社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/11/05
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、老人保健法案を議題といたします。 本日は、参考人として、全国市長会国民健康保険対策特別委員会委員長羽藤栄市君、健康保険組合連合会専務理事廣瀬治郎君、高崎市医師会顧問村田謙二君及び国民健康保険中央会理事長首尾木一君、以上四名の方々に御出席を願っております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席いただき、まことにありがとうございました。どうぞ老人保健法案についてそれぞれのお立場から率直な御意見を賜りますようお願いいたします。 議事の順序は、まず参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得られるようお願い申し上げます。 また、参考人から委員に対して質疑することはできないことになっていますので、さよう御了承願います。 それでは、羽藤参考人から御意見をお述べいただきたいと存じます。羽藤参考人。
○羽藤参考人 ただいま御紹介をいただきました全国市長会国民健康保険対策特別委員会委員長をいたしております今治市長の羽藤栄市でございます。 衆議院社会労働委員会の諸先生方には、日ごろから社会福祉行政の諸問題につきましては格段の御配慮、御尽力をいただいておりますことを厚く御礼申し上げます。 本日は、老人保健法案につきまして全国市長会を代表いたしまして意見を開陳できる機会をいただきましたので、地方の第一線で直接都市行財政に携わっておる者の立場から若干の意見を陳述したいと思うわけであります。 市町村は、住民の福祉の増進を第一の行政課題として、住民と直接に触れ合う第一線にあって行政を行っておるわけでありまするが、種々の住民福祉施策の中でも、これまで社会に貢献されてきた老人の健康をどのように守っていくかという問題は、今後の高齢化社会を迎える上で最も重要な問題だと考えております。このような観点から、全国市長会としては、従来より老人の医療保障制度の創設を要望してきたものでありまするが、多数の関係者の利害が錯綜する問題でもあり、今日まで実現することがなかったわけでございます。今回政府が老人保健法案を提案され、予防から治療、リハビリテーションに至る一貫した保健サービスを総合的に実施するとともに、それに必要な費用は国民すべてが公平に負担するという制度を創設し、高齢化社会に対応する老人保健医療対策の基盤を確立しようとされたことに大きな賛意を表するとともに、高く評価するものであります。 御案内のとおり、現行の老人医療費支給制度は昭和四十八年に創設されたものであり、この制度は、老人の受療機会の確保という点できわめて有意義なものがあったと思うのであります。老人医療費は年々増高を続け、市町村財政に与える影響にも大きなものがあります。これを全国の国民健康保険で見ますると、五十四年度において老人の加入率が八・五%、老人医療費の割合が約三〇%に達しております。特に西日本におきましては三五%を超える状況にあることは御案内のとおりでございます。 もともと低所得者が多く、保険料に事業主負担がないという、財政基盤の弱い市町村国保にとっては老人医療費の圧迫は大きく、その運営に危機的な状況をもたらしていると言っても過言でありません。特に毎年三月の当初市町村議会におきましては、国民健康保険税また料の毎年の値上げのために理事者と市町村議会が大いに対立する状況にございまして、この調整には全国の市町村長が至って頭を痛めている問題でありますことは、御案内のとおりと思うわけでございます。 人口の高齢化に伴って、このような老人医療費の増高は今後とも著しいことが予想され、安定成長下にあって、そのための財源をどのように確保していくかは全国民的な課題となるわけですが、その場合に負担の不均衡を放置していては財源の安定的確保は困難であろうと考えます。このような観点に立つと、老人保健法案により老人医療費について公的責任を明らかにしつつ、保険者間の負担の不均衡を是正することは国民健康保険財政の健全化に資するものと、高く評価したいと考えております。 したがって、老人保健法案を一日も早く成立させ、明年十月から必ず実施に移していただくことを強く要望するものであります。 老人保健法案は、すでに申し上げましたように、高齢化社会に対応する施策を講ずる点において高く評価されるものでありまするが、事業が円滑に実施されるのでなければ、絵にかいたもちにすぎないのであります。この点から実施体制の整備を図ることが最も重要な課題であると考えます。 老人保健法案の最大の眼目は、医療以外の保健事業、いわゆるヘルス事業の積極的な拡大にあると考えております。全国市長会としては、従来より老人医療問題については、単なる財政対策のみならず、来るべき高齢化社会を展望して、予防からリハビリを一貫して行う総合的な対策の必要性を要望しておりまするが、今回の老人保健法案において、このような趣旨を踏まえたヘルス事業が大きく位置づけられておるということを高く評価するものであり、実施主体である市町村としてもヘルス事業の積極的な展開を図る考えでございます。この実施主体は、直接国民または市町村民と接触する市町村長がぜひ実施主体になることが必要だと強く要望するものであります。 ヘルス事業につきましては、予防を重視した諸活動に住民ぐるみで取り組み、脳卒中の発生予防等において著しい成果を上げている市町村が少なくありません。またそのような市町村においては、長期的には老人医療費を中心とする医療費が隣接の市町村に比べて低くなっているという注目すべき報告も出ております。 今回の老人保健法案は、ヘルス事業の拡大によりこのような先進的な市町村の活動を全国的に広げていこうというものであると考えます。私が市長をいたしております四国の今治市においても、今年度国の補助を受け、市町村保健センターを設置したところでございます。今後、この施設を中心に新しいヘルス事業に取り組み、健康で明るい老後を送ることができる町づくりを進めていきたいと考えております。 しかしながら、全国的に見ればヘルス事業はまだまだ十分な実施体制ができておるとは言えません。本制度のヘルス事業は四十歳以上を対象としており、その数は全国で四千万人を超えると考えられます。このような大事業を円滑に行うためには、実施主体である市町村の主体的な取り組みが重要であることはもちろんでございまするが、国としても次の点について十分な配慮を願うように要望したいと思います。 第一は、保健事業の中心となる保健婦の確保が現在では十分でないという点です。厚生省では五カ年計画で八千人の増員を図りたいと言っておられまするが、そのような増員ができるよう十分な財源を確保していただきたい。また、保健婦が未設置の市町村も全国には四百六十ほどあると聞いておりまするが、離島、僻地を抱える市町村にとっては保健婦の確保は非常にむずかしい現状となっておりますので、このような点についても十分配慮が願いたいと考えるわけであります。 また、ヘルス事業の実施の拠点となる市町村保健センターや検診車等の施設面の整備についても、十分な補助を行ってその充実が図られますよう配慮していただきたいのであります。 第二は、保健所の機能強化であります。市町村には保健婦の未設置市町村もある等、実施体制には大きな問題があり、全国的な実施が期待できません。そのためにも、実施主体である市町村の整備とあわせて保健所の機能を強化し、市町村を支援する体制をとっていただきたいと考えるわけであります。 第三は、検診事業等の補助単価が従来十分に措置されていない点であります。ヘルス事業を本当に充実していくためには、この点について十分な財源措置をとっていただき、地方に超過負担が生ずることのないように御配慮を願いたいと考えるわけであります。 なお、本制度の実施時期である明年十月を目途にして、実施主体である市町村は各般の準備作業を鋭意進めることになりまするが、このような制度を実施するためには相当の準備期間が必要となることはもちろん御承知のことでございまするが、この点からも法案の早期成立を重ねて御要望申し上げたいと思うわけであります。 なお、老人保健制度に対する国保の拠出金については、従来の国庫負担の水準を基準として政令により補助することになっておりまするが、その場合、現行の水準は確保されるよう要望いたしたいと存じます。老人保健法により老人加入率の格差が調整され国保財政の健全化が図られますが、現行補助が削られてはその効果もなくなってしまいますので、従来どおりの国庫補助を強く要望するものであります。 以上、老人保健法案についての所見を述べさせていただきました。この法案は、高齢化社会に対応する老人保健医療対策を推進するためにはぜひとも必要なものであると私も基本的に賛成するものでありますが、実施主体の立場から、実施に当たる上で幾つかの要望をさせていただきました。 現在、国家財政については財政再建の努力が進められており、行政改革は政府の最大の課題ともなっております。地方財政においても、財政の立て直し、行政改革は必須の要請であり、市町村それぞれの努力が重ねられていることは御承知のとおりであります。このような状況にあって、老人保健事業を積極的に推進さすための財源やマンパワーを十分に確保することはきわめて厳しいものがあります。しかしながら、高齢化社会に対応するための対策は緊急かつ着実に進めていかなければなりません。国としての十分な御配慮を要望するとともに、本法案の早期成立を再度御要望いたして陳述を終わりたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)
○山下委員長 次に、廣瀬参考人。
○廣瀬参考人 ただいま御紹介をいただきました健康保険組合連合会の専務理事をしております廣瀬でございます。現在、当委員会におきまして審議されております老人保健法案につきまして意見を申し述べる機会を与えていただきましたことにつきまして、まずもって厚く御礼を申し上げます。 この法案の目的とするところは、従来の治療偏重を正し、予防から機能訓練に至る一貫した保健サービスに重点を置こうということでございまして、そのねらいは大いに評価してよいと考えております。 しかしながら、この保健事業の主たる内容である健康相談、健康診査あるいは機能訓練、訪問指導等につきまして、これを真に実効あらしめるためには、これらの事業の実施に必要な要員の確保や施設の整備が必要であると思います。特に、現在不足している保健婦、OT、PTなどの養成、確保が必要であり、また、欧米諸国で非常に奨励されておりますナーシングホームやデーケア施設などいわゆる中間施設を整備することもきわめて重要であると考えます。これらの対策が十分でないと、この法案のねらいとするところの保健事業は単に言葉だけに終わってしまうおそれがあると考えます。 次に、支払い方式の問題でございますが、老人の病気の特性としまして、一般に病気にかかりやすく、一人で多くの病気を持っていること、長期慢性化する病気が多いこと、生理的な老化も加わって機能障害を起こしやすいと言われております。こうした特性を持った老人につきましては、特に平素から日常生活、たとえば食事や運動、休養などの日常生活全般にわたっての指導がきわめて重要であると考えます。 そのためには、かかりつけの医者、いわゆる家庭医を持つことが大切です。家庭医は、その老人の病歴や体質、家庭の事情までよく知っていて、その老人に最も適した生活指導や治療をすることができるでしょう。そしてそのような家庭医に対しては、それに見合った報酬を支払うようにすべきであると考えます。 現在のいわゆる出来高払い方式は、それ自体多くの長所があり、社会保険の普及、発展に大きな貢献をしてきたことは事実でございますが、この方式は、ややもすればいわゆる薬づけ、検査づけなど過剰診療に流れやすいという欠点を持っており、また治療中心であって、老人の特性に見合った生活指導をし、予防と治療を一体的に行うということについての支払い方式としては適当ではないと考えます。 しからばどうすればよいかということになりますと、なかなかむずかしい問題でございますが、一つの方式として、イギリスで行われております登録人頭請負方式がございます。この方式ですと、ホームドクターは生活指導や疾病予防に力を入れることになるという長所がありますが、一面、病人に対して粗診粗療になりがちになると言われております。それを防ぐために、イギリスでは住民は年一回自由に登録医をかえることができるようにしております。また家庭医の報酬は、人頭割報酬のほか、時間外加算、公衆衛生サービス手当、あるいは非登録者の救急診療手当等、出来高払い的要素も加味しております。 またデンマークの家庭医は、登録人頭請負方式と出来高払い方式をほぼ半々のウエートで併用して報酬を支払うことにしております。これは二つの支払い方式の欠点を相補う非常にうまく考えた方式だと思います。 このような方式をわが国でも取り入れるべきだと考えますが、そのためには家庭医の整備など計画的に条件を整える必要があると思います。 したがって、このような方式がいま直ちに実施できないとすれば、現在の出来高払い制度を維持するとしても、その欠点を是正するためにその医療費総額を規制するという方法が考えられます。 御承知のように西ドイツでは一九七七年に疾病保険費用抑制法を制定しました。これは医療費の総額を賃金、物価など経済動向に見合ったものとしようというものでございます。わが国では一点単価が現在十円と決められておりますが、毎年出来高払いによる医療費の総額とあらかじめ設定された医療費総額とを見比べて単価を変更して調整するという方法が考えられます。このような方法は実際にはいろいろ技術的な問題があるとは思いますが、この方法をとれば医療関係者の内部でいわゆる乱診乱療のチェックを行うことになり、いわゆる自浄機能が確立されまして、出来高払いの欠点が是正され、医療費の適正な活用が期待されると考えております。老人審議会では、各種の支払い方式の検討とあわせて、このような医療費の総額の抑制という問題も審議することはきわめて重要であろうと思います。 厚生大臣は、老人保健の診療報酬の支払い方式については、老人の心身の特性を踏まえたものとする必要があるので、この観点から現行方式を見直すこととし、制度の実施に先立ち老人保健審議会において審議していただき結論を得たいと言明されておられますが、この法案では、老人保健審議会では「老人保健に関する重要事項を調査審議する。」というきわめて抽象的な表現しかされておりません。社会保障制度審議会や社会保険審議会の老人保健法案についてのかつての答申におきましても、現行の支払い方式を見直すべきことを強調されていることは、皆様御承知のとおりでございます。 私は、行政の責任者である政府が老人の特性に見合った支払い方式の骨格ぐらいは提案すべきだと思いますが、一歩譲って、具体的な方式は老人保健審議会で審議するとしても、少なくとも大臣の言われるように老人の特性を踏まえて現行方式を見直すという趣旨は、法律に明確に織り込んでいただきたいと思います。 次に、一部負担金についてでございますが、原則として無理のない程度の負担をすることは適当であると考えます。 最後に、保険者の拠出金についてでございますが、この法案では、各保険者の老人の医療費実績と老人の加入割合を基準として決めることになっております。大変苦心された方法だと思いますが、各保険者の拠出金は現行の負担に比して著しく増大したりあるいは同じ保険者が年度ごとに拠出金額が極端に変動することがないようにしていただきたいと思います。 厚生省の説明によりますと、老人医療費の実績と老人加入割合の二つの要素を半々とした場合、俗に試算Iと言われておりますが、この方法によりますと、五十六年度ベースの計算で、健保組合全体の拠出金が、現在負担している老人医療費に比べ六百三十億円の負担の増加となり、老人加入割合だけで計算すると、俗に試算IIと言われておりますが、千六百五十億円の負担増加になるということでございます。その組み合わせをどのようにするかは政令で定めることになっておりますが、このような保険者の拠出に関する事項はきわめて重要なことであり、また政令の定め方いかんによっては何百億円という金額の差が出てくることになりますので、このような重要事項は政令ではなく、法律で定めるべきものであると考えます。 また厚生省の説明によれば、保険者の拠出金は現行の負担に比し著しく増大することは適当ではないので、試算Iの方法、すなわち老人医療費の実績と老人加入割合とを半々のウエートで算定することにすると言っておられます。このことを口だけではなく法律で明確にしていただきたいと考えます。具体的には法案の五十九条第一項第一号の「二分の一以下」とある「以下」を削除していただきたいのでございます。 また、今後老人医療費が増加すれば保険者の拠出金も毎年自動的に増加していくことになりますが、これにつきましても一定の歯どめを講じていただきたいと存じます。 また、小規模の組合におきましては、老人の加入、脱退の異動や老人医療費の大幅な増減によりまして毎年度の拠出金の額が極端に変動することが予想されますので、このような急激な変動は避けていただくよう適当な調整措置を講じていただきたいと存じます。 時間の制約がございますので、意の尽くせない点が多かったと思いますが、今後急速な老齢化社会を迎えるに当たりまして、限りある医療資源を最も効率的に配分、使用することが重要であると考えます。私がただいま申し述べました意見につきまして何とぞ御高配いただきますようお願い申し上げまして、私の意見を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○山下委員長 次に、村田参考人。
○村田参考人 このたび老人保健法案がこの衆議院の社労委員会で審議されるということで、私のような人口二十二万の高崎という小さな中都市の町医者に参考人として出頭せよということでございましたのですけれども、とにかくその任にあらず、私のほかにそういう方はたくさんおられるということで再三固辞したわけでございます。 けれども、私はこれまでに老人問題について国の厚生科学研究班員として論文を三回国に出しております。その一番最初の論文は、在宅寝たきり老人の訪問看護のあり方に関する研究、それからその次の問題は、地域における病弱老人の一貫した健康管理のあり方に関する研究。で、昨年度の論文が、そういう在宅の老人の家庭看護に関する問題あるいはそれを通じてのボランティアの育成という、これらの三回の論文を厚生省の厚生科学研究班員として書いて提出いたしました。そのことと本日のこの社労の老人保健法案というのが、中身を拝見いたしますと大変合致するものがあるわけでございます。そんなことでお引き受けしましてまかり出ました次第でございます。 で、お手元にお配りいたしましたいまから六年前になりますが、五十年の十月に初めて私は老人問題に関する論文を発表、講演をしたわけでございます。その中の要旨をごらんいただきますとわかるのでございますが、人口問題から私はこの問題に対する取り組みをしていったわけでございます。ローマクラブの問題から始まりまして、世界人口会議あるいは日本における厚生省の中の人口問題研究所の黒田先生の論文等を読みまして、いわゆる社会医学的なアプローチということでこの問題に取り組んでまいりました。ただ、私自身が内科の臨床医である。それともう一つ、社会医学を研究しているということで、二つのものが私にすると別のものではないというふうにとれたわけでございます。 一番最初の問題としまして、私はいまから約二十二年前になりましょうか、昭和三十四年度に高崎市における二百三十名の八十五歳以上の長寿者の健康調査ということを、当時私、医師会長をしておりましたので、内科、外科、耳鼻科、眼科、精神科それに歯科医師も入れて訪問をしたわけでございます。そしてそのときに初めて、私は在宅の寝たきり老人という実態に触れました。そしてそれ以後、その一つの研究は終わりましたけれども、私は自分で一人で保健婦さんを通じて、地域における在宅老人というものはだれの手もかされない、家族の素人看護によって細々と支えられているという実態を拝見したわけでございます。 そのことから市に進言いたしまして予算化してプロジェクトチーム、医師と看護婦と保健婦とケースワーカー、それらの方々、それにホームヘルパーを交えまして訪問看護ということを始めてまいりました。さらにそれを拡大いたしましたというよりは、むしろそれでは実態に触れにくい、やはり看護している家庭の主婦を教育してそして見ていただくということがどうしても必要だというので、家庭看護教室というのをいまから五年前から始めたわけでございます。その家庭看護教室のためのテキストをつくり、そして毎月四日間続けてまいっております。 さらにその中に若者に対する教育、これからの高齢化社会を支えてくれるのはいまの中学生でございます。中学生、高校生、これらに教育なくして、将来性という、パースペクティブな展開ということはあり得ないわけでございます。したがって、女子高生の夏休みの一日講習、それから短大生の冬休みの一日講習ということで若者の方へそれを広げてまいったわけでございます。 そういうことから、ことしで三年目になりますが、家庭看護教室を卒業した、習得した婦人の方たちが約二千名近くなりますが、その中からいわゆるボランティアのホームケアの会というものができました。これは地域における各学校区に役員をつくりまして一つのサブシステムとして、プロの保健婦さん、看護婦さんのサブシステムとしてホームヘルパーと同じように地域の連帯感を持った話し相手にもなろう、あるいはお世話もできる、それには看護を勉強した家庭婦人であるということでつくってまいったわけでございます。 そういう変遷を経てまいりまして、本日この老人法案を私拝見いたしまして熟読いたしました。 ところが、やはり私が六年前に気づき、そして今日までやってまいりました世界的な問題でございまして、すでに先進国、特に社会保障の国としてのイギリスを初め北欧あるいはアメリカの——アメリカには、自由診療でこういう社会保険の医療というのはなかったわけでございますけれども、老人問題でメディケアというものができたわけでございます。そのメディケアも当初出発した考えよりも余りにも膨大な経費がかかるということで、予期しない問題にぶつかった。あるいはイギリスのナショナル・ヘルス・サービスという人頭方式とかいうことも、これは受ける方の、医療を提供される患者の方の立場からすると非常に問題がある。いわゆる粗診ということになりかねないということでございます。 医療がなぜそんなに国の財政まで脅かすか、あるいは国保の財政の中の大きな部分を老人医療が占めるかという根本的な問題は、私は入院医療だと思うのです。 これは実は十月の十日、十一日の二日間にわたりまして朝日新聞のモダンメディシン・セミナーが、日本医師会が後援いたしまして老人医療の講習があったわけでございます。それに私は二日間講習に参加、受けてまいりましたときにも、大学の教授が、七十歳、八十歳でも手術ができますということをとうとうと講義をされるわけです。七十、八十、そこに死を迎えている老人疾病の中でそこまでしてなぜ高額の医療が必要なのであろうか。静かな涅槃という安楽な往生の姿にしてあげるという、そういうものが今日の医療、医学の中にないのでございます。生命の延長のみを考えている、生命の本質を考えない。ただもうすでに機械をとめれば亡くなっているというお年寄りを機械の中で生かしておく、そういうことが今日の医療の大きな実態ではないかと思うのですね、特に経費が非常にかかるという。 先ほど来のお話にもございましたように、イギリスにおいてもいわゆるインドアリリーフ、ドアというのはあちらで施設ということでございます。インドアリリーフからアウトドアリリーフ、要するに施設内の医療からホームケア、施設外の、ドアの外の在宅のケアというふうに切りかえて財政の危機を突破したというふうに私は本の上で——これは大阪大学の吉田寿三郎というイギリスやら北欧へ長く行って研究された教授の本を拝見をしました。 そういうことで、日本の場合も老人医療の中で特に入院医療によって大変高額医療費がそこに出てくる。これをホームケア中心に在宅の——老人自身も自分の家で死にたいのです。機械の中で、病室へ入れられないで最期息を引き取ってから入れられるという実態を老人は決して喜んでない、あるいは家族もむしろ家で治療してもらえるなら家だということは、これは私どもの地域におけるあるいは日本全国のお年寄りの願いであろうと思うのです。そういうことによって、日本の医療費、老人の医療費がかなり有効に使われるのではないかと私は感じるわけでございます。 問題は、この参考資料を拝見しまして、やはりマンパワーの量と質とそれからその意識革新、意識革新に伴っての行動、これに尽きると思うのでございますね。この中を拝見しましても自治体の保健婦のみが非常に強調されておりますけれども、この法案の中にある受けざらづくり、その問題が私はもう少し詰める必要があると思うのでございます。 本来、保健婦さんというのは、文字どおり予防医学に専念するわけでございます。看護婦というのは臨床看護でございます。予防からリハビリテーションまでというのはいわゆるコンプリヘンシブ・メディシン、包括医療ということでございまして、この法案はまさしくその包括医療をうたってある。すなわち従来ありました医療という小さな観点でなく大きな包括医療でございます。こういうものがこの中に含まれているという点では、私は大変評価するわけでございます。単なる医療行為ではなくお年寄りの健康づくりということ、あるいは寝たきり老人をつくらない、そして寝たきり老人でなく丈夫で長生きをする高齢化社会が来たって、それはちっとも困らない。そして亡くなるときはそんなに薬づけの長い寝たきり老人ではなく、本当に安らかな涅槃の姿で成仏できる、これが日本民族の願いでもあると私は思うのでございます。 したがって、老人医療のいろいろな問題がある、そのトータルシステムの中のサブシステムということを医療として考えますと、これはやはり医師という専門職のオーダーから出ました、その情報に始まる保健婦、看護婦あるいはPT、OT、さらには専門職ではございませんがホームヘルパー、あるいは私どもがいまつくって地域でやっておりますボランティアの方たち、こういう人たちを一つの地域の在宅老人の看護、あるいは専門職の場合には看護という言葉を使いませんが、介護ということでございますが、看護、介護のスペクトラムというのです、そういうスペクトラムをつくらなければならないということをしみじみと感じるわけでございます。 私の過去十年間やってまいりました地域におけるこういう体験から、試行錯誤を重ねてはまいりましたが、この保健事業の中の「訪問指導」という言葉、これにひっかかるのでございます。それのしかも前提には寝たきり老人というのがあるのです。寝たきり老人というのは、老人の病態の中で健康の老人があり病弱の老人があり、そして病弱の老人から寝たきり老人になる。そういたしますと、ADLといいまして、日常生活行動というのはこれは老人医療の場合によく使う社会医学的な言葉なんですけれども、日常生活行動の中の重、中、軽。軽というのは自分で何かできる、中というのは部分介助を要する、重というのは全く自分ではできない、食べることから排せつからできない、床ずれもできるであろう、その問題が重度の寝たきり老人。これは保健指導ではだめである。保健の問題ではなく、これは看護の問題、医療の問題だと思うのです。保健婦さんがそれができるならば、今日のような問題にはならなかった。看護ではなく保健指導である、この辺にこの法案の中の、今後いろいろ考えていただかなければならない問題があるのじゃないかと私は考えるわけでございます。 以上、私のこの法案に対する考え方を申し上げまして、責任の御報告といたします。 どうもありがとうございました。(拍手)
○山下委員長 次に、首尾木参考人。
○首尾木参考人 国保中央会の首尾木でございます。 本日、私は、国民健康保険の保険者団体としての立場から、老人保健法案につきましての意見を述べさせていただきたいと存じます。 老人保健制度の創設につきましては、私どもは非常に長い間要望を続けてまいっておるわけでございまして、昭和五十年の七月には国保中央会といたしまして老人保健制度の創設に関する提言をいたしておるわけでございます。 その提言の内容は、今日の老人保健医療制度の現状のもとにおきまして、いわゆる公費負担と社会保険の相乗りによる老人医療の無料化ということが行われたわけでございますが、その中におきまして、特に老人の比重がきわめて高い国民健康保険制度の方に非常に負担が過重になっておるという問題を解決すべきであり、今後といたしまし七は、国民全体でひとつ公平に負担をしていくような制度の創設が望ましいという点が第一点でございます。 第二点といたしましては、老人医療の問題の現状を考えてみますとき、老人の真の福祉ということを考えるのであるならば、単なる病気に対する医療ということにとどまらないで、予防の段階からリハビリの段階まで、いわゆる包括的な医療の体制というものが実現をされるべきである、そういう観点から、私どもとしまして老人保健制度の創設を当時強く要望をいたしたのでございます。 結論的に申し上げまして、今日政府から提案をされております老人保健法案の内容を見ますと、以上の二点におきまして私どもの考えと軌を一にいたしておるところでございまして、私どもといたしましては、大筋においてこの法案に賛成をいたすという態度に立っておるわけでございます。 私ども、冒頭に申し上げたいのは、すでに昭和五十年当時から、このようなことで全国各保険者が老人保健制度の創設を強く要望していた経緯、そうしてまたこの老人保健制度は、今後のわが国の高齢化社会ということを考えてみますとどうしても手をつけなければならない問題であるということから、やはりこの問題については早急に結論を出していただき、そうして政府がもくろんでおりますような五十七年度実施が可能になるようにぜひひとつ御配慮をいただきたい、かように考えておることを最初に申し上げたいと思う次第でございます。 内容に入りまして、若干申し上げてみたいと存じます。 私どもが国保の保険者といたしまして、率直に申し上げまして最も大きな関心を持っておりますのは費用負担問題ということでございます。御案内のように、国保におきましては、国民皆保険下における制度の仕組みから申し上げまして、被用者保険に比して国民健康保険の方では、制度的に老人の加入割合というのが高くならざるを得ない状態になっておるわけでございます。しかも、これまでのわが国の、皆保険の時期を経過をいたしました戦後の状態を考えてみますと、国保の主体でございました被保険者の中から、産業構造の変動によりまして、若い層がどんどん被用者保険の方に流れていく、こういったような状態が一つあるわけでございます。そしてまた、国保自体の被保険者の老齢化と同時に、被用者保険を退職された方々が国保の方に流入をしてくる、こういったようなことで、国民健康保険の被保険者の高齢化が進んでまいっておるわけでございます。 今日、制度的に申し上げますと、御案内のように、被用者を退職をされた方々は、被用者保険の被扶養者に認定をされない限りにおきましては、国民健康保険の被保険者になるわけでございますが、今日の状況におきましては、核家族の進行ということがございまして、老齢の退職者等につきましては、漸次国保の被保険者として加入されることが多くなってまいっておるわけでございます。これをまた将来について考えてみますとき、年金受給者というものが著しくふえてまいることは当然予想されるところでございますが、年金受給者の家庭が国民健康保険の方にどんどん流入をしてまいるということになりますと、これからの国保の高齢化はますます著しく進行するのではなかろうかと考えておる次第でございます。 私どもは、このようなところから、国民健康保険の高齢化が進みますと、その高齢化によりまして、御案内のように老人の方々が使われる医療費は、若年層に比較をいたしまして、一人当たり四倍ないしそれ以上の金額が費消される。このようになっておりますので、おのずから国民健康保険におきましては、他の被用者保険に比しまして、高齢者による医療費の負担が非常に大きいという結果にならざるを得ないわけでございます。 国民健康保険が、このようなところから、財政的な問題として大変に大きな重圧を受けておることは申し上げるまでもないところでございますが、御案内のように、国保は全体といたしまして、被保険者といたしまして低所得の方々が非常に多い。これらの方々にそういった負担がかかっていく。このような結果にならざるを得ないわけでございまして、私どもといたしましては、ぜひこの状態を何らか是正をしなければならないのではないか、かように考えておるところでございます。 私どものこのような主張に対しましては、国民健康保険に対して補助金を導入をすれば、それで問題は片づくのではないか、このような意見もございます。また現に私どもは、このような制度改革のない今日におきまして現実的な対応といたしまして、国の負担をこれについてお願いをするということで、いわゆる臨時財政調整交付金という形でもって国民健康保険の当面する老人医療の重圧を緩和するということをお願いしてまいったわけでございます。ところが、これはあくまでも臨時の措置でございまして、このような中では臨時財政調整交付金の伸びというものがその老人医療費の伸びにとても追いつくような補助は得られない。せいぜい全体的な医療費の伸びに対応する程度の臨時財政調整交付金の伸びしか期待ができない、このような状況で推移をしてまいったわけでございます。 問題を基本的に解決するためには、この老人医療の費用負担の問題は、事、単に国民健康保険の問題としてだけではなく、もっと広くわが国の高齢化社会における医療費負担の方法いかんという高い次元において問題を考えていただき、そうして国民全体において高齢化社会における老人医療費の負担をどうするかということを真剣に考えるべきではないか、そのような考え方から、私どもといたしましては、一つの新しい制度をこの際創設すべきである、かように考えたわけでございます。これが私どもの老人保健医療制度につきましての老人医療を現在の医療保険と別建ての制度として創設をすべきであるという考え方でございまして、この考え方は、いわばこれからの高齢化社会に対応するあり方として現在の医療保険全体を見直すべきであるということの一環として考えるべき問題であるというふうに考えた次第でございます。 長々とくだくだ申し上げましたが、以上が私どもの率直な意味においてこの老人保健法案に最も期待をいたすところでございます。 第二の問題は、これは先ほど来いろいろ御意見が出ておりましたが、健やかな高齢期というものを迎えることを望むということがこれからの高齢化社会においては特に重要であるというふうに考えるわけでございまして、これまでのように疾病に対する医療は医療、予防は予防といったような切り離された形で運営をされておるというような状態に対しまして、今後の老人医療のあり方といたしましては、老人保健の問題を考え、そうして全体的にいわゆる包括医療の体制というものを導入すべきである。そうでなければこれからの医療問題というものに真に対処することはできないし、また高齢者の福祉、老人福祉という点から考えてみましても、これは適当でないというふうに考えた次第でございます。そのような観点から申し上げますと、今回の法案の内容は明らかにコンプリヘンシブ・メディシンの方向を目指すものである、かように考えられるわけでございます。 その具体的な今後の運営の仕方ということについてはいろいろ問題があろうかと存じます。たとえば、その市町村における実施体制の問題であるとか、そのような点についてはいろいろの問題があると考えますが、基本的な考え方におきましてこのようなコンプリヘンシブ・メディシンの体系をここに持ち込んだということは、この法案として大きな意味があるところと考えておる次第でございます。しかも、市町村の地域において予防と医療、リハビリといったようなものを一体的に運営をしていく、このような形のものを新たに構想いたしておりますことは、これは市町村地域というものが国民生活、地域住民の生活に最も密着した場であるという観点におきまして、非常に進歩的な意義を持っておるものと考えておる次第でございます。 国保のこれまでの実践におきまして、私どもは、国民健康保険の保健施設事業というものをいろいろ保険の医療給付とあわせまして活発に興し、そうして地域において国保の場において予防と医療の一体的な運営ということを心がけてまいったわけでございますが、多くの保険者の中にはそういうことによってむだな医療費が排除されるといったようなことも現実の成果として上がっているところがかなりあるわけでございます。 こういったような観点から考えまして、私どもは、国保の中においてこのような実践というものが今後の医療保険の適正なあり方を考える場合にぜひとも必要であるということを痛感いたしておったのでございますが、今回の法案におきまして、四十歳以上のすべての住民に対しまして地域において予防と医療、リハビリを一貫する包括医療体制の実現を志すという制度が提案されましたことは、単に国保の被保険者のみならず、全体の地域住民の地域医療というものを進める上において非常に前進的な意味を持つものではなかろうか、かように考えておるところでございます。 時間の制約がございますので多くのことを申し上げませんが、私どもは、この大きな二点において私どもの従来の主張と軌を一にするこの老人保健制度の早期の実現ということを心から望んでおる次第でございます。 この法案をまとめられるに当たりましては、それぞれ利害が錯綜する点があるわけでございまして、各方面でいろいろ議論をされました。先ほど申し上げました五十年の私どもの提案以降、厚生省におきましても老人保健医療問題懇談会、あるいは老人保健制度準備室、あるいは老人保健対策本部といったようなところの検討を経、また社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会等を通じましてもいろいろと議論がなされまして、今日の段階で最良と政府が考えた案を提出されたものとされておるのでございまして、もう私どもはこれらにつきまして、細かい点についていろいろの問題あり、また運営の面においてこの法案の成否がかかっておるという点が多々あることは認めるわけでございますが、どうしてもやはり早急にこの制度の実施に踏み出していただきたい、その中で私どもはこれからさらに制度の改善についてそれぞれ意見を述べてまいりたい、かように考えておるところでございます。 くどいようでございますが、この法案の早期の実現を重ねて要望いたしまして、一応の意見の陳述といたしたいと思う次第でございます。(拍手)
○山下委員長 以上で参考人各位からの意見開陳は終わりました。 —————————————
○山下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田卓二郎君。
○浜田委員 自由民主党を代表いたしまして、参考人の諸先生に質問を申し上げたいと思います。 お忙しいところをそれぞれの先生方お越しいただきまして、大変ありがとうございます。 私に与えられております時間は二十分しかございませんので、ひとつお答えの方は恐縮でありますけれども極力簡便にお願いをいたしたいと思います。 最初に羽藤参考人に御質問を申し上げたいと思います。 参考人は全国市長会の代表者というお立場でこの法案の早期制定を御主張なさいました。その中で、いろいろ評価をされているわけでありますけれども、ヘルス事業の積極的推進という点についてお述べになったわけであります。 私ごとで恐縮でありますけれども、実は、私の父は七十四歳でありますけれども、昨夜四時間にわたる脳外科の大手術を受けまして、やっと一命は取りとめたようでありますけれども、いま大変な治療を受けているところでございます。父が入院をするまでの経過を私振り返ってみますと、やはり日ごろの健康管理といいますか、そういうものがいかに大事であったかということをつくづく感ずるわけであります。 先ほど村田参考人のお話にもありましたように、七十四歳で大手術をしなければならない、そのために広く医療資源の効果的な活用という面からいっても大変なむだがあったのではないか。では、なぜその予防的な措置、いわゆるヘルス事業に乗るような行き方がいままでできていなかったか、これは私どもも大変反省するところが大であるわけですが、一つは患者の主観的な要因もあると思うのです。医者がきらいだとかいろいろあるわけでありますけれども、また同時に、地域社会においてヘルス事業を個々の患者があるいは個々の高齢者がいかに受けやすいかというその受けざらの問題、実施体制の問題、私は、それが大きなウエートを持った問題ではないかと自分の場合を振り返ってみても痛感をするわけであります。 羽藤参考人は、全国市長会の代表というお立場でもありまして、今後のヘルス事業の推進については積極的な姿勢を示されたわけであります。しかし同時に、その事業の実施に当たりましては国の方からいろいろな措置が必要だとか幾つかの問題点も指摘なさいました。ひとつ市町村という立場で、このヘルス事業に今後取り組んでいかれてそれをやっていかれる自信があるのかどうか、またこの事業に取り組まれる御決意、そういったものをまず最初にお聞かせをいただきたいと思います。
○羽藤参考人 貴重な御質問をちょうだいいたしまして、ありがとうございました。 在来といえどもヘルスらしいものはやっておりまするし、また模範的にやっておる市町村も若干あるということは先ほど陳述いたしたとおりでございます。しかしながら、設備やそれをやりますための財源が非常に少ないわけでございまして、このことの充実をぜひお願いしなければならぬと思うわけでございまするが、新しい制度では、厚生省案でしょうか、三分の一は市町村、三分の一は都道府県、三分の一は国が見ようということでございますから、もしそうなるとするならばまとまったヘルス対策ができ得ると考えております。したがって、この対策は、お尋ねがあったかどうか存じませんが、やはり実施主体は市町村でなければならぬ、こう考えております。
○浜田委員 重ねてお伺いいたしますけれども、現行のままでもすでに多くを実施している市町村もあるわけであります。したがって、制度を論ずる前に、その市町村サイドの受け入れ体制、取り組み方、そういう問題も多分にあるのではないかと私は思うわけであります。それに、制度的にそういうヘルス事業を充実していこうという法案でありますので、今後これに積極的に取り組んでいかれると思いますけれども、その御決意をひとつお伺いしたいわけであります。
○羽藤参考人 御指摘のように、こういった制度ができますならば、充実した受け入れ体制を整え、やっていきたいと思うわけでございます。 いま現在やっておるのは、たとえばがんの検診をやるとかあるいは予防注射をやるとか、県とタイアップしていろいろなことをやっておりますけれども、保健所が第一線に当たっていただいて、市または町村がこれに共同してやるという体制でございます。それは、先ほどお願いいたしました財政基盤が至って低いためにそういうことでございます。法案を通していただけますならば、市町村長としては責任を持ってやるつもりでございますから、御理解、御協力いただきたいと思います。
○浜田委員 どうもありがとうございました。 それでは次に、廣瀬参考人にお伺いをしたいと思います。 参考人は、出来高払い制を変更する必要があるということでるる陳述なすったわけであります。私も、現在の出来高払い制が完璧なものであって問題がないというふうに考えているものではありません。確かに、おっしゃられた登録人頭請負制度とか総額抑制方式とか、諸外国において医療費の総額を何とか節度あるものに持っていこうという努力がなされ、制度的な実施を見ているところもあるわけであります。しかし要は、それぞれがどういう利点を持ち、また同時に欠点を持っているか、これは参考人自身も御指摘になられたわけでありまして、まさに出来高払い制をいますぐかえていくべき適当な諸制度、具体的に実施に移していくべき制度が直ちにあるかどうかという点が最大の問題ではないかと私は思うわけであります。 それとともに、いままでも中医協におきましてもこの問題には全く取り組んでこなかったわけではない。ですから私は、中医協ならできなくて老人保健審議会にしたらできるようになるというふうに考えること自体がいかがかと思うわけであります。この問題は老人医療に固有の問題ではなくて、まさにわが国の医療を考えていく場合に、現在の出来高払い制を維持していったらいいのかあるいはそれにかわるより効果的な制度があるのか、これは永遠の課題でありまして、ひとり老人保健審議会の問題というふうに考えるわけにはまいらないと私は思うわけであります。 そこで、今回の改正内容は、御承知のとおり老人保健審議会で議論しなければならない、中医協であってはいけないというふうな立て方になっているわけでありますけれども、この点について、中医協ではなぜだめなのか、私はむしろその支払い方式の問題については、老人保健の問題だ、老人保健審議会でやるので中医協はもう考えなくていいのだというふうな立て方をしてしまう方が、わが国の医療制度全般についての問題を考えるときはいかがかというような考え方を持っているわけでありまして、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○廣瀬参考人 御指摘のとおり、現在の出来高払い制度は長所もありますが、いろいろ欠点もありまして、これは何も老人医療だけの問題ではないわけで、全般の問題であると思います。本日は、老人保健法についての意見ということでございましてそういうふうに申したわけでございますが、ただ、現在の中医協の所掌事項はたしか健康保険と船員保険の診療報酬の適正化を審議するというふうになっていると思いますが、今度できる老人保健法案は健康保険あるいは船員保険とは別な新しい制度であると理解しておりますので、仮に中医協でやるとすれば、法律を直して中医協の権限を拡大する必要があろうかと思います。 それから第二に、老人保健審議会では単に支払い方式だけではなしに、ただいま御議論のありました市町村でやられる保健事業をどういうふうにやっていくかという実施大綱等もここで審議してもらうんだという厚生大臣の説明がありました。そのためには、単に支払い側とか医師だけではなしに、保健事業に関係する保健婦さん、そういう関係者もここへ入れてやるんだということで、現在中医協には保健婦さん等の代表がおりませんから、仮に中医協でやるとすればその構成も検討しなければならないというような問題があるように思います。
○浜田委員 参考人の言われたことも私の申し上げているのとほぼ同じだと思います。むしろわが国の医療制度全般の問題として支払い方式の問題、全体の医療費を節度あるものに、しかも内容的にも充実したものにしていくために絶えず検討を重ねていく必要がある、そういう観点からの御発言というふうに理解をいたしたいと思います。 それでは次に、村田参考人にお伺いをしたいわけであります。 参考人の先ほどの老人医療の問題に対するお考え、お取り組み、私も大変感銘を受けたわけであります。質問はその点と直接的な関係にはありませんが、本年六月に診療報酬の改定が実施されたわけでありまして、検査の扱いとかあるいは薬価等についての扱いで従来の考え方に新しい考え方をつけ加えた、導入したというふうな評価がなされております。この点についてどのようにお考えになっておられるか。つまり現在の出来高払い制を内容的に改善していくという手法がここにあらわれているわけでありますけれども、この点についての御所見を承りたいと思います。
○村田参考人 浜田先生のただいまの御質問、巷間あれに対するいろいろな批判、評価があるわけでございますけれども、医療の本質というものが、いわゆる薬づけとかあるいは検査づけとかということで失われていたものが、あの六月の改定によりまして本来の医師の持っている技術というものを正しく評価した、したがって、あれに対してとやかく言う医師あるいは医師集団というのは、本来プロフェッショナルな医師が仁の心を持って行う、それが仁術なんだ、そういうものを失ってしまった人たちであって、正しい医療をいままでもやり、これからもやっていこうという人は、あの六月の改定は評価されている、したがって、いまのお話のように、これは支払いの問題にもつながることではないかと私は考えるわけでございます。
○浜田委員 重ねて恐縮でありますけれども、先生のお考えでは、いま出来高払い制度に対しましていろいろ批判が行われているわけでありますけれども、そういった問題をこういう診療報酬の改定等の努力でカバーしていけるものかどうか、その点について重ねて御見解をお伺いしたいと思います。
○村田参考人 御指摘のとおり私はそれによってカバーできるし、現場の医師諸君は次第にそういう方向になっていくというふうに考えております。したがって、出来高払いでいままでやってきたものがさらに別な方式でやられると、現場の混乱、医療の現場において生命を預かり、そして診療している医師が、片一方はこういう支払い、片一方はこういう支払いというその書式一つを考えてみても大変現場の混乱が起きますし、それは医療に対してプラスであるかマイナスであるかということを考えますと、やはり現在の出来高払いの中でわれわれはいろいろなものを反省し、考案していくということがよろしいのではないかと考えます。
○浜田委員 村田参考人は今年度の日医功労賞を老人医療に尽くしたということでお受けになっておられるそうであります。心から敬意を表する次第であります。 それでは最後に首尾木参考人にお伺いをしたいと思います。 参考人は国保の立場からこの法案の早期成立を主張されたわけでありますけれども、重ねて、国保にとりましてこの法案がどのような意義を持っておると評価しておられるか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○首尾木参考人 冒頭の陳述に申し上げましたように、国民健康保険にとりましては、この法案が成立することによりまして財政的に、全体的に申しまして好影響を受けるということは間違いのないところと考えております。ただ問題は、私どもは国保の立場からだけ、この法案をいわば国保の救済策として考えておるというようなものではないと存ずるわけでございまして、この法案は負担関係を公正にするということ、それからさらに包括医療の体制を実現をするということの意味において、国民健康保険に対して全般的に好影響をもたらすものと考えておる次第でございます。
○浜田委員 次に、国保の立場から、現在地方公共団体が単独事業として国の老人医療制度にさらに上積みをして各種の無料化制度を実施しているというのが現実の姿でありますけれども、このような現状に対しまして国保のお立場からどのように考えておられるか、御見解をお伺いしたいと思います。
○首尾木参考人 今日、老人に対する医療費の支給制度以外の形で、たとえば年齢を引き下げますとかあるいはまた所得制限を外すといいますか、実態的にはそのような形で条例によって付加制度を設けておるという現実があるわけでございますが、私ども国保という立場から率直に申し上げますと、現在の相乗り制度のもとにおきましては、この制度の実施によりまして国保が財政的に大きな影響を受けるということは紛れもない事実でございまして、十分そのような点に配慮がなされておるかということについてはいろいろ問題のあるところと考えておる次第でございます。 なお、今後この老人保健制度ができました際に、一体このような付加制度についてどのように考えるのか、こういうことでございますが、これにはいろいろ法律的な問題での意見もあるようでございますが、私どもこの老人保健法の趣旨から考えてみますと、七十歳以上の老人につきましてたとえば一部負担が今度の制度には導入をされておりますが、その一部負担をなくするということは、老人保健法の制定の趣旨から考えますといろいろ問題があるのではないかと私どもは考えておる次第でございます。 また、七十歳未満の方々に対しまして、現在老人の無料化ということが条例で行われておるということがございますが、そのようなところにおきましては、七十歳未満の方々と新しい老人保健法による一部負担との関係ということを考えますと、きわめてぎくしゃくした奇妙な形になってくるのではないか。 そのようなところから、全般的には老人保健法の趣旨が十分理解されまして、老人保健法の趣旨にもとらない状態になることを私どもとしては期待したい、かように考えておる次第でございます。
○浜田委員 大変ありがとうございました。 時間でございますから、最後に羽藤参考人に、いまの首尾木参考人の御意見も十分踏まえて、ひとつ今後、市町村の実施体制を十分御検討いただきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山下委員長 田口一男君。
○田口委員 社会党の田口でございます。 本日は、参考人の皆さん、大変お忙しい中を、しかも貴重な御意見を聞かしていただきまして、まずもって厚く御礼申し上げます。私は、あと同僚議員と時間を分担をいたしておりますので、三点ほどにしぼりましてお尋ねをしたいのでありますが、その途中、失礼にわたる言辞があるかもしれませんが、もしあるとすればひとつ御寛恕いただきたいと前もってお断りをしておきます。 一つは、羽藤参考人と首尾木参考人、お二人にまずお聞きをいたしますけれども、増大をする老人医療費というものについてどう考えるかということでございます。 先ほどのお話によりますと、若人といいますか、簡単な言い方で若人一人の医療費に対して大体老人が三から四という数字を示されたと思うのですけれども、こういった老人医療費について、今度の政府の老人保健法案というものは、言うならば予防からリハビリまでで時宜を得たものである、私どもも長年いろいろな皆さん方の御意見をお聞きをしながら、老人保健制度というものを早くつくるべきであるという観点からしますと、今度の政府原案についてやはり制度をつくるという意味からは私どもも賛成でございます。ただしかし、このどんどんどんどんふえてまいります老人医療費をどういうふうに処理をしていくのか、どこでどう負担をするのかという問題について考えますと、多少意見が違ってくるのではないのか。したがいまして、この四人の参考人の方々で特に廣瀬さんそれから村田さんのお二人は、この増大する医療費の原因についてやや触れられておりましたけれども、首尾木さん、羽藤さんにつきましては、確かに国民健康保険の財政から見てもう手いっぱいでしょうから、このふえてくるということについて、どうも私はなぜふえるかということについてそこまで気が回る余裕がないんじゃないかという気がするのですね。 そこで、先般三日の朝日新聞だったと思うのですが、国民医療費の通知の実施ぶりを、各市町村保険者、国保組合も入っておるのですが、昭和五十五年四月から五十六年九月までに一回でも実施したものということで実施率、実施数を見ますと、総体的に六九・五%、府県別に見ますと、一〇〇%というところは高知県なんかございますが、私は三重県でありますが九四%、東京は五・九、埼玉が八・二、愛知が八・五、滋賀が九・八というふうにほとんどやられていない。こういった面について、まず国民健康保険の保険者という立場から、国保医療費の通知運動が、増大する医療費についての観点からこの問題を取り上げられておると思いますけれども、いまひとつふるわないという原因について、お二人はどう考えてみえるか、ひとつお伺いしたいと思います。
○首尾木参考人 先生の御指摘になりました医療費通知の問題でございますが、この点につきましては私どもも十分な関心を持っておるわけでございまして、保険者の立場に立ちまして、医療費が適正に使われるということは最も好ましい点でございます。私どもは、医療費の通知制の問題は、被保険者に保険からの受益について適正な的確な認識を与えるというような点について、保険運営の点からもきわめて望ましいことであると考えておるわけでございまして、適正化の一環、そしてまた被保険者教育の一環といたしまして、このような医療費通知運動につきましてはさらに積極的に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○羽藤参考人 西高東低という言葉をさっき使わせていただきましたが、西の方は老人が多いために老人医療費が国民健康保険に大きな圧迫を与えておりますこと等もあわせまして、医療費の通知制度は、高知県を例に挙げられましたが、かなり徹底してやっておるようでございます。東日本は、先生御指摘のように若干薄いということも多少存じておるわけでございますけれども、これはやはり関係方面の御努力と相まって実施すべきである、私はこう考えております。
○田口委員 どうもありがとうございました。 そこで、村田先生にちょっとお伺いしたいのですが、老人医療費というものがふえてくるのは、端的に言って仕方がないのだ、そういうものなんだ、年をとってくれば、いろいろなところががたがくると俗に言いますけれども、お医者さんにかかる率が多い。したがって、医療費のふえるのは仕方がないんだということになるのでしょうか。それとも、包括医療というお話がございましたけれども、予防をすればそれがある程度抑えられるということは常識的にも理解ができるのですが、今日の老人医療費が毎年毎年ふえていく、それは時代の趨勢、文明の趨勢なんだというふうにもう割り切って考えるべきなのかどうか、そこのところをひとつ。
○村田参考人 いまの問題は、私も、今回の老人保健法案の内容に盛られておるようなことで老人医療費は適正な医療費になってくるんではないか。今日までの医療の仕組みというものもいささか考えなければならない。 私、具体的に一つの例をもって申し上げますと、本来老人、六十歳以上あるいは六十五歳以上といろいろなとり方がございますが、老人本来の疾病構造というのは複数であるわけでございます。一つ、二つ、三つ、一年に一度老人健診をいたしますが、必ず幾つかの病気を持っておられる。それを今日までのような、どこへ行ってもただである、初診料は要らないということであちらこちらを回るということがよく言われておりますが、そういうことによって実際に果たして処方された薬あるいは投薬されたものがその年寄りの病気に対して有効適切に使われているのであろうか、あるいは破棄されているのであろうか、これを的確につかむことはできませんが、そういったものがある程度これによって防げるということが考えられますし、もう一つは、予防すれば抑制されるということは先ほど来お話にございますように、健康づくりをしてあげる。そのためには、食事の問題から栄養の問題、運動の問題ということでございますが、さあ、でき上がったものだけをしたのでは何にもならないので、後追いでは何にもなりませんから、そこで四十代からの健康管理、健康教育ということが必要だ。ただし、これは今月の「内科」という私どもの専門雑誌でございますけれども、その巻頭言に、本来、成人病という言葉は日本の造語であって、外国ではそういうものを使ってない。ただし、老人病と言うより成人病と言うことの方が耳ざわりがいいからそういうものにしてあるので、したがって老人病のでき上がったものを後追いすれば医療費は非常に高くなるが、しかし老人病のスタートの四十歳のときから健診を、あるいは健康管理を進めていけば、当然老人医療費というものはいまよりはふえるということはないのではないか、ふえて仕方がないということは私はないと思うわけでございます。 以上でございます。
○田口委員 それでは、先ほど廣瀬参考人からは、この老人保健制度ができた場合に試算IとかIIということで数字を挙げられておりましたけれども、それに関連をして全部の各参考人の御意見をそれぞれお聞きをしたいのですが、端的な質問をいたします。 廣瀬参考人もおっしゃったように、この政府原案で厚生省の説明があったその一つのうちに、試算Iという方式がございます。それによりますと、現行制度に比較をして新制度、増減はどの程度かということを、私ちょっとはしょって言いますが、保険者の増減が、さっきもお話ありましたように、組合健保の場合には六百三十億増になっておる、政管健保の場合にも六十億増になる、共済が百三十億増になる、その他がマイナス五十億で、国民健康保険がマイナス千五十億ということでございます。昭和五十六年度新制度ということで厚生省からいただいた数字なんですけれども、これを昭和六十年、六十五年というふうにずっと延ばしていきますと、老人医療費がいまお話がありましたようにどんどんふえていく。ふえていけばふえた分の負担をみんなが公平に負担し合うんだよということで、いま言った六百三十億が七百億になり、八百億になるということは火を見るよりも明らかですね。ふえていく。ところが、ふえていっても、国民健康保険の方はいまマイナス千五十億ですから、これはプラマイゼロになるかプラスになるかは別として、マイナスはある程度減るだろう。しかし、負担は現行制度に比べると相当助かっていく、こういう傾向にあると思うのですけれども、これはしようがないのだ、それはひとつ健保組合とか共済制度で負担をしてくれればいいんだというものじゃないと思うのですね。 したがって、さっき老人保健審議会の老人の特性を踏まえてというお話もありましたけれども、やはりいまの支払い方式、そういったものをある程度チェックするような機能というもの、そういったものはやはり必要なんではないのか、そう思うのですけれども、その辺、特に私は、国民健康保険ということを預かってみえる首尾木さん、羽藤さんの立場から、やはりこれはどこかで歯どめはかけなければならないという気持ちがおありなのか、そこのところを含めまして、四人の方々からお一言ずつ、いまの支払い方式については何らかの手を加えなければならないか、いまのままが一番いいのだ、他に方法はないだろう、こうお思いなのか、ひとつお教えをいただきたいと思います。
○羽藤参考人 田口先生の御質問でございまするが、先ほど陳述で申し上げましたように、現在ただいまが、保険料の引き上げを毎年しなければならない。ところが、納める方々は低所得者であり、担税力がない。そこで、理事者である市町村長と市町村議会が毎年この問題ではもめにもめて、当初議会においてはこの問題のみに集中して議会の承認を得るべく最善の努力をいたしておりますが、最後は妥協といいますか、話しまして、一般会計から補てんをするという制度をとっておるわけでございます。わが今治市、人口十三万、税金が七十億前後でございまするが、毎年一億数千万円の一般会計からの繰り入れをいたしまして保険税の引き上げの率を引き下げまして、やっと議会の御承認をいただいてやっておるわけでございます。 ところが、健康保険等もございますから、国民健康保険の加入者は大体市民の四〇%、それに税で払いますことの議論もございまして、毎年苦慮するわけでございますから、ぜひ根本的に、財政負担の問題でこの際、本制度のことを高く評価いたしておることは申し上げたとおりでありますが、それは厚生省の御試算では、もしこの法案を通していただけるならば一世帯当たり大体保険税が五百円ぐらい引き下げになるであろう、こういう御試算をいただいて、これは試算の一になりますかどうか、よく存じませんけれども、そういった御意見を私どもは尊重いたしまして、是が非でもとにかく当面保険料の引き上げを抑制してもらわなければどうにもならぬ。担税力の弱い人のみが保険税を納めるのですから、この問題だけは非常に頭の痛い問題でございますから、わらにもすがる思いで、保険料が五百円でも下がるならばこれを全面的にバックアップと言うと語弊がありますが、通してもらいたい、こういう考えでいっぱいでございます。 終わります。
○廣瀬参考人 この老人医療費の負担につきましては公平にということでございまして、健保組合の方が国保に比較して老人が少ないからたくさん出せという趣旨は、私も了承しております。ただし、いま負担しているよりも非常に急激な増加はやはり実際困るということで、試算第一でセットしてほしいということを先ほど申し上げました。 ただ問題は、いまお話しのように、ことしは六百三十億の持ち出しでも、今後どんどん老人医療費が上がりますと、方式だけが決まっておるわけでございますから、毎年この金額が相当上がるというおそれを抱いておるわけでございます。これは何も健保組合の持ち出しがふえることだけではございませんで、総医療費がふえる、すべての保険者の、あるいは国庫負担もふえるというやはり医療費全体の問題であろうと思います。 ただいま村田先生から、この老人についてはそんなにふえないであろうという御観測がありましたが、そうであってほしいと思いますけれども、どうも現在の支払い方式をそのままにしておきますと、やはりどんどん伸びていくというようなおそれを私は抱いておるわけでございまして、何も不当に医療費を下げるという意味ではありませんが、むだな医療費は徹底的に排除するということが必要であろうと考えております。
○村田参考人 結論的に、支払い方式はいまのままにしておいていただきませんと現場の医療機関が大変混乱を起こす。なぜならば、いままでになかった保健というものがいわゆる保険の中に入ってきた。いわゆるポジティブヘルス、健康を保持増進する保健とそれから疾病に対する保障の保険と、この二つのものを一つの中にどういうふうにしていくか、このことを一つ考えても恐らく大変むずかしい問題が出てくるし、事実私がここへ参ります前に自治体の高崎市の市長あるいは関係の部課長さんにもお会いし、あるいは県当局のその関係の人にもお会いしてきたところが、末端の自治体ではこの受け入れについて方途はまだはっきりしないし、大変混乱が起きるし、まず機構改革をしないとならない。それから財政面で、いまのようないろいろなお話を踏まえての支払い方式ということでまた別なものがくれば大変なことになるということは、私お聞きしております。私、国保運営協議会というものが自治体の中にございますが、その医療担当者代表としてその中に出ていくときにも、こういう問題は当然考えなければならない、ただいまの支払い方式の中でお願いしたい、かように考えております。
○首尾木参考人 私も、医療費全体がむだに使われるということがいやしくもないように、そのような観点からいろいろの対策を検討すべきであるという意見につきましては全く同じでございます。 ただし、支払い方式の問題につきましては、現在の出来高払い方式というものについて、率直に申し上げまして全く欠陥のない制度であるとは私どもも考えておらない次第でございまして、この問題に何かその欠陥を直せるような制度が考えられるかどうか、こういう問題については、医療保険に課せられた長い問題として考えられる問題であろうというふうに思っておるわけでございますが、当面この老人保健法案につきましては、先ほど羽藤参考人からお話がございましたように、現実の問題といたしましていわば国保の立場から申し上げますならば、制度的な仕組みによる医療費負担の増大ということに耐えられないような現状になりつつありますので、早急にその問題につきましては実現をしていただきたい、かような考え方に立っておる次第でございます。
○山下委員長 佐藤君。
○佐藤(誼)委員 社会党の佐藤誼でございます。 きょうは御苦労さまでございます。若干失礼にわたる質問もあるかと思いますが、あらかじめ御容赦いただきたいと思います。なお、わが党の代表者が質問しておりますから、なるべくダブらないように質問していきたいと思います。 第一は、首尾木さんと羽藤さんにお願いしたいのでありますが、患者の一部負担の導入についてであります。 御案内のとおり、この法案によりますと外来一カ月五百円、入院一日三百円、四カ月にわたって、こうなっております。これは、そういう意味での新しい患者の一部負担の導入でありますが、しかし、全体の医療の負担の仕組みを見ますと、新制度の試算Iでいきますと、いろいろございますけれども、その中で国庫負担は八百七十億円減なんです。つまり、患者の負担はふえて国庫の負担は八百七十億円減になっていく、このことについて首尾木さんと羽藤さんはどのようにお考えであるか、それをお聞きします。
○首尾木参考人 国庫負担の減は、現在の老人保健法の仕組みによりますと、費用の負担の面におきまして、拠出金の面におきまして国保の拠出金を加入者割合によって課することにより全体として国保の負担が減る、その関係でもって国民健康保険の方の法律上の国庫負担が減るというような数字になっておるものと承知しておる次第でございます。したがいまして、その問題と一部負担の問題ということを絡めてのその問題については、率直に申し上げまして絡む問題ではないのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○羽藤参考人 佐藤先生のお尋ねでございますが、まず第一点の一部負担の問題でございまするが、病院が老人のサロン化するという話も聞かぬではございません。そういったことは私はある程度抑制すべきだと考えておりますけれども、せっかく育ってきた老人医療の無料制度を有料化していくことに対しましては、私どもは多少抵抗を感ずる立場にございます。しかし、国の財政再建という意味におきましては、先生方は三Kという言葉を使われる方もおられるようですが、その三Kの一つ、国民健康保険が二兆三千億という国の助成をいただいて、しかも毎年税金を上げなければやっていけぬという現状等を考えますと、やはり財政再建の中で国民健康保険に国が出していただいておる額はそう減らしてもらっては困る、私はこういう立場におりますことを御答弁申し上げたいと思います。
○佐藤(誼)委員 それじゃ次に、支払い方式について村田先生にお願いしたいのですが、先生は先ほど実際医療を担当される先生として、支払い方式が二つになると困る、そういう趣旨のことも言われたわけですが、御案内のとおり、これがすべての原因ではありませんけれども、この現行の点数出来高払い方式が今日の総医療費のたれ流しといいますか保険財政のたれ流しというか、それから一方においては医療の荒廃という大きな原因をつくっておることは巷間言われておるところであります。したがって、これは何も老人医療制度でなくても、一般的に見直さなければならぬじゃないかという議論が一方にあるわけです。ところが、いまの老人保健法に基づくいろいろな趣旨をずっと見てきますと、例の老人の置かれている病気の慢性化であるとか、あるいはまた保健、治療、リハビリの一貫的な健康管理という観点から見た場合に、さなきだに私は現行の出来高払い制度を考えていかないと、本来の老人保健法に基づく趣旨が貫徹できないのじゃないかというふうに思うのですけれども、重ねてひとつ先生の御見解を承りたいと思います。
○村田参考人 先ほど来私申し上げておりますように、医療担当者というのはそのお年寄り及びお年寄りの家族との人間関係の中で、先ほどお話がございましたように、七十四歳で脳の手術をするというようなことにもぶつかる。いまCTスキャンという、当初三億円でイギリスのエリザベスですか来たときに日本でおみやげにもらったあの高額なものが、日本の医療機械屋でもっと安くできるようになった。CTスキャンというのはいままでの日本の死亡率の一番高い脳卒中の診断及び治療に対しての画期的な大きな情報を出してくれる。そういうものから医療費というものはますます高くなってきているということで、したがって、単なる乱診乱療という言葉で全部を処理し切れないものがたくさんあるわけだと思うのです。どんどん開発されてくる医療器具機械あるいはその手術の方法等考えたときに、生命を支える医療費というものがそのためにたくさんになり、あるいは高齢化社会、老人人口がふえて、そして医療を受けるチャンスをたくさん与えられれば、ふえてくるのはあたりまえのことである。 ただ、その中で一部の医療担当者の中に、いまの保険支払い制度の中のある欠陥部分といいましょうか、皆様が先ほど来御指摘されておるようなことに便乗して、社会の非難を受けてきたということもあるかに私も思います。しかし、私も含めて私どもの医師会の会員の中で、そういう者はほんのわずか一握りあるかないかでございます。大部分の者はそんなことはないわけでございます。だからこそ、われわれのところでも、こういうものを今日まで十年も近くやってまいれたわけでございます。 しかし、その中での健康づくりと医療ということを一つの枠の中で、支払いの中でうまくやっていただくということを、全く合意するまでの理論展開をするというのは、恐らく一年二年ではできないと思います。今日の中央医療協議会の歴史を見ても、それは何らいまのあれをどうにもならない。しかし、先ほど御質問を私受けたように、今年六月の医療費改定というものは、そういうものをうんと踏まえた技術評価をして、物、薬を売ってさやかせぎをするというようなものを改めた。処方せんを発行するとか、そういうことが、この新しい老人高齢化社会に対する一つのあり方だというふうに私は考えておりますので、先ほど来申し上げましたとおり、現行の支払い方式の中でやっていく、もしもっとベストの方法があるならば、これから審議を重ねていくということが、最も望ましい、現場の混乱、医療担当者の混乱を起こさない方法ではないかと思うわけでございます。
○佐藤(誼)委員 一言だけ言いますが、では現行の点数出来高払い制度は検討の余地なしと、現行のままでいいんだ、こういうことですか。
○村田参考人 私はいまもお話し申し上げましたように、いいか悪いかということは私の本来やる仕事ではない、これはそのためのそれぞれの役、私は医療の現場におりまして、老人の病気をつくらない、病気を治す方の仕事が本分でございます。 以上でございます。
○佐藤(誼)委員 まあ、これ以上は結構です。 時間がありませんので、廣瀬参考人に。老人医療費の拠出金の問題です。 先ほど廣瀬参考人はいろいろ見解を述べておられましたが、私は非常に共鳴をする部分が多くて敬意を表しておるところでありますが、その中で、老人保健法案の目的の中に、例の総合保健事業というその項目と、それから費用の公平分担という、言うなれば二つが中心になっていますね。この費用の公平分担というものを、いま申し上げた拠出金の具体的な姿で見ていきますと、端的に言うと、試算Iで言ったとき、減るのは国保の千五十億ですか。それから先ほど言った国庫の八百七十億、ふえるのは患者負担、それに地方自治体の八百六十億、それに被用者保険団体、その中でも特に共済の百三十億、組合健保の六百三十億、政管健保の六十億、これが具体的にふえるわけです。つまり端的に言えば、国保並びに関連する国庫が減って、いま申し上げた分野、とりわけ被用者保険団体の分担金がふえるというのが紛れもない現実なわけです、これはどなたが見ても。しかもこの新制度になることによって、被保険者の保険料率は、共済は千分の〇・八、組合健保は千分の二・一、政管健保は千分の〇・二上がる。さらに、これはその後の推移を見ると、この保険料率が上がるということは、いままでの検討の中で明らかになっているのです。 こういうように、この老人保健法が制定され、そして新制度ができますと、いま申し上げたような分野の被用者保険団体、被用者の保険料、これはずっと上がっていくわけです。このことについて、廣瀬参考人はどのように現場の状態から見て考えていらっしゃるか、これをひとつ。
○廣瀬参考人 健保組合の立場で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、老人の分布の不均衡等を考慮いたしまして、分相応の拠出をすることは、私どもも了解しております。 ただし、これは健保組合が徴収するわけでございますが、全部この老人医療制度の方へ出すわけでございます。いま御指摘のように、厚生省の説明によりますと、六百三十億、これは料率にして千分の二・一というふうに聞いておりますが、これはこの千六百の組合全部平均しての話でございまして、個々の組合でいま計算しておりますけれども、もう千分の五とか千分の八とか取らなくちゃならないという組合もございます。 そういうことになりますと、老人保健のために非常に高い保険料を取る、そうすると本来の当該組合の保険料率はとても出せないというようなところもあるようでございまして、余りにもこれが多額になりますと、本来の健保組合そのものの事業が円滑にいかないというのが、一部の組合でございますけれども、そういう声を聞いておるわけでございます。 それから先ほど申しましたように、どうしても六百三十億、千分の二・一要る、じゃわれわれも協力しようという気持ちになっておりますが、今後医療費がどんどん上がっていきますと、これが千分の三になり、千分の五になる。一体どこまでいくのか、そこが非常に不安でございまして、できれば、千分の二・一が妥当であるということであれば、この程度でセットしてほしいというのが率直な気持ちでございます。
○佐藤(誼)委員 そこで、先ほど廣瀬参考人も言いましたけれども、それにかかわってくるのが第五十九条の例の一項、二項の問題ですね。特に二つのファクターがあるわけですが、加入者調整率と、それから案分割り当てですね。加入者調整率でいきますと当該組合の加入率分の全平均加入率ですから、そうなりますと、老人全体の加入率はふえるけれども、いま申し上げたような被用者保険の加入率はそうふえないと思うのです。そうすると加入率つまり加入調整率というのが、私の試算ではそういう当該組合、組合健保、政管健保、共済、これはぐっと高くなってくると思う。これはこの間の社労の中でも、政府もこれを認めておりますが、そうなりますと、いまの当該組合の費用はますます高くなっていく、こういう問題が五十九条にかかわって一つあると思うのです。 それからもう一つは、先ほども指摘されましたが、第一項一号の「二分の一以下の範囲内で政令で定める割合」、「以下」になっていますから、そうなりますと、これは簡単に言えば、医療費の割合が少なくなって加入者の率が、ウエートがぐっと多くなってきますから、したがって、それがいまの当該組合、つまり組合健保、政管健保、それから共済組合というのは、いま言った加入調整率でふえて、また案分の割合が二分の一以下ということになりますと、さなきだにふえていく、そういうことがこれからこの法律が執行されていった場合出てくる大きな問題だと思うのです。 その辺について、先ほどは二分の一の「以下」を削れ、しかも法制化すべきだという見解がありましたけれども、その辺が大きな現場の議論になっているのじゃないか。したがって、この保健法案に対する賛否の問題もその辺にかかわってくるのじゃないかと思いますので、重ねて見解をお聞きしたいと思います。
○廣瀬参考人 ただいま御指摘のとおりでございまして、私ども同じ問題を持っております。先ほども申し上げましたように、こういう保険者の拠出金については、六百三十億から千六百五十億円の範囲で、決めようによっては数百億円の相違が出てくることを政令に任すということは、私どもは絶対に了承できないと思います。こういうことは法律事項であると思います。 それから法律で決めるとしても、いま御指摘のように「二分の一以下」という「以下」を削って「二分の一」ということできちっとセットをしていただきたいと思っております。
○佐藤(誼)委員 時間になりました。大変どうもありがとうございました。
○山下委員長 平石磨作太郎君。
○平石委員 本日はわざわざおいでいただきまして、心から御礼を申し上げる次第でございます。 だんだんの質疑がございましたので、あるいは重複するかもわかりませんが、その点お許しをいただいて、ひとつ質問をさせていただきたいと思います。 まず中央会の首尾木参考人にお伺いをいたします。 参考人は、先ほどの陳述の中で、いままでの経過その他を述べながら、老人保健法の創設については、非常に早期に成立することとの陳述がございました。 ところで、国保連合会におきましてもそれぞれ審査をしながら支払いを行っておるわけでございますが、この支払い方式については、現在の出来高払い、これがどのようなことなのか、いわば功罪といったようなことについてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○首尾木参考人 現在の出来高払い方式につきましては、一般的に言われておるところでございますが、個々の診療につきましてこれを評価をいたすわけでございますので、医療の面からいきますと医師の積極的な治療といいますか、そういうようなことから考えて望ましいというような点が一般的な長所であると言われております。また一方におきまして、逆に、出来高払い方式につきましてはややもすれば過剰に流れるおそれもある、こういうようなことが一般的に言われておることかと考えておるところでございます。
○平石委員 いま二点にわたって功罪のお話がございました。 そこで村田参考人にお伺いをいたします。 この老人保健法の諮問がなされ、そして答申が行われておるわけですが、社会保険審議会あるいは制度審というところで審議がなされて答申が行われた中に、老人の特性、これを生かす方法での支払い方式といったようなものについて言及されておるわけでございますが、老人患者についての特性とは一体どういうことなのか、診療を通じていろいろお気づきの点、あるいはここだといったところがございますればお聞かせをいただきたいと思います。
○村田参考人 老人の特性というのは、精神的にも肉体的にも、若いときの、本来の姿とは大変変わってまいります。それはいわゆる老化、私が県知事の要請によってつくりました本にも書いてございますように、医学的にいわゆる不可逆性の進行性の萎縮、もとへ戻らないでじわじわ進行していく衰えである。したがって脳の細胞は減ってくる、それから筋肉あるいは骨、そういうものに対してもいろいろな変化が目に見えないで来る。それが、この法案にありますような健康づくりで健康なお年寄りができれば、お年寄りがふえても医療費もそんなには問題にならない。 そういたしますと、健康づくりに必要な経費というものがその中で後追いの医療費よりウエートが高くなってくれば高くなってくるほどいい老人社会ができますし、そのお年寄りの特性ということをそこに考えますときに、やはり痴呆という問題、ぼけでございますね、これが一番恐ろしい問題だと思うのです。ぼけの老人を抱えた家族というのは家族ぐるみ全く真っ暗い一日を送る。これは保健指導でどうにもなりません。だから、このときこそ初めて施設へ措置をする。 そうでない限りは自宅でケアができるというふうに私どもは考えるわけでございますが、特性そのものは、若いときと違って大変疑い深くなるとかあるいはけちになるとか物忘れするとかという、こんなあたりまえのこと以外に、脳の変化というのが最も恐ろしいことでございまして、体の部分が平均して老化していけばいいのですけれども、ある部分だけががくっと老化する。すなわち、狭心症、大平さんに見られるように、突如心筋梗塞というような形である部分だけが動脈硬化を起こしてしまう、あるいは脳の動脈硬化を起こす、そういうことが老人医療の中で非常に大きな問題だと思うのです。 以上でございます。
○平石委員 この特性ということは、治癒するということでなしに、病状が徐々に徐々に進行していくのだということを先生はお述べになられましたが、この特性が医療費増高の大きな原因になっておるのかどうか、ここの点。医師として適正な診療が行われているか、そしてその老人の特性というものが医療費の増高については過度に作用してくるのかどうか、お聞かせをいただきたい。
○村田参考人 御指摘のとおりではございますが、それを野放しにしていたのが今日までの後追いの医療費だと思うのですね。だからそれを若い四十代から健康づくりの方にして、食事の問題であるとかあるいは体力づくり、そういうものをポジティブヘルスと言いますけれども、そういう健康づくりの方に投資をしていけば当然後で医療費のウエートが軽くなってくる。これは両方の問題が絡み合っておるわけでございますけれども、今日それが初めてここに老人保健法案が出てきた。これまでにはそういうことが一つもされない。それは、先ほど来お話が出ましたけれども、現実に朝日新聞で出している老人のいろいろな雑誌がございます。その中に、いま聖路加病院の看護大の学長になっておりますが、日野原先生が書いておりますね。現在のあれでいくと薬づけの医療ということを言われるが、どうも私のような聖路加病院に勤めている者でも始終指導ばかりしていたのでは飯が食えないので、ときにはそういうことをやらざるを得ないのだということを日野原先生あたりのお立場で書いております。 それが、今回のこの老人保健法案が通り、これを積み重ねて、試行錯誤の中で直す部分もあると思うのですが、それを訂正していきながらいい日本の高齢化社会ができ、そしてそれは日本の財政に対して圧迫するようなことからかなりいいメリットが出てくるのではないか、私はさように考えております。
○平石委員 いま先生お話ございましたように、確かにヘルスと医療とが包括医療として今回の制度の中に組み込まれてきた、これは大きな前進だと私も評価をするわけなのです。その前進が生かされていかなければならぬという意味から言いまして、先ほど全国市長会の羽藤委員長の方から陳述もございました、確かにそのことはよくわかる。 ところで、そういった医療費が増高するということについては、一方で保険財政といったものに大きな圧迫が出てくる。そして医療費の年々の増高というものが国民所得の伸びを三倍くらいオーバーするくらいの伸びを示しておる。こういったことを考え合わせてみますと、確かにこの診療報酬というものについては、この出来高払いというのにも非常にいい面がございますし、そしてその中で老人の特性というものを何かこの制度の中に組み込めないものかどうか。これは中央社会保険医療協議会の仕事ではございますけれども、お医者さんとして、特性が診療報酬の上に生かされることができるかどうか、ひとつお考えをいただきたいということでございます。
○村田参考人 ただいまの御質問に対して、私はいまここでお答えすることはちょっとできないと思うのです。いまの特性と医療費を、医療費のマイナスの面に特性を生かすということは全く今日までの考え方と相反するものでございますね。特性があるから医療費が増高したんだ、これを特性を生かして医療費を軽減するということは即答はできないと思うんですね。そこで、いまのお話のヘルスの部分を拡大していけば、大きな医療費の中、いわゆるコンプリヘンシブ・メディシンの中の投薬、治療、手術とかいうその医療費は健康投資によって減ってくるということは言えると思うのでございます。
○平石委員 そうすると、これは診療報酬は出来高払いとして、治療としてのものが点数として出てくるわけですが、この予防ということですね。これは支払い方式の中に予防と治療とを組み込むというようなことはどうですかね。これは参考までに御意見をお伺いしたいのですが、可能なんですか。
○村田参考人 非常にむずかしい問題だと思うのです。かつてそういうことはないわけでございますし、歴史的にもないわけでございますし、いままで私どもがたとえばやってきたこの老人保健に限らず、学校保健にしましても、予防医学というものは歴史的に日本の医療の中で物を与えなければ全く金にならないという、そういう無形のものに対する評価というものは今日まで余りなかったわけでございます。したがって、この点は非常にむずかしい問題じゃないかと私は思うのですが……。
○平石委員 廣瀬参考人にお伺いをいたします。 この診療報酬の改変といいますか、考え方をもっと幅広く考える、特性について私いまお聞きをしてまいりましたけれども、十分な結論を得られませんでした。ところで、いまの出来高払いというものは現在のいわゆる中医協、ここでやっておるわけですが、これを一応特性を生かして何か見直しをするというようなことを考えるにはやはり法改正が要る、現行の法ではできない、こういう御認識でしょうか。どうでしょうか。
○廣瀬参考人 私の理解が正しいかどうかわかりませんが、現在の中医協の所掌事項は、健康保険及び船員保険の適正な診療報酬額を定めるということになっておると記憶しております。したがいまして、どういう医療行為を何点にするとかということは中医協でやっておりますが、現在の支払い方式そのものを別の変わった支払い方式にしたらどうかという議論は、いまの法律のままではできないんじゃないかと思います。 ただし、いま御指摘のように、もう少し予防面と治療面とを丸めて、平均払いみたいなそういうことに丸めたらどうか、出来高払いを前提としながらも、ある程度もう少し包括的に点数を丸めるというような論議は現在の中医協でもできるんじゃないかと思います。
○平石委員 現在の中医協で、そういった丸めるというか特性を生かすといいますか、そういった面でもできるのではないか、こういう発言がございました。私もこれについては十分に研究が行われておりませんし、また自信もございませんけれども、現在の中医協の中でそういったものがある程度審議が可能だということであるならば、私は現在の中医協においてもこのことについては十分審議ができるのではなかろうかというような認識もあるわけでして、時間が参りましたので、まだまだお伺いしたいことはございますけれども、これで終わらしていただきます。 どうもありがとうございました。
○山下委員長 塩田晋君。
○塩田委員 参考人の皆さん方におかれましては、御多忙中のところ御出席を賜わり、各方面から貴重ないろいろな御意見を賜りまして、ありがとうございます。 私、時間の関係で端的に御質問を申し上げますので、羽藤さん、廣瀬さん、村田さん、首尾木さんの各参考人、順次御回答お願い申し上げます。 第一番目は、老人保健審議会の関係でございます。これは法律案の第二章がこれに当てられております。この法案のとおり設置することに賛成か反対か、これはイエスかノーかで答えていただきたいと思います。 賛成の場合に、無条件で賛成の方はそれで結構ですが、条件づきで、こうしてもらえるならば賛成だということであるならば、そういうふうにお答え願いたいと思います。それが第一点です。 第二点は、この老人保健審議会の中で調査審議する事項、これは法案では非常に抽象的になっておりますけれども、具体的にこの医療費の増大を抑制するための観点から、出来高払い制度を含めてこの支払い方式を老人保健審議会の調査事項に入れるかどうかということにつきまして、これも賛成か反対かと端的にお答え願いたいと思います。それに関連して、賛成の理由、反対の理由を簡単に聞かしていただきたいと思います。 まず第一に、設置そのものに賛成か反対か、条件づきか無条件かということでお答え願います。
○羽藤参考人 私は全国市長会の立場でございますから、お尋ねの件に対しましては御意見を述べる立場にないように思いますけれども、現在の制度で審議会は設置されることが好ましいと考えております。 また、請負払い制度も……(塩田委員「それは後で聞きますから、いまはまず設置だけで」と呼ぶ)
○廣瀬参考人 絶対に必要だと思っております。
○村田参考人 私はなくてもいいと思います。
○首尾木参考人 設置に賛成でございます。
○塩田委員 次に、調査審議事項についてお伺いします。
○羽藤参考人 冒頭に申し上げたように、立場から申し上げることがどうかと思いますけれども、現行制度でよいのではないかと思っております。
○廣瀬参考人 審議事項につきましては、この法案でははっきりしませんが、いままで私の承知している範囲では、大臣の言っておられる、この診療報酬の見直し、それから拠出金の方法、それからヘルスの保健事業の代行、そういうことをここで関係者集まって相談するんだと言っておられますが、先ほど申し上げましたように、拠出金につきましては法律で明確にしてほしい。そうしていただければ、この審議事項から外して、他の二つはそこで十分に審議することに賛成でございます。
○塩田委員 ちょっと……。調査審議事項の中に出来高払い制度を含めての支払い制度を入れるかどうかということについての賛否でございます。
○廣瀬参考人 ぜひ入れるべきだと思っております。
○村田参考人 先ほどの関連で、中医協その他、そういう審議をする機関がございますので、私はそれで十分であると思っております。
○首尾木参考人 先ほども申し上げましたが、出来高払いの問題は全般的な問題でございますので、中医協との関係からいってここの審議会で扱うことについてはいささか問題が生ずるのではなかろうかと考えております。
○塩田委員 次に財政調整の関係でございますが、法案の第五十九条の関係です。これには廣瀬参考人から意見が出ておりましたが、「二分の一以下の範囲内で政令で定める割合」とありますが、この「政令で定める割合」というここのところを削るという廣瀬参考人の御主張でございますが、この御意見に賛成か反対かを、ひとつ羽藤さんからお願いします。
○羽藤参考人 御質問に対してお答えがむずかしいと思います。私も現場の市町村長としては現行の法律どおりやっていただいて差し支えないと考えております。
○塩田委員 現行といいますと法案のとおりということですか。
○羽藤参考人 そうです。
○村田参考人 私はこういう問題についてはよくわかりませんので、お答えできません。
○首尾木参考人 この問題に関しましては、二分の一を法定すべきであるという議論は、現状の負担に余りにも大きな変改が生ずるとか、あるいは保険者として不安定な立場に置かれるといったような点で法定化が主張されておる、かように考えておるわけでございます。法定化することによって安定するということにつきましては、私もそれはそのとおりだというふうに考えておるところでございます。 二分の一が適当かどうかというようなことにつきましては、いろいろ議論のあるところと考えております。 なお、これに関連をいたしまして、二分の一が仮に法定されるというようなことでございますれば、附則の国保の改正法の中に政令で定めるところにより四〇%から四五%までの拠出金に対しての負担が行われるという規定がございますが、平仄から申しまして、そこの政令で定めるところによりというのははっきりとやはり百分の四十五ということで法定されることが望ましいのではないかと考えておるところでございますので、一言付言をさせていただきたいと思います。
○塩田委員 次に一部負担の問題でございますが、法案三十二条にございます一部負担の導入そのものに賛成か反対か、これも恐れ入りますが羽藤さんからお願いします。
○羽藤参考人 先ほどの先生に御答弁申し上げたわけでございますが、病院が老人のサロン化しておる現状も私は現場の市長としては存じております。そういった問題に対する対策も必要ではないかと思いますけれども、昭和四十八年以来老人医療無料制度が今日まで来た関係において、一部負担をなるべくしない方がよろしいのではないかと考えますけれども、前段で申し上げた趣旨を加味するならば、若干の一部負担もあるいはやむを得ないと考えなければならぬのではないかと考えますけれども、おおむね現在の無料制度は維持していただきたい。 以上でございます。
○廣瀬参考人 程度の問題はありますが、無理のない程度は、イエスでございます。
○村田参考人 たてまえでいきますとこれは反対でございますけれども、しかしやはりこの法案の中身を見ますると賛成ということでございます。
○首尾木参考人 無理のない程度の一部負担は必要かと考えております。
○塩田委員 法案には御存じのとおり、毎月五百円、入院一日三百円の四カ月限度という規定でございますが、これについてどの程度ならいいと自分は思うということも、端的にずばっと金額を出してください。
○羽藤参考人 先ほど御答弁申し上げた趣旨からいって、なるべく少額が希望でございます。
○廣瀬参考人 この法案の考え方はよくわからないのですが、私どもは、初診時、再診時、入院時、わずかでもいいから、たとえ百円でもいいからお医者さんに行く都度一部負担をした方がいいと思っておりますが、この法案についての意見ということになれば、この程度は適当であろうと考えております。
○村田参考人 いままでの、福祉というのは何でも与えるものが福祉だという考え方がこの辺から改まっていい、そういう意味では適正な、この法案に盛られた程度のことはよろしいのではないか。特に外国などでも入院のときから退院の日を考えてリハビリテーションを行うということでございますから、その意味でも負担額というものはそういうものに入っていると考えてよろしいと思います。
○首尾木参考人 ずばりと幾らが適当だということはなかなか出しにくいかと存じますが、この法案に即して考えますと、この程度のものについては差し支えないのではなかろうか、かように考えておるところでございます。
○塩田委員 最後に一問お尋ねします。 法案の第二十五条の関係でございますが、医療給付の対象年齢は七十歳以上になっております。これを六十五歳以上にしてはどうかという意見もあるわけです。都道府県によっては上乗せをしてそう取り扱っておるところもあります。この年齢について、七十歳以上が賛成か、反対は六十五歳を一応頭に置いていただいたらいいのですが、これも時間がございませんので、端的にイエス、ノーでお答え願います。
○羽藤参考人 趣旨からいきまして、あるいは国の財政や市町村の財政からいきまして、七十歳以上が適正ではないかと思います。
○廣瀬参考人 賛成でございます。
○村田参考人 賛成でございます。
○首尾木参考人 賛成でございます。
○塩田委員 ありがとうございました。
○山下委員長 羽藤参考人には、お急ぎとのことでありますので、御退席いただいて結構であります。ありがとうございました。 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 初めに村田参考人にお尋ねをいたしたいと思うのです。 今度の法律は、予防からリハビリまで一貫した老人の健康管理ということが言われているわけですけれども、私は実際にはこれは財政対策ということに終始をしておるのではないかという印象を強く持っておるわけです。つまり、老人医療費をできるだけ削ろう、あるいは政府の負担をできるだけ免れたい、こういう発想が貫かれているのではないかという気がしてならぬわけであります。 そういう立場からまず一つお尋ねしたいのは、いまもちょっと問題になりましたが、老人医療費の無料という現在の大原則を有料に転換するということについてであります。私は、これは金額の大小の問題でない、まさに原則の転換だという点でどうしても賛成することはできないわけであります。私自身も、かつてちょうど福岡で県会議員をしておったときにこの無料化の大運動が起こって、一生懸命この無料化のためにやった方なのですけれども、この無料化を実施したことによって病院にかかるのにお金のことをまず心配しなくてもいいようになった、そして実際患者さんたちが、老人が病院にかかって、それでずいぶん日本人の寿命にまでこれが大きく響くというような結果も出ておるのではないか、そういう点で私はこの無料化というのは消しがたい大きな功績をすでにあらわしておるのではないかというふうに評価しておるのですけれども、医療の当事者としてどのように評価をしておられるのかということをまずお尋ねをしたいと思います。
○村田参考人 私はかように考えます。 世界的な方向として医療費の削減の方向が出てきておるわけです。ドイツ、イギリス、フランス、アメリカ。日本にしても、薬のメーカーなども、六月の改定された保険の問題あのことから世界の趨勢にならってそういう方向が出てきた。地域社会においてもそうなのですけれども、学童の問題にしても何にしてもそうですが、何でもただだということは問題意識を持たないと思うのです。やはり多少、わずかでもいいから、自分のふところから金を出すことによって、自分の健康に対する、ヘルスに対する管理というのは自分がやるんだ、そのための健康づくりにも、今度は老人保健法案に盛られているものがあるのだから、一部負担のわずかな、相なるべくは財政を——その家の、そのお年寄りのふところを脅かす程度のものでなければ一部負担があった方がむしろ健康づくりにはプラスになるのではないか、私はかように考えておるのです。
○小沢(和)委員 私は、その無料化が消しがたい大きな功績を残したのではないかということをお尋ねをしたわけですけれども、いまのお話からするとその辺の評価がちょっとあいまいだと思いますけれども、そうすると参考人御自身もいわゆる乱診乱療というような評価をお持ちかなという気もちょっとするのです。 厚生省自身が発表しております一人当たり診療費の推移というのを見ましても、五十年ごろまでは確かに老人の診療費の方がぐっと大きく伸びておったのですけれども、五十一年ごろからは、もうほとんど毎年、一般の医療費の伸びとほとんど同じという状態でずっと並行して推移してきておる。だから私はこの数字を見ても乱診乱療などということは言えない。初めは、さっきも申し上げたようにお金のことなどを心配してお医者さんにかかれないでいたような潜在的な需要が顕在化する過程ではぐっと伸びたように見えるけれども、それが一段落したら、後は全く同じような傾向しか出ておらないという点では、私はいわゆる乱診乱療というような批判は当たらないのではないかというふうに考えるわけです。 ここで有料化というような問題を持ち出すならば、私は必ず受診抑制ということで、老人の健康を維持していく上ではマイナスの影響しか与えないのじゃないかということを考えるのですが、参考人はその点いかがお考えでしょうか。
○村田参考人 医療機関側から見て、受診抑制あるいは診療がただでないということによって患者の来るのが少なくなったと言うような医療機関があるとすれば、これは日本の国家財政のことも考えない、世界の趨勢も知らない人であると思うのです。やはり現在すべてのものを、高度成長はもう終わってしまって、もう一遍見直さなければいけない、もう一遍締め直さなければいけない中で、医療の役割りの中でもそれに協力していくということが今日的な問題だと私は思うのです。 ですから、過去に医療費がただであったということによって今日までのいろいろな問題点もやはり出てきた、そこで今度の新しくできた法案は、そういう過去の試行錯誤を踏まえて将来志向的にできた法案である。 したがいまして、私は、いまのお話のような医療費の一部負担、ごくわずかであり、老人年金の中から幾らかでも出せる程度の医療費の負担であればこれはやむを得ない、そうしていくことによって役割り分担をしていただく。何でもかんでも与えてもらうということではなく、自分も社会の中の一人として役割り分担をする。それは、健康づくりをするということも役割り分担であるし、病気になったときに、ほんのわずかであるけれども初診料を払うということによって自分の意識を持つということの方がベターなような気がするわけであります。
○小沢(和)委員 どうも議論が余りかみ合ってこぬような感じがするのですけれども、しかし、きょうは参考人の意見を伺うということでありますから、私もあえて論争をしようとは思いません。 もう一つ村田参考人にお尋ねしたいと思うのですが、参考人は特養などについても関係をしておられるとか、あるいは先ほどからのお話でも、非常にこの老人医療全体について、周辺の問題も含めて広く関係してきておられるというふうに承知をしておるわけでございますけれども、私は、今度の法案で掲げられているような予防からリハビリまで一貫した健康管理を文字どおりやれば、そういう周辺の問題も広く本当にやっていくようにすれば、これこそが老人医療に関係する総費用という点で見た場合は大きく減らすことになる。この点が岩手県の沢内村とかあるいは高知県の野市とか、こういうようなところの経験などから見ても言えることではないかというふうに考えているわけです。 参考人としても、そういうような関係に広く関与された立場から、こういうようなことに真剣に取り組んでいくということは、問題になっているような老人医療費を全体としては非常に大きく抑えていく効果を結果としてはもたらすのではないかという点についてどうお考えか、お尋ねをしたいと思うのです。
○村田参考人 小沢先生と全く同じ考えでございます。
○小沢(和)委員 私、それならばお尋ねをしたいと思いますのは、今度の法案で果たしてそういうようなことが本当に保障されるようになっておるのかどうか。財政危機だということで、こういう積極的な一貫した老人の壮年時代からの健康管理ということについてはいろいろうたわれてはいるけれども、保障という点では非常に乏しい、下手をすれば絵にかいたもちというようなことに終わりはしないだろうかということを考えるのですけれども、その点いかがでしょうか。
○村田参考人 私も若干その不安は持っております。と申し上げるのは、私は、医療機関として外来でお年寄りを診、あるいは往診をします。そうして老人ホームの、特養老人ホームという一番重い、寝たきり老人、病院から送られてきた老人のところへ週二回行っております。そのことは医療の後追いでございますけれども、老人の健康づくりということで、老人大学という知事の開催するところに出ては、老人の健康づくり、要するに自分の食いたいものを食い飲みたいものを飲んで、その後始末を、ツケをよそに持ってきたってだめですぞ、それは自分で若いときからの心構え、まあ四十、五十までは食いたいものを食い飲みたいものを飲んでもいいが、それを過ぎたら自分で丈夫で長生きするための食事を考えなければいけないのじゃないですか、それはその人が国家の財政の面にもお役に立つことなんだということでございます。 一部不安というのは、先ほどもちょっと申し上げたのですけれども、寝たきり老人の問題を保健としてとらえているというところが私にはちょっと合点がいかないのです。これは訪問指導ではなく訪問看護ということになるのです。自治体の問題として、市長さんお帰りになってしまいましたけれども、保健婦さんというのは保健所、自治体あるいはごくわずか組合の事業所にあるわけですが、その保健婦さんでなく、看護婦というものを——自治体においては伝染病の発生のために役所の中にいるのであって、伝染病がないときには予防接種等に出るということでありますけれども、本来は、将来の問題として訪問指導でなく訪問看護にその看護婦を自治体の中に置いて、数人の看護婦がいれば十分外国で、カナダあるいはイギリス、アメリカ等でやっているようなことが可能になってくる。それにはもちろん底辺の問題として訪問看護制度ということがありますでしょうが、しかしとりあえずは自治体の中に保健婦と同じような看護婦を置いて活用すればその辺が切り抜けられる、かように考えております。その点だけでございます。
○小沢(和)委員 どうもありがとうございました。 それでは、廣瀬参考人にひとつお尋ねをしたいと思うのですが、四十歳からのヘルス事業については、職域の関係の方はそれぞれのその職域で健康診査とか相談事業とかいうのをやるということになっております。大手の組合健保などは病院も自分でお持ちですから、私は当然可能だろうと思うのですが、中小企業の中に連合して組合健保をつくっておられるところもあります。こういうようなところは果たしてこれが可能だろうかということを一つ懸念を持っておるわけです。それだけでなく、政府管掌の健康保険、さらに国保に加入している五人以下の労働者の方々というのになると、いよいよこれは恩恵を受けられないのじゃなかろうかというような危惧を持っておるわけでありますけれども、そういうような点についてどうお考えか、その点お尋ねをしたいと思います。
○廣瀬参考人 おっしゃるとおり健保組合も非常に大手の健保組合から中小企業の集まった総合組合もございます。御指摘のように大手の健保組合は非常に健康管理がよろしゅうございますが、中小企業は必ずしも十分じゃありません。それから大手企業と申しましても、事業所が全国に散在していて必ずしも一カ所に集まっていないという問題もありますので、われわれ健保組合内部では、共同事業としてお金を健保組合が出し合って、どの地域に住んでおろうと共同でそういう健康対策をやっていくということで、いまその実施のための具体的な内容を相談しているわけでございます。 なお、政管と健保組合とは制度が違いますけれども、健康づくりは健保組合だけではなしに政管も同様の問題がありますので、政管とも相談して、相協力して健康づくりをやれるところは相協力してやろうということで、政府管掌の方とも相談をしながらそういうことを検討しております。
○小沢(和)委員 それから廣瀬参考人にもう一つお尋ねをしたいと思うのですが、この老人医療費の負担について先ほどからいわゆる財政調整ということが盛んに問題になっておるわけであります。保険者だけでなく国や県、市町村などが全体としてそれぞれ負担をするというわけでありますけれども、差し引きして全体を見てみると、国だけが負担を減らすというような、バランスシートといいますか、なっておるようなのですけれども、そういうような点を見ると、私はこれはいよいよ国の財政危機対策ではないかという感を強くするわけです。少なくとも国がいままで出していた以上のものは、どんなにいま財政的にはむずかしいといっても出すという姿勢は貫くべきではないかというふうに感ずるのですが、この財政調整を受ける当事者として、その点どうお考えでしょうか。
○廣瀬参考人 先ほど時間が少なくて申し上げられませんでしたが、この国庫補助の問題につきましては、こういう国家財政の折ですから、従来以上にふやせということは言いたくても言うつもりはありませんが、この案を見ますと大分減ることになっておりまして、結局は健保組合、共済等の一部がそれを肩がわりしているという数字になっております。したがいまして、いまおっしゃるように、少なくとも従来出している国庫補助はぜひ確保してほしいという気持ちを持っております。
○小沢(和)委員 どうもありがとうございました。
○山下委員長 菅直人君。
○菅委員 きょうは、参考人の皆さんにはお忙しいところ本当にありがとうございます。 なるべく重複しない形で幾つか意見をお伺いしたいのですが、最初に村田参考人にお伺いをしたいのです。 先生がさっきアウトドアからインドアへといいますか、多分入院から在宅ケアをもっと重視すべきだということだと思うのですけれども、私もそういう考え方はぜひ、この老人保健をもし実施するのであれば、その中にうまく盛り込んでいかなくてはならないと思うのです。実際にそういう地域でこの問題に携わっておられて、先ほど専門家、それからホームヘルパー、さらにはボランティアなどを含めてのサブシステムという言われ方もなさっておりましたけれども、そういうものをうまくする上で一つのコツといいますか、今回の場合は市町村が実施主体になるわけですけれども、市町村が実施主体になることは私も適切ではないかと思うのですが、ただ、たとえば保健所は都道府県が管轄をしていたり、それから地元の医師会の皆さんやボランティアの皆さんやまた保健婦が市町村に属していたり保健所に属していたり、いろいろな問題があると思うのです。 そういうことをうまくやるための何か制度的な提案なりコツなり、先ほど訪問指導から訪問看護制度ということもおっしゃっていましたけれども、そのあたりについての御意見をお伺いできればと思いますが。
○村田参考人 これは日本全国、北海道から沖繩、地域特性があると思うのです。社会の歴史やらあるいは文化、いろいろなものの背景の中で、できるところと一遍にはできないところがあると思うのですね。したがって、国でこうだと言って全部を一遍にやろうと思ってもできませんから、大平総理のときに初めて地方の時代あるいは地域主義というお言葉が出ましたが、この辺で、できるところに対して国の方から重点的に助成をするとかモデル地区をつくるとか、いろいろな方策が、発足するまでに行われればいい。その具体的な方策というのは、いま御指摘のございましたように、その地域社会におけるコミュニティーだと私は思うのです。それまでに何もやってこない医師会ではうまくできっこないですし、保健所と医師会と自治体とうまくやっていないところはすぐにはできかねると思いますね。しかし国保運営協議会というものもありますし、あるいは私どものところにはございますが、日本全国でたくさんはないのですが、地域保健委員会といって、婦人会とか衛生団体、すべての民間団体と行政の労働衛生、それから地域保健、学校保健、そういうもののあれを全部含めた委員会というのがございますが、そういうものが従来あって運営されていた地域だったならば、この問題はさほどむずかしくないのでございます。 したがって、今後そういうものはやはり教育をして、そして参加を求めるということ以外にはないのではないかと考えるわけでございます。
○菅委員 コミュニティーの中でつくっていくということで、大変参考になる御意見だというふうに伺いました。 それから、少し内容に入りまして廣瀬参考人にお伺いしたいのですが、拠出金を出される保険者である立場として先ほど意見の開陳の中にも負担の問題が出ておりましたけれども、今回の場合、各保険者は実施主体ではなくて、拠出金を出す責任はあるわけですが、審査、支払いの責任は市町村が持つということに法体系がなっているわけですけれども、その点について拠出金を出す責任を持つ立場からの御意見を伺いたいと思います。
○廣瀬参考人 健保組合は、被保険者であれ家族であれ、その医療費レセプトにつきまして支払基金からの審査が終わったものが組合に返ってきますが、組合でさらにそれを点検いたしまして、納得のいかないところは異議を申し立てて過誤調整をしておるわけでございます。ところが、今度の老人保健法案によりますと、老人分は市町村の方へ金が行って、そのレセプトの点検ということを果たしてわれわれがやれるのかどうか、ぜひやらなくちゃならないと思っておりますが、どうもこの法律を読むとその辺がはっきりしていないので非常に不安な感じを持っているわけでございます。
○菅委員 いまレセプトの点検のことをおっしゃいましたけれども、それに加えて先ほどの御意見の中に、老人医療費がどんどん伸びたときに、拠出責任者としては拠出しなきゃいけないわけですけれども、その歯どめの問題をおっしゃっておられましたが、たとえばどういう形でその歯どめを望まれているかといいましょうか、そういったことについてお伺いします。
○廣瀬参考人 これは先ほどるる申し上げたつもりですが、一つは支払い方式の改善でございますけれども、もっとはっきり申しますと、やはり総医療費を国の経済状況等に見合って総額を決める、何らかの方法で決める。先ほど申しました一九七七年のドイツにおける疾病保険費用抑制法というような考え方に基づいて、この診療担当者と支払い側とが協議をして合意で決めるというのが、やれるかどうかは非常にむずかしい問題はあると思いますが、そういうことがやはり一番重要なことではないかと考えております。
○菅委員 このことについて村田参考人にもお伺いしたいのですが、この老人保健に限らず支払い方式について大変激しい議論が国会の内外を通じてあるわけですけれども、いま廣瀬参考人の言われた医療費の総額を決める、西ドイツにそういう例があるやに私も伺っていますけれども、たとえばそういう総額を決めながら、しかし中の配分についてはいままでの出来高払い方式を一つの参考にしていくといいましょうか、ただ総額がそれを超える場合については何らかの措置をしていく、そういったあり方が一つ考えられるのではないかと思うのです。 そういう意味で、総額を決めながら中はいままでの出来高払いを参考にしながら案分していくような考え方が一つの案として考えられるのではないかと思うのですが、村田参考人はそういうことについてはどうお考えでしょうか。
○村田参考人 私はそういうことに関しては非常に知識が乏しいのでございまして、またドイツのいまの方式の中身、どういうふうにそれが操作されるのかも全然見当つきませんので、何ともお答えいたしかねます。
○菅委員 それでは少し話を戻しまして、先ほど村田参考人が医療費高騰の原因の中で入院にかかる費用、特に大変高齢な方に対しても治療を加えて、何といったらいいのでしょうか、安らかに亡くなられるということでない形が非常にとられている。私も老人病院なり特別養護老人ホームなりいろいろなところに伺ってみて、やはり最終的にはできるだけ自宅で亡くなった方がいいのじゃないかと思うのですが、その問題と、医療費高騰の原因がそういったいまの入院のあり方にあるのではないかということをちょっと指摘されたように思うのですが、そのあたりどういうふうな形が考えられるのか。 実際これは私なんかもよくわからないのですけれども、つまり入院は、こういう場合はたとえばもう家庭に戻すとかそういうあり方があるのか、そのあたり何か御意見あればぜひお伺いしておきたいと思います。
○村田参考人 先ほどもちょっと申し上げたのですけれども、お年寄りの特性を踏まえたときに、入院のときに、脳卒中なら脳卒中、心臓なら心臓でいまの非常に進歩した治療の中でよくなってきた、そのときに家族もこれを引き取るということがいま意識の中にないわけです。預けてしまえば、二カ月、三カ月入っているとうちの中が手が抜けるという非常に安易なことでなかなか退院をするような運びにない。ところが、外国の場合には、入ったときに、あなたは三月後に退院するのです、そのためにリハビリテーションを一生懸命やりなさいよということで、自分自身が、社会復帰という言葉は当たりませんけれども、とにかく家庭復帰のためのリハビリテーションに一生懸命になるという、これが一つあるわけでございます。 そういう意味で、いまは昔と違ってお産も死亡も施設内、すなわち病院及び特養老人ホーム、そういう中のあれが多いわけでございます。お産も病院でやる、死亡も病院である、あるいは老人ホームである。ところが昔はそうでなかった。生まれるときも死ぬときも自宅であるということが、いまの家族連帯性の中で核家族という問題はずいぶん前から言われておりますけれども、これが一つの見直しの時期に来ているのではないか。在宅ケアの先ほど申し上げましたアウトドア、インドアという、イギリスがそれに切りかえてきたというのはまさしくこのことだと思うのです。だから日本も遅まきながらこれにならって、在宅ケアを中心にこの老人保健法案も今後一生懸命考えていかなければならない、かように考えております。
○菅委員 大変いい御意見を伺わしていただきました。 もう一つは、国保の立場ということで首尾木参考人にお伺いをしたいのです。 私も国保のいろいろな資料を読ましていただいて、大変に老人の率が高いということ、先ほど今治の市長が帰られましたが、各自治体で値上げの問題で大変議論をされているということで、私もよく話を伺っているわけですけれども、そういうことはそういうこととして大変御苦労されてきたと思うのですが、もう一つ、国保の場合に、これは全国でしょうけれども、保険料を払っている人にとってはかなり重い負担なんですが、払っていない人、これは所得把握の問題などもあると思うのですけれども払っていない人、つまり所得が非常に低いと認定されている人、特にサラリーマンの場合はほとんど雇用者保険ですから所得把握がはっきりするわけですけれども、国保の場合は所得把握がしにくい職種が多いと思うわけです。 そういった問題について国保として、この老人保健制度が成立したとしてもまだ七十歳未満の方がたくさんおられるわけで、もうこれでいいのか、さらにそういった点で改善の余地があるのか、いろいろな費用負担のやり方をとられているようですが、そのあたりについて御意見があればお伺いしたいと思います。
○首尾木参考人 現在の国保につきましては、国保税あるいは国保料金という形で保険料相当を負担いたしておるわけでございますが、御案内のように、この基本的な取り方といたしましては応益割、応能割という形で取っておるわけでございます。応益割のみの階層につきましても、これはそれぞれの保険者によりましてかなり額が違ってきておるという現状でございます。現在の地方税法の中でやっておるわけでございますが、それぞれの市町村の事情によりましてかなりな差がある、こういったようなことが現状でございます。この保険税制の問題は、私どもとしまして、やはり国保を健全に運営していくためにはこの公平な賦課ということが必要でございますし、また公平な徴収ということが必要でございますので、その点につきましては絶えず保険者において努力をいたしておりますが、私ども制度的な面におきましてもいろいろ今後改善について検討をし、また厚生省当局に対しましても意見等も出したい、かように考えておるところでございます。
○菅委員 それではどうもありがとうございました。
○山下委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。 参考人各位には、長時間にわたり御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。(拍手) 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 老人保健法案に対する質疑を続行いたします。池端清一君。
○池端委員 まず最初に、基本的なことをちょっとお尋ねをしたいと思うのでありますが、臨調の第一次答申の中にも「老人医療の特性を踏まえ」という文言がございます。さらにまた、当委員会においても、老人の心身の特性を踏まえてとか、あるいは老人医療の特性を配慮する必要がある、こういうようなことがしばしば言われておるわけでありますが、ここで言われております老人医療の特性という概念規定を明確にしておく必要があるのじゃないか。 厚生省としてはどのように押さえておられるのか、まずその点を最初にお尋ねをしたいと思うのです。
○竹中説明員 まず、老人の健康上と申しますかあるいは疾病上と申しますか、その心身の特性でございます。御承知のように老人の特徴と申しますのは、基本的には、老化の進行によりまして疾病と老化とが混在をして非常に複雑な様相を示すというのが基本的な特徴であろうと思います。その結果、まず有病率が高い。それからまた、一人でたくさんの病気をあわせ持っておる。私ども実施いたしました老人健康調査の結果によりますと、九〇%のお年寄りに何か病名、診断名が必ずつく、つまり百人中九十人の方は病気を持っておるというようなデータが出ております。それからまた、その九十人の方々は一人で平均二・六個の病気を持っておるというような結果でございまして、有病率が高く、かつ一人で多数の疾病を持っておる。 それからその次に、その病気でございますけれども、病気は循環器疾患その他慢性の疾患が多いというのが特徴でございます。そのために投薬とか注射というようなことも必要でございますけれども、食事指導、生活指導といったようなものが非常に重要な場合が多いということでございます。 それから、要治療とか要指導とかそういう分け方がございますけれども、要治療という方ももちろん多うございますが、直接の治療は要らないけれども、観察、指導が必要だというような方が多いというのも、老人の特徴だと考えております。 それから疾病とは別に、日常生活動作と申しますか、たとえば歩くとか排せつをするとか自分で食事をとるとか、そういった日常の生活動作の障害、つまり心身機能の障害を有する方が非常に多い。これも老人実態調査という調査の結果でございますが、六十五歳以上のお年寄りでは四二・九%の方が何か身体、精神面のいずれかの機能障害を持っておるということでございます。 以上のような点が老人の心身上の特性ではなかろうかというふうに考えております。
○池端委員 そういういまお話のありましたような老人医療の特性に配慮して、それでは一体医療供給のシステムはどういうふうにしていかなければならないのか。私は、そういう意味での医療供給システムの確立が急務だというふうに考えておるわけでありますが、概括的で結構でございますけれども、その構想についてお尋ねをしたいと思うのであります。
○田中(明)政府委員 ただいま竹中審議官から御説明申し上げましたように、老人にはその身体的な特性というのがございまして、したがいまして、その老人の医療につきましても、身体的な特性あるいは家庭環境から、入院を必要とする者、在宅医療を必要とする者あるいは通院医療を必要とする者、また医療は必要といたしませんけれども福祉施設においてケアを必要とする者あるいは在宅でケアを必要とする者等々、非常に多様な様態が考えられるわけでございます。 医療の分野におきましては、これまで入院医療を必要とする者につきましては、病院での医療を確保することに努めてまいりました。また、特にリハビリテーションの施設の整備を推進しているところでございます。入院の必要はないけれども通院して医療を受ける必要があるという老人に対しましては、デーケア施設の整備を図っておるところでございます。また、在宅で医療を必要とする者につきましては、お医者さんの往診のほか保健婦等による指導を行っているところでございます。また、常時医療を必要としないが介護その他のケアを必要とするという者につきましては、特別養護老人ホームへの収容あるいは在宅サービスの提供等、必要に応じて医療と福祉の連携を図ってまいっております。 今後、これらいろいろな施策の充実並びに施策間の連携の強化を一層図ってまいりたいというふうに考えております。
○池端委員 そのような老人医療の特性にかんがみまして、たとえば慢性的な疾患が多い、あるいは必ずしも入院を必要としないが在宅でのケアが必要だ、その他看護施設等々というのがありますが、そういうような特性を考えていきますと、現在の診療報酬というものの支払い方式を考えますと非常に大きな問題があるのではないかと私は思います。本委員会におきましても再三議論をされたところでございますが、診療報酬の支払い方式についても当然この特性が考慮されてしかるべきではないか、このように思うわけでございますが、これについて改めて見解を求めたいと思うのであります。
○吉原政府委員 ただいま申し上げましたように、そういった老人医療の特性がございますので、診療報酬の面でも十分そういったものを考慮したものにしたいというふうに考えておるわけでございます。たとえば病院におけるデーケアというものも、必ずしも現在の診療報酬の面では配慮されていないという面もあろうかと思います。 そういったこともございますので、新しい老人の診療報酬につきましては、そういった点も十分考慮したものにしていただくよう審議会で御検討いただきたいというふうに思っております。
○池端委員 それは支払い方式も含めてでございますか。
○吉原政府委員 支払い方式も含めて議論をしていただきたいというふうに思っております。
○池端委員 それでは、厚生省としては現在具体的にどのような方法をお考えになっておられるのか。 先般、十月十五日の本会議での村山厚生大臣の御答弁をお聞きしておりますと、決してこの審議会には私どもとしても白紙で臨むというものではない、ある程度具体案を持ちながらこの審議会で御相談を申し上げていきたい、こう言われておるわけであります。しからば、その具体案は、まだ固まったものはないでしょうけれども、たたき台とも言うべき試案というようなものがあると思うのであります。ひとつその具体案をお示しいただきたい、こう思うわけです。
○吉原政府委員 率直に言って、現在の時点におきまして具体案を持っておりません。 先生御承知のとおり、老人の診療報酬のあり方、支払い方式も含めましていろいろな考え方、議論がございます。そういった議論もございますので、具体的にどうするかということは、この法律が成立をお認めいただきましたならば設置を予定されております審議会におきまして十分その御検討をいただきたい、その審議会での御議論なり御検討を踏まえて具体案をつくっていきたいというふうに思っているわけでございます。
○池端委員 しかし、この老人保健審議会というのは、この法律が通りましたら直ちに発足させる、こういうふうに予定されていると思うのであります。そういうことを踏まえますと、まだその具体案はございませんというのは、余りにも怠慢といいますか無責任といいますか、そのそしりを免れないのではないか。 どうも厚生省は消極的で、さわらぬ神にたたりなし、こういうような姿勢を持ち続けているのではないかという危惧を私は覚えるのでありますが、その点はどうですか。
○吉原政府委員 先ほども申し上げましたように、この診療報酬のあり方につきまして現在の出来高払い制度、それから諸外国で行われておりますような請負制度あるいは登録人頭払い制度、そういったいろいろな考え方があるということは先生御承知のとおりでございます。それだけに問題がむずかしいし、いろいろな考え方に分かれているわけでございます。したがいまして、一体その考え方のどれをとるか、また何を前提にして、具体的にそれではどういった観点から老人医療にふさわしいものをつくっていくかということにつきましては、私ども本当に慎重に、また真剣に考えなければならないというふうに思っているわけでございます。 それだけに、実は現在の時点で厚生省として具体的な案を持っていないということでございまして、審議会での御議論を踏まえまして最もふさわしいものをつくっていきたいというふうに思っております。
○池端委員 現在の出来高払い方式は、実態的には昭和二年の健康保険法の施行以来、そして制度的には昭和十八年以来実施されてきたわけでありまして、その意味では、医療の側でもあるいは診療を受ける側でもこれはある程度定着してきた制度だ、こう思います。ですから、これを一挙に変更するというのは、いま御指摘のようになかなかむずかしい問題だとは思います。そのことは理解はいたします。さらに、諸外国のいろいろな制度をストレートにわが国に持ってきてそれでよしとすべきものでもない、こう思います。やはり日本の風土に根差した、医療制度に根差したものでなければならないということも十分承知するわけであります。 しかし、これは与党の有力な政治家の中でもこの制度は諸悪の根源だとすら発言された方もいるように、与党の中にでもいろいろ議論がある問題であることは御承知のとおりでありますし、また私どもは、今日の医療荒廃はやはりここにきているというふうに思うわけでありまして、この問題の手直しは一刻の猶予も許されない。したがって、わが党は、登録人頭払いに経験年数を加味した方式をとるべきだという主張をすでにしておるわけでございます。 そこで、具体的に吉原審議官にお尋ねをしたいのでありますけれども、あなたは去る四月二十七日東京の半蔵門にあります東条会館で行われました第三百四十四回社会保険特別研究会という席上で、「老人保健医療の内容と今後の方向」と題する講演を行われたというふうに承知をしておりますが、間違いございませんか。
○吉原政府委員 いたしました。
○池端委員 その中で、これは厚生省の立場ということで最初に断り書があるわけでありますが、「私どもとしては、新しい制度における診療報酬支払方式というのは、現在の健康保険制度で行っているその仕組みをそのまま持ってくるつもりはない。老人の心身の特性というものを踏まえた、老人にとって最も望ましいあるべき医療が実現できる新しい診療報酬の体系を考えたい。」こういうふうに述べたと伝えられておりますが、間違いございませんか。
○吉原政府委員 間違いございません。
○池端委員 そうしますと、ここでは「私どもとしては、新しい制度における診療報酬支払方式というのは、現在の健康保険制度で行っているその仕組みをそのまま持ってくるつもりはない。」こうおっしゃって、いるということは、現行方式を何らかの形で変更するんだ、その前提で審議会でいろいろ御検討してもらうんだ、こういう趣旨に理解してよろしゅうございますか。
○吉原政府委員 その時点におきまして、健康保険の診療報酬なり支払い方式というものをそのままの形で老人医療に使うということを考えていない。やはり新しい制度をつくるわけですから、新しい制度にふさわしい最も適切なものを考える必要がある、こういうことを申し上げているわけでございます。
○池端委員 よくわかりませんが、その当時におきましてとこう言われたのは、どういう趣旨でございますか。
○吉原政府委員 現在も基本的にその考え方に変わりございませんが、その時点におきまして、必ずしも健康保険の支払い方式なり診療報酬というものを、また逆に言いまして変えるということを前提にして申し上げたわけでもございません。そのまま持ってくるつもりはない。同時に、それをもう変えることを前提にしているんだというふうには申し上げなかったつもりでございます。やはり新しい制度でございますから、現行の制度、それからその沿革、それから諸外国の制度等も参考にしながら、最も適切なものを考える必要がある、考えたいということを申し上げたわけでございます。 また、その時点におきましては、六月に診療報酬の改定が行われましたけれども、その改定前の時期であったということもお含みおきいただきたいと思います。
○池端委員 「そのまま持ってくるつもりはない。」ということは、この形を変えるんだ、これは修正といいますか変更を前提としたものだ、こういうふうに理解するのが日本語として常識じゃないんでしょうか。そういうふうにいろいろな説明をしなければわからないという性格のものではないと思うのであります。その点どうですか。
○吉原政府委員 新しい診療報酬というものを考えたい、こういうことでございます。現在の健康保険をそのまま持ってくるつもりは現在の時点においてもございません。
○池端委員 「そのまま持ってくるつもりはない。」ということは、何らかの形で手直しをする、こういうことですね。間違いありませんね。
○吉原政府委員 間違いございません。
○池端委員 それでは大臣にお尋ねをしたいのでありますけれども、大臣も再三見直すというような表現で言われておりました。場合によっては見直すかどうかも含めて審議会でひとつ検討してもらいたいというような趣旨のことも言われたようなんで、いろいろな使い分けをされておるのであります。 また日本語の解釈になって恐縮でございますが、見直すというのは見て思い直す、考え直す、こういうことでございますので、そういうふうに、これは新しい立場に立ってこの制度を全般的に考え直していくんだ、そういう発言だというふうに御理解してよろしゅうございますか。
○村山国務大臣 まさに、さっきから言っておりますように老人の疾病というものが非常に特殊なものであるだけに、診療報酬につきましても外国の制度も参考にし、それから、わが国の持っております長短いろいろございますけれども、そういうものを全部俎上にのせて、そして全面的に再検討したい、そして最もふさわしい制度を確立したい、こういう意味でございます。
○池端委員 支払い方式をどうするかということはすぐれて国民の権利と義務にかかわる問題であります。したがって、本来ならばこれは法定化するべき性格のものだと私は思います。私は乏しい知識で諸外国の事情を調べてみましたけれども、各国においてもこういう支払い方式制度は法律の中で明確にうたっておる、そういう状況がございます。しかし残念ながら、今度は審議会の中でその問題を検討するということについては、私どもとしてはどうも納得はいきません。しかし、いま御答弁ありましたように、全面的に再検討するということでひとつこの問題に対処していただきたいということを強く申し上げておきます。 次に、この法案第三条に「国の責務」ということがございまして、「第一条に規定する目的の達成に資するため、医療、公衆衛生、社会福祉その他の関連施策を積極的に推進しなければならない。」このようにうたわれているわけであります。しかし、私どもこの法案を通じて見ますると、確かに保健と医療の施策についてはうたわれておりますけれども、社会福祉との関連というものがどうも明確になっていない。たとえば、地域の保健事業の中でホームヘルパーの生活援助や介護などという訪問指導システムがございますが、これと保健婦さんの保健指導との連携、こういうようなものについて非常にあいまいになっているし、私どもは連携がとれていないように考えるわけでございますが、この「社会福祉その他の関連施策を積極的に推進しなければならない。」ということについてどのように考えておられるのか。言葉をかえて言いますと、公衆衛生なり医療、社会福祉の総合化を目指す、そういう考え方をどのように推進されようとしておられるのか、その点をお尋ねしたいと思うのであります。
○大谷政府委員 保健婦の行います訪問指導事業は、たとえば在宅の寝たきり老人等の家庭を訪問いたしまして、健康管理の面からその家族に対して看護方法やあるいは療養方法等につきまして指導を行うものでございます。しかし、そういった寝たきり老人に対しまして単に保健の面からの指導だけではなしに、日常生活の介護についても指導、援助を求めている事例も多いわけでございます。そういった問題につきましては、保健婦の訪問指導と家庭奉仕員、ホームヘルパーの派遣サービスを緊密に連絡して行う必要があるということは先生御指摘のとおりでございます。また寝たきり老人の中には、機能訓練等によってその効果が期待されるケースもございまして、そのほかにも医師あるいはOT、PT等の専門職種の指導のもとに行われる機能訓練事業ということも非常に大事な点がございます。こういった点につきまして、保健事業あるいは福祉事業といったものにつきまして総合的にアプローチしていくということは当然必要なことでございます。 そこで、こういった総合的に連携してやっていくというふうな問題につきましては従来からも指導いたしておりますけれども、今度の老人保健法の成立を契機といたしまして、市町村ごとにこういった問題についてそういった連携を一層緊密にしてやっていくように国としても十分指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○池端委員 私は北海道出身でございまして、北海道の医療問題について日ごろから不安を感じている者なんですが、ここに昭和五十五年三月北海道で策定をいたしました「北海道保健医療基本計画」という冊子がございます。 実はここでうたわれておりますことは、北海道の、なかんずく僻地の医療体制がきわめて危機的な状況にあるということでございます。北海道には北大、札幌医大あるいは旭川医大というような医科大学がございますけれども、医師問題はきわめて深刻でございます。また地域的な偏在、都市集中、過疎地域にはお医者さん一人もおらぬ無医地区が、昭和五十三年十月の資料でございますけれども、実に八十四市町村、二百九地区にも及んでいるわけで、きわめて深刻な状況でございます。そこで、僻地における医療供給体制をどのように整備をするのか、喫緊の課題だと思うわけでございます。 この資料にも出ておりますけれども、たとえば「北海道における医療の自給度」という項がございます。これは市町村所在地で外来診療を受けた者の割合を示すものでございますが、全道平均で七六%、自分の市町村で外来診療を受けた者は七六%であって、自給度五〇%以下の町村が実に全道二百十二市町村のうち二二・五%の多きに達している、こういう状況でございます。 このように、過疎地域の医療機関や医師の不足に見られる僻地の体制、まことに重大な問題だと思うわけでありますが、これらについてどういうふうにこの整備を図っていくのか、ひとつ具体策を明示していただきたい、こう思うわけであります。
○田中(明)政府委員 北海道におきます医療については非常に大きな問題となっていることは先生御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましても十分承知いたしておるところでございます。 僻地の医療対策につきましては、御案内のように昭和三十一年度から年次計画を立てまして、いわゆる無医地区の実情に応じた各般の施策を講じてきてまいっておるわけでございます。ただ問題が非常にむずかしい問題でございまして、一朝一夕に有効な対策がなかなか立てられないというのが偽らざるところでございます。 実際に行っております施策といたしましては、一つは僻地中核病院というのをつくりまして、ここからお医者さんなりあるいはその他の医療関係者を僻地に派遣するということをやっております。これは比較的効果を上げているものであるというふうに考えております。従来からございます僻地の診療所あるいは僻地の保健指導所というようなものをつくって僻地にお医者さんなりあるいは保健婦さんに駐在してもらうということも引き続きやっております。ただ、お医者さんの場合、いろいろな理由から僻地に行ってくださるというお医者さんを得ることがなかなか困難でございますので、先ほど申し上げました僻地中核病院から交代で医者を派遣するという方がどうも実効が上がっているのではないかというふうに考えております。 そのほか、僻地に対しまして巡回診療を巡回診療車を使いまして実施いたしております。また本年度から僻地医療情報システムというものを導入いたしまして、僻地にある診療所と中核病院とを電話で結びまして、僻地のお医者さんが中核病院に対して情報を提供し、それに対して中核病院の専門医の方から適切な指示をする、あるいは先ほど申しました僻地の保健指導所につきましても、最寄りの病院あるいは診療所との間を電話回線で結びまして保健指導所の保健婦に対しましてお医者さんが適切な指導をするというようなことをやっております。 その他、僻地の勤務医師の確保のための修学資金あるいは僻地の医療に従事してくださるお医者さんを得るための確保事業の助成というようなこと、また沖繩につきましては無医地区に医師を派遣するという費用等も計上いたしております。
○池端委員 僻地医療対策の強化というものは叫ばれてから久しいわけでございます。しかし、五十七年度の厚生省の概算要求を見ましても四十六億八千七百万円。五十六年度が四十五億八千五百万円でありますから、わずかに一億円の増額にすぎない。ゼロシーリングという制約下にある、こう言えばそれでおしまいでありますけれども、しかし私はいま局長が言われたようなことではきわめて不十分だと思うのであります。いまやられておることは、中核病院の整備であるとか、あるいは僻地勤務医師等の確保のための修学資金の制度、こういうようなものにとどまっておって、決め手がない、抜本的な対策というものが欠如している、こういうふうに言わざるを得ないと思うのであります一いかに過疎地であろうと、僻地であろうと、そこに人が住んでおるわけであります。住民がいるわけであります。この住民の生命、健康を守る、このことはなおざりにしてはならないわけでありまして、やはりそういう意味での抜本策をぜひ講じてもらわなければならない。 そういうことでやらなければ、この老人保健法にうたっているいろいろな保健事業についてもまさにそれは絵にかいたもちに終わる、こういうふうに言っても言い過ぎではないと思うのでありますが、大臣、この点についてはどうでしょうか。
○村山国務大臣 これはなかなか決め手がないことは事実でございますが、先ほど医務局長から申し上げましたような、考えつくあらゆる方策をいま進めているわけでございます。委員はどうも予算も少ないのじゃないか、こういう話でございましたが、四十六億ぐらいでございますので、増額は少ないけれどもわれわれとしては五カ年計画を立てまして懸命にやっておるつもりでございます。 それから、私この間長野県の佐久に行ってまいったのでございますが、あそこではやはりおっしゃるように無医地区はございました。そこの中核病院が実に熱心にやっておりまして、私一番びっくりしたのは、日曜、休日を除いて全部の医師が、約一割でしたか二割でしたか、必ず巡回をやるということを励行しております。それでお帰りはいつももう夜になってしまう。これは一般に要求するのは無理かもしれませんが、超勤手当を要求されるお医者さんが全然いないということも承ったわけでございます。いつからお始めになっているのですかと言ったら、終戦直後からやっておる、こういうことでございました。 制度として私たちもあらゆる制度を考えてまいらねばなりませんけれども、やはりみんなで本当に僻地の健康を守るのだ。これにぜひ厚生省を初めといたしまして地方団体とも力を合わせる。それから診療機関ともまたそこの住民とも力を合わせて、意思疎通をすることがもう先決問題じゃないかということをつくづく感じたわけでございます。参りましたときに、ちょうど農村の健康の講習をやっておりました。そのときに若い人たちが大ぜいそこに集まって受講をされている姿を見まして、私もごあいさつさせていただいたわけでございますが、その地域が挙げてもう健康に力を入れている。これが一番大事だなと思います。 いま委員から御指摘の点重々頭の中に入れておきまして、一生懸命やるつもりでございますが、やはり関係者が力を合わせてやることが一番大事なような感じがしております。厚生省といたしましても、全力を挙げてやるつもりでございます。
○池端委員 確かに大臣言われるように、献身的な努力をされて多くの成果を上げているという地域もございます。しかし、この問題は単に担当者の情熱の問題だけで解決してしまうということは問題であって、超勤手当も一銭も受け取っておらないということだけで、この問題をよしとすべきではないと思うのです。やはり制度的にきちっと確立をしていく、それが行政の責任であろう、こう思うのでありますから、そういう立場からひとつ推進をしていただきたいと思うのであります。 そこで、次は時間がございませんので、先を急ぐかっこうになるわけでありますが、救急医療の問題でございます。 実はこれは昭和五十六年度でこの五カ年計画が終わることになっておるわけでありますが、当然五十七年度以降も新たな計画を策定されるというふうに理解してよろしいかどうか。その点お尋ねをしたいと思います。
○田中(明)政府委員 御指摘のとおり、救急医療対策につきましては最も緊急を要する課題の一つとして昭和五十二年度以降五年計画で推進を図ってまいっておるところでございます。本年、昭和五十六年がこの五年目に当たるわけでございますが、本年度におきまして当初計画の大体九〇%以上が達成できるという見通しを持っておるわけであります。昭和五十七年度におきましては、ただいま申しましたように、残念ながら当初の五カ年計画は五十六年度におきまして完成するということができませんので、その残事業等につきまして、特に救命救急センターの整備を中心といたしまして第一次の五カ年計画の完成に努力いたしてまいりたいというふうに考えております。それ以後につきましては、五十八年度以降の課題として、当初計画を見直してさらに取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○池端委員 五十七年度は当初の五カ年計画の残事業を完成させるということで、五十八年度以降についてはまた新たに考えていきたい、こういうことのようでありますが、御承知のように、残念なことではありますけれども、たらい回しという状況は依然として後を絶っておらないわけであります。事柄は人の生命に関する問題であります。確かに臨調、財政再建下という問題はございます。しかし、これはいま申し上げましたように人の生命に関する問題でもございますので、これらについても万全の体制をとっていただきたい、体制の強化をひとつお願いを申し上げておきたいと思います。 それで、実は同僚委員から関連質問がございますので、私はあと一点だけにとどめたいと思うのでありますけれども、国立病院、療養所の関係の問題でございます。 現状、国立病院は全国に九十九カ所、国立がんセンターが一カ所、国立循環器病センターが一カ所、国立療養所が百四十カ所、国立らい療養所が十三カ所、合計二百五十四の施設があるわけでありますが、実は臨調の第一次答申の中でも、国立病院、療養所については、地域の医療供給体制を踏まえた施設の整理統合及びその病床数の削減合理化を推進する、こういう方針が出ている。私はこれはきわめて重大な問題ではないか、こう思うのでございますが、この臨調答申に対して厚生省はどのように受けとめ、今後どのように対処されようとしておられるのか、その点をお尋ねをしたいと思います。
○田中(明)政府委員 御指摘のように、臨調の第一次答申におきまして国立病院、療養所について、地域の医療供給体制を踏まえた施設の整理統廃合及びその病床数の削減合理化を推進するという文章がございますが、国立病院、療養所は国の政策的な医療を実施する施設として、また一面におきましては地域住民に密着した医療を行っている施設といたしまして、いま直ちに急激な措置をとるということは非常に困難であろうと考えております。今後、国の政策、医療の展望並びに地域の方々の意向を十分拝聴いたしまして、慎重に対処いたしたいというふうに考えております。
○池端委員 急激な措置をとる考え方はないということは、臨調がいっているように、あるいは現在行政管理庁でも作業を進めておるようでありますが、こういう統廃合等については、厚生省としてははっきり言えば反対をしていく、そういう態度であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○田中(明)政府委員 全面的に反対というようなことではございませんが、現状にかんがみまして、指摘されたようなことを急激に行うということには非常に困難があろうと考えますので、十分慎重に検討をいたして対処したいというふうに考えております。
○池端委員 国立病院なり国立療養所の果たしている役割りはきわめて大きいわけでありますから、厚生省もそのことは自信を持って対処すべきだと思うのであります。 特に、今度の第六次の国家公務員の定員削減計画、これは去る九月十二日に発表されたわけでありますが、それによりましても、いままで定員削減の対象にならなかったお医者さんであるとか、各種訓練士の皆さんあるいは看護婦の皆さんがこの定員削減の対象になっている。これは平均五%という目標から見ると低い数字ではございますけれども、ここにまで定員削減の手が伸びてきているということは非常に重大ではないかと私は思うのであります。それでなくとも現在国立病院や療養所では定員だけでは処理できないで、定員見合いの賃金職員で賄っているという実態でございます。 それで、各療養所の長から厚生大臣に対してもいろいろな上申書が来ていると思うのでありますが、去年の十月十一日、国立名古屋病院長の木村さんから園田厚生大臣に対して、このような看護婦さんの状況では大変だから、本当に国民の医療需要にこたえるためにも、あるいは医学の進歩にこたえるためにも、何としてでも賃金職員全員の速やかなる定員化を図られたい、定数増をぜひやってもらいたいという切実な上申書まで出ているわけでありまして、御承知だと思うのであります。 そういう状況に逆行するような定員削減は断じて許されないし、それを甘んじて受けた厚生省の態度も実にふがいない態度だ、こう私は思うのでありますが、どうですか。
○田中(明)政府委員 御指摘のように厚生省の削減総数の算定につきましては、臨調の第一次答申の趣旨を尊重するという観点から、医師、看護婦等のいわゆる医療職員につきましても、きわめてわずかではございますが、一定の削減率が課せられております。しかし、わずかとはいえ医師、看護婦等の医療職を削減するということはいろいろとむずかしい問題がございますので、削減の具体的な方法並びに必要な増員等につきましては、今後予算編成の段階を通じまして、関係省庁と十分協議して決めてまいりたいというふうに考えております。
○池端委員 国立病院、療養所の問題については非常に多くの問題が山積いたしておりますし、きょうの限られた時間ではとても全部を申し上げることはできませんので、機会を見て改めて厚生省の御見解もお聞きをしたい、こう思いますが、たとえば看護婦さんの看護体制の問題にいたしましてもきわめて劣悪であり、労働条件は非常に強化をされている、他の民間病院と比較いたしましても本当に比較にならないような状況にあるということだけを申し上げて、こういうような国民の命にかかわる問題でございますので、それはやはり拡充強化をするという方向で今後とも懸命の努力をしていただきたい、このことを強く申し上げておきます。 同僚委員の関連質問がありますので、私の質問はこれで終わります。
○山下委員長 栂野泰二君。
○栂野委員 十分ではどうにもなりませんが、早速質問をさせていただきます。 大原委員の質問で答弁がはっきりしなかった点をお尋ねしますが、保険者が拠出金を出すことになります。それは結局加入者の保険料という形ではね返ってまいります。「老人保険料」という名前が新しくできまして、保険料というふうになっていますが、この拠出金なり保険料というのは一体どういう法律的な性格を持っているのか、つまり、税金と同じような強制的な負担金じゃないのかということであります。いかがですか。
○吉原政府委員 拠出金の性格でございますが、拠出金の財源に充てるために、従来どおり被保険者、それから事業主から保険料の形でその財源を調達することができるということになっているわけでございます。したがいまして、この老人保険料は従来どおりの保険料と一緒に徴収ができる。その中の一部を老人保健法による拠出金の財源に充てることができる、こういうことになっていることが第一。 それから、老人保険料として徴収されたお金が老人保健の医療のために使われるわけですけれども、いわば使い道ですね。使い道も従来の保険料と同様に、いわば老人の医療費に充てられるわけでございます。したがいまして、徴収の仕方、それから徴収した保険料の使途、その両方の面からいいまして、新しい老人保健法による拠出金、老人保険料というものも実質的に従来の保険料と変わりはない、法律的にも変わりはないというふうに考えております。
○栂野委員 この法律の二条一項は、老人医療というのは全国民で負担するのだ、こういうことですね。これは全く保険制度とは違うのですね。これはまさに税金相当の負担金を国民全部が出して老人医療制度を賄うという趣旨じゃありませんか。
○吉原政府委員 制度の趣旨なり考え方は全くおっしゃるとおりでございますが、ただ実際の仕組みとしてどうやっているかと申し上げますと、先ほど申し上げたようなことでございまして、従来の制度の上に乗って新しい制度をつくっているわけでございます。全く従来の制度とは別個に新しい制度をつくり運用していこうとするのではなしに、従来の社会保険制度の上に乗って新しい老人医療制度をつくっていく。(発言する者あり) したがいまして、新しい老人医療の制度というのは従来各保険制度でやっていた老人の医療というものを、いわば各制度共同でやっていこう、そういう性格のものでございまして、従来の社会保険の観念からはやや広くはなっておりますけれども、社会保険の共同事業という性格を持っていると思っているわけでございます。
○栂野委員 私は本質を聞いているのですよ。いま後ろから声があったように、本来これは老人医療制度を別建てにして全国民で負担するというのだから、それに見合った財源捻出方法を考えるべきなのでしょう。しかし、とりあえずいま保険制度があるから、これを便宜利用したにすぎない。 〔委員長退席、湯川委員長代理着席〕 そこで、お伺いしますが、厚生省提出の資料ですと、いままでの被用者保険が現行のままでいく場合と、それから試算Iで算出した拠出金を比較してみると、政管健保で六十億円、組合健保で六百三十億円、共済で百三十億円多く出すことになりますな、そうですね。だから、現行制度でも老人医療費を負担しているそのままの額が今度の新しい制度に移行するならまだしもだけれども、全く新しい制度で多く出すようになったこの六十億、六百三十億、百三十億というこの金の性質は何ですか。これは本来の保険制度からいったら出すべき必然性のない金でしょう。
○吉原政府委員 制度全体の考え方といたしまして、従来は各保険制度、その保険制度の加入者のために一定の保険事故が起きたときに給付をする。確かに厳密には、社会保険の制度というのは集団ごとに構成し、運営をされてきたわけでございます。しかし、そういったやり方が現在の老人医療制度でいろいろな問題を起こしているということからこの新しい制度が出発をしているわけでございまして、従来個々の保険制度でやっていた老人の医療を、公と、地方公共団体ももちろんお金を出しますけれども、各保険制度の共同の事業としてやろうというのがこの考え方でございます。 確かにその一部は従来払っていた保険料よりも多く出すということになりますけれども、社会保険の共同事業でやろうということは、実はたとえば現在の保険制度の中におきましても、健保組合が共同事業で一つの大きな健康開発事業だとか高額医療の事業だとかそういうものをやっている例があるわけでございます。つまり、保険制度の共同事業としていままでより多くのお金を出して共同でやっていこう、場合によってはいままでよりも少ない金で共同の事業をやっていこうという制度が現在の保険制度の中にあるわけでございますから、この新しい制度も公と社会保険制度の連帯の共同事業と考えることができるということでございます。
○栂野委員 もう時間がないので余り議論できませんが、これは共同事業でやろうというのと性質が違うのですよ。この保健法が成立することによって無理やりにこれだけ負担させられることになるのですよ。これは強制負担金ですよ。だから、言ってみればこれは税金と同じです。だから、憲法八十四条の趣旨から言っても財政法三条の趣旨から言っても、この拠出金あるいはこれがはね返ってくる保険料というのは法律できちんとしなければいけませんよ。具体的な内容まできちんとしなければいかぬ性質だと私は思うのです。 ところが、今回の制度だと老人医療費が総体としてふえてきますね。それを各保険者が負担する場合には五十九条で適用になってくる。しかも二分の一以下、ずいぶん議論になっていますが、これは政令で決めるのですね。この二分の一以下にどう動かされるかは政令で自由にできるわけです。そうなってきますと、この負担分が一体どうなってくるかです。だんだんふえるけれども、どこまでふえるかわからない。こういう性質の金は、少なくともここのところはきちんとしなくてはいけない。 きょうの午前中に参考人に出られました健保連の専務理事も、たとえば組合健保について六百三十億ふえてくる、これは保険料率に換算すれば千分の二・一、これをセットしてもらいたい、と。これは当然の要求だと思うのです。つまり、法律でこれを固定的に定めてほしい、こういうことです。これはいまのやり方だと変わってくるわけでしょう。千分の二・一、少なくともこれぐらいは法律できちんとしなければおかしいじゃないですか。
○吉原政府委員 いわゆる案分率というものを政令で決めることにしておりますけれども、何も私ども政令で自由に政府の一存で変えるということを考えているわけではございませんで、政令で現在の時点では二分の一ということで決めたい、老人の加入者の状況なり医療費の状況、そういったものが将来変わった時点におきまして、関係者、具体的にはその保険者でございます、三千の市町村それから千数百の健保組合、これを全部含めました五千の保険者の方の合意を得て、それから老人保健審議会にもお諮りした上で、合意が得られた時点においてその内容で変更ができる余地を残しておくということでございます。
○栂野委員 この拠出金の性格からいって、租税法定主義、憲法の規定からいってもこれは法定しなければいかぬと私は言っているのです。 もう時間がありませんが、今度は健保法が改正になって、一般保険料率と老人保険料率の二つに分けましたね、これがおかしい。いままでですと保険料率は一本ですね。たとえば政管健保で言えば、千分の九十一の上限枠、これを変える場合には法律を変えなければいけませんね。その範囲内で現行の保険料率を上げる場合も社保審の議を経なければいかぬし、しかも上げる場合に、診療報酬の改定があるとか給付がよくなるとかいう要件がなければ上げられぬのじゃないですか。ところが、今度の制度で一般保険料率と老人保険料率が別建てになる。結局、いまのように二分の一を操作すれば、老人保険料率はどんどん上がっていくが、一般保険料率は固定することが自由にできるのです。 出す方から見れば、老人保険料だろうが一般保険料だろうが同じなんですよ。いままで同じに出して、それが上限枠を超えれば国会の審議になる。なかなか超えられない。枠の中だって、いま言ったように要件があるでしょう。ところが、老人保険料率と一般保険料率とに分けることによって、そこのところは抜け道ができてしまうのですよ。いま現行保険料率は、政管で言えば千分の八十五でしょう。今度分けたから、五十六年度は一般保険料率は千分の七十四・三になるわけでしょう、老人保険料率が千分の十・七あるから。千分の九十一まではまだまだあることになったのです。そこら辺の歯どめが今回の法律ではできていないのです。健保法上の歯どめをなくして、それでは老人保健法上別建ての歯どめをつくったかというと、ここは全く歯どめなし。これは大変問題がある。 委員長、もう時間が過ぎましたが、とにかく十分じゃどうにもなりませんので、もう少し議論をする時間を御検討いただきたいと思います。いかがですか。
○湯川委員長代理 理事会の決定でございますので、時間厳守でお願いします。
○栂野委員 終わります。
○湯川委員長代理 次に、金子みつ君。
○金子(み)委員 私は、この老人保健法案に関する審議が二十二日以来続いておりますけれども、余り質疑の対象として出てまいりませんでした保健事業に重点を置いて、きょうは少し質問をしたいと考えております。 まず、基本的な問題としてお尋ねしたい問題がありますが、これは、今度の法案の趣旨が国民が健康に老いるということを目標にされております関係で、狭義の医療事業だけでなくて、保健事業を取り入れたいわば広義の包括医療ですか、そういう形で、予防から治療、そしてリハビリテーションと総合的に体制を組んで老人の健康を管理していって、そして健康に老いるという形に持っていこうとしておられるというところに特徴があるというふうに私は一応理解をしているわけでございます。 それで、その趣旨に従って五カ年計画をとりあえず立てておられます。この問題は、健康に老いるということでありますから、五年たったらおしまいということではないはずだと思います。これはもう、将来ずっとこの事業は続いていかなければならない問題だと思います。五年たった、あるいは十年たった段階で、国民の健康状態がよくなってきたというような成果が上がれば、少しずつ事業の形が変わるかもしれませんけれども、五年でおしまいというものではないというふうには理解しています。 ただ、さしあたり五年計画を立ててやってみようという考え方であるというふうに理解しているわけですが、御承知のように、急速に高齢化しているいまの日本の状態の中では、五年というのはいささか気が長いなという感じがするのです。緊急性が感じられないので、これは意見として申し上げるだけですから御答弁は要りませんけれども、せいぜい三年ぐらいで目的が一応のところまで達せられるような計画をやるのでなかったら、本気でやっているというかっこうにはならないんじゃないだろうかというふうに私は思うわけでございます。しかしこれは、今回の計画は五年となっていますので、五年ということを前提にして質問をさせていただきますけれども、考え方としては、私は、ちょっと悠長だなというふうに思うわけでございます。 そこで、戻りますが、その五年間事業を進めていくために、従事者、働く人たちがたくさんおりますが、その仕事に従事する人たちの増員とかあるいは施設の整備拡充、ことに一番問題になる人間の問題でも施設の問題でも、もとはと言えばお金の問題ですから、予算が非常に重要な基盤になると思います。 その予算の規模ですが、それを五年間の分を厚生省は立てていらっしゃるわけです。その五年間の予算を立てていらっしゃるのを拝見したわけでございますけれども、五十七年度要求額は六十五億。先ほど大臣が六十五億、六十五億とおっしゃったのはこのことだと思いますが、五十七年度満年度、五十八年度、五十九年度、六十年度、六十一年度、ここまで行かなければ五年計画は終わらないわけですね。 この毎年度毎年度における予算の金額というのは大変なものです。百五十一億、二百二十八億、二百九十九億、三百七十二億、最後の年度は四百六十三億、こういうふうな金額が一応計画されているわけなんですけれども、こういう計画をお立てになって、私が一つ疑問に思いますのは、今国会が行革国会だと言われているぐらいに、行政改革の問題は大変に厳しゅうございます。あらゆる面に非常に大きな力をかけてきていまして、厚生省自体でもその予算はゼロシーリングの枠の中にはめられていますから、必要経費、当然増みたいなものだけで約二%ぐらいしかアップになっていませんね。そういう行革の厳しいときにこれだけの予算を、向こう五年間果たしてこの事業実現のためだけの予算が獲得できると大臣はお考えになっていらっしゃるのでしょうか、そのお見通しとかあるいは自信や決意のほどをまず聞かせていただきたいと思います。
○村山国務大臣 この老人保健法における最大の問題は、私はやはりヘルスの問題だと思っているわけでございます。この五年間で基盤整備をやりたいということでございまして、おっしゃるように、五十六年度は四十二億、それから基盤整備の最終年度は四百六十三億でございますから、約十倍になるわけでございます。 来年度は大体ゼロシーリング、これからやはり厳しい予算の枠が続くと思います。しかし、私はどんなに厳しい枠の中でありましても、この予算は何としてでも最大限の努力を尽くして確保してまいりたい。厚生省の予算は御承知のように八兆七千六百億でございます。その中でもやはり工夫をこらしまして、そしてこのヘルスに関する所要の財源は、私はもう最優先に置きまして獲得してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○金子(み)委員 同じ問題でございますが、その厚生省の計画の五カ年間の予算の見通しですが、大蔵省はどのように協力体制をとろうとしていらっしゃるのでしょうか。よろしいと太鼓判を押されたのでしょうか、それともだめだとおっしゃったのでしょうか、どうなんでしょう。
○篠沢説明員 高齢化社会に対応しまして、健康に老いるということ、これを目的としたこの事業につきまして、予防を含む総合的な老人保健対策を進める必要があるという基本的な考え方につきましては、大蔵省としては十分理解をして、ここまで法案につきましてもいろいろ御相談にあずかってきたというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、この新制度における保健サービスの具体的な内容につきましては、市町村の実施体制とか、他の同種の事業との調整とか、いろいろなことも考えながら、本当に必要な、老後が確保できるような事業、それを進められるように厚生省と十分協議して毎年度対応してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○金子(み)委員 そういたしますと、考えていきたいということなので、まだ未知数ですね。決まったものではありませんね。 そうしたら、ちょっと質問を変えますが、さしあたりの来年度、五十七年度、これについてお尋ねしたいのですが、大体官庁が法律をお出しになるときに、それが予算に関係がある場合には、大蔵省の了解、承諾がなければ法律案は提出できないと私どもは理解していたのです。今度老人保健法案が提出されてきたということは、少なくとも五十七年度だけは大蔵が了解したというふうに理解できると思うのですが、いかがですか。
○篠沢説明員 ただいま申しましたように、基本的な方向につきましては十分御相談に乗るということで法案が出ているというふうに考えます。 ただ、具体的に五十七年度どういう数字、中身の部分について、どれをどういう順番に配列して予算を組むかという問題につきましては、現在いわば査定の検討中でもございます。厚生省と、もう少しいきました段階で、またよく御相談をしていくということになろうかと思います。
○金子(み)委員 では、もう一言お尋ねします。そうすると、査定の段階で落とされるものがあるかもしれませんね。それだったら、この法案は審議してもしようがないということになると思いますが、その辺はどう考えたらいいのでしょう。
○村山国務大臣 御承知のように、現在まだ予算編成が済んでないわけでございます。概算要求を出しておるわけでございまして、もちろん最終的にはこれから両省の間で討議をやり、そして年度末に予算編成が行われるわけでございます。一方、この老人保健法はやはり早く皆様の御賛同を得て成立させていただいて、それで準備期間を持ってやらないとできない、そういう非常に準備に時間のかかる法律でございます。 そういたしますと、どうしてもその査定を待ってから提出するということでございますと、非常におくれるわけでございます。この法律案は一刻も早く実施する必要があり、またそれだけのメリットがあるものと考えておりますので、私たちは現在まだ予算の概算要求の段階ではございますけれども、必要なものは必ず確保したい、こういう決意をもって臨んでおるわけでございまして、その点どうぞひとつ御了承いただきたいと思うのでございます。
○金子(み)委員 厚生省は査定されないようにがんばっていただきたいと思いますし、大蔵省はこの事業に賛成しておられるのでしたらば、それが成立するように協力していただくことが国民に対する責任だと思いますので、その点を十分考えていただきたいと思います。 同じ問題ですけれども、もう一つあります。これは行政官理庁にお尋ねしたいのですけれども、この事業を進めていくために、厚生省では担当の部局を新たにつくろうという考えがありますね。それで、これは私が聞きましたのは、公衆衛生局の中に老人保健部をつくって、計画課と医療課と保健課と三つの課をつくるという行政機構の新設というのが出てくるのですけれども、これがいま申し上げました行革との関係でどういうふうになりますのでしょうか。行政管理庁となさっては、この問題についてどういう取り扱いをしようと考えていらっしゃるのでしょうか。これもやはり決まらないと仕事にならぬのですよ。
○神澤説明員 ただいま御指摘のように、老人保健事業にかかる実施体制につきましては、老人保健部、それから計画課ほか二課の、三課の新設要求が出されております。 しかし、現在臨時行政調査会の第一次答申もありますように、行政の簡素効率化が強く要請されていることでもございます。それから、従来行政管理庁におきましては、機構の新設に当たりましては厳に抑制する、真に必要があると認めるものにつきましても、既存機構の合理的再編成によって措置する方針でございます。いわゆるスクラップ・アンド・ビルドでございますが、老人保健事業にかかわる要求につきましても、この方針で臨むべく検討いたしております。
○金子(み)委員 スクラップ・アンド・ビルドということですと、形としては結果的には新設という現象になりますけれども、いま厚生省が持っている機構の中で、切りかえをやったり取りかえたりということであればよろしい、こういう意味ですか。
○神澤説明員 もちろん、機構そのものがスクラップがあれば何でもよろしいというわけではございませんが、その実施体制のために必要であれば認めます。ただ、その場合であっても、既存の機構の合理的再編成をお願いする。具体的にどのようにやるかはこれからの予算編成過程を通じて厚生省の方と折衝してまいりたいと思っております。
○金子(み)委員 それでは、この問題は厚生省と行管との話し合いでは具体的にまだ実っていないわけですね。大丈夫ですか。
○神澤説明員 現在のところ、まだ……(「聞いておらぬか」と呼ぶ者あり)お話は聞いておりますが、具体的にどうするかについては、いま検討中でございます。
○金子(み)委員 話は聞いていますがという程度ですね、いまのお話ですと。もう少ししっかり話し合っていただかないと大変心配ですね。審議するのが本当にこちらも心配になってきたのですけれども、どうでしょうね。厚生省はどう受けとめていらっしゃるのですか。
○村山国務大臣 やはりこういう際でございますので、機構の新設はできるだけ控えねばならぬということはわれわれも十分承知しておるのでございます。ただ、この制度は国のこれからの保健、医療に関する非常に基本的な問題でございますので、やはりスクラップ・アンド・ビルドの見地に立ちまして、ぜひひとつ関係省庁の御理解を得て、そうしてわれわれが庶幾しております機構をぜひ確立させたいものと、これから予算編成に向けて全力を挙げてまいるつもりでございます。
○金子(み)委員 スクラップ・アンド・ビルドはなかなかはっきりしませんけれども、この問題にばかり時間をとれませんので、いまの問題は解決がここではつかないということのままで進めていきたいと思います。 その次にお尋ねしたいと思っておりますことは、この老人保健事業というのは、厚生省が所管しておられる公衆衛生事業の一環だと思うのですけれども、どういうふうに位置づけをしておられるのかということが伺いたい。 これはヘルスサービスなんでしょうか、それとも保険財源対策なんでしょうかということが大変疑問になります。なぜかと申しますと、いままでずっといろいろの方々の質疑の中に出てまいりましたように、医療費の問題の取り扱いがほとんど主体になっているような感じがいたします。そして同時に、医療費を今度は有料にするというのですね。せっかく無料で進めてきた——無料という言葉には語弊があるかもしれませんけれども、本人負担でなくきたものが、今度は有料になる。それだけではなくて、従来公衆衛生の仕事、保健事業というのはそれこそ本人負担はなかったのですけれども、今度は公衆衛生保健事業についても有料にすることになっているのですね。物によっては本人負担をするということが、厚生省の計画の中にちゃんと載っているのです。 そうなると、これは公衆衛生事業の一環として位置づけのしようがないみたいにも思えますが、それをどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。本当にこれはヘルスサービスなんですか、財源対策のサービスなんですかということがどうしてもはっきりしないので、その辺ひとつお返事いただきたい。
○大谷政府委員 先生も十分御承知のように、公衆衛生は健康増進、予防、治療、リハビリテーションといった包括的な立場から、国民の健康の保持増進を図るために社会的な手段を用いて行うものとされております。したがいまして、この老人保健法案の中でのヘルス事業につきましては、四十歳以上の者をライフステージの中で、やはり全体の公衆衛生サービスの一環として行われるものであるというふうに理解しているわけでございます。 そこで、先生御指摘のように、しからばそのヘルス事業を有料とするのはどういうわけか、こういうふうなお尋ねでございますけれども、従来からも、公衆衛生サービスにつきましては、国、都道府県、市町村といった公的な費用が中心になりますけれども、原材料費分につきましては一部負担をお願いしているところでございまして、今回の老人保健法におきますところのがんの検診でありますとか、あるいは循環器の精密検診でありますとか、そういった高度に医学的な診断に共通するようなものにつきましては、どうしても無理のない範囲で一部負担をお願いする。もちろん、国、都道府県、市町村が大方はこれを公的サービスで負担するという考え方でございます。
○金子(み)委員 それではそれは一応わかったことにいたしますが、こういうのはどうなるんでしょうか。たとえば先ほど、厚生大臣は長野県の八千穂村へお出かけになったのですか、八千穂村へいらしたお話をしていらっしゃいましたね。あるいは岩手県の沢内だとかという有名なところがありますね。ああいうところは、御承知のように十年以上も前から大変にすばらしい保健医療計画を立てておられて、医療費はどんどんどんどん軽減されていくし、それから保険料も値下げをできるようになったし、しかもなおかつ六十五歳以上は無料でやっている。大変成果を上げている。そして町村の財源には一つも影響がない。こういう成果が上っているところがあるのですが、今度この法律ができますと、いままでそういうふうにして成果を上げてきたところでも有料にしなければならなくなりますね。そういうところでもやはり有料にするのでしょうか、せっかくそこまで成果を上げてきて無料できているものを。 そうだとすれば、住民福祉なんというものは全然なくなってしまう。どう考えてもこれは、厚生省はこの法律をつくることによって三百億円の削減をするという計画がありますから、その計画に沿っていきたいと思っていらっしゃるのでしょうか。 あるいはもう一つお尋ねしますが、五年後の医療費の抑制にはどんな効果がこの結果上がるのでしょうか。その二つ、お尋ねいたします。
○大谷政府委員 確かに先生御指摘のように、沢内村あるいは八千穂村におきましては、村当局の自主的な御努力によって非常な成果を上げておられます。特に八千穂村の佐久病院につきましては、先般大臣も視察されまして大変感銘を受けられたところでございます。 今回の老人保健法による一部負担は、そういった市町村で自主的に行っておられたところに対しましても、国、都道府県の補助金も入れる、こういうふうなことでございまして、特に従来から無料でやっておられるということにつきましては、市町村が従来から非常な努力をされていたというところで、国としても今回応分の応援ができるというふうなことで、私どもとしては前進というふうに受けとめているわけでございます。 もう一つ、しからば保健事業を実施することによって医療費がどれほどの軽減になるか、これは非常にむずかしい問題でございまして、非常に学問的な小さいデータでございますけれども、あるデータによりますと、一時的には二、三年後に受診率が非常に高まる。一時的には医療の費用が多くなるけれども、数年後には医療費が下がっていくというふうな研究データも示されております。ただ、国レベルで申しますと、これはなかなかそこのところは断定的に申し上げるのは非常にむずかしいように思うわけでございます。
○金子(み)委員 二つとも私の質問に答えてくだすってないのですよ。初めの方は、いままで無料で進めてきて成果を上げているところに、必要はないだろうけれども国がやはりめんどうを見ましょうという趣旨の御答弁だったわけです。それは大変結構だと思います。国の責任としてなさることは当然だと思いますから、それはいいと思いますが、住民が、いままで医療費を払ってなかった人たちが今度払わなければならなくなるという法律になっているのですが、それをなさるのですかと聞いているわけですよ。いままでよりも不利益になるわけですからね。既得権はなくなる。そういう姿勢にならざるを得なくなるのですが、それでもなさいますかというお尋ねなんです。 それから後の方は、五年後の医療費の抑制はどれぐらいできるだろうかという目算をお立てになってなかったのですかということです。
○吉原政府委員 いままで市町村が単独事業として無料でやっていたというところが新しい制度でどうなるかということでございますが、この法律ができますと、国の制度として各市町村を通じて一つの制度として運営をしていきたいということでございますので、この法律で予定をいたしております一部負担は、当該市町村においてもお願いをすることになる。お願いせざるを得ないというふうに思っております。 それから、保健事業をやることによりましてどの程度の医療費の節約といいますか減少につながるかという御質問でございますけれども、ただいまも公衆衛生局長からお答えしましたように、ヘルス事業によっての医療費の節減効果、なかなか推計がむずかしい要素がございます。それからやはり効果が出てくるのが、五年ないし十年というかなり長い期間を考えなければ効果というものが出てこないという点があることも事実でございます。 それで、お答えになるかどうかあれでございますけれども、十年後の医療費、先般の当委員会での御質問に対しまして、六十五年では老人医療費約七兆程度になるのではないか。過去の推計、伸び、そういったものを勘案をいたしますと、十年後六十五年には七兆程度になると推計をしているというふうに申し上げましたけれども、大体その場合の伸び率というのは、年平均をいたしまして一二%ぐらい伸びていくという前提での数字でございます。 しかしながら、こういった予防事業なりあるいは一部負担をお願いすることによって健康に対する自覚も持っていただくというような新しい法律の実施なり施行によりまして、仮に一%程度その伸びが低くなるということを前提にいたしますと、六十五年では実は六兆三千億、一一%の伸びといたしますと六兆三千億。仮にそれがもう少し効果が上がりまして一〇%といたしますと五兆七千億というぐらいな医療費になるわけでございます。したがいまして、私どもは、新しい制度をつくってこれだけの事業をやった場合には少なくともその程度の医療費の節減ということに結びつくようにいたしたい、また、それは可能なのではないかというふうに思っておるわけでございます。 全体としては大体そんな感じでございますけれども、個々の市町村で実際に努力をした成果というものを見てみますと、具体的に……
○金子(み)委員 結構です。いまのお答えですと、いままでは医療費を払わないで診てもらっていたのが、今度は法律が変わったら払わなければならなくなった一これはえらいことだと思います。こんなことを実施していいのでしょうか。私はよくわかりませんけれども、大変問題になるのじゃないかというふうに思います。ここでその問題を議論するつもりもありませんので申し上げませんけれども、そういうことをしなければならないのか、それとも、それは市町村に任せられないのか。いろいろ方法があるだろうと思いますけれども、いままで無料でずっと何年もやってきた、十年ぐらいもやってきたのを今度急にがばっと医療費を取られる、そういうことが政治として、行政として、正しいあり方なのかどうかということも考えてみていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 その次の問題に入ります。 いま一つのことは、厚生省は従来いろいろな保健事業をいろいろな形で進めてきておられるのですけれども、それはみんな、その都度その都度非常に考えられたことであって、それがお互いに一つずつ結びつきがないみたいな感じがいたします。 で、総合的に進めることについての理念をいままでおつくりにならなかったけれども、今度はおつくりになるのかなというふうな感じもするのです。 それで、たとえば老人福祉法に基づいて行われる保健事業というのがやはり幾つかあります。たとえば、健康診査それから健康教育、訓練、健康相談、保健指導とかいろいろありますね。そういった五つ六つぐらいの事業というのが挙げられています。それからまた、老人保健医療総合対策開発事業ですか、これも五年計画ですか、始められましたね。この中に出てくるのもやはり健康教育、健康診査、健康相談、訪問看護、機能訓練、全く同じことが書かれているわけです。今度の老人保健法の中にもまたこのことが保健事業として入ってくるわけですね。こういうようなのが大変に煩瑣なんですけれども、こういうことになりますと、現場はとても混乱するだろうと思うのです。 そこで、現場を混乱させないで、しかも効果を上げるようにするために、今回新しく老人保健法案を実施しようと思っていらっしゃるのを機会に、何かこれはまとめて、そして一つの大きな柱の中で保健事業というものがばっといけるような形にならないものでしょうか。あそこの事業でこれをやる、こちらの事業でもこれをやる、こういうのが大変にまとまっていない感じなんですね。ばらばらになっている。これはどうなさるおつもりですか。私どももつかみ切れないで困っているのです。
○大谷政府委員 先生が御指摘の老人福祉法に基づく健康診断あるいは老人保健医療総合対策開発事業といったものは、そういったものの経験を踏まえまして、それらのすべてを含めまして、先生御指摘のように、総合的な見地から、今度の老人保健事業の中に発展的に全部含んでいるわけでございまして、従来のそういったいろいろな単独的な事業につきましては、老人保健事業の発足とともに解消いたしまして、全部新しく統合的に実施するという考えでおります。
○金子(み)委員 そうすると、それに関連するのですけれども、施設整備のところでお尋ねしようかと思いましたが、いまの問題に関連しますが、国民の健康づくりの施策をお出しになった時に、市町村保健センターというものをおつくりになりましたよね。この市町村保健センターは現在四百カ所ぐらいあるそうですけれども、その時点で考えられたことは、昭和六十二年までに三千三百カ所ぐらいつくるという計画を立てていらっしゃいます。ところが、今度の保健事業を見ますと、五カ年計画になるわけですけれども、一年手前の六十一年では一千カ所だとなっているのですね。大分数字が違うのですよ。三分の一なんですね。これは、一体考え方や計画を変更なさったのでしょうか。その理由はどうなんですか。そして、今後はどうなさるおつもりですか。それをちょっとおっしゃってみてください。
○大谷政府委員 昭和五十三年に国民健康づくりが発足いたしましたときに、新しい旗として市町村保健センターを設立する、しかし、その市町村保健センターだけではなしに、既存のA型の老人福祉センターあるいは母子健康センター、国保のステーションといったものも含めまして、そういったものも保健センターとして運営できるように補助するというふうな考え方で、トータルといたしまして三千九百五十三カ所を六十二年度に完成させよう、こういう計画で出発したわけでございます。したがいまして、市町村保健センタープロパーといたしましては、一応その当時は、六十二年度に千五百六十カ所完成して、既存の老人福祉センター、母子健康センターを活用して、それが二千五百二十九カ所、合わせまして全国で四千カ所、大体そういう考え方できたわけでございます。 しかし、その後実際にいろいろやってまいりまして、五十三年度とその後の財政事情等の変化もございまして、一応今回の老人保健法絡みでは六十一年度に千カ所、こういうことで若干ペースダウンをしたということになっておりますが、私どもとしては、基本的な物の考え方としてはそう大きい変革はないというふうに考えておるわけでございます。
○金子(み)委員 わかりました。新しい事業の中に吸収して、そして総合的に計画を立て直すというかっこうになるのだと思いますから、その方で成果を上げていただければいいと思っています。 いま一つのお尋ねは行政管理庁の方になんですけれども、これが済みましたら行管の方はお帰りになって結構でございます。 これは、いまの厚生省の、ばらばらのを一つにまとめるという話とちょっと似てくるのですけれども、御承知だと思うのですけれども、農林水産省の関係で生活改良普及員という人がいます。この人たちが国の補助を得て仕事をしていますね。農業が原因となる諸問題ということを前提に置いていますけれども、この人たちが暮らしの中の健康指導というのをやっているわけですね。その中身は、栄養指導、食事指導などの保健活動、それから環境衛生指導、健康意識の高揚、これは健康教育ですよね。そういうことをやっておられるだけでなくて、地域を対象として、二年から三年に一遍ぐらいだそうですけれども、濃厚指導と称して健康診断、健康診査をやっておられる。その結果、有病者が発見されれば病院を紹介し、そうでない人たちは直接指導をする。だれが指導するのかと思いましたら、この生活改良普及員がなさるそうです。その人たちがどうしてそんなことを指導できるのかと言いましたら、農水省本省あるいは県で主催した研修を行って勉強してするのだ、こういうことなんですね。 この問題は、私も大変に寡聞であれだったのですけれども、こんなところまで手を伸ばしていらっしゃるとは知らなかった。生活指導をしておられるということは知っていましたけれども、健康教育の問題などまでやっていらっしゃる。これからの問題は何だと言ったら、老人問題だ、こういう話です。寝たきり老人の介護の問題なんかがあるというお話でした。確かにそういうことはあるだろうと思うのです。ですけれども、このことは厚生省所管の公衆衛生の仕事の一環ですし、実際問題としても保健婦活動とぶつかるわけです。こういう問題が、やっていけないということは私はここでは申し上げられませんけれども、こういうダブリがあるのですね。 こういうところをどういうふうに合理的に進めるべきであるかというようなことについて、厚生省とのお話があったのかどうかわからないのですけれども、実態をもし御存じでないとすれば、これは行政監察をやっていただきたいのです。そして、そういうことがはっきりわかれば、今後、もしこの法律が実施されるのなら、その時点で完全にダブりますからね、その点をどういうふうに調整をなさるのかということなんかも両方のお役所で考えていただけるように指導していただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○塚原説明員 厚生省が行っております保健事業と農林省が行っております生活改善事業の間の調整は、両省間で十分行われているというふうに私どもは聞いております。 そして、私ども一昨年、農業技術の開発と普及に関する行政監察というものを実施いたしまして、生活改良普及員につきましては、昨年十二月一日付で農林水産省に勧告いたしております。 したがいまして、当分の間、この両事業の推移を見守ってまいりたい、そういうふうに考えております。
○金子(み)委員 きょうは時間がございませんので詳しく伺っていることはできないのですけれども、農林水産省の方へお出しになった勧告ですね、その勧告を私にも教えてください。後ほどで結構ですから、いただきたいと思います。 厚生省にお尋ねいたしますが、両省間で調整ができているはずだというお話ですけれども、そういうことはあっているのでしょうか。詳しいことは要りません。あったかなかったかだけで結構です。
○大谷政府委員 昭和五十三年に国民健康づくりが出発いたしましたときに、厚生省だけでは不十分である、先生も御承知のように、ヘルスの事業は、国民すべてをカバーするというのは大変なマンパワーと施設が要るわけでございまして、現在の状況というのはとうてい国民の皆さんすべてをカバーするのは大変だということで、労働省、文部省も含めまして、各省が集まりまして、そういったことでできるだけ統一的にヘルス事業を進めていこう、国民健康づくりを進めていこうということで話し合ったことはございます。
○金子(み)委員 では、その問題は問題ないと考えていいわけですね、一応。勧告の内容は拝見いたしますけれども。
○大谷政府委員 何度も申し上げますように、この問題につきましては、確かに先生御指摘のように、厚生省が統一的にすべてをやれる、こういうふうになれば理想的なのでございますけれども、現在の状況では、いろいろなところでそれを総合的に進めていくというのが実態的ではないかと考えているわけでございます。
○金子(み)委員 総合的、結構でございますけれども、やはり責任ある問題ですから、厚生省でしっかり押さえた形が欲しいですね。現場では保健婦さんが大変困っていました。私は、そのことを聞いて本当にこれはこのままにしておいていいのかなと思ったものですから、きょう質問させていただいたわけです。今後よろしく御指導ください。 続けて質問させていただきます。 今度の老人保健事業を実施していくにつきまして、国と都道府県と市町村、この三つの行政庁における公衆衛生事業としての行政の責任と分担はどうなっているのかということ。 それから今度は具体的に、技術的な指導その他市町村の指導をする立場に立っている保健所、これは法律の二十一条できちっとうたわれていますから間違いはないと思うのですけれども、「保健所による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助及び市町村相互間の連絡調整を行う」というふうに書かれております。ですから保健所がそういうことをするようになるのだろうと思いますが、したがって保健所と市町村との行政の責任分担がどうなっているのかということをわからせていただきたいのですが、簡単にお答えいただけますでしょうか。
○大谷政府委員 保健所は、市町村への技術的協力、たとえば事業計画の企画に関する指導あるいは保健婦等の職員の派遣、施設設備等の貸与等につきまして実施いたしますほか、市町村ができないものにつきまして委託を受け、またはかわりましてその事業の一部を実施するというふうに考えております。 当然市町村はこの保健事業の実施主体でございまして、健康手帳を作成、交付する、あるいは健康教育、健康診査等についてみずから実施する、あるいは委託して実施するというふうに整理をいたしているわけでございます。
○金子(み)委員 そこで、法律によって市町村が保健事業を実施する実施主体ということになっておりますね。そうすると、先ほど来お話が出てまいりましたように、いろいろとお金がかかるわけで、市町村も三分の一を負担することになりますので、かなり大きな金額が必要になってくるだろうと思います。先ほどの話にも出ましたように、六十一年度は四百六十三億なんて大きな金にもなりますが、いずれにいたしましても、市町村もかなり大きな負担をしなければならないだろうと思います。これに対して、市町村が単独でとても持ち切れないんじゃないかと考えられますが、それについて自治省あたりでは、交付税か何かの形で市町村に大きな負担を負わせないでも済むような形を国としてなさるおつもりがありますか、どうですか。
○亀田説明員 保健事業の実施の内容につきましては、先ほどの質疑応答の中ではっきりいたしましたとおり、市町村の実情に応じて逐次これを行っていくということが法律的にも明確になっているわけですし、現時点においては具体的にはっきり決まっているわけではございませんことは御承知のとおりと存じますが、いずれにいたしましても、市町村は保健事業を実施していく場合には人的にも物的にもいろいろな所要の整備をしていかなければならないわけでございまして、その場合には法律で明記しております国庫の負担が必要かつ十分になされることがまず前提でございますので、私どもは、その点がしかるべく措置されるように関係省に対して要請をいたしているところでございますが、それらを踏まえまして、いずれにしても都道府県なり市町村の負担が出てくるわけでございますので、その点につきましては関係省と十分協議をいたしまして、地方交付税等で適切な措置をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○金子(み)委員 わかりました。仕事ができるように考えていただきたいと思います。 それから、引き続きましてお尋ねがあります。 今度は少し具体的な問題になりますが、いま、市町村が実施主体だけれども、事業の一部を委託することができるというお話がございましたね。この委託の問題なんですけれども、委託先がいろいろあるだろうと思うのです。その委託先をどんなところに考えていらっしゃるのかというのをお尋ねしていくと大変時間がかかると思いますので、現場の方を少し調べてみましたら、いろいろなところに委託しておりますね。それでその委託先によって大変金額が違うわけです。 それで、私ちょっと問題だなと思いましたのは、たとえば保健所とかあるいは県の施設、そういった公的な機関に委託いたしました場合の費用と、それから民間の医療機関とか検査機関、こういうところに委託しました場合の費用とは大変違うのです。たとえばがん検診なんか、対ガン協会に委託しますと、本人は無料なんですが、町村の負担としては、これは豊科町ですが、胃がん検診で七十一万円ぐらいかかるわけですね。それから同じ豊科町で子宮がんも大体七十二万。ところが、同じ豊科町でも循環器検診なんかを医療機関に頼みますと、町村の分は百二十六万三千円の赤字になってしまうんですね。こういうふうなぐあいに大変違ってくるので大変心配だと思っているのです。 こういうふうに違ってくるということはやはり市町村の負担のアンバランスということが起こってくるのであって、公平の負担の原則が壊されてしまうと思いますけれども、こういうのはどういうふうに考えていらっしゃいますか。仕方がないとお思いになりますか。
○大谷政府委員 私どもの基本的な考え方は、先ほども申し上げましたように、府県の保健所あるいは公的な、公益性の強い民間の検診団体等によって実施するということをできるだけ進めてまいってきたわけであります。しかし、いずれにいたしましても、その他民間の医療機関の御協力を得ないことには全体をカバーすることが不可能なことは先生御承知のとおりでございます。さてその場合に、委託先によって費用が違うではないかという御指摘でございますが、これはもちろん検診を受ける人の数あるいはその困難性といった場合に、いろいろあるかと思いますけれども、私どもといたしましては、できるだけ適正な委託単価というものを設定いたしまして、そういった方向でそういったアンバランスにならないように指導してまいりたいと考えているわけでございます。
○金子(み)委員 その委託単価は検討してください、確かに大変大きな違いがありますので。というのは、医療機関や検診機関を同列に考えることはまずおかしいと思うのですけれども、たとえばそういうふうな医療機関、検診機関なんというところへ参りますと、患者の病気探しみたいなかっこうになってしまうわけです。あるいは患者探しとでも言いますか、健康な人が行った場合でもそれが病気じゃないかというふうな勘ぐり方もありますからね。 そういうふうになりますと、先ほど来ずっと問題になってまいりました今度の老人に対する支払い方式の問題なんですけれども、いまの出来高払いの支払い方式を変えない限り、いまのままでいくのでしたら、むしろ医療費は高騰して、抑制どころではないと私は思うのです。逆に患者をどんどんつくって、そしてそれで費用を支払うことになるからということにもなりかねないわけでございます。先ほどの御説明がありました保健婦を市町村に置きますと、最初そういう現象が起こりますけれども、これは保健婦はもともとは健康管理あるいは保健指導をするのがたてまえですから、やがてそれは逆になって医療費は軽減するという実態がありますが、医療機関ではそれを目的にしていませんから、決して逆転して医療費が安くなるということにはならない。そういう点を私は大変に心配をするわけですので、どうしてもいまお願いのように基準を決めていただきたいというふうに考えるわけでございます。 そこで、だんだんと時間が迫ってまいりまして、十分なことができなくて残念でございますが、もう一つ、今度は具体的な問題として保健事業を進めるための基盤整備の年次計画というものがあります。その年次計画の中で一番問題になると申しますか、重要な問題と考えていいと思うのですが、保健サービスというのはマンツーマンサービスですからどうしても人が必要になります。いわゆるマンパワーの問題ということになるわけですけれども、そのマンパワーの中でも保健事業の成果を上げようと思えば中心的存在は保健婦なんです。それでその保健婦の問題について少しお尋ねをさせていただきたいと思っております。 まず、いま保健婦は一万五千ぐらいですね。全員で一万七千ですが、地域の仕事をしている人は一万五千ぐらいになります。その一万五千ぐらいの人ではとてもこの仕事はできっこない。そこで今度の御計画では約八千人、細かい数字ですと八千二百八十人ですか、増員を五年間でなさるという。そこで私は、再び初めのときのように五年は気が長いなとここでまた言いたくなるのです。というのは、八千人ぐらいふやしたって何にもならないと率直には申し上げたいのです。もし本気でこの仕事をなさるのだったら、本気で保健事業を徹底的にしようと思うのだったら、あと四万五千人ぐらい、要するに保健婦は五、六万いなければ本当の仕事にはならない。ですから、おざなりと言ったら失礼ですけれども、とにかくふやして少しでもよくしようじゃないかという熱意を買うということにいたしまして、とても八千人ぐらいふやしてもらったって仕事にはならぬと思いますけれども、とにかく八千人ふやそうというお考えですから、一応そのことを考えますが、そのふやし方の問題と、それからその配置が問題だと思うのです。 ふやし方はいろいろお尋ねしましたから伺っておりますのでここで申し上げませんが、一番問題だと思いますのは、市町村事業なので、そうだったらすべての市町村に保健婦が設置されているということが前提だと思うのです。これがまず第一条件。ところが、保健婦が設置されていない市町村が四百五十八カ所もあるのです。四百五十八というのは単独の予算がどうのこうのと専門的な御意見もあるでしょうけれども、しかしいないことはいないのですからね。四百五十八カ所にはいない。まずここから埋めていかなければならないでしょう。 まずここから埋めて最低一人はというふうな形にするべきなんで、いま計画していらっしゃる保健所に定員分として八百五十人、市町村に二千百五十人を増員しようというふうに考えていらっしゃるというのですね。市町村にはさらにパートを三千百三十人、合わせて五千二百八十人、これだけ置こうという御計画のようですけれども、これを伺っていて私が気になりましたのは、保健所に八百五十人というのは一つの保健所に一人しか当たらないわけです。それから市町村に置かれるのは、この数をどういうふうに配置計画をお立てになるのか具体的に知りたい。無保健婦村というのもあるのですから、そのことも考えていただいて。 そしてもう一つの問題はパートです。非常勤で三千百三十人とおっしゃるのですが、そんなにいますか、非常勤の人。この非常勤の人というのは多分潜在保健婦を頭に考えていらっしゃるのだろうと思うのですけれども、潜在保健婦が果たしてそれだけいるかどうかという問題です。そして非常勤で一番苦労しているのは——これは看護婦の場合でも保母の場合でも同じです。学校の職員の場合でも教員の場合でも同じですが、非常勤で雇い上げようと思います場合にはその条件が大変に問題になるわけです。条件次第であったりなかったりということが考えられるわけなんです。ですからこの場合どういうふうに考えていらっしゃるのだろうということが大変気になります。 とにかくマンパワーの基本的な問題ですから、その辺を少しわからせていただきたいと思います。
○大谷政府委員 市町村につきましては、都道府県ごとに配置計画を作成するなど、未設置の市町村や相対的に保健婦が少ないところを重点的に配置するように都道府県で指導をしていただくというふうに考えております。 それから潜在保健婦が確保できるかというお尋ねでございますが、現在、私どもの調査では約二千五百人程度の潜在保健婦が全国におられる。また今後の五カ年間に約三千人余りの退職保健婦さんが予定されております。したがいまして、こういった方々の長年の御経験というものをできるだけ活用したらばどうかというふうに考えているわけでございます。 そこでもう一つ、先生がおっしゃっておりますそういった保健婦さんの雇用条件というのは一体どうなのか、こういうことでございますけれども、これにつきましては、私どもとしては現在一応雇い上げということで、統一単価ということで要求しているわけでありますが、今後ともこれにつきましては、私どもとしてできる限り、最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
○金子(み)委員 具体的に伺いたいところですが、時間がありませんからきょうは省きます。いずれまた別の機会にこのことはしっかり聞かせていただかないと、潜在保健婦は出てこないということを申し上げておきます。 それから、同じような問題なんですけれども、市町村保健婦ですね、市町村の活動が重点ですが、市町村保健婦は現在七千七百五十人おります。そのうち国庫補助の対象になっているのが四千六百九十三人で、三千五十七人は自治体の独自の財源で置いているわけですね。大変なことだろうと思います。 そこで、そのことに関連して、今度新しいこの事業が行われるということになりますと、全面的にこの事業を実施しようということになります場合に、果たして市町村単独で任せられるかどうかという問題なんですよ。その点につきましては、国はいまのほかの人たち、その四千六百九十三人と同じように国庫補助を用意するおつもりがおありになるのかどうか、するかしないかということが一つ。 もしそうでなかったならば自治省が交付金か何かの形でこれを助けるか、とにかくどっちかやらなかったら保健婦は置かれないというふうに私は思うのです。それをどういうふうに考えていらっしゃるのかというのを両方から聞かしてください。
○大谷政府委員 現在、市町村の保健婦補助金が約三千人につきまして補助対象外となっていることにつきましては、これはまことに残念なことでございますが、実は昭和五十三年度に国民健康づくりということで国保保健婦を市町村に一死化いたしましたときからの長い間の懸案の問題でございます。しかも毎年、これにつきましては国家公務員の定員削減計画と横並びということで削減が課されるというふうなことで、非常にむずかしい状況でございまして、厚生省としては、こういった削減分だけは何とかそれに見合う増員ということをお願いいたしましていままでやってきているわけでございます。しかし、今後ともその点につきましては私どもとして大変努力をいたさなければならないというふうに考えております。しかし、それとは別に、今回の老人保健制度の発足に当たりまして、先ほども申し上げましたように老人保健事業に保健婦さんが飛躍的に要るわけでございますから、先ほどの補助対象外はそれはそれといたしまして、老人保健制度の保健婦さんにつきましては、これは補助金ということで増員要求をお願いいたしております。
○金子(み)委員 そうすると、市町村分、定員分とパート分と合わせて五千二百八十人、これの補助金を要求なさるおつもりですね。——それはそれでわかりました。 あと一つ問題が残りましたのは、御計画では保健婦をこれだけふやして、八千人ふやして何ができるのかというのを調べてみたらば、月一回の訪問指導だというのですね。問題はこれなんですよ。寝たきり老人に月一回の訪問指導、数字は時間がありませんからここで取り上げませんけれども、月一回、何ができるかということですよ。こんな程度では来ないよりましだという程度にしかなりません。 しかも保健指導。これは私は局長にはっきりと申し上げておきたいのですけれども、保健指導という言葉はもう外した方がいいのじゃないですか。これは家庭訪問看護ですよ。家庭では看護のケアを要求しているのですよ。指導されることを要求しているのじゃないのですね。看護のケアがやってもらいたいわけです。ですから、そのためには月一回行くくらいじゃ看護のケアなんかやったことにはならぬのですよ。せめて一週間に一遍、本来だったらば毎日でも欲しい人もあるでしょうから、だから私は八千人じゃ役に立ちませんよと申し上げたわけで、八千人ふやして月に一回家庭に行って看護の指導なんかやったって何の意味があるかって本当に言いたくなる。 ですから、人間はもっとふやさなければならないと思いますのと、この月一回の訪問指導というのは訪問指導でなくてこれは訪問看護だということをきちっと位置づけていただきたいと思います。 きょうは午前中に参考人が見えまして、村田さんという高崎市のお医者さんでしたけれども、地域保健医療をやって成功していらっしゃる方があるのですが、その方が家庭看護の話を盛んにされておられましたけれども、やはり地域で欲しがっているのは家庭看護、ケアそのものなんだ、決して指導ではないということをおっしゃっていました。ですから、私はやはりこれは保健所の保健婦の人たちにもあるいはそのほかの人たちにもはっきりと国としても指導していただきたいのですけれども、これは訪問指導ではなくて、訪問看護なんだということ、看護をやると同時に指導はできるわけですから、指導、指導と先に立てないでやっていただきたいということを思いますが、それはやっていただけますか、そういうふうに考えていただけますか。
○大谷政府委員 保健事業の専門家である先生がおっしゃるわけでございますので、私どもとしてもできる限りその方向でいきたいとは思いますが、当面老人保健法のマンパワーのあれにつきましては、非常に厳しい人件費の中でいろいろ考えてやっているわけでございまして、訪問指導のほかにも健康教育、健康相談あるいは健康診査、いろいろあるわけでございます。在宅看護も含めて訪問指導をさらにやるべきだというふうな先生の御意見でございますが、当面私どもとしては予算上のいろいろな制約もありまして、やはりそういった点でいまのところ非常に煮え切らないのでございますけれども、訪問指導というふうに考えているわけでございます。
○金子(み)委員 はっきりさせてくださいよ、そんなこと言わないで。それは誤解が生じますから。もし強いて言うなら看護及び指導とおっしゃっても結構ですから、看護という字をぜひ入れてください。 それからあと一つになりました。これは厚生省と大蔵省と両方にお尋ねするかっこうになるのですけれども、先ほどもお話しいたしました話の中に出てまいりましたように、市町村に対する全面的な指導と言ってもいいくらい保健所の役割りは大きいと思うのです。その保健所の役割りは大変大きいと思いますのにもかかわりませず、これは風聞でございますから私の耳が悪いのかもしれませんけれども、保健所の人件費とそれから運営費に対する国庫補助がずっと出ておりますのを、今度こそは切りかえて交付金にしようというお考えがあるように伺っているのですけれども、厚生省としてはそういうふうなことは考えていらっしゃるとは思いませんが、相手は金を持っている大蔵省のことでございますが、大蔵はそのことについてどう考えていらっしゃるのか。 私は自分でも何年か前に大騒ぎをして大蔵省にお願いに上がった経験がありますので、またあれをしなければならぬのかしらんと思ってはらはらしているのでございますけれども、そういうことは絶対ないようにしていただかないと、せっかくのこの老人保健法も生きていかないのですよ。せっかくできても仏つくって魂入れずみたいなかっこうになります。保健所がしっかりしていてくれなかったらこの仕事はできないのですから、そういう意味で、ぜひ厚生省側の御決意と大蔵省側の御協力のところを聞かせていただきたい。
○大谷政府委員 この問題につきましては、保健所のあり方というふうな点も考えまして慎重に検討いたさなければなりませんが、厚生省といたしましては、現状を維持したいというふうに考えております。
○篠沢説明員 今度の新しい保健事業に関しまして、保健所の機能というのは大変重要な役割りを果たすということについては理解をしております。 先生御承知のとおり、保健所につきましてはこの事業がすでに地方で同化、定着をしているので、効率的なかつ弾力的な事業運営を行っていくためにはその運営費を地方の一般財源に切りかえたらどうだ、こういう意見は地方側から相当強く出されていることは事実だと思います。 また、いま厚生省からもお話がございましたように、新しく保健所の機能をさらに強化していくその上では、やはり補助金によった方がいい、従来どおり補助金を中心として考えていくべきだ、こういう意見もございます。両方の意見があるわけです。 保健所の運営を強化するという上では、どちらでなければ強化できないというようなものでは必ずしもないのではないかと思いますけれども、私どもはいずれにしても、両方の意見とかこれまでの経緯や何かを踏まえまして、予算編成の中でもう少しよく検討させていただきたいというふうに考えております。
○金子(み)委員 いまの大蔵省の御答弁にはちょっと私も言いたいことあるのですけれども、時間もありませんのできょうはやめます。いずれ機会を得ましてというふうに考えます。この問題はちゃんとなるまで続けたいと思います。 そこで、委員長、済みません。ちょっと時間が過ぎましたが、これで最後にいたしますので御了解いただきたいと思いますが、大臣に最後にお願いがあります。 いままでやりとりをお聞き取りいただいて、保健事業というものが、大臣たびたびおっしゃいますが、今度の法律の目玉事業だというふうにおっしゃっていますが、その目玉事業が実現するためにはどんなに大変かということもとうにおわかりになっていると思いますが、そのためにどれだけ厚生省が努力しなければならないかということもわかっていただけたと思うわけです。厚生省の努力だけでなくて、関係諸官庁の御協力もいただかなければなりませんが、それでもやはり主体は厚生省ですから、ひとつこの問題は本気になって取り組んでいただく。当然だと思いますけれども、取り組んでいただかなければならないというふうに思いますので、ポイントをしっかりつかまえてやっていただきたいと思うのです。 それといま一つは、私はきょうは医療問題には触れなかったわけですけれども、いままで多くの方々が触れていらっしゃいます。それで大臣のお考えも何遍も何遍も聞かせていただいております。それで今度のお年寄りが医療を受けた場合の医療費の支払いの問題ですね。この支払い方式の問題について大臣がおっしゃっていらっしゃるのは、これは老人に最もふさわしい合理的な方式を検討する必要があるということを何遍もおっしゃっていらっしゃいますし、現在の方式の見直し案をたたき台として老人保健審議会に提出して検討していただこうと思っていますともおっしゃっていましたけれども、この点について変更はおありにならないかという問題です。なお、さらに大臣の御答弁では、老人保健審議会で諮るというふうにおっしゃっていらっしゃって、中医協ではなくと断っていらっしゃるのですね。ですからその辺も変わらないのかどうか、最後にお考えを述べていただいて、質問を終わりたいと思います。
○村山国務大臣 ヘルスの関係はいま金子委員るる御見解をお述べになったのでございますが、私もこの仕事は非常に息長い仕事であって、そして、将来大きく実りあるものに発展させなければならぬ重要な施策と考えておりますので、御意見の趣旨を踏まえまして私は全力を挙げてこの実現方に努力するつもりでございます。 なお、診療報酬の支払い方式の問題につきましては、御提案申し上げておりますように、ヘルスとそれから診療報酬あるいは拠出金のあり方等というものをひとつ総合的に御審議いただく老人保健審議会を予定しておるわけでございます。そこにおきます診療報酬のあり方につきましては、諸外国における制度、わが国の制度、またそれらの中間的なものもあるかもしれません。それぞれの利害得失、長短等を十分検討いたしまして、そして老人医療に最も適した支払方式をつくり出してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○金子(み)委員 ありがとうございました。
○湯川委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後四時九分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕