法務委員会 第2号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/10/16
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、供託法の一部を改正する法律案及び外国人登録法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。奥野法務大臣。 ————————————— 供託法の一部を改正する法律案 外国人登録法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○奥野国務大臣 供託法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、国の財政の現状にかんがみ、国の歳出の縮減を図るため、供託法の一部を改正しようとするものでありまして、その改正点は、次のとおりであります。 供託法におきましては、供託された金銭について命令の定めるところにより利息を付することを要するとされていますが、この法律案では、いわゆる財政再建期間として予定されている昭和五十七年度から昭和五十九年度までこの利息を付さないこととしております。これにより、昭和五十七年度においては約七億円、昭和五十八年度においては約十四億円、昭和五十九年度においては約十八億円の歳出の縮減が見込まれております。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。 続きまして、外国人登録法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 近年における国際交流の活発化に伴い、わが国に入国・在留する外国人の数は増加の一途をたどり、そのために市町村及び都道府県における外国人登録に関する事務量は、現行外国人登録法が制定された当時と比べますと、著しく増加しております。厳しい国家財政のもとにおいて、このような事態に対処し、外国人登録事務の適正な運用を期するためには、関係事務の簡素・合理化を図る必要があるものと思われます。 そこで、この際、市町村及び都道府県における外国人登録事務の簡素化及び合理化を図り、財政支出の効率化に資するため、外国人登録法の一部を改正しようとするものでありまして、その改正の要点は、次のとおりであります。 第一に、新規登録等の申請に際し、外国人から提出させる写真の数が三葉とされているのを二葉で足りることにすることといたしております。 第二は、市町村長が登録原票の写票を二葉作成し、一葉を法務大臣に、他の一葉を都道府県知事に送付することとされているのを、一葉を作成してこれを法務大臣に送付すれば足りることとし、都道府県知事への写票の送付及び都道府県知事が行うこととなっている写票の分類整理事務を廃止することといたしております。 第三は、返納された登録証明書を市町村長から法務大臣に送付させる手続を廃止することといたした次第であります。 以上が、この法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○高鳥委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○高鳥委員長 供託法の一部を改正する法律案について、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田誠一君。
○太田委員 供託法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 まず最初に、ただいま行革特別委員会で行革関連特例法案というのが一括して処理をされているわけでありますけれども、本案が、なぜそれらとは別に、単独でこの法務委員会で審議されることになったのか、本案が提出されるに至った経緯を御説明いただきたいと思います。
○奥野国務大臣 当初、供託法の一部改正案をも一括法案の中にまとめてもらうよう、法制局に求めたわけでございました。ところが、法制局で検討いたしました結果、臨時行政調査会から示されております行政改革の第一次答申、その中にはこれが含まれていない。また、他の法案のように、国から金を出しまして特定の政策を実現するという性格のものでもない、いささか異質のものだ、だから切り離してもらえないかというお話がございまして、それももっともなことでございますので、切り離して、このように別途で本委員会の御審議をお願いすることにさせていただいたわけでございます。
○太田委員 供託金には、明治二十三年に制度が創設されてから、その間、二十六年十二月から五年四カ月の期間を除いて、利息を付することがなされておりますけれども、その利率の変動と、その変動の理由というものを御説明をいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 ただいま御質問にもございましたように、供託金制度が創設されましたのは明治二十四年の一月一日からでございますが、そのときには旧供託規則というものによりまして供託金の利子がつけられておりまして、利率は通常預金の利子ということで、千円以上の供託金については年三分、それから千円未満のものにつきましては年四分二厘ということになっておりました。それから二十六年の十二月一日以降におきましては、明治二十六年勅令七十五号というのが施行になりまして、ここで、ただいま御質問にございましたように無利息になったわけでございます。 その次に、明治三十二年の四月一日、このときに現在の供託法が施行になったわけでありますが、利率につきましては、明治三十二年大蔵省告示九号というのができまして、年三分六厘ということになりました。続いて、昭和七年十月一日から、司法省令によりまして年二分四厘の利息ということになりました。さらに、昭和五十三年三月一日に供託規則の三十三条の改正によりまして年一・二%ということになりまして、現在に至っておるというのが実情でございます。
○太田委員 明治二十六年十二月から五年四カ月間、利息の支払いを停止したという時期にも同じことが言えるわけでありますけれども、供託金の利息を今回のように、一時にしろ永久にしろ、利息払いを停止するということになった場合に、すでに供託をしている者からしますと、そこに利息をつけるという制度があって、その前提のもとで供託制度を利用している者が仮にあるとすれば、それは供託者と国の間に一種の契約が存在しているというふうにみなされるであろう。そうしますと、今回の場合は、国の財政再建という、実際には供託者と国の間の関係ではなくて、全く関係のない事情で、一種の契約が一方的に破棄をされるということになるわけであります。そうしますと、このような契約が一方的に何の関係もない事情でもって破棄をされるということは、いかにも穏当ではないという考え方もあり得ると思うのですけれども、そこら辺はどうでしょうか。
○中島(一)政府委員 供託制度につきましては、国が供託の制度を運営をいたしまして、これを利用していただくという関係でございますので、契約とも若干違う関係にあるというふうに考えるわけでございますが、特に供託につきましては、これは利殖を目的とするものではございません。そういう意味におきまして、銀行預金あるいは郵便貯金等利殖を目的とするものとは大いに事情を異にするものがあろうというふうに考えております。供託固有の法律上の利益を供託者が享受する、供託制度によって国民がそれぞれの目的とするところの供託者の利益を享受するものでありますから、供託制度上当然に、あるいは必然的に利息をつけなければならないものではないということが、まず根本にあろうかというふうに考えます。 そうなりますと、供託は、いろいろ各種さまざまなものがあるわけでありますけれども、払い渡し請求があればいつでも払い渡しに応じなければならないという当座預かり的なものでありまして、供託された時点における法律の規定の内容による利息の払い渡し請求が、供託の時点から将来にわたって保証されているというわけのものではないと言わざるを得ないと考えております。このことは、供託法が利息をつけるという規定を置きながらも、利率を含めて利息に関する事項一切を法務省令にゆだねているということからも明らかであろうかと考えているわけでございます。したがいまして、法律を改正して供託金に利息をつけないということにいたしました場合において、すでに供託されておる供託金について、法律改正までに生じた利息金の支払いをする必要があるのは当然でありますけれども、将来に向かって利息をつけないということにいたしましても、これによって供託関係者の権利を侵害するということにはならないというふうに考えております。 ちなみに申しますと、利殖を目的とする通常郵便貯金におきましても、すでにされております貯金について、利率が変更された日から変更後の利率によって利息がつけられているというような実情になっておりますし、また、供託法の沿革を見てみましても、先ほどお答え申しましたように、法あるいは勅令または省令が変更いたしまして利率が引き下げられたという場合でも、変更前からの供託金についても変更後の法令が適用されてきたという沿革がございます。
○太田委員 確かにそういう考え方もあり得るかと思いますけれども、もう一つここで考えなければいけないのは、法のもとでの平等という立場で見ますと、供託には、有価証券で供託できるたとえば保証供託というようなものもあれば、現金でなければ供託できない弁済供託というものもある。そうすると、両方とも国が提供をする、一方は、何か家賃の滞納をするかわりに供託をするというようなもので、国の制度から便益を受けるということでありますし、片方は、いわば宅地建物取引業みたいなものにみだりに新規参入ができないようにしておくというふうに、産業界の秩序を維持するというふうな意味で、両方ともこれは国民の供託をする側の方に利益があるというふうにもみなされるわけでありますから、そうであれば、この制度の中に、有価証券で供託をすれば金利がつく——もちろん、自分でこれは運用をしているわけですから、金利がつくわけであります。国債で供託をすれば、これは国債の金利が支払われるということになるわけでありまして、他方、現金でなければ供託をできないという場合には、その機会を逸する。有価証券で預ける場合に比べれば、得られたであろう金利を逸するということになるわけであります。そうしますと、これは法のもとで不公平な扱いを受けるということになりはしないかという点があるわけであります。 それともう一つ、これは少し異なった観点から物を見ますと、金銭の受け払いの主体として国というものを考えた場合に、国庫金というものをいまどのように扱っているかといいますと、供託されたお金は、国がまず供託所で預かって、結局は国庫金として日銀の当座預金に預けられるわけであります。そうしてこれは、特別会計の余裕金やあるいは公社、公団のたぐいの余裕金と一緒に、国の当座預金といいますか、臨時の短期的な支払いの原資として活用されているということになるわけであります。そういたしますと、ほかの特別会計あるいは公社、公団との比較で見ますと、この中で国庫金に対して国が利息を支払っている例としては、ちょっとこれは私、記憶違いかもしれませんけれども、電電公社に対して金利が払われている。どうして電電公社に対して金利が払われるかといいますと、電電公社の場合には余裕金を運用をするということを法律によって禁止をされている、したがって、電電公社は運用の機会を逸している、つまり、その逸失利益に対する補償として三・何%かの金利が支払われているというふうに伺っております。そうであれば、場合によっては、供託金もまた逸失利益に対する補償として一・二%が支払われているのかもしれないというふうに私は理解をしております。そうであれば、この一・二%は、電電公社に対して支払われる三・数%に比べれば、やや安いではないかという議論も成り立ち得ると思うのですけれども、その辺はいかがでしょう。
○中島(一)政府委員 まず最初に、現金による供託と有価証券供託との関係について御質問がございましたけれども、それぞれの根拠法令によりまして、有価証券供託を許すもの、許さないものというものがあるわけでありまして、その結果、供託金の利子を付さないということにいたしますと、両者の間に利子の有無あるいは利息の有無という点だけについて申しますと、違った取り扱いがされざるを得ないという点が出てまいります。しかし、これはそれぞれの供託制度において現金供託を相当とするか、あるいは有価証券供託を相当とするかということが出てまいりますので、やむを得ない相違であろうかというふうに考えておりますが、ただ、将来の問題といたしましては、有価証券供託の場合には手数もかかるわけでありますから、あるいは別途手数料を取るというようなことをも含めて、検討を要する事柄であろうかというようには考えております。 それから、電電公社の余裕金の預託の関係について御質問がございましたが、これは電電公社の余裕金は日本銀行に対して預託をしなければならないということで義務づけられておりまして、それにふさわしい扱いとして利息がつけられておるというふうに承知をいたしております。供託金が本来一種の保管金であって、原則として国の保管金については利息をつけないというものとは、性格を異にするというふうに考えておるわけでございます。
○太田委員 おっしゃるとおり、これはいわば当座預金みたいなものだ、つまり、いつ引き出されるかわからないから金利をつけるべきではない、いわば全般的なわが国の民間の金融制度に照らしても、この金利をつけないというのはおかしくないんだというふうな御趣旨のお答えであろうと思います。 そのとおりかもしれないといま思っておりますけれども、そうであれば、逆に今度は問題が出てくるわけでありまして、私は最初、供託金に利息をつけるというのは、預かった供託金を国庫に入れて、国庫金として扱って、これを大蔵省が一括をして日銀に預け、日銀がこれを運用するんだというふうに理解をしておりました。そうではないようでございまして、国庫金は、実際には公社、公団あるいは一般会計の余裕金と合わせた分が、何らかの国の支払い準備として準備される傍ら、一般会計の方は歳出が歳入に先行をするということになりますから、全体として国の受け払いという観点からいいますと、常に払い超になっている。つまり、全体としても一般会計の払い超の方が先行をいたしますので、特別会計や公庫、公団、公社のたぐいが少々余裕金があったとしても、支払いの方が先行しているので、むしろこれは大蔵省証券を発行して、ここで資金繰りをしなければいけない、そして大蔵省証券に対しては金利を払わなくてはいかぬということになっておるわけでありますから、国の余裕金あるいは支払いという観点からいいますと、短期の資金繰りとしてはむしろ赤字になっているということになるわけであります。 そういたしますと、このような運用益の発生をしていないものに対して金利を払うということはなかなか根拠が見出しがたい。つまり、これは利息というものではないのではないか。利息というよりも、むしろ、供託制度というものを広く利用をすべきだというふうな法務省の政策的な観点から、一種の奨励金みたいなものとして支払うということになっているのではないかというふうな感じを持つわけですけれども、そこら辺はいかがでしょう。
○中島(一)政府委員 私ども、今回この法案を作成をいたしまして、それについていろいろと供託制度を考え、それと利息との関係を検討し、という過程におきまして、ただいま御質問と同じような疑問と申しましょうか、考え方と申しましょうか、そういうものが出てきておりますが、まだ十分自信のあることを申し上げるに至っておりません。 ただ、考え方としては、ただいまおっしゃいましたように、利息ということで八十数年来やってまいりましたので、利息利息ということで考えておりますけれども、若干性格の違うものではないかというふうに漠然と考えております。
○太田委員 いま言いましたように、これがもし奨励金だということになりますと、法務省の政策として、一種の奨励的な措置として利息を付する、あるいは奨励金というものを払うということになりますと、供託制度というものができてから、明治以来もう百年近い歳月を経て、国民の間にすでになじみになっている、国民の間に広く普及をしているという観点からしますと、もはや利息を付するというふうなことは必要ではないのではないかというふうな気もいたします。法務省の政策として利息を付するということになれば、その政策の目的はもうすでに十分達しているというふうに言うことができるのではないかと思うわけであります。私は、むしろ供託に対しては利息を付さないということにした方がいいのではないかというふうな考え方を持っております。 たとえば、同じ国庫保管金というものの中でも、保釈の供託金というふうなものに対しては利息は払われないわけであります。一切合財こういう供託金のたぐいには利息を払わないということにした方がいいのではないかと思うわけであります。そうしてまた、先ほどの問題に返りますけれども、もしこれで利息を、この三年間だけではなくて、今後未来永劫支払わないということにしたとして、そうであれば有価証券でもって供託をしている人々からは、これはもっとしっかり手数料を取ってもいいのではないか、そうしなければ、むしろ法のもとで平等というか、あるいは法体系の首尾一貫性という考え方からすればおかしいのではないか。むしろ、この制度の受益者からは手数料を取る、手数料を取らない現金による供託というものについては、もう一切今後は利息を払わないということにした方がすっきりするのではないかというふうに思うわけであります。 この点について、また三年たったらこれを復活するということではなくて、ひとつこの三年の間にむしろ法体系を整理していただきまして、もう一切今後は金利をつけないという方向でもって検討されたらいかがかというふうに思うわけであります。
○中島(一)政府委員 確かに御指摘の点、ごもっともでもあろうかというふうに考えておりますけれども、私ども、今回の法案を提出いたしましたきっかけは、もっぱら歳出の節減ということにあるわけでありまして、財政再建期間中の三年間利息を停止するという法の体裁にもなっておりますので、三年間たてば復活するということになろうかというふうに考えております。 ただ、抜本的な考え方ということになりますれば、ただいま御指摘の点も含めて、将来の問題として検討しなければならないというふうに考えております。
○太田委員 以上で私の質問は終わらしていただきます。ありがとうございました。
○高鳥委員長 稲葉誠一君。
○稲葉委員 供託法の問題に関連していろいろお尋ねをしたいわけですけれども、最初にお尋ねしたいのは、供託を申請したときに、供託官が受け付けなかった、そのときにどういう申し立て方法が考えられるわけですか。
○中島(一)政府委員 供託官の却下処分に対しましては、地方法務局長あるいは法務局長に対して審査の請求をすることができるということになっておりまして、この審査の請求を受けた地方法務局長あるいは法務局長は、これに対して裁決をするということになっております。
○稲葉委員 だから、そういうのは条文にあります。そういうふうなことと同時に、それを受け付けなかったという処分は、行政処分として行政不服審査法の適用を受けるのですか、受けないのですか。ということは、この供託関係というものがいわゆる公法関係なのか私法関係なのかという説が非常にあるわけですね。それに関連をしてくるわけで、学説は非常に乱れていますね。それから、裁判所の例も非常に違いますね。だから、最高裁はこれを統一すべきだという議論がいまあるわけですけれども、これについてはどういうふうにお考えなんですか。
○中島(一)政府委員 供託制度の法律的な性質につきましては、ただいま御質問にございましたように多様な考え方があろうかというふうに考えておりますけれども、大体落ちついております考え方は、私どももそういう考え方をとっておりますけれども、公法上の一種の寄託関係というふうに考えざるを得ないのじゃないかと考えております。供託官の処分は一種の行政処分であるという前提をとりまして、供託官の処分に対しましては不服の訴訟が、取り消しの訴訟が許されるというふうに理解しております。
○稲葉委員 行政不服審査法なり行政事件訴訟法というのは列記主義じゃないですか。いまのは、供託官の処分に対するあれは入ってないんじゃないですか。
○中島(一)政府委員 行政訴訟の対象になるという意味におきましては、現在は制限列記でございませんので、行政処分の性質を有するものであれば、行政訴訟の取り消し訴訟の対象になるというふうな理解でございます。
○稲葉委員 じゃ、具体的に、いままでそれで行政訴訟の対象になったことはありますか。
○中島(一)政府委員 ございます。私、東京法務局長をやっておりましたが、そのときに、東京法務局の所属の供託官が払い渡しの拒否処分をいたしまして、それに対して裁決をいたしたことがございます。その裁決に不服の申請人が行政訴訟、取り消しの訴訟を起こしまして、その訴訟を私ずっとフォローしたことがございます。
○稲葉委員 私の聞いているのは、払い渡し請求のことを聞いているのじゃないわけです。供託の申請を却下した場合のことを聞いているのですよ。その場合で行政訴訟を起こしたことがあるかと、こう聞いているのですよ。
○中島(一)政府委員 そのとおりでございます。供託申請を拒否した供託官の処分に対する行政訴訟でございます。
○稲葉委員 いまあなたの言われたのは違うでしょう。払い渡しの問題でしょう。供託の申請自身を却下した場合の処分のことについて行政訴訟を起こしたことがあるかと聞いているのです。あなたのいま言ったのは払い渡しの方じゃないですか、違うんじゃないですか。
○中島(一)政府委員 供託申請を供託官が受理を拒否した、その処分に対する行政訴訟でございます。 もう少し具体的に申しますと、家賃の弁済の供託であったというふうに記憶しておりますけれども、供託申請書の記載には持参債務であるということが書いてあるにもかかわらず、弁済期から三カ月後に供託をしておるのに損害金がついてなかった、損害金をつけて弁済の供託をしたという記載がなかったわけであります。それで、これでは適法な弁済の提供があったと言えないということで供託官が受理を拒否いたしまして、その受理の拒否の判断の可否をめぐって争いが起きた、こういうケースでございます。
○稲葉委員 それは結局、どういうふうになったのですか。
○中島(一)政府委員 供託官の処分が正当であるということになりまして、取り消し訴訟が棄却になっております。
○稲葉委員 そうすると、公法関係だという考え方をとると、供託金のいわゆる払い戻し請求権ですね、これは譲渡とか質入れとか、そういうふうなのはできないわけですか。どういうふうになるのですか。
○中島(一)政府委員 公法上の一種の寄託関係というふうに考えておるわけでありまして、取り戻し請求権あるいは還付請求権というものは、譲渡その他の対象になり得るというふうに理解しております。
○稲葉委員 いや、公法上の債権ということになれば、あなた、個人が譲渡や質入れなんかできないじゃないですか。だから、よくわからないですな、その意味が。公法上の債権とも違うという意味なんでしょう。公法上の債権ではあるけれども、新しいというか、一種独特の私法上の債権的な要素もある、こういう意味なんですか。よくわからないですね。その学説が、それから判例が非常にたくさんありまして、乱れていますね。とにかく、大阪の判例などは公法関係をとっているのかな。それからそうでないのもいろいろあって、これは率直に言うと、下級裁判所の方というか、あるいは法務局でも、何とかして早く最高裁で統一的な見解を出してくれということを言っているんじゃないですか、現実の問題として。
○筧説明員 現在も判例及び学説に混乱が見られるというところは、御指摘のとおりであると思います。ただ、現在までのところ、私どもの取り扱い、あるいは先例の指導的な立場を果たしておりますところが、先生も御承知のとおりの最高裁判所が出しました昭和四十五年七月十五日の判決でございまして、この判決は、先生がただいま問題にされました一つでございますところの供託官の処分というものをどういう形で争わせるのかということについて、それまでの判例、学説の一つの問題点に対する解決を与えた判決でございます。これは、当該行政処分で争わせるのか、それとも民事訴訟のような形で争わせるのかという問題につきましては、これはたしか、具体的には供託官のなしました取り戻し請求権の却下処分というものを争った事件でございましたけれども、最高裁判所は、一応これを供託官の処分ととらえまして、行政事件訴訟法で争わせるという立場をとったわけでございます。 そういう意味で、ただいま私どもの局長が説明いたしましたように、訴訟の争い方という点から考えますと、これは公法上の関係、すなわち行政事件訴訟法の対象となる処分、こういうふうにとらえたということでございますので、これは広く還付請求権、取り戻し請求権の問題のみでなく、御指摘の不受理処分というところまで及ぼして、同様に処分としてとらえ、それを行政事件訴訟法の対象にするのではないかと私どもは考えている次第でございます。 ただ、そのように申しましても、この供託金の取り戻しないしは還付にかかわります請求権が、それでは私法上の請求権と一切かかわりのないものかといいますと、そうでもないということはこの判決の趣旨の中にも見られるわけでございまして、たとえば時効期間につきましては、公法上の債権でございましたら会計法の適用を受けて五年の消滅時効に係るのが原則でございますけれども、この最高裁判所の判決は、私法上の請求権と同様に、十年の時効であるということを申しておりますので、そのような請求権というものが私法上の請求権とほぼ同様な性質を持つということも含めて考えているのではないかと私どもは考えておるわけでございまして、いわばそういう処分かどうか、訴訟の対象かどうかという点では公法上の関係を持ちながら、その請求権的なものの性質が問われれば、それはむしろ私法上の請求権に近いもの、こういうようなやや複雑な構成をとったものであるというように理解しておる次第でございます。
○稲葉委員 これは非常にわかりにくいですね、このいまの関係は。私もいろいろ読んでみたのですが、よくわからぬですね。それで、たとえば行政処分でも、供託申請の拒否というのは行政処分なんだけれども、払い渡し請求の拒否は行政処分じゃないんだという学説——学説じゃない、これは判例もありますね。だからどうも私もよくわからないわけです。 それから、いまの公法関係説の中で言っているのは、行政訴訟は列記事項なんだからこれには当たらないんじゃないかということを言う人もいるんですね。入ってないんじゃないか、こういうことを言う人もいるわけですね。私もいろいろ読んでみたんだけれども、結局よくわからぬのです。だから、純粋に公法説をとれば、会計法上の問題で時効は五年でしょう。片っ方なら、債権なら普通十年ということになりますからね。そこら辺のところが非常に入りまじっていて、これはドイツでいま言っているいわゆるラレンツの新公法関係説という説と大体同じな考え方をとっているのですか。これはどういうことなんですか。
○筧説明員 私どもが承知しております考え方は、ドイツの考え方は公法上の関係を非常に強く意識した考え方というように理解しておりますけれども、わが国の先ほど御紹介いたしました最高裁判所の考え方というのは、もう少しそこを柔軟、また言葉をかえて言えばわかりにくい性格のもの、すなわち公法上のものである面もあれば私法的な面もあるという二つが複雑に絡み合ったものとして理解されておるようであるというふうに私ども考えておりまして、私どももその考え方を基本的に尊重しながら、供託官の処分をめぐる事件処理というのも考えておるという次第でございます。
○稲葉委員 そうすると、供託というのは民法上の寄託とどういうふうに違うのですか、あるいは同じなんですか、全く同じなんですか、どうなんですか。
○筧説明員 先ほど御説明いたしましたように、少なくともその争訟の仕方という点では、民法上の寄託契約に基づく取り戻し権とかあるいは支払い請求権とかいうようなこととは全く性質を異にする。一たん供託官の処分を経て、あるいは処分を経て認められ、あるいは処分を経て払い戻しされるという関係になっておりますので、その意味では民法上の寄託契約とは異なるところがあるということは言えると思うわけでございます。ただ、物を預かる、あるいはまた金銭を預かるというような関係においては、民法上の消費寄託とも一面においてやや似たところもある、こういうものであろうと思っております。
○稲葉委員 そうすると、もう一つ別なことをお聞きしますが、供託所を経由しない供託というのはどの程度あるのですか。どういう法律でどの程度ありますか。
○中島(一)政府委員 いわゆる金銭あるいは有価証券以外の物品の供託ということになろうかと思いますが、法務大臣の指定した倉庫策者、銀行その他のものに供託をするという取り扱いになっておりまして、数は非常に少ないわけであります。年に何件というほどもない、ほんの数年に数件というような実例があるというふうに聞いております。
○稲葉委員 いまの供託所を経由しない供託ですね、その法律上の根拠はどことどことどこですか。
○中島(一)政府委員 供託法の第五条という規定がございますが、「供託物品の保管者の指定」という条文でございます。「法務大臣ハ法令ノ規定ニ依リテ供託スル金銭又ハ有価証券ニ非サル物品ヲ保管スヘキ倉庫営業者又ハ銀行ヲ指定スルコトヲ得」、これが根拠法令でございます。
○稲葉委員 それは供託法の規定で、それを受けて商法なり担保附社債信託法に条文があるんじゃないですか。それを聞いておるわけです。——ぼくの方からそれは言いましょう。商法の二百二十八条、それから二百三十九条の第二項、それから六百二十一条、六百二十二条、担保附社債信託法の九十五条の二項、こういうところに規定してあるわけですね。 そういうふうなことを質問して楽しんでいてもしようがないですから次に進みますが、私がいろいろ疑問に思いますのは、これは法令のこの規定がない限りできないというんでしょう、供託は。だけれども、それは何も必ずしも法令の規定がなくったって、実体法上から供託が必要だということが考えられる場合もあるんじゃないでしょうか。どうなんでしょうか。いろいろな本を読んでみますと、学者はそういう意見を述べている人も相当いますね。実体法上の必要があれば、実体法上の立場から、法令に規定がなければできないというのはちょっと疑問があるんじゃないかという意見を述べておる人もいるんですね。これはどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。
○筧説明員 供託というのは、あくまで供託所に対して物を預け、そしてそれを通じましてその被供託者等に物を受け取らせるという関係を通じまして一定の法律効果を生じさせるということでございますので、やはり法律上供託という形でそのような効果を生じさせるということの根拠規定というものが必要であろうというように私ども考えております。
○稲葉委員 それはわかるのですよ。だから、それは何も限定列挙でなくったっていいんじゃないかということが大分議論になっておるところもあるんですね。だから、いま限定列挙されているものが必ずしもすべて正しいんじゃなくて、そのほかにも考えられるところがあるんじゃないかという議論が学者の間にあるんです。それは実際、じゃどこがどうなのかと言われても、ちょっと私にもよくわからぬということですね。 それからもう一つ、私どもはいまの話で、供託所にたとえば弁済供託するわけでしょう。そのときに弁済効果は、その弁済通知書が相手方に行ったときに発生するんですか、あるいはその供託官が受け取ったときに弁済の効果は発生するんですか。
○中島(一)政府委員 供託官が供託を受理したときに弁済の効果が発生するというふうな理解でございます。
○稲葉委員 そんなことは初めからわかっているんでしょう。どうしてそんなことを相談しなければわからないのかな。あなた、それは決まっているじゃないですか。だから、時効もそこから出発するんですか。弁済の場合はどういうふうになるのですか。
○中島(一)政府委員 弁済供託の場合、典型的な場合として受領拒否の場合の弁済供託を例にとって申しますと、紛争その他が解決をいたしまして、供託金の還付請求権が行使できるようになったときから時効が進行するという解釈でございます。
○稲葉委員 そうすると、これはよく長い間ほったらかしておくのですね。ことに担保取り消しの場合が非常に多いですね。担保取り消し決定があって、確定してから、そこから十年間ですか。今度はそういう時効になるわけですね。理屈の上で言うと。——わかりました。 それじゃ質問を変えますが、いろいろな供託の内容的な種類がありますね。種類の中で、たとえば普通の分け方は、法令別の分け方をしておるわけですね。たとえば弁済供託だとか没取の供託だとか保証の供託だとか五つぐらいありましたね。そういう分け方を普通しておるわけでしょう。そうでない分け方も理論的には考えられるわけですか。たとえば、私もよくわかりませんが、基本供託と代供託と附属供託という分け方があるのですね。これはどういうあれなんでしょうか。
○筧説明員 ただいま御指摘の、たとえば弁済供託、営業保証供託、執行供託というのは、これは供託制度を利用しております法律、仮に実体法と呼ばしていただいてもいいのですが、そういうものをいろいろ種類によって分けるということによる分類の仕方でございます。 もう一つ、先生が御指摘になりましたところの代供託あるいは附属供託といいますのは、これは供託の取り扱いの上で認めておりますところの供託の分け方でございまして、たとえば代供託と申しますのは、有価証券を預けておったような場合に、その有価証券が償還期に来たという場合に、今度はその有価証券の償還金を受け取りまして、従前の有価証券供託に今度は償還金の供託というものに供託の同一性を保ちながら継続していくという制度でございます。附属供託と申しますのは、この有価証券供託等に利息算が生じましたとき、この利息等もあわせて供託の対象にするということでございまして、それ以外のものを、いま言いましたやや特殊な供託と区別いたしまして、基本供託というような呼び方をしておるわけでございます。
○稲葉委員 実質的供託と形式的供託という分け方がありますね。これはどういう分け方ですか。
○筧説明員 恐らく、学説でそういう分類の仕方があるんだと思いますけれども、不勉強で、私存じておりません。
○稲葉委員 余りゼミナール的なことをやっていてもしようがありませんから、いよいよ質問の中身に入りますけれども、これで見ると——もう一つ聞きたいことがあるんだ。手形の不渡りのときに、銀行へその金を供託して不渡り処分を免れるのがありますね。これはどこに規定があるのですか。
○筧説明員 それはいわゆる預託金であるとか、また異議申し立て提供金という名称で呼ばれているものだと思いますけれども、それはおのおのの手形の交換所等あるいは銀行等の約款でやっておるものというように私ども承知しておるものでございます。
○稲葉委員 それは取るときには、どうやったらそのお金は取れるのですか。
○筧説明員 これは供託の問題でございませんのであれでございますけれども、私どもが一般的な知識として承知しておりますのは、当該手形の不払いというものが信用にかかわりがない、たとえば偽造であるというようなことがわかりますと、手形の交換所の方からその当該銀行の方に通知がございまして、そしてその通知によって預託金を預けました銀行の方からその預託者に対して御連絡があって、当該銀行から預かりを受けておるところの預託金を返還する、こういう手続になっているというように聞いております。
○稲葉委員 だけれども、それは普通の場合、やはり供託供託と呼んでいるんですよ。銀行へ供託して、そして不渡りを免れるのだと素人の人はみんな言っていますからね。それは普通、和解調書によって取っているんじゃないですか。これは判決による場合もあるし、それから裁判所の和解による場合もあるし、私製の和解調書で下げるという場合もあるんじゃないですか。それを供託という言葉で呼んでいるわけですから、そこでちょっと聞いたわけなんです。 そこで、この法案を見ますと、「昭和五十七年度においては約七億円、昭和五十八年度においては約十四億円、昭和五十九年度においては約十八億円の歳出の縮減が見込まれております。」こう書いてありますね。そこで、よくわからないんですが、五十七年度から五十八年度の場合に倍になるという見込み方は、黙っていればこれだけ取れるということですね、逆に言えば。そういうことでしょう。そうすると、五十六年度はどのくらいの利息を払わなければならない、こういうふうに見ているわけですか。
○中島(一)政府委員 約十九億ぐらいでございます。
○稲葉委員 五十六年度約十九億ぐらい払わなければならないのが、五十七年度になると七億ぐらいの縮減ということは、七億の金利が入るものが入らなくなるという意味ですか。あるいはこれはほかのものも入っているということなんでしょうか。
○中島(一)政府委員 現在の制度のままにいたしまして年一・二%の利息を払うということになりますと、約十九億の経費が要るわけでございます。それを五十七年の四月一日から利子を付さないということになりますと約十二、三億で済む、したがってその差額七億五千万余りが縮減される、こういう計算になるわけでございます。
○稲葉委員 それは、細かい数字はこの資料の中にあるんですか。この政府の提出した法務省の法律案関係資料の中にありますか、いま言った三年間のこの数字が出てくる根拠は。
○中島(一)政府委員 五十七年度以降の数字につきましては、いずれも推計でございます。五十三年、五十四年、五十五年、過去三年間の供託金の受け入れ、払い渡しその他の数字から五十六年、五十七年、五十八年の受け入れ、払い渡しの金額を推計いたしまして、そしてそれに所定の利率をもって利息を払ったという仮定のもとに算出した金額が、この資料の3の表の一番上、「現行ペースによる額」というところにあるわけでございます。
○稲葉委員 そうすると、その三年間にそれだけの縮減が見込まれるということですね。五十六年度に十九億の利息が支払われるということであったならば、五十七年度においてはより多くのものが支払われなくて済むという計算になるんじゃないですか。差額だけを計算してここに挙げるというのは、どういうわけでしょうか。
○中島(一)政府委員 ただいまの資料の3の「改正ペースによる額」というところに金額を書いておきましたのですが、五十七年度は、五十六年度以前に供託をされまして、五十五年度、五十六年度に発生した利息というものがございますので、その供託金を五十七年度に払い渡しをするときには利息を払いますので、それが十二億六千九百万あるわけでございます。
○稲葉委員 それは、いままでのものは既得権ですから、後で払い戻しを受けるときでも当然金利がつくということですね。わかりました。 これだけの数字ではわからないな。これはどこからこういう数字が出てきたのかという、3についてのもう少し詳しい資料がないと、ちょっとわかりませんね。このもとになる資料があるわけでしょう。それがなくちゃ、あなた、これだけじゃわからないですよ。ちゃんとそういうものもつけてくれなければいけませんね。
○筧説明員 ただいま局長の方から御説明申し上げましたように、五十七、五十八、五十九年度、いずれも推計ということで、将来のことを見込みで計算するわけでございます。 その際に二つ非常にむずかしい要素を加味しなければならない事情がございます。その一つは、この供託金の払い高というものが年々増加してまいるという事情があるわけでございまして、その払い渡し高がどれだけ増加してまいるかということに対する推計をするという作業をまず一ついたしたわけでございます。 それからもう一つ、これは先生も御承知のとおり、昭和五十三年度から、供託金に対する利息の利率というものを、二・四%から一・二%に改めたという事情がございます。そのために、現在もそうでございますけれども、五十七、五十八、五十九年度に払い渡されます各供託金については、二・四%のものと一・二%のものが混同して払い渡されていくということになるわけでございます。したがって、その払い渡し高に対しまして一体何%の利率をつけるのが相当であるかということについても、これは付利率と呼んでおりますけれども、五十三年から利率を全体としてトータルしてみますと順次低下してまいるという事情にございますので、その傾向を見ながら払い渡し高に掛けますところの利率の推計をしたということでございます。 その二つを加味いたしまして五十七、五十八、五十九年度の改正ペースによる利息の支払い額というものを計算したということになっております。
○稲葉委員 非常に複雑な計算を、推計ですし、とらなければならないし、それから供託の内容は、弁済供託の場合には非常に短いし、いろいろなものがございますから、むずかしいと言えばなかなかむずかしいですね。それはよくわかります。 そうすると、いま全体の中で弁済供託が一番多いわけですか。弁済供託の場合には、いろいろな場合がございますけれども、還付を受ける場合が相当ありますね。非常に短かい場合もあるわけだと思うのですが、全体の中で弁済供託なら弁済供託がどの程度の割合で、これはどの程度の期間で還付を受けているかという一つの基礎がなきゃいけないわけですね。これはどういうふうになっていますか。弁済供託だけでなくて、ほかの供託もあるでしょう。担保供託もあるし、執行供託もあるし、没取供託もある、保管供託もある、いろいろありますね。これはやはりちゃんと分けてそういう数字を出しておかないと、金額が正しいか正しくないかといってもよくわからないのじゃないでしょうか。一つ一つ説明してくれませんか。
○筧説明員 まず、事件の割合的なものから申し上げますと、事件数といたしましては、先生の御指摘のとおり弁済供託が圧倒的に多い、約八五%が弁済供託でございます。しかし、金額的に申しますと、最も多いのが裁判所の保証供託であるというように承知しております。 これを個々の供託累計ごとに利息の計算をするということも一つのやり方でございますけれども、御承知のとおり、非常に長期にわたるもの、短期にわたるものございまして、その作業は大変むずかしいことでございます。そのために、ややラフなやり方であるというおしかりを受けることは覚悟しておりますけれども、私どもがやりました作業は、先ほど御説明いたしましたとおり、まず年間の払い渡しのトータルの額の推移を、五十七年度は幾らである、五十八年度は幾らである、五十九年度は幾らである、こういうことを推計した。これは過去の一定の増加割合を見ながら推計したわけでございます。次に、年間の払い渡し高に対しまして、一体平均いたしますとどの程度の利率でもって利息が支払われているのかということを過去のデータから出してくる、毎年毎年平均的な払い渡し高に対する利率をトータルで算定してみるという作業をしたわけでございます。これも一定の割合でもって、先ほど御説明いたしましたように、五十三年度以降順次逓減するという傾向が見られるわけでございますけれども、それをつかむという作業をいたしまして、その傾向を、五十七年度であればトータルでこの程度の利率になるんではないか、五十八年度ではトータルでこの程度の利率になるんではないか、五十九年度ではこの程度ということでもって、そのおのおのの支払いの予測額というものを計算したというわけでございます。
○稲葉委員 ラフな計算以外にこれはできないわけですよね。そんなことは一々とてもできるわけはありませんから、それはわかるのですが、私が聞いているのは、弁済供託なら弁済供託というのは、平均どのくらいの期間供託官のところにとどまっておるのかということ、そういうことを聞いておるわけです。それから、あとの保証供託の問題だとか、それを分けて、大体どのくらいの期間、言葉はどういう言葉がいいかな、滞留という言葉がいいかな、それをおおよそのものはわからないだろうか。これも非常にラフですよ。それを聞いておるわけです。わからなければわからないでいいですよ。弁済供託は早いからね。
○筧説明員 これも各供託累計ごとに分けてということではございませんで、やはりトータルの、すべての供託金、これは利率が全部同じでございますので、全体で見てもいいということでそうなったわけでございますけれども、たとえば一年後にはどの程度のものになるのか、二年後にはどの程度のものになるのか、三年後にはどの程度のものが還付がなされるのかということについておのおのの予測をいたしまして、この予測をいたします裏には、これは個々的な報告を受けておるわけではございませんので、コンピューターに入っております東京のデータを使って算定したものでございますけれども、一年後にはおおむね二五ないし三〇%のものが払い渡しになっておるというデータがたしかあったと記憶しております。
○稲葉委員 弁済供託の場合は、一年後までいかない場合が多いでしょう。それはもらわない人もいるけれども、大体受け取る人が多いですね。異議をとどめて受け取るかどうかは別として、受け取るでしょう。いまのように、たとえば裁判上の保証というのは、仮差し押さえとか仮処分が一年以内で取り戻しになるということは、ちょっと考えられないんじゃないですか。四、五年かかるとかなんとか、そういうことでしょう。そうすると、非常に長いものもあるし、非常に短いものもある。弁済供託の場合は、短いものが全体としては多いわけでしょう。だから、それを五つの原因別のもので大体のあれがわからないか、こう聞いたのですが、わからなければわからなくてもいいですよ、これは大した重要な問題じゃありませんから。 ただ、私の聞くのは、たとえば営業保証の供託があるでしょう。営業保証の供託というのは、いま何と何と何が営業保証の供託になっているのですか。わかっていればいいし、それは非常に長いんじゃないですか。
○筧説明員 営業保証供託にはきわめてたくさんのものがございまして、たとえば宅建業法、これが量的には一番多いと思いますけれども、旅行業法の旅行業者の場合、あるいは家畜商法による家畜商の場合、そのほか商品券の関係、これもかなり額が多いわけでございますけれども、そのほか割賦販売法に基づく販売業者の供託、それから職業安定法に基づきまして職業の紹介をする場合の保証等、営業保証金を必ずしも詰めていると言うことはできませんけれども、かなりのものがあるわけでございます。 これは一定の免許期間というのがございまして、その一定の期間ごとに更新されてまいるということになりますので、その期間だけをとらえれば、確かに一定の限られた期間ということで必ずしも長くはないわけでございますけれども、全体的に見ればその営業が継続される間ということになって、かなりの長期にわたるということはそのとおりであると思っております。
○稲葉委員 そこで、それらの金が一体どういうふうに利用されているかということをこれから聞くわけですが、きょう聞くかどうかは別として。 先ほども一応話が出ましたけれども、その前にもう一つ別のことを聞いておきたいのですが、それは供託法の三条ができた経過ですね。「利息ヲ付スルコトヲ要ス」というのですか、このできた経過というものがわかったようなわからないようなあれですね。これは梅謙次郎先生がつけたという説もあるのですが、よくわからないのですね。そこら辺のところをちょっと説明をしていただきたいと思うのです。
○筧説明員 先ほど私どもの局長がちょっと御説明いたしましたけれども、供託法が施行されます以前、供託規則の時代がございまして、その間、明治二十六年から明治三十二年までの間は供託金に利息を付さないという時代があったわけでございます。 明治三十二年に現行の供託法ができ上がるわけでございますけれども、その際、この供託法の最初の案が国会に上程されましたのを拝見いたしますと、その際には供託金には利息を付さないという形で提案をされておったようでございます。この案というのは、貴族院は通過いたしましたけれども、衆議院で審議中、衆議院が解散になるという事態になりまして、その最初の案が廃案になるという事態になったようでございます。 次の国会にまた供託法が提出されるわけでございますけれども、そのときに提出されました供託法には、ほかのところはすべて前に提出されたものと同じものでございますが、ただ利息の点、すなわち現行供託法の三条に相当しますところが違っておったわけでございまして、ここで「供託金ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ利息ヲ付スルコトヲ要ス」という形で提案され、それが成立したという経過であると承知しております。
○稲葉委員 だから、「利息ヲ付スルコトヲ得」じゃなくて、「利息ヲ付スルコトヲ要ス」となっているわけでしょう。その間の経過がよくわからないのですよ。どの本を見てもよくわからないし、梅先生が何とかかんとかという説はあるのだけれども、どうもよくわからないですね。何か一説によると、そのころ供託制度というものは余り利用されないのじゃないか、だから、利息をつけておけばみんなが利用するのじゃないかというふうな話もあったというようなことも聞くことは聞くのですけれども、どうもその間の経過がよくわからない。どういうわけで「利息ヲ付スルコトヲ要ス」となったのか。 だから、利息を付するということが義務だという考え方のもとにそういう条文ができたのか、あるいは恩恵なんだけれどもいろいろ政策的な配慮があってそういうふうなことにしたのか、そこがよくわからないのですよ。
○中島(一)政府委員 何分古いことでございますし、資料等も十分そろって残っておりませんので、はっきりしたことは私どもわかないわけでありますけれども、当時の乏しい資料などを見てみますと、供託法が施行されましたのは明治三十二年でございますが、その直前に民法、商法あるいは民事訴訟法というような法律が制定、施行されまして、それらの法律において広く供託制度が取り入れられておるわけでありますから、それらの法律において取り入れられた供託制度を利用しやすくしまして供託制度の実を上げようとする、そういう政策的な配慮というものが一番大きな動機になっておったのじゃなかろうかというふうに考えております。
○稲葉委員 すると、最初につけた金利はどのくらいでしたか。
○筧説明員 先ほども御説明申し上げたと思いますけれども、すでに供託法の施行前の供託規則の時代には通常預金金利という表現をしておりまして、その後いま問題になっております供託法の施行当時、すなわち明治三十二年でございますけれども、このときには年三分六厘の利息をつけたということになっております。
○稲葉委員 あなたの方でも十分勉強されていると思うのですが、明治何年かの年三分六厘という金利、これはその当時の経済事情というか当時の定期預金の金利、それと比べてどういうような状況だったのですか。
○筧説明員 当時は銀行には、これも必ずしも私ども正確な知識ではございませんけれども、銀行預金の金利というものは一定のものがなくて、各銀行ごとにかなり動いておったというように聞いております。この三分六厘というものを数字だけ見ますと、最もこれに近いものといたしまして明治三十二年の郵便貯金の普通預金でございましょうけれども、その利率が同じ三分六厘、これはもちろん千円以上の額でございますが、そういうことになっておるようでございます。
○稲葉委員 いまあなたの言われた郵便貯金の千円以上のもので三分六厘というのは、それは現在に当てはめると幾らぐらいの金利になるの。
○中島(一)政府委員 いわゆる通常郵便貯金の利率ということになろうかと思いますが、その後いろいろな変遷を経まして、現在の通常郵便貯金の利率はやはり年三分六厘でございます。
○稲葉委員 それが二分四厘になり、一分二厘になってきたわけですね。それは国民の権利に関係することですね。国民が預けているものが、得る金がそれだけ減るわけですからね。それをなぜ法律でやらないで、規則でやるということになっているのですか。規則で国民の権利を奪うことができるのですか。一体どうなっているのですか。
○中島(一)政府委員 形式的に申しますと、先ほども申しましたように、供託法の三条が、利忠をつけなければならないということにいたしましたものの、その内容を、利率を含めて省令に一任しておったということになろうと思いますし、実質の議論といたしましては、法律がそのような委任をいたしましたのは、これは法律の保護する国民の利益とか権利とかいったようなものではないという考え方に基づくものであろうかと考えております。
○稲葉委員 だから話をお聞きしているのです。そこで「利息ヲ付スルコトヲ要ス」ということになったのでしょう。それならいいですよ。それは恩恵であり、あれなんだけれども、「要ス」となった以上は、そこから一つの国民の法律的な権利というものが発生してきたのじゃないですか。そこに至る過程はいろいろあったかもしれないけれども、「利息ヲ付スルコトヲ要ス」というふうにはっきり書いてしまえば、そこから国民としては権利だという考え方になってくるし、それが従前どうであろうと、法律的な解釈としては、性質が国民の権利だということに変わってくるのじゃないですか。
○中島(一)政府委員 法律が利息を付するということにいたしましたけれども、その内容を省令に一任しておったということで、その内容は省令の改正によって改正できたというのが従来のいきさつでございます。今回は、利息を付さないという提案でございますので、法律案として提出をした、こういうことでございます。
○稲葉委員 利息を付さないことにするということは、規則ではできないわけでしょう、国民の権利になったわけですから。だからこういう法律案が出てきたということになるのじゃないですか。私、考えるに、なるほど、最初の段階は恩恵的なものですよ。けれども、一たん「利息ヲ付スルコトヲ要ス」となった以上は、国民の権利なんだということですから、三年間にしろそれを奪うには、それだけの理由がなければいかぬわけです。奪うにはそれだけの理由がなければならない、こういうことでしょう。 それを、単に財政再建のためというようにここに書いてあるのかな。そんなことで国民の権利を奪うことができるかどうかという問題ですね。それに問題が出てくるんじゃないですか。だから、財政再建ということじゃなくて、いわば権利の制限だから、憲法の条文で言うと、公共の福祉のために権利を制限できるという形でこの三年間のあれは停止できる、こういう形になってくるのですか。憲法との関係はどういうふうになるのですか。どこにひっかかってくるのですか。
○中島(一)政府委員 権利という言葉を使うかどうかは別といたしまして、権利という善業を使うとすれば、供託法三条があるがゆえに認められた権利であるというふうに理解しておるわけでありますから、今回、その供託法三条の存在にもかかわらず利息を停止する、付利を停止する、法律によってこれを停止することは、憲法上の問題ではないというふうに理解しております。
○稲葉委員 私の言うのは、法律上の権利になった、なるほどそうだ、だから法律で停止するのはいいのですよ。それにはそれだけの理由がなければならないのじゃないか、こう言うのです。それがただ財政再建のためだという理由だけでは納得というか、説得力はないのじゃないか、こういうことです。だから、財政再建のためにこれがどうしても必要だということの説明があなた方の方からなければならぬわけです。財政再建のためというようなことを言っているのじゃないかな。だから、ただ財政再建期間が予定されたからといってそれにくっついてきて、ここで利息を付さないということで権利を奪うということにはならないのじゃないか。 国民の権利として法律的に決められた以上、財政再建のためというなら、それ以上のより大きな公益上の必要とかなんとかというものがなければいけないんじゃないか。財政再建というものが、法律で決められた国民のこういった権利を奪うだけの大きな必要性というものが一体あるのかないのかということについて、どういうふうにお考えなのかということなんですね。だから、これは法務省のあれじゃないかもわかりませんけれども、そこら辺はどうお考えなのかということを聞いているわけです。
○中島(一)政府委員 先ほども申しましたように、供託金というのは、必然的に利息をつけなければならない性格のものではないということが、まず大前提として私ども考えておるわけでございます。で、法律によって利息を付するということに従来なってきております。今回、それを法律によって停止をするということでありますから、これは選択の問題であろうというふうに考えるわけであります。 これがもし、必然的に供託制度というものは利忠をつけなければならないという性質のものでありますれば、あるいは憲法二十九条によって財産権の侵害というようなことにもなってくるかと思いますけれども、供託金の利息というものはそういう性質のものではないというふうに考えておりますので、今回、財政再建のためやむを得ない措置としてこれを停止することが法律事項として許されるというふうに考えておるわけでございます。
○稲葉委員 だから、同じ議論を幾らしても始まらないのですが、これは法律上の権利としてすでに発生してしまっているわけですよ。理由は別ですよ。前の考え方は恩恵かどうかわからぬけれども、つけなくてもいいか、つけてもいいか、どっちかはあったかもわからぬけれども、つけるということ、要すということを決めてしまった以上、そこで法律上の権利が発生しているんだから、それを奪うならば、それ以上に大きな必要性というものが、公益性というものがなければならないじゃないか。あたりまえな話でしょう。だから、財政再建ということが、果たしてそうした個人の法律上の権利までを奪うだけの大きさがあるのか、必要性があるのかというところをしぼって考えなければいけないじゃないか、こう聞いているわけですよ。それは法務省に聞くのが筋かどうかは別として、それは当然考えられてくることではないか、こういうふうに私は思っているのです。 また逆に、それじゃこの金は利息を今後三年間つけないこととする、そのことによって浮いてくる金というものを別により大きないろいろな必要性のところに利用するというんなら、これまた話は別です。そういうことが考えられるんなら、そういうふうなものはまた説明願えれば納得いくのですけれども、単に財政再建のためだといって、一たん発生してしまった国民の権利を三年間にしろ剥奪するということは筋が通らないから、そこら辺のところをもう少し詳しくわかるように説明していただかないといけないんじゃないか、こう思うのです。
○中島(一)政府委員 それでは、その点を御説明したいと思います。 法務局の年間予算は、人件費は別にいたしまして、物件費が五十六年度におきまして約百五億でございます。先ほども申しましたように、供託金の利子というものはそのうちの約十九億近いものを占めておる、こういうことになります。 御承知のように、今回ゼロシーリングということで、五十七年度の概算要求におきましては、法務省全体として五十六年度予算額と回顧ということになったわけでございます。ところが、この法務局の所掌事務を曲がりなりにも処理していきますためには、従来の既定経費のほかに事件増による自然増の経費増というものがございます。それから、いろいろな必要経費、緊急不可欠な経費というものがございますが、たとえば、乙号事務の下請委託庁というものを五十七年度において拡大するということにいたしておりますが、十庁分でこれが二億何千万というような金が必要になってまいります。あるいは能率器具の導入ということで、登記用のタイプライターあるいは複写機というものを新たに購入をする。さらには、従来使ってまいりました機械が古くなりましたので、これを更新するというために必要な経費というものも、これまた二億何千万か見なければならないということで、こういう必要な経費がどうしても八億余り必要になるということであります。 ところが、ゼロシーリングということでありますから、どこかの経費を削ってこなければこの必要な経費を生み出すことができない、こういうことになるわけでありまして、こういった法務局の所掌事務を何とか遂行していくために必要不可欠な経費を賄うために、ゼロシーリングという厳しい財政事情のもとで、供託金利息を停止することもやむを得ない措置としてやらざるを得ないという経過で今回の予算を組んだ、こういういきさつになっております。
○稲葉委員 お話を聞いていますと、ゼロシーリングと、それから今度の三年間利息を払わないということと、その因果関係というか、そういうものがよくわからないですね。三年間払わないでこれだけの金が浮くから、その金をどうするというのです。その金を法務局関係の仕事に使うということの了解は、もうすでに大蔵省との間でついているんですか。そこはどういうふうになっているんですか。
○中島(一)政府委員 ゼロシーリングということでございますので、枠は決まっております。ですから、既定の予算の一部を削って必要な方に回す。もし新規に増額が必要なものがあるとすれば、既定経費の一部を削って回すということでなければ予算が組めないということになるわけでありまして、実際問題といたしましては、法務局関係の既定経費を削るべくいろいろ努力をいたしました。たとえば、現在粗悪用紙の移記作業というのをやっておりますけれども、これを五年間で一応の区切りをつけるということで従来やってまいりましたが、これを七年に延伸をするということで約四千万ぐらいの経費の節減をする、あるいはその他いろいろな努力をいたしまして経費の節減に努めたわけでありますけれども、なお不足する分につきましては、従来供託金の利子分として計上しておりました分を回して賄うことにした、こういう経過でございます。
○稲葉委員 そこまで来ると、話は大体わかってきたように思うのです。 そこで、それではまたこういう意見も出てくるわけですね。じゃあ、刑事裁判の保釈の保証金、あれはどうして供託所で取り扱わないわけですか。
○筧説明員 国の保管金というものに対しましては利息がつかないということになっておりまして、国の保管金の中の供託金というところに利息がつくということになっておるわけでございます。この供託金以外に、国の保管金として、たとえば先生がただいま御指摘になりましたような保釈金であるとか、あるいは私どもの省庁の中にございます在監者の領置金であるとか、あるいは公証人の身元保証金であるとか、そういうものはすべて国の一般の保管金として管理されておるという状況になっております。 国の保管金の中で供託制度を利用するかしないかということは、たとえば、これは保釈金でありますれば、保釈金を定めるところの各法律が制定されるときに自由に選べるといいますか、政策判断としてどちらかの選択ができるという余地があるものであるというように考えております。 たとえば、民事執行法のときにそういう議論があったそうでございますけれども、民事執行法上の保管金というものを裁判所で保管させるのか——裁判所で保管させるということになりますとこれは一般の保管金になるわけでございますけれども、それとも供託制度を利用した供託金という形で保管させるのかというような議論もあったようでございますが、それは必ずしもこれがどちらがどちらかという問題ではなしに、そのおのおのの法律が定め得る一つの政策判断の問題であるというように考えられているようでございます。 したがいまして、保釈保証金について、どうしてそれが供託制度を利用しないのかということは、私どもはその立法経過等を必ずしもつまびらかに承知しておるわけではございませんけれども、一般的に申しますと、たとえばそれを、保釈金でございましたら裁判所でございますけれども、裁判所が直接みずから管理するということが、迅速性あるいは保釈制度の運用の仕方というものについてやりやすいということが一つの政策判断の考慮等あって、そういうような選択がなされているものであろうというように推測しておるわけでございます。
○稲葉委員 そうすると、保釈の保証金は、納められた後に供託所へ供託されたお金と違ったルートを最終的にたどっていくのですか。その金はどこへどういうふうに集まっていくのですか。結局は同じじゃないですか。
○筧説明員 最終的にお金が国庫金、そしてそれは日銀の勘定科目の中では保管金という勘定科目の中に突っ込まれるわけでございまして、すべて一括して処理されるということは全く同じでございます。 ただ、たとえばその現金の取扱場所が、供託所であるのかそれとも裁判所であるのかという、最初の窓口が違うということでございますけれども、保釈のようなきわめて迅速性を要するときに、それをわざわざ供託所まで持ってくるということとの一つの便宜といいますか、そういうことで、恐らく保釈金は、裁判所の窓口を通じて保管金という形で領置されるという方が、保釈制度の上で望ましいというような判断に基づいて行われているのではないかと推測しているわけでございます。
○稲葉委員 そういう便宜とかなんとかでなくて、利息をつけるかつけないかということによって、裁判所が取り扱うあるいは供託所が取り扱うというふうに分けているんじゃないですか。供託所で保釈保証金を取り扱えば、現在の段階では利息をつけなければならないでしょう。それは非常に困るというような理屈があって、そこでいまのように裁判所で取り扱うということになったんじゃないですか、ぼくもよくわかりませんが。裁判所で保釈保証金を取り扱うということによって、裁判所は何か予算の面でそれだけプラスか何かになることが一体あるのですか。あなたは裁判所におられたんだろうけれども、そこはどうなんでしょうか。そういうことは別にないのですか。
○中島(一)政府委員 先ほど申しましたように、必ずしもその間の事情は明らかにしておりませんけれども、やはりわれわれ考えますと、保釈でありますから、一刻も早く保釈決定を得て、そして保釈決定に基づいて保釈保証金を積んで、あれは釈放ですか、になる、拘置を解かれるということが、勾留されておる人の立場から考えましてもまず第一に考えるべきことであろうということになりますと、裁判所で保釈保証金を受け取ったかどうかということを確認するという制度が、一番それにふさわしいことではあるまいかというふうに考えておるわけでございます。
○稲葉委員 それもあるかもしれませんけれども、利息をつけるかつけないかということ、そこに議論があるんじゃないだろうかと思いますね。それはそれでもいいのですが。 それから、仮差し押さえ、仮処分のときの保証金ですね。これは供託所を経由するわけですね。破産の場合なんかの申し立ての場合、予納金なんかも全部そうですか。裁判所で取り扱うものも、そういう民事関係、非訟事件関係、全部供託所を経由するのですか。そこはどういうふうになっていますか。
○中島(一)政府委員 民事予納金ということになりますと、これは裁判所で取り扱うということになりまして、供託の制度には乗ってまいりません。
○稲葉委員 だから、仮差し押さえや仮処分の場合は供託ですね。そうすると、民事予納金というものはどうして供託じゃないのですか。ここがよくわからないな。民事予納金というのは、破産の場合と、あと会社更生法とかいろいろあるでしょうけれども、何と何と何がありましたか。どうしてそれは供託所を経由しないのですか。
○中島(一)政府委員 民事予納金ということになりますと、これは極端なことを言えば、裁判所が金庫に入れておいて随時必要に応じて使うということが、使い方としては一番便利なわけでありますけれども、現在の会計法の原則としては、国の機関が現金その他の預金を持つということは許されませんで、すべて国庫金として日本銀行に預金される、こういうことになりますから、保管の方法としてそういう形がとられておるということであろうかと思います。 仮差し押さえ、仮処分等の保証金が供託金ということになりますのは、そこに債権者、債務者その他の利害関係人が出現をしてまいりますので、第三者機関である供託所がその受理についても関与し、払い渡しについても関与する、こういうことになっているのであろうかというふうに考えております。
○稲葉委員 予納金の場合、いろいろな場合がありますね。いま何と何が考えられますか、ちょっと説明願いたいのですが、それを裁判所で取り扱うといったって、裁判所で金庫へ入れているわけじゃないでしょう。やはり代理店を通じて日本銀行へ入れるのですからね。だから、それをなぜ供託所で取り扱ってはいけないのか、なぜ供託所で取り扱わないようになっているのか、そこら辺の理由は一体どこにあるのかと、こういうことなんです。別に理由はないんじゃないのですか。それはやはり利息をつけるのがいやだからそういうふうにやっているのかな。どういうことなんですか。
○筧説明員 先ほど申しましたように、これは法律的に絶対どちらがどちらでなければいけないというような、そういう明確な基準というのはないと思います。ただ、供託ということになりますと、少なくとも供託所へ行って供託官の認可を受けて、さらにまた、現金の取扱庁でなければ別のところに現金を予納するというような、ワンステップ手続を要するということになるわけでございます。しかもまた、一方におきましては、そういう組織を全国津々浦々まで持ちまして、かなり多額の現金の収受になれておるという利点はあるわけでございますけれども、少なくとも手続的には、ほかの機関を一つ経由するという手続の繁雑さというものがあるわけでございまして、裁判所の予納金のように、その債権債務関係をみずからの行政庁が他の行政庁を煩わせずして処理し得るというような形のものには、むしろそういうことまでやる必要がないのではないかというような考慮が働いて、供託制度を利用しないということになっておるのではないかというように思っておるわけでございます。
○稲葉委員 それならば、仮差し押さえ、仮処分の保証金だって、何も供託所を経由しないで、裁判所が預って、あれは裁判所の出納官吏でしょう、あるいは出納官が預かっておったっていいのじゃないですか。権利関係はあるかもわからぬけれども、裁判所が預かったって、別に悪いことはないのじゃないですか。そういう理屈になってくるんじゃないのですか。
○筧説明員 先ほどもちょっと御説明いたしましたように、民事執行法の立法担当者の本などを読みますと、立法の案をつくりますときに、やはりそういうところも一つの問題点として議論になったというように聞いております。その議論のときには、これは論理必然的なものではないけれども、仮差し押さえ、仮処分について扱わせる金額がかなり多額のものに上がるというようなこと、あるいはその一つの事情としては、供託金の方には利息がついておるというようなことも事情の一つに加えられまして、供託制度を利用したというように聞いております。
○稲葉委員 きょうは、もう時間の関係でこの程度で終わるのですが、しかし、執行の場合、供託所を経由することになっておりますね。そういう執行を原因とした供託もありますね。ところが、執行官に対する予納の場合には、供託所を経由しないわけでしょう。これはどういうわけなんですか。この執行供託というのと、それから供託原因の中に配当というのも入っていますね。これはどうして供託所を経由するのですか。ちょっとよくわからないのですが。私の言うのは、供託原因の中に執行というのと、それから配当というのとあるでしょう。これなども、予納金の場合は、これは執行官に納める予納金ですから、供託所を経由しない。いまやっていますね。そうすると、この執行とか配当というものについても、何も供託所を経由しなくたっていいのじゃないでしょうか。これはこういうことになってくるのですが、どういう場合、これは適用になっているのですか。
○筧説明員 執行供託の場合というのは、たとえば債権の差し押さえが競合したというような場合につきまして、それを供託所に供託せしめ、それを配当の原資にするということでございまして、これは従前から供託を命ずるという民訴上の規定を、そのまま執行法が改正された際にも引き継いできたというように聞いておる次第でございます。 それから配当の場合は、それに伴って供託が認められますのは、たとえば仮差し押さえがくっついておるために、その仮差し押さえ債権者のために配当を留保しておく場合とか、あるいは配当金についてのその債権者が行方不明であるとか、あるいは受領を拒否したとかいうような形のものを供託の形で保管させるということになっておりまして、これはこの一般の弁済供託的なものとやや類似した性格を持つということが、供託制度を利用しておるということの理由になっておるのではないかというように思っております。
○稲葉委員 きょうはこれで質問終わりますけれども、それでは、いまの執行官に対する予納金は、どうして供託所を経由しないのですか。
○筧説明員 おそらく、予納金というのはきわめて期間が短期に執行官に支払われるという性格から、わざわざほかの供託所を利用するというまでの手続的な要請を踏む必要がないのではないかということではないかと思っております。
○高鳥委員長 午後一時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鍛治清君。
○鍛治委員 午前中の質問に多少ダブる点があるかもわかりませんが、そういう点については簡明にお答えをいただくということで、質問をやらせていただきます。 最初に、供託所の関係でちょっとお伺いしたいのですが、現在における供託所の数、その受け払い件数、それからこの三、四年の間の数の推移、受け払い件数の推移、さらには最近の供託事件の動向とその特徴、こういったようなことについてお答えをいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 最初に供託所でございますが、供託所は、現在のところ、本局が五十カ所、支局が二百五十五カ所、それから出張所が二十四カ所ということになっておりまして、総計で三百二十九カ所ということになっております。 それから、供託の取扱事件及び金額でございますが、五十五年度における受け入れ件数並びに受け入れ高は、件数が六十四万五千、金額が一千百六十五億七千二百万、払い渡しが、件数で六十四万四千件、金額にいたしまして一千十億七千八百万ということになっております。 それで、推移でございますが、ここ五年ばかりの取扱件数並びに金額を見てみますと、件数といたしましては、横ばいと申しましょうか、やや下降ぎみということになりますが、金額といたしましては、受け入れ高は年間一〇%ぐらいずつ増加をいたしております。払い渡し高につきましては、昭和五十二年がやや特異な数字になっておりますけれども、それ以外は、これまた年間約五%から一〇%ぐらいずつ増加をいたしております。 それからもう一点、動向といたしましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、弁済供託が件数では八十数%、金額では二十何%ということになっておりまして、件数としては少ないけれども金額の大きいのが保証供託、裁判所の供託あるいは営業保証供託ということでありまして、この傾向は特に変化は見られません。 以上のとおりでございます。
○鍛治委員 この供託制度というものを維持していくにつきましては、いろいろ費用がかかるわけですが、人件費等も入れまして、大体年間どの程度の費用が必要なのか。さらには、これに従事する職員の数は大体どの程度おられるのか。若干兼任をされておる方もあるようですが、数字がわかっておりましたら、お答えをいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 供託事務の従事職員の数でございますが、専任として供託事務を取り扱っております職員の数は、現在二百三十九名ということになっております。支局その他におきましては、兼務として供託事務を担当しております職員がおりますが、この数字は、それぞれの兼務者が一人分のどのぐらいのパーセント供託をやっておるかということは、必ずしも正確につかめませんので、確実な数字ではございませんけれども、約五百数十名に及ぶのではなかろうかというふうに考えております。 それから、いまの経費でございますが、これも、法務局と、それから日本銀行もこの経費を支出して供託制度を維持しておるということになるわけでありまして、法務局だけの分についていろいろ考えておるわけでありますけれども、なかなか確実な数字を算出するということは困難でございます。 まず人件費ということになりますが、ただいま申しましたように、供託事務の従事職員が、専任、兼任合わせまして約八百名ぐらいということになりましょうか、全法務局職員の大体六%余りということになりますので、そういうことでごく大ざっぱに申しますと、人件費は約三十億ぐらいということになろうかと思いますが、そのほかに事務費でありますとかあるいは営繕費でありますとかということになりますと、供託だけの分を抜き出して算出するということは大変困難でありまして、自信のある数字を申し上げるところまで至っておりません。 以上でございます。
○鍛治委員 これで利息を付するのがいいとか悪いとか、手数料の問題とかいろいろ絡んでくるようでありますから、若干お尋ねをしてみたのですが、やはり余りはっきりしないままいろいろ議論というものは進めにくいような気もするわけでありますけれども、そういう観点から、供託金の残高については、昨年は約一千九百億というふうにお聞きしているわけですが、この供託金の関係について、特別会計をつくって、そしてその運用を図って、その利益が出てくれば供託金の利息として供託当事者に還元するとかいうふうなことをすると大変はっきりしてくるし、いろいろ事を運ぶにもいいんじゃないかというような気がするわけでありますが、こういう考え方についてどのようにお考えか、お聞きをいたしたいと思います。
○中島(一)政府委員 確かに、諸外国の立法例などを見てみますと、金庫というようなこと、あるいは実質上特別会計のような制度をとっておる国もあるようでありまして、私どもといたしましても、一つの検討事項ではあるというふうに考えておりますけれども、現在の供託金の残高というものがずっと維持できるものかどうかというようなことも、一つ不確定の要素もございますし、そう簡単にその導入について論ずることもできないのではなかろうかというふうに考えておるわけでありまして、導入することができるかどうか、あるいはまたそれが適当かどうかというようなことにつきましては、制度の各面にわたって今後さらに十分に検討いたしたいというふうに考えております。
○鍛治委員 こういった件は、ぜひ前向きに御検討をお願いしたいなというふうに思っております。 次に進ませていただきます。 これまでも法務省におきましては、供託所の統廃合をずっと行ってこられたようでありますけれども、今後も、行革推進という立場から考えても、統廃合というものを進めていくというお考えがあるのかどうか。一部、東京、大阪、名古屋法務局関係の中での供託に関するいろいろな件数等、私も資料を若干いただいておるのですが、その中には年間の供託の数も大変少ないところがあるようでありまして、そういうところは統廃合ということはできないのかなという感じもするわけでありますが、こういった点について、今後のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 先ほども申しましたように、現在、本局、支局以外に二十四の出張所におきまして供託事務を取り扱っておるわけでありますが、これは、昭和五十年度におきましては、四十の出張所において供託事務を取り扱っておったわけでございます。それを五十一年度には二カ所、五十二年度には七カ所、五十四年度には五カ所、五十六年度には二カ所というふうに統合してまいりまして、現在の二十四出張所ということになっておるわけでありまして、私ども、今後ともこの方針に基づきまして、統合の適当なところにつきましては引き続き統合するように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○鍛治委員 そこで、統廃合というのも、われわれも地方におりますが、国の出張所なり一つの局をなくするということについては、やはり住民意識として大変反対が出てくるわけですね。そういう形もあるとは思いますけれども、そういう方々の利便というものも考えてあげる中で、こういったものも進めていくという方向にはお考えいただいた方がいいのじゃないかと思うのですが、そういう中で供託を行う方、当事者の利便を図るために、供託金の払い込み、こういったこと等については、必ずしも供託所へ行って供託をするというふうなことでなくて、簡単にできるような制度といいますか、たとえば、これは素人考えですからどうなのかわかりませんが、銀行振り込みで済まされるとか、郵便の振替等で行って、それでそれを認めるとか、こういったようなことを考えて、そういう中にこういったいろいろなことを推進しでいく方向をとった方がいいのではないかなというふうにも思うわけですが、こういう点についてお答えをいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 ただいま御指摘のように、供託の制度を国民の利用しやすいように簡素化すると申しましょうか、簡便化するという必要につきましては、私どもも痛感いたしまして、いろいろと検討をしておるわけでありますけれども、現在のところは、ただいまの銀行振り込みによる制度ということは、これはかなり無理が多いのではなかろうかというふうに考えております。 ただ、郵便による金銭供託ということでありますが、これは現在でも、登記と違いまして本人出頭主義をとっておりませんので、供託書と現金とを現金書留その他で送付されました場合には、供託を受理して現金を受け入れるというような取り扱いも事実上いたしておりますけれども、ただ、その場合に、供託書の記載に不備がありましたり、あるいは金額に不足がありましたりというような場合の取り扱い等につきましてトラブルもないわけではございませんので、これを一般化して制度として確立するというところまでには至っておらないわけでありますが、なお今後とも、そういう点をどういうふうにトラブルが起こらないように制度として確立していけるかどうかということを検討していきたいと考えております。
○鍛治委員 郵送はある程度は認めているというお話ですが、確かにいまおっしゃったような理由で非常にむずかしい点もあるだろうと思いますし、また、特に供託拒否という内容のものを一方的に送りつけてこられたときに困るという点もあるとは思いますが、そういった利便はできるだけ図っていく方向でいろいろお考えいただいたらいいのではないかと思いますので、これは御要望を申し上げておきます。 次に移りたいと思いますが、現在この法で提案されております五十七年から六十年まで三カ年間、財政再建といいましょうか行革といいましょうか、その期間中、これは仮定のことでございますが、供託金の利息を停止しない、要するにこの法を適用せずに、停止しない、いままでどおりにやるというように考えた場合に、法務局における予算上のどんな不都合が出てくるのか、何か問題が出てくるのか、そういった点でちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
○中島(一)政府委員 ゼロシーリングということで、五十七年度の概算要求の額が五十六年度の予算額と同額ということに枠をはめられますと、先ほども申しましたように、法務局の所掌事務を何とか処理していくために必要な自然増の経費、あるいはその他の必要不可欠な経費というものがどうしても八億ばかり出てまいりますので、これを捻出いたしますために、どこか既定の経費を削ってこなければならないということになるわけでありまして、もしこの供託金の利子が削れないということになりまして、さらには年々一億なり二億なり供託金の利子がふえていくという推計になるわけでありますから、もしそういうことになりますと、その他のどこか法務局の既定の経費を削らなければならないというわけでありまして、もう私どもとしては削るべきところはすべて削ってしまったというふうに考えておりますので、本来の法務局の所掌事務を遂行していくために必要不可欠な経費に食い込むことになる、あるいは営繕費を削るとか、あるいは事務費を削るとかいうようなことになりかねないというふうに考えております。
○鍛治委員 いまの御答弁にも若干触れておりましたし、午前中もたしか答弁の中で触れられておったようでありますけれども、私たちとすれば、これは仮に利息を停止することが認められた場合は、それはそのまま減になるという形で予算の中で減ってくるというのが、行政改革上一つの当然な考え方ではないかというふうな思い込みが私自身にもあったわけですが、いま聞いておりますと、若干違うわけです。しかし、それは本来はやはり私が思っているような形でいくのが筋ではないかなという気もいたしますが、それは絶対に利息を停止しなくても、法務局の既定経費の一部で縮減すればやりくりがつく、いまも努力はしましたとは言っておりますが、それはできるのじゃないかなということを思うのですけれども、再度その点についてお伺いをいたします。
○中島(一)政府委員 私どもといたしましては、まず既定経費の中で、私どもの努力で何か削る部分はないだろうかということを検討したわけであります。午前中も申しましたように、粗悪用紙の移記作業を、五年間を予定しておりましたものを七年間に延伸をしたということで約四千万余りの節減をいたしましたし、小笠原の十七条地図をつくるという作業を継続してやっておりましたけれども、それを財政事情にかんがみて取りやめることにいたしまして、これも六百万か七百万かということで節減をいたしました。そういうことでいろいろ集めまして、約五千数百万という経費を節減いたしましたけれども、これ以上のものはもうどうしても削れないという実情でございまして、もしこれ以上削るということになれば、営繕費をさらに削らなければならない、こういうことになりかねないわけでございます。
○鍛治委員 では先に進みまして、供託金の利息の問題ですが、この供託金に利息を付するということに現にこの中ではされておるわけでありますが、その根拠はどこにあるのか、これをお尋ねいたします。
○中島(一)政府委員 形式的にと申しましょうか、法律的に根拠ということになりますと、供託法の三条におきまして、命令の定めるところによって利息を付さなければならないということが根拠になろうと思うわけでありまして、この規定が置かれるようになったいきさつがどうかということにつきましては、午前中も御質問あったわけでありますけれども、私ども、古いことで十分正確な調査はできませんけれども、いろいろな資料等を見てみますと、どうも明治三十二年の供託法の施行の直前に、民法、商法、民事訴訟法というような法律が制定、施行されまして、その中で供託制度というものを利用する個所がかなり多く取り入れられた。ところが、当時の実情といたしましては、供託制度というものが余り国民の間になじみがなかったので、これを十分に利用してもらうために、その実を上げるために、そしてまた供託制度の信用を高めるというようなこともあって、利息を付することになったということであろうと理解をいたしております。
○鍛治委員 じゃ、過去のいきさつはそういうふうでお答えがあったわけですが、現時点でとらえてみて、法の上では利息を付されるようになっているからそれはそういうことであるということにはなるのでしょうが、仮にそういうことを離れて考えてみた場合に、供託金と利息との関係といったことについては、法務省ではどういうふうなお考えを持たれておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○中島(一)政府委員 供託金というのは、それぞれの供託によって目的が違いますけれども、いずれも一定の目的のもとに供託制度を利用する、供託をした人に一定の利益を与えるという制度であります。したがいまして、利殖を目的とする貯金あるいは預金というようなものとは違いますので、本来必然的に利息をつけなければならないものではないというふうに考えておるわけでありまして、政策的な判断として利息をつけるということになって現在の供託法がつくられている、こういうふうに理解いたしております。
○鍛治委員 大蔵省の方から来ていらっしゃいましたら、一問だけお尋ねをいたしたいのですが、この供託金は、預金の形でたしか日本銀行に納入されるようになっているわけですが、このお金についてはどういうふうに運用をされているのか、また、その運用によって生じてくる利益金というものは大体どの程度あるものか、わかればお聞かせをいただきたいと思います。
○福井説明員 御説明いたします。 供託金につきましては、すでに御案内のとおりでございまして、現在、政府預金という形で日本銀行に預金をされておるわけでございます。また、その預金には利息が付せられていないという状況でございますので、供託金が運用されている、そういう形は制度上いまはとっておらないという状況でございます。また、当座預金を置いておる関係上、一方で短期証券というものを発行いたしましてこの当座預金を一定の金額に維持していく、むしろそういうような関係になっておるわけでございまして、国庫の状況といたしましては、この供託金を運用するというような状況では全くないわけでございまして、むしろ、短期証券をもちまして国庫当座預金の一定金額を支えているというような状況になっておるわけでございます。
○鍛治委員 そうしますと、普通いままで言われてきたのは、運用しているから利益が上がる、だからその一部を、手数料も取ってないから、その分を差し引いた形で、低い利率であるけれども利息をつけて供託当事者に戻すというふうな形で、素人考えかもわかりませんが理解しておったのですが、そのあたりはどうなんでしょう。
○中島(一)政府委員 もし、運用利益があるから利息をつけるということでありますれば、まず、供託金の運用方法を決めて、そしてその運用方法によればこれだけの収益と申しましょうか利益がある、必要ならば経費はどれだけかかる、そこで利子は何%つける、こういう順序になろうかと思うわけでありますが、現在の供託金利子につきましては、決してそういう形にはなっておらないわけでありまして、私が先ほど申しましたように、供託制度の実を上げるために、奨励的な意味でつけられたものであるというふうに理解をいたしております。
○鍛治委員 国庫金というのは、供託金のほかにもあって、日本銀行に行ったものが預金という形であるならば、利息をつけられるのがあたりまえでありましょうし、それは、供託金という中での一つの形と申しますか、金額といいますか、そういうものは押さえにくいということは考えられると思うのですが、そういった意味での預金に対する利息というものをつけるという意味で、やはり政府の方には何らかの形で利益を還元するということになるのかどうか。私も専門家じゃないからわかりませんが、そういう形では、日本銀行の方では、供託金も含めて国庫金の分は納めるということになっているのでしょうか、その点ちょっとお聞きいたしたいと思います。
○福井説明員 お答え申し上げます。 国庫金が、仮にでございますけれども、何らかの形で運用されているというような状況でございますと、いま御説明のようなこともあろうかと思いますけれども、先ほど申しましたように、現在の国庫の状況でございますが、一定の政府当座預金を維持するため、むしろ政府短期証券を発行してこれを維持しておる。もちろん、その政府短期証券といいますのは、これは季節的な関係で発行される面もあるわけでございまして、常時発行されているというわけではございません。しかしながら、実際の国庫の状況から見てまいりますと、政府短期証券が発行されずゼロになっているというような状況、これはきわめて期間的にわずかな状況でございます。 また仮に、期間的にわずかな期間でございますけれども、この政府短期証券がゼロになりまして、幾らかでも国庫の方である程度の余裕金ができるというような状況になりました場合には、これは国庫の統一管理ということで、各特別会計それから公社等の経理も一括して国庫で賄っておるという状況から、いま申しましたように幾らかでもそこに余裕ができたというような場合には、これを各特別会計の方に回しまして、といいますのは、各特別会計の方でまた一時借入金、そういうことをやっておるわけでございますので、そちらの方に回しまして、効率的にそういったことで活用しているというような状況になっておるわけでございます。 したがいまして、これが国庫の現在の仕組みでございますので、国庫金が運用されて、それによって利益が上がっている、そういうような仕組みになっておるわけではございませんので、この運用の利益とただいま御質問のような供託金の利息という考え方は、結びつかないというふうに考えておるわけでございます。
○鍛治委員 じゃ、先に進ましていただきまして、今回の改正案の中で、供託金の利息を一時停止するということですが、その理由をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 先ほど申し上げましたように、ゼロシーリングということで、五十七年度の概算要求は五十六年度の予算額と同額である、物件費についてはそういう枠がはめられたわけでありまして、この枠内で法務局の所掌事務を遂行していくために必要不可欠な経費を予算として計上するというためには、何らかの既定経費を削らなければならないということでありまして、そういった結局は歳出の節減ということに結びつく必要からいたしまして、供託金の利子を三年間停止するということはやむを得ない措置としてお願いしたい、こういうことでございます。
○鍛治委員 三年間利息の支払いをとめるわけでありますが、これによってどれほど事務量が減り、また人員の縮減というものが見込まれるのであろうかというふうに思うのですが、わかっておりましたらお答えをいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 五十七年度以降の利子は停止されるわけでありますけれども、五十七年度以降に払い渡しをいたします供託金につきましても、五十六年度以前における利子がついて支払われるものもありますので、すべてが利子がなくなるということを前提としての計算はできないというふうに考えております。 それから、利子を付さないということになりますと、従来現金で供託をいたしておりましたものにつきましても、有価証券供託が許されるものにつきましては有価証券供託をするようになる、あるいは有価証券供託に切りかえるというような事件がふえてくると思われますので、このための手数がかかるということは事務量増加の要因となるというふうに思うわけでありまして、総体的に考えてみますと、事務量減ということからいいますと、これは全くの推定でありますけれども、それほど事務量減ということにはならないのではないか、仮に事務量減ということになるにしても、それは非常に微々たるものではないかというふうに考えております。
○鍛治委員 供託金に利息を付するということは、明治三十二年以来、先ほどからも御答弁の中にありましたように、約八十年以上も続けられてきているわけであります。この件は、そこまできますと、国民の権利として、すなわち供託当事者の既得権ということでもう確立しておるのじゃないかというふうにも思うのでありますが、そういうことについてどういうお考えか。 さらにまた、すでに供託されている供託金について、今度の法改正によって一方的に法律で利息を付することを停止するということになるわけでありますけれども、これは既得権であるとするならば、その既得権を侵害するというようなことになるのではないかなとも思うわけですが、この点についてお尋ねをいたします。
○中島(一)政府委員 先ほど申しましたように、供託金の利子の性格ということから考えてまいりますと、供託金には必然的に利息を生ずる、あるいは利息を支払わなければならないというわけのものではないというふうに考えるわけであります。供託金に利息をつけなければならないという法律があるがゆえに、その法律が有効である期間に限って利子が発生する、こういうふうに理解をするわけでありますから、その法律をなくすことによって、あるいはその法律の効力を停止することによって利子を付さないということは、既得権の侵害でありますとか、あるいは法律によって保護された利益なり権利なりの侵害ということにはならないというふうに考えております。
○鍛治委員 ちょっと私もわかりにくいし、納得しにくいところがあるわけですが、次に進ましていただきまして、供託金にもし利息を付さないというようにした場合、国民にとってどういう影響が出るだろうかということも思うわけです。この点について御見解を承りたいと思います。
○筧説明員 先ほど局長が御説明いたしましたように、供託の制度というのは、国に金員の保管をさせ、相手方にその保管を通じまして金員あるいは物を受け取らせる、こういうことによりましてそれぞれの各目的を達するということになっているわけでございます。したがって、利息を廃止するということになりましても、本質的な部分というのは何ら変わりがないわけでございますので、供託制度自体には直接の影響はないというように考えております。
○鍛治委員 新聞報道によりますと、今度停止した場合、間借り人に影響があるというように報じられているわけでありますけれども、そういうようなことが起こり得るのかどうか。それからまた、家主、地主等に対する影響は、今回の措置が実施されるとして、どのように出てくるのか、この点についてお伺いをいたしたい。
○筧説明員 間借り人との関係で供託金が問題になりますといたしますと、家主の方が家賃の値上げをして、間借り人がそれが不服なために供託をする、こういう事態が考えられるわけであります。ところが、この供託金の受領、それからまた付されますところの供託金利息というのも、通常はこれは家主が受領すべきものでございますので、この供託金の利息の停止ということが間借り人あるいは借地人等に影響するところはほとんどないというように考えております。 しかしながら、また一方におきましては、いま申しましたように、この供託金を受領しますのは貸し主側でございますので、確かに、いままでついておった利息金がつかないということになりますと、供託金の還付を受ける際にそれだけの額が少なくなるということになりますから、若干の影響があるということは否定できないわけでございます。しかし、たとえば値上げをいたしまして供託をされた場合には、その貸し主側といたしましては、その額に不服であっても、これはあくまで一部であるという留保をつけて直ちに受領できるという方策も認められておるわけでございますので、家主あるいは地主の方でそういう形での供託制度というものを活用されれば、供託期間というものが短くなって、したがって、付利の停止による影響というのはきわめて少ないものにして運用できるのではないかというように考えておる次第でございます。
○鍛治委員 営業保証金についてお尋ねをしたいのですが、いただいた資料なんかをずっと見てみますと、かなり多額の金銭を長期にわたって供託することが義務づけられているわけでありますけれども、こういう場合、利息を停止するということは、営業保証金制度上非常に問題ではないかな、また大きな影響が出てくるのではないかな、こういうふうに思うわけでありますが、この点についてお伺いをいたします。
○筧説明員 この営業保証金といいますのは、営業の開始ないしは継続のために一定の金員あるいは有価証券等を供託するという制度でございます。この供託ということを利用いたしますことによって、ただいま申しましたような営業の開始、継続という、供託者は法に定められましたそれぞれの利益を得るという形になっておる点において、他の弁済供託と本質的な性質は異にしないというわけでございますので、営業保証金のみを特別な取り扱いをするということは妥当なことではないというように考えております。 また、営業保証金につきましては、そのほとんどが有価証券供託が認められておる。また、すでに金銭供託されておりますものについても、有価証券をもって差しかえ供託をするという方策も認められておるわけでございます。したがって、そういう有価証券供託を十分に活用することによって、現在でも、この営業保証供託の額の大きいものというのは、かなり有価証券によって供託されているのが実情でございますけれども、そういう方策を十分活用することによって、この付利の停止ということの影響はきわめて軽微なものになるのではないかというように考えておる次第でございます。
○鍛治委員 これは法が施行されたとしてのことになりますが、すでに供託されておる供託金について、改正法が施行された後においては、利息の払い渡し請求があったときにはどういうふうな計算をしていくようになるのか、この点をお伺いいたします。
○筧説明員 これは付利の停止をいたします来年の四月の一日以降はつけないということでございますので、計算上は、来年の三月三十一日までを終期といたしました利息の計算をする。さらにまた、これが復活されました場合には、復活された後の分を計算するという、その場合には二回に分けて計算をしなければならないということにはなるのではないかと思っております。
○鍛治委員 この今回の法改正は、もう何度もお話出ましたように、五十七年四月一日から六十年三月三十一日までの間の利息を付さないということになっているわけですが、この停止期間が経過した後、これはどういうふうになるのか、念のためにお聞きをいたしておきたいと思います。
○中島(一)政府委員 供託金の利子につきましては、先ほどもお話出ておりますように、八十数年にわたってつけられてきたというような実績もあるわけでございますので、私どもといたしましては、もし国の財政事情が許すならば、やはりつける方が望ましいのではないかというふうに考えておるわけでありまして、それを前提といたしまして、今回の法案も三年間に限り停止するということになっておるわけでございます。
○鍛治委員 そこで、供託金の利息について、諸外国の制度はどのようになっているのか。諸外国といってもたくさんありますが、先進諸国でわかっている点がありましたら、なるべく詳しくお答えをいただきたいと思います。
○筧説明員 外国の制度というのはなかなか調べるのがむずかしいところがございまして、私どももそのすべてにわたって承知しているわけではございませんが、私どもが調べました範囲では、先進国の中ではアメリカ、これは供託制度といたしましては、わが国の裁判上の供託にほぼ相当する制度があるようでございまして、これはまた連邦裁判所の制度、それから各州における制度というのがそれぞれあるようでございます。私どもが調べました範囲では、この連邦及び州の制度、いずれにおいても供託金には利息を付さないというのが原則でございますけれども、例外的には利息が発生する場合の道も認められておるということになっておるようでございます。 そのほか、ヨーロッパの各国、フランス、ドイツ等につきまして調べましたところは、いずれも供託金には利息を付するという制度で運用されているというように承知しております。
○鍛治委員 諸外国の例、いろいろあるようでありますが、それらを勘案しながら、手数料の問題でちょっとお聞きをしたいのですが、わが国においては、供託手数料というものは取ってないということでありますね。諸外国の形について、わかればお教えいただきたいということが一つ。それから、受益者負担の原則からして、供託者に応分の負担をしてもらうのが公平の観念からいっても妥当なんじゃないかというふうな意見もあるわけでありますが、こういった点についてお答えをいただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 諸外国の制度ということでありますが、たとえばドイツにおきましては、裁判所が供託所となって供託金庫で保管をしておるようでありますが、有価証券供託及び貨幣を現物のまま保管する供託などにつきましては、手数料を徴する取り扱いとなっておるようであります。 わが国の制度といたしましても、供託全般について手数料を徴するのか、あるいは有価証券供託について手数料を徴するのか、そのときに現金については利子をどうするのかというようなことも絡まってくる問題であろうかと思うわけでありまして、私どもといたしましては、今回はそういう点の検討ができませんでしたので、今後慎重に検討してまいりたい、このように考えております。
○鍛治委員 いろいろ諸外国——必ずしも諸外国のまねをするのがいいとは限らないと思いますが、いろいろな話の筋によって、きちっとやるべきことはやり、変えるべきは変えるというのが正しいやり方だと思いますけれども、供託法も明治三十三年ですかにできまして以来、そんなに内容に手をつけられた改正というものはなかったように聞いておりますし、人によっては、供託法は若干不備なところもずいぶんあるのじゃないかというお話も聞いているわけですが、供託法そのものに対する当局のお考えを伺いたいと思います。
○奥野国務大臣 先ほど来いろいろお話が出ておりますように、手数料の問題でありますとか、あるいは供託いたします場合にも有価証券供託と金銭供託——有価証券の場合には利札は取れる、その利札と金銭供託の利子との間にはバランスはとれていない、あるいは裁判上の保釈保証金、これは裁判所から日銀の当座勘定の方に行くわけでありますけれども、利子はつけない。必ずしも理路整然たるものではないようでございます。 いまおっしゃいますように、かなり古い法律でございます。いますぐこの改正を考えているわけじゃありませんけれども、いずれ根本的に総体をにらんで検討しなければならない性格のものではないだろうかな、こう考えております。
○鍛治委員 そこらあたりは最後にということで、ちょっと話の内容がダブったような感じでございましたので、大臣お答えいただいたので、これで最後にいたしたいと思いますが、今回改正になったわけですが、仮にこれが通ったといたしましても、また六十年には財政事情がどうなっているかわからないという不確定要素も実はあると思うのですね。そのときにはまたこの問題をどうするかという検討の時期が来るかもわかりませんし、こういう供託金の制度そのものを含めて、この利息の問題でいろいろと議論も出てくる中で、やはり私も、素人考えではありますが、いろいろと改正すべき点もあるような気もいたします。だから、いますぐということではないとはおっしゃっておられましたが、やらなければならぬというようなお考えもあるようでありますけれども、抜本的に供託法の改正というようなことも、こういう機会にぜひおやりになるというふうな考え方ですね。 また再度のお答えをいただくようで恐縮でございますけれども、もう一度お答えいただきまして、ちょっと時間前でございますが、これで質問を終わりたいと思います。
○奥野国務大臣 いろいろ御指摘いただきましたように、利子をつける、その意味合いそのものからして、必ずしも割り切ったお答えはしていないようでございました。三年先には、いずれにいたしましても何らかの立法を必要とするわけでございますので、それまでの間に十分検討して、いろいろな問題を総合的に判断する、そして結論を出していくという姿勢が大切だ、かように心得ております。
○鍛治委員 では質問を終わります。ありがとうございました。
○高鳥委員長 安藤巖君。
○安藤委員 まず最初に、大臣にお尋ねをしたいのです。 先ほど民事局長が非常に気になることをおっしゃったものですから、その関係で、大臣の先ほどの御答弁は、三年後に供託に関する法律の整備ということについても検討をすることもあり得るかもしれぬ、こういうようなお話だったですね。中島民事局長の先ほどの答弁は、そういうことではなくて、財政事情が許すならばつけるようにしたいのだというようなことをおっしゃったので、大いに気になったのは、いわゆる財政再建のこの三年がたった後でも、そのときの財政状況のいかんによってはさらに利子をつけないというようなこともあり得るみたいな話なものですから、もう三年後、昭和六十年の四月一日からは確実に利子をつけるということに回復するのかどうか、これをまず最初に、大臣にお答えいただきたい。
○中島(一)政府委員 私の発言が問題になっておるようでございますので、まず私から申し上げさしていただきます。 私が申し上げました趣旨は、八十年以上にわたって利子がつけられてきたというような歴史的事実を考えますと、財政事情が許すならば利子をつけることの方が望ましいというふうに私どもは考えております。したがいまして、法律の形も三年間停止するということになっておりまして、三年たったときには復活するという法律の形になっております。でありますから、このまま三年間たちました場合には、今回の改正法案、成立した改正法が時限立法でありますから、効力を失ってといいましょうか、むしろ、当初予定しておった期間を経過することによって現行法というものが復活するという法律の形になっております、こういうことを申し上げたわけであります。しかし、供託法についてはいろいろと抜本的改正を要する問題があるのじゃないかという御質問がございました。そこで、そういう問題も含めて今後将来の問題として検討してまいりたいということにつきましては、私も全く同意見でございます。
○奥野国務大臣 いま民事局長が申したとおりであります。三年の時限立法でありますから、当然に三年過ぎますと利子は復活してまいります。ただし、強いてそのときにいまと同じような状態があったらどうするのか、こういうことを頭に描きながら民事局長が答弁を先ほどされたのじゃないだろうかな、こう思っております。
○安藤委員 いや、だからその三年後の財政状況というようなことも頭に描きながらということになると、これまで行革の一括法案について特別委員会あるいは本会議でいろいろ私どもが質問いたしまして、それに対する答弁で、たとえば厚生年金に対する国庫の支出金を減額する、しかしそれを回復するんだ、しかし、それは財政状況のいかんによってはまたそのときに考えるのだみたいな答弁があって、いろいろ議論が伯仲したのはごく最近の話ですね。 だから、そういうことから考えますと、三年後の財政状況を見てのことで、できるだけつけないことのないようにしたいんだがということになると、三年後の財政状況いかんによっては、さらに利息をつけないということが引き続いて行われるということもあり得るということにも聞こえるわけなんですよ。そういうようなことはないのですか、あるのですか。
○奥野国務大臣 いま提案いたしておりますのは、三年間利子をつけないようにしたいということだけでございます。さらに重ねていま安藤さんがおっしゃったようなことが起こりますれば、それはそれなりにまた法律を国会に提出して御審議をいただかなければならない。イエスと言っていただけるか、ノーと言っていただけるか、それはわかりません。別途にまた新しい提案をしなければ、いまおっしゃっておりますようなことはできないわけでございます。
○安藤委員 ということは、そういうようなこともあり得るというふうに承っていいんではないかというふうに思います。 この供託法の一部を改正する法律案は、いろいろゼロシーリングだということで努力をしたんだというふうにおっしゃってみえるのですが、やはりこれは、軍事費を拡大して国民生活に犠牲を押しつけるいわゆる行革、括弧づきの行政改革の一環であるということは明らかだと私どもは思うのです。 そこで、あれですか、ほかの方もいろいろ削って、もうほかに削るものがないからこれに手をつけたんだみたいなお話が先ほどあるのですが、本当にこれ以外に全く考えられなかったということなのか。それから、これまでも議論がありましたけれども、八十年余の長期間にわたり法律で認められた国民の権利、そしてそれに基づく利益、これを侵害するわけですから、なくするわけですから、それに対して何の抵抗もお感じにならなかったのか、やはりこれこれということで利息をつけないということにしたのかどうか、その辺の経緯をお尋ねしたいと思います。
○中島(一)政府委員 供託金の利子が、昭和五十年当初から、年間十七億あるいは十八億というような数字になってまいりまして、法務省予算、特に法務局関係の予算の中で占める割合が大きくなってまいりまして、圧迫要因になってきておったわけでありまして、これを何とかしたいというよな考え方はかなり以前から、数年前からあったように聞いております。昭和五十三年の三月一日から、当時二・四分でありました利息の利率を一・二%に引き下げましたのも、いろいろな理由はあったと思いますけれども、そのうちの一つは、この供託金利子を削ってもっと必要な法務行政の経費に回したいというようなことが、大きな理由になっておったというふうに承知をしておるわけであります。 今回は、六月五日の閣議におきまして、五十七年度予算要求の基本方針として、要求額を、人件費に係る義務的経費の増を除き、昭和五十六年度予算の範囲内とするという、いわゆるゼロシーリングの方針が了解されまして、このような政府の方針のもとで、法務局の所掌事務を遂行するために必要不可欠な経費の増加措置をどのようにして賄うかということについて熟慮いたしたわけであります。いろいろ考えまして、確かに、供託金の利子につきましては、ただいまもおっしゃいましたように八十数年にわたる歴史と伝統もあることでありますし、私も法律家の端くれでありますから、国民の既得権あるいは利益、権利というようなものを侵害することにはならないかというようなことについても十分に考えたわけでありますけれども、その結果といたしまして、三年間供託金に利息を付さないことにして歳出の縮減を図る、それによって法務局の所要経費の増を賄うということはまことにやむを得ない措置であるとして認めていただきたいということで、今回、法案を提出する次第でございます。
○安藤委員 大臣にお尋ねしたいのですが、供託金の利息をつけないことにするということについては、大蔵省の方から、それがあるじゃないかというようなことで相当強い示唆があったやにも聞いておるのですが、そういうようなことはなかったのですか。
○奥野国務大臣 そういうことが動機になっていることはないと思います。
○安藤委員 ないと思いますとおっしゃるのですが、実際の担当をしておられた局長さん、どうですか。
○中島(一)政府委員 私ども承知しております限りでは、民事局と申しましょうか、法務省と申しましょうか、内部にこの供託金の利子を削ることによって法務局所要の経費を賄いたいという考え方は、先ほども申しましたように、かなり以前からありまして、今回、歳出の節減の要請が非常に厳しいものになってまいりましたので、いよいよこれをゼロにすることに踏み切ったというようないきさつでありまして、その過程において、あるいは大蔵省の意見を聞いたこともあったかと思いますけれども、示唆があったとかというような事実関係ではございません。
○安藤委員 大蔵省の方からも来ていただいておりますので、その関係について、恐らく口裏を合わされるのじゃないかと思いますけれども、どの段階でどういうような話が法務省の方からあったかということも含めてお聞かせいただきたい。
○藤原説明員 五十七年度の予算編成につきましては、行財政改革により財政再建を進める、こういうことで、御承知のとおり、六月に、概算要求を伸び率原則ゼロにするという、いわゆるゼロシーリングの方針を決定したわけでございます。これに基づきまして、各省庁におかれましてそれぞれの経費を見直しをして予算要求になったということでございまして、法務省におかれましては、法務省の独自の御判断によって、歳出削減策の一つとして財政再建期間中は供託金に利子をつけない、こういうことをお決めになり、予算要求をお出しになり、そしてまた法律の改正をお願いをしておる、こういう経緯と承知しております。
○安藤委員 法務省の来年度の概算要求を拝見いたしましたが、この中では公安調査官を二十五人増員をしておられるわけです。そして、活動の充実ということで今年度よりも一億九千八百万円増額要求しておられますね。これを削るというようなことは全くお考えにならなかったのですか。
○筧政府委員 お答え申し上げます。 人員の点につきましても経費の点につきましても、それぞれ所管の各組織の実情に応じていろいろ要求を考えたわけでございます。 公安調査庁につきましては、御承知のように、破壊活動防止法によりまして破壊的団体の規制に関する調査活動を任務といたしております。暴力主義的破壊活動を防遏して治安を維持しますためには、この調査活動の充実が必要と私ども信じております。したがいまして、明年度二十五人の増員要求をいたしておる次第でございます。
○安藤委員 各部局からの要求もあったというお話ですが、供託金に利息をつけないという場合は、相手は供託関係者なんですね。だから、ストレートにその予算編成の担当者に対して意見を言う機会も、その立場にもない人たちなんですよ。その人たちのやつをばっさりと切った、こういうようなことだと言わざるを得ないと思うのですが、こういう公安調査官の方だって切る対象に考えてもいいのじゃなかったかなと私は思うのです。 そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、わが党は真の行政改革はこうあるべきだという、国民犠牲、軍拡推進の臨調路線に反対をして国民本位の行政改革の提案を発表いたしまして、過日大臣のところへお邪魔をいたしまして、その提案書を提出して御検討をお願いしたいというふうに申し上げたんですが、その後何か検討していただいたでしょうか。そして、その御感想はいかがでございましょうか。お伺いします。
○奥野国務大臣 先日、安藤さんからいただきました資料、目を通させていただきました。かなり長いもので、よく御勉強いただいているなと思いました。同時に、いまも軍事拡張路線を歩む行革というお話がございましたが、まさに色めがねをかけて物を見れば、その色にしか見えないものだなという感じは、率直に申し上げて抱きました。よく御勉強いただいているなということと、そういう見方で見られているのじゃないかなという感じ、二つ一緒にしたわけでございまして、安藤さんですから、率直にお答えさせていただきます。
○安藤委員 いまここでその問題についてあれこれ議論をするつもりはありません。が、私どもの内容は、軍事費を大幅に削減をして国民犠牲の軍事大国化を阻止する、あるいは大企業向けの補助金の廃止など補助金制度を抜本的に改正する、そしてそこできちっと不要不急のお金を削って、国民生活関連部門を充実しつつ、簡素で効率的な行政を目指す、こういうのを含めて八項目提案しておるわけですね。 そこで、「昭和五十七年度法務省概算要求の概要」というのをいただきましたが、これは私どもが言うておるのと余り変わらぬことを言っておられるわけですね、国民生活の関係については。「法務省予算の特色」、法務省の仕事は「国政の根幹にかかわる法秩序の維持並びに国民の権利の保全を内容としており、しかもその性質上、人による人に対する現業事務が中心であって、」途中省略しますけれども、「行政事務の合理化にも限度があり、適正な業務の処理には、必要な定員の確保のための増員の必要がある。」こういうふうにちゃんと言うておられるわけです。 それで、「国民の権利の保全」ということもうたってあるわけですが、そういたしますと、やはり供託関係者の長年にわたる権利侵害、利益を喪失させるというようなことは、この趣旨からしてもやめるべきではないかというふうに思うのです。やはりこれは必要ですからね。後でも申し上げるつもりですが、供託関係も案件がふえています。それから特に法務局の登記関係ですね。全法務は一万六百四十四人増員要求しているくらいなんですね。だから、これはまさに国民の生活、権利、これにストレートに密着した仕事ですから、こちらの方の人員をふやせ、施設をふやせという要求はどんどんやって、しっかりと予算を取ってきていただく、そうすれば供託金の利息をなしにするなんてことを考えなくてもいいのじゃないかと思うのですが、その辺についての大臣のこれまでなさってみえた御努力はどんなものか、これからそれをどういうふうにやっていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○奥野国務大臣 いわゆるゼロシーリングで、前年の同額を天井にして予算を要求するものでございます。したがいまして、私たちとしては、いま御指摘になりました法務局の登記関係の事務、非常に増加しておりますので、どうしてもこれはある程度増員していかなければやっていけない。そうしますと、その財源をどこに求めるかということになってくるものでございますから、やむを得ず供託金の利子をやめさせていただく。先ほど来いろいろ議論が出ておりますように、供託金についてはむしろ手数料をもらうべきじゃないか、こういう意見だってあり得るものでございますので、かつて利子をつけなかったこともありますので、この際、三年間だけ利子をやめさせていただきたい、こういう提案をさせていただいているところでございます。
○安藤委員 先ほどからいろいろ供託の法律あるいは規則等々については議論があったのですが、これは明治二十三年に勅令とありまして、「供託規則ヲ公布セシム 御名御璽」とあるわけですね。これは供託規則ですが、勅令ですから法律と同じ効果があったわけですね。それが明治三十二年ですか、供託法ができまして、このときから法律でなくなって、いわゆる命令、省令ですか、それによって利息をどうこうするというふうになったわけですね。これは大分過去の話ですけれども、なぜそのときに法律の中に——最初は「通常預金ノ利子ヲ付スヘシ」ということになっておって、千円未満が年四分二厘、千円以上が年三分、この明治二十三年当時、この利率は郵便貯金の——これは「郵便貯金年率沿革表」というのを見ますと、ちょうど郵便貯金と一緒なわけですね。法律上きちっとこういうふうに利息の割合、利率が書いてあったのが、なぜ省令というようなことになってしまったのか。これは先ほど、午前中に稲葉委員に対して民事局長お答えになって、法律的な権利云々、権利として認められるべきものではないみたいなことをおっしゃったのですが、最初はちゃんと法律上にきちんとあったわけですから、それがあえてなくなったというのはどういうわけなのか、もう一遍お尋ねしたいと思うのです。
○中島(一)政府委員 これは、明治二十三年ごろの資料がほとんどございませんので、私どもかなりの推測で申し上げるほかないわけでありますけれども、明治二十六年から三十二年までは無利子ということになっておったわけであります。三十二年に現在の供託法ができまして、その第三条に利息の定めを置きますことについてもかなりの意見の対立があったというふうにいま承知をしておるわけでありまして、法律で利率まではっきり決めてしまうということに対しては抵抗があったのじゃないか。利息をつけることにはするけれども、その利率その他利息の内容については命令に譲って、そして、国の財政状態によって弾力的な運用ができるようにするというようなことも、その動機の一つにあったのではなかろうかというふうに考えております。
○安藤委員 利息はつけるんだけれども、財政状態によって変動が自由にできるようにという考えもあったんだろう、いまおっしゃったのはこういう趣旨ですね。——うなずいておられますが、そうしますと、やはり利息というものはつけるべきものだというのが、基本的には考え方としてはあったのだというふうに思えるわけですが、どうですか。
○中島(一)政府委員 先ほど申しましたように、供託制度というものがまだ国民の間に余りなじんでおりませんでしたので、その実を上げるために、供託制度の信用を高めるというような意味を含めまして利息をつけるということがいいというのが、当時の国会の多数意見であったというふうには理解しております。
○安藤委員 そこで、一時明治二十六年から三十二年まで無利子の時期があったのですが、それから供託法ができて、利息はつけるということになったのです。これは時間の節約の関係で、私の方から先に言います。そのときの議事録の抜粋を見たのですが、これはやはり利子をつけないと信用上にも大きな関係があるとかあるいははなはだ不都合だ。やはり「供託物に利子を付せざるははなはだ不都合なるがゆえに、」二回ありますな、というふうに、これは政府側の梅謙次郎さんだとか穂積陳重さんの報告だとかにあるわけです。ということは、信用上大きな関係がある、これは国の信用上なのか何の信用上か、ちょっとわかりません。あるいは不都合だ、これは国にとって、つけぬとどうも不都合だというふうに読めるんですが、これはどういうふうにいま理解しておられますか。
○中島(一)政府委員 確かに、信用上とかあるいは不都合だというような言葉が見受けられるようであります。私ども、どうもその内容を自信を持ってこういう意味だというふうに申し上げることはできないわけでありますが、信用上というのは、やはり供託制度の信用を高めるというような必要があったのじゃなかろうかというふうに考えるわけでありまして、当時のことでありますから、新政府の発行する金員、お札と申しましょうか、そういうものに対しても若干まだなじみが浅いと申しましょうか、信用問題があったというふうに聞いておりますので、いわんや供託制度ということについての信用を高める必要があったのじゃなかろうかというふうに考えております。 それから、不都合ということでありますけれども、この梅謙次郎先生の発言をいろいろ総合して読んでみますと、不都合な場合といたしまして、民法三百六十七条三項、四項の例を挙げておられる個所があるわけでありまして、確かにこの民法三百六十七条の三項、四項の場合ということを考えますと、これは民法の問題なのか供託法の場合なのか別といたしまして、その間に当事者としては若干納得のいかない面もあるのかもしれない、供託関係者としては納得のいかないようなケースもあるのかもしれないという気もいたしますけれども、これは非常に希有な例でありまして、実例としては私ども承知をしておらないような、それほどまれなケースでありまして、現在ではそういった不都合もない、実際問題としてないというふうな理解でございます。
○安藤委員 ちょっとよくわからぬ答弁だったのですが、私もどういうものなのかなと実はいろいろ考えておるのですが、どうも、先ほどおっしゃった供託制度の信用というようなことなんかから見ますと、やはり利息をつけぬと調子が悪いのだ、これはつけるべきものだというような考え方が基本的にあったのではないかというふうに思うのです。 それはそれとして、そこで、これは大蔵省——法務省でもわかっている範囲はお答えいただきたいと思うのですが、供託金の運用の問題については先ほど質問がありましたので、あえて重複してお尋ねはしないように心がけます。 この供託金というのは国庫金の保管金として日銀が預かっているのだというのはいいのですが、これは国庫金ですから、政府としてもどこかが管理あるいは金額の動向については把握しておられると思うのですが、どこが把握しておられるわけですか。
○福井説明員 お答えいたします。 国庫金の管理につきましては、現在の会計制度によりまして、日本銀行がこれを管理するという仕組みになっておるわけでございます。大蔵省といたしましては、この日本銀行の国庫金の管理につきましては、大蔵省理財局国庫課、私どものところでその報告を受け、管理をいたしている状況でございます。
○安藤委員 管理は日銀だ、そして国庫課も管理しているのだということですね、金銭の場合でいきますと。現金は日銀にあるわけだ、そしてそれを帳簿上といいますか把握しておられるのが大蔵省の理財局国庫課だと、こういうふうに理解していいのじゃないか。両方管理と出てきましたから、そうじゃないかというふうに思うのです。 それで、これは日銀が当座預金として預かっておるのであって、利息はつかないのだというようなお話でしたけれども、供託金の払い渡し要求があって払い渡しに応ずるために、ある程度現金をためておく必要があると思うのです。それは大体常時幾らくらい払い渡し資金、準備金として、払い渡しに備える金額として保管しておられるわけですか。
○福井説明員 国庫の経理上で御説明申し上げますと、私ども、国庫金につきましては供託金その他いろいろな勘定がございまして、そういう勘定を区分経理いたしているわけでございますけれども、実際のそのための支払いの準備資金といたしましては、それぞれ特別に、供託金のための準備資金あるいはまたその他の支払いのための準備資金、そういうような資金に区分はいたしておらないわけでございまして、統一的、効率的に管理するという意味におきまして、政府当座預金で一括その支払いに充てているということになっているわけでございます。 現在、政府当座預金は、そういう意味におきまして国庫のすべての支払いの準備資金を形成しているわけでございますけれども、私どもの管理といいますか考え方では、すべての準備資金という意味でございますけれども、大体四百億から五百億程度の準備資金を保管し、適宜この準備資金を使いながらそれぞれの支払いの要求に応じている、こういう状況でございます。
○安藤委員 供託金ばかりではなくて、それ以外にもいろいろな国庫金がある、込みで支払い準備金としていまおっしゃった金額を当座預金として日銀に預かってもらっている、こういうことですね。 ところで、これは法務省の資料ですが、供託金の総額の現在高は千九百十二億八百万円あるわけですね。いまおっしゃった支払い準備金としては、供託金はその一部であって、ほかの国庫金も含めて四百億、五百億ということになりますと、この供託金の現在の現在高よりも、ほかのを入れてもはるかに少ない金額ですよ。そうしますと、供託金の現在高のその残りの部分というのは、一体どうなっておるのですか。
○福井説明員 この供託金の勘定の現在高といいますのが、ただいま約千九百億円ぐらいあるわけでございます。これはあくまでも勘定区分経理上そういう経理がなされているわけでございまして、私どもの現金管理上は、準備資金として先ほど申し上げたような資金を保有しているという関係でございます。 こういう準備資金といいますか資金繰りの問題でございますので、仮にもしこの当座預金で不足するというような状況になりました場合には、これは財政法上、政府短期証券を発行いたしまして国庫の資金繰りをつけていくということが可能になっておりますので、そういう資金繰りをしてそういう支払いに充当していく、こういう関係があるわけでございます。
○安藤委員 そうしますと、支払い準備金に充てている金額以外のお金は、国庫の短期証券を日銀に買ってもらって現金化して、それを運用する、それを今度買い戻してゼロにしていくというようなことの操作に使われているわけですね。 そうしますと、いろいろ各省庁の関係だというようなこともおっしゃったけれども、とにかく供託金の現在高は千九百十二億あるわけです。だから相当なお金が、そういうような国庫のお金の短期証券の償却を含めて、いろいろな運用に利用されているということは言えるわけですね。
○福井説明員 一般会計といいますか、国庫金のうちの一部が一般会計ということになっているわけでございますけれども、そこでは実質的には税収等におくれがございまして、資金の赤残になっておるわけでございます。しかしながら、一方でまた、特別会計等でプラスになっているというふうな状況もございまして、その辺を、全体を統合いたしまして統一的にこれを経理するとともに、むだのないような資金の効率化を図っていくというのが現在の国庫金の仕組みでございます。 したがいまして、この供託金につきましても、現在千九百億円の残高があるわけでございますので、そういう意味におきまして、この金額が国庫金の一部として相有無通じ合うというような意味におきまして使われているということは事実なわけでございますけれども、これが運用されているといいますか、利益を上げているといいますか、そういうような関係ではございませんで、お互いに不足するところを相有無通じ合ってこれを活用していくというような姿が、供託金に限らず、全体の国庫金の仕組みということになっているわけでございます。
○安藤委員 何も私は、利益を上げているのじゃないかということまでいま言うているのじゃないのです。やはり有無相通じ合って活用されている国庫金の中に供託金も入っているということは言えるわけですね。——うなずいておられるし、先ほどもそうおっしゃったのです。 ところで、このちょっと厚い本を勉強したのですが、法務省民事局局付検事の水田耕一さん、それから法務省民事局課長補佐の中川庫雄さん、このお二人が書いた本の中にこういうことが書いてあるのですね。供託金、これは国庫金だ。それで「日本銀行への預金制度を採用しているので、国庫金は日本銀行における預金となり、その出納上における支払剰余金すなわち国庫余裕金は、日本銀行の営業資金と合一して、その営業の資に供される。したがって、日本銀行は、国庫金の運用益すなわち利息を支払うべく、」こう書いてあるのですね。こういうようなことで、日銀はその営業資金の一部に、何%か知りませんが、この供託金もしているのではないかと思われるのですが、どうですか。
○福井説明員 国庫金の仕組みでございますけれども、これはいろいろ歴史的な変遷があったわけでございますけれども、現在は会計法の規定によりまして預金制度という制度をとっているわけでございます。したがいまして、現金につきましては国が直接これを管理するということはやりませんで、日本銀行の預金という形で保有されているわけでございます。預金という形で保有されているわけでございますので、それが日本銀行の資金繰りその他におきまして一部その預金が使われておるといいますか、これは預金という仕組みをとる以上そういうことになるわけでございまして、私ども考えております、現在維持しております政府当座の準備資金というものは、全体として日本銀行の資金として使われているということは言えるわけでございます。しかし、それが全体として上がった利益というのは、日本銀行の納付金のような形になるというふうに私どもは理解しておるわけでございますけれども、現在の預金制度というのは、そういうふうに日本銀行でこれを使うという仕組みを前提としてでき上がっておるものでございます。
○安藤委員 いま納付金制度ということをおっしゃったのですが、これは昭和七年からですか、納付金制度という制度がとられておる。これを日本銀行が国に納付金として支払う。この納付金の中には、いまの日本銀行が営業資金として運用したことによって得る利息に相当するものも含んでいるというふうに指摘があるのですが、これも間違いないですか。
○福井説明員 この国庫金の預金制度といいますのは、ちょうど私どもが銀行に金を預けるというような仕組みをそのまま国庫金に移してきたわけでございまして、全体として日本銀行の資金として使われておるという形になっていることは、御指摘のとおりでございます。
○安藤委員 そのほかに、国庫余裕金というのがあるでしょう。いまの支払い準備金とか、それから短期国債の償還資金とか、そういうのに充てる以外にもちょっと余裕のできたもの、それを資金運用部資金として資金運用部が運用する、こういうようなことにもなっているのじゃありませんか。そして結局は、その国庫余裕金の中にも、何%か知りませんが、これも供託金が入っているのじゃありませんか。
○福井説明員 国庫余裕金というような御質問であったわけでございますけれども、現在、先ほど申しましたような支払い準備金を維持するということのために、実質的には政府短期証券を発行いたしましてこれを維持しておるというような現状でございます。 御指摘の余裕金とおっしゃいますのは、恐らくこういう政府短期証券が全くなくなりまして、実質的にさらに国庫金で何か余裕金ができたというような状況ということが一つ考えられるわけでございますけれども、現在の国庫の状況といいますのは、そういうような姿になっておらないわけでございます。仮にそういう姿になった場合といいますか、余裕金があるということになりました場合には、先ほど申しましたように、国庫統一資金の効率活用という観点から、国庫金の中におきましてお互いに不足している特別会計、その他国庫金を一部形成しているところに対しまして、これを繰りかえしてお互いに相有無通じ合っていくというような仕組みになっておるわけでございます。
○安藤委員 いま大体お伺いしたところによると、有無相通ずる活用をするための資金の一部としても供託金が使われているし、日銀の預金としての制度をとっているので日銀の運用資金の中にも入っているというようなお話が出てまいりました。だから、こういうことになると、この供託金というのは国としてもいろいろ活用しているし、その活用によって利益がストレートに上がったかどうかは一応別ですよ、そして日銀の預金としてもしかるべく使われているということになると、そちらの方では運用益というのが出てくる。それから、これは余裕ができたときの話だということですけれども、国庫余裕金というものの中にも、やはりこれは国庫金の一つですから、その中に供託金も入っているということになれば、これは資金運用部の方の利息はなかなか高いですからね、相当な利益を上げることができるのではないかと思うのですね。だからそうなると、この供託金というのは相当な利益を上げているんじゃないか、活用されているんじゃないかということにならざるを得ないと思うのですね。 そこで、時間もなくなりましたし、わざわざ来ていただいた省庁の方が見えますから、そちらの関係をまずお尋ねしたいと思うのです。 選挙のときに私ども供託するわけですが、これは自治省にお尋ねしますけれども、供託金は法定得票数に達しないと没収されます。そう長いことあれこれお尋ねしませんが、昨年の衆参同時選挙、このときにおける衆議院と参議院に分けて、その没収金額は幾らであったか、それから昭和五十四年の統一地方選挙のときの没収した供託金の金額は幾らであったか、お尋ねいたします。
○小笠原説明員 お答えいたします。 選挙に関する供託金没収額についてのお尋ねでございますが、昨年、昭和五十五年六月二十二日に執行されました衆議院議員の総選挙につきましては、総額で一億三千一百万円になっております。それから、参議院通常選挙につきましては、全国区が六千四百万円、地方区が四千九百万円、合わせて一億一千三百万円になっております。 それから一昨年、昭和五十四年四月に行われました統一地方選挙の没収金額は、六千三百五十六万円というふうに相なっております。
○安藤委員 この選挙の関係の供託金も、没収して皆国庫へ入るわけですから、これは相当な収入になっているんだというふうに思います。自治省の方、もうお帰りいただいて結構でございます。 それから、国税庁の方にわざわざ来ていただいておりますので、ちょっと各論に入りたいのですが、その関係からまずお尋ねをしたいと思います。 まず、国税通則法の百五条の三項で、税法上の処分に対して不服があって異議の申し立てをしたという場合に、滞納処分による差し押さえを免れるために異議申し立て者が供託をするという制度がございますね。差し押さえを免れるための担保を提供して、その担保提供の方法として供託をするわけですが、この提供する担保、金銭の場合供託する金額、これは滞納処分を免れるということなんですが、滞納ということになってくるともうすでに遅延利息といいますか、延滞税といいますか、それが当然入ってくるんじゃないかと思うのですけれども、その供託金額の中にはそういう遅延利息、延滞税というものは含ませないということになっておるのかどうか、お尋ねをいたします。
○山本説明員 納税者が不服申し立てをしておる場合におきまして、担保を提供いたしまして差し押さえをしないことを求めてくることがございますが、その場合、その担保が相当であると認めるときには、これを差し押さえないことにいたしております。 それで、ただいま御質問の点でございますが、納税者の方から担保の提供があります際に、将来の納付の都合などを考慮いたしまして、納税者みずから、本税のほかにいわゆる延滞税相当額というものを含めまして担保を提供するという場合がございます。しかしながら、これはケース・バイ・ケースによるわけでございまして、事案によりましては、その延滞税相当額というものを含めないで担保を提供するというふうな場合もございます。
○安藤委員 そうしますと、延滞税を含めない場合もある。しかし、延滞税相当額を含めて供託をしてきたというような場合にも、それを承諾をして差し押さえをしない、あるいはそれを解除するというようなこともあるわけなのですね。
○山本説明員 ただいまの点につきましては、現に不服申し立てがなされておるわけでございますので、徴収側といたしまして、賦課部門とよく連絡をとりまして、そういった不服申し立ての内容の今後における推移、あるいは不服申し立てが認められなかった場合における国税の徴収見込み、そういったものを考慮いたしまして個別事案に即した指導をしておる、こういうわけでございます。
○安藤委員 だから、個別事案に即して指導しているということですが、私が言うたように、延滞税も含めてというようなことにもなるわけなんですね。先ほどそうおっしゃったですね。そういうふうに聞いていいですね。そこのところをはっきりお答えいただきたい。
○山本説明員 延滞税相当額を含めて提供する場合もございますし、延滞税相当額を含めないで担保を提供する場合もございますという意味でございます。
○安藤委員 そうしますと、延滞税を含めないという場合もあるかと思うのですが、延滞税を含めて担保を提供させるということになると、税金の関係では、これは延滞税、遅延利息を取られる、その分も含めて供託しておる。これは争いがあるわけですから、税額についてまだ未確定の段階ですね。ところが、その供託をしていても、この三年間については、とにかく供託金には利息をつけない、しかし延滞税の方はちゃんと含めて供託させる、そういう場合もあるということです。そういうことになってくると、利息をつけないというとは非常にけしからぬことになるのではないかという気がするのですが、その点はどうですか。
○筧説明員 これは先ほど御質問なされました営業保証金などと一般的に共通の問題でございまして、納税者が差し押さえ処分等を免れるということによってそれ相当の利益を得るという本質的な効果というものを獲得しておるという点において、供託一般に共通する利益を得るわけでございまして、その点だけについて利息の点に異なった取り扱いをするということは相当ではないというように考えておる次第でございます。 また、私どもがただいま問題にされております国税の徴収関係の供託の実情を見てみますと、現金で担保が供せられるというようなことはほとんどない。現実にはほとんどが有価証券でございまして、したがって、付利の停止による影響というのは、この方面においてはきわめてわずかなものではないかというように考えておるわけでございます。
○安藤委員 営業保証の関係については、次の機会にまたいろいろお尋ねをいたします。 金銭による供託というのは、この場合は非常に少ないというお話がありましたが、私も実際に調べたわけではございませんけれども、いま答弁をなさった筧さんもお調べになったかどうか、私も知りませんが、物の本によりますと、金銭の方が多いということを書いてある木もあるのです。ですから、これはまた、あなたも法務省の方ですから、別の機会にもいろいろ議論をしたいと思うのですが、国税庁の方に来ていただいておりますから、もう一つ。 同じ国税通則法の四十六条で、これは納税猶予のために担保を提供する。これは国税通則法の四十六条と五十条の関係ですね。この関係で、これはやっぱり遅延利息も入っているのじゃないかというふうに疑問を持ちますのでお尋ねするのですが、四十六条の六項ですね。「税務署長等は、前項の規定により担保を徴する場合において、その猶予に係る国税につき滞納処分により差し押えた財産があるときは、その担保の額は、その猶予をする金額からその財産の価額を控除した額を限度とする。」だから、すでに差し押さえた財産がある部分はその財産の価額を引くんだ、これはあたりまえの話ですけれどもね。 ところが、その「滞納処分により差し押えた財産」ということになっておりますと、すでに滞納処分という段階ですから、延滞税、遅延利息を含めた額というのがもうそこに出てきておると思うのですね、本税プラス延滞税という金額が。このときに猶予を求めるために供託する金額は、やっぱり押さえた財産の金額は引くんだけれども、もとの方は、滞納処分ですから、先ほど言いましたように延滞税も入った金額、本税プラス延滞税、その分についての金額を供託しないと納税猶予を求めることができない、こういうような規定に読めるのですが、そうなると、延滞税、遅延利息も入れた金額を供託しなければ納税の猶予を求めることができないということになるのじゃないですか、どうですか。
○山本説明員 国税通則法四十六条によります納税猶予をいたします場合に、この場合の出していただく担保といいますのは、現金担保はない取り扱いにいたしております。
○安藤委員 ちょっと、もう一遍言ってください。
○山本説明員 この通則法四十六条の二項もしくは三項の納税猶予の許可を受ける場合でございますけれども、その場合の担保には現金担保はない、そういう扱いでございます。現金による担保はない。といいますのは、現金がございますれば、それは納付できるではなかろうか、こういう考え方でございます。
○安藤委員 先ほども金銭による場合はきわめて少ないとおっしゃるのと同じような話ですが、その金銭による担保はないというのは、認めないということなのか、実際問題としてあり得ないということなのか、どっちなんですか。
○山本説明員 納税猶予の申請がございますのは、やはり納税資金が窮屈である、そこに非常に困難があるというふうな場合に納税猶予ということになるわけでございますので、物の考え方としまして、現金による担保というのはない、こういうわけでございます。
○安藤委員 それは理屈としてはそうですよ。担保を提供する金があったら、それを払えばいいじゃないか。それはわかるのですよ。わかるけれども、その金をどういうふうにして捻出してくるか。まさかサラ金から借りるようなことはないと思いますけれども、それはわからぬですよ、その人の事情によっては。何とか頼み込んで親戚とか友人から借りてきて、とにかく供託して、そして納税猶予を求める、滞納処分されないようにするとか、そういう場合だってあり得ると思うのですよ。そういう一般の国民、庶民の生活実態というものをよく把握してもらわぬと困りますよ。そんなものはあり得ないんだから金銭というものはないんだと言い切ってしまわれて——だから私が六項を読み上げていま言いましたけれども、こういう規定もあるのですから。財産を差し押さえられて、そのほかに供託するのですからね。何かやはりこれは金銭的なものを予定した条項だと思うのですよ。そして、いま言いましたような、それぞれ各人各様の事情もあるわけですから、そういう場合も大いにあると思うのですね。 そうすると、やはりこの六項によって遅延利息、延滞税も含めた金額を供託しなければならぬことになるのではないか。そうなったら、それを供託さしておいて、その供託には利息をつけない、税金の方はちゃんと遅延利息を取りますよというんじゃ、これはとんでもない逆転現象というのか、やり方ではないか、ひどい仕打ちではないかと思うのですが、どうですか。 これで時間が来ましたから、あとは続きにします。いまの質問だけお答えいただいて……。
○中島(一)政府委員 従来から供託金の利息は一・二%ということでございますから、そういう供託をして、そして延滞金のつく徴収猶予を求めておるというような事例は少ないんじゃないかという、私の方の御説明も理屈があるわけであります。 そういうものについてどうしても利息を停止するのか、こういうことでありますが、理屈の問題といたしましては、私どもといたしましては、先ほどから申し上げておりますように、供託一般の問題としてお考えをいただきたい。その場合には、現金で有価証券を購入して、現実の問題といたしましてはそれを供託をするというような手段もあるわけでありますから、実際上の影響も少ないというようなことで理解しておるわけでございます。
○安藤委員 時間が来ましたからこれで終わりまして、後で続きをやります。
○高鳥委員長 次回は、来る二十日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十二分散会