P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
95回国会衆議院1981/10/23

商工委員会 第1号

発言数
192
登壇者
30
会派数
5
開催日
1981/10/23

会議録

野中英二自由民主党

○野中委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  通商産業の基本施策に関する事項  中小企業に関する事項  資源エネルギーに関する事項  特許及び工業技術に関する事項  経済の計画及び総合調整に関する事項  私的独占の禁止及び公正取引に関する事項  鉱業と一般公益との調整等に関する事項 以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

野中英二自由民主党

○野中委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  エネルギー及び鉱物資源に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなるエネルギー・鉱物資源問題小委員会 及び、  流通に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなる流通問題小委員会 を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  両小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  両小委員会の小委員及び小委員長は、委員長において追って指名し、公報をもってお知らせいたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

野中英二自由民主党

○野中委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  それでは、まず、北炭夕張炭鉱株式会社夕張新炭鉱ガス突出事故について、政府から説明を聴取いたします。田中通産大臣。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 夕張新炭鉱の突出事故の災害の被害の状況につきまして御説明を申し上げたいと思います。  夕張新炭鉱のガス突出事故は、十月の十六日十二時四十分に坑口から三千メートルの地下において発生いたしまして、直ちに救助作業に当たって今日に至っております。現在のところ、三十四名の遺体収容、十名の死亡確認、四十九名の行方不明という現状でございます。  政府は、直ちに、政府の部内に夕張新炭鉱のガス突出事故対策本部を設けまして、私が本部長になりまして、あと、通産政務次官、労働政務次官、国土庁の政務次官が副本部長になり、関係各省の職員を本部員とする本部をつくりました。  私は、十七日の午前、東京を離れまして現地に赴きまして、現地では、札幌鉱山保安監督局長及び会社側、労働組合、それぞれの代表から事情を詳細に聴取いたしました。私といたしましては、その聴取後直ちに、罹災者の救済に万全を期すよう指示すると同時に、入院中の人あるいは遺族の方々、罹災者の家族の方々をそれぞれ訪問し、お会いして、ごあいさつをすると同時に、鈴木総理からの見舞い金を北海道知事にお渡しすると同時に、陛下のお言葉を伝達したわけでございます。  帰京いたしまして直ちに、夜中ではございましたが、第一回の新夕張災害対策本部の会合を開きまして、第一に、罹災者の救済に可能な限りの処置をするということ、それを第一とし、第二点は、遺家族並びに罹災者援護対策、そういうものに万全を期するということ、それから、救済のための各機関の連絡を密にするために、連絡協議会の設置、地方連絡協議会の設置をいたしました。四番目といたしましては、罹災者の救済が第一でございますが、これが済みました、一段落つきました後におきまして、私どもは、専門家を中心とする技術調査団を編成いたしましてこれに当たるという、四点を決めたわけでございます。  現在、この四点を中心に、事態の推移についてわれわれなりの態度を決めて処置をいたしておりますけれども、現状におきましては、もうすでに八日目を経ておりまして、いろいろ会社側、組合側との協議をいたしました結果、注水による方法で事態を解決しなければ、他の場所にも現在の突出事故の個所から事故が移転するおそれも出てきましたので、それではいけないということで、早期に罹災者を収容するという観点からも注水がいいだろうという判断を会社側並びに組合側も持っておりまして、罹災者の家族の方々にこの注水作業の同意を求めておる段階が現在でございまして、その結果をいま私どもは待っておるわけでございます。  その間、私どもは、昨日、夕張新炭鉱の突出事故災害の第二回目の会合を開きまして、今後の対策を練るということの準備をいたしたわけでございます。  以上、簡単でございますが、夕張新炭鉱のガス突出事故災害の概要について御説明を申し上げましたが、作様の十分な御審議をお願いするわけでございます。     —————————————

野中英二自由民主党

○野中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 今回、北炭夕張において痛ましい災害が起こり、多数の犠牲者を出しましたことば、まことに残念で、遺憾でございます。この場をかりまして、罹災者の御遺族の皆さんに対して、心から哀悼の意を表したいと思います。遭難された方々の御家族の皆様の御心中は察するに余りあるものでありまして、心からお慰め申し上げたいと存じます。  さて、災害の当面対策は、罹災者に対する措置とか原因調査を含めまして、政府に全力を尽くしていただくようにお願いする次第でございますが、私は、ここではまず、当面の問題を離れまして、通商政策あるいはエネルギー政策の観点から二、三見解を伺いたいと思います。  今回の災害を顧みまして、果たしてこれは炭鉱という地下労働には避けがたい不可抗力によるものであるのか、あるいは安全対策の不備によるものであるのか。聞くところによりますと、夕張新鉱は経営再建の途上にあって、相当の無理をして出炭を急いでいたということであります。生産第一主義に走る余り、保安対策がないがしろにされたということはないでしょうか。保安の確保について、国は炭鉱を指導する立場にありますけれども、十分な監督を行ってきたかどうかということでございます。また、今後は絶対にこのような災害が起こることのないような十分な対策を講ずべきであると考えますが、通産省はどういう見解を持っておられるか、お伺いしたいと存じます。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 御指摘のように、今回の事故はきわめて例を見ないほど大規模なガス突出によるものでございまして、ガス突出そのもののメカニズム等につきましては、先生御承知のように、いまだ十分解明されていない面が多いわけでございます。しかし、そうかといいまして、これが不可抗力であるということで、炭を掘り進むに当たってはやむを得ないものだという形で、われわれ保安に関する者はあきらめておるわけにはいかぬわけでございまして、したがいまして、これに対する対策といたしましては、事前のガス抜きボーリングの徹底であるとか、あるいは発破後の避難、あるいはその避難時間の延長といったようなもの、あるいはビニールハウス等の救助施設の整備等々、できるだけやはりこの発生を防ぎ、あるいはやむを得ず発生した場合にも危害が人間に及ばないように、種々の対策を講じてきておるところでございます。  今回の件に関して、しからばそれでもなおかつやむを得なかったのか、あるいは安全対策に不備があったのかということにつきましては、今後の解明にまたなければならないわけでございます。事故の原因の解明その他もろもろの調査あるいは捜査上の結果を待って判断しなければならないわけでございます。災害発生以来、罹災者の救出あるいは第二次、第三次事故発生防止に現地の監督局は全力を挙げておりますので、捜査は必ずしも現段階において十分進んでいない状況でございますので、この点につきましては、いましばらく時間をおかしいただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、徹底的に原因の究明を図り、今後この種の災害が起きないよう、われわれとして万全の努力をしていかなければならないと思います。  北炭夕張そのものが再建途上にあったのであるから、保安対策をなおざりにしたのではないかというような御意見もいろいろ聞かれます。これもやはり徹底的な調査を待ってからでないと軽々に申し上げられませんが、しかし、保安を無視して再建はできないということは、これは会社も組合も十分わかっておることでございまして、したがって、手抜きというようなことは万々ないと思いますけれども、やはり原因は科学的に究明しなければならないと思っております。  国につきましては、先ほど申し上げましたような再建途上にあることのほかに、むしろ本炭鉱が典型的なガス山であるというようなこと等警戒を要する炭鉱でございましたので、炭鉱においてはガス抜きの重点実施あるいは救急設備の配置のほか、いろいろな保安対策を十分に講ずるよう指示し、必要な監督を行っておったわけでございます。月に大体三回のペースで、いわゆる立入検査あるいは追跡検査を行ってきておるのでございます。他の炭鉱は大体月一回のペースでございますので、三倍のエネルギーを注入してきたわけでございます。その他炭鉱全般、会社全般に対しましても、保安にはくれぐれも努力するよう言ってまいりまして、この山の災害率が本来余り低い方ではなかったわけでございますが、最近徐々に下がりつつあるということで、われわれ自身喜んでおったところにこのような大災害が起きて、非常に驚きとともに残念に思っておるところでございます。この上は、徹底的に技術調査団その他の御助力もいただきながら原因の究明に努めたいと思います。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまの御説明を伺いますと、保安を抜きに採炭することは絶対にありません、こういうことでございます。ところが、保安をするのに、今回の事故は地下千メートル近くのところで起こったわけですから、そういう非常に深いところに移行するに従って、事故発生の危険性というのは急速に高まってくるということは、これは避けられない事実だと思うんですね。そのためガスのボーリング調査をやるとかいろいろやるんだというお話ですけれども、今回の事故原因というのももちろん捜査しなければわからぬということは確かですか、ボーリングを怠ったわけじゃあるまいと思うのです。そうすると、いかに人間の知恵を尽くしても危険性は高まるということではないかと思うんですね。これはもう避けられないことじゃないか。そうすると、かかる危険性の大きい炭鉱を維持することが果たして可能かどうか。可能かというのは、万全な保安体制をしいて、なおかつ人間の及ばないところで危険が存在しておる。そうして、そういうところに従業員の方々を多数働かせなければならぬ。人道的見地から考えましても、きわめて問題があるのじゃないかという気がするわけです。一方、海外の炭鉱は大規模な露天掘りが多いということを聞いておる。わが国と同じように深部で掘っている例はほとんどないと聞いておりますけれども、わが国炭鉱は、今後とも二千万トン体制をあくまでも維持するのだということなら深部に移行せざるを得ない。しかも、海外炭と比べて大幅なコストアップということになっておるわけです。  では、何のために二千万トン体制を維持しなければならぬのか、こういうことを改めてここで問い直してみる必要があるのじゃないかと思うのです。これは、確かに炭鉱従業者の雇用の確保ということも大事である。しかし、エネルギーの安定供給という点からいって、国内炭がかなりあることは確かに必要ではあるけれども、私は、二千万トンをどうしても確保しなければ日本のエネルギー情勢が大変なことになっちゃうということじゃないと思うんです。その辺を、費用の限界効用あるいは保安という面から考えて、もう一つ大きく人道的な立場というものも考えながら、海外炭の活用とかあるいはそのほかの代替エネルギー、原子力にいたしましても、あるいは水力、あるいは新しい代替エネルギーというものを考えていくということが必要じゃないかなという気がいたします。これについて通産省の見解はどうでしょうか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 お答え申し上げます。  まず、先生から御質問のございました、海外は露天掘りが多いので、わが国のような深部掘削の例が余りないのではないかというお話でございますけれども、この点に関しましては、資料が若干古くなりますが、一九七九年の統計で、全体の世界の石炭の生産は二十八億トンございますけれども、坑内掘りといいますか、これが大体六割程度を占めているのじゃないかというふうに思います。しかも深さは、日本以外の各国でもって、たとえば西ドイツ、イギリス、ポーランド、中国など、かなり深度が深くございまして、西ドイツの場合には大体平均八百メートル程度というふうに言われておりますし、ポーランドも六百メートル程度ということでございます。それから特に深い山は、千メートルを超えるような鉱山が西ドイツ、イギリス等にもございまして、日本よりもむしろ若干深いところで掘っている例もあるわけでございます。  同時に、しかし、こういう深いところで今後保安体制を確保しながら生産が維持できるのかどうかというお話でございますけれども、こういう例がございますように、深さだけで必ずしも石炭の採掘のむずかしさということは論ずるわけにまいりませんで、その他地質条件等々いろいろなことがございますので、そういう面からいろいろ検討がなされるべきでございますけれども、日本の場合にも、最近徐々に炭鉱の深部化が進んでおります。しかし、その深部化の進む中で災害の件数、いわゆる災害率というものはずっと落ちてきておりまして、そういう意味では保安の確保にも努力してまいりましたし、今後とも万全を期していきたいというふうに思っているわけでございます。  今回こういう不幸な事故が起きたわけでございまして、私どもとしては非常に残念でございます。今回の事故の原因につきましては、今後十分技術的その他検討を進めまして、保安に対して万全を期さなければいかぬというふうに思います。  また同時に、石炭鉱業をめぐる環境といいますか諸条件は徐々に改善してきておりまして、石炭の石油に対する競争条件その他も非常によくなってきております。こういう中でコストアップを抑え、合理化を図りながら、保安体制に万全を期して炭鉱の採掘を今後とも進めることは私ども可能だということで、さきに出ました第七次答申におきましても、現状程度の生産は維持できる、さらに今後の環境改善いかんによっては、それ以上の増産も可能ではないかという考え方に立って石炭政策を進めているわけでございます。  いずれにいたしましても、保安について万全を期することは何よりも大事でございまして、今回の事故の原因を究明し、今後の保安対策については万全を期していかなければいかぬというふうに考えている次第でございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 万全を期すのは、これはやってもらわなければ困るわけなんだけれども、私が聞いているのはそういうことじゃなくて、私は実は西ドイツの炭鉱も地下数百メートルまでもぐってみたことがあるのです。日本の炭鉱と大分違うのは、あなたのおっしゃるように深さだけの問題ではない。地層の問題、地質の問題、そういった点がきわめて安定的にできておる。これはわが国は資源の状況からいって非常なハンディを負っているわけです。したがって、出炭コスト等についてもかなり開きがある。こういうことになっておるわけで、エネルギー政策からいって、もう少し総合的に考えて、限界費用になるようなところ、あるいは保安コストが物すごくかかっちゃって、しかもそれでもまだ、今度の場合でも万全を期しておったには違いないのだけれども、こういう不幸な事故が起きるわけですから、その辺を少しもう一回見直して考えてみたらどうか、こういうことを私は申し上げておるわけでございます。  とにかく、今回の事故はまことに残念な事故でございました。まあ総体的に見れば、炭鉱事故というのは昔から比べますと災害はだんだん減ってくる傾向にあったということで、実は喜んでおったわけでございますが、それでもまだ毎年数十名の罹災者というものがあるという状況でございます。ぜひこれを機会に根本的に石炭政策というものを考え直していく時期ではないかと思うのでございますが、ひとつ大臣からお考え方を伺わしていただきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 この事故を契機に石炭政策を見直したらどうかということでございます。  私ども、ついせんだって第七次石鉱審からの答申を受けまして、石炭の位置づけというものを規定をされたわけでございます。それは、二千万程度を目安として生産体制を始めていくということなんでございますけれども、御承知のように、現在の時点では千八百万トン程度が現実に掘れるわけでございまして、二千万トン程度というのは生産努力目標でございます。私どもは、無理にこの二千万トンをどうしても掘ろうというわけではございませず、あの答申の中にもありますように、新鉱を開発してみたり旧鉱をチェックし直したりしていくならば、そういうことで努力目標として達成でき得るということでございまして、これをぜひともというようなことではないわけでございます。  何よりも保安第一という頭は十分あるわけでございます。ただ、日本の総合エネルギー体制あるいは安全保障という観点から、一般炭がちょうど千三百万トンから千五百万トンぐらい輸入されておりますが、それとちょうど同程度に、国内で一般炭が千三百から千五百ぐらいはとれるわけでございまして、そういうことを考えますと、ちょうど半分は日本の国内に一つの石炭のエネルギー資源としてあるわけでございます。これは、日本の総合エネルギー体制あるいは経済性、そういうような観点から非常に重大なエネルギー資源でございまして、これがあることとないことを比較しますと大変な違いでございます。たとえば豪州炭に依存するといたしましても、ストがあって何十日もどうにもならない、あるいはイラン、イラクの戦争があって油が入らぬというようなときに、日本にそういう石炭が、それだけのエネルギーが一般炭でもあるということは大きな違いだと思います。そういう意味から、現在の石炭の千八百万トン程度はこれを十分賄い得る。だから私は、これを変えてどうというような考えはなく、安全体制、そういうものを、これからも十分保安に気をつけ、やっていくならば、そう無理な生産体制ではあるまいというふうに思っております。現在のところ、そういう考え、つまり第七次答申の基本線である点を変えなければならないというようなことは考えていませず、まあ事態の推移を冷静に見守ると同時に、あらゆる対策を講じていかなければならないという決意でございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 次に移ります。  石油の問題でございますが、私、この前、中近東に自民党の石油問題調査会のメンバーで行ってまいりました。痛感しましたのは、われわれの省エネルギー、代替エネルギーの政策の推進が効果をあらわしまして、世界の石油情勢は需給が大分緩和し、石油がむしろだぶつきぎみだ。これによって産油国の穏健派が出しておる石油については需要が殺到しておりますが、いままで急進派と呼ばれておるリビアとかアルジェリア、ナイジェリア、こういったところの高い油についてはお客さんが来ないということで減産を余儀なくされている、大変結構な情勢になってきておるわけでございます。したがって、OPECにおいて年末に行われる総会で統一価格ができる下地ができ上がってきておると考えるわけでございますが、こういった情勢からいって、今後ともわれわれは代替エネルギー、省エネルギー政策というものを強力に推し進めていく必要があると思うのです。それによって石油の安定を図らなければならぬ。同時に、中近東における政治的な不安要因、これはやはりアメリカに頼んで、どうしてもあそこの軍事的なバランスあるいは政治的な安定についてアメリカに相当働いてもらわなければならぬ、こういう印象を受けました。しかし、日本としても、いまのままの石油業界の体質、これはやはり過当競争体質が余りにも激しいということで、再編成、能力の縮減というものがどうしても必要だということを強く感じてきたわけでございますが、石油業界の能力の縮減あるいは再編成ということについて、エネルギー庁はどういうような考え方で臨んでおるのか、伺いたいと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 先生お話しのように、現在石油需給は非常に緩んでいるわけでございまして、この状況がいつまで続くかという点については、現在いろいろ見解が分かれているところでございます。ただ、こういう状況がそう長く続くということは考えられませんし、先ほど御指摘がございましたように、中東情勢その他も非常に不安定でございますので、わが国といたしましては、現在の非常にリードタイムの長い代替エネルギーの開発などのエネルギー政策というのを、今後とも従来どおりの路線で着実に進めていかなければならぬというふうに考えております。  と同時に、実は最近の石油需給の緩和、それから石油需要の低迷を背景といたしまして、御指摘のように、石油精製業自身が非常に苦境に立っているわけでございます。その内容は、先生御指摘のように、非常な過当競争体質が原因でございまして、相当の過剰設備を抱えておる、その結果、海外の原油価格の値上げをそのまま国内の製品価格に反映できないという状況に来ております。また一方、国内の需要構造が、中間留分的なガソリンとか灯油とか、こういうところの需要にシフトしてまいっておるという、その需要構造の変化にも十分対応できないような体制になっているというのが石油精製業の実態でございます。  そういうことでございますので、今後この石油精製業については思い切った体質改善を図る必要があるということで、先般、石油審議会の石油部会の中に小委員会が設けられまして、そこで鋭意検討が進められているわけでございます。その中で、現在小委員会自身が、石油業界の問題点について各業界の意向、関係金融機関の意向を聴取しながら、今後の対策の進め方を検討している最中でございますけれども、基本的には、御指摘のございましたような過剰設備をどうやって処理するか、また過当競争体質をどうやって改善していくか、さらに将来の需要構造に見合った供給体制をどうやってつくっていくか、こういう問題について、業界の体制を整備する必要があるということで、現在その具体策に取りかかっておる段階でございます。今後とも、こういう問題点をできるだけ早急に除去することが必要でございますので、資源エネルギー庁といたしましても、小委員会の答申を踏まえて、石油精製業の体質改善に努力してまいりたい、かように考えております。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 特に石油については、私、中近東で感じたのですが、ダウンストリームに産油国が相当投資をし、進出をしてきております。原油を直接売るよりは、付加価値を高めて売りたいというのは当然の傾向だと思うのです。産油国がどのくらい製油所等を建設し、能力的にどのくらいのものがここ十年くらいの間に完成できるかという数字はわかりますか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 OPEC統計によりますと、一九七九年の中東における石油精製能力が、OPEC加盟の湾岸諸国で合計二百八十五万バレル・パー・デーとなっております。また、OPEC加盟国全体の石油精製能力が五百三十二万バレル・パー・デーとなっております。将来の方向につきましては明確な計画というものは持っておりませんが、PIWの推計では、十年後に最小のケースで、OPEC全体で一日当たり千百四十四万バレルになるであろうといたしますと、大体いまの能力の倍近くふえるのではないかというふうに見られております。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまお話のあったとおり、非常に伸ばそうということで努力しておる。そうすると、結局あの地域では、軽質の油というものは、たとえばガソリンとか中間留分といったものはかなり地域消費ができるわけですが、C重油は産業が余りありませんから余ってくる。日本に輸出しよう、では原油と込みで出そうじゃないか、こういうことになろうかと思います。日本のいまの石油情勢は、まさにC重油が一番だぶついておるわけでございまして、そこへさらに産油国からC重油攻撃がかけられる、こういうようなことになるのじゃないか。低質の油がどんどんふえていく、これに対するには、やはりこういうものをできるだけ少なくするような重質油を処理する装置あるいは技術というものがきわめて重要ではないかと思いますね。緊急の課題だと思います。それに対して通産省は、いま伺いますと、研究組合か何かつくってやっておられるようでございますが、なかなかいい結論が出る見通しになっていないということで、私は非常に心配しておるのです。これはどうですか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 御指摘の点が、実のところ、石油政策の中でいま非常に重要な問題になっておりまして、私ども五十七年度予算では、この重質油対策によります、主として民生用の中間留分確保対策というものに最重点を置いております。これはいろいろ解決方法があるかと思いますが、短期的には石油製品の規格を改定いたしますとか、あるいは精製設備の改造とか運転条件の改善というような形での緊急の対策がございまして、これはもうすでに着手をいたしておりますが、抜本的にはやはり技術開発というものが必要かと考えておりまして、五十四年度から五カ年計画で、先生御指摘の研究組合によりまして、中間留分増産型の重質油分解技術の開発を促進いたしております。研究は順調に進んでおりまして、本年の十一月には接触分解設備、明年の二月には水素化分解設備につきまして、それぞれパイロットプラントによる研究に着手することを考えております。  なお、この重質油分解設備というのは非常に膨大な投資が必要でございますので、個別企業によります対応というのは非常にむずかしいと考えられます。来年度以降複数の企業によって共同の重質油処理センターというものを建設する必要があると考えておりますので、早急にフィージビリティースタディーを開始いたしたい、かように考えております。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまのは、お話しのとおりだとすれば、一つの再編成の目玉にもなるのじゃないかという感じがいたします。何といってもこれは非常に大事なプロジェクトでございますので、強力に進めていただきたいと思います。  ところで、代替エネルギーというのは、私が先ほども指摘しましたように非常に大事な政策でございますけれども、特に原子力の立地推進という点について、電源地域の振興を図りながら原子力立地を図るということが何といっても必要だと思うのです。私どもは、自民党でも大いに議論をしておるわけでございますが、電源地域振興のために特別立法をする必要があるのじゃないか。電力の消費地域のために電源地域は大量の電力供給を行っているわけでありますから、その総合的な振興を図ることによって原子力の設備を受け入れてもらうということが必要じゃないかと思うのです。いまの立地交付金というのは、道路とかスポーツ施設の公共用の施設に交付するということが中心でありますけれども、電源地域の恒久的な発展を図るには雇用対策が非常に大事だと思うのです。雇用が確保できるということが、何といっても地域の人たちに受け入れられやすいわけでございまして、このためにこういう地域に立地する企業に無利子融資ぐらいやったらどうかということを提案しておるわけですが、これに対してどう考えておるか。  それから、電源地域の振興と電力をたくさん消費する産業、たとえばアルミとかカーバイトとか、これは一律にいま電力が高いために国際競争力を失って構造不況の最たる産業になっておるわけですが、こういう産業に対して、原子力というのはいま発電コストが一番安い。キロワットアワー当たり十円を切るのは原子力しかないということでございますので、昔水力発電所を中心にこういう電力多消費産業が立地したという例もある。これから原子力発電所を中心にその周辺に電力多消費産業を持ってきて、そしてこれと直結するいわば原子力コンビナートのようなものを考える、つまり、別の言葉で言えばアトムポリスというようなものを考えるということは、地域の発展にとってきわめて魅力のあることではないか。私はかねてから、アトムポリスというものを考えたらどうか、テクノポリスじゃない、むしろアトム・テクノポリスでもいいのですが、そういう意味でひとつ地域発展の核にしていったらどうか、こういう提案をしておるわけですが、いかがですか。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○石井(賢)政府委員 まず第一点の、電源地帯におきます総合的振興のための法律措置の是非でございますが、私どもといたしましては、電源立地の円滑な推進を図るために、とかく電源立地それ自身が雇用効果に乏しい、またその地域の利便供与も少ない、こういったことから、電源立地をてことしてその地域の定住を推進し、地域振興を図ろうという、その地元とのすれ違いといいますか、そういうものが現在震源立地の推進に一つの障害になっているという認識から、基本的に電源地域のニーズを踏まえた施策の展開がどうしても必要であるというふうに判断いたしております。  そういう観点から、第一に、電源地域の振興ビジョンの策定を推進すること、第二に、主として地域における産業振興の推進を図ること、第三に、それらを総括的に推進する地方自治体の財政基盤の強化を図ること、こういった方面からの施策展開を今後推進すべきではなかろうかというふうに考えております。  そういう観点から、五十七年度におきましては、それぞれの項目に即した施策の充実をお願いいたしておるわけでございまして、特に第二点で御指摘がございましたような、電源地帯における立地企業に対する低利融資制度の創設はどうかという御意見でございましたが、特に電力移出県交付金の拡充によりまして、企業立地が低利融資をもって推進できるような制度の創設を含めまして五十七年度の予算要求をいたしておるところでございます。  それから、第三に御質問のございましたアトムポリスと申しますか、原子力の持つ特性と地域の発展あるいは産業の振興と組み合わせた方式はとれないかという御意見でございますが、現段階できわめて遺憾ながら、原子力につきましては、温排水を利用いたしました漁業、養殖という点についての研究はある程度進めてございますが、その他の特性をとらまえました産業と一体化あるいは生活環境改善の一体化、こういった研究がまだ十分ではございませんでした。そういう観点から、私どもといたしましては、五十七年度から約三カ年の計画をもちまして、原子力発電所と地域環境の整備あるいは産業振興の一体化を図る基盤があるかどうか。その辺につきましての基礎的なフィージビリティースタディーを開始したらどうか、こういうことで新年度の予算要求を行っておるところでございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまのお話ですが、ぜひ推進していただきたい。特にアトムポリスの問題ですが、電力多消費産業の振興ということも、この際ぜひ考えていただきたい。そういう観点から、地域振興と両方でやっていくということを取り上げていただきたいと思います。  それから、自治体が電源立地に果たしておる役割りというのは大変なもので、これに要する財政負担も相当なものになってきておる。そこで、地方の財政問題として二、三お伺いしたいのですが、事業税について、電源県に重点配分ができるように発電所の資産割の配分率をふやしていくということが必要ではないか。  第二に、いま電気を消費すると、消費県では消費税がかかる。そして発電県には何もメリットがない。これはまさに逆で、消費税はむしろ発電してくれるところの御努力に対して還元しなければならぬ。それならば消費税をやめて、そのかわりに発電税を取る。これを立地市町村に還元するということにしてもらう。こういう考え方はどうか。  それから第三に、市町村の財政がきわめて不安定なんです。つまり発電所が来てくれる、固定資産税はがっぽり入ります。ところが、ちゃんと自治省はそのかわり交付税を減らしてしまう。これじゃ、発電所が来てせっかく固定資産税が入ると思っていたら交付税が減らされるので、ちっともメリットがない。そして今度は、だんだん減価償却が進むと固定資産税がだんだん減ってくる。その分若干交付税はふえますけれども、これじゃきわめて不安定。むしろ財政安定基金というようなものを考えて、そこに固定資産税なり何なりのものを基金としてリザーブをして、安定した財政を維持できるような方策を考えたらどうか。  私はこういう考え方を持っておるのですが、これについて、時間がありませんから簡単に通産省と自治省から所見をお伺いしたい。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○石井(賢)政府委員 三点ございました第一点の事業税の固定資産割の是正、これについては私ども、自治省初め関係省庁との協議に入っておるところでございますし、第三の点につきましても、現在折衝を続けておるところでございます。

杉原正純自治省税務局市町村税課長

○杉原説明員 お尋ねの三点のうちの最初の二点についてお答えいたしたいと思います。  まず、事業税でございますが、これは先生御案内のように、発電県に財源を傾斜的に配分する必要があるという要望がございまして、四十七年に現在の制度といたしまして全体の二分の一をまず発電県に交付する、あとの二分の一を全体で分けるということで傾斜配分をいたしたわけでございまして、それによりますと、大体いま電気事業からの事業税が五十四年度決算ベースで約一千億ございますが、その傾斜配分なかりせば発電県にはまず二、三割の配分であったであろう。それが現在約六割、六百億からいっているわけでございまして、倍以上の傾斜配分になっているわけでございます。先生の御指摘は、この傾斜度をさらに強めろ、こういう御指摘かと思いますけれども、これは限られたパイの配分の問題でもございますし、各県全体の財源調整と絡みますので、十分慎重に検討する必要があるのじゃないか、かように考えているわけでございます。  それから、第二点の電気税でございますが、電気税も御案内のとおりまさに消費税で、所得課税を補完する消費税ということで、住民あるいは企業であります消費者が、その居住しておりますあるいは所在しております市町村との受益関係ということに着目いたしましてその消費地で課税する、こういう仕掛けになっているわけでございまして、三千三百の市町村にとりまして大変貴重な財源でございます。これを特定の発電所所在市町村だけに重点配分ということになりますと、これまた市町村間の財源の重大なる変動を来すということで、これはなかなか困難な問題じゃないか、かように考えております。

持永堯民自治省財政局財政課長

○持永説明員 御指摘の第三点についてお答え申し上げます。  御指摘のございましたように、現在の地方交付税制度の上では、現に税収があります限りはこれは基準財政収入額にカウントをすることはやむを得ないわけでございます。  なお、御指摘のように、団体の財政運営の安定を図りますためには、やはり個々の団体におきまして年度間の財源調整、基金を積むというようなことも含めまして個々の団体が年度間の財源調整を行っていくことが必要であろうかと思っております。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 自治省からの答弁、どうも歯切れが悪いので、私としてはきわめて不満足で、これについてはいずれ税調並びに政調会で大いに自治省の御理解を得るようにいたしたいと思います。きょうは時間もありませんので、この辺で次の問題に移ります。  次に、代替エネルギーの開発政策ですが、開発研究を要するものはたくさんあると思います。一方、財政事情が非常に苦しいということも事実でありますから、何でもかんでも総花主義でやってみようというのでは、金が幾らあっても足りないということになります。しかし、将来のためにどうしても基礎的な研究をやっていかなければならぬ問題だ。また、この十年くらいで物になれる、経済的にも十分採算ベースに乗れるというものと、ここで仕分けをしていただいて、ひとつ十年くらいの中期で完成可能な、たとえば光エネルギーを転換して電力を得るというようなプロジェクトとか、先ほど議論になった重質油の転換、こういったものには相当重点的に資金配分をして開発を促進しなければならぬと思うのです。そういう考え方でひとつやってもらうことが必要じゃないかと思いますが、いかがですか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 先生御指摘のように、代替エネルギーの開発、導入、これは現在、エネルギー政策の三本の柱の一つということで重点的に進めているわけでございますけれども、当然のことでございますけれども、代替エネルギーの資源量の問題とか経済性の問題とか、こういう問題を総合的に勘案して対策のプライオリティーをつける必要がございます。こういうことで昨年の十月に石油代替エネルギーの供給目標というものを策定いたしまして、原子力、石炭及びLNG、この三本を主要な柱というふうに位置づけております。これ以外にさらに貴重な国産エネルギーということで、水力と地熱をこれに位置づける。さらに中長期的な観点、先生先ほど十年というふうに言われましたけれども、今後の技術開発を要する問題としては石炭の液化、ガス化、それから太陽エネルギーなどの新エネルギーの開発利用ということで、代替エネルギーの開発、導入の政策を進めているわけでございます。  ただ、この技術開発の問題になりますと、なかなか重点をしぼるということが、特に初期の段階ではむずかしいわけでございまして、そういう意味で、どちらかといえば総花的になりがちでございますけれども、今後の研究開発の成果を見ながら将来の見通し、これをできるだけ速やかに立てまして、技術的、経済的にフィージビリティーのあるものにしぼりまして、重点的に今後の代替エネルギーの開発、導入を進めていかなければいかぬ、かように考えておるわけでございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまの御答弁で結構なんですが、私が一番気にかかるのは研究開発のところですね。  たとえば石炭の液化なんというのは、石炭というのはカーボンそのもので、これを液化して石油のようにするには水素を添加しなければならぬ。多少とも水素があるのは経済性が楽だ、経済性がいいということになるのですよ。これは学者からも聞いたのだけれども、まるまるカーボンばかりの石炭を液化するのはなかなか大変だ、経済的に採算をとるのは。たとえば褐炭なんかだとまだ水素があるからやりやすい。それから重質油とかアスファルトというのは水素が入っております。これは非常にやりいい、こういうことを聞いておるわけです。この点もぜひ御検討いただいて、もうそろそろ重点をしぼって、しかし、そうかといってカーボンばかりの石炭も絶対やらぬということじゃなくて、基礎的な研究はもちろん続けなければいかぬと思います。だから、私の言うのは、基礎研究と当面十年ぐらいで実用化できるものと、二つぐらいに分けて重点をしぼってやったらどうだ、こういうことを申し上げておるわけで、ぜひ御検討をいただきたいと思います。  それから、新技術開発につきましては、わが国のこれからの将来を考えた場合に、次の世代を担うような産業に必要な基盤技術というものをどうしてもやっていかなければならぬと思うのです。これは通産省は去年から推進しておられるわけでございますが、この基盤技術研究開発をさらに強化していくことが、これからの日本が人類に対していかに貢献できるかという観点からいってもきわめて大事なことではないかと思います。これについてぜひひとつ推進方をお願いしたい。通産大臣から決意のほどをひとつお聞きしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 御意向の点十分理解しておりますし、私どもも原田委員のその意向をくんで十分推進していく方針でございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 それでは、次の問題に移ります。  この前「当面の経済運営と経済見通し暫定試算」というのがあります。十月二日の経済対策閣僚会議で決めたものだと理解しておりますが、これによると、いま景気は緩やかな回復過程にある、こういうことが出ておる。新聞にもそういうように報道されておりますが、果たしてそうなんですか。どうも、いまわれわれが実際に出たっておる限りにおいては、中には調子のいい業種もありますけれども、大部分はどうも見通しが暗い。依然として霧は濃いのではないか、霧が晴れるのはなかなか先になるんじゃないか、こういう感じでございますが、いかがですか。

中島源太郎自由民主党経済企画政務次官

○中島(源)政府委員 景気動向でございますが、いまおっしゃったように、総じて申しますと緩やかな回復基調にあるというふうに考えておるわけです。  その内容を申しますと、たとえば生産動向あるいは輸出動向あるいは設備動向に関しましても緩やかに回復しておりますが、しかしその内容は、おっしゃるように大企業中心には堅調でございます。しかし、中小企業の方はそれに比較して低水準であるということもございます。また、暗い方から申しますと、住宅の着工件数も依然として低水準である。また、大企業と中小企業の跛行性のほかに、地域別の跛行性もございます。それから業種別の跛行性、おっしゃるように加工型産業は概してよろしいのですけれども、素材型産業は低迷しておる。こういうような跛行性の低迷しておる部分に何らか対策をしなきゃいかぬということで、十月二日の中間対策はそういう面のきめ細かい対策を行うことによりまして、下半期、回復を早めたい、こういう考えでございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまの緩やかな回復過程にあるというのは、私は少し楽観に過ぎるんじゃないかという印象を持っておりますが、ここでそんな議論をするよりは、むしろ問題は、四月——六月の経済成長率というのはその四分の三を外需に依存をしておる。政府の初めの見通しでは、内需中心にことしはやるんだということでございましたが、外需依存というのがさらに一層高まっておるんではないか。七月以降も輸出は伸びておるけれども、内需は不振だということでございます。こういう状況が続くと、外需依存型ということは、国際的な非難が日本に集中する、貿易摩擦を各地で起こすということになってしまうわけですね。その点についてどういうように対処しようとしておるのか。  それから、今度の経済運営と経済見通しを拝見いたしましても、一体何によって内需を振興するのかということがどうもはっきりしない。先ほど不況廃業のお話もありましたけれども、検討する、さらに図るというようなダブリのあいまいな言葉が続いておって、これではどうも余り不況産業対策としては、本当にやってもらえるのかと不安にならざるを得ないと思うのです。  それからもう一つ、プライムレートの問題ですが、今度何か十一月からまた国債の金利に合わして引き上げざるを得ないんだというような逆な現象さえ起こっておる。これはもうはなはだ遺憾だと思うのです。  そこで、一番大事なのは、中小企業と不況産業をどう解決するかということではないかと思うのです。それに対して具体的な措置を一体どういうように考えておられるのか。不況産業は代表としてのアルミ製錬業、これに対してどう考えておられるか、通産省と経済企画庁から、とにかくもう時間が余りありませんので、簡単に御答弁いただきたいと思います。

中島源太郎自由民主党経済企画政務次官

○中島(源)政府委員 では、私から総体のお答えをいたします。  いまおっしゃった点は、五十六年度の総合経済対策は御存じのように三月に策定をいたしております。この内容は御存じのとおりでありますが、二つの柱がありまして、一つは景気の維持、拡大、それから二つ目が物価の安定であります。それでことしの経済運営をやるわけでありますが、十月二日はその中間見直しというものでございます。  その柱の第一に物価の安定を持ってまいりましたのは、おっしゃるように、内需依存を掲げながら現在は外需に依存しておるという状態でありますので、引き続き物価を下げることによりまして国内消費を拡大したいということで、まず物価の安定ということでございます。それから、四つの柱を掲げてあるのは御存じでありますが、内需の回復のために、公共事業の年度内実施あるいは金融政策の機動的な運用あるいは中小企業の官公需の契約とか、あるいは第三の柱としては不況業種対策、第四に貿易摩擦を回避するために貿易の拡大均衡を掲げておるわけであります。  特に御指摘のプライムレートにつきましては、まだ大蔵省から発表されておりません。おりませんが、現状このように物価が安定しておりますと、本来ならば金融政策がもうちょっと機動的にとれるわけであります。しかし、一つはアメリカの高金利、一つは国内的な国債発行条件にリンクしてくる場合があるかと思いますが、その点でも御指摘のように中小企業あるいは住宅関連の金利レートにつきましては、できるだけ現状、あるいは機動的に運用できるように私どもは希望をしておるわけでございます。  また、不況業種につきましては、アルミを中心として、原田先生もこれは大変中心でやっていらっしゃる先生でございますので、この点は政府委員あるいは通産からお願いをしたいと思います。

木下博生中小企業庁次長

○木下政府委員 中小企業の景気は、先生おっしゃいましたように必ずしも回復が順調でございませんし、特に設備投資についてはまだ十分動意が見られたということでもございませんので、三月に実施しました景気対策を今後も続けて、できるだけ設備投資の促進を図っていきたいということを考えております。  その観点から、いま中島政務次官もおっしゃいましたが、もし十一月に民間プライムレートが上がりました場合でも、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の貸付金利については、それを同じように上げる状況にはないという感じでもございますので、私どもとしては大蔵省と協議いたしまして、当面、少なくとも年内は現在の八・三%のままの水準で続けていくというふうにやっていきたいと考えておりますし、それから、長期プライムに連動するというのが本来のこういう金融機関の金利のたてまえではございますけれども、来年に入りましても上げ幅は非常に小さな形で、できるだけ中小企業向けの金利水準を低めていくという形にやっていきたいと考えております。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 ただいま原田先生の御質問にありました不況産業対策でありますが、私どもの基礎産業関係、まさにそういう意味の不況産業が多いわけでございますが、基本的な問題としては、循環的な問題もございますが、同時に、第二次石油危機を契機とする構造的な要因がございます。また、業種、業態で非常に違った、緊急性あるいはその中の対応策について異なった対応がございます。  そういう中で、私どもの方では、特に緊急の対策を要するアルミ製錬業につきましては、産構審の議論を経ましてこの十月に答申をいただきました。それを基礎に、これからそれに対する対応策に真剣に取り組んでまいる過程にございます。  なお、そのほか、石油化学関係あるいは塩ビ、ソーダあるいは肥料、こういった類似の原因に基づく不況産業がございまして、いずれも現在産構審の中で検討中でございますが、その成案を得次第、できるだけ早急に対応策を検討したいという形で動いております。  特にアルミに関しましては、先生十分御承知のとおり、基本的な対応といたしまして、中長期におけるアルミ産業、製錬業の日本の産業における役割り、これを基礎といたしまして中期、長期にわたる構図を描きながら、かつ現在における電力高騰等によります不況、国際競争力の喪失、このも、何らかの対策をとり得ないものかと心を痛めておるところでございます。ただ、財政も大変に厳しい状況にあることは御高承のとおりでございまして、一般会計歳入がそれだけ減りますと、これに見合いましてどこかを削らなければいけないというような状況にあることも、これまた事実でございます。  産構審の答申につきましては通産省の方からもお話を承っておりますし、さらに今後ともお話を承り、御理解をいただきながら、関税上の問題につきましては関税率審議会で十分な御審議をいただきたい、かように考えております。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 この点は、ぜひひとつ大蔵省も通産省も積極的に取り組んでいただくことを要望しておきます。  ところで、きょうの朝刊にも出ておりますが、南北サミットがいま開催中で、総理が日本時間できょうの一時ごろ演説をされておりますが、南北サミットのねらい、そして日本の総理大臣が行かれてどういうことを提案されたのか、最後にその点をお伺いし、通産大臣から今後の経済協力、開発援助等についての政府の基本的な考え方をお伺いして、私の質問を終わりたいと思うのです。  まず外務省から、きょうの電報で全部来ておると思いますが、御答弁をいただきます。

小宅庸夫外務大臣官房審議官

○小宅説明員 お答えいたします。  現在、メキシコのカンクンで開会中の南北サミットは、南北二十二カ国という限定された国の首脳が集まって行われる会議でございまして、前例もないユニークな会議でございます。  この会議におきまして、わが国鈴木総理は、日本時間のきょうの明け方、五時ごろですが、冒頭発言を終えになりました。  この発言で総理が強調されたことは、五つほどポイントがありまして、今後の南北関係はこれまでのような対決の関係から訣別し、相互依存の認識と連帯の精神に基づくべきであるということ。それから二番目に、そのために建設的な南北対話を開始する必要があること。それから三番目に、点をどう解消しつつ安定的な基盤に乗せるか、現在関税対策あるいは電力対策を含めて各方面と折衝中でございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまの中小企業の対策について政府としてできるだけの努力をする点はよくわかりますが、今後とも中小企業については機動的にひとつ景気対策をやっていただくように特に要望しておきます。  それから、いまの基礎産業の不況対策でございますが、アルミについて特に申し上げておきたいことがございます。基礎産業全般に通ずるわけでございますが、エネルギーの高価格という点あるいは公害対策というような点から、基礎産業が非常に窮地に陥っておるということは事実であります。そこで、アルミについて見ますと、やはり鉄とアルミというのは、車の両輪のように基幹素材産業としてどうしても日本として伸ばして、しっかりした産業を確立していかなければならないわけでありますが、これについて審議会でも、七十万トンは将来どうしても残さなければいかぬ、このまま放置しておいたらほとんど壊滅してしまうのではないか。そこで、七十万トンくらいを残すとして、いまのアルミ産業は、血を出し肉を切るような形で縮減していかなければなりませんが、七十万トンについては何とかこれを、日本の経済安全保障という観点からいっても確保していかなければならない、何が何でも確保しなければならぬと思うのです。それに対して、電力とかあらゆる総合対策が必要ですが、何といっても関税割り当て制度というものを活用しなければいかぬということがはっきり書かれておりますし、われわれもいろいろ検討してみて、どうしてもこれがやはり一つの決め手になるというように考えております。大蔵省からこれについての見解をぜひ聞かしてもらいたい。

長富祐一郎大蔵省関税局企画課長

○長富説明員 アルミ製錬業につきましては、ただいま先生からお話のありましたとおり、石油価格の高騰によりまして大変な状況に陥っているということにつきましては、私どもといたしましてわが国の政策の手段としては、政府開発援助が今後の開発途上国との経済協力推進における中核的な存在でありまして、これの積極的拡充を図ること。それから四番目に、援助と並んで貿易の果たす役割りも大きいこと。最後に、開発と発展を実現するには開発途上国自身の自助努力が必要であること。この五つの点を中心として発言をされ、最後に、南北問題の解決は軍縮問題と並ぶ今世紀の大きな課題であるというふうに締めくくられまして演説を終えたわけであります。  ちょうどメキシコ時間、一日目の会議が終わったばかりでございまして、この会議がどういうふうに進むかということは現在では判断を差し控えたいと思いますが、私どもといたしましては、この南北サミットが南北対話の継続ということを確認し、新しい出発点となるということを期待しておりまして、そういう方向で鈴木総理以下代表団は努力されているものと了解しております。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 ただいま外務省から申し上げましたように、鈴木総理は、南北の対立をなくして協調の南北にするということを基本方針としておりますし、政府といたしましては、政府開発援助を中心に発展途上国に対する援助を進めていきたいということ。それから、非産油発展途上国は一番悲惨でございますので、この点についてもこの会議で十分訴えるということを申しておりましたし、私どももこれから対話、それから敵対を排して南北両地方に属する国々が協調していくということ。それから、全体的な総合安全保障ということを頭に置いて、日本がODA、つまり政府開発援助を推進していって大きな世界平和、世界の繁栄に役割りを果たしていきたいという精神でいく総理の方針でございますし、私どもも、これからそれにならって、政府開発援助を中心に発展途上国の援助、経済協力に進んでいきたいと思います。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 どうもありがとうございました。

野中英二自由民主党

○野中委員長 藤田高敏君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は、まず第一に、本日の委員会の冒頭に政府の方から御報告がございました北炭夕張炭鉱の災害問題について、一括して二、三質問を申し上げ、また政府に対して強く要望を申し上げたいことがあるわけでございます。  質問に入ります前に、改めまして多くの犠牲になられました皆様に心から御冥福をお祈り申し上げます。  先ほども大臣から御報告がございましたが、この災害についての原因なりあるいはその責任なり、さらには今後の解決に向けての対策なり、そういうものにつきましては、いずれ調査結果が出てまいりましてから、私どもも別途本委員会においても審議をいたしたい、このように思っております。  つきましては、当面二、三の問題について質問をいたしたいと思いますことは、先ほども少しく出ておりましたが、率直に申し上げて、今度の大災害の原因は何かということでございます。もちろん中間段階ではございますが、約一週間の災害についての報ずるところによりますと、どうも炭鉱の経営者の中に生産第一主義、増産第一主義というものが強くありまして、そのことが結果的には人命軽視につながるような経営方針が一貫しておったのじゃなかろうか。先ほどの答弁を聞いておりますと、保安対策についても万全を期してきたというけれども、万全を期してきた炭鉱が、たとえば五十年の七月にガス突出災害が起こって、五人の死亡者を出し十数名の軽傷者を出す、あるいは昨年の八月にも坑内火災があって、一カ月有余にもわたって採炭を中止した。万全の対策を講じてきておったとするなれば、このように連続して同一炭鉱に災害が起こらなかったのじゃないか。このことを客観的な事実経過の中で判断をするときに、どうも経営方針の中に、いま申し上げた人命軽視のそしりを受けるような経営方針が一貫していたのじゃなかろうか、これが一つの大きな原因ではないかと思うわけですが、その見解をただしたいと思います。  二つ目の問題は、これまた前段にも関連をするわけでありますが、生産第一主義が強く出たために、労働諸法規あるいは鉱山保安法関係で規定されております当然なすべき防災上、保安上の対策というもの、私をして言わしむれば、最低の保安対策さえおろそかにしてきた、そのことがこのような大災害を引き起こしたのではないか。これが二つ目の質問でございます。  三つ目の問題は、坑内の災害が起こって、その救出に当たってとってまいりました対応策の中に、これまた非常に問題が存在しておるのじゃないか。その一つは、たとえば救護隊を組織して救援に行った者が二次災害の対象になって犠牲者になる、これはよほどのことがなければ、このようなことにはならなかったのではなかろうか。あるいは、先ほど大臣の御報告ではございませんが、けさから坑内に注水作業をやって、いわば最終的な対応策をとったという報告でありますが、いままでの報ずるところによりますと、この種の問題に対して、事もあろうに災害が発生してわずか十数時間の後に、注水をしてはどうかというようなことを経営の側から提案をされたという報道がなされております。これなんかは非常に人命軽視のそしりを受ける対応策ではなかろうか、こう思うのでございまして、これらに対する見解を承りたいと思います。  そこで最後に、私は、この問題に対して二つの強い要望がございます。  その一つは、先ほどの御報告、答弁の中にも少しくあったと思いますが、この炭鉱はいわば保安面においても最新の防災システムを取り入れたモデル的な炭鉱であった、こういう意味のことが少しく出てきておったと思うのでありますが、モデルにするような炭鉱でこういう大事故が起こるというのであれば、モデル以下の炭鉱ではどんな保安状態をとっておるのだろうか、このように思うのであります。そこで、私は、この機会に全国の炭鉱に対して、作業を一定期間中止してでも防災保安上の一斉点検を行政指導として強力にやるべきではなかろうか。あわせて炭鉱における労働基準法違反の条件がないかどうか、これについても一斉点検をやるべきだと思うわけでありますが、政府の見解をただしたいと思います。  要望の第二は、当然のことでございますけれども、当面急ぐべきものは、何といっても、いまも坑内に残っておる犠牲者の遺体を早急に引き揚げるということが対策として急ぐべきことであろうと思います。そして、九十何名になるのかわかりませんが、これらの犠牲者に対する補償問題、遺族対策については、人命のとうとさにおいては変わりないわけですから、ここの炭鉱の正式社員はもとよりでありますが、その下請、俗に言うところの孫請、そういった人たちも犠牲者の中に含まれておるやに聞いておりますので、そういう作業員に対する救済策あるいは補償問題については、差別することなく平等に行うべきだと考えるわけでありますし、ぜひそうすべきだということを強く要望をいたすところでございますが、この二つの要望に対して特に政府の見解を求めたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 冒頭、生産第一主義で人命軽視があったのではないかという御指摘がございましたが、私ども、国内におきます貴重なエネルギー資源として国内の石炭資源は有効に活用しようという気持ちはございますが、その場合でも保安は大前提ということで一番方を入れてやっておるわけでございます。  この北炭の再建計画におきましても、私どもは、ゆとりと安全性に十分留意した計画にすべきであるということで、再建計画が出てまいりました過程におきましても、会社側の生産をむしろ一五%程度引き下げさせる、十分な坑道展開ができるということで、また操業に当たりまして保安に十分留意し得る余裕のある計画に下げさしたつもりでございます。しかしながら、御指摘のように、現実にこのような事故が起こったということでございますので、私ども十分その事故原因等について反省をいたしますとともに、今後の保安に万全を期さねばならないと思っているわけでございます。  それから、御要望でお触れになられました下請あるいは孫請の点でございます。  もとより、罹災者の救出あるいは遺体の収容ということにつきましては、これは人道上の見地から万全を期すべきであるということは御指摘を待つまでもございませんし、またその補償の問題につきまして会社側も誠意を持って当たるということを言っておりますし、私どももこの補償の仕方につきましては細心の注意を持って企業の対応を見守ると同時に、御指摘のように、私どもも温かい気持ちを持ってこれへの対応を図っていかなければならないと考えておるわけでございます。  保安に関する部分につきましては、保安関係の部局より御答弁させていただきます。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 御指摘ございました保安関係の諸法規等の最低基準も無視しておったのではないか、あるいは救護活動において何でこんな第二次災害を起こしたのかというような点につきましては、私ども御指摘の点を踏まえて、現地で徹底的な原因究明とともに問題点の解明に当たらせたいと考えております。  御指摘の各炭鉱の一斉点検につきましては、早速十九日に現地の保安監督局長並びに部長、全国の関係のあるところに私どもから通達を出しまして、まずガス突出を主体にして、それ以外のものも含めて総点検をせい、その後追って局としても総点検を考えるよう別途指示する、こういう形の指示を行っておるところでございます。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後は徹底的に原因の究明を図り、さらにこれを今後の事故再発防止に十分生かしていきたいと考えております。

石井甲二労働省労働基準局長

○石井(甲)政府委員 お答えいたします。  鉱山行政にかかわる労働省と通産省の関係でございますが、労働省におきましては、一般的な労働条件につきましては労働基準法の適用がございます。また総括衛生管理者あるいは衛生委員会というような点につきましても労働省が関与いたしております。  そういう意味におきまして、これまでの北炭夕張の監督の実施状況を簡単に申し上げますと、何回かの定期監督をやっておりまして、また五十四年十一月には安衛法十条の労働衛生管理者の選任あるいは安全衛生委員会の設置についての勧告を行っております。  また、そういう意味で通産省と連携をとりながらやっておるわけでございますが、特に労働省といたしましては是正勧告も含めまして、また鉱山保安法五十四条の労働基準局長から立地公害局長あるいは労働大臣から通産大臣に対する勧告の権限がございますので、これまで炭鉱につきましては七回の勧告をいたしておりまして、今次におきましても、今度の原因の究明を見きわめながら労働省といたしての勧告をどうするかということについて検討してまいりたいと考えます。  また、不幸にして罹災されました方の補償の問題につきましては、労災補償を的確に、また迅速にやるような体制をいま現に組みつつございますので、その点も万全を期してまいりたいと考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 最後の労働省の答弁を聞いただけでも、かなり問題があるように判断をいたします。しかし、この問題は、冒頭申し上げたように別途改めて審議をするということで保留をいたしたいと思いますが、特に要望いたしました二つのことについては実効の上がるような対策を早急にとってもらいたい、このことを強く要望いたしておきます。  そこで、私のきょうの主題質問は、アルミ産業の不況対策の問題についてでございます。まず政府の見解をただしたいのでありますが、アルミ産業の不況の現状と政府の基本的な対応姿勢についてお伺いをいたします。  何といっても、当面、先ほどの質問ではございませんが、過ぐる十月九日、アルミ問題に対して産構審の答申が提示されました。昭和六十年の時点において、現在百十万トン体制と言われるものを七十万トン体制に移行せざるを得ないという情勢下に追い詰められてきた、そのためになすべき問題としてはどのような事柄があろうか、こういう観点から産構審の答申が出されてきておるわけであります。  そこで、まずお尋ねいたしたいのは、昭和六十年段階における七十万トン体制の問題は後ほど具体的に論議するとしても、現時点において七十万トンはおろか、六十万トンなりあるいはその前後の生産量しか維持することができないという状態に置かれておるわけですから、現在から昭和六十年までに至る間のこの取り組みとして政府はどういう考え方を持っているのか。そうして、政府が考えておるその施策を実現するための対応策としては基本的にどういうものをいま考えているのか。これが質問の第一でございます。  第二の質問は、産構審の答申はなるほど問題点を指摘しておりますが、私ども素人の立場から判断をしても、必ずしも問題解決の根本問題には触れてないような気がするわけであります。悪く言えば、一番大事なところを避けて通るというか、逃げて通っておるような感じがするわけでございまして、政府としては、この産構審のいま出てまいりました答申に対して検討中であろうかと思うのですけれども、基本的にどういう受けとめ方をしておるのか、このことについてお尋ねをいたしたいと思います。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 ただいま藤田先生から御指摘の二点でございますが、六十年度までの間において七十万トン体制に移行する過程の対策いかんという問題でございます。  現在、御承知のように、アルミ産業の不況はるる伝えられておりますけれども、基本的に産構審の答申のバックにございます考え方、これは私どもに共通しておる点でございますが、一つは、現在アルミ産業の対応しておる問題は、単なる景気循環的な問題ではなくて基本的な構造問題を含んでおるという認識でございます。すなわち、第二次石油危機を契機とするエネルギー価格の高騰、それから世界的に、日本だけではなくてアメリカにおけるアルミ需要の著しい停滞という需要面における異常な事態、この二つが影響しておる点でございます。  それから、第二の観点は、アルミ産業は今後いかに位置づけらるべきか、やや中長期を見通した見方でございます。これについては基本的に、日本のアルミ産業だけではなくて世界のアルミ産業なりアルミの需給、その中において日本のアルミ産業はいかなる存立基盤を与えらるべきかという二つの観点から、六十年度を目標とするいまの対応策の考え方を詰めてまいったわけであります。  御指摘のように、昭和六十年度におきましては、私どもの産構審の答申としていただいたものについては、七十万トン体制ということをうたっております。御指摘のように、現在百十万トンの能力を持っておりますが、これを四十万トン縮小するという考え方でございます。その背景には、やや中長期の世界のアルミ産業の状況を踏まえており、私どもの観点からは、現在の日本のアルミ製錬業は、国内の製錬業だけではなくて海外において開発、輸入であるとか安定的な長期契約等をいたしておりまして、六十年度に至る過程においてこういう海外からの安定的な地金輸入というものが日本全体の産業のアルミの供給の主要な源になってくる、そのちょうど過程にある段階で、その過程において、先ほど申し上げたエネルギー危機によるエネルギーコストの上昇あるいは世界的な需要停滞、異常と思われるほどの需要の減退というショックを受けているわけでございます。そういう意味で、私どもが六十年度という比較的中期の目標を置きましたのは、六十年度前後においてこういうような異常事態、需要面における異常な要因というものはある程度解消するであろうということと、その過程において日本のアルミの供給というのはかなり海外依存を深めてまいる、計画的にふえてまいる、こういう状況が背景にございますので、それを踏まえて、六十年度における自立可能な基盤をつくる、こういう考え方に立っておるわけであります。  そこで、具体的な対応策につきましては、産構審の答申を受けまして、私ども関係政府部内において現在検討中のものを踏まえまして、どういう方向かということを申し上げますと、第一に、基本的には七十万トンの生産能力の維持ということが六十年度において自立可能となるようなことを目標にする。そのために必要な措置としては、基本的には先ほど申し上げました開発、輸入でありますとか、長期安定的な輸入、こういうものを日本のアルミの供給のために確保していくということを頭に置きながら、しからば現在のそういう開発、輸入とか長計を推進しておりますアルミ製錬業が現在の苦境をどこまで解消し得るか、これについては、私どもを含めまして、基本的には従来の企業努力では克服し得なかったような第二次石油危機の影響を受けておるわけでありますから、関係方面を含めて、あらゆる分野での協力ということを第二のポイントにしてまいりたいと思います。  そういう意味で、具体的には大きく申し上げまして二つないし三つのポイントがあると思いますが、一つは、現在のアルミ製錬業の主要なコストであります電力費、電力コストを軽減するために中期及び短期のいろいろな対応策、現在までのところ、いままでのアルミの共同火力につきまして、現在の料金体系のもとにおいて可能な限りの協力によって一定限度の引き下げを実現してまいりました。  さらに、中期的には電力源の石炭転換、いわゆる重油共同火力というものの重油依存度を減すという方向を促進するということが一つでございます。  もう一つは、先ほど前提として申し上げましたように、中期的には日本のアルミの供給というのは海外依存というのが不可避の方向でございますので、そういうような長期安定的な輸入を促進すること。及び、現在そういうような安定的な輸入をいたしておりますのはアルミ製錬業が中心でございますから、そのコスト引き下げにも資するという意味におきまして、現在のアルミの輸入関税についてこれを軽減するということについての関税対策、これがもう一つの方向でございます。  さらに加うるに、先ほど申し上げましたような開発、輸入の促進でありますとか、現在異常な事態に置かれております日本及びアメリカのアルミの需要の停滞、それを反映しての輸入面でのいろいろな動きがあります。そういう意味での輸入動向の迅速な把握も図らなければならないかと思っております。  やや長期的な観点から申し上げますと、新しいアルミ製錬技術の開発ということで、短期、中期、長期を含めた方向での対応策が必要かと思います。  以上が大体基本的な方向として申し上げられます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 そうすると、現在時点から昭和六十年までの過程も、最低ベースとして七十万トン体制は維持していく、昭和六十年段階はもとよりだけれども、最低のベースとして七十万トン体制というものは維持していく、このように基本的には理解していいかどうか、これが第一ですね。  二つ目は、最低七十万トン体制と言いますが、七十万トンというのは昭和四十五年当時の水準しか維持していないわけですし、六十万トンということになれば、史上最高の五十二年当時の二分の一の生産量にしかならない。こういうことを考えると、ここでさらに強く要請をし、確認をしたいのですけれども、このアルミ産業が国民経済に占めておる今日の現状あるいは地域経済に与えておる影響、あるいはこのアルミ産業はもとよりでありますが、その関連産業で働いておる人たちの雇用問題、こういうものを考えると、最低七十万トンというのはどうしても維持しなきゃならぬ、こう思うわけでございまして、そのためには、先ほど対応策として大きく三つ挙げられました。問題点は確かにそういうところにあると思うのですけれども、いまの局長の答弁では、これまた産構審の答申以上のものが出ていない。率直に言って、産構審の答申程度のことであれば、七十万トン体制それ自体が、今日百十万トン体制が崩れたような二の舞いを踏むのではないか、私はこういう心配をいたしておるわけであります。  そこで、個々の問題については後ほど触れたいと思いますが、やはり一つの問題として、この対応策として、電力コストの低減の問題については答申でも触れておりますが、たとえば需要ピーク時のカットの受け入れであるとか、深夜の電力の活用枠の増大であるとか、夜間電力の活用であるとか、あるいはまたアルミに関係する関連部門の電力費の軽減等を図るべきであるとか、こういうことはもう今日段階でもかなりやってきておるのではないか、やってきておると思うのですね。ですから、問題点と指摘してみても、電力コストが現在たとえば十八円であるとすれば、いま指摘したようなことをやってみても、どの程度それでは実際にコストに影響してくるのだろうかということを考えますと、率直に言って効果が非常に少ないのではないか、私はこう思うわけであります。  効果が少ないということで、ではどうしたらいいんだということになれば、一つは、共同火力発電の電力を現在電力会社が買い入れておりますが、電力会社の買い上げ量をもう思い切ってふやすべきじゃないか。あるいは石油火力の共同発電所の設備を電力会社が、これはなかなかむずかしいところでありましょうけれども、まるまる買い上げるようなことはできないものかどうか、そういうところまで通産当局としては検討が進んでいるのだろうか。あるいは、これはさらにむずかしい問題かもわかりませんが、政策料金的な立場から、電気料金に対して、いわゆる電力多消費型のそういう不況産業に対しては、特別料金制度というような問題にまで手をつけるぐらいな構えで取り組まないことには、電気のかたまりだと言われ、電気のかん詰めだと言われるこのアルミ問題の解決にはならぬのじゃないかと思うのですが、そのあたりの見解をひとつぜひ聞かせてもらいたいのです。  この関税問題については、後ほど質問をしたいと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 具体的な対策ということで、電力関係のアルミ産業対策に協力できることは相当あるんじゃないかというお話でございますけれども、先生からお話しございましたように、すでに電力業界としてはアルミ産業に対して相当の協力をしているわけでございます。  ただ、御承知のように、アルミの産業の場合には石油火力、これは共同火力発電所が主体でございまして、電力からの買電は約一〇%ということでございますが、ほとんどは共同火力発電所ということになりますので、その共同発電所を通じた対策として、先ほど先生からいろいろのお話がございましたけれども、私どももこういう問題については鋭意業界に協力させながら検討しているわけでございまして、すでにお話のございました共同火力発電所の——現在共同発電所はアルミ製錬業の生産規模が落ちていますために稼働率が落ちるわけでございますが、この稼働率を落とさないようにできるだけ効率的に稼働させまして、余剰な電力は電力会社が有効利用するというようなことを電力側で検討するようにいたしておりますし、また深夜の軽負荷時におきましては、電力会社側に低コストの電気の供給余力がございますような場合には、これを供給してやるというようなことも検討して、アルミに対する電力面で、特に現行体制のもとでの協力を図っているわけでございます。さらに、共同火力は現在石油火力でございますので、これについては、可能なものについては石炭転換を図るというようなことも考えております。  御提案の、共同火力日勤を電力が買い取っちゃったらいいじゃないかというお話がございますが、これは電力自身が公益事業ということで、それが電力料金全体に与える影響も大きいわけですので、この問題については、今後どういう体制のもとに可能かどうかということで検討はしてまいりたいというふうに思いますが、なかなか電気事業の体制からいってもむずかしい問題があるのではないかというふうに考えております。  ただ、いずれにいたしましても、アルミ産業に対する電力業界としては、現行体制のもとで最大限の協力をさせるということで現在指導をしておるわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 一つ答弁が落ちておると思うのですが、いわゆる今日の電力料の原価主義をとっております料金体系にまでいわば手を触れるような検討がなされないことには、それは七十万トンと言うけれども、私は、いま長官から答弁がございましたが、それだけではどうも問題の根本的解決にならないように思うわけです。先ほど言われましたように、共同発電所の設備を買い上げるということは、それは一方では電力会社は公益事業ですし、そして一般の消費者の料金問題にもはね返ってくるわけですから、この問題は、それは言うべくして非常にむずかしい問題だということは十分問題意識として私も理解をいたしております。しかしながら、単に公益事業だ、電気事業だということで、この種の問題は、そんなことはできるものか、問題の発想としてはわからぬことはないけれどもという程度ではなくて、もし買い上げて、そして検討した結果、たとえば一般の料金にどういうふうにはね返ってくるのでそれはどうしても受け入れることはできない、こういう形で世間が納得するような対応策をとるぐらいまで突っ込んだ電力問題の対応というものがなければ、私はアルミの今日の不況を克服することはできないし、七十万トン体制それ自体を維持することはできないんじゃないか、こう思うわけでございまして、その点に対する見解をいま一度確かめたいと思うわけでございます。     〔委員長退席、原田(昇)委員長代理着席〕  それと、時間の関係もございますので、関税割り当て、関税制度の問題でございます。これは、先ほど基礎産業局長の答弁では、問題点として関税制度の問題があるということだけで、そんなことであれば私は何も答弁を求めないわけでして、問題は、いま通産省がやろうとしておるのは、昨日の夕刊でしたか、非常に大きなスペースで取り上げられておりますが、「アルミ救済の関税割当案明るみ 精錬会社の長期輸入分はゼロに 期限三年年三百億円の負担軽減」こういう見出しで朝日が取り上げておりますが、私は、少なくとも通産当局が考えておる関税問題については、関税割り当て制度でいくのか、それとも、大蔵省も来ておると思いますが、大蔵省が考えておるような緊急関税でいくのか、この二者択一、どちらか早く出さなければいかぬと思うのです。  私はその点では、アルミの不況克服にどちらが効果が大きいのか、ここに焦点を合わせて選択をやるべきだと思うのです。それは、手続上の問題は関税審議会の議を経なければならぬと言いますけれども、少なくとも政策担当部門においてはどちらの選択をやるのかということは、これはもう業界に対しても、そこで働いておる労働者の雇用安定のためにも方針がぴしっと出てくるべきじゃないか、そう思うわけです。私は、もう当然のことでございますが、関税割り当て制度の立場をとるべきだ。特に通産大臣は大蔵常任委員長もやられた経験もありましょうし、あるいは政務次官の御経験もあるわけですから、そこらは政治判断としてどちらの策をとるべきかという立場で、大蔵当局に対しても強い政治力を発揮してもらって結論を早く出してもらいたいと思う。そういう意味で、今日段階でその方向性が明確であるとすれば、これは大臣の見解を含めて答弁を求めたいと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 まず、電力関係の先生の御質問に対しましてでございますけれども、共同火力発電所を電力側が買い取る問題についてはもっと積極的に考えたらどうかということでございますが、個々の共同火力の発電所の設備そのものが電力事業にとってどういう関係になるかというような問題もこれから検討してまいらなければなりませんので、具体的なサイトごとに問題を今後詰めさせていきたいというふうに思っております。それで、可能であればそういう問題もぜひ積極的に対応していきたいというふうに思います。  ただ、先ほど申し上げましたように、電力事業の公益事業としての立場、総合原価主義との関係、それから効率的な設備の活用、運用という問題もございますので、そういういろいろな問題はございますけれども、先生の御提案に対しましては、今後具体的なサイトごとにどういう問題があり、またそういうことが可能かどうかということでぜひ検討をしていきたいというふうに思っております。  それから、政策料金的な問題につきましては、もしそういうものがアルミということで導入されますと、これは非常に影響が大きくなりますし、電力自身が総合原価主義という基本的な体制のもとにでき上がっている立場から、アルミだけについてそういうことをやるということになりますと、これが他の需要家、それから電力料金政策全体に及ぼす影響が非常に大きいわけでございまして、この問題については私どもとしても非常に困難な問題だというふうに思いますし、また電力制度の基本問題にも触れますので、これはせっかくの御提案でございますけれども、私どもとしてその問題に入っていくのはなかなかむずかしいんではないかというふうに考えております。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 先生の第二点の関税問題についての私どもの立場でございますが、御指摘のように、私ども産構審の答申を受けました中にも、関税割り当て制度の採用という形で答申がなされております。  いま緊急関税論というお話がございましたが、先ほど申し上げましたように、現在開発、輸入とか長期契約、こういう安定的な輸入をいたしておりますのは、実はアルミ製錬業及び圧延業、特に開発プロジェクトの場合はアルミ製錬業自体がいたしております。したがって、これの受ける関税負担というのは非常に大きくコストに影響してまいるわけでありまして、通常の産業でございますと、輸入が急増した場合は緊急関税であるとか輸入制限とか、こういう議論が出てまいるわけでございますけれども、この産業に関する限りはむしろそういうような関税負担が非常に大きい、そういうようなことから、この関税負担を軽減することによってコストの引き下げができるという特殊な要因がございます。これはほかの産業にない特徴でございます。  そういう意味で、むしろ私どもは、そういう長期安定輸入については、関税を撤廃するということによってかえってアルミ産業の経営基盤が安定される、逆に緊急関税のように関税を引き上げますとその負担がさらにふえるということでございますから、まさに国内の不況に悩むアルミ製錬業にとってはかえってマイナスの効果しかない、こういう実態でございまして、私どもの考え方は、そういう意味での関税割り当て制度というものがベターであろうというふうに判断しております。  なお、関税割り当てという言葉がややどぎつく、輸入制限的に響くわけでございますけれども、基本的に申し上げまして、これは長期安定輸入に対して関税を撤廃する、それによってコストを下げる、こういう効果でございまして、先ほど御指摘の電力費対策、これは一定の制度的限界がございますが、その範囲で最大限にいろいろな協力を受けておるわけでございますが、それのみではなかなか国際競争力のあるコストに持っていけないということから、いまの関税負担の軽減によりまして全体としてのコストをさらに下げる、こういうふうに考えておるわけでございます。

長富祐一郎大蔵省関税局企画課長

○長富説明員 アルミにつきましては、いろいろ御説明ございましたように、大変な状況に陥っているということで、何らかの対策を講じなければならないのではないかということで、私どもいろいろ検討させていただいております。また、十月二日の経済対策閣僚会議におきましても、貿易関税上の制度の見直し等検討を進めるということを受けまして検討しているところでございまして、緊急関税という御指摘がございましたが、あれもいろいろ検討している中の一つというふうに御理解をお願いしたいと思います。  なお、産構審の関税割り当て制度をアルミに活用するという案につきましては、通産省の方からもお話を承りまして検討いたしておりますが、先ほど申し上げましたとおり、いま財政的には非常に苦しい状況にございまして……(藤田(高)委員「もうわかっているんだ、そんなことは。そんなことは百も承知の上だ、財政問題だったらおれが専門家だから。」と呼ぶ)いろいろな問題がございますので、関税率審議会等におきましても十分に検討させていただきたい、かように考えております。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 私どもは、現在のアルミ製錬事業の窮状ということを痛いほどわかっておりますし、この救済については、素材産業だけに、そのほかの素材産業もございますけれども、まずアルミ製錬業を救済しなければならないということで、産構審の答申にもございましたように、TQ制度、つまり関税割り当て制度の採用につきまして、ぜひともこれを大蔵省が採用していただきますように、大蔵大臣に直接私は閣議終了後も閣議前にも何度もお願いしておりまして、大蔵大臣はそれは拒否はしておりません。といってオーケーをしているわけではないのですけれども、私ども必死でこの制度を、少なくとも六十年の七十万トンに行く前に、五十七年度から三年間はこの割り当て制度を適用していただいて救済する、あわせて電力料金の問題もありますし、いずれにしてもまずTQ制度を実現していただくことが大きな役割りになりますので、ぜひともこれが実現に努力してまいりたいというふうに思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 通産大臣のこの問題解決に向けての非常な決意が表明されましたので、基本的には了承しますが、それぞれの手続もありましょうけれども、今日不況に悩んでおるアルミ産業の不況打開のために早く結論を出すようにぜひ努力をしてほしい、このことを要望いたしておきます。  そこで、これは時間もないので深い論議をすることはできませんが、私も、現在の電気料金が総合原価主義の立場に立って、そこに特別料金的なものの要素を入れていくとか、あるいは政策料金的なものを入れるということが非常にむずかしいという問題意識は、これまた十二分に持っておるわけであります。  しかし、これはこじつけではございませんが、五十六年度の予算の編成に当たって、これは後で時間があれば問題にしようと思っておるのですが、いわゆる電源立地特別交付金制度というのは本来法律の改正によってやるべきだ。それを法律改正に持ってくると恐らくこれは国会で通らないことになるのではないかということで、これはだれが考えたかわかりませんが、いわゆる予算措置という便法措置によってこの交付金制度ができた。われわれの同僚議員は、この問題について前通常国会の中でもかなり問題を指摘したところであります。この交付金制度からいけば、それは額の問題はともかくとして、その交付金は何になっておりていくのかといえば、実質的には電気料金の割引料として、それは三百円になるのか四百円になるのか、入っていくようなことになっておるわけですから、これは政府がやること、電源立地を促進するためには特別割引制度的なものを入れていく、これは明らかに政策料金ではありませんか。政府が勝手にやることについては政策料金的なものを入れていく。しかし、われわれが主張すると、総合原価主義でとてもじゃないがむずかしいというこの答弁は、私は片手落ちだと思うのですよ。そういう意味では、同じ電気の問題で議論をするのであれば、同一ベースで真剣にこの総合原価主義に対しても検討を加えるべきじゃないか、こう思うのでございますが、これもぜひ答弁を願いたいと思います。(「大臣」と呼ぶ者あり)いま激励のなにがありましたが、問題からいうと大臣の答弁にふさわしいかと思います。よろしくお願いしたいと思います。  時間の関係もありますので、この際、関税問題、電力問題とあわせまして、当面の対策としてアルミ地金の備蓄の強化を図るべきじゃないか。御案内のように、せっかく軽金属備蓄協会を中心とする備蓄対策の機関もあるわけですから、しかも在庫量が、現在製錬業者だけの在庫量でも二十八万トンから三十万トンに及ぶと言われておるわけでございまして、政府保証債の枠も、調べたところによりますと、アルミに対応するものが約四十億円程度あるようでありますが、これも手つかずの状態のようでございますので、こういうものの有効的な活用も必要じゃないか。また、国内需要の拡大についても、これは政府の経済政策の観点からいきますと、ことしも住宅建設百五十万戸の計画が、いまの向きでは百二十万戸程度しか進捗しないのではないかと言われておりますが、こういう住宅建設を含む国内需要の拡大策についても、特別の考えがあればぜひお聞かせを願いたい。  いま一つの問題は、これまた総括して申し上げますが、冒頭基礎産業局長から指摘がありました海外における開発、輸入の問題であります。  これは、言うまでもなく、国内の生産量七十万トンに対して海外の開発、輸入量を七十万トンに設定をしておるわけですから、これは大変大きなファクターですね。そのことを考えますと、いま海外においていろいろなプロジェクトが持たれておりますが、最近の新聞報道だけでも、大きな計画が二つとんざいたしておりますね。たとえば、バングバーグ計画あるいはロッキンバー計画、こういうものがことしの春、そして九月二十二日の新聞発表によりましても、バンダバーグ計画が何でも無期延期になる、こういうような形で海外の開発自身が順調に進まないという事態が生まれてきておる。これに対して政府はどういう対応をしようとしているのか、業界に対してどういう行政指導を強めようとしておるのか、このことについて一括してひとつ御答弁を願いたいと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 まず、最初の電気料金の問題に開運しまして、政策料金はむずかしいと言いながら、一方で電源立地促進のために交付金を交付して、電気料金の実質割引になるような制度を行っているのではないかという御質問でございますけれども、先ほど私が申し上げました政策料金というのは、特定の者に料金をまけるということで、それを他の一般の需要者の負担においてやるということになりまして、これは電気事業の現在の体制でございます原価主義、公平主義の立場からいって基本問題に触れるというふうに申し上げたわけでございまして、電源立地促進のために設けられております補完措置、暫定的な措置として設けられました現在の交付金というのは、県側の選択でございますけれども、企業の導入、または産業の近代化事業に充てるかどうか、また給付金交付事業に充てるかどうか、選択に応じて給付金交付事業に充てられた場合には、実質的にそれが個々の人の負担を軽減することになるわけでございますけれども、いずれにしても、電気料金体系とは全く別のものだというふうに私どもは理解しております。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 先生御指摘の三点につきまして、ポイントを申し上げます。  まず、備蓄につきましては、御指摘のとおり、いままで軽金属備蓄協会を実施機関にいたしまして、ことしの春に二万トン強、二万二千トンぐらいの買い入れをいたしております。今年度につきましては、御指摘のようなほぼ金額の予算もございますし、いまのアルミの苦境を救う一助にもなると思いますので、早急に実施を検討してまいりたいと思います。  次に、需要拡大の点でありますが、御指摘のように、アルミというのは非常に幅広い用途が逐次拡大してまいりまして、現在、日本の一人当たりのアルミ消費量は二十キログラムでありますが、アメリカでは三十キログラムであります。したがって、まだまだ需要拡大の余地は十分あり得るものと思います。御指摘の点を踏まえ、中期の問題として、関係企業とともにそういう方向の研究はいたしてまいりたいと思います。  それから、第三点の海外開発プロジェクトでございますが、おっしゃるような幾つかのプロジェクトが中断しておるのは事実でございます。これは、海外における電力コストの上昇とか、特に資本費の高騰によりまして、現在のプロジェクトが非常に割り高なものになりつつあるという状況と、現在の国際的な市況低迷を反映いたしまして、そういうようなプロジェクトの中断が出ておるのは事実でございます。ただ、わが国の開発中のプロジェクトにつきましては、現在のところ、わが国の開発、輸入に響くような具体的な影響は出ておりません。しかしながら、御指摘のような事情もございますし、われわれとしては、日本のアルミ供給の重要なソースとしての開発、輸入については、できるだけ、何が何でもこれを確実に遂行していくということを基礎としまして、関係の企業と協力してまいりたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 いま答弁ありましたことについても、いま少しく掘り下げて私なりの見解を申し上げたいわけでありますが、時間の制約もございますので、ひとまずこのアルミ問題はこれで終わりたいと思うのです。  最後に、エネルギー庁長官の答弁にありました電源立地特別交付金に対する考え方ですね。これはいわば特別料金的なものでない、広い意味から言うても、政策料金的なものでないと言うわけですが、これは電気事業法の第十九条に言うところの料金に対する三原則がございますが、これからいくと、やはり公平の原則にもとるものじゃないか。三百円であろうと四百円であろうと九百円であろうと、これによって交付金が渡されるものはどこへ行くのだといったら、これは料金の割引になるのだということをおたくの課長が何とかという雑誌にまで書いておりますね。そういうなにから言っても、これはやはり問題がある。これはあなたの答弁を了承するわけにはいかない。そういう意味で、後日機会がございましたらその問題については改めて触れたいと思います。  通産ジャーナルの一九八一年三月号に、おたくの公益事業部開発課長の山本さんが、いま言ったこの交付金がどういう性格のものになるかと言えば、最終的には料金割引になるのだということをはっきり言っておりますね、あなたの部下が。ですから、あなたの御答弁そのものを、そのとおりでございますというふうに受けるわけにはいかない。いわんや、いま私が問題提起いたしておりますのは、アルミを中心とする構造不況の産業で、しかも電力多消費型の産業の不況克服に向けて実効のある対策は何かといえば、電力コストの問題が非常に大きいファクターを占めておるではないか、こういう観点からいけば、何らか、既存の制度だけを隠れみのにするようなことではなくて、電気事業法ができたたしか昭和三十九年ですか、それからでもうんと情勢が変わっておるわけですから、やはり情勢の変化に即応して対応する姿勢を政策の中にも強めてほしい、このことを強く要求をいたしておきます。  最後に、伊方原発ですね。私がいま前段指摘したことにも関連するわけですが、私の出身県であります愛媛県の伊方原発は、いままで一号、二号炉の建設がなされておった。ところが、この建設に当たっては安全協定を結んで、炉の建設は二基を限度とする、こういう協定が結ばれておったのですね。突如この協定を改定する形で三号炉を設置する、こういうことになったのですね。炉の建設なんというのは、伊方だったら伊方、あるいは敦賀だったら敦賀、その地域の中で二基建設するのが適切なのか、三号機まで増設することが可能なのか、こういったことは建設の当初に決めるべきことじゃないかと思うのですね。これは断っておきますが、私どもは、地域住民が圧倒的に反対をする、安全性が保証されない原発の誘致については反対であります。しかし、仮に百歩譲って誘致する立場に立っても、賛成の立場に立っても、このような誘致のあり方は行政当局としても問題があるのじゃないか。幾ら電力会社が増設すると言っても、しかし、それはそう簡単にはいかぬのじゃないか。こういうチェックは当然行政機関としてなされるべきだと思うのですが、この問題に対する見解を聞かしてもらいたいと思います。  もう一つの問題は、先ほど私が指摘しましたことしの五十六年度の予算案の中で、電源立地特別交付金制度というものをつくった。そうして、何回も指摘しますように、その交付金は地域の各戸に個別に三百円ないし五百円というような料金割引の形でおりていく。これに知恵づけをされた現地の伊方町は、そういったことができるのなら、これは電力会社からあるいは交付金をたくさんもらって、それを各戸に五千円なり一万円ばらまきゃいいじゃないか、そうして現ナマで原子力発電所を買い取りゃいいじゃないか、こういう発想が出てきておるのですね。そして、町においては、名前だけは何だか地域育成促進費とかという名前で、地方自治法上は何だかこうまた抜け道を考えるようなことを考えて、そして各戸に五千円の還元金を出す、こういうやり方をやってまで三号機の増設を認めようとしておるわけですね。これは行政のあり方としても非常に問題がある。もしこのようなことを許すと、全国各地に原子力発電所がたくさんある、そういった地域で、おれたちもそういう要求をしていこうじゃないかという、たかりの要求が出てくると思いますよ。そうして、これから高速道路をつくる、あるいは空港をつくる、何々をつくるという場合は、必ず地域の住民が、何も電源立地の周辺だけじゃなくて、それに類するものとしてそういうものを要求しようじゃないかということさえ起こってくるのじゃないか。私は、これは非常に反社会的といいますか、考え方自身、発想自身が間違っておる、したがって、このような間違いに対しては、行政当局は地方自治体に対して、このようなやり方を中止さすようなことがあってもいいのじゃないか、こう思うわけでございますが、政府の見解を承りたいと思います。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○石井(賢)政府委員 原子力発電所の立地に際しましては、地方自治体と電力会社との間でいわゆる安全協定が締結されます。先生御指摘のように、伊方町と四国電力との間の安全協定におきましては、一応二号機とすることが第九条の後段に記されてございます。したがって、その段階におきましては一応二号機ということでこれまで四国電力は対応してきたわけでございますが、さらに四国電力全体の需給状況及び経営基盤の確保策あるいは地元における原子力発電所に関する認識、こういった諸情勢を勘案の上で、さらにことしの五月に三号機増設についての申し入れを行ったというふうに聞いております。これに対しましては、伊方町議会及び愛媛県におきましてこれを受け入れる決議を出されたということで、私どもとしましては、この動きについては歓迎をいたすところでございます。もちろん、今後の三号機設置に際しまして十分な環境調査を実施いたすわけでございますが、これに対しましては、厳格な環境審査を行い、また安全審査を行った上でこれを認めるということで対応をしていきたいというふうに考えております。  それから第二点の、伊方町におきます地区説明会において町長が構想として説明されたと伝えられております地区助成金につきまして考え方を申し上げたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、電源立地が地区の雇用あるいは利便供与になかなかつながりを持つ部分が少ないということで、これを受け入れるムードというのは非常に厳しいものがございます。そういった情勢から、私どもといたしましては、電源三法によりまして地域の公共施設の整備を中心として、さらに雇用機会の増強確保を図る産業振興策の拡充ということで対応をしてまいってきておるわけでございますが、地域によりましてそれぞれその地域の振興のあり方というのは異なっていいのではなかろうかと思っております。伊方町の場合には、漁業と果樹園芸農業を中心として町の産業が推進されておるわけでございまして、町サイドのお話を伺う限りにおいて、公共施設の整備も相当程度進んでおる現段階におきまして、あるいはさらに一歩進んで産業振興を図る積極的な動機も余りないというようなことであれば、電源立地を受け入れたメリットをいかに町民に還元するかということの方策として一つ考えた制度ではなかろうかというふうに私ども理解いたしております。したがいまして、それはすべて電源地域における地域の実情によって打つべき手は変わってくるわけでございまして、私ども、伊方町の動きがすべて全サイトに蔓延するものであるというふうには理解しておらないわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 そんな主観的な答弁をしても——そしたら、今後そのことが波及したら、あなたはどういう責任をとりますか。それは必ず私は波及すると思いますよ。そうして、これは自治省の見解も聞きたいですけれども、こういう形で金をばらまくことは自治法上も問題ありませんか。これが一つ。  それと、いまの部長ですかの答弁によりますと、電源立地をする周辺の住民に対するメリットの問題、これは従来、電源三法では言うまでもないところですが、公共事業を中心にやってきたわけですね。私は、やっぱりこれが限界じゃないかと思うのですね。あるいは交付金制度の中で入れております雇用保障事業、これはもう原子力発電所を誘致することやむを得ず了承する立場に立っても、それが限度じゃないか。伊方のように実質的には家庭に——名前はどうつけようと知りませんよ。地域育成何々とつくのか何とつくのか知りませんが、いずれにしても各個人の家庭の中に五千円ずつ入っていくことは間違いないわけですから、こんな誘導政策というか、こんな立地促進のやり方を国の機関として認めていいのかどうかということ、これは行政のモラルの問題にも私はかかわってくると思うのですよ。そういう点では、先ほどの御答弁じゃありませんが、伊方の問題は全国的に波及することがないとこう言うのですが、私が先ほど指摘したように、まさにたかりの構造はどんどんどんどん、がんが広がるように全国各地に広がっていくと思いますよ。そのときはあなたはどの部署に、重要な地位におるか知らぬけれども、そこまで断言するだけの自信があるのであれば、私は、そういう事態が発生したときにあなたの責任を問いますが、よろしいかどうか、そこまで腹を決めて答弁してください。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○石井(賢)政府委員 伊方町の町長の説明した構想というのは、五十八年度にかけてこれから詰めていくという一つの町長の構想でございまして、今後それが実体的に固まった段階におきまして私ども最終判断せねばいかぬだろうと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、電源立地地域の実情によってそれぞれ違いがあることは否めないところでございまして、むしろ産業振興を図り、過疎からの脱却を図るための産業誘致を再優先とする地域もございますし、あるいはそうでない地域もございます。したがって、私は、地域の実情によって異なるのではないかと申し上げたわけでございまして、すべてが同じような立場でこの問題に対応していくとはいえないのではなかろうかと思って申し上げたわけでございます。  それから、先ほど先生御指摘の中で、こういう動きというのはたかりの構造を助長するじゃないかということでございますが、私ども伊方町から聞いております限りにおきまして、これはあくまでも固定資産税等の一般財源によってこれを賄うということでございますし、また、最終的に個人に還元するようなことをするつもりはないというふうに聞いております。その限りにおきまして、伊方町の最終的な判断というものは、伊方町自身も愛媛県の指導を得てこの実施をしたい、最終的な細目の詰めを行いたいという態度をとっておりますので、私はその動きを見守っていきたい、かように考える次第でございます。

中島忠能自治省行政局行政課長

○中島説明員 町の財源の使い方といたしまして、町長が町議会と十分相談した上で、その必要性とか効果あるいはそれによる施策についての住民の評価というようなものを総合的に勘案してお決めになる。そのお決めになった結果について、よほど明確に公益性に欠けるという確信がない限りは、やはり自治法上違法だと言い切るには少し無理があるだろうというふうに考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 これで終わりますが、法律解釈の問題はまた改めてやります。  ただ一つだけ。こういう伊方の、私をして言わしめれば、たかりの構造を助長するような発想が生まれてきたそもそもの引き金になったのは、先ほどから言っております電源立地特別交付金がそこで知恵づけされてこういうことになったことだけは間違いがないわけですよ。私は、この問題は、同僚議員が前国会で指摘したように、法律改正の問題としてもう一遍俎上に上せてやり直すべきだと思うのです。これはそういうことをやらないと国会軽視にもなりますし、こういう一種の便宜的な脱法行為を許していくということになれば、行政の筋も立たないと私は思いますので、私はそういう観点で、この問題は改めてまた本委員会で取り上げることで留保いたしまして、少しく時間が延びましたが、委員長の御配慮に感謝いたしまして質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)      ————◇—————

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 この際、小委員会における参考人出頭要求に関する件についてお諮りしたいと存じます。  先刻設置いたしました両小委員会において、今会期中、参考人の出席を求め意見を聴取する必要が生じました場合は、出席を求めることとし、参考人の人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  午後一時四十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時十四分休憩      ————◇—————     午後一時四十二分開議

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。馬場昇君。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 まず、私は大臣にお尋ねしたいと思うのですが、実は、わが社会党が今月の十二日と十三日の両日にわたりまして、不況産業と言われております合化、紙パルプ、金属、そういう工場が集中しております熊本の南部の方を調査いたしました。久しぶりの大型の調査団をつくりまして、阿具根副委員長を団長に、加藤万吉労働局長を副団長、それからこの商工委員会の委員でわが党の商工部長の上坂さん、水田さん、地元の森中代議士、私が事務局長で調査をしたわけですが、久しぶりの大型の調査団を出したということは、それだけ事が重大で深刻だという地元の要望もあったわけでございます。  大臣も九州だから御存じと思いますけれども、南の方からチッソ水俣工場、その隣の芦北郡田浦町というところにあります東海カーボンの田ノ浦工場、八代の十條八代工場、宇土市の日本合成熊本工場、西日本製鋼、こういう五つの工場を視察したのですけれども、行ってみますと、やはり事の深刻さ、重大さというのをいまさらながら実は感じたところでございます。経営規模をだんだん縮小していっておる。もちろん一時帰休はどこでもやっておるわけですし、人員の削減もやっておる。工場閉鎖という状態に追い込まれているところもあるわけでございまして、事の対策は緊急を要する、こういうぐあいに判断して帰ってきたわけでございまして、まず大臣に、その調査に基づいて結論の方から先に質問をしたいと思うのです。  もう本当に雇用不安あるいは地域経済社会に及ぼす影響は重大でございまして、大変な状況ですが、これは何も熊本の南だけではないと思うのですけれども、やはり通産省の中にこういうものに対する緊急対策室とでもいいますか、そういうものを設置して対策の相談にあずかる、あるいは地方自治体にもそういう対策室的なものをつくらせて相談に応じさせるとか、そういう行政指導をしていただくとか、駆け込み寺と言えばちょっと例が当たらないかもしれませんけれども、そういうような緊急対策のための対応を通産省の中につくるべきであるという感じを持って帰ったのですけれども、こういうものに対する大臣の御意見をまず聞いておきたいと思うのです。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 御指摘のように、ある特定の地域の状況が非常に悪くなる、いろいろな原因がございますし、これに対する対応もその原因によりまして種々であろうと思いますけれども、一般的に言って、緊急な対策とその地域の経済全体を立て直していくという工場再配置的な対策と二つあると思います。  工場再配置的な対策につきましては、すでに先生御承知のように、いろいろな施策を講じながら、特に誘導地域、特別誘導地域といったものにできるだけ工場を立地するように、いろいろなインセンティブを政策上与えたり指導を行ってきておるわけでございます。たまたま御指摘の地域はその意味では特別誘導地域に入っておるわけでございます。しかし、御指摘のように、かなり急性と申しますか、緊急しかも特殊な問題が生じており、私どもの通産省の部局の中でも、いろいろな方面に関連があるというような場合に一体どこに行ったらいいのかという問題でございますけれども、私どもの立地公害局に昨年十月、地域振興室というのを設けまして、一応地域の問題のすべての窓口、こういうことにいたしております。まだPRも十分行き届いていない点がまことに申しわけありませんが、どこに行ったらいいのか、地域の問題だというような場合には、この対策室で御相談いただきまして、われわれ関係部局といろいろ相談しながら個別の問題ごとに対処してまいりたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 いま馬場委員御指摘の点でございますが、私ども、前々から工場再配置の関係でそういうことは配慮しておりますし、特別誘導地域というような指定もございます。先ほど神谷局長から申し上げましたように、特別な相談室もございます。しかし、それらが十分機能しているとは考えられませんので、馬場委員御指摘の点も十分配慮して、いま既設の私どものそういう相談室などとの関連をうまくして、これの拡大というようなことで機能を発揮するよう努力していこうというふうに考えます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 こういう言葉はなんですが、実は、もう非常事態だというような感じがして私は帰ってきたわけでございますし、通常の対応ではちょっとなまぬるいのじゃないか。そういうことで、いま大臣、前向きのお考えを示していただきましたが、これは労働省とか自治省とかそういうところと連携をとりながらでも、相談があった場合には直ちにそういうものが集まって対策でもできる、そういうような体制をぜひ強化していただきたいということをお願いしておきたいと思うのです。  それからいま一つ、総括的に感じたことは、やはり企業ですから、周囲は本当に雇用減退とか地域経済社会の安定とか、大変な問題になっておるわけですが、企業はやはり利潤追求というところが頭に一番先にあって、雇用の問題とか地域の経済社会の安定、いわゆる地域社会に対する企業責任というものが非常に薄い。そして労働者にしわ寄せをしておる、あるいは下請にしわ寄せをしてきておる、こういう状態を非常にたくさん見たわけです。こういう点につきまして、こういう非常事態がありあるいは合理化の問題があっても、基本的には雇用を守る、地域経済社会の安定に尽くすとか、人間を尊重するとか、労働者とか下請とか弱い者にはしわ寄せするんじゃないとか、そういう指導方針というものをぜひきょうは通産大臣からお聞きして、こういう合理化問題に対する指導方針といいますか、そういうことをひとつぜひお聞かせいただきたいと思うのです。

植田守昭通商産業大臣房審議官

○植田政府委員 わが国の経済体制のもとでは、御案内のとおり、企業の問題は自己責任の原則ということで、いろいろと創意工夫しながら国民の福祉を向上していく、これが原則でございますけれども、同時にまた、企業は社会の一員といたしまして社会的責任を果たしていくという関係に置かれているわけでございます。  御指摘のような点につきましては、政府といたしましても、企業がそういった役割りを十分果たしていけるように適切な経済運営をしていくというのが基本であります。でありますが、御指摘のような各地におきましてのいろいろな問題は個別具体的に起こってくるわけでございまして、これらを一般的にどうということは、その個別の事情に応じた対応ということも考えていかなければならないと思いますが、私どもといたしましては、たとえば労使の話し合いというふうなことも十分踏まえた上で、現存の中小企業対策とかあるいは労働対策等々もできるだけフルに活用して、そういった痛みが緩和されるような方向に持っていく、こういったことを基本として中小企業対策を初めとするいろいろな政策を進めていくべきではないかというふうに考えているわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 私は、大臣の基本姿勢を聞いておきたいと思うのですが、やはりいかなる場合であっても雇用を守るとかあるいは地域経済社会の安定に寄与するとか、そういう社会的責任というのは企業にあるわけですから、利潤追求だけでそれ以外のものはどうでもいいんだ、こういうような態度はとってはいけないと思うのです。そういう意味で、通産大臣のこういうものに対する指導方針の理念を聞かせていただきたい。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 この件につきましては、かつてやはり馬場委員にお答えしたと私は記憶しておりますけれども、企業の社会的責任ということにつきましては当然私どもは考えなくちゃいけませんし、企業そのものの存立は、やはり社会の中にあってこそ企業という利潤追求ができるわけでございますので、私ども、社会のニーズがそれぞれ多様化すればするほど企業の社会的責任ということを痛感して、企業があらゆる仕事を展開していくというふうなことは一つの資本主義の精神でもあろうし、また企業そのものの存立の大きなバックボーンであろうというふうに考えます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 次に、大臣も九州だから御存じと思いますけれども、熊本県の場合、北と南ではいろいろな面で、政治、経済、教育、文化、産業、あらゆる面で南がおくれているのです。熊本県の中に南北問題があるとさえ私は思うのですが、九州全体をとってみましても、大臣は北ですけれども、南九州があらゆる点で落ち込んでいるのですね。時あたかもきょう私が質問するときに、南北サミットで鈴木総理大臣も行って演説された後ですし、まあ通産大臣も行かれるのじゃないかと思っておったのですけれども、とにかく南北問題的なものがある。そういうことで、やはり企業だけの努力ではどうにもならないというような状態が南の方にはあるようでございます。  そこで、何としても企業が逃げないような、あるいは縮小しないような地域環境をつくるとか、あるいはどんどん企業が来るような地域環境をつくるとか、あるいは企業とか工場が来なくても、そこの地域経済社会の安定するような状態をつくり上げるとか、そういうことがやはりバックグラウンドとして必要だ、こういうぐあいに思うのです。  そういう意味で、たとえば南九州経済安定向上特別対策事業とか、そういうようなものをぜひ特別にやって、経済が発展する、安定する、社会が安定する基盤整備なんかが必要じゃないかと思うのです。たとえば東北、北海道に、東北開発株式会社法という法律で施策をやっている、あるいは北海道東北開発公庫法というものもできておる。こんなのも参考になるのじゃないかと思うのですけれども、いずれにいたしましてもこれは通産大臣で、国土庁長官なんかともあるいは地方自治体の意見も聞きながら、南九州、いわゆる南北問題が存在する南九州の経済安定向上特別対策というようなものでも考えるべきじゃないかと思うのですけれども、大臣のお考えはいかがですか。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 御指摘のように、東北に関しましては東北開発三法ということで、先生御指摘のような法律もございます。九州はどうかといえば、九州地方開発促進法というものを立法府で制定されておるわけでございますが、確かに東北開発株式会社に当たるものはない、北東公庫に当たるものは特別の法律としてはないという形にはなっておるわけでございますけれども、北東公庫が現在行っております地域関係の開発融資の仕事は、日本の開銀の地域関係のいろいろな特別融資で一応制度的に私どもとしては手当てをしておりまして、そのあたりは北東公庫と開銀の地域向けの仕事を常にわれわれも関係官庁として十分注視しながら、もし欠けるところがあればそこはできるだけそろえていくように、いろいろ財投その他で要求をしておるところでございます。  東北開発株式会社につきましては、これも全体的な物の流れ、考え方の変化だと思いますけれども、御高承のように昭和六十一年に民営移行、こういう形で民営化の方向で進んでいっておりまして、現在地域開発に関しましては国土庁が全体的にながめておりますけれども、いわゆる三全総と申しますか第三次の全国総合開発計画に基づきまして、地域の定住構想ということで各地域地域で、その地域をどのように住みよい地域にしあるいは産業を育成していくかという計画を地域ができるだけ自主的につくり、国としてそれを極力応援していくという形で全国をながめての開発を進めていく。もちろん地域格差を是正するという方向で進めるわけでございますけれども、そういう方向で全体の国づくりが進んでおります。  しかし、その中でも御指摘のようにいろいろきめ細かく、同じ開発しなければならぬ地域でも、またこっちの方がおくれているというようなのがございますので、これは私どもも関係官庁といろいろ連絡をとりながらきめ細かく、しかし私どもの仕事は余り即効性がございませんので残念ではございますけれども、息長くという形で地域の自主的につくった計画の実現あるいは地域格差の是正のための私どもとしてできるだけのお手伝いなり国としての仕事を進めてまいりたいと思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 これは大臣にお答え願いたいのですが、やはり国土庁とかあるいは関係の自治体とか、そういうものと南九州の経済安定とか振興策というものを話し合って検討してもらう、そのリードを通産大臣にとっていただきたいと思うのですが、ひとつ検討していただけませんか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 馬場委員の構想でございますが、非常にいいアイデアとは思いますけれども、常日ごろ私ども、閣議でもそうですが、各省とも十分連絡をとりつつやっていくということは当然のことでございます。したがって、そういう南九州の問題につきましても、これを一つの雇用関係——企業の発展あるいは拡大あるいは企業の責任制というものについても、もうそういうことを言うと言わずとにかかわらず、機能的に発揮するようなシステムに私ども政府そのものがなっておるわけでございます。特別にまたそういうものを設置するということは、機構改革とか人員の面で屋上屋を重ねるというような、弊害と言いませんけれども、そういうことにもなりかねませんし、私どもは、現在の組織で有機的に連絡していって、馬場委員のおっしゃるような、足らないところは十分気をつけていきたいと現在のところ考えます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 どうも通産大臣は、普通の状態のときの行政姿勢をいま述べられたような気がしてしようがないのですが、私は緊急事態だと感じて質問しているのです。そういうところが少しかみ合わないのですけれども、ぜひ私の言ったところを検討してもらいたいと思うのです。  時間がございませんので、今度は個別の各企業にかかわる問題を質問いたしたいと思うのです。  まず、チッソ水俣工場の問題ですけれども、これは大臣、福田内閣のときでしたか、昭和五十三年六月二十日に「水俣病対策について」という閣議了解事項があるのは、もうすでに御存じのとおりでございます。熊本県としても、また日本の国としても初めてのことではないかと思うのですけれども、緊急避難措置として熊本県が県債を出してチッソ株式会社に金融支援をするという、まさに異常なことをいまやっておるわけでございまして、実は五十三年十二月からやって、もうすでに六回県債を出して、その総額がいま百四十七億二千六百万円になっておるわけでございます。これは大臣も御存じのとおりに、五十六年、ことしまで三年やる、あと五十七年以降はどうするかということはことし検討することになっておるわけでございますが、この中に、なぜそういう金融支援をチッソにするのか、これはもう水俣病患者に対する補償が滞ってはいけないということとともに、水俣柄の問題もありましてあの地域が経済社会その他発展に取り残され、おくれてきておるわけでございますので、少なくともその地域の雇用の減退を起こさないように、地域の経済社会が安定するように、そういうことが閣議了解事項に書いてございます。  そういうことで金融支援をすることになったのですが、実はこのことにつきましては熊本県議会も県債を出すときに、チッソ水俣工場の雇用の減退があってはならぬ、そして水俣市地域の経済に不安が起きてはならない、こういう条件のもとにそういう政策をとるならば県債を出すぞということになっておりますし、熊本県知事もチッソに対して、再建計画をつくるときには雇用減退をしては困るという申し入れをしておるわけです。この国会におきましても私の質問に対して、これは具体的ですけれども、県債を出し始めました閣議了解事項が決定しましたときに、あそこの従業員数は九百八十七名でございました。だから、雇用の減退をしない、地域経済社会に不安を与えないということは、九百八十七名ですから、私はそれを一千名体制と呼んだのですけれども、この一千名体制の雇用を維持するということがその中身ですぞと、通産省も全くそのとおりで、その一千名体制を維持するようにという基本方針でもってチッソを指導していきます、こういうことになっておるわけでございます。  まさに閣議了解、国会、県議会、県知事、同じような判断でこのことが起こったのですけれども、実は患者の補償は滞りなく行われてきましたが、雇用の問題とか地域経済の問題は全然守られていないのです。雇用の人数から言いますと、この県債が始まりましたときには九百八十七人おりました水俣工場の従業員が、現在は八百二十名です。すでに百六十七名減になっているのです。これに対して熊本県民は非常に怒っておりまして、閣議了解事項が守られていないじゃないかと言うとともに、もう百四十七億円県が借金をして貸しているわけですが、これが二百億、三百億となったらどうなるのだろう、そうして金は借りながら雇用の安定、経済社会に全然貢献をしない、これもおかしいじゃないか。あるいは話がだんだん進みまして、水俣病患者はすでに三十数県にわたっておるのです。他県の患者を熊本県が県債を出して、それで応援するのもおかしいじゃないかなど、いろいろな問題がございまして、この雇用の問題、チッソ水俣工場の体質強化、発展というこの裏づけなしには、あと五十七年からはもう県債は出さない、出すべきじゃないという空気が非常に大きくなっております。  これは、もし県債を出さないということになると大変な、経済問題だけでなしに社会問題にもなってくるわけであります。そういう状況にいま熊本県がありまして、実はそれを決めるのは十二月県議会だというかっこうになっておるわけでございますので、これにかかわっていまから具体的に質問をするわけでございます。  ただいま関係五省庁で局長クラスで協議会ができておりますが、その下で課長クラスの幹事会が、五十七年以降チッソ水俣の工場の体質強化をどうするか、いま議論の最中であるわけでございますけれども、まず聞きたいのは、チッソ水俣工場の再建の体質改善計画とか、中期計画とも呼んでいたのですが、こういう計画が通産省に出ましたか出ないか。まず出たか出ないかだけで答えてください。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 ただいま馬場先生御指摘のチッソの問題でございます。それに絡みまして、チッソ株式会社の再建計画については最近この案が提示され、先生御指摘の五省庁及び県を含めた関係者の間で検討中でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 私も幾分承知しておるのですけれども、六十年までの資金計画その他を含めて出ているようでございますが、雇用の計画はその中でどうなっておりますか。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 ただいま申し上げましたチッソ株式会社、民間会社としてどういう再建計画をやるかということで種々の内容を盛ったものでございますが、金融関係あるいは将来の計画を含めて雇用等の問題ももちろん計画の中に入っております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 それが出ておれば、年度ごとにあそこの従業員数をどういう——事業はどういうことというのは長くなりますから要りませんが、大体年度ごとにどういう員数で体質強化をしていくのだという、その員数だけを言ってください。それからもう一つ。この三年ぐらい再建、体質改善強化がどうしても出せなかったのは資金がないからですね。そういうことでもって開発銀行から融資を受けて、そしてその融資のもとで体質改善計画をつくるということになっておりますので、これは大蔵省と思いますけれども、その開銀からの融資の状況はいまどうなっているのか。この二つを教えてください。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 先ほど申し上げましたチッソの再建計画でございますが、実はいろいろな前提条件がございます。  先生御承知のように、これは企業としての計画でございまして、これのバックになるのは、一番大切なのは財部の計画でございますが、これについては御承知のようにまだいろいろな前提条件が整っておりません。そういう段階でございます。したがって、全体の計画についてはそういう面も含めて、つまりチッソだけではできない金融的な面がございますので、そういう面を含めていろいろ検討してまいらなければいかぬと思います。そういう意味で、ただいま御指摘の雇用、いろいろなバリエーションが出てまいると思います。したがって、単独にこれだけで判断できない点もございますし、企業自身のいろいろの問題もございますので、ちょっとその点は差し控えさせていただければ幸いだと思います。  なお、開銀融資につきましては、現在いろいろ検討中でございまして、企業自身の活力を今後どうやってつけていくかという意味で非常に大事なポイントでございますので、いろいろその点を含めて事業計画その他非常に積極的に検討中、こういうことでございます。

日向隆大蔵省銀行局特別金融課長

○日向説明員 ただいま通産省の方からお答えがありましたように、チッソの再建計画につきましては、チッソ株式会社から再建計画が提案されておりまして、それに基づきまして現在、今後の支援策等を含めて関係省庁等で、委員も御指摘になりましたが、会議を開いて検討中というふうに大蔵省も聞いておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この一環として開銀融資があるというふうに認識しているわけでございます。  ただ、委員もすでに御存じと思いますが、開銀融資につきましては法律上、制度上の制約がございます。その第一点は、開銀融資は設備資金に限るということでございます。その第二点は、特定のプロジェクト、たとえば都市再開発であるとか、資源エネルギーであるとか、あるいは新技術開発だとか、そういった特定の国の政策目的に沿ったものであること。それからもう一つ、一番大事な点は、金融上の判断といたしまして償還確実性の原則というのがございます。これは開銀法第十八条第二項に規定があるわけでございますが、こういった法律上、制度上の制約というものがあることを委員にもぜひ御認識、御理解いただきたいと思うわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 開銀はきのう態度を決定したんじゃないかということも私は聞いておるわけでございますが、非常に抽象的な答弁で言えない面があるのかどうか知りませんけれども、私が承知しておる限りにおいては、たとえば雇用計画では現在八百二十名、それを五十八年には七百名にする、そういう減らす雇用の計画がのっている、計画をしておるということを実は聞いている。  もう一つは、開銀の融資は、これはチッソ水俣工場にはできない、子会社にこれをする、そしてその額も大体百億程度だ。これ全部を出すのかどうか知りませんけれども、そういうことが出ております。  だから、言えない面もあるのかもしれませんけれども、ここで二つぐらい念を押しておきたいのは、指導していただきたいのは、いまの従業員を減らすような体質強化改善方針を出したって、県債問題は熊本県ではほとんど通るような状態ではない。大変な社会問題が起こる。だから、そういうものは従業員を減らさないという形の計画をつくり上げるように、これは要望しておきたいので、決意のほどをまず聞いておきたいと思うのです。  それからもう一つは、いろいろ開銀の法律的制約は私も知っております。しかし、終局的にはチッソ水俣工場に設備資金がいくということを必ずなし遂げていただきたい。そして、いろいろ手続を踏むと思いますけれども、子会社を通じてどうとかこうとかいろいろあると思いますけれども、やはりこれは必ず水俣工場に最終的に設備投資がいく。これについては通産省が責任を持って監督をし、指導する、そういう態度で臨んでもらいたい。この二つについて御返事をいただきたい。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 先生、先ほど冒頭に言われました五十三年六月に閣議了解がございます。これは御承知だと思いますが、水俣病患者に対する補償金については、あくまで原因者たる企業責任、企業者の負担において行う。ただし、その場合に、その当時におけるチッソの体質から見まして、やはりその経営基盤の安定と強化を通じて補償金を払う。同時に、地域経済社会の安定に資するものとする、こういうことになっております。  私ども、そういう意味で、基本的にはチッソが水俣病患者に対して適切な補償ができるということが私どもの水俣病対策の目的でございますが、その際、やはりチッソというこの会社、企業自身の体力と申しますか、活力をどうやって維持するか、安定させるか、これが一番基本になろうかと思います。  そういう意味で、私どもとしても、このチッソの今後の再建については最大限にいろいろ知恵を出してまいりたいと思って考えておりますが、ただ一つ先生に御理解いただきたいのは、現在、このチッソというのは御承知のように石油化学の会社でございまして、石油化学工業は御承知の現在の経済状況のもとにおいて全体として非常に……(馬場委場「時間がありませんから、雇用問題、減員せぬように責任持つかということを聞いている」と呼ぶ)非常に苦しい環境にございます。その中でぜひともチッソの企業経営を安定させる、そういうことを基本にしてまいりたいと思いますし、また、いまの閣議了解の趣旨を踏まえまして十分なる配慮を払ってまいるということを目的にしてこの再建計画の検討を進めてまいりたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 もう一つ答弁漏れですが、開銀の融資というものは、経過はどうあろうとも、どういう過程を踏もうとも、その金融支援ということが必ずチッソ水俣工場に設備投資がいくというようなことを責任持って指導してくださいということを言っているんですが、これに対する答弁はなかったんですよ。  それからもう一つ、これは環境庁じゃないかと思うのです、大体協議会の座長は環境庁の調整局長がやっているわけですから。いま答弁があいまいですよ。協議会が、チッソの体質強化改善、金融支援措置に対する中央の態度をいつまでに決めるのか。そして、これは当然関係閣僚会議でもって決めると思いますが、閣僚会議はいつごろ行われるのか。というのは、熊本県は十二月県会でこれを議論するわけですから、当然その前にはっきりした態度をとらなければいけないと思うので、この点についてお答え願いたい。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 政府委員に申し上げておきますが、ひとつ答弁は簡潔にお願いします。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 先ほどの開銀融資の点でございますが、先ほど大蔵省の方からも答弁ございましたように、開銀として検討しております。ただ、開銀としての金融的な一つの基本もございますし、私ども、基本的にはチッソの体力を強化する、そのために最適な方法を考えるべきだと考えておりますので、そういう全体のコンテキストの中でこの開銀問題については前向きに取り組んでまいりたいと思います。

伊吹文明環境庁企画調整局企画調整課長

○伊吹説明員 先生お尋ねの今後のスケジュールのことでございますが、いままでいろいろ御質問のございましたチッソの体質強化の問題及びそれと絡めた県債の問題、これをワンパッケージにいたしまして結論を得たいと考えておりますが、現在まですでに八月に一回、九月に二回、十月に一回、そして十一月に入りまして二度ばかりの会議を予定いたしておりまして、先生御指摘の十二月の熊本県会に間に合うように成案を得たいと目下努力をいたしております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 どうしても通産省の答弁はっきりしないわけですけれども、これはもう、たとえば開銀はチッソ水俣工場には開銀法によって融資できないという結論を皆さんお持ちであることは知っているのです。そして子会社に何とかやる。そして、そこと親会社の関係で原料その他いろいろやって、やはりチッソ水俣工場に融資をするという方向で大体額まで出して皆さん方が検討なさっているのを私は知っているのです。そういうことの上で質問しているのですけれども、私は中身は具体的に言いませんけれども、水俣工場の体質強化をしなければ県債はもう出ませんよ、だから、いろいろなことはあっても水俣工場に投資をしてあそこの言うことをやらなければいけませんよ、そう指導しなさい、こういうことをいま私は言っているのです。ぜひそのようにしてやっていただきたいと思います。  それから、もう日程は十一月中ぐらいに決めなければ間に合わないことは皆さん方も御承知のとおりだと思いますので、精力的にひとつやっていただきたいと思います。  いずれにしましても、大臣、やはり閣議了解事項が守られていない。このことは、熊本県民がひとしく、二百億も三百億も県債を出すわけですから、もしチッソに万一のことがあった場合には国も責任を持つと言いますが、全部責任を持っていっていないのですから、県民皆心配しているのです。そういう意味で、次のことを計画する場合には、閣議で今度決めたことは必ず守らせますよという責任を持った決め方をしていただきたいと思うのですが、どうですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 閣議で決めたことにつきましては、それをやはり守っていくということが私どものなすべきことだというふうに思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 時間がございませんので、次は、その水俣の隣にあります芦北郡田浦町というところに東海カーボン田ノ浦工場があるのです。これについては、もう鉄鋼は国内外を問わず非常に落ち込んでおるのは御承知のとおりでございまして、そのしわ寄せをもろにこの東海カーボン工場が受けているわけですけれども、いまここで私、水俣病で議論いたしました「水俣病対策について」という昭和五十三年六月二十日の閣議了解事項の中に実はここも含まれておるのです。その閣議了解事項の一項に、熊本県の提案を待って水俣・芦北の地域振興計画を実施する、こうなっているのです。その水俣・芦北の中の芦北にある田ノ浦工場でございます。  そこで、ここで一つ聞いておきたいのは、この熊本県の水俣・芦北地域振興計画、三本柱ぐらいありますけれども、その一つの柱にこの東海カーボンの田ノ浦工場があるのです。ところが、もろにいま不況の状態でありますけれども、幸い調査に行きましたら、いま三百九十人従業員がおるのですが、どんな苦しいことがあってもこの三百九十名は減らさないつもりでやっていきたいと、会社も非常にがんばっておるようでございます。そこで、この水俣・芦北地域振興計画を熊本県が出した場合に、これを実行するという約束になっているので、この田浦のカーボン工場はその中の柱でございますので、ぜひこの工場をスクラップ化しないように、東海カーボンの基幹工場として強化充実するように、これは水俣病とのかかわりもございますので、行政指導としてカーボンの方をぜひ指導していただきたい、それが調査に行った者の結論でございますので、これについても通産省の御決意を聞いておきたいと思うのです。

志賀学通商産業省生活産業局長

○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  先生御案内のように、現在黒鉛電極の業界は非常に苦境にございます。ただ、その中で黒鉛電極の各業界それぞれに合理化、近代化に努力をしているところでございます。私どもといたしまして、そういった企業の努力というものにつきまして、それが効果が発揮できるように必要な指導をやってまいりたいと存じております。  お尋ねの東海カーボンの田ノ浦工場の件でございますが、現在のところ私どもも、東海カーボンとして田ノ浦工場についてスクラップするとか撤退するとか、そういった考えはないというふうに承知しておりますけれども、いずれにいたしましても電極業界全体の体質強化の一環として、東海カーボンについてもその合理化努力について支援をしてまいりたいと思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 合理化に支援をするというとちょっと心配もあるのですが、いま私が言いましたのは、基幹工場として水俣病にかかわる水俣・芦北地域振興計画の一環でもあるので、あそこがスクラップとかがないように、基幹工場として拡充していくようにぜひお願いしておきたいと思うのです。  次に、時間がございませんので少し割愛して、十條製紙の八代工場について申し上げたいのですが、これは皆さん御承知のとおりで、紙パ産業は戦後最大の危機に当面しておるような状況にあるわけでございまして、この十條八代工場もその中で例外ではないのでございます。特にこの十條八代工場を取り巻く社会状況ということから一つ質問したいのですけれども、実は皆さん御承知のとおりに、この八代は熊本県最大の工業都市であったわけで、四大工場というのがあったわけですが、その中の一つの興人が戦後最大の倒産をやったわけでございます。そしていま再建しておるのですけれども、物すごい縮小でございます。その次に、日本セメントが百年あそこで操業して、この間全部工場を閉鎖、撤退をいたしました。そしてこの十條八代工場も昭和四十二年に、小倉工場とか坂本工場とか三つの工場を合わせて、十條製紙の西日本の基幹工場として発足したのですが、そのときには千五百七十四名の従業員がおったのです。それがだんだん減りまして、すでに今日は九百五十五名。この間調査に行きました段階で、あと二百名くらい減らすんだ、こういうような状況になってしまっているわけでございます。これがそれだけ減るということも大変だが、これがスクラップ工場化したら、もう八代地域の経済社会は根底から危なくなる、こういう状態にあるわけでございますので、これもぜひ十條製紙の方にお話ししていただいて、西の方の基幹工場としてこの十條八代工場も強化発展するように、地域社会のすべての人たちの気持ち、要求として通産省に要請しておきたいのですが、これについて指導をしていただきたいということについてお答えいただきたいと思うのです。

志賀学通商産業省生活産業局長

○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  現在、紙パルプ業界は大変な不況にございます。理由といたしましては、需要が第一次オイルショック以後非常に停滞してしまったこと、あるいは原料チップが高騰したこと、あるいは過剰設備を抱えている、こういったいろいろな要因が重なりまして、現在のような非常に深刻な不況に立ち至っているというふうに理解しております。私どもといたしまして、すでにこの不況を克服するために、たとえば設備の新増設の抑制指導あるいは不況カルテルの実施というような手だてを講じているところでございます。個々の企業においても、それぞれに経営体質の強化のためのいろいろな対策をとっているところでございます。さらに、私どもといたしましては、紙パルプ産業全体の構造改善の対策といったようなことも検討を進めてまいりたいというふうに思っているわけでございます。  十條製紙の八代工場の問題でございますけれども、十條製紙といたしましても、個々の企業の立場でそれぞれ近代化、合理化、体質強化のためのいろいろな施策をとっているところでございますけれども、いずれにいたしましても、先生が御指摘になりましたような問題が起こらないようにするために、やはり紙パルプ産業の立て直しあるいは経営環境の整備、そういったことをやはり強力にやっていくことがまず必要であるというふうに存じておるわけでございまして、そういった観点から私どもといたしまして、紙パルプ産業の不況対策、不況克服策について最大の努力を傾けていきたいというふうに思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 紙パルプ産業に対する基本的な、こういうことをやるべきだという提言もしたかったのですけれども、時間がありません。  いま答弁は、紙パルプ産業全体の指導方針のようでしたけれども、私は、地域の実態からだけしぼって質問をしているのです。そのことにはお答えがなかったのですけれども、実は私どもも地域の要望をひっ提げ、やはり工場等にも会社等にもいろいろ話をしておるわけです。そういう点で、日本社会党が調査団を派遣をして、その結論として、ここについてはやはり通産省の方から十條製紙の本社にこういう指導をしてもらうべきだということを日本社会党として結論を出して、それについてしていただけますかどうかという質問を私はいましているわけですから、それはどうですか。

志賀学通商産業省生活産業局長

○志賀(学)政府委員 お答えいたします。  私ども、現在までのところ、十條製紙において八代工場を撤退するというような考え方はないというふうに承知しております。会社の現在のそのような考え方、これが本当に効果を発揮させる、そのとおりになるというために、やはり先ほど申し上げたような紙パルプ産業立て直しのいろいろな対策を講じていくことが必要であるという意味で申し上げたわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 われわれは、この国会でもそういうことが要望され、日本社会党が要望する、十條の本社に行ってこうだから、そういうぐあいにあなた方もそれを納得して指導してくださいというのです。現在そういう計画がないのは私も知っているのですよ。しかし、撤退する計画はないけれども二百名ぐらい減らすという計画があるわけです。そういうこともなるべく地域社会の経済安定のために、雇用の確保のために、できるだけそういうことをしないようにという要望があったということで十條を指導してください、そういう質問ですよ。後で答えてください。  次に、日本合成熊本工場の問題ですけれども、ここは、いわゆる合化の不況問題全部わかった上での質問で、時間がありませんからしぼって言うのですけれども、この日本合成熊本工場、日本合成の会社ですね、聞くところによりますと昨年度は黒字だった、一割の配当もしたということも聞いているのですが、その会社がことしになって熊本工場を——三百六名おるのですよ。この三百六名おるのを、日本合成会社はもうやめた、百八十名で別会社をつくる、あと百二十名は系列その他に配転したい、賃金を下げてと、そういう提案がいま行われておるのです。そうして、おかしなことには、百八十人で新会社をつくるのに組合はOKせよ。組合は、あとの百二十名の雇用は保障してくれるのですか、どうですか、これを保障してくれるとあなた方が言えば百八十名の新会社は認めますよ。いや、あとのことはわからぬ、百二十名について保障はできぬ、わからない、しかし百八十名で新会社をつくることを認めなければこの工場は閉鎖するぞ。こういうような話をいまやっている。いま時分にこういうような高圧的な、しかも話し合いを拒否するような態度は私はおかしいと思いますし、去年度はまた黒字だったのに、急に、いま返事しなければ撤退するぞ、こういうおどしみたいなことをやることも実におかしいというような問題です。  それから、たとえばあそこの宇土市が市民のほとんど全部の署名を持って市議会代表、市の代表が本社に行く。そして残してくれと言う。これにも余り耳をかさない。そして、あそこは十二万坪ぐらい工場用地があるのですが、半分以上は遊んでおる。遊んでおる中で、五万坪ぐらいそこに新規事業を呼ぶとかいろいろするから市に活用させてくれないか、これにも全然取り合わない。本当にいま時期にこういうことがあるかと思うぐらい、われわれ調査団は不思議に思って帰ってまいりました。だんだん調べてまいりますと、やはり日本合成は当事者能力がないのじゃないかということを感じまして、結論の質問だけするわけでございますけれども、ここでは資本の五〇%ぐらいを握っている、そうしてほとんど原料を入れております三菱化成が親としておるわけでございますが、やっぱりこの辺に問題があるのじゃないかと私どもは感じてまいりました。そこで、やはり雇用の問題、地域社会の要求、こういうものと話し合いをすべきだ、これをきょうすぐ聞かなければ撤退するとか閉鎖するとかそういう高圧的な態度ではいけない、こう思うのです。  そういう意味で私がただ一点質問したいのは、三菱化成に、日本合成の宇土市で起こっているこの状態を市なり労働者と十分話し合って円満に進めるように指導していただきたい。これについてお答えください。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 ただいま先生から御質問の日本合成の工場問題でございますが、私ども実は正確にその辺の事情をまだ聞いておりません。話によれば、いまおっしゃったような話し合いが会社側と組合側とまだ進んでいない事情のようにも受け取れるわけであります。したがって、私は、やはり基本的にはそこのところの十分な話し合いが行われるべきものと考えますが、何分まだ十分聞いておりませんので、御趣旨のような点を踏まえて日本合成その他にも聞いてみたいと思いますが、やはり親会社より前に当事者の問題であろうと思いますので、十分その御趣旨を踏まえて考えてみたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 十分話し合いをするようにという御趣旨で指導していただくということでございますので、ぜひその話し合いの上に立って、私が言いました親会社等にも必要があればやっていただきたいと思います。  最後になったわけでございますけれども、西日本製鋼という誘致企業があるわけです。平電炉業界とか丸棒業界の状況はもう御存じのとおりでございますので、ここに行ってどうしても通産の方から言ってもらわねばならぬと感じた点を、たくさんあるのですけれども、その中の一つだけ質問したいのですが、あそこでインサイダーの五十社ですか、そういう五十社が血の出るような思いでカルテル減産を片一方でやっている。その片一方でアウトサイダーがどんどん丸棒なんかを増産しておる。そして利益を上げている。そういうことで、いかに小さいのが集まって五十社くらいがカルテル減産をやったって、アウトの方でどんどんつくっていっては何にもならない。これは何とかアウトに対する指導というものを通産省の方でやってもらわなければ、全体的に浮沈にかかわるというような状況を調べてきたわけでございます。  こういう点が第一点と、もう一つは、この工場の丸棒なんかを宇土市なんかは業者へ優先的に買ってくれるようにあっせんをしている。やはりこういう官公庁の需要の問題、あるいは商工会とか地域のいろいろな企業に対して、誘致産業とか地場産業の製品を買うように、そしてそこの需要を増すように、こういうような指導というものもぜひ通産からやっていただきたい。この二つをお尋ねします。

真野温通商産業省基礎産業局長

○真野政府委員 最初の小棒の不況カルテルの問題でございますが、御指摘のように、現在五十社ほどの小棒メーカーが不況カルテルを実施しております。それに対して相当なシェアのアウトサイダーがいる。私どもも、せっかくこのいまの五十社が努力してカルテルを実施しておるわけでありますから、これに対してアウトサイダーの行動が悪影響がないように、できるだけ需要に見合った生産をするように行政指導を行ってきておりまして、それぞれに私どもから見ますと協力は得られている状況だと思います。なお、今後についてもそういう御指摘の点を踏まえて、両者バランスのとれた行政指導をしてまいりたいと思います。  第二点の地場における需要確保でございますが、おっしゃるとおり、特に小棒はその地域のくず鉄を使用し、かつ、なかなか重量物でございますから、その地域の需要に依存しておる、こういう産業でございますだけに、地域の需要の確保というのが非常に大事な点だと思います。ただ、官公需の場合に、いろいろ建設業者に対する入札の仕方その他それぞれに地域の問題がございますので、できるだけ実情に合った形でそういうふうに行われるように今後とも注意してまいりたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 まだたくさん質問したい点がありますけれども、時間が参りましたので、ぜひ大臣、いままで各局長、課長等にも質問し、要望もした点でございますが、本当に労働者とか下請だけにしわ寄せがならないように、地域経済社会を壊さないように、そしてやはりこういうときにも労働者の福祉だとか人間を尊重するとか、そういう立場でぜひこの不況問題に、それを基本に置いて取り組んでいただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。(拍手)

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 北側義一君。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 北炭夕張新鉱のガス突出事故について、まずお伺いいたしたいと思います。  今回、不幸にも罹災された方々の御遺族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。  さて、わが党の調査団がこの事故の現地調査をした際に、坑内員等の関係者から聞いた話でありますが、ガスの突出事故が起こりまして避難命令が出て、その三十分後に解除された、こういう坑内員の言葉を調査団の一行が聞いておるわけですが、こういう事実があったのかどうか、まずそれをお伺いしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 そういう事実があったかどうか、実は私、具体的に聞いておりませんのでお答えできませんけれども、全体的には私ども、そういうことはあり得ないなというふうに私自身、主観的にはそう思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 わが党の調査団に対して、坑内員がそういうことを言ったことも事実なんです。この問題について、昨日の石特でもわが党の斎藤委員が少し触れておったようでありますが、事故の混乱によってこういうことになったのかなという感じも、私も明確にはつかんでおらないわけです。  この北炭夕張の事故を見ますと、ちょうど五十年の七月にやはりガスの突出事故で死者五名、けが人が十四人。五十五年の八月は坑内火災事故が起こっておるわけです。今回でちょうど事故が三回目。一つの炭鉱としては非常に事故が多いわけです。特に深部採炭であるためにガスの突出が多い、こういうことはわかるわけでありますが、そのためにガス抜きを行ったり、また検知器など最新設備を用意して採炭をやっておったわけでありますが、やはり再建という立場から増産体制のかけ声の中でそういう設備なり、また探知器というものが有効に機能しなかったのではないか。  たとえば鉱山保安規則では、メタンガス濃度が一・五%で警報器のブザーが鳴り、二%になりますと作業を中止するよう、このように義務づけてあるわけでありますが、夕張新鉱の場合は一・五%で動力電源が自動的に切られ、作業が中止になるようになっておったそうであります。しかし、実際は、ブザーが鳴るのはしょっちゅうで、そのたび避難していたのでは仕事にならないとか、警報器の目盛りをガス濃度が五%になるまで鳴らないようにしていたなど、このような坑内員の証言もあるわけです。十分な保安体制は形だけで、再建を急ぐ余り生産第一の姿勢が事故に対する安易な判断になったのではないか、そういうことを私自身は考えておるわけでございます。それに対してのお考えはどうでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 実は私もいろいろなことを聞くんです、ブザーが鳴りっ放しになっておったのに作業が行われておったとかどうとか。実はそういうことがあってはいけないと思いまして、一つ一つ丁寧にいま鉱山保安監督局あるいは私どもの職員を通じてただしておるわけですが、そういうことはなかったというようなこともはね返ってきておりますし、混乱のときでございますのでいろいろなことが出てくると思います。しかし、要は、そういうブザーが鳴りっ放しになっておるとか、規定以上のいろいろな危険性があるというようなことを感知していた坑内に働いておる人々がおるならば、それは自分の生命にかかわることでございますので、その人そのものも十分な注意を払い、あるいは何ら、そういうことは言ってはいけない、そういうことを訴えてはいけないという規則はない、むしろそういうことを積極的に会社並びにいろいろなところに言うことができるシステムになっております。私は、かなり信憑性の欠けている点もあるんじゃないかと思いますけれども、それは、これだけ大きな事故があっただけにいろいろなことが言われるんじゃないかと思います。しかし、私どもは真相はあくまで究明して、たださなければならないという趣旨は、いろいろなルーモアがありましても少しも変わっておりませんし、そういう点をやっていかなくちゃいけませんが、そういう点を抜きにいたしましても、保安第一ということ、それから生産第一でいろいろこういうふうになったんじゃないかという考えもありますけれども、実は御承知のように、この山が発足するとき、それから昨年の火災のとき、私どもはむしろ予定の計画よりも生産を下げるということを実行したわけでございまして、むしろこの山は御承知のように非常にガス山、ガスの多い山でございます。地盤も他の炭鉱に比べまして非常に緩い、そういう点で心配しておった山でございます。これが模範的な山というふうに元来が言えないわけでございまして、そういう点で注意に注意を重ねておりましたわけでございますけれども、こういう事故が起こりまして非常に皆様に恐縮に思います。これから先も、生産第一主義というよりもこういう事故が本当に起こらないように、むしろ保安第一、余裕を持った安全性、そういうものを心がけていきたいというふうに考えます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 大臣が本部長となられて非常に御苦労なさっておられることはよく承知いたしておりますが、きょうの新聞報道、テレビの報道等でも、きょう注水になるわけです。そうしますと真相究明が、注水、全部くみ上げて以降、こうなると思うのですが、いずれにしましてもこの問題、やはり真相をしっかりと究明していただきたいと思うのです。と申しますのは、通産大臣が北炭夕張新鉱の再建問題については、先般参議院ですか、努力しましょう、こういうお答えがあるようでございますが、わが国の総合エネルギー政策上、国内炭二千万トン体制、これを維持するためには北炭夕張新鉱というのは非常に重要な地位を占めておるのではないか、また夕張地域経済の維持発展の上からも、再建は非常に大事な問題になってくるのではないか、このように考えるわけです。しかし、金融支援体制の問題とか、たとえば北炭夕張炭鉱に支えられております地元の影響、非常にむずかしい問題があろうかと思うのですが、この夕張新鉱の再建の足がかりとなるような要素、これは一体どういうところにポイントがあるのでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 再建の足がかりは、どこに重点があるかということでございますが、やはり私どもはこれを一応、きょう注水を始めたわけでございますが、罹災者の早急な処理というようなこと、全部含めまして、そういうのが一段落つきましたら、原因究明ということに専念しなければならないと思います。原因究明のためには、私ども対策本部で一応決めましたように、専門的な調査団、技術調査団を組みまして、これらの人々のあらゆる角度からの調査を待って決めたいと思いますけれども、その後には、いままでの債権者と申しますか、そういう人たちの考え、地元住民の考えあるいは全体的な国のエネルギー政策、そういうようなものを全部含めた上で対処しなければならないと思いますので、どれを一つとって再建あるいはそういう今後の中心課題にするかということを一点に集中するならば、やはりこの原因究明の専門的な技術調査団の結果ということになろうかと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 最後に、この問題について、遺族の方々に対する経済補償の問題ですが、炭鉱直轄の従業員が亡くなった場合には、労使の協定で、家族がおられる方には一千五百万円程度の弔慰金が支給される、こう聞いておるわけです。あの亡くなった方の中には下請作業員がずいぶんおられるわけですが、これに対する補償、これは何とかできるだけのものをひとつやっていただきたい、このように考えておるわけですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 罹災者の人々の遺族の方がおられるわけでございまして、こういう人たちが将来立ち行かなくなるというようなことは、社会的にも大きな問題でございますし、私どももそういうことのないように努めていこうというふうに思っております。  まず、労使双方の協定で、いま千五百万円——千七百万円ぐらいは、まあそれは段差があると思いますけれども、そういう労使間の協定がある。それから労災保険が、マキシマム千三百万円ぐらいだと思いますけれども、問題は、御指摘の組夫の問題でございます。組夫でも、三井建設というようなところから出ている人たちは、労使契約というものがはっきりしているのじゃないかと思いますけれども、そのほか、下請のまた孫下請というような段階になりますと、委員御指摘のような心配があります。したがって、そういうことのないように、私どもも督促し、会社側もいまそういう態度でおります。しかしまた、漏れることのないような措置は私ども一生懸命やっていきたいというふうに考えます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 ぜひともよろしくお願い申し上げます。  では次に、先日、政府派遣の訪欧使節団が六項目から成る中間報告を送付してきたらしいのですが、その内容を新聞報道等から見ますと、欧州の各国のわが国に対する輸出貿易に対してのかなり厳しい批判、これが出ておったわけです。現状のままだと、報道によりますと、「高まりつつある保護主義の圧力に抗しきれなくなるとして、わが国の節度ある輸出を求めるとともにわが国市場の一層の開放及び製品輸入の拡大を求めた。」このようにあるわけです。これに対して、稲山さんがまだお帰りになっておられませんので、帰られていろいろと報告を聞かれて、そうして政府としてのとるべき手段をとられるのであろうと思いますが、中間報告のこの問題に対して政府はどのようにお考えになっておるのか、それをまずお伺いしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 日本が外需というようなことで、日本経済そのものあるいは貿易構造が内需依存型よりも外需依存型というようなこともありまして、世界各国から日本の輸出を何とかしろというような指摘をあちらこちらから受けております。いま、稲山ミッションが出かけておりましたEC諸国、欧州諸国におきましても特にいろいろなことを言われておりまして、対ECの貿易、日本の黒字、向こうの赤字は五十億ドルを超えておるのじゃないかと思いますけれども、これが年間にしますとまた大きくなると思いますが、そういうことで、私も欧州にも参りましたし、あちらこちら飛んで歩いたわけでございますけれども、できるだけこれらの国々から輸入をしよう、日本は原材料輸入型でございますけれども、製品輸入に努めようと思いまして、ことしの七月・製品輸入デクレア、宣言をいたしたわけでございますけれども、口先だけで実体はないじゃないかという指摘をまた受けておりますし、そういうことのないようにこれからもいろいろ——まあ、稲山ミッションがかなり指弾を受けておりますが、こういう人々も御苦労とは思いますけれども、向こうの言い分もわかっておりますし、また、それぞれ産業界のリーダーでございますので、こちらからどの程度、どう輸入できるかということも具体的にわかってくると思いますので、そういうことを今度は実行して、できるだけ製品とかいろいろなものを輸入し、投資交流をし、第三国市場の開発というようなことも含めまして努力していこうというふうに思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 通商白書をちょっと見てみたのですが、たとえば八〇年のアメリカ、ECに対する輸出、これを見ますと、アメリカ向けが、七九年の伸び率が六%増、これが八〇年には伸び率が一八・八%増、このように伸びておるわけです。EC向けを見てみますと、七九年の伸び率が一四・二%増、八〇年の伸び率が三一・三%増、このように急激に伸びておるわけです。これは、輸出の製品とかそういうものが大体決まった国に一挙に集中的に輸出される、そういうことがこのような姿になっておるのではないか、こう私は見ておるわけですが、その反面、輸入を見ますと、アメリカからの輸入は、金属原料、化学製品を中心にして前年比二〇%近く、このように伸びております。しかし、ECは、フランス、イギリスを除きますと、輸入は非常に減少して、前年比三・五%増、大体横ばい、こうなっておるわけです。  こういう数字を見ますと、これからの日本経済、こういう問題を考えてみますと、貿易、特に輸出問題で日本にとってはこれは非常に大事な問題でございますので、今度行かれた稲山さんのミッションも、そういう点でECで非常に御苦労なさったのじゃないか、こう私は考えておるわけですが、これからの日本貿易を考えてみますと、ここで何らかの対策を考えなければこのままではいかないのではないか、こういう考えを持っておるわけです。いま大臣が、そういう面をこれからも検討してまいりたい、このようにおっしゃっておられるわけですが、大事な問題は、輸出市場の拡大、また日本が輸入する製品の拡大、ここらがこれからの貿易摩擦を防ぐ非常に重要なポイントとなると思うのですが、それについて具体的なお考えがあるでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 日本は貿易立国と申しますか、そういう国でしか生きられないわけでございます。したがって、世界が自由主義貿易、常に貿易の拡大均衡、これがなければ日本としては生きていけない。つまり、世界が保護主義貿易になりますと、日本自体が困るわけでございます。したがって、日本の国内の市場をオープンにすることも先決でございますし、どんどん外国からも輸入するということ。そういうふうに心がけていろいろあの手、たとえばECフェアと申しますか、向こうに今度ミッションが行ったのも一つの方法でしょうし、ECの国々の製品を日本で展覧会みたいなものをやるというようなこと。それから、こちらからミッションが行くだけでなく向こうからも来てもらうというようなことなども一生懸命やって、いま御指摘のように、日本の輸出は多いが輸入は少ない、集中豪雨的な輸出だというふうにEC諸国にはいつも指摘されておりますが、何とかそういうことのないようにバランスのとれた、均衡のある貿易関係を維持発展させていかなければならないということ。そのためには国内の景気を刺激し内需を喚起するというようなこと、個人消費あるいは住宅建設、まあ国際的な問題がすぐ国内的に響くわけでございますけれども、国内的な需要喚起ということもあわせてやっていきたいというふうに考えます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 この問題はいずれまた詳しくお聞きしたいと思うのですが、次に中小企業の景気問題について質問してまいりたいと思います。  実は、ことしの三月十七日に経済対策閣僚会議で七項目の総合経済対策が決定されたわけです。特に中小企業対策としてとられた措置があるわけですが、これのいわゆる効果をどのように見ておられるのか、まずそこからお伺いしたいと思います。

木下博生中小企業庁次長

○木下政府委員 ことし三月十七日に経済対策閣僚会議で七項目の決定をいたしましたが、その中で中小企業に対しては特に重点を置いた対策をいろいろ打ち出しております。で、打ち出しました中身で一番大きかったのが中小企業金融機関の金利をできるだけ早目に前倒しをして引き下げるということ、それから倒産防止対策とか下請対策あるいは官公需対策といろいろの対策を打ち出しております。それに基づきまして具体的な対策を中小企業庁として進めてまいったわけでございますが、その後の景気の動向を見ますと、全般的には緩慢ながらも回復の兆しが見えますが、中小企業分野については大企業分野と比べましてまだその回復の足取りは遅いというような感じになっております。  打ち出しました対策の中で、中小三機関の金利を特別に下げるという制度を出したわけでございますが、それに基づきましてそういう金融機関に対する設備資金の貸し出しの申し込みは若干伸びてきておりまして、そういう機関の設備資金の貸し出し額はおととし、昭和五十四年の水準まで戻ってきておるという感じでございますが、これもそういうような特別の対策をやったという面からでございまして、今後も対策を続けていく必要があるような状況かと考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 確かに少しそのような傾向にあるらしいのですが、やはりいまおっしゃられましたように、金利の前倒しであるとかいろいろ対策を打たれて出てきた数字ではないか、私はこう見ておるわけです。特に建設業界が非常に悪いわけなんですね。公共事業費がゼロベースになりまして、物価上昇を考えますと、たとえば五十七年度ですと実質減少になってくるわけです。特に中小建設業者の仕事の確保が非常にむずかしくなって、私も知人、友人等からいろいろな状況が入ってくるわけです。たとえば限られた予算の中で、上半期で契約を進めるために早く契約をしたことで、下半期の建設業の景気が上半期に比べて非常に低迷していくのではないか、こういうことが言われておるわけです。中小建設業者の景気動向にどのように対応していかれようとしておるのか、それをまずお聞きしたいと思います。

谷田部嘉彦建設省計画局建設振興課長

○谷田部説明員 先生お話しのとおり、本年度におきましては公共事業の契約率の目途を七〇%以上と定めまして前倒しを行ったわけでございます。したがいまして、大手も中小もでございますが、今年度前半におきましては比較的建設工事受注額が多くなっておりまして、景気はそれほど悪くなかったわけでございます。また、倒産件数につきましても、七月、八月までにつきましてはやや落ちつきを見せております。しかしながら、最近、建設業関係の保証事業会社が行った景況調査におきましては、今後十月ないし十二月期において、受注の状況でありますとか資金繰りにつきましてかなり悪化すると予想する企業が多くなっておりまして、このところ特に木造住宅建築等につきましては不振が続いておりますので、建築関係を中心といたしまして不安感が広がっているところでございます。  これに対しまして、建設省といたしましては、残されました公共事業を確実に年度内に執行するということをまず行っております。また、地方公共団体等につきましても公共事業の確実な執行につきましてお願いをしているところでございます。また、一般の景気動向の回復が、先ほど出ました総合経済対策等の効果が出てくることを期待しておるわけでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 ちょっとお尋ねしたいのですが、たとえば地方公共団体の場合、その契約を行うのに大手と中小建設業の配分をどのように指導なさっておられるのでしょうか。

谷田部嘉彦建設省計画局建設振興課長

○谷田部説明員 地方公共団体につきましては自治省の所管でございますので、国の機関につきましては御承知のように中小企業に対する発注の率を定めまして直接に指導しておりますが、これに準じて地方公共団体に指導していただくように自治省を通じてお願いしておりまして、自治省から地方公共団体にそういうお願いがいっておると存じております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 これは自治省の問題かもわかりませんが、そこらの点も建設省の方としても一度目を通していただきたいと思うのです。どうもあそこの地方自治体はほとんど大手指向で非常に大手にいっておる、こういう話をいろいろ聞いておりますので、できるならばそういう点も改めて、非常に厳しい状況でございますので指導をしていただきたい、このようにお願いしておきます。  それから、十月二日にまた経済対策閣僚会議が行われまして、当面の経済運営が決定されたわけです。その中で中小企業対策についてお伺いしたいのですが、当面の経済運営を見ますと、すでに各省庁が打ち出しておりますところの個別の対策を集めて、それも金のかからないもので景気対策の看板にしよう、このような形が見受けられるわけです。  そこで、たとえば中小企業の倒産防止対策については具体的な措置をどのようにされるのか、また官公需についてはどうか、下請企業対策、金融対策も具体的にどうするのか、ひとつ具体的にお答え願いたいと思うのです。

木下博生中小企業庁次長

○木下政府委員 十月の景気対策の中で中小企業対策について、いま先生がおっしゃったような項目が触れられておるわけでございますが、まず倒産防止対策につきましては、三月の対策のときからそれを非常に重視しようということで、特に倒産水準が高かったものですからそれに対する対策を講じようということで、一つは、中央におきましては各省間の連絡協議会を持ちまして、そこで倒産対策を進めていくということを三月からやっておりますけれども、その後も毎月一回ずつ幹事会を開いて各省間で連絡調整をやっておるということがございます。  それから、信用保証関係で業種の指定というのを毎三カ月ごとにやっておりますけれども、十月からは百十二業種を不況業種として指定いたしまして、そのような業種について資金が必要になった場合には特別に信用保証の枠を広げるというようなことは、従来から政策の一つとしてやっております。  それから官公需につきましては、七月十日、これは十月の前でございますけれども、七月十日に本年度の中小企業者に対する国等の契約の方針というのを決めまして、ことしの契約目標額を三兆八千九百八十億円、比率にして三六・八%というような高い数字を一応目標として定めたわけでございます。それに基づきまして各省との連絡調整を行うと同時に、都道府県ごとにも推進協議会を開催するというようなことをやりまして、現在上半期の実績等について把握を行うと同時に、その目標の達成のために各省に一層の努力を要請しております。  それから下請取引につきましては、十一月を下請取引適正化推進月間というようなことで、特別に下請取引につきまして関係事業者の一層の認識の拡大を図るというようなことをやっておりますけれども、それと同時に、今回の閣僚協議会の決定に基づきまして、つい最近のことでございますけれども、親事業者団体等に対し下請代金法等の遵守の徹底についての通達を出して一層の下請対策を図っているというようなことでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 中小企業にとりましては非常に厳しい情勢でございますので、ぜひとも具体的な施策を進めていただきたい、このように考えております。  それから、行財政改革と関連してお尋ねしたいのですが、来年度の予算編成のゼロシーリングと第二臨調の答申に盛り込まれております中小企業対策費の抑制、これを考えますと、今後の中小企業政策に与える影響は非常に大きいものになっていくのではないか、そういう心配をするわけでありますが、これについてはどのようなお考えでおられるのか。

木下博生中小企業庁次長

○木下政府委員 臨時行政調査会の中間答申におきましては、中小企業対策費について前年度と同額以下に抑制するということと、そのため中小企業指導事業等に係る人件費、事業費補助並びに中小企業関係の公庫、金庫及び事業団に係る政府出資については、その節減合理化を図るというような答申が出されておりますので、それに従いまして通産省としては大蔵省に対し予算の要求をしております。  その第一点は、したがいまして前年度以下に抑制するということでございますので、一般会計につきましては中小企業対策費、通産省関係で千八百十三億円ということしの額どおりの額で要求をした形になっております。  ただ、その内容につきましては、できるだけゼロシーリングの中で中小企業対策費が充実できるようにということを配慮いたしまして、一部貸付金あるいは出資金等で従来からの回収金があるために増額する必要がない、そういうような金額のものを落としたかわりに、中小企業対策を進める場合の補助金等につきましては若干の増額を図るというようなことで、全体としてはできるだけ充実した中身の対策質を要求しておりまして、技術力開発、人材養成、情報化対策、エネルギー対策というようなものについてはいろいろと内容のある要求をしたつもりでございます。  それからまた、財政投融資につきましても、中小企業金融三機関の融資の拡充というようなことで必要資金の確保を図るような要求をいたしております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 時間がありませんので端的にお伺いしてまいりますが、実は小企業等経営改善資金融資制度、いわゆるマル経資金制度です。これは非常に利用度が高いわけです。中小企業庁の来年度の予算の概算要求を見ますと、制度の拡充を求めておられるわけです。  一つ、貸付限度額を運転資金も三百五十万円に引き上げる。二つ目に、貸付規模は五十六年度より二百億円増の五千五百億円にする。三番目に、経営指導員を八千五百九十人に増員する。このようになっておるわけです。まことに結構なことだと思うのですが、現在のマル経資金の利用度、これらから見て、このような数字でいいのかどうか。またこの施策というのは、マル経資金の場合は期待しておられる方々が非常に多いわけです。そういう面におきまして、何としてもこの問題だけは中小企業のゼロシーリングの中でも伸ばさなければならない、そういう分野ではなかろうか。私はそう感じておるのですが、それについてのお考えをお伺いしたいと思います。     〔原田(昇)委員長代理退席、渡部(恒)委員長代理着席〕

杉山弘中小企業庁計画部長

○杉山(弘)政府委員 お答えをいたします。  いわゆるマル経資金につきまして通産省の来年度の要求、いま先生からお話しいただいたとおりでございます。  最近までのマル経資金の利用状況を見ますと、いま私どもが要求しておりますような案が実現でさましたら、一応中小企業者の方々の御要望には十分応じられるものというふうに判断いたしておりまして、要求しております点の実現に向かって全力を尽くしたい、かように考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 大臣、その点ぜひともひとつ。  大臣、この間お見えになっておりませんが、富山で中小企業団体の中央会の総会があったわけです。私もそこへ参加しておったのですが、いま消費が非常に落ちておりますので、生業要員を含めた小さな企業、こういうところは大変な状況になっておるようです。この予算についてはぜひとも獲得に御努力をお願いしたい。よろしくお願い申し上げます。  それから、大蔵省に一つだけ確認の意味で聞いておきたいのですが、この五十七年度の予算編成でマル経資金の利率の問題、これは大蔵省の内部でいろいろな論議がされておる、こういうふうに聞いておるのですが、それはどういうことですか。

日向隆大蔵省銀行局特別金融課長

○日向説明員 予算編成はこれから始まる段階でございますので、中小企業庁の方からマル経資金の制度の一層の充実について御要求が出ておることは、委員、御指摘のとおりよく承知しております。私どもも、マル経資金が小規模事業者の経営の合理化であるとか、あるいは比較的劣位に置かれております資金調達状況というのを補っているといった点で、過去において相当な効果といいますか、実績を持ってきているということも十分評価しておりますから、厳しい財政事情ということも勘案しながら、そういったことを念頭に置きまして、これから予算編成の過程でこの制度について検討していきたいと考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 これで終わりますが、利率を上げるとか、そういうことはないでしょうね。

日向隆大蔵省銀行局特別金融課長

○日向説明員 いま私が申し上げましたのは、先ほど委員が御指摘になりました概算要求について、それに関連して申し上げたわけでございまして、金利の問題につきましては実は財投金利との関連で決まってくるわけでございまして、現在このルールを動かす考えは持っておりません。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 塩田晋君。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 日本経済は、跛行現象を伴いながらも緩やかな回復に向かいつつありますが、その中でアルミ、石油、紙パルプといった素材産業が深刻な構造不況に陥っております。他方、また、住宅産業の不振から、住宅関連業種の不況も最近特に顕著となっております。中小企業の苦境は放置できないものがあると思います。昨日の日本経済新聞にも、宇都宮の日曜大工用品の専門店ライフの行き詰まりが報道されておりますように、この種あるいはプロの大工道具、はさみ、包丁、かま等といったものをつくっている中小零細メーカー、たとえば私の郷里には、兵庫県ですが、三木、小野市等がございますし、また新潟県三条、燕等、伝統地場産業のそれらはかなり以前から深刻な状況にありますが、さらに販売店とかあるいはこういった中堅、大型の部門までも倒産が波及しているということでございまして、重大な事態と思います。大臣は、これら不況の中小企業の状況をどのように認識し、いかなる対策を講ぜられるお考えか、お聞きいたします。特に国内需要の喚起、輸出振興策等についてお答え願いたいと思います。

志賀学通商産業省生活産業局長

○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、住宅関連の産業が非常な不況に陥っておるということでございますが、私どももそのように認識をいたしております。先生が例としてお引きになりました兵庫県の三木の利器工匠具あるいは手道具製造業関係の中小企業におきましても、昨年の六月以降、非常に景気が低迷しておる、こういう状況でございます。  一般論といたしまして、中小企業の不況に対しましては、地方公共団体におきます体質強化資金制度というのがございます。そういった制度の活用、あるいは中小企業庁におきましていろいろな中小企業関連諸施策を用意しております。たとえば中小企業信用保険法に基づきます不況業種の指定の制度、あるいは、これは労働省の方でございますけれども、雇用保険法の雇用安定事業の適用対象業種の指定の制度、こういった諸制度がございます。  中小企業問題でございますので、中小企業庁におきましていろいろそういった諸制度の活用を図りながら対応をやっているところでございますけれども、私どもといたしましても、この住宅関連の中小企業の不況問題につきまして実情を調査の上、要すればそういった諸施策の適用について検討を進めてまいりたいというふうに存じております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 私は、この問題については、いま御答弁ありましたことは当然進めていただきたいと思うのでございますが、国内需要の喚起、輸出の振興策等について、個々の業種に見合ってもう少しきめ細かく対策をしていただきたい、このように要請をいたします。  次に、エネルギー政策についてお伺いいたします。  わが国の経済活動、国民生活、福祉の基盤をなすものはエネルギーでございまして、その総合安全確保、これはわが国の死活にかかわるものでございます。日本を殺すには刃物は要らぬ、油の三月も断てばいいと言われておるとおりでございまして、わが国経済は非常に脆弱な基盤、エネルギーをほとんど海外から輸入して成り立っておるわけでございます。そこで、このエネルギーの確保につきまして中長期の展望に立った政策が必要だと思われます。  そこで、まず石炭の問題でございますが、先日、夕張新炭鉱のガス突出事故による災害が起きました。とうとい多数の人命が失われ、まことに不幸な出来事でありました。亡くなられました方方に対しまして衷心より哀悼の意を表し、再びこのようなことがあってはならないことでございますし、その家族を含めての救援、その後の対策に政府としては万遺憾なきを期していただきたい、このことを強く要望いたします。  そこで、石炭問題につきましては、国内生産二千万トンの体制を維持できるのかどうか、この問題と、輸入炭につきましては、各国から質のいいものを含めましてかなり海外に依存しておるわけでございますが、各国の事情、政治的な要因もいろいろ複雑に絡んでおりまして、不安定な要素が多いと思われます。中国あるいはオーストラリア等の状況を見ましてもそういう不安がございます。この石炭についてどのような中長期の展望を持っておられるか、政策をどのように考えておられるかということについて、基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 先生御指摘のように、わが国のエネルギー事情というのは非常に脆弱な構造の上に成り立っておりまして、特に石油依存が非常に高い、さらにその石油の中で中東依存が高いということで、脱石油対策を進めることがエネルギー政策の基本でございます。  そういう観点に立ちまして、石油の代替エネルギーの開発、導入ということで、原子力、石炭、LNG、その他いろいろな新エネルギーの開発、導入に積極的に取り組んでおるわけでございますけれども、先ほどお話がございました石炭につきましては、第七次答申ということで、最近、石油との関係で石炭をめぐる環境が非常によくなってまいりましたので、国内炭につきましても、そういう環境改善の中で労使の協力、政府の施策のよろしきを得て現状程度の出炭規模は維持しようということで、さらに今後条件が改善されれば生産の拡大も考える、そういう路線に立った第七次石炭政策答申というものをいただいたわけでございますけれども、そのやさきこういう事故が起きまして、私どもとしては非常に残念に思っておりますけれども、基本的には、国内炭についても今後の環境改善の中で、企業の合理化努力、政府の施策の面の充実、こういうことで七次答申の路線は今後ともその路線に沿って石炭政策を進めていきたいと思っております。  なお、長期的には、国内炭はおのずから限界がありますので、石炭の問題としては輸入炭の開発が必要でございまして、これは単に豪州その他現存の市場だけではなくて、アメリカの西部炭を初めとする各地域の石炭の開発に協力しながら輸入炭の確保を図っていくことが大事でございます。同時に、原子力については、最も安いエネルギー、しかも安定的に供給できるエネルギー源として、今後とも原子力政策についても積極的にその推進を図っていきたいと考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 原子力の関係につきましては、いま御答弁いただいた方向で進めてきておられる。現状からいいまして、安全対策、そしてまた立地する地域住民の理解を十分に得てもっと積極的に各地域でこれを推進しなければ、エネルギーの中長期の見通しからいって原子力に代替し得るエネルギーはないという観点から、相当これに力を入れてやらないと、政府が立てておられる計画にはなかなか達しないのじゃないかということを危惧するわけでございまして、これは積極的に取り組んでいただきたい、このことを要望いたします。  石油についてでございますが、石油の消費の節約はかなり効果をあらわしてきておりまして、最高時二億八千万キロリットル近い消費、今年度は二億四千万キロリットルくらいになるのじゃないかという予想もあるそうでございますが、この消費の節約は限度がございます。もちろん、また石油の購入政策としては、世界の市況を見て、質、価格ともによくにらんで上手な買い方をすることが必要だと思います。  それとあわせまして、石油の安定供給確保という面からやはり備蓄ということが大きな問題だと思います。石油備蓄の現状はどうかということについて、まずお伺いいたします。  その関係におきまして、先日の新聞で報ぜられておりますIEAの構想、これに政府としてはどういうふうに現状を把握しておられるか、日本は政府としてどう対処しようとしているか、このことにも関連して石油備蓄の現状と政策についてお伺いいたします。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、わが国の場合は石油の依存度が非常に高いわけでございますので、石油の安定供給確保を図るためには石油の資源の開発はもちろん必要でございますが、緊急事態に備えまして石油の備蓄を増強するということがどうしても不可欠になってまいります。こういう観点に立ちまして、石油備蓄法を制定いたしまして、それに基づいて、石油企業に対しましては九十日の備蓄義務を課しておりますし、さらにこれを補完する意味で、政府の国家備蓄ということで三千万キロリットルを目標といたしまして、石油公団による備蓄の推進を図っている段階でございます。現在、本年九月末の備蓄水準は、官民合わせて大体百二十一日程度になっております。  民間備蓄でございますけれども、これは昭和五十五年度末九十日備蓄を達成いたしておりまして、今後ともこの水準は維持してまいりたい、かように考えております。  国家備蓄につきましては、すでに十一地点につきまして恒久備蓄基地建設のためのフィージビリティー調査を実施いたしております。すでにむつ小川原地区、苫小牧東部地区、白島地区等については立地を決定して、基地建設を進めておるところでございます。ただ、この基地建設までには相当な時間がかかりますので、現在はそのつなぎの措置といたしまして、タンカーによる備蓄を実施いたしております。本年九月末のタンカー備蓄量は八百六十四万キロリットルということになっております。なお、現在石油需給が非常に緩和しておりますので、こういう時期にこそ国家備蓄を積み増しすべきであるという考え方に立ちまして、今年度もさらに三百五十万キロリットルの国家備蓄の追加の積み増しの準備を行っておる段階でございます。  こういう状況の中で、一方、IEAの場におきましては、先ほど先生から御紹介がございましたように、石油供給削減の事態が起こった場合、特に七%以下のサブクライシスの事態に対応してIEA各国が備蓄を相当準備しなければいかぬという議論が行われておりまして、その一環といたしましてIEA事務局構想として、各国に備蓄の義務を義務づけるという構想があることは聞いております。しかしながら、こういう厳格な措置が果たしていいかどうかという問題がございまして、私どもといたしましては、むしろ各国が、日本が現在やっておりますように自主的に備蓄強化に努める、これが最もいい方策ではないかと考えております。ただ、いずれにしましてもIEAにそういう構想がありますので、今後そういう問題についてはIEAの場を通じて検討してまいりたい、かように考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 石油の国内備蓄の問題でございますが、これはいまお答えがございましたように、国として必要なことであり、石油市場が軟化しているこの段階に行うのが最もいいことだと思います。  政府の国内備蓄の中長期の計画についてお伺いいたします。  ただいまは、いままでの備蓄と今年度の計画をお聞きしたのですが、中長期的にはどの辺まで考えておられるか。先ほどのIEAの関係はまだ事務局構想であって、本格的に各国に示されたものではないということに受け取ってよろしいのですか。それとも二千五百万キロリットルですか、これを各国に配分するような話もありますが、その点をあわせて国としてどのように対応するか、中長期の見通しの上に立って御説明いただきます。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 まず、国家備蓄の今後の長期的な考え方でございますが、これは先ほどもお答え申し上げましたけれども、石油備蓄法に基づく民間備蓄と合わせまして国家備蓄を増強していこうということでございまして、現在は、先ほど申し上げましたように八百六十四万キロリットル、さらに今年度三百五十万キロリットル積み増すということでございますけれども、長期的には国家備蓄基地を設けまして、そこに六十三年度を目標に三千万キロリットルの国家備蓄をいたしたいと考えておるわけでございます。  なお、IEAの国際石油備蓄構想でございますが、これは事務局の案としての段階でございます。ただ、これについては現在IEAの理事会その他の場において備蓄、特にサブクライシス対策の一環ということで、こういう事務局案も当然議題となって、各国で今後議論が行われていくという段階でございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 その関係におきまして、次にお尋ねしたいのでございますが、石炭液化事業費、SRC計画によるもの、これが昨年度と今年度約二百億円予算化されておったのが、これが中止になるのですか、その場合どういうものにこれを充てていかれる考えか、お聞きします。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 SRCIIの計画につきましては、残念ながら中止をせざるを得ない状況になったわけでございます。  ただ、現段階では、その後処理の段階といたしまして、現在までに行われたいろいろな技術情報をどういう形で各国が入手するかという問題がございます。そういう過程で当然最終的な決着がつけられるわけでございまして、現在SRCIIには、先ほど先生が言われましたように、昨年度からの繰り越しを含めて二百億円近い予算措置があるわけでございますが、最終的にどういう額が残るかというのは最終的なSRCII計画の処理との関連で決まってくるわけでございまして、どのぐらい残るかというのはまだ申し上げる段階にはない状況でございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 約二百億円、最終的にはどのくらいになるかわからないとしまして、これを国内石油備蓄の財源に使われるお考えはあるかどうか、お聞きします。

小松国男資源エネルギー庁長官

○小松政府委員 先ほど申し上げましたように、今年度三百五十万キロリットルの備蓄積み増しのためには財源を捻出しなければならないわけでございまして、現在石特会計の中でいろいろと財源ができるかどうか検討しておる段階でございます。その段階で当然、SRCIIの予算についても残余が出てくるとすればそれに充てる可能性は出てまいるものと、かように考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 国内備蓄の場合に民間備蓄と国家備蓄、特に今後は国家備蓄に重点を置いて進めていくというお話でございますが、民間備蓄と国家備蓄のメリット・デメリットについて御説明願いたいと思います。  それからまた、技術的な方法として洋上備蓄と陸上備蓄がありますが、これは現状どうなっておるか、今後の計画はどこに重点を置いてやっていかれるか、お伺いします。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 民間備蓄と国家備蓄につきましては、それぞれメリット・デメリットございますが、私どもといたしましては、基本的には民間備蓄を中心に行いたいということで、国際的な約束でございます九十日の備蓄につきましては民間備蓄を中心にいたしております。しかし、百四十日から百六十日ぐらい国際的には持たれておりますので、九十日を上回る分につきましては、これ以上民間に備蓄義務を課するということにつきましてはいろいろ無理もございますので、九十日を上回るものにつきましては国家備蓄という形で行いたいと思っております。  それから、国家備蓄の形態といたしまして、陸上基地と洋上と地下備蓄、この三つがございます。現在、陸上基地が未完成でございますので、暫定的にタンカーによる備蓄を行っておりますが、これは今年度中に約一千万キロリットルに達すると思われますが、これは暫定的なものと考えております。したがいまして、いずれ恒久的な基地が完成をいたしましたら、このタンカー備蓄から恒久的な基地に移しかえたいと思っております。  それで、この恒久的な基地に三種類ございまして、一つは陸上タンク方式でございますが、これは現在むつ小川原と苫小牧東部におきましてすでに着工されております。  それから、洋上タンク方式につきましては、白島におきましてすでに立地決定をいたして、現在調査中でございますが、来年度以降空着工になるかと思います。そのほか、長崎県の上五島におきましても洋上タンク方式が検討され、現在地元との調整中でございます。  地下備蓄につきましては、四国の菊間におきまして現在実験中でございまして、今年度中には実験の結果がわかると思いますが、現段階では非常に成功裏に実験が行われております。この地下備蓄につきまして、今後三または四地点においてフィージビリティースタディーを行いたいと考えておりますが、具体的な地点につきましては今後検討を進めてまいりたいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 洋上備蓄が国家備蓄としては進んでおる、立地も決定し、来年度建設に入るというお話でございますが、いま挙げられました白島基地、これは一基——一基といいますか、その基地全体でどれぐらいの建設費がかかりますか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 現在考えておりますのは、千七百億円程度の工事費がかかるのじゃないかと思いますが、今後具体的に調査を進める段階でより確定してくると考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 その千七百億円の工事費等の中には、漁業従事者に対する補償は入っておりますか。どれくらいですか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 漁業補償費は四十八億円を予定いたしております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 こういった国家政策、エネルギー政策のために、古来からやってこられた漁業を投げ捨てて協力をしていただくこの方々に対して、これは十分な補償であるとお考えですか。これはもうすでに払われておりますか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 漁業補償につきましては、公共事業などの例にならいまして算定をいたしておりますが、いま申し上げました四十八億円につきましてはすでに支払い済みでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 この建設の方式でございますが、石油公団が主体になってやると思うのですけれども、第三セクター方式で進めておるというのですが、これを具体的に御説明いただきます。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 本年六月に白島石油備蓄株式会社を設立いたしまして、この会社によりまして基地建設とその後の管理が行われるというシステムになっております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 これは非常に重要なプロジェクトで凝り、また非常に大きな国家支出を伴うものでございます。  そこで、この建設に当たっての入札の方法でございますが、御承知のとおり、行革にも絡みまして公正取引委員会は、公共事業などを中心とした入札、この中で業界の話し合いによる談合が日立つといたしまして、今後最重点に解明し、摘発を行うという方針を明らかにしております。  そこで、この白島国家備蓄基地の建設についてとかくのうわさが流れております。手元にも持っておりますが、地元の新聞には大きく出ております。こういった大きな国家事業、そして国民の血税を使って建設するものでございますが、これについてとかくのうわさがあるようでは、これは大変な問題だと思います。これについてどのように把握をしておられますか、お伺いします。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○野々内政府委員 福岡の県議会におきまして、この工事の問題につきまして議論が行われたということは、地元の新聞で承知いたしております。石油公団を通じまして県の方に照会をいたしましたところ、県側において答弁をしたとおりの回答が返ってきております。この工事、具体的には来年度以降の着工でございますので、まだ契約の方式等については決定されておりませんので、今後一般の公共事業と同様に公正な方法で工事の契約が行われるということを期待いたしております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 これは非常に言いにくいことでもありますけれども、この問題をめぐりまして、詳しく御存じだと思うのですが、特に田中通産大臣の地元の福岡県でのことでございますし、使途不明金があるといううわさが流れております。その辺をどのように把握しておられるか。その使途不明金を回収するために云々という話があります。これが政治の面に流れているのじゃないか、そういう疑念が生まれておるようであります。ある政党の複数の閣僚経験者あるいはその秘書の関係もうわさされております。国際不動産投資という会社は御存じでございますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 白島の基地が私の選挙区であるためにいま私の名前も出ましたけれども、私は、実はそういうことはせんだって新聞を向こうから送ってきて知りまして、きょうも石油部長からそういうような質問があるようだがということを聞きまして、私の関知しないところでございますが、そういう不正なことがもしも行われておるとするならば、私どもは、公正な手続で公正な入札をやらなくてはいけませんし、そういう点は私は厳重に石油公団にも言い渡さなければなりませんし、今後そういうことのないように努めたいと思います。  それから、いま御指摘の何とかという会社でございますが、そういうことも実はいま初めて塩田委員から聞くことでございまして、時間の余裕がございますならば、そういうことを十分調べた上でまたお知らせしたいと思います。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 まだ把握をしておられないということでございますので、これはひとつ十分に究明をしていただきたい。そして、公正な公開入札が行われることを、ぜひともお約束願いたいと思います。使途不明金がどうだとかあるいはこれを回収するためにどうだとかいったうわさが出、しかも千七百億円といった大きな工事でございます。しかも、個々の名前を言ってもあれですけれども、地元の不動産会社も動いておるし、中央の間組とか飛島建設とか、そういった名前の会社がうわさに出てくるということは非常に不明朗でございます。しかも、それが政治絡みだということは非常に国民の疑惑を招くものでございますし、絶対にそういった不明朗なうわさが流れないように十分に調査をして、本当に国民の前に公正な公開入札をやってもらいたい。とかくのうわさがあるような業者を指名することはなお一層疑惑を大きくしますので、そういったものを外されてはどうかと思いますが、この点につきまして最後に田中通産大臣の御決意をお聞きしまして、質問を終わります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 先ほども申しましたように、私ども、国家備蓄ということは国家至上命題でございまして、そういう基地をつくるのに不正があってはならないと思います。特に、まだ入札もしない前にそういう一部建設業者の名前などが出ておるごとも不見識でございますし、そういう不動産会社を暗躍させるようなことも現実にはないのじゃないか。それがうわさであるということを願っておりますし、先ほども申しましたように、もしもそういうことが事実とするならば、公団を通じてあるいは私どもみずからでも十分究明した上、不正のないりっぱな備蓄基地を建設したいというふうに思います。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 小林政子君。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 まず最初に、夕張新鉱の事故の問題について、二十一日に会社側が注水の方針を決めたと伝えられておりますが、被災者の家族の方々のお気持ちを思うときに、私は本当にお気の毒だと思っております。  十九日の行特委で共産党の三谷委員の質問に通産大臣は、人命尊重の立場から生存の可能性を追求していくという態度であるということをおっしゃっておりましたけれども、前回十七日にも会社は注水の方針というのを決めたわけです。人命軽視もはなはだしいという批判が起こりまして、これは撤回をいたしましたけれども、その時点で通産省はこれに同意を与えていたのかどうなのか、まずその点をお伺いいたします。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 その時点におきましては私は現地本部に入っておりまして、具体的にその状況を承知いたしておりますが、現地の札幌監督局長に会社からその趣旨の話がございまして、現地の監督局長並びに管理官は、なぜ生存者が絶望であると考えられるのか、坑内の状況に関してどのようなデータからそのような判断をするに至ったのかの資料の提出と説明を求める、こういう要請をいたしましたが、会社側は家族の同意が得られなかった、こういうことで注水の考え方を撤回いたしましたので、その後、むしろ坑内のガス状況等を視察しながら、探検隊を送り込みつつ坑内の状況を把握して別途の手を打つという方法に会社側の救助対策が変わっていったわけでございます。したがいまして、当地の監督局におきましては、その救助活動についてウォッチすると同時に、適切な指示を行ってまいった次第でございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 会社側にとってこのような重大な決定をするわけでございますから、通産省に何らかの相談があったのではないかということは当然のことではないかと私は思いますし、その責任の半分は通産省にあるのではないか、このようにも思います。  今回、二十一日のこの注水方針について、通産省は、先ほどお話がございました生存の可能性などについてどんな点をつかんでいたのか、どんな作業、どんな検討の上に立って判断を立てたのか、この点をまずお伺いをいたしたいと思います。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○神谷政府委員 坑内におきます火災の状況、これは火災が第二次災害として発生いたしました際、現地に近いところでこれを目撃して退避した救助隊の検分、それから、その後、坑外において観測しておりますガスの変化に応じての火災の状況の推察、さらに、数え方にもよりますけれども、計四次にわたり救助隊が火災現場に極力安全性を確保しつつ接近して収集したデータ、さらには、密閉後のガスの状況等をベースにいたしまして、鉱山関係の専門家並びに札幌地区の多数の医師の意見等を聴取いたしておりました。会社側におきましても同様、専門家の意見等を聴取し、それらの状況をまとめ、注水計画と同時に、それらの考え方並びに家族の同意書を添付して私ども監督局に提出し、見解を求めてきたわけでございますが、私どもといたしましては、それらのデータを総合し、さらに、最終的に再度全体を総合的に判断した上で、鉱山保安法に基づく注水に関しての中止命令を出さない、こういう判断を固め、このため会社側が本日午後から注水を開始した、こういう状況でございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いろいろと言われておりますけれども、この注水の方針は、生産優先の立場から既定方針だったのではないかというようなことも早くから言われておりました。十七日の件といい、今回の件といい、そう思われても仕方がないのではないか、このようにも思っております。  次に私がお伺いしたいのは、夕張市の地元商店街の問題でございますが、今回の事故で全く町全体が火が消えたような状況に陥っています。商店街に対して緊急に何らかの措置をおとりになる意思があるかどうか、また、ぜひこれはとるべきではないか、こういう立場から手を打ってもらいたい。私は、通産大臣にお答えをいただきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○福川政府委員 先生御指摘のように、この夕張市という町は、夕張新炭鉱に大きく依存をいたしておるわけでございます。約四万人の人口の中で夕張炭鉱の従業員が約二千五百数十名、それに御家族を含め、また関連下請企業等を含めますと、かなりの部分この北炭の夕張がウエートを占めておるわけでございます。  それで、現在はまだ罹災者の救出、二次災害の防止ということに全力を挙げて取り組んでおりますが、この事故によりましてその操業が停止している時期が続くということになりますと、先生の御指摘のように、地元経済への影響というのは当然出てまいることが予想されるわけでございます。どの程度の影響があらわれてくるか、現時点で予測判断することは非常にむずかしいとは思いますが、私どももいま地元通産局を通じまして、地元経済の動向の把握に努めまして、地方公共団体とも緊密な連絡をとりつつ、また諸団体あるいは諸機関とも連絡をとって所要の対策を検討し、私どもも、その点については十分な配慮を払って、なおかつ細心の注意をもって必要な対策を講じていくように準備をいたしたいと思っております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いま御答弁がございましたけれども、やはりこの問題については早急に手を打つべきだということについて、通産大臣に一言お答えをいただきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 御意見を十分踏まえて、会社側、労組の方々とも相談し、私どもも、でき得ることならば市当局と、あるいは市会議員の方々なども上京したりいろいろしておりますので、御相談を受けて、町が火の消えたようなことから少しでも救われる御助言はしたいと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私は、大臣はちょっと勘違いされて御答弁されたのかなとも思います。地元の商店街が火が消えたような状況でございます、何らかの手をつける必要があるのではないかということを申し上げたので、この点については御了解をいただきたいと思いますし、いいお返事もちょうだいをいたしたいと思いますけれども、いかがでしょう。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 まあ、いい返事をいただきたいと言いましても、いま私がどういう返事をしたらいい返事なのか……(小林(政)委員「やらないということですか」と呼ぶ)いや、そういうふうにすぐ、端的にやるとか、私がそう言うことはあれでしょうけれども、町が一日も早く明るくなって活気を呈するようなことを、いろいろなことで私どもができ得るようなことは一生懸命やらさしていただきたいと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 時間の関係で次に入ります。  通産省は、去る十月六日に、大型店問題に対処するための方針を打ち出しました。当面の対策として、年内大型店の出店自粛という事実上の、これは実質的な凍結、あるいは出店調整の制度のあり方及び運用の改善について、この問題について大型店問題懇談会を設置されたり、何らかの具体的な対策をお立てになっておりますけれども、今日の大型店の出店ラッシュを招いた真の原因といいますか、また中小小売商の経営の実態、こういうものについて具体的にどのような見解をお持ちになっていらっしゃるのか、まず第一にお伺いをいたしたいと思います。

植田守昭通商産業大臣房審議官

○植田政府委員 最近の大型店の届け出状況を見ますと、五十四年度に、第一種で申しまして五百七十六件というピークになりまして、以後、五十五年が三百七十一件、それから本年は上期で百六十七件ということで、届け出の件数そのものは、五十四年をピークといたしまして減少しているという状況ではございます。しかしながら、たとえば地域的に非常にラッシュするとか、そういった問題もいろいろ出ていることは事実でございます。  お尋ねの、なぜこういうふうにラッシュしたかということでございますが、この数字を見ましても五十四年ごろからピークになっているわけでございますが、基本的にはやはり消費者のニーズがあったということが基本にあると考えます。そして、そういった実情を踏まえまして、企業がチェーンオペレーションということで、たとえば大量仕入れとかいうふうなことで合理化を図っていこうということで展開があったものと考えられますが、ただいま申しましたようにかなりの数が出ておりますし、それからまた、最近減少傾向にはあるというものの、特に地域によりましていわゆるラッシュするというふうな現象もございますので、こういったことにつきまして私どもも、より適正な調整の仕方というものを打ち出したいということから、先ほど御指摘のございました懇談会の設置というふうなことで現在検討中ということでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私が調査をいたしましたところ、四十九年三月大店法が施行されましてから五十六年九月までのこの七年間に、第一種の三条届け出が出たものが二千六百十八店になります。そのうち四二・五%、約半数近くが、数では千百十四店舗が大店法改正後の二年余の間に出店をしている、こういうことが明らかになりました。  また最近の状況は、以前の二倍のテンポで進出が行われているということもはっきりと数字の上であらわれておりますし、また店舗面積の比較からしても、四十九年の大店法施行後から今日までの七年間に、小売商の店舗面積の伸びというのは約三〇%、大型店の面積の伸びはこの七年間に七〇%、約二倍以上ということになっております。さらに、総理府の出しております家計調査の統計資料で見ますと、四十九年から五十四年までの五年間に消費購買力の伸びは約一〇%と言われておりますし、こういう点から指標をずっと見てまいりますと、こうした長期の不況、あるいは大資本の圧迫、過当競争での売り上げの不振、収益が大きく落ち込む、あるいは倒産すら続出をしているというのがいまの現状だと思います。  私は、今回のこうした事態を招いた真の原因というのは、五十三年十月の大店法の改正によって引き起こされた結果ではないか、この感を強くいたしておりますけれども、いかがですか。

植田守昭通商産業大臣房審議官

○植田政府委員 大規模店舗につきましては、その周囲に対する影響というものがございますので、そういったことからこれを小売商との関係を調整する。もちろんその場合に、法律のたてまえといたしまして、消費者のことも考えながら調整するということでございます。全く自由の原則にそのまま放任いたしますと、やはり大規模店舗が出まして周囲の小売商に影響を及ぼすだろうということから、大規模店舗法を御審議願いましてそれを制定し、さらにまたその後の実情を踏んまえまして改正を行ったという状況でございまして、私どもは、こういった法律の改正により、またその運用によりまして、できるだけ摩擦を少なくしていくということに努めてきたつもりでございまして、法律の改正によってそれが問題を引き起こしたという御指摘でございますが、その点は私どもといたしましては、できるだけその摩擦を解消する方向で努力してきた。ただ先ほども申しましたように、特に地域にもよりますから一概には言えないのでございますが、非常にラッシュするとかそういったこともございまして摩擦が起こっていることは事実でございまして、そういった実情をまたよく見ながら、いま次のステップを考えているというのが現在の状況でございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 現行の大店法は、これは届け出をすれば出店ができるという法体系になっております。地元の商店街が商調協で話し合いをして、これを法的に禁止をするということはできませんね。五条で店舗面積を少し小さくするとか、開店日をおくらせるとか、あるいはまた閉店時間とか休業日数とか、そういうことの手直しは調整の中でできますけれども、結局は現行法というのはスーパーの進出を認めることを原則として、調整法にすぎない、このように私は思っております。  こうした観点から、いま各自治体や商工団体、あるいはまた全国的にも凍結宣言というようなものもずっと広がってきている。これはやはりスーパーの進出を認めることを原則とした大店法ということでは今日のこの深刻なラッシュを解決していくことはできない、凍結宣言だ、こういうことでやられているのではないかと思いますけれども、いかがですか。

植田守昭通商産業大臣房審議官

○植田政府委員 御案内のように、現在の制度は届け出制によりましてそれを調整するという仕組みになっております。このことは、消費生活の多様化とかそういったものに対する対応、あるいはまた流通の合理化等々の見地から、営業の自由活動を原則といたしまして、ただ、先ほど申しましたように行き過ぎた場合の摩擦とかそういったものを調整する、そういう仕組みになっているわけでございます。  お尋ねは、あるいは許可制ということにしなければ問題が解決しないのではないかというお尋ねかと思いますが、許可制の場合はいわゆる出店を原則禁止ということで、一定の条件のもとにこれを解除していくということになろうかと思いますが、現在の仕組みは、やはり経済のバイタリティーを維持しつつ一方で摩擦をできるだけ防いでいく、こういう考え方に立っているものと理解しております。また、許可制にした場合にも当然その運用の基準等が問題になろうかと思いますが、私どもといたしましては、いまの制度の改善等をさらに考えるべき点はあろうと思いますので、いま大型店問題懇談会におきまして、この御要望のある許可制の問題も当然討議の対象となりますが、ここでいろいろと検討を行いまして、さらにこの問題に対する対応策を考えていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 これは最近の具体的な事例ですけれども、大型小売店の出店のやり方というのは本当にひどいものだと思いました。  たとえばナスコというのが葛飾の柴又に進出を計画してくるというようなことでございましたけれども、これは五十六年七月十八日、ナスコの開発部長が葛飾区の経済課へ参りまして、出店の予定があるのであいさつに来ました。その際、区側はナスコに対して、出店を計画されている場所はすでに葛飾区議会がダイエーの凍結宣言を行った地域でございますので、それは検討をした方がよろしいということを申し上げたわけです。ところが三日後のことしの七月二十一日に、ナスコは東京都や商工会議所やあるいは関係の町内会、自治会、こういうところへ全部、ごあいさつという名目で一斉に出店計画書を配布いたしました。この出店計画書は、所定の建物の延べ面積から店舗面積、商圏から売上予定額もきちんと入って、開店日は五十七年九月と記されているものでございます。  この問題をめぐって葛飾の地元は大混乱を起こしました。そして直ちに区議会に対して要請書が出されたり、あるいはまた反対協議会が早速集まりを持って、そして大会を開くというようなことも行われたようでございます。こうした大きな資本を持っている大企業が、地元との話し合いも十分やらないままこういうことをやるということに対しては、実際これは地元でもみんな大憤慨をしています。  私は、さっきおっしゃったように、こういう問題も出てきているので、こうした問題の解決は、やはり届け出制などということではむずかしいのではないか。何といっても資本力の大きな力を持っている小売大資本、これに対して民主的な規制、経済的な規制を行う、これは調整とも言うでしょう、民主的な規制とも言いますね。こういうことをやらなければ、真に消費者からも喜ばれたり——あるいは大型店だとか量販店、こういうものについては消費者の要求なども正しくくみ入れて、そして横暴は絶対許さない、こういう本当に小売商業の正常な、均衡のある発展を町の中に起こしていくためには、これはどうしても許可制以外にはないんじゃないか、届け出制だけではこういうことはむずかしい。私たちは五十三年の大店法の改正に対しても、自治体権限による許可制を主張して、今日の状況は許可制でなければもはや解決できないと、一層その感を深くいたしておりますが、この点についてもう一遍御答弁をいただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣房審議官

○植田政府委員 先ほど申しましたように、現在懇談会におきまして制度のあり方を御検討いただいているところでございますが、お尋ねの許可制につきましても当然御審議いただくことになっております。ただ、許可制につきましては、先ほどもちょっと申しましたが、やはり経済のバイタリティーとかそういった見地からいたしまして、その辺の問題を十分慎重に審議した上で決定さるべき非常に大きな問題であろうかと思います。そういう問題を含んでいる事項といたしまして慎重に扱う必要があろうかと思いますが、懇談会の審議等がこれから行われますので、私どももこの点をどうとらえるかということにつきましては、さらに慎重に考えていきたいと思っております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 大臣に一点お伺いしますけれども、いま開かれております大店懇、大型店舗についての懇談会、これが年内に結論を出すということが発表されておりますが、こういう問題が、結論が年内にまとまらなかったという場合に、あるいはまたいろいろな意見が出まして、法改正をやらなければだめだなどというような意見にまで発展をすることも予想されるわけです。そういう場合には、現在年内自粛という措置をとっていますけれども、これを、結論が出ない以上は延長をすべきではないかと思いますが、その点だけ大臣にお答えいただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣房審議官

○植田政府委員 ちょっと事務的な点もございますので、まず私からお答えさせていただきます。  懇談会は、十二月までにまとめることを目途にいま行っておりまして、何とかその間にまとめたいというふうに私どもは思っております。いまの自粛措置がそれまでの問題でございますので、この自粛措置は十二月までということになっております。それ以降のことにつきましては、この懇談会で十二月までにまとめた結果を踏まえて考えることになりますので、いまの段階で、これがまとまらなかったら延長するというふうな前提で物を考えるということはいたしておりません。私どもといたしましては、何とか十二月までにこの結論をまとめまして、その段階でそれに従った次の手を考えたいというふうに思っておるわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いまの答弁は——私どもも年内にまとめてということを十分承知の上で言っているのですよ。まとまらなかったらどうするんだ、こう言っているのですよ、そういう角度から申し上げたんで。  時間がなくなってまいりましたので、私は、最後に一点だけお伺いいたしたいと思います。  これは吉野石膏の問題でございます。ここの会社は、私、この前も取り上げましたけれども、五十四年十二月十八日に石膏ボード工業会が独禁法違反のやみカルテル、これを決定して、五十六年五月十三日に公正取引委員会が審決を出されまして、そしてその後七月二十日には吉野石膏に一億六千六百七十七万円の課徴金の納付が命令をされました。この審決を受けている春野石膏は、四十八年の四月にも公取から石膏ボードの組合としてのやみカルテルということで、今回で二回目ということになるわけです。  さらに同社は、不当労働行為を続け、中央労働委員会に指摘されて改善命令が出されているにもかかわらず、これを実行に移そうともしていないという本当にひどい会社なんです。  具体的に私が一つだけお伺いをいたしたいのは、そこで働いている、これは読売新聞にも出ておりましたのでお気づきになっている方もあると思いますけれども、吉野石膏で二十年間も働いてきた渡辺富男さんという四十五歳の働き盛りの人が、労災の認定をしてほしいと上司に言ったところが、あなたはそれはできませんよということで、実際は腰痛症になって、職場の上司が労災の扱いを拒んだために悩んで、入院したり退院したりを繰り返しながら自殺に追い込まれたものでございます。本当にお気の毒だと私は思います。いま奥さんが働いて、高校生と中学生の子供を抱え苦しい毎日を送っています。同社では、労働災害が出ても労災扱いはしない例がまだまだ相当数あると言われています。  この点について労働省にも、労災を申請する本人の権利まで否認して抑えつけるようなことは、労働基準法の精神に照らしても問題ではないかということと、通産大臣、ボード業界の中でどんどんシェアをふやしている吉野石膏、近く千葉工場が繰業されますと吉野のシェアは七〇%にもなるであろう、こういうことが業界でもささやかれておりますけれども、やみカルテルを繰り返したり、職場の中では労働者いじめをするようなこういう会社が、今後業界の中で一社だけが、他社はつぶして、あるいはつぶれて吸収合併をしたりしながら、シェアを七〇%にもしていくというようなことが、産業政策の上から見ても好ましいということが言えるのかどうなのか。この二点について御答弁をお願いいたしたいと思います。

志賀学通商産業省生活産業局長

○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  石こうボードと申しますのは、先生よく御承知のように、建築資材として重要なものでございます。吉野石膏と申しますのは、日本におきます石こうボード産業の草分け的な企業でございます。そういうこともございまして、技術力等において業界の中で有力な企業でございます。先生からいま、生産シェアのお話がございました。数字で申しますと、五十五年で大体五六%ぐらいのシェアでございます。これは、吉野グループとしてとらまえますと大体五六%ぐらいということでございます。確かにシェアがかなり高いわけでございます。  ただ、この石こうボード自身、ほかの合板であるとかあるいは窯業系の建材との競合、ほかの同じような建築資材との激しい競合関係にさらされているわけでございまして、そういう面から申しますと、この吉野石膏グループのシェアが高いということだけをもって、産業政策上問題があるというふうにはなかなか判断しがたいというふうに思います。  ただ、会社運営に際しまして独禁法に反するとか、あるいはこれは労働省の問題でございますけれども、労働基準法に抵触するとか、そういうようなことはあってはならないわけでございまして、確かに先生から御指摘がございましたようなそういう事件がございました。私どもとしても、業界に対してそういうことがないように、独禁法に反することがないように厳重に指導をしてまいりたいというふうに思っております。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○岡部説明員 ただいま先生御指摘の渡辺さんの件につきましては、非常に痛ましい事故でございましたが、これは五十五年七月に腰痛の訴えがございました。それから病院において診断が繰り返されまして、結局、これは相当以前に出た椎間板ヘルニアということで労災事故とは判断できないというふうなことから、これにつきましては健康保険組合の治療ということで処理されたわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、この労災の申請といいますのは本人請求が基本でございますので、御本人が会社側からの書類といいますか証明を受けられないということを苦にしておられたといたしますれば、これはたとえば労働基準監督署に御相談をいただくとかいうことで十分な処理ができたのではないかという点からも、残念な思いがするところでございます。  なお、先生がお示しのこの吉野石膏の安全衛生の確保という問題でございますが、これは本年、同社の労働組合から所轄監督署に対しまして、労災隠しがあるのではないか等々の申し入れがなされたところでございます。これに対しまして、所轄署におきましては臨検監督を実施いたしまして、安全衛生関係で労災隠しというふうな法違反というものは認められなかったわけでございますが、しかしながら、労災隠し等々の問題があってはならないことは言うまでもないことでございますので、このような問題につきましては今後機会をとらえまして、さらに十分な監督指導を行ってまいりたいというふうに考えるところでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗