商工委員会エネルギー・鉱物資源問題小委員会 第1号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/11/06
会議録
○島村小委員長 これより商工委員会エネルギー・鉱物資源問題小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 今国会も引き続き、私が本小委員会の小委員長に選任されました。小委員各位の格別の御協力をお願い申し上げます。 エネルギー・鉱物資源問題に関する件について調査を進めます。 本日は、エネルギー・鉱物資源問題の視点から、わが国基礎素材産業の実情について、各業界を代表する参考人の御出席をいただき、調査を進めてまいりたいと存じます。 本日御出席の参考人は、日本アルミニウム連盟会長松永義正君、石油化学工業協会会長土方武君、塩化ビニール工業協会会長高橋博君、日本硫安工業協会会長松葉谷誠一君、カーバイド工業会会長花岡弥六君、日本製紙連合会会長田中文雄君、以上六名の方々であります。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人の皆様には、御多用中のところ本小委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。 申すまでもなく基礎素材産業は、わが国経済及び国民生活の維持発展にとって不可欠な物資を供給する重要な産業でありますが、近時石油価格の高騰等による原料並びにエネルギーコストの大幅な上昇により、その経営にきわめて深刻な打撃を受け、操業率の調整等による企業努力にもかかわらず、その経営基盤は構造不況の様相を呈してきていると伝えられております。このような深刻な不況に見舞われている基礎素材産業をめぐり、可及的速やかに解決すべき緊急の諸問題につきまして、参考人それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後のエネルギー・鉱物資源政策の方向について、本小委員会の審査の参考に供したいと存じます。 なお、議事の順序でございますが、最初に御意見を各十分以内に取りまとめてお述べいただき、次に小委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。 発言する際は小委員長の許可を得ることになっており、また、参考人は小委員に対して質疑はできないことになっております。 また、時間の制約がございますので、お答えはなるべく簡潔にお願いいたします。 それでは、まず松永参考人にお願いをいたします。
○松永参考人 日本アルミニウム連盟の会長をしております松永でございます。 それでは、アルミニウム製錬業につきまして、これからお話を申し上げます。 まず結論的に申し上げますと、わが国のアルミニウム製錬が直面している問題は、エネルギーコスト高に尽きると言っても過言ではないと存じます。 ここでは、まずエネルギーコストの問題と、その結果生ずるスポット地金の輸入圧力及び製錬業界の業績悪化の実態、最後に国内製錬存続のために必要な対策についてお願い申したいと存じます。 まずエネルギー関係でございますが、アルミニウム一トンつくりますには、世界一原単位のすぐれた日本で一トン当たり一万五下キロワットアワーの電力を使います。アメリカ、カナダでは約一万七千五百キロワットアワーの電力を使っております。 お配りした一ページ目に、電力価格の国別の比較を差し上げておりますが、わが国の電力は飛び抜けて高いのでございます。電力の国際比較の数字として、お手元には差し上げてございませんが、今年五月に開かれました国際アルミニウム製錬協会で発表されたところによりますと、自由世界のアルミニウム製錬に使われる電力の平均価格は十八・五ミルとされております。これは二百二十円をパー・ドルに掛けますと、円に換算して一キロワットアワー四円ということでございます。これに比べ、わが国の電力費は重油火力で十六円ないし十七円、あるいは全体の平均で約十五円となっておりますので、大きな開きがございます。 一ページに、製錬用電力の電源構成比率を差し上げてありますが、よその地域あるいは自由世界平均に比べて、日本では石油への依存比率が高いのが特徴となっております。この結果、現在の国産地金のコストはトン当たり約五十一万円程度となっており、御承知のとおり、海外からのスポット地金に押されて国産地金が在庫に積み上げられていくという状態が現在も続いているのでございます。 次に申し上げたいのは、それでも国内アルミ製錬がどうしても必要だということでございます。 これは、さきに産業構造審議会アルミニウム部会の議論の出発点として、ユーザーの立場からも、一定規模の国内製錬はぜひ必要と強く主張されたのでございます。国産のアルミニウム新地金でなければ製品の品質を守ることができない、そういうものが昭和六十年の需要の中で約四十万トンあるという具体的な指摘もございます。わが国の製錬技術は世界でも最高の水準にあり、きめ細かい現場の操業と相まって、電線用、箔向け、印刷板向け、あるいは表面仕上がりを重要視するその他の圧延品などは、ユーザーさん御自身、国産地金でないと困るとおっしゃっているのであります。このほか、納期の保証など輸入に頼り切るのは問題があるというような部分も加えまして、二ページにございますような国内製錬の役割りを考慮いたしまして、昭和六十年度の新地金需要の約三分の一程度はどうしても維持するべきだという答申となったのでございます。 次に、海外スポット地金の輸入圧力について申し上げます。 わが国の製錬業がエネルギーコスト高によって疲弊すると申しますのは、結局海外のスポット地金が市況の緩んだ時期にどっと流れ込んで、国産の地金が売れなくなるからでございます。この圧力の中で最近特に顕著な例は、アメリカからの輸入であります。アメリカは、本来アルミニウムの輸入国というポジションにあるのでありますが、内需の低迷と高金利政策が重なって、余った地金を日本に向けてきたのでございます。これが量的にきわめて多いことが問題でございます。五十三年度にはわずか八万トン弱だったものが、五十五年度では実に三十五万トンもアメリカから入ったのでございます。 そういたしますと、次の問題は、このようなスポット地金の圧力をはねのけて、国内製錬七十万トン体制を維持できるのかどうかという点ではなかろうかと存じます。 一つには、産業構造審議会の見通しにもございますように、世界的に新設工場のコストが次第に高くなり、華々しく打ち上げられた新設諸計画が、最近になって延期もしくは中止となるケースが出てまいりました。今後、アルミニウムは世界的にタイトになっていくことと予想されております。 このような環境はあるにしましても、七十万トン体制を守ることはなかなか容易ならないことでございます。業界の努力に加えて、当面の危機救済策が実現すれば見通しはございます。 第一に、業界は以前から開発、輸入に力を入れておりまして、エネルギーコストが安い海外工場を合弁で建設することによって、国産品と合わせた全体の平均コストを国際価格に近づける努力を続けてまいりました。昭和六十年には、製錬会社の開発、輸入と長期契約輸入が六十五万トン程度になる計画でございます。この量は国産量と同じでございます。ここで当面の危機的状況を切り抜けるだけの支援策がいただければ、私どもの試算では、ほかの諸努力とあわせて、経常収支で五十九、六十年度あたりからとんとんの線になると見ております。 ほかの諸努力と申し上げた中で大きなものは、エネルギー源を重油から石炭に転換することでございます。このエネルギー転換により、電力のコストを三円程度引き下げることができます。さらに、ユーザーさんの御協力あるいは関連グループ会社の支援、協力も見逃せません。国内での取引価格は、国際標準価格に比べてやや高目に買っていただけるという協力がございます。また、余剰人員の吸収、金融支援など、関連グループの支援体制もできております。 しかし、業界は、今年度六百五十億円程度の経常損失を出す見込みでございます。五十六年度末の累計欠損は九百億円ないし一千億円に達するというような非常事態を迎えておるのであります。さらに、現在までの段階で約五百十億円の設備処理費用がかかっており、新たに七十万トン体制に移行するためには四百五十億円の処理負担が加わり、合計九百六十億円という巨額の費用がかかるのであります。 したがって、当面、昭和六十年あたりまでの危機的な状態を回避するために、電力コストの低減並びにアルミニウム地金の関税割り当て制度の対策をお願い申し上げているわけでございます。 その中でも、開発、輸入及び長期契約輸入メタルの関税免除を目途としたアルミ地金の関税割り当て制度の導入は、地金の長期安定輸入の促進並びに国内地金コストの低減または巨額の設備処理負担軽減に役立って、アルミニウム製錬自立の基盤になることを十分御認識いただきまして、実現方御配慮いただきたいと切望いたします。 せっかくの機会を設けていただきましたことに感謝申し上げますとともに、最後に、自立を確かなものにするための諸対策の具体化をお願い申し上げまして、アルミニウム連盟を代表いたしましての発言を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○島村小委員長 次に、土方参考人にお願いいたします。
○土方参考人 では、石油化学工業につきまして若干申し述べさしていただきます。 御高承のとおり、石油化学は、原料として石油製品を使い、またエネルギー源として多量の重油を使いまして、電力に次ぐ多量の重油を消費しておるということで、この石油高騰の影響を最も強く受けておる業種でございます。そういうことで、最近は内需がすっかり停滞しておりますのに加えまして、外国の原料が非常に安いために製品が安い値段でどんどん輸入される、また逆に、日本の高価格のものが輸出できなくなるという関係で構造不況に陥っているということが言えるわけでございます。したがいまして、ただいま通産省所管の産業構造審議会におきまして対策を御審議いただいておるところでございます。 お手元に配付いたしました要旨の「エチレンの需給見通し」というのをごらんいただきますと、ここ十年間どういう推移をたどるかということが数字で示してございますが、ごらんいただきますように、輸出がだんだん減りまして輸入がだんだんふえる、したがいまして国内の生産は余りふえない。しかも、生産設備といたしましては、すでにはるかに需要を上回る設備を持っております。もちろん、これはだんだん老朽化いたしますので、スクラップビルドする必要があるわけでございます。 そんな状況にございまして、具体的な数字で申しますと、各国のエチレンの値段、ここに記載しておりますが、最近のエチレンの値段、日本では百七十五円、これがアメリカでは百二十円、カナダでは七十円。これはカナダでは原料が非常に安い天然ガス、アメリカでは天然ガスが三分の二でナフサが三分の一、日本は全部ナフサという原料の差によりまして、こういう国際的な価格差を生じておるわけでございます。ちなみに、ヨーロッパのナフサの値段を申し上げますと、ここに記載しておりますように、日本より常に安く、昨年一カ年間におきまして七百九十六億円という金額の格差が出ておるわけでございます。したがいまして、エチレンの価格は、ちょうどアメリカと日本の間に来るのではないかと思うわけでございます。こういった状況を踏まえまして、国会並びに政府の方に対しましてぜひお願いしたいということが二ページ以下に記載しておるところでございます。 第一に、いま申し上げましたように、原料の値段が日本は世界一高いということがあるわけでございまして、しかも、なぜ高いかというところに政策的な要素があるのではないかという感じがしておるわけでございます。 したがって、ここに原料対策といたしまして、一番に、輸入ナフサの石油税免税措置の継続ということをお願いしたいわけでございます。五十三年にできました石油税、そのとき一年限りで輸入ナフサについては原料だから免税してやるということになっておりますが、これを毎年、一年ずつ継続していただいております。来年度もこれはぜひ引き続いて継続していただきたい、そのようにお願い申し上げる次第でございます。 それから二番目に、国産ナフサの石油税還付制度をつくっていただきたい。元来、世界各国とも原料というものは非課税でございます。日本でも、鉄鉱石その他すべて非課税でございます。われわれの原料であります石油だけ石油税がかかっておる。昔から関税には非課税の原則が働いておりまして、われわれの使いますナフサについての関税は後ほど還付いたしていただいておるわけでございますが、石油税もぜひ還付していただきたい、このようにお願いしたいわけでございます。これが二番目でございます。 それから、原料ナフサの輸入をさしていただきたい。われわれ、ナフサを原料といたしまするが、三分の二が国産でございまして、三分の一は輸入でございます。国内産はそれだけ足りないわけでございます。その輸入が私どもの自由にはなりませんで、石油業法によりまして石油会社を通じてでないと輸入できないということでございまして、まことにいろいろな面で不便を感じておりますので、これもぜひ自由にしていただきたいというお願いでございます。 それからもう一つ、備蓄制度の問題でございますが、ただいま石油は、エネルギーとして今年度はたとえば九十日分強制備蓄ということになっておりますが、私どもは原料でございますので、この備蓄義務九十日というのは御免除いただきたい。これの金利、倉敷もばかにならぬ負担でございまして、ここにありますように、年間約二百四十億円にもなるわけでございます。 このようなお願いのほかに、われわれといたしましては、川来こういった不況の問題は、企業の自己責任においてできるだけ解決する必要があるわけでございます。そういう意味で、体質改善のために業界でいろいろと話し合いをしたいという ことで、たとえば現在はカルテルなどに頼ってやっておるわけでございまするが、ポストカルテル、その後いろいろとまた業界内で解決を図る上におきまして、独禁法との関係が非常にむずかしい場合が多うございます。そういう意味で、何らかの措置をひとつお考えいただけないかということでございます。 それから、先ほど来、輸入品が非常に安くラッシュしてくるように申し上げましたが、どうか秩序のある輸入策を講じていただきたいということで、現在カナダ、アメリカから非常に安い、政策的な、原料を抑えた製品が入ってきておりますので、これに対しまして通産にお願いいたしておりますが、日米の間でとりあえずスタディーグループをつくって、強力に交渉していただくようにお願い申し上げておる次第でございます。 それから、特恵関税の問題でございまするが、韓国、台湾その他中東諸国におきます工業中進国から石油化学製品が急激に輸入されておりますので、その見直しを図っていただきたいということでございます。 最後に、石油化学工業は国民生活に密着いたしておりまして、また、景気の動向にも大きく左右されるわけでございます。したがいまして、一般論といたしまして、需要喚起となる個人消費あるいは住宅投資、公共投資の促進、そういう景気対策につきましてぜひ御配慮いただけますれば、まことに幸いと存ずる次第でございます。 御清聴ありがとうございました。
○島村小委員長 次に、高橋参考人にお願いいたします。
○高橋参考人 塩化ビニール工業協会の会長の高橋でございます。お手元の資料に従いまして御説明さしていただきます。 わが国の塩化ビニール樹脂産業は、企業数、ポリマーメーカーが十七社、モノマー専業メーカーが三社であります。年間の設備能力は、ポリマーにつきましては二百十七万トン、モノマーにつきましては二百四十三万トンございまして、世界第二位の規模を持っております。全プラスチックの中でも不動の地位を占めておるわけでございます。 塩化ビニール樹脂は、御案内と思いますが、ナフサを熱分解して得られますエチレンと、塩水の電気分解によって得られます塩素とを反応させまして製造される塩化ビニールモノマーを重合してつくられます。 塩化ビニール樹脂の特徴といたしましては、そのすぐれた加工性と経済性とにございまして、特に加工性の面においては、汎用樹脂として求められる多くの特性に恵まれております。このため、その用途といたしましては、水道用パイプ、波板、農業用フィルムを初めといたしまして、シート、レザー、床材等々国民生活に非常に密着し、きわめて多岐にわたっております。 したがいまして、これらを製造加工いたします業界は、一次加工業、二次加工業、建築材料業、日用品製造業等々数多くの中小企業を含んでおりまして、塩化ビニール樹脂産業とともに、広大なすそ野分野を形成しております。 塩化ビニール樹脂の生産、出荷は、オイルショックを契機といたしまして景気後退の影響を受けて、昭和四十九年半ば以降長期にわたりまして低調に推移しておりまして、五十四年には若干の回復を見ましたが、五十五年に入りまして三月をピークといたしまして、これまでの仮需の強い反動と国内景気の低迷とによりまして、需要は急速 に減少傾向をたどってまいりました。 五十五年の生産量は百四十一万三千トン、需要量は百三十三万七千トン。用途別に申し上げますと、硬質部門といたしましては七十万五千トン、軟質部門といたしましては四十四万トン、電線その他部門といたしましては十九万二千トンであります。対前年比は、生産量につきましては八九・四%、需要量については八八・五%と、いずれも需要が減退いたしました。 五十六年に入りまして需要減少はさらに著しく、需給のアンバランスは拡大されまして、各社とも六〇%以下の低操業を余儀なくされております。また、適正水準を大幅に上回ります過剰在庫を抱えるに至っております。 一方、塩化ビニール樹脂の主原料でございますエチレン、塩素価格につきましては、相次ぐ石油危機を境といたしまして、ナフサ、重油、電力料金の大幅な値上がりと、食塩電解の製法転換に伴いまして異常なほどの高騰を示しております。エチレン価格につきましては、第一次石油危機前に比べまして約五倍、第二次石油危機前と比較いたしましても約二倍と大幅な上昇を示しております。このために、海外からの安価なEDC、これは塩ビの中間原料でございますか、これの輸入によりまして、われわれとしましてはコストの低減を図っておりますが、食塩電解設備によって生産されますソーダと塩素のバランス上から、受入量にはおのずと限界がございます。したがって、大幅なコストアップに悩んでいる状態でございます。これに対しまして、塩化ビニール樹脂の販売価格は、昨年四−六月期以降急激な需要の低下によりまして採算ラインを大きく割り込みまして、尋常の手段ではその回復が不可能な状態にまで追い込まれておりまして、各社の塩化ビニール事業部門の経営はすべて大幅な赤字となっております。 以上のように、塩化ビニール業界は、需要の低迷によりまして市場の成長鈍化、原料、エネルギーコストの上昇によりまして国際競争力の喪失、収益力の低下、過当競争問題等構造的にも多くの問題を抱えております。 これら諸問題に対応すべく、塩化ビニール樹脂製造各社は鋭意自助努力を続けてきましたが、依然業況は悪化の一途をたどっております。現在では、塩化ビニール樹脂事業の継続は著しく困難となっている状態でございます。かかる事態がこのまま推移するならば、塩化ビニール産業の存立の基盤を揺るがすのみならず、数多くの関連加工業界に対して深刻な影響を及ぼすものと憂慮されまして、抜本的な対応に迫られている現状でございます。 当面の対応といたしましては、五十六年五月以降第一次、引き続きまして第二次の不況カルテルの認可をいただきまして、極力需給の均衡を図りまして不況克服に努力してまいりましたが、いまだその成果が上がらないままに終了期限を過ぎてしまったので、この十月で一応期限が切れておりますので、引き続き延長の認可を得るべく関係御当局に要請している状況でございます。 一方、長期的な安定発展を図るための構造的な諸対策といたしましては、去る八月、塩化ビニール工業協会内に構造改善対策委員会を設置いたしまして、生産体制の合理化、流通の近代化、原料対策、貿易のあり方など、具体的な対策について鋭意検討を加えている次第でございます。 以上の観点から、わが国塩化ビニール産業の安定と発展を図るためには、次の諸対策を早急に実現していただくようお願い申し上げたいと思います。 その一つといたしましては、独禁法の弾力的な運用でございます。塩化ビニール工業の市況回復のための不況カルテル並びに流通の近代化、生産販売体制の合理化等の構造改善策を円滑に推進するためには、ぜひとも独禁法の弾力的な運用をお図りいただきたいということが第一点でございます。 第二点といたしましては、原料、燃料価格の引き下げでございます。塩化ビニール樹脂の国際競争力を強化するためには、原料、燃料を国際水準並み価格で入手できるよう各種の行政措置をぜひお願い申し上げたいと思います。 第三点といたしましては、需要喚起の問題でございます。塩化ビニール樹脂の需要回復のために、公共投資の増額、民間住宅投資の振興など、需要喚起策をぜひ早急に講じていただきたいと存じます。 以上三点、ぜひ実現していただくようにお願い申し上げまして、御説明を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○島村小委員長 次に、松葉谷参考人にお願いいたします。
○松葉谷参考人 私は、硫安工業協会の会長と化成肥料協会の会長と両方の会長をしております松葉谷でございます。 化学肥料工業について実情をお話しし、お願いをいたしたいと思っております。 化学肥料工業の含む範囲はどんなものかといいますと、アンモニア、それから硫安、尿素、こういうところと、もう一つは燐酸並びに化成肥料、こういうところの二つの工業を含んでおります。 この化学肥料は、申すまでもなく日本の食糧生産に密着しておる産業でございますので、安い値段で、数量的にも安定した数量の供給を確保するために、昭和二十九年以来法律の規制のもとにこの化学肥料工業は入っておるわけでございまして、現在は、肥料価格安定等臨時措置法という法律の規制のもとに置かれております。 いま申し上げました製品は、主体は肥料でございますが、肥料以外に、硫安、尿素の主原料でありますアンモニアは、工業用にも相当使われております。たとえば硝安、これは火薬用でございます。それからTDI、これはポリウレタンの原料でございます。そのほか化学繊維用ナイロン、アクリロニトリル等にも使われておりますし、また、MMA樹脂とか顔料等非常に幅広い工業薬品の原料に使われております。さらにまた、尿素は合板の接着剤であるメラミンの原料にも使われておるわけでございまして、そういうわけで、肥料用のみならず、かなりすそ野の広い関連産業を抱えておるわけでございます。 このアンモニア並びに尿素のコストを下げていくために、昭和三十九年以来設備の大型化にわれわれ業界は金を投じてまいりました。したがって、非常な大型化の結果、尿素は、国内の需要に比して輸出の数量が非常に大きくなりまして、大ざっぱに言いますと、約八割ぐらいが輸出で、二割ぐらいが国内需要というような、非常に大きな輸出依存の製品になったわけでございます。 ところが、それの輸出の先であります発展途上国が、やはり自分で自給体制が漸次進んでまいりましたので、そういう意味で輸出の市場が漸次狭まりつつあるということと、もう一つは、コスト的に、石油を原料としておるために日本のアンモニア、尿素のコストが高くなってきた、したがって、国際市場で競争力が減ってきた。こういうことによりまして輸出数量が漸次減ってまいりました。それから国内におきましても、減反等そういう問題もございますし、幾分の減少はございますが、主として輸出が大幅に減ってきたわけでございます。そのために操業度が非常に落ちてまいりました。 それで、昭和五十四年四月に特定不況産業安定臨時措置法の指定を受けまして、アンモニアでは二六%、尿素では四二%の設備処理を行った次第でございます。そして一方、化成肥料の方の主要な原料である燐酸につきましても、同じように二〇%の設備の処理を行ったわけでございます。 そういうことをいたしましたが、なおその現状をどうだと見ますと、原料価格が余りにも国際的に高過ぎるわけでございまして、お手元に資料をお配りしておりますが、海外の生産国は主として天然ガスを原料としてアンモニアをつくっておるわけでございますが、日本は大半がナフサ並びにLPG、いわゆる石油製品を原料にしてアンモニアをつくっておりますので、この原料価格差というものを比較してみますと、日本のナフサからつくるアンモニア原料価格を一〇〇としますと、オランダは天然ガスでつくっておるので五一、約半分、アメリカも天然ガスからアンモニアをつくっておるので二二、約二割、非常に話にならないような原料格差があるわけでございます。そういうことでございまして、日本の国のアンモニア並びにそれからつくる尿素というものは、国際市場ではとうてい太刀打ちならない状態に入ってしまったわけでございます。 それで、いま、今後の対策といたしまして、何とか原料をもうちょっと安いものへ転換しようじゃないかということでございまして、ナフサ並びにLPGから、今後逆に石炭とかあるいはCOG、コークスオーブンガス、石炭をコークスにするとき出てくるガスでございますが、そういう石炭関係に原料を転換しようじゃないかということをいま進めつつありますし、それからやはり輸出の数量が非常に落ちて、内需志向型産業へ持っていくのが適正であると思うのでその生産規模もさらに落としていかねばならぬ、そのためにコストの安い工場に集中生産をする、コストの高い工場はそこへ委託生産を頼むというような形に漸次運びつつあるわけでございます。 以上申し上げましたことはアンモニア並びに尿素、硫安の話でございますが、一方化成肥料の方のことについて雄お話し申し上げますと、化成肥料は窒素分と燐酸分とカリ分、三つを配合した肥料でございます。それで、窒素分はいま申し上げました硫安並びに尿素でございます。それからカリは、これは輸入のカリそのままでございます。問題は燐酸分。燐酸分はいまどうしておるかと申しますと、日本では主として燐鉱石を海外から入れまして、その燐鉱石に硫酸を作用させまして燐酸をつくって、そうしてその燐酸をアンモニアに作用させて燐安をつくるという形で、燐安をこの化成肥料の一つの燐分のエレメントにしておるわけでございます。ところが、この燐安が国際的に非常に安い燐安が入ってまいりまして、そのために現状では約四割近い輸入にもなっておるわけでございます。そういうことで、日本の燐酸事業あるいは燐安事業というものがいま非常に大きな打撃を受けつつあるわけでございます。 そういう事情にありますので、この際、政府、皆様方にお願いをいたしたい事項が結論的に四つございます。 一つは、いまのアンモニア、尿素の原料であるナフサをもっと安いものにしていただきたい。これは先ほど石油化学工業協会の土方会長が詳しくお話ししたとおりのことでございますので、ナフサを税金関係その他安くしてもらいたいということについては石油化学協会のお話と同じでございますから、省略させていただきます。 第二点は、原料転換。ナフサだけではとてもやっていけないから、石炭あるいは石炭をコークスにするときのCOGにアンモニアの原料を転換したい。このためには相当大きな設備投資が必要でございますので、この設備投資に対しまして低金利の国家資金を貸していただけるような措置をお願いいたしたい。 第三番目は、先ほど申しました安い燐安がどんどん入ってきて、日本の燐酸工業並びに燐安工業というものがいま危機に瀕しつつあるわけでございますので、何とかこの燐安の輸入につきましては関税割り当て制度等の実施をお願いいたして、秩序ある輸入というものに何とかしていただきたいと思う次第でございます。 第四番目のお願いは、尿素並びに硫安等の輸出が非常に国際競争上どんどん減りつつありますが、その減るに任せていたのではどうにもなりませんので、第二KR等の枠を拡大していただいて、後進国に対する経済援助の枠を広げていただいて、少しでも後進国に第二KR等を通して肥料の輸出がふえるような措置をとっていただきたい。この四点をお願いする次第でございます。 以上です。
○島村小委員長 次に、花岡参考人にお願いいたします。
○花岡参考人 ただいま御指名いただきましたカーバイド工業会の会長の花岡でございます。 本日、電力多消費産業の一つであるカーバイド工業会を参考人として御招集をいただきまして、まずお礼を申し上げます。 カーバイドの産業につきましてこれから御説明申し上げたいと思いますが、ただいま皆様のところに差し上げているところのこの表の紙がございます。この表の紙で御説明を申し上げてまいりたいと思うのでありますが、表の左側の第一と書いてあるところ、「カーバイド生産推移と電力単価の推移並びに製造原価比率」というところをごらんになっていただきたいと思います。 その一番左側に「製造原価比率」というのが出ておりますが、五十五年度におきまして電力費はちょうど五〇%になっております。その他の原料が三七%、さらに一二%の諸経費を加えまして一〇〇%になりますが、電力費で五〇%まで上がってきておるということで、この工業が非常にいじめられておるという状態にあるのでございます。 次に、この三角の印になっておりますのはカーバイドの生産状態でありまして、昭和二十年十四万トンでありましたものが漸次上がりまして、これは肥料にも使い塩ビその他にも使いしまして、百八十三万トンまでにも伸びてきたのでありましたのですが、その後エチレンの入荷また石油化学の増産によりまして、昭和五十年には五十六万トンまで低下したという状態でございまして、現在は五十四、五万トンという数字を続けておるのであります。 反面におきまして、電力料金が四十八年ころの二円九十銭ぐらいから急に上がりまして、現在ではキロワットアワー当たり十四円ということになって、まさに製造が減退した、そういうことで、全く逆転の状態になっているということでございます。 次に、カーバイドの製品の収益性について申し上げたいと思いますが、カーバイド工業はまだ利益がある産業であるのじゃないかというふうな御見解のところもあったかに伺いまするが、ここに出ておりますように、市販のカーバイド、これはちょうど真ん中に平均総原価と書いてありますのは十二万五千円という意味でございます。それに対しまして、平均の売り値、メーカーの手取りというのは十一万五千円と、ここで約一万円の損失をこうむっておるという状態であります。片方、輸入品の価格は、特に中国と台湾が主体でありますが、その平均が十万五千円程度でありますので、平均の国内の総原価十二万五千円と比べますと約二万円の差が出ておるというふうに、カーバイド工業全体が不況の状況に追い込まれておるということであります。 次に、石灰窒素でありますが、カーバイドに窒素ガスを吸収させまして石灰窒素をつくります。これは窒素を持っておることと、特に農薬効果がある特殊の肥料でありますが、総原価は十万六千円かかるのでありまするが、売価の方は、全農との話し合いでことし九万二千円であります。したがいまして、そこに一万四千円からの損失が出ておるという状況でありまして、カーバイド産業、それから誘導されておるところの総製品というものがいずれもよろしくないという状況でございます。 この紙の半面を見ていただきたいと思いますが、それではその原因はどこにあるかという点を申し上げますと、まず電力単価の比較でございます。日本は十四円、台湾は九円、中国は七円十五銭ぐらいの料金でありまして、台湾と中国との平均をとりますと約八円となります。十四円と八円の差は六円でありまして、これはカーバイドにしまして約二万円の差額になっておるということで、いかにも近隣国に比べまして日本の電力料金が高いということがこういう結果になっておるわけであります。 また、その下でありますが、4の「カーバイド需要量と輸入実績並びに今後の予想」というところをごらん願いたいと思うのであります。カーバイドとしましては、需要量として五十七、八万トンというふうな状況にあったものが、現在五十五万トン前後に落ちておるという状態であるということと、その下の溶解アセチレン用需要量というものが漸次減少の状況にあります。反面におきまして、溶解アセチレンは中国、台湾等から輸入がありまして、現在二万トンから二万七、八千トン、まあ時によって変わってまいりますけれども、中国は百四十二万トンからの需要に対する供給力がある国であります。これがいま日本に向かって猛烈にカーバイドの出荷を求めておるというので、恐らくこのままの状態でまいりますと、昭和六十年には十万トンを超すのではなかろうかというふうな状況になるというのが私どもの見ておるところでございます。 そこで、「カーバイド工業の要望事項」というものを、ただいまの紙のほかにもう一枚これに付随してつけ加えさせていただいております。この小さい方の紙でごらん願いたいと思うのでありますが、私どもがお願いしておりますのは、製造原価に占めるところの電力費は先ほども申したとおり五〇%でありますが、その電気料金をぜひ引き下げていただきたいということであります。 具体策としましては、現行の需給調整契約制度というものの見直しをお願いいたしたい。現在の昼夜間の料金格差の拡大、夜間時間の増大、随時調整割引の拡大とかいうことによりまして、現在電力の中の質の悪い分野について特別の差額のある電力料金をいただいておりまするが、要するに、質が悪いからそれだけ値段を下げてやろうということでやっていただいておるのでございます。 この程度では、先ほども申しました原料代の五〇%は電力代で占められるという状態にありまして、それではとてもカーバイド工業は成り立たないという状態にありますので、ここで第二需給調整契約制度というようなものを新たに追加と申しますか、新設と申しますか、お願いをしたいということであります。 その意味は、カーバイド工業のように夜間の操業率が非常に高く、昼間の操業を落として質の悪い電力を使用している電力多消費産業が消滅し、そして昼間を主体として自由に使用しているところの普通の業務用、一般用の電力、動力のみとなりますと、昼夜連続して運転しているところの流れ込み式の水力や原子力の運転等は制約されることが考えられるわけでございます。 ここで右側に変な図面をかいてありますが、これは左の三分の一が夜でありまして、真ん中の三分の二が昼間であります。右の三分の一が夜だ、こうお考え願っていただきまして、これは一つの例でございますが、要するに電気というものは昼間一番多く使われるのでございます。ところが、夜間になりますと電気はぐっと使用が減るのでありまして、私どもは、その電気の多く使われる昼間の時期にはうんと減らす、そして夜、一般が休んでおるときに残っておるところの電気を主体にしまして使う。一番下に形の上で斜めに線を引いてかいてありますが、要するに、ここで流れ込み式の水力というものを利用しましてカーバイドをつくっておるということを示したのであります。 カーバイド工業は、大正の初期から、当時の大部分の電力供給源であった流れ込み式の水力の余剰分を利用して、あるいは主になりあるいは従になりしまして、電気事業と共存共栄という形で推進してきたというのが歴史的の経緯であったのでございます。 以上一、二の理由によりまして、カーバイド工業の使用する電力というのは、流れ込み式の水力のコストを主体とする安い料金を適用していただきたいのであります。たとえば、昭和四十九年に廃止された期間常時電力、調整電力などの復活とか、そういうことによりまして、本当にカーバイドに使われておる電気というのは質が悪い、しかし値段が安い、そういうことによって成り立ってきたところの事業であるのだという点をもう一度再認識いたしていただきまして、品質と価格、こういう点について共通しまして、これを電力会社にも有利でありカーバイド会社にも有利になるという形をとっていただきたいと思うのでありまして、結果におきましては一般の電力に対しましてプラスになってもマイナスにならないという形になるのではなかろうかと考えておるのであります。 さらに、県営水力より電力会社送電線の託送等によりまして特定の供給をお願いできれば幸いと考えておるのであります。 はなはだ申し上げ方が下手でありましたが、かつては永井龍太郎先生の大演説もありましたし、ごく最近は通産省の方々の御説明等によりまして、電力、世界の鉄あるいは自動車の需給等につきまして、天谷さん等の御尽力、ああいうようなことで世界の平和が保たれてきたのでありますが、日本のカーバイド工業におきましても、国会の皆様方並びに政府のお力によって御配慮を願いたいと思うのであります。 以上でございます。
○島村小委員長 次に、田中参考人にお願いいたします。
○田中参考人 お手元にお届けしてあります説明の要旨に基づいて、最近の紙パルプ産業の現況と問題点について御説明申し上げて、御理解と格別の御支援をいただきたいと思います。 わが国の紙パルプ産業の出荷額は、その加工品を含め年間約六兆円と推定され、製造業全体のほぼ三%を占めております。そのうち加工品を除く狭義の紙パルプ産業の出荷額は二兆七千億円、企業数約五百十社、従業員約七万人であります。 製品としての紙、板紙の需要先は、大別すると新聞、出版、教育、事務用等の文化用、情報媒体や段ボール、袋等の産業用、トイレットペーパー、ちり紙等の家庭用と大別されておりますが、国民生活のあらゆる分野できわめて重要な機能と役割りを担っておる基礎資材であります。 昨年のわが国の紙、板紙の生産量は約千八百万トンで、米国に次いで世界第二位、世界総生産のおよそ一〇%を占める枢要な製紙国であります。また、昨年の紙、板紙の国内需要は約千八百万トンでありましたが、このうち輸入は二・八%、輸出が約三・六%であることからおわかりだと思いますが、わが国が必要とする紙、板紙の需要のほとんどを国産品によって安定的に供給しておる次第であります。 紙、板紙の主原料は、木材パルプ六〇%、故紙が四〇%となっております。パルプのうち約一五%は輸入し、八五%を国内生産しております。しかし、パルプを生産するために消費する木材チップはその四五%を海外から調達しておりますので、わが国紙、板紙の生産に要する主原料の約三分の一は輸入に依存している次第であります。 主原料のほか、大量にエネルギー、化成品等を使用しますが、その大部分は輸入に依存しているにもかかわらず世界第二の生産国となった背景には、設備、技術の進歩や合理化投資と、未利用広葉樹や廃材チップの使用技術の開発と、故紙の高度利用に成功したからであります。 次に、紙パルプ産業の現況について申し上げます。 第一次オイルショック以来、わが国経済は低成長経済へと軌道修正をされつつありますが、わが国の紙パルプ産業は、一時的に仮需に刺激されて必要以上に生産設備を拡大したところ、需要は従来の伸び率が半減したために、過剰設備が顕在化し、製品価格は大幅に下落する反面、原燃料は高騰し、また減産や在庫増による費用負担が増高する等によって企業収支は大幅に悪化し、倒産や経営危機を招く等大きな打撃を受け、また、この夏は七十七社延べ十六万人を対象に一時帰休の実施を強いられるなど、かつてない苦境が続いております。 現在、わが国紙パルプ産業は戦後最大の不況局面にありますが、このような状況に立ち至った背景は、およそ次のような要因があったと考えております。 その第一は、紙、板紙の需要の低迷が著しいということであります。 わが国の紙、板紙の需要の伸びは、三十八年から四十八年までの高度成長期では年平均九・八%でしたが、石油危機後の四十八年から五十五年のそれは一・八%と、大幅に低下してきました。このような縮小傾向は、国民経済の減速化とその需要構造の変化による影響もありますが、紙自体におきましても、包装の簡略化、軽量化、グレードダウン、他工業製品への代替等が進み、紙の使われ方にも変化を生じてきたことによるものであります。 その二は、紙パルプのコストに大きな比重を占める原燃料費の高騰を挙げることができます。 石油危機を契機にエネルギー価格が大幅に持続的に上昇したことに加え、北米からの輸入木材チップの価格は、現地での建築不振から製材生産が激減したために、くず材から生産されるチップが逼迫し、五十五年四−六月期には、前年同期比実に三倍近く急騰し、それが内外の木材チップや故紙価格の高騰を誘発し、紙パルプ企業の経営を大きく圧迫することになりました。その後、北米チップ価格は、多少需給の緩和を反映してある程度の値下がりを見ました。しかしながら、依然として高い水準にとどまり、コスト高の大きな要因となっております。 第三は、過剰能力と過剰生産の問題であります。 最近の紙、板紙の需要の基調は、さきに申し上げましたように力強さに欠け、成長率が大きく鈍化してきましたが、このような事情の変化にもかかわらず、紙、板紙の設備能力は引き続き増加が著しく、四十八年度比五十五年度では三〇%程度増加し、反面、需要はその間二・四%増にすぎないという大きなギャップを生じました。 その四は、自己資本比率が低く、多くの借入金に依存している等財務体質が脆弱でございますので、不況に対する抵抗力が弱く、固定費の軽減を急ぐため、勢い生産の過剰を招きやすく、次いで市況の下落、企業経営の悪化といった悪循環に入ってしまったということであります。 以上のような状況に対処して、現在、次のような需給調整措置がとられております。 一、不況カルテルの結成。需給、市況の悪化の著しい上級紙、コーテッド紙、クラフト紙の紙主要三品種について、独禁法による不況カルテルを本年五月及び六月より実施し、減産によって需給の早期立て直しに努めております。 二、通産省の行政指導による抄紙機の新増設抑制措置。過剰設備問題解決の一助として、本年九月、紙、板紙抄紙機の新増設について、今後着工ベースで二年程度通産省の行政指導による自粛措置がとられることになりました。 最後に、業界としての要望をお願いし、お力添えを得たいと存じます。第一のお願は、十月末期限の両更クラフト紙にについての不況カルテルの延長と、上級紙、コーテッド紙につきましても不況カルテルの延長方を再び認めていただきたいということであります。 その理由は、いずれも在庫調整がまだ十分でない上に、年末から一、二月にかけては紙の最不需要期に当たり、もしカルテルの支えが失われると再び需給の混乱を生じるおそれが多いからであります。 第二は、過剰設備の処理対策として特定不況産業安定臨時措置法の改正と、それまでの間、政府の適切な指導によって需給の均衡を図っていくことのお願いであります。 すなわち、私ども業界では当面の需給対策の円滑な遂行のほか、事態の本質的な改善のためには過剰設備の削減がどうしても必要という認識から、業界内に組織を設けて目下構造改善のための検討を急いでおりますが、その方向が決定次第、法改正により健全な生産構造に改造したいと思っています。 第三は、資源・エネルギーにかかわる問題であります。 わが国の紙パルフ産業の原燃料基盤は脆弱であり、その不安定性を克服するため努力を重ねていますが、国際化時代に対処し自立していくためには、まず原料取得構造の強化が緊要でありますので、業界といたしましては、通産省産業構造審議会紙・パルフ部会の答申を受けて、成長がきわめて早い南方諸地域を中心に海外造林を実施し、資源ソースの多角化とその安定供給を図りたいと思っています。 しかし、この種の事業は長期で多額の資金を要し、また、リスクも多い状況にございますので、たとえば政府間投資保証協定の締結や海外投資保険制度の拡充強化、長期で低利な政府融資の道を切り開いていただけるよう希望しています。 また、エネルギー問題につきましても、いまや紙、板紙出荷価格の二〇%を占める重要なコスト項目となっておりますので、この業界としても省エネルギーやエネルギー転換努力を続けておりますが、C重油価格が他の油に比較して不当に高いので、適正水準まで引き下げる等の措置をお願いしております。 以上、私ども業界は、自助努力を主軸に活力を取り戻す覚悟でありますが、ただいままで申し上げましたような異常な事態を克服するためには、どうしても政府あるいは議会の御支援が必要と思いますので、格別の御理解と御支援をいただきたいと思います。
○島村小委員長 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○島村小委員長 これより質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻英雄君。
○辻(英)小委員 ただいま参考人の各位から大変緻密な御意見を承りましてありがとうございました。非常にむずかしい問題を含んでおりますので、私どもちょうだいしました資料等を含めて、さらに検討させていただきたいと思うわけでございます。ただ、与えられた時間で一、二お尋ねしたい点がありますので、御質問申し上げます。 初めに、電力の問題が一つの共通的な問題であろうと思いますが、それに対する対応の仕方は、それぞれの業界によって御意見が、業態が違うあるいは生産方式が違う等々があろうと思います。 カーバイド業界から出された資料の中で、やや具体的なものがありますのでお尋ねをするわけでございますが、現在、特別需給調整契約制度というものがあって、ある程度の夜間電力の利用等を活用されておるように思いますけれども、さらに、現状でどこをどう直したらいいというポイントだけ御意見を——現在の調整制度ではだめなんで、ここまで延ばしてもらいたいというポイントをもう一度お尋ねしたいと思います。
○花岡参考人 現在のカーバイドの需給調整の制度では、日曜日の電気、祭日の電気というものにつきましては、一般の電気に比べれば安い電気をいただいております。さらに、昼間の電気と夜の電気と違いまして、夜の電気十時間は安い方の電気を使わしていただく、そのかわりに昼間の電気が高い電気であるということでありまして、夜と昼と比べますと、夜の電気の方が割安である。電気設備としては倍くらいの設備が必要でありますけれども、それを犠牲にしましても安い電気をいただきたいという形をとっております。現在の夜間の電気は十時間でありますけれども、少なくとも十一時間あるいはでき得れば十二時間は夜間の安い電気をいただくことができればということが一つございます。 さらに、深夜になりますと、夜の一時から三時ないし四時までの間というのは、一般に電気は非常に使わないところの時間であります。そういうものにつきましては特別の電気を出していただくということが、需給調整電力の範囲においてやっていただくことができなかろうかというふうに思うのでございます。 以上のようなのは、現在行われているところの一般の電気でございます。私がお願いを申し上げましたのは、このカーバイドそのもののそもそもの出発からしまして、電力利用の生産をやっていく上において、わずかの電気でも使わなければ電力事業というものはできない。またカーバイド事業のようなものは、大型の電気であってもそれを一度にとめるというようなことができる。そういう電気につきましては非常に質の悪いと申しますか、特殊の電気であるんだ、そういうようなものについては、極端に申しまして、時間を決めまして、たとえば一時間前に電気を切ります、五万キロの電気は一万キロしか出せませんよと言われても、それを受けていく。もっと激しいときになりますと、五万キロの電気で動力を除きました電気、四、五千キロの電気を除きまして全部カットしてしまう、こういう激しい指令をいただいておるというような状況でありまして、そういうような電気につきましてはもっと拡大したところの方法をやっていただくことができないだろうか。 この四十九年までは特約電力というようなものがありまして、そして、そういうところに弾力のあるところの処理をしていただいておりましたのですが、今日はそういうものをなくされてしまった。それが四十九年と五十一年、五十五年、特に五十五年の電力の値上げにおきましては非常に高い電気になってしまった、倍以上の電気になってしまった、それが非常にこの産業を凋落さしてきている。すでにカーバイド事業をやめるということを正式に申し出ている会社がございます。名前はしばらく保留してくれと言っておりますが、恐らく今月そういうのが出てくるのではなかろうかと思います。カーバイドの原料を使っている石灰窒素工業も、すでに七月をもってやめたという会社もございます。 以上のようなのは実際に生産が苦しいから、大きな損害が出てくるからという状況でありますので、こうした点もひとつ御理解を願いたいと思うのであります。
○辻(英)小委員 ありがとうございました。 次に、アルミについてお伺いしますが、アルミにつきましては、産業構造審議会の部会等から答申が出ておりまして、ある程度私どもも理解をしておるつもりでございますが、関連しまして、きょうの資料の中で電力価格の引き下げということが御要望の中にうたってあります。これは電力が安い方がいいという一般論はよくわかっておりますけれども、いまの電力料金体系の中で具体的にどういう割引の方法、引き下げの方法をとったらいいのか、具体的にこういうふうにしたいんだということがありましたらお答え願いたいと思います。
○松永参考人 アルミは在来、昼夜平均で使わなければならぬ産業でございますが、これは溶融塩電解でございますので長時間とめますと固まってしまう、そういう特徴がございますので、ほかの産業に比べて昼夜間を変更するのが非常に困難であるわけでございますが、われわれは今後技術開発をしまして、やはり夜間を中心に、昼間はある程度カットするというようなことで今度臨んだわけでございます。したがいまして、皆さんのおっしゃったように、いまやっておるのは、新しくやりますのは負荷遮断、ピークのとき全く全部とめてしまう、それから負荷調整、昼間はある程度とめて夜間使う、それからもう一つは経済融通、要するに安い発電所の電気がよそにあればそれをいただいてわれわれの共発をとめる、そういうことをやっておるわけでございます。また、共発が主体でございますので、共発の要するに空き間を使ってもらう。だんだんわれわれの共発の使う割合が減っておりますので、空き間を使っていただく、そういうようなことをやってきております。 したがいまして、そういう段階で、先ほど申しました十五、六円の電気が一円平均ぐらいのところは大体でき上がってきたのではないかと思いますが、これはさらに、要するに夜間電力の料金の問題とか、皆さんがおっしゃったとおりの、そういう割引の問題を今後とも特約料金その他についても御検討願いたいということは皆さんと同様でございます。 同時に、共発が大きなウエートを占めまして、いま六〇%が共発でございますので、これの石炭転換を今後やっていきますので、そのリードタイムがかなり、三、四年かかるものですから、その間、共発が油から石炭に変わる間のお助けをお願いしているというのが現状でございます。
○辻(英)小委員 ありがとうございました。 長期的には、お話のように、石炭電力に変えるということが私も基本だと思いますが、そこで、きょうの資料の中で「電力価格の引下げ」ということが御要望事項に書いてありますので、こういうものにつきましては、ただ一般的でなく、さっきので大体感じはわかりますけれども、もう少し具体的な方法で、こういう形でこうして引き下げたいのだということを今後御主張になっていただいた方がいいのではないかと思います。 次に、時間がありませんが、現在の独禁法は当面の皆さん方の危機打開の中で非常に障害要因になっておるという石油化学あるいは塩化ビニール、紙パルプのお方から御意見の御公述があります。これは、独禁法自体の必要性というものは私どもも考えておりますけれども、重要産業臨時措置法等いろんなことも必要に応じてやっていかなければならぬと思うわけでございますから、独禁法の緩和というのが何か運用の問題であるのか、何らかの特別の措置がこの際必要であるという具体的なお考えがあるのか、あるいは運用の問題であるとすれば具体的にどういう運用が業界から見て必要があるとお考えになるのか、石油化学、塩化ビニールの方で資料の中に書いてございますので、それぞれ御意見を具体的に御開陳願いたい。
○土方参考人 独禁法の運用で緩和していただける面もございます。それから、たとえばカルテルを延長していただくというような場合にも、ぜひ業界の意思をよくくみ取っていただきたいという意味で運用の面もあるというようなことでございます。ただ、そういう程度ではとてもいけないという場合には、やはり特別の法律措置を講じていただいて、それで独禁法の除外としていただくということが最終的には必要であろうかと思いますが、その中間にもいろんな案があろうかと思うわけでございますので、いろいろお願いしたいと思います。
○辻(英)小委員 土方さん、もう少し何か具体的に、こうだこうだということはおっしゃりにくいと思うのですけれども、いまのような抽象的なことは私どもにもわかるわけでございますから、何か例示的でもいいから具体的な御意見を伺いたい。
○土方参考人 たとえば官庁の行政指導というのが従来は行われておりましたが、公取委の方から非常に厳しい制限をつけられて、できないことになっておりますが、そういったいままでの行政指導でとられた面を、公取との了解のもとに、違った形ででも指導していただくというようなことも一つの具体的な方法かと思うわけでございます。
○辻(英)小委員 塩化ビニールの方のお方にも……。
○高橋参考人 塩ビにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、この五月から十月まで不況カルテルをお願いいたしまして、その間の在庫調整を図ったわけでございますが、やはり大幅な減産をやりました結果ある程度の在庫調整はできているわけでございますが、何分にもやはり稼働率が六〇%を割っているような状況でございます。したがって、不況カルテルが引き続いて認可されませんと、どうしてもそこでまた生産がばらばらに出てきてしまう。確かに不況カルテルの要件としての在庫量がある程度のところまで来ていることは事実でございますが、しかし、これがまた外れますと、そういった面で生産がふえて、また在庫がふえてしまう。ことに最近輸入が相当入ってまいりますということと、それからもう一つの大きな要因は、何といっても需要が非常に減っております。したがって、そういった不況要件が多少充足されなくても、そういった環境の中でぜひ不況カルテルの延長をお認めいただきたいということを、いま通産並びに公取にはお願いしておりますが、従来の不況要件ということが前提となりますので、なかなかお認めいただきにくい環境にございます。 それからもう一つの問題は、やはり長期的には構造改善という問題に取り組みませんと、塩ビ業界というのは立ち直りできません。しかし、その過程の中におきましては各社がそれぞれの立場で相当話し合いを進めませんと、各個ばらばらの状態で進めておったのではなかなか先へ進まないわけですが、そういったときに、やはりある程度話し合いができ——具体的に進めます場合に、そういった裏づけをある程度お認めいただいて構造改善がしやすいような環境、できれば運用でいっていただければ結構でございますが、それができなければ何か立法的な措置でそういう話し合いをし、また現在塩ビ協では共販ということを考えておりますが、そういったものを具体的に実現します方法をお考えいただければ非常に幸いだと思います。
○辻(英)小委員 ありがとうございました。 ちょっと違った問題になりますが、石油関係その他を含めまして原料価格に関税がかかっておるという状態、さっきお話が出ました国産ナフサへの石油税の還元等はやられておりますけれども、関税等を含めて特に石油関係でいろいろ問題があるように思いまして、これはお話を承りましたが、なかなか歴史的ないきさつがあってややこしい問題ではあるけれども、これからの日本の産業の競争条件を安定的なものにするためには原料課税というのは私もいかぬことだ、これは本当にそう思っております。御意見は承りましたので、そういう面はさらに具体的にわれわれも勉強させていただいて、方法論を考えていかなければいかぬなというふうに考えておるわけでございます。 そのことにつきまして、一応お話がございましたけれども、さらに特別に強くこの点をこうだ、あるいはこの程度でこうだというような御意見がありましたら、大体おっしゃっている意味はわかるのですけれども、特におっしゃりたいことがありましたら、どなたからでも御意見を伺いたいと思います。いかがですか。
○土方参考人 若干重複ぎみでございますが、目下緊急の問題は、輸入ナフサの免税の延長をぜひお願いしたいということであります。 次に、石油税の還付でございますが、行革で非常に税金問題がやかましい折から、まことにむずかしい要求であるとは私ども重々思いますので、これはぜひ税制一般の御審議の折に必ず御考慮に入れて考えていただきたい、このようにお願いする次第でございます。
○辻(英)小委員 いまのお話はよくわかりました。 もう一つ。これはちょっと違った角度になりますが、ナフサ等についての共同輸入会社をこしらえてうまくやれないかというようなことも一部伺っておるのですが、そのことについて御意見ございましようか。
○土方参考人 主要なるユーザー七社でもってナフサの共同輸入会社をつくっております。しかし、その会社はまだ輸入を実質的に認められておりませんで、石油会社の代理商としての輸入行為を続けておるわけでございますが、これはぜひ正式に自立して輸入できるようにお認め願いたい。このことは、常に通産省に陳情いたし続けておる次第でございます。
○辻(英)小委員 終わります。ありがとうございました。
○島村小委員長 原田昇左右君。
○原田(昇)小委員 それでは、アルミ業界の方にお伺いしたいのですが、大変だろうということはよくわかりました。 そこで問題は、海外とのコスト差を埋めるのに関税割り当て制というものはどうしても必要だということでございますけれども、どの程度を目標にやっていったらいいのかという点、業界としてどの程度のコスト差を埋めればいいのかという点はどうでございますか。
○松永参考人 先ほど御説明いたしましたとおり、世界の平均電力は四円ということでございますが、四円との格差ということではございません。われわれは、そこで九%の関税というものもございますので、大体十円ぐらいまでのところで生きていくということでございますので、十円といいましても、電力格差がまだ四、五円ありますので、そこら辺がめどではないかと思います。ただ、将来開発、輸入も入ってきまして、だんだんミックスコストが下がってまいりますので、それからまた先ほど申しました石炭火力の転換のリードタイムもございますので、その間をいま言った免税をしていただくということで、大体三年後ぐらいにとんとんの線が出るだろう、そういうふうに見ております。
○原田(昇)小委員 紙パルプについてお伺いしたいのですが、いま設備凍結というのを実施しておられるわけですが、それで十分なのかどうか、国際競争力との関係いかんということをぜひお伺いしたいと思います。 それから、時間がございませんから、もう一つ全般についてお伺いしたいのですが、独禁法との関係、不況業種の皆さんが直面しておるのは、不況カルテルの結成とかそういうことによって独禁法を排除しなければならぬというような問題がありますが、現行の独禁法に対して何か御注文があれば、この際お伺いしたいと思います。
○田中参考人 設備の問題は二年間、これは大体守られるでありましょう。行政指導による二年間は守られると思いますが、その後放任しておくと再びまた設備競争が始まってしまう。それを構造的にぴしっとさせるのには、やはりただいま申し上げたような法律を改正していただいて、やれるようなぐあいにお願いしたい、こういうことです。いわゆる不況産業安定臨時措置法が期限が間もなく来るらしいので、それにかわるべき法律をつくるとかあるいは改正するとか、これをぜひやっていただきたい、こういうことであります。 それから独禁法上の問題は、やはりもう少し業界が共同でいろいろと合理化できるようなことができないか、何でもかんでも、設備関係についても話し合ってはいかぬとか、価格に関係することをしてはいかぬとか、これはいろいろあると思いますけれども、話し合いぐらいはしても、実施する段階は許可を要するとかなんとかというようなことにできないか、そういう感じが強くします。
○島村小委員長 清水勇君。
○清水小委員 社会党の清水です。 参考人の皆さんには大変御苦労さまでございました。 先ほど貴重な資料もちょうだいいたしましたし、また深刻な業界のそれぞれの実情に触れて御意見も承ったのでありますから、私どもとしても政策審議会はもとより、それぞれ特別委員会で皆さんの意のあるところを十分に反映をしながら今後具体的に検討を加え、本格的には商工委員会の場で政府筋をただしてまいる、そういうつもりでございます。 きょうは時間が大変短いものですし、私の後、関連をして水田小委員からもお尋ねをいたしますので、ごく限られた内容で少しだけお尋ねをいたします。 先ほど六参考人からいろいろ承ったわけでありますが、共通的に言われることは、たとえば電力コストの著しい上昇、輸入原材料費の高騰、それらを通して相対的な国際競争力の低下、また同時に不況を反映して内需の減退、これらとの関連での過剰設備の問題、こういうことに尽きるのではないかという感じがするのでありますが、アルミにせよカーバイドにせよ、国際的に見て世界最高の技術水準を誇っておられるけれども、それをもってしてもなかなかカバーができない。そこに一面では構造的な側面というものもあるのではないか、実はそういう感じをいたしております。 そこで、特にしぼってアルミについてお尋ねをしたいわけなんでありますが、五十三年に私どもも商工委員会でずいぶん議論をいたしました。待望定不況産業安定臨時措置法との絡みで百十万トン体制、これが打ち出されたわけでありますが、その際、私どもとしては、この百十万トン体制が現状で果たして維持できるかどうか非常に危惧を持ったわけですが、果たせるかな御指摘のような状況になっている。そこで、今回産構審のアルミ部会が七十万トン体制というものを新たに出されているわけでありますが、この点について実は業界の中でも一部に、どうもこの七十万トン体制というのは幻の側面がありはせぬか、そういう心配がある、こういうふうに見ている向きもおありになるようですけれども、そこでこの七十万トン体制をしっかり維持する、そのためにはこれとこれはどうしても欠くことのできないことだという点をもう一回、時間の関係がありますから簡明で結構ですが、御指摘をいただきたい。 〔小委員長退席、原田(昇)小委員長代理 着席〕
○松永参考人 いまの御質問は、七十万トン体制と申しますのは決してわれわれ製錬業から出た線ではないので、むしろ中立の人だとかあるいは需要家サイドからいろいろ議論されて出た線をわれわれ製錬業界の中で、それぐらいにしなければならぬだろうというコンセンサスをとったという受け身の立場で今回はあったわけです。その理由はるる述べましたとおりでございますが、やはりそこら辺のところが限度だと思います。 幻であるかどうかという問題は、このままほっておきますと、恐らく水力と石炭火力の二十万トンぐらいになるわけですから、七十万トンを維持するためには政策的な御援助をお願いしたいということでございますが、電力問題は先ほども申しましたように、われわれも今後石炭火力に転換する計画でおります。したがって、いま七三%の石油火力が、恐らく六十年程度には一〇%以下になってしまいます。したがいまして、石油依存度はずっと下がります。 それからもう一つは、海外製錬をやっておりますが、そのウエートも国内製錬と同じくらいに長契も入れますとなります。そういうような態勢でございますので、いま申しましたのは、その間何とかしてつないでいかなければならぬ。先ほど申しましたように、大変な損失を継続しますと、企業的な金融不安を起こすということもありますので、ここで先ほどもお願いした電力問題とTQ問題が中心になっている。タリフクォータ制度といいましても、今度のは、われわれの長期契約あるいは開発、輸入は免税にしてください、そういうようなことで、それを財源としてコストを下げ、それからまた先ほども申しました巨大な設備廃棄にも充て、そして売り値を下げ、国際価格水準にだんだん下げていくということ以外には当面ないわけでございますから、その点よろしくお願いしたいと思います。 〔原田(昇)小委員長代理退席、小委員長 着席〕
○清水小委員 いずれにしても、電力のかん詰めとも言われるアルミの場合、電力料が国際価格と平均して実に四倍弱である、こういうことでは、業界内の自助努力も相当行われなければなりませんが、それだけではどうにもならない、この辺のことはよく理解ができます。実は先月の商工委員会で、わが党の藤田委員がその辺に触れて政府側にただした経過もあるわけであります。 そこで、私どもは、つとに電力についての政策料金制度の導入ということが、一面では、仮に過渡的な措置であっても不可欠なことなのではないか。これはアルミのみならず、電力多消費業種の場合には共通的なことだと思いますが、そういうことが一つ。 もう一つは、先ほど来御指摘にある、過去にはいわゆる負荷割引制度といいましょうか、これである程度カバーがされていた。最近もそういう調整が進められているやに承知はしておりますけれども、たとえば電力料金の負荷割引制度の復活、こういったことなどが、皆さんの進められるたとえば自主的な努力、石炭への転換を含めて、いろいろと六十年度をめどに構想をなすっておられるのだろうと思いますが、そういう点について簡潔で結構ですけれども、どういう御所信をいまお持ちであるのか。とりわけ通産も大蔵当局もみんな見えているわけですから、遠慮なくひとつ意見がありましたら御指摘を願いたい。 それから、あわせて例の関税割り当て制度、前回のときにこれが実施をされたわけでありますが、五十三年を中心に割り当てられた関税がどういう実績になっているのか、これもちょっと聞かしておいていただきたい。
○松永参考人 電力問題につきましては共通問題ということで、産構審のアルミ部会にもいろいろ申し上げたのですが、アルミ産業だけではできないというようなことですから、共通問題としてエネルギー多消費産業がこぞって共同でお願いするという態勢でございますので、われわれが今回お願いしたのは、現在の電力料金体系の中において、できる範囲のことをやっていただきたいということでできたのが現在の状況であります。来年度の年間で百二十億程度の電気料金の減額がいまのところは見通せるようになりました。 ただ、先ほども申しましたように、負荷遮断とか負荷調整とかそういうものの中身となりますと、まだまだ考えられる余地があるのではないか。要するに、負荷調整とか負荷遮断予約料及びキロワット当たりの評価とかということについては電力会社が決めた料金でございますので、その中身についてはさらに検討していただくとか、そういう問題が残っております。 それからもう一つは、料金体系の見直しということはわれわれだけではなく、多消費産業こぞって経団連ベースでお願いするということではないかと思っております。 それから第二の点は、前回産構審で決めていただいたTQ制で、要するに産業構造を補完する意味でTQ制をとったわけですが、そのうちの四十三億円相当のものが凍結されてしまっている。それは、一時アルミ産業も決算上プラスになったから、そのときはまだ相当の累積赤字はあったのですが、そういうようなことで凍結されてしまっておる。いまこれについて、基金はそのまま預金になっておりますので、これが凍結されているということが事実でございます。これはやはり今後大蔵省に、解除してわれわれの方へ還元していただくようにお願いせざるを得ない、そう思っております。
○清水小委員 いずれにしても、昨年電力料金五〇%の引き上げが平均で行われておる。その際にいろいろ議論したわけですが、電力事業という一将が功成って、各産業や国民生活に万骨枯れるというような影響が及んではならない。だから、こういう点については今後商工委員会で、通産行政とのかかわりでやってまいりますけれども、皆さんの方もいろいろと、いいアイデア等があったらどんどん今後御提供いただくように、この機会に御要望申し上げておきたいと思います。 最後に一音だけ、紙パの田中参考人に承りたいわけなんでありますが、私ずっと紙パ産業の状況を見ておりまして、四十八年、つまりオイルショック以降急激に需要が低下をしている。にもかかわらず、五十年代に入って設備投資がこれまた異常なまでに進んできている。当然のこととして需給ギャップが起こる。あるいは過剰設備の問題があって、いま直面をされておられるような一時帰休であるとかあるいは倒産であるとか、ないしはこれからおやりになろうというような過剰設備の廃棄、こういうことが結果として誘発をされる。だから、相対的に内需がここまで落ち込むという状況が予見できたにもかかわらず、いまのような破行的に設備投資が進行を見るというようなことを、どうして業界の内部でこれまで規制ができなかったのか。 それからいま一つは、今後設備廃棄ということが一つの課題になるわけでありますが、その際に、何といってもこれは国としても雇用の安定というものが、今日重大政策の一つなんです。だから、過剰設備の廃棄ということが結果として雇用不安を増大するというようなことになったのでは、ある意味でまた悪循環を再生産する、こういうことになるわけで、これは非常に厳しい問題なんですけれども、その辺どのようにお考えになっているのか。私はこれで最後ですが、簡潔にひとつお聞かせいただきたい、こう思います。
○田中参考人 過剰設備を来した最大の原因は、先ほど申し上げましたとおり、第一次ショック以降仮需ができまして、それに迷わされたきらいがある。結果的には仮需だったわけですが、それによるのが一番大きかったわけです。それから、あらゆる設備の合理化には必ず一割なり二割の増産が伴うというようなことが重なりまして、結果的には三割も四割も過剰になっちゃった、こういうことであるわけです。 そこで、先ほど、お互いにもっと自主的に、そんなむだなことをやらぬような話はできないのか、それは独禁法上できないのです。これはわれわれもどうしてそういう不合理な——それで研究会ならいいというので、先ほど申し上げましたように、いま研究会をやっていこうというおかしなかっこうになっておるわけです。こういうことはやはり自主的にいろいろとやるべきではないかというように考えるわけですが、また独禁法上はちょっとお立場があると思いますけれども……。 それから雇用の問題は、日本の各産業一番の問題は、物が売れなくなったらすぐ生産なりはあれですが、雇用はみんな抱えているわけですから、独禁法もそういう点も考慮に入れて考えていただかなければならぬと思います。
○島村小委員長 水田稔君。
○水田小委員 土方会長にちょっとお伺いしたいのですが、最後の要望の中の「独禁法に対する特別措置を講じていただきたい。」これは、たとえば共同販売とか共同輸入、生産の受委託、企業合併等、実際やりたい問題がある、そういう問題は独禁法の問題と同時に、先ほどパルプの方から出ました、いわゆる特安法が五十八年六月三十日で切れますから、そういうものを含めたいわゆる立法措置と運用、こういうぐあいに理解してよろしいでしょうか。
○土方参考人 そのとおりでございます。
○水田小委員 それから、もう一つはナフサの共同輸入会社の問題ですが、これはいまの法律からいけば、石油業法というのがそこでは一つの大きな壁になっておるだろうと思うのです。そういう問題、これはいわゆる消費地主義でやっておりますが、いまの海外進出して向こうから中間品を持って帰れという話になってくれば、そういう点はまさに崩れつつある。海外プロジェクトがいやでもおうでも出てきておる。イランがいまああいうことですから、あれはこちらに影響がないので助かるわけですが、そういう問題等を含めて、ナフサの共同輸入ということについてはそういう問題も検討しなければならぬのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょう。 それからもう一つは、別の面から、共同輸入をやったところで、商社なりいまの石油業界の持っておるルートというものが強いから、石油会社が集まってやったところでそれほどのメリットはないというような意見などもあるのですが、そこらあたりはいかがなものでしょう、その意見をちょっと。
○土方参考人 前段の御質問につきましては、石油業法の見直しと申しますか、それに絡んでくることだと思います。そういう意味で、私どもも抜本的に考え直していただきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、初めての素人がナフサの輸入をやってもむだじゃないかという御懸念でございますけれども、やはり非常に国際的な商品でございまして、しかも日本が一番大きなお得意先、買う方でございます。そういう意味では選択の自由も相当あるように思っておりまして、われわれが商社を使って輸入していくということができればまことに結構だと思います。
○水田小委員 塩ビの関係ですが、これはまずEDCの輸入というのが一番大きな問題だと思うのです。これは塩ソのバランスが国内で崩れてくるという問題、どうしても天然ガスを使って、確かに国内で価格を抑えているという問題もありますけれども、この関係とソーダ等の関係。そして、コストの点で言えば、ナフサからいく限り関税、石油税を免除してもなおかつとてもじゃないが対抗できない。そういう中で、たとえば海外へ行ってEDCをこちらがつくって持って帰るかということなども検討しなければならぬと思うのです。そういう点での将来展望ですね。 それから、塩ビはまさにほとんどは国内消費、輸出や輸入の関係は少ないと思うのです。国内需要との関係から言えば大変な過剰設備。いま四系列でどうするか御相談をしているようですが、そういう点について、EDCとの関係で、特に国内の塩ビの生産をどうするかで一番関係深いと思うのです。そういう点ちょっと聞かしていただきたい。
○高橋参考人 御指摘のとおり、現在日本の塩ビのEDC価格は非常に高いわけでございます。それの要因につきましては、先ほどからのお話にございますように、エチレンが日本は百七十五円で、他地区がその半分以下といった価格構成。もう一つは、当然塩素が伴います。塩素はかつて例の隔膜転換を約三分の二やりました。そのことと、工業塩等あるいはまた電力コストが、ほとんど海外から入ってくる原料に依存しておりますものですから、非常にコストアップになっております。極端に言いますと、塩素価格は恐らく海外の、場所にもよりますけれども、評価にもよりますが倍以上の価格になります。したがって、どうしても海外からEDCを輸入いたしまして、それをもとにして原料転換しない限りコストダウンは非常にむずかしいのではないか。 ただ問題は、当然塩素が出てまいりますときにソーダの問題がございます。ソーダは半分は水でございますので、海外から全量を持ってくるというわけにもまいりませんし、また安定供給という面からしましても、全量を海外に依存するというわけにもまいりません。これはやはり国民生活に密着した非常に大きな産業でございますので、ある程度の量は日本で生産をして万全を期することが必要だろうと思います。したがって、全量海外のEDCを輸入できれば非常にコストは安くなるわけですが、塩素とのバランスの関係でどうしてもそれがうまくできない。いま私ども考えておりますのは、約四分の一ぐらいはソーダとのバランスにおいて輸入に依存してもまあまあ問題ないのじゃないかということで、現在カナダあるいはオーストラリアそのほか中近東でございますけれども、そこでEDCをつくってこちらに輸入してくるということを考えております。ただ、これは幾つかのプロジェクトがございますけれども、反面ナショナルセキュリティーの問題とか、あるいは当然ソーダのさばきをどうするかという問題が付随して出てきておりますので、必ずしも計画どおりに進捗するかどうか、一つ大きな疑問だろうと思います。 それから、第二点の共販の問題でありますが、集中生産とかあるいはスクラップダウンとか、そういったことができれば一番いいわけでございますが、それは各社それぞれ資金的な問題もございますし、それから先ほどから御指摘のございます雇用の問題が非常に大きくございます。どうしても販売の面で窓口を狭めることによってまず市況の安定を図っていきたい、そのグループの中で原料を輸入するとかあるいは東西の流通の交錯輸送を排除するとか、そういった形でコストダウンをその中で図っていく、できればそのグループの中で将来EDCならEDCをどこかで生産するなりあるいは共同で輸入していく、そういうような手順をいま考えております。
○水田小委員 時間がありませんので、一つだけアルミの方に。 二日に関税率の審議会が開かれまして結論が出なかったわけですが、これが決まらなければ、まさにいまの大変な設備廃棄の金を考えてみてもとてもじゃないができないわけですね。それが一つ。それから一つは、この間も聞きますと、そういう先の問題、たとえば石炭火力に転換する、その二年、三年というのさえもたぬではないか。まさに目前の問題がどうにもならぬ。もとがなくなって石炭転換したって、すでにその会社はなくなってしまう、そういう深刻な状態という話も労働組合側からあったわけです。そういう点は、先ほどお話しになったようなことで何とか立ち直ることができるという見通しを持っておられるのかどうか。もう時間がありませんから、一言で結構です。
○松永参考人 いまお願いしている産構審の結果出た関税割り当て制度はかなり大幅なものでございますので、これは完全実施していただかなければならぬということが一つの条件でございますが、これができますと、先ほども申しましたリードタイムの間つなぎになりますので、その間つないでもらえれば、海外製錬、石炭転換その他のいろいろの施策をやっておりますので、つないでいけるというふうに思います。これができませんと、もう即座に金融不安が起こるというような状態でございますから、非常に大事な時期ではないかと思っております。よろしくお願いいたします。
○水田小委員 終わります。
○島村小委員長 長田武士君。
○長田小委員 土方参考人にお尋ねいたします一 長年にわたりまして業界が要望してまいりましたナフサの直接輸入ですね。この輸入権が与えられた場合、受け入れ体制はできておるのでしょうか。あるいは業界内部、さらには石油業界、それらのコンセンサスといいますか、そういう話し合いというのはできておるのでしょうか。
○土方参考人 受け入れ設備につきましてはまだきわめて不十分でございまして、全体で七、八百万キロリットル輸入いたしておりますのに、共同輸入会社で代理商として輸入しておりますのはまだ百万キロリットルぐらいでございます。さらに、これを設備を整えまして完全に輸入できるように目下整備中でございます。 それから、そういったわれわれが自主的に輸入できるような体制につきまして石油業界ともいろいろ話し合いをいたしておりまして、まだコンセンサスは得られておりませんが、今後とも続けていくつもりでございます。
○長田小委員 松永参考人にお尋ねをいたします。 先ほどもちょっと出ておりましたけれども、アルミニウムの需要につきましては今後年率大体五%前後の増大、そういう見通しであるわけであります。六十年度には二百十五万トン程度になる、そういう予想が立てられております。先ほども論議が出ておりましたけれども、この観点から産業構造審議会は国内で保有すべき生産設備を七十万程度にしていきたい、そういう考え方のようであります。そこで、先ほど幻だという話が出ておりますけれども、実際問題抑えられるかどうか、その点どうでしょうか。
○松永参考人 われわれが要望しているいろいろの政策に対して、いろいろ危惧をされる方が多いわけですね。そういう政策支援があるかどうかということをみんな要するに疑いを持っているというような考え方から幻だというような言葉が出るので、この政策が完全実施される段階においては幻ではなくなるということで、これはほっておいて七十万トン維持できるという問題ではございませんので、その点が政策問題と関連があっていろいろの見方をする人がございます。政策がうまくいかないのではないかとか、関税率審議会でいろいろやられているのでだめなんじゃないかとか、そういう疑念があるものですからそういう幻論が出てくるのではないかと思いますが、われわれは必死になってこれをお願いするという態度でございますので、そういう段階においてはこれは完全に幻ではなくなると私は確信を持って申し上げられると思います。
○長田小委員 高橋参考人にお尋ねをいたします。 業界各社における現在の経営状態は芳しくないようでありますけれども、今後の見通しはどうでしょうか。その経営改善のためにいろいろな施策があると思いますけれども、どのような努力をされていらっしゃるのか。また、政府に対して要望はどういう問題があるか、もっと具体的にひとつ言っていただきたいと思います。
○高橋参考人 先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、現在、業界で出しております塩ビ部門での赤字というのは、月に約四十億にわたっております。したがって、このまま推移いたしますと非常に大きな社会問題になりはせぬか。ことにわれわれだけでしたらそれで済むかもしれませんが、これと関連いたしまして、やはり加工業が相当な従業員等数多くございます。これにも大きな一つの影響を与えるということは、われわれ非常に危惧している一つの問題であります。 これに対して、どうやってわれわれが改善するかということでございますが、現在、構造改善委員会という組織を業界内に設けまして、一つは販売面で、やはりいま十七社のポリマーの販売会社がございます。これが結局需要家のところへ行きまして過当競争をやっておりますので、できればこの窓口を四社ないし五社くらいに一応しぼりまして、そこで共販的な形でひとつ販売していきたい。 それからもう一つは、やはり原料コストを引き下げることが一つ合理化につながりますので、安いEDCなりあるいはVCモノマーを何とか共同で輸入できないかどうか、あるいはプロジェクトできないかどうか、そういった点の詰めを一つやっております。 それからもう一つの問題は、何といっても大きな影響を受けておりますのは輸入品でございます。これは、やはり台湾、韓国あるいはカナダ、アメリカその他の地区から逐月、大量投入されてきております。これは国際的に競争力は、ことにアメリカ、カナダの場合にはエチレンあるいは原料価格が安いものですから、やはり相当な価格的な影響を受けております。これをどうやって抑え込めるか、この辺については通産御当局にも、何か貿管令とかあるいは関税とか、そういった形で保護していただけないかどうか、それをお願いしております。 こういった問題は、いずれにしましても、当然裏である程度の話し合いをお互い業界でやりませんと、共販の問題にいたしましても、あるいは共同輸入の問題にしても、先へ進まないわけでございます。しかし、何といってもやはり独禁法の一つの制約事項がございますので、おのずからその話の進め方について限界がございますので、この辺につきまして、何か法的な処置あるいは独禁法の弾力的な運用をぜひお願い申し上げたいということでございます。
○長田小委員 それでは、時間がありませんので、松葉谷参考人にお尋ねいたします。 今日の不況の状況は、原料のナフサ、この高騰が大きな原因であると思うのです。諸外国では、先ほど御説明がありましたとおり天然ガス等を使っておりますから、非常に製品が安いということですね。ここで業界としては石炭を使用して転換したい、石炭を主力にしたい、そういう考えのようであります。その見通しはどうでしょうか。
○松葉谷参考人 いま、ナフサあるいはLPGを使うよりは石炭を使った方が、現状においては幾分安いわけでございますけれども、ただ石炭を使うに当たりましては、やはり石炭を荷揚げする港その他に工場が近いとか立地の関係が非常にありますので、どこの工場でも石炭に切りかえた方がいいというわけにはいかないのでございまして、現実に石炭に切りかえられる工場というのは、わりと少ないと思っております。
○長田小委員 松葉谷参考人に続いてお伺いいたします。 五十二年度以来、発展途上国に対しまして食糧増産援助の一環としまして肥料を送っておりますね。各国の対応及びこの問題点か何かありましたら、お教えいただきたいと思います。
○松葉谷参考人 従来、日本の肥料は、中国、それからインドその他の発展途上国へ出ていたわけですけれども、プラント輸出がここ十数年前から盛んに行われましてみんな自国で大体つくれるように、ほとんど自給できるような体制になりつつあるわけでございまして、そういう意味で海外の自給度というものが非常に高まってきておるわけです。しかし、なお現状では中国でもインドでもやはりわれわれ日本からの物が依然、まだ数量的には欲しいようですけれども、現状はやはり価格の面で国際価格に比して日本のコストが余りに高過ぎますので、価格の面からとても輸出ができないというような状態が実情でございます。
○長田小委員 終わります。
○島村小委員長 宮田早苗君。
○宮田小委員 参考人の皆さんにそれぞれ、これは共通問題でございますからお聞きしたいのは、まず過剰設備の問題についてでございます。 減量経営ということを余儀なくされておりますだけに大変な苦労をなさっているとは思いますが、この過剰設備の処理の問題については、いままでの不況でありましたらなば、そこまで考えなくても取り返しができたように思いますが、これからの方向を考えますと、要因が要因でございますだけに、やはり処理という方向に当然行かなければならぬのではないかと思います。もちろん、アルミの方の関係につきましては部会で一応答申が出ましたから、この答申をどう実行するかということが、これから業界なりあるいは行政なり、また政治の場で特に必要な、検討しなければならぬことだと思いますが、他の業界の方々について産構審はいま検討の最中でございますから、いずれ何らかの答申が出されるのではないかと思います。その際考えられますことは、過剰設備をどう処理するかということではないかと思いますが、この過剰設備に対しまして、それぞれどのようなお考えを持っておられるかということをお聞き申し上げたいということです。といいますのは、このままの形で放置しておきますと、やはり過当競争という問題がまたぞろ起きてくるおそれもなきにしもあらずということでございますから、この際やはりはっきりしておく必要があるのではないかと思いますので、一応皆さんのお考えを率直にお聞きしたいということでございます。
○松永参考人 アルミの場合は、先ほど申しましたように百六十四万トン、百十一万トン、七十万トンと、大体そういうようなコンセンサスで過剰設備の問題は産構審絡みで決まってきておるということでございますので、その問題はないのでございますが、この始末の問題は大変な問題がございます。先ほども申しました九百六十億の簿価というものを始末しなければ、これも決められますと公認会計士が除却しなければいかぬと言われますので、この問題が一つ。それから、除却するときには撤去しろ。そうすると、ちょうどその倍くらいの撤去費が要るわけです。約一千億ぐらい。そういう負担がまた起こるわけです。そういうことですから、非常に金融的に困っているところに、またそれだけの負担をしなければならぬ。要するに、簿価はお金は要りませんけれども、損益の問題、それから撤去費は今度は損益の問題と資金繰りの問題になりますので、その辺が大変な問題でございます。
○土方参考人 石油化学におきましては、ほとんどの設備が法定年数八年に対してすでに十年以上経過しておる老朽設備でございます。したがいまして、どちらかといいますと、秩序ある建て直しということがこれからの大問題でございます。もちろん、資金の面も伴ってまいりまして、利益の上がらない、大赤字を出しながら新工場をつくるというのは、まことに大変なことでございます。それにもかかわらず無秩序に行われますと、業界がますます乱れるので、その辺のやり方につきまして、また先ほど独禁法との関係も出てくるわけでございますが、何らか新しい指導で行っていきたいと思っておるわけでございます。
○高橋参考人 塩ビの方もかなりの過剰設備を持っておるわけでございますが、問題は、一つには各社従業員の問題、それから資金的な問題というのが大きく絡んでくるわけでございます。 それともう一つ、やり方としまして、本来ならば個々的にやっていけば一番いいわけですが、御案内のように、日本の企業というのはそういった横を見てやってまいりますので、どうしても話し合いの場が必要かと思いますが、いま土方参考人からも御意見がございましたように、できたらば共通してできるような背景、たとえば通産の行政指導なりあるいは公取の容認をいただいてやらしていただきたい。 それからもう一つは、やるにつきましてはお金の問題でございますが、従来は低利の金融ということだったのですが、これではなかなか解決できない赤字の大きな問題でございますので、何らかの形で、金融的な措置だけじゃなくて、補助金と申しますか、そういった形をとっていただけばわれわれとしては非常に進めやすい問題だと思います。
○松葉谷参考人 肥料のアンモニア、尿素につきましては、先ほどお話しいたしましたように、特定不況産業安定臨時措置法によりまして、すでに五十四年度でアンモニア二六%、それから尿素四二%、それから燐酸二〇%の設備の処理を行ったわけでございます。そのときはある程度お互いの間でコンペンセーションの意味を持たせて、基準以上に廃棄したところに基準以下しか廃棄しなかった会社からコンペンセーションの金を出したというような、業界内における程度のお互いの調整も図ってこれを行ったわけでございます。これから先さらに設備廃棄をするかせぬか、まだいま決まっておりませんので、これからの産構審でこれがまた議論になると思っております。
○花岡参考人 私ども、先ほどから申し上げましたように、カーバイドそのものの供給がどうなるかということと関連しまして、それぞれの誘導製品設備というものが一緒に関連してくるのであります。 これはかつて、私の例から申しまして、ここ数年前にやりましたのですけれども、約三割くらいの人を減らさなければならなかった。そういったときに、一時帰休者だけで二千数百人くらいの人を減らしていかなければならなかった。しかも、それは人員だけで、設備の方までは手がつけられなかったということは、設備をそれだけカットしますれば、その設備費並びに——その設備費にはある程度償却はしておりますけれども、まだできないような分野も相当に大きいということで、もし先ほどからお願いしておるカーバイド関係の事業というものが凋落して動けなくなったといった場合には、この設備の総額、それからそれに関連しているところの人員の処理、これには相当多額の金額がかかると考えておるのであります。非常に重要なことと考えておりまして、この点については、ただいまここで金額的に申し上げかねますけれども、調査をしまして御報告申し上げることにやぶさかでないのでございます。非常に大きな形態であり、またその形態を単に移動することがまずできないという状況にあろうかと思います。非常な急場に陥っていると御了承願いたい。
○田中参考人 紙は、板紙は特定不況産業臨時措置法の指定を受けております。この法律の裏づけによって約一八%廃棄して、おかげさまで紙の中で最も安定しております。洋紙の方はこれからどういうふうにやっていくか。とりあえずは向こう二年間はこのままにしたい。こういう手を打った上でどういうふうにやっていくか、それをまず研究をしていこう、そういう段階です。 板紙の場合は非常に老朽施設が多かったので、そのコンセンサスもわりあい早かったのでありますけれども、洋紙の方は陳腐化した機械が少ないというふうに言われていましたので、いろいろと検討を加えてその方法を工夫しなければいかぬというふうに考えております。そういう段階です。
○宮田小委員 あと少ししかございませんが、高橋参考人、土方参考人、全部に共通しておりますけれども、お聞き申し上げたいのは、不況カルテルの問題について、今日の不況の要因の最大の問題が外圧、輸入ということなんでございましょう。そうすると、不況カルテルを結成したばかりに、逆にそれが外圧をさらに大きくする要因になるような傾向があるのじゃないかと思いますが、これは私の推測なんでございますけれども、その点はどうです。そのおそれはないですか、その辺ひとつ。
○松永参考人 アルミ産業の場合はもう全く外圧にやられていますから、カルテルもできない。カルテルでやればもっと外圧が、輸入がふえる、シェアがダウンするという問題がございますから、生産カルテルはできない。よほど世界の情勢がタイトで、そういう外圧のないとき以外にはできない。そういうふうにいつでもできる体制にはあるんですが、そういうことをやっても、おっしゃるとおり意味がないということでやっておりません。
○宮田小委員 もう一人どなたか代表で、いまのことについておっしゃってくださいませんか。
○土方参考人 宮田先生のおっしゃるようなケースもあるかと思いますのは、非常に短い、二カ月ないし三カ月のカルテル期間中じんぜんとしておりますとすぐたってしまいまして、その間に基本的な次への話し合いができないということになりますと、単なる緊急避難に終わって、その間に外圧自体がどんどん進むということになりまして、おっしゃるとおりになるわけでございます。そういう意味で、私ども鋭意努力いたしておりますけれども、やはり期間的に非常に短いといううらみがございます。それから、引き続き合理化カルテル等に移行していきたいという場合でも、やはり公取の審査その他非常に手間取りましてなかなか思うように進まないというのが実情でございますので、先ほど来運用の面で何かと御配慮をいただくようにということを申し上げておる次第であります。
○宮田小委員 どうもありがとうございました。
○島村小委員長 渡辺貢君。
○渡辺(貢)小委員 日本共産党の渡辺でございます。 参考人の皆さんには大変御苦労さまでございます。いろいろお話をお聞きしながら大変参考になりましたし、私どももいろいろの角度からさらに研究や検討を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。お話の中で共通しておりますのは、それぞれの業界の皆さんが、わが国の産業構造の中で大変深刻な危機を抱えながら、素材産業の果たしていく役割りや重要性について深い認識をされていらっしゃるという点についてであります。そういう点では、最近工業生産の分野における二極構造というふうなことがよく言われ、あるいは八〇年代の産業政策でも、ややもすると先端技術の開発というふうに流れていく傾向がございますけれども、改めてわが国の産業構造全体を見る中で、素材産業についてのきちっとした視点を与えなければならないというふうに私どもは考えているわけでございます。 そこで、初めに土方さんと松永さんにお尋ねしたいと思うのです。 たとえば住友にしても、三井あるいは三菱もそうでありますが、石油化学、アルミについても、国内産業での不況を抱えながら、一方で海外投資、そして開発、輸入をされていらっしゃるわけであります。アルミの場合でもすでにインドネシアのアサハン、これは建設中でありますし、ブラジルのアマゾンアルミなど新しい三つのプロジェクトがつくられつつある。すでにニュージーランドやカナダやベネズエラ、アメリカなどでは生産が始まっていて、その製錬能力は七十万トンで、うち、わが国への引き取り量は三十二万五千トンというふうに言われています。新しい三つのプロジェクトが完成すると製錬能力が七十五万二千トン、わが国への引き取り量は四十八万七千トンになる。全体を合わせると年間の生産能力は百四十五万二下トンであり、わが国への引き取り量は八十一万二千トンというふうに言われているわけでありますけれども、先ほどのお話の中で、原材料が高い、あるいは電力コストが非常に大きなウエートを占めている、それは私どもも十分に理解することができるわけでありますが、こうした開発、輸入が、今後の需給のバランスを見ていった場合にどのように国内生産に影響するのかという点が第一点であります。 第二点は、そうした中で、同じグループの開発されたものを輸入するわけでありますから、先ほどからお話が出ておりますように、七十万トン体制というのが非常に厳しくなってくるのではないか。十月九日の通産省の資料によりましても昭和六十年には六十五万トンというふうに、五十四年一月の推計値をどんどん下回るような数値が絶えず出てくるわけでありまして、その二点についてまずお尋ねをしたいと思います。
○松永参考人 確かに、われわれとしまして海外投資というのはかなり大きな、現状三百億、恐らく最終的には二千億を超えるというふうな投資になりますから、われわれの資力の中でそれをやってのけることは非常に大変なことだ、そういうふうに考えますので、政府の御支援で、輸銀の金とかあるいは基金の投資とか、そういうようなことで助けていただきながらやっているわけですから、この問題は、むしろ私らが危惧するのは、われわれのもとにいる会社がだめになってしまったら、こういうナショナルプロジェクトなり対外的にやっている問題がどうなるんだろうという問題が一つ懸念されるわけでございます。少なくとも、もとになるわれわれがしっかりしてなきゃならぬということと、大体技術的にはわれわれが主導権を持って、日本の技術がいいですから主導権を持っておりますので、今後そういうことを続けていくとすれば、もとがなくなるとその技術もなくなるということですから、これまた非常に問題がございます。 それから、海外製錬をするためにどんどん下がっちゃうじゃないかとおっしゃったんですが、確かにそのウエートを、国内のコストの高いもののウエートを下げていかないとやはりコストのリカバーができない。海外のウエートをだんだん上げていくことによってミックスコストを下げていく、そういう理念ですから、そういうことに考えておるわけです。 ただ、国内生産にどこら辺が限度であるかということになりますと、われわれよりもむしろ需要家サイドの御意見が中心になる、これだけはとっておいてくれというようなことが中心になるということで、ああいう線が出たというふうに御理解いただきたいと思います。それでよろしゅうございますか。
○渡辺(貢)小委員 それでは、時間もありませんし、そういうお話になるかと思いますが、石油化学の土方さんに伺いたいと思います。 ちょうど同じような角度からでありますけれども、住友グループ、三井、三菱、それぞれナショナルプロジェクトができてやっておりますけれども、最近のIJPCの問題に見られるように、いまお話がございましたように、カントリーリスクが大きいというようなこともございますけれども、しかし、こういうプロジェクトが完成していく場合に、たとえばエチレンベースでも約百五十万トンというふうに言われておりまして、そうなると、この面でもアルミと同様の傾向、もっと深刻な事態になるのではないかというふうに考えるわけでありますが、その点についての御意見を伺いたいと思います。
○土方参考人 石油化学の海外立地につきましては、ただいままでのところはむしろ海外経済協力という線に沿ってやってまいりました。ところが、ただいまのような構造不況に陥りまして、今後は安い原料を探して海外立地をしたい。たとえばカナダに安い原料を探してジョイントベンチャーでもって石油化学をやる、それを日本へ持ち込むということが考えられるわけでございます。ただ、その場合も、われわれ石油化学の性格からいたしまして、少なくとも七〇%程度は国内で生産していかなきゃならぬ、輸入品は三〇%までじゃないか。そういうものを輸入いたしまして、さらにそれを高度化、加工していくというふうに構造改善をしていきたいと考えておりますので、石油化学全体といたしましては縮小するというふうには毛頭考えておらないわけであります。
○渡辺(貢)小委員 第二番目にお尋ねしたいと思うのですけれども、いろいろ困難に直面している要因の中に、たとえば内需の減退というお話がかなり共通して出されております。 十月二日の経済対策閣僚会議の中でも、とりわけ素材産業については内需の減退と同時に素材産業の不振が目立っている、こういうふうな指摘があるわけでありますけれども、住宅建設など昨年度に比べて現在のペースで大体一〇%マイナスというふうに言われて、その面でもアルミの需要がかなり大幅に減退する。また、先ほど松葉谷参考人からもお話ございましたけれども、減反政策や農業政策の貧困なために実際上肥料の需給分野が大変厳しい、こういうお話も出てますし、あるいは紙の需要についても、年間の需要の増加というのは大体一%から二%前後である、こういうふうな共通したお話がございました。 そういう点で、これは国の予算の関係等もございますけれども、軍事費に傾斜するのではなくて国民生活の関係に投資をふやしていくなど、あるいは施策の面でもそうだと思いますし、また消費需要が減退をする、労働者の実質賃金がマイナスであるというような点などを考えてみた場合に、産業界の皆さんの中からも内需をもっとふやすべきである、そういう積極的な御意見があってしかるべきではないかというふうに思うわけでありますが、その点について一言ずつ、松永さん、それから松葉谷さん、田中さん、ちょっとお聞きしたいと思います。
○松永参考人 アルミの用途の中で一番大きな分野は圧延関係で、圧延、押し出しでございます。したがいまして、その中の一番大きな分野は押し出しでございます。押し出しの中の一番大きな分野は土木建築でございます。 おっしゃるとおり、いまアルミの国内問題としましては住宅産業に尽きると思います。これが昨年に比較してことしは十五万トンぐらい下がりはせぬかと見ているくらいに、住宅産業にしぼられます。 それから、あと落ちているものは何かといいますと、電線でございます。これはやはり公共事業の関係で、電力会社がこれから設備をしてくれるとなれば上がっていくという問題ですから、一番問題はやはり住宅産業に関連のある、特に住宅用のアルミとか、御承知のとおりサッシだとか、そういうものは大体百五十万戸相当くらいの設備でやっておりますので、下がりますと過当競争が起きて価格が下がるという面と、両方が下がってアルミ業界全体が困るということで、両面ございますので、ひとつその点はよろしく御配慮いただきたいと思います。
○松葉谷参考人 肥料につきましては、いま大幅に需要が落ちているのは輸出の方でございまして、国内の方はそう減少しておらない。ただ、転作問題がございまして、稲作については不利でありますが、転作によって他のものへの肥料が同時に必要になってまいりますし、それから国内の緑地化問題、そういうものに新たなまた肥料需要も出てきておるわけでございまして、国内の肥料需要というものは横ばいもしくは微増の形で今後進むのじゃないかと見ております。
○田中参考人 紙の方は、先ほど申し上げましたとおり、経済全体が高度成長から安定成長へ修正しようというときに、逆に仮需に迷わされて増設しちゃった。当面、非常に大きな需給ギャップがあるわけですが、長期的に見ますと、八〇年代平均三%ぐらいの需要増がある、こういうことになっておりますので、輸入を見込んでもせいぜい需要量の七%ぐらいにしかならない。そうすると、いま千八百万トンばかりつくっておるわけですが、さらに向こう十年間に五百万トンないし七百万トン増産していかなければならない。こういう状況ですから、この当面のピンチを切り抜ければわりあいに安定した成長ができるのじゃないか、そう考えております。
○渡辺(貢)小委員 最後に一言申し上げたいと思うのですけれども、先ほど田中参考人のお話の中で、ことしの夏、紙パルプ業界では七十七工場で約十六万人の一時帰休、レイオフというふうなお話がございましたし、アルミ業界その他においてもかなりの合理化、配置転換があるというふうに聞いております。確かに厳しい環境ではございますけれども、ぜひそうした労働者の雇用面の問題あるいは中小企業に対する負担の転嫁がないように、ひとつ御努力をしていただきたいということを要望申し上げたいと思います。 それから政府委員も来ていらっしゃると思うのですが、独禁法の問題やあるいは関税制度の問題など、通産省の立てる政策的な見地とそれぞれ諸政策を整合化しなければならないというふうに思いますし、そういう意味では、素材産業の問題というのは、今後八〇年代を展望する日本の経済の一つの根幹という視点から考えていかなければならないというふうに思いますので指摘をしておきます。
○島村小委員長 石原健太郎君。
○石原(健)小委員 土方参考人にお尋ねしたいのですけれども、ナフサを直接輸入するということはどの程度のコストダウンにつながっていくのか、大ざっぱなお考えで結構ですけれども、お聞かせいただきたいと思います。
○土方参考人 最初にお配りいたしました資料にヨーロッパのナフサの価格というのがあるわけでございまして、大体この程度の値段で買えるとこの程度のメリットが得られるのではないか、このように考えておるわけでございます。
○石原(健)小委員 田中参考人にお尋ねいたしますけれども、五十年代の設備の増加というものは仮需に迷わされたというお話でしたが、通産省の行政指導がなくて放任しておけば再び設備競争が始まるだろうというふうに見ておられるようですけれども、その背景などをお聞かせいただければと思います。
○田中参考人 いま対外競争力の面で、日本の紙パルプ産業は大量生産、大量消費型の紙ではなかなか競争できない、価格の高い紙というようなことで、そういう体質を対外競争力のあるようにするための増設もかなりあるわけでありまして、こういうことにならなければいかぬということになりますので、ただいま御質問のようなそういうことは、一面から見ると、将来の対外競争力上の体質強化にもなっていくわけでありまして、当面のこういうふうになってしまった需給ギャップをいかにして取り除くか、こういうことだと思います。
○石原(健)小委員 質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○島村小委員長 以上で質疑は終了いたしました。 参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
○島村小委員長 この際、植竹小委員から発言を求められておりますので、これを許します。植竹繁雄君。 —————————————
○植竹小委員 実は、本日は、電力多消費型の素材産業のアルミ、石油化学、塩ビ、肥料、カーバイド、紙パルプ、六業界から、国際的に割り高である電力が産業自体に及ぼす影響大であることを伺いましたが、そのほかにも電力多消費型の産業があるわけです。それはフェロアロイ業界、亜鉛業界で、いずれもトン当たり一万五千キロワットアワーに及ぶもの、また四千五百キロワットアワーに及ぶものがあるわけです。したがいまして、この六業種の方々以外のこの二業種の方についても同様な参考御意見を伺うことが肝要かと思いますが、その点について委員長の御意見を伺いたいと思います。
○島村小委員長 ただいまの植竹小委員の御発言につきましては、商工委員会理事会においてその取り扱いを協議願うよう委員長にお伝えいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十二分散会