地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/11/12
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 右各件調査のため、日本道路公団理事持田三郎君を本日参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○左藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 いま、日本の社会は急速な高齢化が進んでおります。特に、老人に対する健康の確保や医療体制の充実が問われているところであります。政府は老人保健法案を提出をし、社労委員会でも本日あたり採決になるというような見通しになっておるようであります。しかし、多くの問題は解決をされないばかりでなく、多くの問題点が山積をしているようであります。 厚生省においでをいただいておりますので、幾つかの老人保健法の問題点についてお尋ねをいたしてまいりたいと思っております。 老人保健法が施行されますると、法第四条によりまして、地方公共団体の責任は、保健事業の健全、円滑な実施、適切な施策の実施等、きわめて大きくなってまいります。私は、市町村がこの保健事業を担える体制にあるかどうかを考えると、とうてい担い得る体制がとれると考えないのでございます。厚生省は、本当に市町村が健康教育や健康相談あるいは健康診査、機能訓練、訪問指導、健康手帳の発給などを含めた保健事業が実施をできる体制がとれると考えておられるのかどうか、まずお伺いをいたします。
○北川説明員 ただいま先生御指摘いただきましたように、現在の日本の市町村のヘルスサービスの機能というのは、大きな都市と小さなところでは大変格差がございまして、一度に現時点でこういう計画を直ちに実行するということについてはいろいろ問題があるわけでございますけれども、最近はかなり多くの市町村で住民の健康問題については大変御関心が高くなり、従来でもすでに成人病検診あるいはいろいろな保健指導等についてかなり力を入れておられるわけでございます。 厚生省といたしましては、こういう現状をベースにいたしまして、今後市町村の保健婦の一層の増員あるいは健康診査、保健指導等の仕事をする拠点でございます市町村保健センターを計画的に整備するなどいたしまして、積極的にその体制整備を図ってまいりたいという計画を持っておるわけでございます。 なお、このような形で進めたといたしましても、小さな市町村ではなかなかむずかしいところも多いわけでございますので、全国の都道府県にございます保健所がこの仕事を技術的な面からバックアップしていくということを考えているわけでございます。
○小川(省)委員 また、保健事業実施については、交付税で財政措置をとるというような答弁を社労委員会でずっとなさっておるようでありますけれども、自治省と完全なる了解の上でそういう答弁をなさっておられるわけですか、お伺いをいたします。
○北川説明員 この財源措置の問題につきましては、厚生省といたしましては、そのヘルスサービスの技術的な条件整備については一応補助金をべースにして考えてまいりたいと考えておるわけでございまして、その裏財源である部分につきましては、自治省ともいろいろ御相談申し上げている段階でございます。
○小川(省)委員 市町村に対する財政措置は補助金を主に考えるというふうなことでございますが、あるいは都道府県や政令市に対する財政措置についてはどうお考えでございましょうか。
○北川説明員 都道府県や政令市に対しましても、同じような考え方をとっておるわけでございます。
○小川(省)委員 市町村保健婦の現在の実態は、現在保健婦が大体七千七百五十人、うち交付税上で措置をされているものが四千六百九十三人であるというふうに聞いております。自治省、この数字に間違いございませんか。
○土屋政府委員 市町村の保健婦につきましては、保健衛生関係職員数に含めて厚生省の補助対象となっておる市町村の保健婦、ただいまお示しの四千六百九十三人を措置いたしております。ただ、七千七百五十人ということでございましたが、厚生省でそういった統計を持っておられるようでございますが、いまの四千六百九十三人以外の三千百人余りの詳細については、私どもとしては承知はいたしておりません。その他の保健衛生関係職員として措置した職員分を、保健婦として充てておるのではないかとも思っておる次第でございます。
○小川(省)委員 いま、いみじくも答弁の中にありましたように、三千百人というのが純粋な市町村負担になっておるようでございます。交付税上で財政措置がとれておらないものが三千百人もおるわけでございます。今後五年間で八千人の保健婦をふやしていくというふうな御計画のようでありますが、財政措置については今後完全につけていくおつもりであるのかどうか、厚生省に伺いたいと思います。
○北川説明員 市町村の保健婦につきましては、これは長い経緯があるわけでございますが、昭和五十三年度以前は国民健康保険の組織の中におったわけでございます。五十三年度から厚生省国民健康づくり計画ということで、市町村の基盤整備を一つの柱として事業を進めてまいったわけでございまして、この段階で、従来国民健康保険の組織にあった保健婦を市町村の一般行政組織の方へ移す、こういうことで衛生行政の一本化を図ったわけでございますが、その時点から、ただいま先生御指摘の実員とそれから予算補助をしておる員数との間の乖離があるわけでございます。 厚生省といたしましては、この点につきましても、従来、何とかその乖離をだんだん縮小したいということで進めてきておったわけでございますが、御存じのように、最近の国家公務員の定員削減というような大きな政策の中で、市町村保健婦につきましても、予算の上で定員削減がかかっておるのが実情でございます。現状では、そこのところを回復をして何とか現在数を維持をするという形をとっておるわけでございますが、厚生省といたしましては、今後ともこの乖離の解消についてはなお一層努力をしてまいるという計画でおるわけでございます。 今回の老人保健の問題につきましては、この点とは別途に全く新しい大きな国の政策ということで、これを実現する上でどうしても職員の確保が必要である、こういう観点から別個に予算要求をさせていただいているところでございます。
○小川(省)委員 現状でも三千百人の乖離があるわけでありますから、厚生省は今後本当に心して自治省もうでといいますか、自治省と十分協議をしてやらなければ、この財政措置がつけられるというような状況にはないわけでありますから、ひとつよく自治省に心を用いて折衝をしていただきたいというふうに思っております。 現在、市町村の中で保健婦の設置状況を見てみますると、保健婦を一人も置いてないところが一四・二%、四百五十八市町村ございます。保健婦が一人しかいないところが三三%、千六十八市町村があるわけであります。現在こんな状況にあるわけでありますから、今後保健婦をふやしていくなどと言っても、私は、保健事業が本当にやれるような状態になるのかどうかということについては大変な疑問を抱いております。厚生省、こういうような実態を承知の上で実施をできる情勢にあるというふうにお考えなのかどうか、重ねてお伺いをいたします。
○北川説明員 いま先生御指摘いただきましたように、まだ保健婦を設置してない市町村が四百五十八カ所、約四百六十カ所ということでございますが、厚生省といたしましては、こういう保健婦を設置していない市町村の解消ということにつきましては、常々いろんな御指導を申し上げておるところでございまして、二年ほど前の昭和五十三年末では、こういう保健婦を置いてない市町村が六百カ所ぐらいあったわけでございますが、その後五十五年末現在で、ただいま先生御指摘いただきました四百五十八というような数字になっておるわけでございまして、この間でもある程度の改善は進んできておるわけでございます。 今後とも市町村の保健婦設置につきましては、なお一層私どもといたしましても努力をする覚悟でおるわけでございまして、なお地域的な状況等でどうしても確保ができない地域がやはり残るわけでございますが、そういう点も考慮いたしまして、現在保健所のネットワークというものは日本全土をカバーしておるわけでございますので、そういう体制の上でこれをバックアップしていくという考え方でございます。
○小川(省)委員 保健所がカバーをするわけでありましょうが、実際に一人もいないところが四百五十八、一人しかいないところが一千六十八などという実態でありますから、どうしても保健婦がいないところや一人であるというようなところを解消をしていくような努力をさらに一段と強めていただかないと、とても保健事業を実施できるような情勢にはなり得ないというふうに思いますので、ひとつ十分に意を用いていただきたいというふうに思っております。 市町村がこういうような状況でありますから、この保健事業を行っていくためには、保健所を何としても強化拡充をしていく必要があります。市町村の指導や協力を行える体制をつくっていく必要があるということでございます。しかし、聞くところによると、保健所の強化がこれに伴わないというような感じを強く受けておるわけでございます。 市町村にかわって健診事業を行うなど、広域圏における技術センターとしての役割りを担うため、広域市町村圏等を単位にして約一カ所の保健所、全国で四百二十五カ所になるそうでありますが、これについて保健事業を実施するための検査機器、無散瞳カメラであるとかあるいは血液の自動分析器等を設備をしたり、及び保健婦や精神衛生相談員の設置など、特別な整備を五カ年計画で進めるというような計画であるようでございます。 この計画を見ると、八百五十人の保健婦を増員をするようになっているようであります。これは、大体一保健所当たり一人になるのだろうと思いますからいいのでしょうけれども、一人の増員でこの業務がこなせると思っておられるのかどうか。全体で仕事をふやした、一人ふやして、それで全体のチームワークの中で仕事をするのでありましょうけれども、私は、一人ふやしただけでは、とてもこの保健事業を担える体制ができないというふうに思っておるわけであります。 また、精神衛生相談員は百八十一人を増加をするというような計画になっておるようでありますが、どう配置をしようとされるのか、はなはだ疑問でございます。 また、広域市町村圏に一カ所で約四百二十五カ所の保健所というふうに言っておるわけでありますが、どうして全保健所を対象にして強化をするような措置をとらなかったのか、若干疑問でありますのでお伺いをいたします。
○北川説明員 先生の御指摘の点は、ごもっともな点がたくさんあるわけでございますが、保健所は全国でいま八百五十二カ所あるわけでございます。これを一応従来もいろいろな形で機能の整備を図っておるわけでございまして、ただそれだけでは、今回の老人保健の事業を飛躍的に拡大する上でどうしてもむずかしい。こういうことで、さらに重点的に機能整備を図るということで、一応広域市町村圏をめどに、一つの保健所に、さらにその基本的な整備の上に重点的な整備を図っていく、こういう考え方をとっておるわけでございますので、ある程度これで計画的に事業を進めていくバックグラウンドができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、保健婦の八百五十人増ということでございますが、これは全体の八千人計画をバックにしまして、その中でその保健所にその分を割り当てるということでございますので、私どもの計算といたしましては、一応今回の老人保健を進めていく上での五カ年計画の事業量を基礎にして計算をいたしますと、まあまあこれで何とかなるのではないか、こういう考え方をとっております。 それから精神衛生相談員につきましては、これもすでに現在保健所には二百八十五人の精神衛生相談員が配置をされているわけでございますが、こういうものといまの百八十一人を合わせまして今度の老人保健の仕事に対応していくという考え方でございますので、百八十一人だけで仕事をするということではございませんので、十分ではございませんけれども、まあまあ当面の仕事に対応する体制はできるのではないか、こういうふうに考えております。
○小川(省)委員 御説明はわかりました。しかしこれでは、いま、まあまあ何とかやれるだろうという答弁にあらわれておるように、何としても不足な数字でありますから、五カ年計画の中でさらに、後の二、三年度にぜひひとつ増員をするような計画を立ててもらいたいと思っています。 また、人口過密地域を抱える大都市部の保健所に対しては、先ほどの検査機器の充実等に加えて、胃がんや子宮がん等の検診設備の整備や、機能訓練を担当する理学療法士または作業療法士を六十五人置くと聞いておりますが、現在作業療法士や理学療法士がいるかどうかよくわかりませんけれども、六十五人という数字ではこれは全然間に合わないと思っておりますが、どう配置されようと思っておられるのでありますか。
○北川説明員 このリハビリテーションの仕事というのは、まだまだ日本の国の中では非常に未発達の分野でございまして、医療機関の中でも、日本のような脳卒中が非常に多い地域でございますが、なかなかまだ機能が整備をされていないというのが現状でございます。理学療法士あるいは作業療法士の養成確保につきましても、厚生省は、最近急速に増大をさせていくという計画で実際に養成数も拡充をしていっているわけでございますが、仕事の性質上、どうしても病院との関係が非常に深いわけでございまして、保健所のような場所にそういう職員が直ちに確保できるかどうかということについては、若干問題があるわけでございます。 そういう点を考えますと、今度の老人保健の事業を進めていく上で、どうしても医療機関におるそういう専門職員の協力を依頼しなければいけない。そういうことで、実際の機能訓練につきましては、予算の上でそういう施設におる専門職員にいわば臨時に応援をしていただく、こういうことをベースにして考えているわけでございますが、将来を考えますと、どうしても保健所にそういう職員を配置していきたい、こういうことで、当面、都市部のかなりそういう職員を専任で配置をしていただけそうな地域についてとりあえず考えていくということで六十五名という数字を考えているわけでございます。
○小川(省)委員 総じて、五カ年計画ならもっと保健所を強化してもらわなければ困ると思うのであります。さらに五カ年計画の中で検討をして、保健所を強化していく用意で再検討をしていただく用意があるかどうか、伺いたいと思います。
○北川説明員 先生御指摘のように、これからの老齢化社会を考えますと、どうしても、病気になってからの医療費の増大ということよりも、むしろ病気にならない、あるいはもっともっと健康な老年を維持していくことが社会的に見ても非常に重要なことだと思うわけでございまして、そういう点では、日本の予防あるいは健康づくりの体制というのは現状から見ますとまだまだ十分ではないと考えますので、この老人保健事業の進展の中で飛躍的にそういう体制を拡大していかなければいけないのではないかと考えるわけでございますが、現在のこういう行政機構について非常に厳しい見直しの状況がある中でございますので、そういう点も踏まえて、厚生省といたしましては、できる限りのことはやっていかなければいけないということで体制を組んでいるわけでございます。
○小川(省)委員 厳しい状況の中にあることは百も承知をしておるわけでありますから、そういう中で保健所の整備強化拡充に向かって努力をして続けていっていただきたい、このことを強く要請いたしておきたいと思っております。 老人保健法の施行によって、都道府県や市町村の負担は増加をしてまいります。特に財政調整に関連をして、幾つかの点についてお尋ねをいたしたいと思っております。 保険者、すなわち各医療保険が七〇%の費用負担をするわけでありますが、老人医療費総額の二分の一に各保険の老人加入率を案分して拠出金を定めていくようでございますけれども、各医療保険によって老人の加入率が異なるし、老人加入率の高いところほど負担が低くなり、老人加入率の低い医療保険は勢い負担が高くなっていくわけですね。 そこで聞きたいのでありますが、いまは老人医療費総額の二分の一といって、これを政令で決められていくようでありますけれども、二分の一を少なくとも十年間ぐらいは続けていくべきだと思っています。この対象額が大きくされますと、老人加入率の低い医療保険ほど負担がますます大きくなりますので、伺っておきたいわけであります。この二分の一をどうするかという問題でありますが、社労委員会の中で修正の話が出て、これは政令ではなくて法律事項に変えていくというふうに話がまとまっていると聞いておりますけれども、そのとおりでございますか。
○萩原説明員 老人の加入者比率の高いところほど、保険料負担がいわば財政調整によって低くなる度合いが大きいということはそのとおりでございますが、御承知のとおり、現在では老人の医療費が若者に比べまして大体四倍から五倍多いために、老人加入比率の高いところはそれ自体で現に大きな負担をしているということでございます。したがって、老人加入比率の低い保険者との間での負担の不均衡が現に存在している、それをならしていくということで、老人加入者比率の高いところは保険料負担が低くなっていく、それから、老人加入者比率の低い保険者についてはいまより高いものを負担していただく、こういうかっこうになるわけでございます。 先生のお話をされました修正の話でございますが、現行の法案は、老人の医療費対応比率、加入者比率と医療費比率の二つを考えているわけでございます。その医療費比率について二分の一以内、反対に申しますと、加入者比率については二分の一から一の間ということで政令で定めるとなっているわけでございますが、この政令で定めるという条項を、お話のとおり二分の一に固定しようということを含めた修正の話が現在与野党間で進められていると承知しております。それで、決まったというところまでは承知しておりませんが、現に進行しているということは承知しているわけでございます。
○小川(省)委員 現在修正の話し合い中だということでありますが、この二分の一が、政令で決めておって、簡単に二分の二になっては困るわけでございます。そういうことがないように固定をするということで、法律事項にするように話し合いが進んでおるようでありますが、ぜひひとつそういうふうにしていただいて、この老人保健法は通していただかないと困るわけでありますから、その点については、厚生省としても十分意を用いて見守っていっていただきたいと思っています。 この財政調整を行った結果は、組合健保や共済組合は老人加入率が低いわけでありますから勢い負担がふえて、老人加入率の高い日雇い健保や国保は負担が減ってくるわけですよね。大体どの保険でどういう状態というか、その状況についてまず伺いたいと思います。
○多田説明員 最初に、私ども所管しております政府管掌健康保険、これで見ていただきますと、老人が抜けていくことによって給付の減になる分と、それから拠出金として今度老人の方に出さなければならないのとの差が約三十億ということでございまして、これは保険料率に直しますと〇・二ぐらいの程度のものでございます。 それから、日雇い健保につきましては、約百億程度の拠出金を拠出するということになりますが、これは現行制度における老人の保険給付費の減と老人保健分の保険料の収入の増によって、全体としては収支は四十億余り好転というかっこうになるということでございます。 それから、船員保険の方でございますが、船員保険は五十七年度満年度で百億程度の拠出金を拠出するということになっております。これは現行制度における老人の保険給付費がそのまま減となることによりまして、全体としての収支は若干好転というような感じになろうかと思います。 以上でございます。
○小川(省)委員 いま、船員保険と日雇い健保と政管健保だけを話されたわけですが、共済保険や国保の方はどう変わっていくのですか。
○萩原説明員 国民健康保険でございますが、昭和五十六年度と七年度、五十六年度の方で申しますと、国民健康保険におきます現在の保険者としての負担の割合でございますが、これが四千百五十億を負担しております。これが二分の一という割合で計算いたしまして、国保の負担は三千百億ということになります。一千五十億の減でございます。 共済組合につきましては、これは全体をまとめたものとして推計しておりますが、現行の五十六年度で一千四百四十億、七十歳以上老人の医療費についての保険者の負担として一千四百四十億でございますが、これが一千五百七十億にふえるということでございます。したがいまして、百三十億の増ということになるわけでございます。
○小川(省)委員 いま御説明がありましたように、減になるのは大体国保が中心になって、一千五十億というふうな数字になっておるようでございますが、私は、今回の老人保健法の財政調整の真のねらいというのが、どうもこの辺にあるのではないかというふうに思っております。国保への国庫負担の削減をねらいとしたものであるというふうな指摘がありますけれども、私は、ここのところが今度の老人保健法の真のねらいだというふうに思っていますが、厚生省として何か反論がございますか。
○萩原説明員 この法案は、今後日本が高齢化社会を迎えるに当たりまして、予防から治療、リハビリを含む総合的な老人のヘルスの事業というものを実施するとともに、老人医療の費用負担についての不公平を各制度間でならしていこう、そういう新しい考え方に立って実施されるものでございます。 その点で国庫の負担について申しますと、従来の老人福祉法のもとで行われた老人医療の負担という制度がございますが、その現行制度に比べまして、いわゆる公費で持つ分の国の負担は増でございます。しかしながら、結果的に減っているのはどこかと申しますと、国民健康保険に対する国庫補助というものが減るわけでございます。 これは、各保険者間の費用の不均衡をならすということから、国民健康保険の医療費のいままでの重い負担がいわば各保険者間の公平を図るという点でならされた結果、負担が少なくなる。したがって、その負担の少なくなったものに対応する国庫補助も減になっておるということによるものでございまして、負担の不均衡を是正するという形から、結果的にそうなるというふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 説明はいろいろあるようでありますが、いずれにしても、国庫負担の削減を図ったものだというふうに言えるわけであります。 そこで、自治省にちょっと聞いておきたいのですが、公務員部長、地方公務員共済組合法の老人加入率は大体どのぐらいですか。私は三・六ぐらいじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○大嶋政府委員 七十歳以上の加入率、五十五年度で考えてみますと、二十六万四千人余でございまして、三・九%程度ということになっております。いまお示しの三・六%というのは、昭和五十四年度の全共済組合に係る加入率だというふうに私、厚生省から聞いております。
○小川(省)委員 財政局長に伺いますが、この老人保健法が実施をされますと、地方自治体の負担が増加をしてまいりますが、財源保障の問題であります。厚生省はほとんど、社労の質問の中では交付税で対応するというような答弁を通しているようでありますが、自治省としては十分に協議をされて、厚生省に対して交付税で十分措置をするというようなことを言っておられるわけでありますが、財源についてはどう対応をしていかれようとしておるのか、伺いたいと思います。
○土屋政府委員 新たな保健事業につきましては、一挙に相当な水準まで持っていくことはなかなか困難であろうかと思っております。そういったことで、私どもも法案の段階でいろいろ議論をした過程で、結果的には法律の方でもそうなったわけでございますが、こういった保健事業は、市町村の実情に応じて逐次これを充実していくということにされておるわけでございます。そういった逐次やる段階で事業が円滑に実施されるためには、私どもとしては、保健事業に要する費用について必要な十分な国庫負担というものが確保されなければならないと思っておりますし、その点についてまず関係者に強く要請をしておるところでございます。 現時点では、保健事業の実施基準についてまだ具体的な協議を受けておりません。これは今後の問題だと思っておりますが、その基準等によっていろいろな仕事の中身も決まってまいりましょうし、また必要な財政というのも決まってくるだろうと思いますが、今後そういった実施基準の検討を通じて関係省とも十分協議をいたしまして、老人保健制度の実施に伴う地方負担については、必要なものは交付税措置等によって措置をしていきたいと思っております。いまのところ、厚生省とはいろいろ事務的にはあるようでございますが、最終的に詰めるには、まだいろいろな要素が残っておるかと思います。
○小川(省)委員 厚生省から細かい話もないようでありますが、いずれにいたしましても、十分な慎重な対処をしていただきたいと思いますが、何はともあれ、市町村が困らないように対応できるような体制だけはぜひひとつとつていただきたい、このことをお願いをいたしておきます。 そこで、厚生省は、老人加入者数や老人加入率等についての詳細なデータは、社労の委員会の報告を受けても余り持っていないようでございます。もっと時間をかけて、正確なデータを握って通常国会ぐらいのところで提案をして、今回は継続審議というふうな形で、十分にそういうデータを握って提案をしてきても遅くはなかったと思うのであります。私は、そういう点では厚生省に老人保健法実施についてのデータが余りにも少な過ぎる、こういうふうに思っておりますので、指摘をしておきたいと思っております。 私は先ほど来、政管健保や組合健保や共済組合が負担増になると言ってまいりましたが、その財源の保障となると、保険料率に影響してくるのを恐れているわけでありますが、各医療保険における保険料率の引き上げがどのくらいになると考えておられるわけでありますか。また、国保は負担減になりますけれども、保険料また保険税にはどのようにはね返ってくるとお考えになっておられるのか、伺いたいと思います。
○萩原説明員 政管健保でございますけれども、五十七年度で満年度で考えますと、老人医療を実施いたしますと、その部分の料率を合わせまして大体八十五というあたりになろうかと思っております。ほとんど料率としての変化はないと考えております。 それから国民健康保険でございますが、五十七年度で満年度実施ということで考えますと、一世帯当たり年間大体九万一千円程度の保険料負担。五十六年度が、たまたま同じ数字でございますが、九万一千円でございます。これはどういうことかと申しますと、現在の五十六年度九万一千円が五十七年度、現行のまま推移いたしますと、被保険者、医療費その他の増というのを推計いたしますと、約十万円程度までは上がると考えておるわけでございますが、これが老人保健制度の発足によりまして九万一千円程度の負担で済むということを考えております。
○小川(省)委員 各種保険にはほとんど保険料率に影響ないというふうなお話でありますが、私は、地方公務員共済組合法でも保険料率で千分の一か二くらいは恐らく上げられてくるのではないかというふうに恐れておるわけでありますが、老人保健法の実施によって保険料率が引き上がることのないようにぜひ御配意をいただきたい、このようにお願いをいたしておきます。 それから最後に、健康保険組合等では、現行の出来高払い方式を老人医療の特性に合った支払い方式に改めることが先決であるという強い主張があるようであります。このままの支払い方式を継続すれば、老人医療費は増高するばかりだというのでございますが、支払い方式について、何か改善をしようとかあるいは改正をしていこうとかというふうな考え方を持っておられるわけでございますか。
○萩原説明員 現在御提案申し上げております老人保健法案におきましては、七十歳以上の老人の費用負担につきまして、七割分を保険者が持ち保険者間で調整をする、三割を公費負担として、国、地方公共団体の間で負担をするということを御提案申し上げているわけでございます。その費用負担を改めるに当たりましては、七十歳以上の老人の医療費、診療報酬支払い方式につきまして見直しを行う。その行うことは、老人保健法によって新たに設けられます老人保健審議会というところで拠出金の負担等とあわせまして審議していただく、こういうことで御提案申し上げておるわけでございますが、これも御承知のとおりと思いますが、与野党間の修正の話の中では、この審議会の事項及び診療報酬支払い方式の事項につきましても、話し合いが続けられておるというふうに承知しております。
○小川(省)委員 老人保健法の審議をしておるわけではありませんから、老人保健法については以上で打ち切りたいと思いますが、きょうあたり社労委員会を通過をするというふうに聞いておりますが、問題点が非常に多い法律案でございますから、仮に通過をしていっても、ぜひひとつ厚生省は慎重の上にもさらに慎重を期して、保健所の強化拡充等意を用いるべき点、あるいは市町村にその負担を強いる点、あるいは市町村が業務を執行できる体制等を充実をするという問題については、十分に自治省とも協力の上意を用いていただきたい、このことを要請をしておきたいと思います。 総理府においでをいただいております。人事院勧告の完全実施について伺いたいわけでありますが、いま期末・勤勉手当をどうするとか七月実施であるとか、いろいろなアングラ放送が実は大蔵筋から出ておるようでございます。きょうは定年制法案を通過をさせるということでありますから、むしろ私どもの方がこの人事院勧告と絡めて、人事院勧告の完全実施という線を聞いて定年制法案は通過をさせるべきだというふうに私は思っておるわけであります。行革法案に絡められて仲裁裁定がようやく決まったわけでありますが、私どもはむしろ、この定年制に絡めて人事院勧告完全実施の線をぜひひとつ打ち出していただきたいというふうに思っております。そういう意味では、まさに瀬戸際に立っているわけであります。 そこで総理府に伺いたいわけでありますが、人勧の完全実施あるいは本国会に給与法案を間に合わせてくれるのかどうか、伺いたいと思うのであります。あなたの答弁のいかんによって、定年制法案がどうなるかわからぬという瀬戸際でありますから、慎重の上にも慎重にひとつ御答弁をいただきたいと思うわけでございます。
○廣瀬政府委員 御答弁させていただきます。 人事院勧告の取り扱いにつきましては、先生御高承のとおり、八月七日に勧告が出まして、直ちに給与関係閣僚会議を開催し、さらに九月十八日に再度関係閣僚会議を持ちまして、誠意を持って鋭意検討してまいったわけでございます。さらに、明十三日には三度目の給与関係閣僚会議を開催いたしまして、いままで維持されてまいりました良好な労使関係あるいは現下の厳しい財政事情、そういったことを総合的に勘案いたしまして、さらに鋭意検討を進めるということになっております。御指摘のとおり、今後とも誠意を持ってできるだけ早く結論を得べく努力してまいりますので、御了解を賜りたいと思います。
○小川(省)委員 明十三日に給与関係閣僚会議を開くわけでありますから、そんなような答弁になることはわかるのでありますが、あなたは大蔵省から総理府へ来ておられる方だというふうに伺っておるわけでございます。最近、期末・勤勉手当を云々であるとか、七月から実施をすれば四・九出るとか、いろいろなアングラ放送が流れておるわけでありますが、大蔵省は削れば削るだけいいわけでありますから、私は恐らくはとんど大蔵筋から出ておるアングラ情報だと思っておるわけであります。総理府としては完全に実施をする、完全に実施をしたい、こういうことで考えておられるのは当然だと思いますが、その辺についてはいかがですか。当然完全実施をするというたてまえで、給与関係閣僚会議あるいは人勧については対処をしていく、こういうおつもりかどうか、伺いたいと思います。
○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。 人事院勧告は、申すまでもございませんが、労働基本権の代償の一つとして行われるものでございます。そういったことでございますから、これを尊重をする、しなければならないということは当然でございます。さらに一方で臨時行政調査会の答申、これは適切なる抑制ということを言っておるわけでございますが、それにつきまして、政府としてはこれを尊重するという考え方に立っております。 そういった中にありまして、総理府といたしましては先ほども申し上げましたように、あくまでもいままで維持されてまいりました良好な労使関係、これを大切にしてまいりたいというスタンスで臨んでおりまして、毎回の給与関係閣僚会議において総務長官もそれを主張されておられます。政府全体の考え方としても、そういったことになっておるというふうに存じ上げております。
○小川(省)委員 あなたの立場からすれば、そのくらいの答弁でやむを得ないのかもしれません。総務長官になったつもりでの答弁を期待しておったわけでありますが、まあしようがないでしょう。 自治省、いずれにしても地方では、十二月議会で措置できるかという岐路に立っているわけであります。 そこでお聞きをしたいわけでありますが、地方財政需要額の上では給与改定分を一%分、九百三十億を組んでいるわけですね。いま人勧完全実施となりますと、一般財源の所要額が約四千九百億というふうに聞いておるわけでありますが、九百三十億を除くと、三千九百七十億くらいが一般財源で必要になると思うのでございます。追加財政需要を想定をして当初に見込んだ約四千五百億ですかが組んであって、災害の支出を除いて私は十分間に合うと思いますが、組んである追加財政需要の額で十分間に合うというふうにお考えかどうか、お伺いいたします。
○土屋政府委員 国家公務員についての人事院勧告どおりに仮に実施をいたしますとすれば、いまおっしゃいましたような財源が必要でございます。一般財源で三千九百七十億要るわけでございます。また、一方では私どもは、追加財政需要として四千五百億組んでおりますが、災害等を除いてその他のものにどれだけつげるかということになりますと、いろいろ検討はしなければならない面があろうかと思います。 現在、すでに御承知のように各所で相当な災害が起こっておりますし、冷害その他いろいろなものもございます。今後どういうふうにそれが出てくるのか、いろいろ懸念される面もあるわけでございますので、現段階においてお示しの追加財政需要額を全部それに充てられるかどうかということは、なかなか予測しがたい面があるわけでございます。どのような結果になるかということは、結果としては国家公務員に対する国の態度が決まった後になろうと思います。 いずれにしても、国に準ずるということになろうかと思いますので、そういったものがはっきりしました段階で私どもとしては考えなければならないと思います。その意味では、追加財政需要を充てるということもあり得ると思いますが、いま申し上げましたような先の見通しがはっきりしない状況でございます。はっきりはいま申し上げられませんが、いずれにしても決まった段階で適切な対処はいたしたいと思っております。
○小川(省)委員 決まった段階で適切な対処をいたしたいということであります。いま申し上げた追加財政需要等を含めてお考えになるわけでありますが、財源は十分に間に合う、こういうふうにお考えだと思うのですが、そのとおりの理解でよろしゅうございますか。
○土屋政府委員 今後の災害を含めた、その他の予測しがたいものがどの程度出てくるかということはいま申し上げかねるわけでございますので、それを含めてと言えば、全部これで賄えるというふうには申し上げにくいわけでございます。ただ、すべてが予測に基づいて結論を申し上げるわけにいかないので、先ほど申し上げましたように、国の給与改定等についての態度が決まった段階で適切に対処する、こう申し上げた次第でございます。
○小川(省)委員 なかなか財政局長、ひっかかっているような答弁でありますが、私はいまの答弁で追加財政需要を含めて、災害等もあるわけでありますから、そういうものを含めて十分間に合うというふうに理解をいたします。そこのところでこっくりしていただけばいいのですが、そういうふうに理解をいたしますが、いいですね。——そういうふうに理解をいたします。 最後に、定年制法案について若干のお尋ねをいたしたいと思います。 前国会でほとんど審議を尽くされた法律案でございますが、今回参議院で新たに審議をされたわけでありますが、前国会の衆議院で審議をされた条項以外に参議院の段階で新しく出てきた問題点があるのかどうか。最後に恐らく大臣との間に詰めを行ったと思いますけれども、これらの詰めの中で衆議院段階の詰めと異なるものがあったのかどうか、まずお伺いをいたします。
○大嶋政府委員 この法案につきましては、参議院におきましても衆議院とおおむね同様の質疑が行われたというふうに理解をいたしております。ただ、参議院におきましては、本法の施行に関する指導に当たりまして、地方公共団体の自主性に配慮すべきであるということが附帯決議といたしまして、衆議院の附帯決議のほかに新たにつけ加えられておるということでございます。
○小川(省)委員 私は、この法案が衆議院段階で審議を終わった以降、実はひっかかっている問題が一つあるのであります。 多くの自治体は現行の勧奨による退職よりも一、二歳程度、これが実施をされると延びてくるわけですね。新たな追加された財政需要が起こってくるわけであります。ですから、一律的な、組織的な勧奨はやらないと言っておっても、三千数百の自治体の中には恐らく勧奨が起こり得る可能性もあるというふうに思っているわけであります。自治体の首長が簡単に六十年以降も勧奨をやっていくというようなことを防ぐ保障をどこに置くのかという問題なんでありますが、これを防ぐ方法、保障がございますか。
○大嶋政府委員 この定年制度を導入するという趣旨にかんがみまして、人事管理の必要上行われます個別的な退職勧奨ということは別でございますが、定年制度の代替的な機能を現在果たしております組織的なあるいは集団的な退職勧奨というのは、定年制度実施以後はなくなっていくというふうに私どもは考えておりまして、また自治省といたしましても、そうした基本的な考え方に立ちまして適切な指導をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○小川(省)委員 答弁とすれば、適切な指導と言うのでしょうが、そういうことが起こり得ないような指導をぜひやってもらわないと、そういう点が起こり得る可能性があるというふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思っています。 次に、「条例準則に関する参考メモ」の関係でお伺いをいたしたいわけでありますが、この「定年」のところで六十五歳というのは医師または歯科医師であります。六十三歳が庁舎の監視、それに準ずる者。三項に「国の職員の定年を基準とすることが実情に即さないもの」ということになっておるわけでございます。地方には、御承知のように国にはないような職種がいっぱいあるわけでありますから、庁舎の管理やその他の庁務とこれに準ずる者あるいはこの職員の範囲であるとか、第三項の国の定年の基準によることが実情に即しないものというようなものは、これは組合が首長との間の団体交渉の中で定めていくということになると思っておりますが、そういう理解でよろしいですか。
○大嶋政府委員 地方公務員の定年につきましては、基本的には国の職員について定められております定年を基準として条例で定めるということにされておるわけでございます。ただ、職務と責任に特殊性がある、あるいは欠員の補充が困難であるといったことによりまして、国の職員の定年を基準として定めることが実情に即さないと認められますときには、国それから他の地方公共団体の職員との間に均衡を失しないように適当な考慮を払った上で、条例で特例定年を定めることができるということにされておるところでございます。 「条例準則に関する参考メモ」にございます三の(エ)でございますけれども、この職員の定年につきましては、その実態を勘案いたしまして、地方公共団体が具体的に条例で定めるということにしておるわけでございます。条例の立案の過程でこれらの職員の定年につきまして、職員団体との間で交渉が行われるということも予想されるわけでございます。ただ、特例定年は、いま申し上げましたような客観的な実態がある場合であり、かつまた、国それから他の地方公共団体の職員との間に均衡を失しないものであるということが求められておるわけでございますので、交渉が行われます場合にもその点十分配慮されることが必要である、このように考えております。
○小川(省)委員 公務員部長の立場ではその程度の答弁になるんだろうと思いますが、十分理解をいたしました。 最後に、この法の施行についての自治体に対する指導でありますが、単に従来やっておるような総務部長会議や地方課長会議が一日で開いてやるというだけでは不十分であると私は思っております。そういう意味では、国会における審議の実情ややりとりの実態等を正確に伝えて、この法律が施行される際にいたずらな混乱が起こらないように十分意を用いてほしいと思っております。勧告の完全実施の確約が得られないままで大変心残りで残念至極でございますけれども、以上で質問を終わらせていただきます。
○左藤委員長 細谷治嘉君。
○細谷委員 最初に、行管の八木管理官いらっしゃいますか。——いま参議院で終盤を迎えております行革関連臨時特例法の中に、地域特例によって補助負担のかさ上げが行われておるわけでありますが、それを削減する、こういう部分がございます。 私がお尋ねしたいことは、三十六本の法律に関係しているわけですけれども、その法律の中で、この春この委員会も含めて議決をした法律案が、ほとんど同じ時期、わずか二カ月後に改められようとしておるわけでありますけれども、八木管理官はそういう法律、この春可決したばかりの法律が、答申に基づいて削減されるという事実を御存じか、どうか、まずお尋ねいたします。
○八木説明員 行政管理局の八木でございます。 地域特例の問題につきましては、臨時行政調査会の七月十日の第一次答申を受けまして、全体的な見直しを行うということにいたしまして、八月二十五日の閣議決定で取り扱い方針を決めたわけでございますけれども、その内容は、およそ地域特例の問題については、特別なものを除いては短期の間の立案でございましたので、おおむね一律に扱うということで方針を決めたわけでございまして、近く期限の来るものあるいは比較的最近議決されたものにつきましても、一応提案をさしていただく、例外なしに補助率のかさ上げ分の六分の一を切らせていただくという御提案を申し上げているわけでございます。
○細谷委員 私が聞いておることは、一律に法律に書いてある補助負担率の引き下げ——答申は三分の一ですよ、最終的に閣議は六分の一になったわけです。その法律の中に、本委員会を含めて、この春五月ごろ法律を延長してそのまま補助負担率を続けていくということが可決されておる、そういう法律があるということを御存じか、御存じならばその法律の名前を挙げていただきたい、こういうことです。私の答弁になっていませんよ。
○八木説明員 全体を通じて一律に処置いたしましたものですから、私、いまちょっと資料を急遽見ておるのでございますけれども、比較的最近時点で御可決いただいた法案も入っているかと存じます。
○細谷委員 担当の管理官が、どういう法律がこの春五月ころ国会で可決されたか——そうして答申は七月十日でしょう。三月のころから、もうすでに臨調は動いておるわけですよ。そういうことを御存じないで、地域特例に関するものは一律に全部ばっさりやったんだ、こんな不見識なことではどうにもなりませんよ。 自治省、私の質問に対して、どういう法律が具体的にこの春の国会で議決されて、今度特例法でばっさりやられたか、名前を挙げてください。
○土屋政府委員 前回の通常国会で見直しをされまして通過した法律は、いわゆる新産・工特等に係る地域財特法でございます。もう一つは、首都圏、近畿圏、中部圏等に係る財特法でございます。それからもう一つは、公害の施設整備に関する財特法でございます。
○細谷委員 自治大臣、ここの委員会でその問題について慎重に審議したわけです。ばっさりということでありますけれども、この委員会で扱った法律は、おっしゃるように首都圏、近畿圏、中部圏あるいは新産・工特、こういうものについての補助率のかさ上げ、同時に、十年間の期限を延長しました公害についての補助率の特例をやっぱりそのまま延長するということがあった。こちらの方はいじられておりませんよ、公害の問題は。ばっさり一律じゃないですよ。そうして、新産・工特と地域特例だけをばっさりやっているわけですね。こうなってまいりますと、臨調と国会との関係はどうなりますか、大臣の所見をお伺いいたします。
○安孫子国務大臣 そういう問題もあるわけでございますが、この点についてはひとつ国会の御審議も願わにゃいかぬ、こういうことで法律案を提案いたしているわけでございます。
○細谷委員 それにしても、五月に審議をして国会で可決した、衆参でやって、それがまさしく朝令暮改。七月の答申の中に織り込まれた、事務当局はよく熟知していない。そういう形で今度は閣議決定でございます、天の声でございますからやります、こういうことでは、何が一体臨調の答申が天の声だ、天の声というのは全く上ずっているじゃないか、こういう印象を国民に与えますよ。 私が遺憾に思うことは、あれだけ真剣に委員会で審議した。この委員会でもそういう法律を審議しました。あるいは、通産関係の地域特例としての産炭地振興の問題も十年延長して、そういうかさ上げ方式も存続されることになりました。そういうものが一律に機械的に、あの三分の一が六分の一になりましたけれども、ばっさりやられているわけです。右へならえだというわけですよ。これでは、何のためにわれわれは一生懸命勉強してこの審議に取り組んだか。国会は国権の最高機関と言うけれども、いまや臨調が国権の最高機関、こういうことになるじゃないですか。もちろん、政府がそれを判断したとおっしゃるでしょう。私は大変遺憾に思うのですが、大臣、もう一度聞かせていただきたい。
○安孫子国務大臣 御審議を煩わして成立いたしたものにつきまして、財政上の見地から補助率等の切り下げをした、こういう実態でございます。しかしながら、仕事自体は続けるという前提でございます。そしてまた、仕事を続けるについての財政上の措置も十分につけておる、こういうことでございますから、御可決をいただいた法律の執行には支障がないという点に御留意をいただきまして御理解を願いたいと思います。
○細谷委員 法律の執行には差し支えない、六十年から減った分については補てんしてもらうのだ、そして自治大臣と大蔵大臣の了解事項、合意事項があるのだから心配は要りませんと言うけれども、その中にやはり地方負担が後で起こってくるということが入っておるのですよ。大臣としては、そのほかにいろいろ手当てをするから心配要らぬとおっしゃるのですけれども、私が申し上げたいことは、一たん審議した、そして一カ月か二カ月後に臨調の答申がございましたのでばっさりやります、こういうことになりますと、これは一体国会というのはどういうことなのだということになりかねませんので、もう一度確認したいのです。 来年の七月ぐらいに本答申が出るというのであります。その本答申が出て、それが法律として実施に移す場合に、その前に出たものとその本答申が違った形で出てきて、そしてまたやりかえるというようなことは、絶対自治大臣としては責任を持ってやらせないということをお答えできますか。約束できますか。
○安孫子国務大臣 具体的なことを考えてみなければ御返事のしようもないわけでございますが、自治省関係におきましてはそういう事案はないだろう、こういうふうに私は考えております。
○細谷委員 自治省関係にはそういう事案がない、いまないだろうと思っている。これはまた、こんなばかげた、臨調の答申というのは国会の審議よりも権威があるのだ、こういうことは私は許されないと思うのです。(「あったときはどうする」と呼ぶ者あり)あったときはと言うが、ないということですから、あらせないのでしょう。 そこで、私が続いてお尋ねしたいことは、八木さん、あなたの方で十日に第一次答申を受けまして、その月の二十八日に地方制度調査会が、答申ではございませんけれども意見を出しております。その意見と答申の内容とに食い違いがあるかないか、これをお答えいただきたいと思います。
○八木説明員 地方制度調査会からの七月三十一日の御意見につきましては承知しておりますが、その内容といたしますと、「国・地方を通ずる行財政の簡素効率化」ということと地方分権、この二つがポイントであろうかと思います。前者の問題につきましては、臨調第一次答申のラインとおおむね同じ趣旨ではなかろうか、後者の「地方分権の推進」という問題については、臨調第一次答申ではほとんど触れていない、こういうことではなかろうかと思っております。したがいまして、両者に若干ニュアンスの違いはあろうかと思っております。
○細谷委員 ニュアンスの違いどころじゃないのですよ。問題が重要でありますから、ちょっと私は申し上げます。 これは、私はさっき七月二十八日と申し上げたと思うのですが、三十一日ですから訂正いたします。そして、これは内閣総理大臣の諮問を受けたわけではありませんけれども、地方制度調査会はこの問題を審議いたしまして、「地方行財政と行政改革のあり方について調査審議した結果、その基本的考え方及び当面の検討課題に対する見解について」という意見書を出しておるのであります。 その意見書を拝見いたしますと、ちょっと時間がかかりますけれども言います。「単なる国から地方への負担の転嫁は、行政改革の理念に合致せず、また、地方財政の健全性の回復を妨げるものである。」とこう言って、「したがって、1社会保障制度及び国・地方を通ずる財政制度の根本的な検討の結果に基づくことなく、国民健康保険給付費及び児童扶養手当、特別児童扶養手当について国庫負担の一部を都道府県負担に振り替えることは行うべきでない。」こう言っております。 それから二番目に、「制度の目的の達成状況、各地方公共団体における事業実施及び財政運営に及ぼす影響等についての十分な検討を経ることなく、公共事業の補助負担率の地域特例を廃止し、又はかさ上げ率を引き下げることは行うべきでない。」こう言っております。あなたの方は、行うという法律を出しているじゃないですか。その後の方で、被害がないように事業はそのままやりますと大臣は言っていますけれども、出しているじゃないですか。地方制度調査会は「行うべきでない。」とこう言っているのですよ。 その次に、「国庫補助金等の削減等は、対象事務・事業の廃止、縮減を伴うことなく行うべきではない。」こう言っている。ですから、大筋において一致するどころか、地方制度調査会と臨調の答申の精神は根本的に違う、こう言わざるを得ませんが、あくまでも大体大筋において一致ですか、どうですか。
○八木説明員 先ほど申し上げましたのは、地方制度調査会の御議論のうちで、まず冒頭に「国・地方を通ずる行財政の簡素効率化」、こういうことがうたってあります。その基本の趣旨においては、底流としては、今日の経済成長が減速化した状態における行財政のあり方を考えようということがおありになるのではなかろうかという趣旨で申し上げたわけでございますが、具体的には委員ただいま御指摘の若干の問題点はあろうかと思っております。
○細谷委員 若干どころじゃないですよ。衆議院の行革特別委員会において、自治大臣は質問に対してどういう言葉で答弁しましたか。この中で、よこしまなやり方は許されぬという言葉を使ったのですよ。それがどれを言っているかというと1のところです。これは恐らくゼロシーリングで年度末に予算の方に譲られているけれども、よこしまな考えだと自治大臣は言っているのですよ。 自治大臣は自分の言葉を忘れたかもしれませんけれども、速記録を見れば間違いなく、よこしまだ、こう言っているのです。よこしまだと自治大臣が言っていることは、若干の違いどころじゃないですよ。ニュアンスの違いじゃないですよ。基本的な違いでしょう、こう申さなければなりません。 自治大臣、臨調の答申と地方制度調査会の意見書は、おおむね一致しているとお考えになっているのですか。お考えになっているなら、よこしまなという言葉は取り消していただきたい、どうですか。
○安孫子国務大臣 臨調答申に基づきまして地方制度調査会が四点につきまして、この点についての意見があるということで意見の提出をしておりましたことは、いま御指摘のとおりでございます。その点において食い違いがございます。政府といたしまして臨調答申も尊重する、しかしまた地方制度調査会の意見も、政府の諮問機関でございますから、両者を十分に考慮に入れまして、そして政府案として御審議を煩わしておる、こういうのが現実でございます。将来におきましても、そういう方向で進むべきものであろうと考えております。
○細谷委員 その点についてまさしく私の質問のポイントがあるのですから、もうちょっと質問を続けさせていただいた上で、その問題はひとつ押さえておきたいと思います。 この「当面の検討課題に対する見解」というところで、いま(二)で「地方歳出については、もとより国と同様の基調に立って資金の効率的な使用を図り、その抑制に努めるべきであるが、」これは何人も違った意見はないと思うのです。「国の財政と地方の財政とでは歳出構造が異なること、地方単独事業が地域経済にとって重要な役割を果たしていること等を勘案し、地方財政の円滑な運営が図られるよう適切な配慮をすべきである。」こう言っておるわけです。ところが答申の方では、詳しくは申し上げませんけれども、地方財政計画というのは国のゼロシーリングの枠内に入れなさいよ、地方単独事業はやめなさいよと、それに近い言葉で表現しております。そうなってきますと、この部分についても真っ向から——真っ向からと言うと失礼でありますが、若干どころじゃなくて、非常な大きな制度調査会と臨調との意見の食い違いがあると私は理解するのですが、大臣、いかがですか。
○安孫子国務大臣 国の歳入歳出の関係、財政支出の関係と地方の場合とでは、よほど趣が違っておるのは御承知のとおりであります。人件費の問題あるいは地域社会の特殊性に基づくところの歳出というような問題で、国と同じように地方の歳出も抑えるべきだということについては、若干ニュアンスの違いが——若干と申しますか、ある程度あると私は思うのです。特に、単独事業の場合を考えますと、国が公共事業というものを相当抑制をするという方向にあります場合に、地方は地域経済という問題を考えますと単独事業というものをむしろふやさなければならぬ、こういう問題もあるわけでございます。したがいまして、臨調の答申も尊重するが、同時に地方制度調査会の答申というものをも十分に考慮に入れて、政府としてはその決定をいたしたい、こう考えておるわけでございます。
○細谷委員 この答申の第三の三の(三)「中央と地方」というところのイのアというところで、「地方財政運営の指針となる地方財政計画において、一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制する。」こう言っております。このことは、国の方が五十七年度はゼロシーリングでいくということでありますし、一般歳出の伸びは一・八%というのが概算要求の内容でございますから、それでいくとなりますと、大臣、これは恐らく単独事業というのはふやせませんよ。そこで、このアの部分についてどういう運営を、どういう内容をお考えになっているか、八木さんお答えいただきたい。
○八木説明員 臨調第一次答申につきましては、七月十七日の閣議におきまして、その趣旨を最大限に尊重して速やかに所要の施策を実施に移すということが政府の全体的な方針でございますが、一方、御指摘のように、かつまた自治大臣からもお話のございましたとおり、地方制度調査会もまた政府の重要な諮問機関でございます。各般の御意見を十分消化して自治省を中心に適切な御対応をいただく、こういうことではなかろうかと思っております。
○細谷委員 いまの八木さんの意見の中に自治省を中心に、こういうことをおっしゃっておりますが、この言葉は大変重要だと思いますから、ちょっと留保いたしまして先に進ませていただきます。 大蔵省、いらっしゃっておりますか。——新聞等で伝えられるところによりますと、所得税と都道府県の住民税と市町村の住民税とを一本化していくことが、いわゆる徴税を一元化することが結構じゃないか、そしてその徴税は国で全部徴収しよう、そして県や市町村の住民税というのを付加税的なものにしていこう、こういうことが臨調の議論の重要な課題になると報ぜられておりますが、そういうことについて大蔵省なり自治省なりで意見を聴取されたことがあるかないか、お答えいただきたい。
○真鍋説明員 御質問の趣旨は、臨調のサイドでただいま先生おっしゃられました徴税の一言化、徴収の一元化といったことについて、自治省及び大蔵省から意見を聴取されたかという御質問だと思いますが、それに関しましては、十月三十日であったかと思いますが、意見を聴取されております。
○関根政府委員 行革の臨調の部会におきまして、自治省もその問題につきまして意見を聞かれております。
○細谷委員 そのときに自治省は、やむを得ない、天の声でありますからやむを得ないという意見を申し上げたんですか。大蔵省は、それはもう国税庁で一本でやることは結構だ、こういう意見を申し上げたんですか。あるいはノーということを両省とも部会の方に答えたんですか。その辺はいかがですか。
○関根政府委員 徴税の一元化という話になりますと、どこをどう一元化するのか、いろいろな解釈、やり方もあろうと思いますけれども、私どもは、いま先生がお話しいただきましたように両方一緒にしてしまって付加税みたいな形で住民税を取り扱う、そういう方向での物の考え方には、これは地方自治の基本問題に触れる問題を含んでおりますので、こういうことはできません、それは困ります、反対ですという意向を表明しております。
○真鍋説明員 ただいま大蔵省が意見を聴取されております、こう申し上げましたが、正確に申し上げますと、聴取される用意はあったのでございますけれども、その場では私どもは見解を申し述べておりませんので、ちょっと訂正さしていただきます。
○細谷委員 新聞によりますと、この説明をしに行ったのは税務担当の津田審議官のようであります。津田審議官はいま局長が答えたように、国税と地方税の所得税と住民税は、課税標準を一本にする、徴収事務を一本化する、すべてを国が徴収し地方に配分するなど、そういうことがあるが、一本化する場合の問題点としては、自分の税は自分で徴収するとの地方自治の原則に抵触する。課税最低限と税率の掛け方が国と地方で異なっている、所得税と住民税では。しかも住民税には、県民税は二段階比例税率、市町村民税が十三段階、所得税は十六段階か十七段階と違っておる。 課税最低限というのは、特例がありますけれども大体法律上のたてまえは、住民税は百六十万くらい、所得税は二百万、こうなってまいりますと、技術的にも大変なことでありますけれども、天の声だからこれは出てくると大変なことになって、津田審議官がそれはできませんというような意味のことを言ったようでありますけれども、大蔵省はこれについては態度不鮮明ですね。どうなんですか、もう一度答えていただきたい。
○真鍋説明員 大蔵省といたしましては、やはり基本的な物の考え方といたしまして、一方では行財政の効率化ということは推進していかねばならないということ、並びに常々納税者の義務負担の簡素化ということは考えていかなければいかぬということから、そういった一本化の話——程度の差、バリエーションはいろいろあると思いますが、そういった物の考え方というものは、十分検討に値する問題ではないかというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、いろいろ問題があるわけでございますから、今後とも幅広い観点から勉強していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○細谷委員 これも新聞の報道でございますけれども、参議院の降矢委員の質問に対して、税調と臨調との関係でございますけれども、圓城寺会長代理がどう言っているかというと、問題の性質にもよるが、五十八年三月まで臨調の任期があるので、答申実施などを求める意見表明や監視機関をつくることもあり得る、臨調の答申がぴたっとできねば、任期中はとにかく監視でもする、こう言っておる。 それを受けまして、国と地方が別個に扱っている所得税、法人税と住民税を国が一括徴収する構想について臨調の部会が検討した結果、もしそういう問題が出てくれば調査会としても——税調ですよ、検討することはあり得る、こう言っておるわけであります。あり得るというのですよ、やるとは言っていないのです。これは、税調はそれなりの一つのオーソリティーを示しておるものだろうと思うのです。 そうしますと、これもまた地方制度調査会等でもこの問題が出てくると思うのですけれども、自治大臣の姿勢としては、この問題についてどうお考えなんですか。税調がオーソリティーを持っているでしょう。やるかやらぬかというのはおれたちの自主的な判断でやるのだ、こう降矢質問に答えているのですよ。自治省としてはどうしますか、そういう答申が出てきた場合。臨調の方は監視するというのですよ、天の声で。背景は総理大臣がおるわけですから、あなたは首をかけてでも地方自治の本旨というものを守り抜くつもりかどうか、お答えいただきたい。
○安孫子国務大臣 その監視をするというのが一体どういうことなのか、私にはまだよくわからないのです。監視をする制度をつくる必要があるというのはどういうことを一体考えておるのか、この辺が全く私にはわかりませんから、いまそれについてどうするのだと聞かれましても、御返事のしようもないわけです。その監視するということは一体どういうことをやるのかがややはっきりしてきたならば、見解を述べる機会はあると思います。
○細谷委員 これは監視の定義とかなんとかという問題じゃないですよ。圓城寺さんはこう言っているのですから、任期が五十八年三月まであるから意見表明や監視機関をつくることもあり得ると。これは断定しているのですよ。とにかく臨調の答申は何としてでも天の声、真っすぐにやらせる、やらなければ監視機関をつくることもある、こう言っているのです。ですから、いまは確かにおっしゃるような状態にはなっておりませんけれども、これは基本的な姿勢としてお尋ねしているわけです。 そこで、もう一つ自治大臣にお尋ねいたしますが、新聞等によりますと、これもまた重大な問題でございますけれども、臨調の第三部会で道州制の提言が日商からあり、そして関経連から地方庁構想というのが出ておるのです。これは、現在の府県まで廃止してしまうというわけですよ、市町村をどうするのかはちょっとわかりませんけれども。 これに類似した構想というのが、過去に地方制度調査会でも検討されたことがございます。たとえば、三十二年の十月に第四次地方制度調査会が地方制度の改革に関する答申、これは十六対十四かの多数でこの構想が可決されております。当時、府県廃止論だということが喧伝されたことを私ども記憶しておるわけですが、これであります。それから、第十次の地方制度調査会が府県合併に関する答申、こういうものを行いました。府県合併に関する答申というのは、その後国会にいわゆる府県合併についての法律が出されましたけれども、とうとう成立いたしませんでした。 第四次の地方制度の改革に関するいわゆる道州制、府県廃止ということについては、自治省はただ答申を受けて何ら反応しませんでした。これは自治省としては、地方制度のあるべきものについてそれをきちんと受けたと思うのですよ。自治省らしく、地方自治の原則に基づいて受けたと思うのでありますけれども、今後仮に道州制という問題が出てきた場合には、自治大臣としてはどう対応するのですか。——自治大臣は余り詳しくないかもしらぬから、まず行政局長ひとつ答えてください。
○砂子田政府委員 お話のとおり、昭和三十二年の答申のときに地方制の答申がございました。中身は半官治的のような答申でございまして、お話のように中で大変論議が沸騰したことを私も覚えております。その後、おっしゃいますように府県合併の問題あるいは連合の問題、そういうのが次々といろいろ打ち出されてまいりました。これは、当時の地域開発なり広域行政というものを論ずる過程の中で、都道府県が果たしてそういうことをやり得る能力があるだろうかということが、そのときの論議の中心であったようでありました。しかし、昭和四十年後半の姿を見てまいりますと、都道府県の権限、能力あるいは財政的な力、そういうことを見ておりますと都道府県自身の力というのが大変ついてまいりまして、いまおっしゃられましたように四十年度以降というのは、道州制の問題でありますとか府県合併の問題というのが余り論議をされなくなりました。私はそれは、一つは全体的な地方自治の流れから見て、社会経済の変化に対応する力というのが、それぞれの市町村、それぞれの府県において対応できるものだというふうに、社会一般が認識をしたからだと思っております。 この問題は、いまお話しのように、第三部会で関経連なり日商からいろいろお話を聞いておりますが、その二つの考え方も、部会で述べられておる問題は異なっております。日商から出ておりますのは、いまお話がございましたように、完全に公共団体とする道州制案でありまして、関経連から出ておりますのは国の出先機関を統合するという意味での道州といいますか、そういう考えでありますから、経済界の中における考え方もまた異なっております。実は私自身も第三部会に呼ばれまして、道州制についての自治省の考え方を聞かれましたから、私自身はいまそういうことを考えるつもりもないし、やったところで余り益のない話だということは申し上げてありますけれども、広域行政というものをどうするかという一つの考え方の中に、そういう問題が依然として低迷をしていることは事実だと思っております。 ただ、この問題につきましては、さきの衆議院におきまして私の方の大臣からお答えを申し上げましたように、道州制の問題に関しましては自治省は非常に消極に解するということをはっきり申し上げておりますので、そういう臨調からの答申が出てまいりましてもという仮定のことで申し上げるのは恐縮でございますが、出てまいりましても、この問題についてそれが直ちに制度化できるかということになりますと、やはりもう少しいろいろな角度からの検討をしなければいかぬだろう。 逆に言いますれば、二、三日前にやはり行革委員会で総理がお答えをしておりましたが、臨調からそういう答申があっても、政府のいろいろな審議会でありますとか調査会でありますとか、そういうところでまた論議をしなければならぬという問題もあるでしょう、そういうところでまたいろいろ論議をしてもらって議論を詰めなければいかぬ、それを最終的に政府が判断するということも総理は申し述べておりますので、仮定の問題としてお答えをするのはあれですが、もしそういう問題が出てまいりましても、やはりこれはもう二度地方制度調査会の中できちんとした議論をしてもらって、それがどうなるかということでない限り、私たちの方がいまこれについてどうのこうのと言うことにはなかなかならないだろうというふうに考えております。
○細谷委員 消極的だと言うけれども、いままでの経過を見ますと、やはり地方自治という観点に立って自治省としては否定的だ、あるいはこの問題について否定しておる、こう私は見ております。かつて東海三県の都道府県合併の問題を持ち出したことについては、やや高度経済成長のあれに悪乗りした感がございますけれども、いずれにしても地方自治の原則を守ろうということで真剣に取り組んでいる。したがって、言葉は消極的であるけれども否定的だ、私はこう思います。 〔委員長退席、安田委員長代理着席〕 ただ問題は、今日の臨調に対する風潮というのが、全く神様以上の権能を持ったような風潮があるところに、私が心配をしておる点がございます。もちろん、九人の委員あるいは専門部会を担当している人はりっぱな人であり、見識を持っていることは認めますけれども、残念なことには、国と地方との関係については中央集権をさらに進めようという立場の人がどうも多くて、国と地方との間あるいは地方自治の実態ということは余り御存じない人が大部分じゃないかと思うのですよ。りっぱな人であって、そしてそういうものにとらわれないでフリーに結論を出すということが期待されるわけでありますけれども、また反面、思いつきで結論を出す心配があるわけですよ。 この専門部会をやっている東大の公文教授あたりはどう言っているかというと、こういう問題を本格的に行革ということでやるのは、三十九年のときは二年数カ月でやりましたけれども、今日の段階においては十年ぐらいの慎重な論議を経なければならぬというような意見を言っております。私も、大胆にやることは結構でありますけれども、とにかく素人が思いつきで暴虎馬河のように突進することは、またいかがかなと思うのです。そういうことでありますけれども、現実にそういう心配が私にはあります。現実にそう出ておりますから。 そこで、行管の八木さんと自治大臣に、当事者にお聞きしたいことは、今後、臨調の答申が地方制度調査会なりあるいはその他の委員会、審議会と意見が大きく食い違うときには、これはオーバーラップしなければだめだと私は思っております。特に国と地方との関係については、これは地方制度調査会の領分だとか、これは臨調の領分だなどという領分争いをしておる問題ではあ初ません。お互いに徹底的に審議をして、しかしオーバーラップしたところについてこれをどう処置するかということについては、すぐれて長い間そういう問題に取り組んできたところの意見が中心にならなければいかぬ。先ほど大蔵省も中心だと言っておりましたが、まさしく中心にならなければいかぬ。 この問題については、たとえば国の財政の問題については臨調が何と言おうとも、どういう答申を出そうと、食い違いがあっても、あるいは地方の財政の問題、行政の問題について地方制度調査会と食い違いが起こった場合には、関係の財政審議会なり地方制度調査会なり、そういうものの意見がやはり優先されなければならない、こういう姿勢だけはきちっとルールを詰めておかなければならぬと思うのでありますけれども、自治大臣はそういう態度でいこうとするのか、行管の方はそういう姿勢を貫いていくつもりかどうか、お答えいただきたい。
○八木説明員 臨時行政調査会は行政改革の重要な審議機関であるとは考えておりますが、ただし、これはあくまでも法律上は国家行政組織法第八条に基づくいわゆる審議会の一つでございまして、その他に政府には多数の審議機関があるわけでございまして、たとえますと、今回の行革関連特例法案の立案過程におきましても、必要的付議を要する各種の問題につきましてはそれぞれの所管の審議会にかけ直すという手続をとり、最終的には政府自体の責任において決断をいたした、各所管大臣のいわば検討を中心にいたしまして政府部内で協議をした末、最終的に政府自体の責任において決定をいたしたという手順をとっているわけでございます。 今後の行政改革の問題につきましても、たとえば地方制度、たとえば財政制度といったこの種の問題につきましては、当然御所管の各省におかれまして第一次的には十分慎重に各方面の御意見に目を配られまして御検討いただき、かつ政府全体の行政改革推進の基本方針の枠の中で十分練りに練っていただきまして、かつ必要があれば所定の手続を経て立案に至るべきものであると考えております。
○細谷委員 八木さんにそこまで答えていただいたのですが、私はこの雑誌に出ているあなたの論文も読んでいるのです。この論文を読んでいますと、あなたの言葉の背後に流れておるのがどうもやはり中央集権の方向に行っているような気がするものですから、お答えいただいたのです。いまの姿勢でやっていただいて、少なくとも主管大臣からそういう結論はよこしまだというふうな言葉が出ないように十全の措置をとっていただく。調査会というのは総理の諮問機関あるいは大臣の諮問機関として幾つもあるわけですから、そういうものの調整をとっていただく。同時に、国会の審議がいつ行われたかというぐらいはあなたの方もよくのみ込んで対応をしていただきたい、こう思います。いかがですか。
○八木説明員 法律案の関係につきましては、先ほど答弁漏れをいたしまして恐縮に存じます。たまたま、法律案の資料が手元にございませんでしたものですから、申しわけないと思っております。 冒頭のお尋ねにつきましては、私は、社会経済情勢の変化に伴いまして行財政の全般的な見直し、こういう流れの中で今回の行政改革は進められるべきものではなかろうかと思っておりますけれども、十分各種の御意見を承りながらこれを消化いたしまして、政府部内でバランスのとれた成案を得るべきものではなかろうかと思っております。
○細谷委員 もうちょっと議論したいのですけれども、時間がありませんから、少し税制の問題についてお聞きしておきたいと思います。 五十六年度の九月末の租税及び印紙収入、こういうものの調べが終わっておりますけれども、これを拝見して私が非常に心配しておる点は、税全体として伸びが著しく停滞している。なかんずく、法人税については前年同期と比べましてわずかに九〇・六%、こういう状況でございます。こうなってまいりますと私は大変だと思うのでありますけれども、この九月の徴収実績を見て大蔵省としてはどういうお見通しを持っているのか、お聞きしたいと思います。
○真鍋説明員 法人税の税収が、仰せのとおり予算額に比べても必ずしも十全でないということであり、伸びの点についても必ずしもはかばかしくないという点は、実績に関する限り仰せのとおりでございます。これに関しましては若干特殊要因もございまして、実は五十五年度といいますか、ことしの三月の決算におきまして、通常であれば延納に係るものが、かなりの金額即納ということで五十五年度の税収に上がってしまったという点もございます。そこの点もございますが、全体として必ずしもこれまでのところ、はかばかしくないということは事実でございます。
○細谷委員 私は、経済の実情を反映すると見られる税目、こういうものを拾ってみました。たとえば源泉所得税を見ますと、昨年同期と比べますとおおよそ四ポイント程度落ち込んでおります。申告もそうであります。法人税については、大体五ポイント強落ち込んでおるわけです。酒は結構売れているようでありまして、この辺は大体前年と余り異動はないようでありますけれども、全体としては三・四ポイント税が落ち込んでいる。 そういういまの特殊事情があるにいたしましても、これはやはり景気動向というものをきちんと反映しておると思われますので、大蔵大臣がしばしば言うように、この税収確保というのは容易ならぬ。特に、昨年度は前半がよくて後半に落ち込んだわけでありますけれども、本年度は前半が悪くて後半持ち直す、こういうふうに言われておりますけれども、どうも持ち直す気配がなかなかないんじゃないかという気がいたしますので、そういう点、私は強く心配しておる点を申し上げたいと思います。 こういう状況を受けまして、自治省の地方税の関係を拾ってみますと、九月はどうなっておるかといいますと、昨年法人事業税は九月に収入率が五二%であったものが今度は四九・七でありますから、約三ポイント近く法人事業税が落ち込んでおります。それで、全体としての調定額を見てみますと、昨年と比べましてわずかに七%しか伸びておりません。一〇六・九でありますから七%程度しか伸びておりません。地方財政計画で見込んでおる税収は、法人事業税では一四・八%の伸び、こういうものを見込んでおるわけですね。こうなってまいりますと、地方税においてもかなりの落ち込みがあるのではないかと思いますけれども、どうお見通しか。
○関根政府委員 御指摘ございましたように、九月末現在における地方税の徴収状況はやはり余り伸びがよくありません。特に、法人関係税におきまして伸びが悪いということでございます。先生お話がございました事業税につきましても、財政計画では前年の当初との対比でございますから一四・八%の伸びでございますけれども、決算対比におきましては、今年度地財計画の収入額目標額を達成いたしますためには対前年度比一七・七%を確保しないといかぬということでございます。それに比べまして、先ほど御指摘の九月末現在で対前年度同期比で六・九%しか伸びておりませんから、実質的に目標に対しまして一〇・八%落ち込んでいる、こういうのが実情でございます。 一方、自動車関係の税は、ここへ来ましでわりかし伸びが強くなってきておりまして、自動車がわりかし売れているということもあるのでしょう、自動車取得税なり自動車税それから軽油引取税、この辺はわりかし伸びております。しかし、全体として法人関係税の落ち込みをカバーし切れるほどには強みがないということだと思います。 これからの見通しでございますが、何せウエートの高い九月の決算がまだ出ておりませんので、これを見た上でないと私どもとして、今年度全体の税収についてどうなるかということを申し上げかねる状況でございます。
○細谷委員 税務局長まで、九月決算法人の数字が出てないから見込みが立たぬなんという言葉はよろしくないですよ。あなたは専門でそれで飯食っているのでしょう。大体、九月決算なんて十一月末には出るわけでしょう。ずっと情報を見ていると、どの辺行っているかということはもうわかるはずですよ。総理大臣のような、あるいは自治大臣のような言葉で逃げてはいかぬですよ。まともに答えていただかなければならない。 そこで、お尋ねしたいわけでありますけれども、いま私が取り上げている法人事業税を例にとりますと、奇妙な現象というか、心配すべき現象が起こっておるわけであります。一番悪いのが山口県です。前年と比べて法人事業税はわずかに八八%しか入ってない。それから、いま自動車の売れ行きはまあまあだとおっしゃいましたけれども、自動車の売れ行きで非常に大きな税収を賄っておるはずの愛知県、しかも今度は出世しまして不交付団体になったわけですよ、大阪を抜いて。大阪は交付団体ですよ。愛知県は不交付団体になった。その愛知県の税収の大宗である法人事業税が九二%です。九一・八%、こういう状況になっている。間違いなく自動車の落ち込みというものを愛知県もカバーできておらない、こう言っております。 秋田県とか佐賀県を見てみますと、三〇%とか四〇%ばかり伸びておるのです。それはどうしてかというと、去年日銀の法人事業税がゼロであったものが配られたので、そういうところが、税収の少ないところが日銀の八百数十億の法人事業税を配ったために率がよく出ているのであって、これは法人事業税だけでなくほかの税を見ますと、何もそれがうまく湿ってはおらぬわけですよ。 こういうことを見てみますと、東京都ですらも目標を達しておらぬわけです。約一割ぐらいですから、七ポイントぐらい落ち込んでおるわけです。ですから、私は大変心配をいたしております。この実態を認めるのか。私が申し上げたいことは、都道府県の間において、地方の間におきまして、あるいは企業間におきまして、業種別におきまして、いろいろな格差が拡大をしておるというのが今日の経済でありますから、それがきちんと反映しているのではないかと思っておるが、私の指摘したことが事実かどうか。あなたの方の資料で申し上げているのですから。私のミスリードなら別ですよ。
○関根政府委員 御指摘をいただきましたことは、私どもの調べております数字とぴったり一致をいたしております。地域間の格差が大変あるということも事実でございますし、それから愛知県の法人税収が大変落ち込んでおります。これは主としてトヨタ関係の法人税収が対前年度で大変悪い。直接トヨタ関係だけで百五十億程度、関連産業まで入れますと百九十億程度落ち込んでおるというのが実情です。これが大きく響いているのではないかと思います。 それから、先ほど見通しの問題について申し上げたわけでございますが、もちろん的確な責任のある見通しが申し上げられないということでああいうふうに申し上げたわけでございまして、私どもも非常に心配をいたしております。
○細谷委員 そこで、時間もありませんから、最後に財政局長。 最近の新聞で私の拝見したところでは、九月定例会の補正後の都道府県の予算の状況を発表してあります。これは自治省が発表した。東京都と三重県と徳島県の三つを除いた四十四県で補正がされておりまして、新聞の報道するところでは補正規模は四千九百六十三億円である。そのうち普通建設事業が二千四百三十九億円で、前年比二・七%の伸びとなっております。この普通建設のうち、単独事業が千三百十五億円の増でありまして、前年比一〇・五%の伸びであります。予算全体の補正の伸びは七・一%、普通建設の伸びは二・七%、単独事業は一〇・五%。言ってみますと、都道府県はいま申し上げたような地域的な経済の不均衡あるいは不況地域、こういうものを救おうとして大わらわになっておると言えると思うのです。 ところが、その財政措置はどうしたかといいますと、地方税は二百三十二億円しか見込んでないわけです。地方債は千二十五億円見込んでおります。私は、この地方の九月段階における補正を見て、経済の実態に即応して各県がかなり思い切った借金による経済対策——御承知のように政府も、十月二日の「五十六年度下期の経済運営の基本方向」、この中におきまして、公共事業は完全実施しよう、不況地域での地方単独事業の追加をひとつ大いにやろうじゃないか、政府の方が決めておるわけです。それを受けて地方は、実態に即応するように単独事業でひとつ景気の浮揚の一助にしようということを予算措置いたしました。この新聞報道はそのとおりか、お答えいただきたい。
○土屋政府委員 一々挙げられました数字、ちょっと手元に照合するものを持っておりませんが、いまお述べになりましたように、公共事業が二年続きで横ばいであるというようなこともございます。また、地域による経済の伸びの破行性あるいは業種間の差というものもございまして、地方団体は、それぞれの地域の実態に応じていろいろと、地域経済の浮揚といったようなことも含めて努力をしておるわけでございます。全般的に九月の補正で、都道府県の補正後の予算が前年度に比べてたしか一〇・六%だったと思っておりますが、そういう状況になっておることはおっしゃるとおりでございます。
○細谷委員 大蔵省の主計官いらっしゃいますか。——お尋ねいたしますが、そういう実態で、単独事業を一つのてこにして不況地域についての対応を都道府県がかなりしております。市町村もやはりしておるわけですよ。そうなってまいりますと、私が申し上げるのは、さっき行管に申し上げたように、「地方財政運営の指針となる地方財政計画において、一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制する。」しかも一・八%の一般歳出の伸びというものを、安倍政調会長も大蔵大臣も最近さらに一兆円ぐらい切り込もうと言う、そういう中において、これではなかなか対応できない、抑制する、こう書いておるのですから。たとえば一・八%の伸びを、一兆円は切り込まぬでもまあ切り込んで、たとえば九五というようにマイナスに切り込まれたといった場合に、地方財政計画もそうならなければいかぬということになりますと、とてもじゃないが単独事業もできない、経済の実態に対応できない、こういうことになりかねないと思うのですよ。 そこで、大体答申が、構造的にも違っておる三千三百の市町村の合計である地方財政計画をつかまえて国の歳出と同じにしなければいかぬと言うのも、ちょっと思い切り過ぎじゃないか。裏からいきますと素人過ぎるのじゃないか、こういう感じがいたします。一般会計の伸びを国の一般歳出と同程度にするように努めるとかなんとかなら別として、抑制すると言い切っているところに問題があるわけですから、この件について、大蔵省としては予算編成も近づいたことでありますので、どう考えておるのか、どう対応しようとしておるのか、これをお伺いすると同時に、自治省のお考えも承っておきたい、こう思います。
○八木橋説明員 お答えします。 来年度の地方財政計画をどういうかっこうに持っていこうかということにつきましては、まだ詰めてはおりません。この件につきましては、年末にかけまして自治省と十分相談いたしました上で、国と地方がそれぞれ整合性のとれた適正な財政運営ができますように配慮してまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○細谷委員 八木さん、大蔵省はやはり実態に合うように対応する、こう言っておるわけですよ。あなたの方は抑制すると言い切っているから、これは金科玉条で守るんだということは、天の声だからということで大蔵省の上にあるというような態度ではいかないでしょうね。一言。
○八木説明員 臨時行政調査会はあくまで一つの審議機関でございまして、最終決定は政府自体の責任かと存じております。自治省と大蔵省を中心にいたしまして政府部内で適切な結論を得たい、こういうことでございます。
○細谷委員 終わります。
○安田委員長代理 午後一時に再会することとし、この際、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 私はこれから、昭和五十四年の七月十一日に死者七名、負傷者四名、被害車両百七十三台に及ぶ大きな交通事故を発生いたしました日本坂トンネル問題について、若干の質疑をいたしたいと存ずるわけでございます。 まず最初に警察庁にお伺いをいたしますが、約二年を経過して、この事故原因、特に刑事責任を問われるところの事故の原因について、調査を進めてこられて結果が出たわけでございますけれども、何といっても、今後こういうような大きな事故が起きないためには事後の処理が一番大切であるわけでございまして、事故の未然防止のために、また今後の被害者救済という立場を考えてみても、これらの問題についてきちんとしておかなければならないと思いますので、警察庁のいわゆる刑事責任を中心としたところの調査結果についてお伺いをいたしたいと存じます。 その中で、特に警察庁から御報告いただきたいのは、事故の第一原因が個人に帰せられておるわけでございますけれども、どのような調査、鑑定をされたのか。これから裁判も起こるわけでございますから、捜査上説明し得ない部分はあるといたしましても、できるだけ詳しくまず御報告をいただきたいと存じます。
○久本政府委員 警察庁の交通局長でございます。事故の関係につきましてお答えを申し上げます。 本件の事故が発生いたしましてから地元静岡県警察におきましては、交通部と刑事部を中心にいたしまして捜査本部を設けまして、トンネル内における関係車両の追突事故、火災による車両の炎上及び延焼、これに基づく関係者の死傷等につきましての一連の業務上過失致死傷事件の捜査を進めたところでございます。 このうち、発端となりました六台の車両が関係いたしました多重交通事故につきましての過失責任の捜査につきましては、事故発生以来おおむね二百名余に上る目撃者及び関係者の取り調べ、実況見分及び現場検証ないしは学界の権威の方々による鑑定を積み上げてまいったところでございます。その結果、追突事故関係車両の運転者三名、これは生存者一名、死亡者二名でございますが、これの過失責任を一応決定いたしまして、本年の七月三日、生存の一名を逮捕いたしまして、翌七月四日、静岡の地検に身柄をつけて事件を送致をいたしております。残る二名の死亡した運転者につきましては、本年九月十四日、被疑者死亡ということで事件を静岡の地検に書類送致をしているというのが処理の概況でございます。 なお、道路管理者に係る過失責任の捜査につきましては、刑事局長の方からお答えを申し上げるようにいたしたいと思います。
○中平政府委員 ただいま交通局長の説明にもございましたように、警察といたしましては交通事故の捜査と並行いたしまして、日本道路公団等施設の管理者の刑事責任の有無を明らかにするために、交通事故により右下腿骨骨折の重傷を負われ、避難の途中トンネルの中で焼死したと認められる死亡者一名、同じく避難の途中トンネルの中に充満しておりました煙を吸引して傷害を負った負傷者二名、この方々に対する業務上過失致死傷罪の容疑事犯ということで、事故発生以来捜査員約二千五百名余を投入いたしまして、防災施設の設置、維持管理、それから初動における措置等につきまして、日本道路公団等の施設の管理者、消防の関係者それから事故現場の通行の車両の運転手等約二千五十名の者から事情を聴取し、あるいは現場の検証をし、それから部外の専門家による鑑定、こういう所要の捜査を推進いたしたわけでございますが、結論について申し上げますと、日本道路公団関係者の刑事責任についてはこれを認めることが困難である、こういうふうな結論に達しております。 その理由を申し上げますと、まず防災施設の設置につきましては、日本坂トンネルには当時建設省から示された設置基準以上のものが一応設置されておりましたし、その後昭和四十九年に改正されました設置基準に照らしましても何ら遜色が認め得られない。そしてまた、今回のような交通事故による車両大火災につきましては、法律上、予見可能性ありとして業務上の過失責任を認定することは困難であった、こういうことでございます。 次に、その防災施設の維持管理の問題につきましては、これはいずれも部外に委託をして点検整備がされておりまして、これにつきましても、特に刑事責任を追及できるような不注意、手落ちというものは認められなかったわけでございます。 また、事故発生時の初動の措置につきましても、監視カメラの装置とか水噴霧装置、スプリンクラー、それからトンネル内の「進入禁止」の標示等は静岡のコントロール室において、公団の内部で決められた一応の手順に従って操作されたものと一応認められまして、特に刑事責任を問うような手落ちというものは見受けられなかった。おおむねそのような結論に、現在のところ達しているところでございます。
○石田(幸)委員 警察庁の見解は御報告を受けたわけでございますけれども、私どもとしましてはいろいろな問題点が内在をしているように思うわけでございまして、それについてもう少し突っ込んだお答えをちょうだいいたしたいわけでございます。 そこで、刑事責任は不問との結論に達したのでございますけれども、犯罪成立の要件としては、一つには構成要件の該当性の問題、それから違法性の問題あるいは有責性という問題があるわけでございますが、いずれの面で要件が欠けるというふうに判断をされたのか、あるいはそういう問題についての判断はどうなのか、ここら辺についてももうちょっと御説明をいただきたいと存じます。
○中平政府委員 先生御案内と思いますが、業務上過失犯が成立するためには、この構成要件として行為者の注意義務違反がまず必要でございます。この注意義務の内容は、結果の発生を予見する義務と結果の発生を回避する義務から成り立っておりまして、この注意義務違反の認定につきましては、法律、規則等の法令違反はもとより、条理とか社会通念に照らし、具体的な事情に応じて決定すべき事柄でございます。 今回の日本坂トンネルの事故につきましては、道路管理者に対し、防災施設の設置及び維持管理、事故発生時における措置等につきまして、過失の有無を厳重に捜査いたしたわけでございますが、ただいま申し上げましたように、事故発生当時、日本坂トンネルには建設省の示す基準以上の防災施設が設備されておりましたし、維持管理についても特段の手落ちがなかったような状況であるし、事故発生時の措置についても刑事責任を追及するに足りる手落ちが認められなかった、こういうことでございます。 なお、そうした注意義務の違反があって、そして死傷という結果との間に因果関係があるということになれば、これまた構成要件の内容をなしておるわけでございます。ところが、ただいま申し上げましたように、注意義務違反の段階におきまして、鋭意捜査を遂げた結果、まず前提としてどうもそこには違法性が認められないということで、一応先ほど申し上げましたような結論に達した、こういうことでございます。 法律論として申し上げれば、構成要件の該当性の問題であり、もう一つは、要するに過失というのは、御案内のようにこれは責任要素でございますから、法律的に純粋にとらえればそういうことだというふうに考えております。
○石田(幸)委員 その注意義務違反の問題で、なお問題があるというふうに私は疑いを持たざるを得ないわけですが、その一つの大きな要素は、このトンネルを完成し、使用を始めるときの状況、それから事故発生時は約十年経過しておるわけですね。そうなりますと、自動車の通過車両数の問題であるとかあるいはスピードの問題であるとか、そういうような構成要件というものが変わってくる。ここら辺について全く予見できないというふうに考えるのは、いささか公団側に手落ちがあったのじゃないか、これだけ大きなトンネルについては、そういうような社会情勢の変化に対応すべく十分な研究をしておかなければならぬはずだ、こう私は思うわけでございます。 また事故の内容についても、そこで起こった問題については、たとえば被害者のアンケートによりますれば、後続車の運転手は火災の発生を他の運転手の通知によって知り得た、公団側の情報はほとんど功を奏していなかったというような話もありますし、あるいは公団の誘導指示というものが果たして適切であったかどうか。特に事故想定という問題については、こういうような大がかりな事故想定というものはいままで交通安全特別委員会で議論をされた中では出てこない、きわめて小さな事故を想定した上でのそういう問題でございます。したがって、そういう観点に立っての警報装置なり誘導の措置というものが考えられる。 それから、スプリンクラーの問題ですね。これも交通安全特別委員会での公団の理事者の説明によれば、あのような大火災にはスプリンクラーは効きませんということを明確に述べられておるわけですね。あるいは、消防車と消火栓の口金が合わなかったということも前回の委員会においては指摘をされておるわけでございまして、そういう問題を全く不問にするということはどうも疑問がある、こういうふうに考えるわけでございますけれども、ここら辺の問題についてもう少し御説明をちょうだいいたしたいと思います。
○中平政府委員 これは御案内と思いますが、私どもは厳格な証拠に基づいて刑事責任を追及するという立場でございまして、この種の問題で刑事責任を追及するという立場の幅というのは、これまた先生御案内のように、行政とかほかの立場と違いまして非常に厳格な内容をなすものでございます。 したがいまして、その予見可能性の問題につきましても、ただいま先生の御指摘のございましたように、十年もたてばずいぶん状況は変わっているじゃないか、そんなものは当然予想できるはずではないかというのは一般のお考え方であろうかと思いますが、しかし刑法上、要するに予見可能性ありとして私どもが刑事責任を追及していくためには、まず、前提としての行政が一体どういうふうな指導の基準を示し、どういうふうな改善を重ねるかということが、そうした監督を受けている立場の者についての刑事責任をつく上の非常に大きな一つの要素になるわけでございます。大きな結果が起これば、そんなことは初めから予想されていたから、起こったものについてはすべてその管理者の責任だということになりますと、これまた法律的に刑事責任を問うという観点からいくと、非常に無限の広がりを見せるわけでございます。 したがいまして、そうした現実に行政がとのように指導し監督をしているか、その行政の指導とか監督に従って、平素の設備なり維持管理なりあるいは具体的な措置がとられておったかということがまず基本になりまして、その上に立って、やはりそうした状況の変化を踏まえた問題を含めて予見可能性、こういうふうに私どもは解釈しているわけでございまして、ただいまの問題は、刑事責任を問う上からはそういうふうに御理解をお願いいたしたい。 そのほか、たとえばスプリンクラーの問題につきましては、私どもの鑑定を依頼した方の御意見でも、確かに火を消す力はない、ただ延焼を防止する程度の力はある、こういうことでございます。これは、設備としては大規模な事故には対応できないということは事実ではございますが、これも初めに申し述べましたように、建設省が当時指導した設置基準の中には、スプリンクラーの設置が義務づけられていないわけでございます。したがって、それ以上の設備を一応設けておったということで、直ちにそのスプリンクラーが十分にそうした機能を果たさなかったから刑事責任ありというところにはなかなか持っていきにくい、こういうことでございます。 それから、消火栓と消防車の口が合わなかった、こういうことになっております。確かにそういう事実はあったようでございますが、この問題につきましては、その消火栓と消防車の口とが合わなかったから直ちにこれは過失責任ありと言えるかというと、これまた若干問題があると私は思いますし、具体的な問題になりますと、亡くなった方、負傷された方との間の因果関係、つまり、消防車があの時点で駆けつけてきておっても、亡くなった方なりあるいは負傷された方の救出は、どうも私ども、その死体の見分とかそれからいろいろな状況等を総合的に判断しますと、その間の因果関係もちょっと認めにくいではないか、そういうふうなことで管理責任が問えなかったということでございます。 私どものこの種の事件に対する基本的な立場というのは、これは管理責任というものは徹底して追及すべきである、こういう立場で臨んだわけでございまして、この事件につきましても同様の姿勢と方針で臨んだわけでございますが、ただいまるる申し上げました状況から刑事責任の追及には至らなかった、こういうことでございます。
○石田(幸)委員 それでは問題をちょっと変えまして、消防庁の方にお伺いをするわけでございます。 これは今後の適切な改善措置は別としまして、第一義的には消火栓の作動という問題についてはドライバーがやらなければならないというふうになっているのですが、一般的に考えて、こういうような緊急時に消火の責任をドライバーに要求するのは妥当であるのかどうかというのは大分問題があるのではないか、私はこういうふうに思うのでございますけれども、ここら辺消防庁はどんなふうなお考えでございますか。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 消火栓でございますが、いま先生お示しのございましたのは、本来消防隊が使用するために設けております消火栓の場合には、これは一般の方々は使えないだろうというふうに存じております。ただしかし、そういうものではございませんで、いわばそこで一般の方々が使える消火装置というものがあるわけでありまして、たとえば日本坂トンネルの例をとりますれば、今回、ホースリール型の簡易な一般の方々も使える消火栓というものを新たな設置基準に入れておりまして、そういうものは使えるだろうというふうに考えておるわけでございます。
○石田(幸)委員 ドライバーでなくても一般人が使えるような装置ということでございますけれども、しかしトンネル内の大きな事故というものを考えてみますと、これはドライバーにもそういうような予備知識というものを与える必要があるのじゃないかなという気すらするのですけれども、これは免許交付に当たってそういう問題は考慮せずともよいのかどうか、ここら辺の問題について警察庁の方で何かお考えがございますか。——消防庁の方になりますか、どうぞ。
○石見政府委員 一般の方々が若干の訓練をしていただければ使えるというのが、ただいま申し上げました、たとえば日本坂トンネルに設置をいたすことになりました、また設置をしておりますホースリール型の消火栓あるいはまた一般の消火器でございます。これにつきましては、一般の方々が若干の訓練と申しますか、少し取り扱いを御理解いただきますればすぐに使えるわけでございまして、われわれの家庭でも消火器などを備えておるのと同様な扱いでございます。そういう意味におきまして、私どもといたしましては機会あるごとに、たとえば防火週間でございますとかあるいは防災の日等々を通じまして、それぞれの消防機関におきまして、地域の一般の方々あるいはまた事業所に対しましてそういうものの緊急の場合の取り扱いを訓練していただきたい、あるいはまた必要に応じてそういうものを備えていただきたいということをかねがね消防機関を通じて御指導申し上げているところでございます。
○石田(幸)委員 それでは、もう一つ角度を変えましてお伺いするわけですが、警察庁の方としては静岡県警本部長名で公団あてに、今後の防災措置の拡大、それについての御要望をしておられるわけでございますけれども、その内容についてお示しをいただきたいという問題、それからその中で特に重要度の順に並べればどういうことになるか、こういう問題について御報告をいただきたいと存じます。
○久本政府委員 お答えいたします。 日本道路公団に対しまして、日本坂トンネルの事故発生直後の五十四年八月十五日、静岡県の警察本部長から道路公団の東京第一管理局長に対しまして、「日本坂トンネルの交通安全対策」ということで要望を申し上げております。 項目が幾つかございますが、主要なものについて申し上げますと、非常事態発生時におけるトンネル内進入禁止措置の強化、これは先生おっしゃいましたように、事故が発生した場合には有効にトンネル内への進入を防止するということで、この辺がやはり勘どころであるというふうに思っておるところでございます。それから、現実に高速道になされますところの交通規制、これを実効を担保するような形の措置の強化ということをお願い申し上げております。それから、実際に事故等の場合も想定いたしまして、トンネル内に警告、広報装置を設けていただくというようなことがお願いしてございますが、こういったようなものが主要なものでございます。 また、さらに一応この捜査がまとまりました本年の七月十五日に、同じく静岡県の本部長から同じ道路公団の東京第一管理局長にあてまして、「トンネル内における火災事故の防止及び事故発生時の被害の拡大防止対策」ということで幾つかお願いいたしております。これは、さきにお願いいたしました事項が非常によく整備をしていただいたわけでございますが、その後の調査並びに関係向きの協議等によって突っ込んだものをさらに加えて、改めてお願いを申し上げたということでございます。 項目的に御参考に申し上げますと、たとえば避難通路の明示の問題、消防隊用給水栓の設置等の事故発生時の被害拡大防止対策、これは消防の関係でもございますが、実際の活動に徴しまして警察が承知したいろいろの知恵について申し上げたということでございます。それから、こういった事故の直接の原因に絡みます適正車間距離保持を担保するための施設を設置していただくということによる事故発生の予防対策、それから道路公団の職員の方々に対して、こういった事態における教養というものについても、内容について触れてお願いをしておるといった次第でございます。
○石田(幸)委員 それでは、公団側に若干お伺いをしたいわけでございますけれども、まず一つ、トンネル内の事故の問題について、四十四年の完成当時には、大型トラック一台の火災を想定した設計だという話すらもあるわけでございまして、大規模火災というものが発生するとは考えていない。それはやむを得ないと言えばやむを得ないのではございますけれども、しかし完成当時から十年以上、まあ事故のときまでは十年ですけれども、経過しておるわけで、先ほども指摘をいたしましたけれども、やはり通過台数というものが大幅にふえておる。そういう問題を考えたときに、当然設置されたいろいろな基準についての研究、検討というものが持続的に行われていかなければならないはずだというふうに私どもは認識せざるを得ない。 と申しますのは、それでは設置基準に合えば十五年経過しても二十年経過してもそれでいいのかというような問題が出てくるわけでございまして、そういう問題について、この事故を一つの起点として、そういう研究をするような姿勢を持っているのか、そこら辺の問題について現在検討を進めているのかどうか、そういう問題についてまずお伺いをいたしたいと存じます。公団にお願いします。
○持田参考人 お答えいたします。 先ほども御説明ございましたように、日本のトンネルの中で大きな火災事故が起きましたのが国道一号線に設置してございます鈴鹿トンネルでございまして、これは大型貨物車の多重事故で火災を発生したというような大きな事故でございますが、それにかんがみまして、国で昭和四十二年四月十四日付で「道路トンネルにおける非常用施設の設置基準について」という通達が出されたわけでございます。 日本道路公団としましては、同年八月に、この通達よりもっと水準の高い防災設備設置基準を策定いたしまして、その基準に合わせて、日本坂トンネルも同様でございますが、そのほかのトンネルについて防災設備を実施してきたわけでございます。 この設置基準の具体的な内容でございますが、やはり火災の早期発見、それから火災の初期の消火並びに通行車の火災時期におきます安全避難、こういったものが重点でございまして、トンネルの延長あるいはその区間の交通量に応じまして、トンネルにABCDというような等級を設けまして、その区分に備えるべき設備をセットしてきたわけでございます。内容としましては、通報設備、警報設備、消火設備、その他の設備でございます。 それで、日本坂トンネルにおきましては、水噴霧設備あるいは二百メーター置きに設置いたしてあります監視用のテレビ、それから三カ所ございますけれども上下の連絡坑などを設置するというようなことで、トンネルとしましては最上位の施設を実施したわけでございまして、当時としましては非常にすぐれたものであったと思います。 なおまた、昭和四十九年に、これも国のトンネル基準の一部改正が行われてございますが、その基準の改正よりもより以上に日本坂トンネルの水準が高いと思っておりますし、また、ただいま先生から御質問がございましたように、われわれはこの防災施設で一応火災について十分な機能を果たすと考えておりますが、やはりそういった機械の問題、あるいは日進月歩によりまして機械が変わってまいりますので、そういったものはもちろん公団としましてもいろいろ機関を通じて研究してまいってきております。 以上でございます。
○石田(幸)委員 いままで研究をされてきて、かなり精度の高い防災措置であると自信を持っておられたわけでございますけれども、しかし、これだけの発生に当たって先ほど来警察庁からもいろいろ改善勧告があったということについては、やはりさらにまだ問題があったというふうに言わざるを得ないわけですね。 これはいろいろな問題を指摘できますけれども、たとえば進入防止の問題にしても、確かに作動しておったというお話は聞いておりますけれども、それが十分な効果を発揮し得なかった。これはもちろんドライバー側にも責任なしとしないでございましょうけれども、そのために新たに進入防止に対する信号機を設置する等のお話を聞いておりますけれども、しかしそれとても、たとえば日本坂トンネルの前にあるトンネル、小坂トンネルですか、その間の距離が非常に短いということも、私どもとしては、やはり問題があった一つの点ではないか。小坂トンネルということを考えれば、小坂トンネルの前に、かなり大がかりな発見可能な、そういうものの措置の拡大がなされてしかるべきではなかったろうかというふうにも思うわけでございます。 また警報装置等についても、これはたとえば議員会館一つにしても大変大きなブザーがついておりますけれども、そういうような警報装置の拡大の問題なども、もう少し検討されてしかるべきではなかったかと思うわけでございます。 あるいは消防車用の消火栓は、上下の入口にあるわけでございますけれども、その口金が合わなかったいう問題なども考えてみますと、確かに厳密な意味での刑事責任ということになれば、警察庁としては公団側の責任を追及するという結論に至らなかったことはわかるのでございますけれども、これだけの大きな事故を起こして、過失の原因を問われたそれぞれの個人に一切の民事の責任までが負わされるのであるというようなことで、公団側は、あとは私どもは関係ありませんでしたということで済むのかどうか。そういった社会的責任、道義的責任を管理者である公団としてはどのようにお考えであるか。率直にひとつお答えをいただきたいと存じます。
○持田参考人 お答えいたします。 先ほど申しましたように、日本坂トンネルの防災施設につきましては日本でも一番すぐれている施設と自信を持っておりますし、また、この作動によって一般的な事故は当然防げるというふうな自信を持っておったわけでございます。しかし、不幸にしてああいった事故が起きましたので、その後警察の方からもいろいろと事故の拡大の防止対策とか、あるいはまた国会の交通対策特別委員会の先生方からいろいろ示唆に富んだ指摘を受けております。そういったものを踏まえながら、私ども、やはりより一歩、より安全なものをつくろうということで努力してきたわけでございまして、はなはだ不幸な事故でございましたけれども、これを踏まえてより確実な、より安全な施設をつくっていくように研究しております。 なおまた、いま御質問がございました消火栓の問題でございますが、トンネル内には両坑口に給水栓と申しまして、消防隊に活用していただく六十五ミリの口径の給水栓がございます。それから、トンネル内には四十ミリ口径の一般の消火栓がございまして、これは、先ほどお話がございました、ドライバーあるいは公団職員等、そういった者がそのときによってふたをあけまして、自動的に水を出して消火するというようなことでございますが、この点につきましてもいろいろ研究し、または御指摘をいただきまして、トンネル内におきましても消防隊が活用できるような給水栓をやはり十個ほどセットいたしております。 それから、水噴霧機につきましても、これはいろいろ当時問題になったわけでございますけれども、やはり水噴霧機というのは初期活動と申しますか、火災を大幅に広げない、冷やすというようなものが目的でございまして、当時二ブロックの水噴霧の装置区間がございましたけれども、それを三ブロックにやるというように技術的にはより安全なことを考えてやってきた次第でございます。
○石田(幸)委員 実際裁判が起こっておる段階で、公団側のそういった社会的責任あるいは道義的責任の問題については言及しにくいと思うのですけれども、しかし、いままでの設備の中でそれがベストであったということはある程度考えられるにしても、現実にこういうような大型の事故が起こっているんだし、それに対する責任というものは公団側でもやはり痛感をしなければいけないのじゃないか。その言が聞けなかったことは私はきわめて残念である、こういうふうに言わざるを得ません。やはり改善措置を要求されている以上は、設置者としてそれらの問題についてはなお考えるべき余地があったと判断をして、今後の改善にその責任の上からも努力をすべき問題ではなかろうかと存ずる次第でございます。 なお、具体的な改善措置等の問題についてはその他の委員会でお伺いすることにいたしまして、この問題はこれだけにとどめておきます。 次に、運転免許の期間延長の問題について、二、三かためてお伺いをいたしたいと思うわけでございます。 昨今来、第二臨調の話がいろいろな形で新聞報道されておるわけでございますが、運転免許の期間の延長についてもその対象になっていると聞いておるわけでございまして、事務の簡素化という立場からはかなりこれは効果のある一つの改革だと思うわけでございますけれども、従来警察庁が言われておるのは、やはり交通安全という立場から見るとなかなか延長しにくいというようなお話があったわけでございます。したがって、現行三年がきわめて適切であるという根拠についてはどういうことなのか。また、あるいは三年という論拠について一応のいろいろな基準があるとしても、それはなお一年二年と延長することも可能であるのかどうか。特に、第二臨調が来年これらの延長の答申をしたという場合を想定してみたときに、具体的にどんな問題が生じてくるか。その臨調の答申についても前向きに延長を考えるのか。これらの問題について簡単に御説明をいただきたいと存じます。
○久本政府委員 お答え申し上げます。 まず、現行の更新期間を三年としていることの由来でございますが、これは先生御案内のとおり、更新の際に行うこととしておりますところの適性のチェック、運転者に対する講習が、交通事情の変化、法令等の改廃あるいは非常に急速なテンポで動いていく交通情勢の公の情報といったような点を総合的に判断いたしまして、交通事故防止の見地から申しますと、一定期間に、しかもそのためには現行の三年が総合的に見て適切であるという判断をしている結果によるというふうに考えております。この三年を四年、五年にした場合の問題でございますが、現行の更新制度によりまして大体年間約四十万人の運転適性に問題があるとされた人が発見をされて、是正あるいは排除という措置がなされているのが現状でございます。 それから、いろいろ御承知のとおり、交通環境あるいは交通情勢は非常に急ピッチでございますので、更新の際に行われるところの講習は、交通事故の実態あるいは法令の改正状況等につきまして、運転者に周知徹底するという機能が非常に高いというふうに考えております。 また、更新の機会に、免許の更新の手続をとってしまいますと、ドライバーというものはいわゆる車社会の中に埋没してしまうわけでございますが、そういった状態から更新の機会に運転者に安全運転意識というものを呼び起こしていくということが、こういった車社会では必要ではないかというふうに考えております。また、違反行為を行い、あるいは事故を発生させながら出頭しない者、あるいは行政処分を免れようとするようないわば善良でない運転者を効果的に捕捉するといったようなことで、道路交通の安全と秩序を維持する上で非常に機能しているというふうに思うのでございます。 現行の三年を延長することにした場合には、これらの機能が総合的に低下することになるということでございますので、全体としての交通安全ひいては交通事故の増加等が懸念をされるというのが私どもの考えでございます。したがいまして、期間の問題につきましては、これらの点を十分考慮しながら現在まで検討を行ってきたところでございます。 それで、この期間の問題につきまして有効期間を延長したらどうだという意見は、実質的に申しまして、更新時におけるところの各種手続その他について、運転者の負担が非常に気になる、重いという感想ではないかというふうに思うわけでございます。そういたしますと、こういった負担をできるだけ軽減していくということが、この問題の背後にある実質的な問題であろうと考えますので、私どもといたしましては、運転者の具体的な負担軽減方策について積極的に検討を進めておるということでございます。 なお、先生御指摘の臨調の問題につきましては、御案内のとおり七月十日に第一次の答申がなされております。これにつきましては、御案内のように、運転免許更新手続の大幅な簡素合理化を図るということ、それから無事故、無違反といった運転者の講習を省略等の負担軽減を図るということ、あわせて運転免許期間の問題についても検討するということでございまして、これが現在のところ臨調から私どもに示されました事項でございます。 こういった点を踏まえまして、更新手続の大幅な簡素合理化、それから更新時講習の無事故、無違反者に対する省略等の大幅な簡素化という点につきましては、誠意を持って現在計画を策定して、ほぼ答申の御趣旨に近いような形でできるだけ早い機会に実施できるような準備、検討をいたしておるところでございます。期間の問題もこれと関連して検討する、そういうことでございます。
○石田(幸)委員 若干まだなお議論のあるところでございますけれども、時間がありませんので、以上で警察庁関係は終わりたいと存じます。 第二臨調に関する報道がいろいろなされておるのでございますが、それに関して自治省の方に二つばかり問題を用意したのですが、一点だけにしぼって御質問をするわけでございます。 公共事業が実質経済成長率に及ぼす影響力というのは、五十四年度でマイナスの三・六%、五十五年度でプラスの二・六%というふうになっておるわけでございますが、昨日の日経新聞を見ましても、いわゆる民間の設備投資の問題あるいは個人消費の疲弊、そういう問題がかなりいま話題になってきているわけでございまして、現在のこういった経済がきわめて低成長に推移しているような時代においてこの公共事業の占める割合というのは、景気にかかわる割合というのは、大変大きな要素になっておるわけでございます。 ところが、財政も大変厳しいわけでございまして、国の方としては何とかして財政を圧縮しなければならぬというようなことで、国の補助事業の中で補助率の低い事業をふやして、そして総事業量を確保するというような方法でいきたいというようなことが新聞報道されておるわけです。そうしますと、いわゆる補助率の高いものは余り金を出さずにというようなことになるわけでございまして、国庫負担分を軽減するについてはこれはいいのかもしれませんけれども、逆に地方自治体側にとっては大変大きな問題になるわけでございますね。 そこで、事務局の方にお伺いをいたしたいのは、一体補助率の高い事例というものはどんなものが代表的に挙げられるか、あるいは低い方の事例がどんなものなのか、それを御報告いただきたいということ。 それから自治大臣にお伺いをいたしたいのは、どうもそうしますと、地方自治体の方は新たな起債を起こすか、交付税かということになると思うのですけれども、交付税の方はもちろん頭打ちということになりますし、起債といいましても地方財政というものは非常に厳しい中にあるわけでございまして、そうしますと、補助率の高い事業というのは、大変切実なしかも住民生活に非常に関係の強いもの、そういうものが主としてなっていると思うのですよ。しかも経費のかかるものですね。そういうところから、補助率が高いというふうになっているんだと思うのです。 これは、地方財政にとって非常に厳しい状態になると思うので、私個人は実を言うとそういうやり方は反対なんですけれども、そこら辺の大臣の御見解はどうなのか、大蔵省と今後どんな御相談をされるのか、事務局に先にお答えをいただきながら、後でお答えをいただきまして、終わりにしたいと思います。
○矢野政府委員 各種事業の中で補助率の高いもの、低いものについてどのようなものがあるのかという御質問でございますが、全般的に申しますと、たとえば道路事業でございますとかあるいは治山治水等の古くからある公共事業の系統は、比較的補助負担率が高いものが多いわけでございます。三分の二あるいは四分の三といったようなものが多うございます。なおまた、その中でも事業の種類によってさらに補助負担率の違うものもございまして、たとえば下水道整備事業でございますと、流域下水道整備事業は補助率が同じ下水道でも高うございまして、一般の公共下水道、市町村が行うものでございますが、これは補助率が流域下水道に比べますと、逆に低くなっておるわけでございます。 それから、比較的最近拡充されてまいりました生活関連と申しますか、清掃関係、屎尿処理とかごみ処理関係等の事業、こういったものにつきましては、どちらかといいますと三分の一とかあるいは二分の一とかいったように、逆に道路や治山治水などよりも一般に補助負担率が低いものが多いというぐあいに考えられるわけでございます。
○安孫子国務大臣 補助率の高いのは、いま説明ありましたように災害関係でございますとか非常に基本的な問題、これはわりに高いと思います。一般省令的なものはわりに低いんじゃないか、こういうふうに私思っておりますが、それはそれといたしまして、大蔵省が補助率の高いものは切ってなるべく補助率の低いものだけにしようということは、私はまだ聞いておりません。しかし、そういう考え方は私は間違っておる、こう思っております。やはり事柄の性質によって判断をすべき問題でございまして、補助率が高いからそれは切るんだ、補助率が低いからそれは残すんだというような考え方は、これは筋の通らない議論だろうと私は思っております。具体的にはそういう相談は受けておりません。 それで、私ども一番気にいたしておりますることは、事業量を圧縮あるいは廃止しないで単なる補助率だけをいじるということになりますと、その差額は地方団体としては切実な問題でございます。そういう問題も補助項目にあるわけでございまして、それがおのずから地方負担に転嫁されるという性格のものが多々あるのじゃなかろうかと思います。そういうものについて、単なる補助率を下げるということで国の財政のつじつまを合わせるということだけに気をとられてもらっては困るという点は、私どもは主張しておるところでございます。 お尋ねのございました補助率の高いものはなるべく切って、補助率の低いものは残すんだというような相談はまだ受けておりません。幾多の補助金問題がございますので、具体的な問題が提示されましたならば、いま申し上げましたような趣旨で十分対応していきたいと思っておるところでございます。
○石田(幸)委員 終わります。
○左藤委員長 部谷孝之君。
○部谷委員 去る二十三日の地方行政委員会におきまして、北方三島六カ村の編入問題についていろいろとお尋ねをいたしましたけれども、その御答弁を伺いながらなお二、三お尋ねしたい問題が残っておりますので、まずそれからお尋ねをしたいと思います。 先般、貝殻島のコンブ漁の交渉がやっと妥結をいたしまして、昭和五十二年以来中断しておりましたコンブ漁が再開されました。このコンブ漁が中断しておりました原因は、ソ連が協定に領土問題を絡ませてきて、そして貝殻島をソ連領の呼称にする、あるいはソ連による裁判管轄権の行使あるいは操業許可証の発行、そうしたこと等によりまして日本に対しましてソ連の領土を認めさせよう、そういうことをしてきたからであります。しかし日本は、これを認めるということになりますと、日本の領土権を主張する立場を損なう、そういうことで、地元のコンブ漁民の苦しい立場を承知しながらもこれを認めなかったわけであります。 このように、国家間における領土問題の対立につきましては、常に領土権の主張というものを念頭に置いて対応していかなければならないことは申すまでもないところであります。それは、対外的にはもちろんのことでありますけれども、内政上の問題につきましても、領土権を主張する立場を損なわないように慎重に配慮するということがきわめて大事なことだと思います。そういう観点から、先ほど申しましたように、三島六カ村の問題について若干の質問をしていきたい、このように考えるわけであります。 先日の当委員会におきまして、政府は、三島六カ村の法的地位については、六カ村は廃村手続をとっていないので形式的に存在しておる、こういうふうな御見解を示されたのであります。このことは、地方自治法の七条の一項、廃置分合のやりようがないので、むしろ廃村手続をとってすっきりしたいけれども、やむを得ず廃村手続をとっていないとも実はとれるような御答弁でありまして、これは非常に消極的な見解であるというふうに思うわけでありまして、今日までこうした三島六カ村に対しまして何らの措置をとってこないで放置してきた大きな原因はこうした政府の姿勢、そういうものにあると思うわけであります。 そして、るる申し上げましたように「全国市町村要覧」とかあるいは「地方公共団体総覧」には、これは執務の参考資料であって、行政の実態がないので削除していたけれども、国会の方がやかましく言うので、凡例のところに申しわけ程度に掲載したというのが実は実情ではないか、こういうふうに思うわけであります。 最初に申しましたように、領土権を主張する日本の立場からいたしますならば、たとえ執務の参考資料であるといたしましても本欄に掲載すべきであって、そのことの主張はるるこの前もやったわけでありますが、凡例のところに記載するというようなことはいわば自治省の都合に合わせてやったのでありまして、国家対国家が北方四島の帰属をめぐって争っておる、そうした立場における日本政府の主張するそのことの裏づけになっていないと私は思うわけであります。 そこで、本欄に掲載すると何が支障があるのか。そういう支障があるから掲載しないと思うのですが、何が支障が起こるのか。またそのような誤った市町村数、二百十二という数字は明らかに誤った数字でありますけれども、そうした誤った、間違った市町村数をあの要覧に掲載することがなぜ執務の便宜になるのか。執務の便宜のためにあれはやっておるのだ、こういう御答弁ですけれども、その辺からひとつお答えをいただきたいと思います。
○砂子田政府委員 まず最初の話でございますが、北方領土の三島六村の問題につきまして、形式的に存在をしておるということにかかわりまして、領土に対する意識が薄いのじゃないかというお話がございました。 実はそういうことではなくて、地方自治法ができましたときに、現在の市町村というのもその後もそのまま引き継ぎますよという地方自治法の従前の例による規定によって、そのまま市町村を引き継いでおるわけであります。その中でソビエトに占拠されております三島六村につきましては、しかしこれはわが国であるという前提に立って、従前の例の中からあえてこの六村をむしろ削除しなかったわけでありまして、私たちとしましては、むしろあれは日本の領土だという意味でそういう形をとったわけであります。ですから、その点はひとつ誤解のないようにお願いをしておきたいと思います。 その証拠にも——証拠にもというと大変おかしい話ですが、現に都道府県の面積の中にはあの三島は完全に入っているわけでして、日本の国土の中の一部であることは疑いのない事実でありますから、そういう形として私たちはいま認識をしておるわけであります。 そういうことで形式的に存在をしておるというのは、御案内のとおり地方自治法の中では公共団体というのは何を指すかというと、いまさらというお話もございますが、地域と住民がおるというのが前提の公共団体、しかもそれを市町村という形でくくっているわけでありますから、区域はあるけれども住民が住んでいないという村なりそういうものを公共団体だと言うことはちょっとできないというのが、形式的に存在をしているという意味なわけでもあります。 そこで、「全国市町村要覧」というのは、そういう住民と区域とが存在をしている、そういう行政の実態のあるところのものを執務の参考として実は掲載をしておるわけでありまして、何もこれをあえて自治省が外しているということではないわけであります。 ですから、要するにその中で、この間も申し上げましたように、人口でありますとか面積でありますとか、そういうものがやはり公共団体の基準になっている、しかも、人間がおることによって初めてそこでいろいろな機関ができ上がって、地方自治の行政運営ができるという形になるわけでありますから、現行のままではどうしても行政を執行するという体制にないわけであります。 しかし、そういうことがあっても日本の国の中身であります、領土の一部であることは疑いのない事実でありますから、国会の御議決もありましたし、そういうことを改めてもう一度認識し直そうかというのでいろいろなお話がございまして、実は凡例に入れたということになるわけであります。 では、なぜそれを本文に入れちゃぐあいが悪いのかと申しますと、いま申し上げましたように、本来は市町村という地方公共団体としての形のあるものを市町村要覧に入れているわけですけれども、その人たちだけ集めておいて、面積でありますとか人口とか、いろいろなものを平均を出しましたり対比をしたりというときに、全く人口のない部分をどういう形で平均として出すかというと、人口のないところをゼロにすればいいじゃないかとか、これはいろいろな議論はあるに違いありませんが、ゼロとして出す方が実態に合うのか、あるいは現実に人の住んでおる、人口を持っておるという市町村の平均を出すのが実態に合っているのかという問題だろうと思っております。 ただ、それをいろいろな資料に使うときに、そういうものが全部参加をしているといいますか、そういうものが資料の中身として位置づけられているというものから資料として出すのはいいのですが、全くないものまで入れてゼロ計算をして、その分だけ、六つだけをゼロにしながら計算をするというのが本当に実態に合った参考資料になるかどうかというと、大変疑わしいというところもあります。といって、それじゃ面積の方はあるからいいじゃないか、今度は面積を入れるとどうもそこにちぐはぐが起きるという問題がありまして、やむを得ずこれは凡例に移したわけであります。 ただ、いろいろなお話もございますし、ことし要覧をつくるときに直しましたし、来年また要覧をつくりかえますときに、もう少しそういうものを、六村を入れてうまく表示ができる方法があれば少し私たちの方も考えたいと思っているわけでありまして、別にこれはかたくなに要覧というものを考えているわけでは毛頭ありません。ただあくまでも、先ほど申し上げておりますように、行政の実態のある市町村と対比しながら執務の参考に供しようというだけの話でございますから、それをその中に入れないのは自治省が非常にかたくなにがんばっているのじゃないかという御議論であるとすれば、そういうわけでは全然ございません。 そういういろいろな各方面からの御意見がありますれば、何かそういうものを表示することによってうまくいくものであれば、ひとつ私たちも、来年また編集し直しますから、毎年やっておりますから、そういうときにまた検討し直してみようというふうにいま考えております。
○部谷委員 土屋局長の前回の御答弁の中で、六カ村は独立した村で、いわゆるもとがない、しかも行政の実態がないから、交付税を交付しようにもやりようがないのだ、こういうふうな御答弁があったと思うのです。と同時にまた、この六カ村を周辺の北海道の市町村に編入することについては、千葉県や福岡県に匹敵するほどの大きな面積のところを編入して、全地方団体の共有の財源である交付税を配分するのは問題があるというふうにお答えがあったわけでありますが、現に道分については四島の面積が交付税の算定の対象として算入されており、また歯舞群島につきましては根室市に交付されておるわけでありまして、全く前例のない話ではないわけであります。 また、私も、六カ村を編入することによって交付税にはね返らせて、交付税だけで周辺地域の振興策あるいは北方領土対策をやるべしと申し上げておるわけではありません。振興対策や北方領土対策というものは、それぞれまた個別的に対応していくべきことは当然でありまして、これと並行して交付税制度の措置をとるべきである、こういうふうに申し上げておるわけであります。 さらにまた、冒頭に申しましたように、領土権を主張する以上は、六カ村は形式的には存在しているなどと言って放置しておかないで、周辺の市町村に編入して地方公共団体の行政の面においても明確にしておくべきではないか、こういうふうに言っておるわけなんですが、重ねてひとつ御見解を伺いたいと思います。
○土屋政府委員 いわゆる三島の六村につきましては、確かに私どもとしても日本の領土という認識のもとにおるわけでございますけれども、先般来申し上げておりますように、道分として見ておりますのは、もともとこれは道の面積の中にあって、その部分がいま占領されておる形にはなっておりますけれども、対応して交付税を配分すべき実態も道というものが現にあるわけでございますし、そういった意味から算定ができるわけでございます。 この六村自体につきましては、市町村としてのまさに行政の実態がないと申しますのは、六村については普通交付税の基準財政需要額において、算入対象とされる地方団体としての通常の行政というものが行われてない現状を率直に申し上げたわけでございます。先ほども申し上げましたように、そういった現状のままで福岡、千葉の面積に相当するような広大な面積を特定の市町村に編入をして、交付税の配分の基礎に入れるということには問題があるということを申し上げておるわけでございます。 この三島六村というものが日本の領土であるということを前提として、いろいろと対策を講ずることの必要性というものを否定しておるわけでもございませんし、むしろ、それがそれほど大きな国家的な課題でありますがゆえに、北方領土返還対策とか、あるいはそれに関連するまた周辺地域の振興に要する経費については、まず、地方も当然のことでありますが、国において基本的な姿勢というものをはっきりさしてもらいたい、そして国庫による財政措置がなされるべきだと思いますし、それは国がやれば地方は知らないという意味ではなくて、そういう姿勢のもとで国も地方もあわせてやるということでございます。 先般も私、地方財政の面でも配慮すべきものは当然配慮していきたいし、そういう点でやぶさかではないと申し上げたわけでございまして、いま申し上げましたような行政が行われてない現状から見まして、どうも交付税措置の中に組み込むということが容易じゃないということでございます。北方領土対策等について必要なものは、私どもとしては、それなりの対応をすることにやぶさかでないということを繰り返し申し上げておるわけでございます。
○部谷委員 土屋さんは、交付税というものは実態に応じて交付するのだというふうにこの前御説明になったわけですね。それから砂子田局長からは、いま六村はソビエトに占拠されておって行政の実態がない、こういうふうなお話があったわけでありまして、だからこそ市町村要覧から削ったんだ、こういうふうな御説明があったのですが、ソビエトに占拠されておって行政の実態がないということは、北海道の一部である四島もそれは同じ状態だし、同じようにまた七村のうち六村とそれから歯舞群島とは全く同じような状態にあるわけでありますから、そうした交付税は実態において計算するのだという御主張と私は矛盾を感ずるのですが、そういう矛盾はないのでしょうかね。
○土屋政府委員 確かに歯舞諸島は根室市に入っておるわけでございますが、これは諸島と本土部分にあった一部の歯舞村、それと根室市が合体いたしまして、全体を含めて根室市というものが形成された。したがいまして、根室市ということを考えます場合には、いま占領されておるけれども、日本領土であると認識しておりますそういう部分も含まれておるわけでございます。したがって、行政の実態を計算する場合は、面積部分等はそれに入れておるわけでございますが、現実に道路なり何なりというものをやっておりませんから、そういう部分については計算もしていないわけでございまして、実態として、そういう面積等を考えながら配分すべき根室市という実態があるわけでございます。 ところが、三島六村については、まさに交付すべき村の行政を預かっておるところもないわけでございまして、その点が北海道分として全体を見ておるのと、それから根室市の場合の歯舞の扱いとでは、行政の実態の問題として異ならざるを得ないということになっておるわけでございます。
○部谷委員 議論が平行しますので、また機会を得ていろいろと具体的な相談をしていきたいと思うのですが、北方領土問題というのは、現実問題としてなかなか二年や三年で解決する問題ではなかろうというふうに容易に予測されるわけでありまして、腰を据えて気長くがんばっていかなければならない問題であります。したがって、政府としても長期的な北方領土対策を考えていっていただかなければならないわけでありますが、現在、元北方領土居住者であることの証明だとかあるいはそうした人たちの名簿、旧村書類の一部の保管等を民間団体である千島歯舞諸島居住者連盟が行っております。 しかし、戦後三十六年たちまして、引き揚げ者はだんだん高齢化してまいりますし、引き揚げた方のうち三分の一はもうすでに亡くなられるという現状になっておるわけでありまして、行政がすべきそうしたことをいつまでも民間の引き揚げ者団体に任しておくことは適当でない、こういうふうに思うわけでありまして、それには六カ村周辺の北海道の市町村に編入をいたしまして、編入先の当該市町村において、戸籍事務だとか北方地域元居住者であったことの証明とか、あるいは六カ村の一部現存しておる書類の保管だとかそういうものを行っていく、そういう引き受ける市町村が必要だと思うわけであります。 〔委員長退席、安田委員長代理着席〕 方法としては、それらをまた一部事務組合で共同してやっていくとか、その先の方法はいろいろありましょうけれども、北方領土問題に長期的に取り組む体制、そういうものをつくるためにはこの六カ村を編入するという方法が一番いい、このように私は思うわけであります。二十三日に大臣からもいろいろ御答弁があったのですけれども、私はもう一度編入問題について、大臣の御見解を重ねて伺いたいと思います。
○安孫子国務大臣 北方四島の問題は、私から言うまでもございませんが、大体日本民族はこういうケースにいままでぶつかったことがないわけでございます。したがいましてこの取り扱い、特に事務要覧等の点につきましては、この問題の外交的な影響力とか外交的な配慮というものが余り十分でなくて編さんをされたということは否めない事実だろうと思うのです。その中におきましても、十分考えてはおりましょうけれども、日本の外交的な配慮という面からいうと必ずしも十分でないという点は、私は率直に認めざるを得ないだろうと思います。この点についてはこれから是正をしていこう、こういうことでございますから、この点はひとつ御理解を賜りたいと思うのであります。 それから何にいたしましても、現行法のたてまえが実態に即しての交付税の配分でございますから、現行法のもとにおいて交付税を配分するということについては大変むずかしい問題でございます。いまお話しのように道の方は認めておるのじゃないか、こうおっしゃいますけれども、これはずいぶんと頭を使いまして、これは日本の領土であるということのために、この点について考えて考えあぐねてこういう措置を当然とったものだろうと思うのです。しかし市町村になりますと、いま財政局長から申し上げましたように、本当に町村の行政行為がないわけでございますから、算定しようにもしようがない、こういうことでそういう方向に行っているわけでございます。 そこで、御質問の要点は、編入問題をどうするかという問題でございます。編入するにいたしましても現在の法制のたてまえから申しますと、客体、またその行政行為をする実態もない、ソ連の占拠によりまして実態がないわけでございますから、そういう編入措置を講ずることもまず法律的にはできない状態でございます。しかしながら、戸籍事務という点についてもお話がございましたが、これは一種の団体でやっておるということでございますが、これはひとつ考えて、公的なものに切りかえることは私は可能じゃないかという感じがいたします。 それから、編入問題につきましては、いま申しましたとおりに実態がございませんので、編入的な行政行為というものはとり得ない。しかしながら、北方四島の返還の問題に対する政治的な活動でございますとか、あるいは引き揚げ者に対するところのいろいろな措置という問題について、財政需要の必要なことは十分理解できるわけでございます。そこでこの点は、いま財政局長からも申し上げましたとおり、国において一つの基本政策を出して、それに地方団体も協力をするというたてまえをとることが一番現実的に妥当し、外交的な配慮の面からもそれがいいのではなかろうか、こういうふうにいま考えておるところでございます。せっかくのお話でございますので、編入問題についてはさらに内部におきまして十分検討はいたしますけれども、現在私はそんなふうに考えておるところでございます。
○部谷委員 北方領土につきましては、ソ連は戦後、国内的にもそのような法制措置をとっておるわけです。わが国は、いわば従来のそうした流れに任せるというふうな形になっておるわけでありまして、そのことが私は外交交渉上きわめて大きな障害にならないかということを非常に心配するがゆえに、そのような措置が必要ではないかということをるる申し上げたわけでありますが、大分時間も過ぎておりますので、次の質問に入りたいと思います。 きょうこれから採決される予定の地方公務員の定年制についてお尋ねをいたします。 この地方公務員法の改正案によりますと、定年制は昭和六十年の三月三十一日から施行する、こういうことになっております。この実施に向けまして、自治省は具体的に地方自治体に対してどのような指導をしていかれるのか、まずお尋ねをいたします。
○大嶋政府委員 自治省といたしましては、法律が公布されましたら直ちに地方公共団体に対しまして、法律の内容、解釈、それから運用方針といったようなものを示した通達を出しますとともに、地方公共団体が条例を制定いたします際の参考に供するために条例準則を作成して地方公共団体に示したい、このような考えでございます。 条例で定めるものとされております事項のうち、特に定年の定め方といったものは、定年制度実施の根幹をなす重要な事項でございますので、自治省といたしましては法律の趣旨にのっとった条例が制定されるように指導する。と同時に、現在六十歳と異なる勧奨基準年齢を定めてあります団体にありましては、昭和六十年に六十歳定年が実施されるように、定年制度が円滑に実施されるようきめ細かな指導を行ってまいりたい、このように考えております。
○部谷委員 人事院規則にはそれぞれの地方自治体におけるいろいろな職種等もあるわけでありまして、画一的な、統一的なそうした指導に当たらない部分も多々出てこようかと思うわけでありまして、そうした点を配慮しながら、つまり自治体の自主性にもそうした面ではある部分は任せながら、しかし統一的な指導をしていく、こういうことですね。 それから、そうした条例の制定に関しまして、具体的には自治体はそうした準備日程はどういうふうに進めていかれるのか、作業の日程はどのように進めていかれるのか、お尋ねします。
○大嶋政府委員 自治体の準備日程ということでございますが、地方公共団体におきましては、この定年制度に関する条例の制定につきまして、先ほど申し上げました条例準則というものを受けた形で作業に入っていかれると思います。 この条例準則を提示する時期でございますけれども、国家公務員の定年制度の細部について定められます人事院規則の内容の確定後、できるだけ速やかに行いたいというふうに考えておるところでございます。それによりまして、地方団体がそれぞれ条例制定作業に入っていくだろう、このように考えております。
○部谷委員 定年制が施行されるに伴いまして、勧奨退職制度はなくすべきであるというふうに考えます。九十四国会でもそうした附帯決議がつけられたわけでありますが、こうした勧奨退職制度、このことについてどのような御見解を持っておられますか。
○大嶋政府委員 定年制が実施されますと、この定年制度を導入いたしました趣旨にかんがみまして、人事管理の必要上行われます個別的な退職勧奨というものは除きまして、定年制度にかわるような機能を果たしております組織的、集団的な退職勧奨は定年制度実施以後におきましてはなくなっていくというふうに私ども考えておりまして、また自治省といたしましてもそうした基本的な考え方に立ちまして適切な指導をしてまいりたい、このように考えております。
○部谷委員 それから、定年制が実施されるまでの間は、勧奨退職というものは当然いままでどおり認めていくということですね。それで、そうしたことを行うことによって、いわば六十歳定年というのは目の前に見えておるわけですから、それ以前の低い年齢で勧奨されるということにいろいろ人事管理上の乱れが起こってはこないかというふうな懸念を私は抱くのですが、そういうことはございませんか。
○大嶋政府委員 御指摘のように、この法案が成立いたしました後におきましても、定年制度が実施されるまでの間は職員の新陳代謝を必要とする状況は変わらないわけでございまして、従前と同様に勧奨退職が行われるというふうに思っております。その際に、昭和六十年に六十歳定年が実施されるということを見越しまして勧奨に応じない職員が生ずる、あるいは勧奨応諾率が下がるということも考えられるわけでございます。しかしながら、そのことによりまして人事管理上問題が生ずるということのないよう、個別の事情に応じまして地方公共団体が適切に対処されるであろうということを私どもは期待をいたしておるところでございます。
○部谷委員 それから、国家公務員の退職手当の割り増し分の減額措置につきまして、先ほど内閣委員会でその法案が可決されたわけでありますが、地方公務員の退職手当についての割り増し率の減額、そういうことについてはどのような御指導をなされるのでしょうか。
○大嶋政府委員 地方公務員の退職手当につきましては、それぞれの地方公共団体が条例で定めるということにされておるわけでございまして、その条例で定める内容につきましては、地公法二十四条に規定いたします給与決定の原則にのっとりまして、国家公務員の退職手当との均衡を考慮してこれに準じて措置されるべきものであるというふうに考えております。そこで、今国会で審議されております国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案が成立いたしました場合には、地方公共団体もこれに準じて改正をするように指導してまいりたいというふうに考えております。
○部谷委員 これもこの前の本委員会におきまして、横浜市のやみ退職金について指摘がされました。新聞報道によりますと、三年前にも大阪市で職員互助会の「脱会給付金付団体生命保険料補助」、そういう名目で府が年間約三億五千万円を期末手当といいますかボーナスといいますか、そういう形で上乗せをして払い戻しをした、こういうケースがあったように聞いておるわけであります。他の自治体でも同じようなケースがあるのではないかということは容易に類推されるわけでありますが、そうした実態を自治省はとらえておられるのかどうか、同時にまた、そのようなことに対する防止措置を何かとっておられるのかどうか、いかがでしょうか。
○大嶋政府委員 横浜市、大阪市の問題につきましては御指摘のようにマスコミ等で報道されたわけでございます。そういうことは決してよろしいことではございませんので、それぞれ是正措置を講ずるということにしてまいっておるわけでございます。 ほかの団体であるかという御質問でございますが、その詳細の実態については私ども把握をいたしていないところでございます。が、いずれにいたしましても、このようなことで住民から批判を受けることのないように今後とも私どもとしては指導してまいりたい、このように考えております。
○部谷委員 実態の把握なくして指導しようがないわけでありますから、まず実態の把握を急いでもらわなければならないと思います。 次に、住民税の減税問題についてお尋ねいたします。 先日、昭和五十六年度分の所得税の特別減税のための臨時措置、これが衆議院で可決されたわけでありますが、そういう状態を含めて、住民税の減税についてお尋ねしたいと思います。 昭和五十五年度の実質個人消費支出はGNPベースで前年度比〇・八%増と、前年度の五%増を大幅に下回っております。五十年代に入ってから最も低い伸び率となっております。実質消費の鈍化は五十五年度の実質所得の減少によってもたらされたものでありまして、以来、家計の動向は依然として慎重化いたしております。 これまでの政府、日銀の見解によりますと、物価が鎮静化すれば消費も回復する、こういうことでありますが、全国の消費者物価は九月には前年同月比三・九%、十月の東京都区部の消費者物価は前年同月比三・九%の上昇にとどまっておるにもかかわらず、消費の回復ははかばかしくありません。依然として停滞基調を続けております。 総理府の家計調査によりますと、八月の勤労者世帯の実質消費支出は、予想に反しまして前年同月比一・三%減となっております。勤労世帯ばかりでなく、農家世帯を除く全世帯の二五%を占めております一般世帯、これは個人営業世帯だとか、法人経営者だとか、自由業者だとか、無職とか、そういうものをいいますが、この一般世帯も前年同月比四・七%減に落ち込んでおります。一般世帯は、昨年四月以降本年の八月まで、十月を除きまして連続してマイナス、そういう異常な事態が続いております。 以上、申し上げましたような世帯の消費不振というものが今後も続くということになれば、今後の景気の回復に懸念が出てくるのでありまして、物価安定だけでは個人消費の回復は図れないことも明らかになりつつあります。 ここで見逃してならないことは、賃金の上昇率が非常に低いことと、それから高い税負担あるいは社会保険料等の高額な負担、そういうものであります。名目賃金の伸びが鈍化する中で税金や社会保障の負担率が高まっておることが個人消費のブレーキとなっておるのでありまして、個人消費を増大させ景気を回復させるために、この際、来年度予算に向けて大幅な住民税の減税を検討すべきであると思いますけれども、大臣の御見解はいかがでございましょう。
○安孫子国務大臣 景気の浮揚の問題について、これは一般的な経済政策が非常に大きなファクターをなすものでございます。したがいまして、この問題をどう扱うかということは、国の立場において、全体的な経済政策の中で考慮すべき問題でありまして、地方税の減税というような問題でこの問題に取り組むことは適当ではないだろう、こう思っております。 特に、地方団体の財政状況は、私から申すまでもありませんが、大変苦しい状況にあって、減税の余地は国以上にないような実態でございます。したがいまして、地方税の減税ということは自治省としては考えられないのでございます。景気の浮揚あるいは購買力の増加、一般消費の増大、そういうような問題については、全体の物価政策、景気浮揚の問題等々とかみ合わせまして、国の政策としてこの問題にどう取り組むかということを決定するのが基本だろう、こういうふうに考えておるところでございます。
○部谷委員 もちろん、国全体の政策の中で、いま私がいろいろ挙げたような計数の中で、いまようやくにして景気の回復が輸出によって辛うじて支えられておる。そして、いまや内需を少し刺激していかなければ景気は回復しないのだ、そういう経済的な実態の中から、勤労者から取り上げておる国税、地方税、そういう税金についてはもう何年間も課税最低限が抑えられておる、そういう形が今日まで続いておるわけです。いわば実質的増税がずっと続けられておるということになるわけでございます。 そういう景気の動向と絡み合わせて、いまの減税問題が今後の日本の景気の動向の一つの決め手になる、そういう観点から、あらゆる労働団体がこうしたことを一番先にスローガンとして掲げておるわけでございまして、これはもう国民の実態なのですね。額に汗して働く勤労国民の血の叫びだと思うのですよ。そういうところから出ておるこうした国民の大きな希望に対してやはり行政はこたえていかなければならない、私はそういうふうに思うわけであります。 お尋ねしたいことを大分準備してあるのですが、きょうは何か各党国会対策委員会が開かれるので少しはしょってほしいという委員長の切なる願いでもありますので、私はきょうはこれで終わります。 どうもありがとうございました。
○安田委員長代理 三谷秀治君。
○三谷委員 地方公務員法の一部改正案が参議院先議の形で送付されてまいりました。この法案は前国会では質疑が行われましたが、今国会では全く質疑が行われないままで本日に至りました。地方自治の本旨に基づく重要法案を、質疑抜きで採決するわけにはまいりません。 前国会の質疑を検討してみますと、この法律について、自治省の見解は大要しまして三点程度に分けることができると思うのであります。 その一つは、この法案というものは、分限の裏返しは身分保障であるから公務員の利益に反するものではないという言い分であります。そうして、現行で五十八歳で退職勧奨しているから、六十歳まで安心して働ける、逆の身分保障である、こういう見解をお述べになっております。それから、法律はつくるけれども、定年制は勤務条件の側面を持っておるから団体交渉の対象となり得るものだ、そして人事委員会などの権限も拘束されない、また最終的には細部は地方議会で条例を制定されるものだから地方自治の本旨に反するものではない。三つ目は、国家公務員法が改正されたので、国家公務員と地方公務員との整合性上必要である。まあ、大体この三点ぐらいが、自治省のこの法案の審議に当たりましてお述べになりました要点だと私は思っております。 そこで、地方公務員の身分保障を強めるものだという点でありますが、果たしてそういうことでしょうか。それなら地方公務員がこぞってこれに反対する理由はないわけであって、これに対して根強い反対の運動があるということは、これは自治省がおっしゃいますように地方公務員の身分保障を強化するものであるというものではないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大嶋政府委員 現在、五十七、八歳をもちまして勧奨退職というのが、人事管理上新陳代謝を図る目的で行われておるわけでございます。この定年制ができ上がりますと、原則定年は六十歳、そのほかの年齢で退職年齢が決まるわけでございます。少なくともその間は安心して勤めることができるということが言えると思います。 ただ、個別的な勧奨というのはやはり今後とも残るであろうと思いますけれども、組織的なあるいは集団的な勧奨というのはなくなっていくわけでございますので、そういう意味合いにおきましては私はいま御指摘の意味が十分あり得る、このように考えておるところでございます。
○三谷委員 自治省も認めていらっしゃるように、公務員の身分保障は、分限、懲戒免職などのほかは、本人の意思に反して退職させられない、終身の保障をたてまえにしております。これは昭和五十三年の大阪地裁の判決でも、「職員の任用を無期限のものとする建前をとっている」ということを確認をしておることでも明らかでございます。退職勧奨というのがそもそも不当なものであって、ただしこの場合は、特殊な条件をつけて、そうして勧奨するとなっておるわけでありますが、たてまえから申しますと、そのことは正当な処置とは言えないのでございます。 そこで、一般的にいいまして、定年制度そのものについていえば、ある一定年齢になったら身分保障がそこで切られるわけでありますから、現行制度より身分保障の後退であり、不利益な処置が決められることになるのではないでしょうか。
○大嶋政府委員 定年制ができ上がりますと、離職の一つの形態というのが、一定年齢に達することによりまして自動的に離職するということが一つふえることは事実でございます。しかしながら、今後の高齢化社会への対応というものを考え、また国家公務員におきましても定年制度というものができ上がっておるわけでございます。そういったものを勘案いたしまして、さらに、地方公共団体におきます円滑な退職管理というものを進めていくというためには、ぜひともこの法案は必要なものである、このように私ども考えておるところでございます。
○三谷委員 聞いた焦点に答えてください。私がお尋ねしましたのは、これは現行制度よりも身分保障制度の後退になるのではありませんかと聞いたのです。
○大嶋政府委員 離職の事由が一つふえるということにおきましては、御指摘のようなことにもなり得るというふうに考えるわけでございます。
○三谷委員 一つふえるというよりも、これはもう全面的に一定の制限を付するということでありますから、一つふえるというふうな性質のものではありません。 そこで、先ほど申しました大阪地裁の判決がありますが、これはこのように述べております。「地方公務員法が勤務条件を法定しているのは、職員の利益を保障する趣旨であり、また職員が身分保障を享受していることが同時にその労働基本権制約に対する代償措置の一つとして機能することに鑑み、職員の不利益処分を規定する地方公務員法二七条ないし二九条の規定は、職員の利益保護の方向でその要件を厳格に解釈すべきである、」こういう判決を下しておるのでございます。 なお、同様趣旨の裁判所の意見が幾つかこの判決の中に出ておりますが、たとえば、地方公務員法が「もともと職員の利益を保護する性格をも有していることなどからみて右法定主義は職員の利益を保障する趣旨で規定されていると解すべきことは最高裁判所の判決が示すとおりである」ということも、この判決の中で述べております。それから、「地公法は、労働立法政策として、定年制禁止を含む身分保障規定を置くことにより、職員をして安んじて職務に専念させて公務の遂行を全うならしめ、もって公務の中立性と安定性並びに能率的運営をはかろうとしているものというべきである。」こういうことも述べておるわけでございます。 ですから、この地方公務員法の保障します地方公務員の身分の制度といいますものは、明らかに地方公務員の利益のために、それを基本にして考えるべきものであるという立場をとっておるわけでございますが、そういう観点からしまして、この改正はいかがなものでしょうか。 それからもう一つ、この身分保障は、争議権の剥奪等労働基本権にさまざまな制約を受けておる公務員について、その生存権保障の趣旨からこの制約に見合う一種の代償的な措置であるということも書いております。これは最高裁の判例にもあるようでありますが、これらの点について、この公務員法の改正案は、いまの裁判所の判例に対してどういう性格を持つものでしょうか。
○大嶋政府委員 公務員法は職員の利益を保護すると申しますか、要するに分限としての身分保障を考えておることも事実でございますが、同時にまた、組織体である地方自治体の能率の向上といったものも考え合わせておるわけでございます。労働基本権との関係で申し上げますと、労働基本権が公務員について制限をされておりますのは、公務員の地位の特殊性なりあるいはその公共性といったものから来ておるわけでございます。 先ほども申し上げましたように、現在、本人の同意を要するわけでございますけれども、勧奨退職というのが行われておる。今後この定年制ができ上がりますと、六十歳までは安心して勤務することができるということでございますので、現在の地方公務員法ではもちろん定年というものが設けられないわけでございますけれども、この改正によりましてそれができることになるわけでございまして、ある意味におきましては安定した勤務というものもでき得るというふうに考えるわけでございます。
○三谷委員 あなたのおっしゃいますことは、裁判所の言っていることと逆になっているのです。裁判所が言っているのは、労働立法政策として定年制禁止を含む身分保障規定を置くことによりまして、職員をして安んじて職務に専念させるということ、公務の遂行を全うならしめるということ、もって公務の中立性と安定性、能率的運営を図るものである、こういうことを言っておるわけでありますから、あなたがおっしゃいますのは、この裁判で敗訴をした側の、被告側の意見をいまおっしゃっているわけです。
○大嶋政府委員 その判決の中に、確かに御指摘の判示があるわけでございます。しかしながら、それは現在の地方公務員法上の解釈として出てきておるものだと私は思います。したがいまして、その判決の最後の方にもございますが、現行法上定年制の導入は法律の改正なくしてはあり得ないというふうにもまた言っておるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして今回の定年制法案といいますか、地方公務員法の一部を改正する法律案というものを御提案をし、御審議をいただいておるところでございます。
○三谷委員 裁判は現行地公法を基礎にして行われましたけれども、その裁判の判決文というものは、いまの地公法が、職員の利益の保護を通じて能率の向上あるいはその他の勤務上の状態を改善する上に必要であるということを言っておるわけです。ですから、現行の地公法がどうであるとかこうであるとかということよりも、その制度が非常に重要だということを裁判では述べておるわけでございます。 そういう点から申しますと、このようにしまして六十歳で退職を強要される、そしてなお今日、平均寿命が延びまして七十何歳という老齢者が非常にふえておる状況の中におきましては、非常な不安定さといいますか、生活上における不安感といいますか、こういうものを強めて、能率上も好ましくないという見地を裁判は示しておるのでございます。 その点からしますと、あなた方がおっしゃいます、これが身分保障制度を強化するものであるから、むしろ公務員としては歓迎すべきものだというふうな詭弁は存在する余地はあるまいと思いますけれども、それをずっと審議を通じて一貫して述べていらっしゃる。そこのところに、私は大変疑問を持っておるわけです。その点はいかがでしょう。
○大嶋政府委員 公務員として歓迎すべきであるかすべきでないかということはちょっと別の問題といたしまして、私はやはり、公務員というものの中におきます公平性といったものも定年制度ができ上がることによりまして達成されるのではなかろうか、このように考えておるわけでございます。したがいまして、現在民間におきましても定年制は相当普及はしてきております。そういった中で、まだ五十歳代の定年制というものがあるわけでございます。それらが若干延びてきておるという傾向にあることも事実でございますけれども、昭和六十年に六十歳の定年制を、原則定年でございますけれども設定をするということは、あながち公務員に対して一般の民間に比べまして不利な状況をつくり出すということにはならないものだ、私はこのように考えておるところでございます。
○三谷委員 一般の民間の労働者と比べて不利になるということを聞いたわけじゃない。いまの公務員法によって保障されております身分制度というものが後退をして不利になるのではないか、こういう質問をしている。 それで民間の点から申しますと、これもこの判決に出ておりますけれども、たとえば地方公務員というものは「営利追求の原則として自由な民間企業の場合と異なり、「地方公共団体の住民全体の奉仕者として実質的にはこれに対して労務提供義務を負うという特殊な地位を有し、かつその労務の内容は、公務の遂行すなわち直接公共の利益のための活動の一環をなすという公共的性質を有する」うえ、その職務の内容も種々雑多で、一律に定年制を定めることが困難なことに鑑み、定年制によってではなく」個別的に解決しようとするものである。 民間企業との関係につきましても、裁判ではこういう一定の解釈を示しておるわけでありますから、私はまだ民間企業とは言わなかったけれども、あなたは民間企業の方にすぐ移っていらっしゃいますけれども、そうではなしに、いまの地公法の保障する地方公務員の身分や地位の保全の問題と比べて不利になっているではないか。そして民間と比べました場合には、これもこの裁判で述べておりますように、民間の場合とは異なる条件があるということも言っているわけでありますから、そういう点についてどのように解釈されておりますでしょうか。 〔安田委員長代理退席、委員長着席〕
○大嶋政府委員 確かに公務員は、民間に比べましてその地位の特殊性なり公共性というものを持っておるわけでございます。しかしながら、公務員であるがゆえに、現在の地方公務員のたてまえでいきますと、要するに定年制というのはないわけでございますから、いつまでも勤められるというようなことにたてまえ上なっておるわけでございます。そこで勧奨退職というのが行われておるということになるわけでございますけれども、公務員はいつまでも、要するに死ぬまで公務員であり得るということは、やはり合理的な理由というものを超えておるのではなかろうかと思います。したがいまして、そういう意味合いにおいて、合理的な定年年齢のところでこの定年制度をつくるということにつきまして、私はそれなりの十分の理由があり得るものだ、このように考えておるところでございます。
○三谷委員 聞いたことに答えてくださいな。現行法と比べて公務員の身分保全の面から申しまして後退をすることではないか。あなた方は、むしろ身分保障の強化によって公務員は歓迎すべきものであるという趣旨のことを一貫して述べてこられたんだ。そうではありますまいと言っておる。 そうして、いまおっしゃいましたような点から申しましても、これも大阪地裁の判決でありますが、「労働能力の減退には個人差があり、一定年齢の到達により労働への適格性が当然に失われるものではなく、職務内容によっては多年の経験により円熟味と効率の増大する場合も少なくなく、特に、近時の平均寿命の大幅な伸びからみても五十五歳や六十歳が労働不適の老齢であるとは考えられないところで、現に民間企業における定年延長、再雇用、再就職の傾向はこのことを端的に示すものであり、「老齢化社会」、「労働力人口の老齢化」へと進みつつある我が国社会の現状に照らせば、むしろ壮年ともいうべきこの労働力を定年制で切り捨てることは社会的にみても大きな損失である。」ということも述べておるわけでありますから、あなたがおっしゃいますこととは全然これは解釈が違っている。しかも、あなたのお答えは、私の質問に対してお答えになっているわけではないのであって、質問に対してお答えをちょうだいしたい。
○大嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、地方公務員につきまして離職の一つの形態がふえるということにおきましては、形式的に見ます限りは、まさに御指摘のとおり現在よりも不利益になるだろう、それはそのとおりだと思います。しかしながら、公務員であるがゆえにいつまでも、八十歳になっても九十歳になってもというのは言い過ぎかもしれませんけれども、要するにいつまでも勤められるということも、これまた余り合理的な理由がないのではなかろうか、そこには社会的な、あるいは今後の高齢化社会への移行というものを見渡した政策というのがやはり考えられなければならないのではなかろうか、このように申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 あなたのおっしゃいますことは、どうも私の質問とかみ合っていないわけです。私は、死ぬまで、立てなくなるまで仕事をさせろとか、あるいは全然これは合理的な問題の追求は反対だというわけじゃないのであって、そういう必要があれば、それは地方自治の本旨に基づいて地方住民と地方自治体が決定をするという性質のものであって、国の方が一律な、機械的な規定をつくって押しつけるものではないと私は思っているのです。 そこで、もう一つお答えいただいておきたいのは、争議権の剥奪等労働基本権にさまざまな制約を受けつつある公務員が、その生存権保障の趣旨から、これの制約に見合う一種の代償措置の役割りが必要であり、それがこの地公法が担っておる役割りであるということを述べている。この点についてはどうお考えなんでしょう。
○大嶋政府委員 労働基本権が制約されておるその代償措置というのは、これはいろいろあると私も思っております。
○三谷委員 それが答弁かね、君。その代償措置として、公務員の定年制禁止の処置がとられてきたんだ。ところが、それをいまお外しになるわけだから、代償措置というものは消えてしまうわけだけれども、結局それは公務員の権利の全面的な否定につながるわけじゃないでしょうか。
○大嶋政府委員 これはもう三谷先生も十分御案内のとおりに、現在の地方公務員法におきましては、労働基本権の制約があることは御承知のとおりでございます。ただ、定年制度は、これからの高齢化社会に適切に対応してまいりますために、高齢者の雇用対策に配意しながら適切な退職管理制度を設ける、そして長期的展望に立って計画的かつまた安定的な人事管理の推進に役立たせようというものでございます。したがいまして、定年制度の導入というものは、退職に関する制度についての大きな変更ではございますけれども、そのことが公務員の労働基本権と直接関係する問題ではない、このように考えておるところでございます。
○三谷委員 私は、高齢者対策が必要ではないとは言ってはおりません。ただし、どのような措置をとるにしましても、それは労働基本権というものが剥奪されている、つまりいまスト権も持っていないわけでありますから、それに対する代償として身分保障の制度ができているわけでありますから、その場合は、その身分保障の制度というものを後退させるのでありますならば、争議権の剥奪等の処置についてもあわせて考えていかなければ大変不公平なことになってしまうではないかと思いますけれども、その点はどうお考えでしょうか。
○大嶋政府委員 公務員の身分保障制度につきましては、公務員の地位の特殊性から、任命権者の恣意的な判断によりまして職員が身分上不利益な取り扱いを受けることはない、そのためにいま法律で一定の分限条項を定めておるわけでございまして、これに該当しない限りその身分を保障する、こういう制度でございます。で、今回の改正におきましても、制度の大枠を法律で定めよう、こういうことにしておるところでございまして、先ほど申し上げましたように、労働基本権と直接関係してくる問題ではないと思いますので、お言葉を返すようですけれども、私は合理的なものであると考えておるわけでございます。
○三谷委員 労働基本権と関係がないとおっしゃいますけれども、公務員に保障されました身分の安定等の処置が棄損されるわけでありますから、それに対しては当然労働者はスト権等を含むことで対抗するわけでありますけれども、できないわけであります。ですから、そういうことができない代償として、この身分保障というものが確立されているわけであります。それをもしも引き下げるのでありますならば、一方の処置も当然改善していかなければいけないのではないかというのは、だれが考えてもそういう帰結に到達するわけでありますが、その点いかがでしょうか。
○大嶋政府委員 地方公務員について身分が保障されておるということでございますけれども、それは合理的なところで保障されておるわけでございまして、当然職員がその意に反して降任、免職されるという場合もあるわけでございます。これは現行法上そうでございますが、これに今回一定の定年年齢に達することによりまして自動的に職を離れるといいますか、そういうことがつけ加えられたということでございます。そういう意味合いにおきまして、先ほど申し上げましたように、形の上から見ますと退職の事由が一つふえてきた、こういうことになるわけでございまして、その限りにおきましては、それは現在の制度よりも職員にとってはある面において不利になるということもあるわけでございます。 しかしながら、現在ほとんどの地方公共団体におきまして、五十七、八歳というところで現実に勧奨退職という形で職員の新陳代謝が図られておるわけでございます。それがまた、地方団体の組織としての活力というものを維持しておるわけでございますから、私は、先生御指摘のようにこれが公務員にとりまして大変不利益なものになるというようなことは考えられないわけでございます。合理的な範囲内におきまして定年制を設けるということは、今後の地方公共団体の職員の新陳代謝を図っていくという上におきまして、高齢化社会を迎える中で必要なことである、私はこのように申し上げておるところでございます。
○三谷委員 あなたがおっしゃいます主張を受け入れるとしましても、その処置はどういう処置をとるべきか。それは国が地方自治の本旨にまで介入をして、そうして人事行政というものを中央統制のもとに結びつける、そういう処置でやるべきなのか。あなたがおっしゃいます主張に道理があるとしましても、国が一律にそれを強要するというふうなことが果たして正しいのかどうか、ここには依然として問題が残っている。 前段のあなたがおっしゃいます説明自体、私は納得しませんけれども、それをもしも許容するとしましてもやり方があるだろう、そのやり方というのは地方自治体の自主性を十分に尊重する、その観点に立って地方公務員の定年の問題は検討すべきものだと私は思っておりますが、その点いかがでしょう。
○大嶋政府委員 地方公務員法は、憲法九十二条の「地方公共團體の組織及び運榮に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」という規定に基づきまして、一般職の地方公務員の身分取り扱いといったものを定めておるわけでございます。公務員制度の基本的事項につきましては法律でこれを規定いたしまして、各地方公共団体の実情に応じて定めてよいという事項につきましては、地方公共団体の条例で定めるということにしておるわけでございます。 今回の定年制度の創設に当たりましてもこのような基本的な考え方に立ちまして、定年制度の導入それから勤務延長、再任用といった基本的な事項につきましては、職員の身分保障という公務員制度の基本にかかわる制度でございますので、国家公務員の制度と整合性を図りながら法律でこれを定めるということにしておるわけでございます。 定年それから退職日といった定年制度の実施に関する事項につきましては地方自治の本旨にのっとりまして、各地方公共団体の実情に応じた退職管理ができるように各地方公共団体が条例で定めるものとしておることは、御案内のとおりでございます。そういう意味合いにおきまして、今回の改正案が地方自治の本旨に反するものというふうには私ども考えていないわけでございます。
○三谷委員 あなたが考えていらっしゃるかどうかということよりも、これは客観的な効果という問題です。何といいましても、地方自治体が決めるべき行政の内容を一律に国の方で押しつけるわけでありますから。 この前出されました定年制法というものがありますけれども、そうはなっていない。これは定年制というものは必要であるけれども、その内容につきましては地方自治体で定める、これまでの定年制法案はそうなっておりますが、定年に達したとき離職するもの、こうなっておるわけであって、その定年が何歳かということはすべて地方自治体の裁量に任されておるわけであります。地方自治の本旨に立ちますならば、当然その程度の裁量権は地方に残していく。定年制は必要である、そういう見地をとるにしましても、その具体の処置というものは地方自治体がやっていくというのが、本来の地方自治の本旨に立つやり方だと私は思います。 今度はそうでない。そうして、さっき申しましたように、法律はつくるけれども団体交渉の対象になる、こうおっしゃる。あるいは人事委員会の権限も否定されてはいない、こうおっしゃっている。しかし、団体交渉の対象になるとしましても、法定されました事項については交渉の対象になりがたいわけです。人事委員会の権限とおっしゃいますけれども、これも法定されました内容については介入をすることはできないわけでありますから、ですから、あなた方がおっしゃいます身分保障の強化であるというのも、これは詭弁である。いまだんだんと、身分保障制度の後退であるということを認めざるを得ないところにきているようでありますけれども、これは詭弁になっている。 それから、法律はつくられましても地方自治を棄損しないという言い分、これもそうではないのであって、一体地方自治体が裁量権を持っているのはどういう内容なんですか。年齢はどうなるわけですか。それから、それ以後の退職するまでの期間はどうなっているのか。そこら辺に全部自治体の裁量権があるのかどうか。ないわけでしょう。なければ、それは地方自治を侵害するものではないということは言えないじゃないですか。
○大嶋政府委員 確かに、過去に地方公務員に定年制を導入しようということで御提案を申し上げましたときの内容と、今回の内容というのは違いがございます。過去におきましては、御案内のとおり一部の例外を除きまして、国家公務員につきましては定年制度というのはなかった。そういう中で、地方公共団体にとっては定年制度が必要であるということから定年制度をつくるという道を開こう、こういうふうにしたわけでございます。 今回の法案におきましては、一般の国家公務員につきましても定年制度ができるということで、同じ公務というようなところで仕事をしておる職員でございますので、それらと整合性をとるということもまた必要でございますので、今回の提案という形になってきたわけでございます。したがいまして、いま御指摘のように定年年齢、これは国家公務員を基準として定めるということでございまして、そのこと自体につきましては、地方公共団体の裁量の幅というのは非常に少ないもの、このように私ども考えておるところでございます。
○三谷委員 そこで、いま地方自治の本旨という点から申しましても大変疑問があるということがあなたのお答えでわかったのですが、国家公務員との整合性を盛んにおっしゃっておりますけれども、国と地方というのは一面から申しますと相対的な矛盾を持つ面がある。地方自治というものと中央集権というものにつきましては概念上の矛盾がある。言うまでもない。 そこで、その矛盾の中で、地方自治の本旨を守るべき自治省としてはどの見地に立つべきなのか。つまり、国と地方との整合性が必要なのか、あるいは地方自治体の自主性が必要なのか、そういう問題が当然起きてくるわけです。そういう点から申しますと、もしも整合性が必要でありますならば地方自治体の所在する地域の民間労働者との整合性、この見地に立ちますならば、これは確かに地方というものを主体にした物の考え方になってくる。そうでなしに、三人か五人しかいない村役場であろうと一万人を超す大都市の自治体であろうと同じ規制を加えていくというような考え方、これはもうすでに地方自治の見地というものを失ってしまっているわけです。そういう立場に立って整合性を主張されるということは、自治省としてはとるべき態度ではないと私は思っている。その点についてどうお考えでしょう。
○大嶋政府委員 地方自治というもの、これはやはり最大限に尊重されていかなければならないもの、この点につきましては、私ども同様の認識を持っております。ただ、今回の公務員のこの定年制というものにつきまして、これは国家公務員も地方公務員も同じ公務員でございますので、その間の均衡というものはこれは当然またあってしかるべきものだ、このように私は考えるわけでございまして、したがいまして、今回の御提案のような形になっておるということでございます。 定年制度というのがある意味におきましては公務員制度の根幹をなすものでございまして、それが同じ公務という仕事に携わっております国家公務員と地方公務員とばらばらのものであるということは、やはりそこには合理的な理由はないのじゃないか、このように考えざるを得ないわけでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○三谷委員 それが理解できないから質問しておるのだ。また、理解できるような説明をしてくれなければいかぬ。つまり、国と地方との整合性ということによって、地方自治の本旨が破壊されてもいいのかという問題なんですね。 ですから、これは単に公務員の定年退職制度のみにかかわらず、財政の問題もあります。特に、最近のように行革の答申なんて化け物みたいなものが出てきて、地方自治の侵害を容赦なくやってくるというふうな状況の中で、そういう整合性では地方自治の本旨は守れないという立場に立つべき自治省が、むしろ地方の中央統制というものを促進する立場に立っている。その国と地方との整合性ということは、そういう発想に立つものである。ですからその点は、私は自治省としてとるべき処置ではないと思っております。その点はどうでしょうか。大臣でも行政局長でも、暇なようだから少し答えてください。
○砂子田政府委員 ただいまのお話をお聞きしておりまして、自治省というところは本来地方自治の本旨に従いまして仕事をするところでございますし、自治省自身の設置法にございますように、民主政治の基盤を確立する地方自治の推進を図るというのがわれわれの任務でもあります。そういう意味では、まさにおっしゃられているとおりだと思います。 ただ、今回の地公法の改正というものは、先ほどからお伺いしておりますと、いろいろな身分保障の問題がございましたり、あるいは職員団体とのかかわり合いの問題ということもございましたし、いろいろそういう点も、私たちも法律をつくります場合に真剣に考えた部分であります。 身分保障に関しましても、先ほどからお話がございましたが、いままでの退職勧奨のやり方の方が公務員としてよいのか、あるいは不公平感をなくすような一定の年齢によって雇用関係を終了させるという方が、生涯設計と申しますか生活設計と申しますか、その方が公務員にとってベターなのか、いろいろな議論があろうと私は思っております。 さらには、住民に奉仕をするという公務員の立場から申しますと、公共団体のそういう組織の活力をも生み出すということも必要でありますし、そういう点を総合的に考えまして、地公法の定年制というものを導入するという結論に達したわけでありますが、そういう過程の中で、いまお話のありましたように、地方自治の本旨をどこかに忘れてきたのではないかとお考えになることも、あの法案の中にはないわけではないと思っております。 ただ、私たちも大変苦労いたしましてあの法案をつくりますときに、一挙に地方公務員にとりましても六十歳定年ということを明記すべきだという御議論もいろいろございました。それは、国の公務員と地方公務員とを比べてみますと、先ほど公務員部長がお話をしましたように、職務の内容というものがきわめて類似しておる。そういう意味では、世間一般から見ても同じ年齢でいいのではないかという御議論もございました。 しかし、そういうことでいろいろ考えていきますと、すべてが国と横並びだという議論が余りにもされ過ぎる、それでは地方自治というものの本旨を尊重するという明文を掲げているわが省としてはきわめて困る問題でもありますし、そういうところをいろいろと議論いたしまして、ある部分を国の基準に合わせながら公共団体の自主性である条例に任せ、それを議会の議決にかかわらしめる、言うなら住民の意思の反映をそこに求めるという形をとったわけでもあります。 そのとり方がきわめて小さいではないかという御意見もあろうと思います。しかしその辺は、いままでの地公法の流れと申しますか、地方公務員と国家公務員との間のいろんな対比ということを考えてみますと、やはりある程度の整合性というものをとらざるを得ない。そういうところの苦心をいろいろいたしまして、若干国家公務員にもないような特例定年を設けながら、その中でこれは公共団体の自主性に任せよう、職員団体と長との交渉に任せようという部分もつくりまして、いろんな点で地方自治が生かされるように実は配慮をしてまいったわけでもあります。そういう点を、先ほど公務員部長がお話を申し上げましたように、御理解を願いたいということで申し上げたということでございます。
○三谷委員 いろいろおっしゃっていますが、国の公務員の退職制度をそのまま地方に引き写し、そしてそれに触れることは法律違反として不可能であるというような処置というものは、地方自治の本旨に全く反している。ですから、こういう処置はとるべきではないと私は思っておりますが、これをここで繰り返しますと大変時間がたちます。 要するに一つは、自治省が今日まで説明してこられました、この地方公務員法の改正は地方公務員労働者の身分保障を強化するものであるということはごまかしだと思う。二つ目は、これは団体交渉の対象にもなるし、それから地方議会で条例を制定するし、人事委員会の権限も生かされておるから地方自治の侵害にはならないという、この説明もごまかしである。 そのことが、私はますます確信的になってきたわけでありますが、もう一つの問題は、いまおっしゃっていますように、国家公務員法が改正されたので地方公務員も整合性上やむを得ない、こうおっしゃっておる。しかし、いままで自治省がとってきました態度というものは、そういうことは一言もおっしゃっていない。たとえば、いまの人事院総裁藤井さんの地方公務員法の提案理由説明を見ましても、そんなことは全然おっしゃっていない。 これを述べておりますと大変長くなりますから全文は読みませんけれども、地方公共団体の自主性、多様性、そして地方自治の本旨、地方自治の進展、そしてそのためには地方公務員制度について余りに詳細な規定を法律自体で設置すべきものではない、できるだけ地方公共団体の自主性を尊重すべきである、これがいまの人事院総裁が公務員課長時代の地公法の提案理由になっている。つまり、国家公務員に退職制度がないから地方もそうすべきであるとは言っていない。地方自治の本旨に立って、この地方自治体公務員労働者の身分保障の制度が必要である、こういう説明をされておるのであります。 これは藤井さんの「地方公務員法逐條解説」の中にもそのことが述べられておりますが、これによりますと、「地方公務員制度の樹立に当っても、理念の追求に急なる余り、些末な点に至るまで法律で直接に規定することによって、地方公共団体の自主的判断を入れる余地がないような制度をつくり上げることは、避けなければならない。」こうおっしゃっている。 そして、「例えば職員数十万以上に達する東京都のような大地方公共団体から、職員数僅かに十名内外といったきわめて小規模の山間の僻村もあるのであるから、これらの多様性に即応した措置が採られなければならないことは当然の事理である。」「これを一律的、画一的にすべての地方公共団体に強制するということになつては、却つて地方公共団体の実情にそわないこととなる」「公務員制度の根本基準と目さるべき重要な事項を規定するにとどめることとし、その実施の細目は、あげてこれを当該地方公共団体の自主的決定にゆだねることとし、」これが「地方公務員法逐條解説」の現在の人事院総裁の見解であります。 この中には、国の制度に準じてとか国との整合性が必要であるとかなんとかが一つもない。要するに、地方自治の本旨に立ってこうなくてはならぬということが言われている。これは自治省の見解として、私たちは今日まで学んできたわけです。ところが今日になりますと、地方自治の本旨が消えてしまって、国との整合性ということを盛んにおっしゃっている。ここにも問題があるのではないでしょうか。
○砂子田政府委員 いま三谷委員がおっしゃられましたように、地方公務員法を制定いたしますときの経過なり、あるいは藤井先生の本などにはそういうことが記されておることは私も承知をいたしております。ただ、三十一年法なり四十三年法の定年制の改正をいたしますときには、少なくとも国家公務員に定年制がなかったこと、あるいは地方公共団体なり地方制度調査会というところから公共団体にも定年制が必要だという大変強い主張があったこと、これは三谷委員も御承知かと存じますが、そういうことがございまして、定年制を導入する道を開くということのための法案改正でございました。 今回のは、国と地方というものをあわせまして定年制を導入する方向になりまして、同じ形で定年制を導入していく。しかし、定年制は導入するけれども、それも足りないではないかとおっしゃいますが、定年の部分について制度の部分は法律に、現実の定年制を動かす部分はあとう限り条例なり人事院の規則なりにお任せをしようという態度できたわけであります。 ただ、お話がありましたように、事定年制に関しましては大変身分に関する問題でもございますので、この点は国家公務員の身分の定め方と地方公務員の身分の定め方というのは、法律上は大体同じになっているわけであります。離職の態様としては大体同じになっておりまして、この点はむしろ公務員の身分というものを考えましたときに、基本的なものについてはやはり厳格に法律で規定していくという態度に出たものだと思っております。 そういう意味で、定年制というものをこの法案の中に入れましたときにも、やはり国とその部分は同一に扱う方が公務員としての立場上よろしいのではないかという考えから出ておって今回の改正案を出したようなわけでありまして、私たちが本来地方公務員というものをなるべく自主的に運営をさせていくということについて、今度の改正に当たって非常にそれを歪曲したような法案をつくるということは別に考えておりませんし、今後とも地方公務員法の改正というものにつきましては、当初法律をつくったときの意思というものも受け継いでもいるわけでありますから、そういうことをも念頭に入れ、そして社会経済情勢のいろいろな変化に合わせながら公務員のあるべき姿というものをあらわしていくというのが、やはりこれからの公務員法にとって必要だと思いますし、社会一般がいろいろな意味で地方公務員に対して厳しい目で見ているこの社会の中で、どういうふうに地方公務員法をつくっていくかということも私たちの一つの任務でもございますから、そういう点を御理解をいただきたいと思うわけであります。
○三谷委員 いろいろおっしゃいましたけれども、核心に触れていない。ですけれども、これはこれ以上繰り返しても、それ以上の答弁が出ぬだろうと思うのです。しかし、この裁判所の判決も言っていますけれども、労働基本権の代償措置である限りはそれを全く考えずにこういう処置をとるということはきわめて不合理である、不公正である、この点が一つ残っておる。 それから定年制がよしんば必要であるとしましても、それはその地域の事情に応じて、あるいはその地域の民間企業との権衡を考えて、地方自治体の地方自治の立場でこれを制定させるということが本来ではないかと私は思っておりますが、その点どうでしょうか。
○大嶋政府委員 定年制度というのは、要するに公務員制度の一つの大きな根幹をなすわけでございます。そういう意味合いにおきまして、先ほども申し上げましたけれども、公務員のあり方というものは、これは国も地方も同じであろうと思います。そこで、それぞれの権衡というものをそこに図る必要があるというふうに私ども理解をしておるわけでございます。そういう意味合いから、現在の法案を御提案申し上げておるということでございます。
○三谷委員 また、答えがもとに返りました。そこのところから前に進んで私は質問しているわけです。たとえば、労働基本権の代償措置としての性格を持つ場合、その代償を奪われてしまった公務員は一体どうなるのかという問題です。 それからいまおっしゃいますように、権衡性というものにつきましては別に憲法上の規定はありませんが、地方自治の本旨というのは憲法上の規定になっている。非常に重要な基幹的な考え方になっている。そういうものが権衡性という程度の便宜的な判断によって曲げられていいのか、曲げなければそれができないのか、その点どうなんですか。
○大嶋政府委員 先ほども申し上げましたけれども、労働基本権の代償措置というのはいろいろあるわけでございます。職員が安心して勤められるというのも、まさにそうだと思います。しかし、それはいつまでも勤められるというような問題ではないわけでございまして、合理的な理由があってそこに定年制が設けられるということは、労働基本権の代償措置といったものとは関係ないのではないか、私はこのように考えておるところでございます。
○三谷委員 それは答弁にならぬ。大臣、どうです。もっと明快な答えをしてもらいたいと思うのです。いまのは、さっきのをまた繰り返しているのだ。いつまでも勤めることを保障しろということを私は言っているわけではないが、いまの制度はそうなっている。これは間違いがない。そしてそのことは、労働基本権を奪ったからそういう制度ができてきたわけです。その代償を奪うのであれば、もとの基本権をどうするかという議論が当然起きてきてあたりまえの話です。 それからまた、これは定年制がいいか悪いかという問題について議論します場合に、もしもつくるとしますならば、これは地方自治体が自主的につくるべきものであって、その指導をするのであって、強権的な枠をはめるものではない、それは地方自治の本旨に反すると言っているわけです。その議論が、その答えの中には全然生かされていない。何か端っぽだけ、枝葉末端の問題だけを繰り返し繰り返しおっしゃっているが、もう少し論理的な説明をしてほしいと思う。
○大嶋政府委員 お言葉を返すようでございますけれども、公務員に定年制がないということは、これは労働基本権の代償措置として定年がなくなったということではないというふうに私、理解をいたしておるところでございます。したがいまして、将来の高齢化への移行という問題をながめてみます場合に、やはり定年制度というのは必要であるし、それがまた、先ほども申し上げましたけれども、同じ公務員であります国家公務員あるいは地方公務員というところでそれぞれの均衡というものを考えていくということが必要である、このように私はいま申し上げておるわけでございます。 すべてのことを全部各自治体でやればいいではないか、こういう仰せでございますけれども、退職制度というのが公務員制度の根幹という問題でございますので、そこにはやはり他の分限等も同じように、それぞれの均衡というものは考えなければならない問題があるということを申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 労働基本権と定年制は別個の問題。事柄は別個だけれども、しかしその身分保障というものは、労働基本権を奪う代償として確立されてきているわけです。そのことは裁判所も言っているでしょう、最高裁の判決にもあるでしょう。争議権の剥奪等労働基本権にさまざまな制約を受ける公務員について、「その生存権保障の趣旨からこれら制約に見合う一種の代償措置の役割を担っている」ものである、これが最高裁の判例なんでしょう。そうでありますならば、もしもそういう身分保障の制度というものを改悪するのであれば、当然これは労働基本権というものを回復する処置を考えていかなくてはいけない。それは別でございますということにならないのです。
○大嶋政府委員 合理的な事由に基づく身分保障というのが、労働基本権の制限の代償措置であろうと思うわけでございます。そこで、定年制度を導入するということがこの労働基本権の制約に対する代償措置を剥奪するものである、このようには私ども考えていないわけでございまして、こういう答弁ではまた三谷先生にしかられるかもしれませんが、私どもはそのように考えておるわけでございます。
○三谷委員 今日まで合理的な制度として、地方公務員制度というものが遵守されてきたわけだ。そして、中には退職金制度をつくっておりました自治体に対してまでも、その制度の改廃を求めるという処置もとってきたわけだ。それは、不合理な処置じゃないという見地でしょう、合理的であるという判断に立ってそういう処置をとってきたのでしょう。それをいまごろ、それは合理的な制度でなかったかのようなことをおっしゃっている。そういう二面性といいますか詭弁性といいますか、それが一貫してあなた方の答弁に流れている。そこのところが、私たちは了解できないということを言っておるわけであります。 それで、時間が来たようでありますからこれでおきますけれども、この問題といいますのは、公務員の身分保障の制度を大幅に後退させるものである、そして地方自治をはなはだしく制約するものである、そういう内容のものであります。 今回の行政改革法案が、事実上地方自治権の侵害を財政面、制度面からやろうとしております。要するに、その制度上からの地方自治の本旨の侵害が一斉に行われようとしておりますときにこういう法案が出されてきた。特に前回の国会と違いますのは、今度は行革法というふうなものが提案されまして、地方自治に対する大幅な攻撃というものが強まっている中でこの法律が論議されておるというところに、大きな問題があると私は思うのでございます。 そういう点から申しまして、今回の定年制法案は私たちは絶対に認められない、法案を直ちに撤回されたい、そのことを私は要求するものでありますが、大臣は黙して語らずということではいかぬでしょう。あなたも寿命もそう長くないようでありますけれども、しかし任にある限りは、責任のある答弁をお願いしたいと思うのです。
○安孫子国務大臣 御議論のほどは、前国会からもう何回も繰り返して拝聴いたしております。また当局といたしましても、誠意を持ってこれに答弁をしてまいりました。 いま最後に、撤回の意思ありや否やというお尋ねでございますが、撤回する意思がございませんので、よろしくお願いいたします。
○三谷委員 終わります。 ————◇—————
○左藤委員長 これより内閣提出、参議院送付、地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案は、さきの第九十四回国会、本院において修正議決の上参議院に送付し、同院において継続審査となり、去る十月三十日、本院に送付してまいったものであります。 したがいまして、その趣旨はすでに十分御承知のことと存じますので、この際、提案理由の説明は省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 地方公務員法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○左藤委員長 本案につきましては、前国会におきまして十分に審査いたしておりますので、先ほどの理事会協議に基づきまして、この際、直ちに採決に入りたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 地方公務員法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十六分散会 ————◇—————