでし上う。朝鮮それ自身の経済なり生活水準が、いろいろあるけれども、日本より低いことはあたりまえのことなんですよ。そういう角度できちんと把握をしながら物を言わないと、日本人妻だけが本当に虐待を受けて食うや食わずで泣きの河で、あそこを逃げ出したいと言わんばかりの話では、これはあきませんぞ。こういう感覚はまさか法務省では持っていらっしゃらないでしょうね。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 北鮮に渡りました日本人妻がどういう生活をしているかということについて、私ども詳細承知いたしておりません。食うや食わずであるのか、あるいは虐待されているのか、そういうことをおっしゃる方もあるようでございますけれども、私どもといたしましては、何らそういうことにつきましては情報を持ち合わせておりません。ただ、それとは関係なく、日本人妻が二十年以上も向こうに住みついている人がおりますし、そういう人たちが一時的な里帰りを希望するのは、人間として当然の気持ちではなかろうかと考えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは一九七九年、共和国へ行かれた自民党の大鷹淑子さん、山口淑子さんの朝日新聞に載った論壇なんでありますが、   以前から、朝鮮へ渡った女性たちは、悲惨でみじめな生活をしている、といううわさが流布されています。本当だろうか?国会でも再三この問題が取り上げられ、私も政治家の一人としてその責任を感じ、何とかして実情をつかまねばと思っていたのです。   今回の訪朝で、金日成主席はじめ当局の配慮により、私は初めて五人の日本人妻と会うことができたのですが、彼女たちと会ってみて、日本で取りざたされている話がいかにでたらめで、根拠のないものかわかりました。むろん、私が実際に会うことのできたのは、全体からみればごく一部にすぎないが、少なくとも五人の女性たちは、この国で暮らしている日本人妻の側面を十分に伝えてくれることだけは確か、といえましょう。   私も、正直に申しますと、彼女たちに会う前は、“前宣伝”に災いされてか、その身の上に暗いイメージを描きがちでした。ところが現実に、あざやかに朝鮮の女性へと“変身”した、心身ともにたくましい彼女たちを目のあたりにして、まことに強烈な印象を受けました。 こういう論壇を出したら、今度は韓国居留民団中央本部から、この論壇に対して、独断的で実態を伝えていないという趣旨の反論が出たわけですね。そこでまた、山口さんが、大鷹さんですね、それでは困るというわけで、再び論壇に論文を送ったわけであります。  その論文の要旨を申しますと、一週間程度の短い滞在日数の中で、五人の人に会うのが精いっぱいだった。今回が終わりだとは思っておりません。これからも会うつもりだ。  「第二に、私の報告が「日本の家族たちが知りたがっている生活の実態については、何も手がかりがない」と批判しています。しかし私には今回、テレビ取材班が同行したので、その取材班が、北朝鮮の人びとの生活をも含め「日本人妻」の姿について、カメラにおさめています。」近く大阪のテレビ局から放映されるから見てもらいたい、新聞記者も一緒にやったんだと。  それから第三に、「「日本人妻」が日本の家族へ寄せた手紙を取り上げて「行間に伏せられた生活苦は、読む者をしてあわれを誘う」と指摘しています。彼女たちが果たして「あわれな生活苦」かどうかは、先に述べた資料でも判断できるでしょうが、あえて付言すれば、金さんが引用したものとは異なる内容の、向こうの生活に喜んでいる手紙も届いているのです。」  省略して、「最後に、金さんは私に対して「うまく北朝鮮に利用されている気がする」といっていますが、この見方には断じて承服できません。私は、日本の政治家として、人道上の立場から「日本人妻」の身の上に関心を寄せ、その実情を知るべく、この問題にたずさわっているのです。」と、かんかんに怒って山口さんが答弁しておるわけですね。  ですから私は、この問題についてもう少しバックグラウンドを広げたいと思いますが、この運動は、この本の中にありますように、池田文子さんという人が責任者としてやっておるわけであります。ところが、その池田文子さんという人は一体どういう人かといいますと、池田文子さんは国際勝共連合小平支部責任者である江利川安栄の偽名である。江利川安栄は、六八年ごろから朝鮮大学校認可取り消し運動を広げ、そうして国際勝共連合の職業的な反共活動家である。また、これをバックしている救国連盟も国際勝共連合がでっち上げた団体でありますが、救国連盟の総裁の久保木修巳氏は国際勝共連合の会長であります。私も会って知っております。なぜ一体二つの日本名を使っておやりになるだろうかと感ずるのですが、日本人妻の問題については池田文子の名前でやっておられる。そして江利川安栄という名前では国際勝共連合小平支部責任者である。いまはどうか知りませんが、このころであります。そして韓国へ盛んに行かれて、この日本人妻の運動を韓国で大キャンペーンを張っておられる方なんであります。  要するに、日本人妻の運動は、あなたも言われるように、私もそうだと思うように、直接いわゆる日本人妻から、われわれは里帰りをしたいという具体的なあれをもらっておりません。多分そうであろう、人情であろう、だから骨折ってあげたいということなんだが、表へ出ております運動というものは、韓国を舞台にして、この江利川安栄を中心といたします反共運動がこの運動の舞台であるということなんです。  これによりますと、これは七四年でありますが、当時日本赤十字社の木内利三郎外事部長は、救国連盟の言う日本政府による安否調査団派遣について断る、他国の国民となっている以上日本赤十字社がとやかく言う筋合いではないと前に言っておりますが、あなたの方から日本赤十字社にこの問題について依頼をしたとかなんとかということがありますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 北朝鮮におります日本人妻の里帰り問題は、いわば在外邦人の保護の問題でございますので、主務官庁は外務省でございます。外務省はいろいろなルートを通じて里帰りが実現をするように努力しているようでございますけれども、その一環といたしまして、赤十字との接触もやっているように私は承知いたしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 外務省がやっているだろうとおっしゃるけれども、ほかの資料を見ますと、外務省が日本赤十字社に依頼をしたという事実は、私は残念ながら見ることができないのですよ。  それで、いまあなたのおっしゃった、わが国としては日本人だ、それは当然ですね。二重国籍者です。海外における日本人という純粋なとらえ方でよろしいのでしょうか。それが仮に、向こうはおれの国の国民だと言っておる、ところが何かトラブルが起きた、それじゃ、二重国籍であるけれども、日本人だからその保護については国の問題だと言うて日本国政府が、日本人として共和国に対して文句を言ったりあるいは実力行使をしたり、外交折衝をしたりすることが予定されるのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 先ほどの御質問に対する私の御返事を敷衍する形で申し上げたいのでございますけれども、確かに、いまの日本人妻の問題というのは、在外日本人の保護という意味合いで外務省が正面に立っております。ただ、法務省といたしましても、北鮮への帰還業務を取り扱いました関係上、この問題について非常に関心を持っております。したがいまして、側面から、北朝鮮におります日本人妻の里帰りが実現するように骨折りたいと常日ごろ思っているわけでございます。そのためにいろいろなことが考えられますけれども、なかなかこれという決め手になる名案がないわけでございます。  なお、赤十字の方々とは常日ごろいろいろ接触をして、こういう法務省の気持ちは赤十字もよくわかっているはずでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この辺で大臣に伺いたいのですが、去年の十一月、参議院の外務委員会で、自民党のアジアアフリカ研究会が金日成主席と会って、金日成主席から里帰りについて努力をしようという約束を取りつけられたことについて、伊東外務大臣は、里帰り実現の足がかりになる重要なものと受けとめており、人道的な問題であり、今後日赤や訪朝国会議員ともよく相談して何とか実現に努力をしたい、こういうふうに答えられたわけであります。  私は、この間の質問にあなたが答えられたことを、どうしたら里帰りが実現できるかということを、真剣に考えるわけであります。  一つの舞台は、この本を土台にした韓国側ルート、韓国の国民運動としてのルート、このやり方であります。日本人妻だけが非常に苦吟しておる、そして虐待を受けておる、そして食うや食わずである、これは共産党の国だからけしからぬのだという韓国の国民運動的なやり方によるルートであります。  もう一つは、私どものことは言わぬけれども、山口淑子さんがやっていらっしゃった、そしてまた自民党のAA研がオーソドックスに共和国と話す、そして、そんなばかな共和国の悪口を言って向こうがいやに思って、そんなに悪口を言うなら帰すというようなことをねらわないで、二十年もたったのだから、日本政府としては貴国の御理解さえあればいつでも温かく迎えるから、どうぞ遠慮なく言ってくれというような言い方、その二つの道があると思うのであります。  この間の行革委員会では、この新聞によりますと、池田文子さんら五人の代表が二階にいて、「岡田氏が肉親の手紙を読みあげると、思わずこみあげてくる涙を抑えかねていた。」という報道なんですね。このやり方では実現しないと私は思うのです。やはり共和国と日本政府、日本政府が悪ければ国会議員団、あるいは共和国に直接行ってひざを交えていろいろ話をするやり方でなければいかぬと思うのです。  それから、里帰りを望んでおるであろうことは、私も局長のおっしゃるように理解するにやぶさかではありません。けれども、そういう、物を送ってほしい、金を送ってほしいと言うことは、日本と経済水準が違うところだから、こちらで生活したことがある人だから、あれも欲しいこれも欲しいと思うのはあたりまえ。東京で暮らしている若夫婦が九州の里へ九州の物を送ってくれというのと同じようなことに理解をしなければいかぬのではないか。そうであっても、帰りたいと仮に思っておっても、旅費をだれが持ってくれるか。往復の旅費、みやげのお金、そういうものがいわゆる日本人妻の御家庭にあってはそう簡単ではないと思いますよ。家族と暮らしており、あるいはみな働いているのだから、いつでも飛んで帰れるような条件がすぐにくるとは思えぬですよ。  そういう相手方の事情もいろいろ考えて気持ちよくやらないと、向こうの悪口を言って、日本人妻が虐待を受けているような言い方では、逆に共和国を刺激して、金日成主席のせっかく言ったことも実現ができない雰囲気をつくり上げてしまう、私にはそう思われてならぬのであります。法務大臣の御意見を伺いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 いわゆる北朝鮮の日本人妻の里帰りが実現できますように、あらゆる方途を通じて努力をしていきたいものだな、こう思います。それには、御指摘になりましたように、感情的な対立は避けるべきである、これも大事なことだ、こう思います。昨年の八月でしたか、いま御指摘になりましたように、金日成主席がその実現を図りたい、こう言われたわけでございますので、私もその言葉を信じたい、こう思っております。  日本の市町村の多数の議会から、議会の意見書として私のところへ、里帰りの実現に努力しろ、こういうものをもらったわけでございます。やはりそれにはこたえなければならない。法務省としまして、一年に何千人という方の北朝鮮への里帰りを認めているわけであります。日本がこれだけ多数の方々の里帰りを認めている、そしてまた日本に帰ってもらっている、だから、北朝鮮の方もそういう措置をとってくれたらいいじゃないだろうかな、昨年せっかく金日成主席がそういう言明をされているのだから、ぜひ早く日の目を見させてほしいな、私としては金日成主席の耳に届けばいいがなという願いを持ちながら、閣議で報告させていただいたわけでございました。  いま作文をお示しになりましたけれども、その中には、羽があったら飛んでいきたいというような言葉もあるわけでございまして、私は、里帰りの気持ちはそういう文章からもう十分読み取れる、こういう判断をしているわけでございますし、日本人だけがいじめられているという感じを持っているわけじゃございません。かなり苦しい生活をしておられるということも十分読み取れるわけでございます。  外務当局も、国会で、赤十字社を通じて話し合いをしているということを言われたこともございました。話し合いが実っていきますれば、どういう方法で里帰りされるというような具体的な方法も、おのずからまとまっていくのじゃないだろうかな、こう思うわけでございます。  あくまでも感情的に走らないで、事は実現させなければならないわけでございますから、みんなで知恵をしぼりながら、早くそういう日を迎えたいな、こう思っているわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 日本と違いまして、朝鮮民主主義人民共和国という国柄を考えなければなりません。やはり共和国の政体、それから一貫した指令系統、そういうものを考えて処理をしなければなりません。また、これは日本と共和国との関係が悪化するような状況のもとでは実現できません。だから、日本と共和国との円満な関係の中にこれは実現をする、金日成主席も一遍言われたことであります。これは国会の議事録に載っていることでありますから、向こうも記録に載っていることでありましょう。それを本当に実現させるためにはどうあればいいか。大臣もせっかくそういうふうにおっしゃったならば、自民党の訪朝団にしても、あるいは各党の訪朝団にしても、あるいは赤十字社にしても外務省にしても、向こうの立場も考えて、向こうの善意が実現できるような受け入れ体制、物の言い方、対処の仕方を考えなければ逆効果になるということを、くれぐれも私は御注意を申し上げておきたい、そう思います。  入管の態度ということも大体了解をいたしました。私どもも、及ばずながらこれが実現のための最善の方策を模索してやりたいと思いますから、政府側としても、そういう実現ができる方法、させる方法ということを十分考えて対処していただきたい。  以上申し上げて、私の質問を終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 午後一時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午前十一時四十一分休憩      ————◇—————     午後一時五分開議

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 国会の常任委員会は、常任委員会を開くための国会法のルールというものがありますが、午前中に引き続いてという委員長の御発言でございますけれども、この委員会は国会法で定めていられるとおりの定員を一体充足しているのかどうか、まず委員長にお伺いいたしたいと思います。——委員長、御答弁ありませんか。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 それじゃ速記をつけてください。  小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 ようやく定数がそろったようでありますから質問を開始いたしますが、それにいたしましても委員長、一言私はあなたに申し上げておきたい。  私も、何も意地悪くこういう処置に出たわけではありませんけれども、私もささやかながら常任委員長の経験もありますし、特別委員長の経験もあります。また、各委員会の理事等もそれぞれ歴任をした経験はありまするけれども、私は、他の委員会に比較してこれほど定数のそろわない、まあ大きく言えば閑古鳥が鳴くといいますか、そういう委員会はこれをもって初めてであります。初めてがいいか悪いではないのでありますけれども、やはりこの定数というものは、常任委員会、あるいは特別委員会もそうでありますが、成立の最大の条件なんですから、それに対して一体委員長はどんな努力をされた。  私は、昨年六月の選挙が済んでからこの法務委員を命ぜられて、今日まで一年有半の歳月を経過しておるけれども、この法務委員会が定数をそろえたということは、残念ながら私に関する限り一件もない。同時に、委員長は定数をそろえるために努力、苦労されたというその姿も見たこともない。悪いですけれども、私どもは委員長をやっておるときには、いかにしてこの委員会を守るか、定数をそろえるかということに自分みずから全く汗のしたたるような苦労を重ねてきて、そして、その成立のために努力した。あなたはのうのうとしていられるじゃないか。そんなことで一体委員長としての職責を全うするなんということが言い得ますか。  四十八条に何とありますか。「委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。」その整理、秩序という中には、一番大事なこの委員会を、定数をそろえて成立させるということが一番の大事な任務でなくちゃならぬ。それが行われていないのでありますから、実に私は勘忍に耐えかねて、きょうはひとつあなたに警告を発しようというつもりで正当な発言をしているわけであります。本来ならば委員長解任決議を出せばいいのでありますけれども……。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 小林委員にお答え申し上げます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いや、まだ私は発言中だ。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 委員長としては常に定数確保に努力をいたしております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は発言中ですから、私の発言が済んだらあなたが答弁しなさい。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 発言の整理をするのは、委員長の権限であります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 まことにそういう思い上がった姿勢だから、この法務委員会というのはうまくいかないのです。満足に定数が半分もそろわないのです。議事を進行するためには、一歩引き下がって謙虚な姿勢でなければいけませんよ。  それで、この問題はきょう一日のこの委員会で終わる問題じゃありませんから、また次から次へと継続していく問題ですから、きょうは警告だけにひとつとどめて、次に質問に移りますが、━━━━━━━━━━

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 ━━━━━という言葉は取り消してください。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、みずからそう思ったのであります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 取り消しを命じます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 ━━━━━━━━  そこで御質問いたしますけれども、この法案、外国人登録法の一部を改正する法案の目的が一体どこにあるのかということから質問をいたしてまいりたいと思いますが、これは現在政府が行わんとしております行政と財政の整理のために、その一環としてこの法律をお出しになったということでございますが、しからば、この法律の改正を行うことによってどれだけ行政の面において省力といいますか、行政のむだを省き、財政の面において幾ばくの費用を節約することができるのか、具体的にお聞かせを願いたいと思うのであります。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 今度外国人登録法の一部改正をお諮りしましたのは、先生御指摘のとおり、登録事務の簡素化、合理化を行いまして財政支出の削減を図るということでございます。この結果、来年度の予算にいたしまして約一億九千万円の財政支出を節約することができます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 財政支出の面において一億九千万円。わかりました。  行政の面において、たとえば人員等がどれくらい節減することができるのか。もちろん、一億九千万円の財政の中にはそれは含まれるのでしょうが、人の面においてはいかがですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 都道府県が保管、整理しております写票を廃止すること、それから不要になりました登録証明書の返納手続を廃止するという、この二つを通じまして都道府県の職員約五十五名を節減することができるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 人員において五十五名、財政の面において一億九千万円というと、確かにこれは効果がありますね。その面においてなおかつ行政に支障を来さないということになるならば、私どもは反対する理由は一つもない、むしろ積極的に賛成をしなければならぬ法改正であると思います。しかし、行政の面において支障はございませんか。いかがでございますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 私どもといたしましては、外国人登録法の目的を達成するために必要な人員と予算はどうしても確保しなくちゃいけないと考えております。そこで、この目的を確保しながら、しかも他方におきまして登録事務の簡素化、合理化を図って地方公共団体の負担を軽くし、それからまた外国人の負担も軽くするということを常に心がけておるわけでございますが、今度お諮りいたしております外国人登録法の改正によりまして、登録事務に支障を来すことは全くないと考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 外国人の登録事務にいささかの支障がないといまおっしゃいました。ないということになると、いままでは支障のないものを、余分なものを五十五人も抱え、一億九千万円もむだな金を使っていたという、こういう反対論が成り立つわけですが、いかがでございましょうか。いままでがむだに使っていたということになりますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 私ども、この外国人登録法の実施に際しまして一番頭にございますのは、不法入国者でございます。この不法入国者を取り締まるということが、私ども公正な外国人管理の一つの重要な目的であると考えておるわけでございます。ところで、この不法入国者の数というのは最近減少の傾向がございます。したがいまして、この辺でいろいろと登録事務を簡素化、合理化しても差し支えないというふうに考えたわけでございます。いままでのやってきた同じことがむだであったとは全く考えておりません。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 ここいら辺でひとつ委員会成立の問題で物を言いたいのでありますけれども、きょうのところはひとつその点において口をふさぎましょう。ふさいで次に進みますけれども、見てくださいよ。まあ、言わぬでおきましょう。  それでは申し上げますけれども、不法なる入国者が減ったといいますけれども、どんなぐあいで減少してきたのか、少し具体的にお聞かせ願いたいと思います。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 不法入国者が減ってきていると申しますのは、具体的に不法入国者として摘発されておる人の数が減ってきているということであります。もちろん、これだけで直ちに不法入国者が減ってきていると断定するのは多少問題もあろうかと思います。と申しますのは、最近の不法入国者はやり方がかなり巧妙になってきておる、したがって、摘発される数が減っても実際には不法入国者がそう減っていないという、そういう事情もあり得るかと思います。しかしながら、最近、不法入国者というのは朝鮮半島から来るのが多いのでございますけれども、韓国の経済も非常によくなりましたし、したがいまして、いろいろな事情を総合的に考えまして、やはり不法入国者の数は漸減しているというのが客観的な姿ではないかと私どもは考えております。  なお、最近の不法入国者で摘発された者、特に韓国からの者は昭和四十一年以降毎年数百名程度でございまして、全体としては少しずつ減ってきているということでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 あなたのいまのお話は、朝鮮半島からの不法入国者が漸減をしているということで、具体的に数字を挙げて的確に御説明になったわけじゃございませんから、その程度の説明じゃ私は納得がいきません。  あわせて、ゆうべテレビ等で報道いたしておりましたけれども、いわゆる観光旅券で入ってきて、それで日本国内で怪しげな歌手のまねをしたりあるいは売春をやったり、いろいろそういう不当不法なる行為を行っている女性などが年々歳々激増しているというんだな。あるいは韓国、あるいは台湾、あるいはフィリピン、あるいはタイ国、そういう東南アジアの国々から入ってきている者が年々歳々増加をしている。これは一体外国人登録法に違反しないのか、不法入国者じゃないのか、これを含めてあなたは減っているとおっしゃるのかどうか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ゆうべのNHKの不法残留者に関する番組は私も見ましたけれども、先ほど申し上げました不法入国者のほかに、不法残留者というものが在留管理をしております私どもにとっては最近頭の痛い問題でございます。  御指摘のとおり、この不法残留者というものは、東南アジアからの女性を中心にいたしまして最近非常にふえております。いろいろなやり方がございますけれども、たとえば観光査証を持ってきて、観光査証で入国して、そしてキャバレーのホステスとかそういうたぐいの仕事をする、これは資格外活動でございますけれども、さらにその在留期間を超えて不法に残留しているケース、こういうものがいろいろあるわけでございます。いずれにいたしましても、こういういわゆる広い意味の不法残留のケース、こういうものにつきましては、もちろん入管令に違反でございますし、それから外国人登録法というものを活用して取り締まりに遺憾なきを期したいと考えているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 不法残留者とおっしゃったですな。ザンはどんな字ですか。ザンは残るですか。とどまり残るですか。——それは不法入国者と不法残留者という言葉の上であなた方は区別をしておられるようでございますが、いずれにしても、不法に日本国内に滞在をしておることにおいては同一でございます。これはまた、わが日本のあらゆる面に弊害を与えている。だから、私はこの問題はもう十年前から論じて、こういうものを根絶するように努力すべきであるということを入管当局に繰り返し要望してきているのであります。  あなたは大鷹さんとおっしゃいましたな。どうも頭がこんがらがっていけないんですが、大鷹さんはあなたの兄さんですか、あなたは弟ですか。それもよくわからないんだが、どこか外国の大使かなんかにおいでになった方がありますな。——そうですか。そのことはこの質問には直接影響ないようだけれども、私の頭を整理する意味においてはやはり関係ありますから、兄だか弟か、ちょっと後で教えていただきたい。  いずれにしても、あなたは入管の局長ですな。かつて入管に竹村という次長がおいでになったときに、私は具体的に例を幾つも挙げて、この問題を徹底的に取り締まることを竹村次長に特にお願いをして、彼も快諾をして帰ったという古い話もありますけれども、今日これを振り返ってみると、ちっとも改善されていない。むしろ年々歳々ふえている。実に残念至極にたえないのですよ。だから、この外国人登録法の改正案をお出しになるこの機会に、私は入管当局のかたい決意を承っておきたいのでありまするけれども、将来にわたってこれを断固おやりになる気があるのですか。取り締まりといいますか、これを禁止するといいますか、あるいはやはりいままでどおりに、ここでは何というか言葉のやりとりだけにしておいて、これを年々ふやしていくということもまたやむを得ないというふうに考えていらっしゃるのかどうか、私は明確に承っておきたいのであります。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 私どもといたしましては、全力を挙げて不法滞在者と申しますか、こういう人たちの取り締まりをやりたいと考えております。  まず入国の段階で、たとえば空港に着きましたときに、もし観光査証を持っている場合には観光の実際の具体的な日程であるとか、あるいは実際に滞在期間中十分な外貨を持っているかとか、そういういろいろなことを調べまして、そうしてできるだけその段階で、水際でこれを発見するということに努めているわけでございます。またさらに、それに漏れて日本国内に入った者につきましては、私どもの警備官とかそういうものをいろいろ動員いたしまして摘発に努めているわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後ともこういう不法残留者というものをできるだけなくしたいというかたい決意で臨んでいる次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 ちょっとあなたにお伺いしますが、成田なら成田、あそこの入管を扱う場所で本人を確認するとかチェックするとかということが入管の一つの仕事であることはわかりますが、入ってしまった後、彼らがそういう怪しげな業務に携わっているとかということを追及をしたり、チェックをしたりするような業務を一体入管当局は具体的におやりになっているのですか。それはあなた方はおやりにならないのでしょう。もう警察に任せているんじゃないの。麻薬は麻薬取締官というものがいて、警察と両々相まってそれを追及しておりますけれども、こういういかがわしい者に対しては、大体入管というのは手足を持っていないんじゃないの。具体的にその内容は一体どうなんですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 もちろん、捜査当局が摘発を行うケースもたくさんございます。他方におきまして、入管当局としても自分たちの手足でこの摘発のための努力は積み重ねております。私どもの地方入管の警備官、こういう人たちが、たとえばいろいろな情報を入手してその現場に踏み込んで収容するとか、そういう実際の業務をやっているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 その地方入管のそういうものを取り締まる警備官というのは、人数は一体どれくらいおありなんですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 全国で六百八十名配置しております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 その六百八十名の警備官が摘発をされた不法残留者ですか、その数はどれくらいありますか。資料がありましたらお聞かせ願いたい。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 この違反事件で摘発された者の数は毎年ふえております。たとえば、昭和四十年には不法残留のケースはわずか一件でございましたけれども、これが昭和五十四年には六百六十七件にふえております。これはいずれも地検に送検された数、検挙された数でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 その五十四年度六百六十七というのは、あなたの方の警備官だけでなくて、それは捜査当局と両方合わせた総数でございましょう。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 これは捜査当局と入管当局とが検挙しましたものを合わせた数でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、捜査当局とは別に、警備官独自で検挙された数字を願わくは知りたいと思っているわけです。それはあなたのところだけじゃない、片っ方の麻薬の方もそうです。麻薬官が捕らえた数と捜査当局が捕らえた数を区別して私は知りたいということですが、まあ、きょうのところは無理かもしれませんから、後で資料をそろえてお聞かせいただければよろしいと思います。それによって、警備官というものの存在が一体どれだけ意義のあるものか、あるいはこれを改める必要があるのかどうか。麻薬官も大変努力しておりまするけれども、捜査当局の検挙数にはやはりかなわないようでありまするが、その点も含めて若干研究してみたいと思いまするので、ひとつ資料をお願いいたしたいと思います。  いずれにしましても、いまあなたがおっしゃったとおり一件が六百六十七件になったということで、これは幾何級数的にふえている。わが国内の公序良俗に大変反する行為をやっておりまするから、これがまた暴力団と結びついたり、あるいはまた覚せい剤と結びついたり、あるいはまた健全なるわが日本の音楽家や芸術団体に被害を及ぼしたり、はかっていくとこの被害ははかり知れないくらい悪い影響を与えているのでございますから、これを徹底的に撲滅するためにひとつ御努力を願いたいと思います。  ぽつりぽつりとお伺いしたいのでありまするけれども、次に、いままではとにかく写票は三葉を必要としたものを二葉にした。二葉で足りることにしたというわけだ。改正の重点はこれだけですね。三を二にしただけの話である。いままでの三と今度の二の落ちつく先は、どこでございますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいま先生が御指摘になったのは多分写真のことだろうと思いますが、写真は従来外国人に、申請人に三葉出させていたのでございます。これはそれぞれ登録の原票、それから法務省が保管しております写票、それから都道府県が保管しております写票に貼付するというためでございました。今度都道府県が保管する写票を廃止することになりましたので、それに伴いまして、申請人が提出する写真も今後は二葉で足りるということにしたのでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 その二葉は、だれとだれが持つのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 これは市町村が保管いたします登録原票と、それから法務省が保管いたします写票に一部ずつつけます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そうすると、その二枚の写真は、一枚は原票として市町村にありますな。それといま一枚は——違ったでしょう。あなたはいま法務省へ行くと言った。法務省へ行かないんでしょう。訂正しなさい、それは。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいま法務省に行くと申し上げましたのは、本人の登録証明書に貼付するということで、訂正いたします。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そうすると、一枚は原票として市町村に残る、一枚は本人が携帯をしている。三枚のときのいま一枚はどこへ行ったのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 従来、都道府県が保管しておりました写票に貼付することになっていたのでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 くどいようですが、三葉のときには、一枚は市町村、一枚は本人、一枚は県、こういうことになっていた。それを今度は、県の方はこれをなくして、市町村と本人、こういうことで二葉で事足りる。それでわかりましたが、そこら辺をあなたはちょっと間違えた。私も間違えたから、いま念を押して言ってみたんです。  そこで今度、本人がいわゆる破損をしたり汚したりして再交付を願う場合には、一体これはどうなのか。自分の持っていたものが汚れちゃったし、なにしたから再交付をしていただきたい、こういうときに、やはり同じような手続を要するのかどうか、それをひとつお聞かせ願いたいのであります。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 写真の数を二葉に減らすのは、先生がただいまお触れになりました再交付の場合とか、それから引きかえ交付であるとか切りかえの場合、すべて共通でございます。今後は三枚から二枚に減るということでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 第六条なんですよ。「外国人は、その登録証明書が著しくき損し、又は汚損した場合には、その居住地の市町村の長に対し、次に掲げる書類及び写真にその登録証明書を添えて提出し、登録証明書の引替交付を申請することができる。」引きかえ交付の場合には、初めて登録するのと同じような手続を要するのかどうかということを私はお聞きしているわけなんです。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 基本的に同じ手続でございまして、この場合も、写真はいままで三葉だったものが二葉になりまして、一部は市町村が登録原票に貼付しますし、もう一部は本人が登録証明書に貼付して携帯する、こういうことになります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そのときには、やはり都道府県を経由して法務大臣に出さなければならぬのか。再交付のときには、引きかえ交付の場合には都道府県を経由する必要がないのではないかと思うが、この点はどうなっているのか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 先生の御質問は、写票の送付について都道府県を経由しなければならないのかということだろうと思いますが、常にいかなる場合におきましても、それは再交付であれ引きかえ交付であれあるいは新規の登録であれ、写票は法務省に送られる場合には都道府県を経由させるということにいたしております。これは都道府県の市町村に対する指揮監督権の行使の一つの形態だというふうに私どもは考えておるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それは、再交付の場合も引き継ぎの場合も都道府県を経由するということは、都道府県に何か外国人登録の名簿が備えつけてあるのかどうか、その名簿は必要ではないけれども、市町村に対する監督権の発動のためにその経由が必要だとおっしゃるのかどうか。いままでは写票というものはちゃんと都道府県に備えつけてあった。一体、いまはそれにかわるべき記録は一つも都道府県に必要ないのかどうか、これを聞いているわけです。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 今後は、都道府県はその写票を持たないことになるわけでございます。  それならば、なぜそういうものを都道府県を通じてやらせるのかというのが御質問の御趣旨だと思いますけれども、都道府県といたしましては、自分の方で、今後写票がなくとも、そういうものが都道府県を経由することによりましていろいろな事実を把握することができる。たとえば変更登録があった場合はその事実を都道府県が知ることができますし、さらに、必要によってはそれをチェックすることもできることになるわけでございます。その意味におきまして、今後ともいろいろな登録手続につきましては、都道府県を経由して法務省に報告してもらうなり送付してもらうなりすることを考えておるわけでございます。この点は、いままでと少しも変わらない、いままでどおりの手続を踏むことになっております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そこが、その中間経由の都道府県が、いまも言うように、写票は都道府県に必要はないけれども、必要に応じてチェックするとかあるいは市町村を監督する責任はやはり負っているということになりますと、都道府県の外人登録に対するなすべきことといいますか、事務処理というものはちっとも軽減されていないじゃないかというふうに私は感ずるわけなんです。  それで、その面においてちょっと具体的にここで御質問いたしますと、地方自治法の別表第三の「都道府県知事が管理し、及び執行しなければならない事務」、この中の(七)に、「外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)の定めるところにより、登録原票の写票を分類整理し、及び登録原票の移動を承認し、その他外国人の登録に関する事務を行うこと。」とある。これは、別表第三は改める必要があるのではないか。このままでよろしいのかどうか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 この点は自治省の所管でございますけれども、いずれただいま先生がお取り上げになりました別表は改められるはずでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 これは自治省の関係ですけれども、「登録原票の写票を分類整理し、」ということは、写票が行かないのですから、分類整理する必要はなくなったわけだ。その点、やはりあなた方はちゃんと自治省との間に連絡なり協議ができていなければならぬはずですが、その点はいかがですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 もちろん、私どもといたしましては、今度の外国人登録法の一部改正を国会にお諮りする前に、自治省に御相談いたしました。自治省といたしましては、こういうたぐいの改正はある程度まとまったところで国会にお諮りするということで、タイミングが私どもと少しずれるという見通しでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 タイミングがずれても、これが改められるということになっておりますれば、これで私も了承いたしまして、次の質問に移ることにいたしたいと思います。  それにいたしましても、この外人登録に対しまして十四歳以下は写真を必要としない、これは一体どういうわけなのか、その理由をお聞かせ願いたいのであります。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 現在の登録法では、十四歳というのは一つの区切りになっております。これは、写真を貼付する必要、あるいは指紋の押捺義務、それから登録証の携帯、提示義務、いずれも十四歳ということで線を引いているわけでございます。これは簡単に申せば、刑法の第四十一条によりまして、十四歳以下の人がやった行為については罰しないということになっております。これは刑事責任能力と言われているものでございますが、それが十四歳になっているということから、そういうふうに登録法でも定めているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 どうもその点は、ひとつ私は納得ができないのですな。十四歳までが、何ですか、犯罪構成の一つの区切りだというのですか。そうすると、十四歳以下で外人登録には写真は要らない。それで十四歳以上になった場合にも、十四歳以下で日本に滞在を許された外国人は、十四歳以上になってももはや永久に写真は必要ないのでありますか。もっとも三年ごとにあれはいたしますけれども、一体どうする。十四歳以上になっても必要はないのかどうか、お聞かせ願いたいのであります。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 現在、三年ごとに切りかえが行われておりますが、そのときには、十四歳を超した最初の機会にやはり写真は貼付しなければならないということになっているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 こういう例は、あれですかな。外国人登録法というのは国際性のあるものですが、外国の立法例等もやはり十四歳で区別をしているものですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 一応私ども外国の立法例は調査いたしてございます。それによりますと、こういう関係の各国の規定はいろいろまちまちでございます。登録証の制度そのものを設けている国、それから設けてない国、登録証がある場合でも、携帯義務を課している国とそうでない国、それから最低年齢につきましても、国によってずいぶん違うということでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 外国の例などまちまちだということでございますが、そうすると、この十四歳で写真の貼付といいますか、携帯といいますか、その必要と必要でないのを区別する、この一線は、私は何か意味がないような気がいたします。特に昨今のマスコミ等の報道を聞いておりますと、何しろ青少年犯罪が一番ふえちまって、その青少年犯罪もピークはどこだというと、十三歳だ。十三歳が一番どうも犯罪率が年々歳々高まってきているということで、私どもの方は、まだ十四歳、十三歳なんか少年だ、少女だと思っているんですけれども、社会的犯罪動向からながめると、もうりっぱな大人、凶悪なる犯罪を行うということが報道せられておるのでございますが、この十四歳などという区切りを取った方が、いかがでございましょうね、私はさように感じますが、法務大臣、いかがでございましょう。大臣もお考えございましょうけれども、ひとつ伺っておきましょう。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 当委員会で十四歳では若過ぎるじゃないかという御意見がございまして、それで法務省でも検討いたしておりまして、一挙に二十歳まで引き上げる勇気は出ないわけでございますけれども、中学卒業しますと、やはり活動範囲も広がってくる。そうすると、十六歳というのが一つ考えられる年齢じゃないかな、こういうことでございまして、そういう立場で入管局長がお答えしているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 どうも私は、若干納得するわけにはまいりませんが、このことによって重大なる支障が起こる心配もないということになりますれば、それほど議論する問題でもないかと思いまするので、これはこのままにして、次移りたいと思うのでございます。  ここに見ますると、「外国人登録事務取扱件数及び写票補正件数調」が表になって載っておりますが、この取扱総件数、五十二年、五十五年が、百七十一万、百六十八万というふうに莫大に数字が多いのは、これはやはり三年ごとに切りかえをされる結果ではないかと思うのでございますが、これはいかがでございましょう。特にこの五十三年、五十五年が多い理由は、その他ほかに何か理由はございますかどうか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 それは、先生がただいまおっしゃったとおり、いわゆる登録の確認申請を三年ごとにやっております。いわゆる切りかえ交付でございますが、そのピークが三年ごとにあるわけでございます。と申しますのは、この切りかえの間隔が三年ごとでございますので、大体そこに集中しているという、そういう現象からくるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そうすると、次は五十八年になりましょうかな。五十八年の確認切りかえのときにはどうですか。こういうのは特に事務が混雑するとか、こういうところに何か不便が生ずるとかというようなおそれはございませんかどうか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 現行法では、確認申請は三年ごとに行っておりますけれども、現在私どもは、これをもう少し延ばさないかどうかということを検討しております。もしそういうことになりますならば、その結果、ほかの基本問題、登録法の基本問題とあわせて次の通常国会にお諮りすることにしております。もしそういうことになりますれば、現行どおりでいけば五十八年に次の大量切りかえが行われることになっておりますが、それが若干先に延びることになろうかと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いまあなたのお話では、三年を若干期間を延期する。どのくらい延期するお考えですか。四年にするというのですか、五年にするというのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 現在、これを三年から五年に延ばすというラインで検討しております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 その理由は何でございますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 これは最近、登録の不正利用であるとか、あるいは偽造とか変造とか、そういうケースが減ってきているということが前提にございます。それから同時に、そういうことであれば、常に登録事務の簡素化を図りたいという考えがございますので、その点総合的に勘案しまして、三年から五年くらいまで延ばしても少しも差し支えないのではないかと考え始めております。  なお、五年といたしますもう一つの補助的な理由として、登録証明書が大体五年以上たつと摩損するということがございますので、大体五年ぐらいで確認申請をやるのが妥当ではないかと考えているところでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 日本に滞在する外国人の立場から見れば、こういう切りかえとか確認とかいう煩わしい仕事は、三年よりは四年、四年よりは五年に延ばしてもらった方が、煩わしくなくてありがたいことになりましょうが、これもやはり国際関係の問題でございますから、よその国がどの程度にしておくものかも参考として考えておかなければならぬと思いますが、大体先進国はどんなものでございますか、この滞在の相場は。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 各国の制度につきましてはずいぶん詳しく調べたつもりでございますけれども、登録の確認制度が各国で何年になっているかということにつきましては、現在データを持ち合わせておりません。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 こういう外人登録法などというようなものは、できれば国際連合あたりで一つの共通の議題として、各国ばらばらではなくて、ある程度先進国間でも統一した方がいいのでございましょうな。どこかの国際機関でこういう問題を論議されたことはないものでありますか。あるいはニューヨークの国連の中とか、あるいはジュネーブの何とかという国際機関とか、そこら辺で一体ないものか、どうか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 登録制度全体を国際的に共通のものにするというのは、いろいろな国のそれぞれの事情がありますからむずかしいかと思います。しかしながら、登録制度のある部分につきましてそういう努力をするということは、現在までも現に行われているわけでございます。一つの例を挙げますと、これはIATA、国際航空協定機構が、三カ月以内の外国人旅行者というものは一時的な滞在者と考えるべきである、こういうことを打ち出しまして、これを受けて、国連の観光旅行会議と申しますか、その会議で、三カ月以内の旅行客には登録を課さないことにしようじゃないかということを勧告いたしました。そこでわが国も、こういうことも念頭に置きまして、すでに昨年の国会で外国人登録法の一部改正をお諮りしたときに、従来六十日であった登録申請期間を九十日に延ばすという措置をとった次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いや、私はいまそれを質問しようと思ったのですが、そうすると、現在の外国人の登録期間は六十日になっておりますね。六十日でしょう。これは改めなければならないですね。これは六十日になっていますね。これは九十日になりましたか。どうなっていますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 これは、本邦に入ってきた外国人が九十日以上滞在する場合には登録しなければいかぬということになっております。それから、日本で生まれた外国人であるとか、あるいは日本人が外国人になった、そういう場合には六十日ということでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そうですね。これは私の誤解だ。上陸の日から九十日以内だ。「本邦において外国人となつたとき又は出生その他の事由により出入国管理令第三章〔上陸の手続〕に規定する上陸の手続を経ることなく本邦に在留することとなつたときはそれぞれその外国人となつた日又は出生その他該当事由が生じた日から六十日以内」。わかりました。そうです。  ところで、その中の「その他の事由」というのは、具体的にどういう場合ですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 登録法上の外国人というのは、日本国籍を有しない者のほかに、登録法上ではたとえば特例上陸を認められた者、それは具体的に言えば、転船上陸であるとか通過上陸であるとか緊急上陸あるいは水難による上陸、いろいろな形態のものがございます。こういうものにつきましては登録の義務を課しておりません。これは非常に短期の滞在だからでございます。ところが、そういう事由がなくなって本邦に九十日以上滞在するということになるような場合には、当然今度は登録の義務が生じてくるわけでございます。ただいま先生が御指摘になった個所は、そういう点に関するところでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 通過上陸、水難上陸、緊急上陸、そういう上陸というのが「その他の事由」に該当するわけですか。そういうのは多いものですか。時間もないが、こういう例を具体的にいま少しお聞かせ願いたい。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいまの特例上陸でございますけれども、通過上陸であるとか寄港地上陸とか申し上げましたけれども、そのうちで特に寄港地上陸は数がわりと多いようでございます。しかし、全体といたしますならば、いずれにいたしましても大した大きな数にはなりません。  それから、そのほかにたとえば、登録法上では規定しておりませんけれども、条約上登録を免除されている者、こういうものがございます。たとえば日米の地位協定の該当者、それから国連軍協定の該当者、それから国際法あるいは国際慣習法によりまして登録をしなくてもいいとされている者が、たとえば外交官であるとかあるいは公用で滞在している者でございます。こういう人たちがそういう資格で日本におります間は登録の義務がないのでございますけれども、一たんそういう身分を離脱した場合には、九十日以上滞在する場合には当然登録の義務が生ずる、こういうこともいま先生の御指摘になった個所に関係するわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 時間もありませんから、この問題はこれぐらいにして、次に移りましょう。  私は、皆さん方が配付された参考資料の中で、最後の表に非常に興味を持った。「外国人登録国籍別人員調査表」というのですが、世界各国のそれぞれの国から一体どれくらいの人が外国人登録法によって日本に滞在しているかということをこの一覧表で見てみますと、非常に興味がわいてきた。  五十六年三月現在で七十八万三千人の登録した外国人が日本にいるということでございますが、そのうち韓国及び朝鮮が六十六万五千人日本にいらっしゃる。その次に日本に滞在している一番多いのは中国人です。五万二千六百二十八人いらっしゃるんですが、この中国という中は北京政府支配下の中国人だけなのか、あるいは中国国籍の台湾人も含むのかどうか、これが一つです。それから、朝鮮半島の方は韓国及び朝鮮ということになっておるから、これは韓国と朝鮮を分けている。合計して六十六万五千人というのでありまするが、この中で朝鮮と韓国人がどれくらいの数になっているのか、この区別をお聞かせ願いたいと思うのであります。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいま先生がごらんになっている表の五万数千名のいわゆる中国人の中には、台湾出身者も含められております。  それから、第二の先生の御質問でございます朝鮮、韓国人の数でございますけれども、現在韓国人として協定永住の対象になっております者は約三十五万名でございます。六十六万のうち約三十五万でございます。残りは朝鮮という表示で登録されているわけでございますが、その残りのうちのどれだけが韓国系で、どれだけが北鮮系、あるいはどちらにも属さない中立系であるのか、その具体的な数字は現在私どもとしては把握しておりません。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そうすると、六十六万五千のうちの三十五万は、明確に言えば韓国という国籍を明らかに登録している。残の三十一万人は、朝鮮民主主義人民共和国もあれば、あるいは韓国人もいるかもしれません、どちらにも入ってないのもいるかもしれない、こういうことでございますね。わかりました。  しかし、中国の方はどうですか。台湾と北京政府の支配下にある、これは区別わかりますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 中国の場合にも、どれだけが北京政府の支持者で、どれだけが台湾の支持者であるかということは、私ども具体的なデータをつかんでおりません。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 これは調べてくださいと言うのも無理かもしれませんな。やめておきましょう。  次に、これを見まして、日本に滞在している外国人で一番多いのはやっぱり朝鮮半島、それから中国、それから米国ですね。米国なんか多いですな、二万二千五百人も日本にいるというんですね。それからイギリスが五千、フィリピンが五千三百。そこへまいりますと、ソビエト連邦というのは案外日本に滞在するのは少ない。三百五十六人しかいない。こんなものですかな。この数字、間違いありませんかね。どうですか。西ドイツが二千七百四十三人、インドは一千九百、インドネシアは一千三百というふうにおられるんですが、ソビエトロシアが余りにも少な過ぎているんですが、まさか政府の資料に間違いはないと思いますが、いかがでございますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 この三百五十六名という数字には間違いございません。いかにも少ないようでございますが、ソ連人の相当数は大使館勤務あるいは大使館関連のいろいろな仕事で入国しております。いわゆる入管令で言います四−一−一あるいは四−一−二、この在留資格で入っている者が相当この中にいるというふうに御承知いただきたいと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 最後に一問ですが、もう時間が参りましたからこれでやめますけれども、反対に今度は、日本から世界の国々百五十有余国に登録している日本人の、概算ですけれども総数は一体幾らぐらいか。なおまた、わが日本人が登録している外国の中でどこが一番多いのか。それは全部比例で並べよということも無理ですけれども、せいぜい十カ国くらい数の多いのから順序を追って、ひとつおわかりになりましたら教えていただきたいのであります。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいまの先生の御質問につきましては、ごく大ざっぱなことしか申し上げられないのでございます。  在外におります日本人、これは外務省から入手したデータでございますけれども、永住者として在外に居住しております者が約三十五万名でございます。それから、長期の在留者としておりますのが十八万名から十九万名ぐらいでございます。なお、毎年日本からは約四百万人近い人が海外に渡航しておりますけれども、大部分は非常に短い期間の滞在でそのまま帰ってきている、こういうわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私の聞きたいのは、一番多いのはブラジルだとかあるいはアメリカだとかという国別に私はお聞きしたいと思ったのですが、これはきょうの質問ではあるいは無理かもしれませんから、これはこれでやめておくことにいたしましょう。  委員長、一言また委員長に申し上げますが、私は先ほども言うように、この法務委員会ほど終始一貫定数を無視した委員会はありません。そこで、先ほども委員長に苦情を申し上げましたら、早急に定数はそろえてもらいましたが、定数過半数を占めたのは、物の五分もたっていません。そのうちにまたばらばらといなくなられて、全くこれは定数無視の形の中で私の質問が約一時間続けられたわけでありますが、これは三十年近く国会におりました私の経験からも、これくらいふまじめで不愉快なことはないのであります。きょうはこれでやめますけれども、この法務委員会あります限り、次もまた私は出てまいりますが、この問題は繰り返し委員長に申し上げますから、その点はひとつ拳々服腐して腹の中におさめておいていただきたいと思います。  これで質問を終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 委員長としては、定数確保に精いっぱい努力をいたしております。  沖本泰幸君。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 外国人登録法の一部を改正する法律案について御質問いたします。  この提案理由の説明の中に、終わり目の方に、「この際、市町村及び都道府県における外国人登録事務の簡素化及び合理化を図り、財政支出の効率化に資するため、外国人登録法の一部を改正しようとする」、このことに関して、結局理由として、「外国人登録事務の簡素化及び合理化を図り、財政支出の効率化に資するため、」こうなっておりますが、簡素化はわかりますが、合理化の点についてどのような検討が加えられたか、この辺をお伺いしたいと思います。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 私ども今度お諮りしました外国人登録法の一部改正に関する法律案の中に盛り込まれております三つの項目、このうち特に都道府県が保管しております写票の廃止、それから不要になった外国人登録証の返納手続を廃止する、この二つは手続の簡素化であると同時にまた合理化でもあるというふうに考えておるわけでございます。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 そのことは、今度の行政改革に伴って法律改正をお考えになったのか、従来からの登録法自体のいろいろな矛盾点が生じてきて、それに応じて法務省として検討して法律改正をお諮りになったか、どちらになりますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 これら三点は、いずれも従来から検討してきた点でございます。しかし、法務省といたしましては、そのほかの点につきましても検討を続けております。もっと外国人登録法の基本に関する点を含めて今日まで慎重に検討してきたわけでございますけれども、そのうち、先生が御指摘の簡素化、合理化に資し、財政支出の削減に役に立つというような、いわゆる行革絡みの三点につきましては、この際この臨時国会に法案を提出するということに踏み切ったわけでございます。残りの点につきましては、引き続き検討を続けておりますが、ただいまのところ、来年の通常国会に提出することを目指しているというわけでございます。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 そこで、昨年の四月二十三百の当委員会で横山委員が述べたところですが、本来附帯決議とすべき性格のものだが、最終的に政府にただすという形態をとるから、政府は、事実上附帯決議、理事会の総意として受け取って返事をしてもらいたい。こういうことで、  一、外国人登録法の罰則については、違反の態様に応じて軽減化することを検討すること。  二、「職業」及び「勤務所又は事務所の名称及び所在地」の変更登録申請については、行政監理委員会の勧告の趣旨に沿って措置できるかどうかを検討すること。  三、外国人登録証明書の携帯・呈示義務者の最低年齢の引き上げを検討すること。  四、再交付・引替交付の際に確認義務を課することにかんがみ、市区町村役所の負担を加重しないよう配慮すること。  右四点のほか  (一) 外国人登録証明書の切替期間の伸長  (二) 指紋押捺制度の簡素・合理化  (三) 最近における出入国者の激増にかんがみ、法改正を含む入管行政機構の根本的改革についてもあわせて検討すること。 これに対して当時の倉石法務大臣は、この指摘の事項については今後の課題として指摘の方向で検討を進める、こういうことを述べられておるわけですが、この一部改正案が出る、とについて、このことは当然いろいろ検討されたと思うのですけれども、では、当委員会の理事会の合意によって横山さんが述べられたことについてどういう検討が加えられていってこの形になったのか、将来どういうものが検討されていくか、これについてお答え願いたいと思います。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 先ほど私は、登録法の基本的な問題についても現在検討を加えておるということを申し上げました。その基本的な問題の中に、ただいま沖本委員が指摘されました横山議員が法務大臣に質問された点の相当数が入っているわけでございます。この横山議員の質問に対して法務大臣が前向きの答弁をされましたことを踏まえて、私どもといたしましては、それ以来ずっと非常に慎重にこういう基本的な問題についての改正ができるかどうかということを検討してきました。  まず第一点でございますが、外国人登録法の罰則につきまして軽減化を検討することということでございますけれども、私どもといたしましては、罰則の軽重は、登録法の目的というものがございますから現在の水準で妥当だと思いますけれども、やや画一的に過ぎるのじゃないかという点は考えております。したがいまして、もう少し罰則をきめ細かいものにできないかという線で現在鋭意検討しておるところでございます。  二番目の職業及び勤務所の名称及び所在地の変更登録申請に関する点でございますけれども、この点についても一応検討はいたしておりますけれども、ただ、外国人の居住関係、身分関係を把握するということが外国人登録法上どうしても必要でございますところ、こういう点につきまして即座にできるだけ早く把握することが大事なので、この点についての検討の結果、果たして改正を御提案することになるかどうか、多分改正を御提案できない、しないことになるのではないかというふうに考えております。  第三点の外国人登録証明書の携帯・提示義務者の最低年齢の引き上げでございますけれども、現在十四歳でございますが、この十四歳をもう少し引き上げられないかということにつきまして、実は先ほど法務大臣から別の委員の質問の際にお答えになりましたが、十六歳という線でどうかということを現在考えております。  その他、外国人登録証明書の切りかえ期間の伸長、これにつきましても、現在三年でございますが、これを五年ぐらいまで伸ばせないかということについて鋭意検討しているところであります。  さらに、指紋押捺制度の簡素・合理化、これにつきましても、指紋押捺の機会を現在よりも少なくすることができないかどうかということについて具体的に研究しているところでございます。  なお、この中にございます「最近における出入国者の激増にかんがみ、法改正を含む入管行政機構の根本的改革」という点を当時横山議員はお触れになったわけでございますけれども、これにつきましては、ことしの四月から、すでに地方入管を八局制度にするということで実施に移されておるわけでございます。  そこで、先ほどからも触れました基本問題につきましては、関係省庁との協議が万事うまくいった場合には来年の通常国会に改正をお諮りしたい、こういうことで現在作業を急いでおります。なお、その間、今度の国会にお諮りしました三点につきましては、これは行革絡みの問題であるほかに、関係省庁との協議も相調いましたので、とりあえず切り離して御提案した、こういう事情でございます。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 質問がばらばらになるかもわかりませんが、今度の改正並びに今後の検討しておるという内容につきましては、最近の非常な国際化、海外との交流、あるいは卑近な例からいきますと南北サミットに大きな役割りを果たそうとする政府の動きなり、あるいは貿易の摩擦なり、最近は特にいまおっしゃったように出入りが激しくなってきている。そして、できるだけ日本も理解してもらわなければならないし、より多くの人との交流を図っていかなければならない、こういうような国際上のいろいろな問題が起こってきておるわけですから、それと、それから国際人権規約というものの批准並びに大臣が非常に力を入れていらっしゃる難民の問題、国籍の問題、こういうものが全部絡んでいまこういうふうに動いているのじゃないでしょうか。ですから、そういう大事な時代に入ってきている。こういうところから物を考えなければならないわけですけれども、そういう観点からいきますと、そういうものを十分検討の中に入れながらこの検討を加えられていっておるものなのか、あるいは在来のことだけで少し行革に絡んで手直ししたということだけになっていっているものなんでしょうか。その辺はどういう構えでこれにお取り組みになったのか、それから将来に向かってどう取り組んでいかれるか、その辺をお伺いしたいのです。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 法務省といたしましては、外国人登録法の目的を確保する、そういうことが確保されるのであれば外国人の負担をできるだけ軽減したい、それから登録事務の簡素化、合理化もやりたい、こういうことが基本的な姿勢でございます。その姿勢でいろいろな問題につきまして改正の可能性について取り組んでいるところでございます。たまたま今度お諮りしました三点は行革絡みの問題でございまして、登録事務の簡素化、合理化を行うことによって財政支出を削減するということを中心にしております。この次の通常国会にお諮りすることにしておりますいろいろな点の改正につきましては、これは私どもといたしましては、先ほど申し上げたように、私どもの外国人登録の目的が達成される限り、できるだけ外国人の負担を軽減するということで、それを十分に念頭に置いて検討しておるわけでございます。  それから国際化ということで、先ほど先生、人権規約の関係もお触れになりましたけれども、こういう世界の趨勢というものについて私どもは常に心をいたしております。外国人登録法も、これまでも何度か改正されておりますけれども、その節々でそのときのいろいろな世界の情勢というものを十分留意しながら改正したことがございました。  先ほどもちょっと別の機会に申し上げたのでございますけれども、たとえば登録の申請期間、それまでは六十日であったものを、国連の会議で九十日以内の滞在者は一時的な滞在者として登録の義務を負わさないようにしようという申し合わせ、勧告ができましたので、それに沿ってわが国も、外国から入国する外国人につきましては登録の申請期間を六十日でなく九十日に延ばすという措置もやっておるわけでございます。  いずれにいたしましても、そういうことで法務省としては各世界のそういう流れというものを十分念頭に置いて、それに注意を払いつつ問題に取り組んでいるということでございます。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 先ほど入管局長もお話しになっていらっしゃいましたけれども、外国の受け入れ、外国のいろいろな例もいろいろ調べて検討しておるということなんですけれども、外国から見てあるいはヨーロッパの国々から見て、日本の登録法なりあるいは入管法なり、難民の扱いなりというものが外国並みに見えるか、あるいはずっと開かれておるものであり、近代国家的な内容を整えておるし、十分人権を考えた内容であると、こういうふうに向こうから見て見れるものかという点なんです。  たとえて言いますと、日本では国内の出かせぎですけれども、ヨーロッパでは出かせぎといったら、イギリスとか西ドイツとかあるいはスイスへその他の非常に生活事情が悪いような国々からの人たちが出かせぎに行って、そして年に一回か三回自分の国へ帰ってくるというような事情がいっぱいあるわけですから、非常にその出入りも激しいし、そういう人たちの生活の要件も考えなくてはならないということですから、ドイツならドイツでテレビをやっても、あるいはラジオのニュースをやっても、それぞれ働きに来ておる人たちの国のニュースをその言葉でどんどん流しているというふうな内容があるわけです。それも、外国から入ってきてその国で働いている人たちの生活をうんと高めてあげる、条件をよくしてあげるということにもなるわけですから、それに従ったいろいろな問題が緩和されていっている。理解の上に立ってそういうことが行われているということが考えられるわけです。  ところが、日本は島国ですから、そういうふうな激しい出入りはないわけですけれども、その辺に大きな食い違いがあるのじゃないかということも考えられるわけですし、はからずもさっき入管局長がお触れになったけれども、この登録法の主な目的というものは密入国者に対するチェックなんだとおっしゃったけれども、そればかりにとらわれていませんか。そのことだけにこの法律があるのだ、だから善良な人たちに対しては非常に過酷なんだ、その行き過ぎが善良な人たちに対してすごい過酷な内容になって表現されてきているということで、提示義務、いろいろな問題が出てきていると思うのです。  それから、先ほどお話がありましたけれども、日本に入ってきておる外国人の九〇%近い人たちが、韓国人あるいは朝鮮民主主義人民共和国の人々であるので、朝鮮半島から来ていらっしゃる方々である。その人たちは向こうから来たのではなくて、戦争が終わった段階で日本におったという特別な条件があるから、いろいろなことがあって韓国との地位協定ができたという在来からの歴史上のきちっとした問題があるわけです。それを加味されながら現在の登録法なり入管法なりいろいろなものが発動されていっているということになるわけですけれども、それを踏まえても、なおかつ韓国の人たちから見たら厳しいという批判の絶え間がないわけです。あるいは朝鮮の方から見てもそういう問題が存在してきている。  ところが、たとえば朝鮮民主主義人民共和国のピョンヤンの幼稚園の廊下の壁には、日本の官憲に厳しい取り調べを受けたり、逮捕されたり、虐待され抜いたり、あるいは日本からの地主によって苦しめられている内容だとか、幼稚園の子供から教えられているわけです。同じような内容のものは、韓国の子弟の中にも残っているわけです。だから、日本の植民地政策のためにわれわれのお父さん、おじいさんはこういう苦しみを経たのだというものがずっと残ってきているから、何かのことで形が変わった外交姿勢なり内容のものが出てくると、反日感情がぶあっと出てくる。そこにあるわけです。そういうものをきちっと考えて行政が行われているかということになるのじゃないかと私は考えるわけです。そういう感情をそこに持っておる人たちから見て、外国人登録法はどうであるかということになるんじゃないかと思うのです。  ですから、韓国の経済事情が大分よくなってきたから、密航者というものは少なくなってきたという面も出てきていると思いますし、そういうことだと思いますけれども、なおかつ、先ほど小林先生が御質問になっていた覚せい剤なり麻薬なり、いろいろな日本の現在行われている大きな犯罪に、密入国者であり残留の外国人の人たちがいろんな役割りを果たしている面も多分にあるから、徹底的に取り締まらなければならない。だから取り締まらなければならないけれども、取り締まっていることが行き過ぎてしまって、そして大ぜいの善良な人たちまでに及んでいくことになれば、これは大きな人権侵害ということになってくるわけです。  ですから、この人権規約の中に、市民的及び政治的権利に関する国際規約、B規約及び経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、A規約が発効し、国内法としても法的効力を有するに至ったわけで、国会の附帯決議は、政府が誠実に努力すべき事項として、両規約において認められる諸権利の完全なる実現を達成するため、両規約に従って必要な国内的措置を講ずること、及びすべての者は法の前に平等であり、人種、言語、宗教等によるいかなる差別もしてはならないとの原則にのっとり、在留外国人の基本的人権の保障をさらに充実するよう必要な措置を講ずることと、こうなっておるわけです。  この二つが政府の責務になってきておるわけですから、こういうものに従ってもう一度登録法を見直さなければならないという点から考えますと、登録証明書の常時携帯・提示義務、その違反に対する罰則、こういう点は十分人権規約あるいは附帯決議なり、こういうものに沿って検討が加えられていまの御答弁になってきておるのか、なおかつ、いまそういうものに沿って検討を加えておるという段階にあるのか、この辺はどうなんですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 登録につきましては、各国それぞれ国情を異にしております。それだけに各国の登録制度も多岐にわたって、なかなか共通の制度というものが見当たらないわけでございます。御指摘のように、ヨーロッパのような国は、むしろ外国人労働者を受け入れる必要があるという事情もございまして、現にこれを受け入れているわけでございます。他方、わが国の場合には、労働移民は受け入れないという大きな国策がございます。  私どもの入管令、それから登録法、こういうものを通じまして、私ども外国人の在留管理を公正に行おうとしているわけでございますけれども、そのときに、わが国の場合に特に私どもが気をつけておりますのは、一つは不法入国者でございますし、それからもう一つは、最近急速にふえてきている不法残留者、不法滞在者でございます。不法入国者の場合には、これはほとんどが朝鮮半島から来ております。それから、不法残留者の場合は、これは東南アジアの女性を主体としております。こういうものをできるだけ規制しなければならない、そういう任務を私どもは負っているわけでございますが、そういう目的を達成するという努力を積み上げつつ、他方におきまして、私どもとしては、できるだけ外国人の負担を軽減し、かつ登録事務を合理化、簡素化していきたい、こう考えておるわけでございます。その意味におきまして、今度この国会にはお諮りできませんでしたけれども、次の通常国会には外国人の負担を相当軽減できる、そういう改正案を御提案できるものと私どもは考えておるわけでございます。  ところで、人権規約との関係でございますけれども、人権規約につきましては、もちろんわが国もこれに加入したわけでございますから、私ども常日ごろ気をつけております。ただ、私どもといたしましては、現在の登録法が国際人権規約に抵触する部分は見当たらないというふうに考えております。  たとえば人権規約の中には、居住、移転の自由とか、そういう規定もございます。それじゃ、わが国が外国人が居住地を登録し、それから居住地を変えた場合にも登録の変更をさせるということ、そうして登録証明書を携帯させる、これが人権規約に違反しないか、そういう趣旨のお尋ねがございましたけれども、私どもといたしましては、そういうものは人権規約には抵触しないと考えております。なぜならば、第一に、たとえ居住地を登録させ、あるいは居住地を変えた場合にその変更の登録をさせるということをしても、居住及び移転の自由というものを制限しているわけじゃございません。それ自体を制限していることではございません。したがいまして、人権規約には触れないと考えておるわけでございますが、他面、国際慣習上、外国人の滞在につきましては、その条件とかそういうものにつきましては、その国の主権的な裁量の範囲内であると認められておりまして、内国民と外国人については、合理的な範囲内であればある程度区別があってもいいということになっております。そこで、ただいまのような人権規約に言う基本的な自由というものを、それ自体は害さないけれども、登録の義務を負わせるということは、そういう自国民と外国人との合理的な区別の範囲内であると私ども考えております。  そういう見地から、いずれにいたしましても、現在の登録法のいろいろな制度、いろいろな手続というものが国際人権規約のどの条文にも反することはないというふうに私どもは確信しております。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 載っている条文自体は抵触することはないかもわかりませんが、これを執行する面で、執行される方は入管の担当の方あるいは警察の方が皆捜査なり取り調べに当たるわけです。それから内偵にも当たっていく、こういうことになるのですが、そこでこれにひっかかるようなことになりませんか、こういうことになるのです。  たとえば運転免許証を提示さした、そこの運転免許証にも確かに朝鮮半島出身者であるような内容の記載があると、直ちに登録証提示をきちっとやらしてしまう。これは交通取り締まりをやったり実際の衝に当たるのは警察官ですから、確実と言っていいくらい提示を迫られるというわけです。そういう現実があるし、あるいは日本人と区別されるような下手な日本語をしゃべりながら道路を歩くと、すぐ登録証を見せろ、こうなってくるというのです。そのこと自体、結局犯罪者扱い的な感じを向こう側は受けるというわけです。こっちはそんなつもりはないと言っても、やられている方は犯罪者のような感じを受けているというのです。  あるいは、これは私じかに聞いた話でもあるわけですけれども、外国人の教授が頼まれて、こっちの大学、あっちの大学にちょっと来て講義してください、こういうことで動く場合でも一々届けなければならぬ。届けなかったらひっかかってしまうということなんですね。現実にあるんですから。それが十四日以内であるとか——長期間にわたってそこへおさまってしまって、仕事を変えていくということではなしに、ちょっとの間東京から九州へ行って話をしてくる、そういうことは一切できないというのですね。これでは国際交流的な内容にも大きな抵触を来してくるのじゃないですか。  あるいは届け出も、一日届け出を怠ったらきちっとやられるというのです。刑罰がきちっと入っているというのだ。そういう内容のものは、実際に登録している人たちにしてみれば命がけの問題になってくるのですね。それで、少し、一点でもひっかかったら、今度は帰化をするとか、そういう方向に変わっていくときには必ず抵触してしまうようなことになってしまう、こういうことになるわけですから、いわゆる法律上の条文はいろいろあると思いますけれども、抵触しないかもわからないけれども、具体的な面ではひっかかってきている、こういうことになるわけです。  ですから、その点について、警察庁の方もお越しいただいているわけですけれども、実際の捜査に当たっている方々は現実にいまどういうふうな内容の行政をおやりになっているか、その辺をお伺いしたいと思います。

吉野準警察庁警備局外事課長

○吉野説明員 運転免許証を見て、外国国籍であった場合は自動的に外国人登録証を出せというのが現実であるとか、あるいはまた、外国なまりの言葉で道を歩いておれば無差別に外国人登録証の提示を求めるということがあるのではないかというお尋ねのようでございますが、これは私ども、常々職務の執行は適正に行えという強い指導を行っているところでございますし、現実にもそのような無差別にやるということはないものと承知しております。やはり現場の状況状況に応じまして、合理的に職務の遂行上必要がある、外国人登録証の提示の要求をする必要があるという場合に限って行っておる、これが実情であるというふうに承知いたしております。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 それは、入管の出先でいろいろ仕事をおやりになる御担当の方にはそういう面はないのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 私どもは、登録法等の実施につきましては、常日ごろ、行き過ぎがないように、常識的な範囲で行動するようにということで指導いたしております。したがいまして、私どもの出先の入管当局の警備官、こういう人たちも当然登録証の提示を求めたりする場合があるわけでございますけれども、少なくとも私どもの知る限り、外国人の人権を害するような、そういう例があったとは聞いておりません。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 あのね、去年の委員会では入管局長さん、しばしば聞いておると答えておられるのですよ。しばしば仄聞していると記録に載っているのですよ。耳にしております、行き過ぎがあるということは。だから、いろいろ画一的にはできません、画一的にはいけないので検討を加えますということをちゃんと入管局長おっしゃっているわけです。仄聞している、こう載っているのですよ。そのことについては画一的な内容で臨むといけないので、これから担当の省庁とよく協議をして、十分意思が通じるような話し合いをするというお答えがあるのですよ。そのことについては横山さんも触れていらっしゃるわけです。法務省の方も、そのことについては検討しますということをおっしゃっているわけです。  だから、どういう話し合いをして、どういう検討を加えられて、どういう事実が出てきて、どういうふうに変えようとしていらっしゃるのか。この点はこういうことであるけれども、これはいままでのとおりでいいと思う、じゃ今度内容的にはこういう点を変えていきたいと思う、いろんなことが行われたはずなんです。それはなかったのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいま私が申し上げたのは、入管当局による登録法の実施について行き過ぎがなかったはずだ、いままでにそういうことは耳にしたことはないということを申し上げたわけでございます。  それでは、警察当局、捜査当局の実施の仕方についてどうかということでございますが、先生はかつて入管局長が行き過ぎがあったことを仄聞しているというような答弁をしたということをおっしゃいました。あるいはそういうことがあったのかもしれません。その結果、警察当局と私どもは常に意思疎通を図る必要があるということを感じまして、現にそれをやっているわけでございます。一般論といたしましては、私どもとしては、登録法の実施は十分合理的な常識の範囲内で行われるべきであるというふうに考えておりますし、この考え方は警察にも伝えてありますし、警察もまた同様の御意見でございます。  具体的に警察の方がやられたことについて、じゃどう思うかということでございますけれども、これはそのときにやっぱりいろいろな事情があったんだろうということで、具体的なケースにつきましては、やはりその場に臨まれた警察当局の判断にゆだねるほかないというふうに考えております。私どもとしては、警察との話し合いでは常に一般論をもってしているわけでございまして、具体的なその場その場の措置につきましては、これは警察側がおやりになるときには警察の御自体の判断に任せるというほかないんだろうと思います。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 これは提示義務があるわけでしょう。だから、現在ある法律を法律どおりに解釈すると、どんなに厳しく調べてもいいわけですよ。どういう形ででも法律どおり解釈して調べれば調べられるわけです。おまけに罰則は過料じゃないわけですからね。過料じゃなくて罰金——懲役にならない場合は罰金刑でしょう。ですから、警察の捜査権の中にちゃんと入るわけですね。そういうことですから、不審と思えばいつでも提示を求められるし、職務尋問と同じ形で、ああこの人はおかしいなと思えば、あるいはこれは外国人であるということであれば、登録証の提示を求める。なかったら、こうでしょう。あるいは住所を変更したとかあるいは申請のやり直しとか、いろんな形で、日にちが一日でもずれたらきちっと一年、三万円の罰金、こういうふうになるわけですからね。法律上そうなっているんでしょう。ですから、それを厳格に担当者の方が励行するのは、これは忠実だということになるんじゃないですか。  だから、法務省の方から厳格にやれ、徹底的に調べろ、こういうことになれば全部そうなっていきますよ、どんどん。そうすると、それは残留——旅券も持たなければ外国人登録証も持っていない、不法で入国、あるいは入国はちゃんと観光ビザで入ってきたかもわからないけれども、それなり居残ってしまって隠れてしまっている人、あるいは密入国で入ってきた人たちを取り締まるために、あるいはいろいろ日本の犯罪の中に悪影響を及ぼしているから、あるいは良俗に反するいろいろな問題が起こってきているから、徹底的に調べてそういうものをはっきりして、そして結局きちっとした人しか残さない。抵触する人は皆日本の国では不良外人だから、帰っていただきます、こういう形になるわけですね、結局は。だから、それを徹底的にやれということになると、今度は善良な人はみんなひっかかっていくことになるわけでしょう。  そうすると、さっきも言うたとおりに、いわゆる日本が支配しておったときには、労働賃金は日本人の半分以下、それから住居とか生活は、タコ部屋のようなところへ入れられて、ドンゴロスのようなものしか着せてもらえなかった、水道も下水もなかった、豚や鶏と同じような暮らしをさせられた。これはわれわれが好んでしたのではなしに強いられたのだ、そういうふうにみんな受け取っていらっしゃるのですよ。なぜかというと、そのときに朝鮮人という軽べつの眼でみんな見たものがそのまま並行してこっちへ来ている、こういうとり方をしていらっしゃるのです。ぼくは説明しているのじゃないのですよ。そういうふうに皆とっていらっしゃるのです。そう思っていらっしゃるわけですから、そこへいろいろなことが起こってきたら、直ちに反日感情というものが起こってくるのじゃないですか。それじゃ国際上の大きな問題、あるいはそのこと自体が人権規約に反してはいませんかということになるわけですよ。  法務省の方で定めた法律そのものは抵触がないかもわかりません。これでいいのだということかもわかりません。しかし、現実はそういうことが起こっているということになるのです。朝鮮半島から日本へ来て、自分の意思で住んだのじゃないと言うのですよ。自分のお父さんやお母さんが無理やり引っ張ってこられて、あるときは日本人の名前をつけられた、戦争が終わったらもとの名前に戻らされてしまって、責任がない、こうおっしゃっている。私たちは差別する考えはありません、だから朝鮮民主主義人民共和国も大韓民国も日本と同じ対等の立場で考えております、待遇も同じような面でやっております、一つも区別した考えはありません。しかし、この内容からいくと区別されたことになるわけでしょう。そうなりませんか。そういうことになるから、ますます反日感情をあおってしまうようなことになりはしませんかということになるのです。  だから、そういう点を、今度改正される場合に、大臣は国籍法の問題は法制審議会の方に諮問なさるわけでしょう、新聞にはそう出ておりましたけれども。あるいはある新聞の社説の中には、日本の国自体のこういうものを考える姿勢が、入国させてやるという考えにあるのじゃないのか、そう受け取られるということも載っておるわけですよ。その辺を十分考えていかなければならないわけです。  だから、免許証の提示を求めたときに、外国人の登録証の提示を求める場合も、扱いによると思うのです。相手の人権を十分考えて、普通の人に丁寧に物を言うように、まことに恐縮ですが、恐れ入りますけれども登録証を見せていただけませんかというふうなやり方になれば、そういう感情を抱かないと思うのです。ところが、密入国した人たちはどうしても生活の低いところにもぐり込んでいる。そういうところで働いていることがほとんどですね。あるいはいわゆる残留していらっしゃる方々も、表へ出られませんから、どうしても生活そのものは裏の方へ裏の方へ入っていくわけです。それをもぐっていって調べるわけですから、そういう点でいろいろな摩擦もあると思いますけれども、それは十分やっていかなければならないけれども、その点はもっともっとよく考えて、人権を尊重した調べ方なり捜査の内容なりというものが加味されてきたら、もっともっとこの問題は違ってくると思うのですね。  ですから、指紋を押すという点も、そういう感情が心の中にありながら、日本人の子供でなしに朝鮮人、韓国人の子供は、子供のときから犯罪者扱いされる、こう言われても言い逃れはできませんでしょう。そういうことではない、実は不法入国者、密入国者を十分調べて、皆さん方がちゃんとしたようにしてもらわなければならないためにこういう法律をつくっているのだ、こう言ったところで、そうは受け取ってもらえぬということになるわけですからね。その辺はどうなのですか。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 沖本さんのお話しになっていること、大変重要な問題だと思います。外国人に関しまする日本の立法が外国人から見まして不愉快な感じを持たせない、これは大変大事なことだと思います。同時に、外国人に関しまする日本の立法が、日本におきます行政運営に支障になってはならない、これも大事なことじゃないかなと思います。  その中で、いまおっしゃいました朝鮮半島の皆さん方が日本に対して大変不愉快な感じを持っておられる、これは本当に残念なことだと思います。かつては日本人という時代もあったわけでございます。台湾の出身者と日本との間におきましては常によい感情が支配しているにかかわらず、朝鮮半島と日本に関しまする限りには常に悪い感情が支配している。残念なことだと思います。千数百年前にさかのぼって議論する人もございますし、三十六年間の日韓統合時代のことについてしぼって議論される方もあるわけでございます。いずれにいたしましても、おっしゃいました常に人権を尊重して行政運営に当たっていかなければならない、これは私たち常に周知徹底させる努力を怠ってはならないと思います。  また、沖本さんのおっしゃいましたような気持ちに立って、外国人登録法につきましても、先ほど来入管局長から申し上げておりましたような方向で改正に当たっていきたい。携帯義務を、いま十四歳、しかし一挙に二十歳までというわけにはいかないけれども、とにかく来年は十六歳にして国会に提案しよう、こう考えているわけでございます。  私は、朝鮮半島の出身の方々が日本にたくさんいらっしゃる、むしろ大部分だと申し上げてもいいのかもしれません。こういう方々がまた日本に永住権も持っていらっしゃる、また将来とも永住するのなら日本人になってくれぬだろうかなという気持ちを非常に強くするのであります。どうしても日本人になるのがいやな方なら、お帰りいただくよりしようがないじゃないか、これは日本側から見た感じだと私は思うのです。また、長くいらっしゃる方々は、自分たちは日本人だというつもりでいらっしゃるのじゃないかと思います。でありますから、外国人登録証を見せてくれと言われた場合に大変不愉快な感じを持たれる、あたりまえだと思うのです。その辺に大変むずかしい点があるのじゃないかな、沖本さんがるる御心配になっていること、私は非常に重要なことだと思います。また大事なことだと思います。  しかし根本的に、朝鮮半島の出身者の方々がたくさん日本にもいらっしゃって、かつては日本人だった、将来とも日本に永住していこうと思っていらっしゃる、そういう方なら一体なぜ日本人になってくれぬのだろうかなという気がするくらいであります。また、申請があればどんどん帰化を認めていきます。その辺に朝鮮半島と日本との関係において将来ともむずかしい問題が残っているな、こう私は思うわけでございまして、これはやはり時日を経て解決していかなければならない重大な課題じゃないかなと思います。  それはそうといたしましても、できる限りいまおっしゃいました線に沿うて、日本の行政運営に支障のない限りにおいては、外国人から見ても不愉快でないような方向に改正していきたいと思いますし、また運営に当たりましても、できる限り相手の人権を尊重しながら法律の運営に当たっていかなければならない、そういうこともなお一層将来とも徹底させるように努力していきたいものだと、こう思います。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 大臣がお述べになったことは理解できるわけですけれども、たとえて言いますと、中華人民共和国が初めは承認されていなかったわけですね。それで、国連の場でもとのお立場に復帰なさったわけです。そのかわりに、台湾が中国の代表だというのがひっくり返ったわけですね。いまはそういう関係にあるわけでしょう。そうなったときは、われわれ日本の国、政府並びにあらゆる人たちは、盛んに中共とかシナとか言っておったことを全部改めたでしょう。中華人民共和国とか中国とか、こういう表現に皆変えていったはずです。それはいろいろ頭を切りかえて、言葉つきも全部変わったのですね。その反面に、台湾の人たちに対する配慮も非常な立場で配慮していったから、いま大臣がおっしゃったような言葉で返ってくることになるわけです。そういう扱いによって、持つ感情はいろいろ変わってくるわけでしょう。  ところが、朝鮮半島、事そこに関すると、過去からの歴史のいろいろな問題で余りいい感じを持っていらっしゃらないわけです。特に大臣とか私たちの年齢の者は、戦前も皆知っておるわけですからね。戦前に朝鮮半島の人たちが日本の国内でどんな扱いを受けておったかということは体験しているわけです。いま同じ立場に立って、りっぱな国家を築いていき、りっぱな国民としていらっしゃるわけです。その人たちがおるわけですから、大臣は、日本人になりたい、いつでも受け入れてやる、こうおっしゃっているわけですけれども、交通違反一つしただけでぱっとひっかかって全然だめになるわけですね。交通違反一つでも帰化の条件が飛んでしまうようなことがいまの事態ではあるわけです。だから、善良な市民としての日本の扱いを受けるためには、非常な神経を使ってその条件を整えていらっしゃることも事実です。だから、そうでない人たちというのは、自分の国をちゃんと意識して日本の国の中で生活している人たちの立場も十分考えてあげなければならない。  それから、入管局長は、ヨーロッパと日本と条件が違うとおっしゃっているけれども、反面は、島国であるからそういうことが言えるんだと言っている人もおるわけですよ。労働条件がいろいろ違うわけですから、日本の企業の人たちは、低賃金の人たちを入れたくてぶうぶう言っているところもあるわけです。そういういろいろな問題をはらみながら、いま国際社会へ出ていって、そして大臣自体が、法務省自体が難民センターまでお考えになっていまやっている最中でしょう。そういうものがどんどん変わってきているところなんですから、そういう観点から外人登録法というものを見直していただきたい。  大臣が先ほどおっしゃったように、二十歳まではいかぬけれども、とりあえず十六歳からやってみよう、次の通常国会には準備をこれからやる、入管局長もそれはおっしゃっておられましたけれども、そういう角度でおっしゃるなら、前もっていろいろわかってもらえるように、こういう形で変えていくからみんなよく聞いておいてほしい、また、いろいろな要望があり、不都合なことがあればまた聞いてあげますからと、いろいろこれから、一遍にいかないけれども、だんだん変えていきますよということを声を大にしておっしゃっていただきたいわけでもありますし、実際に衝に当たられる方、いわゆるその一番先で苦労していらっしゃる捜査官であり警察官であり入管の方々の苦労はよく理解しますけれども、そこのところをよく聞いてあげて、いわゆる戦前の軽べつ的な考えがそのまま移行してきているという受け取られ方をしないような配慮を払っていただければ、もっとこの登録法自体に対する考え方が変わってくると思うのですね。  外人登録法は私たちに関係ないわけですから、日本にいらっしゃる外国人に関係あるわけですから、その関係ある方々が気持ちよく安住もでき、届け出もできるというふうにしてあげたいわけですし、同時に、いずれにしても、一日手続がおくれたので刑罰がばっとくるようなこととか、そういうことは検討を加えていただいて、もう少し幅のある、あるいは十四日以内というのをもう少し広げていただいて、常識的に考えて余裕のある届け出ができるような内容に変えられませんでしょうか。大臣、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 先ほど来入管局長が申し上げておりますように、外国人登録法も来春、いまお話しのような点を心得て改正案を国会に提案したい、こう考えておるわけでございます。大変大事なことでございますので、いまおっしゃいましたこともよく検討しながら改正案を練っていきたい、こう思います。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 あわせてひっかけてみたいなことになりますけれども、大村の入管の収容所がありますね。あそこを移転する考えで今度難民センターをつくるということで、いま進んでいらっしゃるわけですけれども、それのこれからのお考えですね。  それから、この間新聞で見たのですが、法制審議会の方に国籍法のあれを諮問する、この間の委員会で稲葉さんといろいろやりとりがありましたけれども、その辺についてのお考えをお伺いしたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 大村の難民一時庇護センター、いま建設中でございます。一月いっぱいはかかるのじゃないだろうかな、こう言われておるわけでございます。できますとすぐオープンしていきたい、こう思っております。  いままでは、海外から難民が日本に到着いたしますと、それぞれの落ちつき先へそのまま送り届けておるわけでございます。いかにも不親切じゃないか、やはり健康を害しているかどうか、調べてあげる必要があるのじゃないだろうか、また、一応日本に落ちつく以上は、日本の慣習でありますとか生活などにつきましても、ある程度の知識を与えてあげなければお気の毒じゃないかとか、そういういろいろな問題がございますので、一月ぐらいの間お預かりをして、そしてその上でそれぞれの落ちつき先へ届けよう、こう考えておるわけでございます。  日本に定住される方じゃございませんで、定住先はそれぞれにあるわけでございますけれども、関係国が承認するまでは行けないわけでございますので、人によってはかなり長い年数日本に一時滞在せざるを得ない方々もおられるわけでございます。そういうことを考えますと、やはり最初にある程度の保護を与えることが大切じゃないか、こう考えられるわけでございまして、最初に、オリエンテーションといいましょうか、あるいは健康上の保護といいましょうか、あるいは身なりの問題もございましょう、そういうことについてのお世話をした上でそれぞれの落ちつき先へ落ちついてもらう。少しでも気楽な気持ちで日本に一時滞在できるようにしてあげなければならない、こういう配慮でございます。  国籍法の問題につきましては、三十日に法制審議会に国籍法の改正を諮問することにいたしております。その結果によりましてどれくらいの期間がかかるかということになってくるわけでございますけれども、法務省といたしましては、再来年の春の通常国会にぜひ国籍法の改正案を出したい、こう思っておるわけでございます。現在は御承知のように父系の血統主義であります。それを両系の血統主義に改めたい、これが基本でございまして、そうなりますと、どうしても二重国籍の問題が起こってまいりますので、できる限り二重国籍から起こる混乱を少なくしていきたい。絶無にはできません。できる限り少なくしたい。それにはどうしたらいいかということで苦慮いたしておるわけでございます。ぜひ再来年の春には国会に出せるように努力していきたいというのが、いま法務省のとっております努力目標でございます。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 もう一つ伺いたいのは、大臣、この間からの御発言の中にもいろいろございますが、中国孤児に対して非常なお気持ちを広げておられて、いろいろ便宜を図ってやりたいというお言葉もあったわけですが、人権規約を批准していく過程、難民センター、国籍法の問題等々考えていきますと、私の持論でもあるのですが、名前のことですけれども、出入国管理令ではちょっともう、日本の国際社会で果たす役割り等を考えると、政令だけでやっている、内容はうんと整ってきておるわけですけれども、おかしいのじゃないかと考えるのです。ですから、この際出入国管理法にお変えになるお考えはありませんですか。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 御承知のように、昭和二十六年でございましたか、ポツダム勅令に基づく政令として公布されて、この間の国会で改正していただきまして、現在は出入国管理及び難民認定法と呼ばしていただくようになったわけであります。法として題名も改めさしていただき、運用も法としてやっていくということになっておるわけでございます。

沖本泰幸公明党・国民会議

○沖本委員 それじゃ、質問を終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 安藤巖君。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 外国人登録法の改正との関連でまず最初にお尋ねをしたいのですが、東京地方裁判所の民事二十部、ここで司法汚職事件があって、いまも訴追委員会等でもいろいろ審議がされておるのは御承知のとおりですが、その張本人と言われております、あるいは仕掛け人と言った方がいいのかもしれませんが、井上恵文弁護士に絡んで入国管理局においても問題があって、九月に当時の事務次官、官房長、それから審議官の方が処分をされたわけですが、この問題に関連して、今後外国人登録並びに出入国の管理の行政を適正にやっていくという上でこの問題をどういうふうにして見ておられるのか、あるいは今後どういうふうに厳しく措置をとっていかれるのか、それをまず最初にお尋ねをしたいと思います。

筧榮一法務大臣官房長

○筧政府委員 お答え申し上げます。  いま安藤委員御指摘のような事案が発生いたしましたことは事実でございます。私どもはきわめて遺憾に思っております。細かい点についてはいろいろな事情がございますが、それは省略いたしまして、今後の対策について申し上げたいと思います。  法秩序の維持と国民の権利の保全を職責といたします法務省の職員にとりましては、綱紀の厳正な保持、いささかも疑いを招くことのないように努めること、これは当然のことであろうかと思います。私ども常々反省し、かつ全職員に対してその点の周知徹底を図っておったわけでございます。  今回の事案が発生いたしまして、当の所管でございます入国管理局長から、その数日後に、文書をもちまして、全国の組織の長といいますか、地方入国管理局長並びに収容所長に対しまして、改めて入管行政の重要性を深く認識し、いささかも疑いを招くことのないよう厳正に綱紀を保持するよう、改めて通達を発して指示したわけでございます。さらにその後、各種の会議、会同等が行われておりますが、その都度、それぞれの組織の責任者から、同じように綱紀の厳正な保持を図るよう繰り返し指示がなされております。  今後とも私ども、先ほど申し上げましたような職責にかんがみ、いささかも疑いを受けることのないよう自省自戒いたしますとともに、全職員にも周知徹底を図り、職務の厳正な執行を図ってまいりたい、このように考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いま官房長の方から答弁をいただいたのですが、大臣にも一言お尋ねをしたいと思います。どういうふうに今後やっていかれるのか、どういうふうに教訓として踏まえられるのかということですね。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 起こりました事案、まことに残念なことだと思っております。また本人も、私なりに見ておりますと、気の毒だったなと思っております。中に先輩が介在しておりまして、本人としては努めてそういう事態を避けたいと努力したようでございまして、そういうこともありますだけに非常に気の溝だなと思ったのですけれども、法秩序維持に当たらなければならない法務省という立場から考えますと、いささかでも世間に疑惑を招くようなことがあってはならない、そういうことからああいう処分に出たわけでございました。  同時にまた、あらゆる機会を通じまして、私も皆さん方の今後に対する注意を喚起してまいってきておりますし、またそれぞれに研修所も持っておるわけでございまして、研修に際しましてもそういう点に特に重点を置いていくということになっておるわけでございますし、こういうことは本当にまたとあってはならないなと、深く残念に思っておるところでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それでは、改正案の中身について、二、三お尋ねをしたいと思います。  この改正案によりますと、都道府県知事は外国人登録の原票の写票の分類整理という仕事がなくなるわけですが、どういう仕事が残ることになりますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 もともと都道府県知事は、登録の記載を正確にし、かつ登録証明書の発給が適正に行われるということを確保するための指揮監督権を持っております。これが都道府県知事の仕事の中心でございます。これは、地方自治法の規定によりまして包括的なそういう指揮監督権の授権を受けておりますし、さらに、具体的に都道府県知事がどういう措置をとるかということにつきましては、外国人登録法と登録法の施行規則に詳しく書かれてあるわけでございます。  ところで、今度都道府県知事が保管しております写票を廃止することになりました。それでは都道府県知事の仕事がこれからどうなるかということでございますが、結論から申せば、都道府県知事の国と市町村の間にある中間的な中間指揮監督者としての地位には全く変更がございません。地方自治法の包括的な指揮監督権によりまして都道府県知事はいろいろな仕事ができます。たとえば委託費の配付であるとか研修であるとか、それから個別的な指導であるとか通達、通知を送ること、そういう仕事があるわけでございます。それから、登録法、登録法施行規則によりましても、いろいろな報告を市町村から受け入れる、それから市町村が法務大臣に送るものを都道府県経由にするとか、こういうことはそのまま残るわけでございます。したがいまして、一言にして言えば、都道府県知事の指揮監督権については全然影響がない。  それでは、写票なしでそういうことができるんだろうかということでございますけれども、都道府県知事には監査をする権限がございますし、それから登録手続が都道府県知事を経由していくために、具体的にいろいろなことを知るという機会もございます。さらに、必要によりましては市町村長が持っております登録原票を利用してこれを見ることもできるわけでございます。したがいまして、たとえ都道府県知事は写票を持たないことになっても、指揮監督することには支障がないというふうに考えております。その意味におきまして、都道府県知事のいままでやってきましたそういう意味の仕事の本質につきましては、何ら変わりがないというふうに考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 大体わかりましたが、登録事務の委託費の問題で、実際に市町村あるいは都道府県の方が超過負担をしている云々というような話もよく聞くんです。先ほど来のお話で一億九千万円ですか、とにかく削減ができるということなんですが、いまのようなお話の仕事がまだ残っている。削減はするけれども、残っている仕事をこなしていく上において、委託費は、今後そういう超過負担の問題とかいうようなものはもう全く解消されていくのかというようなことも含めて、都道府県知事の方の御意向はどういうふうに把握をしておられるわけですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 今度の措置によりまして都道府県知事に対する委託費は約一億八千万円減ることになります。しかし、来年度の予算について申せば、三億二千万円程度のものを都道府県知事に対する委託費として計上しております。したがって、人員の数で言えば、いままで百五十人分の仕事をしていたものが、今度の改正の結果五十五人分減る、しかし、残りの百名近い方の仕事は残る、こういうわけでございます。  それでは、今度のそういう予算で超過負担が起きないのだろうかという点でございますけれども、私どもとしてはその問題は起きないと考えております。もちろん、私どもは常に実情を正確に把握しまして、そうして超過負担が起きそうな場合には速やかに措置をとって、そういうことが起きないようにするということに努めてきましたし、これからも努めるつもりでございます。現に、過去数年を見ましても、こういう超過負担の問題が生じないように、ほとんど一年置きに、相当大幅に市町村、都道府県に対する委託費というものは増額しているわけでございます。いずれにいたしましても、そういうことで、私どもといたしましてはこれからもよく実情を踏まえて超過負担というものが起きないように措置する、そういう努力を続ける決意でございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それから、改正案によりますと、返納を受けた登録証明書、これは市町村長から法務大臣には送付しないということになるわけですが、そうしますと、これは市町村の段階で処分をすることになろうかと思うのですが、その処分の仕方、それから的確に処分をしたのかどうかという点についての確認の方法はどういうふうにされるつもりか、お尋ねしたいのです。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 不要になった登録証明書の返納手続が廃止されますので、当然市町村長の方でこういうものの廃棄処分ができるようになります。ただ、実際にどういうふうにこれをやるかということにつきましては、現在具体案を検討中でございます。余りに大きな負担が市町村にかからないように配慮しなければいけませんし、また先生が御指摘になりましたように、きちんと廃棄されたということがはっきりしなければなりません。そういうことも全部踏まえまして、具体的な一番実際的な廃棄のための方法というものを現在検討しているところでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 ところで、外国人登録との関係で、中国からの帰国者の人たちに対する扱いのことをお尋ねしたいと思うのです。  大臣のところへ、最近、稲葉錠輔という岐阜に住んでおられる人から、この人は中国への残留孤児の帰国の問題とかあるいはまだ中国から帰っておられない人の帰国の問題等についていろいろ骨を折っておる人なのですが、手紙が、私はこういうふうに出しましたというものを一通もらっておるものですから、大臣のところへ届いておるのじゃないかと思うのですが、お読みになったことはありますか。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 いろいろな方からたくさんいただいておりまして、それぞれしさいに目を通した上で、関係者の方に渡しまして善処をそれぞれに求めてまいってきております。また大体、お手紙下さった方にもそれなりの御返事は、私はしているつもりでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 確かにいま大臣がおっしゃるように、この人の友人で日中友好手をつなぐ会の人が大臣に手紙を差し上げたそうです。そうしたら直筆の返事をいただいたという話で、稲葉さんにとってみれば、私にも手紙がもらえるのじゃないかということもちょっと書いてあるのですが、まだ御返事いただいてないというのがこれを送ってくださったもう一通の添え書きにあるものですから、一遍御披見いただいて、しかるべき措置をとっていただければありがたいと思います。  そこで、中国からの帰国者に対する入国管理局を含めた法務省の対応の仕方についてお尋ねしたいと思うのです。  その前に確かめておきたいことがあるのですけれども、これは私の方が法務省にお願いをして出していただいたものも含めてお尋ねするのですが、これはいただいたのではないのですが、昭和四十九年三月十九日、入国管理局長が法務省の民事局長に回答を求める照会をして、同年十月十一日に民事局長の回答がなされているものですが、「日中国交回復前に中華人民共和国へ入籍許可された者の日本国籍喪失の有無及びその時期」というのが表題で、一口に言いますと、これは名前も仮名ですからいいですね。昭和四十八年十一月二日に中華人民共和国許可入籍証というのを持って日本へ入国をした。日本の国籍があるかどうかということについてどういうふうにしたらいいか。この人は、外国人登録をしたのですけれども、これを返す、日本人であるから住民登録をしてほしい、こういう申し出をしたようですね。これに対してどうしたらいいかという照会があって、その民事局長の回答は、「中国国籍取得の意志が真正と認められる限り日中国交回復の日をもって日本の国籍を喪失したものと解するのが相当と考えます。」これは国籍法八条の関係じゃないかと思うのですが、これはどういうような趣旨の回答になるのか。  読んだらそのとおりだとおっしゃるかもしれませんので、もう一つお尋ねしますが、「中国国籍取得の意志が真正と認められる限り」とあるんですね。だから、それが本物でないどいうようなことであれば国籍は喪失していないというふうにも読めるわけですね。その辺のところを御説明いただきたいと思うのです。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 ただいま御質問にもございましたように、国籍法八条の関係によりまして、日本国民が自己の志望によって他国の国籍を取得した場合には日本の国籍を失う、こういうことになるわけでありまして、しかし、その国籍法の八条が適用になりますためには、その外国国籍の取得が真正な意思に基づいたものでなければならないということになるわけであります。そうなりますと、強制あるいは圧迫のもとに他国の外国国籍を取得したあるいはさせられたというような場合には、国籍法八条の適用がないということになるわけであります。  ところで、中国における中国国籍の取得の問題でありますけれども、これは、中国における日本国民が当時生活に困って、日本人としては生活できないような状態にあったがために、自己の真正な意思に基づかないで中国国籍を取得したんだ、入籍をしたんだというようなことをおっしゃる方があるわけであります。私ども可能な限り調べてみたわけでありますけれども、確かにそれに近いような状態もあった場合もある。しかし、それには地域差もあれば個人差もあるわけでありまして、一概にそうであったと言うわけにもいかないし、そうでなかったと言うわけにもいかないわけであります。したがいまして、個々具体的なケース、ケースに応じまして、中国に入籍しておるかどうか、入籍をしておるとすればその事情はどういうことであったのか、自分の真正な意思にどの程度の外的な影響を受けたのかということを調査し判断をいたしまして、それが真正な意思に基づく場合には、国籍法八条によって中国国籍を取得し日本国籍を失っておる、真正な意思に基づかない場合には中国国籍を取得していない、したがって日本国籍を失っていない、こういう判断をすべきものだと考えて回答をいたしたものと理解しております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それからもう一つ、これは昭和五十五年八月付になっておるのですが、「外国人登録事務取扱要領 協定永住事務取扱要領法務省入国管理局」と表紙に印刷した冊子があって、その中の抜き刷りをきょう法務省の方からいただいたんですが、その中に、「外国人登録の対象とならない者」とあって、「次に掲げる者は、外国人登録の対象とならない。」そして、そのうちの「a日本の国籍を有する者(日本の国籍を有する二重国籍者を含む。)」こういうふうになっているのです。こういう人たちは外国人登録の対象とならないということなんですが、この「日本の国籍を有する」というのは、たとえばいまの中国からの帰国者の場合、日本のかつて住んでおったところ、あるいは生まれたところの戸籍にちゃんと載っておるというような場合を含むのかどうかという点はどうでしょうか。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 そういった人は、かつて日本の戸籍に登載をされておったという人がまず本来あるわけでありまして、戸籍に登載されておる、あるいは終戦後の混乱期等におきまして、日本の戸籍に登載をされなかった、外国で出生をいたしまして戸籍に登載をされていない場合でありましても、法律的に日本国籍を取得しておる、出生によって日本国籍を取得しておるという者もまず含まれるわけであります。あと問題は、その後に中国国籍に入籍したかどうか、入籍の事情がどういうことであったかということによって、結論は変わってくるんじゃないかというふうに考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、まず一つの目安は、いまの御答弁によりますと、日本の戸籍があるということが一つの目安になって日本の国籍を有するというふうに考えられるわけですね。それ以後、いまおっしゃったように、自己の志望によって云々ということがあるかないか見るわけですけれども、まず第一の基準は、日本の戸籍に登載されているかどうかですね。そして形の上では、あるいは実際問題としても二重国籍、もう一つ中国の国籍も持っているというような場合、そういう場合もこれは入るんですか。  そうしますと、こういう人たちに対しては、外国人登録をさせない、対象とならないとありますから、そういうふうに理解してよろしいわけですか。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 当初日本国籍を持っておりました者が、自己の志望によって外国の国籍を取得した場合には、国籍法八条によって日本国籍を喪失するわけであります。したがいまして、いまそこで問題になっております二重国籍というのは、それ以外の方法によって二重国籍を取得した場合、たとえば日本の国籍法によって日本国籍を取得した、あるいはアメリカの生地主義の法律によってアメリカの国籍も取得しておるというような場合が典型的な場合であろうかと考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 この扱いについてはまた後でお尋ねします。  そこで、中国から帰国した人たちが、いまよく中国のパスポートですか、中国政府の発行した旅券、護照と言っているようですが、それから先ほどの話にもありましたように、中華人民共和国許可入籍証ですか、そういうものを持って入国をされる人が多いようですが、そういう人たちに対して入国管理局としてはどういうような扱いをするのを基本にしておられるのか、そして実際にどういうふうにして扱っておられるのか、それをまずお尋ねしたいと思います。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 そういう中国残留孤児の方が中国の旅券を持って入国されますときには、私どもとしましては、その旅券がその方の国籍を示す基本的な文書と考えておりますので、当然中国人として入国いたします。つまり、外国人として入国されるわけでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 その人たちが落ちつく先へ落ちついて、そこで生活をする。そのときに、その落ちつく先の市町村の役場へ行って、先ほど話をしておりましたように、私は日本の戸籍にちゃんと載っておる者ですというような主張をした場合はどういうような扱いになりますか。これは仕事は入管局ではなくなるのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 そういう場合には、その方が本当に日本の国籍を持っているかどうか、法務局に照会することになっております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そのときに、住民登録をしてくれ——戸籍があるんですからね。住民登録をしてほしいという要求をされる人がほとんどだという話を聞いているのですが、そういう場合でも、先ほど局長がおっしゃったように、護照を持ってきているんだから外国人として取り扱うんだ、だから外国人登録をしなさい、こういうようなことが行われているように聞いておるのですが、そういうようなことはないんですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 その中国から帰ってこられた残留孤児は、自分は日本人であるということを信じておられるわけですから、したがって、自分たちは外国人登録ではなく、当然住民登録をすべきだというふうにお考えになるのだろうと思います。しかしながら、入国管理令及び外国人登録法の実施の側から申しますと、やはりこの方々は中国の旅券を持って入国されたので、私どもとしては外国人として扱わなければならないわけでございます。そうなりますと、住民登録ではなくて、外国人登録をしていただかなければなりません。また、そういうふうに現に私どもは指導しているわけです。しかし、そういう方々にしてみれば、自分たちは日本人なのでその点は非常に心外であるというふうにお考えになるかもしれません。  いずれにいたしましても、九十日の登録法の申請期間があるわけでございますけれども、法律によってさらにこれを六十日延ばすことができます。市町村におきましては、そういうケースの場合には、恐らく九十日の期間を適用しないで六十日間延期して、さらにその間にその方が日本人であることを証明する機会を与える、そういう取り扱いになろうかと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、その九十日間、それからさらに延ばして六十日間ですね、その間も、いまのお話からすると外国人登録をしなければならない、あるいは外国人登録をしなさい、そうしないと罰せられますよなんて、そういうようなことを実際にやっておるという話を聞いておるのですが、そういうようなことはやられておらないのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 先ほども申し上げましたように、本人が自分は日本人であるということを申し立てた場合には、それを証明する機会を与えなくちゃいけませんので、私どもとしては法務局へ問い合わせるわけでございます。しかし、そういう努力を重ねているうちにも九十日あるいはそれにさらに六十日を足した申請期間が過ぎてしまったという場合には、残念ながらこの方は外国人として登録しなければならないということになります。現にそういうことで市町村では実施しているはずでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いま局長は残留孤児ということをおっしゃったのですが、私は残留孤児も含めて、日本で生まれて子供のころに行って帰ってくる人、あるいは日本で相当程度成長して、それから行って帰ってくるという人も含めてお話をしているのですから、そのつもりでお答えをいただきたいと思うのです。  ですから、私が思うのには、そういう余裕の期間があるわけですから、その間は先ほどの国籍法の八条の問題について、自己の志望によったのかどうかということを法務局の方に問い合わせる、こういうようなことが行われるとおっしゃったのですが、そういうことも、市町村にそういう手続をとりなさいというふうに通達といいますか、扱い要領といいますか、そういうのを出されておるのですか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 そういう通達は現に出しております。「中国からの入(帰)国者に係る登録事務取扱いについて」という題名で、全国市町村に通達を出してございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 その通達も、私もきょういただきましたけれども、ところが実際の扱いは、そういうような申し立てをした人に対しても、外国人登録をしなければだめですというふうに市町村では相当強く言って外国人登録をさせる。だから、当事者にとってみれば、させられてしまうという事例が多いように聞いているのです。そうでないところもあるようですが、圧倒的多数がそういうことをされて、それで裁判になった事例もありますね。あるいは法務省だったと思いますが、座り込んで、そして結局は外国人登録を抹消してもらった、あるいは裁判にかけてもちろん勝利をして抹消してもらった、こういうような人たちも現実にあるわけですね。  それからこれによると、そういう申し出があったときは云々というふうにありますけれども、実際は、とにかくあなたは護照を持って入ってきたのだから、外国人なんだから外国人登録をしなさいと相当強く言われる。これは本人の身になってみますと、後ではっきり真相がわかれば抹消されるからいいではないかということを言われても、外国人扱いをされて外国人登録をされる。私は日本人なんだ、戸籍にもちゃんと載っているじゃないかということを主張する人に対しては、これは非常に酷な話だと思うのです。先ほど来、外国人の人たちの人権を守らなければならぬというお話がたくさんありました。これももちろん必要なことだと思います。しかし、本当に日本人である可能性の濃い人を外国人扱いをするというのは、まさに日本人に対する基本的人権の侵害ではないかと思うのですけれども、その辺のところをもっとしっかり徹底をしていただきたいと思うのです。一遍実情をお調べいただきたいと思うのですが、お調べになったことはございますか。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 特にそういう実情について調査したことはございません。ただ、いまの先生のお話を伺っておりますと、私どもの出しました通達では、一応そういう方々が中国人、外国人として入国された場合にはまず登録を勧めるように、そういうふうに私どもは通達しているわけです。したがって、恐らくその人たちも、市町村の担当の方々も、いまのケースの場合に、これに沿って外国人としての登録をする必要がありますということを指摘したのではないかと思います。ただその場合に、先方のその外国人が、自分の国籍が記録上除籍されていないことを理由として日本国籍を有する旨を申し立てたとき、こういうときには所轄の法務局あるいは地方法務局に日本国籍の有無について照会するように、こういうことになっておるわけでございます。したがって、その段階でその中国からの入国者がいま申し上げたような申し立てをした場合には、必ず法務局への問い合わせ、そういう措置をとっているはずでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そういう調査をなさったことがないということですが、そして、この「取扱いについて」という文書によると、とにかく外国人登録をしなさいというふうにするよう指導してくれということですから、先ほど私が言ったように、私は日本の戸籍がちゃんとあるんだ——戸籍というのは、もともと本人、あるいはこれは親族もありましたかね、届け出制によらなかったら抹消できないわけですね。あるいは百歳以上の何とかとか失踪宣告とか何かの場合は別ですけれども、ほかは届け出がなかったらとにかく抹消されない。だから、届け出がなされていないということは、やはり日本の国籍を持っていたいという気持ちがあるのではないかということも考えの基礎に入れていただきたいと思うのです。  そこで、法務省の本省の方にお尋ねしたいのですが、そういう問い合わせが市町村長の方からあったという場合に、いまの国籍法八条の関係、これはどういうふうに調査をされるわけですか。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 先ほども申しましたように、中国に入籍をしたということがあるかどうか、あるとすればその事情はどういうことであったか、その土地における具体的事情を調査をするということになります。主としてやはり本人について調査をするというようなことになろうかと思っております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 本人がそのときにどういう気持ちだったのか、意思はどういうものであったのかということを、いまの御答弁のように本人についていろいろお調べになるということですと、私はあくまでも日本人だ、戸籍もある、外国人登録じゃなくてあるいは護照ではなくて、日本の国籍をきちっと回復してほしいというような主張をしておられるということになると、大体において日本の国籍を持っているなというふうに——中国の国籍を取得したときのその本人の意思を後から確かめるわけですから、そういうことを主張しておられる人に対しては、そういう事情がありましたかということで日本の国籍を認めるというような扱いになっていくのかなと思うのですが、そういうふうに思ってしまう、あるいは言い切ってしまうというのはちょっと行き過ぎですか。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 問題は、結局法律問題でございますので、最終的には裁判所によって判断をしてもらうより仕方がないということになります。しかし、そこまでやらなくてもかなり事態が明らかであるというような場合には、法務局と申しましょうか法務省が国籍に関する事務を取り扱っておりますから、その範囲内において判断をして、そして国籍の有無について回答をするというようなことをいたしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そこで、先ほどの九十日間、それから延長して六十日間というお話がありましたが、落ちつき先へ落ちつくにしても、成田に入国してすぐというわけにもまいりませんけれども、数日あるいは十日間ぐらいで落ちつく、それから計算してもしばらく期間があるわけです。だからその期間に、先ほどのお話で、それが切れたら今度は外国人登録をしなければ罰せられることになるということになるわけですから、その期間のうちにできるだけそういう結論を出していただく、こういうような御努力もしていただいていると思うのですが、その点はどうでしょうか。

中島一郎法務省民事局長

○中島(一)政府委員 申し立てがありまして照会がありますれば、法務局としてはなるべく速やかに回答をするということをいたしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そこで、外務省の方からと厚生省の方からも来ていただいておりますのでお尋ねしたいと思うのですが、中国からの帰国者の問題について、これは護照あるいは先ほどのような中国の入籍証明書というのを持って入国をされるわけですけれども、中国政府がそういう人たちを日本へ帰国——といきなり言っては問題かもしれませんが、まず日本の国へ行かせるということについては、これは日本へ帰す、帰国だというような話し合いというのか、合意というのか、そういうようなものがあって、そういうような含みでそういう人たちが日本へお帰りになってくる、こういうようなことになっておるのかなと思うのですが、その点はどうなっておるのでしょうか。

藤井宏昭外務大臣官房外務参事官

○藤井(宏)政府委員 中国政府との間では、在外公館を通じまして累次密接な協議を進めております。それ以外にも、厚生大臣、外務大臣が中国に参りました際には、孤児それから元日本人の本邦帰国等につきましていろいろお世話になっている、それに対して感謝の意を述べまして、今後ともよろしくという趣旨のことを述べております。それに対して中国政府の方でも、今後もできるだけのことはいたしましょうという趣旨のことを述べております。さらに、昨年の第一回の日中閣僚会議におきましても、これは孤児についてでございますけれども、共同新聞発表におきまして同様の日本政府の感謝の意を述べまして、さらに、中国政府としても今後ともできるだけのことをいたしたいという趣旨の共同新聞発表に日中間で合意しております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、そういうようなことで中国から護照なり入籍証ですか、こういうのを持ってこられるわけですが、そういう人たちに対する扱いは、中国当局といろいろ話し合いをなされたいまお話のあったようなことからして、日本政府としては、外務省としてのお考えでいいのですが、できるだけ日本人として、日本国籍を有する者として認めていこう、こういうようなことをお考えになっているというふうに理解していいのですか。

藤井宏昭外務大臣官房外務参事官

○藤井(宏)政府委員 この問題につきましては人道的見地からの問題ということで理解しておりまして、その旨中国側にも申しておりますし、中国側もそのように理解していると思います。したがいまして、人道的考慮が優先でございますけれども、個々の方々の法的な地位等につきましては、それぞれの事情、国内の法制等ございまして、それに従いまして当然措置すべきものと考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それから、厚生省からも来ていただいておるのですが、これは朝日新聞の九月十日付の報道なんですが、詳しいことは申し上げませんが、「身元不明でも永住帰国OK」と、これは見出しなんですが、そして、里親制や施設も整備する、できるだけ中国に残留している孤児を日本へ引き取ってめんどう見よう、こういうようなことを計画をされて、来年度予算にも一億二千余万円の概算要求をしておられる。これは新しい施策ですね。この趣旨、それから中身も簡単に話していただければありがたいのですが、どういうことですか。

岸本正裕厚生省援護局庶務課長

○岸本説明員 本年三月に、初めて中国の残留日本人孤児を日本に招きまして、いわゆる訪日調査を行ったわけでございます。そのとき、四十七名の方が訪日いたしまして、幸い二十四名、半数をちょっと超える数の方が身元がわかったわけでございます。そういう経験の中で、孤児のほとんど、身元のわかった人もわからない人も含めまして、日本へ将来永住帰国をしたい、こういう希望が非常に強かったわけでございます。  それで、孤児のうち身元のわからなかった方につきましては、そういう意味では法律上は日本人ではないと思いますけれども、中国政府が孤児調査に参加をさせるということは、中国政府が元日本人といいますかそういうことで認定をしたものであるというふうなことでございますので、私どもできるだけその孤児の方々の希望をかなえてあげたい、こういうことから、来年度以降、孤児調査の結果不幸にして身元が判明しなかった方々につきましても、その希望があれば永住帰国の道を開きたい、こういうことでただいま来年度の予算要求をいたしているところでございます。  その中身でございますけれども、この援護措置といたしましては、まず中国から日本に参ります旅費を負担をいたします。それから、当座の資金として、いわゆる帰還手当と言っておりますが、それを支給をいたしたいと思います。それから、身元がわかりませんので身の落ちつけ先がありませんから、私ども社会福祉施設などへお願いをいたしまして受け入れ施設を確保いたしたい、こう思います。そして、受け入れ施設には、いわゆる援護員ということで、社会適応訓練とか職業訓練、それから将来の就職等の世話とか、それからいろいろな日本と中国との生活、風習等の違いについて教えてあげるというようなお世話をしていただく方を設置をいたしましてそういう生活のギャップを埋めていきたい、こう思っております。  それから、先般の孤児調査を行いました際に、国民の非常に多くの方々から非常に御協力をいただいたわけでございまして、その中に、いま、いわゆる里親といいますか、そういうことで自分が子供のように引き取るといいますか、大人になっておりますから本当の意味のいまあります里親とはちょっと形が違うと思いますけれども、孤児を引き受けまして自分で生活の世話をするとか、また自分で経営している工場でめんどうを見るとか、こういうことで善意の申し出もたくさんいただいているわけでございます。そういう方々にも将来はあっせんをして、日本への定着と自活の道を開くように援護していきたい、こういうふうに考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それから、引き続いて厚生省の方にお尋ねしたいのですが、中国からの帰国者に対する援護措置というのがあって、いろいろめんどうを見ておられるというふうに伺っておるのですが、この援護の対象になる人はどういうような人たちですか。

岸本正裕厚生省援護局庶務課長

○岸本説明員 いま行っております援護というのは引き揚げ者としての援護でございまして、引き揚げ者というのは、私ども考えておりますのは、現在戸籍簿に登載をされている者で終戦前から日本から中国に渡航してそのまま居住をしていた者、そしてそういう方が永住または墓参、親族訪問等の一時帰国をするということで本邦に帰国する場合に援護するということで対象にしているわけでございます。先ほど申し上げました身元の判明しない孤児についての援護措置というのは、この原則から一歩踏み出した特例を行いたいということで考えておるわけでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いまの中国からの引き揚げ者に対する援護措置の対象は、戸籍に登載されている人ということでやっておられるという話ですが、外国人登録を拒否して住民登録をしてほしい、こういうふうに争っている人、あるいは外国人登録させられちゃった、そしてなお、私は日本人だ、日本の国籍を持っているんだというふうにいろいろ主張して争っておられる人、こういう人もあると思うのですが、そういう人たちに対しても、戸籍に登載されているということで、いまおっしゃったような対象にされておるわけですか。

岸本正裕厚生省援護局庶務課長

○岸本説明員 私どもといたしましては、法律上の地位とは少し観点が違っておりまして、いわゆる同胞に対する引き揚げ援護という考え方で行っておりますので、そういう方も含まれるというふうに思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 外務省の方と厚生省の方は、もうお帰りになっても結構でございますから。  いまいろいろ外務省の方あるいは厚生省の方からも話をしていただいたのですが、こういうことからすると、それは厚生省は厚生省としての立場だというふうにおっしゃいます。それから外務省も、中国の政府との間の話し合い等とかいうのがあるけれども、それは、国籍の問題はやはり日本の国の法律に従ってやっていただくことなんだというふうにおっしゃるのですが、どうも外務省あるいは特に厚生省の場合の方が、問題はそれぞれの立場ですから、厚生省としての立場というのがありますからちょっとは違うのかもわかりませんが、中国からの引き揚げ者あるいは帰国者に対して日本人として、先ほども同胞としてのというのがありましたけれども、扱う。そして、先ほどの身元不明の残留孤児については、さらにそれよりも踏み込んだ施策だと思います。それでいまそういうような説明もありましたけれども……。  こういうことからすると、いろいろ民事局長さんあるいは入管局長さんからもお話をいただいたのですが、たとえば成田へ護照を持って入ってくる。そのときに、その人たちに対して、外国人登録手続をしてください、あるいはしなさいよ、こういうようなことを書いたカードといいますか、これを護照の中へぱっとはさんでお渡しになるというようなことですが、そういうことが、先ほども言いましたように、落ちつく先へ行って外国人登録をしなければいかぬのかな、おれは日本人だということになると、非常にその人たちにとって圧迫になるわけですね。だから、法務局等々でお調べになるのも、先ほどもお願いしましたように、九十日間あるいは六十日間に何とか結論を出して日本の国籍を認めていただきたいということをお願いして、何とか一日も早くという御答弁をいただいたのですが、入国したときにそういうカードではなくて、戸籍にちゃんとある、そこまで書かなくてもいいですが、何か、自分が日本人であるということは落ちつく先の市町村へ行って主張してくださいよというようなカードをはさむことを考えていただくことはできぬかしらと思うのですね。  やはり護照を持ってきた以上は外国人だ、外国人として扱うのだということが前面にばっと立ってしまうと、先ほど来私が申し上げておるように、まさに日本の国籍を持っておる、やむを得ず中国の国籍を取ったのだということで、そういう意識を持って帰ってきた日本人に対する基本的人権の侵害になっている。だからその辺のところをもう少し弾力的に考えていただく、あるいは何かうまい手を考えていただく、そういうようなことはどうなんでしょうかね。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 厚生省の方は、同胞というようなことで、必ずしも法律的な関係にとらわれないということをおっしゃっていましたけれども、私ども入管当局といたしましては、入管令、登録法、こういうものをやはりきちっと実施しなければならないという意味で、法律関係から免れる、抜け出すことはむずかしいのでございます。そこで、その範囲内でできるだけこういう方々につきましては便宜を図るという、そういう気持ちは持っております。  いま先生がおっしゃいましたそのカード、確かに中国人が着きましたときにはパスポートにそういうあれをはさんでおりますが、これは実は私どもの非常な善意でございまして、もしこの人たちが九十日とかあるいは多少申請期間が延びても相当な期間内に日本人であるということがはっきり証明できない場合には、どうしても私どもとしては外国人登録法で登録してもらわなければならない、それを忘れていると処罰の対象になります。そういう不幸な事態が起きないように、ある日数がたちましたらやはり外国人の登録をしなければいけませんよという御注意を込めて、そういうあれを渡しているわけでございます。もちろん、そのときにその受け取られた方は、自分が日本人であるというふうに確信していらっしゃる場合が多いと思いますので、そういう方は、恐らく入国されたらできるだけ早い時期にそれを証明する努力をされるんだろうと考えております。したがいまして、そういう方々につきましては、もし登録の申請期間中に解決すれば問題はなくなる、そうでない方々については、私どもの注意に従って登録をしていただかざるを得ない、こういうことでございまして、私どものそういう措置は、実は善意に出たものと御理解いただきたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 善意に出たものだということは理解しないわけではございません。が、私が言いたいのは、そういう法律があってきちっとしておるわけですから、それにのっとられることは当然だと思うのです。だから、外国人登録の手続を九十日以内にしなさいよということではなくて、それも入るのはやむを得ぬと思うのですね、できるだけ早く国籍の問題についてはしかるべきところへ、入管局でもいいし、法務局でもいいし、市町村でもいいんですが、しかるべきところへ主張なさいよというようなこと、何とかいい方法を考えてやっていただくというのも一つのいい方法じゃないかと思うのです。  それからもう一つは、規則、法律、それをたてまえにおとりになるのはあたりまえだと思うのですが、もう少し弾力的に、その人は日本人だと思って来ておるわけですから、調査をしなければわからぬわけですから、まだいわば未確定の状況にあるわけですわ。だからそれを、あくまでも護照を持ってきたから中国人だと決めつけた前提に立って、いろいろその人に対する処遇をなさるのはどうか。だから、できるだけ早くそういう機会をつくるようにしてくださいとかなんとか、そういうようなサゼスチョンを与えるとか、指導するとか、何かそういうようなことを考えていただきたいと思うのですがね。いい知恵はありませんかね。

大鷹弘法務省入国管理局長

○大鷹政府委員 ただいま話題になっておりますそのカードは、入国者に配っておるわけでございます。それで、すでに中国からの入国者だけを見ても、年間一万五千名を超えております。その中で、いまのような中国の残留孤児であるとかそういう係累の方々は一部でございます。したがいまして、ああいう成田のような、非常にピーク時には混んでおりますが、そういうときにそういう方だけを選んで、できるだけ国籍の証明を早くしてほしいとかそういうものをお渡しするということは、なかなかむずかしい場面があろうかと思います。  さりとて、確かに先生のおっしゃるとおり、何かもう少し具体的にとれる方法がないものか、検討させていただきたいと思いますが、一つのやり方としては、そのカードの一番おしまいに、市町村の役場へ行ってよく相談してくれということが書いてございます。そこで私どもといたしましては、市町村長へあらかじめ通知をしまして、そういう方々があらわれたときには、ただいまの国籍の証明、日本人であるということの証明をできるだけ早くやるように、そのやり方についてこうであるというようなことを何かできるかどうか、研究さしていただきたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 大臣、いろいろ聞いておられたので大体おわかりだと思うのですが、やはりこれは何とか前向きの方向で——外国人だ、中国人だという前提でもって処理をされるというのは、本人にとってみれば、これはとんでもない話ですからね。先ほど来も申し上げておるのですが、それからいまも局長の方からお話がありましたが、市町村に対する「取扱いについて」というこの通達ですね、これがまず外国人だという、先ほどから申し上げておるように外国人として扱えというようなことになっておるのですわ。だから、その辺のところをひとつ壁を取っ払う必要があるのじゃないか。それがなくなれば、市町村のところへ行ったときに、あなた、外国人登録しなければいけませんよということにはならぬと思うのです。事情を一遍話してください、こういうことになろうかと思うのです。そこで大分違ってくると思います。だから、そういうことも含めて何かいい方法を考えていただきたいと思うのですが、最後に、その関係について大臣の御答弁をいただいて、終わりたいと思います。

奥野誠亮自由民主党法務大臣

○奥野国務大臣 いま入管局長から、よく研究させていただきます、こう答えておりますので、相談してまいりたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 じゃ、終わります。ありがとうございました。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次回は、明二十八日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十二分散会

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