社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 395 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/10/22
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、老人保健法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
○大原(亨)委員 最初に、いままでの老人福祉法は、御承知のように昭和三十八年、歴史的な法律として制定をされたわけでありますが、老人福祉法と今度提案をされております老人保健法、名前はよく似ておるわけですが、この法律の関係はどういう関係でありますか。基本的な問題ですから、ひとつお答えをいただきます。
○吉原政府委員 従来の老人保健医療対策は、医療保険各法に基づきまして保険の給付を行うということと老人福祉法による老人医療費の公費負担制度、それから六十五歳以上の老人の方に対する老人の健康診査等の保健対策、そういったものを柱に推進をされてきたわけでございます。新しい今度の老人保健法案におきましてはそういった現在の医療保険制度各法による医療制度とそれから老人福祉法による公費負担医療制度というものを一本化いたします。それから同時に、老人に対する保健推進対策というものを老人福祉法の中から老人保健法の方に独立をさせて、医療と保健というものを一体的に進めようというのが今度の老人保健法の考え方でございます。
○大原(亨)委員 老人保健法をつくって保健と医療とを一体としてやる、こういう考え方でありますが、老人福祉法は、御承知のように昭和四十八年に改正いたしまして老人の医療の無料化をやったわけですね。つまり、老人福祉法でも医療と保健と福祉があるわけです、いままで関係しておったわけです。そこはそういう経過があるわけですが、なぜ老人医療無料化の制度を進めてきた老人福祉法の存在を言うなれば離れて、あるいは無視して老人保健法をつくるのかという点については、問題があるのではないかと私は思う。 そうすると、この二つの法律はどういう関係になるのであるか、一般法と特別法の関係であるのか、抵触する場合にはどちらが優先するのか、この問題についてお答えください。
○吉原政府委員 現在の老人保健医療対策には各方面から種々いろいろな問題が指摘をされてきたわけでございます。一つは、現在の制度というものが医療に偏っている、予防から治療、リハビリまでの一貫した保健サービスというものが十分行われていないということが第一点でございますし、もう一つの問題といたしましては、老人医療費に対する各医療保険制度間の負担に非常にアンバランスがある、そういったものを是正する必要がある、そういった問題点が指摘をされてきたわけでございます。 そういった二つの問題点を踏まえまして、新しい老人保健制度におきましては、医療だけではなしに予防からリハビリまでの一貫した保健サービス、それを壮年期から行っていく、壮年期からの予防なり保健サービスというものを、国民の心身の状況なりあるいは年齢に対応して適切なサービスを行っていくということを最大のねらいにいたしております。 それからもう一つのねらいが、いま申し上げましたように現在の費用負担というものに非常に不均衡がある、その不均衡というものを是正をしていく、老人の医療費を国民がみんなで負担をしていくというような仕組みをつくり上げるとか、その二つのねらいを持ちまして今度の老人保健法案を提案したわけでございます。 そういったことで従来老人のヘルスの面は老人福祉法の中で行われてきたわけでございますけれども、老人のヘルスの分もあわせましてこの新しい老人保健法において医療と保健というものを一体的に進めていく。しかも老人の保健、ヘルスというものを考えた場合に、老人になってからでは遅い、やはり壮年期からの予防の対策、ヘルスの対策が非常に大切である、そういった観点から老人福祉法の中で行ってきました老人の保健対策というものもこの新しい制度の中で医療と一体的にやっていこう、そういうことでございます。 しかし、老人保健法のねらいというものは、老人福祉法では老人福祉法の基本的理念というものを規定いたしております。そういった老人福祉法の基本的な理念に基づきまして新しい老人保健対策を進めていくという関係にあるわけでございます。
○大原(亨)委員 老人福祉法は第一条で法律の目的としまして「老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図ることを目的とする。」 第二条の基本理念では、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」 第三条は「老人は、老齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、その知識と経験を社会に役立たせるように努めるものとする。」「老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参与する機会を与えられるものとする。」 第四条では「(老人福祉増進の責務)」としまして、国や地方公共団体の責務を明確にいたしておるわけであります。 今度は老人保健法になりますと、立法の理念、第二条の理念といたしましては、自助と連帯ということをやたらに乱発をしておる。提案説明にもあるわけであります。 そのこと自体についてはいろいろ議論をいたすといたしましても、そういう法律の性格、基本理念について違うのではないか、二つの間に違いはないかという点について意見を聞いてみます。
○吉原政府委員 基本的な老人福祉についての理念につきましては老人福祉法と老人保健法とでは全く違いがございません。老人福祉法の基本的な理念、目的あるいは国なり地方公共団体の責任、そういったものを踏まえまして老人の保健対策を一層総合的にやっていこうというのがこの老人保健法でございます。
○大原(亨)委員 それでは聞いてみますが、老人福祉法の所管はどこで、今度は老人保健法の主管局はどこですか。
○吉原政府委員 老人福祉法は現在厚生省の社会局で所管をしておりますが、老人保健法ができました後も老人福祉法の所管は社会局でやっていくということを考えております。それから新しい老人保健法につきましては公衆衛生局で所管をするということを考えております。
○大原(亨)委員 これは予防から健康管理、リハビリまで包括医療の問題をやるという理念が一つあるわけですね。しかし、ほかにもたくさんねらいがあるのですが、であるならば医療と保健とそれから老人福祉とを総合的にやるという二つは合わせて一本の法律にすべきではなかったのか。行管来ておるが、局の再編成はなかなか簡単にはできぬだろうが、そういう権限を整理してこれからの高齢化社会に対応する総合立法をつくるべきではないのか。 もう一つの問題は、老人保健法を見るとやはり財政というものが先行しておる。だから、自助とかあるいは受益者負担の原則がやたらに持ち出されておる。憲法二十五条は、健康で文化的な最低限度の生存権を保障することを国に責務といたしまして義務づけております。そして公衆衛生その他についての国の責任を付しておるのであります。この二十五条を中心とする憲法の精神を受けて老人福祉法があるわけで、私が読み上げたとおりです。そしてその中から保健を抜き出すあるいは医療の問題を抜き出すということなんですが、そういうことではなしに、憲法を受けて総合的な立法をつくるというのがこれからの方向としては正しいというふうに私は思うわけです。老人福祉法には公衆衛生もたくさんあるわけですから。今度の老人保健法にも公衆衛生局の所管はたくさんあるわけでしょう。 そういう点があるわけですから、それらの問題については総合立法としてやるべきではなかったのか、この法律は出直してくる必要があるのではないか、こういう点についてはどうですか。これは大臣だ。審議官はだめだ、そんな資格なしだ。
○村山国務大臣 いま大原委員のおっしゃった考え方も一つの考え方であると思います。しかし、高齢化社会を迎えましていま一番大きな問題は、やはりこの老人保健法が目的にしておりますように健康な老人づくりという問題、それからもう一つは医療費、老人医療につきまして国民がひとしく分担するということが何よりも急務であるということでございますので、その点をはっきりいたしまして、その両者を統合いたしまして、そしてこの法律を提案したわけでございます。 ただ、大原委員から指摘されましたことも十分この法律の中で考えているわけでございまして、第三条でございましたでしょうか、公衆衛生あるいは社会福祉その他いろいろな関連施策との関係を考えなければならない、こう言っているわけでございます。ですから、第三条はまさにその総合性を考えるということを言っておるのでございまして、その点はまさに大原委員の指摘している点をここでつないでおると私は承知しておるのでございます。
○大原(亨)委員 いままでの権限についても整理をしないで法律をやたらにつくって、そして行財政改革の一環であるなどというようなおこがましいことを言ってもらっては困るわけだ。そういう点を基本的に直すことが行財政改革ではないのか。 行革本部からだれか来ておるかね、ちょっと手を挙げて。それではまず法制局に聞きましょう。 いま吉原審議官は、老人福祉法と老人保健法は一般法と特別法のような関係で説明いたしました。そういうふうに考えてよろしいか。権限が公衆衛生局初めダブっているんだよ。全部の局へ行っているんだ。保険局や医務局へも行っている。今度の保健法は公衆衛生局の所管である、それから老人福祉法は社会局が主管である。しかし、これは予防からリハビリまで全部の健康管理の過程、医療の過程をやるのだから、福祉と関係ないわけないのだ。いろいろな施設と関係ないわけないのだ。それを総合立法すべきであると思うのだけれども、こんなにやたらにたくさん法律をつくるのは問題ではないかという点では、法制局はどういうふうにこの法律案を整理したのか。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の点につきましては、厚生大臣からお答えございましたような点を私どもも基本的に考えているわけでございまして、具体的に条文に即して申し上げますれば、附則の六条におきまして老人福祉法の一部改正をいたしまして、そこで所要の法律間の調整はとっているということでございます。それから、さらに本則の三条におきまして関連施策との関係というものを規定しております。 大体そういうことで両法間の調整をとったところでございます。
○大原(亨)委員 そういうような三百代言みたいな答弁するだろうと思ったよ、法律はこうなっておりますと。そうではなしに、これから大切なのは総合立法なんですよ。これからは総合立法で医療と保健と公衆衛生とを一緒にやる。特に老人福祉の問題は高齢化社会における福祉の典型的な、言うならば頂点に立つ問題ですから、これはそういうふうな総合立法にすることがいいのであって、局をかえ、法律をたくさんつくるのがいいのではない、これは官僚のセクトを増大するだけであるという点についてのそういう政治的な答弁は、中曽根長官か総理大臣かだれかが来てしなければならぬと思うけれども、そういう点においてはこれはきわめて欠陥の多い法律体系ではないかと思う。 それで、もう一つ質問いたしますが、今度の老人保健法の中には公衆衛生面が多くて、公衆衛生が中心になると思うのですが、公衆衛生関係の仕事は老人保健法の中ではどういう点があるのですか、御答弁ください。
○大谷政府委員 健やかな老人をつくるためには四十歳以上から健康教育あるいは各種健診、予防事業等を実施いたすということでございまして、そういった施策は、生まれたときから死に至るまでの公衆衛生施策として従来からも行われてきたところでございますが、今回老人保健法をまとめるに当たりまして、特に、健やかな老人をつくるということに着目いたしまして、四十歳以上の壮年の方々にそういった公衆衛生事業というものを画期的に強化して健やかな老人の社会というものをつくり上げようという考え方で、今回、老人保健法の中にヘルス事業というものを非常に大きく位置づけしているわけでございます。
○大原(亨)委員 そうすると、公衆衛生法と老人保健法との関係が今度出てくるわけですね。 それでは具体的な問題でちょっとお聞きするのですが、公衆衛生局は老人保健法を主管局として所管をするわけですね。そして公衆衛生の中における四十歳以降の健康管理、保健事業を管轄するというのでしょう、いまの答弁は。これはこれからの公衆衛生の行政の中から言えば、これらの問題を公衆衛生全体の観点で議論をする際に問題となると思うのです。 そこで、公衆衛生法による公衆衛生の審議会があるはずです。そこへこの老人保健法についての法律案要綱を出してその意見を聞きましたか。
○大谷政府委員 公衆衛生審議会においても御意見を聴取いたしております。
○大原(亨)委員 その答申ありますか。
○大谷政府委員 これは正式の答申を求めておりませんけれども、審議をいたしていただいているわけでございまして、これにつきまして、私どもの関係につきましては一応の御了承をいただいたわけでございます。
○大原(亨)委員 了承をいただいたのなら答申があるでしょう。見せてください。
○大谷政府委員 これにつきましては特に答申を求めたということではございませんで、厚生省でまとめました法案につきましての御説明を申し上げ、それについて御意見を伺ったわけでございます。
○大原(亨)委員 意見をまとめたら、答申を得てはいないのですか。
○大谷政府委員 特に答申を事務局の方からお願いし、またそれについて審議会から答申をいただいたということはいたしておりません。
○大原(亨)委員 老人福祉法は、老人医療無料の問題をこの法律の中で福祉の一環として取り上げてきまして、一定の大きな成果を得たわけです。そのルートを通じて都道府県や自治体に縦割りで流れておるわけですね。今度は老人保健法をつくりまして、公衆衛生局が主管になるわけです。そこで、包括医療の問題をここでやろうというわけであります。 そういうふうにたくさん法律をつくって、いままでの法律との関係を調整をしないでやるということは問題ではないか。第一の問題は老人福祉法と老人保健法との関係、これはきわめて答弁が不明確である。そして公衆衛生審議会等で十分な議論を得て、そして公衆衛生局でやる場合の保健事業について、あるいは主管局としての老人保健法について十分審議をすべきではなかったのか。そういう点においても、単に報告いたして意見を聞いただけですというふうな投げやりのことでは私はいけないと思うのです。 そういう手続上もこれは問題ではないですか。この法律は、私は手続上非常に大きな瑕疵があると思うのです。つまり行財政改革というのは、従来の縦割りの行政について頭を切りかえて、そして低成長という財源の厳しい時代に対応して、しかも高齢化社会という日本独得の条件の中で、社会保障全体をどうするかということを考えた問題として老人福祉法、老人保健法があるわけです。ですから、それらの問題を総括的にとらえながらやらないと、医療の問題と保健の問題と老人福祉の問題、これをばらばらにして縦割りでやったらいけない。そういうことが一番大きな欠陥ではないかと思うのです。 行管や臨調はこれについて何らかの意見があるか、お答えをいただきたいと思います。
○古橋政府委員 お答えいたします。 現在老人保健法の実施体制につきまして、行管といたしまして、厚生省からいろいろな希望、要求が出ておりますけれども、それにつきまして慎重に審議をしておる段階でございます。法制の問題につきましては、先ほど法制局からお答えがございましたように、関連を考えてよくできておる。私どもはその運営状態につきまして、これが先生の御指摘のように総合的に運営されるように、どういう組織がいいかということを今後検討をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○大原(亨)委員 ちょっとそこに立っておってください。 大体これから検討するのか。これからやるの。そんなものは審議できないよ。こんなでたらめなことを言ったら審議できないじゃないか。そのくらいのことは行管としても、これだけ臨調その他に問題、資料を出してやっておるのに、しかも問題としてははっきりしておるのだよ。行政の総合化ということが必要なんだ。そしてむだのないようにして内容を充実するということが必要なんだ。それが問題のポイントじゃないか。ばらばら法律をつくって、どこが主管するかわからぬようにして、しかもこれから検討するというようなふざけたことがあるか。答弁しなさい。
○古橋政府委員 ただいま厚生省から来ておりますのは、これにつきまして老人保健部というものを公衆衛生局の中につくる。そしてその場合に、従来健康保険の関係、医療関係につきまして八つの各保険関係でやっておりましたものを、この老人保健の関係で総合をするということでございます。一つの効率性がある。そしてそこで総合的な見地から見直すということが一つでございます。 それからまた、今回の制度というものは、これによりまして私どもが行政改革で最も考えております活力ある福祉社会というものをつくる上において一つのステップである、こういうふうに評価をいたしておりますので、そういう観点から私どもは、いまそれが本当に実効あるように運営されるということのためにはどうしたらいいかということを要求に基づいて検討をいたしておる、こういうことでございます。
○大原(亨)委員 八つに分かれておるというのは、どこが分かれておるのだ。 それからもう一つは、活力あるというのはどういうことなんだ。
○古橋政府委員 まず、八つに分かれておりますのは、地域保険としての国民健康保険、それから被用者保険としての七つの各保険でございます。健康保険、船員保険、日雇保険、あるいはまた公務員共済組合、あるいは教職員共済組合、あるいはその他の公共企業体の職員の共済組合、こういうような八つのもとに置かれておりますものを一本化した、こういうことでございます。 第二番目に、活力あるというお尋ねでございますけれども、これは先生先ほど一番最初に言われましたけれども、今回のものには自立とか連帯という言葉がたくさん出ておる、こういうお話でございますが、これこそ今後におきます社会保障というものを実施してまいります場合に、国民ができるものは自立をもってまずやっていただきたい。しかし日本的においては、その中において日本の地域社会における連帯と、お互いに助け合うということも非常に大きな美徳でございますので、これとをかみ合わせて、そうしてそういう国からの助けを最も必要とする人のところに国家の施策というものを重点的に盛っていこう、こういう考え方でございまして、これによって活力ある福祉社会というものを実現していきたい、こういう考え方でございます。
○大原(亨)委員 その活力あるというのは、君の考え方は、生かさず殺さずということか、すれすれにしておいて活力を求めるということか。
○古橋政府委員 そういうことではございません。
○大原(亨)委員 自助とか受益者負担という原則をやたらに入れておるが、基本的な問題は君と議論したってしようがないけれども、基本的な問題は、憲法二十五条は、健康で文化的な最低限度の生活を保障するという生存権の保障という概念は老人福祉法にも引き継がれておるわけですが、国の責務としてやっておるのですが、それはつまり人間として尊重されなければならない、そういう人間中心の、人間尊重の考え方を基礎にした考え方の中で、国の一定の責務というものを明確にしながら、そしてお互いに助け合っていくという考え方を持っていくのだ、こういう考え方なんです。 そうではなくて、老人保健法は、自助という言葉を最初に出しているように、あるいは諸君がしばしば日本型福祉と言っているように、そういう考え方で今度は少し財政上の見地から切りかえていこうということなんだ。その財政上の見地ということを無視できないことは、私どももそれは低成長時代においては当然であると思う。しかしながら、行政の中身を改革し充実させて、そして国は国としての責任を明確に果たす、社会保障的な原則の上に立って、人間として尊重されるという原則の上に立って、そしてできるだけ所得制限その他については、これをずっと強めていったならば財産制限まで、生活保護までいくわけですから、そうすると福祉というものが、人間としてあるいは権利としての保障よりも恩恵的なものになってくるので、そこで社会保障の後退、変質があるということである。 ですから、基本的な転換をこの際やろうとしているのではないか、非常に大きな福祉に対する後退ではないか、君が言っている考え方は、憲法や老人福祉法の精神と本質的に相反するものではないか、そう私は思う。くれについては君の答弁を聞いてもしようがない。そこで大臣いかがですか。
○村山国務大臣 まず憲法二十五条で言っておるのは一つのりっぱな理念をうたっておりまして、私たちもこれは本当に尊重しなければならぬ規定であると思っております。 しかし、具体的にそれをどう進めていくかということにつきましては、いろいろな論議があると思っておるのでございまして、私は具体的には、大体先進工業国になってきており、そして日本の現在の経済条件あるいは国際社会における地位等を考えますと、先進国に比べてどうであろうか、ここが具体的の一つの基準であると思うのでございます。抽象論でどこまでもいきますと、これはもうどこへいくかわかりませんので、そういう意味で、自由主義社会をいま目指しております、また、それを続けていこうとするこの日本で、先進工業国に対して一体どうであろうか、こういう具体的な目安を持ってやっているわけでございます。 そういうところから申しますと、医療、これはまあまずまずいっているんじゃないかという私の判断でございます。 それからまた、所得保障の中心をなします年金につきましても、先生も専門家でございますのでよく御承知のとおりでございますけれども、もうレベルとしては先進国の域に達しておる、かように思っておるのでございます。 一方、活力あるというときの一番大きな問題は、やはり給付と負担のバランスというものをどういうふうに考えていったらいいのであろうか。そしてまた、先進国の中で、いいところもありましょうけれども、活力が失われつつあるといういろいろな批判を受けております——国の名前を挙げて恐縮でございますけれども、英国は活力が失われてきた、スウェーデンが失われてきた、また西独も失われつつあるんじゃないか、それが今日の西独の経済成長に響いているんじゃないかという指摘もいま見られるところでございます。 私たちはそういう意味で、給付と負担との関係、そしてまた日本で、ある意味でいいますと、公的負担が現状では一番少ないのでございますが、その反面、家計貯蓄率が世界で一番多い。この辺、一体どの辺にとどめていくことが、将来具体的に自由主義社会あるいは給付と負担のバランスなり——こういうことを念頭に置きつつ硬直性にならないように、そして国民の活力が失われないように、そういうことを念願いたしているわけでございます。
○大原(亨)委員 あなたの話を聞いておると、ずっと本会議その他の答弁を聞いておると、やはり鈴木内閣のミスキャストだと私は思っておるね。これは厚生大臣として、いままでの厚生大臣とは違うと私は思っている。あなたの答弁は本質的に違うと思う。大蔵省の出先みたいだ。(「失礼じゃないか」と呼ぶ者あり)失礼じゃないんだ、本質的な議論だから。後で具体的にやるから。 それで、問題はどういうことかというと、自由社会という場合には、私は言うのですが、自由とは何かと言うんだ。憲法二十五条の生存権も新しい自由権ですよ。これも自由ですよ。新しい自由とはこういうものを言うんだ。社会的なそういう生存権のことを言う。それから労働基本権だって、生存権と一緒に、二十七条、二十八条と一緒にこれも社会権ですよ。自由ですよ。これを否定するような政府は自由を守るとは言えない。教育権についてもそうですよ。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕 ですから、自由とは何かということになると、あなたの考えは簡単に言うとこうなんですか。レーガンが言っているスモールガバメント、ストロングアメリカ、こういうことなんですか。つまり、あなたは国を挙げて批判をして言ったけれども、それは賛成ですか。これは哲学の問題じゃ。いかがですか。
○村山国務大臣 いま自由とは何ぞやということでございますが、やはり自由というのは自由でございまして、非常に広範な問題を含んでおると思います。何よりも精神の自由、思想の自由、言論の自由、それから企業の自由、それからまた生活の保障、これらはすべてやはり自由という概念の中に含まれると思っておるのでございます。 問題は、そのバランスをどの辺にすることが最も適正であるか、将来の展望を見ながら、そういう生活保障も含めまして、また老後の保障も含めまして、どうあるべきか、そこにやはり真の自由というものが求められなければならぬ。それが確定的に何年先はどうなるかということはなかなかむずかしいわけでございますが、われわれは、基本的の概念としましてはそういうものをずっと模索している、そして活力ある社会が失われないようにしていく、そういうことを理念にいたしております。(大原(亨)委員「レーガンはどうだ、スモールガバメント」と呼ぶ) 別に、レーガンは小さな政府ということを言っているかどうかわかりませんが、供給サイドを非常に重視している。特にマネタリストが非常に多うございますから、マネタリストの政策を遂行していることはよく知っております。しかし、いまわれわれが言っているのは、小さな政府がいいかどうかということを言っているわけではございません。現在やっておりますのは、もしむだがあれば、これはまず政府から身を正して、そしてむだな経費を、あらゆるものを洗い直してそれを排除していこう、こういうところにあるのでございますので、レーガンとは別に関係ございません。
○大原(亨)委員 それは大臣、スウェーデンとかイギリスとか西ドイツの名前を挙げて言ったから、私はそう言ったのだ。あなたはそのスローガンに賛成か反対かということ、つまり福祉を切り下げて軍備強大の昔のアメリカを復活する、こう言うのだ、レーガンは。それで人権のカーターに勝って、いま政権やっているわけです。しかしながら、これについては物すごい民衆の反撃が起きつつある。軍備を増大すればインフレが起きますからね。実際上は政策が矛盾をしてきまして大きな抵抗に遭うだろう。ヨーロッパだって別な意味においてはそういう問題が起きているわけです。 ですから、どこで、たとえばこれはフランスにしてもそうですよ、ミッテランにしてもそうでしょう。どこの政権がどうだったからどうだというようなことは言わないけれども、そのことが、あなたは国を挙げて言ったけれども、福祉の問題についての一定の水準を示している国々を批判したけれども、それよりも私は、やはりそういう批判の仕方というものは間違いであるという点の指摘をしたわけだ。 特に民主主義の問題だということになれば、自由と平等ということが整合性を持たなければいかぬわけですから、自由な活動というのは、平等な施策の裏づけがなかったら、所得の再配分という機能を国が果たすことができなかったら、弱肉強食の社会になるのだから、幾ら活力があろうがなかろうが、こういうことは問題外の考え方になる。自由の問題について言うならば、市民的な自由権、言論やその他の問題、それと一緒に財産権の問題を含めてそうですが、社会的な新しい自由権の思想というものが歴史的にも出てきておるわけですから、これは人間尊重の政策をどうするかということが中心であるという点ですね。 私は、あなたのすることを聞いていると、いままでの厚生大臣とは少し質が変わっているというふうに思うね。いまちょっと少しよくなったかな。ほとんどよくなっていない、こう私は思っている。これはあなたに質問してもしようがないから総理大臣に質問を保留しておきますが、あなたはこれからの高齢化社会の福祉をやっていく資格がないんじゃないか、まだ疑義を非常に持っているということを私は表明しておきましょう。 時間がないから次の問題。 そこで、新しい制度によりまして一番大きな問題は費用の負担の問題です、あなたが言った、審議官も言ったように。費用と給付の問題です。特に医療費の問題を中心としてそういうことになりますが、そこで聞いてみるのですが、新しい制度を実行いたしますと、どのような負担割合の変化が起きてくるか、それを、私が言う問題について御答弁をいただきたい。 保険者の負担はどういうふうになってくるか、被用者の負担がどうなってくるか。被用者保険の負担、それから国民健康保険の負担がどうなってくるか、それから国の負担がどういうふうに変わってくるか、大体三つの点を申し上げましたが、新しい制度になるとどういうふうに変わってくるか。
○吉原政府委員 五十六年度で試算したもので申し上げますが、新制度におきましては、現行制度に比べまして、保険者の負担といたしましては金額で千八百十億の減になります。 それから被用者保険の保険料で見ますと、被用者保険全体では七百七十億の増になります。 それから国民健康保険の保険料につきましては約一千五十億の減になります。 それから国の負担につきましては、公費の分で二千六百十億の増になりますが、一方で国民健康保険を中心といたしました保険者に対する補助が千五百三十億ほど減になりまして、同時に国民健康保険に対する臨時財政調整交付金というものも約一千億要らなくなりますので、国の負担といたしましては、合計いたしまして約八百七十億の減になるということでございます。 いま申し上げました数字は試算のI、いわゆる実績案分と加入者案分というものを半々に見た場合の数字でございます。
○大原(亨)委員 被用者の方の保険者の負担が、いまの話は昭和五十六年度ベースで計算したわけですね。これは資料にあるように七百七十億円の保険料の負担の増加になる。その負担の増加の中身は、組合管掌が六百三十億円の負担の増加になるし、政府管掌は六十億円の負担増になる。日雇、船員は減になって、共済が百三十億円の増になる。それで七百七十億円の負担増になる。それから国庫負担は、話がありましたように、臨調の千九十億円をやめることとすると、合計八百七十億円の国の負担の減少になるということになりますね。 社会保障制度審議会へは私は国会から代表して出ておるのだけれども、社会保険審議会の議論や答申を見てみますと、国の負担の現状を後退させない、つまり、所得の再分配という観点における保険制度に対する国の負担の導入、そういう原則の中で生まれてきた、いわゆる財政調整の考え方がいまあるわけです。つまり、いままで国庫負担で財政調整してきたわけです。保険制度の各制度のばらばらな制度を、これがいいというのではない、これは改革しなければならない。これがどうなるかということが問題ですが、それが自立をして経営をしている、保険主義に基づく、自己責任に基づく経営体に対しまして、条件の違ったものに対しましては国庫負担を導入しましてそしてバランスをとる、一般財源でバランスをとっていって、そして負担と給付の公平を図っていこうというのが国庫負担を導入した原則です。 その原則から言いますと、八百七十億円ほど国の負担が減少するということは、給付との関係において発生しておる負担の公平という問題について流れが変わりつつあるのではないか、流れが変わるのではないかという点を私は指摘をしたいと思います。これについて、どなたでもよろしいが御答弁をいただきたい。
○吉原政府委員 新しい老人保健法におきます医療費の負担をどういった考え方で公平に負担をしていくかということにつきましては、まず第一に私どもが考えましたのは、国なり地方公共団体といった公的な責任が大変大切であるということが第一点。もう一つが、全体の費用の七割を各保険者から負担をしていただくことになるわけでございますけれども、その各保険者間の負担のバランスというものをどういうふうに図っていくかという点が第二点でございます。 その二つの考え方、視点というものを基本にいたしまして、先ほど申し上げましたような負担割合を決めたわけでございますが、同時に現行制度の負担がどうなっているか、それと新制度の場合に急激な負担の変化、一方で負担の増あるいは一方で負担の減ということにどうしてもなるわけでございますけれども、そういった現行制度の負担の状況と比べて急激な変化はやはり避けなければならない、そういった観点から、先ほど申し上げましたような負担割合というものを決めて試算をしたわけでございます。 国の負担が減るのはおかしいではないかという御質問だと思いますけれども、この新しい制度におきまする国の負担というものは、公費については二〇%を国が負担をする。同時に保険者から拠出される七割の分につきまして、従来どおり国民健康保険と政府管掌健康保険と日雇健康保険の三つの保険制度につきましては、それぞれ現行制度の補助率を基準として補助をするということにしているわけでございまして、それを合わせますと、この制度全体に対する国の負担というものは四〇%以上の高い負担率になるわけでございます。 金額的に五十六年度の試算で八百七十億の減ということになっておりますけれども、これは現在国民健康保険の負担が老人医療について非常に重くなっている。そのために臨時財政調整交付金といたしまして、高額の分もございますけれども、老人分として約千九十億の負担をしているわけでございます。新しい制度ができまして保険者間の負担の均衡というものが図られました場合には、当然この臨時財政調整交付金の必要性というものはなくなるわけでございます。そういったことから、臨調を含めまして八百七十億の減になるということでございまして、いわば臨調を除いた定率分の国の負担というものは、現行制度と新しい制度の場合に比べてみますとむしろ逆に二百二十億ほどの増になっているわけでございます。そういったことから、決して新しい制度におきまして国の負担というものをいまよりも後退をさせたというふうには私ども考えておりません。
○大原(亨)委員 それでは、費用の関係で総合的に考えるという意味でもう一つだけ質問しておくのですが、今度の法案の目玉になっておる保健事業に対しましては、大体五カ年計画等立てるのか立てておるのかわからぬにいたしましても、これは政府がオーソライズしてないのですが、それを一年に換算いたしますと、保健事業の方ではどういうふうな負担の増になるのですか。
○大谷政府委員 先生御指摘のように、私どもは五年後の六十一年度を目標にいたしましてヘルス事業というものを進めてまいりたい。と申しますのは、特にヘルス事業では、これを進めますヘルスマンパワーというものにつきまして、それが必要だから直ちにこれを充実するというのは大変むずかしゅうございますので、年次的にこれを進めでまいる、こういうことでございます。 そういうわけで、初年度につきましては——金額については吉原審議官から申し上げます。
○吉原政府委員 保健事業に要する費用でございますけれども、新年度におきまして、五十七年度、来年の十月実施でございますが、そのための保健事業に要する費用といたしまして六十五億円の概算要求をいたしております。国の負担部分として、負担金として六十五億を要求をいたしております。明年度全体といたしましては九十億、それからちなみにこういった保健事業に要する五十六年度の予算は四十二億でございます。来年度の新制度分六十五億を満年度、つまり平年度分にいたしますと、これの約三倍以上になるわけでございまして、ヘルスの総事業費といたしましては、初年度約四百五十億ぐらいの規模を考えております。それから、五年後には、六十一年になりますけれども、約千四百億ぐらいの規模の保健事業というものを考えております。保健事業の費用の負担は、国と都道府県と市町村がそれぞれ三分の一ずつを負担するということにしておりまして、いま申し上げました金額のほぼ三分の一を国の負担として要求をしていく、やっていくということでございます。
○大原(亨)委員 それは政府全体の意見ですか。
○吉原政府委員 現在、厚生省が財政当局に要求している考え方でございます。
○大原(亨)委員 大蔵省主計局は来ていますね。大蔵省はこれでは問題にならぬぐらい少ないと思わないか。
○宍倉政府委員 厚生省から御要求のあります数字につきまして、私どもただいま審査中でございますので、結果的にどういうふうに——厚生省と御相談しながら決めていくわけでございますが、それにつきましては、明年度の予算案を御提出申し上げるときまで、いまの段階でコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○大原(亨)委員 通常国会でやらないで、臨時国会で行革の一環で来年度の予算を目指してちゃんと審議するんだ、そういうふうに言っているのでしょう。だったら、ここで、この臨時国会で討議している中で、来年度の予算の問題を展望して議論ができなきゃだめじゃないか。この法律だけ出して、出しておいたら何とかなるというふうな考え方は食い逃げと同じじゃないか。それを来年度予算に関係が深いから臨時国会でこの問題をやるんだというならば、総合的に医療の問題、老人保健事業の問題、老人福祉の問題についてどう考えているか、これについて政府としての方針がなければ、いま臨時国会で、ここでこれをやる意味がないじゃないか。通常国会で来年度予算が査定になったという段階で、現在並びにこれの修正を含めてどうするかという問題を議論するのがそうじゃないか。 私は簡単に質問しているわけですよ。こんなものは問題にならぬほど少ないじゃないかと思うがどう思うかと言うたわけだ。あなたは、そう思いますと言えばいいわけだ。答弁しやすいようなことを質問してやっているのだから、これは絶対だめだよ。こんな法律はいまのところで議論したって全体の構想がない。言うなれば審議官とか公衆衛生局がちょろちょろっと文章を書いたようなものだろう。これは具体化しておるか、答弁できますか。あなたにできなかったら、渡辺君呼んできたらどうなの。
○宍倉政府委員 この法律をお願い申し上げているわけでございますが、先ほど来厚生大臣も御答弁ございましたように、この法律は、私どもも同じことでございますけれども、高齢化社会をこれから迎えるといういまの状況にございまして、健やかに将来、活躍していただく老人になっていただくための法律でございます。その基本は、四十歳以上になられましたら健やかに老いるための保健ということに中心があるわけでございますから、私どもはそれなりの覚悟をもって予算の審査をいたすわけでございますけれども、何せ予算と申しますのは、一つ一つのことだけの予算でございませんで、総予算と言われますけれども、全体のバランスというものがあるわけでございますから、個々の具体的な金額につきましては、先ほど申し上げましたように、全体の整合性がとれた形でないと申し上げられない、こういうふうに申し上げているわけでございます。考え方といたしましては先ほど申し上げたとおりであります。
○大原(亨)委員 委員長、あの答弁だめですからね。あんな答弁じゃだめですから、これじゃ審議できないじゃないですか。(「審議拒否だ」と呼ぶ者あり)審議拒否なんか、私言わないよ、そんなことは。言わないけれども、審議にならぬじゃないの。 つまり、総合的に、ゼロシーリングという行革のやり方が間違っているんだ。あなたは、この道については大蔵大臣やったことがあるんだから、あなたのときもそうだったと思うが、増分主義というのがある。何%の範囲で抑えますよとやると、官僚制度のもとにおいてはやはり官僚政治だから、なわ張りをぎゅっと守っちゃって、全体的に軽重なしにふえていくわけだ。今度は、その増分主義の裏返しのゼロシーリングということで、防衛費なんか若干の例外を設けてやっているんだ。そういうことをやると、削ることだけ頭にある。費用の負担だけ頭にある。 いま言ったとおりだ。保険者の負担をふやす、そして財政調整としていままで進めてきた国の負担は、臨調を含めてカットする。けしからぬですよ、そういうことを一方的になるということは。そうするならば、それに対応する保健事業その他においてやって、たとえば十ほど投資したならば百の効果があるような、そういうことが一方にあるのかということがあって、この保健事業というのは総合的に評価でき、審議できるのであって、そういうことができなければ、これは審議できないですよ。 私は、きょうは主計局長を呼び、大蔵大臣を呼んだんだけれども、一番詳しくてとにかく答弁に困らぬだろうということで主計局の次長が出てきたけれども、こんな答弁したって本当の審議というものじゃない。国会審議じゃないですよ、こんなものは。大体来年度の予算の中において——いま五十六年度ベースでやっているんだ。そこで、保健事業を重視するというけれども、どういうふうな総合的な観点でやるのか。行革というのは、国民の立場から見て、国民の負担が少なくなる。医療費は抑制するのですよ、むだ省いて。そして中身は後退させない。これは二律背反のことをやるのが行革でしょう。そういう審議を進める上において、こんなものだけを通してくれということは、おこがましいと私は思うんだ。 さて、この問題は後に保留しておきまして、委員長に言っておきますが、少なくとも大蔵大臣ぐらいはここへ出してもらいたい。慣習が悪いと思うんだ。厚生大臣だけ出して決めたってしようがない。大蔵大臣なんか出さなければ、こんな来年度の予算に関係したことについて審議できないですよ。私は進行上の意見を申し上げておきます。いかがですか。
○今井委員長代理 ただいまの意見につきましては、発言者と政府側との間で意見の調整が十分されているものと仄聞をいたしております。御意見は承っておきます。
○大原(亨)委員 委員長、これは処理してください、進行上の私の意見ですから。動議としては出しませんけれども、意見ですから。いま質問の過程で出てきた当然の意見でしょう。ああいうふうな答弁で、これ進めていけますか。処理してください。
○今井委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○今井委員長代理 速記を起こして。 ただいまの御提案につきましては、十二時から私ども理事会をいたしますので、理事会で協議をさせていただきます。 質疑を続行願います。大原君。
○大原(亨)委員 皆さんの手元に行っておるかな。これは厚生省にきのうの晩徹夜してつくってもらったわけですが、新制度における老人医療費負担割合の五十六年度分の続きであります。これは六十年度に現行でいけばどうなるか、これから六十年度に新制度でいけばどうなるか。六十五年あるいは七十五年ぐらいを展望したかったのですが、これはちょっと技術的にも時間的にも不可能ですから、六十年度の現行と六十年度の新制度について費用の負担割合がどうなるか、こういうことを出してもらったわけであります。 そこで、この質問の前段の質問といたしまして、国民総医療費と七十歳以上の医療費は、六十年度は推定ができておるわけですから、六十五年度にかけてどうなるか、こういう点について御答弁をいただきたい。
○吉原政府委員 将来の医療費がどうなるか、医療費の増加の要因といいますか原因には大変いろいろのものがございますし、それが複雑に絡み合っておりますので、なかなか正確な推計というのはむずかしい面がございますが、五十六年度で申し上げますと、国民医療費の方は現在十二兆九千億円でございますけれども、六十年度におきましては約十八兆五千億円ぐらいになるのではないか、さらにその後六十五年、約十年先でございますけれども、二十七兆六千億円程度になろうかというふうに思います。 それから、七十歳以上の医療費でございますけれども、五十六年度におきましては二兆五千億円というふうに推計いたしておりますけれども、六十年度におきましてはこれが約四兆三千億円程度、それから六十五年度におきましては七兆一千億円程度になろうかと思っております。これは現在までの最近の人口の増、医療費の自然増、そういったものに基づいて推計したものでございます。
○大原(亨)委員 もう一つ表に入る前の質問ですが、国民医療費に対する七十歳以上の医療費の比率をひとつそれぞれお答えいただきます。
○吉原政府委員 国民医療費に対する七十歳以上の医療費の割合は、五十六年度におきましては一九・七%、二〇%弱ということでございますが、六十年度におきましてはこれが二三・二%程度になるだろう、さらに六十五年度におきましては二五・九%ぐらいになるのではないかというふうに推計いたしております。
○大原(亨)委員 国民医療費が国民の所得を超える、あるいは賃金、収入等を超えて増大するという問題もさることながら、その中で老人医療費は、これは六十五歳、七十歳以上の高齢者がどんどんふえる、六十五歳がいいか七十歳がいいかということの議論は、便宜的な政府側の考え方でなしに基本的な議論が必要ですが、それはともかくとして、七十歳以上の医療費のシェアがふえていくということは、高齢者の絶対数がふえることと一緒に、いまの医療費の構造から見て、あるいは疾病の構造から見てこれは避けることができないという状況である。ただし、これはどこの国もこの問題に突き当たっておるわけですが、医療の費用を効率的に活用して費用はできるだけチェックする、それから内容は後退させない、そのためにどうするかという議論をするわけであります。 そこで、六十五年ということはできないわけですが、六十年の現行と新制度について、せっかくきのう苦労してつくりていただいたわけであります。これを見てみますと、保険料の負担はどうなるかというのが出ていますね。これは記録へ残しますから、念のために答弁してもらいたいと思います。 その中で、政管、組合、共済はどうなるか、それから国民健康保険の老人医療が増大する、老齢化対策として四五%の枠外をつくっていったわけです。そして臨調によって国の負担として調整してきたわけですが、これを大蔵省はどういう方針をとるかという問題が一つあるわけです。 国の負担はできるだけ少なくすればいいというんじゃないんです。国民の立場で保険料を負担する、税金を負担する、そういう場合に公平の原則でこの負担がなされるということが必要です。必要なものは出す、しかしながら、公平の原則で負担するということが一つ。その際に財政調整については、村山厚生大臣は大蔵省出身ですから私の話はよくわかると思うのですが、一般財源で調整するということは一つの非常に正しい原則なんです。小さな政府だからただ国の負担をぶった切ればいいというようなことでいま行革特別委員会で行革特例法をやっていますが、私も委員会に出て質問いたしましたが、知恵のないことをやったものだと私は思う。時間つぶしをやったものだと思う。あれこそ行革しなければならぬ、中曽根以下行革しなければならぬ。行革はまさにこの法律であるというふうに私は思っていますが、きょうはその話をしておるわけにはいきませんが、臨調の問題を含めまして国の負担はどうなるかという問題について、これから五十七年、五十八年、五十九年、六十年ですから、そのくらいは見通せるだろうということでつくってもらいましたので、記録にとどめたいと思います。
○吉原政府委員 昭和六十年度で現行制度のままでどうなるかということを最初に申し上げますと、被用者保険の保険料につきましては、被用者保険の保険料全体として一兆一千五百十億の負担になります。先ほど六十年度の老人医療費四兆三千億と申し上げましたが、四兆三千百二十億円のうち被用者保険の保険料の負担が一兆一千五百十億でございます。その内訳でございますが、政管健保が五千百九十億、組合健保が三千七百二十億、共済組合が二千三百二十億、日雇健保等その他が二百八十億、国民健康保険が九千百五十億ということでございます。 次に、六十年度の新制度の場合にそれがどうなるかということを申し上げますと、被用者保険の保険料全体といたしまして一兆三千七十億。その内訳は、政管健保五千五百九十億、組合健保四千八百七十億、それから共済組合二千四百億、その他二百十億、国民健康保険の保険料が五千六百五十億。 これを現行制度と新制度を比較をいたしてみますと、その一番右の欄にございますけれども、被用者保険の保険料負担が現行制度と新制度では、新制度の方が千五百六十億の増。内訳は、政管健保が四百億の増、組合健保が千百五十億の増、共済組合が八十億の増、その他が七十億の減。一方、国民健康保険の保険料負担は三千五百億の減ということになります。 それから国庫負担でございますけれども、国の負担は六十年度現行の場合に、公費の分と保険者に対する国庫補助の分を合わせまして、現行制度のままですと一兆九千四百五十億でございますが、六十年度の新制度におきましては一兆九千百六十億、二百九十億の減ということになります。 それから第二の御質問の臨時財政調整交付金、これをどう考えるかということでございますけれども、先ほども御質問にお答え申し上げましたように、この臨時財政調整交付金というものは、国民健康保険の財政というものが老人医療のために大変苦しい状況にある。それを国として補助するために、いわば臨時に調整的に交付している金額でございます。新しい制度ができまして、保険者間の負担の均衡が図られるということになりますと、いま申し上げましたように、国民健康保険の保険料負担というものが大変軽減をされることになります。したがいまして、いままで国民健康保険の保険料が大変重かった。それを軽減するための臨時財政調整交付金というものは必要性というものがなくなるわけでございます。決して新しい制度に対する国の責任というものを後退させたということではございませんで、必要性がなくなった。この制度全体に対する国の責任といたしましては、現行制度でも約四五%、臨調を含めて四五%の国の負担をしておりますけれども、新制度におきましても率にいたしまして四四%、臨調を除いても四四%の負担をするということでございまして、十分国の責任は新制度においても果たすことになるということだと思います。
○大原(亨)委員 いまの臨調の問題については私は観点を変えて議論しなければならぬと思うのです。これはなぜかというと、保険事業の実施主体は市町村ですから、その財政力のアンバランスに応じましてつまみ銭ではなしに一定の公式に従いまして調整交付金を出していくという考え方は、これはいままでやってきた言うなれば一つの知恵ですから、調整交付金の制度ですから、この問題については、この制度自体を国保自体との関係でやるか、あるいは全体の関係でやるかは別にいたしまして、そういうことをすべきだ。 その点私が触れているのは、これからの保険者の拠出金の負担割合にも関係いたしますが、全体として国庫負担というものを後退させないということ、国の負担によって保険制度の、皆保険の制度の財政調整を総合的にしていくという考え方は、捨てるべきではないと思うわけです。臨調は全部切って捨てるのですか、念のために質問しておきますが、全部捨てますか。
○吉原政府委員 臨調の中に、先生御案内のように、高額医療費の分に対する臨調と、老人医療費の分に対する臨調とがあるわけでございますけれども、老人医療費の補助としての臨時調整交付金というものは必要性がなくなるというふうに思います。
○大原(亨)委員 公衆衛生局長、たとえば原爆関係はどうなんですか。——保険局長でもよろしい。
○大和田政府委員 原爆関係は、現在財政調整交付金、例の五%分でもって見ておる、これはもうすでに先生御承知のとおりでございます。これにつきましては、今後とも従来どおりに考えていくという考えでございます。
○大原(亨)委員 いまの高額医療とかそういう問題、高齢者医療等の問題、若干のこういう問題については、また議論はずっと私はとどめておきます。 そこで質問は、このことによりまして昭和六十年を展望した場合に、推定した場合に、政府管掌と組合管掌と国民健康保険の保険料にはどういう影響を及ぼしますか。
○大和田政府委員 組合管掌につきましては、この表にございますように、従来よりも保険料の負担というものはふえていくわけでございます。 政管につきましては若干の増というものがあるわけでございます。ただこれは、おおむね現在の水準を維持するというようなことでもって政管健保については維持できるというふうに考えておるわけでございます。
○大原(亨)委員 国保は。六十年度ですよ。
○大和田政府委員 六十年度のことを申し上げておるわけでございますが、国保につきましては、保険料はここにございますように減るわけでございます。ただし、老人が減りましても従来分の医療費の増というものがあるわけでございますので、保険料がダウンするというようなことではなく、当面は保険料の従来どおりの増というものがやや頭打ちになっていくというようなことであるわけでございます。
○大原(亨)委員 この法律の仕組みですが、そういうふうに老人医療費がふえてまいりますと、そうすると今度は保険料にはね返ってくるわけですが、その保険料にはね返ってくるときには、どういう根拠と手続でやるのですか。
○大和田政府委員 保険料率につきましては、老人保健審議会におきまして料率の各保険者に対します賦課というものが行われるわけであります。それに基づきまして、政管等におきましてその料率に従いまして拠出をするということになるわけであります。
○大原(亨)委員 法律に即して言ってごらんよ。法律でやっているだろう。法律を私、話しているのだ。
○大和田政府委員 その割り当てられました拠出額を各保険者が拠出するわけでございます。それは、各保険者の料率というものをそれぞれ算出をいたしまして、その料率を各被保険者に乗じまして、そこから保険料が拠出されていくということになるわけであります。
○大原(亨)委員 もう一回まとめて質問いたしますと、五十六年度現在において、五十六年度ベースにおいて現行法と新制度についての試算はここへ出ているわけです。それを基礎にいたしまして、五十七年、五十八年、五十九年、六十年で、この法律が万一通ったとした場合に、その六十年になるまでに保険料は各グループで、各保険制度でどういうふうに増大するのかということと、それが保険料負担にはね返ってくるけれども、それはどういう根拠法規とどういう手続に従ってその負担が決定されるのかということについて、整理をして答弁をしてもらいたい。——それはとてもできぬらしいから、これは後で改めて——聞いておらんとだめだ。横にいるあなたが参謀か。あなたが答弁してもいいよ。こういう技術的な問題は何も大臣が答弁する必要はない、大臣は何もわかっておらぬに決まっておるから。一年ごとにかわるのだから関係ない。 そこで問題は、保険局長、質問ですよ、そういうふうに老人医療費が別会計で、拠出金で流れていってふえてきますね。そうしたらば保険料負担がふえるでしょう。保険料負担をふやす場合には健康保険法の所定の手続に従ってやるのか、社会保険審議会にもかけるのか、制度審議会にもかけるのか、国民健康保険の方の審議会にもかけるのか。手続はどうか。
○大和田政府委員 社会保険審議会に具体的な料率の諮問はいたしません。
○大原(亨)委員 なぜしないの。
○大和田政府委員 社会保険審議会におきます保険料率の諮問というのは、健康保険法の、政管健保の財政運営というものについての保険料率の諮問ということになるわけでございます。ただいま先生おっしゃいましたところの料率につきましては、これは老人保健の運営のために政管健保から拠出をするということになるわけでありまして、それは当然社会保険審議会の権限ということではなく、老人保健からの一定賦課金というものを政管から拠出をする、そういうことになるわけでございます。それは社会保険審議会にかけないで賦課をいたしていくということになるわけでございます。
○大原(亨)委員 私が質問していることじゃないんです。私が質問していることはどういうことかというと、拠出金が決まる。そのために五十六年、六十年、六十五年の老人医療費と国民医療費の推計を出してもらったわけよ。そうすると、六十年、六十五年になるに従って一九%が二三%になり二六%になるわけだ。どんどんふえるわけだ。そうすると拠出金もふえてくるわけですよ、このシステムは。拠出金のウエートがあるわけだから。そうすると保険料にはね返りますよ、保険料負担の料率に関係しますよ、それはどういう手続でやるのですか。 それは関係ないとあなたは言ったけれども、それでいいの。関係なしに、社会保険審議会にもかけないでどんどん料率を上げていくの。
○大和田政府委員 ただいま……
○今井委員長代理 ちょっと待って。大和田君、発言を求めて。 よく落ちついて答弁してください。大和田君。
○大和田政府委員 ただいま申しましたように、社会保険審議会に諮問いたしますのは、政管健保の財政運営ということによりまして、その必要性によりまして保険料率の諮問をいたすわけでありますが、これは政管健保の財政上の運営ではなく、やはりただいま申しました老人医療に対する、老人保健に対する拠出金の分担でございます。したがいまして、その分担の額につきまして拠出をする額が割り当てられましたら、それを政管健保から拠出をする義務があるわけでございます。それは当然自動的に、その義務を果たすために、保険料率に換算いたしましてそれで出していく、そういう仕組みになるわけでございます。
○大原(亨)委員 そうするとそういう——ちょっと、あなた、質問を聞いてないとだめじゃないか。あなたが答弁せい、やってもいいから。ちゃんと局長でなくてもいいんだから。わかっている者がやればいいんだから。だれでもいいよ、そんなものは。私の言うことを聞いてないものだから答弁にならないわけだ。私が質問しているときにあなたが打ち合わせするから。 局長、こういうことを言っているのですよ。単純な理論ですよ。拠出金の負担は各保険に義務づけられておるわけです、政管にも、組合管掌にも、共済にも。それで一応の推定が出ているわけですよ。そうすると、医療費の中で老人医療費は高齢化社会と一緒にどんどんふえていくわけですよ。そうすると、法律上、老人保健法で拠出の責任があるから拠出をいたします、健康保険法を改正して、責任があるから拠出しますね。そうすると穴があくでしょう。政管、組合、各健康保険に穴があくでしょう。それを埋めるためには保険料を上げなければいかぬでしょう。そういう場合が多いでしょう。絶対的にストレートではありませんよ、ほかの臨調答申等にもあるようないろいろな行政努力もあるでしょう。あるでしょうが、それはそれといたしまして、穴があくでしょう。穴があくことは明確だということを私はこの資料で言ったわけです。 そのときに、その穴があいたところの保険料を負担するのはだれですか。国が出すわけじゃないでしょう。結局労使が出すのでしょう。そうすれば保険料率を変える健康保険法の改正になるでしょう。社会保険審議会の議を経なければいかぬでしょう。保険料率を変える際にはやらなければいかぬでしょう。負担区分については三者構成の保険審議会があるじゃないですか。ですから、そういうシステムになるのであるけれども、そういうことについては手続上の問題としてどう考えておるのかという質問を私がしているわけです。 むずかしい質問じゃないですよ。これは単純な質問だよ。手続だからあなたが答弁された方がいい。あなたは、内容はともかくといたしまして、手続、そういう点は非常に詳しい。私の言うことはわかるでしょう。
○大和田政府委員 老人保健法案の中に、これは健康保険法第七十一条ノ四でございますが、「老人保険料率」、これが各保険者が拠出される料率になるわけでありますけれども、「老人保険料率ハ各年度ニ於テ保険者が納付スベキ老人保健拠出金ノ額ヲ当該年度ニ於ケル当該保険者ノ管掌スル被保険者ノ標準報酬月額ノ総額ノ見込額デ除シテ得タル率ヲ基準トシテ」決める、こういうことが法律でもって規定されておるわけでございます。それによりまして額というものが決まり、率が決まってくるということになるわけでございます。したがいまして、自動的にこの率を賦課することによって拠出金が出てくるということになるわけであります。
○大原(亨)委員 従来の母体となる各保険のグループの保険料に付加をしてこの老人保健法に基づく財政に流していく。付加をするのだから、じゃ、保険料が二本できるわけだね、組合管掌も政府管掌健康保険も千分の幾つ、老人保険料分が千分の幾つ、こういうふうに。つまり、個々の保険料率は法定主義だけれども、ここに保険法で法定主義の例外ができるのだね。
○入江政府委員 御存じのように、いままでの保険料は、健康保険法で、医療費の改定が行われる場合とかあるいは給付改善が行われる場合に改定するという制限がございますけれども、老人保健の場合は、老人保健から賦課されるわけでございますから、それは要するに無条件に拠出しなければいけないという考え方に基づきまして、保険料を一般保険料と老人保険料と分けまして、一般保険料は従来のルールに基づいてやる、老人保険料については、ただいま局長が申し上げましたように、自動的に計算して賦課されたものを拠出するという仕組みをとっておるわけでございます。
○大原(亨)委員 大臣、この中で連帯とかいうような言葉をやたらに使っているけれども、つまり政管健保とか組合健保とかそれから共済の組合とかというのはばらばらに分かれておって問題なのです。ただし、年金の制度はばらばらに分かれると全部空中分解するのです、袋小路へ入るのです。しかし健康保険は適正規模でやる方がやはり自己責任の原則が貫けるのです、保険料を払う者が給付を受けるのですから。ですから給付について注文をつけるのだけれども、日本医師会がいろいろガーガー言うものだから混乱しているのだけれども、金を払う者と使う方にネゴシエーションがない、連帯がないわけですよ。それをこれからつけなければいけないのだけれども、保険制度というものは、負担する者が給付を決定する権限があるのです。これが自己責任の原則なんです。自己責任の原則とか受益者負担の原則とかいう原則で自立しているのだから、適正規模でやる方がいいのです。 今度は、いまの質疑応答で明らかなように、この拠出金の制度ができると、政府の答弁のように国民医療費もどんどんふえていく。その構造をどう変えるかということの議論はこれからもずっとする。老人保健法とどういう関係があるかということも議論する。これは私ども一番大きな議論の問題だ。しかし、現状で推定しても、国民医療費と七十歳以上の医療費の増大の比率とを考えると、高齢化社会においては六十五年を見通してもかなりこれはふえていく。それを分担する仕組みは六十五年度においてはどうなるかということが、きのう私が求めてつくった資料である。 これを見てわかるように、拠出金というのはかなりの金額に上る。強制される金額はかなりの金額に上る。それが保険料法定主義を無視いたしまして、今度老人保健法ができたならば、この支払基金を通じまして拠出金を流していく。必要なだけ流していく。その仕組みは法律に書いてある。そうすると、歯どめなしに流れていくのじゃないか。ここに老人保健法の基本的な問題があるのではないか。そのことは、いまの質疑応答で明確になってきた。 現在の保険制度のいわゆる自立とか連帯とかいうのをやっているのは限界がある、欠陥はあるのですよ。あなたの専門だけれども、保険料というのはどんどんふえていくと、厚生年金との関係、保険料の関係、こっちの関係、見ていくと税金よりもたくさん出ていくのです。特にあなたは主税局畑の出身であるけれども、税金の中においては生計費に課税をしないという最低課税の原則があるわけです。保険料は受益者負担ですからそれ以下にもかかってくるわけです。パートにも全部かかるわけです。年金生活者にもかかってくるわけだ、頭割りの負担が中心ですから。ですから、これに負担の限界というものがある。負担の不公平というものがある。そこで、一般財源との調整問題が起きて、政府管掌健康保険に一六・四%の財政調整負担ということがある。その精神を後退させてはならぬ。国民健康保険においてもそうであるというふうなことを、私が出ておる社会保障制度審議会も、社会保険審議会も答申をしているのである。これは政策の前進から考えて当然である。後退があってはならぬという観点から当然である。 であるとするならば、これは私は質問いたしますが、この拠出金というものは保険料であるのか、賦課金であるとすれば一方的な税金に類するものであるのか、どっちであるのか。
○吉原政府委員 この老人保健法におきまする拠出金というものを一体どういう性格のものとして考えるかというのはいろいろむずかしい議論があろうかと思いますけれども、老人医療費を国民みんなで公平に分担をしていこう、そのための国民の負担金であり、拠出金である。従来そういった制度はございませんでした。こういった制度の仕組み自体がいままでにない仕組みでございますので、この拠出金というものの法的な性格をどう考えるかということについてはまたいろいろ議論があろうかと思いますが、ただ、その拠出金は先ほどから御説明しておりますように、従来の保険料と同時にそれにあわせて徴収をする、その一部を老人保健基金に拠出していただく、こういう仕組みをとっております。 そういったことから考えまして、これまでの保険料と実際上本質的に全く別なものだというふうには私は考えておりません。税金ということでもございません。どちらかというと、むしろ従来の保険料に近い性格を持った賦課金ではないかというふうに思っております。
○大原(亨)委員 法制局はどう思うか。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 ただいま吉原審議官からお答えございましたのと、私ほぼ同様に考えております。と申しますのは、保険者拠出金につきましては、今回の法案、老人保健法の趣旨が、全国民の連帯の精神に基づいてということが書いてございますが、国、地方公共団体、各保険者、これが共同で財源を負担するというふうなことがございます。さらに、各保険者が現に行っております老人に対する医療が、今後はこの法案におきます制度に移行してまいります。そういうことを考慮いたしますと、各保険者からそれ相応の所定の拠出を求めるということだろうと思います。 その場合の拠出金につきましては、まず第一に、最終的には各保険者ごとに被保険者から徴収した保険料、これで賄われているという点が一つ。それからもう一つは、拠出金の算定に当たりましては、各保険者の老人医療費の実績、こういうものを基礎にして決めていく。こういう点から申し上げれば、確かに社会保険料的な要素があることは否定できないだろうと思います。 ただし、今回の法案におきます、ただいま吉原審議官からの御説明にもありましたように、医療の実施の仕組み全体、こういうものから考えてまいりますと、医療保険各法で従来取っております社会保険料と同一性格のもの、ここまでは断定できないだろう、かように考えております。
○大原(亨)委員 何ですか。最後だけもう一回言ってみてください。
○工藤政府委員 社会保険料的要素のあることは否定できないと思いますけれども、しかしながら、本法によります医療の実施の仕組み全体を考えますと、医療保険各法で現在取っております社会保険料と同一の性格のものである、ここまでは言い切れないだろうということでございます。
○大原(亨)委員 それならそれは何ですか。社会保険でもない、同一のものではないと。何ですか。
○工藤政府委員 先ほど吉原審議官からもお答えがございましたように、新しい仕組みということでございますので、それに相応した性格のものであろう、こういうことでございます。
○大原(亨)委員 そんなものは答弁じゃないですよ。だめだ。法制局長官を呼んできなさい。 委員長に要求します。あんな答弁なんかないですよ。社会保険料のようでもあるがそれではないんだというような答弁があるか。それなら何だと言ったならば、吉原審議官が言ったとおりだ。そんな法制局があるか。だめだ。そんな答弁はない。これは後で一緒に理事会でやってください。
○今井委員長代理 工藤君、つけ加えて御答弁はないのですか。信ずるとおりを答弁しなさい。
○工藤政府委員 今回の法案で徴収されます保険料、老人保健の拠出金の性格でございますけれども、これを一概に社会保険料であるとかあるいは税金であるとか、こういうふうにきわめて明確にといいますか、割り切るような性格のものではない、こういうふうなことを申し上げたわけであります。
○大原(亨)委員 あなたは専門家だから、このことについてはあなたが一番正しいですよ。保険料でもないし税金でもないというものがあるのですか。そんなものあるのですか。いままでに例がありますか。保険料の性格もある、しかし保険料ではない、税金でもない拠出金というのは、正確には何ですか。
○村山国務大臣 私はこの法案をずっと見まして、私の理解でございますが、拠出金はやはり拠出金になっておるわけでございます。そして、その拠出金の算定方法は、この法律で書いてありますように、試算Iないし試算IIもありますけれども、大体試算Iで拠出金の額は決まるわけであります。 いまの話は、その拠出金の原資はどうなるかということになりますと、当然それは保険料でありあるいは国庫負担になってくるわけであります。そういう意味では確かに保険料と密接な関係を持っておる、また国庫負担とも非常に密接な関係を持っておるわけでございましょう。 なお、先ほどのお話でございますけれども、仮にこの法律を通していただいたといたしますと、試算Iでやりますと拠出金の額が決まってまいります。したがって、その決まりました拠出金をそれぞれの保険者が拠出する法律的義務が生じてくる。それを何で原資として賄うかというのは、ただいま申しましたように国庫負担金あるいは保険料の関係がございます。 一方、保険料の基準は基準報酬でございますので、これは年々上がっていくわけでございます。しかし、そうだからといって保険料率をいじらないで、変更しないで済むという保証はないわけでございまして、あるところは場合によると下げるところも出てまいりましょうし、ある点ではそれは上げるという点もあるいは出てくるかもわかりません。そのときに、先ほど事務当局が答弁いたしましたのは、恐らくいままでの保険料の変更のときには給付水準が変わったときに保険料を諮問する、あの法律が頭にあったのじゃないか、そして形式的な答弁をしたのじゃないかと思います。 しかし、率直に申し上げますと……(大原(亨)委員「そうじゃない、そういうことじゃないのです。それはあなたが知らぬのです。そんなことはないのです。そんな答弁をしたら向こうは怒るよ。知らぬことを言ってはいかぬよ」と呼ぶ)
○今井委員長代理 発言中ですから。
○村山国務大臣 だから、これは法律的義務によりまして、これを通していただければ決まるわけでございまして、原資をどうするかということが出てまいりまして、仮に保険料を上げなければならぬとした場合は、恐らく、仮に試算Iでやった場合に、それはどうも負担が、たとえば国保以外の被用者保険については重過ぎるという批判もあるいは出てくるかもしれません。これは、だからそういう意味では……
○大原(亨)委員 あなたはそんな細かいことを答弁してはいかぬ。あなたは保険か税金かということを答弁すればよかったのです。もういいです。時間がなくなってしまうのです。一番大切な問題がまだ残っているから時間がなくなると困ります。 問題は、いまの答弁を整理してみるとわかるのですが、この拠出金というのは社会保険主義の原則、保険の自己責任の原則を崩すわけです。これは明らかにそういうことになる。 つまり、あなたは間違って答弁しましたが、保険者がこの拠出金を出す義務がある、こういうふうに言っているのだが、いままでの答弁を見ると、被保険者あるいは事業主が保険料を負担するときに付加して出す義務が生ずるのだ、こういうふうに言っているわけです。あなたが言われることと違うわけです。 そうすると、保険料を負担する者が、つまり社会保険主義というのは、資本主義、自由主義の中で発達した制度なのですよ。原則から言えば、公平に税金を取って、そして国がナショナル・ヘルス・サービスでやるべきなのです、公共性のあるものは。保険というものもそうです。そういう理屈も一つあるわけです。これは資本主義、社会主義でなくてあるのです。これはイギリスがやっていて今度は行き詰まった、イタリーが最近やろうとしていることがその一つです。 しかし、社会保険の保険主義というのは自由主義が原則なのです。自由主義というのは、やはりお互いに保険料を出し合って助け合うということなのです。自己責任の原則ですよ。保険料を払うた者が診療報酬の内容を相互に規定をしていこう、診療報酬を得る者の方は、医療機関は保険者に対しましてこれだけの金が要りますよと言うて、大体交渉して成立するのが保険なのです。 たまたま政府管掌の健康保険というのがあって、厚生大臣が長官の監督をしているわけですよ。あれは解体して地域の保険組合方式でやる方が実際はいいのですよ。地域から自主的にやって、保険庁というのは行財政改革の中でなくしてしまった方がいいのですよ。保険主義を通そう、自己責任を通そうというのだったら、そういうふうにして区域でやって、足りないところは連合体をつくってやればよろしい。 保険主義というのは、理屈はそうなんです。だから保険主義を徹底し、自己責任を徹底して、そして自立の原則でやって、仲の悪い医師会や健保連なんかがちゃんと話ができるような仕組みをつくっていくのが政治なんですよ。それを一方が政治的に動いてやるものだからがちゃがちゃになるわけです。それをやるのが行財政改革であり、自己責任の原則なんですよ。自助なんですよ。それと反対なことをこれはやっているのだよ。保険料を払う者が拠出金を通じて必要なだけ流し込むわけだ。必要なだけ出すわけだ。 そうすると、時間がなくなったから申し上げますが、それに対応する制度、拠出金に対応する制度としては、つまり、これは保険料が増大するときには社会保険審議会にもかけないというのだから。そういうことを言っているのだから。後で訂正することがあったら、これはこの会議が終わるまでに訂正しなさい。これは私どもは絶対に了解できませんよ。そんなことは現在の制度では絶対にあり得ない。憲法上の議論まである。 そこで問題は、保険料的なものを修正して拠出金にしたのだという答弁をした人もおる。吉原審議官もそう答弁をしたけれども、拠出金に対応する支払い診療報酬、医療供給体制、こういうものをどうするかということが整合性がないと、この制度はインチキだということになりますよ。 そこで、時間もないので大切な質問に入りますが、老人保健審議会とは何かという問題があるけれども、支払い方式について老人保健審議会で審議をするというふうに園田前厚生大臣もしばしば答弁をしてきたし、各方面の答申にもあるわけですよ。しかし、本会議でも各党から問題になり、行革でも問題になっておるように、九月のさる日において前厚生大臣、厚生省もかんで、支払い方式、点数出来高払いについてはこれは今回問題にならない、とにかく法律だけ通しておいてくれという話が成立したという話である。老人保健審議会その他の問題に関連しても意見がまとまったということが伝えられておるけれども、これはこの法律の仕組みの本質にかかわる問題ではないのか。財源に対応するこっちの給付の制度をどうするかという、そういう本質にかかわる問題ではないのか。 そういうことについて端的に質問いたしますが、厚生大臣はそういう約束があることを知っておるかどうか、お答えいただきたい。
○村山国務大臣 そういう約束については承知しておりません。
○大原(亨)委員 あなたの職員の中でこの話し合いに知恵を授けたり、立ち会ってこれならよかろうと言った人があるかないか、お答えいただきたい。
○村山国務大臣 そのようなことはないと確信しております。
○大原(亨)委員 私が名前を言ってもよろしいか。——その話は後へおこう。 それで問題は、あなたは関係ないようなことを言っているけれども、本当に全知全能を発揮して診療報酬の体系、それと一緒に支払い方式について——日本は支払い方式が現物払いと点数出来高払いになっておるのですよ。ここで長所もあるけれども、欠陥が出ておるのですよ。これをどう改革するかということが一番大きな老人保健法の問題である、拠出金との関係において問題であるのに、中身を後退させないで一部負担等の問題についても、絶対ということではなしに——これは時間がないから言わないけれども年金との関係がある、そういうこと全体を考えないと。この問題で一番大切なのは、現物給付における出来高払いの点数方式をどう修正をするか、かわるべきものがあるかということが全知全能を発揮してやるべきことなんです。低成長、高齢化社会に対応する問題である。 それを簡単に国会の外で、法律案を出しておきながら別のことをやっているということが事実とするならば、これは私は許しがたいことである。そういうことは絶対に許さない。幾ら与党が多いからといったって許すことはできませんよ、こんなことは。絶対に許すことはできない。私の主張はわかりますか。
○村山国務大臣 先ほども申しましたように、私は承知しておりませんし、厚生省は関係してないと確信しております。
○大原(亨)委員 九月十八日の閣議後の記者会見において、村山厚生大臣は、「老人医療費の支払い方式について「現行の出来高払い方式を変えるつもりはない。西独やフランスなど諸外国の支払い方式も検討してみたが、日本にはなじまない」」現行出来高払いを適用する、こういうふうに記者会見で答弁をした事実はないか。
○村山国務大臣 閣議後の記者会見におきまして、その種の話が出たことは事実でございます。ただし、その報道はやや私が言ったニュアンスとは違うように思います。私の申し上げておりますのは、今度老人保健制度で支払い方式を見直していただくということである。そういうことで、やはり老人の疾病の持っております特徴からいたしまして、何らかいい知恵を出してもらいたい、そういう意味で見直してもらいたいんだが、私個人としては、これは専門家で詰めてもらわなければわかりませんけれども、なかなか一長一短あってむずかしい問題であるということを申し上げた記憶はございます。 しかし、これはあくまでも審議会の話でございまして、変えるつもりがないとか、そういったことは言っておりません。
○大原(亨)委員 いやそれは、時間がないから言わないけれども、あなたが記者会見をされたことについては、私は幾つかの記録のメモをとっている。私が言ったことは、これはもう十人のうちで十人間違いがない。 高齢者保健問題をやる場合に、医療と保健と福祉とを一緒に総括的にやる場合に、現物払い方式の出来高払いでいくということは、これは循環器系統その他成人病の性格からいいまして非常に大きな問題を持っておる。点数出来高払いの長所を生かすなら生かすとして、これをチェックする、医療機関側の意見を聞きながらチェックするということは絶対に必要だ。 私は、この審議を進めていくに当たって、臨調の答申にもあるいはこの法律案の中にも老人保健審議会の権限事項として置いておきながら、老人保健審議会の性格については、保険か拠出金かという問題をめぐりまして、まだこれは審議を詰めておりませんが、後でわれわれの同僚がそのことに対してやりますけれども、その問題と一緒にその権限にあるべき事項について大臣が否定的な言動をとるということは、この老人保健法案という重要な八〇年代、二十一世紀へかけての最大の問題を含んでおる問題について対処する態度としてはきわめて軽率である、無責任である、そういうことを許すわけにはいかない。 もしそうでないならば、老人保健審議会に任せるなどというふうなことは言わないで、現物払いの出来高払いの長所、技術尊重に変えるというふうな問題等を含めて、具体的にどのような支払い方式についての再検討を加えておるか。その幾つかの試案があるはずである。試案がないのに、老人保健審議会で、来年十月に実施いたしますというようなことだけで、ここで通すわけにはいかない。 私も私案を持っている。ここには何人見えておるかわからぬが、五十三年に小沢私案も出たことがある。橋本私案も五十四年に出たことがある。それから五十五年には野呂私案が出たことがある、これはヘルスサービスの方式、目的税方式です。橋本私案は財政調整方式です。小沢私案も出た。それぞれ大臣をやめる最後に、かなり勉強した、議論した最後にそれぞれの案を出した。 これは私はここでぜひ参考人を呼んで聞きたいと思うけれども、いずれにしても、高齢化社会に対応して、拠出の財源に相応する、国民が負担する財源に相応する支払い方式について政府に何らかの考え方がなければ——断定する一案でなくてもよろしい、私は一案、二案、三案を持っているけれども、その法律、その支払い方式について政府が責任を持ってここへ試案を出す、そういうことを通じて全体を審議しなければ、来年度予算の問題と一緒に審議できないと思う。 これはごてるのでも何でもない。法律を通しておけば後は何とかなるよ、どんどん金を取っていくんだからという無責任な考え方は、国民の立場では絶対許されない。 ですから、この私の質問は二、三分保留しておきますけれども、私の質問並びに同僚の質問、この審議の過程において支払い方式をどうするかということについて幾つかの考え方を責任を持って政府は出すべきである、審議会に任せますというようなことを言ったら信用しない、そういう私の見解に対して厚生大臣の最後の決意を述べてもらいたい。
○村山国務大臣 この法律を通していただいて、それで、この法律の規定によりますれば三カ月以内に審議会を設けることになっております。したがいまして、そこで支払い方式の見直しの問題等を含めまして論議が行われ、ヘルスの全般の問題その他あらゆる問題を審議していただくわけでございますが、もとよりそのときにはいろいろな案を政府としては出すつもりでございます。こういう考え方はいかがであろうか、こういう考え方はいかがであろうか。そこで多くの専門家の人に入っていただきまして、そして老人の疾病という特徴を考えて、また医療費の効率的な使用という問題を考えまして、大いに活発に議論していただきまして、そして答えを出していただきたいと思っているわけでございます。われわれが全然やりっ放しであるというようなことはございません。そこで十分な論議をしていただきたいと思います。
○大原(亨)委員 公正な委員長に申し上げておきますが、いまのは全然答弁になっていません。というのはどういうことかというと、法律に書きながら、老人保健審議会の権限にゆだねながら、一番問題となっている、一番大切な衆知をしぼらなければならぬ支払い方式の問題について、これができないということを主管大臣が記者会見でも言っている。自由民主党の中には日本医師会と通してもらうということを約束した人がおる。そういうことがはっきりしておるのに、なおかつ問題の支払い方式について厚生省の考え方を出さないということは、老人保健法の審議について国民の立場から見たら絶対に納得できないことである。私が納得できないということはわかるでしょう。 委員長、時間が大体参りまして、少しありますけれども、理事会で検討いただく問題が幾つかあります。もちろん同僚の質問とも関係ありますけれども、いまの大臣との最後の質疑応答は全然私は納得できません。こんなことで審議なんか前へ進めたら国民から笑い物になりますよ。こんなでたらめな法律をつくって、拠出金だと言って一方的に保険でなしに巻き上げていく、国税通則法でやるのならともかく。そんなことはいままでの審議に前例のないことですから、私は絶対にいまの答弁は了承できない。 この問題については保留いたしますから、理事会において十分議論していただいて、審議の中で納得できるような方途をとっていただきたい。そのことを発言をしておきます。
○今井委員長代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ————◇————— 午後一時三分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 老人保健法案に対する質疑を続行いたします。川本敏美君。
○川本委員 午前中の大原委員の質問に続いて、私も老人保健法について若干の質問をいたしたいと思うわけです。 朝から大原先生の質問を聞いていますと、まず審議官、財政の問題ですが、今度老人保健法ができると、国の負担は八百七十億ほど現行制度のままでも減る、そして政管健保あるいは組合健保、共済等においていわゆる負担が大幅にふえる一方で、国保やあるいは日雇や船員保険等で、国保では大幅に減るけれども日雇では若干減る、こういうような状態で、被用者保険の保険者負担というものが、試算Iで計算しても大幅にふえるということは、先ほど説明がありましたね。 そこで、一つお聞きしたいのですが、県や市町村、地方自治体の負担はどうなるのですか。
○吉原政府委員 地方自治体の負担でございますけれども、試算Iで申し上げますと、現行制度に比べまして、五十六年度で、都道府県の負担が現行制度のままですと八百十億でございますが、新制度で千二百四十億、四百三十億の負担増になります。 それから市町村の場合は、同じく八百十億が千二百四十億になりまして、四百三十億の増になります。
○川本委員 それが、先ほど大原委員のときに提出された昭和六十年段階でのいわゆる負担の割合、こういう一覧表によって見ますと、五十六年度では、老人保健医療費の占める率は総医療費に対して大体一九・七%、それが六十年には二三・二%になり、六十五年には二五・九%になる。そういうことで、ここで一応総額を押さえておられるわけですけれども、六十年度では四兆三千億ぐらいになるだろう、六十五年は七兆一千億ぐらいになるだろう。これは国民総医療費が六十五年は二十七兆六千億という大体の概算ですから、そういうことになるのでしょうけれども、これはいまの二兆五千億という数字から比べると、あと十年先ということになると大変な数字ですね。 そういう中で、その中間をとった六十年度で見ますと、地方自治体の負担は、都道府県が二千百億、市町村も二千百億で八百六十億という差が出てくるわけですね。負担増が出てくる。これは県や市町村はそのまま負担にたえられるのですか。その点、厚生省としてはどう考えておりますか。
○吉原政府委員 この新制度、老人保健法におきます地方自治体の負担をどうするかにつきましては、地方自治体、特に市町村というものはこの新しい制度における実施主体であります。そういうことと、それから現行の老人医療制度におきましても、地方自治体、都道府県及び市町村が、考え方といたしましては老人医療費全体の五%をやはり負担をしている。詳しく申し上げますと、老人福祉法によりまして、健康保険等の自己負担分、原則三割の分の六分の一ずつを都道府県及び市町村が負担をするということになっておりまして、現行制度におきましても五%程度の負担を市町村、都道府県にお願いをしている。そういうことを踏まえまして、新制度におきましても、新しい統一的な制度でございますけれども、全体の医療費の五%をいわば最小限の負担として都道府県、市町村にお願いをしたわけでございます。
○川本委員 これを六十五年に延ばしていって七兆一千億ということで見ますと、県や市町村でもほぼ三千五百億ほどずつの負担になりますね。 自治省、お見えいただいておりますか。——自治省としては、これは、県や市町村の負担というものは、将来にわたって五年先も十年先も、この法律が制定されるとしたならば、それは単独の負担にはならない。全部交付税で手当てできるのですか。その点の確信のある答弁をいただきたい。
○亀田説明員 今回の制度によりまして地方団体の負担が増加することになりますことは、いま御指摘のような数字であろうかと思いますけれども、自治省といたしましては、今回の制度の創設の趣旨が保険者間の負担の公平を図るということにございますし、従来から国民健康保険につきましては保険料の負担がきわめて過重でございまして、その財政について問題があるということの解決の一助にもなるわけでもございます。また、新しい制度によります地方団体の負担の区分というものが、従来の制度、現在の老人医療費の制度を基本的に変えないというような考え方にも基づいているわけでございますから、私どもは、地方団体が負担をすることそのことにつきましてはやむを得ないものと考えておるわけでもございます。 しかしながら、御指摘のように、地方団体の負担の増加額というのがもうきわめて多額にしかも一時的にまず出てまいるものですから、私どもとしましては必要な財政調整措置を関係省にもお願いをいたしておるところでもございます。 しかしながら、いずれにいたしましても、地方団体の負担の増加ということが起こります場合には、地方団体の財政の円滑な運営に支障の生ずることのないような財源措置を講じていかなければならないものだと考えておる次第でございます。
○川本委員 これは大臣、今度のこの老人保健法というのは、午前中もお話がありましたけれども、いわゆる自助とか連帯とかいう言葉を使っておるけれども、その厚生省の真の意図は、老人保健医療に対する政府の負担をどうして現在から将来にわたって減らすか、負担を軽くするか、この一点にしぼってこの法律をつくられたんじゃないかと言わざるを得ないと私は思うわけですね。これが本当に国民の自助に連なり、連帯に連なるというようなことは、これから後々私も質問していきますけれども、なかなか見当たらないわけです。 そうすると、この制度をつくったときに、そして聞きますと、臨調から今度はいろいろ行政改革で答申が出ました。そのときには、年金の制度の問題に触れたり、あるいはこの老人保健医療の問題に触れたりというようなことで、その内容を見たときに厚生省は万歳を叫んだという話が伝わっておるわけですが、行政改革で万歳を叫んだのは厚生省だけだろう。しかし厚生省は、年金を改悪したら政府の負担が減る、あるいは老人保健法をつくったらこれまた政府の負担が減るということで、厚生省としてはほかの省庁と違って大歓迎だ、こういうふうに私どもは聞いておるわけです。 これは財政対策以外の何物でもないと思いますが、どうですか。
○村山国務大臣 川本委員も御承知のように、この法案は前回の通常国会に提出した法案でございます。したがいまして、その提出の時期でもおわかりのように、まだゼロシーリングとかなんとかという話は出ていないのでございます。そしてまた、この老人医療の問題、それからヘルス全体をやらなければいかぬということは、もう長年、わが党もそうでございますし各党とも問題点として指摘されておるところでございます。 そういう意味で、この法律案自体は、この法律に書いてございますように、何よりも高齢化を迎えるに当たりまして体の弱い老人がどうしてもふえていく、これを何としても治さなければいかぬ。やはり元気で高齢化を迎えてもらうという社会をつくることは何よりの眼目でございます。そのために、医療だけでなくてヘルスを一貫いたしまして、壮年時代からやっていく。それによりまして、健康づくりと同時に、長い意味で見た国民医療費を軽減していくことが一つ大きな眼目でございます。 もう一つは、老人になりますと疾病の関係それから数の関係、非常に医療費がかかることは事実でございまして、三十一万、一般の方は七万幾ら、こういうふうに統計が出ておるわけでございますが、それくらい違うわけでございます。それを考えてみますと、いまの保険集団はいろいろないきさつでできておりますけれども、とりわけ一番困るのが、国保を経営しております市町村財政に大きくしわ寄せが来るわけでございます。そういう意味で、この老人保健に伴う医療費をひとつ国民がひとしく持とうではないか、こういう発想で出ているわけでございまして、従来の各医療保険制度の中からこれを全部抜き出しまして、全国統一的な、老人の医療については負担関係を全然別に考えていく、そこを一つねらったわけでございます。 そして国庫負担が減るとおっしゃいましたけれども、確かに減るのでございますが、これは何よりも国保の関係で拠出金の関係で減ってまいりますので、それに伴っていわば自動的に減ってくるということなのでございまして、初めから国庫負担を減らすためにやったというよりも、むしろ保険集団間の老人加入割合が全く違いますので、そこをひとしく、これを統一的な制度にすることによりまして負担調整をやろうということ、それから、それに対しましてそれぞれ国庫負担の制度がございますけれども、それが自動的に動いて減ってくる、こういうことでございまして、おっしゃるような財政調整を主たる目的としたものではないわけでございます。
○川本委員 それについてはいかように抗弁されても、私は、これはもう政府自身が自分たちの政府の負担をどのように減らすか、その観点から考えた法律だと断定せざるを得ないわけです。 まして現在は公費サービスですよ。七十歳以上の人が保険医療機関にかかる場合も今度のようないわゆる一部負担はないわけです。だから、老人がまず一番苦しめられる。その次にはいわゆる組合健保だとか政管健保だとかあるいは共済の方の老人保険料が、朝からの大原委員の質問のように、自動的にどんどんとふえてしまって、そしてあるいは現在の健康保険料と合計すると、これはもう千分の百五十を超えるかもしれぬですよ、十年もたてば、下手をすれば。そういうようなおそれすらあるわけです。そういうようなことを考えると、私どもは、安易にこのような法律を認めることは、国民の合意を得られないのじゃないかと思うわけです。 そこで、朝からもちょっと話がありましたが、お聞きしたいのは、老人保健審議会の問題です。 老人保健審議会というのは委員二十人で構成をするわけです。その構成をする委員二十人というのは、いろいろ言われていますけれども、大体どのような委員をもって充てようとしておるのか。
○吉原政府委員 老人保健審議会の委員の構成でございますけれども、法律にも規定がございますけれども、まず保健事業を実施する方、具体的に言いますと都道府県なり市町村ということになりますが、保健事業の実施者、それから保健事業に従事をする人、具体的には医師、歯科医師の方々、その代表の方々ということになろうかと思いますが、そういった保健事業に従事する方々、それから、医療を含めまして保健事業の費用を拠出する方、具体的には事業主、被保険者、それから保険者等の代表の方ということになろうと思います。それから学識経験者。大きく分けまして保健事業の関係者と学識経験者、合わせて二十名程度の審議会の構成を考えているわけでございます。
○川本委員 その構成割合は大体どのようなパーセントで構成しようとしておるのですか。
○吉原政府委員 いま申し上げました保健事業を実施する方あるいは従事する方、費用を拠出する方、学識経験者、具体的にそれぞれから何名というようなことは、現在の段階ではまだ考えておりません。
○川本委員 大体、先ほどおっしゃった、保健事業者とか、あるいは従事者とか、あるいは保険者団体とか、被保険者代表とか、学識経験者ということで四等分して、二十人を五名ずつぐらいというようなことになるのですか。
○吉原政府委員 先ほど申し上げましたように、まだそれぞれの分野から何名というところまでは考えておりません。やはり制度発足までにいろいろ関係者の御意見も伺いながら決めたいと思っております。全体の構成といたしまして、やはり保健事業の関係者、それから学識経験者の方々で構成をしたい。その具体的な人数の割り振り、人選等につきましては、審議会発足の時点までに検討させていただきたいと思っております。
○川本委員 具体的には、保健事業の関係者というのは、今度の老人保健事業をやる市町村、県、地方自治体、それから従事者、医師とか歯科医師、保険者団体、被保険者代表、こういう者と学識経験者、この学識経験者と保険者団体。いま言われたように学識経験者とその他の関係者ということになると、いまおっしゃったのは大体その先の三つと学識経験者で二分されることになるわけですね。これは学識経験者を半分くらいにして、あとの三つの団体で半分くらい、大体こういう構想ですか。
○吉原政府委員 そういう考え方もあり得るかと思いますけれども、具体的にそれぞれの分野から何名というふうには、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、まだ決めていないわけでございます。
○川本委員 私はここの構成が大変大きなウエートを持つと思うわけです。この老人保健審議会の人の構成によって——これはいわゆる社会保険で言う場合の中医協に当たるものなんでしょう。違いますか。社会保険審議会と中医協と合わしたような役割りをこの老人保健審議会が果たすのじゃないですか、どうですか。
○吉原政府委員 この老人保健審議会におきましては、医療とヘルスを一体的にやっていこうということでございますので、社会保険審議会は政府管掌健康保険の運営に関する事項、中医協は健康保険の診療方針、診療報酬等に関する事項、ばらばらに別個に審議をいたしておるわけでございますけれども、この老人保健審議会は老人の保健事業について、総合的、包括的にここでやっていただこうということでございまして、性格は若干違うというふうに思っております。
○川本委員 しかし法律によると、先般来、朝からの質問でも大臣が答えられておるように、いわゆる一つは支払い方式についてもこの老人保健審議会で決めるんだ。もう一つは拠出金についてもこの審議会で、最終的には法律によるけれども、しかし老人保健審議会の議を経なくてもいいのですか、拠出金の額の決定は。
○吉原政府委員 老人保健拠出金の拠出の仕方というものは、いま法案では一つの考え方、尺度を示しております。最終的には先生御案内の案分率というものを二分の一以下で政令で決めるということにしているわけでございます。政令で決める際に、こういった老人保健審議会の御意見を聞いた上で政令で決めたい、いまそういうふうに考えておるわけでございます。
○川本委員 政令の中で、いわゆる拠出金の問題については老人保健審議会の意見を聞いて大臣がこれを定めるとこう書くわけですか。その点もう少し確認しておきたい。
○吉原政府委員 法律で老人保健拠出金の案分率を「二分の一以下の範囲内で政令で定める」ということにしておりますが、政令で定める際に老人保健審議会の御意見を聞く必要がある、聞きたいというふうに思っておるわけでございます。
○川本委員 そうすると、老人保健審議会で最初政令を決めた後は、もうその政令さえ決まってしまえば政令はひとり歩きをして、老人保健審議会の議を経なくてもいい、こういうことになるわけですか。
○吉原政府委員 審議会の御意見を聞きまして、政令で案分率を決める、その決まった案分率で老人保健拠出金というものを割り振るわけでございます。その割り振ることによってこの老人保健事業、医療費の負担割合が決まってくるわけでございます。将来それをもし変えるというような場合には、私は改めて老人保健審議会の御意見を聞いて変えるということになろうかと思っています。
○川本委員 そうすればこの老人保健審議会というものは、いわば拠出金の案分率も定めることになるし、支払い方式もここで決める。ところが、その支払い方式についても、案分率は一応現在いろいろ言われていますけれども、これについて午前中の答弁では明確な大臣の方針が示されていないわけですよ。これじゃ全く骨を抜いて審議せよ、こんなむちゃな話はないと私は思うのですよ。 支払い方式については臨調の答申の中でもいろいろ出ておりますので、後でその問題について触れたいと思うのですが、その前にちょっと聞いておきたいのは、臨調は、今度の第一次答申の第一特別部会報告ですか、その中で医療費の適正化のための提言をしていますね。その中で、「医療機関に医療費の金額等を明らかにした文書を患者に対して発行させる。」こととか、あるいは「医療費支払方式の問題点を踏まえ、医療費適正化のために有効な改革案を検討し、早急な実施を図る。」こと等も含めてたくさん書いていますけれども、こういう臨調の第一部会の報告が出されたその真の意図というのはどういうことを指しておるのか、この中身をもう少し説明をしていただきたい。
○谷川説明員 お答え申し上げます。 この会でも先ほど来出ておりますが、国民医療費がこのところ毎年一兆円ずつ増加をする、そういう異常とも言うべき増加を続けておりまして、これに伴う財政負担の増加が一つの大きな財政圧迫要因となっているわけでございます。こうした医療費の増加は、主として老齢化の進展あるいは医療の高度化等やむを得ない理由によるものと思われますけれども、乱診乱療等資源のむだ遣いになっている部分も少なからずあるのではないか、こういうふうに考えられるわけでございます。 このような状況にかんがみまして、医療費の総額を抑制し、医療資源の効率的利用を図る、こういう観点から、先生先ほどお話がございましたように、医療費支払い方式の改革案の検討、実施、あるいは薬価基準算定方式の改善、あるいは医療機関に対する指導監査の強化等、各種制度や運用面での改善を提言しているわけでございます。
○川本委員 大体臨調の答申の中身に書いてあるとおりのことをおっしゃったわけですが、一つは「毎年、薬価調査を行い、薬価基準を見直す」これは薬価が高過ぎると臨調は思うておると思うわけです。適当だと思ったらこんな答申をしませんよね。 二番目には、「医療費の不正請求・乱診乱療を抑制するため、医療機関に医療費の金額等を明らかにした文書を患者に対して発行させる。」これは医療費というものが明確でないというところからこういうことまで言われておるのだと思うのです。 あるいは「現行医療費支払方式の問題点を踏まえ、医療費適正化のために有効な改革案を検討し、早急な実施を」図ってもらいたい。この「現行医療費支払方式の問題点を踏まえ、」というのは、臨調ではどういうことを言っておるわけですか。
○谷川説明員 現行の現物給付、出来高払い方式につきましては、過剰診療を招きやすい、あるいは医療費の総額に歯どめがかけがたい、こういう短所がある、こういう理解のもとに提言をしております。
○川本委員 これは厚生省、この臨調の答申を受けて、この部分については今日までどのような取り組みをしていますか。
○村山国務大臣 一般の医療費につきましては、いま臨調は「問題点を踏まえ、」ということを言っているわけでございます。そこにあります明細書等につきましては、これはすでにできるものから励行するということで、中医協から御答申をいただいております。 また、審査を厳格にする、あるいは監査指導を強化する、特に医療費の通知制度の励行、これは私が非常に有効であろうと思って、これからこれを強化してまいりたいと思っております。 それから審査につきましても、審査要員の教育あるいは専門的な審査員の増員、さらには五十七年度からコンピューターの導入をいま考えているわけでございまして、少し異常な請求があったときにはそれが剔抉できるというようなコンピューターの導入もいま考えているわけでございます。 そしてまた老人保健制度につきまして、臨調答申の方で支払い方式の見直しも含めてやれという御答申だったと思っております。それは私たちも同じ考えを持っておりまして、したがって今度の提出いたしました法案の中で、もしこれが通ってできた場合の老人保健審議会、そこでこの問題をひとつ十分御討議願いたいと思っているわけでございます。 問題点は、実体の問題とそれから手続上の問題があるわけでございまして、実体的な問題といいますと、やはり疾病構造が変化している、医学がどんどん進んでそれを保険に取り込んでおる、それから老齢化が進んでおる、こういったことがどうしても診療報酬の自然増につながるわけでございます。 しかし手続的な問題、いまの現物給付、出来高払い、これについてはもちろん長所もございますけれども、言われるところのいろいろな請求の仕方、そんなに多くはないと思いますけれども、一部の人がそういうことをやっておるということもわれわれは承知しているわけでございます。したがって、手続上の問題について何らか別の方法が考えられないか。老人というものは普通の一般の人とは違った疾病の態様があるわけでございます。したがいまして、その辺に着眼していろいろな制度が考えられないであろうかどうか。外国でもいろいろな制度をやっておるわけでございますので、わが国と外国の違いはあるとはいいながら、わが国でもそれらのものを参考にできないか、あるいはもっと進んだ制度ができないか、こういった点を私たち厚生省を含めまして、できるでありましょう老人保健審議会において十分討議して、妥当な結論を得たいものだ、かように思っておるところでございます。
○川本委員 大臣、ここで言う通知制度等については有効だと思うので、もっと強化をしたい。それなら老人保健法の中でも通知制度を法制化すべきだと私は思うのですよ。やはりそういうものを法制化していかない限り、励行するということはなかなかむずかしいんじゃないかと思うのです。 先ほど臨調の方からもお話があったように、出来高払い制というのは過剰診療に陥りやすい、乱診乱療に陥りやすい。だからこれを踏まえて医療費適正化のための支払い方式の改革をやりなさい、こう言っておるのに、いま大臣はそう言っておるけれども、この間、九月十八日に記者会見で、老人保健制度ができても現行支払い方式を変える意思はないとあなたは言ったんでしょう。いま諸外国の制度云々、諸外国の制度をいろいろ調べたけれども、日本の実情にはなじまないので、現行方式、出来高払い方式を変える意図はないとそのときに言ったんでしょう。朝から大原先生の質問に対して、そんなこと言ってませんと言うけれども、これは新聞が書いておるのですよ。新聞が事実を報道してないんだったら、あなた、名誉棄損で訴えなさいよ。 われわれがこれから老人保健法を審議しようというその以前に、その主管大臣がいまの出来高払い方式は変えないのだ、そしてここへ出てきたら、先ほどから何ですか、老人保健審議会で検討していただいて、そしていかにも変えるような物の言い方をしておる。これはもってのほかですよ。大臣、それはもう一回はっきりしてくださいよ。
○村山国務大臣 私と新聞記者との会見につきましては、先ほど大原委員の御質問に対しても答弁したとおりでございまして、閣議が済みましてから質疑がございまして、まあ雑談でございましたけれども、いい知恵があるか、どういうふうに考えているか。なかなか国情も違いむずかしい、しかし、やはりこの問題は老人保健審議会で討議をやってもらわにゃいかぬ、むずかしいからこそやってもらう、しかし私にはいまのところいい知恵がないことは確かでございます、しかし大ぜいの専門家が集まるわけでございますから、これはひとつ真剣に検討してもらいたい、そういう意味で申し上げたわけでございます。 新聞の記事についてはいろいろなとりょうがあったと思いますけれども、真意はそこにあるわけでございます。私の発言の真意もそこにある、初めから否定的な見解は持っていないことは言うまでもございません。
○川本委員 そのときには、私個人としてはというような考え方もあったんじゃないですか。(大原委員「後でしまったと言うてとめようと思ったんだけれどもとまらなかったんだ」と呼ぶ)いま大原委員が言っておるように、後でしまったと思って新聞をとめに行ったというじゃないですか。そんなうその答弁でわれわれが納得するわけにはいかない。いやしくも新聞記者に言ったことと国会で言うことが違う。あなた、舌何枚持ち合わせているの。舌は一枚でなければいかぬと思うのですよ。 本当に老人審議会で支払い方式を検討してもらおうというのなら、大体ここまで法律を詰めてきたのだから、厚生大臣の手元には、こういう案はどうだろう、こういう案はどうだろう、腹案というようなものがあってしかるべきですよ。白紙で老人審議会に、どうぞ皆さん決めてください、こう言うのですか、どうですか。
○村山国務大臣 私が新聞記者の記事をとめたという事実はひとつもございません。私は、言ったことにつきまして、そんなことをとめる、とめないなんということは全然言ってないです。ただ、それをどういうふうにやるかは別問題でございます。 それから、厚生省は審議会任せなのかということは大原委員からも御質問がございましたが、そんなことはございません。われわれもいろいろな案を考えまして、それをひとつ提示いたしまして、共通のたたき台としていろいろな角度から検討してもらいたい、かように思っておるわけでございます。
○川本委員 そうだったら、先ほどからの答弁と違いますよね。先ほど来は、いい案がないので、こう言っておる。いまは、支払い方式については腹案を持って、二つ、三つの案を出して、それによっていろいろ検討してもらう、たたき台は出します、こうおっしゃっているわけでしょう。大臣、そうならば、やっぱりそれはこの国会の審議の中で、私たちとしてはこういう腹案を持っていますということが国民の前に明らかにされて、そういう中で全国民的なコンセンサスを得る方法でなければ、陰で日本医師会の武見会長と会って決めておいて、それをごり押しに押し通そうということでは、これは国民は納得しませんよね。 支払い方式については、いままで学者の皆さんがいろいろな提案をなされておる。たとえて言えば、あれは現代総研の大河内先生でしたか、出来高払い点数をいまの半額にして、半分は人頭請負制にして、半分は出来高払いの長所を残したらどうだろうというような案も言っておられる。あるいは定額指定方式、一件ごとの診療行為に対する単価を定額で決めておいて、そして診療をやってもらうという方式もある。もちろん大原先生の言っておられる人頭払いあるいは西ドイツの団体間の請負方式、契約方式もある。あるいは件数定額式もありますよね。一件ごとに対してという件数当たりの定額制もあるわけです。あるいは日数ごとに、一日診療して一回というのじゃなしに、日数ごとに診療額を決める、いろいろな支払い方式が学者からも提案されておると思うのです。私どもそういう中からやはり選択をしなくちゃいかぬことになるのじゃないか。 いま提案しておられるようなそういう支払い方式について、厚生省はどう考えていますか。
○吉原政府委員 この支払い方式につきましては、先生いまおっしゃいましたように、さまざまな意見があるわけでございます。現在の出来高払い制度をそのまま踏襲すべきかどうか、あるいは諸外国でとられているような請負制あるいは登録制に変えたらどうだという御意見もございますし、いわばその中間的な考え方として、いまおっしゃいましたような半々にしたらどうだ、それから件数払いにしたらどうだというような御意見もあるわけでございます。こういうふうにいろいろな御意見がある、それぞれ長所、短所がある。それだけに私は、支払い方式をどうするかというのは慎重に考えなければならない、こう思っておるわけでございます。 厚生省としていまこういうものにしたいというふうな考え方は、率直に言って持っておりません。むずかしいからこそ、あるいは慎重でなければならないからこそ老人保健審議会で十分御審議をいただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○川本委員 それなら大臣、一つだけこれははっきりしておいていただきたい。というのは、臨調の答申でもそう出ておるし、大臣もこの老人保健法提案のときにも、支払い方式の問題についてはそう言っておられたわけですけれども、いままでの健康保険、社会保険等でとっておる出来高払い制をそのままそのとおりに老人保健法には絶対持ち込みません、現在の出来高払い制そのものを、そのものずばり持ち込むことはいたしません、新しい方式を必ずやりますということをここで約束してくださいよ。それはできるでしょう。
○村山国務大臣 この法案にもありますように、これは老人保健審議会で討議する問題でございます。したがいまして、厚生大臣が、この方式を取り入れますとか、この方式は取り入れませんとか、そういうことをいま言う立場にはないと思っております。
○川本委員 おかしいじゃないの。先ほど大臣は、それは老人保健審議会には厚生省の腹案を持って審議をしていただきます、一定の腹案を持ちますと言っている。その一定の腹案の中に、いまの出来高払い制度をそのまま——臨調の答申にもある、あるいは老人保健法を制定しようという意図の中にも入っておる。労働大臣も言っておられますよ。支払い方式については厚生大臣がこの間趣旨説明のときに見直すと言われましたよね。見直すことを老人保健審議会に諮って、意見を聞いて定める、こう言った。 だから、大臣もかねてから言っておることだし、あるいは臨調の答申にもあることだから、この際出来高払い制の短所をなくして、新しい支払い方式というものをやるという意図でこの法案が提案されておると私は理解しておる。そうすれば、厚生省が審議会に図る腹案の中に、そういう出来高払い制がいまのままでいいというような原案はあってはおかしいわけですよね。だから、いまの出来高払い制度をそのまま老人保健制度の中に持ち込むようなことはいたしません、何らかの新しい方法をやりますということだけぐらいはここで確約してください。
○村山国務大臣 何遍もお答えするようでございますが、もとより支払い方式の見直しにつきましては、われわれはいろいろな腹案を持って、それをたたき台にして審議会に諮るつもりでございます。しかし、どんなにそれがあっても、厚生省の意思を押しつけるというわけにはまいらぬと思います。したがいまして、私の方で言っておりますのは……
○川本委員 厚生省の意思を押しつけるとか押しつけるなとか言ってない。腹案を出す段階で厚生省がどのような腹案を出すにしてもいいのですよ。ところが、現在の出来高払い制は見直すと、あなたこの間趣旨説明で言ったじゃないの。その見直すということについては間違いないのかと、私はいま念を押しているわけよ。そうしたら、見直しますと言い、いや、そんなことは言えませんと言うんじゃ、それはおかしいじゃないの。それじゃ、あなたの提案した趣旨説明の本旨とも違ってくるわけよ。 そんな趣旨説明と違う答弁を受けて私が引き下がれる道理はないですよ。そうでしょう。この点についてははっきりしてください。はっきりしてくれぬなら、理事会開いて、もう一回趣旨説明といまの答弁と合わして考えてください。
○村山国務大臣 あるいは言葉の上で誤解があったかもしれませんが、見直した案をたたき台として出すつもりでございます。
○川本委員 見直した案をたたき台として出すということは、いまの出来高払い制度をそのままじゃなしに、見直した案を腹案として出したいと思っておられるわけですね。それは間違いないですね。もう一度はっきり答弁いただきたい。
○村山国務大臣 見直したいろいろな案について、それを出しまして、そして御審議を願いたい、こう思っておるわけでございます。
○川本委員 わかりました。 それでは、質問は次に進めたいと思うのですが、患者の一部負担の問題について私は触れたいのです。 現在の老人保健法案の中には一部負担が入っています。現行のいわゆる老人保健サービス事業、医療の公費負担制度の中とは違って、大幅な負担増になるような一部負担が入っておるわけです。これについては、撤回する意図はありませんか。
○村山国務大臣 これはしばしば申し上げておりますように、全然無料だということにつきましては、各方面からいろいろな指摘が行われているわけでございます。したがいまして、われわれは、実際にかかりました実費のごく一部負担、そしてそれが大した負担にならない限度で、やはり健康の自覚をしていただくとか、あるいは行き過ぎた診療がないようにという意味で一部負担をお願いいたしておるのでございまして、そういう意味からいきまして、撤回の意思はございません。
○川本委員 大臣はまだ若いから、年寄りの気持ちがわからない。いかに財産があっても、りっぱな家族に扶養されておっても、医者へ行くのにお金が要るということになると、やはり息子や嫁に気がねして、なかなか老人というのは行けなくなるわけです。それをねらいとして受診抑制を考えて、一部負担を導入したのじゃないかと私は思うわけですがね。これはもう老人福祉法の精神にも反しますよね。大原委員の言われた、憲法にも反しますよね。私はこれは撤回されて、もう一度考え直してもろうてしかるべきだと思います。 実は、ことしの四月十六日に、私がこの社労委員会で、当時園田厚生大臣だったんですが、この老人保健法案が老人保健対策本部でいろいろ議論をされておる、その中に一部負担が入っておるやに聞くけれども、厚生大臣、そんなものはなくしてしまいなさいよということで質問したところが、厚生大臣園田さんは、「私が現職の閣僚で国会に出してから修正されても結構ですということを言えないことはおわかりだと存じます。」「こういう点についてはひとつ与野党の方々の御審議にお願いをしてやりたい、こう考えております。」と答えている。 村山厚生大臣、どうですか。その点、この一部負担の問題については、園田厚生大臣のこの答弁と同一ですか、違いますか。
○村山国務大臣 これは政府は提案者として申し上げているわけでございまして、提案を撤回する意思はないということを申し上げたわけです。もとより法律でございますので、これは国会審議になるわけでございまして、国会で違う決め方をされれば、それはやはり政府としては受けざるを得ない。園田厚生大臣のおっしゃったのは、それを裏から言われたことである、こう思っておるわけでございます。
○川本委員 それは、国会で与野党の間で話をして、修正されても尊重せざるを得ない、こういうふうに考えておられるわけですね。間違いありませんね。
○村山国務大臣 これは法律でございますから、国会の決めるものでございまして、それはそのとおりでございます。
○川本委員 それでは、話を次に進めたいと思うのです。 そこでもう一つ、趣旨説明のときに、厚生大臣は老人の特性を考慮した診療方針あるいは支払い方式をやりたい、こういうことを言っておられるわけですが、老人の特性を考慮した診療方針ということは、いわゆる老人の病気が脳卒中とか心臓病、循環器系統の病気が多いとかがんが多いとかあるいは神経痛とかリューマチとかいう慢性病的なものが多い、こういう老人の疾患の特性を指して言っておると思うのですけれども、現在、民間療法としてのはり・きゅうとかマッサージというものに老人の間ではたくさんかかっておる。これは健康保険でも余りかかれないのですね。健康保険では医療との併用をいま認めていないわけです、はり・きゅうについては。マッサージは認めています。 だから、私はここでやはり老人の特性に見合った医療という点から考えると、はりとかきゅうとかいうようないわゆる東洋医学的な、きわめて日本的な医療というものをどう取り入れるかということも、これも一つの大きな問題点だと思うのですが、その点についてはどうお考えですか。
○吉原政府委員 老人医療の中ではり・きゅうをどう取り扱うか、これは老人医療全体の診療報酬なり支払い方式をどうするか、その中の一つの問題として審議会で十分御検討いただきたいと思っております。ただ、健康保険で現在すでにはり・きゅうが、一定の制限はございますけれども、給付の対象として認められておりますので、そういうこととのバランスも考えながら考えていきたい、いくべきだというふうに思っております。
○川本委員 そこで、健康保険の問題が出てきましたからちょっとお聞きしますけれども、健康保険の方でも現在、はり・きゅうについては健康保険の療法として採用はされておるけれども、医療との併用は認められていないわけですね。マッサージについては医療行為として位置づけられておると思うのです。 そこで、はり・きゅうについては、昭和四十二年九月十八日の厚生省の通知で、「慢性病であって、医師による適当な治療手段のないものであって、主として神経痛、リューマチなどのたぐいであって、類症疾患についてはこれら疾病と同一範疇と認められるものに限り支給の対象とする」ということで療養費払いの通達を出しておるわけですね。これは併用を認めないで、こういう慢性疾患でなければ認めない。 聞きますと、最近、はりの治療を受けたいと思ってもお医者さんの同意書が要るわけですね。お医者さんへ行ったら、お医者さんはまず慢性病でなければいかぬということから、神経痛でもリューマチでも二カ月、三カ月自分が治療して、そして治らないからと言ってからしかはり・きゅうにはかかれない。かかったら六カ月で切られるわけですね。大体慢性病というのは六カ月で治りますか。どうですか。慢性病は大体六カ月で治るのですか。保険では六カ月で打ち切ることになっているのですね。六カ月で打ち切るというのは、六カ月で大体全部治癒すると思って、もうそれ以上の保険給付はしないという意図でしょう。六カ月というのはだれが決めたのですか。
○大和田政府委員 この問題につきましては、実は四十七年までは三カ月ということで決めておったわけであります。これをなぜ期限を切るかというその前に、この慢性病につきましてどういう場合にはり・きゅうを保険で認めるかという問題でございますけれども、やはりこれはいわゆる西洋医学、いまの医学をやっても効果が認められないといったような場合にはり・きゅうを行うことを認めていこう、こういうような考え方があったわけでございます。 従来三カ月ということであったわけでございますけれども、どうもその治療効果のメカニズムが明確ではないけれども自覚症状とか愁訴等を考えますと改善が見られるという事例もあるという判断で、三カ月を三カ月延ばして、六カ月の期間に延ばしてまいったわけでございまして、現段階ではひとつその六カ月でやっていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○川本委員 現在、健康保険法の方ではその六カ月でやってもらいたいということが、あるいは難病の場合にもあるいは生活保護の場合にも全部そのまま準用されて、六カ月で全部打ち切られておるわけですね。 東大阪市に土田先生という鍼灸の先生がおれるわけです。この方は主として難病を手がけておられるわけですが、もともと薬剤師さんで、現在の阪大薬学部になる前身の薬専を卒業されて薬剤師になられて、大阪府庁でこういう行政関係の仕事をしておられたようですが、途中で失明をして、そして失明をされてからはり・きゅうの勉強をされてはり師、きゅう師になって、現在大阪鎮痛研究所というものを主宰しておられるわけです。 この先生の話を聞くと、六カ月じゃ治らないけれども、あるいははりやきゅう単独じゃ治らないけれども、現在の医療と併用することによって、いわゆる薬の効能効果を高めたり促進をしたりという役割りをはりやきゅうは一方で果たすのだ。だから、それを併用することによって、膠原病でもう長い間寝たきりであった樋口さんという女性の方、この間私も東京でお目にかかりましたが、この方が自分で介護者を連れずに一人で行動できるところまで回復させておる、そういう実例があるわけです。 だから私は、やはりそういう点を考えたならば、難病の場合も現在六カ月で打ち切りになっておる、生活保護の場合も六カ月で打ち切りになっておる。これはもう一度検討をしていただいて、それが、先ほど吉原審議官おっしゃったように老人保健の中でも配慮されることになるわけですから、少なくともこんなものは六カ月と単純に決めるのはおかしい。やはり重度の方も軽度の方もおるし、病名にもよるし、本来治療という趣旨から考えれば、こんなものは重い、軽いがあって、六カ月一律というわけにはいかないのがあたりまえです。 そういうことから考えれば、私はひとつ提案申し上げたいのですが、六カ月で打ち切るということをやめて、たとえて言いますと、医師と治療を受ける本人と、はり師、きゅう師等を含めた三人による合議制で決めたものが、まだしばらくやってみた方がいいとお医者さんやはり師、きゅう師の意見が一致をすれば、それは六カ月を超えてやるとか、あるいは必要に応じて第三者の判定といいますか、そういう機関もさらに設置をして、三人の意見がまとまらぬときには第三者の判定によって必要なものは認めていく、こういうような制度に変えていくべきじゃないか、このように思うのですが、その点についてどうでしょう、検討する気はありませんか。
○大和田政府委員 どうも御満足いくお答えにならないのでございますけれども、やはりこのはり・きゅうの施術につきまして、私どももう少し学問的な評価というものを見守っていきたいという感じがございます。まだ十分にその辺の評価が明確でないというところに、私どもも隔靴掻痒の感があるわけでございますので、もうちょっとその辺の評価の推移を見守ってまいりたいというような感じを持っておるわけでございます。
○川本委員 そうおっしゃるなら私は、評価を見守っていくというのじゃなしに、厚生省みずからが積極的にそういう研究をするプロジェクトをつくって、検討する検討委員会みたいなものを一遍つくってみる、そして評価ができるかどうかということを老人保健法成立を契機に一遍考えてみるというような前向きな姿勢があってしかるべきだと思うのですが、その点、厚生大臣、どうでしょうか。
○村山国務大臣 実は私ははり・きゅうが大好きでございまして、しょっちゅうかかっておるわけでございます。ただ、病気でかかっておるということでなくて、疲れてかかっておるわけでございますので、別に保険でかかっておるわけではございません。 しかし、これは保険の話で医学の話になるわけでございます。一部には東洋医学の見直し論あるいは東洋薬学に関する見直し論が盛んに行われておることは御承知のとおりでございます。いま漢方なども新薬としてどんどん出てきておる。私は、西洋医学であれ、東洋医学であれ、そういう医学の進歩は非常に大歓迎であるのでございます。 鍼灸の話でございますけれども、それが慢性病に効くか効かぬか、そこにかかっている問題であろうと思うのでございます。したがいまして、その方面の日本の学問が進みまして、早くそれが大丈夫これは役に立つ、非常に医療にも効果があるということの学問的な何かの顕証がぜひ欲しいものだ。いま東洋医学が非常に進んでおりますし、それから麻酔はりというようなこともずいぶん言われているわけでございます。もう少しこの東洋医学の学問の推移を見た上で考えさせていただきたいと思います。 しかし、この問題は、せっかく委員のお話もございますので、先ほど申しましたように老人保健審議会で十分検討してもらおう、かように思います。
○川本委員 そこで、労働省お見えいただいておりますね。労災保険法でもはり・きゅう・マッサージ等の治療は認めておるわけですけれども、今度日本保険鍼灸マッサージ師連盟というのと労働省との間でいわゆる指定制といいますか、指名制で協議をしておると聞いておるわけです。その際にも先ほど来の健康保険という問題が一つの問題になって、一応治療期間は六カ月、そしてさらに医師が認めた場合は三カ月ということで、せいぜい九カ月というのを期限にしようという話が出ているようです。これは老人の方も現在七十歳以上でも働いておる被用者はたくさんおるわけですし、労災、職業病にかかりやすいわけですからね。そういうことから考えると、この九カ月という期限を切るということについては、その被災労働者を置き去りにして業界との間で一方的に決めるというのは、労災保険の原則に全く反するのじゃないかと私は思うわけです。 大体労災保険というのと健康保険というのと違いますよね。労災保険というのは、業務災害で失った労働者の稼得能力を回復、てん補するのが目的で、一日も早く職場復帰させる、原職に復帰させる、これが原則ですから、六カ月や九カ月で断ち切ることによって原職に復帰ができないということになれば、これは大変だと思うわけです。その点、必要なものについては九カ月を超えても一定の条件、医師が同意するとか必要と認めるとかいう場合にはさらに延長するということがあってしかるべきだと思うし、さらにもう一つは、先ほど言っています医療との併用ということを認めて、効果があればそれをやって早く治すということが大切だと思うのですが、どうでしょう。どう考えていますか。
○林説明員 お答えを申し上げます。 労災保険におきますはり・きゅう及びマッサージの療養費の支給につきましては、基本的にははり・きゅう・マッサージの医学的評価の問題に関連することでございますし、健康保険の取り扱いに準じて取り扱ってきております。すなわち、はり・きゅう・マッサージにつきましては医師の同意のもとにやられるということ、それから期間につきましては原則として最長六カ月を限度としているということでございます。ただ、労災保険におきます特殊性から、健康保険における考え方を基礎におきまして六カ月を超えるものにつきましても、そのやりました施術の効果あるいは症状について医師等の意見を求めて、それが症状の固定になるのか、あるいははり・きゅうの効果がなお期待できるものであるのか、あるいは他の治療方法が適当であるのか、そういう点を判断をして対処したいというふうに考えております。
○川本委員 労働省、それで帰っていただいて結構です。 そこで続いて、理学療法の問題についてもう少しお聞きしたいんですが、六月一日で健康保険の診療報酬の点数が改定されました。その改定したときに、実は新しい点数表からはマッサージという言葉が消えてしまったわけです。いままで変形としていわゆる手技療法というような形があったのが今度は認められなくなった。そういうことのために大変な問題が起こっておるんです。「理学療法」として「腰部、肩部等の運動制限の原因が疼痛であって、その疼痛による運動制限を改善する目的で行うホットパック、マッサージ等の理学療法は方法の種類、回数又は部位数にかかわらず本項により算定する。」いままででしたら、たとえて言えば、一カ所マッサージするごとに十二点ずつあった。三回すれば三十六点あった。それが今度はホットパックをやっても電気治療をやってもそれだけでも三十点。マッサージを一緒にやっても三十点。だから現実にはお医者さんのところでは、ホットパックをやって三十点で患者を帰らしてしまってマッサージをやらぬものだから、マッサージという仕事がなくなってきておるわけです。 これは五十六年の九月二十九日の新聞記事ですけれども、ここで、ことしは国際障害者年で障害者に対し適切な援護、訓練、治療及び指導を行い、適当な雇用の機会を創設する運動が政府の指導で行われておる、ところが、この国際障害者年の最中にこれと逆行する深刻な事態が起きておる、いわゆるこの点数表の改正によって、全国の医療機関で盲学校を卒業して視覚障害の理学療法に従事しておる人々がいまどんどんと首を切られておる、解雇されておるというわけです。 こんなことは厚生省も点数表を改善するときにあるいは予測していなかったのかもわかりませんが、私の手元にあるのでも、千葉県木更津のKという病院の物療科で六月に二名解雇された、埼玉県の戸田市でMという病院、Tという病院でそれぞれ一名解雇あるいは全員解雇の予告があった、北海道の函館・湯川でHという整形外科病院で一名解雇された、福島市のOという病院で一カ月六十万ないし七十万の赤字だからとても給料は上げられない、こう言われた、あるいは京都市のHという病院では六月末に一名解雇されて、いま失業保険をもらっておる、大阪市ではMという診療所で一名解雇した、徳島でもOという病院で五名中三名の視覚障害者が解雇された、こういうようなことで、いま解雇がどんどん広がってきつつあるわけです。 さらに盲学校の状況を聞きますと、平塚盲学校では理療科の卒業予定者に対してことしは求人が二件、最近取り消しが来た。埼玉県の盲学校では毎年十一件くらい理療科卒業生が就職できるんだけれども、本年は二件しか見込みがない。東京の文京盲学校では昨年は卒業生の二分の一が病院へ勤務できたけれども、本年は十二名卒業予定だけれども求人が一つもない。病院の情勢は厳しいということで学校の教職員会議で決めた。 そういうような全国的な情勢の中で点数表を改定する際に、いわゆる運動療法についても、PTのいるところ、PTのいないところということで、PTがおって大臣の施設基準をとっておるところは、一日十五人であれば三百点とか、あるいは一日四十五人であれば百二十点とか、あるいはPTのいないところでは四十五分程度の治療で九十点。簡易な療法の場合五十点。これは水中機能訓練と機械器具による運動療法ということで、手技による療法はここには入っていない。 歴史的に見ても、教育の面を見ても、あるいは社会常識から考えても、日本では昔から視覚障害の人の仕事というのはあんま、マッサージだということで、政府も今日までそのような形で教育をやってきた。その人たちがいま保険の点数表の改定で、政府はOT、PTは重視するけれども、いわゆる理学療法に従事する視覚障害者はもう切り捨てていこうという意図で点数を丸めたために、いまこの厳しい状態の中で失業しつつあるわけです。あるいは盲学校を卒業しても就職する見込みすらない。こういう状態が起こっているわけです。国際障害者年に、障害者の問題で障害者対策の主務官庁である厚生省がこんなことをしていいのかどうか。これは新聞でも書いてある。「視覚障害者の職場狭めるな」これは神奈川県の内科のお医者さんが書いておるのです。いま大きな世論として高まりつつあるわけです。少なくとも消炎、鎮痛を目的とする理学療法、その中でマッサージというものを一定の位置づけをする。そして日本の歴史にかんがみて、この視覚障害の人たちがただ一つの職場として今日まで生きてきたマッサージの職場を病院やその他から奪うことは断じてしてはならぬと私は思うわけです。 こういう予測しない事態が起こっているのですから、厚生大臣、やはり間違いは間違いとして、ぜひひとつ適切な措置を講じて、このような事態がなくなるように、必要に応じて点数表の中の機械器具による療法というところに手技療法を加えるとかいうことさえしていただければ、この人たちの生きていく道ができるわけですから、ひとつ大臣、何とかしてやっていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○大和田政府委員 若干技術的な面もございますので、私から御答弁いたしたいと思います。 この問題につきましては、まず基本的な考え方につきまして実は御説明を申し上げたいと思うのですが……(川本委員「時間がないから簡単にしてください」と呼ぶ)いわゆるリハビリ療法のあり方につきましていろいろ従来から議論があったところでございます。従来ややもすれば、システマチックな計画的なリハビリ療法というものではなかったというきらいがある。それにつきまして学界等から、もっとシステマチックに総合的に計画的なリハビリ療法を行うべきである、こういうような意見が強くあったわけでございます。 たとえて申しますと、脳卒中リハビリといった場合に、マッサージをする、温めるということだけではなくて、本人としては非常に痛い、手を伸ばすのが痛い、あるいはみずから体操するのは痛い。しかしそこをやらなければ社会復帰が促進できない。どうもそこが従来のリハビリ療法に欠けておったということで、専門の学界ではその点を非常に強く主張しておった。今回は学問的な考え方を駆使するというような考え方でリハビリの点数を改定した。つまり、単に一つ一つの行為ではなくて、先ほど申しました総合的な治療を行うことによって効果がある。そういうような面で治療、いわゆる運動療法といったようなものを重視する。それは、リハビリの療法を計画的に行うことによって、リハビリ、回復をより促進するという面で私ども点数表を変えていったわけです。 その場合、先生おっしゃいましたように、そのような運動療法を計画的、総合的にやるということになりました場合には、非常に大幅な医療費の改定、引き上げをしておるわけでございます。これは今日の医療費改定の中でも一番高い大幅な改定をしておる。先ほど先生もおっしゃいましたように、認定施設の場合は八十点から百二十点、あるいは百六十点を三百点にするといったような非常に大幅な引き上げをしておるわけであります。非認定施設につきましてもかなり大幅な引き上げをしておるということでございますので、その施設自身は、いま申しましたリハビリ療法を前向きに改善していくという学界の意向に沿った改定をやりますし、またそういった場合に医療機関の経営も決して悪くない。学界の言うことに沿った前向きの運動療法を行います医療機関に対してはかなりの医療費の引き上げになり、経営も決して苦しくならぬ。 もう一つ申しますと、その場合に、いま申しました運動療法の中でマッサージの占める部分というのはかなりの比重を占めるわけであります。そういたしますと、こういった前向きのリハビリの療法をやる場合にマッサージの方々の雇用というものがどうしても必要になってくると私どもは考えるわけでございまして、非常に短い期間を見てマッサージ師が解雇されるというのは私ども大変遺憾な感じを持っておるわけでございまして、この点につきましては私どもはもっと理解を深めまして、そのようなことのないように十分努力をしていきたい、このように考えておるわけでございます。
○川本委員 長々と御答弁をいただきましたが、時間がないので簡単に済ませたいと思うのですが、大臣、これは理解を深める努力では障害者の職場が狭まってきておるのをいま、当面救うことはできないのですよ。だから大臣、保険局はあんなことを言っていますけれども、水中機能訓練とか機械器具による療法というのを運動療法の中では言って、いわゆる手技療法というものを削除しておるわけですよ。原因は、マッサージというものを削除しておるからなんですよ。少なくともこれが視覚障害者の唯一の職場をいま奪いつつある。盲学校の理療科で勉強して病院に勤務——若い人たちは開業する資金がないですから、目が見えないのですから、その人たちがただ一つ頼りにして生きてきたその病院勤務の道を閉ざすということ、これは私たちとしては、そんなことを知りつつやるべきじゃない。医療費改定のときはわからなかったわけですから、学界の先生の意見だけ聞いてやって、それはそれでよかったかもしれない。そういう事態が起こっておるということがわかった以上は私は直ちに改めるべきだと思うのです。 大臣ひとつ——いや、保険局長、もう時間がないからあなたは結構です。
○大和田政府委員 一言申し上げておきます。 手技療法を削除したと申しましたが、それをなくしたということではない。これは個々の行為、たとえば手技、マッサージあるいは光線というような……(川本委員「書いてないじゃないですか、現実に」と呼ぶ)それはなくしたわけでございますが、それはすべて運動療法に含まれておるわけでございます。
○川本委員 含ませておると言うが、書いてないじゃないの、そんなこと。時間が遅くなるから何だけれども、手技療法というのは、お医者さんは人を雇わなければできないわけです。ところが、ホットパックというのは人を雇わなくても、マッサージ師がいなくても、ホットパックだけ自分のところでできるわけです。一定時間座らしておいて終わったらぱっととって帰りなさいと言ったらいいんだから。そうすると、お医者さんは患者のことを考えぬで、自分の金もうけを考えたら、そこでマッサージを加えてやっても点数は同じですから、ふえないのだから、マッサージを全部省略するわけなんです。それが今日のこの状態を引き起こした原因なんです。 だからその辺のところは十分現状を踏まえて、大臣ひとつ早急に措置をするということだけお約束いただきたいと思うのです。
○村山国務大臣 今度の点数改定が視覚障害者の雇用の問題に大きな問題を投げかけておるということは承りました。これが医師の、今度の点数改定のときにこちらの意図しているものの誤解に伴うものか、あるいはいま委員がおっしゃったようなことになるのか、いずれにいたしましてもその辺をはっきりさせまして、適切な措置を講じたいと思います。
○川本委員 続いて老人保健法について、もう少し時間がありますので御質問しておきたいと思うのです。 保健事業について実は質問したいと私は思っておったのですが、もう時間がありませんから簡単にお聞きしたいのですけれども、保健事業ではマンパワー対策というものが非常に重要視されていますね。五カ年計画を持っておるとかいうことで朝から大原委員に対する答弁がございましたが、大体マンパワーの中心は保健婦じゃないかと思うわけです。五年間で保健婦をふやす年次計画をまず御説明いただきたいと思います。
○大谷政府委員 保健婦につきましては五カ年計画を最終目標ということに一応めどを立てているわけでございますが、約八千人程度の保健婦が老人保健法絡みのサービスとして必要ではないかというふうに試算をいたしております。しかし、そのうち現在の保健婦さん二千百五十人を充てるというふうなことで約六千人につきまして年次計画をもって増員をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○川本委員 聞くところによると、厚生省はそのうち三千人ぐらいはパートを予定しているというふうなことを聞くのですが、どうですか。
○大谷政府委員 パートと申しますとあれでございますが、保健婦さんで退職されまして、実際に家庭におられる方々、そういう方々はいろいろな経験あるいは心理学的なこと、そういった面から老人保健事業で非常に活躍していただく能力をお持ちでございますから、そういった方々を市町村で雇い上げて、そういった方々に活躍をしていただくという雇い上げの費用というものを用意しているわけでございます。
○川本委員 そうすると、その内訳は、市町村には何名で保健所には何名ということになるのですか。
○大谷政府委員 保健所につきましては約千五百人、市町村につきまして約千六百人という考え方でおるわけでございます。
○川本委員 それは定数内の職員としてですか。パートを含めてではちょっと数が合わぬですよ。
○大谷政府委員 これは退職される方の数でございます。それを雇い上げに回す、こういう考え方でございます。
○川本委員 数はそれだけ。それでは、定数内では、いわゆる正規職員としては一つもふえないというわけ、このマンパワーというのは。
○大谷政府委員 正規職員につきましては、先ほど申し上げましたように三千人の新規増員ということを考えているわけでございます。
○川本委員 その内訳はどう、保健所と市町村。
○大谷政府委員 市町村が二千百五十人、それから保健所が八百五十人という考え方をいたしております。
○川本委員 今度の法律では、OT、PT、機能訓練ということを大変重要視しておる、総理大臣が本会議場で機能訓練と言って答弁したから。機能訓練のOT、PTは五十七年度に大体何人雇いますか。
○大谷政府委員 最終年度で六十五人という考え方をいたしておりますが、五十七年度で一応九人ということで要求いたしております。
○川本委員 総理が本会議で答弁した数がたった九人じゃ、これは国民の期待と反しますね。九人のOT、PTで老人の保健医療のマンパワー、これは人は笑いますよ。 九人はどのように配置するのですか。
○大谷政府委員 OT、PTがリハビリテーションのすべてを行うというわけではございませんで、OT、PTは、いわゆる理学療法、作業療法の専門家でございまして、リハビリテーションにつきましては保健婦さん初めその他のいろいろな方々にもやっていただく。そのうち特にOT、PTには専門的な立場から仕事をしていただくという考え方でございまして、最終的にはこれは保健所に配置いたしまして、こういった方々が市町村のリハビリテーション事業、そういったものに中心的に活動していただくということでありまして、老人のリハビリテーションをOT、PTだけが独占的にやられるというふうな性格のものではありませんので、そういった意味で私どもとしてはOT、PTの要求をいたしているということでございます。
○川本委員 いまの御説明のように、市町村に対して何ぼかマンパワーの人員がふえるわけですが、これは市町村では財政負担が大幅にふえるのじゃないかと思うのですが、自治省、お見えいただいておりますね、自治省、どう思いますか。市町村の財政にはこの保健事業によって全然負担がかからないと思っておるのかどうか。
○亀田説明員 今回の保健事業の推進体制は、御承知のとおり、法律にも書いてございますように、逐次これが充実されていくということになっておるところでございますが、いずれにしてもこの事業を推進するためには、おっしゃいますようなマンパワーの充実というのは必ず伴ってまいるわけでございます。この問題は、これまた法律にも明確に書いてございますように、国庫負担事業でございまして、国が三分の一の負担を持つものでございますから、私どもといたしましては、必要かつ十分な国の負担がなされることをまず関係省に要望しております。 ただ、当然その裏負担といいますか、地方団体の持ち分が裏にあるわけでございますから、所要の地方団体の負担につきましては適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○川本委員 この保健事業、今度六つばかりあるわけですね。これが六十一年の最終年度では、この保健事業に要するいわゆる保健事業の予算といいますか、総額はいま幾らぐらい予定しておるのですか。
○大谷政府委員 一応国庫の負担する額を四百六十三億円というふうに考えております。
○川本委員 国庫の負担が四百六十三億円とすれば、事業規模としては三倍になるわけです、三分の一だから。だから約千三百億余りになるわけだ。そうなると、六十一年になると市町村の負担も大変だと私は思うのですけれども、その六十一年度もずっと通じて将来にわたって市町村に対しては一切その裏負担についても自治省は交付税等で賄って、いわゆる負担はさせないという確信が持てますか、自治省。
○亀田説明員 先ほどから申し上げておりますように、今回の保健事業の充実につきましては、逐次市町村の地域の実情あるいは財政状況等を考慮してなされていくということに法律的にもなっておりますから、私ども、厚生省と十分地方団体の負担の実情を踏まえましてこれから御相談をしていきたいと存じますが、ただ、やる計画ができました場合には、地方団体の負担につきましては私ども責任を持って対処したいというふうに考えております。
○川本委員 まだ質問があるのですけれども、一応質問は留保して、時間が参りましたので私の質問を終わりたいと思います。
○山下委員長 平石磨作太郎君。
○平石委員 今回政府が提案しております老人保健法について質問をしてまいりたいと思います。 老人医療が、従来老人医療費公費負担制度によって七十歳以上に四十八年から行われてきたわけです。そこで今回、この老人保健制度として新たに新しい制度を打ち立てよう、こういうことで提案がなされておるわけですが、このようにしたことについて、どういう効果があり、どういうメリットをもってこの制度を立案したか、お聞かせをいただきたい。
○村山国務大臣 これは法律にもうたっておりますように、高齢化社会を迎えるに当たりまして、いま世界で恐らく一番長生きの国でございましょうが、これからももっと長生きになると思います。しかし、実際の老人の方々を見ておりますと、寝たきり老人その他大ぜいおられるわけでございまして、これはしかし大きな問題でございますので、どうしても中高年齢層の健康を促進して、そしてその結果として老人が健やかに終生を送る、これがやはり何より幸せでもありましょうし、同時にまた全体の医療費を、その人の一生を通ずる医療費を考えてみましても、過去実例がございますけれども、予防をやっておるところあるいは早期健診をやっておるところでは非常に老年時代の医療費が安くついておる。これはもう本人のためにも、また医療費節減のためにも、どうしてもその制度を取り入れたい、これが保健の制度を根本的に見直そうという問題でございます。 もう一つの問題は、現在いろんな保険集団が八つばかりあるわけでございますが、老人が大ぜい加入しておる地域保険におきまして、財政負担が非常に大変である、それをいろんな工面をいたしてやっておるわけでございますけれども、老人の医療というものを抜本的にいままでの医療保険制度から切り離しまして、そして国民がひとしくそれを負担するという制度として、七割はある種の基準によりまして従来の保険に持っていただく、あとは国が十分の二、それから都道府県、市町村が十分の〇・五ずつ持つという方が、やはり財源が非常にはっきりいたしますし、いままではもう御承知のように三万九千円という範囲でしか持っていなかったわけでございますので、今度は初めから三割は公費負担にしてしまう、こういうふうにした方が老人の医療に関する財政も安定し、それから負担関係も調整できるであろう、こういうことを考えているところでございます。
○平石委員 いま大臣のお話を長々お聞かせいただきました。 ところで、八つの保険制度が従来あったわけですが、この八つの従来の保険制度、これから行政が引き取った。行政が引き取ったということについてはどうなのか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○吉原政府委員 いま大臣が申し上げましたように、いままで医療保険制度で七割の保険給付をやり、その残りの三割を老人福祉法で市町村がやっていた、その老人医療の制度というものを一本化しまして、実施主体を市町村としてヘルスと一体的にやっていく、こういうことでございます。ですから必ずしもいままで保険でやっていたものを行政が引き取ったということよりか、財源はその場合に新しい制度におきましても七割は各保険者からの拠出金によって賄う、それで事業自体は市町村がヘルスと一体的にやっていく、こういったことになっておるわけでございます。
○平石委員 この法律を見てみますと、いまお答えをいただいたように、実施主体は市町村とする、そして「市町村長は、当該市町村の区域内に居住地を有する七十歳以上の者に対し、医療を行う。」こうなっております。したがって、従来は保険制度として、療養の給付という形でいわゆる事業として行っておったのでございますが、今回はいわゆる行政として医療を行うのだということに相なっておるわけでして、こうなりますと、行政のいわゆる医療というものは、お医者さんが行う医療というものは行政の内容であるということが言い得られると思うのです。 そういたしますと、これはすべていわゆるサービス的な行政だ、こう言える。サービス的な行政だということに私は理解をするのですが、この点いかがでしょうか。
○吉原政府委員 確かにこの新しい法律におきましては、市町村長が七十歳以上の方に医療を行うという規定をしておりますけれども、ここで言っております医療というのは医療の給付、健康保険法なり国民健康保険法で言っております療養の給付と実質的には全く同じ意味でございまして、ただ、保険という仕組みにはなっておりませんので、給付という言葉は使っておりませんが、実質的には健康保険法等に言う療養の給付という事業を市町村がやるということについては全く変わりはございません。 それから、医療自体は同じ二十五条の第三項にございますように、「自己の選定する老人保健取扱機関」、まあ保険医療機関でございますけれども、医療機関において医療を取り扱うということが明文でもって規定をされておりまして、この点から言いましても、現在の健康保険法なり国民健康保険法の考え方なり扱いと全く変わるところはございません。
○平石委員 そして行政として一応行うわけですが、いま御答弁にございましたように、実質的には従来の保険制度と変わりはございません、こういうお答え、そのとおりだと思います。 私がなぜこんなことを聞くかということは、形式的にはやはり行政である。お医者さんが行う医療行為は形式的には行政行為なんだ、こう相なると思うのです。これは権力的なものではございませんので、サービス行政として行われておるのだ、こうなって、しかもこの仕事については市町村を実施主体とするとなっておりますが、これは国からの機関委任事務ですか何ですか。ひとつお答えをいただきたい。
○吉原政府委員 医療につきましては国の機関委任事務でございます。
○平石委員 よくわかりました。 そこで私が心配をして、なぜこんな理屈みたいなことを言うかといいますと、いま非常に医療事故が多い。医療事故が多いのであちこちで訴訟が行われたりとか、いろいろ賠償の問題だとかいったようなことが世上たくさん起きておる。こうなりますと、従来は保険制度の中での処置でいっておりましたが、機関委任事務の、しかも行政行為の中でそういう事故が起きたという場合に賠償の問題が行政に出てきはしないかというような心配を持つからここをお聞きしておるわけなんです。そういう形で機関委任事務ということになりますと、あるいは国家賠償とかいったような形で理屈をつけられると、これはあいまいもことしておいてはいけない。ここの点はやはり明らかにしておかないといけない。 従来の制度とは性格が違ってきた、ここをひとつ明らかにしたいと思ってお聞きしておるわけなんでして、その点、もし事故が起きたときに、これにどう行政が対処するのかしないのか、お答えをいただきたいのです。
○吉原政府委員 御心配の事故の態様にもよるわけでございますけれども、仮に診療上のミス、医療機関側の過失等によってそういった事故が起きた場合の責任は、従来も国民健康保険なり健康保険の場合ですと医療機関が一応問われるということになっております。 この法律におきましても、市町村長が医療を行うという規定はしておりますけれども、先ほども申し上げましたように、それは医療の給付を行うという意味でございますし、医療自体は、この法律の二十五条の三項に、老人保健取扱機関が行うということが明文でもってはっきり規定をされているわけでございまして、この点も健康保険法なり国民健康保険法の扱いと全く同じでございます。いま御質問のような御心配はないと思っていただいて結構かと思います。
○平石委員 それはお医者さんがやることですから、もちろん医師法も適用されておりますし、医療法の問題もございます。だから、医療過誤が起きたという場合にはそれぞれの行政法規によってお医者さんにそれなりの過ちに対する行政処置は出てくるわけですが、補償しなければならぬといった問題が出たときに、これが行政の方へ出てきはしないかというところですね。 だからこの点もひとつ、どのようにお考えになっておるのか、補償の問題が出たときにお医者さん限りで補償ができるものか、あるいは行政へ持ってこられるのか、ここらあたりも明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○吉原政府委員 先ほど私がお答えいたしました責任の問題というのは、いま御質問の補償の問題も含めてお答えをしたわけでございます。
○平石委員 含めてというとちょっと私まだそれで理解ができないのですけれども、なぜそうなるのかわからぬのですが、法制局お見えになっておりますか。——この点、法制局はどうですか。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの先生の御質問でございますが、吉原審議官の方からのお答えもございましたように、私ども、この法案に関しまして、従来の健康保険その他の療養の給付の場合と関係は何ら変わってこないのではないかというふうに考えております。 と申しますのは、いま条文を引いての御説明がございましたけれども、いわゆる老人保健取扱機関というのは二十八条で「医療を取り扱う者」というふうに規定されておりますし、また患者は二十五条三項によりまして、自己の選択した老人保健取扱機関について医療を受ける、こういうことになっております。そういうことから申し上げまして、従来、これは学界での大方の説ではございますけれども、いわゆる取扱機関と患者との間には明示、黙示の診療契約というものが、そういう関係が成立する、そして通常の場合の医療過誤でございましたらそのときの責任は取扱機関が負う、こういうのが大方の説でございます。 そういう意味で過去の健康保険等と何ら変わりがない、かように考えております。
○平石委員 そういうことであればそこでもうこの質問は打ち切らせていただきますが、なお、私としたら、そこが多少性格が変わったように思えるわけですけれども、そういったことが起きなければ非常に結構なこととして、これは一応終わらせてもらいます。 ところで、いま答弁にございましたように、従来行われていたものが予防と医療とを一つに合わせたものとしてこの制度が行われるわけでございますが、こういった一つの方法をとっていくのには、いま大臣答弁の中にもありましたように、一つには医療費の問題が出てくるわけです。 この医療費が、資料等見てみましても非常な増高を示しております。このまま放置することになりますと、これは国民所得の伸びをはるかにオーバーする、所得の伸びの三倍ぐらいのパーセントでもって医療費は増高していくわけです。午前中の質問に対してのお答えもございましたが、七十歳以上のお年寄りの医療費につきましても、見てみましたら、大変な伸び方を六十五年度までにやはり予想しておられるようです。 そういう医療費の増大ということは今後も必至の情勢であろうと思うわけです。医療費が伸びておるということについては、支払い方式その他いろいろの要因があろうと思うのですが、一体何が原因なのか。従来行われておる支払い方式、これも要因の一つなのかどうか、ここらはどのようにお感じか、お伺いをしたい。
○吉原政府委員 医療費の伸びの要素といいますか原因については、先生御案内のとおり、さまざまなものがあるわけでございます。 老人医療について申し上げますと、やはり人口の老齢化に伴う老齢人口の増加が大変大きな要素を占めていると思います。国民全体の人口増加率は一%に満たないわけでございますけれども、七十歳以上の老齢人口についてだけ言いますと、三%ないし四%伸びていっているというようなことがございますし、それから疾病構造の変化がございます。特に老人の病気で多いのが、御案内のとおり、循環器、心臓病それからがんなどでございますが、特に循環器系の病気が七十歳以上のお年寄りの方の四〇%以上を占めているというような状況でございますし、今後ともそういった傾向は続くのじゃないかと思います。 そのほかに、医学の進歩による医療の高度化でありますとか、あるいは薬学の進歩、新薬の開発、そういった要素もございますし、それから医師なり病院のベッド数の増加、そういった医療供給面の変化もあろうかと思います。そのほかに、物価なり賃金の動き、国民経済の動向、そういったものが全体として絡み合って医療費が増加してきたわけでございますし、今後ともそういった要素で医療費が伸びていくというふうに思っているわけでございます。
○平石委員 そこで、もう一つ、診療報酬の支払い方式、これがどうかという点をお聞きしたのですが、要因になるのか、あるいはこの支払い方式の功罪についてお話をいただければ結構です。
○大和田政府委員 現在の支払い方式は御承知のように出来高払い方式でございますけれども、この方式につきましては、お医者さんの働いた量に関連いたしまして点数が算定されるということでございますので、お医者さんの努力と熱意が反映される、これが長所というふうに言われておるわけでございますが、一方、請求手続が煩瑣になるとか、あるいは審査に手間がかかるといったような問題の指摘もございます。したがいまして、やはり長短あるというふうに申し上げるのが一番妥当ではないかというふうに考えられるわけでございます。
○平石委員 この支払い方式につきましては、従来、いまお答えにもありましたように、長短いろいろあります。プラスになった面もありましょうし、あるいはここはどうかなといったような点もあるわけでして、これは今後も老人医療についてはやはり続けていく予定なんですか、どうなんですか。
○吉原政府委員 老人保健の診療報酬支払い方式につきましては、先ほど来いろいろ御質問もございましたように、やはり老人の特性にふさわしい診療報酬のあり方というものを検討していく必要があると思っているわけでございます。その場合に、いまお話の出ましたように、現行の出来高払い制度にもいろんな欠点なり問題点というものが指摘されておりますので、そういったものも踏まえながら、老人の特性というものに見合った一番合理的な診療報酬なり支払い方式というものを検討していく必要があるというふうに思っているわけでございます。
○平石委員 それを行う場はやはり中医協ですか、どこですか。
○吉原政府委員 この法律によって設置されることになります老人保健審議会において御審議をいただきたいというふうに思っているわけでございます。
○平石委員 そういうことで、この診療報酬の支払い方式につきましては、いろいろ功罪があるわけでして、特に社会保険審議会等も、この支払い方式については老人の特性を生かした一つの見直しを云々というようなことが答申の中にも出されておるようでございますので、そういった点も含めてひとつ御検討を賜りたい。 そして将来やはり医療費は大体どの程度が、一方で国民所得の伸びをはかりながら大体適正な伸びというものはどんなものなのか、こういったこともめどを立てる必要があるではなかろうか。ただ、これには単なる老人保健法のみでこのことをどうのこうのと言うことはできません。いろいろ各法を総合して、これの抑制と言うと適切な言葉ではございませんけれども、およそ国民所得に見合った形においての適正な医療費の確保ということについては、私は、十分今後考えていかないと大変なことになってくるのではなかろうかというように思えてならぬわけです。 それで、やはり医療費というものについては、いろいろと従来もなされてきました。この数字をちょっと見ましても、近年、従来の上がり方から見るとやや鈍化しておるような数字も見えております。そういうことから、いろいろとこれについてはだんだんと常識的なところへ落ちついてくるといったようなこともあるのではなかろうかというような一縷の期待もあるわけです。そういうようなことだけに任してはおかれません。したがって、この老人保健法によって、けさほどからも論議になっておりましたが、皆ひとしく負担をしていただくんだ、こういう答弁の中で、これからの医療費負担につきましては、各法の保険者から徴収金をいただくんだ、拠出金をいただくんだ、こういうことになっておるわけでして、これを見ましても、いわゆる応能負担、有力な組合、有力な保険者からはたくさんいただいて、そしていわば国民健康保険のような地域保険として構造的にもいわゆる弱い立場にある保険についてはそれ相応の負担をいただくというような形が出ておるわけでして、多く負担をしていただくいわばそういった保険組合あたりは、従来非常に経営努力をせられた。そして、みずから医療費については監査あるいは指導、さらには会員に対する健康管理、そしてあるいは通知制度とか、いろんなことを駆使して企業努力がなされておるわけです。 そういう企業努力がなされてあれだけの会計を持っておるわけですが、ところで、私はやはりどの会計を見ましても、これはいわゆる出るを制し入るをはかるというのが原則である。そうなりますと、これだけの応能負担をお願いするということになれば、当然のこととして、出る方であるこの医療費というものについては、これから格段の力を入れていかないと、そういった応能負担の方々が非常にしんどくなってくる。そして、先ほどの質問の中にもちらっと出ておったようですが、この制度の根幹はそこにあるわけです。だから、この人たちがもう私は負担がいやだ、こうおっしゃられますと、これはこの制度が維持できなくなってくる。 私はそこを篤と、これからこの保健制度が仮にでき上がったとしたときに、行政として行う以上、まあ何であっても事は一緒ですけれども、少なくともそれだけの応能負担をしていただく方々に、そして国はこれを開設した大きな責任者として、相当強い指導をもって医療費の適正を確保するということを考えていかねばならぬと思うのですが、具体的にはどんなことを考えておられるか、お聞かせをいただきたい。
○吉原政府委員 ただいまの先生の御質問、全くそのとおりでございまして、私ども、新しい老人保健法案で考えておりますことは、健康な老人づくりというものに力を入れることによって老人医療費の伸びをできるだけ少ないものにしていく。老齢人口が増加するわけですから、絶対額として老人医療費が相当の勢いで伸びていくことは避けられないわけでございますけれども、その健康な老人づくりをやるということによって、老人医療費の絶対額の伸びをできるだけ小さなものにしていくということがねらいにあるわけでございます。 同時に、やはり各保険者なり各市町村、この法律の実施主体は市町村でございますけれども、市町村はもとよりのこと、各保険者において、いままで以上に医療費のむだの排除、節減あるいは病気を少なくするための健康活動、保健活動、そういったものに力を入れていただくということを期待をしているわけでございます。 それから同時に、医療費の七割を保険者から出していただくわけでございますけれども、その保険者の拠出の仕方におきましても、その保険者ごとのそういった経営努力といいますか企業努力、医療費を少なくするための努力というものが保険者拠出金に反映されるような仕組み、それをできるだけ取り入れているわけでございます。保険者の拠出金の考え方に実績案分、それから加入者案分、二つの要素を取り入れて考えているわけでございますけれども、実績案分は、その医療費の実績が少なければ少ないほどもちろん拠出額が少なくなるということになるわけでございます。加入者案分につきましても、その保険者ごとの一人当たりの老人医療費の額を使う、単価を使って計算をするということによりまして、その保険者ごとの医療費を少なくするための努力というものが加入者案分の方にも反映されるような仕組みというものを考えているわけでございます。
○平石委員 非常に抽象的なお話でございまして、私がいま聞いておるのは、出来高払いの観点からの問題としてどのように具体的に考えるかということをお聞きしたつもりなんですけれども、非常に広がったお答えをいただいたわけですが、私自身としたら、やはりいま審議官もお答えいただいたように、広いそういった施策も必要です。だが、肝心の支払い方式についてもやはり見直しは行います、こういうことですから、その点については、先ほどでお答えをいただいたように、見直しはするんだけれども一体どのような形の具体性を持っておるものかというところをお聞きしたがったわけなんでして、できればそこらあたりへ触れてお答えをいただければ大変ありがたいと思うのです。
○吉原政府委員 老人の診療報酬等につきましては老人の特性に見合ったものにしたいということに尽きるわけでございますけれども、具体的にはやはりお年寄りの方の病気の実態、性質、そういうものからいいまして予防なり生活指導というものが非常に大事でございます。先ほど言いましたように循環器系の病気がお年寄りの方の四割以上を占めております。こういった病気につきましては、むしろ薬、検査等より日ごろの生活の管理、指導というものが大事だというようなことが言われておりますし、それから病気が治った後の寝たきりにならないような措置なり対策としてはリハビリテーションというものが非常に大切だというようなことが言われております。したがいまして、そういった予防、それから生活の指導、食事の指導、それから病気が治った後のリハビリテーション、そういったものを重視した診療報酬等を考えていく必要があるのではないか。 それから同時に、在宅の方に対する保健サービス、保健婦さんによる訪問指導等の活動を飛躍的に拡充することによりまして、従来はなかなか病院から家へ帰れない、帰ったらまたすぐ病気が悪化するとか、体の機能が低下するということが言われておりました。そういうことがないように、できるだけ病院ではなしに在宅で、家庭で療養生活が続けられるような条件をできるだけつくっていくということを考えているわけでございます。
○平石委員 これは保健審議会でやることですからお答えはしにくいと思います。だからその程度で終わらせていただきます。 ところで、この老人医療費は現在一人当たりどのくらいかかっておりますか。
○吉原政府委員 老人医療費は総額で二兆五千億でございますが、一人当たりにいたしますと、五十四年度で年間三十一万百十九円、五十五年度で三十四万二千六百七十八円ということでございます。
○平石委員 大体三十四万、このくらいかかっているというのですね。これは入院についてでしょうか。
○吉原政府委員 それは入院、外来を含めた総医療費を一人当たりに計算したわけでございます。入院の費用というのは一日当たりで申し上げますと約一万円かかっている。外来につきましては一日当たり五十四年度で老人の場合には三千二百八十二円、五十五年度の場合には三千五百六円ということになります。
○平石委員 ところで、いまの数字というのはこれはもちろん手術とかいろいろなものを含めた全体のものの数字だと思うのですが、お年寄りが、私もときどき病院へもお伺いをするわけですが、中にはいろいろ慢性疾患を持っておられる、こういうことでそれほど手術とかいったようなことは必要ではない、だが、家庭へ帰すにはまだ無理だといったような患者さんがたくさんいらっしゃるわけです。そういう患者さんはいわば普通の通常ペースにおいての投薬、注射、こういった形で入院をしておられるのですが、いわゆるお年寄りは特に慢性疾患が多いわけですが、そういう慢性疾患的な患者さんは、お年寄りの患者数の中で大体どの程度占めておられるものか、おわかりでしょうか。
○吉原政府委員 慢性疾患というのは、どういった種類の病気を慢性疾患というかによって違ってくるかと思いますが、病気の分類といたしましては、通常循環器系の病気が慢性疾患だというふうに言われていると思うのですけれども、いわゆる高血圧、心臓病、脳卒中等のような病気でございますが、これは件数にいたしましても金額にいたしましても、それから入院にいたしましても通院にいたしましても、七十歳以上の病気の約四〇%を少し超える程度ということでございます。
○平石委員 私は、いわゆる患者さんとしてのお年寄りの特性、ここから判断したときに、いわゆる診療の支払い方式に何らかのヒントがそこに出るんじゃなかろうかというような気がしていまのことをお聞きしたわけです。したがって、若い患者さんは交通事故もございますし、あるいは病気になられてすぐ入院し、もちろん治療されてすぐ社会復帰をするわけです。ところがお年寄りの方は、社会復帰ということについては、もちろんそれを目指しての療養生活に入るわけですけれども、若い人ほどに社会復帰ということが数字的に私は無理だと思う。そうなりますと、お年寄りの特性を生かした一つの方式、こういったものもひとつ老人保健審議会あたりでお考えになっていく一つのヒントとしていいのではないか、ここが特性じゃないかというような気がしたから私はそのことをお聞きしたわけです。 そこで、患者さんの中でそういった慢性でまあまあという形で療養しておられる人が、たとえば百人のうちで七十人おられる、あるいは八十人おられるんだ、こういったようなことがおよそわかれば一つのヒントが出てくるんではなかろうかというような気がしたわけでございます。 そこで、このお年寄りの一人当たりの医療費が大体三十万から三十四、五万、そして、いま私が一番問題にしたいと思うのはお年寄りの一部負担金です。一部負担金がいわゆる初診においては一月五百円、そして入院患者においては三百円を毎日四カ月、こういうことが案の中に示されておるわけです。これはいわゆる老人の自己負担としては非常に無理があるというような気がするわけです。そこを一応私はお年寄りの生活実態、こういう面からお聞きをしてまいりたいと思うのですが、このお年寄りのいわゆる老人保健におけるところの一部負担金については、どういう根拠でこれが出てきたものか、お知らせをいただきたい。
○吉原政府委員 一部負担金の趣旨につきましては、大臣からもお答え申し上げておりますように、やはり老人の方々にも健康に対する自覚を持っていただくということと、いわゆる行き過ぎた受診というものがあると言われておりますけれども、そういったものについて御自制なり御注意をいただくということがねらい、趣旨でございますけれども、この五百円、三百円という金額を決めました考え方として私どもがまず考えましたのは、老人の方皆さんがだれでも負担をできるごく無理のない額であること、それから、それが同時にお年寄りの方々の適正な受診といいますか必要な受診というものを抑制するようなものであってはならないということが第一でございます。 それからもう一つは、実際にじゃどのくらい入院なり通院について費用がかかっているか、この点につきましては、いま申し上げましたように外来の場合には一日約三千円強、三千五百円くらいの金額が実際の費用としてかかっている。お年寄りの場合には月に一件当たり四日程度の外来日数があるようでございますが、そういたしますと月単位にすると一万三千円から五千円ぐらいになるというわけでございます。それから入院の場合には一日約一万円ぐらい、月にいたしますと三十万ぐらい入院の医療費がかかっているというようなこと。実際に入院の場合の一日当たりの医療費の中には、いわゆる食費相当分が千三百円程度入っているわけでございます。そういったようなこと。それからもう一つは、健康保険のいわゆる一部負担金の額、これは健康保険本人の場合に、初診の場合だけですけれども、八百円ということになっておりますし、入院の場合ですと一日五百円ということになっております。 そういったことも考えまして、最初に申し上げましたように一部負担の趣旨、ねらい、それから老人の方皆さんが負担できるような額としていまの五百円、三百円という額を決めさせていただいた、こういうことでございます。
○平石委員 そうすると、余り無理はない、こういうことですね。 ところで、お年寄りの生活なんですが、私も十分な資料はよう集めません。いろいろとお聞きはしてみましたけれども、十分なことがわかりませんけれども、ここに、総理府が過日、九月十五日の老人の日、お年寄りの日に老夫婦世帯の家計の現状というのを発表しておられます。これは新聞に出たものを持ってきてみたのですが、これで見てみますと、老人夫婦、六十五歳以上のだんなさんと六十歳以上の奥さんで、一カ月間の消費支出というのが十四万七千円。それから若年夫婦として、これは夫が三十四歳以下の御夫婦の場合、平均の一カ月の消費支出が十八万円。それから中年夫婦、だんなさんが三十五歳から四十九歳の御夫婦で二十万六千円。そしてこのお年寄りの夫婦は大体六十万世帯ある。その六十万世帯の中で、十四万七千円の消費支出ですけれども、十万円以下という御夫婦が三六・五%おられるようであります。したがって、月十万未満の夫婦が三六・五%おる、三割六分もおるということです。いまどき十万以下というのはいわば非常に最低生活ではないかと思うのです。一方、いわゆる生活保護基準を見てみますと、老人の基準額というのは大体六万、七万というところなんですね。 そういたしますと、生保世帯は別としまして、病気のときは医療扶助が当然適用されますのでいいわけなんですが、ボーダーラインにいらっしゃるお年寄り、これがその上のい総理府調査で言えば十万以下の世帯がボーダーラインの層ではなかろうかと思うわけです。こういう方に、いま言うたように、入院した場合、月に九千円ないし一万円近いものを四カ月払っていただく、こういうことが果たして妥当なのかどうなのか。いまの答弁の中では、三十万も医療費が要っておるのだから、その中で三百円、入院一日当たり一万円要るものの三百円だから、まあ無理がいかぬのじゃなかろうかというようなお答えでございましたが、この状態から見ましても、ちょっと無理がかかっておるんではなかろうか。 そしていまのお答えの中にもございましたが、病院によるいわゆる給食材料、給食費にも相当のお金がかかっておるからというようなこともございましたが、一面妥当性を持ったお答えのようにも聞こえるわけですけれども、長い間社会のために働いて、そして老後を送っておられる方々が十万以下の生活をしておるというような実態から見たときに、私はせめてこの一部負担金については再考願いたい、こういうように思うわけです。法案を出しておいてそういたしますという答弁は、これはなかなかむずかしいと思いますけれども、ひとつこの点はお年寄りの生活実態を考えていただいて再考願えれば非常にいいのではないかというように思って、私はこれは強く要求をしておきたいと思うわけです。 そこで、このお年寄りのいわゆる一部負担といったようなことで診療制限、事によったらこれが受診の制限にかかってきはしないかという心配もまた一面持っておるわけです。 それで、この外来の場合に一カ月五百円ということでございますが、この五百円というのは同一疾病についてのことなのか。 〔委員長退席、戸沢委員長代理着席〕 それからもう一つは、月がかわればまた払わなければいかぬ、それから病院がかわればまた払わなければいかぬということになるのかどうか、この点お聞かせいただきたい。
○吉原政府委員 外来の場合の五百円でございますが、医療機関ごとに各月五百円を負担していただくということでございまして、医療機関がかわれば医療機関ごとに五百円払っていただく。それから、月ごとでございますから、月がかわれば五百円払っていただくということでございます。それから、そうはいっても必ずしも病気ごとではございません。医療機関が同じ、または同じ月であれば、病気が違いましても、まあかぜとおなかというような場合でありましても、同じ医療機関でかかっているような場合には別々には計算をしないということにしているわけでございます。 これはなぜそうしているかといいますと、やはりこういった形で一部負担をお願いするということになりますと、いわゆるレセプト単位、診療報酬の請求なり支払いがレセプトごとに行われておりますので、レセプト単位でやらないと実際問題としてできないわけでございます。そういったこともございますので、月ごと、医療機関ごと、それから総合病院になりますと診療科ということになりますけれども、そういったことでお願いをしたいというふうに思っているわけでございます。
○平石委員 総合病院の場合に、各科を渡り歩いたときはどうなりますか。
○吉原政府委員 総合病院の場合には、現在の健康保険の初診料もそうなっておりますけれども、診療科ごとに一部負担金を支払っていただく、健康保険法もそうなっておりますし、いま申し上げましたようにレセプトもそうなっておりますので、そういう形でお願いせざるを得ないというふうに思っております。
○平石委員 そのようにお年寄りがそれぞれの場合に負担をせなければならぬということと、それから、いまここで資料が見えなかったのですけれども資料が出てきましたので、これもちょっと参考までに申し上げておきますが、高齢世帯における所得の年次推移というのがございます。これも総理府のものなんですが、これは国民生活実態調査、これは厚生省の統計情報部から出ておるものです。これを見ましても、五十三年度がお年寄りは百六十八万六千円ですね。これは全部ですから平均なんですけれども、若い人の世帯の四七%の所得である、こういうことが厚生省の実態調査の中でもうかがわれておる。これを十二で割りますと十万ちょっと、こういうことになります。だからお年寄りがそういう収入しか上げてない。これは所得の方です。さっきは支出の方をちょっと申し上げたのですが、収入支出とも大体十万円そちこちだ。こういうことを考えたときに、私はこの一部負担についてはどうしても再考をしてほしい、こういうように思っておるわけでございます。 それから次に、ヘルスの問題でございます。 これはもちろん今回のいわば制度の根幹をなすといいますか目玉といいますか、従来の制度の中では考えられなかったことでございます。そういうことで、いままで公衆衛生において行っておったものをこの制度の中に取り込んでくるのだという形でこれが行われるわけです。これについては、先ほどもいろいろと質問の中に出ておりましたが、これがただお茶を濁されるということになりますと、この制度は財政対策だ、こう私は思うのです。だから、この保健事業、いわゆるヘルスについては相当な力を入れてやっていかないとこの制度が死んでしまう。そして結果は何なのかといいますと、財政調整をやっただけじゃないかということに終わってしまうのです。だから、財政対策として保健制度をつくった、このような批判は免れ得ません。ここに、これからのヘルスの問題については特に力を入れていただかないと、この制度そのものが死んでしまう、こういうように私は思うわけです。 決意のほどをお聞かせいただきたい。
○村山国務大臣 いま御指摘のヘルスの点は、仰せのとおりでございまして、私たちが最も力を入れようとしておるのもまたそこにあるわけでございます。現に、いろいろな町村で、ヘルスに予防をやったところは非常に健康でもありますし、医療費は格段に安くついており、そこの老人が非常に幸せにやっておるという事例があるわけでございます。 私も長野県に直接行ってまいりまして、あそこの担当しておる先生ともお会いして、つぶさに聞いてまいりました。昭和二十年、終戦直後からやっておって、いま非常によろしいということを聞いておるわけでございます。 また、私の知っておる循環器の専門家でございますけれども、やはりいま血圧の薬よりもむしろ食餌療法、それから率直に言って保健婦の栄養指導の方がより基本的である、日本の循環器の大変な権威がそう言っているわけでございます。 そういうことを考えますと、このヘルスの問題、中高年齢層からどんどんこのヘルスをやっていくということは大事なことだと思って、われわれはこれに最大の力を入れているのでございます。いま循環器の検診状況が大体二〇%程度あると聞いておりますけれども、少なくとも目標年次までには五〇%ぐらいまではぜひ上げたい。その辺のことを一つの目標にいたしまして、できる限り強力に推進してまいりたい、かように思っております。
○平石委員 大臣の決意は大変結構でございまして、その意気でやっていただきたい。 ところで、このマンパワー対策、いろいろ質問も出ておりました。このマンパワーの対策は、当然のこととしてやらねばならぬですけれども、問題は住民の協力じゃないかと私は思うのです。住民の協力と医師の協力、そしてそれに対応するマンパワーの対策を整えてこそ、効果が上がってくるのです。 私の選挙区、高知県でございますけれども、あそこに野市町という町がございます。これは私のおるところなのですが、ここは四十四年以降条例を設置しましてやっておるわけです。 ここの数字をちょっと参考までに申し上げてみますと、これからの保健事業には当然住民の協力と医者の協力がなければなりません。あそこには九人の開業医のお医者さんがおります。その開業医のお医者さんと役場の人と保健所とが一緒になって管理委員会というのをつくってある。これがやっておるわけです。その下にいろいろと住民組織がありまして、保健補導員という組織がございます。それから栄養改善推進協議会というのがあって、この栄養改善の委員さんがまたずっと各部落におるわけです。そして健康を守る会というのがその上を統括しておるわけです。そしてこれには、それぞれ平均五十戸くらいの部落ですが、大体毎年、これは保健所の先生あるいは普及所の先生とかいったような方々が講師となって、一年間、月に一回講習を行います。それで、一年間その講習を修了した者に町長が補導員の委嘱状を渡すわけです。そしてその委嘱状をもらった者は、講習を受けておりますから、部落民をずっと回って指導をする、検診に呼び込んでくるといったように住民組織がずっとできてきた。そういう形でその補導員とかあるいは食餌については栄養改善員、こういった方々が全部やっていきますが、その指導は全部、専門のお医者さんがやっています。そういう形に住民組織ができ、そして住民の協力体制が整えられるようになっておるわけです。 そして一方、保健婦さんとか、役所側のこれに対応するいわゆるマンパワー対策、これが十分ではありませんけれども、逐次整備をいたしまして、足らざる点は住民の熱意とそれによってやっておるわけです。 そしてその効果を見てみますと、これが、「脳血管疾患死亡者状況」というのが四十四年からございますが、四十四年には三十歳から五十九歳までの方が五名亡くなっております。六十から六十九歳までが十二名、七十歳以上十九名亡くなっております。ところが、そういったことが行われて、五十四年にはどうかといいますと、三十から五十九歳まではゼロ、六十歳から六十九歳までが三名、七十歳以上が三名、これだけ効果が上がってきておるということです。 それから成人病の検診状況を見ましても、これも数字を読みますと時間がかかりますけれども、検診は非常に多いのです。多いのですけれども、受診率は横ばいないしは落ちてきております。 そして医療費がどのような状況か見てまいりますと、医療費が、これは高知県全体と対比をしての国民健康保険の医療費の差額でございますが、四十四年から始めまして四十九年では、県と比べまして大体四万円の差がありました。ダウンしておった。それで五十四年にはどのくらいダウンしておるかといいますと、これはいろいろ伸びはありますけれども、一人当たりの金額が十一万六千円、これだけ落ちてきておるのですね。そしてパーセントでいいましても非常なダウンになっておるわけです。保健事業が徹底してまいりますと、ヘルスが徹底しますと、このように効果が出てくる。 だが、こういう形で、そうすると患者さんに無理がいっておるかということで見てみますと、これも非常に効果が上がっておるわけです。四十四年に始めた当時、三十九歳の方が脳卒中で倒れておった。そしてその当時幾ら倒れておったかを見ますと、三十七歳から三十九歳、五十一歳というようにずっと高年へ上がり倒れて寝たきりという患者さんが二十二名おったわけです。ところが、この五十一年の状況を見ますと、二十二名が十一名になっておる。そして、四十四年から以降若者のこういった倒れる人が一名も出ておりません。そして、ほとんどの方は七十歳台、六十九歳、こういう方々が脳卒中で倒れておるわけです。その倒れた人も四十四年から以降何名かといいますと、わずか七名しか倒れていない。このように非常に効果が上がっております。 だから、私は、ここの町長さんがおっしゃっておりましたが、問題は医療費を削るとか何とかじゃないのだペルスに住民が本当に取り組んだときにはこういう効果が出てくるのです。ここの町がこの前保健文化賞を受賞をしたわけですが、この沢内村といい、それからここといい、医療費がこれだけぐっと落ちてきて患者数が落ちてくる。それへお医者さんがみずからタッチしてやっておるのです。だからお医者さんはいわば自分の仕事がだんだん減ってくる、こういう状態にもかかわらず、協力をしてやっていただいておるということ、ここまで全国のレベルを上げるということは至難のわざだと思いますけれども、私はこういう意気込みで取り組んでほしい、大臣の決意は。 そして、このマンパワーの、いろいろここでさっきもあっておりますが、いわゆる保健婦さん、これの増員の問題。先ほどはOT、PTはたった九名という答弁が出ておりました。恥ずかしい限りだと思うのですね。だから、決意は決意で結構ですけれども、やはりそれに対応するだけのものが、いま行革のあらしが吹いている中、ゼロシーリングという中で、一体組織としてはどこが行うのか、お聞かせをいただきたいことと、それから、マンパワーとしてもらった資料、果たしてこれを完全に確保できるかどうか、ここらあたりをひとつお聞かせいただきたい。
○大谷政府委員 ヘルス事業につきましては、もちろん国が一番責任があるわけでございまして、私どもといたしましては、マンパワーあるいは一般整備といたしましての市町村保健センターあるいは保健所等の施設等の整備につきまして、十分な配慮をいたしたいというふうに考えておりますが、やはりヘルス事業というものは国だけではぐあいが悪いわけでありまして、都道府県、市町村、さらには地域社会一体となってこれを推進していくということにいたしたいというふうに考えております。 特にマンパワーにつきましては、大変マンパワー事情が厳しい中でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたけれども、保健婦さんその他PT、OTあるいは精神衛生相談員等につきまして、大蔵省の方に増員をお願いしているということでございます。
○村山国務大臣 平石委員から非常に詳細にわたりまして御報告ありがとうございました。 このヘルス問題が一番大きな問題でございます。制度の整備、マンパワー、設備、これはいずれも大事でございますが、何よりもやはりやる人が本当にやる気を起こさなければだめだ、これはよくわかっているのでございます。 ですから、厚生省はもとより保健所あるいは市町村、お医者さん、また相手の住民の方も本当に一緒になってやるという機会がなければ所期の目的は達せられぬのじゃないか。制度はもとよりつくりますけれども、ただいま委員がおっしゃいましたように、みんなが協力してやる気を出す、これに全力を挙げてまいりたいと思っております。
○平石委員 いま局長からお答えをもらいましたが、大蔵の方へ要求いたします、こういうことですが、これは要求して確実にもらわないとこの制度が死んでしまうということ、これは先ほども申し上げたとおりです。 そこで私はお聞きしておきたいのですが、最後ですけれども、このように町長が非常に努力をする、そして患者がぐっと減ってくるし医療費もぐっと落ちてくる、この努力をこの制度の上で評価してやらないといけない。だから市町村が負担を、医療費の拠出をする、いわゆる国保事業が拠出金を出すわけですが、その拠出金を出す際に全国的な一つの計算で平均値でやられますと、努力して少なくしても一つも効果がない、やってもばかを見る、こうなります。だからその町村の町長さんが一生懸命やってこのように成果が上がった場合は拠出金はだんだん落ちてくる、こういうことが制度の上にあらわれないと無益じゃないかと私は思うのです。 この点はどのように取り扱うか、お答えをいただきたい。
○吉原政府委員 おっしゃるとおりでございまして、市町村なり保険者のそういった企業努力、健康増進への努力、そういったものがこの制度の中で評価されなければならない、具体的には医療費の負担、拠出金の中にそれが反映されるような仕組みでなければならない、こう思っておるわけでございまして、先ほども申し上げたわけでございますけれども、そういったことから市町村ごとの老人医療費の額が少なくなればなるほど拠出金も少なくなっていくというような仕組みを取り入れておりますし、それから加入者案分と言われる基準、物差しも全国平均の老人医療費の単価でいくのではなしに、その市町村ごとの老人医療費の単価で計算をする、したがって、その市町村の一人当たりの老人医療費が、先ほどおっしゃいましたように野市町のように非常に低い町村におきましては、その低い単価で計算をして拠出をしていただく、そういったことで考えておるわけでございます。
○平石委員 最後に、大臣の決意は先ほどもお伺いをしたわけですが、特に元大蔵を担当しておられた大臣ですから、このマンパワー対策については大臣自身がとってほしい、局長任せということでなしにやっていただきたいと思うのですが、その決意を改めてお聞きして、終わりたいと思います。
○村山国務大臣 仰せのとおり全力を挙げまして必要な資金は確保いたします。
○平石委員 以上で終わります。
○戸沢委員長代理 次に、塩田晋君。
○塩田委員 老人保健法案につきまして厚生大臣並びに厚生省の責任者の方にお伺いいたします。 この法案につきまして本会議で総理並びに厚生大臣に私は質問をいたしました。そこで御答弁をいただいた中で十分に明らかでないところ、また細部にわたる疑問点につきましてお聞きしたいと思います。 わが党の態度は、すでに本会議で申し上げましたように、非常なスピードで高齢化社会への突入が予想されておりますわが国の福祉の中で、老人保健がきわめて重要な意味を持つものであり、現在各方面で老人医療の問題を主として種々の問題が起こっておるということは一般に言われておるところでございまして、これに対処するために従来の医療制度、いろいろと過去のいきさつあるいは現在の問題点があるにかかわらず、小異を捨てて大同につくという観点から負担の公平化を図る、そしてまた、医療の充実はもとより、老人になる前からの健康の保持についてあるいは疾病の予防について、積極的な対策をやっていこう、そして一貫して老人の保健事業を行い、医療対策を行っていくという点につきまして、この法案の目的、趣旨は理解できる、評価できるものだという考えでございます。その上に立ちまして、なおいろいろ問題がございますので、誠意ある御答弁をお願いしたいと思います。 まず、この法律を施行するに当たりまして、どのような体制でこれを全国的に市町村のすみずみまで実効ある施策を行っていかれるか。まず本省の機構はどういうことを考えておられるか。何局が主管するか。各局にまたがっておると思いますが、それはどのような新たな機構を考えておられるのか。従来のばらばらの各局の状況でやっていかれるのか。まずそれからお伺いしたいと思います。
○吉原政府委員 本省の体制でございますけれども、老人保健法の施行は公衆衛生局に老人保健部を設けまして、その中に三課、計画課、医療課、保健課、仮称でございますけれどもそういった三課を設けまして、一部三課、その老人保健部でこの法律の施行を所管してやっていくということを考えております。 現在の体制は、御案内のとおり医療保険について保険局、それから老人福祉法の老人保健部分の施行について社会局、別々の局で所管をしておりますけれども、医療についても公衆衛生で一体的にやっていく。同時に、従来、成人病対策というものを公衆衛生局でやってきたわけでございますが、法律ではなしに予算措置でやってきたわけでございますけれども、この法律に基づく事業というものを医療、ヘルスあわせて一体的に国の段階では公衆衛生局の老人保健部で所管をして進めていくということを考えております。
○塩田委員 新たに公衆衛生局の中に老人保健部を設置する、新設になろうかと思います。それから、三課を置かれるということでございますが、行政改革の進行の中で全くこれは新設でございますか、それともどこかの局なり部、あるいは課を廃止して置くものでございますか。
○吉原政府委員 まず老人保健部長でございますけれども、これは現在の官房審議官を振りかえて老人保健部長をつくるということで、行政管理庁に要求をいたしております。それから三つの課でございますけれども、老人保健課と老人医療課につきましては、現在の公衆衛生局の結核成人病課とそれから社会局の老人保健課を振りかえるということを考えております。老人計画課につきましては、これは新設でございます。ですから、純粋の新設はこの老人計画課、一課、他は振りかえということで要求をいたしております。
○塩田委員 そうしますと、審議官が部長になり、三課のうち二課は振りかえて既存のものを廃止する、計画課一課は新設ということでございます。行政機構改革の趣旨からいって純増になるのではないかと思いますが、これは国全体の各省並べての中での問題でございまして、必要なものはふやさなければならない、不要になったものあるいは縮小できるものは思い切って縮小していくという観点の中で、この問題は十分に考えていただきたいと思います。 ところでもう一つお聞きしておきたいと思いますのは、老人保健対策、医療を含めての保健対策を一貫してやっていくということでございますが、いま公衆衛生局の中にそのような老人保健部ができますと、医療の分野は保険局あるいは医務関係の局からかなり移すのかどうか。あるいは従来どおり、診療報酬を含めて老人の分野も従来の主管局で行うものかどうか。そうなりますと、せっかく一貫性と言いながらまたその面でやはりばらばらになって残るのではないか。あるいはまた一貫性を強調してやりますと、その部分だけ切り離してくる、切り取ってくるということになりますと、その分野で、すなわち医療の面でいいますと二局にまたがるということにもなりかねない。これは後でも申し上げますけれども、老人保健審議会を置かれるということにおいてもその問題が起こってくるわけでございますが、その点について、いかがでしょうか。
○吉原政府委員 この老人保健法の施行、老人保健対策というものが、医療対策、それからヘルスの面での保健対策、また福祉対策等とも関連がございますので、どういう機構なり組織でやっていくのが一番いいか、いろいろ検討をしたわけでございます。やはり総合的にどこかでまとめてやっていく必要があるということで、先ほど申し上げましたように公衆衛生局の老人保健部で一元的に所管をしていくことにしたわけでございます。したがいまして、いまおっしゃいましたように医療の面だけから見ますと、現在の医療保険でやっている老人医療の分も、新しくこの老人保健法によって公衆衛生局の老人保健部の所管ということになるわけでございます。
○塩田委員 それでは次に、本省の機構あるいはその事務配分についてはお伺いいたしましたが、地方の都道府県あるいは各市町村、保健所を含めまして、どういう体制で当たろうとしておられるか、御説明願います。
○吉原政府委員 地方の体制でございますけれども、老人保健法が施行、実施に移される場合の都道府県なり市町村の体制、これは最終的には都道府県なり市町村で最もよいといいますか、効率的、効果的な実施ができる体制をお考えいただく必要があると思っておりますし、そういうふうにお願いをしたいと思っているわけでございます。 現在の老人医療というのは主として民生部で対応している、所管をしているわけでございますが、国の段階で公衆衛生局老人保健部で所管をするということになりますと、国の体制との関係も考えながら都道府県の体制が決まってくるのではないか。したがいまして、やはり全体的には民生部というよりむしろ衛生部の所管になってくるのではないかというふうに思います。 それから市町村の段階、これは市町村の規模によっていろいろ違いが出てくると思います。大きな市、それから小さな町村では違うと思いますけれども、それはそれぞれの市町村でできるだけ効率的な体制、一元的な体制をお考えいただくようにしたいというふうに思っております。
○塩田委員 出先第一線は、特に保健事業につきましては保健所が中心になろうかと思います。その体制は、よく言われております地方事務官制度をどうするかという問題、これとの関係は特にございませんか。第一線、出先のこの事業を行う際の問題として関連するものではございませんか。全然関係ございませんか。
○吉原政府委員 この法律の施行と地方事務官制とは関係ございません。 それから、先ほどの御質問に対して御答弁を落としましたけれども、保健所の体制につきましては、保健所というものが市町村の保健事業をやるについての協力、援助という大事な役割りを担うことになるわけでございますし、同時に、市町村によりましては、マンパワーとか施設の関係ですぐには法律で予定をしておりますヘルスの事業全部ができないといったような町村もございます。そういった町村については、保健所が単なる援助とか協力とかいうことではなしに、むしろ保健所がかわってやるというようなことも考えておるわけでございます。そのために、八百余りあります全国の保健所についての体制を整備していく。それから同時に、広域市町村ごとに一カ所の保健所をこの保健事業をやるための技術センターとしての整備を図っていく、特に大都市周辺の保健所につきましては、健診等がみずからやれるような健診機器等の整備を進めていくということを考えておるわけでございます。
○塩田委員 いま地方事務官制の問題とこれと関係ないというお話でございましたが、保険課は地方事務官ですね。それから国民年金課並びにその出先機関、これも国家公務員、地方事務官ですね。それと、保健所は県の出先、地方公務員という関係ですね。やはり仕事の面でいま言われました民生部から衛生部に移るだろう、都道府県の段階において。こういう問題になりますと、やはり問題は起こらないでしょうかね。一体的に行うのが効率的な行政ということになるとすれば、いままで民生部にあって保険課があったところで一体的にやっておったのが、今度は衛生部の方へ移るとか……。それから公衆衛生と社会保険の関係とは余り密接な関係はいままでないのですか、ちょっとその点。
○大谷政府委員 民生部が従来から老人医療の問題を所管してやっておられますが、実際にヘルスの事業につきましては従来からも市町村の保健婦さん、それから県の保健所というものがやっておりまして、その指導を民生部の方から横からやっておられるということになっておりまして、実態といたしましては、衛生サイドで従来からもヘルス事業については行われてきているところでございまして、その点については混乱はない、むしろ今度の場合に非常にすっきりするのではないかというふうに考えているわけでございます。
○塩田委員 すっきりやれればいいのでございますが、本省の段階においても県の段階においても、そういう組織の面の異動があると、従来と違ったものがあると、それは末端の方にも影響が出てくる。また出なければおかしいと思うのですね。その点ひとつすっきりやっていただくということを特に念を入れてやっていただきたい。 地方事務官制度の問題は特にないということですけれども、同じ厚生行政が出先でばらばらということがあるわけですから、行政機構の抜本的な見直し、改革断行の中でこの問題は今後議論されなければならない問題として、この辺でおいておきたいと思います。 これに関連いたしまして、保健事業は結構ではございますけれども、現在の職域単位に行われている社会保険加入者ですら、四十歳以上の健診ということになりますと参加者が非常に少ないというのが現状でございます。で、分散して地域住民にあまねく対策が行われるというためには、従来のようなものでは十分いかないんじゃないか。特に、市町村へ広がっていきますから、地域サービスという点におきまして、これはどのように全般にその対策が及ぶということを考えておられるか。従来と違ってこうするという点を言っていただきたいと思います。
○大谷政府委員 老人保健法に伴いますヘルス事業につきましては、市町村が中心になりまして、それに対しまして県の保健所、県の衛生部というものが協力するという形になるわけでございますけれども、事業所等が行っております健康管理の事業につきましては、これは従来同様事業所が、健保組合がやっていただくということでございまして、もしそれでカバーできないものにつきましては市町村の方でこれを実施するということで、両方でカバーをしていくということにいたすわけでございますが、朝ほど来も御説明申し上げておりますように、何分保健事業につきましては一挙にこれをやるということは大変むずかしいことでございまして、マンパワーを逐次充実する、また施設、設備というものも逐次充実していくという考え方で、私どもは六十一年度、五年後を最終年度ということでこれを普及していく、整備を進めていく、こういう考え方で進んでいるわけでございます。
○塩田委員 マンパワーの確保、そして保健所の機能の強化、これはぜひとも予算的裏づけを持ち、人員の裏づけを持ってやっていただかないと、従来のようなやり方そのままでは今度の新しい老人保健事業というものはできないと思いますので、その点、ひとつ十分に対応策を練っていただきたい。特に、私最初に申し上げました職域単位の社会保険加入者ですら健診を受ける参加者が少ないということは、これをどうすればいいか、どこに問題があるかということをよく究明されて、その対応策をひとつ十分に考えていただきたいと思います。 次に移りますが、審議会の構成はどのようなことを考えておられるか、お伺いいたします。
○吉原政府委員 審議会の構成でございますけれども、法律にも規定しておりますけれども、まず保健事業を実施する者、都道府県、市町村関係者でございます。それから保健事業に従事する方々、医師とか歯科医師の方々でございます。それから三番目に、保健事業の費用を拠出する方々、事業主とか被保険者、保険者等でございます。こういった方々の代表者、それからいわゆる老人保健についての学識経験者の方々で、二十名以内でお願いをしたいと思っています。
○塩田委員 学識経験者を含めて二十名以内ということで、これは二十名と考えてよろしゅうございますか。 それから、いわゆる他の審議会では労使のそれぞれの代表というものが選ばれておることが多いのですけれども、この審議会の場合はいかがですか。
○吉原政府委員 委員の数でございますけれども、二十名以内ということになっておりますが、二十名ということでお願いをしたいと思っております。 それから、社会保険審議会等は労使の代表の方々と公益代表という形の構成になっておりますけれども、この老人保健事業そのものが労使ということよりももっと広い国民的な参加といいますか、御協力をいただかなければやっていけない、運営していけない事業でございまして、そういった意味におきまして、国民の各界各層の方々から適切な方に委員をお願いいたしまして、重要事項についての御審議をいただきたいというふうに思っておるわけでございます。
○塩田委員 公益代表という形で労使がそれぞれ代表として出ているという例が多いわけでございますが、これは時がたつに従ってそういう傾向が各審議会とも強化されてきているわけですね。これはヨーロッパ等の各国の状況を見ていただきましたらおわかりのように、国民の代表とかあるいは公益代表という場合は労使の代表を入れるというのが通例化してきているわけですね。これは何も労、使、公益という三者構成ということをこの審議会で言っているわけじゃないのです。いま国民の、勤労者というものの比率が六割から七割、働く者ということを入れれば非常に大きな、ほとんどを占めるということになりますから、そこで労使というものがある、それぞれよって立つところが違う。それで、その意見をそこでもって代表せしめるということがむしろ安定化に寄与するという面がありますので、この委員の選任に当たりましてはそういった観点も十分にひとつ御考慮をいただきたい。大臣、これをひとつお願いいたします。
○吉原政府委員 事務的に、先ほどの御答弁が不足しておりましたので、補足をさせていただきますが、保健事業の費用を拠出する者、これは実際には事業主、被保険者、保険者等でございまして、いわゆる労使の方々はこういった保健事業の費用を拠出する方という形で御参加いただくということにしたいというふうに思っておるわけでございます。
○塩田委員 次に、一部負担の外来、毎月五百円、それから入院一日三百円、四カ月限度。この額の算定根拠をひとつ御説明願います。
○吉原政府委員 一部負担の額の根拠でございますけれども、まず第一に、一部負担の趣旨なりねらいというものが老人の方々にみずからの健康に対する自覚を持っていただく、自己努力をお願いしたいということと、現在の制度のままですと行き過ぎた受診の例があるというような指摘、弊害もあると言われておりますので、そういったことについて御注意をいただき、適切な受診をお願いする、こういう趣旨でございますので、老人の方々が、皆さんが収入とか所得ということに関係なしに、だれでもが御負担を願えるような無理のない額でなければならないということが第一でございます。 それから二番目に、こういった一部負担を入れることによって本当に必要な受診というものが抑制されないような額。額が大変高いものになりますと、そういった必要な受診まで抑制される、医療機関に行かなくなるというようなことがあるわけでございます。そういったことのないような額でなければならないということ、それが二番目でございます。 それから、一部負担は、当然実際にかかった費用のごく一部を持っていただくわけでございますけれども、実際に外来の場合にどのくらいかかっているかといいますと、先ほども申し上げましたけれども、外来の場合は一日約三千円ないし三千五百円程度の医療費がかかっている。月にいたしますと、老人の方の場合に一件当たり四回程度の外来日数ということになっておりますので、月単位にいたしますと一万三千円ないし一万五千円ぐらいになるということ。それから、入院の場合には約一万円医療費が実際にかかっている。月にいたしますと三十万円程度医療費がかかっているというようなことで、そのごく一部を負担をしていただくということ。それから、現在健康保険の本人等の場合に一部負担がございますけれども、御案内のとおり初診料八百円、それから入院の場合一日五百円ということになっておりますので、そういった額も考えて、それより低い額ということで五百円、三百円という額を決めたわけでございます。
○塩田委員 私は、この五百円という金額、三百円という金額がどのような算定根拠で出たかということをお伺いしておるのでありまして、一般のものよりも低いということ、これはもうわかっていますね。負担にならないように低いわけですね。しかし、なぜ八百円に当たるものが——完全に当たらないがほとんど同じ考え方ですね、八百円のものが五百円になるのか、入院の場合五百円が三百円になるのか、そこを聞きたいわけです。低いことはわかっています。
○吉原政府委員 入院の場合を先に申し上げますと、入院の場合一日約一万円かかっている。それから診療報酬の中で、入院の費用の中に室料でありますとか看護料でありますとかあるいは食費相当分でありますとか、いろいろな経費が含まれているわけでございますけれども、食費相当分だけを見てみますと、現在の診療報酬では約千三百円程度になっているというようなこと。したがいまして、そのうちの三百円程度の一部負担はお願いできるのではないかということでございます。 それから、五百円でございますけれども、当初私どもが考えておりましたのは、初診料三百円、再診の場合百円ということで受診の都度負担をしていただくということを考えていたわけでございますが、受診の都度払っていただくというのは仮に百円にしても一体どうだろうか、かなり負担が重くなる場合があるのではないかというような御意見がございまして、関係の審議会でもいろいろそういった御意見もございましたので、そういったものを踏まえまして、初診とか再診ということではなしに月単位で、しかも老人の方の平均の受診回数、受診日数というものが外来の場合に大体四回程度であるというようなことも踏まえまして月単位で五百円、外来の場合にはそうさしていただいたわけでございます。
○塩田委員 まだまだその金額がなぜ三百円あるいは五百円というふうになったかという説明にはなっていないと思うのです。食費が一日千三百円ぐらいとかあるいは入院の場合に一日ほぼ一万円かかるとか、これはわかるんですけれども、それだからこの程度の額というのが何か気分的なところから出てきたような感じで、これはこんなにかかりますからこの程度ならいいでしょうというような、もう数字が出ているんですから、何か算定の根拠はないんですか。なぜ三百円にしたか、なぜ五百円にしたか。この額よりも低いからこの程度でいいだろうというだけの説明では、これは国民一人一人にかかってくるわけですから、その額が一体何のどういう根拠でこれだけ払わなければならぬのかということの説明にはならぬですね、いまのは。どうですか。
○吉原政府委員 なかなかお答えにならなくて申しわけございませんけれども、私どもが考えましたのは、一部負担の趣旨から言いまして、幾ら以上でなければならないという金額的な理由というものはなかなかむずかしいのではないか。やはり老人の方に健康に対する自覚を持っていただく、それから受診について乱診等がないように気をつけていただく、そういう趣旨でお願いをするとなれば、やはり老人の方皆さんが払っていただけるような額でないといけない。それから先ほどもお話ございましたけれども、老人の方の収入が、現在の時点ですと、高齢者二人世帯の場合ですと十四万ないし十五万というのが平均の収入ということになっております。そういったことも踏まえまして、低所得の老人の方にも払っていただく。 それから、一部負担については、いわゆる所得による差といいますか、低所得者については負担を免除するというような考え方をとっておりません。そういったことも踏まえまして、最低限、一部負担として、いままでいろいろ申し上げましたようなことを総合的に考えて、五百円、三百円という金額にさせていただいたわけでございます。
○塩田委員 一部負担を導入するという趣旨がいま言われたことであるとすれば、これは認めることもやぶさかでないのです。ですけれども、これはその金額が、いまの御説明ですと、これよりも低いものはいい、ゼロよりはちょっともらっておいた方がいい、そこから出てきたのが何となく五百円であり三百円だという感じなんですね。国民の皆さんは払うのですから、なぜ五百円か三百円かその意味がわからぬままに払うというのは納得がいかぬのじゃないですかね。それじゃ五百円をたとえば二百円とか二百五十円にするというのだったっていいはずですね。いやそれは困ります、やはり五百円でないといかぬというのなら、なぜ五百円でなければならぬのかということを説明できなければいかぬじゃないですか。そうでなかったら、二百円か二百五十円にすることについてどう考えられるかですね。 それから、いまの入院一日三百円にしましても、これを半額ぐらいの百五十円ということについてはどうか。そうしたら絶対困る、三百円でないといかぬという説明がないとこれは了承できないんじゃないですか、どうですか。
○吉原政府委員 この一部負担についての考え方、額等につきまして、社会保険審議会でありますとか社会保障制度審議会でありますとか関係の審議会でもいろいろ御議論をいただいたわけでございます。いろいろな考え方があるだろう。しかし、やはり老人の方々の立場、収入、負担能力等を考えて、それほど大きな額であってはいけないし、また余り意味のない額であってもいけないだろうというような御意見でございました。それから同時に、老人の方々の関係団体の御意見も、健保よりできるだけ低い額で、それでみんなが負担できるような額にしてもらいたい、それならばやむを得ないという御意見もあったわけでございます。 それから同時に、全体として医療費のどのくらいの負担割合になるかということも、私どもこの五百円、三百円を決めるときに考えたわけでございまして、現在の五百円、三百円は総医療費に対しては二・四%ぐらいの割合になるわけでございます。基本的には老人の方々がお金の心配なしに医療にかかれるというようなことは今後とも続けていく必要がある。したがって、その割合、負担というものがそれほど総医療費に対して大きな割合になってはいけない。たとえばそれが五%とか一割を超えるようなことであってはいけないというようなことも総合的に考えまして、五百円、三百円、総医療費に対する割合としては二%余りということが適当なのではなかろうか。 いろいろな関係者の御意見というものを総合的に勘案して考えた上でこの五百円、三百円に決めさせていただいた、大変いろいろな立場でいろいろな御意見があったわけで、むずかしい問題だと思いますけれども、そういった経緯から五百円、三百円にさせていただいたということでございます。
○塩田委員 審議会で関係方面のいろいろな方の意見を聞いてこれぐらいならやむを得ないだろうというお話だということで、これは経緯としては聞きますけれども、審議会の人たちがそれでいいからといって、われわれはいまのお話、説明だけでは納得できる数字ではありません。はっきり言いまして五百円、三百円の根拠は全然説明されてない。恐らくないだろうと思うのですね。いままでの説明で出てこないというところを見ると、ない。恐らく大蔵省とのいろいろな折衝の中でも切った張ったという場面もあったかもわかりませんが、いずれにしても五百円、三百円の基礎は明らかでない。明らかでないものを払わなければならぬということについては、国会での審議の場において、これは審議会の意見はどうあろうと私は金額について納得できない。ということは、この金額は動き得るということを考えるわけでございます。この点についてはなお今後、各党とも意見を詰めて審議を進めていきたいと思います。 それから、四カ月限度ということが出ていますが、この根拠は何でございますか。
○吉原政府委員 四カ月といいますのは老人の方々の平均の入院期間でございます。調査によって若干日にちに違いがございますけれども、患者調査では七十歳以上の平均入院期間は百五日という数字になっておりますし、国民健康保険の医療給付実態調査というのがございますけれども、それによりますと、七十歳以上の国保の加入者の一疾病当たりの入院期間は百二十九日というような数字になっております。したがいまして、ざっと大体四カ月程度、三カ月半から四カ月が老人の方々の平均入院期間であるというようなことから、平均入院期間までは一日三百円の負担をお願いしたい、それ以上長期になりますと大変負担も重くなりますので一部負担は取らないということにしたわけでございます。
○塩田委員 一般の場合は一部負担は入院一日につき五百円、一カ月以内ですね。それから最高限度額も三万九千円、低所得者については一万五千円というのが現在の制度ですね。これと同じような考え方で、たとえば四カ月というのを一カ月にするということは、その方が一般と合うのじゃないですか。それから、高額療養の関係で、低所得者の一万五千円というのがありますね、これと同じような考え方を入れて、低所得者については一部負担を免除するというようなことは考えられませんか。
○吉原政府委員 入院期間を健保本人並みにできないかということでございますけれども、入院の期間が、実は健保本人と老人の方では大変大きな隔たり、違いがあるわけでございまして、先ほど老人の方の平均入院期間を申し上げましたけれども、健保本人の場合は大体五十五日程度でございます。患者調査にいたしましてもあるいは国民健康保険の調査にいたしましても、大体五十五、六日というのが平均の入院期間になっておりますし、政管健保の七十歳未満の家族の方の入院期間はさらにそれより短くて一月余り、三十四日というような数字も出ているわけでございます。したがいまして、実際の平均的な入院期間というものも考えながら一部負担をお願いした方がよいのではないかということで、健保本人と期間を違えたわけでございます。 それから、低所得者についての免除ができないかということでございますけれども、これはもう先ほどから繰り返し申し上げておりますように、一部負担の趣旨なり考え方からいいまして、所得の低い方にもお願いすべきである、お願いした方がいいということで、先ほどの五百円、三百円という金額も老人の方皆さんにお願いをしていただく。生活保護の適用を受けておられる方はこの制度の生活保護でそういった負担はないわけでございますので、生活保護を受けていない皆さんに負担が無理なく、負担可能な金額として、実は五百円、三百円というものを考えたわけでございます。 現在、老人の方々の収入といいますのは、主たる収入は当然のことながら年金収入でございます。年金の収入も昭和四十年代まではかなり低い水準であったわけでございますけれども、現在は厚生年金の水準は実際上もう月十万円以上の水準になっております。モデル年金で見てみますと、もう十四万から十五万という水準になってきております。ただ、七十歳以上の方については老齢福祉年金の受給者が多いわけでございますけれども、その方の金額は御案内のとおり月二万四千円でございます。これからだんだん老齢福祉年金ではなしに、十万円あるいは十四万円という厚生年金の受給者が毎年毎年相当の率で伸びていくというようなこともございます。そういったことも考えまして、五百円、三百円ということであれば老人の方々に、あえて所得が低い方についての免除ということを考えなくても、御負担がお願いできるのではないかということでこうしたわけでございます。
○塩田委員 この一部負担は、いろいろな趣旨は言われましたから繰り返しませんが、これは医療費を軽減するという目的ではございませんね。といいますのは、一部負担で徴収されたものは病院に入るわけですね。保険会計には入ってきませんね。よろしいですか。
○吉原政府委員 一部負担は医療機関ごとに支払っていただくわけでございます。 それで、老人医療費の負担というのは、先ほど言いましたように公費と保険者で負担するわけですが、その一部負担を除いた金額を公費とその保険者からの拠出金で賄う、こういうことになるわけでございます。支払っていただくのは受診の際に医療機関に払っていただく、こういうことになるわけでございます。
○塩田委員 医療機関に支払いますが、その支払われたものは医療機関の会計に入って保険会計には入ってきませんね、よろしいですね。
○吉原政府委員 それは保険会計には入りません。
○塩田委員 そういった性質のものでございますから、この金額については先ほどの額の根拠とあわせましてなお相当検討する必要がある。趣旨は、これはもう相当関係者の反対があることは本会議で申し上げましたけれども、この額について、また入っていくその先の趣旨からいうと、いろいろ検討の余地があるということを私は確認をしておきたいと思います。 それからなお、これぐらいの負担は低所得者層といえどもそう重いものではないというお話でございますし、いま厚生年金等は月十万あるいは十五万と言われましたけれども、老齢福祉年金だけの人は月二万四千円。これはかかるとしますと一日三百円、三十日で九千円、二万四千円に対して一万円近い九千円というのは大変な負担ですね、比率からいいましても。これはこれから個人が負担しないといけないわけですから、いままでかからないものを払うわけですから大変な負担になると思います。 いま言われましたように生活保護を受けている人はフリーパスだ、これはもうそのとおりですね。しかし問題は、生活保護あるいは医療扶助、特に医療扶助のことを言いますけれども、それにかかってない人、ボーダーライン層ですね、この人たちは相当な負担だと思います。この程度ならまあいいだろう、そう簡単に考えられては困る問題だと私は思います。 厚生大臣、いかがでございますか。
○村山国務大臣 いま吉原審議官からるる説明したところでございまして、客観的に見まして、生活保護は別にいたしましても、低所得者の方でも大体いけるのではないかというところを目指したわけでございます。 特に、私も聞いているところでございますが、老人関係の団体からは、低所得者とか高所得者とかいわないで、負担については差別意識がないような額にぜひしてほしい、こういう御要望もあったと聞いているわけでございます。そういった中で、いまの月五百円、あるいは四カ月を限度にして、これは平均の日数だということで月三百円、こういうことになったと思うのです。 入院の方について申しますと、従来は無料であったんだから、三百円というのはどうか、こういう御指摘だろうと思います。しかし物は考えようでございまして、病院に入っていなければやはり食費はかなりかかる。その一部で、御無理であろうかどうか。従来かかっていなかったという問題と、それから今度何ほどか負担していただくときに、健康であってもやはり食費はかかるわけです。ですから、そこは千三百円という食費、そのうちの三百円をお願いするのが無理かどうか、その辺を総合的に判断して常識的に決めたものとして提案したものと理解をしているわけでございます。
○塩田委員 いま厚生大臣が言われました、食費は入院してもしていなくてもかかるんだからという議論、これは前からあるのですけれども、しかし先ほど審議官からお話を聞きましたように、食費が一日千三百円、そのうち三百円ぐらいは安いじゃないかというお話に聞こえたのですが、この千三百円というのは保険財政で見てあるのですね。先ほどお尋ねしてはっきりしたことは、保険を軽減するには役立たないのですね、今度負担する分は。ですからいまのお話はちょっとおかしいのです。それはちょっと時間がありませんからこの辺にしておきます。 最後にまとめて二点ほどお伺いしますので、お答えをいただきたいと思います。 第一点は、本会議で申し上げました都道府県のいわゆる上乗せ給付の禁止です。 これは法律でもって禁止はできないから行政指導にする。行政指導ということになると、厳しくやるとしても、聞かない場合にどういう措置をするか。懲罰的などういう措置をするか、あるいはしないか、その辺をひとつ明らかにしていただきたい、それが第一点。 それから第二点は、財政調整の件です。 法案の第五十九条の関係ですが、「二分の一以下の範囲内で政令で定める割合」とあります。これを政令で定めるということになりますと、二分の一以下幾らでもなる、極端な場合を言いますとゼロになるということも考えられますね。そうすると、片方はうらはらの関係で負担が非常に大きくなるということが考えられますね。負担が大きくなるというのは、老人を抱えている数の少ない保険者については大きくなるということがあります。そういう不安をなくするために、政府の方針が二分の一であるならば二分の一とはっきり法律上明文化された方がいいんじゃないか、このことをこれは主張を含めて御質問します。 それから第三点、これはちょっとついでなんですけれども、本会議で私は歯の疾病の予防は四十じゃ遅い、二十歳が勝負どころだ、ここからやらないとだめなんだということを申し上げたんですが、大臣はどういう聞き違いをされたか三十歳というふうに答弁されましたけれども、これは二十歳前後で単に検査だけでなしに、検査だけではだめです。これはもう虫歯を何本か数えるだけで、こんなことじゃだめです。やはりここで保健事業と言っておられる幅広いいろいろな組み合わせの保健対策というものをやらなければだめだということで申し上げたんです。 この点改めてちょっとお伺いいたしまして、私の時間が来ましたので終わります。
○村山国務大臣 地方でいま七十歳未満の方に対して単独事業で無料化を進めておる。いろいろなバラエティーがあるようでございまして、所得制限をやっておるとかそれも外しておるとか、あるいはまた年齢を外すにしましても寝たきりだけにするとか、いろいろなバラエティーがありますが、とにかく今度国の出しました基準とは違うのをやっているわけでございます。私たちは、この七十歳というのは、いままでの健康保険の公費負担のあれから言いましても、国の制度としては確立された制度で七十歳というものがございます。また疾病の状況から見ましても、七十歳で切るということにはそれなりの意味がある、こういうふうに考えているわけでございます。 したがいまして、やはり国と地方の行政の整合性、こういったことを考えますと、地方財政法第二条第一項に書いてあるわけでございますけれども、何とかひとつ御理解願って国の施策に歩調を合わせていただけないものか、こういうことでございます。 それにいたしましても、単独事業でございますから、おっしゃるように、いやどうしてもやるんだ、こういうことになりますと、われわれの方ではこれは強制する道はございません。ただわれわれとしては、この趣旨をよく理解していただいて、そしてなるべく歩調を合わせていただきたい、こういうことでございます。 それから第二点の、二分の一以下としているわけでございますけれども、この二分の一を法定したらどうか、こういうお話でございます。 これにはいろいろな議論があるわけでございますが、先ほどるる述べましたように、やはり経営努力というものがあらわれなければおかしいだろう。それからまた、確かに負担の調整とは言いながら、ふえる方の側から考えますれば激変緩和というものを考えなくちゃいかぬ。そういった意味で私たちは、もしこれを通していただくならば、これは保健審議会でも論議になると思いますけれども、二分の一で行きたいと思っているのでございます。 ただ、それを法定したらどうかということになりますと、これは実施してみないと実際のことを言うとどういう影響が出るかわかりません。そしていろいろな議論が出てくる可能性を持っている問題でございます。そしてまた、経済それから財政、これは非常な変動要素を含んでいるわけでございますので、そういった意味でそのときどきの情勢に合わすためにはやはり法定するのはいかがなものであろうか。われわれは将来の変動も考えているわけでございます。何分にも、やはり経済状況に応じて財政の状況も変わってまいります。しかしはっきり申しておきますが、われわれはやはりさっき言ったような趣旨から、二分の一ということで実施してまいりたいと思っております。 それから歯のお話でございます。 今度の、病気というのは、健康な老人づくり、これを考えておるわけでございます。歯ももとよりそれは健康に大事な問題でございますが、主として成人病、こういった寿命に関係のある問題、いま寝たきり老人等々考えてみますと、やはりそこに中心的な問題があるであろう、こう考えまして、いろんなヘルスは四十歳以上ということにしたわけでございますが、本会議でお答え申し上げましたのは、それだからといって二十歳の方の歯をほっておくという意味ではございません。それは保健所なり保健センターなりどんどん拡充してまいりますので、そこで十分に相談に応じます、こういうことを申し上げたつもりでございます。
○塩田委員 終わります。
○戸沢委員長代理 次に、浦井洋君。
○浦井委員 まず大臣にお尋ねしたいのですが、大臣もよく御承知だと思うのですが、現行の老人医療無料化制度、これはどうやってできたか、私はこう思うのです。 一九七〇年代の初めにいろんな立場の方々が、もうお年寄りやらお年寄りを抱えた家庭の方あるいは住民の方たちが非常に強い要望を出され、それが運動になって、まず東京などの革新自治体から老人医療の無料化運動が起こり、条例が制定をされる。それがまたたく間に全国に広がって、そして現在ただいま全国の八割以上の自治体でこれが実施されるようになった。こういうものが背景にあって、そして国が一九七三年に現行制度を発足させたという経緯があるのは、大臣もよく御承知だと思うわけなんです。これは全国民に非常に歓迎をされた。先ほど申し上げたように、お年寄りやお年寄りを抱えた家族の方々に安心を与えるものだ、すぐれた制度であるということで非常に歓迎をされたわけなんです。 しかし、私どもが前から指摘をしておるように、国の現行制度というのは発足当時からやはり欠陥を持っておったわけです。たとえば医療、特に治療を中心とした医療だけを見る、予防やリハビリを見ない。それから財政的にも他の医療保険と相乗りである。だから、現在のようなそういう制度であるがために国保財政を圧迫するというようなかっこうになってきた。これは初めからわかっていたわけなんです。だから私どもは、やはり予防、治療、リハビリ、これを一貫する健康管理体制をつくり上げよ、それでそれに見合う制度をつくれということを前から言ってきたわけです。それで今日に至ったわけです。 ところが、けさ方来いろいろ議論をされておるように、今度出されてきたこの老人保健法案というのは、いままでずっと無数の人たちが努力をして積み上げてきて、そして地方自治体なり国なりが制度をつくったその努力というものを、全く根底から覆すものだというふうに私は言わざるを得ない。重大な福祉の後退だというふうに私は思うわけであります。 そこで具体的にお尋ねしたいのですが、この法案の第二条で「国民は、自助と連帯の精神に基づき、」それから云々、「老人の医療に要する費用を公平に負担するものとする。」こうなっておるわけです。 これも大臣御承知のように、七月十日に第二臨調の第一次答申が出ました。その中に、今度の行革の基本理念として「活力ある福祉社会の実現」ということと「国際社会に対する貢献の増大」と、この二つを挙げておるわけですね。そして福祉社会のためにというところで「個人の自立・自助の精神に立脚した家庭や近隣、企業や地域社会での連帯を基礎としつつ、」「福祉の充実を図ることが望ましい。」こういうふうに第一次答申に書かれておるわけですね。よく似ておるわけです。 大臣にお尋ねしたいのですが、この老人保健法第二条の「自助と連帯の精神」ということと、臨調答申の「自立・自助の精神」あるいは「連帯を基礎としつつ、」という考え方、これは同じものなんですか。大臣、どうですか。
○村山国務大臣 この第二条で言っておりますのは、老人の医療に要する費用を公平に負担するものとする、そこにその精神として「自助と連帯の精神に基づき、」ということをうたっているわけでございまして、そういう意味では、その連帯というところをよく見ますれば拠出金の拠出の仕方について従来と違う点がございましょうし、また自助という問題につきましては背景においてヘルス全体の問題もございましょうし、あるいは疾病に自覚を持ってもらいたい、こういう願いももちろん込められておるだろうと思います。 ほかの方で、臨調なりで言っております「自立・自助の精神に立脚した」とかなんとかという言葉がありますが、これは何も医療に関したわけではないと思いまして、今後日本の社会というものが非常に固定的な、あるいは活動力をなくさないような社会でなければ発展はないわけでございますので、そういう意味で人間の精神としての活力のある世界、そしてまた制度として活力のある制度を考えていく、こういう一般的な考え方に基づくものであろうと私は解釈しているのでございます。
○浦井委員 臨調答申こ「自立・自助」「連帯を基礎としつつ、」という中に、この老人保健法の「自助と連帯」という考え方は部分的に含まれるというふうに理解していいわけですね。大臣、ちょっと言われたことがわかったようなわからぬようなことだったのですが。
○村山国務大臣 言葉は同じようなことを使っておりますが、はっきり申しましてこちらの方は直接この制度はこういう精神でやっているのだ、たとえば医療の負担については自覚というものを求めております。それが「自助」という言葉であらわされております。それから、費用負担についてはいままでと違っていわば試算Iによりましても従来の負担を上回るところもあるし、そうでないところもある。 それから臨調で言っておりますのは、およそこれからの日本の社会の目指す方向としてうたっておるわけでございますので、もちろんこの医療制度も入っておりましょうし、あるいは社会福祉も入っておりましょうし、さらには経済活動も入っておりましょうし、あるいは気持ちの持ち方も入っておりましょうし、もろもろのものが入っておる「自立・自助の精神」であろう、かように思います。
○浦井委員 要するに簡単に言えば、含まれるということだと私は理解をするわけです。 先ほど大臣言われたのですけれども、その「自助」というのは、やはりこの法案で出てきておるように、一部負担を取るというところに具体的にあらわれておるわけですね。そして一部負担、一部負担と言いますけれども、結局はこれが即有料化なんです。それは自助の精神というところに含まれるわけですね。
○村山国務大臣 それにつながった精神である、こういうことだと思います。
○浦井委員 やはり大臣なかなか言われないですけれども、老人保健法案もそれから第一次の臨調答申も基本理念が同じである、範囲が広いか狭いかという違いであるということが私は確認できると思うわけだ。 私ども共産党としては、これは大臣もよく御承知のように、いまの鈴木内閣のやっておる臨調行革路線、これはもう軍備拡充のために福祉や教育を切り捨てるのだ、そういうようなものであるということで総論でも各論でも反対をしておるわけなんです。だからいまこの委員会で審議をされております老人保健法、国の負担を減らす、そして患者や被保健者やあるいは地方自治体の財政を圧迫するようなそういうところにしわ寄せをするような老人保健法、これはもう絶対だめだというかたい意思表明をしておきたいというふうに思うわけです。そういう立場からひとつ具体的に各論の質問に入りたいと思う。老人保健法案を撤回してもう一遍出直してこいというのが私の意見であります。 そこで引き続いて一部負担の問題でありますけれども、いま原則無料である。それが今度は原則有料になるというのが政府案の大きな骨子でありますけれども、それなら有料にするのだ、一部負担というような言い方をしておりますけれども、有料にしようという理由が私は必ずしも明確でないというふうに思うわけなんです。 大臣、素直に聞いていただきたいのですけれども、この法案のねらいとして、いままで四十八年からですか、足かけ九年になるわけです、国として。足かけ九年になる老人医療の無料化制度というものが本来的にもう悪い制度である、だからこれをやめて有料にしようというのか、そういうお立場なのか。それとも、制度としては有益である、しかし財政上やはりこの際お年寄りに一部負担をしてもらわぬといかぬのだというようなかっこう、考え方をとられておるのか。ひとつその辺を、先ほどからどうも聞いておってもはっきりせぬわけなんで、大臣に明確にお答えを願いたいと思う。
○村山国務大臣 従来の老人無料化制度というのは、御案内のように保険制度にはいろいろなのがございまして、政管でございますと本人は十割給付、もう給付はみんな違っているわけでございます。そしてその中の患者負担三割、これは国民健康保険は本人も三割でございますけれども、その中の三万九千円を限りましてその中で無料だ。それを超える分については保険負担、こういうことになっておるわけでございます。だからそういう点をも全部見直しまして、そして再構築してまいったわけでございます。 したがいまして、その現在の一部負担というものは、確かにいままでは一部負担というものは公費負担について三万九千円の中ではございませんでした。しかし、それはいま申しましたようにいろいろな望ましい面もあるけれども、望ましくない面もあるという指摘がされているわけでございますので、そういう意味で一部やはり自覚を持っていただく、あるいは行き過ぎた受診を少し抑制していただいたらいかがであろうか、こういうことで出したわけでございます。
○浦井委員 大臣の立場として、端的に言って、もう一遍繰り返しますけれども、いままで足かけ九年続いてまいりましたその老人医療の無料化制度、とにもかくにも無料化なんです。それがよかったのか、悪かったのか。過去いままでの業績の評価をひとつ端的に聞きたいわけなんです。
○村山国務大臣 よかった面もあるし、また批判を受けるべき面もあった、こう思っているのでございます。
○浦井委員 よかった面もあるし悪かった面もある。しかしそれをよく考えてみますと、私冒頭に申し上げたように、無料化というのはお年寄りなり老人を抱えた家庭に非常に安心感を与えているという絶大なプラスがあるわけですよね。 たとえば、これは大臣お読みになったかどうかわかりませんが、吉原審議官はお読みになったと思うのですけれども、阪大の公衆衛生の金田という先生が書かれた論文がある。昭和五十年代ぐらいからずっと平均余命の統計をとっておられるわけなんです。そしてそれを戦後ずっと概観をしてみますと、学問上どこから考えても昭和五十年以後七十歳以上の方の平均余命が二歳以上延びておるわけなんです。これは四十八年から国が、自治体はその前から始めておるさまざまな無料化制度というものが影響しておるとしか考えようがないという結論を出されておるわけなんです。 これはある一人の学者の話でありますが、そういうようなデータもあるわけですし、やはり無料にすることが非常によかったということは、これは大臣お認めになるでしょう。
○村山国務大臣 それは先ほども申しましたように、評価している面でございます。
○浦井委員 それからまた一方で、よく病院や待合室が老人のサロンになっておるということを、事実そういう部門もあるのでしょうけれども、誇大に言われておる傾向があるのではなかろうかと私は思うわけなんです。そうであれば、果たしてこの制度が発足をしてから受診率なり受療率なりがそう異常に高くなったのかどうかという問題をもう一遍点検してみなければいかぬと思う。 これはある業界誌でありますけれども、保健婦さんの集まりに老人保健課長が出席をして講演をされて、こういうふうに言われておる。これは要旨でありますから必ずしもそのままではないかもわかりませんが、「老人が過剰に受診しているのではないかという意見もあるが、私は全体からみてそうは思わない。」そして数字が並んで、「四十八年まで抑制されていた潜在的な医療需要が顕在化されたわけであるが、しかしそのあとはほぼ安定したとみることができる。一部には過剰受診もあるだろうが、老人の有病率の高さからみて、この程度の受診率は納得できるところである。ちなみに岩手県沢内村の老人医療受診率は県下最高であるが一件当り医療費が最低のため一人当り医療費が低額となっている。いわゆる早期発見早期受療・健康管理が重要なわけで、受診率の高低だけを問題視するのは誤りである。」これはことし、五十六年の七月ですが、こういうふうに言われておるわけです。 だから、そういういろいろな意見があるわけでしょう。そして大臣自身は制度がよかった、しかし不十分な面もあったというふうにまとめられておるわけでしょう。 そうであるならば私は言いたいのですけれども、その制度を改廃するあるいは見直すという時期に当たって、政府としてはその欠陥を取り除いて、よい面はもっと充実をさせて発展をさせるという方向で努力せなければいかぬと違うのですか。 ところが、一部負担というようなかっこうで有料化をやるということは、制度の根底を覆すことになってしまう。私は全く筋違いだと思う。これはどうですか。
○村山国務大臣 少し考え方が違うのでございますが、制度の根底を覆すなどというものではないだろうと思っておるのでございます。 私の町ではよく言われるわけでございますが、若い人が急病になって入院する、ところが病床がない、行ってみたらやはりずいぶん長いこと入っておられる。そしていろいろ聞いてみますと、お医者さんからもう退院してもいいと言われているけれども、そこの家庭の人が、そう言わないで何とかひとつうちのお父さんを置いてくれ、まあ、いろいろなことがあるようでございます。われわれもたくさん耳にしているわけでございます。 しかし、おっしゃるようにそれが全部過剰受診であるなんてわれわれは全然考えていないのでございます。まあ、お互いに人間でございますから、自分を振り返ってみてもわかりますように、やはり無料となれば私自身だってそうだろうと思うのでございます。世の中の制度というものは、人間というものを内面的によくながめてみるとさあどういうものであろうか。やはり人間は平均人でございますから、そこでどういうふうに考えるか、そういう意味で一部負担を無理のない範囲でお願いしたらどうであろうか、こういう趣旨でございます。
○浦井委員 大臣、一言反論しておきたいのですけれども、別に病院に入院していなくても、退院してもよいというのに家の人が置いておいてくれと言う、ここはよく考えてもらわなければいかぬですよ。やはり家は狭いし、核家族化しておるしということになれば、それは家族の人にしたってそういうふうな考え方になるわけなんです。だからここで施策として必要なことは、やはり特養ホームであるとかあるいは老人のメディカルハウスといいますか、老人病院であるとかいう中間施設をもっと充実させることが必要である、そういうふうに考えていかなければ、これは厚生行政の衝に当たる大臣としては舌足らずだというふうに私は言わざるを得ないわけです。よく認識していただきたいと思う。 そこで、先ほどから出ておりますけれども、五百円、三百円という問題であります。これはお年寄りやあるいはお年寄りを抱えておられる家族の方にとっては決して軽い負担だとは言えないと私は思う。大臣もその中に入るのかどうかわかりませんけれども、老人の病気というのは決して単一ではないわけですよ。たとえば動脈硬化がある、それに伴って高血圧が出てくる、あるいは心臓が悪い、循環器の障害が出てくる、これは内科へ行きますよね。同時にそのころになると、昔風に言えばリューマチや神経痛みたいなものが出てくる。そうすると目の方も悪くなって見えなくなって、これはもう白内障だということになる。 そうすると、それだけ数えただけでも内科、外科、眼科とこうなるわけでしょう。そうしますと、先ほども指摘があったように月に一回五百円ということであれば、三回行けばどうなりますか、吉原さん。幾らになりますか。
○吉原政府委員 千五百円でございます。
○浦井委員 千五百円でしょう。それから内科、外科、産婦人科、耳鼻科、眼科、五科以上を抱えた病院で百床以上は総合病院ということになって、先ほども指摘があったようにレセプトは別であります。こういうかっこうでいま言ったように内科、外科、眼科というふうにかかれば、いまの原案でいけばその病院に対して一体幾ら払うわけですか。
○吉原政府委員 診療科目ごとに五百円を負担していただくということになるわけでございます。
○浦井委員 これもやはり千五百円ですよね。それからもう一つ、いま六十五歳以上の寝たきり老人に対しては、予算措置として医療無料化制度を適用されておる。こういう人たちは、今度の制度では一部負担の問題は一体どうなるわけですか。
○吉原政府委員 従来から六十五歳以上の寝たきり老人の方に対しましては、法律ではなしに予算措置でいわゆる無料化制度の適用対象にしていたわけでございますけれども、この老人保健法ができた後におきましても、老人保健法に準ずるような形で予算でもって寝たきり老人の方に対する医療というものは継続をしていきたい、一部負担はお願いせざるを得ないというふうに思っております。
○浦井委員 大臣、六十五歳以上の寝たきりの老人に対しても五百円、三百円という一部負担はお願いせざるを得ない、こうなるわけですよ。寝たきり老人を抱えた家庭というのは大変出費がかさむというのはよく御承知だと思う。入院して三百円、この場合は入院ですから同じようなかっこうになるかもわからぬ、そういうことになると、一部負担というようなかっこうで何かごく一部分を負担するように見えますけれども、これは大変な問題だ。額においても、あるいは質においても決して軽い負担だとは言えないということなのです。 しかも、こういう一部負担が集中的に具体的にあらわれるのは、やはり所得の低い人にこたえるわけですね。 それと大臣、考えてみてくださいよ。一部負担制度ができ上がる、そうしますと財布の中身と相談をして、調子がよかろうが悪かろうが、自分であるいはその家族がそこで素人判断をして、医療機関に行くか行かぬかということを決めるわけですよ。第三者があるいは専門家が、どこかが判定をして受診をするということでなしに、まず五百円かかるのだということで、あるいは入院したら月九千円かかるのだということで、それと相談をして医療にかかるというかっこうになると、ここで素人の判断が入ってくる。 そうすると、一歩誤ればそのことによって逆に重症化を促進するのではないか。重症化を促進すれば、せっかく皆さん方が医療費を軽減するのを一つの目的としてこんな制度をつくられておるのに、重症化してしまってむしろ医療費が高くつく。先ほど沢内村とかあるいは高知県の野市町の話が出ましたけれども、逆の現象が起こりはせぬか、私はそれをおそれるわけです。 絶対こういうことをしてはいかぬと思う。大臣、どうですか。
○吉原政府委員 先ほどから申し上げておりますように、老人の方々にお願いしようと思っていますこの一部負担が、そういう意味で医療機関にかかるのをおくらせるとか、あるいはためらわせるというようなものであってはいけないということは十分考えた上で、その五百円、三百円という御提案をさせていただいているわけでございます。もちろん、いままではただであった、これからはそれだけの負担が要るわけでございますから、そういったことを頭に置いて医療機関にかかられるということは十分考えられることでございますけれども、そういった点は健康保険の本人の方も家族の方もそうでございますし、やはりそういったことで本当に必要な受診というものが抑制されてはならない、そういうことを十分考えて、繰り返しになりますけれども、この五百円、三百円というものを決めたわけでございます。
○浦井委員 それはよくわかっておるのですよ。先ほどから一生懸命何回も言われている。受診抑制をねらったものではないのだ、しかし自覚を持ってもらうために一部負担をつけるのだということを言われながら、先ほども吉原さんがちょっと言われたのですけれども、二・四%、前回の委員会で同僚委員の質問に答えて、老人医療費の一%くらいが節減をされる、だから五十六年度で言えば二兆四千億とすれば二百四十億円だ。なるほどそれは、後から触れますけれども、保健事業は保健事業でいまから精力的にやられるつもりでおるようでありますけれども、これはそう簡単には金目の上で効果は出てこないですよ。 そうすると、具体的に一部負担をつけて、そのほかの財政調整の問題、費用負担の問題がありますけれども、一部負担だけに限ってみてもやはり財政効果をねらったものだ。二兆四千億の一%ですから二百四十億円だ、大したことはないと言われればそうでありますけれども、これはやはり大きい。財政効果をねらったもの、これしか当面は残らないじゃないですか。どうですか。
○吉原政府委員 この一部負担の導入によってどの程度の医療費の減少といいますか節減になるかということにつきましては、私ども計数的な推計なり把握というものはなかなかむずかしい。しかも、一部負担というものがたとえば現在十割の給付率を九割にするとか八割にする、そういうことになりますとそれはかなり大きな医療費に対する影響が出てくると思いますけれども、現在いわば一〇〇%、それを二%の一部負担をお願いして九八程度にする、来年度は、五十六年度で試算をいたしますと九七・六ぐらいになるわけでございますけれども、その程度の一部負担をお願いするということが、それほど大きな医療費節減効果にはならないと私は思っております。 もともと一部負担のねらいなり考え方から言いましても、行き過ぎた受診について御注意をいただく、御自制をいただくという趣旨のものでございますから、私どもとしてはそういった受診というものが現在そんなにたくさんあるとは思っておりません、また思いたくもございません。しかし、こういった一部負担をお願いすることによってそういった影響が全く出てこないかと言われますと、現実にはそういった面がごくわずかと思いますけれどもあると私は思います。そういったことで、計数的な推計というものは非常に困難でございますけれども、さしあたって来年度は一部負担とヘルスの面の効果ということで総医療費の一%程度を見込んだということでございます。
○浦井委員 ごくわずかの行き過ぎた受診があるだろう、それをねらって一部負担という制度を全体の老人にかけるというのは本末転倒もはなはだしいと私は思うわけです。 大臣、沢内村の話はよく御承知だと思うのですが、この間本会議でもわが党の議員が話をしましたけれども、六一年から六十歳以上が無料化になって健康管理をやる、医療の無料化制度をやりながら一方で健康管理をやる、そして二十年たったら、なるほど受診率は高いけれども、一人当たりの医療費は県下最低で、保険料はことし一世帯当たり年一万二千円引き下げた。先ほど言われた高知県野市町。これは私も行ってきました。それから、長野県八千穂村。この三つが代表選手だと言われておりますが、それをまねしたようなかっこうでとにかくやらなければならぬということで、主として寒村でありますけれども、自治体がずっとやり始めておる。そういう貴重な実践例が出てきておるわけなのです。どこをとっても、一方は無料化をやるし一方は健康管理をやるという車の両輪を備えて、そして結果としては皆さんが望まれる医療費が安くなっておる、こういうことなのです。これはここ十年間の経験が教えておるわけです。 だから、それを総括してここで老人保健法あるいは高齢者何とかかんとか、いろいろな新しい制度が必要だということは私も認めるのですけれども、こういうようなむちゃな法案を出してくるべきではない、皆さん方が出されてきた中の柱である有料化はとにかくやるべきでない、医療費の増大を防ぐためにも有料化をやるべきではない、このように私は思うのですが、私の考えは間違っておるでしょうか、大臣。
○村山国務大臣 やはり若干違うところがあるわけでございます。やはり人間でございますので、無料化ということになりますと、どうしてもそれなりの行き過ぎた受診も私は否定できないと思うのでございます。そういった意味で無理のない範囲でわれわれがお願いしておる、こういうつもりなのでございます。
○浦井委員 別にその点では反論しても仕方がないですけれども、やはり大臣の考え方というのは俗論だと思いますよ。そして、若干の行き過ぎを抑えるために全体の制度を後退させるという決定的な誤りを犯しておると思う。 さらに、私なぜ有料化をやったらいかぬかというのは、保険外負担、付添看護料であるとか差額ベッド、こういうものが解消されずにまだ現実に残っておるわけです。そこへ持ってきてそういうかっこうで一部負担有料化をやる、だから二重の負担になるということを私言いたいわけなのです。 たとえば、ことしの差額ベッドの実態調査の一部がいろいろ報道されておるわけなんですけれども、やはり公的病院あるいは公立病院の三人部屋以上のところでも差額ベッドは解消されておらぬ。それから、一番問題の私立の大学付属病院、これは五一%から三九・一%に減ってはおるけれども、やはり差額室料を取っておるという状況なんです。 だから、厚生省として、政府として、一部負担を老人に課するというようなことの前に、もっとこういう点に力を入れて、これを解消するようなことをやらなければいかぬじゃないですか。これについては何かやっておるのですか。
○大和田政府委員 差額ベッドにつきましては、先生御指摘のように、三人部屋以上につきましては国立は全くなくなっております。公立は〇・一だけあるわけでございますが、御説のように学校法人はまだかなりある、こういう状態でございます。 そこで、御承知のように、今回の六月の診療報酬改定の際の中医協の答申は、いままでになく非常に強いトーンで、三人部屋以上の差額ベッドの解消につきまして私どもに答申をしておるわけであります。私どももこの差額ベッド解消につきましては全力を挙げておるところでございまして、現在一番大きな問題といたしましては、やはり私大の付属病院の差額ベッドの解消でございますが、これは文部省とも連絡をとりながら、その解消につきましていま鋭意努力をしているところでございます。これはいま話し合いをかなり進めておるところでございまして、この差額ベッドの解消につきまして何とか大きく一歩を踏み出したいというふうに考えておるところであります。
○浦井委員 そこで、六月一日の診療報酬の改定で、そのために室料並びに看護料の特別加算の制度ができた。これはもちろん私大病院も例外ではないわけで、特定病床の申請が私大病院からどれくらい出てきていますか。
○大和田政府委員 私大病院につきましては、いま話し合いを進めておるところでございます。この話し合いがまとまり次第、私大病院から申請が出てくる手はずになっておるわけでございますが、もう少し時間をかしていただきたい、こういう状況であります。
○浦井委員 出次第、報告をしていただきたいと思うのですけれども、私が調べたところでは、東京地区の私大病院では、杏林、昭和、日医大、それから帝京、この四私大病院しか、特定病床が申請され、それを承認するという手続が終わっておらないというふうなことを聞いておる。それから、ある一グループの私大病院では、そんな加算をもらっても、両方合わせて一人部屋で六千円、二人部屋で五千円だ、それではそんなことをするよりも、むしろいままでどおり差額ベッドで何万円というような額を徴収した方が得だということで頑強に抵抗しておるというような話も聞いておるわけなんです。だからそういうようなことを言うと、一番大事な私大病院の差額ベッドの解消について、せっかく皆さん方がつくられた重症加算が作動しておらぬというふうに言えないことはないのではないか。 それから、看護加算と室料加算が別になっていますね。だから私大病院は、看護加算の方は四人部屋で申請する、肝心の一人部屋、二人部屋のところはほったらかしになっている、こういう話も聞くわけであります。これは、診療報酬の改定でせっかくそれをやったのに、中は全て空洞化しておるというふうに思わざるを得ぬわけです。こういうことを見過ごしておいてはならぬというふうに私は思うわけです。 そこで、時間がないので、それは今後努力していただきたいと思うのですけれども、私の提案を申し上げたいのです。 まず一つは、いまの制度でいけば、五%までが知事の承認でしょう。五%以上は厚生省と内議をするということになっておるわけでありますけれども、五%というようなかっこうで限定をしてしまうと、ある特定の病院で、重症者が入院しても、特定病床がいっぱいだというようなことで、特別加算の適用を受けることができぬというような現象がやはりもうすでに出てきておる、こういうことなんです。だから、その五%というような特定病床の率をもっとふやすか、あるいは、とにもかくにも重症者をいつでも受け入れられるような体制を診療報酬の上でもとっておくべきではないかということが一つであります。 それからもう一つの問題は、これは各地の特定病床の申請をやった病院から聞くわけでありますけれども、重症者の定義がもう県によってまちまちだ、当然これは重症だというふうに数えた患者が重症者として認められずに、特定病床の数が減らされたりというような現象が出ておる。やはりもう少しいまよりも重症の規定について統一して、しかも、詳しい基準を各都道府県に徹底をさせる必要があるのではないか。私はそのことを要望しておきたいと思うわけですが、ひとつ保険局長。
○大和田政府委員 第一の五%問題でございますけれども、ただいまの重症者を収容する病床の五%の枠、これは御承知のように、都道府県知事が認められるその枠が五%でございます。これを超えます場合には、厚生大臣に内議をいたしまして、その超えた分も認めるという道が開かれておるわけでございます。 そこで、先生のおっしゃいました、重症者が非常にいっぱいになっているというようなことでございますが、それは、その病院における重症者の実態を十分見る、それによって、五%で間に合わなければ、厚生大臣に内議いたしましてオンをするということで解決をいたしていきたい、こう思っておるわけでございます。 第二の問題でございます。重症の定義がまちまちだというお話でございますが、実はこの重症の定義につきましては、私どもの局長通知、それから医療課長通知によりまして、かなり詳細な規定をつくりまして、都道府県に指示をしております。これは読み上げますとまた長くなりますので、それは省略いたしますけれども、かなり詳細な定義をつくっております。これにつきまして各都道府県も誤りなくやっていると思いますが、仮に都道府県からさらに聞いてまいりました場合には、私ども、当然指導をするという形でやっております。いずれにいたしましても、それほど誤りのないような形で定義はきちっとつくっておるというふうに申し上げられるのではないかと思います。
○浦井委員 制度が発足して間がないし、いまも局長が答えられたように、特定病床の申請数はまだわかっていないわけでしょう。この間聞いたら、東京、大阪、神奈川、こういう大都道府県でまだまとまっておらぬ、だから御報告を先走ってやるわけにもいかぬという返事なんですね。わかっていますか。
○大和田政府委員 いまのお尋ねでございますけれども、九月一日現在におきまして、都道府県に出されました重症者の看護及び重症者の収容の基準の申請は七百九十四件ということで数字が上がってきております。 さらに、都道府県知事が五%を超えて内議するという数字が、ごく最近、十月十六日現在でございますが、二百四十九件ということで把握をしております。これは、いま制度もできましていよいよ準備をしつつあるわけでございますので、さらにふえていくものであるというふうに期待をしておるわけであります。
○浦井委員 これは前半の私大病院の件も含めて、この制度はトライ・アンド・エラーだというような観測もあるようでありますけれども、やはりとにもかくにも、不十分ではあるけれども制度が発足した以上、その効果がフルに発揮できるような懇切な指導、これを私は要望しておきたい。そして東京、大阪、神奈川というような大都府県の数字がまとまって全体がまとまれば、ぜひ御報告をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。 そこで、もう一度老人保健法案に戻りますけれども、これも先ほどから問題になっておりますが、地方単独事業の問題であります。 これは現在の老人医療無料化制度というのが衆議院の委員会で法案が採決をされたのが四十七年の四月二十七日で、四十八年の一月一日発足でありますが、そのときに当委員会でも「無料化の対象年齢を六十五歳に引き下げること。特に「ねたきり老人」の対象とりいれについてはその実現を急ぐこと。」こういう附帯決議の一項があるわけなんですよ。この中で、寝たきり老人の対象取り入れについてはやられたわけですよ、四十八年の十月ですか、予算措置としてやられた。しかし、それ以外にはこの附帯決議というのはそのまま寝たままなんですよ。まさに寝たきりの附帯決議なんだ。一体どういう努力をされたのですか。
○吉原政府委員 現在の老人医療制度ができましたのは、いまおっしゃいましたように昭和四十八年の一月に発足をしたわけでございますが、その後四十九年、五十年、オイルショック等もございまして、老人医療が大変な勢いで伸びていったわけでございます。四十九年度は五〇%、五十年度は三〇%を超えるような伸びを示したわけでございます。同時に、四十八年に発足した現行制度についていろいろな問題が指摘をされてきたわけでございます。 その問題の一つが、いままで何度も申し上げましたように、医療に偏り過ぎて、予防とかほかの保健サービスが十分に行われていないということが第一。それから、やはりいま申し上げましたような老人医療費の急増というものが、特に国民健康保険の運営に財政的に非常な重荷になってきたというようなことが、制度発足後数年たたないうちに問題点として出てきたわけでございます。 そういったことを踏まえて、この制度の基本的な見直しを厚生省としては五十一年から始めているわけでございます。五十一年から厚生省として基本的な見直しを始めるということで、厚生大臣の私的諮問機関として懇談会というものを設けまして、そこでの御議論をいただく。そのほかいろいろな考え方を発表いたしまして、関係方面、関係団体とも御意見の調整をしてきた。非常に長い間かかって老人医療制度のあり方についての検討を続けてきた。いわばその結果というのが今度御審議をお願いをしておる老人保健法でございまして、やはり六十五歳という附帯決議がございまして、そういったことで、この新しい制度において対象年齢を何歳にするかということについても十分検討いたしましたけれども、将来の老齢人口の増あるいは老人医療の増、それから現在までの老人医療費のいろいろな問題点というものを考えてみた場合に、やはり現行制度にならって七十歳以上にすることが適当だという判断で七十ということでお願いをしておるわけであります。
○浦井委員 長々と言われたのですけれども、要するに四十七年の四月の二十七日に行われた、これは衆参両院で日を変えてやられたわけですが、「無料化の対象年齢を六十五歳に引き下げること。」そういう方向での努力はされておらないというふうに私は言えると思うのです。 それから、最近東京都議会で自民党を含みます全会一致で老人保健法反対の意見書が採択をされたわけですね。一部読みますと、「患者の一部負担の導入や地方自治体への負担転嫁等を盛り込んだ同法案は、医療費軽減のための政府の財政対策上の措置にすぎず、行政の繁雑化を招くばかりでなく、老人の健康増進と適切な医療の確保を図るという本来の主旨からかけ離れたものである」ということで、政府に対して直ちに同法案を撤回するように強く要請する、こうなっているわけですね。地方自治体の議会としても私はこれは当然な意見だと思うのですが、そういうふうに言ってきておる。国会の附帯決議は無視をしておる。私はこれは重大な問題だというふうに思わざるを得ないわけなんです。 そこで、もう一つ具体的な問題を聞きたいのですけれども、地方単独事業の場合に、この法案がもし通りますと、確かに七十歳以上は一部負担が出てくる。ところが、単独事業をやっているところは、六十五歳から六十九歳までは一部負担なしで無料でやっているところは無料だ、全くこれはへんてこりんな現象が出てくるわけですよ。 今度はそれは国保組合の場合にどうなるかということです。建設国保であるとか医師国保であるとか、そういう国保組合がありますね。市町村国保ではなしに国保組合の場合、特に建設国保なんかの場合には、これまた付加給付としてずっと本人十割給付というかっこうでやっておるわけです。この法案がもし成立をいたしますと、七十歳以上は老人保健法の対象になる。そうすると、七十歳以上は一部負担が出てくるということになれば、これは重大な影響があるわけなんですが、それについての解釈なりあるいは指導なりはどうされようとしておるのか、ちょっと聞いておきたい。
○大和田政府委員 この問題は、いわゆる単独事業といいますよりも、付加給付の問題でございます。これにつきましては、確かに十割給付を行っておる国保組合というのもあるわけでございまして、御指摘のような問題が生ずるわけでございますが、どうもやはりこの件につきましては、老人保健法との均衡もありまして、また国保組合の沿革とか現状等を踏まえまして、今後運用上の扱いにつきましてなお検討していきたい、こういうのがいまの私どもの態度でございます。
○浦井委員 今後検討するではちょっと答えにならぬですね。これはあれかこれかになるはずなんですね。しかも、法案の審議が始まって、すぐに老人保健審議会があるわけですけれども、来年の十月から発足というかっこうでしょう。今後検討というような悠長なことは言っておれぬわけでしょう。そういう観点からいけば、早く決めなければいかぬわけでしょう。
○大和田政府委員 これは付加給付の問題でございます。言うならば、国保組合の運営上の問題でございます。したがって、この付加給付に対しまして、これは国保組合だけではなくて健保組合にも若干あるわけでございます。その付加給付をどうするかという問題でございまして、市町村のいわゆる単独事業とは若干性格を異にしている問題だと思いますが、これにつきまして私どもといたしましては運用上の問題というふうに考えておるわけでありまして、それにつきまして今後検討したい。 私どもとしては、実は老人保健法との均衡という問題もございますので、できるだけそれは均衡をとるように指導いたしたいと思いますが、なお今後とも、運用上の問題でございますのでその扱いは検討したい、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○浦井委員 均衡をとるような方向ということであれば、やはり先ほどから言われているような形で、できるだけ十割給付はよすがよいというような形で、国保組合なり健保組合なりを指導されるニュアンスの方が強いわけですか。
○大和田政府委員 結論はなお検討したいということを繰り返し申し上げる以外にないわけでございます。
○浦井委員 この問題はきょうはその辺にしておきますけれども、保健事業、ヘルスの事業について、もう時間がないのですけれども、時間のあるだけ、大きくひとつ尋ねてみたいと思うのです。 被用者の被保険者は職域でヘルスの事業を受けるということになってくるわけなんですけれども、健保組合なんかのある比較的大きな企業はさておくとして、問題は政管健保に入っておるような中小の勤労者の場合、これが一体どうなるか。これは現在健康保険法の保健施設事業というようなかっこうの中での健康診断、健康診査を活用されるだろうというふうに私は思うわけなんですが、もう時間がないから私の方から言いますと、それは四十歳以上の中高年齢者の疾病予防というようなかっこうでやられているわけですね。五十五年の実績は二十二万六千人ということだそうであります。政管健保の被保険者というのは千四百万人でしょう。それの四十歳以上ということになれば、ほぼ六百万人ということで、六百万をとにかくやらなければならぬのに、いまやれる能力というのは、一つの指標として出ておるのが二十二万六千人、果たしてやれるのかどうかという問題がある。 そうなれば、せっかく労働省来ておられるので尋ねておきますけれども、労安法の安全衛生規則の中で決められておる健康診断をやはり活用するのかどうかという問題。活用するとすれば、安全衛生規則の検査項目というのは非常に簡単ですよね。ところが、現実に中高年の疾病予防でやられておる健康診査というのは、かなり成人病対策というかっこうで心電図だとか、胃のレントゲンであるとか、そういうものも入ってきておる。この辺の整合性はどうなるのかというような問題について、ひとつ厚生省と労働省からお聞きをしておきたい。
○入江政府委員 ただいまおっしゃいました政府管掌健康保険の成人病検査の実績、おっしゃるとおりでございまして、必ずしも満足する数字ではないと思っておりますけれども、実情を一言申し上げさせていただきますと、現在、私ども全国の社会保険事務所から管内の全適用事業所に希望者を募りまして、それの結果が現在、先ほどおっしゃった数字であるわけでございます。ただ、五十六年度は希望者がかなりふえてきておりますので、五十七年度につきましては対象人員を七割増ということで大幅な予算要求をしておりまして、それの獲得に努力いたしますとともに、さらに積極的に事業所に呼びかけていきたいというふうに考えております。 〔戸沢委員長代理退席、委員長着席〕
○福渡説明員 お答えを申し上げます。 先生御案内のように、労働安全衛生法というのは、「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な作業環境の形成を促進する」ということを目的にしておるわけでございます。それで、この労働安全衛生法に基づきます健康診断は、事業者責任として実施をするというたてまえになっております。また御指摘になりました定期健康診断の検査項目の中には、確かに成人病に関係の深い健診項目が含まれておりますけれども、定期健診というのは、労働者が常に健康な状態で労働に従事することができ、労働災害の防止や労働者の適正配置等に資するようにとの趣旨から行われているものでございます。こういう趣旨を考えてみますと、老人保健法の制定の趣旨とは異なっておるということになりますので、いま直ちに老人保健法の健康診査の検査項目をそのまま入れていくというような見直しをすることはできない、このように考えております。
○浦井委員 そうすると、要するに労働省としては、老人保健法案が成立をしても、それの保健事業の一つの健康診査の項について労安法を応用したようなかっこうでの協力はできがたい、こういうことなんですね。
○福渡説明員 共通する項目については労働安全衛生法で実施をするものというふうに調整をすることはできると思いますが、老人保健法だけに規定されているものについてはいま直ちにそういう見直しはしない、こういうことでございます。
○浦井委員 これで終わりますけれども、この話の結論として言えることは、やはり職域の勤労者、特に政管健保に該当するような零細企業の勤労者、ここがむしろ穴があく。特にその中でも私が恐れておるのは、政管健保も適用を受けておらない、したがって、国保に居住地で入るという人は、これはどこにもひっかからぬ。居住地でやればいいんだということになっても、家におらへんわけでしょう。日曜日に家におるけれども、役所がやる健康診査というのはウィークデーにやる。ここがブランクになってしまう。こういうことを私は非常に恐れるわけであります。 だから、私は、老人保健法が通ろうが通るまいが、保健事業というのは必要だと思う。そういう点で、私はその辺にもっと——きょうはマンパワーの問題とかいろいろ予定しておりましたけれども、時間がなくなったので、すべての国民が四十歳以上きちんと健康診査を受けられるような体制をつくるべきであるということを最後に強調して、私の質問を終わりたいと思います。 以上であります。
○山下委員長 菅直人君。
○菅委員 この老人保健法について朝から審議が続いているわけですけれども、幾つかの問題について最終的にはしぼって御質問したいのです。 この法律を見ておりますと、第一条に、老後の健康の保持と適切な医療の確保ということで、予防、治療等を行うということ、私もこういったことは大変に必要なことでもあり、また、いろいろな形でやらなくてはならないことだということには全く賛成なわけであります。しかし、果たしてこの老人保健法で予定している制度が、そういうことを本当にうまく機能するようになるのかどうか、かなりいろいろなところで疑問点が大変たくさんある制度だという感じがいたします。 その中で一つお尋ねしたいのは、今回の老人保健制度というのは、実施主体は市町村ということになっているわけですけれども、そして各七十歳以上の人たちはそれぞれの保険には残っているという形で構成されていますが、実施主体と保険者との関係というのは一体どういうふうになるのか、また考えればいいのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○吉原政府委員 端的に申し上げまして、この老人保健法による保健事業は、医療それからヘルスの事業を含めて市町村が一元的にやっていく、実施主体は市町村にする。 保険者との関係でございますけれども、市町村が実施する医療の財源の七割を各保険者が共同で拠出をする。いわば保険者は、市町村が行う医療に限って申し上げますと、医療についての費用の七割分を拠出をするという関係になるわけでございます。財源の拠出者として保険者がある、簡単に端的に申し上げますと、そういうことでございます。
○菅委員 私はそこに大変に大きな問題があると思うわけです。早速ですが、いまお渡しした資料の二枚目の方にある資料ですけれども、これはせんだって厚生省からいただいた資料ですが、これにいろいろな支払いなりレセプトの流れというものがかなり詳しく出ているわけです。 まずお尋ねしたいのは、支払いの責任というのが基本的には実施主体である市町村にあるということだと思いますけれども、その場合に、レセプトを含めて保険者には具体的に何が伝えられるのか、そのことをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○吉原政府委員 市町村がこの老人保健法の医療の給付という事業の実施主体でございます。医療自体は、先ほどから申し上げておりますように、老人保健機関、つまり保険医療機関が扱うわけでございますが、この事業の実施主体は市町村でございまして、したがいまして、その医療機関が医療に要した費用は、考え方としては市町村が医療機関に医療費を支払うということになるわけでございます。ただ、その場合に、市町村が本来ならば審査なり支払いを直接やることもできるわけでございますけれども、従来の健康保険等と同じように、社会保険診療報酬支払基金等に審査、支払いを委託をするという道が開かれておりますので、支払基金が審査、支払いを実際上はやっていくということになるわけでございます。その場合の費用というものを、先ほど申し上げましたように、各保険者から七割分を拠出をしてもらう、三割分は国と都道府県、それから市町村が負担をする、こういうことになっているわけでございます。 レセプトの流れでございますけれども、レセプトの流れは、医療機関が医療をやりましたときに支払基金にレセプトを出す、支払基金がレセプトの内容を審査をする、審査をした上で市町村にそれを流す、市町村がその上で、これまた支払基金を通ずるわけですけれども、医療機関にお金を支払う、その後、保険者の方にそのレセプトを基金を通じて流すということになるわけでございます。 保険者におきましても、財源の負担者、七割についての負担者でございますので、その自己の加入者たる老人の医療というものがどういうふうに行われているかということが当然関心事でございますし、いろいろな意味での企業努力というものを被保険者に対してやっていただく必要があるということもございますので、保険者にレセプトを市町村を経由して流すということを考えておるわけでございます。
○菅委員 それでは、現在、たとえばいろいろな共済なり組合健保が自分の中の被保険者として七十歳以上の人がある程度いる。いまでしたら、医療機関から支払基金を通して保険者に直接、直接といいますか、支払基金を通してすぐやってくる。そして実際上はそこで、保険者の段階でも、チェックという言い方がいいのかどうかわかりませんが、レセプトをいろいろ調べてみて、ちょっとこれはおかしいんじゃないかといういろいろな問題が出てくる。そうすると、再審査請求ですか、それを支払基金に対して行っているということが現実に行われているわけです。 しかし今度の制度の場合に、たとえば共済なり組合健保で、その流れてきたものでおかしいなと思ったときに、一体再審査請求はできるのかどうか。また、できるとしたら、市町村を通して言うのか、直接に支払基金に対して言うことができるのか、その点について伺いたいと思います。
○吉原政府委員 たてまえといたしましては、あくまでも今度の医療の給付の実施主体が市町村でございますし、いわゆる今度のこの法律による市町村というものが従来の各保険の保険者に当たるわけでございます。したがいまして、市町村がまず第一次的にそういうチェックをしてもらう。しかし、その財源の七割が保険者からの拠出金によって賄われるわけですから、保険者の方も相当関心を持っている。こういった制度をつくるにつきましては、保険者の方でもチェックをしたいというような御要望がございましたので、単に市町村だけではなしに、市町村を経由してレセプトを保険者の方に戻すことによって保険者でのチェックも可能なようにしたいということでございます。
○菅委員 時間が短いので、お聞きしたところをちゃんと答えていただきたいのです。 だから、そうして流れてきたときに、保険者がこれはちょっとおかしいじゃないかと思ったときに、一体どこに対してクレームをつけられるのかということをいまお尋ねしたわけです。
○吉原政府委員 市町村にクレームをつけることもできますし、支払基金に直接こういう問題があるということで言っていただいても結構でございます。
○菅委員 結局、この流れの図をずっと見てみますと、いわゆる医療機関が四月に診療した場合に、五月に請求書とレセプトが支払基金に流れていく、そしてそれが六月に市町村に流れて、約二カ月かかってまた戻ってくる、そして九月にいわゆる拠出金決定通知書に対する添付書類という形で、便宜的にそういう形をとって保険者に流れる。 いま言われたように、この図面を見ていると、保険者と市町村というのが一つの箱に入っていますから、何か文句があったら言えばいいじゃないかという感じもするのですが、実際には、保険者というのはまさに何千という数があるわけですね。そして、その何千という数の一つの保険者から、たとえばある会社に関した単一健保があったとして、その単一の健保組合に所属している七十歳以上の人というのは、またたくさんの市町村に分かれているわけですね。 たとえば何千枚かチェックをしてみて、自分のところから三十人ほどこれはおかしいと思ったとする。いままででしたら、三十人分について、支払基金に対してこれはおかしいんじゃないかということを言えばいい。今度は三十人分について、ある人は横浜市に住んでいる、ある人は千葉市に住んでいる、ある人は立川に住んでいる。大変な作業量といいますか、そういうことが起きてくる。また受ける方も、健康保険組合なり共済なり、いろいろな形で、いろんな基準でやってくる。一体、こういう形で本当の意味でのチェックが機能的に行えるのか。現在においても国保におけるチェックが非常になまぬるいということで、よく国保のチェックが不足じゃないかとか、通知運動なんかも絡めていろんな議論がされておりますけれども、果たしてこのやり方でもってやれるか、老人医療に対してのそういったチェック機能が非常に落ちてしまうのじゃないか。 その点についてどうですか。
○吉原政府委員 私は市町村のチェック機能が保険者のチェック機能に比べてそれほど落ちるとは実は思っておりません。また、いままで以上に、この老人保健法ができましたならば、市町村にそういった面のチェック機能を果たしていただく。同時に、それはヘルスとの結びつきを考えながらやっていただく。そういういままでにない新しい効果なりねらいを持っているわけでございまして、市町村が実施主体でありますから、チェックも第一次的には市町村にきちんとやってもらうということを考えております。 しかし、保険者の方でもやはり財源の拠出者として関心も持っておられますし、企業努力ということもございますので、市町村の後、保険者の方にレセプトをお回しして、保険者の方でもやっていただく。 そういう意味で、いわば、いままでと比べますと確かに複雑なあるいは二重になる面があるかもしれませんが、いままでよりもはるかにきちんとしたチェックが両方サイドからできるのじゃないかと私は思っております。
○菅委員 それは審議官の期待としてはわかりますけれども、現実にはそうなっていないことが国保で証明されているわけですね。もっと言えば、今回の場合に、まさに七割を拠出するのは保険者のわけですよ。そして市町村はみずから拠出するのはたしか五%ですね。つまり市町村にはその五%は確かにいわゆるルーズなことをやれば責任が返ってきますけれども、大部分は自分のところに、責任といいましょうか、費用としての負担はかかってこないわけです。 きょうは細かい数字を持ってきていませんけれども、レセプトチェックをやったときに大体一件当たりどのくらい返ってきているかとかいう数値がよく出ておりますけれども、これはいろんな基準のとり方がありますが、国保が一番そういう意味ではなまぬるいというのは、ほぼ通説と言っても言い過ぎじゃないと思うのです。しかも、市町村は国保部分については自分のところで保険料を徴収したり、市議会にかけまして値上げの問題なんかをやるわけですから自分の責任になるけれども、それ以外の被用者保険については大部分の財源はほかからくるわけですから、少々すっぽ抜けようが何しようが、自分のところには何もかかってこない。いまでさえ、自分のところの国保でさえ非常にチェックが弱いのに、さらにほかの被用者保険の老人部門を持ってこられてそれ以上のことが期待できるというのは、これは明らかにおかしいんじゃないですか。どうですか。
○吉原政府委員 いままでのことを考えますと、保険者にしましてもあるいは被用者保険にいたしましても、あるいは国保を運営している市町村にいたしましても、必ずしもレセプトの審査、チェックというものが十分に行われてきたとは言えないと思います。程度の差はあろうかと思いますが、いままでどおりではいかぬ。特に新しいこういった形で老人保健制度を始めるわけでございますから、市町村には従来の国保のやり方以上のやり方でチェックをお願いしたい、またそういうふうに指導したいと私は思っております。 その点は先生、そうは言ってもできないだろうという御意見かもしれませんが、私は、市町村というものは信頼していい、また信頼すべきだと思っていますし、同時に、保険者の方がそういったレセプトのチェックについてかなりやっておられるところもこれまでもあるわけでございますから、そういった意味で、市町村にまずやっていただき、その後、レセプトを保険者に戻してそこでもやっていただく、そういうようなことで、十分きちんとしたチェックがいままでよりもはるかに十分な形でできるのじゃないか、またやっていかなければいけないと思っております。
○菅委員 私はこの流れを見ていて、つくづく今回の制度が非常に無理があるということの、一つの逆の意味の証明になっているのじゃないかと思う。私は、こういうやり方よりも、支払いの責任を市町村に持たせるのじゃなくて、支払いの最終責任は市町村が持つにしても、保険者に実際上の責任を渡すなり、根本的に医療費についての支払い責任は保険者に持たせる。保健事業については確かに市町村の方が地域ということで適切だと思いますけれども、そういう意味では医療費の支払い責任は保険者に持たせて、このリストで言えば、医療機関から支払基金に行って、そしてまず保険者に流れる。もしレセプトが市町村においても必要であれば、その後に市町村に流して、後、保健事業か何かの参考に使う。そうすれば一番すっきりした形でいく。これですと、四月に診療して保険者に伝わるまでが何と約五カ月、半年近くかかるわけですね。そういう形で保険者を支払い責任者にすることの方が、制度の運用上も、先ほど申し上げたチェックの問題でも無理がないと思うのですけれども、いかがですか。
○吉原政府委員 保険者を支払い責任にしたらどうだという御提案でございますが、率直に申し上げまして、制度上保険者を支払い責任にすることは不可能でございます。いままでそれぞれの保険者でやっていた医療の給付、療養の給付というものを、それぞれ財源を出し合っていわば共同の事業としてやろうとするわけでございます。共同の事業の実施主体を市町村にする。その医療は実際には医療機関がやるわけでございますけれども、その医療費の支給は市町村が責任を持ってやる、それが実施主体であるということの意味でございまして、やはり新しい制度ではそういった意味で市町村が一元的に事業をやっていくということでございまして、支払いだけを保険者に残すということはできませんし、この新しい制度におきましては、何も自分の加入者の分だけの医療費を保険者が払っていればいいということではないわけでございますので、保険者を支払い主体にするということは実際上も法律制度上も不可能であると思っております。
○菅委員 つまり実施主体には不可能、不可能と言われますけれども、私いろいろ聞いてみても、全然不可能じゃないわけですね。それから、いま支払いだけをと言われましたけれども、拠出をやっているわけですね。さらには保健事業においても、そういった健康保険組合なんかに入っている人については独自でやっても結構ですと言っているわけですよ。お金は払う、保健事業もやっていい、そして支払いだけが外れてきて、急に自治体に行く方が何かある意味では不自然であって、ある意味の自然な流れとして、保険者に支払い責任を持たせた方が、まさに大部分の財源を拠出する側からしても一生懸命にチェックもするでしょうし、保健事業についても努力をするということを考えれば、必ずしもそれは不可能ではない。 法律手続上どういうふうにやれるかというのは議論があると思いますけれども、根本的に支払い責任者を市町村に変えるか、または、実際の委託として現在でも支払基金に対して市町村は委託をしているわけですから、その手続をさらに援用して保険者並びに支払基金に支払いの責任を任せるというようなやり方で十分にやり得ると思うのですけれども、いかがですか。
○吉原政府委員 先ほど申し上げましたように、支払い責任を保険者というようなことはなかなか無理かと思いますけれども、いまおっしゃいましたように、確かにレセプトが保険者に戻るにしても余り遅過ぎるではないか、もっと早く迅速に戻ってくるような仕組みがとれないものかという御指摘もございました。その点につきましては、実はいろいろ中で検討をいたしまして、たとえば支払基金にレセプトが来たときにコピーをとって市町村と保険者に交付をするというようなことも実際問題としてできないかということも実は検討をいたしたわけでございます。 しかし、この老人医療のためのレセプトは年間約一億枚というような巨大な枚数になってしまうというふうなことがございまして、レセプトをとって市町村と保険者にそれぞれということは、事務的にも実際問題として現状ではむずかしい面がございます。それから費用の面もございます。 そういったことで、先ほどから市町村を通じて保険者に戻るようにしたいということを申し上げたわけでございますけれども、確かに保険者の方が、レセプトの点検を非常にきちんとやっているような保険者もございます。そういった意味におきまして、なるべく早く保険者の方にレセプトが戻るような、それできちんとしたチェックというものを保険者の方でやっていただけるような仕組みに、私は将来だんだんそういうふうに持っていきたい。特に、支払基金の事務というものがコンピューターを導入することによってだんだん機械化されまして、迅速あるいは簡便というようなことになり得ると思いますので、そういったコンピューター化等によりましてできるだけ迅速な、適正なチェックが保険者サイドでもできるようにしたいと思っております。
○菅委員 この問題ばかりやるわけにもいきませんので、もう一言言い添えて、次の問題に移りたいと思います。 つまり、いま言われたのは、支払基金において一億枚コピーするのは大変だ。私は、先に保険者に流してしまえば保険者は多分コピーすると思うのです、自分のところだけですから。そして現物を戻すことが必要だったら戻せばいいわけであって、保険者にとっては自分の資料としてぜひ欲しいわけですから、そういう点では余り複雑に考えられなくてもやれるんじゃないかと思うわけです。 最後にこの問題に関して大臣に一言。つまりこの制度がいま行革でも大変問題になっておりますし、厚生省から出ている概算要求の中でも、昨日も行革委員会の方でも私も御質問しましたけれども、いわゆる医療費の適正化ということが言われていて、相当部分いろいろなむだ遣いを省いていこうということが行われている。この制度が、運用を間違えば一層むだ遣いになる危険性がこういった面でもかなり具体的な手続を通してもあり得るということをもう一回よくあれしていただいて、もしこの制度がうまく生まれたときにもそういうことがないように十分される必要があると思いますが、大臣にこの点についての所見をお願いしたいと思います。
○村山国務大臣 ただいまの菅先生と政府委員のやりとりを聞いておりまして、よく理解いたしました。この制度は本当に迅速、的確に、そして所期の自的を達するために、なお工夫の余地があるかどうか、十分検討させていただきたいと思います。
○菅委員 次の問題に移りたいのですが、次の問題は老人医療費の負担の割合の問題です。 先ほどからほかの委員の方からも話が出ておりましたけれども、いわゆる五十九条に二分の一という項目があるわけです。つまりいわゆる加入者分担と案分の比率ですけれども、これを私簡単なリストにしてみたわけです。お手元にあると思います。つまり二分の一以下というのを、いわゆる二分の一、〇・五のとき、〇・四、〇・三、〇・二、〇・一、ゼロとしたらどうなるか。私のこの計算が間違っていなければ、この表のようになるんじゃないかと思うのです。 つまり、これは調査室から出ているこのデータでも試算IとIIがあるわけですね。これは、試算IIというのは、この指数をゼロとしたときがこの試算IIと理解していいわけですね。
○吉原政府委員 そのとおりでございます。
○菅委員 つまりこの試算IとIIの間には相当のいろいろな意味の負担の割合の差があるわけです。それをここにあらわしてみたわけですけれども、たとえば一般的に持ち出しになる被用者保険を全額を合わせてみると、〇・五のときが八千三百億で、ゼロのときが一兆二百八十億、その間が〇・四、〇・三でずっとこういう数字になってくるわけですね。たとえば組合健保の場合も今回の案では拠出金が三千百六十億になって、負担増が六百三十億と言われているけれども、実際この法律にはそうなるとは書いてないわけです。二分の一にしたらそうなるというだけであって、いや二分の一じゃない、〇・四にすると言えば八百三十四億の負担になるし、〇・二にすると言えば千二百四十億になる。国保は逆に持ち出しが減ってくるわけですけれども、減り方もこれだけの大きな幅がある。私は、余りにもこれは政令事項として預けるには、制度の根幹にかかわる問題じゃないか。 つまり、一つお聞きしたいのは、どういう場合にこの数字を、〇・五以下ですから以上にはできないでしょうけれども、二分の一から少なくする可能性があるのか、どういうことを想定されているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○吉原政府委員 端的に申し上げまして、今後就業構造等の変化によりまして、やはり老人の加入率というものが各保険者ごとに違ってくると思います。決して老人の加入率というものが一定ではございませんで、過去の推移もそうでございましたし、今後とも非常に変わってくる要素が多い。それから老人医療費の各保険制度別の負担というものも当然変わってきます。現在の時点におきましては私どもは試算Iで実施をするということがいろいろな意味で適当だということで、試算Iということを考えておりますけれども、将来、老人の加入率が各制度ごとにまた相当大きな違いが出てきた、変化が出てきた、あるいは医療費の負担に相当大きな変化が出てきた、それから具体的に言いますと国民健康保険の負担が試算Iではやはり負担が重過ぎる、ほかの保険者から見ましても確かにそのとおりであるというような状況が出てきたときに、試算の二分の一という案分率を少しゼロの方に近づけるようなことがあり得るのではないか。 そういったいろいろな変動要素というものがありますから、そういったものに弾力的に対応できるようにということで、法律ではなしに政令、それは当然のことながら関係者の意見を十分聞いて、老人保健審議会の御審議も経た上で決めることでございますけれども、政令で決め得るということにしているわけでございます。
○菅委員 私は、いまの説明は少しおかしいと思うのですね。つまり、老人加入率が変わる可能性があると言われましたけれども、老人加入率が変われば調整率が変わるわけですから、いまの制度のままでいわゆる二分の一というのは固定していても、たとえば健保組合から老人がもっと減ってきて国保がもっとふえてくれば、二分の一という数字は変えないでも調整率自身が変わるわけですから、負担の割合というのは変わっていくわけですね。基本的にはそういう変化はこの制度で読んでいるわけですよ。それは確かにさらに大きな変化が起きたときというのはあり得ると思いますけれども、そこまで政令に任せる必要があるのか。 つまりある幅での自動調整はきくようになっているわけですから、それをさらに超えるような場合は、当然これは国会にかけて本格的な議論をしてどうしようかということでやるべきじゃないのか、その点についてどうですか。
○吉原政府委員 そういう御議論も確かにあると思います。 現在の二分の一のままにおきましても確かに加入率の調整というものは自動的に図られる、二分の一ということでも図られるということになっておりますけれども、その加入率の幅、それから老人医療費の負担というものがさらに加入者調整率で調整できる以上に大きく変わって、やはりこれならば、こういう状態であれば、保険者間の負担についてさらに見直す必要があるということが出てきたときに、それは将来そういうことはないんじゃないかというあるいは御意見かもしれませんが、そういった状況が出てきたときに、審議会の御意見を聞いて政令で案分率を変えることができるようにしておいた方がいいのではないかということで、政令ということにしているわけでございます。 若干の変化というものは二分の一のままでも十分対応できるという制度的な仕組みになっていることは、おっしゃるとおりでございます。
○菅委員 きょう朝の議論でも、いわゆるこれが負担が大きく変わればそれぞれの制度の保険料の問題に当然はね返ってくるわけですし、そういう場合に自動調整が一たんあるのにさらに大きな調整を政令に任せるというのはどうしても考え直さなければならないのじゃないかと思うわけです。 さらに関連して、こういったやり方でたとえば二分の一で、組合健保で約六百三十億の増となっておりますけれども、たとえば組合健保の場合にこれが保険料率において大体どのぐらいの影響を予定されていますか。
○吉原政府委員 組合健保の場合に、試算Iですと六百三十億の負担増になるわけでございますが、保険料率に換算をいたしますと、千分の二・一程度でございます。
○菅委員 一般に最近医療費が若干落ちて、伸びが一時ほどではありませんから、それだけのものが負担できる組合もあるかとも思うのですけれども、かなり厳しい状況でやっている組合もあるわけですね。 たとえば中小企業の中でやられている総合健保の場合には、こういう千分の二というものをかぶったときに政府管掌健保に比べて料率が逆に上がってしまうような場合も出てくるところがあるというように聞いているわけです。たとえばそういった場合を含めて、政管の場合は一六・四%の補助率もあるわけですし、多少の条件は違うわけですけれども、こういうふうな負担をかぶることが大変に厳しいような共済なり健保組合なりの場合について、何らかの対応を考えておられるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○吉原政府委員 保険局長からお答えをすべきことかもしれませんが、確かに個々の組合にとっては相当の負担増になるところもあると思います。非常にその辺の事情が個々の健保組合、あるいは国保の場合ですと市町村によって違いがあるわけでございます。しかし、老人保健法の立場から言いますと、それぞれの保険者ごとの財政状況はありますけれども、少なくとも老人については一定の考え方、一定の尺度でもって拠出をしていただきたいということで決めたわけでございますし、また、そうしていただかないと、老人保健というものの運営ができないわけでございますので、私どもとしては、個々の組合あるいは市町村の状況というものはいろいろ区々であろうとは思いますけれども、老人保健法で決められた補助というものは出していただきたい。その後の組合自体あるいは健保組合自体の運営、市町村の国保の運営については、それぞれまたお考えをいただきたいというふうに思っているわけでございます。
○菅委員 この問題については予定をしていなかったので、保険局長もおられないようですので、また、もう少し具体的な形で機会を改めたいと思いますが、とにかくこの負担の増減があるわけですけれども、増加するところにおいてのいろいろな事情があるということを大臣にもぜひ御理解をいただいて、もしこれが実施される場合には、これまでの保険料でやっていけないところが幾つかできてきて、そのときに一体どうするかということもあわせてお考えをいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、もう一つ問題を移しまして、保健事業についてでありますけれども、今回の制度の中では、保健事業がある意味ではこれまでにないプラスの要素として入ってきているわけですが、この保健事業を行うに当たって、厚生省はこれまでも保健事業を相当行われてきているわけですね。既存の保健事業についての見直しが行われてきたのかどうか、もし行われたとすればどういう点について行われたのか。 つまりこういう点は一緒にしましたとか、こういう点は老人保健制度ができれば一緒にする予定ですとか、逆に、こういうところは老人保健でできるからこれはなくしますとか、保健事業についてそういう点があればそれを教えていただきたいと思います。
○大谷政府委員 先生のおっしゃる見直しという意味が私もちょっとよく理解ができないのでございますけれども、ヘルス事業につきましては何といいましても第二次大戦後新しい出発をしたわけでございまして、だんだんと時間をかけて整備してきたわけでございますけれども、まだまだ十分なことはなかなかできない。何といっても病気になってから治療をするよりはできるだけ健康増進、予防ということで健康を守っていくのが一番理想でございますが、しかし、そのためには多種類のマンパワー、いろいろな施設、設備というものが必要でございます。そういう意味で、厚生省では公衆衛生の諸事業を母子保健から学校保健あるいは青少年期の衛生あるいは壮年期の衛生あるいは老人の衛生というふうに、いろいろ長年かかって整備してきたわけでございます。昭和五十三年に国民健康づくりということで、一応生涯を通じるバランスのとれた健康づくりの体制をつくろうということで出発いたしたわけでございますけれども、何といいましても高齢化社会の到来が非常に速やかでありますために、この際さらにそれを一歩進めて、老人保健法を契機として四十歳以上の壮年期の衛生問題、保健医療というものに画期的な力を入れたい、こういうことでやっているわけでございます。 したがいまして、確かに見直しはいたしておるのでございますけれども、これはむしろ新しく強化する部分が非常に多いということでございます。
○菅委員 強化されるのは大いに結構なんです。ただ、強化が本当に生きてくるような強化でなければならないので、見直しが必要じゃないかというわけです。 たとえば、これは大臣にもぜひよくお聞きいただきたいのですけれども、保健所というものが戦後結核を中心にして、結核撲滅に非常に効果があったということは確かだと思うのです。しかし、その保健所が、現在、いわゆる成人病に対して必ずしも十分な対応ができていない。大変たくさんの法律と補助金に縛られて、いろいろな仕事はやっているんだけれども、実際上は地域の保健事業として必ずしも十分なものになっていない。特に現在、保健所の基本的な管轄は都道府県ですよね。もちろん政令都市とか東京の区の場合は特別区になっていますけれども、基本的には都道府県であって市町村にはなっていない。そのために今回の制度においても、きょう朝の、私以前の議論でも、一体そういったマンパワーをどういう形で配置するのか、保健所なのか市町村なのかという議論もありましたけれども、実際には保健所が都道府県の管轄であって市町村でないために、ばらばらになっていく。現実にもそういう状態がたくさんあるわけですね。 そういう点で、たとえば一つとして保健所のあり方をいわゆる結核中心から成人病中心に変えていく、または場合によっては、もうかなり市町村単位で保健所がある地域も多いわけですから、そういうところについては市町村に移していくといった形での見直しがぜひ今回必要なんじゃないか、そういう点についてどうですか。
○大谷政府委員 全く先生の御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、いわゆる一次の保健サービスというのはできるだけ市町村におろしていく、それから二次の専門的な保健サービスにつきましては保健所を強化してそれを補っていく、支援していく、こういうふうな形で整理を進めているわけでございます。
○菅委員 これはあえて大臣にお聞きしたいのですけれども、いま申し上げたいわゆるゼロシーリングと言われ行革と言われる中で、確かにこの老人の保健事業が進むことは国民だれもが望むところだと思うのですけれども、それがきょうの話でも、初年度はともかくとして次第にこの財源が相当大きくならなければいけないし、相当のマンパワーを必要とするときに、既存のものとの見直しを含めた整合性を持たすことが本来ならやはり同時に提案されてしかるべきじゃなかったか。 そういうことを含めて、厚生大臣にこういった問題についてのこれからの取り組みについての所見をお伺いしたいと思います。
○村山国務大臣 おっしゃる点は菅委員の御指摘のとおりでございまして、したがいまして、私たちはいわばその準備期間、基盤整備の期間を六十一年度に置いているわけでございまして、それまでの間に大体所要のマンパワーあるいは保健センターあるいは保健所、市町村、こういったところにそれぞれの施設を整備する。また、いまおっしゃった機能の見直し等も含めまして基盤整備をやっていく。そしてそれから本格的にスタートしていく。それからまた同時に、市町村によりましては、いまいろいろの事情があることを知っておりますので、市町村について一律に進捗するというような機械的なことは当面は考えていないのでございます。 しかし、やはりその基盤がしっかりしていなければだめだという御指摘はもうまさにそのとおりでございまして、われわれは、今老人保健法の最も中心的な部分でございますので、全力を挙げまして、御趣旨に沿うようにしたいと思っております。
○菅委員 一応、私予定していた質問が、ほぼ時間もなくなってまいりましたので終わりにしたいと思いますけれども、今回の老人保健法に関してきょうから野党の質問が始まったわけですけれども、やはり財政的な要求に押されてといいましょうか、かなり無理がある、構造的にも非常に無理がある感じが率直に言ってするわけです。それから、先ほど言いましたように目玉である保健事業についても、今回はたしか八十五億円程度の予算ですから、まだそれほど大きな——増加の予算ということでしょうか、これは。ですから、それほど大きな予算規模ということにはなっていないようですけれども、これから先推し進めるには、本来ならもっと相当に準備があってこういう制度をスタートさせることが必要だというふうに私は感じるわけです。 そういった点で、厚生省においてもこの法案を全般的にもう一回この段階で、ある部分的にしろ全般的にしろ見直すことができるかどうか、この審議を含めて、ぜひ御検討いただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○山下委員長 柿澤弘治君。
○柿澤委員 短い時間ですが、老人保健法案について質疑の時間を与えていただきましたので、質問をいたしたいと思います。 いま菅委員の質疑にもございましたけれども、一つの問題は、この法案の中での保険者拠出金の案分率二分の一というのを二分の一で固定化すべきじゃないか。政令でそれが自由に動くようになっているところが恣意的に扱われないかという心配が各方面でもあるわけでございます。そういう点で、菅委員からはむしろ二分の一以下というのを削除すべきじゃないかという議論がありましたけれども、たとえこの条文を残すにしても、いまの厚生省の御意見を聞いておりますと、これは恣意的に動かすものではない、今後の加入者構造なり雇用構造なりを反映して必要な場合に限るということをおっしゃっているわけですけれども、そうであれば、財政的な理由でこれを動かすことはいたしません、しかも当分の間は二分の一でやりたいと思います、こういうことをこの場で大臣から御答弁をいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
○村山国務大臣 先ほども政府委員から答弁がありましたように、自動的に調整できる面もありますが、何しろウエートが二分の一ということに決まっておりますので、その間限界があるわけでございます。ごく簡単に申しますと、たとえば国保の方に老人がうんとふえてしまって、そのためにどうしてもウエートを少し動かさにゃならぬというような場合を考慮しての話でございます。しかし、あくまでも当分は、当分というかいまのところは二分の一でございますので、慎重にやるわけでございますので、この弾力条項は認めていただきたいという気持ちでございます。
○柿澤委員 当分は二分の一で運用したいという御答弁と伺ってよろしゅうございますか。
○村山国務大臣 そのつもりでございます。
○柿澤委員 ありがとうございました。 それから、この法案が保健事業その他の面で老人の健康管理、健康水準の向上のためにさまざまな施策を盛り込まれている点は、私も評価をしたいと思っております。それと同時に、これが医療費のむだ遣いの是正のために、医療費の適正化のために役立つ制度になってほしい、これもわれわれの願いであろうと思うわけです。その点では、先ほどレセプトの審査の問題で実は菅委員からもお話がありましたけれども、どうも関心項目が非常に似ておりまして、これなら私も新自連を飛び出す必要はなかったのではないかと思うくらい大変似ているのですけれども、制度を変えるということでなくて、先ほどちょっと審議官からも御説明がありましたが、医療機関から審査支払い機関にレセプトが回ってきたときに、これを市町村と同時に保険者の方へコピーを送って、同時審査をすることは不可能なんだろうか。その辺は枚数、費用等、試算をして、むずかしいというお話のようですけれども、もう一回その辺の試算を御説明いただきたいと思います。
○吉原政府委員 先ほど申し上げましたように、老人医療についてのレセプトの枚数は、対象者は現在六百七十万人くらいでございますが、レセプトの枚数にいたしますと年間約一億枚になる。レセプトの一枚当たりの単価は約三十円でございます。したがいまして、費用としては約三十億円余計に事務費がかかる。費用の事務費のこともさることながら、実際問題として、社会保険診療報酬支払基金で一億枚にも上るようなレセプトを全部コピーをとって、市町村と保険者と両方に渡すということはなかなかできない。実は私どもも、厚生省としてはそういうことができないかということで考えたわけでございます。基金とも相談をしたわけでございますが、基金としては、いますぐそれをやれと言われても無理だということで、将来コンピューターを入れるなりなんなりして機械化が進んだならば、それにかわるような、実質的にレセプトを両方に送るようなことができる。それまでは、先ほどから申し上げましたような、一応一枚のレセプトを市町村から保険者へというようなルートで当面はやっていかせていただきたいということにしたわけでございます。
○柿澤委員 いまの御質問に対するお答えの中で費用の試算というのがありませんでしたけれども、どのくらいかかるものでしょうか。
○吉原政府委員 三十億円でございます。
○柿澤委員 老人医療関係の医療費だけでも二兆円と言われているわけですね。その中で老人に関する医療費ですから、いろいろな意味で老人は多方面にわたっての疾病を持っている場合が多い。そういうものの陰に隠れての不正請求というものも、当然一般の診療よりも多いということが考えられる。だとすれば、一割節約されても二千億円、一%でも二百億円の節約ができるわけですね。三十億円と一%節約した場合の二百億円との費用効果分析から見ても、そのくらいのことはやるべきじゃないのか。それができないで医療費の適正化というのが本当に進むのだろうか。その辺に取り組む姿勢というものに私どもいささか疑問を感ずるわけですけれども、大臣、いかがでしょう。
○村山国務大臣 先ほども答えましたけれども、よく検討させていただきます。そしてまた、適正化については、それだけではなくて、あらゆる方法を考えてみたいと思っております。
○柿澤委員 これは老人医療費問題だけではありませんけれども、健康保険関係の医療費の支払いについて、いま審議官からもちょっとお話がありました、コンピューター処理というのがどうしても必要だろうと私は思うのです。これにつきましては、西ドイツではもうすでに導入をされていて、コンピューター処理によって、不適正な請求があった場合には自動的にそれをはじき出すことができるというような自動チェックシステムを、コンピューター処理ができればある程度考えられる。その意味では、わが国でもこれだけ情報化社会が進んだ状態で、西ドイツより日本の方がコンピューター等の導入は進んでいるわけですから、医療費の支払い関係についてコンピューターの導入を、少なくとも老人医療担当機関の部分からだけでも先駆的に導入が考えられないものか、その辺については検討されたんでしょうか。
○大和田政府委員 実は先生おっしゃいましたようなことにつきまして、私どももこの西独を見まして、これは何とかコンピューターを支払基金の審査に導入をしたいということで、つい最近、西独に職員を派遣をして、レセプトチェックのコンピューター導入の状況等について研究をしてまいったわけでございます。西独におきましては総額請負方式でございますけれども、点数表ということでは日本によく似ているという面がございますので、これの西独におきますコンピューター管理の状況等十分研究いたしまして、できるだけ早くこれは採用していきたいというふうに考えておるところでございます。
○柿澤委員 いよいよ勉強を始めた段階だということでございますけれども、この点についてはぜひ早急に採用方をお願いしたいと思うのです。課税の面でも、グリーンカードという形でコンピューターが導入されて、それが総合課税について大きな効果を発揮しようとしている。効果が上がり過ぎて問題が起こるというようなことさえ出ているわけで、その点で、これだけ大量の事務を処理しなければならない医療費の支払いについて、いままでコンピューター処理の問題について十分な検討がされていなかったということ自体が、私は厚生行政としてかなり怠慢だったんじゃないだろうかという気がしてならないわけでございます。 コンピューター処理するためには、聞くところによりますと、いまのような細かい点数表ではなかなかむずかしい、インプットが非常に複雑になるということも言われておりますので、その点では、いまの細かい点数表を前提にした出来高払い方式というものも、その機会に抜本的に見直していかなければならないかもしれません。そういう意味で、近代的な、合理的な監査システムを含んだコンピューター処理システムというものをぜひとも御検討いただきたい。 その点について、たとえば五十七年度予算において少なくとも事務費を取って、プロジェクトチームをスタートさせるというくらいの意気込みが必要だと思いますけれども、その辺いかがでしょう。
○大和田政府委員 先ほど私、西独に派遣いたしましたのが最近だと申しましたので、ちょっと検討が遅いじゃないかというお話ですが、実はもう今年度から検討自身は入っております。もうその支払基金の事務費の中で予算を計上いたしまして、いわゆるプロジェクトチームをつくって検討いたしておりまして、五十七年度から試行的にやってみたい、そこまでいま進めてきておるわけでございます。われわれも、ひとつできるだけそれによって成功させていきたいというような心組みで、いま取り組んでおるところでございます。
○柿澤委員 もう時間が参りましたので、大臣から、そうした医療費支払い制度の抜本的な改革についての御意見といいますか、取り組み方のお話を伺って、終わりにしたいと思います。
○村山国務大臣 しばしば申しましたように、私はやはりこの問題は患者と医者の信頼関係が基礎でございますが、それだけにまた、もし不正をやるというような者に対しては厳正に処理を進める、そのためのコンピューターシステムということは絶対に必要であると思っておるわけでございまして、できるだけ早急に研究を急ぎ、また必要な財源もつけまして所期の目的を果たしたい、かように思っております。
○柿澤委員 終わります。
○山下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十八分散会